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75回国会衆議院1975/03/01

予算委員会 第20号

発言数
372
登壇者
38
会派数
4
開催日
1975/03/01

会議録

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 これより会議を開きます。  まず、理事補欠選任についてお諮りいたします。委員の異動により、現在、理事が三名欠員となっておりますので、その補欠選任を行ないたいと存じますが、これは先例によって、委員長が指名することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 御異議なしと認めます。よって、      田中 武夫君 林 百郎君       山田 太郎君を理事に指名いたします。      ――――◇―――――

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 昭和五十年度一般会計予算、昭和五十年度特別会計予算及び昭和五十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。  去る二十四日から審査を行ってまいりました分科会の審査は、昨日をもって全部終了いたしました。  この際、各分科会主査より、それぞれの分科会における審査の報告を求めます。  まず、第一分科会主査笹山茂太郎君。

笹山茂太郎自由民主党

○笹山委員 第一分科会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  本分科会の審査の対象は、昭和五十年度総予算中、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、総理府のうち、経済企画庁及び国土庁を除く分、法務省所管及び他の分科会の所管以外の事項でありまして、去る二月二十四日より二十八日までの五日間、慎重に審査を行いました。  審査は、各省庁当局より予算の説明を聴取した後に、質疑を行いました。  質疑者の数は延べ六十名、質疑時間は三十二時間三十五分に及びましたが、各分科員の協力を得まして、円滑に審査が行われました。  質疑の内容はきわめて広範多岐にわたっておりますので、その詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは簡単に概要を報告する次第でございます。  まず、国会関係につきましては、事務局体制の整備、特に定員、給与における職員の処遇の改善、閉会中の週休二日制の実施並びに国会図書館の蔵書の点検等について質疑が行われました。  次に、内閣、総理府関係におきましては、内閣の予算の年内における国会提出、地方議会の関係行政庁への意見書の取り扱い、同和対策事業の推進、動物の管理保護法の実施上の問題点、地方事務官制度の廃止、国家公務員女子職員の処遇改善、沖繩振興開発事業の推進と各行政機関の総合調整、特に海洋博跡地利用計画の早期決定、アイヌ民族文化の保護と国の助成、今後の北海道開発のあり方、海外進出企業の当該国における環境汚染防止方策等について質疑が行われました。  また、環境庁関係におきましては、「海洋法会議で経済水域二百海里が決定されれば、遠洋漁業に依存度の高いわが国としては、この際、沿岸漁業の再開発に力点を置かざるを得ないのではないか。工場廃水の総量規制の徹底とともに、漁業資源の再生産のために、わが国の沿岸近海について緻密な海底の汚染調査及びそれに基づく大規模な清掃事業を政府の長期的なプロジェクトとし、国土利用計画の一環として取り上げていくべきではないか」という質問に対し、政府から、「来年度から日本近海の海底汚染の実態調査を五地区で行うこととしたが、海洋の浄化には今後関係各省とも相談して積極的に取り組みたい」との趣旨の答弁がなされました。  その他、カドミウムとイタイイタイ病との因果関係、水俣病の認定審査の促進、公害被害補償法における指定地域の拡大のほか、カドミウムによる汚染米について食品衛生法上の取り扱い、産地の生業者の財産被害に対する補償、その他農用地土壌汚染防止法の適用における諸問題について質疑が行われました。  また、火力発電、鉄鋼高炉等の建設と大気汚染問題、特に排煙脱硝技術の開発の現状との関連が論議されました。また、自動車の排ガス規制問題、東京都の環状七号線の排ガス、騒音、振動等の公害対策、コンビナートにおける石油貯油タンクの安全確保についても質疑が行われました。     〔委員長退席、小山(長)委員長代理着席〕  さらに、国立公園の自然環境の保全、湘南海岸の海水浴場としての保全対策、高砂市における市民運動としての入浜権問題等、各般にわたって質疑が行われたのであります。  また、科学技術庁関係におきましては、石油危機以後のエネルギー対策としての原子力発電の必要性が強調されると同時に、一方において原子力船「むつ」の事故に見られるように、「原子炉の安全性確保が強く求められている今日、原子力行政は一つの転機に直面しているのではないか、今後における原子力行政はどうあるべきだと考えているのか。また、現在の原子力発電の長期計画をどう見直していくのか。また、将来のエネルギーとしての核融合の研究の現状とその開発についての体制はどうなっているのか。さらに、地震予知研究の推進についてどのような措置をとっているのか」という質疑に対し、政府から、「すでに原子力行政のあり方を再検討するため原子力行政懇談会を設けた。一年間にわたって原子力委員会の性格や原子力の開発の方向を含め、検討していただき、この結論をまって政府としては総合的な原子力行政を決定したい。なお、今後の原子力発電の規模については、安定成長下の経済政策策定とともに見直されるべきであろう。核融合の開発、地震予知対策は、五十年度予算編成の際、がん対策と並んで最重点の課題として取り上げたが、まだ不十分であり、五十一年度を目指して十分な研究費を組み、対策を強化したい」という趣旨の答弁がありました。  その他、原子力船「むつ」の第二定係港の決定についても質疑が行われたのであります。  また、防衛庁の関係につきましては、「FXの機種選定はどう進められているのか、かつてのような売り込み商戦は好ましくない。また、現在、退職空幕長の商事会社への就職など、国民に疑惑を持たれるような事実が新聞雑誌に報道されておる。商社を通ぜず国が直接購入するということも検討すべきではないか」という質問に対し、政府から、「元空幕長であっても一企業の一人として扱うし、防衛庁職員は公人として節度を持って本問題に当たらせる。また、商社を入れず国が直接購入することも含めて庁内で検討しており、今年度は海外への調査団を派遣し、資料の収集を行う。ポスト四次防の防衛構想と相まって機種を決定していき、五十二年度予算には第一次契約ができるようにしたい」という趣旨の答弁がありました。  その他、核防条約に対するところの防衛庁の見解、自衛隊基地の移転問題及び周辺整備事業の推進、自衛隊の公民有地の無償使用、米軍基地の返還、返還された米軍基地の跡地利用と沖繩における地籍の確定、駐留軍労務者の給与改定と離職対策等のほか、沖繩におけるVOAの撤去、米軍基地の貯油タンクの安全点検等の質疑がなされました。  次に、法務省及び裁判所の関係におきましては、「登記への信頼性は社会経済活動の基礎であるのにかかわらず、登記所職員の定員の不足のため、登記簿の偽造などの不正犯罪が発生するとともに、国民への窓口サービス低下となっておるのであると言われておる。部外者の応援によって登記事務が遂行されておるような現状をどう打開していくのであるか」との質問に対し、政府から、「機械化による事務の合理化を図るとともに、定員増については年々増員に努力しているが、部外者の応援の完全排除は直ちにできないが、認めない方針で努力したい」趣旨の答弁がありました。  その他、瀬戸内海の石油汚染に対するところの刑事、民事の責任、過密市街地における刑務所の移転問題、外国人タレントの入国管理、沖繩伊江島における米軍人の日本人青年狙撃事件に係る裁判管轄権問題等の質疑が行われたのであります。  質疑終了後、分科会の討論、採決は本委員会に譲ることに決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)

小山長規自由民主党

○小山(長)委員長代理 次に、第二分科会主査前田正男君。

前田正男自由民主党

○前田委員 第二分科会の審査の経過及び結果を御報告いたします。  第二分科会の審査対象は、昭和五十年度総予算中、外務省、大蔵省及び文部省所管のものでありまして、審議期間五日間、質疑者は延べ六十二名、質疑時間約三十四時間余に及び、慎重に審議を行い、分科員各位の御協力により円滑に審議を進めることができました。  その詳細は会議録をごらん願うこととし、ここでは簡単にその概要を御報告することにいたします。  最初に、外務省関係では、「第三次国連海洋法会議が来る三月十七日、ジュネーブで開催されるが、昨年七月ベネズエラの首都カラカスにおいて同会議が開催された際、問題になっている二百海里にわたる経済水域の設定について、わが国の漁獲量一千万トン中その約四五%が遠洋漁業等により求められている関係上、漁業界のこうむる打撃は大きく、ひいてはわが国の漁業資源の確保の面からも、その影響は重大なものがあると考える。したがって、今回の会議に臨む政府の基本方針はどのようになっているか。また、前回の同会議における日本の主張は、諸外国の態度から判断しても、今回は特に弾力的な考えを持って臨む必要があるのではないか」との趣旨の質疑がありました。  これに対し政府は、「経済水域についての考えは、各国が千差万別で、総論は賛成であるが、具体的にはどうか問題がある。無条約状態になるより、最終的にできる方向で建設的に努力をする。漁業に限らず、安全保障、海底資源の問題もあり、国益を損うことのないよう、しかも世界各国に利害が公平に分配されるような秩序を主張する。事と次第により、二国間協議を通じ、遠洋漁業の保護を図ることも必要かと考える。漁業界が対処できるよう措置したい」旨の答弁がありました。  以上のほか、核拡散防止条約の取り扱い、日ソ漁業交渉、日中平和友好条約交渉、対韓経済援助のあり方、朝鮮民主主義人民共和国との人事交流、ソ連漁船の日本近海における無謀操業、情報文化局の海外広報予算等々、広範多岐にわたって熱心な質疑が行われました。  次に、大蔵省関係では、「最近、金融機関の社会的責任が問われているが、現行の銀行法を見ると、昭和二年制定のもので、その内容は、組織及び監督的規定に重点が置かれ、銀行本来の目的、任務等公共的責任について明記されていない。したがって、今日の社会情勢等にかんがみて、金融制度調査会等で改正について検討すべきではないか。また、大口融資規制については、銀行局長通達による行政指導の形で臨んでいるが、銀行法改正に伴って法律化すべきではないか。さらに、この改正に当たっては野党の意見も参考にすべきと考えるがどうか」との趣旨の質疑がありました。  これに対し、政府は、「予算が成立したら調査会と懇談してみたい。社会的責任などについては当然問題になると思う。また、野党の意見を求めるのは当然である」旨の答弁がありました。  そのほか、住宅ローンのあり方、匿名預金の取り扱い、いわゆる田中金脈問題と銀行融資、沖繩振興開発金融公庫の融資計画、パインかん詰めの関税問題、農業所得課税のあり方、豪雪地帯の雪おろし経費の税の控除措置、同和問題に対する税務署の取り扱い等々、多くの点について質疑が行われました。  最後に、文部省関係についてであります。「今日、高校の進学率は九〇・八%となり高校増設の必要性はますます強くなっております。資源の乏しいわが国で、頭脳資源の活用が大切であり、本年度予算でどのような財政措置がなされているか。特に高校建設は都道府県が行うため、地方の負担分に対し国はどのような助成をしているか」との趣旨の質疑がありました。  政府は「三十七年度以来、高校増設に努力してきたが、五十年度においては、地方債計画の中に新たに高等学校整備事業として起債枠を設け、三百億円、百七十校分を計上しており、この額は前年度の五倍に相当するものであり、その結果、起債充当率は七〇%と大幅に増加することができた。今後とも都市集中による人口動態の分析を行い、進学率を勘案し、年度別と長期計画による努力をしたい」旨の答弁がありました。  さらに、「五十年度予算において、新たに、私立小中高等学校及び幼稚園に係る経常費助成のため八十億円の国庫補助金を計上しているが、この補助金の配分基準は、従来東京、大阪を含む七大都市等が父兄負担の軽減措置として高校の授業料の一部を補助しているものについては、経常費助成の対象にしないとの話を聞くがどうなのか」との質疑に対し、政府は、「高等学校以下の私立学校に対しては、従来都道府県が助成を行い、国はそれに必要な財源を地方交付税制度によって措置してきたが、都道府県の助成の実態には相当の格差が生じていた。そのために、今回新たに経常費助成を行うことにより、私学助成の拡充を図ることとした。配分の具体的方法については現在検討中であり、五十年度は予算補助として措置する」旨の答弁がありました。  以上のほか、教育委員会のあり方、障害者教育の充実、身障者に対する郵便の無料化、海外帰国者の日本語教育、大学における朝鮮語科の設置、私立大学の入学金問題、僻地教育、学校図書館の充実、進学塾のあり方等、種々有意義な論議が行われました。  かくて、質疑終了後、分科会の討論採決は本委員会に譲ることに決定いたしました。  以上、御報告いたします。(拍手)

小山長規自由民主党

○小山(長)委員長代理 次に、第三分科会主査野田卯一君。

野田卯一自由民主党

○野田(卯)委員 第三分科会における審査の経過及び結果を御報告いたします。  本分科会の審査の対象は、昭和五十年度一般会計予算及び昭和五十年度特別会計予算中、厚生省、労働省及び自治省所管のものであります。  質疑者の数は延べ六十四名、質疑時間は約三十四時間に及びましたが、分科員各位の協力を得まして、円滑に審査が行われました。  質疑応答の内容は、きわめて広範多岐にわたっておりますので、その詳細につきましては会議録に譲ることといたしまして、ここではその概要を簡単に申し上げます。  まず、厚生省関係におきましては、医薬分業、医療制度の抜本改正、沖繩の医療の向上、歯科診療の差額徴収、国保の擬制世帯主制度、厚生年金と国民年金の充実、生活保護水準の引き上げ、老人福祉対策、心身障害者対策、精神障害者対策、国立身体障害者更生指導所の運営、難病対策と職業病対策、保育所の整備と運営、医療類似行為者対策、看護婦の処遇改善と確保、保健所の整備、食中毒の防止、ビルの飲料水等の衛生管理、予防ワクチンの管理等の諸問題について質疑応答がありました。  これらの諸問題のうち、歯科診療の問題については、「歯科診療の差額徴収は大きな社会問題となっているが、この事態に対してどのような対応策を持っているか。また、自由診療でやっているものをもっと保険に組み入れるべきではないか」との趣旨の質疑に対しまして、政府から、「歯科診療の差額徴収問題はいろいろな態様を含んでいるが、このような事態が社会保険診療のルールから外れ、しかも一般化しつつあるのは遺憾である。今後、社会保険診療における歯科医療の給付のあり方について再検討するとともに、歯科診療についての厚生省の通知に盛られていることをさらに周知徹底させ、関係団体とも協力してこの問題の解決に努めたい。なお、再三の注意にもかかわらずこのようなことを続ける者については、健康保険法などの法律の定むるところによって処置しなければならない。また、保険への組み入れについては従来から努力してきたし、今後も努力するが、制限なく保険に入れると財政負担の面で問題が出てくる。財政負担について関係者の合意がスムーズにできることが必要である」旨の答弁がありました。  また、「国保の擬制世帯主制度を改善すべきではないか」との趣旨の質疑に対しまして、政府から、「この制度の改善については、保険者側から見た財政的な問題や被扶養者認定基準の改善、あるいは擬制世帯主についての保険料(税)の軽減等について、これらをどこまで調和させるか、今後十分に検討していかなければならない」旨の答弁がありました。  次に、労働省関係におきましては、失業対策、雇用調整給付金制度、全国一律最低賃金制度、下請労働者への賃金不払い、失対賃金の冬季加算の増額、同和地域住民の雇用対策、身障者の職業訓練、職業病対策、不当労働行為の排除、労働債権の確保対策、勤労者財産形成促進制度の改善、中小企業退職金共済制度の改善、労働金庫の役割り等の諸問題について質疑応答がありました。  これらの諸問題のうち、賃金不払い問題については、「不況の深刻化から下請労働者への賃金不払いがふえているが、被害者を保護するため、元請責任を法律上明確にすることを含めて、何らかの措置を講ずるべきではないか」との趣旨の質疑に対しまして、政府から、「労働基準監督機関においては、従来から建設業を重点として監督指導を強めるとともに、建設業者団体等による自主的な賃金支払い保障制度の普及を図る指導を行ってきているが、さらに建設行政機関に対する通報制度を通じて、賃金不払いを公共工事入札の参加資格審査の要素とすることや、労働者を保護する見地から、建設業の下請等中小企業が倒産した場合などにおける効果的な救済制度について検討を進めている」旨の答弁がありました。  最後に、自治省関係におきましては、地方行財政の見直し、地方事務官制度の廃止、地方公務員の給与、大都市財源の充実、準過疎地域の財政対策、超過負担の解消、開発者負担金のあり方、地方公営交通事業対策、自治体病院の財政確立、土地開発公社のあり方、石油タンクとプロパンガスの事故防止、消防団員の処遇と消防職員の団結権等の諸問題について質疑応答がありました。  これらの諸問題のうち、地方公営交通事業については、「地方財政危機の中で、地方公営交通事業の経営悪化が深刻になっているが、どのような財政措置を講ずるのか」との趣旨の質疑に対しまして、政府から、「交通事業の経営状況は、人件費、物件費等の著しい上昇に伴い一段と困難の度を加えている。四十八年度から路面交通について法による経営健全化対策を講じているが、五十年度においては、交通事業再建債の利子補給、地下鉄特例債の利子補給等を引き続き行うほか、再建企業バス購入費補助の大幅な増額や、地下鉄建設債の償還年限の延長等を図ることとしている。また、地方公共団体の一般会計負担分については、計画額を地方財政計画に計上するとともに、所要の交付税措置を講ずることとしている」旨の答弁がありました。  かくて、質疑終了後、分科会の討論採決は本委員会に譲ることに決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)

小山長規自由民主党

○小山(長)委員長代理 次に、第四分科会主査代理塩川正十郎君。

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員 第四分科会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。  本分科会の審査の対象は、昭和五十年度総予算中、経済企画庁、農林省及び通商産業省の所管分であります。  審査に当たり、質疑者は延べ六十七名、質疑時間は約三十七時間に及びましたが、質疑の内容はきわめて広範多岐にわたりますので、その詳細は会議録をごらん願うこととし、ここでは簡単に要点のみ申し上げます。  まず、経済企画庁所管について申し上げます。  最近の景気の動向に関連して、「現在の景気の見方に、二つの意見がある。一つは、景気が完全に冷え切ったという見方であり、いま一つは、景気はこれ以上落ち込まず、物価安定のめどがつけば上昇するという見方であるが、どう思うか」との質疑に対し、政府より、「日本経済が冷え切って再びよみがえらないとは考えておらず、わが国経済には自律反転力もあり、そう弱くはない。在庫調整が一段落すれば、景気は反復する。問題はその反復する時期で、四~六月に在庫調整が終って景気が上昇に転ずるという見方は早過ぎで、少しその時期がずれるのではないかと思う。自律反転の時期に来れば、政策の効果も出てくると思うので、当面の経済運営については、総需要抑制策の枠内で、機動的、弾力的に対処する」旨の答弁がありました。  以上のほか、公定歩合の引き下げ問題、低成長下の経済運営のあり方、人間中心の経済への指向と政治献金等の関連、社会的不公正の本質論、農山村の開発と地域的不公正の是正策、物価政策と流通機構の近代化、物価抑制についての外国との相違点、漁業専任大臣の新設等の諸問題について質疑がありました。  次いで農林省所管であります。  「最近、ソ連の漁船団が日本の沿岸で操業を行っており、わが国の漁船に漁網の損傷を初め、多くの被害を与えているが、早急にこの対策を講ずべきではないか」との質疑に対し、政府より、「最近、ソ連漁船団は遠州灘や伊豆諸島等の近海でも操業しているが、この海域は、国際法上公海であるので法的には文句を言えないが、国際信義上許されない行為と思うので、ソ連側にも強く申し入れを行っている。また、漁民の被害については、まず被害の実態を正確に把握した上で早急に何らかの救済措置を講じたい」旨の答弁がありました。  以上のほか、農業教育のあり方、農業用地の拡大策等基盤整備問題農地法の改正問題堆肥使用による地力培養、農産物の自給率の低下理由と農地転用過多の因果関係、米の品質、カドミ米と検査基準、麦作及び飼料作物の奨励金の支払い時期の問題、裏作の推進策、休耕地を米作用に復耕する場合の費用負担、農産物の価格決定制度、ミカンの需給と価格対策、国産サクランボの保護と輸入制限、獣医師法改正問題中国肉の輸入問題、林野関係の基幹要員の常勤化問題及び待遇改善問題、白ろう病対策、大規模林業圏開発事業、官行造林のあり方、領海十二海里の宣言等海洋法会議への対応策、漁業資源の保護策と汚染対策、沿岸漁業振興諸施策、高浜入り干拓と漁業補償問題、農機具事故の防止策、微生物たん白の研究のあり方、沖繩の農業基盤整備等とパイン、糖業の振興策、農業改良普及員の指導責任、阿蘇群発地震被害者の助成策、群馬県組合開発協会の土地取得の諸問題等について、質疑がありました。  最後に通商産業省所管について申し上げます。  「水島の石油流出事故を見るまでもなく、現在コンビナートの安全性が問題となっているが、この対策はどうなっているか」との質疑に対し、政府から、「コンビナートに対する防災保安の法律がたくさんあって、それが各省庁に分かれているのが現状であるが、防災の一元化について、総理の指示もあり、目下、自治省を中心に基本的な法律をつくる準備を進めており、三月中に法案がまとまる予定である。また、それとは別に、通商産業省は全国十七のコンビナートに対し、防災対策について指示を与えた」旨の答弁がありました。  また、「家庭電気製品の部品の取りかえについては、JIS規格がないため、常に新しい品に買いかえねばならず、国民は非常に迷惑しているので、この部品についての規格化が必要ではないか」との質疑に対し、政府より、「家電の主要標準部分は、JISによって寸法、性能等を規定しているが、家電製品及び部品は技術進歩が早く、規格化してもすぐ陳腐化するため旧型部品との交換がむずかしい。また、工業所有権にかかわる面もあり、メーカーの間の互換性に問題もあるが、取りかえばJISの大きな目的の一つでもあるので、消費者が日常取り扱う部品等については、五十年度早々に工業標準調査会に付議して、早急に規格化に取り組みたい」旨の答弁がありました。  以上のほか、大企業に対する租税特別措置法の適用理由、発電所の新設等立地問題と地元住民の関係、鉄等の基礎資材の備蓄策、石炭政策と産炭地振興及び進出企業対策、大手商社及び企業の中小企業分野への進出と不公正な取引条件の強要、都市ガスの進出と影響を受ける零細プロパン業者の救済策、繊維の不況対策及び生糸、つむぎの輸入制限と価格対策、木材不況、官公需の拡大問題等を含めた中小企業の不況対策、植物の品種保護と植物特許、輸入粗悪麻袋問題、同和対策、衛生陶器等の値上げ問題、ダムの環境保全策、沖縄海洋博、筑波学園への移転問題、電柱敷地の使用等の諸問題について質疑がありました。  かくて、昨二月二十八日質疑を終了し、討論、採決は、先例により、本委員会に譲ることといたした次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)

小山長規自由民主党

○小山(長)委員長代理 次に、第五分科会主査谷垣專一君。

谷垣專一自由民主党

○谷垣委員 第五分科会における審査の経過及び結果を御報告いたします。  本分科会の審査の対象は、昭和五十年度総予算中国土庁、運輸省、郵政省、建設省の所管であります。  質疑者は延べ六十九名、質疑時間は約三十五時間に及びましたが、各分科員の協力を得まして、円滑に審査が行われました。  質疑の内容はきわめて広範多岐にわたっておりますので、その詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは簡単に要点のみを報告することにとどめます。  最初に国土庁関係についてであります。  青森県むつ小川原開発、阿蘇地方の地震復旧対策、ダム建設と文化財の保護及び補償問題等の諸問題について質疑応答がありました。  これら諸問題のうち地震対策について、「昨年十二月に地震予知連絡会が、京浜地区の地盤が異常隆起しており、一、二年後に直下型地震が発生すると発表したが、無数のタンクが存在している場所なので二次災害のおそれがあるが、国の対策はどうなっているのか。コンビナート周辺の市町村に対する防災計画をつくり、国で大幅な補助をしたらどうか。また、現在幾つもの省庁にまたがっている地震対策の窓口を一本化したらどうか。さらに、住民の不安を取り除くためにも、金丸国土庁長官の現地視察を望む」との趣旨の質疑があり、政府から、「コンビナートでの二次災害を考えると緊急に対策を立てる必要があり、現在、関係省庁の連絡会議等を開き、対策を検討している。防災計画については、地方自治体の考え方もよく聞き、必要ならば大蔵省に特別な財源措置を要請する。また、緊急五カ年計画や立法化等についても検討していきたい。窓口がばらばらでは困るので、関係各省と協議して窓口の一本化に努力していきたい。」さらに、金丸国土庁長官から、「早い機会に現地へ行きたい」旨の答弁がありました。  次に、建設省関係におきましては、住宅問題について、「プレハブ住宅の普及に伴い苦情処理体制の不備、欠陥住宅、また不動産業者とプレハブメーカーの抱き合せ販売による住宅用地の売り出しは、独禁法違反ではないか」との趣旨の質疑があり、これに対し政府から、「プレハブ建築協会を通じ苦情処理の窓口をつくるように指導はしているが、今後も努力していきたい。目に余る欠陥住宅については、業者を呼び出し厳重に注意をしていきたい。また、不公正取引の疑いがないとは言えないので調査してみる」旨の答弁がありました。  さらに、本四架橋の着工見通しについて、「現在三本の同時着工が無理なら、一本でも着工してほしい等の意見があるのは承知しているが、経済情勢も考慮しつつ、関係者が話し合って一日も早く着工できるようになることが望ましいと考えているので、四月の統一選挙が終わり次第、関係する県の知事、国会議員等による会議を開きたい」旨の答弁がありました。  以上のほか、地震予知の研究体制、都市の中小河川整備、日曜、休日の工事の禁止、請負工事に見る政界と業界の癒着、新大宮バイパス建設と環境アセスメント、公団住宅の共益費、公営住宅の入居基準と応能家賃制度、同和対策における住宅問題、都市公園の中の私有地、コンビナート周辺における遮断緑地の建設、古都保存法と鉱業権、建築廃棄物の不法投棄、不当労働行為、新東京国際空港等の諸問題について、質疑応答がありました。  次に運輸省関係では、五十一年度自動車排ガス規制について、「二月二十四日に告示された規制値は、自動車メーカーがその後の研究で告示以下に排ガスの減少ができるようになった場合、告示内容及び実施時期の改定をするのか」との趣旨の質疑に対し、政府から、「告示を上回るような排ガス減少の研究開発があれば告示及び実施時期は当然改定する」旨の答弁がありました。  また「港湾管理者が法的にも認められている入港料を徴収していないが、申請があったら認可するのか」との趣旨の質疑があり、政府から、「申請があればできるだけ早い機会に認可する方向に持っていきたいが、港湾管理者と船会社が話し合って解決するのが好ましいと思う」旨の答弁がありました。  以上のほか、五トン未満の小馬力船の運転免許試験、内海における大型タンカーの規制、日本船舶振興会からの交付金、新関西国際空港、羽田空港周辺の防音工事、海洋博と航空運賃の割引、航空機騒音と減便、新幹線の安全対策、新幹線におけるお茶と弁当の抱き合わせ販売、国鉄再建計画と発想の転換、精薄者の運賃割引、過疎バス対策、新交通システム、コンビナート基地の照明と灯台、気象庁の合理化計画と観測体制等の諸問題について、質疑応答がありました。  最後に郵政省関係についてであります。  「郵便の未配達地域が多数あるが早急に改善してほしい」との趣旨の質疑があり、政府から、「郵便法の規定により、交通困難なため通常の方法で配達できない地区には例外的に配達しないで郵便局にとめ置いて申し出に応じ渡している。道路整備の改善に伴い解消されていくと思うが、今後努力していきたい」旨の答弁がありました。  以上のほか、身体障害者に対する封書、はがき料金の減免措置、郵便事故、アルバイト使用による事故と責任体制、大阪中央郵便局における部落解放研究会、電話加入区域の拡大、福祉用電話料金の減免措置、電波障害と原因者負担原則等の諸問題について、質疑応答がありました。  なお、質疑終了後、当分科会の討論、採決は本委員会に譲ることに決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)

小山長規自由民主党

○小山(長)委員長代理 以上をもちまして分科会主査の報告は終了いたしました。      ――――◇―――――

小山長規自由民主党

○小山(長)委員長代理 この際、理事会の協議による質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。多賀谷真稔君。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 終戦によりまして財閥解体がなされ、そうしてその混乱の中から大企業が漸次立ち直っていきました。そしてばらばらになっておりました企業がだんだん系列化、集団化の方向に向かってまいりました。今日、公取が指摘しておりますように、企業集団というものが企業集団外の企業に対してかなり圧迫する傾向がある、あるいはまたこのままでいくと自由市場を乱すおそれなしとしない、こういう指摘もあっているわけであります。  そこで、いろいろ調査をしてみますると、まず融資面における系列化融資のほかに、法律的に見ると、私は、株の持ち合いというのがその結合の基本になっているのではないか、こういうように思うわけであります。ことに昭和四十年代に入りましてからは、非常に大きな結合が行なわれ、株の持ち合い状態がだんだん大きくなってきております。  私どもが、社長会と言われます、たとえば住友グループでありますと白水会メンバー、それから三菱企業グループでありますと金曜会メンバー、それから三井グループでありますと二木会メンバー、この各社の株式の持ち合い状況を調べてみますると、住友グループ白水会において、四十九年の三月現在ですが、この社長会メンバーだけでも二六・二%、こういう持ち合い状態を示しておる。なかんずく住友商事は四四・二%という数字を示しておるわけであります。それからさらに三菱グループでありますと、これは最近住友グループの持ち合い以上に急ピッチに持ち合い状態が濃くなっておりますが、いま現在では二五・八%という状態であります。同じく三菱商事はそのうち四二・四%が持ち合いになっておる、こういう状態でありまして、三井グループは一五・五%という状態であります。その中でことに相互持ち合いをしてそれが重複しておる、すなわち相殺をしておる、言うならば、一銭も資金が動かないで、そして株だけを持ち合っておるという数字をずっと見てまいりました。  これでまいりますと、大体持っております持ち合いの株のうちで、いわば相殺されるもの、すなわち同株お互いに持ち合っております状態が、住友で六七%、三菱で五三%、三井で五六%。生命保険会社は、御存じのように株式会社でありませんから、これを除外しますと、そういう数字になっておる。そうして、たとえば住友商事でありますと、全発行株数の相互持ち合いの重複部分が三七・二八%という。ですから、三七・二八%は社長会の持ち合いで全然資金が動いていないという計算になるわけです。  時間がありませんから多くは申し上げませんが、こういう状態がだんだん濃くなってきておる。これは第一に私は、資金の充実という株式会社の精神にこれは背反しておると思う。そうでしょう、資金が動かないでお互いに株を持ち合っているのですから。その次には、株主総会というものの権限が実質上縮小しつつある。それは社長会が実際は牛耳るからです。ですから、私は、この相互持ち合いについて基本的にメスを入れないと、総量規制をしても問題のポイントをついていないのではないか、こういうように思うわけです。  そこで、私は総理に、各国、すなわちイタリアの民法では全面禁止をしておる、フランスも制限をしておるし、西ドイツもお互いに制限をしておる、こういう中でどういうように考えられるか。これは公取も、いま議論をされている中でも案に出てこないのです。この株式相互持ち合いの結合というのが法律的に言うと一番ポイントではないかと私は思いますが、これについてどういうようにお考えであるか、お聞かせ願いたい。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 最近法人の株式の保有が増大していく、このことに対しては、独禁法でこの弊害に対しては除去していく方向をとりたい。どうしても株式は民主化されていくことが、買い占めを防いだり資本の充実をする上においても適当でございますから、独禁法で扱いたい。株の持ち合いについては、弊害があるとすればやはり是正をしなければなりませんが、独禁法では、法人の株式保有の増大というものに一応の歯どめをしたいと考えておる次第でございます。将来の課題として検討をいたします。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 これは個別企業単位にものをとらえておるけれども、いま一番問題なのは企業集団というものの圧力です、集団外の企業が圧迫を感じておるのは。問題はここにあるわけです。しかし、今度の公取案というものはその点についてメスが入っていない、こういうように思うわけです。これは日本特有の問題ですね。しかも、日本にはそういう土壌があるにもかかわらず規制する法律がない。外国はそれほどそういう危険性がないけれども、法律は規制するようになっておる。ですから、この弊害は認められるわけでしょう。私はこれは独禁法にもつながる問題だと思いますが、どうですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 独禁法の改正の懇談会でもこの問題はどういうふうになったかということをいま総務長官にただしたわけでございますが、これは問題になったそうです。しかし、多賀谷さん御指摘のように、今度の独禁法の改正には取り扱いませんでした。しかし、将来の課題として、弊害があるとすれば十分にこれは検討すべき課題だと思います。法人の持ち株の増大に対して、その弊害を除去するということを独禁法の改正の中に取り扱ったわけでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 私どもはこれは現段階における一番大きなポイントであると思いまして、もし社会党を初めとした野党案が共同提案になりますならば、ぜひ織り込んでいきたい、こういうように思います。  続いて、最近、通産省と総理府のいろいろのやりとりがあっているようですが、伝えられるところによりますと、まず分割という条文は大体出てこない、どこからも出てこない。これが一つの問題。それからもう一つは、通産省は三点について、総理府の素案というものは産業政策に介入する、こう言っている。われわれはその意味が全然わからない。     〔小山(長)委員長代理退席、委員長着席〕 すなわち、第一には、いま申します営業一部譲渡の問題について公取が勧告をするというのはけしからぬ、たとえ協議があってもけしからぬという意味がわからない。こちらの方がわからない。それから原価公表について、代替措置もけしからぬ。さらにまた株式保有制限もけしからぬ。こう言っている。時間もありませんから、総理はどういうようにこれをお考えですか。この柱が全部抜けてしまえば、全く後退をしてしまうじゃありませんか。これはどういうようにお考えですか。せっかく進んできているものが、この柱がなくなれば全部骨抜きになってしまうじゃありませんか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 独禁法の改正案はいま政府部内でいろいろ検討をいたしておるわけでございますから、多賀谷さん、その過程において各省がいろいろな意見を持つことはあると思います。しかし、独禁法の改正というものはそういう縦割りのものではないわけですから、全体としての、自由経済体制の広範な横に広がるルールをつくろうというわけでございますから、大所高所から判断をして、国会に提出するときには、わが国民から見て納得のいくような法案を提出する予定でございます。過程ではいろいろあるけれども、それが結論ではないわけでございますから、御了承を得たいと思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 通産大臣がこの時期において異議を言う。しかもそれはどれもこれも基本的な問題です。言うならば、全く独禁法の存在すら否定をするような問題点です。それについて、総理は大所高所と言われるけれども、通産大臣のおっしゃるのは、大体大所高所ではない、あれは一省の意見だ、こういうように考えていいのですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 最終的には私が判断をいたしまして、国民の納得するような独禁法の改正案を出すわけでございます。その途中で、各省が各省の立場でいろいろな意見はあり得ると思いますけれども、各省の意見ということで結論が出るわけではございませんから、全体としての判断は総理大臣がして国会に提出をするということでございますから、途中でいろいろ議論がありましても、内閣としての考えではないわけでございますから、御了承を願います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 そういたしますと、通産省が一番問題にしているポイントは、どうも公取がでしゃばると困るという、平たい言葉で言いますとここにあるようであります。市場における自由競争、それを秩序立てるというのは通産省の方針でしょう。公取側がやる場合にはそれは産業政策に介入すると言う。その意味が私はわからないのですよ。これはどうもただ所管のなわ張りの根性が出ておるのではないか、こういうように思うのですが、どうですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 通産省もなわ張りだけで発言するとは思えません。日本の産業の健全な発展を望んで、民間の活力というものを余り抹殺するようなことはいけないという気があるのでしょうが、しかしながら、やはり経済の秩序というものに対して、これを考える専門の官庁は公取でありますから、公取のそういう機能というものを無視することはできないということです。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 そうすると、公取の独立性というものは、これは一指だによそから圧力をかけられるようなことはない、こう考えてよろしいですか、実質的に。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 一指だにというのはどういうことか知りませんが、しかし公取といえども、何でもできるという不安を与えることはいけません。それはやはりおのずから、日本の自由経済の体制の健全な発展を図るためにルールを守っていくということでございますから、その限界内において公取が独立の官庁としての権限は、これはやはり維持していかなければならぬ、こう考えております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 現在の独禁法の二十八条「公正取引委員会の委員長及び委員は、独立してその職権を行う。」これを実質的に侵害されるようなことはありませんね。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 いま言ったように、公取が何でもできるという不安を国民に与えることはよくないと思っております。また、不当に価格をここらで決める、価格をこうしておけというような、そういうふうな何か自由経済そのものに影響を与えるようなことは、私はよくないと思いますが、しかし公取の、経済の秩序を維持するという意味における専門官庁であるという権限を、私は削減しようという考えはないということです。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 よくわかりましたが、しかし、総理府の素案の中に、営業の一部譲渡の際に主務大臣と協議をしてという文句がある。しかし、現在の独禁法の六十一条にも、御存じのように「関係公務所・公共団体の意見の陳述」というのがある。ですから、この条文でいいのじゃないか、私はこういうように考えるのですが、わざわざ主務大臣と協議をするということを素案に入れられた理由は何であるか、これをお聞かせ願いたい。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○植木国務大臣 お答えをいたします。  いま御指摘の、総理府素案とおっしゃいましたけれども、これは私どもといたしましては、先ほど総理からお話がございましたように、案をつくります作業を進めている最中でございますので、まだそれが案として固まっているわけではございませんで、ただいまその作業をしている最中なのでございますから、この件につきましてお答えを申し上げるということは避けさせていただきたいと存じます。  なお、いまの改正案とは別個の問題でございますけれども、御承知のように、主務大臣との協議でありますとか、あるいは大蔵大臣との協議というようなことは、他の条章において現行法においても書かれているということは、先生御承知のとおりだと存じます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 ですから、現行法にもあるのですから、わざわざそういう文句を書く必要はない。しかも、事前に協議するということを書く必要はない。それからこの点について一体、公正取引委員長は、その主務大臣と協議をするということについて、あなたの方の二十八条の権限を全うし得るかどうか、どう考えられるかお聞かせ願いたい。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○高橋(俊)政府委員 ただいまも、まだその案を固めつつある段階でございます。ただし、御質問の協議という文句、それがどうなのかというお話でございますが、私は、その表現はどうでありましても、実質的に二十八条が侵されるということは、公取の存在意義にかかわる基本的な問題でありますから、これはおやめになっていただきたいというふうに思います。二十八条に触れるような、たとえば実質的に同意を要するというような意味のものでありますれば、これは二十八条を完全に侵すといいますか、なりますから、そうはなってほしくない。ほしくないどころか、きっぱりとこれはやめていただかなければならないというふうに思っております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 いま公取委員長が、二十八条の権限を実質上侵されるようなことがあってはならぬ、こういうように言われておるのですが、総理、それでよろしいでしょうか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 やはり公取の、自由経済の体制、公正な競争の原理、これを維持するための専門官庁としての権限というものは、われわれはできるだけ尊重していきたいということで、原案をいまいろいろ検討いたしておる最中でございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 公取委員長は、表現はどうあろうとも、実質的に公取の権限を侵されるようなことは了承できない、こう言っておるわけです。また、総理も私の質問に対して、専門官庁である公取が実質的に権限を侵されるようなことは、あくまで独立機関としてこれを拒否するようにする、こうおっしゃるのですから、公取委員長が言われることは、総理としての気持ちも同じであろう、かように了解するのですが、どうでしょうか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 政府は原案をやがて作成して国会に出すわけですから、いま原案というものができ上がっていないのですが、したがって私が先ほど申し上げておるごとく、やはり公取としての独立官庁の立場というものは尊重したい、こういうことでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 終わります。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 これにて多賀谷君の質疑は終了いたしました。  安宅常彦君。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 この前、海外経済協力に関する問題について、政府がなかなか資料を出さない。たとえば、この海外経済協力に関する相手国のやり方が、経済外要素によって運営されてみたり、あるいは日本の経済協力基金を使用した、あるいは輸銀を使用した場合でも、これに対する国内の、いわゆる向こう側で言う内資ですね、この調達などに関しても、金融の道で言うならば、相当地位の高い人の口添えがなければなかなか出てこない。こういうことが、たとえば韓国で言うならば、韓国の第三次五カ年計画に関する調査団の報告書にも明らかに載っているし、それから私が要求いたしました「韓国の不実企業の実態」という外務省北東アジア課がまとめた膨大な冊子にも逐一これが載っているわけです。外務大臣も相当あけすけに書いてあると言う。こういうことは困るのでしょうが、私どもに出してきた資料を見ますと、ちょうど敗戦後の教科書みたいなもので、あちこち墨で塗りつぶして、そうして塗りつぶし切れないところは二十何ページ裂いて出さざるを得ない、こういう海外経済協力はない、こういう意味の質問を私は非常にしつこいようですが、したわけです。  さらにまた言うならば、これらの国々に日本の商社やあるいはメーカーがタッチする対外経済協力の場合、三木さん、本当に政治というものはこういうものじゃないかと思うのですが、どこの商社がどういう品物を、海外経済協力に協力して、日本の方針に協力をして、国の方針に協力をしてやったのだ、三木内閣のもとで私はアラブにこういうようにプラントを持っていっているのです――大変信用のある会社です。昔、お菓子屋さんだって、宮内庁御用達だとか、幕府だったら幕府の御用商人だと誇らかにやっておった。これくらいのプライドが商社なりメーカーなりにあってもいいんじゃないか。なぜそれを発表されると困るのか、困るようなことをしておるからです。そういう意味で、これを明朗なものにしなければならない。  たとえばの話ですが、政府の中にこれに関する審議会といいますか、特別の委員会をつくったらどうか。福田副総理からちょっと答弁ありましたけれども、内閣法の改正がいま提案されております。その機構を一本化する、これは自民党の代議士さんの調査なんですけれども、対外経済協力に関係している省庁は、一府、総理府ですが、五省四庁七十二局、課に至っては三百十三あると言われております。資料を出します、努めて出しますなんと言っても、宮澤大臣は、人命に関するとか、人道上の問題だから勘弁してくれと言う。そんなことをやっていたら大変です。それで、大蔵省に行けば、国際金融局でありません。どこだと聞いたら、輸銀や北海道東北開発公庫だとか、そういう特殊な金融の部類だから、これは特別金融課だと言うのです。今度外務省に行けば、国際協力はさっぱりわからない、まとめ切れない。輸銀は輸銀で、何だかわからないけれども金を貸せと言われたから出しているのでございまして、よくわかりませんと言う。その以下になると、日商岩井とか伊藤忠だとか絡んでいるんじゃないか。どこの商社がレールを売ったんですか、これは企業の秘密だから申し上げられません――私どもの計算によると、年間大体二兆円を超しています、輸銀から何から全部出たものを合計しますと。資料をとってありますが。ところが、それもやっと私どもに出してきたんですよ、各省庁まとめて。それから残高に至っては、輸銀だけで二兆五千億を突破しています。  こういう状態の金、これは国民の税金なんでございますから、たとえば物には程度というものがあるんじゃないでしょうか。自分のうちは余り余裕がないのだけれども、隣近所にはいいところを見せようと思って、自分のうちの家族には梅干しぐらいで飯を食わせておいて、そうして隣近所にだけは悔やみだの結婚式のお祝いだのばらばら出すおやじがおるものですが、大体そういう式の外交をやっているのが日本だと私は思っているんですよ。たとえば、残高二兆五千億あるいは一年間に二兆円を超す、そういう協力資金を全然やっていかぬと私は言っているのではない。こういう問題を、もう少し緻密に検討するならば、いま先行き不安でどうにもならない中小企業対策や農業の再建の計画に、それだけの金の半分でもいいからつぎ込んでみたら、相当日本の経済の構造が変わってくるんじゃないかくらいの素人らしい考え方をみんな持っておると思うのです。  そこで、私がこの資料を全部出したら、朴政権とつながっているそういう連中の悪業が全部暴露されるから、調査をした人の人命にかかわるから出してくれるなと言う。私は、ではそこまでは認めましょう。それ以上のことはまた論議がありますね。そんな経済援助をやっていいのかどうかという問題はあります。だけれども、その前段は認めましょう。そう言うならば、海外経済援助というものを円滑に、基本方針を正しく示し、そして成果の分析もできるそういう機構。経済協力担当大臣をつくる内閣法の改正、それだけではなくて、民間の代表なり国民の代表なり、あるいは国会議員なり、あるいはまた産業界の代表なり学識経験者を入れた、強力なそういう委員会をつくる必要があるのではないか、これをつくってもらいたい、これが条件。  もう一つは、これは自民党総裁としての三木さんに私できないかと言ったことですが、国会の中にそういう機関を置くよう、自民党総裁としての三木さんとして、国会の各関係機関と打ち合わせて提案するなり、そういうことはできないか、こういうことでこの問題そのままになっておるわけですね。  どうかひとつそういう意味で、これはできないならできないでけっこうです。できるならできるで、その範囲内であなたが御答弁下さるならば、できないときは私は資料を暴露せざるを得ないし、できる方法があるならば、ぜひあなたから知恵をかしていただきたいというのが、私のきょうの立場であります。御答弁願います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 安宅さんの言われました海外経済協力が、いやしくも疑惑を招くものであってはならぬということは、私も全くそう思います。発展途上国の経済自立を助けようということが疑惑を生むというようなことは、これは大変な一これは、やはり疑惑を生むだけでも非常に残念なことでございますから、姿勢を正さなければならぬということは全く同感であります。  その場合に、何か対外経済協力のことについて審議会という御提案がありました。私も、今度の内閣法の改正で経済協力の担当大臣もできるわけですから、これは対外経済協力に対するいままでのやり方に対して、何か一つの改革を加える時期だと思いますので、その前段の御提案は、私も賛成します。対外経済協力審議会、これは現にあるわけですが、活発なものではないわけですから、これを陣容も強化いたしまして、これを活用して、そして対外経済協力というものが、国民から見てもやはり疑惑を持たれることのないように、また相手方からも国民ベースにおいて喜ばれるような、そういう海外経済協力に持っていくために、前段の提案に対しては賛意を表して実行をいたしたいと思います。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 それで、また具体的な提案をいたしますけれども、これは私もいろいろ考えてみました。いま総理府にそれに類した審議会があるようですが、しかし、そんなちゃちなものではいかぬと思いまして、国家行政組織法の第三条による強力な委員会、こういうふうにしたらどうかという考え方を私は持っておるのですが、政府はなかなか困難なところもあるでしょうけれども、その問題について、もし三木さんから具体的な問題としてお答えがあるならば大変ありがたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 どういう形にしますか、いまでもあるわけですから、これがもっと積極的な活動ができるように、方法論はいろいろ検討いたしますが、強力な審議会にしたいということでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 三木さん、前段の問題については賛成いたしますと言いました。これは考えてみますと、国会の問題なんですね、予算委員長。ですから問題は、予算委員会で問題になって、いわゆる積み残しと通常言っている、こういう問題であります。  予算委員会の性格ということを、私も長い間、議院運営委員会におったものですから、相当勉強しておるつもりなんですが、予算というものは、決まった後終わり、後決算までは何ら手をつけない。どうもおかしいと思うんですね。予算の執行というものについて、やはり予算委員会が相当の権限、発言力を持たなければいけない。執行について相当問題点があることについて論議をする。ただ閉会中審査などという問題ではない。権限を持たせたらどうかということさえも考えておるわけですが、それは別として、予算委員会で問題になったのですから、予算委員会の理事会において、この問題を国会の場において討議をしろというのが私の第二の提案です。  ですから、たとえば外務委員会の小委員会にしたら、その方がいいのじゃないかなんて私は言いましたが、そんなものではなくて、もっとこれも強力なものにするために、予算委員長が主導権を持ってもらって、理事会でぜひこれを早急に形づくるための御審議を願う、委員長にイニシアチブをとってもらう、私は時間がありませんから、こういう提案をしたいと思うのです。  これは長々とやられたらかないませんから、私のいまのところの計算で言うならば、三月末を目途にして、予算委員長に国会で海外経済協力に関する論議が円滑に行われるような機構をおつくりになっていただく、これは理事会で検討していただく、こういうことをひとつ提案いたしますが、委員長の見解を伺っておきたいと思うのです。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 ただいま安宅君のお申し出の件については、まことにごもっともの点が私もあると思いますので、提案の趣旨に沿いまして、目的の達成のできるように理事会で協議したいと思います。御了承願います。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 ありがとうございます。タイムリミットといいますか、三月末などもひとつ御努力願えればありがたいと思いますが、いかがでしょう。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 理事会で篤と協議をいたしまして善処いたします。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 ちょっとこれは総理に、私の立場からきょうぜひ質問させていただきたいと思っておることで、申しわけないんですけれども、この間、朝鮮民主主義人民共和国を承認する方式で、現実の問題として北と南がある、あなたはあのときドイツ方式、そういうものに類似したものと言っておりましたが、私どもは、ドイツ方式というのは二つのものが固定化するからいかぬ、こういう考え方なんです。けれども、現実は分かれておるんだから、民族が将来統一するというならばそれでいいじゃないか、安宅君どうだろうという話があった。そういう趣旨の質問を私がいたしました。平等な交際をしたらどうなんですかと、金日成国家主席が宇都宮先生とお会いになったとき言ったり、各新聞の編集長あたりにいろいろ言ったりしているから、韓国は承認しておっても、朝鮮民主主義人民共和国と国交回復することは妨げないという考え方が向こうにあるので、ひとつあなたはどういう見解ですかと聞いたら、議事録をしさいに検討してみたら、安宅君、北はそれをきらっているようだから、なかなかそううまくいかないのだ、またその時期でもない、こういう答弁をなされておるのです。  ですから、時期に来ているかどうかということの御判断は別として、何も共和国側が、韓国と国交のある国とは絶対に国交を開かないなどと言っていない。いま四十カ国ほどすでにそういう国があるわけですから、そういう意味で、朝鮮民主主義人民共和国との国交樹立の問題で、ひとつあなたは前向きの姿勢でがんばってもらいたいといいますか、早期実現のために検討していただきたい、こういうことを重ねて、きょうは事情を説明しながらあなたの御見解をお伺いいたしたいと思いますが、いかがでしょう。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 朝鮮南北とも悲願は民族の統一だと思うのです。しかし、なかなか現実に統一のできてない現実を踏まえて、過渡的な時代をどう処理するかということでいろいろな方式もあって、私の見解として述べたわけではないので、そういう意見もあるということでございますが、これはいろいろな検討をしてみる値打ちのある問題だと思います。とにかく両方の当事者がその気になって承諾するような案でないと実現をしません。具体的にこれならば南北が承認するという案が、いま私はあるとは考えられないのです。日本の場合は、従来やっておるような国の承認というところまでは、現実の問題としていきません。しかし、いままでやっておるような、人間の交流とか、あるいは経済の交流、文化の交流を通じて、北鮮との間の接触は積み重ねていきたいという考えでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 あなたの見解はわかりました。しかし、日本の朝鮮半島に対する外交の方針というのを、三木さんが総理になった時点あたりから変えてもらいたい。つまり、韓国も賛成する、北朝鮮も賛成するという表現をいま使いましたけれども、韓国が反対するんだったら朝鮮民主主義人民共和国と国交はできないなどという、外交上の顧慮をなぜしなければならないのか。ここが非常に問題なんですよ、表向きは言わぬけれども。何でもない経済援助でも韓国が裏でじゃまするから、プラントはなかなか輸銀を北の方には使えないとか。表向きは質問しても絶対それは言わない。だけれども、いみじくもいま三木さんがおっしゃるように、南の立場を考えるからなかなかやれないのだという意味にとれる発言さえも出てきておるわけです。これは、その方針はぜひ変えてもらう、こういうことを要請しておきます。まあ答弁はいいでしょう。  それで、外務大臣に最後にお伺いいたしますが、私が先ほど、資料の集め方でいかに苦労するか、提出を求めても出さない、数字はある程度出します。たとえば韓国に対する商品援助の中で陸上走行車両というのがあるのです。自動車だか戦車だか、あるいはダンプだかわからない。その分類と台数と金額と、そしてどこの商社がこれを輸出したか出しなさいと言っても、絶対出てこない。幾らあなたの方で体裁のいいことを言っても出てこない。だから、どこの商社がやったのだということを、誇りを持って言えるような海外経済協力をしたらどうですかと、私が言っているのはそこなんです。自分が経済協力をしているのが恥ずかしいみたいにして出さない。これは、もうけたりリベートを取ったりしている証拠なんです。  だから、そういうことをなくするためにも、三木さんがおっしゃったように、今後そういう委員会、審議会、あるいは国会の場でも、予算委員長が約束されたようにオープンに討議する場ができるわけですから、その準備行動としてそういう資料は、企業の秘密であるなどと言わないで、全部出すということを約束していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○宮澤国務大臣 各省庁協力いたしまして、できるだけ御審議に便なる方法をとりたいと思います。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 できるだけというのが非常に気にかかるのです。同じなんです。そういう商社の名前も金額も明示したものが出せるかと私は聞いているのです。いかがでしょう。悪いことをしていない以上、幾らでも出せるはずですから、出せると言ってください。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○宮澤国務大臣 それでは、よく各省庁協議いたしまして、御発言に沿うようなことを考えたいと思います。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 時間がないから、きょうのところはしそうしておきます。あとは、各委員会で具体的にそうなるまで、私はこれはしつこくやりますから。日本国民の税金をむだ遣いしないという意味でも非常に重要なことですから、そのつもりでいてください。  あともう一つは、国家公務員法における任用のあり方について、特別職でなくて一般職の任用の問題について、人事院総裁と相当意見の食い違いが出て、国家公務員法にないものをなぜ政令で――勤務体系、任用の体系といいますか、実態がそういうふうになっているからやむを得ない、表には書いてないけれども裏には書いてある。その裏に書いてあるやつで政令や省令や規則をつくれるはずがないじゃないかと言ったら、つくれるとがんばる。それでこの委員会が混乱に陥ったということがあります。そしてこの問題について、政府の統一見解を出すということになっておったわけでありますが、どなたが出すことになっているのでしょうか、ぜひお出し願いたいと思います。

藤井貞夫人事院総裁

○藤井(貞)政府委員 国有林野事業に従事する非常勤職員問題に関連をいたしまして、二点について政府の統一見解を求められておったのでありますが、便宜私から政府の統一見解を読み上げます。   国家公務員法が、常時勤務を要する官職のほ  かに常時勤務を要しない官職のあることを前提  としていることは、同法第六十五条第一項第五  号に「常時勤務を要しない官職」の語を用いて  いることを見ても明らかであり、この官職に充  てられる非常勤職員の任用の取扱い等に関する人事院規則は、同法第十六条、附則第十三条等  の規定に基づいて定められたものである。   また、国有林野事業に従事する作業員に関  し、基幹的な要員の制度については、その法的  位置づけを含め、目下関係省庁において検討中  である。以上でございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 この問題については、この間、人事院総裁は、国家公務員法のどの条文を見ても、非常勤というそういう名のもとに――行政管理庁が行政簡素化をするために、あのときは福田さんがやったのでございましたか、どなたかちょっと忘れましたけれども、定員を決めて、もうそれ以上は人を雇うな。ところが、定員は決めたもののもうどうにもならなくて、役所をごらんなさい、朝ぞろぞろと総理府や何かその辺に行く人の数を。あの中に正式の任用になっている人は一体半分いるんでしょうか。本当にたくさんの人に、人件費でないところから出ておるのですよ。あなた自分の省庁を振り返ってごらんなさい。もう定員法なんというのは有名無実なのであります。だから、そういう脱法行為的な採用をしている人々、その人を首にしろとは私は言いませんよ。役所の必要によって採用しているのですから。ただ、正式の職員にできないために、日給制にしてみたり、二カ月で首切ってみたり、いろいろなことをやっている。それはもう国民が矛盾を感じているのです。雇われている人が矛盾を感じているのです。そして人事院総裁が、先ほど言ったような制度をとろうとするならば、定員法なんというものはあってなきがごとし。幾らでも、金の出しぐあいさえうまくやれれば、人間を採用することができる。それは国家公務員でもなければ、何か身分の不安定な人々だ。こういうことになったならば、いま硬直化だとかなんとか言っている。人件費でもう半分以上超すんだとかわあわあ言う。あなた方実際言っていることが、自分でその種をまいていることになりはしませんか。こういうことを私は心配したから、国家公務員法上の解釈の問題について、しつこいほど突っ張ったわけです。  きょうは人事院総裁は、六十五条の第一項の五号にある、非常勤という言葉はない、常勤を要しない官職、しかもそれは資料をつくって報告するために準備しておけという小さな条項です。任用に関する条項ではない。たった一つ、よく捜したものです。虫めがねででも捜したのですか、あなた。そういうことを言って統一見解を出されるというのは非常に心外きわまる。もっと言うならば、林野庁に関してというあなたのお話でしたが、一般論として私はあのとき申し上げたはずです。しかしながら、その次の段で、今度具体的に林野庁の問題を言うつもりでしたから、結構でしょう、いまの文章のつながりは。その場合には、林政審議会の施策部会の中間報告もあることだから、それに協力するとあなたは言った。結構な話です、協力するのは。  しかし、本来人事院総裁というものは、任用の形式というものを法律で実権を握っている以上、そんな――林政審議会というのは、林を植えたり切ったりするような、そういうことを主体とする審議会の施策部会の労働小委員会で一決めたものを、人事院総裁は、いままではそういういろいろな職務の実態があるからやむを得ないのだ、だから人事院規則で定めたって違法でないと言った。新しくつくる制度については、人事院総裁もっと見識を正しくしなさいと私は言ったはずですね。またそれを変えてきたのですよ、本当のことを言うけれども。政府の統一見解に、なぜ林政審議会の労働小委員会などというごときものの文章が――この統一見解に入るはずがないし、体裁悪いじゃないかというので、これを削ることにやっと話がついた。人事院総裁もそうです、あと官庁のお役人の方々にも注意しておきますけれども、一体どうなのか。的をつけたり、しかるべくだとか、速やかにとか、可及的速やかにとか、そういうときは大概遅いのです。的なんというときはさっぱり適応しない。そういうばかみたいな官庁用語をなくす、本当にむだでない官庁運営をするように、大臣の監督もさることながら、あなた方自身気をつけてください、こう言いたいのです。まあいいでしょう、きょうは。私はこんな統一見解については賛成できません。だから、時間がもう一分ぐらいしかないから、あとはきょうは言いませんが、あらゆる委員会で具体的なものを詰めましょう。総裁だけいじめるのは気の毒だから。  この問題については、一番があがあ言っているのは行政管理庁です。もう一つは大蔵省ですな。主計局長にやにやしているけれども、金の出し方について物件費から出しているのなんか山ほどあるのを知っているくせに、定員か何かというとごちゃごちゃ言うのです。本当に人間の給与を物件費から出す国がありますか。あなた方皆知っているでしょう。そういうことをやっておきながら、本当に基本的な政府の運営というものについて考えをいたしたことないのではないかと思われることが多いですね。  そういう意味で私は言いますけれども、これを各大臣に何だかんだ言っても、大臣にはこういう答弁をしろと役人がちゃんと原稿を渡すのを知っているものですから、この間、第四分科会におきまして、林野庁が、あるいは農林省の大臣が、この問題については本当に早急に決着をつけますと言いました。決着をつけられるために協力してくれるかどうかをずっと各官庁全部聞いたのです。人事院は好意を持って臨んでおりますから大丈夫ですと言う。行政管理庁の局長は、これは定員と常勤職員をつくることは別個の問題ですから、常勤職員をつくることについてはそのとおり協力いたします。総理府の局長は、先生のおっしゃるとおりでございますと、秋富さんという方がお答えになっております。大蔵省だけはまだ御返事をいただいておりませんが、大蔵省、そういう実現をするための五者会議というのがありますね。あなたも入っておるのですよ。その結論が出たならばじゃなくて、前から協議中にも協力する意思があるかどうか、それを大蔵省に聞きます。農林省、農林大臣はその後ぜひ答弁願いたいことは、時間が来ましたが、私はこの統一見解に沿って、非常勤職員という者の正しい待遇の改善について、分科会でおっしゃったとおり、早急に結末をつけると言った以上、半年だとか一年だとかはあり得ないことだと思っておりますが、やはり私は、これも先ほど予算委員長に言ったように、三月末を目途としてこれを決着をつけるという御努力をしていただきたい、こういうことを答弁をしてもらえるならば大変ありがたいと思っておる次第であります。  各省庁の大臣方に、五者会談というのがあるのですから、そこの人々に協力しますと一々言わせようと思ったけれども、局長が言っているのですから、大臣はそうかと言うに決まっていると思いまして言いません。大蔵省だけ答弁して、その次に農林大臣、決意のほどをひとつあなたからおっしゃっていただきたいと思います。それで私の質問は終わらせていただきます。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 非常勤職員の問題につきましては、ただいまお示しがありました統一見解の線に沿いまして、大蔵省も関係省庁ともども検討してまいりたいと存じます。制度について合意ができました場合の予算措置につきましては、制度の内容の確定を待って検討いたしたいと存じます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 委員長ちょっと済みません、時間が来ているようですけれども。  合意がまとまったならば出すのがあたりまえじゃないですか。検討というのはおかしいじゃないですか。どうですか。確定したら出すのがあたりまえじゃないですか、大臣。内閣不一致のまま、そのまま検討するのですか。ごそごそわけのわからない言葉でごまかすのだよ、あなたは。検討じゃないのでしょう。決まったら出すのでしょう。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 制度の内容の確定でございますから、これが予算措置を伴うということになりましたら、当然お示しのようなことになると思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 御要望の趣旨も含めて、最善の努力をいたします。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 どうもありがとうございました。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 これにて安宅君の質疑は終了いたしました。  次に楢崎弥之助君。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 私は、総括質問、一般質問、分科会質問を通じて保留されておった問題のうち、三光汽船と大和銀行の問題、さらに谷古宇産業グループと埼玉銀行及び日本信託銀行の問題について、質問をいたします。  時間が非常に短かいものですから、しかも政府側のこれまでの答弁は、一番当初の総括質問のとき、あるいは私が出しました質問主意書に対する政府答弁の域からほとんど出ていないわけであります。したがって私は、きょうは断定をしなければならない。もし私の断定に間違いがあれば、私は名誉棄損なりあるいは懲罰にかけられても結構ですよ。だから本当のことを言っていただきたい、そのように思います。  まず、三光汽船の問題ですが、私は大体三点にわたって質問の論点を集約したわけです。つまり三光汽船は、子会社を使いながら株を転がして、そして一定のところまで株をつり上げて、第三者割当時価発行に持っていった疑いがある。株価操作の問題であります。そして第二番目は、河本通産大臣自身の所得に関する問題であります。申告漏れの点があるのではないか。これは脱税に通じますから、その点を問題にしました。三番目に、いわゆる便宜置籍船、チャーターバック方式による反社会的な商行為に対する批判でありました。  私は、まず、第一番目の株価操作の疑いの点について、実は私が問題にしました四十八年、その年の四十八年二月二十二日に、飼料メーカーの大手である協同飼料が株価操作で摘発をされました。逮捕者が出た。いま係争中であります。これは実は東京地検の特捜部が摘発した。大蔵省は省内に証券管理官を置いておられるでしょう。取引所には常時売買審査室が設けられている。そして目を光らせておる。ところが、ちっとも挙げ切れなかった。特にこの四十八年二月二十二日協同飼料が東京地検に挙げられるとき、四十八年二月二十一日、その前日から二十三日にかけて、大蔵省は証券会社への検査を行っているでしょう。何か出てきましたか。検査していながら、この程度のものすら明らかにできなかった。挙げたのは東京地検であります。特捜部であります。だから、われわれが大蔵省に検査してくださいと言って、あるいは調査してくださいと言って出てくる結論というのは、この事実から見ても、われわれ余り信用をおけないのですよ。やる気がない、こう言わざるを得ない。この協同飼料の株価操作の特徴はここにあるのです。大蔵省ではなしに東京地検が挙げたというところですよ。  それで、協同飼料を例に引きながら、協同飼料はなぜ挙げられたか。これは非常に典型的な株価操作であった。なぜかと言うと、自分の会社の社員を使って、そして自分の会社の小切手を使って、自分のところの株の操作をやったから、典型的なものとして挙げられた。これは非常に拙劣なあれであったわけですけれども、そして政治的な力もない協同飼料ですからやられた。しかしここで、もし協同飼料のように、自分の会社の小切手を使わずに資金を現金にする、そして自分の会社の社員を使わずに自分の意のままになる子会社を使って同様のことをやった場合に、証取法の株価操作に触れますか。実質的には同じことをやっていても、形式がそうなっておったら触れますか、大蔵大臣。

田辺博通大蔵省証券局長

○田辺政府委員 協同飼料の問題についての御質問かと思いますが……。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 あなたは何を聞いておるのですか。私は三十分しか時間がないのですよ。何を聞いておるのですか。  協同飼料の場合は、自分の会社の小切手を使って、そして自分の会社の社員を使って、自分のところの株を操作して、そして金融機関に引き取らして値をつり上げた。これは典型的な場合です。これをもし自分の会社の小切手でなしに、金の方は現金を使う、そして売買の本人は自分の会社の社員じゃなしに、自分の意のままになる子会社を使って同様のことをやった場合に、実質的にはこれは同じですよ。しかし後者の方は、形式がそうなった場合には株価操作にひっかからないでしょう。どうですか。

田辺博通大蔵省証券局長

○田辺政府委員 これは大変むずかしい問題でございまして、結局、事実の認定がどこまでできるのかという問題だろうと思います。もしそういう場合でありましても、事実が認定できまして、実質的に前者の場合、前に挙げられました例と変わらないということであれば、株価操作になるわけでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 当然だと思いますね。そうでなければ証取法の百二十五条とか五十八条とかが何のためにあるかわからないでしょう。私は、三光汽船のやり方は後者のやり方だ、そう思わざるを得ない。  それで、いままで出していない点で聞いてみましょうか。たとえば新光海運を挙げてみましょう。新光の持っておる三光株の動きを見てみますと、たとえば四十七年三月末には二千四百四十四万株あった。これが半年後、四十七年十月一日には四千百六十七万株になった。途中にいわゆる無償の増資が一割あります。だから二百四十四万株がふえた。これはわかります。そうすると、あとの差というものは市場から買ったはずであります。つまりその差額、市場から買ったものが幾らになるかというと千四百七十九万株になります。政府の答弁書によると、この時期の三光汽船の株価は七百円を超えておる。そうすると七百円と仮定して、七百円を千四百七十九万倍する。幾らになるかというと、買い取り資金は百三億五千三百万になっておる。  一体、新光海運はこの百三億というのをどういう原資でやったか。私の想像では、恐らく融資元は大和銀行でありましょう。そうでなかったら、三光が何らかの形でお世話をなさっておるはずであります。そして結局、私が言いたいのは、三光汽船と新光海運の関係は一心同体でありますから、三光自身が自社株を操作した、こうなのではないかと私は言っておるのです。東光商船あるいは瑞星海運、あるいはイースタン・シッピング、全部、この三光汽船の株の動きは、一連のそういう動きであると断定せざるを得ない。  今度は大和銀行の場合を挙げてみましょうか。四十六年三月、三光汽船株は九百二十万株、一年後の四十七年三月、三光汽船株は二千万株ですね。一年間でこれだけふえた。九百二十万株から二千万株まで一年間でふえましたが、途中どういう株の動きがあったか、私が指摘しますから間違ったら言うてください。まず四十六年九月期、これは有償割り当てが〇・六でありますから、これは金で買っている。五十円でしょう。ここでまず五百五十二万株ふえた。そして次に、四十六年九月から四十七年三月期までは、無償割り当てがその一割ありますから、したがって百四十七万株そこでまたさらにふえた。そこで四十七年三月に千六百十九万株になった。ところがこの千六百十九万株から二千万株まで、ここでは割り当て増資がないから、その差額の三百八十万八千株は大和銀行は時価で買ったはずである。六百六十円でしょう。すぐ時価発行を六百六十円でやっていて、その直前ですから。そうすると、これに三百八十万八千株分を掛けてみますと、この買い取り原資は二十五億千三百二十八万円になる。そして今度は九月までにまた無償の一割増資、そしていわゆる時価発行第三者割り当てで千三百万株増して、結局、四十七年九月には三千五百万株になっている。この動きが正しいかどうか。もし正しいとすれば、四十七年三月からたったの半年間で、子会社である新光海運あるいは特別の関係にある大和銀行、それが動かした株が千四百七十九万株と三百八十万八千株、足してみますと千八百五十九万八千株、約千八百六十万株が半年だけで動いたことになる。これがその後に続く第二回、第三回の時価発行の株価つり上げに影響しなかったかどうか。私は影響したと思う。協同飼料の場合は幾ら社員が買ったんですか。たかが千万株ぐらいでしょう。三光汽船の場合はその二社だけで約二千万株近い株が動いておる。だから私が言ったとおりになるではないかと言っておるのです。  しかも、いま一つおかしいことは、ここで指摘しておかなければならないことは――これは政府答弁書によってそうなるというのですから。大和銀行はその間どれだけの金を三光につぎ込んだか、ここです問題は。四十七年十月一日に大和銀行は一対一の異常な増資をした。二百四十億円の増資をしたわけです。ところが、大和銀行が三光に対して融資をいろいろしておるが、政府の答弁書によると四十七年度は実に九十五億七百万ふえまして、結局、百七十二億三千九百万になっておる、その一年間の融資残は。それから今度は、三光株を買った金は四十七年三月から九月までたった半年間で百十一億円。株を買うために三光に渡した。そうすると、ここで結局は、四十七年度だけで大和銀行は、三光のために融資と株買い合わせて合計二百八十三億三千九百万支出したことになっておる、たった一年間で。じゃ一体四十七年十月一日の二百四十億の増資は何のためにやったか。結局三光のためにやった、結論でいけばそう言わざるを得ないじゃありませんか。特別の関係がなくてはこんなことはしないですよ。経済界の人はだれでも指摘している、大和銀行の増資は三光のためにやったんだと。  そこで私は申し上げてみたいのです。いいですか、証取法の五十八条一項「禁止される不正取引行為」で「有価証券の売買その他の取引について、不正の手段、計画又は技巧をなすこと」、これは禁じられておる。同百二十五条二項一号では、「単独で又は他人と共同して、当該有価証券の売買取引が繁盛であると誤解させ、又はその相場を変動させるべき一連の売買取引又はその委託若しくは受託をすること」は相場操縦の禁止に触れる。このような三光の行為はこの条項に触れないのか。私が実質的な株価操作であると言う点はそこを言っておるのです。  だから、それに対しての私の要求資料に対しては、たとえば東光商船なり、あるいは瑞星海運、これの三光汽船の過去の持ち株を知らしてくださいと三光汽船自身に電話しても、私は衆議院の楢崎弥之助ですが、御承知のとおり国会で問題にしておりますので、その持ち株だけでも教えてくださいと言ったら、会社としてはそれは教えないことになっておる、こういう返事です。ところが有価証券報告書には、ちゃんと大株主の株は、だれが幾ら持っておる、だれが幾ら持っておると全部発表しておるじゃありませんか。小さい株主はどうして発表されないのですか。不思議でならない。  もう一つ申し上げます。香港在住の三光の大株主の問題です。これは六つ挙げました。四十七年の段階で六つあった。かたかなで書いてありますから、このローマ字を教えてください。そして香港のどこにあるのか住所を教えてください。たったこの二つ。有価証券報告書を見ると、株主は全部はっきりして、住所も全部書かれておるのですよ。どうして香港在住の株主についてだけ住所も教えられないのか。これくらいのことが、企業秘密か何か知りませんが、明らかにならないぐらいだったら、一体国政調査権というのは何のためにあるのです。事は、私は証取法なりあるいは所得税法にかかわる問題として出しておるのです、重大な疑義があるから。その程度のことも教えられない、明らかにできない。株主のローマ字と住所も明らかにできない。そういうことは断じて許せない。  河本さんはかつては三光の社長であったけれども、いまは通産大臣で、人格は違う。大体その後の社長に大和銀行の者を持ってくるのも厚かましいですよ。こんなに問題にされておるのに。三光汽船と大和銀行の関係を問題にしておるのに。私はその点言いたい。あなたは国会を侮辱していますよ。もしこれが明らかにできなかったら、通産大臣の命令で、あなたはあなたの会社だからやりなさいよ。それすら明らかにできなかったら、あなた通産大臣をやめるべきだ。それじゃ示しがつきませんよ。私はいつも言うように、あなたが単なる実業家であれば、あるいはもう少し譲って普通の国会議員であれば、これほど言いませんよ。あなたがいま通産行政のかなめとしての大臣の立場にあるから問題にしておるんです。どうですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 いまいろいろお話がございましたが、ごく簡潔にお答えいたします。  一つは、新光海運という名前が出ましたけれども、新光海運と三光汽船は、前にもお話をいたしましたように、非常に密接な取引関係はございます。新光海運の持っておる船を多数用船をしておる、こういうふうな業務上の密接な関係はございますけれども、新光海運の株式は三光汽船の方で一株も所有しておらぬわけでございます。したがいまして、取引は密接でありましても、いわゆる子会社ではない、私はこういうふうに思います。  それから、先ほど株式の数等についてのお話が出ましたが、昭和四十七年以降数回にわたる無償交付を連続していたしておりますので、現在まで、たとえば一千万株の株主は、無償交付によりましてほぼ一千七百万株近い株の増加になっておりますし、三千万株の株主はほぼ五千万株近い株主になっておるわけでございます。なお、その直前には、いわゆる有償割り当てによる増資――先ほど御指摘もございましたが、五十円払い込みによる増資等もございましたし、そういうこともありまして、私は、いまお述べになりましたこの株式の増減に関する金額は、必ずしも正確な数字ではないのではないか、こういうふうに思います。  それから、株の問題につきまして、なおこういう御質問がございました、たとえば十位以下の株主についてはなぜ公表しないのか、こういう御質問がございましたが、日本の商習慣では、有価証券報告書をつくります場合に、十位以上の株主は正式に公表することになっておりますけれども、十位以下の株主は公表しない、こういうことになっておるわけでございます。  なお、香港在住の株主、昭和四十七年現在の株主でございますが、それにつきましては、現在、相手方に、資料を国会に出してもいいかどうかということについての了解を取りつけておる手続の最中だそうでございます。この点はしばらくお待ちをいただきたいと思います。  さらにまた、大和銀行と三光汽船との関係についてのお話がございましたが、これも先般御報告いたしましたように、創立四十一年になりますが、その四十一年間にわたりまして、主力銀行の関係をずっと維持しておりまして、現在、三光汽船が動かしております総資産は四千億を超えておるわけでございまして、大和銀行から借りております金は大体二百億前後でありまして、全体の運営の総資産から比べますと、私は、さしてこれが巨大な金額である、そういうふうには考えておりません。何しろ主力銀行で長い間のつき合いでございますから、いろいろ親密な取引があることは事実でございますが、私は、この程度の金額であれば、さして問題になる金額ではない、こういうふうに理解をいたしておるわけでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 新光海運と大和銀行の私がいま指摘した株の動きについて、間違いがあれば言ってください。私は最初からそう言っているんだから。どう間違っているんです。あなたは数字は言わなくて、ただ正確でないようだとか、間違っておるようだとか、私は数字を出しているんだから、正確に言ったらどうですか。  それからいま一つ、国会から香港株主の資料を要求されておるから――私は資料でないですよ。とりあえず要求しておるのは、お名前をローマ字で示してください、どこに住所がありますか。それは調査しなければわからぬのですか。どういう会社の内容かというのはまだ聞いてないのです。これからしますが。まず、お名前と住所をわかるようにしてください。これがどうして出せないのですか、この程度が。おかしいんですか、発表すると。何かぐあい悪いんですか。私の想像では大変な問題があるからだと思いますよ。想像はできます。しかし、この程度のローマ字も住所も言えぬなんというようなことは、私は絶対許されない。私がそれを出して何日になりますか。そんな予算委員会を軽視してもらっては困りますよ。絶対承服できない。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 お答えをいたしますが、証券投資家というのは非常にデリケートな気持ちを持っておりまして、たとえば、先ほど私は、十位以内の大株主の場合は公表することが商習慣である、また有価証券報告書にはそういう義務があるということを申し上げたわけでございますが、たとえば十位以内の株主になるのをいやがりまして、十位以内の株主に名前が出ないために、株を分割するとか、あるいは自分の持ち株を売って減すとか、そういうふうに証券投資家というのは、名前が出るのを非常にいやがる傾向があるわけですね。といいますのは、財産の投資でございますから、できるだけ表面化したくないというふうなこともあるのだと思いますが、そういうことで、先ほど御質問のございました、なぜ十位以外の中小株主についての公表ができないのか、こういうことについては、そういうふうな微妙な動きがあるということをひとつ御参考にしていただきたいと思うのでございます。  したがいまして、外国の株主等につきましても、国会へ名前を出すというふうな場合には、いや、これこれしかじかした理由で名前を報告しなければならないんだ、こういうことでやはり相手の了解を求めませんと、一体どういうことになるんだというようなことで非常に心配もいたしますので、そこで、相手に聞き合わせいたしまして、相手の了解を得た上で御報告をしたい、お知らせをしたい、こういうことでいま手続をしているというのが実情でございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 私はあなたに対して、三光汽船元社長として質問しておるんじゃないです。通産大臣としてしているんです。そしてあなたは、まあ二重人格になるかもしれませんけれども、この程度のことでも、通産大臣として三光汽船に明らかにすることを求められないのですか。私は、この前はっきり全部を公表しなさいとは言っていないのですよ。法律違反の疑いのある会社について問題にしているんですよ。これすら明らかにできない。かたかなで書いてあるのをローマ字に直してください、住所はどこですかという、それすら明らかにしないようじゃ、私は質問を続けられないのです。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 議事進行の発言をお許しいただきたいと思いますが、ただいまもお聞きのとおり、楢崎質問の要点は非常に単純無比であります。その三光汽船の株主の中で香港在住の六つの株主のその名前を教えろ、しかしその名前はかたかなで出ているから、そのかたかなの英語のスペルをひとつ教えてもらいたい。それからいま一つはその六つの会社の住所、ただこれだけのものである。これだけの問題を、この国会の中で一体何回この質問を繰り返しましたか。もはやきのうきょうの問題ではありません。予算委員会は一月の二十八日から開かれておる。総括質問の中からこれを要求しているのであります。こういう単純無比なことを、まだ捜査中だ、まだ了解中だ、こういうことでこの予算委員会の終幕を一体閉じることができるとお考えになりますか。  でありまするから、われわれはこの問題を理事会で何回も繰り返し審議いたしました。これは委員長も御存じのとおりであります。そして委員長を初め自民党の予算の理事諸君も、この要求には無理はない、当然それだけのことは国会の要求に応ずべきではないかということで、たしか委員長みずからもこれを引き受けて、委員長からも直接通産大臣にその旨のお話があったはずであります。しかもそのお話のあったのはきのうではありません。もはや数日前であります。にもかかわらず、依然としてはね返ってくる答弁は同じであります。相手の了解を得なければならない、でありまするからしばらく時間を待ってくれ、終始一貫してちっとも進展は見ないのであります。これは国会軽視もまことにはなはだしいと言わなければなりません。  われわれは、一体この問題を何で要求するのかと言えば、このこと自体は、証券取引法あるいけ所得税法違反にかかわるおそれがある、こういうことで非常ににこれを重要視いたしておるのであります。したがいまして、いま楢崎委員が問題にしているくらいの要求には当然応ずべきであるにもかかわらず、言葉では出ませんけれども、これが株主の、あるいはあなたの守秘義務であるというような、そういう考えでこれを拒否せられることであるならば、もはや国政審議権というものはあってなきがごとしであります。われわれはまじめに国政を論議するわけにはまいりません。こういうことが一体守秘義務に該当するかどうか。私どもは、何回も委員会の論議を重ねながら、予算委員会の理事会の論議を重ねながら、これは守秘義務には該当はしないという大方の結論を出しております。にもかかわらず、あなたはこれをがんこに拒否せられておるのでございまして、事実上これがまかり通るならば、国会の調査権というものは、これは無に等しいと言わなければならぬ。われわれは絶対了承するわけにはいきません。  非常に重要な判断を要することでございまするし、これは単に楢崎委員一人の問題ではございません。わが党は、今次国会における重要な議題の一つといたしまして、最高機関である執行委員会、国会対策においても、常にこの成り行きを重視をいたしております。きょうのいままでのやりとりの論議を非常に重視をいたしております。したがいまして、私どもは、これを帰って一応党の最高部並びに国対等に重要な相談をする必要がございまするので、この問題については、党として態度をひとつ留保せざるを得ないと思いまするので、この点、委員長においてお取り計らいを願いたいと存じます。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 ただいま小林進君の議事進行に対する御意見、まことに私もごもっともだと思います。これは一政党の問題ではございません。国政調査権並びに当委員会といたしましても責任のある問題だと思います。したがいまして、通産大臣に私からお尋ねいたしますが、かたかなで名前が六つ出ております。しかもこれをローマ字のスペルで提出してくれということについて、理事会で六回協議をいたしました。なお、私からも通産大臣に、なるべく早く提出するようにという要求もいたしました。どうかひとつ通産大臣におきましては、一日も早くこれを提出――かたかなで出ているのをローマ字のスペルに直すだけでございますから、こんなことで時間を費やす必要もちょっとおかしいと思いますので、私から速やかに提出するように要求をしたいと思いますが、いかがでございますか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 これは運輸省の方からもお問い合わせがあったそうでございますが、至急会社の方に連絡をとりまして、至急に提出するように重ねて連絡をとらしていただきます。  なお、先ほど数字の訂正があるならばそれを具体的に言え、こういうお話でございますが、私は原則論を申し上げただけでございまして、数字についてはいま資料を持ち合わせておりませんので、いま申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 楢崎君に申し上げます。楢崎弥之助君並びに小林進君の御発言につきまして、理事会でとくと協議をいたしまして、委員会として恥ずかしからざる処置をしたいと思いますが、いかがでございますか。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そのお取り計らいにお任せをいたします。それで、いまも通産大臣から表明されたとおり、きょう私は、証取法に触れるか触れないかの実質的な問題として、大和銀行の株の動きと新光海運の株の動きを出しました。それは、資料がないから調べさせてもらいますということですから、その点も含めてひとつ問題が残っておることを確認して、まだほかに埼玉、日本信託に行きたかったんですけれども、これで一応保留しながら終わります。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 楢崎君の御意見につきましては、なお小林進君の御意見とあわせまして、理事会でとっくりよく協議いたしまして善処したいと思います。御了承願います。  これにて楢崎君の午前中の質疑は終了いたしました。  午後一時より再開することとし、暫時休憩いたします。     午後零時十九分休憩      ――――◇―――――     午後一時三分開議

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。  この際、宮澤外務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。外務大臣宮澤喜一君。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○宮澤国務大臣 先般、矢野議員の御提起になりました核爆雷持ち込み問題につきまして、対米照会をいたしました結果を踏まえましての政府の見解は次のとおりでございます。   一、事前協議による核兵器持込みのチェックと核兵器の一覧表(名称・コード・部品)との関係について    (一) 米国による核兵器のわが国への持込みは、すべて事前協議の対象とされており、事前協議に関する約束を履行することは米国にとって安保条約上の義務である。政府としては、安保条約が日米両国の信頼関係に基づいている以上、米側がかかる約束を怠ることはあり得ず、これを履行していることになんら疑いを有していない。    従って政府としては、核兵器に関する一切の名称・コード・部品の一覧表をわが国が入手し、核兵器持込みについて事前協議が行われているか否かをチェックする必要はないと考えている。    (二) なお、米国においては核兵器の具体的内容に関する事項は、すべて機密事項とされており、日本政府としてはこれを知りうる立場にはない。   二、WH MK101とWH MK101 MODOとの関係について   海上自衛隊ではMK44魚雷の実用弾頭部を米軍のやり方を踏襲して「WARHEAD MK101 MOD 0」と表示している。この「WARHEAD MK101 MOD 0」という表示は、しばしば簡略化されて、単に「WARHEAD MK101」又は「WARHEAD MK101-0」のように用いられる。   従って、「DDフォーム487」に「W・H・MK101」と記載されている物品と、矢野議員より防衛庁装備局長に示された書類の中で「WARHEAD MK101-0」と表示されている物品とは、海上自衛隊が米国から供与をうけた魚雷MK44の弾頭部と同種であると推定される。   三、WH MK101とWARHEAD MK101との関係について   「WH MK101」のWHとは、WAR HEADの略語であり、「WH MK101」と「WARHEAD MK101」とはまったく同一の物であって、通常魚雷マーク44の弾頭を意味するものである。   四、核爆雷ルルの構造、重量、弾頭コードについて   米側に照会したところ、核爆雷ルルの弾頭コード、重量及び構造は、全て軍事機密に属するということであり、日本政府としては、知り得る立場にはない。  次に、鈴切議員により提起された核地雷持ち込み問題について、対米照会結果を踏まえましての政府の見解は次のとおりでございます。   一、鈴切議員により衆議院予算委員会において提起された合衆国沿岸警備隊規則から抜粋した部分は、船舶による軍用爆発物及び危険な弾薬の輸送に関するものである。当該規則は合衆国海軍艦艇及び商船にも適用される。   二、X-Bとの標示は、船積について規制するための区分コードであって、信管と一緒に梱包される在来型の爆弾、機雷、地雷及び魚雷の如き爆発物に適用される。同標示はまた核兵器にも適用される。   三、「TCMD」とは、トランスポート・コントロール・ムーブメント・ドキュメント(輸送管理移動書)の略である。当該航海の正確な日付がなければ、TCMD又はその他の船積文書が発給されているのかどうか確認し得ない。   四、「Mine AP」及び「AT HEHeavy」との標示は、何等核兵器には関係がない。「Mine AP」との名称は、恐らく対人地雷に係るものと考えられる。「ATHE Heavy」は、大型高性能対戦車地雷のことである。両兵器共、在来型の非核兵器である。  以上でございます。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 矢野絢也君。

矢野絢也公明党

○矢野委員 まず最初に、再々質問の機会を与えていただきまして、委員長、理事、委員各位に深甚の感謝を申し上げたいと思います。  そこで、私の質問並びに鈴切議員の質問は同じく関連がございますので、私が一本化して質問存していきたい、こう考えております。  最初に、鈴切君が提起いたしました核地雷の問題でありますが、鈴切君は、カーゴリストに基づきまして、同じカーゴリストの中に、一つはマインATそしてHEヘビー、つまり地雷であってもHEヘビー、高性能の大型地雷であるというふうに、この場合には具体的に表示されておる。しかも核でない高性能大型地雷の場合はクラスがVIIになっておる。ところが、疑惑の対象になりましたマインAPにつきましては、これは特にそのような通常爆薬であるという表示がこの表示にはなされていない。しかもこれはVIIじゃなくてクラスXのBという表示になっておる。しかもクラスBは核兵器を意味しておるものである、こういった立場から御質問をしたわけでございまして、このマインAPは核地雷の疑いがきわめて濃厚である、こういう立場でお尋ねをしたわけでございます。  ところが、いま外務大臣からお伺いいたしました見解によりますと、XBという表示は、普通爆弾もあれば核兵器にもこれが適用されるんだ、こういうお答えでございました。百歩譲りまして、その見解が仮に正しいといたしましても、鈴切君が提起いたしましたマインAPというものは、特にヘビーなどという、高性能爆薬という表示がこの場合はないわけでございますから、可能性の問題としても、百歩譲った言い方をいたしますが、核地雷であるという可能性はきわめて濃厚である。これは常識的にそう考えられるわけであります。にもかかわらず、これを普通の魚雷である、このように外務省であえて判断をされた根拠ですね。つまり、XBというクラス分けは、普通爆弾もあるが核もある、これが外務省の見解じゃございませんか。にもかかわらず、その核という部分をこの際捨象されて、これが普通地雷なんだと断定された根拠ですね。つまり、可能性として核兵器というものがあなたの御見解では残っておるわけであります。にもかかわらず、核じゃないと言われた理由はどういうところにあるのか、ひとつお聞かせをいただきたいと思うのです。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 この点に関しましては、われわれとしても、鈴切委員の御質疑の点も先方に詳細に説明いたしまして照会したわけでございます。しかし、向こうの説明によりますと、先ほど大臣が読み上げられましたように、マインAPというものは普通の対人地雷であるというふうな説明があったわけでございます。さらにコーストガードの規則によりましても、そのXBの中に一つのものとしてマインAPというものも入っておるわけでございまして、その両方から見まして、われわれとしては、これは普通の対人地雷であるというふうに考えた次第でございます。  なお、技術的な点につきましては、防衛庁の方からあるいは御答弁があると思います。

矢野絢也公明党

○矢野委員 いまのお答えを伺っておりましても、さっぱりこれは核じゃないと言い切る根拠にはならないと思うのですね。つまり、マインAP HEヘビーというのはクラスVIIに分類されておる、普通爆薬の地雷の場合は。しかもこの場合は特にそういう普通爆薬という表現がなされていないものであります。しかもVIIの区分けじゃなくしてXBという区分けになっておる。これは核もあれば非核もあるという、先ほどの御説明なんです。にもかかわらず、これが核じゃないというのは、いささか論理的に説得力がないように思うわけでございますが、もう一度この点、伺いたいと思います。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 もう少し詳しく御説明申し上げた方がおわかりいただけるかと思いますが、鈴切先生からの御指摘のありましたコード・オブ・フェデラル・レギュレーションズの一九六四年度版でわれわれは当たってみたわけでございます。これは沿岸警備隊の規則が書いてあるわけでございますが、その中にクラスとしてXBというものの中に、非常に多くの爆弾とかそれからマインズなんかが挙がっておりまして、そのマインズの一つとしてアンチパーソナル・アンフューズド、つまりAPマインが挙がっております。そして最後にボムズ、マインズとは全く区別された形で、ニュークリアウエポンズという言葉が書いてあるわけでございます。それからいたしましても、このマインズAPは普通のマインズであるというふうにわれわれは解釈いたした次第でございます。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 鈴切康雄君。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 関連。いま政府が資料として私に提出されましたXのBの項目の中に確かに二十四項目あることは事実であります。そして二十三項目がいまアメリカ局長が言う通常兵器の爆発物であり、一項目だけが核兵器である、そのように言われておりますけれども、よくごらんになっていただけばわかりますが、二十三項目はいずれも爆発物の種類をあらわしていることに注目をしていただきたいと思います。すなわち、爆弾の項を見ますと、徹甲弾、破壊弾、爆雷、深海爆雷、破砕性弾等、また地機雷の項を見ると、空中用地機雷、航空機用地機雷、対人殺傷用地雷、対人破砕性地雷、対戦車用地雷、対戦車用非金属性地雷等、これらはいずれも爆発物の種類の説明であって、総論と各論とを分けてみるならば、各論の説明に入るわけであります。だから注釈に「下記に限定されるとは限らないが」とあるのは、まだまだ種類はあるという意味でありまして、これが直接通常兵器だということについては、何ら証拠もなければ、そのことは書いてないのであります。その中で一項目入っている核兵器とは、核融合を利用し、核爆発の力で殺傷あるいは破壊させる兵器の全般をあらわしているものであって、爆発物の種類をあらわしているのではないのであります。いわゆる総論と各論とに分けるならば、これは総論の部類であります。二十三項目がもし通常兵器であるというならば、核兵器の各論であるところの爆発物の種類を項目別にあらわしていただきたい。御答弁願いたい。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 私も兵器の知識については十分ではございませんが、先方から提示を受けましたこの規則によりましても、核兵器についてはその取り扱いが特別の注意を要するということで、このXBの中で、通常の爆弾とか地雷につきましては詳しく分類しておりますが、核兵器については全く一項目にして、そういう詳しい分類はしないでここに例示したようであります。そしてそれの中に、ハンドリングについては別の指令書によって取り扱いをするように、というふうに注がついておるわけでございます。この点につきましては、先方の機密の問題もございましょうから、われわれはその別の取扱要領までは手に入れることはできなかったわけでございますが、それから見ましても、核兵器については各論が書いてないというふうにわれわれは考えておるわけでございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 それでは納得いかないわけであります。あなたが、二十三項目は通常兵器であり、一項目あらわしたところがこれが核兵器である、こうおっしゃっておるわけですね。ところが、三木さんがよく総論をおっしゃるが、総論は核兵器である、しかし、宮澤さんの言っておられる各論は、これは核兵器じゃないんだ、こう言うのと実は同じなのです。言うならば、こんな矛盾をした答弁は答弁にならぬのですよ。これは答弁になりません。あなたが、たとえば核兵器の総論である部分に対する各論はこういうものがありますということをおっしゃって初めて、私は納得いたしましょう。ですけれども、あなたが二十三項目は全部通常兵器だときめつけて、一項目だけが核兵器であるということについて言うなんてことは、これはもう全然お話になりません。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 その点に関しましては、先ほど宮澤大臣が読み上げられましたものをごらんいただきたいのでありますが、これは先方に照会いたしました結果を、われわれとしてはかなり忠実に訳しておるわけでございます。先方が言っておりますように、その「信管と一緒に梱包される在来型の爆弾、機雷、地雷及び魚雷の如き爆発物に適用される。」こう言っておりまして、それがすべて在来型である、ただその中に一項目として「同標示はまた核兵器にも適用される。」先方の説明によりましても、核兵器については詳しい仕分けはしていないということを説明いたしておるわけでございまして、さらにこの規則を見ましても、そういうふうになっておるわけでございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 これまたおかしいことを言われましね。アメリカから来たその中に、いわゆる「在来型」と書いてあるとおっしゃっておりますね。公式文書のどこに「在来型」と書いてありますか。在来型とか、何も書いてないじゃないですか。そうでしょう。公式文書を見るのが一番正しいわけであります。アメリカから来たやつについて、あなた、そう言われたから在来型だと言っているのじゃないですか。公式文書の中には絶対に在来型だなんて書いてありません。  それじゃ、もう一点お聞きしましょう。この間、二月十五日、私が資料として差し上げましたものは、合衆国沿岸警備隊規則から抜粋した部分であると政府もお認めになっております。その中に、核兵器はXBであり、これは沿岸警備隊の仕分けであります。輸送の仕分けがA、輸送の記号は、爆弾、地機雷、発射体あるいは魚雷となっております。言うならば、この中に地機雷というものが載っているわけであります。ところがあなたは全くこれを無視して、マインAPという、言うならば、一般的な爆発物の種類に対して、これを非核だ、このようにきめつけておられるわけであります。私は、マインAPがたとえばM2であるということで、それを調査をして、そして調べた結果、確かにアンチパーソナルであるM2は普通の地雷であるというふうにおっしゃるならば、私は納得いたしましょう。しかし、全く一般であるとらえ方で、しかも、XBというものは核兵器にも適用されるというふうに言っている以上は、これは絶対に非核であるとあなたが言われる筋合いのものではないわけであります。だから、考えてみますと、全くあなたたちはわれわれをごまかしている以外に方法がないわけでありまして、いわゆる、先ほど申し上げました地機雷の中にどのような種類がありますか。それじゃ、核兵器の地機雷の中に、いわゆるどのような兵器がありますか、御答弁願いたい。

丸山昂防衛庁防衛局長

○丸山(昂)政府委員 核兵器の機雷というのは私ども聞いておりません。核兵器の地雷というのは、この前御説明を申し上げましたように、通称核地雷と言われているもので、ADM――アトミック・デモリション・ミューニション、これを訳せば原子破砕弾薬とでも申しますか、通称核地雷と申しておりますが、いわゆる地雷とは非常に違ったものであるようでございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 あなた、この間言ったでしょう。要するに、対人殺傷地雷も対戦車地雷もADMにあるとおっしゃったでしょう。もう一度おっしゃってください。

丸山昂防衛庁防衛局長

○丸山(昂)政府委員 ADMに対人殺傷地雷あるいは対戦車殺傷地雷というものがあるかということについては、私ども存じておりません。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 あなた、この間答弁したでしょう。

丸山昂防衛庁防衛局長

○丸山(昂)政府委員 先日御答弁申し上げましたのは、AP地雷というものに核があるかどうかという御質問でございました。そこで、マインAPというものが、その使用の方法によって、使用の場所によってでなければ決定できない、中身がはっきりしないということを御答弁申し上げたわけでございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 関連ですから、これで……。

矢野絢也公明党

○矢野委員 時間の制約もございますので、立ち入ったお話は本日は割愛したいと思います。総論的に話を進めていきたいと思うわけでありますが、特に専門的な問題、私どもいろいろと用意をしておるわけでございますが、また委員長にちょっとわかりにくいというおしかりを受けても恐縮でございますので、これはまたいずれ次の機会に、しかるべきときに、専門的にこれは問題にしたいと思います。  ただ、いま鈴切君が言いましたことを総括して、これは三木総理、外務大臣に御理解をいただかなくてはならぬことは、私どもが入手しておる資料によりますと、この地雷の輸送の場合はすべて、HEであるとか、在来型の普通地雷の場合はすべて爆薬の表示がなされておるわけでございます。マインATとかいうあとに、在来型の場合はHE何々というふうに表示がされておる、しかもそれは全部クラス分けがⅦになっておるということ。ところが、鈴切君がここで問題にしておるのは、そのような特に普通爆薬の表示がこの表には載っておらないで、しかもクラスXBということになっておる、ここに一つの大き問題があるわけです。しかも外務省のお答えによると、クラスXBというのは、先ほど鈴切君が具体的なことをいろいろ言っておりましたけれども、百歩譲った言い方をすれば、普通爆薬もあれば核もあるというお答えのように私は理解するわけでございますが、その場合、表の記載が、普通地雷の場合は特に爆薬がすべて記載されておるにもかかわらず、この場合には載っていない。しかもXBになっているものを、なぜ核でないと政府は断定できるのか。ここのところを私たちは問題にしているわけであります。それに対するお答えは全然なされていないわけですよ。ただ、アメリカが普通爆薬の地雷だと言っておるから、あるいはまた、XBというのは普通爆薬もあるのだから、これはもうてっきり普通地雷なんだ、そう決め込んで、外務省や政府はおっしゃりたいわけでありまして、この態度が問題だということを、私はここで指摘しておきたいと思います。つまり、この政府の回答は、鈴切君の核地雷ではないかという疑いに対する答えにはなっておらない、このことを政府は理解する必要があります。  次に、私の問題に移りたいと思います。私の場合は、MK101、これはせんだっても、米国の原子博物館の写真によりまして、MK101を核爆雷ルルそのものであるということが確認されております。またジェーン年鑑によりましても、それは明らかでありますし、防衛庁の御答弁によっても、核専用爆雷である、あるいは第一回目の外務省の回答によりましても、MK101と単にそう記載されているものは核爆雷であるということをお答えになっているわけであります。ただそこにWHがついておるというところに、私の立場から言えば、因縁をおつけになって、MK101の場合なら間違いなく核爆雷だけれども、WHがついておるから、これは普通爆雷MK44の弾頭なんだという論理を展開されたわけであります。私たちは、常識的に見て、決して荒唐無稽なことについて疑いをかけて質問をしているわけじゃない。ジェーン年鑑あるいは原子博物館あるいは防衛庁の答弁、こういったものに基づいて、MK101が核爆雷なんだ、ルルなんだという、これは常識の線で、それなりの客観性を持って伺っておるわけでありますが、一回、二回の御答弁を拝見いたしますと、どうも日本政府は、核持ち込みの事実をもう最初から認めたくない、否定するんだという立場で、アメリカと御相談なさって、それに都合のよい材料だけを集め、かつ私が申し上げたそれなりの客観性を持った、常識に基づいた質問を、そういう前提で否定されようとしているわけでありますから、どうもこれは国民に対して説得力がないわけであります。  私がきょうここで問題にしたいことは、二点ございます。これはひとつ外務大臣からお答えを願いたいし、もし専門外であれば当該の局長さんにお答えいただいても結構でありますが、二点。それは、この外務省の見解、一回、二回とも、私が申し上げておるMK101があなた方の言うMK44の普通弾頭、普通爆薬の弾頭と同一物であるということの論証はできておらないということ、これが第一点であります。私の申し上げている、核爆雷ではないかというMK101が、あなた方は普通爆雷の弾頭だと言いたいわけでしょうけれども、その論証も十分ではない、これが第一点。  第二点は、私が申し上げているMK101が、核爆雷ルルの弾頭ではないんだという、核ではないかという私の疑惑に対する否定の論証もできておらないということ、この二つを、私はこれから具状的に問題にしたいと思うわけであります。  そこで、第一回目の外務省の見解、回答によめますと、私が申し上げたものは普通爆雷MK44の弾頭のみに使われるものだ、のみだという言葉を第一回目の回答のときにお使いになった。のみだとおっしゃった。第二回目の回答では、その表現がころっと変わりまして、のみという表現が出ておりません。同一種類だと推定されるというふうに、今度は大幅に後退した見解を第二回目には述べていらっしゃるわけであります。ここはきわめて重大な点だと私は思うのですね。しかも私の再質問のときに、お名前を挙げて恐縮でありますが、山口政府委員は、WHMK101というのは、普通爆雷のMK44弾頭に、たまたまこれと符合するというふうに考えていますと、「たまたま符合する」という表現をなさいました。つまり、私の言っているのが普通弾頭だとは断定できません、たまたまこれと符合しているんだという答弁をなさった。さらに丸山政府委員も、私が指摘した、あなた方の言うMK44の弾頭というものはMOD-0というものがついているじゃないか、これはコードが違うじゃないかということを申し上げたことに対して、MOD-0ということがついておらぬという矢野の指摘だが、なるほどそのとおりである、そういう意味で、正確にそのコードといいますより名称がぴったり合っていないではないか、こういうお話でございますので、その点についてはっきりとこれが同一物であるということを断定申し上げることは困難であります、とお答えになっているわけであります。しかし、外務省はあくまでも、私が指摘しているものは普通爆雷MK44の普通弾頭なんだということを、第二回目の回答においてもおっしゃっているわけでありますけれども、このような政府委員の御答弁は、これは実務担当者として、客観性をできるだけ踏まえた答弁ということであろうかと私は思いますけれども、なぜ外務省は、私が申し上げておるMK101がMK44の普通弾頭だと断定をされたのか。専門家がたまたまそれに符合するんですよ、同一物であるということは断定できませんよと言っているのを、政府はなぜそれを断定なさるのか。これは政府の中で見解が食い違っておるわけです。この点について、外務大臣、具体的にお話をしていただきたいわけであります。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 この点につきましては、先ほど大臣がお読み上げになりました文書の第二項目に書いてあるわけでございますが、私たちが防衛庁から聞いておりますところでは、海上自衛隊ではMK44魚雷の実用弾頭部を米軍のやり方を踏襲して、WARHEADMK101MOD0と表示している。しかしそれはしばしば簡略化されて、WARHEADMK101あるいはWARHEADMK101-0というふうに用いられておるんだというふうに聞いております。  他方、矢野委員から御提示のありましたDDフォーム487にはW・H・MK101とありまして、さらにその際、矢野委員がお持ちでございました書類で防衛庁の装備局長に示された中では、WARHEADMK101-0と、0がついておるようでございます。したがいまして、防衛庁の使っておるWARHEADMK101-0とそれから矢野委員がお持ちのペーパーの中にあるWARHEADMK101-0とは全く一致しておる。そういうことから見まして、われわれとしましては、これは同一物であると考えた次第でございます。

矢野絢也公明党

○矢野委員 いまお答えがありました。これはまた話が若干横へそれるようでありますけれども、いまのお答えに関連しますので、この回答がでたらめであるという証拠を私は一つ申し上げたいのです。  と申しますのは、きょうの回答で、私がウォーヘッドMK101-0というものを示したというふうに、この回答に書いてある。そしてMK44の普通弾頭も省略して0という表現であらわすこともあるから、同一物だということをこの回答におっしゃっているわけです。私、そんなこと全然言っていないですよ。もうちょっと勉強してやってもらわなければ困ります。私が申し上げたのは――よく聞いてくださいよ。積み荷表で示したのはWHのMK101と書いてある。それと同一物を荷おろしをしたこのカーゴリストでは、ウォーヘッドというフルスペルで、ウォーヘッドMK101と書いてある。ダッシュ0だなんて、ここには書いてありません。そのことは明確に申し上げているのです。私が言っていないことを勝手に引用して、私の質問に対するあなた方のお答えを正当化する材料に使うなんて、全然根拠がありませんよ。ちょっとこれ見てください、もう一遍。0なんかついていませんよ。私たちがつけていないものを使って言っているのに、いかにも0がついているからMK44の弾頭と同じだというのは、全くごまかしの論理ですよ。この外務省の見解というのは、訂正してもらわなければいけませんよ。  ちょっと、これ、ごらんください。私が申し上げておるのは0なんかついておりません。私があのとき積み荷表で0のついているものを示したのは、ほかの例を示したのです。あなた、わかっているはずです。

山口衛一防衛庁装備局長

○山口政府委員 お答えいたします。  外務省の答弁にありますMK101-0というのは、先般先生がお示しになられました資料の中に、たしかMK101-0というものがあっというふうに記憶しておりましたので、それが根拠であろうというふうに考えております。

矢野絢也公明党

○矢野委員 それは、あなた方の言うMK44の、つまり普通爆雷の普通弾頭、それを輸送するときに表示する場合は、ウォーヘッドMK101-0という表示が、私のリストの、私が問題にしている物品とは違う物品に、そういう表示があるということをあのとき言ったのです。私がこれが核だと問題にしておるものは、そういう0もついておらないし、MOD-0もついていない。ウォーヘッドMK101だということを前回申し上げたのではありませんか。だから、0がついているとしてあなたの示したのは、あえて自衛隊が使っておる普通爆雷の弾頭だとおっしゃるなら、それは別の表示がなされているじゃありませんか。わざわざ0がその場合にはついています。私が言っているのは、そういう0がついてないじゃありませんかということを、あのとき問題にしたのですよ。それをあなた方の回答に引用して、いかにもあなた方が正しいような議論の根拠にされることは、これはむちゃくちゃな議論です。議事録をお読みなさいよ、はっきりとこれは。  もう一度御答弁ください。こういう見解じゃ納得できませんよ。(発言する者あり)

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 お静かに願います。  丸山防衛局長。しっかりした答弁をしなさい。

丸山昂防衛庁防衛局長

○丸山(昂)政府委員 ただいま装備局長から御説明申し上げましたように、先般の予算委員会、この席上で、山口装備局長が矢野先生から御提示をいただいた書類の中に、そう書いてあったと記憶をしておりましたので、それが根拠になっておりますので、もしそれが違っておりましたら、この分については訂正をさせていただきたいと思います。

矢野絢也公明党

○矢野委員 しかもこのくだりが、私のこれが核爆雷じゃないかという疑惑に対する有力な反論として、これをお使いになっているのです。私が言っていないことを逆に悪用して答弁なさって、それでこの席になって、訂正させていただきます。これはもう一遍やり直してもらいたいです。この論理が、全体が崩れてくるじゃありませんか。これ、御答弁願いたいです。

丸山昂防衛庁防衛局長

○丸山(昂)政府委員 先ほどの御説明申し上げております趣旨は、アメリカが私どもに渡しましたMK44魚雷、これは昭和三十六年に当時のMAPで供与を受けております。それと同じものである、当時のものは同じものであるという説明が、外務省に対してなされたわけでございます。そこで、私どもが現在持っておりますMK44魚雷、これがアメリカでどういうふうに取り扱われておるかということを調べたわけでございます。そこに、マニュアルの中に、ウォーヘッドのMK101MODOという表示がございます。これが、先ほど外務省の方からも御説明がありましたように、簡略化されて、ウォーヘッドのMK101-0というふうに取り扱われているということでございまして、ただいまここにございますウォーヘッドのMK101というのと類似をしておるということで、したがって同じものであったのではなかろうかという推定をいたしておるということでございます。

山田太郎公明党

○山田(太)委員 議事進行。先ほどからの答弁、やりとり、これを聞いておられましてもよくわかりますように、全く別のものを持ってきて、別のもので回答だ回答だという、ごまかすような、そういう現状でございます。これでは全く、回答という言葉はありますけれども、ただ言葉だけであって、回答じゃないわけです。全く別のものです。これでは、とてもじゃない、審議を続けていこうといったって、無理じゃないですか、委員長。別のものを持ってきたのです。回答じゃないじゃないですか。その点から考えても、やはり暫時休憩をして、そして、ちゃんとどういうふうに処理するか、この点を諮っていただきたい。この点を強く要望します。(発言する者あり)

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 ちょっと待ってください。丸山防衛局長、答弁しなさい。(発言する者あり)ちょっと待ってください。答弁すると言っているんだから。

丸山昂防衛庁防衛局長

○丸山(昂)政府委員 もう一回申し上げます。  先ほど私、御説明いたしましたように、このMK101の後に0がついておった、おらないということにつきましては、私どもの方の手違いございまして、この点については訂正をさせていただきたいと思います。  そこで、私どもの推論の筋でございますが……(「推論じゃだめだよ」と呼ぶ者あり)いや、これは前も推論でございます。前も推論でございます。今回もやはり同じく推論でございます。その点については本質的に変わっておりません。ただ、その根拠にいたしましたのに、正確には、MK101、ウォーヘッドMK101の0とついておったのと、ついてなかったというそのデータの違いがございますが、私どもの推論としては同じ推論であるということを繰り返して申し上げておきます。

矢野絢也公明党

○矢野委員 私は二つの問題点があるということを冒頭に申し上げまして、第一点は、私が申し上げておるMK101、これは私たちは核爆雷であるということを申し上げているわけです。それに対して、政府は、核爆雷ではない、自衛隊が使っておるMK44の普通弾頭なんだということをおっしゃっているわけです。ところが私は、防衛庁が使っておるMK44の普通弾頭を輸送する場合には――私が申し上げている物品と違う物品です、これは。同じ積み荷表に0とわざわざ表示してあるんだ、その場合には。私のは0とついていないんだということを繰り返し申し上げているわけなんです。  しかも、なぜこれを私が申し上げるかと言いますと、つまり、私の申し上げるMK101は、自衛隊の使っておるMK44の普通弾頭とイコールだと政府は言いたいわけなんですけれども、イコールと言えないじゃありませんか。言葉を返せば、別物だということと、その場合は、依然として私のこの物品が核爆雷ルルの弾頭であるという疑いがやはり強く残って、それは否定されないじゃありませんかということをるる申し上げているわけです。ところが、外務省は第一回目の回答では、のみだというお答えをなさって、私から言えばきわめて高圧的に、おまえの言っているのは核爆雷じゃないんだ、自衛隊の使っているMK44の弾頭なんだ、これで間違いないんだ、だから核爆雷というよけいな疑いはお持ちにならないでくださいという回答をなさったわけです、のみということで。そののみという回答をいただいた第一回のときにも、防衛庁は、断定はできない、たまたま符合しておるからそう思うだけだということを言われたし、しかも現在においても、そう推論できるだけだとおっしゃっておるわけであります。これで私に納得せよという方が無理じゃないかと思うのです。しかも、私はあえて第二番目の問題を申し上げれば、私は再質問のときの四番目の質問として申し上げた。どうしても私の言うのが核爆雷ルルの弾頭と違うと言うのなら、その核爆雷ルルの弾頭のコード番号を教えてください。それが私の言っているのと食い違えば、これは私、何もこんなにごてるつもりはないのです。私だって、日本に核兵器が持ち込まれると思うことは愉快なことじゃありません。政府から明快な説明を聞いて、私も心から安心したいです。そういう核爆雷ルルの弾頭のコード番号あるいは重量――重量は私の方にデータがあるんです。それと合わせて、ああ私のデータは違います、ですから私がMK101が核爆雷であるという疑いを持ったのは間違いでした、こういうふうに納得をさしてもらえればこれはいいんですけれども、そのデータは出せないとおっしゃる。つまり私のものが核爆雷でないという、否定する論拠をまずお出しにならない。しかも、このMK101がMK44とイコールであるということも立証できない。これじゃ回答にならないじゃありませんかということを私はくどく言っているわけなんです。しかもその間に一つの、これは私はあえて防衛庁にこんな深追いはしたくありません。しかし、いま防衛庁がこれは間違いだから訂正しますとおっしゃったことは、きわめて重大な要素を形づくっている内容なんです。  私は本当にもっと突っ込んだ専門用語で言いたいんですけれども、言うとまたこんがらかってくるから簡単に言うておるわけですけれども、これはひとつ納得のいく説明をしてもらわなくちゃ困ると思うのですよ。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○宮澤国務大臣 私も専門的な知識が十分にございませんけれども、私が最初の見解を申し上げましたので、ただいま矢野委員のおっしゃっていらっしゃることから、このように考えます。  先ほど、防衛庁装備局長が、矢野委員のお示しの書類の中で、ウォーヘッドMK101-0と表示されている物品云々と申し上げましたことは、矢野委員のお話によりますと、それはこの話との関連でおっしゃったのではないという由でありまして、その点は防衛庁装備局長におかれても了承をされて、これに触れましたことは適当でなかったかもしれない、こういうふうに言われたわけでございます。  そこで、残りました部分は、私が先ほど申し上げましたように、ウォーヘッドMK101MOD0という表示は、しばしば簡略化されて、単にウォーヘッドMK101またはウォーヘッドMK101-0のように用いられる。先ほど申し上げたとおりでございます。そこで、したがって、DDフォーム487にW・H・MK101と記載されている物品と――この部分に矢野議員云々が入っておりましたから、これは防衛庁の装備局長の先ほどの御答弁で、これは自分の思い違いだったかもしれないということでございますから、そこはなくなりまして、フォーム487にありますW・H・MK101と、海上自衛隊が米国から供与を受けた魚雷MK44の弾頭部と同種であると推定される。これはそのまま残ります。推定と申すのはなぜだと言われますと、これは政府委員の話を聞いておりますと、DDフォーム487に記載されている物品というものをついに現実に見ておらない、確認しておらないわけでございますから、そのものとこのものとが全く同じものであると申し上げるわけには政府委員としてはまいりません。それで、推定されると、そう申し上げている。これが政府委員の、これは外務省も防衛庁も同一の御説明でございます。  それから、最後に矢野委員の言われました、核爆雷ルルとそれがどういうような関係に立つかということは、ルルの弾頭コード、重量、構造がわからなければ言えないではないか、したがって、そういうものを政府は米軍からもらって持っておるべきであり、それを示せというごもっともなお話でございますけれども、それは冒頭に申し上げましたように、米軍としてはこれはすべて軍事機密に属するということで、私どもがそれを手に入れることができない、こういうことでございます。

矢野絢也公明党

○矢野委員 第二回目の私の質問のときに、山口政府委員は、識別コードというものは全部コンピューターにかかるわけだから、きわめてこれは厳密なものである。つまりそう簡単にウォーヘッドとWHというものを使いかえることもできないし、MOD、0がついておるとかついておらないということが、大したことじゃないということじゃない。コンピューターですから、そんなに器用な区分けができるわけじゃないのです。つまり、識別コードというものは、これはあくまで正確なもので、その識別コードそれのみで兵器の識別がされておるのだということをおっしゃっておるわけなんです。  ところが、本日の回答によりますと、その回答の線が、答弁の線がまた崩れているわけですね。  つまり、ウォーヘッドMK101MODと表示もするし、これがまたウォーヘッドMK101というだけになる場合もあるし、あるいはそれにダッシュ0がつく場合もある。こんなややこしいことでコンピューターが識別できますか。  私の議論というものは、当初外務省から、MK101はMK44の普通弾頭のみだ、それ以外は考えられないのだという表現があったんですよ。ですから「のみ」というわけにいかないじゃないかということを、私はさっきからるる言うているわけです。しかも、その「のみ」ということにならない、単なる推定なんだということなら、これが核爆雷であるという可能性もきわめて大きく残るのだから、そうでないという否定をなさる必要が政府であるでしょう。これが絶対「のみ」だとおっしゃるのなら、その理論を示していただけば、私それで納得します。私の言うMK101がMK44の普通弾頭のみであって、それ以外にはもうあり得ないのだということを政府が立証なさるのなら、私はあえて、核爆雷ルルの中身まで持ってこいというようなことは言いません。「のみ」じゃないから私は言うのです、可能性が残っておるから。  だから、私は冒頭にも、政府が都合のいいことばかりを集めてきて、これは核でないという理屈をできるだけつくろうと、頭からもう核持ち込みは認めないという前提で理屈をお立てになっておる。それは宮澤さんから言えば、矢野さんは頭からこれは核だという理屈を立ててきておる、こういう言い方をなさるかもわかりませんけれども、私の言っているのは、少なくとも常識の線には沿っているのです。MK101は、ジェーン年鑑によっても、これは核爆雷だと書いてあるし、原子博物館にもそういうふうに表示されておるし、あるいはまた防衛庁の答弁によってもそうなっておる。そういうWHがついただけで、それに因縁をつけて話を横へそらそうといま政府はなさっておる。WHがつくだけで、そんなに核が非核になるのなら、MOD、0がついたりつかなかったりするのは、もっとえらい違いじゃないかということを私は申し上げているんですよ。  この点についてもう一遍、納得のいく回答をしてもらわなければ、私はこれは、このままおさまらないですよ。それはどうせあなた方は、これは核でしたと認めるはずはないでしょう、初めからそのつもりだから。しかし、道理というものははっきりしておかなければならぬと思います。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○宮澤国務大臣 矢野委員から、この問題の御提起がありまして以来、政府といたしましては、御提起になられました問題に誠実にお答えをしようと努力をいたしてまいりまして、その間、何か特定の結論に導きたいというような気持ちではございませんでした。  ただ、御承知のように、わが国は核兵器というものに事実上無縁の立場でございますために、私どもも、政府委員にいたしましても、このような問題につきまして持っております知識が、正直を申してきわめて貧弱でございます。勉強をしなければならぬのでありますけれども、何分にも自分のところにないものでございますので、人から教わるということにならざるを得ない。  したがって、今回の問題につきましても、米軍に照会をいたしまして、米軍のわれわれに伝え得る限りの、機密に反しない限りのことを米軍から伝えてもらいまして、われわれのその範囲での疑問には答えてもらいまして、その結果、先ほど朗読いたしましたような政府の見解を申し上げたわけでございます。  したがいまして、核兵器というものについてわれわれの知識がそのように貧弱でございますし、また、われわれ自身が持っておりませんために、有権的にこうである、ああであるということを、正直を申して実はなかなか申し上げることができない場合が多うございます。これは御了解をいただきたいと思うのであります。  したがいまして、米軍としてはこういう答えをしておりますということをお伝えする、さらに、それは間違ってはいないかというような疑問に対しては、われわれ自身が十分な知識を持ち合わせておりませんから、十分にはお答えいたすわけにはいきませんが、誠実に、誠意をもって、なし得る限りのことをお答えを申し上げたという点は御了解を願いたいと思います。

矢野絢也公明党

○矢野委員 委員長、私は政府からの御回答の、四点ございますが、第二点、第三点、第四点についていま議論をさせていただいたわけであります。第一点についてはまだ申し上げておりません。つまり事前協議との関連につきましては。で、二、三、四の問題点について、私は二つの論点で議論をしましたけれども、これは、まことに残念でありますが、宮澤さんは誠意をもってやっておるのだということでありますけれども、私は、納得する御回答だとは思えないのであります、これについて委員長の御判断、今後の善処をひとつお考えをいただきたい。  なお、引き続き第一点について私は質問を続行させていただきたいと思うわけであります。二、三、四については、後ほど御検討願いたいと思います。これでは答えになっておりませんです。ましてや、みずからお出しになった回答をみずから訂正するというようなことまでここでおっしゃっているわけでありますから、これは全く困ります。  さてそこで、外務大臣は、確かに知識がない、だからアメリカに教えてもらわなくてはならないのだという苦衷のほどを御説明になったわけで、これは私わかる気がいたします。であればこそ、そういったことをチェックするための何らかの客観的なデータというものを日本政府がお持ちにならない限り、こういう問題は、いつまでたっても同じような議論になってしまう可能性がある。そこで私は、第一のお願いをせんだってしたわけであります。それに対しては、もう事前協議の対象となっておる、そして事前協議に関する約束をアメリカが守るのはあたりまえであって、安保条約上の義務である、アメリカがこの義務に違反するようなことはあり得ないのだという、全くアメリカを信ずるという立場で見解をお述べになっているわけであります。  しかし、わが党の鈴切議員が核地雷の質問のときにお尋ねをいたしました件、これは宮澤さんが約束をしてくださっております。つまり、核持ち込みは事前協議の対象になるというこの日本政府の認識、これは果たして客観的なものであり得るのかどうかということを鈴切君はせんだって伺ったわけであります。なぜかならば、安保条約第六条の実施に関する交換公文では、「装備における重要な変更」、これは事前協議の対象になる、これは明確に書かれておるわけでありますけれども、この「装備における重要な変更」が核兵器の持ち込みを意味するかどうかは、藤山さんとマッカーサー大使の口頭了解に基づいてこうなっておる。外務省からちょうだいしておる資料によれば、これはあくまでも、日本政府は次のような場合に日米安保条約の事前協議が行われるものと了解しておるという表現になっておりまして、日米両政府とは書いてないわけであります。  そこでこれは、口頭了解だから、あるいは日本の一方的な希望的観測にすぎないのじゃないかという疑いすら、こういう問題になってきますと抱かざるを得ないわけです。政府は信ずると言うけれども、われわれはもう核が持ち込まれているじゃないかという具体的な証拠がある。ラロックさんもそう言っておる。ミッドウェーの船員さんも争う言っておる。国民の常識みたいに核持ち込みがなってきておる。しかし政府は、事前協議があるから、その事前協議の相談にこれはかかってないからそんなはずはない、こうおっしゃるわけでありますから、アメリカはあるいはこんなものは事前協議にかける必要はない、こう思っておるのではないかとさえ、こちらは思いたくなる。ましてや、これが日本政府の一方的な了解という形に、少なくともこの文章の上ではなっておる。それで、鈴切君に対しては、これが両国の正式な了解であることを何らかの形で明らかにしたいと思いますというお約束をされたわけでありますが、この点について、外務大臣いかがでございましょうか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○宮澤国務大臣 その点につきましては、鈴切委員からそのようなお話がございましたので、再度、昭和三十五年における藤山・マッカーサー――わが国を代表しての藤山外務大臣、米国を代表しての当時のマッカーサー大使でございます。この口頭の了解について米側に確認を求めました。それに対しまして、米側といたしまして、実質的に米側が当時から了解しているところと異ならないという返事がございました。ただ、国会からそのような正式のお尋ねでありますので、再度それを米内部で確認をいたしますために内部手続をとっておこうということでございまして、その内部手続に時間を要しております。完了次第御報告を申し上げますが、ただいまのところそういう状況で、この了解そのものは実質的に米側の了解しているところと異ならないという返事をもらっております。

矢野絢也公明党

○矢野委員 時間が参っておりますので、結論に移りたいと思います。  いま外務大臣から、これは両国間の正式の了解という形にこれからもするのだということでございますから、それはそれで結構だと思います。ただ問題は、そういう事前協議というお互いの了解があっても、アメリカが事前協議にかけてこない限りは、日本政府としてはこれはチェックのしようがないのだ、これはアメリカが約束を破るはずは絶対ないのだと言う。言っちゃ失礼だけれども、盲目的な信頼に基づいた回答になっているわけであります。だから、日本政府としては、何らかの資料によって一々チェックする必要は認めない、こういうお答えになってくるわけでありますけれども、果たしてこれで三木総理、国民が納得するでしょうか。これは私だけじゃない。それぞれの野党の諸君が、あるいは平和諸団体の諸君が、アメリカの極東戦略の中身から考えて、日本に対する核持ち込みをしないということは、まず理論上あり得ないだろう、また一々日本に入る前に核だけおろして来るというようなことも、まず技術的に困難だろう、あるいはあちらこちらの基地を調べたら、これは核の格納庫じゃないかと疑われるような格納庫があちこち見つかった、こういう立場からいろいろな疑惑が出て――これは決していわれのない疑惑じゃないわけであります。  まして私は、先ほどからるる申し上げているとおり、アメリカの公文書に基づいて、MK101核爆雷の弾頭が持ち込まれたのじゃないかと、これはきわめて客観性のある立場で御質問しているわけでありますが、これについても結局、私の言っているのが核じゃないという立証は政府はできなかったし、また私の言っているものがMK44の普通弾頭だということも立証できなかった。こういうことで三木総理、国民に対して、政府がアメリカに対してこの安保条約のそれぞれの条項を日本政府の責任において守らしておりますということが断言できるような状況でしょうか。これは総理、ひとつお答えをいただきたい。  私は、皆さん方の御好意でかなりたくさん時間を与えていただいておりますので、これ以上申し上げたいことはたくさんありますが、これは私は遠慮させていただきます。これを、本当にこのまま、私の質問を適当に、平行線のまま――もちろん疑いは濃厚に残ったままでありますけれども、何とか乗り切れたということだけで果たして済む問題だとは思いません。総理として、今後のこういう問題に対する具体的な決意というものを明確にしていただきたい。よろしくお願い申し上げます。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 こうして予算委員会においても、核持ち込みの疑惑というものに対していろいろ御質問があるわけでありますから、国民の中には、そういう疑惑を持たれる方々もいられるのであろうと思います。しかし、この問題について政府の基本的立場は、日米安保条約というものを結んで――こういう安保条約というものは、一応両国の信頼関係の上に成り立っているわけですね。この信頼関係が失われるということになれば、安保条約のごとき条約というものは、その精神的基盤を失ってしまうわけですね。そういうところで、核に対する日本人の特殊な心理ということは、日米両国ともよく知っておるわけであります。しばしば、この問題は国会でも、こうして国会の審議の途中でアメリカにいろいろと問い合わすようなこともあって、どれほど国民がこの問題に対して神経過敏であるかということは、アメリカ政府ももう知り過ぎるくらい知っておる問題でございます。そういう国内事情を背景にして、アメリカはしばしば、この事前協議の条項は守る、事前協議の中には核兵器の持ち込みは含まれている、日本国民の意思に反するようなことはしないと、このことは、大統領が何回にもわたって約束をしておるわけですね。  そこで、核兵器のようなものでなければ、矢野さんの言われるように、これはわれわれ自身としてもっと調査をしてみるという方法はあろうと思いますよ。核兵器という高度の軍事的機密に属することはわれわれもわかる。したがって、核兵器の内容について、重量であるとか、構造であるとか、弾頭のコードというものに対して、内容を具体的にわれわれいろいろ、矢野さんの質問の中にも、そういう関連する問題が幾つもあったわけですが、これを調べるということは不可能なんですね、高度な軍事的機密で。そういうことで結局は、われわれとしても、アメリカがそれほどしばしば繰り返して――御承知のようにフォード大統領が日本へ来てまで国民にそういうことを言われたわけですから、これを信用ならぬ、日本はもっと何か国民の納得する方法というものによって、アメリカに対して非常な疑いを持つから調べるということは、実際問題としてなかなかむずかしい点がある。しかし、両国民の疑惑のない日米関係というものは、外交の中できわめて重要な関係であって、そういう意味で、日米関係というものを国民の間に疑惑のないものに持っていくことが、日米友好のために必要であることは言うまでもないわけですから、われわれとしてもできるだけ、この疑惑を解くために、今後も努力しますよ。  しかし矢野さん、この場合に、こうやっておれの疑問に答えよということは、いま政府委員が答弁した以上のことは私もないんですよ。これ以上、何かおまえ、自分の疑問を解くことを出してみよということもないわけで、私の根底にあるものは、やはりこれだけの友好関係を持っておる国の約束というものに対して信頼を置かなければ、こういう安保条約のごとき条約というものは成り立たない、これが根底ですよ。しかし根底であるにしても、何かこれに対して、その疑惑ができるだけ解明できるような努力はいたしますよ。しかし、いま具体的に何するのだと言われても、私は頭にあって言うのではない。それは日米の将来の友好関係というものが第一である、そのためには両方の国民に疑惑のないような形に持っていくことが必要であるということを感ずるからです。努力はいたします。しかし具体的にどういうことをするのかという約束はできません。しかし今後努力はいたすつもりでございます。

矢野絢也公明党

○矢野委員 委員長……。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 ちょっとお待ちください。矢野君、鈴切君の御質問に答えた政府に対しましても、私は立法府の一員としてきわめて遺憾千万だと思っております。理事会で善処はいたしますし、先回も、この疑問点については、予算委員会の理事全員でひとつアメリカへ行って、立法府は立法府としての立場で究明してきたい、こういうことを決めたわけでございます。先ほど外務大臣が、実は答弁のうちにきわめて正直な答弁をいたしまして、これは、これ以上はよくわからないのだという答弁、私はまことにごもっともだ、正直な答弁だ、わからないのだろうと思うのです。私が聞いていても、総理大臣の発言も外務大臣の発言も、あるいは防衛庁の局長の発言も、どれを聞いてもよくわかりません。わからないのは、政府全体もわからないのだと思うのです。わかったごとくしているだけで、わからないのだろうと思います。したがって、これはどうぞ、政府にきょうどうせよということを私から申し上げるわけじゃありませんが、予算委員長も、あなた方の答弁を聞いていて、容易ならざる苦心をしているということだけをひとつはっきり認識してもらいたいと思うのです。いつまでもこういうことだけを続けているわけにはいかないと思うのです。いつの日にか、この問題については明確な統一見解ができるような仕組みにひとつ一日も早くしてもらわなくちゃならない、私はこう思います。総理大臣、どうお考えですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 委員長の御発言の御趣旨はよくわかりますが、いま私が最初に言ったように、これは、もうお互い両国の信頼ということが基礎にあるわけですが、その信頼を強固にするためには、できるだけ疑問をなからしめることが必要でございますから、委員長の言われるようにできるだけ努力はいたすことにいたします。

矢野絢也公明党

○矢野委員 一言だけ結論を申し上げます。  政府の、核をつくらず、持たず、持ち込まさず、これは、あくまでも持ち込まさずでありまして、ただアメリカを信ずるというような消極的なものではないはずであります。いまの総理のお話を聞いておりますと、国民の、あるいは野党の、あるいは私の核持ち込みについての疑惑はよくわかる、しかし、どうしようもないのだということになるわけであります。これじゃ非核三原則じゃないですよ。つくらず、持たず、持ち込まないようにしてくださいという願望だけのことになっちゃう。ですから、まあ私は、言いたいことは全部委員長が言ってくださいましたので多くは申し上げませんが、第二点、第三点、第四点につきましては、これは論理の問題としてまだ整理がついておりませんので、しかるべく委員長の方でお願いしたいと思います。  三回にわたりまして質問の機会を与えていただきましたことを、心より御礼を申し上げます。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 矢野君に申し上げます。  理事会で先ほど申し上げたように、何とかひとつ研究いたしまして政府に統一見解のできるようなことを申し込み、なお、あなたのきわめて不満足なきょうの場面だと思いますが、御了承願いたいと思います。理事会では誠意を尽くします。  これにて矢野君の質疑は終了いたしました。  次に、田中武夫君。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 私は、総括質問あるいは集中質問の際に、関連をして保留をいたしました問題について、二つにわたって質問いたします。     〔委員長退席、小山(長)委員長代理着席〕  そのまず第一は、労働省に対してでございます。去る二十一日の集中審議の際に、京都の精神病院についての小林質問に関連した件でございます。精神病院が患者を屋外の作業に従事させることは、いわゆる院外療法という名のもとに行われておる。そういうことに対して労働大臣は、原則として労基法九条の労働者には該当しない、このような答弁であったと思います。実は議事録を調べたかったのですが、議事録は印刷に回っておるので確認できませんが、そういったような、いかにも法によって定められたごとき答弁をしておられる。しかし、労働基準法第九条は、労働者に対しての定義であって、これは読み上げませんが、簡単に言えば、前条、すなわち八条の事業所等において賃金をもらって働く者というのが砕いた労働者の定義でございます。そして、それ以外に何ら、政令をもって定めるものを除くとか等々のことは規定をいたしておりません。  そこで、二つお願いをいたします。まずその一つは、この法解釈と実態調査の関係であり、実態調査をしてその結果を報告してもらいたい。さらに、その労働大臣の答弁は、九条、いま言ったように、いかにも法の定めたごとくおっしゃっておるが、こういう「労働基準法解釈総覧」というのをいただいておりますが、これは、いろいろな面から労働基準法の各条項にわたって通達、通牒その他いわゆる行政解釈集でございます。そこで、まず実態調査と、たしか十全病院といいましたか、この精神病院が現に行っておる院外作業療法がどういうものであるのか。この中にも、こういう場合はこう、ああいう場合はということでその実態に即してということを書いてありますが、まずその点についてお答えを願いたい。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 小林進委員の、作業療法を受けている精神病患者がいるのではないか、その中には労働基準法上の労働者がいるのではないかという御質問に対しまして、私は、治療目的で精神病院で患者を屋外で働かせ、あるいは事業主に委託して作業に従事させる場合は、原則として労働基準法の適用はされませんけれども、労働者として事業所と契約したということになると、労働者としてのいろいろの権利が生じます、そういう実態がわかった場合には権利を守りますということを御答弁申し上げたのであります。私の答弁が一般論を強調したというふうなことで先生の御理解を得なかったと思いますが、その真意は、実態に応じて使用従属関係の有無を判断して、それが認められる場合においては、それに基づいて労働に対し対価が支払われるということは労働者に該当するという考えであります。  十全病院の話が出ましたが、先日、先生の御発言の後でいろいろ調べております。まとまったものはまだ全部入っておりませんが、その中に、十全病院によりますと、掃除、配ぜんなどの院内作業のほか、院外の事業場の作業に従事しているように聞いております。全国の集計等も、実態に沿うていま調査しているところであります。  なお、法解釈その他については政府委員から答弁させてもらいたい、こう思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 もういい、法解釈なんて。どうせろくなこと言えぬだろうから。  そこで、回答というか、これをもらったのですが、その一つのポイントは、いわゆる使用者と労働者の間に雇用契約、従属関係があるのかないのか、これが一つの解釈上の重要な部分をなしておるような解釈でございます。しかし、私はそれも一つの要素であろうと思いますが、私がいま言おうとしておるのは、九条は何らの例外をも認めていない。ただ賃金をもらって云々でございます。そこに、賃金をもらう以上は従属関係があるということになろうとも思うし、あるいはまた、雇用契約があったと推定せられると思います。だが、労働基準法九条の解釈に、雇用契約の存在、従属関係の存在は解釈の一つの基準であるとしても、要素ではない。九条はそういう余地を認めておりません。いかがですか。これは、政府委員、法律論をもってやられるなら、いつでもお答えをいただきます。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 ただいま先生御指摘のとおり、労働基準法第九条には労働者の定義が出ております。労働基準法が適用される「事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者」を労働者と言う。  ところで、ここで問題になりますのは、「使用される者」ということはどういうことか。それは、単にそこで仕事を行っているというだけではなくて、使用者の指揮、命令のもとに働いている、使用従属関係があるというのが、わが国における学説、裁判例を通して、ひとしく認められている一般的な考え方であると承知しております。これに基づきまして行政解釈も下しておるところでございまして、本件についてもこの立場から判断した、かような次第でございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 賃金をもらうということは、そこに何らかの雇用契約というか、そういった明確な文書があるなしにかかわらず、あるということが推定せられる。と同時に、いわゆる指揮、命令というか、作業に当たって、従属関係という言葉が適当かどうかは別として、そういうものも存在するということは推定せられるのです。したがってそれは、そういうことに対する識別というか区別の一つの要素であろうが、九条の解釈上、それはいわゆる賃金をもらうというところから反射的な要素であって、法律上、反射効果といいますか、効力といいますか、そういう言葉もありますが、それ自体が基準法九条の解釈の要素でないということを申し上げておる。おわかりでしょうか、どうでしょうか。それは認めた方が利口ですよ。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 ただいまお話のございました労働者の定義の中に、いま申し上げました使用従属関係ということの判断の要素として、賃金というお言葉が出てまいりました。ところで、賃金というのはどういうことかというと、労働の対象として支払われる。つまり労働というものが前提になっております。そこで、使用される、つまり使用従属という問題を判断するには賃金という問題があり、賃金を判断するには使用従属という問題があり、まあ同時的に決定されるべきものだと思うわけですが、先生おっしゃるように、労働の対象としての賃金が払われておれば、それは一つの大きな要素になる、かように考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 要素になるんではなしに、要件なんです、それは。いいですか。法律用語は的確に言わなければいかぬ。それは要素でなくて要件、そういうことだと思うのです。労働大臣おわかりですね。  そこで、京都の実態については、まだ実態調査の結果が出ていない。しかし、われわれがつかんでおるところでは、そういう要件を満たしておる、このように把握をいたしております。そうするならば、労基法の二十四条、賃金の支払い、通貨をもって直接に労働者に支払わねばならないということ。さらに職安法三十二条といいますか、有料職業あっせん等々の違反になる。そういう前提で、私は小林質問に対して申し上げたわけなんです。そういう点からひとつ実態調査を進める。あるいは労働監督署を通じて、労基法についての監督権を発揮し、そういう場合は告発権がございますので、そういうような処理をするのかしないのか。その結果についていままだ出ていないということは、あれからもう一週間たっています。いささか怠慢というか、緩慢ではないかと思うのだが、そういうことを踏まえて、いかがでございますか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 この前、委員会の終わるときに、田中先生が、議事進行にかりて、ひょっと言われたので、こういう具体的なものを調べろというお話でもなかったものですから、そこでその後でも、何さま該博な田中先生のことだから、田中先生のああいったような腹がわかったものですから、調べておりますが、いまの精神病院の患者が仕事に従事している場合、その患者が実態から見て労働者に該当する限りは、先生のおっしゃった労基法二十四条あるいは職安法三十二条、そういうことの関係法令が適用されることは当然でありますので、なお、実態はいまから私どもで調べてみたい、こう思っております。     〔小山(長)委員長代理退席、委員長着席〕

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そういうことは、予算審議の中で起きたんだから、予算採決の前に的確な報告がされるのが当然だと思う。それまでに、何日これからかかるかわかりませんが、それがなければ採決ができないと、こういうように私が言ったらどうします。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○遠藤(政)政府委員 ただいまの十全病院の関係で、これが職業安定法の有料職業紹介の件に該当するのではないか、こういうお尋ねでございますが、私ども、先生の先回の御指摘の後調査いたしましたところ、確かに、この精神病院の患者が数名、作業場で作業いたしておる実績がございます。ただし、これは職業安定法のいわゆる有料職業紹介に該当するものではなくて、治療の目的で病院外の作業場で作業をいたしております。したがって、いわゆる職業安定法三十二条に言います、業として求人に対して職業紹介あっせんをしているわけではございませんし、同時に、この数名については、いわゆる職業紹介に基づく手数料を徴収いたしておりません。したがいまして、この件につきましては、職業安定法の三十二条には該当しない、有料職業紹介事業には該当しない、私どもかように判定いたしております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 労基法の二十四条、賃金を直接労働者に払わずに、病院の管理者というか、経営者が受け取る、これは見方によっては有料です。頭からそういうものではないという考え方を持って臨むこと自体がおかしい。ここに、私の要望に対して、労働省からこういう文書と、それからこれが来ております。先ほど来申し上げておりますように、いずれもこれは行政解釈集でございます。  さらに、院外のいわゆる作業療法の問題について、厚生省の昭和三十六年十月二十七日付の保険局長通達なるものも、それでございます。これまたいわゆる行政解釈であります。  私は、法の運用に当たって、各省庁が行政解釈をすることを全く否定するものでもございません。また、各省庁設置法に基づくいろいろな権限というか、権能というか、それに基づくところの解釈なり行政指導なり、あるいは通牒、通達の出ることも否定はいたしません。しかし、これはあえて労働省だけではございません。ことに多いのは大蔵省、これは税金関係、通産省等々で、いわゆる法の精神を曲げ、あるいは法の具体的な規定の枠を超え、幅広く、しかも国民の側からはありがたくない、言うならば企業側、この際は病院側に有利なような行政解釈が、あるいは広く通牒、通達等が出されているという事実、これを私は、このような一精神病院の問題ではなくて、三権分立、このごろはぶんりゅうと言うそうですから、ぶんりゅうという言葉を使いますが、三権の上に立っての高度な論争でございます。したがって、私が先ほど言ったように、あるいは設置法等に基づく、あるいは法の委任を受けてという場合は別として、その法の精神なり具体的な規定を乗り越えて、しかも余り国民にはプラスにならないような行政指導、解釈がまかり通るというところに、私は問題の重点を置いております。  そこで総理、あなたはみずから議会の子と称し、三十七年の長い国会生活というか議員生活の中で体験せられた。その体験の上に立って、司法と立法、立法と行政、これらの三権の関係を明確にする必要がある。いま私が提起しておるのは、すなわち行政府が立法府の権限を侵害している事実が多い。指摘せよと言うならば、時間をいただいたならば、何省にはどういう通達がある、大蔵省の税金にはどういうものがあると指摘をいたしてもよろしい。しかし、そういう時間も与えていただいていないようでございますので、そういう意味において、今後大いに自粛をしてもらいたい。総理の、三権の上に立っての、国会と行政府、立法府と政府、この関係及び法の精神を乗り越え、法の具体的規定を曲げてまでの行政指導、行政解釈がまかり通ることは絶対に許されない、そういうことをひとつ総理からお答え願うと同時に、労働省には、これを含んで、各省ともに、私のいま指摘しているような事実について、いついままで出した通牒、通達等々を再検討する。でなければ、次の機会に、具体的にこれは何を言うというように指摘をいたします。どうです。いま問題になっておるのは労働省ですから、総理から、大きな立場からお答えを願うと同時に、これはやはり労働大臣から、そういったようなことについてもう一度これを見直す、また各省庁そうすることを私は全閣僚に申し上げたい。おれのところはいやだという人があるなら、手を挙げてください。全部見直す。でなければ、具体的にこれは何法何条の精神を曲げておるといったような指摘を次に行います。総理、各省代表と言えばちょっとおかしいが、具体的に問題になっておるので、労働省、あるいはそういうのを、大臣を代表して、副総理からでも結構です。――でもということは取り消します。ひとつ御答弁をいただきたい。いかがでしょう。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 田中議員のいまの御発言は、立法府の一員として当然の御発言であります。行政官庁が法の執行を円滑にするために、法の解釈、適用の判断はいたしますけれども、法の枠を超えることがあっては絶対にいけない。それでは国の基本を乱すわけでありますから、戒心をいたすことにいたします。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 ただいま総理からお答え申し上げたとおりでありますが、恐らく、その辺は各官庁とも十分心得ておりますので、法律違反をやっておるということがあれば大変なことです。ないとは思いますけれども、念には念を入れて精査してみます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 先ほど申し上げましたが、だれも手を挙げなかったから、各省庁ともに見直すということに異議はないものと解釈します。いかがですか。いや、うちはそんなことないという自信のある大臣、おれば手を挙げてください。いかがです。よろしいね。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 御指摘のありましたように、立法府の意思を十二分に尊重して、行政をやってまいります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 まあ、そういうことで第一の問題は詰めができたと解釈し了解をして、次に入ります。ただし具体的な十全精神病院ですか、これの実態調査とその後の措置等については、まあ出てこなければ採決に応じないとまで、事のわからぬことは言わぬが、ともかく間に合うように出してください。それでは次に移ります。  もう一つの問題は、先日の総括質問の中で楯委員が指摘をし、小林委員がこれに関連をいたしました、外国為替特別会計の債務保証についての問題でございます。この問題につきましては、委員長の御提案によって、先日、理事会に吉國法制局長官を初め大蔵省等からも出席をしてもらって、二時間以上にわたって論議をいたしてまいりました。その要点につきましては、関係者に配ってください。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 配りました。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 配った。私はまとめております。しかし、そういう点についてやっておると、これまた法律論争になって、吉國さんと二時間やってもらちが明かないので、そういう点は承諾をし、なお二時間以上にわたって論議をしたが疑問が残っている点にしぼって、御質問を申し上げます。  その第一は、今回の債務保証の性格は、今日まで外為特別会計法で処理してきたものと本質的に異なるものである。わが国外為銀行が外国中央銀行から借り入れをする場合、具体的な銀行名あるいはその国の名前等は出さないでくれという要望もございましたし、私も紳士でございますので、ここではあえて名前を申しませんが、ともかくそういう場合に、もっとずばり言うならば、新たなオイルダラーを導入するというような特別なケースでございます。言うならば、外為特別会計法、これは昭和二十六年当時、いままでの分を廃止し新たに制定せられたものであります。その当時には全然予想もしていなかったケースでございます。したがって、立法論の立場から言うならば、まさに事情変更の原則が適用されるものである。したがって私は、外為会計法、ないし必要ならば財政法十五条の改正をすることが一番ベターだと思う。これは後に論議を残すことにいたしましても、その債務保証額は、四十九年度十億ドル、すなわち三千八十億円、来年度、五十年度はその倍の二十億ドル、六千百六十億円と、今後もなお増加することが考えられる。  こういうような膨大な債務保証、これを保証するに当たって、やはり憲法八十三条の財政処理の基本原則、具体的に言うならば、八十五条の国庫債務負担行為として、国会の承認を受けなければならないというのが私の主張であります。総理、大蔵大臣、いかがでしょうか、私の主張は間違っておるでしょうか。事は憲法の八十三条、及び具体的なものとしては八十五条の国庫債務負担行為です。この問題で、やはり先日、吉國法制局長官も、国の新たな保証債務は八十五条の承認を受ける事項であることは認められておる。いかがでしょう。総理、大蔵大臣、どのようにお考えになりますか、お伺いいたします。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 いま御指摘の、外国為替特別会計法第五条第三項の規定によりまする債務保証につきましては、適法な措置であると考えておりますけれども、田中委員から御指摘がございましたように、これを、各年度におきまして国会の議決にかかわらすべきであるという御要請は、理解にかたくないところでございます。しかしながら、同時に、外国為替平衡操作の機動性、弾力性ということを確保する必要も、政府の立場としてありますことも御理解をいただきたいと思います。     〔委員長退席、谷川委員長代理着席〕  この二つの要請を踏まえて、いかなる措置を講ずることが適切であるかということは、まさに検討に値する課題であると考えておるわけでございます。したがいまして、この問題が本委員会において問われましたことを契機といたしまして、政府部内で協議をいたしました結果、五十一年度の予算編成時までには、財政制度審議会に諮りまして結論を得るようにしたいと考えております。もっともその場合、検討の方向といたしまして、いま政府が考えておりますことは、第一は、国会に対して事後報告を行うということも一つの方法であろうと考えます。あるいは第二に、予算総則上、債務保証の限度について規定するということも一つの方法であろうと思います。さらには第三の方法として、法律上債務保証の限度を明確化するということ、そういった案が考えられますが、これも、いま申しました外国為替平衡操作の機動性、弾力性という要請も絡みますので、審議会におきまして御審議を願わなければならぬことではないかと思うわけでございます。法律上そういったことが根拠なしに予算総則に規定することが可能かどうかというような問題があると考えられますので、財政制度審議会にも諮った上で結論を得ることにいたしたいと考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 総理はどうですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 田中議員の御主張のようないろいろ議論もあるし、また一方において、大蔵大臣の申したような外為会計の債務保証に対する機動性、外国為替操作の機動性などもやはり必要でございますので、五十一年度、財政制度審議会にも諮りまして、これは検討をいたすことにいたします。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 総理、大蔵大臣、いま新たにこの問題をわれわれが提起したということは、新たなる事実が起こったからでございます。いままでのいわゆる外為、外国為替の操作、うんと上がったときには、あるいは下がったときには、売り支えあるいは買い支えをする、そういうことについては、これも疑問があるが、そのまま二十何年間来たわけなんですね。しかし、それといま私の申し上げておることは、全く違った次元の問題なんです。だからこそ特に問題を提起しておるわけなんです。その点がわかっておるのですか。わかってないのですか。いままで自体も憲法上疑義があったのですよ。しかし毎日動く為替相場、上がったときには売るとか、そして下がったときにはというような操作、買い支えるとか売り支えるとかといったような毎日のことについて云々しているのじゃないのです。だから、いままでも憲法上の疑義がありながら、われわれはあえて問題を指摘しなかったわけなんです。今回新たに指摘したのは、私のこのまとめにもはっきりと書いておりますように、違った性格であり、外為特別会計法制定当時には全然予想だもしなかった事実である、そういう上に立って指摘しておるのですよ。そのことがおわかりですか。どうなんです。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 御指摘のように、その後、為替相場が変動制に移りましたし、また、国際通貨が大きな動揺期に入りました上に持っていって、さらに石油ショックというかつてない出来事が起こりまして、各国の国際収支が大きな不均衡を呼ぶということになりましたことは、いま田中委員が御指摘のように、大きな歴史的な変化であったと思うのでございます。政府といたしましては、現行制度の中でどのようにその変化に対応していくか、これは当然政府の責任として考えていかなければならぬことであったわけでございまして、そのように対応してきたわけでございます。  しかし、あなたが御指摘のように、そしてまた、本予算委員会を通じて提起されましたように、立法府としてこういう事態に対して行政府に何を求めるべきかという問題が問われてまいりますことも、また自然な道行きであり、われわれといたしましても、十分理解できるところでございまして、したがって、先ほどもお答え申し上げましたように、制度の問題としてどのようにこの御提起を受けとめて審議をお願いするか、篤と財政制度審議会に諮って、いま申しましたような方向で検討を煩わしたいと思っております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 本論に入る前に――本論というか、具体的な三つの提案があったそれに入る前に確認しておきたいのですが、まず、五十一年度予算編成時までということは、一体、具体的に言って、本年の何月ごろなのか、その点。  さらに、財政制度審議会に諮り云々ですが、ここに私、名簿を持っています。二十三名、うち学識経験者というか大学の先生、あるいはマスコミ関係というか報道関係の人たちは半数以下です。まあ大体半数ですね。しかも、マスコミ関係と言っても、そのうちの二、三の人は、やはり何テレビの会長とか、あるいは何新聞の社長とか専務取締役とかという肩書きです。この立場の人もマスコミ関係として入れましても半数。そのほかはほとんどが大手銀行を含む金融機関の代表、大企業の代表であります。そういうメンバーの中で、果たして国民が期待するような答申が出ると思われますか。したがって、その財政制度審議会に諮る前に、そのメンバーについて検討をし直す。具体的にいつまでに出すのかということ、もう一つは財政制度審議会のメンバーについて検討する。これは、次の質問の前提として明確にしておきたいと思いますが、いかがです。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 五十一年度予算編成までと申します時期は、おおむね十一月ごろを念頭に置いておるわけでございます。  それから、第二の財政制度審議会のメンバーの問題でございますが、いまお願いいたしておる審議会のメンバーは、いずれも有能なりっぱなお方ばかりでございまして、今日まで鋭意われわれの期待にこたえて御審議をいただいてまいりました方々ばかりでございまして、十分田中委員の御期待にこたえて、また、本委員会の御期待にこたえて御審議が願えるものと思いますけれども、先ほど私が申し上げましたように、この御審議を願う政府の立場といたしまして、この取り上げる方向はこういう方向で御審議をお願いしたいということを申し上げてありますので、そういうラインに沿っての実のある御審議をお願いしたいものと考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 具体的にこのメンバーを一人一人チェックをしていくというような失礼なことは申しません。しかし、いま申しましたように、国民の期待にこたえ――有能な人であり、それはりっぱな人です。しかし問題は、いずれの側に立って物事を見るかということなんです。そういう観点に立って、あなたがここで、これらのりっぱな人たちに対して云々はできないと思う。しかし私は、あなたは私の指摘した点を了解せられたと思います。していなければ座ります。いかがでしょうか。しかし、制度上、そういう制度審議会を通してということは、それは言わなくちゃならぬと思います。  それから、いつまでに結論を出すかということ。この五十一年度予算編成時というのは、もう一つ明確でない。何月何日とまではいかぬが、(「十一月ごろ」と呼ぶ者あり)十一月ごろ。それは一応予算委員会等に答えが出てまいりますか、どうですか。選挙になっていますか。選挙になっても私は落ちませんよ。どうですか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 一応十一月ごろをめどにいたしておりますけれども、その時点におきまして、また当委員会とは御相談してみたいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そこで、私は先ほど、新たな事態が起きたんだから、二十六年に、外為特別会計法をいままでのものを廃止して新たにつくったときとは事情が変わっておるんだ、だから一項目ぐらいはつけ加えるということがよりベターであると申しましたが、それはさておき、国会承認の形式に私はこだわるものではありません。それほど私もけちなことを申し上げていないのです。  それで、一から事後報告。この報告をする以上は、承認を前提とすると了解いたします。すなわち、これを論争しておると、古くして新しい、決算は承認なのかあるいは議案なのかといったような問題にまで発展いたします。しかし、少なくともこの件に対して事後報告ということは、承認を前提とするものと了解いたします。次に、予算総則上、債務保証の限度について規定する、これも一つの方法であろうと思います。さらに、法律上債務保証限度を明確にする、これが法改正という、私のよりベターだと言う線に一番近いと思います。しかし、この三つについて検討するという以上は、その前提として、本年度の予算においてもその限度額を示していないことはやはり問題があるということをみずから認めたことになりますね。  じゃ逆に言って、限度を明記すればどんな被害があるのか。私は、毎日動く為替相場の平衡操作、このことまでを一々言っておるんじゃないのです。新たな問題に対して限度を設ける。設けたらどういう支障があるのか、逆な立場からもひとつ御質問いたしたいと思うのですが、いかがですか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 これは、為替の平衡操作の弾力性を保持したいということをいま私が申し上げたわけでございまして、その技術的な困難さというような点につきましては、専門家から報告をさせます。

大倉眞隆大蔵省国際金融局長

○大倉政府委員 この間理事会での御議論にも出ておりましたが、外国為替の売買を平衡操作のために行う、そのこと自身の弾力性は必要であろうという点の御了解を得ておるように思いますが、さらに、これに付随して行われます債務保証については何らかの限度を設けてもいいではないか、こういう御主張で、それを踏まえまして検討を続けるということを大臣は申しておるわけでございますが、私がその節申し上げましたのは、この債務保証も、預け入れの受け入れも、借り入れも、いずれもその根元にございます外国為替の売買の原資調達でございますので、原資調達のところに何らかの枠を設けながら、なおかつ売買総額の方から機動的に動けるかということを、ひとつ今後の問題としてもう一度ゆっくり考えさせていただきたい、そういう趣旨でございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そこのところはやはり憲法八十五条に戻るのです。五十一年度からこういうように考えるということは、五十年度においてもやはり疑問があることをみずから認めたことになる。それではせっかくここまで審議を進めてき、努力をしてきましたが、ここで一応予算案をお持ち帰りになって、検討して出直してくれと言って、私がこういうように座ってたばこを吸えばどういうことになりますか。ひとつ相談してください。どうしますか。持って帰りなさい。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 今度の外為予算の編成も、私ども、憲法違反あるいは法律違反を犯しておるとは考えていないわけでございます。ただ、田中委員も御指摘のように、最近の事態の変化は空前とでも言うべき大きな変化を経験していることは、御案内のとおりでございます。したがって私どもは、現行制度のもとで政府の責任を最大限度に公正に果たしてまいりたいという考えで、この五十年度予算にも対処いたしたいと思っておるわけでございまして、その考えには依然として変わりはありません。  ただ、立法府側としてどうされるかということは国会の問題でございまして、したがって、私、その問題につきましては、五十一年度の問題といたしまして検討をいたしたいということを御答弁申し上げておりますので、御理解を賜りたいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 理解できません。この段階に来てまだ憲法上間違っていないとおっしゃるなら、持って帰っていただきます。全部予算書を持って帰って、出直してください。基本的な問題じゃないですか。あなたは何ということを言っておるのです。基本的な問題ですよ。財政の基本的な原則、憲法八十三条、具体的な条項、憲法八十五条を挙げてやっておるのですよ。それに対して、違反していないというような確信を持っておっしゃるなら、さかのぼって議論をいたします。その間、予算書は一応大蔵省へお返しいたします。     〔谷川委員長代理退席、委員長着席〕

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 国際通貨事情は、田中委員が御指摘のように、空前の変化を見ておる段階でございまして、わが国もその影響を受けまして、かつてない措置を講じなければならぬ状況になっておることは、御指摘のとおりでございます。それは憲法あるいは財政法上疑問があるのではないかという御指摘でございました。それにつきまして、私どもも、御指摘のこともございますので、五十一年度以降の措置につきましては、財政制度審議会にお諮りいたしまして、篤と御審議をお願いし、将来の方向を見出していただくことにいたしたいと思いますが、五十年度の予算につきましては、御提案申し上げておるラインにつきまして何とぞ御理解をいただきたいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 このけりを委員長、どうしてくれます。進めてくれと言うんですが、私は疑問がある。大蔵大臣は一応前言を変えたというか、だからその点は理解する。しかし、私は憲法にさかのぼったわけですが、法上違反しておらぬということを断言せられるならば、その議論が済むまでは持って帰ってくださいというのがあたりまえじゃないですか。委員長、どうしてくれます。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 委員長が頭が悪いからなかなか判断に苦しいのですが、これはきわめて重大な問題でございまして、理事会で十分検討いたし、政府に対し、善処すべきは善処するように理事会として申し込みたい、こうしたいと思いますが、いかがでしょう。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 私は、持って帰ってもらおうと思っておるのですが、委員長が責任を持ってそうおっしゃるなら、もうこれ以上は、たばこもちょうど終わりましたから、一服するのをやめます。  そこで、最後に一言。これはむしろ外務大臣かな。このオイルダラーの導入問題について、かたくなな答弁というか、態度をとっておられるのは、あえて国の名前は申しませんが、外国との間に、現地で何らかの秘密協定があるのではないかといううわさがある。また、そうではないかと疑う余地もございます。といって、こういうのがありますと言うて出すわけはないと思うのですが、そういうことは、大蔵になるのか外務なのか、秘密協定があるのではないかという疑いを持つというか、うわさがあるが、その点どうですか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○宮澤国務大臣 いわゆる産油国が蓄積外貨を運用いたしますときに、一般的にその運用先につきまして、外にそれがわからないようにという配慮を非常にしておるように存じます。それは、よって来るところはいろいろあるようでございまして、一例を申しますと、いわゆる発展途上国等々から、先進国に運用するということはおかしいではないかというような批判がよくございましたりいたしまして、運用先をなるべく言いたくないという気持があるように存じております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それでは、先ほどの委員長の裁定というか、御提案を踏まえて、これで私、終わります。いま外務大臣から答弁がございましたが、もうあえてそのことについては、これ以上追及すると国益に関するかもしれません。それほどわからぬ男ではないわけでございまして、途中では十五年前の鬼の田中に戻ろうと思ったが、やはり仏の田中になりまして、この程度で終わります。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 これにて田中武夫君の質疑は終了をいたしました。  次に、楢崎弥之助君。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 せんだっての一般質問の中で、私は三木総理に、非核三原則は、平時、有事を通じて不変の国是でありますねとお伺いをしました。総理は、そのとおり、不変の国是であるという答弁をなさったわけです。外務大臣は、その点について異論はございませんね。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○宮澤国務大臣 総理大臣の御方針を遵守してまいります。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうしますと、一九六九年佐藤・ニクソン共同声明に関して、共同声明に関する外務大臣説明要旨というのが発表されておりますね。一九六九年十一月二十一日。この中で韓国情勢に触れて、「特に韓国に対する武力攻撃が万一発生すれば、これは当然わが国の安全に重大な影響を及ぼすものであります。従って万一かかる事態が起った際、これに対処するため、仮に米国より安保条約上の事前協議が行なわれれば、政府はこの一般的認識を判断の重要な要因として、その態度を決定することは、もとより国益上当然のことと考えられます。」この安保条約上の事前協議の中で、佐藤総理のプレスクラブにおける演説もそうですか、そういう事態のときには前向きに積極的に考える、つまりイエスを考えるということでありますが、少なくともこの安保条約の事前協議にかかる項目のうち、核の持ち込みについてはノーと言うことはいまはっきりしているわけですから、それはこの中に入りませんね。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○宮澤国務大臣 そういうことは万々あるまいとは存じておりますものの、その際、主として考えられておりますものは、わが国から起こされるかもしれない直接作戦行動に関してであるというふうに考えております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 少なくとも、いまの答弁で、核持ち込みの要請があっても、これはノーと言うことだけは明確になっているわけですね。――確認をいたしておきます。  そこで、今度は核防条約との関係でございますが、総理にお伺いをいたします。いま党内取りまとめのようでございますが、少なくともフリーハンド論、党内の核防条約に対する批判のうちの一つであるフリーハンド論は、このように非核三原則が平時、有事を通ずる不変の国是であるという以上、全くこれは議論の余地のないナンセンスな議論である、このように私は思いますが、いかがでしょう。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 私は、日本はほかの国々の経験したことのない、核の、原子爆弾の被害を受けた国でありますから、これはもういかに悲惨なものであるかということはよくわかっておるわけでありますから、日本は核兵器は開発しないという決意をいたすことが、日本のために、日本の国民の意思にも合致すると信じておるわけでございますから、またそのことを体して非核三原則も生まれておるわけでございましょうから、フリーハンド論と非核三原則とは両立をいたしませんから、私はフリーハンド論はとらないところでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうしますと、あと、与党の中の異論の点は、査察に対する平等性は見通しがついた、仮調印をした、フリーハンド論はこれはとらない、そうすると、あとは、この核防条約を結ぶことによって、日本の安全保障はどういう影響を受けるか。それについては、私は質問主意書で、政府に御質問をしておりましたが、回答は、日米安保条約があり、必要最小限度の自衛力を持っておるから、核防条約を締結するかどうかと日本の安全保障問題とは関係ないという御回答でありました。そのとおりでよろしゅうございますか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○宮澤国務大臣 基本としては、そのように考えております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうすると大体、党内で、与党の中で異論が起こっております三つの点はもはや明確でありますね。そうすると、総理としては、この国会会期中に批准を求めるということになるわけですね。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 政党内閣として、このような重大な、将来にわたって影響のある条約でありますから、皆の納得を求めることは必要であります。私は、そういうふうな党内で納得を得るということは、これは必要でありますが、そういう納得を得た上で批准を受けることが、当然のことであると考えておるわけでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 大体どのくらいにめどを置かれておるのですか、党内取りまとめについて。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○宮澤国務大臣 先般ウィーンで交渉いたしまた保障措置協定が、ほぼ満足な形で実体がまとまりましたので、ただいまそれを国会の御審議の御参考に供するために、条文化をいたしておるわけでございますが、百条以上に上りますために、その準備におそらく三月いっぱいかかるように考えております。それができますと、国会に御提案をする事務的な準備はできるわけでございますが、党内におけるいろいろな議論、その取りまとめ等がほぼその期間内ぐらいに終わりますと、事務的に支障もございませんので、そんなことで努力をいたしたいと考えております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 この非核三原則が平時、有時を通ずる不変の国是であるという点から見て、少なくとも自衛隊が有事の際に――私は例として四十九年度航空自衛隊総合演習の想定を出したわけでありますが、有事の際にも、米軍からいわゆる核兵器、たとえば核のナイキハーキュリーズのようなものを入れるという想定は全然ありませんか、防衛庁長官。

丸山昂防衛庁防衛局長

○丸山(昂)政府委員 先般も先生から御同様の御質問がございましてお答え申し上げましたように、有事に際しましても、私どもの方で核兵器を使うという想定は全然考えておりません。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうすると、たとえば演習をなさっておるわけですが、対象国が飛行機で攻撃をしてくる、そのときにいまあるナイキJでどのくらいこれに対抗し得るか。それの基準になる計算はどういう資料でやられておりますか。

丸山昂防衛庁防衛局長

○丸山(昂)政府委員 実はこの問題につきましては、先生御案内のように、ORに入れまして、コンピューターで計算をしてやっておりますので、入力データ等につきましては、実は私どもの航空自衛隊の実力を評価されるということになりまして好ましくないと思いますので、御遠慮させていただきたいと思います。  もちろん、現有のナイキJでは足りませんので、アメリカからナイキハーキュリーズを供与してもらうということを考えておりますが、これはあくまでもナイキハーキュリーズの通常弾頭型を、私どもの方に供与してもらうことを期待しておるわけでございます。核については、私どもランチャーその他にそういう装備がついておりません。核が参りましても、撃てる状態ではございませんので、通常弾頭型のものを供与してもらうように計画を立てておるわけでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 局長、あなたは、過去私が質問したことを覚えておられますか。ナイキJが核弾頭が入らないように、核弾頭にならないように仕掛けをした、これがどんなに簡単な仕掛けであるか、私は図解まで示してやったでしょう。核弾頭は撃てない仕掛けになっておりますとおっしゃいますが、私、図解までやったでしょう。ボルトを四つぐらい締めて、中へ薄い板を入れて、それだけでしょう。もちろん電気回りは若干コードの点がありますけれども、それだけですよ。はっきりやったでしょう、ここでいつか。だから、核八一キュリーズは飛ばせないようになっていますと言ったって、それは通りませんですよ。  それで、自衛隊のやってるオペレーションズリサーチは、ナイキハーキュリーズの場合、アメリカの計算でやっておるはずですが、どうですか。アメリカの核ナイキハーキュリーズでどういうふうな、対抗した際に撃墜させることができるかという、その計算は、米軍のナイキハーキュリーズのやつでやっているはずですが、どうですか。自衛隊、持たないでしょう、それ。

丸山昂防衛庁防衛局長

○丸山(昂)政府委員 ナイキハーキュリーズをナイキJに改装いたしますのは、いま先生から御指摘のとおりでございまして、弾頭の大きさが違いますので、中に遮蔽板を設けたり、あるいは核弾頭の場合に必要なコードがございますが、そういうものを取ったり、あるいは全体のバランスが崩れますので、バッテリーの一部をかえる、こういうような操作をしておりますが、これはいずれにいたしましても、核専用のコードその他は、いわゆるブラックボックスと言われるようなものにつながるようになっておるようでございます。それはもう釈迦に説法になると思いますが、私ども平生そういう訓練をしておりませんし、急に来たものが直ちに使えるという状態になるまでには、相当の訓練を重ねなければならないという実態もございます。したがいまして、私どもが核兵器を受け取りましても、いまの状態では、すぐ即戦即応で対応できるという体制にはなっておりません。  それから、後の御質問でございますが、このORに入力するデータでございますが、もちろんハーキュリーズのHE、ハイエクスプロシブを予定しておりますので、そのデータを入れて計算をしておるわけでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 四十九年度の航空自衛隊総合演習想定をいただきましたが、全く数字なんかが入っていないものでしたが、対象国が何百機で来る、ちゃんとなっておったはずでしょう、四百機なら四百機と。そして日本全国からその対抗機を北海道に寄せて、それからナイキJも弾頭を持ってきて、そして対抗して、三日間で大体全滅だ、ファントムは。だから四日目からいわゆる米軍の来援を仰ぐ。ナイキハーキュリーズ部隊でしょう、あれは。米軍が一斉に来るんでしょう。米軍がやるんですから、その訓練の必要ないじゃありませんか。そういう想定になっておるでしょう。どうしてそこまでのものを出さないんですか。飛行場はどこの飛行場を使う。民間飛行場も使うようになっているでしょう。どうしてそこまでの想定を出さないんですか。あんな想定で議論ができますか、あなたが出したような想定で。具体的なものはちっとも書いてない。だから、幾ら総理が、非核三原則が平時、有事を通ずる不変の国是だとおっしゃってみても、自衛隊はそんなことは考えていないですよ、私が言いたいのは。だからそういう点を明確に、防衛庁長官等も、訓練がどういう想定で行われておるか、現実にもしものことがあったら一もしものことがあるということを想定して自衛隊を置いているのでしょうから、どういう想定でやっておるか把握する必要があるんです。もし有事の際はそのとおりやるんですからね、そのための訓練でしょうから。だから私はいただいた想定はお返しをいたします。何にもならない、あれは。もう少し私が指摘したような点が含まれた想定をひとつ出していただきたい、そう思いますが、どうですか。

丸山昂防衛庁防衛局長

○丸山(昂)政府委員 先生のお考えにちょっとお考え違いがあるのじゃないかと思いますので、申し上げておきたいと思いますが、四十九年度に行われました航空自衛隊総合演習というのは、実動は実はごくわずかでございまして、臨時の訓練空域を、運輸省の御了解を得て設定をさせていただきましていたしましたが、このねらいとするところは、一つの目標に対してレーダーの警戒体制、それから要撃機、それからナイキ、ホークの対空誘導弾、大体そういうところでございますが、これがいかに有機的に連係して動くかということを訓練する、防空体制の一番初歩的なところでございますが、これをやるということを主にしたものでございます。したがいまして、防衛出動の準備命令というものが出た、それがいかなる状況下において出たかということについては、本来この訓練の必要とするものでございませんので、非常に簡単に想定を出しております。防衛出動命令、準備命令が出たという出発点から作戦準備をやる。これは、作戦準備はほとんど幕僚の机上の仕事でございまして、約一カ月問かかって、どれだけのものができるかということをやってみたわけでございます。訓練は一カ月でございますが、現実に使いましたのは、一カ月おくれでやっておりますので、四、五日という程度でございます。それからあとは、防衛出動が下令された、これもいかなる状況下において防衛出動が下令されたかということは問題にしておりません。防衛出動が下令された後において、航空機その他、先ほど申し上げましたような各種兵器をどのように有機的に運用するかということ、きわめて技術的な面について訓練を行いましたので、先生の御指摘のような点はございません。  それから、アメリカの点でございますが、一応航空自衛隊自体だけで活動することを考えておりますので、アメリカが後で応援に来るという非現実的な想定でございますが、こういうことは考えておりますが、状況中止、状況終わりになりますまでにアメリカがこの作戦の中に入るという想定は一切しておりません。以上でございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 私がどうしてそこまで言うか。余り言いますと、ソースの方がだんだん明らかになってまいりますから、これくらいにしておきますけれども、私は防衛庁長官にお願いしたいのは先ほど言ったとおりです。想定の場合も、やはり国の方針に――与党がとっておられる方針ですね、いまは与党の政府ですから、それに合致しておるかどうか、少なくともそれを点検する責任があろうと思います。それを要望いたしておきます。  次に、二月七日に岡田議員によって出された問題これは私がその前に、昨年に出しておった問題でありますけれども、これを確認しておきます。私は議事録を読んで。  岩国にNBC部隊がおるというわれわれの電話帳を基礎にする指摘に対して、いや部隊ではないんだ。そういうNBCに関するいろんな知識を持った、資格を持った将校なり下士官等がおる、そういうことなんだという御答弁のようですが、そのとおりですか、外務大臣。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 NBCの要員に関しまして、先日岡田委員からもお話がございましたので、さらにアメリカ側に対して照会いたしたわけでございますが、その結果、アメリカ側から得ました回答を要約して申し上げますと、現在岩国基地には、NBCに関する訓練を受けて、そういう資格を有する要員が三十四名いる。士官が十九名で下士官が十五名である。この要員の任務は、NBC、つまり核・生物・化学兵器による攻撃に対する防御手段について、すべての部隊を対象に防御訓練を実施することである。この要員は岩国にある海兵隊の各部隊に配置されているが、こういう要員だけを集めて編成された部隊は存在していないということでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それは、六〇年以降全部そうなっているんですか。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 現在の状況について照会したわけでございまして、アメリカ側の部隊の編成の変遷、変わりぐあいについての詳細は承知しておりません。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 私どもは、六九年、七〇年、七一年、そして今日まで、すべてを問題にしているんです。特に一番明白に出てきておったのが六九年の秋期の電話帳でしょう。そこには明らかにNBC部隊がおるではないかという指摘をしておるわけです。それについてはどうなんです。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 六九年の岩国基地の電話帳の中にNBCウエポンズ・セクション1というふうな記述があったのは事実でございますけれども、現在そういう、NBCウエポンズ・セクション1というものは存在していない。ただ、いつからどういうふうにして存在しなくなったかということは承知しておりません。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 じゃ、そのセクション1というのは部隊のことですね。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 この点に関しましては、昭和四十六年の十一月二十二日に「米軍の岩国基地に関する質問主意書」ということで、楢崎委員その他から質問書が提出されておりまして、その当時に政府の答弁書の中で、その第三項にこういうふうな記述がございます。「海兵隊には、核兵器、生物・化学兵器による攻撃を受けた場合の防衛措置を担当する部門があり、必要な教育、訓練を実施している。岩国基地には、数年前まで右のような任務を有する小部隊が置かれていたが、同基地の狭あい化に伴い、現在ではその規模が更に縮小されている。」そういう意味で、そういう防御任務を有する小部隊が、この当時においてあったことは事実でございますが、現在そういう部隊編成のものはないということでございます。ただ、いつなくなったかということは、われわれとしては承知しておりません。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 ガード兵がなぜおるんですか、NBCの。ガードすべき対象がないのに、どうしておる必要があるのですか。対象があるからガードするんでしょう。対象がないのに、何をガードするんです。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 現在の基地には一八一一及び一八一〇の建物がありまして、そこに海兵隊の航空団の第一武器隊MWWU-1というのがございますが、ガードする者はおりません。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 じゃあ、六九年度の段階ではどうですか。NBCウエポンズ・ガード・バラック、NBCウエポンズ・ガード・パーソナル、だれがこれを訳したって、核兵器、NBC兵器ガード兵じゃないですか。あるいは、ガード兵がおる兵舎じゃないですか。NBCウエポンズと書いてあるのです。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 六九年の電話帳では、コマンダー・オブ・ザ・ガード(NBCウエポンズ・セクション・ワン)というものが存在したことは事実でございますが、先ほどから申し上げておりますように、NBCウェポンズ・セクション・ワンというものは、現在、存在しておらないのでございまして、われわれとしては、そういうコマンダー・オブ・ザ・ガードというものは、おるとは承知しておりません。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 まず、六九年の段階のことを聞いているのですよ、現在じゃなしに。公明党矢野書記長が出したのも、ずっと前の問題を出しているのでしょう。そこに焦点を合わせて、私はいまやっておるのですよ。それもありますよ、いまコマンダー・オブ・ザ・ガード(NBCウエポンズ・セクション・ワン)、ありますよ。その次、見てごらんなさい。二十三ぺ-ジ、ガード・バラックス(NBCウエポンズ)。それから二十四ページ、ガード・パーソナルNBCウエポンズ。日本にやっておるのですよ、英語を。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 先ほどから申し上げておりますように、六九年の電話帳から見ます限りにおきましては、当時においては、そういうコマンダー・オブ・ザ・ガード(NBCウェポンズ・セクション・ワン)というのがあるわけでございますから、六九年においては、そういうガードはいたということは言えると思います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 ちょっとあなた、そこにいてください。     〔楢崎委員、書類を示す〕 つまり、核兵器のガード兵がおる。六九年段階におったということですよ。核兵器のガードの兵隊を入れる兵舎があったということでしょう。そして指揮官もおったということですよ、そう書いてあるのですから。模擬弾とは書いてないしダミーとは書いてないのです。NBCウエポンズと書いてある。NBCウエポンズがあるということじゃないですか。だからガードする必要があるから、ガード兵がおるということでしょう。どう読めますか、これから。そして、いいですか、一緒に見ましょうか。防衛庁が私に対する答弁書の中で――いや、いまの答弁書ですね、いまあなたがやられた答弁書の中で、最後の方ですよ。「なお、」私が指摘したあの赤いプレートの倉庫、「上記弾薬庫に魚雷、爆雷及び魚雷用爆薬が貯蔵されていることについては、十一月二十二日岩国基地に赴いた政府職員が確認ずみである。」あそこにはP3しかいなかった。爆雷があることは確認された。それがルルというのですよと言ったのです、私は。そうじゃないと言うなら、爆発させてみないとわかりませんよ。しかし、オライオンの爆雷が置いてあったことを確認しているのです。そして、しかも、電話帳では、NBCウエポンズと書いてある。核兵器があったということでしょう。それ以外の何が出てきますか、これから。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 その当時の答弁書にも書いておりますように、その核兵器の攻撃に対する防御訓練のための小部隊がいたわけでございまして、核兵器部隊ではなかったと承知しております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 この電話帳で見る限りは、訓練になっていないのですよ。私が問題にして以降、七一年の電話帳で初めて、トレーニングということが上にかぶせられるようになった。六九年にはトレーニングでない。どうしてこう違ってくるのですか。六九年から七一年春までの電話帳では、トレーニングはちっともない。七一年の春以降の電話帳に初めて、われわれが問題にしたから、トレーニングという字を入れてきたのです。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 六九年当時におきましても、七一年当時においても、現在においても、私はこの部隊、こういう関係の将校、下士官らがおる任務は同一であると思っております。  ただ、七一年以降においては、確かにトレーニングという言葉が電話帳にはっきり出てまいりますが、それが書いてあるかないかによって、私は任務が変わっておるとは思いません。この点は、当時の質問主意書に対する答弁においても、政府が明らかにしておるとおりでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 何も明らかになっていないのです。何が明らかになっていますか。あなただけですよ、明らかに信じて信じて信じまくっておるのは。思います、思います、思います、ですよ。いかにわれわれがアメリカの方の資料で、あるいは電話帳で、あるいは送り状で、何ぼやっても、アメリカがそう言っておりますからないはずです……。午前中の矢野書記長の質問に対する委員長のあの御懸念も、ここで同じことを言われないといけません。全然解明されない。全然。  それからもう一つ、じゃあ指摘しておきましょうか。岡田質問に対して、いろいろ確かめてきたが、文書でもらったことはないと答弁されておりますね。そうですか、岩国問題について。全部口頭ですか。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 もちろん、こういう問題に関しまして、われわれとしては慎重に慎重を期して照会はいたしておりますが、回答は全部、口頭で受け取っております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 私どもは七一年当時、七一年十一月二十四日、アメリカ大使館に抗議に行った。そのときに相手をされたのはマイヤー参事官であります。これは一九七一年十一月二十四日午後四時三十分から五時三十分まで一時間。このときに私どもが出した疑惑について、マイヤー参事官は、説明文を手にしながらわれわれに回答された。その原文はここにあります。そのときにマイヤー参事官は何と言っておるかと言うと、そのいまあなたが説明されているその文書を下さいと、私ども要求したのです。そのときのマイヤー参事官の回答は、-私どもはこう要求しました。ちゃんとこれは速記をとっているのです。「正確を期するため、参事官手持の説明文をわれわれに渡してもらえないか」、これに対してマイヤー参事官、「この説明文は日本政府に手渡した正式文書の要約文である、もし必要なら日本政府から本文をもらって欲しい」これがマイヤー参事官の答弁です。  どうなっているのですか、これは。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 われわれは、国会の委員会においていろいろ委員の方から御照会がございましたときに照会するわけでございますが、そのとき、テクニカルタームなどについてはメモをもらうこともございますけれども、それはあくまでメモであって、それをいろいろ補足説明し、さらにその席上でいろいろとこちらも質問をして回答を得るわけでございます。したがって、向こうはあくまでこれは口頭による回答であるというたてまえをとっておるわけでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 たてまえは知りません。いま私は、マイヤーさんの返事を問題にしているのです。この説明文は日本政府に手渡した正式文書の要約文である、欲しいなら日本政府から本文をもらってほしい。本文はあるのでしょう。これをどうして私、問題にするかというと、日本政府に渡した正式本文の要約文を手にしながら、マイヤーさんはわれわれに説明をした。しかもその要約文をわれわれに手渡すときに、実は目の前で、二カ所はさみで切って渡されたんです。数字の四の、A、B、Cがずっとありますが、その中のEが切られました。それからGから先も切られました。これは全文出してください。あるのだから。要約文はここに私は持っております。あなたたちの説明より、うんとこっちのほうが詳しい。どうですか。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 先ほどから申し上げておりますように、われわれも口頭で説明を求め、口頭で回答を得るわけでございますが、正確を期するために、技術的な用語についてはメモがございます。しかし、それはあくまで、先方は口頭で回答しておりますということになっておりまして、そういうものは向こうのそういうメモでございますから、先方はそういうものを公にすることは一切してもらっては困るというたてまえでございますし、われわれとしても、それはちょっとお渡しすることはできかねる次第でございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 いや、そうじゃない。向こうが言っておるのですよ。何を言っておるのですか、あなた。向こうが言っておるのです。もし必要なら、日本政府から本文をもらってくださいと言っているのですよ。そう向こうが言っておるのに、向こうに相談せんといけません、何ですか、それは。一体何です、これは。もうこれは日にちもはっきりしているのです。(宮澤国務大臣「何日でございますか」と呼ぶ)七一年の十一月二十四日、アメリカ大使館でわれわれがいただいた分です。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 その七一年当時の文書につきまして、アメリカ側が楢崎委員にそう言っておりますならば、われわれは本当にそういうことを言ったか確かめまして、そしてそれがお出しできる文書であるということも聞いた上で、提出いたします。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうすると、まだ予算の日にちがありますから、すぐ照会して出さしてください。あるのですよ。外務省にあるのですから。当時マイヤー参事官がわれわれに約束しているのですから、これは間違いないですよ。すぐ出てくるはずです。大臣、どうですか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○宮澤国務大臣 それはもし、そのマイヤーという参事官がそういうふうに楢崎君に申し上げたといたしますと、そういう承諾があったことになると思います。その点、私どもで一度確かめまして、その上で、そのとおりであれば、お出しいたします。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 じゃ、その点を残して、一応終わります。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 議事進行の発言をお許しいただきたいと存じます。  ただいまの楢崎質問の中におけるアメリカ大使館マイヤー参事官、これは参事官ではなくて、アメリカ大使館を代表しての楢崎委員に対する回答であったのでございまして、そのときには、その資料は日本外務省に渡してあるから、外務省を通じてそれを受理していただきたいという公式の発言があったわけでございます。しかるに、ただいま外務大臣のお話では、本人が転勤中であり、一応これを確かめて、その上で書類を提出したい。また、なおこれに加えますが、そのときの楢崎委員は個人の資格ではございません。わが党の現副委員長赤松勇氏を一行の団長として、党を代表して、正式にアメリカ大使館を訪れた、その時の回答であります。そういうことでございますので、決して楢崎発言は、そういう軽い意味の発言ではございません。非常に内容の深い重要なものでございますから、外務省も這般の事情をひとつよく御理解いただきまして、善処されて、早急に資料の御提出を願いたいと思います。その資料が出まして、また改めてその場で、その後において、楢崎質問を機会を得ていたしたいと思いますので、その点を留保して、本日は楢崎質問を終わりたいと存じます。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 ただいま楢崎質問に関しまして、小林進理事より御発言がございました。外務大臣に申し上げますが、可及的速やかに、いまのマイヤー参事官の了解を得て、その書類を提出いただくようにお願いし、なお当委員会に間に合えば結構ですが、間に合わなかった場合は、他の委員会でも質問があると思いますが、そういう処置で外務省、よろしゅうございますか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○宮澤国務大臣 マイヤー氏がすでに転勤をいたしておる由でございますので、本人に確かめまして、これは楢崎委員の言われることを決してお疑いする意味ではございませんけれども、早急に委員長の言われますようにいたしたいと思います。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 小林君の発言、さようでよろしゅうございますか。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 よろしゅうございます。了承いたしました。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 それでは、いまのは、楢崎君よろしゅうございますか。――そういう取り計らいをいたします。  これにて楢崎君の質疑は終了いたしました。  次に、林百郎君。

林百郎日本共産党・革新共同

○林(百)委員 核の問題につきましては、今日国民が多大の疑惑を持っているところであります。すなわち、核兵器が国内に持ち込まれているのではないか、また、なぜ核の模擬爆弾の訓練が実戦そのままに依然としてわが国内で公然と行われているか、等々の疑惑であります。この国民の疑惑を明らかにするために、私も当委員会でこの問題を集中的に論議をしてみたらどうかという提案をした次第であります。しかるに、その後、当委員会の今日までの審議を見てみますのに、この疑惑は深まるばかりでありまして、少しも晴らされておりません。  そこで、三木総理並びに外務大臣にお尋ねしますが、一体三木内閣としては、この国民の核問題の疑惑を晴らすために、アメリカに対してどのような実質的な交渉をされてきたのか、また将来、国民の疑惑を晴らすため、どのような具体的な交渉をされるのか、答弁をされたいと思います。これは国民に対する政府の当然の義務でありますので、具体的な答弁を、総理自身と外務大臣から求めたいと思います。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○宮澤国務大臣 御承知のとおり、核兵器の持ち込みにつきましては、安全保障条約並びに付属協定によりまして、事前協議をいたすことがアメリカの条約上の義務でございます。従来、私ども事前協議を受けたことはないのでありますが、アメリカ政府におきましては、この条約上の義務を誠実に履行するということを、過去において何度か申しておりますし、また昨年のフォード大統領来日の際にも、そのような言明がございました。したがいまして、私どもは、この条約上の義務が誠実に履行されており、かつ今後とも履行されるということを信じておる次第でございます。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 いま外務大臣の言われたように、私も考えておるわけでございます。しばしばの言明、あるいは安保条約による約束、これは守られておる、核兵器は持ち込まれていない、かように考えておるわけでございます。

林百郎日本共産党・革新共同

○林(百)委員 それでは、この後、わが党でこの問題について専門的に研究しております松本議員に関連質問をさしていただいて、この審議を実り多いものにさしたいと思いますので、お許し願いたいと思います。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 松本善明君から関連質疑の申し出がありますので、林君の持ち時間の範囲で、これを許します。松本善明君。     〔委員長退席、湊委員長代理着席〕

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 きょうこの委員会では、核問題についてのいろいろの議論がありましたが、午後の冒頭の質疑での最後に委員長が発言されたことは、大変興味のあることであります。それは予算委員長自身が、政府の言うことを聞いていてもわからぬ、しかもこういう事態をこのまま続けるわけにはいかないのだということを、立法府の予算委員長として発言をされたわけであります。これは、いまわが国の核論議というものが、ラロック証言後新たな段階に達しているということの事態の反映であります。  いままで政府は、安保条約があって事前協議がかかるから、日本に核を持ち込まれることはないとか、アメリカを信頼する以外にないとか、きょうも三木総理大臣は、そういうふうに答えられました。あるいは核が持ち込まれているということの、核弾頭そのものについての質問があっても、結局それはアメリカが違うと言っている、こういう質問と答弁がなされているわけです。私は、その中で、先ほどの予算委員長のような発言が出てきたのだ、ここでやはりいま核問題について、われわれは政治家として、政党として、一体何をしなければならないのかということを、総理にも問いたいし、それから外務大臣にも問いたいというのが、私のきょうの質問の趣旨であります。  総理は先ほど、いろいろ核について疑惑を持つ人もあるということを言われましたけれども、疑惑を持つ人があるというだけにはとどまらない。ことしの一月一日の世論調査の結果を見ましても、七三%の人が政府の答弁は信用できないと言って、先ほど予算委員長自身が、政府の言っていることはわからぬ、こう言っておるのです。そういう状態で、この委員会では、ある同僚委員は、核弾頭をここで爆発させない限りは、これは認めないだろうということまで発言をいたしました。私は、自民党政府が安保条約がなくなってもいいという決意をしない限り、核が持ち込まれているということを認めないだろうと思います。それはだれが見ても、いままでの予算委員会の論議を見れば、だれでもが予測できることでありますし、三木総理自身も、安保条約を引き合いに出して先ほど答弁をされたところであります。私はしかし、ここで核爆発をするというのではなくて、日本人が核戦争に巻き込まれて初めて、ああなるほど日本には核が持ち込まれていたのか、こういう事態にならないために、私たちはここで論議をしなければならないというふうに思うわけであります。  核問題については、そういう意味で、徹底して論議をする必要があります。宮澤外務大臣は、先ほど核についてはよくわからないということを言って、予算委員長からほめられましたけれども、これは決してほめられることではありません。核持ち込みを許さないということについての政府の決意が全くない、無責任きわまりないということを証明したものであります。  私は、そこでお聞きしたいのでありますが、この政府の答弁が国民から全く信用されない、自民党に所属する予算委員長からも、わからないと言われている原因はどこにあるかという問題であります。その原因は第一に、アメリカが戦術核兵器をきわめて重視する核戦略をとっておる、米軍はほとんどすべて戦術核を持っている、いまや米軍は核兵器と切り離しては考えられないという段階に達しているということであります。このことは、宮澤外務大臣自身が、二月二十六日の本委員会第二分科会で、わが党の瀬長議員の質問に対して答弁をされたところであります。あるいは、この安保条約、現行の安保条約の改定当時の元総理岸信介氏が、週刊誌で、いま世界の趨勢として、第一級の海上戦力というものは皆核兵器を持っている、これは当然であって、それが日本の港に入ってくるときに核を全部はずしてくるなんということは考えられないことだと、ラロック証言と同じことを、あの安保条約を結んだ元総理が発言しておるのであります。そういう事態の中で、このアメリカの核戦略というものが、日本の核持ち込みに対する疑惑をもたらしているということが第一。  もう一つは、日本には、核兵器の存在なしには何の意味もない、核兵器管理部隊でありますとか、核戦闘訓練を行っている部隊が駐留し続けているということであります。これはわが党の不破書記長も質問をしたところであります。私も本委員会において、たびたび質問をした問題であります。こういうことが、幾ら政府が答弁をしても、国民がますます核持ち込みについての、核が日本に存在しているということについての疑惑を広げている原因であります。  総理は、この事態についてどう考えているか、またアメリカの核戦略についてどのように考えているか、日本にある核部隊についてどう考えているかということについて、まず伺いたいのであります。これは知らないでは済まされない問題、もし知らないならば、総理としての資格さえ疑われる問題だろうと私は思います。この点について、総理の見解を伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○宮澤国務大臣 先ほど私が申し上げたことに関連があるわけでございますが、政府の中に、核兵器の専門家というようなものは、御承知のようにおりません。これは具体的な必要がございませんので、むしろいないのが私は当然であろうと思います。それから、政府以外に、いわゆる核兵器の専門家と称せられる方は若干おられるようでございますけれども、これはもうアメリカなりソ連なりの専門家と比べましたら、いわば大人と子供のようなものでありまして、とても対等に議論ができる知識はございません。いわんや、米ソが競い合って日とともにその技術を進歩させておるわけでございますので、とてもそれについていけるわけはない。これは事実でございますから、私は事実として考えなければならない。私どもが勉強をしなければならぬということはわかっておりますけれども、自分で持たない、自分で物を見ない者が、それだけの知識が持てるはずがないということは、私はお認めいただけると思います。  それだけを前提にいたしまして、確かに戦術核というものが発達してきたことは、松本委員の言われるとおりであると思いますけれども、しかし、わが国が核抑止力に頼っているということは、戦術核がわが国になければならないということではありませんで、戦略核というものがあることによって、いわゆる松本委員がよく言われますセカンド・ストライク・ケーパビリティというものを、米ソともに十分に持ち得る、そういう状態である限りは核抑止力がそこに存在している、こういうふうに考えています。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 私は、日本に米軍の戦術核兵器の部隊があるとは信じていないわけであります。やはりこの核兵器の時代の国防というものは非常に大きな変化がある。日本に戦術核兵器を置いて日本を守るという、そういう有事の事態を想像したときに、日本というものがそういう形において安全が守れるとは、私は思わない。やはりこの核兵器の時代における国防というものは、有事に至らしめないというところに、今日の国防観念がある。戦争の抑止力である。実際に核戦争が起こったら日本の国のこういうふうな地理的条件から、日本の安全が守もれるとは私は思わない。だから、やはり安保条約というものも一つの抑止力として評価をするし、あるいは外交その他いろいろな戦争に至らしめないということが国防である。いざというときに、アメリカがいまから戦術核兵器を持っておって、日本を守ろうということで守れるとは、私は思わないのです。だから私は、アメリカが戦術核兵器をいま日本に持ち込んでおるとは思わないのです。これは有事に至らしめたならば守れる方法はない。有事に至らしめないために、あらゆる核戦争の抑止力を使うことが、やはり国の安全を守る道である、私は根本的にこう考えておるわけでございます。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 総理が日本に戦術核の部隊がいないと思っているとすれば、それはとんでもない間違いです。この委員会で議論をされている部隊は、全部戦術核の部隊であります。それがアメリカの核戦略なんです。核、非核両様の部隊、アメリカの部隊はどこでも核を使える、そういう戦略になってきているのです。それで、宮澤外務大臣は、先ほど申しました分科会で、米軍と核とは切り離せない存在になっているということで認めざるを得なくなってきている。総理がそういう認識であれば、米軍が核を持ち込むことは容易にできる。現に、あると信じている日本人がほとんどすべてであります。だから元総理さえ、先ほど言ったような発言をするわけであります。私は、総理のそういう考え方ではとてもだめだということを申し、そして抑止力論については、また改めて論議をしますけれども、それは核戦争と同居している理論であるということだけを、まず申し上げておきたいと思います。  先ほど、午後の冒頭の質疑の最後に、総理は、一体どうするのだと問われて、できるだけの努力をすると言われました。いま日本の国民のほとんどすべてが、日本に核がある、核が持ち込まれている、こういうふうな疑いを持っているときに、日本政府としては、日本には核は絶対持ち込ませないのだ、あってはならないのだということを、この段階でアメリカ政府に明確に要求し、もしあれば撤去をしろということを要求し、そしてまたアメリカ政府に、公式に日本には核は持ち込んでいない、したがって、日本には核兵器はないのだということをはっきりと明言させるということ以外には、日本国民、が政府の言うことを信用することはないと思います。それだけでは済まないと思いますが、少なくも、それが政府としてなすべき第一歩だと思います。こういうことを総理大臣がやる気があるのかどうか私はお聞きしたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 アメリカのフォード大統領が日本に来訪されたのは、あまりそう古い話ではないわけです。そういう場合においても、安保条約における事前協議のそういう約束は守る――安保条約の事前協議の中の重要な事項は、核兵器の持ち込みであることは明らかでございます。また日本国民が、この国会においても核の問題でこれだけの時間を費やして論議をされておるということは、世界が知らぬわけはない。だれも知っている。アメリカだって、しばしば国会の途中において、核兵器に関して、アメリカ政府に対する照会を数回にわたって行っているという事実から、いかに核兵器に対して日本の国民が非常に特殊な心理を持っておるかということは、もうアメリカに通告する必要はないくらいわかっておるはずでございます。  したがって私はいま、この安保条約において約束しておることを、安保条約の約束だけでは信用できぬからもう一ぺん約束せよと言うことは、そういうことを申す気持ちはありませんけれども、確かに、この国会においてもこういう論議がなされるというところに、いろいろ国民の中には、そういう疑惑を持つ人がおるわけでございますから、何とかしてその疑惑に答えられるようなことがあるならば、できるだけの努力をしたいと、先ほども答えたわけでございまして、それは松本議員の言うように、もう一ぺん安保条約の条約上の約束をアメリカがする、それだけでは信用ならぬから、別のまたどういう方法ですか、そういう条約を補完するような方法を講じようという考えはないですけれども、何かほかにいい方法があって、国民の疑惑が解けるようなことがあるならば、できるだけの努力をしたいという、私の希望を述べたわけでございます。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 総理のいまの答弁は、これは事前協議制度があるから核持ち込みはされないように保障されているという、いままでの佐藤内閣とか、総理も非難をされた田中内閣とかの答弁と同じなんです。しかも努力するということを一言言っておるので、これはむしろ国民を欺瞞する役割りを果たしておるだけであります。有言不実行と言われていますが、私は、むしろ国民を欺瞞する役割りを果たしておるということを言わざるを得ないと思います。そういうことでは国民が信用しないということで論議をし、そしていままでアメリカ政府は、日本は核はないとか核兵器を持ち込まないとかいうことを明言したことは一度もないので、その点を追及しているにもかかわらず、その点については知らぬ顔をしている。これは三木内閣は相当国民に対して無責任な、言葉の口先だけで対処をしようとしているということのあらわれではないかと、大変危惧するわけであります。  私は、さらに質問を進めますが、核兵器を扱う核管理部隊でありますとか、核投下訓練を行っている核攻撃部隊がある限りは、この国民の疑惑はなくなりません。  そこでお聞きしたいのは、二月十八日に、核投下訓練について、アメリカ政府筋は、アメリカ政府が米軍による沖繩基地での核模擬爆弾演習が必要不可欠だ、これを中止する考えはないということを、すでに日本政府に伝えてあるということを言明した、ということが報道されております。これは、わが党不破書記局長その他の追及があった後であります。アメリカ政府から最近、一体どのような話があったのか、今後この核模擬爆弾の投下訓練について、政府はどういう方針――このときに抗議をしたのか、これを認めていく方針なのかということについて伺いたいと思います。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 以前に、沖繩の伊江島におきまして核模擬爆弾の訓練が行われたことがあるわけでございます。その点に関しまして、国会でもいろいろと御質問がございまして、この点についてアメリカ側に問い合わせをしたわけでございますが、核模擬爆弾の投下訓練をやっておるということはアメリカ側も認めたわけでございますけれども、この点に関しましては、日本国民の核に関する特殊な感情を十分理解して、安全対策は万全を期するとともに、また投下訓練は最小限度にとどめるということを言ってまいったわけでございます。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 政府の方針は、それについて一体抗議をしないのか、今後それは認めていくというつもりなのかということも聞いているわけです。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○宮澤国務大臣 ただいま政府委員が申し上げましたように、政府といたしましては、いわゆる日本におりますアメリカ軍がいろいろな場合、と申します意味は、部隊がよそに移動することもございましょうし、また転勤をする場合もございましょうから、いろんな場合に備えて常時訓練をするということは理解のできることである、基本的にはさように考えております。しかしわが国が、国民が核兵器について特殊な感情を持っておりますし、またわが国自身には核兵器が入るということはないわけでございますから、そのようなことも考えて、最小限度にとどめてもらいたい、できるならばやめてもらいたいということを申しておりますけれども、アメリカ軍としては、それはよくわかった、最小限度にとどめるということが、アメリカ側の立場でございます。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 総理に伺いたいのですが、この核模擬爆弾の投下訓練につきましては、沖繩協定の発効以前、これは不破書記局長も問題にしたところですが、当時の佐藤総理も、当時の福田外務大臣、いまの副総理も、復帰後は差し控えるように厳重に申し入れをする、警告を発する、こういうふうに言われた。日本の要望をアメリカが聞かないときはない、聞かないというようなことを考えるのは杞憂だというように答弁している。私自身も、昭和四十七年五月十五日の沖繩協定発効直後、五月二十四日に、当時の佐藤総理に衆議院の外務委員会で聞きました。もしアメリカが聞かなかったときどうするのだ、こう聞いた。そうしたら、佐藤総理は「一ぺん交渉したらそれで断わられた、こういうことであきらめてはおりません。何度でも私どもは繰り返してわれわれの要求を十分理解できるように相手方に伝えるつもりでございます。」私はさらに、日本が主権者なんだ、日本の気に入らないことをやっているならば基地の提供をしないということを言える立場なんだ、そういうことでやっているか、こう言って聞いたら、佐藤総理は「私は必ず日本側の要望にアメリカはこたえる、かように思っておる」というふうに答弁をしているのです。アメリカ政府が中止しないということは、この沖繩協定審議のときの自民党の総理が国会と国民に約束をしたことを破ったということ、破られているということであります。自民党内閣がもしこのまま放置するなら、自民党内閣は、沖繩協定発効に関して国民をだましたことになります。  私は、三木内閣はこの政治責任を負って、完全に投下訓練をやめさせるというふうにすべきだと思います。総理の考え方をお聞きしたいと思います。核というのは――総理、ちょっとお聞きいただきたい。核兵器といいますのは、これは日本の国民の命の問題ですよ。安全の問題ですよ。日本の国民の命がたくさん失われるかどうかという問題です。総理大臣としては、最も重大な関心を払わなければならない問題です。担当が外務大臣だからといって、総理が知らぬでいいというわけのものでは決してないのです。そういう認識でお答えをいただきたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 それは核の持ち込みではないわけですから、訓練でありますけれども、その訓練というものは、日本政府に対して最小限度にとどめたいということですから、これは今後アメリカとの話し合いをいたすつもりでございます。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 これでは総理、あのきわめて反動的だと言われて、その支持率はかつてないほど下がった、あの佐藤総理の言ったことよりも悪い。三木内閣というのは佐藤内閣以下だ、この点で言うならば、対米従属という点で言うならば、まさに佐藤内閣以下だということを私は言わざるを得ないと思います。  質問を次へ進めますが、この一月三十一日の当委員会で、不破議員が、アメリカ側の太平洋空軍が出しました文書に基づいて、沖繩の第一八戦術戦闘航空団が朝鮮と台湾での作戦を二大任務としていること、及び沖繩では伊江島、出砂島で、固有の任務として、核爆弾投下訓練を大規模にやっているということを明らかにしました。それに対して宮澤外務大臣は、万一わが国あるいは極東の地域が核攻撃を受けるかもしれない、その場合に備えて訓練をするのは当然のことであるという趣旨の答弁をされました。これは議事録にもはっきり出ております。  私は、宮澤外務大臣にお聞きしたいのですが、第一八戦術戦闘航空団というのは、日本が核攻撃を受けなくても、極東の他の国が核攻撃を受けたら出撃をするという部隊でありますか。そういう認識ですか。――いや、これは外務大臣がお答えになったことの意味をお聞きしているのです。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○宮澤国務大臣 第一八何がしというのは、私はどういう任務かよく存じません。私の申しましたのは、一般論を申し上げたわけであります。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 まことに無責任きわまりないと思います。そういうことで外務大臣が勤まると思ったら大間違いです。  私は、もう一つお聞きしましょう。それでは、あなたの言葉どおりを聞きたいんですが、あなたの言われたことをそのまま受け取りますと、核攻撃を受けるかもしれない、その場合に備えて訓練をするのは当然だというわけでありますから、日本が核攻撃を受けそうになった場合にも出撃をするのかどうか、そういう認識でおられるのかどうかをお聞きしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○宮澤国務大臣 それは、つまり直接の作戦行動に参加するというのであれば、もう事前協議の対象になります。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 そういうことを聞いておるのではないんですよ。国民が聞いているんですよ。国民にかわって私は質問をしておるのです。問うていることにお答えになるべきですよ。  私が聞いておるのは、あなたの発言どおり受け取ると、日本が核攻撃を受けそうになった場合にも、一八戦術戦闘航空団は出撃をする、こういう任務がある、こういうふうに受け取らざるを得ない。万一わが国あるいは極東地域が核攻撃を受けるかもしれない、その場合に備えて訓練をするのは当然のことじゃないか、こう言っているのですから、あなたの認識は、一八戦術戦闘航空団についてはそういう考えでいるのかどうかということを聞いているのです。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○宮澤国務大臣 それでございますから、先ほどのようにお答えをしているわけでございます。もしおっしゃる出撃ということが直接の作戦行動であれば、これは事前協議の対象にならなければならないわけです。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 よくわかりました。そうすると、一八戦術戦闘航空団というのは、そういう場合にも出撃をする、しかしその場合には、必ず事前協議にかかるのだ、そういうことだから心配するな、こういう趣旨ですね。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○宮澤国務大臣 私は、第一八戦術戦闘航空団の厳密な任務をよく存じませんですが、ともかくわが国の基地を使って出撃というのは、恐らく直接の作戦行動と思いますが、するとすれば、これは勝手にやってもらうことはできない、わが国に協議をすべきことであると思います。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 あなたは、まことに無責任な外務大臣ですよ。私は驚きました。不破議員も、あなたは研究もされないでそういうことを言っちゃだめだということを指摘して、質問しているんですよ。そうしたら、何事ですか、一八戦術戦闘航空団については、任務は具体的に知らぬと言っているにもかかわらず、国会でその問題の質問に対して、日本や極東が攻撃をされる場合に備えて訓練をしておると言ったのは一体何事すか。知らないでそんな答弁ができますか。私はそういう国会答弁をやってたのでは、国民の前に申しわけないと思いますよ。言ったことは全く知りませんでした、前言ったことは知らなくて言ったのです、私はとうてい許せることではないと思います。前の答弁は取り消しますか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○宮澤国務大臣 一般論としまして、その第一八戦術戦闘航空団というのが、わが国の防空及び極東の平和と安全のために、戦術戦闘航空及び航空偵察を行う部隊ということは、これはむろん存じておりまして、その前提に立ちまして、前回も申し上げたのでありますが、さらに具体的に先ほどこうかと言われましたので、そこまでは私は存じませんと申し上げておるわけです。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 私は、外務大臣が、取り消しの機会を与えたにもかかわらず取り消さなかったということは、これまた重大な意味を持っておると思います。事実そういう任務を持っているんです、この一八戦術戦闘航空団というのは。日本から核出撃をするという任務を持っているんです。  さらに質問を進めますが、外務大臣は、日本及び極東の地域が核攻撃を受ける可能性に備えて訓練をしているということを、前回の本委員会で述べられたわけですが、核攻撃を受けなくてもアメリカの核部隊は出撃をするんです。これは私、総理にお聞きしましょう。宮澤外務大臣の答弁というのは、きわめて無責任で、私は、とても信頼するに足りないということがいまわかりました。総理にお聞きしたいのですが、七二年のレアード国防報告によりますと、言葉どおり読みますと「通常手段による大規模な侵略が核兵器の使用に直面しないと確信してはならない。」アメリカの相手方が通常兵器を使っていさえすればアメリカは核兵器を使ってはならぬ、使わないというふうに思ったら大変な間違いだぞ、こういうことが七二年のレアード国防報告に書いてあるわけです。そして、その後の国防報告も、みんな全部それで一貫しているんです。アメリカは一貫して、通常戦力に対しても、たとえばベトナム戦争のような、ああいう通常戦争に対しも核攻撃をするという方針をとっております。アジアでも、ベトナムだけでなくてラオスでも方々で、台湾でも使うということの計画が伝えられたことがありました。  総理に私はお聞きしたいのですが、このアメリカが通常戦力に対しても核兵器を使うのだという戦略をとっておるということを御存じですか。知らないというわけにはいかぬと思いますよ。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 私は、レアード報告というものは存じません。しかし今日、核兵器を簡単に使えるような時代だとは、私は思ってないんですよ。それは今日のこれだけの国際的な世論を背景にして、そうして相手方が核兵器を使えば別ですけれども、核兵器も使わないのに、通常兵器に対応して核兵器を使える時代だとは、私は思わないわけでございます。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 宮澤外務大臣はいかがでしょう。あなたの認識もついでにお聞きしておきましょう。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○宮澤国務大臣 総理の言われましたとおりと思います。どうぞ御信用くださいまし。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 そういうことでは、閣僚というのは全く勉強していないですね。私はもう驚きました。  私がここへ持ってきましたのは、日本の航空自衛隊が出したものです。航空幕僚監部が、アメリカのベーシックドクトリンを訓練資料として出しているんです。これはメーヤー空軍大将によれば、航空宇宙部隊の運用に関する基本的な原則及び構想を示したものなんです。基本原則なんです。その中ではっきりと、非核保有国に対して、核を持っていない国に対して核作戦をするということがちゃんと書いてあるんですよ。四項に、軽度の核作戦ということで、どういうふうにやるかと書いてあります。防衛庁長官知っていますか。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○坂田国務大臣 核抑止力というのは、まさにそういうことだと私は理解をいたしております。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 そうすると、確かめますが、防衛庁長官、要するに通常戦力に対しても、非核保有国に対しても、アメリカは核を使うのだという戦略でいるということを、防衛庁長官は認識しておられる、それが核抑止力だ、こういうことですね。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○坂田国務大臣 やはり核抑止力というものにつきましては、アメリカがいろいろ起こり得る場合に対処しまして、核戦略を持っておるというふうに私は思います。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 私の問いにもう少しちゃんと正確にお答えいただきたい。通常戦力に対しても、アメリカは核を使うということを考えて、戦略を立てているということはお認めになりますか。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○坂田国務大臣 アメリカの核戦略は、通常兵器あるいは戦術核あるいはまた大陸弾道弾みたいな核、この三つから成り立っておるというふうに私は承知をいたしております。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 何を言っているんだ防衛庁長官、ちょっと上がらないで質問をよく聞いてお答えいただきたいんですよ。このベーシックドクトリンに書いてあることは、アメリカは非核保有国に対しても核作戦があるということを書いてあるわけです。そしてまた、先ほど申しましたように、レアード国防報告でも、そういうことが書いてあるわけです。国防報告、みんなそう書いてあります。アメリカが、通常戦力に対しても核兵器を使うという戦略をとっておるということを御存じですか。知らなきゃ知らないと言ってください、それで結構ですから。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○坂田国務大臣 防衛局長からお答えを申し上げます。

丸山昂防衛庁防衛局長

○丸山(昂)政府委員 今年度のブラウン統合参謀議長の国会年次報告がございますが、その中に、戦域核という概念、これは、もう先生御存じのとおりでございますが、シアターニュークリアと申しておりますが、これの必要性に言及いたしまして、通常兵器による最終的な段階になった場合に、降伏か全面核戦争かという二つの方式しか選ばれないということでは非常に困る、その中途の段階として、戦域核というもののレーゾンデートルがあるのだ、こういうことを言っております。  いまの御質問の通常兵器に対して使用するかどうかということは、いまのお答えでおわかりになると思います。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 正解なので、通常の戦力に対しても戦域核戦力というものがあるということなんです。それを閣僚が、総理も外務大臣も、それから防衛庁長官すら知らないというのはまことにうそ寒い話だ、何ということだ、日本の国民の安全のことなんか何も考えていないということを本当に私は痛感いたします。何事であろうかと思います。  それから、私は質問を先に進めますが、第一八戦術戦闘航空団は、単に核攻撃訓練、核爆弾の投下訓練をやっているだけではなくて、核管理体制を持っております。このことについては、私たち記者会見でも発表をいたしました。それは第一八戦術戦闘航空団の第一出動整備中隊に二人の核安全将校、下士官が任命されていること。それから第一八戦術戦闘航空団の地上総合支援部隊である第八二四戦闘支援群の人事部に、核兵器固有の厳密な管理を行うための特殊な人事管理体制、人的信頼性、ヒューマン・リライアビリティー・プログラムの担当部門が設置されていること。第三は、F4C戦闘爆撃機への弾薬積み込みのために、弾薬整備中隊の二百六十名の要員のうち、核爆弾の積載資格を持つ兵士が二百名存在する。これらは核がなくてはこういう部隊というのはあり得ないのです。あるいは少なくも核の持ち込みを前提としている部隊なんです。  これについて、私は外務省にも資料をお渡ししておきましたけれども、一体こういうことを政府は知っておるのですか。まず、知っておるかどうかということだけ簡単にお答えいただきたいと思います。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 この部隊に核安全将校、下士官というものがいる、それから特殊な人事管理体制、いわゆる人的信頼性。プログラムの担当部門というものはある、それから核爆弾と通常爆弾の双方を扱い得る要員がいるということは存じております。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 これはまさに、核兵器がなければ無意味な部隊であります、先ほど言ったとおり。こういうものを認めるということになりますと、一体どういう意味を持つか、これが非常に重要な問題であろうと思います。政府の答弁を聞いておりますと、問題は核弾頭だけだというようにとられるわけですが、そういうものでは決してない。たとえばいわゆる藤山・マッカーサー口頭了解、これでも、中、長距離ミサイルとか、そのための基地建設が事前協議の対象になる、そういうことになっている。ということを、三木総理は外務大臣もされたから、よくおわかりだと思いますが、これは核弾頭そのものではない、核弾頭と密接不可分の関係にある兵器は、これは持ち込ませないのだ、そういうことであったと思います。この核弾頭と密接不可分の関係にある部隊でありますとか、兵器の存在あるいは駐留、こういうものに対してもノーと言わなければ、非核三原則というのはこれはしり抜けでありますし、実際に危険性という点で同じだというふうに考えます。この点について、総理の御意見を伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○宮澤国務大臣 アメリカあるいはソ連もさようであると思いますけれども、軍隊は、これは松本委員が言われましたように、核というものといわばやむを得ず共存をしておるわけでございますから、部隊というものはよそに移動するときもありましょうし、個人が転勤するときもありましょうし、しばらく日本にいたので核のことはすっかり忘れちゃったというようなことでは、これは正直言って、軍隊として成り立たないのであろうと私は思います。したがって、そういう訓練があるということは私は理解ができることだと考えますし、それからもう一点、核のシステムということをよく仰せられますし、いまもそういう意味で仰せられたのだと思いますが、核システムというものは、必ずしも私ども、はっきりおっしゃいますことを理解できずにおります。  ことに核の場合、通常の場合、両用のどちらの場合も訓練するということは、先ほど松本委員御自身が言われましたとおりでありますから、どの部分が核に不可分のシステムで、どの部分がそうでないかというようなことが言えるものであろうかどうであろうか、私どもその点かねてやや疑問を持っておりまして、したがって、わが国としては核弾頭であるとか中、長距離ミサイルであるとか、基地の建設であるとか、その一番中心になる部分を事前協議の対象にしておきましたら、まずそれで間違いがない、こういうふうに考えておるわけでございます。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 これはまた、米軍と核が切り離せないという存在だということは認められたわけですけれども、私は外務大臣の、日本だけは別だ――国防報告等アメリカの戦略を論じておる公式の文書の中で、日本だけは、米軍が核とは切り離せない存在ではないのだというようなことを書いた文書が、一体あれば教えていただきたいと思う。そんなものは一つもありません。日本は例外だなんということは、アメリカ側が言ったことは一度もありません。  この点についてはむしろ逆であります。一九七二年のレアード国防報告は、「われわれの計画は、戦域における核兵器の配置を通常兵器の配置と結びつけるという、継続的な要求を反映している」「われわれの総合戦力構想のもとでは、アメリカの通常戦力は、戦域核戦争、戦域通常戦争及び亜戦域戦争に対処できる資産を持っている」これも核を持っている、核、非核両用だというのが、アメリカのいまの部隊なんです。だからいま外務大臣が、核と非核とどちらか区別ができない、だからわかりませんと言っている、これほど――多少失礼かもしれないが、言わなければならない無知な議論はないのですよ。アメリカ軍は、戦域核戦力というのは核、非核両用なんです。だから危険なんです。だから米軍と核の存在とは結びついているのです。総理、聞きたいのですがね、そういうことなんです。これは私が勝手に言っているんじゃなくて、アメリカの国防報告やいろんな資料に基づいて言っているのです。  それで、私は総理に大きな点でお聞きしたいのであります。非核三原則と言いますけれども、一体何のためにあると思いますか。これは日本が戦争に巻き込まれないためにあるのではないですか。もしそうだとするならば、核弾頭の存在と、核部隊、それを使う部隊が日本にいるということと同じような危険性はありませんか。核がなければ意味のない部隊があるということは、日本が核戦争が起こったときに巻き込まれるという危険性を持っておる点では、核弾頭と全く同じ意味を持っている。それがいま日本にあるのです。だから、日本国民の不安はなくならないのです。総理が、非核三原則は一体何のためにあるのか、戦争に巻き込まれないためにあるというふうにもしお考えならば、核部隊は禁止をするということでなければ、これは本当に国民の要望、核戦争に巻き込まれたくない、唯一の被爆国として、そういう多くの国民の、これは自民党を支持している人も同じだと思いますが、その要望にこたえられないと思いますが、この点についての総理の見解を聞きたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 日本の場合、核攻撃を受けて核兵器でこれを防ぐという、国防というものは、松本さんと私自身の考え方、多少違いがあるのかどうか知らぬが、あらゆる努力を通じて、そういう事態を防ぐということですよ。実際に核攻撃を受けて、日本で核兵器をほっておいて、日本の安全が守られるとは思わない。あらゆる努力をしなければならぬわけで、それは単に軍事面だけではないわけで、外交などもやはりそのためにあるわけですから、そういう点で、われわれが一番、自民党内閣が常に頭の中から離れないことは、日本の安全、日本の国民の生存、発展というものをどのように図っていこうかということで、最初、安全なんか全然考えていないというふうな一方的な御発言があったけれども、それはわれわれの苦労を知らない者の言である、やはりわれわれとしたならば、安全と国民の生存、発展ということは、もう絶えず政権を担当する者としての頭を離れることではないということだけは申し上げておきたいのでございます。そして、非核三原則というものは、日本を再び戦場にしたくないということもありますよ。もう一つは、あれだけの被害を受けたんだから、この非核三原則というものを単に日本ばかりのものでなくして、核軍縮、やがては核兵器の廃棄ということで、日本はこれだけの三原則を持って国際的な発言をし、そしてまたそういう事態をつくるために努力をするということにも、単に戦争に巻き込まれないというような意味ばかりでなしに、積極的な意義を持っておる。今後日本は、国際政治の上で、核軍縮あるいは核兵器の廃棄、こういうものに対して一段と努力をしなければならぬ、そういう意味も三原則の中にはある。日本はあれだけの惨禍を経験したわけですから、これを人類のためにという考え方を持つことは当然の責任だと、私は考えておるものです。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 核兵器を全廃するということについては、われわれ、前から主張していることです。私は、それならば、ますますもってこの核部隊の存在を認めることができないと思うのです。私は総理が中心的な問いについてお答えにならなかったことはきわめて遺憾であります。核戦争をなくさせるとか、あるいは核戦争に日本が巻き込まれないようにするという観点からするならば、危険性は核部隊も同じじゃないか、これを認めないようにしなければ徹底しないじゃないか、これを聞いているのです。あなたはそれについてどう考えるかということを聞いているのです。お答えいただきたい。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 いま最初にも申したように、核兵器の持ち込みは認めないというのは、安保条約、事前協議における日米間の大きな約束でありますから、したがって、核兵器を持ち込んでどうというのではないので、訓練という場合には、核兵器そのものを持ち込む場合とは違う。けれども、いま最初に申したように、アメリカとの間には絶えず話し合う機会がありますから、そういうふうなことに対しては、できるだけアメリカと話し合いをしてみたいとは思っております。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 それでは、非核三原則といっても、私はしり抜けだと思いますが、一つ具体例を挙げてお聞きしたいと思う。  外務大臣に先に聞きますからよく聞いておいてください。  核部隊はわきめて危険であります。私どもが取り上げました第一八戦術戦闘航空団というのは、嘉手納と韓国の烏山と台湾の清泉崗、この三つの基地を一カ月から六週間の周期でローテーションを組んでいる、それで派遣勤務を行っているわけです。この三つの基地が一体になっているわけです。そこで聞きたいのは、嘉手納にいるこの部隊が韓国の烏山で核兵器を装着をして朝鮮作戦に参加をするというような場合、あるいはこの嘉手納にいる部隊が台湾の清泉崗へ行って、そしてここで核装備をして台湾防衛の作戦行動に参加をするという場合、これは事前協議の対象になりますか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○宮澤国務大臣 多少専門家が申し上げなければいけないのかもしれませんけれども、現に韓国において、あるいは台湾において戦闘状態が起こっておりませんから、わが国からそれらの飛行機がそれらの基地へ飛び立ちますこと自身は、私は直接の戦闘行動に参加することとは思いませんので、その限りでは、事前協議の対象にならないと思います。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 私は、これは現実の政治論ということではなくて、事前協議論として伺っているわけです。日本にいる一八戦術戦闘航空団が韓国や台湾へ行って、そこで核装備をして戦闘に参加をするというような場合に、これは事前協議の対象になるのかということを聞いているんです。国民の不安を解消できるかどうかという問題なんです。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 第一八戦術戦闘航空団に所属する航空機が、朝鮮または台湾に行きますこと自体は、単なる部隊の移動でございます。その上で、その航空部隊がどういう装備をするかということは、日本政府としては関知しないところでございます。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 これまた、いままでの政府答弁からすれば正解でありますが、そこが重大な問題なんです。総理、お聞きになっていたと思いますが、日本にいる一八戦術戦闘航空団が韓国へ行く、台湾へ行く、これはもう事前協議の対象にならない。そこで核装備をする、そして戦闘に参加をしても、これは全然事前協議とは関係ないことになる。ベトナムとは違って大分近いですよ。朝鮮ですよ。台湾ですよ。そこで核戦闘に日本にいる核部隊が参加をしても、日本は関係がない、事前協議にはかからない、こういう事態になるのです。これが核部隊の存在する意味であります。そういう危険な部隊がいるのです。こういうものを日本から撤去をさすということをしないで、一体何で、核戦争を防止するとか核兵器を絶滅するとか全面禁止をする、そんなことが言えますか。  私が総理にお聞きしたいのは、こういう部隊がいて、日本の国民が核戦争に巻き込まれたくない、あるいは全世界から核戦争をなくしたい、核兵器をなくしたい、これは国会の決議にもなっています。こういう精神に核部隊の存在というのは一体合致するのかどうか、これをチェックするという意思は全くないのかどうか、それを総理に聞きたいと思います。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○宮澤国務大臣 一つ大切なことが抜けておると思います。それは日米安保条約の精神そのもの、それによってわが国の施設、区域をアメリカが使っておりますのは、これは自衛のためであります。わが国及び極東の平和と安全を自衛するというためでございますから、そのことをどうぞひとつお忘れなくお置きいただきたいと思います。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 総理に答えてもらいます前に言っておきますが、自衛のため、アメリカ軍がやるのは全部防衛のためだ、これが前提なんです。いまの議論からいけば、核を使っても何をしても、アメリカは自衛のためにやっているんだという結論にならざるを得ないのです。そういうことを暗に言いたいのです。  私が総理に聞きたいのは、先ほど言ったような事態です。非常に危険な部隊です。これに対してチェックをする意思は、総理として全くないのかどうか、これを伺いたい。総理に伺いたい。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○宮澤国務大臣 私の申したことを何か逆にお考えになったようでございますけれども、こちらから戦争を仕掛けるということは自衛ではないわけであります。自衛ということは、はっきり国連憲章に定義されておりますのですから。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 在日米軍というものが、いま宮澤外務大臣も申されたように、日本の安全、極東の平和と安全ということでありますから、こちらから進んで戦争を仕掛けるというような精神のものではないわけでございますから、何かそういう点に、松本さんとの間に食い違いがあるというふうに考えます。われわれとしても、核兵器を日本に持ち込むことは認めないと言っているのですから、その約束はアメリカは守ると言っているのですから、したがって、日本自身が、国民の期待に反するような事態が起こるとは思っていないわけでございます。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 結局最後はそこへ落ちついているわけですね。アメリカを信用しないのはけしからぬ、そこが違うんだ。アメリカがベトナムで侵略戦争をやっていることは、だれでも知っているじゃないですか。そんなものは、国連憲章に書いてあるからといって、ちっとも遠慮しないですよ。アメリカ人の中で、侵略戦争だと言って反対運動が起こっているじゃないですか。そんな答弁をしておるから、いつまでたっても、予算委員長がこのままでは行かぬぞということを言う事態が起こるのですよ。  総理大臣、そうすると、結局いまの話では、私が問いましたにもかかわらず、この核部隊には全然チェックをする意思はないということですね。その点だけ一言お答えいただきたい。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 核部隊、核は持っていないということを私は言っておるわけですから。いろいろな訓練をして、その訓練が、いろいろな点で国民に不安を与えるようなことがあるとするならば、それはアメリカとの間にいろいろ話し合いをするべきでありますが、いま核兵器を持っているので訓練をしておるわけではないわけでございます。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 三木総理はいろいろ言われたけれども、結局はいかに核部隊というものが危険であるかということを私が申しましても、これをチェックする意思はないということが明らかになったと思います。これはいつまでも核兵器を装着できる部隊です。いつでも出撃できる部隊であります。核戦闘に参加をする部隊である。これは核戦闘に参加をする部隊であるということぐらいはお認めになりますか、それはもう事実ですから。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 私はいまの事態を、あなたほど簡単に核戦争ができるとは思っていないのですよ。いかにもすぐに核戦争が――核戦争ということを非常に言われますけれども、私は今日の時代で、簡単に核戦争ができるとは思っていないのですよ。そういう点で、われわれとしても、お互いにこの点は一緒になって防がなければいかぬ。日本でなくても、起こせば大変ですよ。だから、われわれがそういう事態が起こらないように防ぐ以外にないのですよ。よその国が攻撃されて、日本だけが安全だと思うことは間違いだと思う。やはり世界から核戦争を防ぐということに、みんなで総がかりになって努力をしなければならぬ。いかにもすぐに核戦争が起こるように、そういう不安な感じを持つこと、そのことが世界の緊張緩和に役立つとは私は思わない。むしろわれわれの力で、ひとつそういう事態を防ごうではないかということの努力の方が必要でありまして、もう次々に不安の種をまくことが、国際的に言えば緊張緩和、国内的には人心の安定に役立つとは私は思わない。一緒に防ごうじゃないですか。そういう事態になったら、人類は生き残るわけにはいかない。単にどこかの地域の戦争ではない。やはりそれは核世界戦争に発展する危険性を持っているわけです。そいういうふうに考えて、われわれは政治家の立場から、実際にそのためにどういう努力をするかというように、建設的に私は考えたいと思っております。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 総理は結局、私が一八戦術戦闘航空団が核戦闘をする部隊かどうかという事実認識をあなたはどう考えているか、日本にいる部隊をどう考えているかということを聞いているのに、それに答えられないということなんですよ、答えないのですよ。もし答えなければならぬと思ったら、後でお答えください。そうしていままでのこの委員会での議論は、三木総理大臣の言っているのはみんないまの話ですよ。そんな抽象的なことを国民は聞こうとは思っていないのですよ。私も核戦争をなくし、核兵器をなくさすために質問しているのですよ。その具体的な質問に対して答えないでおいて、そうして私は核戦争をなくそうと思っています――私はそんなとんでもない答弁はないと思います。この問題というのは安保条約と結びついているのですよ、このアメリカの核戦略と結びついているのです。三木総理大臣がうっかりしたことを答弁すれば、核部隊は撤去させなければならぬ。これは安保条約上の重大問題。米軍は核と密接に結びついている、不可分だ、切り離せないということを宮澤外務大臣はここでも言われた。だからこの核部隊を撤去させるということになれば、安保条約をなくさなければいかぬ。この政治問題があるから、総理は明確に私の質問に答えられないのですよ。あなたは、安保条約がどうなってもいい、もし核が持ち込まれているならば、これは条約違反だ、安保条約は廃棄しろという運動が全国的に起こってくる、そんなことになったら大変だと思うから、まともに質問は聞いているんだけれども、まともに答えたら大変だということで、答えないのですよ。これがいまの実態であります。  ですから、核問題についての国民の不安を解消するためには、安保条約がなくならなければならぬ。米軍は核と切り離せない存在なんです。ここがいまの問題の焦点なんです。安保条約を廃棄をする以外には、あるいは米軍がなくなっていなくならない限りは、日本の国民の不安は解消しないと思います。     〔湊委員長代理退席、委員長着席〕 私はそういうことが結論ではないかと思います。これは総理大臣の政治的な立場とは全く違うと思いますけれども、しかし現実であります。  いま、私たち日本の国民の前に置かれている選択というのは、この安保条約のもとで核の不安の中にいるのか、それとも安保条約をなくして核の戦争のない、核の不安のない中立の日本にするのかという選択が日本の国民の前に提起されているのだということを指摘をし、そして総理大臣はさっきは、答えられないというのではないということを言われましたから、もし答える気があるならばお答えいただくということにして、私の質問を終わりにしたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 結局において、松本議員は、安保条約は破棄すべきという御議論でありますが、われわれは、日本の安全保障の上、ことに戦争の抑止力という上において、安保条約の価値というものを評価しておる。そういう点が根本的に食い違いがあるわけで、アメリカにしてもソ連にしても、私は恐らくあれだけの核戦力を持っておる国が、核戦争を一番恐れておるのはアメリカであり、ソ連だと思うのですよ。だから簡単に、核の部隊とこう言って、いかにも核攻撃というものを、アメリカが絶えずそういうことを訓練して準備しておるように言われますが、一番核戦争を恐れるものはアメリカとソ連だと私は思っているのですよ。簡単にそんなに核戦争ができるとは、私は思っていないのですよ。そういう点で、いろいろな訓練をする場合はあるでしょうけれども、しかしそれは核戦争の準備だというふうに私は考えない。何とかそういう事態を一番防ごうと思っておるのは米ソだ。だから、いろいろなイデオロギーの違いがあっても、米ソ間に戦争はしないという約束といいますか、平和共存の原則を打ち立てている原因は、私は大きくそこにあると思っております。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 一言だけ言って終わりにします。  総理、私は勉強し直してほしいと思います。それはアメリカがアメリカ本土に及ばない核戦争ということを考えて、そして戦略を組んでいるのです。それが戦域核戦争なんです、戦域核戦略なんです。私は、閣僚が全く不勉強である、このことについて何も知らないということが、この委員会の質疑で本当にわかった。これでは、日本の国民は本当に安全を守ることはできないということを痛感したということを申し上げて、私の質問を終わりにします。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 これにて、林君の質疑は終了いたしました。  次に、岡田春夫君。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 時間が大変制限されておりますので、簡単にお答えをいただきたい。  先ほど、楢崎委員の岩国の基地の問題について御答弁をされておりますが、あれでは全く私は納得いたしません。二月七日に私も質問をしておりますだけに、こういう点について、初めに若干問題を明らかにしてまいりたいと思います。  そこで、先ほどの山崎アメリカ局長の答弁を聞いておりますと、岩国にある基地について、昭和四十六年十一月三十日の答弁書の中を読まれまして、「数年前まで右のような任務を有する小部隊が置かれていたが、同基地の狭あい化に伴い、現在ではその規模が更に縮小されている。」いわゆる部隊は縮小されている、このようにお答えになっているわけですが、それでは、現在、縮小されても、部隊は縮小された部隊として残っているのですか、どうですか。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 当時の時点におきまして、そういう小部隊がいた、それがさらに縮小されておるということを、アメリカ側に問い合わせて確認したわけでございます。繰り返して申し上げますけれども、その部隊は核・生物・化学兵器に上る攻撃を受けた場合の防御装置を担当する部隊でございまして、核兵器その他による攻撃を担当する部隊ではないのでございます。その部隊の任務は、必要な教育訓練を実施することでございます。この点は、当時の答弁書においても明らかにしておるところでございます。ただ、その後われわれの承知をする限りでは、そういう名前の部隊はなくなっております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 それでは、部隊というものはない、こういうことですか。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 そういう部隊はないと承知しております。  ただ、岡田委員が先日も仰せられましたように、NBCオフィサーその他のオフィサー、下士官はおります。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 それが将校と下士官合わせて三十四名である、こういうように言われているわけですね。三十四名が岩国内の各部隊にばらばらに配置をされている、こういう意味ですか。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 そういう意味でございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 ばらばらに配置されているが、それはある一定の段階においては、編成できるような配置の状態ですね。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 それが編成され得るものかどうかは、私たちは存じておりませんが、いずれにいたしましても、NBC兵器に対する防御訓練の教育を受けて、そういう資格を有する将校、下士官が各部隊にいるということでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 先ほどの御答弁を伺っていると、そういう下士官は訓練をやっている、攻撃ではなくて、防御のための訓練をやっている人たちである、こういう意味で間違いございませんか。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 NBC兵器による攻撃に対する防御の訓練を担当する将校、下士官でございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 そこまではっきりしてきたわけです。先ほど楢崎委員は一九六九年の電話帳をやられた。私はこの前の質問のときには一九七四年、すなわち昨年の電話帳を使った。昨年の電話帳をお調べいただきたいということについては、お調べいただきましたか、どうですか。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 七四年の在日米軍の電話帳は調査いたしました。それによりますと、岩国基地所属第一海兵航空団作戦運用幕僚部G3にトレーニング NBCD、それからNBCD、NCOビルディング一四五〇D並びに第一五海兵航空群作戦運用幕僚部S3にNBCオフィサー ビルディング一四三一C及び同航空群第一五海兵航空基地中隊作戦運用幕僚部S3にNBCチーフ ビルディング一六九〇が、それぞれ配備されているということは確かに記載されております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 そこで、いま山崎さんはどういうようにお感じになりますか。トレーニングをつけている電話帳の部分と全然つけてない部分と二つある。あなたは訓練の兵隊たちだと言われましたね。全部が訓練の兵隊なら、全部トレーニングと書いてあるはずです。あなたのいまの答弁の中で、私もここに書き抜いてございますが、第一海兵航空団の中は確かに訓練部隊である。しかし、あなたの言われる海兵空軍基地連隊の中にはトレーニングと書いてない。整備連隊の中でもトレーニングと書いてない。これはどういうふうに区別しますか。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 その点についても米側に問い合わせたわけでございますが、先ほど申し上げました第一海兵航空団作戦運用幕僚部G3にはトレーニングNBCDと書いてございます。これは訓練計画を作成する部門であるということでございまして、それ以外のところに配置されておりますNBCオフィサーとかNBCチーフは、それぞれの部隊に配置されて実際の訓練をやっておる、そういうわけでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 そのアメリカの方からの説明で、あなたは納得されたのですか。あとの訓練は、どうして訓練と書かないのですか。  もっと例を挙げましょう。あなた、意識的かどうか、抜かしているから。岩国の電話帳三十三ページ、これはマリン・エア・ベース・スクォドロン一五ですから、海兵空軍基地連隊一五、これのヘッドクォーターの中でセクション3がある。電話帳を持ってきていますか。なければ見せましょうか。いいですか。――そのセクション3の中に、トレーニング・オフィサー・チーフ、これが一つ、それからNBCチーフ、まさに区別してあるじやないか。NBCが全部訓練部隊ならば、なぜトレーニングと書かないのですか。一つはトレーニング・オフィサー・チーフと書いてあるじやないか。片一方はNBCチーフと書いてあるだけじゃありませんか。明らかにトレーニングの場合とNBCの場合と区別をしてあることははっきりしていますよ。  もう一度言いましょう。訓練については上のチーフがやります。NBC関係のチーフ、これは実戦部隊のチーフであります。後ろで首を振っている男もおりますけれども、それはともあれ――病気かもしれませんから。なぜならば、NBCの訓練をやるならば、最初にあなたが言った第一海兵航空団の中の訓練部隊が担当する。実戦部隊としては、いま言ったように海兵空軍基地連隊の中でこれが二つに分かれている。一つは訓練をやり、一つは実戦をやる。訓練ばかりやっているんじゃありませんよ。実戦をやっているのですよ。明らかじゃありませんか。あなた、これをどうやって説明するのですか。何も書いてないのに、これは訓練部隊でございますと言われたって、私は納得できませんよ。どうなんですか。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 私の説明が十分でないのかもしれませんが、その部隊全体の司令部には、訓練計画を作成し、そして調整するところがあるわけでございます。それから実戦部隊があります。その訓練計画に従って訓練を受けて、そういう資格を得た人が各実戦部隊に配置されて、そこで今度はその部隊の普通の将校、下士官、兵に対して訓練をやるわけでございます。それぞれの部隊に、そういう訓練を担当する将校とか下士官がいるということでございます。それから、ちなみにチーフというのは下士官の上級の方でありまして、別に部隊長とかそういう意味ではないようであります。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 総理大臣、それでわかりますか。全然書いてないのですよ。それで訓練をやるのでございます。トレーニングの方、書いてあるのと並んでいる。訓練をやるというチーフオフィサーそれから全然訓練と書いてないチーフオフィサー、これ二つになっている。だけれども、彼の説明によると、総理大臣どうですか、上のトレーニングの方もトレーニングをやるが、下の方も、書いてないけれどもトレーニングをやる、そんなこと、どうしてわかりますか。外務省の一流の御解釈でございますか。私はそんな解釈は了解しません。委員長、どうですか。私はこれでは納得できません。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 外務省一流の解釈ではございませんで、これはアメリカ側に照会した結果でございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 あなたは納得したのですか。(「納得したから答えているんだ」と呼ぶ者あり)そんな納得じゃ話になりませんよ。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 私といたしましては、十分納得いたしております。岩国におります部隊は、正確な数は覚えておりませんが、六千人ぐらいの大きな部隊でございまして、その中に特殊な訓練を受けた人間が合計で三十四名でございまして、ごく少数でございます。しかし、防御訓練でございますから、その程度の人間を教育しておいて、それがふだん訓練を担当するという程度で、非常によくわかる説明だと思っております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 外務省の理解は、先ほども話があったように、日本人には通用しませんね。だってあなた、片っ方にはトレーニングとはっきり書いてあるし、片一方には書いてないですよ。書いてあるのはトレーニングするのは間違いない。トレーニングと書いてある。いいですか、総理大臣、聞いてください。NBCという兵隊がいるとする。それの中でNBCにトレーニングと書いてあるのもある、書いてないのもある、こうなったら、トレーニングとあるのは訓練するのは間違いない。書いてなければそうでないということは言えるじゃないか。そればかりじゃありません。あなた、先ほどの楢崎委員が取り上げたコマンダー・オブ・ザ・ガード(NBCウェポンズ・セクション・ワン)、ありますね、その下に、もっと下の方をごらんなさい。NBCウェポンズ・セクション・ワン(MAG15)、第十五海兵隊は六九年から七四年に至るまで、同じ部隊というか、担当がはっきりいるじゃありませんか。編成が変わったんじゃないじゃありませんか。これは実戦部隊ですよ、はっきり。第十五航空師団というのは空戦部隊じゃありませんか。これは実戦部隊じゃないとおっしゃるんですか。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 先ほども申し上げましたようにNBCウェポンズ・セクション・ワンというのは、現在存在していないわけでございますが、しかしこれはいつそういう部隊がなくなったかということは、われわれは承知いたしておりません。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 だってあなた、七四年の電話帳の三十三ページに、存在しているように書いてあるじゃないか。マリン・エア・ベース・スクォドロン一五、これは同じものですよ。書いてあるじゃないか。これはないの。電話帳を持っていらっしゃい。電話帳を持ってきてなければ、これを見せてあげますよ。部隊はないのですか。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 われわれが持っております電話帳は、米軍全体の電話帳でございまして、岡田先生がお持ちの岩国基地だけの電話帳は実は持っておりませんが、内容は同じ年度でございますから変わっておりません。ただ、先生がおっしゃいますマリン・エア・ベース・スクォドロン一五というのは、文字どおり海兵隊航空部隊という普通の海兵隊の航空部隊でございます。その中に……(岡田(春)委員「実戦部隊ですよ」と呼ぶ)このマリン・エア・ベース・スクォドロンは、航空部隊としてはおっしゃるとおり実戦部隊でございます。その一部に、NBCの攻撃に対する防御に関して訓練を受けた専門の将校あるいは下士官がいる。そしてその部隊の他の将校、下士官、兵に対して、必要に応じて防御訓練を行う、こういう仕組みだと承知しております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 MAG15、ここにまた書いてありますよ。三十一ページにNBCオフィサーと書いていますよ。あるでしょう。前と同じのがあるでしょう。違うのですか。だってあなた、こう書いてあるものを――私がうそを言っているのじゃない、見てくださいよ。書いてあるのだもの。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 先ほどから申し上げておりますように、NBCオフィサーというものがいることは、私たちもそのとおりだと申し上げているわけでございます。ただ、その任務が、NBC攻撃に対する防御訓練を担当するオフィサーであるということを言っておるわけでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 いや、それはさっきからまだ未解決でしょう。あなたは、トレーニングと書いてなくても、とにかく訓練するのだと言う。トレーニングと書いてあるのはトレーニングは間違いないのだ、こう言う。どうやって区別するのですか。あなたは知っているかもしれないが、電話帳を見た人はだれもわかりませんよ。どうやってトレーニングを、書いてあるのと書いてないのを区別するのですか。さっきの御答弁では納得できませんよ。委員長、どうですか。これは私は納得できませんね。どうですか。トレーニングとはっきり書いてあるのとないのと二つあって……。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 岡田君のと外務省の電話帳とが違うのじゃないですか。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 いや、私は全部の電話帳もあります。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 電話帳の係はいないのか。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 納得できません。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 私の説明が不十分かもしれませんが、要するに、司令部でNBC防御訓練の訓練計画を作成する部門があるというわけであります。そこで全部隊の訓練計画を作成、調整する部門がある。さらにそれぞれの実戦部隊にNBCオフィサーないしNBCチーフが配置されまして、それがそれぞれの部隊でその訓練を実際に担当する。合計三十四名、各部隊に割り振ればわずかなものでございまして、それ自体が部隊をなしているとか、そういうことは、われわれとしても常識的にも考えられないわけでございます。私としては、それがどうしておわかりいただけないのかわからない次第でございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 いや、冗談じゃありませんよ。あなたの言っている前段の点は、そういう説明をそのとおり受け取りましょう。その証拠に、そこにはトレーニングと書いてある。いいですか。ところが、さっきから何度も電話帳で言っているが、三十三ページの海兵基地連隊一五、これの中には、明らかにトレーニングと書いてあるのと書いてないのとある。それじゃ、あなた、明らかにトレーニングをする部隊とそうでないものとがあるということじゃありませんか。あなたのおっしゃるとおり私は受けとめているのですよ。トレーニングをするものは、そういう司令部の中にそういうものがあるでしょう。司令部があって、それの中に実戦部隊、基地部隊があるのです。それから、実戦部隊としてのマリン・エアクラフト・グループ一五、こういう実戦部隊がある。これの中には区別して、トレーニングの部隊とトレーニングでない部隊と二つ書いてある。それならば明らかじゃありませんか。トレーニングをやる部隊と実戦部隊と、二つに分かれているということになるじゃありませんか。そうしたら、あなた、それはおわかりにならないのがわかりませんとおっしゃるけれども、私の方ではおわかりになりません。筋が通りません。どうしてですか。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 実際の場合を想定してみますと、その司令部で年間の訓練計画を作成するわけでございます。そして、それぞれのところで……(岡田(春)委員「知っていますよ、あそこにそれは連隊の司令部としてあるんだもの、第一海兵航空団としてあるんだもの、それは訓練計画をつくるのです」と呼び、その他発言する者あり)

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 私語は許しません。一人一人しゃべってください。岡田君、ちょっと待ってくれ。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 航空団全体としての訓練計画を司令部が作成する、こういうわけでございます。その作成訓練計画に基づきまして、各部隊が訓練を実施するわけでございます。その訓練を実施する場合には、部隊長は必ずしも特別の知識を持っていないかと思いますので、その各部隊にNBCの訓練を受けた将校が配属されておって、その将校が、司令部が作成した年間訓練計画に基づいて、実際の訓練を担当するということでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 そうすると、もう一度伺いますが、私もこれに余り時間をとりたくないので、あなた、そうするとこれは、訓練も、実戦の訓練とあたりまえの訓練と二つに分けるのですか。私のさっきの三十三ページから見ると、トレーニング・オフィサー・チーフ、これは確かに訓練しますよ。だけれども、NBCチーフ、はっきりしているじゃないですか。だから、あなたの答弁がこういう答弁なら、一応筋が通るのですよ、山崎さん。訓練ということを言わないで、防御用の部隊あるいは防御用の将校です、こういうことを言っているなら筋が通るのですよ。あなたは、この将校が全部訓練をやっているのだという答弁だから、だからこれは説明ができないのですよ。アメリカ局長としては、十分いろいろ局内で相談されたのだろうと思うが、私はこれでは納得できませんね。もうはっきり出ているのですから、トレーニングと区別をしているのですから、いかにあなたがそうおっしゃっても、わからないはずはないとおっしゃっても、わかりません。これは説明できません。この点はもう一度お調べになりますか、どうですか。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 アメリカの部隊としては、各地に転属されるわけでございますから、あらゆる事態に備えて訓練をしなければならぬというわけでございます。訓練はすべて――訓練の中には、もちろん攻撃の訓練もございましょうし、防御の訓練もあると思います。ただし、このNBCの問題に関しまして、われわれが岩国にあるものについて問い合わせしたところでは、そういうNBCの攻撃に備えて、そして訓練をするものである、こういうことでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 私は納得しません。さっきも、はっきり英語で書いてあるのですから、どうにもしようがないです。あなたの御答弁では、私は納得いたしません。  それに関連して伺っておきますが、二月の十日、岩国基地のターナーという部隊の報道官が利の質問に対して答えている。「一八一〇の建物は、半恒久的な建物で、内部が改造され、特殊訓練が行われている、しかし、その内容は言えない。」こう言う。特殊というのは核兵器訓練でしょう。一八一〇という建物は、核兵器訓練の建物であるということはお認めになりますね。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 前回の質疑の際に、建物の一八一〇及び一八一一についてよく調べるようにという御指示がございまして、この点もアメリカ側に問い合わせたわけでございますが、この両方とも、海兵隊の航空団の第一武器隊、これが英語でMWWU-1――マリン・ウイング・ウエポン・ユニット・ナンバーワンということでございますが、この武器隊が使用しておるわけでございます。そしてこの二つの建物は、この武器部隊の執務室及び岩国基地の所属の海兵隊に対して弾薬取り扱い訓練を実施する場所として利用されておる、それから、このいずれの建物も兵器貯蔵庫として使用されてはいない、こういうことでございました。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 私の方で調べたのは、はっき申し上げているのです、さっきから。二月十月軍基地内のターナー報道官の正式発表によると、「一八一〇の建物は、半恒久的な建物で、内部が改造され、特殊訓練が行われている、しかし、その内容は言えない。」はっきりなっております。あなたのお調べになったのと違いますね。あなたのは、何かそういうものはないのだというお話でしょう。これはもう一度お調べください。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 私が申し上げましたのは、そこは兵器の貯蔵庫としては使用されていないということでございまして、弾薬取り扱い訓練は実施しておるわけでございます。(岡田(春)委員「実施しているんだね」と呼ぶ)弾薬取り扱い訓練は実施しております。ただしかし、そこにおいて核兵器があるとか核兵器を取り扱っておるということは、われわれは承知しておりませんし、この点は毎回申し上げますように、事前協議なくしてそういう核兵器がそこに置かれているということは、われわれはないと信ずる次第でございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 あなたそうおっしゃるけれども、特殊訓練という、スペシャルトレーニングと言えば、これは核ですよ。あなた、いつもそれについて答弁されているじゃありませんか。しかも内容は言えないとまで言っているんですよ。核はありません、そういうものの訓練ではありませんなどという理由にはならぬですよ、あなたの答弁では。もう一度調べてください。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 特殊兵器が直ちに核であるということは、われわれは聞いたことはございません。特殊兵器はいろいろございますし、また相当高度の兵器については、軍事機密が当然ついて回るわけでございますから、それについて向こうが言えないということはあり得ると思いますが、それが即核兵器であるというふうには、われわれは承知しておりません。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 あなた、そういう牽強付会なことを言う、スペシャルウエポンと言ったらNBCに決まっているじゃありませんか。核ではないなどと言う。それでは生物兵器ですか。そういうことを言ってはいけせんよ、お互いに素人同士でやっているんじゃないんだから。冗談じゃないですよ、あなた、何を言っているのですか。そんな、素人に答弁するようなごまかしを言って、私が納得すると思っていますか。冗談じゃないですよ。あなたはこの間、ミッドウェーのときに、スペシャルセクションというのがあるというのを認めているじゃないか。あれは核兵器の基地じゃないか、セクションじゃないか。そんないいかげんなことを言ってはいけませんよ、あなた。  もう時間もありませんから、私あれしますが、ミッドウェーの方もお調べいただきましたね。ミッドウェーの点については、この前、宮澤さんが調べる必要ありませんとおっしゃって、予算委員長から、そのような態度は困る、そんな態度については不謹慎であると戒告の注意があったはずだ。これを調べていきますね。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 御指摘のありました諸点につきましては、アメリカ側に照会いたしましたが、アメリカ側から、ミッドウェーのオペレーショナルな事項、つまり艦内の訓練とか艦内のそういう諸作業の事項については明らかにすることはできない。ただ、ミッドウェーは、いずれにせよ、安保条約及び地位協定の枠内において運用されておるというふうな回答がありました。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 見てごらんなさい、あなたの方は返事がもらえなかったんだ。ところが、私は現実に乗組員の複数の人から聞いているのです。どっちが正しいか。国民が聞いたら、現実に聞いているものの方が正しいと思いますよ。あなたは返事がもらえなかったから、わからないと言うだけでしょう。SASというのが第四甲板にあることを御存じですね。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○山崎(敏)政府委員 私の方としましては、そういうSASについても問い合わせたわけでございますが、その点に対する回答は、先ほど申し上げたとおりでございますので、それ以上の知識は持ち合わせておりません。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 これでは私は質問ができません。冗談じゃありません。SASというのはスペシャル・アミュニション・ストレージ、それの略語ですよ。あなたは、スペシャルと言ったら、これは必ずしも核とは限らないとおっしゃった。おっしゃったけれども、残念ながらスペシャルと書いてありますよ、核。弾薬、アミュニションでしょう。ストレージ、貯蔵庫じゃないか。はっきり書いてあるじゃありませんか。これだけでもお調べになれないのですか。これで一体どうなんですか。こういう答弁では私は了解できませんよ。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 議事進行の発言をお許しいただきたいと思うのであります。  実は先ほどから岡田委員と政府側の答弁を承っておりますと、岡田委員は、岩国におけるトレーニングオフィサー、訓練用の将校であります、それとNBCオフィサー、完全に区別がせられているという。これはわが党の緻密な調査で、ちゃんとした資料があるのであります。片一方は訓練の係をしている将校であって、その訓練を経た者が、NBC実戦部隊に任されて、実戦の方の指揮をとっている将校がいわゆるNBCオフィサーである、そういうふうにわれわれは理解をし、調査をし、自信を持って質問をしているのでありますが、それに対し政府側は、単なるアメリカ側の言葉のまた聞きだというような、そういう隠れみのをつくって、一つも実のある答弁をしようとはしないのであります。一片の誠実もないと、私は解釈しなくちゃいけない。しかもこの貴重なる時間を、そのために、まさに三十五分から四十分も同じことをやりとりをして、空転をしているのであります。こういうことでは、一日繰り返したところで問題は一致点に至りませんし、岡田委員はもちろん、その周辺におります社会党のわれわれとしても、とうてい了解するわけにはまいりません。その意味において、この問題は未解決のままであります。未了解のままであります。そのままでこれは留保する以外には、問題の処理はできないと思いますので、委員長でひとつお預かりをいただきまして、理事会でこれを慎重審議して、またの機会でこれを処置するというふうにお取り計らい願いたいと思う次第であります。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○宮澤国務大臣 委員長が理事会においてお扱いを御決定なさることに、私ども無論何を申し上げるわけではございませんけれども、一言政府の説明を申し上げたいと思います。  それは、先ほどのトレーニングとそれからNBCオフィサーの関係は、政府委員が何度も御説明申し上げまして、私はかなりはっきりいたしておると思います。確かに、おっしゃいます電話帳には両方の種類がございます。トレーニングと書いてありますものは、本部において演習の計画を立てるのである、そうしてそれを実施する者がNRCオフィサーでありNBCチーフである、これを何度も申し上げております。確かに両方ございます。電話帳にも両方ございます。その職務はそのように分かれておるということを、何度も実は申し上げておりますので、その点について何が問題になっておるのかわからないぐらい、実は何度も申し上げておると思います。  それから、ミッドウェーのことにつきましては、二月十九日に、私ども米側から回答をもらっておりますことは、先ほど政府委員が岡田委員に申し上げました。  それからそのスペシャルということについて、それが核兵器であるということを何度か言っていらっしゃいますけれども、これにつきましても、米側から、いわゆる特殊兵器というのは、自分たち保安上の理由で特別な取り扱いをすべき兵器であって、それが核兵器であるということではないということをはっきり聞いております。  以上でございます。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 ちょっとお待ちください。  そこで、さっきから電話帳の話ばかり聞いていて、郵便局か電話局へ行ったような気がして、まことにどうも聞いていても困るのですが、どうでしょうね、外務省でひとつなるべく速やかに調査をしていただきたい。そして、本委員会に間に合うか間に合わないか、間に合わなければ、また別の委員会で御答弁を願う、こういうことでないと、理事会で預かりましても、これはなかなか処理が困難だと思います。したがいまして、岡田君、どうでしょうね。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 委員長の発言はごもっともと思います。理事会で預かりましても、そのままふところに入れているわけにはまいりません。ただ、先ほどの宮澤外務大臣のお話は、何回もここで説明した、説明したと言って、それは言葉の上の説明だけであって、それは同じことを何十回繰り返されようと、それを実証する証拠が一つあるわけでもなければ、その答弁を裏づけするような証拠があるわけじゃない。アメリカから聞いたという話を、同じことを何十回繰り返して、それをもって、何十回も説明したのになぜこちらが理解しないのか、それが悪いような物の言い方は、それはまさにけんかを吹っかけてくるような物の言い方で、なおさらわれわれは了承できないのであります。でありますが、せっかく委員長のお話が出ましたから、きょうのところは保留していただいて、やはりこの問題は理事会で処置をしながら、また後日の委員会で、ひとつこれをさらに政府側ももっと進歩した回答、裏づけする実証がある回答をしていただく、こちらもまた密なる質問を用意して、さらに闘いを続けるということに、ひとつおおさめをいただきたいと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 それに関連して。  いいですか、宮澤さん。私の言っているのは、岩国の中に、本部の部隊もあるし、実戦の部隊もあるし、幾つかあるのですよ。あなたがわかっているはずだとおっしゃるのは、本部には確かに訓練、トレーニングと書いてあるんだ、これはおっしゃるとおりなんです。ところが、一五海兵基地連隊、だから、本部の指令を受けて実戦する部隊ですよ、簡単に言うと。それの部隊の中には、明らかにトレーニングとそうでないものと、二つあるではないかと言っている。そうなれば、全然これは別ではないか。だからさっきの説明と違うじゃないかと言っている。その意味はおわかりいただいたと思う。その関係にあるのですよ、この基地の部隊編成を見ると。(宮澤国務大臣「それが違うのだ」と呼ぶ)いや、あなたが、違うかどうかは、それはまたお調べください。これは部隊編成の問題、電話帳全体で部隊編成ができているのですから。そういうことなんですよ。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○宮澤国務大臣 先ほど委員長が御指示になりましたように、政府といたしましても努力をいたします。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 その点はお調べをいただきます。  それから、ミッドウェーのSASの問題は、もう余りにも有名であります。これは調べてもわかりませんなどという無責任な態度をとってもらいたくない。ここに週刊誌もございますが、この週刊誌にも、SASというのははっきり書いてある。ほかの新聞にも全部出ている。そこまでなっているのに、あなたの方は調べてわかりませんでは済まないですよ。こういう点はぜひひとつお調べください。しかもSASという意味の略語をいま申し上げたのですから。宮澤さんは、スペシャルというのは必ずしも核を言うのではないというアメリカの答弁であります、こう言うのだけれども、スペシャルはもはや核かNBCですよ。NBC以外にありますか、スペシャルで。あるのなら、そういう点も同時にお調べください。私、いまここで即答を求めようとは思っておりません。NBC以外にスペシャルがあるなら、これをお示しいただきたい。  こういう点を含めまして、ちょうど時間が終わりましたから、私は終了いたしますが、総理大臣、こういう問題なんですよ。ですから、アメリカから聞いたから、ただ信用できるとおっしゃってもだめです。これはやっぱりここで真相は真相としてつかんでおくことが必要だと思いますよ。実際問題にしたら、こういうこともあるかもしれない、あなた方の説から言えば、そういう貯蔵庫はミッドウエーの中にあります、しかし、その核の貯蔵庫はあっても、日本に持ち込むということには必ずしもなりません、こういう言い方もあるかもしれない。それならば、SASというものはあるんです、しかし日本には持ち込んでおりませんということにはなると思う。そういう理屈も成り立つのだが、いまのは理屈以前ですよ。まさに理屈以前です。SASというものもわかりませんじゃ、これはもう理屈になりません。しかも先ほどから申し上げているように、素人に対して話しするようなことを言われたら困りますよ、本当に。そういう点は今後十分御注意をいただいて、最後に、総理大臣のそういう問題に対しての所見を伺って、私は終わります。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 先ほど外務大臣も申しておるように、できるだけ調査をいたします。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 先ほどの委員長の御提案というか、これにとやかく申し上げるわけじゃございませんが、他の委員会等という言葉もあったように思うのです。だがしかし、仮に予算案を参議院に送付した後にいたしましても、予算委員会は存在するわけです。したがって、適当な時期に予算委員会を開いて処理をするということを中心に、理事会において相談をするというように、私は重ねて委員長にお願いというか、提案をいたしたいと存じます。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 わかりました。ただいま田中武夫君の議事進行についての御発言でございますが、そういうことも含めて理事会で協議をいたしますが、いずれにいたしましても、外務省でもう少し誠意をもって調査を願うことにしたいと思いますが、外務大臣、いかがですか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○宮澤国務大臣 承知いたしました。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 終わります。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 次に、小林進君。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 まず最初に、この予算委員会で一般質問が行われているその過程で、わが党の嶋崎委員が、山崎文部政務次官の福岡における発言が不穏当であるということを問題にいたしました。日教組は羊の皮をかぶったオオカミであるとか、文部大臣を拘束して私は日教組と会見をさせないように処置をしてきたなどという、いろいろ不謹慎きわまる発言をしたのであります。これに対する文部大臣の御答弁では、当委員会は理解をすることができない、了解をすることができないということで、一般質問の終わった二月二十一日、積み残しの問題処理の際に、改めて総理と文相の御出席を得て、再度この問題を追及したのでありますが、その際、総理はもっぱら、山崎政務次官の精神要素であります、すなわち三木内閣の対話と協調の精神に欠くるところがないとか、争ういうような答弁に終始をされましたし、文部大臣は、私はいやしくも人間の集団を動物にたとえるようなことはしないという、そういうような御答弁に終始をいたしまして、管理者といいましょうか、統率者といいましょうか、あるいは上級者としての、この山崎政務次官の発言をどう具体的に処置するかという御答弁はなかったのであります。  したがいまして、この問題もしばしば予算の理事会の中で検討をされました結果、本日改めてこの問題につき、総理大臣と文相との御答弁をいただいて、そのお言葉によって、改めて問題の処理を図るということに決定いたしました。ついては御答弁をいただきたいと存じます。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 小林委員が御指摘になりますように、人間の集団、とりわけ先生方の集団をオオカミというふうに申しますことは、妥当でないと私は考えております。そこで山崎政務次官に対しまして、誤解を招くような発言が行われた、そこで、そういう発言については慎んでもらわなければならない、また、今後かような発言を繰り返すことがないようにと、注意をいたしました次第でございます。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 山崎君は非常に教育に熱心な議員であります。教育の正常化というものに対して非常に心を砕いておる議員でありますが、この発言は、私も適当でないと思いましたので、本人を呼びました。呼んで、今後注意をするようにと言っておきました。本人も、さようにいたしますということでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 問題を次に移しまして、実はこの予算委員会でも当初から問題になっておりますことに、国会法第二条と財政法第二十七条の問題がございます。これは実はわが社会党といたしましては、総括質問に入る前にむしろこの問題を明確に処置したいという一応の態度を決定しておったのでありますが、予算委員会の理事会等で、与党の委員諸君の要望もあり、総括質問に入る積み残りのところまでの間に問題の処理をするから、こういう了解のもとで、今日まで来た次第であります。  改めて、ひとつ明確な政府側の御答弁をちょうだいいたしたいと思うのでありますが、その国会法第二条と申し上げますのは、これは「常会は、毎年十二月中に召集するのを常例とする。」これを受けまして、財政法の第二十七条に「内閣は、毎会計年度の予算を、前年度の十二月中に、国会に提出するのを常例とする。」こういうふうに規定をせられておるのであります。もちろん財政法でありますから、法律であります。法律の上で、「予算を、前年度」でありますから、ことしは昭和五十年、四十九年度の「十二月中に、国会に提出するのを常例とする。」と明記せられているわけであります。この国会法に基づく財政法第二十七条を、この法律を、戦後どんなぐあいに一体実施されてきたのか、まず戦後の実施の状況から御答弁をいただきたいと思うのであります。

竹内道雄大蔵省主計局長

○竹内(道)政府委員 まことに遺憾なことでございますが、財政法ができまして以来、 つまり戦後、国会に予算を十二月に提出したということはございません。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 これは法律に明記されていることを、いともあっさりと、やったことがないと言われておる。それじゃ法律違反を明確におやりになった。これはまあしかし、後でまた質問を詰めてみましよう。  戦前はどうでございましょう。戦前はこういう予算を提出されるような時期はどうであったか、承っておきたいと思うのであります。

竹内道雄大蔵省主計局長

○竹内(道)政府委員 戦前と申し上げますと、大正五年に、十二月に提出いたしたことはございますが、大正六年以後、十二月中に提出したことはないというような状況でございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 大正五年に一回、前年度の十二月に提出された。以後その経験はなしとおっしゃる。そういたしますと、大蔵省は、戦前、大正五年以外はずっと十二月に出したことはないんだから、戦後もその必要はなかろうというような御解釈のもとで、この財政法を全く無視しておやりになっていたのかどうか。戦前と戦後に、変わりない一貫した態度をお続けになってきたその理由が一体どこにあるのか、承ってみたいと思うのであります。

竹内道雄大蔵省主計局長

○竹内(道)政府委員 先ほど先生からお話がございましたとおり、十二月中に提出するのを常例とするということになっておるわけでございますから、十二月中に、原則として提出しなければいけないものと考えております。ただ、現実の問題といたしまして、予算の編成は内外の経済情勢と密接不可分の関係にございますので、翌年度の経済、金融の動向というものをできるだけ的確に把握するということが必要でございますので、どうしても十二月ぎりぎりに予算が編成され、一月になってから提出されるというような状況になっているのが現状でございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 私の聞いているのは、戦前も大正五年以外は十二月中に出したことがない、だから戦前のその例を引き継いで、戦後も、いわゆる財政法に「常例とする。」とあるけれども、やはり戦前どおり、それは一月中に出しても大して問題ではないじゃないか、こういうふうに解釈をされてきたのではないかということをお尋ねしているのであります。また、非公式には、そういう話もしばしば聞きましたので、それを改めてここで念を押しているわけです。いかがですか。

竹内道雄大蔵省主計局長

○竹内(道)政府委員 むしろ、先生御承知のように、戦前の規定では、十二月中に「提出スヘシ」というようなことになっておったのでございますが、それでも実際問題戦前でもなかなか十二月に提出することは困難であったということでございます。もちろん財政法に「常例とする。」と書いてあるわけでございまするから、私どもとしては、できるだけ早く予算を提出するように努めておるわけでございまするが、現実といたしまして、先ほど申し上げましたような状況でございますので、十二月中に提出できないというのが現実でございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 総理、これ、私が言わずとも語ったのです。戦前の財政法は、これは前年の十二月中に「提出スヘシ」と、強い要望があった。にもかかわらず、戦前も、出したことがないんだ、いわゆる前年に。戦後はいわゆる「常例とする。」、すべしじゃなくて、水増しされていますから、だから戦前並みにいっても支障なかろうという。  私はなぜこのことをくどく言うかというと、いまのこの立法府の中で、やはり先ほどの田中質問も加えて、この新憲法下と旧憲法下という非常に大きな日本の国政や体制の変わった中にも、行政ベースの中では旧憲法並みの、非常に立法府を軽視する幾つもの例が残されているから、私はその心情を聞きたかったのです。これは、予算提出のこの時期の問題の例は私もずっとあります。これは昭和元年から、大正十五年からずっとありますが、なるほど戦前に、「提出スヘシ」というその旧財政法のときにも出した例はありません。しかし、昭和二十一年の十一月三日に新憲法が公布になった。これから旧憲法は停止になった。新しい憲法の時代に入ったんですね。そうなりますと、国会のこの内容も、地位も、国会議員の仕事も全部これは変わっちゃうんだ。変わっているにもかかわらず、依然として旧憲法並みに、ずっと、これを十二月中に出すといういわゆる規定が一つも行われていない。私は、総理、これが、憲法の立場から、非常にいまのこの行政のやり方が気に入らないんだ。  これはひとつ聞いていただきたいのでありまするけれども、大日本帝国憲法、すなわち旧憲法には、第五条に、「天皇ハ帝國議會ノ協賛ヲ以テ立法権ヲ行フ」。旧憲法は、立法権は天皇にあったんですよ。天皇が立法権を行ったんで、国会議員は一協賛機関なんだ。御賛成を申し上げる、お手伝いを申し上げるという機関であった。あるいは、旧憲法第三十七条です。「凡テ法律ハ帝國議會ノ協賛ヲ經ルヲ要ス」といって、議会はいつも協替の機関だった、天皇の政治にお手伝いを申し上げるというのが国会議員でしたから。しかしこれが、いまも言うように、昭和二十一年十一月一一日、新憲法がしかれてから、第四十一条において「國会は、國権の最高機関であって、國の唯一の立法機関である。」と決められた。いままでの協賛機関から、国の最高機関として唯一の立法機関であるということは、これはもう議会の使命というものはまさに格段に変わったんですよ。     〔委員長退席、湊委員長代理着席〕  天皇の立法権から、主権在民に来て、その国風の負託を受けた国会議員のわれわれが、最高の権力を持って立法の行事をやるというのでありますから、これを機会にして、この最高府の立法府に対するいわゆる行政のあり方というものは、おのずから変わってこなければいけないのです。そうじゃありませんか。それがいわゆる旧憲法の時代から一つも変わっていないということ、私は、これがどうも気に入らないのであります。もう三十八年も国会の中で、戦前、戦中、戦後を見られた総理なんかは、その違いは身にしみて体験せられていると思うのであります。それが変わっていない。この財政法二十七条にちなんで、行政の態度というものを根本的に変えてもらわなければならない。これが私の第一の理由であるわけでございます。  ちょっと、これは委員長の許しを得まして、私は、新憲法がしかれて、体制、政体が変わったにもかかわらず、まだ旧憲法の残滓を、日本の衆議院も参議院も残しているんじゃないかということを常日ごろ感じている。  この財政法の問題も一つですが、いま一つの例など、ちょっとぼくは総理に申し上げたいのでありますけれども、たとえて言えば、この国会の正門です。天皇が国の統治権をお持ちになり、行政権を総攬され、いわゆる立法権をお持ちになったときには、天皇は国の主権者として、国会のあの大きな玄関からお入りになったでしょう。しかし、いまはこれは変わったんだ。この国の主権者は国民になった。われわれは国民のその負託を受けて、いまここで最高の立法権というものを処理している。まず、あの玄関は変わらなければいけませんよ。  しかるに、主権者たる国民は、この国会の中へどうして入るかというと、依然として旧憲法の時代の穴蔵から入っているじゃないですか。傍聴人入口、参観人入口という穴蔵から入っている。そうして、みんな厳しい身体検査を受けて、まるで強盗、強姦、押し売りででもあるかのような検査を受けながら、裏口から入っておるのです。あれがこの国の主権者に対する待遇の仕方だろうか。憲法は、主権在民、あなたは主権者ですという形ができているけれども、しかし、主権者たる国民に対する待遇は旧憲法の時代と同じじゃないか。そうお思いになりませんか。  で、私はそういうことも非常に心配でしたから、自分が議運をやりましたときにも、議運の理事として、各国の立法府の状況などを見てきた。さすがに、憲法の発祥地ですよ。英国の議会は一体どうですか。いまの女王陛下がお入りになるその門が、参観人の入る門であります。     〔湊委員長代理退席、委員長着席〕 女王陛下が国会の中へお入りになる、それが参観人の入る入口です。ただ、開院式があるとか、あるいは国会に行事があって、女王陛下がおいでいただくときだけは参観人の通行は禁ずる。そうして、女王陛下がお通りになるときだけ、新しい毛布、敷布でございますか、敷布だか毛布だか、きれいなものをずっと敷いてお入りをいただいて、その行事が済んでお帰りになりますと、その敷物をとって、そうして依然として参観人を入れておる。私は、さすがに憲法の国だ、政党政治の国だと感じたのでありますけれども、そういうこともひとつこの際考えていただいて、いま申し上げました財政法、これなんかも、本当に新憲法のもとに、立法権をわれわれ国会議員が国民の負託を受けて崇高にやるというならば、その審議に支障ないように、ちゃんと憲法、法律に基づいて正しくやはり国会に出していただかなければならない。戦前と同じく、戦後一回もこれが実施されていないがごときは、私は大変な重大問題だと思います。この問題に対する総理のお考えを、私は承っておきたいと思うのであります。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 通例とするというので、戦前よりもやはり少し緩やかな財政法にはなっておりますが、まあ常例というのですから、なるべく出すようにせなければいかぬという意味があるわけですから、これは努力をしてみます。そうして、もしそれがどうしても事情に合わぬというときには、あの方法を考えなければならぬけれども、まず努力をしてみることにいたします。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 なお申し上げますが、常例というからには、これを常のこととするということでなければならない。一回も行われない常例なんというものは、これはやはり、財政当局は法律違反じゃないという詭弁を弄しておりますけれども、常例と銘打つなら、三十有余年を経ても一回もやらないで、常例だから違反行為でないなどという、こういう詭弁を弄することを許してはいけません。  なお、加えて申しますけれども、新憲法の第八十六条です。「内閣は、毎會計年度の豫算を作成し、國會に提出して、その審議を受け議決を純なければならない。」とちゃんと明記してあります。これを旧憲法と比較してみますと、旧憲法第六十四条は「國家ノ歳出歳入は毎年豫算ヲ以テ帝國議會ノ協賛ヲ經ヘシ」です。これは旧憲法は、予算を出して国会の協賛を経ればよろしい、国会議員の協賛を経ればよろしい。今度の新憲法は、二つの条件を付している。要素を付している。審議を受ける、そして議決を経なければならない。ならば、この新憲法に基づいて、国会議員の審議権というものに阻害を与えないように、最も慎重かつ有効にこれを提出するというのは、新憲法八十六条の規定から見てもあたりまえじゃありませんか。  私はこの意味において、まず第一問は、この財政、いわゆる予算書というもの、予算を、いままでは十二月中に一回も出さないで、一月中に出しているということは、憲法の精神に反し、財政法そのものにも直接違反をしている行為であるということを、ひとつ総理から認めていただいて、その上で善処をしていただくよう確約をしていただかなければならぬと思うのであります。  けれども、問題はこれだけじゃありません。法律違反と同じに、一方には実務の問題があります。われわれはこの審議権を行使するにおいては、法律論争や憲法論争は別にしても、やはり研究し調査をする一定の期間を設けなければならぬ、そうでなければ、この予算委員会に出て、あるいは予算の国会に出て問題を処理していくわけにいかぬことは、頭脳明晰な総理はおわかりになると思います。しかるに、実際面として、一体予算の提出はいつか。この新憲法がしかれてからずっと見てみますと、再開国会が一月の二十九日とかあるいは一月の二十三日とか、あるいはこの五十年度では今年の一月二十四日とか、そういう再開国会が行われた同日かあるいは再開国会が行われたその後にこの予算が提出せられ、予算書類が配付せられ、資料が配付せられているというのが実情です。これは昭和三十七年以来ずっとありますが、時間がありませんから申し上げませんけれども、再開国会の前に、一週間とか十日前に予算書が、予算が提出された経験は戦後一つもありません。どうして一体われわれはこの憲法に定める審議権をまともに行使することができますか。今年度で言えば二十一兆円、財政投融資九兆何千億円、三十兆有余にかかるこの大きな財政をすみからすみまで調査をして、国民の期待に反せぬように勉学これ努めてこの委員会に臨むために、一体何日の期間が必要だとお考えになりますか。総理大臣、これは常識の問題です。何日をあなたは要するとお考えになりますか。常識の問題でお尋ねしたい。われわれはあらゆる組合の会議やその他の総会等を持ちますが、そういう総会や組合や例会に配付せられる議案書でも、一週間ないし十日前には必ず送付されているか、届けられているのです。総会のときまでこれをちゃんと読んで、審議をして、そして賛否の御意見を承りたい、これがいま日本じゅうにおけるあらゆるすべての会合、すべての集会の慣例です。そういう民主主義下における慣習の中に、最高の立法機関であるこの日本の国会の中において提出せられる書類が、まさにこの予算委員会が開かれるまで一日、二日の期間もないなどという、こんなふまじめなやり方が一体許されていいんでありますか。許されていいと、総理大臣はお考えになるかどうか。常識でいいです。いまの十二月中に提出すべしという法律論争は別にいたしましても、実際論として、まじめな予算の審議をいただくためには、この予算というものを一体何日前くらいに議員諸君が入手をし、調査し、研究するのが――常識だとおっしゃるその常識の期日を、私は総理からお伺いしたいと思うのであります。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 小林議員のように明敏な人と少し明敏でない人とは、やはりのみ込む差がありましょうけれども、しかしいまのような二、三日前というのはよくない。私は、国会の審議というものに対して、もう少しの準備期間が要ると思います。したがって、これは今後できるだけ、そういう財政法の規定もあるから、努力をしなければならぬ。主権者の代表の国会審議に対しては、政府もできるだけの便宜を与えるという義務があると考えます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 私は、この問題に対しては、予算の理事会で何回と審議をいたしました。それに対して、行政当局のまじめな答弁をひとつもらおうじゃないかということで、それも要求いたしました。その結果出た行政当局のこの答弁は一体何ですか。これを読み上げますよ。「予算の国会提出時期について」「予算の編成は、内外の経済情勢と密接不可分の関係にあるので、翌年度の経済の動向をできうる限り適確に把握したうえ、これに即応した予算を編成することが要請されるところである。」さっきのあなたの答弁と同じ。「要請されるところである。政府としては、これらの事情を勘案のうえ、常会召集の時期をも考慮しつつ、国会の御審議に支障をきたすことのないようできるだけ予算の早期提出に努めてきたところであり、今後ともこの点については一層努力してまいりたい。」きたところである、どんな努力をしてきたのか。  私は読み上げましょう。第六十五国会においては、昭和四十六年一月二十二日に国会が開かれて、国務大臣の演説が一月の二十二日に行われている。その行われた一月二十二日に初めて、予算書というものが国会に提出されている。これが審議に支障ないように努めてきた結果ですか。なお六十八国会においては四十七年一月二十九日であります。これも一月の二十九日に国務大臣、総理大臣の演説が行われておる。その前日の一月二十八日に予算書が提出されている。これで、予算の審議に支障ないように提出したということになりますか。第七十一国会、四十八年の一月二十七日であります。二十七日に国会が開会された。国務大臣の演説が四十八年の一月二十七日に行われた。その前日です。一月の二十六日に、あの膨大な予算というものが国会の箱の中にほうり込まれている。七十二国会、四十九年の一月二十一日であります。一月二十一日に総理大臣の施政方針演説がありました。その一月の二十一日に、予算が国会のボックスの中にほうり込まれている。七十五国会、ことしであります。五十年の一月二十四日開かれて、あなたは演説をおやりになりました。その一日二十四日のうちに予算書類が提出されているのでございます。  そういうふうな明らかなることをやっておきながら、行政当局の書面をもっての答弁が、「国会の御審議に支障をきたすことのないようできるだけ予算の早期提出に努めてきたところであり、」というのは、盗人たけだけしいと言うけれども、立法府のわれわれをいかにも軽視した、軽べつし侮辱し切った言葉じゃありませんかむ総理、こういうことで、われわれ腹の虫をおさめることができるとお考えになりますか。これが行政の姿勢なんです。まさにりっぱな憲法ができた。新憲法下において、行政の姿勢そのものは、いわゆる大日本帝国の旧憲法の時代と同じなんです。天皇の政治の協賛時代、彼ら行政官も天皇の行政に協賛をする、立法府も天皇の立法権に協賛する。行政官も立法府の国会議員も同じだ。あのころは宮中の席次は一緒でしたからね。本省の課長と議員というものは、宮中の席次は同じでしたから……。そういう観念がまだ歴然として残っているのです。こういう形である限りは、われわれは本当に真剣に、この予算の審議という重大任務を果たすわけにいかないのでありますから、これに対して一体どういうふうに回答されるのか。もし回答が用意されているならば、ひとつ責任ある回答をしていただくし、なければ、この問題は、委員長、時間が参りましたが、私は席を去ることができません。ひとつ責任ある御答弁をお聞かせ願いたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 小林議員の言うことは、私はごもっともだと思うのです。いわゆる予算委員会の審議の前に、やはり相当準備をする必要があると思います。そういうので、何日前ということを切ることは適当でありませんが、やはりできるだけ予算の審議が始まる前には、準備のできるような時期に、国会に、議員の方々のお手元に届くようにすることが、いわゆる予算の審議を密度の高いものにするゆえんだと思いますので、今後努力をいたすことにいたします。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 小林委員が仰せになること、ごもっともでございます。したがいまして、予算案自体を従来以上に早く国会に出すことが、ただいまの状況、大変困難であるといたしましても、他方、政府案決定後できるだけ早い時期に、予算の概要について国会方面の御理解をあらかじめ得ておくことは重要であると考えます。そこで、さしあたり予算の概要についておわかりが願えるよう、未定稿の資料を新たに作成いたしまして、年内編成の場合は政府の御用始め後一週間程度、年越し編成の場合は政府案決定後一週間程度の間には、配付し得るように取り計らいたいと考えております。  なお、資料の構成、内容等については今後十分検討して、御期待に沿うようにいたしたいと考えます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 総理並びに大蔵大臣から、やや具体的な御答弁がありましたので、私はその実施の状況を深く、静かにひとつ見せていただくことにいたしまして、なお私はこの問題に関連して、実は剰余金の問題についても質問したかった。四十八年度であります。四十八年度の剰余金を四十九年度の臨時国会において先食いをされたという問題でありまするが、私も、一体この予算の決算がどう成立するかという問題についても多くの疑問を持ち、論議を持っておりますが、残念ながら時間が参りましたので、これはひとつ次の機会に譲ることにいたしまして、私の質問を終わることにいたします。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 これにて小林君の質疑は終了いたしました。  次に、山田太郎君。

山田太郎公明党

○山田(太)委員 先日の輸出保険特別会計についての近江質問並びに私の関連質問に関しまして、これは重大な問題を内包しております。そこで、短時間ではありますが、わずかな時間の配分をいただいておりますので、簡潔に要を得た答弁をまずお願いを申し上げておきたいと思います。  そこで、先日の私の関連質問の際にお願いしておりますことがございます。その中で大きな問題点の一つといたしまして、国の歳入歳出決算の確定時期についての御回答をまずいただいておきたいと思います。そして次の質問に続けてまいりたいと思います。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 国の歳入歳出決算の確定時期につきまして、これは一応次のように解しております。  (一)歳入歳出決算の内容である計数は、予算決算及び会計令第百三十九条に基づき歳入歳出の主計簿が締め切られる翌年七月三十一日をもって確定するものである。  (二)歳入歳出決算は、各省各庁の長から送付された報告書等に基づき大蔵大臣によって作成されたものを、財政法第三十九条の規定に基づき、会計検査院へ送付するため、内閣が当該送付についての決定を行った日に確定するものである。さよう解しております。

山田太郎公明党

○山田(太)委員 ただいまの大蔵大臣の、国の歳入歳出決算の確定時期、これはいままで、どちらかというと、あやふやな状態であったわけでございますが、この大蔵大臣の確定時期の明確な答弁を踏まえて、次の質問を続けていきたいと思います。  そこで、これは御存じのとおり、昭和五十年特別会計予算、表紙を読んでみます。「(昭和五十年度特別会計予算参照書添附)第七十五回国会(常会)提出」、こうなっております。これは御承知のとおり、憲法並びに財政法等に基づいて、内閣から国会に提出されたものでございます。ところが、この中で、輸出保険特別会計損益計算書の昭和四十八年度決算額保険料の数字は、実は決算額ではなく、十六億円の推計額が入った推計金額であるということが、先日の近江質問によって明らかになりました。そのときには、総理は御出席がありませんでした。集中審議の過程でございましたので。これは輸出保険特別会計法に適合したものではないということでございます。そのこと自体が。すなわち、わかりやすい言葉で言いますならば、どんぶり勘定――言葉の言い過ぎは少々含まれているかもしれませんが、どんぶり勘定です。そのどんぶり勘定でやったことに等しいと言っておきましょう。このことについて、もう一度確認のために、通産大臣並びに大蔵大臣の御答弁をいただきたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 御指摘のとおりでございまして、まことに遺憾に存じております。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 正確を期すべき決算書類の中に、一部推計数字が入っておりましたことは、大変遺憾なことでございます。

山田太郎公明党

○山田(太)委員 そこで、先ほども申し上げましたように、総理大臣は御出席がなかったものですから、その経過を少々お話し申し上げておきたいと思います。  もちろん、御承知のことでございますが、総理大臣は閣議決定の責任者であろうと思います。ただいま大蔵大臣並びに通達大臣のお答えをお聞きのとおり、この中に、法令に適合しない、いわば違法とも言うべき計数があるということが明らかになったわけであります。これは御承知のように、昭和四十八年度歳入歳出決算とともに通産大臣のもとで作成され、大蔵大臣の手元に送られました。そこで精査されて、大蔵大臣から内閣に送られたものでございます。内閣は、これでよろしいということで、憲法機関たる会計検査院に送られたわけでございます。ところが、会計検査院から注意を受けて、これではだめだ、直しなさいということで、一度閣議で決定したものを訂正して、国会に対して、これで間違いがございませんということで、憲法にいう国の歳入歳出決算の提出とともに、法律に基づいて提出してきたものでございます。まずこのような経過を、御承知のことと思いますけれども、一応私は申し上げておきます。  平たく申しますならば、ここにコップがございます。この中に水を入れます。氷も入ります。ところが、この中に異物が入っておったならば、言うならば髪の毛一本でも異物が入っておりましたら、普通の人なら、それを飲むわけにはいかないわけです。信用して水を飲むというわけにもいきません。ここでございます。やはりその点は総理だって同じだろうと思います。いまここに法令に基づいて提出された、総理の責任で出された、この中に、法に適合しない、違法とも言うべきものがあるというわけです。それも活字のミスではないのです。あるいは勘違いでもないのです。これは大事なところです。ただ単なる誤謬訂正というふうなものではございません。すなわち法に適合しないものを含んだものが混入されているということになるわけです。異物が入っておるわけです。このことは、日本の国会史上初めてのことでございます。また、私の聞いた範囲内では、世界でもまず例がないとさえ言われております。私ども、先ほどの小林委員からのお話もございましたように、やはり国民の負託を得て、そうして当予算委員会で予算を審議さしていただいているわけでございます。その立場から申しましても、このこと自体は――簡単に申し上げましたが、法理論を言おうというわけじゃありません。これは非常に重大な事態でござざいます。このことについて一体どうするつもりか、この際、明確な答弁を、通産大臣並びに大蔵大臣、そして最後に総理大臣からお伺いしておきたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 輸出保険特別会計の経理に関し、御審議で明らかになりましたように、本来確実な数字によるべき財務諸表について、一部推計によるというはなはだ異常な事態を生じたことにつきましては、全く通産省における事務処理の不手際と申すほかなく、財務諸表の作成の責任者として、まことに遺憾に存じております。  通産省といたしましては、未処理部分の整理に全力を傾けることが、まずもって何よりも肝要であると考え、三月末を目途に、日夜作業を進めておるところでございます。  確実な数字が出た段階で、当該財務諸表を訂正の上、大蔵大臣に送付することといたしたいと考えております。  その上、今回の事態にかんがみ、再び同様の事態を起こすことのないよう、できる限りの措置を講じたいと考えております。  このため、輸出保険の保険料徴収業務につきまして、保険契約締結後一カ月以内――月ごとにまとめて処理する保険にあっては締結の月の翌月末――に納入告知を行わなければならないことを事務処理規程に明記いたしまするとともに、省内に委員会を設けまして、輸出保険業務の一層の合理化及び改善につきまして、検討することといたしております。  いずれにいたしましても、このような事態を生じましたことは、きわめて遺憾なことでございますが、今後は、国会の御審議の経過も踏まえつつ、以上申し上げましたような措置を誠心誠意行う所存でございます。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 ただいま通商産業大臣から御発言がありましたとおり、通商産業省の事務処理の不手際により、かかる異常な事態を生じたことは、予算及び決算を預かる大蔵大臣といたしましても、まことに遺憾に存じます。今後は、国会の御審議の経過を踏まえつつ、再びかかる事態の生ずることのないよう、通商産業大臣とも十分協議の上、善処してまいりたいと存じます。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○三木内閣総理大臣 ただいま山田委員の御発言と両大臣の答弁を私も聞きまして、まことに遺憾なことだ、重大な手落ちがあったということの認識を新たにいたしました。国会の御審議なども体し、今後同じことを絶対に繰り返さないよう、十分配慮を加えてまいる所存でございます。

山田太郎公明党

○山田(太)委員 総理大臣を初め大蔵大臣並びに通産大臣の御答弁をいただきました。陳謝を――真心込めた陳謝という言葉を使ってもいいかとも存じます。それほどこれは重大な問題である。言うならば、この決算書を、この予算書をもう一度と言っても差し支えない事柄でございます。その点を踏まえての御答弁だと思います。ただ、私に与えられた時間もありませんので、そこで、一声だけ最後に申し上げておきたい。  ということは、この問題はきょうここで決着がついてしまったんだということではないということでございます。事柄の内容から言っても当然でございます。したがって、きょうここで法律論を闘わそうなどという気持ちもありませず、また、この問題でまだ時間をというわけにも、きょうはいきません。したがって、やはり他日、他の委員会で、この問題はまだまだ論議をきわめていくべき重大な性質のものと思いますので、その点を、警告と同時に、最後にお話し申し上げて、きょうの質問は終わりたいと思います。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 ただいまの山田君の発言につきましては、予算理事会におきましても、たびたび各党の理事より発言のあった問題であります。この際、委員長より改めて、今後このような事態のないよう、政府に厳重に注意をいたします。  これにて山田君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして、理事会で協議いたしました質疑は全部終了いたしました。  次回は、来る三日午前十時より開会いたします。  本日は、これにて散会いたします。     午後七時七分散会

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