決算委員会 第11号
- 発言数
- 311 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1975/05/28
会議録
○委員長(前川旦君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨二十七日、喜屋武眞榮君が委員を辞任され、その補欠として野末陳平君が選任されました。 —————————————
○委員長(前川旦君) 次に、昭和四十七年度決算ほか二件を議題といたします。 本日は、内閣と総理府のうち、総理府本府、科学技術庁及び環境庁の決算について審査を行います。 この際お諮りいたします。 議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前川旦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 それでは、内閣官房長官、総理府総務長官、内閣法制局長官、人事院総裁、国防会議事務局長、青少年対策本部次長、北方対策本部審議官、日本学術会議事務局長、大都市圏整備局長、公正取引委員会事務局長、及び宮内庁次長は退席していただいて結構です。 また、公害等調整委員会事務局長は、午後再び出席することで、一時退席して結構です。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○久保亘君 私は、原子力船「むつ」の新定係港の決定をめぐる問題等に関連して最初にお尋ねをしたいと思いますが、つい先般発表されました「むつ」放射線漏れ問題調査委員会の報告について、科学技術庁長官はこの報告をどのように受けとめておられるのか、その点について最初にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(佐々木義武君) 先般「むつ」放射線漏れの調査会——大山機関と称しますが、そこで結論が出まして、その結論を私どももよく拝読いたしまして、これを尊重して、その中にはもうすでに提案を待つまでもなしに、処理しつつある事項もございますし、提案に基づきまして今後処理しなければならぬ事項もございますので、趣旨に沿いまして、今後進めたいというふうに考えております。
○久保亘君 この調査委員会の報告によって、「むつ」の安全性を確認する保証が与えられたとは考えられないのでありまして、かえって、この調査委員会の報告によって、「むつ」の安全性の問題については、多くの技術上の問題、それから行政責任に関する問題、これらの問題が存在することをあらためて指摘されたものである、このように理解をいたしておりますが、科学技術庁としても、そういう受けとめ方をされておりますか。
○国務大臣(佐々木義武君) さようでございます。
○久保亘君 次に、この報告によれば、原子力行政のあり方、特に原子力船開発事業団の機構と責任について、厳しい批判と指摘があります。これらの点に関しても、科学技術庁が速やかに結論を出し、対策を立てなければ、原子力船開発の問題については次に進めない段階にあることを、この報告書は指摘していると思いますが、その点についても御異存はありませんか。
○国務大臣(佐々木義武君) そのとおりでございまして、行政機構の整備の問題に関しましては、特に安全性の審査、検査等の、あるいは安全研究に対する問題等に関しまして、今後どういうふうにいたすべきか、抜本的な改正を要するのではなかろうかという御指摘もございました。これに関しましては、この報告書が出る前に、御承知のように、内閣に原子力行政に対する懇談会をつくりまして、有沢広巳先生が議長になりまして、ただいま問題を検討中でございます。 それから、二番目の事業団の整備の問題でございますが、この当時の首脳陣は挙げて退陣いたしまして、ただいま理事長初め新陣容をもちまして、この補修、あるいは再建等を検討中でございまして、この報告にありますように、特に技術陣の整備を旨といたしまして、ただいま進めつつございます。
○久保亘君 特に原子力船開発事業団法は時限立法でありますから、延長されておりますけれども、その延長の期限も五十年度末で切れることになっているのではないかと思います。したがって、この調査委員会の報告を待つまでもなく、事業団はその内容の改革を含めて、科学技術庁としては速やかにこれを今後どういう機構とするのか、あるいは廃止するのか、その辺について結論を出さなければならない段階に到達をしていると思います。特にこの報告書は責任体制の不足とか、技術上の検討、判断の能力がないとか、あるいは業界主導の開発になっているとか、単なる事務処理の機関に陥っているというようなことで、少なくとも原子力船開発事業団が、この原子力行政の中で、その任務を果たしていないと考えられるような指摘を厳しくこの報告書の中にまとめております。したがって、原子力船開発事業団は、その法律の時限から言いましても、いま速やかに新しい方向を打ち出さなければならない段階に至っていると考えるのでありますが、科学技術庁としてはこの問題についてどのような対策を進められておりますか。
○国務大臣(佐々木義武君) まず、事業団が時限立法でありますので、しかも来年で切れますから、これに対してどういう考えを持っているかという前段の御質問でございますが、後段の問題もあわせまして、実は原子力委員会の中に原子力船対策懇談会を設けまして、ただいま学界あるいは財界等関係者の皆様にお集まりいただきまして鋭意検討中でございます。 まず、将来原子力船というものはいわば商船という面で今後ともわが日本が国としてこれを推し進める必要があるかどうかという点が最大の根本問題でございますので、将来を展望いたしましてどうあるべきかという問題、引き続いて第二船をつくるとすればどういう形態あるいは体制でいくべきか、それを受けまして現在の「むつ」そのものを一体どうしたらよろしいかといったような点を展望いたしませんと、この事業団の存続問題が、どういう性格のものとして残すべきか残すとしても、といったような問題に絡んでまいりますので、そういう点をただいま鋭意検討中でございまして、その結論に基づきまして事業団を存置していくとすればどういうかっこうで存置するか、内容をどうするか、そういう問題もあわせて決めていきたいと存じております。 それから二番目の事業団の責任あるいは技術体制の問題でございますけれども、先ほどもお答え申し上げましたように、この点が一番実は重点でございまして、原子力船のようなビッグサイエンスと申しますか、システム工学としては非常に重要な技術的な問題がたくさんございますので、そのリーダーをいたします事業団の、システムの総責任者といたして今後どういうふうな技術体制をしいていくべきか、一番重要な問題かと存じます。したがいまして、そういう点に留意しつつただいま人員の整備等を行っているところでございます。
○久保亘君 次に、この調査委員会の報告の最後に「広く理解を得るための努力」という項目が指摘をされております。この中には「今後、ことにあたる責任者が地元の住民とも責任をもって話合いをし、情報を正確に伝え、理解を得る努力をすべきことである。この努力を怠るようでは、地元住民の不信感をつのらせ、一層混乱を深刻にし、広範囲に悪影響を及ぼすものであって、今後の原子力開発の推進をになうことはできない」、このように指摘がなされております。この報告の結びから考えますと、今日の新定係港——俗に新母港と呼ばれておりますが、この新母港の候補地選びはまさにこの指摘の逆をいっているのではないか、こういう疑惑が国民の間に非常に高いのであります。たとえば、先般長崎は、県知事を初め国会議員の皆さんが科学技術庁に対して、長崎に母港を設置することについて反対の強い意思表示をされたと報道されております。これに対して科学技術庁長官は原子力局長をして長崎を候補地とすることについては白紙に還元をするという回答をされたということが報道されております。このようなことを、私ども多くの情報が行き交う中で、新聞、テレビ等を通じて承知をいたしますと、開会式もなくてそしてどういうゲームが行われたのか全く公開されないまま閉会式だけが突然公開されるような感じがするんであります。こういうようなやり方では地元の信頼を得ることば絶対に不可能であろう、こう私どもは考えております。 そこで最初にお尋ねをしたいのは、この調査報告書の結びにあります「広く理解を得るための努力」というのは新母港を決定するその決定の行為に当たっても適用される指摘であるとお考えになりますかどうか、その点をひとつ結論だけお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(佐々木義武君) そのとおりでございます。 —————————————
○委員長(前川旦君) 委員の異動について御報告いたします。 ただいま二宮文造君が委員を辞任され、その補欠として矢原秀男君が選任されました。 —————————————
○久保亘君 それでは、新定係港の決定についていろいろお尋ねをします前に、さらに二つだけお聞きしておきたいことがあります。 先ほど長官が、「むつ」の今後をどうするかという問題についてお話ございました。私、いろいろと記録を調べてまいりますと、昨年の十月の初めごろには「むつ」の総点検を行った後、原子炉を外して原子力船として廃棄処分にする方針を政府は固めたという報道があります。それから、ことしの初めに政府内に「むつ」を海外——ブラジル、サウジアラビア等に売却か無償貸与する構想が考えられているという報道があります。さらに三月に至りまして、原子力委員会は原子力船の今後のあり方を検討するため海運、造船、原子力委員会等から成る原子力船懇談会を設置した、こういう報道があります。さらに四月には原子力船「むつ」の維持管理検討委員会を発足させられております。そして、すでに大湊港に凍結された状態になっております「むつ」の維持管理についてこの維持管理委員会が一つの問題を指摘いたしております。 こういうような経過を見てまいりますと、一体いま選定されようとされております新母港の原子力船とは現在の第一船である「むつ」を指すのかどうか、「むつ」の処分について今後も科学技術庁としてはこの第一船に当たります「むつ」を再び原子力船として使用される考えであるのかどうか、その辺についで、現在の検討されております内容をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(佐々木義武君) 順を追って御説明申し上げますが、第一番にお話ございました、何新聞で御報道ありましたか知りませんけれども、「むつ」を焼却処分に処すなんというようなことは一つも考えたことございません。 それから二番目の、どこかへ売却するというお話でございますが、これもございません。恐らく想像記事かどうかと思います。 それから懇談会をつくりまして、これで検討することは先ほど申し上げました。 原子力船の将来、あるいは第二船あるいは現在の「むつ」そのものの扱い、ついてはまた事業団の今後の処置等に関しましてただいま検討中でございますことは先ほど申し上げたとおりでございます。 維持管理委員会は、これ現地の委員会——ちょっと私つまびらかにしませんので局長から御説明をさせることにいたします。
○政府委員(生田豊朗君) 維持管理委員会でございますが、原子力船事業団の中につくりました委員会でございまして、ただいま先生の御質問にもありましたように、「むつ」は現在大湊港に原子炉を凍結したまま係留されているわけでございまして、船体及び原子炉の維持管理を適確に行うということが何よりも必要なことでございますので、船舶、原子炉の専門家の方にお集まりいただきまして、維持管理の一番いい方法につきまして御審議願うという委員会でございます。
○久保亘君 そうすると、新母港が選定されました場合には、現在の「むつ」がまずその母港において使用される原子力船になる、こういうことで理解されておりますか。
○国務大臣(佐々木義武君) そのとおりでございます。
○久保亘君 それであるならば、この報告書に基づけば、原子力船「むつ」は、「原子炉部分について全面的に技術的再検討を行い、必要な改善・改修をすること。」が前提であると、こういうような報告になっておりますし、それからもっと今後想定されるいろいろな事故等に対しても対応できるような改善、改良が必要なのではなかろうかということまで書かれております。そういうことから考えますと、「むつ」は係留されたまま動かせない、原子炉は動かすことができない、しかし、調査委員会は実際に原子炉を運転してみなければ、改善、改修に関する完全な結論を導き出すことが大変困難なような書き方になっているわけであります。そうすると、この「むつ」の原子炉の安全性を確認するために、技術的な再検討というのはどこでどんな方法でおやりになるつもりですか。
○政府委員(生田豊朗君) ただいま先生の御質問でございますが、先生の御質問及びこの委員会の報告書の内容につきまして、二段階に分ける必要があるかと考えております。二段階と申しますのは、まずこの報告書が指摘しておりますのは、「むつ」の原子力船としての技術的な水準は一応の水準に達していると、今後も原子力船としてそれを使うことが可能であると思われるということをこの報告書は言っているわけでございますが、ただ念のため遮蔽以外の原子炉全般について点検をすることが望ましいという指摘でございます。したがいまして、私どもが考えておりますのは、この報告書の趣旨に浴いまして、原子炉の点検と必要な修理、改修をすべきであるというふうに考えております。これは必ずしも原子炉を動かさなくてもできることでございます。つまり、設計段階から原子炉の実物に至りますまでの各ポイントにつきまして点検を十分行いまして、修理あるいは改修が必要であればそれを行うということでございますので、その段階までは原子炉を動かすことは必ずしも必要ではございません。ただ、それで十分原子炉の今後の運転に伴う安全性が確認されたということになるわけでございますが、その後の段階では、当然計画の、何といいますか、続行と申しますか、出力試験を続行することになるかと考えますが、その段階では、もちろん原子炉を動かすことが必要でございます。
○久保亘君 そうすると、その段階のテストというのは、結局理論的に、あるいは一定の出力試験を行ったそれだけの結果をもとにしながらいろいろ検討して補修を加えたからこれで大丈夫だということでスタートすることになるわけですね。
○政府委員(生田豊朗君) 簡単に申しますとそういうことでございますが、この大山委員会の報告書にもございますように、今回の放射線漏れは、放射線漏れ自体としては大したことはございません。ただそれが出力一・四%という非常に低い段階で出たところに問題があるということでございますので、この各方面にわたります指摘になったわけでございます。したがいまして、この報告書の御指摘も踏まえまして、その原子炉の点検あるいは必要な修理を行うわけでございますので、それが完成いたしました暁は、それから先の、つまり一〇〇%に至るまでの出力試験には十分たえ得るものということが確認されてから出力試験を行うと、かようなことになるかと考えております。
○久保亘君 それでは次に、昨年の十月十四日に政府と地元県漁連との間に結ばれた協定がありますが、この協定は大きく分けて六項目になります。この六項目のうち、十一月中に燃料交換用容器を県外に搬出するという第三項については、すでに東海村日本原子力研究所に搬出を完了したと聞いておりますが、これはそのとおりでありますか。
○政府委員(生田豊朗君) そのとおりでございます。
○久保亘君 それから第五項の燃料プールを水抜きの上埋め立てるということについても、すでに終わっておりますか。
○政府委員(生田豊朗君) 本年の一月二十九日に完了しております。
○久保亘君 それから第二項の、二年六カ月以内に新定係港に移転させることをめどに四十九年十一月一日から撤去作業を開始するということになっておりますが、この母港の撤去作業は開始されておりますか。
○政府委員(生田豊朗君) 撤去作業と申しますのは、ただいま先生からも御質問がございましたキャスクの県外搬出あるいは燃料プールの埋め立て、あるいはクレーンのかぎを預けましていわゆる動かない状態にするということが撤去作業の第一段階でございます。そういう意味でございまして、撤去作業はすでに始めていると申し上げて差し支えないかと考えます。
○久保亘君 四十九年度における撤去作業というのは、この第二項に書かれてある内容に含まれるのは第三項と第五項だけであって、これは四十九年度の「むつ」母港の撤去費の予算を見ても、運搬費とプール埋め立て費だけが計上されたようでありますから、そのことで地元側とは話がついておったと理解をしてよろしゅうございますか。
○政府委員(生田豊朗君) そのとおりでございます。
○久保亘君 それから地元対策としてさらに六項目ばかりのいろいろな地元に対する、これは迷惑料と言うのですか、体育館の建設費助成とか、むつ市の有線放送施設設備の助成とか、漁業振興費助成と、そのほかに減産補償費、それから漁業信用基金協会への基金融資三億、全部で十数億のものが地元対策として約束されておりますが、これらの問題は約束どおり全部履行されておりますか。
○政府委員(生田豊朗君) 約束どおり実行中でございます。
○久保亘君 そういたしますと、問題は最後に残ります第一項、「六ケ月以内に新定係港を決定する」というあの条項だけが今日履行されないままに残っていることになります。ここでお聞きしたいのは、最近、どうせそのむつでだめなものがほかのところに行けるはずはないし、ほかのところに行ってよいものならばむつにあってもよい、こういう意見があります。何か政府は最終的にはもう一遍むつに母港をリターンさせるのではないかというようなうわさがありますが、そのようなことは一〇〇%あり得ないと理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(佐々木義武君) どういうところからそういううわさが出たか知りませんけれども、私どもはそういうふうに考えておりません。
○久保亘君 「考えておりません。」というのじゃなくて、そうすると、この新母港は全然新しい場所に必ず決定すると、こういう方針として理解してよろしいんですね。
○国務大臣(佐々木義武君) 青森側との去年の十月の話し合いではそうなっておりますので、それをまた関係閣僚会議でも決めておりますから、行政事項といたしましては、その趣旨に基づきまして新しい港を探すように努力中でございます。
○久保亘君 現在すでに二カ月近く最初の約束から新母港の決定がおくれておりますが、このことについては地元側は了解されておりますか。
○国務大臣(佐々木義武君) 話は少し長くなりますけれども経過をお話申し上げた方がよろしいかと存じますので、その点に関しましてお話申し上げますが、一月に新定係港を選定いたすべく科学技術庁、運輸省あるいは事業団、三者で推進本部を設けまして、参議院議員で科学技術庁政務次官をやっています片山政務次官を首班にいたしまして特別の作業、専門の作業隊をつくりまして実は鋭意検討に入りました。三月二十七日ごろになりましてほぼ見当がついてきたのでございますけれども、しかし、ちょうど統一地方選挙に入る時点でございましたので、もし約束の四月十四日までに決定するということで新しい候補地の地元との交渉を始めた際には、場合によっては、やり方によっては統一地方選挙に対する一つの妨害的な要素にもなりはしないかという点を考慮いたしまして、あるいはできるものもできないというふうな結果を招来してはかえって青森県側の趣旨にも沿いかねるという感じもいたしましたので、青森に片山政務次官に行っていただきまして、そして当時、去年の十月にこの話を定めました知事あるいはむつの市長あるいは漁連会長に当時政府側を代表して参りました鈴木総務会長の四者にも立ち会っていただきまして、四月十四日までには候補地は決めるけれども、しかし、新しい交渉は地方選挙が済んでからにいたしますよと、その理由はただいま申し上げたような理由でございますと、ただし、地元と交渉を始めた際には青森側には正式に遅滞なく御報告申し上げますということ、それから二年半後までをめどとして「むつ」という船そのものを移転さすことには変わりはございません、必ずそれは実行いたしますと、こういう話をいたしまして、地元側もやむを得ぬだろうということで、その後四月五日に大体中央政府といたしましては候補地はこれこれだというふうに内定をいたしたのでございますけれども、しかし、これを現地の交渉に移すのはどうしても統一選挙以後でなくちゃできませんので、統一選挙以後に延ばしたわけでございますが、統一選挙が終了いたしまして、さてということで考えてみますと、政治家の皆さんであればよくおわかりのとおり、地方の議会はいわば国会同様、国会の言葉で言えば院の構成ができません、議長もその他も決まらぬのでございますから、実際は開会に至っておらぬわけでございまして、それを待たぬと実際の交渉というのはできないのじゃないかということで、実は地方議会等責任機関の整備を待ってございました。いよいよ地方の整備もぽつぽつできつつあるのじゃないかということで、連休明けの国会再開になりまして、私どもの態度といたしましては、この問題の解決は中央で決めたからということで地方に権力で押しつけちゃいけない。先ほども御質問ございましたように、あくまでも地方との合意の上に立って、理解、協力を得た上で円満にこの問題を進めたいというのが予算委員会等を通じまして衆議院、参議院、両方とも強い御希望でもございますし、私どももそういうふうに考えてございました。 したがいましてその線に進めるためにはどうしたらよろしいかということを考えてみたのですけれども、突如として知事あるいは当該市町村長等に話しかけて、それぞれの議会の了解でという工作をする前に、まず当該県の選出国会議員の皆様にお話を申し上げて、ある程度安全性その他の了解もいたしまして、それからだんだん知事さんの協力も得つつ、市町村長とあるいは漁連と地元の皆様に実地調査あるいは安全性の御説明なりをいたしたいという順を実は考えておりました。なぜかと申しますと、県出の国会議員の皆様は——もちろん衆議院、参議院両方でございますけれども、皆様の御了解を、話もせずに足元へ行ってがたがたやったということでは、まことに国会の皆さんに対して申しわけないという感じがいたしましたので、まず長崎の問題でございますけれども、自民党の皆様の御了解と申しますか話をいたしまして、それから野党側にも話を進めまして、その最中で漁連の大会か何かでこの話が出まして、御承知のような反対運動というようなことで、まだ正式交渉に入る前に、長崎のような反対運動に会いました、こういうのがいままでの経過でございまして、意図といたしましては、これからひとつ地元の皆さんにじっくりそういう点をお話ししていこうじゃないかという矢先に、ああいう問題が起きたものですから、大変実は困惑しているところでございます。
○久保亘君 経過はよくわかりました。ただ、そのやり方については私どもとしては大変意見があります。しかしその問題は時間もありませんから、私は単刀直入にお聞きしたいのですが、四月五日に中央政府としては内定をしておった。ただ、いろいろな状況があったので、これを公にして交渉することができなかったのである。地方選挙が終わってみても、まず国会議員を通してこれらの問題について手をつけていきたいと思ってやってきたのだと言われましたが、そうすると、四月五日に内定をしていたというのは、長崎県の対馬のことですか。
○国務大臣(佐々木義武君) これはまだ閣議決定をとってどうという問題ではございませんので、私と運輸大臣が責任大臣でございますから、両者で話し合いをいたしまして、こういう地点を今後の交渉の対象にしようじゃないかというふうに内定したのでございまして、いわば対馬の美津島とその他の候補地を若干考えまして、一応これからの交渉の手順にした次第でございます。
○久保亘君 対馬の美津島とその他の場所というのが、報道されております鹿児島県の甑島列島とか、こういうものを指しているわけですか。
○国務大臣(佐々木義武君) 対馬のほうはただいま申しましたように、各国会議員にもいろいろお話を申し上げ、その後長崎の知事さんからも白紙還元していただきたいというお話もございましたので、ただいま静観しているところでございますけれども、その他の地区に関しましても、その経験に徴しまして、地元の一部からいろいろ希望のあります所が一番望ましいのじゃないかという感じがいたしますので、ただいまのところでは地元からの要望がある地点に関しまして、いろいろ枝術的な検討を通して見ておりますが、しかしその地点の名称等はまだ流動的でございますので、この席じゃ申し上げられないというふうに申したほうがよろしかろうと思います。
○久保亘君 そうすると長崎の対馬美津島については、これはもう白紙に還元したということは、科学技術庁が新母港の候補地としては現時点においてこれを除外したと、こういうことでそれを公にされたと、こういうことになるんですか。
○国務大臣(佐々木義武君) 除外したわけではございません。各国会議員の皆さまにいろいろお話ししておったわけですから、まだ知事とは正式交渉に入っておらぬ段階でございました。ましてや地元の町村長等には全然まだ交渉等の実は段階にはなっておらぬ、いわば前々段階と申しますか、の段階でございまして、交渉をつけるというんじゃなくて、白紙還元というんですから、しばらく静観して無理はしない、決して無理はしない。地元の方でもそれではどうぞひとつ調査してくださいというふうな機運でも起きますれば喜んで調査に参りますし、あるいは安全の説明等に参りますけれども、反対しているさなかに無理やりに現地に押しかけてどうということは一切いたしませんという意味に御解釈いただければありがたいと存じます。
○久保亘君 それでは、少し話を元へ返しまして、新定係港の候補地の具備すべき条件は何だとお考えになっておりますか。このことについて私がお尋ねするのは、たしか昨年であったかと思います、昨年の十月原子力局長が政務次官会議か何かで述べられたと言われております、新母港は離島か原発専用港から選びたいということを述べられたと聞いておりますが、当時そういう意見を述べられたことは間違いありませんか。
○政府委員(生田豊朗君) 昨年、「むつ」の大湊港入港につきましてのいろいろ問題がございまして、先生御承知のように、一応解決したわけでございます。で、その青森の現地での協定の締結の状況及びそれをめぐります状況につきまして政務次官会議で説明しろという御要望がございましたので、私当時青森に長く滞在しておりましてその仕事をやっておりましたので、その経過を御説明したわけでございます。そのとき御質問がございまして、新定係港の建設、移転というのはその協定の中にございますので、新定係港としては、たとえば離島であるとか、あるいは原子力発電所の専用港を使う案であるとか、そういうことが考えられるだろうかという御質問がございましたので、そういうことも考えられますというようにお答えしたわけでございまして、私の方からそれだけに限定しまして御説明したわけではございません。
○久保亘君 そうすると、新定係港の、今度はそういう離島とか原発専用港という立場からの見方ではなくて、そこが持つべき条件というのを、候補地をお選びになるときには当然そういう条件の上に立って御検討になると思うんですね。で、すでに、新定係港検討グループですか、こういうものもおつくりになって、先ほど長官言われましたように、政務次官が座長で進められておりますね。こういうところで検討されます際の新母港の具備すべき条件の主なるものはどういうことですか。
○政府委員(生田豊朗君) 先ほど大臣の御答弁にありましたように、そのプロジェクトチームをつくりまして作業したわけでございますが、そのときにいろいろの物理的な条件あるいは社会的な条件を前提といたしまして作業をしたわけでございます。 たとえば、物理的な条件といたしましては、水深、水の深さでございますが、それがある程度あること。それから船の操船、船を操る操船でございますが、それの上に余り困難なような条件がないこと。敷地面積がある程度確保されることというような——ほかにもございますが、そういう点を検討いたしております。 それから、社会的な条件といたしましては、漁業の関係、あるいは人口集中地帯が近所にあるかないかというような問題、あるいは交通の問題、その他幾つかの点を挙げまして、資料によりまして検討を行った次第でございます。
○久保亘君 検討のポイントの一つに、その地域の政治情勢、具体的に言えば国会議員、地方議員の政党別の分布状態というようなことをこの検討グループで考慮されているということが盛んに報道されております。そういうことがありますか。
○政府委員(生田豊朗君) その地点につきましていろいろの資料を集めましたので、国会議員と申しますか、その選挙の状況なども一応検討はしたわけでございますが、それを中心にして検討したわけではございません。
○久保亘君 そうすると、そういうような一つの具備すべき条件というものが決まってまいりますと、おのずから科学技術庁が地元の意向というものを一応度外視するならば、ここ、ここ、ここが望ましいという候補地が挙がってまいりますね。それをずっと検討されて、そうして四月の五日に対馬、こういうことを科学技術庁として一応想定をされて、交渉に入ろうとされたんですが、これが地元からの反対の意向が強くて、一応白紙還元せざるを得なくなったと、こういう状態だと思うんです。そうすると、その対馬以外のところで、いままずさっき言われた第一段階、与党自民党の国会議員に接触する、その与党自民党の国会議員に接触する段階まで進んでいる地点がありますか。
○国務大臣(佐々木義武君) 先ほどもちょっと申しましたが、長崎でいたしましたような国会議員にお話しをしてというその以前に問題があるんじゃないか。むしろ地元の皆さんが、私のところへひとつ是非誘致いたしたいという希望の個所があれば、しかもそれが技術的な条件等に合致するところであれば、そういうところが一番望ましいんじゃなかろうかという感じもいたしますので、先ほど申しました候補地を幾つかつくって、かわるがわるそれを地元の国会議員にまず話をしてという、長崎のパターンをそのままとっていくというふうには実は考えてございません。
○久保亘君 そうすると、新定係港の選定については、科学技術庁が、一つは、いま住民の間にいろいろな疑心暗鬼を生みます原因には、青森県との期限つきの協定があるということですね。だから、この協定によって科学技術庁はすでにマイナス時間帯に入っている中で速やかに決定しなければならないという政治的拘束を受けている。だから決めてくるに違いないという不安があるわけです。だから、いま科学技術庁としては、先ほど長官が言われるように、地元に押しつけることはできないということならば、地元が反対をすれば、県や地元市町村が反対をすればそこへ交渉をしていくことはできない、こういうことになろうかと思うんですね、現状としては。その場合には、青森県との協定は、一応逐一青森県にその状況を報告することによってかなりな期間延長されてもいたし方ない、こういうふうにお考えになっておりますか。
○国務大臣(佐々木義武君) お話しのように、青森県の方にはその都度連絡いたしまして、たとえば五月二十一日、長崎の漁連の代表の皆さんが反対陳情に見えまして、こういう事実はやはり青森県にはお伝えしなければいけませんので、こういう状況になっておりますと言いましたところ、青森県の方からは、早期に解決してもらいたいけれども、しかし、円満にひとつ解決してもらいたいというお話でございまして、青森県で生じましたああいう事態をほかの地点でまた繰り返すということはなるべく避けてもらいたいという御趣旨のようでございまして、私どもも去年の十月のお話し合いのように早く決めたいのではございますけれども、しかし、先ほど申しましたように、非常な騒擾を起こして、そして無理やり片づけるというやり方はとりたくないということでございますから、なるべく円満にひとつ片づけ得るように、いろいろこれからの持っていき方を考えたいと存じます。ただいまの青森県側との話し合いはそういう話し合いになっておりまして、まあ御趣旨に沿うようにということで私どもも円満解決を目指して努力をいたしたいと、こういうふうに考えております。
○久保亘君 そうすると、少し具体的なことをお尋ねいたしますが、それは対馬と並行して交渉に入りたい候補地として鹿児島県の甑島列島がしばしば報道されてきました。この鹿児島県の甑島列島の問題については、地元国会議員に対しても科学技術庁としては現在のところは接触をされたことは公式にも非公式にもない、こういうことのようでありますが、それはそれでいいですね。
○政府委員(生田豊朗君) 現在までのところ、公式にも非公式にも接触は一切しておりません。
○久保亘君 はい、わかりました。そうであるとすれば、ちょうど長崎県と同じように、「むつ」の安全性が確認されない状態、しかも、まずやらなければならないことは、放射線漏れ問題の調査委員会の報告にどういうふうに政府として対応するか、その具体的な方針を立てて、それを国民の納得を得た上で実行してからでないと、新母港の決定ということについて地元の同意を得るなどということは、まずその前段がないのですから、その交渉に入ることすら不可能なのが現状ではなかろうかと私は考えるのですが、長官はそのようにお考えになりませんか。
○政府委員(生田豊朗君) 先生のお言葉のとおりだと私どもも考えております。ただ、先ほども御説明いたしましたように、安全性の確認と申しますのは、ちょっと御説明さしていただきたいと思いますが、二種類ございまして、現在原子炉を凍結して係留しておくままの形で原子力船「むつ」が安全であるということは、昨年の十月の段階におきまして政府がお願いしました大山先生以下の専門家のグループ、及び青森漁連が委嘱されました田島先生以下の専門家のグループ、この両グループによって確認されていることでございます。しかし問題は、先ほどの先生の御質問の趣旨にもございましたように、今後出力試験を続行していく、さらに実験航海に移ると、そういう段階での「むつ」の安全性を確認すべきではなかろうかという御趣旨であろうかと考えます。私どもも、先ほどお答え申し上げましたように、それをぜひともやりたいということでございまして、そのためには大山委員会の指摘にも基づきまして、原子炉の点検それから所要の修理、改修ということをまずやりまして、ここまでやれば今後の出力試験の再開あるいはそれ以後の段階におきましても原子力船の安全性は確認できたということを国民の前に明らかにいたしまして、それから原子力船計画を推進してまいるというようなふうに進めたいと考えているわけでございます。 ただ私どもはそうしたいと思っておりますけれども、そこにはひとつ地元あるいは全漁連その他の御要望との間に矛盾がございまして、全漁連も先般決議をされたと伺っているわけでございますが、そういうことをやって安全性を確認しなければ日本じゅうのあらゆる港において「むつ」を受け入れることは拒否するというような決議であったと伺っております。しかし必要なその修理、点検をするためにも、これは洋上で行うことは不可能でございますので、どこかの港におきまして修理、点検をすることが必要でございます。したがいまして、修理、点検をするためにはどこかの港に「むつ」がいることが必要である。しかし修理、点検をしなければどこの港でも受け入れないということは、これはどうしても不可能なことでございますので、そこのところの折り合いをどういうふうに御理解いただき話をつけていくか、これが今後の問題であろうかと考えております。
○久保亘君 そうすれば新母港の選定については、たとえばいま長崎県がそうでありましたように、鹿児島県においても、いま科学技術庁としてもお認めになっておりますように、安全性が確認されていない、こういう状態の中においてはとうていこれを受け入れることはできないというのが地元県の県知事の正式な表明でもあり、また、地元甑島の村長たちの間でも同じようなことが表明をされておりますから、これらのところについても現段階においては交渉の対象地として科学技術庁が具体的な折衝を起こすということはできない、こういう理解をしなければなりませんね。
○政府委員(生田豊朗君) ただいま私が、そういう問題点がございますのでそれをどう解決するかがこれからの詰めるべき点であるというようにお答え申し上げたわけでございますが、地元との話につきましては、私は二通りあると考えております。つまり一つの考え方は、現在のような形で原子炉を凍結したままで係留しておく分には「むつ」が安全である、これは確認されておりますので、そのままの形で、たとえば新しい定係港、これはもちろん地元と話がついた後でございますけれども、に移しまして、そこで、それからの総点検あるいは修理の各段取りにつきまして、こういうことをやっても十分安全なんだということを地元にも御了解いただきまして、その点検あるいは修理の作業を進めてまいりまして、それで最終的に出力試験の再開のための安全性を確認するという方法もございますし、あるいはそれを二段階に分けましてやる方法もあるかと考えております。それは、その場合によりましていろいろの方法があろうかと考えております。
○久保亘君 それからこの原子力船の新母港を決定する場合に、政府の考えとして述べられたと言われているものの中に、原子力船の母港と直接関係しない地元への見返り対策費が地元に対して盛んに宣伝をされている。二百億の地域開発のための資金を投下するとか、それは原子力船の母港とか、それに直接関連をする施設などではなしに、悪く言うならば、原子力船は毒を含むから、これを食ってくれるかわりに幾らか金出そうと、いかにも金権的な行政の姿勢、悪く言うならば、地方自治体の買収を行うようなそういうような言い方がされていることは、これは大変不穏当なやり方だと私は思うんです。もしその地域にそれだけの開発を行う必要があるのならば、原子力船と関係なく政府はやるべきことなんであって、この原子力船引き受けてくれれば、そのかわりに、君らの困っている道路も少しよくしてやろう、学校もつくってやろう、文化センターもつくってやろう、こういう話で原子力船を押しつけるということは、政府が地方に、特に離島などにもたらした政治責任としての過疎を恩着せがましく原子力船と引きかえに解消してやろうという二重の罪を犯すものだと私は思うんです。だから、原子力船の問題は原子力船の問題として地元とフェアに交渉すべきであって、地域の開発、特に見返り対策と言われているような問題は、これはその地域の過疎からの脱却のために政府が別の責任でやるべき問題だと、私どもはこう考えておるんですがね。科学技術庁だけでなく、この政府がそういうような立場があるやに聞くものですから、科学技術庁としては、そういうようなやり方については毅然として一線を画して原子力船の問題は、母港の問題については地元に話をされる場合にはおやりになる、こういう点については御見解が表明できますでしょうか。
○国務大臣(佐々木義武君) 何か大変誤解をなすっておられるようで、もし、真実そういうふうにお考えであれば、御訂正いただきたいと存じます。別に金でつるとか何とか、ちっとも考えておりません。そうでなしに、私も金額何百億とかいう話は新聞等で見ましたが、恐らくは、青森のむつで十数年前でございますか、八年前でございますか、年月は忘れましたが、埠頭その他設備をつくりました際の金額を、その後の物価上昇等を勘案すれば大体このぐらいになるんじゃないだろうかという計算、胸計算と申しますか、あるいは港でございますから、港をつくっただけではやっぱり問題になりませんので、それに参ります道路とか、あるいは水、電気、一切のものが必要でございましょうから、そういうものを付帯すればというふうな計算をするのは当然でございまして、それが地元の利益に合致すれば、それは大変また地元の人にも幸福でございましょうし、しかし、そういう意図を持ってやるというんじゃなくて、結果においてそうなるんだというふうに御理解いただきたいと存じます。恐らくまだ、先ほども申しましたように、実地調査等はどこもしておりませんから、実際にどれほどの金額が要るものやら、測定をいたしませんと何とも判断しかねると存じますので、そういうもし誤解がございましたら、誤解を解いていただきたいと存じます。
○久保亘君 それじゃ、最後に少しまとめて確認をさしていただきたいと思うんでありますが、新母港の決定については、青森県側の了解を得ながら、協定の期日にこだわらず、調査委員会の報告に十分対応できる条件を科学技術庁として十分整えた上でなければ安全性の確認を前提とする候補地との交渉はできない、そういうことと、それからこの報告書にもありますように、地元の了解が十分に得られなければ、候補地を新母港として押しつけるということは、科学技術庁としては考えていない、つまり地元が反対であるならば、そこに母港を設定することはできない、こういうような意向であるというふうに理解をしておいてよろしゅうございますか。
○国務大臣(佐々木義武君) そのとおりでございます。
○久保亘君 わかりました。 それで、この新母港の決定についてもう一つ私の方から希望としてお願いをしておきたいのは、今度対馬にとられましたような方法は、私はこれは決してあなた方の立場に立って見ても成功する道じゃないと思うんです。三木さんが佐藤さんと総裁を争われたときに、国民と断絶した密室の官僚政治であるからいかぬのだ、だからおれが総裁に出るんだということを言われたことを私はよく記憶しておりますが、だからそういうでんでいけば、三木内閣としては、もしもどこかに交渉をかけようとするならば、オープンにしておいて、そしてこういう考えなんですがどうでしょうかということで、住民というのはそこに住んでいる人たちなんです、そういう人たちの意見を率直に聞くという態度がなければ、国会議員を何とか巻き込んでこれに工作させればいくんじゃないかとか、あるいは地元の有力者に話がつけばうまくいくんじゃないかというようなことでは、決して成功しないだろうと思うんです。そういう点については、今後新たな候補地について地元に了解を得ようというお考えをお持ちになった場合にはオープンにしておやりになることが望ましいと思うんですが、その点については長官はどうお考えになりますか。
○国務大臣(佐々木義武君) お説でもございますので十分研究してみたいと思います。ただ、誤解のないようにもう一遍繰り返したいのは、地元の国会議員の皆様にまずお話を申し上げましたのは、その線を通じて問題を片づけるという意味じゃなくて、その選出の住民の皆様に直接、国会議員の皆様の耳にも入れずに選挙区へ入っていくということは政治道義としてもどうであろうかと、また国会議員の皆さんも大変困るんじゃないでしょうかと、ですから事前にお話を申し上げて、そして、それが済めば今度は知事さんの御協力を得て、そして、市町村なり、これこそ地元に調査隊なり、あるいはいろいろお話しに参る手順というのが一番私、仁義としてはいいんだろうと思っておったのですけれども、ただいまお話しのような説もございますから、いろいろ研究してみたいと存じます。
○久保亘君 科学技術庁これで終わりますが、次、環境庁にちょっと……。
○委員長(前川旦君) 科学技術庁長官、一時退席していただいてけっこうです。
○久保亘君 それじゃ、引き続いて環境庁に二点お尋ねいたします。 一つは、昨年の環境庁の委託調査によって検出されました鹿児島県におけるカドミウム汚染米について、その後、県農政部が追跡調査を行ってまいりまして、四十八年度の環境庁の委託調査における調査地点四十四地点を、追跡調査ではさらに六十一地点三百ヘクタールに広げて調査を続けておりましたが、最近その結果が明らかにされております。その結果は、四十八年度の環境庁委託調査によれば〇・四ppm、厚生省のあの安全基準を上回る〇・四ppmを超えるものが二地点において発見され、一・四ヘクタールにわたってあらわれておりますが、今回の追跡調査によれば、最高二・五七ppmという驚異的な汚染米、つまり食用として禁止をされておる一・〇ppm以上のものが三地点において七・五ヘクタールにわたって発見をされております。それから〇・四ppm以上のものは五地点三十五・一ヘクタールに及んでおります。これらの調査結果について、環境庁はどのように把握をされておりますか、お尋ねいたします。 なお、この対策について、当然一・〇ppmを超えた地点につきましては、県知事が環境庁や農林省と、主として環境庁ですね、環境庁と協議の上、この汚染地域として指定を行うことになろうかと思うんであります。そして、これらの地域について、汚染土壌の改良を速やかに行わなければならないのではなかろうかと思うんですが、この点について、この地域指定に関して、環境庁はどのように対処されるおつもりかですね、県と協議があればお答えいただきたいと思うんであります。 それからなお、農林省見えておりますか。——農林省にお尋ねしたいのは、昨年の追跡調査の結果によって、汚染土壌に燐酸や石灰を投入して土壌を改良するという応急措置を対策として出されたにもかかわらず、今回も再び県としては、さしあたっては燐酸、石灰の投入による土壌改良を農家に指導するという方針から出ていないのでありますが、このことはこれらの高濃度カドミウム汚染地域について土壌改良を抜本的に地域指定を行って実施をするためには、農家に対して休耕補償をなさなければならないのではなかろうか。ところが、休耕補償をするには今回の鹿児島県におけるカドミウム汚染米については発生源が明らかでない。そのためにだれも補償を行わないということになれば、応急措置以外に方法はない。これで問題が生じてくるのではなかろうかと思うんです。これらの問題について農林省はどのような指導をされるのか。特に五十年産米の植えつけを目前にして明らかに食用にならないということが調査の結果明らかになっている地域に農民が田植えを行うということは非常に問題があると思うんでありますが、五十年産米の植えつけを目前にして汚染土壌対策はどのように指導されるのか。環境庁及び農林省のお考えをお聞きしたいと思うんであります。 それから食管法によって買い上げの対象とならない、つまり食用として禁止をされておる一・〇ppm以上の汚染米が現在農家に保有されているものは、見つけ次第これを廃棄処分にするというのが県の方針であります。見つけ次第廃棄処分にするという県の方針はわかるんですが、廃棄処分にされる農家にはだれも補償しないのであります。この点について環境庁としてあるいは農林省としてどういうふうにお考えになるのか。それから一・〇ppm以上のものですでに流通過程にあるものがあります。この流通過程にあるものはどうやって回収できるのか。食品衛生法に基づいて食ってはいけないときまっているものが明らかに倉庫から出て行っているということがわかる場合に、追跡してこれをとらえるということはこれはやっぱり行政の責任だろうと思うんですが、それはどのようになさるおつもりかお聞きしたいと考えております。 以上の点についてひとつわかりやすく御回答いただきたい。
○政府委員(大場敏彦君) ただいま御指摘になりましたように、鹿児島県の万之瀬川流域におきまして、これは上流に錫山鉱山という鉱山がございますが、それから由来するものと推定されるわけでありますが、カドミウムによる土壌の汚染があるんじゃないか、こういう懸念がかねてからあったと。そういうことで昭和四十八年、四十九年と土壌汚染に関する細密調査を環境庁それから県と共同で実施いたした経緯がございます。その結果先生が御指摘になりましたように、四十八年度の細密調査の結果では一ppm以上の米は検出されなかった。しかしまあ〇・四以上の米が二点検出されたという経緯がございます。そういったことで念には念を入れるという意味では昭和四十九年度におきまして、さらに比較的濃度の高い米が検出された地域を重点にいたしまして、その周辺の地域をさらに細密調査を実施したということでございますが、その結果調査点数六十一点のうち一ppm以上すなわち食品衛生法に基づきまして食品としてはいわば適格ではないというふうに規定されております一ppm以上の米が三点出てきたということでございます。その推定面積は、不幸中の幸いとでも申し上げましょうか、〇・七五ヘクタールでございまして、まず〇・七五ヘクタール。それから汚染米はこれは保有米の形に、大体が飯米農家が主でございますから、保有米の形になっていると思うわけでございますが、約三トンと推定されるわけであります。それから〇・四ppm以上のこれはまあもちろん食品として不適格だという意味ではないわけでありますが、〇・四ppm以上の米が五点出てきております。これは関係の面積が三ヘクタール半というふうな程度ではなかろうかと思っております。 この四十九年の調査と四十八年の調査によりまして結果が違いますのは、やはりカドミの特性といたしまして、土壌が水を張っておいた場合、それからあるいは渇水状態になった場合、まあ言うなれば土壌が還元状態であるかあるいは酸化しているか、そういったことによりましてカドミの吸い方が異なっているということによりますもので、四十九年度は渇水の状態が比較的あったと、こういったことでカドミを米が吸いやすかったと、こういった状態があるのではないかと推定されるわけであります。 いずれにいたしましても、一ppm以上の米が発見されました土壌につきましては、土壌汚染防止法の規定に基づきますと、これは土壌汚染地域として指定いたしまして、そこで対策計画を樹立して客土、排土等の土地改良事業を実施していくという段取りになるわけであります。しかしながら、これをどうするかということにつきましてはいま県と相談中でございますが、先ほど申し上げましたように、幸いにも広大な面積ではない、わずかな面積でありますので、これを土壌汚染防止法という法に基づきまして指定することは、もちろん環境庁としてその道は十分に開いておるわけでございますけれども、そのために時間がかかってはいけないという配慮もございますので、指定するかあるいは県単独で、わりあい少ない面積でありますから、てきぱきと早く片づけてしまうと、こういった道もありますので、その辺はいずれにいたしましても地元農民の方々の御意向を尊重して、県とよく相談して対処してまいりたいというふうに考えております。 それから、この事業の費用負担、あるいは汚染米が出たわけでありますが、それは食用として適格ではないわけでありまして、農民の方々はそれは食用には供してはならないと、こういうことになるわけでありますけれども、その補償をどうするかと、こういったことが次の問題としてあるわけでありますが、これにつきましては、汚染源と推定されます鉱山が上流にありますので、それとの因果関係をもう少し調べてみなければなりませんが、いずれにいたしましても農民に責任はないことは、これははっきりしているわけでありまして、その土地改良事業の費用負担につきましても、農民には負担はかけない、こういう原則で対処してまいりたいと思っております。 それから、食用にできない米ができたわけでありますから、それはまあいうなれば廃棄ないしはそれに近いような形で処分しなければならないわけでありますが、結局農家にそのままでは損害が出てくると、こういったことにつきましても、同様にやはり農民の負担にはならないような形でよく県とその辺のところを具体的にどうするかということは検討してまいりたい、そういうぐあいな方向で解決してまいりたい、かように思っておるわけであります。
○説明員(中村宗弘君) 本年度の稲作の作付指導につきましては、農林省といたしましては土壌汚染対策地域におきまして将来抜本的な土地改良事業が実施されるまでの間、カドミウム汚染米の発生を防止する観点から、汚染地域に土壌改良資材の散布、稲の湛水栽培等、カドミウムの吸収抑制のための営農指導を行っているところでございます。本地域の五十年度の、本年度の稲作につきましては、カドミウム濃度一ppm以上の玄米が生産されるおそれのある水田に対しまして、土壌改良資材すなわち溶成燐肥、珪酸カルシウム等を散布して、カドミウム汚染米の発生を防止し、関係農家の被害を極力軽減するよう指導しているところでありまして、これは地元の農家の方々の稲をつくりたいという御要望にも沿うつもりでございます。また、将来農用地の土壌の汚染防止等に関する法律に基づいて対策地域が指定され、排土、客土等の抜本的な土地改良事業が行われることも予想されますので、それに対する準備といたしまして、現在鹿児島県当局と協議をしながら、川辺町に客土等を内容とする現地改善対策試験圃を設置することにしておりまして、この試験の結果を参考とし、また関係農家の方々の意向を十分尊重しながら、現地の実態に即応した対策を講ずるよう指導してまいりたいと、このように考えております。
○久保亘君 この問題については、さらにまた機会を見て詳しくいろいろお尋ねしたいと思いますが、土地改良や、あるいはこのことによって破棄しなければならない農民の負担や犠牲については、農民の負担とならないよう配慮をしたいという環境庁のお答えでありますから、ひとつぜひその線で善処をお願いをしたいと思います。また、この原因究明について、ぜひ県と協力して積極的にやっていただきたいと思うんです。それから、この対策については、それぞれ、基準を決めるのは厚生省、それからこれをいろいろ実際にこの監督をしていく行政の立場は環境庁、それから今度は計画の実施段階になりますと農林省、いろいろ分かれているようでありますから、こういう問題についてはできるだけ関係省庁が一体になって、手おくれにならない、農民に無理な犠牲のかからない対策を、政府として一体となっておとりいただくようお願いをしておきます。 それから時間がなくなりましたので、大変残念でありますが、環境庁に最後に一つお尋ねしたいのは、昨年の水島の三菱石油の流出事故との関連ではないかというふうに言われております、最近、瀬戸内海に発生をいたしております赤潮について、この発生の原因や、それからその対策などについて、現在環境庁が把握されております点や、それからいろいろ講ぜられております対策等について御報告をいただきたいと思います。
○政府委員(大場敏彦君) 赤潮のメカニズムにつきましては、これはまあかなり前から各省庁でいろいろ研究をしております。いろいろ基礎的な研究も、水産庁、環境庁あるいは科学技術庁というぐあいにしておりますが、現在までの知見では、要するに窒素、燐が多過ぎるという形で、富栄養化現象が瀬戸内海に生じていると、そこにあるいは雨が降って淡水の濃度が高くなった、塩水の濃度が低くなった、それからあるいは日が照って水温の上昇ということが出てきた、こういったことがいわば引き金となりましてプランクトン等の異常発生が起きて、それが赤潮となって水産に被害を与えると、こういった形が一般的な知見となっております。もちろん個々の具体的なケースにつきまして、そのメカニズムが一〇〇%わかっているかということになりますと、まだ残念ながらそれは一〇〇%の知見を得るまでには至っていない、それは現在の化学的知見の水準でございます。で、現在起きております赤潮の、家島群島を中心といたしまして赤潮が起きて、ハマチ等に被害が生じておりますけれども、これと重油との関係、いま先生が御指摘になりました水島で流出いたしました重油との関係につきましては、どうも因果関係がいまの段階では断定的に言い得る段階ではない。いろいろ新聞紙上で学者、諸先生の御意見が報道されておりますが、たとえば、香川大学の先生、岡市先生の御研究なんかでは、重油との関係があるいはあるのではないだろうかと、こういったことが新聞で報道されておりますが、その中身をいろいろ伺いますと、海水をいろいろ実験室で採取いたしまして、それに重油とかあるいは風化油というものを添加いたしまして、そうして一定の濃度になった場合に、全然それの添加しない海水と比べてみて、たとえば具体的には〇・〇二ppmという濃度になった場合には赤潮が発生しやすい、ことに赤潮の中でも、水産に被害を与える赤潮とそうじゃない赤潮とあるわけでありまして、つまり有害なプランクトンと比較的ハームレスのプランクトンとあるわけでありますが、そういった有害なプランクトンが重油の場合に発生しやすい、こういうような実験結果が出ている。それから、油の場合には、一般に油の被膜が広がる、そういったことから、たとえば瀬戸内海に流出した油もかなりとったわけでありますけれども、現実に砂の中にある程度しみ込んでいる、それから岩の間の中に入っていると、そういったものが水温の上昇に伴って拡散していくということがあるわけでありますが、それが出ていった場合に、やはり一定の適当な濃度になった場合には赤潮というものを発生させる要因になり得る危険性がある、こういった警告をなさっているというのが実態であろうというふうに理解しているわけであります。 いずれにいたしましても、現在の対策といたしましては、先ほど申しました化学的知見を深めるということと同時に、赤潮を早期に発見して、てきぱきとそれに対応する措置を初動的な段階で打つということが一番大事でございまして、そのために、水産庁、環境庁を中心といたしまして、早期発生予察技術の開発というところに一つの重点を置いております。 それからもう一つは、水産庁でこれはいろいろ御検討、御努力を願っておるわけでありますけれども、被害の発生しないように、赤潮の被害の防除のためのいろいろな諸施策を実施している。それから、不幸にして赤潮の被害が発生した場合には、漁業共済でこれに対応する共済金を支払うという措置も新設したというぐあいになっておりますので、そういった措置を今後充実していくということになろうかと思います。 それから赤潮の基本的な原因といたしましては、やはり水が汚れているというところにまあ根本的な土壌があるわけでありますから、その水質を浄化すると、排水規制を強化していくということと、同時に、まあ生活排水、そういった汚れも赤潮の大きな要因になっていることは明らかでありますから、工場排水の規制強化と並んで生活排水による汚染を防止するという意味で、下水道等の充実というものを瀬戸内海に拡充していくと、そういったもろもろの総合的な措置が必要ではないかと、かように存じているわけであります。
○久保亘君 現在、その漁業被害というのを大体どれぐらい推計されておりますか。
○政府委員(大場敏彦君) これは、私、直接の担当ではないんでわかりませんが、正確なことは、また間違ったら訂正をさせていただきますけれども、去年の被害が、わりあい去年は少ない年でございまして、漁業被害が七千万円というふうに聞いております、これはまあ瀬戸内海でございますが。ことしいままでのところすでに去年と同じ被害がこの春先だけで出てきているということで、一般的にはことしは残念ながら赤潮は多発し、それから被害が多くなるのではないかという懸念がされているという実態でございます。
○久保亘君 わかりました。 それから、いまちょっと注意がありましたので、さっきの問題で少しお伺いしておきますが、面積が〇・七五ヘクタールと言われましたですね。これは正確なんでしょうか、地元で報道されたのでは、七十五アールとなっているんですが。それから、〇・四ppm以上は三百五十一アールとなっているんですけれども、これは環境庁言われた方が正確ですか。
○政府委員(大場敏彦君) 私はヘクタールで申し上げたんで、ちょっと誤解を招いたかもしれませんが、先生がおっしゃったのと同じことでございます。ただ、一ppm以上の米が三点出たと、それでその推定面積は〇・七五ヘクタールというふうに申し上げたわけでありますが、これの実際の排土とか客土とかいった土地改良事業をやる場合には、この面積だけではなくて、もう少し周辺の土地もやはりおそれがあると、カドミ米を生産するおそれがある地域として拡大いたしまして、排土、客土をやっていくということになろうかと存じます。
○久保亘君 わかりました。
○政府委員(大場敏彦君) 先生はアールでおっしゃいましたが、私はヘクタールで申し上げたと、こういったことで違いはないわけであります。
○久保亘君 じゃあ終わります。
○委員長(前川旦君) 委員の異動について御報告いたします。 ただいま茜ケ久保重光君が委員を辞任され、その補欠として瀬谷英行君が選任されました。 それでは、午後一時から再開することとし、暫時休憩いたします。 正午休憩 —————・————— 午後一時二分開会
○委員長(前川旦君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 午前中に引き続き、昭和四十七年度決算外二件を議題とし、内閣と総理府のうち、総理府本府、科学技術庁及び環境庁の決算について審査を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○峯山昭範君 それでは、きょうは特に環境庁並びに科学技術庁に御質問したいと思います。 初めに、赤潮の問題でお伺いしたいと思います。今月の二十一日の日に兵庫県の播磨灘におきまして赤潮が発生した。非常に新聞等でも報道されておりますが、この赤潮の問題は相当前々から取り上げられた問題ではございますが、特にことしは例年より早くこういう赤潮が起きているわけでございます。さらには、先般の三菱石油の水島の重油流出事故という事故がございました。そういうような観点からこの赤潮の原因等についても種々論議されておりますが、初めに水産庁は——長官お見えになっておりますか。水産庁の方から被害の状況並びにその対策等についてまずお伺いしたい。
○説明員(佐々木輝夫君) 今月の大体十七、八日ごろから兵庫県の家島の周辺でプランクトンの発生状況にやや異常が認められる、こういうようなことを現場から連絡いただきまして、兵庫県の水産試験場がいろいろ緊急の調査をいたしましたところ、十九日ごろになって、いままで漁業に有害な影響をときどきもたらしておった鞭毛藻類の中のエクジュビエラというプランクトンがかなり多量に発生しつつあるということで、十九日には関係の漁業者並びに隣県に対しまして兵庫県の方から警戒体制をとるようにと、こういう連絡をとりました。そういうことで警戒はしておったんですけれども、二十日ごろから家島の周辺で養殖をしておりました約四万五千尾のハマチの一部が死に始めまして、二十一日、二十二日ごろにかなり死亡量が多量になりまして、二十四日ごろまでの間に四万五千尾のうちの約三万五千尾ぐらいが死んで、残ったものもかなり元気がなくなって、このままではやはり死滅するんではないかというような状況になりました。で、被害額につきましては、目下のところ、緊急事態に備えて、一部死ぬ前に取り上げて売ったものもございまして、いろいろ詳細につきましては調査中でございますが、大体四万五千尾がほぼ全滅に近いという前提で概算いたしまして、約七千万円ぐらいの被害になっているというのが現状でございます。
○峯山昭範君 この問題は水産庁としても相当前々から取り組んできたと思いますが、前回、昭和四十七年の八月に相当大きな赤潮が発生して、当時大変な被害を出しました。最近の被害状況と比べてことしの状況はどうなんですか。それで、過去五年ぐらいの赤潮の発生状況並びに被害等について一遍お伺いしたい。
○説明員(佐々木輝夫君) ことしの赤潮の発生状況でございますが、例年、冬場の間から赤潮の発生が一応観察はされまして、件数で申し上げますと、大体四月いっぱいまでに観測された赤潮が約七十三件ということで、例年に比べて件数が特に増大しているわけではございませんけれども、ことしの特徴といたしまして、従来五月、六月ごろまでの赤潮というのはほとんどが珪藻類あるいは夜光虫等を主体にした赤潮でございます。見た目にはかなり桃色の非常にこう異常な感じを与えますけれども、これまでの経験によりますと、漁業には余り大きな被害をもたらさなかった赤潮が主体でございました。で、先ほど御指摘がありましたように、特に漁業にとって有害な鞭毛藻類の発生というのは大体瀬戸内海でもかなり水温の上昇いたします七月、八月ごろに発生いたしまして、場所によってかなり大きな被害をもたらしておったわけでございますが、ことしは五月の下旬にそういう鞭毛藻類の一種であるエグジュビエラというのが家島周辺を中心にいたしまして、かなり大量に発生したということがこれまでの年と比べましてやや異常な点でございます。 で、これまでの赤潮による被害の状況でございますが、他数で申し上げますと、これ大小取りまぜての発生件数でございますが、四十五年に大体七十九件ぐらいであったというのが、四十八年には二百十件ということで、毎年発生件数の報告はかなり増大をしております。その中で、ただ、いま申し上げました漁業被害をもたらす赤潮の件数というのは年によってかなりばらつきがございまして、四十五年には三十五件でございましたけれども、四十八年には大体十八件ということで、四十八年、四十九年にはやや下火になったというような感じを持っておりましたところ、五十年に至りまして、まだ途中でございますけれども、例年よりかなり早目にそういう有害赤潮が出たということで、われわれとしても非常に今後の推移についてやや憂慮をしていると申しますか、さらに十分な監視体制をとらなければいけないと、かように考えている状況でございます。
○峯山昭範君 赤潮の問題については相当やっぱり、漁業被害だけではなくて、非常に重要な問題であると私は考えております。そこで、赤潮に関しては、この防止等も含めて、一体政府はどこが主管の官庁になるんですか。
○政府委員(大場敏彦君) どこが主管かという御質問に対して的確なお答えになるかどうかわかりませんが、関係省庁といたしましては、環境庁それから水産庁ということが主な官庁ということになろうかと思います。あと、いろいろ対策事業ということになりますと、あるいは研究ということになりますと科学技術庁にもいろいろその場その場に応じて御協力を願っておる。それから、具体的な事業、個々の事業につきましては、建設省あるいは運輸省と、そういった省庁にもそれぞれの施策に応じて、分担に応じて御協力を願っているということでございます。いろいろ取りまとめなりお世話というものは水産庁と環境庁が中心になって各省庁の御協力を願っている、こういった形でございます。
○峯山昭範君 まず今回のこの赤潮の被害が現実に起きておるわけであります。で、いま私が主管庁はどこかと聞いたのは、この問題が相当前々から取り上げられておりながら、具体的な対策が何一つ講じられていないということであります。ですから、私はこの問題についてそれぞれの官庁にまずお伺いしますが、この赤潮の対策の問題についてまず昭和四十六年の七月に瀬戸内海水産開発協議会というところが、これは皆さん方ももうすでに、皆さん方のところへ陳情が行っているわけでございますから、具体的に私が言う必要はないかもわかりませんが、瀬戸内海の十一府県の漁連でつくっておりますこの瀬戸内海水産開発協議会が四十六年の七月に赤潮防止に関する陳情を皆さん方のところへ出しているはずであります。大体大まかに言いまして三点に分かれております。一つは、赤潮多発海域での海流交換の促進、富栄養化防止のための工場廃水、下水道の完全処理。二番目が漁業被害対策としまして、赤潮観測ブイ、航空機などによるパトロール、各県の相互連絡速報などの予報体制の確立。それから三番目が、赤潮消防船によるプランクトンのポンプ吸収、回収などの赤潮拡散防止。大体以上大きく分けましてこの三点を訴えているわけでありますが、これは具体的にどこが、どの問題に、どういうふうに取り組んできたのか、これ一遍明らかにしてもらいたい。
○政府委員(大場敏彦君) 便宜的に私の方から総括して御説明申し上げて、必要がありますれば、各省庁からさらに御説明を願うことにいたします。 赤潮の問題につきましては、これは現在科学的知見が十分であるかどうか、一〇〇%わかり切っているかどうかということになりますと、これは一〇〇%個々の具体的なケースにつきまして知見が到達しているというところまでは残念ながら行っておりません。しかしながら、一般にこの基礎的な研究は環境庁、それから水産庁あるいは科学技術庁の御協力を得ましてかなり進んでいることも事実でございまして、四十五、六年ごろから研究はいたしております。その結果赤潮の原因といたしましては、やはり基本的な赤潮の発生する土壌というものがあって、それにいろいろなほかの要因が加わって引き金となって赤潮が発生している、こういったことでございまして、赤潮の具体的なことは富栄養化といったことが土壌になって、それにたとえば雨が降って塩分濃度が減少した、あるいは日照によって水温上昇した結果プランクトン等の発生しやすい条件が醸成された、こういった形で赤潮が発生するということが一般の通説になっているわけであります。 こういったことからいたしまして、各省庁の具体的にとっております対策といたしましては、そういった基礎知識というものは一応研究が進んだ段階でありますから、次の段階といたしましては、赤潮が発生する場合に、それに早く早期に発生予察をすると、そういった発生予察技術の開発というところにいま研究なり実験の重点を置いて、これは環境庁もリモートセンサー等の仕事をしておりますし、水産庁でもいろいろ予察情報のシステム化という形で具体的な施策を展開されていらっしゃるわけであります。 そういったことはありますが、それから具体的にはやはり赤潮が発生した場合にどうするかという形で、これはやや受け身の対応になる形でございますが、水産庁では、たとえばそういった赤潮の発生を早期に察知して魚礁等の移動をするか、あるいは未然防止として陸上における魚礁の設置をする、あるいは小型漁船における活魚の死亡防止の施設を整える、こういったこともやっておりますし、それから不幸にして被害が発生した場合におきましては、漁業共済制度による共済金の支払いという制度も四十八年度から整え、逐次その拡充をしている実情でございます。 それから赤潮が、先生が御指摘になりましたように、発生した場合に、それを除去する技術が何かないかということは実は苦慮している事柄の一つでございまして、たとえばポンプ等によって吸い上げてそれを除去するような技術が開発できないかどうかということにつきましては、ただいま漁民からの御指摘もありましたけれども、水産庁において、これはたしかことしが三年目ぐらいに当たると思いますが、研究いたしてございます。ポンプ等に吸い上げてそれを赤潮生物を分離させて除去するような方法がないだろうかというようなことでせっかくいま研究を進めてございます。しかしながら、かなり広範な水域にわたります事柄でありますから、かなり小規模なものではなかなか対応できないという実態もございまして、やはりそういった技術はことに赤潮の早期発生を事前に早期に把握する、そういった発生予察技術の進歩と対応いたしまして、赤潮の初期発生段階においていわゆる初動的な対応策として応用していったらいいんじゃないかと、こういった考え方が現在ございます。 それからその赤潮の発生の土壌となっている瀬戸内海の富栄養化現象、こういったことにつきましては、やはり過去の蓄積された汚染というものがあるわけでございますから、具体的にはヘドロ等、そういったものを除去するというふうなことにつきましても、これは水産庁、環境庁共同して除去試験等の施策を実施しているところでございます。 それから水質の汚濁防止ということにつきましては、一昨年これは議員立法という形で諸先生のお力添えによりまして瀬戸内海の環境保全臨時措置法が成立いたしたわけでありますが、それに基づきましてCOD汚濁負荷量を四十七年の二分の一に段階的にカットしていく、こういった施策も実施しているわけであります。 それから赤潮の大きな原因となります窒素、燐ということにつきましても、そういったCODのカットという形でかなりそれに照応してカットされていく効果は私は期待できると思っておりますが、窒素の相当大きな供給源でありました瀬戸内海における屎尿投棄につきましては、これは先生御承知のとおり二年前の四十八年度で瀬戸内海における屎尿投棄は一切禁止して、現在外洋投棄という形に切りかえられております。そういった形でいろいろな施策は実施しておりますが、こういったことをさらに今後一歩も二歩も進めて拡充強化していかなければならない、かように存じているわけであります。
○峯山昭範君 これ非常に重要な問題でありますので、きょうはこれを三点にしぼります。 まず第一点は、赤潮の発生の原因ですね。これは緊急非常に重要な問題であろうと思います。それから二番目は、やっぱり現実に起きた被害の対策であります。そして、さらには、ただいまお話ございました瀬戸内海環境保全臨時措置法に関する問題、三点にしぼって話を進めます。 まず第一点の赤潮の発生の原因の問題ですが、この問題について、先ほど局長の方から各省の協力を得てかなり進んでいると、そういう発言がありました。これは各省というのは、いま話がございましたように、環境庁、水産庁、科学技術庁と、こういうふうに私はとりましたんですが、まず、科学技術庁はこの問題についてどういうふうに取り組んでいらっしゃるのか、一遍お伺いしたい。
○政府委員(伊原義徳君) 赤潮の対策につきましては、科学技術庁が独自の立場と申しますか、所管の試験研究機関でもって研究をしておるという立場ではないわけでございますが、研究の総合調整という立場で従来この問題についても担当しておったわけでございます。具体的に申しますと、昭和四十二年度から三年間にわたりまして、私どもの持っております特別研究促進調整費、これを約三千万円支出いたしまして水産庁、海上保安庁の御協力を得まして、内海水域の赤潮に関する総合研究というものを実施したわけでございます。この研究によりましてある程度の成果、知見が得られたわけでございますが、環境庁の発足に伴いまして、この問題は環境行政の一環ということで環境行政の立場から総合調整をしていただく、こういうことに切りかわったわけでございます。したがいまして、ただいまのところ科学技術庁といたしましては直接にこの問題を担当するという立場にはなっておらないわけでございます。
○峯山昭範君 私はその点はよくわかっていて質問しているわけです。要するに、局長、科学技術庁は環境庁ができてから何にもしていないということですよね。ですから、何となくあれこれやっているみたいな話をしていますけれども、少なくとも科学技術庁はこの赤潮の対策の問題については何ら取り組んでいない。前々取り組んでいた問題も、総合調整という立場で三千万円出してやったけれども、その問題自体も環境庁が発足と同時に終わりだと、こういうことですよ。あなたは先ほど科学技術庁もやっているみたいなことを言いましたけれども、何やっているんですか。
○政府委員(大場敏彦君) 私が先ほど申し上げました赤潮に関する基礎的研究という形で、これは科学技術庁という形で専門分野にわたりますから、科学技術庁の、これはいわば研究の初期段階でございますが、御協力を願ったということを申し上げたわけであります。
○峯山昭範君 その基礎研究というのはどこでやっているんですか。実際どこでだれがどういうぐあいにどのくらいの予算をかけてやっているのか。
○政府委員(大場敏彦君) 基礎研究というのは四十二年から四十四、五年ということになるわけでありますが、具体的な項目といたしましては、赤潮に関する海洋物理学的な研究あるいは赤潮に関する水質化学的な研究、赤潮生物の生理学的な研究、こういったことが主なテーマになっておりまして、こういったことにつきましては、海上保安庁あるいは水産庁、科学技術庁で御研究願った経緯があるというように聞いております。
○峯山昭範君 とすると、いまあなたがおっしゃったのは、もうそれだけで赤潮の原因が完全に究明されたわけなんですか。
○政府委員(大場敏彦君) 私は、赤潮の原因が完全に究明されたというふうには申し上げておりません。
○峯山昭範君 ですから、赤潮の原因は、いまおっしゃったのは、あなた方赤潮の問題が実際いろんな漁業被害を起こすようになって、そして国会の方でもいろいろ問題にもなったことあります。それで一応初期的な研究を、先ほどの科学技術庁の話によりますと三千万円ですね、それ以外の問題もあるかもわかりませんが、いずれにしても初期的な研究が終わった段階で——私がいま言っているのは、赤潮の発生原因について現在本格的に取り組んでいるところがあるのか。それに政府はどの程度のお金をかけているのかということです。
○政府委員(大場敏彦君) 赤潮の原因につきましては一〇〇%知見が確立したということではない。ただ、一般的な原因といいますか、いろいろ富栄養化という土壌があって、それにほかの諸車因が引き金を引いて赤潮ができるという一般的な知見が出てきているということで、今後いろいろ研究すべき点は多々あろうかと思いますが、いろいろ一応基礎的な研究段階は過去においてかなりやっておりますから、そういった蓄積をもとにして、今後の研究の重点といたしましては赤潮のもちろんメカニズムを追求することは必要でございますが、赤潮の発生予察技術、具体的に、赤潮を早期に発見して被害をできるだけ少なく最小限度とどめようと発生予察技術の確立というところに当面の研究の重点を置いて施行しているということでございまして、これにつきましては環境庁あるいは水産庁で研究費、あるいは試験費等を計上して研究をいたしております。
○峯山昭範君 きょうは私はいろんな角度から質問したいと思っておりますので、時間が非常に少ないので、長官にちょっと端的にお伺いしますが、この赤潮の問題につきましては、環境庁がやっぱり中心になって、そうして本格的に取り組まないといけないんじゃないか。要するに、この赤潮が発生して、いま局長から話がございましたが、発生予察というふうにおっしゃっていますけれども、その根本的な原因も徹底的に研究する必要がある。そういうような意味からやっぱり環境庁は少なくともこの問題について本格的に取り組む、そういう姿勢がなきゃ、私はそれだけじゃ漁民は納得しないと思うんですよ。納得しないと思うんですが、やっぱりこの問題については本格的に取り組んでいただきたい、こう思うんですが、大臣いかがですか。
○国務大臣(小沢辰男君) 私もおっしゃるとおりだと思いますので、早急に初期的な段階の、先ほどの基礎的な調査がございましたけれども、なお解明できない点も多々ありますから、私、これは恐らく私の省になるんだろうと思いますから、相談は水産庁、科学技術庁ともよく相談しまして、ひとつ根本的なこの原因の究明の調査を続けたい、やりたいと思います。 幸か不幸か水島事故が起こりましたものですから、私どもとしては、ただいま瀬戸内海の根本的な調査を相当の経費を出しましていたしております。この総合的な調査の結果も相当私はただいまおっしゃるこの赤潮の問題について効果があるんじゃないかと思うのでございますが、なお赤潮の根本的な原因究明のためのひとつ調査研究ということについて、はっきりとした考え方で何らかの特別な予算措置をやって進んでいくことについては、先生のおっしゃるとおり私も決意を持ってやっていきたい、こう思っております。
○矢原秀男君 関連でございますので、具体的な事項だけをいま皆さん方に質問したいと思います。 一つは、瀬戸内海の環境保全の臨時措置法、これは四十八年から三カ年の議員立法でございます。しかし、この条項の中で、第四条になりますね、「排出水の排出の規制の強化」のところで、環境庁長官に御質問したいわけでございますが、「産業排水に係る化学的酸素要求量で表示した汚濁負荷量」の問題でございますが、四十七年当時の二分の一程度に減少させることをめどと、こういうふうになっているわけです。ところが、現実にはこの問題が成果をおさめておらない。その点について、具体的でございますけれども、数字的にどの程度この三カ年の間に成果をおさめているのか、その点をまず一点お伺いします。
○政府委員(大場敏彦君) ただいま御指摘になりましたように、瀬戸内海の臨時措置法の四条で、当面の措置として化学的酸素要求量——CODを昭和四十七年当時の二分の一程度に減少させるということに、全体として減少させる。そのために関係府県にその限度をアロケートする。そしてアロケートされた関係府県はその範囲内におさめるために三年間に段階的に排水基準を決めていくんだ、こういった規定がございます。こういったことに基づきまして、昨年の二月当初、一日に、各県別の割り当て量を決めましてそれを各県に連絡したところでございますが、各県はそれに基づきまして今度は各県でそれを担保する、各県に割り当てられましたCODの限度量の範囲内に各県の汚濁量をおさめるということになるわけでありますが、それを担保するために各県はそれぞれ条例という形で排水規制を強化するという段取りになるわけでありますが、昨年の暮れまでにその条例の制定措置は全部完了してございます。その結果、四十九年末には、これは段階的に二分の一に下げるということを言っておりますので、一遍に下げるということではございませんので、四十九年末には八五・一%に下げる、四十七年当時のCODの総量の八五・一%に下げる。それから、五十年末には四十七年当時の六八・四%に下げる。それから、最終目標である五十一年末には五〇%に下げる、こういった法的措置が完了しているということでございます。
○矢原秀男君 あなたは法的措置は完了していると言っておりますけれども、現実には四十七年度のCOD一日当たり千七百トンと推計をして、そのうち家庭排水が三百五十トンでしょう、産業排水は千三百五十トン。産業排水だけの千三百五十トンにおいても五十年度では二〇%か三〇%しか減る推定ができないと、こういうふうに環境庁では言われておるのに、あなたの方では五十一年度では悠々と計画達成しますと、どこに皆さん方の食い違いがあるんですか。そういういいかげんなあなたの部内で食い違いのような、そういうふうなことがあったらだめじゃないですか、はっきりしてください。
○政府委員(大場敏彦君) 環境庁部内に食い違いはございません。私が申し上げましたのは、四十八年発生負荷量が、これは瀬戸内海全体で家庭排水を含めて千七百トン、そのうち産業系から出てくるCODの総量が千三百四十五トンでございます。これを三年先の五十一年末には半分の六百七十三トンに抑えるということを法が要求しておるわけでございまして、その六百七十三トンを各県に割り振って、そうしてその結果各県で段階的にその目標に達成すべく規制をしているというのが先ほど申し上げた説明でございます。それによりますと、四十九年末の負荷量は千百四十五トン、これは産業排水だけでございますが、千百四十五トンということになりまして、千三百四十五トンに対しまして八五・一%、それから五十年末の負荷量は九百二十トンということでございまして、これは千三百四十五トンに対しまして六八・四%、それから五十一年末には六百七十三トンにまで減少させるということにして、指数は五〇%ということになるわけであります。ただいま申し上げましたCODのトン数は日量でございます、パー・デーであります。
○矢原秀男君 あなたのお話は、抑える要求を関係府県にと、こういうことでございますから、よく現地等を見ていただかないと——赤潮の姿を見たら結論きちっとしているでしょう。 こういう問題をいま私が申し上げておりますのは、この環境保全臨時措置法が五十一年度にはすでにこれは終了するわけなんです。そうすると、跡継ぎの法はどうするのかという問題を瀬戸内海浄化の立場から、これは環境庁長官に、どういうふうにするのか、きちっとプログラムを答えていただきたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) 瀬戸内海の浄化につきましては、これは非常に大事な問題でございますから、御承知のとおり基本計画の策定を三年間でしなきゃいかぬということになっております。恐らく法の趣旨は三年間で基本計画をやりまして、また汚濁負荷量を二分の一にするという目標を立てて、それが三年間で計画もでき、達成できた暁においてさらに総合的な対策、あるいは具体的ないろんな対策等も織り込んだ瀬戸内海の浄化のための特別な法律というものを考えまして、そこで一番最後の条文に三年間の時限立法にしておくぞと、それは別に定める法律によってこの生き死にを一応考えるようにしようというふうになっておったんだろうと思います。法の趣旨はそうだろう、国会における御意図はそうではなかったかと思いますので、したがって計画が三年以内に基本計画をつくりまして、汚濁負荷量を二分の一に減らすという目標が、現在一年ちょっとでございますから、もう少し推移を見なけりゃいけないと思いますけれども、その結果を待った上で跡継ぎ法というものをいかなる性格のものにしていくかということを考えていかなければならないわけでございますが、ただ、三年たったからこの法律が自動的に努力を失っていくわけではありませんで、御承知のとおり、第四条で、この法律は「三年をこえない範囲内において別に法律で定める日にその効力を失う。」ことでございますから、その別の法律を定めない場合にはまだそのまま三年たったら自動的に消滅していくというようなものではないわけであります。しかしそのままに放置しておくわけにいきませんので、その辺は先ほど申し上げましたように、計画はいま中央審議会で鋭意策定を願っておりますから、その状況等も見たり、あるいはCODの汚濁負荷量のいまの計画の実行段階等もよく見ました上で後の法律をどういう内容にしていったらいいかということを三年間のうちに考えて瀬戸内海を何としてもきれいにするための最大の効果的な対策をとっていきたい、かように考えておるわけであります。
○矢原秀男君 その点は強力に万全の措置をとっていただきたいと思います。 もう一つは、この赤潮の原因が、基礎要因としては燐と窒素、この栄養塩類の中に問題があるわけでございますが、この燐と窒素の取り締まりについて、この環境保全の臨時措置法のその中に含まれてくると思うんですが、この水質汚濁防止法の中には直接的に燐と窒素を取り締まるものが何もないわけなんです。なぜこの点を、赤潮の原因になるということが膨大な皆さん方の金額の中で、調査の中ではっきりわかっているのに、なぜ水質汚濁防止法の中に直接明言されないのですか。答えてください。
○政府委員(大場敏彦君) いま先生が御指摘になりました窒素、燐の問題は確かに私どもも先生のおっしゃるとおりで頭を悩めている問題の一つでございます。と申しますのは、窒素、燐は実は除去技術が非常にむずかしいという、これは愚痴になりますけれども、愚痴になっちゃいけないのでありますけれども、除去技術が非常にむずかしい。ことに窒素を除去する技術というものは、なかなかこれはかなり進歩した下水道をもってしてもむずかしい。燐の方は下水道でも——通常われわれが普通大都会で実施しております下水道はいわゆる二次処理という形で処理しているわけですが、二次処理では窒素はもちろん燐もなかなか除去できない、こういったことでございまして、三次処理、高度の三次処理が必要であるというような実態でございますので、そういった対応する処理技術が十分に確立されていないというところに実はわれわれの苦しみがあるわけであります。しかしながら御指摘のとおり、富栄養化の大きな要素であります、要因であります窒素、燐というものが、それが基礎になっておって赤潮というものを惹起させるということは否定できない事柄でありますから、やはり窒素、燐の規制というものは御指摘のとおり強化していく必要があろうかと思います。具体的には先ほども若干触れましたけれども、窒素の大きな供給源でありました屎尿投棄というものがすでに二年前に瀬戸内海から外に出されておるということもございますし、それから直接的に窒素、燐という形で規制はしておりませんけれども、工場排水のCODを二分の一にカットするということを通じまして、これはCODをカットすれば即座にそれと同じ割合で窒素なり燐が除去されるということにはなりませんけれども、かなりの割合でやはり窒素、燐というものも除去される、つまり工場あるいは産業等の水質の浄化施設を大幅に整えなきゃならないわけでありますから、その水質の浄化過程におきまして窒素、燐の除去というものがある程度は期待できるというふうに考えておるわけでありまして、そういった効果をも期待しているわけであります。それから同時に、やはり本質的には先生が御指摘になりましたように、水質汚濁防止法の体系の中にCODあるいはBODというものだけではなくて、やはり窒素、燐というものを組み込んでいく必要があるだろうと、かように考えております。これはただいま申し上げましたように、開発技術の開発段階とにらみ合わせながらやっていく必要がありますが、しかしいつまでもほっとくわけにいかないことはこれは自明の理でございまして、やはり暫定的なガイドラインでも二次的な次善の策としてつくって、そして場合によっては私は産業の製造過程の合理化によってある程度、かなりの程度まで窒素、燐の除去は期待し得るというふうに考えておりますので、そういった、究極はやはり水質汚濁防止法の中に環境基準あるいは排水基準という形で窒素、燐というものを設定していくことが望ましいと思いますが、それに至る過程といたしましては、ガイドラインとしての窒素、燐の除去基準というものを何らかの形で検討してまいりたいと、かように思っているわけであります。 それから、産業排水だけでは実はなくて、もう一つ大きな問題としましては、実は生活排水から出てくる窒素、燐というものもかなりあるわけでありまして、瀬戸内海の場合におきましてもかなりあろうかと思います。そういったものはやはり下水道の整備ということが根本的には必要でございまして、これは水質汚濁防止法でただ規制を強化することだけでは片づく問題ではございませんので、そういった積極的な下水道網の整備、それに対応する投資が必要であろうかと考えているわけであります。
○矢原秀男君 瀬戸内海の場合も、発生源の燐と窒素については、あなたは屎尿投棄のあれで家庭排水だけを非常に汚染源であると言われておりますが、工場排水がやはり六〇%以上占めているんでしょう、燐と窒素の排水は。家庭排水は三〇%ぐらい、そうして肥料等の田畑については一〇%ぐらいがあなた方の考え方なんでしょう。せめて工場排水の約六〇%以上の問題を思い切ってもうちょっとやりなさいよ。もう時間ございませんから、その点については強く要望しておきます。 そのあと、一番被害を受けました漁業組合の方から、なぜ日本の国に、瀬戸内海において赤潮の回収船が一隻もないというのはどんなことなんですかと。他のことには巨大な金額をかけながら、世界でも一番優美を誇っている瀬戸内海、そうして国民にとっても大事な食糧の根源である瀬戸内海を平気で汚染をしながら、赤潮の回収船の一隻もできないのかという問題なんです。ただいま峯山さんの質問に対してあなたは答えられましたけれども、技術がむずかしいとか、そういうふうなことではないでしょう。やる気があれば幾らでもできるだけの力を持っているじゃないですか。その点が一つ。答えてください。 それから、補償の問題でございますけれども、十九条には赤潮による救済措置というものが明記されております。しかしながら、よく調べておりますと、五月に被害を受けたために赤潮の特約保険というものが適用期限が切れている。そんな一年間の契約の中でこかしいやり方が政府の指導であるというのは、これは大問題です。七月や八月に赤潮がある。それが平気のような考え方の中で五月に赤潮が起きた、異常である、どこに原因があるのかというのは、あなた方がいつもやっていることなんでしょう。そういうふうにして保険がまともに一カ月切れている空白期間、ですから何にも適用がない。こういうあり方はもう少し考えていただかないと、海が汚れっぱなしでどうしようもないんです。この二点を答えてくださいね。
○説明員(佐々木輝夫君) 第一点の赤潮の被害防止のための対策の一環として、赤潮が発生した場合に回収ができないかという問題でございますが、私どもも生物学者の見解を聞いてみますと、御案内のように、赤潮を構成しておりますプランクトンというものは非常に微細で、小さいものは十ミクロンぐらいから大きいものでも百ミクロンぐらいで、しかも一CCの中に何万というような数に異常増殖をいたすわけで、かつ非常に粘液性があるとかそれが非常に広範な海域にばらまかれているというようなことで、回収の対象としては非常にむずかしい問題が多いわけでございますけれども、何らかの形で、万が一赤潮が出たときに少しでも漁業被害を軽くするためにそういった技術開発にも取り組む必要があるだろうと、こういうふうに考えまして四十八年度から一応そういう関連の事業化試験に着手をいたしております。しかし当初やはり予想いたしましたように、やってみますといろいろ技術的な難点がございまして、いまいろいろまだ開発試験を続行中でございますけれども、いままでの経過を簡単に御紹介申し上げますと、四十八年度には当初は油の回収船のような原理を利用しまして、それを何かスクリーニングしながら赤潮のプランクトンだけを回収して船上で焼却してしまうというようなアイディアでひとつそういう機械的なメカニズムを開発できないかという方向で関係者——これは水産関係の研究機関だけではもちろんございせんで、いろいろ工業関係の方の技術者の意見もいただきながらそういった面をひとつ検討いたしました。 それからもう一つは、赤潮を何らかの形でフロック状に凝集させて、凝集させたものを回収してしまう。そういう凝集技術を中心に検討をいたしました。四十八年度内に検討しました結果では、予備実験の結果も含めまして、どうも前段で申し上げました物理的に海水をろ過しながらプランクトンを回収するというのは、これはどうも実用化のめどが立たないのではないかというような大体見通しが立ちましたので、二番目に申し上げました加圧水を利用して若干の凝集剤を加えながら赤潮プランクトンを凝固させて、なるべくそれを集めてそれを取り上げるという方向に重点をしぼりまして昨年度も検討してまいったわけでございます。 それから昨年度にまた大阪の市大等の先生方からのアドバイスで超音波を利用してそういった赤潮プランクトンを殺すとかあるいは凝集させろと、こういった可能性もあるということでそういったことについても予備実験を含めながらいま実際に海の上でいろいろな装置を組み立てまして四十九年度に試験をやったわけでございます。しかし、どうもこれまでの見通しでいきますと、ある程度機械装置の設計というのは取りまとめができると思いますので、そこのところを五十年度に関係方面の知恵を借りて一つの具体案を取りまとめようと思っておりますが、これも現実の赤潮の被害が出ましたときに直ちに対策として活用できるかという点につきましては、やはりどこでいつ赤潮が発生するかということが確実にいまの技術ではまだ予測ができませんで、小型の回収船を非常に数多く配備するということも非常に非効率でございますし、できるだけ予察技術の方のやはり確立を待ってその実用化の方にそれを持っていく必要があるだろうというふうなことをいま大体考えております。しかし今後もこういった面での技術開発については水産サイドでも可能な範囲でともかくできるだけ力を入れて研究としては続けていきたいと、かように考えております。 それから二番目の赤潮の被害が出ましたときの救済の問題でございますが、いま申し上げましたように、先生からもお話がございましたように、昨年から漁業災害補償制度に基づく養殖共済の中のハマチの災害補てんの中に特約で赤潮による被害をつけ加え得るようにしたわけでございますが、もう御案内のことかとも思いますけれども、若干ちょっとハマチの養殖共済の仕組みを申し上げますと、ハマチについては一年魚と二年魚がございます。しかしそれはかなりモジャコの採捕時期なんかが連続しておりますので、どこかで線を引きませんと一年魚と二年魚の区分といいますか、大量処理ができませんので、現在は六月一日を境にいたしまして昨年から引き続き飼っているものは六月一日以降は二年魚であると、五月三十一日までは一年魚であると、かような仕組みにいたしております。いまたまたま被害が出ました家島周辺では、一年魚につきまして通常の状態ですと大体三月ごろまでには魚を売ってしまうのが、大体平均といいますか、通常の状態でございますので、そういった漁業災害補償制度の中の運用の問題といたしまして、県の漁業共済組合の共済規定で、共済責任期間の終了日を三月三十一日というふうに現在取り決めております。
○委員長(前川旦君) 佐々木部長、答弁簡明にお願いします。
○説明員(佐々木輝夫君) はい。 したがいまして、三月三十一日から次の二年魚の引き受けが始まる五月末日までの間に、たまたま今回のような事故が出たときに、それが補てんの対象にならないと、こういうような状況になったわけでございますが、これにつきましては県の共済組合の規定で決めることでございますので、私どもとしては、県下全体の養殖業の今後のあるべき姿等を検討しながら、必要があれば、そういった規定を改正するように指導をしてまいりたいというふうに考えております。ただこの場合、掛金率の問題等いろんな面に関連が出てまいりますので、その点については、実態に即して一番適切な措置をとりたいと、かように考えているわけでございます。
○峯山昭範君 この赤潮の問題は非常に重要な問題でありますので、本当はもう少しやりたいんですけれども、時間的な関係がございますので簡単に申し上げますが、まず第一点は、水産庁は発生予察の技術向上ということを盛んにさっきからおっしゃってますけれども、これはいつごろをめどにやっていらっしゃるんですか。
○説明員(佐々木輝夫君) これは速報体制としてはいま大体県下で漁業協同組合、県の試験場、それから水産庁の出先である瀬戸内海漁業調整事務局、これをつなぐいろんな情報の収集・処理体制ができ上がっております。それを中心にいたしまして、海況の変化等を、一方でブイロボット等の設置と、内海全部で二十七カ所の設置を一応終わりまして、観測船による調査なり飛行機による観測体制等々一応整備終わりましたので、それによるいろんな環境変化をとらえながら、現実にどういう種類の赤潮がいつどういうふうに発生するかと、こういったような状況を集めてできるだけ早くそれを予察の方に持っていきたいと考えておりますけれども、いまの技術のやはり蓄積では明確に何年間の間にその予察ができるということをここで確言できるまでの蓄積がまだできておりません。
○峯山昭範君 そうすると、先ほどの回収船の問題にしましても、結局はいろんなことを言いましたけれども、現実にはもう被害は起きておるわけです。そして、その回収船の問題についても、具体的に要望が出ておるわけですね。ところが、具体的にそれが実用化されてない。先ほど一生懸命話をしましたけれども、要するに、実用化することはできなかったという話だけです。これでは現実に被害を受けた漁民の皆さん方はどうしようもないわけです。そういう点からもう少し本格的に一つのめどを、いつごろまでに解決したいという大きなめどを立てて取り組んでもらいたいと思います。 それから、これは今回の赤潮の問題で、特に先般の石油の流出事故というのがございました。これと絡み合わせていろんな問題が出てきております。これに対して環境庁はどうお考えなのか。現実に中国、四国の九つの国立大学の共同研究としまして、瀬戸内海環境改善の基礎的研究という公開講演が先般ございました。その講演でも香川大学の先生方が赤潮大発生の恐れありというふうな指摘をいたしております。こういうふうな観点から考えてみましても、水島のこの石油流出という問題が今回の赤潮発生あるいはこれから起きるであろう赤潮発生に大きな影響を与えるんじゃないかということが言われているわけですけれども、この石油流出事故との問題についてはどうお考えか、この二点を簡単で結構ですからお答え願いたい。
○政府委員(大場敏彦君) ただいま御指摘になりました国立大学の諸先生の御研究ということを、これ、私どもも職員を派遣いたしまして、聞いております。その概要はどういうことかと言いますと、結局油汚染のない海水に栄養塩類を加えまして、そこに重油を段階別に入れて試験してみた。その結果、ある一定の濃度になったときに赤潮の原因となるようなプランクトン、ことに有害な鞭毛藻類が発生しやすいという結果が出てきた。それから、そういった状態のときには重油なんかが加わった場合にはそのプランクトンの発生が春から夏にずれ込む、こういった傾向がある。こういったことから水島から流出した重油というものが今回の家島の直接の原因というぐあいにはもちろん断定できないけれども、今後水温の上昇に伴って岩等に付着している重油が流出して、それが拡散して、それが赤潮の原因になり得る、そういったことは十分警戒すべきである、こういった警告をいただいているわけで、私どもそれは率直にその警告は警告なりに受けとめて今後用心する必要があろうかと思っております。 それから、私どもそれとは別に、先般水島流出事故の影響が瀬戸内海の水質あるいは底質その他生態系にどういうような影響を及ぼすかどうかということを、これ各省庁の御協力を得まして調査を実施中でございます。かなり生データはそろってきておりますが、来月にでも学者諸先生の御参集をいただきまして、そのデータを提供いたしまして評価検討いただきまして中間的な報告をいたしたいと思ってます。その中にやはり重油と赤潮ということのテーマも一つ重要なテーマとして加えまして研究を検討していただきたいと思っております。先ほど申し上げました国立大学の香川大学の先生もこのメンバーに入っていただいてお知恵を拝借したい、かように存じている次第であります。
○説明員(佐々木輝夫君) 発生予察技術なりあるいは被害防止のための研究を急がなきゃいけないということはわれわれも痛感しておるんですが、やはり研究上の問題でございますので、各界の知恵者を集めてもなかなか思うように予想したとおりの進捗を見ない場合も多うございまして、できるだけ早くわれわれとしてはやりたいと思ってますが、ここで何年までというふうに期限を切ることは非常にむずかしいというふうに思っております。最大限の努力をしたいと思ってます。
○峯山昭範君 いずれにしましてもこの問題は非常に現実に被害がたくさん出ておるわけでございますし、これからも出る可能性があるわけであります。しかも先ほどお話ございました水島の石油流出事故等の大きなファクターが加わっておるわけでございますから特に今後大発生ということが考えられるわけです。そういうような意味からも、これは環境庁長官には特にこの赤潮の問題については真剣に取り組んでいただきたいとともに、きょうは農林大臣や水産庁長官お見えになっておりませんので、特に被害の対策についてもこれは閣僚間よく連絡をとって調整をし、かつ漁民の要望にもこたえてもらいたいと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(小沢辰男君) おっしゃるとおりだと思いますので、私もできるだけ努力をいたします。
○峯山昭範君 この問題はこのくらいにしまして、次に科学技術庁関係で特に動燃事業団の問題について二、三お伺いしたいと思います。 まず初めにこの事業団の設立の趣旨ですね。及び現在までどの程度の事業費をつぎ込んでその事業を推進してこられたのか。この点お伺いしたいと思います。
○委員長(前川旦君) 峯山君、環境庁長官よろしいですか、もう。
○峯山昭範君 はあ、結構です。
○委員長(前川旦君) 小沢環境庁長官、一時退席していただいて結構です。
○政府委員(生田豊朗君) 動燃事業団でございますが、新型の動力炉——新型の動力炉と申しますのは、 〔委員長退席、理事小谷守君着席〕 現在原子力発電の主力になっております軽水炉あるいはそれ以前に一基設立されておりますコールダーホール型の原子炉以外の新しい動力用の原子炉の開発及び核燃料サイクルに関連いたします各種の施設、具体的に申しますとウラン濃縮あるいは再処理というものでございますが、以上申し上げましたような各種類の開発を担当いたします事業団として設立されまして、現在もその開発業務を進めているわけでございます。 開発の費用でございますけれども、昭和四十九年度の動力炉の開発予算が三百十二億でございます。昭和四十二年度から累計いたしまして約千八百億に相なっております。そのほか、濃縮あるいは再処理に関連いたしましても、再処理が約三百億でございます。それから濃縮が約百億でございますが、合計いたしまして核燃料サイクルで約四、五百億になるかと思います。その程度の開発費を投入しております。
○峯山昭範君 この事業団はどういう法人でございますか。
○政府委員(生田豊朗君) 動燃事業団法に基づきます特殊法人でございます。
○峯山昭範君 この事業団が昭和四十七年の下期に、二十万円と金額は少ないですけれども政治献金をいたしておりますが、この政治献金をすることになったいきさつはどういうふうになっておりますか。
○説明員(松田泰君) 二十万円の政治献金につきましては、一度官報にそのように報告された事実がございましたけれども、これは誤りでございまして、その後官報で訂正されておりまして、われわれは政治献金をした事実はないというふうに聞いております。
○峯山昭範君 これは官報で訂正をしたんですね。いつの官報でございますか。
○説明員(松田泰君) 現在、いつの官報か手元に用意しておりませんのでお答えできませんが、官報で訂正いたしております。
○峯山昭範君 それでは、この事業団の、まずただいまの政治献金の問題については官報で訂正したということでございますが、これは要するに、全く報告した方が間違いで、昭和四十七年の下期に載っているこの政治献金の金額というのは事業団から出たお金じゃないというわけですね。これはどうです。
○説明員(松田泰君) そのとおりでございます。
○峯山昭範君 きょうは自治省来ていただいておりませんが、間違えた報告を先方が出したということですな、これは。
○説明員(松田泰君) 動燃が間違えたのではなくて——そうです、政治資金の規正法によります報告を出したところが間違った報告を自治省に提出したということでございます。
○峯山昭範君 したがって、そういうふうな献金等については動燃事業団としては一銭も出したことがないと、こういうことですか。
○説明員(松田泰君) そういうふうに了解しております。
○峯山昭範君 それでは、それはそういうふうに理解をいたしておきます。 それでは私、今回のは昭和四十七年度の決算の問題でございますので、四十七年度の分についてお伺いをいたしますが、まず、四十七年までのいわゆる事業費ですね、これは大体どの程度でございましたですか。
○政府委員(生田豊朗君) 昭和四十二年度以降でございますが、昭和四十二年度が十三億七千九百万円、昭和四十三年度が六十六億二千八百万円、昭和四十四年度百五十四億六千七百万円、四十五年度二百三十二億六千六百万円、昭和四十六年度三百十七億円、昭和四十七年度三百八十億五千万円、以上でございます。——累計はちょっと計算ができませんので、改めて計算さしていただきます。
○峯山昭範君 そのうち、特に会計検査院が検査をいたしまして問題になっております土木工事九件というのが検査の対象として上がったのでございますが、上がった金額は、報告書によりますと百八億九千九百四十八万円ということになっております。この指摘事項につきまして、まず原子力局長はどういうふうに理解をしていらっしゃるか。
○政府委員(生田豊朗君) この会計検査院の指摘でございますが、個々の問題につきましては、会計検査院が指摘いたしましたとおり、積算の調査が不十分なもの、あるいは積算が施工の実態に適合していないものがあったことは事実でございますので、大変遺憾に思っております。 で、対策でございますけれども、早速動燃事業団にもその旨申し伝えまして、昭和四十九年五月に動燃事業団に審査室というものをつくりまして、建築あるいは土木工事に関係いたします積算の審査に当たらせる新しい組織をつくらせたわけでございます。あるいは積算関係の資料の収集整備の方法を改善させるとか、あるいは関係職員の研修を実施するというようないろいろな方法に努めまして、改善に努めさせているわけでございます。今後ともなお改善の各種の方策を講じてまいりたい、かように考えております。
○峯山昭範君 当然それはそういうふうな改善はやっていかないといけないであろうと私は思うんですが、今回の指摘事項の中のまず第1項の(1)項で、運転経費等の重複積算というのが指摘されております。これは一体どういうことでございますか。
○説明員(松田泰君) 第1項の(1)項で指摘されておりますのは、コンクリートの突き固め、まあいわゆるコンクリートの工事におきますポンプ車の積算関係におきまして労務費が一部ダブって計上されているということでございます。
○峯山昭範君 要するに、労務費を二重取りしておるということですな、早う言うたらね。それで、それによるいわゆる損失金額というのは概算どの程度になりますか。
○説明員(松田泰君) この会計検査院の報告の文書にはその損失の金額が明示されておりませんが、私どもが一応検査院から聞いておりますところでは約三千六百万円ぐらいというふうに理解しております。
○峯山昭範君 それでは次に第(2)項目で、これはやはり異形棒鋼の価格の積算をいわゆる高額な方を積算しておるというふうに指摘されていますが、これはどういうことです。
○説明員(松田泰君) 鋼材につきまして平電炉メーカーの価格、それから高炉メーカーの価格につきまして調査が不十分でありまして、担当している個所が高速実験炉のところとそれから再処理工場のところとで違った額を使っている、したがいまして動燃としては当然統一的に安い価格を採用すべきであったというふうな事実でございます。
○峯山昭範君 これは、いずれにしても、SD三五というのとSD三〇と両方ありましてね、要するに故意に高い方を買うようにしておるということですね、これね。故意にね、それこそ。
○説明員(松田泰君) まあ悪意があったわけではないと思いますが、担当した個所が連絡がとれていなかったために、一方において調査不十分な個所が高い方を使ったというふうに理解しています。
○峯山昭範君 それによるいわゆる損失額は、まあ概算で結構です、どの程度と思いますか。
○説明員(松田泰君) 1の(1)項につきましては約六千六百万というふうに聞いております。 先ほど申し上げました1の(2)の件につきましては、私ちょっと間違えまして、三千六百万と申し上げましたけれども、約二千六百万だと思います。
○峯山昭範君 ただいまの金額は幾らですって。六千五百万じゃないですか。
○説明員(松田泰君) 六千五百八十万ぐらいだと思いますが。
○峯山昭範君 それではその次に、非常にずさんなあれをやっておりますが、(3)項目のタワークレーンとトラッククレーンの損料の積算算定を誤ったものですね。これは一体どういうことです。
○説明員(松田泰君) タワークレーンの損料率の計算をする場合に、その根拠にとりました建設省の「建設機械等損料算定表」の中にタワークレーンの該当する損料率が記載されていないというふうに判断いたしまして、トラッククレーンの損料率を使ったということでございますが、実際には料金算定表にタワークレーンの損料率が記載されていて、高い方のトラッククレーンの損料を使ったということでございます。
○峯山昭範君 これは非常にこういうふうな問題が多過ぎますね、実際問題として。 (4)項目は一体これはどういうことです。これは私も見ておりますが、タワークレーンのマストを、これもやっぱり重複計算——初めに三十三メーターの分は入っておりながら後でまた加えている、こういうふうな計算をしておると私は思うんですがね、これはどうです。
○説明員(松田泰君) 先生御指摘のとおり、タワークレーンの取得価格の中にマストの分が一部入っているのに、それをべースにしまして、それを込みで、マスト全体の価格を含まれてないという場合に相当する計算をしているということでございます。
○峯山昭範君 それでは、(5)番目のボーリング能力の計算の誤差の問題ですが、能力の間違いですね、計算間違い。これは一体どういうことですか。
○説明員(松田泰君) ボーリングの能力、つまりせん孔速度が一日当たり五メートルまたは六メートルということで積算をいたしておりますけれども、当該地点につきまして地質調査を行った際のボーリングの実績によりますと、せん孔速度が平均九・八メートルあったと、したがいまして、実態がよくわかっておれば、もう少し性能のいい評価をしてしかるべきであったということでございます。
○峯山昭範君 この少なくともただいままで五項目ございましたが、この五項目による、いわゆる積算ミスによる金額は合計でどの程度になりますんですか。
○説明員(松田泰君) 合計いたしますと約一億一千八百万程度になるかと思います。
○峯山昭範君 それではその次に、このトラッククレーンの規格が今度は適切でないものということで2の(1)で指摘されています。これは一体どういうことですか。
○説明員(松田泰君) これはトラッククレーンを使う場合に、必要なトラッククレーンというものが積算におきましては作業半径四十メートルで二トンの資材をつり上げるということで七十トン級トラッククレーンを使用するということで計算しておりますが、実際の作業から考えますと、作業半径も約半分の二十メートル程度、つり上げ能力も一・五トン程度あれば足りるということで、もう少し小型のトラッククレーンでやり得るはずでありますから、そういう大きなトラッククレーンを使用することは実態に合わないということでございます。
○峯山昭範君 それではただいまのその問題でいわゆるどの程度の節約ができるとお考えですか。
○説明員(松田泰君) ただいまの件につきましては、約二千三百万程度の節約は——節約といいますか、見積もりがオーバーであったというように考えられます。
○峯山昭範君 二千三百万ということはどういう計算でございますか。これは私のあれによりますと約九千万円のうち五千五百万円ぐらいじゃないかと考えているんですが、これはどうです。
○説明員(松田泰君) 大変失礼いたしました。約九千八百万円ぐらいでございます。
○峯山昭範君 九千八百万円というのもちょっとおかしいじゃないか。
○説明員(松田泰君) 大変失礼いたしました。申しわけございません。五千五百万円程度であると思います。
○峯山昭範君 正確におっしゃってください。 それからその次に、削孔機械の選定ミスというのが出てまいります。これは一体どういうことでございますか。
○説明員(松田泰君) 燃料集合体検査施設の工事でございますが、この際に使用する削孔機械として機械の機種——これはまあ技術的に細かいことは省略いたしますが、アースオーガという削孔機械が実際には使われるわけでございますけれども、積算におきましてはアースドリルという機械を使うということで積算しておりまして、機種の選定が実態に合っていないということでございます。
○峯山昭範君 これは実際問題はアースドリルというのは相当大きなH鋼を打ち込むときのあれでして、アースオーガの方がこれは要するにこういう場合は普通使われておると、能率もいいと。実際はそういうふうになっておりながら、このアースドリルの方で——まあもちろん大きなでかいやつをやるときにはそっちの方がいいんでしょうけれども、そこら辺の選定が間違っているということで指摘をされているわけです。 こういうようなのを一つ一つ見てまいりますと、余りにも、何というか幼稚な初歩的なミスが非常に多いわけです。しかも——私はまだありますから、もう少し、最後までやって最後に指摘をしたいと思うんですけれども、非常にこういうふうなずさんな管理のやり方をやっている。しかもこういうようなものに類するこの事業団というのが非常に科学技術庁の管轄の中には多過ぎる。したがって、私はそういうようなそれぞれの事業団のあり方、やり方、これは国の予算を相当使ってやっているわけです。それだけに私は慎重に対処していかなければいけないと思うのです。 そこで後三点ございますから、それをお伺いしておきたいと思います。 その次に、労務単価の適用を誤ったものというのがあります。これはどういうことです。
○説明員(松田泰君) 新型転換炉の建て家及び建て家関係の廃液処理のためのドレーン配管工事の際に、労務費の積算に当たりまして、実際には工事現場においてそういう作業が行われるわけでございますが、積算におきましては工場において一部つくるということで工場の経費が加算されているということがあったということでございます。
○峯山昭範君 その次のもう一つ、四項目に同じのがございます。これはどういうことですか。
○説明員(松田泰君) 新型転換炉の復水器関係の据えつけ工事におきまして、これもいまと全く同じように配管の据えつけ工費に工場の間接費を見込む必要がないのを見込んでいたということでございます。
○峯山昭範君 これ三項目といまおっしゃっていただいた二つは全く同じ内容のものだと私は考えているんですけれども、これは具体的にどういうことかわかりますか。具体的にこういうわけなんだと、わかりますか。
○説明員(松田泰君) 先生のおっしゃっている意味十分理解しているかどうかわかりませんが、わかるつもりでおります。
○峯山昭範君 これね、鋼管を工場でつくって、つくった鋼管を現場へ持っていくわけです。——いやその説明はあなたにしてもらいたいんだよ。わかりますか。詳しく私にわかるように一遍説明してみなさい。
○説明員(松田泰君) 配管の据えつけの場合には、据えつけの専門業者がおりまして、そのでき上がりました鋼管を現地に持ってまいりまして据えつけを現地で行うわけでございますが、したがいまして、据えつけ費用としては現地の直接かかる労務費を計上すれば足りるということでございますが、積算におきましては、配管の長さに対しまして、その鋼管を工場加工する場合の加工費、それから工場から従業員が出張して鋼管の据えつけ作業を行う、そういう場合の賃金等をもとにして計算しているということでございますので、実際に専門の据えつけ業者が行う場合の費用と食い違ってきているということでございます。
○峯山昭範君 直接いままで担当してこられなかったわけでしょうから、非常に具体的にはわかっていらっしゃらないと私は思います。 いずれにしましても、こういうふうな問題は、非常に何といいますか、素人が見たってわからない、やっぱり専門の人がやらないといけないという実情にありますね。 そこでもう一点お伺いして最後の話にまいりますが、最後の(5)番に、これは二千二百七十四万五百二十円というような金額が計上されておりながら、全額これはおかしいということで指摘された問題がございますが、この点どうです。
○説明員(松田泰君) これは新型転換炉の建て家の基礎工事におきましてコンクリートを打つわけでございますが、コンクリートを打つ場合に型枠の中にコンクリートを流すわけでございますが、その型枠を取りましたあと仕上げのための補修がかかるということで、その補修費が積算に入っております。しかし、この種の作業におきましては、型枠を取りはずしますと即仕上げ面になるので、その補修費は要らないというのが実態であるという指摘でございます。
○峯山昭範君 ただいまの、すべて全部で五件ございましたが、五件についてのいわゆる余分に積算をしておった合計金額はどの程度でございますか。
○説明員(松田泰君) ただいまの分を合計いたしますと約一億一千万になると思います。
○峯山昭範君 非常にこういうふうな問題は、先ほども初めに話がございましたように、すべて初め百八億という金額でございました。百八億という金額の中で二億二千八百万という金額が一応指摘されているわけです。それで、しかもこの内容を見てみますと、非常に専門的な知識がある人はもうすぐわかるという問題です。しかも、これをごまかそうと思ってやれば幾らでもできるような感じになっております。こういうふうなのは、科学技術庁は今後いろんな事業をやる場合に、これは要するに動燃だけではなくて、いろんなところにやっぱりこういうような類似した事業は私はあると思います。そういうような意味から、こういうような一つ一つの問題については、科学技術庁自身も非常にこの問題をどういうふうに監督していけばいいかという問題は重要な問題だろうと思います。しかも、この土木工事だけをきょうこれ取り上げましたけれども、それ以外の今度はたとえば先ほどの事業費の——これは四十七年まで検査院の指摘によると七百七十八億という事業費が出ておりますが、この中で百八億という金額の中でこういう問題が起きておるわけです。しかしながら、実際問題この事業費全体から考えてみると、どういうふうにチェックをしていくか、そしてどういうふうに、何といいますか、適正な運営をやっていくかということになりますと、これは体制の問題として、あるいは経理処理の問題として非常に今後科学技術庁も相当力を入れて取り組まないといけないんじゃないかと、こういうように思うんです。これは大臣、これらの問題について、これは四十七年に——去年ですね、去年指摘された問題で、ですから、もうすでに先ほど昭和四十九年の五月に審査室をつくってと、こうおっしゃいましたけれども、この指摘されたもの以外にもやっぱり何か問題があるんじゃないか。要するに、この指摘されたやつがもうぞろぞろとこう問題が出てくると、私はそれ以外の問題にもやっぱり何か問題があるんじゃないかという気がするわけです。したがって、そういうふうな指摘されたもの以外の問題についてもやはり慎重に検査をしチェックをし、そして適正な運営がなされるような対策を講じていかなければいけないと思うんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(佐々木義武君) 私も詳しい話はただいま承知したのでございますが、会計検査院で御指摘になった点は逐一そのとおりのようでございまして、そうだといたしますと、これは大変な問題でございますので、今後こういうことのないように、特に事業団の監督官には十分こういう点を気をつけてやるようにきつく申し渡したいと存じます。
○峯山昭範君 はい、結構です。
○理事(小谷守君) 質問者、よろしゅうございますか。
○加藤進君 最初に「むつ」の問題についてお尋ねします。 「むつ」放射線漏れ問題調査報告書によりますと、まあ今回の放射線漏れを生んだ「むつ」の欠陥は、計画から設計、さらに建造、試運転に至る全過程において一貫性を欠く無責任体制のもとに進められたところから起こった問題であると、こういうふうに指摘しています。そしてこの開発を担当した原子力船開発事業団の能力のなさを指摘し、そしてこれを黙過し、容認してきた科学技術庁、運輸省の責任は大きい、こういうことを厳しく指摘しておるわけであります。 そこでお聞きしますが、科学技術庁長官はこれらの指摘を率直にお認めになった上で「むつ」問題の解決に当たられるのかどうか、その点をまずお尋ねいたします。
○国務大臣(佐々木義武君) まさしく御指摘の点はそのとおりだと思いますので、その改善方につきましては、報告の意を体しまして善処いたしたいと存じます。
○加藤進君 もしそのように率直にお認めになるとすれば、この報告書でも指摘しておりますように、原子力行政と開発体制そのものの欠陥を厳しく反省しなくてはならない。そしてこれを根本的に改めるということ、政府は何よりも国民の安全を優先にする国民本位の原子力行政を確立するために具体的な措置をとることが必要だと私は思います。また、これこそいま国民が特に期待しておる、政府に求めておる問題だと思います。で、こういう重要な課題をもし回避しながら「むつ」の新しい母港の決定をお急ぎになったり、あるいは開発再開を強行されるということになるなら、これは報告書の一番末尾に指摘しておりますように、「今後、ことにあたる責任者が地元の住民とも責任をもって話合いをし、情報を正確に伝え、理解を得る努力をすべきことである。この努力を怠るようでは、地元住民の不信感をつのらせ、一層混乱を深刻にし、広範囲に悪影響を及ぼすものであって、今後の原子力開発の推進をになうことはできないと考える。」、こういうふうに末尾を結んでいます。その点で科学技術庁長官、いま各地で新母港の決定が急がれておるような状況だと拝見いたします。この問題について、いまここで指摘いたしましたような前提を明確に踏まえた上でこの問題に対処される用意があるかどうか、その点について所見を承りたいと思います。
○国務大臣(佐々木義武君) 私どもはけさほどもお答え申し上げたんでございますけれども、地元住民の不安を解決せぬままに協力、理解を求めるということは不可能でございますので、できますれば、事情を許してくださるならば、予定されたと申しますか、希望しております土地の住民の皆様とそういう点でよく話し合いもし、あるいはその他の方法で地元の皆様の御理解を得るような方途を講じたいという念願でございますけれども、長崎の場合には、少し先走った回答かもしれませんけれども、それに至る前にそれが不可能なような事態になりましたので、大変困惑しているのでございます。
○加藤進君 私がお尋ねしておるのは、そういう新母港の決定についての諸事情ではございません。このような新母港を決定されるというなら、まず前もって行わなくてはならぬ重大なことがある。それはわが国の原子力行政の姿勢を正すということ、二度とこのような欠陥原子力船を生むことのないように、またこのような国民の安全を脅かすような事態を引き起こすことがないように、国民の生命と安全を優先する、このような立場に立つ原子力行政の姿勢の確立だと思います。その点についていかがでございますか。
○国務大臣(佐々木義武君) 去年の秋、「むつ」の問題が起きまして、これが一つの大きい契機になりまして、原子力開発における安全性の問題、またそれを中心にいたしました原子力行政一般の体制と申しますか、そういう点に関して、政府としてはこの際反省をし、新出発をすべきじゃないかという世論でございます。これを受けまして、内閣に原子力行政懇談会を設けまして、ただいま原子力行政全般に関し、特に安全性の確保のためにいかなる体制にすべきかという点を検討中でございます。ただ、その検討を終わるまで、これが済みまして具体的になるのには、やはりまた来年の予算ということになりますので、それまで漫然と待つわけにまいりませんので、ことしの予算でとりあえず経過的な措置といたしまして、たった一つの局の新設でございますけれども、閣議決定の——局はつくらない、新設をしないという決定の例外をつくりまして原子力安全局というものをただいま設けることにいたし、国会で御審議をいただいている最中でございます。そういうことでございまして、お話のように地元住民との関連の問題でなしに、国全般として原子力行政に対してどういういき方をするかという点に関しましてはただいまのような姿勢でこれから臨みたいというふうに実は考えております。
○加藤進君 ただいまのような姿勢では国民も納得いたしませんし、私も納得できません。国民が願っておるのは、一体原子力局あるいは科学技術庁、国民の安全をどう考えておるか、こういう問題であります。これに対して科学技術庁が正確に、そして国民の納得を得るような形でそのような体制と、そのような方針を打ち出すということが今日一番大事な問題だということを特に指摘して次に移ります。 この報告書によりますと、原子力開発事業団の能力のなさが強く指摘されております。そしてこの事業団の改組についても問題が提起されておるわけでありますけれども、政府はこの事業団をどうされるのか、その点の方針をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(佐々木義武君) とりあえず事業団の主要人事をこの際更迭いたしまして、そしてこの報告書にもありますように、特に技術陣あるいは技術システムと申しますか、こういうものに対する整備を図るべきだという御指摘でございますので、ただいま鋭意その方面の整備方を進めておる最中でございます。この事業団をいかにするかという問題に関しましては、先ほども申しましたように、とりあえず事業団をどうするかという問題もございますが、根本にさかのぼりますと、日本は原子力船を将来どういうふうに考えているのか、長期展望いかんと、それに伴いまして第二船はどうするか、ついてはいまの「むつ」そのものをどうするかといったような日本の原子力船に取り組む一つの国策というものが決まってまいりまして、できますればその上に立っていまの事業団をどうするかというのが一番万全の道かと考えまして、原子力委員会の中に原子力船懇談会というものをつくりまして、ただいま鋭意検討中でございます。恐らく夏あるいは秋の初頭には結論が出ること期待しつつ進めております。
○加藤進君 単に人事の刷新だけでは済まされない問題だ、この点の認識だけは少なくともあるわけでございますね。
○国務大臣(佐々木義武君) いま申しましたように、人事の刷新のみならず、事業団そのもののような体制が果たして先ほど申しましたような国策の線に沿う一つの形態かどうかという問題等ももちろん含まれた上だと存じております。
○加藤進君 この報告でも、二十八ページに指摘しておりますように、「事業団法によれば、事業団の業務の範囲は、原子力船の設計、建造および運航を行い、この目的を達成するため、研究を含め必要な業務を行うこととなっている。しかし、現実には基礎的な研究や実験についてはその業務に含め得なかったきらいがある。」、こう指摘してありますけれども、この点の指摘についてはどうお考えになりますか。
○政府委員(生田豊朗君) ただいま先生の御指摘のように、事業団法におきます事業団の業務範囲につきましては、基礎的な研究あるいは実験も含まれているわけでございます。しかし、この原子力の研究開発につきましては各種の特殊法人がございまして、その各種特殊法人の協力によりまして業務を推進するというその方向がさらに効率的でございますので、主として原予力研究所との協力関係におきまして、この基礎的な研究、たとえば、問題の遮蔽につきまして、原子力研究所を中心にいたしまして各団体の協力の形で試験あるいは実験を行うという形をとっておりますので、そういう形で協力関係を中心にいたしまして実施した次第でございます。
○加藤進君 私はそのことをお尋ねしておるわけではございません。現在の事業団の組織そのものが、また運営や活動そのものが実は事業団法そのものにもあるいは抵触するようなものになっていやしないか、こういう指摘があるわけでありまして、そのために原子力事業団自体が基礎的な研究や実験についてもその業務の中に含めなくてはならぬ、こういうことがここに強調されておるわけでございます。その点について、またその点をも含めて事業団の抜本的な改組をお考えになっておるのかどうか、こういうことをお尋ねしておるわけであります。
○国務大臣(佐々木義武君) 確かに御指摘のように、軽水炉そのものの安全性に関しましては、陸上炉と言わず海上炉におきましても、大変日本といたしましては特に安全性の研究は不十分だったのじゃなかろうかと現在も反省しています。特にこの海上炉——海の炉に関しましてはいろいろ遮蔽問題等むずかしい問題がありますのにもかかわらず、その基礎的な研究分野が必ずしも十分だと言えないところにああいう問題が発生したのじゃないかと考えますので、今後こういう点も含めまして事業団の業務——事業団法の改正によってやらなければいかぬわけでございますが、その際はそういう点も含めまして明確にいたしたいというふうに考えております。
○加藤進君 新聞の報道によりますと、この「むつ」の改修計画が今日検討されている、こういうことを聞いておりますけれども、それはどのような内容であるか、また、そのためにはどの程度の改修費が見込まれつつあるのか、その点を御説明いただきたいと思います。
○政府委員(生田豊朗君) 原子炉の改修計画につきましてはただいま事業団で作業しております。現在のところ、問題の焦点でございます一次遮蔽につきましてはほぼ遮蔽小委員会におきましての検討の結果が出ておりますので、ある程度の改修の見通しを立てることが可能でございますが、この大山委員会の指摘にもございますように、その他の部分につきましても点検の上総体的な改修計画をつくりたいと、かように考えておりますので、全体の改修計画あるいはその所要金額につきましてはもうしばらく時間をいただきませんとお答え申し上げられない次第でございます。
○加藤進君 改修計画はそのようにして具体的に進行しようとしている。しかし、欠陥「むつ」原子力船を生み出した一体根本的な問題は何であるのか、こういう点の検討は一体その後どこでやられておるのですか。
○政府委員(生田豊朗君) この大山委員会の御指摘を受けまして、原子力委員会及び原子力局でこの検討をいたしております。
○加藤進君 その検討は検討として、改修計画は改修計画という、並行の計画でもって進行しているわけですか。
○政府委員(生田豊朗君) 現在の段階では、基本的な組織あるいは運営の問題は原子力委員会、原子力局で検討しておりますし、非常に物理的な改修計画は事業団でやっているわけでございますが、これは当然のことといたしまして個々別々にやっているわけではございませんで、相互に連絡しながらやっておりますし、具体的な改修計画あるいはその実施の段取りにつきましても、事業団の全体の運営の問題、あるいは組織の問題、あるいは原子力船、特に第一船の今後の開発計画の進め方の問題、そういうものとの関連なしには決まらない問題でございますので、その辺の総合調整は十分にいたす予定でございます。
○加藤進君 そのような改修計画に基づいて、改修費が必要だと思いますけれども、これはどこから支出される予定になっておるわけでございますか。
○政府委員(生田豊朗君) この改修費、原子力船事業団が負担いたします分につきましては予算の要求をいたしまして、原子力船事業団が支出するということになろうかと思います。その他の点につきましては今後検討の上、改修その他の費用の分担の問題を詰めてまいりたいと、かように考えております。
○加藤進君 その分担と申しますと、大体どの辺のところをめどに置いて分担を考えておられますか。
○政府委員(生田豊朗君) いまのところめどが立たないわけでございます。恐らく先生の御指摘は、三菱原子力との費用の分担の問題を念頭に置いての御質問かと思うわけでございますが、その辺につきましても、もう少しこの原子炉の全体の問題点の分析、そのよって来たるゆえんを突きとめまして、それによりまして費用の分担の問題も対処してまいりたいと、かように考えております。
○加藤進君 私はそういう改修費の分担の前に、一体この改修に要する費用というのはどうして国から支出しなくてはならぬのか、こういう問題を考えたことがあるでしょうか。第一、原子炉をつくったのは三菱原子力工業ですね。そしてつくって動かしてみたら、これは欠陥原子炉だった。修復せざるを得ない。こういうことになれば、当然のことながら、その技術上の責任、製作上の責任というのはこれは三菱原子力工業にあるんじゃないでしょうか。だとするなら、これは国としてもその修復費については損害補償の意味を含めて、三菱原子力工業に要求して当然ではないかと、こういうふうに私たちは常識的に考えるわけでございますけれども、その点についてはどうお思いになりましょうか。 〔理事小谷守君退席、委員長着席〕
○政府委員(生田豊朗君) ただいまの御質問の点が、実は非常に問題の焦点であろうかと私ども考えております。そこの問題を解きほぐしますかぎになりますのが、原子炉のいわゆる欠陥と申しますか、ふぐあいと申しますか、そういうものがどこから発生したのかという判断でございます。ですから、非常に極端な説明で、あるいは専門家の先生には申しわけないかとも思いますが、一つの仮説といたしまして、原子力船事業団がどんなものでもいいからちゃんと動く原子炉をつくってもらいたいということで三菱原子力に発注した場合、これは完全に動かないものが出てまいりましたら、これは一〇〇%三菱原子力の責任に相なるかと思いますが、この「むつ」の場合はそういうことではございませんで、基本的な設計の概念、あるいは要求されます性能、そういうものは原子力船事業団が決めまして三菱原子力に発注しているわけでございます。したがいまして、そのいずれに責任があるのか、発注者の側に責めが帰せられまして、それによってこのような問題が起きたのか、あるいは詳細設計、あるいは具体的な工事を相当いたしました三菱原子力、三菱重工業にその責めが帰せられるべきか、これはもう少し話を詰めて検討しませんと、現在の段階ではいずれとも決定しがたいものでございますので、その点もできるだけ早く全体の詰めを進めたいと考えております。
○加藤進君 改めて確認いたしますと、三菱原子力工業に対してもそれなりのやはり補償を要求する、そういうことも考慮して修理費の問題についてはいま検討しつつある、こう理解していいですか。
○政府委員(生田豊朗君) その因果関係を追求いたしまして、三菱原子力に当然帰せられるべき問題、責任が帰せられるべき点でございましたら、当然三菱原子力にも費用の負担を要請するという形で検討を進めております。
○加藤進君 ともかく欠陥原子力船「むつ」のために国費が投ぜられた。その額は百億を超えるわけでしょう、そうですね。それだけの金を投じながら、国民に大きな犠牲を与えつつつくり出されたものは欠陥原子力船だった。こういう問題でございますから、その責任の所在は当然のことながら明確にして、そしてそのための損害補償、こういう点については言うべきことは言い、主張すべきことは主張する。こういうことが当然国民の代表としての政府の仕事ではないかと思います。その点について長官に一言所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(佐々木義武君) お説のとおりだと存じますが、ただ、いま局長からもお話しございましたように、非常に原因が大山委員会の報告にもございますように錯綜してございまして、修理あるいは総点検等の段階でそういう点が明確になってくるとは思いますが、もう一つさかのぼりますと、事業団と三菱との契約条項が一体どうなっておったのかという契約の内容自体にもまたいろいろ検討を加えながら問題があろうかとも存じますので、そういう点もあわせまして今後検討を深め、その結論が出ますればお話しのようなことになるんじゃなかろうと考えております。
○加藤進君 会計検査院いらっしゃいましょうか。会計検査院の方にその点もお尋ねしたいと思いますけれども、ともかく国民の税金、国費が百億を超えて支出されてきている、しかもこれが使いものにならない、さらに莫大な修理費が必要だ、ところがその修理費の支出につきましては三菱原子力工業は契約というものがありますから恐らく契約を盾にしてその責任についての所在を明確にしようとしないと私は考えておるわけでございますが、この契約もこれは保証期限が切れた、超過したということでこの契約の問題が出てくるわけでございますけれども、しかしそもそも保証期限が切れたという原因は何かと言えば欠陥原子力炉がとにかくその原因であることは明らかでございまして、欠陥原子力炉がつくられたということによって保証期限もまた延ばさざるを得なくなった、こういうところに契約上の問題が出てくると私は考えます。その意味では法律的にどうこうするという議論も議論でございますけれども、道義的に国民の立場から見て、このような問題について会計検査院が独自の調査をしていただく必要があるのではないかと私は考えるわけでございますけれども、会計検査院の立場はいかがでございましょうか。
○説明員(高橋保司君) 原子力船につきましては、この開発につきましては百億を超える金額を投じて、しかも三十八年度から実施いたしましてまあ長年月をかけましたが、なおかっこの開発が途中でとんざいたしました。先生御指摘のように、この開発が途中でとんざしたのみならず修復費その他がさらに必要であるというような事態につきましては、私どもも大変遺憾に思っている次第でございまして、金の収支にからむ問題でありますし、費用の分担ということも含まれておる事態でありますから、われわれ会計検査の面で御趣旨の点も十分入れまして今後近い将来十分検討、検査を実施いたしたいと思います。
○加藤進君 どうか国民が納得し得るような的確な詳細な調査をしていただきまして、近い時期に決算委員会に報告をいただきたい、そのことをお願いしておきますが、よろしゅうございましょうか。
○説明員(高橋保司君) そのようにいたしたいと思います。
○加藤進君 「むつ」問題につきましては本日はこの程度にいたしまして、今後科学技術特別委員会等々もございますからさらにいろいろお尋ねしてまいりたいと思います。 そこで、地震の問題でございますけれども、南伊豆の地震、さらに最近では大分の地震が相次いで起こっております。そういう中で川崎直下型地震についての警告が出されまして、地震に関する国民の関心と要望が非常に強まってきている、不安が強まってきている、そういう事態に至っておるわけでございます。したがって、これにこたえていくためには関係地域に対する防災対策の強化、これは当然のことながら要求されるわけでありますけれども、同時にこれと並行して、このような災害をもたらす地震の予知ができないものかどうか、こういう問題について従来の研究の成果の上に立ってさらに一層のこの点についての努力が要求されなくてはならぬと考えております。ソ連や中国でも地震の予知問題につきましては相当研究が進んでおるように聞いておりますし、中国では遼東半島の地震の予知にも成功した、こういう事例も出ておるようでございます。日本はもともと地震研究におきましては先進国でありますから、むしろ世界の地震予知をリードするような大きな成果をわれわれは期待しなくてはならぬと考えております。そういう点で、一九六二年に「地震予知——現状と推進計画」という方針が出されました。これに基づいて地震予知の第一次五カ年計画が立てられ、それ以来十年余を今日経過しておるわけであります。 そこでお尋ねしたいのは、今日大地震を予知するための研究のために全国的な地震観測調査網を強化するということは、これは言うまでもない問題でございますけれども、とりわけ観測を特に強化すべき地域としてはどのような地域が今日あるのか、そこにはどのような地震の危険性がはらまれておるのか、この点について概略を御説明いただきたいと思います。
○説明員(田島稔君) 昭和四十四年に地震予知連絡会というものが設けられまして、そこで検討しました第一番目のことは、ただいま先生の御質問にありますように、現在わが国では特にどの地方に地震発生の可能性が高いかということでございました。これにつきましては、過去に大きな地震が繰り返し起こっておりまして、その後ここ数十年とか起きていないという、そういう地域を地震の履歴といいますか統計といいますか、そういう点から調べまして地震エネルギーがたまっておると判断する地域、これを私ども特定観測地域という名前で呼びまして、その地域を全国で九カ所設定したわけでございます。それは北から申し上げますと、北海道の根室、釧路地方、それから秋田地方、それから糸魚川周辺、関東南部、それから東海地方、それから福井、それから鳥取及び安芸灘、それに大阪、神戸地域につきましては、これは特にそういうことではないのですが、いわゆる人口稠密地域ということでそれをつけ加えた、以上の地域が特定観測地域という名前で私ども呼んでおります。それで、特にその中で関東南部と東海地方につきましては、いろいろの調査の結果地殻のひずみが進行しております。そういうことがわかっておりますので、特により一層の観測を強化すべき地域といたしまして観測強化地域というふうにこの二カ所を指定しております。それで、この地域につきましては各大学がそれぞれの地殻変動及び微小地震観測網を設定するなどいたしておりますが、測量といたしましてはこの地域を全国的な平均の繰り返し周期よりも早い、短かい周期で繰り返すように計画を行っております。
○加藤進君 それと関連しまして、特に川崎で大きな問題にされました直下型地震でございますね。首都圏の直下型地震との関連というのはどういうふうに見たらいいんでしょうか。
○説明員(田島稔君) 川崎地域につきましては、国土地理院が行っております定期的な水準測量及び川崎市等の地方自治体が行っております地盤沈下調査のための水準測量の結果を解析いたしましたところ、ここ最近数年間の間に約四センチメーター以上の異常な土地の隆起が検出されたわけでございます。それで、この異常な土地の隆起というものが、これは地震発生、いわゆる自然的な地震発生の前兆現象であるのか、あるいは御承知のようにあの地域はかつて地盤沈下の著しい地域でございまして、それに伴ういろいろな水の規制あるいは揚水所の減少というふうな人為的な結果として生じたものであるのか、その正体が不明でありますので、しかもあの地域が非常に社会的にも重要な地域でございますので、これを速やかに解明しなければいかぬということでいろいろな調査がなされたわけでございます。で、現在もそれを実施中でございます。
○加藤進君 南関東で震度七以下の地震が起こり得るようなエネルギーがすでに蓄積されていると、こういうふうに言われておりますし、首都圏ではその蓄積されたエネルギーの一部が東京の足下で放出されて直下型地震が起こるという可能性もはらんでいると学者は指摘しておりますけれども、その点についての評価はいかがでございましょうか。
○説明員(田島稔君) 御指摘のような可能性というものは、現在だれも否定できないと思います。しかし、これはきめの細かい調査をする必要がございます。非常に大きな目で見ました場合に、関東南部には大正十二年の関東大震災以降、現在まで約五十年間の間にエネルギーの蓄積が進行しつつありますけれども、関東大地震クラスの大きな地震を起こすエネルギーは、まだとてもたまっておらないということが結論として出ております。でありますから、マグニチュード八クラスの巨大地震というものは、現在発生するとはとうてい考えられないわけでございますが、局所的な、つまりマグニチュード六クラスの、この前の大分地震的な、ああいう地震がいわゆる人口調密地域の直下で起きないという保証はないと思います。
○加藤進君 東海地方が特に観測強化の地域として指定されておりますけれども、この東海地方における地震の危険性と申しますか、可能性というのはどのようなものでございましょうか。
○説明員(田島稔君) 東海地方につきましては、過去百年間、巨大地震が発生しておりません。それ以前には、あの地域には八クラスの地震が起こっておったわけでございます。それで、安政の巨大地震以後起きていないわけでございますので、一応巨大地震を起こすエネルギーが徐々にではありますが蓄積されつつあると常識的には考えられるわけであります。明治以後の精密な測量の結果を見ましても、太平洋沿岸の方から内陸方向にかけまして地殻が圧縮されているという傾向は出ております。出ておりますが、先ほど申し上げました関東南部と同じように現在のところ、その量がいわゆる破壊の限界にまで到達しているというふうには思えないわけでございます。しかしながらそういう傾向は継続しているということは事実でございますので、今後とも観測強化地域として特段に調査を重視していくべき地域だと考えます。
○加藤進君 したがって首都圏を初めとして観測強化地域においては精密な地震観測網を整備しなくてはならぬというのが私は緊急の課題だと思います。 そこでお聞きしますけれども、埼玉県岩槻に設置されました地殻活動観測施設、通称深井戸といっておりますけれども、これはすでに活動を開始していますね。しかし震源を確めるためには一つだけでは足らない、少なくとも三つは必要だということが専門家の間に当然のことながら指摘され続けてまいっておるわけでありますが、この岩槻の深井戸に続いて調布や松戸につくるという計画がすでに立てられておるようでありますけれども、これは一体いつごろできるのか、そのようなめどを立てておられるのか、その点をお伺いしたいと思います。
○政府委員(伊原義徳君) ただいま先生御指摘の関東首都圏南部におきまする地震活動についての深井戸の建設と測定でございますが、御指摘のように三カ所が望ましいということでございまして、この仕事は実は科学技術庁の国立防災科学技術センターにおきまして、昭和四十四年度からまず岩槻市の深井戸を始めまして、これはすでに完成をいたしておりますが、昭和五十年度におきまして、東部観測井と私ども呼んでおります千葉県船橋付近、この辺に一つ掘ると、これは昭和五十年度の予算におきましてすでに測定器の開発に着手できると、こういうことになっております。それからさらに西部観測井、これは調布付近が考えられるわけでございますが、これにつきましては、ただいま事前の基盤調査を行っておる段階でございます。 で、いつごろまでにこの三つが完成するかという問題でございますが、これはもちろんまあ予算措置も必要なわけでございますが、私どもといたしましては、東部地区の観測井につきましては、先ほど申し上げましたように、来年度から計測器の整備が行われておりますので、昭和五十二年度にはこれを完成させまして、五十三年度から観測を開始いたしたいと考えております。また西部地区の観測井につきましては、四十九年度、五十年度と基盤調査を行っておる段階でございますので、その調査が終わりました上で建設地点を決定いたしまして、五十一年度から三カ年程度建設にかけたい、こういうふうに考えておるわけでございます。したがいまして、私どもの考えておる予定どおりでまいりますと、五十四年度から観測が開始できる、こういうふうに考えております。
○加藤進君 私は国会での質疑その他でお聞きしておりますと、政府は必ずやりますと、こういういわば国会での公約答弁がございますね。その点から申しますと、早くやっていただけそうだという感じを持って聞いたわけでございますけれども、なかなか悠長な話でございますね。その点の一番大きな障害というのは何であるか。これは予算ですか。
○政府委員(伊原義徳君) この三つの井戸の完成について、実質的に一番大きな問題は、技術の開発というものを伴う深主戸掘削でございますので、——その技術と申しますのは、たとえば測定器、これを地下数千メートルに入れるわけでございますので、非常に地上とは違った高温、高圧の状態の中で、しかも非常に精密な姿勢でもって、それを故障がないように維持し、常時観測をする必要がある。そういうことで、できるだけ信頼度の高いいい器械を開発しなきゃいかぬ、こういう問題が一つございます。それからさらに、この観測機器はなぜ深井戸に入れるかと申しますと、地上表面では非常に雑音が入りまして精密な観測ができない。したがいまして、できるだけ深いところ——基盤と私ども称しておりますが、その基盤まで井戸を掘るということがまた必要なわけでございます。ところが、この基盤の状況というものがまた場所によっていろいろ変わってまいるわけでございますので、どういうふうな基盤の状況になっておるか、それも十分研究をしなければいかぬ、調査をしなければいけない。そういうことで、これにまた非常に時間がかかるわけでございます。そういうふうな技術的な問題が非常にございますので、極力関係者努力をいたしまして、一日も早く完成いたしたいと思っておりますが、なおこの技術開発の面にいろいろ時間がかかる、こういうことでございます。
○加藤進君 その点は、特に早急にやはり完成できるように格段のひとつ今後とも努力を払っていただきたいと思いますが、この三つの深井戸が建設されるまで地震の観測測定を担当しておられるのは東大地震研究所でございますか。
○政府委員(伊原義徳君) 現に岩槻にございます一号井の観測が開始されております。したがいまして、まあ俗に申しますと百点の測定はできないわけでございますが、まあある程度の測定は現在すでに行われております。たとえば、非常に微小な地震活動というものがこの一号井によってすでにとられておりまして、いままではとても測定できなかったような結果が得られております。大体地表の測定の百万分の一程度の精度の測定ができる、こういうことでございます。 なお、ただいま先生御指摘の東大地震研究所の観測資料、これも非常に貴重な資料でございますが、この東大の資料と岩槻の防災センターの資料と、この両方を組み合わせることによりまして、たとえば地震の震源決定の精度というふうなものが非常に向上してきておるということがございます。そういうことでございますので、三本でき上がらなければ全然役に立たないということではなくて、現在の一本でも非常に有用な調査結果が得られておるわけでございます。
○加藤進君 その点は私もわかります。ただ、三本をつくりたいという国の方の計画でもありますし、またそれを早く、早急に完成するということを目指してやっていただきたいと思うわけでございますけれども、いま東大地震研究所の問題に触れたのは、地震研究所の地震予知の研究があまりスムーズに進捗しておらないような状態があるのではないか、こういう危惧からでございます。これは大学研究所の内部の問題もございますが、研究者は本来の研究と、地震の観測の仕事と、この両方を引き受けて非常に困っている。もう地震の観測データの処理だけで人手が足らない。研究をすべき課題は持っているけれども、データの処理に非常に時間をかけている。こういうような苦労なお話が出てくるわけでございますけれども、その点の状況については御存じになっておるでしょうか。
○政府委員(伊原義徳君) 東京大学の地震研究の実情につきましては、これは文部省が一番詳しいわけでございますが、ただ科学技術庁といたしましては、関係省庁の地震予知の研究につきまして行政府ベースでの連絡会を持っております。そこにおきまして、各省庁の地震予知関係の活動を、総合調整と申しますか、あるいは十分な連絡をとるということでやっておりまして、その中でも、各大学の活動につきましてもその場におきましてある程度の御連絡はいただいております。ただ、ただいま先生御指摘の、その非常に具体的な東大地震研究所の運営問題につきましては、私どもは過去において多少運営がまずかったということを仄聞している程度でございまして、その詳細については私がここで申し上げるのは適当でないと思いますので、全般的な問題につきまして御答弁を申し上げたいと思っております。
○加藤進君 これは所管の都合もあるかと思いますけれども、ともかく、私は技術者の率直な声を聞いておりますので、この機会にその点に触れさせていただきたいと思いますが、地震予知第一次五カ年計画、この中の実績を見ますと、東大地震研究所で要求した額の四六%しか経費の上では認められなかった。人員の面ではどうかというと、要求の二三%しか認められていない。これが現状だというわけであります。したがって、このような状態で第二次五カ年計画の遂行に当たっても非常にさまざまな支障が出てくることは言うまでもありませんが、一九七二年の十二月十二日に地震学会で行いました地震予知研究計画のシンポジウムがございました。その席上で東大地震研の研究者が次のように訴えています。データの処理を自動化するために予算をいまの十倍にふやしていただかなくては追いつけません。それから、観測所当たり特に技官の研究補助者を少なくとも一、二名ふやしていただきたい。こういうことが切実に望まれておるわけでございますけれども、こういう問題は、これは大学内の問題としてばかりでなしに、これは皆さんの組織しておられる推進会議等々で当然問題にすべき点ではなかろうかと考えておりますけれども、そのような点でどのように御認識いただいておるのか、お尋ねしたいと思います。
○政府委員(伊原義徳君) 先ほどちょっと触れさしていただきました地震予知研究推進連絡会議、これは昨年の十一月七日に事務次官会議の申し合わせによりまして設けられたものでございますが、この連絡会議の場におきまして、各省庁の地震予知関係の予算、これにつきましてもいろいろ御連絡をいただき、取りまとめをいたしておるわけでございます。 で、この予算の面につきまして全体的な御説明を申し上げますと、昭和四十八年度が八億円強でございますが、四十九年度が十五億五千万、五十年度の予算といたしましてはこれは二十億以上ということで、非常に最近は財政当局もこの問題の重要性を認識していただいておりまして、逐次予算はふえてきておるわけでございます。もちろん、理想案から申しますと、実際に研究を担当しておられる方といたしましてはいま少しというふうなことはあるかと思いますけれども、私どもといたしましては、将来この傾向が続けば数年の間にかなりの予算額というものが期待できると、したがって、まあ必要最低限の活動はできるのではないかと、こういうふうに考えておる次第でございます。
○加藤進君 少なくとも現場を担当しておられる責任ある研究家の皆さんの声でありまして、その点で、要求されておる人員の問題につきましても、予算の問題につきましても、こういう声を率直に聞いて、この検討の上で直ちに措置をとるということがなければ、地震予知研究などと言っても、これは空念仏に終わらざるを得ない、こういう感を深く持つわけでございます。 そこでもう一つお尋ねしたいのは、同じ一九七二年十二月に開かれましたシンポジウムで、十年前の六二年につくったいわゆるブループリントに基づいて、従来の研究の方向には誤りはなかった、この方向を確認しながら今後とも地震予知研究を進めよう、こういういわば確認がやられたようでありますが、それに基づいて国土地理院では、新しい測地事業として日本列島精密測地網の設定、こういう計画を進めておられるように聞きますけれども、それはそのようでございましょうか。
○説明員(田島稔君) 御質問のとおりでございまして、この精密測地網と申しますのは、従来は地震の予知の一番の基本といたしまして、とにかく地殻が沈んでくる、そのひずみが限界に達するまでの進行状況を追跡するということが大きな主体になっているわけでございますが、従来は水準測量による上下変動のみに終始しておった。それでは三次元的な地殻のひずみ、これはとても検出できないわけでございまして、水平方向の土地の伸び縮み、ゆがみ、そういうふうなもの、これをぜひやらなきゃならない。そのために、全国に設置してございます国家三角点、これは一等三角点、二等三角点、三等三角点とございますけれども、これが明治から大正の初期にかけまして設置されたまま、その後六十年間にわたりまして改測がなされておりませんので、これをこの機会にやろうではないか。しかも最近ではレーザー光線を使いました非常に精度の高い距離測定器が開発されております。これを使いまして、従来の三角測量ではなくて、いわゆる辺をはかる三辺測量、これで全国を定期的にはかり直す。それによりまして、国の基準となります、土地の基準となります三角点の位置の精度が向上すると同時に地震予知に大きく役立つというふうな計画でございます。
○加藤進君 私のお聞きしておるところでも、この計画はきわめて画期的な計画だと、この計画がもし具体化するならば、震度六・五以上の地震の前兆は確実に掌握できる、こういうものだということでございますが、こういう新しい計画を進めるに当たっていま問題になっておる点が、やはり人の問題とさらに経費の問題にかかってきておるようでございますが、この点について、この精密測地網を完成していくということのために、十分な予算を政府が認める用意があるのかどうか、こういう問題が担当省庁の間で話し合われておるかどうか、その点について長官御存じだったらばお聞きしたいと思います。
○政府委員(伊原義徳君) 先ほども申し上げましたように、地震予知研究推進連絡会議におきまして、予算の問題も議題として取り上げております。どういうところに重点を置いて予算要求をすべきか、あるいは重複はないか、落ちはないかと、そういうふうなことで非常に各省庁連絡をよくしております。なお、財政当局といたしましてもこの問題の重要性を御認識いただいておると思いますので、今後とも予算の獲得について各省庁協力をいたしまして十分なものを獲得いたしたいと、こう考えております。
○加藤進君 精密なこのような測地網を建設していくために必要な経費というのは、今日までの従来の経費の十倍を要するであろう。こういうふうに言われておりますけれども、いまの御答弁で、そのような予算措置についても十分努力をする、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(伊原義徳君) この地震予知の技術がどれくらいの時間とどれくらいの経費をかければますます信頼できるものになるかということにつきましては、御専門の方々の個人的な御意見というものはいろいろ伺っております。それから、特定の機関によりましていままでの予算がどれくらい足りないかというふうなこともあるかと思いますが、私どもといたしましては、全般的に見まして、この地震予知の経費というものが、先ほど申し上げましたように、予算が逐年著しい増加率で伸びておりますので、この傾向が今後さらに続けば、数年の後にはかなりのものができると、こう考えておる次第でございます。
○加藤進君 時間がございませんから最後に一つだけお尋ねしますと、同時に大切な問題は、きわめて厳しい自然条件の中で屋外作業を行っておられる測量技術者の問題でございますが、今日この測地事業に従事しておられる技術者の数は約百名であると聞いておりますけれども、これはそのとおりでございましょうか。
○説明員(田島稔君) おおむねそのとおりでございます。
○加藤進君 そこで、今度の日本列島精密測地網を設定していくために、国土地理院の労働組合の方たちが臨時大会で試算をされておる人員要求がございます。どうしても二百名の増員をしてほしい、こういう要求でございますけれども、このような増員要求に対して政府の方としてはどのようにこれを満たしていただく予定になっておりましょうか、その計画をお聞きしたいと思います。
○説明員(田島稔君) 従来は精密な測量と申しますのは、国土地理院がこれを直営作業で実施してまいってきたわけでございますが、最近では、これは民間の測量会社が非常に技術の向上を見まして、われわれが適切な指導監督をするならば、十分にわれわれが要求する、たとえば百万分の一の精度とか、そういうような精度で測量を行うことができるようになっております。その背景の中にはもちろん、先ほど申し上げましたように、レーザー光線を使うすばらしい器械ができた、つまりボタンを押せば非常に精度の高い値が得られるというふうな、そういうこともあります。そういうわけでございますので、単に直営事業として人員を大幅に要求するということが果たして得策かどうかという問題もございます。われわれとしては、もちろんその直営作業で行いますが、また大きな仕事としては、そういう高い技術を持った民間の測量会社にこれをやらせる、そういうことも十分考えていかなければならないと、そういうふうに考えております。
○加藤進君 私はそこで、最後に問題だけ提起しておきますけれども、外注にゆだねる、これは精度の高い、しかも日本では全国的な規模で行う測地としては初めての計画である。こういう点から考えるならば、本当にこれで責任ある測地ができるのだろうか、こういう疑問を研究者は深く抱いておるということは、これは御承知のとおりだと思います。 私はここで、一番最初に申し上げましたその「むつ」の問題に返るわけでございますけれども、あのような欠陥原子力船を生んだその同じ問題がやはり地震の予知研究等々の中にも伏在するのではなかろうかという疑いを持たざるを得ないわけでございまして、私たちは国民の生命と安全、財産を守るというきわめて重大な任務を負う地震予知研究に携わっておられる方たちに対して、その要求に十分にこたえて、地震問題についてのやっぱり先進的な業績を上げながら、国民の期待にこたえていただく必要がある。その意味では、欠陥原子力船を生み出したようなあの過ちを二度と繰り返してはならない、そういう決意を深く持ちつつ、この問題に対処していただきたい、このことを最後に期待いたしまして、私の質問を終わります。
○田渕哲也君 私は原子力船「むつ」の問題について二、三御質問したいと思います。 まず第一は、この「むつ」の放射線漏れ事故によりまして母港の移転問題が生じておるわけでありますけれども、この問題が今後のわが国の原子力船開発に与える影響というものについて、まずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(佐々木義武君) 御承知のように、原子力船「むつ」は、世界で四番目の商業用船舶原子力船でございます。したがいまして、過去の、日本で培いました技術、少なくとも軽水炉に関する技術を傾注いたしましてつくったものでございますから、この修理あるいは総点検の結果無事に本来の使命を果たすようになれば大変けっこうなことでございますけれども、そういうことにならぬ場合には、やはり大きい日本の技術に対する一つの世界的な問題になろうかと存じますので、そういう意味から申しますと、この「むつ」原子力船の今後の扱いというものは、世界的にも大変重要な意味を持つものではなかろうかというふうに考えます。
○田渕哲也君 私はこの問題が、この原子力開発船に非常に重要な、重大な打撃というか、影響を与えたと思うんです。 それから、さらにこの母港の移転ということになれば、いままでの母港建設費、さらには移転費あるいはそのほかの補償費、こういうものも概算しましても数十億円の規模に上るわけです。このような大きな失敗というものを起こした責任は一体どこにあると考えられますか。
○国務大臣(佐々木義武君) これこそ、先ほど来、お話になっておりました大山委員会か、この放射線漏れの責任が技術的にあるいは開発体制等万般にわたって那辺に原因ありゃという究明に、去年の十一月から非常なエネルギーをもちまして究明をしたわけでございまして、その結果、御承知のような報告書が最近出ました。これによりまして、冒頭申しましたように、すでに政府といたしまして、この線に沿うて改善を加えつつあるものもございますし、あるいは今後改善を加えなければならぬものもございますが、いずれにいたしましても、この趣旨に沿いまして問題の処理に当たりたいというふうに考えております。
○田渕哲也君 私はこまかなことを言っておるわけではないわけでありまして、つまり政治責任ですね、政治責任は一体どこにあるのかということです。
○国務大臣(佐々木義武君) 政治責任と申しましても、あくまでもこれは行政府の問題でございますから、原子力委員会なりあるいは科学技術庁なりあるいは事業団なり、それぞれその報告に盛られたそれぞれの機関に責任があるわけでございまして、三権分立の憲法下、国会あるいは司法の問題にあらず、これはあくまでもやっぱり行政府の問題で、責任の所在と申しますと、いま申しましたような各機関がそれぞれ担うようになるのではないかというように考えます。
○田渕哲也君 私はいままでその責任が明らかにされていないと思うんですね。これほど大きな問題を起こしながら、だれかが責任をとったということを聞いておりません。この点についてどう思われますか。
○国務大臣(佐々木義武君) その点に関しましては、原子力船事業団の首脳部もそれぞれ交代をし、また、科学技術庁の当時の事務次官あるいは責任者もそれぞれ交代いたしまして、この原因究明、責任究明の報告書が出るのを待たずしてそういう責任を負うたというふうな結果になっているのじゃないかというふうに思っております。
○田渕哲也君 私は次官とか、事業団の幹部に責任を押しつけられるものかどうか、これはぼくはもっと大きな問題だと思いますね。日本の一つのエネルギー政策の一環としてこういう問題を進めて、それが失敗したのみならず、国民の血税を実に数十億円むだ使いする。それについてほんとうの意味の政治責任はだれもとっていないわけです。私は、こういうところにまず問題があると思うのです。科学技術庁長官の責任問題は出たこともありません。そういうところにぼくは考え方の甘さというか、無責任さがあると思うのですね、この問題は、新しい長官になられた大臣に言っても仕方がないわけですけれども。 大臣にお伺いしますけれども、わが国の原子力船開発の長期構想と国民経済に与えるメリット、こういうものについてのお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(佐々木義武君) わが国は世界有数の海運国であり、また造船国であることは申すまでもございません。将来、この地位を保持していくために、言いかえれば日本の経済をその面から支えていくために、原子力船の開発というものはいかなる意義を持つやという意味かと存じますが、ただいまの世界の情勢では、陸上路よりも海上路の方がむしろ数としては多うございます。ただ、ほとんど大部分がいわば軍艦と申しますか、艦船に主として用いられておりまして、商船用としてはまだまだ少なくございます。しかし、ごく最近——五月の二十日でございますか、ニューヨークでアトミック・インダストリアル・フォラムが中心になりまして、世界の原子力船を開発しつつある先進国を集めまして会議を開きました。わが国からももちろん出席いたしまして、その審議の状況等をお聞きしますと、非常な意欲を持ちまして、特に油の問題が発生して以来、この原子力船の開発に対しましては各国とも非常な意欲を持ちまして、研究開発に非常なプランを持ってそれぞれ進んでおるようでございます。したがいまして、わが国といたしましても冒頭申しましたように、海運国あるいは造船国としての地位を今後とも保持しようとするならば、やはり私はこの「むつ」の問題は非常に不幸な問題ではございましたけれども、しかしこれを災いを転じて福となすように、今後力を合わしてそして本来の日本の姿と申しますか、に向かって進むべきじゃないかと、それがやはり日本の経済における原子力船の占めるウエートというものが今後どうなるかという問題に対する政府の責務じゃないかというふうに実は考えております。
○田渕哲也君 外国がやるから日本もやるんだということでは説得力は弱いと思うのですね。外国の場合はやはり軍事目的にも原子力を使っているわけです。軍事目的に使う場合は経済性を度外視しても、その作戦上必要な性能ということで原子力の開発はメリットがあるということは言えるわけですけれども、日本の場合はいまのところそういうところまでなかなか論議がいっていないと思うのです。そうすると、まあ商船として使う場合に、はたして経済的に、将来的に採算がとれるものかどうか、もっとこれ詳細に検討して進めないと、多額の金を注ぎ込んで研究したけれども使いものにならない、まあこういうことではぼくは税金のむだ使いになると思うのです。したがって、単に外国がやるからやるんだということではなくて、もう少し国民を説得するに足るだけの具体的な構想というものを示してもらいたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(佐々木義武君) 国家が自分の財政で船を建造していくという場合にはお話のようになろうかと存じます。しかし、そうじゃないんでありまして、おそらくは第二船からなるか、第三船からなるか、これは検討の余地のあるところでございますけれども、あくまでもこれは日本の商船会社あるいは造船会社等が自分の負担で実施すべきものだと考えますし、現に外国のいまの進め方もほとんどそういう傾向になってございます。ただ、日本だけの問題で済めばいいんですけれども、海の問題は御承知のように世界共通の問題でございまして、たとえばドイツでは第二船を、コンテナ船をつくろうとして計画をしておりますけれども、その船はコンテナ船でございますから、世界の経済大国と言ってはちょっと語弊がありますけれども、日本まで延ばしてこのコンテナ船を利用したいという意図のようでございます。原子力船は御承知のように長距離で高速なのが特徴でございますから、近くじゃなくて極東方面まで足を延ばすのは当然の計画と存じますけれども、それを受ける日本がどういう状況かということになりますと、せっかくのドイツの開発自体も考えざるを得ないという、ドイツ自体の問題にも波及するような問題が生じつつあるやにも承知しておりまして、日本の将来というばかりでなしに、やっぱり世界全体のそういう原子力船の進み方というものと相関連を持たして私は今後進めていくべきものじゃないかというふうに実は考えております。
○田渕哲也君 私は原子力船の開発の必要性を否定しておるわけではありませんけれども、必要だということは漠然とわかりますけれども、もう少し具体的な構想とか、何年先には実用化のめどがつくとか、それから何年先には経済的に採算が合うとか、ある程度の長期的なスケジュールというものを示してもらわないと、雲をつかむような話で、そのために非常に危険なほどの放射能の母港がつくられるとか、あるいは税金が要るとか、こういうことでは困るわけです。そういうものはないわけですか。
○政府委員(福永博君) 技術的な問題でございますので私から答弁をさせていただきます。 先生御指摘のように、経済性の見通し、あるいは実用化の見通しといったような問題につきましては、ただいまのところ、あと何年たったら経済的に採算ベースに乗るとかいう定量的な話が煮詰まっていないのが現状でございます。その実用化の問題につきましては、たとえば石油との比較においてどういうふうな条件ならば採算ベースに乗るというようなことのほかに、ただいま大臣からも御答弁申し上げましたけれども、たとえば出入港が自由にできるとか、あるいは航行が自由にできるといった、こういったもろもろの要件も勘案しなければならないわけでございます。以上のようなことを踏まえまして、ただいま原子力船懇談会というものを原子力委員会の中につくりまして、造船、海運の方だけでなくて、学識経験者の方々のお知恵を拝借をすることにして鋭意作業を急いでいるところでございますが、大体見通しとしましてはこの夏ごろまでには何らかのめどをつけたいと考えているところでございます。
○田渕哲也君 そうすると、原子力船の基本的なこれからの方向というのは、この原子力船懇談会の結果が出なければ決まらないということですか。
○国務大臣(佐々木義武君) 何年前でございますか、長期計画をつくったのがございますけれども、いま次長からもお話しのように、世界の情勢が変わっておりますから、技術的にも進歩し、あるいは経済的にも非常に変わっている、あるいは燃料的にも変化を来しておる、こういう新しい状況を踏まえまして、再検討と申しますか、新しい計画を立てようとしておるのでございますが、いまのお話しでちょっと補足いたしますと、何といっても一番やはり新しい資料は、五月二十日にニューヨークで開かれました会議に各国が出ました、検討しました点が非常にいまの段階では参考になるのじゃないかと思います。私も詳細まだ承知しておりませんけれども、そういう点を中心にいろいろ今後懇談会で検討を進めながら日本の計画も立てるべきだというふうに実は考えております。
○田渕哲也君 少し問題を変えまして、昨年のこの「むつ」の放射線漏れによって具体的にどのような被害が出たかお伺いしたいと思います。
○国務大臣(佐々木義武君) 海上を汚染することもなく、また船体を汚染することもなく、従業員に被害を与えた事実も何にもございません。
○田渕哲也君 そうしますと、陸奥湾岸の地元対策費というものが出ておりますね。これは十月十四日の「原子力船「むつ」の入港及び定係港の撤去に関する合意協定書」という中で決められたわけですけれども、この地元対策費の内訳は、市内関連公共施設整備の問題、これは道路整備、体育館の建設あるいは放送施設の整備、こういう問題と同時に、漁業振興対策費というものが出ておるわけです。これと原子力船開発の関連性というものはどこにあるわけですか。
○政府委員(福永博君) 昨年九月でございますが、「むつ」が放射線漏れの問題を起こしまして、その後十月の十五日だったと記憶いたしますが、入港いたしますまでのことにつきましてはもう先生御案内のとおりでございます。その際地元に、陸奥湾に入港するにつきまして、入港し、かつ二年半をめどとしてあの陸奥港に当分の間定係港として係留する、こういうことを進めるにつきまして、地元の三者と合意協定を結んだわけでございまして、その間に、この二年半の間に次の原子力船開発計画を立て直して新しく原子力船開発を進めると、こういうことを考えておったものと考えます。
○田渕哲也君 いや、その経過はよくわかっておるわけですけれども、問題は、この「むつ」の開発と、この市内関連公共施設の整備、これのために金を出すということと、漁業振興対策費を出すということにどういう関連性があるのかということをお聞きしているわけです。
○政府委員(福永博君) 私御説明が大変舌足らずであったかと思いますが、ああいう事態になりまして、「むつ」を何らかの形でこの母港に、陸奥湾に入港させると、それでその後の開発計画を決めると、こういうことで合意協定ができたわけでございます。こういった協定に基づいて「むつ」をまずあの陸奥湾に入港させ、それからあとの原子力開発計画を考えていこう、こういうことでございますから、私の申し上げたかったことは、そこに入れて次の開発計画を練っていこうということでございます。
○田渕哲也君 経過はよくわかっております。だが私か聞いておるのは、たとえば——じゃ内容に入っていきましょう。むつ市内の関連公共施設整備とこの「むつ」開発と、たとえば道路と体育館、放送施設等と直接関係があるのかないのか。
○政府委員(福永博君) 具体的にただいま先生例示なさいましたたとえば体育館の問題でございます。体育館の問題は原子力船開発事業団の職員も使いますけれども、これに地元の方々も利用していただくということで双方利用するというようなことで計画をしておったものでございます。
○田渕哲也君 間接的に若干のひっかかりはあるでしょうけれども、私はこの項目を見た場合、この道路整備、体育館、放送設備、それから漁業振興対策の中で陸奥湾漁業振興対策ということで保管施設あるいは作業施設、これ八億八百万円出ております。これは直接関係はないと思うのですね、直接的な関係は。そうでしょう。
○政府委員(福永博君) 直接的ということは、これと「むつ」の研究開発計画というものとの直接的な関係はそういう意味ではないです。
○田渕哲也君 この中で直接的な関係がありそうに思うのはホタテ稚貝減産等補償対策、これは「むつ」が放射線漏れを起こす、そういうことによってホタテ貝が順調に生育しなくて減産する。これは直接関係がありそうな項目になっておるわけです。それからもう一つは魚価安定対策及び漁業金融対策。これも風評による魚価低落に対する魚価安定対策として三億円。放射能害だといううわさが広まれば値段が落ちる、だろう、こういうことで一億円並びに三億円を出されておるわけです。 水産庁お見えになっていますか。——水産庁にお伺いしますけれども、具体的にどれだけの減産があったのか、具体的にどれだけ風評によって魚価が下落したのか、この点をお伺いしたいと思います。
○政府委員(兵藤節郎君) この原子力船「むつ」の問題に関連しまして、陸奥湾沿岸の漁民が御承知のようなかなりの反対闘争を繰り広げたと、こういうことで漁場を放棄しましてそういった運動に向かったということからしまして、特にホタテ貝に対するところの手当てが不十分になったんではなかろうかと、またいま先生がお話のように、こういった放射線問題でいわゆる風評下落というものが起こるのではなかろうか、こういうふうな心配がその当時かなり強くあったわけでございます。しかし、現実にはそれ以降の沿岸漁民の努力によりまして減産というものは一応免れた。また風評下落というようなものにつきましても、私どもの持っているところの統計数字から見ますとほぼ横ばいと、こういうようなことで推移してきたと、こういうことは言えると思います。
○田渕哲也君 そうすると、減産もなく風評による魚価の下落もなかったということですね。そうすると、この一億円と三億円は具体的にどう使われておるわけですか。
○政府委員(兵藤節郎君) この一億につきましては、これは科学技術庁が補正予算を編成する段階におきまして地元との協議を十分遂げられたわけでございます。その結果としまして、この関係している漁協の事務機械とかあるいは作業用機械とか、調査用機械とか、あるいは倉庫の建設と、こういったようないわば漁協自身の体質を強化していくと、こういうことで青森県下の沿岸地区の全漁協——五十六漁協があるわけでございますが、これらに対して補助をするということに相なったわけでございます。 また一方の風評下落に対する手当てとして三億円というものが予定されたわけでございますが、これが補正予算を編成する段階におきまして、青森県に漁業信用基金協会というものがあるわけでございますが、この信用基金協会というものは、漁業者が金融機関から金を借りる場合にこの協会によって保証してもらう、そういうことによって金融の円滑化を図っていくと、こういうような組織があるわけでございますが、ここに対しまして保証ファンドを県の方から出資という形で出す、その出資金見合いのものを国が補助するということで三億円県の方に補助し、県がこの基金協会に対して出資したというふうに使われるように予算編成が行われ、昨年の十二月二十七日に科学技術庁の方から水産庁の方へそういう趣旨で使うようにということで移しかえを受けたと、こういうことでございます。
○田渕哲也君 時間が余りなくなりましたので先を急ぎますけれども、つまりこの「むつ」の問題に関連して出された公共施設の整備の費用、それから漁業振興対策の費用、その中で少しは関係がありそうな減産補償費、それから魚価対策費、こういうものをすべて「むつ」とは直接関係がなく使われておるわけです。問題は、これから新しい母港を決める場合に私はいろいろな問題が出てくると思うのですね。現在でもなかなか母港を受け入れてもいいというところがないわけでありますけれども、仮に受け入れるにしてもこういう要求が出てこないかどうか。この点はどうですか。
○国務大臣(佐々木義武君) 私、この当時直接関係しておりませんので憶測でございますが、去年の国会で電源三法を御審議いただきまして、主として原子力発電等を立地する場合に、その地域社会にどういうメリットを与えるか、あるいは地域福祉と申しますか、地帯整備等にどういうふうな貢献をさすかといったような問題で御承知のように各電力会社から発電量に応じましてそれぞれ資金を出しまして特別会計でお金を出して地帯整備を図ったというこの事実は、皆様御審議下さいましたのでよく御承知だと思います。 これは結果論でございますけれども、恐らくこのいま御指摘ございました点もそれに類似するものじゃなかろうかと私考えるのでございますが、こういうのが原子力発電同様、原子力船等の母港設置等の場合でもありますれば大変説明もしいいと思いますけれども、しかしそうでない場合は、あるいは当時の緊迫した状況を考慮なしに説明しろと言われた場合には非常に苦しい説明もあるいらあろうかと存じます。しかし趣旨といたしましてはそういう趣旨ではなかろうかという感じがいたします。 ただ、先ほどの傷跡でございますか、御指摘がございましたように、今後定係港をつくる場合にそういう地域開発等の条件を与えつつ決めるというふうな行き方はとらぬでもらいたいと、私どももそういう気持ちはございませんので、この事例が一つの前例になってということになりますと、非常に説明に苦しい点もあろうかと存じますけれども、しかしそうじゃなしに、やはり母港というからにはそれに付帯した水道とかあるいは電気あるいは道路、場合によっては鉄道といったようにいろんな問題が必要になってくるわけでございますので、それに付帯した必要なものが住民の福祉にそのまま反映すれば、これまたそれで結構なことじゃなかろうかという実は感じもするのでございまして、この「むつ」の去年の十月に取り決めました一つ一つがどういう関連で、どういう理由だったかという点は、大変恐縮でございますけれども、私も詳しいことは存じ上げておりませんので、ごく想像的な御説明を申し上げた次第でございます。
○田渕哲也君 最後に一つだけ。私はこういうあいまいな金の使い方自体に非常に問題があると思うんです。こういうあいまいな金を出してまでしなければできない開発なのか。ということは、国民の合意が得られていないという証拠じゃないか、こういう気がするわけです。だから、そういうわけのわからない金を出して、とにかく当面を糊塗して母港をつくろうというようなことはやめるべきではないか。本当に必要なものなら国民に訴えて、またその被害がないものならそれを国民に確めさす。確信が持ててから実行に移すということでないと、何となくわけのわからないつかみ金を出して当面を糊塗しようとするようなことはやめていただきたい、これがまず第一です。 それから、この「むつ」の問題の放射線漏れのもたらした重大な影響というのはたくさんありますけれども、私はこの補償の出し方は非常に大きな後遺症を残すと思うんですね。今度新しい母港をつくっても、洋上実験で放射線漏れが全然起こらないという保証はできないでしょう。新しい技術開発ですからね。いかに万全の体制をしいても、放射線漏れというようなことがあるかもわかりません。そのときにまた入港反対をされたらどうするわけですか。そういう点を考えたら、私は前途非常に多難だと思うんですね。 それから、現実にこの母港のめどもついておりません。もしこの母港のめどがつかなければ、基本的にこの原子力船の開発の問題も再検討ということにならざるを得ないと思うんです。もう一部には外国に売り飛ばしてしまえというような意見も出ているようでありますけれども、母港のめどがつかなければ、この基本的な再検討もあり得るのかどうか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(佐々木義武君) けさほど来同種の質問がたくさんございましたが、私どもといたしましては、外国に売り飛ばすとかあるいは廃船にするとかいう考えは毛頭ございません。できるだけ早期に、しかも円満に第二定係港を決めまして、去年の青森側との話し合いのとおり実現をするのがわれわれの責務だと存じますので、鋭意努力中でございます。
○田渕哲也君 終わります。
○委員長(前川旦君) それでは、佐々木長官退席していただいて結構です。
○寺下岩蔵君 私は、環境庁並びに関係各省に対してお聞きしたいと思います。 私の質問は、いま始まった問題じゃなくてよく知っておられることだと思うのであります。私は、去年の十月十五日に決算委員会から任命されまして、前川委員長と四国に調査に参ったわけであります。 香川県と愛媛県の県境である観音寺市と伊予三島市、工場のたれ流しされた海の汚染、ヘドロの汚染、こういうことを聞いてまいったのであります。聞きますというと、書類もたくさん持ってきておりまするが、この書類を言っているととても三十分やそこらでは済まないのでございますので、略して簡単にお聞きしたいし、私の申し上げていることは、愛媛県側の工場のたれ流した問題から、その海岸が十五センチほどヘドロが埋まっておると、簡単に言っておきます。そういうような問題から、千三百五十戸の漁業がありまするが、魚もとれなくなった、あるいは貝類は全然だめになったというようなことを聞いてきたのでありまするが、この点について長く話をすると時間がございませんから話になりません。これは皆さん方が御存じだと思います。観音寺市の方には一億一千何百万の何かの金が出ているようであります、聞いてまいりましたから。その後出た第二公害と申しましょうか、そういうものを聞いてまいったのでありますので、これに対して御答弁を願いたいと存じます。
○政府委員(大場敏彦君) いま御指摘がありましたように、香川県とそれから愛媛県の境の海域に起きた事柄でございますが、この海域は元来愛媛県側におきまして、紙あるいはパルプの製造業が集中的に立地しているところでございまして、そこから出る汚水の問題でいろいろ水産被害が頻発しておった、いろいろ紛争もあったというようなところでございます。 ただいま御指摘になりました事件は、昭和四十八年の夏から秋にかけまして、香川県の地先海域でございますが、そこでトリガイを初めとして貝が多量に斃死したという事件がございまして、たまたまこの時期に愛媛県側の三島、川之江の地先海域におきまして、堆積ヘドロを処理するための埋め立て工事が行われておったと、まあこういったことから、これによる濁水が原因ではないか、こういったことが香川県の漁民の方から指摘されまして問題が起きたということでございます。これにつきましての両県の言い分は残念ながら必ずしもというより、かなり食い違っておりまして、愛媛県側の立場では、このヘドロの除去工事に当たりまして、いろいろ海洋汚染防止法に基づく濁水の拡散の防止だとか、あるいは水質の監視等の二次公害発生防止の措置をとっているので、この埋め立てが原因ではないというような見解を持っておられるようであります。また一方、香川県の方では、四十九年のたしか九月であったかと思いますが、トリガイが多量に斃死したことに対処いたしまして、観音寺あるいは豊浜に至る十二の地点で試験操業を実施して、斃死の状況を調査いたしたことがあります。しかしながら、香川県の行った底質なりあるいは水質の調査の結果では、トリガイ、アカガイが非常に高いということは出ておりましたけれども、まだ直ちにしゅんせつとの因果関係というものは明らかにされていないと、こういった状況でございまして、両者の言い分が並行したまま、実はいろいろ行政監察局の方に御苦労を願って、というのは、つまり香川県の漁業者から監察局の方に、被告の行政監察局の方に苦情申し立てがあって、監察局の方でいろいろごあっせんを、御努力を願っているわけですが、残念ながら両者が現実にはテーブルに着いていないというような実態でございます。 私どもといたしましては、やはりこの問題といたしまして、結局調査が不十分であるということは事実でございますので、これは香川県の調査もやはりまだ不十分だというふうに香川県の方も理解しておるようでございますから、調査の徹底を香川県の方にもしていただきます。それから同時に愛媛県の方におきましても、一切話に応じないということではなくて、さらに因果関係の究明のための御調査を実施するということで、愛媛県のサイドにおきましても御努力願うという形で指導してまいりたいと思っております。 それから環境庁といたしましては、当然この海域のやはり汚染状況、水質なりあるいは底質の汚染状況をもう少し細密に調査する必要があるということでございますので、両県の御調査にまつということだけではなくて、環境庁自身も瀬戸内海のいろいろの汚染調査を実施しておりますが、その一環として、特にこの海域につきましては細密な調査を実施いたしたい、そういったことに基づきまして、今後両者ができるだけ早くテーブルに乗ってこの問題が解決されるよういろいろ指導をしてまいりたいと考えている次第でございます。
○寺下岩蔵君 ただいまの答弁は非常に質問ができないように、これからやりますということですから、何をしゃべればいいかわからないのでありまするが、私の考えはそうじゃなくて、何といいましょうか、現実のこの目で見てきたものであります。観音寺から海を見てくれというので、二時間以上懇談されて訴えられたわけであります。これから調査しますと言いますけれども、もっと早く調査したらどうかと私は思うのであります。ヘドロが十五センチもあの海の中にあった、こういうことを聞いてまいったのであります。網をかけたらヘドロが網へ着いて、その網を素手でつかまえたら手の皮がむけたと、こう言って見せました。これは二人いました、そのとき。それほど悪いのにこれから調べましょうというようなことは私はどうも納得がいきません、そういうようなことをこの目で見て聞いてまいったのであります。 もう一つ私は国会議員、参議院議員として——非常に残念な言葉を使われたわけであります。「この問題で三団体が来ました」と、「われわれが一生懸命になってお願いしたのだけれども、さらにめんどう見てはくれなかった」と、「あなた方も」と、こう、委員長を前に置いて言うのは悪いですけれども、「あなた方も聞いただけで過ごすのですか」と、こう言われたのです。 私はその次に感じたことは、四国と青森県というものは端と端であります。私は青森県の代議士だから四国の方は考えてくれないのだろうと言われたと、こう考えたのであります。だから、責任持って私はお聞きしたいのであります。この責任をはっきりしないというと、やはりわれは青森県の代議士だなあ、何言ってもだめだなあとあの人方々に思われるわけであります。あなた方はあの海も見ないで、だれかに調べさせて、そうして書類をつくって、調査をしました、こういう答弁であります、そうしてこれからもやりますと、こういうことです。いつやるのですか。あの海の中にある、十五センチほどヘドロがあって手も荒れるような障害が起きておる、魚がとれない、海流は全部だめだと、こう言う。いつになったらあの浜が昔のように魚がとれるようになるか、二十七年には八千万円相当の水揚げがあったそうであります。いま現在では一億足らずだと、こう言っております。それだけ魚がいなくなった、貝がいなくなったということであります。もう一遍これに対してはっきりした答弁をしていただきたいと思います。
○政府委員(大場敏彦君) 関係水域の水質問題はいろいろ昔からその紛争が起きただけあって、瀬戸内海の中でも汚濁が進行している問題水域であるということは御指摘のとおりでございまして、そのためにいろいろ水質汚濁防止法あるいは瀬戸内海の臨時措置法に基づきまして工場排水の水質の規制の強化を図ってきているということでございます。そういう意味で水質は逐次やはり一ころに比べればかなり改善してきていると言えると思います。しかし今回の問題の発端となった事柄は、実は表面の水質の事柄だけではなくて、そこに、過去にいま先生が申されましたヘドロが堆積しておった、そのヘドロがやっぱり水温が上昇する時期にいろいろ堆積物が分解いたしまして、そうして水質を悪化させる、こういったことが出て、悪循環が繰り返される、こういったことから、愛媛県の方で四十八年七月からその堆積しているヘドロをしゅんせつしようというために工事が始められて、かなり第一期の工事は完了しているという、まだもちろん第二期として残っておりますけれども かなりの部分しゅんせつ工事は完了しているということでございます。 その問題になりました事件は、ちょうど先ほど申し上げましたように、四十八年の夏から秋にかけまして香川県の三豊漁連の操業海域でトリガイ、アカガイがたびたび死んだというようなことから、たまたまその時期に、ただいま申し上げましたように、愛媛県の方でヘドロのしゅんせつ工事をするための埋め立て工事をやっておったと、それの影響ではないかということについて両者の間で争いがあった。つまり貝類の大量斃死というものは埋め立て工事に伴う二次汚染であるというような、それがために貝が大量に死んだのだということをめぐりましての愛媛県側とそれから香川県側の意見のそごがある、現在も続いていることが実態でございます。そういったことがあって、そうして香川県の方でも調べましたけれども、決定的にその因果関係を究明するまでのデータはまだ集まっていない、それから愛媛県の方は先ほど申しましたように、いろいろな手は打っているのだという形で意見が食い違っている、こういったことでいろいろその間で問題か非常に——一県の内部でありますれば比較的まとまりやすい事柄でも、県と県とにまたがっているいわば県災の問題でございますから、そこに非常に処理しにくいという問題がございまして、そこで香川県の漁業者のサイドから四国の行監の御当局の方にいわゆる行政相談という形で相談が持ちかけられて、そうしていろいろ行監の方で御苦労を願っているのですが、残念ながら現在までのところはまだ両者は話し合いのテーブルに着いていない、こういうのが実態で、それを早く促進したいというふうに私ども先ほど申し上げた次第でございます。
○寺下岩蔵君 埋め立ての話が出ましたから埋め立ての話もいたしまするが、私どもの聞いてきたところを言いますというと、埋め立てをしてそのヘドロを取ると言ったと、そうして埋め立てする方の漁業協同組合の方は、何億か金は多くもらった。そのヘドロを取ってしまうから、おまえたちの方はこれでいいじゃないかというので一億一千何万円やった、それからできたのが第二次公害で貝類が死んだ、こういうお話であります。私はこれは本当だろうと思っております。埋め立てというものは大した平米じゃないのであります。埋め立てをするのに何で埋め立てしたかというとサンドポンプでやったんだろうと、スクリュウを回すわけであります。ヘドロを全部きれいにさらってそのヘドロで埋め立てができると思っているんでしょうか。私はそのヘドロでは埋め立てにならないと思うんです。そのヘドロは水になって流れて、逆にまた公害を起こすようなヘドロになったんだろうと思うんです。ただ、十五センチのヘドロだといえばヘドロの答弁をするようであります。水の中に魚が死ぬガスなり、何物かがあったということは考えられなかったんでしょうか。私はそういう点を承りたいのであります。 たとえば私には経験があるんです。青森県の八戸市で新井田川という川があります。魚がどんどん死んで上がったわけでありますが、この際に工場もあります。魚の加工場が百三十五もございます。その加工場からあの魚の料理した赤い水あるいは肝、いろいろなものをどんどんたれ流したわけであります。それが五年ほどたったら沈下して、やはりガスが上がって魚が死んだ。私はそのときは県会議員でございましたから、多分これは工場だろうと思って調べ始めたらそうじゃなかった。沈下した土から強いガスが出て魚が死ぬわけであります。貝もそのとき死んだんだろうと思います。それはどうやら十五年かかって去年やっとその川へ——ヘドロをとって、川ですからヘドロはとれたわけですか、とって——サケが上がってきたと、そういう経験があるわけであります。だからいまのこの問題は、十五センチあったら十五年たってやっと魚が上がるくらいでありますので、そのヘドロが——何年かかったら魚がそこへ出てくるのか、もとどおりに魚が来るのかということなんです。そこまでどの省が研究するんでしょうか。あなたの方で指団するんでしょうか。運輸省の方でやらすんでしょうか、水産庁の力でそれを研究するんでしょうか。だれがこれをやるんですか。お答え願いたいと思います。
○政府委員(大場敏彦君) 結局こう、単に問題は、工場排水の規制の強化は必要でございますが、それだけでは十分ではないと。過去に蓄積されているパルプの恐らく繊維等そういったものだろうと思うわけでありますが、そういったヘドロの蓄積というものがあって、それがやはり水質を悪化させる要因になっているということから、ヘドロのしゅんせつを目的とした埋め立て工事が始まり、そしてまあ第一期が完了していると、こういったことでございますが、ただその場合にあくまで警戒し用心しなきゃならないのは、それがいま先生が御指摘になりましたように二次汚染、二次公害というものを惹起して、そのためにいろいろ水産被害が起きないようにする必要がある、そのためのいろんな工法なりあるいは水質の監視なりというものを常時しておく必要があるということでございまして、これは環境庁もいろいろ指導なりあるいは埋め立て前の、運輸省におきましても埋め立てる場合の条件とかそういった形で埋め立て側の方にいろいろ留意をさしているということでございます。工事の具体的な指揮はこれは環境庁ではございません。港湾のことでございますから運輸当局の系統でこれを具体的に御指導なさっているものと理解しております。
○寺下岩蔵君 運輸省来ておりますか。——それでは運輸省の方から一言聞きます。埋め立て工事は運輸省で許可したわけですね。
○説明員(鮫島泰佑君) 御承知のとおり埋め立て法上の港が二つに分かれておりまして、甲号港湾というのと乙号港湾というのがございます。この三島、川野江港につきましては乙号港湾ということでございまして、港湾管理者が免許をするわけでございますが、その際に運輸大臣の認可をさせておりません。つまり県が免許をした、運輸大臣の認可は要しておりません。そういう関係でございます。
○寺下岩蔵君 そうしますというと 埋め立て工事に対しては運輸省は関係してないから、県が勝手にやったということですか。
○説明員(鮫島泰佑君) 法律的に申しますとそのとおりでございますけれども、この埋め立ての前後にいろいろな事情がありましたことは、私どもにも伝えられておりまして、そういう意味で、特にいまお話が出ております二次公害の防止等につきましては、行政的に県を指導してまいっております。
○寺下岩蔵君 そうすると今度は聞く方が困っちまうんですね。私は愛媛県の知事に言って聞くわけにいきませんがね。こういう場合はどこへ聞けばいいんですか。私は国に聞くのが一番いいと思うんですが、環境庁にまた戻るのですかこれは、公害問題ですから。そういうふうな答弁でなく、もう少し責任のある運輸省らしい答弁をしてもらいたいんですよ。
○説明員(鮫島泰佑君) ただいま申しましたように、行政指導をしているわけでございますけれども、実際にどういう条件でこの工事をやっているかという報告は求めて、それは運輸省で把握をしております。
○寺下岩蔵君 そういうことになりますれば、先ほど出たような話によって埋め立ての関係上第二次公害が出たと、被害が出たと、こう言われた場合、それを調査する権限があるんですかないんですか、あなたのところでは。
○説明員(鮫島泰佑君) 権限というお話になりますと、ちょっとお答えの仕方がわかりませんけれども、実際問題としての行政指導としてはそういうことができると思います。
○寺下岩蔵君 私の申し上げたいのは、第二次公害であるか第一次公害であるかわかりませんけれども、あの海に対して、たとえばキロ数にして何キロぐらいヘドロが埋まっているか、どの程度に埋まっていりゃいいのか悪いのか、そういうものを調査する必要があると考えるんですが、これは運輸省ではやらないものでしょうか。そういうふうなことを考えながら、埋め立て工事も許可しなきゃならないわけでありますが。
○説明員(鮫島泰佑君) ちょっと御質問の趣旨と外れているのかもしれませんけれども、まずこの埋め立てに関連いたしまして、この港の港湾計画がございます。これにつきましては重要港湾でございますので、運輸大臣が審査をすることになっております。この埋め立て計画は港湾計画の一部でございますけれども、その目的といたしまして、過去において堆積をしておりました製紙かすというものを埋め立て地の中に入れるというのが一つの大きな目的になっているわけでございますけれども、その計画のもとといたしまして、どの程度に現在そういう製紙かすが海域に広がっているかという調査に基づきまして、そのかすをこれだけの広さの埋め立て地の中に入れるというようなことになっているわけでございます。
○寺下岩蔵君 私はあなたを責める気はありません。埋め立てただけの公害だけをいじっているように聞こえるんです。私は埋め立てたところはいいけれども、埋めないところの海があって汚染されているところをというのは、今度はこっちの方に返ってくるんでしょうか。環境庁の方に来るんでしょうか。こういうものの調査とか、こういうものは何年くらいまだそういう海に魚はすむのか。いつごろになったら魚が昔のようにとれるようになるかという調査はどこでやるんですか、これは。やはり水産庁ですか、それとも環境庁の方ですか。私は環境庁に責任があると思っているんです。たとえば山の問題でもどことは言いませんけれども、道路を県が通したら反対があった。緑を壊すというので中止をかけた。中止をかけなければならない責任があるのは環境庁ではなかろうかと思っているんです。あの方々があれほど私に目の色を変えて生命をとられるような、生活がとられるような訴え方をしたものですから——これは長くしゃべらなくてもいいんですよ、調査をしますと、悪いときはこれを何とかして食べられるようにしてやりましょうという答弁で結構だと思うん です。どうです、ひとつ。
○委員長(前川旦君) 簡明に結論だけおっしゃっ てください。
○政府委員(大場敏彦君) まあ環境庁の権限であ るかどうか、これは別にいたしまして、いま先生がおっしゃったように、底質の除去というものは早くすべきである、しかも二次公害を起こさないような形で早くすべきであって、やはり魚がちゃんとした形で生殖、増殖できるような水質にいち早く戻すということはこれは当然行政の目標であ ろうと思っております。
○寺下岩蔵君 私は沿岸漁業に対して非常に興味持っているんです。いま世界は二百キロとか百二十キロ以外に日本はいけないとかいうような会議が始まっております。いま青森県あたりでは魚を養殖すべく魚礁をことしから特にやろうという、海岸にずっと三方を囲まれてる青森県ですから、それをやろうという場合に、ああいうところでヘドロがあって魚礁やって魚がくるかこないかという問題が起きてくるわけであります。そういうふうな考え方に立ったときに、何かの方法でよく調査して、そうして住んでおるところの、ここに見過ごされておりますこの方々に対して安心を与えるようなひとつ仕事をしていただきたい、こう思うのですが、ひとつ一言だけ。
○政府委員(大場敏彦君) 全く仰せのとおりで、そのように処理したいと思います。
○寺下岩蔵君 まだあるんですけれども、時間がありませんから。
○委員長(前川旦君) 他に御発言もないようですから、内閣と総理府のうち、総理府本府、科学技術庁及び環境庁の決算につきましては、この程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十二分散会 —————・—————