予算委員会第四分科会 第3号
- 発言数
- 487 件
- 登壇者
- 48 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1975/02/26
会議録
○正示主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。 昭和五十年度一般会計予算及び昭和五十年度特別会計予算中通商産業省所管を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。川崎寛治君。
○川崎分科員 本日は限られた時間ですから、韓国産大島つむぎの問題にしぼって御質問したいと思います。 まず最初に、伝統的工芸品産業の振興に関する法律というのが超党派で議員提案として制定をされ、品目の指定が行われ、具体的に本年度からその振興策がとられるわけでありますが、そのことを私たちは大変喜びたい、こう思います。従来の中小企業の政策の新しい振興の前進と見るべきだと思いますが、その伝産法に基づきます振興について、予算措置並びに具体的な今年度における振興計画をまずひとつ通産省の方から御説明願いたいと思います。
○野口政府委員 お答え申し上げます。 ただいま先生の方から御指摘のありました伝統的工芸品産業の振興方策でございますが、昨年この政策を推進するてこになるものといたしまして、先生御指摘の法律ができたわけでございます。いよいよこの法律に基づく政策の本格的な展開というのは五十年度、年が明けまして今年から始まるわけでございます。 それで、その振興措置の内容は何か、こういうお話でございますが、それは大きく申しまして三つあるわけでございます。一般会計による予算、財政投融資それから税制、この三つの柱があるわけでございます。 まず第一に、この一般会計の予算の方から簡単に、概略お話しいたしたいと思うわけでございますけれども、この一般会計の予算は、本年度は一億一千七百万円、約一億二千万円弱でございましたところ、ただいま国会の方に提案しております五十年度の予算案によりますると、二億五千四百万円ということになっております。これは倍率で申しますと約二・二倍という大幅な増加ということになっております。ただ、この中身は、新しい伝統的工芸品産業振興協会の基金等がございますので、ただ二二倍と単純に比較するのはどうかと思うわけでございますけれども、しかしそういう協会を中心として展開されます事業そのものにつきましても大幅な拡充というふうに私ども見ておるわけでございます。 この中身でございますけれども、何と申しましても一番大きく力を入れてまいりたいと思っておりますのは、後継者の育成のための仕事の助成でございます。やはりこういう産業はだんだん跡継ぎがなくなっていき、やがて衰退していくということでございますので、やはり何と言いましても伝統的な技術を受け継ぐ後継者の養成ということがポイントになるのではないかと思っております。これに対しまして、一応政府といたしましては、現在の予算案では約三千七百万円の補助金交付ということを考えておるわけでございます。 そのほか、技術保存あるいは研修の事業をやるための施設をつくる場合に補助をするというようなこととか、あるいは伝統的工芸品を広く国民に認識してもらう、あるいは技術のレベルアップを図るというような意味におきまするコンクールとかあるいは展示会とかを開催する費用に対しましても補助金を考えておるわけでございます。 それから、今度新しくできますところの協会の仕事でございますが、これはたとえば技術優秀な方々に対しましては、伝統的工芸士というような称号を与えまして表彰して、大いに励んでもらうという趣旨の措置とか、その他のいろいろな措置を考えておるわけでございます。 それから、第二の柱でございますところの財政投融資でございますが、これは新しく中小企業金融公庫と国民金融公庫の中に、伝統工芸品産業に対する特別の貸付制度というものを設けたわけでございます。この貸付制度単独の枠というのはございませんけれども、それぞれの公庫に設けられまする構造改善枠の中から必要な資金を支出する、こういう制度でございます。 それから三番目に、税制による振興措置でございますが、法規で定めまする要件に該当する伝統的工芸品産業の事業者に対しましては、伝統的工芸品産業振興準備金、こういう一種の積立金を認めて奨励するという制度を設けたわけでございます。 こういうようないろいろな柱を総合的に使いまして、伝統的工芸品産業の一層の振興を図ってまいりたいというふうに考えているわけでございます。 さて、そこで先生御指摘になりました本場大島つむぎとこの育成措置がどういうふうに絡むかということでございますけれども、この大島つむぎが今回指定になったわけでございます。そういたしますと、これは地元の工業組合中心でございますが、工業組合が県と協力いたしまして振興計画というのをつくることになっております。この振興計画が出てまいりましたところで、これはりっぱな計画だということで大臣が承認をいたしますと、以上申し上げましたような助成措置がそれに対してなされる、こういう仕組みになっておるわけでございます。大島つむぎの現地の具体的な振興計画につきましては、まだ現在、案の策定中だというふうに聞いておりますので、詳しいことは私どもまだ存じてはおりませんけれども、聞くところによりますと後継者の確保育成事業とか、あるいは本場大島つむぎの表示を厳格にやる、あるいは大島つむぎの検査をやるというようなこととか、あるいはPRの仕事とかいろいろ必要なことが盛りだくさんに計画されておるというふうに聞いておるわけでございますが、この案があるいは計画ということになりましてわれわれの方に出てまいりました暁には、前向きでもって、先ほど申し上げたようないろいろな育成の措置を使いまして、本場大島つむぎ産業というものの安定、振興に努めてまいりたいというふうに考えております。
○川崎分科員 それじゃこれは次に大臣にお尋ねしたいのですが、大島つむぎというのは、現在国内において四十九年度で鹿児島の場合八十八万反、金額にして三百九十一億円、約四百億円の生産がなされているわけです。つまり、これは日本で生産をされ、日本国内だけで消費をされておるという品物でありますが、自給率はまさに一〇〇%であると思います。そうしますと、自給率一〇〇%の大島つむぎに対して輸入の必要があるのかどうか。だから自給率一〇〇%をお認めになるかどうか。そうしたら輸入の必要があるのかどうか、大臣その点どうですか。
○河本国務大臣 自給率一〇〇%ということでありますから輸入の必要はありませんけれども、輸入問題はそれだけでは決められない、こう思います。
○川崎分科員 必要はない、しかしそれだけでは決められないというと政治的な問題だ、あるいは日韓の経済協力の問題だ、こういうことでございますね。きょうはわずかの時間でございますからそういう問題については改めて外務委員会等でもやります。ですから、いまのその点はそれにしておきますが、セマウル運動として韓国においてこの運動が進められてまいりましたのは、七〇年に、朴大統領が農村の自助自立運動ということで最初は精神運動で始まっておるわけでありますが、七二年にセマウル事業ということで具体的に計画がなされ、予算措置がなされてきておるわけです。そうしますと、このセマウル事業としての農村における所得増加の大きな目玉商品という中に、つむぎ産業が入れられておるわけです。しかも、産地でこの韓国産のつむぎが入ってきて打撃を受けるぞということに気づき始めて反対運動が始まっておるわけですね。それはすでにしぼりが壊滅的な打撃を十年ほどで受けております。それから村山大島つむぎもすでに約四年で男物が八〇%、いまや女物も非常に大きなウエートを占められよう、こういう状況に来ておる。でありますから、付加価値の高い大島つむぎに、セマウル事業の中の目玉として、韓国側で政府側が大変いろいろと援助をしながらこれを進めておるということでありますから、非常な危険性を感じてきておるわけですね。そうすると、セマウル運動というのが始まったのが七〇年、そしてこの問題で、具体的に日本側が大島つむぎとして打撃を受けそうだという懸念を感じ始めたのが七〇年の九月、まさに一致しておるわけです。七二年に第六回の日韓定期閣僚会議、それから七三年に第七回、こういうふうに日韓定期閣僚会議が行われまして、セマウル運動についても大いに援助しよう、応援しようということを政府側は言っておるわけであります。そこで七二年から予算措置をされ、第三次の長期計画の中にこれが組み込まれてくるわけでありますが、そのことについて外務省として、この日韓定期閣僚会議あるいは日韓貿易、昨年の暮れの三百十三億の円借款をやりますときの中で、セマウル事業の目玉商品としての韓国産のつむぎの問題、それが日本の国内の生産を非常に圧迫を始めておるということがすでに進行しておるわけでありますが、このことを外務省としてどの程度意識をしてこれに対処したか、あるいは通産省がこの日韓貿易会議の中で、この問題をどういうふうに考えて具体的に日韓の間の話し合いにのせておるか、具体的に説明していただきたいと思います。
○大森説明員 私どもも通産省からいろいろ事情を聞いておりますし、また直接の生産に携わっている方からの陳情書を受け取った経緯もございまして、この問題については十分認識しているところでございます。韓国側とこの問題についてどのように取り上げるかについては、現時点においては決定はいたしておりませんけれども、今後とも通産省とも十分協議をした上で、取り扱いについて検討を進めてまいりたい、このように考えております。
○川崎分科員 政府側は、国会で審議をしますときには必ず問題の重要性がわかっております。そして協議をして検討しましょう、議事録をずっと振り返って読んでごらんなさい、いつもそれを言っているのですよ。ところが、そうやっている間につぶれていくのですからね。それはもう大変いまの姿勢というのは許せませんね。通産省どうですか。
○後藤説明員 私、二月の十一日から十六日まで六日間韓国へ参りまして、つむぎの問題でいろいろ意見の交換をいたしました。それからわが国の産地の実情をできるだけ訴えまして、そして先方の良識ある行動を期待したわけでございます。これは外交交渉ではございませんけれども、実際問題として産地の実情をできるだけ詳細に説明をいたしまして理解を求めまして、それに伴う良識ある行動を要請してまいったわけでございますが、その中の一つのアイテムが、まさしくセマウル運動でつむぎが何か目玉にされておる。少なくともそういうルーマーが流布しておりまして、それが非常に産地の皆さまに御不安を与えておる、その点はどうなんだ、われわれとしてはセマウル運動の目玉とすることはやめてもらいたいということを要請したわけでございます。全体のセマウル運動に対する取り扱いということにつきましては、必ずしも全部私どもの所管とすることではございませんけれども、事つむぎに関します限り……(「そんなことないよ、君、初めから計画プロジェクトごとに援助することになっている。そんなこと言ったってだめじゃないか」と呼ぶ者あり)通産省といたしましては、私どもとしましては大島つむぎに関連いたしまして、セマウル運動の目玉にされておるといううわさがあって、それが非常に産地の方々の御不安を招いておる、何とかセマウルの目玉にすることはやめてもらいたいということを申したわけでございます。それに対しまして韓国側は、セマウル運動の目玉にすることはいたしませんということを確言いたしたわけでございます。 関連いたしまして、現在私の聞かされたところによりますと、セマウルは先ほど川崎先生御指摘のように、主として精神運動から出発した運動でございますが、実際問題といたしまして、その中に三百ほどの農村工業化の工場があるということを知らされたわけでございます。その中でつむぎは幾つあるんだということを聞きましたところ、六十七企業がつむぎに携わっておりました、しかしそのうち四十企業は、すでにつむぎに携わることをやめたのであるという事実の指摘がございました。すなわち、今後ともセマウル運動についての目玉にしないのみならず、従来六十七ございますセマウルの中のつむぎ工場のうちの四十につきましては、もはやつむぎの生産をやめておる、こういうことでございます。 加えて申し上げますと、今後の問題でございますけれども、一九七五年以降当分の間、韓国としてはつむぎの生産設備の増設は行いませんという意向を明確にした次第でございます。
○川崎分科員 そうしますと、目玉にしないということでありますが、昨年の参議院の商工委員会で、野口さんの前の生活産業局長橋本さんが答弁しておるわけですが、韓国商工部による絹織物の輸出五カ年計画というものを見ますと、七三年の輸出額は九千三百万ドルで七六年には約三億ドル、一千億近い、こういう計画が絹織物の輸出計画としてある、こうあるわけですね。そうしますと、いま後藤審議官の言われたあれからしますと、この絹織物輸出計画というものは当然に変更がなければ、これは具体的には七五年以降やめますとか、いやいたしませんとか言ってみても、これは保証はないわけですね。どうですか。そうしますと、通産省が向こう側と話し合って、いまようやくセマウル事業の実態についてわかってきた。七〇年に生産者の方から問題提起をされてきて、具体的にセマウル事業というものの中身について知ってきたのが七五年である。五年間国内の生産者というのは打撃を受けっ放しにして、日韓の特殊な関係だ、先ほど大臣も、輸入の必要はないのだけれども、その輸入については、これは需要供給だけの問題ではないのだということで答弁をされておる。そうしますと、五年間見過ごしてきたということは、これはもう否定できませんね。そうしますと、今後の問題として——セマウル事業自体の問題は別に改めてやります。それをやっていたらもう時間がないのですから、別にやりますが、今後の輸出計画そのものが確実に変更ということについて、これは外務省、どうせ日韓貿易会議なりあるいはそれぞれのしかるべき会議で詰めなければいかぬ問題でしょうから、どうでしょうか、通産省と外務省、その点を明確に御答弁願いたいと思います。
○後藤説明員 少なくともつむぎに関しましては、先ほど申し上げたようなことでございまして、つむぎの輸出期待量というものにつきましては、今回私どもからいろいろ実態を説明しました結果、変更があるというふうに考えてよろしいと思います。
○大森説明員 ただいま後藤審議官の説明にございましたように、先般の後藤審議官と韓国側との非公式の話し合いにつきましては、外務省も十分密接な連絡を受けた上でのことでございまして、今後とも日韓双方が相互に益するような形でこの問題の解決が図れるように、適当な機会にこのような理解を深める措置をとってまいりたい、このように考えております。
○川崎分科員 それでは次に具体的にお尋ねしますが、このセマウル事業として進めるに当たって、韓国政府側がセマウル工場に、つむぎ製品の機織り工場の建設を積極的に保護、支援をしてきておる。韓国政府側が資金援助をやっておる。融資金額は総建設所要資金の三〇%、融資期間は三年据え置きの五年分割返還、利子年八%、これに対して前の橋本生活産業局長は、韓国側が一部市場開拓準備資金制度、あるいは重要機械の輸入免税制度というものを適用して助成をしておるということについて、このことを答弁しておるわけです。そうしますと、そういう特別の措置がこれらのつむぎ生産についてなされてきておるということについてはお認めになりますか。
○後藤説明員 その辺、私、実は必ずしも確かめてまいっておりません。ただ経済の発展段階といたしまして、この道はいつか来た道という感じでございまして、わが国も、繊維に相当の重点を置いて経済の発展をしてきた過去の事実があるわけでございまして、いま御指摘のような数字の面につきましては、今回必ずしも確かめるまでに至りませんでしたけれども、とにかく繊維産業に相当のウエートを置いて経済発展を期待しておることは事実かと思います。 ただそれとは別に、あるいはそれはともかくといたしまして、私どもの実情の説明に基づきまして、今後はそういう応援あるいはセマウルの目玉商品とすることは一切しない、それからもう一つ、韓国におきましては織機の設置につきましては政府の許可制になっておるそうでございます。この辺は韓国側も非常にフランクであると思いましたが、この手織機は非常に小さい織機でございますので、あるいは落ちこぼれがあるかもしれません、日本の無籍織機式の落ちこぼれがあるかもしれません。しかし、要するに織機の設置につきましては、韓国政府の許可制になっておりますので、それを全面的に活用いたしまして、今後は、七五年以降当分の間、織機の増設は認めない、それからまたセマウルで目玉にするということもいたさないということを、さっき大森参事官が言われましたように、今回は外交交渉ではございませんで、非公式の意見交換あるいは実情を説明し、良識ある行動を求めるというのが私の今回の訪韓の目的でございますけれども、そういう前提のもとで、向こうはいま申し上げましたような二つのことを確言いたしまして、意向を表明いたしまして、それを私どもが確認をして戻ってまいった、こういうことでございます。
○川崎分科員 そうするとそれらの問題を、日本側として、つまり相手側に自主規制を求めるとかあるいは二国間協定にするとかいうふうな形で、もう少し明確なものにしていくということについて、どうですか、大臣、それを進める気持ちがありますか、進めるべきだと思いますけれども。
○河本国務大臣 二国間協定とかいうことではなくして、先ほど来いろいろ話しておりますように、もう少し話し合いで秩序のある輸入関係、こういうものが私はできるのではないか、でありますから、こういう接触を頻繁にやっていきたい、こういうふうに考えております。
○川崎分科員 これはもう少し詰めたいと思っておるのですが、時間がありませんので残念ですが、大蔵省、関税制度の問題で、つまり外国において奨励金及び補助金が実際に出ている、それから日本国内の競合産業に損害を与えておる、これは具体的事実ですね。昨年の参議院の商工委員会では事実がということで逃げておった、調査します、通産省と相談して調査します——しかし、その二つの条件がそろえば、これは相殺関税については、この制度の発動をできるわけですね。そのことは明確に答弁しておる。それからさらにもう一つ詰めますと、廉売しておるわけでありますから、不当廉売関税制度の発動要件というものもそろっておる。そうしますと、相殺関税あるいは不当廉売関税については、昨年来、一年たっておるのですから、実態については明らかになった。当然発動すべきだ。その点、大蔵省いかがですか。これは企画課長ですか、なぜ去年答弁した部長は来てないのですか。逃げたらだめですよ。ここで、また検討しますなんて言ったって。
○松尾説明員 御質問は相殺関税と不当廉売関税についてでございますが、まず相殺関税の要件、ただいま先生お話しになりましたように……(川崎分科員「去年説明しているやつをいまここで説明する必要はないのですからね。具体的にどうしますということを答弁しているんだから、それを言わなければいかぬのだ」と呼ぶ)でございますから、相殺関税の要件といたしまして、ただいま先生御指摘の、一つは補助金を出しておるかどうかということ、これにつきまして調査いたすということで申し上げたわけでございます。その補助金と申しますのは、輸出についての補助金ということでございまして、その設備機械について、わが国の重要機械免税という免税措置で設備機械を入れておるというような一般的な生産補助手段、こういうものを相殺関税の対象となる補助金ということでは取り上げられないということでございまして、わが国におきましても、そういう種類の重要機械免税という措置は、いろいろな輸出産業についてはとってまいったわけでございます。これらがすべて補助金であるということであれば、わが国の輸出の大部分が相殺関税の対象になってしまうわけでございまして、直接的な補助金が支出されておるという事実の確認を私どもまだ得ていないわけでございます。 それから不当廉売関税と申しますのは、国内に売っておりますよりも安い価格で外国へ売っておる、あるいは国内へ売っておるものがなければ他の国に売っておるというもので、その価格の比較におきまして、日本にだけ特に安い価格で売っておる、こういう事実が立証されないと不当廉売関税を構成しないということでございまして、残念ながらそういう事実を立証するというところまで現在至っておらないわけでございます。
○川崎分科員 これはもう時間がないので詰めることが十分できずに残念ですが、いずれ改めてやりましょう。 公取にもおいでいただいておりますので、公取委が一月三十一日に不当表示の問題について方針を決められて具体的に指導されております。このことについて生産者団体の方も、公正競争規約等もつくるでありましょうし、いろいろ進められてまいると思うのですが、このことによってどの程度抑えられるか、あるいは特に無表示の物をいかにして抑えていくかということについて、公取側の見解を述べていただきたいと思います。
○後藤(英)政府委員 韓国産のつむぎがいかにも国産品であるかのような表示で出回るということについては、昨年の五月に景品表示法に基づく告示を出しまして、それによって不当表示として取り締まる根拠ができたわけでございます。ただ、最近問題になっておりますのは、無表示で入ってくるために通関してしまう、それが国内で国内産のつむぎであるかのような表示で売られてしまう、そのために消費者の誤認を招くという問題が出ておりまして、これにつきましては具体的な違反のケースとして申告のあったものもございまして、現在、先ほどの告示に基づいた違反事件として調査をいたしております。同時に、先ほど先生御指摘のように、国内のメーカーが、そういう無表示物について、いかにも国産品であるかのような加工を国内でするというおそれがあるわけでありますので、そういうことのないようにという趣旨を込めまして、一月の末にメーカー、輸入商社、卸業者それから小売業者に対して、表示について消費者を誤認させるようなことのないようにという要望書を出してございます。その結果、百貨店等では、いままでは国産品と一緒のところに韓国産の物を並べて売っておったというようなことがございましたけれども、それを両方に分けて、売り場の陳列の方法なども、消費者が自分でどちらでも選択できるようになっております。それから、先ほど先生から御指摘のありましたように、本当にいい品物をつくった人たちが品物についての表示でごまかされてしまって、それが消費者の誤認のもとになるということがないように、業者を指導して公正競争規約をつくらせる。この三つの指導で何とか消費者が、韓国産の物であるのにかかわらず、国内の本場物と誤認することがないようにしたい、そういう指導と取り締まりを厳重にやってまいりたいと思っております。
○川崎分科員 もう時間が過ぎました。これは大変問題が多いと思いますし、大臣もたびたび答弁をしております。伝産法はどうしてもやはり振興法だということですので、輸入の禁止ということについてはしり抜けになっておりますね。これでは本当の振興はできないわけです。これは議員立法でありましたし、それら大変国内を荒らすような事態に対しては、関税率の引き上げであるとか輸入制限等の必要な措置を講じなければならない、そういう形での法律の改正が必要だ、こういうふうに私たちは考えておりますので、各党で話し合いたいと思います。大臣も、所管の担当大臣として、これについてはひとつ協力をして、そういう方向に進めていただきたいと思いますので、大臣の方からこの点についてお願いしたいと思います。
○河本国務大臣 事態の非常に重大であるということはよく認識しておりますので、通産省といたしましても最善の方法をとっていきたいと思います。
○正示主査 これにて川崎寛治君の質疑は終了いたしました。 次に、石田幸四郎君。
○石田(幸)分科員 最初に大臣にお伺いをするわけでございますが、私がこれから取り上げるのは繊維問題でございます。 いまも大島つむぎの問題をめぐっていろいろ議論が交わされておるのを伺っておったわけでございますが、この繊維の不況に対して——私も名古屋市でございますので、あの周辺にはたくさんの繊維業者がおるわけでございますが、その実情をつぶさに聴取してみましたところ、長い間、この業界全体に対する構造改善をしなければならないという議論が行われながらも、いろいろな問題があって一向に構造改善が進まない、こういう状況の中にあって決定的な不況状態に追い込まれておるわけでございます。この繊維の不況を脱するためにはいろいろ対策があろうかと思うのですが、現在、政府がとろうとしている繊維業界に対する不況対策はどういう柱によって成り立っているか、そこら辺からまず伺っておきたいと思います。
○河本国務大臣 いま御指摘のように今回の不況は非常に深刻でございますが、特に繊維業界の不況はその深刻の度がはなはだしい、こういう考え方では全く一致するわけでございますが、その対策といたしましては、なぜ繊維業界がこんなに不況になったのかということをまず正確に分析することが大事だと私は思います。それに従って対策を立てていくわけでございますが、生産面であるとか、金融面であるとか、あるいは構造改善の面であるとか、いろいろの対策があると思いますが、通産省といたしましても考えられるあらゆる手をいま打っておるわけであります。具体的な進め方につきましては局長から答弁をさせます。
○野口政府委員 具体的な対策といたしましては、ただいま大臣からお話がありましたように、繊維というのは他の業種に先がけて不況になったというようなこともありまして、現在われわれがとっておりますところの政策の柱は、昨年の秋、十月ないし十一月に立てまして、現在その線に沿って実施をしてきているわけでございます。 これは通常の不況対策でございますと、在庫金融、滞貨金融あるいは減産資金というようなつまり金融上の対策が中心になるわけでございます。ところが、今度の不況というものはただ景気の変動のみならず、構造的な問題も含んでいる深刻な広範なものでございますので、金融面の対策のみならず、需要喚起のための施策あるいは需要の減退に伴う生産面の体制の問題、あるいは先ほどから問題になりましたような輸入というような問題がありますので、通商面の対策あるいは雇用面、労働面の対策等、各方面にわたる施策を考えまして総合的に推進をしてきているわけでございます。しかし、何と申しましても在庫金融あるいは滞貨金融等が中心になるわけでございまして、これにつきましては、中小企業の融資を目的といたしておりますところの政府系の三中小金融機関等を中心といたしまして、あるいは地方銀行、一般の市中銀行等の協力を得まして、きめ細かい施策を講じてきております。 具体的に申しますると、たとえばいまの滞貨金融、在庫金融というようなことは、繊維につきましては大体産地をなしておるわけでございますし、そこにはかなり力の強い組合等がございます。したがいまして、われわれの方はそれぞれの産地にあります組合とタイアップいたしまして、必要な資金が必要なところに流れるように密接な協力をとって、一つ一つ産地ごとにわれわれもまた金が流れるような策をとり、支援をしてきているわけでございます。
○石田(幸)分科員 確かにいま申されましたこと、柱でございますから、内容までは深くお伺いすることはできないと思いますけれども、非常にいろいろな問題があるわけですね。 そこで、具体的に一つ一つ詰めてみたいと思うのでございますが、まず日本紡績協会が、二月末で期限が切れる不況カルテルの延長再申請をする、こういうことが言われております。これに対して通産大臣としてこれが適正であるかどうか、どういう御判断をお持ちであるか、まずお伺いをしたいと思います。いかがでしょう。
○河本国務大臣 繊維の不況は非常に深刻なものがございまして、先般二カ月というような不況カルテルが許可されたわけでございますが、引き続いてこれを延長するかどうかということについては、いま前向きで検討をいたしておるところでございます。
○石田(幸)分科員 余り明確なお答えがない。もうすでに二月末でございますから、そう日がないのでございますけれども、いまだに検討中というのははなはだ解せない話であります。しかし明確に期限切れになっておるわけではございませんので、これはそのままにいたしまして、先ほど来いろんな話が出ておりますが、現地を回ってみますと、いま完全に仕事がないわけでございまして、需要対策の面についてはその中身の御報告がなかったわけでございますが、どういうような需要対策を立てているのか、お知らせをいただきたい。
○野口政府委員 滞貨金融あるいは在庫金融と申しましても、これは根本的な解決にはならないわけでございまして、何といいましても、やはり最終の需要が盛り上がらなければ、これは景気の上昇ということにはつながっていかないわけでございます。この最終需要の問題は、これは景気政策と申しますか、あるいは国全体の景気調整政策の行方とも密接に関連をいたします。私どもだけの立場から申しますると、この景気が盛り上がるようないろいろな金融的な、特に財政的な措置がとられることを期待をいたしておるわけでございますけれども、私どもだけの立場から申しますると、昨年とりました政策は、やや末梢かと存ずる次第でございますけれども、たとえば、これはたとえばでございますけれども、海外の商品援助、これは例年あるわけでございますけれども、そういうような場合、あるいは経済協力のプロジェクトがあるような場合に繊維製品を加えてもらう、もちろんこれは需要する国側の事情等がありますので、こちら側の思うようにならない場合もあろうかと思いますけれども、ともかく最終需要に貢献するという意味におきまして、繊維製品をそのプロジェクトの中に加えてもらうという努力をやってきたわけでございます。それから、金額的にはわずかと思いますけれども、たとえば地方公共団体におきまして、非常災害のときに備えて備蓄をいたしますもろもろの物資の中に、繊維製品も当然入っておるわけでございますが、そういう場合にも繊維製品をひとつ買い上げて備蓄をしてもらうというような措置等を講じてきているわけでございます。 繊維の需要というものは、分けますると、最終のユーザーが使ういわば実需と、それから問屋あるいは小売業者等、つまり流通段階にありますところの在庫ということの二つに分かれるわけでございますけれども、繊維というのは、生産及び流通の構造上、中間過程における需要というものが相当大きなウエートを占めておるわけでございます。これがいわゆる仮需要、仮需と言っているものでありますが、端的に、この需要の振起のためには仮需の振興ということも必要かと思うわけでございまして、われわれがいままでいろいろやっております金融措置も、この仮需の振興に役立っているのではないか、かように思います。
○石田(幸)分科員 需要対策は余り目覚ましいものがないわけでございますけれども、この繊維の不況については、構造改善問題が主としてやかましく言われているわけでございまして、私は非常に残念に思いますのは、いまもお話がありましたように、いち早く繊維業界が不況に入ったわけでございますから、単に業者の意見を聴取するだけではなくて、当然通産省としてそういう構造改善に対する研究をして、そうして業界にそういうものを提示しながらやっていく、やはり通産省が一歩リードするような形で構造改善への素案というものをつくらない限りにおいては、業界は、いろいろな過去の長い間の習慣の中から生み出されてきた現在の構造になっているわけでございますから、そういうものにこだわっていたのではいつまでたっても改善構想は出てこないと思うのですね。いろいろ説明を聞きますと、通産省ではそういう素案を持っていないそうじゃないですか。いま事情を聴取している段階でしょう。もう一年も一年半も前からこういう問題が騒がれているのに、なぜ半年たち一年たっても、通産省の中で構造改善に対する試案というものが出てこないのですか、これは私は不可解で仕方がないのですが、大臣いかがですか。
○河本国務大臣 今度の繊維の不況対策の中でも、構造改善事業はまあ一番大事な課題だと思います。ただしかし、一方的に通産省だけが考えてこれを強行いたしましても、やはり業界から盛り上がる力というものがありませんとなかなかうまくいきませんので、両々相まちまして進めていかなければならぬ、こういうことでいま作業を進めておるわけでございます。
○石田(幸)分科員 それでは一体その結論はいつごろ出ますか。
○野口政府委員 構造改善の仕事は、その一番もとは、一昨年の秋に産業構造審議会の繊維部会で出されました「七〇年代の繊維産業」というのがその基本になっておるわけでございます。その答申に基づきまして、昨年の通常国会におきまして構造改善臨時措置法が出たわけでございまして、現在われわれが進めておりますところの構造改善の事業というのは、その法律に基づいてやっているわけでございます。 で、基本的な方向はその路線が敷かれたわけでございますけれども、ただ答申が出ましたのが一昨年の秋、法律ができましたのが去年の春夏のころでございますが、この二年間における内外の環境の変化、繊維産業を取り巻くこの環境の変化というものは、予想以上に早くかつ激しいものがあったわけでございます。したがいまして、新しい構造改善事業が発足するに当たりまして、そういう変化を織り込んで、その方向のもとにおける現代的な肉づけをしつつ、現実的な構造改善の歩みをしなければならないわけでございます。そこではいろいろな問題があるわけでございますけれども、一つはこの法律の改正案のときにも議論になりました流通の問題が指摘されておるわけでございます。この流通問題あるいは取引形態の改善の問題をどうしたらいいかということにつきましては、取引改善委員会という組織を設けまして、これは学識経験者あるいは第三者の方々だけでございますけれども、七人の方で組織をいたしまして、ここで各業界が当面しておる流通あるいは取引上の問題を具体的に取り上げまして、この解決を図るということで、現在、審議、検討が進んでおります。
○石田(幸)分科員 だから、それはいつごろめどがつくかと、私は聞いておるわけです。
○野口政府委員 各業界ごとに取引に関連する問題は実はたくさんあるわけでございます。それで、これの取り上げ方といたしましては、ともかく当面急ぐものからやっていく、それでできるものから片づけていくという姿勢で出発しております。したがいまして、委員会の作業は長引くかと思いますけれども、ともかく一つ一つ問題を片づけていくということで、これは問題によって違いますけれども、できる問題は数カ月くらいのうちに結論を出すというふうに考えております。
○石田(幸)分科員 ですから、確かに審議会等の結論を待つということも大事かもしれませんけれども、通産省は通産省なりのいろいろな素案というものをつくり上げなければいかぬと思うのですね。そんなことまでやっていられませんので、御要望として、いわゆる東南アジア諸国に進出したわが国企業の繊維業界の状態をどういうふうに扱っていくのか、あるいは各国間にいま蔓延してしまったそういう設備、そういう問題をどうしていくのか、もう少し明確な方針というものを早く出さなければいかぬと思うのですね。 構造改善問題にいたしましても、糸をもらってから布地をつくるまで百二十日かかる。百五十日の手形でもらっているのでは約一年、九カ月か十カ月の済度で回っておるわけでしょう。さらにまた、その中身を申し上げれば、糸を買うときには金利がつく。布地を商社等に納めた場合には長期の手形というような、いわゆる取引の不公正に関するような問題も、もっと詰めてみれば、もう少し改善への具体的な意見が出てくるはずなんですね。そういう問題について、ひとつやってもらいたいと思います。 時間がありませんから、金融の問題でひとつお伺いしますが、在庫あるいは滞貨金融、こういうものが主体になっていると言っていますが、業界を回って聞いてみますと、そういうような状況ではもうだめなんですね。いわゆる担保物件にいたしましても、もうすでにすべてが入っておって、残っておるものは女房、子供だけだ、それ以外のものは全部担保に入っているのだ、そういうような金融の形、通常の金融の形ではわれわれはもうどうもならぬと。長期の転業資金を貸してもらいたいというのもおろうし、あるいはまた、いま借りておるものを延長したい、しかしその間の金利の問題を何とか国庫負担でやってくれないか、こういうような問題も強く要望が出ているわけですね。そういう健康状態の人間に対する診断あるいは診療というような形じゃなくて、すでに重病人になっているわけでございますから、担保物件を出したくとも出せないような状況の中に追い込まれておる、いわゆる小さな業者にいたしますれば、自分のところで家内工業的にやっと、近辺から婦人を集めて機を織らしておるけれども、自分は外へ出て働きに行っているというような状況が現実でしょう。そういうような本当に急病人に対するような金融措置というものがなければならぬじゃないですか。そこら辺は、一体通産省はどう考えていらっしゃるのですか。
○野口政府委員 いま先生が御指摘になったような状況、私どももつぶさに了知しているつもりではおります。それで特に繊維が大変だということは、全く先生の御指摘のとおり、私どもも日夜心も砕き心配をしておるわけでございます。ただ、繊維だけに特別の措置をとることができるかどうかということになりますると、これはやはり問題があるわけでございます。私どもの方は、そういうことを離れまして、ともかく実質的に繊維の事業者の救済になるということを目指して、具体的な解決に奔走しておるわけでございます。たとえば、先ほど担保オーバーあるいは担保が不足の貸し付けということを先生御指摘になったようでございますけれども、この辺もいろいろ工夫をいたしまして、産地組合と相談をいたしまして、いわば担保力の動員と申しますか、確かに通常の状況で考えますともう担保がないというような状況になるわけでございますが、そこのところを組合とも一つ一つ具体的に相談しながら、担保力の補強でございますけれども、この辺非常に努力し、また知恵も出し、具体的にその解決を見ている産地もございます。ともかく具体的に解決しようということで努力をしております。
○石田(幸)分科員 それでは、具体的な問題を二点お伺いしますけれども、現在繊維の取引所で行われているのは四十八番繰糸が中心になってやっておるわけですね。ところが実際を調べてみますと、そういうような糸というのはいわゆる織り屋さんには来ていないのですね。四十八番Aとか四十八番一とか、そういうような同じ品物が来ながら、四十八番手のものは普通の糸屋さんには回ってこないわけですよ。ですから、そういうものは滞貨となって、ものすごい損害となって残っているわけです。昔ならば四十八番手のものも回ってきて、糸相場に回して、そして換金することができたけれども、そういう四十八番手の糸を扱えるのはメーカーと商社だけじゃないですか。なぜそういうものが一般の糸屋さんには回らぬのですか。そういうような実態を、通産省はお調べになったことがありますか。知っていますか、この問題。
○野口政府委員 取引所の問題になりますと、私どもの方と同時に、産業政策局の問題でもあるわけでございます。ただいま先生の御指摘になった点でございますが、取引所というのは、私がここで申すまでもなく、公正なる価格形成、それとヘッジの働きをやるわけでございます。その取引所の供用されるものは四十八番繰糸の何とかというふうな、これは各社で決まった規格があるわけでございますけれども、実際の取引は品質的にはそれと同じものが生産されかつ流通されておるわけでございます。取引所に上場されるものは、一定の取引所で定めた規格のものでございますけれども、実際の取引は、それと同じものが別に生産され、流通されておるというふうに考えております。
○石田(幸)分科員 だから私はおかしいと言っているのですよ。同じ品質のものでしょう。それが違ったナンバーを打たれてそういう糸屋へ回ってくるから、それは全く換金性のないものじゃないですか。取引市場へ持っていけないでしょう。そういうことが行われていることについて、これは完全に不公正な取引が行われておるわけだから、もう少し明確な実態をお調べになって、これはそういうことのないように、換金性のあるものも当然そういう糸屋さん等にも回るようにしていかなければならないのじゃないですか。どうですか。
○野口政府委員 私、先ほど申しましたように、取引所に上場されている銘柄と銘柄が違うわけでございますが、品質的には同じもので、機屋さんがねらっておる用途に使われる糸は、市場に流通をしているわけでございます。ですから、糸商その他を通じて通常ならば入手できるわけでございます。
○石田(幸)分科員 それは取引所に行けば入手できるわけですよ。ところが、実際にはそういうものはメーカーから回ってこない。じゃ一体どういう操作が行われているかと言いますと、いわゆる糸を買うときは、普通相場が高いのですよ。それがだんだん下がってきて、いわゆる布地で納めなければならぬときには、相場は操作されて下がっておる。下請企業は両方でたたかれておるわけですね。そういうような問題について、もう少し通産省としても前向きに検討してもらわなければいかぬと思うのですね。確かに同じ品質の物でございますけれども、それは繊維取引所に持っていけないじゃないですか。そうでしょう。換金性がないのですよ、一般的に。そういうものしかメーカーが糸屋に渡さないというのは私はおかしいというわけですね。 これはもう時間がありませんから、このくらいの議論にいたしまして、もう一つ重大な問題は、この繊維業界の中で、いわゆる会社の解散あるいは一時帰休というものがかなり行われておりますが、この繊維業界に勤めている人たち、特に女子従業員は、いわゆる就学、高校へ入れるあるいは短期大学へ入れるということで募集をしておるわけですね。そういった人たちの状況は、その後一体どうなっているのか。いわゆる学校へ行きたいけれども十分な家庭的な事情が整わないから、そういうところへ行って学校へ行こう、そういうような就学心に燃えた人たちが来ているわけですね。九大紡だけでも一時帰休は二万人もあるといわれておるわけでしょう。おそらくそのほとんどが就学の従業員だと思うのですね。ここら辺は、きちっと再就学が行われているかどうか。 それからもう一つ、これもきわめておかしな話なんですけれども、二月十一日のある新聞によりますと、昨年暮れに二百九十五人の大量人員整理を実施した日東紡が、本年度は約六百人を採用する予定だというようなことが報道されておるわけです。そのほかにも、そういうような一時帰休なんかが行われながらも、五百五十人くらいあるいは五百人を内定したというようなことを言っておりますけれども、これではせっかく就職した人たちが、一時帰休という名目のもとで職場を離脱させられて、そして会社の方は、いわゆる若返りのために、またそれに見合う者を採用しておるというようなことで、これは人間の労働すべき基本的人権に大きく私は問題があると思うのです。こういうような実態については調査をされておりますか。知っておりますか。
○野口政府委員 まず第一の、従業員、特に女子従業員ですね。一時解雇あるいは帰休の場合の就学、学校の問題ですが、その点は、考え方といたしまして、先生のまさにおっしゃるとおりということで、私どももその点については、いろいろ再就職が妨げられないように配慮をしているわけでございまして、直接には労働省のことになるわけでございますけれども、私どもも、そういう希望を労働省の方にも伝え、労働省を通じて、いろいろとその再就職につき、特段の企業側の配慮を要請してきたところでございます。(石田(幸)分科員「就職じゃない、就学の問題ですよ」と呼ぶ)再就学も、何かそういうことで考えるということは聞いております。
○柴沼説明員 文部省といたしましては、繊維不況、企業の不況が、定時制、通信制高校生に及ぼす就学に対する影響を調査するため、昨年十月に一度調査をいたしまして、その結果、企業の操短等に伴い影響を受ける者が九百三十六人という結果が出ましたので、直ちに通達を出しまして、各都道府県教育委員会及び各都道府県知事に対しまして、転学の便を図ることとか、あるいはまた、生徒が再就職を希望する際には、関係機関と連絡をとって、十分再就職を図って、転学あるいは学業の継続ができるように、そういう通達を昨年十一月二十五日に出しております。 さらに、企業の不況の進行に伴いまして、ことしの二月二十日に、改めてもう一度調査をいま実施しております。そして調査の結果によって、さらにまた具体的な措置等を検討してまいりたい、そのように考えております。
○野口政府委員 私の先ほどの発言は、労働省と申し上げましたが、文部省でございまして、去年の秋以来、文部省を通じて要請をし、かつ文部省とも連携をとって、遺憾のないようにやろうということでございます。 もう一つ、二月十一日の新聞の日東紡の件でございますが、実は私初耳でございましたので、後刻調べて……。
○石田(幸)分科員 大臣、こういうような状況ではいかぬと思うのです。勝手に首切りを行い、あるいは一時帰休を命じておきながら、また若い人たちは採用する、これは人件費のさやかせぎをしているというふうにしか私には考えられない。労働に関する基本的な人権を侵されているのではないかと思うのです。そういうような状況について、ひとつ通産省としてもいち早く調査をなすって、対処されなければいかぬと思うのです。これはまたほかの委員会でやらせてもらいますけれども、もう少し繊維業界に対する積極的な姿勢、施策というものをどうかひとつやってもらいたい、これだけ要望しまして、時間がありませんので、終わります。
○正示主査 これにて石田幸四郎君の質疑は終了いたしました。 次に、米内山義一郎君。
○米内山分科員 通産大臣にお尋ねします。 近ごろエネルギー産業と申しますか、石油精製あるいは大火力発電所さらには原子力発電所というようなものが非常に立地が困難になってきている、こういう事情があるわけです。なぜ立地困難になっているのかということと、どういう考え方でこれを処理していこうと考えておられるか、その考え方をまずお尋ねしたい。
○河本国務大臣 立地条件が困難になっております最大の理由は、公害問題であると思います。したがいまして、この問題を解決するためには、やはりこれからの産業エネルギーというものは、公害をなくするということと、地元との話し合いを十分するということ、このことによって進めていかなければならぬと思います。
○米内山分科員 そこで、公害というのは、そういう大きな設備が立地した後に生ずるものであります。その前に、開発の進め方に重大な問題のあることを、私は指摘しておきたいと思います。 そこで、事務当局からお伺いしたいのですが、現在のわが国の石油の場合ですが、精製設備というものは日にしてどのくらいの設備があるか、それから現在それに使用されている工場用地面積というものはどのくらいあるかということを、ひとつ明らかにしていただきたい。
○増田政府委員 現在わが国の石油は、大体三億キロリッターの処理設備ということになっております。従来石油につきましては、これが非常に低廉豊富であるということで、毎年大体一二%ずつぐらいの石油の消費の増加がございます。それに基づきまして、石油設備がこれに見合うテンポで拡大されておるわけでございます。 それから、お尋ねの石油精製設備の占める面積でございますが、千八百万平米、坪にしまして六百万坪ぐらいが合計になっております。
○米内山分科員 平米ではちょっとわかりにくいのですが、通産省の出した「日本のエネルギー問題」という本の中にありますのは、現在約六百万バレル程度の精製設備がある、それに使用されている用地というものは四百ヘクタールはある、そのうちにまだ余裕がある、というようなことが書いてあるが、およそそういうものでございますか。
○増田政府委員 いまおっしゃられました六百万バレル一日当たりが、大体三億キロリッターになりますので、そのとおりでございます。 それから面積の方でございますが、私が先ほど千八百万平米、六百万坪と申し上げましたのは、全部の土地を使用して精製が行われているわけではございません。タンク用地の空き地とか、あるいは拡充用地その他を含んでおりますので、わりあいに精製工場が広い敷地を持っておりまして、わりあいに余裕があります。合計といたしましては、先ほど言いましたような千八百万平米ですが、実際の設備その他を厳格に計算いたしますと、先生のおっしゃられたように、相当その部分は減ってくるわけでございます。
○米内山分科員 これによりますと「現在石油精製会社の手当済用地は約五百ヘクタールあり、昭和五十年度末における精製設備約六百二十六万バーレル・日にとって必要な用地約四百ヘクタールを差引いて百ヘクタール程度の余裕がある」こう書いてありますが、大体これは真実に近い状態ですか。
○増田政府委員 いま先生の言われました数字が、大体真実に近いわけでございます。
○米内山分科員 そうしますと、今後の石油消費の伸び率、いままでは高成長下に年一五%近い伸びを示してきたのですが、今後低成長に移行した場合も、そういう率で伸び得るのかどうか。当面する昭和六十年なら六十年をめどとする石油の伸び率、特に一次エネルギーの伸びというものを、現在どういうふうにお考えになっているかをお聞きしたいと思います。
○増田政府委員 エネルギー問題に関しましての長期計画でございますが、これにつきましては、総合エネルギー調査会が去年の七月に一応の計算をいたしまして、これを発表いたしたわけでございます。これにつきまして申し上げますと、石油につきましては現在、先ほど申し上げました大体六百万バレル一日当たり、キロリットルにしますと、三億キロリットルということでございますが、これが、昭和六十年におきましての一応の試算でございますが、五億キロリットルないし六億キロリットルでございます。 これを計算いたしました基礎は、今後の成長は、従来のような成長はとても無理である。これは資源の制約あるいは先ほど御指摘のありましたように環境問題その他もございまして、従来の成長の約半分ぐらいに見るということで計算をいたしておるわけでございますが、ただ石油につきましては、これ以外のエネルギー供給源、たとえば石炭あるいは地熱、それから原子力その他を相当目いっぱい見ましても、先ほど申し上げましたように、五億キロリットルないし六億キロリットルというものを一次エネルギーとして使わなければならぬ、という結論が出ておるわけでございます。
○米内山分科員 そのうち石油はどのぐらいの割合になるのですか。
○増田政府委員 ただいま申し上げましたのが石油の数でございまして、石油換算をいたしました総エネルギー量で申し上げますと、大体、昭和六十年度で七億から九億キロリットルでございまして、その中の石油の占める部分が、先ほど申し上げました五億ないし六億でございます。
○米内山分科員 そうしますと、そういう想定をするに至る基礎というものですね。その時点、六十年における国民総生産をどの程度に抑えておられるのか、その時点における総輸入額というものは幾らになるか、その時点における石油の輸入金額というものはどの程度になるか、バレル平均でどの程度の値で想定されているか。そうしますと、輸入総額に占める石油の割合というものは、金額にして何%か。いままで高成長下においても、総輸入に占める石油の割合というものは二〇%を超えたことはないわけです。ところが、今日の石油の価格の情勢からいきますと、よしんば資源があるとしても、国の総生産額ないしは輸出と輸入の割合からいって、石油の問題は非常に厳しい問題になると思う。そういう観点から見ますと、石油は欲しいけれども買えなくなる事情というのも、われわれは心配せざるを得ない。そのときの総輸入額というものはどのぐらいで、その中に占める石油価格というもの、石油の輸入額というものはどのぐらいにお考えになりますか。
○増田政府委員 ただいま先生からお尋ねがありましたものを国民総支出で申し上げますが、昭和六十年におきましての一応の計算といたしましては、五百十一兆八千億で計算しております。そのときの輸出入でございますが、これはドルで出ておりませんので、ちょっと円換算いたしますが、輸出が約六十三兆、それから輸入が五十六兆という計算になっております。これは試算でございます。 それで、先ほど先生の言われました石油の輸入額その他でございますが、これについて申し上げますと、三億キロリットルの石油の輸入が、現在価格で大体二百億ドルになっております。これは御存じのように、中東危機を境といたしまして四倍にはね上がったわけでございます。それから、輸入に占める地位でございますが、従来石油の輸入額というのは、日本の全輸入の中の大体二〇%から二五%の間であったわけですが、現在は大体三割、三三%前後ということになっております。大体この傾向が今後も続くということで、石油の輸入が非常に大きな率を輸入の中に占めるということは、この価格の値上がりによって避けられないという状況になっております。
○米内山分科員 そうしますと、これから石油というものは、いままでのようにたくさんは、目いっぱいに使えない、こういうことは当然あり得るわけです。そこでこれからは、石油の立地とかそういうものは、いままでのような狂乱状態ではなくなることは予想されるわけですが、一番先に大臣にお尋ねした、立地はなぜ困難かというのは、公害以前の問題があると思うのです。 私はここで青森県のむつ小川原開発における実情を申し上げますが、青森県が、むつ小川原開発の第一次基本計画というものの中で、石油精製能力二百万バレルというのは、この計画を立てた時点の国の総量のおよそ半分近いもの。さらに同じコンビナートですから、石油化学はエチレン換算で年四百万トン、これは当時の国内総設備能力の倍なんです。それに電力一千万キロ、こういう計画を立てて、そうして当時の内閣がこれを閣議口頭了解した、こういうことなんです。それで私は、中曽根前通産大臣に前国会で、この問題を、果たしてこういうことはあり得るのかという質問をしましたところ中曽根大臣は、閣議口頭了解というのはその中身を了解したものでないということで、私もその疑念は氷解したのですが、この際、二百万バレルの原油処理設備に対して敷地が二千六百ヘクタール、こういうことなんです。そうしますと、いまの六百万バレルに対して四百ヘクタールで間に合っているのです。もちろんこれは過密の京浜地帯とかなんかでは、広くはとりませんでしょうけれども、いずれにしましても、こういう状態で日本の石油精製というものがおよそ成り立っている中で、二百万バレルに対して二千六百ヘクタールというのは、これは大変な話なんだ。これはもちろん土地買い企業と青森県の結託の上に、土地を買うためにこういうことをやったんだ。こうしますと公害以前の問題なんです。そうしてそこで失われるものは、農民の生活の根拠となっている土地なんです、ただ取りはされていませんけれども。 さらにこういうものを考えてみた場合に、水の問題が出てきます。その辺にある一切の水を吸い上げてしまっても、この工業が立地しないのです。さらには今度は公害といいますか、油の輸送の関係だけでも、油漏れがないと見たところで、四日市のあの港の統計を見ましても、その沖に将来大型のタンカーが入ってくる、小さいタンカーが国内にピストン輸送する、そのふくそうの状態を考えても、とてもこれは同意できないものになる、ならざるを得ないのです。しかも、この青森県の八戸からあの尻屋の海域というものは、青森県は漁業県で、北海道に次いで第二の水揚げ地でありまして、金額においては少ないが、スルメイカとかサバというような大衆魚がとれる。五、六十万トンの県内総生産のうち三十万トン近いものはこの沖でとれている。そうしたならば、ここの農民、漁民の生活の根拠が失われると想定する。これはいかに石油は大事だという説明をしても、こんな乱暴な計画が、閣議で口頭了解されたということでごり押しに進められるということは許せないのです。ですから、今後のこういうコンビナートとか原電基地を立地するためにも、こういう不合理なことは、政府みずからの力で是正していく必要があると思います。 私は大臣に申し上げたい。三木さんが「信なくんば立たず」とおっしゃっておる。これは簡単な言葉じゃないと思うのです。私は正直な政治家だ言うのは、不正直な証拠なんです。誠実というのはいいことだけれども、これを売り物にするということは不誠実なものだ。本当に信を得るならば、間違いを正すことなんですよ。間違っていることを、やりかけたことであるから引っ込みがつかないのだということでやることは間違いなんです。二千年も前の孔子の言葉を引用されるならば、当然同じ人の言った、「過ちを改むるにはばかるなかれ」ということが裏づけにならなければならない。したがって、信を貫くというためにはきわめて厳しい勇断が必要なんです。もしそれがなければ、信なければなんということは、「巧言令色少なし仁」ということにならざるを得ない。政治の不信はさらに何倍化せざるを得ないのです。結局こういう不信が、青森県においては、原子力船「むつ」の、われわれ青森県人も予想しなかった、ああいう陸奥湾海戦と言われるような状態になって、そのために国の原子力船行政というものは完全に、停滞どころか、粉砕されたような現状でしょう。結局あの根源に、こういうエネルギーが大事なんだということだけで、これだけを金科玉条にして、住民の意思というもの、住民の生きる権利というものを否定しながら巨大開発が進められたところに、この原子力船「むつ」の問題もあるし、今後いかに過疎の地帯であっても、こういう無謀なことは許されないと思います。私は、通産大臣のこのことに対する御感想なり御所見を承っておきたいと思います。
○河本国務大臣 今度、経済企画庁で、昭和五十一年度を初年度といたします、新しい経済社会発展五カ年計画を立案することになっております。これは石油ショック後の、第四次中東戦争以降の世界の諸情勢、資源問題、日本の経済情勢、こういうものをすべて洗い直してやり直そうということで、作業が進んでいるわけでございますが、その五カ年計画の中におきまして、大体の経済指標も出てくるわけでございますが、それに関連いたしまして、各地におけるコンビナートの計画、総合開発計画等もある程度修正をせられる、私はこういうふうに考えております。
○米内山分科員 このむつ小川原開発というのは、青森県の六ケ所村ですが、そのすぐ北の隣に東通村というのがあります。そこには原子力発電所の基地をつくる、しかも東北電力が一千万キロワット、東京電力があのはるばる遠いところまで行って一千万キロの立地をつくるということで、県が代行して、原子力というものは必要なんだ、こういうことで、もうすでに千ヘクタールの土地の買収が完了しています。一体、あんな場所にこういうものが立地できるかどうかということなんです。これは放射線漏れ、放射能漏れとか、そういう事故がなくとも、これだけの発電所が運転しますと、温排水だけで一日に一億キロリットル出るという計算になるわけです。その一つを考えても、この日本の国の宝とも言うべき——特に今後食糧問題の厳しい時代、いわゆる二百海里の専管水域が世界的な世論になりつつあるとき、こういうふうな乱暴なことは私は許されないと思う。しかし、こういうふうなことが行われているのだ。閣議口頭了解とか県の行政のベースで、実は進行中なんです。 そこでお聞きしたいのは、このむつの二百万バレルの石油計画にしろ、この東通の二千万キロという、世界にも例のない原子力基地計画というものは、その時点で、あるいはいまの時点で、国のエネルギー長期計画の中の枠組みに入っているものかどうか。ここに二百万つくらなければ不足が生ずるとか、ここに二千万キロの原子力を立地しなければわれわれは寒い目に遭うとかというような意味の、長期計画の中に枠組みされているものですか。
○増田政府委員 原子力につきましては、今後石油から脱却いたしますための最も期待されるエネルギーになっておるわけでございますが、現在のところ、先ほど大臣も申し上げましたように、経済企画庁が中心になって今後の長期計画の見直しが行われておりますが、昭和六十年におきまして六千万キロワットの原子力発電を行うという目標を掲げておるわけでございます。これを行いますための用地の取得その他の問題があるわけでございますが、ただ、先生がいまお尋ねになりましたように、今後六千万キロワットを建設するに当たって、どこの土地に何キロワット割り当てるということは私どもはしておりません。これら原子力発電の設置につきましては、一番初めはいわゆる電調審にかけまして、その上で電気事業法に基づく設置の申請が出てくるわけでございまして、私どもの方は、この申請が出ましてから、一応判断するということになっておるわけでございます。
○米内山分科員 特にこの原子力の場合、東京電力及び東北電力から、あそこにそれぞれ一千万キロの原子力発電の基地群、発電炉の群、こういうものをやりたいとかやるという計画などが通産当局に提出されて、それに内示を与えるとか同意をするというような行政上の事実があったでしょうか。
○増田政府委員 いまおっしゃられましたような事実はございませんが、この東通村の用地につきましては、私どもも、東北電力と、それから東京電力が、将来、できたら原子力発電をいたしたいということで取得しているということは、聞いております。 それから、政府の関係といたしましては、先ほど申し上げましたように、電調審へかかるまで、その申請を待って、私どもが判断をするわけでございますが、ただ、この用地が農地でありますので、これを将来工業用地として使いたいということで、農地の転用は、昭和四十六年には行われでおるわけでございます。
○米内山分科員 そうしますと、農地転用の申請書は公文書です。公文書には、いつ幾日に着工して、一号炉はいつまでにできるという計画があったから、農地転用の許可の対象になっている。通産当局のように、将来はというようなことには、この厳しい農地法は適用しないわけです。こういう点でも、要すれば、これは農地法上、詐欺に上る農地の取得ということになるわけだと思うのですが、私は実はその点をお聞きしたいために、いま質問したわけです。 そこで、大臣、こういうふうな実情なんです。あなた方は現地の状態をつまびらかにしておられないかもしれませんが、企業と行政の権力が結託して、土地や漁場の占領政策と申しますか、まるで中世のヨーロッパでやったような囲い込みみたいなことで、住民を難民化さしている事実があるのです。こういうことをぜひとも現地について総合的に調査した結果、この過ちの是正を、三木内閣の責任によってやる御勇気がありますか。私はその決断のほどをお尋ねして、質問を終わりたいと思います。
○河本国務大臣 今後十分調査をいたしまして、善処をいたします。
○米内山分科員 終わります。
○正示主査 これにて米内山義一郎君の質疑は終了いたしました。 次に、川俣健二郎君。
○川俣分科員 短い時間ですから、まず大臣に、エネルギー資源の開発、いまもいろいろと論議されておりましたが、その中で地熱開発という問題これについて、三十分間ですが、政府の総合的な考え方を伺っておきたいと思う。 その前に、石油ショックでてんやわんややっておるころに、ここに議事録がありますが、昭和四十八年三月二十七日の商工委員会で、地熱開発をどう思うかという質問に対し、時の通産大臣中曽根さんから、こういうように言明されておる。「地熱発電の問題は積極的にわれわれも推進しようと思っておる」云々から、「私は非常に積極的に熱意を持っております。」という言葉で結んで、政府の考え方を、地熱発電というものを公に正式に示された。この方針はいまでも変わらなく進んでおるのかどうか、まず聞いておきたいと思います。
○増田政府委員 地熱発電の最近の動きについて簡単に御報告申し上げますが、石油危機を契機といたしまして、エネルギー源の見直しが行われておるわけでございますが、その中の一つの重要な要素といたしまして、地熱発電というものが大きく取り上げられてきておるわけでございます。これにつきましては、私どもは、先ほども挙げました総合エネルギー調査会で、将来のエネルギーの供給を検討いたしたわけでございますが、地熱発電につきましては、昭和六十年度におきまして百万キロワットから六百万キロワット、これは非常に幅があるわけですが、この目標を掲げておるわけでございます。地熱発電を行いますに当たりましては、環境問題その他いろいろ問題がありますが、できるだけこれを推進していきたいということでございます。 それで、現在どうなっているかということでございますが、運転中のものは、現在発電所が三つございまして、大体その能力の合計は四万キロワットでございますが、これ以外に建設中または計画中のものが約十八万キロワットございます。まだ微々たるものでございますが、今後、この環境問題その他いろいろの問題を解決しながら、できるだけこれを推進していきたいというのが私どもの基本的な考え方でございます。
○川俣分科員 地熱利用という問題はにわかに日本の国に出てきたわけだが、しかしこれに対する法律というのは整備されてないのが実態なんです。そこで、地熱を開発する場合のもとの法律は一体何だろうか、こういうことになる。一体何の法律に頼って地熱開発を政府が進めようとしておるのか、その辺をお聞きしたいと思います。
○増田政府委員 先生がおっしゃられましたとおり、現在、地熱発電につきましては特別法はございません。ただ、この地熱発電を行いますに当たりましては温泉法に基づく許可を得なければならないということになっております。地熱発電を始めますときにはその許可が前提になっておるというのが現状でございます。
○川俣分科員 温泉法というのは温泉を掘削するという行政的な取り締まりを内容としただけであって、それ以上のものはうたってないのです。 そこで、それじゃ積極的にこれから地熱開発を進めようとする方針で、一体何が阻害になるか。長官はいろいろこれから進めようとしておられるのに何が阻害になるか。いま阻害されておる問題が全国方々で出ているから聞いてみたい。
○増田政府委員 地熱発電を促進いたしますに当たりまして問題点でございますが、一つには、これは公害問題というのが出ております。温泉に含まれております砒素の量が相当多いんではないか、しかもそれが外部に流れるんではないかという問題点の提起がございます。これに対します対策もいろいろやっておるわけでございますが、一応問題提起としてはそういうものが出ております。それから、温泉の蒸気あるいは熱水というのに伴いまして硫化水素が外部に出るということで、硫化水素の量について、これも問題として提起されておるわけでございます。それからそれ以外の問題点といたしましては、この地熱発電を行います地域が火山地帯と申しますか、温泉地帯なものでございますので、この周囲の景観、いわゆる国立公園あるいは国定公園の場所が非常にこの適地でございますので、これが周囲の景観を破壊するのではないかという問題がございます。それから、これは若干その調査によりまして当たらない点もあるわけでございますが、この熱水を大量にくみ上げることによりまして、それが付近の温泉に影響を与えるのではないか。地熱発電を起こすことによりまして付近の温泉が枯渇する、出なくなるというおそれがあるのではないか。これらの問題点がいろいろ提起されて、そのために地熱発電につきまして、これらの問題が十分解決されないとこの地熱発電の推進がむずかしいという点が出ておるのが現状でございます。
○川俣分科員 いろいろな問題点を並べられましたが、じゃついでに、ASとかHSはあとで言いますが、温泉の枯渇というものは技術的に解明されておるかどうか、専門屋さんいませんか。
○増田政府委員 これは温泉からのいろいろな反対論が出ておりますが、これを研究いたしました学者その他の検討結果では、温泉を取ります層と地熱発電のために取っております層とは、深さにおいて非常に差がございますので、温泉については影響がない。むしろ地熱発電に使いました熱水を場合によればその温泉業者の方に分けるということで、豊富な温泉の供給ができるというようなことも行われておるわけでございます。
○川俣分科員 私の聞いている範囲内では、温泉とこの地熱との関係は、温泉というのはそもそも有限性じゃありませんから、地球が動いておる間は、メタルや石炭と違って限度があるわけじゃない。 そこで、全国的にいろいろな阻害になっている中で、ここに同僚の中川委員もおりますが、この間秋田の小安地区から市町村長、それから商工会、温泉組合、農業団体も含めて、来た。そこで農林省にちょっと一点だけただしておきたいのだが、「豊富な熱湯でビニールハウス」というように非常に地元ではにぎわっておる。「イチゴも近く収穫将来は全村ぐるみで」という見出しでかなり宣伝されておる。そこで農林省はやはりこの熱供給というものをこういうようなことで活用しようという考え方はおありですか、どうです。
○市原説明員 施設園芸につきましては最近の諸情勢にかんがみまして、私どもは省労働力あるいは省エネルギー、そういう見地から効率的な生産を行うというようなことで実施をしております。それで地熱につきましても、周辺に特に悪影響がない、しかも技術的にも異質なものであるということになれば積極的に利用してまいりたい、そういう方向で指導いたしております。
○川俣分科員 こうやって見ると、寒村僻地その他、私も社労でいろいろと検討しておりますが、いま振動病が日本の国を襲おうとしております。チェーンソー、オートバイ、削岩機、それから農民の草刈り機、すべて振動病、白ろう病に襲われようとしておるが、これは温泉治療が一番だ、これが医学的にかなり高まってきたわけだが、そういうように発電だけじゃなく、地熱の開発にかなりそういう地域がその方向で自治体も動いておるのに待ったがかかった。ちょっと読んでみますと、「小安地区で調査を進めている有望な地熱資源賦存地区で、いったん秋田県知事が認可したにもかかわらず、環境庁が国定公園内に入っていることを理由に開発について「待った」をかけたのがそもそもの発端である。自然公園法によると、国立公園内は環境庁長官の認可を必要とするが、国定公園内(第三種)は県知事の権限ですむと規定されて」おるのに、この「待った」のために「地熱資源賦存地区を掘りあてたものが現在宙に浮いている格好である。」こういうことで大変なてんやわんやの状態である。この新聞のあらましは真相ですかどうですか、環境庁。
○増田政府委員 ただいま先生が読み上げられました新聞につきましては、大体そのとおりの状況になっております。私どもの方にもこの地元の方々が来られて、この問題をできるだけ早く解決してもらいたいというお話も聞いております。
○川俣分科員 環境庁長官の代理、どうですか。
○新谷説明員 環境庁といたしまして、この地熱発電の問題につきまして基本的にどう考えておるかをまず御説明させていただきたいと思いますが、ただいまのエネルギー情勢に基づくエネルギー資源問題といたしまして……
○川俣分科員 時間がないから、あらましはいいから、事実確認だけ……。
○新谷説明員 はい。環境庁といたしましては、その地熱発電の開発の適地が、先ほど来お話に出ておりますように、大部分が自然公園内の風致景観のすぐれた地域の中にございまして、これらの地域の中に大規模な発電施設がつくられるということによります自然破壊の問題とか、あるいは地熱発電によります公害的な側面の心配される問題について必ずしもまだ十分解明がされていないという意味で、地熱発電につきましてはきわめて慎重な態度で臨むことが必要であるというふうに考えておるわけでございます。ただ、お話がございましたように、国立公園の中で温泉利用のための温泉のボーリングとかそういう問題につきましては、場所によっては許可をいたしておるということでございますので、これを農業に利用するとかあるいは地域暖房に利用するというような問題でございますならば、それはあくまで個々の地域の風致景観上の影響の問題あるいはそこから出てくる熱水中の成分の問題、それを最終的にどういうふうに処理することができるかというような問題といたしまして個別に検討させていただきたい、そういうふうに考えております。
○川俣分科員 もう少し端的に言ってくれよ。資源エネルギー庁の長官は、待ったがかかったためにいま宙に浮いておるのだ。ところが、国立公園だと環境庁の長官に権限があるが、国定公園だから県知事でよかったはずじゃないか。それをなぜ環境庁が待ったをかけたかということなんだ。その問題を指摘しておるのを私が質問したら、長官はそのとおりだと言う。環境庁はどうかと言っているのです。事実確認を……。
○新谷説明員 国定公園の中での調査ボーリングの問題はあくまで県の権限でございまして、県がこれを調査ボーリングとして許可いたしておりまして、それに対して環境庁が待ったをかけたということはございません。ただ、調査ボーリングの結果、将来ここに地熱発電施設を設置するというようなお考えがあるといたしますと、環境庁といたしましては、御承知のように現在は技術開発の段階で、全国で六カ所という方針で通産省ともお話をして臨んでまいりましたので、地熱発電の開発のための申請が出てくるのは困る、そういう意見を申し上げておる段階でございまして、環境庁に対して具体的に申請が出てきたとか、そういうことはいまのところございません。
○川俣分科員 じゃ、私の言うのはもっと端的な事務的なことを言っておるのだ。地熱を開発するときはこういうように分けられているのだろう。国立公園内は環境庁の許可を得なければならない、国定公園内は都道府県知事の許可を得なければならない、それから電気事業法を通らなければならない、それから国有林野の場合は国有林野法、それから鉱山が上にある場合は鉱業法、それから熱供給事業法、それから労働安全衛生法、時間がないからあれだけれども、自然環境保全法等々あるでしょう。ところが環境庁はあらゆるものの総元締めで、地熱開発の許可を持つ窓口になってくれますかと言うのだ、皮肉な言い方をすると。全部そういう権限を持っているのか。国定公園に県知事が許可したものを、環境庁が待ったをかける権限があるかと言っているのだ。
○新谷説明員 国定公園内の許可事務につきましては知事に権限が委任されておるわけでございますけれども、その中で非常に規模の大きな開発につきましては環境庁長官に協議をしていただくということになっておるわけでございます。ただ、この秋田の栗駒国定公園内の地域につきまして、地熱発電のための協議が環境庁の方に正式に出てきておるということはございません。
○川俣分科員 どうもかみ合わないね。それじゃ逆な言い方で聞くと、六カ所先に承認しておって、追加はなぜ承認できないのか。規模が小さいのかね。
○新谷説明員 地熱発電につきましては、先ほど来お話が出ておりますが、いろいろ環境上の問題としては今後検討しなければいかぬ問題がたくさんあるわけでございます。ただ、技術開発の問題としましてはこれは進めなければいけないということで、その点は私ども十分理解いたしておるつもりでございます。そういうことで、技術開発の段階としてとりあえず六カ所をとにかくやっていただくというのが環境庁のこれまでの方針でございます。
○川俣分科員 地熱は蒸気と熱水と分かれますね。蒸気の方で発電をやろう。それから熱水の方は還元するかあるいは水を温める、熱交換してそうして残ったものはもとへ戻す、こういうことですね。そうしますと、環境を汚すということでネックになっているとすれば、もう少し国会に出してもらいたい。論議しなければならぬですよ。鉱山の蓄積公害だって、言わせてもらえばあれは通産省が許認可したものだ。許認可したものをいまどこが責任かと言ったら、許認可した者も責任の一端があるはずだ。そうしますと、将来これが六カ所の方は責任を持ってくれるのかというのです。六カ所以外のものはこれから先どういうことになるかということだ。HSとAsとどこがネックになっているのだ。エネルギー庁の方は技術屋さんがおられることだろうから、全部戻すようにして、HSの場合は地下に戻すのだ、それからAs、砒素の場合は飛ばないはずだ、これは比重がかなり重たいから、だからそういうようにやるのだということで、六カ所の場合は通産省と話がついたが、その追加の場合はつかないからだめなのかということなのだ、これから聞くのは。六カ所の場合は全部通産省と環境庁と話がついて、全部レイアウトもちゃんとできて、青写真もできて、このように手だてをするということで判こを押したのか、それとも追加は認めないというのは、まだ追加の分はそういうことがまだ出ていないから認めないと言っているのかどっちなんだ。
○新谷説明員 私ども、地熱発電につきまして心配いたしておりますことが二つございまして、一つは、公害の問題ではなくて、山の中に大きな発電施設ができる、そのために取りつけ道路ができる、あるいは地上にパイプが走るということで、自然公園の景観地の中のいわば自然の物理的な喪失がそこで生ずるということをまず一つ心配いたしておるわけでございます。 それから公害の問題につきましては、これまでのところ、特に六カ所開発しておるところで大声な被害が出てきたとか、そういうことはないわけでございますけれども、しかし専門の学者の先生方の御意見ではいろいろわからない点がまだたくさんある。たとえば熱水を地下還元することによって問題を生じないようにするということでございますけれども、地下還元した熱水がどうなるのか、もしその中に砒素が含まれておるといたしますと、それが何か地上にしみ出るとか、そういうことがないかとか、そういう点でわからない点があるということでございます。したがいまして、全体としては慎重にやっていかなければならない。しかし、技術開発を全然やらないわけにはいきませんので、やはり片一方では技術開発をやりながら、そういう環境上の問題を十分調べながら対処していくということが必要ではないかというふうに考えておるわけでございます。
○川俣分科員 すでに許可した六地域は大した問題ではない、本当にそうかね。九州の事件なんか聞いておるのじゃないか。時間がないけれども、じゃ事実をやりますよ。あなた、そんなことが言えるかね。
○新谷説明員 現実に大きな被害が発生しているということはないというふうに申し上げたのであります。問題はいろいろ検討しなければならぬ点がございます。
○川俣分科員 それだったら、六カ所をやってみて、松川初め大岳、いろいろと発電をやらしてみたら大したことはない、だから追加をするという方向で環境庁は行っているのかね。六地域の追加はどういうことなんですか。今後は認めないというこの覚書の方を優先しておるのか、六地域をやってみたら大体安全だからこれから追加するという方向で行っているのか、どっちなんだ。
○新谷説明員 被害が出ておりませんと申し上げましたのは、そのことによって大量の周囲の木が枯れたり、あるいは砒素中毒が現実に起こったとか、そういうことが起きていないということを申し上げたわけでございまして、今後、六カ所でやったところで、たとえば硫化水素が出るわけですけれども、それが最終的に地上に落ちまして、長い期間でその地域にどういう影響を与えるかというような問題につきましては、やはりこれからは十分研究していかなくてはいけない問題だというふうに考えておるわけでございます。
○川俣分科員 問題は、あんたの方で六地域をテスト的に日本の国でやらしているのか、そうじゃなくて、通産省と環境庁の覚書を盾に、もう絶対追加は認めないということにウエートを置いて認めていかないのか、国民はわからない。エネルギー開発について、エネルギー資源としてこれから地熱に持っていく方向なのか。あんたの話を聞いてみるとそれがわからないんだよ。どうなんです。
○新谷説明員 現在、六カ所やっていただいておりますのは、あくまで技術開発のための試験的な段階のものとしてやっていただいておる、そういう理解でございます。
○川俣分科員 それはだいぶ違うな。きょうは課長しかいないけれども、局長段階では、一応六地域は指定した、しかし、六地域以外は認めないよという覚書を結んだ矢先の追加じゃ、官庁同士だからなかなかそうは……。したがって、ある程度六カ所の結果を見ながら追加をしていくという方向で検討するというのじゃないのか。どうなんです。
○新谷説明員 当分の間実際にやってみて、その影響を調べていくという趣旨で通産省と話をしたわけでございまして、そういう意味では、先生御指摘のように、将来とも絶対に認めないとか、そういうことではございません。
○川俣分科員 長官、これはどうなんだろう。四十九年は二億八千万円、五十年度は八億円、調査費がのっているんだが、いまの話を聞いてみると、いま予算修正で財源探ししているんだが、五十年度はこの八億円はもう要らないのかな。これはどうなんです。
○増田政府委員 いま環境庁との間で話し合いをしておりますのは、国立公園それから国定公園内だけでございまして、それ以外の地域であれば、これは環境庁との話し合いの対象外になるわけです。ただ、今後行います地熱発電の非常に大きな部分はやはり国立公園あるいは国定公園内にあるわけです。それから、先ほど環境庁からも御説明ありましたのですが、一応六カ所をやる、それから六カ所以外につきましては当分の間、国立公園、国定公園の景観あるいは風致維持上支障があるというものについてはやらない、しかしその問題がなければケース・バイ・ケースに認めていくということでございます。つきましては、私どもは地熱発電を推進する立場でございますので、いまのような景観あるいは風致を害するか害しないかという問題につきまして十分調査をいたしまして、そして環境庁にも十分理解を得てもらいまして、その上でこれを処理いたしたいと考えておりまして、環境庁の方も絶対にその六カ所以上一切認めないということではございませんので、当分の間そういう問題のあるものについてはやらない、しかしその問題がなければ、これはケース・バイ・ケースに審査をするということで話し合いはついておる、こういうふうに私どもは思っておるわけでございます。
○川俣分科員 それはやらないと言ったって、いいですか、こういう覚書なんだ。「自然公園内の自然環境及び風致維持上支障のあるところは、調査工事及び開発工事を行なわないものとする。」だから、やらないことなんだ、この覚書からとると。 〔主査退席、塩川主査代理着席〕 そこで私は最後に大臣に申し上げますけれども、いま新潟の柏崎で原子力発電でいろいろやっておるんだが、公害問題だけでやるというなら、原子力発電の方が大丈夫で地熱発電の方は危ないというのは私は絶対言わせないよ。HSとAsの管理の問題はウランを管理するよりずっと人間的には安易なんだから。それからいま長官が、八億というのは自然公園以外の区域を調査する、こう言っているんだけれども、そうじゃないんだ。やはりそういう温泉地帯に地熱があるわけだ。大体自然公園の中なんだ。したがって、自然公園ならみんなで環境のあれをうるさく言うんだが、自然公園以外のところなら、一般の村民の家屋敷とかあるいは部落の土地の場合は金さえあれば買収していく、環境庁は手を抜く、こういう方向なんだ、あなた方の話を聞いてみると。それではたまったものではないんだ。自然公園法という法律だけを盾にして環境庁が言うならわれわれは不満ですよ。そうじやなくて、こういうような管理をするから、こういうトレースができたから、こういう青写真ができたから、六地域で承認したようにこれもやはり、こういう決め手があるならそういう方向でひとつ検討しようではないかという考え方が環境庁にあるならば、これは地熱開発を日本もやるんだなということになるのですよ。大臣、どうなんです。通産大臣、ひとつ最後に……。
○河本国務大臣 地熱発電は日本の貴重なエネルギーの一つだと思います。そこで、先ほど来質疑応答がございましたように政府の方でも積極的にやっていきたい、こういう基本方針なんです。そこで、いろいろ環境問題その他で問題がありますけれども、国の利益というものは総合的な判断で決められなければならぬと思います。そういう総合的な立場に立って、今後どうするのが一番よいかという立場で関係各省を調整していきたい、かように考えております。
○川俣分科員 終わります。
○塩川主査代理 これにて川俣健二郎君の質疑は終了いたしました。 次に、栗田翠君。——村岡国土地理院参事官。
○村岡説明員 一昨日の当分科会で栗田先生の御質問の中のその一部で、広尾付近の地震及び松代地震に際して加速度が大きいものがあった、そういうことはないかという御質問でございましたが、われわれの調査不足で的確なお答えができなかったので、この点、われわれ十分ではございませんが、調査したその資料に基づいて訂正させていただきたいと思います。 そこで、松代地震につきましては、その観測で四百十九ガルという値の加速度が出た例があります。それから広尾付近の地震でも同程度の、四百三十七ガルという加速度が観測されたという資料がございましたので、改めて訂正させていただきます。
○栗田分科員 おとといの東亜燃料清水工場の増設問題を続いて質問させていただきます。 いま国土地理院からお話のありましたとおりでございまして、そのおとといの質問の要旨は、東燃清水工場がPR紙として出していました「東亜橋」という宣伝紙の中で、地盤の問題でもそれから耐震構造の問題でも、これこれであるから安全であるといろいろ書いてあったわけですが、その中で、関東大地震の二倍の強さ、つまり地震係数〇・四五以上に耐えるものとして設計してあるから大丈夫だと言っていたわけです。松代地震といいますのは比較的小さな地震が幾度も起きたというふうに思われていますが、加速度の点ではいまお話がありましたように、あの国土地理院のお話でも四百十九ガル、これは地震係数で〇・四一九ということになるわけです。ですから、地震係数〇・四五以上に耐えれば大丈夫であると、簡単に述べていますけれども、非常にこの点が不正確であり、非科学的である。これだから大丈夫なのだということは必ずしも言えない、こういうことだと私は思って、その点で、先日質問したわけでございます。こういう加速度の高いものが起こっているし、まして今度東海地方に起こると予測されている地震は、あるいは関東大震災以上の、安政の大地震くらいのエネルギーを持ったものではなかろうか。そして、観測強化地点になっているという点で、この地域が非常に危険性をはらんでいる地域であるということだと私は思います。 次に、ここに写真があります。これは、清水市の駅前のデパートの屋上から、清水港に向けて撮った写真でございまして、ごらんになってわかりますように、余り見えないかもしれませんが、これが清水駅です。その後ろにたくさんの石油を満載した貨車が並んでいます。清水駅の構内になっていまして、そのすぐ後ろに東亜燃料のタンクが林立しているわけであります。このタンクから清水駅の構内までは、何とたった百五十メートルです。そしてまた、東亜燃料のタンクから清水市内まででも三百メートルです。こちら側は全部、清水市の繁華街になっているわけでございます。こういう立地条件のところに東亜燃料のタンクというのが立っていまして、それをいままた三・六倍に増設しようという状況になっているわけなんです。この東亜燃料の過密度を見ますと、一バレル当たり一・一三坪から一・一六坪と言われています。これは全国の過密な石油基地のワーストファイブに入ると言われるような過密度をいま持っているわけですけれども、さらにここにそういうものが建てられるという状況です。 次に、消防庁に伺いますけれども、たとえば火事が起きた場合、木造の住宅というのは大体どのくらいの熱量で燃え上がるものなんでしょうか。
○永瀬説明員 家屋が燃えますのは、木材としますと、いろいろな数値がございますけれども、三百五十度ぐらいの温度になれば燃える、ということが一般に言われております。そこへ来る熱がどれくらいかという問題ですと、これはケース、ケースによってちょっと違いますので、一概には言えないと思います。
○栗田分科員 三百五十度ぐらいで燃え上がるというお話でございます。 ここに、清水市の技術顧問グループの出した資料がございます。これは「東亜燃料工業(株)清水工場増設計画に対する公害防止対策等中間報告書」というものでありまして、市が委託しました顧問グループで、安全性についていろいろ調べて報告書を出しておりますが、こういうことを言っています。つまり、東亜燃料の清水工場でもし火災が起きた場合、「この結果、火災高さ二百メートルと仮定すると、現東燃計画で、約四百メートルの地点で四千五百キロカロリーの数値が得られる。」ということなんです。そうしますと、その四百メートルの地点でそれだけの熱量が発生するということになりますと、私いま写真もお見せして説明したわけですけれども、四百メートルというと、完全な市街地なんですね。百五十メートルで清水駅ですから、ここで万一火災が起こりましたら、石油を満載した貨車に燃え移り、それから清水駅に燃え移り、繁華街が災上するということは非常にあり得るわけなんです。これだけの近いところに、こういう危険なものが建てられている、しかも先ほどから申しましたように、いま地震が非常に起こると予測されている観測強化地点であって、それから地盤の点などでも、埋立地で非常に問題が多いというところに、こういうものがぎっしりと建てられるということでございます。 そこで伺いますけれども、第四十七回石油審議会、昭和四十八年十一月十三日の資料がここにございます。この石油審議会の資料の中で、これは答申の認可の条件として「特定設備の許可について」に定める「原油調達計画」、「備蓄計画」、「低硫黄化計画」及び、「立地計画」については、今後すみやかにその具体化計画を審査することとし、それらについての実施体制の確立をまって許可を行なうものとする。」というふうな文章がございます。そして「特定設備の許可について」の内容を見てみますと、たとえば立地の問題でこういうことを言っています。「過密化地域での新規立地等過度の集中をもたらすものを極力抑制し、工業の分散配置、物的流通の合理化等に資するものであること等国の立地政策の観点からみて適正な立地のものであること。」また(ロ)として「保安のためのスペースの確保、保安管理体制の整備等保安対策及び大気汚染、水質汚濁、海洋汚濁の防止等の公害防止対策が充分講じられるものであること。」、こういうふうに言っております。この点について、この東燃清水工場の場合どうであるのか。いままですでに審議、検討されていらっしゃるのでしょうか。
○左近政府委員 清水工場の増設に関しましては、四十八年の十一月の石油審議会の答申で、将来許可をしてもいいという答申が出ておりますが、これはせんだって長官が申しましたように、石油の需給の緩和から、四十九年九月、一時それを凍結いたしまして、四十九年九月の石油審議会で、五十二年四月というふうに完成時期を繰り下げて許可をしてしかるべきであるという答申が出ておるわけでございますが、その内容につきましては、いま先生がおっしゃったような問題がございますので、目下検討中でございまして、そういう点でも、まだ許可はしていないということであります。
○栗田分科員 まだ結論が出ていないというお話でございますが、そうしますと、いままで私が、おととい、二十四日に、三十分にわたりましていろいろと立地の問題について申し上げました。ああいう観点からごらんになりまして、この東燃清水工場を、あと三・六倍の容量に増設するということは適切だとお考えになりますか、それとも、非常に不適切だとお考えになりますか。
○増田政府委員 前回いろいろ先生から御指摘がございました問題点、これらにつきまして、私どもの方は関係官庁とも十分相談をいたしまして、そして結論を出していきたいと思います。
○栗田分科員 その場合に、何といいましても、市民の安全と健康ということをまず第一に考えなければならないと思いますけれども、その点についてはどうお考えでしょうか。
○増田政府委員 こういう新しい設備を設けるに当たりましては、当然付近の住民の方々その他の御協力と理解を得て行うべきものだと思っております。市の方でも、この前ちょっと申し上げましたように、昨年の秋、公害対策審議会を開催して、この問題をいろいろ検討しようといたしたわけでございますが、私ども聞いているところでは、反対派の方々が押しかけられて、そのため開催できなくて、この審議ができなかったというようなこともあります。しかしながら、私どもは、この問題につきましては、市民の声も聞きながら、この問題の適切な処理をいたしたい、こういうふうに考えております。
○栗田分科員 いまの反対派が押しかけられたというのは、先日もおっしゃいましたけれども、その辺はいろいろ異論のあるところだそうでございまして、私の調査では、市民は要望に行ったけれども、しかし、特に開催できなかったのは、三人の委員が出席を拒否されたからであるということも聞いておりますので、その辺も一方的にお考えにならず、よく調査なさるべきではないかと私は思います。 それで、もう一度重ねて大臣に伺いますけれども、いま慎重に検討中であるとおっしゃいましたけれども、私、いままで、とにかく三十分かけまして、地盤の問題とか、それから工場側のPRが非常に非科学的であって十分な根拠がないということ、その根拠にしているものが必ずしも確実ではないということなど、申し上げてきたわけですし、それから、地震観測強化地点であるという問題、いまの過密の問題、これはまた全国的にも珍しいほど近いそうですか、都市に非常に近いという問題、こういうことも申し上げているわけでございます。これは立地の点から言って望ましいものではないと私は思うのですけれども、大臣はどうお考えになるのでしょうか、大臣の御感想を伺いたいと思います。
○河本国務大臣 先ほど来、長官及び石油部長から御答弁いたしておりますように、石油審議会からは、建設を許可してよろしいという答申をいただいておりますが、石油業法による許可はまだ出しておらぬわけであります。問題点がいろいろあるようでございますから、十分その問題点を調査いたしまして、納得いく形で処理をしたいと思います。
○栗田分科員 住民の安全と健康のために、ぜひ慎重にやっていただきたいというふうに重ねて申し上げます。 そこで伺いますが、それでは、この石油審議会の委員の方々のメンバーでございます。私の手元にあります資料を見ましても、二十名の審議委員、そして四名の専門委員の方々がいらっしゃいます、これは石油業法によりますと、十八条で「委員及び専門委員は、学識経験のある者のうちから、通商産業大臣が任命する。」ということになっております。ところで、この二十四名の方の中で、学識経験者というのは、一体どの方たちなのでしょうか。
○増田政府委員 石油審議会につきましては、これはこの前たしか御答弁申し上げたと思いますが、石油の長期需給を検討いたしまして、それから見まして、新しい設備を設置するのが適当かどうかということを判断してもらうという審議会でございます。そういう意味で、私どもがこの石油審議会委員として任命しておられる方々は、それぞれ業界の経験がある方、あるいは石油その他に関しまして専門的な知識を持っておられる方ということで、学識経験者として任命しておるわけでございます。
○栗田分科員 そういうのを、私なんかは普通学識経験者と思わないのです。しかも審議委員ですと、中立の立場に立って認可すべきかどうかということを審議される方たちが多数いらっしゃらない限り、やはり特に関連会社などの社長や取締役でしたらば、自分たちの営業に必要な結論を出されるということもおそれられるからこそ、そういう条項があるのだと思います。それでは伺いますが、中立の立場の方というのは一体いらっしゃるでしょうか。
○増田政府委員 ちょっと手元に名簿がございませんが、あるいは先生のところでお持ちかと思いますが、たとえば円城寺さんとか稲葉さん、そういう方々は、これは中立委員であるということで任命してあるわけでございます。
○栗田分科員 いまおっしゃいましたのは、日経新聞の取締役社長円城寺さんと、それから日本経営情報開発協会理事長稲葉さんでいらっしゃるわけですね。それじゃ、お二人しか中立の方はいらっしゃらないわけでしょうか。私の手元にあります名簿を見ますと、これはと驚いたのですけれども、たとえば日本石油株式会社取締役社長、三菱商事株式会社顧問、石油化学工業協会会長、東亜燃料工業株式会社取締役社長、石油工業連盟会長、全国石油商業組合連合会会長、石油連盟会長、丸善石油株式会社取締役社長等々ですね。あとガス、電気の関係の方、ぎっしり並んでいらっしゃいまして、この中で、私など見まして、中立の方というのはどの方かなと思ったわけです。こういうメンバーばかりで審議をしましたらば、どうしても住民の安全とか健康とかということよりは、石油業界の必要が優先すると私は思うのです。ここの審議の許可だけで、そこを尊重されておりますと、一体どういうことになるのだろうか。こういうことをやっているものですから、いままで全国で大きな石油基地の事故とかが起きまして、住民の暮らしや安全が脅かされているのじゃないかと私は思うのです。いかがですか。
○増田政府委員 若干、私の説明が足りないのか、あるいは先生の誤解かと思いますが、石油審議会は、日本が新しい石油精製設備を設けるにつきまして、それが需給上の観点からどうか、それからまた、その精製設備を設けることが日本の石油の安定的な供給に役立つかどうか、こういう観点で審議いたすわけでございます。ですから、その意味では、ただいま先生が挙げられました方々が、石油の実情を知り、またあるいは需要部門から石油の需給の実情を知っているということで任命しておるわけでございます。それ以外に、石油には直接関係はございませんが、石油の問題を非常に研究されておられる、たとえば先ほど挙げました円城寺さんとか稲葉さんという方々を任命しておるわけでございます。 それで、石油業法の立て方が、石油設備を過剰に設置しないということで、しかも石油の需給を長期的な観点でいかに見るかということを主眼点にいたしまして、そして審査いたすということでございます。ですから、その意味におきまして、そういう方面の専門的な方々を委員として任命しておるというのが実情でございます。
○栗田分科員 いまのお答えでますます明らかになりましたが、石油の需給安定を中心に審議がされるということです。そうなりますと、一層住民の安全とか環境問題ということは抜けていくわけでして、なるほどなあと、私もいま伺って改めて思ったわけでございます。これではしようがないのですね。爆発でも起きたときにどうなるか、という問題なんかについて本気になる人が余りいない。これではいいかげんなところで全部認可されまして、住民は危なくてしようがないわけじゃありませんか。その辺は絶対今後改めていただかなければなりません。 続いて伺いますけれども、前回質問していました中で、事前チェックの機関がないということがわかりました。消防庁でも、タンクを設置してからは水を張ったりして調査するけれども、事前に地盤が適切かどうかなどということはやっていらっしゃらない。通産省でもやっていらっしゃらないという点も、この前わかったわけですが、いろいろなものができてしまってからやめろと言っても、これはなかなか大変なんです。本当に環境、それから立地、それをまず最初に考えまして、最も適切なところに適切な工場をつくっていくということでない限り、危なくって仕方がないということです。いま続々と大きな事故が起こっておりますけれども、そしておとといの質問でも、そういうことから、今後はいろいろな規制その他も見直していくという御発言がございましたが、事前チェックの体制というのは今後おとりになるおつもりですか。通産省に伺います。
○増田政府委員 先生のおっしゃいました趣旨は、私どもも同感でございまして、つまり、こういう新しい設備を設けるに当たっては、十分に環境問題公害問題を調査いたしまして、そして慎重にやるべきであるということにつきましては、私どもも、そういう方向で行政をやっておるつもりでございます。 そこで、先ほどちょっと先生が言われましたことについて申し上げておきたいのですが、石油審議会につきまして、いろいろ御指摘がありましたのですが、私どもは、石油審議会が許可、不許可を決めるというふうには考えておりません。これを決めるのは通産省が決めるわけでございまして、通産省が決めるに当たりましては、先ほど申し上げましたような精神でやっていくというつもりでございます。それで、石油審議会につきましては、これは需給の分析でございますので、そのような構成になっているということでございます。 それから、いまお尋ねの、事前のチェックということにつきましては、これは先回それから本日、先生からいろいろの具体的な御指摘がございました。私どもも、これは消防庁その他とも十分連絡をとりまして、できるだけ事前のチェックをいたしまして、その上で許可を決めていきたい、こういうふうに思っております。
○栗田分科員 石油業法に基づく通産大臣の認可が最終決定になるわけですから、東燃清水工場ばかりでなく、今後全国の工場の新設、増設に対して、本当に住民の安全、環境を大切にするという立場での認可を必ずやっていただきたい、そう改めて申し上げます。 続いて、ここに今度は私は、清水港の港湾計画平面図というのを持ってまいりました。これは東燃の増設に当たりまして、清水港のこの位置ですけれども、東燃の工場の敷地の増設したところに、シーバースが増設されているわけでございます。このことに関して質問いたします。 四十九年に出されました海上保安庁の通達がありますが、この中で、シーバースの建造についての事項があるわけなんです。これは、付近に他の船舶が頻繁に錨泊しない場所であること。原則として航路筋から千メートル以上離れていること。それからいろいろありますが、入港、出港の際、航路を横切らないことなど、そのシーバース建設についての指導の基準がここにあります。 ところで、この東燃増設のために設けられたシーバースでございますが、これはこの地図ではかってもはっきりわかるのですが、ちょっとお見えにならないかもしれませんが、ここがシーバース、これが航路でございます。航路からシーバースまでの距離というのが、何とたった三百五十メートルしかありません。千メートルという基準に対して、非常にこれは切迫した状態になっております。それから、付近に錨泊する船が余りないことということですけれども、この清水港というのは、いまでもたくさんの船が錨泊しておりまして、この航路の両わき、常に五、六隻は必ずいるという状態、もっと多いときにはもっとたくさん錨泊しております。それから、十万トンタンカーが入港できるように許可されてつくられているのですが、つい先日は二十万トンの照国丸なんというのも入ってきているのです。この十万トンから二十万トンの船という大きさになりますと、この地図に対してこのぐらいの大きさです。十万トンで二百八十メートルぐらいの長さ、二十万トンだと三百メートルです。これが航路を通ってきまして、シーバースに横づけになる場合には、船の性質上、どうしても航路を横切らなければならない。しかも、清水港湾というのは、もう速度を落として、ほとんど停止できるような状態で走るようにされている港でございます。 こういうふうな幾つかの問題がありまして、いま挙げました通達の三つの条件から言って、どれも不適切な状態になっておりますが、こういうふうなシーバースがつくられているということは、非常に港の中での事故を起こす危険があると思います。その点について、安全上どうお考えでしょうか。
○野呂説明員 お答えいたします。 先生御指摘のとおり、清水港内の航路から着桟場所までは、二百七十メートルでございますが、この大型タンカーの離着棧に当たりましては、十分な馬力を持った曳船を配備させております。それから、入出港時並びに着桟中には、消防能力を有する警戒船を配備し、夜間着桟は行わない。それから、風速毎秒十五メートル以上のときは着棧させない。それから、着棧時接岸スピードは毎秒十センチ以下とする。その他の安全対策を講じさせまして、着棧を許可いたしております。
○栗田分科員 ですけれども、こういう通達が出ているわけですね。この航路まで千メートルとかその他いろいろな条件というのは、やはり安全の最低の基準として出されたものだと思うのですね。それをはるかにオーバーするような危険な状態でありながら、これこれの安全対策をするからいいのだとおっしゃるのは、ちょっと海上保安庁としてはどうかと思うのですけれども、その点はどうなんですか。ほんとうにこんな状態で港の安全というのが守れるでしょうか。
○野呂説明員 この東燃のシーバースにつきましては、先生も御承知のことと思いますけれども、昭和十七年に使用を開始いたしまして、それを四十六年に改造しておるわけでございます。改造の当時に当たりましては、この四十九年の通達の対象とはなっておりませんでした。しかしながら、改造工事に当たりましては、種々の安全対策をとらせることを条件として、一応四十九年の通達とは、航路からの距離の問題がございますけれども、それ以外につきましては、ほぼ同様の改善をさせております。 なお、東燃シーバースにおける危険物荷役につきましては、その都度、港則法に基づきまして、港長に許可申請がなされておりまして、その際、十分な対策を条件として許可を行なっております。 なお、先生が先ほどおっしゃいました四十九年の通達にいうシーバースでございますが、私どもは、ここにいうシーバースといいますのは、大量の危険物荷役のために通常陸岸から離れた地点に新しく設置する係留施設を指しておりまして、この四十九年通達の段階では、東燃のシーバースはこの範疇には入っておりませんでした。
○栗田分科員 通達が出る前にできたのだからとおっしゃるわけですが、しかし現在、通達に照らしてみれば、大変危険な状態でシーバースがあるということは事実なんですね。うなずいていらっしゃいますから、そうだと思います。 そこで、現在でさえこの清水港には、年間一万一千八百七十九隻の船が出入りしております。入るときと出るときですから、この二倍の航行になるわけです。そのうち、タンカーだけで三千二十二隻、これも二倍ですから、六千四十四回出入りをするということで、しかも、これは昨年、一九七四年一年間ですから、いまから三・六倍にもしふえた場合ですね、東燃などが増設されて、タンカーがますますたくさん入るということになります。それで、陸上でも、さっき言ったような過密、市街地に近く、地盤が悪いという問題、そうして港でもこのように大きな問題をはらんでいて、これでは住民が安全性を心配するのは、私は当然だと思います。 最後に、大臣に伺います。こういう状況でございますから、大臣は、この東燃清水工場の増設については、慎重にお考えいただかなければならないと思いますが、港の問題も含めて、もう一度、どのように住民の安全の立場に立ってこの点をお考えになるかを最後に伺って、終わりにいたします。
○河本国務大臣 石油業法による許可を下す場合には、いろいろな問題御指摘になったような問題も入るわけでございますが、そういう諸問題を十分検討いたしまして、慎重にいたします。
○栗田分科員 それでは終わります。
○塩川主査代理 これにて栗田翠君の質疑は終了いたしました。 中川利三郎君。
○中川(利)分科員 まず、林野庁長官にお伺いしますが、木材業、特に製材業者の不況の実態につきまして、林野庁が不況業種に指定をしたわけでありますが、この裏づけと、しからば今後一体いつごろどうなるか、こういうふうな見通しなんかにつきましても、ひとつお聞かせいただければありがたいと思います。
○松形政府委員 ただいま御指摘ございましたように、木材業界は大変不況でございます。と申します原因の主たるものは、もう御承知のとおりに、建築需要が、四十九年は四十八年の三割方落ちたということが主たる原因でございまして、そのための需給アンバランスということから、製品価格等が下落いたしまして、不況の実態になっておるわけでございます。したがいまして、昨年私ども、通産省あるいは大蔵省等の御協力を得まして、中小三公庫による金融とか、不況倒産関連業種に指定するとかというような努力をいたしまして、大体、製材の方にも、年末融資を含めて五百億円程度出されたわけでございまして、一応それで年を越してまいったのでございますが、今後の見通しといたしましても、現在建設省等におきましても、住宅の問題あるいはローンの問題等含めて、いろいろ検討されておりまして、私どもそれらの需要の増大というようなことを考えて、それぞれ対策を検討していこう、こういうところでございます。
○中川(利)分科員 それでは、通産大臣にお伺いいたしますが、いまお話しありましたように、木材業界、木工業界が異常な不況だ。そこで不況業種に指定されているわけでございますが、そういう指定されたということにふさわしい措置が、通産行政の中にとられているのかどうか、この点について、通産大臣の所見を聞かせていただきたいと思います。
○齋藤(太)政府委員 この総需要抑制の一環といたしまして、木材関係は、昨年の前半から、他の業種に先がけまして不況色が濃くなってまいりました。それで、私どもといたしましては、一つは金融面で、いろいろと不況のしわ寄せを、木材業界におきまして倒産等の不測の事態に立ち至らないように、所要の資金を確保する、こういうことに全力を上げまして、御承知のように、政府系の三金融機関でございますけれども、中小企業関係で、昨年の六月に千五百億融資枠の追加をいたし、また九月に千億の追加をいたしましたが、その千億の中でも、特に建築関連としての木材、製材、合板といった業界に力点を置きまして、融資を行ったわけでございます。九月に、不況業種の指定につきまして、木材関係を不況業種に指定いたし、これに対応いたしまして、昨年の秋に、民間の金融機関によります中小企業救済特別融資制度というものを設けておりますが、これを木材業界に発動いたしまして、民間金融でございますけれども、政府系金融機関と同じような安い金利で、約二百億強、木材業界に融資をいたした次第でございます。最近も、依然として木材業界の不況がまだ好転の兆しが少ないというふうにも伺っておりまして、政府系の金融機関を活用いたしまして、今後もその所要資金がございますれば、必要に応じて融資の確保方に努力してまいりたい、かように考えております。
○中川(利)分科員 大蔵省にお伺いしますが、銀行がもうけ過ぎだということは、一般に言われているわけでありますが、そういうせいかどうか、今回のいろんな不況問題についても、先ほど御答弁にもありましたように、いろいろ民間金融にも措置をとらしている、こういうことでありますが、いまのそういうかっこうで、それで十分なのかどうか。また銀行の、いまのもうけ過ぎたからということもありますけれども、いまの社会的責任からすると大蔵省として、とらせておる措置について十分だとお考えになるのかどうか、ここら辺のことをお聞きしたいと思います。
○清水説明員 中小企業金融の問題につきましては、大蔵省といたしましても、一般の民間金融機関に対しまして、常に十分きめ細かく配意して努力しろというような趣旨で、指導をいたしておるようでございます。そうした全般的な努力の中におきまして、特にただいまも長官からお話のございましたような、そういう中小企業のための特別の条件による融資制度の活用、ということも図られているわけでございますが、私どもといたしましては、今後とも民間金融機関のあり方の一環といたしましても、中小企業金融、あるいは住宅金融というようなところには、さらに重点を置いて努力していくようにという姿勢で指導いたしていきたい、こう考えております。
○中川(利)分科員 いまそれぞれ林野庁も、通産省も、大蔵省も、金融の関係その他で相当努力しているんだ、こういうことでありますが、改めて通産省に聞くわけでありますが、そういうことで、いまの不況に見合う救済措置としての有効な、何というか、実態をなしているのかどうかということに対して、ひとつ御見解を承りたいと思います。
○齋藤(太)政府委員 総需要抑制下でございますので、当面金融面でいろいろ措置をいたしまして、資金繰りが困難になるというようなことがないように気をつけてまいった次第でございますけれども、最近になりますと、中小企業の生産が非常に落ち込んでまいっておりまして、たとえば十二月で、前年の十二月に対します生産が二〇%ぐらい落ち込んでおります。倒産も非常にふえてまいっておりますし、下請関係のいろんな受注条件等も悪化を見ておりまして、私どもも非常に憂慮いたしておるわけでございます。それで、金融面の措置も当然といたしまして、いま中小企業が非常に望んでおりますのは、仕事をふやしてほしい、こういうことでございます。それで先般来政府部内でいろいろ協議をいたしておりますが、総需要抑制のたてまえはたてまえといたしまして、この中小企業の窮状に対しまして、物価に刺激を与えない程度でさらにできる、いわゆる需要の喚起と申しますか、需要をふやしていくという施策はないかということで、いろいろ検討いたしまして、たとえば住宅の融資の増加によります住宅建設の促進、あるいは公共事業の年度内に予定されております分の完全消化、あるいは電力会社等に対します社債の増加等によりまして、電力等の設備投資を増額いたしまして、その結果として下請等にその仕事が回ってくる、こういった仕事の拡大につきましても、いろいろと手を打っておるところでございます。
○中川(利)分科員 秋田県の木材と言えば秋田杉だということで有名でありますが、木材工業界の現状については、期末に六十四億円の資金が必要だ、こうされているのですね。そのうち十六億円が調達不可能である、こういうことが最近わかりまして、大変な問題になって、政府に融資陳情を改めてしておる、こういう状況がございますね。 どれだけ苦しい状態になっておるかということについて、現地の私のところの五城目というところ、これは木材の町というか、製材の町で知られているところでありますが、ここで働いておる——Aという工場でありますが、これは十名以下の余りいい工場ではないのですけれども、製品がどんどんたまっているというんです。どんどん出荷すれば、出荷するたびに赤字になるから出せないというんですね。いま一番困っておるのは、従業員の賃金を確保することだ。機械をこの前二百二十万円で買ったけれども、もう払えない。先の見通しが暗いということですね。十名以下のところでは、そういう状態がおしなべて起こっているわけです。 もう一つ、五城目の製材業者でBの業者ですが、六十人ぐらいの中堅企業ですね。これは製品を一石出すと二千円の損失だというんですよ。十一トン車を一台出荷するたびに二十万円の赤字になるというんですね。一カ月十一トン車を八車から十車出すから、大体一カ月平均にして二百万円近い赤字が生まれる。ところが、そうなると出さなければいいじゃないかというけれども、出さないと従業員の賃金が払えないというんですね。それでこの二月の十八日から二十六日、きょうまで、やむなく休業することにした。休業して、これはいいか悪いか一わかりませんけれども、雇用保険のそっちの方の手だてに追い込まれているという状況があるわけですね。政府の不況融資、いろいろお話ありましたけれども、何億だと言いますけれども、この六十人程度で百万しか来なかったというんですね。百万ですね。それで一カ月の赤字分にもならないと、こう言っているわけでありますね。現実に期末資金の調達にまた非常に苦しんでおる。どうしても十六億足らない、こういうことに対しては、改めてひとつ何か対応する具体的な措置をお考えになっていただいているのかどうか。この点について、これは担当は林野庁か大蔵省か、私よくわかりませんけれども、ひとつお答えいただければありがたいと思います。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 ただいま、その十六億どうしても足りないのだというようなお話でございまして、私ども第四・四半期と申しますか、それの資金につきましても、通産なり大蔵の方にも十分お願いしたい、こういうふうな気持ちでおるわけでございます。 ちなみに秋田の状況でございますが、これは先生の方がよく御承知でございますけれども、昨年の九月から年末にかけまして、政府三機関で出していただいたのが二十二億、先ほどの一般市中銀行から出していただいたのが三億、二十五億出ておるわけでございます。なお、秋田県は林産県ということもございまして、県が預託いたしまして、そういう倒産とかあるいは資金需要に対して対応したいというようなことで、県が準備しておる預託金が五十億ございます。実はその資金というのがまだ残がございまして、なるべくそういうものの活用を図っていただくように、私どもも県と連絡をとりながら、推進してまいりたいと思っているところでございます。
○中川(利)分科員 いま秋田県が木材県だから言うたわけでありますが、全国的にこういう状況が新たに発生して、この期末をどうするかということが大きい課題になっておると思いますので、こういう実態に即した手当てをしていただけるかどうか、改めて大蔵省にお伺いしたいと思います。
○清水説明員 私どもといたしましても、ただいまの木材で言えば農林省、その他一般的にも、通商産業省の方からお話は随時緊密にいただいているわけでございますが、基本的に、私ども、実態に即応して注意深く見ていかなければいけないという考えでおりますので、今後とも連携を密にいたしまして、遺漏のないように対処してまいりたい、かように思っております。
○中川(利)分科員 もう一回念を押すわけでありますが、そうすると、大蔵省や通産省からそういう点のお話が出た場合に、遺漏のないように、つまり前向きにそういうものにこたえていく、こういうふうな方向だということで理解してよろしゅうございますか。
○清水説明員 ただいまの段階で具体的にお答え申し上げられないのは大変に残念に思いますが、私どもといたしましては、十分検討させていただきたい、そのように思います。
○中川(利)分科員 ところで、先ほど申し上げましたように、せっかくのそういう恩典が、なかなか末端の方には金融が行き届いておられないというだけじゃなくて、先ほどの繊維の問題の質問にあったようでありますが、やはりいま零細業者なんというのは借り切ってしまって、もう担保物件がないというような状況になってしまっておるわけですね。どうしてもそこでも借りなければならない。そこでどうしても問題になってくるのは、一つは利息の問題でありますが、政府がこの前の不況業種に対して、通産省の資料によりますと、民間金融機関に対する中小企業金融の円滑化を要請したとして、さきに三千三百億円の総枠の融資を民間にお願いしたわけですね。ところが、この金利は政府の金利にならったものだと思いますが、先ほど非常に安い金利で貸しておるということを言いましたが、たとえば四十九年の二月段階のネオン七・五%以内の金利ですね。それから同年の六月から七月にかけての中小ガス、繊維、建設は大体八・九%以内の金利ですね。それから十月の段階の機械、木材が九・四%の金利ですね。 そこで、私お伺いしたいのは、この金利そのものが、政府金利の上がってきたのと同じなんですね。その点ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○齋藤(太)政府委員 この民間金融機関によります特別融資は、大体政府系金融機関の一般金利と同額、同じ金利水準でやろうということでございまして、昨年の前半は、政府系の金融機関の中小企業向け融資の金利が八・九%でございましたので、それで前半実施をいたしましたけれども、昨年の十月でございましたか、預金金利の引き上げに伴いまして、財政投融資の原資のコストが上がりましたので、政府系の金融機関の九・四%に利上げをいたしました。そのとき以後の民間特別融資関係もこれに合わせまして九・四に——これは保証料込みでございますが、いたしたわけでございますけれども、御案内のように、市中の金利は十数%というような高い水準にございまして、それに比べますと、相当低位の金利になっておるのじゃないかというふうに考えておる次第でございます。
○中川(利)分科員 木材や機械が九・四%、この特別の民間にお願いした分でも、最高の金利になっておるわけでありますが、私が言いたいのは、こういうかっこうの特別措置ですね、不況業種に対する。これはやはり不況対策のための措置でありまして、また一定の枠だけの貸し出しに適用する分なんですね。ですから、少なくともただ政府系金利にならった、ありがたい、こういうことではなくて、やはり不況のそうした特定の枠だけですから、金利は、たとえばここで言えば、七・五なんということは私は言いませんが、八・九%以内に統一する、こういうことをやるべきがやはり不況対策だ、こういうことになると思うのですが、ただ一般的に政府金利と同じに歩調を合わせたということで、何がしかの特別な手だてだということは、ちょっと納得もできませんし、八・九%に大体統一していただくというようなことになりますと、若干違ってくる点もあるではないか、こう思うのですが、こういうことができませんか。ひとつお考えになる余地がないものかどうか、大蔵省にお聞きしたいと思います。
○清水説明員 大変むずかしい御質問でございます。いろいろの事情を勘案いたしまして、やはり政府三機関と同じような水準には、少なくともしなければいけないのじゃないかというようなことで、現在の制度の運用を全体として円滑に持っていきたい、こういうようなことから、そういう運用になっておるわけであります。 それから、なおこれは御案内かと思いますけれども、実際問題としては、信用保証協会の保証が必要になる場合が多かろうと思いますけれども、いまの九・四%という金利の趣旨といたしましては、そういう保証の負担を込めて運用していくというようなことにもしておりますので、その辺のところは、それなりに民間金融機関としても努力しているという点は、御理解いただきたいところでございます。
○中川(利)分科員 政府がずっと金利を上げてきているわけですね。それにならった金利だということで、確かに民間に協力はいただいているわけでありますけれども、いまの民間の、政治的にも社会的にも指摘されている銀行のもうけ——もうけというと言いにくいわけでありますが、それから見ましても、そういう御指導は私はいただけるのじゃないだろうか、一般的にそうせよと言うのじゃないのですから、その点、ひとつ検討の対象になるとか、努力するとか、何かお答えがいただきたいと私は思うのです。率直に言いまして。この不況ですから、ひとつもう一回、御確認の意味でお答えいただきたいと思います。
○清水説明員 この制度がいまのような状態で、さらに運用を円滑にしていくという点で、ひとつ御理解を賜りたいと思うわけでございますが、なおこの制度だけでなくて、全体の中小企業金融に対して、民間銀行としていろいろの面でさらに努力を傾けていくということで、現在の不況に対処するように指導していきたい、そのように考えております。
○中川(利)分科員 どうもいまのようなやり方の中で、さらに大きな問題が次から次へ起こっているということが問題なんです。 そこで、今度は能代の製材業者の例であります。先ほど五城目というところを言いましたが、能代というのは全国でも有名な木材都市ですが、ここでは、出荷すると石当たり三千二十円の赤字になるというのですよ。先ほど二千円でしたな、五城目は。一方で荷が動かないで、平均在庫は二カ月たまっているというのです。先ほどお話がありましたように、住宅建設促進をみんな希望しているけれども、なかなか進まない。秋田市の合板連合会では、いま合板が一番やられているわけでありますけれども、二月十日に、はり天の不況打開総決起大会を開いて、政府関係筋に善処を要望しておる。国の政策て何とか住宅着工量を——前年比三、四割も減っているわけですから、その点を何とかしてほしいということ。一方製品価格は半値に落ち込んでいる。原材料費の値上がりで、かつてない危機的な状況をつくり出している。国、県、金融機関の善処を望むと、悲痛な声を上げているのです。 国は、それなりにいろいろやったということをいまおっしゃっていますけれども、そうした末端へ行くと、十分それが行き届いていなかったり、あるいは業者のそうした要望にこたえるものになっていない。こういう状況の中では、零細な人は本当につぶれるよりほかないじゃないか、こういうことなんです。おまえたちは零細だから仕方がない、では済まないわけですな。こういうことについて、何か手の届くあり方というのは一体ないのかということになりますが、ここら辺について、通産大臣は、いままでの組織の中で十分なんだという前提ではなしに、もっと末端に行き届くような措置を考える余地がないものか、その辺の御見解はどうですか。
○河本国務大臣 いろいろ問題点についてのお話がございますが、この木材も特に不況ではありますが、日本の全産業が、不況にいま苦しんでおるという状態でございます。繊維もそうでありますし、家庭電器その他いろんな業界が、木材業界と同じように苦しんでおるというのが現状だと思うのであります。でありますから、根本的には、どうしても景気をよくする、経済活動を活発にする、中小企業に十分な仕事をつくっていく、これをしませんと、やはり根本的な解決にならぬと思います。 それから、あわせまして、金利の問題も、日本の金利水準全体の中においてこれをある程度解決していくということでありませんと、長続きしない。確かに、おっしゃるように、金利水準は高いと思います。中小企業にとりまして、いまの金利水準の負担は大変だと思います。でありますから、何とか金利水準全体を引き下げるという方向に持っていく過程において、いまの問題を解決していく、そういうふうにしたいと思います。
○中川(利)分科員 確かに仕事がないといいますか、荷が動かない。このことが大きい問題なわけです。木材の場合は、住宅の建設が少なくなった、落ち込んだということだと思うのです。 そこで、たとえば新聞なんかを見ましても、政府の住宅金融の問題ですね。民間の金融機関からの住宅融資の促進だとか、いろいろなことを政府はうたっておりまして、それなりにやるのだやるのだ、円滑な実施ということを言っている。しかし、実際にこれがやられているかどうかということです。さっぱりよくならないわけです。だから、政府機関が、それぞれ政府自体、あるいは民間に対して、そういう住宅金融なんかについて、ただ閣僚会議で決まっているということだけでなく、実際具体的な手だてをどのようにやっているのか、この点をひとつはっきり、うたい文句と中身がそぐうようなかっこうで、具体的に明らかにしていただきたい。 もう一つは、原木高の製品安という問題です。いま業者が、たとえば国有林から買う場合、何ぼ損するかということが問題になっておるのです。払い下げ価格の中に、入札して受け取った丸太の中に、たとえば適正な利潤だとか労賃だとか、そういう業者の分は一つも含まれていないのです、つくったものより原木の方が高いのですから。だから、どんな業者も談合するなんということはとんでもない話で、何ぼ損して買うかということがさしあたってのいまの課題だというところに、根本的な矛盾があると思うのです。 この二つについて、一つは大蔵関係から、一つは林野庁から、お答えをいただきたいと思います。あと時間がないので、まずその点をはっきりお伺いしたいと思います。
○清水説明員 まず、政府関係機関であります住宅金融公庫につきましては、これはかなりの財投の追加をしてやっております。すでに昨年十月には千七百八十六億円の財投追加、それからさらに、本年に入りましてから八百五十億円の財投追加を行っておるということで、ことに本年のものは全くの追加といたしまして五万戸すでに募集し、その推進を図っておるところでございます。 それから民間の方につきましても、これは先ほどもちょっと申し上げましたが、民間金融機関の重点といたしまして、住宅金融に、全体の枠の厳しい中での努力を傾けるようにという指導をたびたびいたしておりまして、たとえば最近におきましても、四半期単位で貸し出しがふえていく中の一割を割らないような努力をしなさいというようなことで、これは民間金融機関も大体そういう線に沿った努力をしておる。したがいまして、たとえば融資の伸び方を見ましても、全体の残高構成の中で住宅ローンの構成割合というものは、この二、三年来非常な急ピッチで高まっておる、こういう状態にあるわけでございますが、なお今後とも、そういう姿勢で努力するように指導していきたい、かように考えます。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 先生御指摘のように、原木高の製品安じゃないか、非常に苦しんでおるよということでございます。実は原木高と申しましても、秋田の場合、特徴的にとらえてみましても、非常に工場が多い。そして小さいものが非常に多いということもございまして、それをどうしても操業しないと、赤字がさらに累加するということで、操業するための原木入手というようなことも一つの大きな原因だろうと思っております。したがって、私どもその実態がよくわかっておりまして、営林局のそういう予定価格をつくる場合に、先般も先生からも御指摘ございましたけれども、いかに適切な市況を把握していくかという努力を重ねておるところでございまして、公売価格とかあるいは原木市場の市況調査、聞き込み調査、そういうことをなるべく回数を重ねて、その時期に合ったような市況をつくって、原木の公売あるいは随契等を通じて供給していくというようなことで、努力してまいりたいと思っておるところでございます。
○中川(利)分科員 また改めて、ほかの機会にやります。これで終わります。
○塩川主査代理 これにて中川利三郎君の質疑は終了いたしました。 午後一時三十分より再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後一時九分休憩 ————◇————— 午後一時三十二分開議
○正示主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 通商産業省所管について質疑を続行いたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。塚本三郎君。
○塚本分科員 通産大臣にお尋ねをいたします。 御承知のように鉄鋼の価格がいま非常に下がっております。メーカーに言わせますと、コストを下回っておるというような表現を使っております。一ころ十万円をトン当たり超えたところの製品がいまは四万円台にまで物によっては落ち込んでいる。半分以下という状態になっております。申し上げるまでもなく、鉄鋼は産業の米だと言われるくらい実は基礎的な資材だと思います。その基礎的な資材が倍以上に、あるいは半分以下に下がるということは、これを利用する需要家にとっては大変迷惑な話だと言わなければなりません。こういうような状態で、工賃がもうかる、もうからないということよりも、資材の安い高いの方がもっと決定的な大きな影響を与える、これが鉄鋼の姿だと思います。したがって、これから中期的にどうなっていくのか、通産大臣として見通しをまずお聞かせいただきたいと思います。
○河本国務大臣 先ほど、鉄の値段が十万円になったり五万円になったりする、すべての仕事がそれでは大変やりにくいのではないかと、こういうふうな御指摘でございますが、確かにそういう面はあると思います。基礎物資中の基礎物資である鉄がそういう状態であるということは、計画を立てにくいという面もありますが、これは自由主義経済のたてまえから言いますと、その程度の価格の変動というものは私は万やむを得ないのではないか。景気の動きによりまして、ほかの物資では値段がもっと動いておるのもありますから、さらに変動の激しいものもありますが、ある程度は万やむを得ないとは思いますけれども、しかし、おっしゃるように基礎中の基礎の物資でございますから、できるだけその変動の幅が少ないということが望ましい、こういうふうに思います。
○塚本分科員 やむを得ないなんというような言い方は、大臣としてはちょっと不謹慎な表現だと私は思います。しかし、努力の末こうならざるを得ないという意味では、私はその答えはお聞きいたしますが、それではこれからの中期的な見通しはどうなっていくのか、これをまだお答えいただいておりませんので、聞かしていただきたいと思います。
○河本国務大臣 鉄の中期的な見通しにつきましては、政府委員が来ておりますから政府委員から数字をもって答弁をさせます。
○矢野政府委員 ただいま先生御指摘のように、現在不況でございまして、鉄鋼業界、非常に不安定な状態になっておりますことはそのとおりです。ただ、中期的な見方ということでございますから、これから五年くらいの間ということを想定いたしますと、経済成長がある程度安定してくる。それから現在輸出が非常に悪い。しかし輸出も、全体的には世界の鉄鋼供給、非常に供給の方が早くいえば不足するのではないかという見通しもございますので、いずれ輸出もある程度回復してくるのではないか、こういうような感じを持っておるわけでございます。ただそれに対応いたしまして、私どもとしては、要するに基礎資材でございますから供給力がとにかく確保されなければいかぬ、そういうようなことで、昨年九月の産構審におきます鉄鋼部会でも高炉三基の新設を認めて、五年間くらいについて安定した供給が図られるように、こういう努力をしているところでございます。
○塚本分科員 輸出がやがて回復して景気も回復すると言うが、大体回復の具体的にあらわれるのは五年くらいの間のうちのいつごろと判断してみえますか。
○矢野政府委員 現在の粗鋼生産の見通しでございますが、四十八年度は実績で申し上げますと一億二千万トンでございます。今年度は当初一億二千万と見込んでおりましたが、いまの不況、輸出の非常な伸び悩みということで、いまの見通しでございますと一億一千五百万トンをやや割るのじゃないかという心配をしております。これに対しまして、現在まだ五十年度の最終決定をしておりませんけれども、見通しとしましては、いわば政府の経済見通し四・三%という成長を頭に置きますと一億一千六百万トンということを想定しておりますが、これがややいまのところは過大過ぎないかという批判を受けておるわけでございます。そういうようなことで五カ年間、産構審でプラスいたしましたときの見通しは、五十三年度におきまして一億五千万ということを目標にしておる、こういう実情でございます。
○塚本分科員 私は、その数量がそういうふうに安定するきざしを見せてくる時期はいつごろか、一番近いところの時期はいつごろかということをお聞きしておるのです。
○矢野政府委員 私どもとしてはいま、昭和五十年におきまして下期からそういう回復に移るのではないか、こういう期待をしておるわけでございます。
○塚本分科員 昭和五十年の下期とお答えいただきました。 そこで、政府はこれに対して、今回の場合は間に合わないかもしれませんけれども、過去何回か乱高下が鉄鋼にはあったと思います。したがってこれを安定させるということが大切だと思いますが、このようなやむを得ないとはいうものの、政府としてさらに具体的な施策をすることによってこの上下を、できるだけ幅を少なくするということが、価格の安定だけではなく、業界やあるいは需要家の安定に実は最も大切なことだと思いますが、具体的にどのような施策を通産省として考えておられるか、大臣からちょっとお答えいただきたいと思います。
○河本国務大臣 価格の点でございますが、私は先ほどもちょっと申し上げましたが、特に輸出が非常に伸びておりまして、世界の鉄鋼の輸出市場のほぼ半分は日本の製品で占められておる、こういう状態でございまして、したがってこの国際価格というものは非常に大きく影響する。ということは、日本の経済情勢だけではどうにも仕方がない要素が多分に入ってくるわけですね。いわゆる国際商品である、こういうたてまえから、私はある程度の動きは万やむを得ないということを申し上げたわけでございますが、しかし、やはりできるだけ安定した価格に抑えるということのためにはいろいろ方法はあるわけでございます。まず第一番は原料面で安定した供給ができるということ、鉄鉱石、石炭あるいは鉄くず、こういうふうな原料面で安定した供給ができるということが一番大事だと思います。それから設備の問題とかあるいはまた技術革新の問題とか、いろいろありますが、やはり何と申しましても原料面の安定供給ということが先決でなかろうかと思います。
○塚本分科員 結構です。その原料面の安定に対して何か具体的に、たとえば鉄鉱石、それから石炭、鉄くず、こういうものを日本の国として安定させるような具体的なことはどんなことを考えておりますか。
○河本国務大臣 鉄鉱石と粘結炭につきましては、ほほ全世界の主要な産地から長期の安定した供給路が確定をしております。もっとも石炭だけは多少問題がありますけれども、大体大筋が確立されておると思うんです。ただ鉄くずの場合は非常に不安定な要素がありますので、これに対する対策をとにかく何とかしなければならぬというのでいま懸命に取り組んでおるわけでございますが、その具体的な方法につきましては政府委員から答弁をさせます。
○矢野政府委員 大臣のお話ございました鉄くず対策でございますが、鉄くずが非常に不安定ということの結果価格の、特に小棒の乱高下で、先ほど先生の御指摘があった、一時は十万円、いまや四万円に落ち込んだ、こういう御指摘がある。そこで私どもとしましては、いわばスクラップの安定した確保を図りたいということで、まず、末端の鉄くずの集荷業者あるいは加工業者というのがございますが、これに対しましては今般約一億五千万の予算措置、これに伴って民間も増額をいたしますが、三億円の基金をつくりまして、これによりましていわゆる鉄くず加工設備の近代化のための債務保証を行う。そしてできるだけ合理的な近代化設備を入れて鉄くずの加工を安定させる、こういうことを考えております。 それからまた、いろいろと粗大ごみ、自動車その他こういった粗大ごみの鉄くず化ということのための技術開発も研究という形で進めておるわけでございますが、しかし一番ポイントは、やはり備蓄をして、価格の乱高下を備蓄政策で安定させていくということが一番必要ではないかというふうに考えておりまして、これにつきましては現存競輪資金の方にいろいろと予算と申しますか、要求を行っておりまして、計画といたしましてはこれから三カ年間五十万トンについて備蓄ができるようにしたい。そのためにそういった競輪資金あるいは業界からの資金、そういうものを集めまして、ほぼいまの計画は、二十億円くらいを基礎にいたしまして、それにいろいろと借入費というものを受けまして、五十億円くらいを本年度の一つのめどにいたしまして発足をいたしたい、こういうことでいろいろといま関係方面と相談を進めておる、こういう実情でございます。
○塚本分科員 大蔵省、五十万トンで、いろんなものを集めて五十億ぐらいというような話がございましたけれども、その資金の見通しはどうですか。大蔵省来ていたでしょう。——まだ来ていませんか。
○矢野政府委員 いま申し上げました資金につきましては、競輪資金をむしろいま充当しようという考えでございまして、一般会計からのいわゆるそういう予算要求は実は本年しておりません。したがいまして、五十年度予算におきまして一般会計からは、先ほど申しました鉄くずの加工業者、加工設備につきましての債務保証基金を出してもらう、こういう実情でございます。
○塚本分科員 わかりました。それでは私はその面もなおこれからさらに——五十万トンばかりじゃ一億トンを超える製造の中における、もちろん鉄くずがその中の過半数を占めておるわけじゃございませんけれども、しかしいずれにいたしましても、一億何千万トンという製造に対して五十万トンくらいのいわゆる鉄くずの備蓄では、製品として考えてみまするときに、これはまずそういう言葉を発したというにすぎないだろうと思っております。方向づけをされたことは結構だと思いますが。 いま大臣が原料の面でおっしゃったが、これはまだどちらもその声が出ていないようでございますけれども、こんなに乱高下がとにかくあるということになるならば、製品ではもちろんさびてしまったり何かしますので、いわゆる半製品、インゴットとかビレットとか、こういうもので実は国内にこれを貯蔵していく。国際的な原料のいわゆる波の中に実は安定的に、安いときにはどんと買い込んで、不況のときにはこれを平均的に製造しておく。しかし、市場へ出せば暴落させるからこれを半製品で備蓄をしていく。そして資源が非常に高くなってきたり、あるいはまた需要が急に伸びてきたときには、これをすぐ鉄板なりあるいはまた建築資材に、完成品にして出すという形。自由経済が自由の機能をこれからも持ち続けようとするならば、このような激しい資源ナショナリズムのあらしの中で生き続ける道は、政府がある程度安定帯となって、半製品に対する備蓄制度を大幅に取り入れなければならぬのではないか。わかりやすく言うならば、台風が来てどしゃぶりのときにダムのように水をためて置いて、そして渇水期にこれを放出をする、こういうふうに、少なくとも産業の米と言われるような基礎資材においては、もはやそういう備蓄制度をとらざるを得ないのではないか。それを苦し紛れにやるのではなくして、前向きにそういうことをやる。たとえば石油問題で、あのような中東戦争によっていわゆる自衛上やらざるを得なくなったというんですが、やがてそれと同じような重要性を持つ鉄鋼にしましても、もはやいまの段階からやる。もっと言うならば、油のごときは設備が重要ですけれども、鉄の場合は設備が要りませんので、そのまま半製品で野積みにしておけばいいのですから。しかしこれは大変な資金を要する問題なんだが、国益上から考えてもやるべきでないか。いま原料面の施策に対して見通しを立てられたが、これはそういう材料を集められる人たちの、中小企業の失業救済みたいな形の色彩がいまのところ強いと私は思います。しかし国家的立場に立って、このビレットなりインゴットなりにして、通産省自身が大きく肩入れをして、そしてこれを備蓄するということに踏み切るべきではないかというふうに判断しますが、この点について大臣、政治的にどう判断なさいますか。
○河本国務大臣 私はいまのお話には全く賛成です。そのことによって価格の安定も期待されるだけではなくして、やはり安定供給ができるわけでありますから、日本のような国ではぜひ採用したい。御提案がございましたから、積極的にひとつ取り組んでみたいと思います。
○塚本分科員 大臣から明快な御答弁をいただきました。さすが事業家でありますから、事業のことには河本さん、よく御判断いただけると私は敬服をいたします。これは、御無礼な表現かもしれませんけれども、単年度ごとのいわゆるお役人的な発想ではいけないので、もはや、この激しい国際経済競争の中においては、やはり政府がこのことにある程度介入をしていくことによってのみ自由経済の自由を全うする道があるというふうに判断をいたしております。この点、鉄鋼の問題だけでなく、非鉄金属、銅や亜鉛などにおいては、すでに通産省から、本年度の予算の要求のときに四百八十億の半製品に対する備蓄を大蔵省に申し出たけれども、実はそれが実らなかったという話を聞いております。この点、通産大臣、どんな経緯だったでしょうか。
○河本国務大臣 その制度をぜひ実現したいということでいろいろ折衝したのでありますが、総合的な政府の判断のもとにおきまして、本年は資金が不足である、予算が不足であるということで実現はしなかったのでありますが、引き続いて研究し検討しよう、こういうことになっております。でありますから、これは検討を重ねまして、ぜひ昭和五十一年度の予算から実現をしたい、また実現すべきものである、こういうふうに私は思っております。
○塚本分科員 これは、銅の場合は特にまた倍といわず三倍近くも乱高下があったというようなことで、よけい、石油問題と絡めて通産省も大きな決意で踏み切っていただいたと思います。これは非鉄金属だけでなくして、鉄鋼も全く同じような考え方で取り組んでしかるべきだ。したがって、引き続き検討なさる中に鉄鋼の問題も一緒に並行的に、この問題は言ってみるならば主役は鉄鋼であり、非鉄金属はバイプレーヤーといいますか、そういう役であったと思いますので、これは両々相まって同じような状態で進めていただきたい。長期契約を日本が守り切れないために、鉱石輸出国などフィリピンなんかにおいては対日不信感が非常につのっておるという話も聞いております。私は原料炭なんかにおいても同じような形が出てくるというふうに心配をいたしますので、並行してひとつ非鉄金属と同じように、一般の鉄鋼においてもそういうふうに進んでいただくように御検討いただいて、五十一年度に強く要求をし、実現できるようにすべきだと思いますが、いかがでしょう。
○河本国務大臣 わが国は資源が何もないわけでありますから、どうしても資源対策という面からも価格対策という面からも当然積極的に考えなければならぬ問題だと思います。したがいまして、御指摘のように非鉄金属と鉄鋼半製品の備蓄については五十一年度から実現するように、あわせて検討をいたします。
○塚本分科員 これは価格安定のために一業界の特定のものに利益を与えるものではない。事務局長御記憶ないかと思いますけれども、かつて富士、八幡の合併のときに私は商工の理事として大型合併の推進論者の一人でございました。そのとき、野党で賛成するとは何事かという非難がありましたけれども、言ってみればプライスメーカーになるということの心配をして、当時山田公取委員長は不賛成でありましたけれども、むしろいまこそプライスメーカーが必要なときがやってきた。先ほど申し上げたように、いわゆるかじ屋さんに、もうかるかと聞いたら、いま鉄が安いからもうかる、いま鉄が高いからもうからないという答えが来ますから、低位安定価格をつくるためのプライスメーカーがいまこそ必要なときなんだからというふうに、私は大型合併のときに推進の発言をしておきまして、おかげで公取に今日お認めいただいた。それで十万円を超えるような値段の上がったときでも、稲山会長に対して、とにかく、いわゆる許された価格よりも製鉄会社が一社たりとも高く売ったら承知しないぞ、合併に賛成をした私の立場で、もしそれがだめならば再び分割の声が出るぞと申し上げたことがあるのですが、みごとに新日鉄が動かなかったために値上げというものもきちっと押えてくれたと私は思っております。したがって、こういうふうに低位安定価格をとるという施策というものは、自由経済を守るための最低限の国家産業の防衛措置なんだ。いわゆる価格規制ではなくして、自由を守るための最低限の防衛措置だという意味で、この備蓄制度についても私はそういうふうに理解をして、独禁法には反しないと思いますけれども、とかくそういうことのうわさが出ておりますので、その点、公取の御見解はいかがでしょうか。
○熊田政府委員 鉄鋼あるいはくず鉄の備蓄という問題は、確かに先生のようなお考えもあろうかと思います。しかしながら公正取引委員会の立場から申しますと、やはり価格は自由な価格設定一いうものを原則にしていくべきだというふうに考えております。備蓄というようなことがどういう形で行われるかということにもよるわけでございますけれども、それによりまして価格の下支えになる、あるいはカルテルと同じような効果が発生をするというようなことになりますと、これはやはり独禁法上問題であるというふうに私は思います。備蓄の仕方というようなものがどういうふうに行われるか、これはまだ明らかでございませんので、いま直ちにどうこうということは私申し上げませんけれども、一般的な考え方といたしまして申し上げたわけでございます。
○塚本分科員 あなたは事務局長だからそう言わざるを得ないだろうと思いますけれども、下支えになるに決まっているのですよ。下支えがなければ上の山を削るわけにはいかぬのだから。下を支えて不景気の谷を埋めることによって、インフレ、物価高の山を崩すというんだから、下支えになるに決まっていますよ。私はならぬということはうそだと思うのです。私は法律の裏をくぐろうなんて全然考えておりません。独禁法はそんなばかなことでつくったものではない。私はかつて大型合併のときにも山田公取委員長に申し上げたことですけれども、それはその当時の、設立された国家目的に従ってあるのだから、運用の妙を発揮しなければだめじゃないかということを申し上げたのです。それはやっぱり下支えにならなければ上の山を削るわけにいかぬのですよ。こんなことは自由経済で当然のことです。しかしそれは国際価格あるいはカルテルとは違った意味ではありますけれども、いわゆる不況の谷底を埋めなければ、インフレの山がずっと上がったときにまたこれを放出することによって物価を下げなければならぬのだから、これは当然のごとくそういうことはありますよ。それは事務局長だからそういう言い方しかできないと思います。これ以上あなたに対して質問することはむだだと思いますから、やがて委員長に来ていただいてもう一度私はこの論戦をしてみなければならぬと思います。 申し上げておきますけれども、独禁法はあくまでも自由経済と自由競争を守るためにあるのだということであって、安くしてはいかぬとか高くしていかぬということではないと思うのです。そうだとするならば、私の論述もまた自由を守るために、国際的な波によって全部ごちゃごちゃになって最後には破滅してしまうというようなとき、大型投資をしておる基礎産業が経営が不可能になった場合にはカルテルも認められておるのですから、それと同じような意味で私たちはこれを考えていくべきだという考え方です。それが許されなければ、物価高、インフレの山を崩すことはできないのです。共同証券がかつてそれをやりましたね。私はりっぱな制度だと思うのですよ。だからそういうふうな意味で弾力的にひとつ考えて、自由の最低を守るためには一定の制限というものは甘んじて受けるべきだ、こういう意味で自由競争を守るためにこれをやるんだというふうに私はこの論述をしているんだということを忘れずにおいていただきたいと思います。 最後に、時間がありませんから……。非鉄金属については、一年間研究期間ということで、ことしは資金事情のために下がらざるを得なかった。しかし五十一年度には鉄鋼に対する半製品、すなわちインゴットやビレットに対しても大幅にやりたいという明確な御答弁を通産大臣からいただきました。大蔵省の立場からぜひそのことに対しての見解と取り組みを聞かしていただきたいと思います。
○小山説明員 五十年度の予算案の作成の段階に当たりまして政府内で検討されましたことは、銅を中心とする非鉄の備蓄を始めてはどうかという問題があったことは事実でございます。もう一つ、鉄につきましては、くず鉄の供給の安定を図るために、先ほど通産省の方から御答弁がありましたが、信用基金を設置するについて財政資金を一部導入したい、こういうお話がございました。 まず前者につきましては、慎重に多方面からの検討が加えられました結果としまして、特に今日銅の需給が非常に緩和しておりまして、国内に在庫が非常に多いという実情から、直ちに備蓄ということを膨大な財政資金を投入して行うという緊急性には乏しいのではないかというような判断から、備蓄制度の発足は見送ることといたしましたが、同時に、業界の非常な滞貨の激増に伴いまして非常に困難な状態にあるということ、それが行く行くは供給の安定を非常に阻害することになるかもしれないということを重視いたしまして、特別な金融の措置といたしまして、輸出入銀行から百億ばかりの金を特に出すということと、それから輸入ユーザンスについて特例を考えるというようなことで一応の手当てをいたしたわけでございます。 それから鉄につきましては、信用基金の設置にかえて一般会計から一億五千万円の金を出すということが、審議されております予算案の中に盛られております。なお、鉄くずについての本格的な備蓄云々ということにつきましては、本日まで私どもの方では検討の対象になっておりませんので、ここでお答えすることはむずかしいと思いますが、一般的に言いまして、いろいろな資源が乏しいわが国の場合、やはり非常に膨大な資金を必要とする備蓄の問題につきましては、国民経済の安全保障の観点から真に緊急にしてやむを得ないというものを選択して取り組んでいくという姿勢が非常に必要ではないか、こういうふうに考えます。
○塚本分科員 時間が来ましたので、私は希望意見だけ申し上げまして質問を終わらしていただきます。 通産省はきわめて明確に私の質問に答えていただきまして、大いに希望を持っております。 大蔵省に申し上げておきますけれども、実は昨年末の臨時国会で、私は本会議場で繊維と木材製品に対してこの質問をいたしましたとき、大蔵大臣から、在庫融資で補っていって、制度としては考えておりませんと、こういう答弁をせられたのですが、大臣不勉強だと後からあやまりにおいでになった。すでに財団法人備蓄機構という制度ができてしまっておるのですね。あるいはいまでもそういうわけで通産省から、わずか中小企業の鉄くず対策というだけでも機構はできつつあるんですね。だから、あなた不勉強だぞと言って御注意申し上げたのですが、ともかくそういういまの不況対策とかいう問題や、あるいは銅の場合は外国との関係で、いわゆる資源輸出国からの大変な、日本はわがままなんだ、自国の経済安定だけしか考えていないという非難というもの、これで、相当に銅の場合は通産省の意見にも耳を傾けてくれたと思いますけれども、私どもは、そのことはもちろんですけれども、もっともっと大きな立場で、いわゆる資源ナショナリズムの大きなうねりが来ておる、すでに油は決定的なところまで来ておるから、備蓄制度に大蔵省も踏み切ってくれたと思うのです。これはもうほかの問題よりも時間の問題だ。 もう一つ、国内産業の公害の問題があります。いまのようないわゆる不景気だから全く設備も遊んでおる、こういうときに安定的につくっておけば、全然公害は発生せずに済むんですよね。あわててぶわっとやりますからコストも高くなるし、人件費の問題、残業等の問題も出てきます。だから、長期契約で資源が入ってくる、生産もまた長期でやるということになれば、いわゆる出ていく問題だけで、やがて有限の資源だから半製品で貯蔵するという形は、もはや当面とっての中小企業や輸入先の相手方の問題だけでなくして、国内経済、根本的な問題、すなわち米が国際価格に左右させられないように食管制度が設けられております。それと同じように、日本産業がいわゆる貿易立国として、経済大国としてこれからも生き延びようとするならば、その経済の米であるところの鉄及び非鉄金属もまた食管会計的なそういう発想というもの、油はすでにそういう道をとってきたんだから、やがて、遅いか早いか、その道をとらざるを得ないという形ですから、この点大蔵省でもひとつもう一遍深く日本経済の根源に立ち返って検討していただきたい。そして公取の方も、私は、自由経済というものを、自由競争を守るところの最低の防波堤としてこういう制度を設けるべきだというふうに主張しておきますので、折があったら委員の皆様方にもこの趣旨を十分説明しておいていただきたい。かように希望を申し上げまして、時間が参りましたから質問を終わります。
○正示主査 これにて塚本三郎君の質疑は終了いたしました。 次に安宅常彦君。
○安宅分科員 私は、まず生糸の輸入制限といいますか、その問題でちょっと聞きたいのですが、農林省と通産省の立場が大変違うものですから、農林省にお伺いいたしますが、これはおととし、十二月ごろでしたかね、法律を改正した。その条文、何によってやっているかをちょっと言ってもらう。それから通産省の方も、そうやられては困るとは言わないのですが、困るとすればどういう条文があるか、ちょっと言ってもらえませんか。
○松元政府委員 生糸のいわゆる事業団によります。元輸入措置は、繭糸価格安定法の第十二条の十の二の規定によりまして行っているわけでございますが、これは「外国産生糸の輸入が増加したため国内における生糸の需給が均衡を失し、」云々という規定がございまして、いわば需給バランスが輸入増加によって非常に悪化したという場合に中間買い入れ価格を維持するためにやる措置でございまして、根拠は繭糸価格安定法の第十二条の十の二でございます。
○安宅分科員 通産省は何か言うことありますか。
○野口政府委員 私、いまここへ来たばかりなんで、ちょっと御質問の趣旨をもう一度……。
○安宅分科員 農林省が主導して、繭糸価格安定法に基づいて輸入制限といいますか、事業団の一括購入の措置を去年の八月からとったわけですな。あなたの方はそれで困らないのか、困るのか。そういう輸出入のことについては通産省が本当はやるんだという気持ちがあるようないろいろな話が出ているものですから、そういうことについての見解といいますか、農林省がそういうことを、法律があるとしても自由貿易の中でやられちゃ困るんだというような、そういう条文か何かあったらおっしゃってもらえないかという質問をしたんですけれどもね。
○野口政府委員 法規的な何か根拠があるかということにつきましては、別にそういうものはございません。 それから、生糸は農林省の方でいろいろごめんどうを見ているわけでございますけれども、私どもの方は、生糸を原料としてそれから生地をつくります絹織物業をめんどう見ることになっております。それで、絹織物業にとりまして生糸は唯一の原材料と申すものでございますので、この原糸が安定した値段で適品が適時に入手できるようになるということは、絹織物業界にとりましても重大な関心のあるところでございます。具体的に昨年の八月から一元輸入ということになったわけでございますが、それはそれとして、それに至るまでのいろいろな理由なり原因なり事情があってそうなったわけでございます。私どもはそうなることにつきまして、絹織物業界がそれによってこうむる影響はなるべく少ないようにというような配慮のもとにいろいろ私どもの意見を申したわけでございますが、全体的に八月一日から一元輸入ということになったわけでございます。
○安宅分科員 そうしますと、一元輸入になったために絹織物業者が具体的に困っておるということをほのめかしているような答弁なんですが、どういう点が相当問題になりますか。
○野口政府委員 絹織物は、その使われる用途によりましていろいろな生地ができるわけでございますが、またそれに対応するそれぞれの糸があるというふうに聞いております。いろいろな生糸の品種があるわけでございますが、中には時間的な関係あるいは入手時期等と絡みまして、入手が品がすれになったものもあるというふうに聞いております。
○安宅分科員 事業団が一元的に買い受けた場合には品薄になるのでしょうか。農林省、どうですか。
○松元政府委員 事業団の一元輸入は、いわば需給に見合った数量を入れるわけでございますから、それによって品薄になることはないはずだというふうに存じております。
○安宅分科員 通産省はあると言っていますが、どっちが本当なんですか。
○野口政府委員 正確に申し上げますと、私も事業団が一元輸入ができたのでと申し上げたわけではございません。生糸の流通あるいは需給の時期等の、いわば摩擦的な現象としてそういうことが起きたのかもしれません。その辺の原因までは突きとめておりませんけれども、一部にそういうことを耳にしたことはございます。
○安宅分科員 これはおもしろいことになるのですね。私は、養蚕をしている人たちの立場というのは非常に問題だと思うのです。あなた方から資料をもらったのによると、生糸というのは輸出品目の中のどの範囲か、それから若干手を加えれば生糸でなくなる、その境目というのはどこになっているのですか。これは通産省ですか。農林省の方から聞きましょう。
○松元政府委員 生糸に非常に近いものといたしまして、絹の撚糸というものがございます。これは生糸をより合わしてできるものでございまして、そういう意味では生糸にわずかの加工を加えてできた。しかし、物としますと、もとの生糸をより合わしたものでございますから、生糸そのものではございません。
○安宅分科員 生糸は一本の生糸だ。もう一本加えて撚糸にしてしまったらそれは生糸でない、こういうふうに理解していいのですか。どうなんですか。そこのところをはっきりしなければならないのじゃないですか。四、五本まではいいとか悪いとか、何かあるのじゃないですか。
○松元政府委員 ちょっと答弁が不正確で申しわけなかったわけでございますが、絹撚糸は生糸をより合わして得られるものでございまして、より数は一メーターにつき百回以上よるというのが普通でございます。
○安宅分科員 それで問題は、あなた方から提出していただいた資料によりますと、もうすでにいわゆる原糸として、糸としてはだめだと日本の政府は言っておるから、それは撚糸でやろうじゃないかということになって通産省に問い合わせてみたら、好ましくはないけれども、生糸ではない、だから構わないということになって、生糸の輸入はいろいろ自粛をさせたりして相当減って、絹糸の価格は相当安定して、生産者の手取りというものが、これは低いのですけれども、やや安定したものになりかけている。これは認めるのですよ。ところが、そういうことが風潮として出てきたものですから、つまり絹としてだったら構わないのじゃないかということで、最近は撚糸ですか、絹糸としての輸入が急激にふえているのですね。これは農林省、認められますね。
○松元政府委員 まあ、生糸の一元輸入措置をしたわけでございますが、それに伴いまして、いま御指摘の絹撚糸等、こういったものの輸入が大幅にふえるという事態になりますれば、これは一元輸入措置の需給調整効果というのがかなり減殺されるというのはそうでございます。そこで私どももこの撚糸の輸入につきまして非常に心配しておりまして、その動向を十分見ているわけでございます。一元輸入が始まったころは大体従来ペースで輸入が行われておりましたが、最近少しふえる傾向にあるということでございます。正確な数字はあるいは所管の通産省が存じておると思いますが、私どもが把握しておるのでは、昨年に比べまして倍程度にふえております。
○安宅分科員 そうしますと、こういう手段によって絹糸の価格を安定するのは事実上抜け道で、ざる法で、どうにもならない、実効が上がらないということを農林省は感じていると思うのですが、どうですか。まだそこまでは行っていませんか。私はそう思うのですよ。心ずそうなると思うのですが、どうですか。
○松元政府委員 それは法律制度といたしますと、一元輸入は生糸でございますから、生糸以外のもの、いま言った撚糸とか織物とかには直接は働かないわけでございます。したがいまして、いま申し上げたとおり、もしも、生糸が一元輸入をしていて抑えられた、そのはね返りとしまして撚糸等が大幅にふえますれば、この一元輸入の需給調整効果が減殺されるということは御指摘のとおりでございます。そこで私どもはそうならないように、一元輸入を適正に運営するということが一つ、もう一つは、撚糸等の輸入の動向を十分監視しながら、通産省の方に輸入商社に対する行政指導等についてお願いをする。それによって、ただいましり抜けとおっしゃいましたが、大体のことは期待できるのじゃなかろうか。ただ、ぴしゃっとした制度ではございませんからなかなかできかねますし、生糸そのものみたいにまいりませんが、そういうことによってかなりの効果は期待できるのじゃなかろうか。またそうしなければせっかくの需給調整措置が意味を失うわけでございますから、そういう行政指導に万全を期するように、これは通産省にもお願いをいたしておるところでございます。
○安宅分科員 いま、混合経済と言われる世の中などと学者が言っておりますが、プライスメカニズムと言うのですか、そういうものが抑制され、本当になくなるような世の中、これは社会党が天下を取らないうちはならないかどうかは別として、商売人というのは、機を見てもうけるのが商売人の道徳ですよ。そうでしょう。社会的な責任がありますとかないとか石油会社の親分が言ったって、ちゃんとあの人たちはもうけているんだ。せっかくもうけるときに脇抜けておったらばかやろうと言われるのが商人でしょうが。そうしたら、そんなやり方で、実際もう抜け道を見つけてしまったんだもの、それができないということははっきりしていると思うんですよ。そうした場合にはそういう方法ではなくて、農林省は絹糸の価格を安定させるためには価格政策を別な方面で、政府の資金をある程度投入して、少なくとも米に準じたような価格支持政策なりそういうものをとらなければ、本当に絹糸の価格を安定させることは私は根本的にはできないと思うのですが、あなたの見解を聞きたいのです。
○松元政府委員 ただいま御指摘のように、生糸そのものではございませんから、制度上法律的にぴしゃりと撚糸等に対してできないということはそうでございます。そのかわり、ただいま商売人の話も聞かされましたが、やはり行政指導によりまして極力そういうふうに持っていきたい。現在のところ若干ふえておりますが、そう大きい数字ではございませんから、それによっていまの一元輸入の効果がしり抜けになるという事態になっていないわけでございまして、今後もそこは十分注意してまいりたいと思うわけでございます。 それからもう一つ、何か別の制度を考えるべきではないかという御指摘もあったわけでございますが、確かに、養蚕農家の保護と申しますか、いまいろいろな方法があり得るわけでございます。あり得るわけでございますが、基本的には、一つは生産対策、もう一つは価格の安定。価格安定をいたしますためには繭と生糸の需給を均衡させる、需給バランスをとることが基本でございます。したがいまして、一方では国内のものにかえる措置を講ずるという措置もとっております。同時に、それだけでは効果が上がらぬと言うのでございますから、輸入につきましていま言った調節をとっておるわけでございます。したがいまして、これによって需給のバランスをとり、価格の安定を図るということがやはり一番基本だろうと思うわけでございます。ただいま米麦の話も出たわけでございますが、やはり……
○安宅分科員 米麦はいいです、もう時間がないから。
○松元政府委員 たとえば安い価格で輸入が幾らでも入ってくるという事態をそのままにしておきましては、安定措置はなかなかむずかしい問題だろうと思います。
○安宅分科員 あなたは私の質問に答えてないから……。 しかし、繭糸の価格の安定法でこれ以下になったら事業団が買い上げるだとかいろいろ書いてあるけれども、養蚕農家がそんな値段じゃとても蚕を飼えるかいという値段を決めておいて、何年前でございましたか、それさえも維持できなくなったことがあるでしょう。ああいうばかみたいなことをやっていたら、いつまでたっても養蚕農家は苦しめられるだけなんです。今度はそれじゃ困るというので、あなたは輸入制限をしてみた。そうしたら通産省は自由貿易の原則で、そんなことを日本がやったとならば向こうから今度はしっぺ返しが来るのじゃないかとか、いろいろなことについて議論をやっているのをあなた方は知っているわけですよ。もうすでにしり抜けだということははっきりしているのですからね。こういうことについての対策は、ただいまの価格安定法の最低の基準というものを上げるとか、いろいろな方法を考えてもらわないと根本的にはそれはできない。私はそういう考え方を持っているのですが、まあいいでしょう、主張だけしておきます。きょうは時間がないから、後で具体的にあなたの方にお聞きする場合があると思います。 それでは、時間の関係で次の問題に入らしていただきますが、米の——今度は米麦なんです。四十九年度産米の麻袋、これは聞くところによると、農協や全農や農林省が指定するというか、なかなかそういうことはないとおっしゃられるかもしれないけれども、小泉製麻だとか大日繊維だとか帝国産業だとか、こういうところに、農林省はやったのじゃないと思いますよ、しかし委託をさせてつくらせているわけだ。農林省が知らないとは言わせない。そしてこのたびは大体千八百万枚も輸入しなければならないという状況。こっちでいままで、原料は輸入しておったけれども国内で生産しておったのだが、それではかなわぬということで輸入政策をとった。しかしこれもやはり現地のダミーにつくらせておるのですね。それがだっと入ってきて、寸法は間違っているやら、縫い目はぼろだらけで米はどんどん漏ってしまうやら、大体半数くらいは規格はずれの麻袋が入ってきたということをお認めになりますか、長官。
○三善政府委員 米麦の包装資材の麻袋でございますが、御承知のように、米麦の包装資材がたくさんある中で、麻袋が全体の大体四二%ぐらいを占めております。ただ、麻袋の中でも新しい麻袋と、それから一度使った、二度使った旧麻袋と両方ございます。実は麻袋は従来から国内生産で賄っていた。先生がいまおっしゃったように、メーカーが四社ございまして、そこが麻袋の生産をやってきておった、昨年までは。昨年と申しますか、四十八年度までは国内産で全量を賄っておったわけでございますが、一昨年から昨年にかけましてのいわゆる石油危機と申しますか、そういうことで、樹脂袋あるいは紙袋とかそういうのを予定しておりましたが、そういう生産が極度に思わしくなくなった。そういう事態で、それじゃ緊急に麻袋に変えようということで、麻袋の需要者は農協団体、全農が主体でございますから、全農それから先ほど申し上げましたメーカーの四社とも相談をいたしまして、そして一部輸入に切りかえた、こういう事態でございます。
○安宅分科員 いや、半数も規格に合わないのがあったということを認めるか、それをあなたは答弁すればいいのに、時間をかせごうとよけいなことを長々とやられると困るよ。
○三善政府委員 それで、大体二千万袋ぐらい輸入されたその中で、八百万袋ぐらいは四十九年産米の包装用に使われたというふうに私どもは考えております。その中で、先生がおっしゃるように乱袋と申しますか、あまりよくない麻袋が入った、それで生産者に迷惑をかけている、そういう事実は知っております。ただ、それがどの程度であるかということにつきましては、私ども食糧庁で直接調査できませんので、全農等を通じてその辺の資料は収集したいと思っております。
○安宅分科員 それはおかしいですよ。全農はことしの分、使ってないのですからね。全農を通じて調べさせるなんて、全農はあなたの部下じゃあるまいし、あなたの方で調査しなければならないのじゃないですか、そういうことを。こっちは商売するのに、商売人に介入するような……。行政指導、行政指導と盛んに言っている。通産省なんかそう言っていたね、さっきの話。農林省もそう言っていたね。あなたの方は、うちの方じゃないから全農を通じて調べさせるなんて、調査までさせるのですか。そんなばかなことないでしょう。食糧庁長官ともあろう者が、そういうものを知らないでおりまして、全農を通じて調べさせるなんて、そんな失敬な言い方はないのじゃないかと私は思います。——いいですよ、どうせあなたまた言いわけするに違いないのだから。 それで、あなたのおっしゃるように、A袋と言っておりますね、新品のものは。それからB、C、これは一年と二年の古いものですね。来年になるとことしのはB袋になるわけです。一年空袋だからね。それを修理したり何かしてまた市場に出るわけですが、そんなの危なくて買えない。だから新品のもので来年はやろうという空気が必ず出てくると思うのですね。そうしたらまた膨大な輸入をしなければならないと私は思うのですよ。いいですか。 そうした場合に、これは通産省との関係あるのかもしれませんが、こういうのは、海外の会社に基金あたりからの融資が相当行っていると思うのですよ、日本と現地の合弁会社みたいなのがインドやビルマ、アフリカあたりで非常に多いのですから。そういうところに日本人が行って技術指導なんかしているのですよ。そういうところから輸入したのが全部間尺に合わないで、穴のあいたのなんかつくってくるなんというのは非常におかしいと思うのです。また海外援助の話をしてはぐあい悪いのですが、そういうことについても通産省はよほど厳重に注意するかあるいは農林省が注意するか、そういう国家の金でもってそういう会社が海外にあるとするならば、非常に重要なことですから、そういうことをまず一つ考えてもらう。それから、結局輸入しなければならないとすれば、みんなことしの古物は絶対使わない、必ずこういうことになると思うのです。そういうことについてはぜひ注意してもらいたい、これが一つです。 それからもう一つは、これは穀物検定協会という存在の問題ですが、この米の検査のときに、うちから積んできた場合には米が漏らなかった。検査官がずっと刺してみるとそのまま締まらないでずっと出てくる。それから小型四輪車なんかで運ぶ、その中にも山ほどこぼれ米が出てくる。それから今度は倉庫業者が、農協だったら農協が倉庫業者なわけです、それから集荷業者がありますね、全食連ですか何か、そういうところでその麻袋があったために大変な損害をこうむっておる、ずるずると漏っちゃって。それから運送業者がいるわけです。その運送業者がそれを運送中に減ったりなんかした場合には、何か取り締まりみたいなあなたの方の機構があるのです。あなたの方は百点満点で、運送業者がちょっと横っちょに取ってみたり、あるいは自動車がでんぐり返った場合は損害を負わせるぞという指導しかしてないのですよ。あなた方がそういうしくじり、あるいは麻袋業者がしくじり、そのために運送業者が逆に損をした場合のことなんか行政指導も何もないのです。これはおかしいじゃないかと思うのですよ。 そして、そういうこぼれ米なんというのは米検査のときには、去年は少なかったけれども四十九年のときは山ほどあった。これは食糧危機だなんて言っているときに大変なむだだ。全国的に大変なものだろうとあなたの部下の検査官たちが非常に心配しておるのですよ。これを集めたら大したもんだろうと言うのですね。それを、乱破袋と言うのですか、報告しなきゃならない。ところがあなたの方では、文書では絶対書かないそうだけれども、それはないことにしてくれ、ゼロにしてくれと言って相当やかましく言っているらしいね。そんなばかなことをやって、食糧庁は全然知りませんでしたと言われたって、私はああそうですかと言うわけにはまいらない。 だから第二点の問題は、倉庫業者や運送業者が損害をこうむったときにどうするのか。それから農家が検査場にまで持ってくる間に、あるいは検査をしている間にぞろぞろ漏ってしまったら、余米を六百グラム入れろとか四百グラム入れろとか、あなた方は六十キロなら六十キロより少し超えた米を入れてもらわなければ困るというふうな指導をしておるのだから、ぞろぞろ漏ったやつに対して何か補償をするとか、それはあってしかるべきだと思うのですよ。 このたびは、小泉、大日繊維工業、帝国産業という三つの会社に一千八百万枚も多い、全国で四千八百万枚の大量生産出荷をするよう要請があった。要請があったというのは、この会社に要請したのはおそらく農林省だと思うのですけれども、そうでしょう。あるいは行政指導も何にもしないと言うのだったらわかりますよ。麻袋が足りないのを知らないで食糧庁長官がいるわけないから、あなたの方からそうしてくれと言ったのに違いないと思うのですよ。その中間機関で何か麻袋の需給調整協議会だとか何かあって、そこでやったんだなんと言うが、全部天下りだ。天下りじゃないや、月給高くて天上がりだよ、こんなものはみんな。いっぱいいるのですよ。そういう連中が要請したに違いがない。そうしたら、「限られた期間における大増産と出荷のために、甚だ遺憾ではございますが、一部、疎漏・品質の悪いものが混入し、皆様に大変御迷惑をお掛けして誠に申訳なく深くお詫び申し上げます。」こういうわび状一本で、そうして事を済まそうとしている。そういう機関に対してあなた方はどういう措置をとるか、補償はするのかしないのか、これを答弁してください。
○三善政府委員 最初のお尋ねの、去年入れた麻袋で相当悪いのがあるのじゃないか、しかもまたことし使ったので古麻袋になる、そういうようなのは使うなという、こういう御意見がございました。(安宅分科員「使うなという農民の声になるに決まっていると言うんですよ、入れているんだから」と呼ぶ)その点は、去年入れてことしまだ使っていないのもございますし、そういうのは補修させるというようなことで私ども指導をいたしております。 それから先生言われました、食糧庁は検査官が検査をいたしますね。それで、農家が検査官の検査まで持ってきて、そこで検査を受けて、検査に合格したものが食糧庁に所有権が移るわけでございます。したがいまして二つあると思うのですよ。一つは検査官が検査するまでに、乱袋と言いますか、あるいは麻袋に……(安宅分科員「わかった、あなたの言わんとすることはわかりました、時間がないから」と呼ぶ)それが一つと、それから検査官が検査した後、食糧庁の所有権になりました米を運送途中で、これはやはりそういう、先生おっしゃるような問題がないとは限りません。現に私ども調査しております。一年ぐらいたたないと全体の集計がまとまりませんけれども、毎年調査をいたしておりまして、大体トン数にしまして〇・二%ぐらいはそういう乱破袋みたいなのはございます。これは運送契約のときにそういうこともいろいろ考えて措置しておるということでございます。 それから、何か三社がちらしを出して、おかしいという、それは私ども指導した覚えはございませんが、三社としましては、自分が責任において入れた麻袋でございますし、それを農協団体が需要者として使った麻袋でございますから、そういう意味で生産者に迷惑をかけたということで、そういうちらし、わび状を出したと私は思っております。そういう場合にそれじゃ補償か何かするのか、だれが責任を負うのかというような御質問の御趣旨だろうと思うのです。それにつきましては、全農とそれから麻袋のメーカー、いま三社とおっしゃいましたが、四社ございますから、その四社と現在いろいろ話し合いを具体的に進めている段階でございますので、その点のあれはもうしばらくお待ち願いたい。両者の話し合いで、いろいろ具体的な検討をしている段階でございます。
○安宅分科員 もう最後ですが、麻袋普及協会、それから米麦用麻袋需給調整協議会、この二つが要請したとするならば、これはあなたの方のお役人衆が天下りしている、言うなれば外郭団体みたいなものだな。だからさっきの行政指導どころか、相当強く言えると思うのですが。これは古いのをやるやっと新しいのを取り扱うやっと、この機構、二つありますな。補修しているとあなた言ったでしょう。補修したって、去年のやつを補修したってろくなことにならないべさというので、あんなの買わないということになる。そういうことを想像して私は言っているのですが、この三社の責任にするということは私はおかしいと思うのですよ。農林省が責任ないと言うならば、あと、倉庫業者からあなたの方の国の米になってしまったものを運送業者が運ぶ、そのときは運送業者が悪いのであって、その場合の見解はいろいろなところで聞くけれども、あなたの方がしくじった場合のは書いてない。それは袋が悪いんだから農林省は知らないでは済まされないから、こういう問題については、行政指導として全農や何かと相談するというのではなくて、あなた方のお役人が天下りをしている麻袋の協議会ですか、そういうところから責任をとってもらうなり、その責任のとり方をどうするか、そういうのを含めて協議をして、そして農民に迷惑が実質的にかからないようにしてもらいたい。それが私のお願いです。どうです、それやりますか。
○三善政府委員 この麻袋につきましては、全農ないし指定法人の集荷団体、これが需要者でございます。その需要者が供給者から買って、そして農民にこれを配給する。(安宅分科員「農民が需要者だよ、何言ってるんだ」と呼ぶ)農民が需要者ですけれども、それをまとめて、農民の意向を農協、経済連、全農ということで全体をまとめてやっているわけでございます。そういう意味でございますから、これをつくったメーカーと全農が相談をするのが、これは当然たてまえのお話だと私は考えております。
○安宅分科員 まあ、よろしい。後でまたやります。
○正示主査 これにて安宅常彦君の質疑は終了いたしました。 次に、金子満広君。
○金子(満)分科員 私は中小企業問題についてお尋ねしたいと思います。 最近特に中小企業、それから自家営業の分野に対して大企業の進出というのが露骨に行われている。三木総理大臣は社会的不公正を正すということを言われているわけですが、社会的な不公正がますます拡大をする、まさに弱肉強食だ、政治の作用が見られないというような状態が見受けられるわけです。関係の中小業者からもたくさんの要求なり陳情なりが政府にも来ていると思いますし、私どもも受けています。特に最近は豆腐製造業とかクリーニングとか軽印刷、それから鮮魚商、それから書店、プロパンガスの関係者、非常に広範多岐にわたるわけです。こういう中で、中小企業、自家営業者の存立そのものが危うくされている。したがって、この中小企業者の基盤をどう守るか、そして経済秩序をどのようにして維持していくかという問題は火急の問題だと思うのです。そういう中で大企業のこれらの分野に対する進出を、通産省として、また政府としてどのように規制しようとしているか、その点について、保護政策、育成政策、それから事業分野の調整、そういう点について基本的な考え方をまず最初に大臣からお伺いしたいと思います。
○河本国務大臣 大企業と中小企業の分野の調整の問題でございますが、原則的に言いまして、大企業が中小企業の分野にみだりに入り込んできて中小企業の仕事を妨害する、また分野を荒らしていく、こういうことは望ましくないと思います。でありますから、こういう例がしばしば起こっておりますが、そういう事例が起こるたびに通産省では行政指導をいたしまして、できるだけ話し合いで解決させる、そういう方向に持っていっておるわけでございますが、解決した例も相当あります。目下調整中のものも若干ございます。ただ、ここで法律で分野調整をやれ、こういう議論もあるのでございますが、法律で一律にやりますとやはりいろいろな問題がありますので、ただいまのところは行政指導でできるだけ調整していく、そういう方向で進めていきたいと思っております。
○金子(満)分科員 望ましくないという考え、これは当然そうだと思うのですね。自由主義の経済だからということでこれを野放しにしておったら大変なことになる。 そこで、行政指導の面ということも言われましたが、これは一つの例です。たとえば豆腐業界の問題について若干、具体的な事実を資料に基づいて質問をしたいと思います。 いま全国に約三万六千の豆腐製造業者がおります。東京が三千百余り、一日にどのくらい豆腐が製造されているだろうか。これは業界筋の資料では約一千万丁近く製造されている、こういうことが言われているわけです。ところがこういう状態の中で、たとえば森永乳業、これが大企業として豆腐の製造を始めた。これは一般の新聞にも報道されておりますし、業界紙にもかなり詳しく出ております。それからヤクルトが同じく大量生産をやる、こういう状態ですね。いま森永が日産五万丁前後だと言われます。それからヤクルトもほぼ同じぐらいですが、ヤクルトは、報道されているところによれば当面三百万丁を目途にして大量生産をする、こういうことが現実に言われているわけです。 しかも、これは通産省にも行っていると思いますが、大臣、ちょっとこれを参考までにお渡ししますからごらんになってください。——たとえば、森永乳業は去年の十月十八日に森永牛乳の販売店あてに通達を出しています。「本状は本店のみ通知」ということで出ておるわけです。これは二枚ありますが、二ページ目の一番下にリベート問題が書いてあります。「但し、昭和五十年四月一日以降は年間契約によるリベート体系を発表する予定です。」と言われていますから、いまその準備を進めている段階だと思います。二枚目に移りますが、なかなかこれは商魂たくましいやり方がそのまま出ているのですが、「セールスポイント」これは、問題となっているAF2は入っておらない、保存料とか殺菌料は一切使っておりません、しかも普通の豆腐よりはるかに長持ちいたします、普通の豆腐製造業者でつくっているよりいいのですよというのをまずこう言ってあるわけですね。それから4のところにいきますと、手に触れていないから清潔です、汚染されていませんという説明も加える。さらに、この豆腐は「細雪」と言われていますが、牛乳を配るルートに乗せて宅配をいたしますということが書かれているわけですね。そしてまた、八百屋さんとか乾物屋さん、食料品店その他でも販売いたしますというので、これを大いに宣伝をしている。それから半分の方の紙があります。これはコピーをしたものですが、もとは黄色い紙になっているわけです。これには「お客様各位」で宅配の宣伝を大量に行っているわけです。これは神奈川県下で出しているわけですが、「絹ごしどうふ“細雪”月極め注文書」というので、月火水木金土の週間のものと、それから一から十までの旬間のものと、ここに印をつけてやればお宅に配達をいたします。最近さらに報道されているところによると、自動販売機でこの豆腐を売って、右か左か知りませんけれども、あるボタンを押すと冷ややっこが出て、別のボタンを押すと湯豆腐が出るという仕掛けまで計画してやっている。 これは笑い話なら結構なんだけれども、豆腐製造業者にとっては死活の問題になると思うのです。案の定、これは統計が出ているのです。去年のものはまだ集計できておりませんが、おととし、さきおととしのものでいきますと、全国で四十七年には千三百五十軒の豆腐屋さんが転廃業しています。四十八年になるとこれがぐんとふえて千八百八十二軒。これを東京だけで見ますと、四十七年五十七、四十八年七十七。一方では豆腐の需要が多くなっているのに業者の数がどんどん少なくなってきている、これが実情だと思います。こういう中で、関係業者団体から政府の方に陳情、要請が出ておりますか、その点を担当の政府委員の方からでも結構ですからお答え願いたいと思うのです。
○吉田説明員 いまの最後の陳情のお話の問題に関しましては、私の方に全豆連なりその他の方から御要請が出ております。
○金子(満)分科員 どんな要請ですか。
○吉田説明員 ちょっと失礼しますが読ましていただきます。「大企業が営業の自由ということで伝統的に中小企業の分野である豆腐市場にまで無制限に進出しないように規制すること。大企業による原料大豆、食用油などの不当な価格操作を取り締まること。」以上の点が要望として出ております。
○金子(満)分科員 それは恐らく全豆腐製造業者の共通の願いだと思うのです。もちろんそれが不十分であり、またこうしてほしいという意見、要望、たくさんあると思いますが、最大公約数はそんなところになるだろうというのが業界紙なんかにも出ています。つまり、大企業をどう規制するか、このことですね。御承知のように、中小企業基本法の十九条では「国は、中小企業者以外の者の事業活動による中小企業者の利益の不当な侵害を防止し、中小企業の事業活動の機会の適正な確保を図るため、紛争処理のための機構の整備等必要な施策を講ずるものとする。」こういうふうになっているわけですが、私どもの党としても、中小企業の危機打開のための緊急措置法の提案をして、これはどうしても実現しなければならぬ。大企業の、たとえばいま例を申し上げましたが、豆腐製造業の分野に対する進出ということは客観的に明らかですから、こういうものを規制する措置というのは、請願、陳情が出ておるわけですが、どのようにされているか、まだしていないのか、その点を伺っておきたいと思うのです。
○齋藤(太)政府委員 現在の法律でのこういった大企業と中小企業の関係を調整いたします措置としましては、大規模小売店舗法によりまして、百貨店なりスーパー等の大規模なものが進出します場合の小売商との調整をその法律に基づいて行っております。それから、小売商と、たとえばメーカーが小売に実際に出てきた場合の調整でございますとか、あるいは卸商が小売をする場合とか、あるいはその他の購買会等がその目的を逸脱して一般の小売を行うといったような場合の、小売商とそういった関係との調整につきましては、小売商業調整法に基づきまして知事なり大臣のあっせん、調停というような規定がございます。それからそのほかの分野につきましては中小企業団体法におきまして、組合が大企業の進出によりまして影響を受ける場合には、大企業に話し合いを求めまして、話し合いがまとまれば特殊契約を結びまして、大企業の進出を一時待ってもらうなり、進出の規模をある程度低目にして、中小企業が力をつける時間をかすためのそういった措置をとる。それが話がまとまらない場合には大臣が調停、あっせんをする、こういった特殊契約制度といったようなものが中小企業団体法にございます。また、協同組合がいろいろ取引の相手方と交渉する団体協約制度といったようなものもございまして、いろいろ制度的にはそういうものがあるわけでございますが、たてまえとしましては、まず業界同士で話し合いをしていただきまして、話がまとまらなければ私ども地方の出先なりあるいは府県にお願いをいたしまして、政府が中に割って入って行政指導をする、こういう形で現実的には処理をいたしておるわけでございます。
○金子(満)分科員 そこで豆腐の業界から請願が出ているというお話、さっき伺いましたね。出ていてもそのままで実際にはストップしているんだと私は思います。調査や何かは進めているかもしれませんけれども、ところが大企業の方はきのうも売っているし、きょうも売っているわけですね。たとえば、森永とかヤクルトがスーパーで安売りデーをやる。安売りデーというのは一般の製造業者にとっては最悪の日になるわけですよ。ですから、製造を三分の一くらいにその周辺の豆腐屋さんは減らさなければならない、こういうようなことも実際出ているわけで、森永、ヤクルトについても豆腐をつくらなければ倒産するというような状態でないことは常識的にもわかるわけですから、こういうところは私はそれこそ行政指導だと思うのです。とにかくその進出にストップをかけるということは大きくやってもらいたいし、一般の新聞にもその横暴さというのは報道されているわけですし、業界の声も出ているわけですから、通産省としては明確にこういうやり方はやめるべきだということを、法的にいま禁止させることはできなくとも、行政措置としてそのことをやるべきだと私は思うのですが、そういうことをする考えがあるかどうか伺いたいと思うのです。
○齋藤(太)政府委員 大企業が中小企業分野に急速に出てまいりまして、そのために中小企業に非常に悪影響が出てくるというような場合には適切な調整が必要であろうと基本的には考えております。今回の豆腐の問題はAF2の使用が禁止になりました関係で、豆腐が日もちがしなくなった。それに対しまして森永等が新しい製造法を開発いたしまして、一週間以上長もちする豆腐の製造を開発した。これは一種の技術の革新と申しますか、技術の進歩の面があるわけでございます。したがいまして、一概にこういった新しい技術によります製造を抑えるということは消費者対策、物価対策等からいたしましても、一面では問題があろうかと存じますが、同時にこれが余りに急激に出てまいりますと、中小企業に非常に影響がございますので、中小企業に、それに対応する時間的な余裕を与えてほしい、そういう意味におきまして、ただいま農林省に——食品については農林省の御所管でございますので、農林省にお願いをいたしまして、農林省が中に入られまして話し合いを進めていただいておるところでございます。 なお、中小企業庁としましては、こういった製法というものを抑制するのじゃなくて、中小企業である豆腐業界自体もこういった進んだ技術を取り入れまして、時代の進展に合わした豆腐の製造をやっていただきたい、かように考えまして、それに必要な所要資金等はいつまでもお貸しをする、政府資金等用意をしまして、中小企業の方もこういう技術に対応して進んだ技術を取り入れていかれるように、実は期待をいたしておるところでございます。
○金子(満)分科員 消費者対策、物価対策で言えば、こういう新しい技術開発ができた、その面はいいことだと言われるわけですね。大量生産すればコストが安くなる。安く出回ります。その結果どういう事態を引き起こすかは、これは通産省御存じのとおりだと思うのです。 そこで、たとえば技術開発、それを一般の業界にも普及させるために資金の貸し出し等も考慮いたしております……。ところが、その金を借りたいと思うときには、もう転廃業なんですね。つまり大きな攻勢で、もう弱肉強食で、どんどん押しかけてくるわけですから、その荒波に流された後でお金をと言ったって、これはもう全然話にならぬわけですね。 ですから、そこのところが私はやはり森永その他の大企業の宣伝の文句になっていると思うのです。保存が効きますよ、清潔ですよ、お宅まで配るのです、だからうちのを買ってください、こういう宣伝で、あたかも普通の製造業者はあそこは長もちがいたしません、ばい菌も入っているかもしらぬ、すぐ腐るのですというような、そういう宣伝にもうみんななっているわけですね。これは非常にゆゆしい問題だ。 それでは厚生省関係で、一般の業者の豆腐が悪くて非衛生的でどうだというようなことをやっているかというと、そうじゃないのですね。私は、いまの通産省のその考え方が中心になってきたら、幾ら請願があり、陳情があり、業者の願いが出されても、そこに気がいかずに、やはり大企業ペースで技術開発だというところにウエートが置かれているから、やはり行政指導というものが中小企業を守っていく、そういう方向にならないのだ。恐らく、お金は用意してありますからどうぞ借りてくださいと言っても、申し込みがないと思うのです。それはそんなどころの話じゃないのですね。 そういう点を私は考えて、そこでもう一歩伺いたいのですが、現実に森永、ヤクルトはやっちゃっているわけです。これをもとに戻すということができればそれに越したことはない。戻しても倒産なんかいたしません。しかし、最小限度いま通産省として現状凍結する意思があるかどうか、これ以上中小企業の分野にシェアを拡大しないということで行政指導をする考えがあるかどうか、その点をもう一歩進めてお伺いしたいと思います。
○吉田説明員 先ほどの森永並びにヤクルトの問題でございますが、通産省の方のお話がございましたように、私の方で現在豆腐の関係団体等と話し合いをいたさしておるわけでございます。ヤクルト並びに森永といたしましても、われわれに、必ず円満に話し合いをつけるということを約束いたしておりますので、その点につきましては、もうしばらくその話し合いの経過というものを見てまいる必要があるのではないか、こうわれわれとしては考えております。 なお、いま先生の御指摘の、今後これを現状凍結という問題でございますが、これはあくまでもやはり消費者の方がこのようなものを要望しておる限りにおきましては、消費者の要望を否定するわけにまいりませんので、現状といたしましては、われわれの方の調査では、現在いわゆる製造能力が日産七万丁でございます。それに対して現在売れておりますのは私の方の調査では約二万丁でございまして、宅送であるとかいろんな問題につきましては、予想外に余り出ておらないというのが実態でございますので、その上に立ちまして、先ほど申し上げましたように、消費者の方でどうしてもこれは要るのだということになれば、その段階におきましてまた考えていきたい、こういうように理解しております。
○金子(満)分科員 消費者の方が要ると言っても、おそらく私は消費者が森永さん豆腐をつくってくださいとか、ヤクルトさんうんと豆腐をつくって宅配をしてくださいというような要求はないと思うのです。それは、森永さんやヤクルトが、特定の消費者にここに行ってくださいと言って組織すれば別ですよ。そういうような消費者運動で、通産大臣お願いしますから、大企業に豆腐をうんとつくってくださいなんて請願なんかあるはずがないのです。ですから、通産省、農林省関係当局が消費者の声と言ったときに、その声は何を意味している声であるのかということをひとつ十分つかむことですよ。そうでなければ森永とどんなに話しても、それは話し合うことはできるでしょうし、時間をかけることもできるだろう、しかし、話し合って時間をかけている間にも事態はどんどん進行していくでしょう。ですから、先ほども言ったように、おととしで年間千八百八十二件の倒産ですから、去年は恐らく二千件を超えていると思うのですよ。そういう実態が現実に進行しているのだから、私は、もしあなたがおっしゃるように、いま宅配も余り効果を上げてないとかなんとかということをつかんでおるんだったら、現状凍結ということはまずさせる、こういう腹を決めた話し合いをしなければならぬ、こういうふうに思うのです。この点は後で答えてください。 それからもう一つは、業界の意見を通産省は聞く必要がある。私は、通産大臣が豆腐屋さんの話を聞いたといっても少しも悪いどころではなくて、なるほど通産大臣、豆腐屋さんの話まで聞くのかといって、これは逆に大いに歓迎されると思うのです。恐らくみんな食べているのですから、これは森永の豆腐で、これがどこか、そんなことを一々分類している人はないと思うのですね。ですから私は、一つは、腹を決めて現状凍結なら凍結という立場から話し合いをする、その腹をまず聞きたい。 それから二番目には、通産当局、農林当局でも結構ですから、全国の豆腐油揚商工組合ですか、それから東京都にもこれがあるわけですから、そういう点で役員の方々だけではなくて、ひとつ個々の業者も一度ぐらい中小企業庁長官視察をしたらどうか、現地がどういう状態になっておるのか、そして生の要求というものはどういうものなのか、抽象的なものではなくてそれをやる考えがあるかどうか。二番目の方は、これは長官でなくてひとつ大臣の方から、そういう調査、生の声を聞くというようなことをやる考えがあるかどうか、これはやるとは思うけれども、伺っておきたいと思うのです。
○吉田説明員 まず、先ほど先生がおっしゃいました今後の話し合いでございますが、その段階で凍結を腹に置いて話し合い、仲介をやれ、こういうお話でございますが、これに関しましては先ほど申し上げましたように、われわれとしてはヤクルトなり森永がそれぞれの団体と十分話がつくまでは、これ以上の問題に発展しないように十分配慮してまいりたい、こう考えております。
○齋藤(太)政府委員 中小企業庁は通産省の所管だけではございませんで、あらゆる中小企業問題を担当いたしております。トラック運送あるいはそういった食品関係、いろいろな問題につきましても、中小企業の問題についてはその解決に努力するのが私どもの責務と心得ております。この件につきましても、至急に実情を、いままで農林省の方に調停をお願いをいたしまして、そちらを通じて実情を伺っておったわけでございますけれども、直接話を伺うようにいたしたいと思っております。
○金子(満)分科員 先ほどの答弁で、話し合いがつくまでは事態を進展させるなということですが、それはつまり、話し合いがつくまではどんどん事業拡張、進出をさせないという方向で臨んでいる、こういうように解釈していいですか。
○吉田説明員 いまの私が申し上げましたのは、現在七万丁の日産能力がございまして、それで二万丁程度しか出てこない、これに関しまして、現地でいまそれぞれの団体と会社の方で話し合いをやりなさいということで、すでに二、三回会議を持っておるようでございます。そういうことで、これがある程度円満に話がつくまでは、現状につきましてこれ以上に問題を大きくしないようにということで、われわれはその腹におきまして話し合いを仲介をしてまいりたい、こう考えております。
○金子(満)分科員 ですから、ある意味から言えば、話がつくまでは現状凍結的な腹をもってやるということですね。円満に話がつくまでは、七万丁つくっておって二万丁しか売れないのだ、それでは二万丁でとめてしまえばいいのです。するとあとの五万丁はどうです、いやこれは新しい技術開発で何カ月もとっておけるもの、そうではないでしょう。ですから私はやはり、最小限とりあえず二万丁以上はつくらないというくらいの行政指導、その確信がなかったら、政府に対する業者の信頼というものは全くなくなって、これは何をやっているのだ、政府がないと同じで、文字どおり無政府状態の中で、大企業が中小企業をのみ込んでいくということになると思うのですね。ですから、その点はしっかりやってもらいたいと私は思います。 それから業者の声を聞くために、ひとつ関係当局、通産省、農林省、ぜひこの点は、いつやれということを言っているのじゃないのですから、できるだけ早い機会にそういうことをする、そういう機会をつくるということはよろしいでしょう。
○齋藤(太)政府委員 業界のお話を直接お伺いするようにいたしたいと存じます。
○吉田説明員 いまおっしゃったとおりでございます。
○金子(満)分科員 では終わります。
○正示主査 これにて金子満広君の質疑は終了いたしました。 次に井上泉君。
○井上(泉)分科員 私は通産省に対して二、三の項目を質問いたしたいと思うわけですが、その前に警察庁にお尋ねをしたいのですが、交通安全ということは今日国民的課題として、仮に河本通産大臣が運輸大臣あるいはまた警察庁の国家公安委員長、そういう職に就任しておったなら、交通安全を力説するであろうと思うわけでありますけれども、通産大臣でありますからそういうことについては余り意を用いていないと思います。そこでこの機会に、交通安全について都市の実態、そのことについて警察庁はどう考えておるのか、その点ひとつ承っておきたいと思います。
○森説明員 御承知のように、最近の都市における交通障害というものは非常に大きいものがございます。安全の面から申しましても、あるいは渋滞の面から申しましても、あるいはまた騒音を含む交通公害の面から申しましても、非常に問題点を含んでおるというふうに考えております。したがいまして、そういったものを解決する必要があるだろう、それにはやはり結局は総合対策が必要であろうと思いますけれども、さしあたって警察といたしましては、国民の生命、健康を守るために、昨年からとりあえず都市総合交通規制といったものを考えておりまして、本年からは特に都市における交通削減ということに焦点をしぼりまして、自動車交通が著しく過密化しておる大都市において、自動車交通の総量の削減といったようなことを目指した交通規制を推進するということを考えておりまして、さしあたって大都市を中心にして、交通量でおおむね一割削減というようなことで、各都道府県警察に対してその計画の推進をいま指導しているところでございます。 ただ、具体的な進め方といたしましては、基本的にはやはり輸送需要、物なり人なりの輸送需要を変えるということまではいかないわけでございまして、現実における輸送需要がどうであるか、あるいは現実における交通手段がどうであるかということを前提といたしまして、現実の交通量を変えていきたい、こんなような考え方でございます。 ただ、具体的に交通量を変えるといいましても、一体何を変えるのかというようなことになりますといろいろ問題がございまして、要すれば、ほかの交通に代替できるような交通といったものは一体何であるかということを考えながら、その代替できる交通が、たとえばほかの輸送機関等に移せないかどうかという観点から、所要の交通規制を考えていきたい、たとえばバスレーンの設定であるとか、駐車禁止の規制の強化であるとか、あるいはまた、車両通行禁止等の規制を通じて、そういったものをやっていきたいというふうに考えております。 もちろん、こういったような規制は、どこまでも間接的な規制でございまして、直接そういったものを減らすということはなかなかむずかしいわけでございます。先ほども申し上げましたように、基本的には、輸送需要といったものを変えるということなしに、現実の交通量を減らしていくということでございますので、やはりおのずから限界がある。したがって、交通規制を通じて安全を図り、あるいは交通障害を除くということにつきましては、そのほか必要とされる関係機関、団体等と十分連絡をとりながら、相まってそういった効果を上げていきたい、こんなような考え方でございます。
○井上(泉)分科員 いまの警察庁の御意見を聞いて、通産大臣はどういう感想を得たのか、ひとつ通産大臣の見解を承りたいと思います。
○河本国務大臣 お答えとして、ぴたり当たるかどうかわかりませんが、先般来、排ガス規制の問題が非常に大きな焦点になっておるわけでございますが、私は、この排ガス規制というのは、物の一面だけを見ておる、やはりこの排ガス規制をすると同時に、総合的な交通対策というものを立てなければいけない、交通渋滞などが起これば、幾ら排ガス規制をした車が走りましても、非常に悪い状態になるわけでありますから、とにかく交通政策というものは、自動車の排ガス規制を含めて総合的に考えていく必要がある、こういうふうに考えております。
○井上(泉)分科員 あなたは、過日来、この排気ガス問題で、ずいぶん委員会等で質問を受けたから、排気ガスの問題も頭にきておると思います。私は、そういう点で、環境庁の方もお呼びして、都市における排気ガス公害の問題についてもお尋ねしたかったわけでありますけれども、その時間はありませんので、省略をします。 しかし、大臣、都市における交通、車の状態というものが過密であるということ、これはあなたも常識としてお認めになっておられるでしょうか。
○河本国務大臣 過密であるということは認めます。
○井上(泉)分科員 交通事故が非常に多いということ、これもお認めになっておると思うわけです。 そこで、通産行政にいたしましても、これは国民のために存在するものである、これはもう間違いのないことであります。ところが、ややもすれば、通産省は、国民のためでない、あるいは大企業のためだとか、あるいは中小企業には冷酷だとか、そういう風当たりが非常に強いのを、私は残念に思うわけです。 そこで、何も前の金子さんの質問のように、これは通産省が大企業べったりで、悪政をやって、そうして国民の不信を買って、三木内閣が一日も早く退陣をし、政権が交代する、そんなことを考えて通産行政の非を責めるわけではなしに、やはり現在の政権下にあって、国民の暮らしを守る、健康を守る、そういう政治姿勢というものをとるべきだと思うのです。そこで、いまの交通問題でありますが、ことしの一月に日経新聞を見たところが、「自動車ローン条件を緩める」「消費回復後押し」。車をもっとどんどん買えというなにをする。排気ガス問題であれだけ大企業べったりというような批判を受けておる中で、そうしてまた、いま警察庁が述べられたように、都市における交通規制をする、いまより一〇%ぐらいなにする。それは交通政策ですから、政策としては総合的にやらねばならぬということはよくわかるわけですけれども、そうして車のローンの条件をどんどん緩めて、消費回復を後押しをして、車をもっともっとふやせ、あなたの考えはこういうのですか。
○森口政府委員 自動車の割賦販売条件につきましては、一昨年秋に総需要抑制政策をとったことに対応いたしまして、改定をいたしておりますけれども、昨年来自動車の販売が非常に減っております。御指摘のように、業界の方から割賦販売条件の緩和を求めておるというようなことも事実であります。しかし、現在まだ総需要抑制策は続いておるわけでございまして、こういうような状況でございますので、いま直ちに割賦販売条件の緩和ということを考えるのではなしに、総需要抑制策の推移をまって、その過程において考えていきたいというように考えております。
○井上(泉)分科員 それはあれですか、大臣の指示によって、そういう自動車ローンの条件を緩めるというようなことはまだ考えていない、こういうことに理解しておっていいですか。
○森口政府委員 大臣から特に御指示はいただいておりません。
○井上(泉)分科員 それじゃ大臣は、そういうことについて、つまり都市の交通状態の中で、そして過密な自動車の状態の中で、これ以上車をふやすということがいいと考えておるのか、あるいは都市における車の増大はもう制限をしなければいかぬ時期でないか、こうお考えになっておるのかどうか、大臣の見解を承りたいと思います。
○河本国務大臣 確かに、都市においては車が非常に過密であるということは、これはもうそのとおりであります。ただしかし、一概にそれじゃもう車のふえるのをやめるというわけにもいかぬと私は思うのです。 積極的な対策といたしましては、先ほど申し上げましたように、公害の少ない車の生産をさせる、それから交通の総合的な対策をしまして、そしてその面からも排気ガスを防いでいく、こういう積極的な対策も必要だと思います。 それからなお、消費者ローンの問題につきましては、やはり消費者の立場ということを考えますと、これはある程度必要ではなかろうか、こう思います。
○井上(泉)分科員 それは消費者の立場として考えればそうだと言うけれども、逆にやはり自動車業界としても、そのことを非常に期待しておるんじゃないですか。それはあなたの言われるように、公害のない車で、そして交通事故も起こさぬようなことで、車のことを考えられるということなら、そしてまたローンの問題を考えられるというならば、通産省の言うことを聞かぬ、会社の名前を言うて恐縮ですけれども、たとえばトヨタ、日産のような車には、もう一切自動車ローンは認めないよ、やはり苦労の中でやっておる低公害の車には自動車ローンを認めるとかいうようなことも、公害を少なくするための、通産省としては一つの手段じゃないかと私は思うのです。それが、通産省が考えておることと業者が考えておることとが一致したというような奇妙ななれ合いの姿、この委員会の中で指摘されるような姿のない証拠になろうと思うわけですが、そういう点で低公害車に対するローンを緩めるとか、あるいはこれを勧めるとかいうようなことも、やはりこれはそういう場合における通産省としての行政上とるべきことではないかと私は思うのですが、どうですか。
○河本国務大臣 低公害車に対するいろいろな助成対策としては、いまのところ考えられておりますことは、税金面でこれを軽減していく。それをいま相談をしておる最中でございますが、消費者ローンまでこれに対して区別をつけるかどうか、これはよく考えてみないと結論が出ないと思います。
○井上(泉)分科員 よく考えて、ひとつ結論を出していただきたいと思うわけです。 そこで、これは自動車のことばかり言っておったら、時間がありませんので、要するに通産省が企業べったりであるという印象をぬぐい去るためにも、たとえば自動車ローン一つをとっても、私はそういう低公害車を優先するとか、あるいは低公害車の使用について、たとえば通産省が率先して低公害車を使うというようなことが、やはりこの低公害車が普及される道だと思うわけですけれども、そういうふうなことを講じないのを非常に残念に思うわけです。その点について、いま一度通産大臣の御意見を承っておきたいと思います。
○河本国務大臣 私は、役所はできるだけ低公害車に機会を見て切りかえていった方がいいと思います。
○井上(泉)分科員 その意を体して、通産省の関係者はやるべきだと私は思うわけです。 そこでもう一つ、今日不況対策の中で大変な御苦労をなさっていることはよくわかるわけでありますが、私は不況対策にも、たとえば自動車産業が不況だといいましても、あるいはまた、電気事業が不況だといいましても、それはそれなりの大きな資本力を持った企業であって、不況の中でも、これがつぶれるということになれば、トヨタ、日産がつぶれるということになれば、これは日本の資本主義経済が崩壊するというほどの影響力を持っておる企業だと私は思うのですが、通産省が不況対策をやっている中で、たとえば家庭紙工業会に所属をしております。家庭紙を生産しておる製紙業というものは、今日非常に苦境に入っておる。一方では大手の大製紙業者の進出によって、そしてまた製造の原材料の値上がりによって、二重の苦しみ、そしてまた売れ行きが不振ということで、家庭紙工業会はにっちもさっちも動かぬような、そういう状態になっているということについては、御認識をしていただいておるかどうか、その点、これは所管の局長で結構ですから。
○野口政府委員 ただいま先生の御質問にあります家庭用薄葉紙の業界の現状につきましては、私ども先生の見方と全く同じで、非常な不況である。これは余り目立ちませんけれども、地方の業界として、これの不況な点は、さらに進めばこれは地域の経済にも影響があることじゃないかと、私ども心を痛めている次第でございます。
○井上(泉)分科員 心を痛めておることが具体的に行政の中に出てこぬと、せっかくあなたの心あるいは大臣の心というものは、国民には見えないでしょう。そこで大臣にお願いするわけですが、こういう不況の中にあるということ、非常に心を痛めておられる、そのことに対して、私は、やはりあなた方以上にこの業界というもの、そしてまた、ここに働いておる労働者、これはもう不安で不安でたまらない状態の中にあるわけなので、この際、早く不況業種としての指定をなしてこそ、通産省が心を痛めておるという証拠になると思うわけですが、ひとつその証拠をお示しになっていただくわけにはまいらぬでしょうか。
○河本国務大臣 いま御指摘のように、非常に不況になっておるという実情はよく掌握いたしておりますので、不況業種に指定をしようということで、前向きにいま検討しておるところでございます。
○井上(泉)分科員 大体、委員会の答弁等で前向きとかあるいはそのことを検討とか言いましても、案外時間をとるものですが、本当にそれは一日一日滞貨の山の中で、そうして週のうち三日も休んだり四日も休んだりするような不安な中で、企業というものをやっておるわけですから、そういう点でも、ある程度のめどをつけて、前向きをもうちょっと、徒歩で行くのかマラソンで行くのか駆け足で行くのか、そういうことがお示し願えれば、私は業界としては非常に企業再建に意欲を燃やすことができると思うのですが、その点どうですか。
○野口政府委員 ただいま大臣がその方向を示されたわけでございますが、実は私どもその方向に沿って現実的に走り出して——歩いているわけじゃなく、走り出しておるわけでございまして、具体的に申しますと、実は省内でも検討しております。実は二月十七日には、通産省の中に関する限りは、幸か不幸か知りませんが、ともかく指定に値するということを、大体結論を出したわけでございますが、ただこれに伴ういろいろな措置は、実は大蔵省の方にももちろん協議したり何かする。お金の問題もありますので、大蔵省の方の了解をとる必要がございます。したがいまして、最終的に結論が政府として出ますのは、三月になって、まあ三月初めごろというふうに考えておる次第でございます。
○井上(泉)分科員 ぜひひとつ三月上旬ごろまでにはそういう決定をしていただいて、不況業種になったからといって、それに金をどっさりつぎ込んでくれるわけじゃなし、企業としてはやはりその指定を受けた中で、どうやって企業を守っていくのかという道を講ぜねばいかぬわけですから、だからやはりそういう不況業種の指定を受けることが、業者としても打開への意気込みを感ずるわけでありますので、三月上旬が三月の中旬になり、あるいはまた四月に来るとかいうようなことのないようにぜひお願いをして、私、質問を終わりたいと思います。
○正示主査 これにて井上泉君の質疑は終了いたしました。 次に、岡田春夫君の質疑に入るのでありますが、本日は同君の質疑に対し、参考人として、地域振興整備公団副総裁本田早苗君が御出席になっております。なお御意見は、質疑をもって聴取することといたします。岡田春夫君。
○岡田(春)分科員 きょうは石炭政策の問題で、河本通産大臣にいろいろ伺いたいと思います。時間が一時間でございますので、問題は非常に深刻でございますから、質問の時間が足りないわけでございまして、要点だけを伺ってまいりますから、大臣初め関係の局長あるいは長官は、ひとつ簡単明瞭にお答えをいただきたい。 まず第一点は、一部の新聞報道によりますと、現在、石炭鉱業審議会は新石炭政策の取りまとめを急いでおりますけれども、諮問の際には、大体五月ごろ、こういうことを大体考え方として決めておったにもかかわらず、現在では、答申の出るのは五月、六月では無理ではないか、こういうようなことが新聞に報道されております。しかも、この石炭の見直し、新政策の問題は、石油危機以来、すなわち四十八年の暮れ以来、石炭の見直しの問題が大きく討議されまして、私も実は昨年の分科会におきましても、この点について、当時の中曽根通産大臣にいろいろ伺っているわけであります。 これに対して、当時の中曽根通産大臣あるいはエネルギー庁の北村次長、こういう人々の答弁庁聞いておりますと、五十年度には、新政策をぜひとも新年度予算に繰り込んでいきたい、こういう意気込みがあったわけでございますけれども、どうもその後の状態を見ますと、五十年度の予算に対する熱意は全然ない。それは予算面においてもはっきりあらわれておりまして、通産省、特に中曽根通産大臣のやり方は、非常に石炭問題については熱意がなかったと私は思う。昨年の七月二十二日に、石炭鉱業審議会の総合部会で一応の答申があったのでありますが、その答申に基づいて新政策を具体的に立案しなければならないにもかかわらず、諮問をそのままほったらかしておいて、十月になってから諮問するという状態であります。ですから当然、五十年度の予算の中に新政策が反映されるわけはないのでありまして、そういう点からいっても、中曽根通産大臣は、口の上ではうまいことを言ったが、実際に石炭問題を考えておらなかったと言わざるを得ないのです。 そこで、まず第一点に伺いたいのは、審議会の答申は、当初の予定どおり五月または六月に行われるのかどうなのか、この点をまず第一にお伺いをいたしたいと思います。通産大臣、ひとつ……。
○河本国務大臣 いまお話しのように、石油問題が起こりましてから、石炭の日本のエネルギーに占めますウエートは非常に大きくなっております。したがいまして、審議会の方の御答申もできるだけ早くいただきまして、できれば五月、遅くとも六月ごろにいただきまして、そして五十一年度からの新しい政策の基礎にしたい、こういうことで、急いでいただくようにお願いをいたしております。
○岡田(春)分科員 それでは一部の新聞の報道のように、五、六月では答申はきわめて困難であるということはないのであって、政府の方も大いに督励をして、六月までには答申をお出しになる、こういうことをお約束できますか、どうですか。
○河本国務大臣 私も一部の新聞でそういうことを見ましたが、これは重ねて急いでいただきまして、できるだけ、遅くとも六月ぐらいには出していただくように取り計らっていきたいと思っております。
○岡田(春)分科員 いま審議中の石炭鉱業審議会では、今度新しい政策ということで、十カ年計画というような長期の展望を石炭政策で考えている、こういうようなことで、具体的な計画などについても、その十カ年計画の中でどういうようにするかというようなことが討議されているということを聞いておりますが、エネルギー庁長官、この点はどうですか。
○増田政府委員 ただいま先生からおっしゃられましたように、私どもの方では、新石炭政策には十カ年計画を組み込んで行いたいと思います。ただ、これにつきましては、常時見直しが必要なものですから、それにつきましては、また実施計画につきましてはローリングプランで見直す、しかし、十カ年を見通した一つの計画を立てたいということで、そういう作業をしております。
○岡田(春)分科員 そうすると、石炭産業の長期安定の計画をつくる、こういうことになるのだろうと思いますが、そうすると、現在行われております臨時措置法という法律は抜本的に改革をしなくてはいかぬ、改革というよりも、この法律は新しい法律にかえなくてはいけないと思う。新石炭政策に基づく石炭産業の安定のための法律あるいは基本法といいますか、そういうものをおつくりになるお考えがあるのですか、どうなんですか。
○増田政府委員 新石炭政策を、先ほど先生からお尋ねがあり、大臣からも御答弁申し上げましたように、大体六月中にはつくるということで、鋭意行っているわけでございますが、その結論によりまして、現在の法律はいずれ改正が必要だと私どもも思っておりますが、現行法の改正でいくのか、あるいは新しい法律でいくのか、これにつきましては、答申の内容が出ましてから判断いたしたいと思います。いずれにいたしましても、現行法のままでは新しい政策はできないということで、繰り返しになりますが、改正でやるか新法を出すかということを、答申が出ました上で判断いたしたい、こういうふうに思っております。
○岡田(春)分科員 長官は石炭のことばかりやっておられるわけじゃないから、余り詳しくないのかもしれませんが、現在の法律の改廃では、長期の、十年間の計画をやることは不可能なんです。だから、むしろ石炭産業の十カ年に及ぶ長期安定の計画というものをここではっきりして、その法的裏づけをつくりませんと、現在スクラップ・アンド・ビルドと言われているこの法律、臨時措置法ですね、これをスクラップの部分だけやめて、ビルドの方だけでやりますなんて言っても、そういうわけにいかないのです、いろいろな措置がありまして。これはむしろ思い切って新法でいくべきだと私は思うのですが、この点もう少し具体的に、担当の石炭部長にでも伺った方がいいのではないかと思いますので、御意見を伺いたいと思います。
○高木政府委員 ただいま長官からお答えいたしましたように、一応、答申を五月ないし六月にいただくようにしておりますので、その内容によりまして、当然新しい法律でいくかあるいは現行の手直しでいけるかということも、内容によると思いますけれども、これは私見でございますが、現在の合理化そのものの体系あるいは内容から見ますと、一部手直しという点では、新しい政策を盛り込むには少し無理があるのじゃなかろうかということがいま考えられますけれども、答申をいただいた後、十分その辺検討いたして、どちらかに決めさせていただこうというふうに考えております。
○岡田(春)分科員 大臣、いまもお聞きいただきましたように、現在の臨時措置法は、いわゆる合理化を進めるという法律なんです。これでは長期安定の政策はやれないわけです。ですから、大臣にもお願いをいたしておきますが、長期安定の新しい法律をつくる、そういう方向でひとつ根本的に見直していただきたい、このことについて、大臣の御見解を伺っておきたいと思います。
○河本国務大臣 最終的には、答申を見た上でお答えするのが順序かと思いますが、石炭の長期安定の対策がとれますような、必要なすべての措置はとっていきたいと思います。
○岡田(春)分科員 そこで伺いますが、何にせよ、いままで第五次まで石炭政策をやってきた。これは現在の臨時措置法に基づいてやってきたわけですが、新しい年度からの政策ができることになると、第五次までのいわゆる撤退作戦といいますか、スクラップ・アンド・ビルドと言いながら、スクラップ・アンド・スクラップだったのですが、そういう政策は、第五次までの政策はここで打ち切る、五十一年度から新政策で今度は長期安定の政策になる、五次の政策はことしで三年目ですが、来年から打ち切る、こういうことになりますね。
○増田政府委員 従来の五次までの石炭対策をやってきたわけでございますが、石油危機後のエネルギーの見直し、総合エネルギー対策、その中における石炭の見直しという見地から、新しい石炭政策を立てていきたい。そのために、これは先生御存じのように、二千万トン維持ということで、二千万トン以上という目標を掲げて石炭政策を推進する、こういう考えでございますので、従来の石炭政策とは様相の異なった対策を行う、こういうつもりでございます。
○岡田(春)分科員 ですから、第五次の政策はそこで打ち切りになるわけでしょう。
○増田政府委員 そのとおりでございます。
○岡田(春)分科員 この点を伺おうと思っておったのですが、二月の二十一日に、石炭鉱業審議会でいろいろ討議をされているんだが、そのときにいろいろ討議された、一つの基準になるような資料が出されているようです。これは具体的に言うことは、私は遠慮いたしますけれども、それを拝見すると、出炭の規模というのが書いてない。これは一体どういうわけなんだろう。一体どれだけ出すのか。いま長官は二千万トン以上とおっしゃったが、本当にそうなのかどうなのか、これをはっきりしてもらいたい。
○増田政府委員 二十一日に総合部会を開きまして、一応今後答申をつくるまでの作業予定あるいは基本問題それから、たたき台になる考え方その他を検討していただいたわけでございます。そのときにも、一部の委員の方々から質問が出まして、このたたき台になっている考え方には二千万トンという数字が出ていないということでございました。そういう御指摘を受けたわけでございますが、これにつきましては、そのときに委員の方々にも御説明申し上げましたが、去年の十一月二十八日に総合部会を開きましたときに、二千万トン以上という線は、これを前提にして今後作業をする、こういうことに決まっておりましたものですから、いまの文章には入っていないということで、これは当然の前提である、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
○岡田(春)分科員 二千万トン以上という、その以上はどれぐらいなんですか。
○増田政府委員 石炭の需給の問題、今後の長期見通しの問題は、答申が出ますまで、各種の検討を行うわけでございますが、私どもの方としては、二千万トンないし二千万トン以上の線を出すということでございます。ただ、これも先生よく御存じのように、二千万トンという数字に持っていきますためには、国の努力のみならず、需要業界その他の相当な援助、協力を得なければ達成できない。その点を詰めて、具体的な数字を出したいと思っておりますが、形といたしましては、二千万トンないし二千万トン以上を確保する、こういう線を基礎にして、現在政策を検討いたしておるわけでございます。
○岡田(春)分科員 二千万トン以上という数字を聞きたいのだけれども。というのは、昭和四十九年、昨年度は二千二百五十万トンでしたね。そうすると、それ以下に下がるのかどうかということを聞きたいわけなんだが。 もう一つ重要な問題は、十年間の長期計画なんだから、その間の毎年毎年は、コンスタントに二千万トンを超えるのであって、それ以下ではない、こういうことを約束できますか、どうですか。
○高木政府委員 昭和四十八年度の生産が二千九十数万トンだったと思います。本年度の生産の落ちつきは、恐らく二千五十万トン前後ではなかろうかと思います。この中には、いわゆる露天掘り等々、短命の山から出る生産量が約百六十万トンも含まっておりますので、現有鉱といえども、露天掘り等々を抜きますと、二千万トンを割るような状態になります。しかし、これでは問題がございますので、いま事業団の保有鉱区あるいは新しい鉱区の開発というようなことをやりつつ、二千万トン以上確保したいということで、二千万トン以上ということを審議会の答申にも盛っていただいたような次第でございます。
○岡田(春)分科員 ちょっと高木さん、私の質問のポイントを——言い方か不十分だったかもしれないけれども、毎年十年間コンスタントに二千万トン以上を確保するという計画になるのか、こう言っているのです。
○高木政府委員 ことしの予算でも、一応一億五千の計上をさせていただきまして、いわゆる可能性調査ということで調査をするわけでございますけれども、こういう調査の結果にもよりますけれども、一応私どもとしましては、二千万トン以上の需要がある以上、少なくとも国内の生産は二千万トン以上を年々続けていきたいということで、目標も二千万トン以上の目標を掲げ、それに向かって新鉱の開発あるいは再開発等を行いたいということでございます。しかし反面、それ相応の調査とともに、経済性の問題もある程度入れなければなりませんので、その辺をどういうふうに調整するかということを、いま審議会で御審議いただいておる段階でございまして、少なくとも事務ベースといたしましては、今後十年間、そういう線で進みたいということを、いま御審議いただいている状態でございます。
○岡田(春)分科員 私の言っているのは、大体高木さんのいまの答弁もそういう趣旨だろうと思うのですが、これから新政策ができて、五十一年から六十年までの十カ年間の長期展望ができるわけでしょう。そうすると、年次別に出炭目標というものができてくるわけでしょう。そうすると、それは二千万トン以上のペースでずっとカーブできる、こういう意味に理解してもいいんですね、毎年のペースは。なぜ私、念を押すかというと、昭和五十一年の場合には千八百万トンになった、五十二年は千六百万トンになった、五十三年が千九百万トンになって、それからまた下がったりこうなったりして、最後は十年目に二千万トンだなんというカーブもあるわけだ。問題は長期安定であるという先ほどの御答弁であるから、二千万トンを最低限として、それによるところのカーブがずっと毎年の年次計画としてできてこなければならないはずだ。そういう意味ですね、ということを伺っているのです。十カ年の計画であるなら、少なくとも年次別計画というものがなくてはならぬはずだ。そういう目標を具体的にお出しになって、そういうことをおやりになるのですか、どうですかということを言っている。
○高木政府委員 昨年の十一月二十八日の二千万トン以上という数字は、いま先生の御指摘のような点も十分検討した上での二千万トン以上の数字でございます。
○岡田(春)分科員 ということは、それじゃ年次計画として、私の言ったようなそういう線になる、こういう意味ですね。
○高木政府委員 五十五年度と六十年度の見通しを、私どもとしましては計算いたしまして、五十五年と六十年には二千万トン以上の数字を間違いなく出せるという見通しが立ったものですから、ああいう数字を出したのでございますけれども、では、その前後の五十八年度はどうなるかとか五十三年度はどうなるかというような数字は、いまのところまだ出しておりませんので、その辺もあわせまして、今後検討したいと思っております。
○岡田(春)分科員 それじゃ、もうちょっと角度を変えて伺いますが、二千万トン以上というものが目標であるとするならば、さっきの高木石炭部長の答弁によると、その中には現有炭鉱の出炭、それから同時に新フィールドの問題それから公団の手持ちの鉱区の問題この比率はどれくらいになりますか。
○高木政府委員 私どもが計算いたしました六十年度で御説明申し上げますと、既存炭鉱としましては、千八百八十万トンくらいになるのじゃなかろうか。しかしいわゆる新規開発あるいは再開発のところで、炭量的には五百万トンまでは可能でございますけれども、これは全部の条件がそろった場合の生産量でございまして、安全として見ますならば、仮にその半分を見たとしましても、二千万トンは超えられるという数字のもとで、二千万トン以上というのを出した次第でございます。
○岡田(春)分科員 そうすると、現有炭鉱で千八百五十万トン、残りは五百万トンの可能性がある。これは新フィールド並びに事業団の鉱区ですね。そうすると、可能性としては二千三百万トンまで可能性があるけれども、通産省は大変おかたいものだから、それを十分あれして、半分と見て二千万トンは間違いあるまい、こういうことですね。
○高木政府委員 今後山を興します場合、公害問題、保安問題そういうことも十分検討いたさなくてはなりませんので、ただいま申し上げました五百万トンがすべて掘れるというふうには、私どもは考えておりませんで、これは規模としてでございます。炭量ではございません。規模として五百万トン規模は可能性はございますけれども、そういう保安問題あるいは公害問題等々も検討しながら、できるだけ多量の生産をやっていきたい。しかし安全として見るならば、二百万トンぐらいに見ておくのがいいのじゃないかということで、二千万トン以上という数字を掲げたような次第でございます。
○岡田(春)分科員 大変明るい希望の話をされるようですが、私は決してそんな簡単にはいくまいという感じもいたします。 そこで、こういう問題からもうちょっと話を進めてみますが、やはり石炭産業の長期安定のためには、経営問題というのは根本問題だ。ですから諮問の中にも、「このため石炭需給、流通、石炭鉱業の経営問題等全般にわたり」云々、こうなっているのであります。この経営問題が重要であるということは、かつて体制委員会という部会までやって、経営の体制の問題にまで入っていったわけですが、私は、ここでやはり長期安定政策をやるためには、経営体制の問題に触れなければならないと思うのです。石炭鉱業審議会の今度の答申の中では、経営問題についても触れていかれるのですか、どうですか。 それからもう一つは、これは大臣も御存じだと思いますが、現在、政府の方でトン当たり三千円くらいお金を出しているのですね。こうなってくると、これは私企業の限界を超えてくるわけですね。われわれ社会党であるから、社会党は、国有、国家管理を主張しておりますけれども、石炭問題はやはりもう一段進んで、公共化する必要があるんじゃないか。私企業だけに任しておいたのでは、資金面で政府におんぶしなければならないというこの状態から見て、もう一歩出ていく必要があるんじゃないか。これは社会党のイデオロギー問題ばかりじゃなくて、そういう問題を超えて、やはりその点を考えることが石炭政策の長期安定の抜本策じゃないか、私はそう思うのですが、大臣いかがでございましょう。
○河本国務大臣 確かに、三千円といういまの補助の価格等から見ますと、御意見ごもっともな点もあるのですけれども、ただしかし、いま世界的にインフレが進行しておりまして、外国の石炭の価格もずっと高くなっておりますし、この世界的な物価動向がどう落ちつくかわかりませんので、もう少し世界的な物価動向の見通し等を見ました上で、そういう重大な問題に対しては判断を下していきたい、こう思います。
○岡田(春)分科員 国際情勢のそういう点は、大臣のおっしゃるとおりに、ごもっともな面もあります。しかし、日本の場合の石炭産業の基礎におけるいろいろな問題がありまして、これをやっていると時間がなくなりますから、私は省略しますけれども、やはり経営形態に触れるべきだと私は思うのです。こういう点は今度の答申の中に触れるのかどうか。こういう点は大臣御存じないかもしれないので、長官からでも、ひとつ御答弁をいただきたいと思います。
○増田政府委員 経営問題につきましては、これは現在答申案の検討のために専門委員会その他を開いて、そこでいろいろ根本的な検討はいたしております。しかし現在までの出ましたラインを申し上げますと、石炭につきましては、やはり私企業体制というものを維持して、その活力を伸ばすということでやっていきたい。ただ、石炭生産に従事します経営者につきましては、徹底的な合理化、それから経営姿勢の改善というものを進めるというラインで、現在この問題の肉づけを行っているというのが、現在までの検討の結果でございます。
○岡田(春)分科員 私企業ではもうやれない、限界を超えているんだと思うのですよ。私たちが言うと、社会主義イデオロギーで来たか、こういうことになるかもしれないが、実際問題として、自民党の中の諸君でも、もはやこれは私企業ではやれないということを、石炭対策特別委員会で発言をした人も実はいるのですよ。やはりそこまで真剣に考えないと、長期安定の政策は私はとれないと思う。この点はひとつ大臣も、国際情勢の問題もありますけれども、日本の国内産業としての石炭を長期安定させるためには、そういう形での、たとえば公団制とか、そういう可能性もあるわけですから、公団制度をとったからといって、これは社会主義であるなんということにはならないですよ。こういう点は、日本の国内産業の長期安定を図るために、国際情勢だけではなくて、国内的なそういう情勢のもとにおいて、ひとつ大臣御検討いただきたいと思いますが、どうですか。
○河本国務大臣 私企業として成り立つかどうかという問題ですけれども、この問題の前提をなすものが、私は国際情勢だと思うのです。炭価が外国で暴騰する、そうすれば日本の事情も変わるわけですから。でありますから、もう少し世界の動きを見た上で、どうする方法がいいのかということについて判断をしたいと思います。
○岡田(春)分科員 たとえば、こういう問題は、私企業で少なくともできないだろうと思うのですがね。これは大臣はお聞きいただいて、担当の方で御答弁いただきたいと思うのです。 現在、大臣も御承知のように、事業団で買い上げしている鉱区があるのですよ。この鉱区を経営する場合は、いまさらもとの三菱に戻してやれとか、あるいは北炭に戻してやれ、三井に戻してやれというのじゃなくて、この鉱区の場合には、やはり公共的な性格を持ったもので鉱区の再開発をやるということの可能性が非常にあるわけですね。こういう点についての鉱区の開発の可能性、その場合の経営形態、その点はどういうことになりますか。
○高木政府委員 ただいま先生御指摘のとおり、事業団が保有しております鉱区あるいは消滅しました鉱区は、かつて三井なり三菱なり、その他の株式会社が保有していた鉱区を、閉山のために交付金を払いまして、事業団の保有あるいは鉱業権の消滅という手続をとっております。そういう関係上からいきましても、一回手放した鉱区を再度その会社に再開発をやらすということには、いろいろ法的にも問題があろうと思います。しかし、国内の資源として貴重なそういう石炭資源を再開発する、あるいは新たに掘るという場合につきまして、どういう形でやるかということも、今回の調査費の中で十分検討いたしたいと思います。たとえば第三セクター的な思想のもとでそういう再開発をやる、ただし、かつての経営者の技術というものはある程度買わなくちゃならぬのじゃなかろうかと思います。その辺の調合をどういうふうに持っていくかということは、今後の審議会の先生方に、いろいろ御検討いただこうというふうに考えております。
○岡田(春)分科員 その点は、それじゃ答申の中に出るわけですね。
○高木政府委員 再開発の問題につきましては、当然これは法律的にも問題がございますし、そういう問題を含んで、答申の中に入れていただくつもりでございます。
○岡田(春)分科員 それからもう一つ、答申の中に、この文書、討議資料を見ていると、幾つか抜けているんだけれども、現在の特別会計制度を続けるのですか、どうなんですか。特に原油関税の従量税ですね、こういう形で財源というものができておった。これは十二分の十なんであります。この十二分の十が、四十七年と四十八年は、法律上、十二分の十を出しなさい。ところが四十九年は、法律上の規定はないけれども十二分の十出したわけです。ところが五十年度の今年度になると、十二分の十を切って十二分の八・何ぼのはずだ。これは明らかに、見直しと言っているときに、石炭に関する部分の原資の方が少なくなって、十二分の十から十二分の八・何ぼに下がっていっている。これは見直しとは言えないんじゃないか。逆に言うと、石油に食われていきつつあるというのが、これが財源上から見た見方になるんじゃないか。こうなってくると、五十一年度で、石油石炭特別会計の問題は一応法律的には限度になるわけですが、この後一体どうするんだという問題の、原資の問題がなければ、いかに新政策はやりますと言ったって、話にならないんだが、ここら辺は、審議会の中では、これは全然書いてないんだが、一体どうするおつもりなのか、政府の方針を伺っておきたい。
○増田政府委員 新しい石炭政策の転換を行いまして、これを行うときの財源問題につきましてのお尋ねでございますが、これにつきましては、石炭鉱業審議会の結論が出まして、その上で、この財源問題につきましては、財政当局と相談いたすつもりでございます。 それから、先生先ほどおっしゃられました、五十年度の石炭対策費が非常に減っておるという御指摘でございますが、(岡田(春)分科員「そこまでも言わなかったけれども、財源が少なくなっている」と呼ぶ)これは先生は玄人ですから、十分御存じの上で言われたと思うんですが、五十年度につきましては、従来の閉山交付金とか借り入れ返済金というものが非常に減額になっておりますので、実質的には、四十九年度に比べまして、相当大幅な増加にはなっておるわけでございます。
○岡田(春)分科員 きっとそう言うだろうと思ったんです。ところがその中には、先ほど通産大臣の言うた物価の上がりについては見込まれていない。それから見ると、むしろプラスではなくてマイナスであろうということも、つけ加えておきたいと思います。 そこでもう一つ、先ほどの二月二十一日の審議会のたたき台になるもので、特徴的な問題がある。私は非常にこれは欠陥だと思う。こういう点は審議しないのかと、私は言いたいんですが、労働力の確保の問題について、ほとんどないじゃありませんか。一体これはどうなんですか。労働力についてはこう書いていますよ。「労働環境の改善」と「コストの監査」、そして一の点で労働力の問題がある。「石炭生産が特殊な地下労働によって維持されているのにかんがみ、労働環境の改善を図るべきである」、これだけだ。これはあなた、昨年の七月の総合部会より数歩後退どころでない、百歩後退ですよ。どうしてか。七月の総合部会報告を見ると、非常に具体的ですよ。他産業並みの賃金水準を維持すべきである。労働時間の短縮を検討すべきである。作業環境の改善を図るべきである。福利施設についても住宅、厚生福祉施設の改善を行うべきである。いま石炭産業が続くかどうかという問題は、長期政策もさることながら、労働力が足りないという問題なんですよ、これは。その一番根本問題に全然触れてないのじゃ、これは話にならないじゃありませんか。この点は、私はこの討議内容では納得ができない。この根本問題を一体どうされるのか、この点について長官に伺っておきたい。
○増田政府委員 先生からいま御指摘のありました、たたき台の文章、これは骨だけ書き並べただけでございますので、もちろん答申はいろいろの肉づけをし、またその内容を盛って、そして今後の石炭政策の行くべき道を示すという内容になるわけでございます。その意味におきまして、この労働問題につきましては非常に簡単に書いてございますが、ただこの石炭鉱業審議会におきます審議それからいままでのやり方その他におきまして、私どもはできるだけ労働組合の代表の方々その他と十分意見を交換いたしまして、そして正しい答申ができるように努力いたしておるわけでございます。もちろん先生が先ほどおっしゃられましたように、石炭鉱業、ことに二千万トンを維持するためには、労働の確保なくしてはできないということは、まさにおっしゃられるとおりでございまして、ここに非常に重大な問題点があるということは、私どもも十分認識しておるつもりでございます。
○岡田(春)分科員 それでは、答申の中には、これははっきり約束してくださいよ。いわゆる他産業並みの賃金水準の向上のための措置、労働時間の短縮についての措置、作業環境の改善等に関する労働条件の適正化、並びに住宅厚生福利施設等の労働福祉施設の改善を図る。これは諮問の土台になったんですからね。これは答申の中に明確に入れていただかないと困ります。これは入れていただくと約束できますね。
○増田政府委員 いま先生の読み上げられた各項目は、前に検討いたして一応外に出したものでございますが、これらの問題一項目一項目を、この審議会の委員の方々に検討してもらって、そしてできるだけ盛り込むように審議をお願いするつもりでございます。ただ、どういう内容が必ず盛り込まれるかどうかは、これは審議会の……(岡田(春)分科員「そこは役人的答弁をやっちゃいけない」と呼ぶ)審議会にお願いしていることでございますから、ただ、いま先生の御指摘になった各項目については、十分討議してもらうように、私の方からも責任を持ってやるつもりでございます。
○岡田(春)分科員 そこで、これから少しこわもての質問をしなければならないのですが、北炭は、一月の二十八日と九日に特別労使協議会を開いて、現在二百九十六億の赤字が出ている、こういう非常事態であるから、経営者の方から労働組合に対する重大な提案が行われた。この重大提案なるものは、当然通産省はおわかりのはずですが、どういう提案が行われたか。
○高木政府委員 提案の内容は、うちの方はいただいておりませんけれども、いま先生御指摘の、北炭の二百九十六億の赤字というような問題につきましては、これは個別問題といたしまして、うちとしてはほうっておくわけにもいきませんので、当然二千万トンの中の一つの山でもございますので、いかにしてこれを生かすべきかということで、昨年から苦慮いたしまして、いま財政当局の大蔵省の方でも、いろいろ御検討願っているところでもございますけれども、役所の政府関係の処置だけではなくして、いわゆる需要業界の御協力も得たいということで、新日鉄その他二社ございますけれども、そういうところと話を詰め、片一方、北炭といたしましては、協調融資という形で、グループ関係の銀行を初めその他の銀行にかけ合い、大体今月、来月のめどもつきましたし、またこれによりまして処置がとられるならば、五十年度は問題なく過ごせるという見込みでございます。その間に当たりまして、需要業界の方からも、当社の経営姿勢の問題、あるいは労使間の問題等々いろいろな御注意がございましたので、その点については、うちの方から会社の方に、労使間の姿勢の問題あるいは使の姿勢の問題、労使間の協調の問題等について、需要業界が協力するに当たりいろいろ御注文がついておりますよ、ということは話しております。その結果を受けて、会社の方が、いま先生御指摘のように、一月の何日か知りませんけれども、労使の大会をおやりになったということは聞いておりますけれども、内容については、うちの方には、どういう内容で組合の方に提示するというような書類は、お持ちいただいておりません。
○岡田(春)分科員 あなた、知っているでしょう。
○高木政府委員 見ておりません。内容は知りません。
○岡田(春)分科員 あなた、新聞見たって、知っているじゃないの。問題は、いまのあなたの御答弁を聞くと、私は非常に何かを感じる。何かというのは後で言います。非常事態であるから、経営者の方は組合に対して、五十年度は一切の争議行為はやめてもらいたい、要求は出さないでもらいたい、こういう提案をした。そしてまた、労使安定委員会で話し合いにしましょうという提案も、それについている。やっぱりストライキをやめるというのは、労働基本権の問題ですよ。こんなことを言ったら、労働組合は承知しないですよ。争議行為はやめてもらいたいなどということについて、労働省の方、お見えでしょうが、これはどうですか、基本権に抵触しませんか、争議行為はやめろ——。労働組合は絶対承知しませんよ。これをやるんならという重大な事態が、いまやあらわれようとしていますよ。これを見てごらんなさい。このままいったら重大事態になりますよ。私は労働組合の方から詳しく聞いていますから知っている。基本権の抵触を、こういう形で経営者が提案したということは、私、許すわけにはいかないと思う。どうですか。
○細野政府委員 経営者側の方の提案として、そういうことを御提案になること自体は違法ではないと私は考えます。しかし、そういう特別の状況は私どもよく存じませんので、個別の問題について具体的な御意見を申し上げるのは、ちょっと控えたいと思います。
○岡田(春)分科員 提案だけならばというのでしょうが、これは資金繰りに結びついているんですよ。そういうことだったら金は出さないぞ、こういう関係が需要家の方から出ている。これはまさに圧力ですよ。そういう形で労使関係の、いわゆるストライキをやめてもらいたい。これは非常に重大な問題です。もしこういうのが一つ認められたら、先例になって、これは事実上進んでしまいます。こういう点は、労働省の指導としてどう思われますか。
○細野政府委員 先ほど申しましたように、提案自体としては違法というふうなわけにはまいらない。それから、労使の間のお話でございますから、あくまでもやはり労使でお話を願っていくというのが基本的なたてまえじゃないか、こういうふうに考えます。
○岡田(春)分科員 私はこれは通産省に伺っておきたいが、経営者の方で言っていますよ。こういうことをやれと言ったのは、需要家側と通産省の指導によると言っていますよ。通産省、これを指導したんですか。さっきのお話では、資金繰りの関係もありますので、需要者の希望等もありましたので、伝えました。こういう話を聞いていると、通産省がどうも指導しているんではないか、いままで石炭政策など、私は現実に見ていると、そういう場合が間々あるような感じがする。こういうことを通産省がやっているなら、私は絶対許すわけにはいかぬ。これは長官どうです。
○増田政府委員 通産省といたしまして、労使の問題につき干渉すべき立場にないと思っております。ですから、いま先生がおっしゃられたような内容を、通産省が会社に、ストライキをしない約束を取れということは言うべきではないし、また、私どもはそういうことを言っていないと信じております。
○岡田(春)分科員 これは事実を調べてみてください。労使協議会で事実出ているんですから。通産省からの勧奨だと言っているんだから。それから、需要家の方からそういう圧力があった。これはもしそういう事実があったら、取りやめさせてください。これはお調べいただいて、お約束できますか。
○増田政府委員 私どもの方からそういう勧奨をしたという事実がありましたら、もちろんこれはすべきことではないわけですから、責任を持って取りやめるようにいたします。
○岡田(春)分科員 これはこのままほっておくと重大問題になりますよ。労働組合は非常に硬化しておりますよ。ユーザーと通産省が一緒になって、資金繰りに結びついて、そうでなければ金を出してやらない、世話をしてやらない、こういう形でストライキ権を剥奪しようとしている、こういう形になっていますよ。このままでいったら、春闘の波の中で大変なことになる。ひとつこれはぜひお考えをいただきたい。時間がもう余り長くなってまいりましたので、大臣、この点についてはよろしいですね。
○河本国務大臣 いま長官が申し述べたとおりであります。
○岡田(春)分科員 それから、今度は地域振興公団本田副総裁にぜひお伺いしたいことなんですが、私はこういう形でお目にかかる前に、電話ではいろいろお話ししているのです。 誘致企業がいまどんどんつぶれている。たとえば北海道で美唄などにしても、十年前にできた大きな誘致企業なんかがつぶれております。北洋繊維、大日音響、こういう形で、誘致企業がいまどんどんつぶれている。こういうときに、この不況の中で、産炭地振興のために公団にもお世話をしていただいた誘致企業で細々としたものに対しては、特別の措置が私は必要だと思う。これは大臣にもお願いしておきたいのだが、こういう誘致された企業がまたつぶれると、二重の閉鎖ということになるわけです。炭鉱がつぶれて、そこに働いていた人の勤めているところがまたつぶれる。さっきもお話が出ているように、不況業種に指定するとか、あるいは特別な措置をとらなければ大変なことになると思うのです。こういう点については、一体どういうことをお考えになっているのか、政府もですが、公団の方からまず伺いたい。
○本田参考人 お答えいたします。 おっしゃるように、産炭地に進出した企業で、最近の景気の下降に伴いまして、経営的に苦境に立つものが非常に多くなっております。実は、そういう企業が将来確実に立ち直れるという場合には、長期の運転資金を貸し付ける制度を持っておりまして、今年度は予算が六億でございますけれども、資金需要が非常に大きくなっておりますので、設備資金の振りかえ等によりまして資金の需要を充足していくということで、十数億の貸し出しをおそらく年度末にやることになると思います。(岡田(春)分科員「例年に比べて増加していますか」と呼ぶ)倍以上でございます。返済期限の到来しておるもので、いま返済を求めることが無理だというものにつきましては、返済期限の延長をいたしております。それから、かなり返済が進んでまいりまして担保に余裕が出てまいったものにつきましては、担保の軽減を図って新しい担保力を造出する、こういう方法も講じて、できるだけ進出企業の今回の苦境を切り抜けられるような配慮をいたしておるわけでございます。
○岡田(春)分科員 これは公団だけでなくて、政府も思い切った措置、守ってやる措置をとりませんと、ほとんどつぶれますよ。私は北海道なものですから、あの地域を回りますが、どの町でも誘致企業がつぶれている。こういうのを思い切って調査をされて、特別の応急措置をする、そういうことは、政府だけでやれないのなら、公団の方に要請をしてやってもらう、こういうことをひとつ具体的におやりになるかどうか、この点も伺いたいと思います。
○河本国務大臣 いま公団の方から対策についていろいろお述べになりましたが、これが中小企業の場合には、中小企業の枠内でやれるいろいろな対策があるわけであります。(岡田(春)分科員「ほとんど中小企業です」と呼ぶ)それならば、中小企業の枠内でいろいろ方法がありますから、やれるだけのことはやっていきたいと思いますが、もしそれを越えて、資本金が三億とか五億というふうな中堅企業になりますと、これまた別の方法を考えなければなりません。 実は、むしろ私どもがいま心配しておりますのは、産炭地だけではなく、全国で中堅企業が非常に危機に瀕しておりますので、あわせてこういう方面の特別の対策をいま考えておるわけでございます。事情をよく調べまして、そういう倒産が起こりませんように、できるだけ協力していきたいと思います。
○岡田(春)分科員 そのいまの大臣の御意見は、いまいろいろ対策を講じている、そういう中に産炭地企業の問題も含めて御検討いただく、こういうことに理解してもよろしゅうございますか。
○河本国務大臣 そういう方針でやります。
○岡田(春)分科員 そこで公団の方に伺いたいのですが、私は質問前に、副総裁に直接電話をかけた問題ですから、公団はおそらくおわかりになっているはずだ。 こういう例がある。これは大臣もお聞きいただきたい。昭和四十五年八月、その当時は産炭地域振興事業団という名前だった。ここが世話をして、夕張に額縁の工場をつくらせた。しかもこれは事業団として初めてなんです。協同組合組織でつくらした。その当時、画期的なものだと言われた。そしてこれに対しては、つぶれるまでに三億五千万の融資をしている。つぶれたのは去年の暮れであります。ところが、これがつぶれるに至った点では、これを実は夕張がやりたいと言ったのじゃなくて、むしろ公団の方がイニシアチブをとって、やろうと言って、そうして夕張にやらせるようになった。そういう点では法的な根拠はあるかどうかは別として、これは公団に非常に責任のある額縁工場です。これに対して公団は積極的につぶれないための努力はしなかった。私はあえてそう言う。なぜか、たとえば去年の六月ぐらいから、この工場は危ないということははっきりわかっていたんだ。だから夕張の市から再三にわたって、これは何とかしてくれ、経営診断をやってくれということを言っていたのです。ところが、あなた、経営診断に行ったのは十二月の五日、六日じゃありませんか。半年後でしょう。経営診断に行ったとたんにこれはつぶれたんだ。十二月十五日につぶれたんだ。しかも労働賃金が払えない。私がこれを聞いたのはここの労働組合からなんです。七千万円の労務費関係の金が支払いにならない。私、この分だけでも何とかしてやってくれと言って、私は夕張からあなたのところへ電話をかけたのです。何とか考えましょうという話で、私は期待しておった。次の日に市の方に御返事があったのは、公団の規定の中にそれがないから金は出せませんというつれない返事でした。どうしましたか、この七千万円。夕張の市が泣く泣く労働組合と労金から金を借りて、しかも七千万円なんか金ないですよ。わずか一千万を出して年を越させたんだ。これは公団、ひどいですよ。もっと積極的にやらなければ、こういう誘致企業をどうするんですか、あなたの方が世話をしたことでしょう。こういう形で経営診断も半年もほっぽらかしておいて、手がつけられなくなってから行くというようなことでは、さっきのお話とずいぶん違うじゃありませんか。これは経過は一体どうなっているのですか。
○本田参考人 御指摘の点につきまして若干説明させていただきたいと思います。 御指摘のように四十五年からこの建物の譲渡を行って計画を進めたわけでございまして、もとは苫小牧に出たいという話であったわけでございますが、苫小牧が産炭地でないので、産炭地に進出しなければ、われわれとしては協力する態勢になれないということで、そして夕張の団地でこれを進めるということになった点は御指摘のとおりでございます。 その際、もう御承知のことと思いますけれども、土地については通常十年の割賦を十五年で譲っておるわけでございます。建物につきましては、もちろんこれも御承知と存じますが、十五年の無利子の割賦ということで譲渡いたしておるわけでございまして、まあ特例的な制度で運用したわけでございます。それから機械につきましても七千万、十年の期限で、しかも六分五厘という低利で融資したわけでございます。 ところが、当初、技術的に未熟だということもありまして、なかなか軌道に乗らない。このために資金がショートするということで、四十六年に四千万、四十七年に三千万、そうして四十九年の六月にお聞きの四千万を融資したわけでございますが、この四十九年の六月の融資に先立つ四十八年度は七億余りの売り上げになりまして、かなり好調な状況だったわけでございます。ところが、わずか数月にして資金ショートということで、いろいろ調査をしてみましたところ、材料の買い過ぎ、それから売れ行きの低下、こういうことで資金ショートということでございますのと、御指摘のようにやはり経営についてもう少し立て直す必要があるということで、実はわれわれの方で四十九年六月の融資に条件をつけまして、経営コンサルタントの経営診断を受けろ、こういうことで、われわれとしても道の方の技術者に依頼をしたのでございますが、道としても多数の中小企業がおっしゃるような状況であったために、なかなか順番が回ってこないということで十月におくれたということに相なっておるのでございまして、お話のありましたときには、実はもう会社が倒産いたしておりまして、理事長がこちらの方を見ることができなくなっておりまして、専務理事が病気になりまして入院するというような状況で、執行部として新しい体制をとれない。したがいまして、解散いたします、改めて再建策を講ずる際に考慮してほしい、こういうことでございましたので、それではいまの制度に乗らないので、先生からお話のありました際には、何か新しい方法を講じてできないかということを検討したのでございますが、あのときは執行部体制の混乱状態もありまして、なかなかいまそこまでいけないということであったわけでございますので、その点御理解を賜りたいと思います。
○岡田(春)分科員 副総裁、あなた、産炭地振興事業団ですよ。苫小牧に持っていくわけにいかないでしょう、初めから。だから、ここの点で、夕張に持っていったのは公団の責任ですよ。だってあなた、苫小牧は公団の、産炭地振興事業団の対象外だもの。あなたの方が世話したんだもの。経営陣だってあなた方の方が自主的にやったかもしれないが、これじゃうまくないとかなんとか言えるわけじゃありませんか。しかも北海道庁のコンサルタントにまかせたら、十月までできなかった。それじゃ、できないのならなぜ公団からいらっしゃらないのですか、六月からあんなに騒いでいるのに。しかも行ったのは十月ではなくて十二月ですよ。これじゃ公団は余りにもひどいですよ。 そこで、私いつまで言っても、もう時間がありませんから……。これは今後どうするのですか。やはり公団の責任で解決してもらわなければならない。かわいそうですよ、労働組合の諸君は。いま建物の管理、保全まで、全部労働組合がやっているんですよ。その経費もあなたの方が出すと言わないのでしょう。自分たちで自分の労力をむだにして守っているのですよ。保守、管理の経費なんかどうするのですか。金額は多くないかもしれない。こんなに労働組合が深刻になって工場を守っておるのに、あなたの方はこうやって、おれらの法律の規定にはないのだから、おれらは知らないよなんて言われたんじゃ、これは本当に公団の意味をなさないですよ。今後一体どうされるのか。新規にやる場合の土地、建物、こういう問題について、新規工場ができる場合には、そういう融資の問題なんか出てきますよ。こういうのはどういう方針であるか。こういう点も私、時間がないからまとめて伺うのですが、ひとつ誠意のある御答弁を願いたい。 私、担保まで調べた。公団が一番大きな担保を持っていますよ。三億五千万、全部独占しているんだ。そのために夕張から中小企業の金融機関は担保なしで、こうやって手を上げているんだ。あなたの方が全部握っちゃって、おれのところだけは赤字にならなければいい、ほかの方はどうでもいいんだという態度なんじゃないですか。これじゃ公団という意味をなさないですよ。私、さっき石炭産業の公団というようなことを言ったんだが、そんな公団なら迷惑なんだよ。やはり本当に苦しいのをかわってやる公団になってもらわないと、中小企業の金融機関もこれで半分手を上げている。第一勧銀とかその他も融資しているようだが、ここら辺はそんなことでつぶれないでしょう。夕張の金融機関なんかどうするのですか。あなたの方が担保を全部握っちゃって放さないのだもの、どうにもならなくなっているんですよ。こういう点は全体の工場に立って、やはり公団がこの工場の再建をやってもらう、そういうことについて具体的な方針をひとつ出してもらいたい。納得のできる方針でないと困りますよ。三月ごろに何か出しますなんというようなことをきのうちょっと聞いたが、私は現地を調べているが、そんな甘いものじゃありませんよ。責任持ってやってくれるのですか、どうですか。
○本田参考人 苫小牧というのは向こうから出た話だったので、それでは協力できないので、こういうところがありますということでやった点を御理解賜りたいと思います。 それから抵当権の問題につきましては、業務方法書で実はこういう非常に優遇した制度になっておりますので、第一抵当を取るということに規定上なっておるわけでございますので、その点も御理解賜りたいと思います。 それから維持管理につきましては、これはおっしゃるように大きな債権者でもありますし、これを十分維持管理すべきものだとわれわれも考えておりまして、十二月にすでに資金についてはわれわれとしても考える。ただ、この体制をどうするかということにつきましては、実はいま担当課長が現地に行っておりまして、夕張市、道通産局等と打ち合わせましで、元来これは所有権は組合のものでございますから、組合とも十分打ち合わせて管理の方法を現実に決めようということで、いま参っておるわけでございます。 それから今後の再建方法につきましては、いまの状況ではまだ具体的な引き受け手というものが出ておりません。これにつきましては、できるだけ具体的な引き受け手を早く決めまして、それに対して、この土地あるいは建物の活用につきまして、やはりある程度優遇した制度の運用が必要だろうと思いますので、その点については積極的な姿勢で考えるというのを基本的に考えております。
○岡田(春)分科員 これで終わります。 いいですか、副総裁。この後の問題次の企業をつくってやらなければ、あなた方もまる損なんですよ。あなた、責任もってやらなければだめですよ、本当に。探してみたけれどもありませんなんというのでは話になりませんよ。あなたは公団の責任においてやってくれますか、努力してくれますか、全力を挙げてやってくれますか。そうでないと、百七十九人の労働者ですよ。七千万円のうちで一部は払ってもらっている。金はそのまま未済になっているのですよ、労働賃金だって。こんなかわいそうな人たちを、おれは公団の法的なあれはないのだからしようがないんだなんて言っていたのでは、話にならぬですよ。やはり責任をもって次の企業を誘致して、それにやらせて、そこで解決のめどをつけていかなければだめだと思いますよ。全力を挙げてやっていただけますか。
○本田参考人 本来、産炭地域振興のための公団でございますから、その趣旨に沿わねばなりませんし、御指摘のように四億の債権を持っておりまして、これを将来にわたってうまく活用して回収していくということも任務でございますから、次の企業によってそれを活用していくことに全力を挙げて努力するつもりでございます。
○岡田(春)分科員 これで終わります。 大臣、こういう実態なんですよ。百七十九人が七千万円の労務賃金の未払いで、自分たちで苦労して苦労して労金の方に話をつけて、市の方に泣いてもらって、労金から金をもらって一千二百万円つくって、ようやく年を越したのですよ。しかも、そこへしがみついていなければ食えないのです。だからそれの保守管理までしていまやっているのです。こういうかわいそうな気の毒な状態、これこそ公団がやらなければいかぬ問題だと思う。大臣からも大いに督励していただいて、解決のできるようにお願いしたいと思いますが、大臣、最後に一言伺っておきます。
○河本国務大臣 事情よくわかりました。公団の方に全力を挙げてこの対策を練ってもらいます。
○岡田(春)分科員 終わります。
○正示主査 これにて岡田春夫君の質疑は終了いたしました。 次に、阿部助哉君。
○阿部(助)分科員 通産大臣、私通産省に、総括質問をやるために資料の要求をいたしました。ところが、当初は私のところの政審の手違いもございまして、実際の連絡は私は早くやったのだけれども、通産省が私の資料要求を正式に受けたのは一月の末であります。しかし、一月の末から私が七日に総括質問をするまでには、私はある意味では資料は十分間に合わせることができるだろうと思った。しかし、それにも間に合わない。だから私は総括質問の私の問題を急遽変更しまして、別の問題をやった、こういう経過を持っているわけであります。 それで私は、企業の特別措置の問題で通産省のお考えを聞いたのでありますけれども、私の見るところ、新しい通産政策ができるたびに、また通産省の予算要求や、また産業構造審議会の答申などを見てまいりましても、何かするたびに税金を安くしろ、こう主張する。私なんか長年税金を勉強してみましたけれども、通産省は財界と個別企業の代弁機関のような感じがするわけであります。 そこで、きょうは大蔵省も来ておりますけれども、税金についての主管官庁である大蔵省に質問するのではなくして、産業の租税特別措置の役割り、効果について実態を一番よく御承知のはずの通産大臣に質問をしたい、こう思いますので、明確にお答え願いたいのであります。 まず、通産省は、租税特別措置の新設あるいは存続を要求するに当たって、税の公平の原則をどのようにお考えになっておるのか、これ自体が私はわからぬ。一番原則でありますので、これをまずお伺いしたいと思います。
○河本国務大臣 私は、税にはもちろん公平の原則というものがなければならぬと思いますが、先ほど通産省は企業の代弁者である、こういうふうな御指摘がありましたけれども、私は必ずしもそれは当たっていないと思うのです。と申しますのは、わが国は、御案内のように、この狭い島に人口が非常に多いわけですから、まず雇用問題ということを考えなければいかぬ。いまのところ、昭和四十六年から昭和六十年までの間に新しい雇用を求める人たちが約一千万おる、こういう状態でありますから、よほど産業政策というものをしっかりやりませんと社会不安が起こるわけであります。 それからさらに、資源が全然ありませんから、資源政策というものを考えていかなければなりません。貿易を中心として海外との交易を伸ばしていく、こういう政策が必要であります。それを伸ばすために、国としてある程度の援助をするということもときには必要だと思うのです。でありますから、そういう意味で、ときには租税特別措置法等の運用によりまして必要な措置をとっていく、こういうこともあろうかと思いますが、これは私は租税の公平の原則に反するものではない、こういうふうに思います。
○阿部(助)分科員 その議論をしますと、国民を食わせるためには企業はこうせねばいかぬということになって、私も前からそれを感ずるのだけれども、あなたの理論で言いますと、ちょうど戦争中の勝つためには欲しがりませんという理論と同じなんですよ。日本は狭いから満州へ出ねばいかぬ、北支に出ねばいかぬという理論と同じなんですよ。その理論を吐いていく限り、人民の幸せも、税の公平も期待するわけにはいかぬのです。税の公平の原則というものは、私が言うまでもなく歴史的なものなんです。人民が歴史的につくり上げた社会正義のための大原則だと私は思うのですよ。この例外をつくるには、この原則に優先する相当の理由がなければならぬはずなんです。通産省がいま述べたような理由では、企業の税負担の軽くなった分をそれだけ今度はほかの方がしょわなければいかぬ。それは国民がしょう。納税する人たちがそんなことで納得するはずがない。しかも、そのやり方を国会や、主権者でありまた納税者である国民に一切知らせようとしない。密室の中での財界との取引だといっても、これは過言ではないのであります。公平の原則に優先する特別措置の理由はどういう理由があるのか。具体的にお伺いします。たとえば、五十年度に拡充と存続を要求した原油備蓄施設の割増償却制度、電子計算機買戻損失準備金制度について、その理由を具体的にお伺いしたい。
○和田政府委員 一般論から御答弁させていただきます。 税に関しましての基本理念、これは大蔵省の担当だと思いますけれども、先生のお尋ねが産業政策官庁としてどう考えておるかというお尋ねなので申し上げさせていただきますが、御指摘のとおり、税は最も公平に取らなければならないものだとわれわれも承知いたしております。また御指摘のような、かつての時代のような、国民の特定の部分が非常に悲運に泣くというようなことは、いやしくもこれはあってはならぬことだと深く考えております。しからば、いかなる考えで租税特別措置に関して通産省は大蔵省と協議等を進めておるかという点に関しましては、公害問題あるいは資源の確保問題あるいは国民福祉の向上、こういった緊急を要する問題に関しまして、一般の公平の原則にさらに加えまして、より効率的に国民の福祉の確保を図りたい、産業活動を通じての福祉を図りたいというのが私どもの基本的な立場でございます。 次に、五十年度におきまして、備蓄タンク問題あるいは電算機の買戻損失準備金等に関しまして、どのような立場においてそのような措置を講ずることにいたしておるかというお尋ねでございますが、石油備蓄に関しましては、御承知のように、日本は、大臣からもお答え申し上げさせていただいておりますように、備蓄ということは国際的な協調の一環でございますし、ぜひとも九十日程度の備蓄を持たなければ日本経済の運営に関しまして不安があるという判断のもとに、備蓄を今後大いに進めてまいる際に、非常に多額な金がかかりまして、よって原油の価格が高騰するということを避けるために、備蓄コストの低減に資したいというのがその基本的な理念でございます。 また、電算機の買戻損失準備金に関しましては、御承知のように近く電算機の自由化が進められますので、その過程におきまして、電算機という商品の売り買いに伴いまして、レンタルバックという特殊な制度がございますので、このレンタルバックによりますところのインパクトを緩めるという形で、この電算機の買戻損失準備金に関しまして租税特別措置法上のお願いをいたしておるわけでございます。
○阿部(助)分科員 石油の備蓄は、国際的ななにだとかいろいろなことで必要だ、また国民的な立場でこれが必要だ、そういうことであれば、なぜ補助金でやらないのですか。税の原則を破ってまでやることはないじゃないですか。なぜ補助金でやらないのですか。国民のためにそれだけ必要ならば、予算の中から出せばいいじゃないですか。皆さんが租税特別措置でやるということは、国民の目に映らないように、国民にわからないようにやるということがねらいなんでしょうが、それほど国民のために必要ならば、予算の中で補助金でおやりになればいいじゃないですか。税の原則まで壊す必要は何もないじゃないですか。電算機の買戻損失準備金にしたりて、これはIBMとの対抗策なんでしょう。手元にある富士通の報告書、これを見ますと、四十九年の九月期の決算書を見ると、電子計算機の買戻損失準備金の期末残高は百八十八億六千百万円、資本金の二分の一以上であります。この期の繰入額の純増分は十四億五千万円、当期純利益の三分の一を超えているのであります。このような大規模な特別措置がIBMとの対抗上どういうように有効に作用し、どうなのか、これは皆さん、はっきりこれを示さなければいかぬのです。 私が通産省に資料要求した。出てきたのはこんなもの。これで、いろいろな中小企業なんというのばかり書いてある。しかも、ことし期限が来て、三月末で期限が来て延ばさなければいかぬというこの電算機の準備金の問題、こういうものに対しては、皆さんは何らの資料を出してこないのですよ。こんなもので国会を通せ、こうおっしゃるのですか。税というのはこれは国会で承認をするという原則は御承知のとおりなんです。承認するのに何らの資料も出さないで、われわれにめくら判をつけとあなたおっしゃるのですか。これは通産大臣、どうなんです。
○河本国務大臣 どういう資料を御要求になりましたか、私はいま詳細は知りませんが、その御要求を見まして、できるだけ御希望に沿うようにいたします。
○阿部(助)分科員 通産大臣、実はこの前にもっとお粗末な資料を持ってきた。それで、これではだめだということでこれは突っ返したんだ。次に出てきたのがこれなんですよ。局長、これをひとつごらんになってください。こんなもので、一体国会での審議に耐えるのですか。あなたたち、見てごらんなさい。しかもその中に、要求した、当然ことし期限の来るものに対して、それは出していない。私は、これは国会を無視するというか、侮辱するものだと思う。皆さん、そんなので資料として通るのですか。 大蔵省は、そんな材料で皆さんは特別措置をつくっておるのですか。ちょっとそれを見てください。
○旦政府委員 ただいま急に拝見いたしましたが、私どもが通産省から個々の項目につきまして御要求を受けます際には、いろいろな、もっと数多くの資料をちょうだいしていると理解しております。急に拝見いたしましたので、中身をまだ詳しく見るゆとりがございませんが……(阿部(助)分科員「なに、見ればいい。一つ一つの問題について一枚ずつしかないです。ちょっと見てごらんなさい」と呼ぶ)はい。それで、私ども最初にいろいろ御説明を伺いまして、また疑問点が生じました際には、さらに追加の資料を出していただく、あるいは口頭でいろいろ議論をさせていただいて、私どもの疑問点を明らかにしていただくというような経過をたどっておりますので、かなりの資料をちょうだいしておるものと理解いたしております。
○阿部(助)分科員 特別措置については、常にその効果を判定し、既得権化することがあってはならない。常に見直すことになっておるんです。しかも、期限の来たものは、また再延長する、拡充して延長する、延長しないものでもこれは検討しておらなければいかぬのです。ましてや、そういう問題は十分な検討をして、冒頭に申し上げましたように、税の公平の原則を破ってもなおかつ必要だというときに、初めてやむなくこれはつくるものなんでしょう。通産省はその程度の資料でやっておるはずがない。また大蔵省がいま答弁したように、もっと詳しい資料を出しておる。一体、国会にその資料が出せないということは何なんだ。一ヵ月以上にわたるのですよ。しかも、一遍出してきた資料はだめだということで私は突っ返しておるのですよ。それで出てきたのがその資料なんです。私はもうこれ以上は国会を侮辱するものだという気にならざるを得ないのですが、無理ですか。それとも資料はもう一遍出しますか。出すならば、私は何かの機会でそれはもう一遍やります。本来私は、これは総括質問のときにそれをやろうと思ったのです。それが皆さんの御都合でできなくなった。しかも一遍出してきたのはだめですと突っ返して、出てきたのがそれなんだから、もう私には、出す意思があるのかないのか、そのこと自体疑問なんです。国会を盲にして皆さんは税法の特別措置を財界のためにつくろうと、こうおっしゃるのですか。それとも資料を出されるつもりですか。どうなんですか。
○和田政府委員 お手元に提出いたしましたわれわれの資料に関して、非常に至らぬ点があった点に関しましては深くおわび申し上げます。八件に関しまして御提出申し上げた次第でございますが、さらにただいま先生から御指摘のありました電算機に関しましての資料は、御要望がただいまございましたので、早速先生のお手元までわれわれのデータを提出させていただきたいと考えております。 また、大蔵省の方から説明がございましたが、われわれは大蔵省とは一年間を通じまして折衝を行っておる次第でございます。これは、秋口に大体翌年度の税制改正に関します通産省の意見を取りまとめまして大蔵省に要望を行っておりますが、大蔵省はわれわれの要望に基づきまして、案件に応じまして随時必要な資料の提出を求めてまいり、あるいは口頭の説明を求めてまいっておりまして、言うならば、予算要求に関しまして大蔵省の要望に応じましてわれわれは随時資料を提出いたします。それらの資料のあるものに関しましては、一般の白書あるいは民間のシンクタンクでつくりました資料等、あるいは海外の資料等各種の資料があるわけでございますが、先生に今回提出いたしました資料は、われわれの日常の作業過程において大蔵省との間に往復する資料、これは省いた次第でございます。つまり、白書あるいは海外の情報といろいろございまして、言うならば一つの基幹的な部分と申すものを渡しましたので、先生御一覧になりまして非常に不十分だという御感触を持たれたのではないかと反省をしておる次第でございますが、差し上げました資料に関しまして、御指摘なり御質問なりあるいは補完するなり、あるいはこういう点はどうだというふうな御指摘がございますれば、先生のもとに参りまして、十分われわれの意向を詳細御説明をさせていただく機会を得たい、かように考えるものでございます。
○阿部(助)分科員 あなた、何をおっしゃるのです。私が要求したのは一カ月以上前なんですよ。それで皆さんのところから問い合わせが来て、こういうのを出せと、こう言った。それで出してきた。出してきたものは不十分だからといって私は突っ返した。二番目に出てきたのがそれなんですよ。一つの問題に対して紙切れ一枚ですよ。そんなもので、税の公平の原則を打ち破ってまでつくる特別措置として、皆さん、十分だと考えるはずがない。確かに何遍か大蔵省と行ったり来たりするだろうということも私は想像がつきます。だから、それを全部とは言わないですよ。しかし、もっと詳しいものがあって、そして国会で十分審議をして、国民のためにもう少し十分な審議をするためにこれは必要だと思うのですよ。皆さんは、国民も無視する、国会も無視する、やみの中で税法をつくろう、こう言うのですか。大蔵委員の諸君にもそれを全部何ならコピーして出してごらんなさい。これで特別措置が必要だという議員がおったら、私はお目にかかりたい。それぐらい皆さん不親切なんですよ。 いま電算機の問題だけじゃなしに、通産省の関係の特別措置の問題について、なるほどこういう検討をしたのだ、それのいい悪いは別ですよ。それは与党の人は人、野党の人は人、それは各人の判断で、いい悪いは別ですよ。だけれども、なるほどこれだけ検討したのかというぐらいの納得のいく資料を皆さんお出しになる必要があると思うのです。私は、大蔵委員の人たちにも申し上げますけれども、そんなことでこの特別措置法を通すわけにはいかぬと思うのであります。これは国民のためです。いまは出しますと、こうおっしゃるけれども、じゃなぜいままで出さなかったのです。私の言い方が舌足らずで、それでいいと思って出したのじゃないのですよ。一カ月前に私が要求した、それで問い合わせがあったからこう言った、出てきた資料は不十分だからといって突っ返した。それで出てきたのがそれなんだから、私はもう通産省に対して不信任です。出す気があるのですかないのですか。ないならないとはっきりおっしゃればいいのです。
○和田政府委員 御指摘をいただきました点に関しまして、深く反省をいたしております。 先般、八項目に関しましての資料の提出に関しまして、非常に不十分であった点は認めるものでございます。さらに電算機等に関しまして、ただいま先生から御希望もございましたので、必要な資料を持参いたし、また十分御説明の機会を与えていただきたい、このように考えておるものでございます。
○阿部(助)分科員 私が一人納得するのじゃなしに、これは国会の必要な資料として、当該委員会にも出すべきだと私は思うのです。しかも私は本当言うと腹を立てておるのは、私は総括質問でこの問題を取り上げようと思って準備したのですよ。それで皆さんの資料を私は待っておったのです。それが出てこない。だから私は別の問題を取り上げて質問せざるを得なかったのです。国会の審議を皆さんは邪魔をしたということになってくる。電算機だけじゃないのですよ。一遍とにかく通産省は、全部とは言わぬけれども、なるほどこれだけ検討して、それでなおかつ大蔵省と折衝したという資料を詳細に、電算機だけじゃなしに皆さん出してくれるというなら私はこれで終わりますけれども、それでなければ、実際言って税法の審議なんか私はできないと思うのですよ。私は大蔵委員会に差しかえていってまた何ならやります。私はこの一番大切な、これは人類の歴史的な経過をもってやったのですよ。租税法定主義だとか公平の原則というものは、一朝一夕にできたものじゃないのですよ。人類が血を流して獲得したものなんです。その原則をあえて崩そう。そしてこれは皆さんに言わせれば、日本の経済のために必要だ、こうおっしゃるだろう。また、われわれから見れば企業べったりで、企業にそれだけやる。できてしまえば企業は政治献金するわ、交際費はじゃんじゃん使うわ、一体何のことかさっぱりわからない。しかもいまおっしゃったようなこういう問題は本来は補助金でやるべきなんですよ。ところが税金でやると、国民はわからないのです。企業にとってはこれは大変都合がいい。だから皆さんは、通産省は、前の中曽根通産大臣のころは特にそうだったけれども、何かやるたびに、これは特別措置である特別措置である、何でも税金でやるという。これは企業にとっては非常にありがたいのですよ。しかもよく大臣は、特別措置は大企業だけじゃございませんで、中小企業にもみんな当てはまるのですと言う。たてまえは当てはまるのです。しかし、大体特別措置というのは実績主義です。だから、実績の大きな、大きな企業ほど大きく恩恵を受けるという、大企業にはまことに都合のいい制度なんです。だから特別措置、特別措置とこう皆さんおっしゃる。しかし、税調でも言っておるように、この問題は税の公平の原則を壊すものだから、これは常に検討して、慢性化しないように、既得権化しないようにと、こうおっしゃっておる。産業構造審議会、こんなのはまた皆さんのちょうちんを持って、まあ、特別措置というものが、産業、企業が大きくなるためにはいかに有効に働いておるかというようなのを礼賛をして、これは七〇年代においてもさらに継続すべきものだなんという、これは産業界、企業べったりの意見を述べておるのです。皆さんみんなそうなんですよ。だから、それをチェックするのは国会なんです。国会にひとつもう一遍私ははっきり出すという約束ができますか。
○和田政府委員 産業政策を担当いたしております当省といたしまして、御指摘のとおり、税あるいは補助金を含みますところの一般会計あるいは財投、いろいろな誘導手段がございますが、税に関しましての取り扱いに関しまして、ほかのものとのバランスをよく考えて、政策の遂行に当たれという先生の御指摘が第一点あったと思いますが、御指摘の次第は、私どもも全くそのように考えておる次第でございまして、いやしくも税のみに偏っていくことのないように、今後とも重々気をつけさしていただきたいと思っております。 また、第二の点に関しましては、税の一般原則の例外でございますので、御指摘にもありましたように、既得権化あるいは慢性化せざるよう、毎年その任務の終わったと思うものは、五十年度におきましても漸次縮減をいたしております。今後ともなおさように努めさしていただきたいと思っております。 また、第三点に関しましては、先生も御指摘のように、ここで審議するのに十分に理解ができるような資料を適時、適切に持ってこいという御指摘に関しましては、まず、総括質問に関しまして、先生の御質問に間に合わなかった点に関しましては、心からおわびを申し上げる次第でございます。 また、今後に関しましては、全部とは申さないがという先生の御指摘のとおり、われわれはよく御判断をいただけるのに必要な資料を、提出いたしますが、また先生の方からもこのような資料を持ってこいという御指摘があれば、その御指摘に応じまして、また、われわれ自体が、このような資料を先生の方に提出した方が、先生の御判断がよいだろうと思う場合には、われわれのイニシアチブに基づきまして資料を提出いたし、今後、ただいま御指摘のようなことが起こらないよう、深く気をつけてまいりたいと考えるものでございます。
○阿部(助)分科員 念を押しまして、時間ですから終わりますけれども、これは大蔵委員会の法人税法の審議に入る前にいただけますように、いいですか。これは審議が終わってからじゃどうしようもないのですよ。いいですか。
○和田政府委員 二十八日と承っておりますので、一日しかございませんが、明日から全力を尽くして資料の提出に努めさしていただきます。
○阿部(助)分科員 二、三日うちに、ようございますか。来月の……。
○和田政府委員 はい。
○阿部(助)分科員 じゃ、終わります。
○正示主査 これにて阿部助哉君の質疑は終了いたしました。 次に、木下元二君。
○木下分科員 私は、中小企業問題について伺います。 五十年度政府予算案の中で、中小企業対策費は千二百七十八億円、これは全予算のわずか〇・六%です。対前年度比伸び率も二五・二%でありまして、四十九年度の二七・五%の伸びよりも後退をいたしております。この金額の量の点だけ見ましても、不公正の是正や弱者救済が期待できるとは考えられません。しかし、きょうは時間の制約がありますので、問題点をしぼって、第一に伺いたいのは、下請中小企業振興法に基づく下請企業振興協会の関係についてであります。 この下請企業振興協会が置かれておりますのは、四十八年度二十六県、四十九年度三十一県ということで、一部の県にはいまだ設置されていません。これはすべての県に設置されるべきと思うのでありますが、いかがでありましょうか。また、五十年度では幾らの増加を見込んでいられるか、伺います。
○齋藤(太)政府委員 先生御指摘のように、昭和四十八年度は二十六県でございまして、四十九年度中に五県ふえまして三十一県に設置される予定になっております。 なお、五十年度はもう五県ふやす予算を計上いたしておりまして、五十年度中に三十六県に設置することになろうかと存じます。
○木下分科員 大臣、これは民法による公益法人でありますので、国の手で直接つくるわけにはいかないと思うのでありますが、この置かれていない県に設置をされるように特に五十一年度にはこれはもうすべての県に設置ができるように、積極的に推進をいただきたいと思うのでありますが、大臣の所見を伺いたいと思います。
○齋藤(太)政府委員 中小企業庁としましては、なるべく早く全国の府県全体に設置するようにいたしたい、希望としてはそう考えております。ただ御承知のように、この設置につきましては、その所用の経費を府県が半額持ちまして国が半額出しまして、県と国の折半で費用を持ちまして設立をいたしております関係で、府県側の受け入れ体制が整いませんとその設立が、国の方だけで準備をしましてもむずかしい面もございまして、そういう意味で、一遍に全国というわけにまいらない事情がございますけれども、できるだけ早く全国に置くように努力をいたしたいと考えております。
○木下分科員 次に、この下請企業振興協会の実情でありますが人手不足がはなはだしいのです。四十八年度は百六十六人しかおりません。これは二十六県であります。一県平均しまして六・三人、四十九年度は百八十六人、三十一県でありますので、これは一県平均しまして六人に減っております。これはぜひとももっと増員してもらわねば仕事になりません。五十年度は幾ら増員してもらえるのでしょうか。
○齋藤(太)政府委員 四十名の増員を考えております。
○木下分科員 四十名増員になりまして二百二十六人ということでありますが、これは五県ふえるということでありますから、計算しますと六・三人ということで、やっと四十八年度のレベルに戻るということになりますけれども、一県に六人程度では、これはもうお話になりません。兵庫県は現に四名しかいないのです。これが五十年度には五名にふえるということでありますが、こういうことではもう実際に仕事ができません。ひとつこの職員の大幅増員をぜひとも実現できるようにしていただきたい。そして、機能を強化して、下請企業の振興が真に図れるように強力に推進をしていただきたいと思うのです。大臣、いかがでしょうか。
○河本国務大臣 そのように努力をいたします。
○木下分科員 次に、この振興協会は、下請取引のあっせんを行うわけでありますが、たとえば兵庫県の場合を見ますと、あっせん件数は、これは昨年四月から本年一月までの十カ月間でありますが、その間に一千九百十件、これは決して多い件数ではありません。あっせん成立件数は六百十五件です。不成立が非常に多いのですね。不成立が一千二百九十五件ということです。これはいろいろな理由がありましょうが、一つには、やはり予算や人員の不足から、協会のあっせん事業がきわめて不十分で、切迫した要求にこたえられないという実情もあろうかと思います。ひとつ、この振興協会の機能強化に本腰を入れて取り組んでいただきたいと思うのです。この深刻な不況の中で、もう倒産寸前で、何とか仕事をくれと駆け込んでくるような業者もふえておるのでありますが、もう一々これに対して懇切な応待ができない、相談にも応じることができない、こういう状況では、私は法の趣旨にも反すると思うのであります。この点、善処をいただきたいと思います。いかがですか。
○齋藤(太)政府委員 五十年度に増員を予定されております四十名につきましては、下請企業の登録件数の多い県から重点的に配分するようにいたしたいと考えております。 それから、人の増員と同時に、極力事務の機械化を図りたいと考えておりまして、たとえば印刷機でございますとか、ゼロックス的なものとか、あて名印刷機あるいはカードの整理機とか、機械化を図りまして、これによって能率を上げたいと考えておりまして、そのために事務経費関係は七割増の予算を今回は計上いたしております。五十年度の補助金は、四十九年度に比べまして七割増の補助金を予算上計上をいたしておる次第でございます。 あっせん件数が少ないというおしかりでございますが、こういう中小企業の苦しいときでございますので、振興協会が全力を挙げましてあっせんに努めるように私ども指導いたしておるところでございますが、何分にも親事業自体が、いろいろこの不況の影響で仕事を減らすといった状況にございますので、そういう中で、新しい仕事を見つけるということが、平常時と違いまして非常に困難な事情にございまして、振興協会も、県、市等を一緒に仕事の開拓をずいぶん一生懸命やっておりますけれども、思うにまかせない点がございます点は、まことに遺憾に存じておるところであります。
○木下分科員 できるだけ一生懸命やっていただくということでありますので、次の問題に移りますが、この振興協会は、下請取引に関する苦情紛争の処理を行っておるのでありますが、これがなかなかスムーズにはかどっていないという実情であります。現行法のもとでは、この協会に立入調査権や検査権あるいは関係当事者を呼び出して事情を聴取する権限、こういったものがないのでありまして、紛争当事者の協力がない以上は、紛争の円滑な解決を図ることがきわめて困難だということであります。それで、協会にこうした一定の権限を与えまして、有効適切な紛争の解決が図れるように、このことを協会の方では望んでおるようであります。つまり、法改正の必要性を訴えておるのであります。こうした訴えにもひとつ耳を傾けていただいて、真剣に検討下さるようにお願いしたいのであります。大臣、いかがでしょうか。
○齋藤(太)政府委員 御指摘のように、この下請振興協会には、法律に基づく立入検査権というものはございません。この協会の性格が、もともとまず民法法人でございますことと、それから、紛争の調停、あっせんでございますので、やはり両当事者の中を取り持ちまして、円満に話し合いを進めるということが主体でございますので、強制立ち入りとかいったような事柄ではなかなか解決しない問題かと思うわけでございます。仮にその親事業に非常に支払い等の遅れがあるとかいったような、下請代金法違反に類するような問題で紛争が起こっておるといたしますれば、これはむしろ通産局なり公正取引委員会なり、私どもの手に話を移してもらいまして、代金法に基づきます法律的な立入検査を行って親事業者を是正させる、こういう筋合いのものかと考えるわけでございます。
○木下分科員 通常の場合には余り必要ないかもわかりませんが、非常にひどい例も私はいろいろ聞いておるのであります。もう一々ここで申しませんけれども、たとえば親企業が法令に違反して横暴の限りを尽くしている、下請業者が泣かされているというケース、これは多くはないでしょうけれどもございます。そういうのに対して、説得のために呼び出しをいたしましてもやってこない。こういうときに、たとえば民事調停のように過料の制裁を科するということにして出頭を確保することができないだろうか、あるいはこの違法行為を重ねる悪質な業者に対しまして立ち入り調査などをやる必要というものもあろうかと思うのです。こうした問題につきまして、協会の要望も踏まえて、下請業者の声も聞いていただいて、ひとつこの問題を慎重に検討いただきたいと思うのです。大臣、この点、いかがでしょうか。
○河本国務大臣 中小企業対策の中ではこの下請対策というものが一つの大きな柱でございますから、いまお話しのような方向で努力をしたいと思います。
○木下分科員 次は下請代金問題についてお尋ねしたいと思います。 制度上は、一応この下請代金支払遅延等防止法によりまして下請事業者の利益の保護が図られておるのであります。また、下請中小企業振興法第三条に基づきまして振興基準なるものが定められております。しかし、これも実情は、代金問題初め、さまざまな負担が下請業者にかかっております。 私は一点だけ伺いたいのでありますが、この振興基準によりますと、特に「下請代金の支払方法の改善」としまして、「下請代金はできる限り現金で支払うものとし、少なくとも賃金に相当する金額については、全額を現金で支払うものとする。」と定められております。また、手形支払いの場合には手形期間の短期化に努める義務が、特に親事業者に課せられております。しかるに現状は、こうした支払い方法の改善はきわめて不十分です。賃金相当部分も含めて手形支払いは常態化いたしております。手形期間も長期にわたっております。私の手元に調査結果の資料がありますが、もう詳しく申しませんけれども、ここに兵庫県の尼崎民商が鉄鋼関係の業者を対象にアンケート調査を行ったその集計が出ております。回収者は百四十一名であります。これは二月十七日現在の時点で行ったものです。支払いのために手形を受け取った、金額の五〇%以上の手形を受け取ったという人が九十三名おります。実に六六%であります。それから一〇〇%手形で受け取ったという人が二十四人もおります。一七%であります。これは決して尼崎ばかりではなくて、全国に共通した実情であろうと思いますが、政府はこうした実情をよく把握されておるのでしょうか。そうして、私は思うのでありますが、この振興基準というものは決して飾りであってはならないと思うのです。この振興基準に基づいて強力な指導を行っていただきたいと思うのです。特にこの賃金相当部分は現金払いという原則を完全に履行できるように実行するべきだと私は思います。この点はいかがでありましょうか。
○齋藤(太)政府委員 私どもが下請保護のためにやっております措置では、一つは下請代金支払遅延等防止法に基づく取り締まりがございます。これは下請からの商品なりサービスを受領しましてから、六十日以内に支払わなければならないということになっておりまして、六十日過ぎておれば法律違反になります。それから、その代金を手形で払います場合は、割り引くことができる手形でなければならないということになっておりまして、非常に長期の手形も違反ということになります。こういった法律の遵守条件の取り締まりにつきましては、四十八年度は大体四半期四千カ所ぐらいの親事業者の事業所を調べておりましたけれども、四十九年度は不況が深刻になってまいりましたので、大体四半期に五千カ所ぐらいを毎四半期調査をいたしまして、違反の疑いがあれば立入検査をし、改善方、是正を指示しております。大体調査して一割くらいの違反が発見されておりまして、これについてはすべて改善を指示し、改善の結果が出なければ公正取引委員会にこの事件を移す、こういった措置を講じておる次第でございます。 それからもう一つ、振興基準に基づきまして、おっしゃいましたように現金比率を極力引き上げるとか、いろいろな指導をいたしております。そういった状況は、毎月アンケート調査の形で三千ぐらいの下請を選びまして調査をいたしておりますけれども、私どもの調べでは十二月が一番最近の数字でございますが、現金比率が全体の平均でございますけれども、四二・四%になっております。正常時におきましては大体四五、六%から五割近かったのでございますが、相当に現金比率が下がっております。 それから手形のサイトは、去年の正常時が平均で百十日前後でございましたが、最近は十二月で百二十三日というところまで手形サイトが延びておりまして、やはり不況を反映いたしておるわけでございますが、こういうものにつきましては極力親企業に改善方を指導いたしますと同時に、結局仕事がないとか金詰まりで、親企業自体もいろいろ資金繰りその他で苦しい面がございますので、金融面で政府系機関の融資のあっせん、あるいは民間の金融機関の特別融資等を、特に不況色の濃い中小企業、下請等を中心に融資を行いまして、この不況の切り抜けに努力をいたしておるところでございます。
○木下分科員 とにかく、私はまだまだ不十分だと思うのです。この中小零細企業が救われるような強力な指導をひとつお願いしたいと思うのでありますが、この点はこれからどのようにお考えになっておりますか。もう簡単で結構です。
○齋藤(太)政府委員 結局いまの中小企業の不況を克服しますには、景気がなるべく早く上向くことが最大の対策でございますので、中小企業庁としましては、通産省としましても各省と協議いたしまして、たとえば公共事業の消化の促進とか住宅関係の建設の促進、そういった対策を講じまして需要の喚起をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
○木下分科員 この年度末がやってくるわけでありますが、年度末に向けて強力な措置を考えるというようなことはお考えになっていないのですか。
○齋藤(太)政府委員 融資面につきましては、昨年の暮れに政府系三機関に七千億の追加をいたしましたが、今月の十何日でございましたか、民間の三十ぐらいの業種につきまして、さらに七百億円の特利によります民間特別中小企業救済融資を発動することにいたしました。また、信用保険の面で特例措置になりますいわゆる不況業種の指定につきましても、すでに二十九業種、細分類で数えますと約百七十業種を不況業種に指定をいたしまして、倍額までの信用保証を実施いたしておりますが、近くさらにもう相当多数の業種を不況業種として指定をいたしたいということで、いま鋭意作業をいたしておるところでございます。
○木下分科員 それはいつごろになる予定ですか。
○齋藤(太)政府委員 月末か来月初めには指定を終わりたいと思います。
○木下分科員 もう時間がありませんので、最後に官公需問題を伺います。 政府の総需要抑制策のもとで、全国の中小零細企業が著しい経営困難に追い込まれておるわけであります。政府は、昨年八月九日に、官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律に基づきまして、昭和四十九年度中小企業者に関する国等の契約の方針というのを閣議決定し、約五兆一千億円のうち一兆四千億円を中小企業向けとして、官公需の受注の機会を中小業者に増大するよう各省庁に指示をいたしました。しかし、実際は官公需の多くが大企業に回されている実情であります。一つ具体的に申しますと、業者が官公需を契約する場合に、各省庁では競争契約参加資格審査を行うのでありますが、その公告は各年度前の一月、二月に発表されまして、受付は二月か三月ごろ一回が通例になっておるようであります。したがって、この中小企業者の受注の機会の増大に努めるという四十九年度の方針は、すでに競争契約参加の資格を得ている業者か、あるいは中小企業庁が証明した官公需を随意契約できる官公需適格事業者だけに限られておるのが現状であります。 そこで、これからの問題といたしまして、登録受付は年度の前後だけでなくして、年度途中にも何回か行っていただきたいと思うのです。いかがでしょうか。
○齋藤(太)政府委員 官公需の発注につきましては、入札の資格等につきまして、応札をされる方の信用調査等の関係もありまして、大体各省庁は資格審査をしてあらかじめ登録をしておるわけでございますが、大体新年度の予算の実施が始まります四月前に明年度分として、いまで申しますならば五十年度の予算執行のための対象業者ということで、一月ないし二月に受付をいたしまして資格審査をするわけでございまして、いわばこれは入学試験みたいなものであるわけでございます。先生の御指摘のように年じゅう資格審査をやったらどうかというお話は、まことにごもっともと思うのでございますが、一方、会計事務の簡素化と申しますか合理化と申しますか、発注する側の会計担当の方の事務の繁雑さの問題もございまして、各省庁なかなか年じゅうというわけにもまいらないかと思うわけでございます。(木下分科員「何回かやっていただきたい」と呼ぶ)もう少し回数をふやしたらどうかというお話につきましては、各省の連絡会議を持っておりますので、そういった席でひとつ御相談をしてみたいと思います。
○木下分科員 相談をされてふやす方向で考えていただくということですね。
○齋藤(太)政府委員 各省庁になるべくそういう方向で要請をいたしたいと思います。
○木下分科員 さらに、先ほどの閣議決定によりますと、中小企業向け契約目標額は四十九年度一兆四千七百四十億円でありまして、これは官公需総予算額の二八・七%であります。深刻な危機に瀕した中小企業の経営を守り、さらに発展させるためには、これではまだまだ不十分であります。目標額を五〇%以上に高めることを検討いただきたいと思うのです。そして、できるだけ分割発注方式をとっていただきたいと思うのです。無理なときは共同契約方式というのがありますが、複数業者が共同で事業を進めるというやり方でありまして、京都あたりでは進んでおりますが、こうした方式も採用していただきたいと思うのです。いかがでしょうか。
○齋藤(太)政府委員 今年度の国等の発注の方針の場合にも、力点を置きます点として、極力中小企業が受注できるように、大きな仕事は分割するように、それから共同受注を奨励いたしております。たとえば、協同組合につきまして中小企業庁は適格組合ということで推薦制度をとっておりますが、そういう組合はなるべく発注時に優遇していただきたい、こういうような要望をいたしているわけでございます。そういうことで中小企業向けの発注割合を毎年私どもはできるだけ引き上げてまいりたいと考えております。五〇%と申しますと、アメリカでも大体二七%ぐらいでございまして、結局、予算の性格が、大型プロジェクト等があります国の予算の場合にはある限度がございまして、自治体等では六〇%以上の率になっておりますけれども、いろいろむずかしい面がありますが、とにかく率を少しずつでも引き上げていくということで、できるだけの努力をいたしたいと考えております。
○木下分科員 地方自治体でも、中小企業向け発注率は五〇%以上のところが大半だと思うのです。ひとつこれはそういう方向で前進をしていただくというふうに伺って、最後に一つ伺います。 先ほどの閣議決定によりますと、発注計画に関する情報を中小企業者に提供するということでありますが、これを中小企業団体中央会等を通じて提供をするということになっております。ところが、各省庁がどんな種類の物品をどれだけ、幾らの予算で発注するのかという計画は、現在まで一部の団体を通じてしか明らかにされていないという状況です。したがって、調達先企業というものは限られた企業になっておるのです。この一部の団体を通じて行っているという現在のやり方を改めていただきたい、こう思うわけであります。
○齋藤(太)政府委員 特に中小企業向きと思われます特定品目七品目につきましては、発注計画を各省庁がつくりまして、それを中小企業団体中央会を通じまして全国の中小企業者に流すようにいたしております。御承知のように、中小企業団体中央会は、中小企業団体法に基づいて、法律に基づいてできました中小企業の中央機関でございまして、この機関を通じまして都道府県あるいは都道府県の中央会に流し、さらにそこを通じて全国の協同組合等に流す、こういうふうな仕組みをとっておるわけでございます。
○木下分科員 現状は、この中央会が各省庁からそれぞれの発注計画を聞いてきて、これをまとめ上げる。しかし、もともとそういう発注計画を総合的にまとめるということは、政府自身がやるべきことなのですね。私はこれを通産省でできないのかと思うのです。いかがですか。
○齋藤(太)政府委員 これは中小企業の組合員にこの情報を通達するわけでございますので、その全国組織であります中央会を通じるのが一番円滑な流れ方ではないか。また、情報提供のための人を相当用意して、中央会も努力をいたしておるところでございます。
○木下分科員 時間がありませんので、この問題は大臣、ひとつぜひとも検討課題に願いたいと思うのです。中小企業団体中央会にあらゆる業者が加入しておるなら結構であります。そうではないから問題なんであります。たとえば民主商工会が政府に発注計画を問い合わせましても、それは中央会から聞いてくれ、こういうことなのですね。これはもう筋違いということになります。また、民主商工会が競争団体である中央会から情報の提供を受けるというのも、奇妙な話であります。政府はこの民間の業者団体に対しては、公正、民主的な姿勢を貫くべきだと思うのです。だから、この総合的な発注計画も政府自身が掌握して、業者団体にその情報をひとしく提供するように改善していただきたい。これは当然のことであります。もう時間が来ましたので、一言だけ答弁をいただいて終えたいと思います。
○齋藤(太)政府委員 中小企業団体中央会は、団体法に基づきまして、中小企業の法律に基づくいろいろな組合、協同組合、協業組合、企業組合、商工組合、あらゆる中小企業関係の組合の中央組織でございますので、ここを通じるのが一番妥当かと思います。
○木下分科員 もう議論できませんが、大臣、この点は私問題提起として申しておきますので、政府としてあるべき筋論だということで私は申し上げたわけであります。よく検討をいただきたい。このことをお願いしておきます。一言だけ……。
○河本国務大臣 これまでの方法で大体いいというふうに考えておったわけでありますが、新しい御提案でございますからよく研究してみます。
○正示主査 これにて木下元二君の質疑は終了いたしました。 次に、上原康助君。
○上原分科員 最初に大臣に一点だけお尋ねをして、それから主に沖繩国際海洋博についての質問をしたいと思います。 まず最初の点ですが、最近わが国において各地の石油の貯蔵タンクがいろんな事故を起こして、特に水島事故などは国民や近郊の住民に大きな被害を与えております。さらに各貯蔵タンクの不等沈下の問題なども、防災問題を含めてきわめて憂慮すべき事態が続出していることは御案内のとおりであります。そういう状況下で、沖繩にも沖繩三菱が石油基地を新しく設置したいということで、いろんな公害問題との関係で県民との間にトラブルが出ております。客観情勢から見ても、公害対策、石油基地の防災対策等含めて、新たな石油備蓄基地というものは強行すべきでない、こう考えるわけです。 そこで、細かいことはきょうは触れませんが、この問題に対して所管の大臣である通産大臣は一体どう考えておられるのか。地元の住民初め県当局も、価値観の変化ということで沖繩三菱に対しても再考を求めている段階にあるということも十分御理解をいただいていると思いますので、基本的な考え方だけお伺いをしておきたいと思います。
○河本国務大臣 基本的な考え方といたしましては、新しくコンビナートをつくるとか石油の備蓄基地をつくるとかという場合には、地元の方々の十分なる了解を得てスタートをさせていく。無理やりにこれを強行するという、そういう意思はありません。
○上原分科員 無理やりに強行する意思はないということは、沖繩においても朝野を挙げて反対している——もちろん若干の経緯はありますよ。そういう県民の世論、意思というものも十分尊重した上で、この問題に対して政府としては、今後行政指導なりまた石油備蓄というものを考えておる、こういうふうに理解をしてよいわけですね。
○河本国務大臣 住民の皆さんの十分なる理解を得てスタートをしたい、こう思います。
○上原分科員 いまスタートをするということでしたが、あくまでもいま計画していることを強行するということじゃないのですね。
○河本国務大臣 そういう意味ではありません。
○上原分科員 この点は、きょうはこの程度にとどめておきたいと思うのです。ぜひ十分御検討いただいて、新たな政策転換というものを図るように、強く要望を申し上げておきたいと思います。 そこで、限られた時間ですから、海洋博につきましては通産省が所管をしておりますので、特にきょうはこの点にしぼってお尋ねをしてみたいのですが、海洋博の関連プロジェクトについて、これも情勢の変化なりいろんな面があるわけですが、当初政府が言った帰復後の沖繩振興の起爆剤にするのだという方向で必ずしも進んでいない面が多いわけですね。物価問題、中小企業の問題局地的なインフレというものを非常に与えてきた。それだけに県民の海洋博に対しての受けとめ方や反応というものもきわめてシビアなものがあるし、むしろ拒否もしくは反対の立場をとっている面が多いわけです。一々事例は挙げませんが、なぜそういう方向に進んできたかということは、政府としてもそれなりに十分受けとめていただかなければいけないと思うのです。しかし、事七月二十日の開催を目前に控えて、ここまで関連工事や施設が進んできた段階においては、この難局を何とか切り抜けていかなければいかぬというのが県当局を初め関係者のまた偽らざる心境であることも間違いありません。 そこで、いろいろな面で海洋博の成功ということを政府は非常に強調されてきましたし、同時に海洋博推進本部なども、協会などもそういうことを言っておられます。一体、海洋博の成功とはどういうふうに政府は見ておられるのか、この点についてはぜひ確めておきたいのですね。海洋博を成功させるということは一体どういうことなのか、端的にお答えをいただきたいと思います。
○天谷政府委員 海洋博は、海の望ましい未来を探求し、国際間の親交を深めるということが目的になっておることは、先生御承知のとおりでございます。これを沖繩県で開催することによりまして、沖繩県の本土復帰を記念いたしまして、また同時に、社会資本の充実を通じて同県の振興開発に寄与するということを大きな目的としておるというふうに存じております。 そこで、政府といたしましては、これらの目的が沖繩県民初め全国民及び諸外国にも十分に理解されまして、かつその理解を通じてできるだけ多くの人が参加する、そしてこれらの目的が実現されるということが海洋博の成功であるというふうに考え、それを念願しておる次第でございます。
○上原分科員 言葉の上で表現をなさるとそういうことかもしれませんが、先ほど私が申し上げましたように、決して多くの県民はそう受けとめていない。したがって、今日まで幾度も議論をされてきたことですが、振興開発の起爆剤にする、あるいは振興開発計画にのっとって位置づけておるんだというようなことか強調されておっても——確かにそのレールに乗っけている面が全然ないとは言えません。私も批判的立場に立ちながらも、基盤整備とか、当然やらなければいけない道路、通信網の整備、その他港湾施設を含めて、これは海洋博があろうがなかろうが、本来政府が年次的に進めていかなければいけない計画だったと思うのですね。そのことはぜひ政府の方も十分理解をしていただかないと、海洋博があったからこういうことができたんだというような恩恵がましいようなことは、まあおっしゃりませんでしたが、あってはいけないと思うのです。 そこで、具体的にお尋ねしていきたいと思いますが、当初海洋博期間中は大体五百万くらい行くんだということで、やれホテルをつくりなさい、民宿をつくれ、あるいは受け入れ体制をやれということで、むしろ政府の方が指導をして政府主導型の投資をさしてきたのですね。しかし実際問題、石油危機から始まって総需要抑制、そうしてこの不況、インフレ、こういう中で、情勢の変化はあったにしても、現に県内の中小企業なり県民全体が受けている不利益というものははかり知れない面があるわけですね。たとえば、最初は三月二日から開催予定だ、それも七月二十日に延ばす。当初の計画に乗っけてやった人々はそれだけ負債がかさんだということにもなっているわけです。こういう問題に対する十分な手当てというものが今日までなされていない。さらに、物価の問題にしましても、何回か物価対策を政府でやらなければいけないじゃないのかということも強調してまいりましたが、施設部会と物価対策部会をつくってやるとは言いながらも、必ずしも十分な対応にはなっていない。こういう状態のまま進んでもう目の前に来ているわけです。 そこで、この間政府が調査をしたこれで見てもわかるのですが、もうくどくど申し上げるまでもなく、「ぜひ行きたいと思っていて、かつ実際に行けそう」というのがわずかに二%なんですね。あるいは「できれば行きたいと思っていて、かつ実際に行けそう」というのが四%、「ぜひ行きたいと思っているが、実際に行けるかどうかわからない」一%、「できれば行きたいと思っているが、実際に行けるかどうかわからない」九%というふうに、必ずしも当初予定したような形での観客が行かないのじゃないかという不安を持ちながらも、さらにこの種の不安というものも出てきているということ。そこで、ここまでくると、一体どの程度の観客が行って、どういう形で海洋博が進んでいくかというかなりの見通しを立てたプランというものを明らかにしていただかないと、もう受け入れ側の方も大変な問題になると思うのですね。これはどういうふうに見ておられるのか。 さらに、時間がありませんからもう一つは、この観覧の時期ですね。行く時期については、これは常識的なことなんですが、大体七月の下旬から八月の下旬、いわゆる学校の夏休みの時点というのが圧倒的に多いわけですね。回答した方の大体三二%は、七月の下旬から八月にかけて行きたい。これは当然だと思うのです。家族連れで行きたい、あるいは特に子供さんを行かしてみたいという御父兄の意向というものが数字上はあらわれていると思う。しかし、御承知のように七月から八月にかけては台風シーズンでもある。こういう自然災害ということも当然頭に置いて、その最も集中する時期の輸送はどうするのか、ホテルや宿泊施設の受け入れは一体どうするかというようなことも、関係者なりと詰めた話し合いは、私が調査した限りにおいてはほとんどまだなされていない。五月段階でしかできないというような言い分なんですね。こういう、どうなるかわからないような状態でますます県民に不安を与えているというのが、いまの偽らない海洋博をめぐる状況なんですね。これに対しては、主管省としての通産省は一体どういうふうにしようとしているのか。 さらにもう一つ、物価問題ですが、私は前々から物価対策は国の方でもっと政策的に配慮をせよという提起をしてまいりました。たとえば、需要と供給のバランスですから、百万の県民のいるところに百万も二百万も観客が行くとなると、それだけ物価がはね上がるのは常識的に考えてもわかるのですね。しかも、ああいう局地、離島ですから、そういう場合は、政府が十分にその間の必需物資は確保をして、日常必需品の物価を抑えていくぐらいの、品物の確保と価格の基準統制といいますか、そこいらまで配慮をしていただかないと本土から行く人は観光気分で行かれるし、ある程度物価が上がってもやむを得ないとお考えになるかもしれませんが、それと並行して上がっていくそこで生活している県民はたまったものじゃないですよ。そういうきめ細かい対策がほとんどなされていないところに、ますます県民の協力が得られないという実情があるんです。これはどういうふうに具体化をしようとしておるのか、また、もしやっていなければ、いま言ったことに対しては今後納得のいける方法があるのかどうか伺っておきたいと思うのです。
○天谷政府委員 先生おっしゃいましたように、海洋博開催を決定してから後に石油危機が起こり、非常にインフレが激化したというようなことがございまして、沖繩県民の皆様にいろいろな御迷惑をかけておるということは、まことに残念なことであるというふうに存じております。海洋博の準備、推進に当たりまして、先生おっしゃいましたように、そういう欠陥ができるだけ取り除かれるように、努力をしなければならないというふうに考えております。 入場者につきましては、昨年の十二月に、海洋博協会が観客対策委員会を開催いたしまして、延べ入場者は総数四百五十万というふうに予測をいたしておりまして、大体これくらいではないかという推定のもとに計画を進めておるわけでございます。関係機関の協力を得まして、これらの輸送、宿泊等に必要な手段の確保に努めておるところでございます。 なお、最近旅行あっせん業者等に対しまして、通産省からヒヤリングをやったわけでございますが、これによりますと、最近のこういう厳しい経済情勢にもかかわらず、大体この程度の入場者というものは確保できるのではないかというような見通しを得ておるわけでございます。 それから、本土からの観客でございますけれども、七、八月にどっと押し寄せる傾向があるということは当然予想されるところでございますが、当省といたしましては、本土からの観光客が各月を通じてできるだけ平均化されるように、旅行エージェント等に働きかけて、調整をお願しておるわけでございます。 それから、物価問題でございますけれども、これは推進対策本部の物価部会におきまして種々検討をしており、一応物価部会におきましては、価格が上昇を予想される物資につきましては、関係業界に指導をいたしまして、優先的な配船等で対処する。それから特に野菜につきましては、農林省で、この物価高騰を防止するような適切な対策を検討するということを、この物価部会におきまして申し合わせており、その方向に沿いまして、各省の施策、努力をお願いしておる次第でございます。
○上原分科員 それはそれなりに物価部会で対策は練っておる、特に野菜、生鮮食料品については、というようなことが二言目には出てくるわけですが、それも大事なんですね。そこで、大臣もよくお聞きになっていただきたいと思うのですが、少なくとも、七月段階で価格が上昇するであろうと予想される物資については、海洋博期間中は凍結をするくらいの、物資の確保と価格の行政指導というものはやらなければいかぬと私は思うのですね。どんなに抑えると言ってみたって、いまのような対策では上がりますよ、これは。また商売人の皆さんだって、この機会にもうけてみようというのが、これまた常識なんですね。したがって、そこに行政と政策と政治の主導で、物価問題に対しては、この際、抜本策を講ずるということくらいはやっていただかないと困ると思うのですね。それだけのことはやっていただけますね。
○天谷政府委員 価格に政府が直接介入いたしまして、これを凍結するということは、非常にむずかしいのではなかろうかと存じます。価格は結局需給によって決まるわけでございますので、供給につきましては、供給がシーコートすることがないよう、通産省並びにその関係の官庁におきまして、供給確保について万全の行政指導をしていきたいというふうに存じております。
○上原分科員 ですから、直接介入して価格をどうせいということはいまできぬでしょう、それは。しかし、二百万も三百万も人が行くということになれば、需要と供給のバランスが崩れるのは、これは常識なんですね。そういうことはありません、政府はこれこれしかじかの物価対策をやって、品物を確保しているのだという、いまからそういうPRもしながら行政指導もやらぬと、上がると思うのですよ、これは。そのくらいのことはできると思うのですね。これは特に念を押しておきたいと思うのです。 それと、一点だけ確かめておきたいと思うのですが、跡利用との問題とも関係するのですが、いま県の海洋博協力協会で、会期は来年の一月十八日ですか、終えた後のアンコールフェアの問題等も議論をされておりますね。これについて、政府はどういうお考えなのかということだけをお伺いしておきたいと思うのです。それと、どうしてもこれとの関連において、一体跡地の——海洋博を、皆さんが冒頭言いましたように振興開発に乗っけて、沖繩の将来の振興を、本当に県民の側に立った方向で進めていくということであるならば、当然それを主催する、あるいは所管の通産省としては、その終えた後の跡地はどう利用するかということも、あわせてプランを立てていただかないと、六カ月やって後は処理をするということではいかないと思うのですね。この跡利用の問題については、一体どこが窓口になって、県当局や協力協会と話し合って決めていくのか。この二点は、特に跡利用の問題については、明確に通産省の立場、考え方というものを明らかにしておいていただきたいと思うのです。
○天谷政府委員 アンコールフェアにつきましては、沖繩県におきまして、国内博として——海洋博は国際博でございますが、これは六ヵ月ということに決まっておりますので、終了後、国内的な博覧会として、しばらく海洋博を継続してほしいというふうな御意見があるということは伝聞いたしております。正式な申し出はないようでございますが、そういう情報は聞いておる次第でございます。 しかしながら、アンコールフェアを実施する場合には、非常に巨額の運営費を必要とするわけでございまして、海洋博協会も資金不足をしておる状況でございますので、協会としては、アンコールフェアを実施する余裕はないわけでございます。それから国としましても、アンコールフェアにつきましては、運営予算等を要求してはおりませんし、開くことはむずかしいのではなかろうかというふうに存じております。モントリオールの場合には、アンコールフェアがあったわけでございますが、地元の市がこれを行っておったわけでございます。 それから、次の、海洋博跡利用の進め方でございますけれども、この問題につきましては、沖繩振興開発計画の一環として跡利用が位置づけられておるように、会場その他関係施設は、沖繩県の総合的発展のために有効に活用されるということが願わしいわけでございます。ただ、当省といたしましては、博覧会を主催するのが任務でございまして、その博覧会の当然の跡処理といたしまして、通産省の任務でございますので、その跡処理が将来の沖繩県の、さきの振興計画の線に都合のいいような方向で、跡処理を遺憾なく進めていきたいというふうに考えております。
○上原分科員 跡利用計画については、じゃ通産省ではその計画までは考えておらない、あくまで、振興開発計画ということになると、開発庁だというお考えでおられるわけですか。
○天谷政府委員 この跡利用の問題につきましては、いろいろな官庁が関係せざるを得ませんので、非常にむずかしい問題と存じますが、通産省といたしましては、前回の大阪の万博の前例もございますので、その前例によりますと、跡処理は通産省がやるということになっておりますので、その点につきましては、万遺漏なきを期したいというふうに存じておるわけでございます。
○上原分科員 いまのお答えは納得しかねるのですがね。それじゃ、跡処理だけとなりますと、結局、最初にお返事がありました振興開発を進めでいくということにはならないのですね。もちろん、ここでこれを一々議論する時間もございませんのであれですが、ただ、私は絶えず申し上げていろことですが、開発庁に聞くと、通産省が跡利用計画は立てるのだという言い分をしておられるわけですね。むずかしい問題になると、みんなピンポン玉のように、あっち行ったりこっち行ったり、これじゃいけないのです。大臣、こういう問題については、関係閣僚で話し合っていただいて、少なくとも、終わったら後は知らないというかっこうでは困ると思うのです。その点はぜひ関係省庁と話し合って、国としても十分な対策をとっていただきたい。もちろん私たちも県と話し合って、いろいろな方法をこれから提起をしていきたいと思うのです。その点、念を押しておきたいと思います。 それと、最後に、時間がありませんので、中小企業対策でちょっとお尋ねをしておきたいと思うのです。 先ほども申し上げましたように、中小企業、地場産業が大変な圧迫を受けている。そういう中で、政府が中小企業近代化促進計画に基づいていろいろお立てになっておる計画も、もちろん国の責任だけとは言えないかもしれませんが、県の行政指導、国の計画を十分関係者に理解をさせて進めていくという方針がとられていないがゆえに、かなりおくれているというのが実情なんです。どのように中小企業対策を進めておるのか、ちょっと政府の考え方をお聞かせいただきたいと思うのです。
○齋藤(太)政府委員 中小企業近代化促進法を、沖繩地区にも復帰後適用いたしまして、政府で近代化計画の立案、それからそれに基づきます近代化設備の導入につきましての政府系金融機関からの特別金利による融資といったようなことを進めておるところでございます。
○上原分科員 具体的にはどういうことですか。
○齋藤(太)政府委員 現在、近代化促進法で行っております近代化計画の中で、特に沖繩に関係の深い業種といたしましては、しょうちゅう、クリーニング、それからパインを含みますびん詰め、かん詰め、砂糖、漆器類、鋳物の関係、自動車の分解整備、トラック運送、冷蔵倉庫業、普通倉庫業、港湾運送業、こういったものが、沖繩の関係としても、近代化計画が練られているところでございます。
○上原分科員 もう時間ですから、パインの問題は明日やりますが、パインなんて、本土にふんだりけったりされているのですね、もちろんそれは通産省だけのことじゃありませんが。しかし、計画はあっても、十分行政指導がなされていない。総合事務局もあるわけですし、通産部もあるわけですから、そこいらに、もう少し積極的にこういう問題もやっていただきたいと思うのです。 そこで、時間が参りましたので、大臣、海洋博との関連において、いま言ったような問題があるわけです。ぜひ責任者として、いま私が申し上げたような問題等について十分対策をとっていただきたい。最後に、大臣の方から御見解を賜って、質問を終わりたいと思うのです。
○河本国務大臣 いま海洋博についてのいろいろな問題点、それから沖繩における中小企業の振興の問題いろいろ御提案がございました。十分心いたしまして、対策を立てていきます。
○正示主査 これにて上原康助君の質疑は終了いたしました。 次に、石母田達君。
○石母田分科員 私は、きょうLPガス、いわゆるプロパンガス販売事業の問題について御質問したいと思います。 私は、一昨年の十二月、国会におきまして、当時七十万トン在庫があると言われていたプロパンが、十一月下旬に一斉に全国で姿を消しまして、そのために二人の個人タクシーの運転手が自殺されるというような悲劇を起こしたいわゆる石油ショックの中で、プロパンの需給問題あるいはまた、物不足を利用して元売価格がトン当たり八千円上がるというような問題について質問いたしました。きょうは、同じプロパンの販売事業者にとって深刻な幾つかの問題がございますので、そうした問題について御質問したいと思います。 最初に、LPガス、いわゆるプロパンガスの公共性といいますか、公益性について質問したいと思います。 初めに、LPガスの現在の普及状況について、私どもの調べによれば、昭和四十八年九月、二人以上の世帯で全国で約千六百八十万世帯、独身世帯が一割というふうに計算しますと、千八百万世帯を超えるわけであります。また都市ガスの普及状況については、取りつけメーター数から見ますと、昭和四十八年で約千二百五十万世帯、こういうふうになっておりますけれども、これで大体よろしゅうございますか。
○増田政府委員 ただいまプロパンガスの利用世帯数及び都立ガス需要家数につきまして、先生の言われました数は正しいと思いますが、私の手元にある数字をちょっと申し上げますと、四十九年の十月現在、プロパンガスの利用世帯数、これは二人以上ということで、千六百五十七万五千軒になっております。それから都市ガス需要家数につきましては、四十八年十二月末現在でございますが、その数字は先生のおっしゃられた数字と合っておりまして、千二百五十万三千軒でございます。
○石母田分科員 私はここで大臣にお伺いしたいのですが、現在このようにプロパンガスは都市ガスとともに、全国の民生用の燃料として二分しているわけでございます。そうした国民の生活にとって不可欠な燃料として、このLPガス販売事業というものは、都市ガスとともに民生の向上あるいは諸産業の発展に寄与してまいりました。また現に寄与しているわけであります。こうした非常に公益性の高いものであるというふうに私どもは考えておりますけれども、この点についての大臣の御見解をお願いしたいと思います。
○河本国務大臣 私も全く同意見でございまして、公益性は非常に高いと思います。
○石母田分科員 この非常に公益性の高い、民生用燃料として重視さるべきLPガスの販売事業におきまして、きわめて深刻な問題が出てきております。 その一つは、近年大都市の周辺で、都市ガスの進出と普及によりまして、LPガス販売業者の経営が非常に脅かされているという問題であります。特にこの都市ガスの供給区域が拡張されて、この傾向はますます増大しているわけであります。したがいまして、これで、熊本、福岡、兵庫、奈良、大阪、神奈川、千葉、埼玉などでは、いわゆるガス事業者とLPガス事業者との間に紛争状態も激化しているという状況にあるわけです。たとえば、私の住んでおります神奈川県の状況でございますけれども、ここに、神奈川区というところから出されている業者の訴えがあるわけであります。それによりますと、昨年からことしにかけて東京瓦斯にかわったお客様が百七十八軒、そのために不要になったボンベが二百四十二本、不要になったメーターが百二十一個、この不要になった設備の金額が二百八十四万二千円、このほかにも、プロパンを始めてから何百軒とかわっております。このボンベとメーター代金の借金ばかり残るのが実情です、またプロパンボンベは、法律によって保管、貯蔵が規制されており、放置することはできません、どこにも置くところがないので本当に困っております。東京瓦斯では、プロパンから切りかわったときに、立ち会いの日当としてプロパン業者に三千円一回だけ支払っていただいておりますが、これだけが業者のいただくただ一つの補償金です、東京瓦斯と何回も交渉を重ねてまいりましたが、何ら誠意ある回答はありません、私ども業者の窮状をお察しの上、弱者救済の意味も含めて、プロパン業者に何らかの御協力をいただきたいと心からお願いいたします、というような内容のものであります。これは御承知のように、この業を営む大部分の人が、中小、特に零細の方が多いわけです。ですから、都市バスヘの転換によりまして、こうした状況が起きているわけであります。いわゆる東京瓦斯の今後の事業の拡張計画、特に都市ガスの天然ガスへの転換実績などを見ますと、昭和四十七年度が五万軒、四十八年度が三十万軒、四十九年度が四十万軒、五十年度が四十五万軒、そして五十二年度には五十万軒と、こういうふうに東京瓦斯だけ見ても大きな転換計画を持っているわけです。もちろんこれはこのまま切りかわるというわけじゃありませんけれども……。つまりカロリーが高くなるわけですから、供給能力がいまの大体倍加されるという状況で、この力を——東京瓦斯の発表によれば、今後周辺地域の普及促進、うち内周地域における他燃料からの切りかえを積極的に進めることとしたい、そして今後五年間に平均して年三十六万軒、合計百八十一万軒の新規需要家にガスを供給する計画である。この中にある他燃料からの切りかえというのは、大部分がプロパンからの切りかえであることは言うまでもありません。神奈川県でも二十七万戸と言われているわけであります。今後こういう事態になりますと、いま四万五千戸と言われているプロパン販売業者にとって、きわめて死活の問題になってくるわけであります。こういう点について、先ほど大臣は、非常に公益性の高いものとして評価されているとおっしゃいましたが、こういう事業がこういう深刻な状況にあるときに、これを一体放置しておくつもりなのかどうか、この点について、見解をお伺いしたいと思います。
○増田政府委員 ちょっと数字の問題で申し上げたい点がございますが、先ほど先生から言われました今後の転換の数字でございますが、これは、あるいは私どもの方からお出ししまして、説明が不十分だったのじゃないかと思いますが、従来のガスの中でLNGへの転換の数字でございます。それで、いま先生の問題提起されております。都市ガスの進出によりましてプロパンガスが転換を余儀なくされるという数字につきましては、これは実績で申し上げますと、東京瓦斯につきましては、昭和四十四年から四十九年の間の増加世帯数は、これは少なくはないのですが、二十九万四千軒でございます。 〔主査退席、塩川主査代理着席〕 もう少し数字を申し上げますと、四十四年末の世帯数が五百五十九万七千軒でございまして、これが四十九年末には五百八十九万一千軒、したがいまして、その差二十九万四千軒の増加を、この約四年間に行ったということでございます。決して少ない数字ではございませんが、先ほどの今後五十万軒とか四十万軒という数字は、これはLNGへの転換数字でございます。
○石母田分科員 それはわかっているのです。だから私も申し上げたように、これは天然ガスへの転換ですから……。ただ、そういうことによってカロリーの高いものになるわけですから、供給能力としては非常に高くなるわけですね。その力を、先ほど言ったように、東京瓦斯の計画によれば、他燃料の切りかえに今度は使いたいということになれば、間接的といいますか、必然的に進出してくるということで、ますます競合関係が出てくる、こういう問題を取り上げているわけです。先ほど言った例というのは、もっと実例を申しますと、神奈川県内でLPガスの販売業者の廃業状況を見ますと、昭和四十七年が六軒です。昭和四十八年が二十七軒です。昭和四十九年は十七軒です。現在残っているのは千三百四十九軒ですが、この廃業した者のうちの九割は、東京瓦斯の供給区域内にあると言われている。こういう実態がますますひどくなるのじゃないか。これは当然でしょう。そういうものを一体放置しておくのかどうかということについてお伺いしているので、その点についての答弁をお願いします。
○増田政府委員 従来の都市ガス及びLPガスの使用につきましては、それぞれ特色がございまして、都市ガスの方は、いわゆる大都会、人口稠密な密集地帯で家庭燃料を配給する、それからLPガスの方は、その周辺地域あるいはさらに人口の密度の薄いところに供給しておるということであったわけです。それで現在までは、先ほど一番初めに先生が数字でお示しになられましたように、むしろLPガスの方がずっと供給世帯が多いという形になっておるわけでございますが、その後の事象といたしまして、都市が周辺に非常に伸びていくということで、人口の密度が濃くなってきまして、その地域に都市ガスが進出する。そうなりますと、いま先生の言われました、従来非常な努力をしましてLPガスの供給をされました方々が転換を余儀なくされる、これが非常に大きな問題になっておりますし、また先ほど、いろんな地域で紛争、トラブルが起こっているということをおっしゃられましたが、私どももそういう報告その他聞いております。また訴訟の対象になっているケースもあります。中には行き過ぎという問題があって、ここにトラブルが起こっているという事態も起こっておるわけでございますが、私どもといたしましては、家庭燃料として、LPガスを使うかあるいは都市ガスを使うか、これはやはり最終的には消費者の選択にまたなければならない。しかし、消費者が選択をいたしまして、そして都市ガスを選択しましたことにより、従来のLPガスの業者が非常にそこで影響を受ける、廃業を余儀なくされるということで、ここにいろいろの問題が起こっておるわけでございますが、これにつきまして、両者間で、つまり都市ガスとLP業者間で十分話し合いができて、そして円滑にこの問題が処理されるようにということで、私どもの方も、両者間のいろいろな紛争その他が起こりましたときに、その話し合いの場を設けたり、またその両者間の交渉のあっせんをするということでやっておるわけでございます。確かに非常に大きな問題であるということは、私どもも十分認識しておるつもりでございます。
○石母田分科員 事態の重大性を認識しただけじゃだめなんだ。実際、こういういままで蓄積された一定の技術と資格を持った人たちですね。そして今後の災害対策などを考えた場合に、いろいろプロパンの有効性というものも専門家の中で出されている中で、これを積極的に保護、育成していくという立場からの対策が必要だと思うのです。こういう点では、率直に言って、こうした事態は特に大都市周辺で起きてきたという問題の性質もありますけれども、十分そうした保護、育成についての、国としての、ただ当事者間に任せるのではなくて、公益性の高いものとして、保護、育成の立場からの対策が、今後必要ではないかと私は思うのですけれども、この点は、特に大臣に私はお伺いしたいと思います。
○河本国務大臣 この都市ガスとLPガスの調整の問題は、非常に重大な問題だと思います。各地に紛争が起こっておりますので、通産省といたしましても、できるだけ話し合いの場をつくりまして、両者が円満に解決するように努力をしてきたつもりでおりますが、今後ともそういう方向で努力を続けたいと思います。
○石母田分科員 私は、調整される場合に、政府としては、どういう基本的な方向で臨んでもらいたいかということを、先ほどから要望しているわけです。それには、大臣がさきに言われたように、やはりきわめて公益性の高いものとして、民生用の燃料として欠くべからざるものとして、やはり保護、育成という立場から、その調整の問題をやっていただきたい。これは七十一国会の「ガス事業と液化石油ガス販売事業との間の調整に関する請願」に対する政府の処理要領の中にも、いわゆる両者が特色を生かしながら事業の健全な発展を図っていく、そういう立場でこの調整をやるんだということが書かれていますけれども、この点については現在も変わりないわけでしょう。
○増田政府委員 その考え方には、現在においても変わりありません。
○石母田分科員 その後にこういうことが書いてある。「消費者に対する宣伝、勧誘行為及びガス設備の設置工事等において、行き過ぎた行為のないよう、それぞれの監督官庁を通じて今後更に指導を強めていきたい。」ところが実際の問題を見ると、こういうふうになっていないというように見受けられることが非常に多いのです。それは、たとえば、私どもの住んでいる横浜の保土ヶ谷区で、昨年でしたか、東京瓦斯からの説明会があったのです。その中でこういうことを言っているのですね。いまは民主主義の世の中だから、ほとんどの人がガスを引きたいというならば、引きたくない人も引くのが民主主義だ、だから半分以上の人が引きたいと言うなら、これは引くのが当然なんだ、こういうことを言っています。さらに、都市ガスはなくならないし、いつも安定供給できる、プロパンガスはなくなる恐れがある、プロパンガスは非常に危険だ、都市ガスは安全で清潔できれいだ、これだけ聞けば、だれだって都市ガスが安全でプロパンは危険だと思う。こういうことが公益事業の一つである都市ガスの説明会でなされているということは、明らかに行き過ぎた宣伝ではないか、あるいは勧誘行為に通じるものではないかというふうに私は思いますけれども、この点どうなんでしょう。
○増田政府委員 私どもも、このプロパンガスの特性というものについて、またその公共性についても、十分高い評価をいたしておるわけでございます。プロパンガスにつきましても、いわゆる簡便性とかあるいは高カロリー性、また都市ガスと違いまして、カロリーの変化がありませんから、使用器具が同一のものが使える、そういういろいろの特色があるわけでございますが、また都市ガスには都市ガスの、料金の問題とかその他特性があるわけでございます。ただ、いま先生がおっしゃられましたような、もし行き過ぎたああいう内容の宣伝をしているとすれば、私はやはり行き過ぎだと思います。これは過度の宣伝あるいは不当な宣伝であるというふうに思うわけでございまして、そういうことのないように、都市ガス業者に対しまして十分今後も指導し、注意をしていくつもりでございます。
○石母田分科員 消防庁の方、来られておると思いますので、私はちょっと数字を確認しておきたいと思うのです。 あなたの方の調べで、火災年報によると、火災発生件数のうち、都市ガスによるもの、プロパンガスによるものを年度別に言いますと、昭和四十五年が、都市ガスによるものが三千五百四十八件、プロパンガスによるものが三千六十八件、四十六年は三千六百八十二件が都市ガス、プロパンガスは三千四百五十一件、四十七年は都市ガスによるもの三千八百十六件、プロパンガスは三千七百一件、四十八年は都市ガスによるもの四千百三十六件、プロパンガス四千三百二十四件、こういうふうになっておりますけれども、この数字に間違いありませんか。
○永瀬説明員 いまおっしゃいました数字、私どもの統計上、間違いございません。
○石母田分科員 これを見ましても、絶対数で見てもこういう状況なんですが、これがいわゆる先ほどの供給している戸数から見ますと、率としてはむしろ都市ガスの方が高くなるわけですね。一般の人には、どういうわけか、プロパンだけが非常に危険だというような、先ほどの都市ガスの事業者による説明が受け入れられやすいような雰囲気が実際あるわけですから、こういう問題については、やはり都市ガス、プロパンガスどちらについても、ガスというものは危険性を伴うものですから、十分な宣伝といいますか、教育というような問題、啓蒙という問題について、個々に意を尽くすようにしていただきたい、この点を特にお願いしたいと思いますが、この点についての……。
○増田政府委員 十分にやる所存でございます。
○石母田分科員 大阪瓦斯が、昭和四十九年二月二十日付で営業通達というのを出しておるのです。この中に、情報提供手数料という項目を設けて、代理店、サービス店などの中に、顧客、自分たちのお得意を通じて情報を提供してきた場合には、一律支払い分については一件につき百五十円、それから情報提供手数料として特別支払い分、これは特に有効な情報を提供したものについては五十円から一万円、あるいはその中で特に正確で確実に出したものは、限度一万円として、ほう賞というような形で出されております。こういうことが実際に通達され、自分たちの傘下の代理店やサービス店、営業用器具ショップなどに出されておるということになりますと、これは明らかに普通の商取引による勧誘と全く同じになってしまう。こういうことが、公益事業としてのガス事業者に許されるものであるかどうか、こういう点についての御見解を聞きたいと思います。
○増田政府委員 いまの事実は、私初めて聞きましたので、事実をよく調べまして、不当な点がありましたら、これを是正するようにいたします。
○石母田分科員 これは事実とすれば、私、ガス事業法にも触れる行為じゃないかと思うのですが、どうでしょうか。
○増田政府委員 ちょっと、その事実関係をよく調べまして御返事申し上げたいと思います。
○石母田分科員 これは、非常に重要な問題ですから、私はぜひ徹底的に調査していただきたい、こういうふうに思うんです。 この実例を見ましても、この都市ガス業者がかなり、許される中でいわゆる横暴といいますか、進出についてのいろいろのことをやっている。そして、決してプロパン業者の顧客を奪うものじゃないとかなんとかいうことをよく説明では聞きますけれども、実際にはこうしたことをやっている例が非常に多い、これが一つの紛争の大きな原因になっているわけであります。 この処理要領を見ますと、こうしたものについての監督指導というものを強めるということをすでに七十一国会で決めておきながら、いまだにこういう実態が出てくるということは、明らかに政府のこうしたものについての監督指導がまだ不十分であるということを私は認めざるを得ないんじゃないか、こういうふうに思います。 さて、この後に書いてありますあなたの先ほど言われましたいわゆる調整のあっせん、話し合いを進めるということについての指導ということを処理要領にも書いてありますが、この問題で、神奈川県で、こうした紛争処理も含めまして、神奈川県LPガス事業と都市ガスの調整協議会というものが設けられたわけです。そして、この会合に、通産省資源エネルギー庁公益事業部のガス事業課長、東京通産局の公益事業部のガス課長の出席を求めたけれども、法律上の問題もあるとかといういろいろな理由で結局出席を得られなかった。しかし、先ほどから再三提起しておりますように、かなり深刻な問題がこの両者の中で起きている。実際に当事者が話し合いを進め、県もそこに出た。そうした招集に対して出席をされなかった。いろいろ理由はあるにしろ、先ほどの処理要領から見れば、こういうところに出て指導するのが私は当然のことではないかというふうに考えますけれども、この点はどうでしょうか。
○増田政府委員 いま御指摘のありました神奈川県主宰の調整協議会の委員に、通産省の資源エネルギー庁のガス事業課長及び東京通産局の公益事業部のガス課長に委嘱の依頼があったのは事実でございます。本年一月末ごろであったわけです。 それで、私どもの方は、この問題に対する基本的な取り扱い方といたしましては、先ほどから申し上げましたように、LPガスの販売業者と都市ガス業者との間にいろいろ紛争、トラブルが起こりましたときには、その円満な解決をはかるように、当事者間の話し合いができるような場をつくったり、また、そのあっせんをするという労をとっているわけでございますが、本件につきましては、当時両名とも非常に多忙で、実際上出席が困難だということでお断わり申し上げたわけでございますが、しかし、両者間、つまりプロパンガスの業者と都市ガスの業者に紛争があって、なかなか話し合いができないというときには、私どもはその間の取り持ちその他には種々いろいろ努めておるわけでございます。 この件につきましては、すでに神奈川県の方で両者の話し合いの場ができておりまして、また他方、この出席を要求されておりました両名が当時非常に多忙であったためにできなかったわけでございますが、先ほど申し上げました基本的な努力は、私どもは行っているつもりでございます。
○石母田分科員 基本的な努力を行っているつもりなんだけれども、結局これにはもう出席しないのかどうか、するのかどうか、その点だけ簡潔に答えてください。
○増田政府委員 この協議会がどういうことを行われるのか、両者の話し合いの場に持ってきてそのあっせんをするとかその他であればいいのですが、具体的な調整の内容までずっと入るのでしたら、やはり中央の役所としてそこまで入るのがいいかどうか。しかも県がやっておられますので、そこまで中央から一々出てやるのがいいかどうか、ちょっとその内容を調べて、こういう形の委員会に出席するのがいいかどうか、判断いたしたいと思います。
○石母田分科員 処理要領を繰り返して読みますと、「政府としては、今後も具体的案件に即してその円満な解決が図られるよう当事者間の話し合いを指導してまいりたいが、必要に応じてこの話し合いの場をあっ旋することとしたい。」現実に紛争が起きる、また起きるおそれもあるということで、県議会の意見に沿って県当局がこれを設けたわけですよ。それに対してそれがどうであるとか……。もうすでに若干の日にちもたっている。そういう非常に消極的な姿勢、特にあなたたちも御承知のように、現実にこのプロパン業者については県知事の権限、権限と言いますけれども、実際に都市ガス業者に対しては皆さん方が直接の監督権を持っておるわけでしょう。そういう人たちが出てこないで、指導もしないで、私は、その指導の内容が法に触れるようなことまでやれとか、あるいはまた皆さん方の立場から逸脱したことをやれなんて、そういうことを言っておるのではない。そういうことも含めて、こうしたものについて監督官庁としていろいろの助言をしたりするのは当然のことじゃないですか。それをいまだに、よく調査してからだ、こうしてからというようなこと、私は全部県のやっておることは正しいとかなんとか言っておるのではないのですよ。そういうものが設けられたときに、この趣旨からいって当然出席して、あれこれの助言をするのはあたりまえのことじゃないか。この点私は大臣に直接聞きたい、こういうことはあたりまえのことじゃないですか。
○増田政府委員 神奈川県からありましたのは、協議会の委員に正式に委嘱したい、こういうことでございましたので、お断わり申し上げたわけでございますが、しかし神奈川県からこういう協議会を設けることについて、やり方あるいはその指導を求めるという場合には、私どもはもちろんその労を惜しむものではございません。むしろ積極的にこれに関与いたしたいと思っております。 また、これは神奈川県の努力によりまして両者話し合う場ができ上がったわけでございますが、これがなかなかできない。そして、両方ともにらみ合って、非常に感情的な問題になるというときには、私ども通産省であっせんの場を設けたりその他の努力を、これは現実にも各地でやっておるわけでございますが、そういう形で両者間の話し合いに積極的に参加していきたい、こういうふうに思っております。
○石母田分科員 あなたたち、ガス事業法の四十条でしたね。これに基づく地方協議会があるわけですね。こういう紛争の問題はそういうところで一体取り上げているのですか。つまり、このガス事業法四十条によると、ガス事業のいろいろな紛争が生じた場合にいわゆる調整機関があるでしょう、協議会が。たとえば東京なら東京でいいですわ。そういうところでこうした紛争問題を一遍でも取り上げたことがあるのですか。
○大永政府委員 地方ガス事業調整協議会というのができておりまして、東京でも消費者団体代表それから公共団体代表あるいは学識経験者等で構成された協議会がございますけれども、この協議会は、いま先生がおっしゃいましたようなプロパン等と都市ガスの調整の問題につきましても、法律上これをかけることは法律の解釈からいたしまして可能でございますけれども、もともとこの協議会ができましたのは、(石母田分科員「取り上げたかどうかということです」と呼ぶ)そういうことでございますけれども、いままでそういう点については取り上げたことはございません。これは簡易ガスの許可についての調整をやっておるということでございます。
○石母田分科員 可能だけれども取り上げていないということ自体が問題です。しかし、それを神奈川県ではこういうふうに積極的に話し合いの場を持っているんだから、これに対して適切な援助、指導をするのはあたりまえだ。ですから、私は県の人にも話を聞いたのです。そうしたら、初めは皆さん方に断らなかったとか、委員という形に当然なってもらえるんだというような構成メンバーだ、そういう誤解もあったようです。しかし、それを抜きにして、こうした会議が現実にあるわけだから、あってそうやって当事者の話を進めているわけだから、この協議会に対して今後出席するつもりなのか、しないのか、資格は別ですよ。その点についてだけ答えてください。
○増田政府委員 神奈川県の努力によってこの協議会ができたわけでございまして、私どもは非常にこういう努力を多とするわけでございます。そういう意味におきまして、神奈川県からいろいろ相談があれば御相談にも応じますし、また必要な意見をどうしてもやはり中央から出て言わなければならない場合があれば、出席させるようにいたします。ただ、先ほど申しましたように、あるいは先生に説明の仕方が悪かったのかもしれませんが、委員に正式に委嘱されまして、そして毎回出るというのは、そうなりますとやはりほかの県にも中央から全部出なければならないので、そういう点で私どもの方はお断り申し上げたわけですが、必要な場合に出席するということについてはお約束いたします。
○石母田分科員 そうすると、求められた場合には出席する。通産省から一々行くことができない場合に、当然通産局の人にあなたたちの権限というか、いろいろな意見を委嘱していくということも可能ですね。
○増田政府委員 通産局も可能でございます。ただ、個々の調整の内部まで立ち入るということでなくて、一般的な形で出席するということなら私どもは応援するつもりでございますから。
○石母田分科員 私は、次に、残ガス余剰容器の残置問題、処理問題について質問したいと思います。 これは、先ほどのLPガスを使っているところへガス事業者の方からどんどんやって、選択の結果ガスの事業に転換するというときに、LPの残ガス余剰容器がかなり残置されているという例が少なくない。特に、いままで都市ガス事者の通知義務がないという理由で、LPガス業者にそれが知らされないままで工事がなされている例もあるというふうに聞いて、ここに何通かの陳情も来ております。私どもの方の横浜で言うと、港南区であるとか南区、磯子、金沢というような、いわゆる人口急増地域ですね。こういうところで集中的に転換がなされる場合、実施される場合に、先ほどの神奈川区の例でも、不要になったボンベが一時期に多量に出るわけなんです。そうした貯蔵施設は、いろいろ規則がありましてやかましいので、個々の業者ではそれが解決できない。したがって、残ガス容器が実際上放置されているという場合も多い。こういう問題は非常に保安上から言っても危険じゃないか。そして、これはただ業者の責任だと言ってそこだけ追及しても解決できる性質の問題ではない。こういうことについて、都市ガス事業者が実際に工事をするわけですから、業者に通知する義務づけを行うぞというふうにすれば通知漏れなんということはないわけですし、また消費者にそれをやれと言っても、消費者の立場から言って、いつも使っているプロパン業者に断るというのはなかなか人情としてできないということから、都市ガス業者に対してそういう場合は通知を義務づけるとか、あるいは残ガス容器の貯蔵場所の提供、この点は、先ほどから申しますように零細業者が多いものですから、プロパン業者の方は。それに比べて、都市ガスの事業者の方からそうした場所を探させるとか提供させるとかいうような措置によって解決しておきませんと、やはり事故が起きてからでは遅いし、こうした特に一時期、集中的に転換なされる場合の処置についてどういう対策を持っておられるか。いま言ったようなことは検討される必要があるのじゃないかと思いますけれども、この点についてお伺いしたいと思います。
○増田政府委員 いま先生からおっしゃられましたこの通知の問題、それから残ガスボンベの保管場所の提供の問題その他につきまして、私どもも、この問題についてよく検討いたします。
○石母田分科員 検討と言うのですけれども、検討にもいろいろあります。いま私が言った、都市ガス業者に通知の義務を負わせるというようなことは、これはできないのですか。
○増田政府委員 私がいま先生からお伺いしまして、この御提案についてはできるのじゃないかと、私は個人的には思っておりますが、ちょっとやはり私どもの方の専門家にいろいろ相談して、その上でやっていきたいと思います。そういう意味で検討と申し上げましたが、これができるかできないかをよく検討し、もしできるのだったらできる方向でやっていきたいと思います。
○石母田分科員 じゃ大臣にも確認していきたいのですけれども、これは確かに販売業者に無通告のまま、どんどんそういうように進めて、それが切られて知らないままに置いてあったということは、保安上非常に危険だと思うのです。そういう点で、いま、個人的にはでき得ると思っておるということですけれども、大臣としてもぜひ、この都市ガス事業者がそういうことを通知することを義務づけるような措置をとられるよう、その努力をお願いしたい、こういうふうに思います。
○河本国務大臣 検討させます。
○石母田分科員 もう一つの残ガス容器の貯蔵場所の問題なんですけれども、これは確かにいろいろの制限もあり、個人の業者だけではなかなか解決できないという問題について、この実際の状況はかなり深刻なものなんです。ただ、余り個々の例を申しますと、それが業者に対する取り締まりというような形だけになりますと、これは決して本意じゃありませんし、また事態もそれだけで解決できません。この提供させるとか、あるいはこういうものについて何か具体的にいま考えておられる措置があれば出していただきたい、こういうふうに思います、あるいはどういう方向で解決されるか。
○増田政府委員 いまの残ガスボンベの保管と申しますか、どこにこれを残しておくかという問題につきましては、これは確かに危険でもございますし、その取り扱いをやはり慎重にしなければならぬと思います。ただ、これを都市ガス業者に、倉庫を設けてそこに入れろと言うのがいいのかどうか、私ども問題点はよくわかりましたので、このLPをやっておられる連合会その他ありますので、よく相談して、これをどういうように取り扱うか、決めていきたいと思います。
○石母田分科員 これをぜひ急いでやっていただきたいという要望も含めて、通産省からいただいた資料、LPガス残ガス容器による事故例が、四十五年、四十六年、四十七年、四十八年、四十九年というふうにわたってここにございます。四十五年一月二十九日、容器検査所において引火爆発が起きたとか、あるいは最近の例では四十九年二月十八日に、これは消費者宅で残ガス容器の移動等の措置のミスによってガスが多量に漏洩したとか、昨年の暮れでは、やはり容器検査所で残ガスがたまり、近くの容器塗装焼きつけがまに引火して爆発したとか、こういう事故が報告されているわけですね。ですから、これが、先ほど言ったように多量に出てくるということになりますと、この事故もまた大規模になってくるというようなこともありますので、ぜひこの点は早急に処置をしていただきたい、こういうふうに思います。 最後に私は、こうした残ガス容器の問題も含めまして、先ほどの神奈川区のプロパン業者からの訴えにもありましたように、これのいわゆる補償というものが——これは神奈川の場合ですけれども、立ち会いの日当という形で三千円、一回だけ払われている。お伺いしたら、通産省の方の調べによりますと、これは全国でも珍しい例であって、ほとんど無償——無償というのですか、こういうものは出されていない。ということになりますと、この不要になったボンベ二百四十二本、不要になったメーター百二十一個、特にこのメーターについては、皆さん方が省令でこれをつけることを義務づけて現在つけられているわけですね。こういうことが転換によってどんどん不要になる。これが新しいところへどんどん使えれば、これはまたあれでしょうけれども、いまの総需要抑制の影響もあって、そうした事態でなくて、伸びが大体とまっておることは皆さんも御承知のとおりです。そういう事態の中で、こうしたメーターの補償であるとか、あるいはこういう施設に対する補償というようなものは一体どういうふうに、だれが補償していくべきなのか、そういう点についてはどういうふうに考えておるのか、考えを聞きたいと思います。
○増田政府委員 いまの、転換が行われましたときにボンベあるいはメーターが不要になるわけでございますが、それに対しまして、たとえば国が補償すべきだという議論が一部にあるのを私ども聞いておりますが、本来、消費者の自由な選択によりまして都市ガスへ転換された、そのときに不要になったものを全部国が補償するのがいいかどうか、これはいろいろな問題があると思います。そういう意味で私は、これも個人としての考え方で恐縮なんですが、その場合、国が補償するのは——これは確かに個々の業者の方々には非常にお気の毒なことである、それについては非常に同情もいたすわけでございますが、国の補償の制度をやるというのは無理ではないか、こういうように思っております。
○石母田分科員 どこで補償するかということは別として、こういう補償は必要なのじゃないか。特に、国は全然責任ないとおっしゃるけれども、たとえばメーターなんていうのは国でつけさせているわけでしょう。そうして、それが不要になる、それで、選択の結果だと言うけれども、買い物でこちらからこれになったといって、それで不要になったというものじゃないわけです。先ほどから再三言われておるように、いわゆる民生用の、国民生活上の欠くべからざる燃料として現に大きな役割りを果たしている、また、今後もそういう高い公益性のもとで継続させていかなければならない事業に携わっている人たちの資産といいますか、そういう施設でございますから、この問題については、メーターなどは、少なくとも国というような問題も起きてくるのじゃないか。当然、転換によって利益を得る側の都市ガス業者の補償ということも考える必要もある。どちらにしろ、国や都市ガス業者が、全部どちらかがやるか、あるいは折半してやるか、あるいは、この部分はこうだというふうにしてやるかは別として、この補償問題については何らかの措置をやはりとらなければならぬじゃないかということについてだけお伺いしたいと思います。
○増田政府委員 この問題は、確かに先生が御指摘になりますように、非常にむずかしい問題ですし、また、この転換を余儀なくされるLPG業者にとりましては、私どももこれに対してできるだけの措置をすべきだ、こういうふうに思いますが、ただ、措置あるいは制度として補償するのがいいかどうか、これはちょっとここで私、即答をいたしかねるわけでございます。そういう意味で、先生からきょういろいろありました問題点、それから、これに対する措置の要請というものを十分頭に入れて、そして検討していきたいと思いますが、ここで何らかの措置をとるということをお約束することは非常にむずかしいと思っております。
○石母田分科員 直ちに措置をとることはむずかしいけれども、検討の対象になり得るというふうに理解してよろしゅうございますか。
○増田政府委員 先ほども申し上げましたように、国が補償するのは無理だと私は思います。ただ、これにつきまして都市ガス業者が若干の負担をするということは可能かどうか、こういう点についても検討したいと思います。ただ、これも役所が強制して、一ボンベ幾らとかガスメーター幾らというのをやるのがいいのかどうか、これらの問題もいろいろありますから、そういう意味で検討はいたしますが、私は、いまお伺いした点でも非常にむずかしい点がいろいろあるのじゃないかと思います。ただ、この問題につきましては検討することはお約束いたします。
○石母田分科員 もう一つの補償問題はもっと重要な補償でありまして、先ほど私がデータも出しましたように、転廃業の問題があるわけです。それで、もちろんこの業者の中にも副業としてやっている方と、それからLPガスの販売を主たる収入の源としている方と、これは違いがあると思いますけれども、私が提起いたしますのは、それによって生計を立てているいわゆるプロパン販売を主たる収入源としている人たちが、こういう事業の転換に伴って事業を縮小する、あるいは営業が成り立たなくなるというような、生活権そのものが脅かされるという事態のときの補償ですね、あるいは、そういう転職するための特別のいろいろな融資を含めての援助とか、さらに、副業とされる方も含めて、いわゆる営業権というものがあるわけですね。これが現実に奪われてしまうという問題、この点についてはやはり政府として考えていかなければならない問題じゃないか。特にこれは、現在法律的には補償が何もないわけですね。こういうことについて、いずれかというような問題がありますけれども、たとえばこの業者の方々の請願陳情などの内容を見ますと、現在のガス事業法に、都市ガス事業者がLPガス販売業者の配管、メーター、容器などを撤去する場合は、LPガス業者の資産とみなして、営業権を含めて適正な補償をしなくてはならない、こういうことを新設してほしいというような要求も出てますし、また、特に将来の都市ガスの拡張、先ほどの天然ガスの拡張経過から見て、多量にこうしたLPガス販売業者の事業縮小、ないし経営が困難で廃業される方が多くなった場合、これは当然予想される問題でもありますので、そうした事態にならないようにするのだけれども、そういうことが起こった場合の補償問題について、政府として、先ほどの容器、メーターに対する補償なども含めまして検討しておく必要があるのじゃないか、こういうふうに考えますけれども、この点はどうですか。
○増田政府委員 いまの、プロパンをいままで提供された方が都市ガスに転換によって、そこで営業ができなくなるということにつきまして、そこに法律的にはいわゆる営業権というものが存在するのかどうか、これも相当むずかしい問題だと思います。そういう意味で、この問題につきまして補償というものがどういう形でできるのか、これは先ほども申し上げましたように非常に困難な問題で、それだからこそ先生も取り上げられ、また、各地でもいろいろな紛争が起こっている原因になっていると思います。ただ、私どもといたしましては、都市ガスが出て、そうしてプロパンが切りかえられるというときには、できるだけその転換に当たっては円満な話し合いができ、転換が紛争の種にならないように持っていきたい、こういうふうに思っておるわけでございます。ですから、非常にくどく答弁申し上げまして恐縮でございますが、これに、補償とかあるいは国がそれに対する何らかの金を出すという制度的なものをつくることは、非常にむずかしいんじゃないか、こういうふうに思っております。 ただ、問題点として、粒々辛苦してプロパンを提供された方が、都市ガスを需要者が選択したとはいえ、そこで廃業せざるを得なくなるということについては、先ほど申し上げましたように、何か私どもができるかできないか検討いたしていきたいと思っております。
○石母田分科員 大臣に、私要望したいのですが、この問題は、いろいろこれまでの例でも、繊維だとか、あるいはまた、私の方で言えば、港湾などで、はしけ業者などありますけれども、こうしたエネルギー政策の転換、あるいは個人が選択をするといっても、民生用に欠くべからざる燃料としてのプロパン販売事業というものがこうした事態になって、残念ながら、その中で転廃業せざるを得ない、そういう補償問題は単なる個々の中小業者というだけでない、やはり特別の、補償問題というのは、政府として考えていく必要があるんじゃないか。それは国として全部補償するかどうかということを含めて、この点はぜひ検討していただきたい。この点は、政治的にも社会的にも非常に重要な問題になっておりますので、特に大臣から、今後のそうした点での検討についての答弁をお願いしたいと思います。
○河本国務大臣 これは、いま長官もお答えをいたしましたが、他の産業との関係もありまして、なかなかむずかしい問題だと思います。しかし、御提案でございますから、よく検討をいたします。
○石母田分科員 時間が参りましたので、質問を終わりますけれども、最後に、私はこうやって見てまいりますと、いわゆる中小零細業者が大部分ではございますけれども、扱っているプロパン、LPガスというものの果たす役割りから見て、きわめて重要な問題があると思うのです。 それは、現在ガス事業者の方はガス事業法というような形での保護立法があるわけですけれども、LPガスについてはないわけですね。そして取り締まり法規的なものが、高圧ガスの取り締まりだとか、あとは消費者の立場からの新法などございますけれども、こういう事態で法的な保障がないということが、きょうの幾つかの問題を出した場合に、一つの大きな欠陥になっているわけですね。どの方向で、どのような立場でこれを解決していくかという、もとになる法的なものが何ら保障されてないところに、今後の行政指導をなさる場合、高い公益性を持つということと実態が非常に大きくかけ離れたものになる最大の原因があるのじゃないかと私は思っておる。そういう点で、実際、事業法ということになりますと、いろいろ難点もあるし、また業者自体からのいろいろな要望も出ようかと思いますけれども、そうした法的な保障といいますか、法的な地位を保障するというようなことを含めて、私は、今後特に災害が起きた場合のことを考えるわけなんです。 東京瓦斯の地震対策のパンフレットを見ますと、一時はどうしても導管が破裂する場合もあるなんということを予想しておるわけですね。そうしたときに、このままでどんどんつぶす——つぶすというか、LPガスが都市ガスの普及によってだんだんなくなっていいものかどうかということになりますと、ここら辺で、やはりマクロ的に将来を見て、これを保護育成していくというような大きな基本を立てながら、それに関連して法的なものも考えていく、こういうことでの検討もしていく必要があるのじゃないか。 こういうことで、きょうは時間がございませんので、災害が起きた場合のいろいろな保安問題はいずれ他の機会に行いますけれども、とりあえず、そうしたLPガスというような問題について、企業の実態を中小零細企業ということからだけ見るのではなくて、公益性の高い事業として、また将来の問題として、ぜひそうした点での検討をお願いしたい、こういうふうに思いますけれども、できれば、最後に大臣の答弁をお願いしたいと思います。
○河本国務大臣 事業法を制定するということは、通産省でもいろいろ研究しておりますが、なかなかむずかしい点があるようです。しかし、これもせっかくの御提案でございますから、引き続いて研究をさせていただきます。
○石母田分科員 質問を終わります。
○塩川主査代理 これにて石母田達君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして、昭和五十年度一般会計予算及び昭和五十年度特別会計予算中通商産業省所管に対する質疑は終了いたしました。 次回は、明二十七日午前十時より開会し、農林省所管について審査を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時六分散会