本会議 第30号
- 発言数
- 27 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1975/06/24
会議録
○副議長(秋田大助君) これより会議を開きます。 ————◇————— 公害等調整委員会委員任命につき同意を求め るの件 土地鑑定委員会委員任命につき同意を求める の件 中央更生保護審査会委員長任命につき同意を 求めるの件 日本銀行政策委員会委員任命につき同意を求 めるの件
○副議長(秋田大助君) お諮りいたします。 内閣から、 公害等調整委員会委員に上原達郎君及び若林清君を、 土地鑑定委員会委員に有泉亨君、樺山俊夫君、櫛田光男君、黒澤清君、嶋田久吉君、三澤勝君及び吉野公治君を、 中央更生保護審査会委員長に勝田成治君を、 日本銀行政策委員会委員に小倉武一君を任命したいので、それぞれ本院の同意を得たいとの申し出があります。 まず、公害等調整委員会委員、中央更生保護審査会委員長及び日本銀行政策委員会委員の任命について、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(秋田大助君) 起立多数。よって、いずれも同意を与えるに決しました。 次に、土地鑑定委員会委員の任命について、申し出のとおり同意を与えるに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(秋田大助君) 御異議なしと認めます。よって、同意を与えるに決しました。 ————◇—————
○羽田孜君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。 すなわち、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件(鉄道労働組合関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件(国鉄労働組合関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件(国鉄動力車労働組合関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件(全国鉄施設労働組合関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件(全国鉄動力車労働組合連合会関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件(日本電信電話労働組合関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき一国会の承認を求めるの件(全国電気通信労働組合関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件(全日本郵政労働組合関係)及び公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件(全逓信労働組合関係)の九件は、内閣の要求のとおり委員会の審査を省略して、この際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(秋田大助君) 羽田孜君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(秋田大助君) 御異議なしと認めます。 ————————————— 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規 定に基づき、国会の承認を求めるの件(鉄 道労働組合関係) 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規 定に基づき、国会の承認を求めるの件(国 鉄労働組合関係) 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規 定に基づき、国会の承認を求めるの件(国鉄動力車労働組合関係) 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件(全国鉄施設労働組合関係) 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件(全国鉄動力車労働組合連合会関係) 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件(日本電信電話労働組合関係) 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件(全国電気通信労働組合関係) 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件(全日本郵政労働組合関係) 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件(全逓信労働組合関係)
○副議長(秋田大助君) 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件(鉄道労働組合関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件(国鉄労働組合関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件(国鉄動力車労働組合関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件(全国鉄施設労働組合関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件(全国鉄動力車労働組合連合会関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件(日本電信電話労働組合関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件(全国電気通信労働組合関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件(全日本郵政労働組合関係)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件(全逓信労働組合関係)、右九件を一括して議題といたします。 趣旨弁明を許します。労働大臣長谷川峻君。 ————————————— 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件(鉄道労働組合関係) 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件(国鉄労働組合関係) 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件(国鉄動力車労働組合関係) 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件(全国鉄施設労働組合関係) 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件(全国鉄動力車労働組合連合会関係) 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件(日本電信電話労働組合関係) 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件(全国電気通信労働組合関係) 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件(全日本郵政労働組合関係) 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件(全逓信労働組合関係) 〔本号末尾に掲載〕 ————————————— 〔国務大臣長谷川峻君登壇〕
○国務大臣(長谷川俊君) ただいま議題となりました公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件(鉄道労働組合関係)外八件につきまして、一括して提案理由を御説明申し上げます。 昭和五十年二月以降、公共企業体等関係労働組合は、昭和五十年四月一日以降の賃金引き上げに関する要求を各公共企業体等当局に対し提出し、団体交渉を重ねましたが、解決が困難な事態となり、五月二日から七日にかけて、関係組合または当局の申請により公共企業体等労働委員会の調停段階に入り、さらに、五月十日同委員会の決議により仲裁手続に移行し、同委員会は、六月九日、日本国有鉄道当局と鉄道労働組合、国鉄労働組合、国鉄動力車労働組合、全国鉄施設労働組合及び全国鉄動力車労働組合連合会、日本電信電話公社当局と日本電信電話労働組合及び全国電気通信労働組合並びに郵政省当局と全日本郵政労働組合及び全逓信労働組合に対し、本件各仲裁裁定を行ったのであります。 本件各仲裁裁定は、職員の基準内賃金を、本年四月一日以降、一人当たり基準内賃金の八%相当額に四千六百円を加えた額の原資をもって引き上げることなどを内容とするものであり、現状におきましては、その実施が予算上可能であるとは断定できませんので、本件各仲裁裁定は、公共企業体等労働関係法第十六条第一項に該当するものと認められます。よって、同条第二項の規定により、国会の御承認を求める次第であります。 公共企業体等労働委員会の仲裁裁定につきましては、昭和三十二年以来、いずれも裁定どおり実施されてきたところであり、政府といたしましては、本件各仲裁裁定につきましても、可及的速やかに裁定どおり実施されることが望ましいと考えますので、一日も早く国会の御承認が得られますよう、強く希望する次第であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御承認あらんことをお願い申し上げます。(拍手) —————————————
○副議長(秋田大助君) 九件を一括して採決いたします。 九件を承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(秋田大助君) 御異議なしと認めます。よって、九件とも承認するに決しました。 ————◇—————
○羽田孜君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。 すなわち、この際、内閣提出、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(秋田大助君) 羽田孜君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(秋田大助君) 御異議なしと認めます。 ————————————— 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
○副議長(秋田大助君) 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 委員長の報告を求めます。商工委員長山村新治郎君。 ————————————— 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書 〔本号末尾に掲載〕 ————————————— 〔山村新治郎君登壇〕
○山村新治郎君 ただいま議題となりました私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、商工委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 わが国経済は、戦後順調な発展を続けてまいりましたが、最近における内外環境の変化はまことに著しいものがあり、わが国もこれに対応して安定成長経済に転換しつつあります。 独占禁止法の改正は、このような新たな経済情勢の変化に即応して重要な政策課題となり、本案を初め、日本社会党、日本共産党・革新共同及び公明党も、それぞれ今国会に独占禁止法改正案を提出し、民社党も改正要綱を発表いたしました。 本案は、わが国経済が今後なおその一層の発展を図るため、公正かつ自由な競争を促進しようとするものでありまして、その主な内容は、 第一に、不当な取引制限等について、課徴金を国庫に納付することを命ずる制度を新設し、課徴金の額は、違反行為の実行期間における売上額に一定率を乗じて得た額の二分の一相当額とすること、 第二に、違反行為の影響を排除するためにとる具体的措置の内容の届け出等に関する措置について定め、不公正な取引方法に対する排除措置を強化するとともに、既往の違反行為に対する排除措置を規定すること、 第三に、独占的状態の排除に関する制度を新設し、競争を回復させるため、営業の一部譲渡その他の措置を命ずることができること、 第四に、大規模な事業会社について、資本金または純資産額を超える株式保有を制限するとともに、金融会社の株式保有限度を五%に引き下げること、 第五に、高度寡占業種における同調的な価格の引き上げについて報告を求める制度を新設するとともに、国会に対する報告にその概要を示すものとすること、 第六に、違反事実についての報告者に対する通知に関する規定を新設すること、 第七に、違反行為に対する罰則を強化すること等であります。 本案は、去る四月二十五日本院に提出され、五月八日、本会議において植木国務大臣から趣旨説明が行われました。本委員会には同日付託され、五月二十三日、植木国務大臣から提案理由の説明を聴取し、以来、学識者等参考人からの意見聴取、関係委員会と連合審査会を開く等、慎重に審査を重ね、本日質疑を終局いたしましたところ、自由民主党、日本社会党及び民社党の共同提案に係る修正案が提出されました。 修正案の内容は、違反行為の影響を排除するための措置の明確化、課徴金の基準率の引き上げと減額規定の削除、価格の同調的引き上げに対する措置に関する規定の削除、審決前における主務大臣との協議に関する規定の削除等であり、採決の結果、本案は、全会一致をもって修正案のとおり修正議決すべきものと決した次第であります。 なお、本案に対し、行政指導のあり方、消費者保護の強化、公正取引委員会の機構拡充等を内容とする附帯決議が付されましたことを申し添えておきます。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○副議長(秋田大助君) 採決いたします。 本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(秋田大助君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。(拍手) ————◇————— 国務大臣の発言(地方財政法第三十条の二の規定に基づく地方財政の状況報告について)
○副議長(秋田大助君) 自治大臣から、地方財政法第三十条の二の規定に基づく地方財政の状況報告について発言を求められております。これを許します。自治大臣福田一君。 〔国務大臣福田一君登壇〕
○国務大臣(福田一君) 地方財政法第三十条の二の規定に基づいて、先般政府が国会に提出いたしました地方財政の状況につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、昭和四十八年度の地方財政のうち、普通会計の決算について申し上げますと、決算規模は、歳入十八兆二千百七十一億円、歳出十七兆四千七百三十九億円でありまして、これを前年度と比べますと、歳入において二〇・七%、歳出において一九・五%それぞれ増加しております。また決算収支は、二千五百二十三億円の黒字となっており、前年度と比べますと、六百五億円黒字が増加しております。 次に、歳入の内容を見ますと、国庫支出金や地方債の伸びが鈍化したのに対し、地方税や地方交付税を中心とする一般財源の伸びが大きかったため、歳入総額に占める一般財源の割合は、前年度と比べまして高まっております。 歳出の内容を見ますと、投資的経費は、総需要抑制策によりその伸びが鈍化しましたが、他方、人件費を中心とする義務的経費は著しく増加し、財政硬直化の重大な要因となっております。 次に、地方公営企業につきましては、昭和四十八年度の決算規模は四兆一千百八億円でありまして、前年度と比べますと、一九・七%増加しております。収支の状況を見ますと、単年度純損失は千三百十四億円、累積欠損金は四千三百六十八億円に達しております。 今後の地方財政につきましては、地方公共団体が、増大する行政需要に対処して、よくその責務を果たし得るよう、地方財源の充実強化を図るとともに、各種施策の推進に当たっては、住民福祉向上のために必要不可欠な事業を重点的に実施し、あわせて、全般的な行政経費の節約、合理化を図り、財政硬直化を打開していく必要があると存じます。 なお、公営企業につきましては、原価の上昇に対応して経営の合理化をさらに徹底するとともに、適時適切に料金の適正化を図るよう努力を払う必要があると存じます。 以上、地方財政の状況につきまして、その概要を御報告した次第であります。(拍手) ————◇————— 国務大臣の発言(地方財政法第三十条の二の規定に基づく地方財政の状況報告について)に対する質疑
○副議長(秋田大助君) ただいまの発言に対して質疑の通告があります。これを許します。佐藤敬治君。 〔佐藤敬治君登壇〕
○佐藤敬治君 戦後の日本の地方自治体は、数回の財政危機に見舞われてまいりました。しかし、今日ほど破滅的な危機に直面したのは、恐らく初めてであります。自治省は、この原因を、もっぱら地方公務員の給与が国家公務員に比べて高過ぎることと、福祉行政の先取りのためだと主張して、そのような財政危機をもたらしたのは、革新自治体の行き過ぎのせいであると攻撃を加えております。 地方財政白書が国会に提出されたのを機会にいたしまして、私は、日本社会党を代表して、このような危機的様相を呈している地方財政の問題点について、三木総理及び関係の各大臣にその所信をお尋ねいたします。(拍手) 施政方針演説の中で、三木総理は、社会的公正を確保するためには福祉を重視し、地方行政は重要であること、住民の要求に直接こたえるのが地方行政であり、量的拡大の時代から、生活中心、福祉重視の質的充実の時代へ転換するために、地方行政の果たす役割りは一層大きなものになること、さらに、国と地方との関係を初め、地方行財政のあり方について、全面的に見直す必要があることを強調いたしております。 歴代の首相の施政方針演説の中で、これほど地方行政に触れたものはほとんどありません。私は、その意味で、この演説を高く評価するものであります。全国の三千数百の自治体の関係者は、保守、革新を問わないで、長い間の念願であった三割自治からの脱出、国と地方とを通じての行財政が見直され、自主的な自治が行われることに、大いなる期待を抱いたことでありましょう。 しかしながら、まことに残念ながら、三木総理の総論に抱いた私どもの幻想は、物のみごとに打ち破られてしまいました。自治どころか、地方財政の危機をチャンスとばかりに、自治体に対する強力な締めつけが開始されたからであります。 それは、本年一月の人件費攻撃から始まって、まことに熾烈をきわめております。統一地方選挙を前にして、三月八日には、いわゆるラスパイレス指数を公表し、五月の一日には、全国人事委員会に圧力をかけ、その集大成として、五月の十六日には、あの悪名高い次官通達を発して、あめとむちを駆使して強力な指導に乗り出し、最後には監視体制を整えるために、七月から地方財務調査官制度を設けようといたしているのであります。 ここで三木総理にお尋ねいたします。 あなたが施政方針演説の中で言った全面的な地方財政の見直しとは、地方自治体に対するところのこのような締めつけであったのか。これは自主的でも、責任ある地方行政の実現でもなく、全くそれとうらはらな中央集権そのものであります。総理の真意をお伺いいたしたい。 私は、地方財政の危機は、一方的に国だけが悪いと言うつもりはありません。しかし、国には、地方自治体が指摘するような重大な責任があること、そして、ほとんどその責任が果たされていないことも事実であります。みずからの責任を果たさずして、余りにも対立的に、余りにも鋭く、一方的に地方の攻撃に終始すれば、重大な摩擦と混乱が地方に起こることは当然であります。 いま、国と地方の理事者と地方の職員と住民とが三つどもえ、四つどもえになって、お互いに告訴合戦をしている事実が、このことを明らかに物語っております。 この際、お互いに非難合戦をやめて、地方自治の原点に立ち返り、悪名高い次官通達など撤回して、もっとざっくばらんに中央と地方とが話し合って、当面の再建の方策を協議する意思はないか、総理と自治大臣の考えをお伺いいたします。(拍手) 以下、個別的に質問して、その所信をお伺いいたしたい。 まず、政府が人件費攻撃の根拠にしているところのラスパイレスの指数であります。自治省の調査によりますと、大阪府の河内長野市は指数が一二八、新潟県両津市は九三で、両者の間には実に三五の開きがあります。ところが、住民千人当たりの一般行政職の員数で見ますと、河内長野市は五・一人、両津市は一〇・一人であり、両者の差は逆に五人、ラスパイレス指数の高い方が倍も効率が高くなっております。つまり、行政効率という点から考えてみると、どちらが人件費が高いのかは、自治省の言うように、単純に決めつけることはできないのであります。 また、自治省は、いわゆるプラスアルファの四十九年度の総額は九百十一億円にも上ると発表いたしております。しかし、これは昭和四十九年九月末現在の地方公共団体普通会計予算の総額二十一兆八千二百九十七億円のわずかに〇・四%にすぎません。ラスパイレス指数の高低に関係なく、日本じゅうの自治体がほとんどすべて財政危機に陥っている事実は、プラスアルファが、決して政府の言うように、地方財政の危機の元凶でないことを示しております。 同じように、自治省の攻撃するいわゆる先取り福祉の総額二千二百億円は、二十一兆八千億のわずか一%にすぎません。政府が福祉を攻撃するのは、国と自治体の財政配分のアンバランスをたな上げいたしました論理のすりかえと言わざるを得ません。 高度成長下、せめて地方自治体のささやかな福祉政策がなかったならば、インフレに耐えかねた民衆は暴動に走ったかもしれないと思います。いわば革新自治体の先取り福祉が、自民党政府を崩壊から救ったとも言うことができる。福祉を重点にするという総理の見解を求めたいと思います。 超過負担は、地方財政危機の重要な要因であります。五月二十九日、自治省から、超過負担の四十九年度の実態調査の結果と、その解消策が出されました。それによりますと、今回の調査は、農業改良事業費等、わずかに六項目にすぎままん。しかも、対象差も数量差も一切無視した、単価差だけの百五十三億円だけが国の責任だとしております。しかも、ことしは、そのうちたった八十三億円しか解消しようとしておりません。これでは何万項目にもわたり、ここ数年間の総額が一兆円を超えているという膨大な超過負担を解消するという熱意など、とうてい認めることはできません。 お伺いいたします。なぜ対象差や数量差を超過負担として認めることができないのか、やらないのか。あるいは、政府は、一体本気で超過負担を解消しようとする意思があるのか、総理大臣、自治大臣及び大蔵大臣の御答弁を求めます。 次に、地方税の問題について、二、三質問いたします。 集積の利益を十分に吸い取って、膨大な集積の不利益を吐き出している企業、特に自民党に政治献金までしている巨大企業さえもが、経理上赤字になれば、税金をほとんど納めなくてもいいということは、まことに不合理であり、住民の納得するところではないと思います。この不合理を避けるためにも、法人事業税に外形課税の導入が必要であると思われますけれども、自治大臣、大蔵大臣の見解をお求めします。 また、六月十日に、全国知事会が大蔵省に申し入れました日銀の国庫納付金の大幅増額の問題について、大蔵大臣と自治大臣はどう考えて対処されるつもりか、お伺いいたします。 いかに国が税収不足だとしましても、昭和四十九年度上半期の八百六十六億円が、下期には一挙に十分の一の八十億円に激減し、さらに法人税も、上期の一千七百六十億円から下期は百六十三億円に激減をいたしております。したがって地方交付税も激減するという、地方財政はダブルパンチを食らうことになります。余りにも地方自治体に犠牲を押しつけるものと言わなければなりません。 地方交付税について申し上げます。当面、地方交付税の税率を引き上げることも必要でありますけれども、しかし、この制度そのものを根本的に再検討することが必要になってきたと思います。 問題点の第一は、法律よりも政令が独走して、難解で国民の理解ができなくなってきたこと、第二は、元来自主財源であるべき地方交付税が、ひもつきの補助金化してきたこと、第三は、特に大都市の本当の意味の財政需要が十分に算入されていないことであります。 したがって、この際、制度そのものを改めて、地域差によるところの財源調整のため、必要最小限のものだけを残して、その他については、根本的に国と地方の税源の再配分を行うことが必要だと考えます。総理と両大臣のお考えをお聞きしたい。 悪名高い次官通達の中で、地方債は、いわばあめとむちとしての役割りを果たしております。この地方債の発行については、当分の間、一件ごとの許可が必要ということになっております。しかしながら、この当分の間も、はや十七年経過をいたしております。政府が地方をコントロールする主要な手段として、十分にその使命を果たしておる。自治体の起債について、こんなに厳しい統制をしているところは、先進国のどこにもありません。少なくとも、一件ごとの統制をやめて、もっとやわらかい許可制か届け出制に改めるべきだと思うが、自治大臣の見解をお伺いいたします。 さらに、地方財政の危機を打開する方策として、自治省は人件費の抑制、行政事務の合理化を強く打ち出しております。 昭和四十九年九月十日、地方制度調査会は「行政事務再配分に関する答申」を出して、百七十七件にも上る行政事務の整理を政府に勧告いたしております。しかし、それから十年たちました。自治省がその結果を追跡調査したところ、答申されたものの、わずかに三十件しか実行されていないことが判明いたしました。総理は、地方制度調査会の答申を尊重することを発言いたしております。しかし、幾ら答申しても、実行されないのでは何にもなりません。自分のことは放置しておきながら、地方自治体にだけ強制しても、決してその実が上がるはずはございません。 そこで、総理にお聞きします。 地方事務官問題は、一体いつ決着をつけるつもりか、明確にお答えを願いたい。 最後に、自治省が七月から発足したいとしている地方財務調査官制度についてであります。 これについて、自治省の直接の担当官である指導課長は、新聞によりますと、次のように言っております。「幾つかの自治体がこれに反対するのは、政治的な意味合いがあるためではないか。もし、あえて調査を拒否するというのであれば、かえって何か悪いことでもしているのかと疑惑を招くことになる、」こう言っております。 そこで、自治大臣にお尋ねします。 これでは、全く旧内務省時代のおいこら行政そのままのおどしであります。何も悪いことをしていなくても、自治権の侵害を拒否するのは当然です。もし本気で自治省がこんなことを考えておるとするならば、地方自治に対する重大な挑発行為であります。 自治大臣の明確な所信をお伺いして、質問を終わります。(拍手) 〔内閣総理大臣三木武夫君登壇〕
○内閣総理大臣(三木武夫君) 佐藤君の質問にお答えをいたします。 私の施政方針演説等を引用されまして、「責任ある自主的な地方自治の確立」と述べておるが、実際は混乱が起こっておるではないかということでございます。 私は、やはりこれからの日本が生活中心、福祉重視というような、量的の拡大の時代から質的な充実の時代に転換するときに、地方自治体の持っておる役割りというものはきわめて大きい。なぜならば、地域住民と一番密着しておるものは地方自治体であるからであります。したがって、地方自治行政に当たっては、自主的であるけれども、一方において責任ある地方行政をやってもらいたい。このことについて、これは単に地方ばかりでありません。中央においても財政の硬直化という問題は大問題であります。 この問題を解決するためには、どうしても中央と地方とが、どうこれを切り抜けていくかということを話し合っていくべきだと考えまして、去る十九日には、各地区ブロックの代表の知事のお集まりを願って、率直な意見の交換をいたしました。この問題の解決に対して、いろいろと示唆に富む提言もあったわけでございます。今後、われわれも地方の自治体と協力して、この地方自治行政の危機を打開してまいりたいという考えでございます。 また、政府は地方自治体の財政硬直化の原因に福祉先取りを挙げているが、というお話でございました。 地方団体が地域住民の福祉の充実に努力することは当然であります。しかし、一般的に言えば、社会保障的な施設は、単年度には済まないのである。後年度にわたって大きな負担を残すものでありますから、願わくば、全国的につり合いのとれた形で推進することが適当であると考えております。したがって、福祉を優先しようという考え方は当然であるとしても、地方の財政運営の将来にわたっても、責任ある十分な配慮を加えて、福祉行政の前進のためにやってもらいたいと願うものでございます。 また、超過負担の解消には従来も努力してきた気持ちでございますが、今後とも、これは極力努力をいたす所存でございます。 地方交付税のあり方について、いろいろと細かいことが決められておるということでございますが、これは財源にひもをつけるという趣旨ではないわけで、地方交付税を各地方団体に配付するに当たっては、できるだけ地方の実情に即したものとするために、いろいろ細かい基準は設けて算定をしておりますが、しかし、ひもをつける考えではない。しかし、制度をできるだけ簡明なものにすることについては、今後とも検討をいたす所存でございます。 また、地方制度調査会において、行政事務の再配分など、いろいろ答申がされておるが、どうも余り、答申があっても実現しないではないかというような御批判でございましたが、地方行政のあり方というものに対しては、この際、根本的に見直しをする必要があると考えまして、改めて地方制度調査会に検討を依頼しておるわけでございます。その答申があれば、これは尊重をいたしてまいりたいと考えております。 また、地方事務官の問題については、なかなかこの問題は、これは佐藤議員も御承知のごとく、複雑な背景を持ったものでございます。各省庁の出先のあり方、あるいは、そこに勤務している職員の身分等、非常にむずかしい、関連する問題がありますが、しかし、いつまでもこの問題を放置することはできませんので、できるだけ早い時期、次の通常国会までには合理的な結論を得なければならぬという目標のもとに、関係各省庁間で協議を進めておる次第でございます。(拍手) 〔国務大臣福田一君登壇〕
○国務大臣(福田一君) お答えをいたします。 ただいま次官通達の問題にお触れいただきましたが、次官通達というのは、ことしに限って出したわけではございません。毎年出しておるのでございます。 その内容について、いろいろ御指摘があったわけでございますが、われわれは、このラスパイレス指数というものにつきましても、これはもう少数精鋭主義ということも結構なことであると思いますけれども、現実に、そういうような少数でもってうまくやっていられるところもありますけれども、多くは、やはりそのために俸給が国の水準より相当高く、人件費も多いというような状況でございますので、これらの点もひとつ考えてもらいたい。それからまた、手数料とか使用料というようなものも、必要に応じて、一挙に上げないでもいいが、余りに赤字を出すようなことをしておるのならば、是正をしてもらいたいという意味の次官通達であるということを御理解をしていただきたいと思うのでございます。 次に、福祉の先取りにつきましては、総理より御答弁がございました。 また、超過負担の問題についてもお話がありましたが、ただ、八十三億円だけしかまだ解消をしてない、ことしの予算では、それぐらいじゃだめだ、こういうお話ですが、これは運営費のものでございまして、施設費につきましては、もう昨年の補正予算でも是正をいたしましたし、また、ことしの五十年度の予算でも是正をいたしております。しかし、それだからといって、この対象とか数量というものが足りないじゃないかという御指摘でございますが、これは、今後もひとつ十分に考えてまいるつもりでありまして、各関係省に十分その点を説明もし、要求もいたしてまいりたいと考えておるところでございます。 それから、法人事業税の問題もございましたが、これはごもっともな御指摘なのでありますが、しかし、これをやりますというと、中小企業に非常に影響があるというので、いろいろわれわれは心配をいたしております。しかし、外形基準を導入するという考え方については、税制調査会等の審議を煩わして、問題を慎重に検討してまいりたい、かように考えております。 それから、日銀の国庫納付金の問題等につきましては、これは大蔵大臣から御答弁をいただくのがいいのかと思いますけれども、われわれといたしましては、これによって、この収入が減った面につきましては、これは何としても五十年度の地方財政計画の実施に支障がないように、極力努力をいたすつもりでありますから、御了承を願いたいと存ずるのでございます。 次に、交付税の問題は、総理より御答弁がございました。 また次に、地方債の許可制度は、あめとむちじゃないか、これを聞かないと地方債を許可しないぞというような意味の御質問、そういうことではだめだという御質問であります。 実を言いますと、地方債について許可制度を設けております理由は、国全体の資金を公共部門と民間部門に計画的に配分するに当たりまして、地方公共団体に対する資金配分についても、許可制度を通じて調整をする必要がありますこと、また、資金調達が困難な力の弱い地方公共団体には、長期低利の政府資金を配付する等の調整を施す必要がございます。さらにまた、個々の地方公共団体の財政運営の健全性を、国の立場からも確保する必要があるというような理由に基づいて、この地方債の許可制度をやっておるのでございまして、決して、むちをもって地方公共団体を自治省の考えているとおりに動かそうなどというような考えは、毛頭ございません。 次に、地方制度調査会で答申があったものについて、実行できていないじゃないかというお話がございましたが、これについては、総理より御答弁がございました。 また、地方事務官問題も総理から御答弁があったわけでございます。 最後に、財務調査官を設けるのは、これは何か、統制をするというか、自治省の思うように地方団体を振り向けようという、そういう意味でつくったのではないかという、厳しい御批判があったわけでございます。 実を言いますと、この財務調査官というのは、地方公共団体の相談に応じまして、そして、適切な助言、あるいはまた指導を行うということが望まれておりますし、また今後、そういうふうにして地方の実情を知ることによって、予算をつくり、あるいはまた、各省庁に対して要望をいたしますためには必要な制度である、こういうような気持ちでこの制度をつくっておるのでございまして、われわれは、地方を何かこの制度によって縛りつけるなどというようなことは、絶対考えておりません。 この点は、今度初めてできた制度でございますから、運用しておる段階で、もしそのようなことがあったら、御指摘を願えれば、直ちにこれは是正をいたすつもりでございますので、御安心を願いたいと存ずるわけでございます。(拍手) 〔国務大臣大平正芳君登壇〕
○国務大臣(大平正芳君) 超過負担につきましては、先ほどから御答弁がございましたが、大蔵当局といたしましても、まず、適実な補助単価の設定に努力いたしております。また、現実に各省庁と共同いたしまして実地調査を行い、その結果を補助単価の是正の姿で生かしておるわけでございまして、昭和四十九年度におきましても、千人百五十九億円の超過負担の解消をいたしておる次第でございます。今後もこのラインで努力してまいるつもりでございます。 第二の御質疑の、日本銀行納付金の問題でございます。 日本銀行の納付金というのは、益金から、内部留保でございますとか、配当であるとか、税金であるとかいうようなものを引きました一切のものは、納付金として国庫に納められることになっておるわけでございます。この内部に留保される金が多い場合は、納付金が少なくて税金が多いわけでございますが、御指摘の昭和四十九年度の上半期は、ちょうど、四十六年度の為替差損のために、日本銀行の自己資本が枯渇しておりましたのを是正するために、大幅に内部留保をいたした年度でございまして、その年は特に地方税並びに法人税が多かった年でございます。下半期は正常に返ったわけでございまして、われわれといたしまして、特に意図的に操作したものでないことを御了承いただきたいと思います。 その他の点につきましては、総理並びに自治大臣から御答弁でございましたとおりであります。(拍手)
○副議長(秋田大助君) これにて質疑は終了いたしました。 ————◇—————
○副議長(秋田大助君) 本日は、これにて散会いたします。 午後六時四分散会 ————◇—————