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75回国会衆議院1975/02/27

予算委員会第四分科会 第4号

発言数
473
登壇者
44
会派数
5
開催日
1975/02/27

会議録

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 これより予算委員会第四分科会を開催いたします。  昭和五十年度一般会計予算及び昭和五十年度特別会計予算中、農林省所管を議題といたします。  まず政府から説明を求めます。安倍農林大臣。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 昭和五十年度農林関係予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  最初に、各位の御協力を得て御審議をいただくに当たりまして、予算の裏づけとなっております農林水産業施策の基本方針について申し上げます。  まず、農業につきましては、最近における農産物の国際需給の動向にかんがみ、国民食糧の安定的な供給確保を基本とした諸施策の積極的な展開が重要であります。  このため、国内で生産が可能なものにつきましては、生産性を高めながらできるだけその生産振興を図ってまいる所存であります。このような観点から、まず、農業生産基盤の整備につきましては、公共事業の抑制方針のもとにあっても、できる限りその重点的、効率的な推進に努めることとしました。  次に、麦、大豆、飼料作物等につきましては、引き続き生産振興奨励措置を講ずることとしておりますが、特に、麦及び飼料作物について、水田裏の利用増進に重点を置いて施策を強化することといたしました。飼料生産対策につきましては、このほか、粗飼料の増産を緊急に促進するための総合対策事業を新たに実施することとしております。  また、畜産物、野菜、果実等につきましては、それぞれ、生産対策を強化するとともに、牛肉、鶏卵、野菜等についての価格対策の強化、ウンシュウミカンの需給安定対策の実施その他流通加工にわたる各般の施策を拡充強化することとしております。稲作につきましては、引き続き、稲作転換対策を実施することとしておりますが、最近における米穀の需給の動向等にかんがみ、十分な余裕を織り込んだ政府在庫の造成に配慮しつつ、稲作転換対策数量を設定いたしました。  以上のほか、特に、生産体制の整備を図る観点から、農業構造改善事業における生産基盤の整備等を推進するための特別措置を講ずることとしております。  一方、飼料穀物、大豆、木材等国土資源の制約等から見て相当部分を輸入に依存せざるを得ない農林産物につきましては、これを安定的に確保するため、備蓄対策を引き続き拡充実施するとともに、国際協力の観点に立った海外農林業開発に対する総合的な協力支援を強化することといたしました。  また、今後のわが国農業の発展のためには、農業の中核的な担い手の育成確保を図ることが重要であります。このため、これが対策として、金融措置を含め、諸施策を強化することとしております。  このほか、農村環境の整備、山村対策等につきましても、その充実に努めました。  さらに、生産者の所得確保と消費者の生活安定を図るため、食料品の価格の安定と消費者対策の充実に努めるとともに、中央、地方を通ずる卸売市場の計画的な整備を行うなど流通加工の合理化、近代化を推進することとしております。  以上の措置とあわせ、農業近代化資金の貸付枠の大幅拡大を初め、農林漁業金融の拡充にも努めております。  次に、森林・林業施策につきましては、国土の保全等森林の持つ公益的機能に対する国民的要請の高まり、木材の安定的供給の必要性の増大等に対応して、林業生産基盤の整備、国土保全その他森林の持つ多角的機能の維持増進、林業構造の改善、林産物の流通加工対策等各種施策の拡充強化を図ることといたしました。  水産業につきましては、漁場環境の悪化、国際規制の強化等内外の厳しい諸情勢に対処して、水産物の供給の確保を図るため、沿岸漁業の振興、漁業生産基盤の整備、水産物の価格、流通加工対策、新漁場開発、海外漁場確保対策、漁場環境保全対策等各般の施策を推進することといたしました。  以上、申し述べました農林水産業に関する施策の推進を図るため、昭和五十年度農林関係予算の充実を図ることに努めた次第であります。  昭和五十年度一般会計における農林関係予算の総額は、総理府など他省所管の関係予算を含めて二兆一千七百六十八億円であり、前年度の当初予算と比較して一一九%、三千四百七十九億円の増加となっております。  以下、この農林関係予算の重点事項につきましては、委員各位のお許しを得まして説明を省略させていただきたいと思います。  よろしく御審議くださいますようお願いを申し上げます。

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 この際、お諮りいたします。  ただいま安倍農林大臣から申し出がありました農林省所管関係予算の重点事項の説明につきましては省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     —————————————     〔安倍国務大臣の説明を省略した部分〕 以下、予算の重点事項について御説明いたします。  最初に、国民食糧の安定的確保に関する予算について申し上げます。  国民食糧の安定的確保に資するため、まず、国内生産体制の強化を図ることとしております。このため、農業生産基盤の整備につきましては、できる限りその重点的、効率的な事業の推進に努めることとし、基幹かんがい排水事業、畑地帯総合整備、農用地開発公団を中心とする農用地開発、農村の総合的整備等に重点を置き、総額三千五百九十五億円を計上いたしました。  次に、麦、大豆、飼料作物の生産振興につきましては、引き続き生産振興奨励措置を講ずることとしておりますが、特に、麦及び飼料作物について、水田裏の利用増進に重点を置いて施策を強化することとしました。また、新たに、なたねについても生産振興奨励補助金を交付することとし、これらに必要な経費として総額百八十六億六千九百万円を計上しております。  次に、畜産の振興対策について申し上げます。  まず、飼料対策につきましては、草地開発事業等の推進、飼料作物の生産振興奨励、配合飼料価格安定特別基金の強化等の措置を講ずるほか、新たに、粗飼料の増産とその効率的な利用を緊急に促進するため、緊急粗飼料増産総合対策事業を実施することとし、これに必要な経費三十一億七千六百万円を計上しております。  また、酪農及び肉用牛対策につきましては、資源の維持増大と飼養規模の拡大を図るため、乳用牛資源確保対策、肉用牛生産団地育成事業等の推進を図るとともに、豚鶏対策につきましても、引き続き各般の事業を実施することといたしております。  さらに、畜産経営をめぐる環境問題に対処するため、環境保全集落群育成事業を拡充強化するほか、家畜衛生対策につきましても、その充実を図ることとしました。  畜産物の価格対策につきましては、国内産牛肉について、その価格の安定と生産農家の経営の安定を図るため、これを畜産物の価格安定等に関する法律上の指定食肉とし畜産振興事業団の売買畑作の対象とするとともに、鶏卵について、新たに計画生産の組織的強化と卵価安定基金の補てん原資造成に対する助成を行い、価格の安定を図ることとしております。また、引き続き加工原料乳に対する不足払いを実施いたします。さらに、畜産物の流通加工につきましても、新たに、食肉流通体系の総合的整備、消費地食肉大規模冷蔵施設の設置、標準食肉販売店の育成等の事業を実施することとしております。  このほか、学校給食用牛乳供給事業を引き続き実施することとし、これらを含めた畜産振興対策の総額は、八百五十六億三千九百万円となっております。  次に、畑作の振興について申し上げます。  野菜対策につきましては、まず、生産対策として、野菜指定産地生産出荷近代化事業を拡充するとともに、新たに、作柄変動防止のための野菜生産安定対策事業を実施するなど施策の充実を図りました。  価格対策につきましては、野菜生産出荷安定資金協会が行う価格補てん事業につき、保証基準額の引き上げ、補助率の引き上げ等事業内容の拡充を図るとともに、新たに、価格高騰時の対策のための実験事業を実施することとしました。また、流通、加工対策としては、新たに、広域流通加工施設の整備を行うこととしております。  以上の野菜対策として、総額二百四十三億五千三百万円を計上いたしました。  果樹農業の振興対策につきましては、大規模果樹生産流通基地整備事業を拡充するほか、ウンシュウミカンについて、改植等を促進するとともに、果実生産出荷安定基金協会の設立等により、生産、流通、加工にわたる需給安定対策を総合的に講ずることとしております。これら果樹対策の総額は、六十二億三千六百万円となります。  その他、養蚕、特産物等の生産振興につきましては、新たに、副蚕処理近代化実験事業、畑作高度営農団地育成事業、てん菜栽培受委託推進実験事業等を実施することといたしました。  次に、稲作転換の推進につきましては、先に申し述べましたように、十分な余裕を織り込んだ政府在庫の造成に配慮しつつ、稲作転換対策数量を百万トンとしました。  この稲作転換の円滑な推進を図るため、稲作転換奨励補助金等を引き続き交付することとし、関係経費九百七十一億八百万円を計上いたしました。  以上のほか、特に、生産体制の整備を図る観点から、農業構造改善事業における生産基盤の整備等を推進するための特別措置を講ずることとしております。  次に、輸入農林産物の安定確保対策について申し上げます。  飼料穀物、大豆等国土資源の制約等から海外に依存せざるを得ない農林産物については、その安定的輸入の確保を図るとともに、海外諸国における農林産物の生産の安定と拡大等のため、昨年設立された国際協力事業団を通じて海外における農林業開発に積極的に協力することとし、外務省に一括計上した国際協力事業団出資金総額七十億円のうち、農林関係分として三十七億円を計上いたしました。  また、大豆、飼料穀物及び木材について、備蓄対策を拡充実施することとし、これに要する経費として、総額二十二億三千六百万円を計上しております。  次に、農業生産の担い手の育成に関する予算について申し上げます。  今後の我が国農業の発展のためには、農業の中核的な担い手の育成確保を図ることが重要であります。  このため、新たに、中核農業経営育成特別普及事業を実施するとともに、農用地の有効利用と農業経営の規模拡大を図るため、農用地利用増進事業促進対策を実施することといたしました。また、金融面でも、総合施設資金の貸付枠を拡大したほか、農業近代化資金について、中核農業者が経営規模を拡大するのに必要な特定の初度的経営資金の融通を行うこととしております。  このほか、農村青少年対策、集団的生産組織の育成対策、農地保有合理化促進事業を拡充実施するとともに、農業構造改善事業につきまして、総額三百七十七億八千二百万円を計上して事業の推進を図ることとしております。  農業地域の整備開発につきましては、引き続き、農業振興地域整備計画の適切な管理を行うとともに、農村総合整備モデル事業の大幅な拡充等農村の総合的整備を進めるほか、農村地域への工業導入、山村対策等につきましても事業の拡充を図ることとし、所要の経費を計上いたしました。  次に、食料品の流通加工の近代化と消費者対策の充実について申し上げます。  国民の日々の生活に直結する食料品を安定的に供給し、消費者価格の安定を図ることは、農政の重大な使命であります。このため、先に申し述べましたように、畜産物、野菜、果実等についての生産、価格、流通加工対策を拡充強化するとともに、特に、中央、地方を通ずる卸売市場の計画的整備等のため百三十二億四千四百万円を計上いたしました。また、小売業の近代化、新流通経路の開発等生鮮食料品の流通の合理化、近代化を引き続き推進するとともに、新たに流通近代化基本対策調査を実施することとしております。  また、消費者保護対策及び食品産業等農林関連企業対策につきましても、それぞれ所要の経費を計上して施策の拡充を図りました。  次に、農林漁業金融の拡充について申し上げます。  まず、農林漁業金融公庫資金につきましては、新規貸付計画額を四千三百三十億円に拡大するとともに、融資内容の拡充整備を図り、同公庫に対する補給金として三百三十二億一千万円を計上いたしました。  また、農業近代化資金につきましては、貸付枠を四千五百億円と大幅に拡大するとともに、前に述べましたように、農業生産の中核的担い手に対し一定の経営規模の拡大を行うのに必要な特定の初度的経営資金を融通することとしております。このほか、農業改良資金、漁業近代化資金につきましても、貸付枠の拡大を行うとともに、農林漁業に係る融資保証制度につきましても、その充実を図っております。  次に、森林・林業施策に関する予算について申し上げます。  まず、林業生産基盤の整備につきましては、林道事業として三百億四千万円、造林事業として百八十四億五千万円をそれぞれ計上し、事業の推進を図ることといたしました。  治山事業につきましては、総額六百二十三億五千万円を計上し、このうち、百八億五千六百万円を国有林野内治山事業に充てることとしました。  また、森林の多角的機能の維持増進につきましては、新たに、保安林整備計画樹立費を計上するほか、緑化を推進するため、新たに都道府県緑化推進施設及び青少年の森の整備を行うこととしております。  さらに、林業構造改善事業につきまして、八十五億七千三百万円を計上して事業の推進を図るとともに、特用林産物生産流通改善対策事業の新規計上、森林病害虫防除対策の大幅拡充を行うほか、林業労働力対策、木材の備蓄等需給安定対策等につきましても、所要の経費を計上し、これら事業の拡充を図ることといたしました。  次に、水産業の振興に関する予算について申し上げます。  まず、沿岸漁業につきましては、魚礁設置、漁場造成等沿岸漁場の整備開発のため四十一億五百万円を計上するほか、沿岸漁業構造改善事業、栽培漁業振興対策等を拡充実施することとしております。  また、漁業生産基盤の整備につきましては、六百十五億六千二百万円を計上して、漁港及び漁港関連道の整備を進めることとしております。  水産物の価格、流通、加工対策につきましては、新たに、需給調整用大規模冷蔵庫設置事業、水産物調整保管事業等を実施することといたしております。  また、海洋水産資源の開発につきましては、深海漁場の開発を含め新漁場開発のための各種調査を拡充するとともに、海外漁業協力財団による海外漁場の確保対策につきましては、四十一億五千七百万円を計上して事業の推進を図ることといたしました。  なお、漁場環境保全対策につきましては、引き続き各種施策の強化を図ることとし、所要の経費を計上いたしました。  以上のほか、農林漁業施策の推進のために重要な予算といたしましては、試験研究費として三百五十一億九千二百万円、農業改良普及事業及び生活改善普及事業として二百二十九億二千二百万円を計上するほか、林業及び水産業の改良普及事業につきましても所要の経費を計上いたしました。  また、農業災害補償制度の実施につき八百六億七千五百万円、農林統計情報の充実整備に九十一億二千百万円等を計上しております。  次に、昭和五十年度の農林関係特別会計予算について御説明いたします。  まず、食糧管理特別会計につきましては、国内米、国内麦及び輸入食糧につき食糧管理制度の適切な運営を図るとともに、飼料の需給及び価格の安定を図るため、所要の予算を計上しております。なお、一般会計からは、調整勘定へ七千五百二十億円、国内米管理勘定へ五百八十九億円、輸入飼料勘定へ七百二十八億円をそれぞれ繰り入れることといたしました。  また、農業共済再保険特別会計につきましては一般会計から総額四百五十八億二百万円を繰り入れることとしたほか、森林保険、漁船再保険及漁業共済保険、自作農創設特別措置、国有林野事業、中小漁業融資保証保険及び特定土地改良工事の各特別会計につきましても、それぞれ所要の予算を計上いたしました。  最後に昭和五十年度の農林関係財政投融資計画につきましては、農林漁業金融公庫等が必要とするものとして、総額三千六百二十五億円の資金運用部資金等の借り入れ計画を予定しております。  これをもちまして、昭和五十年度農林関係予算の概要の御説明を終わります。  よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。     —————————————

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 以上をもちまして農林省所管についての説明は終わりました。     —————————————

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 質疑に先立ち、分科員各位に申し上げます。  質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力賜りますようお願い申し上げます。  なお、政府当局に申し上げますが、質疑時間が限られておりますので、答弁は必ず的確に要領よく、簡潔に行われますようお願いいたします。  これより質疑に入ります。大出俊君。

大出俊日本社会党

○大出分科員 ただいまの農林省の予算に係る問題で質問をいたしたいのでありますが、その前に、文部省の方、厚生省の方がお見えになっておりますから、大臣にまずもって承りたいのでありますが、動物実験というのがございます。科学的な実験あるいは医療的な実験、獣医師さんがおやりになる獣医医療という意味の実験、たくさんございますが、この実験動物の取り扱いにつきまして何か法律上の規制がございますか。実は昨日厚生大臣に質問いたしましたら、総括的には厚生省の所管になるだろう。だが、たとえば獣医師さんが獣医医療という面で実験をする、それは大臣の方だ、あるいはまた国立の病院というようなことになると文部省だ、こういうお話であります。したがって承っておきたいのですが、そういうものでございますか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 いまのお話でございますが、特段に法律的には規制はございません。

大出俊日本社会党

○大出分科員 何にもないのですね。何にもないんだが、それではいけないんじゃないか。  ところが、欧州各国の例を見ますと非常に細かい規制がありまして、たとえば馬、牛、あるいは犬、ネコ、サルというふうな、人間と非常に近い関係にある動物の科学上の実験、この場合はできるだけ近い動物を使ってはならない。代替し得ない実験の場合、やむを得ないという場合にのみ許可を得て実験をする。しかもそれは的確に報告をしなければならぬ義務を法律上課している。年間四百万頭以上の実験を英国などは、一九六四年ぐらいから調べてみましたらやっております。しかも、それでもその法律が有名無実になってはいかぬというので、英国内務省の中に、それを監視し、調査をし、そして議会に報告をする委員会がプロフェッサーを議長にしてできておりました。逐一報告をしている。ここまで細かいのであります。  何にもないということで果たして済むか。大臣、どうお思いになりますか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 やはり動物愛護的な観点から覚まして、そういう問題につきましては考える必要があるのじゃないかと思います。

大出俊日本社会党

○大出分科員 きのう厚生省の局長さんが、「諸外国はそうかもしらぬが、わが国はどうもそういう国情にない」こうお答えになりましたから、「それは法律違反になりはせぬですか」と言ったら目を白黒させておりまして、後であわてて言い直しましたがね。いま大臣が言ったようにちょっと変えた。田中正巳さんに、「大臣、どうお考えですか」と言ったら、「いや不勉強でございまして、的確な、責任ある答弁ができないから時間をかしてくれ」というお話だから、「よろしゅうございます」としたのですが、これは私が自分で立案をしてお通しをいただいた法律で申しわけないのでありますが、動物の保護及び管理に関する法律の第十一条に「動物の科学上の利用に供する場合の方法及び事後措置」についてというのがございまして、ここで、試験研究あるいは薬剤の製剤ですね、これは獣医学的な製剤を含みます、そのために動物を利用する場合、「必要な限度において、」という表現をいたしております。これは英国的な意思を入れて、必要な限度において許される。そして「できる限りその動物に苦痛を与えない方法によってしなければならない。」これも欧州的な法律の感覚で物を言っておるわけであります。それから「利用に供された後において回復の見込みのない状態に陥っている場合」にはどうするか。それから科学上の利用に供した者の責任、いかに苦痛を与えないかという、そういう動物の処分、これは義務づけているわけでありまして、これは法律上の義務でありまして、私の立案ではありますが、いまは通りましてこの国の法律でありますから、この国の実情で、外国とは違うのでそういうことはできないというようなことをあっさり言われますと、そうすると、この法律はいま現行法ですから……。ただ、私が立案したものですから言いにくいのでありますが、大臣が、動物保護という面で考えなければならぬというお話でございますので、多く申し上げませんけれども、私はやはりここまでまいりますと、この十一条という法律の一番最後に「内閣総理大臣は、関係行政機関の長と協議して、」つまり大臣とも協議する必要があるのであります。「第一項の方法及び前項の措置に関しよるべき基準」を定めなければならない。やがてよるべき基準をお出しいただかなければならぬようになっておるわけでありまして、したがいまして、最近特にいろいろな問題が起こっておりますので、このあたりは一遍御研究を願いたいのですが、いかがでございますか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 この法律は御存じのように総理府の所管でございますので、総理府総務長官等とも相談をいたさなければならないと思います。

大出俊日本社会党

○大出分科員 いま私が質問いたしましたのは、実はこの獣医学的な立場と非常に関係深いのでありまして、英国法もドイツ法もそうでありますけれども、獣医学的な訓練なり教育なりというものを持たずして動物実験というものをやることは非常に危険である。つまり、動物の生命にかかわるわけでありますから、また苦痛という問題と絡むわけでありますから、虐待という問題と絡むわけでありますから、したがって、欧州は日本に対して、大学病院その他が実験動物をそのままほうり投げてえさも与えない、野蛮な国だというので大変キャンペーンを張ったりした時代もあるわけでありまして、日本に小動物の輸出はしない、禁ずべきであるなどと言う。畜産動物でも輸出すべきではないと言う。欧州各国は、畜産動物の輸送その他についても、水をいつ飲まさなければいかぬとか、細かい規定があるわけでありまして、したがって、ここらは獣医学的な面と非常に関係する。昭和二十四年にできた日本の獣医師法という法律がありますけれども、これはカビが生えておりまして、いまの世の中に適合しない。畜産食品の人体に与える悪影響はたくさんございます。たとえばブロイラーなどをつくるときに抗生物質を乱用いたしますけれども、ブロイラーというのはいまどのくらい年間消費しているか、おわかりになりますか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 約六十万トンの消費があると推定しております。

大出俊日本社会党

○大出分科員 数で言いますと一人大体三羽ぐらい食べている、皆さんは。大臣は何羽食うか知りませんけれども。したがいまして、一億の国民で掛けますと大体三億羽。そのほかに従来の鶏、ひななどが一億四千万羽ぐらい消費しておりますから、大変な数です。小さいところに入れて、これは強制肥育というのですが、くちばしを金剛砂ですって、えさが飛ばないようにして、えさの中に抗生物質をほうり込んで食べさせる。奇形がいっぱいできるんだけれども、肉にしたらわからぬから皆さんそれを食べておるわけです。残存抗生物質というものがたくさんある。あるいはサルファ剤がいっぱい入っておる。これは大変人体に悪影響をもたらすことが日本獣医師会等の収集資料で報告されております。そこらは全くノー規制。薬事法四十九条で辛うじて何かちょっと物を言っているだけでありまして、したがいまして、ここらは新しい食品公害というものも踏まえて獣医師法を見直す必要がある、根本的に考え直す必要がある。二十四年の法律をそのままに置いておくわけにはいかない、こう思いますが、大臣いかがですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 御指摘のように、わが国としても畜産の振興を図り、同時に、ただいまお話がありましたように、公衆衛生上の向上を図るためにも獣医師の役割りは非常に重大でございまして、そういう意味におきまして、獣医技術に対する社会的要請もますます多元化、高度化している。そういうふうな情勢にこたえる獣医師の養成には、現行の四年の教育年限では必ずしも十分でないと思うわけでございまして、そういう点も含めて根本的にやはり改善をする必要があると私は思っております。

大出俊日本社会党

○大出分科員 御指摘のとおりで、いま私もそのことが急であるということを実は感じます。  もう一つ申し上げておきますが、人畜共通伝染病と称するものも非常に数も多く、またその病状も深刻になっている。ペットというものをやたら飼うという習性がいま日本の国民の中に生まれてしまっておる。もう六軒に一匹ずつ犬がいる世の中に、さらにあらゆる種類のペットを、それこそ亜熱帯の山奥からあるいは熱帯の山奥から持ってきたものをやたら売っているわけでありますから、えたいの知れない病気まで実はある。ハトの、人間が死に至るクリプトコッカスという症状、これなんかも最近問題になってまいりましたし、あるいはネコなんかも、ネコかわいがり式になりますとこれはトキソプラズマなどという病気になってまいります。妊婦などがかかりますと大変なことになります。あるいは鳥でもオウム病などという病気がございまして、あるいは最近では熱帯魚にも人畜共通の病気が出てきております。いま非常に危険な状態にある。これはほとんどが獣医師諸君の分野であります。だからこれをもっと高く評価し、もっと社会的に高く位置づけて御活躍を願わないといけない。欧州各国などでは獣医師さんが、獣医官という国の、医官になっている方々が大変な活躍をしている。野鳥がどんどん減る。獣医師さんの分野で調べてみて、なぜ減ったかというデータが出てくる。これは大変一般的な、国民の保健衛生、健康という問題に直接関係があります。だから私は、こういう分野をどんどん開拓させていくという責任があると思う。特に獣医師さんは農林大臣所管でございますから。いまのお話でございましたので、何とかこれは見直し、改善をしなければならぬという、法改正の方向を考えなければならぬというお話でございますから深くは申し上げませんが、ぜひここに一つ焦点をお置きいただきたいわけであります。  そこで文部省に承りたいのでありますが、四年制といういまの獣医師さんの教育課程を六年制にする、ここらを中心に調査費が百四十六万円組まれております。かつて診療エックス線技師等の関係で文部省所管の十の学校がございまして、この教育課程を延ばすために私どもの内閣委員会に先生をふやす法案を毎年出されて、ぽつんぽつんとふやして三年にした、こういうことをおやりになった文部省でありますから、これがねらいを一体どこにお置きになっているのか、ちょっと触れていただきたい。

瀧澤博三文部省大学局技術教育課長

○瀧澤説明員 御指摘のように、五十年度の予算案におきまして獣医学教育の改善のための調査費が文部省に計上されております。この問題につきまして、従来から私どもの方で内部的に、年限の延長に伴ってどういう問題があるか、その辺の検討を続けてきておりますが、五十年度の予定といたしまして、調査会を設けましてこの問題について広く検討をしてまいりたいと考えているところでございます。

大出俊日本社会党

○大出分科員 獣医師法改正、つまり教育課程の変更というのはそこにも絡みますな。そう考えてよろしゅうございますか。

瀧澤博三文部省大学局技術教育課長

○瀧澤説明員 御承知のように、いま一般の学部と同様、四年の課程の中で一般教育、専門教育をやってございますので、今度獣医師法の改正で、仮に大学において六年の獣医学教育の課程を修めるということが要件となりますれば、学部の年限延長ということになりますか、あるいはほかの方途も考える必要があるかと思いますが、どのような方法で学校教育の中でこれに対応していくか、検討してまいりたいと思います。

大出俊日本社会党

○大出分科員 農林大臣、獣医師制度検討事務費というのが百二十三万円ございますが、これは何をねらっておりますか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 ただいま文部省からお答えがございましたように、六年制に教育年限を延長するということを、調査を始めていただくことになるわけでございますが、われわれといたしましても、畜産振興とか公衆衛生という面からいたしまして、現在の四年を六年にできればしていただきたいということでございますので、その調査と並行いたしまして、六年制に延長になりますれば、当然われわれとしても現在の獣医師制度についてそれに対応した検討をしなければならない。たとえば国家試験の実施方法も改めなければいけないし、それから獣医師の職務分担についても新たに検討する必要があると思います。さらに、六年制の獣医師制度になりますれば、補助者をどのように確保されるかということも関連して出てくると思います。従来の四年制の獣医師の技術向上対策についても、バランス上考えていかなければならない。それらの問題をあわせて検討するために予算を計上しておるわけでございます。

大出俊日本社会党

○大出分科員 そこで伺いたいのでありますが、順序不同になりますが、重点的な問題から申し上げたいのであります。時間がございませんので全部に触れられません。  十七条でございますが、獣医師法の十七条は「獣医師でなければ、家畜(牛、馬、めん羊、山羊、豚、犬、猫及び鶏をいう。)の診療を業務としてはならない。」こうなっておるわけですね。獣医師会の方々等ともいろいろ御相談をしておりますが、こういうふうにしたいという御意思があります。十七条を「獣医師でなければ動物及び魚類を診療してはならない。」これが十七条一項であります。二項に「この法律でいう動物とは(動物の保護及水管理に関する法律でいう)保護動物をいう。」こういうふうにしたいというお考えなんであります。このポイントは何を指すかと言いますと、いままで獣医師類似業務がいろいろ問題になっておりましたので、「業務として」というこの「業務」を削るわけですね。それで対象動物の範囲というのは、動物保護及び管理法ができたわけですから、ここで一項で羅列的に挙げ、二項で哺乳類ほとんど全部をくくっているわけでありますから、また、いまのペットの話じゃありませんけれども、そういう時代になった、食品公害を一つ考えても大変に大きな分野を占めるようになった、したがって二項にこういう改正をしたい。で、類似業務との関係で「業務」を取ってしまった。  ここで時間がないから先に申し上げるのですけれども、それならば愛玩動物に投薬をするなどという行為も縛られてしまうのではないか。実はそうではない。普通一般に、自分の飼っている物がぐあいが悪いからといって何かを与えるというような行為はこれは常識なんでありまして、それまで縛ろうという趣旨ではない。つまり一条と絡むのですけれども、獣医師の責任とは何かということに絡む。公衆衛生のみならず、国民全体の、畜産食品を含めまして食品公害あるいはそこから来る健康の保全、そういうもの全体を社会的影響の立場からとらえて獣医師の責任があるわけでありますから、そうだとすると、獣医師の診療というのはそういう立場から診療することを指す。したがって、個々に、とりあえず体がぐあいが悪い動物だからといって何かの処置をするというのは、ここで言う、つまり「業務」を取った意味での別療のすべてが、獣医師の責任ということとは区別ができる、こういう考え方なんであります。  そこで、この問題に対して皆さんの方がどうお考えかという御意見を聞かしていただきたい。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 御指摘のように、現在の十七条の「家畜」の範囲を広げると同時に、「業務として」現在診療することを宣言しておるわけでございますが、それを「業務」という言葉を落としてやや広げる、その場合に自分の愛玩動物に対して診療、何か薬を投薬するというような場合まで含むのかどうかというのは、若干検討の余地があるように私は思います。いずれにしても、現在の法律は、畜産振興とかあるいは公衆衛生の向上という観点から必要なものについては、診療業務として行うものについてだけ獣医師でなければできないということにしておるわけでございますが、これは従来、家畜が所有者の自由に処分できる財産であるという観点から、畜産振興上の必要なり公衆衛生上特に必要なもの以上に、愛玩動物一般にまで規制を加えるというのはいかがかというような観点からそういうような規定になっておるわけでございます。  この問題につきまして、獣医師の一部から確かに御指摘のような要望が出されておりますことは承知しておりますけれども、いま言いましたような畜産業に占める地位とかあるいは公衆衛生、これの考え方もだんだん時代に即応して変わってくると思いますので、そういう観点から慎重な配慮をすると同時に、もう一つ実際面におきましては、診療体制がいまのように改正して対応できるかどうかという問題が一つあると思います。これは獣医師の数とか、獣医師の養成能力あるいは獣医事教育の内容、たとえばいま御指摘になりました魚病というようなことになりますと、現在そういうような学問的な確立がすでに達成されているかどうかというような問題も関連してくるかと思います。そういう点もございますので、先ほどの六年制に教育年限を延長するということに関連いたしまして、私どでも獣医師制度についても検討することにいたしております。その中で慎重に検討してまいりたいと思います。

大出俊日本社会党

○大出分科員 これは一条と絡むのですが、その前に二つだけ承っておきたいのですが、一つは、とかく経済性というものが中心に置かれるこの法律の書き方というのは、私は考え物だと思っておるのですよ。これは一条に絡みますけれども、一条は、この法律は「獣医師の技能の最高水準とその業務の適正とを確保し」と、これは何のために確保するかというのがその次のはずであります。その次にすぐ出てくるのが「もって畜産業の発達を図り、」と、こうなっている。これはおかしな話でございまして、国民の健康保全、公衆衛生というものと併置しなければならない筋合いですね。もちろん畜産業は発展してくれなければ困ります。困りますが、発展するために、ブロイラーではありませんけれども、残留抗生物質というのが山ほどある。奇形がいっぱいできる。これは外国の法律を見ますと、動物関係に関する法律によりますと、えさが飛ばないようにくちばしをやすりで切って短くする、これは経済性ですよ、これを明確に、西ドイツのようにきちっと禁止しているところはたくさんある。ほとんど禁止しています。強制肥育というものを非常に注意深く禁止をしております。だから私は、日本のブロイラーの肥育なんかもこれは強制肥育でありますが、根本的に皆さんが考えなければならぬ筋合いのものです。テレビで見たら食べるのがいやになっちゃいますよ。いろいろな薬物を入れますから奇形ができるが、それを刻んじゃって売るのですから、知らないからみんな買って、これはうまいとかなんとか言っておりますが、なぜそんな奇形になったかということは大変問題があるわけであります。私はこれは規制が必要だと思っておるのですが、これも意見をいただきたい。  そこで、いま申し上げましたように「業務の適正とを確保し」その次にすぐ「畜産業の発達」と、こうなってしまう。そして最後の方に「あわせて公衆衛生の向上」と、取ってつけたようなものになっている。だから、二十四年の法律で、これはカビが生えていると私は言うのです。この獣医師さんの置かれている立場というのは対国民なんですね。獣医師のために獣医師法があるのじゃない、畜産業のためにあるのじゃない、国民のためにある。そこのところをやはりきちっとしておきませんと、せめて並列にはしなければ筋が通らないという気がする。これは私の意見でありますが、そこらのところいかがですか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 ただいまブロイラーの例を御指摘になりまして、いろいろな薬物を添加しておるという点について安全性の問題で放置していいかという、こういう趣旨の御質問でございますが、われわれといたしましても、現在飼料の品質改善法というものを、古いものがございますが、これの改正をでき得ますれば今国会に出したい。そこで、飼料の添加物について現在行政指導によって規制をしておりますのを法律に基づく規制ということにして、安全性の見地から一層強化をしてまいりたいということで、法案の提出を準備しておりますので、それらの措置を講じまして、国民の不安を起こさないようにやってまいりたいというふうに思っております。  それから、第一条の規定の仕方が、公衆衛生の向上等が「あわせて」というような表現になっておる点についての御意見がございますが、確かに、この法律を制定いたしました二十四年ごろは、畜産重点の目的でこの法律が制定されておることは事実だと思います。最近の愛玩動物、その他公衆衛生面の行政が非常に強まっておりますので、そういう点からいたしますと、先ほど大臣からお答えいたしましたように、法の目的の規定の仕方としては不十分な点もあると思います。

大出俊日本社会党

○大出分科員 先ほど、獣医師さんの人数、つまりどのくらいおいでになるかという問題と絡む御発言が皆さんの方でございましたが、ここで獣医師さんの過疎状態というものがある。畜産関係の方に足を突っ込んでいると、最近の状況としてはなかなか生活の問題だってある、だから御年齢の高い方々が農村に残ってしまう、そして小動物等を扱う方々が町にふえてくる、あわせて官庁にお勤めの方が圧倒的に多くなっている、こういう状況であります。したがいまして、そこらのところをどういうふうにおつかみでございますか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 獣医師は全国で二万一千五百二十九人、四十八年の数字でございますが、いるわけでございまして、これは配置が非常に偏在しておりまして、都市におきましては過密、農村部におきましては過疎ということで、無獣医地区も全国的にございまして問題になっております。したがいまして、われわれといたしましてはその配置の偏在をいかにして是正するかということにつきまして種々検討しております。産業動物獣医師総合対策検討会というのを設けまして、最近報告書もいただいておるわけでございますが、その一つの方法といたしまして、無獣医地区等につきましては、これを解消するために、診療施設等に対する助成ということも考えながら診療業務に不備を来さないようにして、今年度予算から実施をするということにいたしております。

大出俊日本社会党

○大出分科員 獣医師さんは現在二万一千名ほどおいでになりますね。そして公務員の方々が八千名おいでになるわけであります、国家公務員、地方公務員。衛生検査、食品衛生検査、その他いろいろな分野で働いておいでになります。そうして二万一千名のうち八千名が公務員で、市町村に千六百名おいでになります。それから民間団体に二千四百名、開業されている方が四千六百二十四名、そしてこのうち産業動物、こちらに二千百名、小動物、こちらに二千五百名、こういう分野なんですね。やはり獣医師さんの地位、また業務の範囲、そこらが改善されてきますと、たとえば薬事法四十九条でとらえて——いまの抗生物質をブロイラーに与える問題でも、厳密に言うと私はおかしいと思うのです、この薬事法の方から来る規則で決めておりますのは。ここらは、この薬事法を改正するとすれば厚生省との絡みもあります。八十三条で共管にはなっておりますけれども。  ここで厚生省にも承っておきたいのですが、二つお答えいただきたい。先ほどの科学的な動物の実験、きのう大臣は自信がないと言ってお答えにならなかったのですが、安倍農林大臣からはいま、その方向で行かなければならぬという御指摘があったわけであります。厚生省の方、その問題と、薬事法の改正、これは共管でございますが、やはり農林省と一緒になってここのところはお考えをいただきたいのでありますが、いかがでございましょう。

山本宣正厚生省公衆衛生局地域保健課長

○山本(宣)説明員 私は薬事法の関係、所管でございませんので、ただいまのお尋ねに対しまして的確なお答えができません。御了承願います。

大出俊日本社会党

○大出分科員 それでは改めてまた承ります。  そこで、薬事法そのものも検討しなければならぬ、こう私は思っておりますが、もう一点だけつけ加えておきますと、このブロイラーの肥育、ブロイラーのみならず牛もございますが、強制肥育というものは、動物保護管理法の立場からいっても考えなければならぬ問題でありまして、皆さんの方の関係ときわめて密接であります。この点もあわせて御検討いただきたいと要望しておきます。  そして次に、獣医師さんの獣医師法の問題で魚類というのを取り上げておるわけです。これも最近非常に分野が広がりまして、つまり公害問題等と絡みまして、魚類の方で活躍をされている方も最近どんどんふえてきている。特に官庁にお勤めの方などは大変大きな分野を占めておいでになる。したがって、これは対象動物の中に当然入れるべきだと私は考えておるのですが、いかがでございましょう。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 現在の獣医師法の中では十七条で、先ほど御指摘もございましたように魚類は入っておらない。それが愛玩動物の一種として小鳥と並んで飼育が非常に盛んになってきている。それに対して獣医業務の対象に加えるべきではないかという御意見があるわけでございますが、これは先ほどもちょっとお答えしましたような趣旨で現在まだ入っておりませんけれども、これをやります場合には、やはりそれに対応できるだけの獣医がどのようにして確保できるか、それからそれの養成をどのようにしてやるか、あるいは免許の仕方、国家試験のやり方等についても変えていかなければいけないわけでございますが、それらの体制をどのように整えるかということの点からいたしますと、いま直ちにというのはなかなか困難ではないかと思います。先ほど申しましたように、魚類についての病気は、家畜の一般動物の——動物といいますか、他の動物と同じような高い学問的な水準までまだ確立されておらないというような話も聞いておりますので、そういう問題を含めて今後慎重に研究すべき問題だと思いますけれども、当面直ちに加えるというのは体制の面からして整わないのではないかというふうに思います。

大出俊日本社会党

○大出分科員 あと二分しかございませんが、三つほど承りたいので、羅列的にお尋ね申し上げますから羅列的にお答えいただきたい。  一つは七条でございます。「第三条の免許は、獣医師名簿に登録することによって与えられる。」こうなっておるのですが、イギリス、フランス、アメリカ等の先進国、その意味の先進国でありますが、獣医師会に医師免許試験の実施の権限を持たせたり、獣医師免許の登録も獣医師会で実施しておる。日本の弁護士会なんかそうでありますが、獣医師会の権限が非常に大きいわけであります。したがってこのような方向に動かしていっていいのではないかという意見が多数ございます。これが一点、どうお考えかということを承りたいのであります。  次にもう一点、二十二条でございますが、届け出制になっております。「診療施設を開設した者は、その開設の日から十日以内に、当該施設の所在地を管轄する都道府県知事に省令で定める事項を届け出なければならない。」これは許可制にしたいという意見がたくさんございます。これにもいろいろ意味がございます。たとえばお医者さんを開業する場合でも、これは医師会との大きなトラブルも起こる現状でありまして、獣医師さんの場合でもやっぱりいろいろ問題が出てまいるわけでありますが、ここのところをどういうふうにお考えかという点。  それからもう一点、この二十四条でございますけれども、「獣医師国家試験に関する事務その他この法律によりその権限に属させられた事項を処理させるため、農林省に獣医師免許審議会を置く。」とありますね。これに、獣医師国家試験にかかわる事務及び第八条に規定する事項の調査、審議、ここまでを入れようという考えであります。これは、現行の獣医師免許審議会は獣医師さんの国家試験の事務にウエートが置かれている。免許の取り消しあるいは業務の停止、そういう獣医師に関する事項は外れているわけであります。そこらまで含めて権限を持たせたい、こういうわけであります。  この三点、ひとつ御意見を承りたいのであります。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 登録は現在、国が直接やっておるわけでございますが、他の例もあるように御指摘ございましたけれども、現在のところ、われわれといたしましては国が直接やるのが最も適当であるというように考えております。  ただ、届け出制の問題につきましては、一般の医療法との関係もございますが、個人が設置する診療所につきましては、人間の方の医療関係におきましても届け出制になっておるということとのバランスの問題もありますし、それから獣医師は往診がむしろ主体というような場合が、産業動物については特に多いということ。それから大動物、小動物、愛玩動物につきましてそれぞれ診療のあり方等も違いますので、一律の基準をつくって許可制にするということは必ずしも適当でないのではないかというふうに考えております。  なお最後に、審議会の権限をもう少し広げてはどうかという御意見でございますが、今後なお慎重に検討したいと思いますけれども、現段階では二十四条に書いておりますような試験の施行、試験に関する事務を中心とした現行法どおりの範囲内で適当ではないかということで、特に広げるということについては考えておりません。

大出俊日本社会党

○大出分科員 これで終わりですが、大臣、社会情勢の移り変わり、変化というものをやっぱり法律というものは取り込んでいかなければならないという気がするのであります。そういう意味で最終的に、私いま幾つか挙げましたが、たくさん問題がございますので挙げ切れませんが、もう一遍大臣から、この獣医師法を見直す必要ありという点について御同感の御意思であればお答えおきをいただき、締めくくらせていただきたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 獣医師制度につきましては、わが国の独自の情勢の中でこれが維持されてきておるわけでありますが、しかし、いま御指摘のように、社会的な要請がありますし、さらにまた外国の法制もずいぶん進んでおるわけでありまして、そういうこととも関連いたしまして、やはりこの際、獣医師制度全般について見直していく、さらに獣医師制度の強化改善ということも必要であろう、こういうことから、獣医師会等の意見も聞き、さらに学識経験者等の意見も聞きまして、関係各省でひとつ協議して、これは改善の方向へ努力をしていきたいと思います。

大出俊日本社会党

○大出分科員 糸口をいただきまして、大変ありがとうございました。

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 これにて大出俊君の質疑は終了いたしました。  次に、村山喜一君。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 農林大臣、私は、ちょうどいま活火山として毎日噴煙を上げております桜島、その周辺に静かな湖のような状態で錦江湾という海がございます。その中でとれた魚が大変な水銀を含んでいるという非常にショックな問題について、この対策を問いただしてまいりたいと思っているわけでございます。  そこで、大臣はおいでになったかどうかわかりませんが、錦江湾、桜島といえば、東洋のナポリと言われるような風光明媚な、観光価値としてはきわめて高いところでございます。ところが、そのきれいな錦江湾の魚が汚染をされるということになりますると、原因はいずこにありやということにおいて徹底的に究明をしていかなければならない問題だと考えているわけでございます。最後に大臣の方で、私が個々の問題をそれぞれ専門家に尋ねました後、大臣の対策をお答えをいただきたいと考えるわけでございます。  そこでまず、厚生省にお尋ねをいたしますが、厚生省が調査の報告を受けていらっしゃるその内容について、魚体別に現在の総水銀の汚染の状態についての報告をまず承りたいのでございます。厚生省が、昭和四十八年でございましたか、魚介類の水銀の暫定基準というものを決められました場合には、総水銀において〇・四PPm、それからメチル水銀の場合には〇・三PPmというふうに決められているわけでございます。そういうような立場から見た場合に、その県の調査あるいはその他実態調査の上で、みずから調査した報告の中で、それに対比してどういう状態であったのかということをお答えをいただきたいと思います。  第二には、環境庁でございますが、環境庁の水銀の水質環境基準というものはいまどういうふうになっているのか、その内容についてお答えをいただいて、その水質基準に照らし合わせて、錦江湾の水がそれに該当しているかどうかということについて説明をいただきたい。

岡部祥治厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○岡部説明員 錦江湾の魚介類につきまして鹿児島県で調査いたしました結果でございますが、先生御承知のとおり、オオメハタが二十三検体で総水銀の平均が〇・三〇四PPm、それからアナゴが平均で〇・九六五、タチウオが二・八八五、それからアカナが一・三五八、マアジが〇・九一一、それからアオリイカが〇・四七三、こういうような報告を受けております。  それで、私どもで、昭和四十八年に、いわゆる第三水俣病というような報道がございました、これに関連いたしまして、国民の健康を守る観点から魚介類の水銀に関する基準を定めるということで、水銀に関する専門家を集めまして、それまでに得られましたFAOあるいはWHOあるいは熊本大学の十年後の水俣病研究班、これらの研究成績、あるいは国立衛生試験所におきますサルの実験等々のデータを勘案いたしまして、週間許容摂取量を定め、さらに魚介類の摂取量から勘案いたしまして、総水銀で〇・四PPm、それからメチル水銀で〇・三PPmという規制値を定めたわけであります。

山村勝美環境庁水質保全局水質管理課長

○山村説明員 水銀に関する水質環境基準の件でございますが、総水銀につきまして平均〇・〇〇〇五PPmということになっております。また、アルキル水銀につきましては検出してはならないということになっておりまして、昨年告示されております。  なお、鹿児島湾の実態でございますが、四十八年度に全国環境調査の一環として行いましたのは鹿児島湾のごく一部の水域だけでございますが、その結果では検出していないというふうに記憶いたしております。ただし、湾全体並びに周辺河川等について、その原因究明のための全面的な調査を現在行っておりますが、その結果はまだ公式には報告を受けておりません。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 厚生省、平均値で言わないで、その検体ごとに、魚種ごとに最高値と最下位値、これは私の手元には資料があるのですが、それを報告していただきたい。

岡部祥治厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○岡部説明員 アナゴが十検体、最高二・一二六、最低〇・二七二、平均〇・九六五。タチウオ五検体、最高六・一二八、最低〇・七五一、平均二・八八五。アカナ十検体、最高一・九一一、最低が〇・九一二、平均一・三五八。マアジ十検体、最高が二・八三七、最低が〇・〇一八、平均が〇・九一一。それからオオメハタ十検体、最高三・六二三、最低〇・三四八、平均二・〇八。アオリイカ十検体、最高〇・六六〇、最低〇・三六〇、平均〇・四七三。以上でございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 タチウオのごときは六・一二八という最高値、これなどは世界で一番高い水銀値ではなかろうかと私は思うのですが、いかがですか。

岡部祥治厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○岡部説明員 世界でということでございますが、聞いた範囲ではかなり高い部類かもしれません。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 日本で調査をした場合に、これ以上の高い数値のものがありましたか。

岡部祥治厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○岡部説明員 定かに資料がございませんが、そんなに高いものはないと思います。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 私たちも、この調査結果は非常に大きな問題だというので大変なショックを受けておるわけでございます。そこで、一体なぜそういうような、世界に余りないような、日本でも初めて見るような高度汚染の水銀汚染魚が湾内からとれているのかということを徹底的に究明すべきだというので、鹿児島県においても錦江湾の環境調査ということで三千万円ぐらいの金をかけてやられたようであります。また水産庁あるいは環境庁も国の方の補助金を出しまして、調査を現在まで進めておいでになるというふうに聞いているわけでございます。そして、一体その原因はどこにあるかということを詰めていかなければならない立場にあるし、また、その対策をどうするかと  いうことを考えなければならない段階に来ていると思います。  そこで私の方でも、この水銀がどういうふうにして出てくるんだろうかというのでいろいろ調べてみました。一つ一つ申し上げますが、まず第一に、微生物が関与して水銀のメチル化が行われるという説があります。それから、動物体内でメチル水銀の生成が行われる。もう一つは農薬等、いわゆる塩化第二水銀系の農薬、これがヘドロとして沈でんをしている中で紫外線やそういう光線を与えられて、それによってメチル水銀が生成をする、こういうような問題があるかと思います。それからもう一つは、近くに辰砂等を産出する鉱山があるのかないのか。錦江湾に注ぎ込んでくる河川の上流にそういうような鉱山があるのだろうか、それも調べてみました。あるいは温泉は一体どういうふうになっているんだろう。あるいは錦江湾の周りに農薬工場あるいはフェニール水銀を使って生産をいたしますパルプ工業とか、あるいは無機水銀を使いました塩素工業は一体ないのだろうか。あるいは農薬工場はどうなっているのだろうか。あるいは農薬の使用がそういうような地域は他の地域に比べて特にどうであったのだろうか。こういうようなのをずっと検討してまいりましたが、どうも客観的に見てこれがクロであるということがなかなかっかめないというふうに承っております。いままで環境庁はそういうようなことについて、あるいは農林省、水産庁、厚生省、いずれもそれぞれの立場において調査をされたわけでございますが、これらのものがクロではないだろうかというようなものを検出された事例がございますか、お答えをいただきます。

山村勝美環境庁水質保全局水質管理課長

○山村説明員 ただいま先生の御指摘のありました汚染原因、自然的なもの、人工的なもの、いろいろな汚染原因について、現在鹿児島県の方でも詳細に調査をいたしておりまして、現在のところ、どれが主たる汚染源であるかについてはまだ結論が出ておりません。しかしながら、現在までの中間報告によりますと、特定することはむずかしいのだけれども、主として火山活動による自然的な原因じゃないだろうか、これが主たるものではないかというふうな意見が有力でございます。最終的な結果は年度末を目途に出す予定にいたしております。

内村良英水産庁長官

○内村政府委員 私どもも、ただいま環境庁の方から御答弁がありましたような報告を受けております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 では一つ一つ詰めてまいります。あなた方がみずから調査をして、あるいはこれはどうだということについて私がお尋ねいたしますから、イエスかノーか、それだけ答えてください。  工場のそういうようなものは、肥料工場も河口においては一軒ありましたが、これはその原因で出たものであるとは見られないと私は思っておるのですが、どうですか。

山村勝美環境庁水質保全局水質管理課長

○山村説明員 いま御指摘のあったのはサンケイ化学という農薬製造工場だろうと思いますが、これは四十八年度の国の委託しました全国調査によりますと、周辺の水もヘドロの方もほとんど汚れておりませんで、そこからの排出によるものではなかろうという結果が出ております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 わかりました。  では、農薬はどうですか。

山村勝美環境庁水質保全局水質管理課長

○山村説明員 農薬につきましては、現在県の方で詳細に調べておりますが、現在までの報告では、湾周辺で全国平均レベルでは使われましたけれども、それほど濃厚に使われたという報告は受けておりません。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 じゃ、天然に鉱山がその周辺に存在をしますか。

山村勝美環境庁水質保全局水質管理課長

○山村説明員 まだ公式な調査報告を受けておりませんのでお答えできませんが、若干鉱山等もあるようでございますので、その辺の排水口、周辺のどろ等の調査を現在やっておる段階でございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 私の調査では、鉱山は、その周辺というよりも、錦江湾に入り込む水系のところにはございません。あるのは川内川流域に二鉱山あるだけでございます。どこにそういうような鉱山がございますか。

山村勝美環境庁水質保全局水質管理課長

○山村説明員 そういう疑いのある鉱山を調べておるという意味でございまして、それが水銀を排出しておるという意味ではございません。現在調査中でございます……。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 疑いがあるといっても、そういうような鉱山が存在をしないのに疑いが何でありますか。

山村勝美環境庁水質保全局水質管理課長

○山村説明員 水銀を直接採取していない鉱山でも、あるいは金とか銀とか、あるいは黄鉄鉱のような鉱物に併存するということを聞いておりまして、それらにやはり着目する必要があるのじゃないかという意味で指導いたしております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 そういうようなのはないんですよ。私が鉱山をずっと調べてみると、金とかそういうようなのを産出するのは大口の鯛生鉱業とか山ケ野金山とかいうのがあります。それはほとんど川内川の流域に関係があるので、錦江湾には関係ない。  では、時間がありませんから詰めてまいりますが、あなた方はいわゆる海底の地質調査は進めておいでになりますか。

山村勝美環境庁水質保全局水質管理課長

○山村説明員 県においてやっておる報告では、海底のごく表層部分のほかに、ボーリングをしまして深さ方向の水銀量等も調べておるというふうに聞いております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 何本ボーリングしておりますか。

山村勝美環境庁水質保全局水質管理課長

○山村説明員 具体的に記憶いたしておりません。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 そんなにお隠しにならなくていいんですよ。私は、やはり原因は明らかにしていかなければそれに対する対策が出てこないと思うから申し上げているのですが、あなた方が環境庁として、そういうようなのは報告がない、知りません、存じませんということで逃げられるんだったら、それは責任ある環境庁としての立場を放棄されたものじゃないですか。それくらいのことは言えるでしょう。何本やっているんだということは報告が来ているでしょう。

山村勝美環境庁水質保全局水質管理課長

○山村説明員 ちょっと手元にございませんので……。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 手元に資料がないということで逃げていらっしゃるようですが、最終的には水銀等汚染調査検討委員会で検討をして、学者の先生たちの意見を聞きながら三月中には結論を出す、こういうことになりますか。

山村勝美環境庁水質保全局水質管理課長

○山村説明員 そのように取り扱いたいと存じます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 その場合に、これは中間報告によれば、火山活動と関係ありという報告も来ているように、地震、火山活動との関係の中において、この検討委員の中には火山学者、地質学者のような人たちも中に入れて検討されますか。

山村勝美環境庁水質保全局水質管理課長

○山村説明員 御指摘のように配慮いたしたいと考ております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 大臣、お聞きのように、先ほど厚生省が挙げましたアジ、マダイ、アナゴ、タチウオ、アオリイカ、オオメハタ、アカナ、これらの魚は、その底質のヘドロのところに住んでいる魚だけじゃないんです。いわゆる海の中層に住んでいる魚もおれば、あるいは上層の浅いところに住んでいる魚もおるわけです。それが、底の魚だけが汚染をされているのでもない。ということになってきますと、全域の、各水域の魚がほとんど汚染をされている、こういうことに結果的になっている。とするならば、きわめて大きな汚染源が湾内に存在をしていることは間違いないようでございます。とするならば、それは一体どういうような原因に基づいて出てくるのであろうかということを徹底的に究明をしてもらわなければなりませんし、またそれに対する対策を考えなければならないと思うのでございます。  ところで、先ほどお配りをいただいております。この「農林関係予算の農林大臣説明」というのを見てみますと、「漁場環境保全対策につきましては、引き続き各種施策の強化を図ることとし、所要の経費を計上いたしました。」これを予算書で見てみましたら十八億六千三百七十万円ですね。昨年より八千五百四十七万円ほど少なくなっておりますね。ですから、PCBや水銀の問題、いわゆる漁場の環境保全という立場から取り組む姿勢というのは少し薄れているのではないだろうか、こういう気がしてなりません。  そこで大臣にお尋ねをしておきますが、これは初めに水産庁の方からお答えをいただきたいと思いますけれども、ここに報告が出てきておりますこの魚の種類は、湾内でとれる魚のどれぐらいの割合になっているのですか、魚種の割合から言えば。

内村良英水産庁長官

○内村政府委員 湾内における漁獲高の約三・七%でございます。私どもは鹿児島県から、額としては約四億の水揚げ高だというふうに聞いております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 そこで、三・七%といえば、全部の魚を調べた結果こういうことになったとするならば、その魚体ごとにいわゆる濃縮の力といいますか、水銀をメチル化していく生成の力というのは魚体ごとに違うわけですね。たとえばマグロとかカジキとかいうのはそういう力が非常に強い。したがいまして、魚体ごとに調べていった場合には、世界で一番と言われるような汚染魚もおれば、あるいはほとんど汚染をしていない魚もおるというふうに見なくちゃいかぬと思うのですが、三・七%以外の魚は大丈夫ですか。

内村良英水産庁長官

○内村政府委員 私どもが鹿児島県に委託して調査しました調査結果におきましては、その他の魚におきましては水銀の暫定基準を下回っておるという数字を得ております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 とするならば、湾内において養殖漁業等が行われております。ハマチの養殖等が行われているわけです。そういうようなのは関係がないのだ、そのほかの、三・七%以外の魚については水銀の汚染度合いは基準以下であるということになれば、これから湾内の水産振興という意味においては、汚染をされにくい魚、それの養殖等を中心にして漁業の振興を図るという政策がなければなりませんが、それについて、環境保全という立場から、これからの湾内の漁業振興という立場から、どういうような方向をお考えになっているのか、お答えをいただきたい。

内村良英水産庁長官

○内村政府委員 この原因が三月末にはっきりするように、現在鋭意調査を進めておるわけでございますが、いずれにいたしましても、今後におきましてもこのように水銀の高い魚が出てくるということでありますれば、やはり私どもといたしましてはそういった漁業の転換を図って、水銀の被害がない魚の増産を進めなければならぬということは御指摘のとおりでございます。  そこで、現在県におきましてもいろいろ被害漁業者の救済措置、金融面等につきましての特別措置をとっておりますが、それ以外に、漁業転換を捉進するための技術指導あるいは現地での相談指導というようなことをしております。水産庁といたしましてもそういったことをバックアップして、当該湾の漁業の振興ということに努めなければならないと思っております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 大臣、環境庁としては余り先見的な発表をこの場ですることを避けておいでになるようでございます。それはやはり公衆衛生の立場から、あるいは火山活動等のそういう立場から、学者の専門家の意見を聞かなければこの席で発表するわけにいかぬという配慮からであろうと思うわけです。しかし、原因を詰めてまいりますと、やはり火山活動との関係があることは疑いが濃いようでございます。そういう立場から、原因が解明をされました後、一体どういうふうに対策を講じていくのかということを考えてまいりますと、火山があり、そしてここは閉鎖性の海でございます。海流、潮の流れが一カ月に一回くらいしか変わらないような閉鎖性の水域であります。こういう地域は日本の中にはここだけしかございません。そこで世界でも冠たる水銀汚染魚がとれている。その対策を講じていく場合には、徹底的な調査を行うと同時に、その対策としてそれから生まれてくる漁業振興については、私は、日本の沿岸漁業というものを見直す意味からも、国民の大切なたん白資源の存在でございますから、これをそのまま放置してはならないと思うのでございます。大臣の御所見を最後にお伺いをいたしまして私の質問を終わりたいと思いますが、いかがでございますか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 先ほどから村山さんのお話を聞いておりまして、錦江湾における水銀汚染の状況はまさにゆゆしき問題であると思います。  いま御質疑の中において明らかになりましたように、鹿児島県としても調査を進めておるようでございますし、また環境庁さらに水産庁においても調査を進めておるわけでございますが、三月の末にはこの原因が明らかになるということでございますので、この原因が明らかになった段階におきまして、いま内村長官も申し述べましたように、やはり漁業振興という立場に立ちまして、きめの細かい対策を鹿児島県とも十分相談をして進めていって、地元の皆さんの御不安が解消して、漁場が回復をし、そして沿岸漁業が振興していくために、これはひとつ大いに努力をしたいと思っております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 では、終わります。

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 これにて村山喜一君の質疑は終了いたしました。  次に、湯山勇君。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 お尋ねしたい問題は三つあるのですけれども、時間の都合でできなかったならば途中で割愛いたします。  今度の予算の審議に当たりまして、私どもは修正案を用意しております。その一点は、大豆、麦それから飼料作物の生産奨励金の増額ということでございます。今年度から実施されました大豆、麦、それから飼料の生産奨励金でございますが、来年度もこれはそのまま額は据え置きになっているという状態でございまして、諸物価が値上がりしておるという状態、それから食糧自給体制を早急に確立して自給率を高めなければならないという問題等を控えておりまして、私どもはこれを増額すべきだということを痛感しております。  この点に関連して次のことをお尋ねいたしたいのですが、大豆についてはまだ見通しが立ちませんでしょうが、麦についてはもうまきつけを終わっておりますから、来年度の麦の増収の見込み、これはどの程度であるかということが一点。  第二点は、少なくとも奨励金等を加えて自家労賃が引き合いにかかるという程度にならなければ生産意欲を高めるということにはならないと思いますが、自家労賃はこの奨励金を出せば大体どのくらいになると見込んでおられるか。この予算を執行するに当たって、もしそれに到達していない場合は、大豆ならば食管法によって買い上げる価格を操作してそれだけの自家労賃を確保する。麦の場合であっても、これももちろん米価審議会にかかりますけれども、それによって政府が決定する場合に、それを配慮して買い上げ価格を決定するというような配慮がおありになるのかどうなのか。  以上の点、ひとつ一括して御答弁をお願いいたしたいと思います。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 第一点の五十年産麦の生産の見通しでございますが、目標といたしましては二割増産を目標として指導をいたしているわけでございます。それにつきまして、確かに植えつけは済んだわけでございますが、御案内のとおり麦の面積の把握は非常にむずかしゅうございまして、特に畑麦の場合には間混作というのは非常にむずかしい問題でございまして、私ども県から情報をとっておりますが、実は昨年もかなり苦い経験がございました。現段階で計数的にどの程度ということは正確には申し上げられないわけでございますが、大体二割増産目標で指導いたしておりまして、それに近い数字が得られるのではないかというふうに期待いたしております。  それから第二点の御質問で、この奨励金を加えて家族労働報酬がどうなるかということでございましたが、実はこれは厳密に申しますと、五十年産麦でございますからもちろんまだ生産もつかまれませんし、四十九年はまだ生産も出ておりません。したがいまして、私ども、たとえば米等と比べます場合には四十八年をベースに比べているわけでございますが、仮に四十八年の生産費を基準といたしまして、四十八年の麦の価格それから大豆の価格を前提として労働報酬を計算してみますと、麦の場合には、これは価格に、それから四十八年はもちろん形式上は奨励金がございませんが、仮に加えて試算をしたわけで、それから契約生産奨励金がございますが、これも加えて試算いたしますと——これは厳密に申しますと、先生十分御承知だと思いますが、単純に加えることはいかがという問題がございますが、仮にやってみますれば、小麦の場合は四十八年で家族労働報酬は一日当たりで四千三百三十九円と相なりまして、その他六条大麦が三千五百六十八円、裸麦がが二千三百六十五円、ビール大麦が三千四百四円という一日当たりの家族労働報酬になるわけでございます。  それからもう一つ、これを十アール当たりに直してみますと、小麦の場合が一万七千八百四十六円、それから六条大麦の場合が二万四千五百三十二円、裸麦が一万四千五百十四円、ビール大麦が一万五千十九円、大豆が一万八千九百九十八円、こういう計算値になります。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 まだ残っているのですが……。それで、いま御答弁で、たとえば小麦の場合は四千三百三十九円、裸麦の場合は二千三百六十五円ということですから、もし今回も大体こういう傾向だとすれば、小麦はつくろうかという気になるかもしれませんけれども、同じ奨励の対象になっている裸麦はつくろうかという気にはならないと思うのですよ、二千三百円程度では、パリティですから。全体としてそういうことになる可能性もあるかと思います。そうなった場合に、買い上げ価格を決めるときにそれを配慮して決めるか、あるいは足りない場合奨励金を増額するか、どっちかしないと、自家労賃が非常に低くてこれじゃだめだということになるおそれがある。そのどちらかの御配慮の用意があるかどうかということ、これがむしろポイントなので、その点をもう一度お答え願いたいと思います。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 ただいまは四十八毎度をペースに、単純に加えた計算でございますから大づかみの動向を指しているわけでございますが、御指摘のように麦によって若干差がございます。それで、四十九年産麦の動向を見ましても、小麦とビール大麦はふえている、裸麦、六条はそれほどではございません。これはやはり麦別のいろいろ作付条件があろうかと思うわけでございまして、それにぴしゃり見合いまして奨励金に差をつけるということも、なかなかむずかしい問題があろうと思います。したがいまして、麦全体、特にこれから小麦等が重要でございますから、大づかみの動向でそういうふうにやってまいったわけでございます。  ただ問題は、価格と奨励金との関係でございますが、ちょっと理屈っぽくなって恐縮でございますが、奨励金というものは、本来、これらの作物をめぐる国際需給の問題とか生産の動向ということを踏まえまして、緊急にこれらの増産を図るという目的でいわば特別に交付する、初めて四十九年から始めた新しい手法でございます。したがいまして、その結果といたしましてもちろんこれが農家にとって所得に寄与することは事実でございますが、それ自体は価格そのものではございませんで、やはり生産に誘導するための施策でございます。したがいまして、それはそれとして、そういった緊急に増産するにはどの程度がよかろうかということを判断して決めたわけでございまして、価格は価格といたしまして、それぞれ各法律がございますから、それに従って情勢に即応して適正に決めるべきものだ、そういうふうに考えております。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 大臣に最後にお尋ねいたしたいと思います。  いまお聞きいただきましたように、同じ奨励金のついている麦でありながらかなり違っている。法律によって買い上げ価格を決めるということですけれども、大豆、麦の場合、特に経済事情をしんしゃくしてという弾力条項が法律にはあります。したがって、いまおっしゃったように、奨励金が動かなければそちらの方で生産事情を考えてということもできないことはありませんし、また、いまのような価格がそのまま行くとすれば奨励金で操作しなければならない。諸物価は値上がりしておるし、増産をしなければならない。昨年の二割上がってもそんなに大きいことじゃないのです、もとが小さいのですから。そこで現在の遊休地を利用するために農振法も改正をお出しになっている。そういうことから考えれば、この奨励金についてはさらに増額の必要があると思うのです。それについて大臣の御所見を伺いたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 農業政策上、国民食糧の確保という点から、麦、大豆、飼料作物については特に生産を奨励しなければならぬという立場におきまして奨励金をつけることにいたしたわけでございますが、いま局長が答弁をいたしましたように、これは生産を奨励するという意味でございまして、価格ではないという立場をとっておるわけでありますし、そういう性格でございます。  それから、四十九年度から奨励金を始めたわけでございますが、四十九年度の奨励金の実施によりまして、一応いままでの生産が低下しておるということに対して歯どめがかかって、そしてこの五十年度の奨励金によりまして、われわれは麦につきましては二割増産が確保できる、こういうふうな立場をとっておるわけでございます。制度としては始まってから二年目というふうなわけでもありますし、そういうふうなことから見まして、私といたしましては奨励金を増額をする考えは持っていないわけでございます。麦等につきまする価格は価格としてこれは計算をされるわけでございまして、奨励金の性格から見まして、現在のところはこれを変えるという考えは持っておりません。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 御答弁としてはそうだろうと思いますけれども、本当にやるつもりであればそれしか手がない。一〇%割っておる自給率ですから、二割上がったってとてもこれは問題になりません。ただ幸いなことに、それらをつくる基盤の土地はあるのですから、これの力の入れ方いかんによっては、十割、二十割の増産というのは決して不可能じゃないということでございますから、この予算編成には直接大臣は当初からタッチなさらなかったと思いますけれども、ひとつ再来年度、ぜひその点の御配慮を願いたいと思います。  次は、やはり私どもは、SCP、微生物たん白の研究費、これを削除することを求めております。それは二つの理由からでございまして、一つは、SCPという、あるいは微生物たん白、あるいは単細胞生物たん白ですか、そういう名前で出てきたものに対して、一般の受け取り方は、石油たん白の復活である、こう受け取っております。これは「エコノミスト」ですけれども、「息を吹き返した石油タンパク」、こういう受け取り方をしている。この石油たん白に対してずいぶん激しい反対運動があって、ついにこれは取りやめになったといういきさつもありまして、今日農林省がなぜこれをやらなければならないかということについての疑義が解明されておりません。先般予算委員会でお尋ねしたところ、そうじゃないのだという大臣の御答弁がございまして、むしろミカンの皮とかそのほか、農産物のどちらかといえば廃棄物の処理だということでございますが、それならむしろそういう名前をつけて、こんなSCPというような、誤解されることじゃなくて、本当に農産物の廃棄物の処理だというような費用にしてはいかがか。  それからなおこれとの関連で、いまとにかく土地を活用してどんどん食糧増産をやらなければならないと思っておるときにこういうものが出てまいりますと、たとえば他のメーカー、それらの中にはかなり大規模に石油たん白あるいはその他の開発計画をしている。たとえば鐘化、大日本インキ等は、これはもう石油たん白、ノルマルパラフィンから三十万トンのたん白を生産するというような計画。これは五十年度目標だそうです。それから、メタノールからは三菱、エタノールからは三菱油化、酢酸からは興人とか、それぞれメーカーが手をつけています。そうすると、農林省の方でそういうたん白についての基準を決めたその基準は、どうせ同質のものですからこれらの石油たん白にも適用されて、せっかく反対した石油たん白が農林省の研究によって復活する、実際に使われるという懸念もなしとしないという点がございます。  それと、今度は農民の立場から言えば、今度はひとつしっかり農業をやってくれと言いながら、実は、せっかく農業をやりましても、はて、こういうふうにSCPというふうなものがまた出てきたということになれば、食糧もまたわれわれ農民の手から大企業に移っていくのではないか。現にこれは産業構造審議会が発表しておるところによりますと、わが国産業構造の方向として、昭和六十年の農業のシェアは、現在の四・四が二・三になるということも発表しています。そうすると、いまはやれと言うけれども、やっておると、やがてそういう石油たん白その他が大きくなっていって、そしてわれわれからまた奪っていくのではないかという二つの点です。  石油たん白、それにつながることの不安、それから農民自身の生産意欲の減退という二点から、いまこういうものをやる必要はないのじゃないか、むしろやめるべきだということをわれわれは言っておるのですが、この点について政府のお考えはどうなのか、これを明確にひとつお示し願いたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 農林省のやっておる、いまからやろうとするところの微生物たん白に関する研究が石油たん白であるという疑いが強いというような御指摘でございまして、この前の予算委員会におきましても湯山先生からそういうお話がございまして、これが石油たん白であるということになるならばそれはもちろん重要な問題でございますので、私自身も十分確かめまして、実は千葉県の畜産試験場まで参りまして学者の意見も聞いてまいったわけでございますが、これは明らかに石油たん白ではないわけでございまして、この点についてはひとつもっと研究をしていただいたら明白になると思うわけで、こういう疑惑が持たれているのは非常に残念に思うわけでございます。私は、もつとさらに研究していただきまして、石油たん白でないということならばむしろこれは積極的に御賛成をいただいて、修正の方から落としていただきたいと実はお願いしたいぐらいでございます。  この微生物たん白は、ミカンジュースかす等の農林水産物の廃棄物を利用して、飼料用の微生物たん白を開発し、これは畜産農家の経営の安定を図ろう、飼料を増産しよう、こういう目的でございます。そこでこの安全性をよく言われるわけでございますが、安全性の研究は非常に大事なことでございまして、今度の予算措置におきましても、安全性を評価するための必要な手法の開発を特にねらいといたしておるわけでございまして、石油たん白については、これはもう私が申し上げるまでもなく、いままで国会の御議論を通じて明らかになりましたように、国民的な合意が得られなかったら企業化をしないという原則が決まっておりまして、この石油たん白をそういう意味においてわれわれが企業化する、これを許容するというふうなことはもう毛頭考えておらないわけであります。  したがって、繰り返して申すようでございますが、農林省の考えております微生物の研究ということは石油たん白ではないということを明言をいたす次第でございますので、何とぞひとつ御理解をいただきたいと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 大臣、石油たん白はSCPの中に入るか入らないか、これはどうですか。結論だけひとつ言ってください。

小山義夫農林水産技術会議事務局長

○小山(義)政府委員 SCPの中にはいろいろなものがございまして、その中の一つとしていわゆる石油たん白も定義の上では入ります。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 そうですね。大臣、そういう問題なんです。ですから、SCPという名前、これの中に入るのです。石油たん白が。だから必ずしも別なものだとは言い切れない、定義から言いますと。そこでいまの心配が起るのはあたりまえなんです。SCPと言うから問題なんです。石油たん白を、名前を変えてSCPにしたと同じことなんです。もっと幅広いんです。石油たん白も含めたたん白です、SCPは。だから、本当の目的が大臣の言われたように、とにかく農産物の廃棄物を処理するんだというなら、農林省らしく、そういり廃棄物処理研究と名前をお変えになったらどうですか。そうしたらこれは絶対に間違わない。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 これはいろいろと疑惑を持たれるといけませんので、そういう点については十分研究して、名前を変えてそれでもって御理解が得られるということならそういう方向をとりたいと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 おわかりいただいたようですが、ひとつぜひそういうふうになさらないとこれは本当に問題を起こします。  それから、もう時間がなくなりましたが、最後にミカンの問題です。ミカンの問題は、本年——本年といいますか本年度といいますか、これは値段の方はまあまあでございました。しかし、ここまで持っていくのにはずいぶん、六月のあの薬剤摘果から、それから八月、九月にかけて全く身を切られるような思いで摘果した農家がずいぶん多かったわけです。そしてどうにか三百二十万トン余りですかのところへいきまして、温州ミカンについてはキロ百円以上の価格維持ができた。けれども、これだけ摘果しますと量が少なくなりまして、農家の収入というものは余りよくなっていないというのが実情です。ただ問題は、こういう状態を今後も続けていくとなると、さて今度は来年はどうだろう。また摘果をどうするか。それから選果——摘果以上にやはり厳しいのは選果でした。選果をどうするか。そういう不安な状態がこれから何年続くかわからぬ。これは大変相済まないことであって、何か安定させる方法はないかということです。本来、摘果をことしのような目的に使うというのは邪道でございまして、摘果というのは品質向上のためのものである。だから、摘果したから収量が必ずしも減るというものではないと思います。  そこで、問題は価格の問題です。いろいろお尋ねしたいことがあるんですけれども、時間の関係で飛ばしますが、価格の問題だと思います。今日の価格政策というものは加工原料についてなされていますけれども、これは実態に合わなくて、あの基準価格で取引された、あの保証がされたとしても、とてもこれは引き合いにかかる金額ではありません。しかも総生産の二割に足りない加工原料用だけなんで、問題は生ですね、これをどうするかというのが重要な問題です。そのために、愛媛県あたりでは共済制度にこれを入れて、価格の暴落もまた一種の災害だというようなことからそういう検討をしています。これについては農林省も、研究費か調査費かお出しになっておられて、それは非常にいいことだと思うのですが、しかし共済でやるというのにも問題がないではない。ことに、現在農林省がやっておるこの共済そのものも、利用率は十何%しかない。国でつくっている制度で利用率が十何%なんかというのはもう落第なんです、本来言えば。それらを含めてしっかりした価格対策というものをつくる御意向があるのかないのか。そういう検討をなさるかなさらないか。これは非常に重要な問題でございますので、ぜひしっかりした御見解を御表明願いたいと思います。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 御指摘のとおり、近年ミカンの需給バランスは非常に崩れておりまして、ことしはいわば摘果という大変な努力によりまして辛うじて危機を切り抜けたというのが実態でございます。したがって、今後もこのまま放置いたしますればいわば供給過剰、したがって価格の低落を招くということは、ほうっておきますれば当然そうなると想定されるわけでございます。したがいまして、私ども、やはり基本的には需給バランスをとることである、価格安定も。需給バランスをとってそれによって価格の安定を図るということが基本であろうと考えております。したがいまして、そのためには、生産面におきましては新植の抑制等、いわば改植等の推進、それからときによりましては摘果もしなければならぬ。それからまた出荷面における調整、あるいはまた需要の拡大、加工、こういった、生産、流通、加工、消費、各般の面にわたる施策を総合的に講じまして需給バランスを回復いたしまして、それによって価格の安定を図ってまいるということで、五十年度予算におきましては、改植等を中心とする予算、それからいま言った生産から流通、加工、消費にわたるものを一体的に調整を図るための、いわば生産出荷安定基金というものを設立することにいたしておりまして、それらを通じまして需給バランスをとって、価格の安定に総合的な対策を講じてまいりたいというふうに考えているわけでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 需給のバランスだけでやろうというところに無理がありまして、摘果がうまくいかなければ今度は選果が厳重になる。愛媛県の果樹試験場長が笑っておりましたが、すりきずのある、ミカンというのはうまいんだ、風当たりもいいし、日当たりもいいし。それをみんな選果でのけるわけです。こういうこともしなければならないし、九月になって摘果するなんということはこれは実際農民感情としてはたえられない。制度としては価格政策もあるんです。共済制度もあるのです。国が制度を持ちながら、活用しないで、いまのような需給バランスだけに頼っていくというところに非常に問題があるので、これはひとつ、もう時間がありませんから、ぜひ大臣、この際検討していただいて、ミカンの生産者が安心して生産できるように御検討願いたいと思いますが、いかがでしょう。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 ミカンの生産者が安心して生産ができるようにいろいろの施策を講じていかなければならぬことは当然でございます。今度の五十年度予算におきましても、ミカン対策につきましては御存じのように予算措置も前進をいたしております。生産出荷安定基金等につきましても助成の強化等も行っておるわけでございまして、こういう制度をひとつ今後は大いに活用して、御期待にこたえるような生産農家の安定をひとつ図っていきたい、こういう考えでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 終わります。

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 これにて湯山勇君の質疑は終了いたしました。  次に、山口鶴男君。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)分科員 実は群馬県に昭和四十五年十二月四日、知事認可によります社団法人群馬県くみあい開発協会というのが設立されたのであります。  ここに定款がございますが、目的を読んでみますと、「この協会は、農業区と住区が調和的に形成される地域社会(以下「農住都市」という。)の建設を促進することにより、良好な環境の住宅地および住宅の供給・都市農業の開発・農業経営の合理化を図り、もって社会公共の福祉に貢献するとともに、農民生活の安定・向上に寄与することを目的とする。」こう書かれております。いわゆる農住構想、この趣旨は、私、大変結構だと思います。しかしその後、この群馬県くみあい開発協会が群馬県のみならず、はなはだしい場合におきましては北海道札幌の中心地区の土地まで取得をいたしまして、実に百十八億一千二百二十一万円余の土地を取得をいたしたのであります。このうち一部は処理をいたしましたが、まだ処分をしないでこの開発協会が持っております土地が、取得金額にいたしまして約八十九億円、評価額におきまして九十七億円、こういう膨大な土地がそのままいわば焦げついたといいますか、未処分のままになっておるわけであります。その後、一部刑事事件等もこれにからんで発生をいたしております。いわゆる不動産業者との間の贈収賄というようなことでありまして、大変遺憾なことであります。そこで若干お尋ねをいたしたいと思うのですが、この群馬県くみあい開発協会が土地を膨大に収得し、それがそのまま焦げついており、農協の資金運用、特に群馬県の信連の資金運用に相当な影響があるということが昨年の夏ごろわかりまして、群馬県も群馬県認可の開発協会でありますかり、監査をいたしたようであります。またさらに問題が発展をいたしまして、お聞きしますところによりますと、関東農政局がこれまた監査をいたしたということをお聞きをいたしておるわけでございます。  まず群馬県の監査経過、当然県の農政部を通じて御承知いただいていると思いますが、その経過及びどのような御指導をされたか、また関東農政局の監査の結果の状況はどうか、また、群馬県の農協に対してどのような指導をいたしましたか、この点をまず冒頭お尋ねをしておきたいと存じます。

岡安誠農林省農林経済局長

○岡安政府委員 いま御指摘の群馬県くみあい開発協会に対しましては、これは群馬県当局からの報告でございますけれども、群馬県は昨年の六月の下旬にくみあい開発協会を検査いたしました。その結果、昨年の七月上旬、文書をもちまして協会に対しまして指示をいたしております。  その内容を申し上げますと、一つは県外における土地取得につきましては、この協会の設立趣旨からしてまことに遺憾であり、取得物件中本来の目的に使用するものを除きまして、早急に処分するということが一点でございます。もう一つは、不適当な土地の新規取得は自粛をするという二点を文書をもって指示をいたしております。  それから農林省といたしましても、昨年の六月に群馬県信連に対しまして、農協法に基づきます常例検査を実施いたしました。その結果につきましては現在まだ取りまとめ中でございまして、結論が出ているわけではございませんが、知り得た事実に基づきまして現在次のような指示を信連に対していたしております。  その内容の一つは、まず債権を保全をするという措置、それから二番目には、開発協会に対します融資の早期回収計画をつくって、これを実行するように。三番目は、信連の貸し出し審査体制を含めまして、業務執行体制を整備するようにというようなことを中間的に指示をいたしております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)分科員 取得いたしました土地の面積、その取得金額、評価額ということになりますと、これはいろいろございますので、あれですが、その土地の、面積ならびに評価額、幾らになりますか。  また後刻文書でも結構でありますから、この取得年月日、取得の土地の面積、その地籍、その地番ですね、それから取得金額等、文書でいただければ結構だと思いますが、全体で結構ですから、ここでお答えいただきます。資料はあとでいただきましょう。

岡安誠農林省農林経済局長

○岡安政府委員 開発協会が取得いたしました土地の件数はすべてで五十六件あるようでございまして、そのうち処分をいたしましたものもございますので、現在保有いたしておりますのは、三十五件ということになっております。その面積を申し上げますと、三十五件の総面積は三十一・三ヘクタールということになっております。  いま後刻資料でというお話でございますが、どの土地についてどれくらいの価格で取得をしたか、その評価額は幾らであるかというお話でございますけれども、そういう点まで報告できるかどうか、これは県庁を通しまして当協会の実情をよく調査いたした上で、報告できるものにつきましては御報告を申し上げたいと思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)分科員 全体の金額は幾らですか。

岡安誠農林省農林経済局長

○岡安政府委員 全体の金額は、大体でございますけれども、取得金額はほぼ現在残っております三十五件三十一・三ヘクタールにつきましては、大体約九十億程度というふうに聞いております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)分科員 実は群馬県の県会でもこのことはしばしば問題になりまして、取得いたしました土地の詳細、取得年月日、取得金額というものを明らかにせよというふうなことが、社会党の県会議員等から強く要求があったようであります。ところが、たまたま田中金脈問題に関連をいたしまして、自治省が昭和四十九年の十一月十九日に、この「地方税に関する事務に従事する職員の守秘義務について」という通知を出したわけです。きょうは自治省呼んでおりませんが、そういう通知が出たことは農林省でも御存じだろうと思うのです。これを盾にとりまして、群馬県は資料の提供を拒み通したわけなんですね。  そこで私は大臣にお尋ねしたいのですが、田中金脈をめぐりまして守秘義務が国会でもずいぶん議論をされました。そしてこれにつきましては、昨年の暮の国会で政府の一応の統一見解も出されたことは大臣も御存じだと思います。これはやはりケース・バイ・ケースで処置するべきだというのがあの統一見解の内容だったと思うのです。この問題は山晶という会社と、くみあい開発協会の幹部との間の贈収賄が問題になって現在刑事事件になっております。こういった遺憾な問題については、私はやはりケース・バイ・ケース、当然県民の前に明らかにするという判断が正しいのじゃないかと私は思うのですが、大臣いかがですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 昨年の守秘義務についての統一見解が出たことももちろん承知しておるわけでございますし、いま御指摘のようなケース・バイ・ケースということもその中にあるわけでございますが、この地方行政における守秘義務につきましては、これはやはり県の考え方がその解釈に当たっての中心となるものであろうというふうに考えておりまして、私からこの問題について発言を、いろいろと解釈を加えるというのは適当じゃないのじゃないか、このように思っております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)分科員 まあ大臣とは議運、国対を通じてずいぶんおつき合いもしてまいったのでありますが、そういう中で大変歯切れのいい、党は違いますが、りっぱな人と尊敬しておったのでありますが、どうも大臣に就任されましたらやや歯切れが悪くなりまして残念であります。これは地方行政委員会等で改めて議論することにして、これ以上御答弁を求めても同じでしょうからやめておきましょう。詳細な資料は、ひとつ農林省の御判断で出せるものは後刻いただきたいと思います。  そこでお尋ねいたしたいのは、この定款をさらに拝見いたしますと第三条に、「区域」というのがありまして、「この協会の区域は、群馬県を区域とする。」こう明確に書いておるのであります。ところが、いまお答えもございましたが、九十億、処分したものを含めれば百億を超える膨大な土地を取得をいたしたのであります。それを見ますと、群馬県内もございますがむしろ群馬県外、具体的に言えば栃木県の小山市、それから北海道の札幌市等に相当額の土地を実は取得をいたしておるのであります。しかも、北海道札幌市の土地は札幌市中央区、まさに札幌の一番の繁華街なんです。単価が坪当たり二百四十万円という土地を大量に取得をしたわけですね。まさに群馬県の区域を超えて土地の取得をした。しかも定款には群馬県を区域と書いてある。それからまた、ただいま群馬県の監査結果、それから信連に対する農林省の監査結果のお話がございました。県外の土地取得は遺憾である、こう言っているわけですね。どうですか局長。県外の土地を取得したことはこの定款に反するというふうに当然考えてしかるべきだと思うのですが、いかがですか。

岡安誠農林省農林経済局長

○岡安政府委員 御指摘のとおり、確かにこの群馬県くみあい開発協会の定款の第三条には「この協会の区域は、群馬県を区域とする。」というふうに書いてございます。そこで、こういうように群馬県の区域を地区とします公益法人が、群馬県の区域外で土地を取得することができるかどうかということが問題でございますけれども、一般論といたしましては全くそういう土地を取得できないというふうには解されないというふうに思います。具体的にはその公益法人の事業内容、その事業と当該土地取得の関係、それから当該土地取得の状況等を総合的に勘案いたしまして判断する必要があるのではなかろうかというふうに考えております。  本件につきましては、群馬県開発協会、御指摘のとおり県外で数件土地の取得を行っております。したがって一般論から照らしまして、これをもって直ちに定款に違反するかどうかということの判断は非常にしにくいというふうに考えております。これはやはり今後吟味を要するところであろうというふうに思っておりますが、いずれにいたしましても、この協会の目的から見まして、こういうように県外に土地を取得するというようなことは適当でない行為であろうというふうには考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)分科員 どうも定款に反すると私は思うのです。「目的」もさっき申し上げました。農住構想を進める、都市農業の開発、農業経営の合理化を図って、そして農民生活の安定、向上に寄与するのが目的だというわけですね。その札幌市の中心部の坪当たり二百四十万というような土地を取得をして、これが都市農業の開発、農業経営の合理化、農民生活の安定、向上になど寄与するはずはないじゃありませんか。「目的」だって反するのですよ。しかも定款に「群馬県を区域とする。」と明確に書いてある。「区域」にも反する。二つ反するのですから、これはこの定款に反する行為である、かように言わざるを得ないと思うのですが、いかがですか。

岡安誠農林省農林経済局長

○岡安政府委員 一見形式的にはお説のようなことも言われるかとも思いますけれども、したがって、(山口(鶴)分科員「形式的じゃない、実質的じゃないか」と呼ぶ)実質的な問題としまして適当であるとは言いがたいというふうに思いますけれども、形式的な問題としてこれを詰めた場合には、やはりなお吟味すべき問題がございます。たとえば札幌の土地にの取得につきましてもそういうような土地を取得した目的はどうであったかとか、それから御指摘のとおり、この協会の目的といたしております農住都市建設との関係はどうであるかというようなことをさらに吟味いたしませんと、この行為が即定款に違反するというふうに断定するにはまだ早いのだというふうに考えます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)分科員 局長に聞きますが、こんなような例はほかにあるのですか。社団法人として、農協が信連の資金を使ってくみあい開発協会というものをつくり、しかも農住構想というのをうたって、県外の繁華街の土地を大量に取得するというようなのが他県にあるのですか。

岡安誠農林省農林経済局長

○岡安政府委員 農住構想を推進するために設立された公益法人も多数ございますが、今回のように群馬県くみあい開発協会が引き起こしたと同様な問題を起こしている事例というのは私ども承知いたしておりません。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)分科員 大臣、ほかにないわけですよ。たった一つ。そうしてしかも「目的」にも反するし、「区域」というのも反する。それはどういう意図で局長がああいう三百代言的なことを言っておるのか、わからぬでもありませんけれどもね。しかし定款にあくまでもこう書いてあって、目的も書いてあれば、私は、大臣としては、これは定款に反する行為だ、しかもたった一県、群馬県にしかない。全国幾つもあるというなら、それはいろいろ局長のような解釈をしてかばわなければならぬという点もあるかもしれないけれども、たった一つしかないのですから、これは定款に反する行為だった、遺憾である、こう言って差し支えないと思うのですが、いかがですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 この群馬県くみあい開発協会の問題は私もいろいろと聞いたわけでございますが、まことに不愉快な不明朗な問題であると思うわけでありますし、またいま局長が申し述べましたように、協会設立の目的から見まして、やった行為というのはまさにこれは不適当そのものである、こういうふうに考えるわけであります。しかし、これが直ちに定款に反するかどうかという点につきましては、局長もいま答弁したわけでございますが、これは私は確かに問題はあると思いますが、群馬県が主管をしておる協会でもあるわけでございますし、その間にどういうふうな実態があったのかというふうな事柄につきましては、私もつまびらかにいたしませんので、直ちにこの定款に反するということを断言はできないわけでございます。しかし、問題はあるし、まことにこれは不適当なことであるというふうに私は思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)分科員 地方自治の立場も大いに強調されますけれども、それは地方自治体が独立した一つの地方公共団体として、団体の自主的な問題については当然判断をするのは自治体でなければなりません。しかし、これは社団法人、民法上の法人ですね。それが定款をつくっているわけですが、そういった法律解釈の問題になれば自治体任せというわけにはいかぬと思うのですよ。民法上のこういった公益法人につきまして自治体が認可をしましても、監督責任というのは農林省なり、それから運輸省なり、あるいは自治省にあるわけなんですから、そういう意味で、地方自治体のことだから地方自治体任せということではなしに、指導監督の責任のある農林省としての明確な解釈というものを示す責任があると私は思うのです。そういう立場で聞いておるのですから。

岡安誠農林省農林経済局長

○岡安政府委員 おっしゃるとおり、この法人は群馬県知事が許可をして設立された法人でございますから、この法人に対する監督責任というのは群馬県知事にあるわけでございます。ただ、おっしゃるとおり、群馬県に対する私どもの監督責任といいますものがございます。そこで私どもとしましては群馬県当局とよく相談をいたしまして、この処理に当たりましては遺憾のないような処理をするように、万全の指導はいたしたいというふうに思っております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)分科員 群馬県に対して監督責任があるというお答えですが、たまたま群馬県には農林省から農政部長が代々行っておられるわけであります。現在の農政部長さんも農林省から行かれた方です。お名前を言うのは控えたいと思います。それからその前の農政部長さんもたしか農林省から行かれた方ですね。それ以前もずっとそうです。このくみあい開発協会が設立されましたときに、当時の農政部長さんが理事に就任をされております。転勤になりましたので昭和四十七年の八月二十五日に辞任をされております。登記は同年の九月五日にされております。これは謄本ですけれども、その後農政部長さんが就任をされたわけです。すぐ就任というよりは、たまたま何人かまとめて理事に御就任になり登記をするものですから、現在の農政部長さんは就任をいたしましたのが昭和四十八年の六月一日、そして八月十七日に辞任をされておられます。農林省からせっかく法規その他に詳しい方が農政部長さんにも就任をされておる、そうして理事にも就任をされておる、といたしますならば、当然群馬県の区域を越えて都心部に土地を取得するとか、農住構想というものを越えて、群馬県内でありましても前橋、高崎の都心部の土地を取得するとか、しかも百億もの土地が未処分のままであって、信連の資金運用にも非常に差し支えるという事態を防止することができたはずじゃないかと私は思うのです。その辺、せっかく農林省から人もお出しになっておられるわけなんですから、しかも農林省は群馬県を通じて監督責任があるという立場を考えれば、よりこのような暴走を阻止する方法があったのじゃないかと思います。どのような御反省を持っておられますか、お答えをいただきましょう。

岡安誠農林省農林経済局長

○岡安政府委員 御指摘のとおり、この協会の役員といたしまして県の農政部長が理事に名を連ねたことがあるということも承知をいたしております。これは当協会の要請もありまして県の指導を受けたいというようなことで、県としまして条例に基づきまして、知事の承認を受けて就任したというようないきさつのようでございます。もちろんこういうような関係からして、県と当協会との関係というものは、一般の指導監督の状態以上により密接な関係があることも承知いたしておりますが、これはやはり群馬県当局の内部の問題でもございますので、農林省として云々するということは必ずしも適当ではないというふうに思っております。  いずれにいたしましても、先ほども申し上げたとおりでございますが、群馬県といたしましては、職員がかって役員であったいかんを問わず、この協会に対しましては、すでに検査した結果等に基づきまして、今後の指導を行い、適切な処理をしたいということで努力をいたしておるようでございますので、私どもも群馬県当局と十分な連携をとりまして、処理に遺憾のないようにいたしたい、かように考えておる次第でございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)分科員 時間ですから私は最後にあれですが、よく国会でも、中央官庁の職員が地方自治体に、天下りといいますか、出向ということに  ついては、中央統制であってけしからぬという議論もございます。しかし、そうばかり言い切るのもどうか、やはりそれぞれ各省庁御出身の方で、法律にも詳しく、運用にも練達の方が行かれて、遺憾なき行政をやるということについては、若干の意義もあるだろうと私は思っているのです。ところが、せっかく代々こういう方が出向し、理事にも就任しておりながら、こういった暴走を阻止することができなかった。群馬県だから群馬県のことだと言いますけれども、そういう人を出していなければ別ですよ。出しておってなおかつそういうことがあったということについては、農林省として当然反省があってしかるべきだと思うのです。また、今後、このために群馬県の農民が不利になっても困ると思います。その際にはひとつ適切な指導なり援助なりもいただきたいと思うのでありますが、そのことも含めて最後に大臣の御見解を承っておきましょう。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 中央官庁から出向する、そういう場合におきまして、中央官庁としての、出向させたという立場における責任もあるのじゃないかと私は思います。同時にまた、この問題につきましては、信連が金を貸しておるわけですね。信連は農林省が資金運用については検査をしなければならぬ責任があるわけですが、そういう意味におきまして、いままで農林省のそうした信連等に対する検査体制というものが必ずしも十分でなかった点もある、そういうふうなことも私は考えまして、今回から常例検査以外に検査を強化する措置もとりましたし、大蔵省の検査官との交流というようなことも始めていくわけでございますから、もっと検査体制を強化していくことによって、こういう事件が今後起こることに対して未然に防止することもできるんじゃないか。これは農林省として、そういう信連関係等においてはやはり十分反省をして、今後、この問題についても十分対処していかなければならぬ、そういうふうに考えます。

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 これにて山口鶴男君の質疑は終了いたしました。  次に、山原健二郎君。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原分科員 いわゆる振動障害ですね、白ろう病です。この問題につきまして、私は、この深刻な度合いというものを最近非常に痛感しています。  私の県は高知県です。高知県長岡郡本山町というところに本山保健所というのがあります。実は、この本山町が私の出身の町なんですけれども、ここで高知県における最初の、周辺五カ町村の民有林労働者のチェーンソー使用に伴う振動障害の実態調査が行われまして、昨年末の十二月二十六日にその結果が発表されております。それを見ますと、検診調査結果として、何らかの異常が認められる要注意者並びに要治療者の数は受診者総数の四分の三に達した、こういう報告になっているわけです。五カ町村で十三回の検診が行われていますが、受診対象者数が四百四十二名で、実際に受診した者が二百一名です。判定は県の診断基準によって行われておりますが、異常なしという方が二百一名の中で五十四名、それから軽度の異常が認められて精密検査の必要な者が九十五名、それから振動障害の疑いが濃く、チェーンソーの使用をやめ治療を要する者五十二名、まさに受診者の四分の三が何らかの形で振動障害を受けておる、こういう発表がなされております。そして十名のうち八名までが手足の指に欠損があるということが報告されておりまして、山林労働の厳しさというものをひしひしと感ずるわけです。また高知県の窪川町におきましても検診が行われておりますが、これは人数は少ないのですが、二十七名受診しまして二十名がこの障害を受けております。おそらく、これは第一次検診でございますから、精密検診をやればさらにこの数はふえるのではなかろうか、こういう状態が出まして、これは大変なことだな、こう思っておるわけですが、全国的にこういう状態なんでしょうか。その点を最初に伺っておきたいのです。

山口全労働省労働基準局補償課長

○山口説明員 健康診断の受診結果については、安全衛生部の方から参っておりますので、全般のことはあとでお答えいただくことにしまして、労災保険で保険給付している件数について申し上げます。  白ろう病等の認定がありまして、労災の給付申請をし、それが認定され、給付が行われている者の数は、全国で四十九年三月末で三百九十三名となっております。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原分科員 これは労働基準局補償課の労災給付件数というのでいただいたこれですね。これを見ますと、四十七年が百四十九件、四十八年が百四十六件、それから四十九年が三百九十三件、倍以上にふえているわけですね。これはどういう理由ですか。

山口全労働省労働基準局補償課長

○山口説明員 以前は先生御指摘のように、林業労働者に対する検診の実施がきわめて不十分であったということを認めざるを得ないと思いますし、また検診の内容もそう整備されたものでございませんでした。後ほどあるいは関係課長から説明があるかと思いますが、検診項目が具体的に設定されて、昨年、本年度を通じまして大規模な検診を促進しております。その結果、異常者がかなり発見されてきている。したがって、それらの方が労災の給付申請に及んでいる、かように考えられます。したがって、今後さらに検診結果によっては労災の給付申請者は増加するというふうに考えられます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原分科員 申請件数が不明だという御報告ですが、これはわからぬですか。

山口全労働省労働基準局補償課長

○山口説明員 実は給付申請の業務あるいは認定の業務は第一線の労働基準監督署で処理しております。年間の給付請求件数もかなりな件数に及びますので、その個々について業種別には本省で把握いたしておりませんので、請求件数の実態は承知しておりません。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原分科員 申請件数がわからないで、申請に基づく給付件数は非常にふえておるという状態ですね。高知県の場合、県の方に聞き合わせてみますと、山林労働者が四千三百というふうな数が出ています。そうしますと、このままでいけばおそらく三千名近い振動障害を受けている患者が出てくるのではなかろうか、こういう状態ですね。まさに、これほど広範で深刻な職業病というのは、ほかにはまず例がないだろうというような状態なんです。しかも高知県なんかのチェーンソーの使用というのはまたものすごいのですね。五千台という数字が出ています。これは林野庁全部のチェーンソーの使用量に匹敵するくらい民間において使われているのです。そういう中で非常に大きな問題が起こりまして、山村へ参りますと、一期、二期、三期、四期という症状の中で、三期、四期ですね、治療によっても回復不可能な、あるいは廃人への道を歩むというような状態にまで置かれている山林労務者が非常に多いわけでございます。これは全く深刻な問題でして、何とかしなければならぬ、この認識を、ちょうど大臣もいらっしゃるので、まずそのことを頭に入れていただいて、私は幾つかの提案をいたしたいと思うのです。時間もそうありませんから、何点かについてお聞きしていきたいと思っています。  一つは、この振動病についての共済制度をつくる必要があるのではないかということでございます。これは、現在とにかく病気にかかりましても、治療を受けるのにも国公立の病院は拒否しますから、だから民間の病院へ行く。レントゲンをかければ四万円頭からとられる、その金を出さなければならぬ。そういう状態にあるわけで、そういう治療の問題、検診の問題を含めまして振動病の共済制度を考えてはどうかというのが一点です。それから二点目は白ろう病についての国の通達指導の強化、これを提案をいたしたいと思います。その中の項目を申し上げてみますと、一つは認定についての事業所が確定しておりません。全円ばらばらでございます。申請をする窓口となる事業所は一体どこなのか。これもきちんと一定の基準をつくることが必要じゃないかと思うのです。そうしないと大変な混乱が起こるわけです。どこの事業所を窓口にして申請をするかもわからないというようなことが随所に起こっているわけです。それから二つ目は認定事務が非常に遅いのです。これは一例を挙げますと、高知市の造船工の場合ですけれども、昨年の二月九日に申請をしまして認定がおりたのが十月一日でございます。八カ月かかっているわけですね。そうしてこの間に結局保険金も解約しまして、保険金も生命保険を引いたりいろいろなことをして苦労しながら、ついにこの人は生活保護世帯に転落をしているわけです。ところが、生活保護世帯に転落するのはまだましだ、こう言うんですね。山林の場合は、値打ちもない山林をいささか持っておるということで、生活保護にもならないという状態なんですね。したがって、生活保護をとれない。だからもうまさに体が悪くなるのを知りながら、依然としてチェーンソーを使いながら体は衰弱していく、こういう悲惨な状態に置かれております。したがって、八カ月もかかるというようなことでなくして、認定事務を敏速にしていくという点での指導をしていけないものか、これをお伺いしたいと思うのです。  三番目に、業者に対する通達あるいは指導の問題です。この労災申請に対しまして、特に出かせぎの場合、これは業者はきわめて非協力的でほとんど申請を出さない。これは理由もあるわけですね。おれの所へ数カ月おって、その前に受けた障害をおれのところで申請するというのはおれはいやだという言い方も出てくるわけで、この事務上の非常にむずかしい点はわかりますけれども、しかし業者に対してやはり労災申請に対する協力ですね、これをしっかりと要請していくというのが行政庁として必要ではないかと思います。これが三点目です。  四点目ですが、これはチェーンソーの使用についての指導です。これは四十五年に労働省の通達が出されているわけですね。一回十分、継続一日二時間の通達が出ていますけれども、私の調べましたところ、高知県の山林労働者は長野県はじめ東北あるいは近畿一円に散らばっているわけですけれども、どこの県でもチェーンソーのそんな労働省の通達なんというものを説明を受けた者はないのですね。だからみんな連続六時間も使っているというむちゃくちゃな状態ですね。出来高制もあるわけですけれども、そういう状態に置かれておる。みすみす体に障害を受ける状態がっくり出されているわけです。これは業者に対してやはりしっかりとした指導をしていただく必要があると思います。  五番目に、労災申請のとき協定賃金を盾にとって著しく低い額で申請をしておる。これはもうほとんどです。協定賃金なんというものはどういう性格のものか御承知でございましょうけれども、たとえばHさんの場合ですが、これは高知県の十和村というところの方でありますけれども、長野県で山林労務に従事しています。この方が大体平均一万一千円の賃金です。私の県では大体七千円平均なんですが、一万一千円というところもあるわけです。これは実質もらっておる賃金です。ところが協定が長野県では四千円、それから県によりまして三千五百円のところもあるわけです。結局監督局へ申請された賃金は四千円で申請されています。そうしてその八割ということになります。これはほとんどの県がやっているらしいのです。だからこれは当然実質賃金に対して申請をすべきであって、協定賃金などというものでやられますと、大変困るわけですね。そういう状態があります。これも指導の問題ではなかろうかと思うのです。  それから六番目に、自営者の場合ですね。これは御承知のようにシイタケ、炭焼きなどがあるわけですが、こういう中に白ろう病の重症者が非常に多いのです。この自営者については、県知事などは森林組合の労務班として取り扱うというような方針を出しておるところもございます。やはり労災適用の対象となるこういう自営者については、何らかの方法をとってあげて、そうして森林組合労務班というような形態でこれをつくっていくということが必要ではないかと思いますが、これについて見解を伺いたい。  それから七番目に、白ろう病の申請は二次検診まで必要でございますが、一次検診で申請できるようにすべきではないか。一次検診だけでなく、自覚症状のあった場合は申請さすということですね。そうしないと二次検診の病院というのは、たとえば高知県では三カ所か四カ所しかありません。しかも国公立の病院は受け付けないというものですから、医師も大変なんですね。一人の検診をするためには準備をして五時間かかるわけです。しかも精密検査の専門医も少ないような状態の中で取り合ってくれないというようなことも続きまして、その中で病状が次第に悪化していく、こういう状態もあります。これなども二次検診までの申請ではなくて、一次検診あるいは自覚症状が出たときに申請できるような、そういう制度にすべきではないかと思うのです。  以上、七点です。最初の共済制度を含めまして八点ですが、簡明にお答えをいただきたいと思います。

山口全労働省労働基準局補償課長

○山口説明員 補償関係の事故につきまして先に説明させていただきます。  最初に、二番目にお話ありました通達指導の強化でございますが、そのうち認定の窓口の問題でございます。これは事業所を管轄する監督署であればどこでも、どこでもと申しますか、署であればよろしゅうございまして、事業所へ出す必要はございません。監督署へ申請していただけば結構なわけでございますので、最寄りの監督署へ提出していただく、所轄が違えば移送する、こういうように指導したいと思います。  さらに二番目のこととして、認定事務の促進についてのお話がございました。先生御指摘の事案は、多分造船工の例かと思いますが、事実数カ月要したものはございます。これは鑑別診断を行うために入院を指示したわけでございますが、折あしく山口労災病院は満床でございまして、帰ってきたというような事情もあったように聞いております。いずれにしても、御指摘のように、できるだけ早い機会に認定する必要がございますので、そのように指導をしておりますし、さらに今後指導を徹底したい、かように考えております。  それから三の項目で先生お話がございました、業者に対する指導でございますが、これまた先生御指摘のとおり、使用者が証明をいやがるという傾向が確かに見受けられます。申請にあたりましては、証明欄がその場合に空欄であっても、監督署としては受理して、所要の調査を監督署みずからするように従来から指示してございます。業者の指導とあわせて従来の指示を徹底したい、かように考えております。  それから五番目にお話のありました協定賃金でございますが、これもまさに御指摘のとおり、現在は協定賃金というのは促進しておりませんで、基準法十二条に基づく平均賃金、これを基準にしておるわけですが、一部、従前のとおり協定賃金によって申請をしてくるという例が見受けられます。このことは保険料の負担とかわりまして、あるいはこういうことが行われているのかと思いますが、実質賃金によって保証するということがたてまえでございますので、そのような指導を徹底したい、こう思います。  それから、六番目にお話しになりました自営業者に対しての措置でございます。これは後ほどまた農林省からもお話があろうかと思いますが、私どもの従前の扱いとしましては、自営業者のうち中小企業事業主、あるいは一人親方の大工、あるいは農業従事者で特定の危険機械機具を使用する者、こういう者について、労災保険法の特別加入という制度の中で保険事故について救済しておるわけでございます。これは、同種の労働者と災害の実態あるいは災害の発生状況等が酷似しているというものについて、特別な制度として設けておるわけでございます。自営業者の実態について私ども十分承知しておりませんので、農林省とも十分連絡をとって、その業務の実態等の把握にまず着手したい、かように考えております。

松形祐堯林野庁長官

○松形政府委員 お答え申し上げます。  まず、四番目に、使用上の通達というのを整備して十分徹底するようにというお話でございますが、労働省とも十分連絡をとりながら私ども徹底の努力をいたしておりますけれども、御指摘のような点があろうかと思います。それにつきましてはさらに一層努力してまいりたいと思います。  特に昨年の十一月でございますけれども、林業労働環境安全施業基準というのを発表いたしまして、とりあえず最低これだけは守ってもらいたいというような項目等につきまして整理いたしておりまして、これを各県あるいは労働関係の団体等を通じて徹底を図っているということもございます。さらに五十年度は、民有林の事業現場につきまして点検、パトロールいたしまして、新しく協議会等もつくりましてこの趣旨を徹底させる、こういう努力をいたしているところでございます。  なお、ただいま労働省の方からお話ございました自営者についてでございますが、私ども主管官庁の労働省と一緒になりまして、その実態を十分つかまえまして、お話のございました特別加入という方法もあるということでございますので、その実態に即しまして対応していくよう努力してまいりたいと思います。  なお、一人親方的な方につきましても、なるべくなら森林組合の労務班というような組織の中で入っていただきまして、組織の中で仕事をして、安定したそういう対策がとれるようなこともあわせて、私どもは指導していくべきだと思っておるわけでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原分科員 現場の人たちの切実な声を私は幾つかにまとめて申しましたので、大体お答えと一致すると思うのです。  そこで、いま言われましたようなことで、中には一部検討しなければならぬものもありますし、現在すでに指導しておる面もあると思います。また、通達その他改めて出し直して、業者の注意を喚起するなどということもあると思います。したがって、それらの措置につきまして、ここでいま論議する時間がございませんので、そのやられた経過につきまして、できますればぜひ御報告をいただきたいと思います。  それから労災病院のことですけれども、労災病院は、本当に必要を迫られておるところもあるわけです。私の県など、どういうわけか労災が非常に多くて、全国統計を見ましても、トップクラスになっているのですね。人口が少ない、工場が少ないにかかわらず、どうして労働災害が多いのかということで見てみますと、やはり山林労働なども非常に多いわけです。そういう点で、労災病院は現在全国的にどういう状態なんでしょうか。これは設置する必要があるのじゃないかと私は思うのですが、それらについて見解を伺いたいのです。

田中清定労働省労働基準局労災管理課長

○田中説明員 労災病院につきましては、現在、いわゆる労災病院と称するものとしては三十四カ所ございます。労災保険制度発足以来、逐次整備を重ねてきておるわけであります。その間におきましても、地域的にいろいろな筋から労災病院の設置の要望などもございまして、私どもとしましては、労災病院をつくるからには、その地域の労働災害発生状況はもちろんでございますけれども、地域社会におきます医療の需要がどうなっているか、その将来の見通しがどうであるか、あるいは地域の医療機関との関係等いろいろございます。その辺のことを総合勘案して整備をしてまいっております。ここ数年間は余り新設をしてまいりません。むしろ既存の労災病院をさらに充実改善をしていくということで、労災病院の医療水準のレベルアップを中心に考えておるような次第でございます。  御指摘の高知の場合にどうかということでございますが、そういう労災病院の全体の計画もございますので、それらと見合わせて、総合勘案の上研究してまいりたい、このように思っております。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原分科員 チェーンソーの問題につきましては、先ほども言いましたが、民間においてずいぶんだくさん使っているわけですね。ところで、今回私の県で、チェーンソーに関する株式会社に対して損害賠償請求事件として訴訟が起こりました。たとえば、米国マツカラー社のマツカラー・チェーン・ソー、これの日本総代理店である新宮商行、それから西ドイツのスチール社のスチール・チェーン・ソー、これの日本における総代理店の伊藤萬株式会社、この二つです。そのほかにも和光貿易などがありますけれども、和光貿易のごときは、幾ら調べても登録もしているかどうかわからぬというような状態です。そういう株式会社が外国のチェーンソーを盛んに導入するわけですね。そのカタログを見てみますと、販売用カタログ、パンフレットの中には、チェーンソーのよいところだけしか書いてないんですね。たとえばこういうふうに書いています。非常に快適な使用感と高い作業能率を上げることができるというふうに、高性能あるいは高能率を宣伝しておるわけです。それしかないわけですね。買う方にとりましては、このカタログを見て買うわけです。ところがそれをやってみると大変な障害が起こる、こういう状態なんですね。これらの業者に対する指導、これは通産省もお見えくださっておると思いますが、農林省の方は四十一年に防振装置つきチェーンソーの普及についてという通達を出しております。しかし防振装置をつけましても不十分である。今日のような結果が生まれているわけですから、どうにもならぬという状態です。しかもこの振動障害というのは、御承知のように明治時代からイタリアに、あるいは日本でも、立川飛行機工場のびょう打ち工の中にあらわれた振動障害、これは昭和十三年ですね。そういうときからもうすでに問題になっているにかかわらず、チェーンソーの販売が野放しにされ、実際にそれに対する使用あるいは警戒、そういうものを準備するようなことがなされていない、こういう状態ですね。あるいは基準などもつくられていない。これではますますこの状態は悪化するのではなかろうか、こういうふうに思うわけです。この点について通産省の見解を先に伺っておきたいのです。

安田佳三通商産業省機械情報産業局産業機械課長

○安田説明員 チェーンソーにかかります振動障害につきましては、これは労働者の安全と健康保持にきわめて重大でありますので、私どもといたしましても特段の努力をしなければならないというふうに考えております。  ただ、実際に実行がおくれて大変申しわけないところでありますが、通産省の中に機械安全化無公害化委員会を設けまして、その林業用手持機器分科会というところで関係の各省、学識経験者、ユーザー、メーカー等に集まっていただきまして、いろいろ議論を重ねていただきまして、その結果機械開発の一応の目標基準を定めて、これをもとにいたしまして、現在、メーカーにその基準に適合する機械を生産するよう指導いたしているところでございます。この点に沿いまして現在メーカーも機械の改善を進めておりまして、現在ではハンドル部、さらにエンジン部にも防振装置が逐次装備されつつあるところでございます力また、輸入機械につきましても、相当部分がすでに防振装置を備えておりますが、もちろんこれだけではまだ不十分でございますので、この基準値の検討もさらに進めますとともに、メーカーの指導、そして輸入業者に対しまして、その基準に合致するよう強力な指導を進めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原分科員 昨日、いまおっしゃった「林業用手持機器の安全化及び無公害化に関する報告書」というのをいただきました。これが四十九年の三月二十日です。私は、やはり遅いと思うと同時に、いまもおっしゃいましたけれども、この中に、規制するとかあるいは拘束する力というものは全くない。これは報告書ですね。やはりもっとこの研究を進めていただいて、そしてきちんと規制していくということも私今日必要だと思うのです。農林省の方では何か五十年になれば無振動のチェーンソーができるというようなことも言っておられるようですが、農林省としてはどうでしょうか。そして最後に農林大臣に、私は、農林業に従事する多くの人たちの身体というものを−一番見捨てられて、組合もあるわけではありませんし、そういう状態をどう守っていくかという点につきまして決意を伺って、終わりたいと思うのです。

松形祐堯林野庁長官

○松形政府委員 お答え申し上げます。  先生御指摘ございましたように、四十一年度以来防振つきでないといけませんというような通達を出しまして、私どもその指導あるいは普及に努力いたしておるところでございますが、労働省と一緒になりまして、一日二時間以内の時間規制とか、あるいはなるべく振動の少ない軽量のものを使うとか、あるいは寒いところでは暖炉を設ける、重油輸送車を整備するとか、そういう努力をいたしておりますし、また、それなりの補助金等を準備いたしているのでございます。  特に、御指摘ございましたように、私ども、昨年でございますけれども、国立林業試験場で測定いたしましたチェーンソーの振動数値というのを公表いたしました。大体二十一種でございますが、現在国有林で組合等とも十分話し合いまして了解を得てやっているのが四社ございます。それらの振動数、あるいは振動がどこへ一番大きく発生するかとか、どういう方向にこの振動が障害を与えるかとか、そういう測定結果を第一回は発表いたしたわけでありまして、なお一層私どもはこういうことを進めまして、よりいいそういう防振つきもいろいろ改良されておりますので、そういう導入を図っていくという努力を続けてまいりたいと思っておるところでございます。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 白ろう病の発生は、山で働かれる方々にとりましてはまことに不幸な事態であるとともに、これは解決をしなければならない非常に重大な問題でもあるし、私は焦眉の問題でもあろうと思うわけでございます。この対策につきましては、やはり振動障害が発生しないようにするということが基本的に重要なわけでございますが、これと同時に、振動障害にかかった方々に対して、その補償あるいは治療について努力してまいることは当然のことであると思っております。先ほどから御質問がございましたように、今後解明をすべき問題も多く残されておりますが、労働省を初め関係各省庁と密接な連絡をとりまして、真剣に対処してまいりたいと思います。  また、農林省としても、振動機械の使用時間の規制の徹底、先ほどから林野庁長官もお話しいたしました安全衛生関係機械の整備等についての助成や、あるいはロータリーチェーンソーその他振動障害を起こさないような機械の開発、改良等の措置を講じておるところでございますが、今後さらに、やはり関係各省とも連絡を図りながら、十分な所要の措置を講じてまいりたいと思います。

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 これにて山原健二郎君の質疑は終了いたしました。  この際、暫時休憩いたします。  本会議散会後、分科会を再開いたします。     午後零時四十五分休憩      ————◇—————    午後三時十三分開議

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  農林省所管について質疑を続行いたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡辺三郎君。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)分科員 きょうは、桜桃、サクランボの輸入の問題について主として質問をいたしたいと思います。  この問題は、これまで植物防疫法に指定をされているコドリンガの防疫、駆除、こういう問題にかかわって輸入を抑えられてきたわけでありますけれども、最近の動向を見ますと、何かすぐにもいままでの輸入禁止措置というものが解禁をされる、こういうふうに言われているような向きもあるわけです。この問題について、まず最初に、総括的にどういう状況になっておるかお答えをいただきたいと思います。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 ただいま先生御質問のように、これまでは米国にはコドリンガがおりますために、この害虫の寄生植物であります桜桃は植物防疫法によって輸入が禁止されていたわけでございます。これに対しまして、まず米国は、これは昭和四十六年ごろからでございますが、桜桃にはコドリンガが寄生しないという見解をとりまして、したがって無条件で輸入禁止措置を解除されたいという旨の要請を出し始めてきたわけでございます。これは四十六年ごろでございます。しかしわが国は、米国内の記録によっても桜桃にコドリソガが寄生する事実があるということで反論いたしまして、米国側もこれを認めるに至ったわけでございます。  次は、そこで、四十八年の三月に至りまして、米国側は、禁止措置を解除するために殺虫試験あ行う準備があるということを申し入れてまいりました。そして同年五月に専門家が来日いたしまして、どういう試験法をとって殺虫するかということにつきまして検討を行ったわけでございます。そういたしまして、同年、四十八年の十月に、アメリカから桜桃に寄生するコドリンガに関する殺虫試験成績が送られてまいったわけでございます。その内容を書面審査をいたしますと、臭化メチル薫蒸によりまして、桜桃に食い入っているコドリンガの幼虫の完全殺虫は可能であるというふうに判断をされたわけでございます。その後、四十九年の六月に植物防疫課長等が現地へ赴きまして、この殺虫試験の実施状況とか桜桃の病害虫防除状況等を現地で調査をいたしたわけでございます。  それから、なお、これまでアメリカ側で実施いたしました試験は小規模な予備試験的なものでありましたから、その実用化を判断するには規模が十分でないということを指摘いたしまして、その旨米国側に通告いたしたわけでございます。それに従いましてアメリカ側は再度試験をいたしまして、大規模な試験成績の結果を今年の一月に提出をしてまいったわけでございます。したがいまして、それにつきまして目下慎重に内容を検討中でございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)分科員 四十六年ごろから今日までの状況をいま局長からお話し願ったわけですが、そうしますと、アメリカ側が送ってよこした一番新しいいわゆる試験データというものはことしに入ってから、それに対していま農林省が検討しておる、こういうことですか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 まず試験成績といたしますと、最初は、これは小規模なものでございますが、いわば基本的な試験と申しますか、臭化メチル薫蒸で殺虫できるということの技術的判断が可能になる資料として、四十八年の十月にまず一遍参ったわけでございます。それは規模が小さい、試験方法としてはちょっと規模が十分でないということで再び資料の提出を求めて、それが一月に来た、したがってそれを検討している過程である、こういうことでございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)分科員 そこでお聞きしたいのは、目下農林省が中心になって検討しておる経過あるいは内容、それから検討がある程度進んでおれば、最新の、一番新しく来たデータの結果に対して、農林省としてはいまどういう問題点をお持ちになっておるか、進行過程だと思いますけれども、その辺、少し詳しくお聞きしたいのです。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 実は殺虫方法といたしまして臭化メチルを使えば殺虫できるということは、その前のデータで大体はわかっておるわけでございます。したがって、それを実用化する大規模試験でございますから基本的なことは大体わかっておるということでございまして、そこで、まずいまの大規模な実用化の試験の前に、四十八年十月に参りました試験データがどういうものかと申しますと、そのときは、まず桜桃にコドリンガが寄生するかどうかの試験成績——初めはアメリカは寄生しないと言ったものですから、寄生するという意味の試験成績、これは送付を受けました。それから桜桃上におけるコドリンガのいわば生活史、どういうように食い入ってどういうように生育していくか、そういった生活史、これが第二でございます。それから第三は、四十八年五月にアメリカの専門家が来て試験方法を打ち合わせたわけでございますから、それに従った試験成績ということで、まず桜桃の生果実に対するコドリンガの寄生試験の結果、それから二番目が桜桃生果実に対する臭化メチル薫蒸の薬害の試験、それから第三は桜桃生果実に寄生したコドリンガに対する臭化メチルによる薫蒸殺虫試験、つまり虫が死ぬかどうかということと、しかも薬害が出ないかどうかということ、この二点が中心になるわけでございます。それにつきまして、小規模な試験でございますが、結果が出まして、まず臭化メチルによって殺虫はできる、しかも薬害を起こさないということが判明したわけでございますが、これを実用化するにはもう少し大規模なデータが要るということで、再び大規模な、スケールを大きくした試験の結果が来ているわけでございます。これは実はかなり詳細な資料でございます。大体事項はそういう事項でございますが、それにつきまして検討過程でございまして、非常に詳細なものでございますから、この部分をどうこうというふうにちょっと私の方も正確に説明しがたいのでございますが、論点はそうでございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)分科員 いま大要はわかったわけですけれども、そういう状況の中で農林省としては、たとえば日本の防疫官を直接現地に派遣をして具体的な検討をするなり、そういうふうな措置はこれからおとりになるのですか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 御指摘のとおり試験データだけでございまして、いわば書面審査でございますから、大体いけそうだとなれば、現地を見るわけでございます。皆目見当がつかぬ状態であれば現地へ行くとかえってまずいわけでございますから、そこでまず第一段階として、先ほども申し上げましたように、四十八年の十月に小規模な試験データが来たわけでございますから、そこで、それにつきましてある程度現地調査をするということで、四十九年の六月に先ほど申しましたとおり植物防疫課長等が現地に行きまして、試験の実施状況とか、桜桃の病害虫防除状況を調べたわけでございます。いわば第一段階として調べたわけでございます。  さらに今回の試験データを見まして、大体これで大丈夫だという判断がつきますれば、その方法の実用化につきましてさらに現地に行きまして、現地の消毒施設等を調査するということが必要だと思っておりますが、その前にまず向こうから来ましたデータを慎重に検討中でございますから、その検討結果によりまして大体のめどがつきますれば、もう一遍現地に参らなければならぬというふうに思っております。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)分科員 そこで日本のいまの桜桃生産の現状なわけですが、御承知のように山形県が全国の全桜桃生産の約八割、いわゆる完全な主産地になっておるわけです。しかもこの栽培面積等をずっとここ四、五年見ておりますと、昭和四十五年は約千ヘクタールだった。それが現在では倍になろうとしておるわけです。哉培面積が非常にふえておるわけです。これはいろいろな原因ももちろんありますけれども、その中ではやはりこれは米の減反政策から転作をするという、そういうふうな農政のあの時期における大きな転換、これもやっぱり主要な農民心理に及ぼした、あるいは具体的な生活改善に及ぼした影響として見逃すことはできないわけでありまして、そういう点では非常に栽培面積がふえておる。収穫量も当然それに伴って大幅に伸びてきておるわけでありますけれども、詳しいデータは一応別といたしまして、そういうふうな体制の中で特に加工用のものと、それから生食用のもの、こういった実情を見てまいりますと、栽培面積をふやし、収穫量を伸ばした、せっかく豊作をかち取った。ところが昨年あたりの実情は御承知のように食品会社におけるストック、滞貨が非常にありました。それに総需要抑制の影響もありますけれども、ほとんど引き取りがない、食品会社では。そういう状況の中で大変な、いわば農家としては困った状態を去年は経験をしたわけです。加工の場合なんか見てみますと、昭和四十九年、去年の場合で見てみますと、いわゆるキロ当たり九十円台というふうに暴落をしておるわけですね。したがって、せっかく四十五年から四十七年、八年、九年、ようやく木も育ってきて、今度は大きな収穫を上げられるという段階になると、いま言ったような大暴落になる。したがって、これを打開するために一体どうやるかということを真剣に現地で考えておるわけです。そういうやさきに、もしアメリカからサクランボが入ってくるというふうなかっこうになると、いわゆる産地としてはどうやって今後生計を維持していくのか、サクランボの栽培というものはもうやめてしまった方がいいのか、こういうふうな非常に深刻な状況にあるわけであります。ですから、こういったような重大な状況というものをまず前提に置きながら、確かにいま局長がおっしゃったのはきわめて技術的な、純技術的な立場からのコドリンガの防疫駆除、この問題でありましょうけれども、そういったことを前提として、一体どのように今後のサクランボ生産農家に対する手だてというものを農林省全体としてお考えになっておるのか、この点をお聞きしたい。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 ただいまお話しのとおり、桜桃の面積は近年かなりふえているわけでございます。もちろんこれは絶対面積自体をとりますと、それほど大きいものではございませんが、かなり伸びている。その中に稲作転換によるものもかなりあるということも事実でございます。それに対しまして、いわば価格の状況と申しますか、それは四十八年ころまではわりと順調でございました。これは年によりかなり生産が不安定でございますから、振ればございますが、四十八年までは相当いい値と申しては恐縮でございますが、生食用もいい値でございましたし、大体四十八年ころでございますと、卸売価格は東京の中央市場の価格でございますが、キロ七百七十円、あるいは加工向けの価格でも二百七十五円というふうに、いわば順調であった。  四十九年になりまして、これは需要の面等の事情がございまして、御指摘のとおりかなり急激に下がったわけでございまして、特に加工品向けが非常に下がったということは事実でございます。これは生産の不安定性がまずはございますし、それから需要に見合って伸びていけばよろしいわけでございますが、需要の方の振れもございますものですから、今後これをどのように見ていくか、やはり需要に見合った生産をしていかなければならぬわけでございますが、御指摘のとおり、近年植栽が進みましたから、かなり未成園もあるわけでございますから、今後需給上確かに問題はございます。  そこで、これは基本的に申しますと、やはり国内自体をとりますと、先ほど申しましたとおり、桜桃の生産というのはかなり不安定な面もございますから、生産対策、それからまた集荷等の対策を講じまして極力コストを下げる、生産性を上げるということの対策をしなければならぬというわけでございまして、現在もそのための事業もあるわけでございますが、それを活用してやるわけでございますが、ただそれと関連いたしまして、いまアメリカからの桜桃の輸入、向こうからすれば輸出でございますが、要請がある、それにどう対応するか、それ自体は確かに植物防疫という技術的問題でございます。実は桜桃自体はもうすでに十五年前に自由化されているということは、当時の事情でございますれば、虫がいるということ、向こうも輸出の意欲がなかったということ、それから国内の価格はわりと安うございまして競争力があったということで、実態上は問題にならなかった。それが最近問題になった。かてて加えて最近の桜桃の生産不良であるというので、むずかしいようでございますが、私どもは基本的にはやはり桜桃の生産を高めるということが基本であろうと思うわけでございます。  これは山形が一番中心でございますが、そのほか北海道とか、青森とか、長野ということで、大体これはリンゴ、桃等との複合経営の一環でございまして、桃桜だけというのは余り多くないわけでございますから、あるいは散在樹が多い、産地体制も十分整備されていないという事情にございます。したがいまして、今後は生産の合理化、出荷の合理化、品質の向上というところの諸対策を十分進めなければならぬと思っておるわけでございます。  お話しの桜桃が来た場合にわが国にどういう影響があるか、これはなかなか判断がむずかしい問題でございます。現在、生の桜桃はまだ入っておりませんものですから、影響は実際問題わからない、いろいろ情報を察知しておるわけでございますが、確かに一般的には米国の桜桃は品質、価格の面ですぐれているというふうに言われております。しかし、大体これは軟弱果実でございますし、輸送費もかなりかかるわけでございます。したがいまして、これを輸入した場合にどれだけ影響を与えるかということにつきましては、もちろん現実にはそれはないわけでございますから、各種の情報を得まして、今後綿密に検討を進めてまいりたいと思うわけでございますが、同時に並行して、いま申しました各般の生産、出荷の合理化対策を進めていかなければならぬというふうに考えております。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)分科員 いまおっしゃいますように、現実に入ってきていないから、具体的にどういう影響があるかということは正確にははかりかねる。これはわかります。わかりますけれども、もし入ってきて、市場がそのために徹底的に荒らされるといいますか、悪い言葉ですけれども、そのことによってもう生産農家が全く生産意欲を失わざるを得ない、あるいは採算上も成り立たない、品質の点でも競争にならない、こういうふうな状態にもしなってからどういうふうな政策をとろうかというのでは、これは全く遅いと私は思うのですよ。それで、その問題については非常に深刻に現地は考えておるわけでして、今日のアメリカにおける国内の桜桃の生産現状、あるいは品質、それから日本に持ち込む場合、生食の場合ですから、飛行機で持ち込むかあるいは冷凍船で持ち込むか、そういうふうな形になると思いますけれども、そういうことを万般検討といいますか、ずっと通観をして、そしてどういう影響があるんだろうかということの御検討はある程度はされているのじゃないかと私は思いますが、その点はどうなんですか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 現段階ではまず植物防疫が前提でございまして、現在まだ解除いたしてないわけでございます。したがいまして、現段階で解除すると決めたわけではございませんから、そこでいわば同時並行的な事実上の検討になるわけでございます。したがいましてこの問題は、植物防疫といえば植物の論理がございますし、国際植物防疫条約もございますから、私どもそれに違反はできないわけでございます。したがって、その面の慎重な検討はもちろんいたしますけれども、同時に並行いたしまして、いま言った各般の国内対策を検討しなければならないと思っておりまして、いろいろな情報を集めて実は私どももまず事務的検討を開始いたしておるわけでございます。これはなかなかオフィシャルにすることはむずかしい面もありますので、そういう意味で同時並行して私たちも検討いたしておりまして、従来施策に加えて、どういう対策をやったらば生産農家に悪い影響を与えないだろうかということで、各般の方法を検討している過程にございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)分科員 そこでちょっとお聞きいたしますが、これも仮定になるのですが、もしいまのそういうコドリンガの問題が日本との合意の中で仮に解決をした、そういう場合に、アメリカが今度は当然日本に輸入を要請をする、われわれが解除をするというふうになった場合の、日本国内の側じゃなくてアメリカ側の輸出上の手だて、順序といいますか、経路といいますか、これはどういうことになりましょうか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 申しわけないのですが、ちょっと経路とおっしゃいます意味は……。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)分科員 アメリカ国内の生産者がありましょう。それを集荷するわけですね。そして防疫の手続を経て民間ベースで取引になると思うのですけれども、この経路です。他の果樹の例なんかあると思うのですよ。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 これはいわゆる輸出入の問題でございますが、通常でございますとこれは自由でございますから、普通の民間ベースで向こうの輸出業者とこちらの輸入業者がいわば契約をして行うというのが普通の姿でございまして、特にアメリカの場合は出す州がいろいろございます。したがって、おそらく向こうの団体も一本化していないで、各州ごとにこちらの輸入業者と契約をして出すのではないかと思われるわけでございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)分科員 そうしますと、少し技術的になるのですけれども、いわゆる現在の植物防疫法規則の中に、輸入禁止品目の輸入を許可する際の、いわゆる七条以降ずっと書いてありますね。これは自由に取引をやるわけですから、その集荷をした団体ごとに、こちらの防疫宮がこういう問題のある品であっただけに全部検疫をその都度やる、こういうふうな形になりますか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 問題の御趣旨がわかりました。いま私は一般の、いわば取引上の問題を申し上げたわけでございますが、植物防疫の問題が加わりますと、いまのように自由勝手というわけにはまいらぬ。もちろん集荷とか輸出輸入というのは民間ベースでございますが、これは解禁する場合には先ほど申しました解禁の条件を履行することを確認するために、日本から現地に植物防疫官を派遣いたしまして、決められた方式どおり消毒をしているかどうか確認をする必要があるわけでございます。そういたしますと、勝手ばらばらに向こうがやりましたらとてもこれは検査の対象にできませんから、どこかに集結をしてもらわなければいかぬ。したがって、恐らくは輸出港に薫蒸庫をつくりまして、そこに日本の防疫官が参りましていわば検査をする。その点はそういうふうになると思いますし、こちらの検疫官の数も限られておりますから、向こうの要望どおりそう数多く出すことはもちろんできませんから、そういう意味ではまとめてやらなければならぬ。したがって、防疫上におきまして取り決めを行わなければならぬということは御指摘のとおりでございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)分科員 そこで、先ほども言いましたように、サクランボをアメリカから入れるか入れないかというふうな問題については、一つは、おっしゃいましたように三十六年にすでに自由化品日になっておりますから、いま法律的には、あるいは国際条約上はそのコドリンガの問題だけ、こりいうふうになると思いますけれども、その問題か一つある。それから先ほど言いましたように、もう一つは日本の国内におけるいわゆる農業の事情、生産農家の実情、こういう点で、政府がそれを完全にきめ細かに保護育成をしていく、こういりふうな立場からこの解禁の問題を考えるというのが日本の農政という立場で考えた場合、私は当然だと思う。その二つの問題があると思います。そこで、非常に重要な課題ですから私ははっきりお伺いをしておきたいのですが、いま局長が説明をされましたような一連の技術的な防疫上の問題がある。これが仮にサクランボの生産の時期を考えてみますと、五月とか六月とかことしの夏一体どうなるのだろうかというのは現地側では非常に問題です。というのは一般論としてそれに対する手当ては並行して考えなくちゃいかぬとか、現在も農林省の中にある程度の措置はある、こういうふうにおっしゃっていますけれども、しかしこれはいま時間がありませんから詳しく申し上げませんが、非中に手当ては薄いと思うのです。そういう状況の常で、もしことしの夏でも一挙に上陸というかっこうになればこれは大変な恐慌を来たすわけでありまして、第二番目の問題も日本の農業の中では決しておろそかにできない問題だというふうに私は考えるのです。その時期的な、端的に言えばことしの夏一体どうだろうか、そういう問題について、なかなかお答えになりにくいとは思うのですが、それはどうですか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 具体的に解禁の時期はいつか云々ということでございますが、私ども、いま言ったデータを慎重に検討している過程でございますから、また現に行かれれば現地調査も必要でございますから、かなりの手順がかかるわけでございます。その点からおのずから御理解をいただきたいと存じますが、私ども慎重の上にも慎重を期したいと思います。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)分科員 それで、いまも触れておるわけですが、防疫官を向こうに派遣するとかあるいはもし解除を必要とすれば、解除せざるを得ない、こういうふうな状況をあなた方が認識なさった場合には当然あれでしょう、いまの植物防疫法の規則も改正をしなくちゃいかぬ、公聴会も開かなければならぬ、公聴会では当然現地農民の利害者の立場の意見開陳という機会が十分に与えられなければならない、こういう問題が私はたくさんあると思うのです。  そういうふうな状況を考え合わせますと、いま五月なり六月なりの時期にあるいは解禁になるかもしれませんよなどということになれば、これはもう大変なショックだと思うのです。関係農家は約一万戸ですからね。しかも去年のああいう暴落をした価格でも山形県だけにしぼってみても、収入は五十五億です。例年はそれよりはるかに上回っているわけです。これが一挙に大打撃を受けるというふうなことになれば大変だと思うのです。私はいまの段階で農林省は、いままで技術的にある程度お答えを願った進行状況なり、いま私が申し上げている農家の現状からして、よもやことし解禁などということはあり得まい、こういうふうに考えておりますから、その先のことについてまで詳しくは、いま時間もありませんし、話はしておりませんけれども、この点はやはり明確にいわゆる日本の農林省という立場、しかも農家の現状というものを冷静に考えていただいた立場ではっきりしたことをお答えいただきたい。これは農林大臣からひとつお答えを願いたいと思う。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 この桜桃の輸入再開につきましては、私も現地の生産者の皆様方からも非常な御要請を受けておるわけでございまして、これがもし再開をされた場合は、生産者に対して大打撃を与えるということは明らかでございます。輸入の再開につきましては、いま植防によってチェックしておるだけでございますが、この植防で解禁をするという手続は慎重の上にも慎重を期していかなければならないと私は思っております。そういうことから、ことしの夏に再開するための防疫上の手続を終えるというふうなことは不可能でございますから、そういうことで御理解をいただきたいと思います。  なお、産地体制の整備など所要の対策につきましても、いま局長からもいろいろ答弁しておりますが、あわせて検討をいたしまして、生産者に悪影響がないように、ひとつ今後とも努力をしてまいりたいと思います。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)分科員 当面、ことしの問題についていま安倍大臣の方からきわめて明確な御答弁がありましたから、重ねてこれを質問するということはいたしません。あと時間が一、二分残っておるわけでありますけれども、中途半端な話をしても仕方ありませんから、明確な答弁をいただいたところで質問を終わりたいと思います。

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 これにて渡辺三郎君の質疑は終了いたしました。  次に、吉田法晴君。

吉田法晴日本社会党

○吉田分科員 渡辺三郎君に続いて質問をいたしますが、その質問の事項は一点だけです。七月の五日に渡辺三郎君が物価問題等に関する特別委員会で質疑をいたしました中国食肉輸入の問題点でございます。農林大臣、これは畜産局長その他について御説明を願おうと思っておりません。というのは渡辺君の質問や、あるいは同僚竹内君等の農林水産委員会における質問等で、農林省の意向はわかっておる。問題はきわめて政治的な問題だと私は理解します。私は多年日中友好運動について努力してまいりました。それから、北九州で動物検疫所を福岡に移そうという議がございました。そのときに、動物検疫所を北九州から福岡に移転をすることに反対をして、残してございます。それは、かつて中国からの牛肉の輸入が北九州で大分揚げられた。こういう実績にかんがみて、北九州には中国牛肉を輸入したい、こういう切望があるからであります。安倍農林大臣は山口の選出でございますから、昔のことは言いませんけれども、御理解があると思いますから、取り上げて申し上げます。そして一番近い機会に、国交回復して行かれた報告も聞きました。畜産関係については具体的な調査が時間の関係でできなくて、情報の交換あるいは技術交流等について話し合いをしてこられたということであります。昭和四十一年に田中良男という人と津田収という二人が一行の中に加わって訪中をされた。その報告書が出ております。これが報告書の三つ出ておりますものの一番新しいもの、中華人民共和国の家畜防疫に関する技術調査報告書ということであります。これは御存じだと思いますけれども、その前に二回権威ある調査がなされて報告が出ておるのに、中国牛肉の輸入というものが再開をされぬ。解放後あるいは戦争後でいいますと開始をされぬというので、当時の日本側の覚書貿易事務所の岡崎嘉平太氏が中国側の覚書事務所の呉曙東さんに話をして、もう二回も調査をして報告が出ておるんだから調査をする必要はないではないか、これは日本政府の決断に任せられるべき問題だ、こう言われたけれども、いま田中さんが行ったら——元農林省の衛生課長でもあったということでありますし、いまもそうですか日本獣医師会の副会長でもあるその田中さんが行かれるならば、中国牛肉なりあるいは肉牛の輸入ということは可能になるから、こういうことでお話をして訪中をされ、調査をされた。したがって、その報告書についてはその当時の農林大臣坂田さんは責任を感ぜられたと見えまして、そのことは渡辺君の質問にも答えがございますけれども、田中さんが帰ってこられました報告に基づきましていろいろ検討を取り進めたわけでございます。これは下浦という説明員の答弁であります。「檜垣畜産局長が申されたのは、五月とたしかおっしゃったように記憶しておりますが、その後専門家の間の会議が、たしか夏と秋と二回にわたりまして開かれまして、その検討の結果、ただいま申し上げましたような数点の問題点というようなものが残ったということでございます。なお、坂田農林大臣の当時の点につきまして」云々と書いてあります。坂田農林大臣は三回にわたる調査報告に基いて、中国の食肉輸入禁止解除の決裁をされた、こういうことが言われている。その後の経緯でこれが取りやめになったわけです。どういうふうに取りやめになったかということは、あるいは薄々御承知かもしらぬと思いますから、一応は承りますけれども、私は畜産局長の説明ではなしに、政治的な判断だと思いますから、国交が回復をし、そして技術交流も進められようとしておりますが、農林大臣の決意と方針とを承りたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 中国の家畜衛生の状況は漸次好転をしておるというふうに聞いておるわけでございますが、口蹄疫の撲滅につきましてはまだ国際的にも確認をされておらないということでございますし、同国内の防疫事情も詳細についてはなお不明な点もございますので、現在輸入を禁止して防疫の万全を期しておるわけでございます。農林省としては、中国産食肉の輸入解除については、これら家畜衛生的見地から技術上の解明が基本的な条件と考えておるわけです。いま先生御指摘になりましたような政治的な問題ではなく、あくまでも技術的な立場に立ってこの問題が解明をされることが先決であろう、こういうふうに考えておるわけでございます。  このために、国交が正常化して以来、わが国の家畜防疫の基本的な考え方とか、あるいはまた家畜衛生等に関する情報の提供を中国側に対して行うとともに、技術交流の必要性を提案いたしまして、すでに三回にわたりまして農林省の職員を訪中さしておるわけでございます。しかし、まだ問題点を解明する段階に至っておりませんので、今後とも引き続き両国政府間の家畜衛生技術者の交流、情報の交換に努力いたしまして、本問題の解明について専門的な検討を進めてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。  重ねて申し上げますが、この問題の処理は、政治的ではなくて、あくまでも技術的な立場に立って処理していくことが正しい方向であろう、技術的に解明されてないところに問題があるというわけでございます。

吉田法晴日本社会党

○吉田分科員 それでは残念ながら逐次問題点を聞かざるを得ないのでありますが、田中報告によると、一九六二年辺境地に若干の発生を見た事実の説明を受けた、ところが撲滅後すでに四年を経過しておる。こういうことは田中報告の前の方にも書いてございますし、総括のところにも書いてございます。撲滅後すでにそのとき四年を経過しておると書いてございますが、それから四年たっておりますから、八年は口蹄疫が発生をしていない、こういうことはお認めになりますか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 一九七三年のFAO、WHO、OIEの報告——毎年年報が出るわけでございますが、この年報によりますと、中国は幾つかの地域においてなお口蹄疫が存在するというようなことが報告されております。これは、FAOに中国はすでに加入しておりますので、おそらく中国自身からそういう報告が行われて、その結果、年報に載っておるというふうにわれわれは考えておるわけでございます。  それから中国は、口蹄疫と同じように非常にこわい悪性の家畜伝染病でございます牛疫につきましては、撲滅宣言というものをやっております。ところが口蹄疫につきましては、なおこの病気が撲滅されたということを公式に宣言をいたしておりません。四十一年の、民間調査団が訪中いたしまして種々調査いたしましたときの話を聞きますと、数年間発生しなければ撲滅宣言できるんだ、こういうような応答があったようでございますが、現在に至るまでなお口蹄疫につきましては中国政府自体が撲滅宣言をしておらないということでございますれば、田中団長が三回目に訪中して調査した当時とは——当時の事情は、確かに報告書にありますような、先生御指摘のあったような実態だったと思いますが、その後の彼が申しました資料から判断いたしますと、なお口蹄疫が一部の地域に存在するというふうに考えざるを得ない現状でございます。

吉田法晴日本社会党

○吉田分科員 FAOの資料、私も一番新しいものを拝見しました。それからもう数年たっておりますが、いま読み上げましたこの田中報告では、一九六二年以来発生をしていない。これは四十一年の報告書でありますが、それから四年たっております。八年間は口蹄疫は発生していないということはお認めになりますか、こういう意味です。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 私、先ほど申しましたのは一九七三年の報告でございますので、ごく最近の報告によって見ますると、中国はなお幾つかの地域において口蹄疫が発生をしておる、こういうふうに登載をされておるわけでございます。

吉田法晴日本社会党

○吉田分科員 七三年の報告書は見ました。写しも持っております。おりますが、これも過去の数字ということで、その辺はいつ発生したかということは書いてございません。そこで、日本政府に出された田中報告書は、六二年以降は発生をしていないと書いてありますし、それから国際機関の報告につきましては、田中報告の中に「中国は国際機関とは無縁であり半ば鎖国の状態であるため、中国のもつ家畜防疫の情報はやや断片的のものであり、」あるいは国際的な報告というものは意味がない、こう書いてございまして、その防疫体制が人民公社の防疫員を含め、科学的には多少国際的に劣るかもしれぬけれども、しかし技術の問題につきましては裸の医者の問題もございますが、獣医ステーション等を中心にして生産大隊あるいは生産隊における防疫員の防疫体制が詳細に述べられております。その上に立って、口蹄疫が発生し得るような状態はない。ただし蒙古あるいはソ連での発生状況にかんがみて、ソ連、外蒙古からの伝染についてはこういう防疫体制がしいてあると報告に書いてございまして、少なくともこの報告によりますと、六二年以降は発生したとは考えられません。その点、いまの畜産局長の答弁とは違います。  この田中さんの報告をもとにして私は質問をいたしますが、六二年以降は、六二年に辺境地区に若干の発生を見た事実の説明を受けたけれども、その口蹄疫の発生はないと中国側も言っておるし、それから田中さんも認められた。あるいはその後の、国交回復後の訪中に至りましては、畜産関係の実態調査はあまりできなくて、情報交換の話をしてきたという点にとどまりますが、その六二年以降、口蹄疫が発生をしていないという田中さんの報告は信用できますか、こう言うておるのです。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 田中団長が調査団として中国に参られまして調査されましたのは四十一年でございますが、私先ほど来申し上げておりますのは、七三年の専門の国際機関の報告書によって、口蹄疫はなお存在するというふうに記載されておるということを申し上げておるわけでございますが、この年報は毎年出るものでございまして、一部あるいは推定が入っていることもあり得るかと思いますけれども、国際的に専門機関において口蹄疫が発生しておるという記載がされておる限り、われわれとしてはそれを信用して判断をするのが妥当ではないかというふうに考えております。

吉田法晴日本社会党

○吉田分科員 この間七月五日に、渡辺君に下浦説明員から四点について問題点を残されております。一点はビールス学的な検討、二点はワクチンの実施状況、三点は国境検疫の方法をどういうことで中国がやっておるのか、こういう疑問。四点は、最近の国内防疫あるいは海空港の検疫等挙げておられますが、これらの幾つかについて国境検疫の方法等については、危険のありますソ連、外蒙からの侵入に対しては防疫体制の万全が報告されておる。そうしますと、ビールス学的な検討あるいはワクチンの実施状況について若干の疑問は残るかもしらぬけれども、その辺は田中報告の総括と、それからいまのFAOの報告とは、これは矛盾をするかもしれませんけれども、田中さんの権威と報告書の権威とをどうして農林省はお認めにならないのだろう。そのときは坂田農林大臣は、少なくとも田中報告をもとにして裁定されたんではないかと考えられますだけに、その点を伺っておるわけであります。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 四十一年の田中報告がございましてから、その前にも二回調査団が行って報告しておることは御指摘のとおりでございます。三回の報告書を専門家の御参集を得まして総合的に再検討しまして、現時点でどのように考えるかということで専門家の御検討を煩わしたわけでございますが、その結果、当時四十一年十月ごろの話でございますが、中国大陸地域の家畜衛生状況は相当程度よくなっておるということは認められますけれども、わが国の家畜に対する安全性が必ずしも十分確保されているとは言いがたいという結論が出されたわけでございます。このため農林省といたしましては、この問題の解決の促進を図りますために、そのような結論に基づきまして、当時、国交を正常化する前のことでございますけれども、技術的な問題点について五項目の質問を中国側に出したわけでございます。  その点は五項目申し上げますと、第一に、過去における口蹄疫の発生状況と実害、それから二番目に、いままで行われた口蹄疫の撲滅方法の具体的な経過、三番目に、現在中国において使用している口蹄疫のワクチンの性状、種類、製造方法、使用目的、それから四番目に口蹄疫の診断方法、どのような診断方法でやっておるかということ、それから最後に、その他最近における不明疾病の有無とその状況ということ、以上五点につきまして中国側に質問を出したわけでございますが、当時からいまに至るまでその回答が得られないという状況でございます。したがいまして、田中報告は十分総合的に検討した結果、そのような結論で当時も解禁をしなかったという経緯がございます。

吉田法晴日本社会党

○吉田分科員 それじゃ坂田農林大臣のときに、三回にわたる調査報告に基づいて中国の食肉輸入禁止の解除の決裁をした。決裁をされて実施に至らないで、その後の解散でございましたか、坂田農林大臣がやめられたんですが、私ども、新聞で坂田農林大臣が中国食肉輸入の禁止解除の決裁をされたという点を読んだんですが、これは事実に反しますか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 私、当時のこと詳細にまだ検討しておりませんけれども、私自身はそれが決裁されたということを直接承知をしておりません。

吉田法晴日本社会党

○吉田分科員 その当時局長でなかったんでしょうから、それはよく知らなかったということですが、その辺の説明をできる人がありましたら農林省で御説明を願いたい。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 専門の衛生課長が参っておりますので、当時もちろんおりませんでしたけれども、彼が現段階でどのように聞いておるかという点について御説明いたさせたいと思います。

山本格也農林省畜産局衛生課長

○山本(格)説明員 お答えいたします。  田中報告をもとにいたしまして、専門技術者による総合的な検討をいたしましたことはただいま局長が申し上げましたとおりでございます。したがいまして、その段階で技術的にまだなお改善すべき要因がある、そういう基礎資料を得た後に食肉解禁の問題について検討すべきであるというのが学会の総合的な御意見でございまして、したがいまして、私も当時おりませんでしたけれども、さような事実はなかったのではないだろうかというふうに考えております。

吉田法晴日本社会党

○吉田分科員 私は、この渡辺さんの質問の中にあることですけれども、自分で新聞記事を確かに読みましたからそう思ったんですが、農林省としてそういう結論を出したことはないと言われると、それ以上のことは農林省について実績を調べた上でなければなりませんが、これは大臣にお尋ねいたします。  日本から考えてどうも少しワクチンの種類がわからぬとか、あるいはワクチンについての科学的なこちらからの理解が十分でない、そのことは田中報告にも書いてあるのです。防疫体制の中で畜産員といいますか、防疫員といいますか、これは裸の医者式の、本当に学校を出たいわば大学出の畜産専門の獣医ではありません。しかし実際に訓練もし、知識も授けて、全国的に防疫体制については十分な配置がしてある、そのことと、この中国の社会主義のもとにおける人民公社の性格からして防疫体制としては十分だと認められる、こう書いてある。日本流に科学技術的に解明されなければならぬという主張が強く感ぜられます。そして田中報告による調子と、それぞれ質問をします場合の農林省の説明の態度とは食い違いがあるわけです。そのことは、田中さんが調査に行かれるときに、それまで二回も日本側では調査をしているではないか。田中さんが行かれたら実際には問題が解決するんだと言われるから、中国側からも呉曙東さん、覚書貿易事務所の責任者が中国にお話をしてそれで田中さんが行かれた。ところが、田中さんが帰られてこの報告書が出ましたけれども、なお問題があるということでやめられたわけですね。ペンディングになったと言えばなったんですけれども、政治的に言えば、これは覚書貿易事務所の段階ではございますけれども、国交を回復したいまで言えば、外務省から中国の外務省に言って話をしてそして行かれる、そしてその報告が出てくる。もしこれが国交を回復していれば、恐らくこういうことにならなかっただろうと思います。なお残っている疑問を技術的交流をしながら、あるいは情報の交換等も行いながら前向きにやりたい、こういう話のように聞こえる。その点を大臣にはっきり明言を願おうと思っております。技術的な疑問の点がこれは一、二あることは私も認めます。認めますけれども、それを口実にして坂田農林大臣が一遍決められたことさえひっくり返している。というのは別な理由があるのではないか。これは私の考えることですけれども、私の理解するところで言いますと、これはそのとおりであるかどうか知りませんけれども、関係者が理解するのでは、農林水産関係の政策を動かしておるのは、飼料について特別な利害関係を持っておられる自民党の有力者が、中国からの食肉輸入を問題にしておられる、あるいは阻止しておられるんだといううわさがございます。あるいは日韓関係あるいは日台関係の中でもいろいろなうわさを聞くのでありますが、中国との国交は回復されましたけれども、国と国との関係で、その中で過去の調査のいきさつというものは、やはりこれは死んでいると言われません、生きている。そして第三回目のときには、田中さんが行かれれば中国食肉は輸入することができるようになるからといって行かれた。そのあとの若干の情報の交換とかあるいは技術交流というものがあったかもしれませんけれども、実現しない。私は、政府としては、国内の肉牛をつくっております農家との関連はずいぶん農林省で考えなければならぬことだと思います。考えなければならぬところだと思いますけれども、現に外国から食肉が輸入されていることでありますから、経緯は尊重しながら前向きで取り組まなければならぬ問題ではないかと思います。また、冒頭申し上げましたように、国民の中に要望がございますだけに、農林大臣としてはいま一度、この経過にかんがみまして、今後技術交流あるいは情報の交換等がございましょうが、前向きに対処されるかどうか、その点だけをひとつ承りたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 日中国交回復が行われまして定着化しているわけでございますし、私たちとしても中国から牛肉が入ってくるということは歓迎をすべきことだと思うわけでございまますが、問題は、中国における口蹄疫の存在がはっきりと解明をされてないというところの技術的な問題であるわけでございまして、これがはっきり解明されれば、もう日本としても喜んで輸入をするわけでございます。  農林省としても、いま局長が申し上げましたように、三回も職員を派遣をいたしておるわけでございますし、技術交流、情報交換等も積極的に前向きにやっておるわけでございますから、今後ともこの技術交流あるいは情報交換等もさらにひとつ積極的に行って、この問題が技術的に解決されることを心から望んでおるわけでございます。

吉田法晴日本社会党

○吉田分科員 若干時間が残ったかもしれませんけれども、さっきの渡辺君じゃありませんが、あとやってもあれですから要望として申し上げておきますが、従来畜産関係の諸君は技術的な問題で、どちらかと言いますと消極的、その消極的なのは政治的ではないかと考えたわけで、問題として取り上げたわけであります。農林大臣が言われましたように、ひとつ前向きに努力を願いたいということを要望して質問を終わります。

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 これにて吉田法晴君の質疑は終了いたしました。  次に、小川新一郎君。

小川新一郎公明党

○小川(新)分科員 昨日の夕刊に、浜名湖の沖合い七十キロまで南下したソ連漁船団の写真が掲げられておりますが、また江藤農林政務次官も対潜哨戒機で操業状況を視察されたようであります。ソ連船の操業は国民感情からはきわめて不当とは思いますが、わが国が領海三海里をとっている以上、ソ連漁船団は国際法上違法な操業をしているわけではないと思いますが、これは農林大臣、一言で結構でございますが、いかがでございますか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 ソ連船がわが国の公海上で操業するということにつきましては、公海上でございますから、国際的に違法であるということは言えないわけでございますが、しかし、公海上といえども、わが国の沿岸漁民が長い間にわたって築き上げた大切な漁場を勝手に踏みにじるというふうなやり方は、これは国際信義にもとるものだ、こういうように思います。

小川新一郎公明党

○小川(新)分科員 そこで、昨日御苦労にも国会開会中非常にお忙しい中を、漁民のためにまた国民のために哨戒機で現地を視察し、きょうの新聞によりますと、政務次官は、飛行機の上から大型漁船団の間に点々と散在しているわずかな小さな日本漁船の姿を見たときには、飛びおりて抱きかかえたい衝動に駆られたと言っております。まことに政務次官の人柄があらわれている言葉でございますが、このような感情論だけでは政治家としてはどうにもなりませんし、また、あなたがそのような感情のおもむくままにただ単に言っているとは私は思っておりません。政治家でございますから、国際法上、また日本の国民、漁民を守るという立場に立って高度な配慮が必要であると思います。  そこで、具体的な問題をあなたは記者会見でにおわしておりますが、具体的に農林省がとり得る漁民の救助の対策をひとつお聞かせください。また、そのときの状況をちょっと御説明いただくとともに、具体的な問題について、時間がございませんからまことに失礼ですが、簡単にお願いします。

江藤隆美自由民主党農林政務次官

○江藤政府委員 大臣を差しおいてお答えするのは大変僣越でありますけれども、せっかくのお名指しでありますからお許しをいただきたいと存じます。  二月二十一日にソ連大使を農林省に呼ばれまして、実は大臣からきつい抗議がありまして、翌日は土曜日でありましたが、大臣が北海道に飛ばれたわけであります。そして、昨日はまた船団が南下しておるということでありますから、おまえが行ってこいということで、私が命を受けて実は大島方面に向けて参りました。  きのう報道されましたように、新島の南方五マイル付近に約二十隻、大型の冷凍母船、これは大変大きなものであります。それから大型、中型のトロール船約十八隻、二千五、六百トンありますから、これも日本の近海としてはまれに見る大きいものであります。それからずっと南下いたしまして、下田の南方七海里に約二隻、それから御前崎の沖合いに大型の母船が一隻おりました。周辺にトロール船がいそうなものだと思ってずいぶん捜しましたが、これはおりませんでした。  以上が私どもが確認して帰ったこの実態であります。  そこで、いまのお尋ねでありますけれども、大臣を中心にいたしまして水産庁長官が事務的ないろんな作業を行いつつ、今日まで政府が果たし得る役割りについて、実はいろいろと検討をいたしてきておるところであります。物の被害の面、直接漁具、漁網、そういう被害の面と、それからもう一つは御存じのように出漁時間がなくなった、魚がとれなくなったための収入減と両方あるかと思います。大部分がもう集まっておりますが、これは早急に実態を全部把握いたしまして、そして加害者負担の大原則はありますものの、これは国家としてほっておくべきことではありませんから何らかの手段をぜひ行いたい、これがいわゆる大臣の基本方針でありますので、私どもは大臣を補佐しながら、いまその作業を実は急いでおるさなかであります。

小川新一郎公明党

○小川(新)分科員 そうしますと、大臣、具体的にはどんなことなんですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 いま政務次官が申し上げましたように、われわれとしてはあの漁業の被害をそのまま放置しておくわけにはいかない、こういうたてまえで、何らかの救済措置を講じなければならぬという基本方針のもとに作業をいたしておるわけでありますが、やはり被害の実態を正確に把握するということが先決でございまして、現在北海道からずっとこちらに至るまでの被害状況を、またこれからも起こってくるかもしれませんこの被害の状況を正確に把握して、その上に立って救済措置を講じたい。この救済措置を講ずるに当たりましては財政当局とも御相談もしなければなりませんし、政府部内においても相談をしなければならぬわけでございますが、具体的にはいまここで結論が出ているわけではありません。しかし、何らかの救済措置は講じたいという強い決意でこれに対処していく考えでございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)分科員 こういう暖房のきいた部屋でお互いに言葉のやりとりをやっている間にも、江藤政務次官がごらんになったように、寒風をついて漁場を荒されている、そして被害が刻々と増大している、そういう漁民の方々のことを思ったときに、確かに大臣のお言葉は慎重なお言葉でございますが、青年大臣として三木内閣で期待をされ将来を嘱望されている農林大臣としては、こうあらねばならないという御決意の中から、政策の一つでも二つでも、漁民のためにも国民のためにもお聞かせいただきたい。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 いままでこうした外国漁船による被害というふうな事態につきまして、具体的な例もあるわけでございますし、あるいはPCBの汚染によるところの被害の救済対策といったような具体例もあるわけでございまして、どういう具体的な形にするかということについては、これはなかなか私一存では決められないわけでございます。私としては、とにかくこれはほっておけないから救済措置は講じなければならぬというこの強い決意を持って、いまの現状の調査を急がしておるわけであります。そして、これもいま御発言がございましたように、早急にやらなければならぬわけですから、この調査を急がしておるわけでございます。  ただ、それでは何をやるかという具体的な一点、二点を言えとおっしゃっても、ここではまだその具体案を私一存だけではなかなか申し上げられないと考えるわけで、いろいろ政府部内の折衝を経なければならぬわけでございますが、しかし私としては何としても漁民の期待にこたえるような救済措置というものを考えておるわけであります。

小川新一郎公明党

○小川(新)分科員 国庫によるところの損害補償ということを加害者の原則を越えてやると了解したいと思います。ただ、それは一つ一つどうするかということはいまは言えない、そういう前提に立っていると了解してよろしいですか。一言で結構です。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 損害補償ということになりますと、これは問題があるんじゃないか。たとえば損害を受けたことに対する請求は民事上の問題でございますが、ソ連に対してしなければならぬ、これは国がかわって現在もソ連当局に強く行っておるわけでありますし、三月に日ソ間で協定を結ぶことになっておりますが、この協定の中にあっても、その損害補償についての規定も何とか盛り込みたい、こういうことでございますが、これに肩がわる補償というふうな措置は困難でございますので、そういう損害の補償ということではなくて、救済ということで漁民の皆さんに何らかの形でこたえていきたいということでございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)分科員 手厚い救済措置を講じるお約束をいただきましたので、私どもとしましてもありがたく思いますとともに、これは当然なことであると確信いたすものであります。  そこで、もう時間がないから簡単にお聞きいたしますが、宮澤さんは海洋法会議で三海里から十二海里説を出して、そのことがどうあろうとも個人としては十二海里説をとる。いまもはや十二海里説をとることは必至でございますが、海洋法会議を待つまでもなく、農林大臣として十二海里説をいますぐとるという御決意を御披露できませんか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 私は、現在の日本の漁業の情勢から見まして、直ちにでもできれば十二海里説をとりたい、そういうふうな気持ちを持っておるわけでございます。しかし、これはただ農林大臣だけの考えで決まるわけでもございませんし、各省間との協議もございます。さらにまた、この領海十二海里を決定するに当たりましては、かねてから日本は国際的な合意を求めるということを言っているわけでございますので、そういう立場に立つとどうしても海洋法会議を待たざるを得ない、海洋法会議の結果がどういうふうな形になろうとも、その後は領海十二海里を実現をしなければならぬ、そういうふうな考えでございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)分科員 私は一日も早く、宮澤外務大臣個人の見解を述べているにとどまっている十二海里説に対して、新たな農林省としてはこうだという御決意を聞きたかったのでありますが、非常に慎重な御答弁で、私もいささか安倍さんらしくないのじゃないかと思っているのですが、一番被害を受けているのは外務省じゃないんですね、農林省所管の漁民であるということをお考えいただかなければいかぬと思うのです。だめですか。一言でいいです。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 先ほども申し上げましたように、私といたしましては、これは本当にいまでも十二海里領海を宣言したい気持ちでございます。ただ、先ほどから申し上げますような理由で、なかなか私の考えでこれを決定するということはむずかしい状況にあるわけでございますし、国際的な合意を求めるという、これまで日本がしばしばこれを発言をしてきているものですから、そういう意味においてもやはり海洋法会議を待たざるを得ないのではないか、そういうふうに考えるわけでございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)分科員 その問題は私は全く残念なんですが、時間がないからここで議論を重ねるわけにはまいりません。  そこで政務次官、一言お尋ねします。  あなたは非常に機械にお詳しいように聞いておりますけれども、農機具が現在どれくらい出ているか。しかも、日本の農業生産の中で、食糧増産のためにはこれから機械化農業を進めていかなければならないという持論と聞いております。また、政務次官御就任のときにそのような御発言も聞いておりますので、現在の農機具メーカーが実は安全対策について、全くの野放しとは言いませんけれども、法的根拠の規制が行われておりません。現在この農機具の安全対策の第一歩は、まず実態の調査でございますけれども、昭和四十八年の実態調査は簡単でございましたけれども農林省みずからの手で調査いたしましたかどうか、これは関係官からで結構です。

江藤隆美自由民主党農林政務次官

○江藤政府委員 いま何か調べておるようですから、その間に……。  私は、昭和四十九年度の農機具の売り上げはおおよそ四千三百億ぐらいではないかと思っております。それから、耕地面積が約六百万ヘクタール、それにおおよそ六千五百万馬力の農機具が実は使われておる、こういうふうに理解をいたしております。

小川新一郎公明党

○小川(新)分科員 国がやったかやらないかについて……。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 ただいまの四十八年度の調査と申しますのは、あるいは四十九年にやっております農機具の事故実態調査のことでございましょうか、これでございますれば、現在まだ集計中でございまして、結果はまとめておりません。この調査をいたしました趣旨は、従来はこういった農作業による事故についての詳しい資料がない、死亡につきまして、厚生省の人口動態統計によるしかないものでございますから、それでは農作業の関係の詳細は知ることはできないということで、四十九年度から新しく、一つにはこの人口動態統計をベースにした調査、もう一つは集落の調査、これはモデル的にとりましてやる調査で、事故の実態をより詳細に把握しまして、今後の農作業安全のいわば材料にしようということで調査を始めたのでございますが、現在取りまとめ中でございまして、まだまとめておりません。

小川新一郎公明党

○小川(新)分科員 大臣、昭和四十七年の農作業事故調査表というのはいただいておりますけれども、四十八年のがないわけです。四十九年はいまこれから農林省がおやりになろうとしておりますが、いままでは委託によって、たとえば都道府県とか各地方公共団体の機関委任事務として任せております。こういうことでは実態の調査がはっきりできない。たとえば私の埼玉県におきましても、安全協会の調べでは死亡がゼロ、重傷が二となっております。これは埼玉県警の調べによると、農業関係の事故は大型特殊で二十七件、小型特殊で二十六件、農耕三十九件、全く違うのです。こういうふうにばらばらの実態調査、調べる方の都道府県やその調べる人によって、所管によって、一体どういうものを調べるかという基準がまずはっきりしていない。こういうことで、ゼロが二になってみたり、二が四になってみたり、私が調べた範囲でもまことにずさんでございます。しかも、いまあなたが申されましたように、何百万台だかの農機具がこれからさらにふえていくし、しかも無鉛化ガソリンについては御案内のとおり五十二年から規制をされる、そうすると、これから農機具は全部無鉛化ガソリンでなければ動かないのですよ。そういう問題さえもチェックできていない。しかもこの農機具の検査所が、日本で私の住んでいる大宮市に一カ所しかない、十六人しか職員がいない。こういう実態で、果たしてこの農機具問題の安全性、しかもメーカーの言いなりのPRだけで信用したために、それは確かに農民の方の技術の不良もあるでしょうし、またしかも、いま三ちゃん農業と言われている、おじいちゃんやおばあちゃんやお嫁さんがやっていらっしゃる。働き手の若い人たちがいなくなる傾向にある日本農業の中で、要求されるものはもっと高度な機械化を要求される、しかももっと集中的に生産を上げなければ一次産業の付加価値が生じない。こういう問題になってきますと、政務次官のおっしゃっているような問題とは現実が余りにも離れておりますので、私はこのチェック体制をまず明確にする法制化をしなければならぬと思う。現在あるのは農業機械化促進法でございますね。この農業機械化促進法というのは農機具を促進する側に立っている。たとえば農薬とか肥料とかというものはだんだん見直されまして、安全性を求められてきておりますね。安全に対する方の法律はできてきているのに対して、農機具に対しては農機具を促進する、売らんかな主義、使いなさい主義はあっても、それを使う側の農民の方々の安全に対する労災の問題とか、保険の問題しか、メーカーの責任体制とか、その機械のどこが悪いかということのチェック体制がないために法制化がおくれております。これは政務次官の御決意を承りたい。

江藤隆美自由民主党農林政務次官

○江藤政府委員 確かに、いままで農機具は、大体農民の要望もこれあり、メーカーとしても売ることに専念をしてきた。また政府も近代化資金等にこれを繰り入れて、どんどんと農機具が普及することでもって労力を節約しようとしてきた、これは否めない事実であろうと思います。したがって、いま先生がおっしゃるように、この安全対策あるいは事故防止のためのいわゆる操作上の諸訓練、あるいはそれを調査する機能、そういうものがそれについていっていなかったということは、これは否めない事実であろうと思います。ただ、いまそれを法制化する方がいいのか、あるいはまた現行法規の中で、あるいはいろいろな制度を考慮してそうしてやれるのか、やれないのか、そういうことも、私もこの前から農機具の問題を実はやっておりまして、ただ売るばかりではいかぬ、これを安全に使うということと、長くそれを使わせるということ、勝手にもう簡単に更新をしない、いつまでも大事に使うということ、そしてその部品をいつまでも取っておく、あるいはまた中古品になっても大事に使っていく、そういう一貫した何か農機具の販売と使用、利用についての方法を考えるべきじゃないか、こういうふうに考えておりますので、十分研究してみたいと思っております。

小川新一郎公明党

○小川(新)分科員 政務次官も大臣もお聞きいただきたいのは、大宮市に一カ所しかないのに、何百万台の機械をどうやって検査をするのです。しかも農作業安全協会に委託しているじゃありませんか。しかもその委託費はほとんど会費で賄っておりまして、一般会員は全農を初めとする農業団体、そして特別会員は農機具メーカー二十二社、ここからお金をもらってやっているのですよ。売る方の農機具メーカーから金をもらって検査をする、安全の体制を整えておるようなことで、大臣どうなんです。だから合格品、不合格品を発表してもしなくてもいいと、任意じゃないですか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 ちょっとその前に、実態につきまして若干御説明申し上げたいと思います。まず先生御指摘の問題、多岐にわたるわけでございますが、一番基本になりました実態の把握、これは私もまことに重要と思っております。御指摘のとおり、いままでの正式統計は、厚生省の人口動態統計しかございませんから、それでは不十分でございますし、私どもそのほか県の情報とかあるいは先ほど農作業安全協会に委託した事例調査もございますが、いずれも不十分でございます。そこで、これではいかぬということで、四十九年度から農林省予算を計上しまして、実態をより詳細に調査する、今後の施策の十分な材料にしたいと思っておりまして、まだ本年はまとまっておりませんが、今後これを続けていく、実態の把握をまず究明してまいりたいと思っておるわけでございます。  次に、農機具の検査についてでございますが、現在の機械化促進法、これはおっしゃるとおり、当初は機械化を円滑に推進するということが主目的でございました。したがいまして、性能が重点だということは紛れもない事実でございます。それからまた、農機具の種類も多岐にわたっておりますし、もちろん歩行型トラクター等は何百万というオーダーでございますが、だんだんといわば機械としては複雑と申しますか、したがって、より安全性の問題が出てくる大型のもの、たとえばトラクターも乗用型あるいはまた脱穀機、コンバイン等、こういうものがふえてきたわけでございます。  したがいまして、性能の面はもちろんこれは必要でございますが、同時に安全性をより高めなければならぬというふうに考えておりまして、そのためには、一つは扱う業者のいわば知識、技能、操作技術の向上、これが第一のポイント、もう一つは、機械の構造、装備をより安全なものにするということがもう一つの要件でございますから、両者につきまして、一つは農作業の安全基準あるいは農業機械のいわば装備の基準というもの、これを策定いたしまして指導いたしておるわけでございます。  ただ、これは御指摘のとおり強制ではございません。現在の検査は、本来の趣旨がいわば奨励検査でございまして、依頼に基づいて検査をして、いいものは合格ということを発表して、いわば推奨銘柄と申しますか、そういう扱いになっておるわけでございます。したがいまして、確かに法律上は検査を受ける義務もございませんし、それから、仮に検査に落ちましても、それを法的には禁止はできない。もちろん、私どもは、極力受検をするようにという指導もいたしておりますし、それからまた、不合格品につきましては、直ちに改造してもう一遍検査を受けろということを指導いたしておりますが、法律上の強制はない。これは農機具の特性上、強制検査ということはなかなか法的にむずかしい問題がございますし、従来、行政指導をやっておりまして、極力行政指導をさらに強化してまいろうと思うわけでございます。  それから、同時に、そういたしますと、いまの検査体制で十分かという御指摘が起こるわけでございます。現在、全部検査しなくても、十五人の人間でございまして、これを性能検査をやりますと、圃場試験をいたしますからかなり手間暇食うわけでございます。したがいまして、現在の検査受検状況ではまずまず何とか対応してまいれるわけでございますが、今後さらに受検をふやせということになりますと、当然いまの方法ではなかなか間に合いかねる、おくれるということになりかねない。したがいまして、私どもは、いまの機械化研究所の検査体制をやはり考え直さなければいかぬ。一つは、検査方法の合理化もございましょうし、それから機械設備の合理化もございますし、さらに検査体制につきましても、もう少し基本的に検討していかなければならぬというふうに考えておる次第でございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)分科員 政務次官、全部で何万台の農機具、エンジンのついているのがあるとおっしゃいましたか。

江藤隆美自由民主党農林政務次官

○江藤政府委員 六百万ヘクタールの田畑に対しておおよそ六千五百万馬力の農機具が使われております。こういうふうに申し上げました。

小川新一郎公明党

○小川(新)分科員 これは台数にすると何台ですか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 現在の普及台数、これは年々の生産台数ではございませんが、普及台数で申し上げますと、トラクターは歩行型トラクターが約三百三十八万台でございます。それから、乗用型のトラクターが三十三万台でございます。田植え機が四十七万台、それから動力噴霧機が百二十六万台、動力散粉機が百三十八万台、それから動力刈り取り機が百二十五万台、それから通風乾燥機が百七十八万台、主要なものを拾ってみますと、こういうふうになっておりますが、これは現在普及しておる台数でございまして、もちろんこれは耐久財でございますから、年々の生産台数はこんなにあるわけではございません。先ほど私が検査と申し上げましたのは、これは現在型式検査でございまして、したがって生産されるものを悉皆検査をするわけではございません。いわば型式を検査いたしますれば同じものをつくられるわけでございますから、生産台数を全部検査するわけではございませんで、したがって年々件数は数十件、こういう扱いになるわけでございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)分科員 合計して一千万台以上ありますよ。自動車が三千万台ですよ。一千万台の動力のついた農機具が任意の試験で、メーカーの言いなりで、事故の実態も四十九年以降わからない。こういう無責任な体制、そういう時点で安倍農林大臣が御就任になった。三木内閣の若きチャンピオンとして立ったのです。日本の農政を託された。それをいままでの体制でいいなんという考え方は、私、聞いておる皆さんの思いも寄らないことと思います。だから事故が続出しておる。県警の調べでいったらあなた方の調べより十数倍も多い。しかも死亡者が八十何人も埼玉県にある。これをほったらかしておる。検査体制と育成体制が全くなってないからだ。任意で御自由におやりください、やってもやらぬでも結構ですよ、不合格品は発表しますけれども、いいのを勧めますよ、何ですか、この生存競争の厳しい社会において。しかも、いま一番不況知らずで稼動しておるのが農機具専門会社です。大臣、これは速やかに、自動車の検査体制と同じように——あの自動車の免許を取るのにえらい騒ぎをしています。自動車の排ガスについては、いま政治問題にまで大騒ぎをしています。エンジンつきのこういった大型農機具は野放し、しかも年々歳々ふやさねばならないという日本の農業政策から考えたら、法改正をして厳しくしていかなかったら大変なことになると私は自覚しておりますが、大臣御決意を一言で結構ですから、お聞かせ願いたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 農業機械につきましては、いまおっしゃるように大変な普及でございます。初めの段階においては、やはり農業機械につきましてはスピードも非常に遅いし、操作も簡単であるというふうなことから、いままでのような状態できておると思うのですが、最近では、農業機械そのものが非常に複雑になってきておりますし、それから操作等も大変困難性も加わっておる機械もずいぶんあるわけです。そこで災害等も起こっておるわけでございます。  そういうことを考えますにつけても、これから安全性というものを最重点に置いて考えていくことが農政上の、農民の期待にも答えることになるわけでございまして、そこで、いま調査等につきましても、確かに現在までは十分でなかった。これはもうことし予算をつけておりますから、徹底的な調査をすることが必要であると同時に、安全性への確保につきましては、いままでの検査体制のあり方をひとつあらゆる角度から再検討して、これは先ほど政務次官も答えましたが、これでもってすぐ法律改正につながるかどうかということは、十分検討しなければならぬわけでありますが、いずれにしても、今日の検査体制では私もいいとは思っておりません。したがって、再検討をして、そして農民の農作業の安全確保のための新しい検査の形というものをひとつ考え出していかなければならぬ。これは学識経験者、いろいろな方の御意見も聞きながらこれをやっていかなければならぬ、こういうふうに思うわけでございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)分科員 いまお話がありましたように、埼玉県では死亡ゼロ、重傷二となっておるのが、一千百九人、重傷と死亡があります。十倍でございます。一万人を超えておるのではないかと思うようになっております。そして、委託されている実態を見ましても、この安全協会の職員の数も四十五年の六名から年々減らさざるを得ず、四十九年現在わずか二名、どうです。委託しておるところの安全協会の職員は二名しかいないですよ。こういうことをほったらかしておいて人命尊重だとか、人間の命は金では買えないとか、食糧生産を上げるに急ピッチで、昭和二十八年にできた農業機械化促進法、昭和二十八年と昭和四十九年、五十年じゃ全く時代が違う。一遍も法改正されない。売らんかな主義、メーカーからの寄付金で賄っているような実態。いまの大臣のお話を私は前向きに聞いておきました。法改正に踏み切るという示唆であると理解いたした。いかがでございましょう。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 すぐ法改正に踏み切るということではなくて、そういう問題も含めて、いまの検査体制のあり方というものについては問題があるわけでございますから、これは前向きに再検討したい、こういうことでございます。

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 これにて小川新一郎君の質疑は終了いたしました。  次に、久保三郎君。

久保三郎日本社会党

○久保(三)分科員 限られた時間でありますので、御答弁の方も簡潔にお願いしたいと思うのです。  大体事情を知っていて質問しておりますから、そのつもりでお願いしたいと思うのですが、一つは麦作の奨励金の交付の時期であります。この奨励金の交付が農家末端に届いたのは十三月も押し迫ったころなんであります。麦の収穫、販売、そういうものは大体平均して七月だろうと思うのですね。これはいろいろ事情や手続の関係もあると思うのでありますが、結論として、これでははっきり言って奨励金にならない。同じ金を出すにしても後追いでありまして、効果は三分の一かそこらになってしまう。もっと早めなければ、農林省の現場、末端にいる者もその奨励のために努力することにブレーキがかかると言う、かえって逆に。これを改善するつもりはあるかどうか。  それから、大蔵省からおいでになっておりますか。——おりますね。大蔵省の見解も聞きたい。こういう奨励金を手続に籍口して遅くやっていいものかどうか。簡単にお答えいただきたい。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 簡潔にお答え申し上げますが、麦作生産奨励補助金、これは奨励補助金でございますから、どうしても一定の事務手続が必要であったわけでございます。特に本年度は初年度でございまして、多少関係者のふなれがございましてかなり遅くなったということは事実でございます。しかし、なるべく早くした方がいいということはもちろん間違いございません。二年目は、関係者ももうなれましたし、かなりスピードアップできる。したがって、極力早期に払えるように努力いたしたいと思います。

宮下創平大蔵省主計局主計官

○宮下説明員 いま松元局長からお答えしたとおりでございまして、大蔵省といたしましては、農林省の方から所要の概算払いの交付申請なりそういうものがございますれば、直ちにこれを検討するということでまいりたいと思います。

久保三郎日本社会党

○久保(三)分科員 極力早くするというのはあたりまえの話で、そんなことを聞いているんじゃないですよ。ぼくは具体的に、十二月の末に農家に渡った、だからこれを早くする気持があるかと言ったら、ただ極力と言う。何月だね。どのぐらいをめどにして交付するのかね。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 私も十二月が遅かったということは認めておるわけでございますから、もちろん早くしたいわけでございます。ただ、これを具体的にそれでは何月縮められるかというのは、やはり一定の手続がございますから、いまの十二月よりはかなり早くなるかと思いますが、ぴしゃり計数的に何月とまでは申し上げかねますが、かなり早くするようにいたします。

久保三郎日本社会党

○久保(三)分科員 こんな問答をやっていると時間がなくなっちゃうから、あとで本委員会になってやるというようなことで。しかし、めどというものはありそうなものだ、およそ何月ごろまでには支給したいと。麦というのは、収穫の収入は、いまでもそうだと思うのだが、農家では大体お盆の支度金なんですよ。そういうものを知らぬで十二月ごろやっても効き目は薄いということなんです。申し上げておきます。だから、お盆に間に合うようにやれるようにひとつ工夫をしなさい。時間がないから、それだけ。もういい。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 工夫いたしますが、やはり確認して払うというどうしても手続の制約がございますから、その点私ども十分頭に置いて努力いたします。

久保三郎日本社会党

○久保(三)分科員 確認するのはあたりまえですよ、局長。そういうことを聞いているのじゃないの。  次に、高浜入り干拓の問題であります。これは本予算委員会の中でも質問があって、農林大臣は既定方針どおりやるような御答弁があったようでありますが、これまでやってきたところに大変不当な措置もあるし、見ようによっては違法の問題もあるので二、三お伺いするのですが、まず最初に、四十九年度予算は中途で減額したんだが、その減額した中身は何であるか。減額は、大体工事費四千八百万を減額しているわけですね。この工事費の四千八百万というのは何をやろうとしたのであるのか、それを簡単に聞きたい。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 四十九年度当初の実施計画の承認されました額は三億でございます。そこでそこから四千八百万を横島干拓の早期完成のために流用いたしまして、四十九年度の実施額といたしましては、四十八年からの繰り越しを入れて二億七千万ということでございます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)分科員 まじめに質問を聞きなさい。そんなことを聞いているんじゃないの。当初工事費は一億五千万計上しているわけだ。そのうちから四千八百万減額したようだが、減額した中身は、予定からすれば何の工事に充てるつもりであったのか、それを聞いている。横島の干拓に流用したなんて、そんなよけいなことを答弁しなくてもいい。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 工事費を流用したわけでございます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)分科員 何の工事か。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 施工基地の工事費でございます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)分科員 次に、四十九年度予算は工事費はまだ残額があるわな。ありましょう。これは年度末までに執行するつもりであるのか。そして残っている予算は、特に工事費は何の工事費であるか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 予算は、御存じのように、実施してみて決算を見なければ最終額はわからぬわけでございますけれども、先ほど来申し上げました二億七千万、これは四十八年繰り延べ等を入れての額でございますが、その中で四十九年に実施しておりますのは汚濁防止工事、それから船舶及び機械器具費、測量機械費等、それから工事諸費ということでございます。そこで五十年への繰り越し予定は約九千万、内訳で申しますと、御存じの漁業補償金の未払い分として残してございます四千三百万、それから施工基地の一部工事四千七百万でございます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)分科員 いまお述べになったものは繰り越す予定ですね、いまのところ。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 ただいま申しました九千万が繰り越しの予定でございます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)分科員 次に、五十年度要求の予算の内容でありますが、これは総額二億二千万ですね。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 五十年度の予算につきましては、予算が確定いたしました後で事業の実施計画をつくりまして、大蔵省と協議するわけでございます。それで現在それの準備をいたしておりますけれども、ことしの繰り越しのほかに一応二億二千万を予定して、二億二千万のめどとして現在事業実施計画を検討中でございます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)分科員 わかりました。  そこで、四千三百万の補償金、この繰り越しするというのは補償金ですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 四千三百万は漁業補償金の未払い分として繰り越しをするわけです。

久保三郎日本社会党

○久保(三)分科員 そこで水産庁にお尋ねするが、補償金の支払いについて、これを中心にして当該漁協である玉造漁協の検査請求が出ておりまして、その結果はどうなっているのか。いわゆる請求があった趣旨のようなものが中にあるのかどうか、これが一つ。  それからあわせて、検査請求とは別でありますが、玉造漁協は御承知のとおりここ三、四年総会を開いておりません。しかも機能も果たしておらない。そういうさなかでありますので、関係の漁業者は別の組合設立を考えている、あるいはそれに働き出したというか、こういうことであります。これが正規の手続を経てくれば当然組合設立の承認ということになるはずだと思うのでありますが、それは当然そういうふうになりますか、どうですか。

内村良英水産庁長官

○内村政府委員 玉造漁協の補償金の配分につきまして、組合員からの請求に基づきまして県が水協組の第百二十三条第一項の規定による検査を行いました。これは四十九年の三月十四、十五の両日でございます。この結果、県からの報告によりますと、この検査で次の事項が指摘されたわけでございます。  一つは、組合が対策委員会から組合運営費の一部として借り受けしているものがあるが、これを早急に解消せよということを指摘したわけでございます。それから第二に、対策委員会の会計から個人の税金部分を立てかえているものがあると言っているが、事実ならば早急に回収し、残存補償金に加えておくべきものと考える。それから第三といたしまして、対策委員会の委員の選出、組織の構成、権限等は、総会に諮らず、理事会の議決を経て発足しているが、過去の経緯等から、組合員はこれを認め納得しているものと解される。しかし、今後はこういうことは総会にかけて明確にして発足するようにというような指摘をしたわけでございます。  その後、県からの報告によりますと、この指摘事項につきましては、組合の方は正しい措置をとったというふうな報告を県から受けております。  次に、新しい組合をつくろうという動きがあるということは私どもも承知しております。御案内のように、現在わが国の漁業協同組合は規模が小さいために、水産庁といたしましては漁協合併助成法を制定いたしまして、漁協の合併を推進していることは御案内のとおりでございます。したがいまして、このような情勢のもとにありまして組合が分裂して新組合を設立するということは、行政庁としては基本的には好ましくないと考えておりますけれども、しかし、現実に新組合の設立の認可申請が提出されましたときには、水協法の規定に基づきまして厳正に審査、判断し、認可または不認可が決定されることになるわけでございまして、私どもといたしましては現在、県からの相談を受けて、必要があれば、意見を求められれば、それに対して意見を述べるということを考えております。

久保三郎日本社会党

○久保(三)分科員 それに対しても多少疑問があるのでありますが、時間もございませんので先へ行きます。  そこで、やはりこれは水産庁長官にお伺いするのが一番いいのかもしれませんが、玉造漁協の漁業権の消滅というか、あるいはそれに伴っていま答弁があった補償金の支払い、ただし反対者があるので、三十三名分四千三百万円は繰り越しということになっているのであります。  そこで、水産業協同組合法五十条によって、当該の漁協は関係の漁業権を放棄するということを特別決議をしたということになっているのでありますが、この特別決議をしたということ自体にも幾つかの問題がある。これは必ずしも正確に半数以上の者が出席をして三分の二の議決というふうにはとっておらないのであります。もともと組合員の中での資格についても疑義があるということで、御案内のとおり係争中であります。しかしその問題は別として、これと関連して漁業法の第八条第五項によるところの問題、これを見ますれば、漁業権行使規則の廃止については当該地域に住所を有する者の三分の二以上の書面による同意がなければ消滅できない。そうなりますと、これは全然問題が違ってくるのじゃなかろうか。漁業権消滅というか、これには大きな問題がある。水産業協同組合法だけの議決がたとえ正しいにしても、漁業法によるところの手続をしておらないというところにも問題があるので、これは漁業権は消滅してない。消滅していない漁業権に対してすでに大半の補償金を払ったこと自体が問題であるというふうに思うのだが、この点はいかがですか。

内村良英水産庁長官

○内村政府委員 漁業権の放棄につきましては、実定法上漁業法第八条の規定の適用はございませんで、水協法四十八条、第五十条の規定による組合の総会の議決、特別議決の手続を履行すればよろしいというふうに解釈しているわけでございます。  なお、この問題につきましては、先生ただいま御指摘のとおり訴訟が起こっておりまして、現在係争中のため、この具体的な問題についての見解の表明は差し控えたいと思います。

久保三郎日本社会党

○久保(三)分科員 これは、たとえば三十三名の反対者に補償金は行ってない。補償金は行ってないのに、その干拓の工事は事実いま始まっておるのですね。  それではこれは水産庁に聞いてもちょっと無理かもしれませんが、建設省ですな。公有水面埋立法によりますれば、水面埋め立ての免許を受けた者は、損害の賠償をした後でなければ、その権利を有するものに損害を生ずるべき工事に着手することができない、こうなっているわけです。そうでしょう。第八条です。そうなると、いま三十三名の漁業を営む権利を持っている者に損害の補償をしてない。補償をしてないのに工事に着手するということは、公有水面埋立法の第八条に照らせば違反ではないのか、違法ではないのかということであります。いかがですか。

佐藤毅三建設省河川局水政課長

○佐藤説明員 埋立法の第四条におきまして、御指摘のように免許の基準に関する規定がございまして、その第三項に「公有水面二関シ権利ヲ有スル者埋立二同意シタルトキ」そういう場合に該当しなければ免許をなすことができないというふうになっております。  本件の場合におきましては、この「権利ヲ有スル者」といたしまして、漁業権者でございますが、同意をしておるということになっておるわけでございます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)分科員 第四条によって、あなたがおっしゃるとおりの同意をたとえば玉造漁協がしているということにしても、第八条では、損害賠償をしてからでなければ工事に着手してはいけないとなっている。だからこれは違法じゃないのか。損害賠償してない。四千三百万が妥当であるかどうかは別にして、これはいまだに権利者には補償されてない。この工事をやること自体に問題がありはしないかということを聞いているわけです。  それから、時間もないからあわせてもう一つ答えてほしい。もう一つは、第四条——第四条を聞く前に農林省に聞きましょう。  高浜入り干拓の目的ですな。何の土地を造成するか。最初稲作でしたな。それを中途で酪農並びに畑作ということに目的を変更したんだが、変更したのは何年の何月ですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 四十六年六月に野菜及び酪農基地としてというふうに計画変更いたしております。

久保三郎日本社会党

○久保(三)分科員 建設省は突然来たのでよくわからぬと思うのだが、高浜入り干拓の公有水面埋立法に基づくところの免許はいつ受けたのですか。——これは農林省に聞いた方がいいかな。

佐藤毅三建設省河川局水政課長

○佐藤説明員 公有水面埋立法に基づきます茨城県知事の承認は、昭和四十六年二月十二日に受けております。

久保三郎日本社会党

○久保(三)分科員 そこで、公有水面埋立法の第四条には、「其ノ埋立二因リテ生スル利益ノ程度カ損害ノ程度ヲ著シク超過スルトキ」は免許はできないということになっているのですよ。四十六年二月に免許をするときには、たしか米の収穫高は幾らあってどうであるという経済計算をしたと思うのですね、恐らく。それによって免許をした。ところが、四十六年六月に目的変更したわけだ。目的変更したときには手続はとっていないと思うのです。とっていないはずです。さっき話があったように、酪農並びに畑作なんです。よろしゅうございますか。その場合には、第四条のいまぼくが読み上げた、損害の方が多い場合にはこれは免許はしないということになっている。これも問題だろうと思うのです。第八条もそのとおりだが、これも問題。それで、あわせて言うけれども、われわれの手元で計算したというか、そちらで計算したのもあるのでしょう。大体最初計算したのは米で計算した。米で計算して五千百二十四トンの収穫、これで免許を受けるときの計算をしたわけです。そこで、四十八年度の米価の換算で言いますとこれは約八億七千万。それから次には、いま答弁があったように四十六年六月に酪農、畑作に計画変更した。そのときの収入見込み取得額としては九億二千二百三十三万ということで計算した。この計算の中でもずいぶん違っておるわけですね。  それでもう一つは、それでは現況のままでいた場合にはどの程度の収穫というか所得があるのかというと、コイの養殖ということでしょう。大体これは千五百トン、約四十五億、そのうちのいわゆる利益というか、三割として十三億五千万という計算ができる。これは、第四条によるところのいわゆる損失の方が多いということになります。当然これからもこの免許はすべきではない。ましてや、最初の目的は米ということで申請して、そこで免許を受けた。後から目的を変えてきたんだから、これは当然この埋め立ての免許は無効である、取り消しだというふうにわれわれは思う。いかがですか。

佐藤毅三建設省河川局水政課長

○佐藤説明員 本件の埋め立ての目的でございますが、これは農用地の造成ということでございまして、その農用地が米づくりであるかあるいは畑作であるかというようなことは限定していないわけでございます。したがいまして、いまの点につきましては、目的変更はないものというふうに考えております。  それから、先ほど失礼いたしましたが、公有水面埋立法第八条の問題でございますが、損害の補償をなすべき場合におきまして、「其ノ補償ヲ為シ又ハ前条ノ規定二依ル供託ヲ為シタル後二非サレハ」「工事二君手スルコトヲ得ス」ということになっております。本件の場合には、ただいまちょっと急いで参りまして資料を正確に持ってきておりませんが、三十二、三名の問題の方々に対する補償金については供託をしておるというふうに伺っております。

久保三郎日本社会党

○久保(三)分科員 四千三百万は、さっき答弁したように四十九年度、今年度の予算に入っていて、これは繰り越しだ。供託はしてない。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 私、漁業補償の一部ということを申し上げましたけれども、共同漁業権に対する補償とは申し上げなかったわけでございまして、自由漁業なり許可漁業に関する部分について将来発生するであろうという分についての補償金四千三百万ということでございます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)分科員 詭弁だ、それは。大体、補償の協定書を茨城県漁連との間にやったときに、その直後、三十三名の者が同意してないという理由で、協定書はその部分、四千三百万円差っ引いて協定を変更している。協定を変更しているのですよ。しかも、はからずもさっき四千三百万は繰り越しと言った。予想されるものでなくて、漁業権はもう消滅したという前提でこれは払っているわけです。それじゃ、三十三名の漁業権があると言うのですか。あなたの口からあるというのですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 自由漁業なり許可漁業の問題につきましては、工事施行の過程において場合によっては発生する場合がある、こういうことでございます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)分科員 自由漁業でない。共同漁業であり、区画漁業なんだ。もっと勉強しなさい。  いまの建設省の答弁からいけば、供託も支払ってもいない。だからこれは工事には着手できないはずだ。  それからもう一つ建設省に聞きますが、答弁漏れがある。たとえば、いわゆる目的変更はしたい。あなたがおっしゃるとおりに農用地ということだから、中身はどうであってもいい。ただ、百歩譲ってそういうふうにしても、経済計算をしたのは米で計算して免許を受けているんだ。後は違ってきている。そういうものに対して、これは違法性があるということです。

佐藤毅三建設省河川局水政課長

○佐藤説明員 免許基準の公有水面埋立法の第四条の規定によりますと、先生先ほど御指摘の、「其ノ埋立二因リテ生スル利益ノ程度カ損害ノ程度ヲ著シク超過スルトキ」という条項もございますが、その条項を適用いたしますのは、実はその前にあります一号の方の「其ノ公有水面二関シ権利ヲ有スル者埋立二同意シタルトキ」この同意がなかった場合においてもなおかつ二号の「埋立ニ因リテ生スル利益ノ程度カ損害ノ程度ヲ著シク超過スルトキ」には免許することができるのだという趣旨の規定でございまして、一号に該当しておりますれば免許することが可能でございます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)分科員 それは便宜的な解釈ですよ。いや、いいえと言うが、そうでしょう。あなたがおっしゃるようなことは、これはいまのような、あなたのおっしゃるような解釈にたとえばしても、それでは経済計算というのは成り立たぬでもやっていいということですね。そういうことじゃないでしょう。

佐藤毅三建設省河川局水政課長

○佐藤説明員 これは、埋め立ての必要性、埋め立てをする必要があるかどうかということを一般的に判断をいたします。その際に、お話しのような経済的に有益なものであるかどうかというふうな判断も当然入ってしかるべきだと思います。しかし、ただいまの要件として法律違反であるという問題ではないというふうに考えます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)分科員 判断の条件がそれは幾つもありますよね。しかもその中の重要な部分でしょう。たとえば高浜入り干拓というのは経済の問題ですよ、これ、はっきり言えば。どれにした方が得かということですよ。損か得かの問題。しかもどっちも食糧の問題なんだな。ここは工業生産地にするとか、片方は食糧の問題であるとかいうんじゃなくて、同じ食糧の問題じゃないですか。いずれにしても、いま話があったように、これは公有水面埋立法から言っても工事に着手することは違法であるというふうに思うのです。これは農林大臣、時間が来ましたからあれなんですが、あなたはこの間もだれかに答弁しているようですが、私は十二月二十三日に質問書を出しているのです。時間の関係もあったので結論だけでいいから答弁してくれと言ったらば、御承知のように予算はつけますという話です。地元の情勢はそんなものじゃない。いまや環境問題もあるわけです。公有水面埋立法の改正の中の大きな項目もそうなっている。改めてこれは見直す時期なんで、質問書をもう一遍読んでいただいて、これは少なくともことしはというか、五十年度は一遍これはやめて、一歩踏みとどまって、霞カ浦全体に対する検討をしたらどうかということを提言して終わりにします。また、足りませんから農林委員会でやりますから……。

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 これにて久保三郎君の質疑は終了いたしました。  次に、安宅常彦君。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 私はこの間一般質問において、国家公務員法の任用の問題でいろいろと質問をいたしました。これはしかし意見の分かれるところもあり、人事院側の説明もその後私にありましたので、こういう問題についてはきょうはまあ基本的には触れないで、本日は具体的に、何といいますか、総論は別として各論でやるといいますか、林野庁に働く労働者の問題について、職員の勤務条件やそういう問題について質問をさしていただきたい、こう思っております。  この間農林大臣は、基幹要員は「新しい制度の創設を図る必要がある、」 せっかく検討中でありますと、労働組合に対してもいろいろとその後林野庁としてやっているようでありますが、基本的には大臣の答弁でそういう話がありました。  それで、この新しい制度というものは一体どういうものなのか。林政審議会の施策部会の労働小委員会ですか、そこの答申なるものも私見ておりますけれども、いろいろ問題点がたくさんあります。しかし、これらの問題についても林野庁の長官を初め非常に心配しているようですけれども、基幹要員については常勤職員とする、こういうふうに組合にも言っているのですから、当然その方向で制度の改正というものを考えておる、私はそう思っておりますが、大臣どうですか。

松形祐堯林野庁長官

○松形政府委員 お答え申し上げます。  先日の予算委員会におきまして、ただいま御指摘のような御質問に対しましての大臣の御答弁があったわけでございます。それを受けまして私ども、もちろん、国有林野事業に従事いたしております御指摘のような基幹的な作業員に関する雇用制度の改正につきましては、目下関係する省も多うございますので、鋭意そこと協議中でございまして、その内容につきまして、関係の諸法令というものもございますので、鋭意詰めておりますけれども、ただいま具体的にその内容というところまで詰まってないわけでございます。しかし、そのような基幹的な者につきましては、国家公務員制度の体系上の位置づけとかいうような問題もございますし、御指摘がございましたような林政審の答申というようなこと等もございますので、私ども、全般にそのような問題を解明しながら、そのような方向で走るということで努力いたしているところでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 常勤、非常勤、それから基幹要員、基幹的な要員、大変いろいろ文章の使い方があるようですけれども、「基幹要員」と言っている者は、じゃどういう者を長官は言っているのですか、これは。ちょっとこの定義が、いろいろ労働組合とも何か少し違うみたいだし、「基幹的要員」と言った場合と「基幹要員」と言った場合と、どういうように違うのですか。

松形祐堯林野庁長官

○松形政府委員 お答え申し上げますが、ただいまのように、私どもの制度の中では常用、定期とか、いろいろございます。また、基幹的要員と私どもが理解いたしておりますのは、国有林野事業の将来の姿に即しまして、事業量の規模に適合いたしました、しかもそれぞれ職種間とかあるいは地域間の流動性というようなものを持った優秀な労働力であるというふうに理解いたしているわけでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 よくわからないのですがね。農林大臣はこの間、基幹要員については「新しい制度の創設を図る」というふうに答弁しているんですね。あなたはきょう「基幹的要員」と、盛んに「的」がつくから、どっちが本当なんだい、こう聞いているのです。私はめんどうくさいことは言う必要はないのです。なぜ「的」をつけるのか。

松形祐堯林野庁長官

○松形政府委員 先ほどちょっと御指摘がございましたように、昨年の十二月の林政審議会における中間報告におきまして、林業労働力対策につきまして一応答申という形が出ておりますが、「基幹的な要員については」というようなことで、私ども従来から「基幹的な」こういう表現をとっておるわけでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 なぜつけているのかと聞いているのですよ。

松形祐堯林野庁長官

○松形政府委員 「基幹的」と申し上げますのは、その勤務態様とかそういうものを含めての基幹というようなことに考えているわけでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 林野庁における基幹要員というのは、林野庁長官でもないし林政部長でもないし——そういう者もなるほど基幹要員ですな。そうでもないなんて言ったらあなたに怒られますから、いまのは取り消します。あなたもそれは基幹要員でしょうね。  では、本質的には何かと言うと、林野庁というのは、東京におって、山はどうなっただろうなとながめているだけでは林野庁は動かないわけでしょう。苗を植えて育てて、そしてそれを植林して、あるいはまたいいときになったら伐採して、それを運搬して、いろいろなそういうことをやるのが、言葉、たとえは悪いかもしらぬけれども、その辺を掃除したり何かしている人よりはずっと基幹的な要員であり、その人がいなければあなたのところの役所は成り立たないんじゃないですか。だから、これは「基幹的要員」じゃなくて「基幹要員」じゃないですか。どうなんですか。あれは単なる人夫だから「基幹的」とつけないとかっこうが悪いのですか、どうなんですか。

松形祐堯林野庁長官

○松形政府委員 そういう意味で申し上げたわけではございませんで、現在労使の間で「基幹要員」あるいは「基幹的」という表現等につきましてもいろいろ問題になっているところでございまして、こういう制度化ということになりますとその問題等を十分煮詰めていくというようなこともございます。そういう意味で「基幹的」と申し上げておるわけでございまして、私ども先ほど来申し上げておるような経緯もございますので、国有林野経営のために、将来にわたって確保していく必要のある基幹的な作業員というようなことで考えておるわけでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 どうもわからない人だね。それじゃ私が言いますか。林政審議会の答申の中で「基幹要員」についてはという言葉が随所に出てくると私は思ったのですが、やはり「的」がついておりますか。

松形祐堯林野庁長官

○松形政府委員 お答え申し上げますが、いろいろこの中で使っております単語といたしましては、私ども「基幹的な要員」については、林業労働の特質に適応しというようなこと等を含めまして「基幹的」という単語を使っておるところでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 これは懲戒処分取消請求事件というのがありまして、被告が広島営林署長になっているのですが、「昭和四十六年(行ウ)第三十五号」のあなたの方で出した「準備書面」これは被告は広島営林署長だけれども、どうせあなたの方で指導しているんだから私申し上げますけれども、この中ではっきり書いていますね。たとえばその中では、こういう問題についてはいろいろ鋭意組合とも団体交渉その他で努力しているんだということを一生懸命弁明していますよ。それで、非公式にもこういう話をしているのだという文章の後に、「この非公式説明以後、この問題について全林野との間に団体交渉などがもたれ、昭和四三年一二月二七日には「六、三〇確認」において林野庁が表明した基幹要員の臨時的雇用制度を抜本的に改める方向とは、1基幹要員については通年雇用に改めること、2基幹要員については常勤性を付与すること、」云々と書いてあるのです。そういうときには基幹「的」は全部ついていませんよ、この準備書面によれば。どうして「的」をつけるのか。うんとこだわるのです、私は。きょうはこだわります。ほかのところはこだわらないけれども。どうなんですか。

柳井昭司林野庁職員部長

○柳井説明員 「基幹的要員」あるいは「基幹要員」ということで、まあ「基幹要員」というふうに表現をするかということにつきましては非常にむずかしい問題でございますが、私たちこの新しい制度におきましては基幹要員を決めてまいりたい、基幹要員を今後選んでまいりたいといいますか、基幹要員にしていきたいと、こういうふうに考えるわけでございますが、現在その対象になります者につきましては、林業の態様等に応じまして基幹的なそういう要員というものを対象にして、これを基幹要員にしてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 まあそれではその論争はやめましょう。後であんたひどい目に遭うから覚悟しておいてくれ。きょうはあまり言えないからこの辺でやめますよ。ただここでもって一回確認しておきますけれども、私が言ったように「準備書面」でそう言っているんですよ。だから組合に対しても、基幹要員については常勤職員とするとも、そういうふうに林野庁は言っているんだ。当然その方向で制度改正が行われるんだと私は思っているんですが、そのとおりですか。そのとおりであるかないかさえ言ってもらえばいい。あと字句にこだわらぬでください。

松形祐堯林野庁長官

○松形政府委員 そういう方向でございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 はい、わかりました。じゃ、関係各省といろいろ協議なされているという具体的な問題について、長官の方から説明していただければありがたいと思います。

松形祐堯林野庁長官

○松形政府委員 お答え申し上げますが、現在詰まっているというわけではございませんけれども、任用の問題あるいは退職手当の問題とかあるいは共済制度の適用の問題とか、それぞれございますので、関係各省庁と御相談申し上げている、こういうことでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 それではちょっと人事院に聞きます。  この間総裁と、国家公務員法のことで、あなたよく知らないものだからおれにひっかかったみたいなかっこうになっていますが、それは別として、いま林野庁長官から、任用の問題はあなたの方に権限があるというふうに言われましたね。——事務総長がきょう来てますか。

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 任用局長が来ています。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 事務総長が「おれのところの総裁、あまりいじめるな」とこの間おれのところに来て言うには、あらゆる権限はすべてわれわれは剥奪されてしまっていて何もないんですと。二条の任用その他の問題についても、その権限は人事院が有するという、そういうところもすべて、調査権もないんですから、勤務態様がどうなっているかという調査も強制的にはできませんという意味で、彼が言うには、任用もすべて権限はないのだという説明をしていったんですが、あるんですか。その法的根拠を言ってください。

小野武朗人事院事務総局任用局長

○小野政府委員 任用に関しましては人事院が権限を持っております。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 任用について持っている権限の、ちょっとそれでは法的な根拠といいますか、それを説明してくださいませんか。私は素人でよくわかりませんので、事務総長がないと言えば、ないような気がするし、あなたがあると言えばあるような気がするし、総裁は新しい制度をつくることもできるし、法律なんかに基づかないで政令も省令もみなできるとがんばっている総裁もいるし、あなたのところは皆、人それぞれによって答弁が違うようですから。

小野武朗人事院事務総局任用局長

○小野政府委員 現在、公務員法の中で、公労法の適用職員につきまして公務員法の適用除外となっている規定が幾つかございます。たとえば調査権、給与の支払いの監理権、それから人事記録に関する件、それから統計報告、人事行政改善の勧告、法令の制定改廃に関する意見の申し出の権限、それから情勢の適応の原則でございます。これは給与勧告の根拠になっているところでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 ちょっと、そこでようございます。あといろいろあるでしょうが、給与の勧告権という話が出ましたけれども、この間事務総長が私のところに来て言うには、給与の勧告だけではなくて、労働条件といいますか、任用のあり方といいますか、そういうものの勧告も当然二十三条だったか、ちょっと忘れましたけれども、あったような気がするのです。それもすべてないのだと私に説明していきましたけれども、あるのでございますか。

小野武朗人事院事務総局任用局長

○小野政府委員 いま御指摘の、たとえば公務員法の二十三条、法令の制定改廃に関する意見の申し出等は、公労法適用職員については適用されないということになっております。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 調査権の問題については、調査権があるとあなたはきょう言いましたけれども、調査権は立入調査も何もできませんからないのですということだったが。

小野武朗人事院事務総局任用局長

○小野政府委員 ただいまずっと御説明申し上げましたのは、人事院に権限がない部分を抜き出して申し上げたわけでございます。失礼いたしました。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 そうですか。なくなった分ですか。ある分を聞いているのになくなった分を答弁する人がありますか。ある分は何だと聞いているのですよ。

小野武朗人事院事務総局任用局長

○小野政府委員 ある分について申し上げます。  任用関係で申し上げますれば、法三十三条から始まりまして六十一条まで適用がございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 それはどういうことですか。

小野武朗人事院事務総局任用局長

○小野政府委員 これは任用関係、試験その他の任用関係の問題でございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 つまり、それは採用のときの人事院の試験のことですね。そうですね。そうしたら、よろしゅうございますか、私は聞きますけれども、いままでこの問題の統一見解を内閣で出したり、それから常用と言われている作業員、定期と言われている作業員などの問題でどうするかということ、ここ十年来いろいろ論議をしてきた。そのときには、五者会議というのでしょうか、それの中へ人事院が入っているのですね。あなた、いま私に答弁した中では、採用試験の三十三条から六十一条まで、それしかないような答弁ですな、それは五音会議に入って黙っていたのですか。どういうことですか。試験のときの話だけ聞いておったのですか。何か発言する機会はないはずですね、どういう勤務条件にするかというようなことはあなたの方では。いま公労法に全部移ってしまって。人事院は五者会議で居眠りでもしておったのですか。どうなんですか、権限ないでしょう。

小野武朗人事院事務総局任用局長

○小野政府委員 私は、それぞれ権限の範囲内でいろいろ議論があったと思いますが、人事院といたしましては、問題にかかわる職員についての任用上の取り扱いについて協議の中に入ったということだと思います。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 だから任用上の問題で何の権限あるか、何回も聞いているのですよ。そうしたらあなたが言ったのは最後のことだけ、最後の試験のことだけ。そのほかに何があるか聞いたら、なくなったものだけ一生懸命言って、あるものは言わない、そんなばかな答弁ありますか。

小野武朗人事院事務総局任用局長

○小野政府委員 試験だけではもちろんございません。たとえば欠員補充の方法、昇任の方法、その他の規定でございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 それは法的根拠があるのですか。欠員補充の方法と、それから、何と言いました。

小野武朗人事院事務総局任用局長

○小野政府委員 公務員法三十五条には欠員補充の方法が規定してございます。三十六条には採用の方法が規定してございます。三十七条は昇任の方法、それから三十九条には人事に関する不正行為の禁止、四十条には人事に関する虚偽行為の禁止、四十一条には受験または任用の阻害及び情報提供の禁止、こういうような任用に関する一般通則の規定がございます。そのほかに試験の規定等・があるわけでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 もうあなたと論争したら時間なくなってしまうね。まあいいでしょう。しかし、調査権もなくなって、そしてあなた方がどういう考えを述べたりするのか。たとえば三十七条、昇任というのは何の昇任だかよくわかりませんけれども、三十六条のそのやり方の方法だとか、欠員補充の方法だとか——欠員補充の方法なんかは林野庁がやればいいので、あなた方介入することないのじゃないですか。あるんですかね。何もないのでしょう。あるんですか、本当に。たとえばどういう場合、あるのですか。

小野武朗人事院事務総局任用局長

○小野政府委員 林野庁の場合におきましても、その官職が常勤を要する官職であろうが常時勤務することを要しない非常勤官職であろうが、そこに欠員が生じました場合にはどういう方法で、たとえば採用によってその欠員を埋めてよろしい、あるいは転任によってその欠員を埋めてもよろしい、こういうような規定が三十五条にあるわけでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 そんなことは人事院が一々指図をしなくたって、ばかじゃあるまいし、林野庁が現在の人を何とかするか、新しく試験して採るか。そんなことを人事院に一々伺わなければならなぬことになっているのですか、いまでも。林野庁長官、あなたの方はそうなっているのですか。

柳井昭司林野庁職員部長

○柳井説明員 先生の御質問は、定員内と、それから現在私の方で常用とか定期作業員とか、そういうふうな職員と両方ございます……

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 ちょっと待ってください。私はそんなことを聞いているのじゃありません。林野庁の職員の中で欠員が出たから、そのときはどういう方法で欠員補充したらよろしゅうございましょうか、新しく採用しなければならないのでしょうか、あるいは転任をした方がいいんでしょうか、そんなことを人事院に一々聞くのかと聞いているのですよ。人事院はそういう権限があると言うもの。

柳井昭司林野庁職員部長

○柳井説明員 私たち、その通常のルールに従いまして、その欠員が、たとえば定員内におきまして欠員が生じた場合におきましては、その定員法の枠内におきましてその補充をするというふうな形をとっておるわけであります。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 だから、それを一々人事院に伺うのでござんすかと言うんですよ。試験の制度は人事院が各官庁、皆やっていますからね。あるとかないとか。私は公労法上の適用を受けたところはどうなるのかよくわかりませんけれども、これはないと思っていたのですよ。あると言うから、そうすると、新しく定員ふえたから、はてどうしたらいいでしょうか、などということを人事院に伺いを立てなければならないのですか。人事院、皆権限があると言っているんだもの。そんなふうになっているんですかと聞いているんだよ。

小野武朗人事院事務総局任用局長

○小野政府委員 お答え申し上げます。  公務員法三十五条の規定は、欠員補充についての制度的な基準を設けているわけでございまして、この条項に基づいて人事院が一つ一つの欠員補充についていわばチェックをするという趣旨のものではございません。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 そんなわけのわからない答弁するなよ。いまの答弁、どういう意味ですか。もう一回やってください。そんなわけのわからないことを言わないでよ。

小野武朗人事院事務総局任用局長

○小野政府委員 三十五条に規定してございますのは、欠員が生じた場合にこういう方法でその欠員を埋めることができるという一般的な制度的な基準を決めただけでございまして、個々具体的な職員の欠員補充については人事院が一つ一つに関与するわけではございません。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 そうだったら、何も五者会談に入っている必要ないじゃないかとおれは聞いているのよ。そうじゃないですか。調査権もないのだから。おかしなことしたかどうかも調査することもできないと、総長はこの間おれにそう言っていたよ。総長を出せ、総長をすぐ呼んでこい、それだったら。そんなのもうめんどうくさい。おかしいじゃないですか、あなた。人事院が五者会談に入っていって、いかにも林野庁の職員の待遇を改善するために人事院も入っていた、大変人事院がいると何かうまくいきそうなぐあいに、はったりかけた組織みたいにしか聞こえないじゃないか、そんなことを言うなら、あなた。私はそういうあんまり回りくどい答弁されると頭にくる方よ。  今度は具体的に入ります。たとえば常用作業員と言われる人々やそれから定期作業員という人々の問題について、あなた方がいろいろ意見を言っていますよね。そういう非常に好意的だと思っているからいじめたくないのだ。だけれども、あなたは私が質問すると、その次何が出てくるか、鬼が出るか蛇が出るかということを一番先に心配して、何とか逃れようと思ってやるからそんなことになってしまうのよ。それはいけない。率直に言ってもらえばいいのです。こっちは大岡越前守みたいなもので、うそを言うのがきらいなんでね。ようござんすか。——人事院に聞きますけれども、いいですか、いま林野庁長官は、基幹要員は当然それは常勤職員として処遇するように検討しているのだ、そういうふうに大臣がこの間申されたので、そういうふうに私ども理解し、努力中だ、関係官庁とも打ち合わせ中でございますという先ほどの答弁ですね。人事院もそのように、やはり常勤職員だ、当然基幹要員というものはそういうふうにすべきだという考え方だというふうに私は聞いておるのですが、そのとおりでございましょうな。そういう見解なんでしょうね。

小野武朗人事院事務総局任用局長

○小野政府委員 その方向で十分御相談、討議に参画してまいりたいと思っております。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 もう一回聞きます。人事院は当然、国家公務員の一般的な勤務態様、それから任用のあり方というものについては、非常に基本的な立場を堅持しているものですね。だから、権限があるかないかは別として、私とあなたと少しまだ意見が違うようでございますけれども、私がさっき言ったように、そういう木を植えたり伐採したりする人たちがいなければ林野庁というのはもぬけのからじゃないか、基幹要員だ、そういう人は常勤職員として当然だという考え方だと、この間総長は私のところに三十分くらいがんばっていてそういうことを言っていましたが、あなたも同じ意見ですか。その方向としてじゃなくて、そういうようにすべきだというふうに私はあなた方の官庁としての態度を受け取っているのですが、そういうように考えますか。

小野武朗人事院事務総局任用局長

○小野政府委員 林野の当該問題になっておる職員につきましては、それぞれ関係省庁に関連する法令の規定がございまして、それらとの調整の問題がございますが、私どもとしてはそういう協議の中で好意的にこれを取り上げていきたい、こう考えておるわけでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 その次は、行政管理庁どなたかいらっしゃる——局長がいらしていますか。あなたにお伺いいたしますが、いわゆる総定員法ですね。この問題で言うならば、この前の予算委員会でも何か湯山さんがそのことに触れておられるようですが、常勤職員とするという問題と、あなたの方が所管している定員法上の定員の中に入れるとか入れないとか、そういう問題とは、大変次元の違った問題ですね。ですから、定員の問題についてはあなたの方ではいろいろと言うことができるけれども、常勤職員とするかしないかというのは、何もあなたが介入したり、これはけしからぬなんという意味とは違ったものだ、私はそういうように理解しているのでございますが、そのとおりでございますか。

小田村四郎行政管理庁行政管理局長

○小田村政府委員 お答えいたします。  御指摘のとおりでございますが、常勤職員には定員内の常勤職員と定員外の常勤職員とございます。そこで、私どもが所管しておりますのは行政機関の定員法でございますので、定員外のたとえば非常勤職員を……(安宅分科員「いや、常勤職員の話をしているんですよ」と呼ぶ)非常勤職員を常勤職員にするかどうか、こういう問題につきましては、これは予算上あるいは公務員の身分の取り扱い上の問題があるかと思いますけれども、私どもとしてこれについて云々すべき問題ではないわけでございます。ただその場合に、常勤にせよ非常勤にせよ、これは官職の問題でございますので、定員内職員の官職と、それから常勤職員としての官職と、これは明確に区分していただく必要があるのではないかということで、ただいま林野庁の御提案につきまして林野庁と協議を進めている段階でございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 これは林野庁としては、定員内の問題とかなんとか、こだわらないと思うのです。なぜかならば、これは事業体ですから、あなた方みたいに机に座って事務をとっていればいいなんていう問題じゃないのです。事業をやっている官庁でしょう。ですから、伐採量やあるいはいろいろな問題で、事業というものはふくれたり縮んだり、いろいろするんですね。だから定員の中で縛られたらかなわないという気はあると思うんですよ。そうでしょう。  だから、これは基本的には何かと言うと、国有林でも民有林でも同じだと思いますが、特に国有林の場合には、大体どれくらい植えればこの森林は後枯渇しないかという計画的な立場でやらないと、国有林というものは消滅させたら大変なことです。林野庁長官が腹三遍切ったってかなわない話ですから、一つのきちんとしたものはあると思うのです。ところが緊急対策として、すぐに相当増員してやらなければならない場合もあるでしょう。しかし、ばらばら伐採して後植林しないでぶん投げておくという手はないのですから、事業量としての基本としていうならば、ある程度、定員として定員法上入ってなくても、事業の問題と若干の矛盾が出ておった場合には定員に入らないそういう常勤職員というのは必要だという考え方に立っておられるようですね。そのことについては、あなたの方では定員というものを扱っている役所として、それは常勤職員とするということについては私らの方では関係のない問題だというふうにあなたおっしゃっておるのですが、そのとおりでしょう、こういうふうに聞いているんです。あまり長々と、「そのとおりであります。しかしながら、」がよけいなんで、その「しかしながら」を言う必要はないので、そこだけはっきりしてください。

小田村四郎行政管理庁行政管理局長

○小田村政府委員 おっしゃるとおりでございます。ただ、申し上げましたのは、職について、これは定員内の職とそれから定員外の常勤職と明確に区分していただきたいということでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 わかりました。それでは大体私わかってきたんですけれども、総理府に伺いますが、人事局というのは、たとえば私ら寒冷地の勧告なんか出す場合に一々人事院があなた方と相談している気配があるんですけれども、ああいうのを人事院が勧告するという場合には人事院の立場で勧告するのであって、総理府の人事局というのは、一般公務員の場合でも余り人事院の自主性を損なうような行為があってはならないというのがあなた方の役所の立場だと思うんですが、どういうものでしょうか。

秋富公正総理府人事局長

○秋富政府委員 そのとおりでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 ましてや、公労法職員の勤務条件その他について言うならば、団体交渉事項になっている公労法上の適用のある林野庁です。そういうことについては、一々当事者能力がないようなことで総理府がくちばしをはさむことは慎まなければならない事柄ではないかと私は思いますが、どうでしょうか。

秋富公正総理府人事局長

○秋富政府委員 私、ただいま御質問をちょっと……。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 わからないですか。人事院が管掌している一般の公務員でさえも、人事院の立場を尊重するというのがたてまえでございますかと言ったら、そのとおりでございますと言いましたね。ましてや、労働条件その他そういうものについて言うならば、人事院というものはストライキ権代償としてできた役所でございますね。しかし今度は林野庁の場合には、公務員といえども公労法の適用を受けるんですよね。だから人事院の立場以上にその中に介入したり一々突っついたりするようなことは、林野庁の当事者能力を高める上からもそういうことはしない方が正しいのではないか、そういう立場に立っておられるのではないかということを聞いておるのですが、どうですか。

秋富公正総理府人事局長

○秋富政府委員 そのとおりでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 わかりました。それでは大体そういう方向で林野庁の長官、いろいろ各省と連絡をしておられるというふうに理解してよろしゅうございますか。

松形祐堯林野庁長官

○松形政府委員 ただいま各省からいろいろ問題につきましてのお話がございました。そういう問題につきまして、それらを含めまして私ども現在検討しているということでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 とにかく国有林の経営のために、将来にわたって優秀な労働力を確保していくんだ、基幹的な作業については非常に重視をしているんだ、そういう立場から、定員なんかにも政令なんかにも拘束されない常勤の職員として処遇しなければ——今日、労働力が老齢化したり、過疎地帯になったり、都会に出さえすれば金になるんだから、ばからしい、そんな山の木なんか切っていられるかい、ろくな金もくれないで、というふうな風潮の中で優秀な労働力というものを確保しなければならない、そういう立場で関係各省と検討を進めておられる、こういうふうに理解していいですね。

松形祐堯林野庁長官

○松形政府委員 ただいまお話ございましたように、将来にわたりまして確保していく必要のある真に基幹的な作業員につきましては、定員に関する政令等で拘束されない常勤の職員としたい方向で関係省庁と現在打ち合わせをしている、こういうことでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 常勤とする方向と常勤としたい方向とどういうふうに違うのですか、長官。同じみたいなものですか。

松形祐堯林野庁長官

○松形政府委員 常勤の職員としたい方向で、こういう意味でございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 腰が定まってない証拠なんで、したい方向と、する方向と、どう言ったって大した違いがないと思うのですが、まあいいでしょう。  それで、こういうことでせっかく林野庁当局が努力をしているんですけれども、この際、大臣の所見を伺っておきたいのです。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 いまのお話を聞いている中で、話が一歩前進したと思います。いまも林野庁長官が御説明いたしましたように、将来にわたって確保していく必要のある真に基幹的な要員については、それにふさわしい制度上の取り扱いができるような新たな制度の創設を図る必要があると私も考えて、関係各省庁と連絡協議をいたしておるわけでございますが、いろいろといまのお話を聞いておりますとこれは一歩前進をした、こういうふうに判断をいたしております。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 大臣にお願いしますけれども、私がうるさいことを言いまして、そして毎年毎年やって、国会でも取り上げられて、もちろん私以外の人もやりましたよ。このたびなんか私は、あなた方が非常に頭にくるような言葉を使ったかもしれませんよ。そういうことでなければけりがつかない、これは非常にまずいことだと思うのですよ、大臣。しかもあなた、ただいま一歩前進という話をしましたけれども、私は一歩前進という意味味ではなくて、この論議を通じてけりをつけてもらいたいと思うのです。一歩前進になったから安心しましたなんて言われたって、私さっぱりうれしくないのです。大臣、どうかその所信のほどをひとつ述べてくださいよ。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 これは早期に解決いたします。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 私は最後に労働省にお伺いいたしますが、この間労働大臣が予算委員会の一般質問で、ある企業が左前になったからどうも首切りしたい、しかし労働組合がなかなかうんと言わないだろうなというので、組合の委員長と事前に謀議をして、そして、首だということになっているけれども、首じゃなくて失業保険でまあまあ勘弁してください、来年の四月になったら必ず採用するから、足りない分は会社でやったり、何かうまくやろうじゃないかと言って失業保険を使うなどというやり方が、いわゆる擬装解雇があった場合にはどういうふうに処置しておりますかと聞いたら、これは違法行為でありますから、先生、具体的な例をぜひ私のところに持ってきてくださいという答弁があったのです。そうしたら私から、林野庁は毎年やっておるんじゃないですかと言ったら、あと答弁ないんでございますけれども、きょうは大臣が来てないからそんなこと言えないかもしれませんが、林野庁が毎年そういうことをやっているということについて、あなたの方ではどう思っていますか。

平賀俊行労働省職業安定局特別雇用対策課長

○平賀説明員 お答えいたします。  労働省で失業保険を取り扱います場合に、ある事業所を離職して、それで安定所に求職を申し込んでおる、またその失業保険の受給資格がある場合、その人が就職の意思と能力がある場合に……

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 ちょっと待ってください。時間がないので……。私、聞いていることはどういうことか言いますと、擬装解雇をした場合どうするかと言ったら、違法行為でありますとあなたのところの大臣お答えになりました。だから、林野庁は定期作業員でいうならば十一月になるとばっさり切って、そして失業保険でやって、来年また雇うわけ。なるほど雇用期間を区切っていますから、法すれすれだと思うのでございますけれども、その人を毎年雇っているのですよ。そしてまた十一月になると首を切ってしまって、それは失業保険でやる。これは私があまり追及すると、じゃ今度やらないよ、採用しないよなんて言われるとおれ困っちゃうんだけれども、あなたの方ではそういうことを配慮して大臣は答弁できなかったんだと思うのですが、林野庁がやっているそういうやり方についてはどういう考えを持っておるのですかということを聞いているのです。

平賀俊行労働省職業安定局特別雇用対策課長

○平賀説明員 季節的に雇用し季節的に離職するという職種は、林業に限らず建設業などにもございます。その場合に、解雇に関する規定というのは労働基準法にございますけれども、ほかは契約上の問題になるわけです。したがって、もし離職という手続がとられて、その離職した人について、就職の意思と能力があれば失業保険の支給はやっております。それは一般的なことでございます。ただ、林野庁の職員といいますか、作業員につきましては、いままでずっと、先ほどからのお話にございましたけれども、いろいろと問題があって、農林省が使用者の立場でいろいろと御苦心をなさっておって、その取り扱いについては農林省で適正にやっていると承知しております。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 あなたときょう論争する時間がないようですけれども、たとえば今度雇用保険の制度になりまして、帰休なんかやった場合には何か補助金まで出すようになりましたね。あれは本当のことを言うと労働者のためになっていないのです。なぜなっていないかと言ったら、不景気になって仕事がなくなった。じゃ労働省から補助金をもらって、そして首は切らないけれども帰休制度にしてしまって人件費を浮かそう。もうてんやわんや、おれもおれも、私も私も。三百名以上は大企業なんておかしいじゃないか、五百名の段階でこんな零細企業なのに、理屈に合わないから補助金三分の二の方向に入れてくれなんという中小商工業者がいま山ほどあなた方に来ているはずよ。そういうことを考えますと、そういうきちっとしたことを締めておかないと、たとえば企業が困った場合には、首を切るといったってただ切るわけにいかない、大根、菜っぱを切るみたいなわけにいかないのですよ。退職手当をくれたり予告手当を出したりして、そして首を切らなければならない。金がなくて困って困り果てている会社が予告手当てや退職手当を払って、そして首を切ってしまった。今度仕事がふえたときに人員募集しても熟練工はすでにいなくて、オシャカなものばかり出すような工員しか集まらない。だから何とかして首は切りたくない。それでも苦しいから首を切るというときには、切られる方も大変、切る方も退職手当や予告手当を出す金なんかないのです、切るときには。非常に困るから、一番いい方法は何かと言うと擬装解雇で失業保険を利用した方が一番いいじゃないかということになっているのですよ。そういうことは、あなた方としては本当はいいことではないと思っているでしょうな、法律上。

平賀俊行労働省職業安定局特別雇用対策課長

○平賀説明員 法律上、解雇の問題につきましては先ほど申しましたように労働基準法上の規制がある。ほかの問題については契約上の問題になると思っております。ただ一般的に申し上げまして、私どもの課では、季節的労働者の問題について、それは林業に限らず建設業等も扱っておりますが、やはりできるだけ通年的に雇用していただきたいという立場で行政を進めております。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 ちょっと、失礼ですけれども、あなた、何課長さんでした。

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 平賀特別雇用対策課長です。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 特別雇用対策課長——わかりました。  労働法上のことを言っているんじゃなくて、あなたは雇用対策上のことを言っているから話が合わない。労働法規で、擬装解雇をしたらばっさりやられるのですよ。それは違法行為だと大臣は言っているのですよ。今度それは契約の問題だから構わないというあなたの見解だったら、これは大変なことになります。ようございますか。きょうは時間がないからもうあなたと論争しませんが、擬装解雇をやって失業保険を取っても、後は、いつ採用するかは雇用対策の契約の問題だからとおっしゃるけれども、なるべく早く再採用しますから勘弁というのだったら言うことはわかるけれども、ちゃんと時期を決めて、事前に謀議をしてやったということについては、林野庁に適用するかどうかわからぬけれども、とにかくそういうことはいいことであるか悪いことであるか、はっきり言ってくれと言ったら、契約上の問題で、労働基準法に書いてあるだけのことですから、後の問題は契約上の問題だから差し支えないという答弁ならば、私の質問に対してそういう答弁があったとするならば、あなたえらいことになりますよ。みんなそれをやりますよ。ようございますか。失業保険を積み立てた中で今度帰休制度を使おうなんて、労働者が積み立てたものを使って、国家で一文も金を出さないで、人の積立金で通年雇用対策をやりましょうなんて虫のいいことを考えておるから君らはそんな答弁しかできないんだよ。わかりました、あとはいいです。そんな答弁になったらえらいことになるということだけ覚えておいてください。  それで、林野庁に最後に聞きますけれども、さつきも最後と言ったのですから、最後の最後になりますが、私はこういう質問をして、あなたの方は調査をいたしましてということにこの間なっているのです。あれは積み残しの中に入っているのです、いまの労働省への質問とは別に。さっき実はその問題を整理をする理事会に行ってきまして、この問題はこんなところで言ったっておかしな話ですからと言って、どうせきょう分科会でこの問題を詰めますからと言って私は遠慮をしてきたのです。非常にありがとうございますと言っていました。だから長官に聞くのですが、そういう意味で聞きますから、ひとつあなたの方でも、詰めた質問をする者に対しては詰めた答弁をしてください。  林野庁の共済組合の運営のために雇った者は、国家公務員共済組合法によって共済組合の組合員とするということになっている。だから、その共済組合の運営のために使われている人を使うのはだれかというと、林野庁長官でもなければ、本質的には共済組合に入っている組合員が自分の利益のために使うのですよね。自分たちの利益のために使うものなのです。そうですね。そうじゃないのでしょうか。そうでしょう。わからなかったらもっと説明します。それは、その運営のために代表が選ばれて、運営委員があったり役員が任命されたり定款が定められたりしている。つまり、本質的には共済組合の事業運営、利益のために職員を使っているのだ。使われている身だ。その林野庁の共済組合に入っている職員は、言うなれば運営のために使われている人の使用者という立場にあるのだ、こういう理解が正しいのじゃないでしょうかね。どうなんですか。

松形祐堯林野庁長官

○松形政府委員 お答え申し上げます。ただいまの御指摘の専従職員でございますか、共済組合法の百二十五条に規定されております職責だろうと思います。おっしゃるとおりに、この事務をとるために雇用されたものだ、こういうふりに思っております。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 そうですね。だから、あのときの質問は、事務をとるために使われている共済組合の専従職員が、たとえば女の人で妊娠したりする、そうしたら、その定款やなんかに決められた従業員のお見舞いといいますか、その出産費用といいますかね、それは全部いただいているんじゃないですか、あべこべに。あなたの方でいま何とかひとついい方向に解決しようと思って、大臣が一歩前進だと言った。その方向で早急に短期的に解決しますと言ったその人たちは、つまり専従者を使っている人たちが六〇%しかもらえないなんていう制度になっているんじゃないですかということを聞いたのですが、そのとおりですか。

松形祐堯林野庁長官

○松形政府委員 この間いろいろ御指摘ございまして、私もちょうど存じ上げなくて失礼いたしましたが、共済組合に入っておりますそのような専従職員あるいは組合員というものは、たとえば出産等に例をとりますと、出産費あるいは配偶者の出産費等の給付につきましては全く同じでございます。その六割分と申しますのは、たとえば出産に例をとりますと、配偶者が分娩した、そのためにおやじの方で休業した場合の手当とか、そういうことについては六割だということで、これは休暇に対する賃金という意味で、労働協約に基づきまして支払われておるものでございまして、共済組合から出るものではございません。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 それでは私傷病の場合もそうですか。

松形祐堯林野庁長官

○松形政府委員 私傷病の場合は、かぜでも引いて休みました場合は、三日分につきましては国が支払いまして、四日以上の分については共済組合で支払う、そして八〇%を支払う、こういうことになっておるわけであります。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 それは八〇%ですね。そうしますと共済組合の方から出るのでしょう、その八〇%というのは。そうですね一

柳井昭司林野庁職員部長

○柳井説明員 まさにそのとおりでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 そうするとそれは、職員として共済組合に使われている人は八〇%ですか、それを聞きます。

柳井昭司林野庁職員部長

○柳井説明員 共済の専従職員につきましては、これは先ほども長官から説明がございましたように、国家公務員の一般職に準ずるということでございまして、これは給与から差し引いておらない、こういうふうな形になっておるわけであります。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 一〇〇%だという意味ですか。

柳井昭司林野庁職員部長

○柳井説明員 そういうことでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 だからおかしいと言うのです。大臣、これはりっぱに短期的にやるとあなたおっしゃったから私文句言いませんが、林政審議会の施設部会の労働問題小委員会の論議の過程なり上申に至るまでの文章がここに書いてある。これにはこう書いてあるのです。たとえばさっき言った作業員ですね、そういう人たち、私が問題にしているような職種にある人たち、こういう人の賃金、雇用の安定などで改善を推進する面で、「国家公務員としての定員内職員との均衡が必要以上に強く図られることとなれば、結果として将来にわたって基幹的な労働力として真に確保すべき者にふさわしい措置とは異なった効果を生みがちであるという点にかんがみ、」と書いてあるのですよ。どういうことかと言うと、余り待遇をよくすると、いままで人夫と思っておったら人夫でなくなった、本当の職員と同じになった、それはけしからぬというふうにしか絶対に理解できない文章が出てくるのです。そうしたらあなた方の説明では、そうじゃございません、外国においては事務労働者よりも賃金労働者が高いのでございまして、そういうふうな体系に将来持っていきたい、こんなことも考えてこういう文章になったのでありますから御勘弁願いたいという話がさっきあったのです。言った人、そこにおられますが、長官、随所にそういう文章が出てくるのです。  いま労働力が林野庁に集まらないのは何かと言ったら、非常に生きがいを感じない、そういう差をつけられて。たとえば小学校に入っている子供が、「おまえの父ちゃんどこへ勤めているのだ」「営林署だ」「営林署に勤めている人が冬行っていないじゃないか、首になったのではないか、悪いことでもしたのか」などと言われて子供がおろおろする。とても耐えられないと言うのですね。それから、さっき言ったいわゆる常用作業員の職員にしても、これは青年たちの会合あたりに行くと、「営林署だもの、毎日行っておるのだもの、月給何ぼだ」と言うのですが、「私は日給だ」「何だ、それで国家公務員かよ、日給の国家公務員なんてあるのか、選挙のときだけは国家公務員法の適用を受けて選挙活動を制限されて、そんなばかなことがあるか」と言われる。そんな差別感を与えるような立場にしておいて、生きがいも感じない、勤労意欲も出てこない、そういうことになるのじゃないかと思うのですよ。  私は最後に、この問題は、どうせいままで申し上げたような案件については早急に解決するとあなた言ったけれども、次の問題も早急に解決してもらいたいから、きょうは時間がないので一言言っておくのですけれども、農林大臣、さっき言った、冬仕事がなくて遊んでいなきやならない人というのはどういうことになっているかと言いますと、結局、さっき労働省が言った失業保険なんですよ。失業保険で、十一月になったら首にされるのよ、四月になったらまた行くのよ。その間の三カ月間の失業保険というものを考えてみますと、過去三カ月間の平均賃金を出して、その約六〇%ぐらいの失業保険が出るわけですよね。ところが、働いているときは二十三日稼働だとか二十五日稼働なんです、この人たちは日給制で。失業保険というのは二十五日稼働では出ないのですよ。三十十日で出るのです。だから林野庁としてもそのままにしておけないと見えて、これらの人たちに対するいろいろな処遇もやっておるようです。私はきょうは具体的には、言うと困る、何かそういう人がいるから言わないけれども、そうすると、六〇%の失業保険を出して、そのほかに三十日ですから、ぐんと八〇%にこれが上がる。いろいろな処遇を考えて、賃金の九〇%を超える報酬を出しておいて、あなたは失業中だから仕事を別なところに求めてはならない、遊んでいなさいということになる。そんなことをやるくらいなら一〇〇%くれて、十年勤めたら十年の退職手当、二十年勤めたら二十年の退職手当、三十年たったら何か年金であるとかというふうに出せるようにしたら、その人はもっと忠誠を誓って働くのじゃないかと思うのですよ。ちょうど減反政策をやって米をつくらない人に奨励金をくれるなんという政策と同じで、これは主客転倒、ばかな政策だと思うのですよ。あなた、そう思いませんか。農林大臣、政治家として答えてもらいたい。政策の問題だ。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 いまお話を承りまして、いろいろと問題はあると思うわけでございますが、ひとつこれは検討いたしたいと思います。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 これも早急に検討してみてくださいよ。これは非常に重要な問題だと思うのです。大臣、そう思いませんか。私は基本的なことを聞くのです。事務官僚がどんなことを言おうと、それは事務官僚としてはいろいろな関係の省庁との関係があるからいろいろなことを言う。ただ、政治家としてあなたに考えてもらいたいことはそうじゃない。三カ月間、九〇%以上の報酬を払って遊ばせておくのだったら、一〇〇%くれて、そして国家の事業、営林署の冬の雪おろしでもいいじゃないですか、林道の除雪だっていいじゃないですか、いろいろな仕事があるはずだから、そういうふうなことについても早急に、たとえば方法がいろいろあると思いますが、こういうことについて、やっぱり安宅の言うとおりだなというふうにあなたは感じないかということを聞いておるのです。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 いまお話を聞いておる限りでは、私も確かにそれは一つの理屈はあると思います。しかし、この問題につきましては、私も事務当局からも聞いておりますが、やはり他との関係でいろいろと問題があるようでございますので、農林大臣として方向を決める場合につきましてはもっと検討させていただきたいと思うわけでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 もう時間がないようですが、もっと検討とあなたはおっしゃるけれども、これも常用の作業員の問題と同様、これだけ初めて出た問題じゃないのです。やっぱり十年間かかっておるのです。これらの人々のことを考えて、単なる検討ではなくて、さっきは短期的に解決しますと言いましたけれども、それはやっぱり若干おくれるのかどうかわかりませんけれども、私は一緒にしてもらいたいと思うのだ。あなたは早急にこの問題も方法を考えて——たとえば林業問題の小委員会では休業手当をくれる方法なんかも考えてみたが非常に困難な面もあるようだとか、いろいろなことを具体的に書いているのです。よく読んでください。だから、そういういろいろなものを含めて制度的に、いろいろな難点は排除しながらこれも早急に考えなければならない、こういう立場に立っていただきたいと思うのですが、そういう答弁はできないのですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 明快な答弁ができないのを非常に残念に思いますけれども、たしかに、いまおっしゃった点につきましてはこれは一つの考えだと思うわけであります。しかし、これはやっぱりいろいろと協議しなければならぬ問題があると思いますし、私が聞いた範囲では相当むずかしい問題も含んでおるというふうに考えておりますので、これはひとつ検討事項として考えさせていただきたいと思います。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 それじゃ林野庁長官に聞きますが、むずかしい問題があると思いますよ。むずかしい問題なんかは——時間がもう過ぎてしまいました。済みません。それで簡単に、あなたはこの問題だって組合ともいろいろ折衝しているようだし、あなたの考え方を最後に言っていただけませんか。大臣みたいに、いま聞かされたのでよくわからないままで答弁しているのとあなたは違うと思いますからね。

松形祐堯林野庁長官

○松形政府委員 たとえば失業保険を九十日出しているのだから、これに多少アルファをつけて通年採用に切りかえたらどうだという御指摘だったと思います。それにつきまして私の方でいろいろ検討いたしておったのでございますが、おっしゃるとおりにこれを通年にしますと、たとえば失業手当とか退職手当とか、毎年払うものは要らなくなる。これは減の部分でございます。ところが常用化した途端に各種手当がございます。あるいは退職引き当てとか、いろいろなものでふえる分がございます。ちょうどそれがとんとんになって相殺されます。そういたしますと、平均八カ月勤務でございますから残りが四カ月、まるまる賃金として払うということに計算上なるわけでございまして、実はそれが四カ月で大体一人四十万ということになるわけでございます。全国で御承知のように一万六千人弱の定期がございまして、豪雪地帯でございますが、豪雪地帯につきまして新しい企業的な能率尺度というようなものをもちましてどういう作業の仕組みをしたらいいか、あるいは社会的に容認される範囲の能率低下で済むのか等、いろいろ問題がございますので、それを現在具体的に検討しながら、できる限り将来とも必要な基幹的要員につきましては常用化の方向で検討しよう、常用化に持っていく、こういうことと、定期の中の真に必要なものというようなことを考えているわけでございまして、それにつきましてもやはり地域間の流動とか、あるいは高齢者退職とか、やはり事業規模に即応したようなものにするように、いま豪雪地帯につきましては個所ごとにわれわれは検討いたしております。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 時間を過ぎて申しわけありません。  ただいまの答弁でまだ具体的に詰めなければならないところはたくさんありますが、一応きょうは時間がありませんからこれで了といたしまして、質問を終わらせていただきます。

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 これにて安宅常彦君の質疑は終了いたしました。  次に、上原康助君。

上原康助日本社会党

○上原分科員 私は、わずか三十分の質疑時間ですので、パイン問題一本にしぼってお尋ねをしたいと思うのです。  最初に大臣にお伺いをしたいのですが、沖繩パインの優先消化ということで閣議で何かお話し合いを持ったかどうか、お尋ねしたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 沖繩のパインの問題は、私としても非常に重要に考えておりますが、事務的な段階でいろいろと話は詰めておりまして、閣議ではまだその話は出ておりません。

上原康助日本社会党

○上原分科員 実はきょうは現地で生産者あるいは加工業者を含めて、パイン産業の危機突破ということで、県民大会が持たれておるわけです。その大会での報告という情報で先ほど入ったのですが、閣議で、沖繩産のパインかん詰めを優先消化をするということが決定になったということが、どなたか知りませんが言われておる。もし閣議でそういう話し合いが持たれていないとすれば、きわめて問題を残すことになります。そこでお尋ねをしたところです。持っておりませんね。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 閣議では、私ももちろん出ておりますが、そういう話は出ておりません。しかし、私も委員会でも答弁をしておりますし、また、このパインの消化につきましては、フードウィークを活用するとか、あるいはまた沖繩博においてこれを優先的に消化していくとか、そういう点につきましては、農林省としても積極的に取り組んでいくということにつきましてはしばしば言っておるわけであります。

上原康助日本社会党

○上原分科員 その点は後ほどまた議論をしながら進めていきたいと思います。  そこで、最初にお尋ねしたいのは、四十九年度でもよろしいし、四十八年度でも結構なんですが、グローバルもの、いわゆる外割りで外国から輸入するパインかん詰めの量は年間大体どのくらいなのか、御報告いただきたいと思います。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 まず割り当てで申し上げますと、四十八年度のグローバルの割り当て量は年度間百四十万ケースでございます。それから、実際の輸入量は、これはそれぞれずれがございますから、この年の場合は百二十万ケースになっております。

上原康助日本社会党

○上原分科員 四十九年度はどうなんですか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 四十九年度は、外貨割り当てにつきましては、上期の割り当てを百五万ケースいたしまして、下期については現在まだ保留をいたしております。  それから、いままでの輸入実績は、上期八十万ケース、それから下期、一月まででございますが、二十一万ケース入って、いままでに合計百一万ケース輸入されております。

上原康助日本社会党

○上原分科員 これに関税で税金がかかっていると思うのですが、幾らぐらいになっておりますか。

松尾直良大蔵省関税局企画課長

○松尾説明員 パイナップルのかん詰めの関税でございますが、四十八年度につきましては約十五億円。それから、四十九年度はまだ終わっておりませんので、これは四月から十二月でございますが、約十四億円となっております。

上原康助日本社会党

○上原分科員 今度、冷凍パインの輸入関税の臨時措置法を改正するという法案がたしか提出されていると思います。その関税を引き上げた大蔵省としての理由について述べてください。

松尾直良大蔵省関税局企画課長

○松尾説明員 パイナップルの問題、特にこの冷凍パイナップルの問題につきましては、昨年来沖繩のパイナップルかん詰めに相当な滞貨が生じたということで、この冷凍パイナップルの問題をどう処理するかということを政府部内でいろいろ検討してまいりまして、当初、国内的な措置といたしまして、農林省にもいろいろ御努力いただきまして、冷凍物については冷凍の表示を付するとか、あるいはJASの受検をさせるといったような行政指導をいろいろお願いをしておったわけでございますが、関税問題といたしまして、まあ現在一般的にはなかなかこの関税を引き上げるといりのは非常にむずかしい状況のもとにある。私ども、できましたならばほかの行政措置でできるのが一番望ましいという考え方を最初いたしたわけでございます。しかしながら、国内的な行政措置だけでこの問題はなかなか解決できない、何らかの関税措置というものが必要であろうということを判断をいたしました結果、個々の関税率を決定するに当たりまして、関税率審議会で議論をしていただくという手続をとっておりますので、昨年の関税率審議会に、五十年度関税改正の一環といたしまして、この冷凍パイナップルの関税をいかにすべきかということを諮問をいたしたわけでございます。  これはいろいろな議論が当然ございまして、国際的な状況を考えて、余り上げるのはいかがかとか、あるいは物価対策ということもあろう、それから冷凍パイナップルの全部が必ずしもかん詰めとなって沖繩のかん詰めと競合するということでもなくて、本来の用途である冷菓であるとかジュースであるとかいうものに使われる面の影響をどうするんだろうというような意見もございました。また一部には、相当上げてもいいのではないかという御意見もなかったわけではございません、関税率審議会としましては、そういうことの総合判断として、三五%が適当であろうという答申を出したわけでございます。政府におきましてこの答申をいただきまして検討いたしました結果、私どもといたしましても、諸般の行政措置が並行して行われる、あるいは沖繩におきますこのパイナップル産業あるいはかん詰め産業の合理化というものを一層進められるというようなこともあわせ総合勘案いたしまして、三五%のこの答申が政府としても妥当である、かように判断をいたしまして、現在、三五%に引き上げる、こういう内容を関税暫定措置法の一部改正に盛り込みまして御提案をしておる次第でございます。

上原康助日本社会党

○上原分科員 済みませんが、できるだけ簡潔に御答弁いただきたいと思います。  そこで、冷凍パインの輸入量は年間どのくらいですか。

松尾直良大蔵省関税局企画課長

○松尾説明員 四十八年からでよろしゅうございますか。(上原分科員「はい」と呼ぶ)四十八年の輸入数量は、トンで申し上げますが、二万二千二百五十トンでございます。これは暦年でございます。それから四十九暦年が一万一千百一トン、かようになっております。

上原康助日本社会党

○上原分科員 そこで、これも簡潔にお答えをいただきたいのですが、要するに年間、四十八年が二万二千二百五十トン、四十九年度が一万一千百一トン、かなり落ちてはいるわけですが、これだけ大量に入ってきたという事実と、いま一つは、関税を上げざるを得なかったということは、逆にそれだけ沖繩のパインかん詰め、パイナップル産業等に影響を与えておったということはお認めになりますね。

松尾直良大蔵省関税局企画課長

○松尾説明員 先ほども申し上げましたように、現在関税引き上げというのはなるべくやる状況にない中で、今回関税引き上げを取り上げたというのは、ただいま御指摘のような認識を私どもも持っておったということでございます。

上原康助日本社会党

○上原分科員 これは農林省にお尋ねしたいと思います。  復帰の時点で、沖繩のパイナップルを果樹農業振興特別措置法に基づき振興対象作目に指定をしているわけですね。その指定をした目的は何だったのですか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 これは当然のことながら沖繩のパインの生産の振興を図るためでございます。

上原康助日本社会党

○上原分科員 生産の振興目標はどうなっておりますか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 おくれて申しわけございませんでした。五十六年におきます生産目標は十二万五千トンということで振興計画を策定いたしております。

上原康助日本社会党

○上原分科員 現在の八万トンを年次計画で昭和五十六年までに十二万五千トンに引き上げていく。そしてかん詰めにした生産高というものを大体二百二十万ケースに持っていくということがいわゆる県や農林省が、農業振興特別措置法で指定果樹にした目的なんですね。その趣旨と目的にかなった生産振興がなされているとお考えなんですか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 この生産目標は、一つにはもちろんこれは需要の伸びを前提といたしまして当時そういう計画を策定いたしたわけでございます。そこで私どもは、需要はもちろん年々の振ればございますけれども、長期的な方向といたしますればこの程度の需要があろうというふうに考えまして、いまの生産目標を立てたわけでございまして、この方向に近づけていくように努力をしてまいりたいというふうに考えております。

上原康助日本社会党

○上原分科員 それじゃ年間の需要はどのくらい見ておられるのですか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 需要といたしまして、通常は従来は年間約三百四十万ケース、大体そういうふうに想定いたしております。

上原康助日本社会党

○上原分科員 現在もその総量は変更ございませんか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 現在の総量という御趣旨が、ノーマルベースがそのくらいの想定かと言えばそうでございますが、最近の、特にここ近年一、二年の需要はこれよりかなり減少をいたしております。しかしノーマルベースではやはりこの程度の需要はあろうというふうに考えております。

上原康助日本社会党

○上原分科員 ノーマルではそういう需要量があると見ておられる。変更するお考えはないわけですね。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 私ども実はこの需要につきましては大体四十七年から四十八年までの情勢におきましては、大体そのような需要量で沖繩のパインとそれからグローバルのパイン、それから当時から一部たしかに冷凍パインは入っておりましたが、大体円滑に消費されるだろう、したがいまして、これはノーマル需要はあると思っておるわけでございますが、どうもここ一年来、全体の需要抑制と申しますか、その経済情勢のもとでかなり需要は減少している。これはパインかん詰めだけでございませんで、実は果実かん詰め全体が非常に減少いたしております。したがって、これが最近の消費の態様によるものなのか、したがいましてノーマルベースでは回復するのか、なおその辺の事情を見きわめる必要はございますが、やはりもうちょっと中期的に見ますれば、需要は私申しました三百四十万ケース程度に回復するものと思っております。

上原康助日本社会党

○上原分科員 三百四十万ケースが大体国内の需要の総量だということになるわけですが、沖繩産のパインかん詰めの生産高はどのくらい押えておられるのですか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 年によって振ればございますが大体百八十万ケースないし二百万ケースというぐらい想定いたしております。

上原康助日本社会党

○上原分科員 冷凍パインでパインかん詰めに生産された量はどのくらいですか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 実はその点、私どもはいろんな資料からこれは推計をいたしているわけでございますが、正直申し上げまして輸入冷凍パインからどれだけのかん詰めが製造されたか、なかなか推定は困難な面はございますが、私どもが推定いたしましたのによりますと、まず四十六年に十万ケース程度、それから四十七年が非常にふえまして約六十万ケース程度、四十八年が八十五万ケース程度。四十九年は若干減少いたしまして六十五万ケース程度、大体そういう推定をいたしておりまして、正直申し上げましてかなりこの推定についてむずかしい問題はございますが、大づかみな動向といたしますとそういった数字であろうと思っております。

上原康助日本社会党

○上原分科員 そこで明らかになるわけですが、冷凍パインをどんどん入れて、どのくらいのかん詰めに製品化されたかということは余り押さえられていない。そこにも数字のとり方に非常に疑問を持つわけですね。私も今回だけじゃなくして、この問題はたびたびお尋ねしているのですが、恐らく市場に出回っているのは百万ケースは下らないと思うのですね、正直申し上げて。そうしますと、沖繩産が大体百七十万ケースから二百万ケース、先ほどの外割りで入れるグローバル物が年間百二十万ケース入っているわけですね。百万ケース以上入っている。さらに四十八年度を押さえても八十五万ケースというのが冷凍物からかん詰化されている。国内の総需要量が三百三十万ないし二百四十万と言っても、すでに五、六十万ケースは余るという勘定になるのですよ。ここに一つの、皆さんの農林省のパインかん詰め問題に対する行政指導なり、見通しの甘さというものが浮き彫りにされているわけですね。しかもこれは、大臣、ぜひ真剣に聞いていただきたいのですが、果樹農業振興特別措置法で、昭和五十六年度までにはこうこういうふうに振興しなさい、国内の需要はこうなっておりますよと、農民にも皆さんはそういう奨励をやってきたのですよ、県を含めて。農民は血みどろになってそういう生産をやってきて、今日の段階、一体どうなんですか。このことに対しては、もう少し真剣にパイン農家やパイン産業に従事をしている方々の身になって考えていただかないとどうにもならない段階、いま絶望的だと言われているんですね。関税の問題にしても冷凍物にしましてもグローバル物の割り当て問題にしましても、もう少し沖繩産優先の原則というものがもし政府の姿勢としてあったとするならば、今日の行き詰まりというものは来たさなかったと思うのですよ。この打開策について承っておきたいと思うのです。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 御指摘のとおり、当初四十六年に冷凍パインを自由化したときには、これはかん詰めになるということは想定しておりませんでした。したがいまして、その後冷凍技術が非常に進みまして、それからかん詰めが製造されるようになったその実態の把握が十分でなかったじゃないかという御指摘があったわけでございますが、ただ四十七年ごろまでを見ますと、ともかくもこの点需要量の把握に問題がございますが、結果的にはさばけていたという実態があったわけでございます。ここ一年来非常に過剰が目立ってきた。そこのところの原因が私は基本的には二つあろうと思う。一つには冷凍パインの問題がございます。もう一つはやはり全体の消費減退の問題、両方がかかってまいるかと思っているわけでございますが、いずれにいたしましても、冷凍パインが大きな原因の一つであるということは間違いございません。したがいまして、今後は冷凍パインの製造を抑制しようということで、先ほども申し上げましたように、一つには表示等の励行等の措置、もう一つは関税率を上げる措置を講じまして、今後冷凍パインの製造が原則的に行われないようにしよう。したがいまして、今後新しい冷凍パインによるかん詰め製造はまずなかろうというふうに想定をいたしておるわけでございます。  そういたしますと、あとは過去にやった分のいわば後始末と申しますか、従来の冷凍パインの製造がいわば後に尾を引いていることと、それから需要が減って滞貨がふえたこと、両面にどう対応するかという問題でございます。したがいまして、これにどう対応するか。何と申しましても、一つには需要の拡大ということが基本でございます。なかなかこれは正直に申し上げまして、果実かん詰め全体の需要が非常に減退した中で伸ばすことはむずかしいとは存じますけれども、何とかして需要を拡大していかなければならぬ。そのためには、一つは滞貨につきまして、まずこの滞貨の中の相当部分はこれは本土のいわば販売店、代理店と契約を結んでおりまして、もうすでにかんもそれと結びついておるわけでございまして、いわば印刷かんでございますから、これについては責任を持って引き取ってもらうようにいろいろ指導をいたしておるわけでございまして、現在沖繩に滞貨している分、約百二十万ケース程度あろうと思っておりますが、その部分のうち大部分のものは極力まず引き取るように、特定のラベルを印刷した、結びついた代理店につきましてはそういう指導をいたしておるわけでございます。  もう一つ、いわゆる白地かんと申しますか、ラベルを特定してないものにつきましては、これはやはりお互いに販売努力をしていかなければならぬだろうと考えておるわけでございます。さらに後でも御論議があると思いますが、たとえば少しでも需要をふやす一助といたしまして、集団給食等に使うとか、あるいは先ほど大臣も若干発言がございましたが、沖繩海洋博等も活用いたしまして極力消化に努力するということで、滞貨をなるべく速やかに解消するように、各般の手をきめ細かく打たなければならぬと考えております。

上原康助日本社会党

○上原分科員 ちょっと漠然として、まだ十分な対応策について納得しかねるのですが、このパイン産業に従事をしている、産業というよりもパインの生産農家——時間がありませんから私の方から言いますが、昭和四十八年度で四千戸近くあるわけですね。八重山が一千戸、北部が約三千戸、これだけの方々が政府の政策指導のもとにパインを生産をしてきた。現在はどうなっているかと言いますと、御案内のように百二十万ケース現地にもストックをしている、あるいは本土にも七十万ないしそれに近いストックがある。グローバル物も三十万からそれ以上のストックがある。一方においては冷凍パインでつくったのもまだあるかもしれない。国内の需要は、いろいろほかの果物のことも挙げておられるのですが、これほど深刻な段階に来たものはないわけですね。したがって、これを打開するには、従来のように皆さんが冷凍産にJASマークを入れるとか、ラベルをどうするとか行政指導をやりますというようなことではもはや事済まない、どうにもならない段階なんです。  御承知のように、まだパッカー、いわゆるパイン工場が農民に支払っていないパインの原価代が九億から十億近くあるわけでしょう。農民はつくったけれども、工場には出荷はしたけれども代金は入らない。このインフレと不況の中で御案内のように肥料代はどんどん上がっている、代金は取れないという。しかも工場は、生産をしたものはストックのままに抱えておって本土の取引業者は取ってくれない。滞貨はどんどんたまっている。これを打開していくには、大臣、これは従来の行政指導というだけではもうできない問題なんですね。もしこういうように、農民の本当に死活にかかわる問題が北海道や福岡や鹿児島で起きた場合はもっと政治問題になると思うのです。不思議なことには沖繩は国会議員も少なくて、われわれの力もないかもしれませんが、農民がこんなにまで苦しめられて、しかも、政府の政策誘導によって目標を立てて生産をしてきたのです。ここまで来ると、私はやはり大臣の決断が必要だと思うのですね、政治的な判断というものが。  きょうは時間がありませんからたくさん申し上げられませんが、一体どうしてくれるのかというのが本当の農民の切実な声なんです。これに対しては、ひとつ十分な対策を考えるということですが、まず何と言ったって、第一に、政府が沖繩産のパインかん詰めを優先消化をしていくという政策の確立が必要だと私は思うのですね。その原則を確立をしていく、それを基本に国内の需要量がどのくらいあるのか、外割りやグローバルのものをどうすべきなのか、まあ相手国との関係もいろいろあると思いますが、税金問題も含めて、この際、国の大幅な助成策、補助的なものを考えないと打開の道はない。これに対して大臣の決意をお願いしておきたと思うのです。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 私も初めに申し上げましたように、この沖繩パインの状況につきましては非常に憂慮いたしておるわけでございます。したがって、事務当局にも督励をいたしまして、いま局長が答弁をいたしましたようなもろもろの施策を講じておるわけでございます。沖繩につきましては、私が申し上げるまでもなく、やはりパイン産業あるいはまたサトウキビ、そうした沖繩に特有な産業を伸ばしていくというための特別な振興法という中で、今日まで施策を講じてきたわけでございますが、こうした状態にもなってきた。これは先ほどから申し上げますように、一つはやはり今日の総需要抑制という中の需要減退ということもあるわけでしょうが、一つはやはり冷凍パインが大量に入ってきた、これがあると思います。これに対しては、先ほどから申し上げましたように、関税を上げましてこれに対処をしていくわけでございますが、しかし今日の大会まで開かれるようなそうした状態に対しては、やはり政府といたしましても真剣にこれに対して取り組んでいかなければならない、私はそういうふうに思うわけでございまして、いま御指摘がありましたような沖繩パインの優先消化ということにつきましては、これは農林省だけではなくて、政府部内におきまして十分連絡をとりまして、この滞貨が一日も早く一掃される、優先消化の方向が確立されていくということには努力を傾注したい、こういうふうに思うわけでございます。

上原康助日本社会党

○上原分科員 努力の決意はわかりますが、大蔵の方も来ていただいたんですが、先ほど関税が上がる、入る税金といったってわずか年間十四、五億なんですよ。それだけの関税が高いとかいろいろ言われておるんだが、予算に反映するものは微々たるものなんですよ。それを入れておって、百万余りも入れておって、せっかく国内でできるものが、いろいろなあれはあると思うのですが、見殺しにされるという農政があっちゃいかぬですよ。  そこで結論として、冒頭で申し上げましたように、こういう問題こそ、農林大臣、あなたもお若いし、農民の苦労というのも御理解いただけると思うのです。閣議においても沖繩産のパイン優先化ということと、学校給食でどう消化するかという問題もあるでしょう。あるいは国際海洋博の関係に、先ほど局長がおっしゃったように、需要をもっと国民的に広めていく、県にもまたそれだけの行政指導もやる。こういった国民的な課題としてこの問題をやっていくということを閣議に上げて、閣議で決定をして、この対策を考えるという御意思、もちろんありますね。それを私が申し上げているのは、国の予算の問題も含めてこの際抜本的な対策を講ずる、その決意は農林大臣としてお持ちですね。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 先ほどから申し上げましたように、私も今日の状態を憂慮いたしております。ですから、私も先頭に立って政府部内におきまして、いまお話がありましたようなことも含めて、優先的に消化が行われるように万般の施策をひとつ進めたい、こういうふうに思います。

上原康助日本社会党

○上原分科員 もう時間ですからその万般の対策を講ずるということは、必要に応じては予算面も含めて、政府部内で十分御相談をするというふうに理解をしてよろしいですね。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 もちろんそういうことも含めてこの問題に対処していきたい、こういうことであります

上原康助日本社会党

○上原分科員 キビの問題も大変議論の中で一応光明を開いてまいりましたが、いまやパイン産業というのは絶望的ということで、農民の方々も大変な不満やいろいろな政府に対する期待もありますので、その切実な要求というものは受けとめていただいて、こういう問題を解決しないでは、海洋博もへったくれもあったものじゃないですよ。どうか、そのいまの決意を、予算措置を含めて生かしていただくというふうに私は理解いたしますので、農林省全体あるいは運輸省、大蔵としても御努力をいただきたいと強く要求をして、時間ですから質問を終えたいと思います。

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 これにて上原康助君の質疑は終了いたしました。  次に、坂口力君。

坂口力公明党

○坂口分科員 まず最初に、玄米の検査基準についてひとつお聞きをしたいと思います。  いま私の手元に昭和四十年から四十九年までの玄米の検査成績をいただいたのがございます。これを見せていただきますと、昭和四十年から四十三年ぐらいまでは一等、二等がかなりパーセンテージとしては高いわけでございますけれども、昭和四十四年から以降はだんだんと一等米、二等米というのが少なく、パーセンテージとしてはなってきているわけであります。そこで、まず最初に、このお米の検査基準というのはどういうようになっておりますか、それをひとつ。

三善信二食糧庁長官

○三善政府委員 米の検査基準と申しますか、等級、格づけの問題もございますけれども、これは先生御承知のように農産物検査法に基づいて検査をいたしているわけでございます。  その基準としましては、一つは容積重、重さですね。それから整粒歩合と申しまして、たとえば一等では粒ぞろい等が九〇%はないといかぬ、四等は六〇%でいいというように、そういう整粒の歩合。それから水分。これは現在一五%以内ということで統一をいたしております。それから被害粒、被害の粒がどの程度あるか。あるいは異種穀粒と申しまして、小麦や大麦、そういうものがまじっている率、そういうことがあります。それから異物と申しまして、土やら砂やら、そういうのがどの程度まじっているかというようなことで、一等から五等、それから等外、規格外というふうに区分をいたしまして検査をいたしておるわけです。  この検査いたします場合に、やはり標準の見本をつくらなければいけませんので、それは食糧庁でつくりまして、それをブロックに持ち込みまして、ブロックでは、都道府県の専門家の人、それから生産者の代表の方、そういった方を合わせて、標準品を全国に普及して、それに基づいて検査をしているというのが現在の状況でございます。

坂口力公明党

○坂口分科員 そうしますと、この基準というのは、年々歳々変わることがあるわけでございますか。それとも一遍決められたものはずうっと同じように今日まで続いているわけでございますか。

三善信二食糧庁長官

○三善政府委員 基準は、やはりその年の作柄、天候条件その他、作柄等によって米の品質は違ってくるのが当然でございますし、大体その年のできた米に基づいて基準品をつくります。  いま申し上げましたような、こういった粒ぞろいとか水分とか、そういうのは一定でございますが、乳白米のまじり方とかそういうのは、一等の基準、二等の基準、三等の基準、それから厳密に申せば、毎年その年の産米についてっくるということにいたしておるわけでございます。

坂口力公明党

○坂口分科員 そうすると、年々そのときの、その年の作柄について基準をつくるということでございますが、しかし、その基準のもう一つその前の基準ですね、その基準の基準ですね、これは一定でないとぐあいが悪いと思うわけでございます。これを見せていただきますと、一等米、二等米がずっと少なくなってきているというのは、これはお米の質がだんだん悪くなってきておるということでございますか。

三善信二食糧庁長官

○三善政府委員 基準の基準と申されましたけれども、まさにそのとおりで、基準自体は変えないわけですね。  私が申し上げましたのは標準品、その基準に基づいた標準品、それは毎年の作柄等によっては多少は変わることがある、基準は変わりません、そういうことでございます。  それから、先生おっしゃいましたように、最近は一等、二等といいますと、本当に一等というのは〇・一%、二等で三・三%、これは四十八年産米ですけれども、そのように少なくなってきております。これは一つは、最近生産の面では稲作の機械化とか、そういうのが進みまして生産が合理化してきている。それから流通の面では、自主流通制度をつくりましてから、やはりうまい米と申しまして、産地ごとに、あるいは銘柄米、そういつた方向に国民の嗜好も向いているわけでございますが、ただその流通させます場合には、余り少量のお米を流通するということはなかなかむずかしいことで、やはり三等ぐらいの、大量に、うまく、そして銘柄米というようなことが主体にだんだん変わってきつつあるというような状況も含めまして、一等、二等というのが非常に少なくなってきているという状況ではなかろうかと思います。

坂口力公明党

○坂口分科員 最初にも申しましたとおり昭和四十年でありますと一等が〇・四%で、それから二等が二・七%になっております。これは私の方の試算に間違いがなければこういうパーセントになっております。それが昭和四十三年ぐらいになってきますと、一等が〇・二%で二等が七・九%。それが四十六年くらいになりますと、一等は〇・〇、小数点第一位のところにはもう数字が出てこないパーセントになっておりますね。それで昭和四十六年には二等が二・八%という数字になっている。四十七年は二等が五・七%まで上がりましたが、四十八年はまた二・八%に落ちている。この辺のところを上下しておるというのが実情なわけであります。それで、四十六年は作柄そのものが余りよくなかったわけでありますから、等級も上の方が少ないというのはこれは話がわかるのでありますけれども、四十八年は作柄としてはかなりよかったと思うわけでございます。ところが悪かった四十六年と大体同じぐらいな等級になっているわけです。この辺のところに疑問を抱かざるを得ないのですが、この辺どうでございましょう。

三善信二食糧庁長官

○三善政府委員 先ほど申し上げましたように、自主流通米制度を発足いたしましてから、やはり自主流通米でも三等と申しますか、大量にとれて、しかも銘柄品で、国民の嗜好に合うというよりなのをつくるような傾向になってきております。それからまた増収品種、そういうものの普及か行われております。いずれにしましても、等級の問題よりも、その銘柄、産地ですね、その銘柄木に対して生産の方も移ってきているし、また国民の嗜好ないし流通の面でもそちらの方に重点が直かれてきているというような状況であろうと私は思います。

坂口力公明党

○坂口分科員 たとえば四十七年と四十八年を比較すると、十アール当たりの生産高が、昭和四十七年におきましては全国平均で四百五十六キログラムです。四十八年は四百七十キログラムと、四十八年の方が平均いたしましてできはいいわけですね。ところがその四十七年におきましては、一等は〇・〇で二等は五・八%になっているわけです。ところがその作柄がいいはずの四十八年の方が二等が二・八%というふうに、五・八から二・八と、三%落ちてきているわけですね。都道府県別にこれを見まして、各都道府県におけるばらつきが非常に——平均したら同じになるのだけれども、しかし、都道府県によるばらつきが大きくてそうして落ちてきているのか、そういうことで、平均値としては同じだけれども、標準偏差を求めたらこれは違うのかもしれぬということで、双方比べてみますと、そのばらつきもえらい変わらないわけなんです。標準偏差も変わらない。平均値は四十八年のほうがいいわけなんです。にもかかわらず四十八年は、一等は両方とも〇・〇、二等が三%も非常にパーセントが落ちてきている、こういう結果になっているわけなんです。最初御説明いただいたように、一番根本になる基準というものは変わらないというふうにおっしゃいますけれども、年々歳々、言葉は大変悪いですが、何となく手かげんというようなことがありはしないかという感じを持つわけです、この数字を見せていただきますと。いかがでございますか。

三善信二食糧庁長官

○三善政府委員 いま四十八年の例をとって申されましたけれども、米の品質と申しますか、これは、たとえば昼夜間の温度差によって、そういう温度差がある方が品質がいいとか、収量は多かったけれども品質は悪いとか、そういうことが米の生育、またできた米の品質についてはあるわけでございます。四十八年の場合はまさにそうでございまして、収量は多うございました。しかし品質が一般的に悪かった、乳白色の米が多かった、そういうように私どもの検査実績ではなっております。手かげんをするんじゃないか、こう申されますけれども、そういうことは一切ございませんので、たとえば、検査の私どものやり方としましては、農家の方が農協へ、検査官が検査するために米を持ち込まれるわけでございます。その場合には農協の方、生産者の方、みな立ち会いで見ておられますし、それから標準品は、全国共通に一応その年の標準品を、一等品、二等品、三等品というふうにつくっておりますし、そういう不公正と言いますか、手かげんとか、そういうことは全然ないということをひとつ御了解願いたいと思います。

坂口力公明党

○坂口分科員 私も農家の生まれでありまして、その辺のところは実際に見ておりますし、よく存じておりますが、厳密さというのはいまおっしゃるほどでもないように実は思うわけです。  それじゃ四十七年を例にとって、たとえば宮城県と山形県、これは県単位で大ざっぱな話になりますが、県単位で見ました場合に、宮城と山形では、つくっております品種ですとか、あるいは作柄というものは大分違うんでしょうかね。四十七年で一遍比較していただいて、宮城県と山形県、同じお隣の県でございますけれども。

三善信二食糧庁長官

○三善政府委員 四十七年産米の検査実績を見ますと、宮城県がたとえば一等品が全体の四十万トンの中で四百五十五トン、それから山形が一等品は四十一万五千トンの全体の合計の中でゼロということで、一等品について言います限りほとんどない。一等品の全国トータルで見ますと、七百六十五万トンの検査をいたしましたが、その中で〇・一%、一万トンしかないというような状況でございまして、大体品種は同じのをつくっておりましても、その県ごとに気象状件、先ほど申し上げましたようなそういう差は、それは県の中でもごございますし、県ごとにも違う場合もございますし、一概にどこがどう違うんだというようなことはなかなかむずかしい点がございますが、詳細にもう少し調べてみてもいいと思っております。

坂口力公明党

○坂口分科員 いま申しましたとおり、四十七年に宮城県は十アール当たりの平均収量が五百四キログラムです。山形は五百二十九キログラムですね。山形の方ができとしてはいいわけなんです。しかしながら一等米は、先ほどおっしゃったように、できの悪い方の宮城の方が一等が四百五十五トンあるわけですが、山形はゼロトンで一トンもない、こういう結果が出ておるわけです。さらに同じ年で、つくっております量その他は違いますが、兵庫県はできそのものは平均して三百九十八キログラムで、宮城や山形に比べるとずっと悪いわけですね。宮城が五百四、山形が五百二十九、兵庫は三百九十八ですね。ところが、その三百九十八の非常にできの悪い兵庫県が、一等が五千五百三十七トンと出ておるわけです。非常にできの悪いところが五千五百三十七トンも一等が出て、非常に作柄のいい山形でゼロで、そしてそれよりもうちょっと落ちますけれどもよく似たところで宮城が四百五十五トン、いかにもばらつきが大き過ぎると言わざるを得ない。いまおっしゃるように、それは作柄も若干違うかもわかりませんし、品種も違うかもしれません。あるいは水分の含みぐあいも違うかもわかりませんし、あるいはそのときはやった稲の病気等による違いもあるかもしれませんが、常識的に考えました場合に、この作柄がいいところというのはやはりいいお米も多いと、こう考えるのが妥当じゃないでしょうか、大ざっぱな考え方でございますが。先ほどお答えになったことを十分加味して考えても、なおかつ余りにも大きなばらつきがあり過ぎるという気がするわけですが、いかがでございますか。

三善信二食糧庁長官

○三善政府委員 兵庫県のことを申されましたが、なるほど一等米が五千五百三十七トン出ております。兵庫は、これは特殊の事情がございまして、御承知のように酒米の生産が兵庫は一番多うございまして、その酒米というのは、元米、醸造米ですが、これは品質はもともと非常にいいわけでございます。そういうことで、特殊のケースとして兵庫は酒米が多いために、毎年兵庫は多うございます。四十八年をとってみても四千五百五十二トンということで、それは特殊の事情だとひとつ御理解を願いたいと思います。

坂口力公明党

○坂口分科員 わかりました。その辺、私も存じ上げて申し上げたんですが、この兵庫県の場合にはそういう特殊なものをおつくりになっておりますから若干の違いはあろうかと思います。しかし、その兵庫県をのけたといたしましても、ほかのところでもかなりなばらつきがあるわけなんですね。全くゼロのところが四十七年で五県ございます。そのほか、兵庫県ほどではございませんが、福井県あたりが八百六十六トンと、かなり多うございますし、三重県も四百六十で多いですね。それから広島、山口あたりも、百二十九、百九というふうにかなり多いんです。このように、かなり都道府県別に品種も違うでありましょうけれども、ばらつきもまた非常に大きいわけです。  私は申し上げたいのは、一番最初におっしゃった、その年の作柄によって若干−根本になるものは変えないけれども、その作柄によって若干標準になるものを変えるということをおっしゃったわけでありますけれども、その辺があまり変え過ぎはしないのかということです。同じような東北あるいは北陸あたりの非常に米どころにおきましても、四十年ごろと比べまして最近は非常に上の方が少なくなってきているということがございますので、この辺のところに基準なるものが一定していないのではないかという疑問を持つのですが、いかがでございますか。

三善信二食糧庁長官

○三善政府委員 先ほどから申し上げておりますように、最近の生産事情、流通事情、その点は先ほど申し上げたとおりでございますが、先生御承知のように、米につきまして量の問題と質の問題作柄がいいというのは量がよくとれるということを普通言っているわけですね。品質がいいというのと作柄がいいというのとは必ずしも一致しないわけでございます。品質は質の問題でございます。そういう意味で、作柄がよくても、先ほど申し上げましたように昼夜間の温度差、そういうことで実の実り、充実度がいいとか、あるいは乳白色がよくとれるとか、そういう微妙な差は出てくるわけでございまして、必ずしも作柄がいいから品質がいいということは一致いたさないということでございます。  そういうことと、標準品のお話ですが、基準はこれは一定にしておりますが、その年のできぐあいによりまして質が多少違う場合もあり得るわけでございます。それはやはり全国的に標準品をつくるわけでございますから、それは全国的に通用する標準品をつくっていかざるを得ません。極端に違うということはほとんどございませんが、多少の違いというのは出てこざるを得ないということを申し上げておるわけでございます。

坂口力公明党

○坂口分科員 人間の目のすることでありますから、若干の違いというのは当然生まれますでしょう。しかしながら、私は、いろいろ御答弁になっている内容で、なるほどと思うところもあるのです。あるのですが、しかし答弁としては非常に苦しい答弁もあるのではないかと思うのですね。というのは、私自身、等級の決定等がかなりずさんなところがあるということを知った上で、質問しておるわけであります。私、農山村地帯を回りまして、よく耳にいたしますのは、年によってあるいはまた人によって、かなり等級の決め方が違う、そしてこれがあまり厳しいと、一つはその地域の生産意欲というものにかなり響いているという現実を知っているものですから、実はきょう質問として取り上げさせていただいたわけです。何も物差しがなくて、でたらめだということを申し上げているわけじゃないので、基準はきちっとしてあるのでしょうけれども、その基準そのものが年々変わる、あるいはまた、それが地域によって若干ずれていくというようなことになりますと、これは大きな問題をはらんでいるというふうに私は思うわけです。農業をなすっている人の中からは、お米の値段が上がったときには必ず厳しくなるという、うがった意見も出ているというのが実情なんです。実際見ますと、必ずしもそうともなっておりません。四十八年度は確かにお米の値段が上がって、ぐっと下がっておりますけれども、四十九年度はさほどでもございませんし、皆さんのおっしゃるのが当たっておるとも私は思いませんけれども、そういう言葉が出るほど、この検査に対しては、農民の皆さんにいろいろ意見があるということは知ってもらいたいわけです。長官は実際おやりにならぬですから、おわかりにならぬかもわかりませんが、現場ではそういう声が多々出ているということなんです。同じところでできたお米を、同じように俵につくっても、それは一俵一俵に入れるのに若干の違いはありましょうけれども、大変差が出ましたり、農家の方ですから、はたで自分たちの目で見ておりまして、これは絶対変わりがないと思っても、こちらは二等で、こちらは三等という差がつけられたり、というような話をかなり聞くわけであります。そこで、そういうふうなことがありますと、先ほど申しましたように、農業をなさる方がだんだん減ってきているような昨今、どうしても減らざるを得ないような社会環境の中で、一生懸命お米をつくっている人たちの生産意欲というものをだんだん落とす結果になるということも、私は疑いのない事実だと思うのです。  そこで、きょうこの問題を取り上げさせていただいたわけですが、さりとて、全部が全部日本国じゅうでたらめなことが行われているという意味じゃございませんよ。そういう意味じゃございませんが、しかし基準なるものが、私はもう少しきちっと決められてしかるべきだというふうに思うのです。と申しますのは、たとえば平年作なら平年作のときの基準というものを一つお決めいただいて、いつもそれに沿っていくというなら、これはわかるわけでありますけれども、その年々によって、若干手かげんが加えられるというようなことがありますと、大変違いが出てくるような気もするわけです。いろいろなデータを見せていただいて、いま長官がおっしゃるように、作柄の違いもありますし、あるいは品種の違いもあることもよくわかります。しかしそれを超えた差というものが、この表を見せていただいて、私はあると思わざるを得ない。長官そうお思いになりませんか。先ほど申しましたように、たとえば四十七年の宮城県と山形県、これは近くの県ですね。つくっておりますお米の量も大体同じぐらいのところ、そして出来高はよく見て若干山形の方がよかった。ところが一等米は宮城の方は四百五十五トンもあり、一方はゼロである。二等米も、宮城の方は十万八千六百二十五トンが二等米でありますけれども、山形の方はわずか六百五十三トンしか二等米がない。この違い、これは品種の違いもあるかもわかりませんし、先ほどおっしゃったようなこともあるかもわからぬですが、しかし余りにも違い過ぎるという気がするのですが、どうですか。私の言うことが間違っていれば、指摘いただければ、私も直すのですが。

三善信二食糧庁長官

○三善政府委員 私が先ほどから申し上げておりますように、たとえば山形と宮城は、全体の収量も同じぐらい、一方は四百何十トンも一等品があるが、一方は一等品が少ない。それは本質的には、先ほど申し上げましたように、収量が多かったという量の問題と、それからその品質の問題、質の問題というのは必ずしも一致しないわけでございまして、品質は品質、収量は収量で、作況指数がいい、収量が多いから品質がいいということには必ずしもならないわけであります。そういう本質的な問題が一つございます。  それからもう一つは、検査のやり方、これは先生御承知のように、熟練した検査官が一俵一俵、農家の方を補助員に使って、農協の人と立ち会いの上でやっているわけですね。文句があったら必ずそこでトラブルがあるし、文句が出るわけです。そういうことで、専門の農家、つくった方々の前で、しかも農協の方の前でそれをやっているわけであります。これは私、検査員を信用していただきたいというふうに思います。  それからもう一つは、標準品の問題でございますけれども、基準は変えておりませんし、ときたま、たとえば水分の問題なんか、ときどき変えることはございます。十年に一回とか何回とか。それは、たとえば水分では、一等米は一四%以下であった、それを一五%に全部統一して変える、そういうことは何年に一回か、品質の基準の問題で変えることはございますが、大体基準は一定してやっているわけでございます。ただ、その質の基準に基づきましてその年の標準品−基準ではございませんで、一等の標準品、二等の標準品というのをつくりまして、全国全部それに統一した検査をやらせているというようなことでやっておりますので、御了解を願いたいと思います。

坂口力公明党

○坂口分科員 いまいろいろ御説明がありましたけれども、いろいろの条件がありますけれども、大体作柄がよければいいお米が多いのは一般の常識なんです、これは農家でなくとも。作柄がよくて、それでくず米ばかりが多いということはないのです、そんなことは。これは私自身も農業をやってきた経験もあるから知っているわけです。農家に生まれて、そのくらいのことはちゃんと知っています。それはそういうことがあるかもわからないけれども、余りにも違い過ぎるということを、一つ私は申し上げているわけです。  それから、検査官のところで、そこで文句があれば出るということをおっしゃるけれども、文句を言えば必ず下げられるということを、あちこちで言われる方もあるわけなんです。これは全部が全部、それを私、信用するわけではございません。しかしそういう声もあるということは、お含みおきいただきたいと思うわけです。  時間もございませんので、大臣、先ほどからいろいろ長官とやりとりをいたしましたような経緯で、お米の検査の等級というのは、かなり大きな、年によるばらつきもございますし、それから都道府県によるばらつきもあるわけです。それには、先ほどお話のありましたように、作柄や品種による違いもございましょう。しかし、おおむねこの四十年代前半のところと後半とに分けますと、後半において、かなりこの等級が落ちてきているということも事実なのです。これがすべて作為的なものだということを私は申し上げているわけではございませんが、しかし、その疑いなしとはしない、そう私は申し上げておきます。いま長官はああいうふうにおっしゃいますが、しかし、長官とて、それじゃ、いま長官がおっしゃったような理由だけで、ほかの理由はすべて排除できるかというたら、排除できるとここで断言はできまいと私は思うわけです。このお米の検査等については、本当につくっている人たちの熱意と申しますか、意欲に大きく関係するものでありますから、非常に公平を期していただかなければならないと思いますし、余り厳しい結果というのもいかがなものであろうか。基準をおつくりいただくのならば、たとえば平年作で一等が全体の五%なら五%くらいである、その辺の基準なら基準をひとつおつくりをいただいて、そうして、それによって、作柄が非常に悪いとかいうときには、そのパーセントが下がってもやむを得ません。しかし、非常にいいときには、それが七%なり八%になることもあるというふうな、一貫した、やはり生産意欲を持ってもらうような等級というものを決めていかなければならぬのではないかという気がするわけであります。お米をつくるというまことに基本にかかわる問題でございますので、大臣の今後の取り組み方等をひとつお聞かせをいただいて、終わりにしたいと思います。

三善信二食糧庁長官

○三善政府委員 最初に申し上げましたように、先生御理解願いたいのは、一等級の米が年々少なくなってきている、最近ネグリジブルになってきているということは、最近は、等級より銘柄というふうに、生産者の方もそういう生産のやり方をしておられる、それから消費者の方も、そういう一等品だからどうということじゃなくて、銘柄品、うまい米というようなことで消費も伸びてきているというような、全体的なそういうバックグラウンドもございますので、その辺のところはひとつ御理解を願いたいと思います。  それから、検査官の問題につきましては、検査は公正にやるのが当然でございますし、私どもはなお一層、その点は努力をして、そういう指導をしたいと思っております。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 米の検査につきましては、いま御指摘がございましたように、やはり農民の生産意欲にかかわる大事なことでございますので、農林省といたしましても、米の検査につきましては十分配慮もいたしておりますし、検査員の皆さん方を信頼し、検査員の皆さんも公平を期してやっておると、私は確信をいたしておるわけでございますが、しかし、いまお話しのように、農村のいろいろの声もあるということならば、こういう声も十分踏まえて、今後さらにひとつ万全を期して公正を期していかなければならぬ、こういうふうに思います。

坂口力公明党

○坂口分科員 終わります。

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 これにて坂口力君の質疑は終了いたしました。  次に、山中吾郎君。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)分科員 私は、農業振興と農業教育の一点にしぼって、時間が非常に遅くなっておりますので、簡明に質問をいたしたいと思います。  私の質問する趣旨は、文教委員会で農業教育を論じても、どうしても実態に沿う実のある論議が出ない、農林関係の農業振興計画もどうしても農業教育抜きになるので、こういう分科会の機会以外に、農林大臣、農林関係の人の認識を深めてもらう機会がないので、特に私この機会を選んで、簡単にひとつ認識を深めてもらえばいい、そういう意味で御質問いたします。  現在の農業基本法が経済成長政策の論理の上に乗ったために、このままでいけば自給率は下がっていくばかりだ。そこで農林大臣も、これは農政の転機であるということは十分認識されておると思いますが、国際情勢その他も含んで、国内自給率を向上するという立場で農政の転換をお考えになっていると思うのですが、その点について、まず農政の立場から、どの程度まで国内自給を考えて長期計画をお立てになっているか、まずそれをお聞きしたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 最近の世界における食糧事情は、この二、三年来、諸生産国における不作等がございまして、不足、逼迫をしておるわけでありますし、私は今後は、将来とも恒常的にやはり食糧事情というものは世界的に逼迫の基調にあるのではないか、こういうふうに考えておるわけであります。そういうふうな世界における食糧事情の変化、さらに国内におきましては、高度成長の時代が終わりまして、いまから安定成長という時代に入っていきます。そうした大きな国内における経済路線の変化、そういうふうなものを踏まえてみましても、客観的にはやはり農政が転換をする時期が来ておる、こういうふうに考えておるわけであります。そうした認識の上に立って、これからの日本の農業をどうしていくかということでありますが、やはりいま御指摘のございましたように、国内における食糧の自給力というものを高めていくということが農政の最大の課題であろう、と言っても間違いではないと思うわけであります。そういうたてまえに立って、私たちは現在農政審議会に、今後の食糧政策のあり方につきまして諮問をいたしております。この三月ころにはその答申を得るわけでありますが、その御答申を得まして、その上に立って総合的な食糧政策を打ち出して、大体昭和六十年という年次を目標にして、具体的な施策の裏づけをひとつ行っていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。  食糧の自給率につきましては、昭和四十七年が総合食糧自給率が七三%、四十八年は七一%くらいに落ちておるわけでありますが、これを昭和六十年には七五%程度に高めていくということが、現在農林省として試算をいたしました基本になっているわけでございます。これは、自給率が十年間で非常に伸びが少ないじゃないかという御指摘もあるわけでございますが、しかし、これからの消費水準の向上あるいは人口の増加、そういうことも踏まえますと、一律に、なかなか一挙にというわけにもいかない、七五%は何としても確保していきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)分科員 現在の自給率が、生産額からいえば七〇%台になっているのだというように聞いておるが、しかしカロリーからいえば四〇%以下だ、石油がもしストップになれば二〇%、飼料その他の関係というのが現実だと思うのでありますが、いずれにしても、産業という立場から国民の食糧という立場に切りかえて、いわゆる農業基本法の思想から食糧基本法的思想に転換するならば、これは十年計画ないし二十年計画の長期計画で、農政の方で、文部省とむしろ合議の上で計画すべきではないか。十年以上になると、すべての振興計画は同時に教育計画でなければならぬし、教育計画も成り立つ、五カ年計画とか三カ年計画は、教育は入ってこないのですが、十年計画、二十年計画になれば、同時に教育計画でないと、恐らく目的も達成しないし、そういう産業振興と教育とが総合化された計画でなければならぬと思うので、いまは六十年と、十カ年計画ですから、その辺はぜひ総合化してもらいたい。特に日本の耕地というのは、努力しても拡大することは限度がある。したがって、与えられた土地の改良と、その改良された土地にふさわしく能率を上げるプロ農家というのか、専門的な農民の形成、二つしかないと思うわけですね。そういう意味において、この計画を立てるときには、他の産業教育と違って、農業と教育だけは一体にしなければだめだ。これは他の、工業教育と工業振興などとは違うのですね。その辺を特に大臣が認識をして、他のものとは違って、文部省と緊密に連絡してもらいたい。あるいは農業教育計画会議でもいいでしょうし、連絡会議でもいいですが、具体的な方途を持っておやりにならないと、依然として上すべりになる、こういうふうに実感をしておるものですから、申し上げておきたいと思うのであります。  それで、いろいろの資料は別にして、文部省、おられますから……。どうも農業振興と地方の県立農業高校とがマッチをしない。その点を農林大臣も十分理解してもらいたいと思うので、申し上げたいのですが、県立農学校の卒業生のうちで、就農する者、農業に従事する者はたしか二〇%程度だと思うのです。その辺をちょっと説明してください。

齊藤尚夫文部省初等中等教育局職業教育課長

○齊藤説明員 高等学校の農業学科の中には、大まかに分けて二種類ございまして、一つが自営者養成という関係の学科でございます。農業、園芸、畜産という学科。それ以外に関連産業学科というのがございます。  自営者養成学科だけについて言いますと、これは四十八年の資料でございますが、約三割弱というのが直ちに就職、就業する数、農業高校全体で言いますと、二割弱というのが実態でございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)分科員 私より若干多いようですが。県立農学校の場合は、やはり県の方が財政力が少ないために、設備、施設その他の農業推進の経費は、農場の収穫を基準にして、大体収穫分をいわゆる支出の財源としながら、採算がとれる程度の農業振興の教育費しか計上しない。これはあらゆる努力をしても、知事の財務当局は農場の収穫限度を推して、出す。したがって、教育も非常におざなりである。それで、国民の食糧自給体制の確立のための農業への切りかえとするならば、私は、県立ではだめだ、農業教育だけは国営、国立にして、金のかかる農業教育に切りかえないと、できないんじゃないかという感想を持っておるのですが、大臣はどう思っておりますか。

齊藤尚夫文部省初等中等教育局職業教育課長

○齊藤説明員 御指摘のように、農業を実習しますその収益ということを勘案して、さまざまなことが行われていくということが過去にはございました。しかし最近におきますと、それだけではとても実際の農業教育が賄い切れないということも認識されてまいりました。  特に実験、実習費につきましては、毎年自治省にお願いをいたしまして、交付税の積算の基礎にその面を考慮していただくというふうな措置をとりまして、徐々でございますけれども、充実の方向をたどっておるわけでございます。  それから施設、設備につきましては、御承知のように国費で三分の一の助成をやっておりまして、十年計画ぐらいの目標で達成をするという段階でございますが、五十一年度以降、新たな計画でその整備を図っていきたい、現在その作業を開始しているところでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)分科員 交付金はどこに使われているか、もう少しお調べになるとわかると思うのです。それが一つ。  それから、これは農林大臣、私は文部省と話をしておるのを農林大臣に聞いてもらうために言っておるのだが、同じ職業高校ですね、商業と工業と農業は完全に質が違う。工業の卒業生も商業の卒業生もサラリーマンになるのですね。技術を持った労働者になる。しかし農学校の卒業生は全部経営者なんです。ほかにほとんど行っちゃう。七〇%ほかへ行って、これも意味がないが、さて農業をやる場合にも、農学校というのは技術だけ教えられる、経営者の教育をしていない。そして一般通念としては、商業高校、工業高校、農業高校と言っているが、教育の質は片一方は経営者の養成であり、片一方ではサラリーマンの養成なので、同列に並べて、文部省行政が同じようなレベルの進行とか財源措置とかいうのでは、幾らやっても、農業振興にマッチする農業教育にはならないのだということを私は実感しているのですがね。その辺を別途の着想をもってやらないと、ここで農政と密接な関係をしないと、文教は文教、農政は農政、これでは自給体制は永久にできない。そういうことから絶望的に——農林大臣が、十カ年計画で七〇%から七三%、たった三%上げる計画だ、こんな消極的な、むしろ絶望的な計画にならざるを得ないのじゃないか。教育を振興すればもっとやれる、もう十年以上の計画なら教育計画が入っていいんだから。それをやはり考え直すべきじゃないか。どうですか。

齊藤尚夫文部省初等中等教育局職業教育課長

○齊藤説明員 御指摘のように、農業教育、特に自営者養成につきましては、生産技術という側面だけではなくて、経営的な側面ということが非常に重視されております。そういう意味で、農業教育は、過去からこれまでの間、かなり振興を図ってきておるわけでございます。また、農業教育は生命体を育てるという特質もございます。そんなことから、一般的に言いますと、他の職業学科と違いまして、人間形成という点に着目した教育が伝統的に行われておるわけであります。この利点というのは、やはり工業その他の学科でもならっていくべき性質のものじゃないかと私は思います。職業教育の改善の問題がいま議論されておりますが、そういう方向も一つの方向ではないかと考えておるところでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)分科員 いまの答弁は実態に合っていないと私は思う。その方向に努力をしておる、認識を持っておられることは結構だと思うのですが。したがって経営と技術、それで現在の出かせぎ農家をなくしてプロ農家を養成するということになると、三年は足らない。誇りを持たせ、同時に狭い土地を有効に、自給率を上げるだけの経営能力と技術能力を持つ、ことに稲作技術はあっても、畑作技術は日本は非常におくれておるのですから、そういう意味において、農業教育だけは県立の高等学校教育でなくて、国立農業専用学校にして——いわゆる工業だけ国立専門学校をつくっているのですが、ああいうものはいい、あれは大学の工学部で十分である。わざわざ国立工専をなぜつくったか。あれは経済成長政策の政治的思いつきという感じがあるので、そのために屋上屋を架して、技術大学になんぞまたむだな金を使うことになったのですが、むしろ農業ですね。農学部の卒業生というのは農業に従事しないのですから、試験場の技師。だから、国立農業専門学校、国立水産専門学校、そして農業と水産と教育と、そして食糧というものを一致さすという総合的な計画が、少なくとも十年以上の計画をお立てになるならば、立てるべきではないか。この点を頭に置いて、農林大臣もお考えになるべきだと申し上げておきたい。  それから、これは文部省にも申し上げておきますが、高等学校の総合制ですね。だんだんと準義務教育になってきた。九〇%以上の進学率ができた。ところが、私は岩手県で教育長をしているときに、総合制を実施して失敗した方なんだが、普通高校と商業と工業はできる。しかし農業は——ここに京都府の元副知事がおられるから、まだ総合制は残っておるわけだ。農業だけは、どうしても異質なものであるから、同じ総合制をやると、農業で額に汗して働いておる生徒と合わない。商業、工業はいいんですね。だから私は、総合制に持っていく場合に、農業だけ独自のものにすべきだ、そうでなければいけないと思っておるのですが、そういうことも考えて、高等学校教育の中で、普通高校と商業と工業はいいけれども、農業教育だけは別途に、構想を変えていくべき条件があるのではないかというふうに思うのであります。具体的には、むしろ国立農事にすればいいだろう。しかし、それはもっと労働と学習を一体化する内容の構想は必要でありますが、そして、むしろ国の責任で国営にするというような構想を持たないと、自給率を八〇%ぐらいに持っていくということは不可能だ、しかしこれをやれば可能であるという感じがするのでありまして、ぜひそういう構想で御検討願いたい。そのために、ある意味においては、農業教育だけは、文部省が農林省に委託したらどうだ、権限の問題があれば。これはもう農政と教育だけは本当に一つの責任者がやるというふうでなければ、振興計画があり、それに相応する教育計画があるのでないと、いまのように卒業生の大部分は学校の先生になるか、農業に関係ないものに就職するかで、二、三〇%しか就農しない。就農した者も、やはり依然として昔のままで、一定の土地で現在より二倍の収穫を上げるというふうなそういう農業人は出ない。少なくとも、農業教育は事業省である農林省に移管するか、あるいは委託をするか、そうでなければ、両省で農業教育計画もつくってやるという行き方をしなければ、恐らく行き詰まった日本の農政は、どんなにいろいろ諮問をして計画を立てられても、私は成果は上がらないのではないか、そういうふうに実感をするので、この機会しかないから申し上げておいたわけであります。  時間が少し残っておりますが、これでやめますから、大臣から、その辺を具体的な構想も含んで御答弁願って、終わりたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 これから農業の自給力を高めていくという上におきまして、農村の後継者をいかに養成し、育成していくかということは、非常に大事なことであろうと思います。現在まで、高度成長経済の中におきまして、農村で労働力が流出して、特に若い、農業を担わなければならぬ人たちが、皆農村から外へたくさん出ていったということが、今日の農村の直面しておる非常にむずかしい問題に結びついておるわけでありますが、これからの自給力を高めていく上においては、そうした面において若い人を農村に獲得をするということが最も大事である。そういう点で、農林省としても、後継者育成のためのいろいろな教育、研修等も予算をつけてやっておるわけでございます。文部省においても、農業高等学校において農業教育が行われておる、しかし、その農村就業率は三〇%足らずというふうなことでございますが、やはり今後は農林省、文部省、十分連絡を密にいたしまして、若い、これから農村を担う人たちが喜んで農業に従事できるような、そういうふうな教育体制というものをつくっていくことは非常に大事であろうと思うわけでありまして、これは山中先生、大変大きな構想でございますが、私も、後継者を何としても育成するということにつきましては、心から同じ考えを持っておりますので、この点についてはまたひとつ十分研究もし、努力もしていきたいと思っております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)分科員 大臣の言われた現在の後継者の再教育の問題と、それから中学校卒業の未成年のいわゆる学校教育の中の養成と、両方お考えになることと、したがって、私は文部省の農業教育をむしろ移管したらどうかと、ちょっと言ってみたのです。同時に、国立農業試験場とか、ああいう試験機関と学校を一つにしなければだめなんですね。そういうことをお考えになって、教育計画として、農業振興計画を十カ年以上で考えられるのでしたら、振興計画即教育計画だという構想でお立て願いたいと思うのです。  終わります。

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 これにて山中吾郎君の質疑は終了いたしました。  次に、山田芳治君。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 私は、たった一つでありますが、具体的な問題についてお伺いをしたいと思います。  私の選挙区の京都府下の井手町というところに、昭和五年の十一月十一日に、官行造林があって、国と八十五年間の契約をいたしました。ところが、この国有林と申しますか、官行造林地は、ほかの地域であると、地元の人たちと非常に密接に協力しながらやっておりますから、その山へも自由に入って、そしてときには地元の人たちが下草刈りをしたりしながら、管理はたとえ林野庁、昔の営林署であっても、非常に友好的な雰囲気でやっておるのですが、この井手町に関しては、一切官行造林地への立ち入りは許可してもらえない。下草刈りだとか、あるいは下に生えている木を取って薪にするというようなことも全然認めていないという、きわめて厳しい、地元の住民が立ち入ること一切まかりならぬということで、今日まで至ったわけであります。  ところが、その結果、ここに写真を持ってきておりますので、一遍大臣に見ていただきたいのですが、非常に管理不十分、もうフジのつるが巻いている非常に悪い管理である。どうしてそれじゃもっと早く言うてくれなかったかと言えば、いま言ったように、一切立ち入りを認めない、こういうことであります。しかしながら、最近それを地元の住民が知ることになって、こんなことではとんでもないという話で、まず早く契約を解除してほしいという話で、契約の解除の申し出をいたしたわけであります。地元の京都の営林署にそれを申し出ました。そして、あわせて、普通の管理をしてくれるならこんなことにならないだろうということで、いろいろと地元の土地財産区の代表の人たちが営林署長に言いました。営林署長の回答は、戦争中も経ているので、いまさらそんなことを言ってもらっても、それは死人の年を数えるようなもので、もうそんなことは言うてくれるなという、きわめて冷たい回答しかないわけであります。  しかし、地元では、それじゃとても納得ができないということで、一応、それじゃその官行造林の石数と価額は一体どのくらいあるのだということを調べてくれということで、契約解除の前提として調べてもらったところが、口頭で、地元には、現在のところ二万六千六百四十一石で、評価額が一億二千五百九十一万一千円くらいだということを、営林署長から話を聞いているという段階になっておるのですが、それの単価も明示もしてくれなければ、これからまだ大きくなるところの幼木林の範囲というような点もさっぱり知らしてもらえない。地元の財産区の材木に詳しい人その他がいろいろ調査をしまして、はたしてこれは普通の管理——りっぱな管理とは言いませんけれども、通常の管理をしたら、一体どのくらいあるだろうかということを計算いたしますと、四万八千二百九十石ぐらいあるだろう。まあ普通の管理で現在まで至るならば二億七千万ぐらいの評価額のものができているだろうというふうに確信をしている。ところが現実には、それの半分だというような額しかない、こういうわけであります。官行造林の管理は、土地は地元でありますけれども、そこへ木を植えて、管理は国にお任せをして、あと分収を、分収率ということで、五対五でやるということになっているにもかかわらず、非常な管理の不十分によって、それだけの石数しかない、また非常に少ない価額である。しかも、言いましたように、まだ切ってはいかぬようなものまで含めている。内容を知らしてくれと言っても知らしてくれない。こういう状態でありますから、地元は非常に不満でございます。きょうも傍聴に関係者が来ておりますが、これをぜひ、ひとつ大臣、林野庁長官に聞いておいてもらいたい。  それで、そういう点があるのだから、もう少し配慮をしてやってくれるのかという話を、大阪の営林局長に何遍も足を運びました。また、林野庁の方にも、私も何遍も足を運びましたけれども、分収の率というものは五対五と決まっているので、管理が悪かろうがよかろうが、それは変えられません、もし異議があるなら訴訟でもやってください、管理不十分ということを挙証してやってくださいと言わんばかりの現状でありますから、地元の人たちも、非常に山を愛する人たちばかりですから、あんな状態にしておいて、しかも、それは死人の年を数えるようなことで、過去のことを言うなと言うて、しかも立ち入りも一切認めていないというやり方であります。こういうことでは、本当の林野行政ができるのかどうかという点について、われわれは非常に疑問に思うわけであります。ですから、われわれとして、損害補てん制の訴訟をやれ、そういうことまでやれとおっしゃるならやるけれども、何といっても、地元と協力的にこういった官行造林等はやるべきだというふうに思うので、十分親切な話し合いをやって、たとえば一億二千万であると仮定しても、五対五でありますから、六千万ずつお互いに収入ができるのでありますし、しかも八十五年という期間でありますから、昭和五年からいいますと、いまは四十十五年たっているわけでありますから、あと四十五年ないし五十年あるのですから、その六千万の財源でもって、その場所へもう一遍植え直せば、りっぱな植林ができるわけでありますから、せめてそのくらいのことをして、また植林をしていくということが、まさに林野行政として正しい、こういうふうに思うのですが、非常に冷たい態度であるので、一遍、これは大臣によく聞いてもらって——安倍農林大臣は、私は昔一緒に海軍で苦労した仲間で、よき友だちであります。ですから、こういう苦労話は、聞いてもらったらわかっていただけるというふうに思うので、あえてこの席へ持ってきたわけであります。林野庁長官の御意見を承りたいと思います。

松形祐堯林野庁長官

○松形政府委員 お答え申し上げます。  私どもの出先の者が、きわめて不親切な応待であったり、あるいは説明不十分というようなことで、まことに申しわけないと思っております。  ただいまいろいろな点で、全般について御指摘がございました。地元の先生でいらっしゃいますから、もうよく御承知と思うのでございますけれども、私ども、入林というようなこと、こういうことは排除しているというふうに考えていないわけでございます。全国的に、当然共同経営でございますから、お互に山を見ながら、そしてよくして、お互いの取り分をよくしようというのが、共同経営者としての心構えだと思っております。しかも官行造林の施行令等につきましては、監視人を置くとか、あるいは火災予防に努めるとか、盗伐、誤伐等も避けるとか、いろいろ決まりがございまして、それを守っていくという姿勢であるべきだと思います。したがって、入林を許さないということ、私ちょっと考えられないのでございますけれども、なお、それは調べてみたいと思います。  それから、手入れ不足の関係でございまして、それが価額にずっとつながっているのではないかというようなことでございますが、実は先生には、前からこれについて御指摘ございまして、私ども昨年の十一月に、営林局を通じまして調査いたしました。何と申しましても、評価する以上は、一本一本の木をはかりまして、これの価格を、市況からの必要な経費を引いた逆算価格というようなことでやっておりまして、そのためにも調査いたしたわけでございますが、ヘクタール当たり二百五十立方程度ございます。そういたしますと、私ども杉、ヒノキ、松、主な樹種ごとに、年齢別に、このような地味のところはこの程度の材積があるというようなことで評定いたす表がございますが、地味二等ぐらいのところより、いま立っておる木の材積から申しますと、ちょっと上だというようなことで、過去に、戦争中の人手不足とかいうようなことで、多少手おくれなところがあった個所があるように、そのために改植したという場所があるように聞いておるわけでございますけれども、一般的には材積という面からいえば、普通の標準的な山にはなっているというふうに私ども理解いたしております。  なお、その価格等につきましても、私ども先ほど申し上げましたような測定と評価をいたして、これも全部切る場合は公売というようなかっこうをとっておりまして、告示いたしまして、公売して、なるべく高く売って、半分ずつ分けるという趣旨を踏まえてやっていますが、今後もそういういろいろな批判のないように、私ども努力してまいる、これが共同経営者としての責任であろう、こういうふうにも考えているわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 長官のおっしゃるように地元の人が立ち入りができているということであれば、これは共同責任ですよ。一遍、これは調べてみてください。これは地元の人が言っているのです。監視人をわざわざ地元の人を雇わないで、違う町村の人を雇ってきて、そして監視を厳重にやらせて、一切立ち入りをさせなかったということですね。これは調べていただけばわかります。ですから、もうお上にお任せをいたします、もうしかるべくやってくださいといってお任せをしておいたら、その管理不十分で、通常の管理なり通常の状態であれば倍以上の石数が上がったであろうところのものが、全然そういう点についての配慮がないという中で、現在の状態に至っているわけでありますから、地元の人から見れば、もっと協力してくれというなら幾らでも協力して、おっしゃるように、りっぱな、ともに利益を共有できるという形にしたものをと、いま言うておるわけですよ。ですから、そういう点が管理が不十分であったという点については、これは営林署長も認めているわけでありますから、やはり分収について五対五を絶対に変えられない、それを変えるためには、管理不十分であった証拠を挙げて訴訟でもせいと言われれば、そのとおりかもしれないが、私はあえてその分収率を変えてどうしろと言っているのではなくて、いま入る金がお互いにあるのだから、その金でもう一遍林野庁で植えてもらって、八十五年という契約がまだ残っているんだから、五十年たてばまた半々で分けたらよろしいから、ひとつその植林をその木でやってもらう、また幼木林で、一億二千万に評価されている中には、まだ置いておいたら伸びるというのもあるんだろうから、そんなものは外して、そして植林をして、今度は地元と一緒になってよい山をつくるという、そういう建設的な意見をいま私は申し上げているので、これについていかがお考えになるのか。よくわかりました、検討して返事します、と言っていただけば、大臣の答弁も何も要らないんで、大臣に聞いておいてもろうたらよろしいんで、それだけひとつお答を願いたい。

松形祐堯林野庁長官

○松形政府委員 先生御承知のとおり、官行造林の制度が、三十六年までに契約いたして造林していないものの仕事は残りましたけれども、新しい契約というのをしておりません。したがって、官行造林による再造林、伐採いたしました後に再造林というようなことは、制度としていまは残っておりません。したがって、官行造林という形でこれをやるということはなかなか困難でございます。そこで、水源林とかあるいは保安林予定地とか、そういうものにつきましては、現存森林開発公団の造林というのがございます。そういうことで、自行造林としての再造林というのは、現制度においてはできない、こういうことでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 それじゃ森林開発公団に委託をしてやってもらう、土地は地元であるという形の中で、将来、官行造林と同じような形の分収率を決めてやっていくということは可能ですか。

松形祐堯林野庁長官

○松形政府委員 ただいま森林開発公団が行っておりますのは、水源林のための造林ということでございます。したがって、それをやった場合は、造林いたしました場合は、後ほど保安林に指定いたします。保安林に指定いたしますと、伐採なりあるいは地形の変更というのに制限が加わってまいります。したがって、その方が得かどうかとか、あるいは土地所有者の方々の御意向がどの辺にあるかということ等も十分お聞きしないと、直ちにこれを開発公団の水源林造林に持ち込むということがお答えできないわけでございます。現地を調査して、御意向等も承って、こういうふうなことになろうかと思います。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 そうすると、結局地元の要望が、分収率を変えてでも、得べかりし利益をほしいということは、これはとうていできないのです。管理不十分なら、その証拠を挙げて訴訟でもしなさいというようなことになるのですか。もう少し話し合って、何か地元の住民も財産区の関係者も、もう少し納得する方法なり何なりの弾力的な考えをとってやっていただかなければ、もうこれ以上は何もできない、訴訟でもして、第三者によって、挙証責任が妥当かどうかをひとつ判断せいというような形になったんでは、私がここで質問する意味がないんで、訴訟さえすればいいんです。だから、そういう点をもう少し政治的に、と言うと言葉は悪いかもしれないけれども、地元の要望が何らかの形で実現できて、そうして友好関係が保てるようなことを考えてもらいたいというのが、私の質問の趣旨なんですよ。それは法律的に言って瑕疵が全然ないのだということは、私は言い切れない。それは営林署長によく聞いていただいたらいいと思うし、これはそういう点はあると思います。立ち入りも認めていなかったという現実の事態も、調べてもらえばわかります。だから、そういう点から言って、地元も、何も無理して営林署なり何なりとけんかをしようというのではなくて、納得のいく解決方法というものをぜひ考えてもらいたい、こういうことを言うておるのですから、それは、これもできません、あれもできませんというのでは話にならないので、もう仕方がないからやりなさいというようなことでは話にならぬので、もう少し地元の声を反映して、弾力的に物を考えていただくという点について、もう一度お伺いをしたい。

松形祐堯林野庁長官

○松形政府委員 残期間というものが、相当長年に残っております。したがって、いま地元の方々が、このいまある森林を、先ほど写真で拝見いたしましたが、もう少し手入れをしていくとか、あるいは必要な手を、あと三十何年ございますから、その間こういう管理をしてくれという、契約を継続しながら、もっといい山にしようじゃないかという御意向がありますれば、それを受けて、私どもはそれなりの投資もし、また技術もそこに加えていこうと思っております。  なお、しかし、このままではどうにもならない、それならもう一回、ここで解除して一斉に売ることによって分収するという決意をされるならば、それなりの私どもの調査なり販売の方法というのは、適正にやっていこう、こういうことを考えるわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 だから、それは継続するというような問題を含めて、もう少し親切に、私も参加をいたしますから、十分林野庁長官のところで、長官忙しければ、その次くらいのところで、前向きで地元の要望を、十言えば十まで満足せぬでも結構ですけれども、ある程度ここまで努力してもらったという気持ちがわかるくらいの努力を、一緒にしていただかぬと、何か木で鼻をくくったような返事で、これ以上はどうぞ訴訟でもやってくださいという返事でしょう。そんなことでは、ぼくらも国民を代表して、国会議員が中に入って話を進めているのに、そういう言い方をされたのでは、地元の人たちも非常にふんまんにたえぬということになるので、その点ひとつ親切にやっていただくということを、大臣を含めて、それだけお約束をしていただいたら、私は時間を余してやめます。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 いまの問題ですが、官行造林は、やはり林野庁も共同経営をしておるわけですから、やはり地元の皆さん方と協力関係に立って山を育てていくということでなければ、官行造林の意味をなさないと思うわけで、いろいろと先ほどから御指摘がありましたように、地元の人の立ち入りをさせない、そういうことはないのじゃないかと思うのですが、そういうことがあったとしたならば、これはいいことじゃない。これは調査もさせなければならぬと思います。しかし、いずれにしても、この問題が円満に解決していくためには、林野庁と地元の皆さんとが円満裏に話し合いをつけて、そしてできる方法を見出していくということじゃないかと思いますので、そういう点については、私も林野庁を指導いたしまして、そういう何らか解決ができるように努力をさせたいと思います。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 大臣の説明で納得をいたしましたから、今後に問題を残して、私は時間を残して質問を終わります。

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 これにて山田芳治君の質疑は終了いたしました。  次に、小沢貞孝君。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)分科員 構造改善局長がおくれているようですが、最初に大臣に一つ御質問したいと思いますが、三木内閣の食糧自給体制という大きな柱の一番大事な基盤整備、たしか要求は四千七百三十一億円、ところが、結局三千五百九十五億で、去年と比べて三〇%前後の増だけだ、こういうことなんです。これはもう、一回決まってしまったのだからどうにもならない、こう思うのですが、あとを、これは補正予算なり何なり方法はないものだろうか。大変な希望が実はあるわけで、これをひとつ大臣の努力によって何とか実現をしていただきたい、こう思います。  その理由としては、きょうの日経にもありますが、政策転換論議——三月に入れば福田副総理の主宰の経済対策閣僚会議等もあって、少しは公共事業もやっていかなければいけないという方向が間違いなく出てくるのじゃなかろうか。そういう場合に、ほかの公共土木は別としても、農林関係だけは少し優先的に、補正を組むかどうかは別として、何らかの方法を講じなければならないのではないか、こう思いますが、大臣も出ているだろうと思いますが、政策転換、次の段階はどういうことになるだろうか、その辺どうでしょう。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 本年度予算案における基盤整備事業でございますが、これは確かにいま御指摘のように、農業関係につきましては三・四%の伸びであります。しかし、抑制基調の中で組まれた予算の中で、他の港湾だとかあるいは道路だとか、そういう公共事業は大体〇%の成長でございます。そういう中にあって、農業の基盤整備事業が三・四%とはいえ、これが伸びたということは、それだけに政府としても配慮を加えたということになるのではないかと思いますが、しかしこれだけの予算で、現在進行しております新土地改良十カ年計画を順調に進めていくということもなかなか困難でございます。やはりこれからの農業の自給力を高めていくためには、基盤整備を充実していくということが何といっても大きい柱でございますから、これは来年度予算から十カ年計画が順調に進捗をしていくように、われわれとしても、基盤整備の充実にはひとつ大いに力を尽くしていかなければならぬ、こういうふうに思うわけでございます。今日の不況の中で、非常に政策転換が求められておるわけでありますが、それをどういうふうな形で行っていくかということは、これから十分政府部内においても検討してまいらなければならない、こういうふうに思うわけであります。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)分科員 局長、見えておりますか。ことし工事をやっていけないということで、繰り延べてあるのはどのくらいあるわけですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 基盤整備で、五十年に繰り延べます額は百九十六億でございます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)分科員 これは年内に解除になって、ことしのうちに使うということにはならないかということですが、どうでしょう、見通しは。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 現在までの情勢ですと、繰り延べを除く、まず完全消化ということが現在の方向でございます。繰り延べを除きました残といいますか、四十九年で使うべき額についての消化といいますか、契約見込みとしては、相当の程度までいけるというふうに考えております。したがって、現在のところは、繰り延べでない、去年から繰り延べられました額と、それからことしの四十九年度予算、そして今度百九十六億という来年に繰り延べる額を除いた分の契約完了は、極力進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございますが、見通しといたしまして、われわれのキャッチしている情報としては、とにもかくにも、現在ある金を早く契約して落とすということに専念すべきであり、またそういうふうに聞いておるわけであります。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)分科員 そうすると、ことしの百九十六億は、ことしのうちに契約になって、できたらなるべく早く、本年度内に使えるということですか。いまの話はそういうふうに……。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 四十九年から五十年に繰り延べます額は、来年度の予算ができました後で、それと同時に使ってまいる、こういうことでございます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)分科員 大臣、これはもう少し、来月の何とか会議で、ことしのうちにできる——雪か何かでできないところは別として、早く使える方法を講じてもらうことが一つ。  それから、来年こういうことができぬものですか。下水道関係で、国の負担分の一部を起債に切りかえて、たとえば、私はこんなぐあいに、素人なりに理解しているのですが、十億なら十億の補助金のところを、三億なら三億ぐらいは起債でやっていく、こういうような方法を、ことしから建設省の下水道関係はたしかやったはずです。構造改善事業の中で、補正予算が組めなければ、たとえばそういう起債等によってでも、やれる方法はないだろうか。これはもちろん、国全体の総需要抑制というものが解除になるというようなことになった場合に、真っ先にそういうぐあいな便法は講じられないものだろうか。これは基盤整備の地元負担等は、いまこれだけの立候補があって、これだけやりたいというところがあるんだから、農民の負担分はそのままで、国の負担分について、三千五百九十五億のほかに、起債というものをぶっつければ事業量が伸びる。総需要抑制の解除でもあったら、大臣としては、そういうことを早くやれる方法はないだろうか。局長でも、どうでしょうかね。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 先生御指摘の下水道方式でございますけれども、私の理解しているところでは、特に緊急を要します公共下水道の末端処理場等の事業費が、何年かかかってできるわけでございますけれども、それの一般的な金の使われ方は、当初はきわめて多くて、逐次減っていって何年かで終わる、こういうふうなかっこうが終末処理場の建設の傾向である、というふうに私は聞いておるわけでございます。したがって、それを平準化させまして、前の方の部分を後の方でカバーするというかっこうをとったのが、下水道方式であるというふうに理解しておるわけでございます。ところが、基盤整備でございますと、当初は少なくてだんだん多くなっていくというのが大体の傾向でございますので、下水道方式といいますか、後の方の部分を先借りするというかっこうはとり得ないわけでございます。  結局、現在私の方で、先生の地元に悪いわけでございますけれども、いわば農民負担部分という部分に該当する分を財投から入れた特別会計制度というのが、それに近いかっこうでやっている一つのケースであるというふうに考えるわけでございます。したがって、先生の御指摘のような線、またわれわれ来年度予算に向かって、いろいろな方法を考えなければいかぬと思いますけれども、現在のところある制度で言うならば、特別会計制度がそれと同じようなかっこうでの、いわば農業基盤としてのかっこうではないだろうかというふうに理解しております。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)分科員 それでは、われわれも虫がいいわけで、新規はたくさんやれ、それから継続しているものも短期間で完了しろ、こういうたくさんの要望を持っているわけです。いずれにいたしましても、先ほど来大臣にお願いしているような方向で、ひとつ善処をしていただくようにお願いをしたいと思います。  それから、これは農蚕園芸局長ですが、サクランボの輸入をやめてもらうようにしてくれないですか。どうも最近、あちこちで新しく植えたはいいが、アメリカからの圧力だか何かで、どうしても入れなければならないみたいなことになりつつあるようで、また、これはミカンと同じことで、植えたはいいが、いよいよなり出したら、輸入してきて、みんなつぶれてしまうみたいな傾向になりそうで、大変な危惧を持っておるわけです。端的にひとつ……。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 この問題は、いわゆる輸入の問題というよりも、植物防疫上の問題であるわけです。輸入面につきましては、実は十五年前から輸入は自由化されているわけでございます。ただし、当時の情勢では、別に出す方の要望もなかった。国内の競争力も高かった。かたがた、植物防疫上コドリンガというのがいて、禁止しておりましたから、入る気遣いはまずなかろうということであったわけでございます。ところが四十六年ころになりまして、アメリカ側から出したいという要望があったわけであります。その場合に、私たちの方は、植物防疫上コドリンガがいるから、これは輸入はできないと言ってお断り申したわけでございます。それに対していろいろ論議がございましたが、その後コドリンガを完全に殺して、おまけに薬害はない、そういう方法を向こうが開発いたしたわけでございます。したがって、植物防疫上もはや心配ないではないかということで、いろいろ要望してきたわけでございますが、私どもの方は、植物防疫解除につきましても、慎重にも慎重に、絶対に虫が死ぬ、しかも薬害は出ないという保証がなければ解除できないわけでございますから、現段階におきましては、植物防疫上の手続につきまして、向こうの資料をベースにいたしまして、慎重に検討をいたしている過程でございます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)分科員 それはいいが、細かいことは申しませんが、この間農林省が向こうに行ったとか、向こうからだれそれが来て熱心にやっているとか、こういうように陳情が全国から広がってくるあたりは、これは近くまた、どんどん入ってくるのではないかという危惧を持っているから、その見通しはどうでしょう。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 そこで、私どもの方では、何と申しましても、これは植物防疫上の問題でございますから、一切生産者に不安がないというふうにしなければ、これは解除はできないわけでございますし、かたがた、おっしゃるとおり、これは実は四十六年から向こうが言い出して、すでに資料も数回来まして、それをこちらも慎重審議をいたしているわけでございます。したがいまして、これから向こうの、技術的には大体大丈夫と判断されるわけでございますが、実用化するにつきましては、なお問題も残っておりますし、さらにわれわれも過去において必要な現地調査をいたしましたが、大体めどがつきますれば、改めて現地に行くという手続もございますし、それからまた、いろんな諸般の手続もございますから、そういう手続を経て、慎重に対処してまいりたい、こう考えておりまして、いずれにいたしましても、あわせて、もしもこれが解禁になった場合には、おっしゃるとおり国内の影響も考えなければいけません。したがいまして、国内の方の生産体制、産地体制、この整備もあわせて検討する、両者を並行作業で進めておるわけでございます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)分科員 慎重の上にも慎重に、ひとつ対処していただくようにお願いしたいと思います。  それから、局長、カントリーエレベーターで、ちょうど十年ばかりたつわけです。それで事故がずっと絶えないわけですね。これは大量に入れて、事故を起こしていけば大変なことになってくる。これは指導体制が悪いとか、技術的な問題がどうだとか、局長の下の人に言わせれば、現場のオペレーターが悪いみたいなことをいろいろ言うのだけれども、とにかく事故があることは事実。そういうことで、これはお互いの者がみんな金を出し合って共助、お互いに助け合う制度をやろう、こういうようなことで、一生懸命自主的にやっているわけですが、それは自分で出し合った金だから雀の涙みたいなもので、どうにもならない、こういうことなので、昨年の暮れも、大分予算獲得運動で一生懸命になったのだが、なかなか思うようにいかないみたいなことなんで、せっかく自主的に一生懸命でやろうということですから、農林省としても、これに最大の援助を与えてもらうように、主計局あたりと交渉したら、いま急に言われても、というようなことなので、農林省の中だけでも何とかできぬものかと、これはもうわれわれも大蔵省と当たったときに、そういうことがあったので、できるだけひとつ、これは大臣も記憶しておいていただいて、たった三億か五億ばかりの金を出してもらえば、その助成によって、この共済制度というものはうまくやっていける、こういうように聞いておりますので、これは大臣もひとつぜひ念頭に置いていただいて、自主的な団体に対してできるだけの援助をしてやって、万全を期してもらいたい、これは要望だけ申し上げておきます。  それから、いま一点だけ。この農振法の農用地のところは、これは構造改善局長ですか、農用地のところは、農地法上、農業委員会や何かがタッチしないみたいにやっていることに対して、農地行政の二元化だと言って、農業会議や農業委員の人が大変心配しているわけです。片っ方の方は、やらなければいけない、片方の方は、これはもう全然ノータッチ、これはおかしいと思うのですが……。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 農地法の適用に関しましては、農振法におきまして、農用地区域内にある農地については、国及び地方公共団体は、農用地計画に定められた用途等に使うように努めなければならぬ、こういうことになっておりますので、農地法の適用に関しては、農用地区域内の農地は、原則として転用はできません、こういうことでございます。で、農用地区域内の農地について、たとえば所有権の移転がある、耕作目的の移転がある、あるいは新たな賃借権を設定する、あるいは賃借権が移動する、こういう場合において、それが同一市町村内であれば農業委員会の承認、そうでない場合は知事の承認、こういうかっこうで運用されるように、いま農地法はなっておるわけでございます。  先生御指摘の問題は、今度の改正で考えております農振法、その中で、たとえば農用地区域内におきまして、利用権、短期の賃貸借といいますか、市町村の関与のもとで、地域の農業者の間の集団的合意のもとで、継続的に利用権が設定される、いわば利用増進事業と申しておりますけれども、こういうことを行う中で、利用権の集積によります規模拡大を図りたい、こういうのが今度の農振法の改正にあるわけでございます。そこでそういう事業、つまり農地法の個々の地片の調整ではなくて、いわば一つの自主的な合意の中でできる利用権ということでございますので、いわば農振事業に最もふさわしいことである、その農振事業の主体は市町村にある、そういうことでございますので、その種の利用権の設定の安定性ということから、最も安定的、継続的に行い得る主体として、市町村をとらまえたわけでございます。したがって、市町村がそういうふうな農民の合意の上に立って、一定の期間ごとに利用増進計画をつくって、そうして事実上安定的にその利用権が結ばれるようにしたい、こういうことでございます。その際、農業委員会が、農地法上のいわば耕作権に関するコントロールをやっていたということとの関係の問題があるわけでございますけれども、利用増進規程あるいは計画というものにつきましては、省令で、農業委員会の意見を聞くよう、にするということにいたしておるわけでございます。農振計画となりますと、県の農業振興協議会というのがございます。その協議会のメンバーといたしましては、県の農業会議がある、こういうことで、県知事が認可等をする場合においては、県農業会議の意見を聞くように指導してまいりたい、つまり両方の法律の間の調整を図るために、法律制度上あるいは運用上、両者の間に密接な関係を持っていきたい、こういうふうなかっこうで、現在の原案はできているわけでございます。したがいまして、農業委員会なり農業会議を無視したということではございません。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)分科員 短期賃貸その他の場合には、農業委員会の意見を聞く、あるいは農業会議の意見を聞く、それはいいわけですね。省令でそれをやると……。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 農業委員会につきましては、それを省令で書くことにいたしたいと思います。

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 次に、関連して和田耕作君。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 いま、小沢さんの大事な時間をいただきまして質問をするわけでございますけれども、昨日二十六日に、私は朝のNHKのニュースを聞いておりまして大変ショックを受けた。これは私がやさしい男だからショックを受けたというわけでもないらしいので、きのうあたりも、聞いておりますと、大部たくさんの人から、それはそうだという話でございますので、これはひとつ農林大臣に御所見を承っておかなければならぬと思って、きょう参ったわけでございます。  大臣、二十二日の日に、福島県のいわき市の勿来の海岸に、群からはぐれたオットセイが——どうも病気になったオットセイらしいので、これが勿来の海岸に漂着した。これを県の水産事務所の係員の方が保護して、そしてまあ必要な治療を与えようとした。どうも内臓が悪いらしいという診断のようだったのですけれども、水産庁の方からの指令で、そういうふうなオットセイを保持してはいけない、だから早速海に放しなさいという指令をいただいたらしいんで、それで船に積んで、十キロぐらいの海の方へ運んでいって、このオットセイを海の中へ投下した。その投下したところがテレビのニュースに出ているわけですね。で、その報道の記者も、オットセイを守るための国際条約があるけれども、しかし守るこの条約によって、病気のオットセイを外へ放出する、これはちょっと問題じゃないかという趣旨の報道だったのです。私もそう思いますね。人間でも、いろいろな国際条約がありましても、死刑などでも、緊急避難のときにはそういうことが許されるわけでございまして、なぜ、もっとちゃんとオットセイの状態を見きわめて、しかるべき処置をしなかっただろうか、こういうように思うわけなんですね。  実は、時間がないから、私の方から一方的に申し上げるわけですけれども、そのオットセイを診た水産事務所の飼育係の島田さんという人がおるのです。その島田さんに電話をかけて、私、状態を聞いたのですけれども、確かにそのとおりです、二十二日の朝、そのオットセイを診て、四日後の二十五日の十二時三十分に海へ放したのです、放したところが、そのオットセイは放されて、若干うらめしそうな顔をして船を見ながら、いずこともなしに消えていった、こういうことを、その飼育係の島田さんは言っておるのですね。なぜこういうことをしたのだろうと、私は思うのですけれども、大臣の御所見を承りたいと思うのです。これはやはり国民で、私と同じようにショックを受けておる人がおるわけで、単に動物愛護ということだけではなくて、こういうことに当たる行政官の心構えの問題にもあると、私は思うのです。ひとつ大臣の御所見を、単純、率直でよろしゅうございますから、お答えいただきたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 水産庁に聞きましたところが、これは長期の飼育施設といいますか、それがなか、たということで海に返したんだ、こういうふうなことでございますが、その背景としては、国際条約その他等いろいろあるわけでございますけれども、これをそのまま飼育するということについて自信がないということになれば、そうする以外に方法がなかったかとも思うわけですが、こういう例はほとんどないわけですから、今後こういう例については、関係省庁もあるわけですから、いろいろと対策といいますか、協議する必要があると思います。  その背景といいますか、そういう具体的な問題について、もし何でしたら、水産庁長官から答弁させます。

内村良英水産庁長官

○内村政府委員 ただいま先生からお話がございましたように、二月二十二日の十一時に、福島県のいわき市で、オットセイが衰弱しているのが見つかったわけでございます。その発見者は民間の方でございます。そこで診療した結果、腸の疾患のあることがわかりまして、体長一・二メートル、重さ三十キロ、年齢三、四歳の雌。そこで、いわき市の照島観光株式会社の施設に持っていきまして、四日間、薬品類を与えたり、それからイワシのミンチをえさに与えまして看護したわけでございます。そこで、二十四日に水産庁の方へ、福島県の水産課から照会がございました。そこでオットセイ条約、それに基づく国内の法律、省令によりまして、何人もオットセイを保持することは禁止されておるわけでございます。そこで県の水産課から照会がございました。水産庁で、どこか飼うところがあるかということを聞きましたら、長期にわたって飼育する施設がないということを言っておりますので、それでは多少元気になってきたということなので、海に放したらどうかということで、福島県の水産課では、ただいま先生からお話のございましたように、二月の二十五日十一時三十分、漁業取り締まり船に乗せまして、沖で海上に放った、こういうことになっております。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 実はこれはいま例がないことだというお話だったのですけれども、同じ今年の一月二十日に同じようなケースがあるのです。そしてそのときには四日ほど飼って、死んでしまった。死んだものを焼き捨てて処分したという例があるのです。そしてまた聞きますと、飼育する施設がないということよりは、費用がない、お金がないからということを、この飼育係の方も私に電話で言っておりました。それはなお問題だ。これは二十万も三十万もかかるのだったらまだ問題だけれども、そうかかるわけでもないだろうということで、つまりお金がないということが半分以上の理由になっているというふうな実情もあるようです。そういうことでございますので、これは今後もあることだと思いますから、たとえばそういうオットセイを保持してはいけないという国際条約がありましても、やはり病気のオットセイはしかるべく手を尽くして、そして診てあげる。もし外国がそれに文句を言ってくれば、当然こういうことについては、こういう見解で、日本政府はこうしたのだ、ということを言うのが普通だと私は思うのです。そういう点で私は、いまのお金、費用がなかったということで放したという話を聞きまして、それはなおさら問題だということを感じたわけなんです。これは大臣ひとつ、もう時間もありませんけれども、今後もこういうことはあると思います。あの海岸にはよく群れを脱して出てきたやつが、病気になったのが離れて、おかに漂着する。あると思いますから、こういうことは、案外国民に与える影響は大きいのです。やはりこういう問題について、まあ行政官の心構えとして、手を尽くしてあげるということをした方が、その他全部の行政にとってもいいことだというふうに思いますので、念のためにこういう形で御質問申し上げているわけですけれども、ひとつ大臣、これは私の言うことが間違っておるのかどうか、やはりそれはそうだというふうにお思いになれば、その一言で結構ですから、お答えいただきたい。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 やはり動物愛護という立場から見ましても、今後こういう事態が起こった場合は、オットセイが完全に元気になるまで手を尽くすということが筋道じゃないかと思いますので、それについては、十分配慮を加えていきたいと思います。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 どうもありがとうございました。

正示啓次郎自由民主党

○正示主査 これにて和田耕作君の質疑は終了いたしました。  次回は、明二十八日午前十時より開会し、引き続き農林省所管について審査を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。     午後八時三十九分散会

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