沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第4号
- 発言数
- 192 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1975/06/13
会議録
○委員長(古賀雷四郎君) ただいまから沖繩及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、小笠原貞子君が委員を辞任され、その補欠として渡辺武君が委員に選任されました。 —————————————
○委員長(古賀雷四郎君) 沖繩及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。質疑のある方は順次御発言をお願いします。
○稲嶺一郎君 まず、沖繩における失業問題につきまして二、三お尋ねいたしたいと存じます。 私ども非常に心配していたことではございますが、六月以来非常に失業者がふえております。また、それに対して雇用関係もなかなか思うようにいかない。新聞の面で毎日この問題について相当論議をにぎわしている次第でございますが、これについての開発庁並びに労働省のお考えをまずお伺いいたしまして、それから順次詳しく入っていきたいと存じます。
○国務大臣(植木光教君) 昭和四十八年度の県民所得試算によりますと、沖繩県の産業構造は、御承知のとおり第三次産業に傾斜いたしておりまして、全体の七四%が第三次産業で占められているという状況でございます。そういう産業状況の中で、最近におきます沖繩の雇用の状況でございますが、本年三月現在、労働力人口四十万四千人、完全失業者二万一千人、失業率五・一%を示しておりまして、全国平均四十九年十二月失業率一・六%に対しまして相当高い数値となっているのでございます。これは先ほど申し上げましたように、地元産業の脆弱性という点が背景になっておりまして、雇用の需要が著しく乏しいということが原因となっているのでございます。さらに四十九年におきましては、総需要抑制策でありますとか、あるいは金融の逼迫の影響を受けまして、生産規模は縮小する、企業の方は整理されるというようなことで、雇用環境は一層厳しくなっております。また御承知のとおり、在沖米軍基地からの離職者も依然として発生を見つつあるのでございまして、これに対処いたしますためには、基本的には地場産業の振興に努めますとともに、新規産業の積極的な導入を図ることが必要と考えております。 こういう観点から、沖繩振興開発計画におきましても、沖繩の地理的、自然的特性を最大限に活用いたしまして、農業及び雇用効果の大きい工業、観光産業等、各般にわたる産業の振興を図ることといたして、せっかく努力中でございます。
○稲嶺一郎君 ただいま開発庁長官のお話をお伺いいたしまして、沖繩の失業率が五・二%で本土の倍以上になっていると、これについてはきわめて憂慮すべき状態にあるということでございますが、最近の新聞の報道によりますと、軍離職者の方もずいぶん多くなりつつある、また、海洋博の工事もほとんど終わってきたということで、そういう面からの失業者も出てくる、さらに金融の問題、総需要抑制の問題、いろんな事情がかみ合わされまして、この問題の解決はまことに至難な状態にあるようにお伺いできるわけでございます。政府としてもずいぶん御苦労されていろんな措置は講じておられるようでございますが、なかなかその効果は上がっていないようでございます。 それで、お伺いしたいのは、政府が具体的にどういう措置を講じておられるか、広域職業紹介の線もとっておられるし、これがどういうふうな結果になっておるか、その点についてまずお伺いいたしたいと存じます。
○国務大臣(植木光教君) 雇用問題につきましては、特に労働省にお願いをし、協力をいただいているわけでございまして、先般労働大臣が沖繩県を訪問されます際にも、特に私から雇用促進について協力方を要請した次第でございます。詳細にわたりましては、労働省の方から御答弁をお願いいたしたいと存じます。
○説明員(石井辰治君) 具体的な問題としまして、沖繩県の駐留軍関係離職者の状況でございますが、特殊な年でございました昭和四十七年からことしの四月までの状況を見てみますと、職安に求職申し込みがありました件数が累計で九千二十二人ということになっております。その中で就職をされた方が千六百七十三人ということで、就職率は一八・五%という状況になっております。中高年齢者の比率が高いこととか、あるいはまた、基地内における労働の態様が民間企業におきます労働の態様とはかなり相違しているというような事情を反映しまして、再就職はかなり困難な実情にございます。そういうことで今年四月末現在の駐留軍関係離職者でいわゆる指導票を持っておられる方は四千三百八十六人ということになっております。 私どもとしましては、こういった離職者の方々に対します再就職対策につきましては、従来から就職促進手当とか再就職奨励金というものの支給、あるいは事業主に対しまして雇用奨励金を支給するとか、さらには国、県等が一体となった総合職業相談所を設置する、さらにはまた、本土に就職を希望される方に対しましては、いわゆる広域求職活動費を支給するといったような施策を講じてきておるところでございます。特に昭和五十年度におきましては、先ほど申し上げましたような施策を一層強化いたしましたほか、特に本土に再就職する離職者に対しまして、これは移転資金というものがあるのでございますけれども、移転資金の増額をいたしましたほか、また離職後二年以上三年未満の就職者とか自営業開業者に対しまして、従来再就職奨励金という制度が適用されておらなかったわけでございますが、これを新たに適用するというようなことをやっておるところでございます。
○稲嶺一郎君 ただいまお伺いいたしますと、就職希望者が九千二十二名、そのうち再就職やったのが一千六百七十三名ということで、一八・五%となっておりますが、これはきわめて少ないパーセンテージでございまして、なぜそういうふうに少ないのか、それから、本土に対しても何とか就職したいというふうな希望の失業者もいるようでございますが、なぜこういうふうに就職率が少ないのか、本土における就職率がなぜ少ないのか、この点についてお伺いいたしたいと存じます。
○説明員(石井辰治君) 就職率が非常に低いということにはいろいろな原因があろうかと思います。先ほど申し上げましたように、中高年齢者の比率が高いということが一つございますし、それから駐留軍労働者の場合には、仕事の内容が民間企業の場合と非常に違うというようなことがございます。しかし基本的には、先ほど総務長官からお話がございましたように、何と申しましても沖繩県内におきます安定した雇用の場が少ないということが一番大きな問題じゃないかというふうに考えております。
○稲嶺一郎君 就職率が少ないという問題につきましては、ただいまお伺いいたしましたように、先ほど開発庁長官からもおっしゃっていただいたわけでございますが、私が一つ考えるのは、なかなか沖繩において現在まで企業が伸びない、第二次産業を興そうとしてもこれが思うように今日まで進展してない。振興計画においていろいろとうたわれておりますが、これがなかなか実際においては効果があらわれてない。また、実際においては途中でやめたような事業というのも相当多いように考える。この点から考えまして、沖繩自体におけるところの今後の事業を興すということがかなり困難になってくるのじゃないか。この点に対して、妙薬はなかなか見つからないと思いますが、ただ、私がいままでの感じから申し上げますと、県民自体における自覚というのもこの失業問題においては大事じゃないか。この問題はイデオロギーを越えた問題として取り扱って、お互いにまあ失業しておるし、なかなか食えない、こういう人たちをどうして救うかというふうに、もっとお互いに、これは人道的な問題として取り扱っていかない限りはなかなかこの問題解決しないのじゃないか。 私は特に感じますのは、この前、屋良知事が、なかなか失業者が多いものだからひとつ自衛隊の方にもお願いしてみようじゃないかということでやったところが、これに対してすぐある方面から反対が出たのだと。そうなってくると、これもまた実行不可能になってくる、その他いろいろの産業を興そうとしてもいろいろ今度は反対だということになって、結局みんな積極的な事業、つまり再就職が可能になるような事業というものは全部中止あるいは延期されるような状態、こうなってくると政府としてもなかなかむずかしいし、県庁としてもなかなかむずかしい。だから私は、この失業問題については本当にイデオロギーを超越して、人道的な立場から解決していくんだというコンセンサスを得ない限り、非常なもっと苦しい目に遭うんじゃないかというふうな、私非常に憂いを持っているわけでございますが、開発庁長官のこれに対する御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(植木光教君) 稲嶺委員すでに御承知のとおり、四十八年度の状況でございますが、第一次産業は五・五%、第二次産業は二〇・九%、第三次産業七三・八%、こういう産業構造でございます。このような経済本質及び産業構造を改善いたしまして、沖繩の経済社会を健全な姿で発展をさせる。そして、いま非常に大きな問題になっております失業問題の解決にも充てる。そのためには、他の産業との調和を図りながら第二次産業の振興を図ることがきわめて重要であると思うのでございます。しかしながら、今日までの沖繩における第二次産業の振興の現状を見ますと、期待したように進んでいない面があることは事実でございまして、沖繩工業開発のために団地の造成でありますとか、あるいは企業の設置でありますとかいうような問題がなかなかうまく進まない。あるいは中止になり、あるいは解散をするというような姿でございまして、私どもも非常に心を痛めているのでございます。 開発庁といたしましては、財政金融面等から産業基盤の整備に努めますとともに、伝統工芸産業等、地場産業の育成強化を図るなど、努力はいたしているのでございますが、基盤が整備いたしましても、さらにまた、伝統的な工芸品産業が振興いたしましても問題は解決をしないのでございまして、結局用地造成あるいは企業の誘致など、県及び地元の方々の努力と協力に待たざるを得ないという面が大変多いわけでございます。そういう意味におきまして、ただいま稲嶺委員が御指摘になりましたように、県民の方々もひとつ事の重大性を十分に御自覚をいただきたい。すでに現状は認識をしておられるわけでございますが、どういうふうにして企業を誘致することによるデメリットを排除していくかということを考え、また努力していただきたい。この点については、開発庁もできるだけの協力と努力を惜しみません。ひとつ県の産業体質構造を変えまして、それによって県民が働きがいのある場所を確保し、生きがいのある県づくりに取り組んでいただくためにも御自覚と御協力をいただきたいということを強く熱望いたしているのであります。
○稲嶺一郎君 私は、いまの失業者数は二万二千人でございますが、海洋博が済んだ後はさらにこれがふえていくんじゃないか、恐らく三万人にはなるんじゃないか。そうなりますと約八%ぐらいになります。これから受ける影響というものはきわめて重大なる様相を呈してまいりますので、いままで開発庁長官も言われたように、この振興計画は期待のとおりにはどうも進んでないという点もございますので、この際、今日まで復帰後三年になりますので、いままでの振興計画を一応またもう一回総ざらいをして、どこに一体欠点があったのか、どこがブレーキになったのか、また沖繩の方から見た場合には何か精神的な面がどういうところに弱さがあったのか、また欠陥があったのか、これはどういうふうにすればコンセンサスが得られるか、こういったような傾向それ自体以外についても、心理的な面をも考慮して新しい振興計画をつくって、そうして失業者ができるだけ少なくなるような方法を講じていただきたいというふうに考える次第であります。
○国務大臣(植木光教君) お話しのとおり、現在でもこれだけの完全失業者が出ているわけでありまして、海洋博が終わりましたならばさらにそれが増勢するのではないかというただいまの御指摘につきましては、私どももそうであってはならないし、何とかしてこれを食いとめ、克服していこうということでいろいろ苦心をしているのでございます。 沖繩県の振興開発計画を洗い直すべきではないかということについては、私どもといたしましては、振興開発計画というものの基本的な考え方が本土との格差の是正であり、同時に、沖繩県が自立的経済を運営をしていくというところにねらいを置いているのでございますから、その基本的な目的そのものは私は変わるところはないと思うのであります。しかしながら、それぞれの施策の面におきましては、御指摘のように雇用の問題だけではございませんで、経済全般の落ち込みが心配されるのでございますから、私どもといたしましては、新しい全国総合開発計画をいま政府としては立案中でございますが、これと並行いたしまして、特にポスト海洋博の諸問題について、さらに沖繩が経済的に発展をしていきますように、具体的な問題に取り組んでいるところでありまして、沖繩県が持っております立地条件の中には本土にはない有利な、また特殊な点もございますし、また同時にデメリットの面もございます。これらを総合いたしまして私どもは十分個々の施策の中において洗い直しをいたしますとともに、計画全体につきましても並行いたしまして沖繩のための計画樹立、策定のために努力をするという決意であり、また現在それに取り組んでいるところであります。
○稲嶺一郎君 開発庁長官がおっしゃったように、振興計画の目的、目標については私そのとおりだと思いますが、どうも実施の面においていささか期待に外れる点がございますので、十分その点に御留意されて、執行の面において効果のあるような方法でひとつ考えていただきたいと存ずる次第でございます。 次に、物価、生鮮食料品の問題でございますが、大阪万博の場合においてもずいぶん物価は上がっている。沖繩はほかの方に比較して現在でも物価は高いのでございますが、来月の二十日から始まる海洋博におきましても、恐らくこの傾向が出てくるんじゃないか。政府におかれましても十分この点についてはお考えなり、また計画を持たれ、もうすでに準備をされておられると思いますが、これについてお伺いできれば幸いだと存じます。
○国務大臣(植木光教君) 仰せのとおり、海洋博時の物価対策というものは非常に大きな問題でございますので、推進対策本部の中に設けられました物価対策部会及びその部会の中にございます小委員会におきまして、関係各省と連絡調整をいたしまして、鋭意その推進に努めているところでございます。特に、生活必需物資の需給が逼迫をいたしますと県民生活に多大の打撃を与えるわけでございますので、そういうことがないように常時チェックし、必要に応じまして所要量の確保について関係業界にも協力要請を行うということにいたしております。特に生鮮食料品につきましては、ちょうどたとえば野菜でございますが、沖繩県自身夏場において不足する傾向にありますので、野菜生産団地の育成というような対策を推進いたしますとともに、県外産地への協力依頼、また、優先的に配船を行う、あるいは荷役の確保等につきまして、協力を各関係方面へ適時行うというように適切な対策を講ずることによりまして、県外からの移入が円滑に行われるように配慮いたしております。また、ちょうど博覧会中、台風時とも重なる面がございますので、非常事態に対処いたしまして、緊急出荷が行われるような計画的な保管、備蓄を行いまして価格の安定を期することとしているのでございます。大阪における万博のあの苦い体験を沖繩県において味わうことのないようにということで、いま必死に取り組んでいるところでございます。
○稲嶺一郎君 実施という面でなかなかむずかしい面がときどき出てまいるのでございますが、実は、私が政務次官のときに生鮮食料品を沖繩の方へ送ろうという問題がありまして、いろいろ計画はやったのでございますが、そのときに、沖繩の県庁の方との意見が合わないで中止したような例があるわけでございます。そういうこともございますので、よくその点につきましては、県の方と連絡を密にして、これについては万遺憾ない措置を講じていただきたいというふうに存じます。 それから次に、いま非常にこれはウリミバエとか病害虫が沖繩では、これは熱帯では非常に病害虫は多いわけでございますが、沖繩もその例に漏れないと。それで八重山の方にも熱帯農業研究所ではウリミバエの研究を始めてから三、四年になるんじゃないかと思いますが、その後どういうふうになっておりますか。まだその成果については聞いておりませんが、それに対する報告がもうできるようでございましたら、ぜひここで報告をしていただきたいと思います。
○説明員(吉村彰治君) 熱帯農業研究センター沖繩支所におきましては、ウリミバエ防除の重要性にかんがみまして、目下沖繩県で実施中の特殊病害虫特別防除事業——これは不妊化処理をいたしました虫の放飼によるウリミバエの撲滅がその内容でございますが、この事業の推進に協力をいたしまして、不妊化法の前提となりますウリミバエの大量増殖方法に関する詳細な研究を行いまして、現在、毎週二百万という大量の不妊化処理をいたしましたウリミバエを常時供給できるように態勢の確立に寄与いたしております。 この研究業績は、国際的にも非常に高く評価されておるところでございまして、防除事業を推進しつつあります関係地域農民の信頼のよりどころともなっておるところでございます。このウリミバエの研究は、今後とも防除法の確立のために、その内容の充実を図ってまいりたいと、このように考えておるわけでございます。
○稲嶺一郎君 琉球新報の六月七日付の報道によりますと、知念村の久高島で梅雨のためにスイカがほとんど全滅をしておると。あるいはまた、宮古においてもそういったような事態が発生する可能性がある。また、キビの方も黒穂病が発生しておるということで、病害虫の対策に追われているようでございますが、ひとつこれに対しましても政府としては県庁の方とも督励いたしまして、早急にこれが対策を立てていただきたいというように考える次第でございます。 なお、ただいまの御報告にあるように、ウリミバエの研究が非常に進んでおるということを聞いて大変喜ぶ次第でございますが、ウリの生産というものが沖繩農業にとってきわめて大きい価値を持っておりますので、一日も早くこれが成功することを祈っている次第でございます。 なお私、熱帯農業研究所のことについて考えるのでございますが、熱帯地域においては、この病害虫の問題が農業問題を左右するであろうということになっておりまして、スマトラにおいては三井のトウモロコシ農業が、病害虫のために失敗したという例もあるので、ひとつ沖繩の八重山の熱帯農業研究所をうんと活用して、これの研究の成果を東南アジアの各地区にも及ぼすことができるようなところまで、思い切ってひとつ農林省の方で御研究を願いたいというふうに考える次第でございます。 それから、時間がないんでちょっと触れますが、実は私、公害の問題でございますが、毎日新聞とサンデー毎日で読んでびっくりしたことがあるんですが、これは沖繩の海洋博会場の近くに油ボールがいっぱいあると。これは海洋博といかにも関連があるがごとく新聞には報道しておる。果たしてそうかどうか、これは徹底的に吟味してみる必要があるんじゃないかというふうに考えるわけでございますが、この点についての通産省あるいは運輸省の御所見を承ることができれば幸いだと存じます。
○説明員(増山孝明君) 海洋博覧会の会場工事につきましては、海を汚染しないように最大限の注意を払って工事を進めておりまして、実際に沈でん池を各所に設置いたしまして、雨水等が直接海に流れないような措置を講じましたり、あるいは海の中に投入いたします石、これはエキスポ港とかエキスポビーチで石を投げ込むわけですけれども、このような石につきましてはその都度水洗をいたしまして、きれいな石を海中に投下いたしております。したがいまして、海洋博会場からの海水の汚染というものはそれほどないはずでございます。 なおまた、廃油ボールにつきましては、海洋博の会場工事に伴うものでないと考えております。
○稲嶺一郎君 私も、海洋博工事とオイルボールが関係がないというふうに考えるわけでございますが、それで私もいろいろその点においては調べまして、私、自民党の議員懇の代表幹事もやっておるものですからいろいろ調べたところが、どうも南太平洋の方で落としたバラストがそれと関連あるんじゃないかというふうになっております。それとさらに、開発による公害の問題につきまして、私はこれが的確に把握されないということが沖繩の今後の振興計画にも影響を与えるのじゃないか。たとえば乱開発によるものであるとか、あるいはまた、開発の過程において赤土あたりが生まれてくるとか、こういうこともございますので、十分に公害の原因をただすことによって、これと振興計画の実施の面においても非常に関連を持つと思われるので、どうかその面について徹底的に原因結果を調べて、その上で私はこれを振興計画と関連さして考えていくというふうに、ひとつぜひ開発庁の方でお考え願いたいと考える次第でございますので、この点についての長官の御所見をお伺いして、私の質問を終わりたいと存じます。
○国務大臣(植木光教君) 沖繩県の経済社会の自立的な発展を高めていきますためには、いろいろな産業を振興させなければならないということは当然のことでございます。しかし同時に、沖繩県の持っております陸と海のすばらしい自然を積極的に保全をしていくということが大切であるということは申すまでもございません。開発庁といたしましては、この二つの要請が矛盾をしてはならない、お互いに調和しなければならないと考えているのでございまして、したがいまして、産業活動等によります公害によって自然環境や住民の生活環境が破壊されるということにつきましては、県と一体となりまして適切な措置を講じてまいってきておりますし、これからも十分に県とともに、また、県を指導するなどいたしまして努力をいたしてまいりたいと存じます。 いずれにいたしましても、具体的には生態系を破壊しないということを基本的な視点として公害の監視を行うとともに、公害の発生に際しましてはこれを規制していくという適切な措置が必要であろうと思うのでございます。ただいまお話がございましたように、公害の発生源というものにつきましての調査、あるいはまた、産業を発展させますためには環境アセスメントの努力というようなことにつきまして最大限の配慮を払っていく所存であります。
○野田哲君 私は、まず、昨年の七月十日に伊江島で発生をしたいわゆる伊江島事件と呼ばれておる事件の政府の処理について、外務省並びに法務省に伺いたいと思います。 政府は、昨年七月十日に沖繩県の伊江島においてアメリカ兵二名が山城安次君という青年を狙撃をしたいわゆる伊江島事件、これについて今年の五月六日にその裁判権を行使しないという態度を決定をしてアメリカ側に通告をしたというふうに発表されています。具体的にどのような形でアメリカ側に通告をしたのか。まずその内容を具体的に、何月何日に日本側のだれからアメリカ側のだれに対してどういう通告を行ったのか、この点について外務省の方に伺いたいと思います。
○説明員(深田宏君) 先生御指摘の伊江島の米兵発砲事件につきましては、昨年の七月の三十日に安保条約地位協定に基づきます日米合同委員会にかけられまして、非常に法律的な側面がございますので、その検討をその合同委員会の補助機関でございます刑事裁判管轄権分科委員会に付託いたしました。以降、非常に時間をかけましてでございますが、慎重な検討が行われた次第でございますけれども、双方の見解がいつまでたっても折り合いがつきませんものでございますから、この分科会の方はその親元でございます合同委員会に対しまして本年四月の十七日に、これは双方の見解が対立したままであるということを、双方の意見を併記いたしまして報告いたしたわけでございます。 合同委員会といたしましては、この報告を検討いたしました結果、双方の立場の相違を合同委員会の場で解決することはむずかしいという結論に達しましたので、本年四月二十四日にこの点に関する双方の法的な立場を害することなく、この問題の解決を両政府間の交渉にゆだねるということを決定いたしたわけでございます。 その後、政府といたしましては、米国政府と外交レベルでの協議を行いました結果、五月六日に、わが方としては日本側の法的な立場を維持しながらも、本件の早期解決を図るという実際的な見地から、本件につきましては日本側は裁判権を行使しない旨をアメリカ側に通報いたした次第でございます。 それぞれの時点での当事者と申しますと、御案内のように、合同委員会は日本側の代表は外務省アメリカ局長でございます。それからアメリカ側の代表は在日米軍の参謀長でございます。分科会につきましては双方の法務担当、わが方では法務省の御担当の方、それから先生もリーガルオフィサーのような人が担当いたしております。さらにその後の外交レベルでの話し合い、これは外務省の場合は有田外務審議官、アメリカ局長、先方は在京アメリカ大使館のシュースミス公使、ピトリー参事官等でございます。
○野田哲君 アメリカ側はこの通告を受けて、この伊江島事件の加害者であるロック軍曹、それからジョンソン軍曹に対して処罰を行ったことを、五月の九日に嘉手納における空軍当局が発表しています。 この発表によると、両名とも軍曹から一等級の格下げを行って、上等兵に降格をした。それから第二点は、降等については六カ月間の執行猶予、そしてロックについては罰金百五十ドル、ジョンソンについては百ドル、おおむね四万五千円、三万円、こういう罰金を課す、そして罪名については、アメリカの軍事法典の百三十四条、銃砲火器等の取り扱いという条項を適用して、火器の取り扱いに違反をした、こういう措置だけになったというふうに私どもは新聞発表等で見ておるわけなんです。傷害という条項の適用にはなっていないわけなんです。以上のことについては、すでに日本政府に通告済みであると、こういうふうに五月九日に通告を発表されておるわけでありますけれども、そういう内容の通告を受けておられますか。
○説明員(深田宏君) アメリカ側のとりました懲戒措置につきましては、ただいま先生御指摘の点、ほぼそのとおりでございます。五月八日の夕刻に東京の米国大使館から外務省にその措置の内容についての通報がございました次第でございますが、この両軍曹が人命に危険を及ぼすような状況のもとで、火器を不当かつ故意に発射したということに関し、両名とも軍曹から伍長の階級に格下げをする、ただし六カ月間その執行は猶予される。第二点は、両名とも公式に譴責されたという点。第三点は、ロック軍曹につきまして百五十ドルの罰金と申しますか没収、ジョンソン軍曹につきまして百ドルの没収、そういうものを課するという点でございます。
○野田哲君 以上の経過を日時を追ってたどっていけば、五月六日に日本政府が裁判権を行使しないことをアメリカ側に通告をした、そしてその翌日の五月七日に、アメリカ側の軍事法典によって処罰の内容が決定をされているわけであります。そしてさらに、ロック、ジョンソン、この加害者二人は五月十四日にはすでにアメリカ本国に帰国をしておるということであります。 こういう経過をたどってみると、日本政府が公式な通告を五月六日に行ったわけでありますけれども、実際には、それ以前に日本側はすでにアメリカ側に対して第一次裁判権の行使は行わないということを、五月六日以前に伝えられてあったとしか私どもは常識的に考えて思われないわけなんです。そういうふうにしかこの事実の経過をたどっていけば考えられないと思うんです。そういう点で、外務省としてはすでにこの裁判権行使については、正式手続の前に向こうに伝えておったのではないか、こういう点についてはいかがですか。
○説明員(深田宏君) 先ほど御説明申し上げましたように、この問題を両政府間の交渉にゆだねることになりましたのが四月二十四日でございまして、最終的に日本政府が裁判権の不行使通告を行いましたのが五月六日でございますので、その間、若干の時が経過しており、その期間、日米間でいろいろな形で本件処理について当然協議をいたしたわけでございます。その協議のやりとりの過程から、先方がいろいろな心証を得たということは、あるいはあろうかと思いますけれども、最終的な結論を出し、これを先方に通告いたしましたのは、あくまでも五月六日であることは、先ほど御説明いたしましたとおりでございます。
○野田哲君 常識的に考えて、五月六日に正式通告を行って、いかにアメリカの軍事法廷であろうとも、五月七日にすぐ判決が下される、こういう神わざ的な処置は手続的に見てもどう考えてもあろうはずはないんです。いま外務省の方では心証を得たかもわからないという意味のことを言われましたけれども、これはやはり日米間の法的運用からいって、非常に重要な問題を含んでおると思うんです。これは改めて十分検討しなければならないと思うんですが、そこで、なぜ日本側が第一次裁判権を放棄をしたのか、行使しないことを決定をしたのか、その理由をまず明らかにしてもらいたいと思います。
○説明員(深田宏君) 御説明申し上げます。 一番大きな考え方の柱といたしましては、先ほど御説明申し上げましたように、双方の立場がなかなか長い折衝を経ましても一致するに至らないということから、本件をいつまでも未解決のままにしておくということでございますと、加害者に対する処罰あるいは被害者に対する救済という点から問題がある。何らかの形でやはり決着はつけなければいけないという点が最大の考慮でございます。 それから、これは法務御当局から御説明いただいた方がよろしいかと存じますけれども、この加害者の行為は、仮に日本側において裁判権を行使するということになった場合でも、懲役刑または禁錮刑を求刑しなければならないほどのものとは認められなかったという点がございます。 それから、アメリカ側の態度といたしまして、このような事件の発生を遺憾としており、将来の同様な事件の再発防止のためにできるだけの措置をとったし、またとる。それから、この事件が発生いたしました直後に、非公式にではございますけれども、米側当局が公務証明書を発給しないという意向を表明したにもかかわらず、公務証明書を発出し、いわば誤解を招く結果となったという点については、先方が遺憾の意を表しております。それから、加害者に対して速やかに刑事あるいは懲戒の手続をとる、すなわち処罰のための手続をとる、その結果は日本側に通報する。また、被害者に対しては補償する。 そういうことを、以上数点になりますが、アメリカ側がそういう意向を表明したということ。それから最後に、やはり、この事件を解決しないで両国間の意見の一致しない点としていつまでもとどめておくということは、日米間の友好な関係を維持するという点からも好ましくないという判断があり得るという点でございます。 以上の諸点を考えましてこのような措置をとった次第でございます。
○野田哲君 いま裁判権を行使をしないということについての政府側の態度決定の理由について説明があったわけですが、そういたしますと、問題をはっきり伺っておきたいと思うんですけれども、今回の裁判権の放棄については、地位協定の十七条の三項の(c)、この条項にある、他方の国から要請があったときは、その要請に好意的な考慮を払わなければならない、こういう条項によったものではなくて、あくまでも法的立場は主張が対立をしておる、そういう状態の中で、裁判権の帰属について検討中のものについて政治的な判断によって放棄をしたといいますか、行使をしないという態度を決定した、こういうふうに理解をしていいわけですか。
○説明員(深田宏君) おおむねそのように御理解いただいてよろしいかと存じます。
○野田哲君 いま事件の早期解決を図ることが望ましい、こういうことで、政治的な判断によってこのような措置をとったと言われたわけでありますけれども、早期解決が望ましいことは当然であります。しかし問題の本質は、国の主権にかかわる裁判権の問題だと思うんです。この国の主権にかかわる裁判権というような問題が、両国間で締結をされている条約や協定あるいはそれに基づく議定書とか、こういう形によって処理されないで、政治的な判断によってこのような処置をとった、こういう点は非常に問題が後にいろいろ残ってくるのではないかと思うんです。これはやはり、両国間の問題の取り決めを行っているところの条約なり協定、あるいは協定に基づく附属文書、こういう立場に立ってあくまでも処理すべき性格のものではないんですか。いかがなんですか、その点は。
○説明員(深田宏君) 先ほどの先生の御指摘に対する私のお答えがあるいは不十分であったかとも思いますが、この措置をとりました根拠と申しますか、政府としてこのような形で本件を解決することにいたしました根拠は、あくまでも協定十七条三項(c)に基づきます裁判権の不行使を決定、御案内の(c)項の前段にございますけれども、これによるものでございまして、行政権の作用としてこれを行い得るのであることは国会で御承認を得ております一連の条約、協定上お認めいただけるというふうに私ども考えておる次第でございます。
○野田哲君 今回の処理について先ほど来の説明で、一つは早期解決をこういう措置によって図ることが日米友好の上からもと、こういう、これは衆議院の外務委員会なりあるいは内閣委員会でも繰り返し述べられておりますが、外務省としては、今回のこういう措置をとったことが日米友好に役立っている、こういうふうにお考えになっていますか。
○説明員(深田宏君) 先ほど来御説明申し上げましたように、この問題をいつまでも未解決のままに、双方の立場が対立したままで放置するということでございますと、加害者、被害者に対する正当な措置もとられないし、また、両国間にいわばむずかしい案件がいつまでも残るという事態になるわけでございますので、先ほど来御説明申し上げましたような諸種の理由、事情を勘案いたしましてこのような措置をとりましたことは、日米友好関係の上で、やはり、友好関係の維持増進に即したものというふうにあくまでも判断いたしておる次第でございます。
○野田哲君 外務省のあなた方は、友好関係ということについて私どもとは根本的に認識が違うと思うんです。外交の当事者が国の主権にかかわる裁判権の問題を放棄をしてまで相手国に対して、私に言わしてもらえば迎合だと思うんです。それが友好関係に役立っているとは私どもは理解できないんです。本当の友好というのは、両国民の間で相互に信頼関係が生まれることが初めて友好に役立つ、こういうことではないんですか。現地の沖繩では広大な軍事基地があって、アメリカの軍人、軍属、家族が数万人も居住をしている。その沖繩で、今回政府がとった措置に対しては、政府の与党である自民党も含めて、県議会で与野党一致で抗議を決議をして、具体的に外務省にも県議会代表が伺ったと思うんです。 それから、さも被害者の山城さんの補償問題とか、早期解決ということで言っておられますけれども、山城さん自身やその家族も今回の措置については非常な怒りを表明をしておるではないですか。沖繩県民の現地の感情というのは友好どころではないです。アメリカの横車、そうして外務省、いうなら、日本政府がこれに迎合している、こういうことに対する怒りの方が県民感情としてははるかに大きいというふうに私どもは認識をしておるわけでございます。これだけ現地の県民感情を刺激しておっても、あなた方のとったこの措置が日米友好のために役立っているというふうに考えておられるんですか。一体、その点どうなんですか。これは参事官よりもむしろ外務省の政務次官の方から答えていただきたいと思います。
○政府委員(羽田野忠文君) この事件におきまして、事実関係ははっきりいたしておるわけでございますが、アメリカ、日本いずれに刑事裁判の管轄権があるかということについて、両国間相互に主張が平行線でございます。そこで、この問題については日米合同委員会、またその下部機関でございます刑事裁判管轄分科会、こういうところで双方からあらゆる資料を出し、あらゆる意見を出し合って検討したわけでございますが、長い間かけて検討しても、どうしても一本の結論を出すことができない、あくまで平行線というような状態で長年月経緯したわけでございます。 こういう状態で、これはいつまでたっても平行線だという、これを解決するという方法を見出し得ない場合に、少なくとも不幸な事件があったということは明らかである。この問題の決着をつけるということ、被害者に対してそれ相当の補償をするということを、意見があくまで平行線だということで長年月ゆるがせにするわけにまいらないということで、いままで政府委員が説明したと同じような、最後の結論を出したわけでございますが、この結論を出す際に、これによって日米友好を維持するというウエートが大きかったかどうかという問題でございますが、結論的にはそれに寄与したと思いますけれども、今回のように、裁判権を不行使という通告をした一番大きな原因は、少なくともこういう間違った行為があったということ、この問題についての決着を早くつけなきゃならないということが一番強い原因でございます。したがいまして、友好を維持するということのためにこういう結論を出したというふうには御解釈をいただかないようにお願いしたいと思います。
○野田哲君 いまの政務次官のお答えと衆議院の外務委員会や内閣委員会での宮澤外務大臣や山崎アメリカ局長の説明は、ちょっとニュアンスが違うんです。私、記録を、衆議院の場合読みましたけれども、日米友好のためにこういう措置をとったのだ、こういうふうに説明をしてあるわけなんです。 そこで私は、いまの政務次官の説明でありますけれども、今回の事件と非常によく似た事件が、ずっと以前、二十年ばかり前に起こっておるわけです。いわゆるジラード事件あるいは相馬ケ原事件、こういうふうに呼ばれておる、群馬県で起こった事件であります。この場合には、空砲で婦人を射殺をしておる事件でありますけれども、昭和三十二年の十一月十九日に前橋地裁で判決が行われています。これは非常に第一次裁判権の問題について争ったけれども、最後まで日本側が第一次裁判権を主張して、日本側で裁判を行っています。このことについてアメリカ国内では、当時、日本に駐留をして日本を守ってやっているアメリカの青年が、日本の裁判で罪人にされるということは、アメリカ人としてはがまんがならないという、言うならば市民運動といいますか、そういうキャンペーンも行われ、運動が起こっています。そうしてアメリカの連邦議会でも問題になるし、この第一次裁判権の問題について、アメリカ側では、政府のとった措置について、アメリカの最高裁まで持ち込まれてこの事件の裁判権を争っています。そうしてその当時は、アメリカの政府もこの問題の処理については非常に苦境に立った。そういうアメリカ側の状況の中でも、日本は第一次裁判権を最後まで主張して、日本で裁判を行ったという、こういう経過があります。今回政府がとった措置は、このジラード事件でとった措置とは全く相反しているわけです。 私は思うんですけれども、今回、政府がこういう措置をとったことについては、いま、外務省の方では、非常に長い間この問題はかかったと言うけれども、実際はこれは一年なんです。ジラード事件の方がもっと長く争ったんじゃないかと私は思うんです、第一次裁判権を。恐らく今回の措置については、このジラード事件のように、またアメリカ側で世論が動いたり、あるいは政府に対する追及が行われるなどして、アメリカ側の政府が苦境に立つ、このことに一番配慮があったのじゃないかと思うんですけれども、そういうことではありませんか、いかがですか。
○政府委員(羽田野忠文君) いまの御質問にお答えする前に、ちょっと、私の答弁で先生に誤解をいただいたのじゃないかと思いますので申し上げますが、日米友好関係の維持という配慮が、今回の裁判権不行使通告の場合に全くないというつもりで答弁を申し上げたのでございません。 〔委員長退席、理事稲嶺一郎君着席〕 いろんな、裁判を早く進ましてこの不幸な事件について決着を早くつける、いわゆる加害者の処分、被害者の救済、こういういろんな要素を検討してこういう結論が出た、その中にやはり日米友好関係の維持という一つの要素も存在したということは私も認めるわけでございます。そのいずれが重要でいずれが重要でなかったかという、程度の問題について私がいま申し上げたようなことでございますので、先生にその点、私のことばが足りなかったので、ちょっと補足して申し上げます。 それからジラード事件、相馬ケ原事件、この例をおとりになって、今回の裁判権不行使通告に対するものとの比較の御論議をいただいたわけでございます。私もジラード事件あるいは相馬ケ原事件というような、事件の名前はいま記憶しておりますが、その内容、あるいはどういうことでそういう結論になったかという点をつまびらかに存じておりませんので、この点については、これは私は答弁を差し控えさしていただきとうございますが、今回の伊江島の事案につきましては、本当にこの裁判権問題についてもう厳しい検討と討議をしたけれどもどうしても平行線、いずれがいいか——これか一方か四分で、一方か六分、あるいは五分一厘と四分九厘ということになっても、これはこうじゃないかという結論が出るわけでございますが、どうしても出ないというような厳しい情勢で、ついに今回のような措置をとらざるを得ないということだと私も承知をいたしております。前との関係で、比較の点がちょっとわかりませんが、伊江島の問題はそういう問題であるということをお答えさしていただきます。
○野田哲君 いろいろな要素があると言われるわけですが、いろいろな要素の中の一つに、この補償という問題も含まれておるわけでありますけれども、今回の問題の処理で、日米間で一番問題になった一つとしては、公務外か公務中か、こういうことが一つの非常に大きな問題点になっておると思うんです。この公務外であったか公務中であったかというような問題の決着をつけないままに、いま補償という問題を言われましたけれども、被害者山城君に補償措置をするにしても、これは問題が残るんではないですか、日米間の取り決めに。私の承知しておるところでは、相手が公務中で起こった事件であるという場合には、日本政府が直接被害者に責任を負う、こうなっているはずなんです。公務外ということであれば、これは防衛施設庁を窓口にして米軍側が一方的な査定で補償する、こういうふうになっていると思う。 〔理事稲嶺一郎君退席、委員長着席〕 したがって、補償の手続についても、公務中であるか公務外であるかということがあいまいなままでは補償手続ができないのじゃないですか。あるいはまた、被害者の方がその補償について不満があったときに、この不満を今後民事訴訟等で請求をしていく、こういう手続についても、公務中か公務外かということがはっきりしなければ手続のとりょうがないんじゃないですか。その点いかがですか。
○説明員(深田宏君) ただいま先生御指摘の点につきましては、まあ公務中あるいは公務外ということについて意見が合わないという事態は、この補償の問題に関連して非常にむずかしい問題を意味し得るということであろうかと存じます。確かにそのような心配はございますけれども、私どもは、あくまでもこの点につきましてアメリカ側は地位協定十八条の所定の手続、私どもとしましてはあくまでも十八条六項に基づく手続と考えておりますが、これによりまして所要の措置をとるというふうに考えております。
○野田哲君 そうするとあれですか、公務外ということでの手続をとると、こういうことなんですか。
○説明員(深田宏君) これは公務中、公務外という点があくまでも解決いたさないという非常に異例な事態でございます。したがいまして、この十八条の補償の規定は、五項におきまして公務中の案件、それから公務外の事案につきましては六項ということでございまして、それではいまのような事態について全然手当てがないということになってしまうおそれもございます。そのようなことではこれは困りますので、何らかの形でやはり補償というものは行わなければいけないと存じます。したがいまして、アメリカの立場はあくまでも公務中という立場を当然保持しておるわけでございますけれども、補償の点につきましては、先ほど申し上げましたように、十八条六項による解決が得られるものと私どもは了解しております。
○野田哲君 法的主張が対立したという点で、いまの、まあ関連するわけでありますけれども、キャロル・ロック、ハロルド・ジョンソン、この二人が事件を起こした、公務中であったのかあるいは公務外であったか、こういう対立点でありますけれども、日米合同委員会並びに刑事裁判権分科会、ここにおけるこれらの問題の対立点というものは、今後あり得ることでありますから、非常に重要だと思うんです。 そこで外務省、あわせて委員長にお願いしたいんですが、このくだりについての日米合同委員会なりあるいは刑事裁判権分科会、この間、アメリカ側とやりとりをしてきた経過、つまり簡単に言えば議事録、これは提供をしていただけますか。私としては、委員長にお願いをして、資料としてぜひ提供してもらいたい、こういうふうに思うんですが、いかがですか。
○説明員(深田宏君) ただいまの点につきましては、別途の委員会等を通じまして御要望が出ておりました。もちろん御案内のように、合同委員会の決定あるいは議事そのものそのままの形で差し上げるということにつきましては、合同委員会合意によりまして双方の約束でそのままという形ではできないことになっております。しかし、御指摘のような非常に重要な事案でございますし、双方の主張がどういう形で述べられているかというような点につきまして、特に刑事裁判管轄権の分科会が合同委員会に提出いたしました報告のあらまし、大体どういう点が問題になっておったのかというようなことにつきましては、これを取りまとめてなるべく早い機会に御参考に供したいと存じております。ただ、先方のやはり了解も事柄の性格上取りつける必要がございまして、すでにアメリカ側と打ち合わせておりますが、たまたま向こうの関係者が東京に不在であるとか、まあそのような事情もございまして、最終的な先方の同意を取りつけるに至っておりませんので、現在これを提出するということはできませんが、ただいま申しましたように、私どもとしましては事柄のあらましを御説明し得るように、できるだけ速やかに措置したいというふうに存じております。
○委員長(古賀雷四郎君) 野田君、いまの参事官の説明でよろしいですか。
○野田哲君 ええ、いいです。 それからもう一つ、今回の措置をとった理由の説明の中では、加害者の行為はさほど悪質なものとは認められない、こういう説明がいまも参事官の方からありました。いままでの衆議院の審議の中でも、山崎アメリカ局長が、あるいはまた法務省の刑事局、同様の説明をされているわけであります。さほど悪質なものではない、その理由として、使用された火器、これは信号砲、地上と飛行機との間の信号に使う火器であって、人を殺傷するためにつくられた火器ではない、そのことがさほど悪質なものではないというような理由を法務省や外務省は挙げているわけであります。これは特に法務省ともあろうものが、使用した凶器が初めから人を殺傷するために、その目的でつくられたものではないんだから悪質ではない、こういう見解を表明されるということは、これは一体どういうことなんですか。そういう論法でいけば、猟銃を撃ったらたまたまそれが人に当たった、しかし、猟銃はけものや鳥を撃つためだから悪質ではないということと同じじゃないですか。刺身包丁を使って人を殺傷して、あの凶器は人を殺傷するためにつくったものではなくて、魚を切って刺身にするためにつくられたものだから悪質ではないというのと同じじゃないですか。こういうふうに火器が人を殺傷するために初めからつくられたものではないんだから悪質ではないという言い方は、これは山城君にとっても日本国民としてもこれは浮かばれないと思うんです。いまでもそういう見解を持っておられるのか、この点をまず伺いたいと思います。 それからもう一つは、終始一貫政府側の説明では、被害者である山城君の方に落ち度があったんだという立場に終始をしています。それはどういうことかというと、この山城君という青年が現地に入ったのは、アメリカの財産である薬きょうを拾いに入ったんだと、そして加害者はその薬きょうを、アメリカの財産を守るために立ち入りを排除する、こういう職務を持っているんだと、こういうことを終始一貫説明をしておられるわけです。私どもが承知をしているところでは、山城君は薬きょうを拾いに入ったのではなくて、あの一帯で産業として非常に貴重な牛を飼うための、あそこに一番いい草が生える。それは演習が終了して、その演習終了のサインが出たときにはそこへ立ち入って草を刈る。これはいわば立ち入り権のような形で慣行的に認められていた。その日常のことを当日も行っておった、こういうふうに私どもは承っているわけです。現にここに日本弁護士会、日弁連の方で調査をした、山城君の話も聞いた日本弁護士連合会の調査、その中でも状況としてそういうふうに述べておられます。あなた方は一体山城君、被害者が薬きょうを拾いに入った、つまり窃盗に入ったのだという認識を持っておられるわけですか、それは本人からそういうふうな供述を聞いた上でそういう態度をとっておられるのですか、この点いかがですか。
○説明員(筧榮一君) 最初の信号銃の点でございますが、本件がさほど悪質なものではない、言いかえますならば、仮に日本で裁判権を行使すると仮定しました場合でも、起訴は免れない。起訴は当然ではありますが、懲役または禁錮までをもって臨むべきほどのものではない。言いかえますならば、罰金をもって臨むべき事案ではなかろうかというふうに申し上げているわけでございます。その理由といたしまして、先生御指摘の、ピストルのことといいますか、使用した凶器の点その他数点ございますが、挙げておるわけでございますが、信号銃が殺傷を目的とするものではないから悪質ではないということでもございませんで、普通、銃といいますと非常に危険性の強いものであるというふうに一般に認識しておるわけでございますが、本件信号銃は、レーダー等が故障しました場合に、訓練中の飛行機とタワーとの間で合図をする、連絡をするというためのものでございまして、赤及び緑の光を発する弾が出るということでございます。したがいまして、ピストルあるいは猟銃というようなものと比べました場合に、その銃及び弾丸の構造から考えまして、危険性の程度において格段の差がある。そういうことから、さほど悪質ではないということの一つの根拠としておるわけでございます。 それから第二の、被害者の方が本件の現場にどういう目的で入られたかという点につきましては、現地におきまして警察並びに検察庁におきまして被疑者、被害者、それから当時そこにおられました参考人の方から事情を聴取いたしました。その捜査の結果の事実認定でございます。それによりますれば、本件の被害者も薬きょうを拾うために現場に立ち入ったというふうに認定いたしておるわけでございます。
○野田哲君 それはあれですか、山城君がそういう供述を行っておるわけですか。その点どうなんですか。もう一回はっきりしてください。
○説明員(筧榮一君) 捜査一般についてでございますが、どういう人がどういうことを供述しておるという内容を申し上げますことは、当該人に対する関係と同時に、今後いろんな事件におきまして、捜査に協力をいただく方に協力をいただくのに支障を生ずるというおそれもございますので、だれがどういうことを言ったという点は差し控えさしていただきたいと存じます。
○野田哲君 その点は非常にあいまいなんで、これはまた機会を見て私も問題にしなければならないと思います。 そこで、法務省に重ねて伺いたいと思うのです。日本の国内で発生したアメリカの軍人の犯罪の裁判権の帰属について、昭和二十八年十月二十六日付で、最高裁の事務総長の名前で「刑一第一五一四二号」、こういう文書が出されています。表題は、「日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定第十七条の改正について」、こういう文書が出ています。この通達に添付をして、「改正行政協定第十七条および公式議事録に関する政府の解釈等」、こういう政府見解が刑事局長の名前で添付をされている。この通達並びに政府見解、これは現在でも生きておる政府の態度であると私どもは思っておるわけですが、その点いかがですか。
○説明員(筧榮一君) 最高裁判所の通達については、私ちょっとよく存じませんが、別添の「政府の解釈等」については、現在も——ただこれは旧行政協定でございますが、その前提におきます限りは現在も生きておるというふうに考えております。
○野田哲君 この政府見解では、こういうふうに述べているのです。第五項、「改正行政協定第十七条第三項の「公務執行中の作為又は不作為から生ずる罪」につき「公務執行中」とは当該合衆国軍隊の構成員又は軍属が公務に従事している時間中と解すべきではなく、公務遂行の過程においてという意味である。例えば、立哨中の兵士が挙動不審の者を発見し、これを誰何したが逃げ出したので守則に従って威嚇のために銃を発射したところ、過ってその者に傷を負わせたような場合がこれに当る。これに反し、勤務時間中であっても、食事のために帰宅すべく自動車を運転中過つて人を轢いたような場合にはこれに当らない。具体的事件において、それが公務執行中の作為又は不作為から生じたものであるかどうかの認定権は日本側にあるが、この点に関し公式議事録には指揮官又は指揮官に代るべき者の発行した証明書についての記載があるが、この記載は、この証明書に証拠能力を与える趣旨でもなく、証明力につき裁判官の自由心証を妨げる趣旨でもない。ただ刑事訴訟法により、証拠能力が認められる限り事実上重んずべき旨を表わしている。」こういうふうになっていますね。 そういたしますと、これがこういう立場に現在も立っているということになれば、この伊江島事件の処理については三つの点で非常に重要な見解を示していると思うのです。 一つは、公務執行中とはどういう場合であるかということの見解が示されています。つまり、これは勤務時間中であるかないかということは問題ではないのだ、公務の延長と言いますか、こういう形で起こった場合が公務中であって、公務そのものとは関連なく起こった問題については、勤務時間中であってもこれは公務中とは言えないのだ、こういう公務という問題についての見解を示しておると思うのです。 それからもう一つは、公務中か公務外かということは、これは認定権は日本側にあるのだ。 三つ目には、アメリカ側が公務証明書を発行しても、それは証明力について裁判官の自由心証を妨げる趣旨のものではないのだ、こうなっているわけです。 そういたしますと、今回とった措置については、この政府見解が生きておるとすれば、当然裁判権の帰属については日本側が認定をする、こういう立場に立たなければならないのではないのですか。この趣旨と、今回とった措置は、公務中か公務外かという問題の取り扱いについても、あるいはまた第一次裁判権を決定すべき方法についても、全くこの政府見解とは合致していないんではないですか。この点は一体どういうことなんですか。法務省並びに外務省の見解を伺いたいと思うんです。
○説明員(筧榮一君) まず第一の公務中の解釈の問題でございますが、いま先生御指摘になりましたように、勤務時間中であるということでは十分でございませんで、やはり公務の遂行の過程においてそれがなされたかどうかという点がいわゆる公務中の犯罪か、あるいは公務外かという点で決まってくるものと現在も考えております。本件につきましても、そのような観点から米側との間で議論をしてきた次第でございます。 それから第二の点でございますが、「具体的事件において、それが公務執行中の作為又は不作為から生じたものであるかどうかの認定権は日本側にあるが、」とございますが、これは具体的事件が公務執行中のものであるか否かについての認定権は日本側にあるというこの意味でございますが、仮に事件が日本国の裁判所に起訴された場合、その場合には裁判所は米国当局の態度いかんにかかわらず、公務証明書を含む全証拠を検討して、刑訴法三百十八条の自由心証主義でございますが、三百十八条に従ってこれを判断することとなるという、当然のことを述べておると考えております。 いまの点でございますが、公務証明書については、反証なき限りこれを尊重するということでございまして、たとえばほかの一部の国におきましては、公務証明書を出された場合には裁判所もそれはそのように判断しなければならないというふうになっておるところもあると承知しております。わが国におきましては、仮に裁判の過程で公務証明書を出されましても、裁判官は、刑事訴訟法三百十八条に従いまして、自由な判断で証拠の証明力を判断するということになるわけでございます。
○野田哲君 ですから、こういう見解があるんだから、結論は、結果はどう出ようとも、なぜ日本側で起訴して、日本側の裁判で、いまの公務中であるかどうかということも含めて、法的手続をとらなかったんですか。この点を明確にしてもらいたいと思います。
○説明員(筧榮一君) ただいまは、最終的には裁判所によって認定されるという点は先生御指摘のとおりでございますが、日米両者の間で見解が一致しないままにこれを裁判所に起訴するということは適当ではございません。合同委員会あるいはそれにおいて定められた手続によりまして、合同委員会において裁判権の帰属についての争いは協議して解決するということが地位協定にも規定されておるわけでございます。したがいまして、本件につきましても分科委員会で協議をいたしましたが、解決をするに至らず、合同委員会の協議にゆだね、さらにそれが地位協定二十五条三項の手続に移され、その結果本件の処理になったわけでございます。
○野田哲君 外務省政務次官、先ほど申し上げましたように、政府見解として、認定権は日本側にあるのだということの見解が示されているのですよ。この措置をなぜとろうとしなかったのですか、結論はどうあろうとも、政府見解がすでにそういう形で示されて、それに基づいて地位協定というものがこの裁判権問題については成立をしておるわけです。そこのところがいとも簡単に今回のように放棄されておったのでは、裁判権問題について日米間で合意が成立している意味が全くなさないじゃないですか、この点いかがですか。
○政府委員(羽田野忠文君) いま先生御質問の点について、法務省側から御説明がございましたが、私もそのとおりではないかと思っております。いまの先生が御摘示なさいました文書、これは刑事事件として日本の裁判所に起訴されて、そしてその裁判において日本に裁判権があるかないか、これはもう日本に裁判権がない、公訴を却下すべきだというようなその裁判権についての日本の刑事訴訟法による争いが起こった場合に、アメリカ軍が発行したその公務証明というようなものがどういう証拠力を持つものかというような点についての判断を示したものでございまして、今回問題になっているのは、その公訴を提起する前の、いわゆる公務執行中であるかないか、日本に裁判権があるかないかという、いわゆる公訴提起前の結論を出す段階のことがこの伊江島の問題で論点になっておると考えますので、ちょっと段階が違うのではないかというふうに私は感じるわけでございます。
○野田哲君 政務次官、この問題については経過をたどっていえば、アメリカ軍側は事件直後には公務証明書を発行しないという態度を発表しているのですよ。それが途中から公務中であるということで公務証明書を発行しているわけなんです。そういうふうに、当初アメリカ側が明確に沖繩の検察庁の方へ公務証明書を発行しないという態度を表明しているわけです。そういう点からしても、この具体的事件についてすでにそういう経過があることもあわせて、この政府見解にあるように、「公務執行中の作為又は不作為から生じたものであるかどうかの認定権は日本側にある」、こういう主張を日米合同委員会なりあるいは裁判権管轄の分科会でなぜ最後まで貫き通そうとしなかったわけなのですか。これが途中であいまいにされるということであれば、裁判権問題についての日米間の合意というものは全くこれは質が変わったことになってしまうじゃないですか、いかに文書は、どういう文書を取り交わしておってもですよ。そうなりませんか、いかがですか。
○政府委員(羽田野忠文君) 先生、ちょっとその文書を私に拝見させていただきたいと思うのですけれども…。——失礼いたしました。 いま先生御指摘の文書を拝見したわけでございますが、昭和二十八年十月二十六日最高裁判所第一五一四二号、これでございますか。
○野田哲君 それにつけてある政府見解、別添一の五項です。
○政府委員(羽田野忠文君) 私が先ほど御答弁申し上げましたように、これはいわゆる日本の裁判所に係属してからの証拠の証明力について裁判官の自由心証の、いわゆる証拠能力の問題についての見解というふうに私は解しますので、これは訴え提起後の裁判手続中の問題でございまして、本件で争いになっているのは訴え提起前の、いわゆるいずれに裁判権ありゃというその段階の判断、結論の問題と考えられます。 それから先生御指摘のこの具体的な伊江島事件について、当初アメリカ軍当局から公務中であるという証明書を出さないというような意思表示があり、その後これが公務遂行中の事案であるというふうに変わった経緯も先生御指摘のとおりだと思います。これは私ははなはだ遺憾な、見識のないことだと思います。この点は、本件が日本の方で裁判権を行使しないという決着がついたその時点におきまして、アメリカ側もこの公務証明書を出さないという意思表示をしたことが本件の裁判権について非常に混乱をさした、きわめて遺憾であるという点も表明をいたしております。私も、この点ははなはだ遺憾なことだというふうに考えております。
○野田哲君 政務次官の説明は、それじゃなかなかわれわれ納得できませんよ。時間がありませんから、改めて私はさらに見解をただしてまいりたいと思うんです。 問題は、外務省や法務省の方がそういう態度をいとも簡単にとっておられるということは、やはり非常に多数のアメリカの軍人、軍属、家族が住んでおる沖繩では特にこれは問題だと思うんです。 そこで私は、政府の関係者皆さんにひとつ資料を参考のためにお配りをして審議の参考にしてもらいたい。 いまお配りをする資料ですが、沖繩の復帰後に発生したアメリカ軍関係の米人による、あるいはまた外国人、米人がほとんどですけれども、犯罪の実態、そうしてこれに関連して地位協定十七条がいかに一方的に運用されているか、この事実を具体的な資料を提示をして政府の見解をただしてまいりたいと思うんです。 まず、昭和四十七年五月十五日以降の復帰後の四十九年末までの「外人事件罪種別発生検挙件数調」というのがあります。いま私がお配りをした資料というのは、すべてこれは沖繩県警並びに沖繩県の統計資料に載ったものであることをまず申し上げておきたいと思うんです。 昭和四十七年の五月十五日以降では二百十九件という犯罪が発生しておるわけです。四十八年が三百十件、四十九年が百八十件、わずか二年半の間に七百九件、八百九人の犯罪が発生をしておるわけです。これは沖繩全部の刑法犯に対する比率が件数では五・二%、人員では七・三%という非常に高い比率を示しているのです。そうしてさらにそれ以前にさかのぼりますと、一九六四年以降の復帰までの間の調査によると、毎年約一千件の犯罪が発生をしておるわけです。そうして検挙率はわずか五〇%にしか達していないという数字を示しておるわけです。特にこの中で、いま申し上げたような犯罪件数の中で地位協定の十七条第五項(c)号の規定によって被疑者の引き渡しを拒否された事件が、わずか三年の間に九件もあるわけです、人員にして十四名。ここに表にあらわれておりますように、いずれも強盗傷害、殺害、輪姦、強姦、狙撃、こういう凶悪犯がそれぞれこの十七条第五項(c)号、この規定によって身柄の引き渡しを拒否されているわけです。しかも、この犯罪の起こった事件というのは嘉手納航空隊の中で、アメリカの基地の中で起こった事件というのはわずか一件です。あとはみな沖繩県民が居住をしている市中で発生をしておる凶悪犯罪なんです。こういう状態を見ると、外務省、法務省、一体こういう状態でこの地位協定が平等な立場に立って運用されているかどうか、どうお考えになりますか、この点。外務省いかがですか、那覇市の辻という町で起こった強姦致傷事件、あるいは沖繩市で起こった殺害事件、あるいは具志川市で起こった強盗強姦事件、浦添市で起こった猟銃強盗事件、金武村で起こった輪姦事件、伊江島で起こった今回の狙撃事件、そうして金武村で起こった強姦致傷事件、北谷村で起こった強姦致傷事件、こういう事件についてすべて身柄の引き渡しを拒否されているわけです。たったこの間、少女がやはり金武村で石で頭をなぐられて暴行を受けた、これも身柄の引き渡しを拒否されている。これで一体地位協定、これに基づく合意事項が平等に運営されているとあなた方はお考えになっているのですか、外務省いかがですか、法務省もあわせて見解を伺いたいと思います。
○政府委員(羽田野忠文君) 地位協定十七条第五項(c)号事件のこの身柄の件につきましては、先生がいま具体的に九件について摘示されております。最もわれわれの記憶に新しい、先般の金武村における少女強姦致傷事件というようなものも記憶に新しいところでございます。 そこで私、これは先生の御指摘を待つまでもなく、非常に重大な関心のあることでございますので、特にこの金武村の問題について事実をはっきり調査いたしましたが、地位協定の十七条五項(c)号によりまして、日本で裁判権を行使する事案についても、日本で捜査をして公訴を提起するまでは身柄を日本の警察当局の方に渡さなくてアメリカ軍の方で専有しているということは、そのとおりでございます。 そこで、そのために日本の捜査並びにその後の裁判の進行等に支障があるかどうかという点をよく調べてみたのでありますが、この公訴提起まで身柄をアメリカ軍の方で専有はしておるけれども、日本の警察あるいは検察庁がこれを取り調べ、そして公訴提起に持っていくことについては十分の協力をし、捜査に支障のないという状態で、先般のこの婦女暴行事件の被疑者も、公訴提起と同時に身柄を日本の警察の方に引き渡しておるというような実情でございます。その他の事案についてもおおむねさようなことではないかと、私一つ一つについて検討しておりませんので、ここではっきり申し上げることができませんが、そういうことではないかと思います。 そこで、公訴提起まで、それではその犯罪を犯した者の身柄を日本に引き渡さないのは、日本の方に不当な地位協定ではないかという点でございますが、これは一見先生のおっしゃられることも、私、理由があると存じます。しかし、これ、逆にアメリカ軍の立場になった場合に、普通の日本に来て居住しているアメリカ人とかいうような場合と違って、軍というものは、ほとんどその軍人をその意思に従わずして沖繩に連れてきて兵営に住所さしている。そういう場合に、まだ犯罪があって処罰を必要とするという蓋然性ができる、公訴提起までの間に身柄だけはやはり軍にとどめ置くべきだというこのアメリカ側の配慮も、私は、やはりこれを納得できないでもないと思います。そういう両者の立場から、こういう十七条五項(c)号というものができたと思いまして、実際の取り扱いとして、日本の捜査並びに公訴の提起あるいはその後の裁判に支障がないという点で、私は、これはやむを得ないのではないかというふうに考えている次第でございます。
○野田哲君 法務省に伺いますが、確かにこの十七条の五項(c)「日本国が裁判権を行使すべき合衆国軍隊の構成員又は軍属たる被疑者の拘禁は、その者の身柄が合衆国の手中にあるときは、日本国により公訴が提起されるまでの間、合衆国が引き続き行なう」、こうなっています。こういうことで、身柄が米軍側の手にあって、いま申し上げましたような沖繩の市中で起こった犯罪について日本側として公訴手続が適正にとり得るんですか。とり得ないでしょう。どうですか。
○説明員(筧榮一君) たとえば今回の女子中学生に対する暴行事件でございますが、これにつきまして私ども報告受けておりますところでは、米側の方では、当該被疑者を、営倉と申しますか、拘置と申しますか、自由を拘束しておりまして、捜査機関の方で必要がある場合にはいつでもこれを連行し取り調べに応じさせるように協力したと聞いております。その結果もございまして、たとえば、この前の事件につきましては比較的短期間に捜査を終了して公訴提起を行い得たというふうに承知いたしております。
○野田哲君 いろいろ説明聞いておりましたけれども、時間もありませんので、最後に、問題たくさん残りますけれども、外務省の見解を伺いたいと思います。 いまのような外務省の、特にいま政務次官が述べられたような態度、これは安保条約六条に基づく米軍の地位協定十七条、この実質的な私は変更だとしか言いようがないと思うんです、今回の伊江島事件にとってきた外務省の態度。あるいは、いまこれだけ沖繩県で犯罪がアメリカの軍人、軍属によって多発をしておる、沖繩の治安状態というものが非常に懸念をされている、そういうときに身柄の引き渡しを拒まれるのもこれはアメリカの立場に立ってみれば理解できないこともない、こういう態度であり、また伊江島事件についても今回のような措置をとられるということであれば、これはもう、実際は旧行政協定十七条のアメリカ側の一方的な裁判権行使という形、この旧協定時代に逆戻りをしたとしか考えられないですよ、これは客観的に見て。あなた方の方では、そうはお考えにならぬですか、これは。こういうふうに非常に不平等に運用される道を開いており、しかも、それによって沖繩県民が非常に憤激をする、反感を買う、こういう措置が今回もとられた。これがまかり通るということであれば、地位協定そのものにこれは問題があると言わざるを得ないと思うんです。この地位協定ということになれば本質的には安保という問題になってくるわけですが、いまこの時点でそこまでは言いませんけれども、少なくとも地位協定について、われわれ国民が、特に基地周辺に居住をしている沖繩県民が今度非常に憤激をしておる。この皆さん方が納得するような平等な立場に立った地位協定というものに改定を申し入れる意思は日本政府としてはお持ちになっておりませんか。これはいかがですか。これを聞いて私は質問を終わりたいと思います。
○政府委員(羽田野忠文君) 先生が実際にこの被害者的立場にある沖繩県民の人々の心情を非常に憂慮されましておっしゃられること、私もよくわかります。基本的には沖繩でアメリカ軍のこういう不幸な事故が起こらないように、あくまで規律を厳正にして両者間のトラブルをなくするということを要請をしていかなければならないわけでございますが、不幸にして事件が起こった場合に、その処理につきましては、地元沖繩県の皆様方の感情も十分理解をいたしまして、公正かつ厳正な立場で処理していくという態度をいままでも維持したと信じておりますし、今後とも維持していくつもりでございます。 協定の改定を申し入れる意思はないかということでございますが、私は、現在のこの協定で十分目的を達し得るというふうに考えておりますので、協定の改定ということはいまのところでは考えていない状態でございます。
○二宮文造君 時間がありませんので端的にお伺いしたいと思うのですが、御承知のように、沖繩海洋博があと一カ月と少々です。この開催につきましては、沖繩の県民の方方は、果たしてこれがメリットがあるのかデメリットがあるのか、こういう議論が沸騰する中で工事もいよいよ進捗をして開会の日を迎えるわけであります。 したがって、それに関連をして、気にかかる問題を若干お伺いをしたいのですが、まず最初に、今日の時点で、この海洋博の観客数、これをどういうふうに押さえていらっしゃるのか、お伺いしたい。
○説明員(増山孝明君) 観客の入場者数予想につきましては、延べ人数で申しまして四百四十五万三千人というように想定いたしております。 内訳を申しますと、沖繩県に在住していらっしゃる県民の方、あるいは沖繩県に在住している外国人の方、合わせまして延べ人数で百八十五万七千人。それから本土に在住する他府県民、本土に在住する外国人等本土から参ります者が二百五十五万四千人。それから海外から直接沖繩本島に入り込みます外国人が四万二千人。以上でございます。
○二宮文造君 いま御説明いただきましたのは延べ人数。したがいまして、私のいただいた資料でもっと追加をしますと、たとえば沖繩に住んでいる人、県民並びに外人を含んで、一人が三回入場すると計算をしてこの延べ人数が出てきた。それからまた、本土からは、これは三つに分かれておりますから約百四十万人、百四十万人の人が沖繩に渡って、そして一・八回入場するものとして、それらをトータルして四百四十五万三千名と、こういうふうに数字をはじいていらっしゃる。だから、人数にしますと、全部をトータルして二百六万九千人という推定のようですが、この第二次推定はいつの時点でされた数字ですか。
○説明員(増山孝明君) この調査は、昭和四十九年六月の時点で海洋博覧会協会が行った調査でございます。
○二宮文造君 さて、いろいろ海洋博の問題について私も非常に関心がありますから、国民の間でどれだけの、コンセンサスといいますか、期待といいますか、そういうものを持っているだろうかと、これは統計的にとったわけじゃありませんが、どうも私の周辺で言われることは、沖繩というところは余りにも本土から言えば遠過ぎる、金額がかかり過ぎる、果たして試算をされているように本土から百四十万人の人が半年の間に沖繩へ渡るだろうかと、こういう不安を持つのですが、今日の時点においてもこの百四十万人という推定は崩しませんか。
○説明員(増山孝明君) 現在の時点でこの数字を変更するつもりはございません。
○二宮文造君 そうしますと、これはふたをあけてみなければわかりません。大阪の万博のときも最初は非常に盛り上がりが少なかった。しかし、地理的にきわめて好条件のところにあった。あるいは新幹線という交通機関が関心の的になった、さらには、だんだんに盛り上がってきたということで、予想外の好結果を得ました。あの数字は当初はどなたも予測をしてなかったと思うのですが、この沖繩の海洋博の場合は、この四百四十五万三千人という数字、これは上限なんですか、下限なんですか。上限下限という考え方でいきますとどういう線を考えればよろしいのですか。
○説明員(増山孝明君) これは入場者想定でございまして、上限であるとか下限とかいうものではございませんで、平均値というように私どもは考えております。大体この数字におさまるのではないかというように見ております。
○二宮文造君 だから平均の場合は、上限下限がなければ平均は出ないじゃありませんか、そうじゃありませんか。あなた、いま平均値とおっしゃった。平均というのは上があって下があって大体ここにおさまるだろう。これだけの大規模な、しかも沖繩のこれからの県民の——政府の言う説明から言えば、沖繩開発、沖繩の再建の跳躍台にしたい、こういうことで始まった海洋博でしょう。したがって、政府としては少なくとも、これくらいは予定しています、しかしまた、ムードいかんによってこれくらいにはなります、しかし大体ここでおさめますというのが四百四十五万三千人とするならば、これ以下にはならないというそれだけのやはり計画性、企画性というものを持たなければならぬでしょう。そういう意味でお伺いをしたい。
○説明員(増山孝明君) 私が平均値と申し上げましたのは、表現が不正確でありましたので訂正させていただきたいと思います。 この数字は、各種の調査によりまして見通しとして持った数字でございまして、四百四十五万三千人ぴたりというふうに数字が入場者と一致するということはありませんで、若干の数字の変動はあると思います。そういう意味におきまして四百四十五万三千人という数字が大体予想される入場者数ということで、若干の上あるいは下というものはあり得るとは思いますが、私どもは現在いろいろな調査をやっておりますが、その数字から見まして、四百四十五万三千人という入場者はほぼ確実に達成されるものであると考えております。
○二宮文造君 沖繩の県民にとっては、先ほど言いましたデメリットあるいはメリットといろいろの議論があった。しかし、こうやって始める以上は成功をさせなければならない。成功させるのは私はやはり政府の責任だろうと思います。よろしいですか。したがって、それでは沖繩海洋博が成功であったかあるいは失敗したか、その判定はやはり入場者数というのが判定の一つの大きなあれになるでしょう。よろしいですか、そうなりますか。それ以外にもありましょう、それ以外にもありましょうが、入場者の数というものは、成功か失敗かの判定の大きなかぎになる。この四百四十五万を下回るというようなことになれば、これはやはり政府の責任だ、こう申し上げてもよろしいですか、そのためのいろいろな対策はおとりになっているだろうと思いますが、もし下回るあなたはもう想定しない、そういうことは全然ない、私はあるかもしれない、こういう意見にいま分かれているわけです。こういう手を打たなければもっと下がるのではないかという考えを私は持っているわけです。したがって、もしこの四百四十五万以下になったときは失敗である、観客動員が失敗である、政府の責任である、こういうふうな認識に立ちますか。
○説明員(増山孝明君) 観客動員、このように見ているわけですけれども、これを達成いたしますために広報活動、あるいは運輸省にお願いいたしまして輸送対策の充実等を図っていただいているわけでございますけれども、これらの総合的な施策を推進していくことによりまして、何とかこの数字を達成したいと思っておりますが、万が一この数字を大きく下回るようなことがありますれば、私どもの努力が足りなかったと反省せざるを得ないと思います。
○二宮文造君 政府の方は反省せざるを得ない、結構なんです。しかし沖繩県民の方は、そういう政府の宣伝によって受け入れ体制を自己の資金でつくっているわけです。もし動員数が大幅に落ちたとしますと、ただでさえ深刻な状況にある県民の方が、またその関係の投資をされた方が、またぞろ大きな打撃を受けるわけです。だから政府は反省で済みますけれども、現地はそうでは済まない。そういう認識のもとに、ひとつこの海洋博の成功を目指して格段の努力をしていただきたいという私は願いを持っているわけです。 そこで、なぜそういう心配が出てくるかという問題をこれから申し上げてみたいと思うんです。 といいますのは、まず運輸省にお伺いしますが、輸送体制、沖繩県以外から沖繩へと、それから沖繩の本島内の交通体制、運輸体制、これはもう万全の体制がとれましたか。この点どうでしょう。運輸省の方いらっしゃいますか。
○説明員(熊木藤吉君) お答えいたします。 私の担当しております海上航路について御説明いたしますと……
○二宮文造君 ちょっと待ってよ。そんなこと聞いてないんだ。そういう連絡いってませんか。じゃ、しょうがない、通産で説明してもらうよりしようがない。
○説明員(増山孝明君) 沖繩本島への他府県からの輸送対策につきましては、航空機の増便及び船の増便によりまして、一日当たり約一万人以上送れる体制を現在運輸省の方で計画していると聞いております。
○二宮文造君 ちょっと運輸省の方、バスとかホーバークラフトとか水中翼船とか、それから空路の新設の申請とか、そういう問題抱えているわけでしょう。それらのわかる人を呼んでくださいよ、後で聞きますから。
○委員長(古賀雷四郎君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(古賀雷四郎君) 速記を起こして。
○政府委員(井上幸夫君) 便宜私から輸送能力について御説明申し上げます。 現在の計画では、本土と沖繩間の航空によります輸送能力は六カ月間で百四十三万人前後、海運によります分が約六十万ございますので、合計いたしまして、六カ月間の本土と沖繩の間の輸送能力は二百六万人というふうに計画されております。それから沖繩本島内におきます輸送能力は、バスが九百台、タクシー四百台、自家用自動車によりますものを十一万台強にらみまして、これに海上輸送の大型旅客船、ホーバークラフト、水中翼船によります分を合計いたしまして現在予想されております四百五十万人の交通量を満たすと、こういう前提で、道路その他の公共施設の整備をすべて終わっております。 以上、私から御説明申し上げました。
○二宮文造君 そういう台数、結構なんです。運び込むのも結構なんです。ところが、沖繩の県警がいま非常に心配しておりますことは、ピーク日におきましては那覇から会場の本部までの間で約二十四キロの渋滞が起こるだろうと、これを非常に心配しているわけです。ほとんどホテルが那覇あるいは中部に集中しております。したがって、二十四キロにわたる渋滞ということになりますと、暑さも暑いし、まず行った人が、まああんなところへは行くもんじゃない、とにかく車を見に行ったようなもんだという、この口コミになりますと、海洋博の人気が落ちる最大のもうネックになるわけです。しかしこれは、いまさらどうにも手の打ちようがない。それだけに、道路の手の打ち方、入れることの計算は結構ですけれども、輸送体制にはいま一つ抜本的な体制がなかった。これがまず致命的な打撃になるだろうと私は心配をします。したがって、一方通行なりそういうふうな交通規制を綿密にやって、それも会場付近だけじゃいけません。非常に住民の方にはお気の毒なんですが、那覇市とかあるいは沖繩市とか、そういうメーンに入る一方通行規制をピーク日には図らなければ、とてもじゃないが、輸送体制はこれはもうめちゃくちゃになっちまう、こういう注意をひとつ申し上げておきます。恐らくやってくれていると思うんですが、しかし、これは非常に手おくれになっているということが一つ。 それから自動車の関係の方いらっしゃるようですが、那覇から会場までの貸し切りバスの料金の認可申請が出ているでしょう。これは認可になりましたか。
○説明員(山下文利君) 貸し切りバスの運賃は昨年一回改定がありまして、それで海洋博を前にして改めて運賃改定認可申請が現在出ております。沖繩総合事務局の方で現在審査中でございまして、現時点ではまだ認可になってございません。
○二宮文造君 それはいつ認可になるんですか。また認可申請は幾らになっているんですか。たとえばいろいろ車種がありましょう。五十五人乗りで那覇から会場までの往復、幾らの認可申請が出ておりますか。
○説明員(山下文利君) 貸し切りバスにつきましては運賃体系が非常に複雑でございまして、もう先生御存じとは思いますが、距離制とか時間制とか、そういう組み合わせでやっておりまして、ケースによりまして非常に違っておりますが、一つのパターンをとりますと、現在の申請では約九万円前後になろうかとは思いますが、そういった申請は出てございます。
○二宮文造君 申請が九万前後になろうかと思いますというのじゃおかしいじゃありませんか。申請は数字が出ているわけでしょう。私が聞いているのでは、五十五人乗り往復で十二万円と、こういう申請が出て、ほとんどそれが認可になるであろうという推測のようですが……。
○説明員(山下文利君) 貸し切りバスの運賃につきましては、時間制で一時間幾ら、それから基本の場合は幾ら、そういったものを積み上げまして計算する場合と、それから距離制で、初めの何キロまでは幾ら、それ以後何キロまでは幾ら、それから付帯料金とか、そういう非常にたくさんの要目を入れてまいりますので、ケースによって非常に違いますので、一番極端な場合、たとえば一泊をして、それで待機を非常に多くかけるとか、非常に極端な場合は出てこようと思いますが、私が申し上げたのは標準的な場合でございます。十二万円になるかどうかは、全くいまのところは査定を終わっておりませんので、お答えいたしかねます。
○二宮文造君 いつ認可されるんですか。
○説明員(山下文利君) この認可につきましては、沖繩総合事務局の権限でございますが、近々、来週か再来週のうちには認可になるというふうには聞いてございます。
○二宮文造君 じゃ、続いて海上運賃で、ホーバークラフトあるいは水中翼船、さらには船ですね、大型船、これによる料金の認可申請は出ていると思うんですが、これも、幾らの申請が出ているのか、また、いつ認可されるのか、そういう見通しを御説明いただきたい。
○説明員(熊木藤吉君) お答えいたします。 現在申請が出ております内容は、客船につきましては千五百円、ホーバークラフトにつきましては三千四百円、水中翼船につきましては三千円という申請になっております。認可の時期につきましては、いまほどバスの運賃認可が近々という話でございますが、それに合わせてというふうに承っております。
○二宮文造君 これは一言苦言を申し上げておきますが、ここを先途と高い料金申請が私は出ていると、こう聞いております。たとえば東京周辺のバスの貸し切り運賃、これはいろいろ計算があるでしょう、ありましょうが、私が十二万円と指摘をした、これは二百キロですね、百キロの区間を往復する、こう仮定して十二万円ぐらいの申請が出ていると申し上げましたが、東京周辺では往復二百キロ大体六万三千円見当。しかも、あなたがいま待ち時間だとか何だとかという説明をされておりましたが、今度の海洋博の場合は違うのです。ほとんどピストン輸送です。貸し切りで行ってその車がじっと翌日まで待つんじゃなくて、それは直ちに引き返してくる。要するに往復とは言いながらも、往復お運びしますということであって、同じ車が走るんじゃないわけですね。もっと料金の計算は簡単になるはずだ。待ち時間とか何とかという計算要りませんから。したがって、そういうのを考えてみても十二万円と六万三千円というのでは余りにも高過ぎるのではないか。この料金が高いということが、お客さんが行っていやになる最大の原因なんですね。それからホーバークラフトにしても、水中翼船にしても、船にしましても、本土の航路、しかも今度は非常に稼働率がいいと思います。稼働率もいいしそれからお客さんを乗せる利用率と言うんですか、これもよろしいと思います。そういうものから判断をしますと、このホーバークラフトの三千四百円ないし水中翼船三千円、あるいは大型船の千五百円、こういうものは申請は高いのではないだろうか。したがって、これがどの時点でどういうふうに認可をされるかということが海洋博の成功、不成功の大きな原因になってくる。しかも、もう一カ月少々で開会になるというのに、いまだに認可料金を発表しない。認可をしない。こういう手の打ち方の遅れでは、一体運輸省は沖繩海洋博の輸送体制に積極的に取り組んでいるんだろうか、どうだろうかという心配を私持ちます。これはまあ当然返事は出てきませんから、そういうふうな点を御注意申し上げてこの認可料金が幾らに設定されるか、そしてもしそれが高いところに設定されて、そのために海洋博が失敗をする、こういうことのないように私はお願いをしておきたいと思う。 それで、通産の方にお伺いしますが、あなたはいままでのデータをいろいろ計算をして、四百四十五万三千人はまず間違いがない、こういうふうに言われましたが、それでは前売り券の販売状況はどうですか。これは一期、二期に分けて、それぞれ目標を立てて五月の末まで本土は大手のエージェントを中心に売り出した。また沖繩では管理本部主体に売り出した。こういう話ですが、現在までに目標に対してどれぐらい売れているか、御報告願いたい。
○説明員(増山孝明君) 五月末日で前売りの販売を締め切っておりますが、まだ本土関係の前売りの販売枚数が集計されておりませんけれども、四月末の実績で申し上げますと、沖繩、本土全部合わせまして十七万三千、それから五月分が沖繩のみですが五万六千、これを総合いたしますと、本土の五月分は落ちておりますが、二十二万九千枚。それから前売りの目標枚数というのはあらかじめ設定しておりませんので、これとの比較はいたしておりません。
○二宮文造君 私の手元に、海洋博前売り入場券販売実績表、管理本部四月分と、こうなっておりますが、それが五月二十日に提出されておりますが、それによりますと本土と沖繩ないし海外を含めまして十七万二千五百枚と、こうなっておりますが、これはこんなに狂うんですか、おたくの数字と管理本部から出ている数字は。あなたのは四月末現在でしょう。
○説明員(増山孝明君) 四月末現在で十七万三千枚、これ千単位の数字になっております。それから五月分が沖繩県分のみで五万六千枚です。
○二宮文造君 この前売り入場券の売り上げ実績で四百四十五万三千人の入場というのをどうやって計算されるんでしょう。
○説明員(増山孝明君) 四百四十五万三千の入場者は、別の面からの想定でございまして、一つは、昨年末に総理府に依頼いたしまして世論調査を実施しております。これによりますと、海洋博が知られているかどうかという周知度が八二%になっております。これは、本土の方一万人を対象としております。その八二%の方でどれくらいの方が現実に行きたいかという調査がございます。これでは三割の方が行きたいとお答えになっております。さらに、この行きたいという方のうち実際に行けそうだという人を調べておりますが、これがこのいまの三割の人のうちの一八%になっておりまして、全体の五・九%。まあ沖繩県を除きます分の五・九%の方が、実際に行けそうであるというお答えであります。これから一つとっているわけです。
○二宮文造君 まあ非常にお役所はそういうふうにアンケート調査、そういう統計調査で推測をして、楽な時点、楽な時点で数字をおつかみになるのが得意ですから、これはまあ意見が分かれます。しかし、私どもはやっぱり数字というものは入場券が一体何枚売れたかということ、そういう行きたいと思いますかとか、実際に行けそうですかとかいうようなことではなくて、それに頼るよりもよほど数字は推計よりも実績の方が確実だろうと思うわけです。 したがって、ただそれで特に四月までの数字を見ますと、近畿方面の前売り券の発売状況が非常に少ないわけです。少ないというのは、東京あるいは東海道、そういうものの売り上げ実績と、調べてみますと六分の一、十分の一というような関係になっているんですが、これは特別に近畿方面に何かこういう販売実績を集計したその集計に基づいて、近畿方面にPRとして打つ手をお考えになる必要はありませんか。この点どうでしょう。
○説明員(増山孝明君) 特に近畿方面に重点を置いてという対策は、いまのところ考えておりません。しかし、全体を通じまして広報活動をさらに積極化いたしまして、各種の旅行エージェントにおきます海洋博コーナーの設置等、PRあるいはお客様の便利を図るという面では、今後ますます充実してまいりたいと思っております。 それから、入場者想定、先ほどの総理府の調査がございますが、もう一つ私どもと海洋博覧会協会の方で本土にございます大手八社の旅行エージェントを集めまして、ことしの春ですけれども、それまでの海洋博ツァーの募集状況等についての事情聴取をいたしております。これによりましても、その時点で百七万六千人という方がツァーに参加されるという実績になっておりまして、先ほど一番初めに御説明いたしました本土から行く観客が百四十万ぐらいですけれども、その数字と比べまして、ことしの春の時点で百七万、これも大手八社のヒヤリングでございまして、そのほか中小旅行エージェント等が抜けておりますし、また自分でいらっしゃる方の分が抜けておりますので、先ほどの数字と比べまして、ほぼ目標は達成できる見通しであると考えておる次第でございます。
○二宮文造君 ことしの一月に大手八社とヒヤリングをやったと、そうするとパッケージで百万人、その他で三十万人、これらをわれわれの手で扱いましょうと、扱えますというふうな大手八社の話があったということをよく承知しております。伺っております。ただ、本土においてはそういうエージェントを通じて入場券を発売しているわけです。そのエージェントはパッケージ、運賃からホテルから海洋博の入場券から、そしてまた食費まで、これを一括にして料金を組み立てて募集をしているわけですね。これがまた海洋博の成功、不成功に大きなかぎになるんじゃないかと、私心配しているわけです。といいますのは、ここにいろいろそのエージェントのパンフレットをおたくからいただいて、私、しさいに検討さしてもらいました。まず料金がまちまちであるということ。三泊四日ではあるけれども、料金がまちまちであるということ。こういうエージェントに入場券を、前売り券を頼み、そしてパッケージでお客さんを募集をする。その場合、やっぱり協会とすれば、お客様に失望させないようにある程度の値段の、いわゆるパッケージの中身をチェックする必要があろうかと思うんですが、それをおやりになっていますか。十二万円のもあれば十万九千円のもあれば十一万円のもあれば、それぞれまちまち。しかし、大体歩く方向は南部の戦跡めぐりと、それでその晩は一泊、翌日は海洋博、帰ってくる、こういうような大体回るところは同じになっておりますが、料金はまちまちになっております。これはどうでしょう、チェックされておりますか。
○説明員(増山孝明君) 通産省の方ではチェックはいたしておりません。
○二宮文造君 そうしますと、お客さんは行ってみなければわからないわけだ、全然。エージェントもそれはそれぞれ信用に関しますから、最大のサービスをするでしょう。しかし、ホテルには収容力があります。あのホテル、このホテル、やはり人によっては同じ料金を払いながら、入れられたホテルが違います。そういうところに不満が出てきましょうし、第一、このパンフレットによりますと、豪華なホテルへ御案内しますというパンフレットもあれば、中には特Aクラスのこれとこれと、こういうホテルに御案内しますというのもあれば、Aクラスのこれこれに案内しますというのもあれば、しかし行ったお客さんにとってはどうでしょう、これは現地のホテルが特Aであるか、Aであるか、Bであるかというのはお客さん行ってわかりますか。これどうでしょう。やはり疲れて休むところ、旅の疲れをいやすホテルというものは、こういう海洋博を目指しての長期の旅行でありますと、しかも一人十万円相当のレジャーでありますと、これはホテルの扱いというのは非常に影響してまいりますが、そういうところにも行政指導の手を伸ばしていられますか。
○説明員(増山孝明君) ホテルの選定等につきましては実施いたしておりません。ホテルの区分けとか、旅行エージェントがどのホテルを使うかということにつきましての指導はいたしておりません。
○二宮文造君 もう一つ、パッケージがいろいろ組まれておりますね。ところが料金自体決まってないんですよ。運輸機関の料金も決まってないんですよ。こういうふうな、とにかくパッケージですから、雑費も込んでいるんでしょうが、これはきわめて輸送体制、ホテルをどういうふうに利用するか、あるいはお客さんをどういうふうに運び込むか、要するに政府とすれば、会場は一生懸命おやりになったでしょう。世界にもいろいろ呼びかけておやりになったでしょう。しかし、肝心のいわゆる観客に対するサービスという面についてはきわめて冷淡であり、そういうところにトラブルが出てきて、もう一たん行った者が悪宣伝をすれば、これはもう最大の致命傷になりますよ。この点はどうでしょう。ちょっと長官、しばらく聞いていてください。これは開発庁でも結構です。
○国務大臣(植木光教君) 先ほど来の二宮委員の御質疑を聞いておりまして、海洋博を成功させなければならない。同時にまた、海洋博参加者が意義ある海洋博に参加できるようにしなければいけない。さらにまた、地元の関係業界を初めとし、県民には成功をさせる喜びを味あわせなければならない、こういう御配慮から出ている御質問でございまして、私が拝聴をいたしておりまして、やはりそういうところまで配慮を加えた行政指導をしていくべきであるというふうに感ずるのでございます。したがいまして、通産省とされましても、あるいはまた他の関係官庁といたしましても、きめ細かい海洋博の成功のための配慮、特に強い行政指導というものをしていくことの必要性を痛感をいたしました。
○二宮文造君 したがいまして、通産にお伺いしますが、このパンフレットにそういう意味で訂正を加えさせなければならないと思うのです。要するに私がお願いしたいことは、まずこれは自由経済ですから、各エージェントが自分の責任と信用において料金を組んだとは思います。しかし、なぜこういう料金が出てきたかという原価計算の説明ぐらいは通産省も受けてもよろしいのではないでしょうか。なぜこういう金額が出てきたか。場合によりますと、そのエージェントの機関を使って沖繩海洋博に行った。ところが、パンフレットに載っていたサービスはなかった、こういうことが出た場合に、あらかじめ説明を受けたエージェントの資料とお客様の申し立てと、それを突き合わせてエージェントに反省を求めるということもできるでしょう。したがって、料金の中身の説明だけは受ける用意があるかどうか、これをまずお伺いしたい。
○説明員(富田秀明君) ただいまの御質問に対しまして、旅行業法の関係から申し上げますと、沖繩海洋博につきましてパックを設定いたしております。パックというものは各旅行業者が自分のところの目玉商品といたしまして、どちらかと言えばデラックスな旅行ということで、旅行者の要望にこたえるために設定をいたしておるわけでございます。この販売価格の内容につきましては、私どもは、大体のところはヒヤリングはいたしておりまして、大体の内容は聞いております。その内容といたしまして、非常に大きなウエートを占めておりますものは、申すまでもなく航空運賃が約半分程度でございます。そのほか大きなものといたしましては……
○二宮文造君 時間がありませんから、説明要りません。内容をつかんでいるかいないか、詳細にわたって。
○説明員(富田秀明君) 大体どういう構成でこの販売価格ができておるかということにつきましては、協会を通じて私どもは聞いております。
○二宮文造君 協会を通じて聞いているんですか。
○説明員(富田秀明君) はい。
○二宮文造君 おかしいじゃありませんか、全然聞いてないって。
○説明員(増山孝明君) 先ほど申し上げましたが、通産省としては聞いておりませんとお答えいたした次第です。
○二宮文造君 じゃ協会はつかんでいるわけですね。
○説明員(富田秀明君) 失礼いたしました。 協会と申し上げましたのは国際旅行業協会でございます。
○二宮文造君 ですからね、これは国家的な行事なんです。私、代表質問のときにも政府の取っ組む姿勢は余りにも甘いんじゃないかと、総理の施政方針の中にもなかったというぐらい、やはり国際法上に基づいた、条約に基づいた海洋博ですから、これは本当に成功するかしないかというのは——いままではいろいろ反対の議論もありました。しかし、やるからには成功させなきゃいけませんし、成功のかぎはやっぱりお客さんの満足ですよ。ところが、どうもいま見たら、このパンフレットを見ると、いわゆる旅行業者のえじきになってるんだ——言葉は悪いかもしれません、えじきになっているんではないか。パンフレット一つ見ましても——私どもは旅なれていますから細かいところ見ますが、一般の人はこの中に落とし込まれている穴には気がつかない。行ってばかを見る、こういうことになろうかと思います。したがって、ホテルを明記すること。それから、これはひとつ通産の方から海洋博協会の方へ注意をしてもらいたいんですが、沖繩のホテルにいわゆる表示をきちっとさせること。これはどこでも協定旅館とか何とかというランクの表示があります。これはやはり表示をさせなければならないと思います。 それからもう一つここで問題なのは、沖繩はいまホテルが急造されました。本土資本がどんどん入りました。いわゆる本土の大手エージェントがパックに組んでいるホテルは、ほとんど本土資本のホテルを使っているわけです。そのために、せっかく海洋博だというので地元の資本、なけなしの資本で、いわゆる協会から宿泊施設が足りない足りないということによって金をしぼって施設をつくったホテル、これが大手のエージェントの中に組み込まれてないわけです。これは地元に対する大変かわいそうなやり方ではないか。だから、このパックの組み方にも——この海洋博をバネにしていわゆる新しい沖繩をつくる、こういうことが政府の宣伝なんですから、やはりそれにふさわしいような、地元の方々にもそういう海洋博の恩恵と言っちゃ悪いんですが、張り合いというものが出てくるように、このパックの組み方等も協会からは指導すべきではないかと私は思うんです。これは見ていただいたらよくわかります。地元資本によるホテルが非常に大手のエージェントのパックの中では冷遇をされている、こういうことを私は感じますので、やっていただきたい。 それから次は、まあいま言いましたホテルの問題、料金の問題、交通錯綜の問題、まだたくさんあります。たとえば物価の問題があります。これも野菜、果物、これはいま急激に四月の小売り物価を見ましても上がりかけております.特に七月から十一月、二月というのは、十一月にかけては沖繩は野菜が払底します。そのために消費者物価がうんとつり上がるというのが毎年の例です。ちょうど海洋博にぶつかって、果たしてこの野菜が間に合うだろうか。そのためにお客さんも困るし、県民の方も大変な物価高に見舞われるんではないか、こういう心配があります。 そこで、まあこれはきょう時間がありませんので、海洋博に限らず、沖繩への物資の輸送について運賃を補助するという、ちょうどいま東京都が八丈島、小笠原に三品目に限って運賃を補助しております。そのためにどうにかそういう品物の値上がりを抑えて、いわゆる都会並み、都市並みに抑えられているという例があるんで、これはひとつ、沖繩が海上運賃、貨物運賃のはねっ返りで物価が非常に上がってるということで、運賃補助というのを将来検討してもらいたい、こういうことも思っておりましたが、これは時間がありませんので、最後に、この跡地の利用です。海洋博の跡利用、これは総務長官としてはどういうふうなことを考えて跡利用の計画に入ろうとされてるか、お伺いしたい。
○国務大臣(植木光教君) もうすでに御承知のように、海洋博推進対策本部に開発庁の事務次官を部会長といたします部会を設けまして、何回か会議を開き、十一日には現地を各関係省庁が訪れたわけでございます。ちょうどきのう、現地を視察しております。これが帰ってまいりまして、具体的にどのような利用をするかという方向を決めるということになるわけでございまして、いま直ちにどういうものになるかということについてはお答えするまでに至っておりません。しかし、もう精力的に、海洋博が始まりますまでに基本計画ができるようにということで私は督励をいたしております。
○二宮文造君 じゃ、あと一点だけ。 そうしますと、総括的な跡利用は別として、とにかくシンボルになったアクアポリス、あれの年間の維持費だけでも十億円かかるそうです。大変な維持費です。それは別として、だから跡利用というのを検討していただかなきゃならぬわけですが、現地沖繩県では四月からアンコールフェアをやりたい、こういうことで計画を種々あらゆる検討からいま考えを始めている。ところが、断片的なことだけ取り上げて大変恐縮なんですが、植木長官は非常にこれに対して気乗り薄であるというふうな意見がつけられているんですが、この沖繩県が考えております四月以降のアンコールフェアというものについて、これを実施できるように検討されるのか、これはもうできないものだというふうなことで検討されるのか、この点だけ伺って終わりにしたいと思います。
○国務大臣(植木光教君) 非常に気乗り薄ということはございません。ただ、どうすべきであるかということにつきましては、海洋博覧会の延長としてのアンコールフェアでございますから、いま通産省に対しましてアンコールフェアを行うべきであるかどうか、早急に通産省としての意見を出してほしいということを求めているのでございます。これと跡利用計画と非常に重要な関連を持ってまいりますので、したがいまして、私といたしましてはいまのところ私自身の意見は持っておりませんで、通産省の意見を聴取している、その段階で私にも判断をさしていただきたいと存じます。
○二宮文造君 ちょっと答弁が気に入りませんので……。 長官、これはひとつ、通産省の意見で私の考えをまとめますということじゃなくて、不幸にして開発庁長官という要職におられるわけですから、現地の意向はそういうふうに進めたい——それは成功するかしないかわかりませんけれども、しかし、半年そこいらでぶち切られたんじゃたまらぬわけです、沖繩の地元とすれば。こういうことも含めて、アンコールフェアということをいま県では真剣に考えられてるわけですから、長官自身として、デメリットを考えて、いわゆるそのネックを考えて、それを排除しながらでも、現地の要望を受け入れる用意があるのかどうなのか、これはひとつ長官の意思をお伺いしておきたい。
○国務大臣(植木光教君) もう御承知のように跡施設でございますね、これは外国館の施設でありましたり、あるいは民間のものであったりするわけでございます。したがいまして、そういう施設を果たして外国がそのまま運営をするのであるかどうか、あるいは民間の協力が得られるのであるかどうかという見通しもつけなければならないわけであります。恐らくこれはまあ半年でございますから、外国の協力を得るというのはむずかしいのではないかというふうに思います。それから民間も果たしてその後、引き続いて四月から半年なら半年アンコールフェアに協力してくれるかどうかということについても見通しがまだつかない状況である。したがいまして、海洋博の延長としてのアンコールフェアと申し上げましたのは、そういう内容を含んでいるわけでありますから、通産省の意見というものはやはり重要な位置を占めるわけでございます。したがって、県からの要請は非常に強いということは私も十分認識をいたしております。いましばらく時間をおかしいただきまして判断をさしていただきたいと存ずるのであります。
○渡辺武君 私は、沖繩県石垣島の旧平得飛行場、それから旧白保飛行場、これの跡地の返還問題について伺いたいと思います。 石垣島の農民は昭和十八年から十九年にかけて、つまり沖繩戦争の直前の非常に緊迫した状況のもとで、軍の手によって半ば強制的に土地を収用されております。このために現地の農民がどれほど苦しんだか、私は、ここに現地の農家の方々から私に寄せられた要請文を持っておりますが、そのうちの一部分だけを読み上げてみたいと思うんです。こう書いているんです。「戦局の悪化による避難中の地主の情況」と題しまして、「土地を収用され、作物補償金もなく土地代も二〇%のみ受領し日夜飛行場作業に徴用され食糧生産も思わしく出来ないまま山中に避難し食糧不足、マラリヤ罹病、営養失調によって一家壊滅等も出現し惨状筆舌につくせぬ状態であった。」。「戦後荒廃地の開懇状況」とした項には、「地主は戦後弾痕で荒され飛行場として石を敷きつめた土地を農耕地となすために死力を尽くし開墾し自らの土地を軍政府に地料を支払って耕作を続けて来た。その労役苦痛、損害は計り知れないものがある。」、非常に簡潔ではありますけれども、しかし、読めば実情が惻惻と身に迫るような文章で訴えているわけであります。こうした農民の要求は、当時の国家総動員法による収用措置によって土地を収用されたんだ。したがって、すでに敗戦によってこの土地が不用に帰したものであるから、旧所有者に返還してほしいというのが要求であります。 この要求に基づきまして、一九五一年以来、当時沖繩を占領しておりました米民政府、また琉球政府や日本政府などに対する陳情、あるいは請願すでに二十回以上に及んでいると見られます。ところが日本政府の方は、この沖繩がまだ復帰しない前には、とにかく復帰すれば何とかなるという態度をとっていたと思います。たとえば昭和四十五年の三月二十八日の参議院の予算委員会の速記録がここにありますが、この中で当時の佐藤総理大臣はこう言っておられる、「とにかく返ってくることが先決でありますし、」「返った際にただいまのようないろいろ紛糾があるだろうが、そういうことはよく話し合った上で解決をしていくと、こういうことにしたいものだ」というふうに答弁しておられる。返ってくれば何とかなるという説明をしておられたわけでありますけれども、現在すでに復帰後四年目に入っております。いまだに問題は解決されていないというのが実情であります。 私は、現地の方々から話を聞きまして、現地にも行きまして農家の方々の実情や意見をよく伺ってまいりました。当時、私がこの問題を伺って大蔵省に意見を聞きましたところが、現在調査中だから正確な状態を把握するまで返事は待ってほしいというような趣旨のお答えがありました。その後、大分月日もたったわけであります。 そこで、きょう質問に立ったわけでありますが、まず伺いたいことは、平得飛行場、白保飛行場、これの跡地の現状はどうなっておりましょうか。面積とか、旧所有者数とか、あるいは現在何に使われているか、その使用状況とか、こういうところをまずお聞かせいただきたいと思います。
○説明員(安倍基雄君) 現在、平得飛行場は面積七十七万三千平米、現状はそのうち約二十五万六千平米が石垣空港として使用されておりまして、その他が農地等として使用されております。それから白保の飛行場は面積が七十二万九千平米でございまして、これは農地等に使用されております。 地主の数でございますが、平得飛行場につきましては百二十名、白保については八十八名となっておりまして、耕作者は、これは必ずしも地主ではございませんけれども、平得につきまして九十五名、白保については六十五名ということになっております。
○渡辺武君 いまの石垣島の飛行場ですね、これに使われているところも一部分あると思いますし、そのほかにも使われているところがあるんじゃないかというふうに思いますが、そういう実態わかりますか。
○説明員(安倍基雄君) 石垣空港に使われておりますのが二十五万六千平米でございます、それは平得飛行場につきまして。
○渡辺武君 これは全部いま国有財産になっているんでしょうか。国有財産台帳などにはどの程度まで記入されているのか、その辺どうでしょう。
○説明員(安倍基雄君) これは国有財産として取り扱われております。台帳にもその旨記載されております。
○渡辺武君 復帰後満三年を過ぎたわけでありますが、その間、大蔵省としていろいろ調査されたことと思います。その調査の項目はどういう項目で調査されたか、また、どういう種類の人たちを調査されたのか、調査された人員あるいは回数など御報告いただきたいと思います。
○説明員(安倍基雄君) 調査のやり方といたしましては、第一次的には旧軍の買収資料があるかどうかということをまず第一に調べることにいたしました。これは古いことでございまして、なかなか探しづらいのでございますけども、たまたま石垣島の場合には戦場になってないということもございまして、登記簿の関係がまずはっきりしたと、それから旧軍の買収資料、これはなかなか手に入りづらかったのでございますけれども、たとえばこれは一部でございますけれども、売り渡し証書のようなもの、あるいは本人が代金を受領したという判をついたようなもの、そういうものが一部について出てまいりました。そういったことで、比較的石垣島の場合につきましては、戦場にならなかったという関係もございまして資料がある方でございますけれども、それとの関連で旧軍の関係者とか、あるいは当時の村に勤めておられた方などについて調査し、それから地主さんの方にもお会いして調査をしておるという段階でございます。 旧軍の関係の方々につきましては、やはり行方不明とかそういったものがずいぶんあるんでございますけれども、この旧軍の関係者は、石垣島だけということでなくて沖繩全体に関係した方が多いもので、それとの関連で調べております。 回数と申しますと必ずしもあれでございますけれども、石垣島そのものについての証言というよりは沖繩全体についての証言ということになりますと、五、六十名の証言を旧軍、村役場とかそういったところに勤めておられる方の証言を得ております。 地主につきましては、大体平得関係が、さっきも申しましたように百二十名が旧地主でございまして、白保関係が八十八名でございますけれども、ほぼその二割方の地主さんにお会いしていろいろお話を聞いているというぐあいに現地から報告してございます。 その中身のいろいろ分析など現にさせておりますので、いまここですぐございませんけれども、大体中身としましては、一体説明会があったのかどうか、代金を受け取っているのかどうか、そういうようなことを中心に聞かしております。 この旧軍の買収につきましては、一般的な方法といたしまして、説明会というものをまず開催してそこに地主、できる場合は全員、場合によってはその主要な方々、そういう方を集めまして、大体こういう趣旨で買収したいんだというお話をいたしまして、その結果よろしいということになりますとまたもう一度お集まりくださって代金を支払うことになる。これは沖繩の全体のあれといたしましては、多いケースとしましては、大体村長さんが一括受領されて、村長さんから皆さんにお配りしたというケースが多いようでございまして、私どもの現在の調査によりますと、平得、白保ともにそのような形態をとっておるようであるということでございます。
○渡辺武君 四年間にその程度の調査しかやっていないというのは、私はかなり怠慢だと思うんですよ。先ほども言いましたように、とにかく戦争が終わった直後から、アメリカ軍の占領下の当時からみんな一生懸命になってこの問題解決したいということで、あの苦しい暮らしの中で陳情に陳情を重ねてきているんですよ。返ってくれば何とかなると言いながらもう四年目に入った現在、そういう程度の調査というのは、とうていこれは現地の人たちは承服できないというふうに私は思います。 しかし、きょうは時間がないので次に移りますけれども、先ほど私申しましたように、現地の方々はこれは国家総動員法によって収用されたんだということを言っておりますけれども、その点について現在の大蔵省の判断はどうでしょう。
○政府委員(梶木又三君) いまお話しになっております石垣島の分につきましては、これは御承知のとおり戦場になっておりませんので大体登記簿もございます。そういうことで、私ども調べましたところ、登記の原因が売買になっておるわけでございます。御承知と思いますけれども、大体特別法でやりました場合には登記簿には収用ということになっておりますが、全部現地での原簿はいま申し上げましたように売買となっておりますので、私どもとしましては一応これは収用でないと、こういう判断をとっておるわけでございます。
○渡辺武君 先ほど契約書などがあるようなことも言っておられたけれども、契約書はどうですか。
○説明員(安倍基雄君) 売り渡し証書という形のものが部分的に見つかっております。これは通常、収用などの場合には売り渡し証書というものは作成しないと考えられます。これはやはり何といいますか、ちゃんとした売買であろう、それ以外の話でも、一応説明会というのがあって、そこで説明の上行われている。そして売し渡し証書も作成してある。これは全員について全部あるかという話になると、これはある人とない人と、つまり差別するのかという話になると困るわけで、その辺はあれでございますけれども、少なくとも一部についてはそういったものが現存することはわかりましたということでございます。
○渡辺武君 その売り渡し証書なるものは、石垣島の飛行場のどっちのケースですか。それから旧所有者のうちの何%くらいに当たりますか、そのあるというのは。
○説明員(安倍基雄君) いま手元にサンプルとして参りましたのは平得の分でございます。 それで概数として私が耳にしておりますのは、これはどういったかっこうで入手したのかということがございますけれども、三分の一以上のものについて見つかったということでございます。
○渡辺武君 それは何がですか。
○説明員(安倍基雄君) 売り渡し証書のことです。
○渡辺武君 代金については、先ほど村長さんに一括渡してそれから各所有者に渡ったというような趣旨のことを言われましたけれども、実際支払われていますか、全額。
○説明員(安倍基雄君) これは、いま現在部分的に入手しているものでございますけれども、それに関する限りは受領印がちゃんと押してございます。
○渡辺武君 それでは、いま報告していただきました調査の項目等々の内容と登記理由、売り渡し証書などの写し、代金支払いを証明するもの、こういうものを資料としていただきたいと思いますが、その点委員長、求めたいんでございますけれども。
○説明員(安倍基雄君) 現在分析中でございますけれども、正確を期した上で、できるだけ御希望に沿うように、先生のところにお伺いしてお見せいたしたいと思いますが。
○渡辺武君 そうしますと、売買だという趣旨の御答弁ですが、根拠法は一体どういう法律になりましょうか。
○説明員(安倍基雄君) いま手元に持っております資料によりますと、海軍につきましては旧海軍会計規則ということになっております。陸軍についても同様な規則があったはずでございます。
○渡辺武君 その旧海軍会計規則の第何条で、どういう条項に基づいてのことですか。
○説明員(安倍基雄君) 旧海軍会計規則第百十四条ということで、それにおいて随意契約ということになっております。
○渡辺武君 そうしますと、軍隊の会計規則の随意契約という形で、一方は国家権力、他方は民間の私人という関係での随意契約という形になるわけですが、恐らくその背後にあるものは民法上の売買というものが背後にあることじゃないかと思います。 私はいまおっしゃった、仮に登記原因が売買となっている、あるいは売り渡し証書がある等々で、形式の上では随意契約もしくは売買という形になっているとしても、しかしそのとおりに内容が伴っているかどうか、この点は非常に疑問を持たざるを得ないのが当時の実情じゃないかと思うのです。はっきり言いますと、実態はやっぱり半ばというよりもむしろ強迫による事実上の収用というのが当時の実態じゃないか。あなた方当時の軍隊の収用の経過、当時の実情、こういうような点についてまで調査されましたか。
○説明員(安倍基雄君) 当時における買収のやり方でございますけれども、これは先生おっしゃるように、気分的になかなか軍から言われれば反対しづらいという気持ちもあったかとは思います。これは必ずしも沖繩に限らず、内地全般についても言えることと思います。しかし、一応これは当時の昔の買収担当官、これは個別の、石垣ではございませんけれども、それがいろいろ記録をしているような状況を見ますと、ともかくまず地主の方に参集していただいて、そこで趣旨を説明し、皆さんの同意を得ると、そしてその後もう一度お集まり願ってそこで契約という判をついていただくという形にしておったようでございまして、それが事実上何といいますか、とても反対し切れぬというような気持ちを皆さんが抱いたこともあり得るかとは思いますけれども、当時の情勢としまして、沖繩であっても、また本土であっても、やはり国策に協力するという気持ちの方もずいぶん多かったと思われるので、これ一般を現在の気持ちでもって判断するわけにもいかないのではないかと思っております。
○渡辺武君 どうもわかりにくい答弁ですがね。とにかく自由に随意契約と、あるいは民法上の売買ということになりますと、売買の当事者が自由な意思を表明できるという条件が存在することが私は必要だと思う。ところが、大体契約の当事者というのは一方は軍隊、国家権力です。他方は零細な農民だ。もうそこから出発をしても、そうしてまた沖繩戦争直前の終戦の非常に緊迫した状況ということから判断しても、民間側に自由な意思表示の条件があるかどうか。当然これは疑ってかからなければならぬ問題だと思うのです。 私、ここに石垣島の平得飛行場の旧地主の一人であります西本さんという方が当時記録をつけて、当時のことを回顧した回顧録というのを書いておりまして、その回顧録の一節をここに持っております。これは陳情書などによくつけられているものですからあなた方もごらんになったと思いますけれども、こういう趣旨のことが書かれているのです。 日本海軍飛行場建設のことが発表と宣告されたのが昭和十八年の六月、そうして佐世保海軍施設部の海軍中尉、これは「氏名は不詳」となっておりますが、この方が主管となって、そうして八重山の警察署の武道場に集合しろと言われた。そこには八重山支庁長並びに上級職員、八重山警察署長ほか上級職員、八重山在郷軍人会長ほか幹部、八重山郡下各市町村長ほか上級職員、八重山郡下各小中学校長、新聞社の記者、八重山群島内各区長及び部落会長、この西本さんというのは当時は区長及び部落会長をしておられた方、当時の実情は非常に詳しい。こういう人たちが集められて、そうしてこの海軍中尉さんから飛行場の位置と構造について説明があった。所要面積約百町歩、名称は日本海軍石垣島飛行場と名づける。こういうことになっているわけですよ。 この回顧録の中で見落とすことのできないことがある。それはどういうことかと申しますと、「中尉殿より参会者全員に特に言い与えられた事」として、「我国日本は今某国を対手に臨戦準備にそなえるために石垣島に海軍飛行場を建設する 依って大命たることをよく知れ」ということをまず言い渡されている。そうして「本問題につき機密をよく守る中で地域住民に速かに発表して周知に努めよ」と、それから「建設工事については命によって絶対協力せよ」、こういうことを特に言い渡されている。これが一体自由な意思表示に基づく売買という状況で考えられることでしょうか、そうじゃないでしょう。 当時は、私が言うまでもありません、軍隊の命令に背けばもうそのことだけで国賊とか非国民とか言われた。そういう状況のもとでこういうことがやられている。農民がどうして軍の大命に基づくものだということについて、いやでございますと言えますか。しかも、農民の言っている国家総動員法の第十三条、総動員の目的だの土地の収用を定めたものです。これについては、ちゃんと罰則がある。 〔委員長退席、理事稲嶺一郎君着席〕 第三十三条に「左ノ各号ノ一二該当スル者ハ三年以下ノ懲役又ハ五千円以下ノ罰金ニ処ス」となっている。そうしてこの十三条の土地収用、これを命令を拒みあるいは妨げ、または忌避した者はそういう罰則にかかるんだということがはっきりこの国家総動員法に書かれている。そういう条件のもとでの随意契約、括弧つきの随意契約、そういうものですよ。これを普通の民間の人たちの普通の売買と同じようにみなすということはとうていできないじゃないですか。 もう少し御参考までに申し上げます。私のところへ現地の農家の人たちから次のような文書が来ている。これはいま申しましたように、その部落の主立った人たち、それに在郷軍人会だとか等々が入って命令を伝達して、これで買収が決まったんです、事実上。そこで区長さんや何かは部落の人たちにその命令を伝達する。その状況が書いてあるわけですが、「該当地主に対する伝達」という項の中には、「平得、真栄里、大浜各地区共それぞれ地区別に集まりをもち土地接収についての命令を伝達した。そして集合場所の周辺を憲兵が監視を行い一人の不承諾者も出さない様威圧する中で命令伝達が行われた。」そして括弧がついた言葉が次につけられています。「地主で会合に出席した人々は異口同音に当時の緊張した悲愴な状況を語り草にしている」、こういう状況です。さらに続けて、「用地の場所、面積、地価、土地代の支払い方法等は全く地主と一言の話し合いもなされないまま軍の一方的決定によって登記手続きがなされた。以上が接収当時の概況であります。」こうなっている。これは私は現地の農民がうそを言っているとは思わない。むしろこの方が、当時の状況を頭に浮かべて考えてみれば、全くこれは正当な表現だというふうにしか思えない。 〔理事稲嶺一郎君退席、委員長着席〕 なおついでに、私のところに現地の農家の一人の方が手紙を寄せておりますが、こういうことが書いてある。「先祖代々この土地からの収穫物によって生命をつなぎ家族を養って来た農耕地、或はかぼそい生活の中から爪に火をともす思いで貯えたお金でやっと買い求めた畑、小生の父山田伊舎は畑を買い求めるために全財力を傾けその直後子供が病気にかかり入院費に事欠きみすみす子供を死亡させ生涯の痛恨事だと嘆き悲しみこの畑こそ我が命だと守り続けていたのです。 それが戦争遂行の為ということで一言の話合いもなく軍命で突然工事が着工され農作物の収穫を待つ間もなく補償は勿論なく工事が進められた事に対し憤懣やる方ない状態だったと話している。」と、こう書いてある。一体これが、農民が喜んで自由な意思に基づいて軍と契約をやったということになるのでしょうか。その点どうでしょう。
○政府委員(梶木又三君) いま渡辺委員が読まれました点、これは私も決して農民がうそをついたとは毛頭思いません。切実なる声だと思うわけでございますが、先ほど事務当局御説明しましたように、いまの何といいますか、民主的な平和なときの感覚でいまおっしゃったようなことを回顧をしましても、若干これは無理があるんじゃないかという気もするわけでございます。それは確かに、完全に私は自由は意思のもとに売買されたとは思いません。しかしまあ、それは戦時中の戦争目的に向かって全員がばく進といいますか、向かっておったときでございますから、そこには若干のごり押しのような点もあったと思いますが、しかし、あくまでも先ほど申し上げましたように、海軍の会計規則に基づいて手続上はやっておりますので、やはり私どもはこれは売買であると、かように判断せざるを得ない、こういうことでございますので、いまから、いまの時点であの当時のことをきつく、これは自由な意思のもとに行われていないと、こういう御指摘を受けましても、それはもう非常に背景が違いますので、この点はひとつ御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○渡辺武君 その背景の違うところが問題じゃないですか。当時、戦争が切迫して、戦争目的だから土地をよこせと言われて、いやだと言うことのできないようなそういう背景こそが問題だ。しかも、いま私が申しましたように、軍の命令と称して土地を取り上げている。それをあなた方は随意契約だ、もっと言えば、民法五百五十五条に基づく売買だというふうに言いたいところだと私は思う。それは間違ってますよ。 私は、きょう時間がないから、当時その買収に当たった軍隊の当事者たちが何と言っているかということをここで読み上げる時間を省かなければなりませんけれども、一言だけ申しますと、たとえばこれは宮古の飛行場の買収に当たった元第三十二軍参謀陸軍中佐の釜井という人の手記でありますけれども、それには、「戦争がすんだら土地はもと所有者に返される旨説示して住民の積極的な協力が得られたのでありました」ということを言っている。 それからまた、同じく昭和三十九年の十二月三日に、元第三十二軍経理附陸軍主計中尉の田中譲利という人は、やはり同じように、「戦争が済んだら土地を元地主に有償で払い下げることを地主に申し渡したことは事実であります」というふうに証言をしている。つまりこれは、国家総動員法十三条、またその十三条を受けて十五条には、用事が済んだ土地はこれは旧所有者に払い下げるという趣旨のことが書かれているでしょう。そのことを言っているとしか私は思えない。これらのことを総合して考えてみれば、国家総動員法によってこの土地が収用されたということは十分に論証できるんじゃないでしょうか。どうでしょう、その点は。
○政府委員(梶木又三君) 先ほども申し上げましたように、登記原簿が売買でございますので、そういう特別法によりましたらあくまでも収用と書いてございますので、私どもは、先ほど申し上げた会計規則によって売買したものだと、かように判断をいたしておるわけであります。
○渡辺武君 形は売買のような形に確かに、あなた方の言うことが事実だとすればなっているかもしれません。しかし、内容はそうじゃないということを私は申し上げている。その内容をこそつかむのが、この問題を適切に処理するためのあなた方の義務じゃないでしょうか。 なお、重ねて申しますけれども、民法の第九十六条、ここには、「詐欺又ハ強迫ニ因ル意思表示ハ之ヲ取消スコトヲ得」ということになっている。これは、民法五百五十五条で売買ということが規定される。それについて、一言で言えば強迫によったものはいわば無効だということを規定した条文だと思うんです。いまあなた御自身が認めた。そういう状況もあったでしょう、ごり押ししたという状況もあったでしょう。まさに国家権力による強迫が行われたというのは明らかじゃないでしょうか。これが随意契約でもなく、普通の民間人の自由な売買でもないということは明らかだ。これは当然、あなた方が十分に考慮をして、そうしてその上に立ってこの問題を解決しなければならない一番大事な点だと思いますが、その点どうでしょう。この点は総務長官にもあわせて、大蔵政務次官と同時に御答弁いただきたいと思います。
○政府委員(梶木又三君) 私どもはまだ強迫が当時あったかどうかという事実はわかりませんし、強迫という——お言葉を返すようでございますが、そういう言葉には私ども首肯しかねるわけでございます。だから私どもあくまでも、繰り返すようでございますが、売買によったものだと、かように考えておるわけでございます。
○国務大臣(植木光教君) この土地の問題については、いま担当省であります大蔵省からお答えになった点について御理解をいただかなければならないと思うのでございますけれども、しかし、私といたしましては、石垣島は農業で将来の繁栄を図るべき土地でございます。すでに国といたしましても五十年度から石垣で国営土地改良事業の着手を行うことにしておりまして、いま問題の土地の一部がそれに入っているわけでございます。したがいまして、開発庁といたしましては、一日も早い問題の解決がなければならない、何とかひとつ政府及び関係者との間で円滑に問題の処理ができますようにこいねがうものでございます。
○渡辺武君 開発庁長官の方からはそういう強い意見がある。大蔵省としてもこれは当然考えなければならぬ問題だと思うのですね。しかも、あなた御自身が、そういうごり押しがあったでしょうということを事実認めている。ごり押しとは何か。農民が自由に意思を表明できないような形、こういう状況のもとであなたの言う随意契約なるものが行われたということじゃないですか。しかも、農民の側は、いま私が読み上げた資料でもはっきり示しているように、みずから進んで売り渡す意思を持っていなかった、言われたからやむを得ずやったんだ、そういう状況ですよ。その点どう思いますか。なお検討する余地があるとでも思いますか。どうですか。
○政府委員(梶木又三君) いま総務長官お答えになりましたように、農地で農耕されておる方々に国としてお譲りするようなことは十分私どもも検討をしなければならぬと思うわけでございますが、しかし、先ほどの登記が、あくまでも売買ということはこれはもう事実でございますので、これを変えて収用だというわけには私どもとしてはまいらない。その売買という事実に基づきまして、現在農耕されておる方々にお譲りできるような方法をひとつ真剣に検討しなければならぬ、かように考えておる次第でございます。
○渡辺武君 話がちょっと前へ戻りますけれども、なお確かめておきたい問題がありますので、一、二点伺っておきたいと思います。 先ほど代金の支払いが行われたんだという御趣旨の答弁がありましたけれども、これは本当に代金の支払いとして全額支払われたものですか、その点どうですか。
○説明員(安倍基雄君) 現在調べています資料が、必ずしも全部を網羅しているわけではございませんけれども、調べている限りにおいては支払われておるようである。また登記が完了するその際には、一応代金が全部支払われてから登記完了というような形をとっておるようでございますので、登記が完了しているところからも代金が支払われたということは十分推定される。でございますので、いまもう一度繰り返しますと、現在全員についてということではございませんけれども、相当の部分についてそういった資料はございます。それによると、やはり支払われておるということでございます。
○渡辺武君 土地の代金や支払いの問題については、先ほど読み上げた中にも一部出ておりましたけれども、なお重ねて、これは一九七一年の四月二日に現地の農家の方々が陳情しましたその陳情文の中に書いてあることでありますが、こういうことを言っている。「土地代金は日本軍の評価するままに応じて大浜村長の調製による土地代金支払調書の示すように僅かに二割の現金支払いがなされただけで残り八割は鹿児島興業銀行八重山代理店に定期預金又は当座預金にされ各人には預金証書が渡されました、その預金も終戦と共に凍結され現在尚土地代の八割は地主の掌中に入いっておりません、」こう書いてある。この中には二つの問題が含まれている。つまりこれは農家と軍隊との間で、いわば相対ずくで価格が決められたということじゃないということです。軍の方が一方的に値段を決めて、そうして後から通知してきた。支払いの方も土地を収用してから後から出してきた。それも全額渡っていない、二割は現金で渡ったけれども、あとの八割はまだ所有者の手に渡っていないということが示されている。この点はどう思いますか。
○説明員(安倍基雄君) まあ当時の実情、人によって違うというようなこともございますので、私どもの知っておりますのは、これは全員がそういうんじゃなくて、どうも私どもが調べておる過程で推論できますのは、皆さんの要望に従って現金をたくさんもらいたい人はそれ、預金でいいという人はそれという形で、わりとばらばらにもらっておるようでございます。でございますから、その方のケースの場合はほとんど預金になされた。その中身を見ますと、むしろ現金を受領した方もおられるということでございますので、全員について二割現金、あとは全部預金ということではないようでございます。
○渡辺武君 これは重大な問題で、現地の人たちとの間に大きな食い違いがある。事は金額、あるいはまた支払ったか支払われないかという問題であります。恐らく大蔵省銀行局の管轄にも属していることだと思います。銀行局で十分調査してもらいたい。その点政務次官どうですか。
○政府委員(梶木又三君) 銀行局の方で調査させます。
○渡辺武君 いずれにしてもこの問題は農民と軍との間で自由意思に基づいて価格が決められ、支払い方法が決められたんじゃないということですね。つまり別の言葉で言えばこれは民法五百五十五条で売買というところに決められている代金の支払いの契約というようなものじゃない。むしろ国家総動員法十三条に基づく土地の収用措置、この場合の補償金としか考えられない、こういうやり方は。その点どう思いますか。
○政府委員(梶木又三君) 何回も同じ答弁でまことに申しわけございませんが、総動員法とかそういう特別法によったところの収用でない、こういう判断を私どもはいたしておりますので、御理解をいただきたいと思います。
○渡辺武君 時間がありませんので、あと一、二問で終わりますけれども、大蔵省として、私はここであなた方にいろいろな事実資料に基づいて申し上げたことは、決していいかげんな、うそで架空のことを申し上げたんじゃない、あなた自身もそういうことはあるでしょうということを認めた。ですから、形式はあなた方が言うように、土地登記の原因に売買ということが書いてあるかもわからない。しかし、その内容はどうであったかということを十分に調べて、そうしてあの戦争中も大変に苦しめられ、戦後四分の一世紀以上の間アメリカ軍の支配のもとで特別に苦しんできた現地の農家の人たちの要望に沿った方向であなた方のいまの考え方を再検討することが必要じゃないか、そう思いますけれども、その点どう思われるのか。以前は、愛知前大蔵大臣などは温かい気持ちでこの問題は検討いたしますという答弁を国会でやっておられる。その点重ねて御答弁いただきたいと思う、これが一つ。 それからもう一つ、農地として売り渡したらどうかと考えているということでありますが、農林省の方に伺いたいんですけれども、どういうふうな措置を考えることができるのか、参考までに伺いたい。なお、その際、さっきも言いましたが、土地収用の際に地上に作物が生えているのにもかかわらずその代金を払わないでやっているんですね。この地上作物の代金はどうなるか。また、接収されて飛行場になった、それを後から借りて耕やしている、復元費用をたくさんかけて耕やしている。その復元費用はどういうことになるのか。それからまた、自分の土地であるにもかかわらず、戦後約三十年の間土地を借りたことになって、借地料を払って自分の土地を耕やしている。その借地料は一体どうなんだろうか、その辺もあわせて御答弁いただきたい。
○説明員(犬伏孝治君) 農地法によりまして売り渡しをする手続でございますが、先生からお尋ねの、本件土地についてはまだ農林省所管になっておりませんので、一筆ごとの土地の状況、利用関係、これをつまびらかにいたしておりませんので、一般的な手続、手順ということでお答え申し上げたいと存じます。 大蔵省所管の国有地でありまして、現に農業等に使われておる、農地等として使われておるという土地につきまして、農地法で売り渡しを受けることを希望する場合におきましては、まず、これらの売り渡しを受ける農民が自作農として農業に精進する見込みのある適格者であるかどうか、自作農と申しますのは農地法で規定しておることでございまして、みずからの農地等につきましてみずから耕作を行うというのが自作農でございます。そういう人であるかどうかということをまず調査いたします。その調査の結果、適格者である農家が当該農地等を使用しているということが認められましたときには、所管がえについて、大蔵省に対して農林省から所管がえを受けたいということで協議をいたします。その協議が整いまして農林省に所管がえがされた場合には、農地法の三十六条の規定によりまして、現にその農地等につきまして耕作または養畜の事業を行っている当該適格者に対して売り渡しをするということが一般的な手続でございます。 それから、いまお尋ねの第二点の復元費用であります。これについて、売り渡し価格の上でどうしんしゃくするかということにつきましては、これはその状況を一般的に調べた上でないと申し上げにくいのでございますが、事情によりましては、売り渡し価格を算定する際のしんしゃく事由ということにすることは可能でございます。 それから、貸付料として支払っている価格については、これは先ほど来の、その土地の所有者の性格の問題でございまして、私ども大蔵省から所管がえを受ける土地につきましては、所有権が確立されておるという前提でございますので、それを売り渡しの際のしんしゃく事由にするということは、これは困難でなかろうかというふうに考えます。
○政府委員(梶木又三君) 言うまでもございませんが、この沖繩は戦争中あるいは戦後、長い間非常に御苦労されたところでございますから、それはもう私どもとしましても温かい気持ちで対処しなければならぬと、これは申すまでもないわけでございます。 先ほど来問題になっております石垣島の飛行場でございますが、これは先ほど国有財産課長が調査につきまして怠慢というおしかりを受けましたけれども、一応調査をずっと一生懸命やっておるわけでございます。まだ完全に最終的な結論をいまの段階では得ていないわけでございますが、いままで調査しましたところでは、代金も支払われておりますので、一応売買が成立したと、こういう考えに立っておりますので、いますぐこれを返還するというようなことは、沖繩本島あるいは内地、いろいろな同じようなケースがございますので、こういう関連がございますから、いますぐに返還するというようなことは私どもはむずかしいのじゃないかと、かように考えておりますが、いま農林省の方からも答弁ございましたが、現在そこで農耕をやっておられる方々、そして今後とも農業をやっていこう、こういう方々に対しましては、何とか早く結論を得まして売り渡しの処分をしたいと、これは目下一生懸命検討をしておる最中でございます。 飛行場に利用されておりますところは、これは県の方に無償でいま貸し付け中でございますが、これも沖繩本島等の関係がございますので、いますぐにどうのこうの結論を出すわけにはまいらない。今後ともいろいろ温かい気持ちでひとつ善後策につきまして検討してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○立木洋君 時間がありませんので、端的にお答えいただきたいと思うのです。 第一点は、先般私が質問申し上げました伊江島の民間空港の件につきまして、いよいよ海洋博も始まるわけですし、射爆場を隣に置いてわずか二時間半ということではきわめて危険である、この点については長官も安全を確保するために努力されたい。なお、射爆場が隣にあるというふうな状態では私としても好ましくないと考えておるというふうなお話もありましたので、この点、その後努力された結果どのようになっておるのか、その点をお尋ねしたいのです。 それからもう一つは、外務政務次官の羽田野さんにお尋ねしたいのですが、先般も私外務省にお伺いして直接お話ししたのですが、米軍の犯罪というのは大変ふえております。その点につきましては、先ほど来質問がありましたように、伊江島の山城安次君、さらには金武村における二少女の暴行事件、さらには新聞記者に対する暴力行為、あるいは強制連行というふうな事件がありました。さらには今回去る十一日、同じ金武村の海兵隊が路上で十数人酒を飲んでたむろしておって、そこを日本人の車が通ろうとして警笛を鳴らし、通り過ぎようとしたところビールびんや石を投げて、四つの日本人の運転しておる車がガラスが割られ、さらには一人の人が傷を負うというふうな事件まで起こっているわけです。御承知のように、この海兵隊はあのマヤゲス号事件に直接行って帰ってきたあそこの海兵隊であります。これは先般もお話ししましたように、厳しく日本の政府が態度を表明しない限り、こういう問題というのは今後とも続く、だからこの際このような一連の問題に関して、日本政府として厳しい態度を、アメリカ政府に通告すべきであるということをお願いしたわけですが、その点について、これらの一連の問題に関し、日本政府がどのような態度をとっていただけるのか、そのことを明確に御答弁いただきたい。以上です。
○国務大臣(植木光教君) 伊江島空港の利用につきましては、五月三十一日の防衛施設庁の告示によりまして二時間半の運用時間というものが決められたことは、先日の御質疑の中でも明らかになっていたところでございます。そこで、関係省庁と協議をいたしまして、利用者の多い土曜日と日曜日の二日間の終日の利用を、日米合同委員会施設特別委員会においてただいま折衝中でございまして、これは何とか実現をいたしたいと存じております。 なお、射爆場の問題につきましては、現在関係省庁と協議中でございます。
○政府委員(羽田野忠文君) 先生御指摘のように、最近沖繩にいる米軍によるいろいろな刑事事件が頻発をいたしております。こういう問題につきましては、政府は厳重なる抗議をし、二度とこういう問題が起こらないように対処してまいっております。最近の金武村における少女暴行事件、この事件につきましては、早速外務大臣がホドソン在京アメリカ大使を呼びまして、軍紀を厳正にして再びこういう問題が起こらないようにという厳重な申し入れをいたしております。この事件については、わが方の捜査に全面的な協力をしてもらいまして、この事件は日本の裁判所に起訴され、そうしていま身柄も日本に移って、裁判進行中でございます。 次のアメリカ軍の海兵隊の憲兵による日本人記者等の連行事件、これも行き過ぎであると、連れて行ってアメリカの基地の中に監禁するというようなことは行き過ぎであるという疑いがきわめて強うございますので、事件が起こって、先月二十七日、アメリカ局長からシュースミス在京アメリカ公使に対しまして厳重な注意をいたしております。これに対しまして、アメリカの方からも非常に遺憾であったと、いまこの問題についてはその当時の実情がどうであるかということを双方で調査、捜査を続行中でございます。 最後の先生のおっしゃられた一番新しい事件、金武村におけるアメリカ軍によるタクシーの運転手さんに対する暴行あるいはタクシーの棄損事件、これはいま警察庁で事実関係を調査中であります。外務省も密接な連絡をとって、事実関係がはっきりし次第、早急に適切な措置をとるという方針で進んでおります。 引き続いてこういう不祥事件が起こるということは、沖繩の人々に対する大変な不信行為になり、わが方としても非常に憂慮しているところでありまして、先ほど申し上げますように、軍紀を厳正にして再びこういう問題が起こらないようにという厳重なる注意喚起をするとともに、起こった事件については早急処理ということで努力をいたしております。
○喜屋武眞榮君 沖繩問題は余りにも多くて、何から手をつけていいかわからないという情勢の中で、きわめて短い時間でございますので、駆け足で申し上げたいと存じますので、ひとつ明確な御答弁をお願い申し上げたいと思います。 まず私申し上げたいことは、開発庁長官と外務政務次官に申し上げたいことは、私が沖繩県はいま軍事優先政策が行われておるんですかと質問をいたしますならば、そんなばかなことがあるかとすぐ御答弁になるでしょう。非常識だとおっしゃるでしょう。その非常識が現実の沖繩なんですということを私は強く申し上げたいのです。古傷はさわりたくないけれども、戦争による人的、物的のあの犠牲、そして戦後二十七年軍事優先政策によって布告、布令、指令、書簡、はなはだしくは朕は法なりといいますか、その軍事権力者の言葉そのものが法律の役目をしたぐらい、こういう情勢のもとで沖繩県民は四半世紀にわたってその生命、財産、人権の抑圧を受けた。四十七年の五月十五日復帰した。当然日本国憲法のもとに沖繩県民の生命、財産、人権は守られておる。それぐらいもわからぬのかと、こうおっしゃることを私は予想して自問自答いたしたわけであります。 と申しますのは、私は、特にいま外務政務次官にお聞きしたいことは、安保維持のために沖繩の県民を余りにも犠牲にしておると、こう思っておられますかどうか、まず、ごく簡単にお気持ちを率直に聞かしていただきたい。
○政府委員(羽田野忠文君) 安保維持のために沖繩の方々を犠牲にしているという考え方は全くございません。
○喜屋武眞榮君 安保は日米協力の基本憲章である。わが国の安全を確保するという国益と云々と、いわゆる国益論と結びつけて安保がよく述べられます。私は、きょうこの場で安保、地位協定に触れる時間を持ちません。ところが、その前提からくる犠牲が国民の上に、わけても沖繩百万県民の上に生命、財産、人権の抑圧となって日にち毎日ふりかかってくるということを知るときに、私は沖繩県民をみずからかわいそうな沖繩県民だなと、何とかわいそうな県民だと、こう言わざるを得ません。 さて、安保、地位協定は別にしまして、対米姿勢の弱さがさらに沖繩県民に大きな犠牲の輪をかけておる。政務次官このことはどうでしょう、いかがでしょう。
○政府委員(羽田野忠文君) 私は、こういうことは考えることはございます。日本全体のバランスを見ました場合に、沖繩には比較的多くの基地があり、多くのアメリカ軍がそこに駐留をしておる、こういう関係で、実際問題として比率的にいろんな問題が起こったり、あるいは精神的な抑圧というようなことで御迷惑をかけているという事実関係は、あるいはあるのではないかということを推測をいたします。しかし、日本の対米姿勢が弱いために特に沖繩の皆様に御迷惑をかけるという事態はないというふうに考えております。
○喜屋武眞榮君 いつもいじめ抜かれている沖繩県民の立場からしますと、私は逆であります。もっとしっかりしてもらわないというと国民はどうなるのか、わけても県民はどうなるか、こう私ははね返したい、失礼ですけれども。その裏づけについても一つ一つ論じてまいりたいと思いますけれども、ただ言えることは、いままで論じられた伊江島における山城君の事件に関する裁判権の放棄の問題、そして最近カンボジア、マヤゲス号事件の際の沖繩基地からの発進行動をめぐっての事前協議の論争、あるいは少女暴行事件、県道百四号線の封鎖、OTHの撤去、これも当然外務省、防衛庁が積極的に撤去の要求をすべきであるという点、これはアメリカ側から撤去と言われてもなお日本政府は要求する意思もないという意思表示さえもされたくらいなんです。そうしてMPの日本人青年連行事件、こういったもろもろの事件の背後にあるものは、私は対米姿勢の弱さ、いわゆる対等の立場ではなく、上下関係における、よく対米従属ということも言われておるのでありますが、こういう立場でのパートナーシップならばこれはおかしなことではないか。そのことがそこにおる人々の犠牲にのみとどまるならば、まず国民全体にこの犠牲が及ぶということになる。これは国民としても黙っておれない。ましてや沖繩県民としてはなお黙っておれない。基地がなければこのような嘆かわしいことは起こらないであろうという声があればこそ、基地は諸悪の根源であるということを全県民が超党派で確認し、基地あるがゆえに起こるもろもろのこういうことを、沖繩における基地撤去は大体三つの立場がある。一つは、反戦平和の立場、これはもう戦争体験者の立場からの強い強い要望。二つは、本当に平和な村、村づくりの立場からも。三つは、沖繩の永遠の本当の平和経済開発を画餅にしないならば、どうしても基地の金網にぶつかる、それを整理縮小していくと、このことに前向きの積極的な姿勢が、私をして言わしむればもどかしくてならない。率直に申し上げる例であります。 こういうことを前提にしまして、私はまず第一に水の問題、水の問題は御承知のように、復帰の時点で民移管になりました。そして、いま市町村が管理者となって基地関係は契約をし、民もそうであります。ところが、いま最後まで残っておる沖繩市、北谷村、嘉手納村、読谷村、この四つが軍の基地の底辺にあるものだから、なかなかけじめがつけないで今日まで及んでいる。ようやくその四市町村が合意を得て、沖繩市の管理にして契約するということになっていることは御承知のとおり。ところが、その結論に基づいて、一月の二十一日付で嘉手納基地司令官ベナー大佐あてに、一カ月以内に沖繩市と契約をするようにという公文を出しておる。これはもうあたりまえの話です。なぜかというと、日米合同委員会の合意の上に出た結論でありますから、ところが、言を左右して三回に及んで督促してもなかなか回答をよこさない。ところが、最後に来た回答は、検討をする必要があるから待ってもらいたいということを言ったと。その最後に、検討の結果来ておる申し入れが、いまもんでおる最中なんです。 その申し入れを沖繩市長から直接聞いてみましたら、水道料金は現在どおりにする。現在、一立方メーター軍は二十七円、民は四十円そのとおりにしてもらいたい。二が、水道料金改正の場合は軍の許可を得ること。三、現在その水道のメーターは基地の外にある、コザ市内にある、沖繩市内にある、基地内に移すこと。この三つの条件をつけていまこれでどうかというふうに軍は出しておる。そんなばかなことはあるかと、こう言って、いまもう水道のそれじゃ栓を締めて、いわゆる水攻めにしようじゃないかというぐらいに市民は怒っておるわけなんですね。一方、那覇市においては、ちゃんと日米合同委員会の結果に基づいて那覇空軍ですか、陸軍ですかへ契約がなされておる、これ資料であります。ところが、嘉手納においてはこういう公文、全く筋の通らぬことを言ってきたわけです。ところが、これを力づくでいかに市長ががんばっても、いかに知事ががんばってもどうにもならない、向こうがいやと言えば。そのような事件が、いまも申し上げましたいろんな事件が時の推移に任して、結局のっぴきならぬような状態の中で結末をつけたという、こういうことに、また、このこともなりかねないのではないかという心配があるわけなんです。これは開発庁長官も御存じだと思います。どうしてもこれは日米合同委員会の結果出た結論でありますので、出た結論を守らせるようにするのが、それが対米外交じゃありませんか。対米姿勢じゃありませんか。それを一方的に軍事権力者のわがままを許すような、ここには日米親善はないはずであります。このことについて、いま水の問題となると、これは厚生省になりますか、この契約の問題ですね、これがどうなっておるか。多くを答えてもらう必要はありませんから、現段階でこうなっておる、こういうことをひとつ聞かしてもらいたい。そしてこのことがあるということを総務長官や外務政務次官は御存じかと思いますので、ぜひこれを一日も、一刻も早くこの契約があたりまえのとおりに実現できるようにプッシュしてもらいたい、お約束してもらいたい。いかがですか。
○説明員(国川建二君) ただいまの嘉手納基地への給水問題でございますが、お話にもございましたように、現在、沖繩市から給水することで、ただいま沖繩市の水道当局と米側の契約担当官と、細部につきまして技術上の問題等を含めて、連日のように協議が行われているわけでございます。御指摘にもございましたように、合同委員会の決定に基づく行為でございますから当然でございまして、私どもといたしましても、必要ならば県が随時その調整をとっていただいて、一日も早く速やかに解決する、県も解決する所存で努めております。技術上の問題もありますので、若干日時を要するかもしれませんが、近いうちに円満に解決するものと思います。私どもも引き続き、これに対して県当局と十分指導その他を続けてまいりたいと思っております。
○喜屋武眞榮君 それを期待しておきます。 次に二点。VFWの明け渡しについて、これももう古い話でありますので御存じだと思います。結局、これは沖繩の浦添市、この論争は、復帰の前後からずっと今日まで尾を引いておる。復帰前ならアメリカが、復帰後なら日本政府がと、こういう責任のなすり合い。要求は、土地を即時明け渡してほしい。二つ、復元補償してほしい。この二つの要求をずっと貫いて今日まで尾を引いてきているわけです。 そこで、四十九年の五月二十八日付で、内閣総理大臣田中角榮氏から前尾繁三郎衆議院議長あてにこの回答がなされております。その回答に基づいて四十九年の六月二十五日、外務省のアメリカ局長と防衛施設庁次長連名で、地主の外間広次郎氏あてにその回答が行っております。 これによりますと、本件は「米国土地損害賠償審査委員会において決定されることになる。」こういう明快な回答が出されたので、それを盾にして四十九年六月二十八日に、米国土地損害賠償請求審査委員会あて訴願を出しております。その回答が五十年の五月二十一日、最近、「本件土地は一九七二年五月一五日前に地主に返還されたとは考えられない。」、「裁判権の欠如を理由に訴願を却下する」、こういうふうにその訴願却下が来ておる。政府見解と、アメリカの土地損害賠償審査委員会との見解が明らかに違っておるわけなんですね。 そこで、実はその地主の代表が訴えておるんです。経済的にも精神的にももう耐えられない、一体国はわれわれをどうしてくれるというのだ、われわれはどこにすがればいいのか、この回答をしてほしい、こう地主は言っておるんです。もう一遍申し上げますよ。日本政府からもアメリカからもけられた沖繩の地主は、経済的にも精神的にも耐えられない、もう根が疲れた、国は一体どうしてくれるのか、御回答願います。
○国務大臣(植木光教君) この問題につきましては、先日参議院の決算委員会においても御指摘をせられました。私は防衛庁長官に対しまして、その翌日、早期に解決をするようにということを申し出をしたのでございます。その後、まだ処理方についてのお話はございませんけれども、私からは強く申し入れをしております。
○喜屋武眞榮君 時間が刻々迫りますので、次は続けて二、三の質問を申し上げまして、それぞれの関係官から御回答願いたいと思います。 その前に、ひとつぜひこの機会に申し上げておきたいことがございますので、私先ほど対米低姿勢と強くあえて申し上げましたのは、一体、日本の官僚でありながらどこの立場に立っておるのか、どこの官僚であるかわからないといったような、国会の場を通じて、あるいは訴えの場を通じて、時にあるわけなんですね。人間だれでも誤りはある。しかし、不用意の中に語る言葉に真実があると私は思うんです。そういったまあ一、二の例で、たとえば少女暴行事件をめぐって、もう沖繩の新聞は一日として愉快な記事はなかなか見つかりませんが、私はこの「人間社会で犯罪はつきもの 少々の犠牲は」云々と、名指しは控えたいと思います。「やむを得ない事件」、こういう見出しで新聞に出ている。非常識です。これは記者の少しオーバーじゃないかと思って、私も新聞記者のオーバーじゃないかと思って、まさかと思ってその記録を、四月二十四日の外務委員会における記録を念のためにと探ってみたんです。そしたらやっぱりこうあるんですよ。結論だけ申し上げます。「駐留軍というものがおる以上、若干のそういう不祥な事件が起こることは当然であるわけでございます。」、こういう答弁をぬけぬけと公の席上で言っておるというこの感覚ですね。私はもう不思議でならない。こういった、例を挙げればまだ出てまいりますが、控えたいと思いますが、こういうことを強く指摘いたしまして、失礼ですけれども、強く厳しく反省を促したいと思います。 沖繩では、本土では考えられないほどです。この記事を見てください。この怒りが「沖繩弁護士会米兵犯罪にも抗議」、弁護士の立場から、法的立場からもうこれ許せないということで、弁護士団がたすきをかけて市中をデモしておりますよ、弁護士の方々が。労働者の大衆ならばいざ知らず、法の番人の弁護士がこうしてデモをして、これが沖繩の実情です。なぜ私が沖繩は軍事優先政策ですか、民事優先ですかと、こう問いを投げる背景がよくおわかりであると思います。またそうでなければいけないと思います。 一つは、簡単に開発庁長官に、先ほど来海洋博の問題が出ましたが、一つ気になりますことは、次の機会に詳しくは聞きますが、成功はもちろん、跡地利用の策定は開会までにできなければいけないということを主張しておられた。そのことが現段階でどう考えておられるか。 次には、先日沖繩に集中豪雨があったわけです。まだあれ以来私帰っておりませんが、新聞を通じてしか見ておりませんが、その被害を見ますと、がけ崩れがある、高速道路の亀裂がある、いわゆる海洋博道路ですね、国体道路の陥没がある、浸水騒ぎがいっぱいある、こういうことですが、この海洋博に影響がないかどうか。 それから一先ほどのごあいさつで長官のお言葉に、大阪万博の苦い体験のないようにというごあいさつがありましたが、その苦い体験の失敗を再び繰り返さないという意味だったかと察しますが、この点簡単にお答え願いたい。 次に、労働省に簡単にぜひお尋ねしたい。沖繩の労働者と失業の問題、生存権の主張にまで発展しておる。この深刻な二万一千人の失業者です。率から言うと五・二%、五%以上になるとその社会はいわゆる不安な社会、不安定な社会、困難になるということも聞かされております。そういう最悪の状態になっておる。そこで全国が二・一%ですからまさに二倍以上ですが、非常に高い数値を示しておるが、その原因をどう考えるか。その失業対策をどのように考えているか。この問いに対して簡単で結構ですから、詳しくはまたいつかお尋ねいたします。 次に、沖繩の土地利用計画の策定について、これは開発庁長官、国土庁になるかと思いますが、長官にお尋ねしますが、軍用地を計画の中に入れるというのが県の案であったと思いますが、この策定と軍用基地を外すか外さぬかという問題ですね、この点どう考えておられるか、お尋ねいたしたい。 次に、せっかくおいでいただいておりますのでごく簡単に教育問題をお尋ねいたしたいと思います。この前私質問主意書で回答を願ったんですが、その中に、一つは、現在の共済制度が社会保障制度の一環として行われているのであって、僻地勤務年数を加算するように年金上の勤務年数を改めることについては、他に例もなく御趣旨に沿いかねるということですが、これ福祉課になりますかね、私があえてこれを問いましたのは、本当に文部省が日本の教育を、僻地の教育を愛するならば、そして振興を思うならば、法改正してでも実現すべきであるという意図から私は問うたんです。他に例がないということは、これは勘違いでありまして、戦前も僻地勤務はその加算があったんですよ。戦前もあったんですよ、たとえば五年勤務すれば八年だとか十年勤務すれば十五年と。戦前さえもあったのに戦後はない、こういうこと。 二番目に、沖繩における学校給食の無償給与の延長の措置について、あの救済的援助に関する特別措置の取り扱いとの関連において慎重に検討したいと、こう言っておるが、この特別措置、具体的に内容を示してもらいたい。 それから私立高校の振興について、その予算の裏づけをわかっておりましたら発表してもらいたい。 以上申し上げまして、私の質問終わりたいと思います。
○国務大臣(植木光教君) 海洋博の跡利用計画につきましては、もうすでに御承知のとおり私が担当大臣でございまして、利用計画の方向を海洋博開催前までに策定するようにということで精力的に取り組んでいるのでございまして、一昨日、昨日にわたりまして関係省庁から現地の視察にも行っております。鋭意努力中でございまして、何とかしてこの海洋博開催までに利用計画の方向を策定いたしたいと考えております。 次に、集中豪雨でございますが、これにつきましては現地から報告も聞いておりますし、また新聞等によっても報道を大きくされておりまして、私承知いたしております。この災害の復旧につきましては、主務官庁の査定が終わり次第これに取りかかるということになるのが通例でございますから、これは一日も早く復旧されなければなりません。 なお、現在これによりまして沖繩海洋博に支障が起こるということは報告されておりません。そういうようなことがありますならば、私どもといたしましては絶対に支障を起こさないように努力をいたします。 それから、大阪万博について先ほど発言をいたしましたのは、大阪万博が行われましたときに、物価の上昇が見られた点がございます。それから万博が終わりました後、大阪を中心といたします近畿圏内の景気の落ち込みがございました。したがいまして、私といたしましては苦い経験と申しますのは、物価が上がらないようにという配慮を十分にしていくこと、さらにポスト海洋博で沖繩県民がお困りにならないように振興開発等を進めてまいりたい、こういう決意でございます。 それから、軍用地の問題について御質問がございましたが、これは国土利用計画に入れることになったというふうに私は聞いております。まだ発表はされていないかもしれませんが、私の方にはそのような連絡が参っております。
○説明員(江田茂君) ただいま御指摘のございました沖繩の失業率あるいは失業者数、全国に比べまして非常に高い数字になるという点、御指摘のとおりでございます。こういったような二万人を超えます失業者のうち、大半を占めておりますのが駐留軍関係の技術者でございまして、こういったような方々は一般の失業者に比べまして年齢が高いということと、まあ長らく基地の中で働いておられたために、その作業が非常に特殊でございまして、他に転職が非常にむずかしい、こんなことが失業者が非常に滞留してまいっている一つの原因でございます。さらにもう一つ、沖繩の場合には、他の都道府県に比べまして、労働力の吸収余力が非常に大きい製造業、第二次産業がウエートといたしまして非常に低いわけでございます。第三次産業あるいは農業というような産業のウエートが非常に高いために求人が非常に少ない、こういったことが失業者が滞留をしている一つの原因であるというぐあいに考えられるわけでございます。私どもといたしましては、沖繩県内の産業の振興によってそこに雇用の場ができるということが、この解決のためにはもちろん基本的であると考えるわけでございますが、とりあえず、そういう雇用の場ができるまでの間、本土の優良な求人に沖繩の求職者を紹介する、こういうようなことで、昨年の十月に沖繩地区を広域求職活動地域、こういう指定をいたしたわけでございます。これによりまして、本土に再就職をしたい、あるいは就職をしたい、こういった方に対しましては、約四万六千円ばかりの広域求職活動費、こういったものを支給いたしまして、本土の企業に来ていただいてその職場を見ていただく、こういうような制度を活用するというふうにいたしまして、本年初めにこれを実施いたしたわけでございます。第一回約八十名ばかりを対象にいたしまして実施をいたしましたところ、三分の一ばかりの方が就職をされたということで、現在の沖繩の県内の就職率と比べますと非常に良好な成績を得たわけでございます。本年度はこういった制度をさらに沖繩につきましては一層活用しようということで、現在沖繩県の方で本年度の計画を練っておられる、こんなような状況でございます。これによりまして、県内の本土に就職できる方を就職していただいて、沖繩県内の失業の圧力を少しでも薄めてまいる、こういうような考えでございます。 さらに職業訓練、ただいま申し上げましたように、駐留軍関係の方の職種が非常に特殊であること、こんなことから、職業訓練につきましては、科目あるいは定員というものを沖繩につきましては本年度でもって大幅に増員をいたすと、さらに私どもの紹介態勢につきましても、全国大幅に職員減員にはなっておりますけれども、沖繩の場合は、関係の各県から人を特に援助のために派遣をいたしまして、軍の関係の失業者を専門にいたします相談所を開設いたしまして、現在これは当たっている、こういうような状況でございます。
○説明員(中西貞夫君) 先生御指摘のように、恩給法におきましては、過去におきまして、いろいろな加算年というのが設けられておりましたわけでございます。これは、恩給法は現在の共済組合法と違いまして、使用者である国が与える金銭的給付というふうに言われておりまして、費用は国が負担しまして、使用者である国の種々な政策的配慮が加えられてそうしたものが設けられたというふうに考えておるわけであります。一方の現在の共済組合制度は、社会保険制度の一環として行われておるわけでございまして、厚生年金保険法、船員保険法、それから五つの共済組合法、これが現在の社会保険制度でございますが、公立学校の先生方は、地方公務員等共済組合法ということで、県庁とかあるいは市町村の職員と同じ法律の中でいろいろ規定をされているわけでございます。社会保険制度は、御承知のように、その運営の財源が、恩給の場合には使用者である国が負担するというのと違いまして、主として使用者と被保険者の保険料で賄われているわけでございます。そのまた保険料につきましても、被保険者分につきましてはお互いに教職員が拠出するというふうな、いわば社会的連帯思想を根底としてきているわけでございます。したがいまして、また年金等を支給する場合にも、その負担する保険料に応じて公平に扱うと、こういうふうになっておりまして、いわば保険料の拠出とその給付というのは対応関係を保つ必要があります。一部の者に対して、ある期間を加算するというふうな措置によって保険料を納めていない期間を給付の額にはね返させるということにつきましては、同じ制度の他の者との間の不均衡が生じて公平性の観点から見て好ましくないという結果になるわけでございます。そういうことからいたしまして、社会保険の制度では被保険者の勤務場所とかあるいは勤務条件等によりまして、その勤務年数を特別に加算するような例は現在の社会保険制度、先ほど申し上げましたものには全く見られないわけでございます。そういうことでございますので、繰り返しますけれども、現在の共済組合制度というのは社会保険制度の一環として行われておりますので、この制度に人事管理上の取り扱いに基づく政策的な配慮を加えるということは、この制度の目的からして妥当ではないと考えまして、各関係の法律を所管しております大蔵省、自治省とも相談しまして、御提出をしましたような御答弁を申し上げたわけでございます。
○説明員(加戸守行君) 学校給食用物資の五年間の無償措置につきましては、復帰前におきます当時の状態と復帰前の本土におきます状態との格差を急激に埋めることが困難であることを前提といたしまして、五年間の措置といたしまして、小麦粉、脱脂粉乳及びサラダ油の三品目につきまして無償で供与をする措置がとられたわけでございます。この五年間の期限が満了するという前提でございますけれども、この措置自体は県民生活に与える影響を考慮してとられた措置でございまして、その意味におきましては、たとえば食管特別会計におきます米穀あるいは麦類等の特別価格の設定、あるいは砂糖消費税の免除、あるいは乳児用粉乳の関税免除措置等々の、言うなれば県民の経済生活に与える影響の度合いの観点のものと性質的には同様のものがございます。したがいまして、復帰前当時に予想しておりました五年先の状態が、予想していた時点と変わったような県民の経済能力であり、たとえば学校給食費を負担する能力の面におきまして予測が違ってきたというような事情がもしあるとすれば、それに基づいた措置は、経済的な措置、他のいま申し上げたような措置との一環におきまして当然考慮さるべき事柄ではないかと考えまして、そういう意味におきまして、他の経済的措置との関連において検討したいという趣旨の回答をしたわけでございます。 なお慎重に検討したいという表現は、また五十二年度予算要求、つまり再来年度の予算編成の問題でございますので、現時点におきましてはいろいろな方法論を含め、時間をかけて十分に検討したいという趣旨でございます。
○説明員(高石邦男君) 私立高等学校以下の助成の財源措置について申し上げます。 高等学校以下につきましては、都道府県を通じてそれぞれの学校に補助金を交付するという仕組みをとっておりまして、その財源措置は地方交付税による財源措置で四十九年度まで実施してきたわけでございます。五十年度につきましては、一部国が助成を伸ばすという意味から国庫補助金を計上したわけでございますが、五十年度における地方交付税の生徒一人当たりの積算は、約四万三千円でございます。それから、国の方が直接に助成をする国庫補助金として積算しておりますのが、高等学校につきましては、一人当たり約五千円の積算になっております。 以上でございます。
○委員長(古賀雷四郎君) 長時間にわたり、御苦労さまでした。 本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後五時四十六分散会