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75回国会参議院1975/03/28

科学技術振興対策特別委員会 第3号

発言数
191
登壇者
17
会派数
5
開催日
1975/03/28

会議録

中尾辰義公明党

○委員長(中尾辰義君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。  参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  科学技術振興対策樹立に関する調査のため、本日、全国電力労働組合連合会会長稲垣武臣君及び日本原子力船開発事業団理事倉本昌昭君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中尾辰義公明党

○委員長(中尾辰義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、手続等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じます。御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中尾辰義公明党

○委員長(中尾辰義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

中尾辰義公明党

○委員長(中尾辰義君) 科学技術振興対策樹立に関する調査を議題とし、昭和五十年度科学技術庁関係の施策に関する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 私は、若干私の意図する質問順位を変えましたが、と申しますのは、実は井出官房長官にぜひ出ていただきたいと、そういうふうに考えておったわけでありますけれども、きょうは海部官房副長官に出ていただいて、非常に忙しいというふうに聞いておりますので、まず第一番に、一切の経過は抜きにしまして、御承知のように、二月の二十五日の閣議の決定でいわゆる原子力行政懇談会が発足しておる。また、去る三月十八日にはそれなりに第一回の会合が開かれておる。したがいまして、かくなる上は、その性格と言いますか、任務といいますか、今後の運営のあり方について一つの概要を、きわめてこれは過去を踏んまえ、将来の展望の中で、原子力行政の姿勢を改める一つの原点になろうかというふうにとらえておりますので、私の、質問者の真意を理解をして、ひとつ簡明直截に海部副長官から御解明をいただきたいと、こういうことをお願い申し上げます。     —————————————

海部俊樹自由民主党内閣官房副長官

○政府委員(海部俊樹君) お答え申し上げます。  第一は、原子力の開発利用を推進するためには、安全性の確保が科学的に立証されなければならないこと。同時にそれは国民の皆さんの十分の理解と御納得をいただかなきゃならないこと。そういう必要から、特に昨年来原子力船「むつ」の放射線漏れ問題等、原子力開発利用をめぐる問題が発生をいたしまして、原子力の平和利用、原子力行政のあり方について国民の間でいろいろな議論も呼んでおりますので、原子力行政の抜本的な検討をすべしと、こういう意見がございましたので、政府としては、先生ただいま御指摘のように、去る二月二十五日、学識経験者等からなる原子力行政懇談会を設けて、原子力開発利用の安全性の確保、地域社会との関連等を含め、原子力行政全般にわたりその基本的なあり方について検討をしていただくことにしたものでございます。  この懇談会の第一回の会合は去る三月十八日に開催されまして、東京大学名誉教授有沢広巳先生を座長に選出するとともに、懇談会の運営方針等について討議を行われました。  今後は、関係各界からの意見をお聞きしました後、種々の討議を行い、おおむね一年以内に結論を取りまとめる予定で運営さしていただいてまいりたいと、こう思っております。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 大変お忙しいような立場に位置づけられておられるようでありますから、もう一つ簡潔に、おわかりにならなければそれでいいんでありますけれども、この原子力行政懇談会の構成メンバーと、むろん会長はそれなりに私は了知しておりますけれども、その他の学識経験者等のいわゆるその選考の基準とかそういうものがなくて——やはりそういう点についてはどういう経過をたどっておりますか。

海部俊樹自由民主党内閣官房副長官

○政府委員(海部俊樹君) 行政懇談会委員の選考の基準等につきましては、科学技術庁長官がおいでになっておりますので、長官からお答えをいただきたいと思います。その方が正確でございますから。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 それは長官から、それはそれでようございますが、もう一点、実は今後の、発足をいたしましたのでありまして、聞き及ぶところによれば正式なスタートラインは四月の七日とかには懇談会が開かれるというふうに聞いておりますから、漸次たとえば、これは日本学術会議であるとか、あるいは原子力委員であるとか、あるいは電力会社であるとか、原子炉のメーカーであるとか、労働団体であるとか、消費者団体であるとか、造船界であるとか、そういうような関係の権威者に順次この懇談会に出席いただいて十分広範な意見を聞かれると、そういうことが運営の中に位置づけられ配慮されておるかどうか、そういう点について、またそう理解していいかどうか。

海部俊樹自由民主党内閣官房副長官

○政府委員(海部俊樹君) 結論を申し上げますと、その御指摘のとおり御理解いただいて結構と思いますが、大まかなスケジュールを申し上げますと、四月は関係各界からの意見聴取を開始をいたしまして、四月、五月と二回のうちに、原子力委員会、学術会議、電力・電機メーカー、電機労連、全漁連、消費者団体等の代表の方々から御意見を承り、六月に入りましたら、これらの方々の御意見を重要な参考にしながら自由討議を行い、その後の検討方針について審議をいたしまして、先生御指摘の七月以降は結論を取りまとめるための審議に入っていただく、こういうスケジュールを予定いたしております。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 それでは自余の、先ほどの問題は長官からお答えいただくことにいたしまして、実は非常にお忙しいようでありますから、どうもありがとうございました。御退席していただいて結構です。  いまのその点を科学技術庁長官からお答えいただきたい。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) 原子力行政懇談会の委員の任命選択に関してどういう配慮だったかという御質問のように承知しておりますが、原子力行政に詳しい——行政と申しますか、原子力自体あるいは安全性等に詳しい学界の皆さん、あるいは財界、事業界でこの問題に造詣の深い方あるいは学術会議の方等を主たる選択の基準にいたしまして私どもの方からはお願いしたのでございますけれども、特に内閣の方から、労働界の人をぜひ入れるべきじゃないかと、大変結構でございますということで、労働界からお二方御参加いただき、それから地方——いま現地の問題が大変重要でございますので、知事あるいは関係の深い市長さん等を加えるべきじゃないかと、こういう意見もございまして、これも大変結構なことでございますので、そういう点も加えまして実は懇談会が結成されたような次第でございます。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 それではずばりで長官にものを申すと、そういう立場でお伺いしますが、言うならば、わが国の既存の、在来の原子力開発ですね。既存とは、強いて言うならばいわゆる核分裂型の原子力開発並びにそれに対応する原子力行政のあり方については、ずばり言って、やはり国民の理解と合意と、切なる信頼というものの上に立たなければ、たとえば総合エネルギーの位置づけの中で昭和六十年に六千万キロワットを位置づけているといっても、そういう計画目標といいますか、あるいはある側面を言えば、視点からいけば、努力目標といいますか、これは達せられないというふうに私は考えておりますが、長官のこの問題に対する見解というものを、この際ひとつ所信も含めて、もちろん私は長官の所信表明というものを、あなたの口から聞き、あなたの書いたものを見ながら、その上に立ってなおかっこういう質問をするということを意図していながら、私のいまのこの質問の真意を理解してひとつ簡明直截にこれもひとつお答えいただきたいと、こう思うんです。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) 現在の原子力委員会は現存しているわけでございまして、与えられました所期の任務の達成に極力努力中でございますことは、御承知のとおりかと存じます。ただ、「むつ」の問題等発生して以来、国民の間には現在の原子力行政全般に対するあり方等に関して大変不信の念を持つようになってきておるように考えられますので、この際、原子力委員会そのものも含め、全般的な再検討をする時期じゃなかろうかというふうに考えまして、そうなりますと、原子力委員会自体が自分の改造をみずから行うわけでございますから、それよりはむしろ第三者の公正な機関をつくりまして、そうして現在の原子力委員会を含めてその改革を図るべきじゃないかということで実はこの懇談会ができたというふうに承知してございます。いままでの原子力行政がそれでは不備だったのかと申しますと、私は必ずしもそうは考えませんけれども、しかしながら、ただいまお話ございましたように、六十年度六千万キロワットというふうな目標に対しまして、現実はそれに見合う進捗状況かと申しますと、原子力発電の開発の状況は必ずしもそういうふうにはなっておりません。なぜそうかと申しますと、一番の難点は立地難でございまして、必ず立地の問題に対しましては大変な騒動と申しますか、その都度例外なしに実は起こっているような状況で、その根本をたどってまいりますと、しょせんは原子力発電の、先ほどお話のございました核分裂関係に対する、軽水炉関係に対する安全性の問題に対する不安と申しますか、あるいは理解をまだ十分得てもらえないといったような点もございますから、いずれにいたしましても、原子力発電に対する安全性の問題に対して、もう少し政府としては行政機構のみならず、安全性の研究とか、あるいは審査、検査のやり方とか、あるいは国民の皆さんの理解をちょうだいするのにいままでのやり方だけでいいのかどうか、そういう点をあわせましてこの際抜本的に考えるべきではないか、それなしにはいまの原子力発電等の問題はなかなか前進がむずかしいぞと、こういうふうな事態に逢着しているように考えますので、根本に返りまして、第三者的な公正な機関をつくりまして、この際、主として安全性の問題等を中心にして原子力行政全般のあり方をひとつ洗い直そうじゃないかと、こういう趣旨のように考えております。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 私は再度強く主張しておきますけれども、原子力の開発は、やはり原子力行政の根本の基本姿勢というものがまず第一でなきゃならぬ。それとやはり不可分な関係において国民の理解と合意と信頼というものがやはり確保されなければならないと、そうするためには、私はずばりで申し上げまするけれども、もちろん原子炉の安全性もさることながら、安全性ですね、環境ですね、それから原子力を立地として位置づけるやはりこの地盤等も含めた土質工学上の問題であるとか、あるいは土木工学上の問題であるとか、その地域がやはり地震の多い地帯であるかどうかというような立地条件の問題も含めた……。さらに核燃料サイクル。私はやはりいろいろ文明が科学技術によって人類のためにいろいろと幸せをかち取ることは結構だと思いますけれども、ここに警戒しなければならないのが原子力から噴出されるところの原子力公害というものを、いま申し上げた、私は五本の柱を申し上げました。安全、環境、立地、それから核燃料サイクル、原子力公害、この五本の柱をしっかりと行政の姿勢の中にやはり位置づけることが必要だというふうに、私は、これなくしてやはり国民の真の理解と合意と、そしてやはりこの信頼感を獲得することができないんだ、そういうふうに私なりに割り切っております。したがいまして、これはついでに、実は私、九十分もらったはずでありまするけれども、やはりいろいろな関係で、時間のいろいろの圧縮で非常に急いでおりまするけれども、簡潔にお答えをいただきたいと思いますが、たとえば今度の五十年度の予算の関連の中で、科学技術庁の設置法の一部改正の中で、たとえば安全局というものを位置づけようというようなことになりますから、その安全局というものを、たとえば既存にやはり研究であり開発という立場で原子力局というものが位置づけられておりますが、それがそれなりに是非は別として機能をしておりますから、今度の改正によって安全局というものが位置づけられると思いますが、したがって、その安全審査体制というものをどのように考えておられるか、この点についてもこれはひとつ簡潔にお答えいただきたいと、こう思うんです。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) 前段の御意見は全くそのとおりかと存じます。  後段の安全局の問題に関しましては、実は昨年の募れ、原子力発電等を地元で建設しております知事さん等に御参集いただきましていろいろお話をちょうだいいたしますと、いまのままでは自分らとしても大変原子力発電を進めるのに困却していると、ついては、政府としては、この際、単に安全問題に力を入れるというふうな口頭の説明だけでは困ると、思い切った形でこれに対する政治の姿勢を示していただきたいという強い願望がございまして、一刻も猶予ならぬようなエネルギー情勢でございますので、私どもも行政機構で一切新規の局部は認めないという閣議決定がありましたのにもかかわりませず、この問題だけはぜひともひとつ例外的に認めていただきたいというので、あの安全局を実は通していただいたのでございます。その安全局ができて、それではそれでいいのかと、あるいは十分なのかという御意見がございますが、私どもは決してこれで十分だと申しているのじゃないんでございまして、あれを一つの橋頭塗にいたしまして、今後次第に、先ほど申しました懇談会等の結論をまた得まして、逐次充実を図っていきたいという実は考えてございます。  しからばその安全局の任務はどうかという問題でございますけれども、もちろん、先ほど申しましたように、安全に対する研究、特に軽水炉に対する安全をいままで私は手薄の点があったのではないかと思いますので、今後はこの軽水炉に対する安全は特に研究に力を入れていくといったようなこと。あるいは「むつ」の問題で出てまいりました審査、検査に対するいまの体制下において、どうしたら抜本的な改造を待つまでもなしにいまよりスムーズにやり得るか、責任の所在もはっきりしてやり得るか。たとえば審査、検査の典拠法規は、一つは原子炉等規制法でございまして、一つは電気事業法、電力で申し上げますと電気事業法でございますが、これは通産省で扱っておりまして、安全局ができたからすぐこの両法案をそれで改正できるかと申しますと、そういうふうにまいりませんので、とりあえずはこの法規をそのままにして、そして抜本的な改正はこの次に譲りながら、いまの法規をもとにして、もう少し安全に対する両方のやり方等に関しまして行政措置としてやりようがあるじゃないかといったような点も含めまして、いろいろ審査、検査の具体的な進め方等の検討もしていきたい。それから、どんどん、と申しますか、新しい原子力発電の設置許可の申請が出てまいりますので、原子力委員会の命に従いまして、それに対する資料整備等いたしたいといったようなこと。あるいは御承知のように核拡散防止条約等に基づく査察問題等ございますれば、いままでと違いまして、二国間協定下における国連の査察は、国連の査察団が主で、こちらは立ち会うようなかっこうでございましたけれども、しかし、あの問題が、条約が、あるいは協定が国会の承認等を得ますれば、日本側が主になって査察いたしまして、国連の査察官は立ち会うという、そういう体制にもなってまいりますので、どうしても国内的にもそういう査察的な体制を整えなきゃならぬ。そういう点もございますし、あるいは、冒頭申しましたように、また御指摘がございましたように、いままでの行政と違いまして、単に許認可の判を押せばそれで済むという行政じゃございませんので、いろいろ訴訟問題等もございまするし、あるいは立地の問題でいろいろ起きた場合には現地に飛び込んでいっていろいろな説明等の要もできてくるかもしれぬ。そういうこれこれを考えますと、どうしてもああいう新しい局をつくりまして、そして少なくとも現実の要請に沿いたいということで実は安全局をつくった次第でございます。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 まあ若干私の順序が崩れて、というわけじゃありませんけれども、大体原子力船「むつ」の放射線漏れに関連をして、これはいかぬ、既往を翻ってみて今後に対処しなきゃならぬというかっこうで、当時田中内閣、それから長官は森山さんであったのでありますが、やりとりの中で、あなたはやはり、森山語録というものを、とにかくあなたの心臓で言っているけれども、大衆と倫理と、そして思想と哲学というものを抜きにして、強気一点張りで、おれを信じろとか、政府の審査体制は大丈夫だというようなかっこうで圧力をかけると。出た結果は、また、科学の位置づけ、評価というものはどういうものであったかという結果が出ておるわけでありまして、したがいまして、原子力行政懇のできる前の段階で、やはり内閣の引き継ぎ事務として、この「むつ」の放射能漏れ検討の委員会ですか、検討問題懇談会というものがありますが、その今日までの経過と処置というものについて簡潔にひとつお答えいただき、それもやはり機能して今日に経過は及んでおると思いますが、どういうふうになっておりますか。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) お話の懇談会の方は大変、去年の暮れから何回か回を重ねて検討しつつございまして、近く結論を得るようになってございます。その開催した回数とか、いつまで回答が出るとかいったような問題は担当官から御説明させたいと思います。

福永博科学技術庁原子力局次長

○政府委員(福永博君) 大臣の御答弁を補足さしていただきますが、「むつ」放射線漏れ問題調査委員会と申しますのは、昨年の十月二十九日の閣議の御決定に基づきまして設立されておりまして、委員の先生は、先生御案内のように、大山先生が委員長をやっておられまして、そのほか九人の委員の方で開催していただいております。これまでのところ、第一回を十一月二十二日に開きまして、以来八回開催いたしております。これまでのところ検討いたしました内容といたしましては、原子力船「むつ」の開発計画、あるいは設計の基本的な考え方、それから問題となりました遮蔽設計の基本的な考え方、遮蔽実験の実施の状況、船舶検査、安全審査等々を含めまして御検討が進められているわけでございますが、ただいまのところの見通しといたしましては、現在のところ報告書の取りまとめの作業中と承知いたしておりまして、この後、現地の調査等も含めまして最終的な結果がまとめられる。それは大体五月のなるべく早い時期というふうに承知いたしております。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 六月の時点でそういう歯切れのいい結論がやはり報告されるというふうに理解していいですか。

福永博科学技術庁原子力局次長

○政府委員(福永博君) ただいま申し上げましたように報告書の取りまとめ中でございまして、報告書はこの先生方で、うち、起草委員のような形で起草委員会みたいなものがっくられておりましてまとめられております。したがいまして、それがどういう形になるか、ただいまのところ私どもといたしましては承知いたしておりませんので、ちょっとどういう形になるかということを断定的に申し上げることは遠慮さしていただきたいと思います。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 非常に苦悩の報告、またそういうものが出てくるだろうと思いますけれども、しかし、報告がなされただけで、問題は関連の責任の所在と行政上の責任、そういう問題について長官はあるいはどういうふうに考えておられますか。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) 結論によりまして、設計に不備な点ありゃ、あるいは設計はよかったんだけれども材質その他等に欠陥があったのか、あるいは検査、審査の過程で、ミスがあったのか、あるいはメーカー自体にミスがあったのか、いろいろ考えられまして、その報告の結論を待って、それによっていろいろな措置を考えてみたいと存じます。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 長官は二月八日に青森県むつ市の母港を視察しておられますね。そしてその時点で青森県庁で記者会見をやっておられますね。  それにちなんで私は簡明直截にお伺いをしますが、原子力船の開発問題に関連して、これは時限立法である原子力船開発事業団の扱い及び母港の問題について、その経過ももう時間に借金をしちゃったようなかっこうになっておりますから、時間を尊重するのがたてまえでありますから、やはり私の真意を理解して、原子力船懇談会のあり方、あなたが現地に行かれまして、いろいろと新聞に載っておりますけれども、あなた自身がこれはしゃべった問題でありまするから、その点を含めて簡明に、私がわかるというのでなくて、国民がやはりこの原子力船問題等、それから母港の扱い等、できた原子力船懇談会というものが一体どういうような形で——そしてこの時限立法、言うならばこの原子力開発事業団は来年の三月三十一日で時間切れでしょう。それをどういうふうに扱っていくと、原子力船「むつ」の処置もさることながら、第二船、第三船を考えておるのかどうかと、そういう点についてひとづかいつまんでお答えいただきたいと思います。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) 現在原子力委員会に原子力船懇談会というものをつくりまして、そういう問題を真剣に討議することになっておりますが、その前に先立ちまして私の所見を申し述べますと、油の問題等あるいはその後の技術の進歩等からいたしまして、原子力船の進んだ性能をもってすれば今後の海運に際して特に長距離あるいは迅速に、あるいは定期的に行うものに関してはあるいは経済的に採算的に使えるだろうというふうな意見もありまして、各国とも原子力船の将来に対しては非常に積極的な意思表示を示しておるように承知してございます。したがいまして、そういう海外の情勢等も考慮し、海運国である日本が将来原子力船時代を仮に迎えることがありとせば、その時点に立ってわが国では原子力船は一つもない、あるいは入れる港もない、こういうことでは海運国の日本としてははなはだおかしいじゃないかという感じもいたしますし、そういう将来の展望も含め、特に、ではまあ第二船は一体どうするのかと、これは実用船として見るべきか、実験船として見るべきか、いろいろこれも問題のあるところでございます。それをまた踏まえまして、第一船のただいまの「むつ」は今後どういうふうに処置したらよろしいか、そういう点を考えてみますとおのずから本当は第二母港の船舶の大きさ等も決まってくるわけでございますけれども、まあそこまで詰めてまいりますのにはまだまだ時間がかかりますので、とりあえずそういう大きい問題の調査研究と同時に、第一船である「むつ」の今後のあり方、あるいはお話のございました事業団の存続問題等に関しまして早急に結論を出したい。必ずそうなると思いますけれども、あの事業団の延長と申しますか、お話のように来年の三月三十一日までの時限立法になっておりますので、これの延長等も図らなければならぬというように実は考えております。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 いまのこの原子力船の云々の問題について、これはすべて核分裂型にしても原子炉のあり方にしても、経済性ということだけでまあ考えられておるのは間違いだと思いますよ。私言っておきます、これはこの問題だけで後でまた論議をしようと思いますけれども、原子力船というものについては非常に問題があると思います。かりそめにもタンカーに原子炉を位置づけたような発想でこれは開発してはならない。こんな危険なものはないわけですよ。たとえば第十雄洋丸の問題でも、それから祥和丸の問題でも、もし事件を起こしたときに非常なこれは、まあこれはまあ全然次元が違いますが、そういうふうに私はそういう発想をそういう原点に持っておるということも頭の中にひとつ入れておいてください。  しかし、それはそれとして、実はこの「むつ」の母港問題に関連しては、タイムリミットは四月の十四日でしょう。これは鈴木総務会長それからその他漁連も含めていろいろな点で政治的にはタイムリミットというものがあります。きょう私は新聞を見て驚いたわけでありますが、今日主権は在民でしょう、憲法上ね。そして自主・民主・公開の原則の中で、選挙だから、二十数港適当なマークをしておって、結局よさそうなところはあるけれども発表しないのだと、だから政府を理解してそれを発表したと同様なことでというかっこうで、現地で、これは政務次官かどなたかが言っておられるわけでありますけれども、現地の知事にしてもむつの市長にしても漁連の杉山会長にしても非常に不安だということを言っておるわけですが、この辺の状態、時間がありませんから簡潔にどういうわけだと、地方選挙は、これは厳然として公職選挙法に基づいてあるものでありますけれども、これはどういうわけですか。はなはだぼくはこれは理解せざるところだと思いますよ。あるならある、ないならないということで。現地はこれで理解しますか。そういう点について。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) けさほど片山政務次官からお電話がございまして、詳細な点は今晩帰ってまいりますのでその後にいたしたいと存じますけれども、けさほどの電話の趣旨からいたしますと、四月十四日までに第二母港を決めるという基本線は変わってないわけでございまして、ただ新母港の、予定された母港の現地との交渉は、統一地方選挙のさなかに行うことは、事の成就するのもできかねるというふうな点も考慮し、あるいはややもすれば選挙妨害になりはせぬかという考慮もございまして、むしろこの方は統一選挙が済んだ後に折衝に入った方がいいんじゃなかろうかということで、現地との折衝は統一地方選挙後にいたしますよと、そのときには遅滞なく青森側にはこういう交渉に入りましたということは御説明申し上げますからと、ただし、本来の一番の現地の目的であります二年後までには「むつ」そのものを移転するというこの原則は決して曲げませんと、必ずそれは実行いたしますというお話をいたしまして、現地の皆さんも別に強い異論があったとかというふうには聞いておりません。まあ現状それはやむを得ないのじゃなかろうかという御趣旨に御理解いただいたのではなかろうかというふうに考えております。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 この問題はこれ後日に留保することにいたして、次へ進みますが、きょうは参考人として電労連の会長の稲垣さんに来ておいていただいておりますので、大変お忙しいところを御出席いただきまして恐縮に存じます。  実は、あなたの方ではやはりこの原子力の開発の促進よりも開発体系の整備と安全に関する提言というものをずっと積み重ねてやっておみえになろうと思いますので、私ども不勉強であって、実は私はこれは二月十二日の朝日で、「原子力開発で電労連提言」「体制整備が先決」「内閣直属の規制委を」というような問題で電労連の提言の概要というものを新聞で拝見をして、かてて加えて電気事業連にそれからあるいは三木総理あるいは長官に提言をしておられる。これは時宜に即したやはりこれはいい意味の電気労働者としての内部の告発というふうにそれなりに評価いたしておりまするけれども、はなはだ不勉強でありまするけれども、そしてかてて加えてあなたはやはり原子力行政懇談会にもやはり委員としておられまするので、それらを含めて大体ですね、まあ限られた時間でありますが、きょうせっかくいただいたので、簡潔に私のお願いやら質問も含めて参考人の立場でひとつ御見解をいただきたいと、こう思うんです。

稲垣武臣全国電力労働組合連合会会長

○参考人(稲垣武臣君) 私どもが今次の五次提案を出すまでに、四十一年の一月に、ちょうど東海の原子力発電所が大体発電の態勢に入りましたときに第一次提言ということでやっておりまして、四十一年の九月に二次提言、四十四年の三月に三次提言、四十七年の三月に四次提言ということで、それぞれその都度提言いたしておるわけでありますが、残念ながらそれらの提言につきましては、主として体制の問題研究の問題、それからそれらの問題について今日あることを予想して提言したものが日の目を見ていないわけでございます。今回の第五次提言はその四つの提言の今日的な集約と将来にわたっての原子力行政並びに原子力開発に対する体制の整備を重点にしまして提言をしたようなわけであります。  私どもの考え方は、基本的にはエネルギーショックから改めて日本のエネルギー政策あるいはエネルギーのあり方について見直されまして、原子力が将来いわゆるエネルギーの多様化の一つの中核として位置づけられるんではないか。また、位置づけなければならないという考え方で今後積極的に原子力発電の開発をやっていこうという基本的な考え方であります。ところが、残念なことに原子力発電につきましては「むつ」問題から国民の皆さんの中で原子力発電に対する一つの、いま先生がおっしゃったように、安全、環境、公害というようなものに対する理解が不十分、あるいは説明不足、あるいはそれに対する責任体制というようなことから遠のいてしまっているんではないか、こういうことが非常に心配の一番大きな問題だと、こういうことと同時に、現在行われております、また建設されております軽水炉というものは、設備の利用率を見ますと、非常に当初期待されたより利用率が悪くなってきているということから、それらの問題に対するひとつ実用炉、商業炉としての改良の余地もございましょうし、それからいまなお問題になっております燃料サイクル、廃棄物処理というようなトータルでもってものを、いわゆる商業炉としての位置づけを明確にしないといけないんではないか。  それからもう一つ、私どもの方で労働者の、いわゆる働いております人間のいわゆる被曝量でありますけれども、これはアメリカのWASHI一三一一というデータが出ておりまして、これは出力と経年に従って被曝量が非常に増加していっているということが発表されました。その発表に基づきまして、私どもの方でもそれぞれ長年運転いたしております原子炉について調査をいたしますと、大体同じ傾向になってきているということから、それらに対してどういう対策を進めるのかということについても、今後いわゆる研究、あるいは運転のやり方、定期検査のやり方等全般について見直さなければならぬのではないか。ただここで皆さん方に誤解のないように申し上げておきますけれども、これは一人一人の被曝量がふえているということではないわけでございます。これは労働組合と会社の間で非常に厳格な協定がありまして、一人一人の被曝量がふえているということじゃなくて、全体の被曝量がふえるということはそれだけ人が非常に数が多くいるということを意味しているのであって、一人一人に放射線の被曝量がふえているということではございません。同時にそのことが対外的にいわゆる第三者に直接的な問題になるんではございませんので、その安全面については働いている労働者が一番よく知っているわけでありますので、その点がともすると誤解されますのでひとつここで明確にしておきたいと思います。  次に、原子力行政につきましてでございますけれども、いま私が申し上げましたように、国民の合意というのは遠のいている一番大きな原因というのは、原子力の安全性に対してだれが責任を持つのかということが一番大きな遠のいていった理由でないかと思うわけであります。そうなりますと、現在の原子力委員会というもののあり方が果たして妥当であるのかないのか、国際的に見ましてもいろいろ問題がございますので、したがって、私どもの方としては現在の原子力委員会を一応解散をいたしまして、原子力規制委員会というものをつくって安全に対する一貫した責任を持つべきではなかろうか。その次に、それと同時に原子力開発の調整委員会というものを持ちまして、その二つの委員会で推進と安全とこの二つに分けて体制を整備していったらどうかというふうに提言いたしております。  次は、地方行政との調整でございますけれども、地方行政というのが現在、私どもの方からこれは勝手な見方になるかもしれませんが、国で行いました、あるいは国で基準としてつくりましたいわゆるいろんな規制あるいは公害に対する環境の基準というようなものが地方自治体の中ではより一層厳しくされたりあるいはいろんなことがやられておりますけれども、こういうものはひとつ国と地方行政の間で統一して物事を処理するというふうにしていったらどうか。そうしないと、ある地域においては大変な厳しい規制になっている、ある地域においては若干緩んだ規制になっているというようなことではかえって国民の皆さん方から不信を招くのではないか。そういう意味合いで国としてよりしっかりとしたひとつ基準というものをつくり上げる必要があるんではないかと思います。  次に、開発と研究体制についてでありますけれども、現在開発されております軽水炉はいわゆるPとB型という二つが電力会社が大体開発、いま運転しておるわけですけれども、これらについてはもう先生方御承知のとおりにいろんなトラブルが起きております。こういうトラブルについてひとつ研究体制というものをより一層強化していかなきゃならぬのではないか。しかし、これはユーザーである電力会社だけでやれるものでもございませんし、メーカーだけに責任を負わすというのも全く一方的でありますので、これは電力、メーカーあるいは国ともども一体となった開発を行わなければならぬだろう。また、現在の技術はほとんどアメリカに頼っているわけですけれども、そういうアメリカに頼った技術というものがいま国民の間の中では不信の一つの理由にもなっておりますので、やはり自分たちの自主開発というものにもつと重点を置いた体制を整えなければ今後原子力の平和利用というのは行き詰ってしまうんではないかというふうに考えます。  その中で今度は放射線下の私どもの労働対策でありますけれども、これはいま申し上げましたように、被曝量というのは個々に被曝量がふえているわけではなくトータルとしてふえているわけですが、これは一つは機器の改良によって相当改善される部分がございますし、定期検査の仕方によりまして改善されるところもございます。そういうものを総合的にわれわれは今後考えて、ひとつ労使の間で十分話し合って機器の開発、定期点検のやり方あるいは今後の運転のやり方等について対処していきたいと思いますが、ただ、国の方からやはり積極的に対策をとっていただかなければならぬことは——私どもの従業員の間では被曝管理というのは非常に厳格に行われておりますけれども、実は発電所内で働いている下請業者の皆さん方の方では私どものような厳格な管理が非常にしづらい。労働力が非常に流動性を持っておりすすので、Aというところの発電所でどれだけ被曝量があったのか、あるいはBという発電所でどれだけ被曝量があったのか、そういうふうなことについては非常に管理がしづらいわけであります。そういう管理につきましては、ひとつ国の方でも一元的な健康の管理体制というものを確立していただかなければならぬと思います。  それから同時に、原子力の従業員の災害補償制度が、これは足を切ったとか手をどうしたとかというふうな直接的なものでないものが将来出るかもしれませんので、それらについてひとつもう少し国としての災害補償というものを考えていただかなければ困るのではないかと思います。  こういうふうに諸対策を進めましても、なお地域住民、国民の皆さん方に対しての一つの合意というものが非常に大切でありますので、国でひとつ——仮称でございますけれども、エネルギー開発国民会議というようなものをつくっていただきまして、エネルギー開発に対するナショナルコンセンサスというものを取りつけるようにしたらどうか。国がこういうエネルギー対策を持っております、それに対して、諮問機関で各界の代表がいろんな意見を述べて、それをお互いにひとつ建設的に積み上げて、そしてやっていくというふうにしたらどうか。  それからもう一つは、安全に対する思想といいますか、哲学といいますか、そういうものをきっちりとして、安全に対する責任体制——再々申し上げますけれども、これはひとつはっきりとしてもらわなけりゃ困るんではないか。  それから次には、公聴会のあり方なんですが、公聴会というものが、どうもこのごろ聞きおく程度で、もう一つお互いの対話がないというのが大きな欠点ではないか。それには公聴会の現在のあり方というものをやはり再検討をしてみる必要があるのではないか。中央におきましての公聴会というのは、むしろいま私が申し上げました安全というものを中心に公聴会を開いて、それぞれ対話形式で安全に対する確認をする。それから、地域における公聴会は、むしろ地域住民の皆さん方の考え方、その原子力発電所を建設することによっての地域の開発との関連というようなことについてもっとひざを突き合わした話し合いができるような公聴会をつくったらどうか。そういう公聴会を二段構えでやることが大切じゃないかと思います。  それから、地域社会の助成につきましては、原電の三法ができたわけでありますけれども、しかしこれだけでは私は国民の生活というものは安定できないと思います……

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 稲垣さん、実は私の持ち時間がありませんので。

稲垣武臣全国電力労働組合連合会会長

○参考人(稲垣武臣君) ああそうですか、それは申しわけありません、もう終わりですから。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 大変どうもありがとうございました。あなたは原子力行政懇談会の委員になっておられますので、うんちくを傾けてひとつ十分やっていただきたいと思います。  もう一点、実は委員長、時間を、これは本当は借金がありますけれども、返しますけれども、きょうはせっかく原子力委員長代理の井上五郎先生に来ていただいておりますので——原子力委員長代理という立場で私の案という形で「原子力行政上の問題点とその改革案」についての提案があったわけであります。したがって、私はこれは毎日新聞で拝見してあれっと思ったんですが、いいことはいいというふうに評価するべきだというような判断の上に立ったわけでありますけれども、しかし、この新聞の発表ではその詳細は明らかでないと思います。内容は、当面の処置と五十一年度からの根本的改革案から成り、しかも五章二十九ページから成ると聞いておるわけであります。内容の評価は私はいまの段階では立ち入るべきではないと思いますが、実質的に原子力委員会の改革案ではないかと、これはしかも原子力委員長代理であるけれども、原子力委員長代理自身の井上五郎先生の私案であるというふうな理解もいたしておりますから、いずれにいたしましても、大体これは「毎日」でありますが、「原発の不安を解消」「安全・規制部門五十一年度に独立」「エネルギー省や最高審新設」というような形で、この内容を見ただけでも大体の概念がわかるわけでありますが、いずれひとつ生の形で、限られた時間でありますけれども先生の方から解明をいただきたいと思います。時間もありませんのでこのことも含めてひとつ——大体原子力委員会として責任と反省が前提となっているのかどうか、いままで原子力委員会で、委員長は長官でありまするけれども、そういう原子力委員会というものが、原子力船「むつ」の放射線漏れ等々も含めて過去のこの行政のあり方、今後の展望について一つの代案をつくって、こういうものをすればいいというふうにお考えになっておられるのかどうかということと、それから行政懇にこれを反映することがやはり一つのねらいであるかどうか、それでなぜこれが私案の形になって出されておるのか、こういう三つの点を含めてひとつ、もうこれで時間も超過しておるわけでありますが、大体これはだれにも許可しておりませんが、私は九十分もらっておるはずですけれども、それを六十分に圧縮しておるわけでありますから、そういうことも含めてこれは私の罪じゃありませんから、ひとつ十分、同僚の委員も来ておりますから、井上五郎委員長代理からうんちくを傾けて要にして簡な説明をいただきたい、こう思うのです。

井上五郎原子力委員会委員長代理

○説明員(井上五郎君) 時間がないので問題を詰めて話をするようにと。  私が原子力委員でありながらなぜ井上私案という形でこの問題を出したのかという御質問がございました。これは御承知のように原子力委員会は諮問委員会でございまするけれども、その決定は内閣総理大臣が尊重しなければならないということが法定されております。さようなことで原子力委員の一員である私が意見を出しますことは、若干今回設立をするであろう——当時まあ私その点がまだ未定のうちにこれを実は書きました。私自身現在の原子力行政体制に欠点があるとは考えておりませんけれども、必ずしも十分ではない。それが「むつ」問題を契機といたしまして非常に大きな御批判を受けるようになった限りにおいては、これをより十分なものに改組せざる限りはなかなか六十年六千万キロワットということは実現しない。さような意味におきまして一つの改革案を書いたんでございまするけれども、これを発表いたします前に内閣におきましてこういう懇談会ができることが決定をいたしました。といたしますならば、恐らく私どもはその機会において私どもの意見を聴取されるであろうという前提のもとに、私はこれを公表を差し控えたのでございます。たまたま某新聞にスクープをされましたけれども、これは私の方から出したものでは決してございません。その点だけは御了承を願っておきたいと思います。  そこで私といたしましては、内閣の審議会におきまして、原子力委員会のあり方を含めまして原子力の行政体制、なかんずくただいま先生から御指摘がありましたようないろいろな点において、ここでよりよいというかあるいは抜本的な原子力行政体制が確立をすることが必要であると考えております。その根本の問題といたしましては、これだけ日本でエネルギー問題が重大化しておる、私は日本の将来にわたっての最大の政治課題はエネルギーの確保と食糧の確保であるというふうに考えております。幸いにいたしまして食糧の自給率は若干ながら上がったと申しますか、少なくとも米作においては十分な状態に達したのでありまするが、反対に、エネルギーの自給率というものは現在は八六%が海外に依存すると、これをただ目先だけの問題で解決してはいけない。国としてはエネルギーを根本的に処理する行政官庁をつくるべきであるということを私は基本的には希望いたしております。しかし、そうした大きな行政改革には若干時間がかかる。そこで、暫定的には、先ほど稲垣参考人からも御提案があったんでありまするが、内閣の一つの最高のレベルにおきまして、日本のエネルギー問題をいかにするか、その中で原子力の利用というものがいかに位置づけられるかということを国として決定をいたしていただきまして、その前提の上において原子力の推進には、再々お話が出ておりまするけれども、どうしても国民的コンセンサスの上に成り立たなければなりませんし、その国民のコンセンサスを得る上において最重点は安全の確保でございます。その安全の確保に対して、現体制が悪いとは私は考えませんけれども、若干不備であるかのごとき御指摘を受けておる点は、一つは、開発をつかさどる機関と安全を規制する機関が一つではないか、ということはどうしても開発に重点が置かれて安全が二の次になるのではないかといった誤解があるように考えております。私の意見書にも明らかに誤解と書いてあるのでありまして、私どもは原子力の推進というものは安全なくしてあり得ない、安全がもう最重点であるということは、まあ開発に対しても原子力委員会は責任を持ってございまするけれども、その開発は責任が最重点であるというふうに考えております。したがいまして、それが二分されなければいけないのであるとは必ずしも考えておりません。しかし、それが何となくそうした誤解が、ことに「むつ」問題が起こりましたときに、その問題、あわせてこれの管理体制に一貫性がないじゃないかと、こういうことに対していかようにあるべきかということについて私の私見を申し述べたわけでございます。  ただいま申しましたように、これらの私見ではございまするけれども、原子力委員会設置法に基づきまして私どもが原子力委員を仰せつかっておりまする以上は、私がそうした意見を公表することは、何らかの意味におきましてこれが原子力委員会の共通意見であるかのごとくとられる心配もございます。さような意味で私見として書きました。これをあえて公表をしなかったのでございまするが、ただいま御質問がございました。私の考えておりまする基本的の考えと申しますか、だけを申し述べました。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 もうこれでやめますが、五十一年度からの根本的改革案からなり、五章二十九ページからなると聞いて、この内容の問題については原子力懇談会で先生がいずれ——われわれも国民も知れるような事態がくるのだ、最近くるのだと、そういうふうに理解をしておいてよろしいですか。

井上五郎原子力委員会委員長代理

○説明員(井上五郎君) そのとおりでございまして、私は、根本案というものはただいま申し述べたようなわけでございまするけれども、原子力の開発あるいはそれに対して国民のコンセンサスを得るということは、根本策ができるまでほっておいていいものだとは決して思っておりません。したがいまして、私はその線に沿ってもう即刻と言いたいんでございますが、予算措置等もございますし、先ほど御指摘がありましたように、原子力局の中に安全局を分離するといったようなことは第一歩でございまして、言うなればこれは原子力政策の橋頭堡的な役割りをするものと思います。さような意味で、ぜひその線に沿って国会の御承認もちょうだいしたいのでありますと同時に、ただいま御指摘のとおり、もし内閣の行政懇談会において御質疑がございましたならば、私は同僚原子力委員の御意見も受けて、あるいはまた原子力委員長である佐々木長官の御意見も承りまして、それを述べさしていただきたい、かように考えます。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 これで終わります。  私は、問題を留保しておきますが、これ委員長に、また記録にとめておいてもらいますが、原子力行政の進め方と電調審のあり方という問題について、私は実は深刻に考えておるわけであります。この問題は留保しておきます。  私これで終わります。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 限られた時間のようでありますから、最初に一般的なことを簡単にお聞きしまして、後刻柏崎の問題についてお尋ねする予定です。  開発を急ぐのではなくて、安全の確認、国民的な合意の取りつけというものに力を注ぐべきだという、そういうことがだんだん大方の合意になりつつあるわけでありますが、三木総理も予算委員会等では、特に安全性の確保、国民の理解と信頼を確保することに全力を挙げる、これはどうもいままで十分でなかったという発言をしばしば行っておりますし、特にこの長官の所信表明を私ずっと過去のものも点検してみたのでありますが、初めてことしの所信表明の中で、「その安全性について、必ずしも国民から万全の信頼を得ているとは言いがたい」云々と続くわけでありますが、このように所信表明の中に盛り込まれたということは、私は非常に画期的なことであるし、評価をしたいと思います。しかし、言葉だけで終わったのでは何にもならぬわけでありまして、そこでまず安全性というと、どうも原子力施設の工学的安全であるとか、科学者といいますのは頭の中におけるきわめて技術的な意味での安全というところに、理論の局限をされたような物の考え方が今日の事態を招いたと思うのでありますが——。  そこでまず長官に、そもそも一体安全とは何なんだ。その安全を確保するために整えられるべき諸条件にはどのようなものがあるのか、これをまずお伺いをしたいわけです。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) お説のように、原子炉自体の原子力工学的な意味から言う安全装置その他が万全なりや否やの審査、これが安全の大条件であろうと考えます。しかしながら、同時に環境がどうなっておるか。たとえば逆転層がどういうふうになっているか、あるいは地盤関係がどうなっておるか、あるいは周辺の人口がどうかとか。かつて私は初代の原子力局長をやった当時、コールダーホール型の発電炉を設置して大変大問題を起こしたことがございますが、何が問題だったかと申しますと、ちょうどあの当時は水戸の射爆場がございまして、米空軍の爆撃の練習場が周辺にございまして、それとの関係がどうだということが大変実は問題になっておりました等、いろいろ環境と申しますか、そういう原子炉を置きます立地の諸条件というものも大変重要でございますので、原子炉自体の安全性の問題と、それから立地に伴う、いま申しましたような——それ以外に幾つもございますけれども、そういう問題等をあわせて審議するところであるというふうに考えております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 いま原子炉と立地、環境の話だけですが、その他いろいろありましてと言う、そのいろいろがいつでもその辺が明確でないので、そのいろいろな部分について、これはどうなっている、これはどうなっているというようなことをそれこそいろいろ尋ねても、なかなか納得ができない。私は、やっぱり少なくとも——これから全般的な見直しも始まるそうでありますが、この点とこの点とこの点とこの点が整わなければ安全とは言えない。それが確保されることが安全というものの概念であるというふうに、やっぱりある程度それが確立をされていくべきじゃないかと思うんですね。確かにいま挙げました原子炉自体はどうか。しかし原子炉だけではないんでありまして、発電が行われる、それからその廃棄物が出ていくという一連の全体のサイクルをとらえてやっぱり安全性というようなものは一つ一つ整えられていくべきだと思うんですが、これはもう少しあれですか、いま皆さんがお考えになっているところで、せめてこれとこれとこれは整えられ、確立をすべきである。これだけの条件が整わなければ率直に言って安全とは言えないというものについての見解をもう一度。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) それは原子炉自体の工学的な安全性の審査の仕方でございましょうか、それとも立地の問題……

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 そんなに狭く考えない。立地も含めて、いわゆる原子力問題ですね。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) 原子炉自体の工学的な検討となりますと、これは実に詳細にわたりますので、まあ技術の粋を行くわけですから、その一体解析等はどうしているんだという点に関しましてお話ししますと大変長くなりますので、むしろ環境、立地に関して、どういう条件を満足すればよろしいかといったような点に力点を置いてお話し申し上げた方がいいのじゃないかと思いますが、その点に関しまして局長から答弁させます。

生田豊朗科学技術庁原子力局長

○政府委員(生田豊朗君) 安全とは何かという問題、非常に幅の広い問題でございますけれども、まず私どもがやっております安全審査の場合に、どういう範囲のものをやっているかと申しますと、ただいま大臣の御答弁にもございましたような工学的な安全性を中心にして見るわけでございます。この工学的な安全性につきましてはもちろん、たとえば具体的に申しまして地震に対して耐震性がどうであるとか、あるいはその地盤の強度がどうであるとかという問題も当然含まれてまいります。  工学的安全性の場合のその安全とは何かという問題でございますけれども、現在の原子炉規制法の体系におきましては、これを災害の防止という観点からとらえております。災害の防止と申しますと、平常運転の場合、さらに事故が起きました場合、その事故も重大事故あるいは仮想事故という——これは理論的にはあり得ても現実的にはあり得ないと考えられるような事故を想定いたしまして、そういう事故が起きた場合に、その災害をどの程度の範囲内にとどめられるかということで、主としてその観点から安全であるか否かという点を審査するというのが現在の安全審査の体系でございます。  あと先生御指摘の問題につきましては、いろいろさらにその外側にあります諸問題があると思います。たとえば温排水の問題でございますとか、あるいは社会的な受け入れの問題、何と申しますか、まあアクセプタンスの問題と言っておりますが、そういう問題もあろうかと思いまして、広い意味の安全性の問題になりますと、そういうもの全般を含めることになろうかと思いますが、原子力委員会あるいは科学技術庁原子力局におきます安全審査の中心にあります安全の考え方はただいま申し上げたようなことでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 それは時間があれば少し伺いたいんですが、——これはまたあすも何か発言の機会があるようですから、私はこの際ちょっと考え方だけ述べておきますが、いま長官も局長も、安全といいますとすぐ工学的な安全、またそれが事実審査の対象ですから。しかし国民の合意なり信頼を取りつけるというサイドから見ますと、工学的安全というふうなものをどんなに声をからして講釈をしても、実はそれはすんなり受け入れないというところまでこの問題は率直に言ってきていると思うんですね。でありますから、いまちょこっと出ましたけれども、いわゆるこの外側の問題とでも言いますか、その外側の問題についてやっぱり十分に解明をなさっておくべきである。原子力問題全分野にわたるこのさまざまな諸要件というようなものを解明をしておく、対応策を整えておくということが、私はよく言われますように、急がば回れで、原子力の火をわれわれが利用するときに本当に役に立つ。そこのところが工学的安全というところに局限をされているためにどうも先へ行かぬ。ここがネックになるような気がする。たとえばよく議論されていますけれども、使用済み燃料は一体まあ皆さんの言う六十年に六千万キロと言えばどれくらいの量になるのか。それは一体処理ができるのか、どうなのか。まあ捨てる話もありますけれども、そんな問題のめどはついているのかどうか。こういう問題になればさっぱり、これからよく研究しててなことになる。あるいは先ほど温排水の問題もございましたけれども、それはただ、どこどこの発電所の先には幾らかあったかい水が出て、むしろそこで釣りをしていますなんということじゃ説明にならぬので、一体六千万や一億キロも起こす。それに火力が加わったらどれくらい膨大な量が出てくるのかという問題についての解明も実はこれからだ。あるいはまた、一体、仮にいま一億キロと想定した場合に、設備投資は一体どれくらいになるか知りませんけれどもね、これは一体日本経済というようなものにどういう影響を及ぼすのか。いまの設備投資がインフレの原因だというようなことでがたがたやっておりますけれども、そういう問題の検討だって行われていない。あるいは燃料の確保の問題だって、いや、六十年までは大体確保されています、六千万キロ大丈夫ですと言っても、それは契約はあるにしても来るか来ないかはわかりません。そういうふうな、幾つか挙げましたけれども、あるいは消費電力の配分だって、電気は起こすと言ってみても、おれのところに回ってくるのかということになれば、あれは皆工場が使っちゃうのだということになれば、危ない思いをしておれのところに電気が回ってこないのであればそんなものは要らない。こうはね返るのはあたりまえでありましてね。そういう消費電力の配分問題とか、たとえばそういうあらゆる分野にわたってそれぞれ解明がなされ、条件が整えられ、対応策が確立をしているということが、私はやっぱり手間がかかるようですが、必要な手順だと、このように思っておりますが、この点は指摘だけしておきます。  そこで、そういうことで、何か衆議院でもそういう安全性に力を入れる、住民の合意の取りつけに力を入れるということになりますと、原子力の開発利用長期計画の目標というものは当然にそごがくることはこれはあたりまえのことであるし、その目標そのものが意味をまず持たないものになるということも十分想定されます。  そこで、一たんこの長期計画の目標というのは破棄されますか。

生田豊朗科学技術庁原子力局長

○政府委員(生田豊朗君) ただいま先生の指摘にとどめておくとおっしゃいましたことにつきましてもちょっとお答えさしていただきたいと思いますが、問題点の認識につきましては、私どもが考えておりますこととただいま先生の御指摘とほとんど同じであろうと思います。私どもそういうただいま御指摘のありましたような問題点を十分認識しております。特に、たとえば昭和六十年度六千万キロワットという目標が現在ございますが、この目標が実現されました場合に、それが日本経済と申しますか、あるいは日本の国土の中で、ただいま御指摘のような環境放射能にいたしましても、温排水にいたしましても、あるいは再処理、その他ウラン資源の確保にいたしましても、どういうような意味を持ってくるか、どういう形になるかというのが実はまだ完成されたものとしてはないわけでございます。  多少旧聞に属することで恐縮でございますけれども、一年ほど前に原子力委員の稲葉先生が稲葉私案という六千万キロワットの見直しをおつくりになったわけでございますが、実はあの作業は二本立ての作業としてやる予定でございました。その六千万キロワットという目標の見直しそれ自身を行うのが稲葉先生が御担当になりましてそれをやる。もう一つは、実はおやめになりました田島英三先生の御担当で六千万キロワットが実現した場合に、それがどういう形になるかという、われわれは六千万キロワットという断面で輪切りにした形を、その断面図をつくろうじゃないかということで、実は並行して出発したわけでございますが、不幸にして田島先生がおやめになりました。その後いろいろなことがございまして、しばらく中断していたわけでございます。最近私の手元で、まだ原子力委員会にはお諮りしてございませんが、事務的に作業を進めておりますので、そちらの作業もこれから先詰めてまいりたいというふうに考えております。  それから、六千万キロワットの見通しの改定でございますけれども、これも、ただいま私の手元で事務的に作業をやっております。これは国会のほかの委員会で大臣の御答弁にもありましたように、経済企画庁の長期経済計画あるいは通産省のエネルギー長期見通し、それらとの関連がございますので、先につくってしまうというわけにはなかなかまいらないかと思いますが、現在、たとえば六千万キロワットを実現しようとすると、どういうことをしなければならないか。それが果たして現実的であるかどうかというような点の解明から作業をしている段階でございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 いま、見直し作業をしておる。私は、先ほど言いましたように解明されるべき幾多の問題が残っておるのに、実に膨大な開発目標だけを掲げて、それに向かって突っ走るところに無理が出てくるという観点で、むしろ見直しというよりは、この際は、一遍それを廃棄をする、新しくつくり直すというむしろ姿勢に立つべきだと思うんであります。いずれにしても、これをやっておると私の柏崎の時間がなくなるので恐縮ですが、この点について、いずれにしても成熟された技術じゃないわけで、それを普通の完成した技術のように言うから問題が起きるわけでありますが、私はそういう意味では、安全性の概念の中にとにかく実績を積み重ねる。事故も起きず、障害も起きず、これはもう大丈夫だというようなものが相当長期間にわたって運転をされている。わわわれ実績が積み重ねられておるということが何よりも安全性の実証にもなり、確保にもなると思うんですね。そういう意味で、実績を積み重ねるという意味では、基礎的な実験あるいは百歩譲っても、いまあるものの実績を積み重ねるということまで仮に譲ったとしても、それの方の実績積み舌ねというふうなものを繰り返し、巻き返しやるべきであって、新しいものはさらにつけ加えていかないという、これがない限りいつでもトラブルは起きるし、安全性に対する不安や不信が残る。こう思うんでありますが、何か去年の電調審でも、またことしの電調審でも、去年、ことしとそれぞれ何かもう抜き打ちとか、見切り発車とかと言われておりますが、いまの積み重ねる点でございますが、新しいものをつけ加えていかないで実績の積み重ねをするという、この基本的な考え方はいかがですか。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) お説をちょうだいいたしましたが、一昨日、イタリーの原子力委員長が私のところに訪ねてまいりまして、表敬ということでございましたが、私から質問をいたしました。フランスは油の問題以来、七五年以降一切発電は原子力でやると言っておりますが、イタリーはどうでございますかと聞きましたら、イタリーも同様でございます。七五年から一切の発電は原子力発電に切りかえますというお答えでございました。米国の軽水炉は、この十ヵ年間に二億数千万キロ、現在の日本の全発電量の大体三倍の発電を企図しておるわけでございまして、わが国の必要性から申しますと、フランス、イタリーの比でなくて、もちろんアメリカの比でなくて、日本はさらにこの原子力発電に力を入れるべきだと思いますけれども、冒頭申し上げましたように、と申しましょうか、あるいは立地問題等で、あるいは同じ炉でありながら、大変わが方といたしましては、いろいろな問題が起きておりまして、思うように進んでまいりません。したがって、いまの六千万キロワットをどうするかという問題ももちろんでございますけれども、しかし、日本の一体エネルギーの現下の情勢からして、将来何でやっていくのかという問題を、もっとやっぱり国としては真剣に討議して、そしてこの問題の解決のためにはこうすべきだという大きい着眼が一つあって、それが六千万キロであろうが、五千万キロであろうが、もっと減ろうが、それは一向かまわぬと思います、私は場合によっては。それば計画経済でないんですから、できないものはしょうがないと、しかし、国の将来のエネルギーという観点からいたしますれば、私は、そういう点に関してはもっとやっぱり日本のエネルギー全体をどうするかという構想と申しますか、検討を国といたしまして真剣にやるべきじゃないかと常々思っております。  そこで六千万キロはどうなるんだということでございますが、ただいま局長からもお話ございましたように、必要性としてはより以上にむしろ必要じゃなかろうかと思うんでございますけれども、現実問題として、それが可能かと申しますと、はなはだどうも、たとえばおととしは一つの許可もしておらぬわけでございますから、事実問題としては、非常にむずかしい状況になっているんじゃないかと、そういう再検討を、あに原子力発電のみに限らずに、国の安定成長経済下において、高度成長下におきました従来の考え方から、長期計画を巻き返していくと、国民経済の将来の大きさはどのぐらいなのか、したがって、エネルギーの必要性はどうか、その間において各エネルギーをどういうふうに分担さすか、こういう問題が、いま、作業に大きく経済企画庁、あるいは通産省等でかかろうとしておりますので、わが方もそれに対応いたしまして、この問題を実は進めてまいりたいというふうに考えております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 少し具体的な問題に入ってまたもとに戻るつもりですが、昭和四十九年七月十一日、原子力問題懇談会で「原子力利用の推進に関する方策」、これは原子力月報、七四年の七月のね。「森山国務大臣談話」というものが載っておりますが、それのずっとうしろの方にいきますと、「立地適地の確保等」という、この項目の末尾の方に「なお、現行の立地プロセスにおける制度上の問題点が、地元の反対とからみあって、許認可手続を大幅に遅延させる大きな原因となっている。この点を改めることにより計画の促進が見込まれるので、電源開発調整審議会の運営方法、原子力発電所設置に伴う各種の許認可制度について改善をはかる」。この電源開発調整審議会の運営方法について改善をはかるというのは、どういう内容でありますか。

生田豊朗科学技術庁原子力局長

○政府委員(生田豊朗君) ただいま先生の御指摘になりましたのは、御承知のように、森山前々長官の私的諮問機関として、学識経験者の方にお集まりいただきまして、数回御議論いただいた結論でございます。ただいま御指摘の電調審の運営方法でございますけれども、そのときに問題になりました問題点といたしましては、本来は電調審というものができました時代におきましては、大規模な水力電源開発に伴います各種の調整を円滑に行うための審議会でございましたけれども、その後、火力発電が中心になり、さらに最近は原子力発電も多くなってきたという時代でございまして、当初の発足の何と申しますか、環境とはかなり違ってきているという点が一つでございます。  それから、もう一つはその電調審が、むしろ電源開発促進法という電源開発の促進という観点からつくられましたものでございますけれども、最近ではむしろ電調審が一つの関門といいますか、関所になってしまいまして、促進ではなくて電源開発をむしろおくらせるようなことになっているのではないかという問題点の指摘が、その数回行いました懇談会の席上学識経験者の方から出されたわけでございます。したがいまして、それらの問題につきましても、時代の変化もございますし、特に原子力発電の特異性もございますので、簡単には結論が出せないわけでございますが、とりあえずそういう問題点の指摘でございまして、その点は今回内閣で発足いたしました原子力行政懇談会に引き継がれておりますので、その席上でその問題点が解明されてまいる、かように考えております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 そうすると、まだ問題点の指摘にとどまっておるというから、私の方で問題を指摘する意味で聞きますが、まあ御存じのように四十八年ごろですか、それまでの原子力行政全般をいまと同じように見直すという意味で、たとえば公聴会制度の採用であるとか、周辺整備であるとか、いま言った電調審の前に行われる事前チェックであるとか、こういうものが重視をされたはずでありますが、この通産省が行う事前チェックといいますか、環境審査といいますか、それと電調審との関係はどうなっているんですか。

藤井直樹経済企画庁長官官房参事官

○説明員(藤井直樹君) 電源開発調整審議会でその年度の開発についての基本計画をきめるということで、全体の規模と同時に、その内容となります地点についても具体的にその計画の中に掲げておりますが、その地点の計画をきめる際におきましては、現在までの運営に当たりまして、やっぱり公害、環境の面における問題点を非常に重視するということから、環境庁、通産省、農林省、建設省その他の省庁と十分に環境関係の問題、たとえば大気汚染の問題、それから温排水の問題、それから自然景観に与える問題、そういうようなことについて検討いたすわけですが、その際通産省におきましては、最近、環境審査会というのをつくって、個々の地点についての事前の審査をされているようでございます。その審査の内容につきましても、その審議会の前の連絡会議、幹事会等においてその内容を承りまして、この計画への組み入れについての参考とさせていただいている状況でございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 この電調審では、過去にたとえば立地であるとか計画が変更をされたことがありますか。

藤井直樹経済企画庁長官官房参事官

○説明員(藤井直樹君) 電源開発促進法に基づく計画につきましては、その各年度の計画に各地点を組み入れるということが行われました後におきましては、実際問題として計画に組み入れましても、すぐ直ちに着工するというわけでございませんで、水力、火力の場合でありますと、電気事業法に基づく審査がございます。それから原子力発電につきましては、原子炉規制法等の安全審査が非常に長い間かかって行われるというようなことがござまして、実際に計画に入れました後の進行状況を見ますると、かなり当初の予定より変わるということはございますが、それに関連いたしまして計画の内容を変更して、個々の地点についでの計画を、たとえばそれを計画から落とすとかというようなことはいたしたことはございません。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 過去には、一度も計画から落とすとか減らすとかそこを変えろとかというようなことはないということのようですが、実は私はこの電調審あるいはその前における通産省のこの事前審査、環境審査というようなものはずいぶん問題があるような気がするのでありますが、まずあれですか、この電調審に先がけて行われる環境審査では、地盤についてはどの程度行いますか。原子力発電の場合です。

高橋宏資源エネルギー庁公益事業部原子力発電課長

○説明員(高橋宏君) ただいま企画庁から御説明がありましたように、環境審査につきましては、通産省は最近のそういう情勢の重要性にかんがみまして、通産省としての立場から環境問題を審査するという立場でやっております。その際の環境審査の審査事項でございますけれども、大きく三つほど柱がございまして、一つは大気汚染に関する問題点であります。それから二つ目が、水——海あるいは川等に対します水質汚濁あるいは温排水に対する問題の予備チェックでございます。それから三番目が、植生等に、エコロジーと申しますか、そういう問題に対する審査でございます。これを三本の柱として審査をやっておりますし、そういう構成でやっております。  地盤につきましては、その植生等と関連しまして、その地域、まあかなり広い地域でございますが、そういう地域の生成過程とか、あるいは岩質の一般的な概要とか、あるいはそのサイトにおきます代表的な地質の特徴をあらわす指数、そういうものをチェックいたしまして、概括的な調査というぐあいに限られた範囲でまあやっております。予算も当然限度ございますし、通産省という立場でやるというところから、本来環境庁そのほか関係省庁もあるわけでございますが、最終的には電調審の場において専門的に検討される。そういうような立場での環境審査というぐあいに御理解願いたいと思います。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 特に原子力発電の場合には地盤というのが非常に重要な意味を持つので、地盤に少ししぼりますが、いずれにしても何かいまの話だとやっているような話ですがね。その事前審査をするんですから、いいとか悪いとかということですよね、率直に言って。いいとか悪いとかというのには、物差しが要りますわな。何が基準でいいのか悪いのかわかりませんから。そういう意味ではあれですか、事前チェックの場合に地盤にかかわる諸要件というものの基準というものは、一々明確にされていますか。  具体的に聞きましょう。たとえば断層の存在と支障の限度、あるいは地盤の強度ですね。どの程度までが許容されるか、たとえば圧密沈下はどの程度まで結構であるか、あるいは不当沈下はどれぐらいの量まで許容されるかというふうな、そういった地盤にかかわる諸要件というものが明確にされていますか。

高橋宏資源エネルギー庁公益事業部原子力発電課長

○説明員(高橋宏君) 原子力の安全問題、特に地震の問題につきましては大変重要でございます。したがいまして、安全審査の段階あるいは通産省におきます工事認可等の段階で詳細な審査が行われるということでございます。そういう原子炉等規制法あるいは電気事業法におきます詳細な事後審査を経て、初めてその設置の可否が議論される。特に地盤とそれからその上部に載せます原子力発電所の建物の強度、大きさ、ウエート、それから工法との関係で決定されるものでございまして、したがいまして環境審査という予備チェックの段階におきましては、たとえば決定的な断層がそこにあるかというようなことは、日本列島あるいはそのブロックの地質図等から判断はできますが、最終的にはその安全審査あるいは工事認可の段階において判断される、そこでの基準によって判断されるものと、そういうことで考えております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 これは安全審査の方にもいずれお伺いしますが、いずれにしても事前に環境審査というチェックが行われてあらまし結構でしょうというので、計画に組み込まれて電調審に係るわけですわね。したがって電調審の場においてもそれらの環境審査のさまざまなデータというものがそれなりの審査の材料に加わっていることは間違いがないわけです。その間にずいぶんとトラブルが起きる。これもまた原子力開発利用がさまざまな障害にぶつかっておる重要な要素になっておるから、まず私はそこのところを聞いている。それからあとのことはこっちで聞きますけれどもね。事前チェックをするというんですから物差しがなければいかぬでしょう。具体的に聞きますが、たとえば不等沈下はどの程度まで認められるんですか。

高橋宏資源エネルギー庁公益事業部原子力発電課長

○説明員(高橋宏君) 先ほど申し上げましたように、不等沈下につきましては、その上部にどういう建造物が載っかるかということ、あるいはそのレイアウトをどうするかということ、それからその工法をどうするかということによって判断せられるものでございますので、不等沈下をあらかじめ予備審査の段階で正確にはかりかつそれがどういうところまで可能かどうかというところまでのチェックは安全審査の段階に譲り、環境審査においてはやっておりません。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 事前調査ではその点は行われない。それなら柏崎の場合聞きましょう。柏崎の場合には環境審査が行われて、電調審を四十九年の七月に通っておるわけでありますが、少なくとも柏崎の場合には環境審査、事前審査が行われていますね、いますから聞きますが、これはたとえば炉心の位置にしても、場所にしても、深さにしても、このたび科学技術庁の方へ設置申請が出されたものではないのじゃないですか。全く別のところを事前チェックしたんじゃないですか。

高橋宏資源エネルギー庁公益事業部原子力発電課長

○説明員(高橋宏君) 電調審で議論されておった時点でございますが、その時点におきましてわれわれが環境審査をその前にやったわけでございますが、その時点におきましては、そのサイトの中で具体的に炉心の位置というのはまさに具体的にポイントとして決まるわけでございますけれども、その位置が完全にポイントとして決まり、深さが決まるという前提で審査はいたしておりません。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 これは指摘しておきますが、きょうは時間がないですから、これでやめます。やめますが、あす予算分科会に私出ますからその際また聞きますが、指摘をしておきますのは、この柏崎の原子力発電所について電調審を通っておりますのは御存じのように、大湊側、深さは二十メートル、新しくこのたび正式に申請になりましたものは荒浜側、深さは四十メートル、でありますから事前審査、チェックを、環境審査をした段階は別な言い方をすれば全く別のところです。なぜ別のところになったのかというと、そこではだめだってんで場所を変えたわけです。企業自身がそこじゃだめだってんで場所を変えて持ってくる。しかし考えてみれば変わったからいいようなものでしょうが、事前調査の段階ではそのだめだと言われる場所を変えなきゃならぬ場所がフリーでチェックも受けないとはどういうことなんですか。上環境審査というのは地盤については行っていたいんじゃないですか。あるいは物差しがないから出た数字に何らの検討も加えないんじゃないですか。この点はいかがです。同時にそれを電調審、企画庁の方はそれをまた是として組み込んだわけです。科学技術庁に出てきたら、別の場所が出てきているわけですよ。これについては、通産省の方も経済企画庁の方もこういうのは責任がある問題だと思うんですが、この点の答弁だけきょういただいて、続きみたいになりましたが、あしたまたやります。

藤井直樹経済企画庁長官官房参事官

○説明員(藤井直樹君) 水力、火力、原子力と、こう並んだ場合に、やはり原子力については何といいましても安全の問題が重要でございますので、取り扱いについて若干の差がございまして、この原子力の場合はいわばいまおっしゃったような地盤その他工学的ないろんな問題も含めましてすべてこの電調審で計画に組み入れられました後におきまして、そういう原子炉規制法とか電気重業法というようなものに基づく安全審査が始まる、そういうふうに理解をして運営をしております。それで当然その前にそれでは全体としてそういう地点をどう見ているかということになりますと、やはり需給上の問題等から見て将来このぐらいの年度にはこのぐらいのものをつくっておかなければならぬというようなことを、電力需給の方からながめまして、そうして個別の地点におろすときには水力、火力についてばかなり事前にこの審議会で大気汚染その他について十分な詰めを行います。あまりに原子力の問題については、この審議会で詰めを行うということになりますと、非常に時間もかかりますし、そういう点については別途の法制が用意されておりますので、そちらの方で十分審査していただいて、そうして安全が確か認されたときに着工するというように、取り扱い上原子力については特別な手続をとっているわけです。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 最初に、核拡散防止条約の批准に関連いたしまして二、三質問したいと思いますが、御存じのように、非核兵器国はこの拡散防止条約の批准に関連いたしまして国際原子力機関、IAEAとの間に保障措置協定を結ぶことを義務づけられておるわけであります。先般去る二月で、ございますか、わが国と国際原子力機関との保障措置協定の予備交渉でわが国はユーラトム、欧州原子力共同体と同等の保障措置を適用することにつき合意を見た、こういうようにお聞きをしておるわけでございますが、そこでまず最初に、日本はすでに米国とか英国との間に、二国間の平和利用に関する二国間協定を結び、その結果国際原子力機関の保障措置のもとに現在は置かれているように私は理解をしているわけでありますが、現在はどのような査察が行われておるのか、そしてこれはもう大臣じゃなくて、担当者の方でいいと思うんですが、国内のどういう施設に年に何回ぐらい、それから何人ぐらい来て、どういう査察をしているのかということを御答弁願いたい。

生田豊朗科学技術庁原子力局長

○政府委員(生田豊朗君) ただいま行われております査察でございますけれども、これは先生御承知のように、NPTに基づきます査察ではございませんで、日米原子力協定その他の二国間協定に基づきます査察でございます。したがいまして、今回ユーラトム並みの待遇ということを獲得するための交渉に成功したわけでございますが、それとは査察のやり方が非常に違いまして、IAEA、国連の原子力機関の職員、査察員がみずから査察をするわけでございます。したがいまして、わが国の査察の担当官は直接査察をいたしませんで、国連の査察員が査察するのを何と申しますか、それと一緒に行きましてそれを見ているという形でございます。これがユーラトム並みの形になりますと、逆になりまして、わが国の査察員が査察をいたしまして、国連IAEAの査察員はそれを観察オブザーべーションと言っておりますが、観察するという形で、査察の主体が現在と逆になるわけでございます。  それから査察の実績でございますけれども、昭和四十八年におきまして、査察の回数が十二回、それから査察の量でございますが、マン・デーという、つまり延べ何人というような計算の仕方をしておりますが、それで申しまして、昭和四十八年が二百八十二マン・デーでございます。それから査察の対象になりました施設の数が、これは延べ百四十六カ所ということになっております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 大体そうすると、今回のもしNPTに基づく査察を受けた場合は、大体こういうように前と変わると、こういうことはいま大体わかったわけですが、日本の原子力技術が国外に筒抜けになることは避けられると、こういうように言われておるわけでありますが、これはどういうわけで避けられるわけですか。

生田豊朗科学技術庁原子力局長

○政府委員(生田豊朗君) いろいろ問題点がございますけれども、一つはいわゆるブラックボックスと言っておりますけれども、査察の対象としないような施設を決める点がございます。これは現在の二国間協定に基づきます査察では、これが決められませんので、極端に申しますと、あらゆる原子力施設に全部外国人の査察員が入ってきて査察をするということになるわけでございます。それがNPTに基づきます保障措置協定によりますと、その査察を受けない、査察の対象とならない施設、ブラックボックスでございますけども、これを双方で協議して決めるということになっておりますので、たとえばある施設につきまして日本がこれを査察の対象としたくないということでございますれば、それを協議して査察の対象外とするということが可能になるわけでございます。  それからもう一つは、設計情報の審査というものがございますが、それにつきましても、双方の査察員あるいは査察担当官が立ち会いでやるということでございますし、あるいは別個のその施設以外の場所でそれを審査するというようなこともございますので、そういう実務的な点におきまして、かなり機密の保持の点で改善されるというように考えております。  ただ、全般的なその産業秘密の保護と申しますか、あるいはそれが国外に流出するのではないかという問題につきましては、最終的にはその査察員のモラルの問題でございます。これは現在でも、あるいはNPT批准後の保障措置におきましても、査察におきましても、同じでございますが、その点につきましても、たとえばIAEAの職員の守秘義務がIAEA憲章にうたってございますし、それからもしもそれが実際に機密が漏洩いたしまして問題になりました場合は当事者間、つまりわが国とIAEAとの間におきまして、それについての対策を十分協議し得る。それでその協議が整わなかった場合には、国際司法裁判所に提訴するというような方法も残されておりますので、数段構えでこの機密の保護につきましては対策が講じられているというふうに考えている次第でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 そうしますと、いままでと違いまして日本の査察員が主体に査察をすると、こうなるわけですね。そうした場合に、ではどこが中心になって査察をするのか。いままではオブザーバーでついておればよかったんですが、今度はもう自分が中心でやらなくてはならない。そういうことになりますと、かなり人員の面とかあるいは技術とか、そういう点において一段と前進がなければいけないんではないか。果たしてそういう査察のできる体制ができているのかどうか。その点はどうなんですか。

生田豊朗科学技術庁原子力局長

○政府委員(生田豊朗君) その点が非常に問題でございまして、ユーラトム並みの待遇を与えるという合意の前提といたしまして、事業者から機能的に独立して十分な技術的な実力を持っている査察の機構と申しますか、われわれはナショナルシステムと言っておりますが、それが存在するということが前提で、ユーラトム並みの待遇が与えられるということになっているわけでございます。しからば、そのそういうナショナルシステムが十分にあるかどうか、あるいはこれからどういうふうにつくっていくのかということでございますが、この点先週の衆議院の科技特におきまして近江先生からも同様の御質問がございましたので、お答え申し上げましたが、もう一度繰り返させていただきますと、先ほど申し上げましたようにわが国の査察員、これは政府の査察員が中心になって査察をするわけでございますが、これを全く新しくそういう機構をつくるというようには必ずしも考えておりません。私どもの構想といたしまして、この新しいそのナショナルシステムは三つの柱によって構成されるというように一応考えまして、現在具体化を進めているわけでございますが、その第一は科学技術庁原子力局、それから康子力安全局ができますと原子力安全局になりますが、その保障措置室、これは現在でも原子力局に保障措置室がございますが、そこにおります査察の担当官、これの定数を今後ともふやしていくことを予定しておりますので、それがまず中核になるわけでございます。それが第一です。  それから第二は、必ずしもそのNPTということではなしに、現在の原子炉規制法あるいは通産省の電気事業法におきます原子力関係施設の全体の検査の体制でございますけれども、これをやはりできるだけ活用してまいりたいということでございまして、すでに活動しております原子力関係施設に対する検査の機能を、NPT関係の保障措置にも適用してまいりたい、これが第二でございます。  それから第三は、民間の団体でございますが、これを主として情報処理あるいは研究開発の観点から、補助的にその機能を活用してまいりたい。  この三つの要素を有機的に組み合わせまして、ユーラトム並みの待遇を与えられるのにふさわしいナショナルシステムをつくり上げていくということでございまして、現在そういう考え方から出発いたしまして、具体的に作業している段階でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 非常にユーラトムでは、これは知行ったわけじゃございませんが、いろいろな新聞雑誌等では、九ヵ国から査察官を出し、相互査察をする制度がある。そういう制度があるがゆえにIAEAがチェックする方式を認めた。日本の場合はユーラトムと違って日本国だけでございますので、そういう査察体制がそこまでいっていないわけですね。しかも、これは私は議定書ですね、先般の二月の予備交渉の議定書で、日本の自己査察がユーラトムの域外査察と同等の技術的有効性を持つときにユーラトム並みのそういう間接的なチェックにすると、このように私理解しておるわけですけれども、そういたしますとユーラトム並み、ユーラトム並みと言うけれども、日本の査察体制がそこまでいかなければ、これはそこまでいかないわけであって、まあある学者は、ユーラトムの場合は、西ドイツが核武装するんじゃないか、こういうことをヨーロッパの国々が非常に心配をして、そういう点から過去二十年の間に積み上げられた域内査察であって、そこまでのレベルに日本が追いつくということには十年は必要だ、そういうことを言っておるわけです。これは私は専門家じゃございませんので、話を聞くとなるほどそうかもしれぬ、こういう気がするのですけれども、果たしてわが国科学技術庁、いま民間の力も借りてやるとおっしゃっていますけれども、ユーラトム並みの査察体制にできる自信があるのか。それは精神的なことじゃ困るわけで、やっぱりそれにするためには人員なり予算なり、そういう裏づけがすでにできてなくちゃいけないと思うのですけれども、そのあたりはどうなんですか。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) この条約に調印しましたときに、五年くらい前でございますが、一つの大きい理由は、二国間協定に基づく査察は国連の機関でやるのでございますけれども、まことに過酷である。これでは日本の原子力開発というものはできないという大変な要望がこれらに携わっている方たちからございまして、そこで調印していればどういう利点があるかと申しますと、国連の保障措置、すなわち主として査察の問題でございますけれども、これの審議等にわが方の意思が入り得るという特典がございましたので、それではというので、署名調印した以後、原子力局あるいは原子力発電会社等々から優秀な技術者をすぐりまして、私考えますのに国際機関も非常によく受けてくれました。あるいは部長に任命し、あるいは枢要な地位にそれぞれ任命してくれまして、その審議、みずから案をつくった人たちがいま日本に帰ってきておりますので、私は決して査察がヨーロッパの諸国に劣るとは思いません。ただ、量的にあるいは予算等の措置で十分かどうかということになりますと、必ずしもそうは言えぬと思いますので、今度の安全局が設置されまして設立いたしました暁には、いま塩出委員のお話がございましたような内容を充実する意味で、従来のその人たちに加えてさらに充実したいということで、これは大蔵省とも暗黙に話がついておりまして、そういうふうにできると信じております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 じゃ、批准をすれば、そうするといま予算案もすでに出ているわけです、もう四月に通るわけですけれども、その予算とは別に予備費なりから査察の体制を強化するための金が出るように暗黙の了解がついている、こういうように理解していいわけですか。  それではことしの予算では大体査察技術の研究、そういうような予算が幾らついているのか。それと、そういう査察をできる専門員がいま何人いるのか。そして、今度大蔵省と話がついているというなら大体どのぐらいついているのか、それをはっきり答えていただきたいと思います。

生田豊朗科学技術庁原子力局長

○政府委員(生田豊朗君) 人員の点でございますが、現在保障措置室におります査察の担当官が八名でございますが、NPTが批准されまして、保障措置協定が発効いたしました場合には、さらに六名を増員する。合計十四名という予定でおります。  それから、その査察関係の技術開発でございますけれども、これはもう数年前から核物質管理センターという法人をつくりまして、そこで研究を進めております。ただいま手元にちょっと数字がございませんので、後ほど数字をつくりましてお届けさしていただきたいと思います。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 そうしますと、私が一番心配するのは、いわゆる日本の自己査察がユーラトムの域内査察と同等の技術的有効性を持ったときにいわゆるユーラトム並みの保障措置になる、こうなるわけで、だからそういう条件を忘れ、ただユーラトム並みだ、こう思っておったところが、批准した後になってどうも日本の査察体制はまだ不十分だ、まだヨーロッパのユーラトム並みにいっていないじゃないか。そういうことになりますと、いま私たちが新聞報道や政府の答弁で思っているのとは逆になっちゃうわけで、そういうことは絶対ないということをここで断言できるのか。もし、そうなったときには、もう政治生命をかける——こういうことでかけるということはどうか知りませんけれども、非常に大事な問題ですからね、科学技術庁長官の政治生命をかけても心配ないというのか。私たちはこまかいことはわからぬわけで、その点が安心であればいいわけですけれども、その点はどうなんです。自信はございますか。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) 私は大丈夫やっていけるというふうに感じます。むしろユーラトムの方で心配しているのは、日本にフェーバーを与え過ぎたんじゃないかと。と申しますのは、ヨーロッパの方ではいまお話がございましたように相互査察をしているわけでございまして、ドイツの設備はドイツ人じゃなくてほかの国が査察するわけですから、日本はそれに比して日本のことは日本の人たちが査察をするという体制になっていますので大変有利じゃないかという、何と申しますか、いわば批判的な目はあるようでございますけれども、それにいたしましても、それにこたえるためには自分で査察をしても決して内容的に劣らぬ、こういうやっぱり自信を持たなければいけませんので、一生懸命充実に努力していきたいと思います。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それから日本がこの核防条約を批准した場合、核燃料物質の米国等からの供給に、より有利になる、批准をしない場合は非常に心配だ、こういうように言われておるわけであります。また一方では何も批准しなくてもそんなことは心配ないんだと、そういう意見もあるわけですけれども、こういう点はそういうかなり具体的な場合がもう起きておるのかどうかですね。これはちょっと時間がないので簡単な答弁でひとつ。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) 日米原子力協定に例をとりますと、私どもがつくりましたときの協定では、アメリカ側は日本に必要な燃料は供給の義務を負うというふうにはっきり義務規定になっておりましたが、おととし改定いたしましたのはそうじゃなくて、義務規定は除いて、そのかわり六千万キロワットに必要な燃料に関してはその必要に応じて契約で、言いかえれば日本の九電力会社とAECとの間の契約で供給いたしましょうということになっておりまして、その契約の進捗状況等を見ておりますと、必ずしも円満にいかない面も、スムーズにいっていない、円滑にいっていない面も出てくるやに承知しておりまするので、この際、この国際協定に加盟することが大変二重の意味で燃料の確保には有利になるだろうというふうに実は考えておるのでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それで、アメリカがイランに原子力発電所ですか、これを輸出をした。イランというのは核防条約に入っておるわけですけれども、ところがアメリカは、核防条約に入っておるけれどもまたインドのようにイランが原子爆弾をつくったんじゃ困る。そういうことで処理燃料、いわゆる使用済みの燃料の処理についてはアメリカがイランと一緒に共同でやろうじゃないか、こういうことを言ってきておる。ところが、イランは核防条約に入っておるのに何もそういうアメリカが口出すことないじゃないかと、こういうことを言っておるということをちょっと最近拝見したわけですけれども、そういうことは、まあ核防条約というのはあんまり効果は——インドが昨年五月に核実験をやって、これは平和利用だと言っておるらしいんでございますが、こういうものを防ぐ上には、まあないよりはあった方がましだと、こういうようなことも言っておるわけでございますけれども、われわれはそういう点で非常に今後、まあイランの例を見ますとアメリカなんかがいろいろ日本に対して、核防、いわゆる国連の査察以上のものをいろいろ言うてくるとか、そういうような心配はないのかどうか。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) イランの問題は、井上委員が先般イランに行ってまいりましたので一番詳しいわけでございますけれども、私かわって申し上げますが、イランは、御承知のように、大変油の出る国でございますが、石油は一切燃料に使っちゃいけない、石油化学工業に原料として使うべきであると、発電は挙げて原子力発電によるべしということで国是を決めまして、オイルダラーを持っている国でございますから、米国、フランスに申し込んで、たしか千万キロワット近い発電に踏み切っているように承知しております。ただそれを進める際に、核防条約だけでいいのか、あるいはその国々が二国間条約で縛っていくか、またその二国間条約の要求はどういうかっこうになっていっているのか。そういう点はただいま進捗中の問題のようでございまして、むしろ外務省側からその内容をお聞き取りいただければ大変幸甚だと思います。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 もういいです。  それではこの問題については最後に、まあ科学技術庁長官は三木内閣の閣僚でもあるわけでございますが、この核防条約が今度の国会で批准されるのかどうかというその見通しはどうか、そしてまた科学技術庁長官としては今国会においてこれを通すように最大の努力をするのかどうかですれ、これをちょっとお聞きしておきたいと思うんですが……。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) 先般原子力委員会におきまして査察問題等が日本で希望するがごとく国連機関で予備交渉の結果成功いたした今日、あるいは原子力燃料がこの協定に加盟することによりましてさらに安定性を増すということでありますれば、平和利用というサイドからいたしますと、ぜひともひとつこの条約の批准を急いでもらいたいという意味の希望の見解を実は決定いたしまして、内閣あるいは首脳部にそれぞれ申し入れをいたしました。しかしこの核防の問題には、平和利用の問題以外に核軍縮の問題とかあるいは核国家保障の問題とか、いろいろもっと大所高所の問題もございまして、その方面の検討をいま党の方あるいは外務省等でせっかく検討中の由でございます。希望といたしましては、私どもといたしましてはできるだけ早く批准に踏み切っていただきたいという希望でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それでは次に、まあきょうは電労連の連合会長の稲垣さんもお見えになっているわけでございますが、先ほどお話も出ました全国電力労働組合連合会の提言、この二月十二日に第五次提言が出されたわけでございますが、私もこれずっと読ましていただきまして、非常にまじめな、非常に建設的な提言であると、非常高く評価をしておるわけでございますが、しかしどういうりっぱな提言であっても、これを実際に移さなければ何にもならぬわけであります。それをやるのはこれは政府の役目でありますが、長官としてはこの提言に対して率直にどういう考えを持っておるのか、これをお聞きしたいと思います。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) 先般、いまお見えになっております稲垣会長ほか数名首脳部の皆さんが見えまして、第五次のこの提案の御説明がございました。大臣室に参りまして、私も拝聴いたしました。自後五回くらい私もこれ丹念に勉強いたしました。おっしゃるように大変建設的なもので、しかもまじめで貴重な御意見だと実は思っております。その中で行政部面に関しましては、先ほどのように懇談会で今後いろいろ検討なさる、また稲垣さんが委員に入っておられますから十分意思も反映するんじゃなかろうかと思います。その他の意見に関しましては、実は予算委員会、衆議院、参議院でもこの提言をいわばテキストのようにして、ずいぶん丹念に検討を実は経ておりまして、私どももできますれば実現可能なものはどんどん実現いたしたいというふうに実は考えております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 もちろんこの中にはたくさん予算がなければできない問題もあると思うんですけれどもね、ただ余り金がなくてもできる問題もあると思うんですね。そういうのはもうすぐやったらどうかと思うんですけれどもね。私は何といってもやはりそこで働く従業員の皆さんの安全というものが一番これに近いわけですから、そういう意味で従業員の方々のいわゆる被曝線量、いま稲垣さんのお話では個人個人のがふえているんじゃなくて、まあトータルではふえているというようなお話で、その点は私もちょっと安心をしたわけですけれども、何かこう一人一人にふえているんじゃないかという、新聞の見出しでそういう印象を持っておったんですが、その点は非常に安心をしたわけですが、しかし先ほど言われたように下請が転々とする場合にはどうしても一元的な管理をしていかなきゃいかぬと、そういうことでここには先ほどもお話がありましたように、プライバシー確保を前提として一元的な健康被曝管理センターを設立して、そして下請業者がこう転々としても必ずそこに登録をして管理をすると、こういうことはもう当然やらなくちゃならないし、そんなにお金もかからないし、プライバシーの問題のことをきのう言っておりましたけれども、プライバシーを問題にするのは、組合の皆さんが問題にすることはあっても、その組合がぜひやるべきじゃないかとこう言っておるわけですからね、これはもう即刻やるべきじゃないかと思うんですが、これはどうなんです、すぐやる気持ちはございますか。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) 第五次提言の中にもその問題は指摘してございますが、原子力委員会の中に、原子力事業従業員災害補償専門部会というものを設けておりまして、これは昭和四十六年の末から実はこの検討をしております。現段階といたしましては中央登録管理制度を設立する必至があるという認識のもとに関係各省、たとえば労働省等と最終的にいま詰めている最中でございすして、できるだけひとつそういう実現方を促進いたしたいと考えております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 これはひとつ早くやっていただいて、四十六年からまあやって、いろいろ前進はしてきているんでしょうが、やっぱり急いでやってもらわないといけないんじゃないかと思います。それから「定期点検基準は火力発電並みの基準で原子力ならびに技術進歩に見合う改善がなされていないため、われわれの判断でも必要ないと思わわる点検項目がいくつかある。」、このように書いておるわけでありますが、これでちょっと稲垣さんにお聞きしたいんでございますが、これはもちろんそういう点検においては、社内において改善下さる問題と、やはり国の通産省なり、またいろいろ電気事業法とか、そういうものによってきめられている措置を変えていかなければならない問題とあると思うんですね。そういう点で、国のこういう点が非常にこうなっているからこれを改めるべきだと、そういうような点がもしあれば御説明願いたい。そういう点はどうでしょうか。

稲垣武臣全国電力労働組合連合会会長

○参考人(稲垣武臣君) 現在の定期点検というのは、主として電気事業法による定期点検が行われているわけでありまして、私どもの方で具体的に今後作業にかかろうと、こういうふうに考えているわけです。  ただ、火力発電所並みの点検をやりますというと、私どもで考えて当然やらなくてもいい場所まで点検をする。そういうことになりますと、主として個人の被曝線量というのは定期点検が非常に大きなウエートを持っておりますので、やはり個人の被曝線量というものをなるべく軽減するためには、炉の安全性と点検の問題ということについて火力発電所並みの基準というのは少し無理があるんではないかということで、この問題につきましては、次に私どもの方で十分な検討をしてもう少し具体的なものを出したいと思っているわけであります。  ただ、まあたとえば一、二点挙げますと、ストールフローの状況によって点検すべきかどうか判断すればいいものを、正常であるのに点検しなければならぬとか、あるいは吹き出し弁の定期点検とか、こういうようなものはむしろ二、三年に一回の点検でいいんではないかというふうに考えるわけです。したがって、いま私どもが持っておりますのは、非常に資料としては少ないんでありますが、今後こういう問題についてもっと詳しく検討してやはり改善を取りまとめていきたいというふうに考えております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 まあひとつ、これは通産省になりますか、におきましても早急に検討をして——こういうのはお金は一銭もかからないわけですから、やっぱり検討する人間だけおればいいわけですからね。そういう点で、確かに不必要なものは早急に改めていくことは非常にすぐ実行できる提案であると思いますので、これはひとつ科学技術庁長官からも関係のところへ手を打っていただいて速やかに政府の側においても検討すると、このようにひとつやっていただきたいと思います。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) 私も、定期点検の期間が非常に長うございまして、普通の発電でありますと一ヵ月なのに、この原子力発電に限っては七十日というふうな、その間休むわけでございますから、もっと改善の余地がないものか、あるいは海外では一体どういうふうに、同じ炉を使っているわけですから、同じ軽水炉を使っているわけでございますから、海外ではどういうふうにやっているんだろうといったような点をもう少し詰めて研究する必要はありゃせぬか。それで必要であればどんどん実行に移す必要ないかと、かように思っております。ちょうどこの提案が出てまいりましたので、実はいま原子力委員会あるいは通産省ともどもこの問題の検討をひとつ至急進めろということで進めている最中でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 そのほか、先ほどもありました原子力規制委員会を設置して、そうしてここで先ほどの核防条約上の実地査察をここでやるようにすべきであるとか、その他いろいろな提言があるわけでございまして、この点につきましては、きょうは時間もございませんので、政府のほうでも慎重にひとつ推進をしてもらいたい、このことを要望しておきます。  それから次に、先ほどからもありました原子力エネルギーの昭和六十年六千万キロワットという、こういう目標ですね、これは科学技術庁長官もとても無理だと。これはもうどう考えても無理だと思うんですね。  それでちょっと補足いたしますが、総合エネルギー調査会の総合部会が去年の七月二十五日中間報告を取りまとめておるわけですね。ぼくは、恐らくこれはいろいろエネルギーの危機ができてからあわてて新しい事態に備えてつくったものじゃないかと思うわけですけれども、これをつくる前提は一体どうなっておったのか。これは政府と関係なしに勝手につくったものではなしに、ある程度政府としてもこういうやはり前提のもとでエネルギーの見通しを立ててくれと、こういうようなこともあったんじゃないかと思うのですけれどもね。どういう前提のもとにできたのですかね、これは。簡単にお願いしますね。

平林勉資源エネルギー庁長官官房総務課長

○説明員(平林勉君) 御指摘のように、昨年七月に総合エネルギー調査会が昭和五十五年度と昭和六十年度におきますわが国のエネルギーの供給可能量の試算をいたしております。この調査会は通商産業大臣の諮問機関でございまして、エネルギー危機がきたのであわててつくり出したということではございませんで、前々から開かれておりまして検討しております。ただ、このエネルギー危機等にかんがみまして、いろいろと世界の情勢が変わっておりますので、その変わった状況も考慮しながら策定したものでございます。石油、原子力、石炭、LNG等々いろいろのエネルギーごとに具体的なその供給可能性を計算いたしましてつくったものでございますが、ただこれはあくまでも供給可能量の試算でございまして、現実にそのような数量が可能かどうか、立地面、環境面、国際収支面等々の制約もございますし、現在なお検討中でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 確かにその可能量から六千万キロワット——そういう場所が、百万キロワットの場所が六百あれば六千万キロワットはできるわけですね、実際。しかしそういうのは余り私は意味がないのじゃないかと思うのですね。恐らくこのエネルギー危機を契機として、いままでは経済成長が何%だから、だからエネルギーは弾性値一・一を掛けてそれがこれだけ要るのだ。こういうようなことで、だからこれだけ油も必要だと、こういうように言っておったわけですけれども、そうじゃなしに、やはり油というものが、あるいは原子力エネルギー、総エネルギーというものは大体この程度はできるのじゃないか。したがって、やっぱり経済の成長というものをむしろ逆に、そのエネルギーに見合うようにやっぱりしていかなくちゃならぬ、こういうような方向にかなりぼくは転換しつつあるのじゃないかと思うのですけれどもね。  そういう意味で、こういう昭和六十年にこれは最低限が五千万、上限が七千万という、こういうような答申を出すようなエネルギー調査会というものは一体どういう価値があるのかですね。全く現実離れをした単なる空理空論をやったって、これは何にもならぬわけでありまして、私は余りこれは意味がないのじゃないか。そういう意味でもうちょっと、科学技術庁長官もこれは無理だということを認めておるわけですから、もっと現実に即した、新しいそういう時代に即したやっぱり計画をもっとつくり直すべきで、こういう行き方は余りよくないと、私はそう申し上げたいのですが、その点はどうですか。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) 私も経済企画庁時代からこういう問題ばかり扱っておったのですが、いわばゾルレン、こうありたいという問題と、現実から推していくとそうはならないぞという見通しの問題と両方ございまして、一体どちらが計画の本質からしていいのかという点は大変むずかしい問題でございます。単に努力目標にいたしましても、ゾルレンにいたしましても余り空虚なもので達成不可能なものであればこれはどうにもならぬわけでございますから、そこら辺をあんばいしつつ現実的な点を配慮して、こういうくらいのものが望ましいのだという点が近く、先ほど申しましたようにだんだん固まりつつあるようでございますから、それができますればそれを目標にして今後とも進んでまいりたいというふうに考えております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 いま百万キロワットが六百と申しましたけれども、六十ですね。どうも失礼しました。六十にしても、非常になかなか大変なことで、むしろこういう昭和六十年にこれだけやるんだというようなことをやっぱりいまいろいろ問題がまだ解決してないときに余りこういうことを出すということは私はむしろ原子力の着実な発展のためには余り好ましくないんじゃないかと、もちろん政府としてはそういう見通しは、これぐらいまでいきたいということはあったにしても、余り好ましくないと、こういうことを申し上げておきます。  最後に一つだけちょっとお聞きしておきたいんですが、これは科学技術庁よりも通産省になるかと思いますが、非常に今後発電所の建設、火力発電所にいたしましても原子力発電所にいたしましても非常な公害問題に関する立地問題、これはもちろん大事でございますが、それとともにいま大きな問題は、やはり資金難の問題じゃないかと思うんですね、資金の問題。昨年電力料金はかなり大幅に値上げはされたわけですけれども、かなり資金難の問題はあるように思います。それで私はこういう発電等には、特に原子力発電等にはかたりやはり未知の要素もあるわけですから、やはり国家的な資金を導入をしていかなくちゃいかぬ。なぜかと申しますと、一つは電力料金の値上げという問題になってきます。それともう一つは、どうしても稼働率ということを考えますと、やはり点検不十分で稼働していく、そういうような心配もあると思うのですが、そういう意味でいわゆる社債の限度額を現在たしか電気事業法で二倍になっておると思うのですが、これをもっと広げろという意見がある。やはりこれを増資とかそういうことをやりますとものすごく資金コストが高くかかるわけでありまして、そういう社債の限度額を拡大をしてもらいたい。こういうような要望、それからまた新型転換炉とか高速増殖炉の開発資金を電力会社が出しておる、こういうこともやはり本来からいえばちょっと私はおかしな気もすると思うのですけれどもね。もちろん電力会社の政治献金はそれ以上によくないわけですけれども、それはそれとしてやはりそういう点でこういう電力業界の問題についてはどう考えておるのか、これは通産省ですかね。

篠島義明資源エネルギー庁公益事業部業務課長

○説明員(篠島義明君) ただいまの御質問の件でございますが、電力会社の今後の資金調達問題、これは御承知のように、非常に巨額な金、それからそれに要するコストの負担、これは今後どういうふうに処理していくか重大な問題になっておりまして、われわれといたしましては現在電気事業審議会に資金問題懇談会というのをつくりまして、それぞれ学識経験者の皆様方から今後電力会社の資金問題についてどういうふうに扱っていったらいいか、財政資金の導入なりあるいは資金コストの問題なり、あるいは社債の発行限度額の問題なり幅広く検討していただいておるわけでございます。ことしじゅうに結論が出ると思いますが、その御意見を十分尊重いたしまして対処していきたい、こういうふうに考えております。

中尾辰義公明党

○委員長(中尾辰義君) 一時三十分まで休憩をいたします。    午後零時四十六分休憩      —————・—————    午後一時四十分開会

中尾辰義公明党

○委員長(中尾辰義君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き質疑を行います。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 昨年の夏、日本の原子力船「むつ」が船でなくて漂流物ということになって海を漂ったというときから半年たつわけであります。あの問題はその他の多くの開発公害などとともに日本の成長政策、開発政策、こういうふうなものの持っておる欠陥を照らし出したと思いますし、そしてとりわけ原子力開発、原子力行政についての幾つかの問題点を国民の前に明らかにするものであったというふうに押えております。いま新しい年度が、原子力行政出発するに当たってはこの問題を徹底的に解明をして、そうして先へ進むということなしに前進することは許されないと思うわけであります。  そこで、長官にお伺いをするのでありますけれども、いまあの「むつ」という船についてどのようにしようと考えておられるのか、まずお伺いしたいと思います。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) 「むつ」自体は、御承知のように実験船として建造したものでございますから、第二母港も定まり、またその移転等も決まりまして修理等が済みますれば、実験船といたしましてその後実験を進め、実験の済んだ後には鉱石運搬船あるいは研修生等の訓練に当てるとかいろいろ用途は考えられていますけれども、そういう点はそういう点でその後考えることといたしまして、ただいまの段階では、修理が済みますれば実験船として実験に移りたい、こういうように考えております。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 修理をするためには、その事故の原因が明らかになり、その事故を引き起こした責任が明らかになり、その上で恐らくは新たに設計が加えられて、炉についてですね、新しい設計のもとに修理を行う、さらに遮蔽実験も行わなければならぬと思うわけでありますけれども、そういうふうな問題に関しては、大山さんの調査委員会が発足をしておる、これの結論と無関係にこういうことが進むものでなかろうと思うのでありますけれども、新年度の事業団のそれについての予算の手当て、予算を出すに当たって予想した内容等について触れていただきたいと思います。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) 先ほどもお話し申し上げましたが、「むつ」の放射線漏れに関する技術的な原因調査は昨年の十月末でございますか、から発足いたしまして非常にエネルギッシュにこの問題を進めておりまして、近くその結論が出ると思いますが、その結論が出ますればおのずから原因が那辺にありゃ明確になると思いますので、その究明に従いまして自後の措置を考えたいと思います。  私、この問題が起きましたときに考えますのは、ここに源田先生がいますけれども、航空事故に対する究明というものは大変シビアなものでございまして、この問題に対してもやはりあらゆる面から原因を究明いたして、そして結論を出してまいりたいということで、御承知のように、現在の日本といたしましては一番達識の人を集めてただいま検討中というふうに考えております。

福永博科学技術庁原子力局次長

○政府委員(福永博君) 事務的、技術的な面から少し補足さしていただきますが、「むつ」の放射線漏れの原因調査ということにつきましては、先生御案内のように二つの委員会を設けているわけでございます。一つは「むつ」放射線しゃへい技術検討委員会ということで、私どもと運輸省と合同いたしまして両省庁共同して作業を進めております。その中のしゃへい小委員会というところできわめて技術的な問題をやっていただいておるわけでございますが、これは座長は東大の安藤先生に務めていただいておるわけでございます。もう一つは、総理府で大山先生に座長をやっていただいております原因の調査委員会でございます。  その前者の方のしゃへい小委員会の調査というのはほとんど終わっておりまして、去る十一月に中間報告をいたしました。その内容は御案内のことと存じますので省略さしていただきますが、全般的に申しまして、この中間報告から、細かい数字等は変更ございますけれども、大まかな点においては変わっておりません。したがいまして、事業団が五十年度予算でこの遮蔽の問題を中心といたしましてどういうふうな改修計画を進めていくかということにつきましては、この放射線しゃへい技術検討委員会の技術的な進捗状況を踏まえまして計画を策定しているわけでございます。  それから他方総理府にございます大山先生の方の委員会も、午前中のこの席でお答えいたしましたように、すでに八回ぐらいの検討をお願いしておりまして、近く最終的な取りまとめが行われる。すでに取りまとめの報告の起草委員会ができておりまして起草中でございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 すでに中間報告の中で技術的にかなりの問題は表に出ておると。ことしの段階では、先ほども長官が、修理をしてもう一遍走るようにして使うんだというたてまえだと言われておるんですけれども、ここのところで修理をするということになれば、一定の予算、六千万円か、この事業団予算で組まれていますね。これは一体どういう輪郭をほぼ予想しておるのか。特に原因究明とも深くかかわってくるのですけれども、初め言われておったようにリングの改修だけやればよいのかということですね。上下漏れということが非常に明白に出ておる。リングは上の方から出てくる問題ですけれども、上下漏れが出てくるというような状況の中で、一体それはどういう範囲でのものになるのか。あるいはもう一遍実験をやらなければならぬと思うんですけれども、そういう問題はどういう手順で考えられているのか。そういったふうなものはいまの段階でどうなっておりますか。

福永博科学技術庁原子力局次長

○政府委員(福永博君) 先生御指摘のように、この中間報告で、放射線漏れの主な原因としては、圧力容器と一次遮蔽体など、間にすき間がございます。そのすき間を通って上がってくる主として高速中性子による漏洩というのが指摘されているわけでございます。下方向にもございます。したがいまして、当面の計画としましては、そのいまお話ございました六千万という数字はまず第一にこの遮蔽をどういうふうにしたら改修できるかという遮蔽のための計算、計画及び実験を計画しているわけでございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 そうして、これを実行するのは三菱がやるということになるわけですか。

福永博科学技術庁原子力局次長

○政府委員(福永博君) いま事業団でただいま申し上げましたような計画を立案中でございます。したがいまして、その計画の進展を見まして、どういうふうに具体的に進めるかということは、これから事業団において決めていくことでございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 新聞などでも事故責任というのはこの調査委員会の方の方向としても、オーナーとしての事業団の責任とあわせて施工設計者の三菱の責任というものが第一義的に問題になるだろうというふうにも観測をしておるわけだし、そこの点がこの新しく修理をするというのなら、その前に国民の前で明確にされなければならぬと思うんです。すでに前回の中間報告を受けた本委員会においてもこれらの問題に私かなり質問を行ったところで、宮坂先生の方からの答弁の中でもこういうものがあったわけですね。設計関係者と、それから当時の実験をやったスイミングプールの実験をやった実験者、それからこの専門についての研究者、この間のコミユニケーションが十分あれば事態はまた違う方向をたどったのではないか、というような答弁も行われておりました。また同時に、あの事故後の調査の中で出てきておった問題としてMAPI——三菱の資料は一緒にこの調査団の中にも入っておったけれども、後の原因究明のための解析には全く使用しなかったというような問題、三菱はこういう事故後の分析についての計算コードも何も持っていないというようなことも明らかにされておりました。今後さらに進めていく上では、こういう問題をはっきりする必要がある。何としてもこの安全審査の姿が、安全審査委員会では基本設計だけの審査を行って、詳細設計はこれは審査をしないというようなたてまえですね。そうして、それをやったのはこれは三菱であって、その三菱ではウエスチングハウス社から最終的に問題があるのを指摘されながら、そのまま進んでしまったというような状況もあった。そうして、その詳細な設計図というものは専門家の間にもその進行過程において明らかになっていなかった。こういう状況がそのまま今後も続けられるということであれば、この事件に学んだということにならないのではなかろうか。そういう点で、この施工者であった三菱の責任、これについての考えをここで聞かしていただきたいと思うわけです。

福永博科学技術庁原子力局次長

○政府委員(福永博君) 先ほど申し上げました総理府に設けられております調査委員会で先生いま御指摘のような内容も含めまして調査が進められているところでございます。簡単に申しますと、この調査委員会の大きな検討項目としましては、設計に当たっての基本的な考え方、それを受けての詳細設計の内容と、それから遮蔽につきましては特に詳細な調査でございまして、実験の計画からその実験結果と設計との関連といったようなところまでも御調査いただいております。それからあと施工段階、工事段階、出力上昇試験というふうに移っていくわけでございますけれども、この辺の一連の流れを仕事の手順に従いまして御調査いただいておりますので、先ほど申し上げましたように、ただいま最終取りまとめの段階でございますので、その御報告を待って今後のことを考えてまいりたいと思っております。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 今後修理をすると、再度遮蔽実験をやると、こういう過程では詳細設計の内容もその過程において監督を行っておる科学技術庁で具体的に掌握をし、これが公開をされて進行していくというふうに進められることを約束していただくことはできますか。

福永博科学技術庁原子力局次長

○政府委員(福永博君) 設計工事の認可、それから具体的にどういうふうに工事が進められているかということは、ただいまのところの体系では私どもではございませんで、運輸省の船舶安全法の体系の中で進められているところでございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 運輸省の関係者、それに関係して答えてもらえますか。——それはどうなりますか。

福永博科学技術庁原子力局次長

○政府委員(福永博君) いま申し上げたような次第でございますので、先生のただいまの御趣旨を運輸省の担当者の方に伝えたいと存じます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 ひとつ長官にお伺いをするわけですけれども、いずれにしても調査委員会の結論も出るなら改めてこれらの問題本委員会でも審議をしなければならぬし、改めて具体的に問題が提起されなければならぬ。  その中で一つお伺いをするのですが、あの「むつ」の事件の中で鈴木さんは、苦い経験を糧として真剣に根本から再出発するというようなことをむつの漁民を前に約束されて、これはいわば政府の国民に対する公約となったというふうに考えておりますけれども、その姿勢で新しく長官になられて進めていかれるというふうにお伺いしていいですか。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) 去年の十月末でございましたか、四者会談でこの問題が決まりまして、もちろん政府の全権を持って行かれた鈴木さんが決めたことでございますから、そのままその協定は政府の行政事項として私どもが受け取りまして、その実施方にいま一生懸命努力している最中でございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 改めて四月の十四日が参りますと——「むつ」が漂流から再度あの「むつ」の港に帰った日がやってくる。新定係港をその日までに決めるというのがあの時点からの約束になっておる。これについて新聞等でいろいろすでに一部報道があらわれておりますけれども、これについて非常に大きな関心が寄せられておるわけであります。どうなんですか。ここでその新たな定係港の問題について明らかにしていただきたいと思うんですが、どうでしょうか。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) 午前中にも同様の趣旨の御質問がございまして、私から詳細お答えしたつもりでございますけれども、重ねての御質問でございますのでお答え申し上げたいと存じます。  「むつ」の事後処理の問題といたしまして大きい問題が三つございまして、一つは、いろんな予算的な面で道路とかあるいは漁港整備とかいろいろございますが、そういう問題等はもう全部予算措置ができまして、ただいま実施あるいは実施に移ろうとしつつございます。二番目の核燃料の凍結の問題でございますけれども、この措置も予定どおりに終わっております。残された問題は第二定係港をどうするかという問題でありまして、これは御承知のように根本は二年半を目途として、それまでには他の第二母港等に移転すべし、これは要するにむつ湾内を離れるという、こういう申し合わせになっておりまして、これは必ず実行いたしたいと存じております。その事前として四月の十四日、ちょうど半年後でございますが、半年後までに第二定係港を決めます、こういうふうになっておりますので、私が就任いたしまして以来、科学技術庁あるいは運輸省あるいは日本原子力船開発事業団等々からそれぞれチャンピオンを出していただきまして、こういう問題は片手間ではいけない、真剣に取っ組まなければいかぬというので、私どもの方の政務次官を首班にいたしましてこの問題に専心取りかかったわけでございます。予定地といたしましては、現地から要望のところもございますし、要望がなくとも、紙上調査等からこういうところが適当だろうということを選びまして、そしておおむね二十四、五の予定地を選択いたしまして、これを基礎に幾つかの十数項目の検討事項を設け、将来大きいものにする場合はこう、あるいは「むつ」だけ引き取るという場合にはこうというふうな、いろんなまたその間にアイデアがあるわけでございますから、そういうことも勘案しながら問題をしぼってまいりまして、ただいまだんだんしぼっておる最中でございます。  そこで、十四日までに決まるのかと、約束じゃないかと、こういうことでございまして、私どももこれは政府として約束したことでございますから決めましょうと、しかし残念なことには、ただいま地方統一選挙の真っ最中でございまして、けさほども申しましたように、選挙の最中にこの問題で現地と具体的な折衝に入るというのは、ややもすれば事が成立しない恐れもあるし、場所によっては選挙に対して重大な影響も及ぼしかねないというふうな考慮もいたしまして、具体的な現地との折衝は統一選挙後にするのがあらゆる点からして至当ではなかろうかというふうに判断いたしましたので、きのう私どもの政務次官が現地に参りまして、鈴木善幸先生もかつての調印者でございますから、オブザーバーとしてお立ち会い願いたいと、よろしいということで、青森県知事、あるいはむつ市長、あるいは漁連の会長、それに鈴木代議士もオブザーバーとして加わりまして、そして予定どおり十四日までは政府としては決めますと、ただし、現地との具体的な折衝は諸般の情勢を考慮して統一選挙後にいたしますが御了承くださいと、その際、折衝に入った場合には遅滞なく青森の皆さんには御説明申し上げますと、ただし、二年半後の期限までには撤去するという約束は、これは決して曲げませんということで、きのうお話しに参りまして、現地の皆さんも別に異論、反対なしに大体御理解いただいたというふうにけさほど政務次官から電話がございましたので、そうなっておると存じます。  なお詳細は、今晩政務次官が帰ってきますので、ひとつ聞いた上ではっきりわかると思いますけれども、現在の状況はそういうことでございますので、具体的な折衝は地方統一選挙が済んだあとに現地との交渉に入りたいというふうに実は考えております。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 そこまでは大体聞いているわけなんですけれども、こっちの聞きたいのはもう少しその先のところになってくるわけなんです。  すでに二十四あるいは二十五の予定地を照準をしてだんだんしぼって、さらにしばり中だと、こういうお話なんですが、これらのところは地元のだれに相談をして進められたのか。あるいは図上作戦だけで、全く地元には諮らずに選考を進めてこられたのかどうか。とりわけ、いま現地からも問い合わせが来たり、具体的にホットな問題として問題になっておる長崎県の幾つかの場所、鹿児島県の種子島などの問題、これらの問題については現地の大体だれと相談をして話を進めておられるのか、これをお伺いしておきたいと思うんです。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) 先ほど申したことに尽きていると思いますけれども、現地とは具体的な交渉に入っておりません。地方統一選挙が終わってから入る予定にしてございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 そうすると、まあ指名をされて協議に入るまでは、全く予定候補地というのは地元とはノータッチであったということですか。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) いわば行政上の、外交にたとえれば外交折衝の最中というような問題も中にはないとは言えませんけれども、しかし、その詳細をこれこれはこう、これはこうというふうに申し上げることは、私からはただいまの段階では申し上げるわけにまいりません。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 まあ一般的に言って、しかし、見当をつけて候補地に選ぼうということになれば、自治体の関係者ですね、その責任者、これらとこれ話をしないで候補として審議をするということはあり得ないのじゃないかと思うんですが、いかがですか。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) 審議の項目の中には、現地と交渉しなくとも、ここの政治風土はどうだとか、いろいろあるわけですから、そういう点を加味してしぼっていったつもりでございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 「むつ」の問題で苦い経験をしてこれに学ぶというのは、現地をつんぼさじきに置いておいて、そうして最終的に行政のトップを陥落させて、そうして上から物を運んでいくと、議会の中では力の政策で多数をとって、内容も十分に知らせずにおいて——まあ今度の場合には、「むつ」余りわからぬということは発電所と違って少ないかと思いますけれども、そういうやり方をしていくということが反省の中心になっておるのではないか。その点で、少なくともこうして新聞にもかなりうがった記事が出てくるというような段階で、現地とはこれは連絡をとっていないというような場合もあるんだという発言は、私としてはいただきにくいですがね。内容の詳細説明はできなくても、基本的に現地に連絡をしておかないようなところへ問題はいくはずはないというような点ではお答えいただけるのかどうかということですね。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) 繰り返して申し上げますけれども、ただいま先ほどの政務次官を中心にいたしまして、東京で作業を進めておるだけでございまして、現地との交渉しておりません。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 そうすると、当地の知事なり市長なり、まあ場合によっては町村長なりが全く話を聞いていないところでも、ふたをあけたら指定をされて交渉に入れということになる可能性があるということですか。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) そういうぶざまなことはいたしません。順を追うて地元の住民等の皆さんの御理解を得るようにできるだけ努力をしていくつもりでございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 答えはすれ違っていると思うんですが、つまりいま、いろいろぼくのところにも具体的にも心配とか問い合わせが来たりするんですけれども、少なくとも市長あるいは町村長というようなのがまだ一遍も話を聞いたこともないし、においをかいだこともない。しかしふたをあけてみたらお前のところへ持っていくについてどうだというような相談が来るというようなことはありませんかということを聞いているんです。いままで全く責任者に話のいっていないところへはやってこないというふうに理解していいですか。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) どういう御趣旨なのかわかりませんけれども、統一選挙が済んだ後で現地との具体的な折衝というものはどういう手順で行いますかという意味でございますれば、それ相当にお答えいたしますけれども、いま申し上げましたように、統一地方選挙の最中の場合には、大変これいろいろの問題が起きそうなものでございますから、統一選挙が済んだ後に、順を追うて現地との間に折衝を進めたいというふうに考えていると申し上げているのでございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 十四日に決定した後、地方選挙が終わるまで待つというのも問題だと思うんです。どうして選挙の間に発表すると困るわけなんですか。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) 私どもは新聞に発売した覚えはございませんけれども、新聞に先日日出ました個所から、某政党からは坦々と大不賛成ということで電報が入っているのは事実でございまして、これは事ほどさように地方の選挙等に重大な影響がございますから、それが済むまでは出さぬ方がよかろう、こういうふうに考えたのでございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 一般的にいって、そういうものが来るのを住民が歓迎をしない空気があるから、いやなことは選挙が済んでからやろうと、こういう趣旨なんですか。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) いやかどうか知りませんけれども、某政党の支部から反対の電報が来ていることは事実でございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 十四日、少なくとも決定したら、すみやかにこれは発表をするべきであると思うんです。それについて、すでに挙がっておるところについて、私は新聞等に出ておるところについても問題だと思うわけであります。まあこの決定が少なくとも新聞に掲載された場合には、長崎県知事——これもちょっと信じがたいことでありますけれども、全く初耳だというふうに話が出る。種子島の方でも地元では初耳だというふうに話が掲載をされる。こういう状況の中で、話が挙がってきておるところというのには私は一つの関連性があるように思うわけです。たまたま去年この科学技術の委員会でも種子島には宇山センターの見学にも参りましたけれども、あそこの宇宙センターというところのメンバーの中には非常に多くの三菱の関係者がおられるわけですね。宇宙センターの中の宇宙開発推進会議、この常任委員会、十八人で構成されておったかと思いますが、議長を含めて十九人ですか、その中ではまず三菱重工の社長の守屋さん初め八巻さんというのですかね、それから大久保さん、三人ぐらいこれらの方が入っておるところが新聞にも書かれたように候補地として挙がってきている。さらに対馬の話が出てくれば、対馬は、あれは海上自衛隊の基地のあるところで、この基地の施設あるいは造船、修理、これは三菱造船が大きな役割りを果たしておるところであります。さらに長崎県のある町からは、大きな造船所があって、幹部職員の間に新しい動きがあるというふうなことで頻々問い合わせがくるというような状況がございますけれども、ここにも大きな三菱関係の造船工場がある。何としても、住民が全く知らないところで計画が進んでおるときに、こういう企業の影が投影するというようなことがあってはならないと思うわけでありますけれども、どうでしょうね。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) 大変御丁寧に御調査いただきまして、参考にいたしたいと思いますが、私どもは、そういう項目はしぼる際には一つも入っておりません。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 ここで、それじゃ一つ具体的にお伺いをしておるわけですけれども、これも昨年たまたまこの科学の委員会で調査に行ったところですけれども、長崎に香焼という町があるわけですね。ここは百万トンドックといわれるような大きな三菱の造船所があります。ここのところに誘致が行われるのではないかという非常に大きな心配を現地の方でやっておるわけです。しかし、少なくとも町長はそういう話を聞いたこともないし、そういうことについて要求をしたこともない。全く無関係だというふうに答えておるようでありますけれども、こういう全く自治体の責任者が知らないというようなところについては、まあ間もなく発表になることですけれども、無関係であると、この点はここで確認をしていただけますか。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) 冒頭申し上げましたように、どこに決めるか、どこにまた折衝するかという点は、私からいまの段階で申し上げられません。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 そうすると、初めそれらもあってお伺いをしたんですけれども、自治体の責任者は全く話も聞いたこともないし、知らないというところにでも、ふたをあければやってくるという可能性はあるわけなんですか。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) それは御想像におまかせします。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 あなた返事をしないのに想像するわけにいかぬじゃないですか。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) 私は行政府でございまして、ただいまの段階ではそういうことは一切話さないということになっておりますから、その話せる段階までは何と言われてもこれは話せないわけでございまして、それ以外はあなた自体の思惟すると申しますか、それに待つ以外にはないと存じます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 私は、こういう問題が進められるときに、可能な限り明らかにして、どうしても一定期間表へ出せない問題は最小限にとどめて、可能な限り基本的な態度、姿勢、原則等を明らかにして問題を進められる必要があると思うわけですね。安全性の問題と、そして安全性の問題が住民に理解されるということと、住民の理解等はその当該地方自治体並びに関係団体、たとえばこの場合には漁民の問題、漁協の問題、漁業団体の問題なんか密接な関係になってまいりますけれども、自治体並びに関係団体、住民の事前了解というものが進まなければならぬ。その点では、直ちに発表はできなくとも、少なくとも事前に自治体の責任者に話のなかったような問題は決して出てくることはやらない。この辺までは明らかにしておかれることがなければ、それも含めて御想像にまかせますと言うのでは、これはぐあいが悪いのじゃなかろうかと思うわけなんですが、どうなんですか。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) 一つ言えることは、現地の理解、協力なしにこの問題は進めないということでございまして、それ以上いつの段階で、だれに、どういうふうにするんだという点は、これはいまのところ申し上げられませんと言っているのでございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 現地の協力なしに進められないという話まではお伺いしたんですが、現地の協力なしに進めないというふうに聞いていいですか。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) 協力とはどの範囲かといったような問題もいろいろあるでしょうから、ある党が反対すればだめだというふうに認定するか、そうでなしにもつと総意があればそれの方をとるか、いろいろあると思いますので、そこら辺はこれからの交渉でございますから、どうだと言われても、これはやってみなければわからぬと言うだけの話でございます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 自治体と住民の話をしておるのであって、ある党がなどと言われる、自民党が反対してもやられるのかどうか知りませんけれども、ある党がというふうなぼくは答弁の姿勢は質問の趣旨に正しく答えてないと思うのです。  ここで原則的な問題として姿勢の問題をお伺いをするのですけれども、何としても安全性の問題について、むつの場合にもあったのですけれども、住民の了解、事前の了解を得て問題を進めるという原則について、これは再度確認をしてもらいたいと思います。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) 先ほど申しましたように、新聞に出ましたので、大変御丁寧にも、まだそこが予定地かどうかわからぬですけれども、ある党から反対だという電報を私あてにちょうだいいたしましたので、先ほどのような発言をしたのでございまして、今後地方選挙が済みまして以後、地方の住民あるいは行政機関、党あるいは政治機構等にどういうふうに了解、理解を求めつつこの問題を成就するかという点に関しましてはこれからの問題でございまして、地方選挙済んだ後にしたいと存じております。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 まあ何度も繰り返してある党というようなことを言われているのですが、問題はやはりいまから行政を進めるに当たって、何としても特に立地開発の基礎の問題については地元の理解を得るということが中心となると思うのです。この点が、住民の了解というものが開発の隘路というふうにただ理解されたのでは、この問題について根本的に前進することはむずかしいと思うのです。  ここでひとつ、私、参考人の稲垣さんにお伺いをしたいと思うのです。  この「第五次提言」というのを私も全体読ませていただきました。特に労働者が組織をしておる労働組合の立場でこの問題についての提言を行っておられるわけです。その中で、特に六ページの2−3の「地方行政との調整」の問題なんですね。まあ書かれておることは理解をしておるつもりなんですけれども、地方行政とその地方行政が代表する住民関係団体との関係はどのように考えておられ、どういう方策を持っておられるのか。

稲垣武臣全国電力労働組合連合会会長

○参考人(稲垣武臣君) この中で申し上げておりますのは、公聴会というものを二つに分けなさいと、それで中央でやる公聴会というのはなるべく安全問題について突っ込んだ公聴会をやるべきではなかろうか。それから地方でやる公聴会というのは、むしろ地域のいわゆる環境の問題、それからもう一つは地域の開発の問題、こういう問題について十分話し合って了解を得るようにしたらどうだろうかというのがわれわれの考え方でありまして、そういう意味では地域との話し合いはむしろそれぞれの地方自治体、あるいはそれぞれ、まあ私どもなら同盟の地方の組織があるわけですが、そういうことも話し合いはしますけれども、最終的にこういう話をいわゆる公聴会でまとめ上げたらどうかというのが私どもの考え方であります。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 公聴会の問題は、住民との間のコミュニケーションの上ではアメリカの例にも見られ、私どもの方でも今後取り入れなければならぬ問題だと思っておるわけですね。しかし、直接地方行政との調整の問題と、それから公聴会の問題とはそれぞれの柱だと思うわけですね。地方との問題については、たとえば十月四日の「むつ」が漂流しておった時点のことだったかと思いますが、学術会議で意見を発表して、安全に係るすべての資料を公開することと、それからむつ市の今後の措置、たてまえとして市民の事前了解というものがたてまえになる必要があろうと、自治体ばかりでなく関係諸団体、住民の意見が、これが事前に聴取されるようにされなければならぬというようなことも述べておるわけですね。まあこの点については、私も労働組合運動をやってきたのですけれども、労働組合の出されたなにとしては私としては一層充実強化されることを期待したいと思うのですがね。  さらに、時間も少くなっておりますから、最後に長官にお伺いをするのですけれども、今後の進行の上で、専門家の意見の反映と、公開の点では大きな配慮がなされる必要があると思うわけです。私の知っておるところでは、さまざまな意見があるけれども、すでに先に原子力船を走らせておる国ですね、「オットー・ハーン」を走らせたドイツ、そして失敗をした日本、ここの中には具体的な手順の中でどこに違いがあったのか。アメリカはファーストランナーで日本はセカンドランナーだから、成果をいただいてそれを拡大して追っかけていくのだというような話がよくあるのですけれども、アメリカと日本では開発に当たってどこに違いがあったのか。その一つの問題として、やはり実物大のモックアップによるテストが行われているかいないかというような問題が私やはり重要な問題だと思うのですけれども、「オットー・ハーン」の場合にはどうですか、やったのじゃないですか。それから「サバンナ」の場合にはどうなのか。ここらのことをお答えいただきたいと思います。

福永博科学技術庁原子力局次長

○政府委員(福永博君) 私の承知しております範囲では、「オットー・ハーン」につきましても「サバンナ号」につきましても実物大実験をやったとは承知しておりません。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 日本の場合にはこれをやっていないわけですね。今後の姿勢にもかかわってくると思うわけですけれども、手続を省略をしたり、実証の不確かな問題について実験を省略したりすれば高い授業料を払うことになるというぼくは一つの経験ではないかと思うのです。今後の問題について、その点では学術会議等専門家の意見をよく聞くというような問題ですね。さらに、学者の中ですでに指摘されておった実物大実験の問題等の例もあります。こういう手順を省略しないというようなところについてもひとつ長官の決意を聞かせていただいて終わりたいと思います。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) この実験の過程は、私、実はよく討論してませんけれども、実物大の実験はいまのお話のようにどこでもやっていないようで、また光線漏れ、放射線漏れの点は「レーニン号」等にも軽いのがあったやにも聞きますし、それは修理していまりっぱに御承知のように運転しておるわけでございますが、やはり実験の途上におきましては、こういういわば故障と申しますか、いうものがあるいは出る可能性もありますので、ただ、これが海洋を汚染したとか、あるいは船員の人体生命に危険を及ぼしたとかということになりますと、これは大変でございますけれども、そういうことは万々ないわけでありまして、いまの放射線漏れをいい経験にいたしまして、先ほど申しましたように、せっかく内閣で原因調査を厳重にただいま進めておる最中でございますから、その結論を待ちまして禍を幸いに転ずるように今後努力してみたいと存じます。

小巻敏雄日本共産党

○小巻敏雄君 それでは、またあした予算委員会の分科会で質問するようになっておりますので、きょうはこれでおきます。

中村利次民社党

○中村利次君 私は、過般本委員会において五十年度の予算の説明、それから大臣としての所見の表明がございました。そのことについてもただしたいことがございますけれども、いかにもやはり限られた時間でございますので——まあしかし、この限られた時間といっても大変質問時間には御配慮を賜った委員長、理事会に敬意を表します。しかし、まあ非常に限られた時間ですから、いままでの懸案についてまずただしていきたいと思います。  去年の常会の予算委員会の論議あるいは勧告でもこの問題持ち越されて論議がございましたけれども、いわゆる敦賀原子力発電所における岩佐さんの問題、これでまあ国会の論議を受けて、政府として調査委員会をおつくりになった、こういうぐあいに私は確認をしておるんですが、その確認でよろしいかどうか。これはもう違うとかいいとか、まずそれだけ。国会の論議を受けて調査委員会をおつくりになったのかどうかです。

生田豊朗科学技術庁原子力局長

○政府委員(生田豊朗君) 先生のおっしゃったとおりでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 そうなりますと、どうも私は、この調査委員会の報告で腑に落ちないところがあるんですよ。これは阪大の皮膚科の田代医師の診断書を中心とした調査が、この委員会としては行われて、いろんな想定をやって一つ一つこの場合どうだろう、こういう場合はどうだろうというので、こうだああだという結論をお出しになった。ところが、これは私が当の質問者ですから絶対間違いございませんけれども、私は岩佐さんが昭和四十六年の六月四日に、これは大体敦賀原子力で作業をされて一週間ぐらいたった後ですよね。何かこうかぶれみたいなものができたというので、大阪の山口医院にこの診療を受けに行っておられる。このことは私は国会でこういう事実がある。これは去年の四月の十八日の朝日新聞にも、これは相当大きく幻の何かこの被曝というような表題で載ったんですよ。私はこれはどういう方法をとれば確認ができるのかといういろんな方法論はございましょうけれども、私も、山口医院で岩佐さんが診療をお受けになったということは確認をしておるし、そこのカルテの内容がどうであるかということも承知しておるんですよ。ところが国会議論を受けて調査委員会をおつくりになった、この調査委員会の報告には、一言半句全くこの山口医院の診療経過というものは無視されているのですよ。この点についてはどういうお考えでしょうか。

生田豊朗科学技術庁原子力局長

○政府委員(生田豊朗君) 先生御指摘のこの山口医院の診断書におきまして、ひざではなくてひじであるという、非常にこのミステリーじみた問題がございます。私ども重々承知はしているわけでございますけれども、何と申しますか、法律的な権限に基づきまして調査する委員会ではございませんで、政府の任意の調査という性格を持っておりますこの調査委員会でもございますので、その資料にいたします診断書等につきましては、この患者であります岩佐さんの御同意を得たものでなければ使えないという考え方に基づきまして、結局岩佐さんが同意されました田代医師のつくられた診断書、それを根拠にして調査したということでございまして、残念ながらこの山口医院の診断書につきましては、そういう事情でございまして、資料として使用しなかったわけでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 私は、その行政府のその発想自体が納得できないんですよ。国会論議を受けて行政府が、政府が調査委員会をつくるということは、岩佐さんがこうおっしゃっているから、したがって、岩佐さんの同意を得て、当人の同意を得てそいつをすべてとしていろんな調査をやろう。こうではないはずですよ。それは岩佐さんが被曝をされたと言い、田代医師がこの原発の作業によるものと考えられるという、何ですか診断書を書いたということ、これは紛れもない事実です。このことを調査されるのは一向私はいいとか悪いとか、それは御本人の御主張も十二分にお伺いになって結構ですよ。しかし少なくとも、政府が権威をそろえて調査委員会をつくるというからには、少なくとも国民向けにいいですか、そういう事件を一つの問題として国民向けにこのことは、この事件はこういうことでありましたという、そういうものでなければならないと思うんですよ。そういう発想からいきますと、御本人の同意がないからほかのことは、同意のないことは一切これは立ち入った調査も何もできませんなんて、そんなばかげたことはこれは出てこないはずです。もう一回所見を伺いたい。

生田豊朗科学技術庁原子力局長

○政府委員(生田豊朗君) 先生の御指摘の点は、私ども重々承知しております。よくわかるわけでございますけれども、問題は患者と医師との関係の問題でございまして、患者の症状につきましては、その患者本人の同意がなければ、主治医であっても公表できないというのが一般的な原則だと承知しておりますので、残念ながら、この山口医院の診断書につきましては、この対象とし得なかったということでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 としますと、その山口医院の診療録を確認できなかったから、これは対象にならなかったと、こういうことですね。

生田豊朗科学技術庁原子力局長

○政府委員(生田豊朗君) そういうことでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 これは私としては非常に残念ですが、事実上そうであったとすれば、これはやむを得ません。私が持っているんですよ。お持ちでなかったら、これは山口医院の健康保険診療録のコピーですからね、絶対責任を持ってこれは間違いございません。見てごらんなさい四日と五日ね、ちゃんと診療に行かれて、それから「右肘関節部接触皮膚炎」か、「虫刺傷」かっこしてクエスチョンマークがちゃんとできていますよ。絶対これは間違いのないカルテのコピーですよ。どうですか、私はこれであんまりどうもどうですかどうですかと言うとお困りでしょうから、それほど追及しょうとは思いませんけれども、もしこれが、もしじゃなくって、これは私は田代医師も山口医師もやっぱり科学者としての良心に基づいて診断書をお書きになりあるいはカルテに記入されていらっしゃると思いますよ。そうなりますとおかしなことになっちゃうんだなこれは。明らかに右ひじ、これはまあ見てください。ここから診療した保険の点数まで書き入れてあるんだから。これは昭和四十六年の六月だ、昭和四十八年の八月に阪大の皮膚科に行って診断を受けていらっしゃる。二年余りその間にあるんですよ。片方は右ひじであった。これはそれがインチキだと言えば別だけれどもあんた、インチキだって、これは重大な問題ですからね。二年余りたってそいつが右ひざだと。この因果関係についてこれに全然触れない、全くこれを無視するというのは、何とも私はどうもお粗末千万だと思うんだけれども、しかし、これはね、もうこれ以上は私は申し上げませんよ。一方の田代医師の診断書に基づいたこの調査についてお伺いをしたいと思う。これは報告が先般出たわけでありますから、まだ生々しい。これに対して政府としては、どういう措置をおとりになるのか、まずお伺いをします。

生田豊朗科学技術庁原子力局長

○政府委員(生田豊朗君) 先生御承知のように、専門家の方によって調査をしていただきました結果、敦賀発電所の内部における放射能被曝によって放射性皮膚炎になったということを立証する因果関係がないという報告書の結論でございます。私どもは、この専門家の御意見でございますので、それによりまして本件につきましては黒白が明らかになったと考えております。ただ損害賠償の点につきましては現在裁判で係争中でございますので、これはまた裁判所におきましていずれ結果が明らかになると、かように考えております。

中村利次民社党

○中村利次君 これはまた憎まれ口をたたくようですが裁判のことはお触れになる必要ないんです。これは私はそういう点明確に仕分けをしませんと、何か今度の三月の初めの予算委員会の総括質問の中でも政府答弁が裁判のことにも触れている。三権分立ですよ、司法は司法として本人から提起されるとこれは裁判にかけて判決を出すのは当然なんです。ここは立法府なんです。われわれは行政府にわれわれのただしたい点をただしているわけでありますから、国会の論議に裁判を入り込ませる必要は全くないんで、これはひとつ絶縁をしてお考えを願いたいと思うんです。私は裁判のことなんか触れるあれは全くありません。  この調査委員会の構成者について、これは私どももいろんな角度から一方的であってはいけませんから、いろんな御意向も尊重しなきゃいけないと思いますが、この構成メンバーについていろいろ異論がある、批判があるということも聞きますけれども、そういうことを御存じかどうか。

生田豊朗科学技術庁原子力局長

○政府委員(生田豊朗君) 構成メンバーにつきましては、関係の各界の最高権威の先生を煩わしましてこの調査委員会に加わっていただいたわけでございまして、私どもはきわめて公正な人選であるというように考えております。それに対しまして、たとえば患者の御本人が言っておられますようなことをそのまま代弁すると申しますか、というような人が入っていない、これは不公正ではなかろうかというような御意見があるやに一、二回耳にしたことはございます。しかし、これは原子力発電所の運転とこの皮膚炎との因果関係を調査するための委員会でございまして、ある特定の立場の発言がなければ不公正な人選であるというようには私ども考えておりません。

中村利次民社党

○中村利次君 そういう点は私も同感です。これは利益代表の必要はないんであって、あくまでも科学的に厳正に放射線皮膚炎の因果関係があるのかどうか、こういう点についての調査を目的としたものでございましょうから、それはいいと思うんですが、しからばやっぱりこの調査委員会はきわめて権威のある公正なものであるということを政府としては確信を持っていらっしゃるということですね。

生田豊朗科学技術庁原子力局長

○政府委員(生田豊朗君) 先生のおっしゃったとおりでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 そうなりますと、先ほどもちょっと伺いましたがいろんな場合を想定をして、たとえば作業衣だとか下着にベータ線がついていたんではないかとか、あるいはベータ線を放出する核種によって機器や床等が汚染されてそれで被曝をしたんじゃないかとか、あるいはベータ線を放出する核種を含む水を浴びたんではないかとか、あるいはまた放射性同位元素によって被曝をしたんじゃないかとか、いろんな想定、これは想定ですけれども、その結果いずれの場合も権威者によってその可能性があるという事実を見出すことはすべてできなかったと、こういう結論ですけれども、ということになりますと、敦賀発電所の作業による因果関係はなかったとしてこの調査委員会は終結をした、政府がつくった調査委員会ですから政府もまた因果関係はなかったという結論を出したと、こういうぐあいに受け取ってよろしいですか。

生田豊朗科学技術庁原子力局長

○政府委員(生田豊朗君) そのとおりでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 そうしますと、そういう結論をお出しになって、しからば政府が何をやられ、何をされ、何をしようとなさるのか。やっぱりこれは私は当然当事者の岩佐さん本人に対する責任ということもございましょうし、もう一つは、国民向けにやっぱり原子力に対する大変な不安感というのがあるわけでありますから、したがって、そういうものを正しく説く、そういうこともやっぱり政府の役割りだと思うのですが、何をやり何をなさろうとしているのかまでお伺いをしたいと思います。

生田豊朗科学技術庁原子力局長

○政府委員(生田豊朗君) ただいま先生の御指摘と同じようなことを考えておりまして、ちょうど一年前ぐらいになるかと思いますが、国会におきましていろいろ御質問がございましたときに、政府としては原子力発電所の運転によってそのような皮膚炎が起きることは考えられない、考えられないことであるということを繰り返し御答弁申し上げたわけでございますが、結局この権威のある専門家の調査によりましても当時の政府答弁が裏づけられたというふうに考えております。したがいまして、この報告書につきましても、完成いたしまして提出されました後に発表したわけでございます。ただいま先生御指摘のとおりでございまして、国民の皆様の誤解を解くと申しますか、あるいは正しく理解していただくために、いろいろ機会をとらえましてこの報告書の結果を国民の各界の方になるべく広報、周知徹底するように取り計らってまいりたいと、かように考えております。

中村利次民社党

○中村利次君 これはいつも私どもが議論をしますのは、国民の皆さんにいかに正しい認識を持っていただくかという点について、政府も当然国民に対する責任からいってこれはやっぱり努力をしなければいけないし、あるいは国会にしたってそうでなければいけないでしょうし、あるいはそれの属する業界だってやっぱりこれは努力をしなければいかぬ。そういうものが足りなかったというのが私どももいままで指摘してきたところですから、これはひとつぜひ積極的に正しい認識を国民の皆さんに持っていただけるような具体的な努力を、努力じゃなくて行動を私は起こしていただきたいと思います。なお、この問題については、きわめてはっきりした政府の答弁をいただきましたから、私はこの問題については今後新たな事態が起きない限りはもうこの問題に触れるつもりはありません。  労働省はお見えになっていますか。——これはどうも、やっぱり労働省の姿勢も納得できない、先ほど申し上げたように。三月六日の予算委員会で、質問に対してお答えになっておるこの岩佐さんの労災問題について。どういうことですか、これは大体。読んでみましょうか。——時間がないからもったいない。何かおっしゃりたいことがあったら言ってみてください。

山口全労働省労働基準局補償課長

○説明員(山口全君) 労働省といたしましては、昨年三月問題を把握いたしまして、関係の局は福井の労働基準局と大阪労働基準局にわたりますので、実態の把握ということを行ったわけでございます。その後先生御承知のように、労災保険は本人の請求を待って支給、不支給の処分を決定する仕組みになっておりますので、岩佐さんからは現実に労災保険給付の請求が出ておりませんので、その後は何らの措置をしないというか、先ほどから御議論されております調査会の結論を待ちながら、事態を静観しておったわけでございます。先生いま御指摘の、三月六日の予算委員会において、そういう調査結果を待つばかりでなく、労働省として実態をもっと調査すべきでないかというような御議論がございまして、労働大臣から早速関係の調査をするという旨の答弁があったと承知しております。そこで、私どもとしましては、当初にある程度の実態把握をしておりますので、その関係の再整理ということを行いまして、なお本人からの請求を待っておったわけでございます。先般、三月二十日だと思いますが、ようやく本人から請求が出たという経緯になっております。したがいまして、労働省としての措置はこれからのことでございまして、いままでは特段の措置を講じていないということでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 労災は、申請によってそいつを受け付けて、それで審査をするんでしょう。そのことは、この答弁その他の労働省のあれで、そういうことは御本人にも熟知していただいてありますということですが、間違いありませんか、それは。

山口全労働省労働基準局補償課長

○説明員(山口全君) 四十九年の四月二日に、本人が大阪西労働基準監督署に出頭しております。その際に、労災の手続についても十分指導をしたというふうに報告を受けております。

中村利次民社党

○中村利次君 そうなりますと、何か政府の姿勢は、やっぱりぼくはGEが、本人が行ってこの請求をしたんだけれども、これが押えておるんだと——このGEというのは、これは何ですか。

山口全労働省労働基準局補償課長

○説明員(山口全君) 保険関係が、先生いま御質問のとおり、若干複雑でございまして、GEから大成機工へ、大成機工からさらに大成水工へ、そのまた下請で海南土木というような系列になっておりまして、この岩佐さんは海南土木に直接雇われたということから、保険関係がどこで成立するかという問題がございまして、多少、事業主の特定ということについて、岩佐さんとの間に若干問題があったかと思います。

中村利次民社党

○中村利次君 そんなことは、あなた、行政府には関係のないこった。そうじゃないですか、個人の申請によって足りるということがもう熟知されておれば、手続について、民間でどういうことがあろうとも、そんなことに一々首を突っ込んでいって、それだけの役人を全部そろえるんだったら、とっても、それは予算がもちませんよ。

山口全労働省労働基準局補償課長

○説明員(山口全君) 労災保険は、使用者が加入をして、労働者が保険を受けるということになりますので、保険関係がどこで成立しているかということが、きわめて重要なことになります。したがいまして、岩佐さんの所属事業場、労災事業場がどこかということを特定しまして、その災害事実について、たてまえとして使用者の証明をする、請求に当たって証明させる、困難な場合は省略させることもございますが、原則的には事業主が事故の証明をするということが、請求のたてまえになっております。そういう関係から、事業主の不特定なままに請求をさせるということはしないように指導しているわけでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 ですから、とにかく何というんですか、前後の事情がわかりましたから、私の方で積極的に調査をしてまいります。よけいなことですよ、これは本当は。大体労災保険というのはどういうものであって、どういう手続を経てそれが申請をされて、どういう途中経過を経て、受給資格はあるのかないのか、給付するのかしないのかを決めることでしょう。だから何でもかんでもとにかく請け負って、これもします、あれもしますなんという、そういう行政府の姿勢だから、みんなおかしくなっちゃうんですよ。この速記録を読んでごらんなさい。政府はいかにも怠慢で、その職務を怠って、そのために一人の国民がえらい迷惑を受けたような、そういうあなたあれでしょう。これは少し反省してもらわなきゃ困るんだ、本当は。少しはっきり姿勢を正してもらわなければ。もうこれは、こんなことで時間をつぶしてしまうのはもったいないですからやめますけれども。  私は行政府の姿勢が国民に与える影響なんというものは大変なもんだと思うんですよ、これは。「むつ」の問題だってそうでしょう。私は「むつ」の問題だって、いろんな角度からの追及の仕方があると思いますがね、この原子力船「むつ」が、出力テストをやって、放射線漏れがあったということは、これはやっぱり私はとんでもない間違いだと思う。もうこれは政府の責任、事業団の責任、それからそれはメーカーにしても、当然これは責任を感じてもらわなければ困ることですけれども、しかし、結果して起きた政府の姿勢、それから国会の取り上げ方、それから何というのですか、日本国としてのこれに対する対応、これは私は率直に言って世界のもの笑いにならなければいいと思うんですね。だから、非常にお粗末なことで、これは予算の関係もあったようですよね、それから出港前後のいきさつ、それから船に遮蔽物の専門家が乗っていなかったという、いろんなお粗末劇はありますけれども、それに対する私は批判あるいは責任、こういうものと、漏れた放射線が人体にどういう影響を与え、今後の、母港からあるいは今日以降の原子力船にどういう影響を与えるのか、こういうことは目をつり上げてあんた騒ぎ回って解決のできる問題ではない。冷静にやっぱり科学的根拠に基づいて、どこに、ミスがあったのか、あるいは対応策はどうなんだと、こうでなきゃ、私は日本だって幾らおくれていると言ったってこれは先進国ですから、そういうのに対する政府の対応というのは、本当にお粗末であり、それから何ですか、また大変な事態になった、それは「むつ」、地元の雰囲気も、私は向こうに実際に行った人から伺って知っています。異常な状態であった。前後のいきさつからして、非常に困難な状態であったにしても、大体政府が自分で手がつけられないで、自民党の総務会長、政府に全然関係のない人が現地に行って、そうして何か政治的配慮か何か知らないけれども、まとめました、まとめました——どういうまとめ方をしたんだと、全く非科学的な、政治的配慮以外に何がありますか。それが国民に与える影響を考えたことがあるんでしょうかね。まあ大臣は当時はこれは関係なかった。三木内閣ではなかった、田中内閣ですけれども、それにしても、今日以降の行政姿勢を含めて、私はこういう問題に対してしっかりしてもらわなきゃ、これはどうしようもないですよ、御所見を伺いたい。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) まことに「むつ」の問題は遺憾千万な問題でございまして、お話しのように、海外におられる人たちは、大変、いわば肩身の狭いような思いをしてるんじゃないかという感じがいたします。また、わが党の鈴木会長がわざわざ参りまして、政府のお頼みとはいえこの問題をおさめたということは、やはり異常な措置でございまして、正規な行政措置から見ますと、それも大変異例な解決方法でございますので、やはりこういう場合は政府の責任者がみずから参りまして、そして解決に当たるのが至当じゃなかったかと思いますけれども、お話のように、私当時まだ責任者でございませんでしたので、どうもいまから過去を振り返って批判するのには少し時期を失しているような感じもいたしますので、私の感想はこれくらいにいたしたいと存じます。

中村利次民社党

○中村利次君 これは本当に時間が十分にあれば、私はまずそういう放射線漏れについてのこれはもう何といったって重大な責任であり大変な問題ですよ。この原子力に対する——原子力は日本は何としても——日本だけじゃありませんよ。これは世界のあらゆる国がやはり新しいエネルギー源としての原子力の開発に取り組まなければ、あるいは成功をしなければ、これはやはりやれ福祉社会、福祉国家だとかいろんなごたくを並べてみたって、それはもう問題にならないわけですから、したがって原子力行政に、原子力に取り組む姿勢というのは非常に大事だと思う。いささかも国民に疑惑を与えるようなものであってはならないと思うのですが、大臣その他の政府側の朝からの答弁をお伺いしましても、やはり安全性を絶対条件としてと、それはもう全くそのとおり、それでなければ問題になりません。ところがいまぶつかっているのは安全性についての国民的な疑惑なんですよ。それが「むつ」で放射線漏れがあった。何回繰り返しても同じですけれども、これは重大な過失であってけしからぬ。しかし、一面また考えますと、テストとは何ですか。私はこれは大変な思い違いがあると思う。一方において言いわけのできない責任があるが、これはもう飛行機をつくった、船をつくった、何かモーターをつくった、何をやってもこれはテストというのはあるのですよ。この試験運転というのは何のためにあるのだ。こんなことは、何か子供っぽい質問にお答えいただく必要はありませんけれども、ですからこれがふぐあいのところを、テストによって、もしあれば、ない方が一番いいのだが、見つけてそいつをやはり改善をするというのがテストの目的でしょう。私はやはり政府の重大な誤りがある。原子力船「むつ」の出力テストはこれはもう何にもございませんよ、ふぐあいな点もトラブルも何にもありませんよという印象を与えて、そして事実にはトラブルがあった。だから周章ろうばい、全く当を得た対処ができなかったというところに大変な重大な過失と責任がある。テストというのはやはりふぐあいな点があっては相ならぬけれども、あった場合にはそれを改善をする。これがテストでなきやならないのだから、試運転をする場合に絶対大丈夫だなんてことはあり得ない。それからやはり出港の前後の私は行政府の姿勢、こういうのは言いわけのできない私はやはり重大な過失というのか、責任だと思いますが、しかし出力約二%程度で〇・二ミリレントゲンの放射線漏れがあった。これは全くいけないことですが、〇・二ミリレントゲンというのは、大体人体にどういう影響を与えますか。

福永博科学技術庁原子力局次長

○政府委員(福永博君) 〇・二ミリレントゲン、これは時間当たりでございます。一時間当たり〇・二ミリレントゲンの放射線が出ておるということでございますので、通常私どもがたとえて非常にわかりやすい例で申しますと、レントゲン検査、エックス線の検査などを受けますが、そういう際でございますと、歯の治療とか歯の診察とか、胃の、腹部の診察ですとか、胸部の診察ですとかいろいろ違いもございますけれども、大まかに申しまして千ミリレントゲンないし千五百ミリレントゲンくらいが普通でございます。したがいまして〇・二ミリレントゲン時間当たりというのは、仮にその場所に一日八時間くらいいて、一年間それを続けたとしますと、ちょっと正確な掛け算が暗算でできませんけれども、大体千ないし千五百ミリレントゲンくらいになるのではないかと思います。大体そういったオーダーの量でございます。

中村利次民社党

○中村利次君 レントゲン照射の千ないし千五百というのはちょっと単位が違うのじゃないかと思うのですけれどもね。自然界の中にもこの部屋だってこれは年間被曝ですけれども少なくとも百ミリレントゲン近い放射線があるのじゃないですか。関東の場合は数十ミリレントゲンの自然界には放射線があるはずです。日本でもいろいろ地域によって差異があるようですけれども。だからそういう点が、全く科学的根拠に基づいた対策というものが、議論というものを無視して、そして政府がお手挙げをして、こともあろうに与党ではありましょうけれども、私は自民党が与党として政府をバックアップをするというのは当然だろうと思いますがね。行政府が解決をしなければならないのを、とにかく自民党の総務会長が現地に行って、政治妥協をしたなんて、何回言ったってね、これはもう絶対納得できない。そういうざまだから、やはり原子力行政は私は国民によって信頼されないのだろうと思うのですよ。何か単位のあれでありますか、あれば伺いましょう。

福永博科学技術庁原子力局次長

○政府委員(福永博君) ちょっと私ただいま正確な掛け算が暗算でできませんで、多少間違えておりましたが、訂正させていただきます。その場所に一日八時間いて三百六十五日いたといたしますと大体五百、ミリレントゲンくらいでございます。私先ほど千ないし千五百と申し上げたと思いますが、五百ミリ見当でございます。

中村利次民社党

○中村利次君 そういうものですよね。科学的な議論もあるいは科学的なものに基づいた納得の場も何もなかったのです。ただただあるのは自分たちのそれまでの、私がさっき申し上げたようなミスに周章ろうばいをして、そして政府自体が対応能力をなくしてしまったと、こう酷評をされてもしようがないくらいなことでこの問題は妥協をした。そこで、そこからそれじゃどうなるのだ。先ほども御質問があって御答弁もございましたけれども、母港探しをやらなければいかぬ。原子力船むつはどうなるのだろう。こういう問題が起きてくるのです。それは私は母港をどこかに探さなければいけないのだろうけれども、あの政府の解決の姿勢では、これは危ない、危ない、いやだ、いやだ。放射線漏れで危険だからいやだというので、現地は母港を撤去しろ、出て行け、こういうことになったわけですから、政府はそれに応じた——ということは、科学的には人体に影響がないにもかかわらず、やはり危険だから出て行けというのに妥協をしたのですから、今度はどういうことになりますか。その次の母港との話し合いの場合、むつから追ん出されておれのところへ来るというのだけれども、むつを追ん出しても、だから政府はこのむつの放射線漏れは人体に影響を及ぼすというので、むつから追い出されたのだから、それを政府が認めていておれのところに持ってくるのはどういうわけだと言われた場合どうしますか。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) 私は、舶用炉と言わず発電炉と言わず、軽水炉そのもののいわば重大事故、いまはリスクというふうな名前で言っておるようですが、そういうことはあり得ない。過去もなかったし、また、去年の八月のアメリカのAECが二年間膨大な費用と人員で研究した結果、軽水炉のそういう第三者を侵し、あるいは環境汚染するというなどは確率的に見てあり得ない。これは限石の落下の確率よりももっと低いというふうな実は結論を出しております。したがって、何か故障が起きますとすぐこれがもう事故だと、それ事故が起きた起きたと言って、いかにも小さい、何千本のパイプの一つのピンホールから出たその放射線を、これがいかにも重大な事故のように、すぐ第三者には響くような行き方、幾ら何と言っても聞かないという一つの傾向がございまして、したがって、一般の人たちにそういう第三者的な危険というものはないのであるということを理解さすためには、非常なやはり政府といたしましても決心と努力の積み重ねが必要だと思います。やっぱり危険だ危険だと言った方が耳映りがいいとみえまして、私実は文藝春秋の先月号に「日本の自殺」でございますか、あの論文で「むつ」の事件の最中に、何か放っておくと、陸奥湾で放射能がたまりたまって大爆発をするんだということを盛んに言っておったそうでございまして、それをまともに皆信じたというのですから、実際考えてみますとこんなおかしなことばないと思うんですけれども、これは現実なんでございまして、先ほども申しましたように、新聞に出ただけでもわしらは反対だということでございますから、これはよほど今後の進め方というものは注意も要し、また科学的に相対で、納得できるように努力が必要だと思いますけれども、しかし、といって午前中も申しましたように、海運国日本として原子力船時代におくれをとって一つの港湾も原子力船は入れない。あるいは原子力船は一切つくらない、持たない、こういうことでは私は日本の民族の将来のためによくないと思いますので、万難を排して、いま御指摘がございましたように、科学的にそういうことはあり得ないという点を、私も実際参りましていろいろと説き伏せるつもりでございます。まことにきょうはほんとうにありがたい御支援のほどをいただきまして、御趣旨に沿うように努力したいと思います。

中村利次民社党

○中村利次君 もう時間もだんだんなくなってきましたからね。まあ大臣の姿勢をお伺いいたしましたけれども、やっぱり国民の不安を除去できないのは、行政府の姿勢にも、私は毎々これは申し上げてきたのですが、姿勢にも大変に大きな責任があることは間違いありません。ですから私はこれは期待しますからね、今後やっぱりこういうことは物事をはっきりさせる。もうあいまいもことした私は姿勢というものは許されないと思う。だから安全性について問題があるなら開発はストップすべきです。日本の八基の原子力発電が五つは休止をしておる、いかにも危険だという議論がある。安全のためにこれは休止をしているのであってね。電労連の提言にしましても、これは四十年から四十七年まで、一次から第四次までの累次の提言をしているのです。これは午前中おほめをいただきましたけれども、りっぱな提言をしているんですよ。ところが、やっぱりこのことは実際に足元に火がつかないと、なかなかこの提言をよく受けとめようという姿勢がなかったことも、これは間違いないと思う。一昨年の石油ショック以来エネルギー問題が大変問題になり、あるいはまた原子力問題が大変大きな国民課題になって、そうして、電労連の五次提言というものは各方面から大変な、いろいろな意味での評価をされてきていると思うんですね。ですから、たとえば総線量の問題にしても、アメリカでも、日本でもトータル・マン・レムが増加しておるという事実は、このことははっきりしておるのですから、これを、たとえばトータル・マン・レムの問題一つとっても解決をする方法はある。そのことも細かくずっとという提言ではありませんけれども、基本的な提言をやっている。やっぱり午前中の議論にもありましたように、点検をどういうぐあいにやっていくのか。こういう点についてはやっぱり私は本当に政府がこういう提言を率直に受けとめて、前向きに解決をしていく。できないことを提言しておるのでもないし、できないことを求めておるのでもないのです。くどいようですけれども、どういう姿勢で取り組まれるのかお伺いをしたい。

佐々木義武自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(佐々木義武君) 先ほどもお答えいたしましたように、いろいろな対案等を提示している向きもたくさんございますけれども、その中で電労連の皆さまの第五次の提言は、まことにまじめな、建設的な、非常に貴重な御意見でございまして、いま申しましたように、マン・レムの問題にしても、あるいは故障に対する措置等に対しましても、それぞれ実際現地で働いている皆さんでなくちゃできないような具体的な解決策を出しておりますので、そういう点を逐次受けとめまして、その御趣旨に沿って、こういう問題は一つ一つ解決していきたいというふうに、大変どうも貴重な意見として実は受け取ってございます。

中村利次民社党

○中村利次君 最後に、これはぜひ正確にひとつこういう提言に、まじめに取り組んでほしいと思います。これは、そういう問題は、これはたとえば技術の開発も必要だ、点検のありようについての検討も当然必要になってくるわけです。だからそういうものをセットして解決できるのですから、ひとつ取り組んでいただかなければならぬということと、そういう実現可能なものを何らかの理由で怠っていることによって、何も電気事業の技術者だけではなくて、先ほど電労連の会長からも指摘がございましたやっぱり下請作業員の確保、これはやっぱり、また繰り返すようですけれども、非科学的な、何か危ないものだということで、下請作業員の確保がむずかしくなるのと、やっぱり総線量の関係でむずかしくなるのと、いろいろの面で要員確保というものが困難になってくるのです。ですから、これは、それを解消するのはただ一つ、やっぱり事業者も、これは当然努力をしなければならぬ、政府も基本的姿勢をしっかりして、事業者に対する行政指導にしても、あるいは政府自体の対応策にしても、しっかりしたものを持っていただいて対処をしていただきたい。これはもうお答え要りません。  以上で私の質問を終わります。

中尾辰義公明党

○委員長(中尾辰義君) 他に御発言がなければ、本日の質疑はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会をいたします。    午後三時二十分散会      —————・—————

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