予算委員会 第10号
- 発言数
- 131 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1975/02/12
会議録
○荒舩委員長 これより会議を開きます。 昭和五十年度一般会計予算、昭和五十年度特別会計予算及び昭和五十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 この際、小林進君から発言を求められておりますので、これを許します。小林進君。
○小林(進)委員 この際、予算委員会理事会一致の申し合わせについて発言をいたします。 去る六日及び七日の予算委員会における岡田君、安宅君及び矢野君その他の質疑に対する外務大臣の答弁は、明確を欠くのみならず、立法府の尊厳にも影響する誠意を欠くものとの各党の指摘があります。この際、委員長は、予算委員会理事会における右の申し合わせにより、外務大臣に対し、答弁は誠意を持ってかつ明確に答えるよう、厳重に警告されることを望みます。
○荒舩委員長 この際、理事会の協議に基づきまして、宮澤外務大臣に警告いたします。 去る六日及び七日の岡田君、安宅君及び矢野君その他の質疑に対する外務大臣の答弁は、明確を欠き、誠意がないとの御指摘であります。委員の質疑に対する答弁は、誠意を持って明確にお答えを願うよう、委員長から特に警告いたします。
○宮澤国務大臣 ただいま委員長から御警告をちょうだいいたしまして、まことに申しわけないことに存じます。御警告の趣旨を十分体しまして、今後さようなことがございませんよう十分に注意をいたします。 —————————————
○荒舩委員長 これより一般質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。阿部助哉君。
○阿部(助)委員 大蔵大臣にお伺いをいたします。 先日の総括質問において利子・配当税について私、質問いたしましたが、どうも明快な御答弁を得られなかったようでございますが、これは利子課税もまたやはり総合課税が原則でございます。私は、この原則にのっとって税法を整備すべきである、こう思うのでありますが、大臣から、もう一度明確な答弁をお願いいたします。
○大平国務大臣 総合課税は所得税の基本原則でございます。したがって、利子配当所得につきましても、御指摘のように、今後ともその方向を貫くために努力を続けねばならぬと存じます。 御指摘の点につきましては、速やかに必要な法令の整備を図ることといたしたいと存じます。
○阿部(助)委員 それでは次に、福田長官にお伺いをいたします。これは景気の動向というものについてお伺いをしたいと思うのであります。 御承知のように、いま西欧諸国は、いろいろな経過はあっても、昨年末から景気の浮揚策に転じておるように思われます。アメリカも昨年末から三回にわたって公定歩合の引き下げを実施いたしました。わが国の公定歩合は、もはや諸外国に比べても、どっちかと言えば高い方になってまいりました。わが国経済の影響を強く受ける太平洋圏の諸国からも、わが国の引き締め政策に対して非難の声が上がっております。たとえばオーストラリアでは輸入制限の動きもあるやに聞いております。この十四日から始まりますIMF総会、ここでは、わが国の経済政策が近隣窮乏化政策だという非難を受けるのではないか、こう新聞等でも報道されておるのであります。ところが、先ごろ経団連が「混迷する世界経済と今後のわが国産業構造」と題する報告書を発表しておりますが、既存の高度成長の支えとなってきた重化学工業の推進を国家の重点政策とすべきである、こう提言しておるのであります。これはもう大臣御承知のことだと思うのであります。 〔委員長退席、湊委員長代理着席〕 これは資源、環境、高物価など、今日国民を襲っておる最悪の原因である産業構造を一層強化しよう、こうするものだと思うのであります。これは三木内閣の基本政策に真っ向から挑戦するものである、いわば猛獣を野に放つたぐいであると思うのであります。福田さんはどういう対案をお持ちになり、これを実施されようとするのか。特に、福田さんは三木内閣の実質的な経済政策の責任者であります。このような状態をどのように見ておるのか、これが一つであります。 また、わが国の景気政策はどのような条件が満たされたら公然と転換をされるのか、その条件。この二点について、国民が理解できるように、明確な御答弁をお願いしたいと思います。
○福田(赳)国務大臣 まずわが国を取り巻く世界の経済環境、その中でわが日本の経済がどういうふうに動いておるか、またそれをどうするかという問題について申し上げますが、大局的に見まして、私は、わが日本の経済運営はまあ好ましい姿で大体動いておる、こういうふうに見ておるわけです。経済で一番大事な問題は何といっても国際収支と物価です。国際収支にしても、物価にいたしましても、昨年度、昭和四十八年度では、物価は消費者物価にすると二四%も上がる、また国際収支は一年度間で百三十億ドルの赤字を露呈するというような状態でありましたが、まず国際収支の方は、これはそれだけの大幅な赤字ですから一挙に改善はむずかしゅうございます。三年ぐらいはかかるのじゃないか、こういうふうに思いますが、その改善のコースを着実に歩んでおりまして、昨年度の百三十億ドルの赤字に対し、四十九年度、本年度は、大体五十億ドル程度の赤字で済みそうだ、また五十年度におきましてはさらに改善が見られる、かように考えておりますし、改善をしなければならぬと考えております。 それから物価の方は、もう需給インフレの段階を脱しまして、コストインフレ段階に入ってきておりますが、卸売物価はほとんど鎮静したという状態であり、消費者物価におきましても、暮れの十二月は〇・四%、それから正月の東京区部が〇・二%ということで、混乱以前の長い期間をとってみましても、この瞬間、この時点におきましては、最もいいというところまで来ておるのです。 そこで今後の日程といたしましては、国際収支は、五十年度はさらに改善をして四十億ドルくらいの赤字というところまでこぎつけよう、物価につきましては一けた台に持っていき、来年中の早い時期には消費者物価の上昇率を定期預金金利の水準以内におさめたいという戦略を追いながら、諸政策を進めていくわけですが、その間で一つ問題になりますのは、景気との調整問題です。 いま御指摘のように、諸外国でいろいろ景気と物価との論争もあり、またその論争の結果から、景気政策をとるという動きも出てきておりまして、ことにわが国と最も関係の深いアメリカにおきましては、年頭教書におきましてかなりの施策を打ち出し、また公定歩合につきましてもこれを引き下げるということでございます。そこで、私どもがそういう国際環境の中で、さて物価鎮静作戦の途上出てくる摩擦現象に対しましてどういう政策を行っていくか、それにつきましては、私は政策転換ということは考えない、つまり総需要抑制政策の基調を変えるということは考えない。つまり、やはり当面の経済政策の中心は、これは物価を安定させるというところに最重要度を置いていかなければならない、こういうふうに考えておりますが、その摩擦現象に対しましては、総需要抑制政策、基本姿勢は変えませんけれども、その時点時点に応じて、社会、経済上のいろいろの動きを見まして、ゆとりのある態度をとって臨みたい、こういうふうに考えておる次第でございます。政府部内でも、経済対策閣僚会議を開きまして、そして意見の統一を図っておりますが、政府部内においていささかの意見の食い違いはない。すなわち総需要抑制政策は堅持する、その枠内において適時適切な対策をとって摩擦の回避に努める、こういうことでございます。 それで、それじゃこれから一体、景気対策という側面からどういう対策をとるかというお話でございますが、これはやはり財政と金融、これが主軸になると思うのです。それで、いま政府部内においてもいろいろ検討をいたしておりますが、そのうちのとるべき施策の一部につきましては、今週中に経済対策閣僚会議を開きまして、具体的にその施策を決めてまいりたい、こういうふうに考えておるわけであります。 ただいま申しました物価鎮静の戦略、これ何としても実現をいたしたい、そのプログラムを実践いたしたい、こういうふうに考えまして、最善を尽くすつもりでございます。
○阿部(助)委員 いま、総需要の抑制の基調は変えないが、景気対策として具体的な策をこれからつくるのだ、こうおっしゃるけれども、その程度では国民はなかなかわからぬわけです。かつては、この前も申し上げたけれども、佐藤内閣では安定成長というスローガンを掲げて出発をしたけれども、これは超高度成長政策をやってのけた。まあ福田さんもそのときの責任の一端は負わなければならないというお立場にあるわけです。その福田さんが、いまのような程度の——もう少し具体的なものが出てこないと、財政、金融、そのメカニズムや何かを具体的にどう直すのだと言われないと、国民にはまだ理解ができない。前の経験があるだけに、私にはまだ納得ができないわけであります。 そこでもう少しお伺いしますと、社会的不公正の是正と安定成長の実現は、私は本当にこの機会を外したらもう機会はなくなってしまうのじゃないかという感じがするわけであります。そのためには、高度成長の担い手であった企業の体質をどのように変えるのかというのが明確でなければならぬと思うのであります。具体的にもう少し申し上げれば、西ドイツのカルテル庁の長官が申しておりますように、企業はインフレ期には物価上昇に寄与し、景気調整期には生産調整をして価格の維持に努める、そして失業者をふやすという、この大企業の体質、これを規制しないでは、やはり同じようにまた企業は高度成長するでしょう。私は本来企業に安定成長などという言葉はないのだと思うのであります。企業個々にとってみれば、みんなそれぞれは高度成長を走らざるを得ない宿命を持っておると私は思うのであります。そういう点で、これを直していくのは政治であり政策でなければならぬと思う。その政策が明らかでない。ただ言葉だけで総需要抑制であるとか、言葉だけで安定成長という宣伝、スローガンだけでは、私はこれはどうしようもないと思うのであります。その一つの大きな決め手は、私は独占禁止法の改定だと思うのであります、改善だと思うのであります。福田さんは、独禁法についてはいままで語る機会がなかったのか、黙して語らずという姿勢でおられたのかわかりませんけれども、私はこの一番大きなかなめは、一つは独禁法の問題であろうと思うが、その点について、私は福田さんの見解をお伺いしたい。これがまずこの質問の第一点。 第二点としては、先ほど申しましたように、あなた自身にも責任の一端がある、こう指摘したのでありますが、また、あなたが言われるように、高度成長型の財政金融政策を一体どのように改めていこうとするのか、基本的な理念と具体策を、特にそのかなめになるところを、福田さんはだれよりもよく御承知のはずであります。福田さんからその一番急所になるところをひとつお伺いしたいと思うのであります。
○福田(赳)国務大臣 まず独占禁止法の問題ですが、これはいま総理府を中心といたしまして、政府案を固める作業を急いでおります。それで、この過程で、独禁法改正懇談会、そういうものを設けまして、各界の意見も徴しておるという段階で、日ならずして成案ができるであろうという段階まで来たわけでございますが、そういう非常に機微な段階で、どの辺をどういうふうにするかということについて、私が意見を、私見といえども、申し述べることは妥当ではない、こういうふうに考えますので、その辺は御容赦願いたいと思うのですが、しかしお話のように、いま日本の国は非常な曲がり角に来ておる。高度成長から安定成長へと、こう言う。一体安定成長とは何だ、こう言いますれば、これは成長の速度の問題もあります。しかし同時に、その内容の問題があるわけですね。やはりいままでは何といっても産業中心、特に工業力の増勢が中心だ、そういう、国力の使用、配分、その重点が産業に置かれた。これからはどういう形になるかといいますれば、これだけパイが大きくなったというか、工業力、経済力がついたのですから、その工業力を使って、政治の最終の目的とするところ、それを追求する、つまり、国民生活を安定させるための、その環境であるとかあるいは社会的公正でありますとか、そういう方面への国力の配分というところに多くを志向しなければならぬだろう、こういうふうに思うのです。 そういうことを考えるときに、私は、財政、これは非常に資源の配分上大きな役割りをする。たくさん集まった税をどっちの方へどういうふうに配分するかという点、それからその集め方の税の問題というのが、これは大きな役割りをすると思うのです。それからもう一つは、税にも財政にも関係ありませんけれども、金融ですね。金融政策のあり方、これも大きくこれからのそういう方向を実現するための作用をするだろうし、第三に大きな問題は、いま御指摘の独占禁止法その他、国家権力による誘導力というものが大きな作用をしてくるだろう、こういうふうに考えるわけです。 そういう意味において、これから長期にわたってのわが国の安定した社会を実現するためにはどうするか、その中で経済の動きをどうするかという点につきまして、独占禁止法というものは、こういう転換期、そしてその後に展開されるであろうよりよい社会を展望するときに、重要な役を演ずるだろう、こういう認識のもとに、その適正な立法化にひとつ鋭意努力してまいりたいと、かように考えております。
○阿部(助)委員 私は、福田さんはもう少し具体的なものをお持ちになって臨んでおられるのだと思ったら、やはり非常に抽象的なお答えで、どうもこれだけでは、国民が、安定成長、こう言われてみてもわからないのじゃないですか。福田さんが前にもおやりになった、またこれからも——まあこの前、三木さん、あまり明確、明快ではないのでありますけれども、国際競争力の強化というものは、これはおろすことができない、常に頭の中に置いておかねばいかぬのだというようなお答えをなさっておるのでありますけれども、企業の集中と合理化、国債発行、大企業に対して過保護の財政金融政策をとる限り、私がさっき申し上げたように、競争に明け暮れる企業にとって、安定成長なんというものはない。 いま福田さんは配分の問題を云々されたけれども、今度の税制を見たって、私はこの前時間があればもっといろいろお伺いをしたかったのでありますけれども、このたびの五十年度税制を見る限り、低所得層には重い負担をかげながら、大企業に対しては依然として優遇策はとり続けられるわけです。その限りにおいては、一つもこの安定成長という路線を走っておるとは思えないのであります。外圧やらいろいろな問題で、石油問題等で多少は抑制策という形でやらざるを得ないからやっておるだけであって、しかしある程度これが一応のめどがつけば、また企業はそれぞれ高度成長を企業の競争で走らざるを得ない、それを一体どうするのか。いまあなたがおっしゃったように、一つは独占禁止法の問題もある、財政、金融、税制を一体どうするのか、その安定成長に合わせた税制政策をいまおとりになっておるか、こう言えば、私はそうではない、こう言わざるを得ない。だからこそ、皆さんが口を開けば安定成長とおっしゃるけれども、国民にはなぜ、どうやって、どういう政策で安定成長に進むのかという問題が一つもわからない。いま福田さんのお話を聞いても、これから独占禁止法の懇談会でこうするから、いま言うときじゃないとおっしゃる。税制は、私が指摘するまでもなく、いま言ったように依然としていままでのパターンを変えてはいない。そうすると、一体どうやってこれは安定成長になるのか私はわからない。しかも、もう内外の情勢は、景気浮揚策をある程度とらざるを得ない、あなたは、抑制策の基調は変えないが、景気対策としては具体的にこれからいろいろと手を打っていくのだ、こうおっしゃるけれども、その具体的な手というのは、やはり国際的な圧力もあるでしょう、またこのまま進めば、まさにいろいろな外国からの指摘がありますように、近隣窮乏策をとっておる、こういう非難もあるわけであります。国内においては、倒産問題、失業問題というものをこれから解決しなければならぬという、こういうときに、私は福田さんにもう少し明確な、明快な御答弁があるだろう、こう期待したのでありますけれども、その点がわからない。まあ福田さんの言われるように、政府がいままで進めておりますように、賃金を抑制する、消費を引き下げる、そうしておいて、いまこれから何がしかの景気対策としてとられるものが、もし投資に重点を置くとすれば、これは間違いなく、国民生活不在、奇形的な高度成長政策に走らざるを得ないだろうし、これは国際的な観点からしても非難を浴びるでしょう。私たちは、いまわが国の将来にかかわる、この重大なときに来ておると思うのであります。それだけに、もう一度私は福田さんに明確な御答弁を願いたいと思うのであります。
○福田(赳)国務大臣 経済演説でも申し上げましたが、世界情勢が非常に変わってきておる。この変わり方というものは、私は、人類始まって以来の変わり方と言ってもいいくらいに重要視しておるのです。いままで人間は、資源なんというものの重さを考えたことなくして暮らしてきた。それが、資源という問題を考えなければ生きていけない、いわゆる資源有限時代に入った。これは大変な変化だと思うのです。そういう変化の中で、世界各国ではいろいろの動きが始まってきておるわけです。資源保有国は資源保有国なりに、あるいはその貴重な資源を経済的目的ばかりじゃない、政治的、戦略的な目的にも使おうという動きさえ出てきておるのです。ですから、消費国の方では消費国の方で、それに対して身構えをする。その主軸は何といっても省資源、省エネルギーです。ですから、世界というものがいままでのような、たとえば六〇年代に体験したような、六%近い実質成長の世界ということはもうとうていあり得ない、世界的な低成長時代に入る。そういう中で、わが日本が一体どういうたたずまいをしなければならぬかという大きな問題に当面いたしておるわけです。 しかし、非常にむずかしいと私が思っておりますのは、とにかくこの十五年間、わが日本は高度成長世界である、そしてみんな繁栄を謳歌してきた日本人でありますから、そういう大きな世界情勢の変化が起こりましても、さあ、これはいつときの変化かというようなとらえ方をする向きがあるわけです。まあ、実業界の一部あたりには、夢よもう一度というような考え方、それはかなり根強い。そういうことを考えますときに、総需要抑制政策、この考え方を簡単に変えるわけにはいきません。もう、すきがあれば、機会があれば、ひとつまた夢を再び実現しようという考え方になりがちなんです。 そういう情勢の中で、経済運営を一体どうやっていくか。まあ、他方において、当面の混乱を克服するという問題もあるわけですが、やはり国民に、世の中が変わってきたんですよ、それに応じて日本の経済はこれからこういう姿になっていくんですよ、ということをはっきり知ってもらう必要があるだろうと思う。そういうことから、政府の方では、五十一年度を起点とする経済社会基本計画をつくろうとしておるわけなんですが、そういう基本計画は、先ほども申し上げましたが、成長の速度も非常に低くなります。しかし同時に、その成長の中身も、先ほど申し上げましたような、非常に修正をしなければならないということになってくるのですが、そういう、これからの国の歩みについて、国民のすみずみまで、世界がこう変わってきた、それに応じてわが国が生きていくためにはこうなるのだということを理解してもらうということが、大変大事なことじゃないか。そういう理解をなるべく早く進めたいと思うのです。 それと並行して、総需要抑制政策。総需要抑制政策というのは、物価の鎮静傾向が定着する、また国際収支も見通しが安心だ、こういうような事態になるまで、どうしたってとっていかなければならぬ。私は、一年半ぐらいはどうしても総需要抑制という、総需要を管理する政府の体制というものは変えることはむずかしいと思うのですが、その間に十分国民にも、来るべき世の中の姿、その姿の中で企業はどうあるべきか、個人個人の家庭の生活はどうあるべきか、そういうものを考え直していただく。そういうような体制ができて初めて、経済は新しい安定した成長時代に入っていくだろう、こういうふうに考え、そういう考え方を実現するために、今日の一つ一つの施策を進めておるという現況でございます。 そこで、外圧、外圧というお話でございますが、いま、わが日本が国際社会の中で非難されるような立場の政策をとっておるか。私は決してそうじゃないと思うのです。五十年度の見通しにおきましても四・三%成長という、この成長の高さはかなり高いものです。どこの国にだって負けるような状態じゃございません。高過ぎると言われるかもしらぬような状態です。それから、輸入を諸外国から制限しておるかというと、さにあらず、大変な輸入をしておるわけです。それから、海外に対しましても輸出をかなり出しておる。そして、日本が輸出入を通じてため込みをするかというと、ため込みじゃないのです。先ほども申し上げましたように、五十億ドルという巨大な赤字がことしは出る。また来年度も四十億ドルという赤字を出して、そして世界各国にサービスするというのです。これが世界から批判されるというようないわれは一つもないと私は思うのです。 ただ、世界各国は、日本の経済がうまくいっているなあなんという、やっかみ半分かどうか知りませんけれども、日本は少し拡大政策をとったらどうだ、あるいは金利を下げたらどうだなんというような説をなす者もありますけれども、そんなものにひっかかったら、これは大変です。私はやはり三年前のあの苦い経験を思い出さないわけにはいかないのですよ。あのときはどうだ、日本とドイツにうんと金がたまった、そこでその金減らし要求というものが各国から起こってきたのです。ドイツはそれに対して応じなかった。そして総需要抑制政策を逆にとって、今日の安定の基礎を固めた。わが国は、調整インフレという言葉は使わないけれども、海外のそういう要請めいた議論に、まあ迎合でもありませんけれども、調子を合わせた。そういう結果、石油ショックが来る、来たら狂乱だというような状態の基盤ができ上がってしまった。そういうことを考えますと、国際世論なんというものをそう簡単に受け入れるという態度はよろしくない。どこまでも主体性を持って、わが日本経済を運営すべきである、私はそういうように考えております。
○阿部(助)委員 まあ、大変な元気のいいお話でありますけれども、福田さん、国民に理解を求めなければいかぬということをいまおっしゃいましたね。だから、やはり国民に理解をしてもらうには、いままでの高度成長下における大企業の蓄積、これをそのままにして、これから安定成長、出発すると、こうおっしゃっても、前の蓄積と、高度成長の中で窮乏化してきた国民の立場とを一線に並べて、これから安定成長スタートだというのでは、やはりうまくいくはずがないのじゃないか、国民が理解をするはずがないのじゃないかということを、私はお伺いしておるのであります。国民に理解をしてもらおうとすれば、やはり具体策を持って、国民に、こういう政策でこうやるんだ、と。いまの全体の総需要抑制という程度では、これはいまいろいろと問題がある、また困っている。それじゃ理解できないでしょう。私はそれで、具体的に言えば、独占禁止法はこういうふうに直していくんです、税制はこういうふうに不公正の是正をするんです、予算の配分の問題はこういうふうに社会保障重点でやるんです、こういうようなものが出て初めて、国民に理解をしていただける、こう思うのでありますけれども、そういう点はない。ただ、まあ見てくださいというようなお話だけでは、私はどうも合点がいかぬのであります。 私は、安定成長を進めようとすれば、最も不可欠な課題は、農業政策の転換がなければならぬと思うのであります。いま福田さん、いろいろ安定成長へ行くとおっしゃるけれども、残念ながら農業の「の」の字も出てこない。まあ、福田さんはかつて、だれよりもだれよりも農民を愛するなんという名文句をおっしゃったことがありますけれども、私は、安定成長という中で最大の課題は、やはり日本農業をいかにするかというものが出てこなければならぬと思うのでありますが、残念ながら出てまいりません。 そこで、私は農林大臣にお伺いをいたしますけれども、農林大臣は、この三木内閣の中では特に重要なポストだ、このときまさに重要なポストにおつきになったのは安倍農林大臣だ、私はこう思うのであります。そこで、農業が、これまでの大企業の付属物としてではなくして、国民経済を支える柱として位置づけられなければならないときに来たのではないか、こう私は思うのであります。それは農業政策の根本的な転換なしには実現しないのであります。私は、今度こそ農民の農業の出番だという感じがするわけであります。安倍農林大臣は、攻めの農政、こうおっしゃっておるけれども、今日の農業政策を、国民経済の中でどのように位置づけようとするのか。いまや日本農業の再建は絶望的だ、こう見る人もいまあるのです。いま問題となっておるわが国の食糧自給の低下は、決してひとりでに自然にやってきたのではないのであります。歴代の自民党の政策の当然の結果として、いまのような状態が出てきた。国民生活は食糧危機に脅かされる、国の安全保障にも重大な影響を及ぼす段階に来ております。たとえば、アメリカの食糧戦略に、好むと好まざるとにかかわらず組み込まれなければならないところへ来ておる。また、四十九年の農産物の輸入額が百七十億ドル、こんな多額に達しておるのであります。四十九年の農産物の輸入が、世界の穀物の貿易量の一〇%を日本だけで輸入しておるというようなことで、いま世界の食糧不足の中で、これはまた非難を浴びておるのであります。食糧問題は、わが国の経済、政治、外交にとって、きわめて重要な問題として、一いま解決されなければならないところに来ておるのだが、農林大臣は、日本農業破壊の現状をどのように認識しておられるのか、そしてその原因をどのように除去しようとしておるのか、その見解と対策をお伺いしたいと思います。
○安倍国務大臣 農業につきましては、農業を取り巻く情勢をいかに認識するか、その認識のもとに立った基本的な政策を打ち出し、さらにそのもとに具体的な政策を裏づけていくということが必要であろうと思うわけでありますが、数年来の農業を取り巻く環境というものは非常に変化をしておることは事実でございまして、いまお話がございましたように、国際的な食糧不足、これが今後とも恒常的に続いていくと見なければならない、こういうふうに思うわけでございますし、同時にまた、高度経済成長の中にあって、農業の体質が脆弱化したといいますか、兼業が多くなり、あるいはまた農業の労働力が流出をしていく、あるいはまた過疎が進む、あるいは農地の地価の非常な高騰によって、規模の拡大等が行われなくなってしまっておる。こういうふうな農業の今日の体質の脆弱さ、そういう国際的な、国内的な情勢をやはり正しく認識をして、その上に立って農業の基本政策を打ち出していかなければならぬと思いますが、私も、いま御指摘がございましたように、今日、これからの農政は、まさに転換をしていく客観的な情勢というものが熟してきているのではないか、こういうふうに思うわけでございまして、そういうふうな観点に立って、今後の農政は、まず第一に、やはり今日の農業の自給力を高めていくということが最大の課題であるわけでございます。土地と水資源を確保するとともに、それを高度に利用していくことはもちろんでございますし、同時にまた、中核的農家に生産意欲を持たして、そして農業に挺身をしていただくというふうな体制づくりもしなければならぬし、また価格政策につきましても、これを見直し、改善すべき点は改善をしていくということが必要であろうと思うわけでございます。 こうした農業の自給力を高めていくとともに、やはり今日の段階におきましても、なかなか国内で自給ができにくい農産物があるわけでございます。特に畜産の原料等の農産物は、草資源を除いては、今後とも外国に依存せざるを得ない。こういうふうな農産物については、今後とも国際的な協力関係を強化しながら、安定的に輸入を図っていく、こういうことであろうと思うわけでございますが、全体的に、今日の農政は、食糧の危機という観点から、国民的な認識も農業に対して非常に高まってきておる現実でございますから、そういう現実を踏まえながら、正しい認識を持って、これからの農政に対して、先ほど申し上げましたような基本的な考え方のもとに、邁進をしていきたいと思うわけでございます。
○阿部(助)委員 いろいろとみんな述べられたのだろうと思うのでありますけれども、もう少し具体的に一つ一つお伺いをしてまいりたいと思うのであります。 私は、農業の問題、やはり土地と人間の問題だと思うのであります。農民が本当に農業に情熱を燃やすような農政を打ち立てない限り、日本農業は再建がむずかしいのじゃないか。その第一に、いまあなたもおっしゃったけれども、土地問題であります。皆さんのこの農林省の案を拝見いたしますと、農地を拡大して収穫量をふやすのだ、耕作面積を広げて収穫量をふやすのだ、こうおっしゃっておりますけれども、農用適地が、たとえば三十六年に比べて減っております。特に南関東、東海、近畿で。こういうところは本当は農業適地なんですね。私、新潟でありますけれども、新潟県だとか東北が農業の主産県だなんということをおっしゃるけれども、本当は私はおかしいと思う。大体、太陽さんの当たるいいところは、みんな資本家の方でもう占領してしまった。太陽さんの余り当たらないところを、しようがないから適地だなんと言うけれども、本当は太陽の当たる方が農業の適地であって、雪が降ったり雨が降って、太陽さんと余り縁のないところに工場が来ておればよかったのだけれども、残念ながら、日本はもう、太陽のよく照るところはみんな工場敷地に取られた。南関東、東海、近畿、こういうところの適地が二〇%も今日減少をしております。そして企業の投資が進めば進むほど、それに比例して農地が減っていく。さらに公害等でその周辺がまた破壊される。一体、このような環境の中で、どのようにしてこの悪循環を断ち切っていこうとするのか、これが第一点であります。第二点は、土地の価格の騰貴であります。いま、このように土地価格が高くなったのでは、土地を買って農業をやって採算がとれるなんということは、全くこれは不可能であります。この地価問題を抜きにして、耕作面積の拡大は、私は全く考えられない。これは一体どのように対処するのか。 第三点は、農林省も指摘しておるように、農地の荒廃はきわめて著しいのであります。一つは、化学肥料万能によって、自然の生態系が破壊されつつある。その上に、減反政策で土地がつぶされたのであります。御承知のように、もう二年も三年も草を生やして放置した土地というのは、これをまたもとの美田にするには、少なくとも四年か五年の歳月を要する。しかもそれには、並み大抵でない努力をし、資本、労力を投入しなければ、もとの美田にはならないのであります。これをやってしまった。いま農地の拡大とおっしゃるけれども、この荒廃した農地を、一体どのようにして地力をつけていくのか。この地力をつけないことには、農業の自給率を高めるなんて言ってみたって……。まあ、皆さんの資料を拝見しますと、野菜やいろんなものも入れてパーセンテージを引き上げておるけれども、穀物自体からいけば四二、三%。この穀物が何といったって中心ですよ。この穀物の自給率を引き上げていくというには、何といっても、まずこの地力の問題を考えなければいかぬけれども、減反政策なんということで荒廃に帰したところの土地を、一体どのようにして回復していくのか。これは農民にただ金を貸した程度では不可能であります。いまの農民に、それだけの負担をして、四年も五年も採算のとれない労力の投入の仕方をせいと言っても、いまの農民には力がないと私は思うのであります。これを一体農林省はどのようにして回復をしていくのか、これをお伺いしたいと思います。
○安倍国務大臣 農地につきましては、確かに農地が高騰いたしまして、これによりまして規模の拡大等ができないというふうな状態にあることも事実でございますし、また、法人等が過剰流動性の中で農地等を買い占めて、それによるところの農地の壊廃等が行われておることも、私は事実であろうと思うわけでございますが、こうした今日の農業を重視しなければならぬ時期に来ておるわけでございますので、まず第一に、やはり農地も含めて、土地については、全般的な国の土地政策のもとに、地価の安定を図っていくということであろうと思います。 農林省としては、そうした中にあって農地を確保していくためには、まず第一に、やはり農地法の厳正な適用によりまして、転用を規制していくということ、もちろんこれは今後とも厳しくやっていかなければならぬわけでございますし、あるいは農振法によりまして、地域の農振計画をつくりまして、その中において農用地等を指定いたしまして、農地以外にこれが使用されるということについては、農振法を運用することによってこれを防いでいくというふうなことも必要でございます。また、農地の売買等につきましては、農地の合理化法人等に対する低利な融資の貸付制度もございますので、これも活用して、優良農地の確保を図っていくというふうなことも必要であろうと思うわけでございます。同時に、現在農振法の改正を国会にお願いいたしておるわけでございますが、この改正によりまして、農地の利用増進制度をつくりまして、いわば利用権を設定いたしまして、農地規模の拡大等を図っていきたい、こういうふうに考えておるわけでございまして、今後ともやはり、農地の確保、特に優良農地の確保ということは、農林省としては最大の力を尽くしていかなければならない課題であろうと思うわけでございます。 また、先ほどからお話がありました、減反によりまして農地が壊廃しておるという点については、減反を続けてまいりまして、四十九年度に打ち切ったわけでございますが、二十七万ヘクタールぐらいの減反を行ったわけでございますが、そのうち大半はまた米作に復帰いたしておるわけでございますし、また他作物への転用等も行われておるわけでございます。しかし、まだまだ相当量不作付地として残っておる土地もあるわけでございまして、これは主として都会の周辺のいわば転用待ちの農地とか、あるいは山間でなかなか復帰ができないというふうな、山間の谷地田というふうなところもあるようでございますが、全体的に詳細に、減反によるところの休耕田の実態というものを完全につかんでおりませんので、これは五十年度予算にも計上しましたけれども、全体的にこれを総合調査して、これをしっかりつかんで、その上に立って、そうした荒廃した農地を、あるいは稲作転換事業等によりまして、これを他作物等へ転換していく措置を講ずるとか、あるいはその他普及活動等を強化いたしまして、不作付地等が復元できるようにやっていかなければならぬ、こういうふうに思うわけでございます。 また同時に、先ほど化学肥料、それから有機質の問題も御提起になったわけでございますが、いわゆる土づくり運動というのを現在展開しておるわけでありまして、最近化学肥料が非常に伸びてまいりまして、そのために地力の培養が非常におくれておるというか、生産性が低下しておることも事実でございますので、これについては予算も多少はつけておるわけでございますが、今後とも、やはり地力の培養というものが必要でございますので、この点については十分留意をして、これらに対するいろいろな諸施策を進めていきたい、こういうふうに思うわけでございます。
○阿部(助)委員 そこで、私はさっきもお伺いしたのは、たとえば荒廃した休耕田にどういう手当てをしてこれを直していくのか。あなたのおっしゃるように簡単じゃないのですよ、これは。私は大体農民の出だからよう知っておるけれども、これは、二年も草を生やして放置したたんぼをもとのたんぼにするには大体五年かかるのですよ。客土をするとか堆肥を入れるとか、これは大変なエネルギーがかかる。これはいまの農民の財力でやれと言ったって、無理なんですよ。だから、これを政府はどのような財政の裏づけをもってやるかということを聞いておる。また、皆さんのこういうあれを見ても、たしか総理も言ったと思いましたけれども、最近はあぜに豆を植えないからいかぬ、大豆が足らぬなんというようなことをおっしゃるけれども、あんなものをやって幾ら大豆がとれるのです。そんな子供だましみたいなことをいまおっしゃってみたって、これは自給率は大きくならぬのですよ。もう少し抜本的な財政の投入をやらなければ、いまの農業は、このままで、ここに書いてあるその程度の施策で、いまこれだけ荒れ果てた農業を再建するなどということは、私は不可能だと思う。 問題は、政府が本腰を入れて財政の投入をしなければならぬときに来たのだ。そうでなければ、この自給率は上がらない。したがって外国から食糧を買わにゃいかぬ。それが、先ほど申し上げたように、皆さんのここへ出ておるように、百七十億ドルも農産物だけで輸入をすれば、その百七十億ドルをまた輸出によってかせぎまくらねばいかぬ。まさに輸出競争力の強化という形に入らざるを得ない。そうすればまた、農民はいじめつけられていく。そういう悪循環をいまどこで断つのか、それがいま安倍農林大臣に背負わされた大変重要なポストだ、私がこう申し上げたのはそれなんです。そうでなければ、日本は、福田さんが何と言おうと、やはり輸出競争力を強化してドルをかせぎまくって、それで食糧を買わにゃいかぬ、油を買わにゃいかぬ、そのためには企業体質を強化せにゃいかぬ、そうしてそのためには国民生活は梅干しでがまんせい、勝つまでは欲しがりませんという戦争中と同じ行き方になるだろう、またならざるを得ないだろうということで、私は農業問題というものの占めるウエートが大きいんだ、こう申し上げたいのであります。その点では御同感のようでありますけれども、問題は具体的な策、私はことしの予算で、できればもっと補正でもやるならば大幅な予算をつけるべきだ、こう思うのでありますが、今回は何といったって予算編成の直前にできた内閣でありまして、安倍農林大臣といえども、そうは思うようにならなかったかもわからぬ。問題は、その基本姿勢を踏まえて、これからの農政に当たってもらいたい。 もう一つお伺いしますけれども、次は人間の問題であります。それは二つあります。 一つは、農業を守る農民を、一体どこにどうやって求めるのかということであります。もう農業を見捨てつつある農民の心を、どのようにして土につなぎとめることができるのか。 たとえば、四十八年三十八万人の学卒のうち、農業にとどまったのはわずかに五%であります。農業を中心に営む農民が、年とともに失われていっております。土と人間の問題が同時に根本的に解決されなければ取り返しのつかないところへ来ておる。農林大臣はこの問題をどのようにされるのか。 皆さんのこれを拝見しますと、何といいますか、農業の基幹労働力を六十歳まで見ておるのですね。それは見るのは御自由です。しかし、一般社会の会社では、六十歳といえば、大体定年でおやめいただきたい、大蔵省なんて、大体五十四、五歳になるとみんな上の方はやめていくんじゃないですか。これがいいか悪いかは別です。しかし、六十歳までの人を基幹労働者と見て、なおかつ日本の農業人口は激減をしておる。これはもう農民が、いまの農政のもとの農業では食っていけないんだ、農業はだめなんだというあきらめ、農業を見放してきた証拠ではないだろうか。これをつなぎとめるというのは、私はなまやさしい手段ではできないと思うのであります。この人の問題を、一体農林大臣は具体的にどうされるのか、私はこれをまずお伺いしたいと思うのであります。
○安倍国務大臣 まず、前段の荒廃した農地を復元させるということにつきましては、御趣旨は全く私も同感でございますし、休耕田につきましては、五十年度予算でその調査費をとっておりますので、これを全般的に調査して、これらの不作付地が復元できるようないろいろな施策を強化していきたいと思うわけでございます。そうして、いま御指摘がありましたように、やはり農業をやる場合に、人づくりといいますか、人の問題が一番大事であることも、これまた事実でございますし、農林省では、六十歳以下の生産に意欲を持っておる基幹の従事者を、中核的農家と言っておるわけでございますが、少なくとも意欲を持っておられるこうした方々に、生産に対する積極的な意欲を持っていただかなければならぬわけでございます。それには全般的に生産対策、さらに価格対策というものを充実していくことはもちろんのことであろうと思いますし、それと同時に、金融の面、税制の面におきましても、中核的農家の方々が働きやすいような条件をつくって上げるということであろうと思います。 そういう意味において、御承知のように、相続税等につきましても今回減免措置をお願いすることになっておるわけでありますし、制度金融等も、今度三千億の近代化資金を四千五百億に枠の拡大をして、こうした農家の資本装備を強化していくというふうな措置をとっておるわけでございます。その他技術対策であるとか、あるいは集団的な生産組織を育成していくとか、とにかくいまの農家の、特に中核的な農家の人々が、やはり何か孤立感を持っておられるというふうな面は確かにあるわけでございますので、そういう孤立感をなくして、集団的に生産に従事をしていくというふうな組織づくりというようなことも、予算措置の中に講じておるわけでございますが、こうした面等もいろいろと施策を講じまして、中核農家の方々に意欲を持っていただけるような態勢をつくっていくために、今後懸命な努力をいたしたいと思うわけでございます。
○阿部(助)委員 あなたの決意はわかりますけれども、私から言わせれば、私の経験から言えば、解決策は一つしかないのですね。それは現に農業に従事をしておる農民と都市との生活の格差を無条件に解消することだと思うのです。これなしに何をやってみたって、農民はあぜに豆を植えよなんと言ったって、そんな暇があれば日雇いにでも行った方がいいということになってしまう。だから、幾ら皆さんが、総理があぜに豆を植える運動を口で言ってみたって、それは実現しないのです。 たとえば五十人規模の常用労働者の賃金に対して、基幹男子農業専従者のいる農家の農業所得が四六・二%と言っておるんであります。四六・二%しかない。半分以下だという程度の所得で、農業につかまれと言ってみたって、それは無理なんです。これを一体どうするのかというのが一番大きな問題なんです。 そのためにはいろいろありましょう。第一に、国際分業論に基づく国内の農産物の価格を抑制するという政策は、まずこの際捨てるべきだ。 第二に、食管制度の維持のために減反にまで発展した、生産者米価と消費者米価のリンクなんというものはやるべきではない、これが第二であります。 第三に、従来大企業本位に高度成長に使われてきた財政金融措置を、先ほどのお話のように、思い切って農業につぎ込むことだと思うのであります。 一例を挙げれば、四十八年度食管会計への繰入額は八千百六十億円、この年の租税特別措置法による減収額は四千六百四十五億円であります。さらに、高度成長のあだ花だと私は思うのでありますけれども、企業の交際費の支出額が一兆六千四百五十九億にも達しておる。日本では決して農業につぎ込む金がないんじゃないのであります。つぎ込もうとするならば、これは可能であります。政府が腹を据えて、本当に不公正の是正だ、日本民族の将来というものを真剣に考えて財政金融政策を運用するならば、私は金の面で心配はないと思うのであります。問題は政府がどうやるか。農林大臣がその場合本当に腹を据えて、農業の再建——農業の再建というのは農民の生活だけの問題ではないのであります。いまもう全部日本列島そのものが公害や何かで、生態系が破壊されつつある。それをどうもとへ戻すかという重大な問題、私は民族の命運がかかっておる問題だ、こう思うだけに、これを強調するわけであります。どうかそういう点で、私はもう一度農林大臣の見解をお伺いしたいのであります。
○安倍国務大臣 いま阿部先生が御指摘になりましたように、これから農業の再建をしていくといいますか、農業の振興を図っていく場合におきまして、いろいろの問題点があることは、これはもう事実であろうと思うわけでございます。まあ私といたしましても、いま農政審議会で長期見通しとその政策につきまして御審議をお願いいたしておりまして、この答申が春には出るわけでございます。農林省としても、今後長期的な視点に立って、食糧の総合政策というものを、何としても近く打ち立てていかなければならぬわけでございますので、その長期政策、総合政策を打ち出す段階におきまして、先生の御意見等も十分踏まえて、今後の生産対策あるいは価格政策全般等につきまして配慮をしていきたい、こういうふうに思うわけでございます。
○阿部(助)委員 私は大変失礼だけれども、何とか審議会とか何とか調査会というのは、オール不信任なんですね。もうどれもこれもみんな不信任なんです。農政審議会の立てた前の方針、四十四年の減反政策、それも私の部屋にありますけれども、あの当時の見解なんというのは全く狂っておる。狂っておるから、農民はいま、残念ながら農政を信用してない。日本の農政はネコの目のように変わると言う。 私の方の農民は、農林省がたんぼをやめろと言ったらやる、やれと言ったらやめた方がもうかるのだ。農林省の言うことと反対のことをした方がもうかるということは、もう常識になってしまったんですよ。これはもう本当に残念ながら、政府の農政については、いま農民は不信感だけがあると言っても、私は過言でないと思うのです。私は現実はそのとおりだと思うのですよ。だから、まあ農政審議会にかけるのも結構ですけれども、その前に、やはり農林大臣の哲学、農林大臣の大方針というものが確立されないで、あなたまかせに審議会にかけたら、その答申が出たら、なんというお答えは、全くこれは信用できないのでして、私は大臣の本当に腹を据えた対策を御検討願いたいということを希望して、次に移ります。 次、大蔵大臣でありますけれども、為替の差損、私はこの税制上の処置についてお伺いをしたいのであります。この問題は長期にわたって検討されたはずの問題であって、明確に答えていただきたいのであります。 最近、また円高相場になるといううわさも流れております。このような事態が訪れると、二年前に私がこの委員会で指摘いたしましたように、たとえば三井物産は四十六年九月期に、当期の純利益百九億円に対して、百三億円の差損を計上いたしました。法人税の引当額は、純利益の一%以下のわずかに一億円であります。国民にとっては、これは何としても税の公平とは認めがたいのであります。 こういう問題、これを一体どうするかというのは、当時田中総理は、これを国会に諮って処理します、こう言った。これはいま私詳しく、くどく申し上げませんけれども、三つの経理方法を企業まかせにやったのです。そういう事態が起きておったわけであります。 もう少し申し上げれば、第一点は、商法でいう債権評価の原則に照らしても問題があります。第二点は、国際的基準にない経理方法を恣意的に勝手気ままにやって、それを公正妥当と解釈する方法。第三に、租税法律主義の原則に反した問題であるという指摘を、当時したわけであります。 これに対して田中総理は、この問題点を認めて、立法化を約束されたわけであります。その後一体どうなっておるのか。これからまた、円高相場なんといううわさの出るところであります。それだけに、おおむね二年もかかっておるのでございますから、もうこの辺で処理のめどがつくころだと思うのでありますが、いかがですか。
○大平国務大臣 為替換算差損益の取り扱いは、企業会計上もまた税務上も、なかなかむずかしい問題でございまして、一昨年来、当委員会におきましてもいろいろの御意見がございましたことは、よく承知いたしております。この為替換算差損益が課税所得の計算に及ぼす重要性を考えますれば、御指摘のように、税務上の換算の方法を法令化することが適当と思われますので、その方向で、現在鋭意検討を進めておるところでございます。 具体的に申しますと、会計実務の基準となっております企業会計審議会の意見を尊重しながら、課税の公平の見地から、課税所得の計算上は継続性を要求する趣旨を明らかにしたいという考えのもとに、検討を進めておるところでございます。
○阿部(助)委員 私は、できれば、もうこの国会ぐらいにそれを報告をしてもらいたいと思うのであります。 なぜかと言えば、いろいろとこの為替の差損差益の問題、国民にはなかなか実感が伴わないからわかりにくいのであります。しかし、これは大変な大企業優遇の税制になっておるという点は争えないと思うのであります。 そこで、具体的な問題をもう一つお伺いいたします。 この差損問題に関連して、企業は利益を計上し、配当はいままでどおりに行いながら、税金だけは安くするという特別措置がございます。すなわち租税特別措置法の六十八条関係についてお伺いをいたします。 この措置で、たとえば四十七年三月期に、日本の代表的な企業である三菱重工は、その期の純利益として二百二十九億円を計上いたしたのでありますけれども、法人税はゼロであります。一文も法人税は納めていないのであります。すなわちこれは、租税特別措置法六十八条の一項で、企業がスミソニアン協定以前から持っていた期限一年以上の外貨建債権を、計算で紙の上で操作をする、そして差損を考慮しないで決算を行う。それらから、役員の多額の賞与であるとか配当というのはちゃんと出しておるわけですね。配当も出す、また重役の賞与等もちゃんと出していながら、それを、今度はこの法律で税金の操作ができる。それによって、三菱重工は二百二十九億円という大きな純利益を上げておきながら、法人税はびた一文納めていない。大体こんな税制をやっておって、これが公平な税制だなんということに、これは国民が納得するはずはないです。私はこういうことは国民にもっと知らせるべきだと思う。私は、この差損差益による企業のこういう実態を、国民、国会にまず報告してもらいたいというのが第一点。 もう一つは、六十八条の二項では、四十七年度以降について差損を出した場合——賞与や配当はできるんですよ。それで、内部留保には関係なく税金の減免ができる、こういう措置、しかもこれは来年の三月末に期限が来る。この問題はもう来年の三月で廃止をすべきだ、私はこう思うのでありますが、大臣いかがですか。
○中橋政府委員 ただいま御指摘の第一の点でございますが、確かに、昭和四十六年のあのニクソン・ショックからスミソニアン体制に至ります間におきまして、特に外貨建ての長期債権を持っております造船会社等の債権の換算の問題につきまして、租税特別措置法によって特例措置を講じていただきました。 そのときの考え方は、それまでずっとわが国の基準外国為替相場が三百六十円でございまして、一ドルはもちろんそれによって換算をいたしまして、ずっと課税を行ってきたわけでございます。ところが、それがスミソニアン体制によりまして、基準外国為替相場が三百八円になったわけでございます。したがいまして、従来ずっと三百六十円で課税しておりましたものが、その後は三百八円で課税をするかどうか、いつからそれをやるかという問題が起こったわけでございます。当然、長期の外貨建債権でありましても、いずれの日にかは、それを回収しましたときには、三百八円としてしか手に入らないわけでございます。現実に、その回収の時期に初めて差損を生じせしめるということもできるわけでございますけれども、基準外国為替相場が三百八円になった暁におきましては、それを早い時期に課税上取り扱ってもいいのではないかというような観点から、いまおっしゃいましたように、申告調整でもって、いわば決算日レートといいますか、当時の三百八円で換算をすることを認めまして、そこで、おっしゃいましたような事態が生じた会社がございます。もちろん、それはその後におきまして、現実に三百八円という相場で回収をしましたときには、企業会計上もその損が出現するわけでございまするから、そのときには取り戻すわけでございます。 それからまた一方、そういう個別的に回収をしますに先立ちまして、一々の計算を簡易にやりますために、先ほどお話しのように、十年間でもってその差損を取り戻すというような観点で、一度に早期に差損を生ぜしめた部分を、自後の十年間で調整をするという措置を講じたわけでございます。したがいまして、それは逐次、先ほどお示しのような会社につきましても、その後において、税金上は益金として回収をしておることになっております。 それから第二の点でございまするけれども、五十一年の三月末で期限の参りますのは、実はそのときに設けましたもう一つ別の為替差損益の計算の特例でございまして、その問題につきましては、いずれ来年の税制改正のときに、そういった準備金制度を存続させるかどうかということを検討しなければならないと思います。 それから、先ほど大臣がお話ししましたように、為替差損の問題につきましては、近い機会に、法令上規定をいたしたいと思っております。
○阿部(助)委員 このように、企業は内部留保も大変お持ちになっておるわけです。また、いまいろいろな景気問題をおっしゃるけれども、実際言うて、大企業の持っておる土地であろうとまた株式であろうと、ほとんどまだ放出されていないのが現状じゃないか、こう私は思うのです。そういう中で、損をするかもわからぬ、最後に、十年かかって、まあ長い将来決算をしてみたら損になるかもわからぬなんというのを、いまの十年間も損金に認めて落としていけば、これは大企業過保護ですよ。大体いまの税法自体、税制自体、これは三木内閣が何ぼ不公正の是正だなんて言ってみたって、五十年度の税制を見る限り、私は不公正の是正の方向に歩いておるとは一つも思えないのであります。私は、このような問題、差損の問題も早急に国会に出していただきたい。また、いまのような問題、だれが見ても、天下の三菱重工ともあろうものが、しかも二百二十九億も利益を上げて、法人税をびた一文も納めていないなんというのは、これは国民が何としても承知のできないところなんですよ。内部留保もあるのですよ。それを挙げれば、私はこれを見たってわかる。そういうものをうんと持っておるところに、さらに過保護の政策をしてやらなければいかぬといういまのあり方に、国民は疑問を持たざるを得ないのであります。 不公正是正、こういうことになりますならば、これを主張される政府として、まず率先して、こういう問題から先に是正していっていただきたい、またすべきだということを要求して、私は質問を終わります。
○湊委員長代理 これにて阿部君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○湊委員長代理 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 海外経済協力基金総裁の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○湊委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 —————————————
○湊委員長代理 次に、安宅常彦君。
○安宅委員 いま不公正是正ということが大変問題になっておりますが、これは毎年問題になっていることですけれども、林野庁におけるいわゆる作業員と言われている人々、国家の事業の中でさえも、不公正、とんでもない不公正がある。ましてや、国民全部の不公正を是正しますなどという三木内閣の公約というのは、言うなれば、本当の傷ついたときに張るこうやくみたいなもので、話にならないんじゃないか。こういうことを一つ一つ挙げて、これは必ず是正をしてもらうということを、毎年問題になっておるんですから、もうすでに決着をつけたい、こういう気持ちで、きょうは質問いたします。 まず第一番目に、今日、木材生産というものが大変な落ち込みをしているわけですね。四十八年度では四千二百万立米の落ち込みがある。そのために、外材の輸入というのは同年度で七百五十万立米がふえている。これは食糧を阿部さんいま問題にいたしましたが、山だって全部そうなんです。したがって、日本の木材の需要の中で外材が占める率というのは、四十八年度で六〇%を超えてしまっている。六四・一%になってしまっている。だから、うちを建てるにしても、いろいろな物を——日曜大工をする皆さんにしても、日本の材木というのは、何のことはない、三五%ぐらいしか使っていない。こういう哀れな状態にいま日本はあるわけです。日本は山国と言われるほど山林の面積は広いわけですね。こういう状態をそのままにしておいていいのだろうかということについて、私はまず農林大臣からお伺いいたします。
○安倍国務大臣 いま御指摘がございましたように、外材の輸入が六五%というふうな状態になっておることも事実でございますが、そういう中にあって、わが国の国土に占める山林の資源というものは、非常に大きいわけでございますし、国有林、民有林あわせて林業の振興、発展を図って、林業資源の確保を今後とも図っていくことに対してあらゆる努力をしなければならないことは、これはもう当然だと思うわけでございます。
○安宅委員 まあ月並みな答弁ですけれども、この一番大きな原因は、林野庁というものを独立採算制で、そしてもうかるかもうからないか、収支決算はどうなるか、そのために人を減らしたらどうか、民間に払い下げたらどうか、あるいは賃金が余りかさむので、普通の公務員並みの処遇をしないでぶん投げておいた方がいいんじゃないかとか、そういうさもしい根性で林野行政というものをやった、その報いが今日来たのだ、これが一番大きな要素だと私は思いますが、どうですか。あなた、そう思いませんか。
○安倍国務大臣 いろいろと御批判もあるとは思うわけでございますが、林野庁は林野庁なりに、国土の資源、国土の保全、あるいはまた森林資源の確保、そういったような立場に立って、森林におけるその公益的な機能を増進するために努力をしてまいっておる、私はこういうふうに思っております。
○安宅委員 いやいや、そんなこと聞いていない。原因は何か。私が言ったようなことが一番大きな原因ではないかと、こう聞いているのです。
○安倍国務大臣 御指摘の点、私よく理解できない点があるわけでございますが、林野庁長官から説明をさせまして、後で御答弁いたします。
○安宅委員 その前に農林大臣、あなたは、農、林の大臣なんですよ。いいですか。林の方をよく理解できなくて、独立採算制でやりなさいと言われている林野庁長官に答弁させたって、話になりませんよ。その前の段階で、大きな基本方針というものはあなたが立てなければならないのです。要するに、林業白書だってそういうことが書いてある。労働力が足りない、だから、植えつけ後の手入れが不十分だ、人工造林の状況というのは、もう三十万ヘクタールを割ってしまった、これは大変なことだということを林業白書が警告しています。林業白書を出したのは農林大臣でしょう。さっぱりわからないでは困るじゃないですか、あなた。この前も農基法の精神、わからないなんて言っていましたけれども、三木内閣は農林大臣をどうして安倍さんにしたんでしょうかね、不思議でたまらない。そんなことでは困るじゃないですか。労働力も足らない、人工造林もしようもない、減っている。それで山国であって森林資源は大変豊かだとあなたは言う。なぜこんなことになったのか。これは企業というものの性格に林野庁の性格を当てはめてしまって、独立採算制でやれ、うまくやれ、もうけろよ、損するなよ、人を減らせよ、こういうことをやってきた、大きな理由がそこにあるのじゃないかと、私は聞いているのです。そう思いませんか。
○安倍国務大臣 これは独立採算制で来ておりますから、そういう中におきましては、いまの高度成長の中における労働力の流出等もあって、労働力が減少した、これが林業生産に、農業と同じように大きなマイナス面に作用したということは、これはもう事実であろうと、私は思います。
○安宅委員 まあ基本的なことはそのぐらいにいたしまして、急に今度は小さな問題というのですか、悪いけれども、そういう具体的な問題に入ります。 労働大臣にお伺いいたしますが、ある企業が、社長の心得が悪くて、少しもうけてやろう、あるいはこのごろもうけが薄くなった、これでは大変だからというので、人員整理をしたい、だけれども、労働組合と協議をして、労働組合をだましつけてというか何かは別として、もう赤字でどうにもならないということを言って、あらかじめこの際何カ月間か首になってくれ、その間失業保険で何とかしようじゃないか、来年の四月になったら必ずまた採用するからいいじゃないかよということで、その期間失業保険で当面糊塗するような、こういう擬装首切りというのでしょうか、これをやったら、あなたの方はどういう処置をとりますか。労働省としての見解。
○長谷川国務大臣 お答えいたします。 もしそういうケースがありましたら、私の方に具体的なものをおっしゃっていただけば、早速基準局関係で調べます。これは大事なことですから、違法なことをやっていたら徹底的に分析もし注意もしますし、不幸なことのないようにしたいと思っています。
○安宅委員 その違法なことをやっているのが林野庁なんです。国家企業である林野庁なんです。定期作業員というのがいる。冬になると山からおりる。来年四月また来いよ、おやじ。そして、これは国の税金で、失業保険と同等の退職手当を、皆さんにその都度毎年払う。そして来年になるとまた雇う。こんなばかなことをやっているのが林野庁であります。それは違法行為でありますから、何も電話であなたに知らせなくても、現実にそれは起こっているのじゃないですか。林野庁、どうです。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 ただいまお話しのございましたように、林野庁の従業員、作業員の中には、常用と定期とございまして、定期の者につきましては、一月を通じまして二十二日以上、六カ月以上勤務いたしました者につきましては、退職手当を出すことにいたしているのでございます。
○安宅委員 退職手当の金額は失業保険と同等の金額じゃないですか。そして、もともと農林水産業に対しては、失業保険の適用はいままでなかったわけです。だから、任意の事業体として、あなたの方はそれに加盟している。いいですね。そして失業保険と同等の退職金なるものを出している。私はそういうように理解しているのです。この人をまた採用する。これは労働大臣が言った違法な行為です。完全な違法行為です。そんなことでは、私は納得できません。ここで論争したって仕方がありませんから、まずこれを一つ明確にしておきますよ。後で反論するなら反論してください。 それから今度は、林野庁長官に直接聞きますが、あなたの方では、林野庁の中の共済組合というのがある。国家公務員の共済組合法に基づいて、あなたの役所の中に共済組合というものを設けている。ところが、その共済組合の事務を遂行するに当たって人が必要なわけですね、専従の職員が。この人も組合員であるということに、法律上はなっています。こういうことをまず前提としてお伺いいたしますが、あなたの方で、たとえば配偶者の分娩であるとか私傷病であるとか、こういう問題は、これは共済組合からお金が出る方式になっていると思いますが、そのとおりでしょうか。
○松形政府委員 共済組合から出ることになっております。
○安宅委員 共済組合の職員に対しては、共済組合で決まった組合員ということになっておりますから、金が出るわけですね。こういう場合には、いわゆる定員内職員と同等の金を出すことになっていると思いますが、本来、正式な組合員であるところの常用の人々、作業員の人々、こういう人人に対しては、たとえば私傷病でも、定員内職員と大変な差があります。それから配偶者の分娩の場合でも、定員内職員の六〇%しか出ておりません。そればかりではなく、配偶者ではなくて、女の従業員本人が分娩した場合でも六〇%しか出ていません。もともと林野庁に働く労働者に六〇%をくれて、共済組合を運営する書記さんといいますか、この人には一〇〇%くれるというのは、これは主客転倒しているのではないでしょうか。どうですか。感想を聞かせていただきたい。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 ただいまのその点につきまして、後ほど十分調査いたしまして御返事さしていただきたいと思います。
○安宅委員 調査をいたしましてということはおかしいではありませんか。これは重要なことです。直ちにお答え願います。このままでは進められません。非常に重要な関連が皆ありますから。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 なお、この決定につきまして、ただいま林野庁の方の担当の方と十分打ち合わせさしていただきたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
○安宅委員 まあいいでしょう。それでは、あとでまた答弁していただきます。先ほどの問題とからみますからね。 それでは、人事院総裁にお伺いいたします。人事院総裁、国家公務員法という法律があります。国家公務員法には一般職と特別職とありますね、国家公務員の種類は。その中で、通常の雇用関係にある者と臨時的な任用をしておる者と、任用の種類は二つしかないと心得ておりますが、そのとおりでありますか。
○藤井(貞)政府委員 お答えをいたします。 いま安宅委員が御指摘になりました以外に、非常勤の一般職の公務員というものがございます。
○安宅委員 国家公務員法のどこに書いてありますか。
○藤井(貞)政府委員 国家公務員法では、法の規定の表面では非常勤という言葉はございません。ただ、公務員法の立場は、それぞれの勤務形態でいろいろございますものでありますので、その勤務形態に応じてそれぞれの規制をやっているということでございます。
○安宅委員 重ねてお伺いいたしますが、ないものをだれがどういう手段で非常勤とかなんとかいう名称をつけたり、そういうことができるのでしょうか。だれがやったのですか。
○藤井(貞)政府委員 いま申し上げましたように、一般職の公務員と言われるものにつきましては、それぞれ常勤の公務員と、また、たとえば日々雇用あるいは期限を切って採用する勤務形態の公務員とがございまして、後者の方を一般的に非常勤の公務員と言っておるわけでございます。このことは公務員法自体の……(安宅委員「私は法律上のことを聞いている。法律の表に書いてないけれども裏に書いてあるのですか。国家公務員法の一どこの第何条に書いてありますか」と呼ぶ)国家公務員法自体にはございませんが、ほかにこれを裏づけるような規定、たとえば給与法二十二条の規定等においては、非常勤ということが明確になるような表現を使っております。
○安宅委員 給与法やあるいは退職手当法や、いろいろなそれらしい文章があります。しかし、その前にあなたの方では、人事院規則の八−一二というものを昭和二十七年に出しています。こういうところであなたの方では造作をしている。ないものを造作することはおかしいではありませんか。つまり、国家公務員法では臨時的な任用ということがある。臨時的な任用というのはどういうことか、六十条に書いてある。これは、こういう臨時的な任用者は六カ月の期間でこれを更新することができる。ただし、また六カ月過ぎたらもうすでに更新はできない。これを受けて人事院規則の八−一二もそういう文章になっておるのです。それ以外に国家公務員法上、非常勤だとか日々雇い入れの公務員があるとか、そんなことは書いてない。人事院総裁は日々雇い入れの人事院総裁だなんていうのは、あなた頭に来ませんか。そんなことないでしょう。法律にないことをあなたの方では勝手に解釈をして、ほかの法律にあるからどうのこうのと言っているけれども、もとになるのは国家公務員法であります。国家公務員法上どこの第何条にあるか、これだけ答弁してください。あるかないか、あと何も要らない。
○藤井(貞)政府委員 公務員法上の明文には、その規定はございません。
○安宅委員 重要なことじゃないですか、委員長。ないのです。第五十九条で「一般職に属するすべての官職に対する職員の採用又は昇任は、すべて条件附のものとし、その職員が、その官職において六月を下らない期間を勤務し、その間その職務を良好な成績で遂行したときに、正式のもの」とする、こういうふうに五十九条は書いてある。ようございますか。それ以外に明文はない。ただ、実態がこうだからというので実態に合わせた給与法や、あるいは退職手当法があることは認めます。実態がいいか悪いかということについての判断や、その実態をそのままにしていいか悪いかという問題はだれが権限を持っているかというと、やはり人事院が持っている。人事院の権限が第二条に書いてある。第二条には、これらのことを決めるのは「その職を占める者を職員という。」と書いてある。これを適用するのがこの国家公務員法。「人事院は、ある職が、国家公務員の職に属するかどうか及び本条に規定する一般職に属するか特別職に属するか」これは特別職と一般職のことでありますが、それを「決定する権限を有する。」、そういうように書いてある。さらに二十二条、二十三条、二十七条、二十八条、こういうものがあって、すべて人事院がこれらについて、不合理があった場合には勧告しなければならない、怠ってはならないと二十八条では書いてある。こういうこと、何もしないで、実態がこうだから、ほかの法律にあるから、国家公務員法にはないけれども、表向きはないけれども裏に書いてあるみたいな話だ。こんなことで人事院総裁が務まると思いますか。
○藤井(貞)政府委員 国家公務員には一般職に属する公務員と特別職に属する公務員がございます。いま御指摘になっております要するに非常勤の職員と申しますのは、一般職に属する国家公務員でございまして、その勤務形態が常勤を要するものではないということでございます。
○安宅委員 そういうことを言ったら、特別職だって非常勤の人おりますよ。何を言っているのですか、あなた。いまの答弁でいいですか、人事院。
○藤井(貞)政府委員 特別職に属しまする国家公務員につきましても、勤務形態が非常勤の者がいることは事実でございます。
○安宅委員 そうでしょうね。だから、そういう者は臨時に任用するものになっておるんですよ。ただ、そのやり方として、嘱託とかいろいろな方法はあるでしょう。どっちみち正式の職員というのは、六カ月間勤務したならば正式の職員にすると、明確に国家公務員法に書いてある。後は制令だとか規則だとか閣議決定だとか、いろいろな法律に基づかないものはすべて無効である、私はそう思いますが、人事院総裁、そう思いませんか。
○藤井(貞)政府委員 繰り返しておりますように、勤務態様に従って非常勤的な者につきましては、これを非常勤職員としての取り扱いをいたしておるわけでございまして、勤務形態自身から見ますると、これは御承知のように、労働基準法関係等にもそれに類するものがございます。また国家公務員についても、そういうものがあるわけでございまして、その勤務の態様、実態に応じて、必要なそれぞれの措置を講じておるということが現状でございます。
○安宅委員 私が質問したことについて答えておりません。法律にないものを、規則や通達や省令や、そういうものでやることができるかできないかを聞いているのです。
○藤井(貞)政府委員 私はできると思っております。
○安宅委員 それは大変だ。これはとんでもない答弁です。これは内閣総理大臣にも来てもらわなければ、大変なことです。法律にないものを、省令や規則や通達や、そういうものでできると言う。そんな法律は日本にない。そんなばかな答弁を、そうですかと聞くわけにいかない。そんな、おかしいじゃないですか。いまの答弁は、どうです、委員長。非常識ではないか。非常識である。
○藤井(貞)政府委員 繰り返すことになりますが、国家公務員には特別職に属する公務員とそれから一般職に属する公務員とある……。
○安宅委員 いや、そんなことを聞いているのではない。法律に基づいて、法律の範囲内で、政令やそういうものが出るはずだ。規則や何かみんな出るはずだ。それを、法律にないものを、それを乗り越えて勝手に決めることができるかと言ったら、あなたできると言った。そんなばかな答弁を、ああそうですかと私は聞くわけにはまいらない。これだけです。よけいなことを言っては困る。
○藤井(貞)政府委員 職務の特殊性と責任の度合いに応じて、それぞれの規制ができるものと考えております。
○安宅委員 法律にないものをできますか。
○藤井(貞)政府委員 法律にはこれを禁ずる規定もございませんですし、従来から、勤務形態として、非常勤的なものと常勤的なものがあるということでございます。
○安宅委員 とにかく、そんなことは答弁にならないと思う。法律にないものを通達や規則や、そういうもので決めることができるなどという答弁は重大な答弁だ。それじゃ、法律要らないじゃないですか。委員長、これは重要なことです。勤務形態がいろいろあるから、定員法なんかに縛られなくてもいいから、何ぼでも雇いなさい、こういうことでしょう、はっきり言えば。はっきり言えばそういうことじゃないですか。定員法で縛られて、定員内に組み入れられる。定員の者を大体一般職と考えて、正式なものとあの人は考えているらしい。そうしたら、法律には書いてないけれども、勤務形態はいろいろある、その勤務形態、いろいろなことによって、幾らでも人を採用しても結構ですということじゃないですか、物件費から出そうと何から出そうと。そんなばかなことをいま言っている。私はそんなことを聞いているのじゃないのです。問題は、その従業員の勤務形態などを聞いているのではない。法律にないもの——臨時的な採用というものもちゃんと明確にありますよ。法文も私言った。いいですか。それ以外のものは、国家公務員法上書いていない。書いていないものを、人事院は人事院規則八−一二という昭和二十七年に出したもので、それを乗り越えて、いろんなことが、状態があるからというので書いてある。人事院が恣意に法律解釈を行ったということを私は言いたかったわけです。そうしたら、そんなことできると言う。そんなばかなことありますか。絶対に承服できません。これはこのままではだめだ。政府の統一見解を出してください。法律に基づかないで、規則や省令や、そういうものでできるというのですから、政府の見解を聞きたい。——だめです。あなたには何も聞いていない。
○藤井(貞)政府委員 これは勤務形態として、常勤と非常勤があるということでございます。勤務形態自体については、公務員法では書いておりません。したがって、常勤と非常勤があるということでございます。
○安宅委員 もう一回言ってください。よくわからない。
○藤井(貞)政府委員 一般職公務員は、その勤務形態から申しまして、常勤と非常勤がございます。そして、それぞれに応じて、その職務の責任と特殊性というものに従って、必要な規制を行っているものでございます。
○安宅委員 職員のことを聞いているのではないと言っている。国家公務員法には、一般職は正式のものと臨時に任用するものとしかない。それに基づかないで、人事院規則をつくったり、あるいは省令が出たりすることは可能であるとあなたは答えたから、そんなことはできないはずだと言っている。そのことだけを聞いているのです。これはどうですか。総理いないから副総理。——そんな手を振ったってだめですよ。あと質問できない。そんなばかなことありますか。何言っているのです、あなた。そんなこと、おかしいじゃないですか。法律にないことを勝手に解釈して、そうして、そういう者がいるからというので規則をつくるなんて、そんなばかなこと世の中にあるか、ない。絶対にない。非常勤なんて言葉はどこにも垂目いてないんだよ。
○小林(進)委員 議事進行で。 これは国家公務員を、いまも言うように常勤と非常勤がある、その非常勤は、いつでも仕事の形態でそれを雇い入れて、無期限に何十年でも非常勤のままで使うことは、禁止規定がないから可能だなんというのは、実に乱暴きわまる答弁だ。こういう答弁を人事院総裁がやられたのでは、とても仕事なんか進めていけるものじゃありません。国家公務員に対しては、いまも言うように、臨時に雇った者は半年だけはよろしい、しかし一回は更新するけれども、その次はもはや常勤にしなければならない。それくらいきちっと、国家公務員の身分というものは法律に縛られているのです。その中に、非常勤の者だけは仕事の形態によって幾らでも雇って、何百年もそのままにほっておいていいなんて、そういうような解釈をやられたのでは、国家公務員の身分なんというものはちっとも安定しませんし、国の形態自体が基本的に問題になる重大問題です。こういうような問題をそのまま聞いて、われわれは審議を進めていくわけにはいきませんから、しばらくひとつ休憩をしていただいて、その間に政府の方も統一見解を出すようにしていただきたい。
○湊委員長代理 速記をとめて。 〔速記中止〕
○湊委員長代理 速記を始めて。
○安宅委員 いまの問題と、もう一つ、それならば聞くけれども、人事院総裁、いま林野庁に働いている常用作業員と言われる人々、それから定期作業員と言われている人々、それからその都度その都度来る人、皆すべて、あなたの、先ほど企画課長という人が私の部屋に、どういう御質問があるんでしょうかと来た。聞いたら、これはすべて日々雇い入れの人であって、国家公務員法上そうならざるを得ない、その積み上げだ、こういうふうに答弁をしていきましたが、そのとおりでありますか。
○藤井(貞)政府委員 勤務の実態が日々雇用ということでありますれば、これは常勤としての取り扱いをするわけにはまいらないという意味で申したんだろうと思います。 ただ、先刻来お話がありますことについて申し上げますと、恐らく安宅委員は、いまの林業関係の作業員のことについて申しておられるのではないかと思いますが、この点につきましては、従来からもいろいろ問題がございます。林野庁を中心にして、人事局あるいは大蔵省、われわれの方も入りまして、種々対策を講じてきておるわけでありますが、非常勤といいましても、その実態が常勤的なものであるということにはっきりいたしますれば、それ相当の措置を講ずるのが当然ではないかというのが、これは人事院の立場でございます。
○安宅委員 日々雇い入れる臨時的な職員である、だから定員内に入れるわけにはいかぬ、こういうことは何回も、国会の議事録でも、林野庁と全林野労働組合との団体交渉でも、そういうふうになっている。日々雇い入れられる人々だ、こういうことになっている。あなたはそれを認めるかと聞いているのです。
○藤井(貞)政府委員 非常勤という名目を冠しておりましても、その勤務の実態が常勤的なものであるならば、そういう取り扱いをすることは適当でないということでございます。
○安宅委員 あなたは非常に問題をずらして困る。実態がどうなのか、これからおれが言うところよ。だから、臨時的な職員しかいない。六カ月で、法令上転がしてはいかぬ、国家公務員法上書いてある。したがって、日々雇い入れの積み重ねだ、日々雇い入れの職員です、こういうふうに政府も答弁しているし、それから林野庁も団体交渉でそう言っている。その証拠には、政府の統一見解でも、あなたもおっしゃったとおり、常勤的なとは言っているけれども、常勤とは言ってない。そういうごまかしはだめです。だから、日々雇い入れのいわゆる臨時の方々だな、こういうふうに聞いているのであります。国家公務員法上どうなんですか。
○藤井(貞)政府委員 林業作業員の雇用の形態といたしましては、いま御指摘になりました、日々雇用の形態の者もおることは事実でございます。
○安宅委員 それでは常勤的という意味はどういうことですか。
○藤井(貞)政府委員 常勤的というのは、正確に一般の常勤職員とは勤務形態が違うけれども、その内容といたしまして、常勤の職員に似ておるというふうに解釈いたしております。
○安宅委員 どういう勤務、労働時間とかなんとか、いろいろそういうことがあると思いますが、あなたの方では、このことについて、もっと具体的に言うならば、勤務時間も同じ、職種も同じ、それだったら常動的だとか常勤性だとかいろいろなことを言う必要はない。常勤ではないですか、どうですか。
○藤井(貞)政府委員 常勤と言い切ることのできないものもあると思います。
○安宅委員 だから、どういうものを言うのだ。
○藤井(貞)政府委員 それは定期作業員とかあるいは常用の作業員、さらには日々雇用の形をとっておるものというふうに承知をいたしております。
○安宅委員 それは常勤ではない。そうですか。
○藤井(貞)政府委員 日々雇用のものは、これは明らかに常勤ではないと思います。
○安宅委員 三つにあなたは分けているけれども、国家公務員法上三つに分けるということが可能なのかと、まず聞いているのです。問題をずらさないでください。
○藤井(貞)政府委員 分けることは可能だと思います。
○安宅委員 法律的根拠を示してください。
○藤井(貞)政府委員 それは先刻から申し上げておりますように、明確に常勤、非常勤ということは書いておりませんですが、しかしその勤務の態様というものから見まして、これを分類をして、常勤、非常勤というふうにやり、しかも給与その他の取り扱いについて、それにふさわしい規制をいたしておるというのが現実でございます。
○安宅委員 勤務の形態というものを是正しないで、いいですか、勤務の形態や任用のやり方やそういうことについてはあなた方が、人事院がこれを決定する権限を有する。第二条に書いてある。それをやらないでおいて、そして常勤らしいものがあるからそれは常勤ではないなどという論法は、法律に書いてないけれどもというのは何ですか。法律に書いてなかったら、法律に書いてあるのは、一般の正式のものとするという正式の一般職員と、臨時的任用のものしかないはずだと、私はさっきから言っている。それをあなたは、法律にないものを自分で創作をしても構わないと言っている。その前提に立っての答弁だから、承服できないのです。いいですね。これだけはっきりしておきます。やはりそのことについては、人事院総裁は明確な答弁をすることはできない。法律に基づかないで非常勤もおるし、常勤もおるし——常勤なんという言葉はどこにもない、非常勤なんという言葉はどこにもない、国家公務員法上。正式のものと臨時的任用しかない、一般に言うと。そういう法律を、あなた方は、ストライキ権の代償として人事院というのはつくられた。それが、国家公務員法に依拠してあなた方は仕事をしなければならない、その国家公務員法を守る意思もなければ——勤務条件に関して言うならば、内閣に勧告しなければならないし、そういうことを全部やらなければならないと書いてある。これを怠ってはならないと書いてある。第二十八条、「この法律に基いて定められる給与、勤務時間その他勤務条件に関する基礎事項は、国会により社会一般の情勢に適応するように、随時これを変更することができる。その変更に関しては、人事院においてこれを勧告することを怠ってはならない。」もちろん、いまや林野庁は、労働問題については公共企業体等労働関係法になっているから、おれは知らないと言いたいところかもしらぬけれども、少なくともそういうことが、昭和二十七年、二十八年のころはそうではなかったのですから、そのことについて、あなたの方はそれを投げておったということになる。いまだって、事任用の問題、身分の問題で言うならば、国家公務員法には明らかに、人種やあるいは宗教やいろいろな政治的識見や、そういうものによって差別をしてはならない、法のもとに平等であるということを書いてある。職種も全部同じ、労働時間も同じ、職種の中には、片一方では正式に定員内に組み入れられている人もいる。そして、作業員という名前で長年にわたって差別をつけられている人もいる。こういう状態をあなた方は見過しておられる。その基礎は何か。法律ではない。人事院規則というものをつくった、それには非常勤、そういうものを書いた、その実態を受けて、今度は退職手当法や給与法というものがそのあとできています。ですからこういう問題についてあなたが言うのは、人事院の役人の諸君が勝手に創作をした用語である、私はそうとしか思えない。こういうことはいいのか悪いのかということ、さっきと関連があるのです。だからこれだけ聞いたのだけれども、彼は断固として、法律に基づかないでも造語ができる。臨時的な任用というのは六カ月はいい、六カ月転がしてもあとはだめだぞと明確に書いてある。その条文を守ろうとしないということは、法律の解釈を恣意に彼は解釈しておるだけの話である。あまつさえ、法律に基づかなくとも、裏に書いてあるからいいだろう、こういうことで、規則や省令や政令や、そういうものは法律に基づかなくとも書いてもいいなどということを、国会のこの予算委員会で答弁するに至っては、私は許すことはできない。断固として許すことはできない。こんなばかな話はない。 委員長、明確に政府の統一した、人事院総裁ではなくして、総裁を含めても結構ですが、きちっとした答弁をしてもらいたい。これはだめです。
○湊委員長代理 ただいまの安宅君の質問に関しまして、速やかに政府の統一見解を出させます。その間、この問題は留保いたします。
○安宅委員 それでは、さっきも不規則発言があったのですが、こういう人に三十年勤続だの何だの、表彰状を出しておるのですよ。毎年首切っておいて三十年勤続、こんなばかな行政が一体世の中にあるでしょうか。毎年、毎年首切っておいて、失業保険からかっぱらってきただか何だか知らないけれども、それと同じ退職手当をくれておいて、三十年御苦労であった。何が御苦労です。この人たちは毎年、毎年首切られたときにもらう失業保険に見合う退職手当しかもらっていない。ようございますか、三十年勤めても、普通の年金はもらえないのですよ。その人が亡くなる、奥さんが半分もらう、子々孫々に至るまで重大な影響がある、そういうことです。孫々までいかないかもしれないけれども、少なくとも奥さんのところまである。こういうばかな雇用形態というのはあるかということを私は言っておるのです。 それで、次に私が聞きたいことは、国有林の基幹的な作業員云々ということが、たとえば政府の統一見解、昭和四十六年の四月十三日、衆議院の農林水産委員会で行われました。これにも、「国有林野事業の基幹的な作業員は」、国有林というものは、これらの人々がいなければ、事務屋さんが幾らいたって成り立たないのです。植林をする者、伐採をする者、苗を育てる者、そういう人たちがいなければならないんだから「基幹的な作業員」と書いてある。最も重大な人を「その雇用及び勤務の態様からすれば、長期の継続勤務となっていること等、常勤の職員に類似している面があるものと思量されます。」類似とは何ですか。これは大変重要なことだと思います。こういう人々を、ある者は定員内に入れて一般の正式の任用をした国家公務員としており、ある者は未来永劫ずっと退職まで常用であるとか定期作業員であるとかいうことにして、そのまま投げておくということは、これは政治の上から言って重大なことではないですか。農林大臣、どうです。
○安倍国務大臣 林業関係につきましてはいま御指摘のあるような問題があることは事実でございます。昨年の十二月の林政審議会施策部会よりの中間報告で「基幹的な要員については、常勤的勤務態様にふさわしい取扱いができるよう制度の創設を図る必要がある。」との指摘がございまして、国有林経営のために将来にわたって必要な基幹的要員については、何らかの措置を講ずる必要があると考えておるわけでございまして、この中間報告の趣旨を尊重いたしまして、関係各省と協議をしておるわけであります。
○安宅委員 何らかの措置というのは何ですか。
○安倍国務大臣 新しい制度の創設を図る必要がある、こういうふうに考えておるわけであります。
○安宅委員 昭和四十九年の二月二十一日の予算委員会の議事録によれば、平井さんという政府委員が、こういうふうに答えています。「基幹的な作業員を制度的に常勤の職員とすることについては、国家公務員の体系にかかわる困難な問題だというふうに指摘をいたしていますが、その意味で、まず常勤の職員制という点について御論議をいただく必要がある、この段階においては、私どもはまだタッチすべき段階ではない、」それはおかしいことを言っているのですね、この平井という人は。これは平らじゃなくて、でこぼこなことを言っているのです。「もし常勤制ということが明らかになり、かつ、その仕事の常勤の態様その他を確定した上で、かつ、恒常的な官職につくということになれば、当然定員内職員の問題として論議をいたしたい、こういう趣旨でございます。」 それが前から問題になって、そうして内閣が統一見解を出したのが昭和四十六年。その前も、昭和四十一年ころから、この問題については、参議院の農林水産委員会で確認をしておる、坂田農林大臣のとき。この前の総理大臣であった田中さんが、坂田農林大臣のときああいう取り決めをしたのでありますからという答弁も、私にしております。それから数えればもう十年たっています。政府の統一見解が出てから何年になりますか。昭和四十六年ですから、四年になりますね。三年ですか。そして、早急に処置をすると言っていながら、ずるずる引っ張ってきて、そしてそのままになっているんですね。これはゆゆしい問題ではないでしょうか。 これは私、それでは農林大臣に聞きます。 いま平井さんの答弁の内容をちょっと言った中で、国家公務員法の中で言う国家公務員の体系にかかわることだから、私はまだタッチできないとか、慎重にしなければならないと言っているけれども、国家公務員法の体系を壊しているのは、こういう職員がいることではないでしょうか。こういう職員をなくすることが、国家公務員法上の公務員の体系を整えることではないでしょうか。どっちですか。
○安倍国務大臣 これはやはり、常用作業員につきまして、国家公務員法上明確に位置づけるという立場において中間答申も出たわけですから、そういう中で、これを尊重して、新しい制度をつくるべきである、こういうふうに私は解釈をしております。
○安宅委員 新しい制度は、どういう法律に基づいてつくられるのでしょうか。
○安倍国務大臣 これは今後各省庁と連絡協議の上、(安宅委員「どういう法律に基づいてと聞いておるのです」と呼ぶ)制度を確立すべきだと思います。
○安宅委員 農林大臣も、法律に基づかないで新しい制度をつくるつもりなようですね。重大なことなんですけれどもね。しかも林政審議会の何とか部会、労働小委員会ですか、にかけてやったと言うんですけれども、国家公務員法上の法律の番人である人事院は、そういうことを勝手に——制度は人事院の権限に属することだと私は思いますが、そういう国家公務員の体系を、それでさえも壊れていると思われるのに、法律に書いてないことをしているのですから、また別に新しい制度をつくるというのですから、これはどういうことですか、人事院総裁。
○藤井(貞)政府委員 これの雇用形態をどういうふうにするかということは、これはそれぞれの任命権者であります各省庁が決めておられることでございます。ただ、その実態がいろいろ問題があるということになりますれば、これは人事院の立場といたしましても、これに対していろいろ御意見を申し上げるということに相なろうかと思うのでありまして、それらの点につきましては、従来もそういう立場で物を申してまいりましたし、また、ただいま農林大臣もお答えになりましたように、林政審議会の答申等も出ておることでございますので、その方向に沿いまして、われわれといたしましても今後努力を重ねてまいりたいと考えております。
○安宅委員 また大変重要な発言をあなたはなさっております。ようござんすか。国家公務員法に書いてないことを勝手にやることができると言う総裁ですから、そういう答弁ができると思うのですが、国家公務員の任用の制度、こういうものについて、林野庁の職員だからといって——任命権者は林野庁の長官でしょう。ですから、林政審議会にこれをかけたなんというのは、林をうまくやるためにどうしたらいいかなんというのは、林政審議会にかけてもいいけれども、国家公務員の体系にかかわるものだと政府の統一見解に書いておりながら、体系にかかわることを、どだいそれに反したことをやっておりながら、また別に今度は——もとは、あなた、実態があって、非常勤と常勤では実態があるから、それを認めた法律は、国家公務員法の中に書いてなくてもやるんだと言った。今度新しい制度をつくる、そういう場合には、おかしいなと思ったときには、人事院は文句を言うことをいままでもやってきたと言いながら、林政審議会の小委員会でできたものは、せっかくできたのですから、その方向で努力したいなどと言うのは、おかしいではないか。はっきりしてくれ。やはりだめだな、これは。だめですよ。委員長、問題にならないですよ。実態があるからやむを得ないとさっき言って、今度は新しいものを、林政審議会なるものがつくったものを、今度それに依拠して、その実現のために努力するというのですから、こんな人事院総裁があってたまるかい。だめです、こんなものは。やはりだめだ。どこまでいったってだめだ。もうだめだ。おれはいやだ、そんなのは。
○湊委員長代理 それでは、ただいまの安倍農林大臣の答弁を含め、(安宅委員「人事院総裁も含めてだ」と呼ぶ)政府の統一見解を出すまで、その間、本問題に関して留保いたします。
○安宅委員 ただいまの問題、国家公務員法上の問題、これは林野庁に働く労働者の身分の問題であり、大変なことですから、私は徹底的に論議しなければならないと思う。したがって、もっともっとたくさんあるのですが、この問題は留保をいたします。そして、再質問する権利を保留いたします。 次に、それではまるっきり別な問題に入りましょう。 外務大臣にお伺いいたしますが、福田さんも聞いていていただきたいのですけれども、この間、私が七日の日に質問したことについて、政府の中に海外経済援助に関する機関を——福田さんは海外援助担当の省といいますか、大臣をつくる、こういう構想だと言って、そのときに、そういうものをつくるというふうに言ったように私は聞いたのですが、それは私うっかり確認してなかったものですからね。それが一つ。 それから、宮澤さんにお伺いいたしますが、あなた外務大臣ですから、きょう三木さんおられませんけれども、これは、議会の中に小委員会を設けるというのは検討に値する、こういうふうに発言されていると思いますが、そのとおりでしょうか。ちょっと確認しておきたいと思います。
○福田(赳)国務大臣 私がこの間申し上げましたのは、対外経済協力所管庁が各省各庁に非常に広範にまたがるのです。そして、そういう場合には連絡調整の機能というものがどうしても必要なんでありますが、その連絡調整の方がうまくいってないという感じでございます。したがいまして、これをどういうふうに統合していきますか。あなたからも、そういうことが必要だというようなお話がこの間あった。きょうはそこに田中龍夫委員が見えておりますが、与党の方からもそういう声がある。私どももそういうふうに見ておりますので、何らかの調整機能が必要である。これは少し、時間ができたら考えてみたい、かように考えています。
○安宅委員 それは政府側の話であって、それを政府の機構としてあなたは言っているのですが、そうではなくて、海外経済協力に関するもっと明朗な、それが成果分析もできる、あるいは基本的なあり方をどうしたらいいかというふうなことを論議する、そういう諮問委員会といいますか諮問機関といいますか、そういうものを、そういう時期につくってもいいというふうに私は聞いた。読売新聞もそういうふうに書いてあるのだが、その答弁はなかったのですか。あったんでしょうね。
○福田(赳)国務大臣 具体的な方法につきましての発言はいたしておりません。それから諮問委員会につきましても申し上げておりません。どういう形がいいか。諮問委員会というような形がいいか、閣僚レベルの会合を持つというような仕組みがいいか、閣僚レベルといえば、その下に事務スタッフが必要でしょう。そういうことで、各省各庁の連絡を緊密にして、対外経済協力が適正にいくようにということを何とか考えてみたい、そういうことです。
○安宅委員 重ねて確認しますが、私が言う、たとえば三木さんに言ったのですが、外交方針が雲泥の差のように違うんじゃ政権交代はあり得ないなんと言ったけれども、そうではなくて、経済協力も外交じゃありませんか。だから与野党だとか学識経験者だとかそういうものを含めて、そして基本方針を決める。連絡調整はあなたの方の仕事ですよ、それは。もうめちゃくちゃです。資料なんかさっぱり出てこないのだから、おら知らないと言って。きょうだってそうですよ。だから、それはやってもらうさ。あなたの勝手さ。副総理として、それはやらなければならぬ。だけれども、こういう基本方針を決めたりチェックする機能というのはないのですからね。成果分析なりいろいろなことを今後やったらどうかというふうな意味の、諮問委員会というふうなものをつくるということは、さらさらないというふうに受け取っていいのですか、やりたいというふうに受け取っていいのですか、どっちです。
○福田(赳)国務大臣 これはどういうふうな形にしますか、総合的にとにかく対外経済協力というものを見るということ、その総合的に見るということにつきましては、総合計画をつくるということもあります。それから同時に、後で総合的にチェックするという問題もありますが、そういう仕組みといたしましてどういう方法がいいか、その方法も含めて、広範な立場で検討してみたい、こういうことを申し上げているのです。
○安宅委員 あなたはまあ逃げていますから、だから私が言う方法も一つの方法だというふうに考えて、入っているのか入っていないのかということです。
○福田(赳)国務大臣 あなたのおっしゃるのは、まあよくわからないのですがね。与野党の人も入ってもらって、そういう委員会をつくる、こういうことですか。(安宅委員「学者や経済団体の人」と呼ぶ)与野党というか与党というか、そういうことでなくて、(安宅委員「いや、国会の代表というのでもいいですよ」と呼ぶ)さあ、そこまではまだ考えておりません。おりませんが、とにかくこれは適正にいくように、そういう点で欠陥があるということを認めておりますので、何かの方法を考えてみたい。
○宮澤国務大臣 関係各省庁の間の問題は、ただいま副総理がお答えになりましたように、私どもも考えております。 それから、国会において別途の御決定がありましたような場合には、その御審議に資しますように、私どもできるだけの資料なり何なりを御提出すべきである、こう考えております。
○安宅委員 そういう意味ではなくて、今度は、たとえば外務委員会に小委員会などを設けるということについては、検討する余地があるというふうに三木さんは答弁していると思うのですが、あなたはできるだけ資料を出すなんということでごまかされちゃ困るのです。この前みたいな、終戦後の教科書みたいな資料を出されたらかなわないわけですから。全部墨で消してあるのですから。そうじゃなくて、そういうことを国会の場で論議する、これは国会の問題でしょう。だけれども、そういう場合に政府がひとつ提案をするとか何とかという意味になるだろうと思いますが、三木さんはそういうふうに答えたと私は思っているのですが、そのように理解していいかということです。あなたは知らなかったと言えば、それで終わりです。
○宮澤国務大臣 国会の御決定のことでございますので、私どもとしましては、そのような御決定がありますれば、御審議にできるだけ便なる方法で、資料等を差し上げる、御提出をするという心構えでおります。
○安宅委員 資料提出だけはやる、こういう意味ですな。そういう小委員会みたいなものを設けることについては関心がないということですな。
○宮澤国務大臣 それは、政府の方で申し上げるのは、ちょっと差し出がましいという感じがしておるわけでございます。
○安宅委員 この間は、自民党総裁という意味で、私質問しているから、まあいいでしょう。 それで聞きますけれども、宮澤さん、あなた外交演説で、海外経済援助がある地域に偏っている、そういうやり方はまずいし、質的にも変えなければならないし、地域偏在も直さなければならないという意味のことを言っています。これは海外経済協力基金の四十九年三月までの報告書ですけれども、これにはこう書いてあるのですね。一九七三年度における基金の投融資総額は、承諾ベースで一千九百四億五千三百万円、これは三九%の増加であるということがずっと書いてあります。あと今度は実行ベースでは一千五億三千五百万円、こういうふうにそれぞれ去年よりもふえている。ところがその承諾額なりそれから実行額なりを見てみますと、一九七三年度の場合には、「地域別にみると、アジア地域が八八・九%と前年度同様圧倒的比重を占める」、こう書いてあるのです。八八・九%までアジアに偏在しているのを、あなたどういう方法で、——アジアを大幅に減らさなければ、あなたが言う均衡のとれた地域的な配分なんてできないのじゃないですか。どういうふうにするつもりですか。
○宮澤国務大臣 ただいまのところ、やはりわが国に一番縁が深いということで、ことに政府開発援助がアジアを中心に多いことは御指摘のとおりでございます。民間の経済協力は、中南米のところがかなりふえつつございます。両方のバランスをやはりとりまして、今後アジアばかりでなく、中南米あるいはアフリカ等にもやっていかなければならないというふうに考えております。
○安宅委員 そんなことはありません。中南米や側かが多いのは、ブラジルの鉄山があることだし、あといろいろ理由はあるのですよ。それはもっとふやそうなどとあなたが言ったって、民間の企業だって、ほとんどアジアに集中していますよ。あなたの答弁は、それは間違いです。時間がないからきょうは論戦しません。これは非常に重要なことですよ。私はいま政府のことを言っているのですからね。政府の借款のことを、直接投資のことを言っているのです。そんな配分はできないでしょうと言ったのです。できないと言わないで、民間の方でカバーするみたいなことをあなたは言ったけれども、それもできないのです。これはまあいいです。時間がないから、後に残しておかないと、留保の質問の時間がなくなってしまうから一あなたに一番いやなことを聞きたいのですが、一つは、この間、朝鮮民主主義人民共和国との交流の問題で、現状でやるのだと、外務省が、私の質問が終わったときに発表した。けしからぬ、アジア局長と言ったら、あなたが出られまして、そうではない、総理がおっしゃったとおりであります、こうおっしゃっておるのですが、そうではなくて、タオルのプラントが朝鮮民主主義人民共和国に出た直後、今度は朝日新聞などを見ると、北朝鮮向けの輸銀融資は当分の間認めない外務省の方針だと、大きく出ていますね。これが事実だとすれば、あなたの方は進んだのじゃなくて、輸銀のプラントの——これは大平さんなんか大変努力されたわけです。それを、せっかく輸銀の適用を認めたのに、当分の間認めないと言うのなら、これは前進ではなくて後退じゃないですか。どうなんですか。そういう決定をなさっておるのですか。
○宮澤国務大臣 昨年、タオルとボルトナットの二件について輸銀の融資がございまして、政府の態度はそれから変わったということではありませんで、いわゆるケース・バイ・ケースと言いますように、その金額あるいはプロジェクトの内容などを考えまして、従来どおりの方針を続けていく、別に変更したということではございません。
○安宅委員 そうすると、朝日新聞というのはうそだということになりますね、大変なうそだということ。朝日新聞、怒らないほうがおかしいと思うのですけれども、これは重要だ。これも具体的な論争は後でしましょう。後は分科会か何かでやりますから、きょうは予備的にやっておきましょう。ただ、この間私が、外務省に資料を出せと言った。七日に資料をお出しになった。途端に韓国の政府は、外交的なルートで抗議を申し込んできていますね。反論もしています。その中で重要なことを言っておるのです。これは非公式の分ですが、公式の反論は別として、これも五十年二月九日の朝日新聞によると、非公式な見解として、「韓国側では先の日韓協力委員会、日韓議員懇談会などのルートを通じ、日本の対韓援助の実行を日本側に要請している時期であるだけにそれへの悪影響が懸念される」などと言っておるそうです。つまり韓国側では、日韓議員懇談会というものと日韓協力委員会というものは経済援助に関するルートだと思っておられる。これは非常に重要だと思うのです。だから、同じような質問に対して中曽根さんが、公開入札にでもしたらどうかという答弁まで去年なさっておるのです。だから、こういうことは——議員懇談会は宇野さんが会長で、そして向こうの方では李東福という無任所長官が——しょっちゅうこの人は日本に来ていますね。この人が会長です。それから、日韓協力委員会というのは、閣僚会議が開かれる前にしょっちゅうお出かけになるようです。これは岸先生が会長で、そして白という人が向こう側の会長、こういうふうにして日本でやっておられる。これがどんどん来る。外交ルートなんか通じないものですから、後で、あのときに決まったじゃないかということで、予算要求やなんかのときに、外交ルートで来るのを、外務省は知らない、大蔵省はてんやわんやするということで、今度は——大蔵省に対する予算要求の陳情など、私、この目で見ているのです。まるで、普通の日本の都道府県の予算要求の陳情と同じやり方ですよ。まことにこれは、日韓関係にとって互恵平等でもなければ、いかにも被圧迫者と圧迫している者との立場、さきに岸さんが約束したじゃありませんか、などと言って、そうして外交ルートにすとんと乗せてくるので、外務省はあわ食うなんてありさまは、これは非常に重要なことです。これは与党の人が言っているのですから間違いありません。だれかなんて言ったら——きょうは言いませんけれどもね。ですから、こういうことは改める必要があるのじゃないかと思いますが、どうですか。これだけ聞いておきましょう。
○宮澤国務大臣 輸銀全般の問題につきましては、通産大臣からお答えになるそうでございますけれども……(安宅委員「通産大臣は関係ないですよ」と呼ぶ)輸銀の所管大臣、一つ所管を持っておられますから、関係がおありになりますから……。 それで、日韓の議員の方々で、いろいろお話が確かにあるようでございます。そういうことはむろん私ども御連絡は受けておりますけれども、正式なお話としては、やはり外交ルートでしていただくということだけは、きちんとしておりますつもりでございます。
○安宅委員 きちんとしてない証拠を、きょうじゃなくて、後で出しましょう。きょうは大変御理解ある湊さんが委員長席に座っていますから、案外、私じゃなくて、いろいろの方面からこういう議論が出てくるでしょう。 なお、これは答弁は要りませんけれども、あなたに御注意を喚起しておきますが、私があの資料を消したものでもやむを得ないと思ったのは、あなたがおっしゃるように、調査したものが不測の事態を起こす、あるいは、あなたの下僚は殺されると私に言っておったのです。ですから、そういうことはなるほどと私も思うから、あの程度でよろしいと承諾をいたしました。ただ、理事会がどうするかはわかりませんと言っておきましたが。しかし、こういう汚いことが、実際に今後も、韓国の声明の中に変なことが書かれたり反論されたり、非公式の見解として、もうすでに日韓協力委員会や議員懇談会のルートで日本政府に要求しているんだ、こういうことを堂々と韓国の政府の諸君が言うに至っては、もう経済援助というのは一体どういうものか、日韓の関係は。もう一目瞭然だと思うのであります。そういう状態が続くならば、私はやむを得ませんから、あの資料に抜いてよこしたところに書いてある部分だって、私は言わなければならない時期が来る。このことだけはあなた考えておいてください。それは政財界との癒着の問題、全部出てきますから。そのほかに私はいろいろ持っております。こういう問題について抜本的に解明することが必要である。なぜかならば、政府は私が提案しているそういう諮問機関も設ける意思がないということがわかりましたし、それから外務委員会の問題、これは国会の問題であるからということですが、自民党総裁である三木さんに懇々と話をして、わかったという話になっているのですが、時期を見てとか、それから何とかということで、早急にこの問題を解決する御意思がないように、きょうは受け取りました。今後の私の質問の機会において、それがはっきりしないときには、この腐った関係というものを、本当に国民のためにあばかなければならないということだけは申し上げておきます。 以上で終わります。
○湊委員長代理 これにて安宅君の質疑は、留保分を除き、終了いたしました。 次回は、明十三日午前十時より開会いたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十八分散会