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75回国会参議院1975/05/23

決算委員会 第10号

発言数
160
登壇者
15
会派数
6
開催日
1975/05/23

会議録

前川旦日本社会党

○委員長(前川旦君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨二十二日、中村太郎君及び林道君が委員を辞任され、その補欠として木内四郎君及び寺下岩蔵君が、また本日、工藤良平君が委員を辞任され、その補欠として茜ケ久保重光君がそれぞれ選任されました。     —————————————

前川旦日本社会党

○委員長(前川旦君) 次に、昭和四十七年度決算外二件を議題といたします。  本日は、総理府のうち行政管理庁、経済企画庁及び沖繩開発庁とそれに関係する沖繩振興開発金融公庫の決算について審査を行います。  この際、お諮りいたします。  議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明のうち、行政管理庁につきましては、三月十四日すでに説明を聴取いたしておりますので、これを除き、またその他につきましては、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

前川旦日本社会党

○委員長(前川旦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  それでは、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

案納勝日本社会党

○案納勝君 私は、本日は福田副総理に、いま最も国民が注目をしています、先ほどの本会議でも若干の問題が論議をされましたが、物価と景気、これらの見通しについてお尋ねをしていきたいと思います。  福田副総理はいままで再三にわたって、予算委員会あるいはその他の場で、今日の混乱期あるいは変動期における最大の課題はインフレをとめることである、それだけにこのインフレをとめるということは、経済政策の最優先の課題として、財政金融面から、その面からの強い総需要抑制政策を進める、こういうことで今日までとられてきました。そして政府は三月の消費者物価指数を、前年同月比を、その目標を一五%ということにして、その抑え込みに一定の成果があったと今日評価をされています。しかし、私はこの裏に物価の再上昇の動きを今日心配をするのです。副総理が昨年以来インフレ圧力の最大の原因は賃上げにあると、こういうことでその環境づくりに全力を挙げると、こういうことを予算委員会でもしばしば言われました。  私はこれはいまきょうここでは論議をしようとは思いませんが、政界、財界挙げての今次春闘における所得政策、私はそういったものが、その環境づくりという言葉の中にあるという私は理解をしています。そういう環境づくりの中で、ガイドラインを設定をされて進めてこられました総需要抑制の堅持の政策というのは、私は物価の抑制よりも、物価の安定よりも賃金抑制、こういうところに最大のてことして活用されてきたというふうに言えるんではないかと、こういうふうに実は理解をするんです。それだけにこの総需要抑制政策、最近では総需要管理政策と、こういうふうに言葉が使われていますね。私はこれはその根幹は変わらないと思いますが、それだけにこの政策は多くの国民の犠牲の上に立ってきたと思います。  その第一は、御案内のとおり中小企業等への大変金融引き締めによるしわ寄せであります。もう一つは勤労者の離職、失業、レイオフ等の雇用不安、こういう面からみる状況であります。このような中小企業へのしわ寄せあるいは雇用不安を背景にして、今次、ことしの春闘というのは福田副総理の思惑どおりに進んだというふうに私はいま見るのです。私の立場、私の言い方をすれば抑え込まれた、こういうふうに言っても言い過ぎではない。しかし、それだけに私は今後の物価、景気について政府の責任はきわめて重大だと思う。また、福田副総理そのもの、あなた自身にとっても責任は重大だと思う。  そこで、私は二、三点お聞きをしますが、春闘における今日までの結果をどういうふうに判断をされておるのか、評価を。あるいは福田副総理の立場からいうと評価をされているのか、この辺をお伺いしたい。  第二点は、また特に五月の十日山形で記者会見をされたときに、公共企業体の賃上げの調停委員長見解等をめぐってのアップ率一五%以下という、これにまとまったことについて物価を一けた台に抑えるために大いに役に立つ、こういうふうにおっしゃっていました。本当にそのように考えておられるのか。これが第二点。いまの質問ですがお答えをいただきまして、だとするならば、そこで福田副総理は今後の物価、景気の見通しについて今日どのように判断をされているのか、あわせてお伺いをさしていただきたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 私は今回の日本の経済は大変な事態だと。まあ私の診断によれば、これは全治三カ年の大やけどをしたと言ってもいいような状態だと思うのです。でありますので、これを一年で安定化させるというようなわけにはまいらぬ。そこで、大体私は三年を考えているのです。物価について言いますれば、まあ四十九年度末、これを一五%以内、これは実際は一四%になったわけですが、それから五十年度が九・九と申しておりますが、とにかく一けた台、五十一年度のなるべく早い時期までに定期預金の預金金利以下に持っていく、そういう三年がかりの勝負、そういうふうに考えておるわけなんです。それくらい事態は深刻であったという見方であります。  そこで、その物価を安定させる過程におきまして、賃金問題がこれは非常に重大な役割りといいますか立場をとるわけであります。私は国会でも、春闘の結末がどうなるか、これは日本経済が安定するかしないか、これを決める関ケ原であり、天王山であるとまで言っておったのですが、ただ私は、賃金問題につきましては、これは政府がその決定に介入するという考え方、これはとらなかったのです。ただ、賃金と物価は非常に重大な問題になってきておる。つまり、いままでの高度成長期におきましては、これは高賃金、高成長という経済のパターンです。賃金が高くなりましても生産性が上がる、つまり生産が拡大されるからであります。したがって、企業の方では賃金の上がりというものを生産性の中に吸収し得る。そこで、一昨年までの十三年間高度成長という経済情勢でありましたけれども、卸売物価はずっと横ばいを続けておった。消費者物価は五、六%の上がりにとどまったという状態だった。  ところが、これは申し上げるまでもありませんけれども、世界情勢は一二%、一三%というような高成長をもう許さない、かなり成長の速度を落とさなければならぬという環境になった場合におきましては、企業の生産性の上がりというもの、これは非常に低いんです。そういうときに賃金だけが前々からの惰性で上がりますれば、それはもろに物価に反響してくる。そこで、賃金と物価という問題、この関係が高度成長期とこれから静かな成長時代に入った今日におきましては、もう本質的に変わってきたんだ。この辺は労使双方とも御理解を願いたいというキャンペーンは、これは強力に展開をしてきたわけであります。  私は、労使双方とも、私のキャンペーンに対しましてはある程度の御理解を願ったんじゃないかと、こういうふうに思いますが、しかし、さてそういう状態の中で、現実の数字上の賃金決定という問題になりますると、これは必ずしもそうたんたんたるものじゃございませんけれども、とにかく世界情勢がさま変わりになった、日本の経済もさま変わりになる。その中で賃金、物価という問題がかなり局面が変わってきたという御認識はいただけたんじゃないか、そういうふうに考えております。  そういうことでありましたが、ともかくいま三分の二道中の賃金決定といいましょうか、春闘はその段階まで来ておるように思うんですが、まあ一〇〇%賃金決定が済むそういう段階も、私が労使双方に呼びかけておりましたなだらかな解決、こういう方向で終わるのではあるまいか、そういうふうに見通し、私はこの結果に対しましては、これは労使双方の御努力に対しまして深く敬意を表しておる、こういうことでございます。  さて、しからばこれから先の経済をどういうふうに運営すべきか、こういう問題になりますが、まず三年計画の第一年目が済んだんだと。この一年目の物価鎮静、賃金と物価の関係、そういう傾向というもの、これは今回のこの三月における消費者物価が一四%にとどまりました。また、賃金がなだらかに春闘で妥結を見ようとしておるということで、まだ努力は終わったわけじゃないんです。この五十年度の目標であるところの九・九%というか、そこが非常に大事なポイントになってくるわけです。人によりますと、福田さん、どうも物価も賃金も落ちついてきてほっとしたでしょうなんて言う人もありますが、決してほっとしないのです。私はあの物価の情勢、特に賃金の妥結の傾向という、これを見まして、これは政府の責任山よりも重いなという感じでございます。これはどうしても賃金決定の背景になった物価が、五十年度におきましては一けた台になるという政府の言明、これをもう守り抜かなければならぬという決意でございますが……。  そこで、これからの経済運営を考えてみまするときに、今日落ちついたこの物価の状態を定着する方向への努力を進めるわけでございますが、その途上に二つ問題があるんです。一つは、これはさっき本会議でも申し上げましたが、企業の中に製品あるいは取扱商品の価格あるいは料金を引き上げようという動きが非常に活発である。これに対しまして、これを抑制鎮圧の方策を講じなければならぬという問題であります。ただ、この問題につきましては、企業におきましても物価、賃金の問題はこれからがいよいよ剣か峰だというような意識が非常に強うございまして、私どもも経済団体連合会とはよく話しておりまするけれども、何せ経済団体といたしましても物価の安定、一けた台実現ということがこれからの最大の課題であるという意識でありますので、これはかなりの御協力はいただけると思いまするし、政府におきましても、それに対応いたしまして総需要管理政策、これを厳守していく。そして値段の引き上げ、料金の改定のすき間を与えない、こういう姿勢をとっていく。同時に、重要な個別物資につきましても、その需給及び価格につきましてこれが適正に動くような行政誘導をしていきたい、こういうふうに考えておるんです。  それから第二の問題は不況という問題です。物価は確かに安定の方向を打ち出されたけれども、しかし、いま案納さん御指摘のように雇用の情勢等が非常に悪い。その背景となる不況問題をどうするかという問題もまた出てきておるわけです。ただ、この不況問題につきましては、昨年特に下半期におきまして、毎月毎月生産が減る、在庫がふえる、企業は荷もたれだというような状態で、また収益もこれに伴いまして悪化してまいりましたが、ことしになりまして一月から在庫が減るという現象が出てきておるんです。不況が底に来るという際に初めてあらわれる現象は、在庫が減るという現象でありまするが、ことしの一月からそれが出てきた。その在庫が減るという現象が二、三カ月続きますと、普通の経済循環から言いますると、今度は生産がふえる、減った在庫を補充しようという生産活動が始まるわけです。これがいつ始まるかと、こう見ておったんですが、これが三月から出てきている。三月は前月比一・四という相当大幅な上昇を示すような傾向が出てきたわけであります。そういうことを見ておりますると、景気は底に来たという総合判断です。もうこれ以上悪化しない。  しからば、これからは景気が上向きに転じていくだろうか。過去の景気循環でありますれば、景気は底に来れば、また直ちに上昇に転ずるという状態でありましたが、今回は私どもはそうは見ないんです。つまり底には来たけれども、底をはうような状態が続いていくだろう。何となれば、いま企業において設備をうんと持っておるんです。それが二割以上も遊んでおるという状態でありますので、さあその抑制政策を多少緩和して金融をつけるというような動きを示しましても、設備投資、こういう現象は特殊な産業につきましてはありましょうけれども、総体としてはあらわれてこない。それから国民の消費におきましても、これはとにかく物価は静まりそうにはなったというものの高値でございまするから、高値に対する拒絶反応、これが相当強いと見ておるんです。そういうようなことから、国民の消費活動というものが活発に変化していくと、こういうような徴候も考えられない。そうすると、ほうっておきますと、どうしても横ばいで何か立ち上がりのきっかけがない。  そこで、政府におきましては、やっぱり政府のできることをしなければならぬと、こういうふうな考え方にならざるを得ないんでありまして、そこで第一次不況対策、第二次不況対策、こういうものをとってきております。第一次は中小企業対策が基本であります。第二次は財政、特に公共事業の繰り上げ執行ということが中心でございますが、そういう政策をとっておるんですが、今月、五月の経済全体の動きをずっと見てみようと思うんです。そうしてこの動きをとらえてみて、さて第一次対策、第二次対策だけで反転の勢いが出てくるものかあるいは出ないかというようなことを判断してみたい。それで、もし第一次対策、第二次対策だけで効き目がないんだというような事態でありますれば、これは第三次不況対策、これをとらなければならぬだろうと、こういうふうに考えておるんですが、いずれにしても六月中旬にそれらの対策を決定いたしたいと、こういうふうに見ておるんです。  で、展望といたしましては、物価は何が何でも五十年度末までに一けた台に乗っける、それから景気につきましては第二・四半期、つまりこの夏ごろの時点から徐々にではありまするが上昇カーブに転ずると、そういうことを目標といたしまして諸対策を講じてまいると、こういう見解でございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 いま福田副総理の考えておられる見通しについて御説明を聞き、わかりますが、いま結論的に言われております、景気は第二・四半期、夏ごろ上昇に転ずる、物価は約束どおり抑えると、こういうふうに言われている。これは私は第三次不況対策というものにかかるのではないか、要するに景気の面から。   〔委員長退席、理事小谷守君着席〕  というのは、いま福田副総理が言われました、今日までの三月の主要な民間企業の決算を見ても、あるいはいま説明をされました中で設備投資、さらには消費の状況、こういうものから考えた場合に、今日のままずるずる行った場合に、果たして景気が二・四半期段階、夏の段階で、言われるように上昇の機運、不況から脱出ができるのかと、こういう点については、私はかかっていま策定され考えられようとしている第三次不況対策にあると、こういうふうに理解をするんです。  そこで、それとあわせて、物価の方を一けたにするというきわめて強い御発言がありましたが、それだけの覚悟で取り組んでおられると思いますが、まだしっくり私の方で理解ができない。というのは、いま景気は底に来ているというふうに福田副総理は言われました。そしていま言われましたように、今後二年ないしは三年、三年間総需要抑制は続けると、こう言われた。しかし、最近見ますと、これまでの政策は大体七分どおりうまくいったと。これからはひとつ、企業が不況に対応する限度も限界も来ているようだから、金利負担の軽減等を考えなくてはならないという言葉がときどき出る。また、河本通産大臣、政府の中でも、現在の物価安定というのは砂上の楼閣だと、本当の安定というのは企業の健全経営が前提である、したがって景気刺激策をとりなさいと、こういうこと、この必要性を盛んに強調をされるんです。また、加えて最近の経済企画庁、まあ大臣の所管官庁の中でも、私の承るところによりますと、物価第一主義から景気浮揚政策へ転換をせいと、こういう声が目立ち始めているように承ります。  私は、いま大臣から言われました物価に対する取り組みの姿勢、いま説明をお聞きをいたしまして、一定の理解はできるにしても、福田副総理が今日までの政策というものを転換を行って景気浮揚対策というものに切りかえていく、こういうふうなお考えをお持ちでないのか、このように実は理解をするのです。要するに、いままでの総需要抑制、総需要管理政策というものを確かに今後とも三年続けるとは言いながらも、その中心は景気浮揚政策、これに転換をしよう、これが第三次不況対策というもの、ちらほら出ています。たとえば福田副総理が言われる公定歩合の引き下げの問題等、そういった金融面からの緩和政策、あるいは物価等の関係を考えた場合の不況対策、物価対策、こういうものを考えると、なかなか額面どおり受け取れない点がある。大臣として、第三次不況対策を進めるという、あるいは五月の動きを見て考えなくちゃならぬという、そういう面と、いままでの政策の転換というものがどのように関連をさせて考えられて、あるいは転換をしようと考えておられるのか、この辺をひとつ。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 三年じゃないんです、これから。もう一年過ぎましたものですから、これから先で言うと二年になるわけですが、これから物価を安定させる、社会を安定させる、それまでの間、これはもう総需要管理というか、国の需給の調整、これを厳重にやっていかなきゃならぬと。この考え方はこれは変えることはまあとてもできません、これは。これはもう堅持してまいる。ただその考え方の中で、何も硬直した、金融引き締めだ、財政緊縮だと、そういうことばかり考えておるわけじゃないんです。もとより経済は生き物でございまするから、その経済の動態に応じまして弾力的な手配を講じなきゃならぬと、こういうふうに考えているだけのことなんであります。確かにいまこうずっと見ておりますと、景気の側面は、先ほど本会議でも申し上げましたように、昨年の暮れ、ことしの正月ごろ見ておるところよりも回復のテンポがずれておるということがあります。  ただ、逆に今度は、物価の方はあの当時見通したよりはいい調子で動いておると、こういうことがありますが、まあしかし、総じて見て、当時見通しておった、戦後ずっと日本経済全体としては動いておると、こういうふうに見ておるわけです。しかし、ただいま申し上げましたように景気の回復がずれておる。昨年一年間、企業は大変減産過程に入って、大変な遊休設備を抱えておるというような状態までなり、また収益も悪化しておると、雇用にもそれが影響しておるという状態でありますので、この景気の立ち直りのおくれをこれを長引かせるわけにはいかぬと、こういう配慮はあるわけで、まあそういう配慮からしますと、やはり何ですね、もし何か第三回目の手段を講じなければ景気回復のきっかけがつかみ得ない、こういう状態でありますれば、政府において財政上、金融上何らかの手を打たなければならぬかなと、こういうことになるだろうと、こういうふうに思うわけです。その総合判断を今月中の動きを見まして、六月中旬にひとつ決定したいと、そういう考えでございます。  まあ、大体諸外国におきましても、下半期に景気上昇説というような見方が多うございますが、世界の中のわが国の動き、これはまあ世界の流れと逆行するということもないわけでございますので、そういう世界的な動きもある、国内的な努力もある。そこで、物価は何としても五十年度中は一けた台に持っていくと。同時に、景気は第二・四半期から徐々に回復過程に向かわせると、こういうことは可能であるというふうに私は自信を持って取り組んでおるわけです。ただ、景気か物価かと、こういう二律背反の問題に取り組んでおるわけですから、いずれを先に優先的に考えるかということになれば、もとより物価を優先して考えるという基調でまいりたいと、かように考えております。

案納勝日本社会党

○案納勝君 それじゃ具体的にひとつお尋ねをしたいと思いますが、四月の東京都の消費者物価指数は一年ぶりに前月比二・五%上昇したと報ぜられた。福田副総理及び経済企画庁の方では、私が承るところによりますと、これは季節的要因が多いのだと、こう言われておる。しかし、二・五%ということになると、前月比二・五%ということになれば狂乱物価時期に近い上昇なんであります。これをどのように見ておられるのか。いま言う単に値上げの要因は季節的なものだというふうに、これはいまの経済政策に織り込み済みと見ておられるのか、この辺はどうなのか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 三月の消費者物価は大体一五%以内におさまりそうだということを二、三カ月前から見ておったのです。ところが、その時点におきまして、四月はどうだというと、これは私どもの観測では、去年ちょうどこの月に三%上がっているのです。つまり年度がわりで学用品なんかの関係もあるし、それから授業料の切りかえというような時期にも当たりますので、もありまするし、それからまあ娯楽だとかいろいろそういうような関係がありまして去年三%上がったので、ことしは二%くらいはやむを得ないのじゃないかなとも思っておったのです。結果はまあ二・五%というふうに出ましたが、したがって、非常に私どもの考えよりは大幅なことになっておりますが、内容をしさいに点検してみますると、昨年の三月同様、やっぱり授業料の関係などが大半でありまして、それで生活物資、そういうものについての動きはかなり軽微でございます。そういうことから判断いたしまして、ことしの四月における二・五%というこの消費者物価の上昇、これは多少私どもの見通しよりは上回りはしたものの、物価鎮静のこの基調、これに対しましては少しも心配されたことはない、基調は揺るがず、こういうふうな判断をいたしておるわけでございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 いま二・五%の上昇は基調揺るがず、こういうお話でありますが、現実にすでに物価については、先月ですか今月ですか、砂糖の値上がりが行われ、あるいは生鮮食料品等ではすでに大衆魚は四三%一年の間に上がった、現実的に私たち国民の家計というのは、大臣の言われるように鎮静しつつあるというような感触は全くない、こういうように言い切ってもいいくらいなんです。さらにその中で、たばこ、酒、きょう本会議で趣旨説明ありました。郵便が十月から上がる。これは予算委員会やその他の委員会でも福田副総理は織り込み済みだと、こう言われている。しかし、いま私がここでお聞きしたいのは、やがて麦の価格、そしてきわめて例年政治的課題になります米価の引き上げというのが問題になってくる。この麦の価格の引き上げ、米価の引き上げ、これらは国民生活あるいは私たちの物価を押し上げる物価引き上げの、あるいはインフレ要因のきわめて大きな位置を示しつつあるわけであります。やがて予想されるこれらの麦や米価の引き上げというのを総体に、公共料金の引き上げと相関連をして、さらに物価を引き上げてくるという危険性はなしとしません。米価、麦の問題について、副総理はすでに織り込み済みというふうに言われるのか、あるいはこれらについてどのように対処しようとされているのか。明年度一けたに目標を達成する中で、これらについてはどのような位置づけをしようとしているのかひとつ承りたい。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 麦価はもう来月にその決定が、生産者麦価ですね、迫っておる、それから生産者米価は七月にこれを決定しなければならぬ、こういう状態です。その麦価、米価の生産者価格、それを決定するに際しまして消費者米価をどうするか、こういう問題が連動して起こってくる。それをどうするかということにつきましては、まだその方針を決めてないのです。その時点で一体物価問題というものがどういうふうに本年度集中されるか、とにかく最高の三木内閣の課題として五十年度一けた、こういうことを言っておる。その課題と、もし麦価、米価を引き上げした場合に両立し得るかと、こういうことをつぶさに検討し、そして慎重に物価対策優先という見地から処理したいと、こういうふうに思っておるのです。必要という方面から見ますれば、財政上の立場から生産者麦価、生産者米価が上がるということになれば、それに連動して消費者麦価、消費者米価のことも考えなきゃならぬ筋合いでございますが、その辺はとにかく最高の旗じるし、とにかく一けた消費者物価という、この課題がありますので、その辺とどういうふうに調整できるか、その辺を篤とにらんでひとつ結論を出したい、かように考えております。

案納勝日本社会党

○案納勝君 篤とにらんで結論を出したいというのではなくて、福田副総理、もう予測をされているわけですね。大蔵省、農林省あたりは一〇%程度の生産者米価の引き上げ、消費者米価の場合は二〇%程度の引き上げ、そういう具体的な話を実は承ることがあるわけであります。食管会計の問題と相関連をして、米価の問題というのは私はきわめて重大な政治問題だと思います。それだけに、私が先ほどお尋ねしたのは九・九%、要するに一けた台にするという経済見通し、物価見通しについては、これが織り込まれておるかどうか、私は織り込まれていないと思います。そうすると、きわめて重大な私は課題だと思う。それを副総理はどのようにひとつ、後で検討するというよりか、いま考えておられるのか、この課題を。私はもう副総理はすでにそのことを想定をして今後の、やがて開かれます、言われている五月の動きを見て第三次不況対策と、こう言われている、これらの中に考えておられるというふうに私は理解するのですが、いま全く考えてない、その時点になってというのは、余りにも私はそれはこの場での答弁にすぎないと、こういうふうに思いますが、いかがでございますか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) これは生産者米価、また麦価、消費者米価、消費者麦価、それを全然知はいま考えてないと、こう言ったらこれはうそですよ。考えておるのです。おるのだけれども、結論をいま出しておらぬと、こういうことなんです。つまり一けた台物価目標と言いますけれども、これを動かす要素というのはいろいろある。米価、麦価ばかりじゃないんです。まあ物価に対してデメリットというか、悪い影響を与える要素といたしましては、企業における値上げの動き、こういうことが非常に気がかりなんですが、これは先ほど申し上げたとおり、全力を尽くしてそういうことのないようにいたしたい。それからもう一つは御指摘の公共料金の問題です。これもたばこ、酒、それから郵便料金につきましては、すでにこれは経済見通しにおいても織り込み済みであり、さらに若干のゆとりも見ながら九・九と、こういうふうに言っておるのでありますが、そういう要素がある。悪い要素ばかりかと言うと、そうではなくて、いい要素もあるんです。  一つは、昨年はずっと続けてこれは国際商品の価格が上がったのです。それの反動というか、頭打ちといいますか、そういう状態に大勢としては来ておる。資源エネルギーに関係する資源は、これはなお強含みに動いておりまするけれども、穀物、農作物の関係、そういうものにつきましては、これは非常な反落でございます。先ほど砂糖の話がありましたが、この半年前のピーク時に契約をしたその砂糖がいま入ってくる。そこで、製糖会社は採算割れをするというようなことで、当面そのつなぎのために価格改定をしなければならぬ、こういうようなことになりますが、まあ小麦にいたしましても、あるいは飼料にいたしましても、ゴムだとか、そういうような林業、そういうようなものにいたしましても、これは多くのものがこの半年の間に半値ぐらいに、あるいは半値以下、そういうふうになってきておるわけです。そういう安くなった国際商品が、これが逐次本年度中には入着をしてくる、まあ夏以降になると思いますが。そうなればわが国の物価に非常にいい影響があると、こういうふうになるわけです。  それから公定歩合の引き下げが各国に比べまして日本はおくれておりますが、おくれただけに、これから先、これを引き下げるという余力を持つわけであります。そういうような金利水準の引き下げということになりますれば、これはまた企業の負担を軽減し、ひいては物価のコスト面に非常に裨益するところがある。それから円の価値が一体どうなるか、これは見通し非常にむずかしゅうございます。国際的な影響を受けるので。しかし、これが仮に強含みに推移するということになりますれば、それもまたわが国の物価に好影響を持つというので、米価、麦価だけがこれが物価の動向を決めるという問題じゃないのです。だから、それらの諸要素を総合してみまして、さあ消費者価格としての米価、麦価をどうするかということを考えてみなければならぬと、こういうふうにいま考えておるので、いま全然消費者米価、消費者麦価のことは念頭にないというと、そんなことじゃないのです。念頭にあるのです。あるが、結論は、それらの動きを全部総合して判断をしなければならぬだろう、こういうふうに言っておるわけであります。

案納勝日本社会党

○案納勝君 私も米価ばかりがというふうには思ってはいませんが、それじゃ私は重ねてことしの春闘の中における私鉄の賃金の決定の経過等、さらには五月十三日、これは新聞記事によりますが、閣議の中で、私鉄運賃と賃金の関係について、大蔵大臣及び運輸大臣からの話が出たやに新聞では報ぜられております。要するに、賃上げの決定に伴っての経過で、私鉄経営者が運賃引き上げの問題について、経営上の悪化を理由にきわめて強力に政府に要請をしたというラジオも聞いております。さらに、国鉄が再建計画として十五日、運賃の二倍強の値上げ試案というものを出した。これらは、私は先ほどから少しく福田副総理にお尋ねしているのは、四月の物価の上昇、季節的要因、ただそれだけにとどまらなかったと思いますが、今後出てくる酒、たばこ、郵便、さらにいま質問した米価、さきに引き上げました砂糖の値上がり、価格の引き上げに伴う他の製品への波及、あるいは先月バターやチーズなどの農作物の原料輸入の価格の引き上げに伴う製品へのはね返り、これらを総合して考える場合に、私はこれら私鉄、国鉄の運賃値上げ、こういったものも、現実的に物価全体の押し上げの中に大きく影響するこれらの問題が出てこないとは私は言い切れないと思う。  私は副総理にお尋ねをしたいのは、来年一けたに、本年度の年度末に一けたにするという政府の公約からみて、私鉄の運賃、国鉄の運賃値上げ、こういったことはやらないというふうに理解をしていいのか。これらが総合的に物価を押し上げていく要因になることは間違いないわけでありますから、いまこういった物価上昇についての幾つかの問題点が提起をされているときに、米価の問題についてはいま副総理から報告聞きました。予測をされている私鉄や国鉄は運賃の値上げを行わない、こういうふうに副総理は言い切れるかどうか、御返事をいただきたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 国鉄につきましては、政府が国会の御審議を経て決定をする問題でありますが、これは政府としては本年度において運賃値上げを行う考え方は持っておりません。これははっきり申し上げます。それから私鉄につきましては、これはいろいろ新聞等で記事を拝見をします。何か今度の賃金決定の経過中におきまして私鉄側から運賃引き上げの要請を絡めてきたというようなことも私散見をいたしておりますが、そういう事実はありません、これは。私は、私鉄の賃金決定というのは非常に大事なことだ、そこで、組合の皆さんにも精力的にお目にかかっております。また、経営者の皆さんにもお目にかかっておりますが、経営者側から運賃値上げというような動き、これは全然ありませんですから、これははっきりそう申し上げます。仮に今後あった場合にどうするかということ、これはお話のとおり非常に物価にも大きな影響がある問題でありますので、これこそは相当慎重に扱わなければならぬ問題である。物価優先、こういう角度で企業側の協力を得なければならぬ、かように考えております。

案納勝日本社会党

○案納勝君 それではもう一点お尋ねをしますが、いま副総理も言われたように、先ほどから産業界であるいは与党の中できわめて景気刺激策を求める声が大きい。そして大企業の製品といいますか、基礎資材の価格の引き上げや製品の引き上げということについてきわめて大きな動きが散見をされるのであります。たとえば経団連が二月から三月の初めにかけて調査をした調査の中においても、製品価格の上昇を期待するという会社は六四%に達しておるし、値上げ期待率が一〇%から二〇%。さらには経済企画庁でお調べになった「転換期における企業構造」という調査の中でも、コスト圧力を理由に製品の値上げという、そのことについての調査が明らかに出ている。私は、先ほどからの質疑の中で、物価抑制を第一とする副総理として、これらの製品の値上げということについては一切抑えていく、こういう基本的な立場に立って進めたいというふうに答弁をされたと承っていますが、そのように理解してよろしゅうございますか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) これは一切というわけにはいかぬと思うのです。これはもう砂糖会社の場合に見られるように、高いときに仕入れちゃった、それがいま入着しているというようなこと、そういう特殊事情のために値上げをしなければならぬという事情にあるものがあるのです。その他それは幾らかそういうような類似なものがあるかもしれませんけれども、とにかく基調といたしましては、これは来年の三月時点における物価がどうなるかということは、日本経済が本当に安定するかしないかという決め手になる問題だということを踏まえて企業の協力を得るという姿勢でございまして、企業側においてもそういう理解であると私は確信をいたしております。

案納勝日本社会党

○案納勝君 高度成長政策には回帰することができない国際的な国内的な今日の変動期に、いわゆる低成長、安定成長という筋道を進めていくとするならば、今日までの高度成長政策を支えてきた仕組み、産業の構造、この辺まで手をつけていかなければ、私は副総理が言うように、物価の安定、一けた台、あるいは金利に見合う程度まで、こういう目標というものは達成できないというように考えるのです。産業構造はかつての高度成長政策そのものであり、あるいはこれに伴う財政、行政、金融のそれぞれのシステムそのものが同じようなシステムに立って、そこでいかに踊ろうとも実はそのことは実現することは困難だと思う。この例が、先ほどから質問をしていますが、副総理が大変懸命になって物価抑制ということを進めるかたわら、与党の内部においても、財界においても、産業界においても執拗に景気回復、かつての高度成長への回帰を求める声が絶えないという、こういう中で政府主導型のある意味では公共料金の引き上げが行われる。これは大変強い決意のようでありますが、約束どおり、公約どおり明年の三月に一けた台になるということはきわめて困難だというふうに判断しているところであります。与党内部でも、一五%ということでことしの三月消費者物価を抑えて鎮静したというのは砂上の楼閣、こういう声が出るような今日であります。私はもっと産業構造そのものに手をつけていく、システムそのものを変えていくという財政金融あるいは行政のそういうところまでこれを突っ込んでひとつ進めなくちゃならないと思います。強くその辺を要望しておきたいと思います。  時間がありませんので途中割愛をいたしますが、最後に一つだけお聞きをしておきたいと思う。国会の予算審議が終わって間もない四月の十五日に、大平大蔵大臣は記者会見で、歳入欠陥を明らかにしました。これは税収入不足が景気の落ち込みによるもので、四十九年度は八千億、五十年度は推定をすると一兆円を超えるのではないか、こういう推定が成り立つきわめて厳しい今日の財政の中で、今後の歳入欠陥についての具体的な対策について閣僚の協力を要請をしたという発表がなされた。福田副総理は大蔵大臣じゃありませんから、これらについてとかく心配をされるといいますか、責任上の問題は出ないと思いますが、経済の締めくくりを行う責任者として、さらには今日の経済を進める、運営をしていく立場に立ってその責任は免れないと思います。予算案が決定して半月もたたないうちに歳入欠陥が出てくる。しかも五十年度予算には一兆円に上るような状態が出てくる、こういうことは私はまさに政治的な責任ではないだろうか。三木さんも大平さんも予算委員会では繰り返し質問に答えて、お任せください、間違いありませんと答弁している。しかもきのうの新聞によりますと、大蔵省の高木次官は、三田の慶応における講演会の中で、こういう歳入欠陥が出ている今日の事情から、福祉予算、福祉政策、さらには公務員賃金、地方公共団体等のサービス等について圧縮をしなくてはならない、こういうふうに述べられている記事を見ました。  私は、この歳入欠陥について、福田副総理はどのようにお考えになっておるのか。財政面、産業面、雇用面から経済政策の転換をせざるを得ない、こういう面がこの中に強く出てきているのではないのか。先ほどからの質疑のやりとりとの関連もあるんですが、私はこれらについてお聞かせをいただきたいと思うと同時に、財政硬直化ということが盛んに言われる、当然増の経費が増高をしているところでありますから、経費削減が簡単に行われると思いません。福祉問題というのは三木内閣の社会的公平を確保する政策の中心課題だと、そういった経費を圧縮するなんという考え、及びも寄らないことだと思います。また、公務員の賃金の圧縮などということを政府みずからがやることは、従来からの公務員賃金の決定の経過から見て私は簡単にできるものではないと思う。必然的に赤字公債とまで考えられることになるのか、私は歳入欠陥に見合う歳出の削減等について、福田副総理はどのようにお考えになっているのか、この辺をお聞かせをいただきたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) まあ、世界情勢も非常に変わってきた、それから国内のこれからの経済もさま変わりになっていくだろう、こういう展望の中で、国も地方団体も、また企業も家庭も、全部がひとしくいままでのあり方というものについて反省をし、改革をしなけりゃならぬ、そういう時期に際会していると、こういうふうに思うわけです。先ほど企業は体質の改善というか、構造の転換をしなけりゃならぬというお話ですが、ごもっともな話です。お話のとおりだと思います。これから知識集約産業というようなところへ力を、重点を置かなけりゃならぬとか、あるいは省資源、省エネルギーということを踏まえての構造改革でありますとか、いろいろの体質改善が必要であろうと、こういうふうに思うんです。同じことが国や地方団体についても言えるんだろうと、こういうふうに思います。ただ、一挙にということはなかなかそう簡単にはまいりません。ことに国民の生活と非常に密着した関係を持つ国や地方団体の財政、行政を一挙に裏返しするようなわけにはまいりません。徐々にそういう世の中の移り変わりに対応するということだろうと思いますが、現実の問題とすると、いまお話しのように、四十九年度において国の財政では八千億という税収欠陥を生じたわけです。これは他の方法で補うということにしましたが、五十年度になって一体どうなるか、その影響、その推移、それが相当五十年度におきましても出てくるんじゃないかという見方もありました。いま年度の始まった当初でございますので、五十年度全体を通じて歳入歳出の状態がどうなるであろうかということにつきましては、   〔理事小谷守君退席、委員長着席〕 的確なまだ判断ができません。申し上げることができますことは、歳入欠陥のおそれもあるという状態だということだろうと思います。まあしかし、それに対してどういうふうに対処するか、歳出を切るかと、こういうことになると、公共事業費、こういうものにつきましては、これを増額する必要があろうとも、これを減らすというようなわけにはなかなかいかない。また、福祉諸政策につきまして、これを減らすというようなこと、これはとうてい考えられません。そういうようなことを考えますと、まあ大方五十年度の予算は御審議願ったとおりの内容をもってこれを実行すると、忠実に実行するというほかはないと思うんです。その間、財源が一体どういうふうに動くかということは、これはまあ少し時間を置いてみないとわかりません。あるいは年末か、年度末というところになるだろうと思います。その際どういう状態に国の財政がなるか、それらを見きわめ、それに対してどういう対策を講ずるがいいかという際は、その際の問題であるというふうに考えておるわけであります。

案納勝日本社会党

○案納勝君 歳入欠陥の問題については、そういうおそれがあるということであって、その際の問題だということで、いま説明をされましたが、私はこれは副総理にお聞きすることが適切かどうかわかりませんが、少なくとも三月の予算審議の際に、この歳入については、政府は自信を持って確定をし、見通しを立てて予算案を提案をし、説明をし、参議院、衆議院、両院の承認を得たと思うんです。ところが、現実に四月十五日に、いま言われるように四十九年度で歳入欠陥が出、五十年度に、四十九年度を引き延ばせば、そのままきわめて厳しく想定ができる、そういうことが明らかな今日でありますだけに、私はこれらの全体の予算、歳入歳出を含めて、五十年度の予算をもう一回見直しをして、その上で経済政策の推進、進展というのを考えるべきではなかろうか。その場合には私は速やかに、やはり国会会期中でありますから、予算委員会等開いて十分に審議をもう一回する必要があると思いますが、副総理の見解を承りたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) まだ年度が始まったばかりでございましてね、この年度中の収支が一体どうなるかということにつきましては、なかなか予測困難なんです。四十九年度で税収の欠陥が出てきた、それを分析してみますと、一番大きなのは土地の譲渡ですね、これが見通しよりも減ったと、これが一番大きな要素になってきておるわけなんです。さてしからば、その土地の譲渡というのがどういうふうな動き、これから示すか、この五十年末をもちまして分離課税が終了するわけです。まあこの五十年末を過ぎますと、これは新税制で土地課税というものが行われる、総合課税を中心としたものでございますが、そういう際にどういう現象が起こってくるか、いろいろ変化する要素がありますので、いまちょっとこの年度末までの税収ということを見通すことは非常に困難でございますが、歳出面においては、不要不急のものがあればこれはできる限り節約していかなきゃなりませんけれども、必要なものは、これはどうしても、これはもう忠実に予算どおり実行するという姿勢をとらなけりゃならぬだろう。この財政がどういうふうな動きになっていくかということにつきましては、刻々注意を払いながらも、最終的にはもう少し先へいって決断をすべき問題だと、かように考えております。

案納勝日本社会党

○案納勝君 それじゃ最後に一点だけ。  これは去る五月の十六日に自治省の通達が、「地方財政の運営について」という通達が出されました。これをここで論議をしようと思わないんです。ただ、この中で指摘をされているのは、地方公営住宅、家賃、あるいは病院、水道、地方公営企業の値上げを実はこの中で求められている、地方公共というものが。先ほどから私は物価の問題等についての御質問をいたしましたが、国鉄、私鉄の運賃値上げの想定の問題あるいは米価の問題や、たばこや郵便等、今後出てくる問題等をあわせて考えるときに、地方財政の運営についての自治省のこの通達の中には、地方公共料金の引き上げ問題という、私はこれは全く無視することはできない問題だと思う。福田副総理はこれらについてどのようにお考えになっているのか。先ほどから言われる物価全体の趨勢その他を考えた上で、こういった地方公共団体に対する自治省の指導、これらについて、福田副総理として物価の面、経済、景気、そういった面の先行きの見通しの問題等、あわせて政府の一人としてお考えをお伺いしておきたい。これをもって最後にいたします。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) ただいま自治省からの地方への通達のことをお話になりましたが、「地方公営企業の料金については、すでにかなりの地方団体においてその適正化が図られてきているが、全般的にはなお適正化が遅れ、又は改定幅が十分でないものがあり、このことが経営悪化の重大な要因となってきているので、適時適切に料金改定を実施するよう格段の努力を傾注されたい」、こういうことになっておるわけですが、自治省ともよく相談いたしまして、物価対策と矛盾すると、物価対策に大きな影響、悪い影響がないように極力努力していきたい、かように思います。

案納勝日本社会党

○案納勝君 最後に。いまの答弁では、大臣、相談をして検討するんじゃなくて、副総理として、物価全体ににらみをきかしているあなたとして、地方公営企業のこういった、要するに赤字解消するための値上げというものを今日の時点でどう思っておられるのかということをお聞きしているんです。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 公共料金は、これは使用者、利用者負担ということを原則としておりますので、そこで公共料金といえども、これは諸物価あるいは人件費等の増高に応じて改定をしなければならぬ、こういう基本的な立場にあるわけです。しかし、物価問題が非常にデリケートな際でありますのでというので、電信電話だとか、国鉄だとか、料金改定、価格改定を抑えておる、こういう状態であります。でありますが、同じ事情が私は地方にもあると思うんです。その同じ考え方で地方でやっていただきますれば、それでよかろうと、こういうふうに思うわけでありますが、なお知事会議等も近くありますので十分相談してまいりたい、かように存じます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 じゃ、終わります。

田代富士男公明党

○田代富士男君 私は、三木内閣の経済政策を統括されます福田副総理に当面の景気及び今後の見通しについてお尋ねをしたいと思います。  最初に、春闘後の経済の運営についてでありますが、鉄鋼大手、私鉄総連、公労協の賃上げが御承知のとおりに一五%以下に押さえられまして、今春闘の結果につきまして、福田副総理としてどのような感想をお持ちであるか、午前中の本会議では、なだらかな解決であったと、こういう表現をされておりますけれども、もっとわかりやすいようにこれもお願いしたいと思います。  また一五%という低い賃上げになったことにつきまして、私は、これでは落ち込んだ個人消費を回復するということはむずかしいんじゃないかと、これは私の考えでありますが、これでは景気の立ち直りということは期待できないじゃないかと、そういうことから、いわば冷え過ぎた景気に合わせた低い春闘相場で終わりました。そういう関係上で、これはかえって景気を冷やすことになる心配があるんじゃないかと、このように思うわけなんですが、あわせてまず最初に、経済政策を統括されます福田副総理の御感想をまたあわせて聞かしていただきたい。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 春闘についての感想はと、こういうお尋ねなんですが、その第一は、何といってもこの春闘が私が言っているなだらかな解決という方向でおさまりそうである、その背景には、四十九年度の消費者物価水準が一四%上昇にとどまった、それからもう一つは、政府が、とにかく五十年度中には物価の上昇を一けたにすると言明をしておる、この物価の実際の推移ですね、これからの展望、これが背景として非常に強く響いておる、こういうふうに見ておるわけです。それだけに、私は感想はと問われますれば、さあ、この物価問題の処理が、これからいよいよ責任重大だなあと、これは一けた台と言っているが、万難を排してこれは実現しなければならぬなあと、これがとにかく感想の第一であり、大部分なんです。いよいよ物価に対しまして真剣に取り組またければならぬ、こういうふうに考えておるわけです。  いまそれに関連いたしまして、田代さんから、まあ今度の賃金決定が低きに過ぎて、景気対策という方面から見てどうだろうと、こういうようなお話でございますが、これはとにかく四十九年という年を見ますれば、マイナス成長です。これがマイナス幾つになるか、これはわからぬ、そういう状態です。  それから五十年度の私どもの展望でも四・三%上昇、こういうことを言っているのです。でありますので、恐らく四十九年度をとって見ますれば、これは生産性なんかほとんど上がっていないのじゃないか、あるいは生産性はマイナスになっているかもしれない、あるいは五十年度をとらえてみましても、生産性の上がりというのは、まあ実質成長、その程度であろうと、こういうふうに思われる。その際に、とにかくまあ低い低いとはおっしゃられますけれども、賃金が一三、四%の線で決まろうとしておる。これは私は、物価問題から見るとよかったというふうに思いますのは、これは先ほど申し上げたのですが、物価と賃金の問題は決して一年で解決されるものではないのです。これは三年は必要だというくらいに考えておるのですが、その第一年度の処置としては、まあまあよかったと。  それから、それがそれだけの上昇をしておる。消費者物価は九・九%だと言っておるのに、賃金の方は一三、四%の上昇だと、こういうのですから、これが景気に一体どういうふうに響いてくるかと、こういうふうに考えますが、さらに私どもは、いま個人消費がそう活発じゃございません。その理由をよく調べておるのですが、その理由は、これは購買力というよりは、これは高値に対する拒絶反応というものを大衆が非常に強く持っておる、その辺に問題があるように思うのです。そういうことも考えられる次第でございまして、これが景気対策上マイナスであるというふうには考えないのです。

田代富士男公明党

○田代富士男君 けさも本会議で、質問の中でいろいろお聞きいたしましたけれども、いままた、物価問題と賃金の問題との関係は非常にむずかしい面があることは承知しております。物価問題一つにしても、いま一年で解決するというわけにはいかぬと、まあ三年はかかると、そういういまのお話でございますが、今回の春闘におきましては、政府が掲げました消費者物価の抑制目標と経営者側の賃上げガイドラインに連動しました、言うなれば日本型の所得政策と言いましょうか、こういう施策がとられたように思うわけなんです。それで一五%以下に、低い賃金に押えられたと、この点で、さほど低いわけではないと言う、副総理はそのように申されますけれども、勤労者に犠牲を与えたという一面もあることを、これは認めざるを得ない低い賃上げであった。そのことから考えますならば、今後は企業者側に対しても、私は、責任の一端を持たねばならないじゃないかと思うわけなんです、これは労働者側だけでなくして。そういう、一体、意味から考えますれば、もうすでに経済企画庁で御調査されました結果が発表されているとおりに、企業の七〇%、経団連の調査では六四%の会社が製品値上げを考えていると、こういうことがもうあらわれてきているわけなんです。そうした場合に、春闘の賃上げでは勤労者にしわ寄せをしたならば、やはり私は企業にも応分の犠牲を要請すべきではなかろうかと。そういう意味から考えていかなければ、副総理が責任を持って何とか一けた台におさめようとしている、その物価の安定ということを図れないじゃないかと、私はそのように思いますけれども、けさもなだらかな解決、なだらかな傾向にあるということをしきりに聞きましたけれども、ずうぶんやわらかい表現を使っていらっしゃいますけれども、私はその見通しについてお聞かせ願いたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) ただいま申し上げましたようなむずかしい段階に臨みまして、とにかく春闘におきましては労使双方とも英知を発揮されたと、こういうふうに思います。それだけに、特に企業者側におきましては今後の物価対策ということについて深い関心を寄せなければならぬだろうと、こういうふうに思うんです。来年、もし仮に物価が鎮静いたしません、大体政府の言っているような方向に動きませんということになれば、せっかく三年かがりのこの物価の安定工作、その第一年度がうまくいったというにかかわらず、またこの問題がぶり返しというか、挫折をすると、こういうことになるわけでありまして、来年の物価という問題は、これは来年三月時点における物価がどうあるかということは、これは大変重要なことだろうと思うんです。そういうことについての認識、これは経済界に対しましても求めておるわけであります。経済界におきましても、来年のこの物価というものが非常に大事だと、これからの日本の経済がどうなるかということを決めるのはこの来年三月の物価がどうなるかということだというくらいな深い認識を持っておりますので、私はいま御指摘のように、希望といたしましては、企業方面におきましては経営が苦しい、その脱出路を製品やあるいは取り扱い商品、料金の価格引き上げに求めたいと、こういうことであろうと、これは思います。思いますけれども、実際問題としては、ごく特殊な場合を除きましては、これはそういう行動はとるまい。また、政府におきましても、そういう行動をとられちゃ困ります。そこで、総需要管理政策、これは堅持してまいる。つまり、値上げのすき間を与えないという体制であります。同時に、個別の物資につきましても、その需給や価格につきましてもきめ細かく行政誘導をしてまいりたい、こういうふうに考えておりますので、企業家側もこの責任意識、これは非常に強く打ち出されておりますので、労使双方の今後の御協力があれば、私は、物価問題も景気問題も、これはうまく解決されていくんじゃあるまいか、そういうふうに考えております。

田代富士男公明党

○田代富士男君 いま、将来の見通しとして、そのまま、副総理のおっしゃるとおりの受け取り方をするならば、物価も安定し、景気も出てくるんじゃないかというような感じがいたしますけれども、私はそう簡単にはいかないと思うんです。  そこで、副総理が経済政策を統括する責任者といたしまして、総需要管理政策をおとりになってまいりました。これにつきまして、御自分でおやりになったことでございますから評価もしにくいかと思いますけれども、三木内閣の経済政策の責任者としてどのように評価していらっしゃるのか、これをお聞きしたいと思うんです。  それと同時に、私はこの総需要管理政策は物価の鎮静には確かに役立った面は出てきていると思います。これは私ば認める点もありますけれども、その反面、物価を抑え込んでしまった、物価を。その抑え込んでしまった反動が今度出てくるんじゃないかという、この心配を私は——これは私の意見です、そういう点があるんです。  そこで、この総需要管理政策というものは果たしてわれわれ国民のためにとられた政策であるかどうかということを疑わざるを得ない面がちょっちょっとあるんです。これをおそらく副総理はそうではありませんと答弁では切り返しておいでになるかと思いますけれども、副総理の一貫してとっていらっしゃる経済政策を見てみますと、もちろん前提的には国民のためということは大義名分はあるでしょうけれども、私は福田副総理は国際収支を非常に気にしながら経済政策をとっていらっしゃる一面があります。そういう面から考えた場合に、いまこの総需要管理政策をとっていらっしゃるのは、賃金を低く抑えたり、物価を抑え込んだり、いまこうやっていらっしゃるわけなんですけれども、私はそれは、もちろん国民のためでありますけれども、一つは企業の生産コストが上昇しまして、国際競争力に果たして勝てるかどうかと、落ち込む、そういう心配のためにこの政策をとっていらっしゃるのじゃなかろうかという、こういう疑問を私は持つわけなんです。そういうことを考えた場合に、いまちょうどけさもたばことお酒の値上げの問題が質疑されました。これ以外に、米価、中小企業の私鉄、それから麦価、いろいろ値上がりがありますが、これは国際競争と関係のないそういうものが全部値上がりしようとしている。そういうことを考えた場合に、総需要管理政策というものは本当に国民のものであったかどうかということを疑問に持たざるを得ないわけなんです。そういうところで、まず一番最初に、御自分を評価と言えば何ですけれども、評価なすっていただいて、こういう疑問があるわけなんです、これに対してどのようにお考えであるのか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、あれだけの大やけどをした日本経済ですね、これをどういうふうに回復させるかと。これは先ほどから三年は必要だったんだと、こういうふうに申し上げましたが、その三年の第一年目の経過ですね、これは私は順調にいっておると、こういうふうに思うんです。経済といえばとにかく物価が何といっても一番大事でございまするけれども、これはかなり鎮静の傾向を示してきた。国民が何を一体求めているんかと、こういうことを考えてみると、これはもう何といっても物価です。もういろんな意味のアンケートをとってみまするが、物価ほど重大な関心を持っている問題はない。その重大な関心を持っている物価がとにかくもう再び狂乱というような状態はないというような状態になってきましたし、またこれからさらに先も落ち着くというようなことにつきまして、政府があれだけ皆さんに申し上げていることができるというふうなことになってきた。私はかなり国民はこの点は評価してくれておるんじゃないか、こういうふうに思います。  国際社会において一体どういうふうに日本の国のことを言っておるかというと、これは非常に高く評価をいたしておるんです。OECDの会議やIMFの会議等におきましても、日本はよくやっておると。フランスの大使がこの間、数日前訪ねて来まして、第二の奇跡について伺いたいと言うから、第二の奇跡というのは何ですかと、こう言いましたら、日本があの狂乱を片づけ、物価がこれまで落ち着いてきた、そのことです、なんというようなことで、国際社会においても高く評価されておる。この上は、そういう評価が、あれは空虚なものであったというようなことのないように全力を傾倒してまいりたい、こういうふうに思います。

田代富士男公明党

○田代富士男君 いま本当にりっぱなことだと思います。それで、私は副総理が国民のために思って努力されたことは、認める点は私も認めたいと思います。しかし、これに対してはいろいろな異論がありますけれども、端的に言うならば、これは景気を冷やし過ぎた面もあるんじゃないかということを、端的にこれは認めざるを得ないんじゃないかと思うんです。だから、冷え過ぎてしまったという点はどこにあるのかという、これはやっぱし考えていかざるを得ないと思うんですね。それで、第一次不況対策、それから四月の十六日からの公定歩合の引き下げ、第二次不況対策、また今月の二十二日の衆議院の物特において副総理が発言してらっしゃるとおり、第三次の不況対策云々ということもありますけれども、これは景気の落ち込みを意識しての政府のなし崩しの緩和策ではないかと、私は思います。そういう意味から、長期の引き締めの結果、こういう自立回復の期待のできないほど冷え切ってしまったということをこれは認めざるを得ないのじゃないかと思うんです。だから、その点はどのようにこれを今後やっていかれるのか。  また私はこういうような景気を冷やし過ぎたと思われた点はどこにあるかと言えば、大蔵省や通産省あるいは日銀等は行政官庁といたしまして経済界の実態に沿ってすぐ手を打たれるわけなんですが、経企庁の立場というものは一歩離れてそういう立場から施策というものが打たれるために、実態認識に多少ずれが生じやすい面があります。そういうところから安定成長という理念が先走りまして、いま申すとおりに、景気を冷やし過ぎてしまったんじゃないかという、こういう点も考えるわけなんですが、その点はいかがでございましょうか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 経企庁はどうも机の上でいろいろ数字いじりをしているというような感触のお話ですがね、しかし私どもはそういう机の上の勉強もしております、しかし同時にこれは実体経済もあるいは通産省を通じ、農林省を通じ、そういう実施官庁を通じまして十分把握しますし、またみずからも出動いたしましてつぶさに経済の動きというものを見ておるわけです。私はいままでの経過を考えてどうもやり損じだとか、行き過ぎがあったというような感じはしない。あれだけ混乱した物価、とにかく卸売物価が一年の間に三七%上がりますと、あの状態をこの総需要抑制政策なしにどうやって一体解決できたんだろうか。あれだけの大やけどの治療でございまするから、後に後遺症が多少残る、ひずみがあり、摩擦現象も出てくる、これは私は当然だと思うんです。そのひずみなり、あるいは摩擦現象、これを弱い者にしわ寄せがないように配意しながらなだらかに直していくということこそがこれからの課題なんで、私はいままでとった政策がどうも何か傷があったというような反省というか、そういうことはいまのところはいろいろ考えてみまするけれども、考えられない、こういうふうに思うんですが、しかしこれから経済は変わりまするから、弾力的、機動的に対処してまいるということにつきましては、私もそう考えております。

田代富士男公明党

○田代富士男君 しかし、景気が冷え過ぎておるということは、これは率直な事実でございますから、これは景気がいいというわけにはいかないと思うんですよね。副総理どうでしょうか、端的に言いまして、景気は冷え過ぎていると私は思うんですが、話を聞いておりますと、結局いい業界もありますけれども、冷え過ぎているという、これは認めざるを得ないと思うんですが、端的にどうですか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) かなり景気が停滞しているということは、これは事実です。しかし、世界じゅうが混乱、停滞です。まだ四十九年の世界の経済の実績というものは出てきておりませんけれども、大方予想されるのはかなりの停滞である。アメリカのごときは一−三月の動きが年率にしますとマイナス一一%の落ち込みであるというくらいな深刻な状態です。わが日本はそれはどうだと言いますれば、マイナスはマイナスでありますが、一%かせいぜい二%だと、こういう程度でございまして、私はあの混乱の状態から見ますれば今日平たく見ますれば停滞には違いありませんけれども、あの状態の中ではまあまあ手傷の少なかった方である、こういう判断をいたしております。

田代富士男公明党

○田代富士男君 そこで、福田副総理がことしの初頭ですが、五十年度の経済というものはつま先上がりによくなると、こういうように御発言をされておりましたけれども、最近では逐次よくなると、このように表現が変わってきまして、きょうの朝のお話では、なだらかな傾向であると、こういうふうにだんだんと変わってきているわけなんです。だから、つま先上がりによくなるというこの景気の時期という見通しがちょっと延びてきている傾向にあるんじゃないかと思うわけなんです。  そこでいまも申しましたとおり、第一次、第二次不況対策あるいは公定歩合の引き下げ等、今後の景気対策が講じられようとしておりますけれども、果たしてこれで景気浮揚効果は期待できるであろうかどうかと、恐らくこれは国民のだれしも思っていると思うんです。だから公共事業の本年度七兆八千億ぐらいのうちの六五%から七〇%上半期に集中的に契約を済ましたいというような、いろいろなことも打たれておりますけれども、これで果たして期待できるだろうかと、だから、一番国民の知りたいと願っていることは何かと、現在の景気というものはいまどんな状態にあると判断してよいかと、恐らくこれを国民だれしも知りたいと思っていると思うんです。  そういうことから考えますと、三月の鉱工業生産指数が半年ぶりに上昇したと、こういう一つの動きがあります。それから有効求人倍率も前の月に比べまして横ばいと、こういうところを見ますと、いまが底なのか、あるいはなべ底をはってる状態なのか、底を脱して上向きになった状態なのか、どういう状態であるか、また本格的に景気が回復するというのはいつごろと、まあ三木内閣の経済政策の総元締めであります福田副総理として判断していらっしゃるか、国民の代表としてちょっとお聞きしたいと思います。一番聞きたがっていることです。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 端的に申し上げますると、私は景気はいまや底に来ておると、こういうふうに判断をするわけです。ただ底に来るといままで多くの景気循環の過程では景気が直ちに上向きに転ずるという状況でございましたが、今回はその底の状態がこれは横ばい状態で続くであろうと、なべ底状態が続くであろうと、こういうふうな見解でございます。しかしこれとてもそう長くは続くまいとは思いますが、当面それば続きそうだ、しかしいま企業の状態なんかを見てみますると、昨年特に下半期なんか非常な景気停滞だったんです。そして企業収益なんかも悪化しておる、その状態から見ましてどうしても景気をなだらかな上昇過程に乗っける必要がある、それにはほうっておいたんでは時間がかかる、そこで政府において何らかの手段を講じなきゃならぬだろうと、そういうふうに考えまして第一次の不況対策、第二次の不況対策、こうとってきたんですが、さて第三次の不況対策をとる必要があるかどうかということにつきましては、五月中の経済各方面の動き、これを総合的につぶさに検討いたしまして、そしてその政府がとる対策の必要があるかどうか、またとるとすればどの程度の幅のものが必要であるかということの結論を得たいと、いずれにいたしましても第二・四半期、つまり夏ごろですね、から景気は上昇過程に転ずるということを目標としまして財政、金融その他の経済諸施策かとっていきたい、こういう考えでございます。

田代富士男公明党

○田代富士男君 余り時間がありませんから、じゃまとめてお尋ねいたしますが、いま副総理にどういう状況であるかということについて御説明いただきましたが、この点については、第三次不況対策ということに対しましては通産省あたりからもこの必要性というものを訴えられておりました。それで、二十二日ですか、副総理御自身も、いま御発言なされたとおりに、五月の動きを見まして六月ごろに手を打つということでございますが、それがどういう幅になるのか、その規模と内容というものがこちらとしては聞きたいわけなんです、規模と内容ですね。  たとえば、いま住宅金融公庫の融資枠一つにつきましても、この前個人住宅向けの第一次受け付けがありましたが、即日締め切りになったと。こういう面から考えるならば、住宅投資を活発化するというような、そういう枠の拡大とかいうものに大幅に踏み切るとか、こういう具体的な、いまお話しできる範囲内でどの程度のものであるのか、内容とか規模、具体的な問題をお聞かせ願えたならばありがたい。  それから二つ目には、これは日銀が決定されることかと思いますけれども、福田副総理にお尋ねいたしますが、公定歩合の再引き下げを行おうとするならばどのような状態のときにすべきなのか、大体いつごろを予想されるのか、この点が第二点でございます。  それから第三点は、一部に公債を発行して公共事業を促進し景気対策を行うべきであるという主張がされております。だから、一方で公定歩合を再引き下げ、そして企業の金利負担を軽減する、このような大幅な景気刺激を行うと、再びこういう心配は起きてこないかとは思いますけれども、過剰流動性を招く危険があるんではないかというこの三点を、時間もありませんから、あわせて景気対策のあり方についてお答え願いたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 六月にとるであろうという景気対策の具体的内容はどうだと、こういうお話でございますが、六月に景気対策第三次をとるかどうか、これまだ決めていないんですが、もし仮にとるというようなことになりました場合におきましてはどういう姿のものが考えられるか。いまの景気対策として一番——常の景気循環におきましては、金融緩和、それに伴って設備投資が起こってくる、こういう形で景気が回復過程に向かう、そういう状態でございますが、設備投資はどうもいまむずかしいんじゃないかと思うんです。つまり、企業が、一昨年ぐらいの時点におきまして、先々日本経済は大変な成長だというような展望からかなりの設備拡大をしておるんです。いま数字にあらわれたところでは稼働率が七六%だというんですから、二〇%以上の遊休施設を持っているという状態なんです。ですから、仮に金融を緩和いたしましても設備投資を新たに行うという事業はごく特殊なものに限られるだろうと。したがって景気浮揚の牽引力としての役割りは設備投資にはない。  それから、一般の個人消費はどうかといいますと、これもどうと高値拒絶反応ということで、購買力がありましたらそれは貯金の方向へ回っていくという傾向でありまして、個人消費が景気索引の力になってくるという傾向も見られない。そうすると、もし仮に第三次景気対策をとるということになると財政以外にはどうもないんです。ところが、財政固有の部門、つまり租税収入をもって運営するという財政プロパーの部面におきましては、これは税収がどうも落ち込みだというような懸念もありまして、なかなかこれを活発に動かすという環境でない。そうするとやっぱり財政投融資ということになるんだろうというふうに思うんです。  で私は、いま住宅の話が出ましたが、住宅なんというのはこれは今日すでに非常に国民が待望しておる問題でございますので、これなんかはこういう際にやるということはもう当然考えなければならぬだろうと思いますが、そういう問題、手段としては財政投融資、しかし金融が全然無力であるかというとそうじゃないんです。公定歩合の問題もありましょう。ありましょうが、この住宅問題にいたしましても、金融政策の運用ということでかなりのことができる。  また、ボトルネック産業という問題があるんです。大方は設備は余っておる状態でございまするが、企業によりましては需給が逼迫するおそれがある、そういう産業もあるわけでありますし、そういう面に対しまして金融措置を講ずる、こういうこともあろうかというふうに思いますが、いずれにいたしましても、五月中の経済の動きを総合的につぶさに検討いたしまして、どういう幅の対策が必要であるかどうかということを判断をしてみたい、かように考えます。  それから公定歩合につきましては、これは日本銀行が非常に慎重に扱っておる問題でありますので、私からこれについて余り具体的なことには触れにくいのでございますが、考え方といたしましては、とにかくきのうドイツが公定歩合の引き下げをやったのです、〇・五であります。そうすると、ドイツの公定歩合は四・五%ということになるんです。わが国はどうかといいますと、いま、この間引き下げをしましたけれどもそれでも八・五%、四%の開きがあるんです。私は、この状態は妥当でないというふうに考えております。ですからいずれの日にか公定歩合問題もこれは現実の日程に上ってこざるを得ない問題である、こういうふうに考えておりますが、日本銀行が内外の情勢がどういうふうになるかということをよく見て対処するであろう、こういうふうに考えております。  それから、公共事業を盛んにするために公債を発行したらどうだと、こういう説があるがどうかというお話でございますが、いま公共事業を拡大してそして景気刺激するということ、これをもし考えるとすれば、何もいま公債を発行する必要はないんです。これは、本年度の予算があるんです、しかも下半期分というものがごく一部しか手つかずで残っておるわけでございますので、その繰り上げ執行ということで十分対処できるわけであります。公債の発行ということにつきましてはきわめて慎重な態度で臨むべきものである、かように考えております。

田代富士男公明党

○田代富士男君 それで、いま副総理のお話を聞いている中で一つだけ重ねてお尋ねしたいんですが、いまさっきから私は、物価の安定のために努力していらっしゃいますが会社の七〇%ないし六〇%が製品を値上げしようと、そういう動きがありますと、いまさっき申し上げたとおりでございますが。その理由の一つに、企業が金利負担の重みのために値上げせざるを得ないというそういうことを理由にしているわけなんです。そうした場合に、いまそういう金利負担の重みのために製品を値上げせざるを得ないという、そういうときであるならば、これを公定歩合を再引き下げする時期というものは、これは五月のいろいろな経済の動きを総合してから手を打つと言われるけれども、いま春闘後に軒並みに値上げしようとしているこの時期ですから、私は、これはそういう時期というものをおくらしたら何にもならないと思うんです。そういう意味で、日銀が最終的にはお決めになりますけれども、いま日銀が決めるといいましても、三木内閣の——三木さんは総理大臣ですけれども、経済面では福田さんが副総理として全責任を持っていらっしゃるんですから、一応どのくらいの時期ぐらい、やはりここまで——いまさっきるるフランスの大使にも第三の奇跡とか何とか申されたくらいほめられた、そういうあれであるならば、このぐらいの見通しぐらい出せなくて年内に一けたにおさめるわけにいかぬと思うんですけれども、ここらあたりははっきりしなかったんです。どうですか、それ。ちょっと一番聞きたいところあたりを聞かしてください、物価安定と……。そこで、この公定歩合の引き下げを景気の刺激と同時に物価安定のてことしてこれを活用してもらいたいわけなんです。そういう意味からひとついつごろかと……。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 公定歩合を下げますれば、幾らかこれは景気対策として役立つであろうと思いますが、それにつれて一般の金利水準が下がりますので、物価対策上これは非常に私はいいことだと、こういうふうに考えるのでありますが、第二次公定歩合の引き下げにつきましては、その客観的情勢は熟しつつあると、こういうふうに私は見ておるんですが、それは日本銀行の決める問題でありますので、私がその幅だとか時期だとかを具体的に介入するという立場にありませんので、その辺は切に御理解のほどをお願い申し上げます。

田代富士男公明党

○田代富士男君 時間がもう来てしまいまして時間がありませんが、最後に一問だけ——あとずっとお聞きしたいと思いましたけれども、それはやめます——伺います。  福田副総理が一貫して言っていらっしゃることは、高度成長から国際水準並みの低成長にすべきであるということでございますが、これは客観的条件からそうせざるを得ないからなのか、あるいはそれとも今後日本経済にはそれが最も望ましいと思われたからこういうふうにせざるを得なかったのか、どちらのあれであるのか、この点が一つ。  それからこの前河本通産大臣が御発言なさっていらっしゃるのは、高い成長が続くと物価が上がるといった議論はナンセンスだと、物価の安定は大事だが、それだけを目標にした経済運営をすべきでないと、まあ低成長を批判されるような、こういう御発言をなさっていらっしゃる。そうした場合に、副総理のいわゆる静かな、控え目な成長という、いろいろな表現をなさっていらっしゃいますけれども、こういうことから考えますと、閣内の不一致という面が言われるわけなんです。そこで、低成長ということが非常に言われておりますけれども、数字にあらわすならば何%が望ましいかと、ここらあたりを、時間がありませんから、ひとつもう一度お願いいたします。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) これからの経済成長の速度をどういうふうに考えるかということにつきましては、これは世界情勢が非常に変わってきておるということ、国内の環境も変わってきておるということ、両面を踏まえてこれは本当に思い直さなけりゃならぬと、こういうふうに思うわけです。  高成長論者がおりますが、仮にいままでのこの一〇%と言えば十年間で日本の経済、この膨大な日本経済の規模が二倍半になるわけですからね。七%の成長としてもこれは十年で倍になるというんです。一体日本のこの四つの島にそんなに工業立地条件を許すという余裕があるか、これはとてもありません、それは。あるいは公害というようなことを考えましてもまた同様だろうと、こういうふうに思うんです。まして世界情勢はどうだと言えば、いまでも日本は貴重な世界資源を使い荒らしておるという批判があるんですが、これからまあ日本の経済が二倍になります。二倍半になりますといった場合に、ちょっとした計算を試みましても、鉄鉱石なんかは世界総輸出の七〇%ぐらい日本が使うだろうと、こういうふうに言われ、あるいは銅みたいなああいう非鉄金属になると、日本は世界じゅうの総輸出を全部買い占めしましてそれでもまだ足らぬだろうと、こういうふうにも言われる。それを資源有限時代という意識の世界は黙って見ておるかと、見ておらぬです、これは。  そういうことを考えますと、かなりこれからの日本の経済は成長を落とさなければいかぬと思います。しかし、その限度はどうだというと、私は国際社会の動きをこう見たらどうだろうと思うんです。ドイツだとかアメリカとか国際社会で先端を行っている国、その辺と肩を並べるという程度の成長ということを考えてしかるべきだ、考えるのが妥当であるというふうに考えますが、いままで何%成長というふうに言っておりますが、これはあんまり窮屈に規定するのもどうかと思うんです。かなり幅を持たして、まあ何%から何%という程度の幅を持たせるような考え方の方がむしろ妥当だと思いまするけれども、要は考え方としては、国際社会のこの水準の高目なところをねらってわが国の行方を決めるべきであると、かように考えております。

田代富士男公明党

○田代富士男君 河本さんのあれはどうですか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) これは河本さんの発言というのはよく新聞でこう積極的に書かれますが、これは閣内において不一致はありません。河本さんの考え方もこれは物価政策、これを踏まえていかなけりゃならぬ、それからそのためには総需要管理政策を採用すべきである、その範囲内において景気の方も注視せられたいと、こういう御発言でありまして、私の間に寸分の違いもございません。

前川旦日本社会党

○委員長(前川旦君) 田代君、終わりました。  福田経済企画庁長官、一時退席していただいて結構です。

二宮文造公明党

○二宮文造君 時間が非常に制約されておりますから、説明抜きにしまして端的にお伺いしたいと思います。  沖繩は復帰しまして三年を超えました。しかし、まだその対策のおくれというものは非常に目に映るものがあります。そういう問題についていろいろ深い問題もあるわけですが、時間の制約もありますから、数点に限って総務長官をメインにしてお伺いをしたいと思うんですが、まず、昨年の七月にいわゆる放棄請求権、返還協定で日本政府がアメリカに対する請求権を放棄したと、しかし占領中いわゆる沖繩の県民が人身ないしは財産の上で受けたもろもろの請求、これはまあ当然日本政府が肩がわりをすべきだという発想のもとに、いわゆる返還協定の放棄請求権の補償に関する要請として、第一次分として昨年の七月に、まあ内容はいろいろありますけれども、合計四万八千九百七十八件、そしてその請求金額六百四十五億八百四十五万二千三百三十三円、この要請書を関係の省庁に、これを予算措置をしてもらいたい、また問題解決を図ってもらいたいと、こういうふうに要請をされておりますが、この点について政府は、どういう取り扱いを今日までなさってき、またこれからこれをどう取り扱っていこうとなさるのか、これをお伺いしたい。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(植木光教君) ただいまお説のとおり、アメリカ合衆国軍の沖繩統治に関連いたしまして発生いたしました各種の損害に対する沖繩県民のいわゆる対米請求権につきましては、沖繩返還協定第四条におきまして、アメリカ合衆国が直接その処理に当たるものを除きすべての請求権を放棄する旨の規定をいたしております。そこで、この補償措置を求めるために昨年の七月に、会長は沖繩県知事でございますけれども、沖繩返還協定放棄請求権等補償推進協議会から第一次分として離作補償以下八項目につきまして六百四十五億円の補償要請書が提出されたところでございます。さらに第二次分の要請も近く行われることになっておりまして、私が一月に沖繩を訪問いたしました節にもこの点について政府としての取り扱いについて促進方を要請されたところでございます。そこで、政府といたしましてはこの重要性にかんがみましてできるだけ速やかに結論を得たいというふうに考えておりますが、現在防衛施設庁におきまして実情を把握するための調査を実施しているのでございます。沖繩開発庁といたしましても、この調査結果に基づきまして関係の各省庁と協議をいたしまして速やかに解決をいたしたいと考えているところでございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 そういう答弁はたびたびいただいたわけです。しかし、その作業は遅々として進んでないというのが実情じゃないでしょうか。防衛施設庁が中心にその作業を進めている——それじゃそのスタッフは一体どれぐらいでしょうか。またいわゆる第一次分のそういう作業をいつまでに終わる見通しでかかっていらっしゃるのか。これは重大な問題なんです。この点いかがでしょう。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(植木光教君) 防衛施設庁におきまして調査をいたしますようにその促進方を強く要請しているところでございます。詳細につきましては総務局長から答弁をさせます。

山田滋沖繩開発庁総務局長

○政府委員(山田滋君) ただいま長官から申し上げましたように、この問題の重要性、しかもまた御承知のように非常に膨大な額にのほる要請が出ておるのも事実でございますので、これはやはり非常に慎重に、しかも適切な処置をとらなきゃならないということは関係者等しく考えておるところでございますが、何分にもいま申し上げましたように大変膨大なる額、しかも件数においても数万件にのぼるようなものが出ておるのでありまして、しかもこれは第一次の要請ということで、さらに第二次の要請がなされるということも漏れ承っておるわけでございまして、現在政府部内におきましては内閣審議室が調整役になりましてこの基本的な考え方を取りまとめるべくおるわけでございますが、まずその第一段階といたしましては、どうしても直接これまで各種の補償措置を手がけておりますし、また基地問題等におきまして最もよく実態を承知しておるはずの防衛施設庁においてその請求内容等につきましても調査を進めようじゃないかという方針で、たしか四十八年度からでございますか、予算を組みまして調査費をとって実際に調査に当たっておられるわけでございまして、私どもといたしましてはその調査の結果を聞きまして、しかも十分吟味をした上でこの対策につきまして基本的な考え方をまとめなきゃならないということで、寄り寄り事務的にはその調査の内容等も聞いておるわけでございますけれども、直接はやはり防衛施設庁におきましてもうすでに相当の経費とそれから年月を要して調査をして進めておられますので、そちらの方にひとつ御質問をお願いしたいと存じますが、私どもといたしましても当然この問題が沖繩における重要な問題である、こういう意味におきまして相協力いたしまして最終的のまとめをすべく努力をいたしたい、かように思っておる次第でございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 長官ね、いまのような答弁で果たして沖繩の県民の方が満足できるでしょうか。要するに詰めはないわけです、全く詰めはない。いつまでにということもない。また膨大な費用を通じてと、こういうお話ですがね、いいですか、もう御承知のように四十八年の調査費が四百九十万円ですよ、四十九年度の調査費が九百五十万円、五十年度の予算が千二百五十万円、いま御認識になった膨大な件数、莫大な金額、この補償要請に取っ組む姿勢が果たしてこれだけの調査費でできるでしょうか。また私はいまも、これから施設庁も説明されると思いますが、どれだけのスタッフでこれを取っ組もうとしておるのか、また取っ組んできたのか、こういう実態からこの問題を考えますときに、莫大だ、膨大だということだけで逃げて、第一、窓口さえも決まってないじゃありませんか。どういうふうに処理するのか処理方針さえも決まってないじゃないですか。これひとつお決まりなら、長官がこういうふうにこの問題を処理したい、できればそのめどはこういうふうに置きたいと、もう復帰三年を超えたのですから、それぐらいの政府の方針というものを県民に明示しなければ、これは返還になっても県民はもう心から喜べない、こういうことだと思うんですが、どうでしょう。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(植木光教君) 先ほどもお答えいたしましたように、沖繩県知事が会長になっておりますこの補償推進協議会におきましても第一次分の請求額を決めますのに時間を要しまして昨年の七月に出してきた、第二次分は今年近く出してくる、そういうような状況でございまして、地元におきましてもいろいろこの請求額を決めますのにつきまして苦労しておられるわけでございます。それと並行いたしまして、それよりも前から政府といたしましては調査を進めている。  そこで、窓口のお話がございましたが、これは内閣官房審議室を窓口といたしまして、そこで取りまとめをいたすことにいたしております。そして、とりあえず調査を進めなければいけないということで、調査の担当省庁といたしまして防衛施設庁というものを決めたのでございまして、したがいまして防衛施設庁が現在懸命になってその調査を進めている。もしこの調査費が不十分でありますならば、これはもう当然増額をしなければなりません。いずれにいたしましても、施設庁としては現在鋭意その調査を進めている、または内閣といたしましては第二次分の請求額が提示せられるのをいま待っている、こういう状況なのでございます。

銅崎富司防衛施設庁施設部長

○政府委員(銅崎富司君) 施設庁におきまして現在実態の調査をしてきておるところでございますが、先ほど来お話のあります第一次要請分につきまして大半の概況調査が終わっております。現在それを取りまとめ中でございます。その調査結果をもとにしまして関係省庁と今後の処理方針につきまして協議を進めていきたい、それから概況調査でございますので、この調査結果をもとにしましてさらに精密な調査を進めたい、こういうふうに現在考えております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 それでは長官、いまお聞きのように概況調査が近々にできる。そして精密な調査はまたその後に残りましょうけれども、もうそろそろ政府としてはいつごろまでにこの第一次分は処理をすると、こういう方針を持たなければならぬと思うのですが、この点はどうですか。概況調査が上がってきたらどういう作業をされる予定なんですか。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(植木光教君) 先ほど私窓口と申し上げましたが、内閣官房審議室がまとめ役をやっているわけでございます。いま概況調査が近く終わると、そこで精密調査に入るわけでございますけれども、いま二宮委員も御指摘のとおり、何万件というふうに非常に多くの件数にわたるわけでございますので、したがいまして、私どもといたしましてはもう早急に解決したいという前向きの姿勢には変わりはございません。概況調査が出てまいりましたならば、その概況調査によって補償が果たしてできるかどうか、できるものから片づけていくのかどうかというような点につきましてひとつ十分に検討さしていただきたいと思うのでございます。全部が終わらなければやらないというものではございませんで、調査が終わり、確信が持てましたならば、それによって結論を急ぐという姿勢でなければならないと存じております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 私がお伺いしたいのは、その概況調査はすでに取りまとめ中でしょう。そうしますと、それが出てきてからどういう方針で臨むかというようなことではないと思うのです。もうすでに政府としてはこういうふうにまとめていこうじゃないかと、いろいろな物差しを用意されてますし、それから取りまとめ役といっても、それは調査の概況をその内閣官房審議室が取りまとめるんであって、いわゆる実施部隊、これはどこなんですか。先ほどは窓口とおっしゃった。今度はまとめ役とおっしゃった。窓口とまとめ役は違うんです。まとめ役というのはそれからまた上部機関があるわけですが、国にはそういう実質的にこの問題を解決していく機関あるいはこの協議会がもうそこへぶっつかれば大蔵省だとか各省庁へ歩く必要はない、また異論があればそこへ申し出ればいいと、そういう機関をもうすでに設定をされていなければいかぬのじゃないでしょうか。この点をお伺いしている。

山田滋沖繩開発庁総務局長

○政府委員(山田滋君) 先生の御心配ごもっともでございまして、私どもも一刻も早く解決したいという熱意においては人後に落ちないと思っております。ただ問題は、先ほど申し上げましたように、大変複雑な絡みがございます。沖繩に関するほとんどの損害の実情を八項目にまとめておりますけれども、それだけに尽きるのかどうか、まだうかがい知れない点もあるんじゃないかと思います。そういうものが恐らく第二次の方にも出てくると思いますし、十分県民の納得のいくようなものが最終的にまとまるというのはなかなか容易じゃないと、かように思っております。しかしながら、ある段階においていま長官が申し上げましたように、見切りをつけて処理を進めていくということもこれは必要であるということも十分承知いたしております。  そこで、先ほど長官から申し上げましたように、窓口等の問題でございますが、これも先生の御心配のとおり、法律上どこが所管すべきかということは分明ではございません、正直なところ。そこで、いわゆる便宜上沖繩に関連いたしますもろもろの事項についてあるいは所管外かもしれませんけれども、開発庁としても特に現地におきます総合吏務局等を通じて県民との接触を密にいたしておりますので、そういう関係で一応現地における窓口、これは開発庁が引き受けておるのでございます。しかしながら、現実に基地等に関連いたす地域でございますので、やはり防衛施設庁が実態をよく知っておるということで防衛施設庁が現在調査をいたしておるわけでございますが、そこで官房の審議室といたしましては、私どもとそれから施設庁、そういうものを集めまして内閣の立場でどうすべきかということをやはり十分関心を持って、いわば何といいますか、調整役を買っていただいておる、こういうわけでございまして、私どもとしては実質的には防衛施設庁が中心になって調査をして、そうしてその結果具体的にどこがどう進めるのか、それはその調査の結果を待って当然決めなければならないし、進んでいかなければならない、こう思っておるわけでございまして、当然その場合には大蔵省その他関係省庁との協議ということも十分必要になってまいります。そこであるいはその段階においては審議室等が中心になって関係各省集めた具体的な実施機関、実施組織、そういうものをつくっていくという段階が来るんじゃないかと、こう思っておりますが、大変お話のようにピッチがおくれているわけでございますけれども、実際問題の所在、さっき長官が申し上げましたように、現地でまとめるのもようやく去年まとまって出てきたという段階でございます、去年の七月ごろ。そこで施設庁としましてもそれ以前から実態的な調査をしておられたようでございますけれども、具体的なその申請に基づいて出てきたものを調査を現在進めておるわけでございまして、そういう段階でございまして、私どもとしては実証的なそういう結論を早く出して、そうして具体的に進めてまいりたい、こう思っております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 るる説明いただきましたけれども、前進的な、前進する説明はちっともないわけです。いままで膨大である、莫大であるということだけに終始しているわけですね。私はそれじゃならぬと思うんです。それで現地でさえもこれだけの長年月を経たのだからという言い方をしますが、よろしいか、何にもないところでやっていくわけですから、長年月かかるのはあたりまえです。しかし、今度はその要請書というものを基盤にして、それをもとにして調査をしていくわけですから、第一次分については、しかも一生懸命取っ組んでいらっしゃると言いますが、じゃ長官お伺いしたい。  この補償の分、第一次補償分については国務大臣の所管は一体だれが担当するか、そういうことを閣議で持ち出して決定されるお気持ちはありますか。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(植木光教君) 先ほど来お答えいたしておりますように、取りまとめ役はいま内閣官房審議室が行っておりまして、とりあえず調査の担当を防衛庁がやった、こういう形でございますが、概況調査が終わりました段階では当然実施官庁というものはどこであるかということを決めなければならないと存じます。その点につきましては大蔵省を初めといたしまして、各省との協議が必要でございます。私といたしましては調査の概況の結果を見まして実施官庁をどこにするかということについて各省庁と協議をさしていただきたいと存じます。それによりまして実施官庁を定めてまいるということにさしていただきたいと存じます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 施設庁にお伺いしますが、概況調査はいつごろ取りまとめるめどでいま作業を進めておりますか。

銅崎富司防衛施設庁施設部長

○政府委員(銅崎富司君) 概況調査の中で一部離作補償につきまして再調査をいたしておりますので、それも余り時間はかからないと思いますが、それが上がり次第逐次いまはもう整理しておりますので……。

二宮文造公明党

○二宮文造君 いつごろ。

銅崎富司防衛施設庁施設部長

○政府委員(銅崎富司君) これからおおむね一月を予定いたしております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 今後一月……。

銅崎富司防衛施設庁施設部長

○政府委員(銅崎富司君) はい。

二宮文造公明党

○二宮文造君 長官いまお聞きのとおり、いわゆる基本になる概況調査は一カ月で上がる。それが出てから実施官庁をどうするかって決めれば、それだけでも協議がおくれるわけです。もう現地は一日も早く解決してもらいたい、この現地の痛いほどの気持ちをわれわれ読み取らなければならぬと思うのです、政府も。したがって、もう一カ月で概況調査が出るとすればそれまでに実施官庁もやっぱり受け入れ、いわゆる入れ物ですね、これを作業する必要があると思いますが、概況調査が取りまとまるまでにそういう作業を進めて実施官庁を決めていくお気持ちは長官、ありますかどうか。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(植木光教君) 早急に各省庁間で協議をいたします。

二宮文造公明党

○二宮文造君 それに関連をするわけですが、私いろいろ、たとえば返還された基地の態様ですね、恐らくこれはもう私がお伺いするまでもなく、常識として、いまわれわれ、また国民の間で、県民の間で考えられていることは、基地は返ったけれどもどこが自分の土地でありという、そういう区分もはっきりしない。ましてや復元もされていないので跡地の利用も全くできていない。しかも、ここに重大な問題があるのは、本土復帰前に返還された基地についてはいまや地料ももらっていないですね、返還以前ですから。返還後は、されているけれども、これも本土の基地にならって、いわゆる返還された地料も一定の期限を区切って整理をすべきであるというような考え方も出ているようですが、この本土復帰以前に返還され、しかもまだ所有者のもとに返っていない、こういうものに対しての補償というものは必要だという考え方で作業を進めていかれるのか、これは返還以前だから切って考えるのだということをお考えなのか、この点、まず本土復帰以前の返還基地の地料の問題についてどういう基本姿勢で取り組んでいられるのか、お伺いしたい。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(植木光教君) 復帰前に返還されました施設区域の面積は十六・七五平方キロメートルでございます。そこで、その地代の問題でございますけれども、開発庁で実施しております地籍に関します調査は、国土調査法に基づく地籍調査によりまして明確にすべきものでございます。しかし、不可能でありますために、開発庁に調査費を計上いたしまして、これにかわる所要の調査を実施しておるのでございまして、その対象地域の大部分は、いまお話しの復帰前に返還された施設でございます。そのうち所有区分が不明なことによりまして使用収益できないものがございまして、この損失につきましてはいまお話の対米請求権とも関係をしてくるわけでございます。そこで私どもといたしましては、そういう調査をいたしますとともに、五十年度以降は土地所有者の合意に基づきまして境界設定を急ぎまして、その境界設定作業を実施することによりましてこれらの問題に対処してまいると、こういう姿勢なのでございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 いえ、地代の問題ですね、これは復帰後に返還された分については、現在もまだ所有者に返ってない分は地代は払われているわけです。復帰以前の分は打ち切られているわけです。ですから、これをやっぱり復帰後に返還された分と同じような考え方で処理すべきだというお考えかどうかと、この点をお伺いしているわけです。

山田滋沖繩開発庁総務局長

○政府委員(山田滋君) 御承知のように、復帰前のものにつきましては、返還以前におきましては琉球政府を通じまして地代が払われておったわけでございますが、その後は打ち切られておることは御承知のとおりでございます。これにつきましては、やはり現在、先ほど御質問のありました対米請求権の一環として地元からも要請が出ておりまして、いわゆる管理費補償、地代にかわるべき管理費の補償というかっこうで出てまいっておりますので、私どもとしてもそういうものの一環として今後検討を要すると、かように存じております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 長官、この返還基地の問題についてこういう考え方が必要ではないかと思うのですが 御意見をお伺いしたい。といいますのは、米軍基地であった、そしてそれが琉球政府に返還された、あるいは本土政府に返還をされた、まあこういう形がありますが、所有者から言いますと、米軍から琉球政府または本土政府に返還されたのは、所有権者にとっては返還ではない。これは原状に回復して前と同じように自分たちが利用できるようになって返ってきたときに初めて自分たちへ返還されたと、こう理解する。したがって、それまでは一切琉球政府ないしは本土政府の責任であり、まして本土に復帰した場合には、この琉球政府の責任も本土政府は持つべきである、こういう考え方が返還基地のこれらの補償問題を取り扱う上の基本的な考え方にならなければならないのじゃないかと、こう私は思うのですが、これはどうでしょう。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(植木光教君) 基本的考え方につきましては、私も同意見でございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 したがいまして、第一次請求の分とかその取り扱いないしはこれからの地料の問題についての取り扱いについてもその基本的な考え方で処理されることを私は期待いたします。  それからもう一つ、いまいわゆる所有区分を明確にする地籍の調査、これが非常に急がれております。で、前の山中長官のときには、四十九年度かな、私そのときの理解では、もう近々に地籍の調査が全部終わると、こういう意気込みで政府は取っ組んでいらっしゃるというふうに受け取っていたのですが、これは大分おくれております。それで問題は、その地籍の調査です。いまどういうかっこうでやっておりますか。いま管理料云々という話も出ましたが、要するに——細かい説明はやめます。国は市町村にお金を預けて市町村でおやりなさいと、こういうふうなやり方をさしておりますが、これじゃ進みません。やはり地元の意見としては、地籍調査、所有区分を明確にするのは政府の責任なんだから、防衛施設庁がその地籍を確定する実施の主体になれと、なってもらいたい、そしてこの作業を進めてもらいたいという要望なんですが、いまやっていることは、市町村に預けてしまってやらそうとしている、これは防衛施設庁が実施主体になると、こういうふうに方針を改めるお考えありませんか。そうでなければなかなか進まないという現地の判断ですが。

銅崎富司防衛施設庁施設部長

○政府委員(銅崎富司君) 土地の所有権に関する問題でございますから、やはり土地の所有者の方々が主体的になってやっていただくということが原則だと私ども考えております。それで、土地の所有者の御理解をいただくとともに、やはり関係の市町村とか県の協力もいただきましてこの地籍の問題の解決を図らないとこの問題の解決はとてもむずかしいだろうと思います。施設庁としましては、この三者が一体となってやるのだという考えで、私どもは、所要の経費は境界設定費というものを原状回復補償の一環として支給できますし、また所要の事務費も本年度予算化されておりますので、必要経費は十分私どもの方で用意をし、支出をしていきたい。それと、航空測量が終わりまして、現在の施設、提供中の施設、それからその周辺を含めまして現況測量を行っておりまして、これに基づきまして航空写真図、現況測量図をつくっております。それから戦前米軍が撮りました写真もすでに入手しておりまして、それを見ますと、道路それから土地の状況は比較的はっきりしておりますので、そういう土地の確定が可能となるような資料を取りそろえまして、これを関係者の方にお渡しいたしまして、私どもも一体となってこの確定を進めてまいりたいと、こういうふうに考えております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 その考え方で進めているから作業がなかなか進まないわけです。私は先ほど基本的に——基地はいわば米軍政府が使ったのですね。しかし、その権利義務というものは日本政府が引き継いだわけです。したがって、先ほど基本的な姿勢として、原状に回復し所有者が使用できるような状況に返すまでの責任が政府にあるんではないかと、この基本的な考え方には長官も基本的にそうですと、こうおっしゃった。ところが、あなたはいま、個々の所有権の問題ですからわれわれかタッチする問題ではないというような言い方をして、そして関係者でやってもらいたい、こうおっしゃっていますが、そこにはお互いに利害が対立をしましてできないわけです。したがって、ここで協議をしてやるんではなくて、いわゆる実施の主体に——調査をやっているあるいは航空写真を提供したあるいは米軍のそういうものを、地図を提供した、そういう施設庁が実施の主体になって、いわゆる意見を取りまとめる中心に政府が立たなければこの問題は早急には解決しない。そこには当然補償の問題ともからんでくるわけですから、財布を握っている政府がその立場で関係者の調整を図ればもっと作業が早く進む。したがって、施設庁が主体になってもらいたいという要望、これは当然私は個人に渡るまでは政府の責任なんですから、これはやっぱりこの理論に合わせてもそういうやり方をすべきではないか。何か逃げているような気がしてならないわけです。喜屋武先生も隣にいらっしゃいますが、これはもういまのような状況ではなかなか取りまとまりません。この点いかがでしょう、長官。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(植木光教君) 沖繩開発庁といたしましては、四十七年度から予算を計上いたしまして、概況調査を終わったところでございます。五十年度以降は所有者の合意に基づきまして境界設定作業を行うということは、先ほど申し上げたとおりでございますが、私権にかかわる問題でありますので、その合意を必要とするわけでございます。したがって、所有者に最も身近な県でありますとかあるいは市町村というものの指導だとか協力が絶対に必要でございます。したがいまして、国と県と市町村が一体となってやるべきであるという考え方を私どもは持っているのでございまして、したがって、設定作業に要します経費は全額国がこれを持ち、そして国が県と一体となって運営をしているというのが現在の状況でございます。考え方といたしましては、先ほど来の御論議をお聞きいたしておりまして、私どもとは考え方は違わないと、国とやはり県、市町村が一体となってやるべきものであって、その主導的な役割りはもちろん国が果たすべきである。であるがゆえに、予算も国が全額これを計上をしていると、こういう姿でございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 その理解は、説明と理解が大分違います。現実には国が主導的な役割りを果たしているのではありませんで、陰に隠れていると言った方が正しいかもわかりません。といいますのは、原状回復に要する費用を国は補償する、いいですか、それで原状回復に関するような補償業務と見られる返還補償だとか、あるいは境界を設定する補償だとか、あるいは管理の補償に関する補償契約の締結や補償金の請求あるいは受領、配分、そういう一切のものを所有者の代理人として関係市町村長に行わせると、国はそのお金を補償するだけなんです。市町村長を代理人に立ててやっているわけですから、この市町村長が非常に困っているわけです。だから割って入らなければならない、国が。これが横にいて、早く早くと言うのでしょうか、あるいはまたお金の問題ですから値引き交渉をやるんでしょうか、そういうようなことでわきにいるために進まない、それが防衛施設庁なら施設庁が、国のいわゆる機関としてそこに割って入って主導的な役割り、おっしゃるとおり主導的な役割りを施設庁が働くようなそういう体制になっていればもっと進むわけです。そうされるつもりはありませんかと私は伺っているわけです。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(植木光教君) 私が先ほど御答弁申し上げましたのは、復帰前の返還の土地を沖繩開発庁が所管をいたしておりますので、したがって復帰前の問題につきましては私が御答弁申し上げましたようなやり方をやっているというお答えをしたわけでございます。復帰後に返還されました土地及び基地内の土地につきましては、防衛施設庁がこれを行っておられるのでございまして、いまの状況といたしましては、開発庁所管の分につきましては、いま二宮委員が御指摘のような姿でやっておりますので、私は先ほどのような御答弁を申し上げたところでございます。施設庁のやり方につきましては、施設庁独自のお考え方もあろうかと思いますが、御指摘のような方向で行われるべきではないかと私は思うのでございますが、ちょっと所管外でございますので、ただいまここでお答えすることは差し控えさせていただきたいと存じます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 こういうことになりますから、私の繰り言のようなことがあるわけです。窓口をつくりなさいと。そうしますと、全部の作業がいわゆる一貫性を持った作業になるわけです。お互いの縄張り根性で困るのは県民が困るわけです。すでに三年も経過している。もうそろそろ戦争の災禍というもの、災いというものから沖繩の県民の方が立ち上がれる機会、そのつえに積極的に国がなってもいいんじゃないかと、こう思うわけですから、これは早く、先ほど私が要望しました、どこがそれを実施するのか、こういう所管をはっきり決めていただいて、一貫性、斉合性のある、そういう補償業務の作業というものをやっていただきたい、これは特に長官お願いしておきます。  それから、つぶれ地の問題です。これも同じように請求の問題にかかってきますけれども、沖繩の現況は、畑のあぜ道のような法定外の道路から、市町村道、県道、国道まで含めて、総延長四千七百余キロのうち、推定六七%の道路がつぶれ地だと、つぶれ地がそれに含まれていると、こういうふうに指摘をされておりますが、そしてそのつぶれ地の大部分は、法律上の売買だとか賃貸契約、そういうものはされないまま戦後三十年間も不当に使用され、沖繩の道路行政は個人の財産権の上に立っている、こういうふうな言葉さえも言われているわけです。全くわれわれ本土の人間とすれば理解できないような道路行政がいま沖繩でまかり通っているわけです。たとえば市町村道は総延長が三千三百十八キロのうち二千二百十二キロにつぶれ地、県道は八百六十四キロメートルのうち五百十九キロがつぶれ地と、こういうふうに言われて、さてこの市町村道、県道のいわゆる個人の土地ですね、それがつぶれて道路になっているわけです。しかも、その一体地代だとかそういうもの、それからまたこれをどういうふうにこれから処置をしていくのか、国の方針は決まりましたでしょうか。

井上幸夫沖繩開発庁振興局長

○政府委員(井上幸夫君) 計数上の問題を含んでおりますので、政府委員から御答弁いたします。  復帰時点におきまして、いわゆるつぶれ地数量として確認いたしましたものは軍道及び政府道の合計で四百四十一万平方メートルでございます。これを当時の道路比較で分けますと、軍道が三百五十七万平米、政府道が八十四万平米、こういうことに相なっております。これを現在の道路比較に直しますと、国道が二百七十八万平米、県道が百六十三万平米、こういう姿になっております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 市町村道は……。

井上幸夫沖繩開発庁振興局長

○政府委員(井上幸夫君) 市町村道につきましては、市町村道の認定が非常におくれておりまして、市町村道と、こちらの言葉で申します里道、畦畔のたぐいが一緒になっておりまして状況が把握できませんので、これは復帰以降五カ年内に実態調査を終わると、こういうことでスケジュールを組んでございます。  問題の国道及び県道につきましては、すでに復帰当時から買収を進めておりまして、五十年度の終わった時点で約一七%程度が所有権が公に移ると、こういう見込みでございます。これは数量ででございます。  それから市町村道の調査につきましては、復帰後五カ年以内にということでございまして、ただいま五十年度も調査をいたしております。五十年度を終わりました時点で実態調査が半分終わるという見込みでございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 土地代、地代はどう処理しますか。

井上幸夫沖繩開発庁振興局長

○政府委員(井上幸夫君) 地代につきましては、旧軍道につきましてはこれは賃貸借に移すということで現在借料を支払っております。旧政府道につきましては、現在のところ無償使用の状態になっておるものがかなりあると思います。

二宮文造公明党

○二宮文造君 時間がきました。長官、政府道ですね。政府道については無償と。それからいま私、これは恐らく第一次の請求の中に含まれている問題で、そのいままで未払いの分は、それにさかのぼって処理される方針で調査をされていると思いますので、深く問いませんが、現状は旧政府道、これは無償のまま放置されており、いまも手が打たれていない。こういうものについては一体どうなさる、あるいは市町村道も市町村がそれを買い上げるとしましても、ただでさえ財政規模が小さい、余裕がありません。どういうふうな手を打って政府がそれを援助するか、こういう方針は政府はお考えなんですか、どうですか。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(植木光教君) 軍道約三百五十七万平方メートル及び戦中戦後の特殊事情によって未買収となっております政府道約八十四万平方メートルでございますが、これは全額国費をもって早急に買収することといたしたいと存じます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 市町村道。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(植木光教君) 市町村道につきましては、その実態が明らかでないということはいま振興局長が申しましたが、これは全額国費をもってその実態調査を行いまして、必要に応じまして適切な措置を講じたいと存じております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 時間が来ました。ですから私はもう一つ沖繩のパインの問題がありまして、農林省の方もおいでいただきましたが、これはひとつ非常に深刻な問題を抱えておりますし、特に冷凍パインとの競合の問題。それからまた本土への出荷の問題。それからまた消費啓蒙の問題。それから外割りの問題と、もう本当に沖繩のパイン業者が非常に困っておりますが、これもひとつ時間がありませんでお伺いできませんでしたが、また日を改めてお伺いしたいし、またそれまで日が待てませんので、適切な、要望が次々に来ておりますから、適切な処置を講じていただきたい。  ただ、沖繩のやっぱり最大の問題は、戦争の惨禍の中から沖繩を一日も早く復帰させる。これが国の責任だと思いますし、その実施官庁さえもまだ、所管さえもまだはっきりしてないということで、もう他は推して知るべしだ。形は伴っておりますけれども、遅々として進まないというのが現状ではないだろうか。こういう現状の認識をよく長官認識いただきまして、この問題は早急に解決をし、問題解決の日にちが早く来るように、格段の努力をしていただくことを私は要望いたしておきます。これはもう機会あるごとに、私長官に作業の進みぐあいというものをお伺いしたい、こう思っておりますので、せっかく取り組みの姿勢をもっと積極的にやっていただきたい、こうお願いをして質問を終わります。長官お話がありましたら……。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(植木光教君) 沖繩県の問題につきましては、私は沖繩県民の心を心といたしまして努力を続けているところでございまして、今後あらゆる問題につきましてさらに精進を続けてまいりまする決意でございます。

前川旦日本社会党

○委員長(前川旦君) 植木沖繩開発庁長官、一時退席していただいて結構です。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 私は、きょうは長官並びに行政監察局長に対して、田中金脈事件との関係で、行政監察の問題をどうお考えになっておられるか、この問題をまず第一点としてお伺いしたいと思うのです。  言うまでもありませんが、田中金脈問題は、当決算委員会で集中的な審議を進められる中でも、多くの問題が問題になってまいりました。たとえば新星企業の宅建業法違反については、建設省の通告に基づいて現在検察庁がこれを受理をして捜査を進めている。あるいは大蔵省の税の見直しについても、大蔵省の報告があったとおりに、徴税事務を進めるということになり、会計検査院もこれまた会計検査院としての検査を行うということも進められている。いろんな事件が起こってきたわけですが、この一連の田中金脈事件に関連をして、行政監察の立場からこれを見なければならないのではないかという問題があるのかないのかさえ、いままで議論されてこなかったわけですね。  私はこういう観点から長官並びに局長にお伺いしたいのですが、いままで国会で論議をされた田中金脈事件のあれこれについて、行政監察という立場で監察をする必要があるというようにお考えになったようなものがあったのかなかったのか。いままでの経過で結構ですが、この点まずいかがなんでしょうか。

大田宗利行政管理庁行政監察局長

○政府委員(大田宗利君) 田中金脈問題の中で、いろいろ問題ございますけれども、行政監察としてもし取り上げるとすれば、河川管理上の問題ではないだろうか。そのほかのたとえば税金問題だとかいろいろございますけれども、行政管理庁の権限からいたしますと、行政機関あるいは特殊法人というものを対象といたしますので、まずできるとすればその範囲が権限であると、このように思っております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 言うまでもなく行政監察は、政府部内における自主的な監察ではありますけれども、国民の立場からいたしますと、行政監察が厳格に適正に行われて、政府の行政機能の円滑さ、その適正さが担保されるということについて大きな期待があると思うのですね。そういう観点からいたしますと、この田中金脈事件については、田中総理は全貌を明らかにするとおっしゃりながらまだ明らかにしていないが、三木総理自体としては、これは当然国民の前に明らかにさるべきだというお考えは述べられている。これだけの疑惑を招いた問題について、行政管理庁が行政監察という立場で、全然取り上げないということは、かえって行管庁、行政監察に対する国民の信頼を裏切ることになりはせぬか、かえって私はそのように心配するぐらいなんですね。いままで行政監察ということで多くの事件をお取り上げになって、適正な改善勧告その他も行われていますが、設置法それ自体でも、行政監察は、実地立ち入り調査、資料の提出要求、こういった機能が与えられている。こういう観点からいっても、これは国会の審議で尽くすべきは尽くしますが、政府みずからが姿勢を正す意味において、行政監察をする必要がある部面はやらねばならぬ、これは私は当然だと思うんです。いまの局長のお話ですと、河川管理に関して問題があるとすればやるべきだというお考えがあるように見受けますが、具体的に私はその問題についてお尋ねを進めさせていただきたいと思うんです。  これは言うまでもありませんが、三十九年の一月に河川法の大改正がありまして、大きな河川の管理が国の重要な任務として国の管理ということになってまいります。まさにちょうどそのころから信濃川河川敷の買収事件が室町産業によって行われてくることになるわけですね。そこで、私は、この事件について行政監察は必ずやってもらいたい、やらねばならぬと考えていますので、事実の経過を一応明らかにして御意見を伺います。  まず事実の経過ですが、室町産業が羽田空港の三分の一に及ぶ広大な河川敷の買い占めをやったのが三十九年の五月以降になります。河川法はその時期にちょうど国の所管として河川管理問題が確立をされている。この室町産業がその買い占めをやった当時の取締役が有名な「淋しき越山会の女王」とマスコミに書かれた佐藤昭さんあるいは入内島金一さん等が取締役になっておられる会社ですが、そういう買い占めが進みましたその中で問題になったのが建設省の堤防工事です。この堤防工事は、すでに御存じのように、初めはかすみ堤ということで工事をして、そしてこれを締め切って本堤にしないということが国会でも言われ、いま私の隣におります共産党の加藤議員が質問をいたしましたのが四十一年十月二十日なんです。  なぜ加藤議員がこの質問をしたのかと言いますと、室町産業が広大な土地を買い占めまして、そうしてその堤防工事が建設省によって進められる中で、あれはかすみ堤じゃなくて本堤防にするんではないか、そうして本堤防になれば当然河川敷でない土地になってしまうということで、室町産業のこの土地取得が、これがまさに大きな利益を生むものとして話題になってきます。そういう加藤議員の質問の前の年の昭和四十年に、地元の長岡市長の上村清五郎氏ですが、この長岡市長上村氏が長岡市議会でも答弁していること、あるいは新聞で書かれているように、これを本堤にするというように建設省に陳情をしたということが流れてくるんです。そこで、これが本堤になってしまえば、これはまさに、国の河川管理の立場で国が河川敷廃止をすれば、当然室町産業の土地取得が完成をする。なぜなら、室町産業の土地取得は河川法四十四条によって河川敷の廃川敷処分がなされることを条件に室町産業は土地の権利を原権利者あるいは占有者から取得するという条件つき契約ですね。だから、本堤防がつくられてしまい、廃川処分がなされれば、条件が成就して室町産業の土地に完全になる。そうしますと、坪最高五百円で買ったのが、いまの時価で言えば三百億円を超すという問題ですから、これは大変なことになる。長岡市長の上村氏がそういう陳情を建設省にしているということがあって加藤議員がただした。  そこで、行政監察局長御存じかどうか知りませんが、この上村という長岡市長は、長岡市の阪之上小学校の跡地を東京ニューハウスに安く売ってやるということもやっている。東京ニューハウスというのは田中氏の目白邸に本店を置く会社なんです。そして、この上に長岡ビルが建つ。そしてまた、この上村市長は越山会のメンバーでもあると言われている。この人が建設省へそういう請願をしたという情報をつかんだもんですから加藤議員が国会で質問をしました。当時の橋本建設大臣は、これは本堤にしませんと、かすみ堤のまま置いておきますと、こういう答弁を国会でされたのが四十一年十月二十日なんです。これはもう大臣の答弁です。その日に田中角榮氏が記者会見をして、実はあの室町産業というのはこの河川敷を利用するためにつくった会社であると記者会見で発表され、まさに問題はやっぱり明らかになってくるわけです。ところが、御存じのように、その後、四十三年になりますと、建設省はこれをかすみ堤にしないで、締め切り決定をして本堤防についにしてしまった。  ここで、私は、建設省の河川管理がこれでいいのか、大変大きな問題が出てくる。一つは、なぜ、あのかすみ堤をかすみ堤のままじゃなくて、国会における答弁にまで違反をして堤防締め切りをやって、本堤防をやったのか。それをやることは室町産業に巨額の利益を与えることに建設省のこの工事と決定が手をかすことになる。その手をかすことがなぜやられたかと言えば、合理的な防災工事その他の理由があれば別ですが、そういう事情がない中でやられたとすれば、先ほどお話をした上村氏の本堤防にしてほしいという陳情等が、これは田中氏と密接な関係のある人ですが、この陳情等が動いてそうなっていったのではないかという疑惑が当然生じてくる。そうすると、建設省の河川管理というものは何のためにあるべきか。室町産業というような田中金脈の幽霊会社に巨額の利益を結果的に与えることがみすみすわかっている事情のもとで、大臣答弁にまで反して締め切り決定をしなければならぬというような事情が一体どこにあったか。まさにこれで建設省の河川管理という重要な職務の運営は妥当なのかどうかという疑問を私たちは持つわけです。  この問題は、別に刑法の面から言えば、農民の人たちから買い取ったときに、その買い取り手段が農民に錯誤もしくは欺罔手段を弄した可能性があるという問題で法務委員会で私が追及したときに、安原刑事局長は、理論的には詐欺が成立する可能性があるとお認めになっている。捜査をしてほしいと私は言っておるのです。これはそういう犯罪が成立するかどうかという観点からの問題です。ここではそうではなくて、この締め切り決定という国会の答弁に明らかに反するようなことがやられた中で私はこういう重大な疑惑を指摘せざるを得ない。こういう問題について、果たして建設省の河川管理運営が適正かどうか、行政管理中としてもほうっておくというわけにいかないはずだと私は思いながら見ておったんですが、いままでお尋ねをする機会がなかったんです。  そこで、いま事実の経過を申し上げて、私が申し上げた事実が事実かどうかも含めて、この信濃川河川敷問題に関して行政監察をしていただく必要があると考えますが、具体的に、この信濃川河川敷について、そのような監察をおやりになる御意向があるかどうかを伺わしていただきたいのです。

松澤雄藏自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(松澤雄藏君) 一応、ただいまの御質問に対してお答えをする前に、一言だけ私から申し上げておきたいと思います。  行政管理庁は国民一般の立場から行政運営の改善を推進する役割りを持つものでございます。いやしくも国の行政が国民から不信を招くようなことがあってはなりませんので、したがっていわゆる田中金脈問題についても見過ごしているわけではございません。ただ、この問題につきましては、国税庁あるいは会計検査院が専門的な立場から実情の解明に乗り出しているところでありますので、当面はこれらの調査等の結果を待って行政管理庁としては対処をしたいという立場に立ってやっておるのでございます。したがいまして、田中金脈問題につきましても、私たちそれ自体が一応聞いておるという段階におきましては、新聞なりまたいまのお話のようなことにおいていろいろと聞いてはおりまするが、現実の問題として、これは果たしてただいまの御質問に対するお答え的な立場にならないかもしれませんけれども、率直に言って、どういうふうに結論づけて持っていったらいいのかというふうなことを疑問視するような気持ちになっておることも事実でございます。詳細の点にわたりましては、事務当局から答弁させるといたしまして、以上私は基本的な立場に立って御答弁だけは申し上げておきたいと、かように存じましたので、申し上げた次第でございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 局長から御答弁をいただく前に、いまの長官の御答弁についてちょっと確かめさせていただきたいと思うんです。  長官としては、当然行政監察という立場から田中金脈のあれこれの事件を検討する必要があるということで、いままで新聞あるいは国会論議等を見てこられたというようにいまおっしゃったように思うんですが、そういう意味ですか。

松澤雄藏自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(松澤雄藏君) まあ率直に言って全くそのとおりだと、かように申し上げた方がいいだろうと思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 そこで各省の対応なり調査の結果を待つという御意見があって、私もそれが不当だとか怠慢であるとか申し上げるのではありませんが、もうそろそろやっぱりやるべきことはやるという時期ではないだろうか。たとえば、いま私が指摘をしましたこの河川敷の問題は、いま言ったように四十一年十月に国会で取り上げられている。田中総理の記者会見もある、建設大臣の答弁もある。ところが、この問題について、今度の集中的決算委員会の審議でも、私を初め多く取り上げられたけれども、建設省は宅建業法違反については自分で調査をして、その結果は発表されました。しかし、この河川管理上の重要な疑惑と問題について、全然建設省としては積極的な対応がないんです。国会で答弁されただけなんです。その答弁も納得できるような答弁ではありません。したがって、いまおっしゃるように、いままで経過をごらんになってきた、必要があるという立場でごらんになってきたことは理解しますが、もういまの段階では、この河川管理について行政監察をなすべき時期にきているのではないかというのが、私の質問の趣旨でございますね。それについて、局長なり長官のいまの時点におけるお考えを具体的に知りたい、こういうことなんです。

大田宗利行政管理庁行政監察局長

○政府委員(大田宗利君) この田中金脈問題のちょっと前に、行政監察のやり方ということをちょっと御説明さしていただきたいと思います。  行政監察をやります場合には、まず年間計画というものを大体立てるわけでございます。これはいろいろな情報に基づきましてやるもの、あるいは大臣あるいは総理大臣、そういうところからの要請もあるし、あるいは私の方にございます行政監理委員会の要請、そういういろいろな要請を見まして、大体年間このぐらいの消化能力があるということで、実は毎年立てるわけでございます。そういうことでその計画が現実には各出先機関に流れまして、そして調査活動に入るというのがいままでのやり方でございます。したがいまして、その内容につきましては、全国的な問題あるいは全国的に波及する予防的な問題というのが中心でございます。   〔委員長退席、理事小谷守君着席〕 また、内容的には、基本方針を定めまして、来年度はどういう基本方針でいくと、それにはたとえば国民生活に密着したものをやるとか、あるいは生命あるいは財産、そういう危害防止のものを取り上げる、あるいは国民福祉の問題を取り上げる、あるいは物価問題を重点に取り上げる、まあ内容につきましてはいろいろ違いますけれども、年度でそういう方針のもとにテーマを選ぶということでやっておるわけでございます。したがいまして、問題が起きた場合に、すぐそれに対応できるというようないわゆる体制というものは非常に弱いわけでございます。場合によりましては、途中の情勢の変更によりましてあるいは一部の管区あるいは一部の地方局があいてくるということもございますけれども、現地には現地でまた現地の緊急な問題を改善するという務めがございまして、それにすぐ対応するということで、いわば年間の計画というものはがんじがらめの状態でございます。  そういうことでございまして、一応田中金脈問題につきましても、いろいろ国会の審議その他の状況というものは、一応担当の監察官というものは見ております。また日常の新聞というものも見ております。そういうことで一応検討しております。その間に専門的な独立機関である会計検査院というのが調査されております。そういうことでまだそちらの方の結論というのは出ていないというのが実情のようでございます。行政管理庁としましても、何が問題であるかということにつきましては、河川管理の中でただいま先生のおっしゃいましたかすみ堤とそれから締め切り堤との問題、どうしてそういうふうになったのかというのが一番問題ではないだろうかというふうに思っているわけでございます。ただ、これには非常に技術的な問題というものが中にありますので、ただわれわれの方の技術者のない担当の監察官室で果たして消化できるかどうかという問題も実はあるわけでございます。  またわれわれの権限といたしましては、政府部内の権限というものはございますけども、その周辺の民間ということになると、きわめてこれは弱いわけでございます。そういうことですぐ的確な判断がとれるような材料というものがとれるかどうか。しかも、非常に年月がたっているという事情もございまして、その辺が調査した結果の見通しというものに、やややはり疑問があるわけでございます。そういうことでただいま大臣が御説明になったように、一応現在会計検査院で御調査されておるという状況を踏まえまして、その結果を見まして対応しようというのが現在の状況でございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 いま局長がおっしゃったのが監察を行う上の体制と困難上の問題ということなんです。それは私は全然理解しないわけではございません。が、しかし、問題は局長も、この信濃川河川敷のかすみ堤を締め切り本堤にしたというこのことは、大臣が国会で堂々としないと答弁されたのが変わっていくわけですから、これは問題がある。国民から見ますと建設省は何とずさんなでたらめな河川管理をやるんだなということになりますね、一つは。  で、二つ目の疑惑は、室町産業の大もうけに手をかしているのではないかという疑惑に発展しますね。だからこの問題については、これは姿勢を正さねばならぬし、このようなずさんな河川管理運営をやっちゃならぬという立場から、これは行政監察ということでやらなきゃならぬということは、これはぼくは認めていただけるんじゃないかと思っておるんですよ。このまず第一点はどうですか。やり方の困難その他はこれはあなたがおっしゃいました。この問題について行政監察を行政管理庁としてやる必要があるではないかと、私はこう言っているんです。まず必要があるとお考えなのかないのか。局長は河川管理について金脈中の事件としては行政監察の対象になるというお考えを初めにおっしゃったんですね。それは一般論としておっしゃったんですが、直接この信濃川河川敷問題について、建設省の河川管理が適正かどうか。行政目的に照らして正しいかどうか。これを行政監察として取り上げる必要があるとこれは認めていただけますか。この点はっきりおっしゃっていただきたいんです。

大田宗利行政管理庁行政監察局長

○政府委員(大田宗利君) その河川管理上の問題につきましては、もちろん行政監察の対象になると思います。したがいましてわれわれが検討いたしますのも、やはり、これは時期を見て、しかもある程度の見通しが立ったら実施する必要があろうということで検討しておったわけでございます。   〔理事小谷守君退席、委員長着席〕

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 わかりました。したがって、行管庁として信濃川河川敷については行政監察の必要があると、いろんな条件を考えて、時期を見て監察を行うというお考えだということがわかりました。  さっき局長は、行管庁としての行政監察は年度計画を立てましてやるんだというお話をなさいまして、私もそれでけっこうだと思いますし、そういう体制でなければできないだろうと思うんです。しかし、その計画が年度計画として行われていましても、国民の立場から見て、あるいは行政運営上早くやらねばならぬという問題があれば、それなりの私は体制をとってやるのがこれはまた一つの筋だと。年度計画を初めに立てたから、重要な問題が入り込んできてもそれは次の年度計画を立てるまでやらないというのでは、これは行政管理庁としては問題を硬直的にそれこそ考え過ぎているのではないか、こう思うんですね。たとえば、私はこの手元に行政監察年報四十八年度版をいただいておりまして、どういうお仕事をなさっているか詳しく見ていますが、たとえばこの中で、ある町の農業委員会が農地の転用について実にずさんなことをやっているじゃないかという申し出があった。それは、農地の転用は法務省あるいは農林省から厳格に指示されているはずなのに何でこんなことが起こるのか、これに対して監察を行われて適正な改善意見を出されていますよ。ここに載っていますよ。こんなのは、年度計画の中に、全国的に調査するという計画があっての問題じゃなくて、必要だということでおやりになった事例だと私は読んでいるんですね。これを見てもわかりますように、国民からの申し出があり、あるいは問題が客観的に生じた場合に、年度計画があっても、できる限りの体制を整えて必要な行政監察を行うことはこれは当然おやりになっているし、やれるわけですよ。  そこで、私いまお話ししたいのは、この田中金脈の河川敷について行政監察の必要があり、体制、条件を考えてやるということですが、これは早くやらなければならない。なぜかといいますと、この河川敷の廃川処分をやるために建設省はいま現地の地目あるいは権利者関係の調査に取りかかっているのですよ、廃川処分をやるために。御存じですか。この事実は御存じかどうかまず聞きたいんです。御存じなければないでいいです。

大田宗利行政管理庁行政監察局長

○政府委員(大田宗利君) 存じておりません。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 御存じないのも私はこれは無理もないと思うんです。こういうようにどんどん進行していくわけです。今度河川敷の廃川処分がやられますと、これは私どもの立場で言えば室町産業の土地取得は条件が成就してしまいます。こうなると、あなたがおっしゃるいよいよ民間に行ってしまうんです。いまの場合はまだ管理は建設省が管理しています。おわかりですね。だから、あなたがおっしゃったように、民間にまで手を伸ばす権限がないということだから、廃川処分がなされてしまって室町産業という民間会社に行けばいよいよ監察困難になりますよと、いまならば建設省の所管ですから、管理中にありますから、いまやらなければ、急がなければ、あなたのおっしゃる年月がたっている、民間の問題という困難がますます倍加するということで、きょう私はこれを取り上げているんです。  こういう事情ですから、局長いかがでしょうか。専門的な技術の問題については、これはいろいろ研究なさるということも十分可能でしょう。そして、体制から言えば、いろいろ年次計画ということもあるでしょう。だが、しかし、この問題について国民の疑惑を解くと、これは三木内閣もはっきり言っていることですから、必要があることは言っていることですから。いま私が指摘をした廃川処分は、これは進みます。このままだと進んでしまいます。だから早急に体制を整備をして行政監察を行う体制をつくると、この必要があるということを申し上げたいんですが、これについては、その必要をお認めいただけるでしょうか。

大田宗利行政管理庁行政監察局長

○政府委員(大田宗利君) 河川管理上の問題で私が問題でございますと言うのは、その周辺、背景ということではなくって、その堤防が、かすみ堤というのが決まりまして締め切り堤になったかどうか、それが必要であったかどうか、たとえば、その河川の遊水という問題でそれが不要になったものか、あるいは下流という問題で不要になったのか、あるいは必要になったのか、そういう問題が中心であるというふうに申し上げたわけでございます。したがいまして、この問題は、その周辺の問題とは、われわれとしては監察の対象ということではなくって、その問題が監察の対象になるんじゃないかということを申し上げたわけでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 私は、あなたのおっしゃった趣旨を誤解しておりません。早く急がなければならない事情として、廃川処分が近づいていますよということを言ったわけです。ここまで含めて監察をやれということをいま申し上げているんじゃないです。あなたがおっしゃるかすみ堤を締め切り本堤にしたというそのことの問題が、純粋の河川管理上の運営として問題があるのではないかということ、それに私が言った疑惑がまつわりついているか、その疑惑にまで行政監察の手を伸ばしてほしいというのが私どもの見解ですけれども、それは行政監察の目的の範囲内でおやりになればいいんですよ。どういうことをどのように監察せよなんて私ここで言っているんじゃないですよ。少なくとも、この問題について監察の必要ありとおっしゃって、条件を整えてやらねばならぬとおっしゃった。そうですね。それで、余りおくれるようなことがあっては、よけいに——あなたがおっしゃる、もう時日もたっているとか、あるいは民間の問題とおっしゃったから急がねばなりませんよと申し上げたんですね。  そこで、私はもう一度局長にお尋ねをしたいんですが、問題がある、監察の必要があるとお考えになった以上は、できるだけ早く体制をつくって行政監察をなさるのがこれまた監察の私は任務だと思うんですよ。そこで、どのようにいつごろこの体制をつくるか、部内でどのように検討するか、これについてのお見通しをもう一度お伺いさしてください。

大田宗利行政管理庁行政監察局長

○政府委員(大田宗利君) 時期その他につきましてははっきりいたしませんが、大臣から御説明ございましたように、会計検査院が調査をおやりになっていますので……

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 河川敷についてですか。

大田宗利行政管理庁行政監察局長

○政府委員(大田宗利君) ええ。というふうにまあ聞いておるわけでございます。その結果を見て実施したいというふうに考えております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 会計検査院は、河川敷問題についてどういう検査をおやりになっているか、どうお聞きになっていますか、いま局長おっしゃったこと、

大田宗利行政管理庁行政監察局長

○政府委員(大田宗利君) 河川敷ということではなくって、堤防ということにつきまして実施されておるというふうに聞いておるわけですけれども、これは直接私から聞いておるわけじゃございませんから、あるいはそうでない部面かもしれませんが、そういうふうに聞いております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 だから、確かなことではございませんね。会計検査院がこの河川敷堤防締め切り問題について検査をなさっておるというように私も聞いていないんですよ。いままでの審議の中でもそれは出ていないんです。ですから、こういうように局長お約束願えますか。あなたがそうおっしゃるんですから、会計検査院にすぐにでも問い合わしてください。やっぱり行政だし、局長の答弁ですから正確を要すると私は思います。問い合わしてみていただいたら会計検査院がやっているかやっていないかがわかるし、いまの段階では不確かですから。やっているとすれば、どういう内容の検査をいつごろまでに仕上げるつもりでやっておるかがわかりますよ。だから、これは問い合わしていただいて確認をしていただく、これは手続としてお願いできますか。

大田宗利行政管理庁行政監察局長

○政府委員(大田宗利君) その点はお約束できますと思いますけれども、ただ、監察の対象といたしましては締め切りとかすみ堤の問題であるということでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 それでいいんですよ。だから、したがって、問い合わした結果——会計検査院の調査と行政監察と違いますから、目的も違いますし、内容も違いますから、その結果を見てとおっしゃるけれども、行政監察の目的がそれで達せられるわけじゃありませんし、お問い合わせの結果、会計検査院としては会計検査院の調査の予定がないとなれば、直ちに行政監察を行うという体制をお考えいただくと、もし会計検査院がやっているということが確かになったのであれば、これはいつごろ出るか、その結果を見てとりかかると、こういうようにきょうのお答えは伺っておいてよろしゅうございますか。

松澤雄藏自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(松澤雄藏君) 実は私自体が、田中総理がわが党の幹事長をやっておる時代に、私は副幹事長として三年半ほど一緒にやっておりました。ところが、このような問題的な面で一言も話は聞いておりませんでしたが、ちょいちょい部屋の端に行って他の者と話をしておるということを耳にしたり、目にしたり、実に、私自体としては当時はきわめて元気もありましたし、けしからぬことだというふうな気持ちで見ておったのでありますが、現実の問題としてこのような問題が起きたわけでございます。したがって、いまのお話のように、かすみ堤なり締め切り的な問題等を、率直に直ちにやるんだというふうなお話もございましたが、しかしながら、直ちにやるにいたしましても、ある程度までは田中氏のやってきた実情というものを把握しなければならぬではないかという気持ちがしてなりません。ですが、現実の問題として、極力早目に私自体が率直にお約束を申し上げるわけでございまするが、早目に行政監察的な面でこの問題を取り上げて、そして進めていきたいという気持ちを持っておりますので、これだけをお含み願いたいと、かように思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 局長、いま長官からあのように、できるだけ早目に、やっぱり行政監察の任務は任務としてやるという御答弁をいただいたんですが、局長も、いま長官がおっしゃったような線で、できるだけ早目にやるというお気持ちで取りかかっていただくことは間違いございませんね。局長の先ほどの答弁は、何か私すっきりしない面を感じているんですよ、いかがですか。

大田宗利行政管理庁行政監察局長

○政府委員(大田宗利君) 監察の権限は長官にございますので、局長として従うのは当然でございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 すっきりしないんですよね、局長。長官があそこまでおっしゃってるから私もやりますと、これで国民の信頼が得られる行政監察だという気持ちを持って私は質問終わりたかったんですよ、本気で局長やってくれるんですかどうですか。長官は早目にやるとおっしゃってくださってるんですよ、どうですか。長官、長官はやるとおっしゃるけれど、局長があんな態度だったら、長官がよっぽど旗振らなんだらこれはでけへんと違いますか。

松澤雄藏自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(松澤雄藏君) 事実問題といたしまして非常にむずかしいことは、私自体もよくわかるような気がいたします。いまのお二方の討論につきましても、お聞きいたしましただけでもむずかしいんだなということはわかります。しかし、現実の問題としてやらなければならぬという気持ちを私が持った限りは、どなたがどういうふうに言おうとも、現実の問題としてそれをやらせるということだけはお約束できると、かように思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 長官の断固たる御答弁を私も御信頼申し上げまして、この問題についての監察の結果をまた見さしていただくことにして、いまの長官のお話を信頼して、この点の質問はきょうは終わることにいたします。  なお、補助金行政の問題についてお尋ねをするように部内にも申し上げて、御協力もいただいたんですが、それをお尋ねするにはちょっと私の質問時間も足りませんので、きょうのところは以上で質問終わらしていただくことにして、ありがとうございました、終わります。

前川旦日本社会党

○委員長(前川旦君) 松澤行政管理庁長官、退席していただいて結構です。  速記をとめてください。   〔速記中止〕

前川旦日本社会党

○委員長(前川旦君) 速記起こしてください。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 私は、ことしの賃上げ並びに物価あるいは景気、こういう点について質問をする予定でおりましたけれども、大体同趣旨の質問が案納委員並びに田代委員からされておりますので、できるだけ重複を避けて、二、三の点についてお伺いをしたいと思います。  まず初めに、ことしの賃上げですね、これは民間の場合には、五月十三日の日経連の中間集計では一三・四%、非常に当初予想されたよりも低い率で決まりつつある、したがって、最終的にも、日経連がガイドラインとしておった一五%を下回ることはほぼ確実だと、このように見られておるわけであります。これに対する長官の評価というものも、すでに案納委員の質問で伺っておりますけれども、私は、本年度末ですね、来年の三月の消費者物価の上昇率を何とか一けたにしようという目標を政府は持っておられるわけでありますけれども、ことしのこの賃上げが一けたの物価上昇の達成のために障害にならないぐらいの率だと、このように判断していいのではないかと思いますけれども、これについての大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) まあ九・九という消費者物価の上昇は、かなりこれは高いんです。これは平常でありますればそれよりさらにずうっと下回らなきゃならぬわけでございますが、そのかなり高い目標を設定したゆえんのものは何であるかといいますと、賃金もまあかなり上げざるを得まい。つまり、過去の年度におきましてとにかく一四%の消費者物価の上昇があったと、そういうことも踏まえて、生産性の範囲内の賃金というようなことは、これは現実的でない。まあ、賃金と物価のこの悪循環、これを正常化するためには三年ぐらいは必要じゃないか、こういうふうに考えて、その第一年度のこの賃金、物価の関係ですが、まず私は妥当な結果になりつつあると、こういうふうに見ておりまして、したがって、そういうことも考えまして見ておる九・九%という目標達成には支障になると、こういうふうには考えておりませんです。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 物価を抑制するために、賃金も一つの要素だと思いますけれども、そのほかに主な要素というものはどういうものがあるとお考えですか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) まあ、一番大きなものは原材料ということじゃないかと思います。次いで人件費、それから金利、そういうところが大きな要素になるんじゃないか、そういうふうに考えます。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 私は、やはりこの物価の抑制ということが国民の最大の重要課題だというふうに考えておるわけでありますけれども、少なくとも賃金の賃上げがこの物価を抑えるための障害となしない、いわゆる賃金が高過ぎたから物価が一けた台にならなかったということは言えないという状態はつくれたと思うんです。そうすると、あと残された問題は確かにこの輸入原材料の価格、これは非常に外的な要素ですから、なかなか政府の努力によってどうこうするということは困難かと思いますけれども、ただ、その国内的な要素もそのほかにいろいろあるわけですね。たとえば民間企業の製品の値上げの問題、公共料金の問題、こういう点があろうかと思うわけです。  そこで私は、政府に要請もし、お伺いをしたいのは、今回の春闘の特徴というのは、いわゆる所得政策とまでは言えないと思いますけれども、かなり可能な限りの手段で抑圧策を政府がとられた、このように考えておるわけですけれども、この点についての長官の御見解をお伺いしたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、ことしの春闘における賃金決定がどうなるかということは、これはもう日本経済が安定するかしないか、これを決める天王山、関ケ原だと、こういうふうに申してきておるわけでございますが、しかし、そういうことを考えますときに、賃金決定がなだらかに良識を持って決められるということは本当に神様にお祈りするような気持ちでおったんですが、さらばといって、この決定に介入するという態度をとらなかったんです。まあいままでと世界情勢も変わってきた、それに伴って国内情勢もさま変わりになってくると、それを踏まえて賃金、物価というものは決めていただきたいというその願いはもうありましたけれども、具体的な賃金決定に介入するという措置はとらなかったわけであります。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 まあ、具体的に介入という言葉は適切ではないかと思いますけれども、しかしあらゆる機会をとらえ、また、政府としてその可能な許される範囲内でのあらゆる行動をして抑圧策をとられたということは事実だと思うんです。ところが、この賃上げの率の問題というのは、これは単に組織労働者の生活を左右するだけではなくて、やはり中小企業、未組織労働者、さらには公務員の賃金水準、あるいは当然これは米価にもはね返るわけですから農民の生活、いわゆる幅広い国民の勤労者の生活に影響する問題であります。まあいわば政府は日本の全勤労者に対してがまんを要請した、そしてそれを勤労者が受け入れたといいますか、受け入れざるを得ないというような状態になったと判断していいのではないかと思うんです。  私はそこでもう一方の今度は経営者側といいますか、あるいは資本家側といいますか、そういう面にもやはり同様の措置というものがとられなければ片手落ちになる。政府は、今回の春闘の取り組みに当たって、企業の体質の改善とか、あるいは経営の合理化等でどのような働きかけをされたか、こういう点についてお伺いをしたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 賃金、物価の関係が、本質的に非常にその位置づけが変わってきたということの理解を求める努力と並行いたしまして、企業の責任というものにつきましては、特に注意を喚起してきたわけです。つまり、この際企業はその経営を合理化しなきゃならぬと、合理化もただ単なるいままでの考え方の合理化じゃない、世の中が非常に変わってきた、それを踏まえての合理化、まあ構造改善ということまで含めましての合理化、これを要請し、まああんまり——それから物価政策、賃金問題の決定の推移等を考えまして、高い利潤を上げるとか、あるいは高い配当を行うことについての自粛でありますとか、特に政府の指導力の強い金融機関というようなものにつきましては強力に配当を減額すると、こういうようなことまで要請してきておるわけでございますが、企業の側の問題として特に重要なのは値上げの動きなんです。企業は経営が苦しい。苦しいもんですからそのしわ寄せを製品あるいは取り扱い商品だ、あるいは料金だの、その価格を引き上げるというところに求めるという動きがあるわけです。それはしかし大変なことなんだと、この物価を安定させるという一連の行動というものは、これはもう一年の問題じゃないんです。三年かかるんだと、来年の一けた物価ということは非常に重大な問題であるということについてもまた注意を喚起し、協力を求めておるわけでありますが、まあ企業も私どもの言うところを深く理解いたしまして協力体制にあると、かように考えます。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 私は、いまの御答弁の中にもありましたけれども、配当の問題を取り上げてみたいと思いますが、この三月期の決算状況を見ると、企業の業績は確かに悪化しておるわけです。ただ、この配当の状況はいわゆる東商一部、二部上場企業について調べてみますと、七百十四社の中で約六〇%の四百十四社が配当据え置きしておるわけです。しかもその内容を調べてみると、必ずしも企業業績がいいわけではない。減益企業が非常に多いわけですね。そういう中で配当を据え置きにしておる。これは配当性向の悪化というデータを見てもはっきりあらわれておるわけです。言うならば内部留保の取り崩しとか、そういうことで配当を据え置きしておる。私はこれは少しおかしい気がするわけでありますけれども、こういう経営者側の配当に対する安易な姿勢に対して、政府はもっと厳重なチェックをすべきではないか、このように考えますけれども、いかがですか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) まあ配当率の問題はかなり複雑な問題があるわけです。この利回りという点から見ますれば、これはいまの株式の配当率、これは必ずしもわが国の利率というものは高い水準じゃないのでありまして、引き下げの余力というものは非常に少ないのです。  そこへ引き下げを行うということになると、将来の配当、そういうものにも相当大きな影響があるというような状況がありまして、これは必ずしも企業、企業をとってみまするときに、政府は自粛を要請するものの、これを受け入れるということになりますると、そう簡単な問題じゃないようでありますが、三月期決算の概況を調査してみますと、これはかなり利益なんかも減ってきておるような状態でありまして、そういう中で、会社経営全体の立場から無理をして配当を維持するというようなところもあるようでありますが、先ほど申し上げましたように、そういう心配のない金融機関等におきましてはかなり思い切った配当の引き下げをしておる、こういう状態でございます。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 それから製品の値上げの問題ですけれども、もうすでに鉄鋼とか石油製品の値上げが具体化しつつあるという段階だと思います。すでに鉄鋼では神戸製鋼が線材並びに条鋼、トン当たり平均一万二千円の値上げを通告しておるという事実があるわけでありますけれども、これはかなり大幅の値上げだと思います。これについてどういう見解をお持ちかお伺いをしたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 神戸製鋼でそういう動きのあることを新聞で承知いたしましたので、真相はどうだというので調べてもらったのですが、真相は必ずしも新聞に伝えられておるような状態ではないようでありますが、まあいまここで一万二千円、トン当たり鉄鋼価格を上げますと、神戸製鋼だけがそういうようなことをして果たしてそれが製品の売れ行き減少につながらないものか、こういいますと、これはもう決定的に私はつながっていく、こういうふうに思うわけであります。会社に対しましては慎重にやってもらいたいということはもとよりのことでございますが、客観情勢もそう新聞に見られるような容易な情勢、環境ではない、こういうふうに考えております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 民間の製品の値上げ抑制に関連して、私は公共料金の取り扱いがやはり問題になってくると思うのです。福田長官はいままで、賃上げ抑制のために公共料金の凍結は必要だ、こういう考え方を主張してこられたと思います。ところが、この賃上げが終わった途端といいますか、これから公共料金の値上げが予定されておるものが目白押しに並んでおるわけです。麦の値段あるいは米価、さらには国鉄運賃、私鉄運賃、さらには地方の公営交通、病院、水道等の地方公共料金、これは地方財政の面からもその必要性が言われておるわけでありますけれども、こういう公共料金の決定に当たってどういう考え方でその上げ幅を決めるとか、あるいは上げるのを認めるとか、そういう判断を下されるのかという点についてお伺いをしたいわけであります。  やはり先ほど言われた、本年度末の物価上昇九・九%が大前提である。だからこれが大前提であるから、これが達成できないような、この達成を阻害するような率にはあくまで反対されるつもりかどうか、この点をお伺いをします。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 結論的に言いますとそのとおりです。つまり五十年度九・九、一けた台、こういう消費者物価水準の実現は、これはもう政府の最大の責任だ、こういうふうに考えております。ですから、それを阻害するような公共料金の引き上げ、これは容認できません。ですから、そういう態度をもって一つ一つの公共料金問題を処理する。ただ消費者物価は、公共料金だけでこれが左右されるわけじゃないのです。人件費の問題、これは大きな問題ですね。それから海外からの原材料、これも特に大きな問題になってきます。それから、金利が一体どういうふうになるかというようなこともあります。いい面もかなりあるわけでございますから、そのいい面は、これは極力これを活用する。それから悪い現象、たとえば企業の値上げの動き、そういうものは極力これを顕在化しないように努力をする。そして、総体といたしまして九・九%、一けた台が来年の三月には実現する、こういうふうな考えで臨みたい、かような考えであります。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 まあ来年の三月、九・九%が一番重要な目標だということになりますと、問題はやはり海外の要因というものがどう影響するのか。たとえば石油の価格にしても、OPECでは九月に大体一〇%ないし一五%の石油の値上げを主張する動きがある。こういう点を見ると、なかなかこれは楽観を許さない問題だと思います。そういう場合、たとえば海外の原材料の動きが一〇%から一五%くらいの値上げでも、なおかつ九・九%は実現できるのかどうか、その見通しはいかがですか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 幸いに海外の資源、あるいは物資、そういうものにつきましての動きは、昨年に比べるとかなり改善されたというか、いい状態じゃないか、こういうふうに思います。個別について言いますると、石油でいろいろのうわさがある。あるいは石油以外の資源エネルギーに連なる鉄鉱石は堅調でありますとか、製鉄用燃料炭がどうだとか、そういう強含みを予想する動きもありまするけれども、なべて農作物の方は非常な暴落でございます。飼料だとかあるいは小麦でありますとか砂糖でありますとか、そういうものは暴落である。それから林産資源、これの方もまあ弱含み、そういうような状態でありますので、総体といたしますと、かなりいい状況になってきているのじゃないか。これは大いに物価対策にも働いていただける期待が持てそうだというふうに見ております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 最後に景気対策の問題について質問をしたいと思いますが、この政府の景気政策といいますか、経済政策は、とにかく春闘で賃金を抑制するということに重点を置いてきた関係で、少し冷やし過ぎた。オーバーキルの政策をとってきた。それが現在の不況の深刻化あるいは長期化という、長期化の予想というものを招来したということが言われております。そうして、一面ではこの不況の深刻化が税収面の減少となって歳入欠陥というような状態を生んでおる。この歳入欠陥という問題が生ずるから、よけいこの公共料金の矛盾というものが露呈される。だから、そういう面から公共料金引き上げの圧力がかかってくる。さらに賃上げ率が非常に低いことと、公共料金の引き上げ等によりまして、消費購買力がかなり抑制されるのではないか、こういう見通しもあるわけであります。また一方では、財政の窮迫状態から公共投資、こういうものも抑制される。そうするとこれは一つの悪循環となって、なかなかこの不況から脱し切れない。脱するのが困難だという状態になるのではないか、こういうことも考えられるわけですけれども、こういう悪循環を断ち切って、現在の景気を好転させる対策としてどういうものが有効だとお考えか、この点についてお尋ねします。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) スタグフレーションの世界的現象ですね、この不況、物価高に悩まされておりますのは、ひとりわが国だけじゃない。世界じゅうの国が悩まされておるわけであります。その中で、わが国は一体どういう立場にあるかというと、物価は一年半前は大変な混乱で、世界で一番憂慮された方でございますが、今日では、最もそれを順調に克服したといって評価されておるような状態です。景気はどうだというと、四十九年中はまあ多くの国がマイナス成長という状態です。アメリカのごときはこの一−三月の状態はマイナス年率一一%だと、こういうような状態です。わが国はそこへいきますと、まあ景気状態につきましても、昨年の成長、これはマイナスの一%ないし二%ぐらいなところで推移しそうな動きでございます。そういうことを考えますと、まああれだけの世界的混乱の中の状態としてはそうわが国だけが批判されるようなそういう状態ではないとは信じまするけれども、しかし、他面、わが国は高度成長というものにずっとなれておる。マイナス一だ、二だというようなことであっても、この転落幅というものは非常に大きいわけです。ですからそういうようなことも考えますと、決して景気情勢自体もこれは放置することはできないと、こういうふうに考えておるのであります。  何せ、しかし物価が最優先です。物価の一けた台目標、これを崩さないという範囲内におきまして景気対策的配慮、これもしてみたいと、こういうふうに考えておりますが、この景気を押し上げる力として、まあ景気循環からいいますと設備投資、これが大きな役割りを演ずるのですが、これはどうもいま稼働しない設備ですね、これが二割以上も残っておると、こういうような状態でありますので、生産が仮に上がりましても設備投資が起こってくるということは大勢としてはこれはないと思うんです。ですから、そうこうすぐには期待できない。  国民の消費はどうかといいますと、購買力はありましてもこれは貯蓄に回る、こういう傾向である。これはなぜかというと、高値に対する拒絶心理、これが非常に強いと、こういうふうに見ておるわけですから、国民の消費、これに景気回復の誘導役を求めると、こういうこともむずかしい。そうすると、どうしても政府が自身で出動するほかないんです。  まあ先ほどお話がありましたが、金利の問題ももちろんあるわけです。また設備投資は本格的には起こらぬと申し上げましたが、公害投資でありますとか、あるいはボトルネック産業投資でありますとか、そういうものはあるわけですから、そういう方面に金融政策が働くという場面があるが、まあ主力はやっぱり財政投融資を含めました財政の働き、これにまたざるを得ないだろうと、こういうのが私の基本的な考えであります。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 終わります。

前川旦日本社会党

○委員長(前川旦君) 質問が終わりましたので、福田経企庁長官退席していただいて結構です。  速記をとめてください。   〔速記中止〕

前川旦日本社会党

○委員長(前川旦君) 速記を起こして。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 初めに開発庁長官にお尋ねいたします。  長官は、先日、所信表明をしてくださったんですが、その所信表明の中に、沖繩の復興に関する予算が前年より七%アップして七百七十億円計上したと、こうおっしゃっておられますが、このことは手放しで喜んでいいか、問題はあるわけでありますが、それはきょうは触れないことにいたしまして、長官はこう述べておられます。「本土との各方面にわたる格差を早急に是正し、沖繩の持つすぐれた地域特性を生かすことによって自立的発展の基礎条件の整備を図り、平和で明るく豊かな沖繩県を築き上げることに最大限の努力を払ってまいる所存でございます。」、こう述べられました。まことに結構なことでございます。  そこで、このお言葉の中から私が最も痛切に感じますことは、一刻も早く本土との格差をなくしていく、戦場となり、戦後三十年にわたってアメリカに支配され、復帰四年目を迎えた今日、なおその格差たるや覆い尽くせないものがございます。で、きょうは、この席では具体的に広げてその格差の是正をこのようにという時間は恐らくないと思いますので、その早急に格差を是正していくという立場から重点的にどういうことをお考えになっておられるかお聞かせ願いたい。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(植木光教君) 昨年来、厳しい総需要抑制下にあるわけでございますが、ただいま御指摘になりましたように、五十年度の予算におきましては事業費総額で七・二%増加、また一般公共事業関係費につきましては、全国では前年並みでございますけれども、当庁関係では三・五%の伸びを確保したのでございます。沖繩県が長年にわたって本土と隔絶をいたしておりましたために、その格差は非常に大きいものがございます。ただ最近におきましては一人当たり県民所得も本土水準に近づきつつあるように見受けられますが、しかし物価等の問題もございまして、県民の方々の生活は必ずしもよくなったとは言えないというような感情もあるようでございまして、私どもはこの是正のために努力をしなければならないところでございます。  経済の体質は御承知のように自立性に乏しいという点がございます。したがって産業別の所得におきましてもあるいは就業率につきましても、第三次産業に著しく偏った面がございますので、社会資本の整備あるいは社会福祉、保健医療等の水準等とともに、産業そのものの体質も変えていかなければならないというふうに考えているのでございます。  そこで、住宅、生活環境施設等の整備あるいは交通・通信体系の整備、水資源の開発、社会福祉あるいは保健医療問題、こういうものに全力を挙げていくというのが私どもの考え方でございまして、なお沖繩県が持っております離島性あるいは台風常襲地帯であるというような不利益な点を十分に克服をいたしますとともに、今度は逆に亜熱帯性の気候である、あるいは海洋性の自然あるいは地理的な位置などの有利性も持っておるわけでございますから、ここで特色ある産業を育成し、またすばらしい文化を持っているわけでございますから、この文化もまた大いに振興してまいりたいという考え方でございます。たとえば亜熱帯性気候を生かしました農業の振興あるいは海洋性自然と特有の伝統文化を活用した観光産業の開発、伝統工芸産業の振興などというようなことが当面私どもが努力すべき課題であると心得ているのでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 長官が述べられた「平和で明るく豊かな沖繩県を築き上げる」、こういう前提には、いかなることがあっても、復帰後といえどもなお沖繩全県面積の約一三%を占める膨大な軍事基地、そうして本土企業の乗り込みによって買い占められた五・二%にわたる土地、合わせて一八%、あるいは部分的に見ますと中部で四〇%を超える膨大な軍事基地にどう対処するか、これを素通りして平和な明るい豊かな沖繩づくりということは、これはまことにむなしい言葉にしかすぎないと私は信じておりますが、長官いかがですか。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(植木光教君) 平和で明るく豊かな沖繩県づくりを志向いたしますとともに、静かな中にも躍動する沖繩県づくりを目標といたしまして私は沖繩振興開発に取り組んでいるのでございます。  いろいろ県民の方々が不安を持っておられます。それを私は県に参りましたときに五つの不安として挙げたのでございますが、それに加うるに基地があるという不安というものがあるということは私はその後述べてきたところでございまして、県民が持つ不安の除去の一つに基地の問題があるということを十分認識をいたしております。したがいまして、振興開発を進める上におきましても、米軍の施設区域についての整理縮小を図る必要があるということは常々私も主張してきているところでございまして、政府といたしましてもそのような方向で今後努力をしなければならないというふうに痛感をいたしております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 具体的に年次的に膨大な基地の整理縮小、こういうことが沖繩返還のあの時点からの大きな政府の課題であったわけですが、一貫してどのように整理縮小に対して取っ組んでおられるかある程度はわかってはおりますが、その点で非常に沖繩の平和な経済開発のプランが単なるいわゆる机上のペーパープランにすぎない。このことがいつでも現地で問題になっておることも御承知かと思いますが、どうか基地の整理縮小に対する具体的な計画をもっと本腰を入れてアメリカに迫って、このように計画を持っておると、そういう点を示してもらわなければこれいつまでたっても単なるペーパープランにしかすぎない、ここに大きな不安があるわけなんです。  それで同時に、先ほど二宮先生も触れられたように、せっかく解放はされたが、その解放のあり方や、あるいは地籍の測定の問題がいまだに手がつけられずに放置されて困っておるという、この沖繩問題のいま当面しておるもろもろの問題があるんですが、その一つが地籍をどうするかということなんですね。それで、いまの軍事基地の整理縮小の具体的なプランと、その地籍調査が一日も早く納得のいく調査が完了することに対する長官のひとつ御意思を承りたい。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(植木光教君) 地籍調査につきましては、先ほど二宮委員にお答えをしたとおりでございまして、開発庁といたしましては、国と県と市町村と土地所有者とが一体となって解決すべきである、その主導権は国が持っていくということでこれに臨んでいるところでございまして、今後ともその方向で努力をしてまいります。  基地の整理縮小につきましては、日米安保協議委員会の場を通じて今日までもいろいろ努力をされてきたところでございますが、外務省あるいは防衛施設庁等関係省庁とともに、私どもは県民の要望を踏まえながら、今後とも努力をしていく決意でございまして、県民の不安あるいは不満が解消されますように、県民の立場に立って、これからもいろいろ精力的にこれに取り組んでいく所存であります。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 次に、三木総理は御不在でありますが、大臣も含めて今後ますます日米親善友好を深めていくという、こういうことを強調しておられます。これはまことに結構なことだと思います。ところが、その日米親善友好を深めていくという条件には、あくまでも対等の立場である、対等の立場でなければいけない。それが上下関係、いわゆる支配者と被支配者のこういう形のつながり、こうあってはいけない。あくまでも対等の立場での親善友好でなければいけないと喜屋武は思いますが、長官、いかがですか。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(植木光教君) 真の友好親善関係というものは、両国の理解と尊敬を基礎とするものでございまして、そのためには、両国が平等の立場に立って、主張すべきは主張し、またお互いに協力し合うべきことは協力し合うという立場でなければならないということは申すまでもございません。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 ところで、率直にお尋ねいたしますが、私は対等の立場で日米親善友好が進められておることを希望するわけですが、現実はそうではない。私はそれを否定したい。といいますのは、そのような立場でやっていっておられるということにはなっておるかもしらぬけれども、現実は、日米関係から生ずるもろもろのひずみは、本土ももちろんですが、わけても沖繩県に集約された形でそのひずみが覆いかかってきておる、これが現実なんです。そういう事実を知っておるがゆえに、私はあえてそのことを申し上げたわけでありますが、先ほども出ました安保地位協定に従っている、安保地位協定を守る、そのことはそれは条約だからいいでしょう。ところが、そのことによって派生するところのもろもろの犠牲、ひずみはすべてと言ってもいいぐらいに沖縄に振りかかってきておる。この事実を長官はどう判断されますか。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(植木光教君) 沖縄県におきまして最近まことに遺憾な事件が起こっております。金武村の暴行事件といい、伊江島の裁判権問題といい、私自身もきわめて心を痛めているところでございまして、これは沖縄県民の人権にかかわる重大な問題であり、このような事件が相次ぎますならば日米の友好関係にも大きな影響を与えるものであると認識をしているのでございます。したがいまして、先般の閣議におきましても、金武村の事件につきましては私は発言をいたしまして、このような遺憾な事件が適切に処理されないならば日米の友好関係に重大な影響をもたらすということを申したのでございます。それは言うまでもなく、日米友好関係というものが平等な立場において確立されなければならないという基本的な考え方に基づいて発言をしたものでございます。したがいまして、沖縄県の中におきましてこのような事件が再び起こることがないようにということは私の心からの切なる願いでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 あえて対米姿勢の弱さといいますか、従属性といいますか、私はずばり申し上げたいのでありますが、いまお話の出ました例の伊江島における山城君への狙撃事件、この事件を通じて、二回にわたって県議会は臨時議会を招集をして、しかも全会一致で、与野党を超えて全会一致で抗議決議をしてまいっておることは御存じでしょう。ただいまも二回目の陳情団が参っております。  この背景には何があったか。それはアメリカのその責任者でさえもこう言っておりますよ。この事件について、当初、米軍当局は、那覇地方検察庁に対し犯罪通知を送付するとともに、この事件に関し二人の被疑者に公務証明書を発行しない旨通告したと、すなわちこれは公務外であり、勤務中であるというその証明書は発行しない、こういうことを米軍の責任者がいち早く——ところが十日後に、二十九日でしたか、いやこれは勤務中であると、だから裁判一切はアメリカにあるのだと、こう手のひらを返すがごとくにひっくり返った。ところが、日本弁護士会、沖縄弁護士会あるいは沖縄人権協会あるいは沖縄県議会あるいは屋良知事、民主団体、あらゆる団体が激高いたしまして、そんなばかなことがあるか、こう言って、これが(資料を示す)県議会の決議でございますが、そういう状態の中で、七月十日でしたからもう今日やがて十カ月、一年近くもなる。平行線でらちが明かない。  そして私は、この前の予算委員会でも、法務大臣にも、時間外である、勤務外である、そうしてその裁判権は日本にある、こう一貫して確認しておられるかということをさらにだめを押しましたら、そのとおりであると、こう言われたのもついこの前であります。ところが、これが日本政府自体がその裁判権を放棄したと、こういうことであります。一体これは何事かということなんです。その放棄した理由を述べてもらいたい。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○政府委員(山崎敏夫君) この事件に関しましては、日米の間で争いがありまして日米合同委員会に付託されたわけでございますが、法律的検討を要するということで刑事裁判管轄権分科委員会にゆだねられまして、そこで両方の法律専門家によっていろいろ議論がされたわけでございます。そして、その委員会におきまして、わが方は終始一貫公務外であるということを主張したわけでございますが、アメリカ側は公務中であるという主張をいたしまして対立を続けて結論を得ないということでございまして、ことしの四月十七日に、合同委員会に対して、双方の対立した見解を併記した報告を提出してまいったわけでございます。この段階まではそういう分科委員会の専門家の意見の交換が行われ、対立のまま終わったわけでございますが、合同委員会といたしましては、その点についてさらに議論をいたしましたけれども、やはり意見の一致を見るに至りませんでした。そこで、これではとうてい合同委員会の場で解決することは不可能であるという結論に達しまして、四月二十四日に、この点に関しまする日米双方の法的立場を害することなく、地位協定の二十五条の3項に基づいて問題解決を両政府の交渉にゆだねる旨の決定を行った次第でございます。  政府は、合同委員会から問題を移されましたので米国政府と話し合いを行ったわけでございますが、そして、その間において政府部内においても最高の責任者の方々を含め御相談いたしまして、最終的にはこの事件の裁判管轄権の帰属に関する日本側の法的立場を維持しながらも本件の早期解決を図るという実際的見地から、この事件について日本側は裁判権を行使しないという旨をアメリカ側に通報したわけでございます。  その理由でございますけれども、第一に、この事件をいつまでも未解決のままにおいておくということは加害者の処罰あるいは被害者の救済という見地から問題があるということ、このままほうっておくことは永久に対立を続けており、またその間その問題の米兵が帰還するようなことになっては、問題がうやむやに終わることがあっては困るわけでありまして、われわれとしては何としてもできるだけ早くこの問題を解決する必要があると考えたこと。  第二番目に、この事件におきます加害者の行為は許すべからざるものではございますが、起訴でありまして、また起訴は免れないものでありますけれども、懲役刑または禁錮刑を求刑しなければならないほどの事案ではないというふうに考えましたわけでございます。  第三に、アメリカ政府はこの事件につきまして次のような立場を説明してきておりまして、この問題につき適正な処置がとられるものと判断された次第でございます。  その内容を申し上げますと、第一に、アメリカ側はこの事件の発生を遺憾としており、そして将来同様な事件の再発防止のために万全の措置をとったということを言っております。第二に、この事件の発生直後にアメリカ側は非公式にではありましたけれども、公務証明書を発給しないということの意向を表明してきたにもかかわらず、その後公務証明書を発給して日本側の誤解を招いたことは遺憾であるということを言っております。第三に、アメリカ側は加害者に対しては速やかに刑事あるいは懲戒の手続、すなわち処罰のための手続をとって、その結果は日本側に通報するということを言っております。第四に、被害者に対しては十分補償するということを言っております。  以上のようなアメリカ側の申し入れもあり、またこの解決をさらに遷延せしめることは日米友好関係を維持する見地からも好ましくないというふうに最高のレベルにおいて判断されたわけでございます。  そういう次第でございまして、政府としては、今回の事件を総合的に判断して、この際は第一次裁判権を行使しないという決定を行ったわけでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 この問題は、そういう便宜的な簡単な問題ではない、国家主権に関する私は重大な問題であると思います。その立場から、裁判をやり直してもらう意思があるかどうか、まあいま即答はできないでしょうが、私は申し入れておきます。これは保留します。これをぜひ、こんな重大な問題をいいかげんに裁判権を放棄して、そして幾つかの理由によって云々ということは、これは承知なりません。だから、こういう重大な問題はぜひ日本の国の手によって裁判をし、それを国民の前に明らかにしてもらいたい、こういうことを要望いたします。時間がありませんので、いまのは申し入れて保留いたします。  さらに、私が残念に思いますことは、道義的にも常識的にも、だれが考えてもわかる、判断がつくであろうのに、この新聞記事によりますと、人間社会で犯罪はつきもの、少々の犠牲は——名前もありますが、名指しはしないでおきましょう。少々の犠牲は云々と暴言をこうぬけぬけと言っております。そしてまたもう一つの新聞では、やむを得ない事件であったと、このような発言をいたしております。これも名指しはいたしません、あるいは御承知の方もおられるでしょう。このように、一体、沖繩の人間を犬畜生と思っておるのかと、こう言いたいぐらいに沖繩県民は激高いたしております。  人間社会で犯罪はつきもの、少々の犠牲は……、私はこれを見て唖然としたわけですが、これは少し新聞の脚色もあるかもしらぬと思って、四月二十四日参議院外務委員会の会議録第十号を念のために調べてみました。その記録にれっきとして、これも全文は読みませんが、「われわれは具体的にどういう事件が起こっておるかは承知しておりませんが、駐留軍というものがおる以上、若干のそういう不祥な事件が起こることは当然であるわけでございます。」と、「当然であるわけでございます。」、いかがですか、皆さん、これがまともな良識ある人間として、役人として言い得る言辞であるかということなんです。私はとうていがまんできません。あたりまえだということ、私は反問したい。もしあなたの娘がアメリカ兵にそのような石でぶたれて失神状態になって、その状態の中で暴行を加えられた、その娘に対して、これもやむを得ないことであると親として言えるかどうか、私はそのことをも反問したい。  時間のようでありますので、きょうはこれだけにとどめまして、いずれまた沖特、次々の委員会で私は質問を続けてまいります。これで保留いたしておきます。

前川旦日本社会党

○委員長(前川旦君) 他に御発言もないようですから、総理府のうち行政管理庁、経済企画庁及び沖繩開発庁とそれに関係する沖繩振興開発金融公庫の決算につきましては、この程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時五十六分散会      —————・—————

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