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75回国会参議院1975/03/25

運輸委員会 第4号

発言数
276
登壇者
21
会派数
4
開催日
1975/03/25

会議録

宮崎正義公明党

○委員長(宮崎正義君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  運輸事情等に関する調査を議題とし、運輸行政の基本施策に関する件、昭和五十年度運輸省及び日本国有鉄道の予算に関する件について質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 二月十三日に行われました運輸大臣の所信表明に対する質問を最初に行う予定でおりますけれども、これに先立ちまして、非常にこれは緊迫した問題でありますけれども、三月二十七日に春闘のストライキが予定をされております。問題は、いろいろと細かいことを省略いたしまして、いまさらこれの経緯について言ったところで始まりませんから、この二十七日のストライキというのが恐らく春闘の動向を決めるということにもなるかと思われますが、政府としては、できればこれは回避をしたいと願っているところではないかと思うんです。しかし、いたずらにただ無条件に回避をしたいといったところで、条件が整わなければ労使の話し合いはつかないわけです。われわれとすれば、労使の話し合いに早く決着をつけるということが望ましいことなんですが、そのための努力が当然担当大臣としても行われていると思いますが、この点はどうでしょうか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 二十七日を予定してのストの問題につきましては、政府側といたしましてもいろいろ苦心をいたしておるところでございます。ことに最賃法の問題がこの大きなテーマになっておるということでございまして、これは全国一律に決めるということについてはいろいろ問題がございますので、現在このことにつきましては、どういうふうに最賃問題を政府として処理するかということについて、いま話を政府部内でも詰めておるところでございます。これを待ちまして、政府のこれに対する態度は明らかになるものと思いますけれども、それはそれといたしまして非常にむずかしい問題でございますので、ひとつこれについてはその結論といいますか、政府の態度が明らかになるのをひとつ待っていただきたい。  で、二十七日のストは、したがって、その辺をよく御理解をいただいて、ひとつ何とかやらないでいただきたいということをお願いをしておる状況でございまして、二十七日に間に合うように最賃法の問題についての政府の考え方がまとまるかどうか。かなりむずかしい問題でございますので、努力はいたしますが、その問題はその問題として、ひとつその時期まで待ってもらいたいという態度で現在組合の方にも担当の大臣を通じてお話を申し上げておるという実情でございます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 この最低賃金の問題は簡単なことだとは私も思いません。したがって、あっさりと労使の間でどんぴしゃりと結論が出るといった仕組みになっているとも思わないのです。ただ、いつどういう形でこの問題の決着がつくか見当がつかないという状態ではいかぬと思う。たとえば二十七日を前にして最賃の問題についての結論がぴたり事細かく決まらないまでも、この問題についてワンステップを踏み出すといったような足がかりができるかどうかということが、この春闘解決のための一つの重要なポイントになるんじゃないかという気がするわけです。したがって、ワンステップ踏み出すといったような形がとれるのかどうか。そのための努力が行われているのかどうか。そのこともあわせてお伺いいたしたいと思います。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) お話のように非常にむずかしい問題でございますけれども、一応見当をつけたいということで現在いろいろと検討しておるわけでございますので、前向きでやっておるということは御承知おきいただきたいと思います。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 それから労使の間に一つのルールをつくる必要があるんじゃないかという気がするわけです。いたずらに法律を盾にとってけしからぬとか、やめろとかということを繰り返すだけではらちが明かないのですね。したがって、その労使の間に一つのルールをつくる。そのルールをつくるということは処分とストライキのイタチごっこをやらないで、ここで一つの、たとえば法律について手を加えて、少なくともどろ沼的な闘争が展開をされないような歯どめをするという必要があろうかと思うのですけれども、そのための、たとえば公労法の手直しとか、いろいろなことが行われないとどうにもならぬと思いますが、その点は運輸大臣としても必要を最も痛感をされておるところじゃないかと思いますが、どうでしょうか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 昨年の春闘以後、これらの問題に関しまして政府といたしましても、スト権の問題等を含めまして関係閣僚協議会を持ち、また専門委員会も設けまして、おおむねことしの秋をめどにこの問題等について結論を出しましょうということをお約束をしておるわけでございます。現在、いままでも非常に精力的にこの問題について専門部会等でも取り組んできております。したがって、この結論が出ますというと、いま瀬谷委員のおっしゃるような、こういった問題についての一つのルールが確立することであることを私も期待をいたしております。それまでの間は、やはりこれは法治国でございますから法に従って行動をとってもらう、法律に違反した場合には厳正に処置するという、これはやはり法治国のこれこそルールでございますので、その立場は堅持していかなければならないと、かように思っておりますが、いままで長いいきさつのあるお話の問題につきましては、この秋をめどに一応のルールをしくべき結論が出ますので、ひとつそれを見守っていただきたい、かように思っている次第でございます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 この問題については、速やかに何とかするような話が何年も前からあるんですね。速やかにというのはなるべく早くという意味なんで、それが何年もかかっているわけです。そこに政府に対する不信感があるわけです。だから今度は本当に法改正とか、あるいはどういう形になるかはともかくとして、いままでの労使慣行に一つの区切りをつけるといいますか、新しい一つのルールを確立するということができる目安が立てば、これまたおのずから問題の展開は別になってくる。そういう一つの確信が持てるのかどうか。過去においても約束はしてきたけれども空手形に終わっていることが多かったわけですね。空手形に終わるんじゃないかどうかという、こういう不安があることは事実なんです。だからその点で、大臣としては十分に、大臣の任期というものが終わってしまえばおれは知らねえということになっちまったんじゃ困る。その点やはり労使間のルールを確立するという、新しいルールの確立ということに向けて意欲的に行動してほしいという気がいたします。しかし、これは一つの要望といたしまして、所信表明に対する質問の中に入っていきたいと思います。  一番最初に、交通安全の確保ということの具体策として踏切道の立体交差化といったようなことを掲げてあります。今日、在来線でも時速百キロ以上で列車が走るようになるに従って、踏切事故というのも大変深刻になってきているわけですが、立体交差化というようなことは果たしてどの程度のテンポで進んでいるのか、この点をひとつ御報告をいただきたいと思います。  あわせて踏切事故件数の最近の増減、あるいは昨年一年間における件数は一体どのくらいあるかということもあわせてお伺いしたいと思います。

内田隆滋日本国有鉄道理事

○説明員(内田隆滋君) 踏切除却、立体交差化を含めましての除却の状況でございますが、三十八年の末におきまして踏切が約四万カ所ございます。四十八年度にはこれが八千六百カ所減りまして三万一千八百カ所というふうになっております。この八千六百カ所の内訳でございますが、連続立体交差あるいは単独の踏切の立体交差による除却というようなことによりまして約千六百カ所をこの十年間で減らしております。なお平面交差のいわゆる整理統合ということで約七千カ所の踏切を減らしております。したがって全体では八千六百カ所という踏切がこの十年間で減っておるということでございます。なお踏切の事故の状況でございますが、残っている踏切に対しましても、先生御承知のように、いわゆる警報器あるいは自動遮断機等をつける、また四種の踏切に対しても自動車は通させないようにするというような措置を講ずることによりまして、踏切の事故は年々減っております。過去三年間を挙げますと、四十六年が千八百二十九件に対しまして、四十九年度は二月末でございますが千二百四十二件と、四十八年度は千七百六十一件というように減少の傾向にございますが、ただ、これは減っていると申しましても絶対量は相当多いので、今後とも踏切対策を強力に推進してまいりまして、こういうような事故を少なくするように国鉄としては努力をしていきたいというように考えております。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 高速鉄道というのはもう市内を平面交差で走らないようにするというようにしないと、踏切事故というものの絶滅を期することはできないと思うんですよ。自動警報器をつけてみたところで、必ずしも効果があるものじゃない。この間私は、こういう例があったんですけれども、踏切のちょっと手前で人身事故があった。人身事故があって汽車がとまる。そうすると、こっちの方の踏切も鳴りっ放しになる。そうすると幾ら待っても警報器が鳴りっ放しでとまらないものだから、そのうちしびれを切らして渡り始める人が出たんですね。自転車などを引っ張って渡り始める、こういう事実を目撃をしたわけなんです。こんなことがあるんですよ、警報器なんかの場合はですね。  また、そういうことがあると警報器が仮に鳴っていても大丈夫だろうというので飛び出していく。そしてまたかえってやられるといったような事例もあるし、そんなような事例をつい何日か前に私も耳にしたことがあるものですから、やはり根本的にはこの立体交差にするということを交通量の多いところから順次やっていく必要があると思うんですね。これはもう少なくとも時速百キロで走るようなところは全部高架にすると、こういう方針を積極的に推進する必要があると思うんですね。これは運輸大臣として、もう金のかかることは万々わかっていることなんですけれども、思い切って積極的にこれをやるというお考えはないのかどうか、その点をお伺いしたいと思うんです。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 踏切事故の絶対数は依然として非常に高いわけでございますし、従来とも一番われわれとしても踏切事故を重視してきたわけでございます。  そこで運輸省側は国鉄を含めまして建設省ともこの対策に、さらに立体交差化につきましても進めてきておるわけでございますが、お話のように列車のスピードがどんどん上がってくるという時期でございますので、さらに一層これは強化して、しかもできるだけ早くできるところから立体交差化をやっていかなければならないという考えについては、私も全く同感に思います。ただ一つの基準を、いま瀬谷委員のお話のように示しまして、百キロのところはもう全部立体交差化するんだというのも一つの目安だと思います。あるいは百キロまでいかなくても、非常に危険性のところはたくさんあるわけでございますから、それからの踏切の立体交差については、今後ともさらに一層予算その他の面におきまして努力をして解消に努めたい、このように考えておる次第でございます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 新幹線の建設ということと関連してお伺いしたいと思うのですけれども、博多まで新幹線か延びたということで、博多——東京間が七時間でつなげるようになったということは確かに画期的なことかもしれませんけれども、この新幹線の騒音、振動公害といったような問題は必ずしも解決をしたわけではない。今後新幹線を建設をするに際して、十分にいままでの新幹線のもろもろの問題から教訓を得ていかなければならぬと思うのでありますけれども、新幹線の騒音公害でたとえば七十五ホンとか七十ホンとかという一つの中公審の答えが出ているわけですね。これを今後新幹線を建設をする個所についても考えてやっていくということになると、いままでの予算とはかなり違った規模でなければできないと思うのです。その点は一体どうなんでしょうか。この問題に対する運輸省、政府としてのお考え方を伺いたい。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 新幹線の騒音につきましては四十七年度に暫定的な基準が出ておりまして、現在のはそれを基準にして山陽新幹線につきましても防音装置をいろいろと工夫してやっておるわけでございますが、お話のようにいま中公審の専門部会で一応出ております七十、七十五ホン、これが本格的に環境基準として決まった場合には、当然それに従って今後の新幹線の建設を進めなければならないわけでございますが、実は現状から考えますと、せいぜい八十ホンを多少下回る程度が精いっぱいだというのが偽りのない現状でございます。そこへ向かっていまのような非常に厳しい基準が出されますというと、今後の新幹線の建設につきましても少なくともそのテンポ等はやはりおくれざるを得ないんじゃないかということをいま非常に心配しておるわけでございます。ことにあれだけきつい基準に合うように建設をしていこうとしますというと、いま国鉄で一兆円あるいはそれ以上かかるというふうな、試算まではいかないでしょうが、一応の検討の話も聞いておりますけれども、私は、これはもう正確に計算していきますと一兆円どころじゃ済まぬのじゃないかという感じもいたしております。  さらに金額の問題だけではないし、技術開発の面もこれから大いに研究をしていかなければいけないということになろうかと思うわけでございまして、それらの問題を含めて今後の新幹線につきましては、国鉄だけの力でもってやるということも私は非常に困難であろうかと思いますので、政府としても財政の面でさらにこの問題については十分考えなければいけません。そこで来年からスタートしようといたして、いま一生懸命検討いたしております。国鉄の財政再建とも絡んでくるわけでございます。この再建計画の中におきましても、新幹線につきましては、この厳しい環境基準を一応の念頭に入れた新幹線計画というものにしていかなければならないと思っております。そうなりますというと、当初計画いたしましたような建設の速度等につきましても、かなり違った結論が出ざるを得ぬのじゃないか、かように考えておりますが、目下そういう問題を含めて検討中でございますので、確たることは申し上げられませんが、私はいまそういうふうに考えておるのでございます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 新幹線については、すでに東海道新幹線でいろいろの問題が出ておるわけですね。山陽新幹線の場合は、かなり東海道新幹線の各種の問題を考慮された上で建設をされているはずなんです。それでもかなり問題はあるんじゃないかと思うのですが、山陽新幹線で、たとえばまだ未解決になっている騒音公害等の個所について、具体的な事例があるとすれば、どんなところでどういう問題が起きているのか、その点をちょっとお伺いしたいと思います。

内田隆滋日本国有鉄道理事

○説明員(内田隆滋君) ただいま先生御指摘がございましたように、山陽新幹線につきましては、現在の暫定基準に合致するように、相当の工事費をつぎ込みましてやった結果、大体のところは基準に合致しているわけでございます。たとえば道床砂利の場合には、二十五メーター離れたところで大体七十五ホン。ところがスラブ軌道——これはメンテナンスフリーということで、スラブ軌道を相当区間やっております。この区間につきましては、これは新しい技術なものですから、八十ホンを約一、二ホンオーバーしているところがございます。これらの問題につきましては、先生御承知のような逆L型と申しますか、車両と防音壁の間にひさしを出しまして、音が外へ出ないようなことで鋭意施工中でございます。その工事をやりましても、なおかつ音の高いところにつきましては、騒音防止対策を同時に並行してやるということで、目下アフターケアをやっておるというのが実情でございます。しかし全線の騒音防止対策は、いわゆる東海道あるいは岡山までに比べますと、非常によくできているというのが実情でございます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 新幹線を建設するに当たって、私はこういうことをやってみたらどうかと思うのですが、たとえば在来線も新幹線と一緒に抱き合わせて工事をしてしまう。高架にしてしまう。そして踏切は極力廃止をする。こういうことを今後やっていったらいいんじゃないかと思うのです。  それから高速道路等と別々の建設ということも、これはむだなことだと思うのです。できれば、これはいまからじゃ間に合わないかもしれないけれども、東北自動車道というようなものができる。ああいう東北自動車道をつくった場合には、全線とは言わないけれども、部分的には東北自動車道の真ん中を新幹線を走らせる。こういったような形をとれば、さらにその両わきにモノレールでも走らせる。つまり新幹線は走るけれども、新幹線はただ通過するだけという区域が多いわけですから、そういうところは並行してモノレールのようなものを走らせて、最寄りの駅まで地域の住民の足を確保する。そういうことをやれば、新幹線建設に併って道路もできるし、モノレールもできるしということになれば、かなり周辺の住民についてはメリットが出てくるのです。  そういう配慮をしないで、単に通過するだけであるということになると、地域住民にとってうるさいだけなんですね。騒音と振動だけが残ってくるわけです。こういうことではありがたみがないわけですから、どうせ莫大な国費をかけてこういったものを建設する以上は、道路とか、あるいはその地域住民の足を守るとか、確保するとか、こういうことをあわせて行い得るような設計をやるべきじゃないかと思うのですね。それは今後の課題として、私は当然考えないといままでのような方式ではちょっとこれからの新幹線建設はむずかしいことになってくるのじゃないかと思うのですが、その点はどうでしょうか。

内田隆滋日本国有鉄道理事

○説明員(内田隆滋君) 先生の御指摘のとおり、いままで新幹線の建設につきましては、住民の皆さんの非常な苦情なり反対がございまして、博多まで開業する新幹線も非常に国鉄の建設に携わる職員としては苦労いたしたわけでございます。今後、東北あるいは公団でやっております上越新幹線等につきましては、さらにそういう意味では苦労が多く、また住民の苦情あるいは反対によって工事の進捗が妨げられるのではないかというふうに考えられるわけでございます。なおまた新しい基準ができて、それを守るということになりますと、さらにそのトラブルは増加するというふうに考えます。そういう意味で、ただいま先生のおっしゃられた、いわゆる地元に対し何か還元するというか、メリットのあるようなこと、あるいは騒音、振動というようなものをできるだけ都市に持ち込まないような配慮をするというようなことは、国鉄としても予算の許す範囲で考慮してまいりたいというふうに考える次第でございます。  ただ、現在線を全線新幹線と一緒に立体交差化するというようなことは、実際問題といたしましては、新幹線が現在線と並行する部分というようなところ、たとえば、なおかつ地元がある程度そういうような連続立体交差化をすることについて賛成をするというような場合には、山陽新幹線の福山駅のように可能だと思いますが、一般には膨大な資金が地元にも要りますので、なかなかそういうような協議が整わないのではないかというふうに考えます。また今後の新幹線の設計に当たりまして、なるべく都心を外して駅をつくり、それと都心を結ぶ新交通システムというようなものを考慮して設計するというようなことについては、今後検討してまいりたいというふうに考える次第でございます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 理想的な交通体系ということを考える場合には、必ずぶつかってくるのは金の問題ですよ。金がかかるということです。そうすると、いまのように国鉄の財政が累積赤字でどうにもならない。火の車の状態なんですね。火の車が油をかぶっているような状態です。こういう状態で考える場合には、雄大な構想というのはちっとも出てこないわけです。それでは理想的な交通体系そのものはでき上がらないのじゃないかという気がするのです。そこは政府として当然考えなければならぬところじゃないかと思うのです。だから政府としてはいままでの枠の中に閉じ込もっていたのでは、気のきいた仕事はできませんよ。住民の反対はますます激しくなるだけなんです。だから、これは国鉄の財政再建と絡んでくるわけですね。一体国鉄の財政をどういうふうに再建をするのかということが一つの課題になってくると思うのです。  それと理想的な総合交通体系というものを考えてみた場合には、これは政府として責任をもってやらなければいかぬということになってくると思うのです。政府として思い切っていままでのように国鉄にだけ負担をかけさせないと、そして総合的な見地に立った交通体系を思い切ってやるという勇断をふるう必要があるのじゃないかという気がするのですが、大臣のお考えをこの際明らかにしてほしいと思います。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 国鉄の財政再建という問題は、非常に大きなわれわれの課題で、それに取り組んでおりますけれども、同時にこの問題について、いま運輸省としていろいろ細かい作業等やっておりますが、その中でやはりいまお話しのように、総合交通政策の中における国有鉄道のあり方、位置づけ、そういうものも並行して現在進めておるわけでございます。全くお話のように、他の交通機関、それから鉄道、道路等も含めまして、総合交通体系というものの中で、今後国鉄をどうやって再建していくか、また国鉄の位置づけをどうするかということをあわせて結論を出したいと思っております。  したがって、われわれといたしましても、将来のビジョンといたしましては、国鉄の再建ということだけに腐心するのではなくて、視野を広げて、広くまた遠く、日本の特に陸上交通のビジョンというものを持っていきたいと思います。しかしその中にあって、過去にないほど厳しい条件というものは、やはり騒音を含めましての環境整備の問題、これは新しい問題として非常に大きなウエートを占めてきておりますので、これとどう取り組んでいくか、この問題がやはり総合交通政策の中におきましても大きな要素を占めてくることも避けられないことでございます。そういうことも含めまして、今後広い視野に立って国鉄の再建も考えていきたい、まさしく瀬谷委員のおっしゃるような考え方でやっていくつもりでございます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 少し交通政策にはビジョンがなさ過ぎると思うのですよ。新幹線の問題にしてもそうです。国鉄のよくない点は、財政が逼迫をしておると、赤字が累積をしてどうにもならぬ、そういうことだけで決められた枠の中であくせくとかせぐことしか考えない。したがって新幹線ができても、在来線の方が手抜きになって、かえって不便になるといったような問題が出てくる。またダイヤ改正をやって、いかにもサービスをよくするように見せかけているけれども、事実上は急行の看板を特急に書きかえるだけで、ほとんどサービスの向上なしに料金をよけい取るといった悪徳商法みたいなことをやるようになってきている。  こんなことをやらせないためには、やはり政府自体が責任をもって交通体系ということを考えて、将来のビジョンというものははっきりさせていく必要があると思うのですね。その点で国鉄の財政再建の問題については、根本的には一体どうしたらいいだろうという問題がある。過去の累積赤字の内容は何かというと、相当数の公共負担というものがあるわけです。この公共負担というものをそのままにしておいて、しかも独立採算制というたてまえを堅持をしながら財政の再建を図るなどということは、これはだれが考えたって不可能、この点、一体政府としてはどのような考え方を基本にするのかということをお伺いしたいと思う。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 国鉄の再建に当たりまして、われわれが重点を置かなければならない点は幾つかあるわけでございますが、いまお話しのような今回の山陽新幹線の開通を機にいろいろダイヤ改正もあったのでございますが、これはまあ現実の問題として考えてみますときに、いま御批判のような点も私もあると思います。同時にやはり在来線の整備といいますか、これも国民の多くの方に、交通の利便を提供しておる非常に重要な使命を持っておりますので、新幹線と並行して在来線をどういうふうに整備をしていくかという問題も等閑視してはならない、こう思って国鉄ともよく話し合っておるようなわけでございます。  同時に過去の累積の債務等の内容もいろいろいま分析をいたしておるのでございますが、お話のように公共負担等も相当国鉄の犠牲において負担しておるという面も確かにございます。しかし、いまの国鉄の現状を考えますというと、公共負担が今日の状況になった最大の原因ではない。もっともっといろんな要素がこれにはあると、こういうふうな認識をせざるを得ないのでございます。したがいまして、それらの問題も含めまして、今回は、従来幾たびか財政につきましては再建の計画を立ててまいりましたけれども、全くそれと同じパターンで再建計画をつくるということでは、また途中で腰を折るというおそれもございますので、思い切って、ひとつ今回はいろんな角度から公共企業体の本質までさかのぼっての分析をしながら再建計画を立てていきたいと思っておりますので、われわれも努力をいたしますが、ひとつ専門の瀬谷委員もいろいろと御意見を開陳していただいて御教示をいただければ大変幸いだと思うわけでございます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 公共負担という意味はいろんなとりようがあるんですよ。たとえば赤字線を存続をさせておくということは、これは一種の公共負担なんですよね。北海道なんかに一ぱい赤字線がある。赤字線だからやめちまえというわけにはいかないでしょう、これはね。そういうところは赤字線であるけれども存続をさしておく。これはもうこの線区自体が公共負担みたいなものです。そういう意味で、本来私企業だったならば当然手放すようなことでも国鉄としてはやっていかなければならぬという宿命があるわけです。  そういうことを考えてみると、独立採算制の原則を堅持しながらいろいろな意味の公共負担をそのまま続けていくということは、財政再建はとてもどうにもならぬという壁にぶつかるのはあたりまえなんですよ。そこのところを一体政府としてどうするかということを考えなければいけない。企業だったら当然負担できないようなことまで負担をさせておったんでは赤字は累積するばっかりだと思うのです。それがどういうところにしわ寄せされるかというと、国鉄の経営方針がそれだけけちくさくなってくるわけです。ともかく新幹線なんかの場合は黒字だ。黒字だけれども、特急料金はがっぽりと取る、こういうやり方でしょう。だから新幹線はもうかっているというのは必要以上に金を取っているということです。これはほかの赤字線の穴埋めをここでやっているということにもなるでしょうけれども、そのかわり在来線のサービスというものは全然なおざりになっている。国鉄自身の方針が特急優先主義になっている。特急優先主義の影響というものは具体的に指摘をすれば数限りなくありますよ。  一つだけ例を挙げますと、私もこの間ちょっと気がついたのですけれども、高崎線の官原というところで各駅停車の電車が十分ぐらいとまる、上りの電車がね。何で十分もとまるかというと、その間に特急二本をやり過ごす。その電車は大宮まで行く大宮どまりの電車だったんです。大宮どまりの電車が宮原であと四キロしかない。四キロしかないところで十分も待って特急をやり過ごす。四、五分で行っちまうわけです、走って行けば。ところが宮原でおりる人はほとんどいない。百人に一人いるかいないかです。乗りおりする人は何%もいない。こういうところでいたずらに十分も特急を待避する。何でこういうばかげたダイヤをつくったのかと思って、私は乗客の一人として本当に腹立たしく思いました。後でダイヤを調べて見たら特急は季節特急を含めて二本やり過ごすために十分も停車するようになった。これはもう特急優先主義の行き過ぎですよね。これは一つの例なんですけれども、この種の例が枚挙にいとまがないぐらいある。  これは私は乗客を無視をする、軽視をするというよりも、愚弄するやり方だて思うんです、こういうやり方は。急行列車や特急を待避するためにこれまた十分も待つ。わずか何十キロもないところ、こんな例もあるのです。私はこういうみみっちいやり方をして特急料金をかせごうというような根性がどこから来たかというと、今日の国鉄の累績赤字といったようなところから出発をしているんじゃないかという気がいたします。ここで国鉄の方針を責めてみてもどうにもなりやせんが、根本はこの辺にあるのだということを考えるならば、国鉄総裁としても一つのビジョンを持って、そうして政府に対していままでのような枠の中のやり方じゃだめなんだということを勇敢に表明すべきではないかと思うんです。これは井上副総裁が見えておりますから、国鉄の考え方というものをこの際お聞きをしておきたいと思うんですが、どうでしょう。

井上邦之日本国有鉄道副総裁

○説明員(井上邦之君) 先生の御指摘の点、ごもっともな点もございますが、ただここで申し上げておきたいことは、国鉄の財政が非常に苦しいから国鉄が悪徳商法みたいなことまでやっておるという御指摘がございましたけれども、そういう考えは私ども毛頭持っておりません。例を挙げて申しましても、特急の問題でございますけれども、特急あるいは急行、そういったものを非常にふやしておるということ、これは旅客の列車選好率というものを調べまして、その結果に基づいて特急をふやしておるのでございます。現実に選好率を見ますと、特急はやはりお客様のお好みに合う列車でございます。それに応じて特急列車をふやしておる。特急列車を動かす以上は、ある程度ローカル線が犠牲になるということは、やはり特急列車の使命を果たす以上仕方のない場合もございますので、そういう点はひとつ御了解いただきたいと思います。  それから先ほど、広く公共負担の中に、観念として赤字線区も含めるべきではないかという先生の御指摘がございました。これは一つの御卓見だと思います。ただ赤字線区という問題でございますが、現在赤字線区ということになりますと、新幹線、それから山手線、高崎線、この三つの線区以外は全部赤字でございますから、この赤字線区についての何らかの措置ということになりますと、これは単なる財政援助だけの問題ではなく、やはり運賃の問題になってくる。運賃が適正であれば黒字線区はふえるのでございます。したがいまして、根本的にはやはり運賃の問題があるということでございます。ただ国鉄の線区の体質をしさいに調べてみますと、国鉄は営業キロとして約二万キロを持っておりますが、約半分の一万キロは過去十年の実績を調べてみましても、適正な運賃さえお認め願えれば独立採算制としてやっていける線区でございます。あとの一万キロ余というものは、過去運賃改定をやっていただきましたけれども、なおかつ赤字が累増していく線区である。これは体質的な線区として分類ができると思います。そういたしますと、あとの一万キロというものは、やはり広い意味では、先生のおっしゃるような公共負担的な意味で国鉄が経営をしておる線区であるという観念も私は取り得ると思うのです。  言いかえれば、独立採算制になじまない線区である。一方、独立採算制になじむ線区が半分あって、独立採算制になじまない線区が半分あるという線区を考えますと、先生が御指摘になりましたような、広く公共負担という問題を考えろという御指摘は、非常な御卓見であると思いますので、その点も考えまして、今後の再建計画の見直しに当たりましては、十分先生の御意見もしんしゃくさしていただきながら検討してまいりたいと考えております。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 その悪徳商法的な具体例はこれは引き合いに出せばまだまだ幾らでもあるのです。だけれどもきょうは大臣の所信表明に対する質問ということが主眼ですから、国鉄の財政の赤字というものが、この国鉄自身の悪徳商法的な、悪く言えば詐欺類似行為のようなやり方に結びついているんじゃないかということを、私は大臣の耳に入れて、そして大臣自身がこの総合交通体系についてのビジョンを明らかにすべきであるということを特に指摘をしたかったわけでありますが、なお国鉄の在来線における、ちょっと言葉は過ぎるかもしらぬけれども、悪徳商法的な事例については、別の機会にたっぷりと指摘をして、改めて国鉄自身のお考えをお聞きをするということにいたしまして、きょうのところはこれで私の質問は終わらしていただきます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 ハイタク問題について質問をいたしたいと思うんでありますが、高度経済成長政策が全く惨めな形で瓦解をいたしました。いまの大臣の答弁の中に、総合交通体系が根本的に手直しされるということになっているわけでありまするけれども、いつ策定されるということになりますか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 総合交通体系については、すでにいろいろと検討をいたしておるわけでございますが、先ほど申し上げましたように国鉄の再建ともからんでおりますので、国鉄の再建についての一応の見通しというものは、やはり五十一年度からスタートするということでございますから、五十一年度の予算の概算をまとめます段階までには煮詰めていかなければならないと思っておりますので、大体それと並行いたしまして総合交通体系というものもある程度の見通しを立てていきたいと、かように考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 田中総理の考え方でありました高度経済成長政策というものは、公的機関並びに民間業者を中心といたしまして、いわゆる開発ということが中心として進められてまいりましたのが日本列島改造論でありまして、このもとに経済社会発展計画ですか、エネルギー問題や資源問題、食糧や福祉、物価問題等についていま全く瓦解をしてしまったということで、これらのことが非常に重要な課題としていま論議されているわけであります。経済成長率がいろいろ取りざたされている。いま大臣は、国鉄の問題が五十一年でないと策定されないから、総合交通体系もそれにいわゆる見合った形で検討されるということを言ったわけでありまするけれども、各省庁とも、この総合交通体系についてお互いに連携をし合ってやっているのかどうなのか、その点についておっしゃってください。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 総理府でもって全体のまとめはやっておりますので、運輸省は運輸省として総合交通体系というものについての一応の検討をいたしておりますが、最終的には総理府の方で最終のまとめをいたすということになりますので、そういう意味では関係各省、連携をしながらこれを進めていっておると、こういうふうに御理解いただいてよろしいかと思います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 総合交通体系でありますから、航空機の関係、海上輸送の関係もあります。それから陸上輸送の中で、特に国鉄問題がその中心でありますけれども、私はいわゆる地域内における近距離輸送というものに対するタクシー問題について実はお聞きいたしてまいりたいと思っているんでありますが、タクシーの関係については、戦後複雑な歴史の中で問題が提起されてきているわけでありますが、各種交通機関の中でタクシーの占める位置についてどう考えているか、お伺いしたいと思います。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 交通機関の持つ使命、地域的なシェア、いろいろあるわけでございますが、その中で都市におきましても、あるいは農村地帯におきましても、交通機関として一番行動半径の短い交通機関としての使命を持っておるのがタクシーであろうと私は思います。しかもそれは利用者のくつのごとく、あるいはげたのごとくというたとえがいいんじゃないかと思いますが、そのように、いまやタクシーは国民の日常生活と非常に密接な関係を持っている最も卑近な足である、こういうふうに私は位置づけていいのではないかと考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 そうだとするならば、昭和四十六年の八月に運政審が答申をいたしましたね、大都市におけるバス・タクシーに関する答申でありますけれども、その提言が、まだ全然実施に移されないどころか、五カ年間でこれを達成するという目途になっているけれども、枠組みすらできていない。これらの点について、この運政審答申をどのように受けとめているのか、お伺いしたい。

高橋寿夫運輸省自動車局長

○政府委員(高橋寿夫君) お答え申し上げます。  四十六年に運政審から「大都市交通におけるバス・タクシーに関する答申」というのが出たわけであります。この答申の言っておりますところは、大都市交通におきましては、最も根幹的な交通機関は鉄軌道であるということを前面に出しております。これは大都市の場合には、輸送力の面から言いまして、特に朝晩の通勤輸送につきましては、鉄軌道に頼らなければとても大量輸送をさばくことができないという見地から、鉄軌道をもって根幹的な交通機関にする。ところが鉄軌道と申しますのは、御承知のように、そう大都市のそこらじゅうに張りめぐらすわけにいかない。当然その穴があきます。そこで鉄軌道のないところ、よく鳥の水かきにたとえますけれども、水かきの間のところですね。こういうところを鉄軌道にかわって大量輸送機能を補うものがバスであると、それからもう一つ、バスにつきましては、鉄軌道のフィーダーサービスと言っていますけれども、鉄軌道の駅からそれぞれの事業所なり住宅なりへ、まあ小運送みたいなものでありますが、やるのが、これがやはりバスの使命であるということで、バスというものが鉄軌道にかわり、あるいは鉄軌道を補完する交通機関として位置づけられている。  それから今度タクシーでございますが、タクシーにつきましては、鉄軌道ないしはバスによってはなお処理し切れない、よりきめの細かい輸送需要に対応するものとしてタクシーを位置づけております。ただいま大臣からタクシーは大衆の足であるというお話がございましたが、これには若干の注釈が要るわけでございまして、大衆の足でありますけれども、ただ大衆が日常げたのごとく安易に安く使う交通機関であるかどうかという点につきましては、若干問題がありまして、いわゆるシビルミニマムと申しますか、市民の最小必要限度の足というものは、これはタクシーではなくてバスであるべきであるというふうにこの答申では考えております。  と申しますのは、やはり大都市のようなたくさん人間がおりますところで、みんながタクシーを足にしようと思いましたら、道路から言いましても、とてもそれは足りませんし、また当然タクシーというのは輸送機関としては小人数の輸送機関でありますし、コストが高いわけでありますから料金も高くならざるを得ない。そこで都市におきましては庶民の最小限度の足というものはバスであるべきである。ところが、やはり大衆もタクシーを使う必要があるときがある。バスで間に合わないときがある。これは御承知のように朝早くとか、あるいは夜遅く、あるいは荷物が重いときとか子供連れのときとか、あるいは雨除りのときと、こういったときにはやはり大衆もタクシーを使いたがる。  そういった意味で、同じ大衆の足でありましても、バスの方は日常茶飯のげたのごとく使うのがバスである。タクシーは同じ大衆が使うにしましても若干特別の需要があるときに使う交通機関であると、こういうふうに位置づけているわけでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 さきの運政審の答申では、車両保有の責任者と車両運用の責任者とに分けまして、この間に自由な契約関係で営業ができるように検討すべきだということに実はなっているわけでありますけれども、これは免許制との関係について非常に問題があると思うんです。この答申について運輸省はどう考えておるのか。

高橋寿夫運輸省自動車局長

○政府委員(高橋寿夫君) その点につきまして若干の御説明が要るわけでございます。  この答申、私、当時部局におりませんでしたけれども、関係の部局におりまして、この答申を横から参画をいたしておりましたのですが、この答申ができました雰囲気といいますか基調といいますかは、タクシーというものは先ほども御説明申し上げましたように大衆の足ではあるんだけれども、日常茶飯のミニマム的なものではないんだから、これはもう従来のような、バスに対する私たちの、事細かな、かゆいところに手が届くような行政介入というのをやめて自由にしてはどうかという基調が非常に強いわけであります。はっきり書いてございませんけれども、この答申をお出しになった委員の方々の個人的な意見の中には、タクシー免許制をやめるべきじゃないかという意見の方もおったわけでございます。そういったことで、この答申はタクシーに対して自由化ということを言っております。ただ、その自由化という意味が、私どものこの答申を受けた立場での理解では、この自由化というのは、自由営業ということであってはならないというふうに考えたわけであります。その点がこの答申をお書きになった方々の気持ちの中と、私たちこれを受けとめました行政当局の立場に若干の違いがございます。  私たち行政当局は、タクシーというものは自由化してはいけないと思っております。と申しますのは、自由化に二つ意味がございまして、この答申で言っておられる主な部分は、いわゆる供給の自由化ということでございます。必ずしも自由営業ということでは言っていないわけでございます。まず供給の自由化でございますけれども、従来、運輸省の戦後のタクシー行政、この答申が出るころまでのタクシー行政は、御承知のように大都市におきまするタクシー需要とタクシーの供給との間に適正なバランスが確保されていることが事業秩序を維持するゆえんである、こういう考え方から道路運送協議会というのをつくりまして利用者、それから事業者、それから第三者というふうな三者構成で、年ごとにあるべきタクシーの数を決めまして、その数の中で免許をし、増車をしてきたわけであります。  ところが、どういたしましても秩序を維持するというふうな考え方に立ちますと、勢い供給力をぎりぎりぐらいに設定しておくということになりがちでございます。そこで結果的には、その都市にかなり需要があるのに、タクシーの供給力がぎりぎりないしはちょっと低目ぐらいに押えられてきたきらいがあった。そのために、各所でタクシーの乗車拒否問題等が起こりました。そこでこの答申は、そういった事態を改善するために、大都市においてはタクシーの供給力の設定をしない方がよろしい。つまり東京とか大阪とか大都市には一体何万台タクシーがあったらいいのかということはわからないはずじゃないか。むしろ需要があればふやし、需要がなくなれば減らすという、いわゆるマーケットメカニズムに任せた自由参入、自由脱退、これがいいんだという考え方からこの答申はタクシーにつきましては供給力設定をしない、いわゆる供給自由化にすべきであるという意味で自由化の方向を出しております。このことは私たちも大変正しい指摘であると思いまして、その後大都市におきましては供給力設定をいたしませんで、需要がある限り申請があるわけだから、申請がありまするならば、それに対しまして資格要件だけの審査をいたしまして、増車あるいは新免を出しております。  そこでこの二番目の自由化の問題で、いま資格要件と申し上げましたけれども、いかに供給力自由であると申しましても、やはりタクシーというものは大事なお客さんを乗っけまして走る交通機関である。したがって、いいかげんな業者がいいかげんな車を使ってやられたのではかなわないというところから、タクシーという事業に参入すべき資格、これは従来どおり免許要件で縛るべきである。事業計画が適正であることとか、あるいは車両あるいは運転者の基準等につきましてはきちんとしたものであるべきであるということで、自由化というものを私どもは供給の自由化というふうにとらえまして、免許制というものは従来どおり、いわゆる資格要件を確保するという意味での免許制は維持するということでやってきております。  そこでいま先生の御指摘の、車両の運転責任と保有責任の分離の問題でございますけれども、この答申は、私申し上げましたように、このタクシーの供給力自由化だけではなくして、もう一歩進んで免許要件なんかもなくなして、いわゆる自由営業的にしたらどうかという雰囲気の方がおりまして、そういった方向で書いておるもんですから、そういう方向の延長線上として、いま御指摘のような車両の運用とそれから保有の責任を分けるという御提言があったわけでございます。しかしながら、私ども行政当局といたしましては、それについてはかなり問題がある。したがって答申を受けたのですから検討はしなきゃならないものの、この運転責任と保有責任の分離については相当慎重に対処すべきであるということで、当分の間これはたな上げという形で、今日現在のところそういったことに分けて処理をする考え方を持っておりません。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 大体当時のムードなり委員の考え方の中でそういうムードに押されがちであったという点について、私は非常に問題が実はあると思うのでありますが、契約関係の一態様として車両の、いま話がありました保有許可を受けた者が車両を受託して現行の個人タクシーと類似の運用をする、これは周知の事実だと思うんですよ。これを契機として企業内個人タクシーとか第二種個人タクシーとかいうような耳なれない言葉というものがはやってきた。これが業界を実は揺さぶったと思うんです。ついにこの制度は導入されることができなかった。  その理由としては、日本では事業者がその使用する営業用車両をリースの方法で調達してはこれはいけない。これは現行の道路運送法第三十六条、これは名義の利用、事業の貸し渡し等に違反するからでありまするけれども、第三十七条に言う事業用自動車の貸し渡しや第三十八条の事業の管理の受託、委託、これに該当して、そして違反することになる。したがって公然とリースを導入することができないからだと思うんだけれども、この点自動車局長どう考えますか。

高橋寿夫運輸省自動車局長

○政府委員(高橋寿夫君) 御指摘の、いわゆるリース制というものが多年問題になっておりますけれども、私どもの道路運送法の解釈上の見解はいま先生もちょっとお触れになりましたけれども、この車を運転する方の人があたかも独立の営業者であるがごとく一切の責任をもって行為するという場合には、まさに道路運送法の三十六条の名義貸し禁止という点が事業者については発生いたしますし、またこの運転する方については四条の免許営業の規定に抵触いたしますので、そういったことは従来とも厳にきつく取り締まってきています。ただ、そういった点を離れまして、リース制というものにつきましてはいろいろ問題がございます。一種の、私どもはいまの名義貸しにならない限りにおきましては経営者と雇用者との間の水揚げの配分形式であるというふうに解釈いたしておりますけれども、これにつきましては、やはり労働省の側で労働基準法等を施行されるに当たってのさまざまな問題がございますので、そういった点につきましては、労働省と私どもと事細かにひとつこの点については検討いたしまして、明朗な制度にしようというふうに現在鋭意努力をいたしているところでございます。  そこでちょっとお話がございましたので補足いたしますが、第二種個人タクシーないしは企業内個人タクシーと申します制度はリース制とは少し違いまして、私どもが当時考えました正しい意味での企業内個人タクシーないしは第二種個人タクシーと申しますものはこういうことでございます。いまのようにリース制と言われるものについてはいろんな問題がある、非常に不明朗である、なぜ不明朗かというと、ある会社に雇われている運転手であるのにかかわらず、あたかも車を任せられたかのごとく、独立の経営者であるがごとく、そこのところがあいまいになっているという点に問題があるのではないだろうか。そこで、その関係を雇用関係から断ち切りまして、ある企業の中にもしも個人タクシーの免許を申請するならば免許を受けることができるという資格者がおります場合には、その人たちに個人タクシーの免許を与えます。そういたしますと、これは免許を取った運転者それぞれが個人タクシー事業者になりますから、会社との関係は完全に切れるわけであります。雇用関係は切れるわけであります。そこで、このリース制にまつわる雇用関係に関連する不明朗さを断ち切りまして、そしてこの個人タクシーの免許を取った方が自分で一本立ちになって自分の家に車庫をつくってやる場合には、従来の一人一車制の完全な個人タクシーである。  ところがその場合に、中間的な形態として免許を取って一本立ちになったんだけれども、会社の車と同じような外見の車を使って、会社の車庫を使って営業したいという場合にはそれを認めると、そういうことを当時考えたわけであります。このことは免許を取った個人にとりましても、自分でなかなか車庫を見つけようと思っても大変だと、そこで会社の車庫を借りられれば、そういった不便がなくなる、あるいはその会社が非常に優良会社であって、ブランドが世間に売れている場合には、そういった会社の車と同じ色の車を使って運営しますとお客さんがつきやすいというふうなことで個人タクシーの側からメリットを感じる人もある。そういう場合には、もとの経営者と個人タクシーの方と契約を結びまして、車庫の使用料、それから車の償却その他のものを経営者との間に取り交わして、お金を払って借りるという制度をやろうかと考えたのでありますが、このことは私どもはむしろリースというものにまつわる数々の不明確な点をこの際クリアーにしてしまいたいということで始めたわけでございますけれども、なかなか私たちの御説明が十分行き渡りませんで、いろいろ誤解を生みましてまだ実現をしてないのでございます。第二種個人タクシーにつきましては私の意図したところを若干補足して御説明申し上げたわけです。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 いまの自動車局長の答弁によるところの企業内個人タクシーと言われるようなもの等については、非常にこれは問題があると思います。リースの問題等について、水揚げされた額に対する配分形式だと理解しているところに私は運輸省の誤謬があると思う。だからこれは直してもらわなければいけないと思うのでありますが、特に運政審の構想はタクシーの免許制の廃止と、それからリース制導入の骨格となっていることはもうあなたが何と答弁されようともそうなっているんですよ。これはハイタク業界の求めというよりも、私は自動車関連産業が当時の経済情勢からみて、石油とかタイヤとか、あるいはまた電気機器産業との関連があって、そちらの方の要請に基づいてやられたのじゃないかという節があるけれども、この点どう理解していますか。

高橋寿夫運輸省自動車局長

○政府委員(高橋寿夫君) この答申で車両の保有と運転の二分という案が出ました背景に、私はいま先生からちょっと御指摘ございましたような車のメーカーとか、部品のディラーとかというところの関係は、私は当時参画いたしておりましたけれども全然感じたことはございません。そういったことになりましたのはさっき申し上げましたように、タクシーというものを自由化していこうということの考え方の一つとしてそういったものが画された。ただこの答申の表現でも車両の運転と保有の分離という点につきましては、ほかのことについての記述とは変わっておりまして、たとえばということを頭にかぶせて書いてございまして、一つの答申の中でアイデアとして書いたということでございまして、したがって私どもはそのアイデアはまだいただけないということで、行政的には否定をしてきているわけであります。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 名古屋方式というのがありますね。これは先ほど局長が答弁されたいわゆる車庫貸しとか、その他の関係と大体同じですか。

高橋寿夫運輸省自動車局長

○政府委員(高橋寿夫君) 私は名古屋方式と言われるものの詳細を知りませんけれども、先ほど御説明申し上げましたいわゆる第二種個人タクシーというものはそもそも名古屋の業界から発案されたものでございまして、この発案の当初、私どもが拝見した名古屋業界の原案というものは、よく検討いたしますと現在のリースと若干水の通っている点がございまして、そこで私どもがこれは認められないということで、その間を完全に断ち切った案にいたしまして、こういう案でいいならば認めるというようなことにしたわけでございます。そういったことから類推いたしますと、名古屋方式と言われるものがそういった内容に近いものであったかと思います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 私は逆に聞きたいのですけれども、逆な立場で。この自動車リースを実施した場合においてユーザーのメリットというものがあるはずなんです。これはどういう点があると、たとえば管理、整備、維持とか、あるいはまた労働力の確保だとか、あるいはまたコストが一定しているから計算が立ちやすいとか、いろいろあると思うのですが、そういう点について自動車局長どう考えていますか。

高橋寿夫運輸省自動車局長

○政府委員(高橋寿夫君) いまの先生のユーザーという言葉を運転者を使用している経営者というふうに考えた場合には、私は実はこういうふうに考えております。若干これは私の独断になるかもしれませんのであらかじめおわび申し上げなければいけないのでありますけれども、終戦後二十年ぐらいの間、いわゆるタクシーの黄金時代と言われた時代があったわけでありますけれども、町は自由に走り回れる、それからさっき申し上げましたように供給力は若干低目に供給設定される、それから運転者の賃金は非常に安い、まあいわばかせがせほうだいというような時代がございました。  こういったときには労働力の方から言えばいわゆる買い手市場、経営者側の圧力が、力が非常に強くて、何とかしてタクシーに雇われたいというふうな事情があったと思います。そういったときには私どもが非常に問題にしておりましたようなノルマ制とか累進歩合とか、苛斂誅求と申しましては言葉が過ぎますけれども、そういったことがあったと思います。これはやはりタクシーだけではなくて、当時の日本の社会情勢のある意味では反映であったかと思いますけれども、その後だんだんだんだんわれわれの国民経済も成長かつ安定してまいるに従いまして国民所得が上がってきた。  そうすると、いわゆる雇われ労働力というものが大変値段が高くなってきた。これはどこの産業でも同じでございますけれども、非常に運転者の賃金が上がってまいりまして、また賃金をどんなに出してもこういうタクシーとかバスとか交通関係労働に来る人が少なくなってきたという意味では、いわゆる金の卵になってきた。そうすると、ちょうど終戦後十年、二十年というふうな時代と比べますとタクシーにおきまする経営者と運転者の力関係というものが、完全に逆転とは申しませんけれども、相当変わってまいりました。相対的に運転者の力が強くなってまいりました。  そこでタクシーの経営者といたしましては、昔のようにいわゆる雇われ労働者というものをたくさん雇って、そして強い力のもとに圧制をしいて、もうけるだけもうけようというふうなことは社会的に不可能になってきたわけであります。そうすると経営者は、むしろそういう昔のようにリスクもあったけれども、もうけも非常に大きかったというふうな経営形態から、だんだん最近は、もうタクシーで回っていけばいいんだと、いわゆる適正運賃を設定してもらってしかるべき賃金を払って回っていけばいいんだ、したがって昔のようにぼろもうけしようということよりも、むしろせっかく車庫もかなり広いところを確保し、営業所も確保し、人もたくさん雇って始めたわけだから、この車両数百台なり二百台なりのそういった企業を維持していきたいという気持ちが強くなったんではないだろうかと思うのであります。  そういたしますと、経営者の方が固定給的なもの、いわゆる水揚げの中から一定部分、たとえば車庫の使用料とか車の償却とか、そういった比較的固定したものを得て、それで安定収入を得て安定経営を確保したい。そして運転者の方は、その一人一人の自由によってかせぎたい人はかせぐというふうな形にする方が、どうも昨今の経営者あるいは昨今の運転手の人たちの心情に合っているんじゃないかというふうなことがだんだん最近出てきたような気がするのであります。そういった世の中の移り変わり、タクシー事業に生きる経営者と労働者の力関係の変転というものが、いまのこの車庫貸し的なものを選好するような基盤になってきているんじゃないかというふうに、私は一応私なりに分析しているわけでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 京都方式のMKというのがありますね、あれをひとつ端的に教えてください。

高橋寿夫運輸省自動車局長

○政府委員(高橋寿夫君) これも大変申しわけございませんで、私もMK方式という名前は前から聞いておりますけれども、その中身が具体的にどういうものであるかちょっと把握いたしておりません。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 それは自動車局長が知らないわけはないと思うんですけれども、あなたは意識的に答弁なさらないと私は思います。  いまハイタク業界に蔓延している利益還元制度あるいはまた成果配分方式、MK方式、制度様式の上で幾らか相違点はあるけれども、すべて一定額をハイタク業者に支払えば運輸収入の残額がその運転者のものになるという仕組みなんですよ。したがって、このことは明らかにメンテナンスフリー化に通ずる思想だと私は思います。その点について、いま自動車局長はどうお考えになっておられるか、お聞きしたいと思います。

高橋寿夫運輸省自動車局長

○政府委員(高橋寿夫君) 私もMK方式そのもののディーテールは知りませんけれども、いろいろ称せられる何々方式というものの基本的な枠組みと申しますのは、いま先生が仰せのとおりであると私も理解をいたしております。  このことは、私ども従来国会でいろいろ御質問を受けますと、名義貸しになる場合には道路運送法違反で処罰いたします、利益配分方式である場合には、これは道路運送法上は合法的でございます、あとは労働基準法上の問題がありますれば労働省にと、こういう答弁をしてきたわけでありますけれども、私はそういったいわゆる形式的な割り切り方だけでこの問題は済まないと思うのであります。この問題の根本には、やっぱり私がいま申し上げましたようなタクシー業界における労使の力関係の変転ということもございますし、それから最近のいろいろ働く方の考え方の変転もございます。そういったことの中で、いかにしてこの労働者の生活を守り、そしてまた安全にして明朗なタクシーサービスを展開するかという点について、私どもは多大の関心を持たなければならないと思うのであります。  そこで、この問題につきましては、かねて社会党のハイタク問題の特別委員会からも強く御指摘もございますので、私どもは従来のいわゆる形式論理を離れまして、もう一歩実質的な場に踏み込みまして、労働省と一緒にこの問題を解明いたしたい、そして悪いものがあれば直ちに直すような措置を講じたいということで労働省の方にも話を申し上げまして、近く第一回の課長レベルの打ち合わせ会がございまして、それに引き続きましてこの問題については形式的な対処ではなくて、実質的に突っ込んだ対処をしてまいりたいと思いますので、もうしばらく時間をかしていただきたいと思います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 いま自動車局長の主管局長の答弁として、実質的な部面に踏み込んで調査し検討し指導し、違反のあったものについてはやっぱりびしびし挙げていくという姿勢がないと、いわゆる法網をくぐった形でもってどんどん違法な状態が続いているわけですから、その点はひとつ確認しておきます。  それからいまいろいろ言われた、利益還元制度とか配分方式とかいろいろ言われるんですけれども、これがリースでないといま言われている、リースでないという根拠について説明してください。

高橋寿夫運輸省自動車局長

○政府委員(高橋寿夫君) そもそもリースとは何かということが非常にあいまいでございまして、本来リースという言葉は全然違ったことなんですけれども、タクシー事業で言われる場合にはそういった名前を使ってきている。いわゆるリースというふうに私ども言っているのでございますけれども、本当のリースというのは全然別のものだと思います。たとえば土建屋さんが特別な大きな土建機械をしょっちゅう持っていたら大変だから、その土建機械を持っている会社から借りて工事期間使う、これが本当のリースだと思います。ところがハイタクで言われるリースというのはそれと違うのでありまして、いわゆるリースというものの実態は、いま先生おっしゃいました利益配分方式ということだと思います。  そこで利益配分方式については従来の運輸省、労働省の統一見解というのは、このことがいわゆる水揚げを経営者と労働者にどう配分するかというふうなことである限りは、労働基準法上の諸通達に違反しなければこれは合法であるというふうにしているわけでございますが、問題は実質的に配分のされ方がどうなっているかという点を考えていきますと、やはり物によりましては、この労働省お出しになっております各種の通達に違反しているものがあるかもしれないと思うのであります。そういった意味で、実質的に踏み込んで調査をしなければならない、こう申し上げたわけであります。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 土木車両とかその他に対するリースはいま盛んに行われています。これはそれ相当に、たとえば事故を起こさない、旅客に対するサービスとかという点について必要ないからそれはできるわけですよね。ところがいまのこのタクシーの関係におけるリースというものは、それは局長何と答弁されようと運政審の答申そのもの、局長はそうじゃないかもしれないけれども、そういう思想で貫かれているということについて、あなたはやっぱり厳粛にこのことは、踏み込んで調査をされる場合に、そのことを基本に置いていただきたい。  それから賃金制度はあるけれども、この賃金は利益配分金に包括されているんですよ。そしてそういう仕組みになっておって、割り増し金も含めて、この賃金がふえれば利益配分金が減ってくる、結果として利益配分金一本になっていくという、こういう体系の中にある。したがって業者が運輸収入金から労働者の個人分担金を控除して配分する賃金所得は、あらかじめ定められている名目賃金が従来の賃金であって、賃金の体系に対する、私どもが従来までいろいろ勉強してきた常識に完全に逸脱している、こう思うのでありますけれども、この点どうですか。

高橋寿夫運輸省自動車局長

○政府委員(高橋寿夫君) 実は私ども労働省の方と違いまして、余りその辺について従来勉強なり検討も立場上そういたしておりませんので、いまの先生の御質問に的確にお答えすることはできませんけれども、何となく不明朗だなという感じは持っておりますので、その点について専門の労働省の方々と一緒にこれを明朗化するような検討をいたしたいと思います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 じゃあ労働省の担当監督課長がお見えになりますからお聞きしたいと思うのでありますが、賃金だと称するものが、労働基準法の第十一条における賃金に該当するものかどうなのか、その点をひとつお答えいただきたい。

岸良明労働省労働基準局監督課長

○説明員(岸良明君) 先ほど来いろいろ御指摘のあった点でございますが、リース制の中にもいろいろな形がございまして、中には私どもが運収還元制と広く呼んでおるうちで、相当にこれは賃金としての形態を整えておるものと、それからそうでなくて全くこれは賃金と見れないというようなたぐいのものがあるわけでございます。ただ賃金についてどういう形の取り決めをするかということは、これは元来労使の双方で決められることでございます。ただ私どもとしては、そういうリース制をとる、いわゆるリース制の賃金形態をとる場合には、どうしても必然的に基準法違反の問題が派生をしてくる。そういうような基準法違反が派生するような賃金形態は好ましくないので、私どもとしては監督対象として強くそれを指導しているところでございます。したがいまして、ただいま先生がおっしゃいましたように、一般的にリース形態をとる賃金を十一条の面からどう評価するかということは一概にはお答えができない、そういう感じです。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 一概に答えないって、たとえば労働基準法第十一条は賃金の定義について言っているわけですね。それから賃金は給料、手当、賞与、その他いかなる名目であろうとも労働の対価として支払われるものについては、これは総称して賃金と言っているわけですから、だからもらったものは賃金だということになるわけでしょう。その点どうですか。

岸良明労働省労働基準局監督課長

○説明員(岸良明君) おっしゃるとおりでございまして、労働の対償として支払うと言いますれば、名目のいかんにかかわらずそれは賃金だと、こう言わけなければならないと思います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 いま監督課長の言われた点、一概に言えないという点がちょっとひっかかるのですが、利益配分額を含めて私は賃金だと言えると思うのです、もらったのですからね。ですから、名目的に定めてある賃金規程はこれはあるわけですよ、どこの会社にも。これとの関連についてどうお考えですか。

岸良明労働省労働基準局監督課長

○説明員(岸良明君) お尋ねの点が必ずしも私は正確に受け取れないのでございますか、ただ私どもの知っておるます事例で、完全な利益配分制という形にしておきながら、形の上では通常の各事業場でやっておりますような形態の手当であるとか、基本給であるとか、その他の形式を整えておるものがございます。こういうものについては、私どもは結果的に労働の対償としてもらったものが賃金であるかどうかという評価は、これは先ほど十一条で言われたとおりでございますが、形式的に定められたものということをどのように私どもが見るか。やはりこれは事実と違っておるとするならば、そういう賃金形態に対しては当然これは指導をしていかなければならないと、こういうふうに思うわけでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 賃金規程に基づいて平均賃金を算定してみたり、あるいはまた時間外その他の割り増し賃金をそのもとに計算をしていると、あるいはまた各リース会社と私ども言っているんですけれども、これらの関係等についてはこの基準法三十七条に違反していると実は思っているんですけれども、これらの点についてはどうですか。

岸良明労働省労働基準局監督課長

○説明員(岸良明君) そこで先ほど申し上げたとおりに、このリース制をとります賃金形態をとりますと、おっしゃったとおりに平均賃金の算定についても正確に法律どおりにはこれは算定が非常にむずかしい。また割り増し賃金を計算する場合におきましてもそうでございます。いろいろ基準法上の違反あるいは基準法を正確に守ることがむずかしくなってくる事態が出てくる、そういう点がございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 自動車局長にお伺いしたいんでありますけれども、労働基準法上の根拠について、われわれがリースだリースだと、こう言ってきているし、われわれの先輩も長く議論を重ねてきた。運輸省もその非については認められているわけでありますけれども、道路運送法上の根拠なり関連において、今後も違法状態に接近しているこのボーダラインにあると言われるそれらの点については、先ほどもあなたは踏み込んで調査をしてみたい、こうおっしゃっているわけですから、それは非常に私どもは前進の面として受け取っているわけですけれども、業界が運政審の答申というものを先取りしちゃってどんどん進めちゃっているわけですね。ある場合には、リース制の中における三つのさっき私は例を挙げたのですけれども、そのほかに完全オール歩合制なんというものをやっているわけですね。この点について、業界がこの運政審答申を先取りしているというようにあなたはお考えになりませんか。

高橋寿夫運輸省自動車局長

○政府委員(高橋寿夫君) 私は業界がこの運政審答申にあります車両の保有責任と運転責任を分けるということをよりどころにして、いわゆるリース制というのを進めてきたというふうには理解をしていないわけでありますが、実はこのバス・タクシーに関する答申が出ましたときに、タクシー事業者の猛烈な反発がございました。運政審答申をぶっつぶせという特別委員会ができたりいたしまして大変なことだった。それは何かと言いますと、さっきも私も触れましたけれども、自由化ということの意味を、自由営業になっちゃうんだという、免許制がなくなっちゃうんだと。われわれがいままで金科玉条のようにやってきて、一生懸命そのもとに励んできた免許制がなくなったんでは、われわれは八百屋、魚屋になっちゃうんだということで、非常に業界の人を逆なでをしたような感じがありまして、私も実はさっき申し上げたように、この答申が供給力自由化が主体なんであって、免許制は当分の間堅持するという行政方針だから安心しなさいということを半年ぐらいもう毎月言い続けてやっとおさまったということでございまして、当時の答申を受けた彼らの零囲気の中から、車両の運転と保有の分離というやつをうまく先取りして、つまみ食いをして、これをリースの理屈づけにしょうかというふうなことは、私は全然考えられなかった。むしろ業者としては、この答申のあるなしにかかわらず、いろいろ生活の知恵と言ったらちょっとほめ過ぎになっちゃうかもしれませんけれども、そういう意味でなくて、一つの苦しまぎれのアイデアとしてそういったものを始めたということであると思います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 この歩合という、すなわち水揚げや運搬料に対応して賃金が算定される制度というものについて、私どもはこれを完全オール歩合と言っているんですけれども、この中にはいろいろあるわけですね。累進歩合だとか、あるいはまた積算歩合だとか、一律歩合だとかいろいろあるわけですけれども、一番たちの悪いのは、もうすべて水揚げによって賃金を決めていくのですね。こういう制度についていいと思いますか。

高橋寿夫運輸省自動車局長

○政府委員(高橋寿夫君) 歩合制については前からいろんな議論がございました。当時言われておりましたのは累進歩合がいけないということと、したがって固定給、いわゆる生活保障給的なものを固定額で払うということを強く言われてきたわけであります。ところが最近聞きますと、いわゆるオール歩合という言葉であらわされるような賃金形態が出てきているという話でございますが、このことは、これも私の推測が当たってないかもしれませんが、何かオール歩合の方を選択する方がたくさんいるんだということも聞いているわけですけれども、それは一体いかなる理由でそういったオール歩合を選択する運転手が多いのか、この点についても私どももこれから調査しなければなりませんけれども、いずれにいたしましても、タクシー事業の特殊性というものと、それから労働基準法の趣旨というもの、この両方の調和を図るという点が非常にむずかしいわけでありますが、その点についていま労働省と一緒に調査をし、検討をし、そして正すべきものは正していきたいと、こう考えているわけであります。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 労働者がオール歩合を選択したいなんということは、低賃金でどうともならなくて、とにかく労働基準法に違反しても自分がどんどんやってのけて何とかひとつ水揚げを確保したい。こういうことは行政機関にとってはきわめていけない。こういう点が一部にあったからといって、そのことを何も私の質問に対する切り返しの条項として使うのは間違いだと思いますよ。行政機関としてはあくまでも刺激的賃金についてはいけないということは、これは交通事故を防止するたてまえ、あるいはまた乗客に対するサービスを何としても確保するという立場、そういう立場に立って、このオール歩合というもの、刺激的賃金というものをどう考えるか、その点をお聞きしたいと思うんですよ。

高橋寿夫運輸省自動車局長

○政府委員(高橋寿夫君) 私は別に先生に切り返すために言ったんではなくて、そういったことを言う人もあるというんですけれども、それが本当かうそか、もし言う人があるとすればどういう動機で言うのかという点を十分掘り下げて検討したいという意味でございます。  いずれにいたしましても、そういった刺激的賃金というものが、働く人の生活を保障しないようなことになったり、あるいはそれが波及いたしまして交通事故の多発とか、あるいはタクシーサービスの低下につながっては大変でございますので、その点については十分根本的に掘り下げていきたいと、こういう姿勢でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 労働省の監督課長、一言だけ答弁してください。二・九通達は労働基準法第二十七条、これらに対して具体化したものだというように私は受け取っているんですけれども、その点については関連ありますか。

岸良明労働省労働基準局監督課長

○説明員(岸良明君) いまの御質問でございますが、二十七条は出来高払いの保障給を決めております。その際に、二・九通達には御承知のとおり六割の保障ということを具体的に示しているわけでございますが、二・九通達をつくりましたそのときの考え方は、先ほど先生御指摘になったとおりに、やはり自動車事故等の、そこで働く労働者の安全の面から見て、現在の最低基準では、いろんな業界の特性からいって問題があるだろうということから、当時のいろいろな業界の実情並びに国際的な水準等を考え合わせまして、これは指導基準として二・九通達を設定したものでございます。その中に、御承知のとおり給与制度につきましても累進歩合制等のような刺激的な給与制度というものについては、これを廃止するように指示しているところでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 いま私は具体的に調べてきたわけでありますけれども、静岡県の沼津市に伊豆観光タクシーというのがあるんですよ。これは非常に私は問題だと思うのでありますけれども、運輸収入が十万未満のときは四六%くれるよと、それから十万から十五万のときは四九%くれるのです。それから十五万から二十万のときは五二、二十万から二十四万のときは五六、二十四万以上になりますと五八%ということになっているわけです。こういう歩合給制は完全な、自動車局長の指摘になられた累進歩合制なんですよ。ここにコードが幾らでもあるわけです。特に一人の人の分を持ってきたわけですけれども、これは二重帳簿になってるわけですね。そしてこの中に、基本給から何からずっと入れて、そうしてこれが大体内訳になっている、ちょこちょこっと書いてある。こういうような給与の支払い条件というものが、さっきあなたが踏み込んでひとつ調査したいということの中に入ると思うのですけれども、どうなんですか。

高橋寿夫運輸省自動車局長

○政府委員(高橋寿夫君) 労働省と一緒にやると先ほどから盛んに申し上げておるわけでありますけれども、私たちは賃金の支払いそのことについての立ち入り検査権はないわけでありますが、労働省の方はそれを持っていらっしゃいますので、陸運当局も労働基準監督当局と一緒になって踏み込んで調べていきたいと、こういう意味でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 労働省どうですか。

岸良明労働省労働基準局監督課長

○説明員(岸良明君) ただいま自動車局長がおっしゃいましたとおり、私どもの方ではまず第一回の課長レベルの相談をいたしまして、特に五十年度は、私はリース制を行っておる事業所は、全事業所を監督の対象といたしまして詳細に問題点を見ていきたい。特に御承知だと思いますけれども、リース制をやりますといろいろな面で基準法違反が派生してまいります。そこで私どもの方としては、そういう基準法違反を派生するような問題点をひとつえぐり出して、その関連において給与制度というものも十分これは是正指導させていきたいと思います。ただ先ほども申し上げたとおりに、給与制度は本来労使で決めるべきことでございますので、その中身にどの程度これは入っていかれるか、問題はございますが、私どもは基準法違反という面から見て、そういうことが出ないように、これは相当に強い指導を行っていきたいと、こう考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 あなた福田副総理みたいに、労使でもって決めるものだと言っていればそれで事足りるものじゃないのですよ。それは、こういうようなことをやっておれば労働基準法違反を奨励しているものじゃないのかということを言っているのですよ。その点について、こういう形態が好ましいと思いますか、どうですか。

岸良明労働省労働基準局監督課長

○説明員(岸良明君) いま御指摘になりました具体的な事例は、私は承知をいたしておりませんが、いずれにしても非常に刺激性の高い、特に何といいますか、長時間労働をすればするほど収入が上がっていくという形態であれば、これは当然長時間労働を生じたり、あるいは直接ではございませんけれども、いろいろな基準法違反がそれに派生をしてくるという可能性があるわけでございますので、そこら辺のところは具体的な事例に即しまして、これに対し判断をしてまいりたいと、かように思います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 賃金体系は、私どもの常識としては、基本給と諸手当で構成されている、これは原則であるということについてはお認めになりますか。

岸良明労働省労働基準局監督課長

○説明員(岸良明君) おっしゃるとおり、一般的な賃金制度はそうでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 昨年十月十一日に、基発第五一八号の二による全乗連に対する要請文中に、歩合給の割合をできるだけ少なくせよということをおたくで通達を出しているでしょう。この点については、さらにこのことを徹底するという気持ちがありますか。

岸良明労働省労働基準局監督課長

○説明員(岸良明君) 先ほど申し上げておりますとおりに、歩合給が高くなればなるほど、私どもの調査の結果、基準法違反の率が高いわけでございます。したがいまして、その内容、業界に対するところの要請に対してもそれは言っておるわけでございます。具体的に五十年度においてどういうようにするか、これは運輸省ともよくお話をした上、私どもの方の従来の経験も十分勘案いたしまして措置をしてまいりたいと思います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 さらに極端な歩合給について改善命令を出すという気持ちがありますか。

岸良明労働省労働基準局監督課長

○説明員(岸良明君) これは二・九通達の中では、これを廃止させるような方向を示しております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 ただ私は、この二・九通達の中で六割をひとつ賃金を保証しろと。しかし、これは固定給与ではないぞ、基本給ではないぞといったようなことを改めておたくの方から注釈を加えた指導をするというような姿勢が私はやっぱり若干問題があると思います。これらの関係について、私は本委員会において事あるごとにこのハイヤータクシーの関係については論議を尽くしていきたい、こう思っておるわけでありますが、運輸大臣、これらの関係について、きわめていまタクシー業界は問題が多過ぎると、こう思うのでありますけれども、運輸大臣としてこれらの点の改善についてどうお考えでございますか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 途中でございましたので、御質問の趣旨を十分私、理解していないかとも思いますけれども、リース制度の問題についてどう対処するかという私の考え方をお求めになったものと思いますが、リース制度というものはよほど運輸省といたしましても考えなければいけない問題だと思います。したがいまして、これらの弊害等につきましても労働省と一緒になりまして十分対策を講じていきたいと思っております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 私は地域ごとに安全作業基準、これは走行キロや労働時間、たとえばメーターは二つあって、タコメーターのテープを引き出しちゃまたぐるっと回すということをやっているんですよ。そして労働基準法違反というものをどんどん現実にやっている。そういうようなことをおたくでチェックするにはちゃんと監督官を乗せてやるぐらいにしなければだめだ。これは料金やったら問題になりますからね。これについてはやってはならないという規定はないものだから、それをそういうぐあいにして空回り、逆回りさせたりなんかしている現実があるということを十分考えていただいて、そして公的機関でこれらの関係をチェックするというようなことをひとつ考えていただきたいというように要請いたしまして次の問題に移ります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 関連。  十八年前のことでずいぶん古い話になりますが、神風タクシーの問題で、いまの固定給の問題と歩合給の問題について、その他労働条件について十六の勧告をしたのですね、運輸省に。それは生きているのかどうか。はるかに昔のことになっておるので、そのままになっておるかもしらぬが、いまの自動車局長の答弁というのは納得いかぬですよ。この問題はあなたは賃金には立ち入りができない——しかし行政指導の面で運輸省か主体にならなければだめだ。労働省はいま言ったように及び腰だ、この問題は非常にごまかされておるわけです。したがって運輸大臣の決意も、その問題でもっと深く入って、やはりタクシー労働者の生活権を確立するという、そういう立場をはっきり明確にしなければならぬのです。さっきのあなたの答弁は逃げ腰ですよ、そんなばかなことはないですよ。行政指導の面からいまの問題に入らないで、どんな一体タクシー労働者に対する指導がありますか。その点についてだけ伺っておきたい。局長と大臣の見解を伺いたい。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 私がいま申し上げましたのは運輸大臣、運輸省としてこれを放置しておくという意味ではございませんので、もちろん運輸省としてはこういう問題を含めてタクシー行政一般に対して監督権を持っておりますから、同時に労働問題は労働省の所管でもございますので一緒になってやりますと、こういう意味でございますから誤解のないようにお願いいたします。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 国鉄の副総裁と常務にお伺いいたすのでありますけれども、新幹線騒音——先ほど瀬谷委員も指摘したのでありますけれども、中公審の専門委員会の答申原案が発表になりましたけれども、これはどういうように受けとめていくのか。これはまず運輸大臣と、それから国鉄の副総裁からお聞きしたいと思います。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 新幹線の騒音問題についての中公審の、現在は専門部会の結論ということになっておりまして、最終的には中公審としての正式な答えが出るわけでございます。そういう段階でございますが、いずれにいたしましても、専門部会で出ております結論と同等か、あるいはそれに近いものが出るだろうということは想像いたしておるわけでございます。  その場合の今後の新幹線の騒音対策でございますけれども、かなり厳しい基準になろうと思います。現在ではせいぜい八十ホンを下回る程度の状況での騒音対策は何とかできるというのが偽らない現状でございますので、これよりよほど厳しい基準で今後の新幹線の建設を進め、また従来の新幹線についても、その対策を立てるということは相当きつい実は問題でございます。しかし最終的に環境基準が出ますというと、それに従って新幹線につきましても騒音対策というものはやっていかなければなりませんので、これがどういうふうに今後の新幹線に影響するであろうかということを私なりに考えてみますというと、一つは、これには相当の費用がかかるわけでございますので、それをどういうふうにして捻出するか。国鉄だけに任しておいたんでは、国鉄はいまそんな力はございませんので、政府としてもこの問題について方法を見出さなければなりません。同時に、果たしていまの技術でできるかどうかという問題もあろうと思います。これらは今後の問題として国鉄を中心に研究開発をしてもらわなければならないことになろうかと思うわけでございます。  それやこれやを考えてみますというと、新しく出るであろうところの騒音基準に合わせて今後の新幹線の建設をやっていくということになりますというと、予定をされておりますところの今後の新幹線の建設計画というものもある程度期間的に延びる、あるいはある程度の手直しという問題にまで波及するのではないか、かようにも考えられるのでございますが、いまは何しろそういう問題をいろいろ検討しておる段階でございますので、いまここで最終的にどうなりますということは申し上げられませんが、そういう感じを持っております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 環境庁はどうですか。

春日斉環境庁大気保全局長

○政府委員(春日斉君) ただいま中公審の特殊騒音専門委員会で報告案が取りまとめられた段階でございます。したがいまして、早急にこれは上部機関でございます騒音振動部会の審議が行われるところでございます。したがいまして、私どもといたしましては、もちろん沿線地域におきます生活環境の保全あるいは騒音対策の現状、見通しと、こういったものを十分考慮して適切な答申が行われるものと期待しておるわけでございますし、またそのようにして答申が得られましたらば、それを尊重して環境基準を設定すると、そうしてそれを達成するための対策について、関係機関に十分な措置を講ずるように求めてまいりたいと思っておるわけでございます。  したがいまして、公表されておりますような専門委員会におきます環境基準を現在どういうふうに受けとめるかということは、中公審の御答申を得てからということになろうかと思います。したがいまして、私どもといたしましては、一刻も早く答申を得られることを期待している次第でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 時間がありませんから、国鉄に後でお聞きすることにいたしまして、この環境基準というものは一体どういうことなのかと、いろいろ言われておりますけれども、この点について、私は道路なんかについても非常にシビアなものが出ているわけですけれども、三年半前に出されたものが五年間で達成せよという期間を設定されておる。ところが東京では五%から一〇%しか現在進んでいない。大阪では大体二〇%ということが現地からの報告なんです。こういう点について、こういう答申なり権威ある機関から出されたものが単なる努力目標なのか、絶対にやるのか、こういう点についてひとつ環境庁の局長から答弁してください。

春日斉環境庁大気保全局長

○政府委員(春日斉君) 環境基準と申しますものは、御承知のとおり公害対策基本法の第九条で定めておるものでございまして、私どもの健康を維持する、あるいは生活環境を保全する上で望ましい目標値でございます。言うなれば行政上の一つの目標値でございますから、それを到達させるということが私どもの最大の行政上の目標には違いないわけでございます。したがいまして、直ちにそれが達成できないから罰則をつけるとか、そういう性格のものではないわけでございます。ともすれば環境基準は自動車の排ガスのごとき排出基準とか、あるいは工場騒音の基準のような、まあいわば罰則のついたようなスタンダードと混同されますが、環境基準と申しますのは本来的にそういうような一つの目標値であると、こういうことでございます。しかし目標値だからといって、それを到達できないままに放置してよろしいかといえば、決してそういうことではございませんで、それを達成するために種々の行政指導をいたしておるわけでございます。確かに先生の御指摘のように、道路騒音につきましては非常に達成率が悪いことは事実でございます。この点につきましては、さらに一層の努力を私どもしていかなければならないと考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 次回にも質問いたしたいと思いますけれども、いまの大気保全局長の答弁は、私は答弁になっていないと思うんです。そんな答弁はお役所的答弁であって、私はもっともっとこの問題について環境庁がきちっとした態度を示さない限り、これらの問題点の解決というものはあり得ないと実は思っているんです。環境庁の立場から言ってみて、新幹線だけに適用されて現在線も適用されていない、そしてまた私鉄も適用されていない、こういう点についてはあなたはどういうふうに考えていますか。

春日斉環境庁大気保全局長

○政府委員(春日斉君) 現在中公審の特殊騒音専門委員会でようやく新幹線の環境基準の問題についての報告をいただいておるところでございます。それに引き続きまして在来線の環境基準、こういったものも検討していただくことになっております。これはまあステップ・バイ・ステップと申しますか、優先度に従って検討しておるわけでございますが、一度に全部というわけにはまいらぬと思っております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 どこでも音が出るわけですから、それらの関係等について片ちんばというわけにはまいらないと思うんです。  で、国鉄にお伺いしたいと思うんでありますけれども、技術的に七十ホンに下げることはできないというように副総裁の談話が載っております。この点について、これは技術的に本当にできないのか、あるいはまた基準値と達成期間との問題でできないのか、その辺についての答弁を。

井上邦之日本国有鉄道副総裁

○説明員(井上邦之君) 七十ホンないし七十五ホン以下に抑えるという問題につきまして二つの方法があるわけでございまして、一つは音源対策として、根元のところでこれを抑えようという音源対策、これは現在国鉄でも車両の面あるいは線路構造の面あるいは防音壁を設置する、そういうようなもろもろの対策を考え、また研究いたしておりますが、現段階におきましては、それらの防音対策ではまあせいぜい八十ホン程度が限度であろうということを言っておるわけでございまして、この点は先般出されました専門委員会の解説書の中にも大体そうであろうというような趣旨のことが書かれております。したがいまして、現段階においては防音対策としてやり得る限度は八十ホン程度であろうということは大方の御認識であろうと思います。ただ将来ともにこれが絶対不可能であるかどうかということになりますと、これは私、技術者でもございませんので、絶対に不可能だと言い切るだけの自信はございませんが、非常にむずかしいという話は聞いております。  したがいまして、防音対策で七十ホン以下に抑えるということが無理だとしますと、今度は周辺対策と申しますか、沿線対策と申しますか、そういった対策に移っていかざるを得ないわけでございまして、その点を考えますと、大体七十ホン以下に抑えるための区域を考えますと、大体片面で百五十メーター程度の幅は必要だ、両面で三百メーターぐらいの空き地をつくらなければ七十ホン以下に抑えられないと、こういうようなことも研究上出ております。そういたしますと、両幅三百メートルを国鉄が土地を確保いたしまして、そこを空閑地といたしますか、あるいはまあ何に使いますか、いずれにいたしましても住居以外のものに使わざるを得ないわけでございますが、それだけの土地を確保するということは、これは資金的にも、あるいはまた財政資金の裏づけができましても、実際問題としてそれをやっていく実施体制をどうするのか、とても国鉄の手でそれだけの幅三百メートルのところを確保していくということは恐らく不可能であろうと思います。金にいたしましても、先ほど運輸大臣のお話もございましたが、仮に三百メーター幅の土地を確保して、そうしてそこにある住宅を全部移転していただくということになりますと、これはもう膨大な金になります。ちょっと計算もできかねるぐらいな計算になりますが、戸外で七十ホン以下、家の外で七十ホン以下に抑えようということであくまでやっていくということになりますと、それだけの土地を確保しなくちゃなりません。  ただ、それが無理な場合には室内で七十ホン以下に抑えるということも次の段階であるいは考えられるかと思いますが、原則的には戸外で七十ホンということになっておるようでありますけれども、それがどうしても達成できなくて室内で七十ホンということになりますれば、それだけの土地を確保しなくても、ある程度の土地を確保して、それからそれ以上の区域に存する住宅については各戸に、各家ごとに防音対策をやっていく。まあ窓を二重窓にしますか三重窓にいたしますか、そういったような家ごとの防音対策をやっていくと、こういう方法もあろうかと思いますが、それにいたしましても、固く見積もりましてもやはり一兆円は超すと、これは東海道、山陽新幹線だけについて申し上げておるのでございますが、東海道、山陽新幹線について申しましても、これはきわめてラフな計算でございますが、一兆円は超すであろうと、こういうことを考えますと、きわめてむずかしい、実際問題としてむずかしいということを申し上げざるを得ないと思います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 新聞に載っている専門委員長の楠本委員長ですか、それからあなたの、副総裁の談話と両方載っておって、国民の受け取り方は、片っ方は内容を知らないから、できるじゃないか、国鉄は甘いんだと、こう言う。片方の副総裁の談話としては、これは絶対できないんだと、これだけが前に出ているんだけれども、国鉄としてこの問題が出たらどういう受け取り方をするんですか。正式に中公審の答申という形で出たならば、どういう受け取り方をするんですか。

井上邦之日本国有鉄道副総裁

○説明員(井上邦之君) 私は絶対にできないということを申したつもりはないのでございますけれども、いま申しましたとおり、非常にむずかしいということは申しました。ただ、むずかしいからやらないという気持ちは毛頭ございません。先ほど運輸大臣の御答弁にもございましたように、むずかしくても国鉄として——国鉄もやはり公の機関でございますし、また中公審も公の機関であり、またそれに基づいて環境庁からいろいろな御指示が出ると思いますけれども、両方ともに公の機関でございますので、そういう基準が出ますればこれをやはり守っていく、それが実現するように努力していくということについては私ども懸命の努力を続けてまいりたいと、かように考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 非常にこれは重要な問題でありますけれども、先ほど線路をはさんで合計三百メートルと言いましたね、七十ホンにするためには。このために住居を撤去するということになれば幾らかかりますか。概算で結構です。

井上邦之日本国有鉄道副総裁

○説明員(井上邦之君) きわめてラフな計算でございますけれども、東海道新幹線あるいは山陽新幹線で現実に移転補償いたしましたその額をもとにして計算いたしますれば、ざっと三兆七千億ぐらい、これもかたく見積もってでございますが、そのくらいの金になるであろうという概算はいたしております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 大臣にお伺いしたいと思うのでありますが、私どもはやっぱりこの問題について、きょうは公害対策委員会じゃないわけですから、運輸委員会ですから、それらの立場に立っていろいろ考えてまいりますと、大臣も考えておられると思うのでありますけれども、イコールフッティングという考え方がある。これらについて、いわゆる他の輸送機関、交通機関というものについて、いわゆる公共投資という問題を中心としながら国の財政措置ということが前提として考えられないと、あるいはまた交通機関ごとにいろんなアンバランスがあっては私はいけないと思う。新幹線の関係は田中前総理が高度経済成長政策の中でいろいろラッパを吹きました。この中には、まだ残っているのは七千キロという構想がある。七千キロという構想というものは非常に私は問題があると思う。  これらのことを考えてまいりまして、これから、先ほど私が指摘いたしましたように、この騒音問題一つをとって見ても、現在線の関係だって、聞くところによれば九十ホンも百ホンも出るようなところもある。私はけさ赤坂見附の街頭に立ってみたのでありますけれども、あの自動車の騒音が大体七十から七十五ホン出ていますよ、コンスタントに。そういうようなことを見て、近代化社会の中における騒音というものは、これはついて回るものだと考えてしまえばそれまででありますけれども、これをやはり人間の英知と創意と努力によってこれをなしていってそして人間の、先ほど環境基準の問題で言ったわけでありますけれども、住みよい、安心して生活できる生活環境の基準をつくっていかなきゃならぬと思うのでありますけれども、とりあえず国鉄の新幹線騒音の問題について、政府としてはこの財源のことについてどういうように考えていくか、もう一度お伺いしたいと思うのです。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) これはお互いにわれわれの生活の周辺を住みよい環境にしなきゃいかぬということに端を発しておるわけでございますが、新幹線の騒音の環境基準というものがいま論議されておりますよすような数値で仮に出て、それに従わなければならないということになりますと、いま国鉄の副総裁が言いましたように、大変な投資が必要であるわけでございます。国鉄だけとりましても大変のみならず、政府全体としましてもこれは大変なことになるわけでございます。  そこで、いろいろと詰めていきますというと、これはこういう標準の、その基準が出るという仮定の上での議論でございますので、その上での話としてお聞きいただきたいのですが、騒音を選ぶか快適な速い旅行を選択するかというような問題にもなってくると思うのですね。したがって、このきつい基準が出ましたときに、いままでわれわれとして計画として持っております新幹線七千キロというあの考え方、これはもとより高度成長経済の中でつくられた一つのプランではありますけれども、しかし、このことは将来の国民の生活を考えますときに、新幹線のネットができるということ自体は非常に私は歓迎すべきことであり、われわれの生活環境もそういう意味では非常な改善になることであるには違いありませんが、しかし、それがこのような騒音を起こし、そして騒音に対するこのような厳しい規制を受けるということになりますというと、どこかで調和点を見出さなければいけないということになるわけでございます。しかもそれには膨大な投資が要るということでございますので、この投資は、政府として財政の現状、日本経済の現状から見たときに、それに必要なだけの投資を一体どの機関でできるか、あるいは年単位にしてどの程度のものができるかというふうなことからまず考えていかなければならない問題であろうと思います。  したがいまして、今日の段階では、私はこの規制に沿うような新幹線を今後つくる場合に、いま副総裁が申し上げましたように音源対策あるいは周辺対策と同時に、もう一つは、それじゃその新幹線の一枚看板であるスピードを下げたらいいじゃないかという議論もあるいは出るかもしれません。しかし、これが出るというと新幹線ということの意味がなくなります。一番新幹線によってわれわれの生活環境に貢献するメリットは、非常な速い速度で走れるということでございますので、それやこれや考えてみますと、いろんな問題がこの中にはございますので、私といたしましては、いま直ちにこういう基準が出た場合に、これをこうして、あれをああしてこうやるんだというふうなことは、とうていいま結論は私は出ないんであります。今後十分そういう問題を、いま申し上げましたようないろいろな観点から、これをどう受けとめていくかということは、今後研究をしてみたい、かように思っております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 最後に要望だけ一つしておきます。  いままでは、やっぱり日本経済は高度経済成長政策の中にあって、産業基盤の投資に全力を注いできた。これからどうするか。やっぱり静かで控え目な成長とかということを言われるけれども、どうしても生活基盤に重点を置いた投資ということを考えて、そしてこの新幹線構想というものは歴代内閣の政策でもあったし、私は国の財政援助ということを重点として真剣にこの問題に取り組むということがなければ、これだけの発表された場合における国民の考え方というものは、これはもう後ずさりできないというように、壁ができたというように、政府は考えて、そういう立場に立って、財政援助についての具体的な検討ということをしていかなければならないということを要請いたしまして、私の質問を終わります。

宮崎正義公明党

○委員長(宮崎正義君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分から再開することにいたします。    午後零時二十九分休憩      —————・—————    午後一時三十九分開会

宮崎正義公明党

○委員長(宮崎正義君) ただいあから運輸委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 私は大臣の所信表明に対する問題について、何点か質問をしたいと思います。特に国鉄問題、それから航空問題、海運問題等を中心に質問したいと思います。  その前に、運輸大臣に最初に伺っておきたいことは、特にこの省エネルギー、省資源という問題が大きな話題になっておりますが、先般ある新聞に報道されておりましたけれども、総合的な交通システムをつくるという、こういうふうな論が運輸省内で進められているそうでありますけれども、この総合的な交通システムについての大臣の考え方をまず伺っておきたいと思います。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) この問題につきましては、運輸省の諮問機関であります運輸政策審議会というのがございまして、そこで現在いろいろと検討を願っておる問題でございます。いろんな角度からこの総合交通体系というものは考えていかなければなりませんが、それらの考慮の中に、一つはやはり背景になります日本の経済の状況というものが高度成長経済から低成長、安定成長へというように方向転換をいたしておりますので、それに対処してどういくかという問題が一つ観点としてあると思います。さらには、いま三木委員がお話しになりましたように、一昨年の石油ショック以来の省エネルギーについての観点から、どう進めていくべきかという問題もあるわけでございます。  それらを踏まえまして、海陸空、この三方面にたっての輸送のバランスをどうつけていくか。さらに陸上におきましては鉄道あるいは道路、それらを含めましての総合交通陸上施策というものをどうやっていくかと、いろんな要素のかみ合わせによって総合交通体系を立てていかなければならない、かように思っておりまして、いま省内におきましても、鋭意それらの要素をあわせて検討いたしておるわけでございますが、同時に年別中も問題になりました、これからの国鉄再建に関連いたしまして、国鉄の交通体系における使命をどのように認識していくかという問題もあわせて検討しながら、総合交通体系というものをつくり上げなければいけない。こういう基本的な考え方のもとに現在作業を進めておるのでございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 この総合的な交通システムというのは運輸省内だけで、いままである総合交通政策とは別個な立場で検討を進めていくという、こういう考え方ですか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 運輸省は運輸省なりに与えられた権限の中で、総合交通体系というものを検討してまいっておりますが、いずれは政府としての総合交通体系へ発展していくものでございまして、これは現在、たしか企画庁から総理府へ移っておると思いますが、総理府でもって最終的にはまとめて、政府としての総合交通体系というところに落ちつくことになろうかと思います。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 その中できょうは、私はどうしても交通問題の中心となる国鉄の問題ですね。この問題についての、午前中来もいろいろ議論がありましたので、なるべく簡単にこの問題に触れておきたいと思うのです。国鉄の再建問題ですね。この問題について、具体的にいままでの再建計画と、この八月までにやろうとしている、運輸大臣が考えている再建計画ですね。いままでの再建計画とこれからやろうとしている再建計画の違いですね。いままでの延長上の再建計画なのか、あるいはまた新たに国鉄をどのようにしょうかという、新しい体系に立った上の再建計画なのか、この点についてお伺いします。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) これからの再建計画、目下基本的な問題について作業を検討いたしておる段階でございますが、私は少なくとも過去二回以上にわたりまして、いろいろ国鉄の再建の方針が決められ、実施され、途中でそれが実情に合わなくなって次に移ったというこの経緯を静かに考えてみますときに、従来どおりの再建の方式を、そのまま現在の時点に合わせてやっていくということだけでは再建はとてもできないと、こう思うわけでございます。どういう点にそれじゃ在来の考え方と今回再建と取り組んでいく中での考え方と、どういうところが違うかということになるわけでございます。一、二の例を挙げますというと、いままでは一応再建策をつくります過程におきましては、いわゆる公共企業体という国鉄の経営形態については議論はありましたけれども、一応現状を承認して、その上に立って再建策を講じてきておりますが、これからの結論をまたなければ何とも言えませんけれども、私はこの問題については、いままで以上に国鉄の持っておる公共企業体、つまり公共性と企業性との使命を持っておるこの事業体というものの本質を、本当に分析し解明して、果たしてこのままでその上に立って再建策を立てて可能であるかどうか、この問題は一層深く私は検討していってみたい、かように思うわけでございます。  それから何といたしましても交通機関でございますので、経営のもとになりますのは運賃収入ということは、これはもう交通事業の当然のことでございますが、いままで国鉄が再建しようとしてなかなかできなかった原因には、これもいろいろありますけれども、やはり私はその中の一つとして、適時適切な国鉄の収入が得られるような運賃というものが実現し得なかったと。これはいろいろ問題がございます。法律事項になっておるとか、あるいは物価政策の影響を受けたとか、いろいろあるんでございますが、原因は別として、やはり適時適切な運賃を常に立てておくということについて、これが本当に実現できる手だてというものをどうやって立てていったらいいかという、この問題を今回は真剣に掘り下げていってみたいと、かように思っております。  そのほかにもいろいろありますけれども、これらの問題はいずれも最終的に、これらをもとにした再建案の成立を見るためには、いままでのように、国鉄あるいは監督行政の立場にあるものだけの考え方で、それを国会なり、あるいは皆さんに御理解をいただいてつくっていくということではなかなか得られなかろうと。やはり国鉄を利用しておるところの幅広い利用者の層、一般国民、こういう方たちと再建策の最終案ができるまでにいろいろと理解もしてもらわなければなりませんし、またああいう方たちの立場での意見も十分参考にして、そしてでき上がったものは国民の皆さんも十分に理解をして、その成立に協力をしていただけるというふうな形の上で、再建策の最終案をまとめていきたい。そういうふうな大ざっぱでございまするが、考え方に立っておるわけでございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 いま私の考えておるのは、運輸大臣が答弁をされた中で、やはりいままでの再建計画が国鉄内あるいは運輸省内だけの再建計画に終わっている。やはりもう少し国民的な合意というか、あるいはまたもう少し国鉄の抱えている問題をさらけ出して、そして整理すべきものは整理する、助成すべきものは助成する。あるいは運賃の問題については国民的に議論をかみ合わして、やはり安定した国鉄輸送というものをやらなければ、国民は運賃の値上げ、あるいはストで影響を受ける、あるいはサービスが悪いという面だけがとれない、こういうことではこれは非常にまずいと思うんです。したがって私はいままでの再建計画と違った方向を生み出した、やはり運輸省内だけではなしに、これは内閣挙げての国鉄をどうするかということは、今後の地方自治体の公共輸送の問題にも全部波及してくる私は問題だと思うんです。それから五十年度、特に新経済社会発展計画をこれからつくろうとしている政府自身の計画の中にも国鉄の占める、あるいは輸送の占める分野というものは相当大きなウエートになってくるんじゃないかと思うんです。こういう問題について、わずか限られた日数の中で来年は再建計画を立てようとする国鉄に対して、果たして三カ月や四カ月でそういう合意に得られるまでのスケジュールができるかどうかということは、私たちは非常に心配なんです。こういう問題に対する運輸大臣の見解を伺っておきたいと思います。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 私も三木委員のお話と全く同じ考えを持っておりまして、やはり今日のような状況のもとにおきましては、ことに先ほど申し上げましたいろんな要素のほかに鉄道交通事業の持つ公害問題の解決、これも国民の理解と同意を得なければなかなかできない問題が次々と起きてきております。そういうことも踏まえまして、いま三木委員のお話のような同じ考え方に立って今後対処していきたいと思っております。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 そこで具体的に何点かの問題ですけれども、特に国鉄副総裁にちょっと一言伺っておきたいんですけれども、いまの国鉄の抱える問題、やはり再建の問題で国鉄自身としてこれだけは解決してもらいたいというような問題が何点かあると思うんです。端的に副総裁からその問題点を指摘をしてもらいたいと思うんですけれども、いかがですか。

井上邦之日本国有鉄道副総裁

○説明員(井上邦之君) 再建計画が再三にわたってつくっては壊れつくっては壊れということを繰り返してきたわけでございますが、その原因をいろいろ考えてみますと一つや二つの原因ではございませんけれども、やはり根本に横たわる問題としては運賃の問題があると思います。具体的に申しましても、現在の再建計画が出発当初から目標どおりにいかなかった大きな原因は、運賃改定が予定されたよりも一年半おくれてきたということが大きな原因になっております。そのほか人件費の異常なアップあるいは物件費のアップ、そういったこともございますけれども、根本はやはり運賃問題でございまして、どういたしましても私どもといたしましては、まず根本には運賃問題を解決していただかなくちゃならぬということ、そのほかにもいろいろございますが、先生の御質問の、まずずばり一つ言えとおっしゃいますと、そういうことに相なるかと思います。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 国鉄はすぐに運賃の値上げをしなきゃできない。それは確かに運賃の値上げはあるでしょう。しかし、もっとその前に国鉄として解決しておかなきゃならない問題点が何点かあると思うんです。やはり公共輸送の問題をどうするか、あるいはいまのままで新幹線をつくっていって果たして国鉄が運賃収入だけでいけるかどうかというような問題を考えたら、やはり七千キロにわたる新幹線をつくろうとすれば、相当赤字新幹線を抱えなきゃならぬような実態がまた新たに出てくるんじゃないかと思うんです。こういう問題について、私は運賃の問題否定しません。当然考えなきゃならない問題でしょう。しかし、その前にもっと解決しなきゃならない問題点があると思うんです。それを国鉄が背負わされてそのままやっていけば、これまた同じことを、やはり運賃が上がらないからだと、再建計画が痛いところを避けて通って、最終的には運賃値上げ、合理化の問題、こういう点にとどのつまりは来るわけです。したがって、やはりもう少し、運賃の問題はわかっています、だからあとは合理的に解決しなきゃならない問題点に何があるか副総裁としての考え方を伺っておきたいんです。

井上邦之日本国有鉄道副総裁

○説明員(井上邦之君) 御指摘のとおり運賃問題だけじゃございませんので、ほかにもいろいろございますが、午前中の御質問にもお答えいたしたのでございますが、やはり国鉄の線区の体質を考えますと、独立採算制になじむ線区、独立採算制でやっていける線区と、それから独立採算制でやっていけない線区というふうに体質的にはっきり分かれておると私ども考えます。そういたしますと、この独立採算制になじまない線区に対してどうするのかという根本問題がございます。これが一つの大きな問題でございまして、実を申しますと、この問題が解決すれば再建のめどはつくというぐらいにまで考えておるのでございまして、その他の問題はそれに含まれてくる問題であるというふうに私ども考えております。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 きょうは細かく入る余裕がありませんけれども、運輸大臣、やはりいまの独立採算線区と不採算線区をどういうふうなぐあいにこの再建計画で見るかということは、私は大きな問題点だと思うんですね。運賃の値上げもわかります、しかし、その不採算線区、まあ地方閑散線区というんですか、いろんな問題点があると思いますけれども、こういう問題を本当に国鉄に背負わすのか、あるいは政府全体でどう考えるのかというこの問題を、これを早く合意を得られるような姿をとらなければならないのじゃないか。また新幹線の建設問題をここで次の再建計画の中に洗い直した形でこの再建計画をつくるかどうか、こういう問題点について。それからまた、いま敷いているところのAB線の問題、あの敷設法に基づく建設計画、こういう問題をどう処理していくのかという運輸大臣としての腹構えを聞いておきたいと思います。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 国鉄の現状は、確かにいわゆる赤字路線というのがほとんどでございまして、東京近辺の環状線、それから高崎線、新幹線、その三つを除いたら全部が赤字だと、こうまで言われており、またそれが事実でございますが、私はいままでも赤字路線をどうやるかという問題について、現在それほど大半が赤字路線になっておるということに対する見直しの上に立って考えないといけないんじゃないかと思うわけでございます。  それはどういうことかと言いますというと、やはりそうなりますと運賃問題がどうしても出てくる。国鉄が他の公共料金あるいは時の背景をなす国民生活あるいは経済状況、そういうものに照らし合わせたときに本当に適正な運賃であるという前提の上に立って赤字路線を考えないと、いろいろと私は間違った解決策になりかねないということを非常に心配しておるのでございます。  現在の国鉄の運賃というものは、たとえば他の一例を挙げますというと、郵便はがきの料金等に比べますというと半分である、もう倍上げてもはがきが現在十円になりました、これとちょうど合う。新聞購読料等に比較しますと五倍上げてもいいんだというふうなところに置かれておる国鉄運賃、したがって、そういう適当でない運賃のもとで国鉄の経営を考え、その結果国鉄の線区別に見て、ここが赤字あそこが赤字ということになっておるわけでございますので、仮に、仮説としてですね、じゃ適切な運賃にもう半歩近づける、たとえば現在の運賃を仮にもう五割ふやした場合には果たして赤字路線がどうなるかというふうなことも試算をして見まして、そうしてその上に立って赤字路線の対策を考えていかなければいけないのではないかと、私は本当に痛切にそれを考えるわけでございます。  それから新幹線の問題でございますが、確かに七千キロ構想というのは高度成長経済を背景にして大いに国内の新幹線ネットをつくろうというあの構想でできた思想でございますけれども、しかし、いま経済が底冷えをいたしておりまするけれども、私は日本の経済が底冷えのままで冷凍してしまうものではなくて、必ずやさらに次の飛躍の時代に入るに違いないと、かように信じております。そういう観点から考えますときに、陸上交通において一番輸送の根幹となるのは、やはり何といっても国有鉄道ではないか。そうしますというと、国有鉄道の中で新幹線というものの国民生活に持つ役割りというものは、さらに一層減ずることはなくてむしろ増加してくるであろう。しかし、それには公害対策等いろいろ莫大な投資を要するということになってきますというと、そういう面から従来の新幹線の建設計画というものにはある程度の見直しというものはどうしても出てくるのではないか、また出てこなければ国鉄の再建はできないのではないかというふうに現段階では考えておる次第でございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 そこで新幹線の問題についても、たとえば昨日の不況対策の二次大綱を見ましても、この三新幹線の建設計画ですね、これを不況対策の中でどういうように具体的に実現しようとされているのか、この点ちょっと伺っておきたいんです。

後藤茂也運輸省鉄道監督局長

○政府委員(後藤茂也君) 新聞等にも報道せられておりまするとおり、昨日の経済対策閣僚会議におきましては、五十年度におきます上期の公共事業の円滑な執行を図るために実施計画承認事務等の早期処理を図るということが決定されまして、同様の趣旨の考え方を、公団あるいは公社の行う事業についても同じ考え方でやるというようになったと私どもも承知しております。で、この問題につきましては、今後詳しいことにつきまして関係当局から私どもの方に、私どもの方から公社、公団にというふうに、具体的な話を詰めるべき性格のものでございまして、五十年度の予算の成立を持ってから、それから具体的な話が個々に具体化するものと承知しております。その場合には、私どもも必要に応じてその閣僚会議の御趣旨の線に沿った処置をしてまいりたいと思っておりまするけれども、ただいまの段階ではそういうことでございまして、具体的に御説明するまだ材料は整っておりません。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 年度の予算を上期に支出をふやすというこの問題はありますけれども、全体的に総需要抑制の中にあって、三新幹線の建設計画、進捗状況等についてはやはり相当おくれを来すのではないかということを私は考えるんですね、予算上から見ても。大体当初計画からどのくらいおくれる予定に考えていますか。

内田隆滋日本国有鉄道理事

○説明員(内田隆滋君) 今年度の予算の状況から見ますと、当初計画より約二年以上おくれるという感じでございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 二年おくれる……。それからきょうは公害の問題に入る時間がありませんけれども、騒音問題と絡み合わせますと、やはりもっと費用的な問題あるいは経費が相当かかってくるのではないか。こういう実態から考えれば、いわんや成田新幹線の状況から見ても相当大幅におくれ、必要ないんじゃないかという意見すら住民から出てくる地域もあるわけですね。こういう問題に対して、やはり二年間程度で全部三新幹線が走るような形になると、こう考えていいんですか。

内田隆滋日本国有鉄道理事

○説明員(内田隆滋君) これは予算のつき方の問題もございますので、いま申しましたのは、来年以降において順調に予算がつくという前提でのことでございます。  なお新しい基準はまだ告示になっておりませんので、それに対しての検討につきましては、実際に具体的に新しい基準が出まして、それに伴って運輸省等の具体的な御指示等もはっきり決まりませんと、一体どの程度の施策をしていいのかわかりませんので、これについては何とも申し上げられません。ただ予算的には相当ふえるんではないか、さらにふえるんではないかということは想像されます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 これは鉄監局長でもいいですが、この三新幹線、いまの国鉄側の答弁によると大体二年おくれると。これは三新幹線に予算を投入あるいは増加して、あの山陽新幹線を急いで予算を投入して走らしたぐあいに、この三新幹線に集中投資をして完成させるという、こういう腹づもりなんですか。

後藤茂也運輸省鉄道監督局長

○政府委員(後藤茂也君) いわゆる七千キロの新幹線計画につきましては、これまでも御説明申し上げておりますとおり、いわゆる工事三線、この東北、上越、成田の三線につきましては国鉄及び鉄建公団に各年度の工事の予算を他の線に比べれば相当多額のものをつけております。この考え方、やり方は額の多寡に問題こそあれ、今後とも踏襲さるべきものと存じております。調査五線、いわゆる北陸、北海道、鹿児島、長崎、このような調査五線につきましては、これまたこれまでたびたび御説明申し上げておりますとおり、年額五十億円の調査費をこのところ年々つけてきておるということでございます。さらに、その次の段階の十二線につきましては、やはり調査費を年間二億円、五十年度にお願い申し上げております予算でも二億円というふうになっておりまして、この三線と五線と十二線とにつきましては、今日までのところの予算のつけ方には相当に格差がついております。この工事の進捗状況につきましては、ただいま内田常務から御説明申し上げたとおりでございます。したがいまして、このような格差をつけて工事三線についての進捗を図るという考え方は今後とも踏襲していくものでございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 それで三工事線と五調査線、特にこの五調査線については今回の環境基準との問題がいろいろ出てくると思いますけれども、一部報道をされておるところによると、何かルートを変えるという、あるいは騒音問題を基準にして五調査線についてのルートは考え直すという、こういう計画もあるんですか。これは運輸大臣にお伺いします。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) まだそこまで私も考えておりませんし、その点はまだ議論はできておりません。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 工事の専門家から見ますと、国鉄として今回の山陽新幹線は一兆円に及ぶ公害対策を考えますと、いまのルートでいきますと、まだ相当な騒音の問題で大変な新幹線になるんじゃないかという地域が相当含まれていると思うんですね。こういう点についての考え方はいかがですか。

内田隆滋日本国有鉄道理事

○説明員(内田隆滋君) この点については、先ほども申しましたようにまだ具体的な調査に入っておりませんので何とも申しかねますが、ただ非常に厳しい基準であるので、そういうような基準をもとにしてもう一遍検討してみるという必要はあろうかと思います。で、検討した結果いまのままでいいんだということになるかならないかという基準の告示がありまして、やっぱり行政処置で、いろいろと考え方、解釈にも幅がございますし、そういうものが明確になりませんと実際の計画を決定するわけにはまいらないというふうに考えております。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 運輸大臣、環境基準が出ますと五調査線についてはどういう方向になるかは、これはいろいろ検討の問題でしょうけれども、いま決まった方向から検討し直すと、これは相当な費用になってくると思うんですね、騒音対策費が。こういうことを考えますと、やはりいまの五調査線の問題は検討すべき問題ではないかと、私は個人なりに考えるわけですけれども、この点についての運輸大臣の考え方をもう一遍伺いたいと思います。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) これはお話のように当然検討をしなければなりません。検討し直して別の何か方法を考えるようになりますか、あるいは検討をして従来の考え方、方針を多少修正の程度でいけますかどうか、それは今後の問題でございますが、いずれにいたしましても環境基準が正式に決まりましたら、根本的によく検討してみなければいけないと思います。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 国鉄の方は結構です。  それでは海運問題で一、二伺っておきたいと思います。内航海運の現状について、また将来の見通しについて伺っておきたいと思います。

薗村泰彦運輸省船員局長

○政府委員(薗村泰彦君) 内航海運は、御承知のとおり毎年度向こう五カ年間の適正船腹量を定めまして、それをよりどころにいたしまして船腹調整の仕事を続けていくというのが通常のやり方でございます。で、去る三月の十日に海運造船合理化審議会の内航部会が開催されまして、四十九年度以降五カ年間の適正船腹量について答申がございました。その答申を受けまして二十日に告示を行ったんでございますが、内航海運の船腹量の見通しにつきましては、五十年度以降かなり日本の経済が安定的に回復するという見通しのもとに、向こう五カ年間の目標を立てましたので、一部新聞の報道などには、現在の船腹量に対してかなり、五十万トンを超えるような船腹拡充を行うのではないかという数字が一部出たのは、御承知のとおりでございますけれども、実はあの数字は四十九年の三月末、ちょうど一年前の船腹量を基礎にしまして、そこで先ほど申し述べましたように、景気の安定的な回復を期待した五十三年度の船腹量というものを想定して、船腹の増加という数字をはじいて報道されたような記事がございましたけれども、もうすでに一年たちました今年の三月の数字の船腹量、これは一部承認がされてまだ建造が完成していない船腹も一部ございますけれども、それとの比較で申しますと、三十数万トンの増加にとどまるという目標を一応立てておるわけでございます。  しかしながら、なおその上に四十九年度の経済の成長は、御承知のとおりマイナスの成長ということで、荷動きの低下というものは現実の問題となっておりますので、さしあたって五十一年度の目標の数値を当てはめてみましても、この五十年度に建造する船腹の余裕というのはそんなにございません。したがって四十九年度に行ってきましたのと同じように、やはりかなり船腹調整を厳格に行って過剰船腹にならないように建造状況を考えていかなければ、現在の不況になかなか零細な内航海運として対処できないという現状にございます。  ただ一部の船の種類につきましては、特に木船などにつきましては、かなり老朽の船が多いものでございますから、これも従来から私どもが立てておる、五カ年間でこの木船を整備していきたい、木船の鋼船化をしていきたいという従来の方針を踏襲して、公団で特に、一般船の七〇%の融資を木船については八〇%に上げているというような制度も利用して、その整備には優遇をして考えていきたいと考えております。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 総連合でやっております船腹調整、これも五十年ですか、あるいは五十一年まで船腹調整——まあ景気動向は、これは見なければなりませんけれども、相当な船腹調整は行うという、こういう見通しには変更ないわけですね。

薗村泰彦運輸省船員局長

○政府委員(薗村泰彦君) そのとおりでございまして、やはり現在の不況を一山越えますまでは船腹調整はかなり厳格に行っていく必要があると思います。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 そうしますと、海造審から出た、四年で四十六万トンふやすとかいう、新聞に一部報道されているのは、こういう方向にはいかないと。当面はもう少し景気の動向を見ながら、五十一年なら五十一年、五十二年なら五十二年で船腹調整の問題についての適正化を見通すという、こういう洗い直しを行うわけですか。

薗村泰彦運輸省船員局長

○政府委員(薗村泰彦君) 一部報道で五十万トンを超えるというようなのは、一年前の船腹量を基礎にしておりますので、これは現時点では間違っていると思います。  それから現在の時点で申しますと、三十数万トンの船腹の増加になりますが、その中間時点の五十一年度ということを当面の目標として五十年度の船腹の調整を行っていくとすれば、五十一年度の目標としては、もうすでに立てておる計画によりましても、ほとんど船種によってはふやす余裕がない。まあタンカーなどは若干ふえてよろしいというような数字になっておりますので、すでに二十日に告示をしました計画そのものが、当面の不況に耐えてなだらかに五十三年度まで回復していくということを見越してございますので、この計画は特に変更するということではなくて、この線に沿って五十年度の船腹調整は行っていけると思います。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 五カ年で木船を鋼船にかえていくという問題ですね。これで実際に木船から鋼船にかえるとトン数が多くなるわけですね。どうしても合併したり、あるいは、鋼船になった場合にトン数がふえてくる。こういう点で船腹調整にひっかかってなかなか希望がかなえられない。あるいはまじめな一ぱい船主がやはり何とかこれを鋼船にかえたいと、こう思っても、船腹調整でネックになってなかなか鋼船にかえられないという、こういううらみがあるわけですね。こういう点についての打開策をもう一歩うまく考えられないかという、こういう意見なんですけれども、この点についていかがですか。

薗村泰彦運輸省船員局長

○政府委員(薗村泰彦君) やはりこういう船腹事情でございますので、できるだけ一般船については一対一というスクラップ・アンド・ビルドの方式を守っていきませんと船腹が過剰になって、せっかく木船が鋼船の仲間に入っていけましても、結局不況の中に入っていくということでは役に立ちませんので、原則として一対一のスクラップの条件は守っていきたいと思います。  で、特に私どもは、その協業化が本当にまじめな意味でできておって、木船から鋼船に脱皮していくというものについては、船腹調整の面でできるだけ優遇してもらうように、私どもも今後努力していきたいと思っております。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 これは運輸大臣に伺っておきたいんですけれども、やはり木船から鋼船にかえたいという希望は非常にあると思うんです。確かに船腹調整、これは経済の動向を見なければ、お互いに過剰になってしまって、不当競争が行われる状態では、体質の弱い内航海運はますます大変だと思うんです。私は船腹調整の問題について異論をはさむわけじゃないんですけれども、やはり船腹調整されても、そして木船から鋼船にかえようとしても、船舶整備公団の融資が、非常に大蔵との予算の関係があるために、限られた船しか融資が受けられないという、希望がかなえられないというのが実情じゃないかと思うんですね。こういう点について、やはりもっと精極的に予算要求あるいは船舶整備公団の、中小船舶向けの木船から鋼船にかえる予算をもっと多くふやすという、こういう方向に運輸省として努力をしてもらいたいと、こういうように考えるわけですけれども、この点については運輸大臣いかがですか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 実は昨年度も、約一年前ぐらいから徐々に景気が底冷えしてきたのでございますので、海運業界もかなりその影響を受けておるわけでございますが、ところが先般、四十九年度の船舶整備公団の予算でも、建造の要請を見ますと、私たちが想像しておった以上に殺到しておるんですね。それから考えてみましても、やはりこの不況の中におきましても、船舶調整をやると同時に、こういった老朽船、木船なんかをもっと鋼船に近代化して、足腰の強い事業としてスタートしようという意欲も相当強いんじゃないかということに、いささか驚きの感を持っておるようなわけでございます。  そういう状況でございますので、私も五十年度の予算では、非常に厳しい中で、まあ前年とそう大差のない予算を、審議が全部終わりますれば成立もさしていただけることになるわけでございますが、やはり五十年に入りましても、かなり要請は強いと思います。それをよく見ました上で、この次の五十一年度には、需要に対して極端にしぼらざるを得ないというふうなことのないように大いに配慮したいと思っております。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 これは建設関係ですと官公需の調整で、中小企業が五〇%、六〇%受注しようという、こういう問題がいま起こっているわけです。ところが内航海運、中小船舶というものは、どうもそういう点からは非常に弱い体質に置かれているというのが、私は実情じゃないかと思うんです。いわゆる将来の総合交通体系の中においても、内航海運の占めるシェアというものは、これから私は増大すると思うんです。農林省なんかの備蓄計画を調べてみましても、やはり離島とか、離れたところに、遠距離に備蓄するところをつくるような形になれば、これは内航海運を使わなければならない態勢に私はなってくると思うんです。  そういう問題とか、タンカー等の問題を考えましても、やはり内航海運に対する助成、育成という方針は、運輸省の強い将来の方針として私は取り組んでもらいたい。特に省エネルギーの問題にしても、やはり内航海運というのは大きいと思うんです。そういう意味において、やはり四十九年、五十年というのは私たちも実感で感じます。確かに木造船から鋼船にかえたいという希望は全国に非常に多いわけですね。この点についてやはりもっと積極的な運輸省として予算獲得というか、あるちはそういう中小船舶を守るという、こういう体制を強力にやっていただきたいということを、私は強く要望したいと思うんですが、もう一度運輸大臣にお伺いします。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) よく運輸省の海運政策をいままで批判をされるのですが、それは海運政策としては、運輸省は外航船舶の問題を非常に重要視して内航海運については非常に力の注ぎようが少ないではないかという御批判は前々から受けておるわけでございます。御承知のように外航船舶につきましても、今回から多少方針の変更をいたしまして、これもやはり景気の底冷えに対処して、徐々に縮小への傾向に向かっております。  ですから従来のように拡充の一本やりということは、もう改めることになったわけでございますが、同時にいままでいろいろ批判を受けました内航海運につきましては、より一層これから力を入れまして、日本における、いわゆる全般の運輸交通対策、総合交通という面からも内航海運という問題は重要視していきたいと思っております。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 もう一つ船の問題で、船舶整備公団の予算に殺到している実態ですね、海運局長、大体何%ぐらいに削られているのか、希望と、それから実態ですね。もしおわかりになれば。

薗村泰彦運輸省船員局長

○政府委員(薗村泰彦君) いま大臣からもお話し申し上げましたように、かなり窮屈な四十九年度の予算に対する応募の状況でございましたので、私どももできるだけその要望に沿えるように、五十年度の予算の使い方等も考えながら、その要望に沿えるように努力していきたいと思っております。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 具体的にはわからぬですか。

薗村泰彦運輸省船員局長

○政府委員(薗村泰彦君) 内航総連合の調整の段階で五・五倍ぐらいありますのをしぼりまして、それで公団の段階ではさらにそれが三分の一ぐらいに合格率がなっているというのが実情でございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 それでは航空問題に移りますけれども、その前に運輸大臣に。余り時間もないですが、雫石判決で航空行政の立ちおくれが大分指摘をされておるわけです。いろいろこれから航空法の問題が当委員会にも回ってくると思いますけれども、この指摘ですね、これに対する運輸大臣の見解、これを聞いておきたい。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 先般雫石の事件に関しまして判決が出たわけでございまして、御答弁の前に、私はあの事故の犠牲になられた方、また御遺族に心から哀悼の意を表したいと思うわけでございます。  まああの判決は刑事責任の所在について示されたわけでございますが、同時に航空行政のあり方についてもいろいろと指摘を受けております。私たちはこの問題をより一層重要視いたしまして、今後日本の空の交通安全ということにつきましてはより一層注意をいたし、また努力をいたしまして、航空安全を期して、十全な航空行政をやっていきたいと、かように考えております。  あの事件が起きましてから直後に、航空法の不備な点も多々ございましたので、航空法の改正に手をつけたわけでございます。当時委員会もつくり、また専門家の意見も徴しまして、改正案を国会に提案をしたのでございますけれども、いろいろの事情で実は今日いまだ日の目を見ずに至っているということは、非常にわれわれも心痛をいたしておるのでございますが、幸いに本日衆議院の運輸委員会を通過をいたしまして、近く参議院の方に送付になるのでございますが、われわれといたしましては、一刻も早く現在審議中の航空法の改正案の成立を図っていただきまして、さらに引き続き航空法の中におけるいろんな問題については検討を重ね、将来は全面改正の方向に持っていきたい、かように考えて努力をいたしておりますけれども、この改正案の成立を待つまでもなく、行政指導その他で実施できるものは、あの事故以来次々と手を打っておるわけでございまして、その点は後ほど航空局長が御説明をいたすと思いますが、そういうふうな手を打ちながら、今日、航空行政の十全を期して努力をいたしておるわけでございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 レーダーの管制があのときの判決にもいろいろ指摘をされておるわけです。いま三基ですか、八基にするという計画は具体的にいつ完成する予定ですか。

中村大造運輸省航空局長

○政府委員(中村大造君) 当初の計画は、四十九年度中にほぼ日本全土をカバーする八基のレーダーを完成すると、こういう計画であったわけでございます。それで現在のところ、四十九年度中に四基完成いたします。それから五十年度中に一基完成いたします。したがいまして、三基残るわけでございますけれども、これは五十一年度中に完成をさせたいというふうに思っておるわけでございます。結局約二年おくれておるわけでございますけれども、これは用地の取得あるいはそこに至ります道路の建設等につきまして思わぬ困難がございまして、そのために完成がおくれたわけでございまして、私どもといたしましては、努力はいたしたわけでございますけれども、おくれましたことについては非常に責任を痛感しているわけでございます。大体その問題点も解消されましたので、現在の見通しでは五十一年中にはあと残りを全部完成できる、これも一日も早く完成をさせたいと思っておるわけでございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 事件の起こった当時は早くやる予定で相当深刻に受けとめてこの計画を進めた。ところがある程度時間が過ぎると、こういう問題に対する手の打ち方が非常におくれているというのは、これは航空行政の大きな私は問題点じゃないかと思うんです。いろんな問題点はあるでしょう。しかし、こういうレーダー網を四十九年中に四基やるということ、総需要抑制の問題に私はひっかからないと思うんですが、こういう点についてのやはり航空行政の甘さというものは、私は一つの大きな問題ではないかと思うんです。  そのときに、やはり訓練空域の問題なんかについてもいろいろ指摘をされたわけですね。ところが最近、昨年の十一月に、自衛隊の訓練実施について訓練空域を特別に三日間について認めたわけですね。幸い事故はなかったでしょうけれども、これらの経緯について伺っておきたいと思います。

中村大造運輸省航空局長

○政府委員(中村大造君) これは昨年十一月、防衛庁が特別訓練をいたしますにつきまして臨時的に特別の暫定的な訓練空域を設定したいという申し出があったわけでございます。私どもといたしましては、あくまでも民間航空との分離ということをたてまえといたしておりますので、その目的が達成される限りにおきましていろいろ検討をいたしたわけでございます。そういうことで、いろいろな条件を付し、かつ緊急対策要綱にも示されておりますような航空路との分離ということを果たした上で暫定的に訓練空域を認めたと、こういうことでございまして、これは昨年の十一月の十一日に設定いたしまして十三日に撤廃いたしたわけで、二日間を設定したということでございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 これは例外規定でこういうことを認めた。しかし事故の当時はそういう心境じゃなかったと思うんですよ、運輸省も。ところが、やはりこういう訓練空域を分けた。いろんな理由はあるかもしれない。幸い事故もない。しかし、こういう問題が、やはり事故から遠ざかってくるとよた運輸省は緩められるという、こういう航空行政はどうも甘さがあるんじゃないかということを私たちは非常に心配するわけですよ。  きょうは時間がないので余り詳しくは入れませんけれども、成田の新空港ですね、これはいつ開港するか、そんな問題については、これはきょう論議する時間がありませんけれども、成田の国際空港の離着陸コースについても防衛庁から積極的な訓練空域の拡大を主張してきているわけでしょう。この問題についてはどうですか。

中村大造運輸省航空局長

○政府委員(中村大造君) 先生御指摘の空域は百里沖の空域と存じます。これにつきましては、二カ所につきまして防衛庁が訓練空域として希望をいたしてきておるわけでございます。で、これにつきましては、やはり緊急対策要綱の趣旨に沿いまして、民間機の航行の上で安全上支障がないかどうか、こういう観点から、私どもといたしましては目下慎重に検討をいたしておる段階でございまして、まだこれにつきましては結論を出しておるわけではございません。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 これは結論を出されたら困るわけですよね。成田空港から飛び立つ国際線、アンカレジの方へ行くのに訓練空域とぶつかるわけでしょう。こういう問題について防衛庁との取り決めがたとえば決まったにしても、半年間ぐらいはやはり海外航空会社からの乗り入れ等の問題から考えましても公示をしなきゃならないわけでしょう。こういう点から考えても、やはり防衛庁の言い分が余りにも軍優先みたいな感じで、運輸省はそれにのみ込まれてしまっているような私は感じを受けるわけですね。この点については強い態度で民間航空機を守るという、これは人命尊重の立場からもあの二の舞の事件を起こしてはならないと思うんですね。こういう点についての運輸大臣の考え方を伺っておきたいと思います。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 日本の空は民間航空と、それから国を守るための防衛庁関係の航空と、両方が併存をして使用をしておるという実情の中にありまして、やはり何といたしましてもわれわれとしては民間航空の安全を期する、また民間航空が防衛関係の航空から必要以上の譲歩を求められるというふうなことのないように、今後とも十分努力をしていくつもりでございます。ことに雫石の事件等にかんがみまして、民間航空と自衛隊機との調整、これには今後気を緩めることなく、終始注意をしながら、この間の事故が起きないようには努力していかなければなりませんが、運輸省の態度といたしましては、あくまでも民間航空が優先するという原則を貫く覚悟でおります。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 それではこの問題の最後に、昨年のこれはサンケイ新聞ですか、報道されておりますけれども、私もこの問題いろいろ調査しているんですけれども、あの羽田空港の土地事件の問題ですね。昭和五年から論争が行われているこのことについて、航空局としてこの問題に対する経緯、またこの考え方について伺っておきたいと思います。

中村大造運輸省航空局長

○政府委員(中村大造君) 先生御指摘の事件は、いわゆる野本事件と称せられる事件でございます。  簡単に経緯を御説明申し上げますと、元東京飛行場というのがございまして、その敷地が、当時逓信省が飛島文吉という人から昭和四年の十二月二十八日に買収いたしまして、同五年の一月十七日に所有権移転登記を完了したわけでございます。そして国有財産といたしまして十六万坪登記をいたしまして、東京飛行場として開設し、自来逓信省と当省において国有地として管理いたしまして現在に至っていると、こういうことでございます。  それから一方、昭和二十年の九月から二十七年三月までの間、当時、当飛行場と周辺の民有地が連合軍に接収されておりました間、特別調達庁が、野本治平氏の所有地といたしまして二十万五千二百九十一坪でございますが、これに対して借地料を約七百万円支払ったわけでございます。ところがこの土地は、接収解除に当たりまして運輸省が法務省に照会いたしましたところ、ここは羽田江戸見町千五百九十二番の一及び二というところであって、これは現在国有地であることが判明したわけでございます。したがいまして、国は野本治平氏に対しまして、昭和三十二年の三月、不当利得の返還請求をいたし、また三十四年の二月に所有権確認並びにこの保存登記の抹消請求の訴えを提起したわけでございます。で、第一番は三十八年の三月三十日判決がございまして、簡単に申し上げますと、国の主張いたしますこの十六万坪、これは国有地であることを確認する。それから野本氏側は本件土地の保存登記を抹消せよ。それから野本治平氏がこの賃借料として不当利得をいたしました国の支払い金額、これを昭和三十二年四月以降年五分の金利をつけて支払うことということ。それから国の十六万坪と重なっておる以外の土地については請求を棄却する。こういうふうな判決を下したわけでございます。これに対しまして野本氏側は、三十八年の四月八日に、あるいはまた国は同年の四月十三日に、それぞれ控訴をいたしまして、四十九年の七月三十日結審となって現在に至っておる、これが簡単な経緯でございます。  それで、運輸省といたしましては、この第一番の判決を確信いたしておるわけでございます。現在第二審は、ただいま申し上げましたように終結をしておるわけでございますので、その判決を待っておるというのが運輸省としての態度でございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 きょうはこの問題を議論する時間がありません、時間が来ましたので。私、資料要求だけしておきたい。そして次の航空法のときに、この問題を具体的に私は質問したいと思っておるんで何点か要求しておきます。  一つは昭和三十五年八月二十五日に、航空局が出した第一九四号をもって、東京都知事に対して運輸大臣より東京国際空港拡張に伴う公有水面埋立法第四十二条により埋め立て承認方を申請されたわけです。この東京都知事が承認した年月日並びに右地域と面積、これについて資料をお願いしたいと思います。  それから、この右地域の埋め立て完了した問題について、知事が通知した年月日ですね、運輸省に。  第三点は、同法第十一条による知事が告示の年月日。  それからもう一つ、羽田江戸見町千六百五、千六百六、千六百七番地所在の土地を国が昭和三十四年七月、東亜港湾株式会社より買収したときの売買契約書を一通もらいたいと思う。  以上の資料を要求しておきたいと思うんですけれども、よろしくお願いしたいと思うんです。

宮崎正義公明党

○委員長(宮崎正義君) 中村航空局長、いま三木委員の要請のあった資料を提出できますか。

中村大造運輸省航空局長

○政府委員(中村大造君) ただいま御請求の資料につきましては、われわれの手においてこれを確保し得るものであれば、それを資料として提出いたします。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 まず最初に木村運輸大臣にお伺いしますが、三木内閣の性格というか、姿勢というか、そういう点について。まあ三木内閣は発足当初からクリーンとか対話と協調というようなことを政治姿勢として、さらにインフレ、物価抑制による安定政策、それから社会的公正、さらに国民生活優先、福祉優先、こういう政策を掲げてきておると思いますが、それに違いはございませんか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) お話しのとおりでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それではお聞きしますが、国民生活優先とか福祉優先、これを唱えるなら、これに即応する行政機構あるいは運営の面でもそのような体制を確立しなきゃならないと思う。つまり行政の民主化といいますか、民主的改善といいますか、そういうことが実際伴わなければ、私は全く空文句、国民をだますことにこれはなると思うのであります。  そこで木村運輸大臣にお伺いしますが、あなたが就任されてから、この三木内閣のこのような基本方針をどのように具体的に実践され、努力をされておりますか、お伺いしたいんであります。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 三木内閣ができまして、当面の最大の目標は、御承知のように物価とインフレ対策とに取り組んで、まず経済を安定をさせ、物価の鎮静化を図るということに最重点を置いてきたわけでございます。それと同時に、社会的な不公正を是正する、また福祉充実の政策をとる、先ほど岩間委員が申されましたようなことを重点にしてスタートしてきたのでございます。  そこで運輸省といたしましては、それらの三木内閣の基本方針というものを踏まえまして、五十年度の予算編成に取り組んできたわけでございます。社会的不公正の是正等々の問題につきましては、いろいろ他の省にはあるわけでございますが、運輸行政の面におきましては、比軽的そういう面では厚生省とか、あるいはその他の役所ほどはないんでございますけれども、たとえば地域的な不公正をなくするために、過疎地帯の交通網の整備というふうなことにつきましては、かなりの予算を組むことができました。またそのほか、細かい問題はいろいろとございますが、定員問題等につきましても、ある程度の獲得はできる仕組むになっております。まだまだ不十分な点もたくさんございますけれども、非常に物価対策、インフレ対策上、窮屈な予算の中では最小限度の人員だけは何とか確保できるところまで持ち込むことができた。もちろんこれで十分ではございませんが、乏しい中にそれだけのことが大体できた、かように考えておりますが、何しろ全体が非常にしぼられた予算の枠の中でございましたので、次年度にまたなければならない問題も多々あることは、私も十分認めておる次第でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 どうもお聞きしていてちょっと気の毒なような感じがするんですがね。具体的にどう実施されたかということになりますというと、非常に乏しい。過疎地帯の交通網の整備、これは夏から問題になっておりまして、最初の原案というのは、全く半分に削られているわけです。  私が特にお聞きしたのは、結局、国民生活優先とか福祉優先を貫くなら、少なくとも行政機構の組織と運営の面でこれを民主化しなきゃならぬ。そうしてこれを貫けるような体制をつくらなきゃならぬ。ここが最も重要だ。ところがそういうことは何らなくして、そうしてどんなにかけ声をやったって、こんなものは全く空念仏にすぎないということを明らかにしたいんです。だから具体的にお聞きしたんでありますが、定員の確保というようなこと、これも後でお聞きしますが、全く問題にならぬじゃないか。私は、ですからもう一度お聞きしたいんです。これからでもいいですが、どういうふうに、これは運輸行政の中で、国鉄を初めとしまして、陸上交通、海上交通、それから空の問題さらに気象の問題、いろいろこれは運輸省の所管にかかわっているわけです。そういう中では、非常に国民の生活と深い関係を持っており、ある意味ではサービス機関というような形で言われているような機関があるわけなんです。そうすれば、国民生活の優先ということを打ち出すからには、ここのところが即応するような体制がとられているかどうかということが最大の問題なんです。ここを検討してみることなしには、三木内閣の最初に出したどんな美辞麗句もだめだということになるわけですね。だから、その点はどうなんですか。この点どうも、これは何もないんじゃないか。何もないと言っちゃ失敬でありますけれども、これは具体的にないんじゃないか。いかがでしょう。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 運輸行政というものは、ことに交通行政というものは、本来サービス事業であると私も思っております。そういう意味では、本来、運輸行政そのものは国民本位の行政でなければならないわけでございまして、そういう考え方に立って従来とも運輸行政というものが進められてきてまいっておるわけでございます。  今日の段階で特段に目立って、行政の民主化であるとか、あるいは国民本位ということを特に今回に限って考えるということではなしに、運輸行政の背景には常にそれがあっての運輸行政であるというふうにひとつ御理解をいただきたいと思うのでございます。もちろん五十年度の予算等につきましても、その基調をなすものは、やはりそういう考え方に根を置いて予算編成あるいは人員の増加等にも努力をしてまいっておるのでございまして、その点はひとつ御理解をいただきたいと思うわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それはこれからの質問で、果たしていまの大臣の答弁が事実かどうかということが証明されるわけです。これはいまそう言われたって、そうなっていない。なっていないところが非常に多い。ますます逆に官僚化していく、国民から離れていく、そういうところが多いから私はお伺いしておる。  そこで原則的なものでありますが、行政の民主化ということは、一口に言って国民のための政治、あるいは国民の世論を尊重するところの政治だと、これらの要望を満たすために努力をする政治だと、こういうふうに考えてよろしゅうございましょうか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) わが国が民主政治を基調にしておりますのでございますから、当然国民に基礎を置いた国民のための行政ということでございまして、独裁政治等とは全然違うわけでございますので、本来ともそういう起点に立って行政は行われております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 では具体的に私は気象庁の問題もう一つは海運行政、この二つの問題についてお伺いしたいと思います。時間が十分ございませんから、十分に尽くすことはできないかもしれませんが、大筋は明らかになると思います。  まず第一に気象行政の問題ですけれども、政府は第一次、二百三十七名、これは三・九%となっております。第二次で二百六十二名、計五百人の気象庁の人員削減を行ったわけですね。今度また新たに大量の人員削減を行おうとしているようですが、一体その目的は何ですか。これは大臣からお答えを願いたい。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 定員の削減は、これはやはり人件費をできる限り合理的にという方針のもとに政府の方針として一応各省同じように定員の削減をいたしたのでございます。で、気象庁というところは申すまでもございませんが、きわめて高度の技術あるいは高度の科学知識、そういうものが行政の主体になるわけでございますので、他の役所のように一律ということにも無理があるわけでございます。しかし気象庁の中にも管理部門とか、そういった他の役所と共通したいわゆる管理業務をやっている部門もあるわけでございますし、またそれに似通ったような仕事もやっておる面もあるわけでございますから、各省と共通の一応の定員削減には協力をいたしておるわけでございますが、同時に先ほど申し上げましたような専門的な技能あるいは高度の知識、そういうものをフルに使わなければ仕事のできない面が多分にございますので、そういうところはむしろ定員の一律の削減ということでなしに、必要なものはふやしていくという方針をとって今日まで来ておるわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 気象庁長官にお伺いします。今時の削減の目的、大臣から言われましたが、あなたからもお聞きしたいと思うのと、もう一つは第三次定員削減実施計画、これはどういうものなのか大綱を説明していただきたい。時間がございませんから、大綱でよろしゅうございます。

毛利圭太郎気象庁長官

○政府委員(毛利圭太郎君) 申し上げます。ただいま大臣からお話がございました、気象庁におきましては、いろいろの技術、気象学の進歩発展などを取り入れまして、われわれに課せられました国民に対する防災業務の充実その他につきまして努力をしておるのでございますが、技術の進歩などに伴いまして、仕事の内容といたしまして、変更できる部分は変更することができるようになった部分がございますし、また新しい方法に置きかえることによりまして、これを実施する部面ができてまいりまして、このような効率化を図ることにおきまして、気象庁に課せられました自然災害の防止、軽減という目的のために努力をしておるのでございます。また、それに伴いまして、重要なことは防災気象業務の弱体化とかサービス業務の低下を来さないように十分配慮をしながら行っているのでございます。  第二点の先生御指摘になりました第三次計画でございますが、ただいま大臣からお話ありましたような方針を踏まえ、またただいま申し上げました方針にのっとりまして第一年度は計六十五名を削減する予定でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 その六十五名というのは、たとえばどういうところのどういう人を削減するんですか。

毛利圭太郎気象庁長官

○政府委員(毛利圭太郎君) 六十五名の内容の柱について申し上げますと、気象通報所というものの併設、廃止などにつきまして一つ。二十四回観測通報を八回の観測通報に変更することにつきまして一つ。その他これは事務の簡素化、効率化などでございますが、大体この三つの柱につきまして、六十五名の削減を実施する予定でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは資料をいただいておるようですから、詳細は私の方でも検討いたします。その中で通報所廃止の問題というのは非常に大きい。特に私は先ほど挙げましたように国民優先の行政機構、運営、こういう点から言うと非常にこれは重要なわけです。通報所がなくなるというと非常にぐあいが悪いことが起こるんじゃないか。で、この問題はぐあいが悪いことが起こらないと、こうお考えなんですか。

毛利圭太郎気象庁長官

○政府委員(毛利圭太郎君) 通報所につきまして、気象庁におきましては、ここ数年通報所を設置いたしました目的が果たされたような場所につきましては、これを併設または廃止する方向で進んできております。第三年度につきまして、通報所の併設、廃止を行う場所がございますが、通報所は目的といたしまして、第一にその地点の観測をいたします。第二にその地点におきましてロボット雨量計の受信と、それを中継して他に伝達をいたします。それから第三番目には注意報、警報のような気象情報を必要な個所に連絡並びに解説するという仕事をしております。いろいろ気象庁の技術の進歩、新しい施設の充実などによりまして、これらの業務というものは、これを併設いたしました地方気象台、または大きな測候所におきまして、こういうような通報所のいままで果たしてまいりました仕事を十分できるようになった場所がございます。その地点につきまして、従来気象庁の中で続けてまいりました方針に続きまして、通報所を併設廃止するわけでございますが、この際に十分地元のサービスその他につきまして、いままでより低下することのないように十分の配慮を行いまして実施している状況でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 配慮を行うのはいいんですけれども、全然欠陥というのは起こらないんですか。いろいろ通報所廃止についてわれわれも耳にしているんですけれどもね。たとえば気象通報所の機能、任務の上から考えて、通報所所在地における観測ができなくなり、したがって親官署への通報も廃止となる。あるいは気象情報を地元関係機関に伝達、解説することが非常に困難になる。ことにそうなると漁業関係とか、あるいは農業関係、海上保安庁、化学工場、その他たくさんありますね。ダム関係なんかじゃ大変な問題控えています。最近、多摩川の決壊によるところの大被害、あれ一つ考えてみたって、これやっぱり気象情報が非常に不十分だ。遠く飛騨川におけるところのあの大変な事故、このときは大分国会の論議を呼んだんでありますけれども、多摩川のあの問題なんかももっと論議を呼んでいい問題なんです。だから、そういうような問題について欠陥が起こらないですか。いま申し上げた気象通報所の気象業務上の機能、任務、そういう点からいままでより以上に完全だというんですか、どうなんですか。

毛利圭太郎気象庁長官

○政府委員(毛利圭太郎君) 先生御指摘になりました第一の観測でございますが、気象庁におきまして地域観測網と申しますリアルタイムのデータ収集網を全国に展開いたしまして、昨年秋からこれを実施しておりますが、通報所におきまして、まず主な個所につきましては、そこで観測いたします雨量がすべてリアルタイムで東京の気象庁まで入るようになってまいりました。またその意味におきまして、資料は気象庁に入ってくるものが出ましたことと、あとそれのできない部分は、そこに廃止あるいは併設いたします通報所の現位置に委託観測を残しまして、観測はわれわれとしては十分資料が得られると存じます。  第二の情報の伝達のことでございますが、近年通信その他の発達によりまして地元機関にこれを通知いたします場合に、地域の防災情報システムの整備などが充実いたしました。また先ほどちょっと申し上げるのを忘れましたが、ダムのそばにあります通報所などにつきましては、ダムの集中管理方式が実現いたしまして、ここに通報所などを併設いたしました地方気象台から県庁や、あるいはダムの統合管理事務所などを通じまして気象情報の伝達、解説ができるようになっております。  また第三点にその内容でございますが、地方気象台で現在地域観測網の資料、また気象資料の収集、充実を図りまして、各県の地方気象台で気象情報、天気予報、注意報、警報を作成いたしまして関係の向きに流しておりますが、このような充実を図ることによりまして通報所が果たしてまいりました機能を十分にカバーできるとわれわれは判断しております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 あなたの立場ではそう言わざるを得ないでしょう。これは心ならずなのか、あるいはあなたから進んでこのような人員削減に応じられておるのかわかりませんけれども、とにかく人員削減を肯定すれば後は支障はございません、こう言わざるを得ない。ダムの問題なんかもいま出ましたけれども、これは従来よりもよくなるということなんですか。従来だっていろいろな問題が起こっておる。とにかくわれわれまだ忘れ切れない。昨年の多摩川の問題一つ見たって大変な被害でしょう。ああいう被害を起こさない、これを事前に防ぐためのそのような気象業務だというふうに思うんです。そういう点で一文惜しみの百失いということがあるけれども、これをやっているのがいまの行政整理だと思うんですよ。  これは後で触れますけれども、この総定員法が持っているこの性格というものについて、われわれはあの総定員法がかけられたときからこの問題を論議してきた、声を大にしているんですよ。そういうことがもう後から後から起こっているんですね。これはただいま、もうひたすらに欠陥はないんだというふうにおっしゃってもそうはなかなかとれない。現実はそうなっていない。そうでしょう。  それから通報機構上の問題として、地元気象台での観測では、全県的な局地観測はできなくなる、そこで非常にきめの細かい、そういうものはできない。それから委託観測ということを言われていますけれども、大体こういうものを、大体こういうものを充実するのが気象庁の任務じゃないですか。何で委託観測をやるんです。本末転倒じゃないですか。こういう問題を持っています。これは一々御返答いただけばいいんですが、いただかなくても先ほどの御返答で大体類推できます。時間の関係でこれは省きますが、何よりも住民サービスが低下するということですね、ここが一番大きいんじゃないか。現地での問い合わせはわざわざ地方気象庁にやることになるわけです。いままでの観測所とか通報所、そういうところではもうだめになるわけです。おっくうですわ、なかなかそう簡単にはやれないということになってくる。これはもう地方のそういう一つの気象台を通じなきゃできないと、こういうことになりますと、何と言ったって、それはいろいろあなたのお立場から御説明はいただけると思うんです。そういうあなたたちのこれを納得させるための文書も私たちは拝見をしておるんです。専門家じゃなくたってこれはずいぶんいろいろな矛盾ありますよ、これは後で言います。  それから第二には、二十四回の観測通報を八回に減らしたという問題ですね。これはなぜこういうことをやったか、この理由をはっきりお知らせをいただきたい。

毛利圭太郎気象庁長官

○政府委員(毛利圭太郎君) 気象庁におきましては気象現象を把握いたしますために必要な個所にいろいろの地方気象台、測候所を配置いたしまして必要な気象観測を行っております。この二十四回観測を気象庁で全国的に行ってまいりましたその最大の理由といたしましては、たとえば大体は気象庁におきましては八回観測が原則でございまして、これは世界的に共通で、八回の天気図を書くという各国の申し合わせがございますが、みさきでありますとか離島におきまして、不連続線のようなもの、特に気象の著しい変化が起こりますのをつかみますために二十四回観測を実施してきたのが主な目的でございます。先ほど申し上げました地域観測網計画で、昨年夏に試験をいたしまして秋から実施いたしました地域観測網で、気象観測点はこの三月いっぱいで全国で約九百カ所、将来はこれを千三百カ所にふやしまして十七キロ間隔で気象のデータをリアルタイムで観測と同時にこれは東京の気象庁に全部集めまして、これをさらに地方にフィードバックできるようなシステムが完成いたしました。  このような機械の充実、施設の整備の状況に立って考えてみますと、いままで人手で二十四回観測しておりました。同時に機械がやはり一時間ごとの観測——必要であれば機械は十分ごとの観測もできるような状況になりました。このような人手でやりました仕事と機械でやりました仕事が同じことをやるような分につきまして、われわれといたしましては十分これを慎重に検討いたしまして、置きかえられる部分は二十四回観測通報を八回の観測通報で、人手の観測としては補いまして、あとは機械が残りのところは全部補うという形をとりまして、これを五十年度の削減の柱の一つに入れた次第でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 何だか八回にした方がいいんだというように聞こえるんですがね。機械化したと、まあアメダスのそういう機械化、合理化をやったんだからこれで大丈夫だと、こういうことでひたすらおっしゃっていただいているけれども、まるでアメダスが救いの神みたいになっているわけですね。アメダス、アメダス、何かというとアメダスということでやっておられる。私はこういうあなたたちの説明をいただいてちょっと実は驚いたんですが、なぜ航空気象だけ二十四回残すんですか。航空観測だけは二十四回残しているんですか、なぜです。八回でいいじゃないですか。

毛利圭太郎気象庁長官

○政府委員(毛利圭太郎君) 二十四回観測を気象庁でもともと行いましたのは、急激な気象変化に対応するために観測を続けたのが最大の目的でございますが、当然二十四回の観測でございますので、航空機もこういうものを利用しているという状況でございます。ただ、このアメダスが展開いたしました時点で二十四回を八回の観測へ置きかえ得る地点につきましては、今回は主として航空気象関係につきましては、アメダスのほかにさらにレーダーの常時監視の充実でありますとか、あるいは気象衛星資料の受信というような状況が、昨年こういうことが充実されてまいりました。こういうふうなレーダーでありますとか気象衛星でありますとか、資料がいろいろ豊富になってまいりました時点に航空機に対しますいろいろな注意あるいは警報、そういうものが二十四回観測を十分にカバーできるようになったと判断いたしまして、できます場所を二十四回から八回の観測に変えたのでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 全然あなたのは説明になりません。なぜ航空を八回に減らして悪いかということ、同じことでしょう。漁船だって同じですよ。これはもっとやっぱりきめ細かい情報を持ってやる必要がある。漁船がよく遭難します。そうでしょう、最近内航——外航船もありますけれども、内航船に遭難が多い。これはもっときめの細かいデータをやっぱり欲しいんだ。船が出る前にこれは欲しいんだ。ところが三時間ある。そうしてそこの観測所とか中央からのやつは、そこのアメダスの結果の報告はなかなかいかないでしょう、いったにしたって、これは人員が減らされて読めない。一々これ本当に、いままで地元の漁民なんかと日常的につながって、そういう情報を提供しておったのがこれができなくなった、同じことでしょう、台風がやってくる、これで被害が起こる。航空機はむろんこれは非常に危険性が多いから、それで二十四回とっているんだと思うんです。しかし、あなたのいまの言い分なら八回だっていいわけだ、何にも関係ないでしょう、ほかのいろいろな補助の機関もある。ところが航空だけは二十四回をうたっておって、そしてほかのは八回に減らして少しも差し支かえございませんという根拠はございますか。科学的に成り立ちますか。見えすいたものはだめですよ。見る者が見ればちゃんとわかるんだから。私はこれを見てて何かこれはおかしいな、航空だからもっともでございます、こう言ったって、私の言っているのは国民の命であり、暮らしなんです。命と暮らしをどう守るか。これが国民優先の政治だ、国民に直結する政治だ、国民本位の政治だ、三木内閣はこう言っているから、それを航空行政で貫いているかどうかということをいま明らかにしたがったんです。  ところが反対であります。反対である。知っているじゃないか。そうしてそこのところはアメダスでやる。しかし、このアメダスも御承知のように今年度に完成しないでしょう。しかもこのアメダスは雪なんかはやれないでしょう。いろいろあんたたち弁解しています。この中に何か電熱器を入れて雪を解かしてこれを水量にして、その水量で逆算をして雪をはかるんだなんて言っていますけれども、現実に休んでいるんじゃないですか。三分の二は冬季になると休むのじゃないか。休んでいないですか。この出しているのを見なさい。全部これは空白になっている。しかし通信料だけは全部払っているでしょう、電電公社に。国費のむだ遣いだ。どうなんです。

毛利圭太郎気象庁長官

○政府委員(毛利圭太郎君) 航空機に対します二十四回の問題でございますが、今回二十四回通報観測を八回の通報観測に改めましたものは、主要幹線航空路を外れているところについて処置いたしました。主要幹線航空路につきましては二十四回観測通報を残してございます。  次に、漁船などに対しますサービス、情報の提供でございますが、現在、気象庁の業務の根幹は、ある時刻に多くの場所の同時の資料を集めることによりまして、気象図と申しますか、天気図というものをつくりまして、これによりまして気圧の分布、たとえば高気圧の位置でありますとか低気圧の位置でありますとか、こういうような気圧系を把握いたしまして、またこの移動その他をはかりまして、勘案いたしまして、これに伴います気象現象の予想を考えているわけでございます。このようなことは、現在気象庁におきましては主として各県に一つございます地方気象台におきましてこのような天気図作業並びに注意報、警報、情報の発表を集中的に行っております。また、これに伴いますレーダーの観測でございますとか衛星の資料などもこれに使っております。このような充実は先ほど申し上げましたアメダスをさらに昨年から各地方気象台が使うことによりまして、たとえば雨の移動でございますとか、風の変動でございますとかを、いままでよりもさらに観測点がふえたわけでございますから、充実できた情報ができると存じております。  なお二十四回観測通報を八回の観測通報に変えた場所につきましても、たとえば台風でございますとか集中豪雨でございますとか、異常気象が起こると判定されますときには臨時編成を組みまして二十四回の観測を行えるように十分考えてございます。  なお雪の問題でございますが、夏の間には山の上などにございますロボット雨量計などのデータを全部アメダスにつないでおります。しかし、いままでもこの山の上におきますロボット雨量計は冬になりますと撤去いたしまして観測はやめていたのでございます。アメダスになりましても当然夏の間は設置いたしますが、冬はこれを撤去いたしますので、無線ロボット雨量計につきましては観測点は従来と変わりございません。  また雪につきまして、この雪を電熱器などで解かしまして、雨量に換算いたしまして観測できるような機械を一部アメダスに結びましたが、さらにいま研究をいたしまして、雪の観測もアメダスで十分取り入れられますように、技術の開発、計器の開発を図っている現状でございます。  それから従来の雪につきましては委託観測、たとえば雪尺でございますとか積雪板のような機械を、そういう施設を使いまして雪の観測を行っております場所につきましては従来と同じような委託を当分続けてまいります。  次に通信料の件でございますが、これはアメダスの通信線は主といたしまして電電公社の電話線を使いまして気象庁に集まっているのでございまして、これは電電公社と気象庁の担当の間で十分検討いたしまして、それに応じます電話料、予算をいただきました範囲で電話料を払っているのでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 いろいろ御説明を承りましたが、何といっても今度の人員削減で、結果はわからないんだということで、大わらわの御説明でありますけれども、時間の関係で……。一つ一つやればはっきりするわけですけれども、たくさんの説明し切れないものを残していることは事実だと思うんですね。何よりもこれは国民が、住民が皮膚で感じているんでしょう。こういうような気象業務がむしろ縮小されることによって被害を受けるのはだれかと言ったら地元住民なんですね。したがって、これは農業、漁業関係を初めとしまして、地方自治体その他多くのところでこれに対する反対、人員削減反対、それから通報所、観測所の配置縮減、こういうものに対して反対運動がたくさん起こっていますね。これは長官のところにもずいぶん寄せておられると思いますが、どういうところがございますか。

毛利圭太郎気象庁長官

○政府委員(毛利圭太郎君) 三月二十日現在で、二十四回観測通報を八回観測通報に改めます場所につきまして四カ所、気象通報所の併設廃止につきましては六カ所、このほか電報、これは長官あてに参りましたもの、また地方などの管区台長など地方に参りましたもの、たとえば電報でありますとか、はがきなどで陳情が来ておるものが若干ございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 その名前はわかりませんか。私が調べたところでは宮城県築館農業改良普及所長千葉敏夫という人、それから福島県会津若松全建労組北陸地本会津若松支部、それからいわき市長田畑金光、佐渡相川町長、議長、西野善兵衝、近藤元次さん、それから三重県の伊賀町長外三名の方、それから長野県会議長高橋林、石川県の輪島の市長と市議会議長、大向貢さんと木下登さん、和歌山県の白浜町長渡辺鉦三さん、兵庫県城崎農協組合長片岡真一さん、それから広島県の福山、広島大学教職員組合水畜産学部支部、それから庄原市長中川繁尚さん、それから長崎県美津島町議会。これだけ私たち確認しているわけですが、このほかに先ほど長官の御説明によりますというともっと多くあると思います。  これは後で資料でいただいて結構でございますけれども、このような、いわば地域住民の世論ですね、こういうものに対してどういうふうに対処されるんですか。

毛利圭太郎気象庁長官

○政府委員(毛利圭太郎君) ただいま先生に申し上げましたのは個所の数でございますが、件数といたしますと、三月二十日現在で四十件ございます。そのほかはがき、電報などのものもございます。  で、われわれといたしましては、このような陳情を受けながら、防災気象業務の弱体化だとか地元サービスの低下を来しませんように十分に検討いたしながら、あるいはまた必要な代替措置などを考えまして、陳情の趣旨を十分尊重いたしながら、取り入れるべきものは今後の業務に反映させていきたいと存じております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 廃止反対とか人員削減反対が起きているんですが、これを強行されますか。たとえば小名浜がよく問題になっているわけですね。これに反対している団体は九十を超えている。そしていわき市の市長それから議長が先頭に立って陳情書を長官に出しておられますね。大体利用状況を見るというと、これはまことにもっともだと思うんですね。年間に三万九千隻の、まあ漁船が主でありますが、それが出入りをしている。漁船にとって気象条況というのは全く死活問題、私が多くを言う必要はないと思う。船の出入りにはいつでも任意時のデータ、三時間前のデータじゃまずいし、まとめられたデータじゃまずい。もっと身近なそういうデータ、いつでもできるだけ近いそういうものを欲しいんだ。入出港のたびにそういう情報があれば欲しい。これは当然、私は漁民の生理的な要求とさえ言えると思うんですよ。こういうものにこたえることができるのかできないか、本当に地域住民の要望にこたえる政治かどうか問われているんですよ。反対の方向に行っているんじゃないですか、どうですか。

毛利圭太郎気象庁長官

○政府委員(毛利圭太郎君) 小名浜測候所につきましては、仙台管区気象台におきまして二十四回観測通報を八回観測通報にいたしますことにつきまして、地元の方々にお話もいたしました。特にただいま先生から御指摘のございました漁業関係につきまして、何回かこちらのお話をいたしました。われわれの業務といたしましては、いままで人手で観測をしていた部分を機械が同じようにできるというような状況、それからサービスにつきましてはいままでよりもさらにいろいろの、たとえばレーダーでございますとか、アメダスの方々の観測点を利用することによりまして十分いい情報、予報、注意報、警報を行うことができるということを漁業関係の方にお話し申し上げまして、ただいまのところでは漁業関係の方々の御了解を得られたと存じております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 漁業関係にうまくあなたたちは説得されたのかもしりません、一応了解を取りつけたということに言われておるわけですが、これは実際それが今後どうなるかということを、経過を見れば漁民はすぐにわかるわけだ、自分の生活の実感としてそういうものにこたえられていくかどうかということが。大抵そうなんだ。そこのところはうまくやるんだ、うまく話をしてうまく説得して、で、説得できたからということでやる。さあ、さてと、実際大抵これは裏切られるというのがいままでの経過ですよ。これが日本の官僚機構の特徴なんだ、私はそう指摘してはばからない。  いわき市はどうかというと、市議会はまだ決議はしていないようですけれども、市長は引き続き陳情している。市当局はどうかというと、これは気象庁からの説明を受けたが、支障があることがはっきりしているので陳情を継続している。この陳情の趣旨や市の態度に変わりがない、こういうふうに言っておるわけですね。市民を挙げての大変な反対運動だったんですよ。だから漁協側の人たちはあなたたちに説得されて、そこのところの一角が崩れたということになるかもしれませんけれども、なかなかそういうかっこうにはこれはいっていない。  それから輪島市。こういうところでは農協、漁協、近隣町村三百二十二団体、個人その他が各地でいま立ち上がっているんです。これは地方選挙の中で一つの大きな問題になっているんです、この問題は。そのほかいろいろお聞きしたいが、これも時間の関係から省きます。  岩手県の湯田通報所、こういうところで、町当局は仕方なく委託観測所として存置し、町はそのための職員を公募しているというようなことがあるわけです。そうすると、この負担はどうかというと地方負担になるわけですね。地方財政を圧迫するわけです。国のすべき業務の廃止を一方で強行するから、どうしたってこれは町の負担でもやって残したいと要員を公募を始めている、こういう事態が起こっています。これは地方選挙の中の一つの大きな争点を私はなすだろうと思う。こういう問題があります。  それから白浜の通報所、こういうようなところ、こういう問題でも、もうアメダスは信用できぬ、一年間テストせよ、減らすどころか人員をふやせと、こういう反対をやっています。白浜の反対運動というものはもう長年続けられている。この前、飛騨川のあの事故があって私はこの問題を取り上げたときに、あの周辺の町村が本当にみんな決議をして反対をしているという事実、こういう問題に私はタッチをしました。同じことです。被害を受けている。見て感じている。だからこれは黙っていられない。町を挙げてもその方向に動かざるを得ないのです。  こういう問題に対して私は、先ほどの冒頭の質問に戻るわけですけれども、三木内閣は国民優先の政治をやると言っている。生活優先の政治をやると言っている。命と暮らしをあくまでも守ることを優先するところの政治だと言っていると思うが、これが看板かどうか、これが果たして気象業務の中で貫かれているかどうか、ここが非常に大きく問われるところであります。  ところで当然、私はお聞きしたい。あくまで地元の人が反対する、そういう場合には強行されますか、されませんか、どうでしょうか。

毛利圭太郎気象庁長官

○政府委員(毛利圭太郎君) 先生御指摘の輪島、湯田、白浜などの個所につきまして、気象庁といたしまして地域の住民の方にお話をし、御了解を得る努力を続けてますとともに、また漁業関係、農業関係の方々にもお話をいたしまして、御理解を得られました個所につきましては、納得のいかれました場所につきましては納得を得る、また御理解を得られますように、各所に、気象庁、管区気象台、あるいは地方気象台一測候所などでお話をいたしまして、御理解を得られるようにわれわれとして努力をいたしまして、一応本年度は六十五名の削減数を実施したい考えでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 だから私がお聞きしているのは、それは努力をされる。努力をされると言っても、気象庁関係の人だけでは……。やっぱり地域住民、地域に本当に深い関係のある人、そういうとこが本当に了解できたかどうかということ。まあ自治体がまた非常に大きな要素を持っているんですね。しかし、そういうところで何も知らせないで、計画はできたんだけれども、これに対して、この前島根県の西郷観測所ですか、この場合なんかはもう三月十七日の西郷町会の全員協議会で初めてこれが明らかにされたというんですね。地元になるたけ知らせないという方法をとっているのじゃないですか。  それで改めてお聞きしますけれども、その了解がとられない場合どうしますか、反対運動が継続されている場合、強行されますか。

毛利圭太郎気象庁長官

○政府委員(毛利圭太郎君) 気象庁といたしまして、担当の管区気象台、地方気象台、測候所などで関係の方々にお話をいたしまして納得の得られた場所、またなかなか納得を得られないでも、われわれとしては極力御理解を得られるように努力する場所につきまして努力をいたします。本年度といたしましては六十五名の削限を実施する予定でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 努力するのはいいんですよ、努力はわかりました。努力はわかるんだが、努力をしても了解が得られない場合。気象庁はかねがね気象業務はサービス業務である、地元の了解をとると、そしてこのことを長官も私がお目にかかったときに確認されていますね。そして了解をとれない場合には強行しないと、こうおっしゃっているじゃないですか。これはいまも変わりないですか、どうですか。

毛利圭太郎気象庁長官

○政府委員(毛利圭太郎君) 幾つかの場所につきまして、ただいま先生が御指摘くださいましたような場所につきまして、御了解、納得を得られた場所につきまして、またなかなか了解が得にくいような場所につきましても、いままで各地でいろいろとわれわれの状況あるいは今後のサービスのあり方というものはどういうふうになるんだ、防災業務の実施上どういうふうになるんだということをよくお話をいたしまして、御理解は得られているとわれわれは存じますので、気象庁の方針といたしまして、本年度の目標数を実施したいと存じております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そんな神頼みみたいなことをおっしゃったってだめですよ。了解を得られないというかたい決意を示したところは、私が二、三挙げただけじゃないんですね。それはそれだけの理由がある。われわれが公正に判断してみてもそれだけの理由がある。その場合に、得られないところについては強行しないというのがあなたたちの基本姿勢ではないんですか。それでも強行するというんですか。得られるために努力するというのはいいです、それは。努力はあくまでやるべきだ。しかし最後の場合どうだ。ということは四月一日から実施することでしょう。そうでしょう。あと何日ありますか。  もう一つお聞きしたいのは重大な問題があるわけですが、この第三次気象庁の業務整理ですね、この基本方針というのはできているんですか。ちょっと簡単におっしゃってください、できているか、できてないか。

毛利圭太郎気象庁長官

○政府委員(毛利圭太郎君) 第三次削限計画、三年間の実施をいたします場合に、気象庁として業務整理対策本部というものをつくりまして慎重に衆知を集めまして検討いたしまして方針をつくって実施しております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 できているんですか、できてないんですかとお聞きしているんです。簡単におっしゃってください。できていないんですね。

毛利圭太郎気象庁長官

○政府委員(毛利圭太郎君) 三年間の計画に対しまして、第一年度計画を基本方針をつくり、実施方針を作成いたしました。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 できてないんでしょう。できてないならできてないとはっきりおっしゃいよ。科学者らしくおっしゃってください。できてないんだ、われわれもそういう情報を手にしている。できてないのに、一体どういう整理をするんです。基本方針ができてないのに、ケース・バイ・ケースで本当に思いつきみたいな整理をやっていて、あとどうしますか。少なくとも基本方針というのは明確になり、その上に立って整理をやらなきゃならぬでしょう。運輸大臣どうですか。このような形で、何といいますか、本当に計画のない、無計画、いわば基本方針がなくて整理するなんということはできないわけだ。それに対してどうですか。

毛利圭太郎気象庁長官

○政府委員(毛利圭太郎君) 気象庁といたしまして、先ほど申し上げましたように、第一年度につきましては、二十四回観測通報を八回観測通報にいたします一つの柱。柱は三つございまして、第二の柱といたしましては気象通報所の併設、廃止。その他。この三つの柱につきまして方針を立てて実施するわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 だから、そこからやるというんだが、基本方針はできてないでしょう。あなたたちの会合でも認められているでしょう。確認しているでしょう。基本方針はいつごろまでにできる予定ですかと質問しておるんだ。これに対して答えておるでしょう、そのうちつくりますとか、来年あたりつくるということを。できていない、できていないのに三次削減が始まるということは許されますか。これは行政のやり方としても非常に私は本末転倒だと思うんですが、大臣どうですか。

毛利圭太郎気象庁長官

○政府委員(毛利圭太郎君) 三年間の計画をわれわれは昨年の秋から検討いたしまして、第一年度はとにかく三月までにこれを実施する、六十五名を実施するということを十分慎重に検討いたしまして、先ほど申し上げましたように、基本方針をつくりまして、三つの大きな柱をつくりまして実施する予定でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 基本方針というのは、もっと総合的な一番基本になるものでしょう。この基本方針はいつできるかというので、あなたたちの会合でしばしば質問されている。そして、まだできません、こう言っているんじゃないですか。これはうそですか、インチキですか、できていないのだ。できていないのにとりあえずこれはやる。ここが非常に問題なところです。結局総定員法がまかり通る。第三次削減で、総定員法の志向するところで、一方的に、機械的に、天下り的に切る。こういうかっこうでやられてきたのが総定員法なんです。この総定員法がまかり通ったために、全く一律に切る、そして本当に国民のサービスのために必要な、国民の福祉、生活優先のためには絶対に欠くことのできない、むしろこれを増強しなければならないところまで一律に切ってきたというのが、この総定員法におけるところの削減じゃないですか。  これを二回やって、なお飽き足らない、そして第三回までやろうとしている。これは何のためにやったか。言うまでもなく高度経済成長政策の鬼っ子だ。こんなものはいま政策転換をしたということをにおわしている三木内閣の中で成り立ちますか、総定員法が。行管の関係いるでしょう、こんなものは撤回すべきです。こんなものはすでに過去の遺物なんです。少しも国民生活を豊かにするという方向には向いてない。そうでしょう。高度経済成長政策の鬼っ子だ。そしてそれをいま亡霊のように……。こんなにも根底から、日本の産業体制から何から変わった、政治体制も変わった、少なくとも変わった表現をしなければやっていけない。これはロボットかどうか知らぬけれども、三木内閣が誕生した。そして何かクリーンの三木とかなんとか言われている。しかし実態はどうだ、実態は何ら変わりはないじゃないか。もっとひどいじゃないか。一方的に強行しようとしている。  だから私は、行管が言っているその言い方というのは、こういうものを強行しようとする、そのために、先ほども木村運輸相は言いました、各省同じようにと言いました。これはそのとおりだ。そして上からの政府の方針だからやむを得ない、そういうかっこうでやられている。われわれは五年前の総定員法の審議の中で、このような不当なことがあるか、たとえば看護婦さんの問題あるいは大学の臨時定員の問題、それから気象庁の問題、こういうところを論議してきたわけだ。同じにできるか、ところが同じだ。このような一体やり方というものが、どうして行政の民主化と言えますか。少なくとも、国民のための政治などということを標榜している三木内閣の治下におけるところの首切り政策。だから行管の関係の方、長官がきょう出られないだろうから、これは後でもまたやりますけれども、この首切り浅右衛門殿にお聞きしたい、どうなんです。

加地夏雄行政管理庁行政管理局審議官

○説明員(加地夏雄君) 現在やっております定員管理につきましては、先ほど運輸大臣の方から趣旨についての御説明がありましたので、私ども改めてその御趣旨について申し上げるまでもないと思いますけれども、先生御承知のように、定員管理が確かに一次二次と三次にわたって実施されておるわけでございます。ところが、なぜこれをやるかという点でございますけれども、御承知のように時代の変遷によりまして行政需要というのは非常に消長が激しいわけでございます。いまお話のございましたように、福祉政策を拡充していくということになりますと、やはり病院を整備しなくちゃいけないとか、あるいは学校が設置されますと、それに伴って相当増員が要るわけでございます。なお、いまも議題になっておりますように、たとえば気象業務でございますとか、運輸省の例で申し上げれば、そのほかにも航空関係の業務というのがございます。これは先ほどからお話がございますように、人命に関する問題でございまして、きわめてそういう重要な問題につきましては、重点的に定員を配置していく必要があるわけでございます。まあそういった点を考えまして、一方において定員削減はもちろん行いますけれども、そういう重点的な業務につきましては定員をふやしていくと、増加していくと、こういう形をとっているわけでございます。  それから、いま先生のお話の中で、現在の削減なり増員関係で若干あれでございますので申し上げたいと思いますけれども、確かに定員の削減というのは、トータルでは一次、二次が五%であり、今度の三次計画は三%であります。しかし、すべてのそういう非常に重要な業務もその他の業務も突っ込みまして一律にやっているわけではございません。たとえば航空管制官なんかの場合は、これは削減は全然ないわけでございます。そういうふうに職種別に重点を置きまして、それに基づいていわばめりはりをつけた削減を実施していっているわけでございます。ですから具体的に申し上げますと、たとえばいま問題になっておる気象庁の問題で申し上げますならば、これはやはり予報とか、そういう気象業務の直接の業務に当たる場合には削減はないわけであります。むしろ増員という形でふやしていっておるわけでございます。  ただ、その場合に一般の管理事務あたりになりますと、これはやはり合理化の余地があるんじゃなかろうかという形で、実質的に削減率が高くなっておるとか、あるいは増員がなかなかつかないと、そういうことはございます。しかも、この削減計画を進める場合に、先ほど来もちょっと話が出てまいりますけれども、単に定員を切っていくという形だけではないんでございまして、やはり行政事務につきまして、たとえば許認可整理のように、不要な、不要と申しますか、そういう行政事務の中で、許認可を整理するものは整理をしていくとか、あるいは事務を従来人手でやったものを機械化していくとか、あるいはその行政事務の中でも民間委託をすればやれるというようなものはむしろ積極的に民間委託をしていくとか、そういった形を兼ね合わせながら削減計画、定員管理をやってまいっておるわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 官庁の力関係なんということは非常に影響しておってね、そういうふうに言うけれども、資料出してごらんなさい。第一次、第二次、第三次の削減のやり方、ふやしているって、何ぼふやしている。ふやしてるなんて本当にちょっぴり一人ぐらい。そんなものをうたい文句にして、そんなもの実態と一体何の関係ありますか。減らすとこは切っているんです。しかも何回もこう切っている。しつこく切っている。実際運営つかないですよ。そうして見境がないんだ、一律ですよ。口先でそんなこと言ったって、帳じり出してごらんなさい。後でそれはもらってやりますけれどもね、時間がないから。私は、しかもそういうやり方の中で、本当にここでは再検討しなくちゃならないときが来ているんじゃないか、時世は、情勢は変わっている。経済の変動はものすごく変わってきているわけだ。それから国民生活の様相もものすごく変わってきている。その中でどこが一体サービス部門で必要か、どこが国民の命と暮らしを守るために必要か、こういう点から再検討しなきゃならぬ。官僚機構だってみなそうだ。そういうことについて当然なされなきゃならない段階に、いまから数年前にできたその巻き尺をどこまでもやっていこうとする、その最も大きな被害がこのような気象業務であり、それから時間がなくなって、この海運局の問題これはもっとひどいのです。これについても私はお聞きしたがったんでありますが、とりあえず私は、通報所、測候所の廃止、縮小、こういうものは再検討する必要がある。まあ毛利長官はおとなしいから、そう言っちゃ悪いかもしれませんけれども、気象庁はどうもこういう問題については科学的な立場から、あくまでてこでも動かないというような私は態勢とってもらった方がいいと思うんだけど、そういっていない。これは長官がぐらぐらしちゃだめですよ。あなた自身がしゃんとやっぱり六千何人のなにを入れて、それで科学人でどうしたってこれだけは貫きたいって皆言っているんです。その声はわれわれはもう本当にあらゆるところで聞いているんです。その声を本当に貫く立場に立たなきゃならぬと私は思う。ところが、上から来たもう本当にこういう権力的な支配でばあっとやってくるものには全く弱い。そして何でも御無理ごもっともでまかり通っていって、どうして一体国民の生活は守れるか、これがいま問われている。だから私は、運輸大臣にこの点で再検討すべきだし、行管も、少なくとも私はこういうような議論を、全うな議論をやっているわけですから、行管長官にはっきり伝えてください。私はいずれまた行管長官の出席を求めてやります。  それから、この点について最後に答えていただくことと、もう一つは、私は昨年暮れの、運輸大臣がちょうど就任されたそのときの質問が非常に時間が短かった。その中で、予算時において、とにかくもうこの海運局というのは目も当てられない、全然これはやれない、船員労務官の問題から、船舶検査官の問題から、倉庫の人の話から、こういう問題がありますから、これは時間ございませんから、この次やらしていただくことにします。少なくとも予算の面で検討してほしいということを申し上げたんですけれども、これは検討されましたかどうか。とにかくこれはひどいですよ。海運局のやり方なんというのは、もう本当に現地を私は視察して驚いてしまったのですからね。大変なことになっていますよ。もう倉庫なんていうのは、いままでのもう十倍以上もふえているんですね、倉庫の管理。そうして四十四年に法改正されて、いままでは港湾の倉庫だけやっていたのが今度は内陸の倉庫まで皆やっている。人員はどうかというと、人員は削られているわけです。こんなのは、全くこれは文字どおりごまかしです。それから船舶検査官。まあマグロの漁船の中に入っていってわれわれ見たわけですけれども、とにかく話になりませんよ。受け付けない。一人や二人の検査官が行ったって受け付けない。もうビール飲んで帰ってくる、疲れているから。中にはマージャンをやったり花札をやっているのもある。そんなところに一人で入っていったって、一体受け付けるか、受け付けない。仕方がないから、私たち行ったときには東北の本局から二人、それから石巻から一人動員して三人で入っていった。われわれ入れて十人ぐらい入っていったから、向こうもそれで一応受けて、何とかそれに応じたということになりますけれども、常には相手にしない。歯牙にかけない。これで一体本当に船員の労働条件が守られますか、守られないでしょう。こういうのがたくさんありますから、いずれこれは後にしていただいて、先ほど申しましたように、第一の問題は何としても、この気象庁の問題は再検討する。第二は、海運局のこの人員補充というのは具体的にどうなさるか、この点をお聞きしたい。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 中座をいたしまして大変失礼しました。まあ私もかつて官庁の中にいたものですが、官庁の機構というものは、えてしてほっておくとふくれてくるわけなんです。同時に忙しいとこと暇なとことの人員の配分のアンバランスというようなことが必ず起きてくるわけでございます。そういうこともありますので、人件費も非常にふえてくる。政府が率先して、国民の税金で賄っておる官庁でございますので、そういうときに、ある時期を画しまして縮減を図っていくということをいままでやってきておるわけでございます。したがいまして、そういう場合には、一応最低限の点は、繁閑とか事情いかんにかかわらずこの程度はみんな一律に工夫して減らすと、しかし、それ以上のことはそれぞれの部局にいろんな事情もあることでありますので、繁閑その他の事情を考えながら、整理の人員等もあんばいをしていくということでやってきておるわけでございます。今回の場合も、そういうふうな従来の行き方で、ある時期が来たら見直していくということでやってきておるんでございますが、気象庁等におきましても、いままでお話が出ておりますように、たとえば事務の能率化あるいは機械が装置できたので人手が多少省けるとか、まあいろいろな要因もあるわけでございます。ただ人を減らすことによって国民へのサービスが減退するということであってはいけませんので、この点は十分に配慮しながら、削減の場合にも長官が心を配ってやっておるのでございます。  で、いまのお話で現在の方針を再検討したらどうかと、海運も含めていろいろお話がございましたが、いまここで私がどうこうということは申し上げかねるわけでございますが、せっかくの岩間委員のお話でもございますから、そういうことを含みまして、今後どういうふうにするか考えていきたいと思っております。

宮崎正義公明党

○委員長(宮崎正義君) 速記をとめてください。   〔速記中止〕

宮崎正義公明党

○委員長(宮崎正義君) 速記を起こして。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 長官ひとつ話してください。

毛利圭太郎気象庁長官

○政府委員(毛利圭太郎君) 第一年度につきまして、先ほど先生の御指摘のございました、基本方針は気象庁といたしまして第一年度は作成いたしまして、三つの柱で実施いたします。なお第三年度につきまして、今後さらに衆知を集めまして十分慎重に検討していきたいと思っております。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 私は関係の省庁から、言うならば運輸大臣を初め労働省、それから警察庁各位に御出席をいただいておるわけでありますが、いまさら港湾産業の秩序の維持であるとか、あるいは港湾における公正な労使関係等の問題について質問をし、あるいは意見を申し上げなければならぬことを非常に残念に思います。と申しますのは、現行平和憲法の中では、すでに勤労する権利と、そして団結する権利と団体交渉する権利と、そして団体行動をする権利が保障されておる。にもかかわらず、港湾産業の中で、今日七十五回の通常国会を通じて、全日本港湾労働組合、言うならば日本列島全域における港湾産業労働組合の産別組織である全港湾と、港湾関係企業者の中でも最たる株式会社上組との労使関係の問題について、御出席の各位はあらかじめ御承知だと思いまするけれども、この国会では、すでに衆議院では予算分科会で二回、法務、地方行政、社労で各一回、参議院では社労で問題が取り上げられております。さらに、やがて法務委員会でもこの問題を取り上げて追及をしようというような状態の中に置かれておるわけであります。そこで限られた時間でありますから、私はむしろ簡潔に質問をしまするから、ひとつ関係の各位におかれましても、きわめて要にして簡を得たお答えをいただきたいということをあらかじめ要望しておきます。  したがって客観的にも主体的にも、ただ単なる労使関係の紛争で、あるいは組織破壊で、あるいは業者と企業と暴力団が癒着して、そして手配師が介入していざこざを起こしておると、そういう市井在来の象徴的な問題というとらえ方であってはならないのだと、異質の根の深い問題であるのだというふうに受けとめまするので、まずいま私が申し上げたこと等々を踏んまえて運輸省、労働省、警察庁の方々に、それぞれの立場で、今日に至るまでの根の深い経過なりありのままの状態をそれぞれ簡潔にひとついま申し上げたような順序でお答えをいただきたい、こう思うのであります。

竹内良夫運輸省港湾局長

○政府委員(竹内良夫君) ただいま先生のおっしゃいました全港湾関西地本と上組との紛争につきましては、私どもやはり大変心配しております。運輸省はこの問題が発生して以来、近畿海運局を通じましてその概要の報告を受け取るとともに、その事態の推移を見守ってきているところでございます。  経緯をちょっと申し上げますと、昭和四十八年以来、上組の労働者のうち神戸港コンテナトレーラーの乗務員と大阪港沿岸労働者の一部が全港湾関西地本に加入いたしましたが、   〔委員長退席、理事黒住忠行君着席〕 その後、全港湾関西地本は組合員の獲得に努めるとともに、上組の神戸港フォアマンの一部をも組合員として加入させ組織の拡大を図ってまいりました。一方、上組はかねてからいろいろ心配していたということがございまして、この組合員が増大するということに強く危機感を持っておりまして、まあこのような事情から紛争が発生したというものでございます。  昭和四十九年の十月に団体交渉が行われたわけでございますが物別れとなり、以降会社側によりまして、たとえば三井東圧化学大阪工業所構内の労働者約九十名の解雇予告とか、また全港湾関西地本による抗議集会デモ、あるいは荷主に対するデモの頻繁な実施、これらに対する上組労組の組合連合協議会による抵抗行動等の事態が発生したわけでございます。  その後、私ども運輸省といたしましては近畿海運局が大阪府労働部や、あるいは大阪市の港湾局と一緒になりまして努力いたし、この調整の努力をしたわけでございますが、一時鎮静化の方向に向かったわけでございますが、昨年の年末一時金等の懸案問題が解決を見ないままに年を越しまして、本年の一月中旬ごろ情勢は再び悪化しまして現在に至っているわけでございますが、私ども運輸省といたしましては本来この問題は労使間の問題でございますので、自主的な解決を図ってもらうという点が私どもの基本的な態度でございますが、先ほど申し上げましたように、大阪府の労働部とか、あるいは大阪市の港湾局と一緒になりまして、この間できるだけ早く解決するように要望を強くしているところでございまして、現在ようやくよい方向に向かいつつあるというように私ども見ている次第でございます。

松井達郎労働省労政局労働法規課長

○説明員(松井達郎君) お答えいたします。  経過につきましてはただいま運輸省の方から御説明がありまして、私どもの把握しております限りでも大要そのとおりでございますが、私ども経過を逐次大阪府あるいは兵庫県の労働部からそれぞれ連絡を受けて把握しておるわけでございますが、去年の九月ごろからでございますか、この上組における労使の対立というのは非常に激しくなってきておると。それでさらにことしに入りまして、もう一つ全港湾のほかに上組労連というのがございまして、三つどもえのような状態になってきておるわけでございます。それで全港湾の方からは、会社が幾つかの不当労働行為を行ったということで地労委に救済の申し立てが行われております。私どもが現在把握しております限りで、大阪地労委には四件、それから兵庫地労委には一件の不当労働行為の申し立てがありまして、これも一つの申し立てがありますと続いて追加申し立てが出てくるということで、事件の内容は四件あるいは一件という数字が示すよりも複雑ではなかろうか、こういうふうに思っております。  また、この紛争の間に幾つかの暴力事件が出てまいりまして、それで私どもが警察の方から聞いております限りでも、十件以上もの暴力事件も出てきておるというような状況になってきております。それで事件のうち幾つかがこういうわけで地労委に上がり、あるいは暴力事件ということで警察の手に渡っておりまして、それぞれの手で解明が進んでおるという状況であろうかと思いますが、こういうように、何と申しますか、たとえば賃金交渉というようなかっこうで労使の交渉ということによって物事が解決するというような普通の典型的な争議行為とはちょっと違いますんで、この争議のむつかしさもまたこういうところにあるのではなかろうかと思います。  私どもがこういうように状況を把握しております限りでも非常にむつかしい問題でございますが、現地の大阪府、兵庫県労働部は非常に熱心にこの争議の解決に取り組んできておりまして、現在労使の対立は非常に厳いところにありますが、この大阪府、兵庫県の労働部の方とも緊密な連携をとりながら問題の解決のために、私たちとしてできる限りのことをしてまいりたいと、こういうふうに思っております。

渡辺善門警察庁警備局警備調査官

○説明員(渡辺善門君) お答えいたします。  上組の経緯につきましては、運輸省、労働省の方から御説明がありましたので、その点については省略いたしまして、警察の基本的な立場について申し上げたいと思います。  上組におきましては、昨年の八月以降幾つかの紛争事案が起こっております。   〔理事黒住忠行君退席、委員長着席〕 警察といたしましては、憲法が保障する正当な労働運動につきましてはこれに介入すべきものでないのはもちろんでございますけれども、いかなる職域、地域を問わず、いやしくも暴力に対しましてはその主義主張を問わず法に照らして厳正な取り締まりを行っているところでありまして、今後ともこの方針を堅持してまいりたい、かように考えております。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 先ほど私はいみじくも申し上げましたけれども、私は私なりきに戦前派のやはり海事、海運、港湾を含めて治安維持法下においていろいろと労働運動の指導者的な立場をとった経過の中で、しかし近代的な状態の中においては全く残念な、企業と暴力団が癒着した形において、やはり表面的には手配師というようなものを活用しながら非常に巧妙な手段で組織破壊をするというようなことは、少なくとも大国日本の立場からいっても、港湾産業の立場からいっても、秩序の維持からいっても、そして労使公正のあり方からいっても、非常にこれは残念なことであると同時に、やはり秩序と法を最大限に活用して、少なくともこれは厳重にひとつ、いま中立公正というものではなくて、邪悪はやはり絶滅をするんだというような気魂で十分の処置をしてもらいたいということを、いま簡潔に答えてほしいという要望をしましたから、きわめて簡潔な要項しか得られませんけれども、そういう点で断固秩序と権威と正常な労使関係のあり方を、介入するとかしないとかという問題ではなくて、次元が違うのでありますから、異質の問題としてこの問題については大所高所から配慮してもらいたいということを強く要望しておきます。  それから、これは具体的には昭和五十年の二月でありますが、「港湾における労使関係正常化のために」、副題として、さすがは上組だと思いますけれども、「わが社と全港湾との紛争」「その要因と経過概要」というものを出しております。私もそれなりにいろいろと読んでみたわけでありますが、この問題について、これはいろいろな視点のとらえ方や判断の仕方があると思いまするけれども、要するに阪神港のこの労使の慣行を無視して団結権や団体行動権を否定しておるわけであります。で、事実のすりかえをやっておる。業界一、二を争う大手企業として正常な感覚で書かれているとこれを判断しておるかどうか。そういう問題について、これは運輸省の方にしても、その他労働省の方にしても、どういうふうに見解を持っておられますか。これはいまのようないろいろの視点のとらえ方があろうと思いますけれども、ひとつこれも簡潔に。

竹内良夫運輸省港湾局長

○政府委員(竹内良夫君) 私ども、いま先生のおっしゃいました上組が発表いたしました「港湾における労使関係正常化のために」というパンフレットを読ませていただきましたが、一方、その前に、やはり全日本港湾労働組合関西地方本部が「港湾労働の民主化と港湾労働者の生活と権利を確立する為に」というパンフレットをやはり出してございます。読んでみた感想といたしましては、両方からいろいろな意見が出てまいりまして、なかなかすぐには私ども結論を出せないというような感じが率直な感想でございました。

松井達郎労働省労政局労働法規課長

○説明員(松井達郎君) お答えいたします。  いま運輸省の方からお話がありましたのでございますが、事件は非常に複雑と申しますか、たくさんの事件が神戸なり大阪なりそれぞれにおいて起こっております。それで私どもも実は一つ一つの事件につきまして事実を詳細に追っていくのに非常に骨を折っているわけでございますが、いずれにしましても、そこで上がりました重要な問題は、不当労働行為として地方労働委員会に上がるなり、あるいは仮処分事件として裁判に上がっております。それで、これらの事件につきましては、裁判に上がり、あるいは労働委員会に上がっている以上は、それぞれの機関におきまして解明されるところでありましょうが、私どもとしましても、全体として見ますとこれは大変な労使紛争でありますので、経過についてはさらに詳細につかんでまいりたいと、こういうふうに思っております。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 警察庁の方はどう見ておられますか。直接関知せざるところでありますか、立場上。

渡辺善門警察庁警備局警備調査官

○説明員(渡辺善門君) 警察の立場といたしましては、現在把握しておりますのは、上組関係事件につきまして、大阪府警におきましては、被害申告それから告訴などによりまして認知している事件が十四件ございます。このうち現在まで四件、十二名を検挙しております。それは検挙し大阪地検に送致済みという状況になっておりますが、他の事件につきましては目下鋭意捜査中、こういう状況でございます。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 このパンフレットですね。このパンフレットは、港湾運送業における不安定でいびつな労使関係は、全港湾関西地方本部に代表されておるように、闘争激発主義的な暴力的な大衆闘争である、そこに根源があるんだということが、言おうとする本音だと思います。たてまえではいろいろきれいごとも言っておりまするけれども、全港湾が、言うならばやはり闘争激発主義で、暴力的な大衆闘争を展開してくるんだから、売ってきたけんかは買わなければならぬのだというような受けとめ方をして、問題のすりかえをしているところに知能犯的な、一つの労働運動の正常な信義というものを、正常な労使関係というものをやはり受けとめてないところに問題があるというふうに私なりに思っております。  そこで港湾の労使関係については、昭和四十年の港湾労働法制定の際の国会審議、これは七十二回の通常国会であったと思いまするけれども、同法の一部改正審議に際して業界の姿勢が問題にされ、念書までとって反省を促してきたというところであります。全港湾は暴力をふるう団体であると当局は実際どの視点をとらまえて判断しておられるかどうか。その点について、これはきわめて簡潔でいいのでありまするけれどもお答えいただきたいと思います。

松井達郎労働省労政局労働法規課長

○説明員(松井達郎君) お答えいたします。  文書にはそういうふうな規定はございますが、私どもとしましては、実際に争議の解決ということにつきましては、どのように表現されているかということは別問題としまして、実際に出てきた事実というものは、それぞれ地方労働委員会で究明されて不当労働行為の責任なら責任が明らかにされてくるものだ、こういうふうに思っておる次第でございます。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 この時点でこれは問題視されて、一応念書がそれなりきに後日のために一札入っているわけでありますが、その念書の内容を、やはり近畿海運局が神戸海運局か、いずれかでそういうことを知っておられますか、認知しておられますか、その点はどうですか。

竹内良夫運輸省港湾局長

○政府委員(竹内良夫君) いま先生のおっしゃいました昭和四十年の念書ということになりますと、私どもちょっと現在知るところでございませんけれども、全港湾がすなわち暴力的大衆闘争のものであるということは、私どもは全く思っているわけではございません。全港湾はりっぱな組合であると思っております。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 それではこの確認書というものは四十八年の十一月十七日の確認書でありますが、この点についてはやはり文書の写し、その他、関係出先機関から手に入れておられますか。

竹内良夫運輸省港湾局長

○政府委員(竹内良夫君) 四十八年の十一月の確認書につきましては、私ども手に入れております。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 これは後日のこともありまするので、少なくとも本委員会は権威のある委員会ということを確認をするたてまえ上、とにかく一応内容を披瀝していただきたいと、こう思います。

竹内良夫運輸省港湾局長

○政府委員(竹内良夫君) 四十八年十一月十七日に確認されたものでございます。   株式会社上組(以下会社という)と全日本港湾労働組合関西地方本部(以下組合という)とは昭和四十八年十一月十七日付協定書第三項に基づき、下記の内容を確認し、会社は、これは誠意をもって履行するものとする。後日の証として、本確認書を作成し各一通づつ保有する。  こういうふうになっております。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 それは近畿海運局でありましたか、あるいは神戸海運局でありますか、管下は。

竹内良夫運輸省港湾局長

○政府委員(竹内良夫君) 近畿海運局でございます。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 昭和四十八年の十一月十四日、上組の大阪支店の第三突堤の南二号、言うならば福崎の沿岸労働者三十数名が、全港湾沿岸南支部に加盟したという事実があるわけでありますが、同日の真夜中、第三突堤現場の所長、篠田という方でありますが、友川芳信という分会長を姫路市のモーテルに連れ込んで、友川分会長を監禁して、全港湾の脱退を強要している事実があります。さらにそれだけでなくて、これは言うならば労組法第七条の違反であり、あるいは刑法上の監禁罪、暴行罪に当たるというふうに私どもは考えます。この事件は会社が非を認め、大阪府労働部であるとか、近畿海運局、大阪市港湾局立ち会いのもとに確認書を結んでいるが、確認書の内容というものが大体いま読み上げられたものだというふうに判断をして間違いありませんね。

竹内良夫運輸省港湾局長

○政府委員(竹内良夫君) いま先生のおっしゃったとおりだと思います。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 この事件の後、組合員の労働条件も前進をして、組合員も約七十名に増加をしているわけであります。ところが昭和四十九年九月ごろより分会の幹部及び組合員に対する脱退の強要だとか、あるいは退職の強要であるとか団体交渉の拒否であるとか不当配転というものが非常に激しく加えられているわけであります。したがって、この確認書というものが、あれは書いたものを一札入れておけば、弁慶の勧進帳でも関所は通れるんだと、そういうようなことがその反証として実在をしてこのような形に出ておるのではないかというふうに推定されないこともないわけでありますが、こういう事実について確認しておられますか。

竹内良夫運輸省港湾局長

○政府委員(竹内良夫君) その後、まあいろいろトラブルが出てきたということについては承知しているわけでございます。ただ、この確認書と、そのあとの関係につきましては、私どもちょっと存じないわけでございます。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 さらに申し上げまするが、全港湾はこうした組織の切りくずし、不当労働行為に抗議して、みずからを防衛するための手段として、十月中旬から大阪港湾合同庁舎前で、たとえば朝早く集会をやるとかデモを行うとか、あるいは上組が主として神戸より集めた自社その他の従業員百五十名ないし二百名を動員をして、しかもトレーラーの牽引車二十台、三十台というものを導入してデモの妨害をしておると、こういう事実があるわけでありますが、これはどちらも悪いことだというような、そういう視点のとらえ方をしておられますか。これはやはり団体交渉する権利、団体行動する権利、秩序あるデモをやるという行為に対して、こういうような対抗組織のあり方というものが、少なくともあってはならないというふうに判断をしておるわけでありますが、行政当局者としてはどのように判断しておられますか。

竹内良夫運輸省港湾局長

○政府委員(竹内良夫君) いろいろその当時トラブルがございまして、また神戸から下請会社の労働者が百人とか百五十人大阪に行ったというようなことは、この全港湾のパンフレット等を通じまして私、承知しております。現在私ども、これが適正な労働運動とそれに対応する措置であるということを直ちに言うということはできないわけでございますけれども、とにかくあのような暴力というものが行われたということは大変残念なことであるというふうに感じている次第でございます。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 限られた時間でありますから若干中を飛ぶことがありますけれども、具体的には十月の二十一日、やはり全港湾の大集会に同様の妨害が、しかも具体的には豊国倉庫で作業中の組合員に対して約二百名の上組の労働者が集団で暴行しておる事実もあるわけであります。この行動は三突、南二号、福崎においても連日続いておるわけでありまして、さらに十月の二十六日には、全港湾が荷主である杉村倉庫に陳情行動を行ったのでありますが、双方の代表が、やはり合法的なお互いの立場を尊重し合いながら話し合っている席上へ、これまた集団で妨害にどし込んでおる。それからまた十月の二十三日には全港湾関西地本の山本委員長、それから安松書記長が三井物産大阪支店に要請に行き、帰途玄関で二百名の上組労働者に囲まれてなぐるけるの暴行を受けておる。それから十月の二十八日には、冬期一時金の第一回統一集会の交渉の席上で約百名がなだれ込んできてまた暴行を加えておる。続いて同日全港湾関西地本の事務所を襲ってまた集団暴行をしておる。このほか作業中の組合員に対する監禁、脱退強要、就労の妨害が連日続けられておると、こういう事実もあるわけであります。  かてて加えて、昭和五十年に入っても集団暴行は各事業所において起きておるわけでありまして、寄り場から締め出して就労を不可能にしたり、あるいは組合員の分会事務所の鉄製の階段を焼き切ったり、戸口を溶接して使用を不可能にするなどの暴行を行っているわけであります。非常にこれは言語道断だと思います。以上の事実というものをどういう形において確認しておられますか。全然知っておられませんか。どうですか、これは警察庁も答えてもらいます。

竹内良夫運輸省港湾局長

○政府委員(竹内良夫君) 運輸省といたしましては、先ほど申し上げました全港湾のパンフレットあるいは上組のパンフレットというところを通じましての知識並びに地方海運局によるいろいろな情報というところから判断しているわけでございますけれども、いま先生のおっしゃいましたいろいろな暴行の経緯は、確かに全港湾のパンフレットに出ております。一方、上組のパンフレットを読みますと、またそれに対してもいろいろの言い分のあるようなことも書いてございます。そこら辺の不当労働行為等につきましては、これは地方労働委員会として鋭意結論を出していただかなければなりませんし、またいろいろな暴行行為等につきましては、警察のお力をかりて、いろいろ私どもも、またその結果に対しての判断を下さなくちゃいけないと思っておりますが、いずれにしろあのようなトラブルは本当に私どもいやな感じでございます。極力そのことのないように今後運輸省としても指導していきたいというように考えている次第でございます。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 これは私は突っ込んで、詰めて、本音を承っておきたいと思います。全港湾は港湾における産業別単一組織として法人格をそれなりに持っており、そして一つの評価をされておる労働組合であることは確かでありまするけれども、このパンフレットによれば闘争激発主義的な暴力集団である、暴力行為を行う集団であるというようなことを言っておるわけですが、一体この全港湾が暴力集団なのか、上組が暴力集団なのか。その辺について警察庁は、出先機関で、こういうような紛議があれば、当然、一体どちらが手を出し足を出したというような、そういう、つまり不逞のやからや暴力団や賭博師や、そういうもののけんかという問題ではなくて、大所高所からひとつこれを、いま申しました経過措置の中で、全港湾が暴力集団であるか、上組が暴力集団であるか、その辺は非常にむずかしいところでありますけれども、そういう点についての判断というものはないのですかあるのですか。

渡辺善門警察庁警備局警備調査官

○説明員(渡辺善門君) お答え申し上げます。  警察といたしましては、どちらかが悪いというような立場ではなくして、法の執行をする立場にある警察でございますので、あくまでも法に照らして適正に措置をするという立場でございます。したがいまして、先ほど申しましたように、大阪府警として把握しておりますところの十四件の事件につきましては、それぞれ現在捜査中でございますけれども、先ほど先生の御指摘のありました十月の二十一日の事件、引き続きまして十月二十二日の事件、それに十月の二十八日の事件につきましては、いずれも上組労連員によるところの傷害事件ないしは暴力行為事件でございますけれども、これらにつきましては、いずれも捜査を遂げまして検察庁に送付しておるという状況でございます。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 言うならば、以上のような上組の言語に絶するこの暴力行為に対して、全港湾は、上組分会結成以来今日まで、上組に対して、労働協約の締結であるとか労働条件の引き上げなど、正当な行動以外は、暴力行為を誘導し誘発するような行為はやっておらないことは事実であります。正当な秩序あるデモ行為、正当な要求。そして相手が一つの暴力集団的な第二組合をつくったり、あるいは果たしてその百名なり二百名なり動員される人がどこから一体来ておるのか、またそれは一体本当の港湾労働者であるのか、登録労働者であるのか、これらについても今後これは追及、究明する必要があるのではないかというふうに考えておるわけであります。ともあれ昨年の九月から組織の切り崩しが始まってから、防衛的にやむなく職場から引き揚げると、結局もう職場でいろいろと座り込みをするとか、職場におっても危ないからその職場を放棄して、自分たちが自衛の措置のために職場から全体を引き揚げて大衆集会をやるとか、あるいはデモで抗議をするとかいうような域を出ていない状態であります。上組に対しては、暴力行為とか組織切り崩しに反対する本格的なストライキは、本年の一月二十日からしかやってはいないことは事実であります。少なくともことしの一月二十日までには争議行為がなく、あったのは上組の暴力と不当労働行為だけだということを言い切ることができるわけであります。したがいまして、この過程の中で、告訴、告発、仮処分の申請、不当労働行為の申請、身近の警備要請、関係官庁に対する行政指導の要請が幾つかあったはずでありまするが、これらをやはり十分に受けとめておられますか。

竹内良夫運輸省港湾局長

○政府委員(竹内良夫君) いろいろその後、告訴あるいは不当労働行為に対する提訴というのですか、そういうのがあったと聞いております。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 いままで読んだのは、さきの事例は全体の一部分を紹介したにすぎませんですよ。これらの事例から見て、単なる労使紛争ということだけでは済まされるものではないというふうに判断をしております。いやしくも労使紛争に名をかりて、暴力行為を上組が行っているとしか判断できない。企業暴力であります。またこれは争議行為と言えるものでもないというふうに判断しておるわけでありますが、労働省は港湾の特殊な環境を承知しておるはずであるが、これらの事例を大体いまのお答えで、少なくともわれ関せずえんという立場ではないと、少なくとも大所高所から重大な関心を持っておるんだというふうには受けとめておきますけれども、運輸省は上組の行為と正当な企業活動をどういうふうに判断をしておられますか。ひとつお答えをいただきたいと思います。

竹内良夫運輸省港湾局長

○政府委員(竹内良夫君) 先ほども申し上げましたように、違法労働行為等につきましては中央労働委員会、またいろいろな暴力関係等につきましては警察等の結論というものを私ども参考としながら対処しなくてはいけないと思します。ただ港湾運送事業の健全な発展という立場をやはりどうしても願っていかなくちゃいけません。私ども上組に対しましても、あるいはまた下請のいろいろな企業に対しましてもこの正当な労働行為を行う、また健全に進んでいくように強く指導していきたいというように考えている次第でございます。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 私、履き違えをしておりましたが、あなたは運輸省の所管局長ですね。労働省の方はどなたです。

松井達郎労働省労政局労働法規課長

○説明員(松井達郎君) 私は労働省の労働法規課長でございます。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 先ほどお答えをいただいたような、そういうことに尽きるわけですか。

松井達郎労働省労政局労働法規課長

○説明員(松井達郎君) お答えいたします。  先ほど申し上げましたとおり、また先生からもたくさん御指摘のありましたとおり、この事件につきましては暴力事件、それから不当労働行為の申請というものはたくさん出てきておるわけでございます。そういう意味で、単に賃金を引き上げるとか、あるいは年末手当を要求するとか、こういうような性格の争議とは趣を異にしている、こういう意味で非常にこの紛争のむずかしいところがあると、こういうふうに思っております。そういうことで、事件はそれぞれの機関にかかっておるわけでございますが、しかしながら、私どもとしましては、先ほど言いましたとおり、大阪及び兵庫県の関係労働部とも緊密な連絡をとりながら、いままで二つの県は熱心にこれに取り組んでまいりましたし、今後も緊密な連携をとって重大な関心を持って見守りながら、この争議の状況を把握しますとともに適切な指導を講じていきたいと、こういう立場でございます。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 昭和四十九年の十月十九日から、上組の下請会社に上津港運というのがあります。それから大興運輸の従業員が大阪へ動員されておるわけでありますが、目的は暴力行為をするためであって、またこれらの動員は大阪港区の旅館に約半月にわたって泊り込んでおる事実があるわけであります。これは正当な企業活動であるかどうかということは、これは語らずとも通念上はっきりしてくる問題でありますが、社会通念上やはり公序良俗から見て当然だと考えていいかどうか、こんなことがあろうべきはずはないのであります。今後このようなことが正当視されたり、港湾の秩序が守られていると思ったら大変だと思います。港湾労働法の第二十一条に照らして一体適法な行為か。警察はこの事実をどういうふうに調査しておられるかどうか。少なくともこういうような点については関知しておられませんか。

竹内良夫運輸省港湾局長

○政府委員(竹内良夫君) 上津港運あるいは大興運輸が神戸からそれぞれ延べ二百五十名とか、あるいは百名の人員を車で大阪に繰り出したということは事実でございます。このような行為は決して望ましいものではございません。そこで運輸省といたしましては、神戸海運局からこの両社に対しまして、もう一つ山一運輸というのもそれに近いことをやっておるわけでございますが、この三社に対しましてこの一月、十分注意を与えまして、その結果このような行為が行われなくなったというふうに承知しておるわけでございます。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 警察庁の方はこの事実をどういうふうにとらえておりますか。

渡辺善門警察庁警備局警備調査官

○説明員(渡辺善門君) 警察庁としてはただいま先生の御指摘の点は承知いたしておりません。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 昨年の十月九日から現在まで、上津、大興その他から動員した常用、日雇い別の数字、人員の数ですね。日帰りか泊り込みかの別、あるいは賃金の支払い状況、こういったものを一応——当然動員したという客観的な事実がありますし、これらの雇っている人の日帰りか、泊り込みか、賃金はどういう状況になっておるか、そういうようなものを観察しておられますか。

竹内良夫運輸省港湾局長

○政府委員(竹内良夫君) そういう点につきまして、私ども調べる立場にあるかどうかということはちょっと別にいたしまして、事情を聴取いたしましたところ、昭和四十九年十月九日から昭和五十年一月二十四日までの間に、上津港運については十四日間で延べ約二百五十名の従業員、それから大興運輸産業につきましては十四日間で延べ約百名の従業員が、各企業独自の判断に基づいて、業務命令によりまして自社のバスを利用して大阪に行ったとのことでございます。それから山一運輸につきましては同じく十四日間で延べ約三百名が企業内労組の支持によって、企業の了解のもとに企業のバスを使用して大阪に行ったというふうに聞いております。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 労働省の方にお伺いしますが、各企業の業務命令で行動しておることは神戸海運局の調査でも明らかであるし、いまいみじくも所管局長の言われたとおりだというふうに受けとめますが、大体その目的と真意が不当労働行為あるいは暴力行為であることは明らかであるというふうに私なりきに判断をするわけでありますが、労働省のこれに対する見方といいますか、確認は、これらについてはどのように観察しておられますか。

松井達郎労働省労政局労働法規課長

○説明員(松井達郎君) 実は私どもといたしましては、その事実の詳細については承知いたしていないわけでございますが、いずれにしましても、この不当労働行為を目的としていろんなことをやると、あるいは暴力事件をやろうということでもっていろんなことをやる。こういうことは全く法の許さないところでございまして、私どもとしましても、常日ごろ不当労働行為の防止ということにつきましては行政の重点として力を入れているところでございます。それから実際に起こりましたケースが事件として申し立てられました場合には、これは労働委員会において判断されるところでございますが、ただいま申し上げましたとおり、このような不当労働行為なり暴力事件なりというものが起こらないようにというのが私どもの基本的な立場でございまして、現地でこの問題に当たっております労働部におきましても、その点は十分に承知して行動いたしておると信じております。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 これらの行為を港湾運送事業の違反行為であるという解釈、あるいはそういうような判断。その点もひとつ簡明直截にお答えいただきたい。

竹内良夫運輸省港湾局長

○政府委員(竹内良夫君) この行為自体が直ちに港湾運送事業法違反の問題になるということにつきましては、検討していかなければいけないというふうに考えております。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 上組の行為は、言うならば暴力を容認し、労働者の基本的な権利や労使慣行を否定しておると、そういう客観的なまた主体的な事実も、いろいろな行為を観察をして、またかてて加えて下請企業や上組の従業員を業務命令を出して暴力行為に駆り立てておるという、正当な企業活動とは、これはどうしても私たちは思うわけにはいきません。したがって企業の社会的責任が問われているときに、このような企業ぐるみの暴力を不問にするわけにはこれはいかない。いずれこの事件はおさまるでありましょうけれども、運輸省はどんな行政上の処置をとろうとしておるのか。  実はこの点は大臣も一応考えていただきたいと思いますが、昭和四十年の五月七日に港湾労働法が参議院の社労委員会を通過したのでありますが、この当時の労働大臣は大橋さんであり、運輸大臣は亡くなられましたけれども、綾部運輸大臣であります。いろいろな附帯決議がありまするけれども、私は附帯決議であるとか行政指導であるとか陳情であるとか請願というものを権威あらしめて、あれはあの時点における附帯決議であって、もう時点は去っておると、そういうような扱いをしちゃいかぬと思います。時間がとにかくありませんけれども、かつてたとえば労働者の福祉のために労働金庫法をつくるときに、これは労働省とやはり大蔵省の共管でその柱を立ててつくったという主体的な事実があるわけでありまするが、この港湾労働法を初めて、是非は別として、私どもの立場としては国際労働条約、その他国際慣行に照らして見て、海運国日本にはそのあるべき港湾の労使関係はもっと正常な綿密ないいものでなければならないんだと、しかし、われわれの思うとおりにならなかったがよりましであると、一歩前進であると、そのかわり、附帯決議というものでいこうというわけで、いま申し上げた労働大臣、運輸大臣も立ち合ってもらって、この四項と五項の中に「日雇港湾労働者の雇入れについては、暴力の介入等の弊害を生ずることのないよう厳正な措置を講ずること。」、五項になっておりますが、  「港湾運送事業法と本法とは密接不可分に関連しているので、本法を効果的に実施するために、本法違反業者に対する許認可等については厳重な規制を行なうこと。」、「本法の施行について労使関係の意見が充分反映されるよう港湾調整審議会の組織構成について充分配慮すること。」と、こういうような附帯決議がついておるわけであります。  もちろん次元は違いまするけれども、本質的には私がいみじくも、いま憲法に保障された労働基本権なり基本人権が認められておる今日こういうような、つまり港湾関係企業者としては大企業ですよ、株式会社上組は。やっぱり権威ある労働組合、産業別単位組織の港湾労働者との間にこういう紛争が起きておるというような点について、所管大臣としてこの附帯決議、そしていま港湾労働法は生きておるし、いずれまた、この前の国会ではこれを改正しようというようなこともあったわけでありまして、当時は新谷運輸大臣と加藤労働大臣との間でとにかくいろいろ念書、いろんなことをしたのでありまするけれども、なかなか業者関係の集団は、そのときに判をついても、あれはあのときに判はついたのだけれども、後、業者全体に異論が出てということで、執行の責任を回避しておるというような、そういうだれがいいとか悪いとかという論議ではなくて、港湾行政のやはり運輸大臣として、ひとつこの時点で見解を承っておきたいと思う。今後いろいろあり得べき問題であります。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 港湾運送事業におきます労使間のあり方というものにつきましては、一番近代化がおくれておると言っても私は言い過ぎではないような感じを持っておるほど現状をそのように感じておるわけでございます。ずいぶん以前から、いまも御指摘がございましたように、この正常化につきましては運輸省初め労働省あるいは警察あるいは地元の港湾局等と共同をいたしまして、近代化にはいろいろと努力をしてまいってきておるのでございますけれども、まだまだ安心できる状況に立ち至っていないことは遺憾ながら認めざるを得ないのが現状でございます。今回のこの上組の事件もどうにか落着はいたしておりますものの、われわれはこれから先のことは必ずしも楽観をしておれない状態のようにも考えるわけでございます。  こういう問題は長い過去歴史的な経緯もあるのでございまして、われわれとしても本当に根気強くこういう問題が起こらないように、また不幸にして起きましたときには、将来に向かって改善できる方向へという考え方で、その解決処理に当たっていかなければならないと考えておるのでございまして、そのためにいま御指摘の港湾労働法等改善しなければいけない点がありますれば、われわれも十分検討いたしまして、そういう措置も講じていきたいと考えております。まだまだ将来にわたって安心できる状況でないことは私も重々承知いたしておりますので、この点につきましては関係各機関と密接な連絡をとりながら、平和にそして平静を保って港湾運送事業が営まれるように今後も努力をするつもりでございます。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 上組はかてて加えて、昭和四十九年十月の二十一日秀和商事会社というものをつくっております。二十三日全員解雇を言い渡し、秀和商事に新たに作業を下請させようとしておるわけであります。現在解雇は撤回したが、秀和に入社をすること、全港湾の脱退を現在に至るも強要をしておると。この秀和という会社というものが非常に怪しい、一つのえせ的な、ここに一つの見せかけの動員の根源で暴力集団というものを合法化するために、一体港湾労働者であるのか、手配師による登録の日雇い労働者であるのか、一たん解雇して、そしてまた雇うと、この辺についての正体というものを明らかにしていく必要があります。港湾労働はただでさえ、やはり戦前戦後を通じてつくったと思えば壊れ、壊されると思えばつくるというような状態でありまするけれども、法の秩序を維持する限り、勤労の権利と組織する権利と団結する権利と団体行動する権利はあらゆる立法に優先する、憲法で保障されている基本権ですから、この辺についてひとつ実態を了知している範囲でお伺いしたいし、わからなければ系列の関係機関の出先自治体なりを通じて厳密に調査.してもらいたい。そういうことを約束してもらいたいと思うんです。

竹内良夫運輸省港湾局長

○政府委員(竹内良夫君) いまおっしゃいました秀和商事は、上組の下請作業会社として三井東圧化学大阪工業所の構内作業を行っている会社であると聞いております。この作業は港湾運送事業に該当いたしておりません。同社は港湾運送事業者ではございません。本店は神戸市にございまして、資本金が三百万円の会社でございます。目的は工場内の倉庫作業一般とか、それに付帯、関連する一切の事業ということになっているというように調査されております。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 この会社は機材や器具は一切上組から借り受けております。労務供給会社ではないかと思うんです。上組と下請契約を調べたか、その写しや資料というものがあるのですかどうですか。秀和の役員はいかがわしい者がいるというふうに私どもは警察の調査から間接に聞いておるわけでありますが、大体、秀和は労務供給会社であるとともに、全港湾切り崩しの暴力集団ではないかというふうにも判断しておるわけであります。しかし、これらの下請契約を結んだ動機は正当なものと言えないと思う。安法の四十四条にも、実際は抵触するのではないかというふうに考えております。上組に対して秀和は存続させるのか、それとも解散させるのか、どんな指導をしようとするのか、これはわれわれの圏外にあって及ばないんだというふうに判断しておられるのか、少なくとも職安法四十四条については、これは適用の範囲にはならないんだというふうに判断をしておられるのかどちらか、その辺を克明にひとつ述べていただきたい、こう思うんです。もう一点でやめます。

平賀俊行労働省職業安定局特別雇用対策課長

○説明員(平賀俊行君) 職安法の運営に関しましては労働省の所管でございますが、秀和の職安法四十四条違反に関しましては、関係の方から県の方に申し立てがあり、いま県の方に調査をさせておるところでございます。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 調査の結果が、これを十分大所高所から監視をしながら——監視という言葉はどうかと思いますけれども、重大なことでありますから、いま日本の港湾、海運産業の秩序と法が十分善意に執行されないというと、一角の崩壊が全体へ波及することは、日本における海運港湾の産業、そこに人と物と財との関係の調整のバランスが崩れてくるという重大な点でありまするから、きょうは焦点をしぼって、このようなことに限って……。  時間が来たようでありまするからやめますが、最後に今回の上組問題の解決の仕方いかんによっては港湾に企業暴力の温存、復活を認めることになり、長年の港湾の民主化の努力が無となるわけであります。憲法と関係法規に照らしてみても、世間の常識からして上組に非のあることは大体万人の認めるところであろうと思う。被害を受けた全港湾に対する明確な謝罪であるとか、原状回復であるとか、二度とこのようなことのないというような誓約であるとか、全港湾の当事者に対してはもちろん、世間に対しても明らかにする責任が、当局にその指導的な責任もあり得ると思います。いままでの関係の流れの中で、御承知のように、三名の港湾の、つまり指導者的な立場におる支部の委員長であるとかという者が生命を奪われておりますよ。あるときは凶刃に倒れ、あるときにはノイローゼによって海中に飛び込んでおる、こういうような点がありまするから、こういう点について万遺憾なきを期して、やはり大所高所から配慮してもらいたいというふうに考えております。  これは警察庁についてもそれなりの見解があってしかるべきであるし、労働大臣についてもいろいろとこの港湾行政、海運行政の中に、物の関係は別として、これがコンテナ化しても、あるいは機械化されてきても、人と人の関係というものが労使関係の正常化なくしてはうまくいかないというふうに判断をいたしますので、最後にそれなりの考え方をお述べいただきたい、こう思います。

渡辺善門警察庁警備局警備調査官

○説明員(渡辺善門君) 先ほど来申し上げておりますように、暴力はいかなる理由があろうとも、これは是認するわけにはまいりません。上組の関係につきましては、警察といたしましては組織的に暴力団が介入しているというような事実について現在の段階において把握はしておりませんけれども、今後とも、暴力団が港湾関係企業に食い込み、違法事案を引き起こすことがないように暴力団に対する取り締まりを継続実施いたしますとともに、万一違法事案が発生しました場合には、これに対して強力な取り締まりを行うという方針で臨んでまいりたい、かように考えております。

竹内良夫運輸省港湾局長

○政府委員(竹内良夫君) 私ども健全な労使関係が樹立されまして、港湾運送事業の健全な発展が図られるよう強く上組を指導してまいりたいというように考えております。

松井達郎労働省労政局労働法規課長

○説明員(松井達郎君) お答えいたします。  この暴力事件とか、不当労働行為事件というものは、労使関係を全く損なってしまうということでありまして、私どもとしてはいかなる理由があっても暴力事件とか、不当労働行為というものはいかぬと、こういうふうに思っております。実はこの問題につきましては、幾つかの委員会におきまして私どもの大臣も答弁いたしておりますが、労働省としては非常に重大な関心を持ってこの事件の推移というものを見守っております。私どもとしましては大臣の意のあるところを受けまして関係の機関とも緊密な連絡をとりながら、この問題の解決のためにできる限りのことをしてまいりたいと、こういうふうに思っております。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 関連して。  大臣にまとめてお答え願います。いままでの杉山委員の質問の内容は、暴力団が企業の衣をかぶっていろいろなことをやってきた。その客観的事実に基づいて関係者にいま説明を求めてきているわけです。しかし大臣としては、この種の暴力団まがいのものが企業の衣をかぶっているために手が下せないというようなことがあってはいかぬと思う。仮借なく取り締まるべきである。行政指導という名前でもって焦点がぼかされてはしようがないと思うのです。この点は政府として責任をもって対処しなければならぬというふうに考えるわけですが、最後に大臣のこの問題についての見解を明らかにしていただきたい。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) どんな社会でも、どんな職域でも暴力は絶対に排除しなければなりませんし、暴力を温存してはならないわけでございます。本件につきましても前々からのいろいろな事情も運輸省としても把握をいたしております。ただこういう問題はなかなか法的にけじめをつけるということがきわめてむずかしい場合が非常に多いのでございます。したがいまして、法的に処置するということになりますというと、それ相当のきちんとした事実をつかんで、その上に立って処理しなければいけませんが、それはそれといたしまして行政指導を相当強く発動いたしまして、いやしくも暴力によって港湾運送事業の平和が乱れる、あるいは被害を受ける人が出てくるというようなことがあってはならないと思いますので、この点は関係各役所、出先の港湾管理者等と十分協力しながら絶滅を期するように努力をいたすつもりでございます。

宮崎正義公明党

○委員長(宮崎正義君) 委員長から申し上げます。  警視庁警備局の渡辺調査官に申し上げますが、いまの杉山君の種々の質問に対しまして、未調査の点が大分あるようです。この点速やかに調査をして事件処理に当たっていただきたいことを要望しておきます。  本件に対する質疑はこれをもって終了いたしました。     —————————————

宮崎正義公明党

○委員長(宮崎正義君) 道路運送車両法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。木村運輸大臣。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) ただいま議題となりました道路運送車両法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。  わが国における自動車の保育台数は、現在二千七百万台を超えており、現代の経済社会の諸問題の中で自動車の占める比重は、ますます高まってきております。  したがいまして、政府といたしましても自動車の登録、検査等に関する事務の処理体制を整備し、自動車の安全性の確保等の社会の要請にこたえていく必要があります。  これらに要する経費の財源につきましては、道路運送車両法に定める額の範囲内で政令で定める額の手数料を徴収することにより確保することとなっておりますが、自動車の登録、検査等に関する事務処理体制の整備に要する経費は、年々増加の趨勢にある一方、自動車需要の動向を見ますと、業務量の増加による手数料の増収には多くを期待することができない状況にあります。  今回の改正は、このような実情にかんがみ、自動車の登録、検査等に関する事務を円滑に遂行するための経費の財源を確保することができますように手数料の額の範囲を改めることを内容とするものであります。  以上が、この法律案を提案する理由であります。  何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。

宮崎正義公明党

○委員長(宮崎正義君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。  日本はこれにて散会いたします。    午後五時十二分散会      —————・—————

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