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75回国会衆議院1975/02/24

予算委員会第二分科会 第1号

発言数
358
登壇者
30
会派数
4
開催日
1975/02/24

会議録

山本幸雄自由民主党

○山本(幸雄)主査代理 これより予算委員会第二分科会を開会いたします。  主査所用のため、その指名により、私が主査の職務を行います。何とぞよろしくお願いをいたします。  本分科会は、外務省、大蔵省及び文部省所管につきまして審査を行うこととなっております。審査の方法は、お手元に配付いたしております日程により進めたいと存じます。あらかじめ御了承を願いたいと思います。  昭和五十年度一般会計予算及び昭和五十年度特別会計予算中大蔵省所管、昭和五十年度政府関係機関予算中大蔵省関係を議題とし、政府から説明を求めます。森大蔵政務次官。

森美秀自由民主党大蔵政務次官

○森(美)政府委員 昭和五十年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算について御説明いたします。  まず、一般会計歳入予算額は、二十一兆二千八百八十八億円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと二兆九百六億六千八百万円の増加となっております。  以下、歳入予算額のうち主な事項について、その概要を御説明いたします。  第一に、租税及び印紙収入は十七兆三千四百億円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと一兆九千六百六十億円の増加となっております。  この予算額は、昭和五十年度の政府経済見通し、最近の課税実績、収入状況等を基礎として見積もった租税及び印紙収入見込額十七兆五千四百五十億円から昭和五十年度の税制改正における所得税、相続税・贈与税、入場税の減税等による減収見込額三千百三十億円を差し引き、これに、酒税の増税等による増収見込額千八十億円を加えたものであります。  次に、各税目別に主なものを御説明いたします。  まず、所得税につきましては、今次の税制改正におきまして、所得税負担を軽減するため人的控除の引き上げ、障害者控除等の引き上げ、退職所得の特別控除の引き上げ及び医療費控除の拡充等を行うとともに、利子・配当課税の適正化、勤労者財産形成・住宅対策等の措置を講ずることといたしておりまして、これらによる増減収見込額を調整して、六兆六千五十億円を計上いたしました。  法人税につきましては、海外投資等損失準備金の縮減等、既存の租税特別措置の整理合理化を推進するとともに、中小企業対策の拡充等の措置を講ずることといたしておりまして、これらによる増減収見込額を調整して、六兆千四百十億円を計上いたしました。  相続税につきましては、その負担軽減の措置を講ずることといたしておりまして、これによる減収見込額六百二十億円を差し引き、四千四百五十億円を計上いたしました。  酒税につきましては、従量税率の調整を行うことといたしておりまして、これによる増収見込額千七十億円を加え、一兆三百十億円を計上いたしました。  以上、申し述べました税目のほか、揮発油税七千八百九十億円、物品税六千九百五十億円、関税四千四百五十億円、印紙収入五千九百三十億円及びその他の各税目を加え、租税及び印紙収入の合計額は十七兆三千四百億円となっております。  第二に、専売納付金は四千七百七十七億千二百万円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと千六百十七億二千四百万円の増加となっております。  この納付金は、日本専売公社納付金四千七百七十五億二千万円、アルコール専売事業特別会計納付金一億九千百万円を見込んだものであります。  第三に、雑収入は七千二百八十三億六千二百万円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと千三百六十四億五千万円の増加となっております。  この収入のうち主なものは、日本銀行納付金四千四百六億二千百万円、日本中央競馬会納付金八百六十八億八千七百万円、懲罰及び没収金九百七十一億九千百万円等であります。  第四に、公債金は二兆円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと千六百億円の減少となっております。  この公債金は、公共事業費、出資金及び貸付金の財源に充てるため発行する公債の収入を見込んだものであります。  最後に、前年度剰余金受け入れにつきましては、昭和四十八年度の決算による同年度の新規剰余金九千六百六十八億八千七百万円のうち、昭和四十九年度の補正予算に計上いたしました二千六百九十億八千九百万円を控除した六千九百七十七億九千七百万円を計上いたした次第であります。  次に、当省所管一般会計歳出予算額は一兆九千十四億四千三百万円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと三千八百三十一億二千七百万円の増加となっております。これは、国債費において千八百八十八億円、政府出資において三十億円、予備費において千五百九十億円増加いたしましたが、他方、特殊対外債務等処理費において二十八億五千百万円減少いたしましたこと等によるものであります。以下、この歳出予算額のうち主な事項について、その概要を御説明いたします。  まず、第一に、国債費につきましては一兆三百九十三億九千七百万円を計上いたしておりますが、この経費は、一般会計の負担に属する国債及び借入金の償還及び利子等の支払い並びにこれらの事務の取り扱いに必要な経費の財源を国債整理基金特別会計へ繰り入れるためのものであります。なお、この経費には、歳入歳出の決算上の剰余金のうち公債等の償還財源に充てることとされている額が含まれておりますが、その額につきましては、昭和四十八年度の決算上の剰余金に限り、特例としてその剰余金の五分の一に相当する額とすることとし、別途、昭和四十八年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理の特例に関する法律案の御審議をお願いいたしているところであります。  第二に、公務員宿舎施設費につきましては二百三十六億三百万円を計上いたしておりますが、この経費は国家公務員に貸与する宿舎の建設に必要なものであります。  第三に、政府出資につきましては、中小企業信用保険公庫等三機関に対し、一般会計から出資するため必要な経費として八百八十一億五千万円を計上いたしておりますが、その内訳は、中小企業信用保険公庫二百三十億円、海外経済協力基金六百五十億円、水資源開発公団一億五千万円であります。  第四に、産業投資特別会計へ繰り入れにつきましては、六百五十三億円を計上いたしておりますが、この経費は、産業投資特別会計において行う産業投資支出の財源の一部に充てるため、一般会計から同特別会計へ繰り入れるものであります。  最後に、予備費につきましては、予見しがたい予算の不足に充てるため三千億円を計上いたしております。  次に、当省所管の特別会計といたしましては、造幣局特別会計を初め十の特別会計がありますが、そのうち主な会計につきましてその概要を御説明いたします。  まず、造幣局特別会計におきましては、歳入、歳出とも三百十一億五千九百万円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、いずれも三十一億八千六百万円の増加となっております。これは、補助貨幣等の製造経費の増加によるものであります。  次に、印刷局特別会計におきましては、歳入四百三億九千四百万円、歳出三百九十億千六百万円、差し引き十三億七千八百万円の歳入超過でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、歳入は五十三億九千九百万円、歳出は五十三億六千百万円の増加となっております。これは日本銀行券等の製造数量の増加したこと等によるものであります。  以上、申し述べました各特別会計のほか、資金運用部、国債整理基金、貴金属、外国為替資金、産業投資、賠償等特殊債務処理、地震再保険及び特定国有財産整備の各特別会計につきましては、お手元の予算書等によりましてごらんいただきたいと存じます。  最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算につきまして、簡単に御説明いたします。  まず、日本専売公社におきましては、収入一兆五千六百七十三億円、支出一兆千八百七十三億六千七百万円、差し引き三千七百九十九億三千二百万円の収入超過でありまして、専売納付金は四千七百七十五億二千万円を見込んでおります。  これを前年度予算額に比較いたしますと、収入は三千八百十四億五千六百万円、支出は千八百二十三億千三百万円の増加となっております。  専売納付金は千六百十七億千九百万円の増加を見込んでおりますが、これは、別途御審議をお願いいたしております製造たばこ定価法の一部を改正する法律案によるたばこ小売定価の改定を見込んだことによるものであります。  なお、日本専売公社の事業のうち、たばこ事業につきましては、昭和五十年度の製造たばこ国内販売数量を、対前年度五十一億本減の二千七百五十五億本と見込んでおります。  次に、国民金融公庫、住宅金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、北海道東北開発公庫、公営企業金融公庫、中小企業信用保険公庫、医療金融公庫、環境衛生金融公庫、沖繩振興開発金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行の各機関の収入支出予算につきましては、お手元の予算書等によりましてごらんいただきたいと存じます。  以上をもちまして、大蔵省関係の予算の概要について説明を終わります。

山本幸雄自由民主党

○山本(幸)主査代理 以上をもちまして、大蔵省所管についての説明は終わりました。     —————————————

山本幸雄自由民主党

○山本(幸)主査代理 この際、分科員各位に申し上げます。  質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願いを申し上げます。  なお、政府当局におかれましては、答弁はできる限り簡潔明瞭にお願いいたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。楢崎弥之助君。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎分科員 短時間でございますから、問題をしぼって質問いたしたいと思います。  田中金脈問題が非常に政治的な問題になったのは御案内のとおりでありますが、いままで国会で論議された点は、主としていわゆる幽霊会社を使って土地を転がしてもうけていくという、こういう種類の問題でございましたが、私は、一体その資金関係はどうなったのか、つまり田中金脈と金融問題と申しますか、金融機関と申しますか、そういう観点から、一、二の銀行を例に挙げながら、非常に異常な融資が行われておる、そしてそれは政治的な融資の疑いが強い、そういう疑問がありますので、時間の範囲内で問題を詰めていってみたいと思います。  私は、総括質問なりあるいは一般質問、そして一般質問の中の保留分の再質問等で、いわゆる埼玉銀行の谷古宇産業グループに対する異常融資の問題を取り上げてきましたが、せんだっての一般質問の保留分再質問の場合に、若干私の指摘で間違った点がありましたから、それをまず明らかにしておきます。  私は、谷古宇産業グループの各期ごとの確定決算報告書を材料にしながら、谷古宇産業の借入金を明らかにしました。その際に申し上げたのは全部の借入金でありまして、埼玉銀行に限っての借入金ではなかったという点を明らかにしておきたいと思います。  そこで、もう一度明確にしますが、過去五年間に限って見てみたいと思います。谷古宇産業に対する埼玉銀行の融資残に焦点をしぼりながら、谷古宇産業の確定決算報告書によりますと、金融機関からの借入金が四十五年三月末は十六億四千万、四十六年三月末は二十四億六千七百万、四十七年三月末は三十八億五千六百七十八万、四十八年三月末は百七十八億五千四百七十三万、四十八年九月末は二百六億二千七百六十七万円の借入金があるわけですが、この中でいま申し上げた数字が間違いないかどうか、それが一つ。そしてその数字の中で、埼玉銀行と日本信託銀行の貸し出しはどうなっておるか、これを明らかにしていただきたいと思います。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 谷古宇産業の借入金を、谷古宇産業の報告書から私どもが調べました数字でございますと、私の方は四十五年三月は調べておりませんので、先生の十六億というのは、これについては私は当否は申し上げられません。それから、四十六年の三月は、私どもの方の調べでは二十一億三千八百万円になっております。それから四十七年三月、四十八年三月は、先生のおっしゃった数字になっております。それから四十八年九月は、私の方はちょっと調べておりませんので、ただいまの二百六億何がしというのについては申し上げられません。それから谷古宇産業の借入金は、これは全体の数字が載っておるわけでございまして、もちろん谷古宇産業との取引関係がございます金融機関は約五つございます。それからそれ以外にも谷古宇産業は借り入れているところがございます。ですからこれは五行の集計だろうと思います。  それから、埼玉銀行が幾ら貸しておるか、日本信託が幾ら貸しておるかということは、御勘弁願いたいと思います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎分科員 では、四十九年三月末に限って見てみますと、全部の借入金が百八十二億八千七百二十四万、その内訳は、埼玉銀行が六十八億、日本信託銀行が九十九億、その他を入れて百八十二億二千八百七十二万円、これは間違いありませんか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 総体の数字は合っております。二つの銀行について私から申し上げるのは、お許し願いたいと思います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎分科員 申し上げられないといういまのお顔を見ましても、大体間違いないと思います、総額は合っておりますから。  そこで、まず、私が問題にしたのをきょう一括してみたいと思うのですけれども、過去の五年間ないし八年間の谷古宇産業の業績に比べて非常に融資が多いという点であります。谷古宇産業の確定決算報告書を基礎にして見るならば、四十二年から四十九年までの八年間の業績、これを売上高について見ますと、約四百二十二億になっています。年平均に直すと五十二億。さらに、四十五年から四十九年までの五年間に限ってみると、売上高の総額は三百八十六億、年平均に直すならば七十七億。こういう業績に対して、一番多いときで三百億円近くの融資が行われた。もちろん私は、総括質問で申し上げた私の調査による資料を基礎にしておりますから、それについてそれが合っておるか合っていないか、中身を明白にされませんので、それを基礎にして言わざるを得ないわけです。もし間違いであれば、あなたの方から明確にその基礎を明らかにしていただきたい。したがって、私が総括質問で申し上げた数字を基礎にして言えば、この業績から比べると融資は非常に異常である、そう思いますが、どうですか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 ただいまお示しの数字、私、正しいかどうかという判断をする資料は持ち合わせておりません。ただ、売り上げ等々は多分そういう数字だったと思います。一般に、二、三年前の過剰流動性のころ、金融機関が、宅造あるいはゴルフ場、あるいはボウリング場といったような、そういったものの産業といいますか、それの有望性といいますか、成長性というものを見越して、土地などを担保に金を貸す風潮がございまして、確かに、谷古宇に限らず、全国至るところでそういうことが行われたという現象が見られました。谷古宇というのは、御承知のように、首都圏の中において宅造をやるということで売り上げも急増していったというようなことから、銀行もそれについていったといったような面もあったと思います。今日から見ればまことに緩いといいますか、軽率であったというような感じの融資であったかと思います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎分科員 では、数字が明らかになっておる谷古宇産業自身が出した確定決算報告書から指摘してみたいと思うのです。四十八年三月末の売上高は百二十四億、これに対して埼玉銀行の融資残の一番多かったのはその前月、四十八年二月末の二百七十七億。百二十四億円に対して二百七十七億。それから四十九年三月末、昨年の三月末の売上高は百十四億、これに対して埼玉銀行が六十八億、日本信託が九十九億、その他合わして百八十三億、さっき言ったとおりですね。これも数字上見ても明確に異常な融資であるということが言われるわけです。さらに、いまあなたは、土地等をどんどん買っていったから、ブーム時だから少し異常な貸し出しがあったと言われた。ところが四十九年三月末の財務並びに資金繰り状況の調査によりますと、流動資産と負債を比べてみたら、流動資産が二百三億、それに対して負債が二百四十七億。この負債のうちの借入金は、さっき言ったとおり百八十三億です。つまり資産に対して負債の方がふえておるわけですね。一体この百八十三億の借入金、特に埼玉銀行の六十八億と日本信託銀行の九十九億の担保は一体正当に取られておるかどうか、これはお調べになったことはございますか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 銀行に聞きましたところ、担保は取っておる、こういうことでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎分科員 それは取っておると聞かれただけですか。明確に詳細に調べられましたか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 聞いただけでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎分科員 聞いただけで、あなた、そんな相手の言ったことだけを根拠にして、そんなこと言われると困りますね。あなた方の定時の調査とは一体どういうことをやっておるのですか。ただ現地に行かれて、銀行でいろいろ話を聞かれて、そうですかで帰ってくるのですか。いろいろ書類と詰めてやられておるのですかね。どうですか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 検査に参りましたときは、そういう大きな貸し金等につきましては厳重に調べます。ただ、埼玉銀行、それから日本信託の場合、検査に行きましたのがつい最近ではございません。定例検査で行きました四十七年ごろと、それから四十八年でございます。そのころはまだ、先生も御指摘のとおり、その貸し金はそんなに多くございません。そのころについての検査の結果では、別段、格別のことはございませんでした。最近ふえまして、問題になってきて、検査じゃなくて銀行から聞いた、こういうことでございますので、私の方で確かめたということではございません。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎分科員 最近になって聞いたとおっしゃれば、どうして調査されないのですか。どうしてほっておかれるのです、そういうことを聞いたとおっしゃっている以上。それは聞いたというのは、私が指摘したとおり、内部の告発があったはずですよ。それのイエス、ノーについては、この前ごまかされたからいいですよ。しかし、当時の柳田政務次官はそれを言っておるのですよね。大体告発者もわかっておるのです。  そこで、この企業診断によりますと、この異常性についてこう指摘しているのです。私は、担保が十分取られておるかどうかについて疑問がある。特に、日本信託銀行の場合は非常に疑問がある。そこで、一体真の担保とは何か。それは実は特定の人の政治力ではなかったか、これを言いたいのですよ。企業診断はこう指摘しております。高額な融資を参議院で問題にされるなどの政治的な問題もあり、金融機関の協力度は弱まっている。加えて田中総理の系列にある代表者の政治力も薄らいでおり、前途は波乱含みとなっておる。これが企業診断です。さらに、銀行関係も回収に全力を挙げている。日本信託銀行のごときは、融資つきで有力な土地の購入先を求めさせているほどであり、積極的な協力は当分期待できない。いま回収に必死になっている。だから、谷古宇の手持ちの土地を買うところがあったら金を貸しますよ、買ってください、肩がわりすることに全力を挙げておる、こうなっておるのです。  そこで、この谷古宇産業というのは資本金は四千万ですが、これは株主は実質的に一人ですね。社長の谷古宇甚三郎氏。自民党の市会議員、県会議員を経て、四十四年の衆議院に自民党公認で出て、惜しくも落選されたようであります。そしてこの谷古宇甚三郎氏は、田中金脈問題についてはしばしばこの人が出てくることは、すでに参議院で明らかにされておる。そしてこの取締役を見てごらんなさい。御夫人とか義弟とか、言うなれば同族会社ですね。これは上場されておりますか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 上場されておりません。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎分科員 埼玉銀行がいろいろほかにも融資しております上場しておる大きな会社の融資状況を調べてみますと、いいですか、大体百億以下です。十億ないし百億以下。挙げてみましょうか。不二サッシ、不二サッシ販売、加藤製作所、オリエンタル写真工業、トーヨーカネツ、角栄建設、金門製作所、東京電気化学、東海鋼業、大沢商会、ゼネラル石油、 サンケン電気、日研化学、埼玉繊維工業、こういう上場しておる大企業でも百億以下なんです。それが、上場もしていない、しかも実質的株主一人、社長の同族会社、そういうところに二百億を超す融資が行われておるというのは、まさに異常じゃありませんか。そしてその異常というのは、いわゆる田中金脈を背景とする政治力でしょう。だからさっきのような企業診断になっておる。  そこで、決算報告書をさらに見てみますと、この谷古宇産業は多大な寄付金を出しておりますよ。四十二年四月一日から四十三年三月三十一日まで、これは少なくて四十万、四十三年四月一日から四十四年三月三十一日まで二百十万、四十五年四月一日から四十六年三月三十一日まで五千万、四十六年四月一日から四十七年三月三十一日まで千四百万、四十七年四月一日から四十八年三月三十一日まで千九百六十万。これはどこに寄付しているのでしょうね。特に五千万などとは。これも調べる必要があろうと思います。さらに、ほかの期の決算報告には出てこないが、ただ一つ四十八年四月一日から四十八年九月三十日までの六カ月の間に関連会社に六十億七千七百六十八万円出しておる。これは埼玉銀行から借りて流用してどこかへ出しておるのでしょう。これは決算報告書に出てきておりますから、この関連会社とは一体どこか、それも明らかにしていただきたい。  さらに、私が挙げた数字に間違いがなければ、四十六年十二月の埼玉銀行からの融資残は二十九億二千万。たった六カ月で四十七年六月の融資残は五十八億六千万。半年で二倍になっておりますね。三十億ふえておる。一体この時期はどういう時期であったか。政治的な背景を見てみますと、ちょうど田中さんが総裁になられた総裁選挙の前であります。そしてこれは疑惑でありますが、この前も一部触れたとおり、田中ファミリーグループの関新観光が、新星企業が持っておりました例の新潟県の鳥屋野潟、この土地を買っておる。三十四億九千万。実はこの金が谷古宇氏から流用されている疑いがある。もちろん埼玉銀行の融資であります。そしてこの新星企業に入ったはずの三十四億九千万が実は総裁選挙に使われた可能性がある。いま一つ、同じこの時期に室町産業が下田周辺別荘地用地を買っておる。これはホテル後楽園から買っておる。そして四十六年八月二十五日に設立された東邦企業、これは社長は有名な田中ファミリーの入内島さんですね。そして今度は、竹中工務店が東邦企業を土地つき会社ぐるみ買収合併をしておりますね。そして東邦企業の役員、これは竹中の役員になっている。実は、この室町産業が下田周辺の土地を買った資金も谷古宇から流用されている可能性がある。  さらに今度は、四十七年九月末の融資残が九十一億四千万、そしてたった二カ月後の四十七年十一月の融資残が百八十七億二千万、ここでは、たったの二カ月間で融資が二倍にふくれ上がっておって、約百億増しておる。この時期は一体どういう時期であったか。総選挙の時期であります。だから、私はこれは疑問があるという形で出しております。  調べていただきたいのは、非常に寄付金が多過ぎる。これは寄付金の内容を調べてもらいたい。それは先ほど申し上げたとおり、四十八年九月三十日の決算報告に出ておる関連会社への手渡し六十億円の内容を明らかにされたい。これは谷古宇グループに対する流用だけでなしに、田中ファミリーグループにも流用されておる疑いがある。これは、明らかにこういうふうに短期間に借入金がふえて、しかもそれが政治的な背景がある。したがって、田中金脈の資金調達のなぞがここに秘められていると私は言わざるを得ない。  そこで、埼玉銀行の自己資本は、ごく最近に限って見てみますと、四十七年九月が六百八十億七千万、四十八年九月が七百五十三億三千万、四十九年三月末が七百五十三億、四十九年九月末が七百八十三億。そうすると、集中審議でも問題になったとおり、埼玉銀行は地方銀行ですから、自己資本の二〇%が限度です、一つの企業に融資する限度は。そうすると、限度は大体百二十億からせいぜい百五十億です。これから見ても、二百億を超す融資なんというのは出てこない。これもあなた方のいわゆる行政指導の通達から違反をしておる。したがって、定期検査で、あるいは定例検査で、こういうことをどうして見抜けなかったのか、私はその責任を追及したいのです。それは政治的な背景があったからではないか。一般預金者を保護するという立場から一体どうなのか。すでに先日も申し上げたとおり、谷古宇産業に対して埼玉銀行は、擬装倒産か何か知らないけれども、会社更生法の適用を受けるようにしたらどうかというような相談まで行われておる。こういう点を明らかにする必要がある。さらに、時間がなくなりましたが、日本信託銀行に対しては、金融機関が土地を担保に融資する場合に、一体、地価の大体何%が限度というふうに指導されているのですか。これだけちょっとお答えいただきたい。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 通常、土地を担保にいたします場合には、指導ということではございません。私どもよりは、そういう金融機関の方が専門家でございますから、七割ぐらいというようなことでやっているのが通常でございます。それを私どもは指導しておるというようなものではございません。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎分科員 わかりました。大体せいぜい七〇%まで。  谷古宇グループの埼栄開発、これは大宮にあるのですけれども、資本金四千五百万、会長は谷古宇甚三郎氏、代表取締島田和子さんです。女の方でしょう。この埼栄開発が、四十八年の一月と十月に、山中湖畔の土地を五千百坪買われておる。この土地所有者は元村長坂本英俊さん、これは参議院で明らかにされましたね。この所有権移転の日に、実は日本信託川越支店が埼栄開発に三億円融資したと言っている。ところが日本信託は当日この土地に三億六千万の根抵当権を設定している。そうしたら、いま言ったとおり七〇%ならせいぜい二億五千万円までじゃないですか。それに八三%に当たる三億円の融資をしておる。これは異常であると言わざるを得ません。これは価格は坪六万五千円と言われておりますから、五千百坪ならば約二億八千万でしょう。そしてこの買収交渉は、例の佐藤昭さんのお宅で行われておる。谷古宇甚三郎氏がそこに立ち会っておる。  そこで、日本信託銀行の川越支店ですけれども、これは支店だけじゃできませんね。支店だけじゃせいぜい三千万ぐらいでしょう。当然本店の決裁を受けているはずである。しかもこの日本信託というのは、後ろに筆頭株主の三菱銀行が控えておる。当時の三菱銀行会長は田實さんです。そしてこの三菱銀行が日本信託にてこ入れしたのは田中角榮氏が大蔵大臣のときです。しかもこの田實さんを田中総理が国家公安委員に任命しておる。ここで人脈からいえば、田中角榮氏、田實渉氏、そして谷古宇甚三郎氏という姿が出てきます。  まず第一番に、日本信託の田中ファミリーグループに対する融資の状況を明らかにしてもらいたい。百億を超すと言われておる。この融資をしておるという事実は、すでに株主総会で明らかになっておりますから、一体その内容はどうなのか、これを明確にしてもらいたい。  それから次に、日本信託の谷古宇グループに対する融資状況を明らかにされたい。谷古宇産業自体に対する融資は、もう四十九年三月約百億ということが明らかになっておる。これは谷古宇産業全部で、あのグループ全部で大体二百億を超すとわれわれ見ております。  これは別の機会にやりますけれども、この前もちょっと触れましたが、田實渉氏のごとき者を——昨年の参議院選挙でS氏の企業ぐるみ選挙を先頭になって指導して問題になったこういう人が国家公安委員というのはおかしいじゃないですか。おかしいですよ。こういう人をいまだ国家公安委員として置いておく、非常にこれは私は不明朗であると思うのです。そしていま言ったとおり、田中金脈で影の人として非常にバックアップしている。しかも、これは後ほど別の機会にやると言ったのは、この田實さんは、自分のいろいろなことをある雑誌に書かれるのを政治的に圧力をかけて、あるいは警察権力を背景にして圧力をかけて、記事を抹殺させているのですよ。もうポスターまでできておったのですね。その表題の入ったポスターまでできておるのをやめさしたのですよ。こういう言論の弾圧を政治的な警察権力をバックにしてやるなんというのは国家公安委員としては失格です。これは有力閣僚として、きょうはその担当者が来ておりませんが、大平蔵相からぜひこの点はひとつ問題にしてもらいたいと思う。特に、こんなことは言いたくないですけれども、きょう申し上げたいろいろな点の調査については、特に大平蔵相は田中さんとは盟友の関係にもありますし、そういう点でも私は明確にする必要がある。御調査をお願いしたいと思います。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 調査はいたします。ただ、先生の御注文の中で、その谷古宇そのものに対しましては、私の方はちょっと権限がございませんので、谷古宇さんが寄付したとかなんだとかということは、やはり銀行を通じて聞くということに……

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎分科員 国税庁に決算報告が来ておるでしょう。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 来ておりますけれども、私の方にはそういう決算報告書は来ないわけです。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎分科員 だから、国税庁は大蔵省の配下でしょう。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 ですから、その内容は私の方では調査はできないわけです。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎分科員 大蔵省としてきょうは私は質問しているのですから……。じゃ、大蔵大臣の方から御答弁をいただきたいと思います。

横井正美国税庁直税部長

○横井政府委員 ただいま御質問の谷古宇産業の決算状況でございますが、公示になりました所得金額等につきましては御報告を申し上げたい、かように考えております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎分科員 いつまでにそれは御報告されますか。

横井正美国税庁直税部長

○横井政府委員 できるだけ早急に出したいと思います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎分科員 いま分科会はきょうから始まりましたが、分科会が終わるまでにひとつ明らかにしてもらいたい。  主査にお願いしとうございますが、お聞きのとおりで、この問題は残っておりますから、しかと確認をしていただきたいと思います。どうでしょうか。

横井正美国税庁直税部長

○横井政府委員 当然に分科会が終わりますまでにお出しするようにいたします。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎分科員 最後に一問。谷古宇産業が持っておる岩槻市川通町十三万四千坪の土地の売買交渉を日本住宅公団とやっておると私が指摘しておるのですが、いや何にも交渉中のものはありませんという答弁でしたが、その後調べられましたか。

山岡一男建設省住宅局長

○山岡政府委員 本委員会におきまして、再度先生からの御指摘もありましたし、なお、場所についても御指摘がありましたので、本社のみならず、その辺を所管しております関東支社にも、私、問い合わせましたけれども、いま交渉を受けていないし、購入をする事実もないと明確に言っております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎分科員 それは先ほど言ったとおり、そんなことをおっしゃられれば責任者が出てまいりますよ。だから、いまこういう御時世になりましたから、田中総理もやめられたし、政治的な背景もなくなったし、それでいろいろ問題のある会社の土地だからということで、故意に私は伏せておると思うのです。これの買収の交渉中の金額についても疑問がある。だからこの点は、今度御報告が出てきたときに一緒に、より具体的に明らかにしてまいりたいと思います。  一応保留分を残してこれで終わります。

山本幸雄自由民主党

○山本(幸雄)主査代理 これにて楢崎弥之助君の質疑は終わりました。  次に、阿部昭吾君。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)分科員 最初にお伺いいたしますが、昭和四十八年分の農業所得税、これはどの程度徴収されたか、お伺いいたしたいのであります。それから、今度の五十年度予算の中に、昭和四十九年分農業所得税、これの歳入の見込みをどの程度に盛っておられるか、これもお伺いしたい。

横井正美国税庁直税部長

○横井政府委員 ただいま実は手元に資料を持っておりませんので、後ほどお答えさせていただきたいと思います。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)分科員 そこで大蔵大臣、でかいところの税金は非常にいろいろな面で緩やかに扱われておる。しかしこの農業課税などは大変に厳しいのであります。私の調査によりますると、昭和四十八年分農業課税——この農業課税の場合に、これは大臣は専門家ですから釈迦に説法だと思うのでありますが、税法では申告納税ということになっておる。しかし実際上は、青色申告をしておる者はほんのわずかで、ほとんどの皆さんは、税務署当局が出す外形標準と称するこの標準によって実は税の申告を強要されるという、そういうやり方になっておるのであります。  この三月十五日が四十九年分の一般白申の農業所得税の申告の期限であります。この三月十五日の農業所得課税の一般白色申告者の標準、これが全国一斉に税務署から発表されておるのであります。この発表された外形標準を見ますると、一例として、これは二、三の税務署を調査をしてみた典型的な例でありますが、ほとんどそうなっておるのであります。十アール当たりの所得、これが四十八年分が八万一千六百円、今年は十一万二千四百円。これはAクラスのたんぼの場合であります。ずっと下がってCクラスになりますと、今年は十万八千三百円、昨年は七万八千七百円、したがっておおむね二七%から三〇%近いいわば所得増というふうに見ておるのであります。  これは税務当局から言いますると、米価が上がったじゃないかということだと思います。米価は確かに三七%アップをした。しかし実際は、農業生産のために必要な経費の方は、御案内のような物価、インフレでものすごい増高を示しておるのであります。この必要経費の算定が実情に全然沿わないやり方の標準が発表されておるのであります。この標準が発表されますると、各国税局は税務署を指導をして、この申告納税者側のいろいろな団体との協議を持つのであります。従来はこの協議がほとんど調っておったのでありますが、今年は私の調査では、東北各県のほとんどの税務署で、この標準をめぐる協議が調わぬという状況が起こっておる。調わぬままでもうすでに早いところは申告が始まりつつあるのであります。至るところでトラブルが起こっておる。したがって、一体、国税庁として直税部長の方では、今年度の農業所得課税というものにどういう方針で臨んでおられるのか、この基本的な考え方を伺いたい。  私はどうも、でかいところは非常に緩やかで、いまも惨たんたる状態にある農業、こういう部面に対しては、税法どおりの本当の申告課税というのは本当に青申者だけで、一般の白申の皆さんというのは、全部標準によって実は割り当てのような強制的な課税になっていくのであります。本人の申告なんて認められぬという状況にある。今年は、四十八年分農業所得の課税に比べて、四十九年分農業所得の課税というのはものすごいものになってきておる。どういう方針で臨んでおられるのかお聞きしたいのであります。

横井正美国税庁直税部長

○横井政府委員 最初に、先ほど御質問ございました中で、四十八年分の農家の課税状況を御報告申し上げます。  四十八年分の課税状況は、納税人員四十万八千人、課税所得四千六百三十七億円、税額は百七十九億円でございます。  次に、ただいま御質問ございました諸点でございますが、第一に青色申告の関係でございます。国税庁といたしましては、従来から農家の方に青色申告をお勧めしてまいっておるわけでございますが、今日のところ青色申告をなさる方の割合は八・五%と非常に低い率でございます。そこで、国税庁といたしましては、そういう農家の方の記帳が困難である、あるいは青色申告の慣行が熟してこないというふうな状況のもとにおきまして、そういう方々の申告の際の所得計算の目安といたしまして、水田でございますならば十アール当たり幾らというふうな標準をつくっておるものでございます。これにつきましては、私ども、収支調査、あるいは作付収穫量、経費等の実態調査をいたしますとともに、各種農林統計、農協資料、商社等の取引資料を収集し、さらに、その地域の実情に精通しております、先ほどお話がありました農業団体の御意見等を伺いまして標準をつくっておるわけでございます。  そこで、標準ができました際におきましては、一般の農家の方、その地域の農家の方に開示する前におきまして、基準的な地域の標準につきまして収入金、必要経費、所得金額を農業団体へ内示をいたしまして意見を求めて、その後におきまして開示をいたしておるという状況でございます。  そこで、ただいま御指摘の本年の所得標準でございますが、実態調査をいたしましたところ、農業用資材等がかなり高騰しておるという実情にございます。そこで、それぞれの地域の実態を十分に調べまして、それに基づいて標準を作成した、こういうことでございます。  本年の状況を若干具体的に申し上げますと、たとえば必要経費のうちで、肥料代あるいは農具費、償却費、農薬費、これらにつきましては、それぞれ十分実態を調べまして、その経費が高騰しておるという実情を十分に反映させるように標準を作成させたということでございます。  全体的に見ますと、米価の上昇等によりまして所得の金額、反当たりの所得金額は前年よりもふえておりますけれども、私どもといたしましては、実情を十分に調査の上それを反映させた、このように考えております。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)分科員 反映されておらぬのです。私の計算では、三ヘクタールの農家、これの生産量が六十キロ一俵でほぼ二百九十俵ですね。この皆さんの米作農業の総収入は、普通の農家の場合ほぼ四百十万円程度である。その中から標準で見られる所得というのがCクラスで十万八千円でありますから、三ヘクタールの皆さんは三百二十万程度のものが所得として見られるのであります。百十万程度が経費、これ以外に若干大農機具なり何なり二、三別途に控除されるものがある。これが平均いたしますると、普通の農家の場合に、その年分で別途に控除を認められます分が大体四十五万程度、最近新しい大きい農機具を導入したものでも六十万程度。そういたしますと、大体二百六、七十万というのが税率を適用すべき課税所得ということになってくるのであります。この金額は、去年の同じ三ヘクタールの私の地域の標準的な農家、ここから見ますると、課税所得で約八十五万から九十万の増ということになるのであります。これに税率を適用いたしますると、税額では七〇%程度の増徴ということになってくるのであります。私は、この標準をもって、いま直税部長のおっしゃるように、実情を十分勘案をしてやったなどということは——現地の皆さんは、私とももいろいろな調査をやってみて、税務署はやっぱり弱い者いじめをやるんだな、大平財政というのは弱い者いじめをやるんだなという感じを強く持っておるのであります。したがって、この外形標準に対して、例年でありますと納税者側の団体、農業諸団体との間に大体協議が成り立って、そして申告に入っていくのであります。今回この協議が成り立っておりません。至るところで混乱しておる。この混乱しておる状況のままでこの標準を押しつけるつもりなのかどうか。押しつけるつもりと言うなら、こっちもほぞを固めた対応をしなければならぬ、こう思っているのですよ。こんな弱い者いじめを私ども押しつけられて、ああそうですかと言うわけにいかぬのです。どうですか。

横井正美国税庁直税部長

○横井政府委員 ただいま御指摘もございましたが、農業標準をつくりましたあとで、特殊大農具、雇い人費、土地改良費、支払い小作料、特定の借入金利子、こういうものは控除するよういたしてございます。それにいたしましても、昨年に比べますれば、米価の上昇ということを反映いたしまして、資材の高騰の状況を織り込みましても、確かに御指摘のように、昨年よりも所得が反当たり上昇するということはございます。しかしながら、これにつきまして、各地域の農業団体にお話をいたしまして、全国から報告を受けておりますが、いわゆる協議が混乱しておるというふうな報告は受けておりません。若干の御不満はございましても、国税側の標準でやむを得ないのではないかということで、おおむね御了解いただけておるように聞いておるわけでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)分科員 大蔵大臣、去年と比べて、同じ経営規模で、同じ条件で七〇%も税が増徴されるということは、農業の現状から見て、農業資材その他の高騰から見て、妥当だとお考えになられるでしょうか。それをあなたの方では、農業団体は不満ながら云々と、こうおっしゃっておるのだが、私の地域では至るところでもめております。こういう地域においては、もう一遍——もうすでに現実に申告で大変な混乱が始まっておるのです。私どもは独自の外形標準というものをつくって、その標準で全部申告をやらせようと思っております。それはむちゃですよ、この標準は。畜産なんかの場合でも大変なんですよ。いま牛一頭飼っておったらみんな赤字で、やらなかったよりもっと悪い状況が起こっておる。それでもみんな所得があるのですと言って申告しておるのです。これは実情に適するなんて絶対に言えない。  時間がございませんので……。  これは集中審議の際に若干触れた問題でありますけれども、岐阜十六銀行、この銀行が、あるかつての政界有力者に対して金を貸したのです。八千数百万円だと思いました。ところが、貸す場合に、どうやって返済するのですかと——いままでいろいろな経過があったらしい。いま自分が持っておる土地、建物を売却して返済をするのです、そして、その返済の日までに——日もちゃんと約束した融資をされたわけであります。ところが、融資をしたが、なかなか家が売れるという状態にならない。なぜ売れないのかということになると、同じ家族の中のだれかががんばって、絶対に立ち退き、明け渡しをしようとしない。明け渡しせぬものを売れるわけがないわけであります。そこで、大蔵省から天下りの岐阜十六銀行の東京支店長、取締役でありますこの男が、全く他の第三者に、銀行が責任を持つからこの建物は買い物ですよというので、お勧めをしてこれを買わせたわけであります。十六銀行が立会人でちゃんと売買契約などもまとめていらっしゃる。安心して善意な第三者は買ったのです。買ったけれども明け渡しされない。いま弱ってしまって、その十六銀行と、話が違うじゃないかといってもめておるのです。銀行が自分の方で金を貸してうまくいかぬ、ある意味で言えば不良不動産、不良物件ですね。自分が融資をして焦げついておるその物件を、善意の第三者に勧めて買わせて、その善意な第三者はどうにもならぬから、この金融の厳しい時期に大変に困っておるという状況が起きておる。大蔵省の銀行に対する指導というのは一体どういうものなのか。特にこの支店長は大蔵省の天下りの取締役、支店長なのです。銀行の中ではものすごい権力をふるっておるというふうに聞いております。大平さんの部下の中で、こういう天下りがまだまだどんどん出ていくのじゃないかということを私は懸念しております。この前、集中審議の際にも指摘をいたしましたが、その以降どういう指導、どういう調査をやられたか。私は、これは銀行の姿勢として基本的な過ちだと思うのであります。どういう指導をやられたかお伺いをしたい。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 十六銀行が政界の某有力者というのに金を貸したということがかつてございました。それは、その人がすでにその自分の住宅を担保にといいますか、買い戻し条件づきで売っていたことがございます。それをあるところから買い戻さなければならぬ。それで、その金がなくて貸してくれと言われて、十六銀行がその人に、買い戻すための金をお貸しした。そこで、十六銀行とその某氏との間では、これをどうして返してくれるのですかというのが最初に起きるわけです。もちろん担保はその家屋敷ですが。そこでその所有者が、これは十六銀行に金を返さなければいかぬということで、御自分である不動産業者を見つけまして、そしてその人に売買を頼んだ。その人が、いま先生のおっしゃった、その善意の第三者という買い主を見つけてきたわけです。その場合に、銀行が関与したか関与しないかという問題に……(阿部(昭)分科員「立会人でちゃんと立ち会っているのです」と呼ぶ)その問題なのですが、関与するのは、当然関与しなければならぬ面も出てくるわけです。と申しますのは、その物件に対する抵当権者の立場にあるわけです。したがって、新たに買う人は、私が代金を払って、その代金が所有者から銀行に返ったならば抵当権を抹消してくれますかということは、新たに買う人は確かめなければなりません。そのためには銀行は関与しなければいけません。というわけでそういう売買が行われた。それを行われる場所に銀行が使われた。そうして支店の副長が、払われたならばその抵当権は抹消しますというような保証はしたわけです。ところが、いま先生の御指摘のように、その所有者夫婦は立ち退いてくれたのですが、所有者の子供さんががんばっておって出ないというので善意の第三者が困っておる、こういうことでございます。ですから、それはある意味では、善意の第三者と銀行も被害者なのでございます、その立ち退かないということにおいては。(阿部(昭)委員「そんなことを言うから天下りが乱暴なことをやるのだ」と呼ぶ)いやいや、立ち退かないということにおいては銀行も迷惑をしておるわけです。ですから、善意の第三者と銀行とが利害が対立する立場にはなくて、本当は一緒になって追い出さなければいかぬ、こういうのが真実だと思います。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)分科員 時間がありません。改めて別の機会でやりますが、銀行局長がそんな態度ではますます銀行が横暴なむちゃなことをやって、善意な第三者をこういうむちゃなことで苦しむようなことに追い込むわけであります。  農業課税の問題もまた改めての機会でやります。農林省の分科会にひとつ出てきてください、そこでまたやりますから。

山本幸雄自由民主党

○山本(幸雄)主査代理 これにて阿部昭吾君の質疑は終わりました。  次に上原康助君。

上原康助日本社会党

○上原分科員 最初に、いまの阿部さんの御質問とも関連するのですが、ちょっとだけ銀行局長にお尋ねしたいのです。  たしか四十九年十二月二十五日に、各銀行に大蔵省の銀行局長名で、いわゆる銀行の大口融資の規制問題についての示達が出ていると思うのですが、なぜこの種の示達を出さなければいけなかったのか、その趣旨と、また、示達を出した後の各市中銀行なり関係銀行の運用状況がどうなっておったのか、そこいらについてお答えをいただきたいと思います。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 十二月二十五日にお出ししました大口融資に関する通達というのは、いわば銀行が特定の債務者に集中して過度に貸してはいけないという通達でございます。その趣旨といたしますのは、銀行は大衆からたくさんのお金を預っておるわけでございますし、資産内容が健全でなければいけない。したがって、相手が健全であっても余りに多く貸しておって、もし万一のことがあれば大変なことになる。つまり危険分散といったような趣旨が一つでございます。  それからもう一つは、金融機関か預っておりますお金を特定の人にだけやりますと、それだけほかの人が資金供与を受けるチャンスがなくなる、あるいは、それを資金配分の適正化というふうな言葉で言ってもいいと思いますが、そういう二つの意味から銀行は一人の者に余り貸してはいけない、一定の基準以上のものを貸してはいけないという通達を出したわけでございます。現在その基準を超えておる債権といいますか、債務者といいますか、そういうものは現実にございます。それは基準の中におさめていくように銀行と当該債務者が努力しなければなりません。二十五日に出したばかりでございますので、私の方でそう目立った、現在どのようにそれが影響しているかということは申し上げられませんが、そういう超過している債権を抱えている銀行、あるいは超過している債務を持っている企業ともども、それを基準内におさめるべく計画を立て、そちらの方向に努力していくだろう、かように考えております。

上原康助日本社会党

○上原分科員 そうしますと、逆に言うと、そういう示達を出さなければいけなかったということは、相当その基準を上回る融資があったということも言えるわけですね。現にあるということですから、資料要求してもなかなか出していただけない。  特に私は一点だけぜひ要求しておきたいのですが、沖繩の琉球銀行の場合に、相当乱脈がある、基準を上回っているということが言われているわけです。しかし、資料を要求しても、大蔵省はもちろん出さないし、銀行当局も秘密にしておる。実態がどうなっているのか。こういう示達を出したということは、基準を上回る特定の債権、債務者に対する大口融資が相当あるということを大蔵省自体が認めているということになると思うのですね。その点についてぜひ明らかにしていただきたいと思うのです。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 個々の取引のことにつきまして公開するということにはまいりませんので、そういう固有の名前とかなんとかいうことになりますと、いつでもお断わりしているわけでございます。  それから、普通銀行については自己資本の二〇%以上というような基準で、それを超過しているものというのが現在規制にひっかかるわけでございますが、その件数等につきましては、地方銀行の場合約三十三件くらいございます。その中で地方公社といったようなものが二十社ございます。したがって、地方銀行六十三行ございますが、一般の企業で超過しておるというのは十三社になるわけでございます。

上原康助日本社会党

○上原分科員 その資料は後で提出いたしますか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 ただいま申し上げたような件数といったようなものでしたら提出いたします。

上原康助日本社会党

○上原分科員 ただ件数だけでなくして、やはり先ほどの質問にもあったのですが、大蔵省が示達をしておる基準を相当上回っても、なかなか実態が明らかにされていないというのが現在の金融機関のあり方だと思うのですね。総需要抑制とかいろいろ言ってみたって、中小企業がばたばた倒れていくという中でも、実際問題として融資というのはほとんど大口の方に回されている可能性があるのですよ。そういった面は、もっと行政面においても、実際の運用においても、規制というもの——先ほどの危険分散あるいは適正な配分というようなことからすると、銀行窓口の民主化というものを図らぬと、大口の方だけが融資を受けて、中小企業その他はなかなか受けにくいというのが現在の偽らない実態だと思うのです。これを見逃しているのがいまの大蔵省の金融財政面におけるある意味では隠れみのになっている。その点はもっと適正に是正をしていくお考えがあるのかどうか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 見逃しておるとか、大口を奨励しておるというようなことではございません。中小企業につきましては常に配慮するようにという指導をいたしております。実際それでも足らぬという窓口の感触がおありかと思いますけれども、今般いろいろやっております、たとえば毎度申し上げておりますが、特別救済融資制度といったようなものもやっておりますし、それから銀行に対しましては、相互銀行や信用金庫は、これは本来中小企業金融機関でございますが、地銀以上に対しましても、対中小企業貸し出しのシェアを落とすなというような指導をやっております。したがって、大口を奨励したり中小をないがしろにしろというような指導はやっておりません。

上原康助日本社会党

○上原分科員 この点はきょうは時間もありませんで、余り内容を具体的に触れられませんが、私はまだその面に疑問を持っております。特定の銀行の問題を明らかにできないということでしたが、いずれまたお尋ねをしたいと思いますが、特に沖繩の場合ですと、海洋博とかそういう面との関連において、相当不正と思われる融資があるということだけは指摘をしておきたいと思います。  そこで大臣にちょっと御所見をお伺いしたいのですが、いまのこととも関連いたしますが、最近、本土も、沖繩を含めてですが、総需要抑制などで相当金融面が逼迫をしている。特に沖繩の場合、復帰後の海洋博その他の問題等もあって、本土以上に深刻な面があるわけです。沖繩開発金融公庫というものを設けて公的金融の窓口を一本化いたしましたが、現在のような金融公庫の融資計画のあり方で、中小企業対策とか、いまの不況対策という面では、手薄の面が非常にあるような感じを持ちます。  そこで大蔵省としては、この沖繩開発金融公庫の融資計画とか運用面についてどう考えておられるのか、特に五十年度においては何を重点に財政金融政策というものを進めていかれようとしているのか、明らかにしていただきたいと思うのです。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 沖繩金融公庫につきましては、先般、本土で七千億の追加をいたしましたときに、五十億を追加いたしております。それでまた中小企業向けには、当初の計画からさらに三十億中小企業に回すようにというようなことをいたしておるわけでございます。ただいま五十年度の貸付計画は九百六億を見込んでおります。これは、四十九年度の七百八十二億に対しまして、約一六%ほどの伸びでございます。

上原康助日本社会党

○上原分科員 そのうち中小企業対策は幾らですか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 これは四十九年度は百六十億でございますが、五十年度は二百七億、伸び率で二九・四%というふうに見込んでおります。

上原康助日本社会党

○上原分科員 非常に伸び率のことを強調する。それは数字を扱う場合の一つの手段といいますか、方法だと思うのですが、産業開発資金、五十年度二百四十億ですね。これはむしろ前年度より減っている。今年度が二百五十億。そこで、この産業開発資金と中小企業等に充てられる資金等を考えてみても、政府が口癖のように、中小企業対策をずっとやってきているのだ、あるいは強化しているのだと言うわりには、むしろ産業開発資金に力を入れているきらいもあるわけですね。この産発資金の運用計画は年度当初で決めるのか。運用計画というのがあるのか。各産業開発資金についても、どういう面での運用をしていく——中小企業に対してはいろいろ内容がありますが、どういう面に資金の手当てをしていくという当初計画があるのかどうか、その点まず明らかにしておいていただきたいと思うのです。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 資金事業計画というのは、年度当初につくりまして一応四半期別に割ります。それでやっていきますが、年度の途中で実情に応じて改正するということもある、こういうことでございます。

上原康助日本社会党

○上原分科員 五十年度の中小企業対策の方でお尋ねしたいのですが、年度計画があるということであるならば、たとえば伝統産業振興計画にはどれだけの資金の割り当てを考えておられるのか。あるいは中小企業の近代化促進に充てる資金は幾らなのか。そういうのは当初で決まっているのですか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 それはまだ決まってないと思います。恐らく年度に入る前に、直前ぐらいに決まることだろうと思います。

上原康助日本社会党

○上原分科員 それじゃ逆に産発資金の中で、報道によりますと、CTSの方に四十億の資金枠を充てるということが言われているのですが、これは事実ですか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 私はまだ聞いておりません。

上原康助日本社会党

○上原分科員 聞いておられないのですか。その計画はあるのですか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 私知らないのでございます。

上原康助日本社会党

○上原分科員 知らないと言って、先ほどお尋ねしますと、年度当初で融資の計画は決めるというわけでしょう。大蔵省が知らなければ、これは通産か開発庁ということですか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 大きな枠組みは決まっておりますけれども、その中でどういうものが入るのかというのは、これから恐らく地元の要望が沖繩開発公庫に伝えられ、それをまた関係各省と相談しながら、具体的な計画というものが年度に間に合うようにつくられていくのだろうと思います。私はまだそれを聞いておりませんということを申し上げておるわけでございます。

上原康助日本社会党

○上原分科員 そうしますと、計画は地元の要望に基づいてやる。また大蔵省としては、年度当初からこれこれの企業にこういう融資をせよという指示とか計画は持っておらぬということですね。あくまで地元の要望に基づいて各省庁との話し合いによって決める。一定の枠をとって、これにはこういう資金の手当てをせよという方針は、大蔵としてはとらないということで理解していいですね。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 何といいますか、枠というものは各関係者の間で決めますけれども、私の方は個別の企業にこれだけ融資しろというようなことを言うことはございません。

上原康助日本社会党

○上原分科員 いまのお答えは、CTS、いわゆる石油の備蓄基地をつくるための企業に融資をするということを含めて、そういうお考えだと受け取っていいですね。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 そういうものが取り上げられて、融資をしようじゃないかということをあるいは公庫の方で言ってくるかもしれません。それを私の方が反対したり、あるいは命令したりというような立場にはございません。

上原康助日本社会党

○上原分科員 この点は、昨年から問題、現年度も問題になったわけですよ。産発資金の中にそれの枠をとっておって、その融資が年度中途でできなくなる、あるいは繰り越しになるという階段でまたほかの方に向けるという操作を、いままで実際問題としてはやってきているのです。だから、中小企業とかそういう面には、金融事情というものはますます逼迫しているという実態について、銀行局長はもう少し御存じでないといけませんよ。少なくとも、そういう方途はとっていかない、とるべきでないということをここで強く念を押しておきたいと思います。  次に、これも関税の件でちょっとお尋ねをしたいのですが、いま沖繩のパインかん詰めの消化の停滞というのが非常に問題になっていることは御承知だと思うのですね。なぜかというと、以前も議論したことがあるのですが、例の冷凍パインの関税問題で、輸入が規制なくどんどん入ってきている。そこで私は、これまでも関税をもっと引き上げるべきだという主張をやってまいりましたが、ようやく政府の方もその方向で行くということですが、現在の二〇%をどれだけ引き上げるのか。また、三五%ぐらいに引き上げるという法律改正案を大蔵省はもう出したということですが、その基準はどこに求めたのか。少なくとももっと引き上げなければ、いまの冷凍パインの問題というのは税制面においても行政的に規制できない、そういう感じを私は持つのですが、その取り扱いについてお答えいただきたいと思うのです。

吉田冨士雄大蔵省関税局長

○吉田(冨)政府委員 おっしゃいますように、沖繩のパイン産業というものの保護のために、まず従来どおりパインかん詰め自身がIQ、輸入割り当てをやっており、また関税率でも暫定で五五%、協定でキログラム七十二円ということで、かなり高い関税を張ってあることは御案内のとおりでございまして、現在この部分におきましては、七十二円の協定が働いておりまして、パインかん詰めといたしましては従価四四%の関税が働いております。これに対しまして、いま御指摘のように、冷凍パインが四十六年六月に自由化されまして、当初はジュースあるいは冷凍の菓子としてかなり使われておったわけですけれども、相当の部分がパイかんの方に回ってきているということで、前からかなり御指摘を受けていたわけです。特に最近はパイかん自身のストックがかなりふえてまいりました。全体で約三百五十万ケースくらいのうちで七十八万ケースくらいがストックであって、しかもそれが、百七十万ケースくらいの沖繩から出ているかん詰めがかなりストックになっているのじゃないかという判断がございます。その一つの原因といたしまして、いま御指摘の冷凍パインが大体六十万ケースほど生産されておりますので、これが原因ではないかということでかねての懸案でございましたので、関税率審議会でいろいろ御議論願ったわけでございます。  その際に、関税率審議会といたしましては、現在、国際のニューラウンドを始める直前でもありますし、いわゆる国際問題もあるので、できるだけがまんしてほしいという御要望もございましたけれども、しかし、片方目の前でそういう沖繩のパイかんがストックになっている。いろんな原因があると思いますが、冷凍パインもその原因の一つであろう。それでやはり、それについては緊急に検討しなければならない。しかし関税だけでこれを抑えるのはいかがか。むしろほかの緊急対策をやった後で、なおやむを得なければ関税もそれに御協力したらいいのじゃないかというのが関税率審議会の大方の御意見でございました。  それで、われわれといたしましては、農林省その他にいろいろ緊急的な措置をお願いいたしまして、御案内のように、まず、パイナップルのかん詰めに、原料が冷凍パインであるものは、冷凍パインが原料であるということを表示してほしいということで、これは去年の十二月から表示を行政指導でやっております。さらに、これからの問題ですが、できたら冷凍パインについてもJAS規格を受検してほしいということで、これもいま農林省で検討しております。さらに、沖繩のパインかん詰め自身の滞貨につきましては緊急融資をお願いする、あるいはパインのかん詰めの輸入割り当てを見合わせるというようないろいろな措置を講じていただきまして、それとあわせて、われわれといたしましても、関税率を幾らにしたらいいかということを検討したわけでございまして、現在、下等の冷凍パインが二八%で入っておりますが、これは二割カットでございますが、本来戻すと三五%ということになります。で、三五がいいか、三〇がいいかということを関税率審議会でいろいろ御議論いただいたわけでございますが、その際に、先ほど申しました冷凍パインはジュースの方にも使われているということもございますので、しかも、これをジュースとその他、かん詰め用と分けることは、技術的に非常にむずかしいという問題もございまして、三五がぎりぎりであろうということで関税率審議会で御判断いただきまして、それによって三五をやったということでございます。

上原康助日本社会党

○上原分科員 これは関税を引き上げるわけですね。

吉田冨士雄大蔵省関税局長

○吉田(冨)政府委員 さようでございます。

上原康助日本社会党

○上原分科員 その基準については、また別の機会にいろいろ議論もしたいのですが、要するに、冷凍パインを今日まで野放しにして、しかも安い関税で入れたというところに大きな問題があるわけですね。もちろんそれが全部の要素とは言いません。速やかにそういった措置もとって、この問題について適正な税制面の措置をやっていただきたいと思うのです。  次に、通行税の問題でお尋ねしておきたいのですが、御承知のように沖繩の場合は離島なんですね。通行税法を見ましても、いわゆる汽車の二等とか、船舶の場合も非課税措置があるわけですよ。しかし沖繩の場合はそういう鉄軌道がない。離島航路、これは沖繩だけじゃなくして、離島航空路あるいは船舶を含めて、通行税については、もっと免税、非課税、もしくは緩和をすべきだと思うのですが、そのお考えはないですか。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○中橋政府委員 島との交通手段といたしまして、航空機が非常に便利なものであるということは、私もそういうふうに思いますけれども、税金の考え方から申しますと、いろいろな交通機関に払います通行料金というものが一般的な水準より相当高いというようなことがございますれば、やはりその背後にひそみます担税力によって負担をしていただきたいという考え方でございます。したがいまして、いろいろな各種の交通機関がございますが、それに対する料金の高さ、あるいは同じ交通機関の中でもそれぞれに対しますところの等級の差別、そういうようなものを勘案しながら、現在の通行税法で相当高い料金を払っておる人たちには、一〇%でございますけれども、応分の国庫への寄与をしていただいておるということでございますので、たとえば、離島間におきますところの航空だけにつきまして通行税を非課税にするというような措置は、なかなかとりがたいのでございます。

上原康助日本社会党

○上原分科員 そんなそっけないことをおっしゃいますが、一〇%の通行税が現在取られているわけですよ。これは即運賃にはね返るわけです。いま私は沖繩のことだけを言っておるわけじゃなくして、離島航路の通行税については、やはり全般的に、皆さんいつも税制も財政もみんな見直しをするというようなことを強調するのですが、これはやるべきだと思うのです、検討すべきだと思うのです。  特にこの中で指摘をしておきたいことは、汽車の場合ですと、二等については非課税措置がとられているわけでしょう。ないところの場合は、実際問題としてもっと困るのです。沖繩の本島から先島の場合の通行税にしたって、これが適用されている。それだけ運賃にはね返っているということになりますと、鉄軌道がないというような、あるいはいわゆる過疎地帯においては、通行税の問題については検討していいのじゃないかという感じを持つわけですよ。  もう一つ、時間がありませんから、ついでに申し上げますが、航空機燃料税につきましても、沖繩の場合は、御承知のように今年の三月三十一日で特別措置法の期限が切れるわけですね。この問題もあわせて、特に海洋博との関連を考えました場合に、いろいろ運賃の割引問題等も要求されている段階において、せめてこの特別措置法については一年ないしそれ以上の延長をあわせてやるべきだという感じを持つのです。     〔山本(幸雄)主査代理退席、阿部(助)主査代理着席〕  この二点について検討をすべきだと思うのですが、そのお考えがあるのかどうか改めてお尋ねしておきたいと思うのです。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○中橋政府委員 第一の御質問の、航空機の中に等級差別がないとかということでございますけれども、やはり私どもは、一般的に通行料金というようなものを考えまして、ある程度高い通行料金に耐え得るような人の担税力ということから通行税を払っていただくということでございますので、これまた当然通行料金の中に含まれて消費者に負担をしていただくということになると思います。  それから第二の御指摘の航空機燃料税でございますけれども、あの税金は、実は本土においても四十七年度に設けられたものでございます。そのときに、本来でございますれば、沖繩の本土復帰以後にこの税金が設けられるわけでございますので、直接負担をしていただいてもいいという考えでございましたけれども、やはりそういう激変ということを緩和する意味におきまして、本土におきましても、いわば小型の航空機について三年間逐次上げてまいって、四年目から本則の税負担をしていただくということにしておりますので、そういう猶予期間を設けましたこと。あるいは本土におきましても小型航空機の運航業者は、そういうことでことしの三月までの経過措置というのはそれで終わるわけでございますので、沖繩におきましても同じように扱わせていただきたいと思っております。

上原康助日本社会党

○上原分科員 もう時間が来ましたので、最後に大臣に一点だけ。  軍用地返還の管理費の問題が非常に問題になっているわけですね。これについて、大蔵はもう限度を決めるべきだという主張もあると思うのですが、先ほど言いましたように、いろいろな特殊な事情があるわけですから、その面については今後とも十分御配慮いただき、また財政金融の面についても特段の御配慮を賜りたいと思うのですが、一言だけ所見を伺っておきたいと思うのです。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 現地の事情をよく調査いたしまして、検討してみます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)主査代理 これにて上原君の質疑は終わりました。  次に岡本富夫君。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 最初に大蔵大臣にちょっとお聞きしますが、きょうの新聞の報道によりますと、大学の助教授等が納得のできない税金は払いませんと宣言する市民団体をつくりまして、二十二日に東京神田の日大で勉強会を開いた、三月三日に防衛費分不払いの確定申告を出すことに決めた。そして事業者あるいはまたサラリーマンの代表として、いまちょうど確定申告の最中ですが、納税額の六・四%を差し引いた確定申告をそれぞれ提出した、こういうように報道されておるわけですけれども、これについてどういうようなお考えを持っておるのか、ひとつそれをお聞きしたいと思います。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 いま岡本先生御案内のように、予算というのは国の基本の計画でございます。しかも歳入、歳出一体のものがございまして、その一部分が自分の意に召さないからといって一部分を忌避するということは、本来考えられないことでございまして、私どもといたしましては、そういう動きに対しましては大変遺憾に存じております。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 これは、遺憾に思っているだけで、後はっきりした態度を示しませんと、税務署あたりでも非常に困ると思うんですね。納税申告という義務があるわけですから、確定申告に対しましてもやはり検討して、そしてはっきりした態度を示しませんと、大蔵大臣の、ただ遺憾であります、これじゃ話にならないと私は思うのですよ。  こればかりやっていると時間がありませんから、次にいきます。  田中前首相の金脈問題あるいはまた脱税問題について、その真相を明らかにするように国会に要求いたしたところが、守秘義務ということを大蔵省は言われた。特に大蔵大臣は、守秘義務で明らかにできないというような話でした。守秘義務というのは、たとえば税務署員あるいは税務を担当する役人が、もと同じ税務署にいた方がいま税理士をやっている、その税理士に対して、何人かいるところで、あのAという事業所は非常に経理が乱雑である、だからあなた、ひとつあそこを紹介してやろうかと言う、こういうようなことは守秘義務の中に入らないのかどうか。この点について、あなたどういうようにお考えになっておりますか。

磯辺律男国税庁次長

○磯辺政府委員 突然の御質問なので、私もちょっと問題を整理してみないといけないと思いますけれども、明らかに個人の秘密あるいは営業の秘密、そういったことを関係のない第三者に告げたということになってきますと好ましくないことであろうと思っております。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 これはきょうは明らかにしないということで残しておきます。  いよいよ確定申告の時期に来たわけですけれども、国民の皆さんが申告についていま非常に苦労しておる。それはどういうわけかと申しますと、私は前にどこかの委員会で、佐藤さんが総理のときに、あなた自分の税金を申告できるかと、たしか聞いたことがおるのですが、むずかしい、細かいことはわからぬ、こういうことでありますから、やはりいま国民が簡単に申告できるような素地を将来つくっていかなければいかぬと思うのです。京都にある明星商業、これは女子商業ですけれども、ここなんかは納税の事務といいますか、事務能力をつけるために必修科目の中に入れておる。したがって、高校程度ぐらいのところで、一般の国民が納税についてこういった事務能力を涵養していくということでなければ、いつまでたっても、あの戦後の、また最近も少しありますけれども、税務署が来たために飯もうまくない。要するに、税金というものに対する事務能力は、一般の国民は非常に欠けておるわけでありますから、これを利用してすぐ、おまえのところつぶしてやろうかということになるわけですね。そのときに一般の国民の皆さんが、そうじゃない、税金というのはこうして払えばいいんだという能力を持っておれば、そういうおどかしに乗らぬわけです。  大臣、これは文部省との問題もあると思いますけれども、将来、高校程度の教育の中に、納税事務能力を涵養するための科目と申しますか、あるいはまた教育と申しますか、そういうことを検討する必要があると思うのです。これは大臣の政治的な判断だと思うのですが、ちょっと大蔵大臣の意見を聞きたい。

磯辺律男国税庁次長

○磯辺政府委員 大臣が御答弁になります前に、ちょっと事務的に御説明させていただきたいと思います。  ただいまの岡本先生の御指摘、実は私ども国税庁といたしまして全く同感でございます。国税庁としましては、かねてから、国民の納税思想の高揚といいますか、税務に対する理解を深めることに努力いたしております。同時にまた、先生御指摘のように、申告書を書くというのも、われわれ非常に工夫はしておりますけれども、なかなかむずかしい。素人の人が黙ってそのまま一人で完璧なものが書けるというには若干むずかしい点があるんじゃないか。税法が緻密になり、公正ということを重点にきめ細かい規定を設けますと、どうしても各種申告書なり税務のやり方がむずかしくなるというのは、ある面においてはやむを得ない面があろうかと思いますけれども、それはさておきまして、いかにして税金というものが国民になじみのあるものになるかということで、いろいろなPR、それから教育等についてやらしていただいておるわけでございます。そういったことで、文部省の方に対しましても、社会科の教科書の中に税金に関する問題を取り上げていただくというふうなことでかねがねお願いしております。また、各種の租税教室、それから学校の先生方に対しますところのいろいろな租税上の講義といいますか、講習会といいますか、そういったことをずっと例年続けておるところでありまして、今後ともそういった方向でわれわれとしては万全の努力をいたしたい、かように考えております。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 租税教育あるいは租税広報に関しまして、建設的な御提言をちょうだいして感謝にたえません。いまの申告制度は大変複雑になっておりますので、私といたしましては、これをできるだけ簡素化してまいる努力は今後も続けなければならぬと思います。同時に、いま国税庁からもお話し申し上げましたように、租税教育網を拡充してまいる、それから広報網を充実してまいることに一層努めてまいりたいと思います。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 大臣、文部大臣とも相談しまして、そういったものを必修科目の中に入れていく。明星商業あたりでは、週に何回か税務署からも来てもらって、実際に担当しておる方から勉強させるというような非常に進んだ方式をとっておる。こうやっておられると非常にぐあいがいいということで喜んでおるわけですね。ですから、そこまであなた、ひとつ配慮をしていくという決意をもう  一遍お聞きしておきたい。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 お示しのようなラインで一層努めてまいるつもりです。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 次に、これももう一つ提言になりますが、小規模事業者全国協議会というところから私の方にも提言が来ておるわけですが、この中で、要するに、商業の八百屋さんだとか魚屋さんだとか、こういう方は、経理に堪能な会計士、あるいはまたそういう事務員を雇う能力がない。ですから、申告にしましても非常に困っておる。また製造業者、これは十人までくらいの従業員と言うておりますけれども、これは六人とか五人とか、そういう一つのランクを決めまして、そういう零細事業者に対しては、年に二十万とか十万とか、あるいは五万とか三万とか、そういうランクを決めた均等割りにしてあげる。要するに申告自体がもういま大変な事業だ。これに皆頭を痛めているんですね。これだけ事業をやっているわけですから、社会保障の面とかいろいろな面の負担はしていかなければならぬと思いますから、その一つの目安というものがはっきりしておると安心して生活ができる。住民税にも均等割りというものがあるわけですから、そういった零細事業者に対する均等割りというような考え方、これを検討したらどうかと私は思うのですが、これも政治的な配慮ですから、大蔵大臣の決意をひとつ承っておきたいと思うのですが、いかがですか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 いま所得税は、今度の税改正でお願いしておる改正が実現いたしますと、非課税限度が夫婦子供二人で百八十三万円ということになるわけでございます。したがって、百八十三万円以下の方は所得税と一応かかわりのないことになるわけでございますが、月収十五万以下の人は非課税ということになるわけでございます。したがって、いまあなたが言われる小規模零細業者というのは大部分が非課税になっていくのではないか、そのようにわれわれは努力してきたように思うのであります。  それから第二に、所得税というのは、一方この社会的不公正の論議で、国会の論議を通じても御案内のとおり、いかにして社会的公正を実現するかということが論議の中心でございまして、所得税は御案内のように累進税率を適用いたしておるわけでございまして、法人にさえ累進税をかけたらどうだというような議論が展開されておる今日、所得税が後退して均等割りになるなんということは、ちょっと時代逆行のような感じがします。  しかしながら、岡本さんが言われるように、確かにいま零細企業者が均等割り制度にある種の期待を持つということが私はわからぬわけではないわけでございまして、税制をもっとわかりやすく、もっと簡素化していくということの努力は怠ってはならぬと思いますけれども、所得税、そういう性格のものに均等割り制度を導入するというようなことに対しては、いま直ちに私は賛成いたしかねるものでございます。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 あなたいま、所得税について累進になっておると言われるが、確かに二百万から三百万、三百万から五百万、五百万から一千万、一千万から二千万というように累進になっておる。ところが二千万以上になりますと、高額所得者になると、もうこれは累進になってないじゃないですか。二千万以上になれば、現行所得課税方式を見ますと青天井。それが一つ。  それから一零細な本当に事務員も雇えないという方々、私の言うのは、そういう本当の零細な、小規模な、要するに事務員を雇えばそれだけの費用がかかる、それでは事業ができないというわけで、ついどんぶり勘定になってしまうというような方でありますから、私はこういう方々は決して社会的不公正にならないと思うのですよ。まして、そういうよけいな費用は事業をするについてかからない、かえって付加価値のそんなものがかからなくて、それだけどんどんと一般の皆さんにサービスができるというような、そのかわり私の言うておるのは、住民税の均等割りと同じようなくらいの階層でありますけれども、ここについては、そこまでもう配慮するべきときが来たのではないか、こういうように私は思うのです。ですから、  一遍こういう検討は私はしていいと思うのですが、大蔵大臣、これはどうですか。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○中橋政府委員 いま岡本委員がおっしゃいました所得税の現在の税率は、もう少し上の方の階層まで参りますと、税率も非常に高くなりまして、七五%までずっと累進に行くようにしておりますが、それは別にいたしまして、いま御批判のございましたことにつきましては、一つには、先ほど大臣からお答えいたしましたように、確かに、現在の申告制度が大方の方には非常に厄介なものである、むずかしいものであるということでございますので、それについては、税務当局としましても、できるだけなじみやすいものにしなければならないということを思っております。  それからもう一つ、いまおっしゃいました零細なる事業者でございますが、先ほど大臣からお答えしました百八十三万円は、給与所得者の夫婦と子供二人の課税最低限でございますので、若干それよりは低い課税最低限でございますけれども、私どもの方向といたしますれば、なるべくそういった方々には、所得の再配分を目指しております所得税とは余り御縁がないようにしなければならないというふうに思っておりまして、今日までもいろいろな課税最低限の引き上げをお願いをし、またそれは先進諸国に比べましてもかなり高くなってきておると思っております。  そこで、いま御提案の零細なる企業者につきまして、ある程度の均等割りというものはいかがかということでございます。確かに住民税につきましてはそういう制度を持っておりますけれども、住民税というのは、非常に所得の低い人、所得があれば、原則としまして均等割りは納めなければならないということでございます。所得割りという、所得に準じまして、所得税ほどではございませんけれども、累進税率がかかりますのはかなり高い階層からでございますので、そういった課税最低限よりも低いような人には均等割りという制度はなじみやすいかと思いますけれども、特に課税最低限の高い所得税につきましては、お示しのように、ある程度の階層を大きく切りまして、そこで、均等割りというような概括的な税負担で済ませるということには、なかなかまいらないと思っております。しかし、御趣旨の線は、なるべくはそういう煩わしさがないように、喜んで所得税を納めていただくというような方向でわれわれも今後とも努力いたしてまいりたいと思っております。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 諸外国と比べてとか言うけれども、それなら社会保障はどうかと言うと、そうではないわけでしょう。だから、私は、それだけ諸外国と比べた答弁はいただけない。  それはそれとして、要するに百八十三万円ですか、そこまでは非課税なんだ、だからほとんどの方は、よく計算すれば払わなくて済むのだ、こう言うけれども、その計算するそういう煩わしさ。特に納税知識がなくて、それで納税の義務があるということでしょう。あなた方担当者から見れば何でもないようでありますけれども、こういう零細事業者の方は、いまおっしゃったように、ほとんど所得税は払わなくてもいいんだというぐらい引き上げているんだというのであれば、それを一つのすそ切りにして、そこから下は納税申告をしなくても結構です、そのかわりこれだけは納めてもらいますというような、どうせ取れないのですから、取れないのだったら、そういうふうにした方がいいんじゃないか、私はこういうように思うのです。これは皆相当こういう要望があります。確かに、行って聞いてみますと、八百屋さんやら魚屋さんやら一般小売をやっている人は、朝早くから夜遅くまで、あと帳簿をつけたり、なかなか大変なんですね。つい忘れる。そうしたら、後それをまとめるのに大変だというようでありますから、ひとつそこはもう一度再考をして、大臣、いま、あなたは全然政治的な配慮ないですよ。大蔵省の役人みたいなことを言ったのでは、私は話にならぬと思うのですよ。どうですか、これが社会的公正ですよ。私はそう思いたい。もう一度大蔵大臣。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 一つには、いまの申告所得税制度を簡素化することに努力をするということ。第二は、所得税の最低限をできるだけ上げていくということで、皆さんに負担にならないようにするということ。第三には、所得税に余りロードがかかり過ぎておる税制になっておると思うのです。それで諸外国と同様に、もっと間接税にウエートを置いた税制に持っていくべきではないか、所得税の荷を少し軽くすべきじゃないか。そうすることによって、所得税がかかる階層をもう少し軽くするというようなことに努力すべきじゃないかと思います。しかし、そのものずばり、しかもなお、所得税制度の中に均等割り制度を設けることについてもっともっと積極的な姿勢で検討する意向を示せ、こう迫られるわけで、言わぬと政治性がない、こう言われるのですが、私は余り政治性のない男でございまして、検討はいたしますけれども、税制全体でできるだけ御期待に沿うような方向に持っていきたいと思いますが、所得税制度の中にそういう制度の確立を図るということに対しては、やや消極的な考えを持っておるということを御承知おき願った上で、しかも検討せよということでございますから、検討はいたしてみます。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 大蔵大臣、私は政治性がない男だ——それなら政治家をやめたらいいんだ。そんなの話にならぬ。消極的じゃなしに積極的に、もう一遍大蔵委員会で、今度は確実な表を出してあなたにまた申し上げます。検討することと思いますけれども……。  そこで、次に航空機燃料税、これは四十七年に私が委員会で何遍も提案いたしまして、ほかの自動車あたりは早くから燃料消費税を取っておったのに、航空機だけは取ってなかった、片手落ちだというわけでこれを主張して、各地方自治体の方にこれをうんと回していただきたい。大阪空港あるいは東京の羽田もそうでありますけれども、毎日毎日非常な迷惑をかけておる、この方に充当をしてもらいたいというわけで新設をしてもらったわけです。ところが、いよいよこの金を取ってしまうと、大蔵省は十三分の二しか各地方自治体に渡さない。これは伊丹の市長さんあたりの非常な熱意があって私提案したのですが、いよいよお金を取ってしまったら、今度は取り上げてしまって渡さないというのでは、話にならないと思うのですよ。五十年度でも百八十億でしょう。十三分の二の根拠というものは、これは一般の自動車なんかのガソリン税の配分ですよね。これと同じようにされたのでは話にならないと思うのです。これについてもっと増加というか、迷惑をしているところの各地方自治体、住民に対する迷惑料として出せるように配慮を要求したいのですが、これについての御答弁をいただきたい。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○中橋政府委員 ただいまお話のございましたように、航空機燃料税は、一つには、国の空港整備の財源としまして、一つには、飛行場周辺の市町村のいろいろな対策費の財源として設けられたことはおっしゃったとおりでございます。その際にも、実はもう少し市町村のそういった費用の分として取るかという考え方もございましたのですけれども、そのときの基本としましては、道路財源として揮発油を考えません時代の揮発油税の負担、これが大体一万一千円というのがキロリットル当たりのそういった基本的な負担でございました。その後にだんだん道路整備のための財源としていろいろ出てまいりまして、一万三千円なり、今日のように合計で三万四千五百円というのが数字になっておるわけでございますが、そういう際に、やはり空港整備特別会計の整備財源としても非常に重要な財源でございます。現在そのうちの約二割ぐらいは航空機燃料税でまかなっておると思いますので、いまお示しのように、さらに周辺市町村への財源を確保するというようなことになりますれば、現在のキロリットル当たり合計一万三千円というものの引き上げを考えなければならないのではないかというふうに思っております。それも確かに一つの道でございまして、おっしゃるように、一万三千円を固定しながら、その中の配分で市町村部分への配分を多くするということはなかなかむずかしいのでございます。ただ、この税金は、お話にございましたように、昭和四十七年度に始めたものでございますし、今日のいろいろなコストの状況もございますので、ちょっと当分は私どももそのときの一万三千円という枠内で考えたいということで、このときに御提案をしたままでございます。

岡本富夫公明党

○岡本分科員 時間が超えましたが、これは飛行場周辺の、特に大阪空港周辺というのは大変な迷惑をしておる。そしてそのための航空機に対する燃料税をかけた。これを要求した。そして四十七年からできた。ところが、十三分の二しか渡さぬ。それを還元しない。これはあなた方は、地方自治体にそのために渡しているんだと言いますけれども、地方自治体に渡すのは、公民館だとか、いろいろな共同利用施設だとか、あるいは学校のいろんなものとか。ところが共同利用施設というようなのは全額来ないわけですよ。ですから、土地を取得する分、これまた地方自治体が出さなければいかぬ。あるいは学校を鉄筋に建てかえて、そしていろんな施設をした。そうするとそこに対する電気代、いろいろ消耗品——結局、この燃料税を課税して、そして金をもらったけれども、地方自治体ではよけい出さなければいかぬ。それで、全住民が喜んでいるかというと、そうではない。私は、将来、こういった周辺の苦しんでいる人たちには、市民税なんかももっとまけてやるというぐらいの何かのメリットをつけてやらないと、飛行場を移転するといったってこれから十年もかかるということになれば、本当にあの伊丹空港周辺の大阪からずっと住民というものはもうたまったも  のではない。何のメリットもない。  せっかくこうして航空機の燃料税を取ってもらったけれども、かえって今度は地方自治体の持ち出しになっている。住民には何の——それを利用するくらいのことでありますからね。だから、もっと手厚いあれをするためには、この十三分の二を、道路財源と同じような割合でなしに、本当は十三分の十三出してもらいたいと私は思うのです。その点について再検討を要求したいのですが、大臣、ひとつ最後の、これも余り政治的手腕のない人ですけれども、ある程度答えてもらいたい。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 検討してみます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)主査代理 これにて岡本君の質疑は終わりました。  この際、午後一時まで休憩いたします。     午後零時二十四分休憩      ————◇—————     午後一時一分開議

前田正男自由民主党

○前田主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。米内山義一郎君。

米内山義一郎日本社会党

○米内山分科員 大臣の御答弁は最終にお願いすることにしまして、まず最初には政府委員からお尋ねしたい。北海道東北開発公庫の監督官庁はどこになっておりますか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 内閣総理大臣と大蔵大臣になっております。

米内山義一郎日本社会党

○米内山分科員 直接これを管理する役所といいますか、管理官というのはどこにいらっしゃるんですか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 直接管理する管理官という制度はございません。大蔵省と国土庁と北海道開発庁が三者共同で監督しております。

米内山義一郎日本社会党

○米内山分科員 この北東公庫がむつ小川原開発株式会社というものに出資しておるわけですが、この出資の目的というものはどういうことでありますか。

桑島潔国土庁地方振興局東北開発室長

○桑島説明員 国土庁からお答えいたします。  むつ小川原開発株式会社は、むつ小川原地域の大規模工業基地開発に寄与することを事業目的として設立されたものでございまして、土地の取得、造成、分譲、工業基地開発及び新土地開発を促進するに必要な共同施設の設置、管理、譲渡などに必要な諸事業、これらに関連する企業への投資、関連する付帯事業を行うことになっております。この設立の目的に沿いまして、北東公庫から現在十億円の出資をしております。同社は、国及び青森県の開発方針に基づきまして、六カ所村から三沢市の一部に至ります地域の買収関係、及びこれに伴います住民対策を実施しております。

米内山義一郎日本社会党

○米内山分科員 どういう事業に北東公庫が出資すべきかということは、法律にも明文化してあるところでありますが、むつ小川原開発の場合は、この北東公庫というのは、みずから電力を起こす企業でもないし、石油化学工場を経営するものでもない。言うならば一つの建て売り業者のようなものとわれわれは考えておりますが、その性質には変わりはありませんか。

桑島潔国土庁地方振興局東北開発室長

○桑島説明員 北東公庫は、東北及び北海道におきますいろいろな開発事業に対しましての出融資を行っているわけでございますが、その中でやはり大きなものといたしましては、おくれた地域におきます産業基盤の育成ということも一つの柱になってございます。その中で、土地造成といいますか、土地買収から始めまして、造成しそれを提供するということが一つの仕事になっておりまして、御存じのように、北海道の石狩ですとか苫小牧ですとか、あるいはこのむつ小川原ですとか、そういったところについての出資あるいは融資ということを従来からやっております。

米内山義一郎日本社会党

○米内山分科員 このむつ小川原開発株式会社の業績と申しますか、現在どの程度の土地を買い集めておるのか。さらにはその資金というものはどういうふうに供給を受けておるか。中央都市銀行あるいは地方銀行の金融があると思いますが、その買った土地の総面積及び各金融機関別の融資の総額というのは、現在どの程度になっておりますか。

桑島潔国土庁地方振興局東北開発室長

○桑島説明員 むつ小川開発株式会社の現在までの事業実績でございますが、昨年の十二月末までにおきまして、開発対象地域となっております中から約二千六百ヘクタール、さらに代替地といたしまして周辺地域において約五百八十ヘクタールの買収契約を完了しております。この場合、買収契約の金額につきましては、補償費等を含めまして約二百四十億程度と聞いております。  同社の資金調達でございますが、先ほど先生おっしゃいましたように、北海道東北開発公庫及びむつ小川原開発株式会社に出資しております民間の金融機関二十八行から調達しておるわけでございます。

米内山義一郎日本社会党

○米内山分科員 その総額は幾らになっていますか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 総額は約二百九十億でございまして、うち北東公庫が百十億、市中が約百八十億でございます。

米内山義一郎日本社会党

○米内山分科員 この四百億とか二百九十億の金融というものは、いつごろから始まったものですか。そして昭和四十八年、九年の借入額はどのぐらいになるのですか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 四十七年から始まったと思いますが、四十八年の上期で約七十億、それから四十八年の下期で六十億、四十九年の上期で五十億、四十九年の十二月末で二十四億であります。

米内山義一郎日本社会党

○米内山分科員 この開発というものは、先ほども本予算委員会の第五分科会でおよそ明らかになったんですが、どうしましても、五年や十年以内には工場の立地のめどがつきそうもないいろいろな諸条件があるわけです。しかもなぜめどがつかないかというと、諸調査もできておりますというのですが、完了しておりませんし、その上に、この開発についての政府部内の重要な問題にかかわる調整さえついていない。  一例を申し上げますならば、ここの石油コンビナートの開発予定地というのは、太平洋岸にありまして、ちょうど鹿島に似たような状況の場所であります。ここにはちょうど鹿島程度の港湾の公共事業が成立した以後でなければ工場ができないという一つの条件があります。これをつくる場合には、その港湾の地点から五キロ程度の場所に、日本の自衛隊と米軍が共用しており、米軍に提供しておる基地がある。その基地の中でも、飛行機から海に面した海岸に対地射撃をする、爆撃演習をするという射爆場がある。これの撤去ができない限りこれはできない。こういう事柄についても、まだ何らの話し合いも調整もない。一例を申し上げますとこうなんです。  さらに、今日の石油の需給の状態。こういうふうに石油が四倍にも高くなっておりますから、今後、日本の石油の需要がいままでの高成長のように伸びるならばいざ知らず、そういう観点からも、ここに新規の大規模な石油コンビナートをつくるということは、常識的にもずっと先に延びていく。その際に、なぜこの会社が土地買いだけに、しかも三年後というならまだしも、十年もめどのつかないものに土地買いにかかったのか。  さらに、先ほども問題が明らかになったのですが、現在わが国にある石油精製能力、設備能力というのは約六百万バーレルあるわけです。そうして現在使用している用地というものは、すべてで四百ヘクタールにすぎない。もちろん川崎にもあるし横浜にもある。日本の石油コンビナートというのは過密した都市の中にあるから、そういうことかもしれませんが、ここに二百万バーレルの石油を主軸とするコンビナートをつくるのに五千五百ヘクタールの土地を買うということ自体が過大ではないか、私はそう思うのです。  そこで、こういう不確定な要素が多い、というよりもすべてが架空だ。それに対して、こういう金融引き締めの中において、そのために緊急を要する生産設備投資も抑制されておるし、そのために中小企業の倒産も起きておる中に、土地買いのために、こういう時期にこういう多額の金融が行われているということは、大蔵省の金融引き締めというものはざるなのか、抜け穴をつくっているのかという疑いを持たざるを得ない。これは一体どういうことなんですか。これには、何らかの法律上の、金融政策上の特権があってこういうことがあり得るのですか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 北東公庫そのものの仕事といたしましては、北海道・東北地区における産業の開発あるいは土地造成といったようなものに対する必要な資金を貸すということでございまして、現在むつ小川原といったような計画が立てられまして、県ないし関係省庁の間で計画が練られて、その計画に対しまして北東公庫が応分の出資なり融資で協力するということにつきましては、特段の問題はないのではないかと私は思います。  ただ、いま御指摘のように、当初の計画どおりに大きなものでいくのか、あるいは進行の速度、あるいは石油危機といったようなことから起きた事態から計画が変わっていくかどうかそういうことは、私は当事者でございませんので存じませんけれども、そういったことで当然計画が修正されていくこともあるかもしれません。ただまた一方、金融引き締めといったようなことも起きておりますので、おそらく事業の進捗もおくれるでございましょうし、また私の方としても、一般に、不要な金を貸せ、こういうことは当然していないわけでございますので、当初予定しでおりました融資額などというのも、実行ベースにおきましては非常に減ってきておるということになっておりますし、北東公庫自体の融資計画といったようなものも引き締めの対象になりまして、計画を縮減してもらっておる、こういうのが実情でございます。

米内山義一郎日本社会党

○米内山分科員 このむつ小川原開発計画というものは、石油ショックやその後の総需要抑制によって変化したものじゃないのです。もともとこれは架空なものであることは明らかなんです。ただ土地を買うために始まった会社にすぎない。土地さえ買っておけば後は何とかなるだろう。ちょうど鹿島開発のときに生まれた思想なんですが、土地を買うことに成功すれば開発はもう八分どおり成功だという一つの開発哲学があるわけです。これをただやってきただけでして、二百万バーレルの石油精製なんというものは、実際問題としてあり得るものではなかった。これに対して、国の政府機関である北東公庫が、中身を審査せずに出資をしたり、さらにそれに大蔵省が、こういう引き締めの中にこういう多額のルーズな金融を認めているということに問題がある。ですから、この開発というものは恐らくいまの段階は土地買いにすぎない。それに対して企業と政治権力が結託してやっている、われわれはこう考えているわけです。  そこで次の問題なんです。これはどう考えたって、五年や十年でこの買った土地が工場用地に造成されて、そこに企業が進出して金を払って工場用地を買うということになる見通しは全くありません。そうだとすると今度は金利の問題が出る。二百四十億というと、少なくとも二十億の金利がかかるでしょう。この会社の資本金というものは幾らですか。一年分の金利よりも少ない。そうすると、今度は土地を買う金がないどころか、金利を払う金がなくなる。二十億近いものはちょっと借りも何もできるものじゃないのです。そこで、北東公庫はこういう金利を払う金がない、銀行が貸してくれないから増資を頼むというときに、金利分の増資というものは、国の機関としてこれは認められる性質のものでしょうか。

桑島潔国土庁地方振興局東北開発室長

○桑島説明員 国土庁の方からお答えいたしますが、先ほどむつ会社の実績をお話しいたしましたが、その中で、買収実績といいますか、買収契約しておりますのが約二千六百ヘクタールでございまして、当初考えておられます五千五百ヘクタールにつきましてのまだ半ばでございます。五十年度以降につきましても、まだ買収事業といいますか、これは進めていくわけでございまして、そういったものについての五十年度以降の事業計画につきましては、私どもまだよく聞いておりませんので、今後その事業計画の中で、先生の御指摘ありましたような金利の問題等も含めまして、十分検討することといたしたいと思っております。

米内山義一郎日本社会党

○米内山分科員 実は、買収契約という言葉を使っておりますが、これは実際上の買収完了なんです。農地法の違反をしているわけです。農地法の事前審査というものは、内示を受けただけでして、事前審査というものは売買交渉を始めてもよろしいという段階です。そこで、私が売りましょうという相手があったならば、せいぜい手付を払う段階なんです。にもかかわらず、この開発会社はほとんど八〇%を払っている。残りの二〇%は、土地を売った人が国に納める税金分が残るだけです。立ち退き料を払っています。ですから住民はすでにいません。だが、農地転用の許可申請が法律上不可能なんです。どこそこにどれだけの規模の工場がいつ幾日までにできる、その工場を建てる資金計画はこうであって、決して不確実なものでないという以外は、農地転用の許可は法律上出ない。許可のないこういう売買行為というものは処罰の対象にもなるし、法律上無効なんです。したがって、これにはまだ完全な担保力さえない。しかもこの開発というものは、土地を売った人に対して詐欺をしているのですよ。あすにもこの開発が始まるような前提のもとに土地を買っている。これは五年、十年たったときに必ずそこに問題が出てくる。こういう非常に世にもまれなる土地買いであり、これに対する巨大な金融だと思うのです。これは必ず法律的な問題です。  金融当局は貸した金が確実に利子を抱いて返ってくればいいのだと考えるのは銀行屋かもしれないが、実際日本の法律の体系、農地の関する法律の体系というものは、法を変えざる限り開発にはきわめてきつい条件にある。これを免れるために脱法行為をやっているのがこの買収なんです。普通われわれが、こういうふうな不確実なものに金貸してくれと言ったって、銀行は貸すものじゃない。しかもこの金融引き締めの中に、こういうことを国家権力を通してやっているということは、いわゆる社会的不公正そのものだ。特に、今後のその金利問題について、この会社は破綻せざるを得ないと私は思う。どこの銀行が、おたくの銀行から借りた金は返せないが利息も返せないから今期は利息分また新規に貸してくれと言ったって、貸す銀行あるものじゃないんだ。そんなものに貸す銀行があれば、これは取りつけを食うに決まってますよ。そこで政府がそれを増資する以外にしようがないが、こういうものに、大臣、増資できるものでしょうか。私はその点を大臣からお聞きしたい。御答弁願います。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 政府機関である北東公庫の場合は、設備資金、長期運転資金といったようなものに融通するということになっておりますので、金利を払うための融資ということはできないと思います。

米内山義一郎日本社会党

○米内山分科員 大体そういうものだと私は常識上思っております。  そこで大臣、こういうふうな開発の進め方は間違いなんです。土地さえ買っておけば開発がどうにかなる、要すれば地元の産業がふるわないから住民はいわば貧困なんです。貧困だから金に弱い。その弱みにつけ込んで、札たばでほっぺたをたたいて土地を占領しようという、本当にこれは開発アニマルというか、日本に例を見ない開発の仕組みなんです。しかも、土地を買ってしまいさえすればこの開発は何でもない、こういうふうなことに国が助太刀をしているというか、社会的な不公正を金融の上で実際にわれわれに見せつけている、これは問題だと私は思う。  そこで大臣、三木さんは信なくんば立たずとおっしゃったが、これはやさしい言葉だが厳しいのです。三木さんは信を信用組合の信ぐらいにお考えになっているかしれないが、信というものを貫くためには誠実というだけでは信にならぬのです。政治はそれだけでできるものじゃない。本当の信を得るためには、にせものはにせものとする、間違いは間違いとしてやらなければならぬ。どうせ孔子の言葉を言うならば、過ちを改むるにはばかるなかれということもしなければならぬ。もしこれ抜きに信だけを国民に売り物にするならば、それ自体偽善だし不誠実だ。そうして言うことはすべて巧言令色少なし仁ということにならざるを得ない。かえって不信をつのらせるだけです。この開発の不信というものの根源を断たない限り、今後いかなる資源の不自由があっても根本的に解決することはできないと思うから、こういう過ちがあったとするならば、これを改めるというような御決断があるかどうかを大蔵大臣から最後にお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 いま米内山議員の御指摘になっている地域の開発問題は、私の承知している限りにおきましては、青森県、それに関連いたしまして、多くの民間企業体が関係をいたしておる壮大な開発計画であると承知いたしておりまして、関係者の各位が、あなたがおっしゃるように、誠実な計画のもとで実効性のあるもくろみを立てられて、実の上がる開発の実績を示されることと期待いたしますけれども、御案内のように、最近の日本の経済は、内外大変な大きなショッキングな出来事が起こりまして、日本全体の経済の行方につきまして考えなければならない多くの問題が同時に出てまいっておるわけでございます。したがって、いま問題になっておる開発計画にいたしましても、当初の御計画をいろいろな角度から考え直さなければならない面があるのではないかと私どもも考えておるわけでございます。  仰せのように、もし過ちがあれば改むるにはばかることがあってはならぬというお示しでございますが、私もそのとおり考えるわけでございまして、関係者が現実の環境に即して実効性の上がるような計画を練られて、実のある開発が実現してまいりますことを期待いたしておるわけでございます。  政府といたしまして、計画面あるいは投資面等でいろいろ関係があるようでございます。もとより慎重に対処して、信を失うことがないようにやってまいらなければならぬことは当然と心得ております。

米内山義一郎日本社会党

○米内山分科員 これで終わります。

前田正男自由民主党

○前田主査 これにて米内山義一郎君の質疑は終わりました。  次に、川俣健二郎君。

川俣健二郎日本社会党

○川俣分科員 この際に、税負担の公正という観点から、その面にもかなり造詣が深い経歴のある大平大臣にただしたいし、また、こちらの言い分も聞いてもらいたいと思うのですが、事務当局、あるいは災害対策特別委員会ではかなりいろいろと論議されました問題です。いわゆる税負担の公正、取り立てる方です。  国民に支給されるいわゆる予算の使い方については、いままで予算委員会で、福祉手当を初めとして政府の考え方を国民に明らかにされて、それが公正かどうか判断は別として、大体論議されました。そこで、取り立てる方なんですが、豪雪に苦しむ地域の、特に確定申告制度を持たないサラリーマンは、この雪にまつわるいろいろの諸経費をどのように国として見てくれておるだろうか、見てもらえるだろうかという論議をいろいろやってきたわけでございます。  そこで、昨年、山形、秋田、青森の南の方、気象庁始まって以来のかつてなかった豪雪に襲われたわけですが、大臣も御認識あるかと思うのですが、そんなに例年よりも多かったかどうだったかということを、まず、青森、山形、秋田のある内陸部に位する地帯の大体の積雪量が、例年と比較してどのくらいだったかを、いまは国土庁が全部一括してやっておるようですから、一応聞かしてもらいたいと思うのです。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○近藤政府委員 昨年の積雪量の関係でございますが、御指摘の青森、山形、秋田について申し上げますと、測候所管内ごとに分かれておりまして、それによって相当差がございますが、たとえば青森県の青森測候所管内では平均め最大積雪深が百八センチであるのに対し百六十二センチ、碇ヶ関が百二十六センチであるのに対し二百七十センチ、山形が二百二十センチに対し四百四十五センチ、秋田の鷹巣が百十六センチに対し百四十五センチ、山形の新庄が百四十二センチに対し二百三十二センチ、米沢が百四十四センチに対し百七十四センチ、大体こういったところでございまして、この三県に関して申しますと、通常の年に比べまして積雪量が相当多かったということが言えるかと思います。

川俣健二郎日本社会党

○川俣分科員 せっかくそこまで言っているから、大曲の根本先生が後ろにおられるが、大曲は例年に比べてどうです。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○近藤政府委員 失礼いたしました。秋田県の大曲につきましては、平均が百三十八センチに対し二百六十五センチと、約倍程度になっております。

川俣健二郎日本社会党

○川俣分科員 例年でも雪おろし費用等かなり経費がかかるわけです。それに加えて、いま国土庁が数字を示したように、大体五割から十割、倍のところがずっと内陸部にあったわけですが、一般のサラリーマンの場合は、一体どうやってそれらの経費を税金の面で見てくれるだろうかという論議をかなりやってきたわけだ。そこで、それじゃ一体、例の災害免税法でこの豪雪地のサラリーマンがいわゆる所得減税の対象になるだろうかどうかといことを、まず聞いておきたいのです。

横井正美国税庁直税部長

○横井政府委員 昨年の二月二十二日の災害特別委員会におきまして御質問がございまして、お答え申し上げましたように、昨年の雪害につきましては、例年に比べて非常に大きなものでございまして、災害というふうに考えていいのではないか。そういうことから、所得税法七十二条の雑損控除というふうなものに当たるということをお答え申し上げたわけでございます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣分科員 そこで、その雑損控除というものを、ちょっと具体例を私の方が言いますから。去年は一世帯約十五万円から二十万円の雪おろし費用が出たということを自治体でつかんでおるわけですが、その二十万円出したサラリーマンは、収入が大体百五十万円から二百万円。そこで、昨年ですから、今度の三月十五日の申告で締め切られる免税点がまだ百五十万円のころですから、そうなると、十五万円から二十万円かけられたであろうサラリーマンの免税は、雪の降らない地方のサラリーマンに比べてどのくらいの恩典を受けただろうか、こういう仮定の上に立って大体どういうことになりますか。いまの災害免税法、災害被害者に対する租税の減免法ですね。それからあなたの言う七十二条の雑損控除。ちょっと言ってみてくれませんか。

横井正美国税庁直税部長

○横井政府委員 二百万円の収入がおありになるサラリーマンの方といたしますと、給与所得控除後の所得が百四十万円ぐらいになろうかと考えます。御承知のように、雑損控除は所得の一割を超える金額についてでございますので、百四十万円の一割、十四万円、これを二十万円から差し引きますと六万円ということになろうかと思います。これに対する所得税が減額になるということになると存じます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣分科員 それでいまは二百万円という、月に割ると十八万円前後の所得の人方を出されたが、これはあの地区では比較的高い方なんだ。ところが、一般は月十万円前後から十二、三万円、そうすると百五十万円ということになる。百五十万円で、安い所得の家には雪の降り方が少ないわけではないんで、雪は同じように降るわけで、そこで十五万円から二十万円かかっても、ほとんどこの減免法の恩典を受けいれないということなんだ。しかしながら、現在ある法律はこれしかしようがないんじゃないかということで、雑損控除を最大限に適用してもらった。しかし領収証を持ってこい、証明書を持ってこいといううるさいことは言わないというあなた方のお計らいで、先代を通じてかなりそれは伝達されたんだ。ところが結果的にほとんどさっぱりなわけだ。  そこで私は思うには、必要経費という定義なんだが、皆さん税金の先輩ばかりいるところなんだけれども、必要経費というのは、一体どういうような過程で定義づけられたんだろうか。税法上の必要経費というのはどういうことなんだということになると、かちっと定義づけられているのか、ところがそれは給与所得者には一切関係のない経費だ。お医者さんには七二%かかるかもしれぬが、一体この必要経費という解釈を少し聞かしてもらえませんかね。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○中橋政府委員 所得税法上の必要経費と申しますのは、所得を上げますための必要な経費というものでございます。そこで、いまお話しの給与所得につきましては、そこでいうところの必要経費というものは、所得税法上結びついてはおりませんけれども、所得というものを計算します場合に、給与所得につきましては、一定の給与所得控除後の金額が給与所得であるというふうにしておるわけでございます。  それでは、一体、給与所得控除というのはどういう性格のものかということでございまするが、いろいろな要素から給与所得控除というのはでき上がっておりますけれども、その一番大きな要素は、私どもはやはり、何といいましても給与を得るために勤労者が必要な経費であると思っています。確かにそこには、事業所得者その他につきまして、各種所得について個別的に必要経費というものを算定することはいたしておりません。概括的な控除でございますけれども、その大きな要素というのは必要経費でもってできておるというふうに考えております。

川俣健二郎日本社会党

○川俣分科員 所得を上げますための経費という解釈は、どういう歴史的な解釈か知らぬけれども、所得を上げますということだから、事業を営んでおるというような解釈に税法は歴史的に持っていっておるようだ。ところが理屈を言うと、所得を上げますなんだから、雪おろしのために会社を休めばサラリーは減るわけだから、所得は上げられない。それは、雪の降らないところと雪の降っているところと比べて、公正という面から見ると、やはり雪おろし費用は必要経費であるという解釈の窓口をぼつぼつあけるべきじゃないか。そうでないと、なかなか税制の改革で限界が出てきているのじゃないかと思うのだけれども、どんなものですか。局長どうです。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○中橋政府委員 確かにそういう必要経費の解釈をめぐりまして、さっきからお話しの豪雪控除の問題も長年御議論がございますけれども、私ども税金をやっております者から見ますと、なかなか所得税制の中に入ってこないわけでございます。必要経費といいますのは、いまおっしゃっいましたように、単に事業所得上いろいろな仕入れ代金、減価償却その他のものというふうにだけ考えてはもちろんおりません。所得税の中で大きなウエートを占めております給与所得というものにつきましても、当然そういったものは考えられてしかるべきでございます。しかし、一体それでは、いまおっしゃいましたたとえば豪雪のおろし費用その他もろもろの付帯的な費用がかかることは、私も十分理解できるわけでございまするけれども、いわばその費用と申しますのは、いまおっしゃいましたように、休めば給与が入らないということなんでございますけれども、税金の方から申しますと、何といいましても、いわばそれは給与所得、給与の収入を得るために必要な経費という方ではなくて、むしろ家庭生活と申しますか、消費生活の方の支出の面に入るわけでございます。  そこで、そういったものを一体どの程度所得税法上特別のしんしゃくをしたらいいか。必要経費ではありませんけれども、特別のしんしゃくが可能かどうかということだろうと思いますけれども、在来いろいろ御議論がございましたし、また、それに対して税制当局がお答えをしておりますように、なかなかこの種の個別的なしんしゃくというのはむずかしいのでございます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣分科員 休めば所得が減るというのは、かなり苦し紛れのおれの発言で、本当は私は、必要経費に認めるべきだと思うんだよ。ただ、いま局長が、この必要経費は事業をしている者にのみの定義じゃないという、それはいいですね。所得者にもりっぱな必要経費というものが認められれば控除を改めてやるんだ、こういう解釈に発展してよろしいですな。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○中橋政府委員 私が申し上げましたのは、給与所得控除の大きな要素というのは、他の所得者についての必要経費の要素でございます。そのほかに何があるかと申しますと、一つには勤労性所得のいわば担税力の弱さというものがまたしんしゃくをされておると思いますし、あるいはまた納税の時期の問題というものについてもしんしゃくもございます。その他いろいろのしんしゃくはございますけれども、大きなものとして、必要経費として、たとえばわれわれ月給取りが家庭を離れまして勤め場所に参りまして、そうしていろいろな所得を得るために要する費用というようなものは、概括的ではございますけれども、見ておるという考え方でございます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣分科員 それじゃ項目で詰めていいかな。サラリーマンの一時的な経費は何と言ったって転勤ですね。これを旅費として免税になっていますね。ところが雪をおろす費用というのは一切入ってないんだ。そこであなた方十分御承知だと思う。もう十年前だからね、この審議会で問題になったのは。この審議会の答申はだれが聞いたって無理からぬことだと思うんですよ。大臣に聞いてもらいたい。「豪雪地帯においては、はなはだしい積雪のため、雪囲費、雪止費、除雪労力費、除雪設備費、家屋等の維持修繕費、被服費、暖房費等の支出増を余儀なくされている。したがって、豪雪の程度の著しい地域については、豪雪の度合に応じて、前記経費が所得の一定割合を越える者について、所得から豪雪地帯で特別に要する経費を控除する豪雪控除の制度を設けること。」「所得税法上特別の控除措置すなわち豪雪控除の制度を設けることが妥当であると考える。」これが三十九年。同じように四十五年、それから四十七年三月十日。これは経済企画庁にまだ所管されておった豪雪対策審議会。これだけはなぜ検討されないだろうか。医者の七二%を私は言おうとしておるのではない。医者の七二%を大蔵大臣がこれからどう料理するか、私たちは社労でよく見ていますけれども、あらゆる審議会の答申を、まあできなければできないなりに、十分とは言えないが、事務当局で法律化、制度化して国会に上げておるのに、豪雪控除だけどうして制度化されてないだろうか。これは弱いからだろうか。それとも雪が消えるともう知らないからだろうか。三月十五日がぎりぎりだ。しかし、サラリーマンは確定申告の窓口がない。こういうようになってくると、やはりこれはいつまでもなぶっておかないで、ぼつぼつ制度の検討に入る時期ではないだろうか、こう災害対策委員会でも考えまして、大臣、私もあえて今回貴重な三十分をもらったわけだ。どうでしょうか、大臣。これを大臣、どう思われます。大臣からひとつ御所見を聞かしてもらえませんか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 いま川俣先生御指摘のこれまでの税制調査会の御答申の経緯を私も拝見いたしております。それから、あなたなり根本先生なり、豪雪地帯で日常の御体験を積まれておる方々の御認識は尊重せにゃなりませんが、私も若いとき豪雪地帯に勤務いたしたことがございますので、言われることは体でよく理解できるわけでございます。  こういう個別な事情がなぜ今日まで税制上組み入れられなかったかということは、それ自体吟味してみなければならぬことだと思いますけれども、いま仰せられたことを一つの制度の問題として検討すべきじゃないか、前向きに検討してみるに値するテーマじゃないかという御提言は、私なりに理解できるつもりでございます。したがって、これをあなたの御指摘のようなラインで取り上げてみるのか、その他にまた別のオールターナティブがあるのか、そのあたりは十分検討しなければならぬと思いますけれども、いずれにせよ問題であることは間違いないと思いますので、御提言の趣旨を踏まえてもう少し勉強さしてもらいたいと思います。

川俣健二郎日本社会党

○川俣分科員 声が小さい国民の要求というのはわりあいに制度化されないなら、それなら大声上げて陳情団でデモもかけますけれどもね。ちょうど三月十五日前に、いま雑損控除で大体あの地区ではやってございます。地方税もある程度犠牲の上に立って、去年の豪雪だけはという条件つきでもありますから。さっき国土庁から言われましたように、気象庁始まって以来の、例年の倍の豪雪だった。ところがそれを、雑損控除という最低限のものでも、それではこの免税の恩典を受けようということで、いまやってございます。しかし、とてもじゃないが、市役所、町役場の窓口に出されたもののうち、雑損控除を出してみたがどのぐらいの恩典があったかという結果は、後でお示ししますから。  やっぱり雪おろし費用というのは、審議会が言われるように必要経費である、最初から控除してかからなければだめなんだということが、いまやっと雪解けと同時に、春を待って向こうの方にも声になって出てきますから、それをぶつけてみますけれども、ただ、いま大臣が、私の感触では比較的前向きの答弁やに感じられる。大平大臣にしてはですよ。大平大臣にしては、比較的、やろうでないかということを事務当局に投げかけたと思うのだが、いまの大臣の発言を局長はどう受けましたか。どうです。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○中橋政府委員 かねて豪雪控除の問題については、審議会で御議論のあったことも十分私どもは承知いたしておりますし、決して雪が解けたからといって放置したわけでございませんで、毎年毎年の問題として私どもも検討をし、また税制調査会でも御議論をいただいたのでございます。ただ、いま川俣委員がおっしゃいましたように、必要経費というのは、私が先ほど御説明しましたように、所得の稼得のために必要な経費でございますし、雑損控除とか、いまおっしゃっている豪雪控除とかいうものは、いわば所得の稼得というのと少し離れまして、いわば消費生活と申しますか、家庭生活と申しますか、そういうものについていろいろ出さなければならない費用の中で、どれだけ一体所得税として、所得の稼得という段階と離れてしんしゃくすべきかという問題なんでございます。そこで、雑損控除というのも、一つのそういった部面としまして、あるいは医療費が非常にたくさんかかったときには、いかに家庭生活のものとしましても、それをしんしゃくしようというのが所得税のたてまえなんでございます。  そこで、一番問題になりますのは、これは毎々税制当局の方から申し上げていることで、もう十分お聞きと思いますけれども、地域的なそういった差異というものをどういうふうにしんしゃくしたらいいかというのが、所得税制として一番むずかしいわけでございます。そういう意味におきまして、大臣も、かつての御体験もあり、またそういうむずかしさも踏まえられまして、なおまた検討を続けなければならないというようなお気持ちで言われたのだろうと思いますけれども、そこにはまた、私がるる申し上げておりますように、税制として、あるいはその所得の稼得、あるいは消費生活というものとの結びつきという意味におきますと、非常にむずかしい問題を含んでおるということも御理解をいただきたいのでございます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣分科員 税制の技術的に地域格差を取り上げるというのは一番むずかしいことは私も知っておるんだ。ただ、去年の豪雪は、同じ地区を同じ委員会が二回見たのは、まれに見ることだと思うのです。根本先生方の協力も得て、災害対策特別委員会で二回行ったんだ。その際に、雪は何ぼ降ったって災害じゃないよという考え方だった。これは政府がそういう考え方とかなんとかじゃなくて、議員同士も。ところが行ってみると、自分の乗っている汽車がおくれる。こうなると、一番痛いのだから。それから横手など、かまくらなど、ああいう観光資源も何も埋まっちゃって、去年はやめてしまった。そうやってみると、これはかなり災害だ。それから個人の家の屋根伝いでずっと見て歩いた。これはなるほど災害だということで、小坂長官の、やはり豪雪は災害であるという答弁が出てきた。災害の連続である。ところが、雪が消えると、うそみたいだという世の中になる。そうなると、雪解けと同時に税金の検討がおかしくなっちゃう。  したがって私は、十年前からこういう審議会の答申が出ておるので、ぜひこの機会に、雪国のあの費用というものは——これは雪おろしの費用たけ挙げたのです。囲いの費用、燃料、つけものその他道路をつくる費用等々考えると、これはかなりなものなんだ。地域格差を税制に織り込むのは一切むずかしいということだけで、局長、いつまでもほったらかすということになれば、私は実に残念なんだ。ぜひこれを強く要求しますよ。大臣、これは頼みます。これはやはりこういうときに税制にメスを入れる時期だと思います。豪雪控除を特に要求して、私の質問を終わります。

前田正男自由民主党

○前田主査 これにて川俣健二郎君の質疑は終わりました。  次に、佐野進君。

佐野進日本社会党

○佐野(進)分科員 私は、都市における交通問題について、都市交通事業を中心にして質問をしてみたいと思います。  まず第一に、今日の都市交通事業は、きわめて深刻な状態にあるわけであります。四十八年度の決算、これは公営交通事業協会の調査によるものでありますが、これによりますると、総収入が二千百二十七億六千九百三十五万五千円、総費用が二千五百六十三億四千九百六十四万六千円、純損失が四百三十五億八千二十九万一千円。さらにこれに対する累積欠損金が二千三百九十七億九百十九万三千円、不良債務が一千百二十四億四千二百二十七万九千円、こういうような形になっておりまして、総費用に占める総収益の割合は八三%、運輸収益に占める人件費の割合は九六・九%、総費用に占める人件費の割合は五九%となっているわけであります。このような深刻な都市交通の経営状況をもってするならば、もはやどうにもならない、こういうような状況になっておるわけであります。したがって、この状況が単にここ一、二年において起こったわけではなく、いわゆる政府の高度経済成長政策が進められて以来、このような状況があらわれてきたわけであります。このような状況に対して、政府は第一次再建案、第二次再建案と、それぞれ対策をとられてはきておるわけでありまするが、この対策はいまだその成功を見ていない、こういうような状況になっておるわけであります。  そこで私は、大蔵大臣にお伺いをいたしたいのでありまするが、この膨大なる赤字経営を続けざるを得ない都市交通の状況が発生した原因は、一つには、政府の行ってきた経済政策の結果、悪い面におけるしわ寄せを受けてきたということが厳然とした事実としてあるのではないか。二つには、この種赤字が累積する経過の中で、国の財政あるいは地方財政、これが一貫して、この種事業において発生した赤字を当該企業体にそのしわ寄せをなし、具体的な対策を怠ってきたのではないか、こういう点を強く感ずるわけでありまするが、この二点についてひとつ大臣の見解を聞かしていただきたいと思うわけであります。

高橋元大蔵省主計局次長

○高橋(元)政府委員 地方公営交通企業の赤字につきましては、ただいま先生お示しのような状態にあるわけでございますが、このようなことになりました原因として、いろいろ挙げて考えてみますと、一つは、人件費なり原材料費、物件費といった原価の上昇、それからもう一つは、旅客数の伸び悩みないしは交通渋帯によりますところの効率の低下、収益力の低下といったようなことが挙げられるのだろうと思うわけでございます。さらには、料金の適正化のおくれとか合理化の不徹底ということもその原因になってまいると思うわけでございます。  そこで、四十八、四十九年度と、路面交通事業、地下鉄、それから再建団体のバス、それらの事業につきまして、政府としてはかなり大幅な助成をいたしまして、前向きにこういった事業の有効な、効率的な活動ができるようにしていく措置をとってまいったということでございます。それによりまして、四十八年度は再建計画が非常におくれましたので、見るべき成果もなかったということだと思いますし、四十九年度は料金の改定が非常におくれたために、これまた赤字は余り解消してないのも事実でございますが、四十九年度の末になりまして、大体二十四の再建団体の中で十八ぐらいのものは料金改定を終えて、五十年に向かって、逐次、黒字経営、安定した経営の方に向かっていきつつあるというふうに、私どもは自治省から聞いております。  そこで、今後は、冒頭に申し上げました、こういった地方公営交通企業の赤字の基礎になっておりました諸般の事情の解決を図っていく必要があるわけでございますが、なかんずく、経営の改善合理化なり、企業環境の改善なり、それから企業会計に対する、これは一般会計の地方公営企業法によりますところのいわゆる負担区分に基づきます負担の適正な運用なり、こういうものの積極的な推進と料金の適正化ということを図ってまいる、それによって公営交通企業の採算の安定化が図られるというふうに考えております。

佐野進日本社会党

○佐野(進)分科員 大臣に冒頭お聞きしたいと思ったのでありまするが、突然のことであるようでございますから、あと一つ聞いておいていただいて、まとめて答弁をいただきたいと思うわけです。  そこで、いま高橋さんから御答弁があったわけでありまするが、あなたも赤字が発生する条件というものについては認識があるようであります。そこで、その認識に基づいて対策を立てておられるわけでありまするが、結果的に今日の公営交通事業が完全に行き詰まる、そういう中において、利用者である国民に対して多大な迷惑をかけざるを得ない。そういうような状況に立ち至ったその原因を探求する中で、具体的な対策をいま立てておられるという答弁でありました。  そこで、私はそういういまの答弁を受けて質問してみたいと思うのでありまするが、まず第一に、いわゆる企業内努力によってその現状を打開する、こういうことについては、もうすでに十年来、企業内努力におけるところの赤字解消については、いろいろな角度からその努力を続けてきておることは、あなたも御承知のとおりであります。そしてその結果到達した結論は、もはや空洞化してはおる問題ではあるけれども、結局、公営交通事業における独立採算制の問題にメスを加えざるを得ないということになってきておると思うのであります。そしてまた、そのとおりの措置が行われておりまするが、形式的には独算制の枠はかたく守られておるわけであります。  そこで私は、この点について二点の質問をしてみたいと思うわけであります。いわゆる公営企業における独算制の問題であります。  一点は、公営交通事業は行政の一環として取り扱い得る問題であるのかどうか。単なる公営交通事業という形の中でこの問題を処理し続けていこうとするのかどうか。これは、私もこの前やりましたけれども、もう幾多の議論のあるところでありまするが、これを二つの部面に分けて、一般的にいわゆる公営交通事業として独算制の枠内で処理する。もう一つは、その粋を外す中において、公営交通を行政的な面からとらえた処理を行う、こういう考え方があるわけでありまするが、この考え方について、あなたの見解をお示し願いたいと思います。

高橋元大蔵省主計局次長

○高橋(元)政府委員 地方公共団体が公営企業の経過を通じて住民にサービスを提供してまいるということでございますが、それに必要な経費は、利用者がサービスの亨受の程度に応じて対価を払って負担する、いわゆる利用者負担の原則が基本であろうかと思います。この利用者負担の原則によりまして事業経営の効率化ということが図られますし、また税負担と利用者負担ということ、両者を通じて公平の原則にも合致するというふうに考えております。そこで、いまの段階でと申しますか、現在のたてまえ及びその運用というものを今後とも維持して、独立採算制をとってまいるということが必要だというふうに考えます。

佐野進日本社会党

○佐野(進)分科員 だから、それは原則的であって、独立採算制という言葉があっても、実際上行政路線というようなものがあるでしょう。そこのところへ車を走らせれば必然的に赤字になるけれども、そこのところへ車を走らせなければ、この地域住民に対して非常に大きないわゆる国民としての利便を供給することができ得ないという現実の問題があるわけですね。そうした場合は、赤字があってもそういうところへ車を走らせるとか、鉄道を敷くとか軌道を敷くとかという事情もまた発生するわけですね。そういうことに対して具体的にその措置をする。そういう行政的な措置というものは、当然今日考えられてもう実施されているわけですね。そういうことについて、この際、公営企業法の中における一つの区分を明確にした中において、具体的に取り組むという時代に来ているのではないか。その時代に来ているということを認識しながら取り組む気持ちがあるかどうかということを私はいまお聞きしているわけです。これはあとで、大臣にまとめてひとつこの考えについての御答弁をお願いしたいと思うのです。  それから、国や地方公共団体が、そういうようないわゆる社会的な問題として発生した赤字については、いまもそれぞれの形の中において処置をしているわけでありまするが、この公営企業法第十七条ないし十八条に関係するこういうような部面については、政府としても具体的に財政措置をとる。これは自治省という形でなく、大蔵省としても、一定の条件の中においてこれらの問題についても対処していく、こういう考え方が、これからの先行きを見通したとき、非常に必要になってくるということが考えられるわけでありますから、いま質問申し上げておるわけであります。この点についてひとつ見解をお示し願いたいと思います。

高橋元大蔵省主計局次長

○高橋(元)政府委員 地方公営企業法の中で、軌道事業に対しますところのいわゆる負担区分というものは、これは先生御承知のとおりでございましょうから、いまさらくどく繰り返すことはないと思います。こういった軌道敷の維持、修繕、改良及びその撤去のために必要な経費、これは現在の法体系のたてまえの中で、一般会計の負担でやるということになっておるわけでございます。それから、そういうことを受けまして、公営交通事業に対しますところの政府の助成といたしましては、先ほどちょっと事項だけ申し上げましたところの、公営交通事業再建債の利子補給という措置を講じておりますし、それから再建交通事業のバスの購入費の二分の一補助ということもやっておるわけでございます。それから地下鉄につきましては、地下鉄の建設費の補助金というものの交付をし、さらに四十六年度末にすでにありましたところの地下鉄の事業債の支払い利子のいわゆる孫利子補給という措置もとっております。それらのものを合わせまして、五十年度の予算では三百六十五億、前年に比べまして七十九億ばかりの予算の増加ということで、かなり充実した措置をとっておるというふうに私どもは考えております。そのほかに、いまお話のありましたような、たとえば行政路線と言うのが適当かどうか、私は正確に存じないわけですが、地方バスの運行対策費の補助金というものも、本年度、昨年の二十二億から五十八億というふうに画期的な予算の増額をしておる、こういうことでございます。独算制のたてまえの中で、局面に応じて必要な助成を行っておるということでございます。

佐野進日本社会党

○佐野(進)分科員 そこで、いま答弁がありましたので、それに関連して質問を続けてみたいと思います。  大臣、いまお聞きのように、いわゆる政府側も、最もその壁が厚いと言われている大蔵省当局におかれても、いまお話のありましたように、独算制という枠は堅持するが、具体的にその枠の中において、まるきり総需要抑制策は堅持するがきめ細かと大臣がいつも言っておるのと同じような答弁でありますけれども、現実にこのことは、いわゆる独算制というものの持つ意味が空洞化しつつある。また、空洞化するということが言い過ぎであるとするならば、そういう措置を講ぜざる限り、今日地方公営交通事業は維持することができ得ない、こういう局面に来ているということでありますので、その点について後ほどひとつ答弁をいただきたいと思うわけであります。  そこで、私は、それに関連して、いまお話のございました点に引き続き質問を続けてみたいと思います。  まず第一に、高速地下鉄道の建設について補助率六六%の補助をしておると言っておられるわけでありまするが、これは現実に、六六%と言いながら、関連費としての経費が約一五%強あるわけですね。これを引きますると、実質的には五〇・四九%、すなわち二分の一補助であるという形になっておるわけであります。今日、この種高速鉄道の建設は、都市行政の中における最重点施策の一つになって取り上げられておるわけでございまするので、この点については、政府負担を四分の三程度に具体的に引き上げるということが、関係各方面におけるところの熱烈な希望になっておるわけであります。これをこの程度にする考え方があるかないか、この際ひとつお示しをいただきたいと思うわけであります。

高橋元大蔵省主計局次長

○高橋(元)政府委員 ただいまのお話のございました地下鉄の建設費の補助金でございますが、これが六六%であるが実質的には五〇・五%だというお示しでございますが、間接費は一五%くらいに当たりますが、それはいわゆる総がかり費とか建設利息相当分でございまして、他の事業につきましても同様に政府の助成の対象になじまないという性質のものであろうかと思います。  そこで、六六%の補助率が高いか安いかということでございますが、これは、四十八年度に従来の五〇%の補助から現行の六六%の補助というものに脚き上げまして、都市住民に非常に密接した足の建設を容易ならしめるということからとった制度でございます。六六%という中で、国が二分の一、地方自治体が二分の一でございますが、こういった高率の補助が出ておるということ。それと、先ほど冒頭の御質問の際に申し上げましたように、料金の改定の平年度化というものとともに、こういった公営交通企業の採算の安定ということが見通されるという状況もございますので、いまの段階でこの補助率を引き上げることは必要でないというふうに考えております。

佐野進日本社会党

○佐野(進)分科員 必要でないと、あなた方は私どもが要請いたしますといつも言って、やがてその必要になるように内容を改めてきていただいているわけです。したがって、いまの段階では必要ないということは、将来その情勢に対応して引き上げてもいいと考えられると私は判断するわけですが、これはどうかということをこの次の質問と関連してお答えしていただきたいと思うわけであります。  そこで、今日の建設費の高騰は まことに政府の政策、いわゆる高物価政策と言うと大蔵大臣余りいい顔しませんが、物価の上昇に見合って非常に大きな建設費がかさんでおるわけでありまして、一メートル百五十億もかかると言われるほどの建設費でございまして、このような負担を、一地方公共団体においてそれを行えということがいかにむずかしいやということは、先ほど来おわかりのことと思います。したがって、これと関連の中で、いま少しくこの面についての答弁をいただきたいと思います。  さらにそれに関連してもう一つ。いわゆる新設線については六六%の補助をする。だがしかし、昭和の初期から建設されておる在来線がもはや使用にたえかねる状況になる。したがって、これに対しては当然改修工事、改良工事を行わなければならない。ところが、この在来線に対するところの改修改良工事に対しては一銭の補助も出されていないということは、先ほど申し上げましたとおり。建設に百五十億もかかり、改良についても数十億を要する場合もあるのでありますが、それに対して補助が認められていないということはまことに不均衡ではないか。特に、交通安全の面から言っても、その他の面から言っても、この面については十分考慮するべきじゃないか、こう考えるわけでありまするが、この点のお考えをお示しいただきたい。

高橋元大蔵省主計局次長

○高橋(元)政府委員 地下鉄建設費の補助金は、建設に多額の資金が要る、したがって都市住民の必要とする足がなかなかつくれないということ自体に対処して設けられた制度でございます。したがいまして、建設費のうち六六%を利用者の負担から外しまして、一般の財政負担で六年間にわたって措置をいたすというのがこの制度の根幹であります。したがいまして、建設時に多額の資金が要るといういま申し上げた事情、それから開業後は年を追って収支状況が好転してまいるはずである。また、好転してまいらないような路線に着工すること自身がむちゃでありますから、六年間に収支状況は逐次好転してまいるはずであります。そういったことから考えまして、地下鉄の建設費の補助金の制度が、在来線の改良についての補助には及ばない、及ぼすべきものでないということは明らかかと私どもは考えておるわけでございます。  それから、独立採算制との関連で、現在では助成が必要でないと私が先ほど御答弁申し上げたことに関して、将来はどうなるんだということでございますけれども、独立採算制の大きな考え方ないし原則のもとでと私が申し上げましたのは、利用者の負担、それから適正な料金、経営の努力、そういうものが相まって、現行の助成の枠の中で、将来にわたって路面交通及びその他の公営交通企業の経営の改善が図られるはずだと思っておる次第であります。

佐野進日本社会党

○佐野(進)分科員 この点については、また後で大臣にその考え方をひとつ聞きたいと思いますので、先に進みたいと思います。  そこで、先ほどあなたの答弁の中で、いわゆるバスの補助等を行っているということであります。なるほどこの面については大蔵当局も大変積極的に対処していただきまして、前年度比におきましても相当の金額の増加がござました。しかし、今日、路面交通事業の中においてバスの占める役割りというものは非常に大きいわけでありますが、社会的な環境の悪化の中で、この経営はおしなべて赤字経営という状況の中におるわけであります。ところが、過疎地帯を含むあらゆる地域の中で、このバス利用によって交通の利便を得る国民は大変に多いわけでありまするから、この部面に対して、新車の購入もできない、古い車の中で事故を未然に防ぎながらこの運営をしている企業体は、大変な努力だろうと思うのです。したがって、本年度は相当程度の増額をしていただきましたが、関係当局のそれぞれの試算等によりますれば、結局、本体の購入については補助をいただいているが、これに付帯する問題についての補助を全然受けておらないために、結果的に相当程度の負担増になり、今日の状況の中においては購入不可能である、こういうことを言われておるわけでございまするが、この点について増額する考えがあるかどうかであります。  さらに、時間がございませんから、あとの二つの点を一括して質問し、関係局長から御答弁をいただきたいと思うのでありますが、その次に、路面交通の中に占めるバス事業というものの持つ意味が非常に重要であると申し上げましたが、このバス車両関係においては、取得税、軽油引取税あるいは重量税等は、一般車両の購入、いわゆる民間車両の購入とほとんど変わりがないわけでありますが、これに対して免除を含む減免の措置を考えてしかるべきだと思いますが、この点についての見解。  もう一つは、地方鉄道軌道整備法によりますれば、私鉄等においてはいわゆる補助金の対象になっておるようでありまするが、公営交通におきましては、札幌、函館、鹿児島等に存在いたしておるわけでありまするが、これにつきましては、今日それと同じような処置がとられていない。同じ企業体でありながらそれと同じような措置がとられていないということは、大変不均衡な取り扱いではないかと思うのでありまするが、この点がどうかということであります。  最後に、大臣に御質問したいと思うのであります。  先ほど来、私は一番先に大臣の見解をお聞きしたいと思ったのでありまするが、公営交通事業、都市交通事業という問題でありまするから、むしろ質疑を聞いた中で答えていただいた方がいいと思って、答弁をいただかなかったわけでありまするけれども、今日の公営交通事業、都市交通の果たす役割りの大きさに比較して、その面における地方財政への圧迫、あるいはまたこの企業体が持つ困難というものは、日一日とその重さを増しているような状況であります。そこで、先ほど申し上げました第一番に、政府の責任、経済政策にもたらされた結果として現在の状態に置かれている公営企業の現状に対する政府の責任をどうお感じになっておられるか。二つ目には、そういう形の中で独算制というものが持つ意味がいまや形骸化しておる。その中において具体的に積極的にこの問題にメスを入れて、財政当局としてよりよい公営企業発展のために取り組んでいただきたいという、要望を込めての私の質問に対してどうお考えになっておるか。第三番目には、そういう形骸化された状況の中において、いわゆる高速道路を初め一連の事業に対して、政府は補助金等を出してこの困難な状況打開のために努力されておりまするが、これらについていま少しく積極的前向きに処理していただきたいという要望に対してどうお考えか。この点について、最後はひとつ大蔵大臣から答弁をいただきたいと思うわけであります。

高橋元大蔵省主計局次長

○高橋(元)政府委員 二つお尋ねがございました。バス購入の補助金をもっと引き上げる考えはないかということでございますが、御承知のとおり、五十年度予算では、従前の補助単価三百八十万円というものを六百五十万円、約七割増をいたしたわけでございます。その六百五十万円ではまだ必要な付帯設備を備えたバスが買えないのではないかという御指摘かと思いますが、標準仕様では、大体、放送設備なり料金箱なり、そういうものを入れまして、私ども六百五十万円の範囲で調達可能というふうに実地に当たって調べておるつもりでありますし、今後、地方公営企業を有しております公共団体で、型式の統一発注ということによってコストの軽減を図ってまいるという努力をなさるというように自治省を通じて承っておりますので、それで対処できるのではないかと考えております。  第二点の、地方鉄軌道整備法に基づく補助金について私鉄と同じ取り扱いをなぜしないか、こういう話でございますが、地方公営交通企業につきましては、別途、先ほど御説明申し上げましたところの地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律ということで、八百七億の再建債の利子補給ということが行われているわけでございます。そこで、公営鉄軌道については、地方鉄軌道整備に基づく補助の対象ということになりますとダブりますので、赤字の公営企業についての助成措置というものをもって十分な措置というふうに考えておるわけでございます。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○中橋政府委員 いまお尋ねの真ん中の税金の減免のことでございますけれども、いまお示しの税目は、大体目的税ないしは目的税的な取り扱いをやっております。したがいまして、その財源はおよそ自動車交通をめぐる道路を主としました財源に充てるということでございますので、だれがそれを使っておるかということで、なかなか減免の対策をとりにくいのでございます。これは特に、私からお答えするのはいかがかと思いますが、地方税であります自動車取得税でございますとか軽油引取税でも、取るのはいわば地方団体でございますけれども、やはりそれは一般の交通業者と同じレベルに置くということと、先ほど申し上げましたように、財源をその方に投入するということからでございましょうが、公営企業のものも課税をいたしておりますので、やはり税金の性格からしまして、なかなかむずかしいということを御理解願いたいのでございます。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 交通政策の混迷に対する政府の責任が第一の御質問でございました。  今日、交通経済、大変むずかしい状況にありますことは、御指摘をまつまでもないことでございまして、これはいい方向にも変わったし、悪い方向にも変わっておると思うのでございまして、一概に今日までの推移が責められるべきものとは私は考えておりません。しかし、いずれにいたしましても、政府の責任といたしましては、こういう変貌した交通経済の状況に応じて、交通政策が実効を上げてまいるようにしなければならぬ責任が政府にあると思うのでございまして、その意味におきまして、必ずしもその実を上げていないということは、佐野分科員の御指摘のとおりだと私は率直に思います。いま、そういう交通体系、交通政策が、総合的に海、陸、空を通じましていろいろ検討されておる段階と承知いたしておるのでありまして、政府としては、できるだけ早く、この新しい事態に処して、有効な交通体系の樹立を急いで、これにふさわしい交通政策を立てていかなければならぬと思います。  第二の独立採算制でございますが、私は、もともと独立採算ということの意味をこう思っておるのであります。すなわち、みずからの企業が提供するサービスが正当な評価を受けるということが、その企業の社会的なレーゾンデートルを立証するゆえんでもあるし、そこに働く者の誇りを支えるゆえんでもあると思うのでありまして、ひとり企業の収支の独立採算が形の上で確保されるということ、必ずしもそれだけがメリットであるとは思いません。しかし冒頭にも申しましたように、今日、交通体系が非常に乱れておる段階で、この企業はそういう条件から独立に、何としても独立採算でなければならぬというようなことを押しつけることは暴力だと思うのであります。したがって、ある程度いろいろな意味の例外がなければならぬと思うのでありまして、さればこそ政府も三百数十億の助成を、あえて困難な財政状況からひねり出していかざるを得ない状況にあるわけでございますが、しかし独立採算というのは、あくまであるべき柱はそうしておいて、やむを得ない例外は、やはり公営企業の立場から政府として考えていかなければならぬのではないかと思っております。  したがって、第三の御質問の建設、運営等に対する助成につきましても、大まかに申しまして、そういう考え方の上に立って、政府はあくまでも冷ややかであるべきだとは考えていないわけでございまして、理由があるものはどうしてもめんどうを見ていかざるを得ないと思うのでございます。  念願するところは、新時代にふさわしい、早く実効性のある交通体系を打ち立てられて、もっと安心した交通財政が打ち立てられるようにありたいと念願いたしております。

佐野進日本社会党

○佐野(進)分科員 終わります。

前田正男自由民主党

○前田主査 これにて佐野進君の質疑は終わりました。  次に、和田貞夫君。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)分科員 時間もありませんので簡単に質疑をしたいと思いますが、税の公平という点についてお尋ねをしたいわけなんです。  たてまえはたてまえとして、もちろん法人と個人の格差があることは論をまたないのですが、それはそれとして、営業所得税を支払っておる個人事業者と勤労所得税を支払っておる給与所得者か公平に課税されておる、こういうように——もちろんそういうようにあなたの方はお答えになると思いますが、改めて公平に課税されておるかどうかということについて、まずひとつお答え願いたい。     〔主査退席、山本(幸雄)主査代理着席〕

横井正美国税庁直税部長

○横井政府委員 お答え申し上げます。  巷間、クロヨンであるとかトーゴーサンとかいうふうな言葉がございまして、サラリーマンの方々に比べまして、営業なさっておる方あるいは農業をなさっておる方の申告が非常に低いのではないかというふうなことを言われる向きもございます。これは私ども、実は一つの比喩であるというふうに考えておりまして、青色申告をなさる方、あるいはその他適正な申告をなさる営業者、あるいは農家の方も多いわけでございまして、私ども団税庁の五万の職員をもちまして、鋭意課税の適正、公平ということを努力いたしておりますので、全部の営業の方あるいは農業の方がそろって適正な申告が行われておるということではもちろんございませんけれども、かなりの程度において申告が行われており、またその状況は、この二十数年間の申告納税の歴史を通じましてだんだん向上してまいっておるのではないか、かように考えておるわけでございます。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)分科員 それじゃ端的に言って、勤労者と事業所得者とは、完璧を期して税の公平化は図られておらないということは言えるんですね。

横井正美国税庁直税部長

○横井政府委員 御指摘のとおりでございまして、所得税について申しますと、国税職員全体で一万人でございます。五万人のうちの一万人でございます。申告をなさる方は八百万人ということでございまして、私どもは、申告審理をいたしまして必要な場合に調査をするわけでございますけれども、全部について調査ができておるということではございません。悪質な方あるいはまた脱漏所得の額の大きいと思われる方、こういう方から優先的に調査をしておる、こういう状況でございます。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)分科員 特に実態面から言って、勤労所得税を払っておる勤労者、これにやはり不満があるわけです。たとえば自分の周辺で事業をやっておられる方と自分たちと比較したときに、たとえば医者が、個人事業者が見る見るうちに店が大きくなってくる、事業所が大きくなってくる。自分の住まいをしておる住居もたちまち大きくなっていく。自分たちの場合は、何十年か勤めた後に、退職金をもとにして一軒の家を持つということしか方法がない。また今日のような地価の騰貴や資材の高騰でそれさえもなかなか希望を持てない。こういう実態を直接勤労者としては受けておる。あるいはそれぞれの子弟のつき合い、子供同志のつき合いを見てみても、勤労者の家庭というのは、限られた所得でありますから、事業をやっておられる家庭とのつき合いをするについては、非常にひけをとるというような面もありますし、あるいは勤労者の場合は、通勤のために使っておる自動車、その自動車の購入費にしても、あるいは維持費にしても、あるいはそのガソリン代にしても、高速道路の使用にいたしましても、みんな税が取られた後の手取り収入の中からそれを支払っていかなければならない。ところが片方の場合は、事業活動かあるいは私生活かということで明確に分類できない。悪い言葉で言うならば、私生活の面まで事業活動の中に便乗するというようなことが可能であるわけですね。  そういうところから、やはり勤労者に対してみたら非常に不満があるわけで、そうなってくると、勤労者の場合も、いま各地で係争中のものがたくさんあるわけですが、やはり源泉徴収、そういう方法を勤労者だけに課せられておるが、戦時中の遺物であるこの源泉徴収という方法を、税の公平の原則からいってなくしてもらおうじゃないか、なくしてほしい。そういう源泉徴収という形で、まだ年間所得というのが確定しておらない時期から、税はそれぞれの給料袋から差し引かれておる、こういうばかなことはないじゃないかという強い勤労者の不満があるわけですが、この問題については、むずかしいこととは言いながら、やはり税の公平という原則の上に立ったら、勤労者のみに勤労所得税のみに使われておるこの源泉徴収のやり方というものについて、何らか改めるというような考え方はおありじゃないですか。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○中橋政府委員 大部分の給与収入を中心といたしまして源泉徴収制度というのが昭和十五年からとられておるわけでございますが、これは必ずしも私、税の公平を損なうものとは思っておりません。ただ、いまお話しのように、何か給与所得者は、隣近所の事業者について甘いところがあるのではないかというような感じから、公平感を阻害されておるという気持ちを持っておることは、また否めない事実でございます。ただ、それがために、源泉徴収制度というのがそういう公平感を非常に阻害する大きなものであるから、この制度をやめたらいいかと言いますと、私は、源泉徴収制度というのは、確かに給与の支払い者についていろいろな事務負担をやっていただいておりますし、月給取りの方にも毎月、毎月きちんと納めてもらっているということのメリットは非常に高く評価いたしますけれども、さらばといいまして、全部三千万人の人たちに申告制度をやってもらった方が国全体としてよろしいのか、また、そのための徴税費をみんながかぶらなければならないという点から考えますと、必ずしも源泉徴収制度が税金の不公平ということではなしに、むしろいろいろ把握が不徹底であるという所得の捕捉につきまして、今後とも私どもの努力を一層強めるという方向に進めてまいらなければならないと思っております。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)分科員 源泉徴収という方法は、いまあなたの方はそういう立場で言われておりますが、勤労所得税以外は、所得が確定してから税の確定というのは行うわけですよ。年間収入が幾らかわからないのに、税額というものを最初から大体どのくらいの収入が入るだろうというふうにみなして、そして当初から税を取り立てていくというのは、勤労所得税以外にないじゃないですか。そういう点から、他の所得税と比べれば不公平だということは言えるじゃないですか。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○中橋政府委員 源泉徴収をされてない申告納税者につきましても、実は毎年七月なり十一月に税金を納めてもらっておるわけでございます。これは、いわば、まだその年の所得は確定をいたしておりませんけれども、昭和二十二年からの予定申告制度に端を発しまして、むしろその年の所得を見積って、早い時期から納税をしていただくという制度をとっておるわけでございます。それがもちろん、途中で今日のような予定納税制度に変わりましたけれども、やはり進行中の年分の所得に対します税金というのは納めていただいておるわけでございます。確かに七月と十一月二回しか納めないじゃないかということに対しまして、源泉徴収されておる月給取りは、毎月毎月納められておりますけれども、その点につきましては、実は先ほどの川俣委員の御質疑に対しましてもお答えをしましたが、給与所得控除ということでそういう点もかなりしんしゃくをしておるつもりでございます。厳密にはもちろんやっておりませんが、概括的にそういう点もしんしゃくをして、給与所得控除というのができ上がっておるわけでございます。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)分科員 勤労者が税を払うについて、生活の実態の中で配偶者に内職をさす、あるいはアルバイトをさすということについて、同じアルバイトでも、自分の家庭で軒先を使ってたとえば駄菓子屋をやらす、あるいは子供を対象にお好み焼き屋をやらすとかいうような内職の仕方もありますし、あるいは事業所から受けてきて手内職をやるというような場合もあるし、あるいはパートで近くの事業所に勤めるという場合もある。その場合に、同じ勤労者の配偶者でありながら、片方の配偶者は前者である、片方の配偶者は事業所に勤めるということになりますと、それぞれの所得額によって勤労所得税を算定する場合に、配偶者控除を受ける場合と配偶者控除を受けない場合と、この違いが配偶者の所得額によって異なってくるわけですね。その点は公平であるというようにお感じですか。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○中橋政府委員 いまお尋ねの点は、配偶者控除を受けますについて、その配偶者がどの程度くらいの所得があっても、だんなさんのたとえば配偶者として配偶者控除を受け得るかということに関連をいたしますが、現行法で申せば、その場合には、いわば勤労性の所得と申しますか、大体月給に近いようなものでございますれば、所得二十万円以下であれば、だんなさんの配偶者としての配偶者控除を受け得るわけでありますし、月給的なものでない、いわば仕事の内職を下請みたいにやっておられる方でありますと、その所得は十万円以下であれば配偶者としての配偶者控除を受け得るということになっております。  それは違うではないかとおっしゃると、この辺が実は、むしろ私ども勤労所得、いわば給与所得と事業所得的なものとの差をここでもつけておるつもりでございます。と申しますのは、たとえば奥さんがパートタイマーとして月給取りで出ておれば、先ほど私が出し上げましたように、給与所得控除というのが普通の場合大きく認められるわけですから、収入金額にしますと、現在では七十万円くらい年間ございましても、だんなさんの配偶者として配偶者控除が受け得るわけです。  それはなぜかと申しますと、給与所得控除というのは、非常にたくさん認めておるから、所得が二十万円でありましても、収入に直しますと、七十万円までよろしいということになるわけです。だから、おっしゃいますように、内職的に小規模の事業者としてやっておられると、所得で十万円でございますから、たとえば原料費がそのほかに幾らかかるかは別にしまして、実際自分の手に入るのは十万以下であれば、だんなさんの配偶者として配偶者控除を認め得るということでございますので……(和田(貞)分科員「十万円じゃない、二十万円でしょう」と呼ぶ)十万円です。事業としてやっておる場合には二十万円でございますね。——済みません。ちょっと私が間違いましたので、訂正させていただきます。配偶者控除を受け得る場合には、その配偶者の所得が一律二十万円でございます。私、事業所得と給与所得で二十万、十万ということを申し上げましたが、これは訂正さしていただきます。  ただその場合に、給与の場合には給与所得控除というのかございますから、所得で二十万円でも収入では七十万円までよろしいということになりますし、零細な事業的なことをやっておられますと、所得はあくまでも二十万円でございますから、自分の手に入ってくるのが二十万円を超えれば、だんなさんの配偶者控除は受けられないということになるわけです。それはすなわち、給与収入であれば七十万円入ってくるのまで認めます、事業所得であれば二十万円しか認めませんということは、給与所得控除を非常に有利に解釈して、その金額を認めておるということでございますから、その点においては、私どもは、給与所得についてかなりのしんしゃくをしておるというつもりでございます。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)分科員 事業所得者と勤労所得者とじゃなくて、同じ勤労所得者の配偶者が別収入のある場合に、そういう差があるということについて、もう時間がありませんのできょうは言えませんが、また別の機会に論じたいと思いますけれども、やはりそういう点について同じ勤労者同士で不満があるということを私は言っておるわけなんです。勤労者を優遇しておるんだと言えばそれまでですけれども、世帯主が同じ勤労者でありながら、配偶者控除を受けるのに、片方は先ほど申し上げましたような内職をやっておる、片方は事業所に勤めて内職をやっておる、内職には変わりはないじゃないかというところに、勤労者間の不満があるということを私が言っておるわけでありますので、時間がありませんのでどうこう言うことはできませんが、そういう不満があるということをひとつ耳にしておいてもらいたいと思います。  そこでさらに、勤労者が実態的な面から非常につまらぬということの一つに、個人事業者が営業所得の申告をするについて、青でやるものもあれば——青でやるということはたてまえてあっても、現実にかなり白の申告者があると思うんですが、青色申告者と白色申告者の比率をひとつ、どんな程度ですか。

横井正美国税庁直税部長

○横井政府委員 お答え申し上げます。  営業と自由業と申しますか、商業と申しますか、そういう方々を通じまして、青色申告の割合は五〇%ぐらいでございます。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)分科員 そこで、青であっても白であっても、個人事業者が営業所得を申告するに当たって、当該税務署がどの程度必要経費を認めるかということによって、やはり勤労所得税を払っておる者とのアンバランスができてくるわけですね。その申告の方法として、個人で申告をなさる方もあれば、あるいは税務事務所、会計事務所を通じて、代理業務をやってもらって申告なさるという方もあれば、あるいは特定の団体に所属をいたしまして、その特定の団体が集団的に税務署へ押しかけて、ああこう言わさずに、とにかく認めさしていくというようなやり方をやっておるものと、三通り私はあると思うのです。片方では税の知識がないために、さんざんに四角四面に税務署の職員に言われて、渋々ながら申告書の判を押さなくちゃならないという方もあれば、ここ十数年の間、特定の団体に入って特定団体の会員になっておるために、調査が全然やられないということで、同じ業種で同じような規模で営業をやっておるにもかかわらず、これまた事業者同士のアンバランスが生じてくるということで、その同じ事業者同士の不満もあれば、またよけいに勤労者から見てみれば、ばからしくて税金を払えるかいというような気持ちになっていく原因を大きくつくっているわけですね。それらの点について、税の公平というたてまえに立てば、どういうように処理し、どういうようにそれらの不満を解消していくように考えておられるのか、お答え願いたい。

横井正美国税庁直税部長

○横井政府委員 ただいま御指摘のように、確定申告時期におきまして、多数の方の集団的な威力を背景にして申告書をお持ちになるというふうな例が、三月に入りましてあるわけでございます。これは御承知のように、いわゆる申告という段階でございまして、私どもは、その申告書を受理しましてから申告審理をし、それから必要があれば調査をするというたてまえにいたしてございますが、その際におきまして、お話しのように、特定の団体がその威力でもって申告を集団的にするというふうな場合におきましては、その会員の方の中に非常に低い申告で済まそうというふうな方が大変多いように見受けるわけでございますので、私どもといたしましては、そういう低申告のままで課税が行われるということでは、まじめな納税者の方々に大変御迷惑をかけると申しますか、課税が不公正になる、こういう結果を招来いたしますので、そういう点につきましては特に配意をいたしまして、積極的に調査をいたす、かような方向でやっておるわけでございます。  今後におきましても、そういう集団の圧力等がございましても、また、それを圧力にいたしますところの調査の忌避、拒否あるいは妨害というふうなことがございましても、それを積極的に打開をして調査を進めてまいる、こういうつもりでおるわけでございます。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)分科員 時間がありませんので何ですが、現実の姿としては、あなたがいま御答弁なされたわけですが、そのとおりになっておらないわけです。現実にはそういうふうになっておらないために、その特定の団体に加入せぬと損だ、こういう意識が非常に強いのです。だから、いまどの税務事務所の前に行かれても、大々的にその特定団体に加入するように宣伝に躍起となっているんじゃないですか。ということは、やはりその特定団体に加入しなければならないという人たちが年々ふえていっておる。——減っておるですか、ふえておるですか。

横井正美国税庁直税部長

○横井政府委員 御指摘のように、毎年ふえておるというのが実情でございまして、私ども大変憂慮いたしておるわけでございます。ただ、先ほど申しましたように、私どもといたしましては、積極的な取り組みをいたしてまいりましたり、今後もするつもりでおることを申し上げるわけでございますが、御承知のように、税務職員一万人で八百万件処理いたしておるわけでございまして、その特定団体に所属して低申告をなさるという方を全部調査するのは事実上不可能でございます。しかしながら、一般の善良なと申しますか、納税者の方々に対する調査よりは、この調査の割合等を大変ふやしまして、公正を期したいというつもりで努力をいたしておるわけでございます。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)分科員 現実の場合は、そうじゃないじゃないですか。その特定の団体に入っておらないで自主的、自発的に申告をなさる方、あるいはその税務署の指導のもとに行われておる青色申告会あるいは納税貯蓄組合とかいうようなところに組織されておる人の方に、むしろ非常に調査が繰り返し行われておるじゃないですか。それが実態じゃないですか。これが現状じゃないですか。努力する努力すると言っても、実際にその努力はどの程度なされているのですか。

横井正美国税庁直税部長

○横井政府委員 大変痛い御指摘をいただいておるわけでございますが、全体の数字で申し上げますと、率直に申しまして、一般の納税者に比べまして特定団体に加入しておる方につきましては、倍ぐらいの実調率で臨んでおるという状況でござ  います。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)分科員 そういうことですよ、大臣。実際にまともに納税している方が調査が厳しい、そういうばかげているようなことをそのまま存置すると、納税意欲がなくなりますよ。まして勤労者にとってみたら、先ほど申し上げましたように、源泉徴収でいやおうなしに給料から差し引かれて、そして私生活を見てみても、その納めておる税額と比べたら、もうばかげて物も言えぬというのが実態じゃないですか。  最近、そういうような団体に加入しておる人たちの中で、みずからの自覚によってこれはいかぬということで、いままで十数年の間一銭たりとも税金を納めなかった者が、自覚のもとにその団体をやめて税金を納めておるという方も中にはあるわけなんです。そういうような実態というものを、もっと綿密にきめ細かに出先を指導して、税の公平を期するということを大上段に振りかざして対処するというような考え方に立ってもらわないと、損をする者は損をする、そういうところに社会的な不公正もあるわけです。税の面から社会的な不公正という面をとらまえて、ここらあたりで大蔵大臣、ただ抽象的な言い方じゃなくて現実性のある、必ず自信を持ってやり遂げるという決意のほどを、大蔵大臣のほうからひとつお聞かせ願いたい。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 現実の徴税がたてまえと反して、特殊な勢力の影響下に不公正になっておるじゃないかという御指摘と、これを打破して公正を期することができない限り、納税思想に致命的な影響がありはしないかという憂慮を込めての御指摘でございました。私どもといたしまして、この点特に留意いたしまして、勇気を持って事態の改善に努力してまいります。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)分科員 時間が来ましたので、あとの質問者に譲りたいと思いますけれども、私は、きょうこういう発言をさせてもらいましたが、来年同じような質問はしたくありませんから、させないように、綿密にひとつ現場を指導してほしいと思う。できるならば、その特定団体に所属しておる者とそうでない者との、一部の税務署を督励してもらって、現実に同じ規模の事業主との間の税のアンバランスというものの資料がつくられれば、資料を出してもらいたい、お約束できますか。

横井正美国税庁直税部長

○横井政府委員 ただいま御要望ございました資料につきましては、早急に検討いたしまして、先生に御説明申し上げたい、かように考えます。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)分科員 時間が来ましたので、これでやめたいと思いますが、ひとつ大蔵大臣、積極的に、先ほどの御答弁のように、ただ努力するという口先で終わるのじゃなくて、特に勤労者にとって、勤労者がばかを見ておるということのないように、税の公平に努力してもらいたいということを申し添えまして終わりたいと思います。

山本幸雄自由民主党

○山本(幸雄)主査代理 これにて和田貞夫君の質疑は終わりました。  次に、竹内猛君。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 私は、農林予算編成における大蔵省の考え方並びに筑波学園研究都市の財政の問題についてお伺いしたいと思います。  まず最初に、大蔵大臣は、現在の農業における最大で重要な問題はどういう問題だと思われるか。先にそのことをお答えいただきたい。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 食糧の安定的な確保であると思います。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 現在、日本の食糧自給率というのは四三%、あるいはまたオリジナルカロリーでは三五%とも言われている。そういうときに、これを克服する道ですね、自給度を高めていく道ということに対して、大蔵省としてはどう考えられておるか。

高橋元大蔵省主計局次長

○高橋(元)政府委員 農林関係予算の問題でございますが、ただいま大臣からもお答えがありましたように、国民食糧の安定的供給の確保ということが基本であろうと思いますので、その線に沿って従来から所要の措置を講じでまいりました。最近になりまして、国際的にも食糧の需給が逼迫してまいってきております。そういう事情もございますので、本年度の予算では、国内食糧生産体制の整備と自給力の向上ということに眼目を置いて五十年度の予算の編成をいたした次第でございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 それでは、ことしの農林予算を査定した考え方の基準は、一体どういうところにあるかということについて、まずその基準について説明をいただきたいと思います。

高橋元大蔵省主計局次長

○高橋(元)政府委員 予算の査定につきましては、農林関係予算全体として、ただいま申し上げましたような考え方に沿って重視をしておることは事実でございます。ただ、全体の農林関係の予算について、共通の枠とか共通の伸び率とかいうことがあるわけではございませんので、伸び率とかシェアということで申しますと、本年度の農林関係の予算は二兆一千七百六十八億でございまして、前年度に比べて一九%の伸びということになっております。  これは、一般会計の予算、御案内のとおり二四・五%の伸びよりも低いではないかという御指摘、あるいは一般会計に占めるシェアが、したがって下がってきたのではないかという御指摘もあろうかと思いますが、しかし予算の査定は、細かい個々の事項についての事務的または政策的な判断の積み上げでございますから、農林関係の予算の伸び率が、予算全体の伸び率を下回っておることだけをもって御判断いただくのはいかがなものか。たとえば農林関係予算の中で約三分の一を占めております農林関係の公共事業費が、本年は全体の公共事業の抑制基調の中で伸び率が低くなっておるということもございます。したがいまして、農林関係の非公共の部分だけ取り出してみますと、一般会計の予算の伸びをやや上回っておるということになっておろうかと思います。  繰り返すようでありますけれども、国際的な食糧需給の逼迫傾向のもとで、国民食糧の安定供給の確保を図るために、積極的かつきめ細かい各種の施策を講じた結果が、こういう姿になっておるわけでございます。農林関係予算の中身としては、私どもとしては、本年度の予算の事情のもとでは、かなりいろいろ意欲的なものを盛り込んだというふうに考えておる次第でございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 いま説明があったように、国の予算は全体で二四・五%の伸び、そして農林予算は二五%の要求をしたにもかかわらず一九%に削減をされる、それで決定をされた。国の予算の全体に占める比率も、当初予算で見た場合に、前年が一〇・七%、今年は一〇・二三%ということで、農業の危機あるいは食糧の自給、安定的供給という立場から見たら、こういうことでは農民の生産意欲をそそるなんということはとうてい言えないと思う。いろいろな説明はあります。それは承知しています。公共事業がゼロの場合に、農業予算の中では確かに四・三%ふえたことも知っているけれども、そういうことではなかなか現在の危機の克服ということにはなり得ない。特に大蔵省の考え方の中には財政投資効果という問題が基本的にあるのではないか。たとえば、農業というものはもうからないものだあるいは投資してもむだなんだ、こういう考え方がいまでもあるのではないか。だから、そういう考え方が基本にあるとすれば、これは許せないことだと思うし、農業というものを国の産業の重要な位置に据えておくという考え方があるかどうか。こういうことで予算の説明はわかったけれども、なお、それに対して問題がないことはない、こういうふうに思うのでありますけれども、この点についてはどうか。

高橋元大蔵省主計局次長

○高橋(元)政府委員 農林関係予算の個々の内訳につきましては、私、ここで申し上げるのは、時間が限られておりますのでお許しいただきまして、若干繰り返しになりますけれども、食糧の安定供給の確保ということで、農民の自給力向上に関して諸般の施策を講じてまいっておるということは、申し上げて間違いではないのではないかというふうに考えておる次第でございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 たとえば、ことしの国の予算全体の中で見た場合に、厚生省は三六%ふえている。文部省の場合には三五・五、自治省が二九・一というふえ方をしていますね。そうでしょう。そういうときに、農林省は一九%だ。防衛費で見ても二一%増加している。国民生活を保障する、あすの国民の食糧を確保するために農林水産部門がこれで重要視されたという説明はどうしてもできない。農民の前に実際そういうことが言えますか。これを、どういうわけでそういうふうにしたか。その辺の説明は、時間が短いから十分納得がいかないだろうけれども、そういう説明を皆さんが農民を前にした場合に、おかしいじゃないかと言われるのはあたりまえでしょう。大臣、どうです、それは。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 農業予算というのは、価格経済をくくって財政とのかかわりを持つわけでございまして、防衛費や教育費なんかと性格を異にして、端的に消費財政ではないわけでございますので、竹内先生に御説明申し上げるまでもなく、農業予算の多寡をもって直ちに農業政策に対する熱意をはかったり、メリットをはかったりすることは、私はやや酷ではないかと思います。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 それならば、今度はもう少しこれを別な角度からながめてみましょう。  というのは、ことしの要求の中でも、細かく言えば公共事業一三一、非公共一二〇%要求して、平均が一二五%の要求になっていると思うのです。その中でいろいろなことを査定をされて、一一九%、つまり一九%の伸びになった。  これを今度は年代的に見ますと、農業基本法ができて、そうして国際分業論というものを打ち出したその時期、昭和三十六年、三十七年ころの国の予算に占める農林予算の割合が一〇%ちょっとあった。そして、しばらくそれが続いて、いよいよ米の生産が過剰になった、それで米の生産調整をしなければならない、こういう段階になってくると、国の予算に占める割合は一一・五%と一一%を超してきた。最近食糧の国際的な確保がむずかしくなった、備蓄をしなければならない、こういう議論がローマ会議でもロンドン会議でも行なわれているし、国内でもそういうことを学者もあるいは各団体も言っている。農業基本法をつくった小倉会長でさえも、いまや農業基本法はだめだと言っている、食糧確保が重要だと言っている。  こういうときに、農林予算がその段階よりもはるかに減っているということは、一体どういうことです。かけ声だけの言いぶりじゃないですか。したがって、それはかけ声農政といって、農林省はかけ声だけかけて後は働け働けと言っているんじゃないか。こういうことでは、農村に生産意欲を持たせろと言ってもそれは無理な話だ。こういう点について本当に農家を納得させるような説明ができるかどうか。どうです、大蔵省として。

高橋元大蔵省主計局次長

○高橋(元)政府委員 大臣からお答えがあります前に、ごく一般的なことで申し上げさしていただきたいと思うのですが、農林関係予算全体が二兆一千七百六十八億、これは前年に比べて一九%の伸びということでおしかりをいただいておるわけですが、その中で公共事業は六千四十七億で、これが四・三%。三割のウエートを占めます公共事業の伸びが非常に低かったために、たとえば非公共の農林関係予算では一兆五千七百二十億、ほぼ二五・八%の伸びにとどまっている、これが厚生省なり文部省なりに比べて、伸び率としては低いのではないかということでございますが、ことしの予算の中の人件費の伸びが非常に高かったために、農林関係予算ではそれが八百二十九億、約四%のウエートを占めております。そういうこともございまして、農林省予算といたしましては、かなり施策の充実をいたしましたにもかかわらず、全体としての所管の予算の伸びが低くとどまっておるということであろうかと思います。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 一例を端的な例として米にとらせていただきましても、ことしの消費者米価の値上げが三二%でございますか、これを財政で見た場合と、それから消費者に負担していただいた場合と、農業政策としては変わらないわけなんでございますが、ことしは、それだけ引き上げを消費者に負担していただいたわけでございます。つまり、そういう予算の構造上の問題があるわけでございまして、端的に文部省の予算とか防衛庁の予算みたいに、あてがいぶちの予算ではないわけで、竹内先生に御説明申し上げるまでもない、非常に複雑な構造を持っておりますので、一概に予算の表づらの多寡をもちまして御批判を仰ぐことはいかがと存ずるわけでございます。  そういうことをやっておりますと、それじゃ通産省と比較したらどうだということになる。あるいは自民党政府は、産業資本に非常に忠実じゃないかと言って皆さんから御批判を受けているんですけれども、通産省の予算は、そういうようなことで一番低いわけなんです。これは価格経済を媒体にして財政とかかわりを持っておりますので、釈迦に説法でございますけれども、そういう御比較でなくて、土地政策なら土地政策で、公共事業対策なら公共事業対策としてのアイテム・バイ・アイテムでひとつ御議論いただきたいと思うのでございます。ことしの公共事業から申しましても、全体といたしまして大体去年並みにごしんぼういただいたわけでございますけれども、農業の場合は、土地に対して、私的資本に対して政府が援助するわけでございますけれども、それでも一般の公共事業より厚目にいっておりますことも、御案内のとおりでございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 まあ大変歯切れの悪い話であって、ここでは通るかもしれないけれども、そういうことは、いま本当に一生懸命農業をやろうとする農民の前に話をしてもなかなか……。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 いや、こっちも百姓の子ですから。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 それもわかっているが、通じない面がたくさんありまして、もうちょっと長期的に変化のないように、予算の面でも温かく支えてやるということが必要じゃないか、こういうふうに思うのです。  そこで最近、奨励金というものが盛んに流行してきた。生産奨励金あるいは米をつくらせないようにするためにも奨励金みたいなものを出している。本来価格でやるべきものを奨励金で出して、そして奨励をしておきながら、後ろの方から税金を取る。なるほど見方によれば、所得という形になるだろう。米の分だけは特別に税金の対象にはしないが、ビートとか原料乳であるとか大豆、小麦、すべてそうですね。これはある意味では、団体が価格の陳情に来て、そのとおりにならないから、団体の幹部をなだめるために、握り金をくれて農民をだますためにあれを出すようなものだ、後ろから税金を取って。こういう奨励金制度というものは一考を要するのじゃないか。やはり本来価格で吸収すべきものじゃないか。生産費及び所得補償方式で農民にわかりやすい形でやるべきものじゃないか。この点どうです、この奨励金制度というものに対して。これは考える余地はありませんか。

高橋元大蔵省主計局次長

○高橋(元)政府委員 補助金、奨励金の種類はたくさんございますので、一概に申せませんのですが、たとえば各個別の農家が、現在の農業経営なり、その体制の中でそれぞれ生産をし、それを進めていくという場合に、価格をもって限界的な個々の農家の生産量をふやしていくという、そういう政策だけでは不十分だと私どもは思います。やはり一つの大きな営農団地とか土地改良とか、一定の規模を備えた投資または助成というものがありまして、そういうものが政策の一つのポイントになっているということが必要だと思いますので、したがって補助金、奨励金を全部なくして、それを価格の中に取り込むということには、非常に問題があるのではないかというふうに考えておる次第でございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 この問題については、時間がないからまた別なところで議論をしますが、全部やめろと言っているわけじゃない。全部やめろと言っているわけじゃないけれども、一方で奨励金を出して後ろから税金で取るということは、いかにもおかしいじゃないですか。やなり本来価格でやるべきものじゃないですか、これは。しかしこの点は、また別にやります。  そこで、今度は農畜産物の価格の決定についてですが、価格の決定をする場合に、いままで農林省の段階だけではどうしても決めることができない、最終的には大蔵省の御意向を伺わなければ決められない、こういうわけだ。これは言ってみれば、農家の方では、これだけ労賃がかかり、これだけ資材費がかかって、これだけの物価になったから、こういう価格にしてほしいという要求がある。農林省並びに政府の方では、いやそれは聞けない。だから、これは一つの予算の枠があって、予算から逆算をしてその価格を決定してきているように思われて仕方がない。それでなければ、やはり一定の予定価格を決めて、それ以上上がった場合には、さらに補正予算なり何なりを出してこれを補うということができるかどうか。一たん枠で決めたから、それ以上はどうにもならない。米の場合にはいっも補正しますが、そのほかのものについての取り扱いはどうなっているのか、その点どうです。

高橋元大蔵省主計局次長

○高橋(元)政府委員 現在、農業生産物の産出額の七割を超える農産物というものの価格につきまして、何らかの価格政策が実施されておるということは御指摘のとおりであります。  そこで、その価格政策の運用でございますが、農産物の再生産を確保するということ、それから農産物ごとの需給事情を勘案するということ、消費者の適正な負担を求めるということ、それから生産対策及び流通対策、こういった各般の要請を入れてこの価格政策の運用を図ってまいらなければならないわけでありますが、農産物の価格の決定につきましては、価格決定時までに入手可能な各種のデータを使ってその年の需給及び生産消費の状況に即応した適正な価格の決定に努めていく必要がある。そこで米の場合にも、さようでございますが、予算をもって次年度の価格を決めるという形にはなっておらないわけでございます。  そこで、年度途中に改定をいたします場合に、見込み財政負担の増加額というものは、当初予算に織り込まれていないということは、ただいま先生おっしゃったとおりでございますが、しからば年度途中、価格改定をやりました場合に、財政負担を当初予算に計上していないという理由ではじき飛ばしておるかというと、そういうことはございませんで、予備費ないしは補正その他適当な方法をもって価格決定に即応して財政的に対処しておるわけでございます。そこで農産物価格の決定が、当初予算に縛られて適正な決定ができていないというようなことは、私どもはないと考えております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 いまの答弁によってやや明らかになった点があるけれども、もう三月からがいよいよ畜産物の価格の決定の時期でありますから、そういう場合に、いまの答弁のようにそれによって縛らない、やはり農家の要求というものに対してそれを満たしていくのだ、補正もするし追加もやる、そういうふうに理解をしていいですか。

高橋元大蔵省主計局次長

○高橋(元)政府委員 決められるべき価格の高さが、どれだけが正しいかということについての議論は、いろいろあるわけでございますが、財政的な観点から決められるべき価格水準というものについての考え方も、また別にあるわけであります。さようにして農産物の価格の水準が決められました場合には、当初予算に計上されていないということだけで価格の増加分を縛るということはないということは、先ほど来申し上げたとおりであります。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 食糧管理会計の問題について議論をすれば、ちょっと時間が足りないからこれはやめたいと思うのですが、食管会計というものが、常に農林予算の中を圧迫しておるという世論がある。なるほど食管の持っている比率は多いわけです。ところがこれは、生産者の側に回るものと消費者の側に関するものとがあって、それ自体は農林予算の中にはあるけれども、これは農民だけの所得に属するものではないと思う。そういう意味において、この食管会計というものが農林省の予算の中にあるから、これが農林予算のすべてだというような理解は当たらないと私は思うんですけれども、その点だけについて、あとの細かいことについてはちょっと時間がないから議論は省略をいたしますが、簡単に御答弁いただきたい。

高橋元大蔵省主計局次長

○高橋(元)政府委員 農林関係の予算の中で食糧管理費が九千八十六億ばかりございます。これは前年に比べて二七・四%の伸びになっております。それで、その中で食管のいわゆる赤字と言っておりますが、調整資金への繰り入れが一般会計ベースで七千五百二十億、食管における調整資金の食いつぶしが八千四百十億、こういうことであります。  食管会計の赤字というものは、一方では生産者に対する、おっしゃるような所得といいますか、価格の支払いという要素を持っておりますと同時に、消費者に対して安定した食糧の供給をやる、二面の意味があるために、農林関係の予算が曲げられてしまうというか、全体として伸びが抑えられてしまうのではないかということでありますが、これは冒頭にも大臣からお話がございましたし、私も補足してお答え申し上げましたように、それぞれの農業政策の中の各個のアイテムにつきまして、それぞれの時代の要請に応じて必要な伸びを確保する、それぞれの、そのときどきの予算事情のもとで必要な伸びを確保するということで編成しておりますので、仰せのようなことではないと考えております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 この問題は議論すると、ちょっと切りがないからやめます。  そこで、現在の食糧事情からして備蓄という問題、大平大臣が外務大臣のころ、食糧会議などというものを、東南アジアで提唱したこともあるし、備蓄の話もしたことがある。それらも含めて、来年度の農林予算については、いままでと同じような考え方を持つのか、それとも来年は、農業問題は重要な問題であるから、予算に対してはさらに一考を要する、こういうような考え方に立たれるのか、この辺、来年度の問題はどうですか、ことしの問題を踏まえて。

高橋元大蔵省主計局次長

○高橋(元)政府委員 日本、それから日本にとどまらず、国際的な食糧需給がどういうふうに推移してまいるか、農業には毎年毎年の作、不作ということがあるわけでありますから、その予測は非常にむずかしいと思うのでありますが、いまの世界の食糧事情と日本の農業の自給率と両方考えました場合に、備蓄は非常に重要な課題であるというふうに私ども考えておるわけであります。四十九年に比べて五十年度は備蓄関係の予算措置もかなりふやしてきておりますが、さらに開発途上国に対する食糧援助、農業技術援助、これも広い意味での世界の食糧備蓄の一環をなすものかと思いますが、そういうことも行いますとともに、国際備蓄構想について勉強してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 次いで、私は筑波研究学園都市の財政の問題についてお尋ねをします。  大蔵大臣は、十一月の九日に水戸に来られて、講演をした後で記者会見をした。筑波研究学園都市の財政については検討すると、かなりいいぐあいの話をして帰られた。地元の新聞はかなりこれに期待を持っている。それで、三月中ぐらいには何か答えを出すというようなことをそれぞれの機関で答弁をされているようですが、四十九年の段階で、この地域におけるところの予算は二百十四億、地域外関係町村四百六十三億、合計六百七十七億ほどの赤字というものがすでに計算をされている。これは機関建設以外のものであります。こういうことについて、実際、現在の法律のもとでやれるのかやれないのか、この点をまずひとつ明確にしてもらいたい。

高橋元大蔵省主計局次長

○高橋(元)政府委員 いまお示しのような筑波研究学園都市周辺市町村の財政対策ということになりますと、いろいろな考え方があり得るわけでございますが、現在、研究学園都市建設推進本部、これは国土庁にございますが、その推進本部におきまして、昨年の暮れから財政負担問題委員会というものを設けて、事務的に検討を始めたところでございます。その結論を得る時期が、いまお話のございましたように、三月になるかどうか、できるだけ早い方がいいと思っておりますけれども、その結論が出てまいりますのを待って対処していきたいと思っておりますが、いずれにしましても、かなりの難問でございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 昭和四十一年一月に、住宅公団が日本都市計画学会に委託をして、このような都市に対する財政問題についてのいろいろな意見を求めたときに、そこから出てきた意見として、新しい自治体の財政については国が半永久的にめんどうを見ること、その具体的な方法は公共施設を正当に評価をして、それで固定資産税相当額を国が負担すること、それから道路、学校、上下水、公園、文化施設等は全額国庫負担とすることなどを提案している。三月に予定をされるそういう検討委員会からは、何かそういったようなうまい案が出るのか。それとも、現在の法律をそのままにしておいて、特別交付金なり特別のいろいろな補助金などというものが出されるのか。何か出さない限りは、この問題は解決しないと思うが、これはどうか。

高橋元大蔵省主計局次長

○高橋(元)政府委員 申しわけないのでございますが、私、直接その調査会の検討の状況をフォローしておりませんので、どのような議論が中で進められておるかは、詳細承知しておりませんのですが、中にいろいろな考え方もあろうかと思います。しかしながら、そこで出てまいった答えが適当なものであるならば、その適当な考え方に沿って、しかるべき措置を考えてまいりたいというふうに思っております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 その答えは、答申というか意見は出ているのだから、その意見をどう評価するかという問題がある。もしそれでなければ、これは次の委員会でも私は質問をするのですが、たとえば通産省なり農林省なり、こういう都内にある機関が筑波学園に移る場合に、特定国有財産整備特別会計、この問題から言って、評価額の二分の一の売却額になると、敷地や費用がその会計では満たされない。一般会計からこれを移さなければならない形になったときに、現実に何らそういう処置がなかった場合には、これは約束どおり移れないじゃないですか。閣議が何ぼ決定しても、閣議の決定が守られたことがない。閣議決定が守られない責任はだれがとるのか。もうすでに五十年に完了しますと言った田中総理は、そういうことを言ってやめてしまったから仕方がないけれども、そうしたら今度は、国土庁の長官は四年延びると言った。地元を惑わすのもはなはだしいものだと思う。こういうようなことでは、一体いつになったらこれはできるのか。いまの特特会計との関係はどうですか。

高橋元大蔵省主計局次長

○高橋(元)政府委員 当初、筑波研究学園都市の構想を考えました場合の東京にあります国有地の処分が、当時考えておりましたようなレベルでの処分価格というものが期待できない。それは、たとえば公園でございますとか、公共用の緑地でございますとか、そういったパブリックな需要にこたえた処分の方法でなければならないので、処分価格が当初考えておったほどには上がらないということが逐次明らかになってまいりました。そこで、その差額というものをどうするかということでございますが、それはやはり一般会計から繰り入れるということでございましょうけれども、その繰り入れのスピードと申しますか、それは毎年毎年の予算の中でできるだけ努力を払ってまいりたい、かように考えておるわけでございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)分科員 時間が来たからこれで終わりますが、閣議の決定というものに対してもう少し責任を持ってもらわないと、地元が大変迷惑しておるので、そのことだけは強く要求して終わります。

山本幸雄自由民主党

○山本(幸雄)主査代理 これにて竹内猛君の質疑は終わりました。  次に、三浦久君。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦分科員 私は、環境衛生金融公庫の貸付状況についてお尋ねをいたしたいと思います。  最初は、厚生省並びに環境衛生金融公庫の方にお尋ねをし、最後に大蔵省の方の御意見も伺いたいと思っておりますが、環境衛生金融公庫の貸付対象というのは、中小零細な、たとえば食堂であるとかラーメン屋さん、レストラン、喫茶店、スナック、肉屋さん、理容、美容、映画館、旅館、おふろ屋さん、クリーニング屋さん等々、非常に広範囲にわたっているわけですね。それで、お尋ねいたしたいのですが、その対象となる業者数と、その家族の総数がどのくらいになっているのか、お答えいただきたいと思います。

此村友一厚生省環境衛生局企画課長

○此村説明員 環衛業者につきましては、合計におきまして百六十八万施設でございます。そのうち飲食店関係営業が百万をオーバーしております。あとは理容が約十四万、美容が約十二万五千、旅館が約十一万、その他、このようになっているわけでございます。  なお、家族構成につきましては、精密な調査は持ち合わせておりませんが、公称すべてを含めまして約二千万に近い、こういうふうなことを私どもは承知いたしております。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦分科員 非常に広範な人々がこれを利用しているわけですが、借り入れの申し込みをしてから借りるまでの日数というのが、大体七十日から八十日も最近はかかっている。ですから、もっと早く貸し付けをしてほしいという要望が各地から出ているわけです。特に五十万円以上の貸し出しについては、知事の推薦状を必要としているわけですね。そのため知事の推薦状を得るのに二十日間以上かかる。結局、五十万円以上の資金を借りようとする人は、借りようと思ってから自分の手元にお金が入るまで大体九十日から百日くらい現在かかっておる、こういうことなんですね。それで大変困っているわけなんです。  それで私は、知事の推薦状をもらうのに二十日間もかかるというような現状をどういうふうに思っておられるのか、お尋ねいたしたいと思います。

此村友一厚生省環境衛生局企画課長

○此村説明員 ただいま先生御指摘の都道府県知事の推薦につきましては、すでに先生御案内のとおり、昭和四十二年に公庫が発足をいたしましたときには、すべて推薦を要することになっておったわけでございますが、その後、四十三年からはいろいろと要望等もございまして、これを五十万円以下は推薦を要しない、このようにしたわけでございます。  もともと環衛公庫は、その発足の経緯からいたしまして、行政施策と金融とができるだけ一体的に運用されるように、このような思想が強く浸透しているわけでございまして、それにのっとりまして、実は都道府県知事推薦という制度があるわけでございます。これにつきましては、いろいろ御意見もあろうかと思いますが、一応は特別の意味のある施設について都道府県知事の推薦を要する、こういうたてまえにしておるわけでございます。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦分科員 ちょっと先走って答えられているんですね。それはまた後で聞きますけれども、知事の推薦状をもらうのに二十日間以上もかかっているという現状についてどう思うか、そのことをお聞きしたのです。

此村友一厚生省環境衛生局企画課長

○此村説明員 都道府県知事の推薦を受けるために大体二十日ぐらいかかるというのが実態でございます。  それで問題は、二十日ぐらいかかるからこれをどういうふうに取り扱うかというようなことでございますが、制度的な問題として都道府県知事の推薦をどうこうするというところに直ちに結びつくかどうか、私どもは疑問に思っておるわけでございます。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦分科員 そうすると、二十日間ぐらいかかるのはあたりまえだ、こう思われているのですか。

此村友一厚生省環境衛生局企画課長

○此村説明員 あたりまえという表現は、大変私どもも申しにくいわけでございますが、一応行政庁に対しまして意見を求めると申しますか、推薦を求めるという場合に、現在の制度上は、これも先生御案内かと思いますが、行政庁においては、できるだけ短い期間内にこれを処理するようにというような配慮がしてございます。後は具体的に申込者の方々、それから都道府県知事に出す手続上、現在の社会の中では推薦をする以上はやむを得ないことではなかろうか。ただ、できるだけ短くしたいと思いますけれども、一応はやむを得ないことではなかろうか、かように考えております。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦分科員 厚生省の方で昭和四十二年十月十八日付で各都道府県の衛生主管部長あてに通知を出しているんですね。「環境衛生金融公庫融資に係る手続きについて(通知)」という文書を出しているんですが、その中には「都道府県知事の行なう推せんは、推せん依頼書の受付日から三日以内に処理するものとし」云々とこうなっているんですよ。そうすると、三日というのは、これはあなたたちが出した通知ですね。行政指導として出されたのでしょう。ところが、いまの御答弁ですと、なるべく早くやらなければならないと思うが、二十日間ぐらいはやむを得ないという御答弁なんですね。これは、あなたたちが出した正式の行政指導とも違うのですが、私は、そのことを何も責めようとは思わないけれども、二十日間もかかっているのであれば、さきに三日間以内に処理するようにという指導をしているのですから、そういう指導が貫徹されておるかどうかということを、あなたたちが日常的に報告を受けたり調査をしたりして調べて、そして適切な処置をとる、一日も早く利用者に貸し付けを与える、こういう態度をとるのがあたりまえだと思うのですが、その点はどういうふうにお考えですか。

此村友一厚生省環境衛生局企画課長

○此村説明員 私が御説明いたしましたのは、一応県知事が受け憾付けてから三日以内ということではございますけれども、確かに二十日というのがあらゆる場合にどうしてもかからなければならぬものかどうか、その点はもう一度研究しなければならぬ、かように考えております。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦分科員 二十日がどうしても必要なのかどうかということを検討するというのではなくて、三日以内に何とか推薦状が利用者の手に渡るように努力する、そういう答弁でなきゃおかしいじゃないですか、どうですか。

此村友一厚生省環境衛生局企画課長

○此村説明員 再々申し上げているわけでございますが、三日以内と申しますのは、県知事が受け付けてから三日以内ということでございますので、その間の格差をどうやって縮めるか、その点は研究しなければならぬ、かように考えておるわけでございます。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦分科員 この問題で余り時間をとってもしようがないんですけれども、そうすると、この行政指導というのは現在も生きておるのでしょう。そうしたら、この趣旨にのっとって今後指導するということは言えないのですか。ぐずぐず言わぬではっきり言ったらいい。

石丸隆治厚生省環境衛生局長

○石丸政府委員 さきに出ました通牒と現実の姿が非常に食い違っているとの御指摘でございますが、やはりこの通牒は現在においても生きておりますので、その通牒の線に沿いまして努力いたしたいと思います。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦分科員 それでは、次にお尋ねしますけれども、この知事の推薦状を必要とする理由をもう少し具体的に話してくれませんか。一般的に行政目的を遂行するために必要だとかそういう抽象的な答弁ではなくて、もう少し具体的にこの推薦状を必要とする理由というものをお述べいただきたいのです。

石丸隆治厚生省環境衛生局長

○石丸政府委員 環衛金融公庫の目的といたしましては、非常に限定された環衛営業でございますけれども、その営業の衛生水準の向上ということが非常に大きな目的になっておるわけでございまして、やはり衛生水準を向上さすための設備の更新ということに対しまして融資を行っておるわけでございます。したがいまして、貸し付ける対象の施設と設備の改善というものが、この衛生水準の維持あるいは向上につながっているかどうかの確認を現在行っている、かような状況でございます。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦分科員 局長さんは余り知らないのかもしれませんけれども、貸付準則というのがありますね。そこには、たとえば設備の更新というようなものが、各都道府県知事の許可とか認可とか、そういうものにかかるような場合は知事の推薦状が要るのだと書いてありますね。これはそれなりの立法理由があると思いますが、しかし、それじゃたとえば冷蔵庫を買いかえる、ただそれだけの場合、いま業務用の冷蔵庫というのは五十万円じゃ買えないですね。六十五万円とか七十万円しますよ。そうすると、それを買う場合に、お金を借りたいのだといって公庫に申し込みをする、さあ知事の推薦状がないと貸せませんよというのはおかしいんじゃないですか。不合理じゃありませんか。私はそう思うんですよ。たとえばまたクリーニング屋さんでも、ドライクリーニング機を買う、これも五十万円以下じゃ買えないんですよ。二百万円以上するわけですよ。こういう設備を買いたいということで金融公庫に申し込みをする、そうすると、知事の推薦状がないからだめですと、こうなるわけでしょう。こういうことについて、一々知事にそれが必要なのかどうかという判断をさせるということは、私は必要がないと思うのですが、その点いかがですか。

此村友一厚生省環境衛生局企画課長

○此村説明員 先ほど申し上げましたとおり、この推薦を要するものというのは特別の意味のあるものというふうに考えておるわけでございます。確かに先生御指摘のように、わりあいに小さな器具も中には入っておりますけれども、これは基準金利、つまり普通の金利よりも高い金利の場合に適用しているわけでございます。それ以外は、いま先生御指摘の設備の許認可を要するものとか、あるいは経営多様化とか、要するに普通並みとちょっと違うというような中身のものと私どもは考えておるわけでございます。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦分科員 それは違うでしょう。貸付準則の第四に、推薦状を必要とする場合が一から九まで列挙されていますが、その第一に「衛生設備の設置又は整備に要する資金」と、こう書いてあって、利率がどうだこうだ、特利だからどうだ、そんなものは全然ないんですよ。そうすると、冷蔵庫を買う場合「衛生設備の設置」の中に入るでしょう。「衛生設備の設置又は整備に要する資金」という中に入るんじゃないんですか。特殊な場合だけ推薦状が要するんだと言っているのは、あなたたちの詭弁です。一から九まで一応項目は列挙されているけれども、すべてのものがこの中に包含されてしまう。なぜならば、非常に抽象的な書き方をしているからですよ。  もう.一回言いますが、一の「衛生設備の設置又は整備に要する資金」とか、それから四の「近代化に著しく寄与する設備の設置又は整備に要する資金」、大体この二つの中に、設備の更新というものはみんな入ってしまうんですよ。そうじゃないですか。

此村友一厚生省環境衛生局企画課長

○此村説明員 私の説明が不十分で申しわけございませんが、この書き方がちょっとわかりにくくなっておりますが、別表というのがございまして、その中では、衛生設備の定義としては、そういうものが列挙されているわけです。そこで一般の利率と違うことになっているわけです。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦分科員 ちょっと答弁がおかしいんだな。それじゃ具体的に聞きますが、六十万円の冷蔵庫を買いかえるという場合に、知事の推薦状が要るんですか、要らないんですか。

此村友一厚生省環境衛生局企画課長

○此村説明員 必要でございます。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦分科員 そうすると、知事は何を判断するんですか。

此村友一厚生省環境衛生局企画課長

○此村説明員 業種によりまして、冷蔵庫等を提供して適正な衛生水準を保つというような基準的なものがございます。それに該当するかどうか、そういったことを判断するわけでございます。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦分科員 だれが見たって、そんな問題に知事の判断を要するなんて思いませんよ。準則というのは変えられるものでしょう、どうですか。

此村友一厚生省環境衛生局企画課長

○此村説明員 おっしゃるとおり、変更は形式上可能でございます。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦分科員 厚生省が指導して金融公庫の貸付準則を変えることができるわけでしょう。そうであれば、この貸付準則の第四の推薦状を必要とするという各項目をもう一回洗い直して、どうしても必要な部分についてだけは推薦状を必要とするけれども、その他のものは推薦状が要らないで貸せる、そういうふうに改める意思はございませんか。

石丸隆治厚生省環境衛生局長

○石丸政府委員 ただいま先生から御指摘を受けた点につきまして、やはりその時代とともにその必要とするような金額の限度額というものも変わってまいると思いますし、また、その施設の実態等も変わってまいると思いますので、この内容等につきまして改正の方向で検討いたしたいと思っております。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦分科員 それじゃ次に、いま五十万円の限度額の問題についても触れられましたので、その点についてちょっとお尋ねいたします。  さっき課長さんからも答弁がありましたけれども、昭和四十三年にこの準則が改正されたわけでしょう。そして、いままでは全部推薦状が必要だったのが今度は五十万円以上だけ必要だ、こういうことになったわけですね。しかし四十三年から現在までずっとその上限が五十万円になっているわけです。そうすると、その後の物価上昇の事態、また近代化の進展の状況、こういうものが全然考慮されてないわけですね。七年間そのままほったらかしにされているわけです。この問題についても、限度額をもっと上げるということを御検討中なのかどうか、お尋ねしたいと思います。

石丸隆治厚生省環境衛生局長

○石丸政府委員 現在、直ちにという御返答はなかなかできかねると思いますが、ただいま先生御指摘のような、情勢の変化等もございますので、そういう変化に応じながらこの内容を検討してまいりたいと思っております。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦分科員 余りはっきりしない答弁なんですが、五十万円以下の貸し出し件数がどのくらいあるのか、そしてそれが全体の貸し出し件数に占める割合が幾らなのか、この点いかがですか。

此村友一厚生省環境衛生局企画課長

○此村説明員 五十万円以下と申しますのは、申し込みのユニットでとっておるものでございますので、ぴたりと合う統計は現在持ち合わせておりません。しかしながら、当初この制度ができましたときの一般の平均貸付金額から見ますと、当時五十万円というのが大体半分に近いところであったと思うわけでございます。そういうことから類推いたしますと、少なくとも当初できたときの率から見ますと、現在、平均の貸付金額は倍くらいになっておりますので、そういう意味でパーセンテージはかなり下がっているであろう、こういうことは予想されるわけでございます。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦分科員 はっきりわからないけれども下がっているだろう、こういう推定でしょう。そうすると、なぜ下がっているのかということについて、あなたたちは検討しなければならないでしょう。いまのお話ですと、実態も何も調査してないんだな。利率ごとの貸し出し件数とか貸出額というのは、あなたたちはわかっているけれども、一業者当たり一回の貸付金額は幾らになっているのか、全然調べてない。そうでしょう。そういう何も実態を調べないでおって、いままでこの限度額の問題について何も検討しない。私から言われて、これから検討いたしましょうというのは、いかにも行政の怠慢だ、そういうことを私は非常に強く感じますよ。あなたたちが調べた結果、五十万円以下の貸し出し件数というのは非常に少ない。それはなぜか。それは物価が上がったからだとか、それから近代化の進展等によって五十万円というのは、いまの業者の要求から本当にかけ離れたものなんだ、そういうことをあなたたちがぴしっと調べ上げた上、それでこれは検討しておかなければいけないことじゃありませんか、私はそう思うんですね。  それで、五十万円以下の貸し出し件数が何ぼあるのか、全体に占める比率が何ぼなのか、こういうことをお調べになって、それで直ちにこの限度額の問題について検討する意思があるかどうか、お尋ねしたいと思います。

石丸隆治厚生省環境衛生局長

○石丸政府委員 実態を早急に調べまして善処いたしたいと思います。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦分科員 早急にというのは、二、三年も早急になるし、四、五年も早急になるんですね。早急というのは、大体いつごろを想定されているのですか。言葉のあやでごまかそうとしてはだめですよ。

石丸隆治厚生省環境衛生局長

○石丸政府委員 少なくとも実態を早急に調べたいと思っております。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦分科員 だから、早急というのはどのくらいかと聞いているので、人によれば五、六年も早急になるし、すぐかかるのも早急にと、こういうのでいろいろニュアンスの違いがあるから聞いているんですよ。いつやるのですか。

石丸隆治厚生省環境衛生局長

○石丸政府委員 手をつけるのは、本会計年度と申し上げましょうか、五十年度あるいは五十一年度あたりに調査をいたしたいと思っております。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦分科員 早く調べるというのは、あたりまえのことなんですよ。いままで調べないのがおかしい。例を挙げましょうか。たとえばさっき例に挙げた業務用のステンレス側の冷蔵庫、これなんかは千リットルから千五百リットル、間口六尺、これが四十三年のときには三十五万円で買えているんですよ。だから、知事の推薦状なしで借りられた。現在はこれは五十万円から六十五万円もしているんですよ。約倍ですね。たとえば冷凍機つきのショーケースがありますね、これも間口が六尺、たな二段でクローズタイプのもの、これがやはり昭和四十三年には一基が二十五万円、二基で五十万円ですよ。現在幾らかというと、ちょうど倍になっていますね。一基が五十万円、二基買えば百万円になっているんですよ。それから床屋さんのいすがありますね。いすとか流し台とか鏡がくっついたのをワンセットと言っているそうですけれども、こういうものでも四十三年のときにはわずか二十万円でできておる。現在は五十万円なんです。これは設備が若干改善されているものですから、物価上昇だけで倍になったとか三倍になったとかいうのじゃないのです。しかし、いずれにしても設備の更新をやろうという人たちにとっては、設備がうんと近代化されたものを買わされるわけですから、それ以外のものはないのですから、結局お金が二ないし三倍かかっているということなんです。  ですから、こういう実態もあなたたちが早急に検討して、その検討した結果を私のところに知らせていただくように要望いたしたいと思うのです。  それから。貸し出しに時間が大変かかるのは、これは手続がめんどうくさいというだけではなくて、貸付資金が不足しているからだというふうに思うのですが、この点はどうでしょう。

此村友一厚生省環境衛生局企画課長

○此村説明員 先生のおっしゃいますのは、現実にたとえば申し込みをしてから貸し付けを受けるまでの期間が最近少し延びてきておる、こういう御指摘かと思います。いろいろ実は要因があると思います。分析は必ずしも容易ではございませんが、資金需要ということも一因であろうと考えております。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦分科員 大蔵省がそばにいるんだから、金を請求する側だから、もっと胸を張って、金が足りないからだと言った方がいいんじゃないですか、余り遠慮することないです。資金が足りないということも一つの原因だ、こう言われましたけれども、それでは、昨年の夏ごろからこういうふうに大変な時間がかかるようになったわけなんですけれども、資金不足解消の問題について、何か厚生省または公庫側として手を打たれましたですか。

此村友一厚生省環境衛生局企画課長

○此村説明員 資金の問題につきましては、まず絶対的な量を補完するという問題もございますけれども、重点的な審査、重点的な貸し付けということを四十九年の初めから実施をいたしております。そういう線をさらに推進をしてまいった次第でございます。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦分科員 何か抽象的な答弁でよくわかりませんけれども、たとえば資金が足りなくなるというのは、結局、金融引き締めでいままで市中銀行から借りておったけれどもなかなか借りられない、だから公庫に借りに来る人が多くなるとか、物価が上がったので少ない金じゃできないので、お金を借りる額が一件当たり多くなったとか、いろいろな要因があると思う。しかし、それは結局、借りる側の責任じゃないんですね。これはやはり政府のインフレ政策ですよ。物価値上げの政策ですよ。こういうものの犠牲で金融公庫の資金が足りなくなっているわけですから。あなたたちが借りる手の側なんですから、そういうことがあれば、金融公庫の側は厚生省と協議をするとか、厚生省は、そういう資金不足の実態があるなら、大蔵省とさらに協議をして、そして資金的な措置をとってもらう、そういうようなことをやる必要があると思うのですが、そういうことはやられましたか。

此村友一厚生省環境衛生局企画課長

○此村説明員 全般的に、昭和四十九年度につきましては一七%増の資金枠でございまして、それをできるだけ消化するということに全力を挙げたわけでございます。五十年度におきましては、特にこのような状況にかんがみまして、前年をさらに上回る二一%の資金枠の増、資金運用部資金の借入金につきましても、かなり前年度よりは大幅な増加を認めてもらいまして、引き続き資金枠の確保に努力をしておる、このような現状でございます。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦分科員 もう時間がありませんけれども、この環境衛生金融公庫の主務大臣というのは、厚生大臣だけじゃないんですね。きょうは大蔵大臣は涼しい顔しておられますけれども、大蔵大臣もこれは主務大臣なんですよ。ただ、厚生大臣と大蔵大臣を主務大臣とすると、順位は厚生大臣の方が先になっていますけれどもね。だから大蔵大臣としても、これは公庫法の三十二条、三十四条で独自に調査する権限もあるし、報告を受ける権限もあるわけですから、厚生省任せにしないで、私はいわゆる全般的な中小企業に対する対策の一つとして絶えず目を光らせていてほしいと思うのです。  それで、金融面での措置として、この前、不況対策の措置として、政府系中小企業金融機関の貸し出しの弾力的な運用をするというふうに経済対策閣僚会議で御決定になりました。それでお尋ねしたいのですが、環境衛生金融公庫の資金面については、具体的にどのように措置をするおつもりなのか、お答えいただきたいと思うのです。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 環境衛生公庫の貸し付けといいますか、資金は設備資金に限られております。したがいまして、こういう時勢でございますので、設備資金といったようなものをいま増枠するというような考えは持っておらないわけでございます。ただ、環境業者の運転資金といいますのは、これは国民公庫等々でお借りすることができますので、そちらの方でやっていただくということでございまして、環衛公庫の利用先が国民公庫を使えないというふうに排除しているわけではございませんので、両々相まってやっていただくというふうに考えているわけでございます。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦分科員 厚生省の方にお尋ねしますが、来年度の資金の問題については、何か二十何%か増額してもらったというふうな話でしたけれども、どの程度増枠になっておるのですか。

此村友一厚生省環境衛生局企画課長

○此村説明員 資金規模におきまして千五百三十億でございます。千二百六十五億が今年度の予算でございますので、二百六十五億の増加になっている、こういうことでございます。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦分科員 私は、大蔵省にも厚生省にも、こういう中小零細業者の金融面について、今後もきめの細かい配慮をされることを最後にお願い申し上げまして、質問を終わらしていただきたいと思います。

山本幸雄自由民主党

○山本(幸雄)主査代理 これにて三浦久君の質疑は終わりました。  次に、村山喜一君。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 きょうは、私たち社会党は、今日の金融機関、特に銀行のあり方の問題をめぐりまして、予算委員会でも集中論議がなされてまいりました。そこで、銀行というのは一体どういう社会的な任務を持ち、どういう機能を果たさなければならないのかという立場から、いろいろ検討をいたしてみますと、いまの銀行法というのは、かたかなの法律でなされたものでございまして、内容を検討いたしてみますと、これは、銀行法という一つの目的を持った、そういう任務を明確にしたものでもない、一つの取り締まり法規的なものが現行の法律体系になっているにすぎないというのに気がつきました。そこで、いろいろ私たちの方でも検討をいたして、法案の方向をいま準備を進めている最中でございますが、それに入ります前に、ちょっと大平大蔵大臣に、最近の金融情勢をめぐりましての認識をお伺いをいたしておきたいと思うのでございます。  昨年の十月から十二月、この間のマネーサプライの増加率でございますが、大体一一%程度であった、こういうふうに記憶をいたしております。最近はどうもその増加率が大変高くなってきつつあるのではないだろうか。ある見方によりますると、これは一五%程度にまで達しつつあるのではないかという分析をいたしている向きもございますが、果たしてこのマネーサプライの増加率というものはどの程度にとどめておくべきなのか。これは大蔵大臣の金融に対するこれからの政策を進めていく上においてきわめて重要なことでございますから、お答えをいただきたいと思うのでございます。  過去のこの足取りを見てまいりますると、マネーサプライの伸び率が非常に高くなり過ぎてインフレが発生をしたという状態もございますので、日銀あたりでも、中期的な金融政策の運営の中ではマネーサプライを重視をするのだという方向も打ち出しておるわけでございます。そういうような意味から、金融当局であります大蔵省としての見解というものも初めにお伺いをしておきたいと思うのでございますが、大臣は、現在の経済の実態にかんがみて、どういうような程度であるべきだとお考えになるのか、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 ただいま先生が御指摘のマネーサプライが一〇とか一一とかいう数字は、恐らく広義のM2の話だと思います。確かにかつての過剰流動性時代と言ったころ、それが大体対前年二六とか二七というような高い数字でふえたことがございます。それが、引き締めを続けておりましてどんどん下がってきまして、四十九年に入りましてからは一月が一五でございます。これが九月に一〇・六、この辺がボトムになりまして、十月に一〇・七、十一月が一一・二、十二月が一一・七となって、微増といいますか、だんだん上がってきております。日本銀行当局でも、マネーサプライのM2は九月がボトムだったのかなという感じは持っておるようでございます。  それから従来の金融政策といたしまして、このマネーサプライというのはもちろん一つの有力な指標でございますけれども、マネーサプライといいますのは、あらかじめ中央銀行当局が一定の率を決めて、そこに押さえ込むといったような性質も少しはありますけれども、結果としてそういうふうになるというような、何と言いますか、完全に規制できるというような数字でもございませんので、たとえば市中の貸し出しがふえた結果はね返って預金がふえるというような面があったりしますので、間接コントロール的なものになります。ただ、昔から金融政策の一方の理論として貨幣数量説というのがございますし、そういうものが復権してきているということもありまして、中央銀行でも、どうもマネーサプライというのをもう少し重視しなければいけないかというふうに現在の日銀も考えております。  ただ、絶対的にこれがどの程度のポイントであれば適正であるのかというのには、確たる理論的な根拠というものもまだございません。したがって、過去の経験値からすれば、二〇%を超えるように大幅に出ていけばだぶだぶである、引き締めをして二年ぐらいたったころに一〇ポイントというようなことになったということからすれば、ゾーンとしてはどうも一〇%台のしかるべきところというのが、成長経済のもとにおいては普通考えられる水準かなということは言えるかと思いますが、何ポイントを目指して、何ポイント以下でなければならないとかいうところを申し上げるのにはまだ自信がない数字だと思います。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 十二月の段階で一一%程度のものが一月に一五%に急増した、その理由は一体どこにあるのですか。銀行局長、この問題はいまあなたがおっしゃるように、現金通貨供給を日銀貸出や再割引の段階で調整をすることは困難だということは私も知っております。しかし、そういう貸出増というものがあり、そしてその貸し出しの背景というものをやはり分析をしなければならない段階に来ているのではないかというふうに思いますのは、最近の金利の内外の格差の拡大によりまして、外銀の投資証券の伸びの問題であるとか、あるいはインパクトローンの導入の問題であるとかという、そういうような外的な要因と同時に内的な要因、政策金融を拡大したとかいうような問題もありましょうし、あるいはまた、窓口規制を若干緩和するというような動きもありましょうし、いろいろな要素が入り乱れてこういうような状態が生まれてきているのだというふうに思うのです。とするならば、やはり国の経済の成長率というものに比例をしながらマネーサプライの問題は考えていかなけれがならない。となった場合に、一月の段階が一五%になっておるわけですが、それが二月段階でどうなり、三月になったらどういうふうになっていくかということを見ながら、今日の経済の状況に照らし合わせて、通貨供給量というものが多いな、少ないなという判断はやはり的確にしていかなければ、過去の状態を振り返ってみますと、収拾がつかないような状態の中であれよあれよという間に大変な貸し出しが行われて、現金の通貨供給が増大をしていったという歴史があるわけですね。     〔山本(幸雄)主査代理退席、阿部(助)主     査代理着席〕  そういうような点から、やはり皆さん方の場合には、日銀当局が行うのは、これは政策が主体でありましょうが、しかし、通貨の問題についての権限は大蔵省設置法の中にもあるわけでございますし、そういう適正な通貨を供給するという立場から重視をされる必要があるんだと私は思うのでございます。  インパクトローンも五億ドルぐらいは入れるような動きが、もう傾向的に見えているんじゃございませんか。そういうような対日投資証券の伸びも、一月は幾らになったのですか、六千三百万ドルぐらいの証券投資が行われたというふうにも聞いているのですが、いわゆる水は低きに流れず高きに流れるように、いろいろな世界の資金が金利の高いところに流れてくるわけでございますから、そういうようなものに対する見通しもつけながらやらなければ、また大変な失敗をするのではないだろうかと私は思いますし、また、いろいろな金融政策を打ち出していく場合に、こういう状態であるからこういう政策をとるんだということでなければどうにもならないのではないだろうかと思うのであります。特に、ユーロ資金あたりが、最近においては金利が七%台のものが六%台に下がった。アメリカのプライムレートのものも八・五%台まで来ているようでございます。これはやがて七%台にまで落ちていくのではなかろうか、こういうような説等もあるようでございまして、そういうような面から、この問題についてはもっと警戒をしながら見るべきだと私は思うのでございますが、大蔵大臣、いま私が申し上げたようなことをどういうふうにお考えになりますか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 御指摘のマネーサプライについてもう少し関心を持てといいますか、そういう仰せだと思いますが、おっしゃるとおりもう少し関心をといいますか、そういう方向でものを考えていかなきゃならないと思っております。  それから、M2が一月、一五%まで伸びたといま先生がおっしゃいましたが、その数字は私まだ承知してない数字でございまして、十二月までの一一・七というのはございますが。ただ、日銀券が十二月にたしか一七・〇になりましたのが、一月に一八・三に上がったわけです。これは最近としては多少上がり方がひどい。で、M2の中にはもちろん現金も入りますので、十二月のM2で一一・七ですか、これが日銀券が一七・〇のときの一一・七ですから、一八・三になれば、これはもう少し上がっているのではないかということは当然予想されますけれども、一五まで急に上がったかどうかということは、私はまだ承知しておりません。  それから金利の問題でございますが、確かに外国の短期金利は非常に下がっております。で、インパクトローンといいますのは、御承知のように長期のものでございますので、ユーロの三ヵ月もの程度が六%あるいは七%というところまで下がっておりますけれども、インパクトローン等としてとってきますものは、まあ大体一年超あるいは二年超といったものになります。この辺は、まだ日本の長期のプライムレートよりも、実質こちらで引いてくる企業として見れば、負担はまだ高いように聞いております。手数料とかそういったものを加えますと、まだ一〇・〇以上になるようでございます。したがいまして、現在、金利差というようなことで外国の金が日本に入ってきているというふうには判断しなくてもいいんじゃないかという感じでおります。  これは私の守備範囲ではないのでございますけれども、最近外国のオイルダラー等を初めとする海外のいわば余剰の金といいますか、そういうものが世界のあちこちを動いておりますけれども、私などから見てもわからないのは、たとえばスイスとかドイツに一番流れていっているわけです。これは一番金利の低いところでございまして、むしろ経済といいますか、レートといいますか、そっちの方の影響の方が、現在の国際的な資金の動きには主たる動機になっているのではないかというふうに私は感じておるわけでございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 先ほど一五%というのは、あなたの方から言われたのじゃなかったですか。それでは一月は幾らになっておるのですか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 一月のM2はまだ出てないわけでございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 いつ出ますか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 これは、大体銀行の預金勘定のしりが集まってくるときでございますので、通常は一月以上かかるのでございます。各金融機関の定期預金残高を集めてきてやりますので、ちょっと時間がかかる数字でございます。私、一五%と申し上げたとすれば、それは間違いでございます。一月のM2はまだわかっておりません。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 いずれにいたしましても、そういうような指標というものは、きわめて重視すべき指標だと私は思うのです、マーシャルのKとかですね。ですから、この管理通貨制度の中にありまして金融政策というものを進めていく場合には、細心な注意を払いながらやってまいりませんと、これは後追いでツケが回ってきたようなものだなんというようなことで、過去はどうも放任をし過ぎてきたようなきらいがございます。そういうような意味から、もっとこの点については、大臣は大蔵省出身でございますし、この道のベテランでございますから、私の方から言うまでもございませんが、大臣いかがでございますか。そういうような面に注目をしながら、金融政策というものはもちろん財政の運営と表裏一体の形で進めなければならないのだとは考えますが、最後にこの点だけ大臣の御所見をお伺いしておきます。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 いま村山委員が御指摘のように、金融に若干の変化が出てきておりますことは、そのとおりでございまして、内外の変化をどのようにとらえるかということ、確かに問題でございます。同時にこれは、マクロに見た場合とミクロに見た場合と、評価がまたいろいろ変わってまいるわけでございまして、いま経済全体の掌握が非常にむずかしい段階でありますように、金融情勢の掌握もなかなかむずかしいことは御案内のとおりでございます。そこで、しかし不断にこれをウォッチして対策に誤ることがあってはいけないぞという御注意でございまして、これは重々私どもは考えておかなければならぬことでございます。ここであわててもいけませんし、といってここで余り用心深過ぎてもまたいけない、そのあたりの考えは大変むずかしいところでございます。きょうの質疑を通じて御注意がありましたことは、十分われわれも注意いたしまして対処に誤りないようにしたいと思いますが、結論としてまだわれわれは、こう評価し、こうすべきであるというような、金融政策についてあることを決するとかなんとかいうような段階には来ていないということだけは申し上げておきたいと思います。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 先ほど一月一五・五ということを言ったじゃないかというのは、それは四十九年の一月が一五・五でございまして、それからだんだん下がってきて、昨年の九月が一〇・六でボトムになったのですと、こう申し上げたので、一五・五は昨年の一月でございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 本論に入ります。  大臣、いろいろ論議をされました中で、銀行の社会的任務、公共的責任、このことは現在の銀行法の中には盛られていないわけでございます。  そこで、大臣にお尋ねをいたしますが、私はいまの銀行法は、歴史的な中では現在の法律というものも価値があったと思うのでございますが、銀行というものが大衆との生活の中でもう密接な関係にある時代を迎えてきた今日、またいままでの幾多の反省すべき事例にかんがみまして、大臣も予算の総括の中で質問者に答えて、銀行法については見直しをやらなければならない段階に来ているということを言われたのでございます。とするならば、手続として、金融制度調査会等に付議されて、いろいろと検討を命ぜられるという段階を経て、法律改正の問題は取り扱われることになるであろうと思うのでございますが、大臣は、銀行法の改正については、現在の段階において必要であるということは十分御認識をされているものだと思います。とするならば、金融制度調査会にいつごろ諮問をされるのか、そのプログラムをもしお持ちであるならば、お答えをいただきたいと思います。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 銀行法もそろそろ検討にかかっていい時期であろうという感じは御指摘のとおりいたしております。  これについて、それではどういう手順でかかるかということでございますが、目下大蔵省、明年度予算の御審議を中心に全力を挙げておりますので、この見当がつきましたならば、金融制度調査会の首脳と懇談の機会を持ちまして、どういう御感触か、そのあたり少し首脳の御意向なんかも聞いてみるところから始めてみたいと思っております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 懇談会をお持ちになって、そこから出発をされるのも結構でございますが、銀行法、これは大臣よく御承知のように目的がございませんね。だからいわゆる監督関係の法規集にすぎない。そこに今日、集中融資の問題とか、あるいは過剰融資の問題とか、と、いろいろ言われる根源があるのではないか。やはり社会的責任なりあるいは公共的な責任というものがこの法律の中に明記されなければ、金融の銀行業務をやる人たちにとっても、一体どういう方向に向かっていくのかということも明記されない法律のもとでは、私は困ると思うのです。それが現行の法律の中において一番欠けている点だと思うのでございますが、大臣、この点はいかがでございますか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 現在の銀行法が昭和二年にできまして、昭和三年から施行されておりますが、戦前の法律には大体法律の目的というようなものは書かないのが実は通例でございました。戦後、いろいろ法律の目的というようなものが第一条などに書かれるようになってまいりました。日本銀行法、昭和十七年のには若干書いてありますが、現在の銀行法は、確かに先生のおっしゃるとおり、組織法であり監督法規である。それで銀行の行動といいますか、そういった面については何も書いてないということは、御指摘のとおりでございます。銀行法が改正問題になって金融制度調査会で仮に取り上げられるとすれば、当然、いま先生の御指摘の社会的責任であるとか、あるいは銀行の公共的目的であるとかいうようなことが、議題になり、話題になり、あるいは成案の中にも盛り込まれてくることになるかもしれません。なるであろうと思いますが、そういったことについて現在私がどういう考えを持っているかということを申し上げることは、若干差しさわりがあると思いますので、意見を申し述べることは差し控えさせていただきたいと思いますが、当然、銀行法の改正問題ということがスケジュールになり、審議が進められていけば、そういったことは論議の対象になってくるだろう、そう思っておるわけでございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 大臣、いま銀行局長から言われたことでよろしゅうございますね。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 私の考えと大きく違っておりません。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 そのとおりだということでございます。  そこで、もう時間が余りございませんので、あと一点ほど詰めてまいりますが、昨年の暮れに、銀行局長通達によりまして、例の大口融資規制の問題が処理をされたわけでございます。これは、現在の根拠的な法律がない段階にありましては、行政通達ということでもやむを得ないと思っておりますが、しかしこの問題は、単に行政的な規制というものが正しいのかどうか、法律的な規制というものが正しいのか、私は議論の分かれるところだと思うのです。  というのは、大臣も御承知のように、中小の専門金融機関の場合には法律で規制をいたしているわけでございます。とするならば、銀行法の適用を受ける金融機関だけは行政措置というのでは、これは片手落ちだ。やはり法律的な規制というものによってきちっとけじめをつけて、そして信用の適正配分、集中融資の是正というものをやる。これはやはり行政当局としては当然そういうふうにお考えにならなければならないのではないだろうか。行政の公平化の上から言っておかしいと思うのでございます。そこで私は、そういうような考え方が正しいと思うのでございますが、大臣の御所見をお伺いします。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 銀行につきまして昨年通達を出した、一方、中小金融機関の大口融資は全部法定になっておる、不公平ではないかという御指摘、ごもっともだと思います。私ども、これも恐らく、銀行法の改正が審議される際には、先生のおっしゃるように、法律でやるべきではないかという議論が当然出るでございましょうし、その方があるいは有力になるんだろうとは思います。私が昨年の十二月に通達でやりましたのは、通達でもあの程度のことはできるという根拠もございますが、銀行法改正の結論が出るまでかなり時間がかかると思います。その間通達も出さずにほっておいていいというふうには判断できませんでしたので、とりあえず現在の段階では通達でやっておこう、銀行法改正問題が審議される場合にはこれは法定すべきではないかというような意見は当然有力に出てくるだろう、かように考えております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 時間が来ましたのでこれでやめますが、そのほかに、銀行の持ち株制限の問題なり、あるいは経営の民主化の問題なり、あるいはいつも問題になっております週休二日制の問題、さらに銀行業務を法定化するというような問題等も含めまして、私たちもいろいろ学者、経験者の意見も聞きながら、いま鋭意銀行法改正についてまとめる作業に入っているところでございます。  そこで、大蔵大臣、先ほどお話をいただきましたように、まあ予算が衆議院段階を通った段階だろうと思うのですが、金融制度調査会等にも付議するための懇談的なものも計画をしながらやっていくのだというようなことでございますが、大臣としては、私たちの意見だけではなくて、他の野党の意見まで含めて、これらの問題についてわれわれの見解を聞く御用意があるのか。いわゆる意見を広く求めるという立場から、野党の意見も当然中に入れていただくような意味において取り上げていただきたいということを考えているのでございますが、大臣の御所見を最後にお伺いをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。大臣の答弁を求めます。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 どういう形のものにしますか、別にいたしまして、社会党を初めといたしまして野党の皆さんの御意見を伺ってまいることは当然のことと思っております。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)主査代理 これにて村山喜一君の質疑は終わりました。  次に、加藤清政君。

加藤清政日本社会党

○加藤(清政)分科員 私は、地方財政について大蔵大臣、並びに財源の配分の問題さらに東京都の都財政の問題について自治省にお伺いしたいと思います。  不況とインフレが同時に進行するいわゆるスタグフレーションの厳しい経済の中に、地方財政は深刻な事態に直面しておりまして、特に各地方自治体でもいま予算の編成期にあるわけでありますけれども、骨格予算を組むというよりも、むしろ骨だけの骸骨予算を組まざるを得ないというような深刻な地方財政の危機に陥っておると思うのでありまして、このまままいりますると、当然、上下水道だとか、あるいは公営企業だとか国保税だとか、こういうものの値上げは必至にならざるを得ないということであるわけであります。したがって、国民生活に占める地方財政の比重は大変高いわけでありまして、不況とインフレによって、その比重は今後高まりこそすれ低下するということは恐らく考えられないわけでありまして、国民生活、福祉は景気変動に左右されることなく充実していかなければなりませんし、地方財政というものもその基盤に立って運営されていくということが地方自治のあるべき本来の姿ではなかろうかと思うわけであります。  そういう考えに立ちまして、一体、地方財政の危機が那辺からもたらされたかということを考えてみますると、まず第一にその原因は、中央集権的な財政構造そのものに起因しておるのではなかろうかと考えるのであります。地方自治体の約八割を占める機関委任事務、そして団体委任事務を押しつけておきながら、税金のうちではいわゆる七〇対三〇というようなことで、国が七割を占め、地方自治体に三割しか与えられておらないというところに、国庫補助金だとか、あるいは地方交付税だとか地方債などの手段によって、その税配分をコントロールしているというところに、地方貞治、地方財政の大きな危機がある、そのように考えるわけであります。  第二番目には、何といっても高度経済成長政策からもたらされた原因が多いと思うわけでありまして、地方債だとか国庫補助金を主体としながら、地方財政の名目的な大型化はこの時期に始まりまして、質的な悪化を地方財政が借金の依存政策で拡大いたしました。とりわけ国の大幅な国債発行は、地方自治体の裏負担を増大させ、狂騰インフレに陥りましたが、ところが国の総需要抑制政策ということで起債と補助金が大変抑制されましたし、これで地方財政が危機的な状況に陥ったわけであります。  さらに三つ目の原因としては、総需要抑制政策と、さらにインフレ、この二つの進行する過程において、事業費支出の増大、膨大な超過負担、さらに総需要抑制で税収が大変減ってしまったということ、地方債の削減、諸経費の高騰、こういった収支バランスの絶対的な崩壊を招く中に地方財政危機ということがもたらされたと考えるわけであります。そこで、地方財政の危機をもたらした基本的な原因は、何よりも高度経済成長政策がつくり出したインフレであり、そして中央政府と地方自治体の間における財源配分の不公平にあると考えられるわけであります。  そこで、地方交付税、国庫補助金あるいは地方債の許可権などを中央政府に集中することによって、地方自治体を国の下請化し、そしてコントロールしている実態にメスを入れない限りは、今日の地方財政の危機を打開することができないということになると私は考えるのであります。そこで大蔵大臣は、現在の地方財政の状態をどう見ているか、また財政危機を招いた原因が一体那辺にあるのか、その点お尋ねしたいと思います。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 地方ばかりでなく、中央、地方を通じて、財政ばかりでなく企業の経営も個人の家計もおしなべていま非常にむずかしい局面に置かれておると思うのでございまして、苦しいのはひとり加藤さんのおっしゃる地方財政だけではないという判断を私はいたしております。  第二に、今日こういう困難を招いた原因はどこにあるかということでございまして、これはあなたは、中央集権的な財政、高度経済成長、デフレに基づく税収の減等がこういう悪化の原因ではないかというお説でございます。もしお説に従うといたしますならば、地方は少しも悪いことがないわけでありまして、全部他動的な要因によって今日の困難が招来されておるということになると思うのでありまして、私はそうばかりは見られないのではないかと思うのであります。地方も地方なりに、それなりに考えていただかなければならぬ面があるのではないかと考えておるわけでございまして、今日、過去を問うことよりは、これから先、どのようにまたお互いに協力して今日の困難を打開して明日を開いていくかということに、建設的な努力を払いたいものと考えております。

加藤清政日本社会党

○加藤(清政)分科員 与えられた時間が三十分しかありませんので、さらに大臣にお聞きしたいと思います。  大臣は、地方財政だけが苦しいのではなくして全般的に苦しいというもっともなことを言うのですが、しかし、地方自治がいかに大事なものであり、そして国民の生活、福祉要求に十分こたえられていくのが地方自治のやはりあり方ではないか、そのように考えるわけであります。特に地方自治体に対しては、その本質的な行政を進めるように、中央で大きく財政的な縛り方をしておるということを改めない限りは、地方財政の自主的なあり方というものはあり得ないと考えるわけでありますので、この点については、ひとつ大臣も、地方財政のあり方について十分御再考願いたい、そのように思います。  さらに質問を続けたいと思いますが、地方自治を尊重するという立場に立ちましたならば、不交付団体が全体のわずか一%に過ぎないわけであります。この実態を一体どう見るかということですね。たとえば全国に約三千七百地方公共団体がありますが、そのうちに不交付団体が約一%、三十団体程度でありますけれども、本来のあり方として、やはり不交付団体が税の上でもっとふえていかなければならないと思うわけでありまして、少なくとも半分程度の自治体が不交付団体になるような税配分にすることが必要だと思うわけでありますが、この点ひとつお聞きいたしたいと思います。  さらにそのために、たとえば国税、地方税の税源配分を五〇対五〇、半々にするとか、あるいは四〇対六〇にするという考えはないかどうか。現在でも、全国平均で国税が七〇、地方税が三〇の割合となり、それに国が一たん吸い上げて交付金とか国庫補助という形で地方へまた還流されてくるわけでありますので、地方への実質的な配分は、結局は七〇%程度になるわけであります。形式的な配分としては七〇対三〇であるけれども、実質的な配分としては、逆にそれが三〇対七〇というような比率になるわけでありますので、この調整財源分を国に留保するにしても、もっと四〇対六〇程度にできるはずだと思いますが、この点ひとつお聞かせ願いたいと思います。  さらに、もしこの税源配分の是正がむずかしいということであれば、現在、所得税、法人税、酒税、この国税三税のうち、地方交付税法で三二%が押さえられておりますけれども、この地方交付税の税率の引き上げをもっとすべきではないかと考えますが、この点のお考えをお聞きしたいと思います。  さらに、引き上げられないとすれば、一体どこにその根拠があるのか、その点をお聞かせ願いたいと思います。

高橋元大蔵省主計局次長

○高橋(元)政府委員 税源を国から地方に大幅に移譲すべきだという仰せでありますが、御質問のとおり、確かに現在、国税の中で地方の窓口を通じて出されるものと申しますか、それが七割に達しておることは事実でございます。そういう事実があるからということで、税源配分を改めまして、これをみんな地方に移譲してしまうということになりますと、課税権は各地方公共団体、三千七百の都道府県、市町村というものに帰属するわけでございます。したがって、それぞれの地方公共団体の間の経済力、公共団体相互間の税源の配分というものがまちまちでありまして、非常に格差が大きいということを考えますと、富裕団体と貧困団体との間の財政力の差というものは、税源の移譲によってますます開いてくるのではないか。住民に直結したと申しますか、住民の要求により近い段階の地方の行政というものの全国的な水準は、なるべく斉一である方が望ましいと考えますが、税源を大幅に移譲することによってかえってそのルールを乱すことになるのではないかというふうに考えるわけでございます。  しからば交付税率を引き上げたらどうだというお話でございますけれども、交付税率は、地方交付税法の規定によりまして、現在、毎年度分として交付すべき普通交付税の総額が、引き続き各地方団体について算定した額の合算額、これは基準財政需要額と基準財政収入額の差でございますが、合算額と著しく異なることとなった場合においては、地方財政もしくは地方行政に関する制度の改正または三二%の率の変更を行うものとするという規定が置かれております。したがって、現在の情勢が、引き続いて地方の需要のあり方、地方の財政需要及び財政収入の現状と交付税の総額との関係が食い違っているという状態にあるかどうかという判断に相なってこようかと思うわけでございます。  本年度の地方交付税、これは臨時沖繩特別交付金を含めまして二九・七%四十九年度予算より伸びまして、総額四兆四千二百九十五億円というレベルに達しております。この伸びは、交付税制度が二十九年度に始まりましてから二十年間なかった伸びでございまして、五十年度の地方財政を賄うためにはこの交付税率をもって十分である。もちろん冒頭に大臣からお答えがございましたように、すべて国も民間の経済も苦しいのを忍ぶその中での話でございますから、したがって、地方についても十全というわけにはまいりませんでしょうが、いま申し上げたような交付税の伸びをもって、また交付税の実額をもって地方の財政需要を賄って、富裕団体と非富裕団体との間の財政の格差を薄めるという制度の機能を果たしておるというふうに私どもは考えておるわけであります。

加藤清政日本社会党

○加藤(清政)分科員 本来、地方財政のあり方というものは、国からの地方交付税あるいは譲与税、国庫支出金というようなひもつきではなくして、税として配分され、本来の地方自治体というものの自主的な運営にまたなければならないと考えるわけでありますけれども、この点については、さらに地方財政の抜本的なあり方というものをひとつ御考慮願いたいと思います。  次に、東京都の場合ですが、交付税は税法の特例の規定、二十一条によって、いわゆる合算規定が適用されております。それがために二十三区で交付金が受けられないわけでありますが、この合算規定を廃止して他府県並みにする考えはないかどうか。たとえば大阪府と大阪市、神奈川県と横浜市、愛知県と名古屋市というように考えますと、県は不交付団体でありますが、市が全部交付団体であるというようになっておるわけであります。たとえば地方交付税を受けるのは、これはどっちかというと生活保護と同じようなわけでありまして、むしろ生活保護を受けない団体がふえることが望ましいわけでありますけれども、二十三区の場合を申し上げますると、都の場合に、都民一人当たり三十二万円、その内訳として地方税が八万五千円、国税が二十三万二千円納めておりますが、都の地域で使われる配分は十万円で、三十二万円納めておるわけでありますけれども、実は十万円しか使われないという実態であるわけで、大分この点ではいわゆる差別がひどいわけであります。したがいまして、当然、地方公共団体として二十三区は交付団体にすべきであると考えられるわけであります。  さきの七十二通常国会におきましても、地方自治法の一部が改正になり、区長が公選になると同時に、都が抱えてまいりました百七つの事務、事業が全部特別区に移管されるというようなことで、事務、事業が、身近なところで身近な仕事を処理するという民主主義の原則に立って行われるということになったわけですが、仕事がおりたけれどもそれに見合う財源がないというのが、非常な悩みであるわけでありまして、仏つくって魂入れずというようなことは、まさにこのことであろうと思うわけであります。  このように考えてまいりますると、一つ東京の場合だけはこのような合算規定があるわけでありますので、したがって、区ごとに交付税の計算をしていくべきではなかろうかと考えるわけでありますが、このことについてのお考えをひとつお尋ねしたいと思います。

高橋元大蔵省主計局次長

○高橋(元)政府委員 東京都とその中の特別区の関係でございますが、東京都は、単なる府県に当たる行政をやる団体としてあると申しますよりは、むしろメトロポリタンエリアと申しますか、大都市制度の一環でもあるというふうに考えておりまして、都と特別区という制度は、相あわせまして一丸となって、合理的、効率的な地方財政運営が図られるような制度として把握しておるというふうに考えております。東京都は府県の性格と市町村の性格と両方を兼ね備えておりまして、特別区は東京都の中心部ということで、一体的な市街化区域でありますから、そこでの行政の一体性を確保しつつ市の事務の一部を行う特別地方公共団体ということでありまして、通常の道府県とは異なっておる、特別区もまた通常の市町村とは異なっておるというふうに理解しております。  特別区の区域内で、消防なり下水道、廃棄物の処理等の仕事は都がやっております。これも一般の府県と市町村の事務配分と違うところであります。それから税源につきましても、市町村民税の法人税分、固定資産税、都市計画税は都が課税しております。申し上げましたような都と区の一体性に基づきまして、区相互間及び特別区と都の財源均衡からの特別財政調整交付金というものもある。そういうことで、都と区を切り離して別個の団体として交付税を取り扱うということはしないという考えを持っております。

加藤清政日本社会党

○加藤(清政)分科員 いま、東京都の一元化、一体化を損ねないように特別区との行政を行うというようなことで御答弁がありましたけれども、大体、東京都というのは、昭和十九年に、東京府と東京市が帝都、首都東京ということで、都制官制によって、戦争目的完遂のために東京都制というものが発足されたと私は考えるわけでありまして、東京府の府県としての包括的地方公共団体と、東京市の基礎的な地方公共団体としての複合的なあり方が、地方行政の本来の姿ではなかろうかと考えるわけであります。したがって、今度地方自治法が改正になって、特別区も市と同様の権限が与えられて事務を処理するということになりましたので、少なくとも、完全自治体としての特別区のあり方というものが本来の姿ではなかろうか。東京都がいわゆる府県行政をやり、そして二十三区が特別地方公共団体としての位置づけの中に、事務、事業の配分、あるいはそれに伴う財源の配分というものがアブノーマルになっておるのではなかろうか、このように考えるわけであります。たとえば鳥取の場合には六十五万くらいの人口規模であるけれども、東京の世田谷では八十万から八十五万、財政規模も二百億。少なくともそういう特別区の歴史的な伝統的なあり方について認識を新たにしていただいて、この東京都と特別区の関係というものをお考え願い、そして合算規定というものを廃止して、東京都と特別区との交付税制度というものも抜本的にひとつお考えを願わなければ、いつの日か、二十三区に事務、事業をおろしたけれども、財政的ににっちもさっちもいかないということになるわけでありますので、この点十分お考えおき願いたいと思います。その点について、ひとつ御質問したいと思います。

高橋元大蔵省主計局次長

○高橋(元)政府委員 都とその中の特別区というものが、実体的には一つの固まった都市として機能しておるわけでございます。その中の特別区を一つ一つの市とみなして交付税の計算をする、それから都は府県として交付税の計算をする、そういうことにはなじまないということは、先ほどお答えを申し上げたところで御理解を得たいわけであります。また現実に、府県、市とはそれぞれ異なった事務配分なり税源の配分を受けておるわけでもございます。  それでは、都と特別区の財政需要額の計算が、先ほどにもありましたように、合算制度によって非常に不自由になっておるかということでございますけれども、自治省から私ども聞いて勉強しておりますところでは、過密対策とか昼間流入人口対策、公害対策、交通安全、これなどは、都及び特別区の財政需要を考慮に入れて、普通、態容、補正とか投資補正とか密度補正ということをやって、割り増し算入をやっておるという話でございます。東京都については、行財政需要の特殊性について十分そのように配慮しつつ、なお不交付団体として現在制度上あれしておる問題もありますので、算定方式の不合理ということは考えておりません。

加藤清政日本社会党

○加藤(清政)分科員 起債の許可のことについてお尋ねしたいと思うのですが、特別区の起債の許可権は、地方自治法施行令の第百七十四条の規定によりまして自治大臣が持っておりますけれども、この特例を廃止して都知事の権限とすべきであると考えますが、この点についてどう考えるか。また特例を廃止できない根拠は何かということであります。たとえば東京都の場合に、起債の許可率が、昭和四十六年度は八七・四%、昭和四十七年度は七二・五%、昭和四十八年度は一挙に落ちまして四八・二%と許可率が非常に低下して、昭和四十九年度はどのくらいかと言いますると、現在では一三%程度であるわけであります。    〔阿部(助)主査代理退席、主査着席〕 東京都は負担能力が大変あると思うわけでありますけれども、この当分の間起債の許可権を留保するというようなことで、もうすでに四分の一世紀たっておるわけでありますが、この起債の許可権を抑えている当分の間とは一体どのくらいを指すのかということをお聞きすると同時に、この特別区の起債の許可権を都道府県知事に与えるべきではなかろうかということを考えるのですが、この点いかがでしょうか。

吉瀬維哉大蔵省理財局長

○吉瀬政府委員 確かに御指摘のように、地方自治法の二百五十条で、当分の間、いろいろ起債の許可制度、これは自治大臣にあるわけでございます。ただ、先ほど来、地方財政一般の御質問について主計局側から答弁がありましたとおり、東京都と特別区が財政の運営において唇歯輔車といいますか、一体不可分の運営状況にある、そういうようなことからこの特例が存続されておるということと私ども考えております。  なお、当分の間と書いておりながら四半世紀が経過いたしました、これはいつまでかという御質問でございますが、御承知のように、現在の地方債の全体が計画内でも二兆八千三百億に達しておるというような膨大な資金量でございますし、その一部につきましては、ほぼ六〇%ほど、これは理財局の方の資金運用部資金で充当しているというような状況に一もございますので、これだけの膨大な資金量と相なりますと、やはり全国的にバランスのとれた運用をやっていかないと、地方によりましては資金が偏在しているとか、あるいは起債能力に応じてこれをやりますと、やはり民間資金の実情等もございますし、これのバランスを図るというような面、それから地方財政計画全般から言いまして、これは後年度負担に必ずかかわる問題でもございますので、やはりそこら辺の調整を図っていく必要がある。また貸し手たる資金運用部資金といたしましても、資金運用部資金の本年五十年度の全体の財政投融資計画の一八%にも地方債の引き受けが及ぶ、こういうような状況でもございますので、ここら辺は限られた資金を迅速に公平に分配するというような意味におきましても、許可制度とそれに応ずる協議制度というものは、なお当分必要ではなかろうか。この当分ということになりますと、先ほど加藤委員御質問のとおり、地方財源の全般の配分計画につきまして、非常にむずかしい問題ではございますが、何らかのその孤立的なめどがつくというような状況が到来した場合だと思いますが、現状のところはそのように考えています。

加藤清政日本社会党

○加藤(清政)分科員 どうもかみ合いませんが、一体、一般財源に占める公債費の比率ではどの辺が適当と考えられますか。全国平均ではどのくらいになるか、その点もお聞かせ願うのと、大体、制度的には起債制限が二〇%ぐらいということを聞いているのですが、東京都の場合は、四十九年度でも六%台の比率でありまして、起債許可を渋る理由はないと思うわけでありまして、このように、東京都のような負担能力があり、そして六%台の比率であるにもかかわらず、さっき申し上げましたように、非常に起債許可額が年々累減しておるというような実情にかんがみて、これはまさに革新都政への締めつけではないか、どうも意図的なふうに考えられるのですが、その点どうでしょう。

吉瀬維哉大蔵省理財局長

○吉瀬政府委員 具体的なその起債許可の運用、私ども協議を受けておりますが、これは自治省当局の御見解も伺わなければいけないと思っておりますが、ことに意図的に起債の許可率を低下させているというようなことは、私ども考えておりません。  ただ、現在、御質問の四十九年度における起債の許可でございますが、御承知のように東京都は、財政事情といたしまして、財源超過額が著しく前年度に比べて減少したというような不交付団体の範疇に入っていないというような指摘もございますし、そういうような面で、起債額を認めていきますと、やはり赤字解消のための新規の起債許可というようなことになります。そういう点で、財政再建の基本的めどを見きわめながら、私ども自治省当局と相談しながらやってまいりたい、こう考えているわけでございます。

加藤清政日本社会党

○加藤(清政)分科員 時間が参りましたので、また二十七日の自治大臣への質問のときに譲りたいと思いますが、東京都の場合に、首都東京としてのはかり知れない行財政を必要とするわけでございまして、しかも東京都の場合には、日本の行政の顔としての国際的な場合も考えられるわけでありますので、革新都政だからということで、いままで質問したように、当然来なくてはならないものが何か制限されておったりいたしまして、はなはだ不満でありますので、こういう点は、ひとつ東京都の置かれた立場というもの、また、首都東京としての行財政のはかり知れない需要度の高さというようなことも十分お考え願いまして、格段の御考慮をお願いしたいということをお願いしまして、質問を終わりたいと思います。

前田正男自由民主党

○前田主査 これにて加藤清政君の質疑は終わりました。  次に田中昭二君。

田中昭二公明党

○田中(昭)分科員 本年度の経済もゼロ成長の中で不景気が続いておりますが、そのために企業の資金繰りも悪い。その影響を受けてでしょう、企業の法人税の納入が大変低下しておる、落ちておるというように聞いておりますが、また先日からは「税収の伸び、大幅に鈍る 歳入欠陥生じるか」、こういう大きな見出しで新聞記事が出ておりますが、これについて、落ちていることを認めていただければ結構ですが。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○中橋政府委員 本年度の税収、今日までわかっておる状況でございますけれども、昨年の十二月末日におきます税収を見てみますと、前年同月に対しまして一般会計の税収は五・五%の伸びを示しております。いわゆる前年度の決算に対します進捗率と、今年度の補正予算の金額に対します進捗率とを見てみますと、まだプラス二・五ということになっておりますが、一つ一つの税目を見てまいりますと……(田中(昭)分科員「法人税だけ。ほかのはいいです」と呼ぶ)法人税について見ますと、前年同期比、たとえば十二月におきましては一四・三%の伸びを示しております。ただ、もちろんそれまでの事情、毎月の事情と比べて見ますと、若干は落ちてきておるという事情は見られます。

田中昭二公明党

○田中(昭)分科員 そういう不況の中で、昨年末に大型の補正予算を組んで、法人税の税収も大きく増大を図られました。この理由は何ですか。私が言うたことに答えてくださいよ。一般的なことは要りませんから。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○中橋政府委員 当初予算につきましては、毎年のことですが、政府がつくっております経済見通しの伸びに準じてつくっておるわけでございますが、それが昨年の年末近くにおきますところの経済の実勢というようなものから判断いたしまして、法人税について見ましても、かなり当初予算に見ましたよりも伸びが大きかったわけでございます。

田中昭二公明党

○田中(昭)分科員 いや、伸びが大きかったが、その伸びが余りにも多過ぎたために、法人税収がずっと伸び率が低下していると言うんですよ。補正後にしましても前年決算額の三割近い増です。こういうことじゃ、ここに新聞報道されておるように、もしも歳入欠陥を生じたらどうしますか。財政の見通しの誤りじゃございませんか。簡単に。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○中橋政府委員 法人税だけについて見ましても、たとえば、六ヵ月決算法人でございますとか、あるいは一年決算法人の申告状況を、補正段階まで見てみたわけでございます。それはかなり当初予算の見込みよりも上回っておった、その実績を実は入れたのが一つでございます。それから、その後におきますところのいわば下期における伸びを見込んで法人税の補正額を計上したわけでございます。

田中昭二公明党

○田中(昭)分科員 それじゃ今度は源泉所得税でいきますが、本年度の源泉所得税は、昨年の十月ごろから、先ほど言われた前年同月対比、この伸びがずっと低下しております。そういう中で当初予算額よりも補正で六千七億円もの増額を見たのです。こういうことで歳入確保が大丈夫ですか。大丈夫なら大丈夫だけでいいですよ。いろいろ説明は要らないです。源泉所得税で歳入確保ができるかどうか。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○中橋政府委員 源泉につきましては、当初の見通し、一八%給与が伸びるであろうということが、あの春闘で三〇%伸びたのを勘案して入れたわけでございます。源泉所得税につきましてはもちろん、利子、配当もそのほかに入っておるわけでございますけれども、まだあと三月間分ございますけれども、おおむねこれは順調に入るのではないかという見通しを持っております。

田中昭二公明党

○田中(昭)分科員 入れば結構です。見ていたいと思います。  それじゃ昭和五十年度の租税収入の中で、源泉所得税の収入は幾らで、いまの利子、配当全部除いて、その中で給与所得者の人員、一人当たり、給与総額の伸び率は幾らか。おのおの四十八年、四十九年についてもお答え願いたい。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○中橋政府委員 五十年度の源泉所得税の中で給与の分は、賃金が一七%上昇するという政府見通しに準拠いたしまして源泉所得税の給与分の収入見込みを立ててございます。納税者数は改正後におきまして二千七百五十一万人を見込んでおります。それから利子につきましては一八%、配当につきましては五%伸びるという見通しでございます。

田中昭二公明党

○田中(昭)分科員 私が言うたことに答えてくださいよ。簡単でしょ。  給与所得のこの人員と、一人当たりと、給与の総額の伸び率は幾らですかと聞いたのです、四十八、四十九、五十年。  じゃ私がデータを申し上げましょう。それで確認だけしてください。給与所得の伸び率は、源泉所得税は四十八年が人員で二%。いいですね。一人当たりで一五。給与総額で一七%。給与総額一七%でしょう、四十八年の見積もりは。いいですね。四十九年が一八、いいですね。五十年が一八。これは認めて一もらいました。  そこでもう一つ聞いておきましょう。四十八年、四十九年、五十年度の給与の総額と、それに対する税収。四十八年は実績で出ておると思いますから、実績と見込み額は幾らですか。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○中橋政府委員 五十年度におきましては、給与総額は六十八兆七千三十億円と見込んでおります。これに対しまして四十九年度は五十八兆二千三百二十二億円と補正で見込んでおります。四十八年度におきまして、源泉分所得税は三兆五千四百二十億円でございます。その中で給与と利子配当の分というものが分別できておりません。

田中昭二公明党

○田中(昭)分科員 簡単なことなんですよ。四十八年度の給与の総額とその給与所得者の税収を聞いているのですから、それがどうして、もう三遍ぐらい注意しなければまともな答えできないじゃないですか、一貫して。四十八年度の給与総額と給与所得から上がった税額は幾らですか。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○中橋政府委員 現在、手元に四十八年度分の源泉のうちで給与だけに対しますところの所得税額ちょっと持っておりませんので、すぐさま聞きます。

田中昭二公明党

○田中(昭)分科員 それではこれも私が言って確認してもらいます。大臣、ひとつ聞いておってくださいよ。このくらいのことが一々答弁できないようじゃ困りますよ。質問続けられませんよ。  五十年度は見積もりはちゃんと出ておるじゃないですか。給与の総額は六十八兆七千億、切り捨てまして。そうでしょう。これに対して給与所得者の税収は三兆四千三百億、間違いないでしょう。給与の総額は六十八兆七千億でしょう。そうしますと、それは給与に対して大体五〇%の税額ですね。それも間違いないですね。給与の総額に対していまの三兆四千億は五〇%ですか。認めてくださいよ、間違いじゃないんだから。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○中橋政府委員 五%でございます。

田中昭二公明党

○田中(昭)分科員 五%だ。これは私が間違えた。  そこで今度は四十九年度は何ぼですか。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○中橋政府委員 四十九年度当初におきましての見積もりでは、給与総額四十九兆五千四百八十七億円に対しまして税収見込みは二兆一千八百八十億円でございます。(田中(昭)分科員「それは約何%ですか」と呼ぶ)約四%ぐらいです。

田中昭二公明党

○田中(昭)分科員 次に、五十年度の源泉所得税の見込みは、大体前年の当初予算に対して一兆二千億、これだけふえているのです、四十九年よりも。そういう見積もりになっているのです。約四割六分です。四十九年は不況だったのですね。五十年も大体あんまりよくないでしょう。このときに源泉所得税だけで四割六分ふえるという伸び方は、これはちょっと過大見積もりじゃないですか、どうですか。そうであるかないかだけ答えてくださいよ。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○中橋政府委員 まず四十九年度の当初に対して言われますと、当初一八%の給与の伸びを見ましたのに、春闘等で三〇%とまず伸びたわけでございます。さらに、そういう実績に対しまして五十年度はなお一七%伸びるということにいたしましたから、かなり給与の伸びがまず見込まれるわけでございます。その上に、所得税は累進構造が非常に高うございまして、いわゆる弾性値が高うございますから、かなり現行法のもとにおきましては伸びるわけでございます。

田中昭二公明党

○田中(昭)分科員 そういうことだけじゃ納得できませんよ。しかしこれは議論していましても仕方がありませんから、もう少し聞いてみましょう。  先ほどの資料を配ってください。——こちらの経企庁の発表になっておりますこれを見てください。大臣、いまから申し上げることは、資料を配りますが、国民所得の計算が出ております。その中に雇用者所得の一人当たり対前年伸び率、いまお配りしました二枚つづりの二枚目、これは経企庁の資料です。このまん中の一人当たり雇用者所得ですね、この伸び率は、四十八年は下から二番目ですが、御存じのとおり二二・二%、四十九年が二七・二%、これは見込みですけれども。そうしますと、先ほどの税収の見積もりでは、それぞれの年度は、四十八年度が一七、四十九年度が一八、五十年度も一八、こういう伸び率になっています。これで、税収の見積もりの一人当たりの伸び率から見ますと、五十年度は少なくともこの雇用者所得は二五%以上、二七%からになると思いますが、どうでしょうか。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○中橋政府委員 経企庁でつくりました政府の経済見通しにおきましては、雇用者所得の伸びは一七%でございますので、それによったわけでございます。

田中昭二公明党

○田中(昭)分科員 そうじゃないのですよ。四十九年度が一八%伸びを見て、一人当たり雇用者所得は二七%になっているじゃないですか。そうすれば、五十年度は一八%の同じ伸びを見れば二七%前後になるのじゃないですか、こう聞いているのです。わからぬならわからぬと言ってください。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○中橋政府委員 当初の予算に対しまして、たとえば四十九年度は一八%伸ばしましたものが、実績として二九%なら二九%、三〇%なら三〇%伸びたということは、それはそうでございますが、五十年度の給与の伸びを見ますにつきましては、やはり経企庁のつくります四十九年度の実績見込み対五十年度が一体どのくらいに給与が伸びるであろうかということを見ますと、一人当たりの雇用者所得は一七・一%伸びるということでございます。

田中昭二公明党

○田中(昭)分科員 そうじゃないのですよ。そういう説明をされてもいいですけれども、あとでそれは記録に残っておりますから。あなたの言うのは、自分のつくった数字にこだわっているからそうなんです。大臣、常識的に聞いておってください。四十九年度税収を見積もるときには、一八%伸ばして、そうして先ほど言われたような源泉所得税でも、三割から四割の伸びを見ておったというわけです。五十年度も税収見積もりでも同じ一八%伸ばしたというのです。その四十九年度の税収の伸びを支えているものは、実績から見て一人当たり雇用者所得は二七%伸びるであろうということがいま出ていると言うのです。それならば五十年度も当然それに近い伸び率じゃないですか、こう言っているのです。これはそうなりますよ、過去の実績から見ましても。ずっと見てください。雇用者所得が大体三〇%くらい伸びたときには、一人当たり雇用者所得は二七、八%前後の伸び率です。そうしますと、そのくらい伸びても、これは五十年度の三兆四千億という給与所得者だけからの源泉税額、それでは取れますか。入りますか。総体が三〇%伸びて、一人当たり雇用者所得が三〇%近く、二七、八%伸びて、そうして三兆四千億が入りますか。あなたは専門家だから、その感じだけ言ってください。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○中橋政府委員 当初対当初の伸びということをまずお考えいただきたいのでございます。それから当初の伸びとそれを上回る実績の伸びが違いがあるということも、過去においては確かにそのとおりでありました。しかし常に一七%仮に伸びたときには、実績として二七%になるから、ことしも政府の当初見通しによりまして一七%だから、それだけの上回る実績が示されるということもまた言えないわけでございます。ただ、むしろいまおっしゃいましたのは当初対当初の伸びで、非常に源泉所得税の伸びを見ておるのじゃないかという御質問でございますか、それは当初の経済見通しなり、それに基づきました税収よりも、当初対四十九年度の実績見込みというのが非常に伸びております、それをかなり補正で見ましたということでございます。そのまた実績見込みに対しまして、経済見通しによりますところの一七%なら一七%の伸びを見たということでございます。

田中昭二公明党

○田中(昭)分科員 見積もりの税収が仮に確保されるとしますと、一人当たり雇用者所得——それではもう一遍、大臣、この経企庁の数字を見てください。一番下の四十九年度は、ベースアップが三三%近いんですね。そうして雇用者所得は二七%でしょう。そうしますと、税収の見積もりがどうであろうとも、税収の見積もりは四十九年対五十年というのは一兆円から違うんです。一兆円ぐらい多いんです。大臣、わかりますか。そうしたら、この四十九年ぐらいの伸びに実績はなるでしょうと私は言うのです。当然そうじゃないですか。私は概算で言いますよ。四十九年度よりも給与所得者に対して一兆円以上の税金を納めてもらおうというならば、四十九年度実績がこれが二七%出ておれば、これ以上にならなければ税収が入らないじゃないですか。大臣、どうでしょうか、常識的な話として。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○中橋政府委員 五十年度に見込みましたのは、いまおっしゃいましたように、四十九年度の給与が当初の見積もりをかなり上回って入ってくるというのをベースにしまして、さらにその上に四十九年度対五十年度は一七%なら一七%伸びるということで見ておりますから、当初対当初でごらんになればかなり伸びておる。ですから、そのことはちゃんと見ておりますということなんでございます。

田中昭二公明党

○田中(昭)分科員 どうも主税局長さん、自分のつくった数字ばかりにこだわってやるからそうなるんですね。いいですか、いまのように四十九年度、そういう一七%なら一七%、一八%なら一八%でもいいのですが、それで当初見積もって、そうしていま経企庁がここに出しているような一人当たり所得が二七%これは伸びるでしょう、これも見込みですけれどもね。それならば、それをもとにして五十年度見積もって、伸び率は大体同じと見て、税金だけが、四十九年度は二兆一千億を三兆四千億、大まかに言いましても一兆二千億もふやしたわけですよ、ふやして見ているわけです。いいですね。  もう一遍言います。四十九年度税収見積もりは一八%と見た、総額全体のふえ方は。それで実績がこう重なってきて、あと二ヵ月残っておりますけれども、経企庁の試算によりますと、一人当たり雇用者所得は二七%伸びますと。ですから、その四十九年度の二七%の基礎になった税収の二兆一千億よりもさらに一兆二千億多く税収を見込んでおるならば、当然二七%以上になるのじゃないですか、こう私は言っているのです。どうですか。——いや、もうあなた、いいですよ。大臣にお聞きするんだ。こっちから聞いたときはまともな答えをせぬでおいて、だめですよ。あなたに聞いているんじゃないもの。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○中橋政府委員 数字でございますので私から答えさせていただきますが……。

田中昭二公明党

○田中(昭)分科員 数字は、あなたまじめな答えしなかったじゃないですか、先ほどから質問しているけれども。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○中橋政府委員 数字でございますので、私から答えさせていただきますが、おっしゃいましたように、たとえば四十九年度当初で一八%伸びを見込んでおったのに、実績として二七%になるであろうということは確かでございます。しからば、五十年度は一七%見込んでおるのに、同じように二七%になるかどうかというのは、これは今後の問題でございます。果たして去年一八が二七になったように、五十年度に一七が同じく二七になるということはまた保証しがたいのでございます。そこに違いがあるわけであります。

田中昭二公明党

○田中(昭)分科員 だから、幾らぐらいになりますかと、こう聞いているんじゃないですか。四十九年度よりも一兆二千億も給与所得者から税金をいただこうとしておるならば、所得の伸びが前年の伸びか、それ以上でなければできないじゃないでしょうか。それは何ぼ伸びるか、神様でない以上わかりませんよ。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 でございますので、見積もりといたしましては、一七という数字をとってはじいた見積もりがいま予算に載っておるわけでございます。ことしの五十年度は幾らになるかというのは、一七%伸びるであろうという前提ではじいたわけでございます。

田中昭二公明党

○田中(昭)分科員 いや、一七%で見たら——一八でも一七でもいいですよ。見たところが、一人当たり雇用者所得は本年度は二七%伸びたというんですよ。ことし同じ税収で伸び率を見るならば、その一人当たり雇用者所得はどのくらいになりましょうかと、こう聞いているのです。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 それが一七%だという前提で……

田中昭二公明党

○田中(昭)分科員 税収じゃないですよ。一人当たり雇用者所得ですよ。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 雇用者所得は、そういう一七%という政府の数字をベースにして見積もりを立ててありますということでございます。

田中昭二公明党

○田中(昭)分科員 だから、税収はそれで見積もらせていいですよ。いいが、一人当たり雇用者所得は、四十九年度も二七%伸びておるのですから、五十年度はどのくらいになりますかと、こう聞いているのです。それよりも低くはならないでしょうと私は言っているのです。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 あなたの言われるように、四十九年度に二七にもなりましたね。だから、そういうベースが高くなったものの一七%になるわけでございますから、税収として弾性値もこれあり、主税局の見積もりのような数字になるものと私は思います。

田中昭二公明党

○田中(昭)分科員 もうそれではどうしようもないですね。見積もりが違うと言えば、私もずっといままで指摘してきたのですけれども、もう時間がありませんから、一般会計の歳入の面の税収、これは見積もりと決算額を比較すると相当の差があるんですよ。そこに資料を上げておりますから見てください。ずっと数字を書いたものですね。大体主税局長、間違いありませんね、この数字には。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○中橋政府委員 この数字を拝見しまして、しさいに見たわけでございませんけれども、ちょっと、たとえば四十八年度の決算マイナス当初予算二兆三千八百六十九億円となっておりますが、この数字は、四十八年度は二兆二千八百六十九億円ということで、二兆三千じゃなしに二兆二千という数字がございますけれども、そういうところがちょっとありますが、およその傾向としてはこの数字だろうと思います。

田中昭二公明党

○田中(昭)分科員 一つ数字を見つけてもらいましたから、それはそれとしまして……。大臣、私がここに提示しておりますのは、ちょっと印刷が悪いですけれども、何を言っているかといいますと、当初の見積もりと決算額をずっと過去十年間比較しますと、四十六年度までは、補正もありますけれども、補正してみてもまだ決算額では大体収入が多いんですね。ここで挙げておる数字でいけば、四十年と四十六年が減額補正ですから、それを除きますと、当初予算と補正との差額は大体〇・八%、千億円に対して八億円、こういう差があるのです。ところがここの印刷でいけば、下の方に書いておりますけれども、これはちょっとわかりにくいからあれですが、数字からいけば、右の上の方の五・六%というんですね、これが当初予算との差額を見ると、〇・八%くらいになる。それで四十七年以降、田中内閣以降、その同じ当初予算と決算額を見てみると一四・六%になるのですね。その差が一けた違ってきているのです。これはどういうことでしょうかね。どういうふうにお感じになりますか。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○中橋政府委員 四十一年度以降をおまとめになりまして、四十一年から四十五年までと、それから四十七年から四十九年までのいわば当初予算対決算の割合というのは確かにこういう数字になっておると思います。ただ、こういうふうにまとめてごらんになりまして、確かにそういう差はあるのでございますけれども、やはり各年各年それぞれ見てみますと、いろいろ事情があるようでございます。特にけたが違ったという御指摘のございます昭和四十七年度あるいは四十八年度、四十九年度はこれからでございますから、見てみますと、一つは非常に土地の譲渡所得による収入が、当初予算はもとより、補正をしました金額をかなり大幅に上回ったという事情がございます。それからもう一つは、法人税、特に一年決算法人につきまして、当初予算はもとより、補正予算に比べましてもかなり収入が好調であったという部面がございまするので、この四十七年、四十八年、それにいま進行中の四十九年を入れられました率のけた違いというのが出てきたと思っております。

田中昭二公明党

○田中(昭)分科員 国民から税金を納めてもらうのに、そんなけた違いが出てきましたというふうな説明だけでは私は納得しません。しかし、これは数字の問題ですから、はっきりすればすぐわかることです。時間も委員長に大変延ばしてもらっているようでございますし、まだ入らない問題がございますけれども、最後に私は現段階で、税収の問題とは違いますが、庶民感情としてぜひ聞いておかなければならないことがあります。  例の田中金脈問題で、大体調査が終了した、こう聞いておりますが、報道されたところによりますと、このたびの調査の結果は調査とは言えないと言う人たちがおりますが、大臣はどう思われますか。今度の調査は調査でないと言う人たちがおるのですけれども、どうでしょうか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 東京局、関信越局両方にまたがる相当数のエキスパートを動員しての調査でございまして、国税当局といたしましては、そういう粗漏な調査をいたした覚えはございません。

田中昭二公明党

○田中(昭)分科員 こういうことを言う人がおるのですね。事前に、あそこが漏れているじゃないか、ここが漏れているじゃないかと警告して公表されて調査するのじゃ、本当の調査はできないと。こういうたとえを言うのですよ、澄んだ水の池にコイはおった、そのコイをぱっとおどしたところが、水が濁ってコイが逃げてしまってつかまらないじゃないか、それと同じだ、そういうことが言われておる。そういうことであるならば、公平な納税という社会的背景からも重大な問題であると思いますが、大臣、いかがお考えになりますか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 すでに国会の御論議、新聞雑誌等でいろいろな資料が出たわけでございます。税務の場合におきまして、そういう間接資料ばかりでなく、いろいろな資料につきましては、大変神経をとがらして税務当局は見ておるわけでございまして、そういった資料を追跡いたしましてこれを見直していくということは当然の任務でございます。そういった間接資料が前もって世間に流布されておったから調査が非常にやりにくかったとかなんとかいうようなことは、私は聞いておりません。

田中昭二公明党

○田中(昭)分科員 先ほど私いろいろ数字のことを申し上げまして、そのために中身に入れませんでしたけれども、もう時間も来ましたから、きょうはこれで終わっておきます。

中橋敬次郎大蔵省主税局長

○中橋政府委員 先ほど御要求の数字でございますが、おくれましたけれども申し上げます。  給与総額四十八年度四十三兆五百六十八億円、それに対します税収見込み、もちろん全部当初でございますが、二兆二千六百四十三億円でございます。

前田正男自由民主党

○前田主査 これにて田中昭二君の質疑は終わりました。  次回は、明二十五日開会し、外務省所管について審査を行います。  本日は、これにて散会いたします。     午後五時四十六分散会

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