予算委員会第五分科会 第3号
- 発言数
- 405 件
- 登壇者
- 44 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1975/02/26
会議録
○谷垣主査 これより予算委員会第五分科会を開会いたします。 昭和五十年度一般会計予算及び昭和五十年度特別会計予算中運輸省所管並びに昭和五十年度政府関係機関予算中日本国有鉄道関係を議題といたします。 まず、説明を聴取いたします。木村運輸大臣。
○木村国務大臣 昭和五十年度の運輸省関係の予算について御説明申し上げます。 初めに、予算の規模について申し上げます。 まず、一般会計について申し上げますと、歳入予算総額は十二億六千五百三十三万一千円、歳出予算総額は他省所管計上分四百七十七億二千二百二十九万一千円を含み七千四百七十五億五百七十七万円でありまして、この歳出予算総額を前年度予算額と比較いたしますと、一千百八億一千九百五十二万七千円の増加となっており、十七・四%の増加率を示しております。 この内訳を見ますと、行政費では一千百三十八億八千三十五万円の増加、公共事業費等では三十億六千八十二万三千円の減少となっております。 次に、特別会計について申し上げます。 まず、自動車損害賠償責任再保険特別会計の歳入歳出予算額は八千六百十八億二千百十一万一千円であり、前年度に比較して一千四百七十四億二千九百四十二万五千円の増加となっております。 港湾整備特別会計の歳入歳出予算額は一千七百九十三億五千六百七十三万三千円であり、前年度に比較いたしまして六十九億九千五百九十二万四千円の減少となっております。 自動車検査登録特別会計の歳入歳出予算額は百五十五億八千六百八十六万六千円であり、前年度に比較して四十億九千七百五十六万八千円の増加となっております。 空港整備特別会計の歳入歳出予算額は八百三十二億五千百六十万円であり、前年度に比較して百三十三億一千七百十万円の増加となっております。 また、昭和五十年度財政投融資計画中には当省関係の公社・公団分として一兆一千九百八十六億円が予定されております。 昭和五十年度の予算におきましては、当省は、地方交通対策及び都市交通対策を引き続き強力に推進するとともに、現下の経済情勢に対応し、新幹線鉄道建設等の大規模事業については、その進度を調整しつつ行うこととし、これらの施策を進めるに当たって、特に安全確保と公害防除に重点を置いてまいりたいと考えております。 第一に、地方における日常生活に不可欠な公共交通サービスの維持に関しては、従来から種々の助成措置を講じてきておりますが、最近における過疎化の進展による輸送人員の減少に加えて、人件費を初めとする経費の増高により、その経営は困難の度を増してきておりますので、地方バス、中小私鉄、離島航路等の公共輸送機関に対し、それぞれ助成措置を大幅に強化し、特に地方バスについては、補助制度の抜本的な拡充を行うこととしております。 第二に、通勤通学輸送を初めとする大都市の旅客輸送対策として、地下高速鉄道、ニュータウン鉄道、新住宅地バス路線等の大量公共輸送機関の整備を進めてまいることといたしております。 第三に、新幹線鉄道、港湾、空港等、陸、海、空の全国幹線交通体系の整備については、総需要抑制の見地からその事業の進度を調整することとし、環境保全に留意しつつ、緊要な事業を重点的に推進することといたしております。 第四に、安全を確保し、災害を防止するため、海上保安業務の充実強化、航空保安施設の整備、踏切道の改良、交通事故被害者の救済等を強力に進めるとともに、台風、地震などによる自然災害を最小限にとどめるため、地震・火山関係業務を初めとする観測業務の充実に力を入れるほか、海岸事業の推進に努めることとしております。 第五に、騒音、海洋汚染、自動車排出ガス等の公害の防除に万全を期する考えであります。 このため、航空機の騒音対策については、航空機騒音防止法の対象空港の指定を拡大するとともに、民家の防音工事及びテレビ受信障害に対する助成内容を充実することとし、また、新幹線騒音対策については、国鉄予算の中において、防音壁の設置、家屋防音工事等を推進することとしております。さらに、海洋汚染防除のため、油回収装置、オイルフェンス、油吸着材等の増備を図ることとしております。 以上のほか、海洋開発用船舶技術の開発、海運・船員対策、観光レクリエーション対策等の推進を図る所存であります。 次に、日本国有鉄道について申し上げます。 財政再建計画の第三年度目である昭和五十年度は、再建計画に従って工事費補助金等の所要の財政措置を行うとともに、昭和五十年度において見込まれる収入不足相当額を補てんするための借入金について特別利子補給を行う等国の財政措置を強化し、もって、業務の円滑な遂行に支障のないよう予算を編成しております。 まず、損益勘定におきましては、日本国有鉄道工事費補助金一千百四十二億円、財政再建債利子補給金四百十六億円、特別利子補給金四百二十一億円を含め、収入支出予算二兆三千九百四十億円を計上しております。資本勘定におきましては、一般会計からの出資七百億円、財政投融資九千四百十六億円を含め、収入支出予算一兆四千七百九十九億円を計上しております。工事勘定におきましては、収入支出予算七千百三十六億円を計上いたしまして、安全対策の強化、大都市通勤通学輸送の改善、主要幹線の輸送力増強、公害対策の充実、諸設備の近代化・合理化、東北新幹線の建設等を推進してまいりたいと考えております。 また、一般会計に日本国有鉄道合理化促進特別交付金五億円を計上いたしまして、日本国有鉄道の合理化施設の促進を図ることといたしております。 なお、運輸省関係予算の部門別の重点施策の概要につきましては、お手元に配付してあります昭和五十年度運輸省予算の説明及び昭和五十年度日本国有鉄道予算の説明によりまして御承知願いたいと存じます。 以上をもちまして昭和五十年度の運輸省関係の予算についての御説明を終わりますが、何とぞ十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○谷垣主査 以上をもちまして、説明は終わりました。 —————————————
○谷垣主査 この際、分科員各位に申し上げます。 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。 なお、政府当局に申し上げますが、質疑時間が限られておりますので、答弁は必ず的確に、要領よく、簡潔に行われますようお願いいたします。 これより質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。まず、足立篤郎君。
○足立分科員 まず、運輸大臣に一般論としてお伺いいたしますが、政府提案の法律案が国会で審議をされ、一部修正議決をされました場合に、その修正部分については、特に行政庁としてはこれを行政に移すための省令の制定等につきまして立法府の意思を十二分に尊重するように配慮すべきであると私は思いますが、運輸大臣の御所見はいかがでございますか。
○木村国務大臣 お説のとおりに考えておりまして、修正部分については、その趣旨を十分に生かすように自後の措置を講じたいと思っております。
○足立分科員 私は、昨年審議されました船舶職員法の改正案につきまして、交通安全特別委員会におきまして修正案を提案いたしました。幸いに与野党一致の御賛成をいただきまして修正議決をされたのでありました。私が提案をした修正部分について、運輸省は私の修正の趣旨を十分尊重されたかどうか、局長に伺いたいと思います。
○山上政府委員 御指摘の修正の趣旨につきましては十分承知しておりますので、運輸省といたしましてはその趣旨を体しまして、昨年五月に船舶職員法施行規則の一部を改正いたしました。施行規則の第四条によりまして、湖及び川のみを航行する連続の最大出力十馬力未満の船舶につきまして限定免許を設けることとしたわけでございます。
○足立分科員 その趣旨を尊重されたとおっしゃるが、私が質疑の形等で発言をした内容をそんたくして、われわれ通称限定免許と言っておりますが、そういう制度をつくってやった、こういう御答弁をいただいたが、それでは省令等をつくります場合に、国会の意思を確かめるために交通安全特別委員長なりあるいは提案者の私なりに何か御協議になったことがありますか。
○山上政府委員 実は私事にわたって恐縮でございますが、私は昨年の六月の上旬に船員局長を拝命いたしましたが、前局長あるいはその前の局長から具体的にそのような御相談を申し上げたかどうかについては承知をしておりません。
○足立分科員 課長はかわってませんか。どなたですか、課長は。前からかわってませんね。
○星説明員 私は四十八年の十月一日より船舶職員課長を拝命しております。
○足立分科員 実はこの法案が通りましたときに、私は前の局長の住田君に電話しまして、いきさつはあなたもよく御承知だと思う。それから、実はこの問題については当時の運輸大臣の徳永さんにも個人的に話して、徳永さんはよくわかってくれまして、常識で考えてもあなたのおっしゃるとおりだと私も思う、したがってやらせますよと言われた。具体的には当時の政務次官の佐藤文生君が中に入ってくれて、相当細かい詰めをやっておったわけです。しかし、法文の修正は、法制局の意見もこれあり、きわめて抽象的なもので、果たしてこれで私が言っておった限定免許を簡便なものにするという趣旨が貫かれるかどうかということについては、私は一抹の危惧は持っておったわけです。しかし、中へ入る政務次官が保証してくれるし、大丈夫だと言うから、それで私は住田君に電話して、あなたの方で省令の段取り等の見通しがついたら一遍私に見せてもらいたいということを申し上げたら、住田君は承知しましたと言っておった。ところが、私はそれから一遍も相談も受けなければ見せてももらえなかったのです。それから、木村大臣も御承知のとおり、私も去年は一年間自民党政調会の筆頭副会長を仰せつかって、しかも運輸を担当しておりました。それから、政策立案機関である政調審議会の議長も一年間やりました。交通部会で問題になったというのなら私の耳に入るはずです。あの修正部分についての省令その他の制定については与党である自民党にも相談も何もない。提案者の私にも相談がない。それから、恐らく委員長も御存じなかったでしょう。これは全く行政府が独断でおやりになった。私のるる申し述べた趣旨を尊重してあれば、きょう私は何もここへ来ませんよ。尊重してないから来たんだ。経過はどうですか、局長。局長がお答えできなければ課長でもいいんだ。
○山上政府委員 私は、先生御指摘の当時の国会におきます御質疑、それに対する政府委員の答弁等議事録で拝見いたしました。したがいまして、省令制定の際に先生に御相談したかどうかは承知しておりませんけれども、先生の当時の御意向というのは私自身現段階におきまして十二分に拝聴いたしまして、それに従って先ほど申し上げました省令の制定あるいはその運用につきまして、今後ともその御趣旨に沿うように進めてまいりたい、こう存じております。
○足立分科員 木村大臣、あなた初めてだから御存じないのは無理もないので、簡単に経過を申し上げますと、今度政府が船舶職員法を改正する前は、五トン未満の小型船舶の操縦については、旅客を乗せる場合以外は免許は要らないという制度になっていたのです。それが私は実際は常識的だと思うのですよ。ところが、高速モーターボートが大分あちこちに出現して事故が頻発して、マスコミがわあわあ言う。運輸省はあわてまして通達を出した。どういう通達を出したかと言うと、その旅客の解釈ですが、操縦者一人ならば免許は要らないが、他人を乗せておればすべて旅客とみなすという通達を出したわけです。私の地元には浜名湖でカキやノリの養殖をやっている漁民がたくさんおりますが、すぐ文句が来まして、自分の女房を作業の助手に乗せて作業に行くと、これは旅客とみなされる。したがって、何十年間も安全に、しかも漁民にとってみれば毎日の仕事でございますから、船に乗るなんというのはげたをはくような気持ちでやっておったのに、事改めて今度は免許を取らなければならぬ。お上でそうおっしゃるんだから、免許を取るために講習会へ行った。ところが、二週間もかかる。金もかかる。余分なパンフレットもいろいろ買わされる。しんぼうして講義を聞いたところが、実は自分たちには全く関係のない、ものすごいスピードで走る高速モーターボートのことばかり説明を聞きましてね。御承知のように、漁民の使う船なんというのは和船に小馬力の動力をつけて走っているわけです。全く関係のないことばかり聞かされて、しちめんどうくさい試験をやらされて、それを通らなければ、女房を乗せてもあるいは親子ででも作業ができないなんというようなばかな話はないじゃないですか、こういう陳情を私は受けた。それで、これは普通の常識ならば、たとえば船頭がついて料金を取って釣りをさせるとかいうなら、これは旅客と言える。もとは恐らくそういうものを想定したのでしょうね。それが、いま申し上げたように高速モーターボートが出現してきて事故が頻発して、マスコミがやかましくなると、あわててそういう無理な通達を出した。 そこで私は、実はおととしのこの分科会で、これは無理じゃないか、どう考えても。法律というものはやはり常識でわかるものなのであって、それをひん曲げて、通達で女房まで旅客とみなすなんというようなばかなことはない、したがってこれは改むべきであるということを提案した。当時は新谷運輸大臣でございました。新谷さんは相づちは打ってくれたが、心底私の言うことがよくわからなかったようであります。私も実は釣りマニアですが、自分で船を操縦して、浜名湖のみならず、あちこちでやっております。芦ノ湖だとか十和田湖だとかあるいは涸沼だとかでやっていますが、私の実感を申し上げると、高速モーターボートの出現によって、いままで平穏無事に小馬力の動力をつけて楽しんでおった私どもは、実は被害者なんです。事故なんか起きっこないのですよ、のろのろ走るので。その常識さえ持っていれば何も心配はない。ところがそれは、高速モーターボートが出現したからというので十把一からげで、われわれまで被害を受けて、全部めんどうくさい試験を受けなければならぬということはおかしいじゃないか、これはきちんとしたらどうですかという提案をおととしの分科会でやった。速記録が残っております。そうしたら今度は運輸省が船舶職員法の改正案を出してきた。それを見ると、私の主張したことは全く取り上げられていない。つまり網を広げまして、もう櫓、かい以外は、動力と名のつくものをつけたものは全部免許が必要であるということで出てきた。そこで、私は、交通安全特別委員会で、これはもってのほかである、むしろ私どもの考えでは小馬力の鈍行船といいますか、高速船でないものは免許は不要だと思っている、外したらどうだという主張をしたのです。ところが、いろいろ話し合ってみると、運輸省は、せっかく航行上の注意事項その他を一般に知ってもらうためにこういう制度をつくっておるので、無免許にするわけにはいきません、こう言いますから、私は、それはある程度の知識を一般に持たせるという意味で教育を行うというような趣旨でお考えになるのなら、一つの考え方だから、私も百歩譲って、これは同調しましょう。しかし、いま申し上げたように、小馬力で、しかも限られた平水区域、たとえば河川とか湖沼とかいうところを運航するものは、それほど高度な知識も技術も要らないんじゃないか。したがって、簡便な方法をやったらどうだということを私は主張したのです。そして、私は参考として、たとえば鳥獣保護法によって私どもが狩猟免許を取る場合、これはどうなっているかと言いますと、新人でも一日五時間の講習を受けて、簡単なテストでパスしておる。実技の試験なんというものはありません。射撃場へ行って射撃をさせるなんということはない。それが五年目の書きかえのときには二時間でいいと法律に書いてある。それから、陸上交通が、これだけ交通事故がうるさくなって、やかましくなった。ところが、いわゆる原付自転車というのがありますね、五十cc以下の。これはどうなっているかといいますと、大体一日の講習でパスしておる。実技の試験はありません。しかも試験料は千円でございます。ところが、驚いたことに、今度これが実施されてから、地元から文句が出た。私はパンフレットをつくって、速記録なんかもつけて地元の関係者にずっと送っていましたから、足立先生、話を前から伺っておるが、なるほど合理的に簡便な制度になるというふうに聞いておって、私どもは欣喜雀躍しておったのだが、今度試験を受けに来いというので、行ってみると、非常にしちめんどうくさいことであって、しかもこれは一発で試験を通るなんてとてもできません。したがって、三日間学科の講習を受け、一日実技の講習を受け、四日間講習を受けて、その講習の費用が一万八千円から二万円かかります。そして、あと試験に行きますと、学科と実地、実技は別の日なんで、二日かかります。身体検査も別にやられると、もう一日かかります。したがって、最小限度六日間はかかります。それで、身体検査は別になると七日間かかります。費用も三万円近くかかります。こう言うのですよ。それでびっくりして、私は船舶職員課へ電話をしたら、課長補佐が、いろいろな資料を持って私のところに説明に来ました。そんなにかかりません、試験だけで、講習会などはやっていません、こう言うのでしょう。まるきりキツネにだまされたような感じを持っているわけだ。これが経過なんです。 だから、私はきょう、これは改めてもらわなければいかぬ、こう思ってこの質問時間をとったわけであります。いま申し上げた経過等について間違った点等があったら、ちょっとおっしゃってください。
○山上政府委員 先生御指摘の修正の趣旨につきましての実現につきましては、冒頭お答え申し上げました省令を改正いたしまして、限定免許の制度を設けたということが第一点でございますが、それの運用といたしまして、新しい試験の科目につきましては、一般の四級の小型船舶操縦士の試験の科目等に対しましてはるかに簡易なものを現に実施しております。 それから、生業として漁業等に従事されます方々につきましての御指摘でございますが、ごもっともでございますので、それは先生御承知のように、経過措置が設けてございます。
○足立分科員 これは言いたいことがいっぱいあって、三十分じゃとてもしょうがないので、私は交通安全委員会に移ってからじっくりやりまして、あなたがうんと言うまでいつまでもやります。 あなたはきれいごとを言っているが、大体この試験は民間団体に委任しているでしょう。モーターボート協会というのは笹川良一さんが会長をやっているというのだが、笹川良一さんと言えば、笹川一家というので有名ですね。競艇のボスということは聞いている。私、衆議院法制局で調べてもらった。一体、こうした国家試験、ともかく人命にもかかわる安全を維持するために行う国家試験を民間団体に委任している例があるかと言いましたら、こういう安全に関するようなものの国家試験を民間団体に委任している例はないようですね。通産省なんかで、ごく軽微なものを委任している例はあるそうです。これはあなた、省令をつくるときに研究されたでしょうから、要点だけおっしゃってください。
○山上政府委員 先生御指摘のとおり、この小型船舶操縦士の試験機関としては、法によりまして特定の機関を指定して行わしております。御指摘のとおり、その指定機関といたしましては財団法人日本モーターボート協会でございます。
○足立分科員 その財団法人日本モーターボート協会というのは、この国家試験を委任するにふさわしい団体ですか、内容その他。
○山上政府委員 この指定につきましては、船舶職員法に基づく指定基準に従いまして審査いたしまして、その結果各基準に適合するということで指定した次第でございます。
○足立分科員 この試験制度ができて、わざわざこれはつくらした団体じゃないですか。前からあったのですか。
○山上政府委員 前からございました。
○足立分科員 この間あなたのところの課長補佐が持ってきてくれたパンフレット「モーターボート」というやつで、モーターボート協会の宣伝みたいなものだが、これには全国に何カ所ありますかな、数カ所事務所があって、そこに試験員というのがおって、これが委任を受けた試験をやるのですね。この試験員は試験か何かをやって試験員の資格を与えるのですか。
○山上政府委員 この指定試験機関の試験員につきましても資格の基準が法で定めてございます。したがいまして、その試験基準に適合するかどうかでチェックをいたしております。
○足立分科員 私の地元で聞いた話によりますと、試験員というのは、本人の技能はわかりませんよ、わからぬが、ついこの間まで競艇の選手であったとかいろいろなことを言ってきているのだ。これはモーターボート協会というのは運輸省がなれ合いで癒着してつくって、競艇の選手のうば捨て山にしているんじゃないかというような話も来ている、これはひがみ根性かもしらぬが。したがって、いまの試験員の履歴を一覧表をつくって私に後から出してください。よろしゅうございますか。
○山上政府委員 後ほど資料として御報告さしていただきます。
○足立分科員 あなたは非常に簡便な制度にしたとおっしゃるのだが、いまやっている試験なんというものは私から言わせればまるでナンセンスみたいなことが多いのですよ。それで事大主義というか、事を大げさにするだけで、四級の普通の免許と差をつけたとおっしゃるが、内容はほとんど同じことをやっているのです。それで全く河川、湖沼と限定して、しかも小馬力と限定しておきながら、一体コンパスの見方だとか、そんなものは海図がなければコンパスを見たってしようがないのですよ、実は。そうでしょう。小さな船はこんなもの備えつけの義務は持ってないんだ。それにもかかわらず学科でこういうことをやっておるし、試験にも出る。その他船舶法だとかなんとかしちめんどうくさいこと言って、気象だって、アジア大陸の気圧が下がり、小笠原高気圧がどうのこうの言っているが、これは限定でしょう、浜名湖なら浜名湖の中だけでしょう。そんなものにこんな大げさなこと言って、こけおどしみたいなことをやって、とてもこれは一発で通りませんから、結局講習会へ行かなければならぬわけですよ。講習会は、金は取られるけれども、受ける人間にとってはむしろありがたい機関でして、講習会を受けなければ絶対通らない。私のところに来ている連絡によりますと、ついこの間も三百人ばかり試験を受けたそうですか、講習を受けずに試験を受けた人間は一人もないのです。それは浜名湖ですから、地元の船や船外機をつくる会社があっせんしてやってくれるのだが、ヤマハとか鈴木自動車とかいうのが講習をやっているわけだ。これは善意でやっていると彼らは言うのですけれどもね。それが三日間で一万八千円も講習料を取るわけですね。そしてその講習を受けなければ、実際は試験は受からない。ここに領収証がありますからお目にかけますよ。——これは受験料も含めて二万五千円という領収証です。だから、運輸省の方はきれいごとを言って七千円で全部試験が受けられますと言っているが、実際はそれ以上にそういうふうに金がかかる。 それ以外にまだかかるのですよ。たとえば省令では身体検査二百円となっているが、予備身体検査証明書というものを持っていかないと受け付けてくれない。予備身体検査証明書というのはどういうものかというと、町の開業医等へ行きまして身体検査をしてもらう、その要項が全部書いてある。この診断書は少なくとも千円以上取ります。ちゃんとこれは運輸省から来た資料の中にも、予備身体検査証明書というのは入っているのだ。そうすると、二百円というとばかにきれいごとだが、先にちゃんと医者に診てもらって、診断書をもらっていかなければ、試験場で身体検査をやってもらえないんだ。だから、何のことはない、人におんぶして、省令じゃ二百円と書いてあるのが実際には千二百円かかるわけだ。それ以外に行ったり来たり、開業医に身体検査してもらうといったら半日仕事ですよ。国民の苦しみとか迷惑とかいうものは何も考えない、役人がいいように勝手にやっている。しかも、試験の請負団体は有名なモーターボート協会というようなものにやらしているというようなことになりますと、一体運輸行政というものは何をやっているんだと、私は実際義憤を感じているんですよ。 時間がないから大臣に申し上げますが、私さっきからるる申し上げているとおり、こんなものは実際は免許は要りません。ただ、マナーとか常識とか基本的なことは、これは教育する必要があると思う。知っておく方がいいです。知っておく方がいいので、私も協力しようということでああいうやわらかい修正で同意したわけですけれども、それならそれらしくきちんとやってもらわなければ困る。六日も七日も実際かかるような試験制度をやり、やぶから棒に行ったって絶対に通らないような試験をやっている。 しかも、実技試験なんというのは全くナンセンスですよ。私もこれを見て吹き出してしまったのですが、どういうことをやっているかというと、いまエンジンは完備したもので、女でも子供でも簡単に操作ができるわけですね。したがって、実技試験といったってやることはないはずなんだ。それなのに競艇の選手上がりの試験官が偉そうな顔をして、全く昔の軍隊式なんだ。いまお見せした領収証は私のいとこのものですが、りっぱな会社の社長で、私と同い年だからもう六十過ぎているその社長がともかくふんまんやる方ないあれで私に訴えているんだが、こういうことをやるんだな。ともかく直立不動の姿勢で試験官に対してすべて申告するんですよ。それが何十項目とあるんですが、その態度が悪いと実技はだめなんだ。そしてまず船が係留されているところへ行って、試験官に対して「係留よし」、船をつないである状態がいい、それから「左舷よし」「右舷よし」「船尾よし」「エンジンよし」「船体安定よし」、それから「乗船いたします」と言って乗船すると、また「右舷よし」「左舷よし」「ビルジよし」「水抜き栓よし」「船体異常なし」、「装備品の点検を行います」と言って、「救命胴衣よし」「ブイよし」「バケツよし」「アカがえよし」、これは読み上げれば五、六十項目ありますよ。これをともかくてきぱきと呼称しながら、そして試験官に敬意を表して軍隊式な動作をとらぬとアウトになる。 アウトになるとどうなるかというと、今度は講習所へ戻って補講を受ける。補講は一時間三千円です。そうなっているんだ。これは実技ですからね、ガソリン代が幾らかかるか知らぬが、それもべらぼうに高いと思う。 それから省令で決めた実技試験五千八百円というのもたった十分か十五分なんです。長くて十五分、大体十分だというんだ。そうでしょう。十分間で五千八百円取るというのはわけがわからない。 ともかくこれを受けた人間の実感を率直に申し上げると、運輸省はモーターボート協会と癒着して、ぐるになって何だかんだと言ってともかく銭を取ることばかり考えている。金を出せばパスするという仕組みになっておる。これはけしからぬ。時間をとられることはちっとも考えてない。私が修正動議を出して、速記録その他を地元へ送って、これは釣りをやる連中から漁業組合からみんな送ったのですが、まるで足立先生うそを言っているじゃないかと言って私はひどい目に遭っているわけだ。 だから私は提案しますが、原付の自転車は受験料千円ですよ。そして一日の講習でパスします。ただ、いきなり試験だけやるというのはいかにも簡便のようにあなた方は弁解するのだが、簡便じゃないんだ。いまのやり方は不親切きわまりない。むしろ公営で講習を一日おやりなさい、最後にテストしてよく覚えていればいいんだから。しかもコンパスがどうの気象状況がどうのこうのとしちめんどうくさい、外洋へ出て航行する船じゃないのですからね。水深だとか船の速力とか船の速力なんか人間が歩くくらいのスピードでわかりきっちゃっている。そういうふうに限定しているのですからね。限定が条件なんだから。それを四級普通と全く同じような試験をやっておる。したがって、四級をお受けなさいと試験官が言うそうです、ばかばかしいから。あなた方十馬力以上のエンジンをつけた場合操縦ができなくなるんだから、初めから四級を受けたらどうですかと言うくらいに厄介なことをやっておるということなんです。 だから、全然私の修正の趣旨というものは尊重されていないということです。原付と同じようにお考えになったらどうですか。原付なんか、私ども地元で知っていますが、農協あたりが頼みますと、ちゃんと警察から来てくれて、その辺のおかみさんを集めて五時間ぐらい講習をやっていろいろ交通法規を教えますと、教わったばっかりだからテストはすぐできますよ。これはテストをやって、実施免除ですよ。陸上の交通で、とにかく三十キロのスピード制限があるとはいいながら、これだけ交通事情がやかましいときに、簡便な方法でパスさせているのに、さっきから申し上げてるように何十年間も無免許で全く事故もなく、漁民なんかげたをはくような気持ちで自分の船を操縦しておった。それがモーターボートが出てきたためにこういうことになっちゃった。 モーターボートの方は特にマナーが悪い。私ども釣りしていますと、わざわざ釣り糸を切ったりして喜んで走っていくやつ、このやろうと思うが追いつけないから手のつけようがない。だから、こういうマナーの点に特に重点を置くべきだ。 それから、さっき申し上げたこの限定にしても、浜名湖なら浜名湖、芦ノ湖なら芦ノ湖、涸沼なら涸沼で、その地域の特性、特にどこに暗礁があって危険だからここは気をつけろとかいうようなことをよく教えるべきだと思うのです。そうじゃなくて、一般的な法規みたいなしちめんどうくさいことを、こけおどしみたいなことばっかりやってるから、受ける人間は苦心惨たんし、したがって講習にも行かなければとても受からないというようなことで、どうにもならぬのが現状です。ですから、大臣、お願いしますが、これはひとつ思い切って——私が修正を出したときから運輸省とはそういう約束だったのに、事務当局がこういう勝手なことをして、三権分立だから行政権はわがものだというような顔をして、こういうことをおやりになることは私は許せません。だから、これは何とか改革をするということをあなたはお約束をしていただければ、改革をするまで私は見守ります。いかがですか。
○木村国務大臣 この法案の改正のときに、私も運輸委員として足立委員の御意見も聞いて、いま思い出しました。お話を聞いておりますと、私も全く足立委員と同感の点がたくさんあります。したがって、いまの御意見を、さらに当時の速記録等を調べまして、事務当局に強く指示をいたしまして、御趣旨のようなきめの細かい試験の実施方法等について十分考えさせますので、御了承いただきたいと思います。
○足立分科員 大臣のもののわかった御答弁、安心しましたし、木村さんの人格を信頼いたします。 これが、いつまでにどうなるかという保証がないわけですね。したがって、省令を改正してもらわなければだめなんだ。まず、私が提案したのは、簡易な試験で、原付と同じようにしてもらうということですから、講習会をやっていただくということに切りかえなければならぬ。講習会の後で単なる試験をやる、そして実施は免除する、これが要点です。だから、そのとおりやってくれるまで私は交通安全特別委員会のレギュラーメンバーになりまして徹底的にやりますから、さよう御承知おきを願いたいと思います。 以上で終わります。
○谷垣主査 これにて足立篤郎君の質疑は終了いたしました。 次に、井上普方君。
○井上(普)分科員 大臣、中央公害審議会がございますね、その中に騒音振動部会というのがございます。その騒音振動部会に国鉄からは一体何人出ておられるか、あるいは航空機会社から何人出ておられるか御存じでございましょうか。大臣でなくても結構でございます。
○後藤(茂)政府委員 お答えいたします。 騒音振動部会のメンバーとして国鉄の技師長さんが入っておられます。
○井上(普)分科員 航空機会社はどうです。——結構です。 この中央公害審議会の例の自動車専門委員会に業界の方々が入って、非常に中央公害審議会そのものの性格が業界寄りでないかと言われて、いま論議になっておることは御承知のとおりだと思います。同じように、やはり騒音振動部会に国鉄が入る、あるいはまた航空会社が入っておるというのは私は適当でないと思うのです。これじゃ本当の中立機関として考えられないというようなことが起こってくると思うのですが、大臣、これはお考え直す必要があると思うのですが、どうでございましょう。
○木村国務大臣 中央公害審議会は環境庁長官の所管でございますので、私からとやかく申し上げにくい点がございますが、私の個人としての感じを申し上げますと、やはりその道の専門家、経験者という者は委員に入っておるのが公正な結論を出すのには適当じゃないかという観点で選んだのだろうと思います。したがいまして、性悪説に立てば議論が別でございますが、性善説に立てばそういう経験者はやはり入っておった方がいいのじゃないか、これは個人的な意見でございます。
○井上(普)分科員 そこが問題なんです。しかしやはり国鉄から出ておられる、あるいは航空機会社には専門家がおられるでしょう、そういう方々が入っておられることに対して国民は疑惑を感じないか。いま騒音あるいは振動というものにつきまして非常な国民の苦情がある。しかし、この部会の中での結論それ自体に対してもやはり権威づけがなされない、ここにいままでの行政当局あるいは公害審議会が国民から信頼せられないゆえんもあるし、政治に対する不信もこんなところから出てくるのじゃなかろうかと私は思うのです。技師長さんというと、まことに技術的にりっぱな人でしょう。しかしながらそれと同じ程度の人がたくさんおるんじゃございませんか。でございますので、のけさせた方がむしろ第三者的意見として世の中に通りやすいんじゃございませんか。自動車専門委員会におきまして御承知のように自動車業界からの代表が出ておって、それが業界に全部流したという例がございました。これじゃやはり第三者機関であるべき審議会の結論というものが、これが私は権威を損なってまいると思うのです。どうでしょう。大臣がそういうようなお考えでいかれるなら私は問題があると思う。今後そういうような態度でございますと、私もこれからそのつもりでお相手をいたすつもりでございますが、国鉄総裁、どうです。あなたは引かすお気持ちありますか、どうです。
○藤井説明員 お答えします。 国鉄の公害問題、なかんずく新幹線の問題にいたしましても、これは比較的新しくああいうものが問題化したものであって、これを押えるのには、騒音の発生源をいかにして押さえるかということと、発生源を押さえ切れないものをいかにして防止するかということで、御指摘のように国鉄が入るということはいろいろな議論になりますけれども、国鉄というのは特殊なものであって、私どもはそういうことを言ってごまかして何とか通ろうというんじゃなくて、ありのままの姿を率直に御説明申し上げて対策に反映していただきたいということでございまして、先生御指摘のように、ごまかしちゃいかぬというようなことは性悪的には考えられますけれども、私どもはいささかもそういう考えを持っておりません。
○井上(普)分科員 総裁、おかしいじゃないですか、それは。あなたは技術者として技師長は発生あるいは防止の専門家である、こうおっしゃった。しかし、この騒音振動部会というものは、振動あるいはまた騒音が環境を破壊しておるから、これに対して一体いかなる枠を組むかということ、これを審議するところなんです。あなたのお話でございますと、発生の専門家、機械の専門家そういう者を代表に入れなければいかぬというのは理屈が通らぬじゃないですか。公害審議会ですよ。これはいかに環境をよくするか、あるいは人間が耐え得る騒音はどの程度であろうか、これを審議するのが、公害審議会じゃありませんか。それに発生あるいは防止の専門家を入れるということは、私は納得できない。あなたのお話であるならば、国鉄という営業的な面ばかりしか考えない技師長を入れておるという証拠になるんじゃないですか。
○藤井説明員 私が御説明申し上げたのは、あるいは舌が足らなかったかもしれませんけれども、なるほど環境庁は、すでに発生した公害なり何なりをいかにして防止するか、それにはいかなる枠をはめるべきかということを御検討になっておることはおっしゃるとおりでございますけれども、それに先立って、そういうものが交通機関か何か知りませんけれども、不可避的に起こるならば、それをいかにして軽減するかということが第一歩であって、環境庁で枠をはめられるにしても、現在の技術水準においては努力をしても最高限はこの程度であろうというような御認識を得られることもきわめて必要なんで、私どもが申し上げているのは……(井上(普)分科員「わかった、わかった」と呼ぶ)わかりましたか。
○井上(普)分科員 それは根本的に公害審議会に対するあなたの考え方が違う。もう一度公害審議会の内容——私は文書をいま持ってきていない。もし公害審議会の本当の性格が、私が言うように国民に対する公害をいかにして少なくするかじゃない、国民が振動あるいは騒音をどれほど耐え得るものであるか、こういうことを中心にして考えておるのでありましたならば、あなたはいまの発言を取り消し、かつまた、この国鉄から出しておる技師長、国鉄関係者を退陣させる御用意がありやいなや、この点をお伺いしたい。
○藤井説明員 私の説明が……(井上(普)分科員「舌足らずというのは通らぬ」と呼ぶ)御了解願えないようなのでございますけれども、環境庁なり公害審議会から国鉄は依頼されて出しておるのでございまして、先生の御意見のように、そういう者を入れることが不適当であるというようなことならば、私はこれを引き揚げるに決してやぶさかでない。しかし、私は先生と考えが違いますけれども、こういう新しいものにはいかにしてそういう被害が起こるかということの研究がまずもって先行すべきものであって、それをいかにして抑えるかというのは第二次的な対症療法ですから、国鉄が入っておることが不都合であるとは私自身は考えないのです。
○井上(普)分科員 これがいままでの産業優先の考え方にほかならなかったと思うのであります、政策自体が。私どもは、現在ではいかにして人間、自然環境を保全するかということを重点にした政治にならなければならないと思う。あなたの考え方は、あなたも、国鉄総裁は技術屋さんでございますので、技術が先行して、それに対していかにして防止するかという考え方に立っておる。しかし、いまでは違いますよ。やはり自然環境をいかにして保全するか、そのためには技術開発というのはいかに抑えるべきか、こういう考え方に立かなければならない時期が来ておると私は思うのでありますし、そのような考え方で今後の経済政策を改めるということを三木内閣は言明しておるはずであります。あなたの考え方というものは私は納得できない。技術が進歩する、結構なことです。しかし、それをいかにして人間社会、人間の生活と調和させるか、あるいは自然のままに保存せしめるかということをともかく中心に物事を考えかければならない時期か来ておるのであります。技術が発達すれば種々の公害が起こるんだ、だからその公害を防止するためには専門家が必要なんだということじゃない。初めからいかにして人間生活、自然環境を守るんだということが優先するような政治に転換しなければならないと思うのですが、大臣いかがでございます。
○木村国務大臣 私は、井上委員のおっしゃっておられることと国鉄総裁の申し上げておりますことと、方向としては同じだと思うのです。国鉄も騒音なり公害なり、その防止に一生懸命いま努力をしておるわけでございます。いろいろな研究序しておるわけでございます。そういう研究知識を持った者がやはりそういう問題の委員会に参加するということは、私はむしろ有効ではないか。しかも国有鉄道でございますので、準政府機関でございますので、一般の企業会社とも違うという点もございますので、世間の受ける感じもよほど違うと思いますし、その点は十分理解をしてもらわなければならない。おっしゃるところは私は同じように考えるのであります。
○井上(普)分科員 私は、大臣おっしゃるけれども、理解できない。国民感情から言っても私は理解できないと思う。これはまた私、運輸委員会に参りましてひとつ論議いたしましょう。あるいは公害委員会におきましても論議いたしましょう。時間がございませんので、この程度にしてこの問題は終えたいと思います。いずれにいたしましても、私はただいまの国鉄総裁並びに運輸大臣の基本的な考え方、それについては大きな問題がある、いまの打ち出しておる政治姿勢は見せかけ的なものであると言わざるを得ないのであります。 それはその程度にいたしまして、続いて国鉄についてお伺いいたしたい。 私も新幹線を月に四回往復さしていただいております。国鉄自体のサービスにつきましてはかなりいいものがあると私は思う。これは率直に私も認めます。また御努力に対して敬意を表したいと思います。しかしながら、あれに関連いたしております売店ですね、これは非常におかしげなものがある。端的に申すとお茶なんです。茶は一杯三十円する。これは値上げしたときに非常に問題になったけれども、現在どういうような売り方が車内でせられておるか御存じですか。あれは列車によって弁当会社が違うんですね。ひどいところになりますと、弁当を買わなければお茶は売らないというようなことが行われておるのを御存じですか。
○伊江説明員 御指摘のサービスの問題につきましては、一部御指摘の事実がございますけれども、指導をいたします立場といたしましては、お茶の問題に限定いたしますと、必ずしも弁当とお茶と一緒でなくてよろしい。むしろお茶の方をよけいに積んで、そして弁当と抱き合わせというのは非常な悪評がございましたので、それを改めるようにさしております。 それから弁当業者、いろいろ複数、数あるじゃないか、その数あるものが全部サービスの内容が違うじゃないかという御指摘だろうと思いますが、御承知のとおりいま「ひかり号」では食堂車がついておりますその食堂業者が自分でつくった弁当を売るということを一応たてまえにさしております。したがいまして、食堂業者が複数でございますので——これはサービスの競争の立場から独占はやめまして、複数の業者に競争さしております。この業者によるところの弁当販売、なるほどサービスのあり方に違いがある。これはわれわれ非常に気をつけまして指導いたしておりますので、御指摘の点ございましたならば逐次改めるようにいたしたいと思います。
○井上(普)分科員 逐次改めてもろうたんでは困る。直ちに改めていただかなければ困る。総裁、なんと弁当と抱き合わせでなかったら茶を売らぬというようなことが行われたんですよ。これはひどいもんでしてな、このまま公取に申そうかと思ったぐらいです。こういうことが行われておる事実を総裁初めて知ったでしょう。いまも伊江理事お認めになったけれども、こういうことが公然として行われておる。弁当にいたしましても非常にまずい。これは人の味覚の問題でございますので、私はとやかく言われないように思うが、私が一番まずいと感ずる帝国ホテルがこのごろどんどんと進出しつつある。東京駅の「ひかり」の新幹線のホームに売店が一つできたなと思うと、それが帝国ホテルの売店である。あれっと思っていると弁当もどんどん値上がりしまして、何といまでは七百円の弁当を帝国ホテルが売っている。食ってみたら私の味覚ではどうもうまくない。資本の大きいところはどんどんと大きくなるんだわい、国鉄さんもそんなことばかりやっておるのかいな、こう思ったのですが、一体どういうような仕組みで業者を選定しているのですか。乗客に対するサービスがいい悪いで選定しているのですか。あるいはまた、何ですか、国鉄に対する上納金、そんなものが多いのでやるのですか、どうなんですか。
○伊江説明員 まず原則論を申し上げますと、資力、信用がありまして、サービスの提供の可能な業者ということに限定されてきます。ただいま御指摘の東京駅に日本食堂の売店があるじゃないか、それから新幹線の食堂は日本食堂がやっているじゃないか、こういうことにつきましての御指摘かと思いますが……(井上(普)分科員「いやいや、新しく帝国ホテルが出てきたんだ」と呼ぶ)先生の先ほどの御質問は私が聞き違えたのかもしれませんが、新幹線の食堂車の営業は実はペイはしておらないのでございます。最近御承知のとおり非常に人手不足でございます。サービス要員確保というのは非常にむずかしくなっております。そのために食堂営業だけではなかなか成り立たない。したがって売店あるいは弁当販売、そういう多角的な経営をさせることによって総合的に相補わせる、こういう立場から種々の施策を講じ、しかもそれがサービス低下につながらないようにペイをさせる、こういうつもりで業者を選定しているわけでございます。したがって資力、信用、つまり長期的にサービスの維持ができるという立場から業者の選定をしている、こういう状況でございます。
○井上(普)分科員 そうしますと、乗客の便利ということは全然考えていないということですか。帝国ホテルがえらい進出してきて、あそこに売店をつくってきた。私の味覚からするとあのまずい帝国ホテルがなぜ売店までつくるんだろうと私は不思議に思っておった。これは私も二、三の同僚に聞きました。どの会社の食堂が一番まずいだろうかと言って聞いたら、帝国ホテルというのは異口同音だった。これは私の聞いた数少ない人の感じでございますから、そう権威があるものじゃございません。しかし私はそう思う。その一番まずい食堂車が食堂営業だけでは成り立たないというのでわざわざ売店をつくらせておる、そしてまた一番高い弁当を売らせて営業させておる。お客さんあるいはこれを使う人たちのことを一体考えてくれておるのか、どうなんです。お客さんを中心に物事を考えるべきじゃないのですか、国鉄というのは。業者を中心にして物事を考えているのですか。
○伊江説明員 御指摘のとおりで、お答え申すまでもないと思いますが、それはやはり乗客を第一に考えてのサービスでございます。ただ、私どもがいまやっておりますことは、できるだけお客様の御選択の可能性の範囲を広げるという立場から、安い弁当につきましては最低限の値段でもって販売できるように、これは届け出制、承認制をとっております。しかし、中には、これはまずい、したがって、値段はたくさん払ってもいいからそれに見返るおいしい弁当をつくってほしいというお客さんもいらっしゃいますので、これにつきましては特殊弁当と称しまして、それぞれの業者のアイデアを込めたいい弁当、しかも値段も適当な値段ということで別に販売しております。したがって、最低限度の食事はある程度確保するけれども、サービスのより多いものをお望みの方にはそれに相当する対価を取っての販売品を提供させていただいておる、こういう状況でございます。
○井上(普)分科員 いや、あなたのお話、最初におっしゃられたのは、食堂営業が成り立たないのでああいう販売業者にまでやらさせたのだ、こうおっしゃる。どうです。これは食堂営業をやりたいという業者がたくさんあるのでしょう。ありませんか。その中で信用あるいは資力があるものを選ぶのだ、こうおっしゃる。それはある程度は私も納得できます。その点は納得はできるけれども、競争が非常に多いときに、私の味覚からすればあのまずいところをあえてえらい保護しなければならぬという理由が私は見当たらないのです。
○伊江説明員 ちょっとその点については一言申し上げたいと思いますか、実は食堂業者というのは先ほど申しましたように全然もうかる商売じゃないのです。したがいまして、実は辞退を申して、いままで食堂業者であったものが俗な言葉で言えば逃げたという業者もあるわけでございます。先ほど私が申しました列車食堂の業者の総合的なペイを確保させるためということは、結局食堂がもうからぬものですから、そのしわ寄せが乗客の食料品にはね返ったら困るという心配があるわけです。したがいまして、そういったものは総合的にペイさせて、そして価格も維持するし、それから品質も維持する、こういう立場だということを申し上げておきたい。
○井上(普)分科員 何をおっしゃっているのです。あなたは実情をどれくらい知っておるのか、私はこれは不思議に思い出した。三百円の弁当が最初ありましたが、四百円ができると三百円の弁当の質というのはどんどんと低下してきた。七百円の弁当ができてくると四百円の弁当は内容がどんどん低下してきておる。こういうことを御存じですか。これは私は決して運輸省なり大蔵省の統計資料を信用するものじゃないけれども、余りに独占企業であるがために、乗客は買わざるを得ないがために、もうからんかなばかりの仕事をしておるのじゃないですか。そしてまた食堂がもうからぬとおっしゃるけれども、本当にもうかっておるのかもうかっていないのか、あなた方は一体お調べになっておるのですか。あれはまずいから行かないのですよ。安くてうまければだれだって行くのですよ。それをわざわざ、あなた、たくさん志望者があるにもかかわらず、これを選定してやっておるのじゃございませんか。あるいは国鉄一家と言いたくないけれども、国鉄一家という言葉がある。どうです。日本食堂やあるいはまた帝国ホテルの役員に国鉄の古手を送り込んだ例がありますかないですか、どうです。あるのでしょう。
○伊江説明員 まず前段の御質問にちょっとお答えをさせていただきたいと思いますが、非常に食堂業者が数が多くて、しかも数が多いにかかわらず……(井上(普)分科員「申し込みをしたいやつはたくさんあるはずだ」と呼ぶ)そういうお話でございましたが、実はそんなにございません。これははっきり申し上げます。しかし私どもはやはりサービスの競争をさせなければなりませんので、その中でまあまあと言いながらやっていただいているというのが本当の話なんです。と申しますのは、先ほど申しましたように食堂業者というものは全国に店舗を持ち、そしていついかなる列車の事故がありあるいは風水害で封じ込められた列車があっても、それに弁当の給食までさせるというふうなことも無理強いにやらせているわけです。夜中につきましても朝につきましてもそういうふうな無理をさせており、しかも最近人件費が上がりまして、食堂の従事員というのが列車に乗る不規則な勤務にたえられないというので定着率が悪い。しかも材料が上がってきて、国鉄の値段によって抑えられるというかっこうになりますとやはりペイをしなくなって、それで辞退する業者も出たということは先ほど申し上げたとおりでございますが、そういうものをやはり確保さしてそれのサービスの低下を食料品にはね返らせないためには、それに総合的なペイを支えてやる何かを与えてやらなければならぬ、こういう立場からやらせているわけでございます。したがって、決して私どもが先輩を送り込むとか何をするために独占をさせているという結論には結びつかないということを申し上げておきたい。 そこで、最後の御質問の先輩を送り込んでいるかということは、それは若干送り込んでございますが、いまは私、手元に数字を持っておりません。
○井上(普)分科員 私はどうもそのにおいがしてならないので、私確信なくていまお伺いしたのです。やはり国鉄も、帝国ホテルあるいは日本食堂に送り込んでいるのだなという感じがしておるのであります。これは、どうもいまのやり方が乗客本位でない、あなたが幾らおっしゃっても乗客本位でない。ですから、先ほど申しました極端な例ではございますが、弁当と抱き合わせでなかったらお茶を売らないということも平然と行われるのです。これは改善したとおっしゃいますが、事実、私は一カ月ほど前にも体験しておるのです。総裁なり大臣、何か御所見がありましたら承りたい。いかに悪いかということは大臣もお乗りになって——大臣か乗るというと護衛もたくさんつきますから、サービスこれ尽せりで、われわれとはまた違ったような感じをお持ちになるかもしれませんが、この点、いかがでございましょう。
○木村国務大臣 私は大臣になりましてまだ二カ月ですから、それ以前は先生と同じような立場でよく利用しておりましたので、私もよくその点は経験をいたしております。 そこで、私考えますのに、いまの御質問の中の基本的な問題については、国鉄の伊江常務理事が申し述べたことが、私は事実であろうと思います。ただ、われわれが乗ってみまして、具体的にいまお茶の話がございましたが、そういう経験も私持っております。それから、コーヒーを注文いたしますと、紙のコーヒーカップに筋があるのですが、それより半分も下の方にコーヒーを入れて正規の値段を取る、そういうふうなこともありますので、個々のそういうサービスのときの監督が徹底する、指導が徹底するということについては、私はもっともっと指導を強化すべきであると思います。 基本的に食堂営業等につきましては、常務理事が申し上げたのが真相のように私も思いますし、またそういう話もよく聞いておりますので、やはり個々のサービスについてはもっと指導をすべきである、かように思います。
○井上(普)分科員 私は、実は茶は弁当と抱き合わせでなければ売らぬというときに、車掌に申したのです。早速上司に伝えておいてほしいということを私は申したのです。しかしながら、後一月して乗ってみましても、やはり依然としてそれは行われておった。一体国鉄というものは乗客に重きを置いておるのか、どうなんだろうと思って不思議に思ったのです。私は認めるところは認めておるでしょう。国鉄自身のサービスについては、私は及第点を差し上げることができると言っているのだ。しかし、関連会社の食堂とかああいうような利便施設については、遺憾ながら落第点を出さざるを得ない。どこに原因があるかと言えば、やはり利益追求のためなんだ。しかし、それに重きを置いておる国鉄のあり方、これについては、国民は納得いたしますまい。また私は納得できません。これは、時間がございませんので、私はこの程度にしておきますが、ぜひとも国鉄自身は乗客の立場になって物事を考える、これが基本でなければならぬでしょう。先輩を送り込んでおるがために遠慮する。さっきの公害でも、振動部会にあなた方も送り込んでおる。やはりあなた方の意見ばかりが通るようになっているんだ。食堂業者にあなた方が先輩を送り込んでおれば、それは疑惑をもって見られるのは当然なんだ。ここらの姿勢をひとつ正していただいて、真に国民に愛される国鉄であらんことを切に要求いたしまして、私の質問を終わります。
○谷垣主査 これにて井上普方君の質疑は終了いたしました。 次に、佐野進君。
○佐野(進)分科員 私は、都市の交通の中に占めるいろいろな問題について、大臣と警察庁に質問をしてみたいと思います。 まず、大臣にその認識をお伺いしたいのですが、今日、東京を初め大都市の交通渋滞は目を覆わしめるものがあるわけです。したがって、これの解決というものは緊急を要する重大な課題になっておる。特に公害、いわゆる騒音であるとかその他いろいろな問題において、住民の生活はむしろ単に交通渋滞ということだけでなく、こういうような悪害が発生しつつあるわけであります。社会的な問題になっておるわけであります。こういうような情勢に対応して、大臣は一体交通運輸におけるところのこういう行政に対して、どのような決意を持っておられるか。まず第一に申し上げますならば、住民の立場に立っているのか、あるいはそれらを運営している企業ないしはそれを利用しておる人たちの特定の人たちの立場に立って行政をやっておるのかという基本的な問題について質問してみたいと思います。
○木村国務大臣 都市交通におきまして交通機関が円滑に渋滞なく流れていくということは、とりもなおさず、その都市における住民の皆さんのためのものでございます。したがいまして、都市交通が渋滞するということは、都民の、あるいは市民の日常生活にいろいろな意味で非常に影響がございますので、これを円滑にしていかなければならぬというのが、基本的の立場に立っての総合都市交通政策であるわけでございます。
○佐野(進)分科員 私は毎年実はこの分科会に出て、時の運輸大臣に、都市交通の面における路面交通を中心にした行政について質問をしておるわけです。そういうことについて、各大臣の見解は、いつもいまあなたの言われているように、同じことを言っておるわけです。 さて、それではその見解に基づいて具体的な対策いかんということをお聞きいたしますと、かつて中曽根さんが運輸大臣をやっておるとき、環七以内には大型車は入れないとかというような、多少具体的な答弁があったように私も記憶しておるわけですが、それ以外は抽象的な答弁で終わっておるわけなんです。そこで、きょう大臣にこれから質問することについては、できる限り具体的なお答えをいただきたいと思うのであります。 まず第一に、住民の立場に立って運輸行政を行うということでありますれば、結果的に今日の路面交通が渋滞している大きな原因の一つに、不要不急の車の都心地域に対する乗り入れ、あるいは産業政策的な意味において、そこを通らなくとも通過でき得る状況があるにもかかわらず、そこを通過することによって巻き起こっておるところの混乱等々、幾多の条件があるわけであります。 そこで私は、まず、そういうような立場に大臣がお立ちになるとするならば、大衆輸送機関を強化することによって交通混雑を解消する、そのために重点的な対策を立てる、こういう考えが当然あってしかるべきだと思うのでありますが、その点いかがでございますか。
○木村国務大臣 まさに御指摘のとおりでございまして、そういう見地に立ちまして、すでに大量大衆交通機関の整備にずいぶん以前から努力をいたしておるわけでございます。たとえば、地下鉄の網をふやしましたり、あるいはバスの優先運行、そういうふうな問題につきまして、警察当局と連絡をとりながら、毎年毎年いろいろな措置を講じて今日までまいっておるのは、おっしゃるとおりの趣旨からでございます。
○佐野(進)分科員 そこで、もう一歩突っ込んだ御答弁がいただきたいと思うのでありますが、たとえば、いまお話にございましたように、運輸当局もこれらの問題について積極的に努力していることを私も認めます。たとえば地下高速鉄道の建設促進、あるいは建設費の補助、バス購入費の補助、バス専用レーン、優先レーンの強化等々、各種の行政に対してお取り組みになっておることは事実であります。ただ一方、そういうことをやっておりながら、現実に都市交通は渋滞を続けておるわけであります。そしてその中から交通公害が発生しているわけであります。そういうような形の中で私どもが運輸行政を見てまいりますると、いわゆる住民本位の運輸行政を行う、都市交通対策を行うについては権限が少し少ないのではないか。運輸省に対する都市交通行政というと、許認可あるいはその他についての若干の指導というところで、あとは警察行政、自治行政、そういうような形の中で対処して、また運輸当局もそれでいいんだというような姿勢が私には見られるわけであります。しかし世界的なこの種事態に対するところの各政府の取り組み等を見ましても、積極的な強力な力のある機関がこれに対処しておる、こういうことを見ることができるわけでございまするが、そういう面からするならば、それから情勢に対処した一応——全部ということはなかなか今日のわが国の政治情勢の中では考えられませんが、先見性、先を読んだ上でことしはどうだ、来年はどうだ、そして三年後にはこの交通渋滞を解消することができるんだ、交通公害をなくすることができるんだ、それにはこの種対策が必要であり、これを運輸行政として運輸省が行うんだ、こういうような見通し、先取り的な見通しがなければならぬと思うのでありまするが、こういうことをやっておるかどうか。やっておるとすればその内容をひとつお示しいただきたいと思います。やっていないなら結構です。
○木村国務大臣 都市の、特に路面交通を中心にいたしますところの交通対策といたしまして、それを行う権限官庁が二にも三にも分かれておるというのが現状でございます。しかし、これはずいぶん長きにわたってその状態が続いておりますので、その行政官庁相互間のいろいろな摩擦であるとかあるいは間隙というふうなものが従来はちょこちょこあって、その解消に努力をしてまいっておりますが、もう年数がずいぶんだっております。われわれとしてはそれらの官庁と本当に連絡を十分にしながら、いまは別にそれが一つの官庁にまとまらなくてもまとまったと同じように機動的な動き方をして都市交通の問題に対処しておると考えております。私もかつてその衝に当たったことがございますので、そういう感じを非常に持っております。 それから先を読んでの交通対策はどうなっておるか、もちろん都市交通審議会等審議機関がございまして、それに諮りまして、当面の対策のみならず、長期の展望の上に立っての交通施策を考えながら、その実施に努力をしておるというのが現状でございます。
○佐野(進)分科員 相変わらず抽象的な答弁で終わるわけですが、いま大臣、世界各都市がこの問題について積極的に取り組みをしております。その取り組みに対してわが国はどうかというと、何もないという答えが出ているわけですね。たとえば二、三日前のテレビ報道でもありましたとおり、世界の主要都市であるロンドンであるとかワシントンであるとかストックホルムであるとか幾つかの都市を紹介して、これらの都市においては今日わが国において発生している状況と同じような状態下にあったけれども、このような対策をとることによって、これらすべての問題について解消している、解消への道を進みつつあるという積極的な報道がなされておりましたね。大臣見ておられるかどうかわかりませんが。そしてそれに比較してわが国では松江であるとか金沢であるとかという例を指摘しておったけれども、それはそれら欧米先進国に比較すると、それすら実行でき得ないほどきわめて弱いものであるという報道があった。私はこの問題を質問しようと思って準備しておりましたので、まことにその内容が私の考えと一致しておりまして、私が多年この分科会で運輸大臣に質問してきたことと同じ状況であったので、わが意を得たりという思いでそれを見ました。大臣あるいは運輸省関係者でそれを見た人おると思うのですが、これに対してどのような所感を持っておられるか、ひとつここでお示しいただきたい。全部が見ていないのならこれはしようがないけれども。
○高橋(寿)政府委員 私もそのテレビは終わりの方しか見ませんでしたけれども、見た感じでは、私が従来いろいろな機会にいろいろな形で受けた情報とほとんど同じものでございました。これは決してお言葉を返したり弁明するつもりはございませんけれども、よくああいった種の番組あるいは雑誌等で報道、提供される情報、たとえばストックホルムの状態あるいはアメリカの地方の都市の状態等報道されるわけでありますけれども、これは比較的人口が小さくして町の広がりも小さい場所においてかなり成功している例といったものが多くて、東京のような一千万の人口を抱える都市にすぐ適用できるようなものが必ずしも見当たらないのは非常に残念でございます。もちろん、ニューヨーク、ロンドン、パリ等におきましても試みはなされておりますけれども、そういった試みの中では、もちろん、東京におきましても、たとえばバスの専用レーンの設定でありますとか、あるいは道路によりましては朝晩で交通の向きを変える。レーンの幅を変えるというふうなことも警察がやっております。 私は、日本の都市交通問題を一元的に所管する権限官庁はいまのところございませんけれども、この数年来、警察庁、建設省、運輸省その他の交通に関係がある官庁のそれぞれの立場での都市交通問題解決に対する努力は非常に目覚ましく進んでいると思います。そして事実そういったことが一歩一歩実ってきていると思います。 ただ、私は最後に、これは世界の大都市でもどうしても踏み切れない問題であり、そして私ども日本の大都市でもどうしても踏み切らなければならないと思っている問題は、先ほど先生も御指摘の、都市を走る自動車の中で必要度の低いものを制限をし、必要度の高いものを優先させるという方策をどうとるかということが最後のテーマであります。これについては世界の大都市も悩んでおりますし、日本の大都市は世界の大都市以上に過密公害に悩んでおりますので、これは何としても政府関係機関が努力して解決したい。そこで、幸い排気ガス対策閣僚協ができまして、その下部に関係各省の局長レベルの会議ができましたので、私は何としてもこういったところで第一歩を築いていきたいというふうに考えまして、目下関係各省と連絡をとりながらそういった方策を検討しているところでございます。
○佐野(進)分科員 それでは局長にもう一点聞きまするが、あなたも私も同じようにこの問題解決のために努力しているという形の中でいまのような答弁が出たと思います。非常に熱意があってよろしいと思う。そこで、私はお聞きしたいのですが、あなたが仕事をやっている上で、一体この種問題の責任官庁としてどこの省が当たることが最も適切であるとお考えになっておられるか。私は運輸省がこの衝に当たるべきではないかという見解を持っているわけであります。それは警察庁あるいは自治省、環境庁等いろいろの省庁がございますが、そういう点については比較的公平な立場でものを見、処理することができるというような判断を持って、いま質問しているわけですが、その点いかがですか。これは大臣もその後で御答弁願います。
○高橋(寿)政府委員 私の考えでは、利用者のためにいかなる交通サービスを提供するかという仕事は運輸省の仕事でございますので、私たちが各省に対していわばそういった問題点を投げかける。そして交通の流れをよくするという仕事は警察庁、もともと交通の基本的な供給力である道路、駅前広場等の整備をするのは建設省という形で、主としてこの三省が手を握っていくことが解決の一番早道であると思います。
○木村国務大臣 白紙でものを考えますれば、私はサービス行政をやっております運輸省の仕事、道路行政をやっております建設省の仕事、道路交通警察権を持っております警察の仕事、これの権限をそれぞれ持ち寄って総合的な一つの官庁があることが一番いいと思いますが、これは白紙の上に立っての机の上の議論でございまして、現実はいま自動車局長が申し上げたような形で十分遺憾なく効果が発揮できる運営をやっていっておりますし、今後さらに欠点を直しながらやっていくというのが現実の方向であると考えております。
○佐野(進)分科員 大臣の答弁はどうも大臣答弁だからしようがないのでしょうけれども、熱意が見られないのですよ。答弁すればいいというだけの形でしか答弁していないのですよ。私は、先ほど来主張しておりますとおり、今日の都市交通行政はだれでもが感じている状態だと思うのですよ。だれでもが感じ、これを何とかしなければならない環七公害の問題については、もはやその付近に住む住民が人間としての生活に耐え得る限界が来てるということすら訴えているわけですよ。そういうような状況にあるとするならば、これは大臣、もう少し情熱を持ってお答えをしていただきたいと思うのです。 私はこの種問題を単に排気ガス問題を初めとする一連の問題と関連して無理に結びつけて質問しようとしておるのではないのです。この事態をどうやって打開していってもらえるか、そのために行政当局としてどうして取り組んでもらえるかという、そのことの願いを込めて質問しているのですよ。だから私は自動車局長の答弁は感ずるわけですよ、その意気込みを。これからの質問に対して、大臣の答弁はもう少し熱情を込めて答弁をしてもらいたいと思うのです。 そこで、いま質問申し上げましたことによりますと、結果的に、不要不急という言葉が適切であるかどうかはともかくといたしまして、世界的な各大都市における行政もそうでありますけれども、交通規制というものをやはりこの際採用する、地下鉄網の整備あるいは大衆交通輸送機関の充実と相関連して交通規制の強化ということが今日最大の課題になっておるわけです。 その交通規制の強化の方法としては、いわゆる総量規制でいくのか、その総量規制がまた間接規制でいくのか直接規制でいくのか、いろいろな問題があるわけであります。 私は、これらの問題についてはやはり交通規制を行うという形の中において、これから後また質問をいたしますが、実質的な問題としては、この総量規制の問題を離れてはやはり論ぜられないような感じがするわけでありますが、これについて自動車局長、さらに警察庁の答弁を求めたいと思うわけであります。
○高橋(寿)政府委員 私も、その点につきましては先生の御意見と全く同じでございまして、都市の路面をアトランダムに動き回っておりますこの交通量というものを、何らかの形で減らすということをしない限り、現在の都市空間に限界がございますので、解決できないと思います。 減らすときの哲学は、私が先ほど申し上げましたように、まず都市交通においては一〇〇%の自由なる交通はないという点だと思います。それぞれの人たちが、たとえば七〇%の自由でがまんすることによってマキシマムの自由が得られるという点だと思います。したがいまして、考え方としては、より優先度の高い、社会的に見て優先度の高い交通を優先させ、低いものを劣後的に扱うということをあらゆるシステムを講じて実現するということだと思います。 その手段としましては、たとえば警察でお願いしておりますような駐車禁止の規制を強化いたしまして、不要不急の車がやたらに入ってくるのを抑える、あるいは特定の道路についてはバスの優先、専用レーンをやってバスの優先通行を図ると同時に、バス以外の車両の劣後的な扱いをするというようなことが大事だと思います。それからさらには、特定の道路については一般車両の進入禁止もあってもいいかもじれませんし、そういったことをお願いをする。 またそういったことと並行いたしまして、全体として、車を都市で使う場合に何らかのディスインセンティブをかけるということも考えなければならないと思います。これは課徴金とか税制とかいろんなことがございますが、そういった場合に、やはりただ車を持つから金がかかるということじゃなくして、持っている車を使うことに金がかかる、走行の量に応じて金がかかるという課徴令というふうなものも、あるいは将来の問題として考えまして、全体として規制の実を上げることが正しいと思います。都市の交通、特に路面の交通の問題は非常に複雑多岐でございますので、一元的、一義的な方法で全部片づくことはないと思います。私はよく総合ビタミン剤と言っておるのでございますけれども、ビタミンA、B、C、D、E、F、G、H、あらゆるものを一緒にくるみ込んで飲むからそれぞれの薬の効果が相乗的に作用する、これが総合ビタミン剤の効果であると思いますが、交通規制も各省で持っている権限をきめ細かく検討しながら、何本かのものを同時並行的にやるということが大事である。そういった意味で、いまや関係各省間の協力が今日ほど大事なときはないと思います。
○森説明員 基本的には、ただいま運輸省自動車局長からのお話のとおりだと思います。ただ、当面における交通対策というものはやはり総合的な対策であるべきだ、現象面的な事象だけとらえてどういうような対策を打つべきかというような、そういった問題ではなかろうと思います。しかし現実に交通の障害が起こっておるということに備えるためには、やはりわが警察としてはそれに対応するだけの施策を打っていくべきだということで目下取り組んでおるわけでございまして、現実に昨年から私どもといたしましては、各都市において総合的な体系的な交通規制をやっていくという観点から、都市における総合交通規制を強力に推進していくというような方針を打ち出しまして、当面の問題に取り組んでおるという状況でございます。
○佐野(進)分科員 警察庁の方から答弁があったんですが、総合的な対策、総合的な対策と言っていながら、実際的には具体的なきめ細かな対策も相当なされておるわけですよ。国会の審議だから具体的な問題どうということじゃないとはいいなから、来月二百から環七方式を六路線に適用するということを決められたでしょう。これなどは完全なる個別対策ですね。しかしこの個別対策は、あなたのいまの答弁からするならば、好ましくない一つの現象であるかもしれない。ところが、この種現象は、地域住民の盛り上がる運動の中にあなたとしては取り上げざるを得なかったというぐあいに答弁としては聞こえてしまうんです。答弁としてはですよ、あなたの前提がそうだから。私はそれであってはいけないと思う。交通規制の方法もあるいは権限の問題はともかくとして、警察として行うものも、地域住民のために交通がある。そこに住んでいる人たちのための交通である。規制するために交通が存在しているのではないと思う。だから、その地域の住民が何を望んでおるかということに焦点を当ててあなた方が規制を強化していかなければいかぬわけだ。規制を強化せざる限り、今日のモータリゼーションの世の中で自動車がふえる一方であるという形の中で、道路の建設がそれに対応でき得ない状況の中において、この問題の解決はあり得ないでしょう。 では、もう一つ聞きます。そういう意味において、あなたはこの種対策ですね、環七方式を含むいろいろな対策について、積極的に取り組んでいくお考えがあるのかどうか、この点をひとつ御答弁ください。
○森説明員 まさに先生、御指摘のとおりだと思います。私どもといたしましては、やはり地域住民の必要とする、そういった要望といったものを十分加味しながら、かつ全体的な交通の流れ、パターン、そういったものを十分加味しながら、要すれば個別的な問題点と総合的な問題点とを十分加味しながら、当面する具体的な問題について具体的な交通規制を考えていくということが大事だというふうに考えておりまして、まさに今回警視庁が近く始めます環七全線にわたって安眠対策としての交通規制を打つ、あるいは全国各都市における交通渋滞の緩和として打ち出しておるバス優先対策といったような問題も、そういったような要望にこたえて具体的な問題として処理していこうという観点からやっておるわけでございまして、私どもといたしましては、今後ともさらに強力にそういった対策を打っていくように各都道府県警察を措置してまいりたい、こんなふうに考えております。
○佐野(進)分科員 警察庁、もう一点。そこであなたがいま答弁されていることは、いわゆる大衆公共輸送機関を優先するという状態の中で、地域住民の要望にこたえて規制を強化していく、こういうことにつながると思うのですね。ところがこの規制が形式に終わってしまう場合がたくさんあるわけです。「バス優先レーン七時半から九時半まで」「専用レーン」と書いてあるところが、「専用レーン」と書いてないところと同じような状況の中で車が走っている例を幾らでも見ることができる。これはそうやっておりますよということを示すだけで、実際上その規制の効果を上げようという努力がそこにない。これはだめだと思うのですね。専用レーンと銘打ったならば、その時間内に一台の車も——やむを得ず入る車は別として、少なくとも走行する車のないように取り締まりを厳に行う、白バイを配置するとか、その他地域の警察官をそこに配置するとか、こういう形の中で行うべきだと思うのであります。それを行わなければこれは意味がないと思うのでありますが、この点の見解だけをひとつお示しいただきたいと思います。
○森説明員 バス優先対策につきましては、ただいま先生から御指摘のとおりでございますが、私どもといたしましては、やはりそれぞれ打ちました交通規制についての施策が十分にその効果を発揮するように、規制の内容についてきめ細かく検討を加えますと同時に、その規制の内容が実効が上がるように今後とも指導、取り締まり面につきまして十分配意してまいりたいというふうに考えております。
○佐野(進)分科員 大臣、いまお聞きのような問題について、時間が参りましたので、最後に質問してみたいと思うのであります。 今日の都市における路面交通の渋滞が公害とも結びつかれた形の中において、単なる渋滞ということだけではなくて公害とも結びつかれた形の中において、警察当局もついに環七方式というようなものを広く各地域にも採用する。また私たち、その自動車公害の騒音なりあるいは悪臭といいますか、排気ガス、それに悩まされて生活していなければならぬ道路付近住民の苦痛というものは大変なことだと思うのです。したがって、これを緩和する方法は、結局さっき言った交通行政全般にもわたりますけれども、当面する課題として、交通規制の強化、総合的な交通対策の樹立、その中におけるところの一貫した行政指導というものが強力に行われなければならぬと思うのであります。その柱は何といっても大衆公共輸送機関を充実する中で、不要不急の車に乗って、今日の資源問題がきわめてやかましいとき、その多量なガソリンを使用するというような形の中において、国策にも反するようなそういう状況をやはり排除する中で、国民ひとしく苦しいときは苦しい、いいときはいいという状況を分かち合いながら生活する、そういう行政を運輸大臣としてはぜひひとつ強力に指導していただきたいと思うのでありますが、その見解をお聞きして質問を終わりたいと思います。
○木村国務大臣 個々の具体策については自動車局長が申し上げたとおりでございますが、私は基本的に、やはりいまの不要不急の車の問題等も、指導しあるいは監督し、制限する方の側だけではどうにもならぬと思うのです。やはりそういった車を使う人も都民であり、市民であるわけでございますから、そういう使う方々もこの都市の交通混雑解消のために十分責任を持っていただいてその車を使っていただくということが私は一番大前提ではないかと思います。そういう点についての理解、徹底も大いに図っていかなければなりませんが、同時に、監督し、制限し、規制するところの交通機関に対する指導監督、そういうものも今後十分やっていかなければなりません。その基本的な行き方は、いまあなたのおっしゃった考え方、私もそのとおりに思います。そういう考え方で今後進めてまいりたい、かように考えております。
○佐野(進)分科員 終わります。
○谷垣主査 これにて佐野進君の質疑は終了いたしました。 次に、荒木宏君。
○荒木分科員 関西新国際空港の位置と規模にかかる航空審議会の答申が出されましたが、私はその内容、手続ともに重大な問題点があると思います。 そこで、政治姿勢にもからんで運輸大臣にお尋ねをしたいのでありますが、たとえば答申内容では、昭和六十年の航空需要予測を立てないままで答申がなされた、御存じのとおりと思います。位置にしろ規模にしろ、需要予測というものは計画の一番の前提をなすものでありますけれども、こういった前提を立てないままでの答申を——たとえばその部分について申しますと、大臣はそのままよろしいという態度をおとりになるのか。一般的に答申に対する政府の態度は、すでに間々伺っておるところでありますけれども、たとえばいま申し上げた点についてそれを是認される、また運輸省の方針としても今後そういうふうな立場をそのまま続けていらっしゃるか、あるいはその点については科学的なまた綿密な予測作業を改めてお進めになるか。これは技術的な問題というよりも、むしろ大臣の政治方針、政策決定、政治指導にかかる問題としてお尋ねしたいと思います。
○木村国務大臣 詳細は航空局長から申し上げますが、将来の見通しに立っての関西国際空港の検討が必要である、私もそう思います。航空審議会が関西国際空港をどうすべきかという審議の中におきましても、将来への見通しも検討の中に入れて結論を出してもらっておると思っております。
○中村(大)政府委員 先生御指摘のように、関西国際空港につきまして諮問をいたしました時点では、現在の大阪国際空港では、将来増加する輸送需要に対して、とうていこれを賄い切れないということで、新しい空港についての諮問をしたことは事実でございます。 諮問を受けまして審議会でいろいろ審議をされます過程におきまして、全体の経済情勢というものについて変化が生じました。それから環境問題というものが大きな要素として入ってまいったわけでございます。そういうふうな新しい要素の中で、審議会といたしましては、環境との調和ということを重要な要素として審議をされたわけでございます。 将来の需要予測につきましては、これは審議の過程でも明らかにされておられるように、結論を出される時点においては、明確な需要予測というものをする材料がそろっていない。ただ、従来考えておったような高度成長というものはないであろうけれども、しかしある程度の輸送需要というものは増加するであろう、そういう前提でこの空港についての位置と規模というものについての答申をされたわけでございまして、政府としては、そのような答申の全体についてこれを尊重して、今後綿密な調査をしながら建設計画を進めていくわけでございまして、その間において環境調査はもちろんいたします。その他あらゆる調査をいたしまして新しい空港の建設計画を進めていく、こういうことであろうと思います。
○荒木分科員 大臣、いま政府委員の方から説明がありましたように、この審議会は将来の予測が明確にできない。できないということをはっきり言っているわけですね。大臣は、先ほど審議会としても予測をしておるであろう、こういうことをおっしゃったんですけれども、科学的な予測ができないと明確に言っておるのを、それができておるだろうとおっしゃるのは、これは少し食い違いがありはしないか。ですから、個々の技術的な点はおきまして、私は物事をありのままに、かつ科学的に見るということになりますと、多くの国費をつぎ込んで、しかも環境問題、開発問題、その他非常に大きな影響があるわけですけれども、そういうふうな政治方針のままでおやりになることについては問題がありはしないか、こう思うのであります。 そこで、大臣にもう一度お尋ねをいたしますが、明確な予測ができないというふうに言っておるその問題について、そのまま予測ができないという状態を是認されるのか、あるいは科学的にもっと詰めてみんなが納得するような予測を立てようという方針をお出しになるのか、その点をひとつ事務当局ではなくて政策決定に当たっての運輸省の方針として伺いたいと思います。
○木村国務大臣 関西国際空港の場合には、将来の予測は立ちにくいが、しかし現在までのような高度成長ということは考えられないので、このカーブは横ばいぐらいになるであろうということが将来に対する一応の前提であるわけでございます。それと同時に、現在の関西国際空港が騒音あるいは環境の問題からしてこのままではいけない、どこかに新しい空港を見つけなければならない、この二つの要素が加わっての新構想でございますので、その二つの要素からどこに国際新空港を設けるべきであるかという検討に入っての答申であると私は聞いております。そういう意味でございまして、これは経済の将来の予測はどうなるか、あるいは国民生活の将来がどうなるかということと同じような問題でございまして、五年、十年、あるいはもっと将来に対して的確な見通しを立てるということはなかなか困難ではあろうと思いますが、ただ、今日まで来たような高度成長経済に沿った諸条件が今後とも発展していくものであるということではないという点において今後のある程度の見通しといいますか予測は立っておるわけでございます。この問題と現在の関西国際空港の置かれている環境、その他の問題から新空港をどこに求めるかということになっておるのでございます。
○荒木分科員 大変漠然としたお話ですね。私が伺ったのは、はっきりしてない、政府自身も、まだそのことはできない、こうおっしゃっているのでしょう。将来の経済計画について、いままだそれはやれないから待ってくれ、こうおっしゃっているのでしょう。はっきりしてない段階で、いま位置のことをおっしゃったけれども、規模だって問題でしょう、どの程度のものをつくるか。はっきりしないままでやるという姿勢を今後もお続けになるのかどうか、可能な限り努力をして科学的な、みんなが納得していく民主的な方法をとると言われるのか、この二つのどっちかということを聞いているのです。はっきりしないということは審議会がはっきり言っているんですから、そのままでおやりになるのか、あるいはもっと科学的な、民主的な方法を政治的な方針としておとりになるのかどうか、これを大臣に伺っているのです。
○木村国務大臣 もちろん今後ともできる限りのデータを持って将来に対する見通しは立てていかなければなりません。私が申し上げましたのは、いまの段階ではその程度の見通ししか立たないということでございます。
○荒木分科員 だとすれば、その程度の見通ししか立たない段階で、あたかも見通しが立っておるかのように手続きを進めるのは再検討の余地があるのではないでしょうか。
○木村国務大臣 空港をどう求めるかという問題は、そういった将来の需要供給がどうなるかということだけで決すべき問題ではございませんので、ことに関西国際空港の場合は、現在あります国際空港がどうしてもあの場所では不適当であるということから出ておる考え方でございますので、一概にその需給あるいは経済の見通しが立っていないからどうというだけの問題で処理できない問題でございます。
○荒木分科員 もちろんそうでしょう。ですから私の方もたとえばこの問題ということで例示として伺っておるのです。ところが、大臣はなかなか科学的に厳密にやるということをおっしゃろうとしないではないかというふうに聞こえるのですね。私は当然のことだと思うのですよ。はっきりしないものをはっきりしないままで進めるというのは非科学的だ、私はそう思います。そうお思いになりませんか。はっきりしないものをあたかもはっきりしているかのように進めるというのは物事の道理に反するのではないか。はっきりしないものはもっと科学的に、民主的に事を進めていかなければならない、これは国民の要請です。ですからそのことをおとりになるかどうかということを聞いておるのですけれども、ほかのことに関連しておっしゃって、なかなか明確にお答えになろうとしない。 たとえば例でお尋ねしたいと思いますが、今度観測塔といいますか観測装置をおつくりになるという話を聞きました。こういった気象観測、海象観測のときにも国際的に認められた権威のある基準というものがあろうかと思います。たとえば先ほど大臣のおっしゃったことに関連をして、科学的、民主的に事を進めるという上からこういった国際基準というもの、それに準拠するような方法で進める、こういう基本的な方針をおとりになっているかどうか、これは例としてひとつ大臣のお考えを伺いたいと思う。
○中村(大)政府委員 今後進めます調査、まず行いますことは……(荒木分科員「内容は伺っておりません、政治方針の基本として伺っているのです」と呼ぶ)今後行います調査はいわゆる自然環境、自然条件調査ということから始めていくわけでございますけれども、この調査をするについては当然科学的に、またできる限り地方公共団体と十分な協議をいたしまして調査を進めてまいりたいというふうに思っております。
○荒木分科員 たとえば国際的に認められた権威のある航空関係の気象、海象の機構としてはどんなものがありますか。
○中村(大)政府委員 国際民間航空条約第十四附属書というのがございまして、「飛行場についての標準及び勧告」というものを定めておるわけでございまして、これが国際的な一つの標準であろうというふうに考えております。
○荒木分科員 ICAOというのがありますね。こういったところが決めておる基準というようなものは、大臣、これを尊重して事をおやりになる御方針ですか。
○木村国務大臣 尊重することは当然のことでございます。
○荒木分科員 先ほど局長の言われた観測ですね、これはいまのところ何年ぐらいやる予定ですか。
○中村(大)政府委員 何年ぐらいやるかということはいまの時点で予測はできないわけでございまして、五十年度から必要な調査を始めるわけでございまして、調査の過程におきまして、さらに詳細にあるいは別の視点からこれを調査しなければならないということも起こり得ると思うわけでございまして、したがって、いまの時点で何年間調査をするかということは申し上げることはできないと思います。
○荒木分科員 そうすると、とりあえず始めるけれども、いつ終わるかわからぬ、いつやめるかわからぬ、そういう調査でしょうか。また、先ほどおっしゃったICAOの方は、航空関係の調査について期限も決めなくてもいい、とりあえずやりさえすればいい、そういうふうな原則でしょうか。
○中村(大)政府委員 ICAOの附属書の中でいろいろ述べておりますけれども、その中に期限的なことも申しておる個所もございますし、また、そうでない個所もあるわけでございまして、全体としてこの標準を尊重して調査するわけでございますけれども、やはりいろいろな特殊性というものもございます。またこの調査をするに当たりまして、すでに与えられておるデータというものをどのように活用するかという問題もあるわけでございます。したがって、これからすべてこれを白紙で新しく調査をするということを、あるいは過去のデータを活用するかということも含めて考える必要があろうと思います。したがって、何年間何を調査するということを前もって予測し、断定することは不可能だろうと思います。
○荒木分科員 どうも局長の答弁は何をおっしゃっているのかさっぱり要領を得ませんね。ICAOの十四号の附属書の第三部で、たとえば「風の統計は、できるだけ長期にわたるべきで、少くとも五年未満でないものが望ましい。」観測方法についても規定をし、期間についても言及をしておるのですけれども、適宜始めて、やりながら様子を見てと、いま局長が言われたような趣旨のことはどこにもないように私は思うのですが、これは、先ほどそういったICAOのきめておるような原則は尊重すると大臣自身おっしゃったのですけれども、そういう点から申しますと、いまの局長の答弁ではなくて、具体的にその趣旨に沿った期間をつくり、そして厳密な調査を進めるべし、こう思いますが、大臣の先ほど御答弁になった点から見ていかがでありますか。
○木村国務大臣 御質問もちょっとわかりにくいのでございますが、ICAOにそういうふうに書いておりますので、それを尊重して、いまちょっと話がございました五年間の気象状況ですかね、どうかというふうなこと、もちろんそういうことは調べるわけでございます。
○荒木分科員 そうしましたら、大臣御答弁がありましたので、それはひとつそういう趣旨を尊重してお進めをいただきたいと思います。 時間の関係がありますので、いまおっしゃった点に触れて、たとえば調査を進める、その中で、何と言いましても、こういう規模の海上空港は国際的にも初めてでありますから、不測の事態が起こる、あるいは予期せざる結果が生まれてくる、また国民生活にとって、地域住民の環境にとって非常に重大な影響というものが蓋然性を持って出てくる。こういう事態になりますと、この答申内容について運輸省として白紙撤回をされる、そういうことになれば白紙撤回もする、こういうお立場か。いかなる事態、いかなる結果が出よりとも、もう当該の場所、当該の規模で建設をしていくという既定方針としてお進めになるお立場か。大臣、この点はいかがですか。
○木村国務大臣 そういうことも考えながら、候補地として予想されるところのその地点について環境アセスメントが必要でございますし、諸般の調査が必要であるわけでございます。現在は、その諸般の調査をいたしまして、その候補地と見なされておる地域がそれでよろしいかどうかということを調査中でございますので、いまの時点で何が何でも、いかなることがあろうともここにやるんだという段階ではございません。
○荒木分科員 だといたしますと、審議会答申自体も、調査が届いてない点は内容で指摘しておるのですが、こういう初めての試みで、もし途中で重大な事態、不測の結果が出たときには白紙撤回があり得るか、これを伺っておきたい。
○木村国務大臣 これは、もう絶対そこではいけないという結論が出たらやめざるを得ません。しかし、そういうことのないように、またそういうことがあり得るかどうかということを調査しておるわけでございます。
○荒木分科員 どうしてもそこではいけないという結果が出ることもありましょう。しかし、これは相当重要な影響がある、そこがいけないという蓋然性が高いという問題が出てくるときには、これはやはり再検討ということになるのじゃありませんか。
○木村国務大臣 それは私は当然のことだと思います。
○荒木分科員 この中で言われておりますことの一つは、地域社会の協力を得ること、このことを答申も指摘しておるのです。ところが、公聴会は四十七年に一回開かれただけであります、しかも東京で。この中で地元の大阪府黒田知事が公述をしておりますけれども、地元でも公聴会をやられるべし、住民の意見をもっと聞くべきではないか、こういう提案がありますが、大臣としてこの住民の意向をくむためのたとえば地元公聴会を開かれる御意思があるかどうか、伺いたいと思います。
○木村国務大臣 地元の住民の意向を聞くということは、私は非常に重要なことだと思います。したがって、その方法はどこでどういうふうにやるかということは今後の問題として研究をいたしたいと思います。
○荒木分科員 前の運輸大臣にも伺ったのでありますが、地元市町村議会、それから地元大阪府議会、あるいはそれぞれ自治体の市町村、いずれも御案内のように、反対の意思表明をされておる。そういった反対がある限りは、当然建設ということは、これはできないことでありましょう。またそういう趣旨をくめば、運輸省としても、むしろ建設を前提とした調査ではなくて、まず環境を調べる、住民の納得のいくような調査結果を示すということが、地元の関係団体、自治体の意向をくんだ方法ではないかと思いますが、いまの調査の目的、方針について、地元の関係団体、自治体の意向を尊重するという意味合いから、ひとつその内容、どうあるべきか、建設を前提にしての調査か、それともまず住民を納得させるための環境調査であるか、この点ひとつ大臣いかがですか。
○中村(大)政府委員 いま考えております調査は、いわゆる環境アセスメントというそのための基礎データとしての自然条件、こういうものを調査するということでございます。したがいまして、まずその環境アセスメントをいたしまして、しかる後に一歩進めた調査をするということでございます。したがいまして、現在は自然条件調査をまずやる、こういうことに尽きると思います。そのやり方については、これは地方公共団体と十分協議をいたしまして、御意見を十分に聞いてやりたい、こういうふうに考えております。
○荒木分科員 私どもは、答申が出ましたときに、運輸委員であります紺野議員の名前で談話を発表いたしました。機関紙の上で、内容、手続とも答申には問題があり、白紙撤回すべきである、こういう見解を発表したのでありますが、この当該の地域は、御案内のように、大変な大阪府下の公害過密状態の土地であります。いま空、海の両域についてはこの問題があり、しかも陸上では交通問題でも、人口がどんどんふえていくということで、特に関連して伺いたいのは国鉄阪和線の過密状態、輸送力改善の問題が指摘されておるのですが、それについて時間の関係がありますので、二、三まとめて御質問申し上げますから、御答弁をいただきたいと思います。 一つは、阪和線は混雑率が昭和四十八年で二六五になっております。これは東京、大阪の大都市周辺の路線では第二位であります。しかも、カーブが上昇してきている。沿線の人口増もますます予測されておりまして、たとえば阪和線の新家駅というところについて見ますと、四十八年、四十九年、それぞれ対前年比で乗車人員は三〇%増、それから取り扱い収入はいずれも五〇%増であります。こういう中で、いま四編成の車両がありますが、これを六両に増結するという計画があるかどうか。もしおありだとすれば、その内容、着工の時期、完成予定、工事内容など含めて、簡潔に御説明をいただきたいと思います。 第二点は、特に堺市駅−天王寺間は混雑率が高いわけですが、いまここは六両編成の車両が走っておりますが、これを将来八両に増結する計画をお持ちかどうか。なお、前に説明を受けましたときに、輸送力を強化する施設の一環として退避線を新設するというお話がありましたが、これは場所はどこに予定をしていらっしゃるか。 それから第三点として、昭和三十五年以降建造の新車両、一〇一系、一〇三系、これの新車入れかえ率が、阪和線ではいま五三%であります。ところが、他の大都市近郊路線はほとんど一〇〇%になっておりますので、この車両の増結に伴って、新車の入れかえをお進めになる予定があるかどうか。 それから第四点は、前に私も現地調査をいたしまして、路線に噴泥が出ておりまして、輸送安全の上から現場の方でも強く改善が要求されておりますが、それの改善計画について御説明いただきたい。 以上四点について。
○伊江説明員 四点御質問ございましたうちで、最初の三点、お答え申し上げたいと思います。 混雑率は、先生御指摘のとおりの、昭和四十八年で二六五%、これは快速電車の堺市と天王寺の断面をとった一時間の、ラッシュの一番きついときのパーセンテージであります。それから緩行電車、つまり各駅停車の電車が杉本町−天王寺間で二三六%、これも同じ時間帯でございます。これは、先生も御指摘のとおり、東京付近の国電の混雑率に匹敵する、確かにひどいと申しますか、込んでいる乗車率でございます。これをいろいろと、私ども昨年の七月から輸送力の改善をいたしました。お聞き及びかと存じますけれども、車両の新しいのを投入いたしまして、快速電車を増発、それから緩行電車と合わせまして二十二本という体制にいたしました。これは快速電車の方の乗車効率の方が高うございますので、これを緩和するという目的と、それから通勤時間帯に早く天王寺都心に到達させるという目的のためにいたしました輸送改善でございます。このため、また後ほどお答え申しますが、御指摘の新車両も六十六両ばかり投入いたした、こういう結論でございます。 まだこれは速報でございますけれども、四十九年の上半期の結果を見ますと、先ほど申しました二六五%という堺市−天王寺間の混雑率は、二六〇%程度になるのではなかろうか。これはまだしっかりした統計は出ておりません。それから杉本町−天王寺間の二三六%と申しますのは、二二〇%前後というふうに落ちるであろうという見通しでございまして、いまそのデータ整理中でございます。 それから、将来の輸送改善の問題として、一番混雑いたします堺市−天王寺間の六両編成の編成両数を八両にできないかという御質問でございますが、これは私どもその方向で勉強いたしておりますが、御承知のとおり、天王寺の駅に非常に大きな改良を要する問題でございますので、急にはこれは実ってまいりません。しかし、目標といたしましては、ぜひこれを八両化いたしたいという方向で検討を進めてまいります。これはしばらく時間をかしていただきたいと存じます。 それから、車両の増結に伴う待避線の問題、あるいはその待避線の新設するところはどこだという御質問だったと思いますが、これは現在のところ、御承知のとおり天王寺から日根野までは全部六両で運転いたしておりますが、日根野から和泉砂川までの区間が六両にまだなっておりません。四両でございます。そこをとりあえずは六両化いたしたいということで、この工事を五十年度に予定いたしております。 それから、さらにつけ加えて申しますと、現在着工中でございます待避線は、三国ヶ丘と津久野の間の上野芝というところ、これに待避線を新設いたします。これはちょっと工事が難航いたしまして、着工いたしておりますけれども、完成は五十一年度末というふうになろうかと存じますが、これによりまして輸送力は、快速になりますか緩行になりますかまだ決めておりませんが、ネットで二本増発ができる、こういうことでございます。 それから第三番目の御質問の車両の増結に伴う新車の投入はいかに、それから現在の新車率が五三%という御質問だったと思いますが、御指摘のとおりでございまして、私どももできるだけ都市近郊の電車の性能を向上いたしますために、新車を投入する計画を逐次年度を追いまして進めております。したがいまして、混雑度の高いところからそういう取りかえをいたしてまいりますが、阪和線は最近非常にその点では、御承知のとおりの五三%の新車の投入率でございまして、今後御指摘のようなことで新車の投入をしてまいりたい、こういうふうに考えております。 噴泥の問題につきましては施設局長から申し上げます。
○篠原説明員 先生御指摘のとおり、阪和線というのは最近非常に列車回数がふえてまいりまして、それだけ線路の破壊が大きくなったことは事実であります。昭和十九年に私どもが私鉄から買収いたしましてから、木のまくら木をコンクリートまくら木にかえる、あるいは古い砂利を砕石にかえまして、道床の強化を図ってまいりました。四十六年からそれを着工いたしまして、鳳までは全部済んでおります。現在東貝塚までを砕石化を進めております。これは道床交換をいたしますと、噴泥もなくなるわけでございます。東貝塚−和歌山間になりますと、通過トン数といいますか破壊力も減りますので、曲線部に重点を置いて道床を整備しております。しかしそれ以外の区間でテンポラリーに出る噴泥に対しましては、毎年三キロのぺースで噴泥を処理しつつあります。先生御指摘の現場は残念ながら美章園−杉本町の間でございまして、これは先生も御承知かと思いますが、実は立体交差の計画がございまして、昭和四十七年十月に大阪府と国鉄とで立体交差の協議が調いまして、ここは立体交差をやる。立体交差をやりますと噴泥の問題はなくなるのですが、地元との付帯条件で決議されております。これは現在十一回ぐらい審査を続けておりますが、公害審査会の結論を待って高架工事に着工するということになっておりますので、これを極力急いていただきまして早く高架側の仕事を着工したい。そうしますと、現在の路盤の上ですとどうしても噴泥が起こりやすいのですが、高架になりますと処置ができますので、実は美章園−杉本町間については現状を維持する程度の保守をしておりますが、早く高架にして抜本的ないい線路にしたい、こう考えております。
○荒木分科員 一つ答弁漏れがあります。第一点の四両を六両にする計画内容。
○伊江説明員 六両化の問題はさっき申し上げたと存じますが、あるいは落としましたら失礼をいたしました。四両を六両化いたします区間は、日根野から和泉砂川までの間の長滝とそれから新家両駅に六両化の対応の設備をしてから六両化にいたしたい。(荒木分科員「その時期は」と呼ぶ)時期は本年度着工いたす予定にいたしておりますので、五十一年の三月、つまり年度末にはでき上がるのじゃなかろうかと思います。
○荒木分科員 終わります。
○谷垣主査 これにて荒木宏君の質疑は終了いたしました。 次に、新井彬之君。 〔主査退席、内海(英)主査代理着席〕
○新井分科員 初めに精神薄弱者に対する運賃割引制度の創設についてお伺いをしたいと思います。 心身障害者対策基本法が制定されましたけれども、その趣旨、目的、それと制定後におけるいままでの実行措置、そういうことについて、どのように行われてきたか、まず初めにお伺いいたしたいと思います。
○井手説明員 心身障害者対策基本法は、心身障害者の方々に対する対策を総合的に推進するために制定されたものでございまして、一番問題になりましたのは、心身障害者対策そのものが各省にわたっておりますし、非常に広い範囲でのいろいろな施策をやらなければいかぬというようなことがございまして、必ずしもその施策が総合的あるいは連絡等について十分ではないということでございましたので、そういう意味において調整することもございましたし、それから心身障害者対策そのものにも基本的な方針を定める、こういうような形で設置されたものでございます。
○新井分科員 いま余り各省にまたがっているので、具体的には広い各省の問題になりますけれども、経済的負担の軽減ということでは第二十三条に「国及び地方公共団体は、心身障害者及びこれを扶養する者の経済的負担の軽減を図り、又は心身障害者の自立の促進を図るため、税制上の措置、公共的施設の利用料等の減免その他必要な施策を講じなければならない。」その第二項には、「日本国有鉄道は、心身障害者及びこれを扶養する者の経済的負担の軽減を図り、又は心身障害者及びその介護者の運賃等の軽減について配慮するよう努めなければならない。」こういうぐあいに明確に規定をされておるわけでございます。 そこで現在、この心身障害者の中には精神薄弱者とかあるいは内部障害者、こういう方が当然入っておると思いますけれども、その点はいかがですか。
○井手説明員 心身障害者と広く申しますといろいろの方々が考えられるわけでございますが、私どもで担当いたしております身体障害者福祉法の対象といたしております身体障害者の方々は、肢体不自由の方、それから目の不自由な方あるいは耳の聞こえない方、そのほかに心臓機能障害でございますとかあるいは呼吸器の障害の方々を内部障害者として対象にいたしております。
○新井分科員 精神薄弱者の方も入りますね。
○井手説明員 精神薄弱者の方を対象といたしますのは精神薄弱者福祉法というのが別にございまして、その精神薄弱者福祉法の対象に皆さん入っておられます。
○新井分科員 私の言うのは、この心身障害者対策基本法の中にそういう方が入るかどうかを聞いておるわけです。
○井手説明員 広くそういう方々も対象に入っております。
○新井分科員 そこでお伺いしたいのですけれども、現在国鉄がこの心身障害者対策基本法ということで運賃の軽減を図っておる対象者の方々はどういう方がおられますか。
○伊江説明員 いま私どもが身体障害者の割引として対象にいたしておりますのは、先ほど御説明がございましたけれども、重度の身体障害者で介護を要する者は身体障害者とその介護者の方、それから独歩の身体障害者、それから先ほども御説明ございましたけれども、施設に収容されている心身薄弱者、これが大体対象になっております。
○新井分科員 そうしますと、この心身障害者対策基本法の中で、広く一般にそういうことで厚生省の方は明確に見解があるわけでございますけれども、国鉄はその厚生省の内容、意見とは違うわけですか。
○伊江説明員 別に意見として食い違っておるわけじゃございませんで、法律上、つまり国鉄運賃法上福祉法の適用を受けまして運賃の割引の義務づけされている者が、先ほど申しました独歩できない、介護者を要する患者ということに限定されているという違いがございます。しかし、そのあと独歩できる心身障害者あるいは精神薄弱者施設に収容されている薄弱児、これは私どもの内部の規程でもって適用している、こういう状況でございます。
○新井分科員 心身障害者対策基本法が制定されて五年たっております。その中で心身障害者の方々が、一部入っているというようなあれですけれども、極端に言えば除外されているということでございます。これについては当然この法律に定めるように国鉄運賃の軽減等を図ってあげる、経済的負担を軽くしてあげる、こういうことでやってあげるのが当然である、こういうぐあいに思いますけれども、この件について初めに厚生省、それから国鉄、運輸大臣の見解をちょっと聞いておきたいと思います。
○井手説明員 国鉄運賃の身体障害者の方々に対する割引につきましては、実は国鉄の御負担でお願いを申し上げているわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、国鉄あるいは運輸省とも御相談を申し上げながらお願いを申し上げてきているわけでございますが、現在の国鉄の財政状況等もございまして実現を見ていないというのが実情でございます。ただ、私どもは、障害者の方々の立場に立ちますと、そういう恩典ということも好ましいことであるとは思いますけれども、制度としてどういうふうに取り上げていくかということは非常にむずかしい問題がいろいろございまして、私どもも、その障害者全体の対策の中において考えてまいります場合におきましてはどういうふうにするかということは、慎重に検討していかなければならないと考えているわけでございます。
○伊江説明員 いまお答えのとおりでございまして、実は私ども、社会政策的な負担ということで呼ばしていただいてよろしいかどうか別でございますが、そのための負担が相当ございます。それから先生御指摘の精神薄弱児全体に適用したらどうかということだけで問題が済む性質のものじゃないというふうに思いまして、その数が私どもの推算で、素人の推算でございますが、新たに対象にしなければならぬ、そういう社会的に恵まれない方々の対象人員というのが約八百万想定されるそうでございます。そういたしますと、やはり一部に対する割引の拡大が非常に大きく負担の増になるということで、もっぱらわれわれの負担の立場からの限定をさせていただいているという現状であるわけでございます。
○木村国務大臣 身体障害者に対して国鉄がいままでもいろいろと優遇措置を講じておりますが、さらにそれに加えてその幅をもう少し広げるべきであるという御質問と聞いております。いままで厚生省あるいは国鉄当局からお答え申し上げましたような状況でございまして、やはりこれは身体障害者のこういった優遇措置を個々の行為について優遇するのがよろしいか、あるいは全体にその方たちの生活そのもののごめんどうを見るのがよろしいか、この問題が一つあると思うわけでございます。 同時に、国鉄の事情から言いますと、独立採算を要請されておる企業体でございますので、国鉄の経営ということからもこれを見なければならない。そういう面で国鉄に対して事業経営の主体としてどの程度社会政策的な役割りを演じさすことがいいのかという問題にもなるわけでございます。したがって、仮にこういうものを負担いたしますときに、その負担をさらに政府が後ろでめんどうを見るかとか、いろいろ問題があるわけであります。もしめんどうを見なければ、国鉄の現状からいたしますと、御承知のような経済的に破綻寸前あるいは破綻しておると言ってもいいぐらいひどい状況でございますので、そういったために収入が減ずるものを運賃の中に入れて一般の利用者に負担してもらうというかっこうになりますが、そういう行き方がよろしいか、いろいろ問題があるわけでございますので、これらは今後ひとつ総合をして政府の立場に立って検討をしていきたいと考えます。
○新井分科員 これは運輸大臣、いまも厚生省の方からも話がありましたし、国鉄側からもお話がありましたけれども、とにかくこの法律ができて五年間たっているわけです。いままでにそういうことのいろいろ具体的な詰め——もう一つの質問としてもそうですけれども、では身体障害者はいま割引になっておりますけれども、それは年間で幾らぐらい費用がかかっておるわけですか。
○伊江説明員 年間で大体十五億かかっております。現在の制度では。
○新井分科員 それから心身障害者をもしも負担した場合には幾らぐらいかかると見ていますか。
○伊江説明員 心身障害者というのは全部でございますか。
○新井分科員 心身障害者ですね。
○伊江説明員 厚生省のお調べによりますと、四十八年の十月現在で、精神薄弱者の方たちの対象人員が三十六万人だそうでございます。そういたしますと、いろんな割引の方法はございますけれども、現在の一般の独歩できる身体障害者の例にならいましての割引をいたしますならば、年間四億円の増ということでございます。
○新井分科員 十五億円がいままでで、今後も四億円ということですね。そこで、そういう具体的な問題について運輸大臣、ではこのことについてはそういういろいろな調整といいますか、そういうことについては今後いろいろな問題があろうかと思いますけれども、いつごろまでに検討してこういう問題の結論を出すのか、そういうことについてのお考えはいかがですか。
○木村国務大臣 実はこういった社会政策的な割引全部をひっくるめてみますと、やはり国鉄が五百億ぐらいの金を負担をしておるわけでございます。そういう問題とも関連がございますし、それから国鉄の財政再建を今後どうやっていくかということもいまいろいろ検討をいたしておる状況下でございますので、これらの検討と並行して、いま提案されております問題についても並行して検討をしていかなければならない問題でございますので、いつごろまでに結論を出すということはいまちょっと申し上げかねると思います。
○新井分科員 とにかく国鉄も、行政管理庁等から指摘をされておりますように、まだまだいろいろ土地をもっと活用するとか、あるいはまた台帳にミスがあるとか、いろいろなことがあるようでございますけれども、そういうところで財源というものもある程度出せるでしょうし、それからまたそういう費用については当然運輸大臣も、これは今後とも福祉の面については力を入れていかなければいけないということで、やはり一般会計から補てんをする中にこういう費用については補てんをしようじゃないか、こういう面も入ってのあれだということで、考え方としてはあるわけです。そういうことでひとつ明確に法律にある以上、これはやはり忠実に一歩一歩前進する、一遍にそれが五〇%割引するとかそういうことなしにも、たとえ二〇%でも二五%からでも実行していかなければこういう問題というのは解決をしないと思います。 それからもう一つは、自動車損害賠償保険の問題について聞いておきたいと思うのでございますけれども、現在全国で交通遺児の家庭、それから遺児の数というのは、六万家庭、遺族は約十万人ということを聞いておりますけれども、この交通遺児家庭の母子の生活内容の実態、こういうことについてはどのように掌握をされておるか、これは総理府の方でやっておると思いますけれども、お伺いしたいと思います。
○竹岡政府委員 お答えいたします。 交通遺児の数等の全体調査は昭和四十六年の五月に総理府が一斉調査を行いました。この場合、調査対象の児童生徒数は約二千百万人いるわけでございますが、そのうち交通遺児は六万三百六十六人が数えられました。全体の調査対象数千人当たり二・九名、全遺児のうち交通遺児が占めますのが一一・六%を占めております。その後昭和四十八年八月に厚生省が母子世帯の調査を行いました。この母子世帯の中で交通遺児の母子世帯数が約五万五千世帯ございました。これから類推いたしますと、現在およそ交通遺児の世帯は六万世帯、約十万人に近い交通遺児かいるのではないかと推計されます。 この総理府の調査によりますと、交通遺児のうち約九〇%が母子家庭でございます。このうち生活保護法によります生活保護を受けております者八・二%、準要保護世帯二九・一%等で、一般的に生活が苦しいような状況だということが把握できます。また交通遺児の内訳は、小学生が約三九%、中学生二九%、高校生二五%等で、やはり事故直後は一割近くの子供たちが明朗性を欠くとか心の不安定が出たというような報告もなされております。しかし、学校の成績とか健康状態については特段の変わったことはない。当時の交通遺児の家庭中、母子家庭の月平均の支出額が約四万円未満が四〇%を占めておるということも報告されておりますし、公立中学校三年生について見ますと、進学希望率が七八・九%、一般の進学率八五%より少し低いということも言っておりました。また交通遺児育英会が昨年五月、交通遺児家庭の抽出調査をやっております。大体これに近いような報告がなされておると思いますけれども、今後も総理府が中心になりまして交通遺児の実態調査を強めてまいりたい、このように考えております。 以上です。
○新井分科員 交通遺児育英会の専務理事の玉井義臣さんが書かれた本の中には、全国で交通遺児家庭は約六万家庭、遺児は約十万人と推定されておりまして、母親たちの年齢は、四十代が五五・四%、最も多いわけです。これに三十代二四・四%、五十代が十四%となっております。母親の収入の面から見た場合は、四万円台が一五・八%、三万円台が一四・二%、五万円台が一四%、こういうぐあいになっておりまして、交通遺児家庭のうち生活水準が低いほど母親が健康を損ねていることが多く、体が弱いとか病気がちである、また病床についている、その合計は、世帯の総収入が一万円台で、六一・一%、二万円で、五二・五%、これはいずれも過半数を超えておるわけです。また、交通遺児家庭の遺児の数は二人というのが最も多く三九%、一人が三五・八%、三人が一二・四%、四人が二・一%、平均は一・六人、こういうぐあいになっております。それから交通事故が子供に及ぼした影響では、進学を取りやめたというのが一〇・八%、さびしい思いをしたというのが六五・一%、経済的に困ったというのが四七%。現在困っていることの内容については、生活費が足りないというのが五五・一%、子供の進学の見通しが立たない一八・二%、住居が狭いというのが一七・三%、こういうことであるわけです。いまの総理府のお話とこういうような現状から見て、今後こういう問題を起こさないための救済措置というのはこれはどのように考えているか。これについてまず厚生省と大蔵省からお答え願いたいと思います。
○田中説明員 大蔵省といたしましては、そういう不幸な方たちの救済制度の一つとして自動車保険、またその中に自賠責保険というものがあるわけでございますので、自賠責保険の限度額につきまして常々検討を続けているところでございます。御承知のように自賠責保険の限度額につきましては、昭和四十八年十二月に、死亡された方につきましては従来の五百万から一千万円に、また傷害につきましては五十万円から八十万円に、また後遺障害につきましては最高五百万から一千万にそれぞれ引き上げられたところでございますけれども、その後経済事情の変動その他いろいろございますので、もっと上げたらいいのではないかという声もときどき聞いておる次第でございます。したがいまして、私どもといたしましても交通事故事件の裁判における賠償水準の動向、これは裁判例などを常々検討いたしておりますので、そういうことを勘案し、また保険収支の推移なども見ながら、被害者保護に欠けることのないように措置したいと考えておる次第でございます。
○新井分科員 とにかく交通事故に遭いましても、なかなかそれに対する補償というものが取りにくいというのが現状です。御存じのように、日本は非常に多くの方が車を持っておりますけれども、その車を持っているということは、別に財産がたくさんあって持っておるわけではなくて、アパート住まいの方も、あるいはまた別に預金がなくても車だけは買って交通の便にしよう、こういうことで買っておられる方が比較的おられるわけですね。したがって、交通事故に遭ったときに、どれだけの損害賠償というものが取れて、後の残された方々の生活を守るためにはどうしたらいいかということになりますと、これは非常な問題になってくるわけです。さっきも話がありましたように、三十一年から三十五年までは三十万円、それから三十五年から三十九年までは五十万円、昭和四十一年に百万、昭和四十二年に百五十万、昭和四十四年に三百万、昭和四十八年に五百万、現在に至って一千万、こういうような状況に出ております。もう一つ任意保険というのがございますけれども、この任意保険に入っておる車というのは十台のうち四台ぐらいしか入っていない。四三%加入ということでございますけれども、この交通事故の状況を見まして、後のいろいろな御家族であるとか、あるいは特に交通遺児の家族の中を追跡調査をいたしましても、非常に大変な生活状況になっております。したがいまして、これは当然、額というものを大幅にアップをしなければならない、こういうぐあいに考えるわけでございますけれども、運輸大臣いかがお考えですか。
○木村国務大臣 交通事故に対する補償の問題でございますが、いまお話しのように、強制保険でもって最低の担保だけはいたしておるというのが現在の制度でございます。その上に立って任意保険に加入しておられるのが五〇%近くあるというわけでございますが、この最低の担保であります強制保険の限度額を引き上げるべきである。いままでも、いまお話しのように、そのときの経済の伸び等勘案しながらふやしてまいったわけでございまして、現在は最高が一千万円ということになっております。これは多いにこしたことはございません。しかし、やはりその保険料を納める立場、あるいはそのときの社会的な背景、そういったものを十分勘案しながら、しかもこれが最低の担保の金額であるというふうなことから考えていかなければならぬと思います。現在の一千万円は四十八年に決まったわけでございますので、その後の社会、経済の状況等を考えてまいりまして、そのままではいけない、かように思っております。どの程度どう上げて、いつやるかというような問題は、いろいろな資料も必要でございますから、それらを集めまして、これから検討していきたい、かように思っております。
○新井分科員 いま最低の担保であると言われましたけれども、その最低の担保にならないような現状になっておる。これは諸外国の例を見ましても、多額なそういう保険で、もう日本とは全然違うような現状です。この前も大蔵省の銀行局の調査では、近ごろの自動車事故の裁判基準では、慰謝料だけでも六百万円から八百万円はしているようになっている。それで交通遺児育英会の調査では、大体三十二歳で年収二百六十万円のサラリーマンが事故死した場合は、逸失利益は三千三百万円と算定されておる。 こういうことで、とにかく事故があった場合に、これはもう不特定多数、だれが、いつ、どこで事故を起こすかわかりませんけれども、そういう者が走って死亡事故なりあるいはまた傷害で一生働けなくなるというような現状はまだまだあるわけですね。したがいまして、私は、当然そういう人たちの義務といたしましても、そういう事故があった場合には補償をちゃんとするんだ、それをやはり制度的にきちんとするのがこれからの行く道ではないかと考えておるわけでございます。 そういうことで、特に最近は交通事故も減ってきたというようないろいろのデータもありますので、大臣、私は一つの提案として、当然自賠責一本にするということと、それからもう一つは、任意保険一本にするというような議論が大蔵省また運輸省で出ておるようでございますけれども、早急にこういう問題については話し合って、実効のある、事故があった場合においてはその家族が守られる、事故を起こした人が悪いとしても、後に残された家族とかそういう方々、両者とも非常に問題があるわけです。やはりこれも大きな一つの問題ではないかと思います。そういう点についてひとつ鋭意話を詰めていただきたい、こういうぐあいにお願いしたいと思います。その点のお答えを聞いて私の質問を終わりたいと思います。
○木村国務大臣 全く御意見のとおりに私も考えております。この問題は今後できるだけ早く詰めて、適切な結論を出していきたいと思っております。
○内海(英)主査代理 これにて新井彬之君の質疑は終了いたしました。 次に、湯山勇君。
○湯山分科員 私は、過疎地の交通対策というものについてお尋ねをいたしたいと思います。 その前に、ちょうど警察庁の方からお見えいただいておりますので、そちらに関係のある分を先に済まして、それから運輸省の方へお尋ねいたしたいと思いますから、御了解いただきたいと思います。 現在、各地で交通規制が強化されております。それはいろいろ目的があると思いますけれども、一方通行、駐停車禁止、そういうことが非常に厳しく行われるようになりました。ところが、それで非常に困っているのは実はタクシーの運転手です。どういう問題で困っているかと申しますと、特に視力障害、身体障害の人を乗せた場合に、従来ですと、一方通行なんかでないですから、その前までぴったり行けました。それが一方通行であるために、どうしても反対側まで目の見えない人が行かなければならないというようなことが出てまいりまして、これは一体どうしたらいいか。一方通行ですから、道の向こう側まで渡すといっても、そんなに時間がかかるわけではありません。それからまたビルなんかに入るときに、ビルの入り口まで連れていってあげるというようなことも従来はサービスでやっておったんですけれども、最近駐停車に対する取り締まりが非常に厳しくなりまして、もうそれだけでやっておってもぺたっと張られるというようなことで、私は愛媛県ですけれども、愛媛県の県警本部へ参りまして部長に話をしましたところが、それは何とか考えましょうということでした。聞くところによると、大阪あたりは何かそういうことをきちっとやっておるということも聞いたんですけれども、これは単に一地方で解決する問題ではなくて、全国的にそういう盲人とか身体障害の人を好意で最小限度車を離れて導いてあげるというようなことについては、この規制対象から外すというような措置をぜひとってもらいたいということを感じますので、何かそういう方法をとれないかどうか、ひとつ警察庁の方の御答弁をいただきたいと思います。
○森説明員 ただいまの先生の御指摘のとおり、最近交通の安全、交通の円滑あるいは交通の障害を排除するというような観点から交通規制がかなり広くしかも強力に行われているところでございます。ただ、先生御指摘のとおり弱者保護といいますか、そういった立場を強く私ども押し出しているわけでございまして、ことに一般の人から見ますと多くのハンディを背負っておるそういった身体障害の方々に対しては最大限の保護を加えなければいかぬというような観点で、いろいろと考えながらやっておるわけでございますが、ただ一方においては、いま申し上げましたように規制をやるからには徹底してやるべきだという考え方もないわけではございませんで、そのあたりの調和をどういうふうにするかということが私どもの最大の懸案になっております。ただ、先生も御承知のとおり、駐車禁止あるいは通行禁止につきましては、こういった場合にはたとえば公安委員会規則なり告示なりあるいは署長許可によりまして特別の除外をしていますほか、現場における取り締まりについても十分な配意をしているところでございます。 ただ、いま先生の御指摘のように、タクシーを利用して目の不自由な方とか手足の不自由な方が通行するという場合につきましては、ちょっといまのところ適当な方法がなくて非常に困っておるという実情でございます。といいますのは、タクシー等にそういった不自由な方が乗っておられる場合にどういった形で示したらいいのか。乗っている場合はいいのですけれども、おりる場合の、おりてから実際に車を空にして駐車をして、運転手が目的の場所に運んでいってくれる、そういった場合についてはそれを確認する手だてがないというような問題がございまして、私どもそのあたり非常に必要性は感じながらも、具体的な表示の方法なりやり方の問題をどうするかということで苦慮しているわけでございます。したがいまして、結果としては、現場的な措置として、個々具体的な場合場合に応じて取り締まりに当たった警察官に申し出をいただければ、そのあたりについて最大限の指導をする、その状況に合ったような具体的な心の通った、血の通った措置をするということで、さしあたっては一線の警察官の指導をさらに徹底してまいりたい、こんなふうに考えているわけでございます。
○湯山分科員 警察庁の方も非常にお困りでしょうけれども、むしろ困るのはいまのような身体障害の人、特に盲人の人、それから規則がそうあるものですから、どうしても運転しておる者もやりにくい、やってあげたいけれども、やれないという状態があるので、ワッペンか何か渡しまして、どこも二分間もかかるところじゃないです、一分以内ですから、ワッペンを運転手に渡しておいてそれを置く。それがあればそういうことだと認めて、一分超えるといかぬとかというようなことで簡単にできるんじゃないでしょうか、方法としては。そうでないと、現在でやってもまた警官と、気の短いのもいますからトラブルが起こるようなこともあるでしょうし、また尋問されると釈明するということ自体がどうも運転しておる連中には大変な負担になるということもありますが、何かそういう方法が私は簡単にできるように思うのですけれども、いかがでしょうか。
○森説明員 先生のおっしゃること、私ども十分よく承知しておるつもりでございます。別に乱用を恐れるというわけじゃございませんですけれども、具体的な場合場合によっていろいろと状況等も違ってくるかと思います。したがいまして、そのあたりのところにつきましても十分考えながら検討さしていただきたい。さしあたってはやはり現場における警察官の適切なる指導ということで指導してまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
○湯山分科員 お願いしたいのは、一つはそういう趣旨のことを各県警へ御通知願うこと、それからなおたくさんのそういう交通規制に当たっておる人たちの中には、課長さんよりももっと現地で名案があるだろうと思います。そういう名案を早く出していただいて、ぜひいい方法を講じていただくようにお願いいたしたいと思います。 それから運輸省の方へのお尋ねですけれども、私どもの四国などは御存じのように過疎の進行状況が非常に著しいものですから、だんだん住民の足が少なくなっていく。そこで御存じと思いますけれども、経済企画庁の総合開発局で山村住民の意向調査というのをやっておりますが、その中でも日常生活で不便を感じる内容は何かというのについては、第一には交通であるということが出ております。そういうことを受けまして、昨年来小さな所でもそういう住民運動が起こっておる所がございますし、それらを受けてあるいは県段階、あるいは四国は四国一本になって、それが全国に結集されて住民の足を守ろうというような運動が起こっております。 そこで、大きな原因は、そういう地域のバスなり軌道なりの経営が非常に困難になってくるということが原因のようであって、その結果昭和四十年には軌道で七十八キロ、それからバスで二千二百二十七キロ廃止になりましたが、これが四十七年では軌道で四百六十三キロ、ですからこれは約六倍ですね。それからバスでは六万四千百四十二キロですから、昭和四十年の三十倍ものバス路線が廃止になっております。四十八年、四十九年の最近の状態はわかりませんが、この資料をお持ちでしたらお知らせ願いたいと思います。
○高橋(寿)政府委員 お答え申し上げます。 昭和四十六年度からの数字がここにございますけれども……(湯山分科員「四十八年、四十九年だけで結構です」と呼ぶ)四十八年度の数字を申し上げますと、路線の廃止状況、これは私どもはバスの免許をいたしておりますので、その免許キロというものの合計でございますが、四十八年度、で三千八百五十四キロという数字になっております。四十九年度はまだ集計いたしておりません。
○湯山分科員 それからバス企業の経営状態ですが、これは四十七年と思いますけれども、二百八十七社の中で百七十六社が赤字である。そしてその赤字の総額は百二十六億円に達しておる。いまこれを埋めるために、私鉄ではあるいは業者の方では不動産業をやったり百貨店をやったりしてこれを補っているというような状態ですけれども、まだ赤字は相当ふえておるのではないかというように感じられますが、四十八年の民営のバスで赤字を出している会社の数、その額、それがおわかりでしたら、ひとつお知らせ願いたいと思います。
○高橋(寿)政府委員 いろいろなとり方がございまして、二つのとり方を並行して申し上げますが、一つは、私どもはバス運賃の改定をいたしますときに、厳密な原価計算をするために必要な資料をとるために、全国二百十八社、こういったものの数字を細かくとっております。これが数字的には一番詳しいと思いますが、カバレージにちょっと問題があります。 初めにこの数字を申し上げますと、四十八年度に民営の会社で百十九億円赤字でございます。公営の企業で五十二億円赤字、合計百七十二億円という赤字でございます。 これを私どもの仕事の上で経験を使いまして、若干推計をいたしました。全国のバス会社が三百六十八社ございます。この全体の収支状況というところを見るわけでありますが、なかんずくその中で一番問題なのは、運行補助を受けているような会社三百三十一社というものが一番問題でございます。この三百三十一社という運行補助を受けている会社につきまして数字を見てみますと、四十八年度で黒字の会社が七十八社、赤字の会社が二百五十三社でございます。これらの赤字額の合計が五百五十三億でございます。この赤字の会社を大都市と地方とに分けまして、百万以上の大都市にございます会社二十三社、この赤字が三百十億円、これは民営、公営、両方含みます。それ以外のいわゆる地方バス、これが二百三十社で二百四十三億円、こういう数字がございます。なかんずく二百三十の中で民営バス百九十二社、この赤字が二百三億円、こういう数字が四十八年度の数字でございます。四十九年度の数字は、まだ集計が済んでおりませんが、収入がふえたのと、収入のふえ方に応じまして支出のふえ方が若干低くなったということから、この赤字額は、四十九年度は少し少なくなるのではないかというふうに考えております。 収入がふえました原因は、昨年の石油ショック以後のコストを賄うために、運賃改定をかなりやりましたので、その影響が出ているのではないかと思います。
○湯山分科員 そういうことから、いまのような影響で、やはり何といっても一番大事なのは運転をしておる人だと思います。車があっても、道路があっても、交通というのは確保できないので、人が大切であって、その人たちが安心して安全運転をするということでなくてはならないと思うのですが、実は四国等でも今年いろいろベースアップその他がありましたが、それらを完全に払い切れないで、八月ごろまで未払いで残ったのが四国四県の中の三県にあります。つまり、一県だけ県単位で言うのは適当でないかもしれませんけれども、高知県にも徳島県にも香川県にもあって、愛媛だけそういうのがなかったという状態ですが、これは非常に大きな問題で、そういう点を配慮されて、来年度の予算におきましては、国の補助も本年度の二倍以上、五十七億、五十八億近いものが見られるようになった。これは大変喜ばしいことですけれども、いま局長の御答弁で、しぼったのが二百三十三億円というのがありましたが、全体では五百億を超える赤字というようなことから考えてみますと、まだまだこれは、せっかく御努力願ったのですけれども、この五十七億あるいは五十八億程度で今日の過疎地の経営改善といいますか、その対策にはずいぶん遠いような感じがいたしますが、大臣の御所見はいかがでしょうか。
○木村国務大臣 五十年度の予算は、四十九年度に比べまして二倍以上、三倍近くふやすことができました。皆さんのおかげであるわけでございますが、私はこれではまだまだ不十分である、今度補助をいたしますいろいろな条件の緩和等をいたしまして、浸透する範囲はかなり広がりはいたしますけれども、現在の過疎地帯のバス事業の実態を見ますときに、さらに五十一年度はそれ以上の補助をしてやらなければ、とうてい過疎地帯の住民の御要望に応ずることはできない、かように思って、さらに一層努力をするつもりでございます。
○湯山分科員 ひとつぜひそのようにお願い申し上げたいと思います。 ただ、従来、私鉄あるいは民営バス等については、これは自前でやるのがたてまえだというようなことから、国の方も従来はこういう態度でした、最近は別ですけれども。しかし、国だけじゃなくて地方自治体も、住民の足を守るという点から、このことについてはよほど関心を持って、しかも施策を進めていかなければならないというようなことを特に痛感をいたしておりますが、自治体にそういう住民の交通を確保するということの責任を持たせるというような、何とか法的な規制あるいは規定づけというようなことをする御意思はございませんでしょうか。私はぜひやらなければならないのじゃないかということを感じておりますので、お尋ねいたしたいと思います。
○木村国務大臣 現在の過疎バスに対する補助も自治体と政府とフィフティー・フィフティーのかっこうで補助をいたしておりますので、事実上自治体もその地域内の過疎地帯の対策といたしまして本腰を入れてくれております。したがってこういった問題を法律でもって確立するということも必要なことだろうとは思いますが、当面は補助の層を厚くしてやることに自治体も協力をしてくれておりますので、さらに一層その点では、実際の面では十分連絡をとりながらやってもらっていきたいと思いますし、また、場合によりましたら、自治体の方でみずから車両を引き受けてバスの運行をやるというところも奨励をいたしておりますし、またふえてまいっております。そういうのが現状でございますので、こういった自治体の過疎地帯に対するバス事業のいろいろな意味の助成を法律で一本にまとめてやるかどうかという問題は、先生の御提案として今後検討してみたいと思います。
○湯山分科員 実は私がこういうことを申し上げるのは、地方自治体といいましても、過疎地ですから、財政力が非常に弱い。そこで、そういうものは恐らく財政計画にも盛り込まれていないと思います。交付税の算定基礎にそういうものは入っていないと思うのです。そうすると、どうしても持ち出しになる。そこで、法的な裏づけをすればもっとそれが明確になって、しかもいまの交付税の算定基準にもしっかり入れられるということになるのじゃないかということを考慮してのお尋ねでございますから、その辺、局長からでも何かありましたら……。
○高橋(寿)政府委員 確かに国で一生懸命予算をふやしましても、その裏負担と申しますか、県、市町村がそれと同額またはそれ以上の金額を負担する形になりますから、そういった場合に地方自治団体の財政が悪化しておりますと、それが思うに任せないということがあっては大変でございます。そこで、自治省の方にお願いいたしまして、国の補助額と同額分につきましては、特別交付税の中に入れて流してもらっている、ただ、いわゆる一般交付税ではございませんので、ひもつきではありませんけれども、トータルの金額の中にはちゃんと入れて流しておる、こういうふうになっておるわけであります。
○湯山分科員 特交と交付税とはかなり性格が違っておりまして、やはり交付税で見るということにする方が望ましいと思いますので、なおひとつ御検討とそういう方面での御尽力を願いたいと思います。 続いて、いまの赤字が出ておる民営のバス会社等の緊急融資の問題ですけれども、これも地元の陸運局長等非常に御努力なさって金融機関への折衝等もやっておられた例もあると思います。しかしこれだけ大きい資金需要があるにもかかわらず、中小企業金融公庫の直接対象にもならない。ずいぶん農林漁業とか商工とか窓口があるにもかかわらず、これだけ大きい交通機関に窓口になる金融機関がないというのは、これも私は対策としては欠けている点ではないかというように考えますが、何かこれをやる方法はないでしょうか。
○高橋(寿)政府委員 昨年の狂乱物価でかなり高額の春闘の妥結を見たものですから、大変バス会社の手元が苦しくなりまして、緊急融資を必要とする事態になりました。昨年の四月一日からことしの一月まで地方の陸運局長を叱吃激励いたしましてあっせんに努めさせました結果、合計千五百八十九億円ほどの融資実績を見たわけでございます。 ただ、いま先生御指摘の協同組合をつくらなければ貸せないというふうな公庫があったり、いろいろな条件がございまして、私どもももう少しスムーズに交通機関に融資ができるような金融機関が欲しいなということは実は運輸省多年の念願でございまして、聞きますと環境衛生事業にもそういった特別な公庫があると伺っておりますので、何とかこれをつくりたいということでやっておるわけでございますけれども、特定の産業向けの金融機関をつくることにつきましては、また別途金融政策上その他からの非常に厚い壁もございますので、当面は何とか政府関係金融機関に枠のようなものを設けてもらいまして、交通関係枠というようなものを設ける努力をいたしたい、そしてもう少し長期の念願といたしましては、そういった交通機関の特殊性に応じた金融機関の創設ということについても努力をしてみたい、こう思っております。
○湯山分科員 時間があまりありませんので、あと二点だけまとめてお尋ねいたしたいと思います。 一つは国鉄、公営じゃないわけですから、国の他の政策的な運賃の割引、これらを直ちにこれだけ赤字を出しておる民営の交通機関に持たせるというのはいかがかという感じがいたします。通勤定期は雇い主負担でいいとして、通学定期、それから身体障害者の割引、いろいろ先ほど来もありましたが、予算委員会で私どもの楯委員が老人にも割引を考えたらどうかというような提案もございました。それらをこういう民営に持たせないで、福祉政策面のものは厚生省の予算に組んでそこから埋め合わせをする。通学などはこれも文部省の予算で組んで、そこから埋めていくというようにして、これらの民営の交通機関の負担を国で肩がわりする、それは当然だと思うのですが、そういうことはできないかどうかということが一点。 第二点は、こういう過疎地のバスだけじゃなくて、中小都市のタクシーもかなり経営が困難になっています。交通規制の意味もあって、地方によってはもうあそこは新しいタクシーの免許は出さないというようにしておるところもありますが、全国的にそういうような指導あるいは措置をなさる御意向なのかどうなのか、その二点を最後にお尋ねいたしたいと思います。 それから大臣には、いまの金融関係のことその他を含めて、ひとつ御決意のほどを伺えれば幸せです。
○高橋(寿)政府委員 まず、いわゆる公共負担と称せられるものでございますけれども、通学あるいは身体障害者等につきまして現在実施いたしております。やはりそれらがバスの全体の収入の規模から比べますと、だんだん相当大きな金額になってきておりまして、お示しのように何とかこれを国庫補助金で全部ないし一部埋めるということについては、前々から私どももその必要性を感じまして、関係各省にお願いをしているのでございますけれども、なかなかまだ実現の運びを見てない。国鉄が一番大口でございますので、国鉄についてそういったものを早く実現してもらって、バスはその驥尾に付したいと考えておりますが、継続して努力いたしたいと思います。 それからタクシーの問題でございますが、これもタクシーの利用人員は横ばいないし最近は若干伸び悩んでおります。特に昨年の暮れぐらいから、景気が落ち込んだこともございまして伸び悩んでおります。そこで地方の都市などでは非常に大変だからという声を聞きます。これにつきましては、タクシー業者みずから需要に合った供給体制に縮小するということが本筋だと思いますので、適時そういった申請があれば減車処分というような形で少し体格を小さくして縮小均衡を図るという方法もあるかと思いますけれども、別途免許を抑制するという点につきましては、そういうふうにタクシーの経営がだんだん悪化して輸送人員が伸び悩んでまいりますと、よもや免許を取って新しく商売したいという人もないと思いますけれども、しかし中にはやはり事情がわからないで申請してくる人もございます。それからまた既存の業者で増車をするというふうなこともある場合もあるかと思いますけれども、これは全体を通じましてその地域地域の需要に対して適正な供給力を保つ、需要に対してだいぶついても困るし、足らなくても困るという点が大変むずかしいところでございますけれども、間々タクシー業者の方は供給制限的な行動をとりやすい。供給制限をしておきますれば、むだも少なくなって水揚げが上がりますので、どうしても供給制限的にいきたい。そのために、従来ややもいたしますと免許抑制のためにお客さんが困ったという事例がございましたものですから、私どもはあまり免許抑制ということにつきましては積極的ではございませんけれども、しかしいまお話ししましたように、だんだんタクシーの需要自体が引き締まってくるという情勢下でございますので、よくそこの都市あるいは地域の中の需要を調べまして、お客さんに不便がかからないように、そしてまたタクシー業務も健全な運営ができるように、そういった調整を図りながらの処分を各陸運局長によく話をしたいと思います。
○木村国務大臣 老人等のいわゆる福祉割引の問題でございますが、この問題につきましては、すでに地方公共団体経営のバス等でやっているところもあるように聞いております。一般民営のバスにつきましては、何しろ御承知のような経営の現状でございますので、こういう福祉政策にはやはり裏で政府が裏づけをやってやりませんと、そのままバス会社の負担でやれということは、いまの経営の現状から見ますとなかなかむずかしゅうございます。そうすると、しからば政府が後でめんどうを見るということになりますと、これは福祉政策としてどうすべきであるかという問題になりまして、老人年金といったような総合的な面でそういうことも加味した年金の額にした方がいいのではないかという意見がむしろ強いような状況でございますので、これらとの兼ね合いにおきまして、いずれにしてもこういう福祉政策についてはわれわれも立場としては考えなければいけませんが、そういう問題がございますので、今後の検討問題にいたしたいと思います。 それから金融機関の問題でございますが、実は私も湯山委員と同じような考えを持っておりまして、いろいろな他の業種にはそれぞれ専門の金融機関がございますのに、これほど交通事業が非常に苦難の局面に立ってきております現在に、やはり私は専門の金融機関があった方がいいし、ありたいと、こう思っております。これは私の一つの課題としてひとつ努力をしてみたい、研究してみたい、かように思っております。
○湯山分科員 どうもありがとうございました。
○内海(英)主査代理 これにて湯山勇君の質疑は終了いたしました。 この際、午後一時四十分から再開することとし、暫時休憩いたします。 午後一時二十一分休憩 ————◇————— 午後一時四十二分開議
○内海(英)主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 谷垣主査は都合によりおくれますので、その指名により、私が主査の職務を行います。 運輸省所管について質疑を続行いたします。米原昶君。
○米原分科員 私は羽田の空港の問題について質問したいと思うのです。 いままでも羽田の空港の騒音その他による地域住民に与えておる大変な被害の問題、これは大阪空港の問題が一番大きな問題になってきたわけですが、やはりそれに次いでは羽田の空港の問題なわけで、周辺の住民は以前から非常な不満を持っているわけです。そういうこともありまして、何回か東京都の大田区の区議会でも深刻な決議が行われて、昨年はとうとう空港を撤去してもらいたいと、自民党から共産党までの満場一致でそういう決議さえ通ったような事態であります。 私はこの問題、何回か本院の公害環境特別委員会その他でも取り上げました。実は、昨年航空機騒音防止法が国会に改正案がかかりましたときにも、ちょうど連合審査会が聞かれまして、当時の徳永運輸大臣も出席をされまして、そのときに私が質問した一つの事項です。それは昭和四十七年に環境庁長官の勧告に対して、運輸大臣の名前で回答が出ております。その中に、たとえば航空機騒音に対する緊急対策について、特に羽田では夜間の離発着を制限するという問題点で、たとえば夜十一時から朝の六時までは発着を制限するというようなことを回答に書かれた。あるいはあそこを通っているモノレールの内側に飛行機が入ってくるために非常な騒音被害を加えておるわけです。こういう問題についても、モノレールの内側に通さないようにするという約束をされているわけです。 その問題について去年質問しました。ところが、去年私が質問した時点では、実は回答のあった四十七年当時よりもむしろいま言ったような問題点は悪くなっている。特に夜間の離発着がふえたことについては、ハイジャック対策のために飛行機の来るのが時間がおそくなって、十一時を過ぎることが多くなってふえたんだという説明もありました。しかし、その後この点についてどのような対策を講じて、実態はどうなっているかという点をまず最初にお聞きしたいのです。
○中村(大)政府委員 先生御指摘のように、夜の十一時かち六時までは原則として飛行を禁止いたしておるわけでございます。特に国際線につきましていろいろな技術上の事情もございまして、やむを得ず十一時以降に遅延する機数が相当あったことは確かでございます。運輸省といたしましては、遅延機はその都度すべてにつきまして事情を聴取いたしまして、警告を発する等の措置は講じてきたわけでございます。四十八年と四十九年と比較いたしますと、四十八年は月平均で二百二十四機でございます。これが十一時以降に遅延した。したがって、一日平均にいたしますと、約七機から七機半ぐらいになります。四十九年は月平均百五十三機で、一日平均五機ということで、三〇%程度減少しておるわけでございます。しかしながら、依然として一日五機程度の遅延があるということは、これは事実でございます。われわれといたしましては、引き続き、できる限りそういう遅延機をやむを得ない場合以外は出さないように努力をいたしてまいりたいというふうに思っております。 それからもう一つ、モノレールの内側に入らないようにということでございますが、これも先生御指摘のとおりの事実でございますが、これもいわゆる運航上の安全ということを第一に考えました場合に、パイロットの判断といたしまして、やむを得ずモノレールの内側に入る場合があるわけでございますけれども、これにつきましても、離陸する場合には、高度五百フィート以上になったら右旋回を開始して内陸部を避けるようにするとか、その他、誘導灯を設置いたしまして、着陸の場合にはその誘導灯によって内側を飛行する、こういうふうな指導をいたしております。また、昨年には、御宿のVORを活用いたしまして、一定の航法によってモノレールの内側に入らないように、こういう行政指導をいたして、できる限り、安全を阻害しない限りにおいて、内側に入らないように指導をいたしておるわけでございます。
○米原分科員 夜間の離発着の問題、確かに四十八年と比べると四十九年は若干減ったということは、いまの御説明でわかりましたが、それでも一日平均五機としますと、一年では千五百機という数字になるのですね。これは大変な問題だと思う。一応そういうふうに決めていても一年間で千五百機も夜間の発着陸があるというのでは、まだとうてい問題の解決とは言えないと思うのです。何かもっと厳重にやる方法はないのかということを一つ考えるのですが、さらにもう一つ、いまお話のあったモノレールの内側を飛んでいる問題、これについては、東京都の公害研究所が昨年九月三日に発表した調査結果というものが出ておりますが、それによると、飛行機がモノレールの内側を飛んでいるのが約二〇%。二〇%の飛行機は指定されているところよりも違ったところを飛んでいるわけですね。 〔内海(英)主査代理退席、主査着席〕 この点について、航空機騒音防止法の三条一項で、この針路については告示することができるということが書いてあるので、昨年私質問した際にも、なぜ告示しないのかということを聞きました。そのときに、安全の確保または技術上からもむずかしいからできないというような答弁でした。しかし、この第二項に「航行の安全を確保するため」、このための告示なんです。ちゃんとそのことも書いてある。だから、そういう意味では、この第二項にそういう点も配慮されているし、いま言われた行政指導、これではどうも根本的な解決はされてないんじゃないか。法律で告示することができると書いてあるのですから、どうしても告示すべきじゃないか、私はこういうふうに思うのです。実はこの点については地元の住民の間でも非常に不満がある。法律にちゃんと告示できると書いてあるのになぜ政府の方は告示されないのか。この点は住民も強く要求しておりますが、どうして告示できないのかということを説明していただきたいのです。
○中村(大)政府委員 三条に告示の規定がございます。また第十八条、罰則でございますけれども、その告示に違反した乗組員に対して罰則の適用がある。したがって、告示、それの遵守義務、したがって罰則、こういう形式になっておるわけでございます。 ただ、実際問題といたしまして、この告示をいたします場合に、そのような航法を強制する場合、それに必要な、たとえば技術上の問題といたしますれば、地上の航行援助施設、こういうものが完全に開発されまして、それにのっとって完全に告示どおりのコースを飛び得る、こういうことが確保されなければこの告示に踏み切ることは問題があるわけです。 それからもう一つは、そういう違反に対して乗組員の責任を問うわけでございますけれども、これがまた、乗組員がどのような事情でそのコースを逸脱しておるかどうかということの確認、立証、これまた罰則の適用があるだけになかなかむずかしいというふうなことで、これを告示という形式にすることはなお問題があるという判断のもとに告示をいたしていないわけでございます。 ただ、行政指導といたしまして、この飛行経路、飛行の仕方、それから飛行の時間、そういうものを行政措置による規制をするということは、これは必要に応じてやってきておるわけでございます。私どもといたしましては、その措置によって実効を上げていくという方針のもとに現在進めておるわけでございます。
○米原分科員 いまの説明を聞いていますと、行政指導というものではどうも実効が上がってないじゃないか。設備が足りないというなら、むしろ早くそういう設備をつくるべきですし、もっと厳重にやられるべきではないですか。ただ行政指導、行政指導と言っても、昨年聞いたときにも、当時徳永運輸大臣が、御叱責はごもっともでございますとまで言っておられるのです。なぜ実態的にはそのままほうっておられるのか。行政指導と言われるならば、それぞれの場合について関係の航空会社から報告をとって、そして逐一指導されておるのかどうか。こういうものについて何か調査された資料でもあるのかどうか。もしも資料があるなら私は提出していただきたいのです。行政指導と言われるけれども、実態はほとんどないのではないかというふうに感ずるのです、いまの答弁を聞いていますと。法律まで告示できると書いてあるのに、告示がいつまでたってもできぬ。できないにはそれだけの理由があるでしょうが、それならそれで、そういう設備、措置を至急にとられなければ全然無責任だと思います。この点についてお答え願います。
○中村(大)政府委員 私どもとしては、騒音の問題と同時に、やはり航行の安全ということをまず第一に考えなければならないということで、これは乗組員としても当然そのことを第一に考えているわけでございます。したがって、この航行援助施設というものについて、技術的な設備をいたす場合にも、やはり十分にそれが確保し得るような開発を見ませんと、いかにいろいろな施設をつくりましても、それを一〇〇%信頼してそれのみによって航行するということはむずかしいわけでございます。私どもといたしましては、できる限り航行援助施設を増強いたしまして、それにのっとってできる限り陸側に入らないような航行がし得るような運航の仕方、そういうものを指導いたしておるわけでございます。 それから、この告示の中には時間規制もあるわけでありますけれども、こういうものは行政措置によって時間を規制をいたしておりまして、それに反するものについては、われわれといたしましてはその実態を報告をさせ、また警告も発しておる次第でございます。
○米原分科員 いまのような答弁ですと住民は全く満足しないのです。だから、もうああいう空港は撤去してもらいたいという、この意見は極端ですが、そういう声さえ上がってしまうのです。私はこれはもっとしっかりした指導をやってもらいたい。 それから次に、昨年の航空機騒音防止法の改正で、周辺の騒音を防ぐために空港の周辺地域、第一種、第二種、第三種の地域を指定して、それぞれ防音工事等が行われることになったわけですが、羽田ではまだ指定が行われておらないようであります。住民の立場からすれば一刻も早く指定を行って防音工事をやってほしい、こう言っているわけですが、どうなっているのか聞きたいのであります。
○中村(大)政府委員 この区域の指定でございますけれども、運輸省といたしましては、騒音予測をいたしまして、それに基づきまして騒音コンターの案というものを作成いたしました。これを東京都の方に照会をいたしておる段階でございます。それに対しまして、東京都の方からの要望が昨年の八月二十日にこちらに参っております。それで現在東京都との間てこの調整——調整と言いましてもこれはあくまでも技術的な面での調整でございますけれども、そういう調整を行っておる段階でございます。
○米原分科員 では、その問題をさらに聞きたいのですが、この第一種、第二種、第三種の地域の分け方ですが、第一種はWECPNL八十五以上、第二種は九十以上、第三種は九十五以上というように基準を設定したということですが、一体この根拠はどういうところにあるのか、この分け方を聞きたい。
○中村(大)政府委員 環境庁の出しましたいわゆる環境基準、これの中間目標、これがWECPNL八十五、こういうことになっておるわけでございます。したがいまして一応この八十五以上については何らかの措置をとることによって中間目標を達成する。その達成の方法ということにつきまして、これを騒音の程度によって第一種、第二種、第三種と、こういうふうに分けておるわけでございます。
○米原分科員 ちょっとその点で、この基準の、いま中間目標と言われましたけれども、環境庁の出した環境基準を決める際の中公審の答申では、WECPNL八十五以上というのは航空機騒音の著しい地域として住居の移転等を行うべきであるとしてあるわけです。八十五以上のところはもう住居を移転させるのだ、そういう地域なんです。これは中公審の答申です。そういうふうに書いてあります。ところがそれを第一種の防音工事を行う地域に指定したというのは矛盾しているのじゃないか。これはどういうことですか。
○中村(大)政府委員 私が先ほど御答弁申し上げましたのは、環境庁の告示によるいわゆる環境基準でございまして、これによりますと、たとえば東京国際空港につきましてはいわゆる五年以内に八十五WECPNL未満にする、こういうことで、したがいまして、八十五WECPNL以上のところについて五年間に何らかの措置をとる、こういうふうに考えているわけでございます。
○米原分科員 中公審の答申だと、むしろ住居の移転等を行うべきところは第二種地域に該当するわけです。これが第一種地域の基準になっている。この点を聞いているわけですよ。どういうことなのか。基準を検討しますと言っておる。
○中村(大)政府委員 先ほど来からも申し上げておりますように、われわれとしては、環境庁が四十八年十二月二十七日に発しましたこの告示、これの基準にのっとってその中間目標を達成したい。これによりますと、改善目標といたしまして五年以内に八十五WECPNL未満にするということ、あるいは八十五WECPNL以上の地域において屋内で六十五WECPNL以下にする。こういうことで、八十五WECPNL以上であれば屋内だけを六十五にしてもよろしい、そうでなければ八十五未満にしなさい、こういうのが中間目標でございます。したがって私どもといたしましては、八十五WECPNL以上のところをそれ以下にする、こういう措置を講ずるのがわれわれの現在の措置であろうと思っております。
○米原分科員 では、この基準の問題はまた別の機会にやりましょう。 ただ、この基準に照らしても、運輸省が出しておられる案ですね、東京都に見せられている案ですが、これは運輸省の線引き案はおかしいじゃないかということを感ずるのです。九月三日に東京都の公害研究所の発表した調査結果を見ましても、WECPNL八十五という範囲は運輸省の案よりももっと広くなっております。簡単に言えば。このような線引きの根拠は何か、明確な根拠を示してもらいたい。東京都自身が調査したのではずいぶん違います。
○中村(大)政府委員 これは、この調査の仕方というものはきわめて技術的なことでございまして、私ここでそういう技術的な方法論を御説明できる立場じゃございません。しかし、技術的に見て最も信頼のできる手法、方法によりましてこの騒音コンターを作成いたしておるわけでございまして、私の存じております限りにおいては、東京都と現在技術的に調整をいたしておるわけでございますけれども、その調査のやり方等についていろいろな前提条件、あるいはその条件があるわけでございますけれども、そういうものについて、どういう条件をとればこうなるということで、若干そこに食い違いがあるかもわかりませんけれども、同じ条件で調査をいたしました場合に、運輸省の調査が技術的に間違っておるとかいうことは、これは絶対にないと信じております。したがいまして、どういう前提をとるかとか、そういうことについて若干食い違いがあれば、それをどうするかということは先ほど申し上げましたように調整をいたしておる、こういうことでございます。
○米原分科員 それでは、さらにもうちょっと民家の防音工事の計画について聞きたいわけですが、運輸省の案では、この第一種地域内の世帯数は約六千、それに対して五十年度で羽田での民家の防音工事の計画は三百四十戸程度、こういうふうに聞いておりますが、この一年三百四十戸ですね、この程度でやると、運輸省案で世帯数約六千と言っておられる。そうしますと一年間三百四十戸程度では、これは十年から十五年かかる。いまの説明では、これは五年以内にやらなくてはならぬ地域だと言われたわけでしょう。そうすると、それがこの程度でやっていったら十年か十五年かかる。地域の住民にしたら、十年も二十年も待ってくれ、こういうことになるわけです。どういうつもりなのかお聞きしたいのです。
○中村(大)政府委員 民家の防音工事の対象戸数でございますけれども、運輸省で調べました数字は約四千戸でございます。ただいまお話が出ましたそういう調整をいたしまして、若干範囲が広がったといたしましても五千戸未満ということでございます。 それから、五十年度の戸数が少ないということでございますが、これはとにかく五十年度から発足するわけでございまして、これは東京都にいろいろお願いをしなければならぬわけでございます。したがって、初年度いろいろな準備があるわけでございまして、四百戸程度というのがわれわれとしては妥当な数字ではないかと思っております。 ただ、この四千戸ないし四千数百戸を中間目標達成時点までに工事ができるかどうかということでございますけれども、これは大阪等における経験に徴しましても、私は十分に達成できる、こういうふうに思っております。
○米原分科員 それでは、初年度は少なくても、とにかく急速になるというふうに理解していいですね。
○中村(大)政府委員 しそのとおりでございます。
○米原分科員 それでもう一つ、この防音工事の補助率です。五十年度から一戸当たりいままで一室だったのを二室にして補助率を九〇%にする。いままでと比べると大きく改善されたということは私も認めるのです。しかし、補助率九〇%にして、なぜ一〇〇%にしないのか、私はそういう感じがするのです。つまり空港の設置者は国であり、これは国と航空会社で全額負担するのが筋じゃないか。残り一〇%を地方自治体に負担させる根拠は一体どこにあるのか。この点を明確にしてもらわないと、こんな金は自治体としては出せないという意見がずいぶんある。どうでしょう。
○中村(大)政府委員 民家の防音工事の補助率は四十九年度までは七五%であったわけでございます。われわれとしてはこれを少しでも引き上げる必要があるということで、五十年度から九〇%にしたわけでございます。民家の防音工事は、工事の中身といたしましては相当高度の工事をいたすわけで、居住環境としては相当良好な、少なくともその部屋の中に関する限りはそういうことを目指して工事をいたすわけでございます。したがいまして、その限りにおいては、この工事をされる、補助を受ける民家といたしましてはそれなりのメリットもあるんではないかというふうに考えておるわけでございまして、九〇%の補助というものは妥当であるというふうに考えております。それで、地方公共団体がこれをあとを補助をしないというところがあるとかないとかということについては、私どもは余り承知しておりません。
○米原分科員 時間がありませんからもうその問題はなにしまして、最後に一言言っておきます。 この防音工事の問題ですが、いままでも病院やその他やられているわけですが、実は、法律上防音工事が受けられることになっているということすら、地域の病院や幼稚園とか保育所というのは全然これを知らないのです。実は大田病院という病院が、受けられるということを去年になって聞いて、やっと今度実際に防音工事をやり、また、政府の金も一部受けられるということになった事情があるのですが、つまり、防音工事を受けられる、そういうふうに法律もなっている、それなのに全然地域の人には知らされていない。知らされていないで非常に不安が起こっているのです。こういう点で非常に法律についてのPRが弱い。住民が十分こうした制度を活用できないでいる。 それからもう一つは、窓口が一つで非常に不便だという点であります。つまり、窓口が東京航空局になっている。これ以外のところは受け付けないわけですから、非常に不便なんです。ひとつ自治体を窓口にするようにしたらどうか。こういう法律がある以上、住民にもっと周知徹底させる必要がある。このことを特に要望しまして、時間がありませんから私の質問を終わります。
○谷垣主査 これにて米原昶君の質疑は終了いたしました。 次に、馬場昇君。
○馬場分科員 私は、水俣湾の堆積汚泥の処理について御質問をいたします。 まず最初に、これは環境庁になるかと思いますけれども、水俣病、水俣の水銀汚染の現状認識についてちょっとお伺いしておきたいと思うのです。 現在なお、ヘドロが汚染源となりまして、水俣湾や不知火海は汚染され続けておると私は思います。事実、百間排水口のヘドロには二七〇〇ppm、水俣化学の排水口には七七〇〇ppmが検出されておるわけでございまして、これは海面に接しておりまして、水俣湾に流出して魚介類がこれを摂取しておるわけでございますし、定置網が張ってあるわけですけれども、これは完全なしり抜けでございます。汚染魚は回遊しておりまして、定置網の外で、四十九年八月に七魚種十八検体を検査しましたところ、八検体が国の基準を上回って、最高値を示したのはタコの内臓で一三・一ppmあったわけでございます。こういう状態ですので、現在ヘドロを汚染源として水俣湾並びに不知火海は汚染され続けておりまして、これを長期微量摂取いたしますと水俣病が現在も発生しつつあるという認識に立たなければならないと私は思うのですが、環境庁はどう認識されておるかお伺いしたいと思います。
○竹中説明員 水俣湾の周辺におきまして現在でもなお水俣病の新しい発生が考えられるではないかという御質問かと思いますが、先生も御承知のように、昭和四十八年度の環境調査の結果におきまして、一部の魚種につきまして基準値を上回っておるものがある、そのほかのものについては基準値以下ということでございますが、一部につきましても上回っておりますので、新発生の可能性を全く否定するということはできないかと思っております。ただ、御承知のように、県、市におきまして漁獲禁止等につきまして住民にいろいろPRその他指導をいたしておりますので、現時点における新発生の可能性はきわめて少ないのではないかというふうに考えておるわけであります。
○馬場分科員 きわめて少ないというような簡単な認識ではいけないと思うのです。やはり現在ヘドロを汚染源として汚染され続けておるし、水俣病の危険性はあると、そういうところから対策を立てなければいけないと私は思いますが、そこで運輸省にお尋ねいたしますけれども、水俣湾のヘドロ処理工事は、はっきり言いましていつからお始めになりますか、工法の決定はいつするか、このことについてまず運輸省にお尋ねしますし、環境庁に対しましては、その費用の分担等についてはいつに決定をするのか、もう時間がありませんから、ひとつ端的にお答え願いたいと思います。
○竹内(良)政府委員 現在、県といたしまして極力早く工事に着工したいと一生懸命やっている段階でございますが、残念ながら、計画の立案をいたしましてそれを地元といろいろ話す段階におきまして、現在調整をしております。この計画案ができました後に、その後いろいろな審議会を経ながら工事にかかるわけでございます。したがいまして、四十九年度中に仕事にかかりたいという現在の努力にもかかわりませず、まことに残念ながら五十年以降になるわけでございます。
○青木説明員 ただいま運輸省の方から御答弁がありましたように、費用負担計画につきましては、工法あるいは工事計画案、こういうものが決まりました後の段階で、実施主体でございます県当局が、県の公害対策審議会の意見を聞いて決める、こういう段取りになっておりますので、費用負担計画がいつ決まるかということは、もっぱら、いま運輸省の方から御答弁のありました工事計画がいつ決まるかということにかかってこようかと考えております。
○馬場分科員 いまの答弁を聞いておりまして、五十年度以降にならざるを得ないと、はなはだ歯切れの悪い話ですけれども、水俣病が発生しまして問題になりましてから約二十年たとうとしておるわけですね。私は、本来ならばこのヘドロ処理というのはもう十年ぐらい前に終わっていなければならない、こういうことだろうと思うのです。それが今日五十年度以降なんどということは、全く行政の怠慢だと私は思います。特に、三木総理は環境庁長官時代に、四十九年度に着工するということをきちんと公約しておられるのですよ。それから、そのときの総理大臣の田中さんも、本会議場で四十九年度に着工するということを約束されております。こういう状況の中で、五十年に着工するというならともかく、五十年度以降ということは、五十一年になるのか六十年になるのかわからない。こういう問題について、私は監督の責任者の大臣にお尋ねしたいのですけれども、そういう、いまの段階で五十年度以降なんということはあり得ないと私は思うのですが、これは五十年度中に着工ができるのかどうかということについてはっきりお尋ねしたいと思いますし、さらに、そういう意味から、五十年度予算にはこのヘドロ処理関係の費用は、特に水俣に関しては幾ら組んであるかということをお尋ねします。
○竹内(良)政府委員 先ほど私五十年度以降と申しましたのは、本年四月以降という意味でございまして、極力五十年中には着工していきたいというふうに努力したいと思っております。予算につきましても、実は四十八年度から準備をしておりまして、四十八年度には国費で一千八十万円、四十九年度では国費二億五千万円を用意していたわけでございます。いずれもこれは繰り越しというような形になるわけでございますが、五十年度に対しましては、これは国全体といたしまして国費を十五億六千万円用意してございますので、この中で十分水俣の事業には対処できるというように考えている次第でございます。
○馬場分科員 これはぜひここで五十年何月くらいからということを聞きますと現地の人も安心すると思うんですけれども、まだそこまでいっていないようですから、極力急いでいただきたいということを申し上げておきます。 次に、ヘドロ除去工事についての基本的な態度ですけれども、これは大変な事業だということは私どもわかりますし、公害の原点水俣湾ですから、そこをきれいにするという工事ですから、世界から注目されておると思いますし、もちろん患者なり地元の人は大いに注目しているわけでございますが、この基本的態度について、これは簡単にお答え願いたいのですが、汚染源がいまあるわけですから、さっき環境庁にも質問いたしましたが、あるわけですから、このヘドロを一〇〇%に除去するという華本態度が工事の基本態度であるべきだ。 それから、工事中に二次汚染が絶対に起こってはいけない。これが汚染が起こりますと、第四水俣病というのがまたここから発生するという可能性もあるわけですから、工事中に二次汚染は一〇〇%起こってはならない、こういうぐあいに思います。 そしてまた、この工事というのは、長い間苦しめられた患者の心とかあるいは漁民の生きがいとかあるいは住民の不安をなくするとか、そういうことを十分考えてやらなければならぬ問題だろうと思いますし、このヘドロ除去工事に当たっての運輸省の、私がいま言いましたような基本的態度について、簡単にお答え願いたいと思います。
○竹内(良)政府委員 県におきまして、技術委員会あるいは計画委員会、学識経験者を中心とする諮問機関を経まして、現在案を決定しつつあるわけでございますけれども、先生のおっしゃるように、一〇〇%の除去という点につきましては、果たして一〇〇%云々ということに関しまして絶対のお答えになるかわかりませんけれども、この委員会におきましては、一部埋め立て、一部しゅんせつをするということで、計画の案をつくっている次第でございます。 次に、二次汚染に関しましては、これも一〇〇%という言葉はなかなか言い切れるわけではございませんけれども、この委員会におきましても、十分この二次汚染のことを研究の対象といたしまして、聞き及ぶところによりますと、非常な慎重な議論の後にこの工法の案を決定しているということを聞いている次第でございます。住民の皆様方の不安を極力なくすというような意味を十分体しまして、皆様方とも地元の方たちともいろいろお話をし合いながら、この計画案の決定をしつつあるというのが現状でございます。
○馬場分科員 いま計画委員会でいろいろ計画を練りつつあるという話で、一部埋め立て一部しゅんせつという方法が検討されておるとおっしゃいましたけれども、私は一〇〇%排除という意味から言いますと、完全にヘドロを外界と遮断してしまうということが必要だろうと思いますし、そういう意味から言いますと、それはヘドロを完全に埋め込んでしまう、こういうような工事が一番いいんじゃないかと思うんですけれども、そうなっていない。こういうことでございますし、いま答弁を聞いておりますと、やはり私は地元の人間ですから心配するんですけれども、やはり水俣病が発生する可能性は残るなというような感じがしてしようがないのです。一〇〇%とは言えません、一〇〇%排除はいたしません、一〇〇%二次汚染が出ないとは言えません、こういうような答弁なら非常に地元としても必配でしようがないんです。こういう面から言って、もう一つそういう案を決める場合に地元の納得が必要ですが、計画委員会がいろいろ三年くらい計画してこられたのに、地元の患者さんとか漁民とか住民とかの意見を一回も聞いていない。公聴会等も開いていないんです。それで、でき上がったところでこれじゃどうですかとやっているから、漁民の反発あるいは患者の反発を食らうのは当然ですが、そういう公聴会なんかを持ってきたかどうかという問題と、私が見ましたところ、加害者のチッソがヘドロ処理計画の一つの案というのを持っているんですよ。これを熊本県にも出しております。運輸省にも私は出しておるんじゃないかと思うんですけれども、今度計画委員会でできた処理案というのは、このチッソの処理案とほとんど変わらない。これはまさに私は企業サイドの経費節約の、あるいは経済効果優先の処理案であって、水俣病をなくしようという処理案ではないんじゃないか、こういうぐあいに思いますけれども、そういう点についての運輸省の御見解を承っておきたいと思います。
○竹内(良)政府委員 先ほど私、二次汚染は一〇〇%ということは、非常に厳密な意味で一〇〇%ということを言ったわけでございまして、やはり何といっても絶対とか一〇〇%ということはなかなか言えないということを言ったわけでございますので、その点はひとつ誤解のないようにお願いしたいと思います。極力二次汚染は防ぐという決心であるということを強調していきたいと思います。 計画に対する公聴会云々というお話ございましたけれども、現在委員会の計画案ができまして、それをもとにいたしまして県がいろいろの地元の関係者と十分お話をし合っているということを聞いております。 それから第二に、チッソの案があったではないかというお話でございましたけれども、寡聞にいたしまして私ども、このチッソの案というものは存じておりません。聞くところによりますと、この委員会におきましていろいろな案をもとにして研究いたしまして、その案というのはたしか三つあったと思いますけれども、三つの計画案をいろいろ研究いたしまして、十分慎重な審議をした結果、現在のような案に落ちついてきているということを聞いている次第でございます。
○馬場分科員 具体的にいまの案の中で水俣湾の機能がどう変化するかということを詳しくちょっと聞きたいんですけれども、たとえば漁港としては何%ぐらいだ、あるいは貿易港その他としては何%だ、現在の機能が新しくこの案で工事が行われました後どう変化していくかということについて、簡単にお答え願いたい。
○竹内(良)政府委員 現在の段階におきまして、管理者におきましてそこまで十分詰めているとは私ども聞いておりません。しかしながら、水俣港の位置というものを考えてまいりますと、熊本県の南部におきましてやはり非常に重要なウエートを持っていると思います。離島であるとか他の地方との定期航路との関連とか、あるいは漁港の一部の基地であるというような点を考えますと、やはり水俣港は将来商港としてのみならず、漁港等の要素も加えながら発展していくべきものではないか、また一部には工業より産業の基盤、基礎としての港もその要素の中にいま考えていきたいというふうに考える次第でございます。
○馬場分科員 具体的な答弁がなかったんですけれども、私がこの計画を見る限り、やはり経済効果を優先させて、そういうための港湾の整備事業というような感じかします。本当に海をきれいにするという、ヘドロを除去するという事業から、経済的効果優先というような感じがしてしようがないわけでございます。たとえば防波堤なんかをつくっておりますけれども、ここをつくりますと、漁民の人はあの計画を見て、もうこれじゃボラが入ってこないじゃないか、海流の流れが変わるじゃないか、産卵地がなくなるじゃないかと、もうぴんと感ずるわけでございますし、そしてまた先ほど言いましたように、全面埋め立てしたらどうだと言ったら、運輸省がここは重要港湾だからそういうことはできないんだと言ったとか、こういうような話もございますし、そしてまた費用が非常に高過ぎる、だから全面埋め立てはできないんだとか、チッソの案と似ている、同じだ、こういうようなことで地元では本当に海をきれいにするという事業ではなしに、経済効果優先というような、そういう案になっておるという批判がございます。これはもう答弁要りませんけれども、そういうことのないように、十分海をきれいにするんだという原点に返ってひとつやっていただきたい、こういうぐあいに思います。 そこで次に、時間があまりないものですから、いずれこれはPPPの原則は貫かれると思うんです。そうした場合に、いまチッソが三十九億円とか開銀から貸してくれとかなんとかいう申し入れもしておりますし、これはどうなるか知りませんが、今日三千人くらいの認定の申請者が出ておるのです。これは認定も当然いずれやられるだろう。莫大な費用が要るわけでございますが、今日のチッソにやはり負担能力があると運輸省あるいは環境庁は見ておられるのかどうかです。 それからもう一つは、もし工事に入って、チッソのPPPの原則に基づいて負担をやった、途中チッソが払い切らないというぐあいになった場合に、その後は経費の負担その他を含めてどうするんだ、そういうことについて、これは運輸省ですね、それから環境庁にも関係するかもしれませんが、関係者の方から答弁願いたいと思います。
○竹内(良)政府委員 チッソに負担能力の云々というところまで私ども実は考えられない立場でございます。ただ、この仕事は、先生おっしゃるように、どこまでも海を美しくするという点において実行していかなければなりませんし、また、原因者負担というものは貫いていかなければいかぬ、その場合に、いろいろの問題が起きた場合に、熊本県にのみ責任を押しつけるというようなことはしないで、みんなで考えていこうじゃないかという点から私ども仕事を始めたわけでございまして、私ども、いろいろな点につきましては、環境庁あるいは大蔵省と相談しながらやっていかなければいけないと思っております。
○青木説明員 チッソの経営につきましては、昨年の九月三十日の決算で、たしか累積の赤字が百五十億を超えておる、それから、いま先生おっしゃいましたような、申請中の患者がかなり多い、これはどれだけ認定になって補償問題が出てくるかわかりませんが、非常に楽な状況でないということは言えるのじゃないかと思っております。 それから、水俣湾のしゅんせつに伴います工事費でございますが、これは先ほど申し上げましたように、費用負担計画が決まっておりませんので、チッソにどれだけの分が割り当てられるか、あるいは仮に割り当てられるとしても、この工事は単年度でおそらくできなくて、もっと長期にわたろうかと思いますので、そういう年度別の配分がどうなるか、こういったような問題がございますので、費用負担計画が決まった段階で熊本県当局からも事情を聞きまして、関係省庁と相談しながら、事業が円滑に遂行できるようにしていきたい、こう考えております。
○馬場分科員 これにつきまして、これはもう計画の段階で、工費をどう見るかというところにはPPPの原則を貫かれて、たとえば企業が七五%だとか、いろいろあると思います。机上で割り当てるのは私は簡単だろうと思うし、それに、単年度で終わらなければ、第一回、第二回、長期の工事になると思いますが、患者のいまの申請のぐあいから見、チッソの経営状況から見て、これはもう当然負担し切れないのじゃないかというぐあいに私は見通しとして持っております。ところが、環境庁なり運輸省は、そういうことは全然わからない、しかし、計画だけはつくるんだ。そういうときに途中で必ず払い切らないという状態が出てくる。そのときはそのときの話だというのではなしに、やはりある程度そういう見通しを持って取り組まなければいけないのじゃないか。そういうことで、具体的にはここで言えないと思いますけれども、もしチッソが払わないと言ったときの責任は県にあるのですか、国にあるのですか、その工事を進めていくかとめるかあるいはどうするかという責任は県ですか、国ですか。これについて、どちらからでも結構ですから、答えてもらいたいと思います。
○青木説明員 最終的にチッソが支払わないということをどういう段階でとらえるかということは問題あろうかと思いますが、その場合に、チッソの負担分についてもしこれが資金充当できなければ、工事ができないということになりますので、そういう際には公共的な負担ということも必要になってこようかと思いますが、そういう場合の補助率をどうするとかといったようなことにつきましては、仮定の問題でございますので、その段階において関係省庁と御相談をしたい、このように考えております。
○馬場分科員 次に、埋め立て地ができるわけでございますが、この埋め立て地の利用計画というのは、工法を決めるときにもう埋め立て地をこう利用するのだと決めるのですか、それとも埋て立てをしてしまってから、それをどう使うかというぐあいに決めるのですか、どちらですか。
○竹内(良)政府委員 この計画につきましては、結論的には、工法を定めるとき、事業の着工前に決めなくてはいけないと思います。と申しますのは、まずこの計画の案をつくりまして、その次に地方公害対策審議会に県としては諮るわけであります。そのあとで、あるいは同時にですが、地方港湾審議会に諮ります。その際には、ある程度埋め立ての使い方、用途ということに対する方向をやはりきめていかなければならぬだろうと思います。それを受けまして、今度国といたしましては港湾審議会にかけまして決定していくというような形になります。それから同時に、公有水面埋立法の手続を経まして埋め立てをしていくわけでございますので、その際にはやはり用途というものを決めていかなければいけない、こういうわけでございますので、工事の着工の前に定めていかなければいけないと思います。これは大まかなところでよろしいと思います。
○馬場分科員 時間も余りありませんけれども、あそこに丸島漁港というのがありますが、これは漁港ですから水産関係だと思いますが、それから百間とか丸島に排水路もあるのですが、この計画がまだ全然着手していないようですけれども、こういう計画も一緒にやらなければ本当の意味の汚泥の処理にならないと思いますから、ぜひ一緒にやっていただきたいと思います。 それから次は、大蔵省にお尋ねしたいのですけれども、公害補償に対する非課税措置の問題でございます。これはこの水銀被害によりまして漁民も大変被害を受けたわけでございますし、関連の業者、特に鮮魚商の方たちなども大変な被害を受けて、補償交渉なんかやりまして、そして妥結をしておるわけでございます。この補償金というのは、言うならば、もう十年、正確に言うと二十年と言ってもいいと思いますけれども、水俣病と言われた、あるいは新聞とかに報道されるたびに魚がとれなくなるとか、あるいは市場から締め出されるとか、魚価が暴落するとか、あるいは一時休業しなければならない、まさに二十年近い毎年毎年そういう苦しみの中で漁民とか鮮魚商の組合の人たちなんかやってきたわけですけれども、その経済的、精神的苦痛というものは大変なものでございました。それで実は会社と交渉しながらそういう面から補償を受けたわけでございますが、この補償金に対して昨年度は実は非課税措置にしてもらったのですけれども、これはことしもぜひ非課税措置にしていただきたいという強い要望があるのですけれども、大蔵省の方ではどう検討しておられるか、承りたいと思います。
○福田説明員 補償金につきましては、税法上申し上げますと、いろいろなスタイルと規定がございまして、心身に加えられた場合の損害、これは非課税であるとか、その場合は休業による収益補償も含むわけです。それから、資産に加えられた損害につきましては、不法行為その他突発的な事故を原因とするものに限りますけれども、非課税であるとかいうことに、規定は、所得税の政令の方で三十条の一号、二号、御存じのようにございます。同じく九十四条の方で、事業収入にかわるようなものということで収益補償については課税規定がございます。一般的には法律の九条のところで一般的な規定がございますが、この補償のやり方のスタイル、態様が区々になっておるというのがあっちこっちの補償で出てまいりますし、税法はそれに当てはめてまいりますので、補償の内容とか補償の性格、それからその水準、また、その態様に合わせて適用をやっておるわけでございます。御指摘のように昨年は、これは国税庁の問題になりますけれども、結果的には、いろんなその適用の結果、実態判断いたしまして税法どおり適用いたします結果が課税事例が余りないというふうに聞いております。四十九年分は補償金額も大分減っておりますでしょうし、いまのようないろんな事態に当てはめて適用していけば前年と同じようなことになるのではないかということを申し上げて、全般的に非課税になるというふうな法律上の問題ではないと思いますので、国税局の執行の結果どうなるかということであろうかと思います。
○馬場分科員 時間が来ましたけれども、念を押すようですけれども、今回四十九年度分については水俣の漁民から、水俣だけではございませんけれども、不知火海の漁民並びに鮮魚商は昨年同様非課税になるというぐあいに理解してよろしいですね。
○福田説明員 ちょっと国税庁の方から……。
○内村説明員 昨年度の問題は、先ほど税制一課長がお答えいたしましたように、いろいろな損害の態様、補償の態様がございますので、補償金、損害の態様に合わせて実態的にその中身を判断いたしまして税法を適用いたします。そういう結果、昨年度は実際に課税されたものはなかったわけでございますし、同じような補償の内容、損害の態様だと思いますし、そういう意味におきまして、本年は昨年よりも補償金額は少ないと聞いておりますので、なお、実態的に判断を要する点はございますけれども、現地でもそういう方向でいま検討し出しておるということでございます。
○馬場分科員 では、終わります。
○谷垣主査 これにて馬場昇君の質疑は終了いたしました。 次に、上坂昇君。
○上坂分科員 国鉄の方いらっしゃいますか。——ちょっとお聞きしますか、常磐線というのは上野からどこまでですか。
○伊江説明員 岩沼まででございます。
○上坂分科員 国鉄ではそういうふうに言うのですね。ぼくらは違うのですよ。常磐線というのは上野から平までと思っているのです。平から以北というのは、これは言ってみれば相双線だ、こういうふうに言って差し支えないと思うのです。これはもう常磐線ができて以来、この平までのとそれから平以北の線とは大変な格差があったわけですね。いまでも非常に格差があるわけです。最近に至っては、いろいろそれにつけ加えてCTCの問題やら何やら、無人化の駅やら何やらが出てきているような状況でして、原町から以北の相馬を除く町、村に行きますのには東北線を回った方が早いのですよ。そういう状況なんです、実を言うと。東京から行くのには、私なんかしょっちゅう東北線を回って行くのですよ。そのくらい不便だということなんですね。だから私は相双線だ、こういうふうに呼んでいるのです。常磐線は平までなんですからね。そこのところを認識しておいて、そして常磐線に対する対策をしてもらわなければならぬわけです。 最近の常磐線の利用状況はどのくらいになってますか。非常に見込みはいいですか。
○伊江説明員 いまはっきり数字では申し上げられませんけれども、いま私どもの輸送の形態を申し上げれば大体お答えになるのではないかと思いますが、御承知のように別に常磐線を軽視しておるわけではございませんけれども、その線路の状況は御指摘のとおり東北線の方かよろしゅうございます。したがいまして、大体において東北方面の特急列車、急行列車を主体としますものは東北線を経由いたします。その補完的なものとして常磐線を経由、こういうかっこうになっておりますので、私どもは、今後の東北方面への輸送力の増大のためには、この両線相補いながら輸送しなければならぬということで、常磐線についてもこれから力を入れていきたい、こういうことで、現状は御指摘のとおりでございます。
○上坂分科員 平以北の複線化の完成についての見通しについてお答えいただきたい。
○内田説明員 平以北の複線化の工事でございますが、先生も御承知のように現在は広野−木戸間、それから大野−双葉間、この二カ所につきまして工事中でございます。この両区間につきましては、五十一年三月複線の使用開始予定で工事を進めております。なお、そのほかの区間につきましては富岡−夜ノ森、鹿島−日立木というような区間について複線化につきましての工事の調査をしておるということでございます。
○上坂分科員 これは全線つながるのには一体どのくらいかかるのですか。それから計画どおりいく見通しがあるのですか。
○内田説明員 常磐線の複線化問題につきましては、将来はこれを全線複線化にするつもりでございますが、さしあたりは東北線を増強いたしました関係でこちらがおくれておるということでございます。なお、新幹線の関係等もございますので、それらの状況あるいは当地区のお客さんの増加の状況等を勘案しながら前向きに検討してまいりたいと思っております。
○上坂分科員 新幹線は私の方は関係ないのですよ。それで実際は、いま言っているように、こういう非常に恵まれていない地域、この地域に対して、これはもう何十年来の希望ですね。これがちっとも聞いてくれないでますますひどい状態に置かれてほうっておかれるというような状態、ここにやはり問題があるわけですね。地域には、国鉄というのは何をやっているのだ、こういうような声が強いのです。ますます過疎地帯でひどい目に遭わせるのではないかということで非常に憤慨をしております。これは言ってもしょうがないのですが、たとえば平まで行くのにどのくらい急行があるかというと、実は二十四本あるのですよ。二十四本、平まで行っているのです。ところが、そこから先になりますと、これは全く少なくなっちゃうのですよ。こういうような非常に片手落ちなやり方でなしに、やはり常磐線というのは岩沼までだと皆さんが言うならば、私が言うように相双線だなんて言われないようにひとつやってもらいたいと思うのです。これは希望しておきます。 次に、気象庁にお伺いしますが、気象業務と言いますか、そういう気象学にのっとって行われる業務だろうと思いますが、それが人間の社会生活にとってどのような役割りを果たしているのか。それから最初は中央気象台として発足をしたのだと思いますが、それが今日発展して気象庁にまで大きくなってきたわけですが、日本の行政の中で占めているその役割りというものについて、簡単に御説明をいただきたいと思います。
○毛利政府委員 申し上げます。 気象庁は主として気象でございますが、地球に関しますこういう現象の記録をいたします。つまり、現在の状況を知ります。また、この知識を応用いたしまして将来の予想を立てます。そのような予想に基づきましたものに関しまして、天気予報など情報を発表しております。このような情報は毎日、社会生活並びに各方面においていろいろ利用されていると存じております。
○上坂分科員 いま気象庁の合理化計画というのがずっと進められておるわけですね。それで第一次計画は昭和四十四年から四十六年度で、このときには観測回数の削減あるいは測候所、通報所の合併あるいは閉鎖、それに伴って二百三十七名の職員が減ったわけですね。それから第二次の四十七年−四十九年度では六十二名が減員されております。予報発表の権限を地方気象台に移管をして、さらに会計事務なんかも地方気象台に集約をした、こういうことをやった結果として気象行政という面から言ってどういう成果が上がっておるか御説明いただきたい。
○毛利政府委員 気象庁におきましては、先生御指摘のように第一次削減、第二次削減を行いました。気象庁はいろいろその間に気象学、気象技術の開発、進歩を取り入れました。また施設の改善を十分に図りまして、これらの結果をわれわれの仕事の中に取り入れました。あるいは業務態様の中で変更すべきものは変更いたしました。また新しい方法に置きかえることができましたものは置きかえることにいたしまして、われわれといたしましていろいろ努力を行いまして仕事の効率化を図ってまいりました。
○上坂分科員 それにもかかわらず、予測されない災害が最近非常に多いというようなところから見ますと、どうもこうした合理化計画の影響というのが私は別な面であらわれているんじゃないかというような気がするわけですがその点はいかががでしょう。
○毛利政府委員 やはり気象庁といたしましては新しい技術、施設の改善はいろいろ取り入れる、また形も違ってまいりまして、たとえば集中豪雨の問題が大きくなりましたときにはこのようなものをどういうふうにするかというようなことにつきましても技術の改善を図ってまいりまして、極力国民に対します気象の情報を敏速かつ正確にするように努力を続けてまいっております。
○上坂分科員 今度第三次の業務整理対策本部というのを設けているようでありますが、これは何を目指してこういうのをつくられたのですか。
○毛利政府委員 第三次でございますが、やはり従来と同じように気象庁といたしまして新しい技術の取り入れ、また新しい施設、また方法の改善を図りまして、古くなりました方法はこれを改善いたします。新しい方法を極力われわれの業務の中に取り入れる。そのようにしまして業務の効率化を図りまして、削減に対応していきたいと存じております。
○上坂分科員 第三次計画も結局は人減らしの延長であるというふうに私は思いますが、その点はどうですか。
○毛利政府委員 気象庁といたしましてこのような業務の態様に対しまして削減第一年度は六十五名ということでございますが、新規増員といたしまして、気象庁は六十六名をいただいておるという状況でございます。このような意味におきまして、気象業務といたしまして国民に対しますサービスは極力落ちることなく、ますますこれをよくしていこう、進歩さしていこうと存じておる次第でございます。
○上坂分科員 私は人を減らしていくということについては非常にサービスが低下するというふうに思いますが、この合理化の計画で具体的に五十年度はどこをどういうふうに合理化するのか。たとえば全国で通報所の廃止、これは段階的に行うのだと思いますが、これは何名減員となるのか。それから測候所の夜間閉鎖とかそれから観測回数を減らすことで具体的に何名、何名減るというふうにお答えをいただきたいと思うのです。 それから特に東北の仙台管区気象台管内ではどこをどういうふうに何名に減らしていくのか、これをお答えいただきたい。
○毛利政府委員 第一年度の削減計画につきましては、部内で慎重に検討を行いました。この結果によりまして、先ほど先生のおっしゃいました通報所の問題であるとか観測回数のことなどを十分検討をいたしました。 なお、先生がおっしゃいました夜間閉鎖の問題は第一年度はわれわれは考えておりません。 そのほか、いろいろ業務のことを考えまして一応の案をつくりましたけれども、なお、これから四月までの間さらに検討すべきことを十分に検討し、そしていろいろの国民に対するサービスが落ちないような方向で努力をしたいと存じて、ただいま進めている状況でございます。
○上坂分科員 計画の青写真は一応できているけれども、それは検討の段階でいま発表できない、こういうことですか。
○毛利政府委員 一応これは全国的な問題でございまして、案といたしまして気象庁の中では考えましたけれども、十分にこれを慎重に検討いたしまして、さらに一月の間検討いたしまして実施案をはっきり決めたいと存じております。
○上坂分科員 六十五名と言われましたが、そのこととはどう関連しているのですか。
○毛利政府委員 六十五名と申しますのは第一年度のわれわれの計画の目標でございます。気象庁の中で先ほど先生がおっしゃいましたいろいろの柱につきまして十分な検討を現在重ねている状況でございます。
○上坂分科員 そうすると、六十五名の人数は一応目標としてあるけれども、それを実施する上においては今後十分検討する、こういうふうに受け取っていいわけですね。
○毛利政府委員 先生のおっしゃるとおりでございます。
○上坂分科員 地域気象観測網システムというのがありますね。AMeDASというのですか、これは現在全国で何カ所採用しておるか、それから将来は全国に何ヵ所設置するのか、お答えいただきたい。
○毛利政府委員 地域気象観測網システムわれわれはAMeDASと呼んでおりますけれども、四十九年度中に全国で約九百ヵ所の実施を行います。将来はもっとふやしまして、できましたならば千三百までぐらいと思っておりますが、これは将来の計画でございます。
○上坂分科員 AMeDASによる観測というのは、四要素というのですか、雨量、風向、風速、気温、日照というふうに私は聞いておりますが、これだけなんですか、それ以外のものはできないのですか。
○毛利政府委員 AMeDASの基本の観測要素は全国的には雨でございますが、そのうち必要な個所、全部ではございませんが、必要な個所につきまして先生先ほどおっしゃいました四要素、風向、風速、気温、日照を観測できるような装置をつけております。
○上坂分科員 雨だけの観測をやっているところがかなりあるというふうに聞いております。それだからアメダスと言うのか、そいつはわかりませんがそういうふうに聞いているわけです。それから、寒い時期ですね、寒候期といいますか、これは積雪地帯で九百幾つある中で六百近く、五百九十幾つが休止になっているというふうに聞いているわけですが、そのことと、それからこのAMeDASは霧とか雪とかは観測できないのですか。
○毛利政府委員 AMeDASは地域気象観測網システムというのを英語にいたしまして頭文字をつけましたら、たまたまAMeDASとなったのでございまして、まあ申し上げますとオートメーテッド・メテオロロジカル・データ・アクイジション・システムというのでありますが、それがちょうどAMeDASというふうになったのでございます。 先生御指摘の雪のことでございます。気象庁の観測と申しますと、もちろん雨だけでなくて雪その他降水の現象、いろいろございますが、いままで気象庁の観測をやっております中で、無線ロボットと申しまして、夏の間だけ雨だけを観測いたしまして、冬になりますとこれを撤収いたしますような機械がございました。主としてAMeDASの計画と申しますと、これは集中豪雨に関しまして非常に国民の要望が強いということでわれわれは計画を立てて実施してまいりましたものですから、主として雨に重点を置いてきたことは事実でございます。それで、冬の間、撤収いたします無線ロボットにつきましては、これはAMeDASのシステムの中に入っておりますが、これは従来でも冬の間は撤収いたしまして観測しておりませんでした。AMeDASになりましても、これは冬の間、その機械はそのままリアルタイムの計算機につながっておりますので、冬の間機械がなくなってそれは中止するというのは従来と変わりません。それで、雪に関しましては、気象庁としてももちろん重要なことだと存じておりまして、この雪に関します委託観測などは従来と全く同じに現在続けております。このような状況で雪の観測のデータは従来どおりちゃんと入りますし、また雨に関しましては観測できる場所の観測値が入ってくる状況でございます。
○上坂分科員 AMeDASの送信データですが、これは気象庁に集約されるわけでしょう。それで管区ですか、それから地方気象台にしか流れないというふうに聞いているわけですが、そうなりますと地区の測候所というのはこのデータをつかめないという結果になると思いますが、その点はどうですか。
○毛利政府委員 先生おっしゃいましたように、AMeDASのデータは東京の大型計算機に入りまして、この計算機でリアルタイム式に全部処理いたしまして、これを全国の管区並びに地方気象台に配付しておるのでございます。われわれは気象の情報を作成いたしますときには、やはりある一点のデータだけではなくて、多くの場所を同時に観測いたしましたデータを比較検討したしまして、たとえばわれわれがよく使います気象図と申しますか天気図と申しますか、このようななるべく図の形にいたしまして、たとえば低気圧であるとか高気圧であるとか、そういうふうな気象の現象にそれを直し当てはめまして、そのような中からわれわれは現状かどうなっているか、あるいはそれに基づく予想をどうするかということを行っているわけでございます。その意味におきまして、管区と申しますと、主としてその地方の、たとえば仙台管区でございますと東北地方全部の大まかな気象の状況をつかみ、また予想を立てます。たとえば、ある県の気象台はその県内の気象状況に関しまして現状を把握し、また将来の予想を立てて、やはり気象庁で予報という業務は大事なものでございますので、そのような主として県におきましてこれらの業務を行うのが気象庁として一番いいと判断しまして、たとえば重要でございます注意報でございますとか警報のような直接、災害に結びつく現象に対します警告というものは、大体原則といたしまして全県で一つで地方気象台で行っている、そういう状況でございまして、ここにAMeDASのデータを利用いたすという状況になっております。
○上坂分科員 具体的に小名浜測候所について申し上げますが、これは観測回数の削減とそれに伴う人員減というのは、計画ではどうなっているのですか。現在十五名のうち何名減らすのですか。
○毛利政府委員 小名浜につきましては、小名浜の観測は現在二十四回観測通報業務というのを行っておりますが、これを八回観測通報業務に変更いたします。これに伴いまして二名の削減を考えておりますが、先ほど来話題になりましたAMeDASの展開が昨年の十一月から実施されております現状におきまして、AMeDASの機械は観測データを一時間ごとにそのまま電気的に信号といたしまして東京まで送って、また全国にフィードバックするという状況ができてまいりました。現在その意味におきまして観測データはとれるわけでございます。そのような状況を勘案いたしまして二名の削減を考えております。
○上坂分科員 その計画では、通常天候のいわゆる推移というのが小名浜では把握できないと言っているわけです。 長官は小名浜に行ったことありますか。
○毛利政府委員 申しわけございません。行ったことございません。通ったことはございますけれども、行ったことはございません。
○上坂分科員 通ったのでは風か何かと同じで、これは何にもならないですよ。だから、ダメダスになっちゃうんで……。 小名浜というところは、これは説明すると、いわき市というところにあるのです。そのいわき市の磐城というところなんです。そんなことももちろんわからないでしょう。それで計画を立てるからどうもおかしくなっちゃうのです。小名浜というのは国際港なんですよ。国際港と言っても、この小名浜港というのは道路にたとえるとこの中は追い越し禁止なんですよ。だから実際は非常に危険なんです。そこへ持ってきて漁港があるわけですよ。年間三万九千隻から四万隻の船が出入りしている、そういうところなんです。しかもここは新産都市地域で、福島県におけるところの工業の中心地なんです。小名浜コンビナートで、福島県における公害のメッカでもあるわけです。しかも最近は富士興産の石油基地がここにできていて、海底にはパイプラインも三本も敷設されているという状態なんです。ですから荷役作業にしましても何に心しましても、気象関係の大変なデータが必要なわけです。それから小名浜測候所は公害のデータを常時六社に対して送っているわけです。もちろん漁業関係は、これは問い合わせがしょっちゅうであります。四十九年度で百五十件以上の気象に関しての電話の問い合わせがあるのです。そういうことを知らないで計画を立てられたのでは大変迷惑なんですね。いま私のところに実は九十団体から陳情が来ております。これは絶対にそういうことはやらないでくれ、減らさないでくれと。小名浜測候所に勤めている職員は、海上保安部、無線局、電報電話局あるいはさっき言った企業、漁業、そういうところの電話問い合わせ、あるいは定時通報、連絡、これをやっているわけですね。そのほかに沿岸観測というのをやっているのですよ。海水の水温、比重、そういうものを観測しているのです。観測するのに職員が地震計からヒントを得て、地震計の計器を古いやつを利用しまして、そして、観測器をみずからつくってやっているのですよ。そういうことまでやっているわけですね。しかも地震の観測ももちろんやるわけですね。こういう状態ですから、大変苦労しているのです。これで二人も減らされたら大変です。沿岸観測では一人が行くのに大体三十分から四十分かかるのです。そういう事情をひとつ考えて私は再検討をしてもらいたいし、検討の上でむしろ実施しないということを望みたいのであります。これは運輸大臣にも次官にもぜひお願いをしたいというふうに思います。 もう一つ言いますと、小名浜は東北と関東の接点に来ていますから、気象条件でも重要地であります。それから、航空関係では仙台の航空学校の訓練地域なんですよ。いろんな面で気象関係では大変なデータが必要なんです。こういう状況でございますから、実施しないでもらいたいというふうに私は思います。 時間がありませんから、最後にもう一つだけお伺いしますが、若松測候所がありますね。これが十五名でありますが、一昨年予報の発表の中止があって人間が減ったのですね。それから、これはロボット観測八ヵ所、農業気象観測で十九ヵ所、磐梯山に火山観測所まで設けているわけです。そういう仕事をやって、ここの職員は、出張日数五月から十一月までの間に実に七十一日なんですよ。延べ百五十人が出張しているのです。このくらい大変な業務をやっているわけです。そういうことを考えて、やはり若松測候所、これは広い地域で、茨城県くらいあるのですから、この担当地域は一県くらいのものを持っているわけです。そういう点をひとつ勘案をしてもらいたいというふうに思います。 それから、只見の気象通報所は、これもなくすようなことを言っているようでありますが、これは日本一の豪雪地帯と言われているのですよ。六メートルくらい降るのですからね。そういうところの気象条件というのは大変なんです。しかも山岳地帯で電源地帯だということで、大変な重要地帯なんです。こういうことをやはり考えて計画を練らなければいけない。少なくとも長官は、そういうところを見てくるくらいの熱意があって、それから始めなくちゃ困ると私は思うのですね。ほかからデータが来れば、各測候所とか管区から来ればそれをうのみにしてしまうというようなことでは、一番最初に長官がおっしゃったような、気象とわれわれの社会生活との関係を本当にうまくすることはできない、こういうふうに考えるのであります。 そういう意味で、むしろこれから地域開発あるいは海洋の問題、航空、公害対策、それから災害防止、農林漁業の振興、こういう面からいって、むしろ測候所の、あるいは通報所の人員を確保していく、増強をしていく、観測回数についてもむしろ増加をするというような強化拡充の方法が必要であるというふうに私は思います。そのことについて伺うと同時に、これは私が希望するわけでありますが、そのことについて一言伺って私の質問を終わります。
○木村国務大臣 気象庁と申しましてもやはり政府機関でございますので、国民の税金で賄っております人件費の節約についてはやはり努力をしなければなりません。しかし、気象庁の仕事は御承知のように非常に高度な知識と非常に精密な機械を扱う技術とを要請されておりますので、ほかの官庁に比べましてはそう人員の合理化ということもむずかしいと思います。しかし電子工学あるいは通信工学等で、新しい機械等によりまして、人員の経済化、合理化そういう面もあろうと思います。また反面、そういう新しい機械がふえますと、それに従ってそれを操作する人が要るということでございますので、合理化すべき点は合理化しなければなりませんし、また新しい必要に応じては人をふやさなければならないと思います。ことに測候所の要員あるいはその他調査等につきまして、人を減らして能率を下げて観測の効果を減らすというのがねらいではございませんので、人を減らすために調査の能率が下がったりあるいは測候の結果が不正確になるというふうなことが絶対あってはなりませんので、そういう点は十分に注意しながら経済化を図っていきたい、かように考えております。
○谷垣主査 これにて上坂昇君の質疑は終了いたしました。 次に、山口鶴男君。 〔主査退席、内海(英)主査代理着席〕
○山口(鶴)分科員 きょうは、公営ギャンブルのことにつきまして若干のお尋ねをいたしたいと思います。 手元に少し古い統計しかございませんが、昭和四十七年における公営ギャンブルの売上高の総計は、一兆九千二百九十三億七千三百万円という巨額に達しております。その年の対前年度伸び率が二二・八%でありますので、この率で伸びたと仮定いたしますと、昭和四十八年には売上高の総計が二兆一千億円、昭和四十九年には二兆四千億円、本年は二兆六千億あるいは二兆七千億にも達するという、きわめて巨額な額に達するものと推察をされるわけであります。 そこで若干のお尋ねをいたしたいと思いますが、公営競技には四種類ございますが、一番伸び率の大きいのは何かというと競艇なんですね。昭和四十年ごろは競輪が一番多くて、その次が競馬で、その次が競艇で、オートレースが四番目、こういうことでありますが、いまや、昭和四十七年のデータを見ますと、一番が競輪、それとほぼ肩を並べて競艇ということになっているわけです。競艇の伸びというのが著しく高いわけであります。そこで、競馬につきましては中央競馬会、地方競馬会、競輪につきましては日本自転車振興会、オートレースにつきましては日本小型自動車振興会というものがございます。競艇につきましては日本船舶振興会というのがあります。これらの団体を見ますと、私奇異に感ずるのですが、日本自転車振興会、日本小型自動車振興会は特殊法人ですね、ところが、どういうわけか日本船舶振興会だけは民法第三十四条の公益法人、財団法人になっている。これはいかなる理由があってこうなっているのですか、お尋ねをいたします。
○内田政府委員 日本船舶振興会は、御承知のとおりモーターボート競走法に基づいて設立された法人でございますけれども、同法によって法人格は民法第三十四条による法人ということにされておるのに対しまして、競馬、競輪は御指摘のとおりそれぞれの法律自体で法人格を与えられておるということでございます。それで、競輪の例で申し上げますと、日本自転車振興会が特殊法人つまりその法律自体で法人格を与えられましたのは昭和三十二年の法律改正のときでございますが、その法律改正以前は競輪の場合は社団法人であったわけでございます。これは競輪が御承知のとおり発足当初のいきさつから自転車業界等を基盤として運営されてきておりましたために、業界の企業利益に影響されるおそれがあるというようなことで、いま申しました昭和三十二年の法律改正で特殊法人ということになったわけでございます。 一方、競艇はむしろ競輪より後発の公営競技でございまして、当初から関連企業の介入というものはございませんでしたし、また先発の競輪とかその他の公営競技よりかなりおくれて発足したために、その運営の実態等を十分研究してからスタートしたというようなことから、当初から円滑、健全な運営を阻害する要素を排除することができたということ、また今日までそのように運営してきたということから、法人格が先ほど申し上げましたようなことになっているわけでございます。
○山口(鶴)分科員 大臣御存じだと思うのですが、昭和三十六年に「公営競技に関する現行制度と今後の基本的方策についての答申」というのか出ております。三十六年は古いというふうに思われるかしりませんが、これ以降公営競技に対する答申というのはないのですから、これが最も新しい答申ということになります。これを見ますと、最後の十三に、「現行公営競技の根拠法が異なっているため、各種公営競技間に均衡を失している点が少なくないので、所管各省においてこれを是正するよう努力する。」と、こうなっているわけです。さっきお話聞きましたら、三十二年の法改正というお話です。それ以後出た答申。他のものが特殊法人になっていれば、運輸省は当然これはモーターボート競走法を改正し、特に第二十二条の二の「振興会は、民法第三十四条の規定により設立される財団法人とする。」という規定を当然特殊法人に改めるべきだと思うのです。昭和三十六年から今日まで実に十四年間も放置して、そうして片方は特殊法人、どういうわけか船舶振興会だけは財団法人、いわゆる公益法人ですね。これを放置した理由はどういうことなんですか、大臣。
○木村国務大臣 この答申書を私詳細にいままで見ていなかったのでございますが、いま御指摘の第十三番目に書いてありますのはどうも競輪、競馬、競艇等、公営ギャンブル競技の競技そのもののやり方と言いますか、そういうことについての根拠法がそれぞれ違っておるから、そういう面でひとつ是正するように努力するというふうに一つは読めるのでございますが、いまの競技を運営いたします法人の根拠法が異なっておるということがこの中に含まれるかどうか、ちょっと私疑問を持っていま読んだわけでございますが、いずれにいたしましてもいま船舶局長が申し上げましたように、船舶振興会は民法の法人として今日まで来ておりますが、そのために別段支障がなかったと言っておりますとおり、監督官庁としても民法の法人であるがゆえにこういう支障があったというふうなことがないわけでございます。そういう点につきまして何か御意見がありましたら聞かしていただいて参考にしたいと思います。
○山口(鶴)分科員 自治省からも来ておられますね。実は、自治省からこの文書をいただいて説明を受けたわけです。この答申は単に運輸省に出たわけじゃなくて、公営競技を所管している運輸省、通産省、自治省、農林省、こういうところがいわばこの答申を受けたというかっこうになっておるわけでしょう。自治省の方にお尋ねしましたら、確かに片や財団法人、片や特殊法人、違いがあります、そういう趣旨もこの中に織り込まれているものと思います、こういうお話でございました。これは文字どおり素直に読めば、そう理解していいんじゃないですか。しかしこれは押し問答になりますから、具体的な事例でそれじゃお尋ねをいたしましょう。 役員の選任は、特殊法人の場合と財団法人の場合では違うでしょう、どうですか。
○内田政府委員 船舶振興会の役員の選任は、競輪、競馬と違っております。
○山口(鶴)分科員 どう違うんですか、具体的に答えてください。
○内田政府委員 競輪等の場合には、当該振興会の会長は所管大臣の任命制になっており、その他の役員は認可制になっているというふうに承知しております。それから船舶振興会は、会長を初め各役員は運輸大臣の認可事項ということで、任命制ではございません。
○山口(鶴)分科員 そこが違うわけですね、大臣。そこで具体的にお尋ねしたいと思うのですが、この自転車振興会にしましても、それから小型自動車振興会にしましても、船舶振興会にしましても、それぞれ一号交付金、二号交付金というような形で、文化、体育の振興あるいは社会福祉等に対しまして、助成と言いますか補助金を交付をいたしておるわけであります。ここに全部持ってくるのはあれだったものですから、船舶振興会の補助金とそれから小型自動車振興会と自転車振興会の補助金の一応の表を持ってまいりました。日本小型自動車振興会、スポーツの指導者の育成等で補助金を日本体育協会に交付をいたしましております。また自転車振興会におきましても、日本体育協会が行うスポーツの振興ということで、日本体育協会に三億八千四百四十万円、これは昭和四十八年度でありますが、補助をいたしております。ところが日本船舶振興会、この補助金を拝見をいたしますと、体育の面などにいろいろ補助をしておるわけでありますが、特にこの二つと違いますのは、たとえば合気道養神会、全日本空手道連盟等に多額の助成をいたしております。日本体育協会には出してはおりますが、三千三百五十万円しか出しておりません。これに対しまして合気道養神会に対しましては四千万円、全日本空手道連盟に対しましては一億二千万円、それからこれは体育じゃありませんが文教ですが、日本吟剣詩舞振興会、何をやっているかわからないので聞きましたら、詩吟をやったり踊ったりしているのだそうでありますが、ここに実に一億補助金を出しているのですね。この合気道養神会の会長、全日本空手道連盟の会長、日本吟剣詩舞振興会の会長はどなたでありますか。
○内田政府委員 順序不同になりますけれども、合気道養神会は柏村信雄という人であります。それから全日本空手道連盟は笹川良一氏であります。日本吟剣詩舞振興会は笹川良一氏であります。
○山口(鶴)分科員 いま一つ聞きましょう。日本顕彰会二千二百六十万円、会長はどなたでありますか。
○内田政府委員 笹川良一氏であります。
○山口(鶴)分科員 大臣、お聞きになりましたか。船舶振興会だけは大臣任命で会長が決まるわけじゃないですね。ほかのところは大臣の任命で会長が決まる。どういうわけか船舶振興だけは大臣の認可事項になっているわけですね。任命じゃない。そこの補助金を見ると、どういうわけですか特定の個人が会長をしている、こういうところの団体に多額の補助金が支出されておる。しかも体育、スポーツの振興ということになれば日本体育協会が中心になるのは当然でしょう。そっちにはほんのちょっとしか行っていない。そうでないところにしかも特定の個人が会長をやっているところにたくさんの補助金が行っておる。こういうのは他の振興会に例がないですよ。私はここに問題があると思う。だからこそ法律を直しなさい、こう言っているのです。いかがですか。
○木村国務大臣 会長が認可制の場合と任命の場合ともちろん形が違うのでございますが、認可制にいたしましても、ふさわしくない会長でございますれば、任期が来まして新たに認可の申請があった場合に認可しなければその人は会長になれないわけですから、その点のチェックの効力は同じだろうと思います。 それから振興会が交付金を与えております多くの団体の中に、その団体の会長に振興会の会長がなっておるということはいろいろな点で誤解を生むおそれは私はあると思います。ただ問題は、その会そのものが交付金を受ける資格において欠くるところがあるか、あるいは不適当であるかということについてよく検討してみなければなりません。会長がたまたま振興会の会長だからどうとかこうとかという問題は、必ずしも適切でないということは言えますが、それだけでいけないということにもならぬと思いますので、その点は今後慎重に考えてみたいと思います。
○山口(鶴)分科員 大臣は参議院議員ですね。昨年七月の参議院選挙、特に全国区選挙で最も全国的な多大な違反を出した候補者はどなたでありますか。私は何も個人の方を誹謗中傷しようと思っておるわけじゃない。しかしそういう事実はありますね。しかもその方と御関係があるということは大臣もよく御存じのことだろうと思いますね。しかしそのことはあえてお尋ねはいたしません。そういう事実だけ指摘をいたしておきましょう。 そこで、この一号交付金、二号交付金ですね、この決定の手続をお尋ねしたいと思うのですが、結局申請を受け付けて各所管庁が検討をする、それから会長の諮問機関である専門委員会、そこが論議をいたしまして理事会で決定し、それを運輸大臣が認可をする、こういうかっこうになっておりますね。そこで実は私、文教委員会でこういう、たとえば吟剣詩舞振興会に一億だとか、体育協会に比べて非常に額が違うとか、常識から言ってもおかしいとは思いませんかと大臣に聞きましたら、思うと大臣は言いました。そこで、たとえば体育関係の窓口になっているのは文部省の体育局長、しかも会長の諮問委員会である専門委員会には文部省の体育課長がお入りになっておられますね。そうでしょう。自治省はそこにおいでの地方債課長がお入りになっておられる。それから運輸省は管理課長さんがお入りになっておられるようです。こういうおかしな補助金の配分はどうなのかと言ったら、文部省の体育局長が言うのには、実は交付先の団体だけは私ども決める権限があるが、金額を幾らにするかというのは私どもは権限がないのです、私自身おかしいと思うけれども、実はそちらは会長さんなり理事会の方の権限なんでという御答弁をされました。私は速記録は持ってきませんが、速記録にそれははっきり載っております。船舶局長さん、そういうことなんですか。
○内田政府委員 いまのお話の事実は存じませんけれども、実際の運用に当たっては、船舶振興会に申請が出ますと、金額も含めまして各省庁と振興会と御相談をしておるはずでございます。
○山口(鶴)分科員 その辺は文部省の認識とどうも違うようです。文部省からも来ていますね。どうですか。
○五十嵐説明員 お答えいたします。 昨年の五月八日の文教委員会で、先生の御質問に対しまして当時の澁谷政府委員がそういう趣旨のことを確かに答弁いたしております。文部省体育課長は専門委員に委嘱されておりまして、意見を述べておるわけでございますが、金額等につきましても意見を求められておりますので、そのことについても御相談にはあずかっております。
○山口(鶴)分科員 いまの答弁はおかしいですね。局長は私が言ったように答弁しております。だから金額はかかわり合いがない、金額の方は紋次郎だ、こういうことを局長は当時言ったわけですね。そしていまのお話では、金額についても諮問を求めておりますので、意見を言っております。これは前段と後段の答えが全然違うのじゃないですか。どっちが本当なんです。
○五十嵐説明員 当時の速記録を読んでみますと「額につきましては大体船舶振興会におまかせしておるわけでございます。ただ、非常に少ない査定の場合には、これでは十分目的が達し得られないので増額してもらいたいということは言うわけでございますが、額はそういうわけで向こうの審査といいますか査定におまかせしておるわけで、そこまでわがほうが、多過ぎるではないかとか、そういうところまでは言っておらない、また言う必要もないではないかと考えておるわけであります。」というふうに答弁いたしておりまして、全然御相談にあずかっていないとは当時の澁谷政府委員も答弁しておりません。
○山口(鶴)分科員 しかし、そのお答えでも、意見は少し言っても、ほとんど理事会といいますか、そちらの方で決まってくるという趣旨の御答弁をしていることは間違いありませんね。 そこで大臣、お尋ねしたいと思うのですが、船舶振興会に対する監督官庁は運輸省ですよね。大臣、二号交付金をお暇があったらよく見てもらいたいと思うのですよ。だれが考えても常識的に言っておかしい。私がさっき挙げたのは、本当に一、二の例であります。体育について挙げましたが、たとえば文教について申し上げれば、さっき言った日本吟剣詩舞振興会は一億ですよね。ところが癌研究会五肝七百五十万円、飛鳥保存財団七百五十万円。飛鳥保存財団とかあるいは癌研究会というものよりもはるかに多く、この詩吟をやったり剣舞をやったりする団体に一億もお金が行くなんということは、これは常識から言ってもおかしい。しかも、これが一年のことならいいですよ。私は昭和四十六年以来の補助金をずっと見てまいりました。同じ傾向なんです。毎年一億ものお金が吟剣詩舞振興会に現にいっております。こういうことは常識から言っておかしいと思うのです。監督権限のある運輸省としては、もっとこの辺はきちっとなさるべきじゃないか、最終的には大臣が認可するわけですから。しかも私が言っておりますように、他の振興会と違って船舶振興会だけを特殊法人にしないということは、これはやはりおかしいです、任命の仕方が違うのですから。この辺はきちっとしていただきたいと思うのですが、大臣の御見解はいかがですか。
○木村国務大臣 この交付金の分け方につきましては、学識経験者等で交付金運用専門委員会ですか、そういう別の機関ができておりまして、そこで交付金の額については審議をし、決定をいたしまして、それを振興会の理事会で最終的には決定をするという仕組みになっておるようでございます。そこで、この専門委員会で決めた額が、会長のもとの理事会に移ったときに非常に変更されておるか、あるいはそのとおりそのまま受けて理事会で決定しておるか、その辺をよく調べてみる必要が私はあると思います。その専門委員会で公平に決められた案が理事会でもって非常に変更を受けるということがあれば、決め方の手続は違法ではないにいたしましても、その辺にやはり注意をしなければならない点が一つあると思います。 それから、法人格の問題については、おっしゃることも私なるほどと思う点もございます。しかし、いま申し上げたような点が実際の運営に果たして支障があるかどうかということをよく検討いたしまして、善処いたしたい、かように思っております。
○山口(鶴)分科員 最後にお尋ねしますが、日本船舶振興会の役員の名簿をちょうだいいたしました。理事長の芥川さんという方は元船舶局長ですね。それから理事の藤井さんという方はやはり運輸省の船員中央労働委員会の事務局長さんをされた方、さらに理事の甘利さんという方がおられる。これも元船舶局長ですね。それから監事の大野さんという方、これも四国海運局長。運輸省の御出身の方です。十一人おります役員のうち四名までが運輸省の元お役人の方がいわば天下りしておられるわけです。しかも、さっき言いましたように、他の振興会と違って、この船舶振興会だけが法人の法律の決め方が違っている。しかも、文部省の課長さん、余り歯切れのいいことは言いませんでしたが、ともあれ金額の内容については余り文句が言えないような雰囲気だということは、さっきの御答弁でも察しられたと思うのです。そうして、会長さんは依然としてずっと同じ人がやっておられる。またその会長さんのやっておられるところにこの補助金がたくさん行くというような状態では、何か船舶振興会と運輸省船舶局との間には癒着がある。明確に言えば、運輸省と船舶振興会の間にはある程度の甘さというか運輸省の監督に甘さというものがある、というふうに国民が思うのは私はあたりまえじゃないかと思うのです。ギャンブル二兆数千億円、うち競艇の占める割合というのは年々高くなっているわけです。こういう点、ひとつ国民の立場に立って、大臣、十分お考え、をいただきたいと思うのですね。そうでなければ国民の側から、何か船舶局と船舶振興会の間には癒着があるのではないか、他の振興会に対する監督に比して運輸省の監督は甘過ぎるのじゃないか、こういう批判はぬぐい去ることができませんよ、大臣。断固たる決意でこれはやっていただきたい。答申だって、他の法律と違うのは好ましくないと言っているじゃありませんか。他の振興会と同じように船舶振興会を直したらどうですか。このことだけお尋ねして終わっておきます。
○木村国務大臣 私は就任以来、運輸省の監督下にありますこういう団体に対しては、非常に厳粛な態度で臨むように常に訓示をいたしております。いまお話しのように、船舶振興会の役員の中には、元運輸省におりました者がかなり入っておることは事実でございますが、それだけに、こういう団体につきましても特に監督上十分注意をするように言っておるのでございますが、先ほどのお話の民法上の財団法人であるのと、それぞれの競走法における法人という問題につきましては、せっかくの御意見でございますので、十分検討させていただきたいと思います。
○内海(英)主査代理 これにて山口鶴男君の質疑は終了いたしました。 次に、瀬長亀次郎君。
○瀬長分科員 私は、沖繩に国鉄と国鉄船を導入してもらいたいという県民の要望がありますので、これについて、運輸省あるいは開発庁、関係当局にお尋ねしたいと思います。 〔内海(英)主査代理退席、主査着席〕 その前に申し上げたいことは、沖繩と他府県の基本的な違いであります。いわゆる交通運輸体系の整備についての非常に違う点は、一つは、はっきり言えば二十七年間にわたるアメリカ占領軍の占領下にあって、道路はほとんど全部と言ってもいいほど基地を中心にしてアメリカによってつくられたものであって、沖繩県民のための道路ではなかった。これが一つ。もう一つは、いまは県庁になっておりますが、復帰前は琉球政府であり、それは長い間任命主席という名のもとで琉球政府があって、それがほとんど許可権限を持っていなくて、陸海を含めてほとんど個人事業、しかもそれもアメリカの認可というのが基本的な主体であった。これが他府県との一番の違いであります。 したがいまして、本土並みにするという政府の方針から申し上げましても、復帰後二カ年たちましてもなかなか、本土並みどころかますます交通渋滞は陸も海も空も他府県と非常に違っておる。空は依然としてアメリカ占領軍に支配されているという状態だ、という点をはっきり踏まえてかかる必要があるんじゃないか。そういう意味で、四年前の沖繩国会以前にも私たちは——私はいま共産党ですが、前は沖繩人民党でありました。国鉄と国鉄船を沖繩に導入してほしい、国鉄船を導入すれば、奄美大島を含めて離島苦の解消にもなるし、物価問題もしたがって解決される。物価は、時間がありませんので何%、何々と言えませんが、東京よりも高い。東京が全国的に高い。そうなると日本一物価の高いのは沖繩だというわけです。ほとんど輸送費、そういったコストが加わるものだからそうなっている。したがいまして、国鉄と国鉄船の導入については、当時はまさかそんなことができるかというので、物笑いまではされなかったが相手にされませんでした。ところが、現在では百万県民全体の要望になっていると言ってもいいという状態になっております。 たとえば県知事は——これは四十八年十月十一日から十五日にわたり衆議院運輸委員会の委員が派遣されて、その報告書が載っております。「県知事等の要望事項」として第二に「沖繩県知事の要請 大量輸送手段としての軌道等新交通システム導入の早期実現について」これが県知事から衆議院運輸委員会に要請されております。それから去年の三月二十九日、沖繩県議会、これは全会一致で「国鉄の導入に関する意見書」これが出されております。大臣御承知かもしれませんが、戦前の沖繩、大正年間には那覇と首里を結ぶ電車——市電の軌道がありました。それから那覇と与那原、那覇と嘉手納——いまアメリカ基地になっておる飛行場のある、そこにいわゆる軽便鉄道、これがあり、那覇−糸満間、いま糸満市になっておりますが、これはやはり二本レールでありますが、馬が引いて軽便軌道馬車的なものがありましたが、戦争によって全部壊滅されました。 いま非常にわかりいい話をすると、小学校の先生が学童に一番実感として与えにくいのが三つあると言うのですよ。一つはレール、それからレールの上を走る汽車、電車、この概念は子供に与えることがほとんど不可能に近い。それから川。川は北部では小さい川がありますが、川らしい川はありません。最後には雪。もちろん見たことないもので、この三つは小学校の先生が子供にどう新えていいか、どんなに説明してもわからない。雪は一体あの氷みたいなやつが落ちてくるのかなといったような調子で、この三つについては事実笑えない深刻な話なんですが、そういった状態です。この中に四十七という沖繩本島、離島がある。よく離島苦といわれておりますが、こういった状態の中でぜひ本土並みにしたいというこのことと関連しまして、国鉄と国鉄連絡船の導入の問題は、いま申し上げましたように知事、県議会の全会一致ということになりますと、これは全沖繩県民の要望になっているということが言えるのじゃないか。 いま私が申し上げましたことを要約しまして県議会はこういうふうに意見書を出しております。これは大臣ごらんになったと思います。 戦前、戦後を通じて、国鉄の恩恵をうけていない本県においては、もっぱら自動車交通に依存してきたが自動車台数の増加と、道路施設の不備とがあいまって、県内の交通事情はその極限に達している。とくに那覇市及び周辺都市においては、随所で交通渋滞をまねくなど都市機能がいちじるしく低下し、都市活動は日ましに悪化の一途をたどっている現状である。本県の地理的環境からこのような交通事情は、地域開発を阻害するばかりか、都市部の過密化を促進し、諸物資の輸送にも影響を与え、物価高騰の大きな要因ともなっている。これを根本的に解決するには、もはや道路整備やバス輸送の増強および交通規制だけでは対処し得なくなっており、自動車交通にかわる基幹輸送網としての国鉄の敷設が焦眉の急である。また海上輸送においても、復帰後、経済的取引きがいちじるしく増大し、海上輸送手段の確保が重要な課題になっている。 よって政府におかれては、本件の交通問題を抜本的に解決し、「安全で便利な」公共交通体系の整備改善をはかるため、下記事項を早急に実現するよう強く要請する。 記 1沖繩本島を縦断する国有鉄道を敷設すること 2冷蔵施設、コンテナ等生鮮食料品および生産資材の輸送に適した設備をもつ国鉄連絡船を本土−沖繩間、本島−離島間に就航させること この二つが県議会の全会一致の要請として、意見書が、これは申し上げましたように去年の三月二十九日付であります。四月二十二日にそれぞれ関係当局に会って返事を聞いております。 その返事によりまして、私最初にお聞きいたしたいのは、これは四十九年、去年の三月二十二日の衆議院運輸委員会で共産党の三浦委員の質問に答えて増岡政府委員、これは政務次官だと思います。この問題について「今後検討をしてまいりたいと思いますけれども、」ということで、さらに次に「沖繩開発庁におかれまして、いろいろ検討しておられると聞いておりますので、私のほうでもその協議をいたしてみたいと思います。」こういう答弁をされております。これは去年の三月ですから、もうやがて一カ年になるんで、そういうことについて開発庁と運輸省が意思統一されて、あるいは運輸大臣としてどういうふうに国鉄と国鉄船の問題について解決したい御意見を持っておられるか。まずそれからお聞きしたいと思います。
○木村国務大臣 戦後三十年になりますが、沖繩が本土に復帰いたしましたのは最近のことで、大変御苦労をされたことはわれわれも非常に同情にたえないところでございます。 そこで、ただいまお話しの沖繩に国鉄をというお話でございますが、県議会あるいは知事等も一致して要望をされておられることも承知をいたしております。そこで、私考えますに、沖繩、特に本島が中心の問題になろうと思いますけれども、あの本島内の陸上交通機関としてどういう交通システムが一番地元の実情に合っておるか、ということを検討するのが私はまず第一であろうと思います。国鉄を敷くという御要望は、お気持ちの上では私もよくわかるのでございますが、その前に、どういう交通システムがよろしいかということを、やはり県当局におかれても、また御出身の瀬長先生初め皆さんその点をよく御検討いただきまして、こういう事情であるからこういう交通システムがいいんだということがまず前提になろうかと思います。この点では、沖繩を所管いたしております総理府総務長官の方にも、私の方からそういった調査をしていただくように頼みますけれども、まず地元の方がその点について十分御研究をいただきたいと思います。その上に立ちまして、現在の道路上の交通だけでは将来の発展等考えましたときに、もちろんそれだけでは不十分であるということはわかりますから、そういうところから調査をいたし、どういう交通機関が適切であるか、またその経営の主体はどういうかっこうがいいのか、という問題も検討をして結論を出したいと思っております。 同じように、この国鉄の連絡船という御要望でございますが、これもやはりそれと同じような観点に立ちまして検討をいたし、適切な経営主体による適切な交通機関というものを決めてかかることが前提であろうと思いますので、国鉄という御要望もよくわかりますが、ひとつこの点は御一緒になって研究をしながら結論を出していきたいと思っております。
○柳川説明員 沖繩開発庁では、四十七年以降四十八年、四十九年と都市化の進展が著しい旅客需要の増大等で、都市生活環境の悪化、それから都市機能の低下を来している那覇市を中心とする本島中南部圏について、どういう総合的な陸上交通体系が必要であるかということを調査いたしております。それで、その三年度にかかります調査は四十九年度の三月で終わるわけでございまして、那覇市の都市圏における将来交通需要量予測を行うべく鋭意作業を進めているところでございます。 ただいま問題になっております鉄軌道の問題は、さらに範囲が広く本島を縦断するようなものでございまして、ただいまのところでは、本島中南部圏の交通事情をどうするということを開発庁では相談している段階でございます。
○瀬長分科員 運輸大臣のいまの御説明は、去年より少し幾らか前進しているのじゃないかと考えます。これにこういうのがあるんですがね。いま読みました県議会の陳情団に対して国有鉄道部施設課長ですか、柳田さんの言葉として「鉄道を敷設するとなれば、鉄道敷設法の中に沖繩を含めなければならないから、敷設することになれば改正が必要である。」これは当然です。現時点では必要はないということを大臣は国会で発言しているということも言われております。しかし、現時点で考えないということであって、将来に向かっては輸送の動向を見ながらやっていこうということであり、全然考えていないことではない。むずかしい点はあるが、皆さんの希望に沿うようにしたい。これは一カ年前に言われたことです。ところが、私が非常に疑問に思うのは、また大臣は——県の皆さんもそういった面では計画を立ててほしいとか、われわれもやりたいと言うんだが、まだ、やりたいというだけの考えであって、こういうふうにするのだというところまで、一カ年になるにかかわらずそれが聞かれないということ、そういった点についてもう少し明快に大臣がお答えになれば、いま申し上げましたように、百万県民全体を挙げての要望なんですから、これには別に異議はだれもないんです。県知事から県議会、全部全会一敏なんですから、そういった点でもう少し具体的に大臣の御意見をお聞きしたいというのと、もう一つは、これは同じくその当時の県議会代表、これは去年の四月二十二日の答弁です。国会の答弁でなしに、県議会代表に向かっての答弁、これは加藤事務次官ですね。「私はこの件について二本レールの国鉄を敷設するより、国鉄経営によるバスとかモノレールを考えた方が話が早く進むのではないかと思う。二本レールの場合、用地取得の問題とか輸送問題を考えるとき、貨物輸送とかみ合うかどうか、新交通体系の一環として検討したい。」というふうな説明がありますので、いまたとえば五千万か六千万かモノレール関係で今度の予算に込まれておると思いますが、開発庁にお聞きしたいのは、このモノレールの経営主体、これを国鉄でやった方がいいというところまで来ているのかどうか。あの当時、去年の四月二十二日に言われたことだから。加藤事務次官がこれは県議会代表に言っておるんです。私プリントを持ってきたんです。これは開発庁にお答えしていただきたいし、大臣に対しては、いま申し上げましたように、もっと具体的に親切に、いまの状況ではこうするのだ、一カ年になりますから、ということをお答えくださると県民が非常に安心するんじゃないか。これは奄美大島郡民のまた一致した意見でもあるということです。
○木村国務大臣 先ほど私が申し上げたような考え方でおりますが、なおその後、開発庁の方から調査の現段階についてのお話もございましたが、要するにどういう交通システムで、経営主体はどういうようなのがいいかということをやはりよく調査をいたしまして、まずそれを決めてかかるのが先決でございまして、その結果、こういう交通システムでこういう経営主体が一番沖繩の将来のことも考えて適切である、というおのずから結論が出ると思います。それが現在の日本国有鉄道がそれを担当するのがよろしいという結論になりますか、あるいは県サイドでやるのがよろしいとか、あるいは民間、県一体となってやるのがよろしいとか、いろいろな方法がその結論として出てくると思いますので、われわれはそれを十分踏まえまして、どうするかということを判断をし決めていかなければいけない。かように思うわけでございまして、いま私が頭の中だけで考えまして、国鉄がよろしいのだと言うことは非常に軽率に過ぎるものでございますので、そういう結果を待って考えたいと思います。いずれにいたしましても、沖繩における陸上の交通機関としては、道路だけでは将来を考えた場合に不十分であるということは重々承知をいたしておりますので、その線で検討していきたいと思います。
○柳川説明員 ただいまお話がございました中南部都市圏の交通体系の問題でございますけれども、先ほどお話しいたしましたように、四十七年から四十九年まで調査をいたしまして、五十年度以降は特定開発事業推進調査費で、具体化を図るに必要な調査を進めてまいりたい、かように考えておる次第でございまして、その中には那覇市のモノレール構想というものも入っておるように承知いたしております。このモノレール構想は、聞くところによりますと、那覇市の中だけの問題でございますので、経営主体国鉄というようなことでは伺っておりません。
○瀬長分科員 私、聞いておりますのは、加藤事務次官の県議会代表に対する答弁として、二本レールの鉄道敷設より国鉄経営によるバスとかモノレール、いま調査中だと言われておる。那覇市でも県でも、国鉄の経営にしてほしいということは一致しているようであります。大体十一キロ余り、これで建設費が約三百億、土地その他の買収費二百億。五百億かかる。これは去年の物価が上がらない時点の計算だから、いまはもう少し上がっていると思うのですが、そういうこと。また、それをつくっても、運用する面から言っても、これはどうしても国鉄の方でモノレールつくられた場合にはやってもらわないといけないのじゃないか、というのが大体那覇市と県の一致した意見になりつつあるわけです。そこで、いま加藤事務次官の御答弁をはっきりさせてほしいということを聞いているわけなんです。
○木村国務大臣 いま加藤事務次官とおっしゃるのは、恐らく開発庁のじゃないかと思いますが、私も実は沖繩の県会の皆さんとか知事さんに直接まだよく事情を伺っておりませんので、いまお話のように、県議会なり知事さんなりがぜひ国鉄とおっしゃっておられる、その理由ですね。これもよく聞いてみたいと思います。その上で判断をいたしたいと思っております。
○瀬長分科員 時間が参りましたので、要望を一つだけして終わりたいと思いますが、申し上げましたように、他府県と非常に違う点があるのです。この点は、すでに沖繩総合事務局も設けられておりますので、運輸省としても、もう大体検討する材料ですか資料はそろっているのじゃないかと思うのですよ。運輸委員会の調査報告を見ても、いろいろフェリーの問題その他車の台数、アメリカと日本人の車の台数の比較、そういった資料いろいろあるようです。またそろっています。そういった面で、ぜひ積極的に前向きに、いまの県民の一致した要求である国鉄線の沖繩への導入については検討し、一日も早くその実現を期してもらいたいことを要望して、質問を終わります。
○谷垣主査 これにて瀬長亀次郎君の質疑は終了いたしました。 次に、小川新一郎君。
○小川(新)分科員 私は、五十一年度自動車排ガスについて若干の質問をいたします。 まず大臣にお尋ねいたしますが、昭和四十六年九月、一九七一年、環境庁長官から中央公害対策審議会に、自動車排ガスの許容限度の設定についての諮問が行われました。四十七年十月三日に、中公審が中間答申を行いました。十月の五日に、環境庁が告示しました。五十年規制においては、COは二・一、HCは〇・二五、NOxは一・二。五十一年規制は、COが二・一、HCが〇・二五、NOxが〇・二五であります。この環境庁の告示に伴って、本日いよいよ施行される暫定値は後退に次ぐ後退、五分の一低下いたしまして、一トン以下〇・八四、一トン以上一・二グラム以下、こういうまことに後退に次ぐ後退の規制が行なわれたわけであります。これは、きのうの三木総理大臣のお話にもありましたように、テレビ対談でも言われましたように、非常に国民、社会に疑惑の目で見られた。この自動車排ガスの規制値に決定するまでのいきさつについては、国会等においていろいろと議論されました。またいろいろなことが暴露されました。しかし、とうとういま言ったような規制に下げられてしまったことは、まことに遺憾であります。 そういう中で、私は大臣に一点お尋ねしたいのは、この本を御存じでしょうか。これは私ども議会の議員のところに全部に配られた「自動車工業ハンドブック 一九七四年版」、日産自動車株式会社の本であります。ごらんになりましたですか。私のところに参りました。その、「公害篇」というところがありますが、八十四ページに、虫めがねで見なければわからないような文字でこういうことが書いてある。「環境庁告示。五十一年四月から適用、五十一年規制値はゆるめられる可能性有り。」これが日産自動車の出した「自動車工業ハンドブック 一九七四年版」。昭和四十九年八月発行であります。私はこの問題を克明に最初から一覧表をつくってみました。そういたしますと、一九七四年、すなわちこの八月三日に、環境庁が中公審に五十一年規制について再諮問をした日であります、そういう日に、何で日産自動車ではこういうことを書いてわれわれ議員のところに配るのです。 大臣、これについて一言で結構ですから御所見承りたい。
○木村国務大臣 私はその本も知りませんし、ちょっと答えようもないわけです。
○小川(新)分科員 本は知らないけれども、ここに現実にあるわけじゃないですか。この現実の、きょう、いまのただいまの時点から——あなたの所管する自動車工業の本ですね。しかも、私がいまから言う年次別によく聞いていただきますと、一九七二年、四十七年の十二月の十三日、トヨタはCVCCエンジン、本田工業の低公害エンジンを買い取っております。なぜ買い取ったか。少なくとも後開発の、自分の企業よりも小さい企業のエンジンのパテントを、大企業であるトヨタ、日産がなぜ買わなければならない。しかも、四十七年十二月十八日に本田はCVCCエンジンがアメリカで合格になったことを発表している、マスキー版を。しかも、七六年規制の乗り切りに自信があると社長が発表しています。この当時の昭和四十七年、一九七二年の時点においては、マスキー版乗り切りのために自動車工業会は必死になって問題と取り組んでおった時点なんです。これをまず御認識をいただきながら、私は質問をしてまいります。 こういう時点において、こういうことは遺憾であるのか遺憾でないのか。こういう日産のとった態度、大臣としてはどうなんですか。
○木村国務大臣 恐らく当時は中央公害審議会でもっていろいろ議論が闘わされておったときだろうと思いますが、そういう時期にそういう本にそういうことを書いてあるということは、どうも私、遺憾とも遺憾でないとも、ちょっとそういう観点からの判断はできかねる問題だろうと思います。
○小川(新)分科員 あなたは大臣として、いま国民が公害問題で、少なくとも環境庁が正式に告示をした問題に対して後退をするということか——いま私が申し上げたように各社が四十七年の時点でこのように研究をしているときに、こういう本に日産——こっちを向いてよく聞いてください。大事な話をしている。短い時間の中で詰めるんですから。私がはっきり言っているじゃないですか。四十九年の八月には環境庁が中公審に五十一年規制について再諮問をするときに、もうこの八月に日産ではこういう本に緩められるということを書いている。それを大臣が聞いて何とも思わないなんて、そんなことがどこにありますか。どうなんですか、これは。
○木村国務大臣 いま聞きましたところが、環境庁長官の方からこれに対して訂正をしてくれということで、訂正をしたということになっておるようでございます。
○小川(新)分科員 私は、環境庁長官のことを聞いているんじゃないですよ。これは、日産自動車はあなたの所管じゃないですか。運輸省がいろいろ関係しているんじゃないですか。環境庁じゃないじゃないですか。その環境庁でない、運輸省の所管の大臣としてのお気持ちを私はお聞きしているわけでしょう。遺憾なのか遺憾でないのかということを聞いているわけですよ。その一言でいいんですよ。こういうことは遺憾だと環境庁が認めているんだったら、運輸省だって遺憾でなければならないはずじゃないですか。日産自動車はあなたの指導管轄にあるんでしょう。違いますか。
○木村国務大臣 ちょっと誤解があるようですが、自動車の生産の方は通産省でございますので、私の方は車両検査その他の面から所管をいたしておるわけでございます。したがって、こういう問題については遺憾であるか遺憾でないか。とにかくあまり歓迎すべきことじゃないという感じはいたしております。
○小川(新)分科員 三木内閣の一人としてクリーン三木として、少なくとも国務大臣として閣僚会議に出席して、国民の健康と安全のために運輸省、通産省、環境庁が一体になってマスキー版に取り組まなければならない責任者のお言葉としてはまことに情けないわけですが、私はこれをいつまでも追及しているわけにまいりません。それではトヨタ、日産を初めとするメーカーの方で、告示の暫定値をもっと厳しくしても十分技術的に対応できるというようになれば、二月二十四日の告示の再改正をお考えになりますか。イエスかノーで結構です。
○木村国務大臣 ただいまは中公審から出ました規制値を中心で事務を進めてまいっておるのでございますけれども、そのもとが変わってくれば当然それは直していかなければいかぬと思います。
○小川(新)分科員 実施時期についても、生産体制が整ってメーカーの側からもっと繰り上げてもよろしいというようになれば、実施時期を繰り上げるように告示の改正をお考えになりますか。
○木村国務大臣 実施時期につきましても、われわれが五十二年の三月ということで判断をいたして決めましたその状態が、もっとそれ以前において実現できるという事実が出てくれば、繰り上げることにやぶさかではありません。
○小川(新)分科員 そこで私は、技術面についてはホンダ、東洋工業、三菱自動車はもとより、大手のトヨタ、日産の現状を全部明らかにできるけれども、今回はこういうことがありましたので日産を一例として、今回告示された暫定基準以下でできることを明らかにしてみたいと思います。 一九七三年、昭和四十八年二月のアメリカの科学アカデミーの報告は、アメリカのマスキー法が後退する直前の貴重な権威ある報告書であります。これは一九七五年車に対してのテスト結果であり、在来型のエンジンでも、日産大型車について言えば、本年二月二十四日の環境庁の告示の五十一年度規制値のNOx一・二〇グラムの半分のNOx〇・六グラムというものでありますが、政府は、アメリカ科学アカデミーの報告については、CO、HCともにわが国の五十、五十一年規制値のCO二・一グラム、HC〇・二五グラムよりはるかに高いために、昨年十二月五日の自動車公害専門委員会の報告書の草案から削除し、報告書の正式なデータとして採用しなかったと言われておりますが、事実であるか事実でないかで結構です。
○小林(育)説明員 事実であるかどうかという御質問でございますが、削除した理由については多少先生のお話とは違いますけれども、削除したということは事実でございます。
○小川(新)分科員 違う理由はいろいろございますというあなたの御答弁でございますが、私どもはそうとっておりません。ここでは行き違いになりますから議論いたしません。 政府はCO、HCの値がはるかに高い——これがアメリカ科学アカデミーの資料でございますが、はるかに高いと言っておりますが、科学アカデミーの報告によれば、日産大型車のCOは一マイル当たり二・二グラム、つまり一キロ当たり一・四グラムであります。日本の五十一年度規制値の二・一グラムよりもはるかに低く、HCは一マイル当たり〇・五グラム、つまり一キロ当たり〇・三グラムであり、日本の規制値の〇・二五グラムよりわずかに〇・〇五グラム高いだけであります。しかもCO、HCを減少させることは、サーマルリアクター等で比較的簡単にできることは、街の技術者ならだれでも知っている常識であります。 このことはCO、HCについて最も不利なロータリーエンジンを持つ東洋工業でさえ、すでにCO、HCの五十年、五十一年規制値について達成しております。すなわち、すべてのメーカーがすでにCO、HO対策は完璧であると言っております。 試作車、テスト車であれ何であれ、立ちおくれているといわれている大手の日産は、すでに在来型のエンジンでも補助装置をつければ、昭和四十八年二月の時点で、すなわち一九七三年アメリカのアカデミーの報告の時点で、すでにNOxが〇・六で発表されております。これは御確認いただきましたか。
○小林(育)説明員 先生の内容については確認はいたしております。ただ、先ほどちょっと申し上げましたように、理由としては大幅に上回っているという理由ではなくて、むしろその耐久性に問題があるというのが主たる理由であったように記憶しております。
○小川(新)分科員 アメリカの科学アカデミーの報告書によれば、日産大型車に取りつけられている排ガス減少装置は、AIR(空気噴射装置)、CAT(触媒)、EGR(排ガス再循環)の三種類を組み合わせたものであります。日本の車にはついておりません。最も基準の厳しいと言われておりますアメリカカリフォルニアの市販車、これは一九七五年モデル車について一九七四年十月三十一日検査をした、これは市販されている車でございますから、数万台の自動車が、アメリカ国内にこれだけ走っておりますよというデータでございます。これだけあります。これを一々読み上げている時間がございませんから、先ほど申し上げました、ここにあります日産のダットサン・ハードトップ七一〇、これは一トン以上の大型車でございますが、日本の名前をバイオレットと言われております。この車が数万台、すでにアメリカのカリフォルニアで動いている事実が、アメリカ環境保護局の試験データが出ておりますが、残念なことに この環境保護局の肝心の数値については一年おくれになっておりますので、私どもの方としてはこれをとることができません。しかし一九七三年、それよりも二年前のこのアメリカ科学アカデミーの試作車に、先ほどのお認めになりました〇・六NOxの車が耐久があるとかないとか言っておりますが、数万台も自動車がアメリカで一番厳しいカリフォルニアで走っている。それほどアメリカが甘いとは思いません。でありますから、アメリカ環境保護局がこのように動いている車についてデータを出したわけであります。 そこで私は、このように在来型の日産のいま日本で動いておりますこのバイオレット型が数万台も、アメリカに昭和四十八年の時点で〇・六以下で動いているという事実、これについて大臣、どう私に反論いたしますか。これは大臣にぜひ聞きたいのです。
○田付政府委員 先生のいまお持ちのデータの中身を私はしさいには存じませんが、お話の要点につきまして私の所見を申し上げますと、まず第一にアメリカと日本の試験方法が違います。したがいまして、向こうのLA4モードでやった場合のデータを直ちに当方と比較をすることがちょっとむずかしかろうかと思います。仮にその点が一応前提としてよいということでございますと、あとデータになりますが、そういうことで多少違いがありますので一概には言えませんけれども、確かにアメリカの方はHCとCOの基準が高うございますので、そのバイオレットという車がどのようなデータでアメリカの五十年規制をパスしていますか。その内容によりますと、日本の五十年規制と全く同じではないというふうに思います。
○小川(新)分科員 だから先ほど私が言ったじゃありませんか。HCについてわずかに〇・〇五しか高くないのですよ。それであなた方はすぐモードのことを言うのです。アメリカと日本とはやり方が違うのだ、だからだめなんだと言っております。アメリカは確かにLA4モードです。アメリカの検査の方法はエンジンが冷えた時点からテストをする。厳しいものです。日本はイレブンモードでエンジンが温まってから始まるのです。一マイル一・六キロメートルで割りますと、ちゃんと値が出てくるのです。それは、〇・〇〇一ぐらいが違うとか違わないとかの議論をここでしているわけではないのです。私は、一九七三年の時点においてアメリカで、先ほど申しましたAIR、CAT、EGR、この三つをつければ在来のエンジン、いま日本で動いているバイオレット型が〇・六、そしてそれだけの効果が出ますよということをここでちゃんと証明しているんじゃないですか。あなた方はこのデータを認めているんじゃないですか。しかも、それでもなお不安だから日産もトヨタもCVCCエンジンの本田技研から、頭を下げて、メンツもかなぐり捨てて、一九七二年すなわち昭和四十七年十二月十三日に多額の金を出してそのパテントを買って用意しているんです。そこまで準備したのです。それがいつの間にか後退に次ぐ後退だから、おかしいぞと国民が言って、中公審のいろいろな議事録が出たとか家毎発言がどうだとか国会でやられている事件が出てきて、いま国民はわからなくなっちゃったのです。三木さんが五十一年規制の後退はないとはっきり証言しているじゃないですか、環境庁。しかも環境庁が告示したことは、国家の機関じゃないですか。それをいつの間にかこんなに基準を下げ、しかもやる気十分であるメーカーがいつの間にか圧力に屈してきた、こういうことが私には不可解なんであります。 時間がございませんから私はもっと進めてまいります。 また、在来型エンジン・プラスただいま申し上げました補助装置でNOx〇・六グラムが達成できることがわかりましたが、CVCCエンジンでも、現在は本田の車は〇・六以下です。ロータリーエンジンではNOx〇・四グラムは可能である、とあらゆる所でメーカー側から公言しておりますし、その実績があります。つまり総合しますと、現在の技術と生産体制でNOx〇・六が可能であるという答えが実はメーカー側から出ているのではないですか。最初に確認したとおり、メーカーの側が技術的に十分できると言えば告示の改正、強化を考えると答弁しておる。このような事実をメーカー側は言いはしないが、この現実が何よりも雄弁に物語っております。このことは、技術的な面からの根拠と実施時期の延期の根拠が根底から崩れて、まことに非科学的、不公正な告示であることはわかりました。私のこのデータが——皆さんはアメリカのデータが何だかんだと必ずけちをつけますが、それならアメリカの環境保護局やアカデミーに匹敵する日本の環境庁、通産省、運輸省の公式データがありますか。それと照らし合わせてここで説明してください。
○木村国務大臣 先ほど私が申し上げたことで誤解があってはいけませんので、重ねて申し上げたいと思うのですが、五十二年の三月という時期を決めましたのは、新しい基準でつくられる車がどのぐらい出るであろうか。つまりその時点でも需要者の方は車の需要があるわけでございます。したがって、その両面を考える運輸省といたしまては、そういう時点で車の需要と供給との関係がある程度バランスがとれておる状況でなければいけない、これが前提でございます。そこで生産するメーカーの方の状況を、いろいろと言い分も聞きましたし、またいろいろな資料等に基づいてこちらでも調べてみましたところがどうも五十二年三月の時点で抑えますと、新しい基準に合う車の生産か間に合うのは全体として——というのは、アメリカたくさんありますから全体として五〇%に達するか達しないかという時点である。そうすると、それではやはり需要とのバランスは少しとれないのでございますが、メーカー側にもつとパーセンテージを高くするように大いに努力をさせるということで、五十二年の三月であればまずまずよろしかろうという判断をいたしておるのでございまして、一つのメーカーだけが五十二年三月以前において一〇〇%になりますというだけでは、変えるということにはならないという点で御理解いただきたいと思います。
○谷垣主査 小川君、あなたの御要望の通産省も来ておりますが、いいですか。
○小川(新)分科員 まあいいです。——そんなことをおっしゃっているから、私はこの一覧表をつくった。そうしたらまことに不可解な事件が出てきた。四十九年の六月の二十一日に三木環境庁長官がメーカー各社の社長を集め、データ提示を要望したが、なぜかトヨタ、日産はデータを出さない。しかも三木環境庁長官は六月の十八日にN。x〇・二五グラムを断念してしまった。そして二十一日にデータを出させた。もうその前に断念しておいてデータを出させた。しかも、トヨタ、日産は出さない。そして八月の三日に、環境庁が中公審に五十一年規制をやったときには、もう日産はこういうものを書いて出しているのですよ。こんなばかな話が一体どこの世界にあるのです。私は昨年もこういうインチキを追及した。できないわけないじゃないですか。アメリカの環境保護局やアカデミーは、いまの車でできると言っているじゃないですか。そのためにトヨタでも日産でも頭を下げて本田のCVCCエンジンのパテントを買っているじゃないですか。何が一社だけですか。国民の生命、健康を守る方が大事なのか。そんなに車種が多くても、本当に政府が厳重な態度で臨むならばおれたちもやらなければならないぞ、という決意を四十七年のときには持っていたのです。それがいつの間にかに後退に次ぐ後退です。本田の社長はちゃんとここに言っていますよ、アメリカで。一年あれば絶対に五十一年マスキーはできると公言していますよ。うそだったらお呼びになって聞いたらいいじゃないか。そのエンジンをトヨタも買って——しかも在来車であっても、先ほど申し上げましたAIRとかこういうものをつければアメリカの基準にちゃんと合格している。ところが、モードが違うだの試験方法が違うだのと言うから、私の方では、それを換算してあなた方がやったデータを出してくれと言っているわけです。どうして日産やトヨタや、メーカーのデータしかないのですか、日本政府というのは。私は日本の国会議員だからアメリカのデータなんか使いたくないのです。使いたくないけれども、探したってないのです。ないから、しょうがないから、アメリカのデータを拝借して使っているのです。あったら出してください。それで突き合わせましょう。そして、本当にできるのかできないのか、国民の前に示したら私も引き下がります。何もやりもしないで、できないできないと言っているんだもの。私は子供じゃないんだから、だまされて引き下がるわけにいかないのですよ。何で日本の環境庁や通産省や運輸省は正式のデータが出ないのですか。あったらいま出してください。
○田付政府委員 私どもが実際に新車を審査をいたしておりますが、その過程で私どもの手元にございます資料は国産車のデータでございます。いま私どもは諸外国からいろいろな情報を入手いたしておりますが、それ自体は、向こうの言うならば日本の官報のようなものに載っておりますものを入手しております。
○小川(新)分科員 私が言っているのは、アメリカの一番厳しいカリフォルニアの基準に合わせて日本の車を輸出したのです。しかも試作車であって、数万台も出ている、環境保護局のデータがあるのです。それによると、〇・六でちゃんと〇・〇二五しかHCかCOかNOxですか、違いがないと言っているのだ。だから、それをあなた方が検査方法が違うだの何だのかんだのと言って逃げているのだから、日本で同じ条件下でテストをした環境庁や通産省や運輸省の正式データを出せと言っているのです、ここで。出して照らし合わせてみましょう。そうすれば、アメリカの環境保護局が言っていることがめちゃくちゃなのか、日本の言っていることが間違っているのかはっきりしてくる。トヨタの在来車でできるんだ、日産の在来車でできるんだ、CVCCエンジンの本田もできると言っている。なぜできないのです。出してくださいよ、そういうデータがあったら。私の目の前でこういうふうに照らし合わせて、両方でこうこうこうでございますと、そこまで審議しないで、これだけの大事件を何でこんなに避けてしまうのです。それで、ただただその審議だけで、ここで言ったってメーカーの言いなりじゃないですか。トヨタ、日産はデータを出しやしないじゃないか。私は全部こうやって一覧表をつくってきたのです。
○田付政府委員 先生がいま挙げられました、外国へ出しております国産の言うなれば外国版の車につきまして、LA4でなくて、日本のモード法によってどのようなデータが出るか、これにつきましては、試験をしないと出ませんけれども、五十年規制、五十一年規制の規制値を決めました過程におきましては、御承知のように、中公審の技術の専門委員会でいろいろ検討が行われました。したがいまして、私どもはそれに御協力を申し上げておりましたので、そのデータの是非、それから信憑性等につきましては、環境庁の方で答えるのが筋だと私は思います。
○小林(育)説明員 環境庁から話をするのが筋だということでございますけれども、私ども実施官庁でございませんので、市販されている車あるいは型式認定を受けようとする車を実際に私どもが検査をするという権限は持っておりません。ただし、先生いま御指摘のデータにつきましては、私どもも専門委員会において十分に検討させていただきます。
○小川(新)分科員 そんなことを言うだろうと思って、私は、すでにアメリカで一年間販売実績のある一九七四年車のアメリカ環境保護局のデータを持ってきたのです。これによると、何にもつけてない、全く日本のと同じ在来車です。アメリカのようにCATなんかつけない装置の車が幾らあるかというデータによると、NOxが〇・八一、モデル710、すなわちこれは日本と同じ条件でアメリカ環境保護局が一九七四年車でやったのです。〇・八一でできている。その次のやつが〇・七五、〇・八七、全部一応割っているのです。だから、それにさらに改良を加えるならば、それは確かに多少の売れ行きだとか経済性とか、いろいろなことはあるでしょう。それは認めます。しかし、売れ行きが落ちようと、そんなことは、国民の健康が大事だという、こんな大事な五十一年の新しい規制値が、思いつきやどんぶり勘定でこれは出したんじゃないでしょう。五十一年に車はこれだけふえる、道路がこれだけいっぱいになる、日本の面積に対して自動車の占める面積が幾らだ、だから、排気ガスを総合すれば、〇・二五の規制値にしなかったら、国民の健康と生命が保てないという閣僚会議の決定によって環境庁が告示したのです。だから、その問題が、何にも中公審だけに任せておいて、どんどん下がった、そこでやりくりが出たとか出ないとか、そんなことをいま私は言っているのじゃないのです。本当に皆さんが真剣ならば、そこであらゆる角度からテストをし、本当にできません、メーカーの言うとおりが正しいのですというデータを出してくれと言っているじゃないですか。ないんです。それだから、こういった日産の態度が出てくるんだ、一例を挙げて言っておれば。私の所管じゃないのだ、これはおれじゃないのだ、みんなして責任転嫁して、ばらばらじゃないですか。そして、きょうから自動的に、あなた方の決めた暫定値の一トン以下の車には〇・八四グラム、一トン以上は一・二の排気ガスの出る車が出る、多少は努力しています。わかります。しかし、本田技研ではCVCCエンジンで絶対に乗り切れると言っているのです。それだったら、そこでCVCCエンジンのパテントを買ったトヨタ、日産もここで大同団結して、協力して、この国策に沿ってメーカーが団結していくところに皆さんが援助してあげたらいいじゃないですか、その点では。私は、そこまで国民への姿勢という方向がなくて、ただ下がりました、下がりました、ここでできません、できません、もっと下がった、もっと下がった、こんなことを言って、納得できないと言っているのです。だから私は本当に苦労してこうやって集めてきた。しかもCVCCエンジンでやれば、アメリカのGMベガの二千二百九十五リットル、大型車がCVCCに直しますと、NOxが二・四出ていたものが〇・七三になる検査方法がちゃんと本田技研で出ているじゃありませんか。そして、ではどれくらいのエンジン工程がかかるかと言えば、これだけの問題だ、ここだけの問題がCVCCエンジンにかわるだけなんだ。それは五十万台の車を一年から一年半あればこのエンジンにかえるだけの機能がいまの日本の自動車工業界にある、本田の社長が明言しているのです。うそだと思ったら呼んできたらいいでしょう。それが一つ。それができないのであるならば、アメリカと同じように、在来車のエンジンにこれだけのものをつけて、少なくとも〇・六に大型車で出たデータがあるのだから、それになるようにやったらいいじゃないですか。私はどっちでもいいといっているのです。どうなんです。それもあなたできない。何だかんだ言って一つもそんなことは国会で教えてくれたことはないじゃないですか。それで私たちは苦労してアメリカの資料を集めてきて、そしてそれを照らし合わせて、素人が本当に苦労して突き合わせた数字がこう出てきている。だからメーカーの言い分も聞かないではない。でありますから、国が本当にやる気であるならば、そういう政策を遂行するための力を与えてやるのが私は国家の姿勢であると思うのです。大臣、いかがですか。
○木村国務大臣 五十二年の三月に一応の線を引いたわけでございますが、それよりできるだけ早く新しい基準の車が出ることはわれわれとしても大いに歓迎をいたしているわけでございます。したがって、それを促進するために租税特別措置法等を今国会で御審議をいただいておりますが、租税法上の優遇をするとか、そういう措置をいたしまして、そういうふうに早く開発ができて、新基準で早く出せる車はどんどん出してもらうこと、もちろん歓迎をいたしております。
○小川(新)分科員 時間が参りましたから、残念でございますが、これでやめますが、私の一番聞きたいことの質問には何ら答えられない。なぜかというならば、データがないのです。実験した、いままでやったということがないから、ただメーカーのうのみだけだから、きょうは小川新一郎に対して説得力ある答弁ができなかった、私はまことに遺憾に思います。時間が参りましたから、これだけ申し上げておきます。どうぞひとつ前向きに御検討いただきたいと思います。
○谷垣主査 これにて小川新一郎君の質疑は終了いたしました。 次に、安里積千代君。
○安里分科員 政府のどんな施策でございましても、二つの面、先を見通す目と申しますか、将来に対する展望、これと現実の問題に措置する二つの面があろうかと考えます。運輸行政につきましても決してその例外ではないと考えます。 先ほど瀬長委員から沖繩問題について質問がございましたが、沖繩自体、二十七年間日本の統治から切り離されておりましたので、したがって運輸省の関係する部面もこれまでの日本の行政の中と相異なるものがあるわけであります。国鉄も私鉄もないということもお話がありましたけれども、車の運行区分でも違いまするし、それに離れた地域にある、しかも多くの島々からできておるという、空、海、陸の問題について、これまでにないものがある、こう考えます。 そこで、冒頭に私は大臣に、日本のこのような最西南端にありまする沖繩であり、しかも海を隔てた島々である、こういう立場の、こういう位置にある沖繩に対して、日本の交通、運輸、あらゆる面から考えてみて、将来日本全体の立場から見て、沖繩をどのように位置づけて見られるか、それに対するお考えをお聞きしたいと思います。
○木村国務大臣 戦後三十年たった現時点で考えますときに、わが国の一部でございました沖繩県が一番最後まで占領下にあって苦労されたことについては、われわれも心から同情を持つわけでございますが、それだけに、おくれて復帰された沖繩の今後の経済的な発展、これにつきましては、われわれ、それぞれ政府としても担当担当の場において大いに今後努力をいたし、また協力していかなければならないと考えておりますが、ことに沖繩は日本の最南端の県でございますし、中国とは最も近い、また東南アジア方面にも日本の南玄関といった位置に位しております所だけに、私は、特に国際交通、そういった面におきましては、沖繩の持つ意義は非常に深いものがある、かように考えるわけでございます。 同時に、南北に長い日本で、気候風土の上におきましても、南方の地域と同じような気候風土に恵まれておる所でございますので、今後の沖繩の経済開発、発展につきましては、海洋の方面はもちろん、陸上におきましても、観光資源その他の開発等も十分やりまして、一刻も早く日本全体の中において沖繩が枢要な地位を占めるような県として発展していくようにわれわれは努力したいと思っております。
○安里分科員 私がお聞きしました要点は、いろいろお話がございましたが、特に私がきょう大臣からお聞きしたかったのは、沖繩というのが、先ほどもおっしゃいましたように、東南アジアに国際的に接する、将来恐らく、好むと好まざるとにかかわらずと申しますか、先を見まするならば、私は沖繩が一つの交通の要衝、世界と結ぶ要衝になるのではないか、交通の要点になるのではないか。大型機の時代にもなりましょう。日本本土においてこれを十分に受け入れるか、あるいは沖繩で受け入れて本土はローカル線で行くかという問題も出てくるでありましょうし、諸外国との交通、したがって、そこには貿易取引の関係も生まれてくるでございましょうし、いずれにいたしましても、国際的に接する地域にあり、日本の玄関あるいは入り口としての交通の要衝になる、こういうことが考えられるわけであります。したがって、そういう展望に立ちまするならば、その立場において沖繩の交通その他のことも考えなければならない、こう思っております。現在軍事基地ということばかりが、軍事上重要だということで、いつでも言われます。なぜ軍事上重要であり、キーストーンであるかというならば、これは平和時においては、異なった意味において重要なる拠点である、私はこう考えます。その将来の展望の上に立って、これからの施策も考えていただきたい、こう思います。現実の問題、これがあるわけです。現実的には軍事基地であって非常に足を引っ張られる。制約を受けております。また、ことし行われます海洋博、これに向けまして、私は空、海・陸の運輸関係、これは大変な問題を控えておる、こう考えております。 そこで、まず空の話をお聞きしたいと思いますが、御承知のとおり、那覇空港が、これまで軍のP3がありましたが、近くこれは移転をいたします。移転した後、完全に民間の空港にしようという強い主張がございます。ところが、報道されるところによりますと、アメリカのP3が去った後、航空自衛隊が使うのだ、また使う方向に意見もあるように承っております。これに対しまして、運輸省とされましてはどのように考えておられるか、また防衛庁との関係においてどうなっておるか、運輸省の立場からお聞きしたいと思います。
○木村国務大臣 那覇空港からP3が移転した後の問題でございますが、運輸省といたしましては、さしあたっては海洋博が行われまして大変な本土からの旅客輸送をやらなければなりませんので、その間は民間航空が優先的に使用するように、かように考えております。 なお、将来の空港の整備につきましては、運輸省といたしましては、このP3の地区の背後地の返還見通し等も考えながら、ここに中央ターミナル計画等も考えておりますので、そういう方向で検討していきたいと思っておりますが、これは防衛庁とも十分相談をしなければいけませんし、また沖繩県あるいは那覇市当局とも十分協議しながら、将来にわたってのこの問題の処理を考えていきたいと思っておりますが、運輸省としての構想はいま申し上げたようなことでございます。
○安里分科員 いまさしあたって海洋博があるので相当の乗客が来るということを予想してのお話でございましょうけれども、私はそれは運輸省の、ことに航空局関係の大変な誤りだと思う。もちろん海洋博にたくさん人が来ることは予想されますけれども、運輸省としてはすでに、民間航空にこれは使わすのだ——単に臨時的に当分の間という目先のきかないような、見通しのきかないようなやり方、これがいけないのですよ。場当たり的なものになってしまう。私がいつも先を見ろということを冒頭に申し上げたのも、ただ海洋博があるから、それに間に合わすために当分の間民間が使う、こういうようなことじゃ、私は基本的な腹のすわった方策じゃないと思う。これはあくまでも民間が利用するんだという基本線を立てて、そして、防衛庁の方は、それはほかの方に行っとれ、取るなら取れ、こういう立場でなければ、いまのようなことではおそらく海洋博が済んだならば、外部的なほかの力でもって、あなたの構想しておりますそういう構想もどうなるかわからない、私はこう思うのです。私は基本的な考えをお聞きしたいのですよ。もっと強く確信ある方向にしなければ、将来を誤るんじゃありませんか。もう一回お願いしたい。
○木村国務大臣 私の申し上げたのは、安里さんのおっしゃっることと同じことを実は申し上げておるのでございまして、海洋博の間はとにかく民間機優先で使う、あとの将来に向かっては、これは防衛庁との関係もございますし、運輸省が独断で決めるわけにもまいりませんから、よく協議をしていきますけれども、運輸省としては、民間航空のために使いたい、こういう意図であることでございますので、あなたのおっしゃることと違いはないわけでございます。
○安里分科員 そういうふうに受け取れないのですよ。防衛庁とも相談と言われるが、これは相談する余地もないくらいだと私は思うのです。まあしかし、そういうことで自衛隊があそこを使うということによって一たん使ってしまったならば、これはまたなかなか将来、P3を撤去するまでにも何年かかりましたか、大変なことになると思います。昔でありましたならば、軍部の力でもってずいぶん押し切られた過去もございます。今日の自衛隊は軍隊ではございませんけれども、その方の力が強くて、運輸省の考えというものが弱くて、事志と違うような結果になりましたならばいけないと思います。その点ひとつしっかりと腹を決めて当たっていただきたい、こう思います。 その次に、同じく那覇港の問題でございますが、これも御承知のとおり、那覇の港は、北側は民間、南側は軍が使っております。いま那覇港の船の出入りの状況、岸壁のバースの使用の状況、港の利用状況、こういった実情について運輸省御存じでございましょうか。関係局長で結構です。
○竹内(良)政府委員 私どもの把握しているところによりますと、現在の那覇港におきまして、昭和四十八年でございますが、提供施設部分を除いたところに五千四百十四隻の船が着壁しておりますが、そのうちの一〇・四%の五百六十三隻が沖待ちをしております。この一隻当たりの滞船時間が四十六・一時間でございます。ところが、昨年四十九年でございますが、これは五千六百五隻が着壁いたしましたが、そのうちの三・九%の二百二十一隻が滞船しておりまして、滞船時間が二十二・九時間というように減少になっております。 四十八年に比べまして、四十九年がだいぶ緩和の方向には来ているということは言えるのでございますけれどもこの理由といたしましては恐らく、貨物量が前年に比べましてやや減少しているわけでございますが、同時に、四十九年度当初から整備中の新港埠頭が着々と整備されておりまして、新たに二万重量トンの水深十一メートル岸壁が供用に供されているということがその一つの原因ではないかというように考えております。
○安里分科員 その軍の方の出入り等はどうですか。いまのは民間のあれですね。
○竹内(良)政府委員 残念ながら、軍の方の資料を私どもとっておりません。
○安里分科員 四十九年のをおっしゃいましたけれども、新聞の報じますところの、これはことしのまだ真新しい新聞でありますけれども、第十一管区海上保安部の調べによりますと、一九七四年度というと四十九年でありますね、その沖出しの船舶が六十四隻、それに引きかえ軍港では十六隻。民間側が八二・〇五%、軍側は一七・九%。出入の船の数からしますと、民間側は三千十五隻、八三%、アメリカ側は六百二十隻、一七%。こういう数字が報じられておるわけであります。 まあ数字の問題はよろしゅうございますが、端的に申し上げたいのは、現在せっかくの那覇港が返還されたにかかわらず、南岸というものが返還されないために、民間の船が沖待ち、沖出し、あるいはいまの岸壁は三隻しか着岸できないような状況である。それに比較いたしまして、軍が使っておるところは、いまのところはがらあきだ、こういう姿を見まするときに、依然として民間は苦しむ、沖待ち、沖出し、大変にこれは、輸送費にも関係しましょうし、あるいは出入りの危険度にも関係ありましょうし、乗組員、船員、船の整備にも非常に関係があると思うのです。そういう目に遭いながら、アメリカ側が使っておるのは実に悠々たるものである。こういう姿を見まするときに、依然として沖繩に軍事優先の姿が残っておると思う。もちろん昨年の二月の日米合同委員会でこれを返すんだというふうに言われておりますが、条件がついておる。それは、代替地を見つけることによってということになっております。代替地なんかあるはずはございません。そこで、これはあるいは外務省や施設庁にお聞きすべき性質のものかもしれませんけれども、私が言いたいのは、運輸省とされまして、このような民間の窮屈な状況の中にある那覇港というものを、政府の立場から、運輸省の立場からは、ぜひ那覇港を完全に返還してもらうように強く政府に当たる、アメリカに遠慮する必要もないし、施設庁に遠慮する必要もないし、運輸省独自の立場からはこれは強く要求すべきでないだろうか。皆さん方がそれを余りに強く要求しないために、政府の外交もあるいは施設庁も本腰にならぬのじゃないか、こういう気持ちがしますが、運輸大臣としてのこの問題に対するお考えをお聞きしたいと思う。
○木村国務大臣 運輸省の立場から言いますと、全く安里先生のおっしゃるとおりでございまして、一日も早くこれを返還していただきまして、沖繩本来の発展のために十分な機能を発揮するようにさせたい、かように考えております。
○安里分科員 時間の関係がありますのでいろいろ制約を受けますけれども、もう一つ私はお伺いしたいのです。 下地島のパイロット訓練飛行場が進められております。これはまだ大分完成がおくれておるようでございますが、ここにこういう訓練所ができるということによって、航空上の支障が起こらないか、その点の配慮があられるものであるかどうか、航空関係で承りたい。
○中村(大)政府委員 将来下地島に訓練飛行場ができましたとき、当然そこにいわゆる訓練空域というものを設定することになるわけでございますけれども、これはもう当然、航空路と訓練空域というものは完全に分離をするということを考えておるわけでございます。したがいまして、下地島に訓練飛行場ができることによって、付近の航空路を航行する一般の航空機との間に危険な事態が発生するというおそれはないわけでございまして、またそういうことのないように訓練空域等の設定あるいはその中での飛び方というものを十分な配慮をもって行いたいというふうに考えております。
○安里分科員 大変素朴な素人的な単純な考え方かもしれませんけれども、なぜ沖繩に、ほかの航空路などの整備やいろんな必要もありますのに、なぜあそこに、宮古島の下地島にパイロット訓練場を持っていったか。これは結局、海の中の小さい島であり、早く言えば障害物も余りない、本土においてはどうも適当な所がない、向こうの方が一番場所的に安全と申しますか都合がいい、まあ本当の素人的な話でございますけれども、そういう考えで、これはまた専門的ないろんな点もあるかもしれませんけれども、そこであそこに訓練場が設けられているじゃないでしょうか、飛行場が。
○中村(大)政府委員 当然訓練飛行場としての地理的な条件がございます。下地島はそういう地理的条件を十分満たし得るという御判断であったわけでございます。ただ、それだけの要件で下地島に決めたというわけではございません。その過程におきましては、当然沖繩県の意向というものを十分に確かめまして、下地島にそういうふうな飛行場を設置することが大局的に見てきわめて適切であるという判断のもとに下地島にそういう施設をつくることを決めたわけでございます。
○安里分科員 これは私は政府や役人の悪い癖だと思うんだけれども、いま沖繩の意向も云々というお話でございまして、いかにも沖繩が誘致したような感じを非常に受けるが、そうじゃないんだよ。政府の方があそこがいいんだ、だから沖繩承知してくれという、こういう立場において、これが発端なんですよ。沖繩がここにパイロット訓練場を設けてくれというんじゃなくして、こういう、あるいはそういう賛成の動きもありましょうし反対の動きもございました。しかし、そのもとをなすのはやはり国の方針としてあそこがよろしいということによって、極端に言いますれば私は押しつけられたと言いたいくらいなんです。まあそれはよろしゅうございます。いろんな反対運動もありながらあそこにつくりました。私が言いたいのは、将来、先ほど申しますように沖繩が国際的な非常な交通の要衝になる、こういう展望をもって見ますならば、ただ内外空路あるいは沖繩の島内の航空路ばかりじゃなくして、いろんな国際線などの複雑する中において、ああいう中にパイロット訓練場ができておるということに非常な危険性を伴うのじゃないかという一抹の憂いというものが、心配というものがくるのです。普通の定期航空路でありましたならば、これはそう危険もないかもしれません。しかし高速のパイロットの訓練でありますので、私はその点が非常に不安でなりません。そういうようなことはあり得ないというような技術的な立場からお考えになっておられるでしょうか。
○中村(大)政府委員 下地の訓練飛行場を使って訓練飛行をいたします、そのいわゆる訓練空域というものと普通の定期航空機が通ります航空路というものとは完全にダブらないように分離をする、こういう前提で考えておるわけでございます。したがって航空路を通る航空機と訓練飛行場を使って訓練飛行をしておる飛行機との間で接触等が起こる危険性は絶対ないようにわれわれは措置するつもりでございます。
○安里分科員 大臣、この間予算一般質問の中に、沖繩における航空運賃の高いこと、ことに海洋博中多くの方々が行くのに対して航空運賃について配慮するような必要があるのじゃないかということをお聞きしまして、大臣は余りいい返事をなさらなかったわけでございますけれども、これは決して小さい問題じゃなくして、せっかく国際的な行事として国民も注目しております海洋博を成功せしめるためには大事なことであり、海洋博に対する国民の眼をそこに向けるためにも大変大事な問題だと思いますので、この運賃に対する、家族の運賃とかあるいは青年たちの運賃というものを何とかカバーするところのことをお考えになることが政府全体の施策として好ましいのじゃないか、私はこう思うのでございますけれども、その後お考え直しあるいはお考えになったことがあるかもしれませんから、改めてもう一回お聞きしたいと思います。
○木村国務大臣 安里さんのおっしゃることは、私も気持ちの上では非常によくわかるのでございますが、予算委員会でああいう質問が出ましてお答えをいたしましたその後も、やはり気になるものですから、いろいろ私なりに検討もしてみましたけれども、現状ではなかなかむずかしいのでございます。幸いなことに最近航空運賃では団体割引というのはかなり割引をしておりますので、確かに東京あたりから沖繩に行かれる飛行機賃は相当なものでございますから、極力団体等を利用されて行かれることを私たちはこういう席を通じて国民の皆さんにもわかってもらえるようになるべく安い運賃で行けるようには努力いたしますが、沖繩海洋博のための割引ということはどうもむずかしいようでございまして、御期待に沿い得ない点はまことに申しわけないと思います。
○安里分科員 それはもう私は、これが実現するまではしつこく食い下がりたいと思っておりますが、もう一つだけ時間がありませんからお聞きしておきますが、南西航空が熊本まで乗り入れたいということで願いを出しておるはずでございますが、大分認可がおくれておるようでございますけれども、現在どうなっておりますか改めてお聞きしたい。
○中村(大)政府委員 南西航空の熊本への路線進出につきましては、現在航空局におきまして検討いたしておる段階でございまして、できるだけ早い機会に何らかの結論を出したいと思っております。
○安里分科員 まあ、そうとしか言えないかもしれませんけれども、しかし先般沖繩県議会から代表が来まして陳情いたしましたときには、もっとこの委員会のいまの答弁よりも色よい返事をされたような新聞は報ぜられておるのです。まあ立場がありましょうから、この問題が速やかに認可されることを要望いたしまして、私の質問を終わります。
○谷垣主査 これにて安里積千代君の質疑は終了いたしました。 次に、竹内猛君。
○竹内(猛)分科員 私は筑波学園をめぐる諸問題と、それから東北線の古河駅の高架に関する問題について質問をしたいと思います。 〔主査退席、内海(英)主査代理着席〕 まず最初に東北線の古河駅の高架問題について国鉄の関係者に伺いますが、この問題はもうすでにかなり前から決定をしており、実行されなければならないのに大変おくれている。これは国鉄だけの責任じゃないけれども、いまどのようになって、いつごろ完成するのか、その予算は幾らなのか、これを明確に答えてもらいたいと思います。
○内田説明員 東北線の古河駅の高架化につきましては先生の御指摘のとおりでございまして、本年度事業費もついておりまして、これに基づきまして国鉄と地元で協議を進めております。大体の案がまとまりまして、工事は五十年度に着工いたしまして、約六カ年、五十六年三月に完成する予定でございます。総工事費は、いまのところ百二十億ということに考えております。
○竹内(猛)分科員 この問題は建設省それから茨城県、古河市、こういうものが関係をするわけでございますから、これらと協力をしてこの日程どおりに進めてもらいたいことを要求をします。 次いで筑波学園建設の問題について私は関係者に質問いたしますが、昭和三十八年の閣議決定以来、現在着工して進められておりますけれども、代々の大臣がかわるにもかかわらず工事の進行はきわめておくれております。閣議の決定というものが、地元なりあるいは関係団体なり自治体に対して、おくれている点についてどのような責任を感じておられるのか、これは大臣から答弁を求めます。
○木村国務大臣 気象庁長官がおりますので、長官から。
○毛利政府委員 運輸省の中の気象庁といたしまして、筑波学園に移転いたします研究及び教育機関といたしまして気象研究所、高層気象台、気象測器工場の三つがございます。 気象研究所につきましては、移転の最初の予定は五十年度でございましたが、今回改定移転時期が五十三年度になっております。高層気象台及び気象測器工場につきましては、昭和四十九年度移転予定を、大体予定どおりに昭和四十九年度で完成の予定でございます。
○竹内(猛)分科員 私の求めているのは大臣に求めているのであって、閣議の決定にもかかわらず事業がおくれているということについて実は要求をしたけれども、関係大臣は、これは国土庁の長官がいま関係しているようですが、これはすべての移転機関の責任者は参加しているはずだから、閣議というもので決定したのが非常におくれていて、行政機関なり各地に迷惑をかけていて、その責任をとる機関がどうもはっきりしない。予算の獲得あるいは事業計画の推進がおくれている。従来は首都圏整備委員会の事務局がやっていたけれども、これにかわるものとしていまは国土庁がやっているはずだ。大臣がここへ来てないなら、その責任者がこれに対してはっきりした答えを出してもらいたい。これはどういうふうになっているのか。
○石川説明員 いま先生の御指摘になりました筑波研究学園都市の建設事業でございます。これは御指摘のように国、地方公共団体あるいは日本住宅公団等多岐にわたってその事業を遂行しておるわけでございます。国土庁といたしましては、こういった関係行政機関の事務を調整推進するというのが国土庁の仕事になっておるわけでございます。あわせてまた筑波研究学園都市建設法の施行というものについても国土庁は行っておるわけでございますが、国土庁はおのずから国土庁の所管の範囲がございますので、そこで現在、先生御存じのように、これにつきましては総理府の中に筑波研究学園都市建設推進本部というのがございます。これは次官をもって構成しておるわけでございますが、この推進本部が中心になりまして事業の推進を調整を行っておるものでございます。
○竹内(猛)分科員 この責任がそこで全部とれるのかどうなのか、実際。ただ連絡するだけなのか、各省庁との間のいろいろな予算上あるいは計画上の責任までそこはとっているのか、その辺はどうです。
○石川説明員 先ほどお話し申し上げましたように、事業は多岐にわたっておりますので、事業のおのおのにつきましては所管省庁が責任をとることになっております。
○竹内(猛)分科員 時間がないから先の重要な問題に進みます。先の方に行きますが、どう見てもこの計画が進まないし、責任の所在がはっきりしない。この点はまた別な機会で議論をしなくてはなりませんが、地元は大変これは迷惑をしている。また移転機関の職員の皆さんも非常に困っている。それは皆さん知っているとおりですね。閣議が何ぼ決定しても、閣議の決定どおりに事が行われない。田中総理大臣は、五十二年のやつを五十年で全部移転を完了すると大言壮語したけれども、今度金丸国土庁長官は四年延期をすると、こう言う。地元は一体何を考えて、だれを信用していいかわからない。こういう行政の責任というものをそのまま放置しておくということは政治不信にもつながるし、大変な被害を与えているわけなんです。この点については、これはもうここで申し上げても任方がないから先の方へ進みますが、現在移転している職員の数あるいはそういうものに対しての把握はどうですか。
○石川説明員 現在移転家族は、家族を含めまして二千五百人でございます。 なお、筑波の移転機関の職員といたしましては通勤者が五百名おりますので、おおむね三千名というふうに把握いたしております。
○竹内(猛)分科員 この移転をされてきている人々の要求がたくさん出ております。これは内閣委員会でもそれぞれ現地調査をされて、現地の人々からの意見が出ておりますが、その中の幾つかの点を申し上げると、第一には交通状況がどうなっているか。一日にバスが二回通っても交通があると われる。四回通ってもそうですけれども、朝の何時から始まって夕方の何時に終わって、一日じゅう何回通っているのか、まずそのことを……。
○石川説明員 現在、バスでございますが、国土庁の方で把握しておる範囲では、われわれの方は土浦駅から花室住宅を結ぶ花室住宅線というのがございます。これは始発は午前六時十五分でございまして、終発は午後八時十五分、運行回数は平日十四回、休日十三回ということになっております。 それからもう一つ、土浦駅から筑波大学を結ぶ石下線の始発は午前六時でございまして、終発は午後七時四十分、運行回数は十七回であると聞いております。
○竹内(猛)分科員 地元からは大変この交通の問題で意見が出ております。そのことは承知だと思いますが、これを改善する意思があるかどうか。
○石川説明員 現在、先生御存じのように、こういう定期バスが運行しておるわけでございますが、この五十年度の予算の段階におきまして、これは大体において都市の横の線ができておるわけでございまして、縦の線が非常に必要だということでございまして、国といたしましてはバス三台の購入費を要求しております。予算の御審議が終わりましてこれがつくとなりますれば、縦についても相当量交通をお助けできるのじゃなかろうかと思っております。
○竹内(猛)分科員 これはマイクロバスを買うなり何かしてその便益を図らなかったら、朝の六時、夜の七時に終わるような状態だったら、もうとうてい残業もできないし、研究が十分にいかない。そういうことはわかっているはずだ。こういうような便益を図らなければ、都内でいろいろ便利なところで研究していた皆さんは、行くことを拒否するのはこれはあたりまえなんだ。そういう点についてもっと考慮してもらいたい。 その次には病院の問題です。医療施設は一体どうなっているか。
○石川説明員 医療の面の施設につきましては、現在まで大変現地において御不便をおかけ申し上げることは、十分承知いたしております。 現在は、国立の霞ヶ浦病院、あるいは筑波大学の中にございます保健管理センターといったようなものが開設されておりまして、これを、あるいは付近の医療機関というものを御利用いただく以外には手はないわけでございますが、この四月に花室の東部センターの中に診療所を開設することになりましたので、いままでの御不便はそれで相当量解消するのではないかと思っております。
○竹内(猛)分科員 霞ヶ浦病院というのは花室の団地からどれくらい距離があるかわかっているでしょう。筑波大学だって花室団地からかなり遠いです。周辺に病院なんかありませんね。そういう状態の中で、三千名の人が移って、病気になったらどうします。東部センターにできる病院の中には小児科と内科がある。人間は小児科と内科だけの病気じゃない。いろいろな病気がありますね。そういう人たちが、今度は病気になったときには土浦の方へ行かなければならない。歯の悪い人は一ヵ月も前に予約をして行かなければ治療ができない状態だ。一カ月間、歯痛をがまんするなんというのは許されたことじゃない。特にあそこには若い方々が多い。病気が非常に多く出ているときに、そのような状態で移れ移れと言っても、これは無責任じゃないか。そのようなことに対して、この問題も、もっと予算をかけても何をしても、特別手当を出しても何をしても、この問題については解決をして、これは人間の問題ですから、そういうことについて責任を感じませんか。
○石川説明員 先生の御指摘の花室東部地区のサブセンター内に設けます診療所は、御存じのように、内科と外科でございまして、さらに産婦人科も行えるようにしようということで、鋭意努力中でございます。 それから、歯科につきましては、これはお医者さんが見つかりませんで大変困っておりますので、現在のところ筑波大学の保健管理センターの中には歯科もございまして、これが当分の間診療をしてもよろしいという内諾を得ておるのであります。 なお、先生も御指摘のとおり、この医者の問題につきましては、筑波研究学園都市を推進する上で非常に重要だと思っております。鋭意、関係各省といま努力中でございます。
○竹内(猛)分科員 続いて今度は買い物の問題。買い物をしようにも、お粗末なショッピングセンターが一ヵ所、これはこれからできると言っているけれども。どうしても土浦に出なければならない。土浦に出るとなると相当な金がかかる。だから仮に八%の手当をもらっても、今度は逆に多くの金がかかるから、むしろこれはマイナスですよ。そういうような状況がずっと続いているから、アンケートをとると、あそこに住みつきたくないという人が相当いるし、生活が高くつくというのは四六・五%もあるじゃないですか。こういう状況というものをどういうぐあいに解決しようとするのか。現在住んでいる皆さんのアンケートは、四分の一はあそこに永住したくないと言っていらっしゃる。空気だけはいいけれども、生活環境というのはまことにこれはお粗末です。ごみの問題にしても、下水の問題にしても、どういう問題一つとっても、これは言いようのない状態になっている。やがてはよくなるでしょう。だけれども、いま移っている人々は大変迷惑している。こういう点について何か別に手当か何か考えることはないのか、これはどうです。
○茨木政府委員 筑波地区につきましては、筑波研究学園都市移転手当というのが一つ現に設けられております。これに該当します者については、この分が出ておるわけでございます。 いま、この上にさらに何か別途のものがどうかという問題も、提起されておりますので、それについては、いろいろ検討を加えておるところでございます。 〔内海(英一主査代理退席、主査着席〕
○竹内(猛)分科員 これはぜひ考えてもらいたいと思うのです。実際。一番先に移った方々はもっと大変な生活をされていると思うのです。持ち出しはかなり多い。これは皆さんがあそこへ行ってみたらよくわかる。そういう、そこへ行っている人々の立場に立って、やはりこの問題は考えてもらわなければいけない。このことを強く要請して、次に移ります。 第三セクターの問題について私は関係者に聞きます。 まず、第三セクターとは一体法律上どういうものなのか、どの法律のどういう規制を受けるか、性格と問題点について。
○石川説明員 第三セクターは、これは民間の株式会社であります。
○竹内(猛)分科員 それはちょっと答弁がお粗末だな。もうちょっとまともな答弁できないかね。
○石川説明員 商法の適用を受けて行っておるものでございます。
○竹内(猛)分科員 落第だな。じゃひとつ教えてあげましょうかね。第一セクターというのは何ですか。
○石川説明員 第一セクターは、国もしくは地方公共団体が行っているものだと思います。
○竹内(猛)分科員 第二セクターは。
○石川説明員 第二セクターは、公団公社がやっております。 第三セクターは、そういう意味では地方公共団体及び民間の出資によって行っているものであります。
○竹内(猛)分科員 そこが問題なんだ。第一セクターが行政部門。第二セクターが民間。第三セクターというのは、これは勝手に第三セクターと解釈しているけれども、本来ならば医療とか文化とか、そういう慈善事業、宗教というようなものが第三セクターになるべきものが、現実には第三セクターが事業をやっているじゃないですか。県庁の古手、銀行、町村の古手が入って、金を出し合って株式会社をつくって、高い土地を貸して、やがてはそこでヘゲモニーをとろうとしている。これが第三セクターのやろうとしていることなんだ。これは筑波学園だけではなくて、至る所に第三セクターというものをつくって、何の法律の規制も受けない。だから、花室にできるショッピングセンターなりサブセンターの貸し賃が大変高いでしょう、これ。そういうこと、調査したことはありませんか。
○石川説明員 テナント料の御質問かと思いますので、テナント料を申し上げますと、一般店舗につきましては、保証金を平米当たり五万円、敷金を一万五千円、それからテナント料につきましては、四十九年十月から五十一年三月までの間は平米当たり千五百円、五十一年四月以降は二千円にするように一応組まれております。
○竹内(猛)分科員 こういうぐあいに、年を経るごとに貸し賃が上がっていく。権利金も取る。本来国の機関が入るからと言って土地収用法までかけてこれは収用した土地だ。そういう所へ今度は家賃を取ったり値を上げたりするようなそういうことをして、入れるものは大会社か、そのことによってもうかる企業しか入れない。一般の者は入ろうとしてもこれはなかなか入りようがない。たとえば生活協同組合が事務所をつくろうとしたときに、そういう生活協同組合が入れるかどうか。それはどうですか。金さえ出せば入れるか、これは一体どういうことになる。
○石川説明員 この第三セクターは御存じのように住宅公団及び県がその過半額を出資いたしましてつくり上げたものでございますので、その目的といたしますところは、あくまで団地の居住者のために利便施設の建設管理、それから団地の居住環境の維持改善というようなものを業務として行っておるわけであります。したがいまして、この目的に沿いまして、第三セクターは、これの中へ入りますテナントにつきましては公募をもって行っております。
○竹内(猛)分科員 まあこの問題については時間がないからこれ以上言わないけれども、よく調べてきて、今度は別の機会に徹底的にいろいろやりますから。法律上の規制を受けないで、それで大会社とそれから役場や県庁の古手が中心になって大もうけをするような会社をたくさんつくっていったって、地元の利益にはなりませんから、よく私はここではっきり言っておきます。 続いて高層気象台の問題について私は質問いたします。 まず、高層気象台及びそれに関係する合わせて三つの機関が移転機関として認めてよいかどうか、これ、関係者に……。
○毛利政府委員 高層気象台、気象測器工場、気象研究所につきましては、昭和四十七年五月十六日閣議決定に基づきます筑波研究学園都市に建設する研究及び教育研究機関等に指定されております。
○竹内(猛)分科員 これは移転機関として確認してよろしいですね。
○毛利政府委員 研究及び教育機関等に指定されております。
○竹内(猛)分科員 そうだとすれば、気象庁の移るところの職員の皆さんの手当、これは給与法十三条の四の一に関係してそういう手当が支給されるかどうか、それに対して人事院の方からお答え願いたい。
○茨木政府委員 いま二つお挙げになりましたが、そのうちのまず測器工場の方の問題につきましては、これは地区外にございますので、地区外への移転ということで一項に該当させ得る性格を持っておるものだというふうに考えております。まだこれは規則で定めておりませんので、定めた上での話でございます。 それから、もう一つ挙げられましたすでにあります高層気象台の方の問題でございますが、それは地区内に現在ございますものでございますので、地区外への移転というふうにはなりませんので、一項該当ということになり得る性格ではどうもないんではなかろうかというふうに考えております。むしろこれを今後考えるといたしますれば、先ほどもいろいろ問題になりましたようでございますが、気象研究所が移り、それからいまの測器工場がこれに関連する施設だと思いますが、そういうものが移ってきて、その職員等の権衡上問題があるということで二項関係の方で拾い得る余地が出てまいる、こういうものだろうと思います。そこで、実は研究所の移転が大変おくれているので困ったなと思っているのが私どもの心情でございます。
○竹内(猛)分科員 そうすると、人事院規則によって、そこへ移ってくるすべての職員の給料というものは同等に取り扱われるという理解をしてよろしいですか。
○茨木政府委員 同様の性格のものはやはり同等に取り扱っていかなければならぬものだと思っております。先生御案内だと思いますが、現在あそこの職員の中でも、展開されました機関と同時に移ってまいりました者は該当いたしておりますけれども、その後採用されました現地採用の方々等については、移転促進の日がないものでございますからこの手当の対象にはなっていないわけでございます。そういうものとのいろいろ均衡がございまして、先ほどのいろいろ挙げられました機関でも当然該当する者もございますし、機関に勤務される職員でも当然該当する職員もございましょうし、そうでない者もあるかなということで、いろいろこの辺の均衡関係を吟味しておる最中であるというのが実態であります。
○竹内(猛)分科員 移転ということは、高層気象台もちゃんと移転ということになっているんだ。これは地域内だけれども、広辞苑によれば、移転ということは「場所・住所をうつすこと」だから、これは完全に移転ですよ。だから移転であることは間違いない。そこで、その中に八%、三%、〇%というのがあるでしょう。いま言ったことはそのことですか。そういうものはまだ残すということ……。
○茨木政府委員 先ほど申し上げましたのは、現にそういうのがいろいろございますということを申し上げたわけでございます。
○竹内(猛)分科員 それを直すことはできないかどうかという、その問題を。
○茨木政府委員 これは移転手当設置当初から問題になっておりましたわけでございますが、すでにあの地区の周辺にもいろいろ既設の行政機関等もございます。そこで当初から大変問題になりましたのは、この趣旨が、人を中心とします研究あるいは教育機関等の環境が大変悪くなっておるので、そこで筑波地帯に集団的に移転をさせる、そしてあそこに研究学園都市をつくっていく、そういうところから始まったものですから、その移転促進に私どもの立場からまた御協力を申し上げるというようなところから、移転手当というものを考えていったわけでございます。そういう趣旨も考えながら、この手当というものを運用してまいらなければいかぬので、周辺のいろいろな機関が、役場もございますし、通常の学校もございますし、登記所もございますし、食糧事務所もございます。そんなものの関係もいろいろございまして、そこでいまの八、三、〇というようないろいろ種別がございますので、ですからお気持ちはよくわかるのですけれども、その辺のところともにらみ合わせながら、やはり運用してまいらなければいかぬものだというふうに考えておる次第でございます。
○竹内(猛)分科員 気象関係の職員は、やがて花室なりその他の合同庁舎に入られるわけでしょう。そうすると、今度は他の機関からの移転の皆さんと一緒になるわけです。そのときに給与に差別がある。仮に十万円の給与の人があるとすれば、一年間にいろいろな計算をすると、十四万円ほど収入が不足になるんですよ。そこにこういうようなバランスの違うものをそのまま残して、職場で、それから今度は泊まる宿舎というか、そういうところで、どこでもここでも差別をされるといったら、これはたまらぬじゃないですか、そういうことは困るんですね。そういうことがないようにできないかということです。たとえば、食糧事務所とか税務署というのは学園の地区外でしょう。地区内に現に住んでいて、これは移転という形に法律上もそうだし、語源からいったってやはり移転ですよ、高層気象台というのは。それを差別しなくたってちゃんとやればいいじゃないですか。幾らでもないもの、それは。どこかに累を及ぼすからいかぬというのかね、そうじゃないでしょう。
○茨木政府委員 おっしゃっている意味はよくわかりますが、私どももそういう面も踏まえまして、しかしおそれはないではないかということでございますが、その辺のところもいま現地採用の方々もいろいろな要望を言っていらっしゃるようにも承っておりますので、その辺との関係もございまして、ここでできるだけいま言ったような同じ宿舎に住み云々ということもございますので、そこで最小限地区内であろうとも移転の事実が生じました後の問題として考えざるを得ないなとひとつ思っていたわけです。 それから、できれば本当は本体である研究所そのものが同時に来てくださると、当初の計画はそうであったようでございますが、それならそこからの権衡理論でうまくいけるなと思っていたのですけれども、それがずれるということでございますものですから、その辺からの権衡理論がすぐいかないし、何かもう少し検討してみなければいかぬと思っているところで、鋭意検討したいというふうなつもりでございます。
○竹内(猛)分科員 これは時間がないから、これ以上詰めることもできないけれども、なおいまの権衡理論の問題もあったりいろいろなことがあるから、さらにこの問題は別な機会にまた質問をしていきたいと思います。 最後に、学園内及び関連市町村の地方財政の問題について自治省から伺いますが、地区内において二百十四億、地区外で四百六十三億、合計六百七十七億の赤字が四十九年の計算でも出ております。このうち国庫補助が百七億で県費が一億八千万、こういう助成があるだけで、五百六十億というものは地元負担。研究学園というのはそもそも国がお願いをして、そうしてあれだけの土地をあの安い価格で協力してもらって、そうしてりっぱなものをつくろうというときに、中心のことだけは国がやります、あとの学校をつくることも保育所も下水道も道路も、何もかもみんな地元で持てというのは、これはちょっと理屈が悪いじゃないですか。だから、三月ごろまでには結論を出すと言っているけれども、現在の法律のもとでは結局結論が出ないでしょう。何か別な方法を考えられておるのかどうか。それでなければいつまでたったってこれはだめだと思うのですね。特に特特会計なんというもので仕事を間に合わせるということ自体に問題があるように思う。やはり一般財源をそこに入れて堂々とりっぱな筑波学園をつくってもらいたい、こういうことを私はまず要求したいと思うのですが、どうですか。
○遠藤(文)政府委員 御指摘のように、学園都市建設に伴います関連の公共施設等の整備につきましては膨大な経費がかかりまして、関係地方団体等の財政に及ぼす影響も相当大きなものございますので、関係省庁協力いたしまして、目下この対策につきまして鋭意検討中でございますので、その点若干時間をいただきたいと思います。
○竹内(猛)分科員 三月までに何らかの結論が出るというのは、出ますか。見通しありますか。
○遠藤(文)政府委員 御指摘のような時期をめどに鋭意努力いたしたいと思います。
○竹内(猛)分科員 時間がこれでおしまいになってしまったわけですが、ともかく筑波学園というのはわが国で初めてああいう所にあれだけの地域を求めて、りっぱなものをつくっていこうということで出発をしたものなんですね。その問題について、土地を買うときなんかは非常によく頭を下げてきたけれども、買ってしまった後の運営というものは、閣議の決定もまことにお粗末だし、運営のやり方も無責任だし、入った人の取り扱いも、これは本当に、さっきの病院の話、交通、どれ一つをとってみても満足じゃないですよ。そして約束どおりに仕事が進んでおらない。こういうことでは困るのですね。そして地元の財政はパンクをする。どれだけ努力をしてもできるものじゃない。そこで、どうしてもこの際特別処置をとってもらわないことには、もうこれ以上がまんができないというところに来ておるので、これは単に自治省だけではなくて、関係をしているすべての省庁が本気になってこの問題について考えてもらわなければ、再びどこかへつくろうと言っても恐らくこれは不可能だろう、こういうふうに思います。でありますから、きょうは時間がありませんからこれ以上のことは申し上げられませんが、いずれその他のものに関連をして別の機会にもう少しゆっくりこの問題については議論をしたいと思いますので、そのように各省庁ではしっかり調査もし、それに対する明確な答えができるようにお願いをして終わります。
○谷垣主査 これにて竹内猛君の質疑は終了いたしました。 次回は、明二十七日午前十時より開会し、引き続き運輸省所管を審査することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時五十三分散会