P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
75回国会衆議院1975/06/20

本会議 第29号

発言数
59
登壇者
18
会派数
5
開催日
1975/06/20

会議録

秋田大助自由民主党副議長

○副議長(秋田大助君) これより会議を開きます。      ————◇—————  日程第一 商品取引所法の一部を改正する法   律案(内閣提出)

秋田大助自由民主党副議長

○副議長(秋田大助君) 日程第一、商品取引所法の一部を改正する法律案を議題といたします。  委員長の報告を求めます。商工委員長山村新治郎君。     ————————————— 商品取引所法の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾に掲載〕     —————————————     〔山村新治郎君登壇〕

山村新治郎自由民主党

○山村新治郎君 ただいま議題となりました商品取引所法の一部を改正する法律案につきまして、商工委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、近年における商品取引所法の施行の経験にかんがみ、商品市場における売買取引の公正の確保及び委託者の保護を図ろうとするものでありまして、その主な内容の  第一は、商品取引員の許可を四年ごとの更新制とするとともに、商品取引員の兼業業務及び他の法人支配について届け出、勧告の制度を設けること、  第二は、登録外務員に商品市場における売買取引の受託権限を認めるとともに、外務員は商品取引員にかわってその受託等に関し、一切の裁判外の行為を行う権限を有するものとみなすこと、  第三は、受託業務保証金制度を強化するとと本に、商品取引員にかわってその受託債務を弁済する指定弁済機関について定めること、  第四は、指定弁済機関と弁済契約を締結している商品取引員が、受託債務を弁済することができない場合、委託者は指定弁済機関に対し弁済を請求することができること、  第五は、商品取引所は、大口の建て玉等について主務大臣に報告しなければならないこととするとともに、過当投機等が生ずるおそれがある場合にも、主務大臣は売買取引等の制限を行うことができること、  第六は、上場商品の指定及び廃止は、すべて政令で行うものとすること。  第七は、商品取引所審議会の所掌事務を拡大すること 等であります。  本案は、去る三月十七日当委員会に付託され、五月二十三日河本通商産業大臣から提案理由の説明を聴取し、以来、参考人を招致する等、慎重に審査を行い、六月十七日質疑を終了し、採決の結果、本案は、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。  なお、本案に対し、商品取引所の運用基盤の強化等に関する附帯決議が付されましたことを申し添え、以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————

秋田大助自由民主党副議長

○副議長(秋田大助君) 採決いたします。  本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

秋田大助自由民主党副議長

○副議長(秋田大助君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  日程第二 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部   を改正する法律案(内閣提出)

秋田大助自由民主党副議長

○副議長(秋田大助君) 日程第二、防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案を議題といたします。  委員長の報告を求めます。内閣委員長藤尾正行君。     —————————————  防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾に掲載〕     —————————————     〔藤尾正行君登壇〕

藤尾正行自由民主党

○藤尾正行君 ただいま議題となりました防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案の内容は、海上自衛官五百十七人、航空自衛官三百三十六人、合計八百五十三人を増員すること及び航空自衛隊第三航空団司令部の所在地を愛知県小牧市から青森県三沢市に移転することであります。  本案は、五月二十一日、本会議において趣旨説明の後、本委員会に付託され、五月二十二日政府より提案理由の説明を聴取し、慎重に審査を行い、六月十八日質疑を終了し、討論に入りましたところ、自由民主党の吉永委員より賛成、日本社会党の木原委員、日本共産党・革新共同の中路委員、公明党の鬼木委員及び民社党の受田委員よりそれぞれ反対の意見が述べられ、採決の結果、多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————

秋田大助自由民主党副議長

○副議長(秋田大助君) 討論の通告があります。これを許します。和田貞夫君。     〔和田貞夫君登壇〕

和田貞夫日本社会党

○和田貞夫君 私は、日本社会党を代表し、防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案に対し、わが国を含むアジアの安定と平和を守り、ひいては世界の平和を願う観点から、本法案に反対し、わが党の態度を明らかにして討論を行うものでございます。(拍手)  まず第一に、現下の情勢と、これに対応するわが国の外交方針についてであります。  南ベトナムにおけるアメリカのかいらい政権の崩壊は、後世の評価を待たずとも、世界史の上に輝く一ページとなる出来事でありました。それは、民族自決の哲理がいかに強大な力をもってする圧制をもはね返し、常に勝利に帰するという世界史の法則を、この時代においてもみごとに証明したと言うことができます。  また、この事実を前に、アメリカの対アジア政策は根本的な修正を迫られているのであります。わが国もまた、日米安全保障条約という桎梏のもとに、大きく影響を受けることは必至の情勢であります。  ベトナム以降のアメリカの新極東戦略として、その前線防衛地域に韓国及び日本が挙げられ、さらにはアメリカの国内世論では、朝鮮半島における不安を予想して、暫時南朝鮮からの米軍撤退と、太平洋における防衛線は、日本列島を初めとする島伝いにすべきだとさえ言われ始め、また、極東における防衛の肩がわりを強く日本に求めてきている情勢でございます。  一体、日本とはアメリカにとって何であるか、また日本の防衛とは何であるか、この機会にわれわれは真剣に考え直すべきであると考えるのでございます。  この八月に予定されている三木総理の訪米に際しては、当然日本の立場について話し合いが行われるものと想定されますが、私は、次の観点から、この新情勢に対応するわが国の考え方を明確にすべきであると考えます。  三木総理は、過日、本院におけるわが党の上原康助君の代表質問に答えて、「日本の念願は、最も近接しておる朝鮮半島が、平和と安定を維持するということを切に願うものでございます。」と述べられていますが、私とて、朝鮮半島における平和と安定の維持には全く同感でございます。しかしながら、そのことが、北からの侵入を想定したファッショ国家朴軍事政権の維持を図るものであるならば、それは根本的な誤りであります。しかも、わが国が着々と軍備を拡張し、有事の際には米軍進発の前線基地ともなるわが国の条件下で、朝鮮半島の動向を注視し、朝鮮民主主義人民共和国との接触を拒否し、朴政権との軍事的、経済的癒着をますます深める現行の外交姿勢を続けるならば、南朝鮮の政情はいよいよ厳しい抑圧下で不安感を高め、ひいては、朝鮮半島における安定を破壊する作用しかもたらさないでありましょう。同時に、そのことは、わが国の安全にも重大な影響を持つものと言わざるを得ません。  いまこそわが国は、平和五原則の精神に基づき、なかんずく、民族自決を根本原則として、イデオロギーの相違を越えた善隣友好の外交方針に転換すべきであります。  具体的には、南朝鮮人民を抑圧することにのみ懸命な朴政権への援助を直ちに停止すべきでありましょう。いまや、アメリカ政府すら、朴政権をアジアにおける反共のとりでとしか評価していないのでございます。わが国が、アメリカのアジアに残された最後のとりで防衛に、わが国の安全を脅かしてまで加担することを、国民のすべてが望んでいないことは、明白な事実でございます。そして、南北朝鮮の自主的、平和的統一を図るため、朝鮮民主主義人民共和国との友好関係を直ちに促進すべきでございます。  さらには、第二次世界大戦後も、やむことなく鉄と炎の下で荒廃したベトナムに対し、わが国は、アジアの友として最大限の復興援助を行うべきでありましょう。それらのことが、ひいては、わが国の安全を保障することになると確信するものでございます。  第二には、日米安全保障体制についてであります。  三木総理は、就任最初の施政方針演説の冒頭で、「私は、今日の時代を国際協調の時代であると考えております。世界各国の相互依存性はますます深まり、地球はますます小さくなりつつあります。全人類は、地球船という同じボートに乗った運命共有者であります。」と、今日の世界を規定していますが、この考え方に立つならば、軍備拡張による国家防衛はますます無意味なものになりつつあると私は考えるのであります。しかしながら、総理は、その一方では、集団安全保障体制が世界の主要国の国際的常識となっていると、口を開けば申されていますが、総理の考え方に立つならば、地球船という一つの運命共有体の中で、どうして幾つかの集団安全保障が必要なのでしょうか。日米安全保障条約の廃棄を要求している国民多数の声に、いまこそ謙虚に耳をかすべきでありましよう。  いまや、世界の情勢は、冷戦思考を根本的に変更すべき段階に来ているのであります。マヤゲス号事件に見られるごとく、たとえタイ国経由であったと政府が抗弁しようとも、わが国土から米軍が直接出動していったことは、日米安全保障体制がもたらしたものであります。この一事のみでなく、あのベトナム戦争にも、一貫してわが国土が米軍の前進基地として使用され、わが国もまた、アメリカのベトナム侵略に直接、間接に加担していたことは、だれもが否定できないものであります。  いままた、朝鮮半島に一朝有事が発生すれば、たとえ事前協議制の歯どめがあったとしても、わが国はいやおうなくその紛争に巻き込まれることは必至であります。しかも、その事前協議についても、核持ち込みも含めて、自民党政府はイエスと答える可能性を十分に信じさせる情報が頻々と伝えられる今日でございます。  政府は、いまやアジアの安定に脅威を与え、わが国の安全を脅かす以外の何物でもない日米安全保障条約の廃棄について、速やかに検討を開始すべきであります。また、当面する問題として、事前協議にかかわる事態について、わが国の明確な考え方を明らかにすべきと私は考えるのでございます。  第三には、ポスト四次防を含むわが国の軍備拡張の問題でございます。  三木内閣を初め歴代の自民党政府は、一貫して、国防の維持が政治の基本であり、無防備論にはくみしない、現実的な国際常識からして、大きな国際影響力を持つ日本を真空地帯にしておくことは、アジア・太平洋地域の安定をかえって阻害するという考え方を持っています。この考え方について、私は、いかなる差し迫った脅威を想定しての国防論なのか、理解ずることができないのであります。  わが国が、世界に誇るべき憲法の崇高な理念に基づき、いかなる戦力も持たず、平和中立外交の道を進めるべきであるにもかかわらず、反対に、冷戦思考で固められた日米安全保障体制至上主義に固執し、常にわが国を反共防衛の最前線となし、加えて、米軍の前線基地としてインドシナの侵略に積極的に加担してきた事実が、アジアの平和と安定に脅威を与えていることこそ、まさに国際常識となっていると言わざるを得ないのであります。そのような情勢にもかかわらず、わが国は着々と四次防計画を推進し、いまやポスト四次防の検討を開始していることが、一連の委員会討議を通じて明らかになっております。  今日、自民党政府を支配しておる防衛論は、日米安全保障体制下における近隣諸国に脅威を与えない最低限の自衛力を持つこととしていますが、四次防達成の来年度において、当初予算の四兆六千億円をはるかに超える六兆円の大台を超す装備が、近隣諸国に脅威を与えない必要最小限の水準であるかどうかは、国民ひとしく疑惑の目で見詰めているところでございます。まして、高度経済成長政策が破綻し、国民すべてが経済環境の悪化に苦しむとき、国民の血税を軍備拡張に振り向けていくことは、決して国民の望むところではございません。坂田構想による防衛を考える会は、この国民の目をごまかし、自衛隊を正当化させるために設けられたと断ぜざるを得ないのでございます。  総理自身、社会党と自民党との間に防衛問題について共通の基盤がないことは、日本の政党政治のためにまことに残念であると述べられておるのでございますが、このことは、わが国の防衛をめぐる世論に大きなギャップが存在することを物語っているのでございます。  わが党の一貫して主張する非武装中立政策こそは、太平洋戦争の惨禍を経験した日本国民の悲痛な叫びから発したものでございます。武力が武力の前にいかに無力であるかは、第二次世界大戦がみごとに証明しています。また、武力で国家間紛争を解決しようとすれば、最後には外交的努力も放棄させるに至ることは、中東戦争において明らかでございます。  武器を持たなくとも国は守れるのでございます。ベトナム戦争は、武器を持たなかったベトナム人民が、鉄の軍隊を持つ巨大なアメリカを屈服させたではありませんか。その勝利の要因は、第一に、ベトナム人民の生存への意志であり、第二には、侵略者に対する国際世論の支援であり、第三には、侵略者であるアメリカ国内の反戦思想の高まりであります。  今日ほど、侵略に対する世界世論の動きが敏感な時代はございません。わが国が憲法に掲げるいかなる戦力も放棄し、むしろ、わが国を三木総理が言うところの真空地帯とするときに、わが国が世界の平和建設へ勇敢な第一歩を踏み出すものであると確信するものでございます。  最後に、私は、航空自衛隊第三航空団の小牧基地移転に絡み、重大な疑問を投げかけておきたいと考えます。  現在、小牧基地がある名古屋空港は、民間航空機の発着とともに、主力戦闘機を生産する三菱重工名古屋航空機製作所がこの空港周辺に工場を集結させ、テスト飛行を繰り返していますが、その三菱重工が次期ないしは次々期主力戦闘機への機種選定を目指し、純国産戦闘機の開発に着手していることを明らかにいたしました。  小牧基地の撤去は、過密化する空域が自衛隊機の訓練に適さなくなったことを表向きの理由として挙げられていますが、事実は、純国産戦闘機の生産に向けて、テスト空域の開放という産軍癒着がその本音ではないかということでございます。すでにミサイルを初め、戦車、潜水艦に至るまですべて国産化され、これに戦闘機が加われば、まさに兵器国産化の総仕上げ段階に入るのでございます。

秋田大助自由民主党副議長

○副議長(秋田大助君) 和田君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。

和田貞夫日本社会党

○和田貞夫君(続) ひいては兵器輸出の事態にまで発展することを想定すれば、これは恐るべき意図を持ったものと言わざるを得ないのであります。  いまや、アジア及び世界の平和にとって、脅威以外の何物でもない四次防及び四次防以後の計画を直ちに放棄し、日米安全保障条約の廃棄を強く要求して、私の反対討論を終わります。(拍手)

秋田大助自由民主党副議長

○副議長(秋田大助君) これにて討論は終局いたしました。

秋田大助自由民主党副議長

○副議長(秋田大助君) 採決いたします。  本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

秋田大助自由民主党副議長

○副議長(秋田大助君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)      ————◇—————  日程第三 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案   (内閣提出)

秋田大助自由民主党副議長

○副議長(秋田大助君) 日程第三、昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。  委員長の報告を求めます。農林水産委員長澁谷直藏君。     ————————————— 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾に掲載〕     〔澁谷直截君登壇〕

澁谷直藏自由民主党

○澁谷直藏君 ただいま議題となりました昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、農林漁業団体職員共済組合による給付に関し、他の共済組合制度に準じて、既裁定年金の額の改定及び年金の最低保障額の引き上げ並びに標準給与の月額の上下限の引き上げ等を行おうとするものであります。  委員会におきましては、六月十七日安倍農林大臣から提案理由の説明を聴取し、慎重に審査を行い、六月十八日質疑を終了、採決の結果、本案は、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。  なお、本案に対し、附帯決議が付されました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————

秋田大助自由民主党副議長

○副議長(秋田大助君) 採決いたします。  本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

秋田大助自由民主党副議長

○副議長(秋田大助君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  日程第四 日本放送協会昭和四十八年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書

秋田大助自由民主党副議長

○副議長(秋田大助君) 日程第四、日本放送協会昭和四十八年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書を議題といたします。  委員長の報告を求めます。逓信委員会理事三ツ林弥太郎君。     ————————————— 日本放送協会昭和四十八年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書及び同報告書     〔本号末尾に掲載〕     —————————————     〔三ツ林弥太郎君登壇〕

三ツ林弥太郎自由民主党

○三ツ林弥太郎君 ただいま議題となりました日本放送協会昭和四十八年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書に関し、逓信委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  本件は、放送法第四十条第三項の規定に基づき、内閣より提出された日本放送協会の決算書類でありますが、これによれば、昭和四十八年度末現在において、資産総額一千五百八十億八千七百万円、負債総額六百十一億六千六百万円、資本総額九百六十九億二千万円となっております。また、損益は、事業収入一千五百二億七千二百円万に対し、事業支出一千三百二十四億三百万円であり、その結果、事業収支差金は百七十八億六千九百万円となっておりますが、特別収入及び特別支出を除く経常事業収支においては、九億五千六百万円の支出超過となっております。  なお、本件には、記述すべき意見はない旨の会計検査院の検査結果が添付されております。  逓信委員会におきましては、本件について説明を聴取し、審査を行いましたが、六月十八日、討論もなく、採決を行った結果、全会一致をもって、本件は、異議なきものと議決すべき旨決しました。  以上、御報告いたします。(拍手)     —————————————

秋田大助自由民主党副議長

○副議長(秋田大助君) 採決いたします。  本件の委員長の報告は異議がないと決したものであります。本件は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

秋田大助自由民主党副議長

○副議長(秋田大助君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長報告のとおり決しました。      ————◇————— 日程第五日程第六昭和四十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)昭和四十八年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)昭和四十八年度特別会計予算総則第九条に基づく経費増額総調書及び経費増額調書昭和四十八年度特別会計予算総則第十条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)昭和四十九年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その一)昭和四十九年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その一)昭和四十九年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その一)(承諾を求めるの件)(承諾を求めるの件)  日程第七 昭和四十八年度一般会計国庫債務負担行為総調書

秋田大助自由民主党副議長

○副議長(秋田大助君) 日程第五、昭和四十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外三件(承諾を求めるの件)、日程第六、昭和四十九年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その一)外二件(承諾を求めるの件)、日程第七、昭和四十八年度一般会計国庫債務負担行為総調書、右八件を一括して議題といたします。  委員長の報告を求めます。決算委員長井原岸高君。     〔報告書は本号末尾に掲載〕     —————————————     〔井原岸高君登壇〕

井原岸高自由民主党

○井原岸高君 ただいま議題となりました昭和四十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外三件、昭和四十九年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その一)外二件の事後承諾を求めるの件並びに昭和四十八年度一般会計国庫債務負担行為総調書について、決算委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、予備費等の各件について御説明をいたします。  これらの各件は、財政法の規定に基づき、予備費の使用等について、国会の事後承諾を求めるため提出されたものであります。  そのうち、昭和四十八年度分は、昭和四十九年一月から三月までの間において使用が決定されたもので、一般会計予備費は、国民健康保険事業に対する国庫負担金の不足を補うために必要な経費等三十二件で、その金額は四百六十八億円余であり、特別会計予備費は、外国為替資金特別会計における外国為替等売買差損の補てんに必要な経費等十七特別会計の十八件で、その金額は三百七十四億円余であります。  また、昭和四十九年度分は、昭和四十九年四月から十二月までの間において使用が決定されたもので、一般会計予備費は、河川等災害復旧事業等に必要な経費等五十二件で、その金額は五百五十一億円余であり、特別会計予備費は、食糧管理特別会計の国内米管理勘定における国内米の買い入れに必要な経費等七特別会計の十件で、その金額は二千三十三億円余であります。  委員会におきましては、昨年十二月二十七日に昭和四十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外三件、本年二月八日に昭和四十九年度一般会計予備費使用総調書及び各組各庁所管使用調書(その一)外二件の付託を受け、二月二十六日大蔵省当局より説明を聴取、六月十八日質疑を行った後、直ちに討論に入りましたところ、自由民主党を代表して中尾宏君は承諾に賛成、日本社会党を代表して原茂君は承諾に反対、日本共産党・革新共同を代表して庄司幸助君は、昭和四十八年度特別会計予算総則第九条に基づく経費増額総調書及び昭和四十九年度特別会計予備費使用総調書は承諾に賛成、その他は承諾に反対、公明党を代表して坂井弘一君は承諾に反対の意見を述べられ、次いで採決の結果、各件は、いずれも多数をもって承諾を与えるべきものと議決いたしました。  次に、昭和四十八年度一般会計国庫債務負担行為総調書について御説明をいたします。  本件は、財政法の規定に基づき国会に報告されたもので、その内容は、河川等災害復旧事業費補助など三件につき、四十八億円余の範囲内で国の債務を負担することといたしたものであります。  委員会におきましては、昨年十二月二十七日に本件の付託を受け、本年二月二十六日大蔵省当局より説明を聴取、六月十八日質疑を行った後、討論もなく、直ちに採決を行った結果、本件は、全会一致をもって異議がないものと議決した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)

秋田大助自由民主党副議長

○副議長(秋田大助君) これより採決に入ります。  まず、日程第五の四件中、昭和四十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和四十八年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)及び昭和四十八年度特別会計予算総則第十条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)の三件を一括して採決いたします。  三件は委員長報告のとおり承諾を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

秋田大助自由民主党副議長

○副議長(秋田大助君) 起立多数。よって、三件とも委員長報告のとおり承諾を与えるに決しました。  次に、日程第五のうち、昭和四十八年度特別会計予算総則第九条に基づく経費増額総調書及び経費増額調書につき採決いたします。  本件は委員長報告のとおり承諾を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

秋田大助自由民主党副議長

○副議長(秋田大助君) 起立多数。よって、本件は委員長報告のとおり承諾を与えるに決しました。  次に、日程第六の三件中、昭和四十九年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その一)及び昭和四十九年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その一)の両件を一括して採決いたします。  両件は委員長報告のとおり承諾を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

秋田大助自由民主党副議長

○副議長(秋田大助君) 起立多数。よって、両件とも委員長報告のとおり承諾を与えるに決しました。  次に、日程第六のうち、昭和四十九年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その一)につき採決いたします。  本件は委員長報告のとおり承諾を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

秋田大助自由民主党副議長

○副議長(秋田大助君) 起立多数。よって、本件は委員長報のとおり承諾を与えるに決しました。  次に、日程第七につき採決いたします。  本件の委員長の報告は異議がないと決したものであります。本件を委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

秋田大助自由民主党副議長

○副議長(秋田大助君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長報告のとおり決しました。      ————◇—————  国務大臣の発言(昭和四十八年度決算の概要   について)

秋田大助自由民主党副議長

○副議長(秋田大助君) 大蔵大臣から、昭和四十八年度決算の概要について発言を求められております。これを許します。大蔵大臣大平正芳君。     〔国務大臣大平正芳君登壇〕

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 昭和四十八年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書につきまして、その大要を御説明申し上げます。  昭和四十八年度予算は、昭和四十八年四月十一日に成立いたしました。  この予算は、わが国経済の国内均衡と対外均衡の調和を図りつつ、長期的視野のもとに国民福祉の充実に努めることを基本として編成されたものであります。  さらに、その後における人事院勧告の実施に伴う公務員の給与改善等について措置するほか、経済情勢の変化に伴い特に緊要となった経費について所要の措置を講ずるため、昭和四十八年十二月十四日補正予算が成立いたしました。  この補正によりまして、昭和四十八年度一般会計予算は、歳入歳出とも十五兆二千七百二十六億千六百六十四万五千円となりました。  以下、昭和四十八年度決算について、その内容を数字を挙げて御説明申し上げます。  まず、一般会計におきまして、歳入の決算額は十六兆七千六百十九億円余、歳出の決算額は十四兆七千七百八十三億円余でありまして、差し引き一兆九千八百三十六億円余の剰余を生じました。  この剰余金は、財政法第四十一条の規定によりまして、一般会計の昭和四十九年度の歳入に繰り入れ済みであります。  なお、昭和四十八年度における財政法第六条第一項の純剰余金は六千八百九十一億円余となり、財政法第六条第一項の規定によれば、その二分の一を下らない金額を公債または借入金の償還財源に充てなければならないわけでありますが、さきに、本国会において御審議いただきました昭和四十八年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理の特例に関する法律に基づき、その五分の一を下らない額に相当する金額を公債等の償還財源に充てなければならないこととなるわけであります。  以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額十五兆二千七百二十六億円余に比べて一兆四千八百九十三億円余の増加となるのでありますが、この増加額には、前年度剰余金受け入れが予算額に比べて増加した額六千四百二十億円余が含まれておりますので、これを差し引きますと、昭和四十八年度の歳入の純増加額は八千四百七十三億円余となるのであります。その内訳は、租税及び印紙収入、雑収入等の増加額八千九百十一億円余、公債金における減少額四百三十八億円余となっております。  一方、歳出につきましては、予算額十五兆二千七百二十六億円余に、昭和四十七年度からの繰越額千八百六十五億円余を加えました歳出予算現額十五兆四千五百九十二億円余に対しまして、支出済み歳出額は十四兆七千七百八十三億円余でありまして、その差額六千八百九億円余のうち、昭和四十九年度に繰り越しました額は五千六百十三億円余となっており、不用となりました額は千百九十五億円余となっております。  次に、予備費でありますが、昭和四十八年度一般会計における予備費の予算額は六百五十億円であり、その使用額は六百四十九億円余であります。  次に、昭和四十八年度の特別会計の決算でありますが、同年度における特別会計の数は四十一でありまして、これらの決算の内容につきましては、特別会計歳入歳出決算によって御了承願いたいと存じます。  なお、これらの特別会計の歳入歳出の決算額を合計しますと、歳入決算において二十七兆千三百七億円余、歳出決算において二十三兆百六十五億円余であります。  次に、昭和四十八年度における国税収納金整理資金の受け入れ及び支払いでありますが、同資金への収納済み額は十三兆六千二億円余でありまして、この資金から歳入への組み入れ額等は十三兆五千七百八億円余でありますので、差し引き二百九十三億円余が昭和四十八年度末の資金残額となります。これは、主として国税に係る還付金として支払い決定済みのもので、年度内に支払いを終わらなかったものであります。  次に、昭和四十八年度政府関係機関の決算の内容につきましては、それぞれの決算書を御参照願いたいと存じます。  以上、昭和四十八年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書につきまして、その大要を御説明申し上げた次第であります。  なお、昭和四十七年度及び昭和四十八年度の特別会計歳入歳出決算に添付して国会に提出いたしました輸出保険特別会計の財務諸表等につきまして、保険料計算事務の遅滞のため、計数の一部に推計額を含んだまま作成いたしましたことは、まことに遺憾であります。  これらにつきましては、去る四月二十五日付をもって訂正をお願いいたしましたが、今後、このような事態が再び生じることのないよう、より一層配慮してまいる所存でありますことを申し添えます。(拍手)      ————◇—————  国務大臣の発言(昭和四十八年度決算の概要について)に対する質疑

秋田大助自由民主党副議長

○副議長(秋田大助君) ただいまの発言に対して質疑の通告があります。順次これを許します。吉永治市君。     〔吉永治市君登壇〕

吉永治市自由民主党

○吉永治市君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま御説明のありました昭和四十八年度一般会計決算並びにその他の問題に関しまして、総理大臣並びに大蔵大臣に質問をいたすものでございます。  まず第一番目にお伺い申し上げたいことは、国家財政の運営及び国費の使途についての監視、監督及び資源の節約についての総理の基本的な考え方についてであります。  昭和四十八年度の会計検査院の決算検査報告によりますると、総理府、大蔵省を初め、各省庁、関連公団等にまたがる不当事項が、大別して約二十五項目に上り、これを細かく分けますると、実に百十数件の不当行為と相なっております。さらに、郵政省管下の五カ所の郵便局の不正行為の跡を検討いたしますると、会計検査院が毎年のように指摘する不当、不正事項は、これは氷山の一角であり、完全なる決算検査を行ったならば、驚くべき数に達することは疑う余地はないのであります。  さらに、これは昨年度でありますが、刑事処分々受けた公務員が二千三百名、懲戒処分を受けた公務員が五万五千六百八十四名、これは不当、不正事件ではございませんが、国民の税金によって賄われていろ国費に対する厳粛なるべき責任感が損なわれてはいないか。親方日の丸的な、あるいは役所には破産がないという安易感と惰性が、公務員の吏道を無責任にしておるようなことがないのか。もしそうであるならば、財政硬直化の遠因も案外その辺にあるのではないか。一番こわいのは、そうした無責任さの横行による吏道のたるみではないかと考えるのであります。  申すまでもございませんが、憲法第九十一条の規定及び財政法第四十六条の規定を参酌いたしますと、内閣は、国会と国民に年一回の財政状況についての報告の義務及び予算執行四半期ごとに国民に対して財政の執行状況を公表すべき義務を規定しております。これは国民の血税の行方を厳に監視するとともに、財政執行の可否を国民に報告する基本的な義務行為であります。  従来、ややともすれば予算の編成とその分割には血道を上げてまいりましたが、その予算執行がどのように行われ、どのようにして使われたか、反省すべきところ、不足不備のところはどこであったか、そのような予算執行の跡をたどって将来の参考に資するという、一番大事なけじめをつける決算行為が案外おろそかに扱われてきたことを、まことに遺憾に思うものであります。  ここで私がお願いしたいことは、国の財政の中で決算の占める重要性をさらに重視され、これを厳重に査定し、監察を強め、決算結果に基づく予算単価の査定、行財政の仕分けをいま一度洗い直して、末端行財政機関に至るまで、強い責任感と心構えを打ち立てるよう指導すべきではないかと考えますが、このことに関して、総理並びに大蔵大臣の御見解を承りたいと存じます。  次に、前述の問題と関連いたしますが、財政硬直化の問題でお尋ねをいたします。  大蔵省当局は、財政硬直化とは、法律や制度による義務的経費の当然増経費が膨張する結果、財政の弾力性が失われ、時代に即した新しい財政需要に応じ切れなくなる事態が来る、こうした財政の膨張要因は、いままでは高度成長による税の大幅な自然増で賄えてきたが、今後低成長時代が定着するにつれて激しい財政硬直化の懸念がある、これは大蔵省当局の見解だと聞いております。  私は、もちろん、この見解に異議を差しはさむものではございませんが、毎年の予算編成が、この当然増に起因して硬直化の主要な一因をなしていることも自明の理であり、また低成長に入った今日、当然増そのものも含めて再検討を加え、抑制すべきは抑制する勇断が必要であることもまた事実であります。  四十九年度には八千億もの歳入欠陥を生じました。五十年度の予算は発足したばかりでありますが、補正予算編成の必要を考えると、合わせて二兆円以上の赤字となるのではないでしょうか。もうこの段階では、人件費を含めて中央、地方の行財政の効率化を図り、歳入、歳出の両構造面から硬直化打開が図られなければならぬ緊要時であろうと思うのであります。一般家庭や民間企業でも、こんなときには必要経費でも削減していくことが当然の措置であります。  そこで、ここに申し上げたいことは、予算編成に当たって従来どおりの予算編成方式でいいものであろうか。従来の慣例と惰性による単なる積み上げ方式でいいのか。  本年度の当然増経費が三兆五千億にも達し、前年度の当初予算比四兆一千億の大部分を占め、新規政策がわずかに六千億にとどまったこと、三木内閣の新機軸はそこにどうしようもない限界にぶち当たったことは御承知のとおりであります。  政党政治、議会政治の権威と責任から言っても、概算要求の段階から党の担当者と関係大臣が一体となってこれに関与して、最重点政策と予算の枠を最優先的に決める、しかる後、残る予算を他の政策に重要度に応じて配分をする、少なくともそのことだけはそうすべきであり、これは政党政治本然の姿であり、責任であろうと思うのであります。  もちろん、政府におきましても、それを推進するための前提条件が必要であります。各種補助金の徹底的な洗い直し、休眠状態にある出先機関、審議会等の整理、官庁、公団等の統廃合、機構のむだの排除、三Kに代表される赤字の問題、人件費増、医療関係社会保障費や地方交付税の問題等にわたって周到綿密な洗い直し、大だなざらえの時期に来ておると思います。どんなに困難でも、政府はこのことの解決に総力を挙げない限り、行財政当局だけを責めても、それは理にかなわないことであります。  財政硬直化がここまできた今日、この問題はもう避けて通れない重要な政策課題でありましょう。恐らくこのことは深刻なる政策論争を呼ぶでありましょう。与野党の真剣なる政策論争を経て、政府も財政当局もそれぞれの立場で謙虚に反省し、国民的合意を得て、勇断をもって、一日も早く財政硬直化打開の方策が確立されるべきことを、決算検査結果を見て痛感をする次第であります。このことで総理並びに大蔵大臣の忌憚なき御意見を承りたいと存じます。  三木総理は、総理就任時の所信表明で、大事な時期には、国民からきらわれるような政策もとらねばならぬときもあると言われました。私は、国の安危が問われるような重大なる局面における政治家の信条は、まさしくそうあるべきだと信ずるのであります。政治家が国民大衆に向かって、耳が痛いことも率直に語り、反省を求めるような姿勢が失われてすでに久しいものがあります。大衆にこびる政治は、いつの日か、必ず大衆に疎んぜられます。世潮に迎合し過ぎる政治は必ず悔いを残します。これは人間社会の自然な法則であります。今日、われわれはほうはいたる政治不信の声に率直に耳を傾けたいと思います。それが国内的であれ、世界的現象であれ、そのよって来る原因は究明されなければなりません。  われわれが保守だ革新だ、あるいは保守本流だ保守革新だと、思想と派閥のからの中で論争しておる外に、もっと大きな別の次元で、国の内外に容易ならざる地殻変動にも似た状況の変化が起こっております。さらに、国と政府と政治そのものに対する根強い希望、要求あるいは反感が、自制心を超えた状態で渦巻いております。  われわれは、いままでその不信や不満に対して、これを真っ向から受けとめてきただろうか。その分析、解明がなおざりにされ、避けて通ってきたきらいはないだろうか。さらに、すべてを政治に頼ろうとする一部人心の甘えに対して、政治でできることとできないことの区別、政治の責任と責任外であることの区別は、はっきりと示す必要があると思います。弱い立場の人、不幸な立場の人たちに政治が温かい手を差し伸べる福祉政策は、永久に変わることなき内政の基本であります。と同時に、年若き青壮年の社会人としての義務と責任、自分の道をわれみずからの汗と脂と努力の中から築き上げるという意欲、そのことが、いまの日本に欠けておる何よりも必要不可欠なものと信ずるのであります。政治の側からの自省と自粛、国民の側からの理解と節度、それは両々相まつべきものであります。(拍手)  三木総理は、戦後三十年の日本の政治、経済、社会、文化の歩みに、区切りとけじめをつけるときはいまだと言われました。資源と公害と社会的公正を求むる声の中で、かつてなかった重大なる転換期を迎えた経済社会に、新しい節度と自由競争の原理を打ち立てようとされている。選挙と政治資金の上で、国民世論に訴えて、新しい発想のもとに保守党の再生基盤をつくろうとされている。金と権力を過大視し過ぎた長い間の風潮が国民の心をむしばみ、政治不信の因をなしたことも反省のむちとなっておりましょう。新しい時代を切り開く先覚者の厳しいこの道は、いつかは、だれかがやらなければならないことであります。保守革新の方向は、まごう方なき時代の要請であり、必然の道であると思う。これは派閥の次元や派閥力学では、はかり切れない日本の保守党そのものの土台と存否にかかわる問題であります。国民大衆の良識と納得のもとに、広く国民と勤労大衆の中に立場を求める以外に、近代化されたわれわれの道はないはずである。  しかし、ここで忘れてならないのは、理想に走る余りに、まさかのときの日本の立場を守るものが、日本の心と日本人の魂であり、待つあるを頼む備えであるということであります。そのことが土台をなさなければ、単に政治の理想だけに終わってしまうことを銘記すべきであります。(拍手)  もうあらしの中の小船であってはならないのであります。三木総理は弱いと言われる人であっては許されないのであります。以前三木総理は、国民の信頼を失ったときの政治のもろさを、歴史的事例を挙げて強調され、歴史の審判にたえるぎりぎりの身構えを訴えられた。そうして、いまその姿勢を崩していない。また崩してはならない。それが本物である限り、国民世論の良識が不動の支えとして三木さんの後ろ盾となっていくでありましょう。たじろぐことなく、総論から各論の決着をおつけにならなければならないのであります。厳しい道であるが、これは天が三木さんに課した使命であります。  かるがゆえに、三木さんが、もしこの志をして中途に挫折せしめるようなことがあったら、それは絶対に狂瀾を既倒にめぐらし得ない深刻な打撃が、この国と国民を見舞うでありましょう。それは、ようやくにして芽生えた政治に対する国民の期待が、あるいは祈りにも似た国民の願望が、音を立てて崩れるときであります。それは取り返しのつかない事態に通じる道でもある。  どうか、この目的完遂のために、批判に耐え、毀誉褒貶に耐えて、あらしに耐え抜いていただきたいと思う。いつかの日、必ずや国民の良識と政界の良識が揮然一体となって、支援の国民世論が起こることを信じて疑わない次第であります。  野党におかれましても、保守党近代化のために、広く国民大衆の中に、勤労大衆の中に入っていこう、溶け込んでいこうとする、この一人の政治家の真摯なまでの、求道者に似たこの気持ちを、どうぞよく御了解をいただきたいと思います。  三木総理の後退は、日本の政治の民主主義の新しいモラルの挫折を意味します。三木さんの挫折は、日本の政治の不幸につながると思う。三木内閣成立六カ月を経ました今日、いまあらしの真っただ中に立っておられる三木総理に、ここで改めて決意のほどを承りたいと思います。  私の質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣三木武夫君登壇〕

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(三木武夫君) 吉永君の御質問にお答えをいたします。  第一番は、国家財政の運営と国費の使途について、いろいろな御注意を込めての御質問でございました。  どうも、予算の編成の場合を振り返ってみると、各省とも予算の獲得には大変熱心である。しかし、一面において、その使い方に対して、必ずしも予算獲得時における熱意がそのままあると思われない点もあることは、御指摘のとおりだと思います。これは、今後十分に反省をしなければならぬわけだと私は強く考えておるわけでございます。  ことに、今後日本の経済が安定成長の時代に面かってくることになりますと、どうしても国の予算というものに対しての効率的な運営に対して細かく気を配らなければ、国民の期待にこたえることはできぬ。国民の税金を一円たりともむだ遣いしないという観念が、全公務員に徹底することが、やはり必要であります。そのために、今後措置を強化していくばかりでなく、研修などを通じて関係職員の質的向上も図って、そうして国費の使途に対して、今後において、われわれが慎重を期するように期してまいりたいと思う次第でございます。  第二の、財政硬直化の打開という問題は、とにかく戦後、高度経済成長のもとに今日の制度、慣行というものは皆生まれてきたわけです。この惰性の中にわれわれは生きることはできない。再び高度経済成長が返ってくる条件が失われたわけですから、日本は今後安定成長と言われる適正な成長の中に生きていかなければならぬ。そういうことになってくると、従来のような行財政のあり方、制度、慣行のあり方ということでは、これはやっていけないわけですから、根本的に洗い直しが必要であることは、吉永議員の御指摘のとおりだと思います。  私は、これは根本的に洗い直してみたいと思いますが、長期にわたって、日本の中に一応そういう制度、慣行になれてきたものを改革するということは非常にむずかしい。したがって、これは多少の時間をかけなければならぬ。私は三年と思う。三年間ぐらいの期間をかけて根本的に洗い直しをして、そうして、高度成長下における行財政のあり方、行政のあり方にも根本的なメスを加えなければいけない。そういうことを洗い直してみたいと考えております。吉永議員と全く同感であります。  いま地方制度調査会などに対しても、財政制度の審議会などについても諮問をいたしておりますが一五十一年度の予算には、そういう第一歩としてやりたいけれども、根本的なものには多少の時間をかけなければならぬと考えております。その言われる点は、御指摘のとおりだと思っております。  また、最後には、数々のお言葉で私に対する叱吃激励の言葉がございました。私は、感銘深く吉永議員の御発言を受け取ったわけであります。  私は、長い議員生活を通じてみて、国民の自由、国民の意思というものが制度的に保障されたのは、議会制民主政治以外にない、この制度以外にない。その他の政治形態というものは、国民の自由とか国民の意思というものが、制度的に保障された制度ではない。議会制民主政治というものは守っていかなければならぬ。それを守るについては、国民の理解と支持がなければ守れるものではない。国民の理解と支持の根本にあるものは、政治のモラル、政治の姿勢というもの、これがやはり国民が納得するようなものでなければ、この制度が守れるものではない。日本の議会制民主政治が根の生えたものだと私は思っていないのです。まだ西欧の社会のように、この制度というものが日本の社会の中に揺るぎなきものだと私は思っていない。非常な危機だと思っておるわけです。  そういう点で、私の内閣の使命は、改革をすることである。私に現状維持を求めたのではないのです。改革をすることである。その改革について、むろん私の改革の方向が、野党の諸君は非常に手ぬるいと言われるでしょう。また一部には、行き過ぎである。こういう両面の批判と抵抗に遭いながら、私の使命は改革することである。これを前進しなければ、議会制民主主義というものを維持していくために、あれだけの自民党が危機の中にあって、なおかつ改革の方向が出ないということの与える、国民の議会制民主主義に対する不信というものを私は憂えるものです。  そういう点で、私はいろいろな困難の中にあっても、私がねらっておる方向というものは、私は曲げない。私のねらっておる方向は、その方法論については、百歩の前進を思う者には物足らないでしょう。百歩前進したいという者には物足らないかもしらぬが、一歩でも二歩でも歴史の歯車を前へ回すために、私は全力を傾けることを明らかにして、お答えといたします。(拍手)     〔国務大臣大平正芳君登壇〕

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 吉永さんから、深い憂えを込めて、財政の運営の粛正と財政硬直化打開の方途についての御提言がございました。全く私も同感でございます。  これに対しまして、総理大臣から真剣なお答えがございまして、これについて蛇足を加える必要を感じないわけでございます。  財政当局者といたしまして、御提言の趣旨を体しまして、最善を尽くしたいと思います。(拍手)     —————————————

秋田大助自由民主党副議長

○副議長(秋田大助君) 渡辺三郎君。     〔渡辺三郎君登壇〕

渡辺三郎日本社会党

○渡辺三郎君 私は、日本社会党を代表し、ただいま議題となっております昭和四十八年度決算に関し、現在の政治状況にかかわりの多い幾つかの問題を取り上げながら、三木総理を初め関係閣僚に質問をいたします。  昭和四十八年度予算は、田中内閣が成立をして以来、初めて本格的な編成をしたものであることは言うまでもありません。  当初予算は、一般会計の規模十四兆二千八百四十億円で、前年度比二四・六%増、特に公共事業費は実に三二・二%という戦後最大の伸び率を示した超大型予算でありました。当時、いまは亡くなられた愛知大蔵大臣が、国際収支の均衡、国民福祉の向上、物価安定に重点を置いて、トリレンマを同時に解決する予算であると、胸を張られたのであります。  わが党は、これに対して、この予算案は、大資本中心の高度成長路線の上に日本列島改造論を乗せた超大型インフレ予算であり、物価高と公害拡散に拍車をかけるもので、政府の目指す三つの問題解決は必ず破綻するし、さらに、平和憲法を無視して、何が何でも四次防を進めようとしている点をも含めて、とうてい承認しがたい内容を厳しく指摘し、批判するとともに、具体的な考え方を示しながら、強く予算案の組み替えを要求したのでありました。  いまその決算を審議する段階に至って、結果がまさしくわが党の指摘したとおりになってあらわれたことを思えば、これは国民大衆の立場から、まことに悲しむべきことと言わなければなりません。  すなわち、その年二月、深刻な国際通貨危機の中で、円を変動相場制に移行して実質的な円切り上げが行われ、過剰流動性に任せた総合大商社のあくどい株式や土地や商品の投機、買い占めが横行いたしました。その上、十月には、中東戦争をきっかけに到来した石油危機に便乗する悪徳商法が、勤労国民の生活を大きく揺るがすに至りました。  こうした事情の中で、石油需給適正化や国民生活安定確保の緊急立法、相次ぐ公定歩合の引き上げ、公共事業抑制などの措置がとられましたが、一時は商品パニック状況となり、インフレ、物価高はまさに狂乱状態になりました。政府が立てた経済見通しと実績は、全く大きく狂ってしまったのであります。  たとえば、卸売物価は、二%上昇の見通しが、実績は実に二二・六%の上昇、消費者物価は、五・五%上昇の見通しが、実績は一六・一%の上昇、経済成長率は、名目成長率一六・四%の見通しが、実績は二一・七%、実質成長率では、一〇・七%の見通しが、実績では六・一%、国際収支は、基礎収支で約百三十億ドルの大幅赤字になるなど、敗戦直後にも似た異常事態となったことは、まだ記憶に新しいところであります。  かくして、大企業は莫大なインフレ利得を生じた反面、国民は物価高、低賃金、高負担に苦しみ、農民や漁民は農地、漁場を収奪され、中小零細企業も、政府の財政金融引き締めのしわ寄せと、大企業の手前勝手な経営操作の中で泣かされてきたのであります。  そこで私は、まず三木総理にお伺いしたいのでありますが、このような大きな政治経済の混乱を引き起こした責任は、一体だれがどうとるのですか。私は、国際的な要因を全く否定するとは言いませんが、政府のとってきた基本政策、その見通しや対応の重大な誤りは覆うべくもないのであります。(拍手)  しかるに、昨年暮れ辞職した田中総理の辞任の理由は、例の金派問題であり、財政経済政策の失敗については全く言及しておりません。いま、悪名高いあの予算を編成し、執行した内閣が、すでに消滅している段階で決算審議が始まったのでありますが、しかし、田中内閣から三木内閣にかわっても、同じ自由民主党の政権が継続しているわけであります。三木総理を初め、福田副総理、大平蔵相など、いずれも田中内閣の中心閣僚が現政権の中心になっておられるのであります。  私は、このような道理もモラルもなく、物のけじめをつけないやり方こそ、政治不信を増大させる根本原因だと思うのですが、三木総理は、この自民党の継続する政治責任をどのように考えておられるのか、ぜひ明確にお聞かせ願いたいのであります。(拍手)  なお、この際、これは大蔵大臣に答弁願いたいのですが、政府の政策失敗から補償請求訴訟が出て、裁判上の問題になっている預金目減り対策をやるのかどうなのか、この機会に明確にしていただきたいと思うのであります。  四十八年二月、田中内閣が立てた経済社会基本計画は、新全国総合開発計画とともに、そこに掲げられたバラ色の夢とは全くうらはらの結果となり、見るも無残な形骸となり果てております。いま三木内閣は、六十年度を目標とする新経済社会基本計画や第三次全国総合開発計画を、五十一年度から発足させるということで策定作業に入っていると聞きますが、その計画の方向は、どこに基本を置いているのでしょうか。  わが党が従来から主張してまいりました、高度成長ではなく安定成長、資源多消費型から省資源型へというのは当然のことといたしましても、私は、これまでのような巨大開発プロジェクト中心主義ではなく、自治体の住民全体のシビルミニマムを下から積み上げた計画とすべきだと思います。また、物質的、経済的発展のみの追求から、人間的なものを大切にし、自然を保護し、生活と福祉優先へ向けて価値観の大きな転換が、いまこそ大切であると考えますが、総理の見解を明らかにしてもらいたいと思います。(拍手)  また、この新計画について、今日のスタグフレーションの中では、発足を一年おくらせて、五十二年度からにすべきだとの有力意見が政府部内にあるとも聞きますが、もしそうした場合、政府としては、ここ一、二年、長期を見通す指標のないまま、手探りの政策を進めざるを得ないと考えておられるのか、お答えを願いたいのであります。  なお、あわせてこの際、最近の不況とインフレの同居する深刻な経済状況に対する政府の見通しを明らかにしていただきたいのであります。すなわち、政府はこの十六日、第三次不況対策を明らかにしたのでありますが、当面のそれはそれとして、公共料金の引き上げ、鉄鋼、石油価格の動向などと関連して、インフレ激化につながるよう弘ことがないのか、今日の段階における不況と、物価に対する確固たる見通しと対策を示されたのであります。  政府は、昭和四十八年度の予算編成に当たって、さきの総選挙で国民の前に宣伝した、いわゆる五万円年金の実施を初め、社会保障の充実を何らかの形で組み込まなければならない立場にありました。ところが、実際に出されてきた内容は、まさに羊頭狗肉、公約とは似ても似つかない、現行の単なる手直し程度にしかすぎませんでした。したがって、あの狂乱インフレの波の中では、年金などをよりどころにして生計を立てていた人々の生活が、それまでよりも極端に厳しい状態に押し込まれたことは当然であり、社会的不公正は、この面で特に著しく拡大されたのであります。  社会保障関係費の歳出中に占める比率が四十八年度決算で一五%になり、前年度あるいは前々年度のそれよりもわずか上回ったにせよ、それはまさにスズメの涙でしかありません。その実態を政府はどのように認識をしておるのか、お答えをいただきたいのであります。  また、このことは、昭和四十九年度及び今年度の予算措置においても根本的には変わっておりません。早急に解決するためどうするつもりなのか、明確にしてもらいたいのであります。総理の答弁を求めます。  さらに私は、この際、対外経済協力の問題にも一言触れておかなければなりません。  昭和四十八年度、この年は日本のこれまでの向米一辺倒の誤った外交、新植民地主義的対外諸政策がいやおうなく鋭く問い直された年でありました。対アラブ、対朝鮮、対ASEAN諸国、すべてそうであります。そしてこのことは、ことしに入ってのインドシナの全面解放と東南アジア諸国の相次ぐ対外政策の顕著な変化に見られるとおり、まさに、今日の最重要な課題の一つとして浮き彫りされている問題であります。  四十八年八月の金大中氏拉致事件は、日韓両国民が全く納得できないうやむやな方法で十一月の二日、政治的な手打ち式が行われましたが、それは翌十二月に、良識ある批判を強引に押しのけて強行された第七回日韓定期閣僚会議と重要なかかわり合いを持っております。  この会議では、これまでに引き続いて有償、無償の経済援助の具体的対象が決められたのでありますが、なぜあの時期にそんなに急いでそうしなければならなかったのか。そもそも日本の対韓援助が、実はあの狂暴な弾圧と腐敗をきわめる韓国政権を経済的に支える大きな柱となってきたのだと金大中氏は指摘をしておるのであります。  わが国の対韓投資もまた四十八年度は急速に伸び、日銀許可ベースで三百九件、二億一千百万ドルになっております。今日、不実企業が大きく問題になっておりますが、外務省があれこれの理由をつけてその公表を拒んでいる韓国における不実企業の実態を、この際明らかにしてもらいたいのであります。日本政府が借款を供与しているその企業の実態を明らかにすれば、韓国で調査した個人、団体に不測の事態が起こる懸念があるなどという理由を、私どもは断じて承服するわけにはまいりません。総理の明確な答弁を求めます。  次に、これは先ほどの報告の中で大蔵大臣からも指摘がありましたが、昭和四十八年度決算につき、通産省の輸出保険特別会計決算の処理に関してただしたいと思います。  これは、会計検査院の検査報告からうかがえるように、単なる技術上、手続上のミスというものではなく、結果的には粉飾した財務諸表を国会に提出したも同様であり、再度にわたり検査院の指摘を受けた事項であります。しかも、驚くべきことに、四十八年度のみならず、昨年からことしにかけて国会が審議中の四十七年度決算まで、後になって訂正を申し出るなど、まことに醜態の限りであります。徴収してもいない保険料を、さも徴収したように見せかけた諸表を国会に提出していたことは、政府の国会に対する欺瞞行為と言われても仕方のないものであります。その責任をどのように感じているのか、そして、それは今後どう業務を改善しようというのか、大蔵大臣、通産大臣の明確な答弁を求めます。(拍手)  最後に、三木総理の政治姿勢につき言及しておきたいと思います。  三木内閣成立以来六カ月、総理は就任の当初、自民党の金権的体質が政治腐敗を招き、政策も大資本、財界中心で、抜き差しならないゆがみを生じてきた実態から、クリーン政治や社会的不公正の是正など、国民受けする公約を次々と出されましたが、あの金脈問題の処理にいたしましても、また、ただいま審議中の独占禁止法政府改正案などにも見られるとおり、国民の期待を大きく裏切っていることは否定すべくもありません。  さて、三木総理は、田中内閣当時、日本と中国の国交正常化に当たって、どのような見解を持ち、どのような役割りを果たされておったのでありましょうか。あの日中共同声明を受けて、平和条約締結の交渉がようやく大詰めを迎えながら、いま重くよどんだ停滞状態にありますが、共同声明第七項に明記されている覇権問題に、何をそのように逡巡されているのでしょうか。  この問題では、まさしく総理の国際的な信義がかかっております。のみならず、平和憲法を持つ日本国総理としての立場から、憲法の精神を尊重し、その理念に基づく毅然たる外交政策を展開する上でも、覇権を求めず、許さずという態度をとるのはむしろ当然であり、みずから積極的に求めなければならないものであります。したがって、国民もまた総理の動向に重大な関心を持って見守っておるのであります。  いまや、外交機関に対しての単なる抽象的な指示の段階を越え、明らかに総理自身の決断の時期に来ております。ぜひ決意を込めた明確な態度を表明してください。  国民は、あの金脈問題以降も、自民党の体質的欠陥が少しもよくなっていないことを見抜き、また三木総理の、たてまえ論だけあって実りのない言行不一致と指導力不足から、その限界を敏感に感じ取っているのであります。  統一自治体選挙の終了したいま、国民は衆議院の解散、総選挙に関心を高めてきております。昨年十二月、あのうやむやのうちに生まれた三木政権であれば、国民の心境がそうなるのは当然であり、いまは、できるだけ早く信を国民に問うべきでありましょう。総理の答弁を求めて、私の質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣三木武夫君登壇〕

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(三木武夫君) 渡辺君にお答えをいたします。  四十八年度予算の見通しが狂ったことに対して、どう責任を感じているか。確かに見通しの狂いがございましたことは、御指摘のとおりでございます。これには、外的な要因というものも無視するわけにはいきません。無視どころか、石油の危機をめぐって、国際的に経済に対して非常に大きな影響を与えたということは、日本ばかりでなしに、世界各国とも大きな影響を受けておる。  また、政府の経済政策の中において、いわゆる過剰流動性に対する処置というものが適切を欠いたことは反省をいたします。こういうことが、いろいろ日本の経済、インフレの問題についても大きな影響を与えたわけでございまして、政府が当初考えておった経済見通しのように推移しなかったことは事実でございますが、三木内閣の発足以来、渡辺議員も御承知のとおり、物価安定ということを最大重要な施策といたしまして、総需要抑制政策をとり、私の内閣が発足したときは、消費者物価は、年率にして二四・五%程度の上昇率でございました。いまは、御承知のように、政府が目標とした今年三月、前年同月比一五%を下回って一四%程度におさまった。来年の三月には一けた台に向かって、万難を排して物価の安定を図る。その間に、経済というものを安定的な基調に乗せるためには、不況対策と申しますか、緩やかな景気の回復も図らなければならぬということで、この困難な経済政策のかじ取りに対して全知全能を傾けておる。こういう形において、国民に対する責任を果たしたいと考えておる次第でございます。  それから次には、経済社会基本計画について、いろいろお話がございました。  これを一年延ばすのではないかという御指摘でございましたが、これは予定どおりにいたしたいということで作業をいたしておるわけでございます。経済社会基本計画については、いま経済企画庁を中心にして検討を加えており、経済審議会に諮問を行っていま検討をしておるので、答申を得れば、閣議決定にいたすわけでございます。各界の意見もその過程においていろいろ徴しておるわけでございます。そして、新しい経済社会基本計画を策定をしたい。  第三次の全国総合開発計画の策定については、国土総合開発審議会で審議をいたしておるわけでございますが、知事等の意見も聞きまして、それからまた各方面の意見も徴して、国民各層の意見も取り入れて、第三次全国総合開発計画を策定するということにしたいと思っておるわけでございます。  御指摘のように、いま価値観の大きな転換があるわけですから、高度経済成長というようなものの継続を国民が望んでおるのではなくして、もう少しやはり、いま渡辺議員の御指摘のあったように、自然環境の保全であるとか、快適な生活環境であるとか、教育、あるいはまた福祉の充実であるとか、こういう点に国民の関心が向いておることは、御指摘のとおりでございますから、そういうことも頭に入れて、今度の計画は策定をいたす所存でございます。  それから、当面の景気の先行きについていろいろ御質問がございました。  御承知のように、政府は十六日に第三次の経済対策閣僚会議を設けまして、そして、物価を抑制しながら、景気を着実な回復の軌道に乗せたい、そういうことで、いろいろな施策を発表したことは御承知のとおりでございます。そういうことで、今後、漸次緩やかに景気が回復をしていく、その間、物価問題というものは、再び狂乱物価のような事態を起こさない配慮を加えながら、緩やかな回復を図りたいと考えております。  物価問題については、卸売物価は鎮静化して、消費者物価も、基調としては鎮静化の方向にはありますけれども、まだこれは油断を許さない面があることは、御承知のとおりでございます。しかし、何とかして日本はインフレを抑制しなければ、日本経済というものは健全なものにならない。そういうことで、万難を排して、一けた台の目標を達成するよう努力をしていく所存でございます。  それから四十八年度の予算というものについて、社会保障制度などが非常に物足らぬものだという御指摘でございました。  ああいう条件のもとにおいて、いわゆる社会保障というものはできるだけの配慮をいたしたつもりでございます。五十年度予算においても、社会福祉の計画、社会福祉の予算などは、従来に増して大幅に増額されたことは事実でございます。そして、高齢者の福祉年金にしましても、これは一挙に一万二千円に持っていったことは、渡辺議員がお考えになっても、予算というものはそういう速度ではなかなか増加しないわけで、政府はやはり相当な決意を持った。その他生活保護基準などに対しても、社会的な諸施策についてもできるだけの充実を図って、社会福祉、社会保障というものについては十分な配慮を加えておるということは、御理解を願いたいのでございます。  外交政策について、いろいろアジア情勢の変化について、日本の外交政策は根本的に考え直してみる必要があるのではないかという御指摘でございました。  日本の外交政策は、国際情勢の変化に対応して考えなければならぬことは当然でございまして、このアジア情勢の急激な変化に対応したアジア政策というものを今後考えていかなければならぬことは、御指摘のとおりでございます。  韓国の不実産業の報告書ですか、内容を公表せよということでございましたが、あれはある一つの私的機関に調査を委嘱したものでありまして、日本政府の見解を述べたものではないので、この委託先に対して、あれを公表してしまうということは、その報告書の性質からして適当ではない。だから、いまこれを全部公表するという考え方はないわけでございますが、日韓の経済協力については、いやしくも国民の疑惑を招くことのないように、今後はこの点については十分に注意をしてまいらなければならぬと考えております。  それから、三木政権の半年ということで、いろいろ後退したではないかというお話でございます。  私は後退したとは思っていない。渡辺議員の、これくらい進まなければいかぬという幅より、私の歩み方が少ないという御批判は受けますけれども、私は後ろを向いて歩いておるわけではない。その前進のいわゆる速度が、渡辺議員としては御批判の対象になることはやむを得ないと思いますが、私は、いわゆる革命的な変革というものはなかなかむずかしいわけでありますから、やはり漸進的に前進さしていきたい。歴史の歯車を後ろへ回すことはない、漸進的に改革をしていきたいということで、いろいろ改革の幅について御不満はありましょうけれども、私の政治の方向が後退しているという批判は、そのまま受け取るわけにはいきません。そういうことでございます。  また、解散、総選挙のお話がございましたが、現在は何にもその問題については考えてはおりません。  お答えをいたします。(拍手)     〔国務大臣大平正芳君登壇〕

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 私に対する御質疑は、預貯金の目減り対策についての御質問でございました。  政府といたしましては、預金者の利益の保護については十分配慮せなければならぬと思いますけれども、財政資金をもちまして預貯金全体の目減りを補償するという考えは持っておりません。  それから、第二の御質疑でございますが、輸出保険特別会計の財務諸表の数字の一部に推計がございましたこと、御指摘のとおりでございまして、大変に遺憾に存じております。保険料の計算事務が遅延いたしましたためとはいえ、こういうことは繰り返してならぬことでございますので、通産省と相図りまして、再びこういう間違いのないように気をつけたいと存じます。(拍手)     〔国務大臣河本敏夫君登壇〕

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 昭和四十七年度及び昭和四十八年度輸出保険特別会計決算に添付をいたしました財務諸表に関しまして、一部推計に依存した計数が含まれていましたことはまことに遺憾でございまして、深く反省をいたしております。  今後は、かかることのないように、省内に輸出保険業務改善委員会をすでに発足せしめまして、輸出保険業務につきまして、一層の合理化、改善を図るように、検討を進めておる次第でございます。(拍手)     —————————————

秋田大助自由民主党副議長

○副議長(秋田大助君) 庄司幸助君。     〔庄司幸助君登壇〕

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司幸助君 私は、日本共産党・革新共同を代表いたしまして、昭和四十八年度決算について質問いたします。  わが党は、四十八年度予算審議に当たり、大命業のための超高度成長を目指す列島改造計画をやめ、物価の安定と国民生活優先の財政経済政策、国土政策に転換するよう強く主張いたしました。  しかるに、政府は、わが党の主張に耳を傾けろことなく、過去二十年来最高の膨張率という超インフレ予算、列島改造予算を強行したのであります。史上最高の二兆三千四百億円もの莫大な国債発行や、各種公共料金の引き上げ、産業基盤中心の公共事業費の大幅な拡大を行い、その結果、公害問題、国土問題を激化させ、インフレを促進し、大企業の土地投機、商品投機をあおったことは、何人も否定できなくなっております。加えて、石油危機を千載一遇のチャンスとする大企業の便乗値上げが行われ、時の福田大蔵大臣をして、狂乱物価と言わしむるに至ったのであります。  この反面、総需要抑制の名で中小企業の経営を極度の困難に陥れるなど、政府は、犠牲をすべて国民に転嫁してきたのであります。悪性インフレと石油危機がもたらした日本経済と国民生活の危機は、自民党政府の大企業本位の高度成長政策の全面的な破綻を示したものと言わなければなりません。この点、単にいい面も悪い面もあったなどという無責任な議論は、史上最高の倒産や、百十二万人もの完全失業者の発生など、国民に多大な犠牲が強いられていることに照らしても、とうてい許すことはできないと考えます。  そこでお尋ねいたしますが、三木総理、あなたは当時田中内閣の副総理であります。このような地位にあったあなたの責任もまた重大であると思いますが、この点をまず明確にしていただきたいのであります。  三木内閣は、今日、高度成長の転換、物価安定を口にしておられますが、五十年度予算では、依然としてむつ小川原開発など、列島改造の大型プロジェクトを引き継ぎ、また、二兆円の国債発行や一連の公共料金引き上げを織り込んでいるのであります。しかも、鉄鋼や石油製品など大企業の七割が値上げを計画している中で、すでに五月の東京都消費者物価は前年同月比一四・四%も上昇し、OPECの原油価格再値上げと相まって、狂乱物価の再燃さえ懸念されるに至っております。  三木内閣が真に物価の安定を考えるのなら、まず酒、たばこ、郵便料金、消費者米麦価など公共料金の値上げを中止し、計画されている大企業の製品価格引き上げをやめさせるべきだと考えますが、明確な答弁を求めるものであります。(拍手)  第二に、大企業奉仕の税制、財政、金融を改め、国民生活を守る問題であります。  四十八年度決算からも明らかなように、電算機産業や海運、航空産業など大企業向けの各種補助金、財政投融資などは莫大なものであります。  また、大蔵省資料によっても、四十八年度の法人税負担割合は、資本金百億円以下の法人が三三・四%、百億円以上の巨大企業は三二・五%と、四十六年度以来不公正きわまる逆累進を続けておるのであります。  しかるに、三木内閣は、高度成長政策の転換を口にしながら、それを支え、促進してきたこのような大企業優遇措置を温存し、五十年度でも、大企業向けの租税特別措置を九件も拡大あるいは延長している反面、歳入欠陥を口実に、物品税率の大幅引き上げや付加価値税創設、社会保険料の引き上げなど、国民に一層の犠牲を強いようとしております。  四十八年度決算の結果に照らしてみるなら、いまこそ高度成長型の仕組みを改めるべきであり、税制の逆累進をなくし、約三兆円に上ると言われる租税特別措置を初め、大企業、大資産家への各種の特別減免税制度に根本的なメスを入れるべきであります。また、大企業はここ数年来、インフレ、価格つり上げで莫大な資産をふくらませ、わずか〇・一%にすぎない上位企業が法人資産の六割を占めるに至っております。このような大企業の資産増加の一定部分は、資産課税として徴収すべきであります。  これらの措置こそ、自由党政治の帰結である今日の財政危機を解決する唯一の道であると考えますが、総理並びに関係大臣の御見解をお伺いいたします。  次に、地方財政の問題で質問いたします。  四十八年度の地方財政は、政府のインフレ政策と総需要抑制政策によって深刻な打撃を受けました。インフレによって諸経費が暴騰する一方、地方歳入は計画を三%も下回り、単年度収支では黒字が半分近くに減少し、純計歳出額構成比でも、国の分が上昇する反面、地方分は一・二%減と、前年の六倍も下がったのであります。特に、補助金と地方債の一方的な抑制の結果、地方債に占める政府資金の割合は五〇%を割り、単独事業が一〇%も上昇するなど、地方財政はまさに破綻に陥れられたのであります。  また、列島改造論に伴う大企業の土地買い占めや建設資材の高騰などと相まって、高等学校増改築の二五%減少など、住民生活に直結する事業は大幅なおくれを余儀なくされております。  このように、四十八年度の経済運営の結果は、政府が地方財政危機を放置したばかりか、みずからの経済政策の破綻を補う道具として地方財政を利用したことを如実に示しております。こうしたやり方は、許すわけにはまいりません。  ところが、三木内閣は、社会的不公正の是正を唱えながら、革新自治体に対しては福祉先取りと非難し、みずからの責任をたな上げして、財政硬直化を口実に人件費攻撃に血道を上げ、指導の域を逸脱して、地方公営企業料金引き上げや、地方債の制限などを押しつける次官通達によって、自治体の統制に乗り出しているのであります。  三木総理、あなたの自民党の県知事を持っている宮城県の自治体でさえも、このような状況の中で、いま六月の補正予算が組めない状況になっております。福田自治大臣もよく聞いてもらいたいと思います。あなた方は、保守自治体さえ窮状を訴えているこの現状をどう考えておられるのか。こうした無理難題の押しつけをやめ、国の責任による超過負担の完全解消や、地方交付税率の引き上げ等の緊急措置など、自治体の要求に応じる決意はあるのかないのか、明確にしてもらいたいと思います。また、地方自治法にも触れるような次官通達は撤回すべきでありますが、総理並びに自治大臣の答弁を求めるものであります。(拍手)  また、地方自治体問題の最後といたしまして、地方交付税の異例な年度内補正削減など、地方財政危機に追い打ちをかけるような措置は実施すべきではないと考えますが、この点、自治大臣並びに大蔵大臣の答弁をお願い申し上げます。  さて、次に、経済協力費についてお伺いいたします。  四十八年度予算は、ベトナム、インドシナ援助を中心とする経済開発援助費を三年連続で倍増させた上、十億円のインドシナ地域特別援助費を新設し、さらに補正予算で百八億円を追加して、その多くを南ベトナムかいらい政権につぎ込んだのであります。これが民生安定などというものではなく、一部かいらい政権のみを助けるものであったことは、今日すでに明白であります。核兵器以外のあらゆる兵器を投入して民族皆殺しをねらったアメリカの野蛮な侵略政策に追随して、南ベトナムかいらい政権へのてこ入れを行ってきた政府の責任はきわめて重大であります。(拍手)  これに対して宮澤外相は、アメリカのベトナム侵略について、アメリカの目的は崇高であったと述べ、これを美化するとともに、日本の協力、加担の重大な問題についても、日本の協力が成果を上げずに終わったなどと、日本の協力の不足を残念がる発言に終始したのであります。  総理、宮澤発言は、新しいアジア情勢のもとでも、民族自決に挑戦し続けようというもので、当然取り消される筋合いのものであります。あなたは、宮澤発言を支持されるのかどうか。また、あなたは、このようなアメリカのベトナム侵略に協力、加担したことを反省しておられるのか反省しておられないのか、明確な答弁を求めます。(拍手)  三木総理、アメリカがベトナム侵略から学んだことは、よりうまく、より徹底した行動をとれということであり、その中には、核兵器使用及びその脅迫も含まれているのであります。この際、アメリカに対して、朝鮮や中東に対する核兵器の使用及びその脅迫に反対することを伝えるとともに、アジア諸国の民族自決を尊重するよう申し入れる考えはないかどうか、御答弁を求めます。  最後に、国民の厳しい批判を受けている金権金脈政治の問題であります。  昨年秋以来、国政上の重大問題となった田中前総理にまつわる数々の金脈事件は、その規模の大きさ、醜悪さ、不法な手口といい、まさに史上空前のスキャンダルであり、国民と国政に与えた損害ははかり知れないものがあります。いま国民は、一国の総理が大臣の地位を利用した悪質きわまる金脈問題が、ただ政権交代だけでうやむやに済まされるのではなく、重大な疑惑を徹底的に究明し、金権政治の体質そのものにメスを入れることを強く望んでいるのであります。  しかるに、三木総理、あなたは、国会の場で解明すべきだという総理就任前の発言を次々と翻して、守秘義務を口実に国会での解明を拒み、部分的な追徴金の徴収でお茶を濁して、国民の目から真相を覆い隠そうとしているのであります。これがどうして不公正の是正、清潔な政治などと言えるでありましょうか。  三木総理は、先ほどの御答弁で、政治姿勢、議会制民主主義について大変りっぱなことをおっしゃいました。しかし、釈迦の説法何とかとやらというたとえがあります。こういった三木総理の言行不一致、疑惑解明拒絶は、自民党三木内閣も同様に金権、金脈の体質を持つことを、みずから表明したものと断ぜざるを得ないのであります。政治腐敗、金権政治の根源である大企業からの政治献金をさらに拡大し、奨励し、国民のささやかな寄金の規制をねらう政治資金規正法改悪の強行を図るいまの政府の姿勢からも、このことは明白であります。(拍手)  政府は、田中金脈の決着に異議ありという国民の声にこたえるべきであります。特に、脱税や関連企業にまつわる疑惑については、真に国民の納得できる根拠を明確に示すべきであります。中でも、最大の地位利用、詐欺事件と見られている信濃川河川敷問題は、検察庁の田中系企業の捜査、行政管理庁の行政監察が実施される現在、数百億円の不当利益を与える河川敷指定解除は当面中止し、その違法性が明らかになった段階で法的措置を講ずべきであります。  総理の責任ある答弁を要求いたしまして、私の質問を終わらしていただきます。(拍手)     〔内閣総理大臣三木武夫君登壇〕

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(三木武夫君) 庄司君にお答えをいたします。  四十八年度には、先ほども申し上げましたように、卸売物価、消費者物価が著しく上昇を見た。ことに年末には石油危機という、世界に対してもこれは大きな衝撃を与えた、そういうことを契機として、国民生活の安定が脅かされるに至ったことは事実でございます。こういう、言いわけではないのですけれども、海外の要因というものが、だれの目にも明らかである。そういう点で、結果的に見れば、経済運営は適切でなかったという御批判は、これは当然に受けるべきものだと思います。その責任を感ずればこそ、三木内閣は発足以来、御承知のように、物価安定、不況の打開ということに対して、これは全力を傾けていることは御承知のとおりでございます。こういうことで私は責任を果たしてまいりたいと思っておる次第でございます。  それから、大企業に対して、価格の値上げに対して寛大ではないかというようなお話がございました。  これは、どうしてもやはり自粛してもらいたいということで、自粛の要請を政府はしばしば行っておることは事実でございます。また、全般的に見ましても、今日の需給状態からして、簡単に値上げというものが実現のできるような情勢でもないわけであります。今後は総需要抑制、また価格の動向に対する監視を行って、基礎的な物資の価格というものは、安定的に推移するようにいたしたいと思っておる次第でございます。  公共料金について、こういう時期だから抑制をすべきだという御議論はわかりますけれども、しかし、必要最小限度の公共料金の値上げというものは、値上げ法案というものを国会に提出いたす。できるだけ抑制をしたということは、何もかも公共料金というものを抑えていくということになったならば、それをどういうふうに将来処置するかということは、財政運用上きわめて困難な問題になってくるわけでございますから、必要最小限度の公共料金については、利用者が御負担願うという原則を維持してまいらないと、それを全部国家財政で賄うということになれば、財政の運営は困難になるわけでございますから、一応最小限度のものを値上げを実施いたしたいと、法案の提出をいたしたわけでございます。  また、租税特別措置というものについては、これは今後とも絶えず見直していきたいと思っておりますが、これは大企業の擁護というよりも、一定の政策目標を達成するための、そういうために行っておるものでございまして、負担の公平という見地からいろいろ問題もございますので、これは絶えず見直してまいりたい。  財投についてもいろいろ御言及がございましたけれども、今日の財投というものは、むしろ住宅とか生活環境の整備とか中小企業対策などに重点を置かれて、五十年度でも、これら国民生活に関連するものが六四%を占めておる状態でございます。  補助金などについては、今後やはり十分にこの補助金というものに対する制度は検討をいたす所存でございます。  地方財政には、自治大臣からお答えをすると思いますが、昨日もブロック別の知事会議をいたしまして、各地域から地方財政の窮状についてはつぶさに承ったものでございます。まあ、こういうことで、超過負担の解消など、政府も努力をしなければなりませんが、やはり地方自治体においても、こういう大きな経済の転換期に際して、従来の高度経済成長時における惰性ではなくして、人件費に対しても増加の抑制とか、行政の効率化とか、適正な財政の運営とか、自主性を持つと同時に、責任を持つ地方の自治行政をやってもらいたいということを、強く要請をしてきた次第でございます。政府としても、この事態を深刻に受けとめまして、地方制度調査会においても御審議を願っておる次第でございます。  また、外交に対して一連のいろいろ御質問がございました。  ベトナム情勢というものを、私自身は、やはりあれから教えられるものは、結局、最後に物を言うものはその民族の意思である、民族自決の原則というものを踏み外して、やはり平和も安定もないということと、やはり民族の生活の安定、向上というものを図らなければ、これまた平和も安定もない。この二つの教訓というものは、やはり今後の外交政策というものに深く受けとめていかなければならぬ問題である。そういう見地から、今後のアジアの外交政策なども、こういう一つの大きな原則を踏まえて、アジア外交政策というものをいたしてまいりたいという所存でございます。  アメリカ自身としてもあれだけの犠牲を払ったわけですから、アメリカ自身としても、その動向というものに対しては深刻に受けとめておることは、アメリカの政府当局者のいろいろな発言等にもわかるわけでございまして、簡単に、核兵器をべトナムで使わなかったのが、これがしくじったんだと、今度の場合は徹底的に核兵器を使ってやるというような、そういうことを、アメリカの責任ある政府は、そういう形でベトナム問題というものをとらえていないと私は信じます。  したがって、アメリカに対して、先回りして争ういうことを、庄司議員の申すように、アメリカに対して、日本政府が何かこう通告でもしたらどうかという、そういう考え方は持っていないわけでございます。  また、いわゆる田中金脈問題というものについていろいろ御質問がございました。  やはり政治家というものは、国民の疑惑を受けてはいけない。これは解明されなければならぬわけでございますから、したがって、田中氏といえども、これは田中氏だから法律上特権を持っておるものではございません。やはり一国民として、法律上の権限に基づいて、事実は調査をいたしておることは御承知のとおりでございます。国税庁においても調査をいたしておりまして、適正な処置をする考えでございます。また、田中氏自身も、いずれの日か、国民の前に自分の全貌を明らかにして、理解を得たいということを約束されておりますから、そういうことの行われることを、私も期待をいたしておるわけでございます。  私が、国会の御審議を拒否したというような事実は全然ありません。この問題を国会で御審議なさることは、国会の当然の職権であって、私がそれを拒否するというような事実は全然ない。そういうものではない。こういうものは国会が、国の最高機関がこういう問題に対して、いろいろと御審議なさることは当然の権限でもありまして、私がこれに対してくちばしを入れる問題ではない。そういうふうなことは、事実に反するということを申し上げておきたいのでございます。(拍手)     〔国務大臣大平正芳君登壇〕

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 私に対する御質疑は、地方交付税の取り扱いをどうするかということでございました。  四十九年度の地方交付税の精算の問題は、五十年度の補正予算でやりますか五十一年度の予算の編成のときにやりますか、これは今後、地方財政の状況を見ながら、自治大臣と御相談してまいりたいと思います。  五十年度の交付税につきましては、すでに第一回の交付を終わったわけでございますが、今後どのように推移してまいりますか、予算に定められた計画がそのとおり実行できますように鋭意努力してまいりたいと、ただいまのところ考えております。(拍手)     〔国務大臣福田一君登壇〕

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) お答えをいたします。  地方公共団体の財政運営の問題についての御質問でございますので、以下、御質問に従ってお答えをいたしたいと思います。  超過負担の解消ということにつきましては、四十九年度の補正予算におきましてもこれを行いましたが、五十年度においてもこれを行っております。超過負担といいますと、施設費と運営費と両方ございます。施設費は、どういう範囲にするかという問題と、どういう質のものを使うかという問題と、二つ分かれておるのでありまして、その施設が適当である、この程度はしなければならないということは、時代とともに変わっていくこともわれわれよく承知をいたしております。したがって、この施設費の問題についても、また運営費の問題についても、今後ひとつ十分に超過負担の解消を図るよう、各省と折衝を続けたいと考えておる次第でございます。  それから、地方交付税率の引き上げの問題がございました。  これもまた御案内のように、いま高度成長から低成長へ入ろうといたしておりまして、国においても非常に財源が少ないときでございます。そういうようなときに、この問題をどう取り扱うかということも一つの問題でございますが、しかし、五十年度の予算につきましては、ただいま大蔵大臣からもお答えがございましたが、われわれが地方財政計画で約束をいたしておりますところの金額は、必ずこれを地方公共団体に配付できるように、万全の努力をする決意を持っておる次第でございます。  それからもう一つは、五十年度の財政運営について次官通達を出したことにつきまして、いろいろと御質問があるわけでございます。  この次官通達というのは毎年出しておるものでございます。ただ、本年は、何といいますか、手数料とか使用料とかというようなものをむやみに上げるというと、それは物価の問題にはね返るではないかという御心配があるようでございますけれども、こういう使用料等を決めます場合には、必ず自治省に相談があるわけでございまして、そのときに、余り急激な引き上げをするようなことでございますれば、これはわれわれとしては、チェックをいたさなければならない。何となれば、三木内閣は、物価問題を一つの大きな柱としておるわけでございますからして、地方財政であるからといって、これを無視するようなことはいたすわけにはまいりません。そういう意味合いにおいて、次官通達というものは、決して無理なことを言っておるわけではございませんので、ひとつ御了承を願いたいと思うのでございます。  なお、昭和五十年度の税収が落ち込んだときにはどうするか、交付税の年度内の補正についてどう考えるかということでございます。  ただいま大蔵大臣から、そういうときが起きたときにはよく自治省と相談をして、問題は、いわゆる地方の公共体に影響を与えないような努力をするということを仰せになりましたが、私もそういう意味合いにおきまして、何といっても、これは地方自治ということは非常に大事なことなんですから、一遍国が約束した分は、必ずやはり地方公共団体に与えていくという、これが私の責務であると考えておりますので、十分に大蔵大臣とお話をいたしまして、御心配のないように努力をいたしたいと思いますので、御了承を願いたいと思うのであります。(拍手)     —————————————

秋田大助自由民主党副議長

○副議長(秋田大助君) 坂井弘一君。     〔坂井弘一君登壇〕

坂井弘一公明党

○坂井弘一君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました昭和四十八年度決算等に関して、総理並びに関係大臣に質疑するものであります。  最初に、三木総理より去る四月二十五日、本院議長に対し、四十七、四十八両年度の通産省所管の輸出保険特別会計の損益計算書の収入項目の決算額を訂正願いたいとの文書が提出された問題に関して、三木内閣の覚醒を促し、かつ、その責任の明確化を求めるものであります。  私は、この問題は、国会における予算、決算の審議の権威を崩壊させる要素を含む重大なる問題であるとの認識に立つものであります。  言うまでもなく、四十九年度予算、五十年度予算に法律の定めによる書類として添付されるこの損益計算書は、間違った内容のまま、第七十三国会、第七十五国会に提出され、すでに国会は、そのまま両年度予算ともこれを議了していることは御承知のとおりであります。二カ年にわたり、間違った決算を正規の決算と誤認し続けていくようで、どうして国民の信頼にこたえる国会の審議と言えようかとの自責の念を禁じ得ないのは、私一人ではないはずであります。  この事態の発生原因の一つが、コンピューターの運営のミス等、当該事務の執行の体制にあったことは事実であります。しかしながら、この事実から、直ちに間違い決算の国会提出が行われねばならないという必然性はどこにもないのであります。コンピューターによる計算から決算の国会提出までの過程には、通産大臣、大蔵大臣及び総理大臣と、それぞれ憲法、関係法律により責任が定められたそれぞれの関門を経ているからであります。  そこで、私は、まず三木総理、河本通産、大平大蔵の各大臣に対し、この間違い決算が国会提出までの各段階における関係大臣所掌の政務を踏まえ、重大な過失か、それとも故意によるものか、ここに率直に答弁を求めるものであります。  憲法第九十条によれば、内閣が決算を国会に提出するには、会計検査院の会計検査報告とともに提出することになっております。そして、四十八年度の決算検査報告には、決算の中に十六億五手二百万円の、決算額でない推計額を含めていることを厳然と明記しているところであります。河本通産大臣は、この検査報告の推計額のことについては、当事者として十分承知されるところであり、大平大蔵大臣も、決算作成者として同断と言わねばなりません。したがって、両大臣は、間違った決算であることを知りながら、そのまま国会に提出させることに賛成したと断ぜざるを得ません。また、三木総理は、重大な手落ちがあったことを、さきの予算委員会でのわが党委員への答弁において述べていますが、これは、総理みずから気づかなかったという重大な過失を犯したとの率直な答弁として、本議場において確認しておきたいのでありますが、そのとおりかどうかお答え願います。総理は、この事態に対して、単に、きわめて遺憾であるということで済まそうとしている態度は、決して容認できないのであります。  私は、この間違い決算の提出が、両大臣の故意に基づくかいなかを内閣独自でも究明することを要求するものであり、同時に、その責任の所在を明らかにして、議会制民主主義における行政府の責任を明確化するため、総理みずからをも対象に含め、その責任をとるべきであると思うが、総理の所信をただすものであります。(拍手)  次に、五月六日に政府から本院事務局に送付された五十年度予算参照書及び四十九年度予算参照書の正誤表について質問をいたします。  その第一は、冒頭に述べた四月二十五日の三木総理から本院議長あての訂正の文書は「訂正願います。」となっておりますが、それは本院に同意ないし承認を願っているものであり、こうして事実上四十八年度決算が上程審議されることも、一種の本院の訂正同意の意思表示ととるべきであり、事務的なこの正誤は、少なくともこの後にするのが妥当の措置と思うのであるが、総理の見解を求めるものであります。  その二は、正誤とは、少なくとも国会にかかっている案件に関してなされるものであり、四十九年度、五十年度予算のごとく、すでに国会が議了したものについて、その正規の添付書類を行政府が一方的に訂正することは、立法府に対する行政府の介入であり、憲法上重大な問題であると判断するものであります。このような正誤が可能なのかどうか、可能との一方的判断の根拠はどこにあるのか、その条理を示されたいのであります。  このような、予算の正規の添付書類の決算額が、間違ったまま二カ年度の予算にわたって国会において議了されてしまったことについては、決算計数を入手できた今日、国民に対して、何らかの本院としての釈明の意思表示を考慮すべき重大な問題であると私は考えます。そのような国会の立場など一切無視して、正誤という事務処理でこれを片づけようとする態度、しかも、国会における審議の議了など無視して、一片の紙片を投げ込めば済むという態度、これは国会を国権の最高機関と規定した憲法の精神をじゅうりんし、国会を行政府に隷属せしめんとする暴挙とも言わねばなりません。しかも、その訂正の原因たるや、内閣の責任、閣僚の故意または重大な過失によるものであるに至っては、また何をか言わんやの感を深うするものであります。  このような、国会無視の行政の姿勢に対して深く反省をし、大改革を断行する意思があるのかどうか、この正誤を撤回し、改めて国会の意思を聞き、善処されるかどうかをただすものであります。(拍手)  以上の事項については、いずれも立法と行政のあり方、議会制民主主義のあり方など、国政の基本に関する問題であり、三木総理及び関係大臣のステーツマンとしての資格要件が問われている問題なのであります。総理の誠実かつ明快な答弁を求めるものであります。  質問の第二は、繰越明許費についてであります。  大型公共投資主導の四十八年度予算は、成立の翌日から契約抑制を実施し、八月末には執行の繰り延べを実施せざるを得ない状況に追い込まれたことは、記憶に新しいところであります。結局、二兆八千億円余りの公共事業費は、決算では五千六百十三億円の繰り延べがなされました。いかに繰越明許になっているとはいえ、一般会計、特別会計、政府関係機関の繰り越し総額は実に一兆七千億円を超えているのであります。  大蔵大臣にお伺いいたしますが、景気対策を事由とする巨額の公共事業の繰り越しは、繰越明許の規定には含まれない性格のものと理解するが、どうか。  財政運営の基本姿勢にかかわる変更は補正予算で削減すべきであり、このことが単年度会計の原則の本旨であると思うのであります。政府の財政運営の失敗を覆い隠すために、繰越明許が利用されるようなことがあってはならないはずであります。さらに、現行の繰越明許費の運用は、公共事業費、各種補助金といったように、余りにも範囲を拡大しています。これを精査、縮小すべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。  質問の第三は、今後の財政経済運営の基本問題についてであります。  その第一点は、現在、長期的に安定成長路線を維持するために、その基本姿勢が問われているのでありますが、政府は、成長率が下がれば、即安定成長に移行するかのごとく思っているのか、あるいは、景気回復によって再び高度成長を期待しているのか、安定成長に移行する具体的方途を示しておりません。不況倒産、失業、就職難等を克服しながら安定成長路線へ移行することは容易なことではないはずでありますが、安定成長を実現するための政府の財政運営はいかに考えているのか、所信を伺いたいのであります。  第二は、五十年度の歳入欠陥に対する対応についてでありますが、政府は、五十年度歳入欠陥が生ずるととが必至であるにもかかわらず、生じかねない状況であるなどと言って、言を左右にし、そのくせ、建設国債の追加発行の可能性を示唆しているのであります。第三次景気対策で、上半期の公共事業の契約率を高めることを決定していますが、これは下半期の建設国債の追加発行を予定してのことであると思わざるを得ません。政府は、恐らく年末にでも補正予算を提出し、事実上追認的にならざるを得ない歳入欠陥対策を国会の審議に付するでありましょう。これでは財政民主主義もあったものではありません。  歳入欠陥が生ずることが必至であるという実情は、表面的には不況の深刻化が挙げられるでありましょう。しかしながら、事の本質は、高度経済成長政策と、それによって引き起こされたインフレのツケが今日の事態を招来したと言わなければなりません。すなわち、四十八年度に見られるように、巨額な自然増収を所得税減税に充てることなく、あのインフレで一兆八千億円もの巨額な国債を発行、列島改造を柱とした公共事業を推進したのであります。この放漫財政が物価狂乱の引き金となったことは言うまでもありません。  結局、歳入政策にほとんど目を向けてこなかったこと、インフレ政策による経費の水ぶくれを起こしたことが歳入欠陥となったのであります。  そこでお伺いいたしますが、政府は速やかに、予想される歳入欠陥に対処するための補正予算を国会に提出する意思はないかどうか、また、建設国債の追加発行はするのか、赤字国債は絶対に発行する考えはないかどうかについてお答えいただきたいのであります。  さらに私は、歳入欠陥に対処するためにも、あるいは不公平税制を改革する意味においても、大企業の土地資産に対する再評価益課税、インフレ利得課税を創設すべきだと思いますが、これについてと、政府の考えていると言われる企業優遇課税の縮小について、具体的に答弁願いたいのであります。  第三点は、政府は新しい長期経済計画を作成中と言われますが、いつまでにこれを立案する予定か、また、その基本的性格、何年度を初年度とするか、明確にお答えいただきたい。  関連して、独占禁止法改正問題についてお伺いいたします。  四十八年度は狂乱物価の年であり、この背景に六十件にも及ぶやみカルテルが存在していた事実は御承知のとおりであります。私は、今後のわが国経済を展望するとき、四十九年度経済白書が指摘するように、企業の利潤形成が、量的拡大から価格上昇にウエートを移してきているこの現実に目を向け、競争制限的になってきている産業構造を改革することが必要だと思うのであります。その意味で、独占禁止法の強化改正は急務であると言わなければなりません。  そこで総理にお伺いいたします。政府・自民党は、われわれ野党の修正要求をくみ取るという意向を見せておりません。のみならず、本日の報道では、政府・自民党の首脳会談で、今国会での見送りを決定したと報ぜられております。  総理は、今国会での成立をあきらめておるのか、また、三木総理の最大の公約である独占禁止法改正が実現しなかった場合の政治責任は、当然おとりになるのか、もし最後まで努力するというのであれば、今日の事態にあってどう努力するのか、率直にお答えいただきたいのであります。(拍手)  以上の質問は、国政並びに国民経済の基本にかかる重要な問題であります。国民の信頼を政治の根幹に据えると明言された三木総理ならば、国民の納得する結論を示すべきでありましょう。  総理並びに関係大臣の誠意と勇気ある答弁を要求して、私の質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣三木武夫君登壇〕

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(三木武夫君) 坂井君の御質問にお答えをいたします。  四十八年度の決算のうち、輸出保険特別会計決算について、一部推計を含めた間違いの決算を、問題があると知りながら国会に提出した責任について厳しく追及をされました。  ごもっともだと思います。これは、計算事務にいろいろ理由はございましょうけれども、しかし、これは政府としては過失である。深く反省をせざるを得ない問題であると考えます。したがって、今後二度とこういうことのないよう、最善の努力を払うことによって、この責任にこたえたいという所存でございます。  第二は、成長率が落ちて、安定成長路線になってきた財政運営のあり方ということでございます。  これはもう非常に厳しくなることは当然でありますから、まず、やはり厳しい選択というものが必要である。何もかもというわけにはいかないわけでありますから、規模、財源の構成、そういうものに対して、これは十分な検討を加えると同時に、経費の内容について、これは厳しい選択が必要であるし、また、高度経済成長のときには、高度経済成長を支える諸条件というものを伸ばすためのものが中心であったわけでありますが、今後は国民の生活、あるいは環境、あるいはまた教育、福祉というような、国民の生活をめぐる諸問題ということに重点を置かなければなりませんから、そういうことも頭に入れて、厳しい選択をいたしていかざるを得ないと考えておる次第でございます。  また、大企業の土地保有に対する資産の再評価という問題を御指摘になりました。これはまだ現利益が実現をしていないわけですから、そういうものに対する課税というものは、実際問題として非常なむずかしさがあるわけです。これを売買したことによって、超過利得というようなものは非常に捕捉可能ではありますけれども、ただ、所有しておるということに対しての課税ということについては、いろいろ問題があるので、これはなかなか実現がむずかしい問題だと考えております。  また、新長期の経済計画の策定は、五十年度中に答申を受けて、五十一年度を初年度とする五十五年度までの五カ年計画といたしたいと思っておる次第でございます。内容の具体的なことは、まだ申し上げる段階ではありませんが、安定成長下において、福祉の充実と社会的公正の確保を目指した資源の配分ということを行うことにいたしたいと思うわけでございます。  また、独禁法の改正については、新聞報道などでは、もう断念したというような記事が出ておりますが、断念はいたしておりません。あくまでもこの国会で独禁法の成立を期したい。現在の段階は、与野党間において折衝が続いておることは、坂井議員も御承知でございます。ぜひとも、この独禁法の改正は、本国会において成立を図りたいというのが、私の今日の考え方でございます。(拍手)     〔国務大臣大平正芳君登壇〕

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 輸出保険特別会計の決算に絡みまして、一部推計を用いた書類を作成して国会に提出したことにつきまして、その責任を厳しくただされたわけでございます。  仰せのとおりでございまして、かかることが再びあってはならないことでございまして、官紀を正しまして、再びかようなことのないように慎んでまいるつもりでございます。  それから第二に、繰越明許費のお尋ねでございます。  昭和四十八年度は、御指摘のように、多額の繰越明許を出したわけでございます。これは引き締め政策を政府が採用することになりましたので、そのために国会の議決を経まして、翌年度に繰り越しをさせていただいたわけでございます。こういう制度が認められておりますので、この制度にのっとりまして、さような処理をさせていただいたわけでございます。  しかし、仰せのように、本来、補正予算でこういったことはすべきでないかという御意見は、そのとおりでございます。ただ、機動性をとうとばねばならない引き締め政策の実行に当たりまして、そういう余裕がなかったことにつきまして、御理解を仰ぎたいと思います。  それから、第三の歳入欠陥問題でございまして、これは四十九年度に多額の歳入欠陥を出しまして——歳入欠陥と申しますか、税収の不足を出しまして、大変恐縮いたしておるわけでございます。  この件につきましては、不用金を立てますとか、あるいは税外収入を計上するとか、あるいは国税収納に関する政令改正等の手続によりまして、一応処理させていただいたわけでございます。しかし、仰せのように、五十年度は四十九年度の予算をベースにいたしまして五十年度の予算が組まれております以上、五十年度に歳入欠陥のおそれがないとは言えない状況でありますことは、坂井さんの御指摘のとおりでございます。  しかしながら、五十年度はまだ年度が開始しまして二ヵ月有余でございまして、これから内外の経済がどのように推移してまいりますか、国税がどのような収入の状況になりますかということは、これからの経済の推移にまたなければなりませんし、また、これに対しまして、政府がどのような政策をとってまいるかにもかかってくるわけでございまするので、ただいま的確に五十年度の歳入はこの程度であるということを、国会で責任を持って御答弁申し上げる自信はないわけでございます。  したがいまして、五十年度につきまして、国債を幾ら出すか、補正をどのようにやってまいるか、出すとすれば、それは建設公債か、赤字公債かというような問題につきまして、まだ考える立場にないわけでございまして、先ほども申し上げましたとおり、五十年度の予算を成立ざせていただいたわけでございまするので、鋭意、この忠実な実行を歳入歳出とも図らせていただく、そのために全力投球するというのが、いま政府の立場でございます。(拍手)     〔国務大臣河本敏夫君登壇〕

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 輸出保険特別会計の経理につきましては、財務諸表の作成の責任者といたしまして、深く反省をいたしております。  その後、滞貨の処理に努力を払いました結果、本年三月末に全案件の作業を終了し、それによって、昭和四十七年度及び昭和四十八年度の財務諸表の訂正を行いましたが、今後の対策として、保険料の早期徴収体制の確立をいたしますほか、事務処理の改善等を行い、再びかかる事態を招かないよう努力をしてまいる所存でございます。(拍手)     —————————————

秋田大助自由民主党副議長

○副議長(秋田大助君) 和田耕作君。     〔和田耕作君登壇〕

和田耕作民社党

○和田耕作君 私は、民社党を代表して、昭和四十八年度一般会計歳入歳出決算、同じく特別会計歳入歳出決算、同じく国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書等につきまして、一括して、総理並びに関係大臣に御質問をいたします。  これから御質問申し上げる二つの問題は、昭和四十八年以降現在に及んでいるものでございまして、本決算報告とは直接関係は薄いのでございますけれども、これを放置すれば、物心両面にわたりまして、著しく国益を損するものだと思いますので、あえて御質問をする次第であります。  最初に、最高裁判所の判決の権威という問題についてお伺いいたします。  憲法八十一条では、「最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は處分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。」と規定しております。この終審裁判所という文言は、憲法裁判の最終の裁判所という意味だと思いますけれども、これには二つの大切な意味が含まれていると思います。  第一は、終わりがあれば初めがあるという理解に立って、下級裁判所でも憲法裁判はできると解釈されることであります。もう一つは、最高裁の判決は最終のものであって、最も権威のある憲法裁判であるということであります。  そして、この条項の脈絡からすれば、私見によりますと、後者に重みがあると解釈するのが正しいのではないかと思います。  なぜなれば、国権の最高機関である国会で可決した法律が、憲法に適合するか否かの判断は、家庭裁判所や地方裁判所でもできるわけでありますけれども、国民の常識からすれば、たとえば、自衛隊法や公務員法等が合憲か違憲かを決める裁判が、経験の浅い判事の多い下級裁判所で行われるということについては、疑問を感ずる人も多いと思うからであります。しかしながら、現行法ではそれを正しいこととしておりますので、下級から上級へと進む裁判の問題について、ここでとかくの議論をするつもりはありません。  私がこの際、総理以下の関係閣僚にぜひともお考えいただきたいことは、憲法の適合性についての最終裁判所である最高裁で確定された判決があるにもかかわらず、その後において、同種の、同内容の法律の解釈ないしは判断に係る事件について、下級裁判所が最高裁判所の判決と真正面から対立する判決を下している事実についてであります。このことは、最高裁判所の判決の権威保持という観点から、ぜひとも真剣に考えてみなければならないことではないかと思うのであります。  以下、その実例の一つを申し上げます。  本年六月九日、和歌山地方裁判所は、昭和三十三年の和歌山県教組が勤評反対の一斉休暇闘争をしたのに対して、県教委が教組の委員長以下七名を懲戒解雇処分に付したのに対して、処分取り消しの判決をいたしました。  地裁は、その理由として、県教委が適用した地方公務員法三十七条第一項は、憲法二十八条に定められた労働基本権に違反しているので無効であるというのであります。  ところが、二年前の昭和四十八年四月二十五日の警職法反対闘争に関する東京全農林労組事件につきまして、最高裁は、国家公務員法九十八条二項に違反するとの判決を下しており、つまり最高裁は、国家公務員法は全面的に合憲であるとの判断を確立しているのであります。  そのときに最高裁は、憲法二十八条の労働基本権について、公務員に対する制約の根拠として、公務員が争議行為に及ぶことは、その地位の特殊性及び職務の公共性と相入れないばかりでなく、多かれ少なかれ、公務の停廃をもたらし、その停廃は、勤労者を含めた国民全体の共同利益に重大な影響を及ぼすか、またはそれのおそれがあるからであると断じ、どの程度基本権を制約するかについては、国の立法府、つまり国会が決定すべき立法政策の問題であるといたしております。  和歌山地裁が違憲とした地方公務員法三十七条一項は、最高裁が合憲とした国家公務員法九十八条二項の規定と同一の法律形式による同内容の規定でありまして、最高裁の判決の趣旨を尊重するとすれば、当然和歌山県教委の解雇処分は合憲とすべき性質のものであったと思われるのであります。  しかしながら、私はここで裁判所の判決の内容を云々しようとするものではありません。また、昨今重大化しているスト権の問題について論及するつもりもありません。時代の変化とともに法も変化していくものだと確信いたしておるからであります。しかしながら、法の改廃は、立法府である国会の任務であり、また、法の解釈の最高の権威は、最高裁判所であって、下級の裁判官の恣意的な判断の積み重ねによってなし崩しに行ってはならないことを銘記すべきだと思っておるのであります。  このような意味で、現在、各地の地裁の裁判についていろいろの政治的な影響が云々されているときに、司法権の独立の中核である最高裁の判決の権威を保持するための措置が必要であると思うのであります。  私は、和歌山地裁の事件は現在控訴審に係属中でありますので、この具体的な事件についての論議は差し控えますけれども、一般論として、下級裁判所が最高裁判所の示した憲法解釈の趣旨に明らかに反する判決をすることは、最高裁判所の権威について国民の疑惑を招くおそれがあると思われますので、法務大臣は、一般的に最高裁判所の憲法判断は、同種同内容の法律の解釈ないし判断にかかわるものに関して、下級裁判所を拘束するという立法措置を講ずることについて、どのようにお考えになっておられるのか、また、この点について、総理大臣の御所見をお伺いしたいと思います。  ちなみに、現行法では、最高裁判所の判決は、当該事件そのものについてのみ下級裁判所を拘束することになっておることをつけ加えておきます。  次に、独占禁止法の運用と、各行政官庁の行政指導の問題であります。  昭和四十八年十月の石油ショックを機として、石油価格の高騰をもたらし、いわゆる物価狂乱の状態が現出したことは御案内のとおりであります。  当時の石油業界が示した価格操作が、独禁法違反として摘発されまして、高橋公取委員長は、従来の審決などの方法では効果はないと判断したのか、石油業界の幹部を経済事犯として検事総長に告発して、目下東京高裁で審理中であります。  この裁判で、被告の人々は一斉に、自分たちの行動は通産省の行政指導によって行ったのであることを主張していると言われております。この判決がどのようになるか、法の裁きにまつといたしましても、もし有罪の判決が出れば、これを指導した官吏も当然責任を負うことになりまして、重大な結果になるおそれが十分あると思います。  これまでの数々の独禁法違反の事例を見れば、通産省やその他の産業官庁の実質的な行政指導による場合が多く、官庁の指導があれば独禁法違反にならないとの慣例すら生まれている事実と考え合わせて、事はまことに重大であると言わなければなりません。各省は、設置法の根拠に立って、関連する産業の指導育成の立場から、必要と思われる指導をすることは当然であって、その内容は、ときには、生産の制限や価格の調整に関する分野に及ぶこともまたあり得ることであります。しかしながら、公正取引委員会としては、カルテルによる価格のひとり決めなどの不当な行為を取り締まる官庁でありまして、たとえ官庁の行政指導というものがあっても、違法行為を正当化する理由にはならないとすることも、またきわめて当然であります。  この相交わる二つの公権力の接点について、政府としては統一的な見解を明らかにすることなしには、独禁法の規定はしり抜けとなることも、過去の経験に照らして大いにあり得ることだと思います。  そこでお尋ねいたしますが、政府は、この国会で、独禁法の強化を目的とする法案を提出しておりますが、各省の行政指導と、公取のカルテル取り締まりの接点についてどのような統一見解を持っておられるのかという点であります。  昨日の独禁法の連合審査におきまして、私の質問に対して、高橋公取委員長は、行政官庁が価格に介入するとすれば、法律的手段によるべきであって、法的根拠のない行政指導は、独禁法違反の疑いが出てくると明言しております。この場合の法的根拠というのは、通産省設置法という一般的なものではないことは明らかであります。また、総務長官も、独禁法の精神を守る立場での行政指導が望ましい、閣議や関係閣僚協議会などで、通産、農林各大臣もそれを認めておられるので、少なくとも違反になるような行政指導はしないと考えておりますと明言されております。  これに対しまして、河本通産大臣は、商工委員会の会議録等によりますと、通産省設置法に基づいて必要な行政指導を行うことをたびたび言明され、その場合に、価格、生産量等についても、行政指導の対象から外してはいないと思われるような御答弁をなさっておられると思います。また、昨日の連合審査におきましても、私の質問に対して、通産省の関係局長の答弁も、肝心な点、つまり、価格等に介入するときは、法的措置が必要であるとの点が明確ではないのであります。  このような状態では、せっかくの独禁法の拡充強化も、いたずらに混乱を起こす結果になることを恐れるものであります。  これらの点について、通産大臣、総務長官の御所見、そして総理から、政府の統一見解を明確にお示し願いたいと思います。  以上で私の質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣三木武夫君登壇〕

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(三木武夫君) 和田君の御質問にお答えをいたします。  最高裁判所と地方裁判所の判決の問題について御質問がございました。最高裁判所の権威について、国民が疑惑を持つようなことはまことに重大であります。  お尋ねの問題は、憲法解釈にかかわる重要な問題でありますので、これは慎重な検討を必要とすると考えます。憲法第七十六条の三項に、「すべて裁判官は、その良心に從ひ獨立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。」という規定もございますから、これはやはり慎重な検討をすべき問題であると考えます。  また、公取委員長の独禁法と行政指導との問題でございますが、各省庁が、行政上の必要から適宜指導を行っておることは、従来もやっておるわけで、それぞれの立場で、行政上必要があるからやっておるわけでございますが、その場合にも、やはり独占禁止法の規定は尊重して行うべきものである。一切、行政指導を各省庁がやってはいけないということでは、これはやはり各省庁としていろいろ業界を指導していく責任もありますから、そういうわけにはいかぬけれども、それをやる場合にも、独禁法というもの、これに対しては、尊重するという精神で行政指導を行うということが必要であろうと考えておる次第でございます。(拍手)     〔国務大臣河本敏夫君登壇〕

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) ただいま総理がお答えになりましたとおりでございまして、この問題につきましては、四十九年の三月十二日、衆議院の予算委員会におきましても、政府の統一見解が明らかになっております。  それは、物価の抑制等の国民的課題に対応いたしまして、物資の所管管庁が行政指導を行うことは必要であり、そして、その行政指導の根拠は各省の設置法である。ただ、この行政指導を受けた者が、それをよいことといたしまして、さらに共同して価格の操作を行う、こういうことがあれば、これは当然独禁法違反の問題が生ずるわけでございます。  したがいまして、この行政指導に法的根拠があると述べたからといって、独禁法を骨抜きにする、そういう趣旨ではない、こういうふうに理解をいたしております。(拍手)     〔国務大臣稻葉修君登壇〕

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) 総理大臣から憲法上の問題についてはお答えになりました。私の法務大臣としての所管に関する点について、和田さんの御質問にお答えしたいと思います。  和田さんの御質問は、同種同内容の法律の解釈に関しては、一般的に最高裁判所の憲法解釈にすべて下級裁判所が拘束される旨の、そういう趣旨の立法をする可能性はどうか、してはどうかという御趣旨のようですが、現行の裁判所法第四条には、「上級審の裁判所の裁判における判断は、その事件について下級審の裁判所を拘束する。」こういう同種同内容の解釈に関し、上級審の裁判に関する判断が、下級審の判断を拘束するという立法措置がどうであろうかということになりますが、これは総理のお答えになりましたとおり、下級裁判所にも違憲審査権が認められると解釈されており、また、憲法第七十六条第三項は、「すべて裁判官は、その良心に從ひ獨立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。」こう規定していることから、そういう一般的な拘束をする立法をいたしますことは、憲法上も非常に問題があると思われますので、そのような立法措置が可能かどうか、また、その当否については、なお十分に検討いたしたいと思います。(拍手)     〔国務大臣植木光教君登壇〕

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(植木光教君) 各省庁の行政指導は、それぞれの立場からの行政上の必要に応じて行われているものでありますが、独占禁止法の規定を尊重して行われるべきものであるということは、言うまでもございません。また、各省庁が独占禁止法を遵守するという行政指導を行うことも必要であると考えているものでございます。  以上の趣旨につきましては、今後ともその徹底を図るよう、努力してまいりたいと存じます。(拍手)

秋田大助自由民主党副議長

○副議長(秋田大助君) これにて質疑は終了いたしました。      ————◇—————

秋田大助自由民主党副議長

○副議長(秋田大助君) 本日は、これにて散会いたします。     午後四時二分散会      ————◇—————  出席国務大臣         内閣総理大臣  三木 武夫君         法 務 大 臣 稻葉  修君         大 蔵 大 臣 大平 正芳君         農 林 大 臣 安倍晋太郎君         通商産業大臣  河本 敏夫君         郵 政 大 臣 村上  勇君         自 治 大 臣 福田  一君         国 務 大 臣 植木 光教君         国 務 大 臣 坂田 道太君  出席政府委員         内閣法制次長  真田 秀夫君      ————◇—————

国会会議録検索システムで原文を見る ↗