運輸委員会国鉄問題に関する小委員会 第1号
- 発言数
- 20 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1975/06/20
会議録
○小委員長(黒住忠行君) ただいまから運輸委員会国鉄問題に関する小委員会を開会いたします。 委員長の指名によりまして、不肖私が小委員長に選任をされました。何とぞよろしく御協力のほどをお願いいたします。 —————————————
○小委員長(黒住忠行君) この際、日本国有鉄道の当面の諸問題について説明を聴取いたしたいと思います。小此木運輸政務次官。
○政府委員(小此木彦三郎君) 国鉄財政は輸送構造の変化に伴う収入の伸び悩み、人件費の増高、資本経費の増加等により昭和三十九年度に赤字に転じて以来、年々悪化してきており、昭和五十年度においては、償却後損益は約七千億円の赤字となり、同年度末における長期債務残高は約六兆七千億円に達することが見込まれるに至っています。 政府としては、昭和四十四年度以来、日本国有鉄道財政再建促進特別措置法に基づき、十カ年にわたる財政再建計画を定めて各般の施策を進めてきましたが、この計画は発足後三年にして改定のやむなきに至っており、現在、昭和四十八年度を初年度とする十カ年の再建計画を実施しているところであります。 しかしながら、この計画も運賃改定のおくれ、予想を上回るベースアップ等によって、すでに実績との間に相当の乖離を生じており、抜本的な見直しを行わなければならない状況に立ち至っております。 運輸省としては、国鉄が将来におけるわが国の総合交通体系において果たすべき役割りに応じ得る体制を確立しつつ、財政の健全性を回復することができるよう、今後の経済情勢の推移を見きわめながら、十分実効性のある再建計画を昭和五十一年度を目途に策定すべく、現在各般にわたる問題点を検討しているところであります。 今回、運輸委員会に本小委員会が設置されることになりましたことは、まことに時宜を得た措置であります。何とぞ本小委員会において、財政再建問題を初めとする国鉄全般の問題について、徹底した御審議をいただくようお願いする次第であります。
○小委員長(黒住忠行君) 藤井日本国有鉄道総裁。
○説明員(藤井松太郎君) 参議院の運輸委員会の諸先生には、国鉄問題、大小となく御指導を賜っておった次第でございますが、国鉄財政が非常に破局に瀕しておるということで、このたびこれを何とか打開する方法を検討しようじゃないかということで、本委員会内に小委員会をつくってくださいまして、ありがたくお礼を申し上げる次第であります。 ただいま政務次官のごあいさつにもございましたように、国鉄の累積赤字と申しますか、その総合集計は四十九年度の末におきまして二兆を超し、借金の合計は五兆を超すと。さらに五十年度に至りますと、累積赤字は三兆になり、借金の合計が六兆を超すというような破局的な様想に相なったんでありますが、今年度は皆様の御議論を煩わしたんでございますけれども、とにかく政府にめんどうを見ていただいて、借金で五十年度は切り抜けて、五十一年度に構想を新たにしてひとつ立ち直る道を見出してやろうというような御議論をちょうだいしているのでございますが、われわれの希望といたしましては、政府のいろんなごめんどうを見ていただいて借金をするということは、金利だけふくらして将来に送ったということにすぎないんで、これは問題の本質的な解決には相なっていないということは申し上げるまでもないんでございます。今回の御検討を願う案におきましても、そういう将来に問題を送るということにあらずして、ひとつ根本的に何らかメスを入れていただきたいということをお願いいたしまして、ひとつ十分お助けを願いたいということをお願いいたしまして、ごあいさつにかえます。
○小委員長(黒住忠行君) 次に、日本国有鉄道の現状について、政府当局及び日本国有鉄道当局から説明を聴取いたします。杉浦国有鉄道部長。
○政府委員(杉浦喬也君) それではお手元の資料に従いまして、国鉄の現状につきまして簡単に御説明いたします。 第一ページをごらんいただきたいと思います。この数字は、先ほどあいさつにございましたような国鉄の現状につきまして主な数字をここに集めたものでございます。 一番右側が五十年度の予算の数字でございまして、見ていただきますと、償却前約四千二百億、償却後、七千億の赤字が生じる。それからこれを足しました累積赤字は二兆九千八百億円、なお長期債務の残高は六兆六千六百億円ということに予算上は相なっております。 下の欄は運輸収入と人件費の対比をしておりますが、運輸収入は一兆六千六百億でございますが、人件費は一兆三千七百億になりまして、この割合をその下の欄に書いてございます。昨年四十九年度は運輸収入に占める人件費九一・三%でございました。これはその下の欄に書いてありますように、昨年のベースアップが二七・五九と大きなアップ率でございましたために、非常に占める割合が大きくなったものでございます。本年の五十年度予算におきましては八二・五%ということでございまして、これは予算上いわゆるベースアップ財源としまして五%と、それから定期昇給二・三%というものを加えた金額のみが人件費に入っております関係上、若干数字が下回っております。なお五十年度の一番下の欄のベースアップ率が空欄になっておりますが、これは先ほど仲裁裁定が出ました線によりますると、この数字は一三・三一%ということに相なる予定でございます。次の二ページをお開きいただきたいと思います。これはすでに御案内のような、昭和五十年度の予算を資金概計であらわした数字でございます。御説明の要は余りないと思いますが、一応主な数字だけをピックアップさしていただきます。 左の欄が損益勘定でございまして、運輸収入、雑収入の次に九番助成金受け入れ千九百七十九億円という数字が挙がっております。これは従来のような工事費補助金、再建債利子補給金、いわゆる孫利子補給のほかに特別利子補給金というのが挙がっております。四十八年から計上されておりますが、これは四十八年度及び四十九年度運賃改定のおくれによりまする金額につきまして、政府の借金による措置を行ったわけでございますが、その利息を国がさらに負担するという措置を行っております。これらが再建計画には載っていなかった財政措置でございます。その下の欄、資本勘定よりの受け入れ。十五番の数字でありますが、四千五百二十六億円。このうちで財政再建債相当額の千三百四十二億円及び資産充当三百億円というのは、従来の方式による数字でございますが、補てん額二千八百八十四億円という数字が実は五十年度の予算をつくる場合におきまして、どうしても損益勘定におきまして収支均衡をしなかった数字でございまして、この金額は右の方の資本勘定から損益勘定へ、いわゆる借金を繰り入れた形で計上した数字でございます。 これらの収入に対応いたしまして、支出はその下の欄に出ておりますが、人件費につきましては先ほど申し上げましたように、予算上の七・三%の数字が組み込まれております。 右の方にまいりまして、一般会計の出資金は七百億円。それから財投は五十年度で九千四百十六億円に上っております。なおまた自己調達資金は四千三百八十三億円、これらを資本勘定の原資といたしております。 その下の支出の欄でございますが、七十六番の損益勘定へ繰り入れの四千五百二十六億円が先ほどの数字に合うわけでございます。 七十七番、工事経費六千八百億円は、左の四十九年度の工事費と全く同額の金額でございまして、在来線、新幹線の内訳も昨年と同額と相なっております。以上が昭和五十年度の資金概計の数字でございます。 三ページは、いままでの国の財政助成につきまして、過去昭和二十四年以来の数字をすべて挙げております。 最近の数字を見ますと、二千八百九十一億円という昭和四十八年、これが非常に大きいわけでございますが、約二千六百億円から三千億円にかけましての数字が助成金として国から出ているお金でございます。以上のような数字のもとになります現行再建計画、これの御説明は詳しくは省略させていただきます。 四ページには、そのもとになります現在の再建計画の基本的な考え方が述べられております。国の助成、国鉄の合理化及び運賃改定、いわゆる三本柱の骨子がここに書いてあるわけでございます。 その次の五ページには、これを数字にあらわしました十カ年間の長期収支の表でございまして、一番下の欄から二番目の償却後損益で、昭和五十七年度三千七百九十二億円の単年度黒字が出るというのが、いわゆる現行再建計画の一つの大きな目標であったことを示したものでございます。 六ページはその再建計画におきまする国鉄の投資計画、総額十兆五千億、うち新幹線四兆八千億、在来線がここに掲げられてあるものを含めまして五兆七千億、合わせまして十兆五千億の数字を示しております。 八ページに飛んでいきますが、こうした現行の再建計画がここ二、三年のうちに非常に崩れてしまったということの実績の数字との対比が八ページに出ております。非常に大きな特徴として指摘できますのは、一番上の運輸収入でございます。四十八年、四十九年を見ますと、二千億ないし一千億程度の乖離が見られるわけでございまして、これは先ほど御説明しましたように、運賃改定の一年半のおくれのためによる減収でございます。 それからもう一つの大きな乖離の状況は、事業費のうちの人件費、物件費でございますが、四十八年は四百六十四億、四十九年は千九百三十九億というような人件費の増が見られます。これも先ほど説明のとおり、予定では一二・三%の人件費のアップを見込んでおりましたが、四十九年度におきましては二七・五九%のアップということで、こうした増額の数字になったわけでございます。その下の物件費につきましては、御承知のような四十八、四十九の非常に大きな物価変動ということに伴います物件費の上昇があらわれたものでございます。 こうした結果、一番下から二段目の償却後の損益の欄におきましては、四十八年度は二千三百九十五億、四十九年度は三千八百三億というような赤字の増が見られたわけでございます。以上が計画と実績との違いの数字でございます。 九ページからは国鉄の旅客、貨物の輸送につきまして、全体の他の交通機関との対比、シェアを示したものでございます。九ページは旅客のシェアでございまして、ごらんのとおり三十五年度五一%のシェアが四十八年度は三一%に落ちております。逆に一番顕著なものは、乗用車が五%から三四%のシェアにふくれ上がっておるわけでございます。 同様に十ページでは、貨物のシェアを示しておりまして、これも昭和三十五年度三九%のシェアを持っておったものが、四十八年度では一七%に落ちております。そのかわりに非常にふくれ上がったものは、上の線で見られるようにトラックの自家用、営業用の伸びでございます。 次に、十一ページ、十二ページにおきましては、国鉄のいわば特性というようなものにつきまして、エネルギーの観点、それから生産性の観点から、他の交通機関と対比をした数字であります。十一ページのエネルギーの消費効率をごらんいただきますと、旅客におきましては一人キロを運ぶのにどのくらいのエネルギーを消費したかという数字がこの左の欄に出ておりますが、どの交通機関に対比いたしましても、鉄道は圧倒的に数字が低いということを示しております。 それから右の貨物の欄では、同じく一トンキロ当たりのエネルギーの消費量でございますが、これもトラック、船舶に比べまして圧倒的に少ないエネルギーを示しております。 次のページは労働生産性を各交通機関で対比したものでございます。上の欄は旅客でございますが、一番右のところを、四十五年度、ちょっと古い数字でございますが見ていただきます。民鉄が一人当たりの人キロを見ますと七九五ということでございまして、これは七十九万五千人キロで非常に高いわけでございますが、それに次ぎまして国鉄が高いということを示しております。 それから貨物輸送につきましては、内航海運を除きまして、これも国鉄が一番高いという数字を示しておるわけでございます。 十三ページ以下は別な角度で国鉄の投資の数字をあらわしたものでございます。十三ページにおきましては、昭和三十五年からの各交通機関ごとの投資額を指数であらわしたグラフでございます。国鉄は一番伸びが少ないということを示しておりますが、この括弧書きで実際に各年度の投じた投資額そのものが出ておりますし、そこにはその指数をあらわしております。航空を除きまして道路が一番伸びが高いということでございます。 十四ページは国鉄の投資の各プロジェクト別にまとめました金額を、ここ数年間対比して並べたものでございます。五十年度の一番右の数字でやや特徴的なものは、上から二段目の新幹線、これは山陽新幹線を示しておりますが、四十九年度におきましておおむね完了いたしておりますので、五十年度にはぐっと下がっております。 それから上から六行目の合理化投資、七行目の保安公害対策、これらが昨年までの数字に比べてかなり高くなっております。しかし全体の合計におきましては昨年と同様の金額ということに相なっております。 十五ページは、すでに御案内のような全国新幹線鉄道の地図でございまして、右に括弧書きで出ておりますように、全体の延長キロは現在営業しておるものが約一千キロでございます。それから東北、上越、成田の工事線、さらに五整備計画線を加えまして約三千五百キロになる。それに十二新幹線、調査を予定しております十二新幹線を加えますと、いわゆる七千キロというようなことに相なるわけでございます。 十六ページをお開きいただきますと、これは若干変わった表でございますが、東北新幹線、上越新幹線の建設をやっておるわけでございますが、いかに現実の東北、高崎線という在来線が詰まっておるかということをあらわした数字でありまして、一番右の欄が東海道新幹線の開業前の在来東海道線の列車本数をあらわしております。二百三本と出ておりますが、現在の東北線はこれをすでに超えておりまして二百十一本、それから高崎線もややこれに近い百九十二本というようなことでございまして、いかに東北新幹線、上越新幹線の建設が急がれるかということの表でございます。 以上がいわば国鉄の現状のうち、総論的な形の数字でございますが、以下十七ページにわたりまして、国鉄の中から見ました細かい分析の数字が出ておりますので、これらは引き続き国鉄の方から説明をさしていただきたいと思います。
○説明員(天坂昌司君) それでは資料の十七ページから御説明をさせていただきたいと思います。 十七ページは、現在国鉄の経営状態が破局に瀕しているということは、ただいまの御説明であったわけでございますが、どういう推移をたどってこういう状態に立ち至ったかということを表にまとめたものでございます。活字が小さくてはなはだ恐縮でございますが、上の方の大きい表が経営損益の状況の推移を示したものでございまして、下の細長いものが長期債務の残高、それから工事経費、工事をした実績を書いたものでございます。 それで上の大きい表の一番左側をごらんいただきますというと、収入と支出、それと一番下に繰越損益、その一つ上に純損益という形で書いておるわけでございます。通常言われますように、下から二番目の表でごらんいただきますように、昭和三十八年までは黒字でございました。三十九年に三百億という赤字を出して以来ずっと赤字が続いておるわけでございます。ただし三十九年度、四十年度はそれ以前からの繰越利益がございましたので、四十年度までは六十五億の繰越利益を計上いたしておったわけでございますから、この点につきましても、四十一年度からは△になって今日に続いております。先ほど総裁からのあいさつにございましたように、五十年度では二兆九千八百十五億という、これは予算で見た上での数字でございますが、そういう累積の赤字を抱えておるわけでございます。 そのすぐ下に細長い表で五十年度の債務残高といたしまして、六兆六千六百五億という数字が挙がっておるわけでございますが、借金としてはこういう大きなものになっておるわけでございます。 それから収支の状態はさようでございますが、四十六年度の欄をごらんいただきたいと思いますが、収支差で四百十五億の赤を出しております。つまり償却前ですでに赤字に転じましたのが四十六年でございまして、この四十六年度から以降ずっとこの点につきましても赤字を続けております。この赤字分につきましては借入金——借金で賄っておりますし、それがまた利子を生むというああいう姿になっておるわけでございます。 それから先ほど御説明がございました政府からの助成金の受け入れといたしまして、損益で見ますと、四十三年度の収入の欄の下の方に助成金受け入れ五十四億というのがございまして、それ以後年を追ってふえてきておるわけでございます。 以上が十七ページを概観していただいた表でございますが、十八ページは運輸収入と営業費、これは人件費と物件費その他含まれておるわけでございますが、三十七年度から五十年度までとっております。各年次に左側の白い棒が収入をあらわしておりまして、右側の斜線あるいは点線のものが営業費をあらわしております。 三十七年度では、その下の表をごらんいただきますように、運輸収入に占める人件費の割合は四九%でございました。それが逐年ふえてまいりまして、四十九年度では収入の九一%が人件費でございます。五十年度はこれは予算でございますので、形としては八三%というふうに下がっておりますが、今次のベースアップの改定を含めればこのパーセンテージは上がっていくわけでございます。収入をもってしては人件費も賄えなくなる状態が近い将来に参るだろうと言われるのは、こういう趨勢に基づいた判断でございます。 それから十九ページは、これは国鉄は二万キロの営業キロで全国に交通のネット網を張っておりますが、すべての線が一様に経営状態が同じであるということではございませんで、それを線別に分けてみた表でございます。左の区分に従いましてごらんいただきますと、まず新幹線と在来線と分けてみました。 新幹線は線数は一でございまして七百三十二キロ、収支の係数は一番右側の欄でごらんいただきますように、これは四十八年度でございますが、四六という収支係数でございます。 その下の在来線をまた幾つかに分けてみますと、在来線の中で収支係数が一〇〇以下の線、つまり黒字を出しております線は二線でございます。キロ数で百・八キロ、これが収支係数七一でございます。その他の線区は全部収支係数が一〇〇を超えております。ただし一〇〇を超えておりましても作業費を賄える、直接費的なものを賄える線区は十一線で二千八百九十二キロございます。営業係数は一一二でございます。それから作業費は賄えませんが人件費の分だけは出てくる、人件費は賄えるというものが二十一線で四千キロでございます。あとの二百二十線、一万四千キロ、つまり四分の三の線区は人件費すら賄えないという姿に相なっております。ただし人件費すら賄えない線区はキロとしては長いわけでございますが、真ん中辺に収入という欄がございます。これをごらんいただきますと、ここから出てきます収入は千六百八億ということになっておりますが、その一つ上、人件費は賄える路線、あるいはそのもう一つ上、作業費は賄える線、この辺の収入の力が非常に強い。それぞれ四千三百億、三千百億というぐあいに強い収入力を持っておるという性格を持ったものでございます。まあ以上のように分析してみますと、御説明したような結果に相なります。 それから二十ページをごらんいただきますと、これはもっぱらその線区が赤字であったか黒字であったかによって分けたものでございます。三十六年度、これは一番左側の欄でございますが、三十六年度の一番下をごらんいただきますように、五百六十五億の黒を出しておりました。これは全体として黒でございましたけれども、その上でごらんいただきますように、黒字線は三十一線でございまして、営業キロとしましては五千キロ、つまり全体の線路の中で四分の一分黒であったことによって、残りの四分の三の線区を賄ってなおかつ余りがあったという形でございます。その後輸送の状況が変わっておりますから、現在ただいまでもそのとおりだというふうには必ずしも考えられませんが、三十六年の状態ではこういう姿でございます。その後黒字線につきましては、年を追って、この表でごらんになりますように減ってきておりまして、赤字線を当然抱えていけない、赤字線の赤字を賄っていけないという姿に相なっておるわけでございます。これも趨勢を示したものでございます。 それから二十一ページは、その辺のところを絵にかいたものでございまして、左の丸い絵をごらんいただきますと、幹線系線区としまして仕事の量が九二%、それから地方交通線としまして七%と載っておるわけでございます。これはそれぞれの線区の素質から見まして、私どもの会計で幹線系線区、地方交通線区と、それぞれ一万キロと一万一千キロに分けておりますが、幹線系線区と称せられます一万キロの線区で仕事の九二%を果たしております。残る一万一千キロで仕事の量は七%でございます。 それで真ん中の棒のグラフでございますが、それぞれ仕事量がこれだけ違うところから出てきます赤字は地方交通線は二千百二十一億、幹線系は二千二百八十九億と、ほぼ同じぐらいの赤字が出ておるわけでございます。その間の人トンキロ当たりの損失額、一番右側の数字をごらんいただきますと、幹線系線区では人トンキロ当たり、つまりお客様を一人一キロ当たり、貨物ならば一トンを一キロ運ぶごとに国鉄は九十二銭の赤字を出しております。したがいまして、この年度につきましては一キロ当たり九十二銭運賃のレベルが高ければ、この真ん中にございます二千二百八十九億の赤字は消えたであろうということでございます。それに比較しまして、上の地方交通線は一人トンキロ当たり十円七十一銭の損をしているわけでございます。 その間の事情はさらに次の二十二ページのグラフをごらんいただきたいと思います。ただいま申しました幹線系の損益の推移をあらわしたものが上の斜めになっておる表でございます。これは年度によりまして赤字を出したり黒字を出したりいたしておるわけでございます。四十七年度のところに点線で書いてあるわけでございますが、これは四十七年度の法案が廃案になりまして運賃の改定が実現できなかったわけでございますが、もしできておればということで入れた点線でございます。これでごらんいただきますように、適時に適当な水準の運賃レベルを与えられておりさえすれば、幹線系につきましては収支相償ってまいるという傾向が出ております。 それに対しまして、下の横に長い絵は、これは地方交通線の赤字額の推移を示したものでございまして、運賃の改定があっても赤字幅がふえているという性格を持ったものでございます。 それから次の二十三ページは、国鉄の仕事——輸送いたしておるわけでございますが、その量はどういうふうに変わっておるかということをごらんいただくものでございまして、旅客の推移をあらわしたものでございます。合計が一番左の表でございまして、表でごらんいただきますように、年を追ってふえてきております。定期につきましては、四十年代に入りまして多少変化がございました。これを普通旅客と定期旅客に分けたものが真ん中、それから定期が右側になっておりますが、総じて急行と申しますか、速い列車を乗客は好む傾向が強くなってきておりまして、それに伴いまして急行、それから新幹線が非常にふえてきておるという状況でございます。 それから二十四ページ、これは貨物でございまして、物資別にとってみました。この十年来トータルといたしましては横ばいでまいったわけでございますが、品目別に見ますと多少の消長がございまして、真ん中が減少したものでございます。木材、石炭、それから魚、鉱石といったものが減りまして、右側でごらんいただきますように、二次産品というべき紙、化学肥料、石油、自動車、それから品目ではございませんがコンテナはふえておるという形でございます。 それから二十五ページは、いままでは線区の区分をしてみた分析でございますが、私どもそのほかに客貨別に分けて分析いたしております。これは非常にむずかしい分け方でございまして、外国の鉄道にも例がございませんが、国鉄なりに一つの仮定を置きまして分けてみますとこういう姿になるわけでございます。四十六年度、四十七年度と並べております。いずれ四十八年度につきましても出てくる予定になっておりますが、四十六年度につきましては、旅客は十億の黒字でございました。しかし在来線は千七十八億の赤、それを新幹線の千八十八億で補っております。貨物は二千百五十三億の赤字を出しております。これが四十七年度には旅客も赤字に転じております。なお、この分け方につきましてはいろいろ論議のあるところでございますし、もう少し他の機会に御説明申し上げる折があるかと思います。 それから二十六ページは、戦後、国鉄運賃の改定の経緯を書いたものでございます。御説明は省略いたしますが、ごらんいただきたいと思います。 それから二十七ページは、物価との関係を表にしたものでございます。戦前、一般に安定した時期と言われております昭和十一年を起点にとったものでございます。起点の取り方につきましては、いろいろな見方があるわけでございますが、十一年をとってみますと、国鉄の旅客で見ますと三百二十七倍、貨物が二百九十五倍ということで、他のものはそれぞれ大きな上がりをいたしております比較をごらんいただきたいということでございます。 それから二十八ページ、二十九ページは諸外国の料金制度、これは一九七二年の現在の制度で並べてございます。これも特別には御説明いたしませんが、運賃決定方式といたしましては、諸外国とも法律によるところはございません。特に二十九ページでごらんいただきますように、イギリスの貨物運賃につきましては、これはもっぱら国鉄が自由に決定しておるという状況でございます。 それから三十ページは国鉄の職員数、それから仕事の関係をあらわしたものでございます。上から二番目の線が仕事の量をあらわしておるものでございまして、昭和二十四年の当時は千八億人トンキロの仕事量でございましたが、四十八年度では二千七百一億人トンキロで二倍半を超えまして、二・七倍の仕事をいたしておりますが、下のグラフでごらんいただきますように、職員数といたしましては、四十九万一千人おったものが現在では四十三万三千人というふうに減っております。それで先ほどの仕事の量をこの人数で割ってみたものが一番上のものでございまして、仮にこういう計算をしてみますと、二十四年には一人当たり二十万五千キロの仕事をこなしておったものが六十二・四万キロということで、三倍になっておりますということをごらんいただくものでございます。 それから最後に三十一ページでございますが、国鉄につきましては、やはり職員の問題が一つの大きな問題でございまして、左側は国鉄職員の年齢構成、それから勤続年数でございます。年齢構成でごらんいただきますように、年長者の数が非常に多いわけでございます。このグラフでごらんいただきますように、四十歳以上の者が六〇%を占めております。それから右の勤続年数でごらんいただきましても、二十五年以上の者が非常に多いわけでございます。多いと申しましても、これは遊んでおるわけでございませんで、皆仕事についておるわけでございますので、この人数のふくらみが国鉄を去る折にはどういう対策が必要であるかということは、これは単年度ではできませんので、今後数年をかけながら解決していかなければならない大きな問題でございます。 それから右側が、しからば国鉄職員の給与はどういう状態になっておるかということを他の産業と比べてグラフに書いてみました。これは平均給与を白い棒で並べてあります。これは単純に額を比較したものでございますが、表の下に「平均勤続」とか「平均年齢」とかいう欄がございますが、ごらんいただきますと、勤続年数では二十一・六年でございまして、他と比べてはるかに長い勤続年数、それから平均年齢では四十・三歳になっております。これも他と比べて非常に高年齢になっておるわけでございまして、この辺の要素を加味しまして、ラスパイレスによって平均給与を国鉄を基準に見ますと、他の産業はいずれもはるかに高い状態にあります。相対的には国鉄職員の給与は決して高くはないということでございます。 以上でこの表につきましての御説明を終わらせていただきます。
○小委員長(黒住忠行君) 以上で説明聴取は終わりました。 内容につきましての質疑は後日にしまして、ただいまの資料について質問がありましたら発言願います。
○石破二朗君 資料の追加要求をお願いするのはきょうでなければいけませんか。それとも委員長に随時お願いすればようございますか。
○小委員長(黒住忠行君) 本日要求があれば発言していただいて結構ですし、また追加して小委員長にお申し出いただければ善処いたします。
○三木忠雄君 三十ページの「国鉄における業務量と職員数の推移」の問題で、これに伴う外注ですね、これはどの程度になったかという表を出してもらいたいんです。これだけ人員が減ったけれども仕事はこれだけやっているというけれども、実際それに倍する外注を出していると思うんですね。その外注量がどういうふうになったか。個々の発注先は今後の審議でしますけれども、実際にどの程度の外注を出すようになっておるか、金額あるいは職種別、主なるものを出してもらいたい。
○小委員長(黒住忠行君) いいですね。
○説明員(天坂昌司君) かしこまりました。
○青木薪次君 新幹線の建設計画ですが、この新幹線の建設計画について、今後どういうような計画を考えているのか、その辺について年次別にひとつ出していただきたいと思うのです。
○小委員長(黒住忠行君) 資料の要求があればおっしゃってください。
○岩間正男君 事故ですね、いままでの事故の一覧がございますか、年度別で。それからその事故の原因、それから損害、そういうものでございますか。
○説明員(天坂昌司君) ございます。
○岩間正男君 それを出していただきたい。
○小委員長(黒住忠行君) ほかにこの資料についての質問あるいは新しい資料についての要求があれは発言してください。——それでは本日はこれにて散会いたします。 午前十一時五十八分散会