本会議 第31号
- 発言数
- 43 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1975/06/26
会議録
○副議長(秋田大助君) これより会議を開きます。 ————◇————— 日程第一 科学技術庁設置法の一部を改正す る法律案(内閣提出)
○副議長(秋田大助君) 日程第一、科学技術庁設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 委員長の報告を求めます。内閣委員長藤尾正行君。 ————————————— 科学技術庁設置法の一部を改正する法律案及び 同報告書 〔本号末尾に掲載〕 ————————————— 〔藤尾正行君登壇〕
○藤尾正行君 ただいま議題となりました科学技術庁設置法の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 本案は、現在の原子力局の事務のうち安全規制に関するものを分離し、これを一体的かつ効率的に処理する体制として、新たに原子力安全局を設置し、同局に次長一人を置くこと、科学審議官三人を一人とすること、原子力局次長二人を廃止すること等であります。 本案は、三月十四日本会議において趣旨説明の後、本委員会に付託され、三月十八日政府より提案理由の説明を聴取し、六月二十三日には科学技術振興対策特別委員会との連合審査会を開会するなど、慎重に審査を行い、六月二十四日質疑を終了いたしましたところ、越智委員より、施行期日に関する修正案が提出され、趣旨説明の後、討論に入り、自由民主党の木野委員及び民社党の受田委員より賛成、日本社会党の和田委員、日本共産党・革新共同の中路委員及び公明党の鬼木委員より反対の意見がそれぞれ述べられ、採決の結果、多数をもって修正案のとおり修正議決すべきものと決しました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○副議長(秋田大助君) 採決いたします。 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(秋田大助君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。 ————◇————— 日程第二 郵便貯金法の一部を改正する法律 案(内閣提出)
○副議長(秋田大助君) 日程第二、郵便貯金法の一部を改正する法律案を議題といたします。 委員長の報告を求めます。逓信委員長地崎宇三郎君。 ————————————— 郵便貯金法の一部を改正する法律案及び同報告 書 〔本号末尾に掲載〕 ————————————— 〔地崎宇三郎君登壇〕
○地崎宇三郎君 ただいま議題となりました郵便貯金法の一部を改正する法律案につきまして、逓信委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 本案は、郵便貯金の預金者貸し付けの制限額を引き上げることを内容とするものであります。 現在、郵便貯金の預金者貸し付けの制限額は一人につき二十万円でありますが、預金者から引き上げについての要望も強く、最近における経済情勢にかんがみまして、日常生活の不時の出費を賄うための資金として二十万円では低きに失しますので、これを三十万円に引き上げて、預金者の利益を増進しようとするものであります。 なお、この法律の施行期日は、公布の日となっております。 逓信委員会におきましては、去る二月二十八日本案の付託を受けまして、六月十八日村上郵政大臣より提案理由の説明を聴取し、慎重に審査したのでありますが、六月二十五日、質疑を終了し、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○副議長(秋田大助君) 採決いたします。 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(秋田大助君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。 ————◇————— 日程第三 海上航行船舶の所有者の責任の制 限に関する国際条約の締結について承認を 求めるの件 日程第四 油による汚染損害についての民事 責任に関する国際条約の締結について承認 を求めるの件 日程第五 油による汚染損害の補償のための 国際基金の設立に関する国際条約(千九百 六十九年の油による汚染損害についての民 事責任に関する国際条約の補足)の締結に ついて承認を求めるの件 日程第六 漁業操業に関する日本国政府とソ ヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の 協定の締結について承認を求めるの件
○副議長(秋田大助君) 日程第三、海上航行船舶の所有者の責任の制限に関する国際条約の締結について承認を求めるの件、日程第四、油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約の締結について承認を求めるの件、日程第五、油による汚染損害の補償のための国際基金の設立に関する国際条約(千九百六十九年の油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約の補足)の締結について承認を求めるの件、日程第六、漁業操業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、右四件を一括して議題といたします。 委員長の報告を求めます。外務委員長栗原祐幸君。 ————————————— 海上航行船舶の所有者の責任の制限に関する国 際条約の締結について承認を求めるの件及び 同報告書 油による汚染損害についての民事責任に関する 国際条約の締結について承認を求めるの件及 び同報告書 油による汚染損害の補償のための国際基金の設 立に関する国際条約(千九百六十九年の油に よる汚染損害についての民事責任に関する国 際条約の補足)の締結について承認を求める の件及び同報告書 漁業操業に関する日本国政府とソヴィエト社会 主義共和国連邦政府との間の協定の締結につ いて承認を求めるの件及び同報告書 〔本号末尾に掲載〕 ————————————— 〔栗原祐幸君登壇〕
○栗原祐幸君 ただいま議題となりました四件につきまして、外務委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 まず、船主責任制限条約は、ブラッセルで開催された第十回海事法外交会議において一九五七年十月十日に採択され、一九六八年五月三十一日に効力を生じているものであります。 その内容は、海上航行船舶の所有者の責任を、事故ごとに船舶のトン数に応じて一定の割合で算出される金額に制限することを定めたものでありまして、責任の限度額の計算方法、制限基金の分配方法等について規定しております。 次に、油濁損害責任条約は、ブラッセルで開催された海洋汚染損害に関する国際法律会議において一九六九年十一月二十九日に採択され、本年六月十九日に効力を生じているものであります。 その内容は、タンカーからの油の流出または排出による汚染損害の被害者に対し、適正な賠償が行われることを確保するための統一的な国際的規則及び手続を定めたものでありまして、条約の適用範囲、責任限度額、強制保険裁判管轄権等について規定しております。 次に、油濁補償国際基金条約は、ブラッセルで開催された油による汚染損害の補償のための国際基金の設立に関する会議において一九七一年十二月十人目に採択されたものであります。 その内容は、油濁損害の補償のための国際基金の設立、基金が被害者または船舶の所有者等に対して行う補償または補てんのための手続及びその限度額、基金運営のための組織及び管理等について規定しております。 次に、日ソ漁業操業協定は、本年三月以来、モスクワにおいて日ソ両国政府間で漁業操業に関する協定を締結するための交渉を行ってまいりました結果、合意に達しましたので、去る六月七日東京において署名されたものであります。 その内容は、漁船及び漁具に関する事故を未然に防止するために、漁船の標識及び信号並びに漁具の標識、漁業操業規則の設定及び情報交換等に関する規定を定めるとともに、漁業紛争の処理を促進するための漁業損害賠償請求処理委員会の設置による紛争処理手続等に関する事項について定めております。 以上四件のうち、船主責任制限条約外二件につきましては五月二十三日、日ソ漁業操業協定につきましては昨二十五日、政府から提案理由の説明を聴取し、質疑を行いましたが、その詳細は会議録により御承知を願います。 かくて、昨二十五日質疑を終了し、採決いたしました結果、船主責任制限条約は多数をもって、また、油濁損害責任条約、油濁補償国際基金条約及び日ソ漁業操業協定は全会一致をもって、いずれも承認すべきものと議決いたしました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○副議長(秋田大助君) これより採決に入ります。 まず、日程第三につき採決いたします。 本件を委員長報告のとおり承認するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(秋田大助君) 起立多数。よって、本件は委員長報告のとおり承認するに決しました。 次に、日程第四ないし第六の三件を一括して採決いたします。 三件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(秋田大助君) 御異議なしと認めます。よって、三件とも委員長報告のとおり承認するに決しました。 ————◇—————
○羽田孜君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。 すなわち、この際、内閣提出、石油コンビナート等災害防止法案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(秋田大助君) 羽田孜君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(秋田大助君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。 ————————————— 石油コンビナート等災害防止法案(内閣提出)
○副議長(秋田大助君) 石油コンビナート等災害防止法案を議題といたします。 委員長の報告を求めます。地方行政委員長大西正男君。 ————————————— 石油コンビナート等災害防止法案及び同報告書 〔本号末尾に掲載〕 ————————————— 〔大西正男君登壇〕
○大西正男君 ただいま議題となりました石油コンビナート等災害防止法案につきまして、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。 本案は、石油コンビナート等における災害がその周辺の地域に重大な影響を及ぼすおそれがあることにかんがみ、石油コンビナート等の区域内において石油または高圧ガスを貯蔵し、取り扱いまたは処理する事業所に対して、防災上の見地からの規制を強化するとともに、その区域における一体的な防災体制を確立する等、石油コンビナート等における災害の発生及び拡大を防止するための総合的な施策の推進を図ろうとするものであります。 本案は、六月十日本委員会に付託され、同月十二日福田自治大臣から提案理由の説明を聴取し、六月十人目には参考人から意見を聞き、翌十九日は連合審査、同月二十三日には市原石油コンビナートの現地視察を行うなど、熱心に審査を行いました。 本日質疑を終了し、討論の申し出もなく、採決を行いましたところ、本案は、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。 なお、本案に対し、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の五党共同提案により、コンビナート災害の根絶を期するため、防災体制の一体化、既設事業所に対する規制の強化、陸上、海上を通ずる一体的な防災体制の確立、共同防災組織等の設置指導等を内容とする附帯決議を付することに決しました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○副議長(秋田大助君) 採決いたします。 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(秋田大助君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。 ————◇—————
○羽田孜君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。 すなわち、文教委員長提出、学校教育法の一部を改正する法律案及び私立学校法等の一部を改正する法律案の両案は、委員会の審査を省略して、この際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(秋田大助君) 羽田孜君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(秋田大助君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。 ————————————— 学校教育法の一部を改正する法律案(文教委 員長提出) 私立学校法等の一部を改正する法律案(文教 委員長提出)
○副議長(秋田大助君) 学校教育法の一部を改正する法律案、私立学校法等の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。 委員長の趣旨弁明を許します。文教委員長久保田円次君。 ————————————— 学校教育法の一部を改正する法律案 私立学校法等の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ————————————— 〔久保田円次君登壇〕
○久保田円次君 ただいま議題となりました学校教育法の一部を改正する法律案及び私立学校法等の一部を改正する法律案について、提案の趣旨を御説明申し上げます。 まず、学校教育法の一部を改正する法律案について申し上げます。 現在の各種学校は、主として職業その他実際生活に必要な知識、技術を習得させる教育機関として、大きな役割りを果たしており、また、中学校または高等学校卒業後の青年のための教育機関として、重要な地位を占めているものであります。 しかしながら、現行の各種学校制度は、その対象、内容、規模等においてきわめて多様なものを、「学校教育に類する教育を行うもの」ということで、一括して簡略に取り扱っており、制度上きわめて不備であります。 よって、この際、当該教育を行うもののうち、所定の組織的な教育を行う施設を対象として、学校教育法中に新たに専修学校制度を設けようとするものであります。 その内容の第一は、第一条に掲げる学校以外のもので、職業もしくは実際生活に必要な能力を育成し、または教養の向上を図ることを目的として所定の組織的な教育を行う施設は、これを専修学校とし、他の法律に特別の規定があるもの及び外国人学校は除くこととしております。なお、従来の各種学校の制度は、そのまま存続するものとしております。 第二は、専修学校には、高等課程、専門課程または一般課程を置くこととしております。 第三は、専修学校の名称、設置等の認可、設置者等に関する規定を整備することとしております。 第四は、この法律は、公布の日から起算して六カ月を経過した日から施行することとし、この法律施行の際、現に存する各種学校で専修学校の教育を行おうとするものは、その課程の設置認可を受けることにより、専修学校となることができることとしております。 次に、私立学校法等の一部を改正する法律案について申し上げます。 わが国の私立幼稚園は、昭和四十九年度において幼稚園総数の六〇%を占めており、わが国の幼稚園教育の普及、発展に重要な貢献をしております。この私立幼稚園のうち六二%は、学校法人以外の個人または宗教法人等によって設置された幼稚園であります。これらの中には、施設、設備を初め教員組織等の教育条件が十分でないものがあり、一般に財政事情が苦しいために、父兄負担が過重になる傾向があります。 一方、現行法のたてまえは、公の助成は学校法人立のものに限られております。 そこで、この際、学校法人以外の者によって設置された私立幼稚園の健全な発達を図るため、これについても公費による助成措置を講ずることができることとし、あわせて、その学校法人化を促進するため、所要の措置を講じようとするものであります。 次に、本案の内容について申し上げます。 その第一は、国または地方公共団体の助成対象となる学校法人のうちには、当分の間、学校法人立以外の私立幼稚園等の設置者を含むものとし、さらに、補助金を受ける私立幼稚園等の設置者は、補助金を受けた翌年度の四月一日から起算して五年以内に、当該学校が学校法人になるように措置しなければならないこととしております。 第二は、日本私学振興財団の貸し付け等の対象に、当分の間、学校法人及び民法第三十四条の法人以外の私立幼稚園等の設置者を加えることとしております。 最後に、この法律は、公布の日から起算して一カ月を経過した日から施行することとしております。 両法律案の起草に当たっては、各党の意見を十分に尊重しつつ慎重に検討した結果、成案を得ましたので、ここに全会一致をもって、文教委員会提案として両法律案を提出した次第であります。 何とぞ、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。(拍手) —————————————
○副議長(秋田大助君) 両案を一括して採決いたします。 両案を可決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(秋田大助君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも可決いたしました。 ————◇————— 国務大臣の発言(農業基本法に基づく昭和四 十九年度年次報告及び昭和五十年度農業施 策、林業基本法に基づく昭和四十九年度年 次報告及び昭和五十年度林業施策並びに沿 岸漁業等振興法に基づく昭和四十九年度年 次報告及び昭和五十年度沿岸漁業等の施策 について)
○副議長(秋田大助君) 農林大臣から、農業基本法に基づく昭和四十九年度年次報告及び昭和五十年度農業施策、林業基本法に基づく昭和四十九年度年次報告及び昭和五十年度林業施策、並びに沿岸漁業等振興法に基づく昭和四十九年度年次報告及び昭和五十年度沿岸漁業等の施策について発言を求められております。これを許します。農林大臣安倍晋太郎君。 〔国務大臣安倍晋太郎君登壇〕
○国務大臣(安倍晋太郎君) 農業、林業及び漁業の各昭和四十九年度年次報告及び昭和五十年度において講じようとするそれぞれの施策につきまして、その概要を御説明申し上げます。 第一に、農業について申し上げます。 最近のわが国農業を取り巻く諸情勢を見ますと、長期間にわたって過剰を続けてきた世界の農産物需給は、近年、基調の変化を来しており、国内経済も高度成長から安定成長への転換の過渡期に当たっております。 このような経済情勢の変化の中で、農業生産資材価格は高騰し、農業経営に大きな影響を及ぼしましたが、日時は要したものの、現在、農業は徐々に新しい条件に対応しつつあります。 一方、経済活動の停滞に伴って、農業就業人口の減少率の低下や、農用地の農業外への流出の減少など、従来とは異なった動きも生じております。 農業の他産業に対する比較生産性は、四十八年度においてはかなり上昇し、農家の生活水準も世帯員一人当たり家計費において勤労者世帯を上回っております。 また、基幹男子農業専従者のいる農家は、総農家数の三割、農業生産の六割強を占めており、最近、これら農家を中核として、農作業の受託や集団的生産組織の形成が進んでおります。 このような農業をめぐる諸情勢の変化のもとで、第一に、土地、水等の国土資源の確保とその有効な活用を通じて農業の健全な発展を図り、国内の食糧供給力を強化していくこと、第二に、食糧の安定的供給と農産物価格の安定を図るための価格政策の充実、第三に、農業生産の中核的担い手となる農家を育成し、これを中核として、生産の組織化を図ることが重要な課題となっております。 以上のような最近の農業の動向を踏まえて、昭和五十年度におきましては、国民食糧の安定確保を図るため、土地、水資源の確保整備と、その高度利用、農業生産の中核的担い手の育成、農産物の価格の安定、農村地域の計画的な整備開発、食料品の流通加工の近代化と消費者保護対策の拡充を図るとともに、農産物輸入の安定化を進める等、総合的な食糧政策を推進することといたしております。 第二に、林業について申し上げます。 まず、四十八年から四十九年にかけての木材の需給関係を見ますと、木材需要は、四十八年には大幅な増加、四十九年には一転して急減と、大きく変動しました。木材供給は、国産材が停滞傾向を続けているのに対し、外材輸入は、四十八年には大幅な増加を示し、四十九年には逆に前年を下回っております。また、木材価格は、四十八年には上昇し、四十九年には急落しております。 このような需給及び価格の急激な変動は、国内林業の振興、流通加工の近代化、合理化、住宅建設の円滑な推進等に支障を及ぼしておりますほか、わが国への木材輸出国、とりわけ開発途上国に多大の影響を与えており、木材の需給及び価格の安定が強く求められております。 次に、四十八年の国内林業の動向を見ますと、素材生産量、人工造林面積ともに前年を下回りましたが、林業経営の収支は、木材価格の上昇等により、前年に引き続き、かなりの改善が見られるに至っております。 また、近年、急速に高まっている森林、林業に対する国民の多面的な要請にこたえるためには、林業従事者による適切な森林施業を通じ、活力ある森林資源を維持、造成することが必要となっております。 以上のような森林、林業の動向にかんがみ、第一に、木材需給の安定のため、需給面での安定が要請され、供給面においても、国内生産体制の整備、輸入の安定的確保、流通加工の近代化、合理化の推進が必要であり、第二に、国内林業の振興のため、林業生産基盤の整備等の施策の積極的な推進とともに、林業を地域振興の全体的計画の中に適切に位置づけて山村地域の振興を図ることが重要な課題となっております。 以上のような最近の林業の動向を踏まえて、昭和五十年度におきましては、林道及び造林事業の計画的推進、林業構造の改善、林産物の需給の安定及び流通加工の合理化の推進、林業従事者の福祉の向上等に重点を置いて施策を推進することといたしております。 第三に、漁業について申し上げます。 まず、漁業生産の動向を見ますと、最近、その伸び率はやや鈍化傾向を示しておりますが、水産物の消費は、中高級魚介類を中心に増大しており、動物性たん白質の約半分が水産物によって供給されております。 水産物価格は、生産地価格、消費者価格ともかなり上昇しましたが、四十九年に入ると、消費者価格は一般物価並みに上昇しているのに対し、生産地価格の上昇率は鈍化しております。 漁業経営は、四十八年には、魚価の堅調に支えられて好収益を上げましたが、四十九年に入ると、資材費の高騰に加え、賃金の上昇もあって、経営条件はきわめて厳しいものとなっております。 漁業をめぐる環境は、国内的には、沿岸水域における公害の発生等により、漁場環境が悪化し、また、国際的には、第三次国連海洋法会議における各国の意向にも見られるように、広範な経済水域設定の動きが大勢を占めようとしており、わが国の沖合い、遠洋漁業をめぐる環境は、きわめて厳しい状況になってまいっております。 以上のようなわが国漁業が直面している事態のもとで、今後のわが国漁業において、第一には、新しい海洋秩序へのわが国漁業の対応、第二には、沿岸漁場の見直しと沿岸漁業の振興、第三には、漁業経営の安定、第四には、水産物の有効利用の促進が重要な課題となってきております。 以上のような最近の漁業の動向を踏まえて、昭和五十年度におきましては、海洋水産資源の開発と海外漁場の確保、沿岸漁場、漁港等の生産基盤の整備、漁業公害対策等の拡充強化、漁業経営の近代化の促進、水産物の流通、加工の合理化等の施策を推進することといたしております。 以上をもちまして、農業、林業及び漁業の各年次報告及び講じようとする施策の概要の説明を終わります。(拍手) ————◇————— 国務大臣の発言(農業基本法に基づく昭和四 十九年度年次報告及び昭和五十年度農業施 策、林業基本法に基づく昭和四十九年度年 次報告及び昭和五十年度林業施策並びに沿 岸漁業等振興法に基づく昭和四十九年度年 次報告及び昭和五十年度沿岸漁業等の施策 について)に対する質疑
○副議長(秋田大助君) ただいまの発言に対して質疑の通告があります。順次これを許します。馬場昇君。 〔馬場昇君登壇〕
○馬場昇君 私は、日本社会党を代表して、ただいま報告のありましたいわゆる農業、漁業、林業白書につきまして、総理並びに関係大臣に質問をいたします。 まず、三木総理に、今日の農漁民の生活破壊、農林漁業の荒廃をどう認識していられるか、それをもたらした原因は何かということについてお尋ねいたします。 近年、農業に便利な農機具が入りました。速効性の化学肥料、農薬も入りました。確かに農業は、昔のように手間がかからなくなったのは事実であります。これが進歩であり、近代化であるならば、農民の暮らしは楽になり、豊かになり、暇ができて、村の祭りも、伝統行事も、文化活動も盛んになり、農協等の集まりにもみんなが出られるようになるはずであります。 総理、今日の農村はそうなっていますか。現実は逆でしょう。農家は以前より一層忙しくなりました。働ける若者は村にいなくなり、農漁村全体が日本の養老院の観を呈しているとさえ言われています。主婦は農耕と兼業労働と家事に追われ、健康は著しく損なわれています。過疎は進み、地域生活に最小限必要な医療、教育、厚生の諸条件さえ奪われました。村祭りもできなくなっているではありませんか。 補助金をもらい、近代化資金を借りて、その上に、農民は農業から失業したのであります。近代化し、進歩発展したのは、農業の破壊と、衰退を基礎とした工業の発展であります。また、農業に関する工業であり、農業に関する商業であります。農薬会社、農機具メーカー、畜産会社、乳業会社、商社の成長は著しいものがあります。残念ながら、農民の組織である農協も、これを促進したという結果になっております。自民党農政完備して農業衰え、農協栄えて農民滅ぶという言葉は、自嘲的な中に真実を表現しています。(拍手) 水産行政、林業行政もまたしかりであります。 水産国であり、魚食民族である日本の海は、死の苦しみにあわ立っています。緑の山ははげ、川はわずかな雨ではんらんし、国土は荒廃し、日本民族の心のふるさとは奪い去られてきました。水産物、木材が、国内生産量よりはるかに多い量を外国に依存するということは、どういうことですか。 以上の諸点について、総理の御見解を承りたいと思います。 次に、荒廃の原因について、具体的にお尋ねいたします。 第一に、自由党政府が推し進めてきた高度経済成長政策は、農村、農民から土地を奪い、水を奪い、労働力をも奪ってしまったこの事実をお認めになりますか。 第二に、高くつく国内食糧より、安上がりな輸入、金さえ出せば何でも手に入るとの神話を前提としての国際分業農政が、完全に破綻したことを認められますか。 第三に、昭和四十五年、米政策を百八十度転換して、増産から休耕、減反政策をとった。この政策は、農民の命、心の稲を枯らしたと言われ、農民の生産意欲を減退させた。この事実もお認めになりますか。 第四に、最近のスタグフレーションの中で、出かせぎも求職難で、農村への進出企業の倒産なども含めて、農民の所得は、他産業労働者の四、五〇%程度に落ち込み、その生活破壊は深刻さを増しています。これをお認めになりますか。 第五に、自民党政府の高度経済成長政策の中の、採算性、企業性を追求する農業基本法農政は、身体や命は富よりも大切であるという基本精神が忘れられていたのではありませんか、どうですか。 以上、五点について、率直な自己批判と反省なしには、三木総理が施政方針演説で述べられた、一つの区切りをつけて再出発する時期という今日の認識は、成り立たないのではございませんか。総理の所見をお聞かせ願います。(拍手) 私は、質問を、食糧自給問題にしぼっていたしたいと思います。 まず、食糧危機の認識についてお尋ねいたします。 石油に続く危機は食糧と言われています。事実、石油価格が、七三年の危機騒ぎの中で四倍上昇いたしました。時を同じく、中心的な食糧の一つ、小麦価格も七二年から七四年初めまでに四倍上昇し、シカゴ穀物取引所相場は、わが国国内価格を上回りました。 これは異常天候はあったにせよ、その背景には、石油輸出に占めるOPECのシェアを上回る、世界農産物輸出の九割を、カナダとともに押さえているアメリカの食糧戦略の転換がなかったとは言えません。今日、食糧を武器に使える政治大国はアメリカです。アメリカが食糧の元栓を締めたら、日本はどうなりますか。七十二年を境に、世界の穀物が過剰基調から窮迫基調に変わった、この変化をどう理解されますか。息の根を握られた国家の生きる道は、総理、どうあるべきですか。外務大臣、息の根を握られていての外交で、主体性ある平等、対等の外交ができますか。責任ある答弁を求めます。(拍手) 次に、人口の爆発は核爆発のように恐ろしい、人類の生存を脅かす敵は、増加を続ける人類自身だと言われています。 日本の人口は、今日の一億九百万が、二〇〇〇年には一億三千万人を超すと推定されます。日本、及び総理の好きな言葉「地球船」規模で、人口と食糧の関係、その見通しはどうなのか、総理の所見を伺いたい。農林大臣の対応策をお聞かせ願いたいと思います。 次に、食糧自給率向上の視点をどこに置くべきかということについてお尋ねします。 第一に、政府は、日本の国土ではとうてい食糧の自給はできないと言っています。私は、これは誤りであろうと思います。もちろん、資本主義と、人間の欲望を前提としたいままでの科学思想では自給できないかもしれません。発想を原点に戻し、いかなる文明も土壌の生産力を基礎に発生し、土壌の衰えとともに滅亡したという歴史を、いま一度学ぶ必要があると思います。 土や農業は、人間が人間性を失わないためにも、人間の営みとして重要であります。土と太陽を忘れた人間の労働は、ケージの中で産卵機械と化した鶏と同じではありませんか。農業をよみがえらせることは、人間の復活を意味します。食糧の自給論は、このような根源にさかのぼって追求すべきであり、場当たりの自給論では、風向きが変わると、また変節するのであります。総理、人間の英和でお答え願いたいと思います。 第二に、食糧自給率の向上は、わが国国民の安全保障の問題であります。食糧の自給は、国民の生命維持の根源であります。 外国飼料の輸入量は、米の年間収穫量と匹敵する千二百万トンであります。日本は、卵や肉の生産に、アメリカやカナダの土地を使っているのであります。日本の伝統的な食品のみそ、しょうゆ、豆腐の原料も含め、小麦、大豆も消費量の九割以上を輸入しています。この食糧輸入がゼロになる日にどう備えるかが、食糧自給率向上の原点であり、最も重要な国民の安全保障の問題であります。総理、農林大臣の見解を承りたいと思います。 次に、食糧自給率向上を、具体的にどうするのかということについてお尋ねします。 日本人の食糧は、日本の国土で日本農民の手でと、責任と誇りを農民に持ってもらうことが基本であらなければなりません。まず、農家そのものが自給農業として成り立ち、そこを出発点として地域農業を確立し、その積み上げとして、国内自給を達成するという基本姿勢がとられるべきであると考えますが、いかがですか、中国の自力更生運動をどう評価されますか。農業後継者対策と農畜産物価格対策を含めて、お答え願いたいと思います。 具体的な第一点として、農林省は長期見通しで、食糧の総合自給率を約八〇%程度に高めると言っていますが、日本の食糧の自給率を最も的確に判断し、信頼できるのは、穀物の自給率であります。穀物の自給率を、農林省の計画では、昭和四十七年四二%を、六十年三七%に低下させています。言うこととやることが違うではありませんか。どうですか。 第二に、飼料の輸入を千六百万トンとして、現在より六割増し、麦の輸入を三倍にしている。これは従来の国際分業論の強化ではないですか。 第三に、水産物にしても千二百万トン確保としていますが、今日の国内、国際情勢から見て、千二百万トン確保できると考えているのは、ただ日本の農林省だけだと言われています。 いま述べました第一、第二、第三の対策と計画は、現在の惰性の上に立った過大表示であり、砂上の楼閣としか言えません。 第四に、日本は今日、二千四百万トンと、世界農産物の一〇%を輸入する世界一の穀物輸入国であります。世界各国から、日本は買い過ぎる、国際協調して、食糧不足の国にも食糧がいくように手だてをしなければならないと言われています。開発輸入にしても経済侵略と警戒されているではありませんか。アメリカ、カナダからの安定輸入、東南アジア、オーストリアの開発輸入が、日本の都合のよい方向にいくと思っておられますか。 さらに、食糧の備蓄計画を含めて、以上四点の具体的な諸問題について、農林大臣、外務大臣の御見解を承りたいのであります。(拍手) 次に、土地と水についてお尋ねいたします。 農地は、六十年に五百八十五万ヘクタールと、約十六万ヘクタールふえるような計画でありますが、内容は、七十万ヘクタールつぶして、八十六万ヘクタール開墾するということであります。つぶして住宅、工場にする農地は平地であり、開墾するのは山地であります。これが食糧自給率向上の土地政策と言えますか。また、化学肥料と農薬の増投による略奪農法によって、土は死につつあります。今後、農地はつぶさないんだ、死に瀕した農地は生き返らせるのだという原則を立てるべきと思うが、総理、農林大臣、いかがですか。 次に、水についてお尋ねします。 千人百十入ミリ、日本の単位面積当たりの降雨量は、世界平均の二・五倍の豊かさであります。この豊かさが水を資源とする考え方を阻んできました。しかし、一人当たりの降雨量として見ると、世界平均の五分の一であります。水の果てるところ、地も果てる。水資源を食糧自給率向上にどう対応させた政策をとっているのか、農林大臣の答弁を求めます。 三木総理、あなたは、田中前総理の日本列島改造問題懇談会の向こうを張って、国民食糧会議をやっておられます。また、近く、三木ビジョンというか、総福祉路線というか、そのようなものを発表されるのではなかろうかとも聞いています。 今日、国民は、人間の復権を目指して、自分たちが駆けめぐったあの緑の山や野原を返せ、泳いだきれいな海を戻せ、魚をとったきれいな小川を返せと叫んでいます。聞こえませんか。このようなきれいな国土の上で食糧自給率八〇%を確立する、この土台なしには、いかなるビジョンを出されても砂上の楼閣でしかありません。総理のビジョンについてお聞かせ願いたいと思います。 私は、最後に、五十年産米米価についてお尋ねいたします。 るる申し上げていますように、国内の食糧自給体制の強化を図るためには、農畜産物価格保障を初めとして、農民所得向上の政策を確立して、農民の生産意欲の向上を図ることは急務であります。 最近、大蔵省は、試算米価一〇%程度、生産者、消費者米価同時諮問による逆ざや解消と言って、生産者米価を低く抑え、消費者米価を大幅に引き上げるべきだという意図を露骨にあらわしています。この大蔵省の意図は、二重価格制を破壊し、食管制度の根幹を否定しようとするものであります。大蔵大臣の考え方と、それに対する農林大臣の所見を承りたい。 特に、安倍農林大臣は、攻めの農政を公約されておられますが、五十年度農林予算の総予算比率の後退や、昨日の麦価諮問で、ここ数年来農民が、パリティ計算でなく、生産費及び所得補償方式で計算すべきであるという悲痛な願いを無視されました。そして、一〇・二%アップの低麦価を本日決定しようとしております。この態度を見るとき、攻めの農政どころか、守りでもなく、退却の農政と感ぜざるを得ません。農林大臣、前向きの答弁を期待します。(拍手) 自分がいま植えつけている米が幾らに売れるのかわからない、生産費及び所得が補償されるのかわからない、近代社会で基幹産業中の基幹産業と位置づけねばならない農業で働く農民を、こんな状態に置いてよいものですか。少なくとも、生産者米価は農民と政府が団体交渉で決めるというような原則を確立すべきであります。また、今日の食糧危機を、農民を中心に、全国民の合意と努力で乗り切らなければならない時期に、政府は、ほんの数日しか間を置かぬ、実質的に両米価同時決定という、余り先例のない小手先の戦術をとって、生産者と消費者を対立させてはならないと思います。 ことしの生産者米価は、農民要求に基づき大幅に上げるべきです。そして、消費者米価は引き上げてはなりません。それこそ食管制度の精神であります。この食管の財政負担は、経済大国から福祉大国に移る新しい日本づくりに、まずやらなければならない第一歩の、初歩の原則ではありませんか。 総理、財政担当の大蔵大臣、農民の期待と国民の期待を裏切らないでほしい。歴史の流れと日本の発展の方向を見誤らないようにしてください。 誠意ある答弁を求めて、質問を終わります。(拍手) 〔内閣総理大臣三木武夫君登壇〕
○内閣総理大臣(三木武夫君) 馬場議員の御質問にお答えをいたします。 高度経済成長、すべて悪い結果ばかりが出たような御発言でありますが、私は、そうは思わないわけでございます。国民生活の水準は、全体として著しく向上したことは事実でございます。しかし、反面、馬場議員が御指摘になりますように、農村、漁村からは労働力が流れ、地価が高騰し、輸入の増加等、大変な問題を生じたことは御指摘のとおりでございます今後、非常に長期的な視野に立って、わが国農林漁業の体質を強化せなければならぬと考えております。 そのためには、一つには、土地、水資源の確保、整備、二つには、農業生産の中核的担い手の若者の育成確保、三番目には、農村地域の計画的な整備開発、こういう全般的にわたる施策を展開して、農村対策を強化してまいりたい。農村が荒廃して国の安定はあるものではありません。農村というものは、食糧供給以上な大きな社会的意味を持っておることは、私は、馬場議員の御指摘のとおりだと思います。 また、馬場議員は、農作物の価格の上昇は、アメリカの食糧戦略によるものだという御断定でございましたが、私は、そう一概には思わないわけでございます。農作物の価格の上昇は、世界的な不作、在庫の減少などによるものであって、これがアメリカの食糧戦略の結果だとは私は思わないわけでございます。ただしかし、今後の世界の人口の増加などから考えてみて、食糧の需給というものは窮屈になることは明らかでございます。したがって、この食糧問題というものは、エネルギー問題と同じような大きな世界の課題であることは事実でございます。 このために、わが国としては、できるだけ自給力を強化するとともに——しかし馬場議員は、食糧の自給率を非常に高めて、自給自足のようなところへ持っていくことを理想とされておるようでございますが、今日は、どこの国でもそういう経済ができる時代ではないのであります。国際分業といいますか、やはり国際協力によって、そして、お互いにその国の特性を生かして協力していかなければ、自分の国で自給自足的な考え方を持つことはできませんが、しかし、食糧というものの重大性にかんがみて、自給率を高めよという御意見に対しては、同感でございます。そのために、今後とも、農地の確保等、日本の農業の振興のためには努力をしてまいる所存でございます。 また、米価の問題に触れてお述べになりましたが、できるだけ生産者米価は高く買って消費者には安く売れという、そういうことができれば、もうだれも皆賛成でございますが、しかし、そうなってまいりますと、やはり巨額の財政資金を要するわけでございまして、それを社会保障と考えろということも、一つのお考えかもしれませんが、しかし、社会保障は社会保障として適切な諸施策を推進しなければなりませんから、どうしても食管を社会保障——そういう面はありますよ。そういう面は確かにあるけれども、社会保障政策の一環そのものだというふうに考えることは、賛成をいたしかねるものでございます。 したがって、できるだけ消費者米価を安く抑えることは必要でございますが、しかし、財政的な面も考えなければ、一体、その逆ざやというものはどうしてこれを処理するのか。最終的には国民の負担にならざるを得ないわけでございますから、今後とも、そのお気持ちはわかりますけれども、合理的な米価、あるいはまた消費者米価の決定をいたしたいと考える次第でございます。(拍手) 〔国務大臣安倍晋太郎君登壇〕
○国務大臣(安倍晋太郎君) 農政の基本的な方向につきましては、ただいま総理からお答えがございましたので、具体的な問題につきましてお答えを申し上げさせていただきます。 まず、食糧自給につきまして、中国の例を引かれての御意見がございましたが、わが国の多様な食糧の消費生活、あるいはまた国土資源の制約、生産条件の地域的ないろいろな特性等を考慮いたしますと、適地適産のもとに、国内の生産体制を整備していくことが必要であると考えておるわけでございます。やはり、その国独自の食糧自給の方法があると私は思うわけであります。 また、農業後継者育成対策につきまして、やはりこの基本は、何といっても、魅力のある農業をつくっていくことであろうと思います。そのためには、農業生産基盤の整備、経営近代化施設の導入、あるいは価格政策の強化改善、さらにまた、農業者教育施設の整備、普及活動の強化、農村環境の整備等によりまして、農業の後継者の積極的な確保を図ってまいりたいと考えておるわけでございます。 農産物価格政策につきましては、やはり農産物ごとの特性がそれぞれあるわけでございまして、また生産事情、需給の事情等もあるわけでございます。そうしたそれぞれの経済事情を十分に勘案をして、適正な価格の水準を実現していくことが価格政策の基本であろうと思うわけでございます。 一律に生産費所得補償方式を行えという御議論もあるわけでございますが、やはり私は、以上申し上げましたような農産物の特性から見て、それぞれの特性に応じた価格算定方式というものが行われるのが筋ではないかというふうに考えておるわけであります。 農産物の長期見通しに対する御意見につきましては、米の完全自給はもちろんでございますが、麦や粗飼料等の増産にも積極的な努力を続けております。しかし、トウモロコシとか、あるいはコウリャンといった飼料穀物につきましては、わが国の土地資源の制約等から、国内の生産を拡大をするということは困難であり、不可能でございます。したがって、需要は今後とも増大をするわけでございますから、その大部分はやはり輸入に依存せざるを得ない。その輸入を、われわれは安定的な輸入体制を確立していきたいということで努力をいたしておるわけでございます。 水産問題につきましては、現在、沿岸あるいは遠洋を取り巻く水産の環境が非常に厳しいことは御指摘のとおりでございまして、われわれは、今後とも、こうした厳しい情勢の中にあって国民食糧の過半数を占めるところの動物性たん白資源の確保を図っていくためには、第一には、やはり沿岸漁業の振興を図っていく。漁港の整備であるとか、あるいは栽培漁業の振興、あるいはまた漁場の造成といった沿岸漁業の振興、さらにまた海洋法会議の経過等を見ましても、遠洋漁業も非常な制約を受けておるわけであります。これからも受けるわけでございますが、そういった事態の中にあって、われわれは積極的に沿岸漁業国との間の協力関係を進めて、少なくとも、わが国の今日までの漁獲高が維持できるような努力を今後とも続けていきたいということで、積極的に努力を試みておるわけでございます。 土地と水についての御意見がございました。 農地の確保につきましては、今後とも、農地転用の許可制度の厳正な運用と、農業振興地域制度の積極的な活用によりまして、優良農用地の確保に努めてまいりたいわけであります。 また、御指摘がありましたような地力の維持培養につきましては、耕種と畜産との有機的な結合の推進、あるいは土づくり運動の展開等の施策を、今後とも一段と強化をしてまいりたいと思います。 さらに、農業用水の確保につきましては、既得用水の施設の整備や、新たな需要の増大に対応する水源施設の建設等によりまして、その必要量を確保していくことが大事なことであろうと考えるわけでございます。 最後に、本年の米価でございますが、これは食糧管理制度の適正な運営を期するためには、やはり基本的には両米価を相互に関連させた考え方のもとに決定をする必要があると思っております。しかし、本年の具体的な取り扱いにつきましては、現段階ではまだ決めていないわけでございます。 なお、麦価につきまして御批判がございましたけれども、私たちは、パリティ計算によって一〇・一五%の値上げを諮問いたしまして、御答申をいただいたわけでございます。 われわれは、今後の麦の増産対策に今後の農政の大きな力点を置いておりまして、昭和六十年を目標といたしまして、麦の増産二倍を計画いたしておるわけであります。そのためには、この価格問題につきましても研究をしなければなりませんが、同時に、これとあわせて、生産奨励金の交付であるとか、あるいは集団的な生産組織の拡張推進等、さらにまた、機械化に対する補助等、もろもろの総合的な、全体的な各種の施策を今後とも強力に推進していきたい。六十年度の二倍増産は確保できるという自信を持っておるわけでございます。(拍手) 〔国務大臣宮澤喜一君登壇〕
○国務大臣(宮澤喜一君) 一九七二年ごろを境として、アメリカの過剰農産物の時代がさま変わりになったと言われましたことは、私どももそのように認識しておりますが、そこで米国が、食糧をいわゆる戦略手段として用いるということの可能性について御指摘があったわけでございます。 この点は、いろいろな客観的な事情から、私どもはそういうことはあるまいというふうに考えておりますが、それには幾つか、実は理由がございます。 第一に申し上げられますことは、御承知のように、アメリカにおきましては、農産物の取引は全く自由に民間にゆだねられておりまして、米国政府として市場操作の手段を全く持っておりません。かえってそのために、御承知のように、先年ソ連が非常に安いたくさんの買い付けをいたしまして、それが需給状況を変えたと言われたくらいに、実は政府がコントロールの手段を持っていないというのが事実であろうと存じます。そのころから、御指摘のように需給状況が変わってまいりまして、価格もシカゴ相場でずいぶん上昇をいたしました。しかし、その後米国が作付制限をやめてしまったこと、したがって生産がふえ、それから世界的な需要の減退もあろうと存じますが、ただいまは、やや市況は軟化をしておるというふうに考えております。これが第一点でございます。 それから第二点は、米国にとりまして、農産物輸出というのは、御承知のように非常に大きな貿易上の黒字をつくっておるわけでございまして、貿易のバランスに非常に貢献しております。でございますから、御承知のように、中西部の穀倉地帯では、この輸出ということについて非常に関心を持ち、輸出市場の確保ということに大変に熱心であるが、こんな事情も、第二の理由として申し上げることができると思います。 それから第三に、米国の穀物の価格は、御指摘のように、シカゴのマーケットによるわけでございますけれども、これが当然に国内価格もそれで左右されるわけでございますから、国内の消費者の意向を無視して、勝手な価格を外国に向かってつけるということは、人為的にはできないというような幾つかの理由から、私は、外交の手段云々、戦略の手段ということは、まず客観的に見て、ないのではないかというふうに考えております。 第二に、わが国への安定供給のお話がございました。 ただいま農林大臣からもお話がございましたが、アメリカ、カナダ、オーストラリア、わが国の主たる輸入国が、概して農産物については自由な体制をとっております。楽観はいたしておりませんけれども、安定供給について心配があろうとは考えておりません。 先ほど石油との対比においてお話があったわけでございますけれども、申し上げるまでもなく、石油と農産物を比較いたしますと、農産物は再生産が可能である、そうして生産性の向上の余地もあるという点で、両者を同列に考える必要はないのではないかというふうに存じます。 それから、開発輸入につきましては、御指摘のように相手国、当該国の国内の需給事情であるとか、あるいは相手国の立場を十分尊重するということについて、従来も気をつけてまいったつもりではありますが、今後とも十分戒心をしてまいらなければならないと思っております。(拍手) 〔国務大臣大平正芳君登壇〕
○国務大臣(大平正芳君) 本年産米の価格の決定につきましては、総理並びに農林大臣からお触れになりましたので、私から蛇足を加える必要を感じておりません。 ただ、御案内のように、すでに八千四百億円に上る食管会計に対する一般会計からの繰り入れがございます。これはあなたの言われる食管制度を維持するために、一般会計からこれだけ寄与いたしておるわけでございますが、これ自体、すでに食管制度の運用上も、また健全財政の見地からも、今日の事態は問題があると考えております。 しかしながら、大幅の逆ざやを一挙に解消しようなどという無理なことを大蔵省は申し上げておるわけではないのでありまして、可能な限りこの解消を図りまして、健全な食管制度の運営を図りながら、堅実な財政の運営をやらしていただきたいというのが私どもの念願でございますので、御協力を願いたいと存じます。 それからまた、先ほど農林大臣の言われましたように、両米価同時諮問になりますかどうか、これはいまから政府が決めることでございますけれども、私どもといたしましては、連関して御論議をいただいて、公正な結論を期待いたしておる次第でございます。(拍手) —————————————
○副議長(秋田大助君) 諫山博君。 〔諫山博君登壇〕
○諫山博君 私は、日本共産党・革新共同を代表して、農業、林業、漁業白書について、三木総理並びに関係大臣に質問します。 まず、三木内閣の農業政策の基本姿勢について伺います。 今日、多くの農民は、インフレと不況の同時進行のもとで、経営費の高騰による農業収入の停滞、不況による兼業収入の大幅減少という二重の打撃を受け、その生活はきわめて深刻なものとなっています。わが国の食糧自給はますます低下し、穀物の自給率は四一%、米を除けば、わずか七%にすぎなくなりました。また、農業生産の土台である耕地は、昭和三十五年以来、実に百万ヘクタール以上もつぶされ、わが国の農業は、まさに再起を危ぶまれる状態となっています。 このような今日の事態が、わが党がかねてから指摘してきたように、自民党政府の大企業本位の高度成長政策と、アメリカべったりの農産物輸入増大政策によることは、このたびの白書も認めざるを得なくなっています。 総理、あなたは、さきの国民食糧会議において、高度経済成長の過程で農漁業の体質が脆弱化したと、人ごとのように述べておられます。わが国の自給率をこれほどまでに低下させてきたことに、あなたはどのような責任をとろうとしておられるのか、明確な答弁を求めます。(拍手) さらに、三木内閣は、従来の農政を転換するかのように装い、さきに閣議決定した農産物需給の長期見通しを大々的に宣伝しています。しかし、この見通しは、現在まさに焦眉の問題となっている穀物自給率を、さらに五%も引き下げて三七%にするという、驚くべき内容になっています。わが国に合わないものは輸入でやっていくと述べて、食糧自給の努力を放棄し、輸入に依存することは、農業破壊路線の継続以外の何物でもありません。 しかも、さきに明らかになったCIA秘密報告には、食糧を全世界に対する経済的、政治的支配のために使うことを強調しています。総理は、こうしたアメリカの食糧戦略を承知しておられるのかどうか。この危険な事実を承知の上で、なおかつ穀物の自給率を引き下げ、アメリカ依存を続けようとされているのかどうか、総理の見解をお伺いします。(拍手) 今日、何よりも重要なことは、わが国農業を再建し、主要食糧の国内自給を基本に国民食糧の安定的供給を確保することであります。 そのために、第一に必要なことは、農民に引き合う価格を保障することです。 白書も、長期見通しも、価格政策の充実を強調しています。だが、問題はその中身です。 長期見通しは、今後の価格政策について、第一に、価格水準を比較的規模が大きく生産費も安い、いわゆる中核農家の生産費に合わせた低水準にしています。第二に、農産物相互の均衡と称して、米価を麦や大豆のような低価格に抑えつける方向を打ち出しました。 政府は、鳥取県農協米対本部が行っている昭和四十三年度米暫定加算取り消し訴訟の答弁書で、米価が正当な補償の基準を超えているなどと公言しています。これは三木内閣の公式の見解として理解してよいのかどうか。そうであるならば、あなたたちの言う正当な補償の基準とは一体何を指しているのか、具体的に示さなければなりません。この点について農林大臣の答弁を求めます。 わが党は、かねてから、麦、大豆、飼料作物などの主な農産物について、当面、せめて米並みの労働報酬を補償することを強く要求してまいりました。これは食糧自給率の向上を図る上で最低限の条件だからであります。政府は、なぜこの切実な要求にこたえようとしないのか、総理の明快な答弁を求めます。 さらに、肥料、農薬、農機具などの価格つり上げを抑えることは、農民の経営を守る上でも、消費者に安い農産物を供給する上でも、きわめて重要な課題となっています。新聞報道によると、農林省は、業界に対して、資材値上げは生産者米価決定後が望ましいなどと指導していると聞いています。これは事実なのかどうか。また、農機具について価格据え置きを決めたというが、一体いつまで据え置くつもりなのか。さらに、農薬、肥料についても当然価格を据え置くべきだと考えますが、これらの点について農林大臣の答弁を求めます。 あわせて、ことしの米価について質問します。 三木内閣は、財政危機を口実に、生産者米価を低く抑え、消費者米価を引き上げるために、両米価の同時諮問方式を導入して、二重米価制度を根幹とする食管制度を乱暴に改悪しようとしています。ことしの米価決定に当たっては、限界的な条件にある農家の生産費を償い、全製造労働者の平均賃金に基づく家族労働報酬を保障するような生産者米価を実現すべきであります。また、消費者米価引き上げが、すべての国民に深刻な影響を及ぼすことを考えるなら、消費者米価の引き上げは絶対にやってはなりません。総理並びに農林大臣の答弁を求めます。(拍手) 第二に、農地の拡大についてであります。 わが党は、昨年農用地拡大の具体的構想を提案し、向こう三年間で五十万ヘクタールの農用地を回復し、さらに第二次土地改革で、新たに三百万ないし四百万ヘクタールの農用地を造成することが、技術的にも、経済的にも可能であることを明らかにしました。このように農用地を拡大し、土地改良事業を積極的に進めていくなら、わが国の食糧自給率を飛躍的に高めることは、決して困難ではありません。 ところが、三木内閣は、総需要抑制、財政危機を口実に、五十年度の農業基盤整備予算を、四十七年度の事業量のわずか六割の規模に縮小しているではありませんか。総理、あなたはこのようなやり方をやめ、大企業本位の財政の仕組みを根本的に転換して、思い切った予算措置により、農地拡大を行う考えがあるのかどうか、明確にお答えいただきます。(拍手) 第三に、白書が最大の目玉としているいわゆる農業の中核的担い手についてであります。 政府は、農地、価格保障、金融、さらには技術指導に至るまで、基幹男子農業専従者のいる三割の農家に集中させ、これを中核農家として育成しようとしています。これはどのように弁解しようとも、新しい選別政策の強引な押しつけであります。しかも、これら選ばれた農家も、いまのような自民党農政が続く限り、結局は、ゴールなき規模拡大に追い込まれ、一層の苦しみをなめる結果になることは避けられません。昨年の畜産危機の際、何名もの中核的担い手が自殺に追い込まれた事実を、総理は決して忘れてはなりません。 さらに深刻なのは、農業後継者の問題です。 福岡県では、昨年の農業高校卒業者二千四百三十五名のうち、農林業についたのはわずかに二百六名であります。将来の農業を背負って立つかたい決意に燃えて農業技術の修得にいそしんできた農業高校生のうち、十人に一人も農業の道を選ばなかったというこの冷厳な事実を、総理、あなたはどのように受けとめておられますか。 魅力ある農政などという甘いスローガンで、自民党農政が農民にもたらした悲惨な現実に口をぬぐうことをやめ、農業を、工業と並ぶ国の基幹産業として正しく位置づけ、農業でりっぱに生活がやっていけるような確実な展望を示すことこそ、いま自民党政府が取り組まなければならない緊急な課題と言わなければなりません。総理並びに農林大臣の責任ある答弁を求めます。(拍手) 次に、林業白書について質問します。 ことしで十年目になる林業白書は、基本法林政が、木材需給の面でも森林資源の面でも、また林業労働力の面でも、完全に破綻したことを示しています。ところが、政府はこの深刻な事態を直視し、必要な対応策を講ずるどころか、逆に、事態の一層の悪化をもたらす大企業本位の林政をさらに強めようとしているのであります。これはきわめて重大な問題です。ここでは、次の問題に限って、関係大臣の具体的な答弁を求めます。 いま、全国各地でマツクイムシの被害が深刻になっています。マツクイムシの原因が究明された今日、政府は被害の後始末にとどまらず、人畜無害の薬剤の開発と、中小山林所有者の負担なしの予防体制を速やかに確立すべきであります。この点について農林大臣の見解を求めます。 また、大企業本位の林政のもとで、山林労働者の労働条件や生活環境が著しく破壊され、特に白ろう病などの職業病対策は緊急の課題となっています。国の責任で定期検診を実施し、いつでもかかれる医療設備をつくるとともに、労働災害認定の条件の改善や、労働者が安心して使用できる機械を開発するなど、緊急対策をとるべきであります。農林大臣並びに労働大臣の答弁を求めます。 最後に、漁業白書についてお尋ねします。 まず、領海十二海里、経済水域二百海里が世界の大勢となっている今日、政府は、これまでの大漁業資本や商社などによる資源略奪型の乱獲や開発輸入を、厳しく規制しなければなりません。同時に、北洋漁業関係諸国やアジア、アフリカなど沿岸諸国との間に、平等互恵の立場で漁業協定を結ぶなど、これまでの反省の上に立った積極的外交政策をとるべきであります。 また、昨年秋以来の相次ぐソ連漁船団による操業妨害などの被害を解決するため、領海十二海里の即時設定が困難であるなら、せめて漁業専管水域十二海里を直ちに設定すべきであります。この点について総理大臣の答弁を求めます。 次に、三菱石油の重油流出事故に見られるように、依然として漁場汚染が相次いでいます。特に瀬戸内海では、例年になく早く赤潮が発生し、このまま手をこまねいていれば、赤潮多発期である七、八月には、壊滅的な打撃を受けることが必至と言われています。いまこそ、沿岸漁場の浄化、赤潮禍の根源を断つために、産業排水、都市下水の合理的処理、沿岸の埋め立てや公害産業の集中規制、ヘドロのしゅんせつと沿岸海域の清掃などを、大企業と国の責任で実施すべきであります。総理の積極的な答弁を求めます。 さらに、漁業者は、いま資材の高騰と魚価低落のはさみ打ちに遭って、深刻な経営危機に見舞われています。長期低利の融資制度や資材価格の引き下げなどを早急に行う必要があります。農林大臣の具体的な答弁を求めます。 また、国民に安く新鮮な魚を供給し、漁業者に引き合う魚価を保障するために、いま緊急に必要なのは、魚の流通を支配する大資本の横暴を規制することであります。あわせて、魚価支持制度を確立することであります。わずか七億円程度の予算でお茶を濁すのでなく、抜本的な価格支持制度をつくる用意があるのかないのか、農林大臣の答弁を求めます。 総理、農林水産業は、わが国産業の中で工業と並ぶ二本の柱の一つであります。高度成長政策がもたらした農林水産業の無残な破壊を、これ以上進めさせてはなりません。わが党がかねてから主張してきたように、アメリカべったり、大企業優先の政治を根本から改め、農林水産業と工業のつり合いのとれた発展を図ることこそ、現在の緊急な課題であります。 総理、歴代自民党政府が、今日の重大な事態をもたらした責任を深く心に刻み、根本的な政治の転換を図るべきは当然ではありませんか。重ねて総理の見解を求めて、私の質問を終わります。(拍手) 〔内閣総理大臣三木武夫君登壇〕
○内閣総理大臣(三木武夫君) 諫山議員にお答えをいたします。 高度経済成長がもたらした農村への悪い影響の面を、いろいろ御指摘になりました。 先ほど馬場議員にもお答え申したごとく、高度経済成長が、全体としての国民生活水準を高めたことは言うまでもないわけですが、反面、農村においては、労働力の流出であるとか、農村における農地の地価を高騰さしたとか、輸入の増加もその一つでありましょう。こういうことが、いろいろマイナスの影響のあったことも事実でございます。したがって、今後は、優良な農地を確保して、国内の自給力を高めるということを基本として、総合的な食糧政策を展開してまいりたいと考える次第でございます。 長期的な見通しとして、穀物の自給率のお話がございました。 穀物の自給率は、私も高めなければいかぬ。四十七年度においても四二%というわけでございますが、しかしながら、先ほど安倍農林大臣の御答弁の中にもありましたが、いま飼料穀物というものに対して、どうしても、国土の制約などから、大部分を輸入せざるを得ないという制約があるわけです。この飼料穀物が穀物の統計の中に入っておるわけでございますから、どうしても穀物の自給量を高めるということについては、飼料穀物などの制約がございますから、この点を頭に入れて食糧の自給度というものは、今後もう少し高めていかなければならぬと考えておる次第でございます。 また、農作物の価格政策を重視せなければならぬということでございます。 むろんそうだと思いますが、農作物については、価格政策だけで対処することは、私は適当でない。生産対策とか構造改善対策などと総合的に考えなければ、価格政策だけで農業の振興を図るということは、余りにもバランスのとれない考え方だと考えるわけでございます。したがって、他の農作物について、国民の主食である米と同様の方式を採用するということは、適当でないと考えておる次第でございます。 また、五十年度の米価については、両米価の具体的な取り扱いについてはまだ決めてはいないのであります。今後、各方面の意見を聞いて決めたいと思っておりますが、生産者及び消費者の米価については、物価、農民の所得及び生産費、今後の農業のあり方、財政の状態など、総合的に勘案をして決めなければならぬ事態だと思いますので、そういう点で合理的に決めたいと思っております。 また一方、生産者米価及び消費者米価の間に大幅な逆ざやの関係があるということも、これは無視するわけにはいかない事実でございます。 また、諫山議員は大企業本位、大企業本位と言われますけれども、自民党の政策は、これだけの日本の国民生活に責任を持っておるのでありますから、さような偏った政策をとって、国民がこれを納得するわけはないのであります。自民党は、国民経済全般を踏まえて、公正な施策をとっておると考えておる次第でございます。 農業基盤の整備に当たって、農業の基盤整備というものが重要であるということは、私もそのように思うわけであります。 やはり、生産力の増大、あるいは将来における潜在生産力の培養、これを考えたならば、どうしても土地の基盤を整備するということをしなければならぬわけで、諫山議員も御承知のように、今年は公共事業費というものを全部抑えたわけでございます。その中にあって、農業基盤整備費は、それはパーセンテージは少ないけれども、しかし、公共事業費の中では、これは増額をいたしたわずかの例の一つでございます。このことを見ても、政府が農業の基盤整備というものは、重視しておるということの一つの証拠でもあると思うわけでございます。 また、農村の担い手の問題、後継者、後継青年の問題にお触れになりましたが、私も大変に心配をしておる。 これは、やはり農業の担い手というものが将来次々に養成されていかなければ、日本の農業というものの発展は期しがたいのでありますが、そのためには、農村の若者が日本の農業に対して魅力を持つような状態に持っていかなければならぬので、私は、それにはたくさんの問題があると思うのです。ただ口だけで言ったのでは、そういう目的は達成できませんので、各般の施策を総合的にこれは検討いたしまして、若者が、農業というものに魅力を持ってやっていけるような農業に持っていかなければならぬと考えておる次第でございます。 また、経済水域二百海里の問題、まだこれは決まったものではございませんが、大勢になっておることは事実であります。 したがって、これからの日本の漁業というものは厳しくなるわけでありますが、しかし、やはりそういうアジア、アフリカ等の沿岸諸国との間には、漁業協定を結ばなければならぬ場合が非常に起こってくると思うのです。そうして、その国の自主性、あるいはまた主権というものを尊重して、結局、国際的な協調のもとでわが国の漁業の安定を図っていくよりほかにはないと、大変に厳しい将来があると考えておるわけでございます。 また、領海十二海里の問題については、これは日本の場合もそういうふうに持っていきたいという考えではございますが、まだそこの設定までには至っておりませんが、将来は、領海十二海里の目標に向かって、国際的にもそういうことが大勢でございますから、そういう方向に持っていきたいと思っております。 また、沿岸漁場の赤潮の対策などについて、抜本的な対策を講ぜよということでございます。 私も、環境庁長官を相当長期にいたしておりまして、この赤潮対策というものについては、大変に私自身としても、この問題はどうしても防止せなければならぬということで、調査研究、技術開発などもいろいろやっておるわけですが、赤潮というものに対しては、ある程度原因というものも解明されておりますが、まだ、やはり調査研究の余地が非常にあるということでございますので、この問題は、ことに最近においては、瀬戸内海などでは、この赤潮の被害が広がっていく傾向にありますから、この問題は、一層この赤潮発生の防止に対して努力をしてまいる所存でございます。 また最後に、諫山議員は、やはり工業ばかりでなしに、農業との間に均衡をとった発展を図れというような御意見でございました。 私もそのように考えておるわけで、日本の農事というものが、単に食糧の供給というばかりでなしに、あるいは環境の保全からいっても、あるいは健全な国民精神、国民的なものの考え方、そえ 、いうものからいっても、これは日本の安定の基礎だと私は考えておりますから、工業とともに、日本の農業の発展のためには力を入れなければならぬと考えておる次第でございます。(拍手) 〔国務大臣安倍晋太郎君登壇〕
○国務大臣(安倍晋太郎君) まず、米価に関する訴訟についてお触れになりました。 政府が、いわゆる暫定加算訴訟において、昭和四十三年産米価が正当な補償を超えておると主張しておる趣旨は、都市近郊労賃による評価がえ等により決定された米価が、憲法第二十九条三項の「私有財産は、正當な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。」という規定の正當な補償を超えたものとなっておるということでございまして、政府としては、食管法に基づき、四十三年産米価も生産費所得補償方式により、適正な決定を行ったものであると考えておるわけであります。 また、本年の米価の具体的な取り扱いにつきましては、先ほども御答弁申し上げましたが、現段階では、まだ決めていないわけでございます。しかし、少なくとも末端逆ざやが二〇%近くあるということは、財政上の問題だけではなくて、農政上からしても重大な問題だというふうに理解をいたしております。具体的な米価の決定の取り扱い、あるいは運営等につきましては、各方面の御意見を聞いて、早急に決めたいと思っております。 第二に、農産物の価格政策についてお触れになりました。 農産物につきましては、やはり農産物ごとに生産、流通の事情が異なっておるわけでございます。やはりそれぞれの特性に応じた価格政策を進めることが適当であると考えておりまして、したがって、米と同様に、すべての農作物に生産費所得補償方式を採用するということは適当でないと考えております。 また、資材の価格につきましては、農業機械は、次の改定期である五十年十二月までは据え置き、肥料では、硫安、尿素は五十肥料年度中は値上げを認めないという方針であります。また農薬につきましても、五十農薬年度中は値上げを認めないという方針のもとに、指導を行っております。この点は御評価をいただきたいと思います。 なお、買い占められた農地をどうするのかという御指摘がございました。 この企業等によって買い占められた農地につきましては、やはり農地法の厳正な適用を行わなければならない、適用によってこれを処理していかなければならぬ。同時にまた、今度国会において改正されました農振法に基づきまして、開発規制、あるいはまた、さらに特定利用権の設定等の制度を活用いたしまして、これらの農業上の土地の有効利用の確保に努めていきたいと考えておるわけでございます。 林業関係で、マツクイムシの防除事業についての御質問がございました。 マツクイムシの防除事業につきましては、これを強化することを進めておりまして、特に被害の大きな地域の保安林等につきましては、全額国庫負担による国営防除事業を現在推進をしておるところでございます。相当効果が出てきておるわけであります。また、防除用の薬剤についても、より安全なものの開発について、さらに指導してまいりたいと考えます。 また、振動障害対策については、労働安全衛生施設の整備、振動機械使用時間の規制の徹底、機械の改良開発等により障害発生の防止に努めておるところでございます。今後なお、これは解明すべき問題も残されておるわけでございますが、関係各省とも連絡調整を図りつつ、真剣に対処してまいりたいと考えております。 漁業関係につきましては、ただいま総理からいろいろと御説明がございました。 魚価の安定対策につきまして、われわれも昭和五十年度から、御承知のような調整保管事業を行っておるわけでございます。さらにまた、金融的な面においても、低利、長期資金等によって安定対策を図っておるわけでございますが、さらに、これは今後とも水産質源の確保という面から見ても、こうした対策を強化する必要があると考えております。 しかし、魚価に対する農産物と同じような支持制度をつくるということは、漁業、魚の、いわゆる農産物とは違ういろいろの性質の差等もありまして、魚価についても、ここで農産物と同じように支持制度をつくっていくということは、なかなか困難があると考えておるわけであります。(拍手) 〔国務大臣長谷川峻君登壇〕
○国務大臣(長谷川峻君) お答えします。 白ろう病については、ただいま農林大臣からも答弁がありましたが、チェーンソーの対策が第一番だと思って、従来もやってまいりましたが、ことしの三月からは、外国から輸入する輸入業者、さらにはまた、国内の業者の諸君に新しい機器を開発してもらう等々、あるいはまた健康診断、巡回診療、認定等々、総合的に、いままで以上に熱心にやってまいる、こういう考えであります。(拍手)
○副議長(秋田大助君) これにて質疑は終了いたしました。 ————◇—————
○副議長(秋田大助君) 本日は、これにて散会いたします。 午後三時十八分散会 ————◇—————