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75回国会衆議院1975/02/27

予算委員会第二分科会 第4号

発言数
342
登壇者
36
会派数
5
開催日
1975/02/27

会議録

山本幸雄自由民主党

○山本(幸雄)主査代理 これより予算委員会第二分科会を開会いたします。  昭和五十年度一般会計予算及び昭和五十年度特別会計予算中、文部省所管を議題といたします。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡本富夫君。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 きょうは、わずか三十分でございますので、私は大体提案と申しますか、そういったところから御質問しますので、要領よく前向きに御答弁のほどをお願いしておきます。  最初に高校問題でございますが、公立高校が非常に現在少ない。そして高校進学率というものが非常に高まってきた。ことしは九〇・八%、ほとんどの方が高校に行きたいと言うようになってきました。同時にわが国の資源というものが非常に少ない。したがってやはり頭脳資源というものを開発しなければならぬと私は思うのです。そのためにも公立高校、この拡充をしなければならぬと思うのですが、これについて若干提案を申し上げますから、大臣の御答弁をお願いしたいと思います。何でしたら事務当局からでも結構ですから……。  まず、この公立高校建設について、地方自治体、すなわち県では非常に困っておるのは財政的な措置であります。それから、これからの高校建設について、都道府県で五カ年計画をつくって、そして計画書を国に報告をさせ、そしてそれに対するところの財政計画を国がつくる。国の負担すべき経費は、われわれ公明党でいま検討しているわけですけれども、校舎の新築及び増築に要する経費の二分の一、屋内運動場の新築及び増築に関する経費の二分の一、危険建物の改築に要する経費二分の一、それから地方交付税、これは自治省の方になりますけれども、この方をふやす。また用地の取得というものに非常に困っておるわけでありますから、用地取得に対するところの経費の三分の一、特に国有地の払い下げ及び貸与、こういう措置を文部省の方から提案をして、そして公立高校の推進に当たっていただきたい、こういうように思うのですが、この点について御答弁願います。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 お答えいたします。  高等学校の、特に公立高等学校の建設の問題が問題になっておることは、ただいま仰せのとおりでございます。昭和三十七年度から四十年度の間にかけて全国的に、戦後のベビーブームの結果、全国一斉に高等学校の増設問題が起こりましたが、その問題と今回の問題とは多少様相を異にしておるわけでございます。全国的な高校生の急増という問題ではなくて、人口の都市集中に伴う結果としての幾つかの府県、七つ、八つの府県におきます高等学校在学該当生徒の増加によって特別な事態が起きてきているわけでございます。全国的な調査をしてみましたとこる、昭和四十九年度から五十三年度までの五カ年間に三百三十六校の増設の計画がございます。  そこで、文部省といたしましては、昭和五十年度の予算にかけてこれに対処すべく七十億の国庫補助金の要求をしたわけでございます。三分の一補助でございますから、事業量二百十億、何かこの問題に対して国としての責任を明らかにするという意味で、文部省がイニシアチブをとらなければいけないというような意味もあって、七十億の予算要求をしたわけでございますが、高等学校の建設については、従来から都道府県の責任とされておりまして、これについては、結局、予算折衝の結果、起債措置をもって足りるのではないかということで、結果的に三百億の起債の枠が認められたわけでございます。前年度の六十億に対しまして二百四十億の増ということで、一般単独事業債の中に特別な枠も設けられた次第でございます。この三百億の財源をもってして、充当率七〇%で計算をいたしますと、百七十二校の高等学校建設に着手できるわけでございまして、この勢いで、あるいはこの勢いをさらに増加させて今後措置を講じていくならば、七、八府県にわたる高校急増問題について対処できるのではないだろうかと考えておるような次第でございます。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 全国的な問題でない、人口急増地区だと言いますけれども、文部省は、これから五カ年ぐらいの計画を都道府県にきちんと立てさせ、そして予算要求をしていく、そういうスケジュールというものができていないのではないかと思うのですよ。大体、地方自治体の姿を見ますと、来年ぐらいのやつを計画している。再来年、その次という五カ年というような長期計画ができてないんですね。そしてこれを入れてもらえぬだったら困るんだとわれわれのところに陳情がよくあるのです。これを抜かれたら、もしも入れてもらえぬだったら、できなかったら大変なことが起こるんだというようなことでありますから、その見込みだけでなくして、確実なデータといいますか、各都道府県のスケジュール、こういうものを早急に把握する、そして善処してもらいたいと私は思うのです。それが一点。  それから国庫負担ですね。細かいことを言っておりますと時間がありませんが、一つ一つの基準単価とかいろいろ見ますと、現実と相違しているという面が非常に多いんですね。私は、用地買収になりますと、各府県によって相当実質単価が違うと思うんですよ。ですから、五カ年ぐらいの計画を立てさせて、それに検討を加える。しかも国有地の払い下げ、これがまたなかなか大変なんですね。こういう面について、こればかり時間を取っておれませんので、大臣からひとつ総括的な答弁をいただいておきたいと思います。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 人口急増地域を中心といたしました高校増設問題について計画的に考えよというお言葉でございます。これにつきましては、各都道府県でも相当のデータを持っておりまして、これを提供をしていただいているわけでありますが、他方、こういう高校増設に関する将来推計に当たりましては、相当多様な要因の分析が必要であるというふうに理解いたしております。  一つは、人口急増カーブ、いわゆる都市集中人口動態というものについての分析が必要でありまして、これについて、従来のような形の人口動態が今後もそのままに続くものか、あるいは社会経済の変化に伴って、そこに相当従来とは違う形が出てくるかというようなことが一つの分析の角度になると思います。  第二には、上級学校進学率につきましても、従来と同じようなカーブで進んでいくのか、あるいは、安定成長という姿の経済的な構造変化の中で、どのような上級学校進学率が出てくるかということも勘案しながら、将来の計画について長期的に考えますと同時に、各年度における詳細な分析が必要であると思います。  そういう角度で私たちの方でも将来の見通し、推計というものを行っているわけでございますから、今後一層、以上申し上げました要因、そのほかの要因も勘案いたしまして、精細な計画をつくるように努力いたしたいと考えております。しかしながら、どのような計画をつくるにせよ、最初にお話しになりましたように、わが国は資源が乏しく、したがって、教育の充実ということがわが国にとりましてきわめて重要であるという原則的な観点の重要性につきましては、私たちも全く同じ考えでございますので、御趣旨の線に沿いまして、増設される高校の充実を図るように政府として努力をいたしてまいりたいと考えております。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 次には、義務教育課程におけるところの学校給食の問題です。  これも実は昨年、あるいは奥野さんが文部大臣のときだったと思うのですが、学校給食の問題で値上げしなければならぬということで、当時千五百円を二千五百円にしようとした。これは芦屋市でありますけれども、相当な負担になる、子供三人学校にやっていると大変なことになるということで反対が起こりまして、いま市で二百円持ち出して何とかおさめているということでありますけれども、この学校給食について、そのときに文部大臣にお話ししましたところが、一遍にはできない、しかし、徐々に上げていくようにいたしたい、補助する、こういうことを約束しているわけであります。これについてどういうようにやるのか、ひとつ御答弁願いたい。

諸沢正道文部省体育局長

○諸沢政府委員 現在の学校給食につきましては、その必要とする経費の負担は、学校給食法の規定によりまして、必要な施設設備費、人件費については公共団体、設置者持ち、食材料費は父兄負担、こういうたてまえになっておるわけでございまして、これは給食の教育的な意義ということを考えますと同時に、それが衣食住という、いわば人間生存の基本である食事であるという観点からしまして、これを支えるには、やはり設置者と父兄と両々相協力してこそ本当の意義があるであろう、こういうようなたてまえでございます。  そこで、設置者として施設設備費、人件費について適正な負担をいたしますことはもちろんでございますが、父兄負担の軽減という意味からも、いまの食材料費につきましても種々の配慮をいたしておるわけでございます。現在、パンの原料である小麦粉であるとか、あるいは牛乳、脱脂粉乳等につきまして、いろいろな角度から国として補助をいたしておりますが、同時に、食材料をできるだけ低廉、合理的な価格で、しかもいいものを購入するということが何よりも大切でございますので、そういう意味で、都道府県における給食センターであるとか、あるいは末端の共同調理場、学校とそのセンターを結ぶいわゆるコールドチェーンといったような物資の確保、供給の体制整備という意味での補助金も従来ともやってまいったわけでございます。  さらに昭和五十年度におきましては、そのような物資の低廉かつ合理的な確保を容易ならしめるという意味で、そのような物資を大量に購入するに必要な基金を都道府県の給食センターに無利子で貸す、この基金のもとになるお金を十二億五千万円新たに予算に計上させていただくことにしたわけでございまして、このような措置によりまして、結果的に安くよき食材料を購入することによって公益負担のより軽減を図っていく。  なお、子供さんの中には、いわゆる保護を要する家庭の子弟もおるわけでございますが、こういう方々につきましては、国と地方公共団体が経費を持ちまして、給食費の公費負担という制度をさらに充実して、そのような点においても支障がないようにしていこう、かように考えております。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 直接の学校給食の国庫補助というものが文部省から出てない。たとえば牛乳ですね。これが昭和四十五年当時は十五円三十三銭だった。それに対して畜産振興から五円八十銭の補助金が出ている。四十九年の一月になりますと二十五円二十二銭。さらにことしは、新聞の報道を見ますと牛乳の値上げ、こういうことになりますと、ますます父兄負担が多くなるんですね。これについて、もっと父兄負担を軽減できるような直接的な方法、こういうものをひとつ考えてもらいたいと思うのですよ。私、実はこの前も奥野文部大臣にお話ししまして、それじゃ来年はひとつ考えます、逐次上げていくようにしましょう、こういうような話があったわけです。畜産振興の方からももっと出してもらうとか、あるいは何らかの制度をひとつ政治的に配慮してもらいたいと思うのですが、これは大臣の方から何らかのいい方法を考えていただきたいと思います。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 学校給食費の支払い困難な家庭につきましては、直接補助をするわけでございますが、多くの一般御父兄の負担をどうするかということにつきましては、ただいま体育局長が申し上げましたように、安定供給対策のために十二億五千万円を計上いたしております。この方法というのは、私は今後十分に考えていかなければならないと思います。  といいますのは、御案内のとおり、わが国の経済の中で流通機構の立ちおくれがあるという問題がございます。そこで流通機構の協力を得るということが安定供給の地盤をつくり上げていくということになります。しかしながら、流通機構の合理化に伴って中小企業というものがどうなっていくか、またその保護というものも考えなければいけないというのが、現下の経済情勢の中で十分考慮しなければならないことでございますから、そういう二つの側面というものを踏まえまして、この今年度からの計画、さらに将来計画というふうに進めていく考えでありますが、こうしたことにつきましては、経済界の方々の御見解というものも十分伺いながら、いかにして低廉に良質な食糧というものの原材料を確保できるかという角度から御父兄の負担を減らしていかなければならない、実はそういう考えで、きょうも国会が終わりますと経済界の方々とお目にかかって、流通機構の問題、さらに、その中における中小企業に対して、非常にそれが損失にならないような形で、低廉に学校給食の食糧を確保していく、そういう方法について御見解を伺う、そういうことを重ねながら、御趣旨の線というものを確実に実現させていくように考えている次第でございます。     〔山本(幸雄)主査代理退席、湊主査代理着席〕

岡本富夫公明党

○岡本分科員 私の要求しているのは、そういった、間接的に補助する、間接的に父兄負担の軽減をしていくというのも一つでしょうけれども、この牛乳なんか、畜産振興の方にも話をしまして、そして直接的な父兄の負担軽減に努力してもらいたい、こういうことです。  それからもう一つ、これは米飯、米が余ったからというので米を直接学校に、これは食糧庁の方から出ているのですけれども、出すということで、そういった給食体制のために相当経費を使った学校があるのです。聞くところによると、四十九年からこれを廃止するということであったので、私どもやかましく言いまして、これは続けてもらいたい、そうでないと、せっかく経費を使って米飯の給食の体制を整えたのに、それがむだになってしまうではないかということを話をしましたが、やはり文部省から食糧庁に、せっかくそうした米飯給食に対するところの施設をつくっているわけですから、これは続けるようにひとつ要求をしてもらいたいと思うのですが、この二点について。

諸沢正道文部省体育局長

○諸沢政府委員 おっしゃるとおり、米を学校給食に取り入れる問題は、戦後の米不足の事情と今日状況が変わってまいりまして、米そのものの持つ伝統的なよさといいますか、事実また子供に食べさせてみれば非常に喜ぶという意味もあり、それを通して給食のよさを徹底するという意味もございますので、文部省は四十五年から米給食の実験校をつくりまして今日に至っておるわけでございます。当初の話では一応四十九年をもって実験期間を終わるわけでございますが、しかし、なお、米を給食に取り入れた場合のパン食との間における栄養の問題、その他施設、人員配置等管理面の問題等々研究すべき問題もございますので、現在の時点におきましては、農林省とお話しをいたしまして、五十年度もう一年間この実験を続けることといたしまして、その間に今後の学校給食における米給食のあり方につきまして十分検討いたしまして方向を見つけてまいりたい、かように思っております。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 大臣、学校賠償責任保険制度、これを富山県の教育委員会では実施をしたということでありますが、この最高額は一千万。確かに学校に通っている皆さんがけがをしたりいろいろなことをしますね。この賠償といいますか、補償をするところが非常にないと申しますか、また、これがあっても非常に微々たるものなんです。こういうようなものを富山県の教育委員会で新設したということですが、これを見て、私、全国的にこういう保険制度をつくった方がいいのではないか、こういうふうに考えられるのですが、この所見をひとつ政治的な配慮から大臣に承っておきます。

諸沢正道文部省体育局長

○諸沢政府委員 児童、生徒が学校の管理下におきまして事故に遭いました場合に、現在は学校安全会により災害救済制度というものが御承知のようにございますが、これは児童、生徒の父兄の少額の共済基金を集めまして、それによって救済をするわけでございますから、実際の支払い金額も、死亡とか不具廃疾の場合でも百万円を限度といたしておるわけで、これはきわめて見舞い金的な性格を持つものであります。そのかわり、それは故意、過失を問わず支払われる、こういうことになるわけでございますが、現実に地方公共団体によりましては、学校の設置者の過失によりまして生徒さんが不幸な事故に遭うというために損害賠償の責任に問われる。損害賠償ということになりますれば、現在の時点では何千万という金額になるわけでございますから、おっしゃるように、富山県のようにそういう問題を個別に考えておられるところが出てきたわけでございまして、実はこの問題は、私ども、一方でいまの共済制度を維持しながら、他方、そういった意味での実質的な損害補償を制度的にやるにはどうしたらいいかという点につきまして検討してまいりたいということで、いま検討をしておる段階でございますので、しばらくお待ちいただきたいと思います。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 最後に、実は諸外国に参りまして、特に、東南アジア、あるいはまたそういった発展途上国で、日本に留学して勉強をした留学生の皆さんが帰りには、親日ならいいのですけれども、反日感情を持って帰る。この人たちが向こうでは将来政府の要人になったりするわけです。したがって、特に大臣は、わが国の各国との文化交流については力を入れよう、こういうことを大臣になる前にいろいろと私は本を読ましていただきました。したがいまして、問題だけを提起しておきますが、共産圏及び未承認国に対する文化交流の推進、それから学術交流の推進と情報交換、それから留学生制度の改善をしなければならぬと思うのです。これは細かいことを言っている時間がありませんが、特に寮、こういうものが非常に少ない。そのために高い下宿に入る、しかも狭いところでぎゅうぎゅう詰めだ。それで、不親切だというようなことで、帰りには反日感情を持って帰るわけです。結局何にもならない。  これは文部関係ですが、今度は、外務省の方では技術協力研修員制度があるわけですけれども、これも半年ぐらいで来るわけですから、日本語を知らずに来たら全然これは役に立たない。結局何もならないということでありますから、これは外務省関係ですけれども、現地に日本語の学校をつくって、それで日本語の教育をして、それから来るというような方針に変えた方がいいのじゃないか、少なくともこういう提案をしたいと思うのですが、これについての御意見あるいは前向きの答弁をいただいて終わりたいと思うのです。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 ただいまの留学生受け入れの問題は、御指摘のように、非常にわが国にとって、また留学生諸君あるいは留学生のそれぞれの母国にとって重要な問題であると考えております。そこで、これについて、文部省としましても、国費留学生あるいは私費留学生、それぞれ別個でございますが、そのそれぞれに対してどういうふうに補助をした方がよろしいかというふうに考えまして、次第にその補助というものを経済的な側面について考えているわけでございます。  しかしながら、それだけですべての問題を解決するわけではございませんで、学校における学習課程あるいはいま研修生の話が出ましたが、そういうものについては、他の官庁が所管いたしております研修のあり方、こういう問題、さらにまた日本語学習の問題、それから日本における居住住活条件、きわめて多岐にわたった問題があるわけでございます。そういう多岐にわたった問題をどうしていくかということでだんだんに考えてきておりますが、現在、国によりまして、日本語教育というものをすでに現地で受けてきている者もありますが、これは数が少ない。そこで、わが国におきまして、東京外国語大学を中心に、どうやって日本語教育を強化していくかということもいまやっと発足して、次第に固まりつつある状況でございます。  なお、また、居住生活条件につきましては、これは政府としてもいろいろ考慮いたします必要がございますが、この種のことは、先生もまさにそうお考えになると思いますが、国民全体で留学生を受け入れるといいましょうか、そういうふうな気持ちができてまいりませんと、政府も一生懸命やらなければいけませんが、それだけでは足りない面もありますので、そういうふうなこともどうやって進めていったらよろしいかというようなことを考えながら進んでいるわけでございます。御指摘のように、留学生を迎えて反日の人がふえるということでは、これは全く志に反することになりますから、どうしてそうならないようにするか、そうして本当に相互理解を通して友好関係がつくれるかということを常に念頭に置きまして、いま申し上げましたような各般の問題、こういうものを考え、また関係官庁とも協力しながら、また大学などとも協力しながら、この問題の前進を図りたい、こういうふうに考えております。

菊地清明外務省条約局外務参事官

○菊地説明員 お答え申し上げます。  外務省関係のことでは、外務研修生の待遇改善の問題と日本語の問題についてお答えいたします。  待遇改善の方につきましては、歴年、待遇改善に努めておりまして、これは御承知のとおり、国際協力事業団というものを通じてやっておりますが、具体的には滞在費、生活費の問題ですが、逐年増額いたしておりまして、五十年度から一日当たり四千七百円、去年に比べまして一千円ほど増額になっております。もちろんこれで十分だと申すわけではございませんので、今後とも努力いたしたいと思います。  それから、研修生が参りまして、日本語がうまくいかないではないかということでございますけれども、原則といたしまして、短期の研修生に関しましては、国際協力事業団でやっておりますのは原則として英語でやっております。それから長期の人になりますと、これは日本語の知識が当然要求されますので、こういった研修生が参りますと、東京インターナショナルセンターというのが市谷にございますけれども、そこに入っていただきまして、非常に集中的に日本語をやりまして、実際の研修に、十分とは申せませんけれども、役に立つ程度の日本語を覚えていただく。  それから最後に御指摘の、来る前に日本語を教えてはどうかというお話ですが、これも国際交流基金というものがアジアの主要な国の大学に講師を派遣いたしまして日本語講座を設置いたしております。詳細は省略させていただきます。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 時間が参りましたから、終わります。今度文教委員会でまた……。

湊徹郎自由民主党

○湊主査代理 これにて岡本富夫君の質疑は終わりました。  次に、横路孝弘君。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 国の文化水準のバロメーターの一つが図書館の普及だと言われているわけです。どの程度国民が図書館を利用しているか、あるいはどの程度国民の身近なところに図書館があるか、あるいはどんなサービスを図書館が国民に対して行っているかということによるだろうと思います。日本の場合、明治五年ですから一八七二年ですが、書籍館というのが湯島に開かれてからもう百年以上の歴史になるわけですけれども、しかし現実の実態は、そんなに身近なところに一体図書館があるのか、あるいは図書館の国民に対するサービスというのはどうなのかというと、ヨーロッパ、アメリカの実態に比べて非常におくれているというのが現実なわけです。それはたとえばことしの予算を見ても去年とほぼ変わらない。あるいは文部省の社会教育の中における図書館関係がどういう体制で当たっているのかということを見ても、専任の職員というのはいなくて、皆専従で、それも二人か三人でちょこちょことやっておるというのが現状にあるわけです。  そこで初めに、一体この社会教育の中で、文部省として図書館をどういうぐあいに位置づけて、これから基本的な方向としてどうやっていくのか。一九七二年がそんな意味で百年ということで、みんなで本を読もうじゃないか、図書館を利用しようじゃないかという運動が行われたわけですけれども、その年だけの話でして、それから以後の状況というのは、どうも年々、たとえば文部省の場合ですと、公立図書館に対する助成を行っているわけですけれども、それもわずかである。最近、いろいろな声が国民の中から起きて、図書館に対する要求というものが高まってきておるわけですが、初めに、そういう基本的な方向について、大臣の見解をお伺いしたいと思います。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 基本的な考えは、いまの七二年の本を読もうじゃないかという運動が起こりまして、それは非常に重要だと思います。そこで、欧米との比較におきまして、わが国の公共的な図書館というものが充実していないではないかという御指摘でございました。欧米にも多少例外的なところもありますけれども、大局的にはまことに御指摘のとおりであると私は考えております。  そこで、こういう図書館というものを充実していきます上で、当然国にも責任がありますが、同時に、運営方法であるとか、あるいは巡回図書館の方法であるとか、いろいろ多角的に検討しながら、次第にこの図書館というものが公共的に用いられ、また用いられやすいようにしなければならないという考えが私たちの基本的考えであるということをまず申し上げておきたいと思います。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 図書館白書と称して、社団法人日本図書館協会から「みんなに本を」というのが七二年に出ておりますが、そこで、「これまでの図書館・これからの図書館」というところに、これまでの図書館というのはどうであったかということで、「入口前の行列、満員の閲覧室 学生や受験生の勉強部屋 ひまな人や本好きの人の書斎気楽にはいれない堅苦しさ うすよごれて魅力のない本 カードめくりや本を借りる手続きのめんどうくささ」、これがこれまでの図書館であった。これからの図書館は、「自由に気軽に本を借りるところです。“もしもし”と入口で呼びとめられたりせずに、読みたい本を自分で本棚から選び、家に借りて帰れるのです。体の不自由な人は車いすのままではいることができ、乳母車を押したり、ショッピング・カーを引いたままでも本棚の間を行き来できます。」「子どもが主役になるのも、これからの図書館です」というように、いままでの実態を明らかにして、これからの方向のことを簡単に紹介しているわけですけれども、は、「これまでの図書館」と、この図書館白書の中で言っている実態にあるわけですね。いま国会図書館なんかも、受験生と大学のレポート出すのでもういっぱいです。  こういう実情にあるわけで、いまりっぱにしていきたいというお話でしたけれども、たとえばことしの予算を具体的に見てみても、去年と何も変わらない補助の金額なんですが、これは文部省の方としては、実態よりもどの程度上回った要求をして、どのくらい削られたのか、もし明らかにできるものだったら明らかにしてください。

安養寺重夫文部省社会教育局長

○安養寺政府委員 多少敷衍して申し上げますが、生涯教育ということがしきりに提唱されている最近でございまして、住民の生活圏内でごく身近に学習ができるような機会、施設、条件を整えるということから、相当遠くまで出っ張っていくというような、いろいろな段階ごとに、また学習要求の種類に応じた手段を講じなきゃいけないと思います。そういうことから、社会教育の範疇は大変広うございますが、公民館の充実でございますとか、図書館、博物館、あるいは青少年の教育施設等々、いろいろ多岐にわたっておるわけでございまして、そういうものがうまく連動して軍属的に効果を上げるというような期待を込めて、日ごろわれわれ努力しておるつもりでございます。  先ほど御指摘の図書館に限って申しますと、財政当局と御相談をいたしましたとおりに査定を受けておりまして、われわれもっともっとというような気があるわけですが、まあそれは努力が至らないせいでございましょうか、いろいろ地方も忙しゅうございまして、事前にいろいろ各県と調整した結果、かたいところが二十館程度というような御相談の上で財政当局とも話し、またそのような結果を得ておるというような現況でございます。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 それは、私は大蔵よりもむしろ文部省に責任があるんだと思いますね。去年ちょっと調べたんですが、文部省の方は何を聞いてもわからないんですよ。国内の図書館がどういうサービスをやっているのか。外国の図書館の実態がどうなっているのか。  たとえば、ロンドンと東京の比較が先ほどのこの本の中にあるのですけれども、大体、東京と比較してロンドンの状況に合わすためには、東京の場合で六倍図書館をつくらなきゃだめですね。中心部に近いキャムデン区の場合ですと千メートル離れていないところに図書館が必ずあるという状況。東京は日本の大都市の中ではトップクラスなんですね。だからほかは推して知るべしということになるわけです。  それで、図書館法という法律、これは昭和二十五年にできておりますが、その十八条に「公立図書館の基準」という項目があるわけです。「文部大臣は、図書館の健全な発達を図るために、公立図書館の設置及び運営上望ましい基準を定め、これを教育委員会に提示するとともに一般公衆に対して示すものとする。」これは、まだできていないのですね。昭和二十五年に法律ができて基準を決めるということになってもう二十五年たっていて、その基準自体ができていない。それをやろうという努力は若干あったわけですけれども、この経過もこれはどこでどうなっているのか。昭和三十八年ぐらいからそういう作業が始まって、一度昭和四十二年ですか、文部省の社会教育局社会教育課長名で都道府県の教育委員会の社会教育課長あてに、「公立図書館の設置及び運営に関する基準についての社会教育審議会の報告送付について」ということで一定の報告がなされたわけですが、それは基準として告示されないで、五年間ほっておかれて、そして昭和四十六年の十月にあらためて社会教育審議会が基準を作成し直すということになって、図書館専門委員会が組織されて、その成案が昭和四十七年九月十二日に出たわけですけれども、ともかくこれが文部省の方からクレームがつけられたというか、それとまた別なやつがつくられて、結局うやむやになって今日に至っているという経過なんです。文部省の中には、たとえば障害児教育に関してもいろいろな基準をつくらなければならぬと言ってほってあるケースもありますけれども、ともかく二十五年間ほってあるということは、一たん努力はなされたのですけれども、その後うやむやになっているという状況なわけです。  そこで、この辺のところをどういうぐあいにお考えになるのか。つまりこれからどんどん要求が出てきて、公立図書館がサービスを行うという場合に、やはり公立図書館そのものでやれるというのは非常に範囲が限られているわけですから、文部省の方からのいろいろな措置が必要になってくる。その場合に、やはりその基準というものをきちんと確立しておかなければならないだろうと思うのですね。したがって、その辺のところをどうお考えになっているのか。

安養寺重夫文部省社会教育局長

○安養寺政府委員 図書館法に公立図書館の基準を文部大臣が示すという仕事がございまして、いま横路先生御指摘のような経過をたどりまして、第一次の試案が四十二年ごろにできたわけでございまして、外にも、行政の部内でございますが、御披露いたしまして議論をして、まあもう少し練り直そうということになったわけでございますが、その後四十六年に社会教育審議会が今後の社会教育全体のあり方はどうあるべきかというような基本的な議論をなさいまして、その結果、二年越しの結果が四十六年の四月に出たわけでございます。そういうような経過を踏まえまして、第二次の試案づくりにかかりまして、でき上がりましたのが、御指摘のような四十七年の秋ごろでございます。これはすべて社会教育審議会の中の社会教育施設分科会という専門の方々のお集まりをいただいた上での作業の成果でございます。  それをいろいろつくりましたが、文部省が事務当局からそのできばえについて実はお願いしたわけでございます。専門家にもいろいろ御議論がございまして、一つ一つ、図書館の職制であるとか、組織であるとか、蔵書数であるとか、その運営というもの、これも大変大切である、その基本をしっかり押さえるべきだという議論と、それから、一つ一つということよりも、むしろ図書館サービス網といいますか、そういう全体的な地域住民に対する図書サービスをどう設定するかというような基準の方がこれから必要ではないかという御議論がございまして、そういう観点から、この法律の条項はすでに公民館なり博物館にも示したわけでございますが、これはあたかも館それ自体、一館一館の基準みたいな形で示しております。そういうことから、図書館に至りましてはたと一そういう未来像の関係からいろいろ御議論が出ましたので、われわれとしてはそのあたりの調整をお願いしておるわけでございます。  ただ、せっかくできたものでございますから、実はまだ大臣にもこれからお願いをするわけでございますが、内々、各県の社会部課長会議なり公共図書館の館長会議等にも、そういう筋書きだけはお話し申し上げまして、局長まで出ておりますような試案の骨格だけを考え方としてどうだろうかというように提示してみたい、担当局長としてはそういう考え方でいま最終的に整理をしておるという形でございます。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 これは決まっていないのは実はよかったと思っているのですよ。よかったというのはなぜかというと、この案を見てみると、国民に対してどういうサービスを行うかという視点が全く欠けているのですね、これは後で指摘しますけれども。したがって、ぜひそのときにはそれを入れてもらいたいと思うのです。  実は質問の本論はこれからなのでありまして、実は北海道の小樽で、小林静江さんという方なんですが、妹さんが脊椎カリエスで長い間寝ておって亡くなられたのですね。それで病床で寝ている子供たちに図書館というのは、特に北欧あたりですと、ホスピタルライブラリー、病院に図書館がきちんとあってそういうサービスが行き届いている。日本の場合にはそういう点が非常におくれているわけですね。そこで子供たちに配本して歩いて、これは全く私財をなげうってやっているわけです。その中から周辺のボランティアの青年も出てくる。それから訪問教師の人も、在宅の障害児のところを回るときに、本を持っていって貸し出すというような運動をやってきたわけです。だんだん地方の方からもそれを利用したいという声がある。初めのうちは、本を送りまして、返信用の切手なんかもつけて個人でやってきたわけですが、それもとうとう、最近の状況では小包みも相当高いものですから、そういう地方に個人がやるというのも限界が来ているということで運動を始めているわけですね。  どういう運動かといいますと、一つは、図書館の方でそういう要求があったときに、無料で寝たきりの障害者の人に、これは子供ばかりじゃなくて大人にも、郵送するような制度というものを考えてもらえないか。あるいはもうひとつさらに進んで、図書館ばかりじゃなくて、こういう個人の運動をやっている人も、それを送る場合に、盲人の点字図書のような仕組み、制度というものをつくってもらえないか、そういう運動が行われておりまして、実は去年文教委員会にも請願が出まして、これは採択になっているわけです。  そこで、国際的な関係をちょっと見てみますと、デンマーク、スウェーデンあたりはそういう公共図書館のホスピタルライブラリーに対するサービスというのが義務づけられていて、そのサービスに要する経常費について国庫負担が、デンマークでは四五%、必要に応じてさらに三〇%ふえる。フィンランドでは九〇%までそれを国庫補助として行っている。そういう制度が図書館法に基づいて行われているわけです。  さらにユネスコの公共図書館宣言というのは、一九七二年に改定されていますが、その中では身体障害者に対する利用ということを明確にしていますね。そういう形に図書館というのはやっていかなければいけない。さらに公共図書館システムの最低基準、これは一九六五年に障害者に対するサービスというのが追加になっていますけれども、障害者に対するサービスというのを行っていかなければならないということになっているわけです。  さらにアメリカの場合は、これは法令八十九の五百二十二号というやつ、一九六六年から身体障害者に対するサービスが制度化して、身体障害者が家庭から図書館に電話で注文すると、図書、雑誌、新聞、レコードなど図書館のすべての資料を家庭に配付し、用済みの資料を回収していく。料金は無料。それから盲人並びに身体障害者は図書館に行くのが困難だから、この部門の図書館の仕事は通信と電話、あるいは郵便で行われる。その場合、借りる人は住む地域に関係なく無料で郵便料を払う必要はないということに、一九六六年からですけれども、なっているわけです。  国内の場合は、いま行っているのは栃木の県立図書館と島根の県立図書館の二カ所でありまして、島根県立図書館の方は、要求があれば本は送る、そのかわり郵便料は借りる方が負担する。栃木県立図書館の方は、年間予算わずか五万円ですけれども、無料で要求に応ずる。やはり問題になるのは予算的な問題なわけです。そのようにだんだん地域的に要求というのが高まってきているわけです。  そこで、まず第一点お伺いしたいのは、先ほどの運営に関する基準ですが、いままでの基準案というものは施設の物に中心を置いた考え方になっていますね。しかし、物だってたとえば障害者の人が車いすで利用するということになりますと、車いす用のスロープをつくるだけではなくて、たとえばカードをめくる箱を置いてある位置ですね。これは高いと手が届かないとか、具体的にやっているところでもそういう問題がたくさん出てきているわけですね。これは相当きめ細かくやらないと、実は入れるようにだけしたけれども、中ではまた利用ができないという問題が現実に起きてきているわけで、その基準を決めるときに、幸か不幸か二十五年ほったらかしにしておったわけですから、せっかく決めるならば、このユネスコの公共図書館宣言の趣旨にのっとった原則というものを公共図書館の運営の基準として、ひとつ明確にぜひ入れてもらいたい。それを抜きにして、いままでのように、どれだけ本がなければならぬとか、スペースがどれだけだとかというようなことではなくて、その辺の原則をこの中にまず入れてもらいたい、その辺はいかがでしょう。

安養寺重夫文部省社会教育局長

○安養寺政府委員 われわれもちゅうちょしているわけではございませんが、大変いいお話を伺いました。ぜひそういうことも考慮してみたいと思います。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 そのためには、身体障害者の人でこれは利用している人もたくさんおられるわけですから、そういう利用者の声を聞く。それから負担は図書館の職員にかかるのですね。そこでちゅうちょしている向きが大分あるわけです、仕事がふえますから。したがって、基準を決めるときに、ぜひそういう職員の人たちの意見も聞いて決めていただきたい。そうしないと、どうしても行政サイドだけの形では、本当に利用する人たちの声がなかなか反映されないという点がありますので、そこのところは大臣、ひとついかがでしょう。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 先ほどからお伺いしておりますと、非常に重要な幾つかの点を御指摘いただきまして、ぜひ私たちとして十分に考慮しなければいけないと考えております。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 そこで郵政省来ておられますね。去年の三月に実は小林さんと一緒に郵政大臣に会って話をしてある。当時の原田郵政大臣ですが、いろいろと考えてみよう、厚生省とも相談をしてみようというお話だったのですけれども、郵送料の無料化という問題について、これはその後厚生省の中で検討されておるのかどうか、お考えをちょっと明らかにしていただきたい。

永野明郵政省郵務局業務課長

○永野説明員 業務課長の永野でございます。  ただいまお話のございました小樽の方の陳情、昨年四月でしたかございまして、それ以降幾度も陳情をいただいておりますが、郵政省でも検討はいたしてまいりました。ただ御要望は、現在、郵便法で無料扱いにしております盲人用の点字と違いまして、一般図書を身体障害者の負担になるものにつきましては無料扱いにしていただきたい、こういうふうな御要望でございますので、私どもいろいろ検討はいたしましたが、身体障害者の方がお使いになる図書と一般の方がお使いになる図書との区別が、点字等と違いましてなかなか困難だという点がございまして、御要望に沿いかねるというふうに考えておる次第でございます。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 それは、身体障害者手帳をたとえばちゃんと図書館に事前に届けておくとかということで、いまのその問題は解決するのですよ。  そこで、厚生省の方にもこれは陳情が行っているわけなんで、厚生省の方では前向きに検討したいというようなお話だったのですが、ひとつその辺のところ、厚生省はどういうぐあいにお考えになっておられますか。

井手精一郎厚生省社会局更生課長

○井手説明員 実は私ども、先生から御指摘がございましたように、盲人の点字図書館をやっておりまして、こちらの方はいろいろ配慮をいたしましてやっていたわけでございますが、いま御指摘になりましたケースにつきましては、頭が余りいっていなかったということが正直な話だと思います。確かに外出困難な重度障害者の方々に対して図書の配付ということは必要なことだと思いますので、文部省の方とも十分御相談申し上げまして、何か適当ないい方法がございましたら推進してまいりたい、かように考えております。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 そこで、私の方で要求があるのは、その基準は先ほどのような形でつくっていただく、これはお約束をいただいた。  もう一つは、当面の措置として、現実に図書館がそういう無料サービスをやっている。これはいろいろ検討されて、非常に苦労されてやっておるわけです。これについて、当面文部省の方で何らかの助成措置というものを考えられないか。究極のねらいは、さっき厚生省の方で文部省といろいろ相談するということなのですけれども、当面の措置としてそういうような仕組みを一これは全部が全部やっているわけではありませんけれども、いままでいわば声も上げられないでおったそういう寝たきりの人たちが、だんだん声を上げて、去年ようやくたとえば在宅投票制度というような郵便による投票権も復活いたしましたし、ぜひそんな意味で、いま栃木や島根でやっているような、そういうところにはめんどうを見ていくということを文部省として考えていただけないかということなのです。いかがでしょう。

安養寺重夫文部省社会教育局長

○安養寺政府委員 ちょっと迂遠な話で恐縮ですが、現在、図書館ができまして、そして広く図書を届けるというような観点もございまして、巡回文庫、自動車で搬送して人々の身辺に図書を届けるというようなこともやって補助金を出しておりますし、公民館がたくさんできるわけでございますが、公民館にも図書室を設けることということで、大体ちょっとした規模の図書館めいたものをみんな一応持っております。これは程度の問題とかいろいろな問題があるかもしれませんが、そういうものを持っております。われわれとしましても、図書館に来なければ本が読めないとか、貸し出しを受けれないというようなことでなくしようという努力はいたしております。しかし、そういう努力を本筋をかけてやることに実は現段階では手がいっぱいでございまして、いませっかく努力をされておる両県の具体の例を引用されまして、そういうことについて国の役割りをもう少し考えろというような御指摘でございましたが、これは早速やりましょうというようなお返事は実はいたしかねますが、そういうような実態もあることでございますから、今後、どういう形でございますか、御趣旨に沿えるような道がないか。  たとえば、これは思いつきでございまして恐縮なのでございますが、現在、婦人教育活動などでボランティア活動をやろうではないかというようなことを、私の局には婦人教育課というのがございまして、そういうところでも一般的な議論としてやっておりますが、そういうことも考えられないかどうかということを思いながら伺っておったのですが、そういうようなことも含めまして、将来かけて勉強さしていただきたいと思います。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 いろいろなハンディキャップを持った人たちに対する政策というのは、社会に復帰させるというのがいままでの政策だったのですよ。いまはそうじゃなくて、社会の方がそういう人たちに適応していくというように福祉行政全体が変わりつつあるときなのですね。したがって、その巡回の自動車そのほかというのも、それは確かに僻地の中でありますけれども、いますぐ身近に図書館があることには全然なっていないのでありまして、まだまだ寝たきりの人というのは都会の中にもたくさんおって、そういう人に対するサービスは行われていない現状ですね。ヨーロッパなんかの場合は、ボランティア活動というのが非常に活発で盛んですが、日本の場合非常におくれているという点もありますし、それはその国の風土とか歴史とか、いままでのいろいろな長いものがあるわけですから、そう簡単にすぐボランティアがたくさん生まれるということにもならないわけですから。  そうすると、まず公立図書館がそういう原則を一つつくってもらうということを、やはりお考えいただきたい。これもまずその基準をつくること。先ほど言ったような原則を基準の中で明確にしてもらう。そして当面そういう図書館に対することをやれば、これは苦労しながらわずか五万円なんということでも利用者がたくさんあるようです。しかし、栃木県でも五万が限度で、それを使っちゃったら後どうしようかという悩みがあるわけですね。したがって、そんな大きな金額じゃありませんし、大体、文部省の社会教育関係の図書館の一年間の予算だって、本当に数字を挙げるのも恥ずかしいくらいの金額なんで、ぜひその辺のところを、ひとつそういう人たちの立場に立って考える。これからは学校教育だって、学校に来れる子供を相手にしていたときから、来れない人たちにこちらから出かけて行こうというわけですね。つまり、社会の方がそういう人たちに適応していこうというように、いろんな面で進んできておるわけですから、図書館においてもぜひそういうことをお考えいただきたいと思うのですが、大臣どうですか。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 きょうのお話は、私にとって非常に勉強になりました。そこで原則というのは、心身障害でおられる方々に対して社会が本当に協力していくということだと思います。ただそのやり方をどうしていくか。これはもちろん基準というものも大事ですが、他方、社会局長が申し上げましたように、公民館というものの活動をどうしていくか。それからまた今度は、社会教育主事にも派遣主事というような形を考える。あるいは生涯教育、これは青年、少年のところに多いのですけれども、そういう指導者も養成していくというのでありまして、やはり全体に相互の構造的な協力関係というものを考えまして、もちろん、だから公共図書館はこのままでいいというのではなくて、現在ある制度を御趣旨の線で、私も全くそうだと思いますので、どういうふうにうまく活用していくか。これはさらに時間をかしていただきまして、勉強いたしたいと思います。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 郵政省のほうは、これは郵政大臣の去年の四月のときの答弁と全く違うので、いま郵便料金の値上げの法案がかかっていますから、そっちの方で少しやりたいと思いますが、そのときは厚生省の方や文部省の方と相談してやるという大臣のお答えだったのですよ。何も相談なんかしてないでしょう、あなた方厚生省にも文部省にも。だから、そんな内部で検討してもいないのにそういう発言をなさるというのは、私はまことにけしからぬと思うのですよ。そこでこれは、厚生省の方がいろいろと相談していきたいということなんで、何でもかんでもこういう問題になると厚生省に持ち込んで、まことに申しわけないと思うのでありますけれども、文部省の方に行けば、それも厚生省だと言う。去年のときはそういうお答えだったので、こういう要求が出てきたのは最近のことでもありますが、悪いけれどもひとつ厚生省が中心になって、文部省や郵政当局の方とも話をして、せひ何とか実現の方向で御検討いただきたい。先ほどの御答弁では、文部省の方でも、厚生省の方と相談して調査をやると言っているわけですから、相談に乗ってくださいね。  文部大臣、それをちょっと最後に約束していただいて、あと厚生省の方でそういう取り扱いにしてもらいたいと思うのですが、厚生省の方と文部省の方から最後にお答えいただいて、終わりにしたいと思います。

井手精一郎厚生省社会局更生課長

○井手説明員 御趣旨十分わかりますので、十分御相談を申し上げて進めていきたいと思っております。

安養寺重夫文部省社会教育局長

○安養寺政府委員 せっかくの御教示でございますから、相談はさせていただきます。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 これでやめますけれども、ともかく国会で答弁して、来年また質問したときに何もやっていませんでしたということにならぬように、時間のかかる問題だと思いますけれども、検討していただきたいと思います。  どうもありがとうございました。

湊徹郎自由民主党

○湊主査代理 これにて横路孝弘君の質疑は終わりました。  次に、玉置一徳君。

玉置一徳民社党

○玉置分科員 まず、重要無形文化財の補助金につきまして御質問申し上げたいと思います。  三十七年、三十八年、時の灘尾文部大臣に対しまして私がこの助成方をお願い申し上げたのは、重要無形文化財という指定を受けながら、非常に栄誉ではあるけれども、それがために普通の経済ベースに乗るような仕事かできずに伝承責任を負い、多くの方々が見学に来られる、指定を受けながらその重荷に耐えかねて自殺した方が、どこでしたか、玉置何とかという、私と同じ名字のおばあさんでしたが、ありました。それを新聞で見まして、指定のしつばなしで責任だけ負わせるのは気の毒じゃないか、無理じゃないかということで、この分科会等におきましてお願いを申し上げて、三十九年度からこれが助成がついたんだ、こう思います。  そこでお伺いを申し上げたいのは、徐々にその金額を増加されつつはありますけれども、一体これは何を根拠に、どういうことを一つのめどにしてこの助成をしておいでになるのか、まずその一点をお伺いしたいと思います。

内山正文化庁次長

○内山政府委員 重要無形文化財保持者に対します保存特別助成金は、伝承者の養成、あるいは本人のわざの練摩、そのための経費の一部を助成するというものでございます。

玉置一徳民社党

○玉置分科員 したがって、重要無形文化財の保存特別助成金が、三十九年度の三十五万円から徐徐に上げられまして、四十九年度は八十五万円、五十年度は一人当たり大体百万円、こういうようになっております。私は前から問題にしておったのは、文化功労者年金というものは性格が違いますから、これと比較することは無理ではございますけれども、そのままでは滅亡していくような技術等を後世に伝えるための助成でございますので、文化功労者年金というのは栄誉のものでございまして、その方々は、いずれもお金に困っているような方々ではないわけであります。栄誉だからこれを比較することは無理な問題ではありますけれども、所得税の非課税が標準家族で百五十万円から今度は百八十三万円、ここから以下は生活の最低だというので今年度百八十三万円になっておるわけであります。そういう点から考えても、生活のことにあまり顧慮なく、技術保存と、そして後継者の育成等に力を発揮していただくためには、もう少しやはり上げないと、そういうので私は、何を基準に置いておやりになっておりますかということを申し上げたのですが、もう一度ひとつ次長さんからお答えをいただきたいのです。

内山正文化庁次長

○内山政府委員 ただいま御指摘のございましたように、保存特別助成金は、いわゆる芸術院会員等の年金とは性格を異にするものでございまして、一定の仕事をやっていただく、そのための経費の一部を助成するという性質のものでございまして、それにいたしましても、伝承者の養成や、あるいはわざの練摩のために、その保持者の保持しておられますわざの性質や種類によりまして、金額はそれぞれ差はあるかと思うのでございますけれども、その辺の差に従った配分というものは非常にむずかしいので、一定の額を支給いたしまして、それに応じた仕事をやっていただくということにいたしているわけでございます。

玉置一徳民社党

○玉置分科員 いわゆる人間国宝と言われるような栄誉ある呼び名をしているわけでありますから、いまのお話のように、なかなか役所としては一律方式でないとやりにくいんだと思います。実際に当てはめたやり方ということは困難だということも私たちも承知はできますけれども、そうなればやはり最低の方を一つの目標にしてやらざるを得ないということでは、せっかく御努力いただいておりますけれども、百万円というのは低きに過ぎるのではないだろうか、こう思います。なかなか予算のとりにくい問題かもわかりませんが、思い切って御努力をさらに御注文申し上げておきたい、こう思うのですが、大臣からひとつお答えをいただきたいと思います。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 これは御指摘のように、将来ともに努力すべきことであると考えております。

玉置一徳民社党

○玉置分科員 次に、重要文化財の散逸防止についてお伺いをいたしたいと思います。  御案内のとおり、国宝、重要文化財、この中で絵画が千百四十七、彫刻が三百七十六、工芸品が千九百二十、書跡が二千六百四十七、考古が六百二十七、合計で六千七百十七もあるわけであります。     〔湊主査代理退席、山本(幸雄)主査代理着席〕 その他に建造物がございますが、これは一応別口にいたしまして、六千七百十七という数多くの国宝並びに重要文化財、これの指定をしておるものの管理は、完全に売買移転等の場合に届け出が励行されておるかどうか、実情をまずお伺いしたいと思います。

内山正文化庁次長

○内山政府委員 重要文化財に指定されております物件の所有者変更につきましては、届け出をすることになっておりますが、これは励行されていると思います。

玉置一徳民社党

○玉置分科員 間々お寺の坊さんが仏像を売却したとかいうような問題が新聞紙上をにぎわしたりしますが、ああいうものはどのくらいの件数に上っておるのでしょうか。

内山正文化庁次長

○内山政府委員 売買件数全体は、新聞紙上で問題になるような売買件数をちょっといまここで承知しておりませんが、問題にならないいわゆる所有者の移転はできるわけでございますので、その売買は相当数あると考えられます。たとえば刀剣等の所有者が他の所有者に売買するというようなことは、正規の届け出をいたしまして実施されておると思います。

玉置一徳民社党

○玉置分科員 正規に届け出さえすればいいのであって、許可を求める必要はない、したがってそれが外国等に行く恐れのある人に届け出をされたと見たときには、どういう措置をお講じになっておりますか。

内山正文化庁次長

○内山政府委員 重要文化財に指定されているものを他人に譲渡しようとします場合には、法律によりまして、まず国にその売り渡し申し出をすることになっております。国で保有することが必要であるというものにつきましては国で買い上げる。それで、その必要がないと認められる場合には、その譲渡を認めるという形になっておりまして、もしこれが外国の人に渡るような気配が考えられます場合には、これは国で買い上げるという措置を講じるというようなことをいたしております。

玉置一徳民社党

○玉置分科員 そうしますと、国に買い入れが適当だと思うものは国で買い入れる。国立の博物館等々に陳列をし、保存、保管をする、こういう場合が多いと思うのですが、予算に限度がございましょうし、もしくはそういうところに保存、保管、陳列をする必要のないクラスの物だと思うときは、保存、保管その他が確実に行われるという信頼に足る人に移ることをあっせんもしてしかるべきではないかと私は思う。  ここに去年が十億円、ことしが十二億円の買い入れの予算がございますが、これはどの品物とどの品物、こういう物をことしは買いますからこれだけ下さいという予算でありますか。大づかみの予算でありますか。どちらでありますか。

内山正文化庁次長

○内山政府委員 十二億の買い上げ費がございますが、これにつきましては、あらかじめ売り渡しの申し出があった物、あるいは他に売買されようという気配のある物で、国で保有する必要がある物等を予定をいたした経費でございます。ただ、実際に購入いたします場合に、その評価等によりまして差額も生じます。緊急に買い上げを必要とするものについても若干は配慮ができるように仕組んでおります。

玉置一徳民社党

○玉置分科員 私もそういうふうに思うのです。  そこで、必ずしも国が全部買い上げる必要はございませんけれども、幾らほどそういう物の申し入れがあるというようなことはわからないわけでありますから、財団法人等の基金を文化庁の方からもある程度出し、民間からも御出資をいただくことによりましてそういう基金をつくった方が、あらかじめそこで買って、次に十分に保管をしてもらうのに足ると思われるような方にお渡しする方法もあるんだし、それから申し出が多い場合は銀行から金を借りるということもできるわけです。そのうち本当に国がこれだけは保管したいと思う物を、国で予算措置をして買い入れていくという方法もあるんじゃないか。これは散逸するから、危ないから国が全部買い取らなければいかぬという形にしておったのでは、ちょっと私は行政として窮屈ではないだろうかというような感じもして、昔、提案をいたしました。いま非常に不景気などん底でありますから、余り時宜を得たあれではないかもわかりませんけれども、やはり予算というものは大体決まったものをあれするのには適当ではないだろうか。そうすると、そういう財団法人等でお持ちになっているうちで、しかし一番買いたいと思う物を国が買っていくという方法も、予算措置としてはおもしろいんじゃないだろうか。あるいは大原財団、何々財団というような、たくさん奇特な方がございます。そういう方にお持ちいただくのも、つまり売るわけですけれども、これもいいんじゃないだろうか。そういうことを整備することによって、国に必ず一応買い入れの申し出を励行さすということができるんじゃないだろうかという感じがするわけでありますが、将来ひとつ御一考いただきたい。大臣、所感をひとつ。

安達健二文化庁長官

○安達政府委員 ただいま次長から御説明いたしましたが、有償で譲渡する場合におきましては、国におきますところの先買い権という制度が設けられておりまして、現在のところは、大体においてよく運用されているんじゃないかと思うわけでございます。したがって、国で買わない場合、相手先等がこの重要文化財を十分管理していただける方であるかどうかということにつきましても、一応の見当をつけまして、自信のある方でございますれば、譲渡を認めるというような運用もございます。  それから、国の買い上げの方は十二億でございますが、博物館等に三億程度のものもございますので、こちらの博物館等で買い上げをしてもらうというような方法もございます。さらに最近では、いま御指摘ございましたような、民間の財団法人等による博物館等もございまするし、あるいは公立の博物館等もございますので、そういうところとも連絡をして、国家的あるいは公共的なところで保存をするというような方法も十分運用上やっておるところでございまして、御指摘のような案も、将来の問題としては大変興味ある方法かとは思いますが、現在のところはそういう形で行われているわけでございます。  ただ、重要文化財の場合に、譲渡じゃなくて担保に入れるというような場合でございますと、担保に入れたのは届け出を要しないわけでございますので、それが事実上物は移っているけれども有償ではないという、そこの点の問題点はございます。

玉置一徳民社党

○玉置分科員 くしくもおっしゃいましたけれども、私は必ずしも届け出制だけで新聞ざたになるようなことはあり得ないと思う。したがって、担保等の場合にでも、そういう意味ではいまお話がありましたけれども、各公共団体等々の買い入れもあるでしょうけれども、それはみんな予算に縛られておるのが実情であります。したがって、どこかに一回プールする機関があった方が実情としては非常にやりやすいんじゃないだろうか。文部省も予算なれば、地方公共団体も予算なれば、そこにある図書館等もみんな今年度予算、今年度予算という形で物がいっておるものでありますから、一回、文化庁が関係し得るような、そういう財団法人のところにプールをすることによって、本当に欲しい物をということ、それから担保とかいろいろややこしい問題が起こらないようにするのでも、担保でもそこで担保してもらう方法もあり得るわけでありますから、先ほど申し上げたような次第であります。十分の御配慮をひとついただきたいと思います。  次に、簡単で結構でありますが、埋蔵文化というのは一体どのくらいあって、そのうちどれだけはどうしようと思っておるのか。ここらが埋蔵文化地帯だなんという指定を受けたところに若干の混乱がございましたために、一言この際聞いておきたい、こう思います。

内山正文化庁次長

○内山政府委員 埋蔵文化財包蔵地と考えられるものは、従前の調査によりますと十四万カ所というのが確かになっておりまして、これを遺跡地図に記載をいたしまして各方面に配付をいたしておりますが、その後その遺跡地図に載っていない地区で新たに埋蔵文化財包蔵地と考えられるものがどんどん発見されております。したがいまして、数年前から再調査を実施いたしておりまして、昨年度までにこの調査を終わり、現在この整理をいたしておりますが、その見込みによりますと、まだ正確な数字が出ておりませんけれども、三十万カ所に近い包蔵地があるのではないかと考えられます。その中には、いろいろの種類、あるいはいろいろの程度の埋蔵文化財がございますが、従来の調査の十四万カ所につきましては、そのうち、当面六百六十カ所ぐらいは相当重要な遺跡であるという判断をいたしまして、これについての調査を実施する等のことをいたしております。

玉置一徳民社党

○玉置分科員 私が言うておりますのは、埋蔵文化というものは大事にしなければいかぬ、その埋蔵文化の指定が三十万カ所ぐらいになってしまうというようなことになりますと、重要度をどこかで数年かかってある程度決めてやっていただかないと、どのように使ったらいいのか、どのような物をというようなことがあって、市町村あるいは個人でも、そこの土地を買って家を建てていいのかどうかみんな迷うのです。そこをお願いしたわけであります。  そこで、今度は私立幼稚園と各種学校につきまして一言お伺いしておきたいのですが、御承知のとおり、四十八年五月一日で、幼稚園が一万二千百八十五あって、うち私立が七千三百七十三、学校法人が二千六百九、私立が約三倍あるわけであります。しかも、人口綱密地帯の大都市に主としてこの現象があると思います。つまり、人口の急激に過密する市町村におきましては、これが相当な費用がかかるものでありますから、とてもこれにたえられないのが現状でありまして、場所によっては幼稚園も、市の方で金を二千万円貸すから、いつ返してもらってもいいから、ひとつ必要な場所を指定してそこへ建ててくれということすら行われておるのが現状であります。土地代が非常に高くなりましたから、とても市町村でそれを賄い切れない、こういうことだと思います。  そこで、いま申すような数字が如実にその必要性を物語っておるわけでありますが、こういうのがなぜできておるのかというと、自分のたんぼがあるんだ、敷地が自分にあるんだというようなところがおやりになるのが間々あるんだろうと思います。したがって、その内容、設備、そしてそこにお勤めいただいておる保母さん等の人件費、こういうものがどうしてもしわ寄せされまして、必ずしも十分ということにできないと思います。  昨年でしたか、提案になりまして、施設に若干の補助並びに振興会のお金を借りるという道が開きかけたのでありますが、途中で審議未了の形になりました。これにつきましてと、もう一つは各種学校でございますが、かねてから問題になっており、皆さんの非常に大きな陳情、請願等が繰り広げられてきたやつでありますが、学校教育法の一部改正の中でうたわれておったのが、同じような運命に遭ってあえなく日の目を見ないで終わった。これについて、文部省としてはもう一度これを国会に提案する用意があるかどうかお答えをいただきたいと思います。

安嶋彌文部省初等中等教育局長

○安嶋政府委員 幼稚園の整備の問題でございますが、御承知のとおり、文部省は四、五歳児の希望者全員を入園させるということで、年次計画をもちましてその整備を促進をいたしておるわけでございますが、具体的な補助金の問題といたしましては、御承知のとおり、施設の整備のために公立幼稚園、私立幼稚園を合わせまして六十四億円の予算を計上しておるわけでございます。  特に、御指摘がございました人口急増地域におきます公私立幼稚園の整備につきましては、昨年度から、一般地域の補助率が三分の一であるのに対しまして、二分の一という補助率を設けまして対応をいたしておるということでございます。また、設備でございますが、園具につきましては、五十年度予算におきましては二億九千八百万円を計上いたしまして、幼稚園の新設の勧奨をいたしておるということでございます。  ほかに、土地についてのお話があったわけでございますが、公立の幼稚園につきましては起債対象として扱われているということでございますし、私立幼稚園につきましては私学振興財団の貸付対象ということにもなっておるのでございます。  それから、なお個人立、宗教法人立の幼稚園の補助の問題にもお触れになったわけでございますが、御承知のとおり、これは年来国会におきまして議員立法という形で御検討が進められておるのでございますが、私どもといたしましても、そうした形での問題の解決を期待を申し上げているわけでございまして、その法律が通過、成立いたしました段階におきまして、そうした幼稚園に対する助成の問題にも取り組んでまいりたいというふうに考えております。

玉置一徳民社党

○玉置分科員 時間もなくなってまいりましたので、最後に一問大臣にお伺いして質問を終わりたいと思うのですが、一つは、保育園も含みます数字になると思いますが、小学校に入る前年度ぐらいになりますと、幼稚園、含む保育園となるかもわかりませんけれども、合わせて、大都市周辺でございますと、もう九割五分ぐらいが実際問題として通園をしておると思います。そうなりますと、一説には学校教育の年齢を一歳繰り下げようじゃないかという説もありますけれども、そういうことになりますと、なかなか学者その他いろいろな御意見がございましてむずかしい問題でありますが、九五%近い数字まで、保育園を含めますと幼稚園に通っておる現状で、私はそれに準じた教育の見直しというのですか、余り画一なことはよくないのでしょうけれども、相互にその内容の充実と、ある程度の国の助成体制というものが、これは単独の私立の幼稚園を含めまして要るのではないか、そういう時期に来ておるのではないだろうかという感じがいたします。  それから各種学校にいたしましても、私大あるいは高等学校以下の私立の学校に対して、十分なこととは決して決して言えませんけれども、今度も伸び率を最大に伸ばしていただいたことは労を多とするわけであります。昔は、年金も健康保険もなかった時代に、私たちの同じ年齢で言えば、三%か五%ぐらいがそういう教育を受けた。それがいまはもう五、六〇%になっております。その時分は年金も健保もなかった。というようなところで、皆さんの御要求を満足するのに努力を払っていただいているけれども、なかなか道遠しでございまして、相当追いついたつもりでも、向こうがもっと向こうへ行ってしまうというような形になりはしないかということで、この御要望は、もうこれは永久に満足さすことができ得ないのではないだろうかとすら心配をいたします。こういう意味で、将来の教育のあり方というものをもう一度見直すべき時期に来ておるような感じがしてならないのです。  皆さん東大を出ておいでになる方ばかりですが、大学を出たら一生ぼうっとしていても給料はすっすっと上がっていく号俸給でやられたのでは、一般の方々は本当にしんどいのではないかという感じもしますし、もう何もかも一切見直していい時期ではないだろうか。会社へ勤めて、会社で勉強して実務に熟達したら、それは昇給すればいいわけです。  そういうような角度を含めまして、一つは私大のあり方、一つは各種学校に対する力の入れ方、あるいはそういう会社等々でおやりになっておる教育にどのようなあれをするべきか。日本人は一つの資格で左右される習慣、習性、後進性をまだ持っておりますから、そこらを含めて、なかなかこれは問題がむずかしゅうございますが、そして私大、私学には徹底した補助を国立並みにするのが理屈として当然であります。だから、なかなかむずかしい問題が包蔵されておりますが、将来、私大、私学について、あるいはいま申しました各種学校等々についての力の入れ方につきまして、大臣からひとつ御意見を承って、私の質問を終わりたいと思います。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 ただいま先生御指摘になりましたのは、非常に包括的でありますが、同時にきわめて根本的な問題であります。時間の関係もありまして、委曲を尽くして私の考えを申し上げることができないのは残念でございますが、幼稚園から始まりまして、義務教育、さらに高校の教育、各種学校、あるいは大学におきましての私学、さらにまた社会に出て社内教育、生涯教育と非常に教育がいま多岐にわたっておりまして、発展をしていると言えば発展をしておりますが、他方ではある種の混乱も見られるわけでございますから、そういう全体の教育のあり方というものは本当に常に根本的に検討する、そしてそういう中でどういうふうに施策を行うべきかというふうに考えて、仕事を進めていきたいというふうに考えております。

玉置一徳民社党

○玉置分科員 終わります。

山本幸雄自由民主党

○山本(幸雄)主査代理 これにて玉置一徳君の質疑は終わりました。  次に、井上泉君。

井上泉日本社会党

○井上(泉)分科員 大臣は、三木内閣のヒットの人事として世間でも高く評価をされておるわけでありますし、私ども、政党の立場を越えまして、大臣の就任以来の各種の発言、これは非常にりっぱだと思っておるわけであります。その発言のとおりに行政を進めていただかなくてはならないわけですが、そこで、まず第一点としてお伺いをしたいのは、教育の中立ということをよく言われ、そうして教育が政治に支配をされないようにということをよく言われるわけでありますが、あなたも政党内閣の、三木内閣の文部大臣でありますが、教育行政を預っておる限り、そしてまた、あなたの教育に対する政治信念、そういうものから考えて、特定政党の応援演説をするとかいうようなことはしないんですか、するんですか。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 私は、特定政党の選挙の演説というものをいたしません。

井上泉日本社会党

○井上(泉)分科員 選挙は、また特定の政党の選挙演説に類似するようなことはもちろんいたさないと、その言から想像すれば想像されるのですが、そう確認しておっていいでしょうか。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 はい。

井上泉日本社会党

○井上(泉)分科員 まことにりっぱであります。それによってこそ、これからの日本の教育というものを私は立て直していかなくてはならないと思います。  そこで、大臣にお伺いする前に、先般、朝日新聞の社説でも、塾と学校と文部省、まさに子供の教育というものが三本立てになっておる、こういうことでその問題点を指摘をされておりますし、私自身も、そのことについては、そういう塾の非常な急増ぶり、そしてまた無軌道とも思われるような塾のあり方、それについて批判を持っておる者でありますので、文部省にまずお伺いをしたいのですが、塾の数というもの、これは週刊朝日によりますと、これは恐らく週刊朝日の記事が間違いだと思うわけですけれども、昭和三十八年と書いておるのは昭和四十八年だと思うわけですが、間違いだったら訂正をしていただきたいです。昭和四十八年に、文部省調査では全国の塾は五十九万。週刊朝日には昭和三十八年と書いてあるのですけれども、週刊朝日が三十八年の調査を報告するわけはないと私は思いますが、いま塾はどういう状態になっておるのか、まずそれを簡明にお答え願いたいと思います。進学学習塾に限って……。

安嶋彌文部省初等中等教育局長

○安嶋政府委員 ただいま週刊朝日の数字をお挙げになりましたが、私ども、塾が幾つあるかという数字の実態をつかんでおりません。

井上泉日本社会党

○井上(泉)分科員 そうすると、塾が幾つあるかつかんでないというと非常になんですが、それなら、これは週刊朝日の記事でもわかる塾というものをつかもうとされないのか。だからつかんでないのか。そのことをひとつ。

安嶋彌文部省初等中等教育局長

○安嶋政府委員 塾というものが何かということもございますが、いわゆる塾というものは大部分は行政の対象外でございまして、御承知のとおり、各種学校という形態になりますならば、これは都道府県知事の認可ということで、それに必要な統計も出てくるわけでございますが、塾というのは、認可とか許可とかといった行政のらち外にあるものでございますから、したがいまして、それが幾つあるかといったことはつかめていない状況でございます。ただ、間接的な資料はございまして、たとえば父兄支出教育費の調査、これは文部省が実施したものでございますとか、あるいは全国教育研究所連盟が行いました家庭教育調査というような資料から推測をいたしますと、小中学生のかなりな数が塾に通っておるという実態はある程度把握できております。

井上泉日本社会党

○井上(泉)分科員 そういう調査によって、かなりの者が通っておるということでありますけれども、塾が対象外。それはもちろん対象外でありましょうけれども、しかし、塾の対象になるのは児童ですから、そして教育の場に接続をしておるわけでしょう。つながっておるでしょう。だから、これは文部省としても、今日これほど塾の問題が提起をされておるのに、行政の対象外というような形でそれを逃げるということは、やはり文部行政としては怠慢じゃないかと私は思うのですが、その点大臣の見解を承りたいと思います。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 ただいま初中局長が行政の対象外と言いましたのは、逃げるということでなくて、塾というのは、これはだれでも知っておるのですけれども、大小さまざま、そして本当にいろいろな形のものがありますから、なかなか数を把握しにくいという意味合いだと私は考えております。しかし、塾のことを考えなくてよろしいということではございません。

井上泉日本社会党

○井上(泉)分科員 塾のことを考えなくてよろしいということでないことは普通通り一遍の言葉ですが、考えなくてはならないという感じにはならないですか。それは言葉の違いが行政の中にあらわれた場合には大変違うのですが、考えなくてはならない問題として文部省はこの塾を考えるのか、どっちですか。

安嶋彌文部省初等中等教育局長

○安嶋政府委員 これは考えなければならない問題だと思います。私は、先ほど行政の対象外と申しましたのは、ちょっと言葉が足らなかったと思いますが、やはりそういう問題は、学校教育の関連の問題としてまじめに考えていくべき問題だと思いますが、ただ、計数的にこれを把握するということになりますと、そういう調査をいたしまする制度上の根拠等もないものでございますから、きわめて困難であろう。つまり学校の側からの、子供たちがどれくらい塾に行っているであろうかという調査を通して、間接的にその実態をうかがい知るというのが私どものできることでございます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)分科員 逃げるという言葉があるいは適当でなかったかと思います、あなたも一生懸命やっておられるわけですから。ところがそういう塾を調査するよるべきものがないというなら、そのよるべきものをつくって、これだけ塾がいわば狂乱状態と言っていいか、競争ですか、そういうふうなことですから、よるべきものをつくって塾の実態というものを調査をするのが、これは文部省としての仕事の重要な部面ではないかと思うのですが、それについての御見解をいただきたいと思います。

安嶋彌文部省初等中等教育局長

○安嶋政府委員 先ほど申し上げましたが、各種学校のように学校的な形態になりますと、これは認可という形で行政対象になってくるわけでございますが、塾というのは、御承知のとおり、いわば家庭教育の延長、家庭教育の外部委託というような感じでございまして、きわめて私的な、個人的な活動であろうと思います。でございますから、その活動の実態は、家庭の婦人がお茶やお花を習われたり、あるいは子供の場合でございましても、ピアノや絵やそろばんなどを学ぶということとその本質は異ならないわけでございます。最近問題になっておりますのはいわゆる学習塾なわけでございますが、それの本質も、私がいま申し上げたような、きわめて私的な領域におけるきわめて私的な行為、活動であるということでございます。したがいまして、国が何らかの制度のようなものを設けましてそれに対応するということは、やはり相当慎重に考えなければならない問題だと思います。つまり、きわめて個人的な領域における問題でございますので、そうした動きに行政が関与していくということはかなり問題があろうかと思います。したがいまして、先ほど来申し上げておりますように、学校、あるいは子供、児童生徒という側から、どれくらいの者が塾に行っておるか、そういういわばアプローチをしておるということが現状でございます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)分科員 あなたは塾の実態を、きわめて家庭的な、家庭教育の一つの補完的な役割りというような意味のことを力説をされるわけでありますけれども、それは文部省のあの役所の中におれば、そういうことは掌握はできぬと思うんですけれども、現実に塾といいましても、家庭教師をつけて一人二人教えるとか、家庭で教えるとか、そんななまやさしいものではないのですよ。それは堂々たる、校舎と称するのか、塾舎というのか、そういうものを建ててやっておる。そうして小中学校の生徒の六割ないし七割は進学塾に通っておる、こういうのが本当の姿ですよ。それはあなたは余りにも認識が不十分じゃないかと思うんですが、そういう認識はされてないんですか。なければないで結構です、私が教えますから。

安嶋彌文部省初等中等教育局長

○安嶋政府委員 塾と申しますものの正確な定義もないわけでございますが、最近かなり大規模に進学教室といったような授業が行われております。これも調べてみますと、いわば講習会形態ということで、特に各種学校としての認可をとっておるものはないようでございます。もっともこれは、大学の受験予備校という形態になりますと、これは各種学校としての認可を受けております。

井上泉日本社会党

○井上(泉)分科員 いや、そうでないですよ。中学校から簡単に言ってください。私は大学のことは言わぬですから、小中学校のことだけでいいですから。

安嶋彌文部省初等中等教育局長

○安嶋政府委員 中小学生を対象にいたしまする顕著な進学教室もあるわけでございますが、これは、ただいま申し上げたように、講習会形式ということで認可対象にはなっておりませんが、しかし、御指摘でもございますので、そういう非常に目立ったものにつきましては、私ども、実態についてできる限り調査をしてみたいと思います。

井上泉日本社会党

○井上(泉)分科員 非常におくれた話ですが、調査をしていきたいということですが、これはたとえば、私は高知県のことを言って恐縮ですけれども、高知県のある進学塾で土州塾という塾があって、そこの先生が中学生にいたずらをして、そこで警察に引っ張られた、こういう事件がある。そこは二十人、三十人の塾生を入れてやっておる。それからまた、それに対して、受験直前のあれだからひとつその先生を警察から釈放してくれというような、まさに塾狂乱時代というものが出ておるわけですよ。そういうふうな状態。それからまた、絵を習うとか、字を習うとか、あるいはピアノを習うとか、そろばんを習うとかいう、そういう特殊なものは別ですよ。少なくとも小学生から中学生が塾に通って、そうして進学競争の中に投げ込むということは、これはどこに責任があるのか、こういうふうに問わざるを得ないわけですが、その責任をいまここで論議をしても始まらぬわけです。私なんか子供のときには、もちろんそういうものもないし、また中学校、高等学校へ行くというような家庭環境でもなかったのですけれども、勉強は学校でするものだ、家で本をあけておったらおやじなんかにしかられたんです。家で本を読まにゃいかぬようなら学校をやめろというほどしかられたものですが、小学校教育、中学校教育でなぜ塾へ通わなければならぬか。そのことを大臣は、本当に現場におった教育者として、なぜ塾へ通うようになっておるのか、その点についての御意見を賜りたいと思います。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 私は実は就任以来、わが国の教育の受験体制の過熱化を何とか直さなければいかぬということを繰り返し言っておりますが、そのうちのきわめて重要なるものが実は塾教育だと思います。  そこで、塾教育はどうしてできてきたかというと、やはりどう見ましても非常な受験体制の過熱化がございまして、かつては高校程度、ところがだんだん下におりてきて中学、小学校どこででも競争準備をしなければいけないということに相たったのだと考えております。  もう一つは、実は受験と関連がございますけれども、多少それと離れていることは、小中校の単科の内容がかなり過密になりまして、そこでこれも、十分に調査していろいろな研究も出ておりますが、一層はっきりさせていかなければいけないと思いますが、どうも授業がわからない子供というものがいるという問題もあります。それを補うんだというような、そういう塾教育もあるというふうに私は理解しております。  そこで、これをどうするかということで考えたければいけないのですが、やはり一つは、どう考えましても、この過熱化した受験体制というものを、これは本当に多角的に問題の解決に当たるほかないと思いますが、それをやっていく。他方では教科課程、特に小中校の教科課程というものなもう一度よく検討し直しまして、内容が過密化しているのを、どういうふうにして過密化しないで、しかも本当に日本の学校に行けば大事だと思われるものが学習できるようになるか、これの検討をいますでにしておりますが、これを進めまして、学校教育の内容というものを本当によき意味において充実したものにしていく、こうしなければならないと私は考えております。

井上泉日本社会党

○井上(泉)分科員 いまの大臣の見解に対して、文部省の局長はどういうお考えですか。

安嶋彌文部省初等中等教育局長

○安嶋政府委員 大臣のおっしゃったとおりだと思います。

井上泉日本社会党

○井上(泉)分科員 大臣のおっしゃったとおりなら、ひとつそれを実行に移してもらいたいですが その実行に移すに、これは置いた物をとるようにはできぬと思います。それは置いた物をとるようにはできぬけれども、それを実行に移す段階として、いま大臣の言われたものを取り上げて行政の中で検討すると同時に、いまの過熱化した塾の実態というものをつかむことが大事でないかと私は思うわけですが、それをつかむよりどころがないというなら、よりどころをつくられてそれを調査をする、こういうようにしないと塾の実態がわからない。ただ包括的に把握をしておるだけでは、私は根本的な解決にならないと思うわけですが、それを調査する何か機関なり、あるいはまた法令の改正を必要とするならば、そういうことなり何なり道を講じてやらねば、やる手だてがないからやらないじゃ、これは問題の解決にならぬと思うのですが、どうですか。

安嶋彌文部省初等中等教育局長

○安嶋政府委員 先ほど申し上げましたように、顕著な進学教室等につきましては、できるだけ調査をいたしてみたいと思います。その他の一般の塾についての調査ということになりますと、これは行政としては大変むずかしい問題でございますが、わかる範囲での調査はいたしてみたいと思います。しかし、その調査のためによりどころと申しますか、一つの制度とか機関とか、そういうものをつくるということにつきましては、よほど慎重に考えていかなければいけないのじゃないか。つまり事柄の本質が、先ほど申し上げましたように、きわめて私的な領域に属することでございますので、私はそういうふうに考えるわけでございます。  なお、大臣の御答弁は全くそのとおりでございますが、これを具体化するということになりますと、それはお言葉にもあったかと思いますが、教育課程審議会における教育課程の改善の問題でありますとか、あるいは受験体制の問題でありますとか、つまり、文部省としてなし得ること、あるいはやるべきことは、そういう面での改善を具体的に進めていくということであって、その結果、塾というものが今日のような過熱状態から下火になっていくということが、私どもの結果として期待するところでございます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)分科員 それは、そういうことに期待をするべきことですけれども、少なくとも小学校の生徒が進学のために塾に通わねば学校教育ができないというのは、これは私は小学校、中学校を管理するところの文部省、日本の教育を預かる文部省としては情けないことじゃないかと思うのですが、それについて、塾へ通う必要のないような、そういう学校教育のあり方を立ててやるということが今日非常に重要なことだと私は考えるわけでありますので、その点についても大臣の見解をひとつ承っておきたいと思います。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 全く御指摘のとおり、私は、特に義務教育の段階におきましては、学校の教育というものを受けていれば、それで教育については安心できるというふうになることが目標であると考えております。ただ、そのほか、それは先ほどもお話がありましたが、字を習うとかいろいろ好みがある。そういうふうなものについての学校以外での勉強、これはもちろん盛んになったらよろしいけれども、基本的な学科については学校で安心ということが、少なくも義務教育段階においては達成されるということが目標であると考えております。

井上泉日本社会党

○井上(泉)分科員 私、その目標に向けて文部省が、義務教育の課程の教科内容だとか、あるいはまた、その他の必要なことを行政的に進めていただくということに期待をするわけであります。何らか具体的なものは、来年の予算委員会のこうした分科会でまた文部大臣に、一体あれはどうなったのか伺いたい。それは、一挙に塾というものがなくなるということ、塾がやまるとは思いませんけれども、少なくとも何らかの形で文部省が、そういう小学校、義務教育の段階で塾へ通わなくても十分事足れりとする教育行政を進めていくということが天下に公にされた場合においては、そしてその公にされたいまの文部大臣の言が具体的に行われたならば、塾というものは自然にやまってくると思いますので、そのことをぜひひとつお願いをしたいと思います。そういうことをするのは世の多くの子供の幸せだと私は思います。子供の幸せのためにもそのことにひとつ努力をしていただきたいということを要望しておきたいと思います。  それからもう一つは、高校の生徒が大学へ行くのに、これもまたものすごい塾の教育を受けておるわけでありますが、大学のことはさておきましても、いまどんな親御でも、せめて子供は高校へだけはやりたい、こういう願いがあるわけですが、その高校教育が現在のような制限入学であるから、だから非常に過熱した競争が行われ、そのもとでやはり塾というものも出てくるわけですから、それが発生をするところの根元を断ち切らなければいかぬ。その根元は、小中学校の場合には、いま文部大臣あるいは局長の見解の中で私は期待ができると思うわけですけれども、高校という段になりましたら、やはり全員入学。それは字も全然書けない者もということは言えないけれども、せめて能力を備えた者は、希望する者は全員入学のできるような、そういう高校教育の制度というものを打ち立てていただきたいと思うわけですが、その点についての御見解をお尋ねしたい。

安嶋彌文部省初等中等教育局長

○安嶋政府委員 高等学校教育につきましては、文部省は希望者をできるだけたくさん入学させたいということでいろいろな施策を進めておるわけでございます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)分科員 いろいろな施策を進めておると言いますけれども、私立高校に対する入学の熾烈な競争の実態というものをあなたは承知しておるかどうか。それからまた、普通の公立の高校に対してもどれだけ競争が激しく行われておるか。そのことをあなたは承知しておるのでありましょうか。

安嶋彌文部省初等中等教育局長

○安嶋政府委員 いろいろな施策を進めておるということを申し上げましたが、具体的に申し上げますと、公立高等学校の整備につきましては、老朽校舎の改築等の場合におきましては補助金がございますが、その他の新増設につきましては起債で措置をするという体制をとっておりますし、また私立高等学校の整備につきましては、私学振興財団の貸付金による整備ということをいたしております。  競争率の問題でございますが、平均で申しますと、希望者の九八%が高等学校に進学をしておるということであります。進学率といたしましては、御承知のとおり九〇・八%でございますが、希望者の九八%が高等学校に入っている。そこで熾烈な競争というのは、これはいわば有名校の問題、あるいは学区制が設けられております際に、その中の比較的評判のいい学校に入りたいということがそうした競争の原因でございます。文部省といたしましては、進路指導その他の点におきまして、生徒の能力、適性に応じた高等学校の選択が行われるように、そこで不当に過熱した競争が行われないようにいろいろ指導もいたしておるわけでございます。  ただ、非常に世間の目につきまするのは、御承知のとおり私立の特定の学校に対する問題でございますが、これの解決はなかなかむずかしい問題だとは思いますけれども、やはり大学受験という問題と切り離して考えられない問題かと思いますので、その辺のところは、基本的にまた全体的に考えていくべき課題だと考えております。

井上泉日本社会党

○井上(泉)分科員 時間がありませんので、多くのことを申し上げることができないわけですが、そこで私は、小中学校の生徒が塾に通わなくてもよいような、そういう学校教育のあり方を文部省は前向きで検討し、進めていくという、その言を信頼すると同時に、いま一つ、塾というものに対しては、家庭教師的なものと、それから職業として一定の、調査の基準としては、たとえば十人以上の生徒をいわゆる塾生として集めておるものはどうかというような調査はぜひやられるべきじゃないか、こう思うわけであります。しかし、それもなかなかやられるような話もありませんが、一つ具体的な事例として前段申し上げました高知県の土州塾、これは局長覚えておいてくださいよ。土州塾の塾長が中学三年の女生徒にいたずらをして、そこで大騒ぎをした事件がある。そのことを私は、県の教育委員会なんかを通じて、文部省にもそういうような報告があったのかと思って聞くと、まだそういうような報告もないし、またそういうことを報告する義務もないそうです。それは非常に欠陥だと私は思うのです。塾に通っておるのは小学生であり中学生であるわけだから、その中学生を一つのところに集めてやっておって、そこで問題が起こった場合には、これはやはり教育行政の衝にある者としての責任が追及されてしかるべきだと私は思うのです。つまり野放しの状態だということ。局長も言っておるとおり、現在の企業化した塾というものの監督というか、管理というものが野放しの状態にあるということはもう事実ですから、その野放しの状態に対して何ら打つ手がないのかどうか、打とうとしないのかどうか。また、打とうとするなれば、どういう手だてを考えておられるのか。以上、三点について最後に大臣の見解を承って、私の質問を終わりたいと思います。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 ただいまの塾の人が少女にいたずらをしたという話ですが、そういうことがあるといたしますと、これは塾の人であろうとどこの人であろうと、少女にいたずらをするというのは大変いけないことです。(井上(泉)分科員「それがまた塾というところでやるからまだ悪いのです」と呼ぶ)それは絶対にいけないことです。そこで、そういうことがあってはいけませんし、またわが国は法治国家でありまして、そういうことは絶対にないようにしなければいけないと考えております。  次に、塾の調査についてどうしたらいいかということですが、これは初中局長も申し上げましたように、いろいろなやり方があると思いますが、実はすでに子供の生活時間調査というのを相当進めております。またそういう研究も多いのです。したがいまして、そういう生活時間調査というものについてのものを集めます。子供は非常に忙しいですから、そうすると、どのくらい塾で時間をとっているかということも非常にわかってまいりますから、こういうものは一層充実した方がいいと思います。  さらに、企業化した塾をどうするかという調査の仕方、あるいはそれの把握の仕方ですが、これに実は世の中にももう相当そういう刊行物が出ておりますから、その刊行物をやはり集めまして、私たちの方でも検討をするということは非常に必要であると思います。それが企業となっているからどうするかという問題ですが、これについては、そういう実態についての非常に正確な情報をまず集めた次の段階において考えるべきことであるという考えを持っております。

山本幸雄自由民主党

○山本(幸雄)主査代理 これにて井上泉君の質疑は終わりました。  次に、紺野与次郎君。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野分科員 私は、東京における同和問題についてお聞きいたしますが、最初の方では、総理府関係の方やその他の同和関係の各省の方からいろいろ聞きまして、最後の方で文部省に関係することをお聞きします。  東京都における同和行政で著しくゆがんだ不公正な実態が出ております区の方ですが、荒川区や墨田区の実情についてお聞きしたいので、政府としてそういうことが許せるかどうかという点について答弁していただきたい。第一点は、墨田区で昭和四十七年十月ごろから、区役所の田口公害課長、芝入建築公害部長らが解同墨田支部長の市田良一という人によって、ここにありますけれども、こういうことを約束させられているのですね。それは、墨田区における皮革工場、最初はそうでしたが、今度はメッキ工場と公害発生工場全体ですね。その新増設を許可する場合には、生活環境改善の観点から連絡をせよ、そして解同支部長に意向をお伺いいたしますという一札を入れさせられまして、それがさらに最近は一層そこから進みまして、今度は、どんな工場の建設、あるいはちょっとした改造の問題についても、一々お伺いをしなければいけない。これは四十八年、墨田区における杉田精線工場というところから区役所に対して、変電室の建築許可確認を願い出たのに対して、芝入という建築公害部長がこの市田良一支部長に、どうでしょうか、お伺いいたしますというふうになっておりまして、これが一つの利権化しているということですね。結局こういうことになると、手ぶらでは行けないというふうなことで、実際上利権化して、腐敗した建築行政というものがここから発生してきている。こういった建築行政、部落解放同盟の支部長の判こがなければやっていけないというふうな事態が出てきて、非常に大きな不満の対象になっているわけですが、こういうことは総理府の同和対策関係の室長の立場で見て不公正なことじゃないかという点について、ちょっと……。

山縣習作内閣総理大臣官房同和対策室長

○山縣政府委員 いま先生のお示しの点でございますが、私どもいまお聞きいたしましたところでございまして、事実は承知いたしておらないところでございます。一般的に同和行政というものは、それぞれの地区の実情に即して行われるべきであるのでございますが、同時にまた、関係地区の住民をひとしく対象といたしまして公平に実施すべきものであるというふうに考えております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野分科員 だから、こういう事実が実際にあるのを知らないと言うけれども、実際にあればこれは不公正であるという点はどうですか。

山縣習作内閣総理大臣官房同和対策室長

○山縣政府委員 いま申し上げましたように、公平に実施すべきという一般論は当然でございますが、さらに同和の行政につきましては、それぞれ各自治体における具体的な事業の執行に関しましては、昭和四十八年五月に同和行政の公平と地域住民の信頼確保につきまして、各省事務次官名をもちまして通達を出したところでございますが、申し上げましたように、具体的な事業の執行につきましては、それぞれその自治体におかれまして、通達の趣旨に基づきまして、地方自治のたてまえにのっとって行われているものであるというふうに考えております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野分科員 墨田区の場合、完全に不公正な腐敗した事件として糾弾されている問題ですから、こういうことについて、やはり政府は調べて、それを直すようにしてもらいたいと思うのです。いいですか。簡単にお答えください。

山縣習作内閣総理大臣官房同和対策室長

○山縣政府委員 いま申し上げましたように、地域の実情に即応しつつ地方自治のたてまえにのっとって行われるべきだという一般論を申し上げたわけでございますが、私ども、この事務次官の通達に関しましては、それぞれ関係省におきまして指導等をいたしておるところでございますし、総理府におきましては、同和主管の部課長会議等の際にも指導をしておるところでございまして、今後とも指導の徹底に努めてまいりたいというふうに考えております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野分科員 東京都では、同和企業連合会というのがあって、これが所得税について一括申請を都の主税局に出します。そうすると、もう税務指導が済んだということで証紙を張って、それを店舗に張る。その証紙を張ったものについては税務署は一切調査をしないというふうになっておる。これは去年東京都議会でも問題になりました。そういうことで、結局地方税の方も影響を受けて、非常な不公正が実際上行われているということが起きております。この証紙を張ったならばもう解同関係のあれは一切調査をしないというふうなことは——いま民主商工会というのがありますね。これはもう根掘り葉掘り、事前調査もやるし、あるいは銀行その他の方の調査も行いまして、ぎゅうぎゅう言わされているわけです。そういうこととあわせて考えてみても、同和関係の税務については、非常に不公正なことが行われているんじゃないか。この点についてちょっとお聞きしたいのです。

福島深自治省税務局府県税課長

○福島説明員 同和関係の地方税の取り扱いについてでございますが、ただいま先生の御指摘のございました東京都の例は、私は存じておらないわけでございます。しかし、先ほど室長の方からもお話がございましたように、税の負担の公正を期するというたてまえはもちろん尊重していかなければならない問題でもございますが、その地域の特殊な事情に基づいての措置につきましては、地方団体が自主的な判断に基づいてもろもろの措置をとっておるのではないかと思います。  御指摘のように、たとえば都議会等におきまして、その問題についての議論がなされたということでございますが、そういう御議論を通じまして、最も妥当な線で今後の行政が行われるものと信じますし、また内容そのものに問題があるということであれば、そういうものについては今後とも指導すべきものであろう、こういうふうに考えております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野分科員 国税関係の申告が企業連を通じて行われると証紙を張る、この証紙を張るということですね。何の取り決めでこういうことが行われているのか。前にこれについては国税庁との間に何らかの協定やなんかあったのじゃないか。この点を調べてほしいのですがね。

福島深自治省税務局府県税課長

○福島説明員 先生のいまの御質問の中で国税の扱いのお話がございましたが、私の方では国税の扱いの関係はちょっとわかりませんので、調査をいたしかねるわけでございます。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野分科員 第三点。荒川、墨田等において、たとえばこういうことが行われておるのですね。自治体の公共的な建造物である墨田福祉会館、これは二億九千万円かけてつくったものですが、こういうところを墨田の解同支部事務所が無料で借りている、そして専用電話もただで借りている、こういうことが行われている。また荒川の場合には荒川集会所、これは四百万円ぐらいでつくられた平家ですけれども、つくられるとすぐ荒川解同支部事務所の看板をかけまして、同じように無料で使ってしまう。そして電話も、二台あるそうですか、同じように無料で使ってしまう。そういうことで、公共的なものを無料で使ってしまうということが行われているのだけれども、こういうことは許せることかどうかということですね。これはどうでしょうか。

山縣習作内閣総理大臣官房同和対策室長

○山縣政府委員 いま御指摘の点は私どももお聞きしたばかりでございますが、同和対策事業は総理府を含めまして各省で所管しておるわけございまして、御指摘の点、どういう性格のものか承知しかねるわけでございますが、原則的にはそれぞれの地方自治体の問題であろうかというふうに考えます。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野分科員 そういうふうに、公共建造物に対して部落解放同盟が勝手に特権を持ってこういうことをやるということは、社会常識というか、当然公正に、だれにも平等に同じような利益を与えなければならないという地方自治のたてまえ、地方自治法第十条の立場から見てやはり違反だ、間違いだということが言えるんじゃないか、この点特に聞きたいのです。つまりこれは明らかに不公正ですよ。みんなに同じように使わせるというのがたてまえですけれども、ある団体にだけ無料でそこを使わせるということは、ただ自治体の意向によってというだけでなく、地方自治法第十条の立場から見てどうなのか、この点をお聞きしたいのです。

山縣習作内閣総理大臣官房同和対策室長

○山縣政府委員 東京都の例につきまして、東京都の使用条例と申しますか、あるいは規則と申しますか、どういう取り決めで都民にお貸しすることになっておるのか承知いたしておりませんが、先ほど申し上げましたように、行政そのものは公平に実施されるべきものであるというふうに考えております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野分科員 たとえば、いま言いました荒川の事務所の場合は、百数十名の人を動員して夕方から明け方まで、いわば暴力的な圧力をかけて、今度はそこに入った人の給料をただにする、つまり二名の部落解放同盟関係の幹部を区の職員にせよということを言って、そして結局それを認めさせる。その後さらに用務員を一人、それから非常勤の人を三名というふうに、ただで入り込んだ上に、今度はそこに入り込んでいる実際の部落解放同盟の幹部の人たちの人件費まで、自治体の職員ということにして金を出させるというふうなことをやっているのですね。明らかに運動体というものと行政というものを全く混同してしまって、そしていわば自分たちの無理を通す、行政に対しても介入して、そして運動体としてのいろいろの費用負担をもこれにぶっかけてしまう。こういったことは、指導の立場にあるあなた方から見てどうですか。公正ですか。

山縣習作内閣総理大臣官房同和対策室長

○山縣政府委員 職員の任命、これはそれぞれの任命権者がなされるべきものと思いますので、総理府の立場としてお答えは差し控えたいと思いますが、先ほどから繰り返し申し上げておりますように、昭和四十八年の事務次官通達に基づきまして、行政の公平と地域住民の信頼確保につきまして、それぞれ各自治体の実情に応じまして、地方自治のたてまえにのっとりまして行うべきものであると考えております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野分科員 やっぱりあなたはなかなか抽象的ですね。逃げているようですが、こういうふうな部落解放同盟がただで公共的な建造物を使い、人件費まで出させて、そしてやっているというふうな、こういった明らかに地方自治法十条に違反するようなことについては、やはり政府として監督するというか、過ちに対しては正しく指導し、それを改善させるようにしてもらいたい、こういうことだけ言っておきます。  時間がありませんから文部大臣にお聞きしますけれども、同じく八鹿高校事件などを起こした、いわゆる部落以外はすべて差別者であるという理論を持っている解同朝田派と言われるものの東京都連の方から、昨年十二月に百四項目の要求が東京都の方に出されました。その中には、もちろんこれはいま検討中でありますけれども、原則的に見て非常に問題な点があるとわれわれは考えます。そういう点で、原則的に明らかに問題であり、間違っているというふうに思われる点についてお聞きします。  その第一点は、「全教員の研修を保証すること」、それは、地区の運動体と連携した教員の解放教育研究の実践を保証せよ、全教員の研修を保証せよ、それで全教員には解放教育の指導書、参考書を配布することということを言いまして、いま言いましたような特定の理論というものを持って活躍している運動体ですね、これがこういうことを要求するということはつまりどうなのか。原則的に言ってそのことは許されることかどうか、こういう点を、憲法やら教育基本法やら、そういうものに基づいてひとつ文部大臣のお考えをお聞きしたいと思うのです。

安嶋彌文部省初等中等教育局長

○安嶋政府委員 ただいま御指摘の「全教員の研修を保証すること」という事項につきましては、東京都に照会をいたしましたところ、この申し入れに基づいて新たに措置をすることとしているものはないということでございます。東京都は従来からも同和教育の研修は行ってきておるわけでございますが、従来のような形で将来もと申しますか、明年度も引き続き研修は行っていく考えであるけれども、ただいま御指摘の点については、新たに措置をすることとしているものはないということでございます。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野分科員 文部大臣にお聞きしたいのは、原則的な教育基本法あるいは憲法、地方自治法というようなものについて、たとえば教育基本法八条ですか、特定の政党を支持し、または反対するための政治教育をしてはならない。第十条では、不当な支配に屈して教育をしてはならない、国民に対して直接責任を負うべきである。あるいは思想及び良心の自由ということも憲法で言われておりますね。この朝田派の都連と言われているものは、都の同対協に入ってきて、二者構成になっているのですね。そしてその二者構成で自分たちがやはりそういうことをやれと言っているわけですが、先ほど読みました三つのことですね、そういうことについて原則的にどうなんですか。都の方はいまのところそういうことはないと言っていると言うのですけれども、いま言いましたような原則的な立場から見て、どう文部大臣は思われるかということをひとつお聞きしたいのです。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 文部省のこの同和教育についての方針というのはきわめて明確でございます。第一は、法のもとにおける平等というものを達成いたしますために、差別というものがあるようなことはあってはならない。第二には、その教育を進めていきます上では、教育の中立性というものを重んじて進まなければいけない。したがって党派的な教育であってはならないということであります。こういう立場で文部省は各自治体の教育委員会に指導、助言をいたしておりますから、したがいまして、各自治体、これは東京都もその中に含まれますが、その精神で進んでいくことを強く望んでいる次第であります。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野分科員 それから同じような立場でPTAや学校に啓発活動を行えということを言っているのですね。これは大阪の去年の実例等によると、全国的にもそうでしたが、特に大阪等では、PTAあるいは学校当局に、狭山裁判のこれは差別だということから、挙げて啓蒙活動というか、あるいは東京にも先生と子供を連れて上京させるというふうなことをやったわけですが、PTAや学校に啓蒙啓発活動をやれと、こういったふうなことを考えているわけなんですね。そういう特定団体の立場からのPTAに対するこのような啓蒙やその他をやれといういわば強圧的な要求だと思いますが、これについてはどう思いますか。

安嶋彌文部省初等中等教育局長

○安嶋政府委員 ただいま御指摘の事柄につきましては、具体的には報告を受けておりませんが、基本的な考え方は先ほど大臣がお答えになったとおりでございますし、かつまた、先ほど総理府の室長からもお話がございましたように、行政が公正中立でなければならぬということもこれまた当然なことかと思います。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野分科員 それからその中にこういうことがあるのですね。「解放教育副読本を製作すること」ということがあるわけなんです。このことは、やはり一つの典型は大阪ですね。三年生、四年生、五年生、六年生、中学校、そして理論書及び手引書というようなものがありまして、合計七百四十円を義務的に込みで買わされる、そういうことが学校で行われている。そういった実例があるわけで、そのことをこの東京都連の朝田派なるものは、今度は大阪式をそのまま東京へ持ってきて、これでもっと大がかりにやろうというふうな考え方である。だから、そういうふうな副読本をつくる、そして強制的にそれを学校で使わせるというふうなことについてはどうお考えですか。

安嶋彌文部省初等中等教育局長

○安嶋政府委員 副読本は御承知のとおり補助教材の一種であろうかと思います。したがいまして、副読本をつくること自体を否定することはできないわけでございますが、しかし、その内容なり、あるいはその使わせ方につきましては、先ほど大臣から御答弁を申し上げましたように、教育基本法や学校教育法等の法令に従い、あるいは同対審の答申の趣旨に従い、かつ、教育の中立性、行政の公正さというものを確保することがぜひ必要であろうと思います。具体的にはまだ何も聞いておりません。そういう立場で原則的に処理すべきものだ、こういうふうに考えます。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野分科員 そうすると、そういう特定の団体が特定の理由に基づいて編集させるようなやり方や、またそれを強制的に使わせるというふうなやり方は、正しくないということですね。

安嶋彌文部省初等中等教育局長

○安嶋政府委員 同じ答弁を繰り返すことになるわけでございますが、その内容、使用のさせ方等につきましては、先ほど来繰り返して申し上げている原則に従って処理されるべきものと考えております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野分科員 時間があれですから最後に、これは去年の十二月二十一日に、荒川区役所の職員七十五名に対して職員研修会というものが行われているわけですが、これは解同中央本部書記局員の亀山優一という人が講師になって、自治体の職員にやっておるわけです。これを見ると、内容はたとえば八鹿高校のあの事件を弁護しておりますね。それで、国会で最近問題になりました私どもの村上議員の衆議院の予算委員会での発言というものについていろいろ誹謗しておる。あるいは共産党についていろいろ偏見に基づいた中傷をやっております。たとえば、日本共産党がいまや社会党を飛び越えて自民党と手をつなぐような状態になっていますというふうなことを言ったり、正常化連という組織をでっち上げて分裂的なことをやっているんじゃないかとか、これは向こう側が除名してきたものなんですね。それが組織を正常化するためにまとまったものでありますけれども、そういうこととか、いろいろ特定政党に反対する、誹謗する、そういうような研修を地方自治体の職員に対してやっている。こういったいわゆる研修ですね。これは総理府関係の方、どう思いますか。

山縣習作内閣総理大臣官房同和対策室長

○山縣政府委員 同和問題に関する研修でありますが、やはり同和対策事業特別措置法、同和対策長期計画、これの趣旨にのっとり行われるべきものであろうかと思います。特に各自治体におきましては、その実態に即応いたしまして、自主的判断に基づいて行われるものでございますが、公平、中立という点は尊重されるべきものと考えております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野分科員 じゃ、私の時間はこれだけですから、これで終わります。

山本幸雄自由民主党

○山本(幸雄)主査代理 これにて紺野与次郎君の質疑は終わりました。  この際、暫時休憩いたします。     午後零時四十五分休憩      ————◇—————     午後三時十五分開議

前田正男自由民主党

○前田主査 休憩前に引き続き、会議を開きます。  質疑を続行いたします。林孝矩君。

林孝矩公明党

○林(孝)分科員 私は、私学振興ということに関連して、数点にわたって質問をいたします。  最初に、大学及び高校に私立の占める割合、高校の校数、生徒数、この両方はどうなっておるかという点についてお伺いしたいわけであります。といいますのは、質問を続けるに当たって、特に日本の高等教育の普及が世界的に非常にレベルが高いといわれておりながら、私立学校に対するいろいろな問題提起がなされておるということであります。したがって、教育学術の振興という面から非常に重大な問題意識を持っておりますので、まずその点からお伺いしていきたいと思います。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 高等教育機関全校数に対して私立学校が占める割合が七五・四%でございます。これを学生数という関係で見ますと、全大学生数に対して私立大学の学生数の占める割合が七八・八%でございます。ほぼ八割という見当のところでございます。

林孝矩公明党

○林(孝)分科員 ほぼ八割という校数、それから生徒数の占める割合でありますが、わかりやすく言うと、十人に八人が私立に通っておるということになるわけです。そこで、現在、史上最高の大幅な学費値上げ、それに起因しているところの学園紛争、また教育の荒廃、あるいは私立の経営者また有識者、一般市民から私学の危機という言葉で叫ばれているそういう実態に対して、私は、この高等教育の現状というものが非常に重要であるがゆえに、それを憂うる一人として、教育行政の最高責任者である文部大臣から、私学というものをどのようにとらえておられるか、その位置づけ、あり方、さらには日本の高等教育はいかにあるべきかという基本的な問題に対して御答弁を願いたいと思うわけであります。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 わが国の高等教育の中で私学が占める場というのはきわめて広く、また重要なものがあるのでありますが、それはやはりこの沿革から考えなければならないと思います。  およそ大正の中期、大正七年という時点におきまして、私立の専門学校は大学に昇格いたしました。それは当時日本の産業が拡大いたしましたのに見合った現象であったと思います。さらに第二次戦後一層産業が拡大いたしました。そこで私立大学というものは拡張いたしました。そういう際に、もしも国庫が大正期あるいは戦争直後もう少し補助ができますと、今日のような事態は起こらなかったと思うのであります。しかしこれは、非常に急速に、いわば欧米の強大国の中で発展してこようとしましたわが国の経済社会における財政政策として、やむを得ざる面もあったと思います。  そこで、これからどうしていくべきか、私学をどう考えるかということから申しますならば、私は、この私学の財政難というものを国庫ででき得る限り救っていく。救っていくというのは、もちろん、私学の建学の精神なり、あるいはそれぞれの学校の特色を抹殺するというのではなく、むしろ逆に、それぞれの私学が本来持っておりました建学の精神や特色というものを、一層盛んにするためでなければならないと思っております。  さらに、高等教育一般についてお尋ねでございますが、国立大学というのは、わが国において非常に重要な役割りを果たしておりますが、実は私学が右へならえをして国立のようになるといいますよりも、国立の方も、いわば私学が持っているような特色を、だんだん持つようになっていくことが望ましい。そこで、形がどうなるかはわかりませんが、そしてまたいろいろ検討を要することでありますけれども、将来においては、国公私の格差が是正されまして、そして現在、国立あるいは私立、公立であるところのものは、次第に、どれをとりましても、それぞれ特色がある大学、そうして自主的運営を行っていく、政府はこれを助ける、そういう形でわが国の高等教育が興っていくことを目標にして施策を進めるべきであると考えております。

林孝矩公明党

○林(孝)分科員 そこで、私は次に高等教育の現状についてお伺いするわけでありますが、憲法の上において、あるいは教育基本法の上において、教育を受ける権利というものは明確に定められておるわけであります。ところが、いまから申し上げることは、これは現実でありますけれども、そういう意味においては、国立の大学の学生であろうと、あるいは私立の大学の学生であろうと、学資負担あるいは研究、教育の条件に格差があることは好ましくない、そういう考え方を私は持っておりますけれども、生徒一人当たりに要する教育費、いわゆる標準教育費といいますか、これを私立と国公立に分けて、高校、大学に関してどのようになっておるか、また私立の国立に対する割合はどうなっておるかということについてお答え願いたいと思うわけです。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 昭和四十六年度の資料でございますが、大学生一人当たりの教育費を調査いたしてみますと、国立大学の場合に七十一万二千円、私立大学の場合に二十八万三千円、短期大学の場合、国立大学が十九万四千円、私立の方が二十六万一千円、こういう数字がございます。

林孝矩公明党

○林(孝)分科員 割合は……。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 割合で申しますと、大学の場合が三九・七%でございます。それから短期大学の場合というのはパーセンテージを出しておりませんので……。

林孝矩公明党

○林(孝)分科員 いま高校の話がなかったのですが、わかりますか。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 高等学校の場合が、これまた四十六年度の調査でございますが、これは国公立で調査してございますけれども、国公立の場合に十九万四千円、私立の場合が十四万八千円でございまして、七六・三%という数字になっております。

林孝矩公明党

○林(孝)分科員 いま御説明があったように、一年間、一人当たりの標準教育費を比較してみても、私学と国公立との格差というものは歴然としているわけです。このように一面から考えますと、多額の学費を払って、それから受ける教育費のパーセンテージが、国公立を一〇〇とした場合に、三九・七%であるとか、あるいは七六・三%であるとかという割合のシェアしか占めてないということでありますから、いわゆる先ほど申し上げました教育基本法あるいは憲法の精神からいって、この格差をなくすということに国が全力を傾けていくのが私は当然のことであると思うわけでありますけれども、大臣の見解をお伺いしたいと思います。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 お言葉のように、国として全力を挙げるべきであると思います。しかしながら、全力を挙げましても、一年あるいは二年のうちに解消しないほど問題がむずかしいということを申し上げる背景を御理解いただきますために、実は私は大正時代の話をしたのです。そういうわけで、私立の大学というものが国庫補助を受けませんで発展してまいりました年数がおおよそ半世紀でございます。そういう間にいろいろむずかしくなりました。そこで坂田文部大臣のころに、そういうものを何とかして変えていかなければならないという新しい政策が打ち出されまして、まだそれからおおよそ五、六年を経たという程度であります。  そこで、本年度予算を御説明申し上げますと、大学につきましては千億円以上の経常費助成、これは五七・四%の増でございますし、また高等学校以下幼稚園に対しても八十億円を計上いたしました。これはやはり助成でございますが、それを合わせますと、六九%の増ということになるわけでございます。財政当局では、文部省予算というものの本年度の伸びというものは平均を上回るところまで考えていただけました。その中でも、文部省全体の一般会計の中でも、その倍ぐらいの比率が、この私立学校、大学、高校を含めた六九%ということになっているわけでありまして、私としては、現状において出し得る全力というものでこの予算を組んだ考えでございます。そしてこれをさらに、何年間かにわたってだんだんに、いまお言葉がございましたような、本当に国公私の格差というものが漸減して、どこに行ってもよい教育を同じような費用で受けられるというところを目指しているわけでございます。

林孝矩公明党

○林(孝)分科員 そこで、現在のようなインフレ、高物価の時代にあって、質の向上という問題ともう一方に負担の軽減という問題が横たわっているわけです。それで大臣にお伺いしたいのは、先ほど大正時代の話も出ましたけれども、現在の時点で物を考えた場合に、私は負担の軽減ということをすべてに優先して考えていかなければならないのではないかと思うわけです。具体的な答弁をいただきたいわけでありますが、一つは、この格差是正と関連してお答え願いたいのですけれども、国公立の授業料というものの考え方ですが、公共営造物の使用料の一種であるという考え方があると思うのですね。それから、すべての教育費と学校維持費を含む私立学校の授業料とは、その意味するところが非常に違っておって、この授業料の差というものも負担をする方から考えますと、非常に矛盾を生じておるというふうに私、感ずるわけです。そういうことと、それから国民の教育を分担する公立学校と私立学校でどうしてこのような差があるのかという疑問が具体的な疑問の一つだと私は思うのです。  先ほど冒頭にお話があった、十人のうち八人という割合で私立の学生がいる、こういうことになりますと、その学生は、教育費の負担ということについては、非常に重大な問題としてとらえざるを得ない。学費の値上げということについても、値上げせざるを得ない状況にもあるということで、今回の六九%増というこの予算は、いま大臣の答弁を聞いておりますと、十分ではないけれども満足をしておるというニュアンスの答弁であったわけですけれども、当初要求されておった予算はこれではなかったと思うのです。これは提案された予算であります。したがって、要求された予算という面から考えると削減されておる。これは大蔵省と文部省との間に、教育という問題に関しては、特に占める位置というのが、たとえば立法、行政、司法という三権がありますけれども、この教育というのは政治によってコントロールされる一般の問題と並列して考えられるのではなしに、教育は特別重要な問題でもありますし、もっと高いレベルの位置でとらえていかなければならない。そういう姿勢が予算に当然あらわれてこなければならないのではないか。わかりやすく言いますと、立法、行政、司法と並ぶぐらいの重要な位置づけというものを必要とするのではないか。  それぐらいの考え方を持つ時代ではないかという気がするわけですけれども、これは教育という問題に対する物の考え方ということで、大臣はどのようにとらえられておるか、お伺いしたいと思います。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 ただいまお言葉がございましたように、教育というものは非常に重要であるかと思います。立法、司法、行政と並ぶというふうにおっしゃいましたけれども、決して四権というような、そういう法的なものではないと思いますけれども、しかしながら、重要性を持っておるという点において同感でございます。  本年度予算を私、満足しているかというお言葉があったのでございますが、私が申し上げたのは、本年度のわが国の財政の中で、私たちも要求をいたしましたのに対して、財政当局も考えられまして、本年度の予算の中で全力を挙げたものと理解しているというふうに申し上げたわけであります。  そこでわれわれは、文部省の文教行政を担当いたしておりますから、当然この文教行政というものの予算増を望むわけであります。しかし同時に、私はこの内閣の閣僚でありますから、当然財政当局が政策全般にわたっての配慮をされるということも十分了解いたします。で、御案内のとおり、本年度は社会的公正の確保ということもきわめて重要でありますから、教育と福祉の二つが平均的なものよりも伸び率の高かった予算でございまして、教育に関しましては、福祉も同様でございますが、平均よりはるかに高く、三〇%一般会計で超えております。そこで、それ以上にということは、それは常に出てまいりましょうけれども、しかし他方考えますと、老人の問題もあれば、あるいは僻地でお暮らしになっている方もあり、あるいはいろいろな公害病にかかっておられる方々もあり、そういう方々のためには福祉の予算をぜひ確保しなければいけない。あるいはインフレの進行の中で落ち込みのあるという、そういう苦しい状況の方々のためには考えなければいけない。教育ももちろん大事でございますけれども、社会全般で日本人が協力していきますということが大事でありますから、そういう限りにおきまして、財政当局も教育の重要性を十分に認識されて、そして話し合いをいたしましてこの予算に到達したというふうに私は考えているわけでございます。

林孝矩公明党

○林(孝)分科員 大臣が、教育と福祉というのがことしの予算の柱であり、そして両面が重要視されなければならない、その中で本年度の予算を組んだということ。それから、人件費だとか学費値上げの問題、大学紛争、冒頭に私が提起しました、そうしたいろいろな問題をなくするために、また格差を是正するために、どうすればよいかという大臣の姿勢等を伺ったわけでありますけれども、具体的な問題として、きょうの報道の中にこういう問題があるわけです。初めて国が五十年度予算案に乗せた、先ほど大臣が説明になった補助金八十億円の配分をめぐっての問題です。  報道によりますと、文部省は、私立学校の人件費などに一定基準以上の金を負担している都道府県に限って国の補助金を出そう、こういう考え方だというわけですね。ところが、自治体はそれぞれの施策をすでに進めておって、東京都の場合、学校側への助成、それから直接父兄負担の軽減につながる授業料一部補助ということに力を入れてきた。そういうことが今度は国の配分基準の適用をめぐっていま重大な問題になりつつあるのは、いわゆる私立高校への国の補助が、地方自治体によって授業料補助ということをやっているところにおいては、該当されなくなるような結果を呼び起こすという、そういう心配であります。というのは、授業料補助は基準外であるという考え方が文部省にある。東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、京都府、兵庫県、福岡県、こうした七大都府県の場合に私立高校授業料補助という制度を取り入れているわけですね。東京都の場合は生徒一人年額二万七千円。これは四十九年度で、五十年度予算案を見ますと、対象一〇〇%として生徒一人年額二万七千円。それから愛知県の場合は四万八千円と二万四千円。これは所得制限等があります。大阪府も、それから京都府、兵庫県。福岡県の場合まだ未定でありますけれども、そのように授業料の補助というものを地方自治体でやっておる。こうしたときに、文部省が先月の十七日に配分要綱というものをまとめて、各都道府県の私学担当課長会議の席上でその要綱の説明を行った。そうしたところが、経常費助成のほか授業料補助を進めている東京、神奈川、愛知、大阪、京都、兵庫、福岡、この七都府県はこの授業料補助は基準外という考え方でありますと、東京都の場合は八十億の対象から外されてしまうというような問題が起こってきているわけです。したがって、地方自治体が福祉行政の一環として授業料を自治体で補助するという施策を行っている場合、こうした文部省の配分要綱の説明どおり行われるとすると、これができなくなる。福祉行政と教育というのは三木内閣の二つの大きな柱であったとしても、現場においては、授業料補助がストップされると、このことは父兄負担ということに今度は覆いかぶさっていく。こういう問題が一方に起こってきているわけですね。  ですから私たちは、福祉行政に歯どめをかけるようなそういう要綱というもの、適用の仕方というもの、もし文部省が本気でそれをやろうとするならば、この三木内閣の福祉という一つの柱に私は傷がつくと思いますし、それがもし三木内閣の姿勢であるとしたならば、今日までの本会議あるいは予算委員会等で、総理がみずから答弁されておるその姿勢にもかかわる問題だと私は思います。  と同時に、先ほど私は大臣に、質の向上と負担の軽減とどちらが優先すべきかという現時点の問題を取り上げましたけれども、いまこうした幼稚園から高校までのそういう過程というのは、サラリーマンであるとか若い家庭が多いわけですね。その中で少しでも負担を軽減していこうというのが福祉行政でなければならないと思いますし、そうしたことが、この文部省の授業料補助が基準外であるということで歯どめをされるということになりますと、非常に父兄に与える影響は大きい、かける負担が大きいということになるわけですですから、こういう行政のあり方というものは、大臣がこの委員会で先ほどから答弁されている姿勢と違うのではないかということすらも私は感ずるわけです。この点について大臣に的確な判断をしていただかなければならないと私は思います。し、この委員会において明確に答弁をしていただきたいと思うわけです。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 大臣の御答弁の前に少し事実を述べておきたいと思います。  一月十一日に来年度予算に関する閣議決定がございまして、都道府県の私学の主管課長会議を開いたのが一月二十日でございます。その予算は八十億の新規の予算でございます。みんなの関心の多いところでございますので、私学の関係者に対しても十分事情を説明したりまた都道府県が補助金を出すわけでございますから、国がその都道府県に対して八十億を配分するというような仕組みになるわけで、金額の絶対量としては、都道府県が出す金額がずいぶん大きなわけでございますので、しかも都道府県は、従来から過去五年間、県内の高等学校以下の私学に対する補助の実績を持っておるわけでございますので、それで文部省としては、まだ成案を得ないままに、閣議決定後十日以内に会議を開いて予算積算の基礎を説明し、どういった配分の方式をとるべきであるかという相談会を開いたわけでございます。全く白紙で臨んでもよかったわけでございますが、全く白紙では話の種になりませんので、たたき台として配分要綱骨子案、骨子であり、しかもまたその案であるという非常に粗末なものであるというようなことで、会議の題材といたしまして、そして各府県において過去の五年間においてどういう補助金の配分の方式をとってきたか、そういう情報交換などをやったわけでございます。その後内部で検討いたしまして、いろいろ問題点もございますので、文部省としてはその骨子案を変更する必要も感じておりますし、いまだに決めていないというのが実情でございます。そして  また、二十日の事情を各県がよく冷静に考えていただきますならば、新規の予案を、閣議決定後十日後に会議を開いて、配分の要綱を示すはずもないわけでございます。その辺については、未決定なのに要綱骨子案が出たために、いろいろ揣摩憶測が加わって、けさのような新聞の記事になっておるのではないだろうかと思います。したがいまして、けさの記事を見たときに、私はずいぶん皆さんに御心配をかけていて恐縮だと思いましたけれども、実態を考えていただけばそういうことはあり得ないはずであって、また御相談の余地もあるし、あるいは意見を言っていただく余地もあるし、それほど各県で意見があるのであれば、要点を明示して私どもに聞かせていただくならば結構なことじゃないだろうかというような感想を持ったような次第でございます。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 御指摘のように、現在、学校、特に私立に対する助成の場合、質の充実かあるいは負担の軽減か、そういう問い方もあるわけでございますが、私はもちろん質の向上というものも図ることを考えなければいけないと思います。しかし、現段階におきまして負担の軽減ということは何より重要なことでございますから、その御趣旨を体して、高校以下だけでなく大学の問題も考えていくというふうにいたしたいと考えておる次第であります。

林孝矩公明党

○林(孝)分科員 いま局長から御答弁がありましたような事実が、こうして国民の前に明らかにされたわけであります。私が質問の中で申し上げたそうした趣旨を十分くみ取っていただきまして、いま大臣から御答弁があったように、父兄負担というものが軽減されるということ、これが最優先されなければならないという姿勢で、この配分適用に当たっては考慮していただきたいと思います。

前田正男自由民主党

○前田主査 これにて林孝矩君の質疑は終わりました。  次に、小沢貞孝君。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)分科員 二、三点の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。  最初に、昨年、学校教育法の一部を改正する法律案、いわゆる教頭法が修正して通ったわけであります。政府の原案と違って、わが党の受田新吉先生の提案で、「教頭は、校長を助け、校務を整理し、及び児童の教育をつかさどる」、こういうような原案であったものを、「及び児童の教育をつかさどる」を「及び必要に応じ児童の教育をつかさどる」、こういうように改められたわけであります。したがって、当時の国会論争を見る限り、教頭は新たに、校長を補佐をして、校務を主にやって、産休とかごくまれなときに補助として授業をやる、おおむねこういうようなことではなかろうか、こう思うわけであります。したがって、教頭が校務に専念するために一般の先生がたくさん必要になってくる、こういうように承っておったわけですが、これによって一体幾人の先生をふやさなければならないか、ことしの予算においてはそれがどういうように具体的に実現しつつあるか、こういうようなことをまずお尋ねしたいと思います。

安嶋彌文部省初等中等教育局長

○安嶋政府委員 御承知のとおり、昭和五十年度予算案におきましては、昨年改正されました第四次の教職員定数の充足計画の第二年次ということで、定数の改善や児童生徒の自然増に伴う教員の増加、あるいは特殊学級や養護学校の新設に伴う定数の増加といたしまして、約一万五千六百人の増を見込んでおるわけでございますが、ただいま御指摘の学校教育法の改正案の修正の経過にかんがみまして、さらに教頭定数を五百人増加するという措置を講じたわけでございます。このほかに、これは見込みでございまして、現段階で確実であるというふうに申し上げることはできないわけでございますが、さらに五百人程度実行上教頭定数として増加することが可能かと考えております。したがいまして、実行上執行できる分を含めまして、約千人の教頭の定数が増加したということになるわけでございます。  教頭の定数につきましては、御承知のとおり、現行の標準法におきまして、すでに小学校では六学級以上、中学校では三学級以上という標準をもちまして、約一万七千人に近い教頭定数が措置済みでございますが、これに加えて、先ほどお話が出ました法改正に伴う定数の増加を図るというのが、ただいま申し上げました趣旨でございます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)分科員 小学校が二万幾らあるわけですか。中学校はどのくらいあるのですか。その中で、いま一万七千人だけ教頭の定数は措置済みで、ちょっと数字をさっき私、聞き損なったのですが、第四次増加計画で一万五千六百人ですか。それで教頭関係のものだけは千人ということは、いまお答えをいただけばいいのですが、現行の中小学校の数から一万七千人引いて、さらにこの改正によって五百人、ほかに見込みさらに五百人、合計一千名ということになると、約一万八千名ということになるわけです。ちょっとその辺を……。

安嶋彌文部省初等中等教育局長

○安嶋政府委員 教頭の専任定数をどの範囲にまで認めるかということにつきましては、まだ結論を得ておりません。きわめて小さな、教職員の数が数名という学校にまで専任の教頭定数を配置する必要があるかどうか、その辺は検討課題でございまして、今後具体的な検討を進めたいというふうに考えておりますが、仮に十二学級以上の小中学校に教頭を設置するということになりますと、約一万五千程度の定数が必要でございますし、仮に十八学級以上の小中学校に置くということになりますと、九千程度の定数が必要だということになりますが、ただいま申し上げましたように、どういう規模の学校に教頭の定数を今後考えていくかということにつきましては、これからの課題として検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)分科員 法改正の修正の論議をしているときには、いかなる学校にも、こういう趣旨であったように記憶しておるわけです。ただ、本当に現実の問題として、二、三名の学校の先生のところに教頭を設けるかという問題は出てくるのではないかと思います。いま御答弁にあったように、十二学級以上と仮定して、まだ一万五千人要るというわけですから、ことし千名ばかりそのために増員したとしても、これじゃ十五カ年もかかってしまうのではないか、こう思います。一般の自然増だけで一万五千六百人もふやしているのですから、十五カ年もかかるような定数増では、法改正の修正をし教頭法を提起した意味がないのではないか、こう思いますが、これらの計画についてはどうでしょう。

安嶋彌文部省初等中等教育局長

○安嶋政府委員 ただいま申し上げましたように、まだ将来の具体的な計画は定まっていないわけでございますが、先ほど申し上げましたように、第四次の定数計画というものが昨年の標準法の改正によって発足をいたしまして、本年が第二年次でございますので、こういった年次計画の進行の状況、並びにここ当分かなり大幅な児童生徒の増も見込まれますので、そういった需要数、あるいはそれに対応する教員の供給の状況、こういうものを見ながら検討をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。  なお、教頭定数というふうに申し上げておるわけでございますが、現実にはほとんどの学校に教頭が配置されておるわけでございまして、教頭定数ということで定数を増加いたしますと、実質的にはその分は教員として増加するわけでございますが、ただいま申し上げましたような需要の状況と供給の状況、つまり教員の需要と供給の実際というものを考えますと、にわかにと申しますか、一度にあるいは短期間に多数の教員を増加することは、いろいろ困難な事情がございます。文部省といたしましては、今後とも法律の趣旨に従いまして、十分検討をいたしてまいりたいというふうに考えております。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)分科員 何か後退したみたいな答弁のようにだんだんなってしまうのですが、千名ずつやって一万五千人充当する、これは容易じゃなかろうと言ったら、ほとんど教頭は配置済みだ。校務あるいは校長補佐、これに専念するために教員をふやさなければならぬ、これが修正した動機だったと思います。そしてそのときの論議もまたそうであったと思います。そうすると、法律の修正されたとおりにそういう方向でいかなければならないが、ほとんど教頭はおります。教員養成ですか何かの事情もわからないのでまだ容易ではありません、こういうことになれば、法律の修正可決された意味というものが実行の段階で失われていくのではないか、そういう疑問を持つような御答弁のようですが……。

安嶋彌文部省初等中等教育局長

○安嶋政府委員 決して後退すると申しますか、消極的な気持ちで申し上げているわけではないのでございまして、私ども、積極的に今後定数の問題には取り組みたいと考えておりますが、ただ現実の問題といたしますと、ただいま申し上げましたようないろいろな点がございますので、それをはかりながら今後十分努力をしてまいりたいという趣旨でございます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)分科員 大臣、いまのような問答のようなことで、教頭というものが、政府原案から修正されて、校長の補佐、校務に専念、したがって教員の定数はそれだけふえなければならない。いま御答弁のあったように、十二学級以上だけにしても、妥協してそれだけにしても一万五千いる。ことしはそれに該当する者約千名、こういう状況であるわけです。だから教員の養成については、教員養成大学ですか、いろいろ考えたりいろいろ苦心されておるようですが、そういう措置は措置として至急講じていただいて、修正可決された方向に早くやっていただくように、これは大臣に特段にお願いしておきます。大臣の方から御答弁を承ります。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 御趣旨の線に沿って努力いたしたいと考えております。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)分科員 これは、鎌倉市長とか私の方の木曽の方ですが、中山道の付近の南木曽町とか奈良や高山、そういうところの市長さん連名でもってこういう要請が来ているわけであります。「歴史的町並み保存事業に関する要望について」、これは文化庁の方へも恐らく行っているんじゃないか、こう思います。要旨はもう御案内のとおりだと思いますが、「伝統的な町家、農家、蔵、武家屋敷、明治・大正期の洋風建築などで形づくられた町並み等の歴史的、伝統的景観は、今や確固たる保護の手をさし伸べなければ消滅してゆく運命にあります。」そういうことで、「文化財保護法をすみやかに改正し、町並み保存事業を国の制度として位置づけること。その際、事前に関係市町村と協議し、十分な意志疎通をはかるとともに、すくなくとも次の事項を盛りこむこと」というようなことで、文化財保護法を改定をして、ある程度国が補助を出したり、建築基準法を直したり、町並み保存のために必要な土地建物の買収ができるようにしたり、建築物、工作物の保存、復元、修復その他の保全等ができるように云々と、こういう要請があるわけであります。  私も、木曽の中山道のあの辺が選挙区なので、たまに日曜に行ってみると、昔からの宿場のそれを見るために、ぞろぞろ若い人がたくさん来る。よくぞこれだけ来るものだと思うほど来るわけであります。町やなんかは、その現状の家をそのまま保存するために、ずいぶん苦心をしたりなんかしてやっているわけです。私も、なるほどな、これは当面大切なことではなかろうか、こういうように考えますが、いまの文化財保護法にはなじまないようなことでもあるように感じるわけです。こういうことについて何か御検討をいただいておるかどうか、そういうようなことからお尋ねをしたいと思います。

内山正文化庁次長

○内山政府委員 集落、町並みは、ただいま御指摘のように、伝統的な建造物群が周囲の環境と一体となって構成しております歴史的風致でございます。これはいわば文化財的な地区でもあるわけでございます。これは全国に相当数ございまして、宿場町あるいは時屋敷あるいは門前町、寺内町といったような、いろんなものがあるわけでございますが、それらの実態を把握するということをまず文化庁では考えまして、昭和四十七年から集落、町並みの、分布調査と申しますか、予備調査を実施をいたしまして、実態の把握をいたしております。さらに、それらの調査の終わりましたものについては、四十八年度からその中身の調査を実施しておるところでございます。  なお、本年度から、その保存の状態が比較的いいと考えられる地区につきましては、市町村に補助金を交付いたしまして、その地区の町並み、集落の保存状況を調査し、それからその保存計画の立案策定を考えていただくというような措置を講じて、来年度も引き続きこれを実施するという事業を考えております。  なお、これらの地区の保存につきましては、やはりそれらの地区が比較的広い地域でございますので、その保存やあるいは修景というようなことは、その地区の都市計画やあるいは地域のいわば再開発計画というようなものと大変関係がございます。そういうことで、その地域の方々あるいは地方公共団体との連携が十分に必要だろうと思いますし、どのようにすればこの集落、町並み地区が保存できるかというようなことについては、今後とも検討を進めてまいりたいと考えております。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)分科員 ことしから補助金を出すというように言われましたが、その補助金の総額や、どんな地区に出そうとしているか、計画がわかったらお知らせいただきたいと思います。

内山正文化庁次長

○内山政府委員 補助金の総額は八百万円でございます。この八百万円によりまして、十地区の調査を実施いたし、また保存計画の策定をしていただいているわけでございます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)分科員 そういうように一歩前進したことは大変ありがたいことだと思います。が、八百万円を十地区じゃ八十万円で、これでは通信や交通費やそれくらいなことしかないわけで、ここの要請にあるように、本格的に町並み保存をやっていこう、こういうことになれば、もっともつと大々的なことで、法律を改正をしてそうしてやっていこう、その実態調査を早くやってどの地区を指定するか、こういう問題もまた出てこようかと思います。実は永井文部大臣、三木総理や永井文部大臣的ムードにはまことにいい事業の一つじゃなかろうか、私はそういうように考えるわけです、こういう文化財や何かを残そうというのは。だからいま少し力を入れていただいてはどうか。  実際に、われわれの中山道の木曽の宿場なんかを見に来るというか、散策をしながら押すな押すなの騒ぎなんです。町が狭くていけないから、自動車を通すために広げろというように片方では言われる。ところがそれを広げたならば、せっかくのこのいい家をみんな取り壊さなければいかぬ、そういう矛盾の中にいるわけです。だからそこを、建築基準法だとかいろいろな法律の関係もありますから、これはやはり文化財保護法がいいのか、どういう法律がいいか、私はわかりませんが、何らかの方法によってこれを残すことは非常に大切なことじゃないか、こういうように考えます。  来年以降はどういう計画かありますか。ことし初めて八百万、こういうわけで、これは単に事務費程度のものがついただけなんですが……。

内山正文化庁次長

○内山政府委員 八百万、十カ所、八十万につきまして、これは二分の一補助でございますが、これはいわば保存状況の調査費であり、また保存計画の立案費でございます。事務費と申せば事務費でございます。来年度は他の十地区につきまして同じ補助を考えて、調査並びに計画の立案を考えております。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)分科員 これは、調査をして、こういう状況であるということを調べるだけですか。資料を集めておくのはいいわけですが、この調査は、将来何か事業計画を考えて、保存のために補助金を出すなり何なり、そういう展望があっての調査ですか。ただ調べて実態だけ把握しておけということですか。

内山正文化庁次長

○内山政府委員 集落、町並みを保存するための制度というものをどのようにするかということは今後の検討課題でございますが、先ほども申し上げましたように、地方公共団体においてその保存措置を考えていただくということがまず適切ではないかということで、その保存計画の立案について指導もいたし、また助成もいたすということでございまして、まずは市町村においてその保存計画の立案をやっていただくという観点から実施をしているものでございます。

安達健二文化庁長官

○安達政府委員 先ほど文化財保護法の改正の問題を御指摘いただいたわけでございますが、現在の文化財保護法は、申すまでもなく、いわゆる個個の建物そのものを重要文化財あるいは国宝に指定をして保存をするという制度でございまして、それに対して、伝統的な集落、町並みということになりますと、個々の建物よりは全体としての建物の集合体あるいはその景観ということが保存の対象になるわけでございます。したがいまして、こういうものを国家的な制度的な面で保存するということになりますと、やはり文化財保護法の改正が必要であろうというように私ども考えておるところでございますが、文化財保護法の改正につきましては、御承知かと思いますが、文教委員会の中で文化財保護小委員会が設けられまして、文化財保護法の改正点につきまして御検討をいただいておるわけでございまして、その中に集落、町並みと申しますか、伝統的建造物群の保存の問題も取り上げていただいておるように伺っておるわけでございます。  この場合に、先ほど来次長から御説明申し上げておりますように、これらの保存につきましては、実際に住んでいる方々というものの協力がなくてはできないわけでございまするし、またさらに、地元の市町村というものが本気になってそれを守る気にならないとできないということがございますので、何といっても、こういうものの保存には、地元住民、市町村の方々の自主的な熱意というものをまず基盤にしなければならないということを考えなければならないと思うわけでございます。さらにもう一つは、都市計画の中で考えなければいけませんので、単に文化財サイドだけではない、総合的な行政の中で考えなければならぬという問題がございますので、この保存対策につきましても、そういうような面で、調査の段階におきましても、単に写真を撮るというだけじゃなしに、いかにこれを保存をしていくかということのアウトラインといいますか、プランを考えていただく。と同時に、住民に対する啓蒙、あるいは御協力を得るというようなことに主眼を置いてこの十カ所の調査等も行っていただいておる、こういうことでございます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)分科員 わかりました。地元の協力や熱意がなければならない、これは当然でありますが、地元の協力、熱意があり余って実は国の方へお願いしているわけです。「歴史的伝統的な市街地景観を有する市町といたしましては、その保存の責務を自覚し、これがための施策の推進に力をつくしているところでありますが、一地方公共団体の力のみをもってしては、十全な措置を講じ切れないのが実情であります。」「これらの市街地景観が、日本人の営々とした生活の軌跡を示す国民共通の資産であることにかんがみ、下記のように」「保存事業を国の制度として位置づけ、十分な財政措置を講じられる」ようにお願いしたい、こういうわけですから、いま御調査をいただいたり、地元も熱意が余って、国からどうしてもやはり法律の改正をしたりして援助をしてもらわなければならない、こういうことなんです。ひとつ文部大臣からもぜひ力を入れていただくように、一言御発言をいただきたいと思います。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 この保存の方法についてはいろいろ工夫しなければいけないと思いますが、きわめて重要な問題でありますから、これは今後大いに御趣旨の線で努力をいたしたいと考えております。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)分科員 最後に、これは地元の問題であれなんですが、長野県の松本の信州大学が整備をしていかなければならない、こういう問題があり、松本市としてもこの問題に大学といろいろ連絡をし合いながらやってきているようです。  ごく簡単に申し上げると、昔、松本高等学校の土地及び現金十万円を県を通じて国に寄付し、信州大学の前身である旧制松本高等学校を招致、土地六万一千八百平米と十万円、大正八年。こういうわけです。これについて、なかなか長い間の懸案ですが、少しも進んでいかない。町の者は全部挙げていろいろ考えているようですが、なかなか進んでいかない。旧松高は地元へどうか払い下げてもらいたい、信州大学を広げるためには、する県の試験場があるが、それをひとつ大学の方で買ってもらいたい、試験場をどこに移すかというのは今度は松本市で用地を探しましょう。県と大学と、それから地元の市のこの関係がなかなかちっともうまくいかないで、実は大学の方もいま何か、大学設置基準面積は四十一万三千平米であるにもかかわらず、現在は二十二万七千、充足率五五%というのですから、拡張をしていかなければならないが、前からその話があって、県、松本、大学、この間がうまくいかないから、その隣にあった美須々カ丘高等学校の改築は現地改築みたいになってしまう、こういうことでなかなか進んでいかないわけです。  ここの卒業生に、井出官房長官あり、内田元経済企画庁長官、佐々木良作民社党副委員長、林百郎共産党議員、この先輩が寄り集まっては、あの旧松高のヒマラヤシーダは残せよ、講堂は残せよ、あれは残しておきな。松本なんかにはもうしょっちゅう来る。松本市としては、県の試験場の土地を信州大学にやって、そして旧松高は地元へ払い下げてもらって、そして試験場の移転については地元であっせんする。この三角のいろんな関係がある。なかなかうまくいかない。どうしても現地においてはなかなか話がうまくいかないようで、私も文部省の担当者にいろいろ話したり何かしているのだけれども、これは大学がいま少し欲しい顔をしないものだから、この間の建築のときも、もう現地へ高等学校を建てますというので、それでだめになった。今度もようやく移転先を松本市が探して、大学はそれが欲しければ早く取って、松高は地元へ置いて、こういうことをやればいいが、大学がちっとも積極的に欲しい顔をしていないから、この移転がまたできなくなっちゃう。せっかく残された隣接のいい場所ですから、これまた急がなければまただめになってしまう。私は、松本があっせんした移転先の土地が値上がりしちゃって、これまただめになりやしないか、こう思うわけです。  端的に申し上げると、これはやっぱり地元の松本が、大正八年は松本市の予算が十一万円、そのときに十万円と土地を出したわけですから、あのときのことをみんな知っているわけです。だから大学だって、これだけ金がかかることだから、たった五億ばかりの金を出してもらうことさえすれば、この関係がみんなうまくいく。そして松本高等学校を教育文化公園にしたい、みずからの力で音楽堂から何からつくりたい。先輩の言う、ヒマラヤシーダだとか、あの講堂や昔の建物は残したい、この願望がみんなかなうわけです。これは地元から具体的に何億どうだという話は来ておらないと思いますけれども、その辺で踏み切ってもらえば簡単にいくのではないか。  ここにいままで大学に寄付した金額その他を列挙しているわけだ。最初に十万円というのは、経済企画庁へ電話して計算してみたら、そのときの大工の日当が一円八十銭、いま九千円だから五千倍だ。あのときの十万円はそうすると五億に相当する。土地も何十億になるかわからないような額だ。こういうわけです。それで、大学が焼けたときに何を寄付した、土地を寄付したということで、みんな地元が協力しているのだ。この目的は、先ほど申し上げたように、教育文化公園に松本高等学校の跡をしたい、こういうわけですから、もう少し文部省で五億か六億の金さえ出してもらえばこの関係はうまくいくし、それがだめならば、その付近を拡張しようという最高の場所がまた全然だめになってしまう。事情はそういうことなんです。そういうことだから、もう少し積極的に、多少の予算をつけてもやりましょう、こういう熱意をぜひ示していただきたい、こういうことなんです。

宮地貫一文部大臣官房会計課長

○宮地政府委員 先生御指摘のとおり、この問題についてはいろいろ経緯がございまして、地元からもかねて陳情も承っておるところでございます。私どもとしましては、現在、長野県、松本市、大学、三者の間で話し合いが行われておりまして、大学の方針といたしましては、人文学部跡地と長野県蚕業試験場の松本支場との等価交換により処理するという基本方針で、具体的な処理の方法を話し合っておるというぐあいに大学から報告を承っております。基本的には現在そういう状況でございますので、その線で処理を進めるようにいたしたい。  具体的な事務の促進方については、私どもとしても、十分大学側と協議して、積極的に進めていくようにしてまいりたい、かように考えております。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)分科員 時間ですから終わりますが、ただ、そういうことだけ言っておったんでは、まただめになってしまう可能性があるから、ひとつ文部省としても特段の注意を払って御援助をいただきたい、こう思います。

前田正男自由民主党

○前田主査 これにて小沢貞孝君の質疑は終わりました。  次に、坂口力君。

坂口力公明党

○坂口分科員 先日の予算委員会の一般質問のときに、大臣に僻地の学校のことにつきまして幾つか御質問を申し上げました。そのときにもう少しお聞きをしたかったわけでございますが、時間の関係でよくお聞きをしなかったものですから、きょうはその問題を中心にお聞きをしたいと思うわけであります。  先日も少しお聞きをいたしましたけれども、新任の先生の山間僻地への赴任の問題でございます。そのときにたしか大臣は、全体としては一〇・五%ぐらいであり、また山間僻地に若い新任の先生が行かれるということは、一面においては、情熱を持って行かれるのでプラスの面もある。しかしまた、一面において経験が少ないということのマイナス面と、両方とも考えられるという御意見であったと思います。確かに大臣がおっしゃる両面があると思うわけでありますけれども、私の知り得る限りにおいては、新任の先生は、判で押したようにと言うと若干語弊があるかもしれませんけれども、山間僻地あるいは離れ島に行くのがもう道筋だという、何かそういう一つのルールでもつくり上げてしまったような感がなきにしもあらずと思うわけであります。  確かに統計上見ますと、四十七年度末の異動で見ますと一〇・五%という数字になっておりますが、いわゆる僻地校というふうに指定されている学校が、都道府県によりまして非常に多いところもございますし、ほとんどないところもある。そういうふうなことで、全体としては一〇・五%でございますけれども、都道府県別に見ますとかなり差がございます。たとえば山間僻地の多い北海道でありますと六〇・九%は僻地校へ、それから多いものでは山形県が五四・四%、島根が五五・一%、徳島が五七・七%、もう少し多いものでは長崎が八九・〇%、沖繩が七三・五%。ほかにも多いところはまだございますが、一番多いのは長崎の八九・〇%でございましょうか。こういう非常に高率のところもあるわけであります。僻地校に指定されていないところでも、いわゆる僻地校に準ずるようなところを含めますと、このパーセントは非常にまた拡大するのではないかというふうに考えるわけでございます。  先日大臣から御答弁いただいてあらあらのことは私も了解したわけでございますけれども、しかし、このようないままでの行き方というのが、私は教育の場ということを中心に考えましたときに、また山間僻地の教育というものを中心に考えましたときに、一考を要する問題ではないかというので実は問題提起をしたわけでございます。このことにつきまして、もう少しこれにおつけ加えいただくことがございましたら、ひとつお願いをしたいと思います。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 この前申し上げましたように、全国平均では大体一〇%程度でございますが、場所によってばらつきがありますことは御指摘のとおりでございます。  これは、実は私は僻地の先生方を相当数存じ上げているのですが、全くこれはこの前申し上げたような一面があると思います。若い先生が、未婚で、そして山間僻地へ行って実に一生懸命にやっておられる場合があるのでございます。そこで各都道府県も、その経験のある方と若い人の組み合わせということを、それぞれの状況でやはり自主的に御判断になっていると私は考えておりますのです。おっしゃいますように、北海道、それから長崎というあたりが若い人の数が多いところですが、これは、だから悪いというふうにはどうも言いにくい。僻地の教育というのはいろいろなチームの組み合わせでやっていかなければならないものではないかと私は考えているのでございます。

坂口力公明党

○坂口分科員 私ごとを申し上げてまことに恐縮でございますけれども、私自身も小学校、中学校を実は僻地校で育ちまして、私のときなんかは、戦争中ということもございましたけれども、正規の免許を持った先生には、六年間のうちでわずか十カ月ほど教えてもらっただけであったというような、私、自分自身の体験もございます。しかも複式授業というようなことです。そういったところでの先生のいわゆる教育に対する考え方、それからまた研究に対する時間、そういったものは、やはり都市部における先生のそれをはるかに上回るものが恐らくあるのであろうと思うわけであります。  そういうふうな私自身の経験からいたしまして、その教育を受ける生徒、児童の側に立ちましたときに、山間僻地であるがゆえに先生に来てもらえないのだという、そういう劣等感と申しますか、ちょっと適当な言葉がございませんけれども、そういう感じをかなり抱いた経験がございます。  それから、私、もう少し大きくなりまして、大学を出まして医者になりましたときに、一年半ほど実習を積みましてから山間僻地に赴任をいたした経験がございますが、そのときに、やはり医療におきましても、一年半あるいは二年というような短い時間の技術を積んできただけでは十分にこなし得ないものがあって、非常に悩んだ経験がございます。そのときにやはりそこに赴任してお目えになります小学校の先生等とよくお話を申し上げて、自分の心の苦しみ等をお話をしましたときに、そこに新しく赴任をなすった先生方も、やはり同じような悩みをかなりお持ちになっておりまして、卒業後、一年あるいは二年どこかでみっちりと研究を重ねてから山間僻地の学校に来られるということになったら、もっと山間僻地の教育というものを充実してやれるのではないだろうか。一面におきまして、家庭を持つとかいろいろなことができてまいりまして、山間僻地に赴任しにくいという条件もまた別に出てくるかもしれませんし、そういう私自身の経験等もあるものですから、長い間私の心の中にそれが続いておりまして、先日御質問を申し上げたようなわけでございます。  いま大臣がおっしゃったような面も確かにあると思いますし、非常に熱意を持っておやりになっている方も多いわけでございますけれども、やはり、同じ一年なら一年でクラスが幾つかあって、ほかの先生方といろいろ意見を交換できるような腸で少なくとも一年なり二年なりは経過してから山間僻地の学校にということが確立されるならば、よりこの山間僻地の教育というものが充実するのではないか、私は実はかように考えたわけでございます。  そのことに対してもしも御意見がございましたら、あるいは今後こういうふうにしていきたいという御発言がございましたら、次の質問と同じにひとつお答えをいただきたいと思います。  もう一つ、過疎地域と申し上げた方がいいかもしれませんが、過疎地域あるいは山間僻地と言われている地域の子供たちの長欠者の問題がございます。これは数字で見ますと、全国の小学校では〇・五二%という数字になっておりますが、僻地の小学校の場合には〇・七一%。それから中学校の場合には、一般的には一・〇三%でございますが、僻地の場合には一・六六%という数字が出ております。あるいは若干数字の違いがあるかもしれませんが、私の見ましたデータではそういう数字が出ております。  それから、全国と僻地校とをもう一つ比較いたしましたときに、児童生徒の健康度と申しますか、体の異常につきましてもかなりな違いがございます。たとえば胸郭異常ですね。胸の真ん中が非常にへこんでおるとか、あるいはハト胸になっておるとかという胸郭異常、これが全国の小学校におきましては、男性が〇・八六%、女性が〇・四七%でございますが、僻地の小学校に参りますと、男性が一・〇三%、女性が〇・六一%というふうに、こういう数字も多くなっておりますし、その他伝染性の皮膚疾患でありますとか、あるいはへんとう腺の肥大でございますとか、寄生虫卵の保有でございますとか、あるいは虫歯の未処置の人の数でありますとか、いずれを比較いたしましても、僻地校の方がかなり数字が上回っているわけでございます。  長欠者とこの健康度との問題は一応別のファクターであろうと思いますけれども、この二点について、どのような指導、あるいは教育内にこの問題を取り入れておみえになるか、このことについてひとつお聞きをしたいと思います。

安嶋彌文部省初等中等教育局長

○安嶋政府委員 最初に、長欠者について実態を御説明申し上げたいと思います。  小中学校の長欠児童生徒、これは五十日以上の欠席者というふうに把握をいたしておりますが、その絶対数並びに割合は年々低下をいたしております。昭和四十八年度の調査によりますと、小学校の場合は約二万九千人、中学校の場合は約二万五千人でございます。全体の児童生徒に対する割合でございますが、小学校の場合は〇・三%、中学校の場合は〇・五三%というようなことでございまして、比率といたしましては、傾向として逐年減少する傾向にございます。  それからまた、その理由でございますが、小学校の場合は、長欠の理由の七七%が病気でございまして、それに次ぐものが学校ぎらいの一〇%ということになっております。中学校の場合は全体の約五六%が病気でございまして、学校ぎらいが約三一%というふうになっております。ただいま先生から御指摘になりました数字と若干食い違うわけでございますが、私どもの把握しておる数字はこのような数字でございます。これは全国数でございまして、僻地だけの数字ではございません。  僻地だけの数字につきまして、いろいろ調べたのでございますが、まだ的確な数字がつかめていないのでございます。僻地が比較的多いと思われる府県に問い合わせてみた結果でございますが、したがって必ずしも組織的な調査ではございませんが、そうしたところの報告によりますと、僻地において特に長欠児童生徒が多いという傾向はないというふうにも聞いておりますが、さらに、先生のお持ちの資料等もいただきまして、検討をいたしたいと思います。  それから、それに対する対策でございますが、これはいろいろやっておりまして、経済的な理由によるものにつきましては、学用品や通学用品その他の費目につきまして援助の措置を講じておりますし、また通学対策といたしましてはスクールバス、ボートの購入費の補助をいたしますとか、遠距離通学費の補助をいたしますとか、そうした補助の措置も講じておるわけでございます。  また指導上の問題といたしましては、長欠がございました場合に、その理由を明らかにいたしまして、それに対して個々に必要な指導も加えるというふうにいたしております。  また労働基準法の関係から、児童生徒が就労することによって就学が妨げられないような注意もいたしておるわけでございまして、このことにつきましては、昭和三十年に文部省、厚生省、労働省三省の事務次官名をもちまして基本的な指導をいたしておるということでございます。

坂口力公明党

○坂口分科員 いま七七%が病気でという御意見でございましたが、これは僻地校だけの問題でございますか。全国平均でございますか。

安嶋彌文部省初等中等教育局長

○安嶋政府委員 全国でございます。長欠児童の長欠理由のうち、小学校の場合は七七%が病気が理由である、中学校の場合は五六%が病気が理由であるということでございます。

坂口力公明党

○坂口分科員 これは文部省だけの問題ではございませんで、全体の問題でございますけれども、特に僻地における健康管理というものがかなりおくれていることは事実でありまして、児童生徒だけではなしに、そこの地域に住む婦人の貧血の問題でございますとか、いろいろな問題が実はあるわけでございますが、この僻地の児童生徒の健康問題というものも、やはり全体の中でとらえなければならない問題であるとは私も思っているわけでございますが、しかし、こうして数字を並べますと、いずれもかなり差があるということになりますと、教育上から申しましても、これは捨てておくことのできない問題であるというので実は取り上げたわけであります。今後、教育面だけからこれを改善をするとか、あるいは教育内における衛生教育だけからこれを解決するというわけにもまいりませんけれども、しかし、僻地校のこういう生徒の統計というものがなかなかそちらにもないようでございますし、私の方も、ずいぶんいろいろ探しましたけれども、なかなかこれがなくて、直接この統計を見つけたわけじゃございませんで、ある文章の中に出ておりますものを引用して出させていただいたわけでございますけれども、この僻地の小中学校における健康状態というものを、ひとつ詳しく把握をしていただいて、そして文部省としてでき得る限り適切な御処置をお願いをしたいと思うわけでございます。

諸沢正道文部省体育局長

○諸沢政府委員 先ほど先生から、僻地の児童生徒につきまして、胸郭異常とか、回虫卵保有、伝染性皮膚疾患の罹患者が一般の地域に比して多いという御指摘がございました。その数値は、私ども毎年学校で行います定期的な身体検査の結果につきまして、これは抽出調査でございますけれども、集計した結果がございまして、それと比較いたしますと、若干数値は異なりますけれども、傾向といたしまして、おっしゃるとおり、僻地と一般の地域とではかなり差があるということは事実でございます。ただ、年次的な経過を見ますと、たとえば昭和四十二年度と四十八年度を比較いたしまして、回虫卵保有者を小学校について申しますと、一般の地域二・八八%に対して僻地が一〇・九七%。それが四十八年度におきましては、小学校一般が〇・七二%に対して僻地二・五八%、全般的に向上いたしておりますことは事実でございますが、なお、僻地が一般の地域に比べまして状態が悪いということは、御指摘のとおりでございます。  そこで、私どもといたしましては、このような僻地の児童生徒の健康管理といたしまして、一つは適切な医療機関に恵まれないという点がやはり問題だろうと思うのでありますが、その点に対応いたします方策といたしまして、現在、お医者さんあるいは歯医者さん、こういった方々に定期的に僻地の学校に巡回していただきまして、診察並びに指導をいただくというための必要な予算の補助を計上しておるわけでございます。  それから、僻地につきましては、やはり養護教諭というものに、ある意味では、衛生あるいは保健指導、あるいは保健管理という面でお仕事をしていただいておるわけでございますが、この養護教諭の数につきましても、四十九年度から始まりました学校の定数配置基準の改定では、僻地の学校につきましても、その四分の三の学校には五年間に必ず養護教諭を置く。また従来の無医村につきましては一名の養護教諭を置く。こういうことでこの対策を講じてきたわけでございますが、そういった人の面での配慮、あるいは歯科巡回指導者であるとか、あるいは学校の保健室の整備であるとか、そういったような設備的な面における整備のための助成というようなことをいたしております。  それから、何と申しましても御指摘のような病気は、一面僻地の子供さん方の栄養という問題とも関連してくるわけでございますので、三級以上の高度の僻地につきましては、全児童生徒に対して、パン、ミルクの国庫補助ということでやっておるわけでございまして、それらを総合的に行いまして、できるだけ僻地の保健関係の状態の改善を図ってまいりたい、こういうことでございます。

坂口力公明党

○坂口分科員 いま幾つかお挙げいただきました施策につきましては、私も見せていただいておりまして、よく存じ上げているところでございますが、それでもなおかつ、こういう数字の上での差が出てまいりますので、ひとつ一層山間僻地に対する手厚い施策というものをお願いをしたいわけでございます。  それから、もう時間がございませんので、もう一つ別な問題でございますが、これはもう最近言われない日がないくらい毎日言われております小学校の建設の問題でございますけれども、各市町村、特に町村の中に経済力が非常に弱い町村がございますが、そういったところで、新しい小学校を建てたいのだけれどもいかんともしがたいところがあるわけでございます。一例でございますが、これは私の方の地元の方にも嬉野町という一つの町がございまして、その嬉野町立豊田小学校というのがございますが、これなんかは建設されましたのが明治四十年でございまして、三重県内におきましても、ただ一つの明治に建てられた建物でございます。この危険度が三千六百八十点でございまして、大体建設費が現在の金額で三億円はかかるということでございますけれども、実際国庫補助は六千万円というぐらいになるように聞いております。そういたしますと、地方財政で二億四千万ぐらい負担をしなければならないということになっておりまして、こういうふうに、明治時代に建てられたような校舎でありながら、なおかつこれが新しく建築をされないままで今日に至っているわけであります。生徒数は昭和四十五年で百七十七名、それから五十年、ことしで恐らく百八十一名になるであろう、こう言われております。そんなにふえていないわけでありますけれども、周辺に団地等がたくさんできてまいりまして、併設いたしております幼稚園には七十名入っておりますから、非常に小さなお子さんがどんどんとふえてきているというような地域でございます。そういうふうな意味で、こういう特別な小学校については何らかの処置をしていかないと大変なことになるというふうに思うわけでございます。全国にはこういう例も多々あろうかと思いますが、何か特別な計画等をお立てになっておりましたら、お話をいただきたいと思います。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 豊田小学校のことについてきのう事実を調べてみましたところ、確かに明治の時代に建てられた建物と昭和の時代に建てられた建物とが混在しておりまして、施設台帳で見る限り早急に改築を要するような建物だと思います。御存じのように、市町村立学校は、市町村が整備計画を立てて、国庫補助申請があって審査されるということになります。今年度は補助単価も恐らく超過負担がない程度にまで引き上げられましたし、補助金の裏財源につきましては地方債も認められることでございますので、他の類似の市町村でがんばってやっているわけでございますから、それもぜひ市町村でがんばって改築をやられるように、先生からお話しいただくと幸いだと思います。なお補助申請があれば、十分入念に審査いたしたいと存じます。

坂口力公明党

○坂口分科員 市町村で一生懸命やれというお話でございますけれども、いままで各市町村とも一生懸命やりながら、なおかつそれが困難であるという現状があるわけでございまして、いまおっしゃるように、国庫補助で大体まかなえるようなお話でございますけれども、なかなかそうおっしゃるような調子にはいかないのではないかと思います。先ほども申しましたように、三億円で、その中で国庫補助は大体六千万円ぐらいだというふうに思うのでございますが、そんなことはございませんか。いまのお話だと、ほとんど国庫補助でまかなわれるようなお話でございますが。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 補助率三分の一でございますから、国庫補助ですべてまかなうというわけにはまいりませんが、裏財源について起債の充当がございますので、地元の負担というのは、がんばってやればやれる程度だと思うわけでございます。国庫補助の単価が従前に比べて大幅に引き上げられましたので、それは昨年たまたま事情の変化があるという説明を申し上げた次第でございます。

坂口力公明党

○坂口分科員 時間が参りましたので終わりますが、いずれにいたしましても、こういう僻地校の問題の幾つかをきょう取り上げさせていただきまして、皆さん方の注意を促し、そして僻地校に対する手厚い施策というものを主張したわけでございます。  最後に、大臣からひとつ、先ほど来申しましたことを踏まえて僻地校に対する今後の方針等ございましたら、ひとつお話をいただきたいと思います。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 先生がみずから僻地で教育を受けられ、また僻地の医療に当たられた御体験に基づいていろいろお話をいただきましたことは、きわめて貴重であったと感謝いたしております。  僻地の教育につきまして、教員の配置、それから健康の管理、あるいは長欠児童をどうするかという重要な問題がございます。これについて、私は各都道府県の教育委員会においても真剣に取り組んでいると思います。しかし、先生がきょうお話しになりましたことも十分に参考にいたしまして、今後、都道府県と協力しながら、僻地の教育あるいは健康管理というものを充実していきますように、努力をいたしたいと考えております。

前田正男自由民主党

○前田主査 これにて坂口力君の質疑は終わりました。     —————————————

前田正男自由民主党

○前田主査 昭和五十年度一般会計予算及び昭和五十年度特別会計予算中大蔵省所管、昭和五十年度政府関係機関予算中大蔵省関係を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。金瀬俊雄君。

金瀬俊雄日本社会党

○金瀬分科員 私は、最初に印紙税の関係についてお伺いいたします。  現在の印紙税は昭和四十九年五月一日から行われているわけでございますが、この税の取り方について国税庁から、「印紙税の税額がかわります」、こういう書類が出されています。これのことについて御質問申し上げます。  この中で第一号文書というのがございます。不動産に関するもの。第二号文書、「請負に関する契約書」について、この二つの点について特にお伺いします。これの上限が一億円ということでとまっていますが、これは調べてみると非常に不公正であり、適正でないというふうに感じますが、これに対する国税庁の考えはどうですか。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○中橋政府委員 印紙税と申しますのは、実は、取引におきまして、いろいろ作成、交付されます文書に張っていただくことによって、納められる税金でございます。そこで、実は他の税目と違いまして、いわば税務官署がほとんどそれにタッチしない間に自発的に納税者から納付していただくというところに、非常に簡便な利点があるわけでございます。と同時に、またそれはそういう性質のものでございますから、納税者の全くの自発的な遵法精神というのに期待をしておりますので、ある程度やはり簡便なシステムというのが前提にならざるを得ないのでございます。  そうしますと、おっしゃいますように、現在の印紙税のように、ある程度の金額ごとに、いわゆる階級別に定額の税率を設けるというのが、そういう思想に一番合っておるわけでございます。そういたしますと、やはりある程度の金額以上のところになりますと、どうしても最高の階層におきましては定額にとどまらざるを得ないということになりまして、その税負担を率として見てみますと、金額が大きくなればなるほど率が累退するというような難点は確かにあるわけでございます。  一体それをどの辺でとめたらいいのかということでございますが、おっしゃいますように、現行の印紙税は一億円というところで一番最高の税負担を置いておることは、御指摘のとおりでございます。これを一体どの辺にしたらいいのかという問題で、実は昨年の大改正においてもいろいろ検討をなされたわけでございますが、確かにおっしゃいますように、もう一つあるいは二つ上の階層をつくることも適当かと思いますけれども、冒頭に申し上げましたように、税務官署の目に触れないで納税者の自発的な納付というのを前提といたしております限りにおきましては、余り高額の税負担ということも、実は文書を二つに割るということによって、期待いたしておりますところの税負担が実現できないというような難点もございますので、まあ一億円というそれまでの最高の階層をそのまま踏襲したわけでございます。

金瀬俊雄日本社会党

○金瀬分科員 たとえば不動産の請負業の場合、小企業というのは大体五百万円くらいの工事をやっております。その人たちが印紙税を払う場合、仮に一つの取引が五百万で年間百億やったとすると、六百万の印紙税を払います。それから土建屋でも中小の土建屋となりますと、一つの仕事が大体一千万くらいです。そうすると、百億やるためには一千件の仕事を契約しますから、そうなってくると一千万の印紙税を払います。ところが大会社になりますと、一つで十億の仕事をとります。そうすると、この会社は五十万円しか印紙税を払いません。この印紙税というのは、零細企業、中小企業、大企業との間に格差が非常につき過ぎているのですよ。それに対してあなたの方は、いま言ったようなことで修正できないというふうなことであると、大企業本位の税制のあり方だということが明確になるわけですが、そう考えてよろしゅうございますか。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○中橋政府委員 結果といたしますれば、金額が大きくなればなるほど税負担がふえるというシステムでございませんから、いまおっしゃいましたような結果は避けがたいと思っております。ただ、先ほど来申し上げておりますように、印紙税というような性格から申しまして、上限をどんどん上げまして、それに対応する一応の階級定額税制を立てるということも、決して不可能ではございませんけれども、それにはやはりこの税の性格から言って限度がございますので、この程度の最高の階層というもので現在でき上がっておるわけでございます。

金瀬俊雄日本社会党

○金瀬分科員 税金が取りづらくなる、あるいは取る方法がむずかしいということを考えているようですが、仮に土建屋の例をとってみますと、鹿島建設、竹中工務店、大成建設、この三つを合わせますと年間契約が一兆円を超えているのですよ。こういう会社は、絶対に印紙とかそういうものをごまかすような会社じゃないのです。いつでもやれる態勢にある会社です。鹿島建設の場合は八割以上、竹中の場合は七割以上、大成の場合は七割以上が一億以上の契約ですよ。それを、二十億の契約もあるから平均五億の契約をしておると仮定しますと、三社で年間契約が一兆円以上ですよ。そうすると、基礎契約が五億だとすると、一年間に印紙税を大体一億納めればいいのです。ところが、一千万程度の契約をする小企業の人たちが一兆円をやると、百億の税金を納めるのですよ。そうすると、印紙税の面から言って、鹿島、竹中、大成というのは、これだけの契約をやるのに九十九億もうかっていることになる。計算上そういう計算ができるのですよ。こんなばかなことはないということで、中小企業というのですか、中小の土建屋とか不動産屋は腹を立てている。不動産屋もそうなんですよ。だから三井とか三菱地所は、大きな契約をやっても税金を納めなくても済むということになる。そう思いませんか。あなたが思わなければ思わないでいいんですよ。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○中橋政府委員 印紙税だけについて着目いたせば、おそらくいまおっしゃいましたとおりでございます。ただ、税制といいますものは印紙税だけではございませんで、いろんな税制でもって、負担をできるだけ担税力に合わせるということにいたしている次第でございまして、いまおっしゃいましたように、印紙税というのは確かに第一次的な納税のものでございますけれども、その後には、たとえば、おっしゃいますように、非常に大きな利益を上げればまた法人税でそれを追求するという道もございまするから、いろんな税金の組み合わせとしてお考えいただきたいのでございます。そのときに、印紙税もほぼ利益に応じたような課税をすべきじゃないかという御意見でございましょうけれども、印紙税といいますのは、やはり何と言いましても税務官署というものの目を経ない自発的なもので、文書の形式的な金額で納めていただくという税金でございますので、おのずと限度を設けざるを得ないのでございます。

金瀬俊雄日本社会党

○金瀬分科員 あなたの言っているのは詭弁だよ。ほかの方でたくさん取っているからこれはまけてやっているという趣旨でしょう。ならせば同じになるという意味でしょう。少なくとも印紙税に限ってこんなに差があるというのは、非常に不公正だということは言えると思うのですよ。小さな土建屋はこのことで非常に怒っていますよ。あなたがそういう考えで税金をかけているとすれば、税制についてはもう一度検討しなければいけない。大臣、こういう不公正なことをどう思いますか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 御指摘の点はよく理解できることでございます。印紙税の税率構造につきましては、物価水準の推移、文書の作成状況等を見ながら検討していかなければならぬと思います。

金瀬俊雄日本社会党

○金瀬分科員 時間がございませんので、この問題は後でまた議論する機会があると思いますので、大蔵省に対して、これはもう一度再検討してほしいということを要望いたしておきます。  それから、貯金の目減りは日本の国は世界一だ、それは認めますな。しかし、一般国民が貯金をするのも世界一だということが言われておりますが、それは認めますか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 後段の、貯蓄率が高いということは、先進国の中では世界一でございます。それから目減りが世界一であるかどうかということ、まあこれは、先進国の中で過去に消費者物価指数が上がったということが、イタリアなどと比べてどうであったかということがございますので、そっちの方が世界一であったかどうかということは、ちょっと断言いたしかねます。

金瀬俊雄日本社会党

○金瀬分科員 私どもの調査ですと、目減りも世界一、それから貯蓄率も世界一、こんなに目減りしているのに、なぜそんなに国民が貯金をするかということについて、大蔵省の考えはどうですか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 日本の貯蓄性向が非常に高いということについての分析をいろいろな学者がやっております。これには大変いろいろな説がございまして、私かつて調べましたときに十幾つか説がございました。それを全部いま覚えておりませんけれども、主だった理由としては、成長が非常に高いと所得のフローのあれが非常に高い、そういう場合には貯蓄率も高くなるのではないかというのが一つでございます。それからまた、社会保障が総体的に遅れている、それに備えて貯蓄もするというようなことも一つの理由に言われております。それから、ちょっと忘れましたけれども、十二、三原因があったと思います。しかし、私が印象的に覚えておる理由としては、その二つが一番、二番というようなことで言われておりました。

金瀬俊雄日本社会党

○金瀬分科員 これは銀行協会でちゃんと出している。銀行協会で世論調査の結果を統計で出している。第一が病気になったときが心配だということ、第二番目が子供の教育のために貯金しておかなければならないということ、三番目が老後が心配だということ、四番目が住宅を建てるため。あと何項目か続いていますが、あなたが一番初め言ったのが一番じゃなくて、国民は自分で自分の社会保障をやろうという意味で貯金をしているのですよ。だから、その貯金が目減りするということは、貯金しておる人にとっては非常な打撃になるわけですよ。その点について、目減りしないような対策を十分立てる必要があると思いますので、その点については十分な配慮をしていただきたい。  そこでなお、この貯金されてきたものがどういうふうに使われているか。大企業に何%ぐらい融資されているか。その点、言ってみてくれませんか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 預金を預かっております金融機関はたくさんございます。問題なく、相互銀行以下というところは中小専門機関ですから、中小企業に行っておるわけでございます。大企業にどれだけ行っておるかということが問題になりますのは、大体都市銀行だろうと思います。都市銀行の場合、いわゆる資本金十億円以上の大企業に対する貸し出しは、総貸し出しの中で大体四五ないし四六・〇でございます。資本金一億円以下に対するものが三一・〇くらいでございます。その差額がちょうど資本金一億から資本金十億で、これが二二・〇くらいでございますか、そういう貸し出し構成になっております。

金瀬俊雄日本社会党

○金瀬分科員 大企業に貸し出されている金が、資本金の計算によって多少違いますが、大体六割から七割ということが統計上出ています。  そこで質問いたしますが、税金のかからない、いわゆる節税という言葉が使われているが、合法的な脱税と見ても差し支えないと思いますが、匿名貯金とか偽名貯金とか架空名義貯金と言われているものがあります。こういうものに対して、大蔵省はどういう対策を立てて取り締まっているか、その点について伺いたい。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 匿名、架空とおっしゃいますけれども、正確には二つございまして、一つは無記名預金という制度がございます。正式には特別預金と言っております。これは源泉選択課税されておりまして、税金は払っております。それからもう一つ架空名義預金というのがございまして、これは非常に困った問題で、預金者の本当の名前でない名前で預金されたものというようなものでございます。これは、そういうことはしないようにということの自粛といいますか、指導はいたしておりますが、預金者の方の協力もないとなかなかできない問題でございます。この架空名義預金に対する課税は、本人であることがわからない場合には、無記名預金と同じような扱いをして、一応源泉選択の高い税率をかけておりまして、そして後また総合を追及するという余地を残しておくという形になっております。したがいまして、一応源泉選択の二五%ですか、その税金は払っておる、こういうことになっているわけです。

金瀬俊雄日本社会党

○金瀬分科員 住所と名前が確認できない貯金が大分あるわけですね。それはなぜかというと、窓口へ来て出した場合にはわからないわけですね。自動車の免許証を持ってくるとか、あるいは定期券を持ってくるとか、そういうことでない限りは見つけることは困難でしょう。だからそれは、銀行をどういうふうに指導しているかということが、これから先のいろいろな問題になると思いますが、銀行の方で逆に、こういうふうにやれば税金を払わなくて済むから、私の方で指導するからこういうふうにしなさいと指導して、そういう貯金をしている銀行があります。あなたが名前挙げろと言うなら挙げてもいいけれども、そういうことはあなたの方で確認していますか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 銀行側が主導的にそういうことをやることは絶対しないようにというふうに指導はいたしておりますけれども、あるいは先生御指摘のような事例は、絶対ないというふうには私は申し上げられないのが残念でございます。

金瀬俊雄日本社会党

○金瀬分科員 銀行で、あなたこれをやれば税金が大丈夫だからということでやらして、後で税務署に見つかって、銀行が困って、銀行員を転勤さしたり左遷さしたり、いろいろなことをやっておる例が相当ある。これについては十分注意してほしいと思う。  それについても、ここでございますが、日銀の係長が金を借りている。そして処分されたのじゃなくて、やめておりますね。これは行政罰を加えてますか、どうなんですか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 日本銀行の職員が金融機関その他等からたくさん借りまして、そして昨年の十月でございますが、辞職したということは聞いております。  問題は行政罰を加えるかというような問題でございますが、実際この人の場合、事情を聞いてみますと、非常にお気の毒な事情にもあったようでございます。それで、最初サラリーマン金融等々といったようなものに頼っておりましたのが、だんだん金利がかさんで、そして借りてしまったということなんですが、その人の場合、日本銀行当局においても十分調査したところでございますけれども、いわば職務上に関連して行ったとか、そういったような要素は全然ございませんで、全く私行上といいますか、私生活の面においての事情から行われたものであるということで、いわば処罰の対象にはならない。これは弁護士とも相談して、そのように判断したようでございます。したがいまして私の方も、別段、金融機関の職員のある種の不始末というものに対して、大蔵省が行政罰を加えるというようなこともないわけでございますが、日本銀行さんの判断にまかせて日本銀行において処理をした、さように聞いております。

金瀬俊雄日本社会党

○金瀬分科員 銀行局では検査でしょうが、日本銀行は各銀行に考査というのをやってますね。そうすると、日本銀行というのはほかの銀行を監督する立場にあるわけですね。そうでしょう。この人は、あなたは全然役柄上のことは何もなかったと言っているけれども、各銀行から為替のことが来た場合、この人のところを通さなければうまくいかないということがはっきりしている。だから銀行は五千万も貸したと言っていますよ。ある銀行へ行って聞いたら、この貸した金をどうして落とすか、不良債権として落とすかどうするかということをいま検討していると言っている。要するに返さなくてもいい処置をするということまで言っているのですよ。だから、そうなってくると、銀行というのは大体秘密主義で、外へいろいろなことが漏れるのを防ぐ措置をしている。これはどこの企業でも同じですが、銀行は特にそういうことがひどいから、調べてみるといろいろなことが出てくるけれども、このことについては十分配慮をしなければ、後でいろいろな問題が起きてくる可能性があるということだけ、時間がございませんので忠告にとどめておきます。  それから、いま日本の土地の中で、大都市の近くにある土地で銀行に担保に入ってない土地があるかどうか。それは農地を抜かして、宅地になるような土地で銀行に担保に入ってない土地があるかどうか、調査したことがありますか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 そういう調査をしたことはございません。

金瀬俊雄日本社会党

○金瀬分科員 大銀行と大企業というのは、土地を担保にして金融というのが行われているのですよ。大抵の場合全部そうですよ。そうでしょう。だから銀行局が銀行を検査した場合は、担保ということについて十分調査するはずですよ。だからわかるはずですよ。どのくらい入っているかという資料がなければならないはずですよ。まあ、そのことはないというならないでいいですよ。担保能力が下がってくるでしょう。いま総需要抑制で土地を下げると言っているのだから、土地は下がってくるでしょう、担保能力は下がるわけでしょう。銀行は金を貸してあるけれども、その土地をあなた方が下げると言っているのだから下がるでしょう。下がった場合、担保能力は下がるでしょう。そうすると大企業が困るでしょう。そう思いますか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 銀行の貸し出しの担保にどういうものがあるかという前段の方でございますけれども、これはもちろん、銀行の貸し出しがどういう担保になっているかというような、貸し出しに対する担保、あるいは無担保、あるいは保証、不動産担保というような、そういう統計はございます。不動産担保の中が土地とそれ以外とで分かれているかどうか、そこまでの統計があるかどうかはちょっと存じません。  それから、銀行が土地を担保にとって金を貸しておる、その土地の価格が下がって担保能力が下がる、これは当然のことだと思います。そういうことがございますので、普通は、土地を担保にとります場合には、一〇〇%というような評価はいたしませんで、何がしかのディスカウントをして評価をして担保価値として見ておるということが通常行われていることだと思います。

金瀬俊雄日本社会党

○金瀬分科員 それはあなたのおっしゃるとおりですよ。とおりだけれども、近ごろ銀行が、たとえば六十億貸す場合は百億の担保をとるとか、六億貸す場合は十億の担保をとるとかということはありますよ。だから担保をとっていることは事実ですよ。だから土地というのは、大企業と銀行を結ぶ金融の一つの仕組みになっているわけです。その中で、担保価値が下がってきたものだから、近ごろは銀行が増し担保というのを要求していますよね。それで都市銀行と大企業との間にトラブルがいろいろ起こりつつあるわけなんです。土地の値が下がったということはいいことだけれども、またそこでいろいろな問題が起きてくるということであるわけですが、それに関連してお伺いします。  インフレ対策ということで金利を上げましたね。十分ではないにしても、預金の目減りを少なくするために、インフレ対策ということで、預金者保護で多少金利を上げましたね。定期とか何か上げたですね。そうすると、今度は不況対策で政府がこれから先金利を下げるということをやらなければならなくなるわけですね。そうでしょう。それともこのままずっと総需要抑制というのを続けていきますか。そうすると、インフレ対策で金利が上がっている、預金者に金利を上げてやる、今度は、貸す場合は不況対策で金利を下げなければいけないということになりますな。そうすると、銀行のもうけというのは薄くなってくるところがありますね。そういう場合に、大銀行というのは、金を集めるのにコストが非常に安く集めているから、そう響かないですよ。影響はそうないわけですよ。ところが、地方銀行、相互銀行とか信用金庫とか、小さい金融機関、いわゆる小口の預金をコストをたくさんかけて集めなければならないところに、しわ寄せが来るということが考えられますね。そういうことに対する対策はいまから何か立てていますか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 いま先生のおっしゃるとおりのことであり、またおっしゃるとおりの問題があるわけでございます。したがいまして、中小金融機関といいますか、そういうところの合理化というか、そういうようなことに常に励んでもらうということがどうしても必要になってくると思います。ただ、私どもとしては、強い金融機関がのうのうとやって、小さいところ、あるいは中小企業のために役立っているところがやりにくくなるというような事態は極力避けなければならないということで、その辺は非常に手綱さばきがむずかしいのでございますけれども、中小金融というものの道が阻害されないように努めていきたい、こういうことでございます。

金瀬俊雄日本社会党

○金瀬分科員 時間がなくなりましたので、まだ用意した質問たくさんございますが、別の機会にお願いすることにいたしまして、最後に。  銀行にデータシステムというシステムがございますか。電報局とか電話局と結んで為替操作をやる装置があるはずです。ありませんか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 データ通信システムです。

金瀬俊雄日本社会党

○金瀬分科員 それはありますか。いまやっておりますか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 地方銀行が寄り集まりまして、電電公社との間にそういうデータ交換のシステムをつくって稼働しております。それに一部都銀等が加入してやっております。

金瀬俊雄日本社会党

○金瀬分科員 これは銀行の人たちはデータシステムと言っているのですよ。そして、一番初め全国の地方銀行が集まってやったんですよ。ところがそこへ都市銀行が割り込んだわけだ。それはあなた方御存じのとおりだ。大変便利なもので、為替の処理がスピード化されて合理化されるということで割り込んだわけだ。大銀行が割り込むときに、あなた方が手伝っている、中へ入れてやれと。今度は相互銀行とか信用金庫とか、そういう小さい銀行が入れてくれと言ったら、それを拒否している。そういうところでも、あなた方の大銀行とか大企業中心の銀行行政というのがわかるわけです。それに対する御答弁をお願いします。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 データ通信システムに相互銀行以下が入りたいという希望がありまして、地方銀行協会等と交渉しておることは知っております。実は現在能力の限度いっぱいになっておりまして、そこでいま、電電の方とキャパシティーをふやすというようなことをやりながら、相互銀行と話し合っておるというふうに聞いております。

金瀬俊雄日本社会党

○金瀬分科員 それはぜひ小さい銀行も入れてやっていただきたいと思います。  最後に大臣に、銀行への天下り人事について御質問申し上げます。いま銀行ほど老後の保障がしっかりしているところはないと言われています。それから大蔵省ほど老後の保障が一番完全なものはないと言われていますが、それはどういうことで国民がそういうふうに言っておるかわかりますか。大蔵省ほど老後の保障がしっかりしているところはないと言っているんですよ。その最大の理由は、大蔵省へ勤めていれば、やめるときにはどこかに必ず就職できるということですよ。特にたらい回しということで、大蔵省系の銀行で総裁がたらい回しをやられている。そういうたらい回しということで、老後の保障というのは大蔵省へ入れば間違いないとまで言われているということ。  そのことに関連しまして、日銀はこの三月で何人ぐらい定年が来てやめることになっているかわかりますか。定年が来てやめることになっている人が、私の調査では、間違っておるかもわかりませんが、八十人ぐらいいるはずですよ。だから、そういうものに対する天下り人事ということについては、大蔵省と日銀の人たちだけが非常に老後の保障がしっかりしておるということは、国民的な感情からして非常にうまくないということを考えますので、大臣、その点については十分御配慮してほしい、さように考えます。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 大蔵省、日銀が老後の生活保障の意味で有利な立場にあるのではないかという御指摘でございます。大蔵省や日銀へ勤めた者が、その能力のゆえをもちまして、第二の人生を主として金融方面で開拓できるということは考えられることでございますし、また幸せなことであると考えますけれども、しかし、あなたが御指摘になりますように、大蔵省も日銀も何も特権階層ではないわけでございまして、これらの出身者の就職の機会が、他に比べまして特に恵まれた条件を持ち続けて、その上にそれが既得権化してまいるというようなことはデモクラティックでないと思うわけでございますし、それは究極において、大蔵省や日銀の信用にも影響があり、行政にも影響があることでございますので、望ましいことではないと思うのでございまして、御注意のありました点は、十分戒めて、人事管理、それからOBのお世話に対処したいと思います。

金瀬俊雄日本社会党

○金瀬分科員 どうもありがとうございました。

前田正男自由民主党

○前田主査 これにて金瀬俊雄君の質疑は終わりました。  次に、北側義一君。

北側義一公明党

○北側分科員 田中内閣から三木内閣にかわりまして、産業優先から生活優先の政治路線がとられておるわけであります。     〔主査退席、阿部(助)主査代理着席〕 しかし、国民生活を考えてみました場合に、生活関連整備、特に住宅、下水道、これらについては十分なる公共投資を行っていかなければならない、このように私自身は考えておるわけでありますが、先般、建設省が発表いたしました「新国土建設長期構想」、それによる「昭和四十九年から昭和六十年までの住宅必要見通し」、このパンフレットによりますと二千四百四十万戸、このように推定しておるわけです。その場合、このような推定に基づきまして、それの資金手当てというものが必要になってくるわけでありますが、いままでの例を見ますと、昭和四十八年度におきましても、いわゆる公的資金以外の民間自力建設と言われる住宅が約七八%ですか、そういうように大部分が民間資金に依存されておるわけです。  このようなことからして、大蔵省として、今後この住宅対策に対しての金融、これをどのようにお考えになっておられるのか、まずそれをお伺いしたいと思うのです。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 わが国の住宅金融の現状と申しますか、それの公的部門と民間部門というものの構成比でございますが、四十八年度、七八ぐらいが民間部門であるというようなことで、大体七対三ぐらいのことになっております。将来ともそういうふうになるのかどうかというようなこと、これは、まさにこれからの政策によるところだろうと思いますので、このシェアといったようなものをどうするこうするということは、いまちょっと申し上げるわけにはまいりません。  それから民間部門ということでございますが、一般の金融機関の住宅ローンというものが総貸出に占めておりました比率というのは、非常に低うございました。それがこの一、二年といいますか、二、三年といいますか、非常に力を入れるということになりまして、現在四ポイントぐらいのところまで来ておるわけでございます。それから四、五年前から民間に住宅金融専門会社というのができまして、これもゼロから出発して現在三千億ぐらい貸しておるということで、これから、民間の金融機関プロパーの住宅ローン、あるいはそういった民間の住宅金融専門会社といったようなものの融資というものが漸増していくことであろうということは、現在申し上げることはできますけれども、全体として要る金の中で民間部門がどれだけ引き受けられますというようなことをいま申し上げるわけにはまいらないと思います。

北側義一公明党

○北側分科員 まあ一般常識から考えてみまして、第一期住宅建設五カ年計画、または第二期住宅建設五カ年計画を見ましても、あなたが先ほど言われたとおり、大体七対三の割りなんですね。しかし七対三の場合でも、いわゆる住宅金融公庫あたりから借りる分については、その金だけじゃだめなんで、やはり銀行ローンを使っておるわけです。そういう面から見ますと、大体七八%程度、これは着工件数による統計ですが、そうなっておるわけです。  そうして考えてみた場合に、やはり今後の住宅政策というものは、公的資金面に重点を置くなら別として、大体いままでどおりの既成の路線を進んでいくようなことになりますと、今日までの住宅ローンのあり方では、とてもじゃないがこれは達成できない、このように私は思うわけなんです。  私、ちょっと調べてみたんですが、あなたが言われたとおり、わが国の住宅金融は欧米に比べまして非常におくれておるのです。これは日銀の経済統計月報等によって報告されておる数字でありますが、各国の住宅金融の概要、こういうのがあるんですが、その中でアメリカ、西ドイツ、日本、これが比較されておるわけです。それを見ますと一九七三年三月末、いわゆる昭和四十八年の三月末ですが、これが日本では、住宅貸付残高の総貸出に占める割合は六兆七百九十九億円で、五・九%になっておりますね。私、ここに表を持っております。この表です。それからアメリカでは、一九七二年十二月末、昭和四十七年十二月末ですから、三カ月しか統計のあれでは違っておりませんが、住宅貸付残高の総貸出に占める割合は三千五百八十六億ドル、円換算しますと百七兆五千八百億円です。これは四五・二%になっております。日本は、先ほど言いましたとおり五・九%です。西ドイツでは一九七二年十二月末、やはり昭和四十七年の十二月末に、住宅貸付残高の総貸出に占める割合が二千六百十二億マルク、これは円計算しますと、多分三十三兆三千四百三十四億円になると思うのですが、これはとにかく三三%になっております。  このように見ますと、日本のこの住宅金融について総貸出に占める割合というのは非常に低いわけです。これは、いままでの日本の住宅金融の形態によってこういうことが起こったということは理解はできるのですが、しかし、今後の住宅対策を考えてみた場合に、やはりこのシェアをこれから広げていかなければならないのではないか、そうしなければ、いわゆる目標達成というものはできない、このように私は考えておるわけです。  このような原因というのは、先ほど言いましたとおり、いろいろな理由はあるでしょうが、やはり一つは、住宅金融に対する政府の考え方が非常に甘いものがあったのではないか、このように私は考えておるわけです。それとまた、現在の日本の銀行は、都銀なり地銀なりいろいろありますが、全国の銀行の、いわゆる金融機関の実利追求性、もうかったらいいというような考え方ですね、これが多分に作用しているのではないかと思うのです。たとえば住宅ローンで貸し付けるのと法人に貸し付けるのとでは、ずいぶんと相違が出てくるわけです。たとえば法人に貸し付けた場合は非常に回収が早い、住宅ローンの場合は回収が非常に長期にわたる、そのようなことで、どうしても法人に貸し付ける分が非常に多くなっていく。ましてや個人の場合は、いわゆる歩積み両建てというものも非常に取りにくい。ところが法人に貸した場合は歩積み両建ても取りやすい。そのような金融機関の実利追求性、そういう問題からこのような数字になっていくのではないか、このように私自身は見ておるわけでありますが、やはり先ほど申し上げましたとおり、これからの住宅対策を考えた場合に、これを何らかの形で考えていかなければ解決できないのではないか、このように私自身考えておるわけなんです。それについてどのようにお考えでしょうか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 アメリカ、西ドイツ等に比ベまして、わが国の民間金融機関の住宅ローンの残高が少ないという御指摘はそのとおりでございますが、多少国情といいますか、金融制度の違いもございまして、アメリカでも純然たる商業銀行だけで見ると、それほど——もちろん向こうの法が高いのですけれども、日本と差があるわけではございませんで、向こうは不動産抵当銀行とか住宅金融機関といったようなものが非常に発達しておりまして、そういうのがたくさんあるということも一つございます。これも御一考を煩わしたいと思います。  それから従来、法人部門に金を貸し過ぎて個人部門をおろそかにしておったではないかという御指摘でございますが、それも否定するわけではございません。ただ銀行というものに、ある一つの仕組みといいますか制約というものがございまして、住宅ローンといいますのは、御承知のように、大抵十年、十五年あるいは二十年ということでございます。日本の銀行は、現在、通常民間金融機関というものは、いわゆる商業銀行、コマーシャルバンクというようなことを言われまして、そして資金源も大体定期預金といいますが、これも従来は大体一年ものでございまして、二年というのが若干あるということで、実際は銀行のそういう資金の仕組みからくる長期の貸し出しはなるべくやらないようにというような要請も、性格上出てきておる面もあったわけでございます。もちろん絶対に短いものだけやれというわけではなくて、底だまりの分があったりしますので、設備投資といったようなもので五年^七年という貸し金をやっておりましたけれども、住宅のように十年、二十年というものが貸し出しの主流になるというのには、資金的な制約があるという面もございます。それにしても、従来一%、二%という残高は少なかったのではないかということで、最近張り切ってきてこれが五%ぐらいのところまで来ておるということです。  今後ももちろん、住宅ローンというものについて手を抜くわけにはまいりませんで、国民の方に目を向けた資金運用をするということになれば、当然重視していかなければなりませんけれども、商業銀行としての限界はあろうかと思います。したがって、この住宅ローンが四割か五割かというような残高になるということは、ちょっとむずかしいのではないか、かように考えておるわけでございます。したがって、そういったものをやるためにはというので住宅金融会社というようなものをつくったというのも、そういう一つの考え方から出ていることでございます。

北側義一公明党

○北側分科員 あなたはいまお答えになっておりますけれども、商業銀行の場合でも西ドイツ、アメリカは非常に多いのです。これは日本とは全然違いますね。日本はパーセントを見ますと非常に低いのです。それとあわせて、いまあなたのおっしゃっているいわゆる住宅金融の専門会社、これが欧米諸国で非常に発達しておるわけですね。そこらの違いが出てきておるのではないかと思うのです。しかし、見逃すことができないのは、やはり住宅金融の独自の原資調達というものが欧米ではできているんじゃないかと思うのです。ところが、日本では同じで、どうしても商業銀行に依存していく。あなたが言われたように、商業銀行ではそんなに三〇%、四〇%伸ばせない、このような答弁になれば、そこでどうしても、いわゆる住宅専門の会社というものをつくらなければ、こういう目標なんというのは、なかなか達成できないと思うんですよ。そういう点で、そういうあれを今後どのようにやっていかれるのか。そういう専門会社をつくられて、それをまた、いまできたものに対して大幅に原資をつくってやっていくのか。そこらの見解はどうなんですか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 現在あります民間の金融専門会社の資金というもの、これをふやすべく、たとえば昨年の十月から住宅抵当証書というような制度をつくりまして、そして金の余っていそうなところにリファイナンスするという道を開いたりいたしております。それからまた別途、現在住宅金融会社というのは四社ございますけれども、さらに民間においてもつくるというような動きも聞いておりますので、まあこれも数はふえていくだろう、かように考えておるわけでございます。

北側義一公明党

○北側分科員 数がふえていくだろう、そこら辺の答弁しか出てこないわけですね。しかし、これは、建設省あたりは、こうやってはっきり戸数まで出しているんですよ。そうすると、これは達成する、しないなんというのは、少なくともこうやって目標を政府がパンフレットとして出した以上は、それに対して達成するような資金のあり方、手配というものが必要じゃないかと思うのです。ですから私はお聞きしているわけです。特に三木内閣は、住宅対策、下水道対策に対しては、真剣に取り組んでいくとおっしゃっておられるわけですから、その答弁にしては余りにも——もう少し明確な答えが返ってこなければうそじゃないかと私は思うのです。  またたとえば、現在のわが国の住宅金融の状況を見ますと、住宅金融としてのいわゆる全国銀行あたりで別枠というのは余り設けてないですね。その指導はなさっておられます。それは知っております。一般の貸出枠の中でそれを操作しておるわけです。そうしますと、今回ありましたとおり、たとえばこの昭和四十九年度の初めのインフレ等で、金融引き締めで相当落ちていますね、住宅ローンの貸付高というものは。そういう面から見ますと、いわゆる総需要抑制、金融引き締め等、それをまともにそういう住宅ローンは影響を受けて、金融貸し出しで非常に困っておるときはそういうところを締める、そして借りてもらう人がないときは、そっちの方にじゃんじゃん回っていく、こういう傾向が出てきておるわけですよ。こういう傾向があったのでは、とてもじゃないが、国民の要求するような住宅建設は成り立たないと思うのです。  そういう点から、住宅金融については、一般の貸し出しと別枠のものを設けなければならないのではないか、景気のいわゆる調整策の影響を受けないような、長期的な、また計画的な住宅建設ができるような特別枠を設ける必要があるのじゃないか、このように思うのですが、その点どうでしょうか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 その別枠という問題は、実は日本銀行の窓口規制のことだろうと思います。したがって、私が答えることではないのでございますが、しかし、住宅ローンが緩慢期、引き締め期によって急激にふえたり、あるいは減少したりというようなことがあってはならないということは、おっしゃるとおりでございます。確かに緩慢期には非常に出ました。しかし、引き締めが二年続いておりますが、この二年の間に住宅ローンが減ったということはないのでございます。そのふえ方が緩慢期に比して減ったということでございまして、一般の貸し出しの増加率が、たとえば四ポイントぐらいのときに、住宅ローンだけは十何%というような伸びをしておるわけでございまして、したがって、引き締めのさなかにありましても、住宅ローンはよくやってきたなというような感じできておるものでございます。減ってはおりません、そのふえ方が減ったということでございます。しかし減っても、一般の貸し出しの伸びよりは図抜けて多くふえておるというのが、住宅ローンの実情でございまして、今回はかなり、各金融機関とも別枠というような取り扱いの有無にかかわらず懸命にがんばってきておる、こういうふうに了解しておるわけでございます。

北側義一公明党

○北側分科員 結局そこらが考え方の違いだと思うのです。私があくまでもお話し申し上げておるのは、少なくとも政府からこのように明確な数字が出る以上は、それに対する資金手当てはやはり考えなければならないということを言っておるわけです。そこから私は物を言っているわけです。そうしなければ判断材料がないんですよ。だから私は、あくまでも政府が出した以上は、それにこたえるべく、大蔵省としてはその資金手当ての行政指導なり、そういうものをいかにやっていくかという面で物を言っておるわけなんですが、その点はそれでよろしいでしょう。  ここでひとつ大臣、いまいろいろやりとり聞いておられて、私は、政府が出すような長期計画というものについては、達成する見込みがあるから計画を出されるのじゃないかと思うのです。それに対して、いま私自身が大体調べてみますと、いまのたとえば住宅金融関係のいわゆる特別な枠を設けてやるとか、またたとえば専門会社をうんと伸ばすとか、そういう方向に行った場合には達成するかもわかりませんよ。しかし、いまのままでは達成しないのが現実であるように思うのですが、これについて、大蔵大臣としてはどのようなお考えをお待ちなのか、それをまずお聞きしたいと思うのです。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 仰せのように、政府が計画いたしました住宅建設計画、これは何としてもお約束どおり実行いたさなければならぬと思いますし、それに必要にして十分な資金の手当ても、政府として責任を持って処置いたしてまいる覚悟でおるわけでございます。  いままでやりとりを聞いておりまして私が感じますことは、わが国の場合、産業資金を、直接に資本市場から調達するというよりも、銀行を通じて調達するような制度になっておりますので、銀行が担っておる役割りが、わが国は諸外国に比べて非常に多彩で、荷物が重いわけでございます。したがって、住宅金融のシェアから言うと、あなたが御指摘のように少なくなっておるということは、そういう金融構造上の問題が一つあると思うのでございます。     〔阿部(助)主査代理退席、主査着席〕  それからその上に、昭和二十年代、三十年代、いわば住宅どころの話ではなかったわけで、ミニマムな食う物から着る物からまず用意しよう、それから基幹産業の土台を一遍つくり上げなければいかぬというようなことでございましたので、住宅金融にまでなかなか回らなかった事情もおくみ取りいただきたいと思うのでございますが、ようやく四十年代に入ってから、ぼつぼつ住宅計画というようなものを、相当の実質的なものとして考えるようになってまいったことは、非常にありがたいことと思うのでございます。  それからまた、産業政策全体も、たびたび政府が申し上げておりますように、生産本位というのを生活本位あるいは福祉本位のものにしなければならぬというようなことの質的な転換もしていかなければならぬわけでございまして、かたがたこれからは、面目を一新した姿において住宅政策が推進できる主体的、客観的な条件がだんだんと熟してきつつあるように私は思うわけでございます。したがって、そういう状況を踏まえた上で、せっかく立てました計画は実行させていただかなければならぬと考えております。  ただし、たとえば公営住宅が去年の当初計画に比較して五十年度は一万戸落ちておりますとか、公団住宅が一万戸落ちておるとか、公庫住宅等はふやしておりまするけれども、アイテムによりましては落ちたものもあるじゃないか、それは住宅政策の後退ではないかというような批判が一部にあるわけでございます。しかしこれは、実際のニードにやはり計画がこたえていかなければいかぬという面がありますことと、それから、戸数だけで問題を見ずに、ニードにこたえる意味では、われわれはもう少し規模も大きくしていくように配慮しておるから、戸数ばかりにこだわっていないという配慮もあるわけだということも、あわせて御勘案いただきたいと思うのでございます。  それからまた、先ほど銀行局長がいろいろ言っておりましたが、金融機関の住宅ローンでございますが、私が見ておるところ、先生は、いま別枠で大いにやっていただくようにすべきじゃないかということでございますが、実際上は別枠みたいになっておるのです。あれはもう特別な金利になっておりますし、住宅ローンを手がけて、あれは金融機関は、ある意味においては相当犠牲的な計算になると思うのでございますが、それでも一・四半期に千億円を割ってはいかぬぞというようなことで、われわれもしりをひっぱたいておるわけでございますが、それにこたえて、ともかくもいままで住宅ローンの消化に努めてきてくれておるわけでございますから、実質上は私は、北側先生のおっしゃるように、別枠的な推進に金融機関は協力してくれておると思うのです。しかし私は、このペースを崩さずに一層努力していただくように督励は続けてまいりたいと存じております。

北側義一公明党

○北側分科員 一遍大臣、この試算をしてください。二千四百四十万夏公庫資金、民間自力建設、これは大体いままでの経過から分けられますから、それで一体いまのままでいった場合には、これが達成できるのかできないのか。いままでの枠の一〇%、一千億、この枠ではもうだめなんです。年々伸びていかぬと、それが達成できないようにはっきりなっております。これは試算していただけばわかりますから、一遍後で試算していただきたいと思うのです。  それとあわせて、たとえばいま普通一般のマンションの分譲、またたとえば建て売りの分譲、大体一千万円ぐらい借りるケースがずいぶんあるわけですが、一千万円のいわゆる住宅ローンを返済しますと、これは利子が九・四八ですか、そうしますと、毎月均等返済になりますと九万三千八十四円。一千万借りて五百万、五百万、ボーナス五百万、毎月均等五百万、こうなりますと、毎月返済が四万六千五百四十二円、ボーナス時の返済が二十八万四千八百三十八円、これを二十年続けるわけですよ。ということは、正直に言うてもう不可能に近いんですね。たとえば、ここにおられる課長さん方でも、ちょっとこれは払えないですよ。大蔵省の課長だって払えないものを、普通の一般の住宅の欲しい人は払えないですよ。それが実態なんです。  こういう面も、やはり政府として何らかの対策を考えなければいけない時期が来ているんじゃないかと私は思うのです。そういう点も、ひとつぜひとも大蔵大臣考えていただきたいと思うのです。  それから最後にもう一点、実はまだ大分問題があるのですが、これだけぜひとも聞きたいのです。たとえばいわゆる国の直轄事業なりまた補助事業の用地の先行取得を地方公共団体がやっておりますが、その場合、国がその地方自治体に支払う場合は、その地方公共団体の用地の取得価格と利子九%の合計額を支払う、このように大蔵、自治両省の協定で決まっておるらしいんですね。ところが、国の買い取り価格というのは時価を限度とする、このようになっておるわけです。これは大蔵、自治両省の協議でそうなっておるらしいのです。  そこで、私は思うのですが、たとえば総需要抑制、金融引き締めで、御存じのとおり地価が下がってきております。これは、国土利用計画、また税の強化、いろいろなあれから下がってきておると思うのです。その場合に、たとえば数年前の安いときに買った用地なら結構なんですが、そうでない場合に買い取ったら、ここにありますとおり、時価を限度とするとなりますと、これは非常に問題になってくると思うのです。そうすると結局、地方公共団体が、いわゆるバイパス建設その他、いわゆる国のために用地買収したその価格よりも損をして国に戻さなければならない。  自治省あたりに聞いてみますと、今後こういうことがあるんだったら絶対先行買収せぬと言っておりますよ。国が全部用地買収にかかるわけにいかないわけですが、そういうふうになって、もし自治省の言うとおり、これが解決できない場合には、これからの国のいわゆる公共事業に対する用地買収というのは、非常に困難になると思うのです。一体それをどのようにお考えになっているのかお聞きしたいと思うのです。

高橋元大蔵省主計局次長

○高橋(元)政府委員 いまのお話でございますが、建設省から私どもまだ具体的に、公共事業の先行取得した用地につきましてそういう問題があるということを聞いておりませんが、御指摘もございましたから、これから関係の各省で相談をしていきたいと思います。  ただその場合に、国が時価以上に高い土地を取得するということも、これは財政上、また国民の負担から見ても大変なことでございます。たとえば特別交付税によりますとか、そういう方法も含めて検討を進めてまいりたいと思います。

北側義一公明党

○北側分科員 もう最後です。  大蔵大臣、そういうことでこの問題も、地方公共団体が全部国のために先行買収して、しかも十地の価格が下がったから下がった分だけは地方自治体が持ち出すんだということになりますと、もう一切、地方自治体はこれから用地買収してくれませんよ。これは大変な問題になると思うのです。だから、そこのところをよくひとつ検討していただきたいと思うのです。  以上で終わります。

前田正男自由民主党

○前田主査 これにて北側義一君の質疑は終わりました。  次に、三谷秀治君。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷分科員 特殊法人が幾らあるか、運営補助金が幾ら出ておるか、それから出資金が幾らになっておるのか、役員の数が幾らで、政府各省から出向いている役員は幾らか、これを先にお尋ねしたい。

高橋元大蔵省主計局次長

○高橋(元)政府委員 突然の仰せでございますので、いま手元に資料を持ち合わせておりませんが、後刻また先生の方に御報告させていただきたいと思います。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷分科員 それでは後で届けてください。  先般、政府関係の公社、公団、特殊法人の労働組合、政労協と言いますが、政労協が調べたところによりますと、役員の八割が国から天下っておる。特殊法人は百十ありますが、照会をしまして、そのうち七十七法人が回答をよこしております。その回答によりますと、三百八十四人の役員のうち三百五人が政府各省から天下っておる。民間からの登用が二十九人である、内部登用が二十八人にすぎない、こういう調査結果が出ておりますが、ほほこの程度の率になっておることは御確認ができますか。

高橋元大蔵省主計局次長

○高橋(元)政府委員 調査いたしまして、後刻御報告いたします。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷分科員 そのうち、この天下りポストを転転とかわっていく、渡り鳥と言うんですが、渡り鳥が大分おる。この渡り鳥が八十八人、二三%でありますがあります。これも、いまお答えができなければ、あとで資料をいただいて結構ですが、そういう状況になっております。  そこで、お尋ねしたいのは、このようにしまして、国で二十年なり二十五年なり勤め上げまして、そして、こういう特殊法人に就職をする、その場合の待遇はどうなっていくんでしょうか。民間で定年以後の第二の就職をしますと、必ずこれは給与がダウンをしますし、そして少なくとも、いままでよりはよくないというのが通例になっておりますが、国の場合はまるっきりあべこべになっておりますけれども、そこら辺は一体どのようにお考えになっておるか、どのような実態かお尋ねしたい。

高橋元大蔵省主計局次長

○高橋(元)政府委員 特殊法人の役員として退職後就職される方の給与をどうするかということでございますけれども、特殊法人の役員の給与をどういう基準で決めておるかという考え方を申し上げますと、特殊法人の業務が公共性、特殊性を有しておるきわめて重要なものである、したがって、その理事者の地位に立たれる方にも練達の士を置く必要があるだろう、したがって、人材を一般にも広く求めるという趣旨で、その給与は、民間企業の役員の給与というものと、それから特別職ないし指定職の公務員の給与と、この二つとのバランスを考慮して決めておるわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷分科員 大変抽象的ですけれども、たとえば農用地開発公団の理事長の方は水産庁の長官をなさっておりましたね。水産庁の長官を退職されまして農用地開発公団に行かれたのですが、退職時の給与というのは三十六万円ですね。今度行かれたところでは六十一万六千円になっている。新東京国際空港公団の副総裁という方も、運輸事務次官でありましたが、この人は退職時給与は四十三万円でありましたが、新しく就職されました場合には六十七万円になっている。これは挙げたら切りがありませんが、とにかく定年退職をなさって、そうして恩給をもらい、退職金をもらって、そうして第二の就職をなさる。そのときにけた外れの給与が出ておる。またけた外れの退職金の規定がなされておる。少しこの点については程度が過ぎておりはしませんか。  たとえば退職金にしましても、国家公務員の場合、地方公務員の場合でいきますと、二十年勤めて二十一カ月分の退職金。ところが公社、公団などにいきますと、四年勤めれば二十一・六カ月分もらえる。つまり、国家公務員が二十年間働いてもらう退職金の額を、公団の役員として行きますならば、四年間で受け取ることができる、こういう内容になっておる。こういうべらぼうな格差というのはどうしてあり得るのか、御説明いただきたい。

高橋元大蔵省主計局次長

○高橋(元)政府委員 公団の役員の給与の水準につきましての考え方は、先ほど申し上げました。  退職金につきましては、やはり同じように人材を確保するという考え方から、原則として民間の役員の退職手当の支給率ということを頭に置きまして、支給月数、それぞれの公団で主務大臣の認可を受けてお決めになっておるわけでございます。それが四十五年二月以前は、一月について百分の六十五という支給割合でございましたが、四十五年の二月に閣議で口頭了解がございまして、それ以後百分の四十五以内ということに下げるようになったわけでございます。  そこで、先生からただいま仰せのありましたように、四年間で申しますと、年について五・四カ月でございますから二十一・八カ月、こういう割合になりますが、これは同じような責任の地位にある民間の会社の役員の退職手当の水準と比べて決して多くないというのが実情でございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷分科員 それで、最初にお尋ねしたのですが、この運営補助金や出資金が幾ら出ているのか。これは民間会社じゃないのだ。国費によってまかなわれておる、国費によって補助を受けている会社なんです。それが民間会社の役員の退職金と同額である、そういうことでは通用するものじゃありませんよ。  第一、前職が事務次官だとか局長だとか長官だとか、それぞれ重要な役職についていらっしゃった方が今日定年でおやめになる。その二十年勤めましてもらいます退職金が、たとえば日本道路公団の副総裁で言いますと千九百万円、本州四国連絡橋公団理事の例でいきますと千二百万円。それがすでに四年勤めましたから、いまここをやめた場合、千六百万円の退職金が出る。本州四国連絡橋公団の場合は千三百万円の退職金が出る。つまり二十年、二十五年勤めました国家公務員の五倍以上のものが特殊法人においては支給されるということです。こんなことは国民が合点できるものじゃありませんよ。これはやはり公務員並みに扱っていくという性質のものでしょう。大臣どうですか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 問題は二つあると思うのです。そういう公社、公団という政府機関の役員の処遇をどういう水準において考えるか。三谷さんがおっしゃるように、これは政府の息のかかったものである、政府が出資しておるもので、純然たる民間機関じゃないのだから、それより低目であってしかるべきだという考え方でいくべきか。主計局から御答弁がありましたように、人材を確保する見地から民間の会社の役員に準じて考えてしかるべきか。これは、どちらが絶対的に正しいとも言えないわけでございます。  ただ、政府出資に係る特殊法人なんかの役員の給料は、従来ずっと高目に決められておった経緯があったことは、御案内のとおりでございます。その後、三谷さんのおっしゃるようないろいろな批判もこれあり、だんだんと給与水準の是正が図られまして、退職手当も含めましてただいまのような水準になってきた沿革があると思うのであります。現在の水準に対しましても、いろいろな御批判があり、評価があるだろうと思いますけれども、そういう経過を経まして、ただいまの水準まで来ておることを御理解賜れば幸せと思います。  第二の問題は、こういう政府機関に、政府におった者が天下りしてくるのがいいか悪いかという第二の問題があると思うのでありますが、政府の役人も第二の人生を政府機関に求めて悪いということはないと思うのでありまして、それにふさわしい経験と学識を持ち、信用を持っておる人材でございますならば、政府機関でお働きをいただいて決して差し支えないのではないか、そういう道を開くこともデモクラチックであるのではないかと私は思うのでございまして、問題は、選ばれた人が役人という経歴を持っておったかどうかということが問題ではなくて、それが適格者であるかどうかということから御判断を賜りたいものと思います。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷分科員 臨時行政調査会がこの問題につきましては見解を示しまして、政府から天下りする役員が半分以上になることは好ましくない、せいぜい半数以下にすべきだという見解を示しております。「広く人材を求めるため、官庁の都合本位による役員人事をやめて、役員は部内外からも積極的に登用することとし、かつ本省からの直接登用による役員は原則として役員の半数以下とする。」こういう見解を示しております。この趣旨からしましても、八割が天下りであるということは正しくない、改善する必要がある。  それから人材確保のために、一定の給与が必要なんだとおっしゃっておるが、国家公務員はどうなんですか。国家公務員も人材がおるんでしょう。国家公務員と比べてまるっきりけたはずれの待遇をやっておる。退職金も出しておる。  たとえば、本州四国連絡橋公団の総裁をなさっておる方、この人は建設省の道路局長をなさっておったんでしょう。道路局長をなさっておって、やめましたのが大分前になりましたけれども、三百二十三万八千円の退職金だった。それがどうですか。道路公団の副総裁に行って二年四カ月勤めたが三百七十一万八千円の退職金。それから道路公団の総裁になって四年ほどですけれども、千五百十二万円の退職金です。今度これが本州四国連絡橋公団の総裁になりましたから、いまやめたと仮定しました場合、二千万円の退職金が出るわけだ。つまり、こういう退職金かせぎであちこち渡るのを渡り鳥と言っておる。これは典型だ。  こういうことが、不公正是正をおっしゃっておる三木内閣のもとにおきまして、理屈にならない強弁で通せるものかどうか、これは国民は納得しませんよ。御見解をお尋ねしたい。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 先ほど私から申し上げましたように、従来、特殊法人の場合べらぼうに高い給与水準がきめられておったわけでございます。それがいい悪いを別にして、そういう経緯を経て、それを漸次是正して、今日の水準に至っておるということでございます。公務員の水準よりかけ離れておるということについての御批判でございますが、従来よりもずいぶん是正いたしまして、今日こういう水準にまで参ったわけでございます。そういうふうに御理解を願いたいと申し上げたわけでございます。  それから第二に、渡り鳥、退職金かせぎじゃないかとごらんにならずに、富樫さんのように非常にすぐれた、土木技術者として高い信用と声望を持った方は引く手あまたであって、休もうと思っても休ませていただけなかったというように御理解、御同情をいただきたいものと思います。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷分科員 世間話をしてもらっては困るんですよ。論理的に物を言ってもらわぬといけません。  それで、確かに以前は百分の七十五、つまり特殊法人になってくると退職金の計算の仕方が違う。国家公務員や地方公務員の場合ですと一年につき一カ月、こういう計算になっておる。ところが、ここは一月につき何ぼになっておるのだから、全然けたが違っておるわけだ。これは前はもっとひどかった。確かに百分の六十五だとか百分の七十五というのがあったんですね。むちゃくちゃでした。それから比べると、幾らか是正されましたけれども、まあしかし五十歩百歩ですね。これはもう少し是正される必要がある。こういう状態では、国民はなかなか納得しません。地方の職員の給与が高いとかなんとか言って、盛んに政府はキャンペーンなさっておりますけれども、こういう金の使い方が問題なんですよね。  まあ自治省から出ました柴田次官にしましても、京都の知事選挙に出て、京都に骨を埋めると言っておった。それが本四連絡橋公団に行っておりますが、いまやめましても千六百八十八万円の退職金をもらえる。彼が自治省に長年勤めましてもらえましたのが千二百万円でしょう。二十数年勤めて千二百万円、それがわずか四年八カ月勤めて千六百八十八万円になる。少しこれは程度が過ぎております。  これを検討して、もう少し合点のいく内容のものにしてもらえませんと、大企業の重役の扱いだなんということをおっしゃっておったら、これは大変なことですよ。こんなものはあなた、政府関係の特殊法人であって、自分が金を出資して自分が勝負をかけてやっているのと違いますよ。国の金によって、つまり国民の税金に依存をして仕事を分任している、それだけのことなんです。それをまるきり民間の大会社と同じように扱っていくという考え方がそもそも間違っているんです。これは大蔵大臣、まあ、あなた財布の口を閉めるのがお仕事のようだけれども、ここら辺を閉める必要がありはしませんか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 三谷さんの御主張もわからぬわけではないんです。けれども同時に、公社公団も一つの生命体でございまして、すぐれた人材に来ていただいて活力のある、能率のある、権威のある仕事をしていただかなければいかぬわけでございまして、給料がつましいばかりが芸ではないのでありまして、やはり人材の確保が大事だと思うのであります。しかし三谷さんのような御主張も私、理解できないわけではないわけでございます。したがって、政府としても漸次是正、改善の道を講じてきたわけでございますが、しかし、全体として政府機関の給与の水準はどうあるべきか、退職制度というようなものはどうあるべきかというようなことは、いろいろな角度から検討に値する課題であると思います。三谷先生のおっしゃった点も、一つの見方として拝聴いたした次第でございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷分科員 そこで、これは一つの見方とおっしゃいますけれども、国民の考え方はそんなものです。国家公務員あるいは地方公務員が二十年、三十年勤めましてもらう退職金よりも、四年間勤めてもらう退職金が多いわけだから、余りにもこれは不公正です。これは直してもらわぬといかぬ。おまけに、二十年勤め上げて最高に達した時点における給与よりもさらにまた何割かいい給与を支給しているし、その上にあなた、これは恩給までもらっているわけなんでしょう。ですから二重、三重の恩典を受けている。恩給にしましても、それぞれ百四十万円とか百八十万円とか年金があるわけです。これは、もちろん給与じゃありませんけれども、しかし、それは一定の条件としては存在しているわけですから、そういうものを考えていきますならば、少なくとも年が寄ってきまして、そして一応退職する、定年になる、その後はいままでよりもっともっと高い給与を出して、そうして恩給、年金をもらっておって、そうして退職金は、四年勤めれば国家公務員として二十年間勤続した分だけもらえる、これは程度が過ぎます。これは、もう少し是正してもらわぬといけません。何遍でもこれは言いますけれども、少し程度が過ぎております。  それから、たとえば本四連絡橋公団などは一体どうなっているのですか。四国架橋を三カ所一挙にやるとか言って、五百九十人の人員を擁しているようですけれども、橋はかからない、一つやるかやらぬかという状態になってきておりますけれども、この人員はどうなっているのですか、仕事は一体どないなっているのですか。

金岡登建設省道路局日本道路公団・本州四国連絡橋公団監理官

○金岡説明員 本四架橋につきましては、一昨年十一月に、総需要抑制の見地から本工事の着工の中止をいたしました。ただし、準備工事、試験工事、その他の工事用道路等の工事につきましては、補償等も含めまして仕事を進めるようにということで、現在その仕事を継続しております。現在、本四公団は約五百人の職員がおりますが、それぞれ三建設局でそれぞれの仕事を推進しております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷分科員 いまのお話も聞いて、なるほどと合点のいくものじゃないんですね。一挙に三つの橋をかけると言って五百九十人の人を抱えたわけだ。ところが、総需要抑制でこれはできなくなってしまった。そうすれば、その人の余剰が出てくるのはあたりまえのことなんだ。出なかったらそれはおかしいんだ。三つやるというので人をつくったんだ。だからその場合は、人を減らすとかいろいろな処置をとらなくちゃならぬ。週刊誌でも盛んに話題になっておるようですけれども、ほとんど仕事がないという状態のようでありますが、ここら辺については少しルーズ過ぎるんですよ。政府が金を出しておって、政府の金で賄いながら、そういう特殊法人などにつきましては非常にルーズな扱いがなされておる、これはまことに遺憾なことです。  これはもう少し、この実態に即した定員だとか、あるいは実態に即した給与だとか、実態に即した退職金だとか、そういうものに正しく直してもらう、そういう必要があります。大臣の見解をお尋ねしたい。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 先ほどもお答え申し上げましたように、公社公団のあり方という問題は、ひとり給与面ばかりでなく、いろいろな角度から絶えざる検討を加えていかなければいかぬ問題だと思いますし、きょう御指摘になりました問題につきましても、真剣に検討していかなければならぬと思っております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷分科員 時間ですから終わります。

前田正男自由民主党

○前田主査 これにて三谷秀治君の質疑は終わりました。  次に、東中光雄君。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 最初に大臣にお伺いしておきたいのですが、日本の税制度ですが、申すまでもなく、憲法三十条なり憲法八十四条なりに基づいて、いわゆる租税法律主義で、法律に基づいて公平の原則によって課税されなければいけない。いやしくも、特定の団体に入っておるから差別をして重税を課すとか、あるいは特定の団体に入っておるから差別をして特別な軽減措置をとるとかいうようなことは、断じてあってはならぬことだと思うのでありますが、大臣としてはどういうふうにお考えになるか、最初にお伺いしたいと思います。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 仰せのように、税務行政の目的は、すべての納税者に対しまして税法を適正、公平に執行してまいることにあると存じております。不断にそういう信念を持って公正に事に当たらなければいかぬ。特定の団体に属するからといって特別扱いをするということはございません。     〔主査退席、谷川主査代理着席〕

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 全国に十一の国税局がありますが、いまこの国税局のうちで、同和対策室が置かれておるのはどことどこでありますか。

磯辺律男国税庁次長

○磯辺政府委員 いわゆる同和対策室と言われております機構を持っておりますのが、国税局で申しますと東京国税局、大阪国税局、広島国税局、高松国税局、以上の四局でございます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 いま、いわゆると言われたのですけれども、いわゆる同和対策室と、いわゆるでない同和対策室とがあるのですか。

磯辺律男国税庁次長

○磯辺政府委員 私がいわゆると申し上げましたのは、これは大蔵省設置法等に基づいたものでないということと、それから局によりまして、同和対策室というふうな看板を掲げておる局もありますし、それから看板を掲げずに事実上同和——失礼いたしました。ただいま申し上げましたのは、全部同和対策室の表示がございます。それで、いわゆると申しましたのは、大蔵省の設置法、そういったものに基づいたものでないということで申し上げたわけでございます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 国税局の部課の構成については、設置法に書いてないのはあたりまえですが、大蔵省の組織規程によってもそういうものはないということだと思うのですが、組織規程にないそういう組織をわざわざつくっておられるということになるわけですね。いわばもぐりの室がつくってある。  大阪の場合を見ますと、写真に撮ってきましたけれども、十二階の南にちゃんと、案内プレートにも、向こうへ行けば同和対策室がありますよと書いてあります。その部屋にも同和対策室とちゃんとプレートを掲げてあるわけですね。大阪国税局の場合に、そういった同和対策室の部屋までつくってあるのですが、その構成はどういう人間構成になっておるか、これは何をやっておるのか、それをお聞きしたい。

磯辺律男国税庁次長

○磯辺政府委員 大阪の場合申し上げますと、同和対策室の室長が一名、それからあと二名の係官が配属になって合計三名でございます。  それで、その所掌事務といいますと、これは、いわゆる同対審の答申に盛られました精神を税務行政の上に反映させるために、関係各課と連携して署の指導に当たるというふうなことでございますけれども、具体的に申しますと、同和問題について局署の職員に対する研修等の実施、あるいは同和関係者に関する実情を把握すること及び実情に即した課税について局署職員を指導することというふうになっております。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 この間の、二月二十三日の三谷議員の質問については、同和地区の実情把握ということがその仕事なんです、こういうふうに国税庁長官は答えているんですね。あなたのいま言ったのとは大分違いますね。この三日の間に任務が訂正されたわけですか。

磯辺律男国税庁次長

○磯辺政府委員 長官は簡単にお答えになったのではないかと思いますけれども、私は、できるだけ詳しくお答えする意味で、詳しく申し上げたわけでございます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 あなたの言っているのは違うじゃないですか。長官が言っているのは、同和地区の実情把握ですね。あなたのいま言ったようなことを、長官が同和地区の実情把握として答弁したとすれば、明白にこれは概念の違うことを言っていますね。地区の実情を把握するということと、関係者の実情を把握するということとは、これは明白に違いますね。同和対策事業というのは、御承知のように対象地区についてやられる事業ですから。そうでしょう。次長のいまの答弁では、対象地区じゃなくて、今度は個人であるということになるわけですが、そういうことをやっておるというふうに聞いていいわけですか。

磯辺律男国税庁次長

○磯辺政府委員 厳密に申しましたならば、いわゆる同対審に盛られました精神というのが、同和地区というふうに地域的にとらえるものか、あるいは広く同和地区の関係者というふうにして人的にとらえるのか、私たちは、むしろこの同対審に盛られましたその精神にのっとりまして、厳密な意味におきまして属地主義、あるいは属人主義ということではなくて、要するに同和地区並びにその中に居住しておられる方々、その関係者というふうに広くこれを取り上げておるわけでございます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 国税当局は、同和地区関係者であるかないかということについて調査をするのですか。調査をしないとすれば、あなたの言う同和地区関係者である人と同和地区関係者でない人と、その区別は一体どういう基準で決めるのですか。

磯辺律男国税庁次長

○磯辺政府委員 私たちは、どこが同和地区であるとか、あるいは同和地区でないということはわかりませんし、また、そういった明確な差別があってはならないというふうに考えております。したがいまして、御本人の方から、これは同和地区関係であるというふうな申告がございました場合には、私たちは、それをもって同対審の精神に盛られました措置を適用すべきものと考えております。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 そうすると、同和地区関係者だと本人が言うてくれば、それがあなた方の頭の中にある本当の同和地区関係者であるかないかは、これは調べようもないし調べない、相手の言うままにとらえる、こういうことになるわけですね。

磯辺律男国税庁次長

○磯辺政府委員 私たちは、それ以外に調査する方法もございませんし、また、あえてそこまで突っ込んで調査をするという必要はまだないと思っております。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 それは相手の言うままだ、相手の言うままで、同和地区関係者だと言われたら、ほかの一般納税者とは別に扱う、この同和対策室を設けることによって別に扱うということになるわけですね。

磯辺律男国税庁次長

○磯辺政府委員 別に扱うというふうに先生おっしゃいましたけれども、その別にという意味、私たちにはよくわかりませんけれども、同対審の答申に盛られました精神にのっとりまして、実情に即した適切な課税を行うということに相なるかと思います。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 あなたは、同対審答申の趣旨に基づきと言いますが、同対審答申の趣旨は一体どういうものだと思っているのですか。

磯辺律男国税庁次長

○磯辺政府委員 私たちとしては、同和地区については、社会的、経済的な諸問題が存在するということを聞いておりますので、その実情を十分踏まえて課税をするということであろうかと思います。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 社会的、経済的、そういう実情を踏まえると言うんだったら、その実情を調査するなり何かしなければ踏まえようがないでしょう。しかもあなたは、そういうようなものについては、どこが同和地区だかわからぬから調べに行きません、こう言っているでしょう。地区の調査にも行かない、行ってはいけないんだ、しかし、それを踏まえてやるんだ、一体どういうことなんですか。じゃあ、踏まえてどうするんですか。

磯辺律男国税庁次長

○磯辺政府委員 私たちは、申告書が出ましたら、その申告書におきまして、同和関係である、あるいは同対事業に関連した者である、あるいは同和事業に関連した者であるというふうなことを、御本人の方から申告ございましたら、その段階においてきめの細かい配慮をし、実情に即した課税処理をいたしたい、かように考えておりまして、必要と認めた場合には、もちろん調査に行くということもあるわけであります。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 同和地区関係者だという申告があったら、その申告のあった人については実情に即してやる、こう言われましたが、ほかの納税者については実情に即してやらないのですか。すべての納税者に対して、実情に即して課税するのじゃないんですか。実情を無視してやるのですか。ほかの人たちと、あなたの言う同和地区関係者との間に違いがあるのかないのか。ほかは実情に即してやらないと言うのだったら、これはまた話はわかりますよ。その点はどうなんです。

磯辺律男国税庁次長

○磯辺政府委員 もちろん、私たちの課税と言いますのは、実情に即した課税処理をするというのが基本原則であります。ただ、ただいま申しましたように、特に同和地区につきましてそのようなきめの細かい実情に即した配慮をし、課税処理をすると申し上げましたのは、御承知のように長年にわたり同対審におきまして審議がございまして、その結果、審議会の答申というのが四十八年の八月十一日に出されたというふうな長い間の歴史的な特殊な事情にかんがみまして、われわれは特に配慮をしておるということでございまして、それ以外の納税者については、実情に即する必要はないといったような処理をもちろんやるようなことはございませんし、いずれの納税者につきましても、実情に即して課税処理をするということは、当然のことだろうと思います。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 すべての納税者に対して実情に即した課税をする、実情について必要があれば調査する、あたりまえのことなんです。それなのになぜ、あなたの言う同和地区関係者と言うてきた人、実際はどうかわからぬけれども、と言う者に対してだけ特別に、そういう組織規程にもない同和対策室をつくってやるのか。特別な扱いをしているじゃないですか。別な扱いをしているじゃないですか。明白でしょう。言葉では言われていないけれども、そういうことになっていますね。なぜこういう同和対策室をつくることになったのか。大阪の場合は、いつからつくることになりましたか。

磯辺律男国税庁次長

○磯辺政府委員 大阪の場合には、四十四年の二月に専担者を置きまして、四十四年の十一月に同対室という表示を出すようになっております。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 ここに部落解放同盟朝田派の解放新聞という新聞があるわけですが、これは一九六九年二月五日付の新聞です。これによると、一月二十三日に佐藤大阪国税局長初め神戸、奈良、和歌山各税務署長など責任者が出席をして、ここに部落解放同盟朝田派の中央役員あるいはその他の人たち約五百名が国税局に詰めかけまして、ここで部落対策専門担当者を置かせるという確認ができたのだという報道をしています。一月二十三日にいわば五百人の圧力といいますか、交渉が加えられた後、それを認めて二月に設置するということにして、いま言われたような組織規程にもない同和対策室なるものを設置することになった、これが経過じゃないですか、どうですか。

磯辺律男国税庁次長

○磯辺政府委員 私たちとしましては、ただいま申しましたような経過で大阪に同対室をつくったわけでございますが、それは一にこの同和問題というものがなおざりにできない、真剣にこの問題に取り組んでいかなければならないというふうな税務上の基本的な考え方から、そういった同和対策室というものをつくったものでございます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 大阪国税局の総務部の中には、同和対策室と別に税務相談室というのがありますね。税務相談室というのは、組織規程に基づいたものである、そうじゃございませんか。

磯辺律男国税庁次長

○磯辺政府委員 それは組織規程に基づいたものでございます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 組織規程にない、しかも組織規程にある税務相談室があるのに、あえて別の室をつくった。そして、どれに対しても実情に即してやらなければいけない、なのに未解放部落、あなたの言う関係者については特別の担任者を置くということにした。ここで具体的にやっておることは、税務申告をいわゆる同和関係者と言われる人たちが国税局へ持ってくるように、そこで受け付けるということを、大阪府同和地区企業連合会員、あるいはそれを窓口とする人たちには、そういう扱いをするという約束をされて、実際にそうやっているのではないですか。

磯辺律男国税庁次長

○磯辺政府委員 そういった約束をして、それによってここの同和対策室で申告書を一括して受け取っておるという問題ではございませんで、そういった御希望のあるということはわれわれは存じております。  それからまた、これはこの前、長官が三谷議員の御質問に対して御答弁申し上げましたかと思いますけれども、事実上その同対室の方に申告書を持ってこられた場合には、それを拒否するというわけにもまいりませんので、その場合には便宜国税局で受領いたしまして、それを関係の税務署の方に届けておるというふうな状況でございます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 大阪府同和地区企業連合会会員の証と書いた大きな判こを申告書に押して、このいわゆる大企連は全部ここへ持ってくる。国税局で受け付ける。国税局は丸印で大阪国税局総務課受付という受付判を押すというシステムに実際上なっていますね。その事実はどうですか。

横井正美国税庁直税部長

○横井政府委員 私から一般論とあわせて申し上げます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 一般論はいいですよ。時間がないのですから、いまの事実に答えてくださいよ。

横井正美国税庁直税部長

○横井政府委員 御指摘のようなことがございますけれども、これは特定の団体であるからそのような扱いをしておる、こういうことではございません。御承知のように、国税通則法二十一条では、申告書等は所轄の税務署へ提出するということになっておりますけれども、納税者の方々の中には、過って税務署にお出しになるという場合もございますし、また局へ持ってみえる場合もございますが、その場合におきまして、その申告書が無効であるという扱いにするとか、あるいは一たんお返しするとかいうことは大変な問題を起こしますので、受け取るということにして関係署へ移送するということにしておるわけでございまして、同和関係者の申告書につきましても、局へ提出されました場合には、便宜局で受理いたしまして、所轄の税務署へ移送しておるという状況でございます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 大阪国税局関係で局へ直接持ってくる大企連関係の申告書はどのくらいありますか。

横井正美国税庁直税部長

○横井政府委員 正確にいま手元に資料がございませんが、約三千通くらいかと存じます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 それならほとんど全部じゃないですか。大企連の扱っているものは全部国税局へ行っている。しかも、それは大企連、大阪府同和地区企業連合会員の証という、ここに写しがありまけれども、申告書の一番正面のところへごつい判こを押して、その横へ受付判を押すというかっこうになっていますが、大体そういう扱いになっているでしょう。三千通とすれば相当の量じゃないですか。過って持ってくるという問題じゃないのではないですか。

横井正美国税庁直税部長

○横井政府委員 正確に把握しておるわけでございませんが、全部局へ出るということではございませんで、署の方へ出されているというのもあるやに聞いております。  なお、御指摘のように大企連、東京でございますと東企連というふうなゴム印が押してあることが多いというふうに聞いております。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 本来は税務署長に出すべきものだ。国税通則法もそうなら、所得税法にしてもそうです。法人税法にしてもそうです。それを組織的に——あなたの言うように例外はあるかもしれませんが、ほとんどが組織的に持ってきておるのに対して、これは税務署に持っていくべきものなんだ。過って持ってきたんじゃなしに、意識的に持ってきておることは明白ですから、当然、署長に出せと法律上は書いてあるんだから、そういう指導をするのがあたりまえでしょう。あなた方の言う同和関係者にはそういう指導はしないのですか。指導をするために同和対策室をつくったというんでしょう。本来なら自分の所管のところへ出せばいいはずのものを、わざわざここに持ってくるのはなぜか。というのは、国税局に対して、先ほど言った五百人もの人が、解同朝田派の指導する大企連が押し寄せていって、各署の税務署長を集めて、局長も出て、そうして、それをのまされて、そういう特別な扱いをしているというのが事実の経過じゃないですか。過って持ってきたというようなものとは全く異質のものだということですが、どうなんです。

横井正美国税庁直税部長

○横井政府委員 先ほど次長から御答弁申し上げましたように、局へ持っていらっしゃいとか、あるいは局の方でいただきますとかいうふうなお約束をいたしておるわけではございません。ただ現地におきまして、局で要望等を伺ったときに、先方の方でそういう御要望があったことは聞いておるわけでございます。いずれにいたしましても、お約束したわけではございませんが、大企連の方方が局の方にお出しいただくということでございますので、私どもは、お出しいただいたものをお返しするわけにもまいりませんし、これを無効だというふうな扱いをするわけにもまいりませんので、先ほど申し上げましたように、便宜国税局で受け取りまして、所轄税務署へ移送するという扱いをしておるわけでございます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 そうすると、法律上は税務署へ持っていくものである、過って持ってくる人もあるから、そういう場合は国税局で受け付けて回す場合もある、大企連の場合は、あるいはほかのところもそうかもしれませんが、東企連の場合も、一括してあるいは組織的にずっと持ってくる、こういう要望がある、その要望を突っぱねるわけにもいかぬから聞いている、その受け付けをやるのが同対室だ、結局こういうかっこうになっているわけですね。向こうの要望に押し切られて、明らかに税務署長に出すべきものを、国税局へわざわざ持ってくるということを受け付けている、こういう結果になっておるというのは、あなたの表現こそ違え、実態そのものを言えば、そういうことになっているということは明白であります。組織的に意識的になぜ国税局へそれを持ってくるのか、なぜそういう要望をするのかということについては、国税局としてはどう思っていますか。

横井正美国税庁直税部長

○横井政府委員 先ほども申し上げましたように、お約束したわけでもございませんし、押し切られたということでもないと存じておるわけでございますが、どういう理由かは存じませんけれども、局の方へお出しになるわけでございますので、先ほど申し上げたような扱いをしておるわけでございます。  なお、局へお出しになる理由につきましては、私どもといたしましては、先ほど次長から答弁申し上げましたように、一般の納税者につきましても、実情に即した課税をするわけでございますが、同和地区関係者につきましては、同対審答申にございますように、特に社会的、経済的な諸問題があるということで、きめの細かい、実情に即した取り扱いが必要だということで、念のために国税庁長官から四十五年の二月に通達を出しておる、こういうふうな事情でございます。一般の納税者に比べまして特別に優遇するといいますか、不公正な扱いをすると申しますか、そういうことではございませんで、あくまでも実情に即した課税をいたしておるわけでございますので、私どもの立場からは、なぜ局へまとめてお出しになるのか申し上げる手段がないわけでございます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 理由もわからぬ、わからぬどころか、理由については理解できないということでしょう。わからぬというのは理解できない、理解できたらわかるわけですから。理由は理解できないけれども、とにかく三千通ものものを大企連では持ってくる、そいつを受け付けて、また税務署へ持っていって、きめ細かく特別に扱う、こういうことになるわけですね。いまあなたの言われていることは、そういう事態になっている。  どういうように扱っているかと言えば、所轄税務署ではいわゆる金ラベルをつけている。黄色のラベルをつけて統括官しか扱わない、こういう扱いをしていますね。どうですか。

横井正美国税庁直税部長

○横井政府委員 局へお出しになる理由につきましては、御指摘のように私どもわからないわけでございますが、署へ送りまして、署の方で実情に即した課税を行うようにいたしておるわけでございます。  金ラベルを張っておるのかどうか、統括官だけということになっておるのかどうか、その辺、私ども十分存じておりません。署で必要に応じて適正な処理をしておるというふうに判断しております。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 特別に金ラベルを張って、一般職員にはタッチさせないで、統括官だけがそれを処理するということをやっておるかどうか、あなたは知らぬとおっしゃった。知らぬなら知らぬでよろしいが、そういう特別の扱いをすること自体いいことなのかどうか。国税庁としては認めておるのか認めていないのか、実際にやっているかやっていないかは別にしてですよ。実際はそうやっているのですが、そういうやり方を認めておるのかどうか。次長どうですか。

磯辺律男国税庁次長

○磯辺政府委員 いわゆる同和地区の課税の問題につきましては、第一線でいろいろと考えて配意をしながらやっているわけでございますが、具体的にどういうふうな措置を講ずるかというようなことにつきましては、それぞれ同和地区の実情も違いますし、いろいろ歴史的な問題もございますので、それぞれの出先が、現地におきまして実情に即して創意工夫をこらしてやっていることと思います。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 あなた何を言っているんですか。それぞれの同和地区の状況について、地区の実情を調査するということはしない、どの地域がどうなのかわからないとあなたさっき言ったじゃないですか。ただ相手の言うことだけしか決められないのだとさっき言ったでしょう。それが国税庁の立場でしょう。この地域はどうなんだ、この地域の歴史的な条件はどうなんだ、そんなことを調べるのですか。所轄署でそれを調べさせるのですか。そんなことはしないと先ほど答弁したでしょう。いま言っていることと明らかに矛盾しているじゃないですか。  私がいま聞いているのは、そういう矛盾したごまかしの答弁じゃなくて、税務署の中で金ラベルをつけて、その書類だけは特別な扱いをして、担当官も一般職員をつけないという扱いをする、大企連から来たものについてはそういう特別な扱いをする、東企連から来たものはそういう扱いをするというようなことが許されるのかどうか、それが国税庁の方針なのかどうかということです。そういう方針でないならない、そういう方針ならそういう方針と、どっちかしかないのですから、はっきりと答弁をしてください。

横井正美国税庁直税部長

○横井政府委員 いまの御指摘は、先般、三谷議員の御質問に対しまして、長官が同和地区の状況を調べるとお答え申し上げた。次長からは、同和対策室の所掌事務が研修等の実施とか実情を把握すること、実情に即した課税について職員を指導すること、こう申し上げたので、その食い違いをお聞きになっておるように思うのでございますが、次長の答弁は、当然、同和地区の事情等を調べまして、その上で実情を把握し、それから実情に即した課税について局署職員を指導する、また研修等の実施も指導するということを申し上げておるわけでございます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 そんな答弁じゃだめだよ。地区の状況は調べないとさっき言ったじゃないか。どの地域が同和地区なのか、だれが同和地区の人なのかわからないのだ、そういうものは調べませんと、こういまここで次長が答弁したんですよ。直税部長は、上司の言っていることを合理化するような違ったことを言いなさんな、私はいま次長が言うたことについて聞いているのだから。  私がいまここで質問しているのは、そういう内容についてじゃなくて、金ラベルの、特別の担当官を決めてやるという扱いは庁の方針なのか、方針でないのか、これは、やっちゃいかぬことなのか、大いにやってよろしいということなのか、どっちなのかと聞いているんですよ。

磯辺律男国税庁次長

○磯辺政府委員 ちょっとくどくなりますけれども、私、特別に調査をしないというふうに申し上げましたのは、納税者が同和関係の人であるかどうか、そういった個別的なことまでは税務署の方で立ち入るべきじゃないし、調査をしないと申し上げたわけでございます。ただ、同和地区の方たちが来られて、その実情をいろいろと税務署の方に言ってこられますので、それに応じまして当該税務署あるいは国税局が、実態に即したきめの細かい配慮をしながら課税処理をしていく、そのために、それぞれの状況に応じまして第一線で考えていると思います。したがいまして、これは、やはり現地の判断に任せてしかるべきものだと考えます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 そんなことを聞いているんじゃないんだよ。金ラベルをつけて統括官だけが担当するというやり方はいいのか悪いのか、庁の方針としてどうなのかということを聞いているんですよ。どうなんですか。

磯辺律男国税庁次長

○磯辺政府委員 一概に、いいとか悪いとか、ちょっと申し上げるわけにはいかないわけでございます。といいますのは、署の方でいろいろと創意工夫をしてやっておりますから、やはり私たちは、第一線の実情に即したやり方というものを尊重していきたいと考えます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 いま、いいとか悪いとかいうことは言えないという答弁ですけれども、ということは、そういう扱いをやってもよろしい——そういう扱いを必ずやれと言っているわけじゃないけれども、やってもよろしいという姿勢を国税局がとっているということですね。どうですか。

磯辺律男国税庁次長

○磯辺政府委員 長官の方の通達では、「今後とも実情に則した課税を行なうよう配意すること。」という基本的な方針を示しております。第一線におきましては、その基本的な方針を受けまして現地でいろいろと一番適切な方法を講じておると思いますので、私たちは、それがいいとか悪いとかじゃなしに、現地のやり方というものを尊重していきたいと考えます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 大臣にちょっとお伺いしたいのですが、いま次長はのんべんだらりと言っているわけですけれども、特定の団体が出してきた申告書について、要請があったからということで国税局で受け付けて、そして所轄署へ渡す、所轄署では金ラベルをつけて、統括官以外はタッチしないという特別の扱いをしている。そういう特別の扱いをすることは、納税者に対して、一番最初に言われました公平の原則から言っていいとお考えになっておるのか。大蔵大臣として、しかも、あなたは税務関係の出身者でもあられるわけですから、ひとつ大蔵省としての考え方をここではっきり示していただきたいと思うのですが、いかがでしょう。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 本来税法は、その執行を人によって二にすべきものでないわけでございまして、公正に適正にやるべきものだと思います。いわば、これが公理だと思うのであります。  それでは、税務の実際においてどういうことをやって、実情に即した適実な課税を実現してまいるかということは、いま国税庁も申しておりますとおり、それぞれ工夫を現地でやっておることと思うのでございまして、それが第一に述べました、原則に不当に背馳しないというものである限りにおいて、それぞれの工夫は、適正な適実な課税をやっていこうという上から申しまして許されるのではないかと思います。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 公正であれば許される、しかし金ラベルをつけて特別な扱いをするというようなことが公正でないことは、明らかにほかと違うのですから、そういう点で公正でないことは明白だ。  そこで、そういう事実があるかないかについては知らないという形でいま言われましたけれども、事実はありますから、それをはっきりと調査して、そういう特別な扱いを是正すべきだということをここで強く要求しておきたいと思いますが、やられますか。そういう事実があるかないかということについて調査をして、それについての回答をちゃんと出されますか。国税庁どうです。

磯辺律男国税庁次長

○磯辺政府委員 現状を調査してみたいと思います。そしてその上に立って、それがいいか悪いかということを、私たちなりに深く考えてみたいと思います。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 では調べてぜひ検討してもらう。これは明白な差別ですから。  そこで、話は変わりますが、同和控除というのが言われています。同和控除は、事業所得の三〇%を同和控除ということで申告書の中に書かして、そしてその分を、書いてきたものを税務署が認めるというふうな扱いをしておるわけでありますが、法律上、租税法律主義のたてまえからいって、同和控除という一律事業所得の三〇%を控除するという制度があるかないか。まず、その制度があるかないかということについて聞きたいのですが、国税庁どうですか。

横井正美国税庁直税部長

○横井政府委員 御質問の同和控除というのが、法律、政令等にあるかどうかということでございますが、そういう特別の控除は、法令上認められておりません。また御質問でございますが、私ども、そういう同和控除というふうなものを認めておるということでもないということを申し上げておきたいと思います。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 同和控除は制度上ない、制度上ないものを認めたら、それは違法だということになりますが、そうでしょうね。

横井正美国税庁直税部長

○横井政府委員 おっしゃるとおりでございます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 もしそれを認めるということになったら、脱税を認めることになりますね。そういう名目をつけて一律三〇%所得から引いちゃうというのは、これは脱税行為になりますね。そうじゃないですか。

横井正美国税庁直税部長

○横井政府委員 予算委員会におきまして、長官からお答え申し上げましたように、最近におきましては、同和控除というふうなことを明記いたしました申告書は提出されておらないというふうに報告を受けておるわけでございます。  かつて、そのような同和控除というふうなことを書いた申告書がなかったかどうかということについては、私、正確な記憶を持っておらないわけでありますが、いずれにいたしましても、納税者の方々から申告書が出ました際におきましては、私どもは、申告審理をいたしまして、違法な申告書あるいはまた妥当でない申告書につきましては、これを調査対象ということにいたしまして、署全体の事務量等を勘案いたしまして、緊要度の高いものから調査をいたしてまいる、こういうたてまえにいたしておるわけであります。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 同和控除という申告書が、これはある税務署、特に名前は言いませんが、昭和四十二年度の申告から出てきているようですね。ここに私が持っているのは、四十三年度の分の一例でありますが、この人の場合は、同和控除で九十四万二千何がしの計算をわざわざし直して、そうして字が違うのですけれども、一般の申告書の中を訂正しているのは、これは税務署の人が書いたのじゃないかと思うくらい数字の書き方が、素人が書いた場合は金くぎみたいになりますけれども、すすっとした非常にスマートな書き方をしているんですよ。そして、これはそのまま認められている。四十三年度です。たまたま私の手に入ったのがそうですけれども、そういう扱いがされている。違法な、同和控除と堂々と書いてあるわけです。  この間、予算委員会でお見せしたようでありますが、そういうものが四十七年までずっと続いておったということ。そういう実態について、いま、やっておったかどうか知らぬということを言われましたけれども、これは少なくとも明白な違法行為になるわけですね、それをもし税務署側がそのまま認めているということになれば。これは実際に認めているのですから、そういう点について調査をして、もしそういうことがあれば是正するという処置をとられますかどうですか。四十七年度までありますから、いまの点でまだ時効じゃありませんから。どうですか。

横井正美国税庁直税部長

○横井政府委員 先ほど申しましたように、税務署では申告を審理して調査対象を選定した上で、緊要度の高いものからやっております。かつ御指摘のように、通常のミステークあるいはまた計算の誤り、解釈の相違というようなことでございましたならば、三年間という課税の期間があるわけでございます。御承知のように、税務署の所得税の職員は、一万人で八百万件の処理をするわけでございますが、そういう中で、緊要度の順番に応じまして課税年限の中で極力努力をしながら課税の公平を保っていくということでございますので、今後とも努力をしてまいりたい、かように考えております。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 今後それを調べるということはいいですけれども、私がここで申し上げていることは、一般的なことを言っているのじゃなくて、あなたが先ほど、年間大企連で三千通と言われた、大企連を通じて出てくる大阪府同和地区企業連合会会員の証という判この押してある、国税局の受付判が押してあるその事案について、わざわざ同和控除という項目をつくって、三〇%の計算をしてやっているのですが、そうしてこれは認めるべきものでないということをあなた言われたけれども、ところが実際に認められておる。しかも、申告ではそういうものを出してきたことがあるということは認められた。大企連というのは同じ行動を起こしているわけですから、大企連の中で一人は同和控除を書いて、ほかの人は書かないというようなことはないのですから、これは制度的なものとしてやってきたということは明白ですから、はっきりと調査をして是正をすべきものはするということを、これは強く要請しておきます。  ところが、最近になっては、なるほど同和控除とは書かなくなった。いまここに、私の手にあるのは昭和四十八年度の法人税申告ですが、これを見ますと、この明細書では三千七百三十二万、「当期利益」または「当期欠損の額」という項目にそう書いてある。そして減加算をやった後で、減加算をやった後の額のちょうど三〇%を今度はさらにそこから引くように数字が並べてある。項目にはどう書いてあるのかと言ったら、「同和控除」という言葉は書いてない。空欄にして三〇%を引くようになっている。これが法人の申告で出てきているわけです。「所得金額の計算に関する明細書」の中でそういうふうにちゃんとなっている。別表四です。  あなた方は、同和控除ということは認められぬということをいま言われた。言葉は認めないけれども、実際はそういう数字は、わざわざ数字だけはきっちり三〇%で書いて出してきている。しかも法人税です。こういう事態があるのですが、同和控除は認められないというのは、名前だけが認められないので、実際はそういうことをやっていくということなのかどうか。そういうことは断じて許されぬことだと思うのですが、どうですか。

横井正美国税庁直税部長

○横井政府委員 私どもは、同和控除というふうなことでございますとお認めするわけにはいかないと思うのでございます。ただ、先般の予算委員会におきまして、長官からお答え申し上げましたように、同和地区関係者につきましては、社会的、経済的な特殊な複雑な事情がございまして、そのために、たとえば借入金の利子でございますとか、あるいはまた立ち退き料でございますとか、特殊な経費がかかるような場合がございますならば、これは経費というふうなことになるわけでございますので、そういうものはお認めできるということでございます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 それはあたりまえのことですよ。特別な金利が要ったら、その項目を起こすのはあたりまえでしょう。そういう項目を全部起こした上で、それと別に事業所得の三〇%を引いている。そこが問題なんですから、そういうことはやるべきでないし、やらないということをここではっきり言えますか。その点はどうです。

横井正美国税庁直税部長

○横井政府委員 同和控除という名目で、経費がないにもかかわらず経費を控除するというふうなことでございますならば、適法あるいは適当ではないということでございます。それにつきましては、先ほど申し上げましたように、税務署は非常にたくさんの案件を抱えておりますので、全部について調査するということは実は大変困難でございます。で、緊要度に応じましてだんだんに調査をしてまいる、こういうことにいたしておるわけでございます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 ことしは三千件と言われたが、大企連関係で三千件についてそういう扱いをしているということが問題になっているのであって、一般的な問題でなくて、特別に扱っているということを問題にしているのだから、特別に扱っていることについて、これは当然違法だということをあなたは言われているのだから、違法を正すのはあたりまえだと思うのです。  会計検査院からお見えいただいていると思うのですが、その点について会計検査院としては、そういう金ラベルの扱い、それからこういう扱いがされているということについてどういうふうにされますか。

高橋元大蔵省主計局次長

○高橋会計検査院説明員 いまも先生と当局との間のお話を承りまして、いろいろな点が参考になったわけでございますが、われわれの日常の検査の上では、そういう事実がわれわれの検査の網の上に上がってこないのが実情でございます。  それで、それにつきましてどういうような見解かということでございますが、私の税法で知る範囲におきましては、金ラベルとかあるいは同和控除とかいうような種類の問題は、これは税法上どこにも規定のないものじゃないかと思われますので、不適正な申告だと思われます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 だから会計検査院としては、実際に定期に検査に入られるわけですから、入ったときにそういう内容について、大企連関係、解同朝田派の組織している企業についてそういう特別の扱いをしている問題、私たちは、そういう扱いをしているという事実をここで挙げているわけですから、そういう点について、ちゃんとした検査をやるということをここで約束してほしいのです。  時間がありませんのでもう一点申し上げますと、ここに私が持っているのは譲渡所得であります。これを見ますと「要調査対象事案審理表」というのがある。これは、この事案について付せんが回ってきて税務署として調査に入ったということなんですが、その中で「選定理由無申告」というところに丸が打ってある。「無申告の理由等」というところに「大企連」と書いてある。こういう形です。そして最後に「譲渡所得納税相談兼申告審理事績書」という文書を見ますと、これは国税局の中でつくるものですが、大企連という判こがわざわざ押してある。これは国税局当局が押していることになるわけですね。その中に最後の処置が書いてあるのですが、局からの交渉で四十九年二月二十七日署長同行で資産税課何々何、これは特に名前を言いませんが、何々に説明し、少数事案として処理相当と認むということなんです。一番最初は一千万以上の案件だということで、そこに丸を打って調査に入って、こういう形の処理がされているわけです。これは全くでたらめきわまるものだと言わなきゃならぬと思うのです。そしてその結果、譲渡税は全部ゼロになっているんですね、当初は一千万ぐらいのことということで入ったわけですが。  それから、もう一つの例をここに持っていますが、これは大企連関係者に対して、やはり譲渡所得をゼロにした例です。譲渡所得が問題になる場合に、当然その譲渡資産を取得した時期が明らかでなければ課税のしようがないというのは明白ですね。ところが、この申告書ではその欄は空欄ですよ。そして譲渡価格の総額が二百万円、取得価格、設備費、改良費が百七十五万円、結局は特別控除額十七万五千円を入れて譲渡所得金額ゼロ、こう落としているんですね。しかもこの記録によると、統括官AならAという人のその同じ判が担当者のところに押してある。統括官が担当して、そして譲渡所得の申告をゼロで認めるについて、それを取得年月日空欄のままで処理する。  このものについて私、調べてみました。これは大阪の税務署でありますけれども、この物件は東京なんです。世田谷区です。りっぱな住宅地域です。その売った土地は、建設省が告示している公示価格によると千四百万円ですよ。それが二百万円と書いてあるわけですね。税務署の路線値の評価価格でも五百五十万円ですよ。これは同和地区の問題じゃないのです。大企連の判を押してあるだけなんです。こういう処理がされている。これはゼロになるように計算して逆算して書いていったとしか思えぬわけですね。ゼロにして、それで二百万にして、百七十五万にして、しかし余りにもつじつまが合わぬものだから、取得年月日は、短期と長期で明白に課税率も違うわけですから、その部分は空欄にしてある。こういうことを税務署側がそのまま認めているんですよ。  これについて大企連が発行しているこの文書によると、税務署側、大阪国税局長と話し合いをやって、そして自主申告については全面的にこれを認めるという約束をさした、確認事項をとったのだということを言っている。その線に沿って実際に処理されている。もし申告を無条件に全面的に認めるというような約束をしているとすれば、これは違法行為の最たるものだと言わなければならぬが、こういう処置がいまやられているわけです。  これは、なぜそういうことになったのかと言えば、解同朝田派が、あるいは大企連が、税務署へ行っていろいろ圧力をかけた。おまえが差別していないと言うのだったら、おまえの娘をわしの息子の嫁に渡すか、こういうようなことを言う。それについて、いやそれは人権に関するものですからと言ったら、そういうことを言うのは差別だということで、これは富田林ですかでやられた例が報告をされています。そういう圧力が加えられた中で、いま考えられぬような措置がされている。玄人なら、あるいはもう常識的に考えたって、取得時期が白地のままで譲渡所得の計算をして、それが統括官担当を通ってくるというようなことは考えられぬことですが、事実あるのです。こういう扱いをやめるべきだ。国の徴税機構というのは、非常に中枢的な権力機構だと思うのですが、それがそういう事態になっているということについて、速やかに調査し、措置するということを国税局に約束してもらいたい。  それから大臣、こういう状態を置いておいては、これはもう大変なことになると思うのですが、御所見を承って質問を終わりたいと思います。

磯辺律男国税庁次長

○磯辺政府委員 いまいろいろ東中先生の方から、現状といいますか、課税のやり方等について御指摘がございました。同和問題というのが非常にむずかしい問題である、それからまた、あれほど長い間の議論の末同対審の答申が出された、しかも、その中に盛られておる同和関係者の人たちの長い間の歴史の積み重ねである社会的あるいは経済的な差別、あるいは不当な取り扱い、そういった状態に置かれた人たち、その人たちの実情にわれわれはきわめて深い理解を示して、私たちといたしましては、課税に当たりましても、きめの細かい、実態に即した課税をやっていきたいというのが基本的な考え方であります。そういった意味におきまして、現地の国税局並びに税務署を指導していきたいと思います。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 私のいま言うたことについてどうするのだ。

磯辺律男国税庁次長

○磯辺政府委員 私たちは、きめの細かい配慮をして課税をしていきたいと考えております。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 譲渡所得で、その不動産の資産の取得年月日を書かない、そして時価から言えば、いま言ったように明らかに違う、しかも、その不動産は同和地区にあるのではないということが書面上明白なんですから、そういうものについてはどうするのか。それもあなたの言う、きめの細かいことで結構なんだという考えなのか、そういうのはあってはいけないということなのか、それを言っているんですよ。

横井正美国税庁直税部長

○横井政府委員 技術的なことからお答え申し上げますが、現在御承知のように、長期の譲渡事案につきましては、譲渡価格の五%が取得価格というふうに認められておるわけでございまして、必ずしも取得時期がはっきりしなくともよいということは、御承知のとおりでございます。これは御承知のように、非常に古くから持っておられます土地につきましては、取得価格が非常に低いわけでございます。四十四年の土地課税改正に当たりまして、そういう案件につきまして五%まで認めよということでできておるわけでございます。  それから全体的な問題でございますが、所得税につきましても同じように資産税関係につきましても、大変たくさんの案件を抱えております。三千人の職員がおりまして百五十万件、一人当たり五百件の案件を抱えておるわけでございまして、私どもは、それらの案件につきまして、緊要度に従いまして順次調査をいたしてまいっておるわけでございます。  それから大企連と国税局等の間で申告をそのまま是認をするというふうなことを約束したということはございませんで、現に、調査をいたし、修正申告を出していただくとか、あるいは更正をいたした例もあるわけでございます。いずれにいたしましても、緊要度に応じまして、かつ課税の時効の問題もございますから、だんだんに努力をいたしたい、かように考えております。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中分科員 時間が過ぎておるのであれですけれども、質問に答えてくださいよ。長期か短期かということは、取得時期がわからなかったらわからぬでしょう。その取得時期も書かないで、長期だという判断をするか短期だという判断をするか、そんなことできっこないのだから、そういう処置がなされているということについて、ぼくは具体的に指摘しているのだから、そういうことがされておったのでは、これは税務行政としてはきわめてぐあいの悪いこと、あるいは違法状態を認めることになるということなのだから、そういう点についての調査をするかどうかということを言っているわけです。私の言っていること、わかるですね。そういう調査をする、これは当然のことじゃないですか。特定団体大企連から申告してきたものは、無条件に認めるというのじゃないのだということをあなたは言われた。しかし、実際にこういう不合理なことが起こっている。ぼくらの方には全部の資料が入っているわけじゃないのだから、たまたま入ったやつを見ただけでも、大企連の判こを押してあるものは、全部そういう疑問のものばかりだということで指摘をしているわけですから、そういう点について調査をし、適正な課税をすべきものはする。重くかけたりなんかしたら、それはいかぬのはあたりまえのことです。実情に即して、それこそ適正に課税するのはあたりまえじゃないですか。そういう点の調査をやるということ、これを私は言っているわけです。  それから、こういう文書で書いている、私が読み上げたような青色、白色を問わず、全面的に自主申告を認めるということを書いているのは、そういう話ではないとあなたはおっしゃったから、いま頭を抱えて肯定されているのですが、そうすると、この大阪府同和地区企業連合会の名前で出しているこのパンフは、うそのことを書いて出しているということをあなたが認められたことになるわけですが、そういうふうに理解していいかどうか。  それから大臣、異常な事態が起こっているわけです。そういう点について適正に調査し、公平に課税するというのは当然のことだと私、思うのですが、大臣の決意のほどをお聞きしておきたい、こう思うわけです。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 税務は適実、適法に執行されなければなりません。それが適実でなく適法でない処理が行われておるというようなものがございますならば、これは、われわれの手で是正し、修正してまいらなければならぬことは当然でございまして、鋭意努力してまいるつもりです。

谷川和穗自由民主党

○谷川主査代理 これにて東中光雄君の質疑は終わりました。  以上で、大蔵省所管の質疑は終了いたしました。  次回は、明二十八日午前十時より開会し、文部省所管について審査を行います。  本日は、これにて散会いたします。     午後七時四十一分散会

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