決算委員会 第5号
- 発言数
- 296 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1975/02/25
会議録
○委員長(前川旦君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る二月十三日、小林国司君が委員を辞任され、その補欠として青井政美君が、また昨二十四日、田代富士男君が委員を辞任され、その補欠として塩出啓典君がそれぞれ選任されました。 —————————————
○委員長(前川旦君) 次に、昭和四十七年度決算外二件を議題といたします。 本日は、郵政省とそれに関係する日本電信電話公社の決算について審査を行いますが、これらの審査に入るに先立ち、去る二月五日本委員会が行いました皇室費、国会、最高裁判所及び会計検査院審査の際、峯山委員から会計検査院の質疑に関連して輸出保険特別会計の経理処理問題についてその取り扱いを理事会で協議されたい旨の申し出があり、この問題協議のため、去る二月二十一日理事会を開会し、協議の結果、次のように取り計らうことで各理事の意見が一致いたしました。 すなわち、輸出保険特別会計の計数確定については若干日がかかるため、とりあえず本日大蔵大臣、通商産業大臣及び会計検査院長の出席を求め、大蔵省及び通商産業省を代表して大蔵大臣から輸出保険特別会計の経理処理問題についての釈明を求めることとした次第です。したがいまして、早速大蔵大臣から釈明を求めます。大平大蔵大臣。
○国務大臣(大平正芳君) 政府が国会に提出し、御審議をお願い申し上げております昭和四十七年度及び昭和四十八年度の特別会計歳入歳出決算中の輸出保険特別会計歳入歳出決算に添付いたしました同会計の財務諸表等につき、保険料に関する計数の一部に推計額を含んだままこれを作成いたしましたことは、通産省の輸出保険当局の保険料計算事務の著しい遅滞により、歳入歳出決算を作成すべき期日までに確定数字が得られなかったという異例の事情によるものではありますが、正確を旨とすべき決算の性格にかんがみ、はなはだ遺憾なことであると存じます。今後、このような事態を発生することのないよう会計検査院の改善処置要求を踏まえ、善処してまいる所存でございますので、何とぞ御了察いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(前川旦君) 以上をもって釈明の聴取を終わります。 ただいまの大平大蔵大臣の釈明に対し、峯山君から発言を求められておりますのでこれを許します。
○峯山昭範君 今回の輸出保険特別会計におきますこの推計が含まれておりましたということは、先般事務当局から説明がございましたように、国会に提出されます決算書のいわゆる四十七年、四十八年度二年間にわたって推計が含まれておりましたということは、これは前代未聞のことでございます。したがいまして、この問題につきましてはただいま大臣から善処するというように話がございましたが、私たちは今後これが会計処理上本当に正確な、正当な処理のされ方、そうなければならないと思っております。したがいまして、本日大臣から釈明がございましたが、これは一応いままでの経過並びに何といいますか、あれを申し述べたのみでございまして、今後の、どういうぐあいに善処するかということは重要な問題でございます。したがって、私はこの問題については今後注視してまいりたいと思いますし、さらに、私は二、三申し上げておきたいんですが、一つは、決算書及び財務諸表について過去に提出されたもので、推計で提出されたものがあるかどうか。今回の四十七年、四十八年度輸出保険特別会計のみであるのかどうかというのが第一点。 それから第二番目に、決算財務諸表中の当初の確定額が七月三十一日五十九億円から十月三十一日提出の際には五十六億五千万に、二億五千万減っている。いわゆる推計だけじゃなくて確定額すら二億五千万減額されておるということは私納得できない点でございます。この点解明願いたい。 それから第三点といたしまして、当初の四十二億円の推定が十月三十一日に提出するときには十六億円に減額されている。なぜこのように推定額が減ってきたのか。推定の額が大き過ぎるんじゃないか。第三点であります。 第四点。今後このような推定額を含んだ決算書等について先ほど申し述べましたが、会計法等の諸法上どう取り扱うのが正規であるのか。 以上の点について当決算委員会の席上解明願うようにしてもらいたい。 以上申し述べまして、私の意見でございますので、委員長においてよろしくお取り計らいのほどをお願いします。
○委員長(前川旦君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(前川旦君) 速記を起こして。 —————————————
○委員長(前川旦君) それでは、これより本日の議題である郵政省とそれに関係する日本電信電話公社の決算について審査に入ります。 この際お諮りいたします。 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前川旦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 それではこれより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○案納勝君 私はまず郵政の、そして電電関係の決算についていまから質疑をいたしますが、まず冒頭に、本日は具体的な幾つかの問題について質問をいたしたい。したがって、村上郵政大臣に対する質問は事務当局へ質問をする過程で大臣の見解をお聞きをしたいと思いますので、そういう立場でお聞き取りをいただきたいと思います。 まず第一点は、すでに昨年の十二月二十四日に逓信委員会ですでに一定の質問をいたしております。身障者の雇用問題について郵政及び電電の事務当局にお聞きをいたしたいと思います。すでに十二月の二十四日の逓信委員会で私の方から質疑をいたしましたように、四十八年の十二月十三日に心身障害者の雇用促進対策について、身体障害者雇用促進法に基づいて審議会の中間答申がなされています。これらの中で四十七年の三月現在で十八歳以上の心身障害者は百七十二万、そのうちの就業者は七十九万人で約四六%、未就業者が九十三万人で五四%に上っていることが指摘をされています。今日のように、この調査を行って、そして雇用促進についての答申が出された時点というのは、いまだ高度成長政策が続き雇用問題についての拡大が行われている時期にかかわらず、このような結果が出されているわけであります。今日のようなインフレ、不況の中におけるこういう心身障害者の雇用問題はより深刻な事態にあることは言うまでもありません。それだけに郵政、電電が公共事業という立場でこの身体障害者雇用審議会の答申を受けてこれらの答申に沿って忠実にこれらの心身障害者の雇用安定を図っていく責任があると、まず前提いたします。その上に立って以下幾つかの問題点について明らかにしていただきたいのですが、郵政、電電とも法定雇用率が一・六%に上っております。郵政省は四十八年十月現在で三千二百十九名で、一・五一%、人員にして二百三名が不足をしているという報告がなされています。電電は一・六%、三千八百九十八名で、四十九年度も百五十名程度の採用が見込まれているという報告を聞いております。これに間違いないかどうか、明らかにしていただきたい。
○政府委員(神山文男君) お答えいたします。 身体障害者の雇用促進につきましては、先生のお話しのとおり、身体障害者雇用促進法によりまして義務づけられております。その定めによりまして郵政省といたしましては努力をしてまいっております。郵政省の場合、身体障害者雇用促進法の施行令の第三条によりまして対象職員の一・六%という雇用率が適用されておりますが、四十九年十月一日の数字で雇用率は一・五二%となってございまして、まだ残念ながら法定雇用率には達していないということでございます。そこで、なおこれを早急に達成するような努力が必要であるということで、ただいま省内に身体障害者雇用促進連絡協議会というものを設けまして、さらに具体的にこの雇用促進方に努力していく体制をつくってやっていこうということでございます。
○説明員(中林正夫君) 先ほど先生のお話のありましたように、昭和四十八年度におきまして三千八百九十八名、法定雇用率の一・六%というものを達成いたしております。それから、なおこの前の逓信委員会で、本年度におきましても百五十名程度の採用を計画しておるというお答えをいたしましたんですが、その後若干わかりました数字をもとにしますと、大体東京、関東、東海、近畿という大きい四通信局で大体採用を内定しておる数字が百四十名近い数字に上っておりますので、全国ではおそらく百五十名を優に超す採用をなし得るものというふうに考えております。
○案納勝君 法令の十二条で、または施行令で毎年一回三月三十一日までに所管大臣に報告をされることになっています。郵政省はいま省内に連絡協議会を持って具体的に進めていると報告をしていますが、この法定雇用率一・六%充足をする、そういう意味では百九十九名程度の採用が必要だということがこの問の質疑で明らかであります。その後の状況はどのように進行されているのか。いま電電の報告では近畿、関東、東海等ですでに採用内定者が百四十名、全国で百五十名という、そういった報告がなされていますが、郵政省の場合にどのように進行しているのか、この点を明らかにしていただきたい。
○政府委員(神山文男君) 先ほど申し上げました四十九年十月一日現在で一・五二%、人員にして百七十四名でございます。なおこれだけの人員が不足ということでございますので、申し上げたように各事業局と緊密な連絡をとりながらもっときめ細かな対策を進めてまいりたいということで連給協議会を設け、また地方郵政局にもそういう体制をとらせて雇用率達成に努めたいと考えております。
○案納勝君 達成に努めたいと、こう言う。現実的にいま一・五二%の充足不足、三月三十一日に労働省に報告をする、すでに百七十名のまだ事実上の充足の不足分がある、達成に努力をしたいというんじゃなくして具体的に身体障害者の採用について職安なり関係当局との打ち合わせや具体的な施策というのがいま出されなくちゃならない、行われてなくちゃならぬと思いますが、この辺についてはどうお考えですか。
○政府委員(神山文男君) 御指摘のように公共職業安定所との連絡も密にしてまいらなければいけないことは当然でございまして、そういう点についても各機関のより一層の努力を要請してまいりたいと思います。それから具体的に雇用率を達成するために各管内別に数の割り当てを設ける等いたしまして、早急にその実現方を図ってまいりたいと、こう考えております。
○案納勝君 その辺についての後の問題に関連しますから先に進みますが、いま郵政、電電の採用のやり方、どのように指導されていますか。たとえば一般の職員の採用と同じように、採用の募集を行うのか、身障者の場合の取り扱いは別に採用のやり方をとっているのか、この辺を具体的に説明をしてもらいたい。
○政府委員(神山文男君) 郵政省の職員の採用につきましては、先生御案内のように、国家公務員の採用試験の合格者及び郵政省職員採用試験の合格者から採用するというやり方で職員の採用を行っているわけでありますが、身体障害者の募集、採用につきましては、こういう法律の要請もあり、今後その中で公共職業安定所との連絡も密にいたしまして、方法を考えていきたいというふうに思っております。
○説明員(中林正夫君) 従前は一般職員の採用の中であわせて身障者というものも対象としてまいっておったんでございますが、そういった形ではやはり身障者の方の採用についてまだ十分行き届かないということもございまして、本年度からは大半の通信局では身障者の方の専用の募集案内、ポスター作製、こういったものをつくりまして、公共職業安定所に登録されました求職者名簿の活用あるいは養護学校等の関係機関の協力を得て、身障者の方だけ特別に夏に採用を募集いたしております。その結果として、応募者の方も例年よりはちょっと多い応募を見ておるような状況でございます。
○案納勝君 労働省にお尋ねをしますが、身障者の雇用促進について、雇用達成率が今日低過ぎるということで、十七日、新年度から雇用率の低い企業名を公表する方針を決めたと、こういう記事が二月の十八日に新聞で報道せられておりますね。で、今日、全体の産業の身障者の雇用の状況というのはどのようになっていますか。
○政府委員(岩崎隆造君) 身障者の雇用達成状況につきましては、実は毎年十月に調査するわけですが、昨年の十月の集計がまだできておりませんので、四十八年の十月のものについて申し上げますが、官公庁につきまして、御案内のとおり、非現業については雇用率一・七%、これに対して一・七一%、それから現業の部門は法定雇用率一・六%となっておりますが、それに対しまして一・七%の全体としての達成率になっております。それから民間事業所につきましては、法定雇用率一・二%に対しましてちょうど全体としては一・三%ということになっておるわけでございますが、大企業の方が雇用達成率が悪うございまして、中小企業の達成率の方が高い、それを平均いたしまして一・三%という達成率になっておりますので、私ども、大企業を中心にいたしまして、雇用の達成について強く協力を求めるという意味におきまして、各職業安定所で身体障害者の雇用につきまして、計画を出していただくことができるような制度が設けられておりますが、そういうものを活用いたしますとともに、それにもかかわらず、非常に達成率が悪いものにつきまして、毎年その十月の達成率がわかりました時点において調査いたしましたものを公表をするというようなことで、一層の推進の実現を図りたいというふうに考えております。
○案納勝君 私は郵政省にお尋ねしますが、いままで郵政省の答弁を聞いていると、連絡協議会を設ける、あるいは今後公共職業安定所との連絡を密にしながら行いたいといった答弁しか繰り返されていません。現実にすでに一・六%の雇用率に満たない現状にありながら、いま労働省の方から答弁がありましたように、怠慢企業については公表していく、心身障害者の雇用促進については相当の決意を持たざるを得ない今日になっている。そういう中で依然として、今後連絡を密にしたり、協議をしていきたいといった態度というのは私は許せない。これについて、しかも三月三十一日に所管大臣には報告をすることになっている。その取り組みの甘さというのが郵政省の全体の甘さに私はあるんじゃないかと思う。その点はどうですか。
○政府委員(神山文男君) 先生御指摘の、努力の仕方について反省すべきところは十分反省してまいりたいと思いますが、郵政省の採用でございますけれども、三月末に一定の勧奨退職というものが行われまして、その後補充の採用というのが、一つ大きな採用の時期として考えられようかと思うわけであります。それからもう一つは、新規学卒者の採用がこれから行われるわけでありまして、三月から四月にかけて郵政省の職員採用というものが大量に行われるわけであります。そういう時期にぜひともこういう身体障害者の採用について十分配慮していきたいということで、いま段取りを考え、対策をとるということにいたしているわけでございます。
○案納勝君 もう一回労働省の方にお尋ねしますが、身障者の雇用促進審議会の答申にある、身障者雇用促進法によるところの身障者というのは何を指しているものか。身体障害者福祉法第四条に基づいた十八歳以上の者で、都道府県知事から手帳交付を受けた者を指すのか、この辺を明らかにしていただきたい。
○政府委員(岩崎隆造君) 身体障害者雇用促進法に基づきます身体障害者の範囲でございますが、必ずしも身体障害者福祉法におきます障害者の範囲と一致しておりませんが、ほぼ同じものだということになっております。手帳のある、なしということと当然には関係はしておりません。
○案納勝君 ほぼ同じだというのはどういうことですか。
○政府委員(岩崎隆造君) たとえて申しますと、身体障害者福祉法では、一眼の視力が〇・〇二以下で、他眼が〇・〇六以下であるということに基準を置いておりますが、身体障害者雇用促進法では一眼の視力が〇・〇七以下の者であれば足りると申しますか、そういう意味では少し広い範囲になっております。
○案納勝君 それで電電公社、郵政省にお尋ねしますが、過般、読売新聞で「看板倒れ身障者雇用」「電電公社が〃難題〃」「ハシゴ登れて立ち作業2時間」と、こういった新聞記事が出されています。この基準はその記事の内容によりますと、採用をするんだがきわめて厳しい採用の条件が示されている。ところが、電電公社の採用の、いま身体障害者数、採用について私の手元に資料がありますが、この中の資料では、重度及びその他ということで分けられておりまして、その重度とは、身体障害者福祉法施行規則別表による一、二、三級。その他は、その他の障害で一、二級をいうというように、一定の身体障害者福祉法に基づく、それらの障害の級によって資料が出されています。しかし、それによりますと、いま労働省の方から説明のありました身体障害者雇用促進法の別表による身体障害者という立場からすると、きわめて具体的な条件というのは、まさにここにいわれているように、電電公社の提起をされている採用条件というのは、これに適用される人というのは一%も満たない状態にあるんではないか、まさにまあ形だけは身体障害者を採用しますというけれども、中身というのはまさに普通の人と同じような人たち程度の、どこでも就職がある程度されるような人たち、そういう者しか実際に採用する気はない、こういうことをあらわしているのではないですか。 また、郵政省にも同じようにお尋ねしますが、表向きは委員会では努力をしますと言いますが、果たしてその努力の姿勢というのは、具体的にどのようにこれらの採用に当たってはしようと考えておられるのか。郵便の集配や、あるいは区分や、貯金の奨励やと、さまざまな職種があります。こういった職種の中で、まずその基準をつくってそして身体障害者を採用する、基準以下の場合は採用しない、こういう姿勢をとっているのか。それとも、身体障害者を一定の法律や今日の置かれている社会的な私たちの責任という立場から立って、法定雇用率については一定の採用を行って、それに基づいて働きやすい職場を郵政省が責任を持ってつくり上げて、身体障害者の雇用の安定をはかるという決意で取り組もうとしているのか。私はせんだってどういう職種にどのような配置をされているのかということを明らかにせいと言ってるんですが、まだ郵政省も明らかにされておりません。この辺について、その熱意や取り組みの誠意を疑うんですが、郵政省や電電公社の見解をお聞きしたい。
○政府委員(神山文男君) 身体障害者の採用に当たりましては、その職種あるいは先生のおっしゃるような担務、そういうものによって支障のない、あるいはその障害者が働きやすいような、そういう職種、担務を選定するということが重要かと思いますし、それからまた先生おっしゃるように、その身体障害者が働きにくいという職場であってはいけないわけでありまして、職場環境を整備するということも必要であると思います。そういうことを今後具体的に検討してまいりたいということで省内の体制づくりを行ったということでございまして、相当の私たちは決意を持ってこれに当たるつもりでございますので、御了承いただきたいと思います。
○説明員(中林正夫君) お答え申し上げます。 ただいま先生御指摘の一月三十一日付の読売新聞の記事にも関連しまして、公社の身障者採用業務の基準というものについて若干御説明いたしますと、公社の各種業務を行うに最低必要とされる身体機能要件というものにつきましては、昭和四十一年に労働省等の関係団体あるいは実務専門家等の構成による身体障害者雇用対策委員会というものに審議を依頼いたしまして、この答申によりましてこういった要件というものを決めておるのでございますが、この基本的な考え方というものは、たとえば線路職だとか、あるいは電信外務−電報配達というように明らかに身障者の方に適合しない職種は別としまして、その他の職種につきましてはできるだけ幅広い、単にデスク業務というものだけにとどまらず、なるべく幅の広い職種の業務に一般の健常者の方々と一緒に従事をしていただく、こういうのが基本的な考え方でございます。したがいまして、職種によりましては先生ただいまちょっと御指摘がありましたはしご作業とか重量物の運搬、もちろんはしごといいましても屋外のはしごではなくて、室内の低いはしごでございますが、そういったものを伴う電話機械の保守作業についても身障者の方々の雇用を制限するというのではなくて、むしろ積極的にそういった部門で能力を発揮していただくというふうには考えておるわけですが、この場合に、しかしやはり問題となりますのは、そういった方々の安全の確保という問題がございます。それで最近こういった機械の保守作業というのはいわゆる部品のトランジスター化、あるいはパッケージ方式といいますか、従来のようにテーブルに座って部品を修理するという形ではなくて、むしろ故障の悪い機械をそのまま取り払って、新しい機械をそのままそこへ据えつけるこういったようなことに最近変わっておりまして、はしご等に登っての部品の取りかえ作業は非常に大きな作業の主体になっていますので、こういった職種を希望される場合には特に安全という点を重視をしてはしごに登れるというような条件を付しておるわけでございます。しかしまあこういった条件に適合しないような方については当然のことながら片や営業の仕事をやるとか、あるいは共通の仕事であるとか、あるいは電話交換業務といったようなテーブル作業を主体とした職種別の身体機能の要件のもっと軽い要件をもって作業の道をあけておるわけでございます。それでまた実際に採用試験に当たりましても、本人の身体機能というものを十分に考慮しながら、なるべく適応した職種の方へ振り向けるといったふうな考え方をとっておるわけでございます。 それで一月の三十一日付の読売の記事につきましては、非常に重要な部分につきましての事実に反するような記事がございまして、たとえば、女子のデスク作業について四時間の立ち作業という記事がございますが、私のほうの基準は四時間程度のいすに座れると、こういう条件でございますので、応募者等に対する影響等も考慮いたしまして、私どもの方としても非常に不本意な記事でございますので、同新聞社に対して文書で正式に抗議をするとともに、記事の訂正方を申し出ております。その結果、二月三日付の同紙に訂正記事が掲載されておるということを付言いたしておきます。 それからもう一つ、非常に条件がきびしいから九九%だめだ、こういうような記事も載っておりますが、この一月の三十一日の時点でことしの身障者の採用がすでに内定をいたしておりました通信局について大体応募と採用の内定の状況を申し上げますと、関東通信局管内で二百十九名の応募者がございまして、そのうちの五十二名の採用を内定いたしております。それから東海通信局管内では四十五名の応募者がございまして、そのうちの十七名の内定をいたしております。それから近畿通信局管内では三十八名の応募者がございまして、十九名の採用を内定しております。大体三〇%程度の採用率といいますか。それからこれはごく最近試験をいたしました東京通信局管内では百七十名の応募者がございましたが、これは大体五十名程度の採用になるかというふうに考えておりまして、全体でおしなべましてこの四通信局で四百七十二名の応募者に対してほぼ百三十八名、百四十名近い採用、大体三〇%程度の採用になろうかと、こういうのが実態でございますので、一応この事実を申し上げて御答弁にかえたいと思います。
○案納勝君 これは東京の電職関係で条件なんだが、ドライバー、ニッパーなど工具類を自由に使えるほか、微小部品を取り扱えること、一日七時間程度の勤務時間中一回の立ち作業が二時間程度の可能なこと、四キログラム程度の物を約十メートル持ち運びすることができること、はしご、脚立などに登りおりができ、高いところで作業ができること、うずくまったり、しゃがんだ姿勢で作業ができること、こういうふうに指摘をされていますね、条件が出されている。さらに庶務会計の段階で筆記ができて立ったり座ったり自由にできる、これ信越です。普通の速さで紙幣、硬貨などの枚数が計算できること、片手で伝票を繰りながら加算機またはそろばんができること、二キロ程度の物を約十メートル持ち運びができること、一日八時間勤務のうち、一回連続二時間程度、通常の姿勢でいすに腰かけて仕事ができること、その他こうありますね。いま言ったやつはこれは身体障害者雇用促進法の別表による身体上の欠陥の範囲ということで、たとえば両眼の視力それぞれ矯正をして〇・一以下のもの、あるいは一眼の視力が〇・〇七以下のもの、あるいは両眼の視野がそれぞれ一〇度以内のもの、あるいは両眼による視野の二分の一が欠けるもの、あるいは平衡機能の障害で永続するもの、あるいは肢体不自由なものというふうに別表で規定されています。これらの人々がいまの条件でいかほど事実上適合すると思っておられるんですか。いま出された、私が前段で読み上げた通信局段階の幾つかの事例は一般普通の人の私は状態じゃないでしょうか。私はここで時間もありませんから、身体障害者の雇用問題というのが今日ほどやかましく言われてまいって、しかも公共企業としての社会的責任からも国としてもこれについてもっと積極的に取り組んでいかなくちゃならないときだと思う。そういう中で、いま出されたような、まず職種の基準を決めてそして心身障害者の雇用促進を図るというよりも、雇用促進についてまず心身障害者の採用を一定の決められた法定雇用率に基づいて充足をさせる、その上でリハビリテーションやらその他の施策を行いながらこれらの人々の働く場を確保していくという、そういう立場での施策というのが必要じゃないんですか。そのことをいま求められているというふうに思います。したがって、これらについて今後、特に郵政省の場合はまだ先行き明らかじゃありません。言われるとおり、三月の若干の人事の異動ということが予想されておりますが、少なくとも三月三十一日には所管大臣に報告をしなくちゃならない。これについて郵政省、電電公社が、いま私が申し上げましたように心身障害者について十分に雇用対策が確立できるように具体的な施策を、そしてそれに基づいた具体的な作業を行う決意があるかどうか、改めてお聞きをいたしたい。
○政府委員(神山文男君) 先ほどお答えいたしましたように、これから新規学卒者あるいは三月末の退職者の後補充ということで、相当新規採用者を採用するわけでありますが、その際に当たっては、ただいまの御指摘も含めまして具体的に対策を考えてまいりたい所存でございます。
○説明員(中林正夫君) ただいま先生御指摘になりました本社の方で出している一般的な通達のほかに、各通信局で特別の若干の条件等をつけておるようですが、この点確かに通信局がかなりのアンバラといいますか、ばらつきがありますので、そういった点についてはひとつ本社としても検討をいたしてみたい、なおまた身障者の雇用については今後とも法定基準を確保するというだけでなくて、それ以上にひとつ努力をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○案納勝君 最後に、身障者問題の最後ですが、郵政省に資料の要求について、さきの逓信委員会でも要求しておいた、各郵政局別、地方別に身障者の雇用の状況を早急に調査をして出してください。ある局に行くと、その局長が、だれが身障者かわかってないというような局が郵政省にはざらにある。それは全く身障者の採用については誠意や熱意がないと言っても言い過ぎじゃない。この辺について今後の取り組みの強化とあわせて早急に今後の具体策について改めて報告をしてもらいたい。 なお、最後に大臣に見解をお聞きしたいんですが、確かに身障者問題というのが、いま郵政省のこのやりとりの中でも取り組みがおわかりのように、郵政省自体まだ十分ではありません。今日求められている社会的義務、不公正の是正というきわめて重大な社会的課題だけに、郵政大臣の取り組みの強化を、なお指導を要請をする次第であります。郵政大臣としてこれらについて御意見を承りたいと思います。
○政府委員(神山文男君) 身障者を採用している職場に、今後そういう先生御指摘のような欠陥を除くために採用の責任者というものを指名いたしまして、身障者についてのいろいろの相談にあずかる、あるいは採用に当たっての職業安定所との連絡を密にしていくというような態勢をとってまいりたいというふうに考えております。またなお具体策が決まりましたら、先生の方にまた御報告申し上げたいと存じます。
○国務大臣(村上勇君) 案納先生御指摘のとおり、身障者の採用の問題につきましてはきわめて大事なことでありますし、われわれといたしましてもこの身障者にふさわしい職種またはその任務を検討いたしまして、可能な限り働きやすい条件をつくるように今後とも一層努力してまいるつもりであります。
○案納勝君 それじゃ、別な課題で質問をいたします。郵便の問題について幾つか具体的な答弁を求めたいと思います。労働省はけっこうです。 大臣も御存じのとおり、郵便に求められているのは基本的に安全、正確、そして安定した速度による送達だと思います。今日きわめて重大な段階にあると思います。私は今国会に郵便法の改正を提案しております。その中で、私はこの郵便法改正に伴う諸施策の中で国民の委託にどうこたえるかということがいま一番求められているところです。さきの国会ですみやかに郵便の標準送達速度、手紙を出して相手に届く日数、速度というのを公表しなさい、この決議が出されて公表をされました。これらについて現状どのようになっているのか、この点について説明をいただきたいと思います。
○政府委員(石井多加三君) ただいま御指摘のございました郵便送達日数表でございますが、前回の郵便料金の値上げをいたしました昭和四十六年の十月に初めて郵便の送達日数表というものを発表いたしたわけでございます。これは第一種、第二種のような、いわゆる高等信と呼ばれております郵便物につきまして全国の主要郵便局から主要郵便局あての日数を特殊な事情のある場合、いろいろ異常な月の場合を除きまして、大体この日数で標準的にお届けできますということをお約束したものでございます。その日数表を公表いたしましてから今日までの実績でございますけれども、いま申し上げましたように、たとえば春闘のときでありまするとかあるいは年末闘争といったような場合を除きますと、四十六年の十月以来三カ年ちょっと経過しておりますが、大体九〇%くらいはこの標準送達日数表のあれが守られておる、この日数でお届けしておる、かように考えておる次第でございます。
○案納勝君 しかし、いま九〇%程度と言われましたが、私の資料によると四十八年、四十九年の段階になって、たとえば四十九年九月では自局管内あては八五・八%、主要局あては七九%というふうに暫時下降線をたどっているというのが現状のように資料で伺っている。 なお、ここで私お聞きしたいのは、四十六年に郵政省の文献というか、郵政省が出した「明日の郵政事業のために」という冊子があります。これらの中で四十六年一月の定形郵便物の試験通信の結果として正常結束率は自局管内では五〇・四%、一日おくれが三八・八%、他局管内あての郵便物は正常が五二・七%、一日おくれが三七・八%で全体の約一〇%が二日以上おくれているということが省の資料の中に指摘をされている、公表されている。この数字に当てはめてみると、省からこの日数確保状況表をもらったんですが、この数字とまるきり違うのだが、ここら辺についてはどのようになっているのか、表向きと裏向きがあるのか、この点。
○政府委員(石井多加三君) ただいま御指摘がございました正常結束表というものがこれは郵政省の内部で昔からあるわけでございます。これは個個のポストに入れられた郵便物が何時から何時までの間にお取り集めの便によって引き受け局にまとめられ、それが引き受け局の中でいろいろ差し立て区分等をされまして、何時何分発の自動車便に載って、東京の場合でございますと東京の中央郵便局に何時に着くといったような、実はその間に何一つよどみなく行った場合の結束ということで内部で呼んでおるわけでございますが、そういった表は、実は前回の郵便送達標準日数表の公表以前から郵政省としては持っておったわけでございます。前回の標準送達日数表を公表いたします段階でそのもの、いま申し上げました基準日数表と申しますか、そういう郵政省の内部で一番厳正な、一番早いルートで郵便が引き受けられてから届けられるまでの日数を発表いたしますると、それを全国の郵便局で公表いたしますると、御存じのように、たとえば東京都内でございますと、最近はいろいろ自動車便等の非常にその日その日の交通渋滞等によるおくれもございまして、ひとつそういう点が狂いますると、いまも基準送達日数表と呼んでおるわけですが、その時間帯通りにお届けできなくなるといったようなことがございまするので、そこに若干のアローアンスを見まして、それを国民の皆様方にお約束するということで、そういう標準送達日数表というものと従来郵政省の内部でやっておりました基準日数表とは若干性格が違うものでございます。先ほど五十数%という数字がございましたけれども、内部だけで見おる一番厳重な最短距離で届けられるという場合の日数表から見ますと大体いまでも五、六割程度しかそうはいっていないわけでございます。ただ、いま申し上げましたのは、その上にそういった多少のそのときそのときのやむを得ざる事情によるアローアンスを見たものを発表いたしておりますから、その数字から見ますと大体九割程度のものが確保されている、さように申し上げた次第でございます。
○案納勝君 それでいま郵務局長から答弁ありましたその中で、四十九年の三月一日深夜便の航空搭載が廃止になり、これに伴って郵便のおくれは二百十万通程度だと、これは三月。速達が約二十五万通、これは半日、通常については一日おくれが出るというふうに石井郵務局長が昨年の三月の予算委員会で答弁された。要するにいまここへ出されてきた郵便日数確保状況の中でもこれらのものが つまり変化として生まれてきていないけれども、航空搭載が廃止をされたこれらの影響というのは私は無視できない。こういったものについての郵便の条件が変化をしている今日、これらの航空搭載廃止に伴う影響はさらにどの程度今日残ってきているのか、こういった点について。
○政府委員(石井多加三君) ただいま御指摘のとおり昨年の三月以降、いわゆる深夜における郵便の専用の航空便を飛ばすことを廃止いたしました。若干のものはそのまま残りましたけれども、これも昨年の秋に廃止いたしまして、現在、いわゆる深夜帯における郵便の専用便による送達ということは一切いたしておりません。その深夜便の廃止に伴いまずる郵便のおくれにつきましては、その当時すでに発表いたしまして、つまり昨年の三月の時点でそれまでお約束しておりました、全国の郵便局で掲げておりました送達日数表を半日ないし一日のおくれで届きますというふうに送達日数表の改定を発表いたしまして、現在、各郵便局に掲示してありまするものは、その深夜便の廃止に伴うものを織り込み済みの数字でございます。
○案納勝君 郵務局長は、先ほど省内の基準と公表された郵便日数の問題についての説明がありましたが、この公表された郵便日数の確保状況がこのように最近急激に、何といいますか、先ほど申し上げたように、九月で主要局あて七九%、自管内では八五・八%、下がってきている。ちなみに四十六年十月では自局管内あて九七・一%、主要局あて九五・九%となっているが、これらの傾向についてその原因をどのように考えていますか。
○政府委員(石井多加三君) ただいま御指摘のとおり、確かに郵便標準日数表の確保率が、四十六年度以降、年を追ってやや低下ぎみでありますことはまことに私たちとしても遺憾に思っているわけでございます。この原因につきましてはいろいろあると思いますけれども、四十六年度、四十七年度、四十八年度、四十九年度とずっと見てみますと、これはいつも言われることでございますが、労使の関係の安定度合いと申しますか、いわゆる三六協約というものの締結されている期間が、四十六年度以降、まあ非常に少なくなってきております。年を追ってこれが減ってきておるわけでございまして、ということは、逆に言いますと、労使関係にいろいろそういった問題が出ておるわけでございまして、これは全国的なそういった協約の締結期間等についてもそうでございまするが、なおそのほかに、各地域ごとの独自の問題等で、三六協約が締結されないという期間が特に最近は多くなっておるように思います。したがって、一般の方々に、いわゆる春闘期間中であるとか年末闘争というような特殊な時期以外の場合でも、そういったような地域的な協約が未締結等のために、逆に言いますと労使間に紛争状態があるために、かりに協約が締結されましても、何といいますか、もう一つ仕事の面での意欲がわかないといったようなこともございます。いろんなそういう個々の地域あるいは個々の郵便局のその局独自のトラブル等によっての郵便のおくれというふうな問題も、まあ年を追ってだんだんふえてきておると、そのような全体的な傾向が、いまのような標準送達日数表の確保率の低下というふうな形になってあらわれておるのではないかと、まあほかにも原因はあろうかと思いますが、やはり労使間の安定といったことが非常に郵便の送達日数の確保の上に大事であるということを痛感しておる次第でございます。
○案納勝君 それは少し違うんじゃないですか。私は、四十六年から四十九年に見て、労使間の三六の締結がおくれるから、労使間のそういった紛争が長引くから郵便物がおくれてきているというよりも、現実的にいま言われる三六を結ばなければ、要するに時間外の労働をしなければ郵便物の流れを正常にすることができないという状態を私は一つは裏書きしていると思いますが、もう一つは、たとえば郵便を区分をするにしても、今日、定形外、定形内とあって、しかも、一つの例を挙げると、たとえば最近の電通関係の料金のはがきなどは、御案内のように、かたかなでタイプで打ってくる。従来のように漢字で書いておればそれなりの郵便区分は従来のやり方からするならば大変スムーズにいきますが、これをかたかなの場合は一一見なくちゃならぬ、読まなくちゃわからない。あるいはさまざまの定形外の郵便物が縦にしたり横にしたりしてくる。あるいは物数についても、主要都市を中心にする人口過密度の、あるいは人口の流動の状態、こういうものが、私は、郵便物の流れ自体について、全体の社会の構造の変化に伴ってこういう状態が出てきているというふうに考える。いま石井局長から言うと、労使の紛争がその主たる原因のように言われていますが、それじゃお尋ねをしますが、昭和三十年を一〇〇として物数と定員の伸びは四十八年はどのようになっていますか。
○政府委員(石井多加三君) お答えいたします。 昭和三十年度における郵便の総引き受け物数は約四十八億でございまして、これを一〇〇といたしますると、四十八年度の数字は百三十二億でございますから、指数で言いますと二七二ということになるわけでございます。それから、これを処理する要員といたしまして、昭和三十年度における郵便関係の要員の数は七万七千三百八十三人でございます。今日、四十八年度で十三万一千八百十六人というのが定員でございまするから、指数で申しまるすと一七〇ということになっております。まあ、これを物数と要員との増加指数は同じにはなっておりませんけれども、これは先生も御案内と思いますが、取り扱いの処理の集約化とか、あるいは作業の機械化等、いわゆる全体としての処理能率が向上するためでございまして、まあ、たとえば郵便の外務員が配達をいたします場合でも、郵便の物数が同じ家にいままで二通配達しておったものがかりに三通になりましても、それは同じ労働力でやれるわけでございまして、配達個所数がふえるといったような場合には、かりに配達個所数が倍になったというふうな場合には、そういった今度は増の要素が出てきますけれども、それも、何といいますか、歩く距離から言いますると、順路の中で配達するための手間暇はかかりますけれども、走行の距離というようなことにつきましては必ずしも倍になるわけではございませんので、そういったような場合等も大体従来のかりに倍になりましても、二分の一、五割アップ程度の労働力で処理できるというふうなことも言えるかと思います。いずれにいたしましても、そういった物数と要員の関係は、いま申し上げましたような数字でございまして、われわれとしては、郵便物数の増加に対処して、それを処理する必要な要員は確保してきておると、さように考えております。
○案納勝君 私は、石井さんの言われるのは言い逃れにしかすぎないと思うのです。郵便省自身も認めているじゃないですか。先ほど私がちょっと言った、四十六年十月一日発行の「明日の郵便事業のために」という中に、「今後ますます増加する需要に対し、機械化による省力策が可能な分野が必らずしも多くないため、今後とも労働力に依存する必要性が少しも減少しないことである。とくに、外務作業面においては、機動化による能率アップは可能であるにしても、基本的には人力による作業であり、取扱方法を抜本的に改正しない限り大きな省力化は望めない。最近推進されてきている外部委託も、省力化というより転力化とみるべきものであり、この限りにおいてはやはり労働力の緩和をしたものでない」、要するに、このように指摘をされているじゃないですか。あなたの言っている機械化や合理化や集配運送施設の改善等で、これらの物数と要員の差というのは、これは埋め合わせがつくと、こう言っている。しかし、現実の課題として今日までの物数増に伴う要員の点については、その不足分を超勤や臨時雇いで維持しなければならないという現状にあるんじゃないですか。 たとえば、私がここでお聞きしますが、これはある統括局です。あなたは要員は十分確保されていると言う。第一集配課で八班あります。一班は十名、二班は九名、三班は九名、四班は十名、それから五班は八名、六班は十名、七班は九名、八班は九名。機動車、自転車、自動車が入っています。そして、これらの第一集配課で毎日郵便物の取り扱いをやっている場合の残物数が——配達したあと残る物数は、平常第一集配課で一万一千四十通は常に残るという現状。第二集配課では一万一千八十通は常に残っているという現状。職員は一〇〇%以上仕事をしている。それは、年末年始の年賀はがきの結束状況はその局では一〇〇%、これは要員や賃金やその他の施設費等の充足で一〇〇%の結束をあげているんです。平常の郵便物の配達状況はこのようなあれです。たとえばこの間、あなたが御案内のとおり熊谷の郵便局で問題がありましたが、十一月の二十七日に職員には集配課長は自転車のハンドルにかばんを二つ提げて荷台にファールバーをもう一つ置いて、その上に肩にかばんをかけて業務命令だ、配達せいと言っている。これで自転車運転できないです。そして、しかも一昨年の十月にどうしても二名の増員ということで令達されたにかかわらず、去年の六月までその令達が充足をされない。そういう事態というのは、私はここにある資料だけでなくして、都市近郊の普通局段階では常にその事態が起こっているじゃないですか。東京都内の二号便はどうなっているんですか。たとえば郵便課の場合に例をとっても、この統括局では普通、通常係では常時パートが二名、非常勤三名を配置しなければ業務運営ができないという状態なんです。窓口係では常時非常勤を一名配置しなければならないし、定員十名中、木曜金曜、土曜は一名しか年休は取れないという状態、そういう中で言われるとおり要員は充足をされていますという答えが果たして出るか。そのことについて大変私は不思議でならない。 お尋ねをしますが、六カ月以上の長期雇用をやっている臨時職員は、いま郵政省何名いますか。
○政府委員(神山文男君) お答えいたします。 月二十日以上雇用いたしまして、六カ月以上そういう状態が続いている非常勤でございますが、現在日額制の者が千九百四十五名。それから時間給制、パートタイマーでございますが、これが二千八百九名ということでございまして、合計四千七百五十四名でございます。
○案納勝君 これは、常時月二十日以上、六カ月以上という数字ですね、勤務している。ということは、これらの非常勤の皆さんは、非常勤という安い賃金で四千七百名という膨大な人が、本務者と変わらず仕事をしているということなんです。この非常勤の態様についてお尋ねしますが、人事院は四十五年十月一日付で現行の国家公務員の非常勤職員について、その制度を今日の現行制度に変えました。それは日々雇い入れを強調したもので、同じ人を連続して雇うというよりも、そういう制度でなくして、長期に雇用しないという思想の中で人事院の制度の改革がなされた。ところが郵政省の場合は、そんなやり方が事実上できない、非常勤によってしか正常な業務を回すことができない状態ですから、こういう状態が出ているわけです。石井さんが先ほど言った、要員は確保されているという面から見ても、全くこの非常勤の長期にわたる人たち、本来ならば定員化をして、国民の委託にこたえる、そういう郵便の送達というものを確保すべき私は立場にあるのじゃないかと思いますが、いかがですか。
○政府委員(石井多加三君) 私が先ほど郵便の送達日数表に対する確保率がだんだん落ちてきた理由の一つ、特に大事なものとして労使関係の問題を取り上げたわけでございますが、私の方の説明が非常に不十分だったと思いますけれども、昭和三十年度と四十八年度との郵便物数、それから要員の確保状況、二七二対一七〇だったと思いますが、この数字からだけ議論して、その間約百ばかりの足りない点が、これがすべて要員不足ではないかというような御趣旨のように受け取れましたので、全般的な郵便物数とその要員との関係には、ずばりこれがいつも正比例していくものではないという意味のことを申し上げたわけでございまして、まあ私たちとしては全体としてはやはり郵便物数の伸びが毎年ございまするし、それに対応しての要員を予算要求をし、それを予算でとっておるということを申し上げておるわけでございます。 確かに御指摘のとおり、全体の枠としてはともかくとしまして、特に大都市の周辺の、先ほど具体的な例としてお挙げになりましたような局の場合に、人口の急激な増高というふうなこと、特に大規模な団地等が次々と建っていくというふうな、そういうような状態の中で、個々の局の問題としては、これはまあ局舎の問題もあろうかと思いますが、そこの要員の問題等につきましても、どちらかというとやはりおくれぎみ、後手に回りぎみでございました。そのための郵便の滞留というようなことがあってはなりませんので、われわれとしては最大そういった状況等をあらかじめ見ながら措置をしてまいったつもりでございますが、実態は必ずしもそこのところへてきぱきと要員措置ができていないというふうなことから御指摘のような問題が出ており、またそれが郵便の滞留の一つの原因にもなっておるということは私も事実として認めるところでございます。そういった面につきましては十分今後も注意をして、そういった郵便物数の増高に、その地帯における郵便物数の増高におくれをとらないような要員措置を講じてまいりたい、さように考えます。
○案納勝君 ここに、四十九年十一月二十四日、読売新聞が、「郵政に一言」という投書欄で投書を求めたとき、これは大臣もよくお聞きいただきたいのですが、郵政の内部から投書が出されている。幾つか紹介をしますが、「いくら走っても配達終わらぬ」「超勤をしなければ終わらない大量のダイレクトメール郵便物をいかにして完配してゆくか、私はいつも配達しながら考えます。階段を上ったり下ったり、車と人ごみの間をかき分け、押しのけ、強引に自転車を走らせます。夏は下着まで汗だらけ、冬は手が痛くて感覚がなくなります。それでも私の受け持ち区域は終わりません。私は郵政事業の末端の末端です。同じ日に配達されなければならない郵便物が明日に伸ばされるのを心に痛く思いながら帰局します。私は一日一回の配達の原則も守れない状態を、一日も早く解消出来ることを願っております。」とこう言っている。これは神奈川県の海老名市。 それからもう一つは新潟県ですが、「長男に「郵便局員にはなるな」」「郵便局で働く夫を見ていると本当にひどい職場だと思います。結婚二年目、夫とはほとんど一緒に食事をしたことがありません。変則勤務の夫は、早い日で午前六時、遅い日で午後四時半から勤務で、その間に六通りの勤務体系があって毎日ちがいます。終業時から次の始業時まで七時間五十五分の日もあります。たまに早く帰宅した時なんか、疲れた体で長男を抱きながら「お前は郵便局員にはなるな」といいます。私は複雑な心境になります。」こう言っているのです。東京中央郵便局で、第四特殊課では一カ月の指定日が二十八日で夜勤が二十一回あるのです。こういうのは正常な勤務だと思いますか。これは島という人です。さらに第四普通課の例においても同じであります。二十八日の勤務の中で日勤というのは六日しかないのです。第一普通課においても同じなのです。このような夜間勤務が、しかも変則的に行われ、しかも郵便物は先ほど郵務局長が言ったように、三十年を百として二百七十からの指数、人手は百七十ぐらい、追いついていない。神戸で尼崎北で夜勤が苦しいって言って樋口という主事の人がなくなりました。その上に先ほど言うように、非常勤というのが、これは四千七百名から、しかも常に長期にわたって本務者と違う状態で雇用され、先ほどの石井さんじゃないですが、時間外労働を協約を結ばない期間が長いから郵便はおくれるという。時間外に働かなければ非常勤を大量に雇わなければ、そして職場の労働の密度はいまの私が申し上げたような状態。これがいまの郵便事業の要員と物数の状況だと、私はもう一回この非常勤のあるいは要員のあり方について見直すべきだと思う。その点大臣どうお考えになりますか。
○政府委員(石井多加三君) 私から申し上げるまでもないことでございますが、郵便の出回りには当然のこととしまして月別に、あるいはまた日別にたいへんな波動があるわけでございまして、毎日毎日の取り扱い量を平準化するということは、郵政省の側からはこれをいかんともしがたい困難な問題でございます。したがいまして、この月別に、あるいはまた日別のいかなる波動にも対応できるような、ピーク時に必要な要員の配置を常態的に行うということになりますると、これは事業経営の効率をたいへん阻害することになるわけでございます。平生の業務量をどのようにとらえるかという問題でございますけれども、平常のそういった業務量を著しく超えるような出回りがある場合には、職員の方々の時間外の労働とかあるいはただいま御指摘の非常勤の職員の雇用といったようなことによって対処しておりますとともに、また急に職員の人が休んだ、病気で欠務をしたというふうな予測の困難な場合の後補充というようなことも、そのようなあるいは時間外労働とかあるいは非常勤の雇用といったようなことでやっておるわけでございまして、これをすべて全部定員で処理するということもこれは困難な部面があるということは郵便事業の一つの宿命的な問題ではないかと考えるわけであります。
○案納勝君 大臣、どう思いますか。
○国務大臣(村上勇君) なかなかむずかしい、考えようによっては非常にむずかしい御質問でありますが、私自身私の経験から割り出してみますと、私も二十五年間盆も正月も日曜も祭日もない、朝の五時から晩の八時ごろまで働き詰めた。しかしそれは非常に喜んで、一つも苦しくない。そうして働くことが非常な一つの誇りというよりも楽しみであったという働き方もあります。で、いまの、月に六日も七日も夜勤をやるという従業員の不自然な生活については、これは考えようによっては私は非常に同情し、そういうことのないようにするのがほんとうだと思います。しかし、ある時期によって先ほど郵務局長がお答えいたしましたように、その時期によって非常に滞貨がある、その場合にはほんとうに汗を流して遅くなってもひとつしんぼうしてやろうという、そこにその仕事に対する誇りを持ってその使命感を非常に満足してやる場合もあります。いろいろありますが、とにかくしかしそういうことでそれはもう昔の話で、今日ではそういうようなことではいかないのでありまして、どこまでもその生活というものが無理のない生活のもとに勤務をするということが望ましいことでありますので、十分御指摘の点を研究しまして御期待に沿うように努力したいと思います。
○案納勝君 まあ大臣の昔話は、これは大分あの当時と違うんですよね。大臣が第一回、二十年前に大臣になられたときともまたいまは違う。しかし、いま私が言ったように、二十八日の勤務の中で二十一回夜勤が続き、日勤は二日しかないという状態、これが普通なんですよ。先ほど言ったように、これはいま申し上げたのは第四特殊課という東京中央郵便局の勤務、第四普通課の例では日勤は二十八日のうち六日しかない。それでは正常な家庭生活なんてないですよ。先ほど言うように、私の長男は郵便局に勤めないということになるんですよ。その勤務とあわせて先ほど言うように物を全部持ち出すにあたって自転車のハンドルにカバンを二つかける、後ろにかごをつける、あわせて肩にカバンをかけるというんですよ。どうやって運転するんですか。行かなきゃ業務命令だと、処分だと、こう言うんです。それはまさに人間わざじゃないですよ。そういって持ち出して配達をしなくちゃならぬような状態、人が足らないということ明らかなんです。いま私が申し上げたように四千七百四十六名というようなこの数字は非常勤ですが、その人たちは中学卒業の初任給よりも四百二十四円月収にしたら少ない金額で働いているんです、月にしたら。まさにたとえば一人当たりの中学卒業の人の賃金は一日当たり計算しますと三千二十四円になりますが、これらの臨時に働いている人たちは年は幾つであろうと二千六百円、これは賃金を流すにあたっていろいろ種別がありますが、一番高いところの地域であります。まさに村上郵政大臣、郵政省は中学新卒並みで、非常勤の皆さんでそれ以下の賃金で、労働省の調査による毎月勤労統計調査報告の中でも郵便事業というのは最低のランクをされる、そういう中で雇用も実は不安定、しかもそれらの人がいなければ仕事は回らない、そういう状態を私は雇用の一定の本務化を行なって安定化を図っていく。郵便事業ですから、その波に合わせて一定の非常勤や時間外労働は必要な分は私たちも認めます。しかしそれは一定のことであって、主たる業務がそういう人によって、そういう態様によって解消しなくちゃならないような今日のやり方というのは、今日大事な郵便事業の置かれているときから考えたら、私は一日も早く解消すべきときだ、そのことが郵便事業の将来展望をつくることになるんじゃないですか。職場の不信感を解消する道にも通ずるんじゃないでしょうか。私はきょうは総論で、郵便の、あるいは郵政事業の各論と基本問題については触れませんでした。これはあらためて郵便法が提案された段階で行いますが、要員と物数の問題とらえても、私はいま見直すときだと思います。非常勤務、勤務の態様について、夜間勤務について、私は大臣、これをひとつお約束をいただきたい。さらに具体的なことは今後も詰めていくということでお約束いただきたい。
○国務大臣(村上勇君) 非常勤を常勤に直すというようなことについては、まあその前後の事情をよく勘案してそういう必要があれば、そういうことにすることは望ましと思いますが、これにつきましては、各省ともに政府全体の問題でありまして、その定員をどんどんふやしていくということにつきましては、なかなか困難がありますので、こういう点についてはその重要度等を勘案して、そういう多くの人が月のうちに二日か三日しか昼の働きがなくて、夜番ばかりやっているというようなことになれば、これは十分検討しなきゃならぬと思います。
○案納勝君 大臣の答弁はありましたが、私はいま具体的なそれについての見解をあるいは施策を求めても、それは無理だと思いますが、ただ、要員上の問題で政府との関係もあることは認めます。ただ、郵政事業の場合はやっぱり働いて、それでその上で実は郵政事業の中でそれらの収支について相償の立場をとってきているわけです。税金なんかもらってないんですよ。だから、その意味では郵便事業はどのように国民の委託にこたえるかという立場で、郵政事業としては独自な相当勇気を持って私はこれらの問題について取り組むことが必要だと思う。これらについてまだ質問が残っていますが、時間の関係、がありますので、これ以上の質問については保留させてもらいます。 なお、きょう電電公社のほうも質問の予定でお呼びをいたしておりましたが、時間がありませんから、次回に回させていただきたいと思います。保留をさせていただきます。
○委員長(前川旦君) それでは午後一時四十分より再開することとし、暫時休憩いたします。 午前十一時四十分休憩 —————・————— 午後一時四十分開会
○委員長(前川旦君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 午前中に引き続き、昭和四十七年度決算外二件を議題とし、郵政省とそれに関係する日本電信電話公社の決算について審査を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○松岡克由君 郵政省、きょうは四点にわたってただしたいと思います。 一点が簡易郵便局の問題です。それから次に郵政事業のサービス問題、これはやっぱり窓口として大変大事なことであるということで。それから放送の電波の問題、コマーシャルの問題を含んで。それから四番にちょっと切手の問題に触れてみたいと思うのです。 最初に簡易郵便局の問題です。これは、私は郵政事業のある典型または本質に触れる問題であると思いますので、当局の率直なる答弁を期待いたします。まず簡易郵便局の所在地域、局数並びにそれから個人受託の数など、これを報告してください。
○政府委員(石井多加三君) 簡易郵便局の昭和五十年一月末現在における数でございますが、全国で三千八百九局ありまして、このうち、ただいまお話の出ました個人受託局は千五百四十一局でございます。この配置状況を全国見てみますと、地方別に見ますと、九州地方、特に鹿児島県とか熊本県、それから信越地方、これはまあ長野、新潟の両県でございますが、それから東北地方、特に岩手県とか福島県、こういったところが非常に多いわけでございます。それから反対に少ないのは、東京都でございますとか、あるいは関東地方、特に神奈川県、千葉県、埼玉県といったような東京に近いところが少なくなっております。もちろん沖繩県は非常にまた少ないわけでございますが……。 それから、この簡易局の設置の趣旨から言いまして、大体法律に書いておりまするように、へんぴな地方にまで郵政事業の役務を広める、それで国民に対するサービスをよくしようという、そういう趣旨で置いてありますので、いま申しましたような地方には郵政省のいわゆる直轄局と申しますか、普通局とか特定局とか非常に配置がやはり少なくなっておる。それを補完すると申し上げるとちょっと言葉が適切でないかもしれませんが、そういう地帯に非常に多くなっておる、そういうことが言えると思います。
○松岡克由君 現在の状況を見ると、地方に必要である、したがってふえていく、これは当然のことだと思います。公共名義もございますね。しかし、公共名義でも実際は個人の業務になっているという例がかなり多いということを伺っておりますのですが、個人受託数というのは、実際にそういうふうな言い方をすると、もっとふえるのではないか。まして再受託を頼んでいるけども、それが届かぬというようなこともたくさん例がございますんで、その辺の数を正式に聞かしてください。
○政府委員(石井多加三君) 先ほど個人受託の数を千五百四十一局と申し上げましたけれども、そのほかの、つまり個人以外の団体で受託しておるものの中で、いま御指摘のように、実質的には個人がやっておるというふうな形になっておる局があるわけでございますが、この辺の取扱者とそこの団体との関係はいろいろ千差万別でございまして、私どものほうでも詳細な資料を持ち合わせていないわけでございます。ただ、個人受託ができましたのは昭和四十五年でございまするので、それ以前までに団体が受託しておった局であって事務取扱者の家を建物として使用しておったというふうなものが実は約千三百局ばかりございまして、こういったものが、その後個人受託に切りかえたものが約千百局というふうになっているわけでございます。
○松岡克由君 そのわからぬというのは大変怠慢なんだ。なぜ怠慢かと言うと、これは失礼ということは、再受託をどんどん頼んでいるわけですね。再受託を頼むということは、これは実際には公共団体の名前においてこれは許可されているけども、実際は公共団体が個人に任してあるわけです、もう。個人に任してあるんです。任してあるから、もうこの個人たちは直に郵政省とやってくれと頼んでいるわけです、盛んに。頼んでいる事実がたくさんあるわけですよ。頼んでいる事実があるから、これは数がわからぬ、そんなばかな——数が出るわけがない、そんなもの。わかるはずですよ。じゃ全く把握していないということでしょう。これはおかしいよ。
○政府委員(石井多加三君) 昭和四十五年度に個人受託の制度ができまして以来の簡易局の新設の局数が約六百ばかりあるわけでございますけれども、この中で個人受託のものは四百三十ばかりあるわけでございます、これはもう完全な個人受託でございまして。それから先ほど申し上げました千三百、実質的に事務の取扱者の家を使って局をやっておったというものが約千三百あると申しましたが、その中で千百のものが個人受託に切りかえたわけでございますから、全然わからぬということを申し上げたのじゃなくて、そういう意味でわかっているものだけを申し上げまして千百プラス新しくできた四百三十六、したがって個人受託のものの私のほうでつかんでおります数だけで言いまして、千五百三十六ばかりがそういうものであるということは言えるわけでございますが、なお、そのほかにも実質的には団体の名前で個人の受託になっているものがあるかと思いますが、そこの数字の的確な数字をちょっとつかみがねているということを申し上げたわけでございます。
○松岡克由君 ちょっと確認のために聞きますがね、その個人受託が最初に千五百四十一件と言いましたですけれども、それ、よろしいですか。それ、あとになったら含めて千五百四十一件に変わってきていますが、含むんですか、含んでないんですか。最初の、どうなんですか、それ。
○政府委員(石井多加三君) 五十年の一月末現在の数字で申しますると、個人受託の数は千五百四十一でございます。ちょっとその後の数字もございまするので、いま私が申し上げました千百プラス四百三十六ということになりますと千五百三十六で五局ばかり数字が違っておりますが、これは若干とるタイミングの違いかと思いますので……。
○松岡克由君 御承知のとおり昭和四十五年に簡易郵便局法を改正して個人受託の道を開いたわけですが、その最大の理由は、早急に簡易局を設置しなければならぬところが全国に二千カ所あるという必要性から今日こういったことになってきた。ところが五年経過した今日、その予算の三分の一しか増設されていない。きょう会場にも聞きにおいでになっていると思うんですけども、全国簡易郵便局連合会会長の北村会長がここに、新聞にも述べているんですけども、三分の一しか予算が使われていない、してない、ところが特定局のほうはほとんど一〇〇%これが許可しているという。現実にもまだまだ申請して許可されていないのが、また却下された場合もあるかもしれませんが、二百十五という数が残っております、全国で。これはどういうことになっているんですかね。私はこの希望者が少ないというような返事もちらっと聞いたことがあるんですが、そんなことはないはずなんでございまして、希望者があるけども満たされない。満たされないけれども予算はほとんど使ってない、また特定局のほうはほとんど満たされているというこの違いというもの、この差というものをどう釈明しますか。
○政府委員(石井多加三君) 確かにお尋ねのとおり、昭和四十五年当時、この簡易局を従来公共団体のみであったものにプラスして個人受託を認めていただくというその問題につきまして法案審議をいただいた際に、どのくらいこの個人受託によるものが今後あるかということが当時の国会の議事録に載っておりまして、私どもそれを読みますと、いまおっしゃったような数字が一応議論されております。見込みとして申し上げた数字でございますけれども、まあ私たちいま率直にこれを考えてみますと、若干この数字は多かったような気がいたしまするけれども、それで実はこの制度が発足以来、簡易局の四十五年から今年度までの申請の数は九百三十六ございます。その中ですでに設置いたしたものが六百十三でございまして、約六五%ばかりでございます。これもやはり幾ら人口が少ないところでも置くということでもございませんし、やはりある程度の利用者数が見込まれるところでないと置きませんので、私どもの内部で一つの基準を持っておりますけれども、この基準は必ずしも非常に融通性のない基準ではございませんが、いずれにいたしましても、その基準から見ましてまだとうていこの基準には該当しない、申請はあるけれども、もう少し様子を見ないとちょっと設置までにはいかないという局が約百六十ばかりあるわけでございます。そのほか、まだいまおっしゃったようなそこに適当な、簡易郵便局の個人受託になりますると、だれでもいいというわけではございません、やはり郵便貯金保険の基礎的な事業についてのある程度の知識を持っていただく、あるいは勉強していただかなければなりませんので、そういった点で適格者が得られないというふうなことでこの設置ができてないというものもやっぱり百六十五、六あるわけでございます。
○松岡克由君 ちょっと正確を期するために伺いますが、いまこちらの資料で残っているのが二百十五という数字が出ています。その中に、百六十は人間的にまたは業務に適格でないからということですか、そういうことですか。
○政府委員(石井多加三君) ちょっと数字が食い違っておりますが、私の方で持っておりますのは、四十五年度から四十九年度までの申請を受けたものの合計が九百三十六、そのうちですでに設置されたものは六百十三でございまして、その差が三百二十三になりますか、これが未設置でございますが、その中に何といいますか、設置の基準から見てまだとてもそこまでいかないというのが約百六十近く、五十七でございますか、的確に申し上げますと。それから、その他いま申し上げたような適任者が得られないと、その他の事情もあると思いますが、そういったことでできてないのが百六十六、合計して三百二十三でございますか、という数字でございます。
○松岡克由君 ということは、条件さえ整えばいつでもやるということですね。
○政府委員(石井多加三君) そのとおりでございます。
○松岡克由君 それは覚えておいてくださいね。ということは、いま言う弊害があるからできないので、繰り返すようですけれども、それがなくなれば速やかにやるのにはやぶさかじゃないし、またそのための予算もあるわけでございますね。結構でございます。 それから、再受託ということばがあります。私も逓信委員に指名されておりますので、その勉強ですから、三年ぐらいの勉強で大変浅いんでございますけれども、公共団体はわりと郵政省から簡易局が許される、ところが公共団体がわりとその個人に任している例というのが多いんですね。その個人に任していると、まあこれはいいです、個人で頼むよりも公共団体の方が許可がおりやすいですから。その個人たちが、もう長年やっておりまして、もうこれは十分やっていけるというので、ひとつ公共団体は外してもいいじゃないかと、郵政省に直ちにやってほしいと、いろいろなもろもろのことをですな、これは再受託とこう言っておりますがね。これがわりとかなえられてないという訴えがあるんですね。この辺はどう把握していますか。またどういう考えですか。
○政府委員(石井多加三君) 先ほど冒頭の数字の御説明のとき申し上げましたように、個人受託の数は、この制度ができましてから、個人受託でなかったいまおっしゃる団体で委託したものの中からでも千百はすでに切りかえられておるわけでございます。したがってかなりの数がかつて団体契約だったものが個人契約に移っておる、そういう意味でもこの個人受託の制度は生かされておると思うわけでございまして、私たちの方といたしましては、特に個人受託を抑えるとかといったような考え方は持っておりませんが、問題は、農協でありますとか漁協とか地方公共団体等とその受託者との間のその辺の話し合いが円満につけばできるのじゃないかと思うのでございますが、法律の趣旨は、この簡易局法の第四条の第二項に、これは第三条を受けての条文でございますが、まず第一番は地方公共団体、二番目に農業協同組合、三番目に漁業協同組合、四、消費生活協同組合、それから五番目に「十分な社会的信用を有し、かつ、郵政窓口事務を適正に行なうために必要な能力を有する個人」というふうになっておりまして、この順番は実は私たちの方で勝手にこれを覆すことはできない。
○松岡克由君 変えてくれと言っていません。
○政府委員(石井多加三君) 法律の順番に従ってやらざるを得ない形になっております。実質的には、余談になりますけれども、たとえば農協等のやっております場合には、やはり農協の方も貯金をやっておるというふうなことから、郵便貯金と競合するといったような問題もございまして、そういった場合には、われわれとしては、むしろいま御指摘のような個人でやればそういった制約を離れて郵便貯金を扱うこともできるといったような面でむしろ歓迎すべき面もあろうかと思いまするので、意見としてはいろいろ持つわけでございますが、現在の法律のたてまえは、あくまでこの順序は厳正にやるようにというふうに拘束を受けておるわけでございます。
○松岡克由君 その順番の話は、これはまた申請している連中に言わせると、またいろいろ不満もあるし、また法律的なものもあるでしょうから、それはちょっとたな上げしておきまして、ちょっとさっきからひっかかっているのは、そのまだ残っている、申請しているけれどもまだそれを許可していない連中たちが、一概にいま数字を挙げて、ざっと半分は人物的にどうのこうの、あと半分はどうのこうのと言っていますが、私はそれはちょっと言い過ぎではないかと思うし、またそんなどこのだれ兵衛だかわからない者が私は頼みに来ないだろうと思うのが、これが社会常識だと思うのですよ。全然、ぶらぶら町を歩いて、どこの何だかわけのわからない者が、郵便局をこしらえさせろとは私は言わぬと思うな、幾ら何でも。だからそれはどこに基準を置くか知らぬですよ、知らぬけれども、少なくも簡易局を置くことというのは、必要に迫られている、現に必要だからこそこうなっているのであるし、たとえば特定局を一軒つくると、溝呂木さんなんかも答えていましたな、二十一局の簡易局に匹敵するぐらいの予算がかかるということを言っておりますですね。それだけやっぱり安くできるというのですからね。私は、ただどうも疑問なものがあるから、これだけの数が出ているからやらないので、ちゃんとそれがそろえば、ちゃんと状態がよくなればやると言っているけれども、そこへ行く前に、果たしてそれが調べてあるのか。私は、どうもただ数字だけでもって、把握していないんじゃないか。話は戻るけれども、そんなわけのわからぬやつが、郵便局をこしらえさしてくれと、おれを局長にせいと言って来ないんではないですか。もし、いやそうでないのだと、こんなひどい例があるのだと、もしあったら聞かしてもらえませんか、納得いけるように。
○政府委員(石井多加三君) 先ほどから申し上げましたように、私たちの方は、予算といたしましては、御指摘のとおり大体毎年三百局を置局するだけの予算を計上いたしておるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、四十五年から四十九年度までの申請の件数全部合わせましても九百三十六ぐらいでございまして、予算の数字よりも、もちろん千数百なければいかぬわけでございますが、ここまでも来ていないわけでございまして、確かに申請の方も私たちが予想しておったより少ないことも事実でございます。 それからただ、いま御指摘のものの中では、もう少し私も個々の具体的なケースについて、どこの地域の何という方からの、あるいは何という村から出ておる申請はこういう理由でということを一々ちょっとここで具体的にお示しし、お答えする資料を持っておりませんので、一般的な考え方として、先ほど申し上げましたような、一方においては設置基準にも、ひとつ郵政省の内部として、幾ら利用者が少なくてもこれは置くのだということにもなりませんで、やはり経済的な運営ということもありまするから、ある程度の利用率が見込まれるということを一つの制限にしており、そこでまた同時に適格な個人受託者が見つかると、両方の要素でございまして、大体半分ぐらいの数字を申し上げましたが、そこのところはもう少し微妙なからみもあろうかと思います。
○松岡克由君 そうですよ。だって、いま半分、仮に残数の、残りの三百二十三の半分は、さっき聞きました一番最後にある、何ですか、人間的にも信用のおける人を選ばなければならないという、その項目に反するというのが半分以上あるから、この件は私は捨てておくと、またはそれが黙って見ていればいいというものではないと思うし、少なくも私が郵便局をやろうというのは、そんな、金もうけばかりじゃなくて、やっぱり一つの意欲があるし、社会に尽くそうというごく素朴な親切な面でもって見る必要があるし、それらをもっともっと——甘くせいとは言いません。厳しく、厳しく、結構です。厳しくて結構ですが、ただ、半分もそれに該当しないという答えだけでは納得できない。いまいみじくも、一般的に考えましてという言葉を使いましたが、私も一般的に考えて、そんなにわけのわからぬやつが郵便局をつくらしてくれとは言ってないはずですからね。その辺をひとつよく調べて、いま言うとおり、許可が出るだけの内容があればいつでも許可することはやぶさかでないとはっきり断言してくれましたので、それをひとつ期待して、次の質問にいきたいと思います。 私ね、いまの答弁だけ聞いていますと、大変熱が入っているように思いますが、過去こういう状態に置いてあるというのは、これはまあげすの勘ぐりと言われると仕方がないんですけれども、郵政当局、簡易局問題にあまり熱が入らぬのではないかという感じがするんですね。それはまあ特定局からの、強いことばで言うと反対、締めつけ、または労働組合との兼ね合いもあるでしょうからね。私は何かこの簡易局というのは、必要であるけれども、現段階に、現実にある労働組合とか、また特定局、これは両方ですわな、野党、与党両サイドの間にはさまって非常に私は冷や飯を食わされていると、そういうことがなければ幸いなんですが、あるのではないかという感じがするんです。だから、いま言ったその答弁も、ここではよい答弁してくれるんです。結果において何にもならぬことが多いんですよ。この間、運輸大臣がそうなんだ。成田空港はいつやるかと、やらなかったらそれを発表する時期ぐらい言えるかと言ったら、言うって言うんだ、はっきり。言うって言っておいて言わないでもってやめちゃうんだね。非常に困るんだよね。ああいうのを大臣にしておくというのはよくないと、私はこの件においては非常に腹が立ったんですけれどもね。いや、ああいう方を大臣にしておくのはどうもよろしくないのではないかとふと憤りを感じたことがあった。これは余談としておいても、どうぞひとつそういったことのないようにやってほしいと思いますが、話はもとへ戻ります。 私は、いろんな思惑がある、あるでしょう。いま言う労働組合の方、また特定局の思惑があるけれども、住民サイドにしたら、やっぱりそこに郵便局があってほしいという素朴な希望というものを、それをやっぱり根底に考えておかなければいけないのではないかと、私はこう思うんです。 そこで再確認したいんですけれども、いま町に一軒しかないところに——極端な例を言いましたよね——一つあってもしょうがないと言うけれども、私は、希望者があったらどんどんどんどんやってもいいじゃないかという気もするんですね。これが一つと、それから、簡易郵便局法に盛られた目的の中に、「郵政事業の役務を辺ぴな地方にまで広め、国民が簡便にこれを利用することができるようにすることを目的とする。」と、こういう項目があるわけですね。したがって、それだったら、私は、そういうこともある程度のまなければしょうがないんじゃないかという気がしますがね。その二つのことを長々と聞きましたけれども、どうでしょう。
○政府委員(石井多加三君) ただいま御指摘の、簡易郵便局の設置についての簡易郵便局法第二条に置き方についての基本的な考え方を書いてあるわけでございますが、「郵政大臣は、郵政窓口事務に関する役務を提供する必要がある場合において、その事務の量が著しく少いため、次条第一項に掲げる者に委託することが経済的であり、且つ、郵政事業の運営上支障がないと認めるとき」という形になっておりまして、やはり極端なお話になるかと思いますが、わずか何人しか世帯がないようなところへ置くとかいうふうなことは、この条文からも、事業の経済的な運営という形をとっておくというたてまえはやはり残しておかなければいかぬのでありまして、無限に、また事実そういうことがあり得るわけでもございませんが、本当のへんぴなところで三軒か五軒しか利用者がないというところまで置くということもいかがかと思えるわけでございます。そうではなくって、もっと置かなきゃならぬところに御指摘のとおり私たちもまだ置くべきものが残っていると思うんでございますが、現実の申請者等の数から言いますと、ちょっと当初予想しておったほどは要望がないというようなところが実態でございます。 それから、なおこれは先ほど御発言にありましたことでちょっとお答えしたいんでございますが、特定郵便局の方はどんどんふやしておるじゃないかと、これに比べて簡易局ばかりを何か非常に抑えておるというようなちょっと感じの御発言がございましたので、確かに特定局の設置の数字を見ますと、四十五年以来、四十五年が二百二、四十六年百六十八、四十七年二百十、四十八年百八十八という数字になっておりまして、これは予算で大体とれておる数の二百ぐらいをいつもいっぱいいっぱいになっておるわけでございます。ただ、この設置——無集配の特定局でございますが、これと簡易局とをじかにすぐストレートに対比するのはいかがであろうかと思うんでございまして、実は私たち、無集配の特定郵便局を設置いたします場合には、やはりこれはまた簡易局よりも相当利用の密度の濃い、たとえば大都市周辺の近郊発展地、よく出ます、団地がたくさんにょきにょきできたような場合に、そこには郵便局を、いままではなかった場合に、やはり利用者の便を考えて置かなきゃならぬ。それは最初簡易郵便局ぐらいで出発して、だんだん大きくなれば無集配の特定局というふうなことも考えられるわけでございますけれども、実際上は最初から一人ぐらいの事務量、簡易局の場合、大体それを一つのめどにしておるわけでございますが、そういった事務量ではとうてい背負い切れない、もう初めから無集配の特定局で、定員三人配置しても、半年か一年するとすぐまたこれを四人にしたり五人にしなきゃならぬほど事務量の非常に大きなところが最近の無集配の設置局の対象になっているわけでございまして、この簡易郵便局の制度ができましたのは昭和二十四年でございますが、これまでの間に、まだ簡易局制度がなかったころには、確かに無集配の特定郵便局をかなりへんぴな地域に置いた例もございます。そういったところと簡易局だけの経済比較をいたしますると、確かに小さな特定局でもやはり二人人間を配置しておるというふうなこと、実際のそこの収入が今日の簡易局と比べてもむしろ少なくなっておるというふうな局があることは私たちも十分承知いたしておりまするけれども、最近の特定郵便局の設置につきましては、もっともっと利用の大きなところに設置いたしておりまするし、しかもこれは、毎年全国から非常に数が多い要望が出ておりまして、とてもいままでのところわれわれの方の設置しておる数では満足し切れないほどまだたくさんいわば積滞みたいなものが残っておるわけでございます。
○松岡克由君 どっちがですか。
○政府委員(石井多加三君) 無集配の特定局の方がたくさん残っておるわけでございまして、別にこちらを特に優遇しようとは思いませんけれども、大都市周辺の非常に発展地が多いわけでございまして、それに対する対処の仕方としての無集配の特定局の設置は、これはおのずから多くなるのはやむを得ないことではないかと思います。
○松岡克由君 わかった。ちょっと説明が長いんでね。まあ私のした質問が、すべてそうではないんだということを言いたいんだと思うんですが、しかし、やはり現実にはこういった苦情が出てくるということは、これはどういう苦情かというと、簡易局のほうが冷や飯を食わされているという苦情が出てくるということは、まんざら火のないところにうわさは立たないのであって、それだけのことがあるんではないかと、われわれのやったことがすべて間違っているとは言いませんですけれども、すべて正当なんだ正当なんだと自分の立場ばかり主張されても困るんでね。私は何も責めようとかなんとかということではなくて、簡易局で必要なところがあればどんどんどんどんやってほしいという、あなたのその一言が、言ってくれた言葉が聞きたいために質問をしているんであって、変に自己弁護は要りませんですからね。そのつもりで会話を進めさせてください。 次に、現存する簡易局が当面している問題なんですけれども、簡易郵便局法の十一条によりますと、「個人たる受託者は、法令により公務に従事する者とみなす。」、ざっくばらんに言えば、つまり郵政省の役人に準ずるということですね、そういうことですね。とあるが、同二項では国家公務員法が適用されないとなっているんですね。この二つの相反するこの状態、これは大変わかるような気もするんですけれども、だから、このためにいろんなトラブルが起きているということも事実、たとえば盗難問題を挙げますと、これは簡易局で盗難があったり、お客様の預かった預金などが損害した場合、補償は、これ、個人が負担をしているのか、まあいろんな場合があると思うんですが、これは郵政省側なのか、これは具体的な例がありましたら、その辺をちょっと聞かせてくれませんか。その違いというのがある、違いがゆえに起きる、たとえばそういった損害の賠償の問題。
○政府委員(永末浩君) 簡易郵便局におきまして、切手、現金等が盗難に遭った場合に、受託者である個人が負担するのか、あるいは国が補償するのかという御質問かと思うわけでございます。これは切手の場合と現金の場合と取り扱いを違えているわけでございまして、受託者がその売りさばきに要する切手、印紙類は郵便局から買い受けて手数料をもらって売りさばくというシステムをとっているわけでございます。したがいまして、手数料をもらって買い受けているわけでございますので、その後盗難に遭った場合等につきましては、国は補償しないということになるわけでございます。 それから、現金の場合でございますが、国の現金等を取り扱う場合の取り決めというのは郵政局と簡易郵便局で委託契約をしているわけでございますが、この国の現金を盗難等で亡失いたしました場合には、不可抗力による盗難の場合は国が補償するということにいたしております。 以上でございます。
○松岡克由君 不可抗力というのの、その裁定むずかしいと思うんですわね、これは世の中に、保険屋も火事の現場、いろんなことがありますのと同じように、どういうのが不可抗力であったかという一例を挙げてみしてくれませんか。
○政府委員(永末浩君) 郵便局の場合、善管注意ということばを使っているわけでございますが、この善管注意義務を怠らなかったということと、それから不可抗力という責任の範囲というのがどう違うかと申しますと、これは非常に法律的な問題でございましてちょっとここで申し上げる必要もないかと思いますが、たとえば盗難の場合、これは不可抗力によるものと私たちいましているわけでございます。
○松岡克由君 その盗難ですがね、盗難に対して、まあ日銀の金庫を破るというのはあまりいないと思うんですがね。やっぱり簡易郵便局ですと、どうしてもねらわれやすいというのが、郵便局は金があるだろうと、俗にこう思って入ってくる場合というのがおそらくなきにしもあらず、またあるんではないかと思う。したがって、その盗難ということは当然考えなきゃならぬ、それを盗難を不可抗力、つまり向こうの責任であると押しつけてしまって果たしていいものかと、現状においてはそういうふうになっていますが、それに対するサービスというか、指導というか、具体的な例を挙げれば、金庫を貸してやるの、やれそれにかかる金を幾らかでも補助するの、そして防犯ベルをつけろと言っているらしいですけれども、それに対する費用の面はどうなのかといったような指導はしているんですか。
○政府委員(永末浩君) これは簡易郵便局といわず、特定局、無人局でございますけれども、非常に盗難が多いわけでございます。したがいまして、いろいろの防犯措置につきましては十分に趣旨を徹底させている次第でございます。で、簡易郵便局が盗難に遭いました場合におきましても、たとえば金庫にかぎもしてなかったというような場合は論外でございますけれども、まあちゃんとかぎをかけてあったというような場合には不可抗力によるものとして国がめんどうをみるようにいたしております。
○松岡克由君 それはやっぱり簡易郵便局というのは必要に迫られてこれだけ数ができてくるゆえに、やっぱり盗難事件というものに対する親切な指導または親切な処置というのは私は絶対に必要であると、彼らを甘やかすという意味で全くない、もちろん厳しく厳しくやる面において、そういった盗難がしにくいような状態になるように——一時タクシー強盗がずいぶんはやりましたが、最終的にはタクシーというのは金は持っていないんだということに気がついてがたんと減った理由もあるんですが、あそこは厳しいんでだめなんだと思わせるようなやっぱりそういうような前向きな姿勢で私は指導してやってほしいと、こう思います。 それから受託者に支払われる基本金額ですね、簡易局の。昭和四十九年では基本額が二万四千二百七十六円、五十年度では三万七百十六円、それからこの中に局舎料も含まれているわけですけれどもね、この基本料ちょっと少ないと思うんですがね、どうでしょうか。
○委員長(前川旦君) 石井郵務局長に申し上げますけれども、声が少し低いんです。マイク使ってもう少し大きい声で御答弁願います。
○政府委員(石井多加三君) 最近の簡易局の手数料の引き上げの問題でございますけれども、ただいま御指摘のありました基本料と、これはまあ一定額の定額でございますが、業務量に対応した取扱料、加算額という両方の合計されたものになっておるわけでございます。この基本料のみならず手数料全体について……
○松岡克由君 基本料の話をしてるんで、基本料の答えてくれ。
○政府委員(石井多加三君) 基本料につきましては、毎年実はこれを上げてまいっておりまして、四十九年度を一〇〇といたしますると五十年度は十二六というふうに上げる予定ではおりますが、まあこれが必ずしも十分だとは思いませんけれども、毎年こういったアップをしてまいっておりまして、まあ大体この基本料だけでということでもございませんから、全体を通じてみますとまあまあのところへいってるんではないかと思うわけでございます。
○松岡克由君 その、局舎料と私は言ったんですけれどもね、自分のうちの片すみというような言い方もあるかもしれませんが、しかし提供していることは事実提供しているという、ここで見なきやならぬと私は思うのですね。土地とか地域によっていろいろ実態が違うと思うんですがね。しかし、いま言うとおり自分のうちの一部をそこに置いてやっている、ですから、これはまあ向こうで頼みに来たんだから、やりたいからやらせるというのでは私はいかぬと思う。しょせん人間対人間のもんですから、やっぱり郵政局は簡易局に言ってやっていただくと、受託者はやらせていただくと、乗ってやる、乗っけてやるじゃなく、乗せていただく、乗っていただくというような、対人間感情でいかないと私はもたぬじゃないかと思うのですけれども、やはり局舎料という考えですね、こういうのを別にどうのこうのという気持ちは、これはぼくのアイデアとして言うのですが、ありませんか、当面。
○政府委員(石井多加三君) 先ほど申し上げました基本額の中には、ただいま御指摘のような局舎料に相当する部分も含めてわれわれは出しているつもりでございます。この局舎料に相当する部分も社会経済情勢の変動に対応して逐年これを改定してきておるというわけでございます。個々の内訳を特に申し上げませんけれども、基本料の計算の根拠にはこういったものも当然入っておるわけでございます。
○松岡克由君 それからいまさっき、まだ触れなくてもけっこうと言葉をとめました、その手数料の問題なんですけれどもね、現在全国の平均実績が三万五千五百七十円、これにさっき言った基本額を合わせて、月収が五万九千八百四十六円、約六万円ということになってるんですが、たばこの小売店をちょっと私調べてみましたら、大体一カ月全国平均収入が約五万円ということになってるんですね。これに比較すると私はちょっと安いのではないかと、比較ですけれどもね。たばこ屋というのは、言っちゃ悪いけれども子供でも店番しながらできる、中学生でも本を読みながらできる、または自動販売機という方法もある。ところが郵便局のほうは、私は大変手数がかかる、要するに公共性業務ですね、それから複雑ですから、何かレベルが違うんではないかというような感じがするんですがね、預金から、または年金の扱い事務もあるでしょう、郵便物引受、いろいろありますわね、質的に違うんではないかと、だったら私はいま言った基本額ですか、それから手数料、私はもっとアップして倍ぐらいやっても罰は当たらないような気がするのですけれどもね、私は、そしてまた経済効率とか、それからサービス性からいってもそれほど損にはならないと思いますがね。倍というのは極端かもしれませんが、たばこに比べていかにも私は大変な割りに安いような気がしますが、聞いてましてどうですか。一言何か、政務次官でもいい。
○政府委員(稲村利幸君) 専門的に政府委員からひとつ答弁させます。
○政府委員(石井多加三君) この基本料、ただいまお話に出ましたように、四十九年度はこれは平均で予算で見まして二万四千二百七十六円、今度それを五十年度予算では三万七百十六円、一二八・五%というふうにもっていきたいと思っておるわけでございますが、取扱料とか加算額、やはり事業でございまするから、いわゆる基本料ばかりでこういったものを——まあ特に委託契約になっておるわけでございまするし——やるよりも、やはりそれぞれの簡易局の責任者の方のいろんな面での仕事の意欲をかき立てていただきまして、たとえば貯金や保険の仕事もどんどんやっていただいていいわけでございます。そういったようなこともやれば、取扱料とかあるいは加算額の方ではずいぶんまだ上にもっていけるわけでございます。まあこれは、どこからどこまでが基本額として適切なものかどうか、全体の中で基本額がどのくらいがいいかということについてはいろいろ見方もあろうかと思いますが、先ほど申し上げましたように、基本額の方もまた取扱料の方も、年年、大体来年度の場合は今年度に比べて三〇%増というふうな形で漸次引き上げていっておりまするので、私は特に非常にこれが足りないというふうには感じていないわけでございます。
○松岡克由君 しかし、いまあなたの立場では、足らないと言うとまた問題が起きますからね。なかなか言いにくいだろうと思うけれども、私は、たばこ屋さんと郵便局と比べてどうもやっぱり低いと感じるんです。そんなことはない、たばこ屋のほうが高過ぎるんだという意見はおそらくないと思いますからね。私はちょっと低過ぎると、こう断言して、もうちょっとやってもいいんではないかというこの気持ちをくみ取ってほしいと、こう思っております。 それから、個人受託者の傷病なんですけどもですね。契約者、まあ当人ですわね、これが病気の場合、または業務事故の場合、見舞い金などの制度というのはあるんですか、手短に聞かしてください。
○政府委員(石井多加三君) 個人受託者が業務上に起因する病気とか、けが等の場合の見舞い金でございますが、これは受託者または代行者が委託事務の取り扱い上負傷したとか、あるいは疾病にかかったとか、廃疾とか死亡等の災害を受けたというような場合には災害見舞い金を贈与しております。
○松岡克由君 どのくらい上げるんですか。
○政府委員(石井多加三君) こういった場合の見舞い金の額でございますが、国家公務員災害補償の趣旨にのっとりまして相当と認められる療養費または委託料の平均日額に一定の日数を乗じて得た額というふうになっておるようでございます。
○松岡克由君 わかりやすく、大体こんな例があって、このぐらいもらったと言ってくれませんか。わからぬです、そういうのは。——言いにくいですか。いやいや、要するにぼくは全く涙金しかもらってないんじゃないかという気がするんでね、それ聞いているだけです。
○政府委員(石井多加三君) 死亡の場合、大体約八十万円ぐらいをお払いしておるというふうに聞いております。
○松岡克由君 死亡ということは——ああそうかそうか、まあいいでしょう、よくわからぬですけどね。八十万円、少ないような感じがするがね。 それから、逓信病院の利用なんですけどね。これは一般の郵政職員並みにならぬですかな、これは頼みなんですが。
○政府委員(神山文男君) 簡易郵便局受託者のうち、個人で受託されている方につきましては、非常に強い要望がございまして、昨年、逓信病院を利用できるように道を開きまして、現在は利用をしていただいているという現状でございます。
○松岡克由君 それからいろいろとまた簡易保険協会のほうの、または個人的に簡易郵便局をやりたいという人たちの希望の中に、これは御承知だと思うんですけども、取扱業務を広げてくれという要望がたくさん来ています。電話料とか、たとえば交通の反則金といいますか、罰金ですね、国税、恩給、厚生年金、健康保険料、いろいろと小さなところでいろんな繁雑なことをやるというのはあんまり私はストレートに賛成でないんです。しかし、たとえば電話料、それからやっぱし罰金だとか国税なんというのは、これは納めるだけの行為ですわな。したがって、このあたりまでなら私は認めてもいいんじゃないかというこの意見に対してどうでしょう。
○政府委員(船津茂君) 取扱業務範囲を拡大してほしいという気も簡易郵便局会長から承っておりますけれども、大体簡易郵便局、四十五年の法改正のときに、国民年金、福祉年金の受給事務は、相手が老齢者というようなこともございますし、へんぴなところだというようなこともございまして開始しましたが、おっしゃいましたような電話料、交通反則金、国税、恩給、いろいろなもの、複雑な仕事でございまして、取扱方法も種類ごとに異なっております。まあおっしゃるように一人では無理でございまして、負担能力を超えますし、かつ事故その他、金銭に関する事務でございますので、防止するあれもございますので、さしあたり拡大することは困難ではなかろうか。まあ電話料につきましては、特に私かわってお答えしますが、簡易郵便局のあるような地域におきましては、電電公社は昭和四十四年から農業協同組合に対し電話料金の収納事務を委託しておりまして、国民に対する利便の確保に努めているということでございます。
○松岡克由君 これから先に考えるつもりはありませんか。
○政府委員(船津茂君) さしあたりもう業務の拡充は困難だとお答えしましたが、せっかくの御要望でもございますので、検討することにはやぶさかじゃございません。
○松岡克由君 要望がね、電話なんか来ているんですよ。田舎だから電話は来ないだろうというようないまニュアンスがありましたけどね。事実来ていまして、特に交通違反の金とか、まあこんなものは好ましいことではないですけどね、しなければ何のことはないんですけども。国税——これは納めなければならぬですからね。ひとつ取り計らえるように、要望があった場合は十分に検討するというそれをひとつ忘れずにいてほしいと、こう考えます。まあいろいろと特定局との絡みがあると私も思うんですね。思うけども、これは住民サイドの要望ですから、むげにやっぱり却下しないで、一つの意見、代表意見として聞いてほしいと、こう思っております。 ごく一般的なことで、小さなことかもしれませんが、年賀はがきの四等、五等ぐらいは私は簡易局でもいいんじゃないかという気がしますが、この辺までもだめですか。
○政府委員(石井多加三君) まあ非常に事務としてはささいなことでございますけれども、問題は、そういった雑件みたいなものよりも、やはり郵便局としてのサービスの基本的な、郵便であれ、貯金であれ、保険であれ、そういったものを扱うのが本来の趣旨ではなかろうかと思いまするので、こういった非常に雑務的なことはむしろお願いしないほうがいいのではないかというふうに考えております。
○松岡克由君 その雑務でみんな郵便局へ行くのだ。子供なんか郵便局とのかかり合いができるということも一つの社会勉強ですからね。そういうのはやっぱりこういうことで行くんですよ。郵便のあれをもらいに行くということでもって出かけて行くわけでしょう、賞品をね。だから、その雑務というのをあまりかかり合わない方が親切だという意見は意見として聞きますがね。やはりその雑務というところでもって一つの人間的なつながり、一般の人と局とのつながりが出てくるんですからね。私はそういうことを大義名分にすることも意見かもしれませんが、私はそれは参考に聞いててほしいと思いますよ。どうでしょう。
○政府委員(石井多加三君) なお今後いろいろ検討さしていただきたいと思います。
○松岡克由君 時間が長引いたんで、慎しめられていますんで、どんどん続けますがね。約束しなさいよ、そのくらいのことは。そんなことぐらい分けてやったっていいじゃないですか。私はそう思うがな。 それから、日掛け的な少数貯金について、簡易郵便局では一件について三十七円と聞いていますがね、手数料がもらえると、これを、手数料かせぎというのが出てくることが考えられますね。まあなあなあになって、一回来るたびに三十七円もらえるから。そういうことを、預金は断るようにと郵政省は通達したというのがありますが、これは事実ですか。
○政府委員(船津茂君) 事実でございます。
○松岡克由君 それはね、確かに十円、二十円の出し入れのために三十七円ずつ取られるというのはたまんないという意見が私はあると思うし、しかし、これもケース・バイ・ケースなんで、簡易郵便局というのは信頼できるという人を採用するということになっているわけですね、何項目の中の一番最後のところには。したがって、私はやはり信頼できないようになったら、こんなものはやめさせてしまえばいいんであって、私は、こういうことを通達すること自体が何か変なところへはまってきているんではないかという気がするんです。そういうものができてくるのもおかしいし、できてきそうなのを許可した方もおかしいし、したがって、通達するという手段にいったことが非常に遺憾だと思いますがね。
○政府委員(船津茂君) 少額の預入、預払いがあるわけでございまして、これは生徒とか児童だとか、自然な形の預入というものならば非常にこれは歓迎すべきことでございますけれども、不自然な形で頻度多く、継続的に百円以下ぐらいの預入をし、払い戻しをするというようなことがまれにあるわけでございまして、これに対しましてはやはり郵政局ないしは受け持ちの集配局が行って指導して矯正するということにいたしております。
○松岡克由君 それはもう個々にでいいですよ。全部にそんなことをやる必要ないです。これは全部にやっちゃいかぬです。個々に指導していけば私はいいと思います。 それから、局長という呼び方、呼称なんですけれども、これは簡易郵便局には、個人に会って再三言っています。その地域の名望家とか有力者とか篤志家、信用度の高い人がなっているというたてまえになっておりますから、簡易郵便局長という名を使いたいんですな、聞くところによると。これはまあまあおおむね目をつぶってというか、してあるんですけれども、どうなんでしょう、私は使わしてもいいんじゃないか、中にはそれを選挙に利用するとかいろいろ肩書きに利用するというのが出てくるが、そういったのを含めて、私はおだてて使うと言うといやな言葉かもしれませんが、そういった一つの役得というものも与えていいんじゃないかと思いますが、どうでしょう。
○政府委員(石井多加三君) ただいま簡易郵便局の呼称の問題で、簡易郵便局長と呼べないかというお話でございますが、実質的に地元の方々から、いまおっしゃるような簡易郵便局長というようなことで呼ばれておったり、またそういったことが使われておりましても、そのことをわれわれとしてはとやかく言うわけではございませんけれども、役所の正式の機関としてこれを公文書で私たちの方から簡易郵便局長殿という式の扱いにすることは、これはやはり正式の機関ではございませんので、行政機関ではないということから、まあかたい言葉で申しますが、やはり適当ではないと、しかし、実質的にはそういうふうに使われておってもかまわぬし、大いに使っていただきたいと思うわけでございます。
○松岡克由君 大いに使っていただきたいなら、使わしてしまえという意見なんですがね。簡易郵便局制度、まあ一時はずいぶん何か明治的な感覚であるということで、大変に反対があったという歴史を持っています、過去オール反対をしてきたんだと。しかし、私はもう一ぺん見直すべきではないかと思うんです。私は郵便という公共性またはサービス性が要求されるものというのは、社会的に使命感に燃えた人たちに私は託するということが大変にこれは好ましい方向だと思うし、もしこれが民間経営だとしたら、私は、簡易局というものをチェーンストアという名前のもとにおける解釈をしましてどんどんふえていくと思うんです。それをやはり少なくもいろんな思惑のために、さっき言う二つの思惑があった、特定局または労働組合、いろいろな思惑のために、これが少しでもやはりストップしてしまうというのは、住民サイドからこれは非常に迷惑であるし、私はよろしくないんではないかと思うので、どうぞひとつ改善すべきところは改善して、どんどんひとつ経済的にやっていかないと赤字がどんどんふえている現在、大変に危険なところへ落ち込んでいくんではないかと、こう思いますが、政務次官いかがでしょう。つまり、簡易保険の発想というものが非常に私は、民間、民営であったら当然これは出てくるというあたりまえのことなんです。力を入れることを努力をしたらどうでしょう。
○政府委員(稲村利幸君) いまの松岡議員のおっしゃるとおり、この趣旨を生かして御意見に沿うような方向で検討していきたいと思っております。
○松岡克由君 今度はサービスの問題に発展させていきたいと思うんです。これはやっぱし一番大事なことであるんです。戦後役所のサービスというのは私は公正に見てよくなっていると思います。区役所、警察または税務署なども大変親切になりました。ところがいまだに評判が悪いのが二つあるのです。そのワースト二が一つが国鉄、もう一つがお歴々、おぬし方ということになるんですが、これはそっちにとってはあんまりおもしろくないだろうと思うんですよ。心外だと思う。戸口から戸口へ一軒一軒やっているあの郵便配達さんの苦労はわかる。そして貯金のいろいろとこれを、何といいますか預金額が増長するように一生懸命に努力もしている。じみな仕事を一生懸命やっている。しかし、何で郵政職員が評判が悪いか。昔は郵便屋さんって大変子供なんかに受けまして、三橋美智也に「郵便屋さん」なんてヒット曲もあったですよ。ところがいまはあんまり親しまれないんですね。大概もうむしろお巡りさん、パトカーの方へいってしまうんですね。評判が悪いと言われている郵政省の方も国鉄よりはいいですよ。なぜいいかというと、これはいま言う特定局だとかまたは簡易局の連中が地元に一生懸命奉仕をしているからこれで食いとめているのであって、言っちゃ悪いが、郵政職員の一部だと思うがこれは態度、始末が悪いですよ。あなたが行ったら、それは見せたら首になってしまうからしませんでしょうが、うちの秘書なんかちょっと——国会内の話をしましょう。国会内の郵便局のこれなんかそうですよ、いやがるんですよ、行くのを。たとえば具体的に言いましょう。お年玉つきの年賀はがきを持って行ったんだね、賞品が当たったんで。そうしたら番号のところを切り離してくれと言うのだ。これはうちの秘書の泣き事なんですが、一般的と考えていいと思うんです。それではさみで切って持っていったというんです。そしたら今度は無断でこんなものを切るやつがあるかとおどかされたというんですね。これはどっちなんですか。
○政府委員(石井多加三君) お年玉はがきの抽選番号のついた年賀状を郵便局に持ってきていただくときには、この年賀状にも下のところに書いてありまするように、「くじ番号部分を切り取らずに郵便局へお持ち下さい。」というふうに、これは毎年印刷してございます。したがって、いま、もし御指摘のような処置をしたといたしますれば、これはもう大変な誤りでございまして、郵便局でこれを持って来ていただいたものを切り取ると、そして当選した四等なり、五等なりの賞品を差し上げて、そのかわりこのところは切り取らしていただくというのが私たちの処置でございます。
○松岡克由君 だから態度が二人によって違うというのも、これは失礼千万な話で、切って来いというのも横着なら、切るやつなんておどかすのも生意気だし、どっちにしろよくないです。それは親切に教えてやればいいんですよ。そういうことをしないらしいですね。ここのところというのは大変よろしくないですよ。 それからいま言うとおり、切っちゃうということがこれは、さっきあなた雑務で雑件かもしれませんが、切手だとかまたははがきを集めている人にとって苦痛なんですね。切られっちゃうのいやなんです。ぼくらみたいに数多くもらったり出したりしていれば感じませんが、三通か四通の間に、親しい人または恩師からもらったものが切られてしまうというのはいやなんです。この感情わからないことはないでしょう。これ何か穴をばちんと入れれば済むとかまたはスタンプ一丁押せばそのまま当たり番号のものをもとへ戻せるという方法考えられませんか。
○政府委員(石井多加三君) この問題は、毎年年賀の抽選のあとの賞品との引きかえでそういった御意見が出るわけでございます。新聞等の投書にもあるわけでございますが、実は私たち郵政省としても何かいい知恵はないかと思って考えておるんでございますが、やはりこれ以外には……
○松岡克由君 スタンプはどうですか。
○政府委員(石井多加三君) スタンプを押しましても、これはほかの抽選の場合の賞品の交換とも同じ問題があるのじゃないかと思うのですが、やはり証拠としてこれをいただくということが必要なんではないかと、これは一般的にやはりこれ以外に方法がないのじゃないかというふうな結論でございます。
○松岡克由君 方法がないのですな。あれば変えるということは別にかまわぬですね。 それから苦情が続くようですけれども、切手の張り方がだめだなんというのでまた文句を言われているんですね、うちの。うちのはおかしいのかもしれませんがね。それも裏に張ったわけでも何でもないのだ。張っているところを見ているわけだな、こうやって。張っているところを見てて教えればいいのに、張り終わったらこれはいけないと、こう言うのですね。小包持って行ったら、これ縛ってないと言うのだね。帰って来て今度持って行ったら、今度は荷札がついてないと言うのだね。落語に「化物使い」という落語があって、筆買って来いと、筆買って来ると半紙買って来い、帰って来るとすずり買って来いという落語があるけれども、全くこれと同じで、親切さがないんですね。それで、忙しいのかというと、そうじゃないんだよ。暇つぶしに客に文句を言っているようなんだ。ここは一度見たほうがいいですよ。悪いですよ。 それからまた、郵便物が返ってくる場合があります。これは、今度は私の問題になってくるんですが、それが返ってきちゃいましたので、住所を向こうへ調べさしたんです、全部私は電話で。そうしたら、別に向こうの住所が変わってもいないんです。で、こっちの書いたのが不完全ではないんですね。ちゃんとなっているんですよ。で、郵便局へ持っていったんです。持っていかしたわけです、今度は私が。そうしたら向こうが、おまえの方が間違っているときたわけです。それから今度は、ちょっとあとで議員の名前を言いまして、強引に調べろと。そんなことじゃいかぬ、調べなさい、やれと、強引にやらしたんですよ。そうしたら、やっぱり向こうが間違っているんです。ということは、配達人のミスなんです。ということは、当局のミスなんです。私はやっぱり、客のクレームを一応聞くというのが向こうのルールになっているはずでしょう。そういった根本的なものが犯されているんですよ。——余り長く言うとあれですけれども、苦情をここに言いに来ているみたいですけれども、その大事なことで言うんですが、だから、郵便番号を書いてないとどなるし、客を待たしてほかの客と話している。もっと俗な例は、私の前の秘書が大変美人だったんですが、これが行くと、海へ行こうの、山へ行こうのと誘う、こういうことを一生懸命やるんだね。——いや、本当なんだ、これは。ところが、そういうことになると、男が行くんだからか何だか知らないけれども、男が行くと怒るんだ。その辺は笑い話になってしまいますけれども、こういう例があるんですよ。これは非常に苦情が多いです。ちょっと、国会というところであぐらかいているんじゃないのかね。これは厳重に調べてください。
○政府委員(石井多加三君) ただいま御指摘になりましたような問題は、私たちの方の郵便の窓口の第一線の人たちの応対がきわめて不親切なあらわれとして御指摘のようなことがありましたとしますと、これはもう深くおわびいたさなければならぬと思います。 切手の張り方等につきましても、そこまで私たちも指導をしているわけじゃございませんし、また小包みのひもの問題も、できれば——最近は昔と違いまして梱包材料も非常にいいものができておりまするから、ひもが必ずしもなきゃならぬというわけじゃございませんけれども、作業上から言いますと、やはりひもをかけていただいた方がいいというふうなことで、これはまあ、できればそういうふうにお願いしたいという程度でございます。 それから、あて名の不完全で返される郵便についての御指摘でございまして、これはただいま出生の御指摘の場合はそうであったと思いますけれども、実はこの点につきましては私たちの方も、いろんなこういうケースがございまして、クレームがありまするので、よくいろいろ調べておりますが、一つ、例としまして、こういう例もあることを御承知願いたいと思うんでございますが、最近は非常に団地等の発展もありまするので、非常にあて名が間違っておるという場合に、本当ならその郵便はすぐ返ってくるのがむしろ本当——というと失礼ですが、あるべきなんですけれども、たまたまその局に非常にベテランの職員がおれば、その点をよく見まして、間違っておってもその間違ったものを正当なところへ届けているという例もございますが、そういう場合には、御本人はやはり、前は返ったけれども、今度は着いたじゃないかと、だから郵便局の局員によってえらい違うんだという御指摘があったんですけれども、実際はやはりアドレスが違ったということも事実としてはございますので、これもひとつ、そういう場合もあることをお聞きとめ願いたいと思います。
○寺下岩蔵君 ちょっと関連して、一つですけれどもお聞きいたしたい。 ただいま郵便が戻るという問題に対して、私も非常にこれに対して不安を持っているんです。青森県です。八戸市です、私は。年賀状ばかりでなく、何か先ほどのお昼前のときも話が出ましたけれども、郵便をたくさん持って渡すんだというさっきのお話がありました。たくさん持たなくても、いまの郵便回す人がどっかがはずれているんじゃないか。見つけて行かない。たとえば、留守であればすぐ戻ってくる。そうすると、それがおりませんと、そこはうちではいませんといったきり、すぐ戻ってくるんですね。これ一点。 それから、何といいましょうか、おくれるということ、先ほど労働組合の問題がありましたが、労働組合がないときで大体八戸で出して八戸で七日もかかってくるというのはどういうものでしょうか。これはその郵便局の局長の責任であるのか、だれの責任であるのかわかりませんけれども、私は国会議員になってからがまんして電話もかけないでいるのです。がまんしているのですよ。だから、そういう、昔の郵便配達さんは学校で習ったとおりまじめであり、責任を持ち、人のはがきを見ない、あるいはまた、為替を持っても間違いのない人がやったということ。いまはアルバイトを頼んでいるという。そのアルバイトというのは一つ一つ試験して、この人間なら間違いがないかという、そういうことでアルバイトを頼んでいるのか、こういう点において一体どのような方法で指導しているのか、お聞きしたいのであります。
○政府委員(石井多加三君) ただいま御指摘の具体的な内容につきましては、突然のお尋ねで、詳細な調査をしてみないとあるいは私の答弁で尽きない点もあろうかと思いますが、全般的な問題といたしましては、郵政省の十三万の職員も非常にまじめによく働いてくれておると思うのでございますけれども、中にはやはり若干そういった能率の低い職員とか少しやる気の少ない職員というものが、これはまあ個々の郵便局にはそれぞれ若干ずつおることもあるわけでございまして、そういったような職員のいろいろなそういった問題が皆様方に御迷惑をおかけしておるというようなこともあろうかと思います。 それから、年間を通じまして、相当の非常勤を使いますことは先ほどもいろいろお話が出ておりましたけれども、そういった非常勤を雇います場合には、もちろんどこのだれでもいいということではなくって、いろいろよく調べまして、しかもすぐそれを本当の郵便配達の仕事に出すというんじゃなくて、その職場の責任者あるいは先輩の人たちからよく郵便の配達の仕方等について、また郵便の外務員としての心構えについて十分職場で訓練をして、これならいけるということで出しておるわけでございまして、ただそこの町におる学生アルバイトをすぐ引っ張ってきて、すぐ行けというふうな形では決していたしていないつもりでございます。しかし、いずれにいたしましても、全国の郵便局の中でときどきそういった一週間に一回ぐらいしか郵便が来ないとかいうふうなことを言われる場合がありまして、私たち個々に調べてみますと、やはり全体はうまくいっているんですけれども、たとえばある一つ二つの区域のみが毎日若干の遅配をしておるというふうなケース、しかしそのほかの区域は全部そこの郵便局はうまく完全に配達をしておるというふうな例もございまして、やはりもっともっと職員の訓練といいますか、これはただ単に研修所に入れたような形の訓練以外に、毎日の職場の訓練といったようなことももっともっと強化していかなければならない、かように考えておるわけであります。
○寺下岩蔵君 ただいま私の発言したところだけが悪いように、ほかは円満にいっているというふうに答弁がされたように私承ったんですが、それでは東京から約十五日もかかるのは、これはあたりまえですか。大阪から八戸まで来るのに二十日もかかるのはあたりまえですか。
○政府委員(石井多加三君) 私の方はそういったことは、先ほど標準送達日数表というものを申し上げましたけれども、全国の郵便局でお約束しておる日数表から言いましても、大阪から八戸に二十日なんということはとうてい普通の状態ではあり得ないことだと考えます。
○寺下岩蔵君 ちょっと、一言です。私はそういうふうな答弁じゃなくて、あなたのいまの答弁は、しなければならない答弁をされていると思うんですよ。もう少しこう監督とか責任を持った指導をしてもらって、市内ならば二日ぐらいで届けるような考え方、東京ならば三日ぐらいで届くような考え方、その方針はわかっておりますよ。もう少しかたい指導ができないのかという意味を私は承ったのでありまして、あなたの一人の答弁で私はいいというものじゃありません。これはもう郵便というものは生命がかかった郵便でありますので、私はこれでやめますけれども、ひとつ考えていただきたいと思います。 以上です。
○松岡克由君 時間が来ましたので、私はきょう四項目、あと電波、それから切手面をやりたいのですが、幸いに逓信委員に属しておりますので、そこでまたゆっくりやらしていただきますので、最後に一点だけお聞きしますが、聞いてますと、いま寺下先生もいみじくも語気鋭く言いましたが、いま私がこういったマイナス面、悪い面があったと言うことに対して、いい面もあるじゃないかと言うんですね、あなたの答えは。よけいなんだ、そんなことは。私だっていい面ぐらいのことはわかってますよ。だから言ったでしょう、一生懸命やっている人たちがいるからこれで食いとめているんだと言い、それから戸口から戸口へと一生懸命やっている、あの配達している人たちの苦労というのは、私はね、やっぱり客商売しているから、御苦労さん、ありがとう、どうだい、何ならうちで一杯と、そうも言うけど、まあ上がってきやしませんがね。何ならいつでも寄席おいでよとか、いろんな言葉をかけてやったり、またやりたくなるようないいのが山のようにいるんですよ。いるから、ほかのやつはいいんだなんてとんでもないこった、あなた。ばかにしているんじゃないか、少し。そうとしか取れない。いいところもある、そりゃありますよ。あるから言っているんですよ。それをあなた、悪いところを認めようとしないで、あなたの立場だか何だか知らぬ、立場上でもよくないです、それは。改めるようにしたらいいじゃないですか、と私思いますよ。そりゃね、やっぱりよろしくないんだ。よろしくないことが目に見えてくるからこう言っているんでね、いいところもあるのは知っています。それはほめているはずです、私は。悪いところばかり、世の中全部悪いなんて言わぬですよ、ぼくは。いいところあるんです。あなた方のやっていること、すばらしいことやっていると思うんです。それ以上に、まだしなきゃならない分が余りにもあるから言っているんで、それは今後逓信委員会でやるときもひとつ、そうしましょうな。そちらの言い分もあるでしょうから、私もちろん聞きますしね。 それと、あときょうの私の収穫になるかならぬかこれから結果待ちなんですけども、簡易局をこしらえるに当たってはその人というもの、その状態がよければ、適正であるということになればどんどんふやしてくれるということを約束してくれたことを政務次官も聞いていらした。それよろしゅうございますね。それを最後に一言、約束いたしますと、もう一言聞いて質問終わります。
○政府委員(石井多加三君) 簡易局につきましては、この制度の趣旨を生かしまして、今後必要な地域にどんどんふやしていくという方向で検討してまいりたいと思います。
○委員長(前川旦君) 松岡君の質問は終わりました。 〔委員長退席、理事小谷守君着席〕
○塩出啓典君 それではきょうは簡易生命保険の問題についてお聞きをしたいと思いますが、その前にですね、私ここに四十八年度の決算の報告書をいただいておるわけでありますが、まあ四十八年ので申しわけございませんけれども、郵政省関係でもいわゆる不当事項それから不正行為ですね、これがかなりあるわけであります。しかもこれを見ますと、四十五年から四十八年にわたって足かけ四年半ですか、こういうようなあるいは四十四年から四十八年にわたってのそういう不正がようやくわかっておると、こういうようなことは非常に残念に思うわけでありますが、こういう不正行為というものが最近はどいう傾向にあるのかですね、またそれに対して郵政監察局としてはどういう監査をいまやっておるのか、その点をちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(永末浩君) まあ郵政犯罪の傾向もございますが、いまちょうど数字を持ち合わせておりません。傾向として申し上げますと、大体四十六年ぐらいまで上り坂であったわけでございますが、四十七年、四十八年と減少の一途をたどっておりました。四十九年になりましてやや増加しているというのが傾向でございます。
○塩出啓典君 ひとつ国民の信頼の上に成り立っておる郵便事業であり、保険事業であり、貯金事業でございますので、郵政当局としてもそういう点ひとつ厳重に、また会計検査院としても速やかにこういうことがわかるようにですね、五年もたってわかるんでは非常に困ると思うのでありますが、そういう点をひとつ厳重にやっていただきたい。このことを要望したいと思いますが、この点、じゃあ……。
○政府委員(永末浩君) おっしゃいますとおりでございます。私たちも従来から防犯管理の強化あるいは整備に努力をしてきたところでございますが、まあ不幸にして検査院から指摘されるような事態が起こっているわけでございます。今後とも十分にモラルの向上、防犯管理の徹底に努力をしていきたいと思っている次第でございます。
○塩出啓典君 そこでまあ簡易保険につきましては、私も今日まで再三にわたり没収方法、いわゆる没収の話法の問題、あるいは団体加入の組成の問題あるいは超過契約、それからチラシ等の非常に不穏当な内容、こういうような問題につきまして具体的に今日までたびたびこういう問題を逓信委員会等で取り上げてきたわけでございますが、依然として解決をされていない。まあ最近の新聞等におきましてもいろいろなそういうことが国民の声として反映をしておるわけでありますが、そこで一番最初にお聞きしたいことは、簡易生命保険法の第十七条には、簡易生命保険に加入する場合には、一人一口最高限度額が三百万円までである。こういうことが明記されておるわけでありますが、これはどういうわけで一人一口三百万という上限がきめられておるのか。この法律の考え方について郵政省の考えをお聞きしたいと思います。
○政府委員(北雄一郎君) 最高制限額があります理由といたしましてはいろいろなことが考えられると思うのでございます。御承知のように、簡易生命保険におきましては、いわゆる無診査保険でございますので、そういう意味から一件当たりの金額が非常に多額でありますということになりますと、いわゆる逆選択ということも生じまして、事業としても危険度が高いというような趣旨、あるいは民間生保とのバランス、いろいろな意味合いがこの最高制限額という問題には込められておると、こういうふうに理解しております。
○塩出啓典君 先般これは新聞に報道されたことでございますが、横浜のKさんという方でございますが、まあこの方が、家族は夫婦と娘さん、それとお母さん、四人家族でございますが、この夫婦それから娘、三人にはいわゆるそれぞれ二口ですね。だから六百万円ずつ。だから三人で、六百万円ですから三、六の一千八百万。それからお母さんにはこれは一口三百万ですね。こういう保険に入って、そうして五カ月間支払ったところが、保険金が一ヵ月十五万四千二百円でございますが、それでもう支払いを五カ月でストップしておりますと、三ヵ月ぐらいたった後に突然あなたの保険契約は失効になりましたと、こういう知らせが来た。それで今日まで七十七万一千円、五カ月分で払っているわけですから、これを少しでも返してくれと言ったところが、郵便局側は、これは五カ月でございますので一銭も払うことはできないと、あるいは郵政省の簡易保険局の業務課に問い合わせても、七十七万一千円は掛け捨てなどではないと、そのためにほかの人が恩恵を受けているのだと、こういうようなお話があったわけであります。こういう事実があるのかどうか、これは前もって御連絡しておきましたのでよく調べていただいておると思うわけでありますが、一人二口、六百万円ですね。しかも、これを勧誘に来たのは課長代理である。そういう監督の立場にある人が率先をしてそういう十七条違反のことをやっている。しかも、こういう結果になっておるわけであります。こういう事実があるのかどうか、このあたりを御説明願いたいと思います。
○政府委員(北雄一郎君) 契約口数等は、ただいま先生がおっしゃいましたとおりでございます。あるいは、一件当たりの契約保険金額もただいま御説示のとおりでございます。ただ、この合計七件の契約、二回に分けてお入りいただいておるんでありまして、最初に三件お入りいただきました。これは当然超過契約でも何でもなかったわけでございます。後で、しばらく日にちがたってから後の四件を追加で入られましたが、そのうちの三件が前回のと合わせまして六百万円ということで、したがって超過契約——七件のうち三件が超過契約、こういうことでございます。そして、直ちに失効になったのではございませんので、翌年のたしか五月であったと思いますが——になって保険料が払い込まれなくなったわけであります。そこで、失効までの間には期間がございますので、その間、私ども調べましたところによれば、四回契約者方に赴きまして、四回にわたりまして契約の継続をお勧めしたのでありますが、それに対しては特段の御返事がございませんで、そのまま失効したわけであります。実はそういうことで、その時点までに初めの三件についてはたしか七カ月分保険料が納まっております。後の四件については五カ月分しか保険料が納まっていない。で、私どもの約款によりますと、六カ月未満の場合は確かに還付金がございませんので、したがって、前者の三件については還付金をお払いできるわけであります。後の四件については還付金がお払いできない。前の三件の還付金、計算いたしますと、三十一万約七千円、三十一万六千九百五十円というものは還付金お払いができるわけであります。そういう状態でございますが、越えて四十九年の二月ごろに、今度は失効いたしましても契約の復活ということが一年間の間できるわけでございまして、去年の二月ごろに局といたしましては契約の復活をお勧めしたのでありますが、当時、じゃあ機を見てそうしましょうということで御了解をいただいたわけであります。しかし結局そのままになりまして、現在では復活期間も過ぎてしまった、したがいましてただいまの、このままでのただいまの法律関係を申し上げますれば、初めの三件について還付金をお払いできる、請求があればお払いできるが、後のものについてはこの還付金ということもできないわけであります。そうして最近そのうちの三つが超過契約であると、これは局としても違法なことではないかと、こういう御指摘がごく最近あったわけであります。これをどう私どもとして考えるかということになりますと、こういったことにつきましては、本来私どもこの十七条に違反した、その制限をオーバーした、そういう保険契約が締結されましても、その契約は当事者間の合意の上に成り立っておる、そこで一つの当事者間に権利義務関係が発生しておるんだと、しかも相当期間それが継続しておるというところからその契約自体はやはり有効なんだと、こういうふうに扱ってきておるわけでございます。このことは必ずしも私どもだけの独断ではございませんで、昭和三十五年に下級審の判決でございますけれども判決がございまして、その中でも契約そのものは有効であると、で十七条についてはそういう意味ではこの省内の保険の取り扱いと申しますか、そういった訓示的規定であると、こういうふうな判決も出ておりますので、私どもも基本的な見解としてはそのように理解をしておるわけであります。しかし、そうでありましてもこの保険契約者から超過契約を理由に善処方の申し出がありました場合には、私どもといたしましてもやはり現に保険法十七条の規定に違反しておるというような事情を考慮いたしまして、実際問題としてはその申し出に応じまして初めから契約がなかったものとして取り扱う、すなわちその既払い込みの保険料をお返しすると、こういうことにすでに一般的にいたしておるわけでございます。したがいまして、いま具体的に仰せられました横浜の件につきましても、最近に至りまして超過契約ということを理由に善処方を申し出てきておられるわけでありますので、その三件の超過部分につきましては、先ほど申し上げましたような私どもの実際処理上の扱いからいたしまして既払い込みの保険料を還付すると、こういうことで取り運んでおるところであります。
○塩出啓典君 ただいまの御答弁では、いわゆる最初入った三件につきましてはもうすでに十カ月払い込んでおりますので、その還付金として三十一万六千九百五十円を返すと、それからあとのいわゆる超過契約である四件のうち三件、これはたしか三十六万円ぐらいすでに払い込んでおるわけでありますが、これはいわゆる十七条違反の契約であるので本人の申し出があればこの保険契約はなかったものとして本人に返すと、こういういまの御答弁でございますが、これは最初からそうなれば問題はなかったわけですね。けど、その本人は郵便局の窓口へ行き、そのときにも払えない、もちろん郵政省の業務課へ連絡しても、そのときにはおそらく業務課は細かい点まで、どこまで知っておったか知らない。そこの方はやむを得ないかもしれませんけれども、窓口としてはもう少しやはり慎重に親切にすべきじゃないかと思うんですけどね。先ほども請求があれば払うと、そういう局長の答弁ですけど、これはどうなんですか。請求がなければ払わないものなんですか。その点が一つと、窓口においてそういうものは払えないという、そういう払えるものを払えない、こういう答弁をするということは、はなはだしく私はよろしくないんじゃないかと思うんで、その二点について御答弁を聞きたいと思う。
○政府委員(北雄一郎君) 簡易生命保険法にすべてこういったさっきの還付金等につきまして、請求があって払うと、こういうシステムになっておりますので、そういうふうにお答え申し上げました。 それから、横浜の場合、窓口でもっと親切にという御指示でございますが、一般的にもちろん窓口でありましょうとそれからお客様のところへ伺った場合でありましょうと、私どもいわばお客様あっての仕事でございますから、したがいまして、努めてお客様に親切にするように常々指導しておるつもりでございまして、その点も当然でございます。 ただ、本件の場合は、先ほど御説明申し上げましたように、私どもいままで調べました限りにおきましては、四十八年の九月に七つの契約が相前後して失効したわけでありますけれども、その失効する前、これは当然払い込み料の払い込みが延滞になる、保険料の払い込みが延滞になるわけですが、延滞が始まりましてからこの一昨年の九月に失効しますまで四回ばかり行きまして、契約はお続けになった方が得ですよというお話をしておるわけですし、それから失効してから後も、年は越えましたけれども、去年の二月ごろに、復活という方法がありますよというお話をして、相手方も、じゃ、機会を見てそうしましょうかということだったわけでございまして、決してほうりっ放しにしたということではないと思うんであります。それから最終的にこのお客様が超過契約だから何とか保険料を返すとかいうようなことができないかとおっしゃったのはごく最近なんだというふうに聞いております。それに対しましては先ほど申しましたように、従来からの方針によりましてその部分についてはお返しをするつもりでいま取り運んでおると、こういうことでございますが、いずれにいたしましても今後窓口等におきましての応接につきましてはさらに懇切にいたすように努めてまいりたいと思います。
○塩出啓典君 だから、新聞では、郵便局側は簡易保険のシステムとして返金はできないと、このことは契約約款にも明記しており、これを承知で簡易保険に加入したはずだから、そうやって一貫して返金を拒否したわけですね。いまの話では約七十万近くの金は返るわけですからね。そういう点でこの局側の答弁は間違いだったわけでしょう。
○政府委員(北雄一郎君) 恐らく従来ごく最近に超過契約のゆえをもって善処方を求められるまでは、局側としてはお続けになった方が得だということでお勧めをした、その方を中心にお話をしたと。その間、おやめになるより、あるいはその保険料をいま戻されるよりも、多少まあもともと還付金の方は戻るということは申し上げておったようでございますから、三十一万円か何か、初めの三件についてでありますが、そういった扱いをするよりもやはり継続——契約を続けられた方が、そういう道もあるんだから、続けられた方がお得だという勧め方をしたのでありまして、その間、特段の悪意はなかったと思うんでございます。それがもうそういう復活も望まない、すべて望まないので、この超契だから金を返せと言われたのは最近のように私どもとしては承知をしております。
○塩出啓典君 これは本人の言い分と郵政局が聞いた言い分とは違うわけですよ。全然、そういう途中に四回もこれを解約したらこうなりますよ、こういうような話はなかった。けど、これはやっぱり外務員の皆さんも聞かれれば自分のやはり落ち度になるようなことは言いませんし、この問題をここで論議してもこれは並行線で、われわれは裁判官じゃないわけですから、そこに意図があるわけではございませんが、一応は請求によって還付金を払う、法律はそうなっているかもしれませんけども、やはりもう少し——知らないわけですよ、皆さん。これで、もしこれ新聞で取り上げずに、ここに国会で問題にならなければこの人は六十何万、少なくとも超過契約の分についての三十万は永久に返っては来なかったわけでありまして、そういう意味で私はこの簡易保険法の第二条にもありますように、これ「営利を目的としない」という、そういうことがあるわけでありまして、けど、最近の簡易保険のあり方はとかく勧誘をして、そしてそこで募集手当もかせぐと思われるような、こういう行き過ぎた面が、これは全体ではないと思うんですけども、そういうような点があるんではないか。そういう意味でこういうような場合にももう少し加入者の立場に立って、こうすればこういう道がありますよ、超過契約の分もこうやって返す道がありますよということは郵政省からだれも言ってくれなくて、新聞の記事を見てやはり好意のある人がその人に連絡をして、それで、そういう方法があるのかなとようやくわかったわけでございまして、そういう点もう少し加入者の立場に立って親切にやるように、これは徹底をしてもらいたいと思うんですね。
○政府委員(北雄一郎君) ただいま御指摘の点、十分加入者の立場に立って懇切にお話をするということには今後ともさらに努めてまいりたいと思います。
○塩出啓典君 そこで、この超過契約の問題でございますが、四十八年一月から以降は、ここに、私、本人から領収書をもらってきたわけでございますが、十五万四千二百円、ずっと一、二、三、四、五カ月一緒に払っておるわけですね、一緒にね。ということは、もうこれは十七条違反であるということは、もうこの領収書に家族四人分の七口の料金をここに一口に領収しているわけですから、郵便局としてもこれは当然いわゆる十七条違反の契約であるということはもうはっきりしているわけでありますが、こういう法律で決められたものでありながら、それに違反したものがもう半ばまかり通っているんじゃないか、こういう点はどうなんでしょうかね。
○政府委員(北雄一郎君) 契約の成立いたしましたのが四十七年の終わりの時期でございまして、若干当時はチェックが不完全であったかと思うんでありますが、何せ当該局でも大量の契約を取り扱っておるということであり、しかもその二度にわたって入っておられますので、契約受理のときにはそのチェックはできなかったわけでございます。それから御本人は初めは御家族で、おうちで入られたのでありますが、途中から団体に加入されまして、団体に加入されますと、御承知のように、その集金は団体の方でやりまして、団体で取り集めた保険料を団体から郵便局へ払い込むと、こういうことになりましたので、そういった関係でも集金段階でそのことがよくわからなかったと、こういうふうに承知をいたしております。
○塩出啓典君 そうしますと、契約のときはもしわからなかったにしても、超過の分の第一回の払い込みのときにもうすでにいままでの分と一緒に払い込んでいるわけですね。これがこの領収書、これはもちろん団体の領収書でございますけれども、だから局としてもこれを受け入れるときに当然十五万四千二百円というのは七日分として受け入れるわけですから、これは団体の責任であって、郵政省が責任がないというのはちょっとやはり余りにも無責任な答弁じゃないですか。
○政府委員(北雄一郎君) 団体で扱っています場合、局は団体から金と内訳をもらいますので、個個の中身の照合は局としてはできなかったのではないかというふうに思うんであります。
○塩出啓典君 それはやはり表向きの言い分であって、じゃ、いまこういう十七条の違反の契約については、局としては一体どういう姿勢で臨んでおるのですか。こういうことはしてはいかぬということなのか、表向きはしちゃいかぬけれども、しっかりひとつがんばれと、こういう陰で言っているのか、その点、こういう問題についてのいわゆる十七条違反の契約については、郵政省としてはどういう指導をしているのですか、じゃあ。
○政府委員(北雄一郎君) 冒頭に申し上げましたように、当然十七条というものは尊重しなければならないと、それに違反した最高制限額超過の契約をとってはならないという姿勢をとっておることは、これは冒頭申し上げたとおりであります。なお、昨年の末のころでございました、御承知と思いますが、多額の保険金額の契約、これは簡保のみではございませんでしたけれども、簡保の場合、当然超過契約というものにつながりまして、犯罪容疑事件が続発いたしたことがございます。それで、当方といたしましても、従業の指導をこの点に置きまして強化すると、あるいは言い方を変えれば、本当に本腰を入れてやらにゃいかぬというふうに考えまして、新たに通達を発しまして、全国を指導すると同時に、その趣旨を外務担当と申しますか、営業担当の課長を全国から集めまして、その通達の趣旨を吹き込んで全国に徹底を期したと、こういう次第であります。
○塩出啓典君 それではお尋ねしますが、これは「闘争情報」という全逓労働組合中央本部の四十八年十二月一日の発行のものでございますが、この内容には四十八年の十一月二十九日組合と省側とのいろいろ交渉がありまして、そのときに局側はこう答えておるわけですね。「保険金最高制限額を超過する契約は、簡易生命保険法第十七条に抵触するものである。超過契約と知りつつ勧奨した場合であっても、刑事上の責任は負わないし、当該契約の保険責任は国が負うべきものであるから、外務員に民事責任は生じない。」、だから十七条違反をやってもこれは刑事上の責任はありませんよと、民事上の責任もありませんよと、こういう答えをしているわけですけれどもね。これはもちろん組合からの「闘争情報」というところに書いてあるわけでありますが、こういう考え方は正しいのかどうか、これが間違いなのか、その点どうですか。
○政府委員(北雄一郎君) そのこと自体、実は恐縮ですが、つい先ほど伺ったのでありますが、可能なる限り確かめてみましたが、そういうやりとりがあったということは省側においては把握できません。むしろそれに多少関係のあるような話はあったが、中身は違うというような話を聞いておるわけであります。すなわち、その超過契約のある者を全然超過契約のないということで表彰の上申をすると、で、これは上申するわけでございますから、これは当然管理者でございます。それはにせの文書をつくったということになるんじゃないかというふうな論議が組合の方からございまして、あったということは聞いておりますが、そういう論議があったということはあったそうでありますが、何もただいま仰せのような話があったということはだれも否定するわけでございまして、ただ、そのやりとりを離れて、いま刑事、民事の責任があると思うかないかと、こういうこと、刑事の責任というのはちょっと何を指すか考えられないのでございますが、民事上の責任ということになりますと、これは超過契約自体、契約としては有効であるというふうに先ほど申し上げたわけでございまして、そういった意味で十七条違反の契約であっても、先ほどの判例にもありますように、一応契約そのものは有効である。ただ内部的に訓示規定に反したということで、内部的には個々に問題がある、こういうことであろうかと理解しております。
○塩出啓典君 だから、いまこの「闘争情報」に出ているやりとりは大分前のことですから、担当者もかわっておるために把握できないかもしれませんけれども、ここで言っている内容は、超過契約、いわゆる十七条違反と知りつつ契約をしても、これは刑事上の責任も、また外務員に民事上の責任はないと、こういう考え方はいまの郵政省の見解としてはこれは正しいわけですね。これは間違いですか。
○政府委員(北雄一郎君) 刑事上の責任といのは全然考えられないと私は思うのでございます。民事上と仰せのことでありますが、契約自体は、先ほど来何べんも繰り返しておりますように一応有効と、たとえば超過契約が結ばれて保険事故が起こって保険契約者が死亡されたと、被保険者が死亡されたという場合には、超過契約であるからといって金額を削減してお払いするということはないわけでございまして、有効として六百万円なら六百万円お支払いすると、こういうものでございますので、民事上の責任と仰せの意味をもう少し具体的に仰せいただければありがたいと思いますが。
○塩出啓典君 これはここにこう書いているから聞いたわけで。 それで昨年の十二月の十九日に保険局長から各郵政局長に通達を出されております。この通達の内容はいわゆる十七条違反の契約をしちゃならぬと、こういう内容で、この内容についていろいろ論議しておりますと時間もかかりますので、これは省略いたしますが、それと一緒にいわゆる「公用私信」というものも出しておりますが、この「公用私信」というのは、私郵政省から資料もらったわけでありますが、これはどういう意味なんでございますか。簡易保険局長から郵政局長に対する通達と同じ日に別の「公用私信」というものが出されておるわけでありますが、これは公用というのは公の用で、私信というのは私の信という、何か公と私ごととで両方一緒になって、これはこういうしきたりがあるんでございますか、郵政省では。
○政府委員(北雄一郎君) すべての通達に「公用私信」がつくとか、あるいはいろいろなことすべてに「公用私信」というものがまかり通っていると、こういうものじゃございませんが、通達だけでは意を尽くし得ないというような場合に、ただいまのように通達に付属して、いわば通達の注というような意味合いでそういうものを出すことがあるわけであります。
○塩出啓典君 これの中には「簡易保険における超過契約は、簡易生命保険法第十七条の規定によって禁じられているところでありますが、一旦締結された契約は有効として処理されて来ており、」と、これは私がいまお話ししましたように、加入者が知らないで入っておった場合、そういう場合はこれは局側の責任ですね、局も知らない場合もあるかもしれませんけれども。けど、一方、たとえば先般のいろいろ愛媛でも事件があったようでありますが、保険金をたくさんもらうために故意にあちらこちらで掛けて、そうしてその人を殺人させるとか、こういう場合はこれは局側の責任ではなしに、いわゆる加入者側の責任になると思うんですけれどもね、しかし、そういう加入者の側から見れば、もちろん一たん締結された契約は有効として処理される、そういう面ではいいわけですけれども、私がなぜこういうことを質問するかと申しますと、非常に外務員の中にもやっぱり十七条を守らなくちゃならぬと、こういうまじめな人もいるわけですよ。ところが十七条違反でも、ともかくたくさん超過契約をした方がそれだけ募集手当が入るわけですから、そういうわけでまあともかくやっちゃえと、しかも、やってしまえば民事上の責任も刑事上の責任も何もないし、これは有効と認められる、結局はやった方が得じゃないかと、こういうことで、非常に職場の中においても言うならまじめな人が損をする、こういう事態が起きておるわけであります。こういう状態で果たしていいのかどうかですね。私は、あらゆる社会においてまじめな人がやっぱり得をするようなそういう環境をつくっていかないと、少々法をごまかしてもかせいだ方が得なんだと、そういう者は何ら責任も問われないし、十七条違反の契約であっても手数料はうんともらえるしですね、こういう事態は非常に簡易生命保険の将来から考えても好ましくないんじゃないかと思うんですけれども、こういう問題をどうするのか、それをちょっとお聞きをします。
○政府委員(北雄一郎君) 実は大分前までは、そういった超過契約はございましても、結果的に年間の契約成立高の高い人たちを表彰いたしますとかいたしておったんでありますけれども、近年は、いかに全体としてその個人が業績を上げておりましても、超契でそういうことになっているというような人たちはもう全部表彰から外すということをいたしております。そのことは当然のことじゃないかと仰せられますし、まあ当然のことでありますけれども、やはり保険の場合、どの局のだれそれがどれだけ業績を上げたということは、これはお互いわかるわけでございます。その場合、あの人が年間に非常に業績が上がっておるのに表彰から外れておるということは、これはやはりそういう中身のマイナスがあったんだなということがこれまた周知されるわけでございまして、そういった表彰から外すということは、やはり相当そういったことの非であるということを徹底させるのに役立っておると、こういうふうに思うわけであります。まあそのほか、昨年十二月の通達も出して特にその徹底を厳しく言っておるわけでございますから、日常やかましく管理監督者はまあ超契のないことを言っておりますし、場合によってはお客様に懇示してそれを無効にさせる。当然その場合は募集手当も返納になるわけでございますから、そういったことでありますとか、それから先ほど仰せられました話法だとか、あるいはその話法の不適正、そういった問題も含みましてでありますが、四十九年度から全外務員を五カ年間で全部訓練し終わるという計画で、いま悉皆訓練を開始中であります。そういった中でもこういった問題を重点に訓練をすると、こういう態勢をとっておる次第であります。
○塩出啓典君 で、この「公用私信」の最後に、「今後この通達に違背して遺憾な結果を生ぜしめた場合には、その責任の所在に応じ適切な措置をとるよう、この際特に要望いたします。」と、これはどういうことなんですか。「通達に違背して遺憾な結果を生ぜしめた場合」、これはどういう場合を言うのかですね。また「その責任の所在に応じ適切な措置をとる」というのはどういうことなんですか。
○政府委員(北雄一郎君) まあ具体的には何といいますか、こういったことで超契というものはやめなさいと強い指導を徹底さしておるということを、背景といいますか、基礎にいたしまして、そういう中でなおかつ悪質な超契を取るというようなことがあれば、場合によってはまあ何といいますか、いわゆる処分も含めたそういった措置をとると、そういう意味でございます。
○塩出啓典君 悪質な超契というお話がありましたが、良質の超契と悪質な超契とあるわけですか。
○政府委員(北雄一郎君) 無論そういうものはございません。ございませんけれども、やはりこの際超契を一件もなくするように、一件でも超契があれば必ず処分するということも、それは一つのやり方であろうかと思います。しかし、やはり外務員全部二万七千ということで、いろいろ従来の経緯もあって連続して今日に至っておると、こういう事業の状況からいたしますれば、いま直ちにそこまで進むということは果たして全体としていかがなものであろうかというようなことを考えまして、より実際の事宜に合うように、しかも、超契という遺憾な事態を一日も早くなくすることができますようにそれやこれや考えまして、最も、何といいますか、実際的な、要するに事を矯正するに足る、そういう最もよい方法をとれというのがこの「適切な措置」をとれということでありまして、無論良質、悪質ということを区別し得るものでございません。また、そういうことでありまするから、何といいますか、通達じゃなくて、のような通達の注というようなところでそういうことを示したわけであります。
○塩出啓典君 いま局長は、募集手当の返納、そういう場合もあり得るということをちょっとお話、があったように思うのですが、この十七条に違反をして、これはまあ本人が知らなかった場合もあるでしょう。けれど、本人の方で知りつつ外務員が超過契約をした場合この募集手当はどうなるのかどうかですね。やはり従来どおり払われておるのですか。
○政府委員(北雄一郎君) 超過契約であることが判明いたしまして、その超過部分について初めから契約がなかったものと処理された場合、募集手当は返納させることにしております。
○塩出啓典君 ということは、継続している場合は、有効と認めた場合はちゃんと支払っておる、そういうことですね。
○政府委員(北雄一郎君) まあそういうことでございます。
○塩出啓典君 会計検査院の方お見えになっていますか——ちょっとお尋ねしますが、これは私たち、一生懸命がんばっている外務員の皆さんがそれ相応のたくさんの収入を得ることに私決して反対するものではないわけですけれども、ただ、十七条というれっきとした法律に違反をした行為に対しまで募集手当をきちっと払うと、そういうことは何となくこう、また苦労した外務員の皆さんの立場を思えばこれはわれわれも理解できないこともないのですけれども、実際に理論的に考えればこれはちょっと納得がいかないように思うわけでありますが、そういう点会計検査院としての考え方はどうなのか、これをお聞きしたいと思うのですが。
○説明員(柴崎敏郎君) 法律的に深く検討したわけではございませんが、募集手当は、要するに正規の募集の、何といいますか、その労力に対してその報賞として特別に支給される手当である、こういうことを前提にして考えた場合に、要するに、法律違反の超過契約、それ相当分についてまでそれを支給するということは、やはり社会通念上から言っても釈然としないものがある、このように考えております。
○塩出啓典君 ひとつこの問題は私は郵政大臣にもお願いしたいわけでありますが、私は、決して外務員の皆さんがせっかくがんばってきた募集手当を返納しろということが趣旨ではございませんけれども、ただ、法律どおりまじめにやった人がやはり得をするような、そういうシステムにしていかないと私はやっぱり外務員の士気にも影響していくと思うのですよ。これは簡易保険事業の根本的な問題に関することですから、だから場合によっては厳格にいくか、あるいはもう簡易保険というものの、いわゆる十七条の三百万円の上限を廃止して、そのかわり、健康診断はこれもちゃんとやる、こういうようにする。これは私の単なる個人的な一つの私案ですけれども、何らかの形で、やはり本音とたてまえがあるんではなしに、郵政省の通達どおり一生懸命やる者が得をしていくんだ、こういうような形にしていかなければならないと思うのです。そういう点を郵政省においても、ここで結論は出ない問題だと思いますので、よくひとつ検討していただいて、こういう非常に本音とたてまえの違うような事柄が続いたのでは非常によろしくないんではないか。しかも、会計検査院の方も、いま突然の質問ですからですけれども、いまの御答弁を見ても、社会正義の上からも好ましくないんじゃないか、こういう答弁でございますので、その点今後の処置を検討していただきたい、このことを郵政大臣にお願いしておきたいのですが。
○国務大臣(村上勇君) 詳しいことは保険局長からお答えしたとおりでありますが、私といたしましても、お説のように理解と信頼の上に立つ事業であるだけに、今後正直者がばかを見ないような措置をするということはきわめて大事なことだと痛感いたしております。
○二宮文造君 関連。 大臣、いま私ちょっと中座しておりましたから理解の仕方が違っているかもしれませんが、いわゆる超過契約、これはわかったときには一たん結んだ契約は有効なんですね。解約しないんですね。で、それが超過契約とわかったときには外務員に対する募集手当は一たん渡していた分を取り返すのですね。
○塩出啓典君 取り返せない。
○二宮文造君 取り返さない、渡した分はそのまま。——それじゃ表彰なんかの枠から外していく、こういうことですか。これはやはり、郵政省の保険事業の立場から考えますと、上限をくくってあるけれども、それを超えた場合にはその契約は有効だという措置をそのまま残しておくのは、どうしてもやはり外務員の皆さんにも、それを超えさせるように超えさせるように、文章に出ない圧力みたいなものが私は感じられると思うのです。したがって、これを抜本的に改善するためには、超過契約とわかったときには契約者に対してその事情をお話して、いずれにしても契約者は事情を知らないで契約したと仮定しまして、適当な金利等をつけて、「こういうわけですからこれは超過契約に当たります。したがって、この部分は解約をお願いいたします」と、こういう措置をおとりになることがわざわざ十七条で上限をきめたその法律に、その条文に忠実な措置のとり方ではないかと私は思うのですが、こういうことも含めて取り扱いを検討されるように大臣された方がよろしいのではないか、こう私は思いますが、この点いかがですか。
○政府委員(北雄一郎君) 全体として超過契約をなくするように、私どもも本腰を入れて真剣に取り組んでまいりたいと思います。ただ、ここでにわかに超過契約のゆえをもって契約そのものを無効にするということになりますと、たとえば保険事故、つまり契約者が死亡されまして、お支払いの段階で初めて超過契約であるということがわかるものもございます。そういった場合、それなどにはお客様に対して非常に御迷惑をかけるということになりますので、一概に無効ということはできないというふうに思うのでございますが、しかしいろいろ有効な手だてを講じまして、超過契約というもののなくなるように大いに努力をしてまいりたい、かように考えております。
○二宮文造君 方法論はないんですか、考えられる方法は、有効な措置。
○政府委員(北雄一郎君) ただいままでは表彰というものから除外するということであり、かつ去年の十二月に改めて通達をしてその徹底を期した次第であり、さらにそれを訓練等によって伸ばしていく、その訓練も四十九年度から始めまして、五年間で全外務員の訓練を終了するという計画を持っておるわけでございますが、そのほか、何と申しますか、チェックの方法等につきましても、先ほどの去年の十二月の通達でたとえばお客様の方からことに積極的に超過契約をされるような場合もあるわけでございます。たとえば、局を変えますとかいうような場合、そういった場合は原簿が各局にばらばらにございますけれども、そういった場合、集金を受け持っておる局の原簿、これに全部照合するというような形で超過契約を防ぐとか、あるいは一般の契約につきましても、毎日役職者が監査をするというようなことで、チェックの方法を従来より強化をいたしまして、そういったものが発生しないような努力をしておるわけであります。 〔理事小谷守君退席、委員長着席〕
○二宮文造君 ちょっと私保険事務の詳細のこと、よくわかりませんが、局にそういうものが上がってきたときはすでに契約されたときじゃないですか。局に原簿が上がってきた、その局を変えて契約をされる方がいるので、そのために従来ともチェックができなかったというようなお話ですね。だから、これを局間の分も照合できるような措置も講じたいと、こういうお話ですが、一たん契約されたものは有効なんでしょう、方針が。ここにメスを加えなければ超過契約というのは言うべくしてこれは規制しますとか何とか言ったって、できたものは仕方がないという考え方だったらずっと将来も続くのじゃありませんか。こういう私の危惧なんです。
○政府委員(北雄一郎君) 実は、保険にはクーリングオフという制度がございます。ただ簡保にはこれはございませんし、ただいまのところは大方の民保にもその制度はございません。要するに、契約が一応成立してからも一定期間はその契約を解消し得るというクーリングオフという制度がありますが、簡保の場合にはそれがございません。ございませんが、実際の扱いといたしましては、主としてお客様からの苦情によるわけでございますが、全く実際の扱いとして初めの若干の間はいろいろ悶着がありますと無効処理するというような実際の扱いもしておりますので、そういった場合はお客様に、ただいまのような場合はお客様にそういったことを懇示してやめていただく、超過部分を解消していただくということが事実上は可能であると、こういうことでございます。
○塩出啓典君 ひとついま二宮委員から発言がありましたように、本当にこの簡易保険法をそのまま適用しようと思えば、やはりいまのようないわゆる十七条違反の契約も有効と認めるというやり方では根本的にはこれは解決をしない問題ではないかと思うのですね。そういう点で、おそらくこれを全部解約することになるとかなりの部分が超契で入っているわけですから、大変な問題になるのじゃないかと思うのですよ、郵政省の立場とすれば。そういうわけで、局長としてもここでは軽軽しく答弁はできないと思いますけれども、たとえば東京の一つの局で超契が一体どれくらいあるのか、こういう実態も少し調査をして、もう少しすっきりした形にするために、ここで結論を出さなくてもいいですけれども、もっと厳格なやはり法の施行をやるように、それがどうしても現実にできないというなら、法律を変えなくちゃいけませんね。そういう点も、あわせてひとつ検討していただきたい、これは郵政大臣にお願いしておきたいのですけれども。
○国務大臣(村上勇君) 御意見のとおりだと思います。十分注意いたしまして、前向きで検討さしたいと思います。
○塩出啓典君 そこでいわゆる先ほど局長の答弁一直・十七条違反の契約について、本人の方からこれを解除してもらいたい、こういう場合には、そういう契約はなかったものとして保険金を全部返す、こういう例がいままでもあると聞いておるわけでございますが、これは大体毎年どの程度あるのか、四十五年、四十六年、四十七年、四十八年、四年間ぐらいでいいと思うのでございますが、その場合のその契約がなかったものになるわけですから、そのときには募集手当は返還させるように聞いておるわけでございますが、そのあたりはどうなんですか。
○政府委員(北雄一郎君) 四十六年度に五百七十 一件ございました。
○塩出啓典君 四十五年。
○政府委員(北雄一郎君) 四十五年でございますか。四十五年が三百七件、正確に申し上げますと保険金額が五億二千三百四十五万円であります。四十六年度が五百七十一件、九億七千百四十八万円、四十七年度が一千六十四件、保険金額が十六億二千百十万円、四十八年度が千二百五十六件、保険金額が、二十八億二千六百九十五万円とこうなっております。なお四十八年度について調べてみますと、この超過契約として契約がなかったものと処理した契約にかかる募集手当は約一千五百万円でありますが、これはすべて返納させております。
○塩出啓典君 そうしますと、今後、自分のしている契約が十七条違反の超過契約である、そういうことがもしわかった人が、これは契約を解除したい、そういう申し出があった場合、これは与えているわけでございますが、そういう場合は全部返還をするのかどうか、その場合局側の責任において超過契約を知りつつ加入した場合には、やっぱり金利もつけて返さなくちゃならぬと思うのですけれどもね。返さないとおかしいと思うのですけれどもね。その点はどうなんですか。一部のものは返して、ほかのものは返さない、これはやはり法のもとに不平等だと思うのですけれどもね、どうですか。
○政府委員(北雄一郎君) まあ私どもといたしましては、超過契約を当方から発見すると申しましても、非常に年に四百二十万件も新規の契約もございますし、超過契約ということになりますれば、当該年度だけでなくて、従来からの積み上げということも見なければいけません。そうなりますと、全体件数が四千八百万件もある、こういう状況の中で超契の発見ということはきわめて困難でございます。しかるがゆえに契約締結の入り口においてできるだけチェックをしようと、こう考えておるわけであります。したがいまして、この契約自体が初めからなかったことにするというのは、やはりそういった意味合いからいたしましてこの契約者の方からそれを理由に善処方の申し出があったものに限らざるを得ないというふうに思うのであります。またその場合、金利をつけろということでございますが、初めから契約はなかったということでございますので、既払い込みの保険料を還付するにとどめておる次第であります。
○塩出啓典君 これはどうなんですか。保険はかなり長きにわたってかけている人もいらっしゃるわけで、やっぱり物事の道理としてはこれが向こうの責任で、加入者側が故意にそうした場合はいざ知らず、もし局側がそれを知りつつ勧誘をした場合、これは明らかに局側に責任があるわけですから、もちろん、これはどちらに責任があるかという判定はいろいろむずかしいと思うのですけれども、局側に責任がある場合は金利をつけて返すのが、これがやはり常識じゃないか。これは郵政大臣どうですか。
○国務大臣(村上勇君) これはなかなか私ももう少し勉強して検討しなければ、すぐ即答を申し上げることはどうかと思います。
○塩出啓典君 その点ひとつ御検討いただきたいと思います。 それでは、たとえば今回の工藤さんのように、このKさん、工藤さんという方でございますが、いわゆる本人は十七条違反の超過契約を知らずに加入をして、しかも途中で解約をした場合、そうした場合は六カ月に満たない場合は全額没収になるし、あるいは六カ月を超えた場合でもかなり、還付金は半分ぐらいしか返ってこないわけですね。そういう人たちが、おれの分も、解約した分も実は半分は超過契約だったのだと。そうすると、あの分はやはり掛金だけは返してもらわなくちゃならぬ、こういう要望が出た場合、この超過分についてはこれは契約はなかったものとして、やっぱり工藤さんの場合と同じように全額返さざるを得ない。これは申し出があった場合ですね。これはどうですか。
○政府委員(北雄一郎君) 一たん還付金を払ったあと申し出があった場合でございますが、その場合はやはりそういうことであれば還付金にかえてさきの払い込み保険料の還付ということをしなければならないと思います。ただ、いつまでもということでなくて、ただ別に時効の規定がございますので、失効いたしましてから五年以内、それから復活のできる一年以内という制限がございますが、仰せのとおりであります。
○塩出啓典君 これはどうなんですか。これはやはりもし郵政省側に落ち度があった場合はこういう期限を設けるというのはちょっとよろしくないのじゃないかと、そういうことを前々から郵政省は言っておってそれで手続をしないならいいわけですけれども、そういうことは皆知らないわけですね。また郵政省もそういうことはだれにもPRしていない。そういう解約は、なかったものとして超過分についてはもし申し出があれば全額を返すということはいまだ公式の席においてはおそらくあまりはっきりしていないわけでありましてね、だから、もしそういうことがはっきりすればこれからやっぱり五年間は猶予を置いてずっと昔の分までも認めるとか、このようにすべきが妥当じゃないか。
○政府委員(北雄一郎君) ただいま五年、一年と申しましたのは、実は原簿をいつまでも残しておくわけにいきませんので、原簿を、その期限は残しておきますが、それで破棄してしまいます分ですから全く謄本に何も残らない、対査のしようがない、こういうことからまいるのでございます。
○塩出啓典君 それでは本人のほうへそのときの還付金をこれだけ渡す、こういうような証拠書類があればこれはやはり郵政省としては認めざるを得ない……。
○政府委員(北雄一郎君) 還付金を支払いました場合にはもう支払ってしまっただけで、あと何にもこちらのほうに書類が残らない、そういうシステムになっておりますので……。
○塩出啓典君 もらうほうに証拠があった場合……。
○政府委員(北雄一郎君) しかしやはり、具体的にどういうことかよくわからないので、恐縮でございますが、それは相手方のお申し出だけではやはり無理で、それから大変飛び飛びで恐縮でございますが、契約書のほうも、還付金をもらわれました場合に契約者のお持ちになっている保険証書等も一切のものを局側にお出しになりますので、契約者のほうにも何にも残らない、お金だけが残る、こういうことでございますので、対査のしようがないようでございます。
○塩出啓典君 この点はもう時間もございませんので、さらに今後の問題として局のほうにおいても検討しておいていただきたいと思います。 それから先ほどの場合猶予期間において四回ぐらい契約を続けるように言ったと、こういうお話でございますが、本人のほうは全然そういう連絡がなかったというわけですね。これはいまさっき申しました、このことを論議しても始まりませんけれども、やはり掛け金がストップした場合、猶予期間があるわけでありますが、その間にはこういうやはり通達を、まず掛金が入らなくなったら一カ月目にこういう手紙を出す、二回目にはこういう手紙を出して三回目にはこういう手紙を出す、三回ぐらいそういう手続というものを一つのシステムにして、単なる外務員がただ口頭で言ったというのではなしに、これは非常に本人にとっても大事な問題ですからやはり郵政省としてもこれを徹底するためには一つの手続というものを、いわゆる猶予期間中には被保険者に対してこういう手続を、こういう手紙を通達すべきである、こういうものはやはりシステム化すべきじゃないかと、その点はどうなんですか。
○政府委員(北雄一郎君) 保険料の払い込みの延滞というのは非常に実は件数が多いわけでございまして、延滞のまま執行になるのはしかし非常に少ないわけでございます。そういうこともございまして、延滞になったからといってすぐシステマティックにどうこうという指示はいたしておりません。その局限りでいろいろ手だてを尽くしておるわけであります。ただ執行してからあと一年間復活の期間がございますが、そのときにはいわば最終の機会でもありますので、これは復活手続をとられるようにということを必ず御連絡するように指示と申しますか、制度としてきめておりますが、延滞というのは、そういう事情がございますので、各局にまかせておると、しかし、事実はほとんどすべてがやっておるように理解はいたしております。
○塩出啓典君 この点はそういう方針であっても、数多くの外務員の方々が、実際はそういうところへ行って契約を続けても、その人そのものの募集手当はもうないわけですから、簡易保険の将来を思って行く人もおるでしょう、中にはもっと新しい契約のほうに走りがちな、そういう点はあると思うんですよ。そういう点で私は、こういう猶予期間、あるいはその一年間の期間においては、やっぱりこういう手紙を出すとか、こういう文書を届けるとか、そういうものをちゃんとしておけば、こういう国会の答弁においても、こういう手紙を何日に出しましたということで、ただ、口頭で言いましたというような不明確にならないわけで、これは私は徹底を期すためにそういうことを検討すべきじゃないかと、これはひとつ検討してもらいたいと思うんですけれども。 それからこの「御契約のしおり」に、還付金の問題について、いろいろ皆さんの意見の中には解約になった場合にもっと返るかと思ったらこれだけしか返ってこなかったじゃないかと、こういう意見も多いわけですね。ところが、それはちゃんと「しおり」に書いているんだから、知らない消費者が悪いんだと、そういうような局側の考え方でございますので、これをよく見てみますと、確かに還付金の支払いと書いているんですよ。この中には、いわゆる六カ月たってから契約が失効したり、または解約されたときは、七カ月分以上の保険料がお払い込み済みならば還付金をお払いすることになっておりますと。この場合、還付金の額は積立金の百分の九十から百分の九十八となっていると書いているんですよ、積立金の。そのあとに、積立金というのは払い込まれた保険料より少ない額だと。だから、還対金というのは百分の九十から百分の九十八は返ると、こう書いているんです。だから還付金というのは、積立金というのは何かといったら、払い込まれた保険料より少ない額になると、これじゃ結局還付金がどれぐらい返ってくるかさっぱりわからない、これじゃ。もう少し積立金というものは払い込まれた保険料より少ない、一円少ないのも少ないわけで、半分も少ないわけですから、こういう点はちょっと不親切じゃないかと思うんですね。もちろん、保険契約をする場合に解約のことを考える、その道もないかもしれませんが、解約の場合のこともやっぱりもう少し親切に書くべきじゃないでしょうかね、その点。この点検討してもらえるかどうか。
○政府委員(北雄一郎君) できるだけその「しおり」の内容につきましては、何もそれが何年も変えるべきじゃないというものとは考えておりませんので、機会あるごとに中身をよりわかりやすく親切なものにするように努めております。なお、還付金は経過年数によりましてすべて金額が違いますので、それを全部御契約の 「しおり」に盛り込むというようなことをやりますと非常に膨大な量になりまして、それは不可能でございますが、何かほかの方法でそういった点についても改善する余地があれば改善したいと思います。なお、詳細なものは、当然のことでありますが、どの郵便局に行かれましても窓口には備えつけてあると、こういうわけでございます。
○塩出啓典君 まあ、その点全部を書くということじゃないですけれども、例として、大体こういう場合にはこうなるんだと、これぐらいのことは書いてもらいたいですね。 それから還付金が民保に比べまして簡易保険は非常に不利であると、これはいわゆるチルメル方式を採用して最初の五年ぐらいに募集手数料全部取っちゃうと、民保の場合はいわゆる純保険料方式をとっているために、そういう違いがあると、このように私聞いておるわけですけれどもね。やはり、そういう点も解約ということも現実にはあるわけですから、そういう人のためにももう少しこのチルメル方式を検討すべきじゃないかと、この点どうですか、検討する用意があるのかどうか。
○政府委員(北雄一郎君) 実は結論から申し上げて恐縮ですが、私ども、必ずしもこれを変える必要があるというふうにもとっておらないわけでございます。と申しますのは、確かに私ども、チルメル方式でございますが、民保でもチルメル方式をとっているところがございます。それから民保の純保険料方式、これも私ども見ますと、純粋の純保険料方式じゃないように思うんでございまして、やっぱり最初の年月、経過年数が短い間は費用部分がたくさんかかるわけでございますから、これはやはりそっちのほうへだいぶ持っていっておる、削減金額を多くしております。結果的に数字の態様で申し上げますと、六カ月以内の場合には民保に比べて多少不利となっておる部分もございます。しかし、それ以上の経過期間のあるものにつきましては、すべて実は簡保のほうが民保より有利になっておるのでございます。具体的な数字で恐縮でございますが、たとえば十五年養老をとってみますと、保険金百万円で三十歳加入と仮定いたしますと、簡保の場合、一年経過で三万六千九百円還付金がありますが、民保の場合は一万八千円と、以下同様でございます。もっとも十五年ぐらいになれば全部満期ですから同じになりますが、一年でそれだけの開きがある、決して不利ではない、こういうふうに思います。また、還付金自体につきましても、去年の十一月、私ども改正をいたしまして、加入後三年を経過したものは積立金の全額を返還するというふうに改めた次第であります。
○塩出啓典君 この点はひとつ資料として、やはり保険業界の行き方としても消費者に選択の自由を与えるためにいろいろな自由を与えるためにいろいろな情報を提供するという方向にあるわけですから、そういう意味で、いわゆる簡保と民保の場合どういう違いがあるのか、これはいま言われたそういう資料をあとで資料として提出していただきたいと思います。 それから次に告知義務違反の問題でございますが、これも新聞に載っておった問題でございますが、ある社長が三百万の簡易保険に入ったと、その外務員は、一年後から掛け金は会社の損金として落ちると、税金対策に役立つと、そういうことで入った。ところが、入ってから約一年後に六十二歳でその人が亡くなったわけですね。その場合、保険金の三〇%、昨年十一月からは五〇%になっておるわけでありますが、 これが返らなくちゃならぬ。通常は、三百万円のコンマ三ですから、九十万円返らにゃいかぬのに、結局郵便局からは十二万九千六百円、払った金額が少ない。なぜかと申しますと、局の言うのには、本人が心臓病が悪かったのに、これを言わなかったからだと、だからこれは告知義務違反だから、普通の解約と同じに掛け金より少ない金額しか渡さない、こういうことです。本人あるいは事務員から言うと、外務員は病気のことも何も聞かずに、簡易保険は無審査ですと、こう言って、また、会社の損金で落ちると、こういうことを言っておるわけですね。これは本人が言っておるわけですよ。そうしますと、こういう点、その加入者は一片のそういう告知義務違反という、こういう通達でやられたらたまったものじゃないと思うんですね、果たして加入者のその遺族が言うように、まあ少々病気があっても入っておきなさいと言ったのか、そういうふうに言ったのかもしれないし、何も聞かなかったのかもしれない。いつも問題にされるのは加入者の告知義務違反が問題にされて、外務員の、加入者に都合の悪いようなことは言わない、そういう方面のいわゆる告知義務違反というものは何ら明記されていないわけですね、こういう問題どうなんですか。
○政府委員(北雄一郎君) 告知義務の問題ははっきり契約募集のときに面接ということをいたしますが、その面接のときに告知を請求したかどうかということにかかわるわけでございます。ですから、局側が告知を求めなかったという場合に、かりにその人がそのときすでに疾病が、外面にあらわれない疾病があったと、それが原因でその後保険事故が発生されたという場合には、これは国側に過失があるということで、これは支払いということになるんであります。それは保険法の二十一条の第一項ただし書きというのがございましてそこにはっきりございます。そういう意味では法律上のことばを用いますれば、お客様の方が「悪意又は重大な過失に因って事実を告げず、又は真実でない事を告げたとき」、この場合は告知義務違反に問えるわけです。逆に「国がその事実を知り、又は過失に因ってこれを知らなかったときは、」告知義務違反が問えないと、いわばこの二十一条の一項では、国もお客様もいわば対等の立場でそれぞれ告知義務というものについて規定がなされておるわけでございまして、私どももそういう規定を体しまして事を運用しておるわけであります。したがいまして具体的には、その当時局員の方が告知を求めたかどうかということにかかわらっておるわけで、本件の場合は局員の方は確かにその点を聞いたと強く言っておるのでこういう処理を一応したのでありますが、御本人の方はそういうことは聞かれなかったと、聞かれたか聞かれなかったかということを今私どもの監察局の方で調査しておりますので、その結論がどちらかに出るかでお払いするかお払いしないかということが決まる筋合いの問題でございます。
○塩出啓典君 言った、言わなかったという問題はなかなかむずかしい問題ですよ。局のほうはそれはどっちでもいいかもしれませんよ。加入者にとってはそれで金が入るか入らないかという大きな問題なんですから。だから、そういうような問題について、ただこれを問題になったから郵政監察局が調べるだけの話で、普通は泣き寝入りですよ。普通、政府のたとえばいろいろな援護法の申請にしても、だめになったら異議申し立てがあれば何日以内に異議申し立てをしてくださいというのがちゃんと書いているのですよ。郵政省のそういう、あなたはこういうわけでこれだけしか払いませんと、そういう場合に異議申し立てがあればどこそこに異議申し立ててくださいというようなことは、そういうものをちゃんと設けて、そしてもっと何か今のシステムでは局へ言うていけというけれども、局じゃいかぬ、やっぱり。第三者の機関を設けて、そういう苦情というものが処理されるような、こういう制度をやはり確立すべきである。その点ひとつよく検討していただきたいと思うのですよ。 もう時間がありませんから、こういう問題ですね。それと最後にこれは要望しておきますけれども、先ほどの件で、現在苦情処理は郵便局とか郵政局の管理者ですね、さらにそれで解決しない場合には保険年金審査会に申し出るようになっている。それ六ケ月以上たってだめな場合は民事訴訟。だけれども、保険年金審査会というのは全部郵政省の出身者で占められているわけですから、そういう人が多いわけですね、やっぱり。そこでもっとこういうものをPRして、ここに申し出てください、電話番号は何番ですよ、異議の申し立てがあればここに申請してください、こういうふうに親切に。こういうやはり庶民の苦情というものが反映されていくようなシステムを考えてもらいたい。これをひとつ郵政大臣に要望しておきます。 それから、民保においても昨年九月、先ほどのクーリングオフですね、こういう制度も導入される方向にあるわけでございますので、最近は特に国民生活審議会等におきましても、これは一昨年四十八年の二月二十七日、保険は契約する消費者にとって長期にわたる高価な買い物である。それだけに十分な比較情報に基づいて合理的な見通しのもとに選択が行われる必要がある。こういう点からいろいろなそういう保険情報を消費者に提供する、あるいはクーリングオフ——ある一定期間は解約できる、こういう制度も導入していく。民保においてもこういう努力がなされているわけですから、私は国営である簡保こそこういう消費者保護の立場に立って率先してやはりやっていかなければいけないと思うのですけれどもね。こういう今の二つの点について今後とも前向きに検討していただきたい。このことを郵政大臣に要望いたしまして、あとは次の機会に譲りたいと思います。
○国務大臣(村上勇君) 御趣旨のとおり前向きで検討いたしたいと思います。
○加藤進君 電電公社の方にお尋ねしたいと思います。まず、電話料金の請求の問題ですが、この電話料金の請求額というのはどんなふうに計算をされて、その上での請求がなされるのでしょうか。そのひとつ仕組みを簡潔にお聞きしたいと思います。
○説明員(遠藤正介君) お答えをいたします。 簡単に申し上げますと、各加入者の方のお持ちの電話ごとに電話局の中に度数計というメーターのようなものがございまして、これが加入者のおかけになりますたびに、おかけになる方角によって異なりますが、度数というものを表示をいたします。この表示をされました度数をもとに私どものほうで計算をいたしまして、現在のところ一度数七円でございますから、それに七円を掛けた金額を通話料として請求をいたしました。もちろん電話料金の中には、そのほかに工事をいたしましたときの工事代金でございますとか、あるいは基本料というような定額のものもございますので、そういったようなものを一緒にまとめまして、大体加入者によりまして、正確に一月分ではございませんが、三十日前後のところでくくりまして郵便で発送してお支払いを願う、こういうシステムにいたしております。
○加藤進君 その請求金額をはじき出すのにはほとんど機械でやっているわけですね。
○説明員(遠藤正介君) いまのお話の中の通話料だけで申し上げますと、度数計算をいたしましたものをまとめまして、そして大きなところではコンピューターでやりますし、小さなところでは普通の電卓のようなものでやることもございますが、そういう形で計算をいたしております。
○加藤進君 いろいろその請求される金額について疑問が起こっているところがございますね。この疑問に対して電話局の方ではどう答えておられるかというと、機械でやっているからミスはございませんと、大体そういう答弁なのですが、そこでお聞きしたいのは、請求金額に間違いが起こるようなことはない、こういうふうに言えるのかどうか、その点をお聞きしたいと思います。
○説明員(遠藤正介君) お答えをいたします。 この通話料の度数計算というものにつきましては、日本だけでなく外国でも苦情が非常に多うございまして、特に住宅用の電話が普及をいたしてまいりました現在では、住宅用中心に苦情の数が、そう際立ってではございませんが、ふえておりますし、また新聞その他にもいろいろ投書等で私どもに御注意をいただいておるところでございます。 そこで、私どもといたしましてもこの点には一番神経を使いまして、いま先生御指摘のように、電話局へ申し出がございましたときには、すべての苦情をチェックをいたしまして、いまお話がございましたように、機械でやっておりますから、あるいはコンピューターでやっておりますから間違いございませんというような答弁はしないようにという指導をいたしております。その結果、私どもの方で、大体いろいろ苦情の数で申し上げますと、全国を平均いたしまして一カ月に一万加入当たりに対しまして四件ぐらいの苦情が、電話ですとかあるいは窓口の方へおいでいただいております。その中身は確かに先生のおっしゃいましたように全然間違いがないわけじゃございませんで、たとえば私どもの方のミスで申し上げますと、書き間違いでございますとか、あるいはパンチの打ち間違いというような人為的なものもございますし、それからお客様の方で申し上げますと、先ほど申し上げましたように私ども近くこれを直したいと思っているのですが、たとえば一月分の電話料金と申しますと、普通の方は一月一日から三十一日と、こういうぐあいに御理解いただくのが普通なのでございますけれども、私どもの方の、この数が多いものでございますから、作業を平準化いたしますために、たとえば一月の十五日から二月の十四日までをまとめまして一月分というような形で請求をしておる、そういうような請求書の読み違いというような点もございます。したがいまして、私どもで最終的に統計的に機械、コンピューターそのものじゃございません、コンピューターそのもの、あるいは度数計そのものじゃございませんで、それのいろんな保守の関係とかいったようなものを含まめした機械のミスというのは、大体私どもで百万加入に四件ぐらいの割合の統計になっております。
○加藤進君 そこで、私のところへも訴えが参っております。これは新聞にも報道されましたので御存じだと思いますけれども、東京都の文京区で割烹料理「瀬戸内」を経営しておられる相良克己さんからの訴えでございます。この方に対して昨年十二月の料金の請求額が六十八万二千二百八十円来た、こういうのでございますけれども、こんなたくさん請求されるとは身に覚えがない、こういうことでこの問題が訴えになったわけでございますけれども、これは相良さん自身が銀行からの自動支払いをしておられるために、銀行の預金ではとうてい六十八万数千円というお金は支払えません。こういうことで相良さんのほうに文句が来て、ぜひとも納入して、いわば預金をもっとふやしてほしいというようなことが銀行から言われたので、これはもうたいへんだ、こういうので、ここで問題が起こるわけでございますけれども、大体正しく計算すると、これは三千二百八十円だというのでございますから、間違いも間違い、二百倍以上の大間違いで、しかもこれそのまま取っておられれば、これはもう電電公社大もうけなどというようなことになりかねなかったわけだと思いますけれども、このことについて、相良さんもこれを問題にされて、そうして、どうも済みませんでしたという大塚電話局第二営業課長平沢さんからの謝罪文が出ておるわけでありますけれども、この謝罪文が出たその後にもまた督促状が来た。こういう二重の督促が寄せられるというようなまことに異常な状態が起っておるわけでございますけれども、この自動支払いというような制度で、もし銀行のほうでも預金がたくさんあるから、それで払っておけばいいといって片づけてしまわれるなら、これはもうやみからやみに全然この事柄は知らずに終わるというほどのいわば心配も起こってくるわけでございますけれども、これについて一体どんなふうに御認識をいただいておるのか、その点を御報告をいただきたいと思います。
○説明員(遠藤正介君) いま御指摘の、お名前は失念いたしましたが、本年初頭に新聞に出ました件につきましては、これはもう全く私どもの方の事務的な手違いでございまして、詳細は後で御必要でございましたら御説明をさしていただきますが、これは私どもの方でも二重の確かに手違いがございまして、こういうケースは非常に珍しいのでございますが、そういうことでございまして、これに対しましてはまことに弁解の余地はございません。 そこで、私どもといたしましても、御本人にも局を通じまして詳細に御説明をし、おわびを申し上げましたのですが、これを機会にこういうケースをまたよそで起こしませんように、各地にもこれを連絡をいたしましたのですが、私どもとしては、この度数計を計算いたしますのが、先ほど申し上げましたようにずっと連続で度数計が出てまいりますので、それを写真で撮影をいたしましたり、その写真を読み取りをいたしましたり、あるいは前月に比べて非常に大きい、私ども常識的に考えても異常にふだんより大きい数字のときはこれをチェックをするというような形でやりましたり、あるいは度数計をパンチをするときは、一回ではどうしても間違いがございますので、別のパンチャーに二度打たせるというようなシステムをできるだけとっておるのでございますが、たくさんの中でこういうケースが出ましたことに対しましては、ほんとうに申しわけなく思っておるわけでございます。なお、この件について、さらに詳しく御説明をさしていただきます。
○加藤進君 そこで、お尋ねしたいのはね、この相良さんの場合にはたまたま銀行の預金が少なかったためにこれは支払い切れないということで御本人にもその連絡があったと思うんです。しかし、もう一方の場合考えてみますと、支払いはできるというような状態であるなら、本人からいわば文句が出ない場合に一体間違いをどういう形でチェックして、それは間違いでございますというような訂正が事実できるのかどうか、その点の状況をお聞かせいただきたいと思います。
○説明員(遠藤正介君) 確かに銀行振り込みの場合にはそういう御心配もあろうかと思うんですが、先ほど申し上げましたように、前月あるいは前々月と申しますか、従来よりも異常に高い数字の場合には事前にまず一遍チェックもいたしますし、それから銀行振り込みの場合には、私どもの方へ銀行の方から連絡がありました後で、異常数値については検査をするようにいたしております。
○加藤進君 じゃ、聞きますけれども、自動的に訂正したというそういう例はありますか。
○説明員(遠藤正介君) これは件数の数字をいま私覚えておりませんが、前月に比べあるいは従来に比べて異常数値が出ました場合には必ずチェックをして加入者に御連絡をする、それで何か特別なことでこういうぐあいにふえましたかということは、私どものマニュアルといいますか、一定の作業要領の中には明記をしてございます。したがって、そういうケースは相当あると思います。
○加藤進君 大体どれくらいの時間がかかるんですか。
○説明員(遠藤正介君) 時間と申しますと……。
○加藤進君 発見するのに。
○説明員(遠藤正介君) 発見は、月末に度数計を締め切りましたときに私どもの方ですぐ締め切った状態で写真を撮りまして、それを読み取りまして、その数値がすぐ出てまいりますですね、そうすると、それが前々月あるいは従来よりも非常に多い数字ということでございますから、締め切り後請求書を出します前に、まず加入者の方に御連絡をいたしまして、たとえば今月は異常に大きいですが、何か遠くの方へおかけになりましたかというようなお問い合わせをいたすマニュアルにいたしてございます。
○加藤進君 だから、若干時間がかかるわけでしょう。時間がかかる間に、たとえば銀行預金をしておいたと、預金をしておけば利子がつくと、ところが公社の方にその料金が余分に取られてしまったと、返されるときにはこれは元金ですか、それとも利子も加えてですか。
○説明員(遠藤正介君) これはいま私が申し上げたのは請求書を発行いたします前でございますから、請求書を発行いたします以前でございますれば銀行のほうも自動振替はいたしません、請求書に基づいてその銀行から振りかえるわけでございますから。で、一遍支払いました後は、まあそういうケースは非常にレアケースでございますが、私どもの方に苦情がございました場合には、その金額は現在の公衆電気通信法の規定によってお返しをすることにいたしております。
○加藤進君 私があえてそのことを問題にいたしますのは、実はその相良さんという方に対していろいろ変な電話がかかってくるんです。これはサンケイ新聞に載ったようでございますけれども、お手伝いさんが電話に出ると、よくもサンケイに売ったなというような声が再三にわたってくる、あるときには十回も午前中にかかったことがある、こういうようないわば精神的にもいろいろな被害を受けておられる。こんな状態まで起こってきておるわけで、私はこの機会にひとつ相良さんに対して、こういう状態を起こしてまことに済まないということを国会の場でも一言言っていただきたいと思いますが、いかがですか。
○説明員(遠藤正介君) 私、先ほど申し上げましたように、相良さんの件は全部これは電電公社の手落ちでございまして、このために公社の立場といたしましてもまことに申しわけなく思っております。 それからいま先生御指摘の新聞に載りましたこと自体に対する電話のようなことは、これは私初耳なんでございますが、もちろん公社の関係者ではないと思いますし、またそういうことでなくても、そういう御被害まで受けられましたことにつきましては、この席で私どもから深くおわびを申し上げます。
○加藤進君 これはいま申し上げたことだけでなしに、店の信用にも関係してくるというような点まで起こってきておりますので、その点であえて注意を喚起しておいたわけです。 ところが、こういう請求書がどうも正確でない、こういうような訴えというのは先ほども若干出ましたけれども、非常にたくさんあるわけですね。余りにもたくさんあると言ってもいい。これは朝日新聞の記事によりますと、昨年の暮れ約一カ月の間に電話料金に関する不満を述べた投稿が二十数通あった。一カ月の間に一新聞社に対しても二十数通もある。しかも皆さんのところで出しておられる新聞等に見られる利用者の声というような中にもそういう意見が相当多く出ている。と申しますと、これはただ単にきわめてまれな、きわめて珍しいケースだというふうには言い切れないような問題がある、こういうふうに私は問題は見なくてはならぬではないか。 そうして見ますと、まず一つには、こういう方たちの声の中で、請求をされた金額が間違っているのではないかという一つの疑いがあります。それからもう一つは、請求内容が正確かどうかということを利用者自身にわかるような手だてはないのか、こういう手だてをとってもらうことができないのかどうか。こういう二つの面の問題がここに含まれておると思うんですね。中にはいろいろ申し上げたいことがありますけれども、これはちょっと略しましょうが、こうしたミスについて果たしてチェックを正確に漏れなくすることができないものかどうか、こういう点について重ねてお聞きしたいと思います。
○説明員(遠藤正介君) 私ども現在全国に電話が約二千九百万にふえました。したがいまして、これから先のサービスの問題といたしましては、この料金の問題が一番何といいますか公社の信用にもかかわりますし、また皆様方が電話をお使いになりましたときに電話料金の問題が一番の問題だということは、私ども初め現場のすみずみにまで機会あるたびにそういうつもりでやらせるようにいたしております。そうしてまたそのためにいろんなケースをとりまして、ケースメソッドで訓練のようなこともいたしております。しかし、いま先生御指摘のように度数計というものを——検査をしておるところをごらんいただくと一番おわかりだと思うのですが、私どもとしては、これを電話局の中へ置いているという状態では、普通のメーター類の中では一番精密なものを常にまた保守をして、維持をしておるつもりでございます。そのために機械室などには人も入れませんように、ほこりも入らないように、あるいは冷暖房設備などもいたしまして、狂いのないようにいたしておりますが、何と申しましても、やはり電気、水道のように御家庭の御自分の目の前にそれがないもんでございますから、そういう御心配はあろうかと思うんですが、もちろんそういう設備を御家庭につくるということも、私技術屋ではございませんが、技術的には可能だと思います。あるいはまたアメリカのように、どこへ何分かけたということを詳細に記録する方法もこれも技術的には可能だと思います。 しかし、それをいたしますためには、現在二千九百万あります電話のすべてにそれをいたすことになりますので、またものすごい金額の投資をしなくてはいけませんし、またその費用を結局は加入者の方に負担をしていただくということになりますと、やはり今日のこの電話サービスとしてそれをやるか、あるいは私どもができるだけ努力をしてお客様の信用を維持をしていくということにするかという点になりますと、私の方としてはやはりできるだけ低廉な金額で高度なサービスを提供したい。アメリカあたりでも、詳細記録でやっておりましてもやはり苦情というのは日本と同じくらいあるわけでございまして、そういう意味で現在の状態でできるだけ電話局の関係者の努力を、訓練をしてやっておるわけでございます。
○加藤進君 とにかく一番まず基礎になり頼りになるものは電話局にある度数計ですね。もしこれが故障が起こったといった場合には手もつけられない、こんな状態が私は起こると思うんです。私の耳に入った情報によりますと、数年前にそういうことが起こった。これは兜町で公社の度数計が故障したために請求金額がとうとう出せなかった。そこで、公社では前の何カ月かの平均を出してこれで請求にかえた、こんなことが言われておるわけでございますけれども、これは事実無根ですか、事実ですか。
○説明員(山本孝君) ただいまのような例はあったかと思いますけれども、ただいまの例にありますように、機械が故障した場合には大部分はお客様に損をかけるケースよりも公社がいわば損をするという、度数計が登算しない方に働いておりまして、できるだけお客様の御迷惑にはならないように考えております。
○加藤進君 だから、先ほどの相良さんの受けられた被害という程度ばかりではなしに、とにかく兜町全体でこんなことが起こったというのが、電算機を中心としたその請求システムの一つの盲点になっておることはこれは明らかでございまして、だからこそいろいろな意見が、特に何らかの意味で正確な金額がわからないものか、しかも個個の利用者にわからないものか、こういう声が出るのは私は当然だと思うんです。そこで、先ほどの答弁にもありましたように、これは技術的に可能です、ただ金の問題でございます、こういうふうに言われるわけですけれども、こういう技術的に可能ということについての開発のために、いままで公社はどれくらいの努力を払っておられたのか、どんないわば予算を組んでおられたのか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○説明員(三宅正男君) お答え申し上げます。 ただいまのお尋ね、加入者のお客様の宅内で度数がわかるように、あるいは詳細記録というようなものがとれるようにというようなことに対して、公社はどういうことをやっておるかと、こういうお尋ねだろうと存じます。詳細記録につきましては、かつてもう二十年近く前になるかと存じますが、ダイヤル即時のサービスを始めます際に、詳細記録がいいか現在のようなやり方がよいかということについて技術的あるいは経済的問題その他をいろいろ検討いたしまして、詳細記録装置につきましても試作をしましたものを仙台において数年間実地に使ったことがございます。ただ、これはやはり先ほどお答え申し上げましたように非常に金がかかる。ダイヤル即時を全国に広げていく、このサービスを広げていくためには余りに金がかかり過ぎて大変だということで現在のような方式をとったわけでございます。 それから加入者のお客様の宅内に度数計をつけるという問題、これも技術的には可能でございますし、また非常に使用度数の多いお客様からそういうものがないかというような要望も出まして試作をいたし、現場の試験等も現在いたしまして、そういう技術は現在持っております。ただこれは、先ほどこれも御説明申し上げましたように相当金がかかる。現在私ちょっと正確な数字を覚えておりませんが、一回線当たりに対しまして二万円か三万円じゃなかったかとちょっと思いますが、その程度のオーダーの金がかかるということで、これも非常に利用度数の高い方以外にはむしろ御負担をかけ過ぎるというような点で、現在実際のサービスには入っておりませんが、それでもいいというような方に対してつけ得るように、これは対象がいわゆるPBX等を持っております大きな事業所等でございますが、こういったようなところに対してサービスを始めるべく準備はいたしております。
○加藤進君 それは一般家庭についても希望者があれば、希望があればそういう装置をつけるということは考えておられるんですか。
○説明員(三宅正男君) 一般家庭につきましてもそういうような装置を、これは多少——先ほど申し上げましたのは、いわゆるPBXという構内交換機を持っておるような大きな事業所等に対するものでございます。似たような技術で一般家庭に対しても可能であろう、また技術的には可能でございますが、いま申し上げましたように相当金がかかるということで、月々ある程度の使用料を負担していただかないと、公社としてはサービスがちょっと経済的に不可能であるという状態でございます。
○加藤進君 とにかく一般市民、国民に対する公営企業ですからね。そういう点では、ミスが偶然にも起こった、どうもおわびいたしますというような程度でこれは済ましてはならぬ。何らかの意味で一般の利用者が、これで正確な数字だと安心して請求に応じられるような状態をぜひつくらなくてはならぬという根本問題だと思うんですね。電力会社やガス会社はちゃんとやっているんですから、そういう点ではチェックができるわけです、各家庭で。こういうような点では、私はあえてこの問題について要望したいのは、もっと技術開発に対して熱意を示していただく、できるだけ低料金でこれが希望者にこたえられるようなものに仕上げていく、こういうような点については、私は今後公社の積極的な努力をお願いしたいと思うのです。よろしゅうございますか。
○説明員(三宅正男君) 電気やガス等の場合と違いまして、先ほどもちょっと御説明申し上げましたように、電話の場合にはどこへどれだけの時間かけられたかというようなことを局内でいろいろ何と申しますか測定をしておくということがどうしても必要でございます。電気やガスの場合には、これはお客様の宅内でなければどれだけ使ったかということがわからないわけでございます。電話の場合には、かける先が同じ東京でございましても東京都内であったり、あるいは大阪であったり、北海道であったりというような事ごとに料金が違います。そういったようなことを、これは料金が幾らである、何秒ごとに度数計を動かせばいいかというような機器は相当複雑な機器になります。これを電話局内にまとめて設置することによって経済的な設備をつくっておりますので、そこで出ました結果を、もう一度通話中の電話線を通しましてお客様の宅内まで送り返すというようなことに関しましては、やはり相当金がかかるのではないかと思いますが、今後さらに一層そういった点について努力はしていきたいと存じております。
○加藤進君 ともかく、今度のミスばかりでなしに、頻々とミスが起こっているという不安感を持っておられる。そういう利用者が、正確に請求の内容についても納得して、そうして支払うというようなことがこれは当然願わしいことであると思うのです。そのために、たとえば電力料金やあるいはガス料金のように、個々の家庭でもこれが検出できる、点検できるというようなシステムにならぬものだろうか、これは私は素朴な当然な要求だと思うのです。こういう要求にこたえるような前向きの努力をさらにしてほしいということが第一点であります。 もう一つあります。これは請求書の形式なんでございますけれども、この請求書の金額について、請求された金額について、内訳がどうもよくわからぬ。市外電話あるいは市内電話の区別もはっきりしていない。こういう点で、この請求金額の内訳がその請求書の様式によってよくわかるようにするというような改善程度はできないものだろうか。それでいわば完全なチェックではないけれども、大体納得のし得るようなことが可能ではないかと、こういう問題が声として出されておりますけれども、その点はいかがでしょうか。
○説明員(遠藤正介君) いまの二つの点は、いずれも私どもが常に考えておることではございますけれども、相互に関連がございまして、現在の電話料金の体系と申しますのは、御存じのように遠くへかけましたときの秒数と、近くへかけましたときの秒数が違うだけで、その違う秒数によって度数が一度数ずつ上がっていくと、こういうシステムになっております。一度数七円ならそれに七円を掛けると、こういう形になっておりますので、たとえば、そのおかけになりましたものが東京であろうと、仙台であろうと、大阪であろうと、度数に換算した形でできております。これを仙台は仙台で、いつ幾日何度数かけると、かけたというようなことをするというのが先ほど御説明いたしました詳細記録というやり方でございまして、これをやりますと、これは相当多額の投資というか、もっと精密なものになりますので、先ほど申し上げましたように住宅電話中心の現在の電話から言いますと、やはりそこらのところが一つの考慮点になろうかと思うんでございます。 ただ、先ほどからの御議論の中で、私どもも何とか信用と申しますか、していただかなくては困りますので、現在とっております一つの方法は、お客様の方で御不満な方は、ある期間電話局へ申し出てくだされば、御自分のところで御記録になったものと電話局の度数とを合わせて一カ月でも二カ月でもやって差し上げまして、そして御自分のところの記録を、違わないかどうか、そういう形で御安心していただくとか、あるいは電話局へおいでになりまして、機会があればその度数計そのものの回っておるところを見ていただく、あるいは度数計を保守をしておる部屋の状況なども見ていただくと、こういうようなことを積極的に電話局に勧めておりまして、私は低廉な金額でサービス、高度のサービスという点からいけば、その辺のところが現在私のとり得るあれではなかろうかと。さらに技術的な研究を先ほど申し上げましたように進めていただいて、その時期まではいまの方法が最善の方法ではなかろうかと考えております。なお、今後の努力は私どももぜひさしていただきたいと思っております。
○加藤進君 いま言われたようなことができるというふうに一般の利用者はよく知らないんですね。私はそういうことまでできると言われるなら、これはもう納得していただく一つの措置として、ぜひこういうことは遠慮なくやってくださいというようなことを、やっぱり電電公社として広報活動の一つとしてやってもらう必要があるんじゃないか。というのは私は、ここに持っております「電話料金自動支払いのおすすめ」ということで、いかにももう安心だというようなことで相当広報活動をやっておられます。こんなことがやられるわけですから、もしあなたのところで請求金額について疑いを持たれるようなら来てくださいと、こういうようなこともやっぱり一般の利用者にも知らしてやっていただくということはできますね、これは。
○説明員(遠藤正介君) その点不行き届きでございましたならば、私どもいろんな団地の方々でございますとか、お集まりのときはいつも申し上げておるんですけれども、方法を考えましてそういう点を広く広報いたすように注意いたします。
○加藤進君 そこで、先ほどの請求書の形式なんですけれども、これについて余り明確なお答えをいただかなかったわけですが、絶対変えられないというものですか。
○説明員(遠藤正介君) いまの機械の関係ではその中身を記録することは不可能なわけでございます。したがって、どうしても新しい機械を置きかえなくてはいけないということになります。で、もちろん先生御指摘のように、請求書そのものの全体の様式の中身については私ども研究の余地は十分ございます。先ほど申し上げましたように、何月分というような形ですとか、そういうようなものは改善の余地があると思っていま進めておりますけれども、いま申し上げましたように、何月何日どこへかけて、何分問かけたというような記録というものは、現在の、新しい技術を待たない限りは、あるいは多額の投資をしない限りは不可能でございます。
○加藤進君 私はそこまでのことを一般の利用者の方たちは要求しておられるのではないと思う。もう少し簡単なことでできないかという気持ちだと思うのですよ。 そこで、朝日新聞紙上で、おたくの方の業務管理局の料金課の山本課長を初め四名の方がそれぞれ回答をしておられますね。その回答の中に、請求書の形式を変えれば前回の度数累計と今回の度数累計程度なら請求書に書き込めますと、こういうふうに答えておられるわけですね。私、こういうことくらいならすぐでもできるはずだと思いますから、この程度からまず始めてもらったらどうかと、こういうふうに思いますけれども、その点についてはどうでしょうか。
○説明員(遠藤正介君) その点は確かにいい御提案でございます。私ども帰りましてすぐ研究いたしまして、そういうぐあいにできれば変えるようにいたします。
○加藤進君 ぜひそういうふうに積極的に検討してください、これはもう利用者の声なんですから。特に相良さんも、もしこれだけでもやってもらえたら私は安心できるというような声も私の耳に聞こえています。そういう問題でございますから、ひとつこれは十分に重視してこの声にこたえていただきたい。 で、もう一つ、まだ私には理解できませんけれども、市内通話を何通話かけ、市外には何通話をかけたという、市内と市外との通話の度数、それを請求書に分けるということも、これはむずかしいですか、それはむずかしくないですか。非常に困難ですか。
○説明員(遠藤正介君) 先ほど申し上げましたような前提、新しい技術あるいは新しい投資をしない限りは不可能と申し上げた方が正しいと思います。
○加藤進君 不可能というのは、金をかけるわけだから、金の面から見ても困難だという意味ですね。
○説明員(遠藤正介君) はい。
○加藤進君 郵政大臣、いま私は一つだけの問題でお尋ねしたわけですけれども、電話料という全国民に関係する問題なんで、これはもう過ちなきを期さなくちゃいかぬ。そういう点から見て、少なくともこの過ちはチェックできるようにすると、これが各家々でチェックできなければ電話局でチェックして、いつでも利用者にとって、ごらんいただきます、こういう状態でございます、違いはここにありましたということが明確になるようにこれはさすべきだというふうに考えます。 その点が一つと、もう一つは、いま申し上げましたように、請求書の形式では全然わからない、この形式を若干変えていただいて、前回の度数累計と今回の度数累計との程度で分ける、こういう書き込み方をしたらどうかということで、大体それは提案としても結構だから、それについては前向きに検討すると、こういうお答えをいただいたわけでございますけれども、郵政大臣、この点についてひとつ所見をお述べいただきたいと思います。
○国務大臣(村上勇君) いずれにしても、その誤差ができるということはこれは遺憾なことでありまして、その間違いを少しでも縮めていこうとすることに努力しておることは十分認められます。毎々御指摘のように、間違いがすぐ発見できたり、あるいはその度数表等が一々各家庭にわかるようになるということが最も望ましいことでありますけれども、そうすれば今度それが設備費等が電話料金にはね返ってきまして、やはり受益者の負担が非常に大きくなるんじゃないかと、こうも思います。まあいずれにいたしましても、私も素人でございますから、専門的に電電公社で一番安くて正確な、正確でそれが安くできるような方法を十分前向きで検討してもらいたいと、かように思っております。
○加藤進君 その点重ねてぜひよろしくお願いいたします。 次に、私は設備料の問題について御質問を申し上げたいと思いますけれども、時間の都合で割愛いたします。 そこで、飛ばしまして、次に公社が行う資材の購入の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。 四十七年度の電線の購入、通信機の購入に占める公社の比重というのは一体どの程度か。この公社の持っているウエートはどの程度のものか、こういう数字をちょっとお知らせ願いたいと思いますが。
○説明員(小西一郎君) お答えを申し上げます。 公社の購入いたします施設用の物品には、大きく分けまして線材物品と機材物品と両方ございます。線材物品は全生産量の約十数%、それから機材物品につきましては全生産額の約四〇%程度であるということでございます。
○加藤進君 私、ここに日本電電公社の概要というのを持っていますが、その六十二ページを見ますと、電線購入に占める公社の比重は二四・三%、それから通信機の購入に占める公社の比重は五六・三%。前者の金額は千五百六十一億、後者の金額は三千六十五億、こう出ておりますが、これはそのとおりですね。
○説明員(小西一郎君) そのとおりでございます。 私、ただいま先生の御質問に対しまして、概数でお答えいたしまして若干この数字と違ったお答えを申し上げましたが、失礼申し上げました。
○加藤進君 これは非常に高いシェアを占めているということが一言に言えると思うのです。購入に当たって一体どういうふうな公正な契約がこの業者との間に行われているのか。その契約の内容について御説明をいただきたいと思います。
○説明員(小西一郎君) 先ほどもお答え申し上げましたように、電電公社の購入いたします通信用の施設物品は線材物品、機材物品両方に分かれるわけでございますが、この公社の購入いたします施設用物品には非常な特殊性がございます。 そのまず第一の点は、電気通信事業を運営いたしますに当たりまして必要ないろいろな設備類がございますけれども、この設備が非常に特殊な構成を持っておりまして、全体の複雑なシステムを構成いたしております。そういう関係がございまして、公社の購入いたします線材、機材いずれも一般に販売されております機種とは異なりまして、公社の研究開発、公社の仕様書に基づく特注性を備えておることが第一点でございます。 それから第二点の特徴は、電気通信技術の技術革新が非常にテンポが速うございまして、この技術革新の速いテンポに公社としてもおくれをとらないように最大限の努力を払っておるわけでございますが、そういう面で、製造面でも技術革新の速さにおくれをとらないような能力が必要である点が第二点でございます。 それから第三点は、公社の先ほど申し上げましたように電気通信事業を運営いたしますシステムにはいろいろな物品が関係をいたしておりまして、設備を購入いたしまして電気通信設備を構成いたしますに当たりまして、どの品物が若干のおくれを起こしましても全体の工事の完成に非常に影響いたします。それからなお購入いたしまして工事をいたしまして運営に入りました暁でも、どこか一カ所故障を起こしますと全体のサービスに非常な影響を及ぼすという点がございまして、納期の確保、それから品質の信頼性の点でございますが、そういう点について格段の高い要求を備えております。そういう特殊な性格を備えておりますので、公社といたしましては大半の施設用物品を随意契約によりまして購入をいたしております。ただ、その中でも市販性のある品物で十分用の足りるものにつきましては競争入札で購入をいたしております。しかし、大半は随意契約で行っております。 ただ、この随意契約を行うに当たりまして、公正な契約という原則を確保するために、原価計算につきましては十分工場の実態を調査し、いろいろ決算データを細かく調べ、工数も実際工場に入りまして調査をいたしまして、それに適当な販売管理費なり利益率を掛けまして公正妥当な原価計算をいたしました上で購入をいたすということでございます。
○加藤進君 そこで、公社の統計書の中で私は若干数字を申し上げてみます。線材の例ですけれども、この場合には五千二百四十四件の契約のうち、随意契約は五千二百十三件、すなわち九九.四%、ほとんど全部ですね。金額では千八百七十五億円のうち千八百五十九億円、すなわち九九%までが随意契約である。それから競争入札などというのはたった〇・〇四%、十七件にすぎない。これは一体どういうことなのかと首をかしげざるを得ない数字だと思うのですね。で、どうして競争入札ではいけないのか。公正な契約方法に改めるということがどうしてできないのか。どうして随意契約に固執しなくてはならぬのか。その点が私はきわめて疑問に思うわけですけれども、いかがでしょうか。
○説明員(小西一郎君) ただいまもお答えいたしましたように、電電公社の使用いたします電気通信用の、施設用の物品というのは非常に特殊な機能、仕様を要求されておるものでございまして、それに非常に高度な技術的困難性を伴ったものでございます。そういう点がまずございますことと、先ほども御説明いたしましたが、納期の確保とか品質の確保につきまして格段の配慮を必要とするがために随意契約をとっておるわけでございます。
○加藤進君 しかし、いまの説明だけでは、それは競争入札ということができないという理由には何にもならぬじゃないですか。それは技術的になかなか困難だとか、納期の問題で困難だとか言いましても、これは私には答えになっていない。こういう点では、大臣、これは入札のやり方を検討すると。これはこのままでいいとは私はとうてい言えない、ほとんど全部随意契約ですから。これじゃ私は公社としての扱い方に重要な問題があると思いますけれども、その点大臣いかがですか。どうお考えになりますか。
○国務大臣(村上勇君) 御指摘の点、十分私も検討してみたいと思います。
○加藤進君 そこで、私はもう一つその点に関連して疑惑を申し上げるわけですけれども、富士通の副社長さんというのはどなたでしたか。−それじゃ私から申し上げます。これは元電電公社の理事をしておられた清宮博さんですね。これはおわかりだと思います。この富士通の役員の中に電電公社出身の方が何人おられるのか。これもおわかりになりますか。
○説明員(小西一郎君) いま手元に資料持ってまいっておりませんので、後で調べまして御報告申し上げます。
○加藤進君 私がお答えしますけれども、二十六名の役員のうち四名が電電公社からの天下りである。これははっきりしている。しかも皆さんのところではこういう資料を出しておられるわけですね、部内出身者名簿、−資材関係。これ全部会社との関係出てますよ。で、この中に、だれがどの会社に行っておられるのか、これはもう全部出ておるわけですね。試みに私はこの調査によって調べてみますと、富士通には、いま言ったように、二十六名の役員中四名が公社出身、日本電気は二十五名中三名、岩崎通信は十二名中二名。一般職員まで含めると、日本電気には実に二百名もの元公社職員が天下りしていることは、これ間違いありません。こういうことだから、資材購入先への公社職員の天下りについて、行き過ぎをも改めるという点が私は必要だと思いますが、この点はどうでしょうか。世間でこう言っている声があるのですね。一人天下ると一億の仕事が入ると、こういうようなことが言われているそうですよ。こういうふうに疑惑が持たれる一つの問題はこの天下り人事にあると、こういうふうに見なくちゃならぬし、そこから随意契約などということが派生するのではないかという疑いがこれは濃厚だと思うのです。その点については、これは疑いだけでございますというふうにはっきりとお答えいただけるかどうか御答弁をお願いしたい。
○説明員(北原安定君) お答えいたします。 先ほど資材のことにつきまして、小西が御説明してます中に、特に私申し上げておきたいことは、私たちが使っていますこの電機通信ネットワークに使いますこういうものは、非常に専門的であって市販性がないわけでございます。したがいまして、私どもの方は職員が天下っているということは全然ございませんで、そういう長い経験の中から、ぜひこの人が欲しいんだという特別な要請によりまして行っているわけでございまして、公社から特に会社にお願いしているというものではございませんので、その点御了承願いたいと思います。
○加藤進君 この点については、今後も大きな問題ですから、これは私はなお資料を必要とすると思っています。その点で特に富士通、日本電気などの通信機器メーカーですね。それから藤倉電線、住友電気工業、日立電線などの電線材料のメーカー、それから日本通信建設、協和電設などの電気建設——電建メーカー、それぞれ上位各五社の四十七年度における契約の金額、それと四十七年度末までの天下り人事の実態について、これがどうなっているのか、この点についてはお答えいただけるならお答えいただいて、すぐにお答えいただけないというなら、これは本委員会に資料として提出していただきたいと、このことを委員長にもお願い申し上げます。
○説明員(北原安定君) ただいまの資料、手元にございませんので、ただいまお答えできませんが、委員会の方の御指示によりまして処理さしていただきます。
○委員長(前川旦君) それじゃ提出してください。よろしいですね。
○加藤進君 そこで、結論的に申し上げますと、とにかく電話をつけておられる一般の消費者に対しては、料金の請求さえ正確で、そうして絶対間違いなしとは言いがたいような状態にある。しかも私はきょう触れませんでしたけれども、設備料金の問題についても相当大きな問題がある。そうしていま申し上げましたような企業の側について随意契約でほとんど行われているというような、いわば公社と企業の側との間の癒着の関係というものに疑いが持たれる。しかもその上に人事について天下り人事が大っぴらに行われている。私はこれは非常に不明朗だと思うのです。こういう問題について、こういう点について、もう少し状況を明確化していく。とりわけ、たとえば天下り人事について、これは全部が全部天下り人事であるといって私は否定はいたしません。しかし、余りにも数が多いというような状態については、これは十分やっぱり自粛自戒をして、そのような疑惑の持たれないような措置をやっぱり電電公社としても持つべきである。また、契約につきましても、随意契約ばかりでなしに、入札契約等々ができるわけで、しかもそれが〇・〇四%などという、ほとんどなきにも等しいような状態では、これは疑惑を持つ方があたりまえのことであるという点から考えましても、私は電電公社の決算につきましてさまざまな疑点を持たざるを得ない。こういう点を私は申し上げまして、その点について の大臣の所見だけをお伺いして質疑を終わりたいと思います。
○国務大臣(村上勇君) 電電公社の事業運営につきましていろいろな角度から貴重な御意見を拝聴いたしました。電気通信事業は今後もわが国経済社会の発展、また国民生活の向上に非常に大きな役割りを持つものでありますので、なお一層円滑かつ適正な運営が図られるように指導してまいりたいと思っております。
○加藤進君 最後に、資料提出をお願いいたしましたので、特に天下り人事の問題についての答弁はきわめてあいまいだし、また誠意を欠く答弁だったと思っております。それからまた企業の契約等々につきましても、これは資料をいただいて、その上でさらに質疑を行うというふうに私考えておりますので、これで質疑を終わります。
○橋本敦君 一問だけ。 大臣にお伺いしたいのですが、先ほど天下り人事の問題について加藤委員から尋ねた答弁は、私はきわめて答弁の趣旨としては、審議をないがしろにする、軽視するものだというように思うのです。加藤委員が具体的に、随意契約であるという問題、天下り人事をひとつ象徴する事実として、役員の数の具体的事実、これも指摘をして、このような国民の疑惑を解くということで姿勢を正すことがまさにいま求められている問題ではないか、こう聞いたんですが、いや特別の技術その他で請われていくんだということで答弁は終わっている。あのような答弁は私は納得できないし、この天下り人事について大臣はいかがお考えなのか。大臣から、これを防ぐ、そして国民の信頼にこたえるという処置についてどのような見解をお持ちなのか、これを最後に伺わしていただきたいと思います。
○国務大臣(村上勇君) 私も寡聞にして天下り人事というものが行われておるというその事実を承知しておりません。いま加藤先生からのいろいろな御指摘によって、ああそんなこともあるのかなという程度でありますので、私としては先ほどこの電電公社に対する一般問題についてのお答えを申し上げただけでありますが、また私自身もよくこれから検討してみたいと、かように思っております。
○委員長(前川旦君) 加藤君の質問は終わりました。 次の質問者、御準備願います。
○野末陳平君 放送会社は認可事業でありまして、その放送会社が放送以外の事業をやっている、たとえばゴルフ場とか不動産とかその他いろいろありますけれども、放送以外の事業を放送会社が手広くやっているということについては、一部にかなりの批判の声があると思うのです。しかし、これらは電波を直接利用して利益を上げているということではないので、この際は、きょうは問題にしないでおきますが、電波を直接利用して、あるいは電波と直結した形で利益を上げる、こういう事業を認可事業である放送会社がやっているとしたら、これにはいろいろな問題があるのではないか、こういうふうに私は思います。 きょうはこれを取り上げたいのですが、先般のこの決算委員会でもやりましたけれども、たとえばブラウン管でバーゲンセールと称しましていろんな品物を売っている。結果的にはテレビ局もそれによって利益を得ている。この問題がありまして、これはかなり局側が自粛をしまして、かなり健全な形になったとは思うのです。 きょう取り上げたいのは、放送局と音楽出版社という関係です。これは簡単に言いますと、大臣は御存じないと思うのですが、放送で、番組で特定の曲を繰り返しPRしていく、それによって曲がヒットしていく、レコードが売れていく。そうすると放送局に印税というような形でいろいろな収入がまた戻ってくる、こういう構造になっているわけなんです。これを少し細かく説明していきたいのですが、初めにお聞きしたいのですが、在京の民間テレビ局だけで結構ですが、どんな音楽出版社を持っていて、そしてその出資状況はどうなっているか、その点をまず答えてください。
○政府委員(石川晃夫君) お答え申し上げます。 私どもの方で調査いたしました資料によりますと、次のよになるわけでございます。 まず、放送会社の名前を申し上げますと、東京放送の子会社といたしましては日音という株式会社がございます。これは放送会社の出資比率が一〇〇%でございますが、この資本金につきましては四十八年十月末現在でございますので、あるいは現在と金額が違っているかもわかりませんが、四十八年の十月末現在で二千五百万円でございます。それから日本テレビ放送網でございます。これには日本テレビ音楽という子会社がございます。これも資本金としまして五百万円の一〇〇%。それからフジテレビジョンは子会社としましてフジ音楽出版、これは四百万円の資本金でございます。一〇〇%でございます。それから日本教育テレビ、これはNET音楽出版という子会社がございます。これは二百万円の資本金でございまして、やはり出資比率は一〇〇%でございます。それから東京12チャンネルでございますが、これは東京12音楽出版という会社がございまして、これの資本金が五十万円、出資比率が一〇〇%、以上のようでございます。
○野末陳平君 資本金についてはその後異動もありますが、それは実は大して問題でありませんで、出資一〇〇%という親会社、子会社の関係が、これが一〇〇%利益共同体であるということなんです。テレビ局以外、ラジオ局もまたこれと同じことをやっておりますので、放送会社というふうに私はこれから言っていきたいと思います。 そこで、大臣にこの表をまあ見ていただいて、これちょっとわかりにくいのですが、これを見ていただくと、(資料を示す)こういうことを、私の指摘する問題がどこにあるかが簡単におわかりいただけると思うのです。いま申しましたようにテレビ局があります。そして音楽出版がございます。そこでこれが一〇〇%の出資で利益共同体、親子関係になっている。この音楽出版というのはどういうことをやるかと言いますと、レコードをつくるのです。レコードをつくります。そしてこのレコードの原盤制作権と称するものを持ちまして、これはレコード一枚当たりの小売り価格の約一割なわけです。ということは、レコードが一枚売れますと、一割相当分がこの音楽出版の権利として、原盤権としてここに入ってくるわけですね。 そこで、どうなりますかと言いますと、この音楽出版がつくったこのレコードはテレビ局、親会社のテレビ局の番組でもっぱら歌われたり、まあ歌手によって歌われる、あるいはレコードで流されたりする、そしてお茶の間に出てくるわけですね。そうしてお茶の間に繰り返し繰り返しかけているうちに、あるいは歌っているうちにヒットします。中にはヒットしないのもあります。しかし、いまテレビのブラウン管の威力で七割はヒットするというデータが出ていますが、ヒットします。レコードの売り上げがふえます。レコード会社はもうかります。というのは、原盤をつくるのは音楽出版ですが、レコードをプレスして販売するのはレコード会社ですね。そこで、レコードが売れますと、ここに原盤制作の印税の約一割が音楽出版に入りまして、自動的にこれが親会社に戻っていくというシステムになります。それから同時に、今度はよその局——自局でこれはヒットさせるためにやるんですが、今度はよその局でもヒットしますとかけるようになります。そうすると、ほかの放送局でかかりますと、今度は著作権使用料というものが入ります。これは日本音楽著作権協会を通じて著作権印税としてこのレコードをつくりました音楽出版にまた戻ってきます。そしてこれが一〇〇%の出資関係ですから親会社にまた戻る。こういうようなのが、ざっと言いますと、いま私が言ったテレビ局と、あるいは放送局と音楽出版の関係になっていると、こういうことになるわけですね。 そうなりますとね、この二重のルートでもって放送局には印税が入るんですが、その印税が入るためには、自局のこの電波を利用して、広告でない番組の中でどんどん利用するという、こういう非常に特殊な力を持っているわけですね、放送局は。これはやはり電波を悪用していると、もう私ども完全にそう思っているんですが、しかし、もう少し平たく言いますと、認可事業として放送する権利を与えられているわけですね。その権利を利用して自局の利益追求のために使っているという形、こういう構造がはっきりここで言えるわけなんですが、まずこういう事実を郵政省としては、局長その他どうでしょう、つかんでおられましたか。
○政府委員(石川晃夫君) 民間放送の兼業の問題でございますが、私たち兼業の問題につきましては、これは法律上その放送事業者の自由にゆだねられているということでございますので、放送事業者のそのような兼業の内容については詳細にはつかんでいないわけでございます。
○野末陳平君 まあ、兼業もかまわないという見解のようですが、それが実はそのような簡単な問題でないように思うのです。これは、(資料を示す)この書類は、いわゆるテレビ局がネットワークを組んでいる局同士の間で取り交わしたマル秘の印刷物ですが、これにはっきり書いてあることは、私がいま説明したことを彼らは、テレビ局はもっとどんどんやろうということでやっているのですがね。 読みますと、要するに、「その収入については」——こういうふうにしてもうかるということですが、「その収入については、」「取扱うレコードに関して数種の印税収入と云った形で入金され」ておる。いまさっき言いました原盤権とか著作権使用料とか、「数種の印税収入と云った形で入金され、各社に配分されます。」と。要するに、かけた局が配分するということですね。そうして、ただし「その収入の裏付けとなるものが、」「このネットワークが指定したレコードを」——レコードを指定するわけです、これをかけろと。「指定したレコードをより多く使用して戴くことで効果が上る」から、「この点番組制作者えの徹底方をお願いいたします。」と、こううたっているわけですね。要するに、この番組でもってもうかるレコードを指定するから、これをどんどんより多くかけろと。もちろんほかの局もかけるのですけれども、しかし、利益追求のためにはそういう姿勢を徹底してもらいたいのだと、このマル秘資料で言っているわけですよ。 そこで、具体的なことをわかりやすく言いますと、たとえばこの音楽出版が持っている一つ新曲が新しく出る、あるいは新人歌手を何とかしてここでものにしようとしますね。そうしますと、この曲をかけろと指定するわけです。そうすると、番組によって今日の新人歌手という形で一日間同じ歌をずっと歌い続けるわけですね。そうしますと、これね、有名な番組でやりますと、これがわりと当たるということになりますね。それから今度は、もうかなり名の売れた歌手が新しい曲を出すわけですね。そうすると、その曲は、いまはやっている曲はもうやめて、今週のベストテンだとか、何とかベスト二十だとか、まあそういうふうな番組があって、そこヘレコードの発売と同時に躍り出てくるわけですね。まだはやっていない、売り出したばかっかりの曲がもうベストテンの六位なんという形で現実に出てくるわけですね。そうすると、見ている方はそれほど抵抗を感じないんですよ。ああそういうもんかなと、こう思っているんですが、実はこれが利益追求のためにつくられたやり方であるということに問題があって、いわばこれは私がこう指摘しているのは、これはヒット曲を製造して自社の利益を追求していくという、しかも公共の電波を利用しているという、こういう構造になっているわけですね。これを認可事業である放送会社が堂々とやっているわけですよ。 そこで一つ例を、これがいかに莫大なもうけになっていて、私が言ったように曲を指定して、どんどんお互いにかけようでないかというマル秘文書まで交わす理由は、たとえば一例を挙げまして、いかにもうかるかと。まあ人のふところ勘定になってどうも気分はよくありませんがね、たとえばTBSテレビで、人気番組で「時間ですよ」というのがあったんですよ、いまでも続編は続いているんですがね。ここに一般から選ばれた女の子を出しまして、それでこの子は毎回この曲を歌うんですよ、そこで。それでその曲はこのTBSテレビの子会社である音楽出版が原版権を持っているわけです。それを繰り返し歌うことによって、たまたまこれはこの子がかわいかったということも幸いしたんですけれども、四月にレコード発売まして——これ二、三年前の話です。四月にレコードを発売しまして、わずか三カ月で公称百万です。これ、公称です。実数は七十万枚を売ったわけですよ、たった三カ月で。これは番組もよかったし、彼女もよかったんでしょうが、とにかくブラウン管の威力というものが、ほかのレコードの売り方ではもうとうてい及びもつかない威力を発揮した一番の実例、典型的な例なんですね。こういうふうに成功しないのもあるんですよ、もちろん。しかし、いま七割成功するということで、テレビ会社が電波の利用を確実に、何というのですかね、営業に結びつけておるんですが、このいま私が例を挙げた歌手は、これは浅田美代子という歌手なんですよ。もうスターですよ。それで、ここで売った曲が「赤い風船」と言うんです。 そこで、どうしてこういうことを私言うかといいますと、いまテレビ番組に出てくるヒット曲とか、それから新人歌手のこれがいま話題の曲だとか、こういうふうに言って茶の間に送り込みますが、実はそれは先ほど出しました指定曲なんですな。これをかければ著作権も入る、レコードが当たれば印税も入るという、もう全く電波の私物化だというふうに考えるんです。現在ヒットしている、ヒットというか、現在当たる曲の半分は実力でヒットするんですが、あとの半分、まあテレビ局側は七割と言っているんですが、あとはつくられた、こういう構造によって生み出されるという事実がもう完全にあるわけなんですね。 そこで、私が考えるんですが、これは見ている方にとっては直接の被害はないんですが、その裏でこういう利益追求がある。しかもこれ公共の電波じゃないかということを考えるときに、ここに問題はないだろうかと、放送法の目的とかその精神というものも考えまして、こういう公共の電波の使い方に問題がないだろうか、これでいいのだろうかと、こういうふうに考えるのですが、いかがなものでしょうか。
○国務大臣(村上勇君) 御指摘のことが直ちに法律違反というようなものではないと存じますが、放送事業者がただ利益追求のためにそのような、御指摘のようなことをもくろんでおるということについてはまことに遺憾にたえません。電波は決して放送局のものでなくて、これは国民のものであります。それだけにこの電波事業を行なう者は、少なくとも厳粛に国民に奉仕するような気持ちを失ったのでは意味をなさぬと思います。まあ野末さんの御指摘になったようなことを仮にして、一時成功したとしても、それはだんだん心ある国民に飽きられて、そういうことを繰り返しているうちに視聴率は減ってしまって、いわゆる放送会社のその真の目的、健全な経営というものはできなくなると、私はこういうふうに断定いたしておりますので、余りそう気にすることはないんじゃないか、こうも思っております。
○野末陳平君 そう原則のとおりいかないからこれは非常に根が深いと私は思っているわけですよ。そこで、大臣、放送法とは何ら触れることかいようなお答えでしたが、これは必ずしもそうじゃないんです。非常に疑問があるんですよ。放送法の五十一条に、広告放送はその旨明示して放送するというのがありましたね。そこで、レコードをかけると、そしてそれによって自社の利益が誘導されるというこの形ですが、最近新聞や週刊誌などでも記事と同じようなこと書いてあります。後にPRと断り書きがついているんです。ところが、放送の場合はコマーシャルの部分と番組の部分、別に考えてますが、私が指摘しているのは、番組の中で宣伝広告活動をしながら利益を上げている疑いですね、現実にこれいまのマル秘文書にはそれを裏づけているんですよ。いままでわれわれ放送局はレコード使用についてレコード会社の持ってくる新曲を何の抵抗もなく相当数使用してレコード会社の宣伝に協力してきたと、こう書いてあるんです。ところが、いまや東京、大阪各局は自社の音楽出版社を設立、自局の電波を活用して新たな実績を上げつつありますと、もうはっきりうたっているんですね。これは宣伝広告活動になると自分たちもはっきり認識して、その上で利益を上げているんですよ。そうなりますと、いまの放送法ですがね、これ、宣伝効果を意識し、しかもそれによる収入を得ている、これは、はっきりしているのに広告であるとはもちろん言っていない。これ、やはり放送法の五十一条に触れるんでないかと、少なくもそれを触れることを承知でテレビ局はやっているとしか思えないような露骨なこういう文書があるんですがね。大臣が考えているほど放送関係の経営者たちは人がよかないんじゃないかと思うのですが、いかがですか。
○政府委員(石川晃夫君) ただいま先生から御指摘がありました広告放送の件でございますが、この民放の広告放送につきましては、御指摘のように放送法の五十一条の三で書いてあるわけでございます。この中には「対価を得て広告放送をするときは、広告放送であることを放送によって告知しなければならない。」ということが規定してあるわけでございますが、事実そのようなことは規定してはございません。したがいまして、われわれは対価を得て放送をしているかどうかということをみなすことは非常にむずかしいというふうには考えるわけでございます。また、特定の歌手を歌謡番組に出場させるということが広告放送であるとみなすことは、現在の現行法上は無理かというふうには考えるわけでございますが、ただ、いま先生が御指摘ありましたように、そのような意図をもってなされていると、そしてその先生がお持ちの資料は実は私どもの手にはございませんのでその内容はわかりかねるわけでございますが、少なくとも現在われわれが表面上判断しているところではまだ広告放送というふうに判断できないので、現行法上ではなかなか判断しかねるということでございます。したがいまして、いま御指摘の事例が五十一条の三の規定に違反しているということを私どもが言うのは非常に困難かというふうに、かように存じております。
○野末陳平君 それは事実関係を知らないし、それからまた資料がないために言えないだけであって、私のこれはもちろんそちらへ参考までに幾らでも差し上げますがね、「対価を得て」という部分ですね、明らかにこれは対価を得ているんじゃないんですか。いわゆる電波を売るという、電波料としての対価は得ていなくても、音楽出版と放送局の間の関係はやはり対する「対」でしょう、それから「価」でしょう。そうすると、それに対する価を得ているわけですからね。そう思いませんか、常識的に。たとえばこういうのもあるんですよ。月に——ある月でいいです、とにかく六曲指定するんですよ。今月はこの六曲を少なくも一日四回一曲ずつかけろと、そういう契約すら結ぶんですよ。そしてそれによってその契約がめぐりめぐってまたレコード売り上げ、著作権使用料になるんですけれども、この契約、プロモート印税という言葉でまた言っている。これだって明らかにもう決めた曲を流して、流すことによってもうかるぞという取引をやっているわけですから、ぼくはいまの対価を得て広告放送をしているんだと、これは認められないとおっしゃいますが、ちょっと解釈が甘過ぎるんじゃないか。もうちょっとシビアに考えれば、当然これはここで厳しく検討をして、ちょっとやそっとの疑問ではおさまらないと思うんですがね。
○政府委員(石川晃夫君) ただいま先生御指摘の、これは対価になるんではないかということでございますが、一応形といたしましては、回り回って対価のようなかっこうになるというふうに先生御指摘があったわけでございます。したがいまして、われわれが従来この放送法で読んでおります放送の対価というのは、一応直接的な意味でわれわれといたしましては解釈していたわけでございますが、いま御指摘のような事実というものがいろいろございますので、われわれとしてもこの点につきましてさらに検討を進めたいというふうに考えております。
○野末陳平君 まあ、放送界など特殊な面がありますから、郵政省が事実を御存じないのはこれは仕方がないと思うんです。ですから、今後この問題を通して放送局の関連事業のあり方、当然考えていただきたいですが、ただ、この対価ということにこだわるようですが、これが莫大な対価になるわけですよね。電波を売ってもうけたというようなことじゃなくて、先ほど私が指摘しました浅田美代子という歌手の「赤い風船」、これは大成功した例なもんで、右へならえでこれがいわゆる目標になっているわけですがね。これね、三カ月でレコード七十万枚売ったんです。これはもちろん間違いないんですよ、実数調べですから。これ、どのくらいもうかるかといいますと、原盤制作印税というのは約一割ですから、レコード、いま五百円ですから、物品税その他を引きましても、大体一枚について四十五円、原盤権が入るのですよ。これ、四十五円の七十万枚ですからね、大変な金額になりますね。それから今度著作権の印税がまた入りますね。原盤制作権とは別ですよ、著作権の印税。これが安いのですが、一枚につき約十六円で、これは歌手とか、作詞家、作曲家にまた分け、そのほかに音楽出版社が取るというのですが、これは金額的にはわずかです。そうしてそのほかに有線放送とか、ラジオ、テレビ局で流されるたびに著作権使用料がまた入ると、こういうふうにひっくるめますと、この「赤い風船」という曲は約四千三百万円を三か月間で売り上げ——売り上げというのは収入として音楽出版社にもたらしているわけですよ。これはばかにならないですね。むちゃくちゃな金額なんですね。そういう意味で私は、これをどうも番組内容に関して広告とは認められないからと言っていいものかどうか、そういうふうにいま考えているのです。 それで、もう一つ指摘しますと、この電波が公共のものであると、だからこそ放送は認可事業なわけでしょう、大臣。その電波を国民からいわば預かっている、それを自局の利益追求ということだけのために利用していると。これね、見ている人、視聴者へのいわば背信行為にもなるとぼくは思うんですね。なぜならば、これがヒットしているのですよ、これがいま話題になっている、これはリクエストによって放送するのですよと、こう言いながら、形式はそうでありながら実はそうでなくて、番組のうち全部がそうだと言うんじゃないです。番組のうち一部の何曲かは利益本位のために、金もうけのために意図的に茶の間に送り込まれるわけですよ。だから、これは本当のことを知ったら、からくりを知ったら見ている人はばかばかしくなる。直接の被害は受けないけれども、やはりこれは重大な背信行為だというふうに、私はそういうふうに思っていますから、現場の人間もこういうことでちょっと抵抗はあるようですよ。これをかけろと言われて、まあ上からの命令だから、いやいやかけなきゃいけないというようなばかなことが現実にあるということは。そういうことで、視聴者に対しても、結果的には番組の低下を招くような、あるいは国民の電波と言われる公共の電波を私物化する、こういうことは、放送法の条文に照らしてちょっと引っかかるところがないなんて言って、これで終わらしちゃうというには余りにも大きな問題だと、こう思うんです。まあ時間が来ましたから、私は関連事業についてもいろいろ検討されるのは当然だと思いますが、少なくも電波を直接利用した形で利益を上げるこの音楽出版というものをテレビ局、放送局が持っていることが果たして好ましいかどうか、野放しでいいのかどうか、これが一つですね。ですから、野放しでいいのかどうか。 大臣にお伺いしたいんですよ。これはやはり行政指導の面で自粛すべき部分があるんじゃないかと。当面郵政省は余り放送番組に立ち入らない方針だと思いますから、それはそれでいいんですが、やはり何といいますか、民放連なりその他テレビ局の自主的な規制、自粛を強く要望するというのはこれは当然だ、これが第一段階です。そうして次には放送法が余りにも不備なわけですよ。ですから、放送法を変えろとかそういうことは言っておりません。しかし、不備なるがゆえにいろいろなひずみがある、これを条文と照らしてどうにもならぬということだけで済まされると、やはり今後非常に問題が出てくる。現にこのいまのやり方は、全国をネットワークの系列にして、自由公正な競争を妨げる方向に行っておりますね。行きつつあるのです。そんなことで、私はきょうは音楽出版と放送局の関係をるる説明いたしましたが、結果的に大臣、これに対してどういうお考えで、先ほどは何か放っておけば自然になくなるから気にしないという、ずいぶん何か放送局にとってはありがたい言葉だろうと思いますが、ぼくはそんななまやさしいことじゃ済まないと思いますよ。ですから、局長ともども、この問題について、真剣にひとつ御意見を伺って、そうして前向きにやられることを望むのですが、最後にお答えお願いします。
○国務大臣(村上勇君) 電波は国民のもの、その地域住民のものであって、放送会社のものではないというこの原則から考えましても、それをうまく利用して、利益追求のために、地域住民の意向を無視して利益を追求していくということになりますれば自然にその放送会社は破滅するだろうと、私はこう思いますが、もしそうでないということになれば、よく野末先生あたりの該博なお知恵を拝借いたしまして、郵政省としても真剣に考えて、前向きで検討してまいりたいと思っております。
○政府委員(石川晃夫君) ただいま大臣からも考え方についてお答え申し上げたわけでございますが、担当者といたしまして、われわれの、現在国内で行っております放送というものが、これはもちろん国民のものでございます。したがいまして、国民のものという理念をもとにいたしまして、どのようにただいま御指摘のあったような問題を解決していったらいいかという点につきまして十分検討を進めていきたいと思っております。確かに放送法には、たとえば先ほど申し上げました広告放送の問題とかいろいろ放送の中にはございますけれども、これはあくまでも放送の規律を正そうということで考えたものでございます。したがいまして、放送の規律が乱されているということになりますと、これは非常にまずいことでございますので、この点につきましても、われわれ事務当局としても十分今後実際の内容について検討していきたいと、そういうふうに考えております。
○委員長(前川旦君) 以上をもちまして郵政省関係の質疑は終了いたしました。諸般の事情により、審査は一応保留といたします。 なお、次回の委員会は明二十六日午前十一時から労働省関係を行うこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時散会 —————・—————