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75回国会参議院1975/03/27

建設委員会 第8号

発言数
202
登壇者
19
会派数
4
開催日
1975/03/27

会議録

小野明日本社会党

○委員長(小野明君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  奄美群島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 奄美群島振興開発特別措置法に対して質問するわけですが、ありていに言って、私まだこの奄美群島なるものに行ったことがないので、非常にまあ質問をすると言っても、自分の脳裏にここはこうだ、ああだというような情景を描けないので、非常に珍問になる面もあると思いますが、そういう意味を踏まえて御答弁願いたいと思います。  そこで、奄美群島もやはり沖繩と同じように、年月の差こそあれ異民族の支配を受けたと、こういう面については同じような境遇と宿命を背負っておったと思うのですね。かつまた歴史的ないろいろな問題もあるわけでありますが、立地条件からいっても日本本土より非常に離れておると、こういう利便の問題もあります。そういうことで、一部には復帰がおくれた沖繩の方が先に進んでいるんじゃないかと、奄美、小笠原は取り残されておるんじゃないかと、こういうような声も聞くわけです。で、私は沖繩は進んでおるからいかぬとかそういう意味じゃありません。しかもまあ異民族の支配下が長かった関係上、これはもう私はそれをブレーキかけるという気持ちは毛頭ありません。それはそれなりに結構ですが、一部にやはり奄美の方がおくれているんだと、こういうような感じを抱く者も、当該島民としてはそういう感じを持っているかもわかりません、これは率直に言ってですね。そういうことなので、現状は一体行政水準なり生活水準というものは、あとの補助とかそういういろいろなものを入れて、沖繩と奄美がどういう差が出ておるのか、国土庁の方から知っておる範囲で明らかにしていただきたいと、こう思うわけです。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○政府委員(近藤隆之君) 確かに先生の御指摘のように、沖繩と違いまして奄美の場合は、その立地条件が作用した関係でございましょうか、米軍統治下におきましてほとんど投資らしい投資が行われておりません。非常に荒廃した形でわが国に復帰したわけでございます。  ちなみに復帰時の昭和二十八年の奄美の一人当たりの郡民所得を国に対して比較してみますと、国を一〇〇といたしますと二八・三%というような非常に低い状況でございます。ちなみに昭和九年から十一年までの戦前は四二・四%あったわけでございますが、これが格段と落ち込んでしまったという形で復帰してきたわけでございます。したがいまして、これを戦前のわが国の水準まで持っていこうということで、十年の復興計画を組んで復興に努力したわけでございます。で、一応十年たちましてその目標は達したわけでございますけれども、なお国との間に非常に格差があるということで、引き続き十年の振興計画という時代を迎えたわけでございます。四十八年に一応その期限も終わったわけでございますけれども、なお国との格差というものが相当あるということで、さらに五カ年振興開発計画によりまして振興開発を図ろうということになっておるわけでございまして、現時点におきまして沖繩と比較いたしましてもあらゆる面におきまして相当格差があることは事実でございます。まあわれわれこの振興開発計画を推進することによりまして、沖繩との格差ないし日本本土との格差というものを漸次縮めていこうということで努力しておるところでございます。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 まあ、本土と比較して相当の所得格差といいますか、いろいろな格差があると、こういうことはまあわれわれもこれは承知しておるわけですが、最近の傾向はどうですか。所属しておる県は鹿児島県ですが、鹿児島県も人口がこれはふえておらぬですね、減っておる県なんですよ。これは出生率が下がったのじゃなく、秋田県と同じようにやはり県外に人口が流出すると、こういう宿命を負っているわけですね。人口流出県の方では、しりの方から見たならば、秋田、鹿児島、これは多いわけですね。したがって、奄美群島もそういう県であるし、しかも奄美群島の人口の流出というのはどうなっていますか、まあ減になっておると思いますが、どういうカーブを描いておるわけですか。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○政府委員(近藤隆之君) 奄美群島の人口でございますが、昭和五年当時約二十万の人口があったわけでございます。昭和十五年には十八万、それから戦後でございますが、昭和二十三年には二十二万、これをピークといたしまして、昭和二十五年二十一万、昭和三十年二十万と漸次減ってまいりまして、その後は昭和三十五年十九万、昭和四十年十八万、昭和四十五年十六万、そして四十八年には十五万六千人というような形で急激な人口流出をしております。さらに細かく見てみますと、若干ずつでも人口が伸びておるのは名瀬市だけでございまして、そのほかの十三町村ございますが、そのうちの奄美空港がある笠利町と、それから与論島を除きましてはすべて過疎団体に指定されておるという状況でございます。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 ということは、まあ皆さんいろいろな計画を立てられて、鹿児島県との格差、さらには本土との格差、これを縮小するためにいろいろな行政上の努力をなされておることはこれはもうわかります。わかりますが、まだやはりその行政というものが、人口が安定すると、流出しないと、こういうところまではつながっておりませんね。依然としてやはりこの流出の傾向というものはカーブの差は別としても続いておると、こういうことでありますから、これは一層力を入れて、やはり本土との格差の是正に国土庁は全力を挙げるべきだ、その必要性もまさにあると、こういうことを裏打ちしていると思うのです。  そこで、自治省の方がちょっと忙しいようですから、他の委員会との関係もあるようですから、最初お聞きしますが、冒頭にぼくが言ったように、やはり沖繩の方が先行しておる面もあると、こういうことを肯定されたわけですが、これはまあそれなりに結構ですよ。しかし、沖繩に準ずるようにこれはしなくちゃならぬと思いますが、行政上の補助の率ですね。こういうものと奄美との差は恐らくないと思うのですが、なくしたと思うのですが、そういう差があるかどうかということと、それと、何といっても、沖繩もそうでありますが、奄美も幾多の群島に分かれて非常に立地条件が海路に頼らざるを得ないと、こういうことで物価も一割程度本土より高いだろうと、こういうことが言われたわけですし、行政水準も非常に立ちおくれておると、こういうことでありますから、自治省としては、そういうおくれを取り戻すためにどういう努力をしておるのか。もちろんこの法律の所管が国土庁になったわけでありますが、国土庁サイドだけでこれはできないわけですね。これは大島つむぎの通産の問題もあるだろうし、まあ地方行政の水準を上げると、あるいは特交とか交付金とかこういうものもあるので、各省それぞれのサイドで努力をしなければ奄美群島が本土に近づくことに相ならぬと思うのですね。そういう意味で自治省としては特交等についてどういうような考慮を払っておるか、この点をまずお聞きしたいと思います。

石原信雄自治省財政局財政課長

○説明員(石原信雄君) 奄美群島の特別措置法におきましては、それぞれ補助率、負担率について特例が定められております。これにつきましては、沖繩の特例措置との間に時期的なずれ、あるいは気候風土の差等で全く同じではありません。若干の差があることは事実であります。私どもはそういったことも念頭に置きながら、奄美大島に限らず離島、辺地の自治体におきましては、一般的な行政経費の割り高傾向、あるいはその地域の振興を図るための、産業振興のための特殊財政需要と、こういったものを特別交付税の配分あるいは地方債の配分等においてできるだけ考慮を払っていくつもりであります。  なお、普通交付税の関係につきましても、こういった離島性、僻地性というものの行政上いろんな影響もできるだけ把握するように努めております。しかし、地方税の画一性から必ずしも十分でないという面がありますので、ただいま申し上げましたように、特別交付税につきましてはこれをさらに補完するような配慮をいたしておるところでございます。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 これは答弁要りませんが、冒頭に言ったように、沖繩に取り残されるんじゃないかという島民の素朴な感情もあるし、年月の長短は別としてもやはり異民族の支配を受けたと、こういう共通の宿命を背負っておるんで、やはり自治省としても沖繩の水準に近づけて、沖繩ともどもやはり本土の水準に近づけるように特段の御努力を願いたい、こういうことを希望として申し添えておきます。自治省結構です。  そこで、いろいろな年度計画をつくってやろうとしておるわけですが、やはり何といっても立地条件に制約されるということはこれは否めないと思うんですね。そういうことなんで、今後の奄美群島の振興、特に人口の流出を防ぐと、そういうことと、あらゆる水準をこれは本土並みに近づけていくと、こういうことは努力されておるわけですが、人口の流出を見てもまだ軌道には乗っておらぬと、こういうことが率直に言えるわけで、したがって、ただ漠然と何とか沖繩の振興開発計画をつくると言っても、やはり何を重点にするのか、何が実効が上がるのか、目標を定めなければこれはいかぬと思いますね。国土庁がつくっておる諸計画をこう、ずっと見てみますが、非常にうれしいことを書いておるわけでありますが、これはにわかに一年、二年のうちに軌道に乗るとは考えられません。こういうものをつくることは結構ですよ。したがって、どういう点に開発とそうして所得格差を減少するという力点を置くのか、この点についてかいつまんで一応国土庁の見解を伺いたいと思うんです。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○政府委員(近藤隆之君) 昭和四十九年から五十三年までの振興開発計画の基本的な考え方といたしまして、第一点が「明るく住みよい地域社会の実現」ということで、「交通体系の整備、生活環境の整備、国土の保全、社会福祉の拡充、医療対策の強化、教育文化の振興等を図り、」ということになっております。第二点は「地域の特性を生かした産業の振興」ということで、「亜熱帯の自然的特性を生かした農林漁業、特産の大島紬業その他地場産業の振興を図り、」ということになっております。第三点は「自然を基調とする海洋性レクリエーション地帯の形成」ということで、「亜熱帯性、海洋性の美しい自然と特色のある文化を生かし、他産業との調整を図りつつ、増大する国民の余暇需要に対応するレクリエーション地帯の形成を促進する。」ということになっております。  したがいまして、郡民の所得を上げるというための産業の振興といたしましては、まず第一に地場産業、伝統産業でございますところの大島つむぎの振興、それからサトウキビの振興、それから美しい自然を生かしたところの観光の振興、そういった点が中心になってくるわけでございます。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 第一に挙げられておるように、やはり交通の整備ですね、海路によらなければなりませんが、そこでこの立地条件をここへ引っ張ってくることにはこれはならぬわけですね。これはもうしようがない、地球の成因がそうなったのでですね。そこで、少なくともその利便というものを何とか図らなくちゃならぬと、こういうことになりますと、島民の間から、船舶ですね、これはまあ荷物を含めて、人間の往来を含めて、これもかなりな額の負担になっておるわけですね。所得水準は低い、しかも立地条件が悪い、物価が高い、こういうことですから、一挙に全部これを解決するといってもこれはむずかしいと思いますね。そこで、島民の間から、奄美群島の方々から現在のこの民航船ですね、これを国鉄化といいますか、公が何といいますか経営する定期的な便にしてほしいと、こういうような熾烈な要望があるわけですね。たとえば北海道と本土との間、これは青函あり、四国と本土の間は宇高がありというように、そこに人口が少ないから、そこに生まれたんだから少しぐらい高くともまあ民航でいいだろうという、そういう見方もあるでしょう。  しかし、少なくとも国の行政というものは、不便なところにおる者はやはり便利な者と同じような方向に平等化していく、努力するというところにやはり政治と行政の存在があると思うんですね。人口が少ないからがまんせい、そういう島だからがまんせいという、宿命ということに対して唯々諾々としてそれを容認するんじゃこれは政治じゃないと思うんですね。そういうことでありますから、国土庁としてもそういう島民の熾烈な願望、熾烈な願いというものに対してどう考えるのか。さらにはまた、これは運輸省の方でも、そういう島民の要望があるということ、これは知っていると思いますから、これに対してどう考えるのか、まずお聞きしたいと思うんです。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○政府委員(近藤隆之君) 奄美群島は本土から隔絶しておりまして、物資、旅客の輸送すべて船に頼っておるわけでございまして、船の運賃の問題は非常に大きな問題でございまして、昨年の地方行政委員会における附帯決議におきましても、「本土・奄美・沖繩を連結する海上輸送体制の合理化を図り、国鉄運賃並みの輸送費が実現するよう必要な措置並びに国鉄航路の開設について検討すること。」というような附帯決議がつけられておりまして、政府としては宿題を持っておるわけでございます。この問題は運輸省専管の問題でございますが、まあ奄美の振興ということを図っていく立場から国土庁といたしましても重大な関心を持っておるわけでございまして、政府部内におきまして、この附帯決議の趣旨を受けまして、現在なお慎重に検討しておるという段階でございます。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 大臣、まあ国務大臣ですから、船のことまであなたの所管じゃないと思うが、国務大臣として、特にまあ国土庁で、法律の所管は金丸大臣の方ですから、一応大臣としても、そういう離島、しかもいろいろな歴史的な宿命を持ってきたこういう奄美、沖繩ですね、こういうところについて、まあ国鉄化という表現で現地で呼ばれておるようですが、少なくとも公の営利採算じゃないそういう足を確保すると、こういうことはやっぱり島民として当然の要求だと思うんですね。やはり政治もそこに気を配らなくちゃいかぬと思いますね。そういうことだから、附帯決議もこれあり、これはやっぱり大臣としても、大臣がやめられても国土庁の見解としてこれをやはり主張していかなくちゃいかぬと思いますね。その点について御見解をお聞きしたいと思うんです。

金丸信自由民主党国土庁長官

○国務大臣(金丸信君) 先生のただいまのお話、私もまさに同感であります。附帯決議のあることでありますし、これを十分に推進するために今後運輸省と十分話し合いながら、できるだけ早い機会にこういう問題を解決してまいりたい、こう考えております。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 次に、道路ですが、去年の十一月の十二日ですか、政令によって島民が待望しておったところの国道昇格が九十キロぐらいですかできて、非常に島民としても感謝しています。これは率直によかったと、待望であったということで非常に感謝をしておるわけですが、しかし、この九十キロの縦断する道路が一般国道に昇格になったということだけで島内の交通事情が一〇〇%解消した、こういうことにはならぬと思います、もともとおくれておるわけですから。というのは、いま内地の国道というのはほとんど舗装が終わっているのですよ、名前の変更だけですよ、これはね。ところが、ここは一車線が相当膨大にあるでしょう、国道に昇格したところですら。言うなれば内地の町村道というものに国道という名前をつけた程度のものですよね。国道に昇格する道路においてさえこういう状況ですから、まあ現在ある町村道というのは、これは道路と名づけていいかどうか、昔の街道のようなものですね、これが現況だと思うんですね。そこで、国道に縦貫しておる道路が九十キロ昇格されたことはこれは結構だが、それだけでは全島民の利便ということにはならぬわけですし、道路構造、道路水準のやはり本土並みということにはまだまだほど遠いということになるわけです。  そこで、島内の各町村の町村長さん、あるいは町村長さん方が集まって、やはり島内にあるいまの国道に昇格した以外の道路も主要地方道にしてほしい、こういう要請があるわけです。まあぼくは余り地名はわかりませんが、どう読むのかわかりませんが、湯湾−思勝−名瀬線、湯湾−久慈−瀬戸内線、徳之島循環線、沖永良部島循環線、喜界島循環線、与論島循環線、浦−秋名−名瀬線、佐仁−万屋−赤木名線、こういうものをこれは一挙というわけにはいかぬけれども主要地方道に編入してほしい、こういう要望があるわけで、もちろん道路局としてもこれはまあ日本全国の道路ですから、これはやはり行政の不平等にならぬように、行政格差がつかぬような配慮はもちろん一面においては必要だということはわかります。しかしながら、これはもともとおくれておるわけですから、でありますから、これは差がつくということはないのですね、進み過ぎるということはないと思います。おくれ過ぎておるわけだ、現状が。こういうことだから井上さん、どうですか。やはり相当ピッチを上げてこれの昇格を進めて整備していく必要がある。少なくとも国道昇格の道路が完全に道路構造がなるまでにはやはり重立ったこういうところもあわせて並行して整備できる、こういうことがやっぱり島民の強い要望だと思いますが、いかがですか。

井上孝建設省道路局長

○政府委員(井上孝君) 奄美群島の道路整備につきましては、従来県道の二本だけを建設省が所管いたしまして整備を進めてまいりました。その他の県道、市町村道は、四十八年までは自治省所管でいわゆる奄美振興開発事業としてやられておったわけでございます。その二路線の県道のうち一路線が今般国道に昇格したわけでございます。こういう事情にございます。したがいまして、四十九年度からはすべて建設省の道路整備特別会計の中で全国的な視野から整備を進めるということになったわけでございます。御指摘のとおり、どういういきさつと申しますか、非常に奄美は本土に比べて道路整備がおくれております。また、先生御指摘のように今回国道になりました道路も整備済み、改良済みと統計上なっておりましても、一車線しかないというような規格の低い整備を進めてきた事情もございますので、今回の国道昇格を機会に、この路線につきましては本土の国道と同じ考え方で整備を進めてまいりたいと思います。現在この国道に昇格しました路線は改良率九五%という非常に高い率で数字が出ておりますが、実態は本土並みの規格で考えますと、わずかに四〇%というように低い整備率でございますので、本土並みの規格で、しかも早く本土並みになるように整備を促進したいと思います。  それから国道以外の県道につきましても、本土と比べますと整備率が非常に劣っております。これにつきましても道路整備五カ年計画の中で整備を進め、特に県道につきましては昭和五十二年度までに改良舗装を本土並みの率に引き上げる、それから市町村道につきましても著しく本土の整備率からおくれておりますので、幹線的なものを選びまして、昭和六十年度までにそれらの整備を完了したいという目標でこれから整備を進めていきたいと思います。  それから御指摘の県道の幹線的なものの主要地方道の昇格でございますが、御承知のように昨年末国道昇格を全国的にいたしました。その結果、主として主要地方道から国道に昇格させましたので、主要地方道の延長がむしろ国道より減っておるというような偏った形になっております。実は昭和五十年度に入りましたならば、適当な機会に各県からいろいろ御要望を伺いまして、五十年度中に主要地方道の追加指定をいたしたいというふうに考えております。御指摘の七路線につきましては、いずれも大島を初めそれぞれの島の外周を循環する重要路線でありますので、その際、主要地方道の指定に際しまして十分検討して、重要なものから選定をして指定してまいりたいというふうに考えております。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 局長は奄美大島の道路を見たことがありますか。私はありませんので……。

井上孝建設省道路局長

○政府委員(井上孝君) 昨年道路局長に就任いたしましたばかりでございまして、まだ一度も行っておりません。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 まあ、見てきたならば、しかも道路の最高責任者だから、これ以上言わなくとも何を私が言わんとしておるか、島民が何を願っているかわかると思いますので、道路のことについてはこれでやめます。  そこで、ついでに建設省の方にもう一点お伺いするわけですが、やはり既存の産業ですね、島の事情に合った既存の産業を伸ばしたい、レジャーとか、いろいろの漁港を整備して漁場開拓もあるわけですが、何といっても島の人口が流出するという原因は、もちろん所得水準が低い、便利じゃない、いろいろな文化施設とか行政水準もおくれておる、もろもろの原因があると思いますが、適当なやはり雇用の機会がない、こういう点がやっぱり決定的な人口流出の私はポイントになっていると思うんですよ。原因になっていると思うんですよ。そういうことで、やはり何らかの農業とか漁業とかそういう一次産業以外のやはり産業というものが——つむぎもありますよ、つむぎのことは後で述べますが、もうちょっとやっぱり拡大したような新しい労働力集約型の産業というものがこれは必要じゃないかなあと、私は見たことがありませんので、こう考えざるを得ないわけです。そこで、そうなりますと、公害企業はこれは真っ平御免ですが、ある程度の工業用水というものも必要じゃないかと思いますね。そこで、生活用水はこれは間に合っているようですね、比較的雨量の多いところでございますから。ため池とかそういうものもあるようです、これは地図を見ますと。生活用水も間に合っておる。そこで、島内のどこかに——これは与論島のようなサンゴ礁じゃだめですね、そうじゃないところに、ある一定限度の工業用水等を確保できるような立地条件にあるかどうかと、そういうものを調査してみたことがあるのかどうか。これは河川局の方でも国土庁の方でもどっちでもいいですから、ぼくはわからぬもんだから、一応そういう理解と知識も得ておきながら質問しなくちゃこれはちぐはぐになるのであえて聞きたいわけです。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○政府委員(近藤隆之君) 奄美は本土から相当離れた遠隔地にある離島でございまして、水資源の確保というのは基本的な問題かと思います。で、いま先生御指摘のようにこれまでの若干ダムはございますけれども、農業用水ダム及び名瀬市の水道用水を確保するためのダムといったような程度のもので、工業用水を確保するようなダムというものはいまはございません。また、計画も現段階ではございません。奄美の復興の現状からいたしまして、現在は道路、港湾、漁港等の整備ということが急務でございまして、そういったものが整備されてまいりますにつれて漸次新しい企業というものもそこに張りついてくることかと思います。まあ一、二機械工業等が立地しておる事例はございますけれども、現在の段階におきましてはまだそこまでいっておらないわけでございます。奄美大島の本島などは相当の面積もございまして、地形も複雑でございまして、ダム地点ないわけではないと思いますが、今後地元と十分相談しながら、そういった面の調査も進めてまいりたいと思います。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 ある程度のやっぱり工業ということになりますと、いま現在どうかは別として、将来そういう必要の可能性も出てくるかもわかりませんね。そのときになってダムサイトがあるかないかと調査をしても、これは計画に間に合わぬということになるわけですから、一応そういう点も基礎的にやっぱり調査を進めるべきだと思いますね。そういう方向のようですから結構だと思いますが、さらに鋭意それを続けてほしいと思いますね。  そこで、これは何と読みますか、枝手久島と読みますか、技手久島でいいんですね。ここに東燃の石油基地といいますか、製油所といいますか、こういうものが進出する。こういうことで群島を挙げてのやはりそれぞれの運動が起こっておる。これは新聞等で私も承知でありますが、枝手久島の宇検村ですね、ここは自分のところに石油基地が来るわけだから、どういう議論でこうなったかわかりませんが、まあいいだろうという、やや賛意を表しておる。ところが、他の町村は、少なくとも自然が売り物の奄美大島に、こういう一歩間違うと海を汚濁させる——現に水島の三菱石油が問題を起こしておるわけでありますが、この以前に、こういうものでもし海洋が汚染されたらこれは大変なことになると、もうこれは島を投げなくちゃならぬと。これは本土であるならば就職の機会もあるわけですが、ここが、海が汚されて一枚看板の自然が壊れたということになると、十五万の島民が島を捨ててどこにも行くところがないわけですね。それだけやはり真剣に対処しておると思うのですね。これはわかるような気がしますよね。そういうことで、あとの周辺町村は全部議会等において決議をしているわけだ、これは反対だと。こういうことになっておるわけなんで、一体これはその後どうなっていますか、かなりこれは前のことでありますが。目下これはやはり着々進行しようとして県当局とかどこか努力しておるのかどうか。これは努力するのは、変に島民の感情を逆なでするような努力で好ましい努力じゃないと思うのだけれども、通産省来ていますか、どうなっていますか。

松村克之資源エネルギー庁石油部精製流通課長

○説明員(松村克之君) 東燃の枝手久島の進出計画につきましては、先生いまお話がございましたように、四十八年ごろから東燃が宇検村に対して石油精製の立地をしたいので調査を行いたいという旨の申し入れをいたしたわけでございます。これに対して地元の宇検村では、過疎化が進行している折でもあり、必ずしも東燃ということでなく、石油精製工場などの企業誘致について検討したいということを回答したわけでございます。その後、先生お話のございましたように、各市町村におきましていろいろ議論、検討がなされているわけでございますけれども、現在の段階といたしましては、四十九年——昨年の五月だったと思いますが、県の大島郡の市町村議会等で、東燃の枝手久島問題についてはひとつ県が中心となって公正な機関による調査をしてほしい、こういうような決議があったようでございます。その後、県議会におきましては、いろいろ検討の結果、県が調査をするということを決め、補正予算も可決いたしております。しかしながら、現在までのところ、私どもが伺っております限りでは、さらに地元との問題等があって、県の調査についてもまだ実施の段階に至っていないというふうに聞いておりますわけでございます。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 当初は海洋等に影響があるのかどうか、これを引き受けようとしておる宇検村が調査をすると。こういう意向のようであったわけですが、周辺町村が、受け入れオーケーというところが調査したって、これはもう結果が、結論が初めからわかっておるようなもので、そんなものには信用がおけないと、こういう住民の——まあ住民というか群島の島民の感情があって、県でやると、県で調査をすると、こういうことになったやに聞いておるわけです。それに対してもやはり群島の島民としては、従来まあ全部のというわけじゃありませんが、どうしても誘致したいとか、産業側に偏るとか、こういうことで、果たして自分が期待するような結果が出るかどうかは多分に疑問があるという不信感が介在しておるわけですね。そういうことでありますから、やはり何といっても影響を受けるのは奄美群島全体の島民だと思うんですね。これの意向を無視した製油所の建設は私はあり得ないと思うんですよね。そういうことでありますから、通産省としてはこの点をどう考えるのか。ただ単に法律上、手続上の手順さえきちんとなれば、住民の意向がどうであろうがこれを認可、許可するのか、ここが私は大変な重要な問題だと思いますので、エネルギー庁の考えはどうですか。

松村克之資源エネルギー庁石油部精製流通課長

○説明員(松村克之君) 石油精製工場の建設につきましては、石油業法の認可が必要なわけでございますけれども、この認可に当たりましては地元の意向というものを十分に尊重して実施していくというたてまえでございます。特に枝手久島の問題につきましては、奄美大島という一つの島の問題でございますから、当該の村だけでなくて、やはり島全体の意向というものを十分県等からも伺って判断をしてまいりたいと、こういうふうに考えております。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 県がまあいいだろうと、調査の結果。こういうことになると、当該の村は、これは初めから内部にはいろいろ問題があるようですが、町長さんとしてはいいだろうと、こういうことになった場合、まああなた、何というか、やはり群島全体の問題だと、そこの意向というものは許認可を与える際の重要な考慮の一つになると、こういうことを言っているので、いまあなたの答弁からすると、宇検村ですかがオーケーと、県もまあ大体いいだろうと、こういう場合、やはり群島全体の町村の意向というものを無視したことをやらぬというふうに私は答弁として解釈できるわけですが、どうですか。

松村克之資源エネルギー庁石油部精製流通課長

○説明員(松村克之君) おっしゃるとおりでございます。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 これは当然だと思うんです。そこで、国土庁長官、いまの通産省の答弁もあったわけですが、これは国土庁としてもこれからやはり群島の所得格差を縮めていこうと、本土並みにしようと、売り物が自然だと、こういうことを言っておりますから、これは当然国務大臣として、あなたもこれはもう圏外の問題じゃないんですよね。したがって、これはやはり環境庁、さらには国土庁、通産省、これは完全の合意のもとになされなければ、皆さんがいまお進めしておるところの、計画しておるところも、これは大変将来の問題としては重要な問題になりかねない一つの可能性のある問題ですから、この点に対する御見解をお聞きしたいと思うんです。

金丸信自由民主党国土庁長官

○国務大臣(金丸信君) 私も四十八年に建設大臣当時奄美大島を視察いたしたんですが、その当時からこの問題について賛否両論があったようでございますが、ことに反対陳情も私は受けまして、このサンゴ礁、きれいな海、こういうところに、石油基地というものが建設されるというような問題について私自体も考えさせられたわけでございますが、現状においては、調査をするという鹿児島の県の考えのようでございますが、県の考え自体もまだそれはどうだということじゃなく、全く白紙のようでございます。しかし、これを建設するしないも地元住民のこれは判断によって決めるべきものであって、強引にこんなことを決めるべきじゃないと、こう私は考えております。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 次に、水産庁にお伺いしますが、奄美群島が海洋の中にあるので、さぞや漁業というものが盛んだろうと、こういう想像をしておったわけだ、私は。ところが、いろいろな島民性の問題もあるでしょうし、漁港の関係もこれあるでしょうが、余り漁業というものは活発じゃなかったと、こういう現状だそうですね。そこで、やはり将来本土との所得格差を縮小すると、こういうことになりますと、一つの産業とか一つの手法だけではこれはなかなか所得格差が是正できないと思いますね。したがって、可能性のあるものはどんどん開発していく、県民所得を上げるためならばですね、これはまあ当然考えられると思うんです。そこで、これは遠洋はちょっと考えられませんが、近海漁業としてやはり漁場開拓の余地があるのかどうか、あるならばどういう魚種なのか、こういう面はどうですか、私わからないのでお聞きしたいと思うんです。

矢野照重水産庁漁港部長

○説明員(矢野照重君) 現在、奄美周辺の漁業につきましては確かにおくれておりまして、今後、遠洋、沖合い等は別としまして、沿岸漁業につきましては相当の振興を図る必要があるというふうに考えております。それで、現在第二次沿岸構造改善事業におきまして、この周辺の屋久、種まで含めまして、全国百八地域の中の一つとして、実は五十一年度から調査にかかりまして、五十二年からそれぞれ必要な事業を実施するということで計画しておりますが、その間の暫定措置といたしまして、五十一年度にかけまして、トコブシ、イセエビ等を対象にしまして、つきいそ漁業、あるいはタイ、アジ、サバ等を対象といたしまして並み型魚礁あるいは大型魚礁と、こういうふうなものをとりあえず事業規模にいたしまして二千八百万、約三千万近くの事業費をもちまして振興を図っていきたい、こういうことで現在やる計画でおります。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 近海漁業の場合は、大量生産、大漁ですね、多くとれることがすなわち所得の増大と、こうつながっていかぬわけですね。これは資本主義経済の流通機構ですから需要と供給の関係で市場が暴落するというのは当然の帰結ですが、そこでやはり安定的な、漁業からの収入を安定させるためには、それに対する付属施設が必要ですね。漁場の開拓も結構、漁船も結構ですが、冷凍設備がなければこれはだめなんですよ。季節にとれる魚というものは、たとえば北の方ですが、青森県のイカなんかも、とれたとき一挙に放出したら箱代にもならぬようなことになるわけだから、これは冷凍して安定的に供給するということをやっておるわけですね。そういうことですから、やはり奄美大島の漁場の開拓、漁船とか漁港の整備も結構ですが、あわせて冷凍設備、貯蔵設備、こういうものがなければ、ストレートに大きく漁獲があったと、それがまた島民所得につながると、こういうことにはならぬと思うので、そういう施設について、あなたの方の所管かどうかわかりませんが、どう考えていますか。漁港の整備とあわせて付属設備、冷凍設備ですね、こういうものをどう考えているかですね。

矢野照重水産庁漁港部長

○説明員(矢野照重君) 確かに先生のおっしゃるとおり、そういうふうなものが、陸上の機能施設が大事でございまして、現在は名瀬と瀬戸内と二カ所に冷蔵庫があるわけでございまして、今後の問題としまして、先ほど申しました第二次構造改善事業の中におきまして必要な冷蔵庫、荷さばき所、製氷施設等の建設を行いたいということで考えております。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 奄美大島といいますと、何といっても、だれの頭にも浮かんでくるのは大島つむぎですね。これが非常に主要な産業になっておるわけですが、最近は非常に、特産品である、伝統的な工芸である大島つむぎが、韓国のつむぎにどんどんどんどん押されて大変不況になっておる、ピンチに立たされておると、こういうことが新聞等でも報ぜられています。  特に、公取にお聞きしたいわけでありますが、一昨日ですか、公取が強制立ち入り調査をしたと、こういうことですが、これはどういうことになっているのですか。まあこれは概況だけでもいいから、どういう結果でどういういま調査をしておるのか、この点を公取の方からお聞きしたいと思うんです。

河村穣公正取引委員会事務局取引部景品表示監視課長

○説明員(河村穣君) 二十五日に立ち入り検査をいたしましたのは、これは韓国から輸入した、韓国で織られたつむぎにつきまして、国内で奄美大島であるとか、大島つむぎであるとか、そういう国内の製品と誤認されるような表示をして売られておる、そういうことです。それは私どもの所管しております不当景品類及び不当表示防止法第四条で禁止しております不当表示に該当する疑いがある、そういうことで立ち入り検査に踏み切ったわけでございます。  これは九州の三事業者、それから京都市所在の三事業者、それから東京都所在の一事業者、あわせて七事業者につきまして二十五日に立ち入り検査をいたしました。で、二十六日、昨日も引き続きまして鹿児島市所在の二事業者につきまして立ち入り検査を続行しております。まだ調査の途中でございますので、調査の結果どういうことであったかという点につきましては、ちょっと回答いたしかねるようなそういう段階でございます。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 不当景品類及び不当表示防止法違反と、こういう容疑で立ち入り検査をしたわけですが、不当表示の定義をどうするのか。まあ公取としては、韓国製つむぎとか韓国製大島つむぎなら問題ないと。本場とか奄美大島ということならこれは不当であるわけですね、看板に偽りありと、これは素人でもわかるわけです。そこで、表示しなかった場合はどうなるかということですね。これは公取の人方ときのうもここの場所以外で見解をお伺いしたわけですが、常識的に大島つむぎというのは全国至るところでつくられているわけじゃないわけです。東北とか北海道とかでつくられておるわけじゃない。大体本場というのは、鹿児島にも一部ありますが、大島に限られているわけですね。それを表示しないで市販した場合は消費者は誤認するのですよ、これは何も表示しなくても、大島つむぎだと。柄も同じだ、織り方も同じだ、色も似ていると。これだけでも非常に本場の方々が迷惑するんですよね。  しかし、これはまあうその表示をしたわけじゃないから違反にはならぬけれども、受ける被害というものは同じらしい。消費者もやはり誤認する、これは全国で至るところでつくられているものじゃないから。こういうことはやっぱり法律違反になるとは私は言い切れませんが、やはり消費者保護というのはこの法律の趣旨でありますから、消費者も韓国のものを買う、本場の業者もやはりそれによって市場が圧迫され、価格の面で不利益をこうむると、こういうことになりますから、そうなるとやはり消費者保護ということにならぬ非常にもどかしさを感ずるわけですが、違反であるといいと、こう言っているわけじゃありませんが、どうなりますか。たとえばあの反物に韓国製大島つむぎと書いて表示していますね。ところが、反物を半分に切ってわからないように、そこだけは切って、反物を半分に分けて売るというなかなか芸の細かいこともやられておるわけですよね。これは非常に脱法行為と言えば、合法と脱法の非常にすれすれなわけなんで、そういうものについて現行法ではやはり取り締まりむずかしいですか。

河村穣公正取引委員会事務局取引部景品表示監視課長

○説明員(河村穣君) やはり先生御指摘のとおり、全くの無表示のものにつきましては、これは景品表示法上、不当表示というふうなことで規制の対象にすることはむずかしいということでございます。ただ、韓国から無表示のままで通関をして輸入されたと、そういう韓国製のつむぎにつきましても、輸入業者から最終の消費者にまで渡る中間の卸とか小売とか、そういう段階でつむぎであると、あるいは大島つむぎであると。さらにまた国内の取扱業者の名称を書く、あるいは商標を付する、そういうふうな形で何らかの表示がなされる場合が大部分である、そういうふうに思います。そういう場合につきましては、そのままですと、国内の取扱業者が下請に出したとか、あるいはそういうことで国産品というふうな誤認をされるということでございますので、そういう場合につきましては、韓国製ということを明白に表示していない限りやはりこの景表法上誤認のおそれがあるということで不当表示に該当すると、そういうことで私どもそれは取り締まりの対象になると、そういうふうに考えております。  全く無表示のままのものが通関で入って、それがそのままずっと消費者の手に渡ると、あるいは韓国製というふうな表示のものが通関で通ってまいりまして、国内でその部分が削除されてしまう、全く無表示のままで売られる。そういうのは確かに景表法上違反として規制することはできませんけれども、私どもの方ではできるだけそういう消費者が選択するに当たって正確な商品選択ができると、そういうことが望ましいわけでございますから、製造業者の団体などにつきましては別途公正競争規約ということで、そういう商品の表示につきましてできるだけ適正な表示に努めると、そういう規約を設けて一定の業界内部でルールをつくる。そういう場合のそのルールの中に、韓国製のつむぎにつきましては明白に韓国製というふうに表示をするようにお互いに努めると、そういうふうな規定を設ける、そういう形で指導していくことはできる。また、小売なり百貨店の段階におきましても、できるだけ韓国製のつむぎにつきましては、それは韓国製である、そういうことをはっきり表示して販売させるように、そういうことで指導をすると、そういうことはできますので、そういう形での指導は一月三十日の要望書の中でも触れておりますし、今後ともそういう形で指導をやっていく、そういうことで対処してまいりたい、こういうふうに思います。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 無表示の場合は不当表示じゃない、表示がないからこれはなかなかストレートに法律違反になるということにはむずかしいようですが、しかし、本場の大島つむぎがその被害を受けているということには変わりないわけです。   〔委員長退席、理事上田稔君着席〕 そこで、韓国製というのは、おたくの方では製糸、染色、これは日本国内でやられたとしても、最終製品ですね、つまり製織ですね、織るところですね、これをなされたところによってどこ製であるかということを認定すると、こう言われているわけですが、大体現在までの状態としては製糸、染色ですね、これは日本でやられているのが多いようですね。そうして織るのは韓国で織っている。これは人件費とかそういう関係があると思いますが、それが逆の場合はこれはどうなりますか。韓国で糸をつくって染色して、織るのは日本で織った場合は、これはやはり日本製になりますか。

河村穣公正取引委員会事務局取引部景品表示監視課長

○説明員(河村穣君) そういうことになります。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 通産省にお伺いしますが、大体大島つむぎが年産八十万反というように私聞いておるわけですが、通産省の方では、公取の方でもどういうように推定しておるかわかりませんが、大体そういう韓国から入ってきておるものが、まあ違反のものもあるでしょう、正規のルートで正規の表示で来ておるものもあるでしょう。まあ三万反が韓国から入ってきておる、こう言われておるわけですが、しかし、現地の大島の業者の方々は少なくとも十万反以上は、合法、非合法、これは別としても入ってきておるだろうと、これが市場等に相当な圧迫となって出てきておると、こういうことが言われておるわけですが、実態はどうなっていますか。特に通産省、どういう状況になっていますか、この数字が。

黒田真通商産業省生活産業局通商課長

○説明員(黒田真君) 大島つむぎ、特に本場大島つむぎと言われておりますもののわが国における生産がほぼ八十万反程度であることは御指摘のとおりでございます。年によって若干動いておりますけれども、最高の年が四十七年八十四万反、ことしは少し落ち込みまして七十八万反程度。ただこれは奄美と鹿児島の両方のものを足したものでございまして、鹿児島本土が五十数万反、奄美が二十数万反、こういう関係になっております。しかもこの数字は両方の地域の検査を受けた数字というようなものでございまして、このほかにもそういった組合の検査を受けていないものの存在はあろうかと思っております。  それに対しまして輸入がどうであるかということでございますが、絹織物の輸入の通関段階における統計といたしまして、実際問題として大島つむぎ、本場大島つむぎと言われておるものだけを取り出して数えていただきたいということを、業界の御要望もございましたし、私どもも大蔵省といろいろ御相談をしたわけでございますが、なかなかその品物を手にとっただけで果たしてそれが本場大島つむぎにきわめて類似するものであるかどうか、本場大島つむぎではないわけですが、きわめてそれに似通ったものであるかどうかということを認定することは非常に困難でございまして、従来から数量把握ということは非常にむずかしい。で、私どももいろいろな扱っている商社等に聞き込みをいたしまして、いわゆるつむぎ類と考えられるものの中から本場大島つむぎ系統のもの、村山大島つむぎ系統のもの、あるいはその他のつむぎ系統のものというようなものをいろいろ推計してみた数字でございまして、三万数千反ではなかろうかというような推定を私どもなりにしたわけでございますが、あくまでもその根拠は一反ずつ手にとって見たわけではございませんでして、そういった商社等からのヒヤリングの結果である。  他方、地元におかれては、まあ地元でいろいろ扱っている感触からもう少し多いのではないかと、あるいはそういった商社が正規に扱ったもの以外のおみやげ等で持ち帰られる旅行者の持ち帰り品等を含めれば、あるいは十万反に及ぶのではないだろうかというような御主張があることは十分承知いたしておりまして、現在私どもはもう一つの手当てといたしまして、韓国側になかなか数字を出してもらうのはむずかしいだろうけれども、ひとついろいろそこが問題になっておるものだから、おまえさんの方では、要するに韓国側ではそういった関係の対日輸出量というものをどういうふうに把握しているんだろうかというようなことを話をいたしまして、現在照会をしておるという現状にございまして、正確なことを申し上げる段階にはないということでございます。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 正規なルートで入ってきておる韓国の輸入つむぎに対して、関税はどうなっていますか。

松尾直良大蔵省関税局企画課長

○説明員(松尾直良君) 現在、絹織物の関税率は、実効税率といたしましては八%となっております。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 まあ、関税の趣旨は、やはり国内産業を保護するという色彩が非常に強いわけですね、まあそればかりが趣旨じゃないとしてもですね。そういうことで、いまの八%ですか、この関税の率がこれでいいんですか。まあいいんですかというぶしつけな聞き方じゃいけないね。どうも相当圧迫されて衰退しておるわけですから、これは大変な問題だと思いますよね。しかもこういう伝統的な工芸品というのは、単に売れなくなったという問題じゃないね。伝統がある場合は、これは消えてなくなるわけですね。消えてなくなった伝統は再び生き返ってくるということはこれはできないわけですよね。子々孫々に伝えられている技術ですからね。そういう面から考えると、関税が低いとか高いとかという議論はしたくないと思いますが、この程度のものでしょうか。

松尾直良大蔵省関税局企画課長

○説明員(松尾直良君) 現在、本場大島つむぎ、奄美あるいは鹿児島の大島つむぎ生産者が、韓国製の輸入によって影響を受けておるという事実は私ども昨年来周知いたしておりますし、たびたび業界の方々からこの問題を何とか解決してほしいということで、何度か私どもも話し合いを持っておるわけでございます。  そこで、この問題を解決するのにどういう方法がいいか。その一つとして、関税の面で何とか手を打てないか、こういう御要望がいろいろございまして、私どももいろいろ検討をいたしてまいったわけでございますが、現在絹織物の関税率と申しますのは、わが国の国内法で決まっておる関税率ではございませんで、ガットとの関係で譲許をいたしました税率、つまりこの条約で定まっておる税率でございます。で、条約で定まっておりますこの税率を変更するには、そのガットの手続に従った変更手続というものを踏まなければならないわけでございまして、これは一般的にルールといたしまして、引き上げるものに見合ったものを引き下げると、代償の提供という非常に困難な問題がございます。それから全体的にこの関税を引き上げる、あるいは輸入制限をするということが与えるいろいろな影響というものを考えてみますると、これは輸入制限とか関税の大幅な引き上げというような手段で解決することは必ずしも適当ではないのではないか。  で、しからばどうするのかということでございますが、やはり要は韓国からの秩序ある輸入ということ、さらにその一つ前の段階といたしまして、先ほど先生がおっしゃいましたように、日本から糸が出ていっておって向こうで織られてくるというような、もとは日本にあるでないかというような問題もございますので、そうした問題を含めまして、日韓相互におきまして具体的な話し合いを進めて、それによって解決していくということが最も現実的な方法であろうと、こういうふうに考えておる次第でございまして、現に通産省の方で本年に入って担当の審議官の方が向こうへ参られまして、韓国政府当局あるいは業界と直接話し合ってこられたわけでございます。で、私から申し上げるのもいかがかと存じますけれども、その結果、今後の輸入のあり方につきまして、先ほど先生お触れになりました表示の問題、   〔理事上田稔君退席、委員長着席〕 あるいは数量の問題を含めまして話し合いが行われてきておりますので、この結果を十分に守っていきたいと、かように考えておる次第でございます。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 ガット第十九条ですか、これの適用を考えませんか。必要があるかどうか……。

松尾直良大蔵省関税局企画課長

○説明員(松尾直良君) 御指摘のとおり、ガットの十九条には緊急措置という規定がございます。で、この緊急措置の関連におきまして要件がいろいろ定まっておるわけでございまして、一つは、輸入が急増をしたということ、その急増の結果、国内の競合産品、競合産業に重大な損害が発生をしたというような要件が一つと、それからもう一つは、やはり先ほど申しましたのと同じように代償の問題というのがございます。したがいまして、これは上げっぱなしというわけにまいりませんので、代償の問題が絡むという点におきましては普通の関税交渉と同じようなことになろうかと存じます。この輸入の問題輸入の数量の把握の問題につきまして、先ほど通産省の方からお話がありましたように、私ども業界の方々と、どういうふうにしたらこの大島つむぎというものをうまく識別して輸入の数量をつかまえることができるであろうかということをいろいろ検討いたしておるわけでございますが、元来大島つむぎと申しますものは、どろ染めと申しますか、自然の染料を使い、かつ柄につきましても特色があるとか、色でも特色があるということであったわけでございますが、それから名前の示しますとおり、これはつむぎ糸で元来は織られておったわけでございますが、最近はこの原料という面で見ますとほとんどが生糸になっておるわけでございます。  それから天然の染料を使ったものは非常に少なくなっておりまして、合成の染料が使われる、柄とか色とかいうものにつきましても、他の何々大島とか何々つむぎと言われるものとの区別というものがだんだんはっきりした限界線がなくなってまいったというような事情から、どれが大島つむぎというものに該当するのかということを現物からなかなか判定がつかない。こういう技術的な問題がございまして、統計といたしましては、どういたしましても絹織物という形でつかまえるということになっておるわけでございます。したがいまして、仮に十九条の要件を満たすかどうかということを検討をいたしてみます場合に、この輸入数量というものをどうやってつかまえるかということが前提になってまいるわけでございまして、現在この大島つむぎを含みますところの絹織物ということで輸入の状況をつかまえざるを得ないと、そういう状況にございますので、しからば絹織物の輸入動向どうなっておるかと言いますと、昨年来非常に減少してきておると、かような状態にあるわけでございまして、ただいま具体的にこのガット十九条の問題を、要件に該当するといってこれを取り上げるような状況に残念ながらないということで私ども考えておる次第でございます。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 ガット第十九条の適用は数量的に把握困難だ、絹織物と、こういうことで出ておるので、どこまでがつむぎなのかなかなか把握がむずかしいと、絹織物ととらえたとしても輸入というのは若干これは微減しておる、そういう場合は十九条の適用というのは非常に困難だという事情はわかりました。  そこで、今度は公取の方では、これは全然何というか表示しないわけですから、これは違反ということにもならぬと、しかも本場の産地では相当、十万反も出回っているだろうと、圧迫を受けていると、こういうことですから、これはなかなか決め手がないわけですね。そこで、私はやっぱり通産省の行政上の問題だと思いますよ。先ほど関税の方が言われましたように、もとをただせば、日本で糸をつくって染色して、原料を向こうへ提供して、織って持ってくるんじゃないか。そもそもの根源地が——根源地という言葉がいいかどうかわからぬが、日本の責任もあるじゃないかと、これもごもっともだと思うのです。そういうことですから、特に通産省は向こうと話しておるようですが、原料提供する方もいかぬですね、これは通産省の問題ですが。こういうものを何らかの秩序ある規制をしていく、こういう点が第一点。  それから先ほど無表示のものは法律違反にならぬと、こういうことがあって公取ではなかなか抑え切れないと、こういうことですから、行政指導として、これを扱うメーカーに対して無表示で売っちゃいかぬと、少なくとも不当表示してはいかぬと、徹底した行政指導をなすべきだと思います。これでもまだ本場の大島つむぎの生産者は救われないと思います。でありますから、いま入ってきておる大島つむぎが、すぐメーカーの方というか、問屋とか、こういうところに来るわけです。それを一応生産者の方の団体があれば団体を通して、プールして売るのか、価格をどう操作するのか別としても名案が浮かびませんが、いつもその国内の生産業者を通して、秩序ある輸入をする、こういうことも行政指導としてなせばできることだと思うのです。と同時に、これは目的関税ということになるかどうかわかりませんが、たとえば油主炭従がどうかと議論した際に、国内の石炭を相当犠牲にしなければならぬと、こういうことで、原油の関税を石炭産業とかあるいは産炭地振興のために使った歴史もあるわけですね。一面から見ればこれは産業保護ということになるでしょう。しかし、産業保護という立場に立って考えてみても、零細な伝統工芸品の地場産業ですよ、しかも島民の生活を左右する問題だ。そういう目的関税という手法をもって、やはり島民の伝統を消やさない、被害を受けないという方法もあると思うのですが、ここでこうやりますという答弁を求めているのではない。いま提起したような問題を、通産省としては前向きに私は国土庁と相談しながら検討すべき問題じゃないかと思いますが、どうですか。

黒田真通商産業省生活産業局通商課長

○説明員(黒田真君) ただいま説明がございましたように、直ちに輸入規制あるいは関税引き上げということを行うことにつきましては、いろいろな関係から非常に問題もございますし、日本全体のいろいろな政策の中でどう位置づけてくるかというむずかしい問題もございます。しかしながら、私どもといたしまして、この問題を放置していいと考えておるわけではございませんでして、たとえば韓国からの輸入の問題につきましては、先ほど話がございましたように、私どもの担当の審議官が先日韓国へ参りまして、まず第一に表示の問題につきましては、先生御指摘のように無表示のものがごまかされるという問題があるわけで、まず韓国側に対して、表示をきちっと韓国製である旨の表示をして、正々堂々と勝負をしていくべきであるという話をいたしまして、韓国側もまことにもっともである、従来からわれわれも韓国製の表示というものをする方針を持っておったけれども、実は日本側の取り扱い業者の要望等もあって表示をしていなかった例が多かったことは認めましょう。しかし、今後はそういうことで日本に問題があるということであっては困るので、今後韓国から輸出されるつむぎについては、韓国製の旨の表示をきちっとさせましょうということを約束いたしまして、その旨の実施をすでにしておるというふうに聞いております。ただ、これは現在仕掛かり品等もございますから、直ちに現時点ですべてそうなっておるとはまいらないかもしれませんが、若干の時間をかせば先方の措置によって、今後入ってくる、少なくとも輸入される段階では、すべて韓国製である旨の表示が行われるということを期待しております。  また、現在非常に輸入がふえているのではないかという問題と、長期的に韓国がたとえば新しい農村運動と言われておりますセマウル運動等の目玉と申しますか、主要な主力業種として取り上げているのではないかということになると、産地の将来まことに暗いというような、長期的な意味での不安感というものが産地にあることも承知しております。したがいまして、この点についても先方と話をいたしまして、向こう側も長期的に見てセマウル運動の大きな目玉とすることはしない、それから当分の間絹織物の織機の増設というようなことも考えないという約束をいたしておりますし、また秩序ある輸出ということについても約束をしております。これは繊維全体の日本への輸入が、それはそれとして非常に大きな問題でございまして、韓国といろいろ実情を話しながら、急にふえたり急に減ったりするということが両国にとって非常に望ましくないという話を進めておるわけでございますが、特にこの本場大島つむぎ系統に関しましては、奄美大島という日本から四百キロ離れた離島にあって、かつ大島つむぎというものが、島民の所得、生産の中で占める率が非常に高くて、直ちに転換をすべきものも見当たらないものでございますから、そういった非常に特殊な事情を十分先方にも説明をいたしまして、先方のそれなりの理解というものは深まっておると思います。  他方、その韓国だけの話ではなくて、当該大島つむぎ産業の振興につきましては、昨年国会で成立いたしました伝統工芸品産業の振興に関する法律というものによりまして、今年の二月にその対象品目、伝統的工芸品ということで本場大島つむぎを指定いたしまして、指定に伴いまして今後地元の各種いままでやや分かれておった組合も一本になって、振興計画というものを近く提出し、それに基づいて私どももできるだけの応援をしていくという態勢を考えておる次第でございます。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 ぼくの答弁に少し答えていないですね。——いいんです、言いますから。貿易量を急に減らせということになっても、貿易というのは互恵平等ですから、一つだけでどうこうじゃない、全体を見なくちゃなりませんから、これを全部減らせとかと主張しているわけじゃないのです。しかしながら、圧迫を受けていることはこれは事実なんで、しかもそれが無表示か不当表示か、こういうものが非常に廉売をされておる。そのために高い本場の大島つむぎが売れなくなると、こういう被害を受けているわけですから、ぼくは問題提起をしたのは、やはり伝統工芸というのは守らなくちゃならぬと、しかも異民族に支配された奄美群島の大方の方々の生業であると、そういう両面をあわせ考えるならば、何かの保護を加えなくちゃならぬということで、保護の方法としては目的関税というもので、その関税を伝統工芸の奨励のために——これは大蔵省むずかしいこと言っているのだろうと思うのだが、目的関税というの、いやがっていますから。そういうもので保護する方法もあるし、それと同時に、貿易量は秩序立ったものになったとしても、不当表示あるいは無表示というものはこれは避けられないと思うから、そうなると一番被害を受けるのはやっぱり本場の業者であるから、生産者であるから、生産者を通してメーカーに渡すということになるとこれは確認するわけだ、自分が影響受けるものだから。その反物にコーリア製とついているかどうかこれは確認して渡すわけだから、そういうものも一挙にチェックできると、こういうことを即答せよじゃなく、考えよということをぼくは問題提起をしているわけだ、現実的な。だから、あなたの立場でそれは約束できないと思うが、問題提起をしているわけだから、そういうことは考えるべきだと思うのですよ。これは奄美の所得に関係あることですから金丸大臣からもちょっと答弁願いたいと思うのです。まず通産省、どうですか。

黒田真通商産業省生活産業局通商課長

○説明員(黒田真君) ただいま先生御指摘のような点につきましては、私どもももちろん十分検討さしていただきたいと思います。  若干補足さしていただきますと、伝統工芸品ということで、すでに一般会計から本年度も二億五千万円ほどの予算をいただいておりますし、また繊維産業の一環でございますから、構造改善事業ということで相当多額の予算あるいは財政投融資の手当てもございまして、必ずしも直ちに目的関税に財源を求めなくても、財政当局から一般会計あるいは財投等の手段を通じての保護育成という手段もあろうかと思います。また、そのメーカー団体の点につきましては、ある産地では確かにメーカー団体が下請のかっこうで外へ——国内でも同じことでございますが、出して管理しておるという例がございますが、奄美の場合は生産者団体との対立が非常に極端になっているというようなむずかしい問題もございますけれども、先生御指摘の点、十分私どもも検討さしていただきたいと思います。

金丸信自由民主党国土庁長官

○国務大臣(金丸信君) 大島つむぎは奄美大島における主幹産業でありますし、先生のおっしゃられるとおりだと私は思います。所得の格差をできるだけ是正していくことが国土庁としても考えなければならない問題でありますし、通産省、公取等と十分協議して、この維持発展を図ってまいりたいと考えております。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 運輸省おくれて来たようですが、前書きは言いませんが、非常にまあ僻地にあると、これは海上に往来をゆだねなくちゃならぬと、こういう特殊事情にあるわけなんで、群島の方々、島民の方々から、定期的な、民間の高い運賃じゃなく、しかも公共性のある航路として就航してもらいたいと、国鉄化と現地で表現しておりますが、こういう熾烈な要望がずっと以前からあるわけですね。こういうことに対してどう考えるか。こういうことと、もう一つは、まあたとえば内地の過疎地帯の赤字バス路線なんかありますね。それでもまあ交通は確保しなくちゃならぬというわけで補助をいたしておるわけですね。しかもこちらは島だ、しかも相当長年異民族の支配を受けてきた島民の方々である。やはり行政としても何かの利便を与えなくちゃならぬと、こういうことに相なるわけですが、東京都等では、たとえば東京の大島と三宅島ですか、こういうところに対して生活物資の輸送については補助をすると、こういう方法をとっておるやに私は聞いています。  そういうことでやっておるところもあるわけですが、しかし、鹿児島県はそういうところに金を出すということになると、県民所得もしりの方から数えた方がいいような過疎県であり、所得の低い県であるから、地方自治体としてそこまで補助をできないと思いますね。そういうことになりますと、何といっても公的なやっぱり航路と船で、しかも低廉に利便を与えると、こういうことも一つの手段として考えなくちゃならないし、それができないとしても、やっぱり補助をして、民間の何というか船会社でも補助をしてもいいと思いますね。しかし、現行法では、独占航路といいますか独占就航しておるものについては、これは補助の対象になるわけでありますが、競合して航路があって就航しておる場合はこれは補助の対象にならぬと、こういう不合理があるわけだ。だから、法律のために人間があるのじゃなく、人間のために法律があるということを考えるならば、やはり沖繩なり奄美大島というものは、これはもう競合しておる場合でも特例として認めるというように法律を改正するか何かしなければ、これは矛盾だと思いますよ。法律があるからできないじゃない、法律は人間が直せばいいんだから。まあこの点を、取りとめない茫漠たる質問ですが、どう考えているかお伺いしたいんです。

植村香苗運輸省鉄道監督局国有鉄道部業務課長

○説明員(植村香苗君) まず、この問題につきまして種々検討さしていただいたわけでございますが、国鉄船を就航したらどうかということでございますけれども、結局、現在本土−奄美大島間、民間業者が数社運航してございまして、輸送力的には格段問題ないという状況でございまして、そこに国鉄船をさらに就航させるということにつきましては、やはり非常にむずかしい困難な問題があるということでございますので、こういうことでございますから、やはり民間業者を育成いたしましてまいる方向、したがいまして、国鉄船を就航させるということについてはちょっと困難ではないか、現在のところ考えていないわけでございます。この問題につきまして、われわれとしましてもできるだけの検討はいたしておりまして、実は例の手小荷物の連絡運輸というやつがあるわけでございます。これは国鉄で西鹿児島まで参りまして、それから船会社が奄美大島まで持っていく。これは照国郵船がやっているわけでございますが、これとの連絡運輸をやりまして、まさに本土並みな扱いをするということを三十七年、これ、手小荷物が三十七年からでございまして、それから四十八年から小荷物やりまして、小荷物は相当な貨物の流動があるわけでございますが、こういったことを実施しておったわけでございますけれども、先島の問題につきましても非常に要望があるということで、これはいろいろわれわれの方の行政指導もやりまして、喜界港、和泊港、与論港でございますけれども、その三港につきましては三月十日からやっと就航することになったということを報告させていただきまして、国鉄の船自身を入れるということにつきましては非常に困難であるということで御了承いただきたいと思います。

熊木藤吉運輸省海運局定期船課長

○説明員(熊木藤吉君) 民間事業者に対する補助制度につきまして、先生ただいまお話がありましたように、現在の離島航路整備法におきましては単独航路、唯一の航路、これがないと住民の足が成り立たないという航路につきまして現在補助制度ができております。その複数の場合になりますと、これは当然に、具体的に申しますと、たとえば一般管理費とかそういうのは当然重複する、そういうふうなものについては現在の補助制度では対象にしておらない、こういうことになっております。  それで、島民の対策といたしまして、そういう補助制度では現在できないわけでございますが、昨年石油ショック以来のいろんなコストアップその他につきまして運賃改定を一部実施したわけでございますが、その際に住民対策といたしまして、島内間の運賃の据え置き、それから俗に離島割引といいますか、島発の鹿児島に行く場合については島民割引制度というものを導入いたしまして、できるだけ住民サイドの負担を軽減させるような措置を講じております。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 どうも考えてみて、離島競合航路に対しては補助対象にならぬと、こういうこともわかりますよ、一面においては。しかし本土、内地におる、北海道と本土、四国と本土、これは安い船が歩いている、青函とかそういうものが歩いている。それで、これは競合しておるから補助対象にならぬ、そういう離島におるのだからがまんせいやということも理屈としてはいいけれども、これは政治の平等からいってどうも疑問を感じるわけですね。そこで、何かやっぱりそういう負担というものを軽減したい、どういう法律改正したらいいのか別として、これは国土庁としても、やっぱり国土庁がこれ所管ですから、いろいろな手法があると思いますわな。運賃の補助じゃないにしても、その分だけ特交で見てやるとか、それを島の産業に使うとか何かの方法があると思うのですね。これは余り細かいその手法のみにこだわって議論しておっても始まりませんから、やっぱり国土庁として全体の水準をアップさせるということですから、物価もやはり本土並みにしたいということですから、一つだけのサイド、一つだけの手法じゃこれ片づかぬ問題だと思うのですよね。相当やっぱり諸施策をミックスしなくちゃ大目的は達成されないと思いますから、この問題はこれで終わりますが、やっぱり検討課題として考えてほしいものだと、こう思います。  もう一つは開発基金、これは正確な名称何と言いますか、がありますね。これはなかなか歴史があるようですね。エロア、ガリオア資金ですか、あれを何というか米軍からバトンタッチを受けて基金にした、こういうことがあるようなんでなかなか複雑です。それが貸した金がなかなか返ってこない。ところが、これもまた中に入ってみますとうんざりするほど複雑です。貸した方もはっきりした証拠がない、借りた方も証拠がないということでいつも——問題はこの委員会ばかりじゃない、問題になっているわけですね。米軍が撤退する際に、おまえらにあれくれてやったのだ、ありがたいと思えと、こう言ったかどうかわからぬけれども、相当恩着せがましいことを言って、中にはアメリカさんからもらったというように考えておる人もおるわけですね。アメリカの方が撤退によってパアになるのだという期待権を持った人もありますね、期待権はどこまであるかは別として。これはいつかさらっと清算するなら清算する、もう断念するならすると、何かの節をつけなくちゃならぬ問題だと思いますね、復帰してから相当の年月を経ているのだから。これはやっぱりいつかはっきりさせなくちゃならぬと思うので、この機がけじめのつけどきじゃないかと思うので、どう考えますか、これは。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○政府委員(近藤隆之君) ただいま御指摘の承継債務の件でございますけれども、回収に努力しておりますが、ガリオア資金につきましては、承継額一億八千六百万のうちクレーム等によりまして事実上回収不能と見込まれる分が一億一千万ばかりございます。そのほか復金の貸付金につきましては鋭意回収に努力いたしまして八五%ばかり回収しておるわけでございますが、それ以外のものにつきましては、居所不明であったりいたしまして回収不能のものも相当額あるわけでございます。こういったものにつきまして、いつけりをつけるかということでございますが、こういったものを原資といたしまして振興開発基金というものができておるわけでございます。この振興開発基金というのをこれからどう持っていくかというのがまたこれひとつ大問題でございまして、実は昨年の法律改正の際にも振興開発基金のあり方をめぐっていろいろ論議のあったところでございますけれども、これまでの二十年間におきましては、奄美の振興開発に対してこれが中核となって動いておったことは事実でございますので、従来のままの形態でもってあと五年間やってみようということでいま存続しておるわけでございます。したがいまして、今度の法律の期限切れになります五十三年までには、国といたしましてもこういった一地域におけるところの保証業務及び融資業務を取り扱っておるところの基金というものをどうするかということを絡めまして検討いたしたいということでございます。準備段階といたしまして、もうすでに大蔵省及び鹿児島県当局等とわれわれと協議をしておる最中でございまして、早急に何らかの結論を得たい、開発振興基金のあり方を含めまして結論を得たいということで鋭意努力しておるところでございます。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 信用保証業務と金融の方と同じ機関が一緒にやっているわけですね。これはよしあしの議論もあるでしょう。これも変則的ですね。そうしてアメリカが残して譲り受けたガリオア、エロアのこれをこのままの金額でいいかという問題等もあるし、債権の焦げつきもあるし、これは抜本的に洗い直さなくちゃいかぬと思いますね。だから、五十三年度まで待つということもあるけれども、それ以前に、全く換骨奪胎、やはり十分洗い直して、この付近でやっぱりピリオドを打つべきじゃないかと思うのですが、どうですか、その点は。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○政府委員(近藤隆之君) どうも説明不足で誤解を招いたようでございますが、五十三年を待つというわけではございません。五十三年にはこの法律が切れるわけでございます。で、この基金の今後のあり方どうするかということは、早急にでもわれわれ結論を出さなければならない問題でございます。したがいまして、鋭意大蔵省及び鹿児島県当局とも相談をしておるわけでございますが、先ほど先生御指摘になりましたように、過去のいろいろな経緯が積み重なってこういったような形になっておるということで非常にむずかしい問題を多く抱えておりますが、われわれといたしましては早急に結論を出したいと思っております。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 ぜひともそうしていただきたいと思います。  そこで、建設省はおりませんから国土庁長官にお願いしておきますが、たとえば国道に昇格して、非常に未改良の国道ですから、本土の町村道に毛が生えたような一車線ですからかなりな工事になると思いますがへその場合、これはまあ建設省ばかりじゃありません、予算の積算に地場賃金というものを織り込むわけですね。それで予算を計算していくわけですね。こういうことになると、やはり過疎というものを促進させることなんですよね。道路工事がせっかくあってもやはり大阪とか東京へ来た方が賃金が高いということで、これは過疎の促進にもなるわけですね。そういうようにやはり特殊な地帯における工事は、中央相場ぐらいの何というか積算を人件費でも見てやるべきだと思うのです。こういう点を何というか配慮しなければ、やはり永久に地域格差というものを是認すると、しかも国の機関が是認するというような傾向になると思うのですね。これはまあいろいろな多面にわたるそういう面がありますね、これは何も建設行政だけではない。この点について留意を願いたいものであると、こう考えます。  一応私の質問しようとしておる点について、まあ大体満足のいく答弁がありましたので、これで終わります。

金丸信自由民主党国土庁長官

○国務大臣(金丸信君) 道路建設の積算等につきましてまあ道路の問題につきましては建設省が、ことに国道においては建設省所管でありますが、十分建設省と連絡をとりまして、先生の御趣旨を盛るようにひとついたしたいと考えております。

小野明日本社会党

○委員長(小野明君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十三分休憩      —————・—————    午後一時六分開会

小野明日本社会党

○委員長(小野明君) これより委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

二宮文造公明党

○二宮文造君 午前中に引き続きまして、提案になっております奄美群島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案、これに関連をしまして若干質問をさしていただきたいと思うんですが、法案の中身は、これきわめて何といいますか、国道昇格に伴う国費の負担の割合、こういう一点にしぼられているようでありますが、この機会に奄美群島にかかわるいろいろな問題についてその考え方を聞いておきたい、こういう趣旨で質問を続けていきたいと思います。  まず、けさほども話がありましたように、この奄美群島はいわゆるアメリカの統治のもとに戦後ありまして、二十八年の十二月の二十五日に日米協定に基づいて返還をされた、こういう歴史的な過程をたどって、その後国の方でも十カ年計画を積み重ねながら今日に及んだわけでありますが、まず言わんとするところ、この振興開発計画等々のこれまでのいろいろな企画というものも、ねらいとするところはわかるんですが、果たして返還されてから今日まで、そういう政府の計画なりあるいは地元住民の期待なり、そういうものがこの年度中にどれほど積み上げられてきたか、実績となって上がってきたか、まあいわば返還されて今日までの一口で言いますと復興ないしは振興というものについてのあらましをまず冒頭にお話をいただきたい。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○政府委員(近藤隆之君) ただいま御指摘のように、昭和二十八年に本土復帰いたしまして、それから二十九年から三十八年まで復興計画を策定いたしまして、それに基づきまして事業が執行されたわけでございます。その復興計画の目標としましては、住民の生活水準を戦前の本土並みとするために必要な産業、文化の復興と公共施設の整備を図るということになっておりまして、重点事業として道路、港湾等の交通網の整備、学校等の文教施設の復興、この二つが柱となっておったわけでございます。そうして十年間に事業費といたしまして約二百十億円、国費で百二十一億円が投入されたわけでございます。その成果といたしましては、復帰当初の荒廃した施設の状況と窮乏した住民生活からようやくにして立ち直り、一応基礎的な公共施設も整備されまして、一人当たりの住民所得も昭和二十八年復帰当時、対鹿児島県は四九・九%、対全国は二八・三%というように非常に低い状況でございましたのが、ようやく昭和三十八年には対鹿児島県七五%、対全国四〇・九%まで引き上げられたわけでございます。ただしかし、いま申しましたように、こういった鹿児島県との間にも相当の格差がございますので、昭和三十九年から四十八年までの振興計画の時代となるわけでございます。  この振興計画の目標といたしましては、主要産業の振興と群島の経済、自主性を促進し、住民の生活水準を鹿児島県並みに引き上げるということを目標としておるわけでございまして、重点事業といたしまして、群島の特性を生かしましてサトウキビ、畜産、大島つむぎを中心とした産業の振興を図るということになったわけでございます。で、この間十年間に事業費といたしまして四百三十四億円、国費で二百十一億円が投入されております。その成果といたしまして、一人当たり住民所得も年々向上いたしまして、昭和四十七年時点におきまして対鹿児島県八七・八%、対全国五四・二%というところまで引き上げられたわけでございます。ただしかし、鹿児島県との間はある程度まで格差が縮まってまいっておりますけれども、御案内のように全国との間は約半分というような水準でございまして、やはり本土並みに各般の水準を引き上げていくということが島民の強い要望でもございますので、四十九年から現在の振興開発計画ということになりまして、この五カ年間でできる限り本土並みに近づけていこうということで努力しておるわけでございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 二回にわたる十カ年計画の結果、県民所得はある程度に所得の水準は上がったとは言いながら、実態はこうであるという概略御説明があったわけですが、そこでいわゆる振興開発計画というものを四十九年度を初年度にしまして五十三年に至る五カ年間のこういう計画をつくったわけですが、残念ながら総需要抑制という事項も入ってまいりまして相当計画がおくれを来しているんじゃないか、こうも思うわけでありますが、この点はどうですか。五十三年の目標年次というものを事業の遂行状況から見て計画変更というような、あるいはまた計画を練り直さなきゃならぬというような、そういう事態にはいま差し迫っておりませんか。

金丸信自由民主党国土庁長官

○国務大臣(金丸信君) 奄美群島振興開発計画事業の計画につきましては、国土庁所管になりまして昭和四十九年度予算も総需要抑制の中で一九%伸びておるわけであります。また、五十年度予算の予算案としては一五%伸びておる。いろいろただいま局長から御説明がありましたように、まことに格差のあるということでございますから、そのような配慮をしても格差が一時に縮まるということもできないと思うわけでございますし、また計画もそのような配慮もいたしておるわけでございますが、十分ひとつこの面につきましては今後検討しながら進んでまいりたい、こういうように考えております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 いま大臣から奄美にかかわります国費の関係が五十年度は対前年度一五・九%プラスになっている、こういう説明がありましたが、その中身は大分でこぼこが予算案の中には公共事業費関係で出てきていると思うんです。これはいろいろ事情もあるんでしょうが、まず空港、この空港が対前年比が七三・六ですか、国費の関係が。ですから、これは二十七%ですか、落ち込みを見せております。事業費も、事業費で見ますと約三〇%落ち込みを見しております。これは一体どういうことなのか。それからもう一つは環境衛生費、環境衛生費が同じくこれは金額にしまして一億二千三百万、これは大幅の、これも相当に落ちていますね、環境衛生費が。この空港とそれから環境衛生費の落ち込み、これはどういう理由によるんでしょうか。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○政府委員(近藤隆之君) 奄美の予算につきましては、限られた地域でございますのですべて積み上げ方式によっております。したがって、結果的に空港と環境施設が四十九年度と五十年の間でこういった落ち込みを見ておるわけでございますが、空港につきましては、四十九年度の事業費の中でその大半を占めておりますところの徳之島の空港につきまして事業計画の変更等がございまして繰り延べておるような関係がございます。したがって、金額的には五十年度はその部分が相当落ち込んでおりますので、結果的にこういう形になっておるわけでございます。  それから環境衛生の方につきましては、四十九年度は名瀬市のごみと屎尿の施設が計上されておるわけでございまして、それが、ごみにつきましては四十九年度で完了いたしますので、そしてまあ屎尿の問題につきましては、これは場所が実は決まらなくて非常に苦慮しておるところでございますが、いずれにいたしましても五十年度につきましてはその名瀬市の大口のごみ、屎尿がございません。細かい瀬戸内町等二カ所が計上されておるだけでございますので、こういった形に落ち込んでおるわけでございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 当初から本土並みに生活水準を引き上げていく、こういうことが奄美群島のこの特別の立法をした主たるねらいであるわけですね。ですから、そういう面での作業が続けられてきているわけですが、以下若干個々の問題でお伺いしたいんですが、これは午前中沢田委員からもお話がありましたが、枝手久島ですか、これの石油精製基地をつくる、こういう問題午前中も質疑がありまして、ほぼそのあらましは頭の中に置いたわけですが、問題は、国が振興開発計画を策定しましたね、その段階では石油精製という問題は一言も触れられてないわけです。ですから、それで先ほどの答弁によりますと、国の方は何か事態の成り行きを見守っている程度にしか、いわば第三者的な——第三者と言えばおかしい、むしろ隠れみの的な答弁をされておったように思うんですけれども、振興開発計画の中にはそれはうたわれていなかった、いましかしそういうことが地元で問題に出てきた。そうしますと、国土庁なりあるいは通産省なりが振興開発計画に照らしてやはり行政指導という方向は出さなければいけないと思うんですが、その面はどう指導されるつもりですか。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○政府委員(近藤隆之君) 枝手久島の石油の問題につきましては、午前中も御質疑がございましたけれども、これはまだ計画としてはっきり確定したものではございません。業者の方がここに立地したいという意思表示があり、地元において賛否両論がある、県は白紙の状態であるということでございます。したがいまして、当然のことでございますけれども、奄美の振興開発計画におきましては、そういった枝手久に石油基地を置くというような構想は現段階ではございません。今後地元がどういうふうになってまいりますか、いろいろ論議が重なりまして地元の意向が固まった段階で、もし計画変更ということになるかどうかという問題でございまして、いまの段階は繰り返して申しますように県も国もこの問題については白紙でございます。

松村克之資源エネルギー庁石油部精製流通課長

○説明員(松村克之君) 午前中にも御答弁いたしましたように、石油精製工場の建設につきましては石油業法の認可が必要なわけなんでありますが、この枝手久島の件につきましては、会社側もいま建設の希望を地元に打診しているという段階でございまして、通産省に対して設置の許可申請もいまだ出されていないわけでございます。したがいまして、通産省といたしましてもこの計画については何ら公式のものとしては受け取っていないということでございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 そうしますと、通産省には業者の側から公式にも非公式にもいまだ接触はなかったと、こういう意味ですか。

松村克之資源エネルギー庁石油部精製流通課長

○説明員(松村克之君) 石油業法に基づく正式の設置許可の申請が出されていないということを申し上げたわけでございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 じゃあ、重ねてお尋ねしますが、非公式にはそういう希望があるという旨はあえていま否定をされなかったわけです。それはいつごろからそういうふうな話がありましたか。

松村克之資源エネルギー庁石油部精製流通課長

○説明員(松村克之君) 私もはっきり記憶はございませんが、一昨年ごろからそういった地元で企業側が進出の希望を表明したころから非公式にはお話はあったというふうに聞いております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 そのとおりだと思うんです。で、私も小耳にはさんだのは、たしか四十八年の二月でしょうか、宇検村というこの村議会、そこへ諮問が出、何か大混乱の末十一対五とかという差で議決をしてしまったと。そして問題が——議決というのはいわゆる設置する方向に村議会の意思を議決をしたということで、地元に大きな反響をそれから呼び起こしたという話なんですが、さて振興開発計画を策定されたのはいつですか。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○政府委員(近藤隆之君) 四十九年の六月でございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 そうしますと、やはりその振興開発計画を策定する時点でも地元にそういうトラブルはあり、それがどういう方向にふっていくかはわからないとしても、問題は出てきているし、一応村議会での議決もあったということは踏まえて、やはり振興開発計画の中に何分のあるいはそういう面の企業を誘致するとか、あるいはそれが好ましくないとかというふうな判断をされるべきじゃなかったんでしょうか。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○政府委員(近藤隆之君) この奄美にそういった大規模な企業というものが果たして必要であるかどうかということにつきましてもいろいろ論議のあるところであろうと思います。この奄美群島全部で十六万人の人口でございまして、奄美大島だけでは八万人。それらの地域に住んでおる方々がいかに今後何といいますか生活水準を上げていくか、そのためにはどういった産業を興すべきかということで、この計画の策定の段階におきましては、関係者いろいろ協議いたしましたところ、結局において、まず基幹産業であるサトウキビ、それから大島つむぎ、観光、そういったものを中心といたしましてこの地域の開発を図るということに意見がまとまったのだと思います。で、そういった県及び市町村の意見を踏まえまして、原案は御承知のようにこれは鹿児島県がつくるわけでございますが、鹿児島県がつくりまして国の方へこの案を持ってきた。国の方で関係各省協議いたしました上で、これを自治大臣が六月に承認したという経緯でございまして、その間、枝手久の問題も一つの問題として地元に起きていたことは事実でございましょうけれども、市町村の段階、県の段階、国の段階、いずれも公式なものとしてそれを受けとめて計画化するという段階には立ち至っておらなかったと承知しております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 もう一点、私この問題でお伺いしておきたいことは、環境庁の方、見えていますか——御承知のように、この方面、いわゆる奄美群島、ここで昨年の二月ですか、国定公園に指定した地域があるわけですね。その国定公園に指定をしたときの経緯、これをちょっとお伺いしたい。

宇野佐環境庁長官官房参事官

○説明員(宇野佐君) この奄美群島の国定公園につきましては、正確な日付はちょっと覚えておりませんけれども、四十六年の春に、当時の自然公園審議会に全国各地から出ております要望について御説明をいたしまして、四十六年の暮れに一応この奄美群島を国定公園に指定するということについて、候補地としていいというような御答申を得た。その後、現地につきまして詳細な調査報告がありまして、昨年の二月に指定したということでございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 ところで、この宇検村という問題の土地、この村は指定から外れている、指定から。それをはさむ両隣の村ですね、これは指定をされている。しかも宇検村とその両隣の景観というものは全く変わらない。真ん中だけ、問題のところだけ指定から外して、両側が指定されているということは、何だかんだと言いながら、いわゆる石油精製基地をもう低いところへ落としていくような、そういう筋書きのもとに国定公園の指定までも行われているんじゃないかと現地で心配をしている向きもあるんですが、この点はどうですか。

宇野佐環境庁長官官房参事官

○説明員(宇野佐君) その点につきましては、宇検村も一部は指定されておるわけでございます。ただし、海岸ではございませんで、たしか山だと思います。そこで、御質問の両側が指定されておってということでございますが、奄美群島の海岸、主としてこの奄美群島国定公園は海岸の景勝を守るというような趣旨で指定されてございます。一部には山岳部の森林の保存というような意味での指定もございますが、主として海岸の保全でございます。  で、奄美群島、特に大島を見ますと、確かにどこも相当いい景観を呈しているということは事実でございますが、その指定の要望というのは、国定公園につきましてはやはり鹿児島県からの申し出によりまして、それに基づいて国が指定をするということでございます。先ほど申し上げました四十六年以前の県の申し出の段階におきまして、これはその当時は石油精製基地というようなことはまだなかったと思いますが、やはり住民の生活活動、あるいはいろんな産業活動、そういうものとの調整の上で、主たる指定拠点をさらに西の方でございます瀬戸内の海狭部、これに重点をしぼったというふうな経過から、結果的にはこの枝手久島の近辺は指定から外れておる、申し出から外れておるというふうに聞いております。   〔委員長退席、理事上田稔君着席〕

二宮文造公明党

○二宮文造君 そういうふうな問題点を地元は非常に心配をしているわけです。したがいまして、先ほど、いま所管官庁になりました国土庁での方針は、果たしてこの奄美にそれだけの石油精製基地が必要だろうかと、それよりもむしろ従来の基幹産業というものをもって奄美の振興開発というものを進めていくべきだということが、この振興開発計画の主体であったというふうな趣旨の答弁がありました。したがいまして、通産省もこの点はひとつ十分に頭に置いていただいて、いわゆる地元住民の納得といいますか、同意といいますか、そういうものを無視して当然進められっこはありませんけれども、しかし、しばしば力がそういう問題を制圧してしまうというのが過去の例にはありました。したがいまして、この国定公園を決めた自然の景観を保全するという意味からも、あるいはまたいまの島の住民の方々の意思の上からも、この問題については十分に問題の詰めというものをやっていただきたい。なぜ心配するかと言いますと、すべてが鹿児島県から要望が出てくるわけですね。国定公園の指定にしても、それからもう今度は石油精製基地の問題にしても、特にいまの金丸さん、まあ同姓異人ですが、金丸知事が非常に熱心だというふうな話も聞いておりますし、志布志湾の計画、これの振りかわりというようなそういう巷間話もございますから、それらのことも含めて十分にこの問題に対処していただきたい、こうお願いするわけです。これは答弁を求めません。  それから次に、やはり島の振興開発ということになりますと、離島でありますから足の問題、いわゆる交通の問題ということが何といっても致命傷になります。そこで、港湾の整備の問題について若干お伺いしたいんですが、振興開発計画によりますと、本土−奄美・沖繩航路の基幹的港湾は一万トン級船舶、その他主要なまあいわば船舶の寄港地ですか、こういうところの港湾は五千トン級の船舶の寄港が可能になるように港湾施設の整備を図る、こういうようにうたっているわけですが、現在の整備状況というのはどうなっておりましょうか。

大塚友則運輸省港湾局計画課長

○説明員(大塚友則君) 御承知のように、奄美本島には名瀬という港、それから徳之島には亀徳、平土野という港、それから沖永良部島には和泊という港、それから与論島には与論という港が現実にございます。それで、現在奄美本島の名瀬におきまして一万トン岸壁が一バースでき上がっております。それから亀徳並びに和泊につきましては五千トン級の船が着けるようなバースがつくられております。それから平土野と与論でございますが、おおむね二千トン級の船が着けるようになっております。そこで、いまおっしゃいました振興開発計画において目標を立てているわけでございますが、われわれといたしましても、その目標に従いまして、いま申し上げました名瀬、亀徳、平土野、和泊、与論、これにつきましては基幹的港湾といたしまして一万トン級の船が着けるように整備していきたいというふうに考えております。それからそのほか主要定期船寄港港の港湾でございますが、これには喜界島に湾という港がございます。それで現在は二千トンクラスの船が着けるような岸壁がございますが、これにつきましても五千トンの船が着けるように七メートル半の岸壁をつくっていきたいというふうに考えております。  以上でございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 以上の説明にあわせて、もう一つ大事なのは生活港湾ですね。この生活港湾も並行して整備を計画されていると思うんですが、この点はどうでしょうか。

大塚友則運輸省港湾局計画課長

○説明員(大塚友則君) 生活港湾として考えておりますのは、本島の赤木名という港、それから湯湾という港、両方でございます。それで、現在の状況はきわめて貧弱な施設しかございません。そこで、われわれといたしましても、少なくとも千トンクラスの船が着ける程度の施設を整備していきたいというふうに考えております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 ところで、五十年度からは新たに追加をして手をつけるというふうな計画にもなっているというんですが、それはどうですか。

大塚友則運輸省港湾局計画課長

○説明員(大塚友則君) いまおっしゃいましたのは、恐らく五十年度に新規着工する港はどうかということだろうと思いますが、現在検討中でございます。それで、鹿児島県の方からは七港程度の要望がございます。ただ、すべてについてなかなか充足するということはむずかしいと考えておりますが、おおむね四港程度新たに着手し整備を進めていくというふうに考えています。

二宮文造公明党

○二宮文造君 その四港は、大体目標としてはどういうところに置いておやりになりますか。具体的にどの港というふうなお考えはありませんか、まだ。

大塚友則運輸省港湾局計画課長

○説明員(大塚友則君) まだ港の指定につきましては検討中でございまして、いまの段階でちょっとまだ申し上げる段階ではございません。

二宮文造公明党

○二宮文造君 けさほど質問もありましたけれども、漁港についての整備、これもいままでの実績はなかなか十分じゃなかったわけですが、現状としては一種漁港というのですか、これが何か小湊一港だけだと、こういうふうな状態で、あとはほとんど手がついていない、こう言われておりますが、この点の整備はどう進めていかれるおつもりですか。

矢野照重水産庁漁港部長

○説明員(矢野照重君) 現在、奄美群島には四種漁港が四港と一種漁港が十八港、二十二港の漁港がございます。それで、現在すでにある程度整備ができています四種漁港の古仁屋を別としまして、大熊、知名、早町と、この四種漁港三港と、それから一種漁港の小湊と、この四港を改修事業として重点的に中核漁港として整備しておりますが、その他の港につきましても、局部改良事業としてそれぞれの港に即した小規模な整備は行うということで、四十九年度に四港、それから五十年度よりさらに四港の港を採択しまして、五十年度におきまして八港の漁港につきまして局部改良事業として事業を実施する予定にしております。これに現在改修事業として四港実施しておりまして、二十二港のうち十二港につきましては一応整備事業を行う予定になっております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 それぞれ定期船の寄港する港、それから生活港湾漁港と、整備の目標をいまお伺いをしたわけですが、これは計画どおり余りうまく進んでいない。そして住民の希望は非常に大きい。こういうギャップのままに今日を迎えている。こういうかっこうになるのですが、さて問題のこれを、きょうけさほど沢田委員から質問がございましたいわゆる足の問題です、住民の。特に昨年の十一月の一日に、本土と奄美・沖繩航路の旅客の運賃の改定がされたようでありますけれども、改定率など、時間の関係もありますので、あらましを説明をいただきたい。

熊木藤吉運輸省海運局定期船課長

○説明員(熊木藤吉君) お答えいたします。  昨年十一月、奄美・沖繩に就航しております航路につきまして運賃改定がなされたわけでございますが、その際の航路別の運賃改定率を申し上げますと、東京から奄美・沖繩へ行く航路、これは会社が琉球海運と大島運輸という二社がやっておりますが、改定率は三九・六%でございます。次に、大阪から奄美・沖繩もしくは神戸から奄美・沖繩へ行く航路についてでございますが、これにつきましては関西汽船と琉球海運と大島運輸、三社がやっておりますが、同じく三九・六%の改定率でございます。それから鹿児島から奄美・沖繩へ行くルートにつきまして、これは琉球海運と大島運輸、照国郵船の三社で出ておりますが、これにつきましては、琉球海運については四三・一、それから大島運輸は四二・一、照国郵船は四二・Oという改定率になっております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 このいわゆる離島でもありますし、それから住民の足ということも勘案をされて、この改定に当たっては、けさほども答弁がありましたように、島民割引だとかあるいは島内間の運賃は据え置きにするとかいろいろ手を打たれた、あるいは連絡運輸の適用もやったと、こういうふうな説明でございましたが、阪神、東京航路の旅客運賃よりも一番何といいますか、利用度の高いといいますか、住民には非常に関心の深い鹿児島航路の改定率が、いま伺ったところによりますと、一方は三九・六、一方は四二だとか四三だとかいうふうに値上げの率が高いですね、パーセントが。これはどういうわけですか。

熊木藤吉運輸省海運局定期船課長

○説明員(熊木藤吉君) お答えいたします。  運賃改定の際には、海上運送法に基づきまして、適正原価、適正利潤という形で事業者サイドの収支率がとんとんといいますか、なるような形で改定率がまず定められます。で、いま先生からお話がありましたように、鹿児島−奄美・沖繩航路につきましては、島内間の運賃の据え置きと、それから俗に言う島民割引と申しますが、そういうやり方をやったために、その分だけがまあ事実上減収になるということもございまして、そこの分だけ通常の運賃アップになったという結果でございます。ちなみに、それによりまして賃率といたしましては四二%から三%アップになりましたが、島民の方の負担、実際の料率アップと申しますと、これは島発の往復割引というふうなものの適用によりまして、現実には二九%になるという形で抑えられております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 それでもう一つ、細かいことを伺って大変恐縮なんですが、この資料として「本土−奄美・沖繩間各区間別キロ当り運賃表」と、こういうものをいただいております。それを見ておりますと、いわゆる奄美関係のキロ当たりの運賃がきわめて高いのです。これは距離の関係にもよりましょう。距離の関係にもよりましょうが、たとえば名瀬−鹿児島、これは三百八十三キロですね。この場合のキロ当たりの運賃が八円六十四銭ですか。ところが、今度は同じようにこれは那覇と先島との関係にはなりますが、那覇と宮古を見ますと、本島と先島の関係にはなりますけれども、那覇と宮古は三百十五キロ、キロ当たりの運賃が五円三十七銭。また今度は、これは一方は三百であり、一方は百以下ですから、これは比較にならぬと言えばそうなんですが、たとえば名瀬と亀徳、これは百九キロですね、この場合には八円二十銭。もちろん遠距離逓減になりまして、遠距離ほどキロ当たり単価が低くなるということはわかりますが、たとえば沖繩本島と宮古の場合と、それから鹿児島と名瀬の場合と、これほどキロ当たりの運賃率が違う、これはちょっとどうかと思うんですが、どうでしょう。

熊木藤吉運輸省海運局定期船課長

○説明員(熊木藤吉君) お答えいたします。  海上運送法に基づきまして、それぞれの航路につきまして運賃設定するという形になっております。適正原価、適正利潤という形で算定いたしますので、航路によりまして賃率はかなりの格差、キロ当たり賃率というものについてかなりの格差がございます。その理由となりますのは、具体的にはいま先生おっしゃいました遠距離逓減的なものの要素が一つと、それから当該航路における利用率と申しますか、年度を通じまして一定の利用がありますと、それに合わせた船型ができるわけでございますが、たとえば観光なんかが重点で夏場に急激にお客がふえる、そういうふうなところになりますと年平均の利用率と申しますのは低くなります。ただし、ピークに合わせまして供給力といいますか、大型化しなければなりませんものですから、そういう平均利用率の関係で賃率が上下するという結果になっております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 これはおわかりかどうかわかりませんが、利用度の関係ということを運賃を決める場合の一つの重要な要素としてお出しになっておる、まあ収支を中心に航路ごとに運賃を決めていらっしゃる、これはいまわかりました。  それでは、細かい数字をお持ちかどうかわかりませんが、たとえば名瀬と鹿児島、これの普通運賃を決めますときに、回転率というのでしょうか、何というのでしょうか、いわゆる何人乗客が乗せられると、そしていま現に平均すると四〇%の客であるとか、あるいは五五%の客であるとかということで運賃の一つの算定の方法出てきますね。そうしますと、名瀬と鹿児島はどれぐらいの利用率といいますか、これはどれぐらいの利用率だと押さえていらっしゃいますか。

熊木藤吉運輸省海運局定期船課長

○説明員(熊木藤吉君) 四十八年度の実績におきましては、鹿児島航路につきましては三五・七%の利用率になっております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 阪神、東京も続けて。

熊木藤吉運輸省海運局定期船課長

○説明員(熊木藤吉君) 阪神につきましては四十八年度四一・五%、東京は三〇・三%でございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 いまお伺いしたパーセントによりますと、阪神が一番多い、それから鹿児島、東京と、こういうことになりますが、年間の利用客の絶対数はどうでしょうか。

熊木藤吉運輸省海運局定期船課長

○説明員(熊木藤吉君) 鹿児島航路につきましては四十八年度で七十一万八千人、阪神航路は二十四万五千人、東京航路につきましては九万六千人でございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 圧倒的に鹿児島航路が多いわけですね。もう絶対数からいきますと、阪神が多い多いと言ってみたところで、その三倍になんなんとするような人員が送られている。もちろんこれには観光客も入っていましょうが、全部が全部奄美の人だとは言えませんけれども。ですから、そういう場合のことを考えてみますと、奄美の方にとってはこの名瀬−鹿児島というのがむしろ生活上どうしても必要な、国道みたいな重要な航路であるということになりますね。で、その場合の運賃のキロ当たり単価というものが非常に高いような気がするわけですね、阪神に比べて。たとえば私もちょっと計算をしてみたのですが、名瀬から鹿児島の航路運賃が三千三百十円、それで島民割引で一割落ちますから二千九百八十円。それから西鹿児島から神戸までの運賃、特急料金五千二百十円入れますと八千九百十円。一方、直通で名瀬−阪神間は六千百三十円、こうなってきます。陸路を利用しますと速いというものもありましょうし、船に弱いという本人の肉体的な条件もありましょうし、それにしても二千七百八十円鹿児島からの陸路を使う場合は高くつくわけです。ということは、逆に言いますと、この名瀬−鹿児島間の運賃がやっぱり割り高になっているんじゃないかという感じがしてならないんですが、利用度が高いだけに、またしかも生活道路的な重要性を持った航路だけに、この名瀬−鹿児島間の運賃というものが少し割り高になっているんじゃないかという感じがしてならないんですが、この点はどうですか。

熊木藤吉運輸省海運局定期船課長

○説明員(熊木藤吉君) 先ほども述べましたが、あくまでも適正利潤、適正原価というふうな形で積み上げで改定率を出しますので、結果的に長距離航路については割り安と申しますか、賃率的には低くなるということでございます。ただし、ほかの航路、船の関係の賃率からいたしますと、鹿児島−奄美航路につきましては、ほかの海上運賃の賃率と比べまして高いということにはなっておりません。

二宮文造公明党

○二宮文造君 いや、ですからちょっと答弁も私は納得できないのです。といいますのは、キロ当たり単価の立て方が高いではないかと、適用の仕方、キロ当たり単価が高いではないかと言いますと、会社の収支というものを土台に置いて、そうして運賃をやりますからと、こういう説明なんです。それから今度はこの区間が高いじゃありませんかと、こう言うと、ほかの航路と比べてそんな高いことはありませんと。おたくの議論の立て方がかみ合っていないわけです。私は確かに遠距離というものが安くなるということはこれはわかります。ですが、さっきも私ちょっと申しましたけれども、那覇と宮古の間には五円三十七銭というキロ当たり単価が、これは本島と先島の関係だから、名瀬と鹿児島ということにはならぬかもしれぬけれども、こういう一応数字があるわけです。それに比べると、こちらの八円六十四銭というキロ当たり単価は、会社の収支ということは別にして、これはやっぱり高いんじゃないかと。  そこで、けさほどの沢田委員との質問とも関連してくるわけなんですが、いわゆる競合航路であるから補助金というものは考えられない、航路の補助というのは考えられないということですけれども、現実にこういうでこぼこが出ているわけですから。しかも離島でしょう、そして生活道路みたいな、生活航路みたいな観点を加味していけば、そこに補助金、国の補助というようなことで、この単価の値下げもできて、住民の皆さんのいわゆる利便といいますか、そういう要求にも満たされるんじゃないかと、こういう論法を私はしたいわけなんですがね。この点どうでしょう。

熊木藤吉運輸省海運局定期船課長

○説明員(熊木藤吉君) おっしゃいますように、事業収支という側からすれば当然に格差が出てくると、しかし、利用者サイドに立てば当然に安い賃率というやり方、方式で利用者サイドに立った考え方が考えられるべきじゃないかと、そういう関係で鹿児島−名瀬航路について補助方式を考えられないかということでございますが、現在の離島航路整備法の段階では、先ほども申し上げましたように、複数航路については一応対象とできないということになっておりまして、現在そういう問題については、いまの航路について補助対象にしていないということでございます。これについては、先生おっしゃる点はわかりますが、現在の制度上ちょっとどうしようもないということに考えております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 わかります。現在はどうしようもない、それはそうなっているからどうしようもない、これはわかります。ですが、そういうふうに方向性を持たして考えることがいわゆる離島の振興、奄美の振興開発特別措置法、こういうものを麗々しくうたい上げる上にはそういうこともあわせ考えるべきではないか。奄美に限っていないのです。私沖繩にもたびたび伺いますが、沖繩の方もそれを盛んに言っているわけです。沖繩にはとにかくわれわれも船を使って来る、あるいは飛行機を使って来るよりどうしようもないんだと、足なんだと、これが。それがいつも大幅な運賃の値上げによってわれわれの生活を脅かされるのだということを沖繩あるいはその先島の関係の方、恐らく奄美の関係の方も同じような要望を国に対して持っていると思う。ですから、振興開発ということを前面に取り上げるならば、そういうこともあわせ考える方向が必要ではないか、こう私は申し上げているわけです。これは大臣に。

金丸信自由民主党国土庁長官

○国務大臣(金丸信君) この船賃の問題等につきましては、なかなかいまの運輸省からの御説明にあるようにむずかしい問題だと私も思います、いまの状況では。また、離島対策という立場から考えれば、ひとつ奄美大島ばかりでなくて離島対策として考えるべきじゃないかという私は考え方もあります。また、過疎地帯のバスの赤字に対する助成という問題も予算を大幅にことしは案として出しておるわけでございますが、そういうことを考えると、そういうような面で、これは事務当局でとてもこの法律のある中でやるというわけにいかぬだろう、これは高度な政治性を持たなくちゃならぬ。十分先生のおっしゃることもわかります。この問題について十分検討してみたいと考えております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 それと同じように、住民生活に関連する問題がいわゆる貨物の運賃です。これも沖繩へ行ってよく皆さんに要望されるわけですが、要するに沖繩は、話が沖繩になりますけれども、沖繩では本土物資に七〇%依存している。したがって、ああいう僻地でありいわば県民所得というのはうんと低いにもかかわらず、一切の物資が本土に依存するためにそれだけ運賃が加算されて、所得が少ない、給料が低い上に持ってきてそういう物資が運賃加算されて本土よりも高くなる、それが現在沖繩の物価高の大きな要因になっている。こういうことで貨物の運賃というものについても特段の要望が現地ではあるわけです。  そこで、貨物の航路運賃につきましては四十八年の一月以降でしたか、関係七社が海上運送法第二十九条に基づく奄美航路運賃協議会を結成して等級別統一料金を設定していると、このように聞いておりますが、協議会結成の経緯あるいはその後の運賃改定の経過、この点についてあらましお伺いしたい。

阿部雅昭運輸省海運局内航課長

○説明員(阿部雅昭君) 私、国内の貨物船の関係を担当しておりますので、ただいまの貨物運賃の件、私からお答えいたします。  その前に、いま定期船課長お話ししましたように、鹿児島あるいは本土と奄美大島の間、あるいは先生言われた沖繩の間、これは主として旅客船、大型のものでございますが、かなりの旅客船が入っておるわけでございますが、そのほかに、これは型は非常に小さくなりますが、内航の貨物船が、不定期的な運航でございますが、相当数のものがまた運んでおる。実際に奄美大島の関係を申しますと、鹿児島から月間に六万トン程度の貨物が動いておるかと思いますが、先ほどの旅客船といいますか貨客船、これで運んでいるものは約六割ぐらいかと思いますが、残り四割程度、これは不定期の貨物船が運んでいるというのが実情になっていると思います。従来から主として定期船の方は定期的な運航を行うというようなことでサービス条件がよろしいものですから、内航の貨物船はそれとの関係で非常に競合関係、しかも零細で弱いというようなこともございまして、運賃もダンピングして貨物を集めるといったようなことがございましていろいろ弊害が指摘されておりました。  したがいまして、そこらに走っております内航の事業者も、一応海上運送法に基づく協定を結んで、一定の運賃を守ってやっていこうというような機運が生じまして、その間不当な話し合いだけでやりますと独禁法違反になりますので、そういう話し合いをやってきちんとやっていく以上は海上運送法に基づいた協定として届け出るという制度ができまして、そのような海上運送法に基づく届け出が四十八年六月に出されたという経過になっております。その後の運賃の改定でございますが、四十八年の秋に石油危機が起こりまして石油価格が上がる、燃料代が上がる、その他のコストが上がるということで、事業者からは昨年三月十日に二五%の運賃のアップをしたいという申請が出まして、私どもこれを受理して、法律の手続に従いまして公正取引委員会に送っておるということでございます。  ただ、それ以後の経過をさらに申し上げますと、昨年の四月、これは春闘の結果、海運についても船員の賃金が大幅に上がるといった事態がございましたし、さらに三月以降の油代の値上げですとか修繕代、その他諸コストが非常に上がりまして内航のそういう小さい船主さんの経営というのも非常に苦しくなるということで、夏から秋にかけまして、さらに運賃を原価計算的にいくと四七%ぐらい上げないとわれわれも採算がとれないというような動きが出てまいりました。私どもとしましては、運賃は一応協定としての届け出制でございますが、常に離島につきましては物価の問題に対する影響もございますし、その辺は慎重にやるようにということを事業者に対して指導してきておりますが、昨年も一応四七といったような数字は相当高いんじゃないか、また離島に行って十分関係の荷主さんですとかその他の方々とお話をして、ある程度の了解を得た上で実施してほしいという指導をいたしました。  その結果、事業者側もいろいろ原価計算その他をやり直しまして、三五%といったような線で、先ほどの旅客の改定が三九%になっておりますが、それよりも低いといったような線で、しかも昨年三月十日に実施した、一年の間に二度もあるというようなことでは影響が大き過ぎるということで、実施の時期についても特別に配慮するように、さらに貨物の内容によっては住民の生活に対する影響が非常に大きいので、特に生活関連物資の値上げについては十分な配慮をするように、たとえば原則として一級品、二級品、三級品、四級品の定めがございまして、運賃の負担力等を勘案しまして、なるべく負担力のないものは四級品にするといったような配慮を加えるようにということをいたしまして、食料品等についてはそのような配慮を加えた結果のものが先般出てまいりまして、今年の四月一日から三五%の値上げをするといったような経過になっております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 この場合に、業者の経営というものが逼迫をする、だから最小やむを得ないところで運賃の改定をやった、こういう運輸省側の説明なんですが、その言葉の中に一部ダンピングがあっちゃ相ならぬという言葉もあったわけですね。ところが、住民にしますと、ダンピングということがいいことではありませんけれども、従来とも運賃が高い、運賃が物価のつり上げないしは生活の方にも圧迫をするという抵抗を持っているわけです。だから、業者のサイドに立って運輸省がそういう配慮をすること、これはまあ必要なんですが、ちょうど住民の気持ちと逆になるわけですね。住民の方はたとえばチャーターをして、お互いが荷主の関係で相談をしてチャーターをして、そして輸送をすれば運賃が安くなる。ところが、今度は業者の圧迫がありまして、チャーターすれば安く入るのだけれども、荷揚げの関係だとか何かでとてもじゃないけれども実施できない、こういう面もあるわけです。ですから、運輸省としては当然所管官庁ですから、業者の収支というものにめどを当てられることも結構なんですが、それが住民の生活を圧迫しているということも絶えず考えていただきたい。先ほども旅客の運賃を上げましたと、上げましたけれども島内割引をいたしますと、だから普通は四〇%程度上がったんだけれども、島民の場合は二九%でとどまっております、それにしても二九%、三〇%上がっているわけです。  これは私どもいつも国のやり方を見て疑問に思うのですが、減税しますと言っても本当は増税なんですね。去年よりは税金が多いわけです。しかし、政府の方からは減税とこう言う、個人のふところからは去年よりよけいに税金が納まっていく、こういう関係が出てきているわけです。ですから、特に貨物の場合も旅客のときと同じようなことになりますが、やはり運賃が生活に非常に響いてくるという現状、しかもそれがなければ物資も入ってこない、そういう地理的な制約、これはやはり行政の上で本当に離島の人の振興開発、あるいは生活水準を上げる、生活環境を本土並みにしていくということに文字どおり本気で取っ組むとすれば、そういう面にもきめの細かい配慮を私は必要だろうと思う。そして、いまたとえば一部の食料品については等級の格下げをやって、それが物価にはね返らないように配慮をしたと、この四月一日と目される三五%の値上げに際してはそういう配慮をいたしましたということですが、さてそれではちょっと具体的にお伺いしますが、チーズ、バター、かん詰め、味の素、旭味、ソース、ケチャップ、ハム、つくだ煮、食肉加工品、マカロニ、菓子、文房具、いま申し上げたのは確かに生活必需品です。これらは一体必要やむを得ざるものとして今度の行政指導の中で運賃の等級改正の対象に挙げましたか、この点どうでしょう。

阿部雅昭運輸省海運局内航課長

○説明員(阿部雅昭君) 今回の改定で四級品に特に落としたものは卵、魚の加工品、穀物類、でん粉、うどん、そうめん、小麦粉、押し麦、こんぶ、茶、食用油、そのようなものでございます。ただいま先生言われた点のものはなお現在三級品という形になるかと思いますが。

二宮文造公明党

○二宮文造君 どれだけ違うんでしょう。米とバター、チーズ、味の素、それからうどん、そばはあれで、マカロニは三級ですね。ですから、何か配慮の中に後追いみたいなかっこうになるのではないかと、こう思うのですが、やはり生活必需品というふうな観点からいけば、いま私が個別的に申し上げたような品名は当然格下げの対象にしてよろしかったんじゃないだろうか、こう思うんですがね。これはなぜ外れたんでしょう、対象から外されたんでしょう、この理由はどういうところにあるんでしょう。

阿部雅昭運輸省海運局内航課長

○説明員(阿部雅昭君) この運賃協定届け出制ということでございまして、認可制という形にもなっておりません。われわれも行政指導でできる範囲にもまあ最終的にはそういう限界があるかと思いますが、われわれとしては十分そういう面に配慮するようにということを指導してこのような形になりました。これで十分であるとは思いませんが、今後その辺につきましては、さらに事業者について、それらの輸送量ですとか、現地の需要量その他小売価格等を十分調べた結果、場合によってはそういうことについてさらに考慮を求めるということを考えたいと思います。

二宮文造公明党

○二宮文造君 ですから、冒頭に説明をいただいたときは、きわめて積極的に業者を指導したような説明をいただいた、その次に具体的に品目を挙げて質問しますと、行政指導の限界がございますので、不十分だけれどもここでとまりますと、こういうような答弁があったわけです。ですから、恐らくこういう形で業者の行政指導をやっていけばいつもこういう壁にぶつかると思うんです。むしろ、これもまたくどいようですけれども、いわゆる補助というもの、取り扱い数量に応じて、方法論はいろいろありましょう、複合、複数の航路だからという意味もありましょうし、あるいは業者の形態がいろいろ複雑だからそれが一律にいかないという、方法論としてはいろいろな問題がありましょうけれども、要するに本土並みの生活水準というものを一日も早く実現をするためには、離島で地理的な制約を受けている方々のためにはむしろ国の方から誘い水を出して、そして運賃等への影響を最小限に抑える、いまは業者の出血の程度に応じてしりぬぐいをするというのじゃなくて、むしろ国費の面からも、私は大きな二十何兆円という国家予算の中で、この奄美だとか沖繩だとかこういう方面への、特にそういう特別な措置というものを道を開いてみても大した国費の負担にはならないんではないか。ですから、消極的にやる姿勢ではなくて、むしろ積極的にそういう手法を導入するように運輸行政の中に配慮をしていただきたい。これは私の要望です。これはひとつお願いを頭にとめといていただきたいと思うんです。  次に、受託手荷物または小荷物の積みおろし料についてでありますけれども、これは通常の場合標準運送約款というものがあるんですが、この点はどうなっておりましょうか、この関係については。

熊木藤吉運輸省海運局定期船課長

○説明員(熊木藤吉君) 標準運送約款、運輸省の方で標準的なものという形でつくっております約款におきましては、手荷物の積み込み取りおろし料については運賃の中に込めるという形になっております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 標準運送約款では積みおろし積み込み料は運賃の中に込める、こういうふうになっている、ところが、奄美経由那覇航路については別に積み込み料金あるいは陸揚げ料金というものを取られているようですが、これは海上運送法に基づいてどうなりましょうか。

熊木藤吉運輸省海運局定期船課長

○説明員(熊木藤吉君) 運送約款は事業者が自分の方でつくりまして申請して、運輸省の方で認可するという形になっております。それで、奄美・沖繩航路につきましては、過去の沿革的な性格から積み込み取りおろしにつきましては料金に含めません、運賃に含めませんと。それで現実にはその作業について事業者サイドでやらないという形になっております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 そのしまいの方の語尾がはっきりしなかったんですが……。

熊木藤吉運輸省海運局定期船課長

○説明員(熊木藤吉君) 奄美・沖繩航路に出航しております各船会社の運送約款におきましては、積み込み取りおろし料につきまして運賃に含んでおりませんという運送約款になっております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 これは改正させる意思はありませんか、指導して。といいますのは、先ほど手小荷物の何というんですか技術的な言葉の、いわゆる連絡運輸というんですか、こういうことに非常に便利な道を開きましたと、こういういわゆる今度の運賃改定については島内に住む方の利便というものも考えてそういう道も開いてきましたという、いわば行政当局の苦労の跡を先ほどおっしゃられたわけですが、やはりこの場合も奄美といえ沖繩といえ日本の国内ですよね、歴史的な経過はありますけれども国内です。ですから、従来がそうであったからそれを認めるということでなしに、運賃改定は運賃改定として適時会社の収支に基づいて見直しているわけですね。そういうその機会にこういう特異な例というものはなくして、やはり標準運送約款というものに合わせるような行政指導をされるべきじゃないでしょうか。

熊木藤吉運輸省海運局定期船課長

○説明員(熊木藤吉君) 御質問の趣旨、ごもっともだと思います。われわれもそういう問題点、利用者サイドに立ちますと御不便だと思っておりまして、実際上関係事業者、当該航路に出航しております事業者につきまして、そういう改正をするようにすでに指導いたしております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 その改正のめどはいつに置いて指導されておりますか。

熊木藤吉運輸省海運局定期船課長

○説明員(熊木藤吉君) この料金改定につきましては、過去の沿革的なもの、それから具体的に申しますといろんな作業面その他の問題がございますので、いまの段階では申し上げられませんが、できるだけ近いところでやりたいと思っております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 けさほどの沢田委員の質問もございましたので、重複を避けまして本題に入るようなかっこうになりますが、今回の改正点について、いわば昨年の十一月に鹿児島から種子島、奄美大島を経て那覇に至るこの線がいわゆる国道五十八号線、こういうふうな指定に基づいて今回の改正の措置というものが上がってきたわけでありますが、さてこの改正によって実質的にどんなメリットがあるか、この点どうでしょう。

井上孝建設省道路局長

○政府委員(井上孝君) 県道から国道に昇格いたします場合幾つかのメリットがありますが、本土等におきまして最大のメリットと一般に言われておりますのは、改修費に対する国庫負担率が上がる、県道よりも国道の方が国庫負担率が高いということでございます。しかしながら、この奄美におきましては、今回の法律改正の趣旨にもございますように、奄美は県道、市町村道に至るまで十分の九という本土に比べて高率の補助率になっております。しかしながら、従来国道がなかったものですから国道についての規定がございませんので、ほっておきますと本土並みに道路整備緊急措置法に基づいて四分の三になるわけで、今回の改正案によりまして、できますればこれを従来どおりの県道の十分の九ということになります。したがいまして、全般が高率国庫負担率になっておりますので、奄美におきまして国道を指定するということは、この点ではメリットはございません。国庫負担率の向上というメリットはございません。しかしながら私どもは、この五十八号は、特に道路法第五条に定めます国道の要件のうちの第一項、これは、国土を縦断し、循環して云々という、最も基幹となる国道の種類に入れたわけでございます。国道網の基幹として、従来の県道当時とは違って、高い規格、けさほども御質問にお答えいたしましたが、県道のときには、この奄美では一車線でも改良済みというような古い規格が使われておりますので、少なくともこの国道につきましては全線二車線以上にするという、従来よりも高い、高水準の規格で、しかも計画的にかつ重点的に整備を進めるという考え方をとっておりますので、この点で実質的なメリットが考えられるし、またこのメリットを生かすように今後とも進めたいというふうに考えております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 けさほども沢田委員から意見が出ましたが、現在の奄美の道路事情といいますのは、たしか国道が三十八・七二八キロですか、国道が。ちょっと数字違いますか。それから主要地方道が国道よりも少ない。こういう延長になっているんじゃないかと私は思うんです。で、しかもけさほどの話にも関連しますけれども、一般県道から主要地方道への昇格という要望は現状の奄美の道路事情の中で非常に強い。これは早晩そういう方向に住民の期待を吸い上げていかなければならないと思うんですが、この点はどうでしょうか。

井上孝建設省道路局長

○政府委員(井上孝君) 従来、奄美群島には大島に主要地方道が一本だけございました。この一本が今回全線国道に昇格いたしましたので、主要地方道は実は現段階では一本もなくなっております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 あっ、そうですか。

井上孝建設省道路局長

○政府委員(井上孝君) 国道の次が一般県道だということになっております。先生御指摘のとおり、またけさほども御質問ございましたように、昨年の国道昇格は全国五千八百キロ、離島に重点を置いていたしましたが、その結果、国道の総延長が約三万九千キロ近くになりまして、主要地方道が逆に三万二千五百キロというように、従来上級道路ほど延長が短いというピラミッド型の道路網の構成でございましたが、国道を増大させましたために国道と主要地方道のバランスが崩れております。前回四十五年の国道昇格のときも、次の年度であります昭和四十六年に主要地方道の追加指定をいたしております。私ども当然この不均衡な道路網は是正すべきであると思いまして、昭和五十年度に入りましたならば適当な時期に各府県の御要望も承りながら主要地方道の追加指定をいたしたいというふうに計画的に考えております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 ありがとうございました。私の質問の趣意が大分変わっておりまして、それをうまくとらえて答弁していただいて、通告しておいてよかったと、こう思います。どうもありがとうございました。確かに主要地方道への昇格、これは全国各地からの要望ですね。ですから、この点はひとついまおっしゃった方向で善処していただきたい。  そこで、先ほどからお伺いしましたように、また午前中の質疑にもありましたように、せっかく奄美群島のいわゆる振興開発、それに取っ組むいわゆる特別措置法というものはこうやってあるわけですね。ところが、伺ってみますと、その県民所得は鹿児島に比べて八七とか本土平均に比べて五四とか、まだまだその成果というものは十分でない。また、道路事情あるいは港湾、さらには主幹産業であるサトウキビ、そしてもう一つの主幹産業であります大島つむぎ、こういうふうに離島という、しかも長い間アメリカの統治のもとにあったという二重三重の手かせ足かせの中で、いまどうにか国の差し伸べる手を待って振興開発というものが浮かび上がってくるんですが、現状としては非常にほど遠い。だから、これは私いつも思うんですが、確かに年次的に計画を組まれて、そしてその事業を遂行していくというのも結構ですが、これを何とか集中的に事業費を投入して、もう少し短期間に実績が、効果が上がるようにすべきではないだろうか。今日までのおくれには二十年、三十年という年月をたどっておくれているわけですね。本土との格差ができているわけです。ところが、それを取り戻すのにやっぱり集中をしなければ、後追い後追いでやっていくようでは地元住民の期待というものはなかなか戻らない。これはやっぱりこういうふうに開発のおくれた地域、また特に特別立法などをして振興を促進しなければならぬ、開発を促進しなければならぬという場合には、もっと姿勢を変えて集中的に財政投資をやっていく、こういう考え方が必要ではないだろうか。まあ部分はやっていると思いますね。ですが、このやり方でもまだ足りない、もっとハイスピードに原状回復をしていく必要があるのじゃないかと、こういう感じがしますけれども、これらについてひとつ大臣の所感を伺っておきたい。

金丸信自由民主党国土庁長官

○国務大臣(金丸信君) 私も先生と同じように、奄美大島へ行きましても、五島列島等に行っても、本土との格差というものを見て、こういうところは思い切って金をつぎ込んでやらなければだめだと、こういう感じがいたすわけでありますが、まあ建設大臣に会いまして、そういう意見も述べたところが、民主主義政治というものはそういうものじゃないというような考え方でまあおるようであります。そこで、民主主義も、考え方によれば非常におくれておるところへ集中的に金をつぎ込むということも私は民主主義だと思うという話もいたしたわけでありますが、なかなかそういうものが、すべての官庁が理解がまことに少ないと、こういうことで、私もそういう考え方ですが、なかなか困難であります。しかし、私もそういう考え方で今後も取り組んでまいりたいと、こう考えております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 ちょっとこれ問題が外れ、これと直接関連が出てきませんが、強いて言うならば、道路行政あるいは離島振興、こういうことにやや引っかけたような質問になりますし、またいまの大臣の答弁のように、民主政治というのは非常にむずかしいというところからいくと、なかなか答弁もしにくいんじゃないかと、こう思うんですが、前置きが長くなりましたが、非常に気になる大臣の発言があるわけです。二十五日でございますか、二十五日ですね、長官は閣議の後の記者会見で、「経済対策閣僚会議で決まった公共事業の円滑な施行などの不況対策に関連して」と、こうなっておりますが、「本州四国連絡架橋は一本にしぼって、五十年度早々に着工すべきだ」との考えを明らかにした、こういうふうにまあ新聞に載っているわけですが、この長官の「一本にしぼって、五十年度早々に着工すべきだ」と、こう発言をした真意は一体どこにあるんでしょうか。

金丸信自由民主党国土庁長官

○国務大臣(金丸信君) ありていに申し上げます。  新聞記者会見、閣議の後、終わりまして、いろいろ雑談の中で、実は二十日ですか、本四架橋公団の柴田副総裁が私のところへ見えまして、総需要抑制も緩むような中で、緩和されるというような中で、まあ予算もあることだし、何とか仕事をやりたいという、どうでしょうお考えは、という話があったわけです。しかし、まあ建設の関係は建設省の所管でありますし、しかし、国土庁としても第三次新全総をつくる上から考えてみましても、この計画を横目で見ているわけにもいかないと、また四国全体あるいは本土、あの関係の人たちの要望も強いと、総需要抑制が緩和されるということであるならば当然まず一つつくるべきじゃないかと。そこで今治−尾道の関係は、大体三本つくるということについて日本全国から見れば抵抗も強いぞと、そういうことを考えてみれば、今治−尾道というこの道路はむしろ離島対策というような考え方で橋をかけていくということが必要だと私は思うと。四国へ三つかけるということになるから非常に批判も出てくる。しかし、それ離島対策として橋をかけるということは、その効果というものも相当上がってくるんじゃないかと、それは別だと、これは時間かけてもいいから、これは別にして、これはやれと。それから鳴門の関係は研究も調査も大体でき上がっているようだと、淡路島と四国、本土をつなぐということもウエートが相当局まるだろうと。また、いま環境庁等の合意を得ない、あるいは漁業補償のできない、こういうところはやりたくてもやれないんだから、まずやれるところからやるべきだと。しかし、まあ一緒にみんなやるというような考え方はこの際ひとまず一本にしぼるべきだという説明を   〔理事上田稔君退席、委員長着席〕 私は記者諸君に申し上げたわけでありまして、余り反響が大きくて私も驚いているんですが、私は四国の人間でもなし、あるいは本土の関係の、全然関係のないところで、まことに第三者という立場で、どっちにも道路をつくらなくちゃならぬという考え方は私は持ってはおりません。選挙の関係もあるわけじゃない。そういうことですから、あるいは少し言い過ぎているところもあるかと思うんですが、ただし、あの地域の発展のためにまず一本かけることを推進すべきだと、こういう考え方で、環境庁長官、建設大臣、それで本四架橋公団の総裁を入れて一回話し合いをしてみようじゃないかと、そこである程度煮詰めたら総理にも副総理にも話をして推進することを考えようと、こんなような話をいたしたわけであります。

二宮文造公明党

○二宮文造君 おっしゃる意味がそのとおりのように新聞に出ておりますが、若干言葉が変わっておりますので、もう一遍念のために、私判断間違っちゃ困りますから、念のために伝えられるまま表現をしてみますと、「淡路島を結ぶルートは技術的に問題がある。児島−坂出ルートは漁業補償や環境問題があるが、解決困難ではない。尾道−今治ルートは本四架橋というより離島を結ぶ離島振興対策として長期的に取り組むべきだ」と、この三本の線について大臣の率直な表現を言葉を変えてこうおっしゃっているわけです。そして冒頭に申し上げたように一本にしぼってまずかけるべきだと、こうなってきますと、関係者はいろいろな取りようが出てくると思うんです。大臣の発言はこのとおりだったんでしょうか、どうでしょうか、お伺いしたいのですが。

金丸信自由民主党国土庁長官

○国務大臣(金丸信君) 私も新聞を後で見まして、いろいろ私の話を聞いて新聞社各社各様に記者諸君の一つのニュアンスによって受けとめておるという感じがして、だからいろいろ金丸氏は何をしゃべっておるのかわけがわからぬという御批判もいただいておるわけですが、私はやれるところはやる、どこをやるという意味はないが、まあたまたま鳴門の問題は試験的に結果がもうできておるという話も聞いたものですから、私も建設委員長のころ視察いたしましてその試験するのを見てきたし、淡路島と四国、本土をつなぐということはこれは効率もあることだ。なお、一方の私の言う離島対策でやるという問題は、これは別。そうすると、その次の問題は、それもやれるところからやれるのだったらやる。ただ、漁業補償とかあるいは環境問題が解決しないところは、これは後回しにするよりほかないのじゃないか。ですから、いわゆる鳴門と、いま一本の真ん中の橋のやれるところからやる……

二宮文造公明党

○二宮文造君 坂出−児島と言わなければややこしくなる。

金丸信自由民主党国土庁長官

○国務大臣(金丸信君) そうです、坂出−児島ですな。それを、やれるところからやっていきゃいいんじゃないか、こういう考え方。全然私は政治的な背景で言ってるのじゃない。しかし、これはあくまでも金丸自身の個人の意見であって、各省とこれから煮詰めていかなくちゃならぬ、こういうことであります。

二宮文造公明党

○二宮文造君 それで、大臣がそういうお考えを持った。したがって、一応やっぱりこの問題には閣議でも、あるいはその他政府部内でも、やはりどう着工するかということはまとめなきゃならないと思うのですね。それはやっぱり早急に、いわゆる総需要抑制−着工の時期もだんだん言の葉に出てくるようになりました。ですから、着工の時期の見通しとか、それからそういうふうに意見調整をするのをいつごろと大臣はお考えになっていらっしゃいますか。

金丸信自由民主党国土庁長官

○国務大臣(金丸信君) いま事務段階で、環境庁その他建設省あるいは運輸省等といろいろ話を詰めている段階でございます。それができ上がりますれば、ひとつ先ほど言いました大臣あるいは総裁等を入れてある程度の煮詰めをいたしたい。実は私が建設大臣中に、四国の方の着工式は決まっておったのに総需要抑制ということでこれを中止したというような関係もあって、私にも責任がある。国土庁もこの問題に全然関係ないわけじゃありませんし、そんなことで、四国の、あるいはあの関係の、本土の関係の住氏の人たちも渇望しているだろう。まあこういう事態になれば、予算もあることだから、また本四架橋公団の方も長年研究をした成果もあるし、もう着工すれば工事に入れると、こういう総裁以下職員の意欲に燃えているものをやらないということは、いろいろの意味で意欲を減退させるじゃないか。そういう意味で、この際やるべきだというような考え方の上に立って、私は新聞記者会見で申し上げたわけであります。

二宮文造公明党

○二宮文造君 一点だけお伺いしておきますが、ことしは建設省の公共工事の発注が第一・四半期相当集中して発注されるというふうな報道もあるわけです、諸般の関係もありまして。そうしますと、やはりそういう意見の調整とか着工というのも、そういう時点に絡み合わせて問題が取り上げられると、こういうふうに理解してよろしいでしょうか。

金丸信自由民主党国土庁長官

○国務大臣(金丸信君) 何だか私まだはっきりは承知してないのですが、できるだけ予算が決定され、早い機会に、前半期中ですか、六五%程度の契約をするというような、発注をするというような話も聞いておるのですが、当然この着工の日取り等も決定しなけりゃならぬ、こういうことでございますから、私はどうせやるなら早くやった方がいいと、こういう考え方でおるわけであります。

春日正一日本共産党

○春日正一君 最初に、奄美の物価の問題からお聞きしたいのですけれども、前回もこれ問題になりましたけれども、奄美の物価というのは日本一高いというふうに現地の人は言っております。事実、鹿児島県や名瀬市の調査など見ても高いという結果が報告されておるんですけれども、政府としてこういう高い物価に対してどういう対策をとっておいでになるのか、そこら辺お聞きしたいのですが。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○政府委員(近藤隆之君) 奄美群島は隔絶した離島でございますので、先ほども少しお話が出ておりましたように、沖繩と同じように物価が本土に比べて相当高うございます。島内で自給する部分が非常に少なくて、ほとんどの物資を本土からの移入に仰いでおるというような関係であるわけでございます。現実に生活必需品についてどの程度の物価になっておるかということをわれわれとしても詳細に把握しておく必要がございますので、昨年の秋、経済企画庁にお願いいたしまして三百万の委託費を出してもらいまして、県がそれに三百万をつぎ足しまして、六百万で生活必需品について、現在県の方で物価の実態を調べておるという段階でございまして、その状況を見ながら、県と相談しながらどういう手を打っておくべきかという方策についても検討したいというような段階でございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 そうすると、いままでそういうことはやっておいでにならなかったのですか。私は非常に意外に思うのですがね、ここまで戦後三十年ほうっておいたということになると。まあそれはそれだけ、私の言い分だけ言っておきますよ。  そこで、鹿児島県大島支庁の昭和五十年二月十五日付の物価情報というのを見ますと、ここにこういうものがありますけれども、そうしますと、たとえば灯油十八リッター、鹿児島市で六百円、名瀬市で七百八十三円、徳之島町八百十円、和泊町八百五十円、まあ先行くほど上がっていっているわけですね。それから、しょうゆ一・八リットル、鹿児島市三百六十七円、名瀬市三百七十七円、徳之島町は三百六十三円、これちょっと下がっているのですが、和泊へ行くと三百九十五円。バター、これは鹿児島市二百九十円、名瀬市二百九十五円、徳之島町三百円、それから和泊町が三百九十円。まあこれ読めばたくさんありますけれども、結局遠くなるほど高くなっていますし、それをさらにまあ立ち入ってみますと、結局それだけ上がっていくということが、運賃にかかっておるということがやはりそういう調査の結果出てきておるのですね。奄美大島緊急物価物資対策連絡会議というところで、七四年三月、去年の物価騒動の最中に調べたところによりますと、プロパンガスの場合、名瀬港までの、鹿児島からのトン当たり蔵出し(沿岸料)、鹿児島港五百円、鹿児島港積み込み料千五百円、鹿児島から名瀬間の運賃千七百円、それから水揚げ料、名瀬港千八百五十七円、それから横もち料というのですか、八百円、計八千四百五十七円、十キロに換算して二百八十円、それに空ボンベの輸送費その他加えて三百五十円、十キロにすると輸送費がかかるという計算になっているわけですね。だから、まあ離島のさっきの物価の上がっていく推移から見ても運賃が決定的な値上がりの原因になっているということになりますと、もうそれは原因わかっているわけですから、その運賃をどう軽くしてやるかという問題について、先ほど二宮委員の方からは運賃をどう安くするかという形の問題が出されたわけですけれども、私の方からひとつ提案したい問題は、まあ幾ら安くしてみたところで運賃かかるわけですね。現状においてそういうことですから、運賃に対して国で補助を出すと、補給をすると。  たとえばこの点で東京都では、都独自に離島対策として昭和四十七年度から、そのうちの物価対策として共同仕入れを奨励すると、それから生活必需物資の運賃補助ということを行って離島価格を解消するという努力をしてそれなりの効果を上げておるわけです、小笠原とか八丈とか、あっちの方に対して。その内容を言いますと、プロパンガス、ちり紙、しょうゆ、こういったようなものは輸送料は全額補助をすると、それから食料、衣料品、雑貨というような生活必需品ですね、これは運賃の三〇%を補助するということで、東京都は離島の物価を幾らかでも下げようということでそういう努力をしておるわけです。それで、奄美は御承知のようにああいう島で、いま読み上げましたように、先に行くほど高くなっている。しかも所得は全国に対して五四%というような低い状況にあるということになれば、やはり特別措置法を適用しているというようなたてまえから見ても、私はこれは法的に言って、特別措置法の中で何かできるのか、あるいは離島振興法というような形のものでできるのか、そこら辺は詰めておりませんけれども、これは政府の方で考えていただいて、せめてその程度の物価対策はしてあげるべきじゃないかと、政治として、というふうに思うのですが、この点、長官の考え方をお聞きしたいのですが。

金丸信自由民主党国土庁長官

○国務大臣(金丸信君) 先ほど二宮先生から運賃の問題も出たわけでございますが、その運賃問題も、問題は物価とあわせて考えられる問題だと思うのですが、まあ奄美大島ばかりということでなくて、離島対策としてそのような対策は考えてしかるべきじゃないかと、国民すべてが平等に受ける権利があると思うのですよ。そういうことで、ことに奄美大島等は非常に所得も低いと、これを本土並みに持っていくためにはよほどの集中的な金をつぎ込んでいかなければやれないというようなことでありますから、ひとつ広い離島対策として、あそこだけやるというわけには——とてもいろいろ問題が出てくると思います。国土庁としても各省庁と十分連絡をとりながら、ことに大蔵省がいま一番のきんちゃくを持っておるところですから、十分ひとつ折衝しながら検討してみたいと思います。

春日正一日本共産党

○春日正一君 その点はいろいろむずかしいことがあると思いますけれども、特にあそこは戦後アメリカ軍の占領下にあって苦労をし、立ちおくれもして、そのために特別の振興法をつくって引き上げなければならぬというような事情もあるところですし、すでにもう地方自治体として東京都なんかが自分の管轄での離島対策、そういう形でやっておいでになるということですから、これはぜひひとつ所管の大臣として推進していただきたいというように思います。

金丸信自由民主党国土庁長官

○国務大臣(金丸信君) わかりました。

春日正一日本共産党

○春日正一君 それからその次に、奄美の産業の問題として大島つむぎの問題ですね。これはずいぶんいままでも委員会で議論もされておりますけれども、依然として解決されないで、この一月には相当多数の方々がこちらへ陳情に参っておりますし、聞いてみますと、きょうも何か向こうから陳情の方が来るというようなふうにも聞いております。だから、これは至急に手を打たなきゃならぬ問題だと思うんで、ここでお聞きしたいんですけれども、大島つむぎのいまの生産、出荷の状況ですね、それから韓国からの輸入の状況、それの対策、こういうものについて大きい筋で聞かしていただきたいんですが、どういうことになっているか。

黒田真通商産業省生活産業局通商課長

○説明員(黒田真君) お答えいたします。  まず、生産の状況につきましては、いわゆる本場大島つむぎというものは奄美大島とそれから鹿児島本土、その双方の地区で主として生産されておりますが、昨年のその双方合わせました大島つむぎの同産地における検査数量、これを一応生産数量と推定しておりますが約八十三万反、これは四十八年の数字でございます。四十九年七十八万五千反程度ということで、四十八年に比べますと五・四%ほど落ちた数字であるというふうに私ども把握をしておるわけでございます。なお、ちなみに十年ほど前の昭和四十年当時は、約四十万反生産でございましたから、その後いろいろな着物の普及、着物が見直されてきたというような過程で、大島つむぎの生産は順調に伸びてきたわけでございますが、ここのところへきて少し頭を打った。しかも特に総需要抑制下におきまして非常な節約ムードから、本場大島つむぎのようなものが相当な打撃、ヒットをされて、生産が落ち込んだものというふうに考えられるわけでございます。  次に、輸入の問題でございますが、これも四十五年当時から韓国に対しまして一部の業者が織りを委託しておるというような動きが起こりまして、その後逐次拡大をしておる。しかも、後で申し上げますが、表示の問題がごまかされておるというようなことから大変に問題になってきたわけでございますが、この輸入量の把握につきましては、大変申しわけないわけでございますが、なかなか本場大島つむぎ類似の織物が韓国から何ほど輸入されておるかということにつきましては私ども的確に把握し得ない状態にございます。これは通関段階等で、非常に類似の着物の中でどれを本場系統とみなすかというようなことになりますと、たとえば村山大島つむぎというようなものは、一見いたしましたところ素人ではなかなか見分けがつかない、むしろ製法の差というようなこともあるようでございまして、的確な数字を税関の輸入の段階で把握できない状態でございます。  したがいまして、私どもといたしましては、いろいろな扱っておる商社等の聞き込みを行いまして、一応の推定といたしまして三万反程度、あるいはそれを若干上回る程度ではないかというような推定もいたしてみたわけでございますが、現地ではそれでは少な過ぎる、通常の輸入量のほかに観光客の持ち帰り品でございますとか、郵便等による郵送品というようなものを足せば十万反ぐらいはあるのではないかというようなことを言っておられるということも承知しております。したがいまして、私ども現在のところでは、それが幾ばくであるかという、八十万反の生産に対して輸入が幾ばくあるかということについてはっきりした数字を申し上げる立場にはないわけでございます。しかし、さらにその辺の正確な実態を把握いたしますために、せんだって二月の半ばごろに通産省の大臣官房審議官が訪韓いたしましていろいろ話をしたわけでございますが、その際に先方に対しまして、韓国側からもデータを出してほしいと、どの程度生産され——その大部分は日本に輸出されておるわけでございますが、その内容について照会をいたしておりまして、目下その回答を待っておるという状況にあるわけでございます。  どういう対策をとるかという第三の点につきましては幾つかの問題がございます。どうもこの問題は、発端が一部の業者が韓国に織りを委託して、それを日本に持ち帰ったときに、どうも本場産であるという偽りの表示をして日本の国内で売っているという表示問題というものがまず第一の問題として出てまいったわけでございます。この点につきましては、公正取引委員会あるいは大蔵省の税関というところの協力を得まして、できるだけ不当表示というようなものを抑えていくためにいろいろな手が次々に打たれておりまして、昨日、一昨日あたり不当景品類及び不当表示防止法に基づく違反容疑として何件かの強制捜査が行われるところまで来ておるわけでございます。私どもも韓国に対しましては、やはり韓国つむぎというものは韓国産である旨をはっきり表示して、そして売られるべきであるということを先般訪韓いたしました際に申しまして、先方もそのとおりであると、従来は日本側の要望もあって、あえて無表示のものをつくったという経緯はあったけれども、今後はそういうことはしないつもりだということをはっきり申しておりまして、その旨の措置をとったものと了解しております。ただ、これには従来の仕掛かり品等もございますので、向こうの約束した翌日からすべてのものに表示があるというわけにはいかない面もございますので、若干の時間をかしながら見守る必要があろうかと思っております。  それからもう一つは、現地の非常な不安の大きな原因は、韓国が農村における非常に有力な現金収入商品としてこういったものを大いに振興しているのではないか、特にいわゆるセマウル運動と言われております中の有力な振興対象としているのではないか、もしそうであれば、行く行くは産地は壊滅してしまうというかっこうでの将来に対する非常な不安がございました。この点につきましては、せんだって参りました際にはっきりと先方は、セマウル運動の目玉にはしないと、それから七五年以降当分の間絹織物の織機の増設を認めないこととするという話を、確約を向こうがした次第でございます。  さらに、輸出の問題につきましても全般的な繊維の貿易問題がいろいろございますが、その中でも特にこの大島つむぎの問題は、離島性と申しますか、あるいは主要な奄美の産物である、容易に他に転換する余地もないという非常な特殊性ということを先方にもよく説明をいたしまして、その点は先方も十分理解をして、今後は秩序立った輸出ということで、急激な増加による産地への打撃をやわらげるということで話をし、今後さらに具体的に煮詰めていきたい。  以上でございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 いろいろ努力をされておるようですけれども、数量がつかめないという問題はいろいろむずかしいこともあると思うんですけれども、現地のつむぎ協同組合がジェトロに依頼して、韓国における大島つむぎの生産状況を調査さしたその報告書によると、一九七三年当時、メーカーが三十社、下請約五十社、主な十四社が大島つむぎの生産に当たり、織機台数は三千九百四十五台、そして五万二千八百八十反の大島つむぎの生産をしておる。ただし、織機は村山、大島を含むというふうなことで、しかも重要なことは、一九七二年ごろ韓国政府がソウルに大島紬織技術指導養成所というものを建設して指導者を養成し、一方、対日繊維輸出の独占二十一社のうち、三慶物産、新羅企業、南鮮物産、斗星実業、宇進貿易というこの五社につむぎ輸出の独占権を与えて、金融、税制面で建設資金の三〇%を政府資金で融資し、それから融資期間三年据え置き、五年分割償還、利子は年八分、税金も五年間免税、さらに三年間は半額と優遇し、そして安い土地を提供して生産設備を整えさせる。同時に、和装織物生産五カ年計画というものを発足させて、積極的に和装品の生産奨励策の推進に踏み切ったというふうに報告されて、しかもその中で、五カ年計画によると、つむぎが四千五百万ドルということで、これは三百円のベースで換算すると百三十五億円になるわけですから、そうすると現在大島本島でつくっておるつむぎにほぼ匹敵するぐらいのものを輸出しようということを国家的な政策として、そういう特別な援助を与えて推進しておるということが報告されておるわけですね。そういうことについて通産省としてどの程度つかんでおいでになるのか、またそれに対してどういう対策をされようとしておいでになるのか、そこらを聞かしてほしいんですが。

黒田真通商産業省生活産業局通商課長

○説明員(黒田真君) 大島つむぎについては、先ほど申し上げまして、今後そういったセマウル運動の中の振興対象にしないとか、あるいは新たな織機増設を認めないというようなことでございますが、全体といたしましても、いま先生御指摘の和装織物の五カ年計画というように、非常に急速に毎年、その前の年の倍になるような勢いでの増加というような点については、私ども繊維全体の中でそういった非常に長期的に見れば貿易関係というものは拡大していくべきものであるけれども、そういった非常に短期間の間に一挙に何倍にもなる、そして日本の現在生産しておるものに置きかえるということは、これはとてもむずかしい問題を惹起することになる。ちょうど四十八年ごろ、日本の国内のいろいろな景気もございましたが、前年に比べて全体では三倍、韓国からはその前の年に比べて約四倍の繊維品の輸入をいたしました。  しかし、四十九年になりますと、国内が非常に悪くなってまいりましたので、それが非常に落ち込みまして、最近では半分以下に落ち込んだということで、日本側でも非常に大量の輸入があったことによって困っておりますが、同時に、韓国側も日本の注文を当てにしたところが、みんな遊んでしまうというような、急激な増加というものは当然その裏に急激な減少を予想させるものでございまして、われわれとしては長期的な視点に立って余りに野心的な計画には問題があるというふうに感じておるわけでございます。まあ問題は韓国の内政問題でございますから、お国の計画がどうであるということを直ちに言う立場にはないわけでございますけれども、それがもし日本に同じようなテンポで入ってくるならば、日本側としてもこれを受け入れることには問題が出てくるのではないかという点は十分先方にも話をし、私どもはそういう面での理解を深めながら、当然その結果として韓国側もポリシーについての見直しがあるということを期待をしておるということでございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 はっきりしない話ですけれども、先ほどの対策の中で、ことしの二月に審議官を派遣して向こうと話し合ってきたと、たとえば原産地の表示の問題、これは時間が多少ずれるかもしれないけれども、実行されるだろうとさっき言われましたけれども、しかし、原産地の表示も問題ですけれども、非常に質の似たものが安い値段で入ってくるということになればやはりそれに押されるということになる。そうなれば数量的に抑えなければしようがないでしょう。そうすると、先ほどの話の中で、そういう織機をふやすとか、そういうような問題についても話して、向こうも自主的に規制するような意向があるというような感じの話があったのですけれども、そういう点をはっきり話はしてきているんですか。どうなんですか、そこのところ。

黒田真通商産業省生活産業局通商課長

○説明員(黒田真君) 私どもの審議官が参りました趣旨は、ある種の交渉に参ったと言いますよりは、実情についての意見を交換し、話し、さらに解決策を模索するということでございますが、しかし、先方は政府もそして業界の関係者とも会ったわけでございますけれども、長期的な問題等については非常にはっきりと明言しておる、あるいは表示の点についてもはっきり明言し、かつその後の情報によれば、その線に沿った措置をとっておるというふうに了解をいたしておりますので、その実効をわれわれとしては見守ることとしたいということでございます。  先生御指摘のとおりに、非常に似通ったものが安く入ってくるということで国内的に問題が生ずるということは、まことにそのとおりであるわけでございますが、同時に本場大島つむぎというようなものは相当値の張るものでございまして、非常に長い伝統に培われた商品でございます。したがいまして、それをあたかも韓国製品を国産の物、本場物であるかのごとくして売られた場合には消費者の示す反応は別かと思いますが、韓国産であるということが輸入の段階から売られる段階まで消費者にとってはっきりした状態でありますならば、私どもといたしましては必ずや消費者の選択というものは伝統に支えられた本場物に向くのではないだろうか。  一方、そういった韓国産品の虚偽表示的な問題を規制すると同時に、現在私ども産地に慫慂しておりますのは、やはりまず本人が本人であるということをはっきり表示されて、それを消費者に徹底をすることによって、まがいものとの差異を強調するということの必要も感じておるわけでございまして、おのずから伝統のある本場大島つむぎというものには高い価値が与えられるべきものでありますから、単に値段が安いというような面だけで、もちろん影響はありましょうが、おのずからそこには境界があるだろうというような考え方もあるわけでございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 えらく寛大な考え方ですけれども、それはそういう考え方もあるでしょう。それはとにかくこっちから材料を持っていって、向こうでつくらせて、こっちへ入れさせるというようなことをする人さえあるのだから、そういうふうな考え方をしていけば切りもなくなってしまう。問題は奄美で大島つむぎが占めておる産業上の位置ということになれば、これは決定的なものでしょう。砂糖と、つむぎということになれば。それがいま脅かされておるというような問題なわけですわ。だから、そういう点から考えれば百五十億というようなものは日本経済全体から見れば知れたものだけれども、奄美にとっては死活ものだと、だからそういうふうに考えると、どうしても入ってくるものを抑えるということを考えていかなければならないのじゃないか。私きのう聞いたんでは、そういうふうな自主規制も向こうはやるというふうに言っておるというように聞いたんで、その話がある程度進んでおるのかと思ったんですけれども、いまのあなたの考えでいうと、原産地の表示さえすれば大して問題にはならぬだろうというようにしか考えられないんですけれども、通産省としてはその程度に考えておいでになるのですか、そこらの辺もう一度確かめておきますけれども。

黒田真通商産業省生活産業局通商課長

○説明員(黒田真君) ちょっと説明が不十分だったかもしれませんが、私ども原産地が大事であるということは、表示の問題が非常に大事であるということはもちろん申しておりますが、それだけで大丈夫だということを申しておるつもりはないわけでございまして、先ほども申し上げた趣旨は、毎年倍増していって日本のある産地の額と同じような、先生百三十五億円とおっしゃいましたが、そういった大量のものを持ってくる計画というものは、これはとてもなかなかわれわれとして問題があるということはもちろん先方にも言ってあるわけでありまして、私はセマウル運動の目玉にしないとか七五年以降織機の増設を考えないという点は、ある程度その辺の反省を受けた先方の回答であろうというふうに長期的には思います。また、短期的には冒頭御質問ございましたように、現実の数量の把握ということに若干の困難がございまして先方に照会しておりますが、そこがはっきりいたしますならば、その数字を基礎にして、ある数字の具体的な内容についての詰めというような話し合いに乗っていくべきものでございますし、私どもは少なくともこの本場大島つむぎにつきましては、先方の奄美大島の特殊性に対する理解にかんがみまして話し合いができるような基盤が十分できておる、かように了解しておるわけでございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 どうも了解ができておるということなんだけれども、先ほど来の説明で言えば、どれだけ輸入されておるかはっきりしたことはわからぬし、つかみようがないと言っているわけでしょう。しかもそういうものを韓国では、先ほど私読み上げたように五カ年計画でもって四千五百万ドルというようなところまでふやすという計画を韓国の政府が持って、そうして生産を奨励援助しておる、そして生産量はだから当然これは増大する。そうして韓国の人がそれは着るものじゃないのですから、これは日本人が着るものですから、つくればそれだけ当然日本に入ってくるよりほか行き場がないわけです。そういうふうに考えてみると、いまあなたは、韓国の方でもそういう点は考えて了解してくれているというようなことを言ったけれども、それではこの五カ年計画を取りやめて四千五百万ドルというのをはっきり引き下げるというふうに言ったのかどうか、そういうことじゃないわけでしょう。もしそうならそうで、そんなにそれじゃつくらぬと、その限度でやめると言ったなら、そこはそこではっきりしてもらえば地元の人も安心すると思うけれども、そこはどうなんですか。

黒田真通商産業省生活産業局通商課長

○説明員(黒田真君) 先生御指摘の和装織物振興五カ年計画、あるいはつむぎについて五年後四千五百万ドルというようなものがあることは私も承知しております。ただ、ここでのつむぎの中には多分本場大島つむぎと言われるものの類似品のほかに、その他のいわゆるつむぎとか、かすりと言われておる和装のもの、村山大島つむぎ、十日町つむぎ等を含んだ数字だろうと思いますが、しかし、いずれにしましてもこの五カ年計画というのは韓国が内部でどの段階かわかりませんが立案したものだろうと思われますが、私どもとしては、その計画自身を直ちにやめろとか撤廃を約束しろという立場には私はないんだろうと思うんでございまして、むしろ先ほど来るる御説明いたしましたように非常な急激な増加、非常に高い伸び率で予定しても、そして御指摘のように和装関係、あるいはつむぎになりますと日本にしか向けられないと考えられるわけでございますから、それだけの吸収能力はわれわれとしてはないと申しますか、もしそれを吸収したならば非常な問題が起こるであろうということは容易に想像できるわけでございまして、その点は十分先方にも指摘をし、十分な理解を示したということでございますから、理屈の上からの帰結といたしましては、そのような五カ年計画というものが修正されるであろうということを私どもは期待しておるわけでございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 私は非常に聞いていると腹が立ってくるんですよ。というのは、奄美の生き死ににかかわる問題ですよ、これは。ここではその島の特別な法律、振興措置法の問題を審議しておる、生き死ににかかわる問題だ。しかも先方は理解してくれるだろうと思いますと、そんなことで済む相手ですか、また国際的な話し合いなりそういう貿易の問題というようなものは、そんな程度のことで簡単に理解されるものだろうか、決してそういうことじゃないでしょう。だから、私ははっきり話がついたのかつかぬのかと言っておるわけですわ。審議官が行って話してきたら、まあ大して問題なさそうな感触を持ってきたと言うから、持ってきたと言うんならどうなんだと、この五カ年計画というのは途中でやめるということになったのかならぬのか、進めるというのか、そういうことについては話しする立場にないということになれば、これはもう五カ年計画は韓国独自の計画で進むということになるのだから、進んで、それができればこっちへ入ってくるよりほか手がないということになれば、これは日本の水際で食いとめるよりほか手がないという結論しか出てこないでしょう。私はそう思うんだけれども、あなたは韓国へ行って話したから大して入ってこないだろうというようなことで私を安心させようと思うけれども、私はそれをお聞きしますで済むけれども、現場で機を織っている人たちはそれじゃ済まぬのだから、そこをもう少し親身になって、実は行ったけれどもこうだったんだ、こうしなければならぬけれども、それはやろうとしてもできないんだ、国会で考えてくれというような話にはならぬですかな。

黒田真通商産業省生活産業局通商課長

○説明員(黒田真君) 私ども考えておりますのは、もちろん水際での制限的な措置をとるということによって一つの抑制効果というものは最もはっきりしたかっこうで出てくるわけでございます。ただ、私どもといたしましては、そういった水際で輸入規制のようなはっきりした措置をとる前に、できるだけそれを回避できるような他の措置によって努力をしてみたいということを従来から考えておるわけでございまして、そのまさに内容として韓国側と話をし、その結果、表示問題については少なくとも非常に明確なかっこうで、今後は韓国産の表示のないものは輸入をしないという明確な返答もございます。それから長期的にもさらに振興しないという明確な向こうの約束があるわけでございます。で、輸入数量につきましては、先ほど申しましたように、これの実情の把握自身がないわけでございますから、それをどの範囲にするというようなことにまで十分に直ちには進み得なかった、したがって先方にその数字を求めておる、そしてそれが明らかになった段階でさらに突っ込んだ具体的な話をするような段取りはすでにできておるということを申し上げたわけでございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 ちょっとわからぬけれども、長期的にはこれ以上やらぬと言っているけれども、五カ年計画はやるわけでしょう。それからまたいまの話で、何か向こうの方で自主規制するというか削減するというような考えがあるみたいなふうなことをいまちょっと言われたのだけれども、そういう点がこれは非常にデリケートな問題ですから、はっきりさせてもらわぬと大きな誤解も起こるし、それから地元の人たちの不安というものを解くわけにもいかぬということになるわけですね。だから、それを言っておるわけです。それじゃ五カ年計画はどうなるのだと、これをいまストップして、そして現在以上入れてくるということはしないと言っておるのか、それともまだ買ってくれさえすれば幾らでも売りますと言っておるのか、そういうことを一番いま心配しているわけでしょう。それに対してはっきりしたあなたの説明がないわけだから、何か抽象的な言い方で……。

黒田真通商産業省生活産業局通商課長

○説明員(黒田真君) 五カ年計画というものを討議したわけではございませんもんですから、五カ年計画というもののもともとのステータスと申しますか、性格自身もそういうものがあるということは承知しておりますが、したがって、それが発揮されなければそのまま動くかどうかということについて、申しわけございませんが私は存じておりません。ただ、少なくともはっきりしておることは、本場大島つむぎについては今後セマウルの有望な業種にはしない、対象業種にはしない、そして織機の増設はしないということでありますから、まあ総合五カ年計画が全体がどうなっておりましょうとも、大島つむぎに関する部分だけは新たな発展はしていかないと考えてよろしいんだろうと思います。私どもは少なくともそう了解しておるということでございます。  それから数量については、おっしゃるとおり地元での御心配から見ますならばもっとはっきりしたことを申し上げられるにこしたことはないわけでございますが、他方、相手国との話し合いの途中にある問題でございますので、現在私どもからはっきり申し上げるところまでは問題が進んではいない。しかし、話し合いをするレールというものは敷かれて、そして現在話し合いを続ける態勢が進んでおるということを申し上げておるわけでございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 じゃあ、別な角度からお聞きしましょう。そうすると、通産省としてはあれですか、まあ少なくとも最低限現在以上には入ってこさせないという考えなんですか。そこのところはどうです。

黒田真通商産業省生活産業局通商課長

○説明員(黒田真君) これはいろいろな考え方がございまして、従来国際舞台等で輸入制限等が行われます場合にも、その非常に高い水準を抑えたところで制限をすべきかどうかということについてはいろいろ議論がございます。むしろ制限をするような場合であっても一定の伸び率を認める必要があるんだというような考え方がいろいろあるわけでございまして、やはりそれは国内に入っておるレベルとの対応においておのずから決まってくるべき性質のものでございますから、現状以上には一反も入れないというようなことをいま私がここで申し上げるわけにはまいらないということでございます。しかし、異常な増加というようなものが明らかに大きな問題を起こすということは十分承知をしておるわけでございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 あなたに聞いているのは、それで大体わかりました。大急ぎでとめようという考えはないということ。  それで、大臣にひとつこれは政治の問題として、大臣が——直接にはこれは通産省の関係、大蔵省の関係、いろいろありますからあれですけれども、少なくともこの特別措置法を監視をする大臣として政治的な姿勢をお聞きしたいんですけれども、御承知のように大島つむぎといったようなものは、あれはまあ急速に近代化しろとか機械化しろと言ったってそうできるもんじゃない。むしろ手織りで時間をかけてつくるところに味があるし、値打ちがあるというものなんですね。しかもそれが奄美では、名瀬なんかでは三人に一人ぐらいはそれに関係しているというような形で、あの島としてみれば島民が生きていく上では決定的な影響を持っている産業ですわ。だから、そういうものを保護するという考えに立てば、これと競合するような外国製品というようなものは、これはやはり輸入を制限するというようにして保護をする必要があるんじゃないか。また、それだけの道理が私はあると思うんですよ。これは日本は先進国だから大いに機械化もし合理化もしてやっていけますけれども、あのつむぎに関する限りは、合理化するといったって、急にコストを安くするとか、工法を変えるとかというようにはならぬ本来性質のものなんですから、言ってみれば開発途上国の地場産業みたような性格を持って、これは変えられない性格のものですね。  だから、そういうものはやはりよそから非常に安い賃金でつくってくるということは、これは一種のダンピングみたいなもので脅威ですわ。製品の中に労賃が七〇%も占めるわけでしょう。そうすると、この労賃が韓国の場合三分の一だということになれば、これは決定的に競争条件向こうに有利になるわけですから。そういうものに対してはこれはガットの十九条なんかでも輸入を制限するというようなことができるわけですし、島民の皆さんは特別な立法をつくってでも輸入を制限して守ってほしいということを陳情もしておるという状況ですから、その辺、大臣が政治的にお考えになって、わずかなものではありますけれども、やはりこういうものをいわゆる自由化でなくて非自由化の製品として指定して、外国からの輸入を制限するというような措置をこれとらなければ、日本の伝統的なそういう一種の芸術品ですわね、そういうものが滅ぼされてしまう。しかも島民の生活というものがかかっているという問題ですから、そこらについて大臣のお考えなり、それからいまの議論をお聞きになっていてどうしたらいいのかという点ですね、お聞かせ願いたいんです、か。

金丸信自由民主党国土庁長官

○国務大臣(金丸信君) 奄美のつむぎの問題は、いま相当な政治問題にもなっておるわけでありますし、またこの仕事は奄美大島の伝統的な地場産業として基幹産業だと私は思います。これがなくなったら奄美大島振興特別措置法というような法律は何のために振興しておるんだというような御批判もあると思いますし、われわれもこの問題については重大な関心を持っておるわけでありますが、ただいま先生と通産省との話し合いを聞かしていただきまして、通産省自体も非常に簡単にそういう先生のおっしゃられるような立法をして拒絶反応をするということが、いまの自由経済の中でというようなことで非常に問題が出てくると、頭もそこで悩ませなくちゃならぬというようなことで、なかなか決定的な韓国のつむぎというものを阻止するということができ得ないという事態にあるように私は承るわけでありますが、まあこの世界経済の、自由経済の状況の中で、そういうことができ得るのであれば私はやって、いわゆるこの基幹産業であるつむぎの産業というものを育成していくべきだと思うわけでありますが、そこら辺に通産省の悩みが私はあるんじゃないかと。だから、こう何か奥歯に物がはさまったような話しかできないという、しかし、私たちは基幹産業は守らなくちゃならぬ、こういう考え方は持っておるわけでありまして、十分まあ——しかし守備範囲は通産省ですから、なかなかむずかしい問題だと思っておりますが、考え方としては、何とか守ってやりたいという考え方は十二分に持っておるということだけは御理解いただきたいと思います。

春日正一日本共産党

○春日正一君 まあ、大臣は自分の所管外ですから大変苦しいと思いますけれども、そういう例は幾らでもあるんですね。たとえば自由化がずっとされていく中で、たとえばガットが非自由化品目として認めていない電算機というようなものがなかなか日本では自由化しなかったんです。これなんかは技術的に向上すれば幾らでもできる近代産業なんだけれども、それをがんばっておったということは、やはり日本の電算機産業を保護するという立場からがんばったと思うんですよ。そしてまたヨーロッパ、ECとかその他と比べてみても非自由化品目というのは相当ありますよ。だから、そういうふうに考えていけば、まさにこれこそ特殊な非自由化しなきゃならぬものだという理屈の立つ産業でしょう、これは。私さっき言ったように、その地域の生命を担っていく産業であり、しかも手工業という域を脱しようとしても脱し得ないというそういう性格を持った産業なんで、そこによそから似たようなものが三分の一の工賃でどんどんつくられて入ってくれば、これはもう立ち打ちできぬということは明らかなんですから、だからそういうものこそまさに、しかも金額にしてみれば幾らでもないものだと、そういうことでしょう。韓国だっていまかなりな経済になってますよ。  だから、金額にしてみれば幾らでもないものだということを考えれば、日本の伝統産業を守るという法律、去年できましたけれども、そういう趣旨からいってもこれは非自由化すると、そのために法律が必要なら法律もつくると、私ども法律つくれということを提唱してますけれども、現地でも法律つくってほしいということを言ってますけれども、そういうふうにしても、どうしても守らなきゃならぬものだと。その点でやはり私の印象では、通産省の態度というのは大企業寄りじゃないのかと。たとえばいま言ったような電算機というようなものをアメリカの圧力に抗してまで頑強に非自由化をがんばりながら、韓国から入ってくるつむぎというような小さなものに対して、はあそうですがと言ってすっと通してしまうというような、そうしていまの程度でこれ以上ふやさぬのかと言えば、いやそういうことも言えないと、もう少しふやして話をし直すというようなニュアンスのことを言われるというようなことでは、やっぱり大企業寄りというそしりは免れないだろう。だから、そこらの辺で、まあいまはこれ以上私この問題で言っても、これ大臣の所管外でもあるしあれだけれども、これは重大な問題ですからね。やはり今後これを守っていく、そういうために必要な措置というようなものは十分検討して、そして私どもの質問に対しても、こうやって、こうやって、こうやっていくから安心だと言えるようなことをやってほしいと思うんですよ。まあそのくらいにしておきます、これは。  それからその次が、これとのかかわりがあるんですけど、あそこには振興開発特別措置法に基づく振興基金という制度がありますね。あれの改善について質問したいんですが、まあこういうような韓国のつむぎの流入とか繊維の不況というような状態のもとで、融資の要望というのは非常にこう高まっておるわけですね。そこで、この基金の保証の条件を改善してほしいということが陳情として出されておるわけです。つまり鹿児島の信用保証協会並みに保証の引受限度額を三十三・三倍に引き上げてほしいと。それで、去年の四月には十二倍、それでまあ陳情して去年の十二月十二日に十五倍という保証引受限度が上がったというんですけれども、しかし、鹿児島では三十三・三倍になっている。だから、これをぜひその程度まで上げてほしいということが陳情されておるわけですね。それで、その中小企業一人当たりの保証限度額、そういうものを他の保証協会並みに個人が三千万円から五千五百万円、組合が五千万円から一億五百万円、それで他の信用保証協会並みに不況業種等に対する指定制度を設ける。そうすれば枠が倍になるわけですから、そういうようなことをやってほしいというふうな陳情がここに出されておるわけですけれども、それについてはどういうふうに受けとめておられるのか、ひとつ説明してほしいんですが。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○政府委員(近藤隆之君) 県の信用保証協会と、それからこの奄美の振興開発基金とは、御承知のように性格が異なりますので、県の信用保証協会並みの倍率まで保証倍率を持っていけというのはちょっと無理かと思います。すなわち県の信用保証協会は中小企業信用保険公庫の再保険を受けておりますので、危険が分散されて、したがって高い保証倍率が認められておるようでございます。そこで、この振興開発基金の業務の支障がそれによってあってはもちろん困るわけでございまして、そこで御指摘のように昨年の十二月には申し込みが殺倒いたしましたので十五倍まで引き上げたわけでございまして、このままの推移でまいりますと、伸びを勘案いたしまして、五十二年までこれでいけるのじゃないかとわれわれ思っておりますが、その間もし希望が非常に多いというようなことがございますれば、倍率はなお関係方面と相談して検討したいと思っております。それから一件の貸付限度額につきましては、基金の方からも強い要望がございますので、明年度から引き上げるように現在関係方面と折衝中でございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 どのくらいまで限度額は上げられるのですか。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○政府委員(近藤隆之君) 一般の場合、現行三千万円を四千万、それから特別の場合、現行五千万円を八千万円程度まで引き上げようということで話し合いを進めております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 非常に零細であって、それで保証の利用度というのは非常に高いわけですね。だから、全国平均昭和四十五年から四十七年度のあれを見ますと四・五%。ところが、鹿児島県では三・三%、奄美では一一・五%というように、鹿児島県の平均の三倍ぐらいこの信用保証の利用をやってるわけですね。そういうふうな非常に利用度が高いところへ持ってきて、おかしな話なんですけれども、信用保証協会の場合と開発基金制度とを比較してみますと、全体の保証限度が出資金の三十二倍、それから開発基金の方は十二倍、この前十五倍にされたと。それから個人の保証限度五千五百万円、これが三千万円。それから不況業種の指定制度というのは、この信用保証協会の方ではこの制度がやられると一般枠の倍は借りられるのですけれども、開発基金の方にはないわけですね、この制度は。それから倒産関連保証業種指定制度、これがやられると特別経済融資として別枠五千万円を安い保証料で借りられる。ところが、これも開発基金の方にはない。特別小口保険制度、百五十万まで無保証人、これも開発基金の方にはなくて、すべて保証人二人以上要るとかいうようなふうになっておるわけですね。  こうなりますと、大臣、特別に奄美を振興するために法律をつくっておるわけですから、一般よりも融資の条件なり何なりということはよくしてやらなきゃ特別措置の意味がないと思うのですけれども、その特別な枠の中で開発基金というようなものが決められて、しかもそれがもう原資がふえないために、いま言ったような本土に比べて非常に重要な差別が生じてきてしまっておるというような状況になっているわけですけれども、これ、やっぱり直してくれという陳情書、意見書ですか、これは名瀬の市議会の意見書ですね、去年の十二月二十日提出、これの中でこういうふうに書いています。「中小企業信用保険法の適用をうけている信用保証協会の保証条件なみに基金の保証条件を改善」してほしい。それから「保証引受限度額と出資金の十二倍から鹿児島県信用保証協会なみに三十三・三倍に引上げること。」、それから「中小企業者一人当り保証限度を個人三千万円、組合五千万円を他の信用保証協会なみに、五千五百万円(沖繩県信用保証協会四千万円)組合一億五百万円(沖繩県信用保証協会五千五百万円)まで引上げること。」「中小企業信用保険法に定める特別小口保険、不況業種や、倒産関連指定業種等に対する保険特例措置を基金にも設けること。」「基金の保証料率一・三二%を、他の信用保証協会なみに引下げ、倒産関連指定業種等の、特例措置を適用し、低率の保証制度を設けてもらいたい。」 「保証基金の造成のため、国、県の大幅な出資」をしてほしい。これが一番問題のようですね、むしろ金の元がないということが。だから、いま言ったようなこういう陳情は私は道理があると思うのですよ、大臣。特別に法律をつくって振興開発しなきゃならぬというところが、本土並みの条件がみんな欠けておるというようなことで振興できるはずないんですから、こういうせめて本土並みな、どこでもやっていることぐらいは適用できるようにしてあげなきゃいけないのじゃないかと、そう思うんですけれども、その点どうですか。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○政府委員(近藤隆之君) 御案内のように、この基金には保証業務と融資業務とございます。ただいまのお話は保証業務の方のことであろうかと思います。で、保証業務につきましては、昨年の暮れ十五倍にしたことによりまして、現実問題といたしまして、要望はすべて賄ってまだゆとりがあるという状況でございまして、それによって起こる支障というものは全然ないわけでございます。  そこで、三十三倍にすればいいじゃないかということでございますが、三十三倍にする実益がないわけでございます。で、いま先生は県の信用保証協会並みにすればいいじゃないかということでございますが、県の信用保証協会よりは実はここの方が非常に手厚い措置を講じておりますもので、信用保証協会の三倍の率で希望があるというような状況であるわけでございます。実はこういった一定の一郡だけについて保証業務を行わせるための国の機関というものを特に設ける必要があるのかどうか、鹿児島県の信用保証協会にやらせればいいじゃないかという議論が当然のことでございますけれども一部に非常に強うございます。つまりこの基金のうちから保証業務というものを取り外して、それは県の信用保証協会にやらせるということになれば鹿児島県並みということになるわけでございますが、それでは群島の保証業務の実情に合わないわけでございます。そこで現在は、過去の経緯もございまして、保証業務と融資業務と二つを合わせた非常に変則的な形の基金ということで動いておるわけでございまして、こういった形のものをこれからどう運用していくかということにつきましては、先ほども御質問ございましたけれども、早急にわれわれといたしましては態度を決めなければいけないということで、関係方面、鹿児島県、大蔵省等とも一緒になって検討を進めておるという状況でございます。  それからなお、いま先生お読み上げになりましたもの、実は私及び事務当局の方へそういう要望があるということ、参っておりませんので、後ほど検討させていただきたいと思います。

春日正一日本共産党

○春日正一君 これは名瀬の市議会の昭和四十九年十二月二十日提出の「奄美群島振興開発基金の改善に関する意見書の提出について 議案第一三三号」、こういうもので、議員全部が連名でいま言ったような内容のものが出されておるわけですね。これは自治省の方に出すのですか、どっちに出るか知らぬけれども、とにかく出ているわけですよ。だから、これが出ておって、そうやっていま私の読み上げたようなことを要望しているということは、決していまの開発基金で満足しておるとか、鹿児島並みよりもいいとかということじゃない。むしろ先ほど言ったように非常に零細の人が多いから、だから信用保証を要するので、さっき私がこっちで読んだように、鹿児島全体が三・三というのに、奄美だけにしてみれば一一・幾らというような保証の非常に高い率になっている。保証をそれだけ求めておるわけですね。だから、そういう状態のところでもって、先ほど私が読んだように、いろいろな点で適用されないものがある。特にいま大島つむぎが非常に不況になって、韓国のものもあるし、国内の要因もあるし、不況になって困難してきておるというときに、融資の条件をよくしてもらいたいということはこれは当然だと思うし、あなた、さっき一つの郡についてと言うけれども、奄美の場合は特別なんでしょう。ああいう離島であって、しかも戦争中切り離されておって、そのために特別措置法というようなものをつくって振興しなければならぬという特別な状況なんだから、それを長野県の上伊那郡に適用しろと言ったらこれはおかしいという議論は出るけれども、奄美については国会でもって特別に振興しろということを決めてずっとやってきておるところですから、それを一つの郡についてやるのはおかしいというふうな意見がどこから出てくるか知らぬけれども、それじゃ何のためにこんな法律があるのかと、特別措置法自体がそれじゃおかしいということになるのですよ。だから、それは私は説得できると思う。だから、そういう意味でこれ検討して実現させるようにしてほしいと思います。  それからこの陳情書の方には、これは大島郡町村会、それから大島郡町村議会議長会、名瀬市その他商工会議所なんか連名で出ておりますけれども、この中にも「国民金融公庫、中小企業金融公庫、商工組合中央金庫等政府系金融機関の支店又は出張所の誘致方についてお願いして参りましたが、現在国民金融公庫につきましては、鹿児島支店から毎月一週間職員を名瀬市に派遣して金融相談に応ずるなど誠意ある方策を講じておられますが、支店又は出張所の開設までに至っておりません。」と、ぜひそうしてほしいということを陳情書で来ておるんですね。それで、聞いてみますと、やはりそういうものの支店がないために、奄美の人たちは結局そこから金を借りようと思えば鹿児島の支店まで申し込みに出かけなければならぬし、そういうことで事実上いま言った三つの中小金融機関の融資制度を利用することが非常に不便になっておると、だから支店をつくってほしいということを陳情しておるわけですね。だから、先ほど言ったように、一つの郡にそういうものをつくるというようなことがおかしいと言われるなら、この開発基金にそういう仕事を委託してやらせるとかなんとかというような方法で、やはりそういう中小金融の便宜がああいう離島の人にも受けられるような措置を講ぜられたらどうかというふうに思うのですけれども、この点は考えられますか。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○政府委員(近藤隆之君) 国の各種の公庫の融資事務を全部統合いたしまして一つの基金をつくる、沖繩が実はそういうやり方をやっております。そういうふうにするのがいいのか、それともこの奄美がやっておりますように、国のそれぞれの金融機関はそれなりにその地域に融資をする、それにかぶせて、それで覆えないような細かいものについてこの基金がやっていくという方法がいいのか、いろいろ考え方があろうかと思います。現在は創設以来の経緯にかんがみて後者をとっておるわけでございまして、現在国の各金融機関の貸付残高を見てみますと、奄美の基金が十五億程度でございます。農林公庫がやはり十五億程度、それから中小公庫が十八億、国民公庫が十七億、住宅公庫が十四億と、みんな相匹敵するぐらいの額が、ずっと貸し出されておるというような状況でございます。したがって、こういうふうにいろいろな金融機関から金が借りれると、そして非常に零細なものはこの基金がカバーしていくというのは一つのいい方法ではないかと私どもは思っているわけでございますが、ただ、いま先生御指摘の支店がないというような問題、これにつきましては中小公庫と農林公庫などは代理店があるようでございますけれども、貸し出しに便利なようにそれぞれの公庫についてもいろいろ話し合いをしていきたいと思っております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 その点はやはりさっきいろいろ私読み上げましたけれども、地元がそういう状態だし、あれですから、それに具体的にこたえられるような措置、実際に支店を設けるのか、どういう便法があるのかということは、あなた方の実務的な判断でおやりになるとして、とにかく便利に借りられるというような条件はつくってあげてほしいと思うんですよ。  そこで、最後に一つ、これは今度は環境庁の関係になってくるわけですけれども、環境庁ですか、国土庁の……。先ほど来問題になっています石油基地の問題、これでやはり奄美振興ということから考えると、この東亜燃料の枝手久島に計画しておる石油精製備蓄の基地の問題というのは非常に重大な影響をもたらすものだと思うんです、その規模からいっても性格からいっても。そこで、この計画の概要ですね、それから現在地元においてそれがどういうふうになっているか、この状況、その点を概略通産省の方から説明してほしいんです。

松村克之資源エネルギー庁石油部精製流通課長

○説明員(松村克之君) 技手久島に対する東亜燃料の進出計画につきましては、正式の許可の申請は通産省にまだ出されていないわけでございます。したがいまして、いまから申し上げますのは、これは単に会社側の計画であるということでございます。会社といたしましては、技手久島に対しまして四十八年の二月宇検村に申し入れを行っているわけでございます。その後、宇検村あるいはその他近隣の町村等においていろいろこの問題について計画の検討がなされたわけでございますが、現在の状態を御説明いたしますと、地元でのなかなか意見の一致が見られないこともございまして、地元では県が中心となって公的なといいますか公正な機関による調査をやってほしいという申し入れがございまして、県としてはこれを受けて、四十九年度の調査費支出の補正予算を設けまして調査をやる準備を進めていると、こういう段階と聞いているわけでございます。  それで、進出の具体的な計画と申しますのは、これは会社側の話によりますと、大体、確定はしていないわけでございますが、目標としては昭和五十五年とかその程度の時期に五十万バレル程度の能力の立地を目標にしていると、こういうことのようでございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 これを見ますと、石油の精製備蓄基地とこうなっていますけれども、五十万バレルはこれは精製する方でしょう。そうすると、そのほかに原油を備蓄しておくというような備蓄だけの基地というような部分もあるんですか。

松村克之資源エネルギー庁石油部精製流通課長

○説明員(松村克之君) いわゆる原油備蓄基地と申しますのは、大体が一般的に言われる場合には製油所と切り離されて原油タンクだけを主として持っているような、たとえば鹿児島県の喜入のようなものを言うわけでございますが、そのほかに精製工場の場合には多かれ少なかれ原油タンクを工場の施設として持っているわけでございます。本件につきましては精製工場を持っているわけでございますから、当然原油タンクができることになろうかと思いますが、そこでどの程度の原油備蓄を行うのかという点について詳細はまだ聞いておりません。

春日正一日本共産党

○春日正一君 大体所要の建設資金は用地買収費、造成費を別にして千五百億とか、あるいは工場の面積百二十万坪、所要の従業員数四百人と、こういうことになっているわけですね。港湾施設としては五十万トン級のタンカーの着ける桟橋あるいは十万トン級の桟橋というような非常に大規模なものができている。そうして新聞の報道では、枝手久島と奄美本島の間を三百三十ヘクタールぐらい埋め立てて、そうして約五百六十ヘクタールの用地、ここに精製備蓄の機能を持つ施設をつくるということになっているんだが、大体そういうことですか。

松村克之資源エネルギー庁石油部精製流通課長

○説明員(松村克之君) 会社側から、あるいは鹿児島県から伺っているところは、おっしゃるようなことでございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 それで、これができますと非常な災害が起こるんじゃないかと、特にあそこの枝手久島と宇検村の方との間の海を埋めますと、あそこの間に入っている港自体が非常に影響を受けるということが地元では心配されておるし、そうしてこれは水島やそれから鹿島の例で見ても、ああいう石油精製基地というようなものの及ぼす影響というものは非常に深刻なものがあると思うんですよ。広い範囲にわたっています。水島の場合、事故が起きて瀬戸内海のほとんど半分汚したわけですけれども、そうでなくても、鹿島にしてもあるいは千葉県の富津のあっちの方にしても、あるいはタンカーが入ってきて帰りには油のかすを捨てていくというようなことで海岸を汚染するというような状況が広がっておるわけですね。そうすると、そういうものが奄美のあそこにできるということが、奄美のいま言った振興開発計画の趣旨というものから見て果たして適切かどうかという問題が出てくると思うんです。  私はいま振興開発計画をちょっと読んでみたんですけれども、基本方向として「この計画においては、外海離島、台風常襲地帯という諸条件からくる後進性を克服しつつ、豊かな生きがいのある地域社会を効果的に実現するとともに、地域の特性を生かした産業の振興と自然を基調とする海洋性レクリエーション地帯の形成を図ることを振興開発の基本方向とする。」と、こういうふうに書いてあるわけですね。あそこの自然、その条件を生かしたレクリエーション地帯として観光開発といいますか、そういうような方向で振興していくと、同時に地元の産業も生かしていくということで、具体的には、「明るく住みよい地域社会の実現」という、これは一般的なことですけれども、二番目が「地域の特性を生かした産業の振興」ということで、「亜熱帯の自然的特性を生かした農林漁業、特産の大島紬業その他地場産業の振興を図り、また、適地に必要に応じ新たな産業を誘導し、就業機会の増大と生活の安定を図る。」、それから三番目が「自然を基調とする海洋性レクリエーション地帯の形成」と、こういう三つが具体的内容になっているわけですね。この中にそういう石油精製基地というようなもの、こういうものは予定されておったんですか。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○政府委員(近藤隆之君) 「奄美群島振興開発計画」が策定されました四十九年六月現在におきまして、枝手久島の石油問題というものは発生しておりましたけれども、まだそれは地元で固まった意見でもございませんし、したがって、この計画の原案というものは県が作成するわけでございますが、県はそうしたものを白紙の状況でございますから一切触れておりません。そういうものを基礎といたしまして国がこの計画を決定したわけでございますが、したがって、この計画の前提には枝手久島の石油問題は一応白紙ということでございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 白紙だけれども、この大綱を読んでみますと、やはり石油基地というようなものをあの島のあそこへつくるということはこの計画にはなじまないというふうに私は考えるんだけれども、特にこの中で「就業機会の増大」と言っていますけれども、さっき私が読み上げたように就業人口四百人というんでしょう。あれはパイプとタンクだけでほとんど人間を使わない産業ですから、だから就業機会の増大なんかになりはしない。それよりは朝鮮の方から来る大島つむぎをぴたっととめて、大島つむぎを振興したほうがよほど就業機会は多くなりますよ。だから、そういう意味から見てもあれですけれども、しかし、この動きについては非常に不明朗なものがあるんですね。大島本島の七市町村中五つの市町村議会が反対の決議をしています。名瀬の市議会、それから大和村の議会、笠利町の議会、瀬戸内町、竜郷町、これが反対の決議をしております。  しかし、一方では、会社の方では、当時の新聞も見ていますけれども、日当一人に二千円、東亜燃料も船席を予約して、奄美の参加者二百五十人を運んだ船は東亜燃料が船席を予約して、鹿児島で開発賛成大会を開いたというようなことが新聞記事に出ているんですね。そういうふうな形で札束で顔をたたくというか、そういうような形で金を使って賛成の世論をつくっていこうとしておるというような状況があるわけですよ。こういうことがやられておる。しかし、やはり石油基地を認めるかどうかという問題はこれは宇検村だけでなくて、奄美本島の住民にとって現在、将来の進路を決める重要な問題だし、それを企業の営利を目的としたそういう札束攻勢というようなもので左右されてやられるというようなことでは非常にぐあいが悪いし、さっき言った振興計画の立場から見てもなじまないものだということになれば、通産省としても当然こういうものに対して、いま言ったように金に飽かせて日当を払って連れてきて、大会を開いて世論をつくるというようなものに対してはやはり適正な指導をして、本当に町民の意向が反映されるようなものにしなければならぬと思うのだけれども、そういう点の指導はどういうふうにやっていますか。

松村克之資源エネルギー庁石油部精製流通課長

○説明員(松村克之君) 東亜燃料が現地に進出の希望を表明した後、現地でいろいろ賛成反対の意見がございまして問題となっていたわけでございますが、当時会社を呼びまして、私どもの方では十分何といいますか誠実に地元に対して説明を尽くすように、またそういった地元の同意が得られない限り余りに急激な措置をとることのないように指導をいたしてきたわけでございます。いま先生から御指摘のありましたような点につきましては、今後とも誠意を持って地元に対処するように指導を続けていきたいと思っております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 日当を払って、鹿児島まで会社が船を借り切って、それで大会を開かせるというようなことは、これは明らかに公正でないですわ。地元で大会を開いてやるならともかく、そういう意味ではもっときちっと指導をする必要があると思うのです。  次に、水産庁にお聞きしたいのですけれども、現在地元の宇検村の漁業協同組合員二十五名の連名で、漁業と関係のない土木とか山林の従事者や、あるいは村会議員までも組合に加入させておる疑いがあるというので、水産業協同組合法第百二十三条に決めておる検査請求が県知事に出されておりますけれども、この点について、わが党の米原議員の質問に、適切な指導をするというお答えをしておるんですけれども、その後それはどうなっていますか。

三堀健水産庁漁政部協同組合課長

○説明員(三堀健君) 鹿児島県庁からの報告によりますと、ことしの一月中旬に宇検村漁業協同組合の業務、会計の状況につきまして検査を実施いたしました。この検査は水産業協同組合法第百二十三条第四項に基づく検査でございますが、その結果によりますと、先生御指摘の組合員資格の点につきまして、漁業を営んでおります状況等の裏づけとなります資料の整備、こうした面に一部不備な点があったというようなことでございましたほか、経理とか会計上の帳簿の整理におくれが見られるというような点が指摘されたようでございます。そこで、県庁では早速これら資料の不備な面とか会計帳簿等の未整理の点につきまして、漁業協同組合の方にこれを早急に改め整備するよう指導しておるというふうに私ども聞いております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 それはいつのことですか、行って調べたというのは。

三堀健水産庁漁政部協同組合課長

○説明員(三堀健君) ことしの一月中旬でございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 これの出されたのは、こういういきさつになって一月二十日の日付になっているんです、これは。一月中旬においでになって県の方で調べたということをきのうお聞きしたんで、私現地へ電話を入れて聞いてみたんです。現地の漁民はだれも知っておりません、調べに行ったということを、指導に行ったということを。つまり非常に隠密裏に何かをやってこられたという非常に不明朗なものです。すぐ電話で私聞いてみたんです。  そこで、こういうことなんですね、この請求書を読んでみての申し立て経過というのを見ますと、四十九年一月三十日に水産業協同組合法第百二十三条の規定に基づいて、宇検村の山畑直三を請求人代表として業務検査の実施を請求した。その内容は、正組合員七十八名、準組合員六十九名の中には、水産業協同組合法第十八条第一項の規定に該当しない者が多い、それで四十八年二月二十六日開催の臨時総会でこの五名の資格審査委員を総会が選んだ。そしたら理事会は、漁民でも組合員でない者まで加えた十四名に審査委員をふやして、そうしてこれは総会の決定を無視したということが一つと、これはだから理事会のそういうやり方は無効であるということ。審査委員会の答申に基づいて理事会が決定した正組合員の中には、水産業協同組合法第十八条第一項に該当しない不適格者がおる、このために組合員の資格について行政庁の認定検査を請求する、こういうことだったんですね。ところが、これに対して鹿児島県の大島支庁の商工水産課長椿吉盛氏、職員何がしと来てこういう指導をしたというのですね。少数の者で審査するよりも大ぜいでやった方が各部落の内容がわかって適正な審査ができる、審査は組合自体が行うもので、県がこれについてとやかく言う筋合いのものではない、法の上で、九十日以上漁業に従事しておれば、魚をとってない者が正組合員適格者になっているといっても、本人が魚をとっているということで漁獲高を申請した場合、宇検村は水揚げ場もないので個人の申請を尊重するほかないというようなことで、だから請求は取り下げろというふうに強調され、その場で即答できないだろうからということで、この一行は帰った後、二回、三回にわたって商工水産課の方から取り下げの捺印を求めたのでやむなく捺印した、しかし、日時がたつにつれてますますその説明では納得できない事態が起こっておるので改めて検査請求をするといって、ことしの一月二十日にこの請求出しているのですね。  だから、いまあなたが言った、その調べに行った後からこれ出ているわけですね、もう一度。そういうことです。そして理由として、資格審査委員は理事会の諮問機関であり、決定機関ではない、各部落の事情を反映させるということで、総会の決めた五名以上の十四名が審査したということは違反でないという説明の大筋は了解できる。しかし、私たちが問題としているのは、十四名の中には組合員でない者がおる、これが組合員の資格を審査したということである、組合員でもない者が組合員の審査をするということは筋の通らないことだけでなく、できないことだと申し立ては言っているんですね。臨時総会当時の正組合員七十七名、準組合員六十八名は、資格審査により現在正組合員九十六名、準組合員百二十六名と多くなっています。この中には、明らかに水産業協同組合法第十八条一項の条件に当てはまらない者がいます、こうしたことは単に組合自体が決めることだという県当局の説明では納得できません、しかもこの事態は県当局の指導監督なしには改善が困難な見通しです、だからこの検査を請求したのだけれども、そういう事情で一応取り下げられたけれども、しかし、県当局の説明をそのままにしていたら、不適格者が入会金を払ってどんどん加入し、まじめに漁業に従事している組合員の権利、利益が侵害される見通しがあるのでどうしても納得できないということでこの検査をまた願ってきているわけですね。  私はその点でぴんとこう感ずるのは、あの神奈川の東急の田園都市の区画整理のやり方、あれを感ずるんですわ。あのときには東急は地所をどんどん買いまして、社員をみんな地主にしてしまって、そうしてその地主の会議を開くと、そういう人たちが入って水増しされるものだから三分の二はすぐできてしまう。三分の二以上の議決でもって、区画整理ということでどんどんあれ進めてしまっている。それと同じような水増しがここでやられているんじゃないだろうかというふうに私は危惧を持つんですよ。そうしてまた恐らくこの請求書を出した人たちもそういう危惧があって、それで検査してくれと言ってきておると思うんですよ。だから、そういう点では厳格に、それは水揚げ場がないから、とっていると言われれば調べようがないじゃないかと言うけれども、そんなことはないと思うんですよ。本当にとっておるものか、とってないものかということは、地元の村民なり漁民なりにすればわかることですよ。だから、きちんと調べて違法のないようにしてあげるということが、これは水産庁としての役目じゃないかと思うんですけれども、その点どうですか、どう指導されますか。

三堀健水産庁漁政部協同組合課長

○説明員(三堀健君) 先生御指摘のように、漁業協同組合の組合員資格の問題につきましては、水産業協同組合法第十八条の規定によりまして法律の条件がございますが、それを受けましてそれぞれの組合が、組合員資格者が漁業を営み、あるいは従事する日数を定めておるというような形になっておるわけでございます。それで、この定款で漁業従事日数を決めました場合に、それに従いまして、だれが組合員であるかどうかというようなことを判断するにつきましては、これは漁業協同組合として判断するということになろうかと思うわけでございます。その場合、組合の中で、これは私どもの考え方といたしまして、これを判断いたしますのは業務執行に当たります理事者の権限といいますか、理事者が処理すべき問題であろうというふうに考えておるわけでございますけれども、組合員資格が公正に運営されるというために資格審査委員会等を設けて、できるだけ公正な運営を図るというように私ども指導しているわけでございます。事柄が組合運営上非常に重要なことでございますので、できるだけ適正な運営が図られますように常に指導しておるつもりでございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 もう私時間ないので余り細かく立ち入ったことは言いませんけれども、先ほども、これ読んでもそうですけれども、鹿児島県の大島支庁の方からそういう形でいわゆる圧力がかけられて、こういう請求書が取り下げさせられるというような状況にある。そして鹿児島県知事は、何か新聞なんか読んでみると、誘致したいみたような感じがするんですね。そういうふうな状況のもとで漁民がこれを知事あてに出しておるということですから、それがまたうやむやに葬られるとか、漁民が納得しないようなことになるというようなことになれば、これはやはり非常にぐあいの悪いことになるわけですわ。だから、そういう意味で、特にあなた方は水産庁ですから、そしてこの前の会議の質問にもありましたように、あそこはやはり海のあるところで、これから漁業をどんどん発展さしていこうということになれば、相当可能性の多い土地柄だと思うんです。だから、そういう意味で、漁業を守るというような立場からも厳正にこういうものは指導して、そして不当な大企業の金の力でつくられてしまって、後で島民全体が子々孫々にわたって恨みを抱くようなことのないようなそういう指導をしてほしいと思います。  それから大臣の方に特にこの点お聞きしておきたいんですけれども、もう大臣は余り私言わなくてもおわかりになっていると思いますけれども、地図をごらんになってもおわかりのようなああいう位置に埋め立てをして、そして日本で最大と言われるような石油の精製工場をつくるというようなことが、少なくともあの奄美の地域なり本島の振興ということにプラスになるのかマイナスになるのかということを考えていただけば、あれは決してプラスにはならぬ。海は汚すし、そして地元の産業というようなものは破壊していってしまうというようなことになる。だから、そういう意味で、私はいまここでこの石油問題にどうしろこうしろと大臣に即答を求めるわけじゃありませんけれども、いま私の申しましたような経過から見ればわかるように、やはり会社の方は何としても強引にあそこにつくらせようというようなことを進めておる。こういう状況のもとで、やはり島民の現在と将来を決める重大な選択がいまされようとしているわけですから、だからそういう意味ではこれが十分民主的に島民の意向が反映され、そうして決定される。いわゆるごり押し的なことはやらせないというようにひとつ処置をとっていただきたいと思うんですけれども、その点、大臣のお考えをお聞きしたいと思うんです。

金丸信自由民主党国土庁長官

○国務大臣(金丸信君) この問題につきましては、午前の沢田先生の質問にお答えしたわけでございますが、あくまでもこの問題は地元本位で判断をすべきだと。そういうことでございますから、地元の円満な話し合いの中でつくるなり、つくらないなりは決めるべきであると。私たちは、慎重に、ことに奄美大島の海というものは大きな資源だということを私は思っておりますし、そういう意味で慎重に対処しなくちゃいかない。先生のお話を承りましてもわれわれは十分慎重に対処していくことが奄美振興につながる道であると、こう考えております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 じゃあ終わります。

小野明日本社会党

○委員長(小野明君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小野明日本社会党

○委員長(小野明君) 御異議ないと認めます。  これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小野明日本社会党

○委員長(小野明君) 御異議ないと認めます。  これより採決に入ります。  奄美群島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。  本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

小野明日本社会党

○委員長(小野明君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  金丸国土庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。金丸国土庁長官。

金丸信自由民主党国土庁長官

○国務大臣(金丸信君) 奄美群島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、慎重なる御審議の上、全会一致をもって可決していただきましたことを厚く御礼を申し上げる次第であります。  本法案の成立後は、本委員会における御質疑の趣旨を踏まえまして、その運用に万遺憾なきを期してまいる所存でございます。  まことにありがとうございました。

小野明日本社会党

○委員長(小野明君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小野明日本社会党

○委員長(小野明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十六分散会

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