文教委員会 第11号
- 発言数
- 110 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1975/05/28
会議録
○久保田委員長 これより会議を開きます。 文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。有島重武君。
○有島委員 去る三月十七日に発表されました教員給与の第二次改善に関する人事院勧告の案件につきまして、先日来各党集中審議をしてきたわけでございますが、きょうも私この質疑をさせていただきたいと存じております。 その前に、人事院総裁はもうじきいらっしゃるそうですけれども、ちょっと問題ははずれますけれども、文部大臣に二、三の質問をさせていただきたいと思います。 これは、毎日新聞の五月二十四日付の朝刊に、松下幸之助さんと梅根悟さんとの対談——対談というよりも、高校増設に対する提案が出ておった。それに対してきょう付で、永井文部大臣の「教育改革の構図」ということで出ておりましたので、そのことを、質問に入ります前にちょっと聞かしていただきたいと思います。 まず、高校増設について、これはいま大変世論沸騰とまで言わないかもしれないけれども、相当深刻な問題である。特に教員の方々あるいはお子さんを学校にやっていらっしゃる父兄の方々には、この話題は非常に深刻な問題として受け取られておるわけでございまして、文部大臣もこのことについてはいろいろなお考えを持っていらっしゃる。ここでもって私特に伺っておきたいのは、高校の義務教育論というものがある。これについて踏み切るか踏み切らぬかということは、もうかなり決定を迫られているんじゃないか、これは早く結論を出さなければならないところまで来ているんじゃなかろうかというふうに思っているのですけれども、これはもう少し宿題にしてくれというようなお話もあるらしい。これはタイムリミットをどの辺に置いていらっしゃるか、二、三年ということか、四、五年ということか、その辺はどのように考えていらっしゃるのか、これを承っておきたい。
○永井国務大臣 タイムリミットと申しますとかなりむずかしい問いになります。その理由を申し上げたいと思います。 と言いますのは、そのけさの新聞にも出ておりますように、高等学校の義務化というのは一つの非常に重要な要求だと思います。重要な要求になる理由は、中学を終えた後で高校に進学する人の数が非常にふえて、現在パーセンテージの面から言いますと準義務化と言ってもいいくらいのところまで伸びてきているということがあるからでございます。その点を考えますと非常に早くタイムリミットを設けなければならないのだと思いますが、もう一つ考えなければならない他の要素がいま進行しているように思います。それは何であるかと言うと、高校に進学する人の非常に多くのパーセンテージがいわゆる普通科で学習をいたしまして、それは大学予備門的性格を持っているわけですが、大学の急膨張現象というものが過去十数年あったわけです。しかし、これが現在の経済の態様の変化に伴いまして、今年も多少そういう徴候がございますが、来年以降どうなるかということを、他国の例と関連して考えますと、ちょっと予測がつきにくいわけです。他国では大学進学人口が相当減っているのです。アメリカ合衆国の場合は増加現象が減少しているということがございます、そこでわが国がどうなるかということは、来年の推移が非常に重要なデータとして考えられなければならないことになると思います。高校に入っていく人口がふえますのは、大学にどんどん行きたい、だから高校に行きたいという形のそういう引っ張り方がいままであります。ところが来年度それが大学のところにどうあらわれてくるかということをよく見きわめませんと、高校のこれ以上の人口増加という形が出てくるのかどうかということを決定しにくい。 それともう一つの問題は、他国で見られますのは、むしろ高校から直接職場に入ってそうしてどんどん働く、そういう形で現場経験を積んでその後でまた勉強するという、いままでのような教科書中心でないサンドイッチ的な学習の仕方が出てきております。それがまた日本でどうなるかという問題が来年にかけて起こりますので、タイムリミットということを私に言えということになりますと、いままでの経済成長のもとでの伸び方とちょっと違う現象が出てきておりますから、そこのところをよく見きわめた上でないと言えない。二年か三年かというふうにおっしゃいましたけれども、少なくも来年はいろいろ動向を見る上で非常に大事な年であると考えております。その上で考えるべきものであると思っております。
○有島委員 高校にどうしても行かなければならないというような傾向がこの四、五年のところずっと伸びる一方であった、それが来年からどういうふうな傾向をたどるかということを見きわめた上でもって判断をしましょう、そういうお答えであったと思います。大臣としては動向を見きわめるということでございますけれども、それは非常につつましやかに客観的なおっしゃり方をしたのだと思うのです。むしろ大臣としてのお考えは、大学にめちゃめちゃにだれでも彼でも行こう、したがってそのために高校は九〇%以上になっていくという方向は、余り望ましいものではないというふうなお感じを持っていらっしゃるのか、あるいは、これはやはり世界に誇る日本の学校教育という見地から、この方向は本当は維持していった方がよろしいというようなお考えを感じとして持っていらっしゃるか、いずれでございましょうか。
○永井国務大臣 私先ほど申し上げたのは数字の動向のことでありますが、今度は教育の考え方について申し上げたいと思います。 いままでの形の学校教育の拡大というのにちょっと問題があると思っております。なぜかと言うと、世の中に学歴主義というのがあって、そして、大学を卒業している人は大体ホワイトカラーになる、それから中卒ないし高卒の人がブルーカラーに行くという傾向があります。そして、昭和四十七、八年度の賃金の中から労働省が出している数字によりますと、ホワイトカラーの給与を一〇〇といたしますとブルーカラーが、七二・八%だったと思いますが、その程度でございます。私はそれはある意味で高学歴、教科書中心主義の社会だと思うのです。今後どういうふうになっていくことが望ましいかと言うと、むしろ額に汗して働いていく——そういう人がまたある段階になって勉強するということもあるかもしれませんが、どうも額に汗している人の方がいすに坐って本を読んでいる人よりも安いという姿が今後続いていくというのは一つ疑問があると思っております。そこで先ほどのことを申し上げたわけで、やはり本当の学習というのは、少数の学者になる人は別としまして、一般には労働と学習というものが織りなしているような生活が一番いいのだと思うのです。いままでの日本の勢い、これは欧米の影響も非常に強かったと思いますが、ともかく上の学校に行く、そして本を幾つか先生から教わる、学歴が高くなっていく、そうすると給与もよろしい、こういう形で動いてまいりました。これは高度経済成長時代に毎年ホワイトカラー・マーケットが拡大しておりましたが、そういう時代の一つの現象であると思います。これからは私は、ホワイトカラーだけが尊重されるというよりはむしろ額に汗する人も尊重されるというふうにならなければ困ると思います。そうすると学校教育の方も、そういう動向を見きわめまして、労働するよりはただ学校に行くということが教育であるというふうには考えない、そういう方向というものを考えるべきだと思いましたから、したがって来年以降の大学人口の動向を考えたいと申し上げたわけです。そこを考えませんと高校で何を教えるべきかというカリキュラムの問題も細かくは考えにくいので、少し考えさしていただきたい。だから、ただ数字だけではなくて、教育の考え方の基本にも触れていることが含まれていると思っております。
○有島委員 いまのお話、よくわかりました。 それで、労働をしながら学問をやっていくんだ、それを学者なんかはともかくとして、私どもの方の言葉を使えば生涯教育ということになるんじゃないかと思うのです。それは確かに学校に行くことは重要な部分になるには違いないけれども、それはむしろ生涯教育の基礎を支えるものである、私はそのような位置づけをしたいと思うのです。そのようなお考えのように私は受け取ります。 ところで、きょうもこれから話題にするわけですけれども、教員はホワイトカラーに入るのかブルーカラーに入るのか、学者なんかは、学校なり研究所なりに詰めて学問をしていくことそのものがすでに労働であり勤労であるというような構えでよろしいかと思うのですね。教員なんかの養成につきましても、あるいは教員が現場に入った場合におきましても、いわゆるサンドイッチ的な行き方ですか、詰めてずっと勉強をしていく、また勤労を差しはさんでまた勉強していく、そういったような行き方、あるいはサンドイッチのように画然とは分かれていないけれども、まぜこでもってやっていくような行き方、教員についてはどのようにお考えになりますか。
○永井国務大臣 教員は、いわゆる企業で働きますホワイトカラーとは区別されて、どちらかといいますと専門職であると思いますが、専門職として産業別で申しますと第三次産業の中に入ると思います。ですから、非常に広義におけるホワイトカラーということであればそうだと思います。ただ、教員もどうなっていくことが望ましいかという先生の御質問に対する私の考え方を申しますと、やはり教員の場合に、いままで養成の仕方あるいは研修の仕方で欠けておりましたのは実習的側面だと思います。要するに、教育学であるとか、そういう理論は教えるのですけれども、実習的側面が弱かった。そこで現在でも、教員になりました後の現場研修、あるいは再研修というものがございますし、それからこれは田中内閣の時分に非常に強調されたことで、今日に引き継がれておりますが、海外に行って研修旅行をする、いわば現実をいろいろ見てくるということも非常に拡大して進んでまいりました。ですから、就職をした後にも、そういう形で経験に基づいて再学習をするということが非常に大事でございますから、これはやはり今後強化していくということは私は必要だと思います。 次に、では免許をとる前の教員の養成のあり方はどうかということでございますが、これについては、教育学者など、また文部省の審議会でもいろいろ御検討を願っておりますが、ここでももう一回実習のあり方について十分考えるべきであるという御意見が非常に強いと承っておりますので、やはりそれはいま申し上げた基本的な考え方に沿っているものでありますから、ただ教科書中心で学ぶというのでなく、実習それから再研修、そういうふうなものを重んじていくときに、本当に専門家としてりっぱな腕を持つようになる、そういうものが教員であると私は理解しております。
○有島委員 いまのお話の中で、実習を重んじるという面、これは私もよくわかるような気がいたしますけれども、それからさらにはみ出て、必ずしも理科を教えている先生が理科の実習をするのではなくて、他の経験をしてくるということによって教育の場においてより豊かな、あるいは自分の研さんにおいても幅の広い、根強いものを持つことができるというような、実習よりもやや広い概念のことも考えられるのではないかというふうに思いますけれども、その辺は大臣はどういうふうに思っていらっしゃいますか。
○永井国務大臣 先ほど申し上げました海外旅行研修というのがちょっとそれに当たると思います。これは必ずしも自分の専門とする学科に即して勉強するだけではなくて、やはり海外の事情を見ていく。期間はかなり限られておりますけれども、しかし、それにしても見聞を広めるという意味でなかなかよいことであると思っております。 さて、日本の国内においてそれをどういう姿でやっていくか。これは国内留学というふうな形の研修もございますけれども、この方法についてはなお相当検討しなければならないことだと思いますが、私は原則的には、先生がおっしゃいますように、自分の一番得意とする領域についての実習的なことをやりますと同時に、やはり学校の先生の場合には、いわば生活全体について指導するという側面を持っておりますから、自分の学校のことだけ知っているのではなくて、やはり社会の人々の生活体験というものについての見聞を広めるということは非常に重要であると考えております。
○有島委員 それを極端に推し進めてまいりますと、これも後でもって人確法等に関してまたお話ししたいと思っているのですけれども、教員を数年やる、そして全然教員とは関係ない仕事に一年なり二年なり従事する場合もある、そうしてまた戻ってくるというようなことも将来はあった方がよろしいのではないかというふうに私なんか考えているわけなんですけれども、そういった方向にまで拡張して大臣はお考えいただいているのでしょうか。
○永井国務大臣 いま先生が御提案になりました、教員が少しほかの生活領域で学習しなければいけないというお言葉でございますが、実は私教員であったのですが、ほかの領域で仕事をいたしまして非常に勉強になると思っております。ですから、基本的に賛成でございますが、しかしこれは非常に多数の先生がおられるのと、それから基本的に制度、構造をどう動かしていくかという問題に関連いたしますから、相当慎重に考えませんと、いま先生がおっしゃいましたように、一年外して違う仕事をするというのは、考えとして私は非常に傾聴に値するものであると思いますと同時に、他面これを行政のレベルに乗せます場合には、相当慎重でなければならないと思っておりますのが偽らざる気持ちでございます。
○有島委員 文部大臣は、この新聞では「四頭立ての馬車」というような表題が書いてあって、一つには、現在の社会の雇用形態を変えていくように呼びかけていくことだ。第二番目は、東京大学中心というのではなくて、地方にある各国立大学を充実していくことである。第三番目は、国立大学協会が共通学力テストの具体案をつくっているけれども、これを実施していくことである。第四番目は、指導要領を変えていくことだ。このようなことをお挙げになっている。この中で、第三番目の共通学力テストでございますけれども、これは高校を出た人だけが共通学力テストを受けるのではなしに、中学を出たらこれを受けることができるということにまですると、松下さんが言っておられる高校の学力検定、それとやや一致したことになってきてしまうのじゃないかと思うのですけれども、そこら辺まで拡張していくようなお考えがおありになるかどうか。
○永井国務大臣 毎日新聞で松下さんが梅根先生と意見を闘わしておられるのは、私も拝読したのでございますが、松下さんのお考えは、私の理解に誤りがなければ、資格試験をやってはどうかということだと思います。これも非常に傾聴に値することなんです。しかしながら、私の考えを率直に申しますと、教育の問題のときにはなかなか傾聴に値する、興味深い御提案というのが多いのでございます。松下さんのもそうですし、お人によってはあしたから東大を廃止してみたらどうかとか、いろいろあります。すべてなるほどと思って考えさせられるのですけれども、私は、どういうふうに変えていくことが望ましいかというと、オーダリーチェンジということを考えるのです。つまり、やはりいまそれぞれの立場でお仕事をしておられる方は、外から見るといろいろ批判が言えますけれども、なかなか一生懸命にやっておられるのです。そこで、そういう方々を本当に尊重いたしまして、そしてまたその方たちもひそかに改革を望んでおられるということがございますから、そういう自発性を生かしながら、本当に具体的に実現できるものを実現していく。でありますから、共通学力テストの考え方は、これは国立大学協会という大変重要な組織体があるわけです、国立大学の先生が全体的に学長を中心にして参加していらっしゃる、そこはやはり実現の主体としてお考えになっていてくださるわけでありますから、やはり、まずこれを実行するということが教育界の声、しかも多数の声でありますから望ましいんではないか。考えとしては、松下さんの考えは大変おもしろいのですけれども、それはまず共通学力テストの方を実現することに全力を注いでいく、これだけでも実はなかなか達成するのは大変なことだと思いますが、それに全力を注ぎまして、そうしてまたなおかつうまくいかないとかいろいろな問題が出てくれば、さらに松下さんのようなお考えも一層検討したらよろしいと思いますが、私は現状では着実に現在の構造に即しながら着々と進んでいくということが必要なんではないか、こう思っているわけでございます。
○有島委員 それでは教員給与の改善の問題に入るわけで、これは大体事が終わってしまったようなことなんでございますけれども、人事院からの勧告が三月にございまして、その後、文部大臣が、三月二十日であったと思うとですが、記者会見の席上で、文部省の予期しない深刻な面があるんだと、人事院の勧告を批評された。この予期しない深刻な面ということについて、ちょっと御説明をいただきたいと思うのです。
○永井国務大臣 一番重要な点は、前年度の場合に一〇%でございますが、本俸を基準にして考えてきたわけでございますから、私たちは本年度もそういうふうになるというふうに予期していたわけでございますが、四%、三%という別がございまして、本年度は、本俸の方はそのうちの一部、しかし他方につきましては手当という形で出てまいりましたので、これは私たちの予期しなかったことの最も重要な点として申し上げたわけでございます。
○有島委員 それで人事院総裁にお聞きいたしますけれども、人事院総裁からのお答えはずっといままで判こを押したように、一貫してほかの分野とのバランスということをどうしても考えなければならないのだというようなことであったろうと私は了解しておりますが、それでもしも文部大臣が御期待であったごとく、これをすべて本俸でもって七%ないしは、さらに言えばこの前と同じように九%ということがあるでしょう、いまの場合、七%にしておきましょう。これは本俸でもって全部処置するということをもししたらば、どのようなところに、どのようなトラブルが起こってくるのか、これを少し詳しく教えていただきたい。
○茨木政府委員 どのようなところにということで詳しいことでございますので、私からまずお答え申し上げます。 一番すぐ問題が起こってくるのは、教育関係職員内部の均衡問題でございます。第一次の際には、高等学校と義務教育とはほとんど接近してしまいまして、初号から前半約三分の一までは全く同一号俸というような金額になりましたし、新制大学出身の方がいらっしゃる二十二号俸のところで一号俸差ぐらいのところまでずっと接近してしまったわけでございます。その当時で義務教育の方が約九%程度でございましたが、高等学校が平均五・五%程度の改善であった。それから高専、大学の方になりますと、相当まだ高さを持っておりました関係上、二%前後の改善で逆転防止ができたわけでございます。今回の措置を仮に御質問のような形にいたしたとしますと、このはね返りと申しますか逆転の関係で本俸上の問題として考えるということになりますと、大変強く考えていかなければならぬことになりますので、大学、高専等で五、六%の改善をせざるを得なくなってくるというようなことがあったのではないかというふうに考えております。 それからさらに、その他の関係で申し上げますと、教員関係とやはり相互関係がございましてそれでいろいろ考えていかなければならぬ分野がございます。そういう意味で申し上げますと、いまの教育内部のほかに、まず幼稚園関係の教員をどう考えていくか、幼稚園関係と今度は保育所との関係が、文部省と厚生省の共同通達の形で教育内容等が指導されておる関係もございまして、大変密接な関係がございます。その辺のはね返りもいろいろ出てまいります。 それから看護婦、保健婦の関係が養護教諭との関係でこれがやはり非常に密接にはね返り関係を持っております。その関係で看護婦、保健婦にはね返ってまいりますと、さらに福祉関係職員にはね返ってまいります。この辺になりますと、大学もそうでございますが、看護婦関係、福祉関係ということになりますと、民間の方に相当強くはね返ってくる関係がまたございます。 それからずぐ同じ中におります学校事務職員、一般行政職という関係でこれまた大変刺激を受けるというような関係にございます。それから、高等学校教員との関係では、運輸省系統の海員学校教官とか、それから看護婦学校教官、それから大学教官との関係で研究職それから海事職関係、こういうようなはね返りがございます。それから、小中学校、高等学校教員との関係で府県の教育委員会の事務局職員がまた大変刺激を受けてくるという関係にございます。こんなようなところで大変刺激が強く出てまいるわけでございます。
○有島委員 いまのお話は、大体この委員会でもお話があった。それも私ども詳しく聞きたいわけなんだ。逆転現象が起こるというような話がありましたね。今度本俸でもって七%もしやれば、どことどこにどういう逆転現象が起きて、その逆転現象というのはいけないものなのか、逆転現象が起こってもいいものであるか、その辺はまた別として、どういった逆転現象が起こって、これがよくないのか。それから幼稚園、保育所いろいろあるという、そのいろいろを詳しく資料にして説明していただくことができますか。これを七%にすれば、かくかくこうなります、これは人事院にもあるんでしょう。それはあるんですか、ないんですか。
○藤井(貞)政府委員 それは資料としてございますし、そういういろいろの詰めを行います際には、事実関係を調べまして、その上で判断をいたすということでございますので、こうやれば、こういう逆転現象が起きて、その点は無視できないということは、もしお求めでございますれば資料として提出をいたすことにやぶさかではございません。
○有島委員 これはお求めしたんだけれども、出していただけなかった。この委員会で、総裁からは出していただけるということだから、それじゃそれはすぐ出していただけますか。いまありますか。あったら、ここでもって……
○茨木政府委員 部分的に、いま私が申し上げましたような意味の関連の職種、この職種からこの職種に関連していきますというような意味のそういうものはございます。それからあと、その逆転関係ということになりますと、これは部分的な研究資料としてある程度でございまして、いま御答弁申し上げましたような全般的な意味の各職種にわたっているというようなことでございますと、それはいますぐ出せるものはございません。
○有島委員 たとえば看護婦、福祉関係、これだけいまとってみましょう。これは本俸を今度の場合七%で答申したということになりますとじゃ福祉関係もカットしてみよう。看護婦さんのところにはどのような悪影響といいますか及ぼすのか、それはどうなりますか。
○茨木政府委員 そういうものでございますれば、いま即刻というわけにはまいりませんけれども、七%上げた表との比較表はできます。
○有島委員 それをはっきりしていただかないと、とうも説得性か——お答えは筋道としてはわかるわけですよ。確かにこれはほかとのバランス、そのことを一生懸命人事院は考えていらっしゃるのであろう。これはわかるわけだ。ただ七%にやってみたら、一体とういった——具体的にここのところは本当に困る、確かにこれは困るというようなお話というのがいままで余りなかったのじゃないかと思うのです。 それで、文部大臣は、大体人事院の勧告であるのだから、この勧告は尊重する、そのようにおっしゃったと思うのですけれども、そういった人事院の、確かに本俸七%では、これはやったらばやはりよろしくないということを十分御納得の上で、これは尊重するというふうに言っていらっしゃるのか。私はまだあんまりよく中身がわからないわけで言うのですけれども、文部大臣は、すでにそういったような、もしも七%上げたらば、こうひどいことになるのだということは、十分御承知なんですか。
○永井国務大臣 人事院のお考えを詳細な数字にいたしまして、どの職業でどのぐらいということよりも、基本的な考え方としていまのような均衡問題が生じてくるということは了解いたしましたということです。そして、了解いたしまして、特に公正な第三者機関の御決定でありますから、尊重を申し上げますということでありますが、かと申しまして、これまで私たちが考えてまいりました基本的な考え方、つまり教員の人材確保ということは重要でございますから、今後とも引き続きその問題を御考慮願いたいというふうに御要望申し上げているのが私たちの立場でございます。
○有島委員 十分に理解した上でということになりますと、人事院の側から言えばそれは、そうは言ったってこれ以上はごり押しだということになろうかと思うのですね。人事院としては、その御説明が少し足りないのじゃないかというふうに私は思うわけなんだ。この委員会でも、いままでの質疑でもって、聞けば聞くほどあんまり納得できないのですね。多分そうであろう、確かにそう言われればそうであろう、それは非常にふわふわした、その他いろいろございます、これはいろいろなところに波及する、それは大変な波及をするであろうということは、そう言われれば常識的にはわかる。そのうち一つ、二つ、三つぐらいでもいいから、もしおっしゃるとおりに七%本俸で上げれば、かくかくこうなりますよと、そういうことを明らかにしていかないと、それは説得力が弱いと思うのですね。非常に頑迷に何かお立場を守っていらっしゃるというような印象に受け取られやすいのではないかと思うわけであります。ですから、今度また次のチャンスと言っても、そういったチャンスを設けていただけるかどうか、これはまた委員長にもお願いし、それから理事会でも御相談しなければならないことだと思うけれども、説得性のある資料をとにかく出していただいて、確かにこうだ、これは三%、四%に分けるのがもっともだというような、そういう線を資料でちゃんと示していただきたい。これは重ねて人事院総裁にお願いいたしますが、どうですか。
○藤井(貞)政府委員 平たく申しますと、逆転防止なり均衡の問題を言っておりますのは、たとえば大学を出て先生になる。義務教育の先生になる方もございますし、また高等学校あるいは高専、大学に教鞭をとる人もいるというわけでございます。しかも、一年たてば大体成績のいい人は昇給をしていくということになるわけでございますが、その場合、義務教育職員の重要性からいって、この教員の給与というものは優遇しなければならないということは、趣旨として無論よくわかるわけであります。また、それのために法律もでき上がっておるわけでありますからして、その趣旨を尊重いたしまして、人事院としても最大限度の努力を払って、第一次に続いて今度の第二次勧告も出したいということでございます。 ただその場合に、義務教育職員の優遇ということはわかりますけれども、しからばといって、同じような学歴で、同じような教鞭をとる高等学校を小中学校と区別ができるのか。高等学校の方は五年たってかくかくの金額になるが、小中学校の方はこうだというようで、それでもいいではないかというような考え方もあるかと思いますけれども、われわれといたしましては、その点はやはりできる限りの均衡というものは図っていく、あるいは逆転防止というものの措置は講じていくということは、最小限度、全般の給与をお預かりいたしております者としてやらざるを得なかったということがその真相でございます。 したがいまして、先刻来申し上げておりますように、その点、明らかに七%やればこういうようなことになるということにつきまして、具体的な資料として、ティピカルな、代表的な例についてはお示しができると思いますので、それは何らかの形においてお示しをいたしたい、かように考えております。
○有島委員 これは本来、こういった集中審議のときの一番最初に出すように要求しておけばよかったようなものではあると思うのですけれども、何かみんなを納得させるようなことがないと、どこまでもこれは陰にこもっちゃって、終わっちゃったんだからしようがないけれども、恨みだけ残ってしまって、かわいそうだ、そういうような感じが私はするわけです。 それでは、次にいきます。 これは文部大臣にちょっと伺いたいのですけれども、人確法の問題なんですけれども、これは人材を教育界に確保しなければならぬ。給与を上げるというのは人材確保の一つの柱であることは間違いない。重要な柱でございましょう。このほかに、定数の改善であるとか、それから、私たちはこれはちょっとどうかと思っておりますけれども、これは反対をいたしておりますけれども、教頭を制度化する、これも何か文部省の方では人材確保の一助であるというような判断をしていらっしゃるらしいですけれども、文部大臣としては、教育界に人材を確保する柱として、大体幾つぐらいのことを考えていらっしゃるか、それを承っておきたいと思います。
○永井国務大臣 政府委員からお答えいたします。
○安嶋政府委員 ただいまお話がございましたように、人材確保の方法といたしましては、ただ単に給与を上げるということだけでないという点は御指摘のとおりだと思います。 その他の施策といたしまして文部省がどういうことをやっておるかということでございますが、第一は教職員定数の計画的な増加でございます。これは教育の効果を高め、あるいは教員の教育に対する勤務がさらに適正に行われるために必要な措置でございますが、御承知のとおり四十九年度から第四次の五カ年計画というものを発足をさせまして、義務教育の段階につきましては約二万四千人、高等学校につきましては約七千人の計画的な教職員の増加を図ることになっておるわけでございます。このほかに、さらに自然増に伴う教職員の増加数がございます。 それから第二といたしましては研修の充実でございます。この点も先ほどからお話のあった点でございますが、教員の海外派遣の充実を図る、あるいは中央研修の充実を図る。研修の機会といたしましては、この機会のほかに各都道府県等において行われまする各種の研修会、講習会等がございますが、そうしたものに対しても援助を与えていくというようなことをいたしております。さらに、教員の研修を容易にいたしますために、また研修による学校の教員の休暇を補充いたしますために、研修代替の非常勤講師の手当について補助をするというような施策も進めておるわけでございます。 また、教員の退職勤奨年齢の引き上げでございますが、逐次これが引き上げられておることは御承知のとおりでございますが、そうした施策全体と相まって、教員の人材確保を進めてまいりたい、あるいは進めつつあるということでございます。
○有島委員 これは前の佐藤人事院総裁のときだったと思うのですけれども、この人確法がまだ話に出る以前に、やはり教員給与のことについて、いろいろお話を私は個人的にもした、それから当時の文部大臣また文部当局にも申し上げた問題なんですけれども、教員給与ということとそれから研修の充実ということは、別々な問題ではなくて、うらはらといいますか、ワンセットになっていくべき問題じゃないかということを御提案申し上げたことがあった。それで人事院総裁はそのときに、それは確かにそうだから、今度教員給与のことをやるときにはそういうことを勘案してまいりましょうということをおっしゃっておりました。それから文部省の方でも、研修のための有給休暇を大幅にとる、このことについては検討していくというようなことを、あれは稻葉さんのときだったかな、これを申し上げて、検討してまいりましょうというようなことを言われておったと思うのですけれども、それがいま安嶋さんから言われた研修の充実、この中でもって海外派遣、これが一つですね。それから中央地方の研修、この援助、それから三番目に欠員の代替者を出すための補助、そういったところにあらわれてはいるような感じもするのですけれども、私たちとしては、この教員になるためにどのくらい熱心な方々が集まってきてくれるのだろうか、それは確かにほかのところよりもお金がたくさんもらえるということはいいに違いないけれども、給料が高いから行こうじゃないかというような人ばかり集まってもらっても困るのだ、むしろ、現在若い方々といろいろお話をしていると、自分でもって一つのプロジェクト、目的といいますかを構えて、自分で使っていくことのできる時間をどのくらい確保できるか、これはお金にかえられないほど大切にいましつつある。将来ますますそうであろう。ですから、三年なら三年勤めたらば、半年なり、短くても三カ月、長ければ一年くらいの有給休暇というものを持たしてあげて、それはある場合には定められた研修にいくのもいいであろうし、そこに縛らないで、自分で立てた計画に従ってそれぞれに過ごす。ある場合にはほかのところに何か勤めるといいますか、そんなことをしても構わない。だから金をもらって研修しても構わないし、金を出して研修しても構わないしというくらいな大幅な処置をすることによって教育界が非常に活気づくのではないか。実際問題として三カ月ぐらいの研修を現実に高校の先生なんかがやっておられます。その方々がやはり研修を終わって帰っていらっしゃると、学校での教育の場でもっての活力というものが非常に違ってくるのですね。そういった方に何人かお目にかかって、これは非常にいいんだというふうに私は高く評価をして、それを推し進めてもらいたいと思っているわけなんです。 ところで、その方向はこれは大臣もさっきのお話をずっと承っておりますから恐らく推し進めてまいりたいとおっしゃると思うのですけれども、安嶋さんせっかくいまお答えいただいたから、研修のためのそのかわりに出てきてくれる非常勤講師、これは何人ぐらいになっておりますか。
○安嶋政府委員 この制度は四十八年度から実施されておるわけでございますが、当初千人でございましたが、昨年度からこれを千七百人に増加をいたしまして、五十年度もその数で処置をいたしております。
○有島委員 これは高校も含んでいるのでしょうか、小、中、高でしょうか、小、中でしょうか、それが一つ。 それから小学校と中学校の教員の数、全体で何人ですか。
○安嶋政府委員 ただいま申し上げました千七百という数字は、これは小学校の義務教育だけでございます。 それから小学校の教員の数が幾らかというお話でございますが、校長、教諭、養護教諭等全部含めますと約六十万四千人でございます。
○有島委員 そうすると、六十万人に対して千七百人、つまり四百人に一人というくらいですか、〇・二五%というようなところでございますか、そうなりますね。これは必ずしも一〇〇%にしろなんて私は言わないけれども、これはやっているには違いないけれども、学校で言いますと、教員の数が五十人か六十人というような学校があるとすると、非常に大ざっぱな話だけれども十校に一人ぐらいということになりますね。そうしますと、これはもうきわめて限られた人だけにできるのであって、せっかくいい施策には違いないんだけれども、余り数が少ないと、ではだれがそれに当たるのかというようなことでもって、そこに選別作用といいますか、そういうことも非常に厳しく出てくるんじゃないかと思います。 それからまたこれは研修代替とは言うけれども、病欠のためにもこれが千七百人という枠が使われているんじゃありませんか。そういうことになると、非常に不十分なものに思えるのだけれども、これは相変わらず今後も千七百人というような御計画らしいけれども、もう少し御研究なさって大幅にふやしていくというような方向は来年度予算あたりでもって考えられないものでしょうか。これは文部大臣、どういうふうにお思いになりますか。
○永井国務大臣 先生方の研修という問題は、いま初中局長から申し上げましたような代替という形もあるのですが、実際はかなり重層的なことと思います。といいますのは、研究助成というのが先生方お一人当り二十万円ですが、これはなかなかおもしろい研究がございまして、大学の先生方と研究テーマが若干違いますのは、たとえば、郷土史的な研究であるとかあるいは授業の指導についての御研究であるとか、こういうのがございます。これも数を申し上げますと、いまはっきり記憶しておりませんけれども、多い県で、東京のようなところは非常に多いのですが、ほかの府県でも一県に十人くらいの数、そういう研究助成を受けておられる先生方がおられます。応募者は大体三倍くらいですが、その中から今度は、私も研究助成のテーマを少し見まして、なるべく現場の教育と関係がある、そういう意味で大学の研究者と違うようなものについて先生方に御研究を願うというふうにしているわけです。これが一つのものです。それからもう一つは教員の生活に特有なものは夏季休暇という比較的長期休暇があるのでございますが、もちろんこういうふうなものは休暇でありますから、そこで強制してそのときに必ずこれこれ勉強しなさいという式のものではなくて、むしろ自発的にどう活用されるかという問題だと思います。 けさほども全国小学校長会があり、先週は中等学校の校長会がございましたが、私がそういうところでお願いしておりますのは、やはり校長先生方がいろんな機会に、いわゆる強制的管理というのではなくて、先生方がいろいろ御勉強になったりするのを十分に生かしていくようにということをお願いしたわけでありますが、やはり先生方が研究といいますか研修の場合、余り押さえつけてこれだけやりなさいと言ったら、かえって自発的な意欲がわかないのです。ですから、夏季休暇みたいなものを、いまでもいろいろうまく活用していらっしゃる先生方がいらっしゃいますけれども、さらに校長先生なんかがそれぞれの場に即してそういう方向を強化されていくということも一つの方法で、でございますから研修というのは、先ほどから初中局長が申し上げましたように非常に大事ですが、今後ともにいま申し上げたことも幾つか、多岐にわたっておりますが、私たちは重層的にこの問題をいろんな角度から検討して、そうして先生方の生活に即してでき得るような形で本当に望んでいるものを勉強していかれるというふうにしなければならないと思っております。
○有島委員 それで、大臣は、大体この千七百人程度の幅で十分であると思っていらっしゃるのか、これはもっと強化していかなければならないのではないかと思っていらっしゃるのか、どうですか。
○永井国務大臣 こうしたことはすべて研究課題です。 といいますのは、先ほど研究助成のことを申したのですが、どういうことをいま議論しているかということをちょっと御披露申し上げますと、研究助成を出して、なかなかいい研究が出てくるのですが、しかし、それが全国的に相互に研究結果の公表という形で交換されているかというと、必ずしもそうでないのです。だから、来年からその助成を受けた人の研究結果というのが、自分の府県はもちろんのこと、全国的にも交換される方法はどうやってできるだろうかということをいま勉強しております。 そこで、いまの何人という先生方の数の問題なんですが、そういうことも、やはりただ数がふえていくということだけではなく、有効に先生方の研修に役立っていかなければいけないと思っています。ですから、私は、数がふえることだから頭から反対というのではなくて、先ほど申し上げましたように、いろいろな角度から、先生方の御研究というのが生かされていくように、そして、そのことのために是が非でもその数の方の問題に取り組むことが何より大事だというような結論に到達すれば、これは非常に強く考えるべきだと思いますが、いまこの段階で、ではどのぐらいの数というふうには簡単に申し上げにくいほど、ある意味で構造が複雑になっているように考えております。
○有島委員 その重層構造だというお話はややわかるのですけれども、文部大臣にしてはちょっと困るなと思われるのが一つあります。 確かに、研修をしたならば研修の結果をたちまちレポートする、そしてそれを交換する、それは結構なことなんですよ。だけれども、何をやったか余りよくわからないけれども、それが長期に見たときには非常に肥やしになっておる、そういうことがまさにこれからの教育には大切なのであって、いまおっしゃたように、そうなりますと、レポートの出しやすい課題の方にずっと寄っていくというような傾向があります。これはまさにお役人さん主導型にはまっていくというおそれもあるわけですね。ですから、むしろ、せせこましいと言っては非常に悪いんだけれども、もっと間が抜けたような施策をどこかにやっていかなければならないんじゃないかというように思うわけなんですよ。それで私はこういうことを重要視したいと思うわけなんです。 これはある官僚の方に伺ったんだけれども、官僚としては、そんな性善説に立って余りサービスするということはできない、大体性悪説に立って、それで、ほっとけば小人閑居して不善をなす、だから、管理すべし、報告を出させるべし、そういうようなことをせざるを得ないんだと言われる。これは確かにそのお立場ではそうでありましょう。しかし、どのくらいいまそういった傾向が教員と官僚との間の不信感というものを助長し、あるいはその研修に対して疑惑を教員側が非常に持っておる、そういった傾向、これは大臣も御承知だと思うのですね。 それで、確かに文部省としての指導のもとに、あるいはいろいろな重層的な施策、これは結構でございますけれども、それをはみ出したようなことを少しお考えになるべきではなかろうかということなんですね。それでその上に立って、いまの千七百人、こだわるのはいけないけれども、ゆとりのある、何といいますか、いま余りゆとりのない時代なんだから、そのときだからあえてゆとりをそういったところにつくっていくという施策をぜひ進めていただきたいと私は思うのですけれども、もう一遍お答えをいただきたい。
○安嶋政府委員 研修定数の問題でございますが、先ほど申し上げました千七百人は、これは年間の数字として予算計上いたしておるわけでございます。実際の研修の参加は、たとえば一カ月単位でございますれば、それが何倍かになるということでございますし、一学期単位でございましても伸びがあるわけでございますから、そういうふうに御理解をいただきたいということが一つ。 それからもう一つは、この千七百人という数字は、研修代替要員としての非常勤講師を採用した場合の補助金の枠でございまして、このほかに先ほど第四次の教員定数五カ年計画で約二万四千人の増員を図っておるということを申し上げたわけでございますが、その中に千四十人、これは正規の定数といたしまして研修要員の数が計上されております。これは現在計画が進行中でございますから、千四十人全部現段階でそろっておるというわけではございませんが、そういう定数が二万四千人の中に含まれておるということをつけ加えておきたいと思います。 さらに第三次計画におきましては、同じように千四十人の研修定数を計上いたしておりますから、四次計画が完成をいたしますと、全体で約二千名の研修定数が小中学校には配当される。これが、先生がただいまおっしゃった一種のゆとりということにもなろうかと思います。 それからなお千七百人の非常勤講師手当の補助の実態から申しますと、各府県からの申請と私どもが用意している枠はほぼ近い数字でございます。 なお、研修全体の進行等につきましては、大臣からも御答弁がございましたように、総合的に、積極的に今後とも進めてまいりたいというふうに考えております。
○有島委員 大臣、お役人の方から言わせれば、いまのお答えのとおりになると思うのです。それでそれが余り親切になり過ぎるとかえってまた疑惑を生む。変な関係にあるわけなんですけれども、そこは大臣、これはここでもって結論を出すというわけにはとてもいかないと思うのですけれども、今後ともうんと御研究いただきたい問題だ、お願いしておきます。 それで人事院総裁、いまの話なんだけれども、人材確保法第四条でもって、人事院はそれに基づく勧告をするわけでございますけれども、その中にいまの教員の長期研修ということ、そのための費用ということ、そういうことも含めて勧告をする権限が人事院にはおありになるのか、ないのか、その辺はどうですか。
○藤井(貞)政府委員 人確法はいわゆる給与水準ということに着目して規定をしておるわけでございまして、いまお話しのございましたような研修に関する経費その他については、ここに含まれておるものとは理解いたしておりません。したがって、人事院といたしましては、これについての勧告等を行うことは考えておらない次第でございます。
○有島委員 前の人事院総裁は、これは勘案していきましょうということを、これは個人的なんですけれども、言われていたのですよ。法律の目的は、確かに給与に関しての特別措置をすることによって人材を確保するのだということになっていますけれども、目的は、まさにその人材を確保するということに煮詰められていくわけですね。それで、大枠の給与ということをやはり人事院としては考える余地があるのじゃないかと私は思うのだけれども、これは全然この法律の上からはそういったことは許されない、そういうことになりますか。
○藤井(貞)政府委員 前総裁がどういう趣旨のことを言われたかは、私、まだ承知いたしておりませんですが、おそらくその趣旨は、教育公務員、特に義務教育教員についての給与というものを考える場合においては、これはその本質からいって、優遇の措置を十分講じて人材の確保を図らなければならぬ、その場合に、優遇しなければならぬということの要素といたしまして、一つの重要なこととして研修ということがある。これは先生も御承知のように、教育公務員特例法にも研修のことは特にうたっております。そういうこともございますので、研修には常に御本人みずからも努めなければならぬ、そのためにはやはりいろいろな経費もかかるだろうというような点も、教員の給与を考える場合の要素の一つとして考えなければならない、考えていいのじゃないかという趣旨のことではないかというふうに、私は私なりに理解をいたしておる次第でございます。
○有島委員 初中局長に伺いますけれども、最近の人材確保の状況といいますか、教員希望者の動向はどのようになっているか。私の理解では、教員になりたいという方が以前よりは非常に多くなっているというふうに思うのですけれども、それをちょっと発表していただきたい。
○安嶋政府委員 教員養成大学・学部の応募者数の倍率がそうした事柄の判断の一つの素材になろうかと思いますが、人材確保法が制定されます以前の昭和四十七年度と本年度の応募倍率を比較いたしてみますと、小学校課程では、昭和四十七年度は三・七倍でございましたが、本年度は四・九倍ということになっております。それから、中学校教員養成課程では、四十七年度は六・三倍でございましたが、これが七・七倍ということになっております。その他の課程でございますと、四十七年度の三・七倍が四・三倍、いずれも倍率が高くなっておる状況でございます。 それから、卒業生の中で教員になることを希望する者の倍率でございますが、これは全国的な調査がございませんので、若干の県の状況について申し上げてみますと、千葉県におきましては、小学校教員の採用者と志願者の倍率でございますが、四十七年度の三・二一倍が四十九年度におきましては三・七二倍、中学校におきましては、四十七年度の十四・八六倍が、四十九年度におきまして十七・二四倍。東京都におきまして、小学校、四十七年度の二・九三倍が四十九年度三・〇三倍、中学校、四十七年度の七・一一倍が八・〇五倍というふうに増加をいたしておりまして、これは全国的に見てもこういう傾向であろうかと考えております。
○有島委員 大臣お聞きのように、四十七年と四十九年では、教員志望の倍率というのは明らかに上っているわけですね。これはちょっと変な聞き方なのですけれども、今後教員給与の特別措置が全くストップしてしまった、並みになってしまったとすると、これはまたずるずるっと減るのであろうか、あるいはこの傾向は、大体いまの社会の趨勢として、教育界に人材が集まってくるという傾向は持続するのであろうか、そういったことについてはどんな予測を持っていらっしゃるか。あるいは、もう一つ、確かに数の上では志望率はよくなっている、けれども、その内容においてはどうであるか、どういうように思っていらっしゃるか。その二点について大臣のお考えを承りたい。
○永井国務大臣 私は、将来の予測を余り言いますと間違いが起こるので、慎重でございますが、教員の給与改善というのは、実は今後も進行していくということを私たちは計画しておりますし、人事院にもお考え願っているわけでございます。そういう趨勢でございますし、また、わが国の経済構造全体の態様にも変化があり、また国民も、一般に教育を非常に重視しておりますから、私は、教員志望の人たちの数といいましょうか、そういう人たちはふえていくものと予測しております。 それで内容でございますが、どういう人たちがなるかということですが、やはり教育現場におけるいろいろな研修というふうなこともあり、また、従来、教員というのは、経済成長が非常に激しかった時代に一種の落ち込み的な姿であったこともありますが、しかし、現在ではそうではなくて、また、社会全体がそういう意味で評価が変わってきておりますから、私は、内容的にも非常にすぐれた方がだんだん入ってくるし、また、入ってこられた方が一層みがきをかけてよりよくなっていく可能性というものは、従来よりも強まっているというふうに考えております。
○有島委員 余り時間をとってもあれですから、最後に法制局にもう一つだけ聞いておきます。 これは人確法が制定される以前の議論なのですけれども、一般職で取り扱うという考え方、これは非常にノーマルなことですけれども、もう一つ、これは特別職扱いをすべきではないかというような議論が一部にはあったようであります。それで、その特別職にすることをかつてお考えになったことがあるかどうかということが一つ。 それからもう一つは、この第四条の中で人事院が——万が一ですよ。これは仮定の問題ですよ。教員は一般職から外れて特別職という全然別な一つの給与体系をつくるべきであるというような勧告をしようとすればできるものであるか、あるいは、人事院に勧告しろといわれたのは、これは一般職という枠内に限られたものとしてだけ受け取るべきものなのか、この法解釈これは人事院よりも、法制局にちょっと承りましょう。これは法の解釈としては、人事院の権限として一般職をはずして特別職にすべきであるというような勧告をこの法律に基づいてすることが可能なのか不可能なのか、どっちでしょう。
○味村政府委員 第一の特別職にするという議論が政府部内でされたかということでございますが、実は私、この人確法制定当時にはまだ法制局におりませんでしたので、その点は何とも申し上げかねる次第でございます。ただ、法制局は各省庁から原案を持ってまいりましたものにつきまして審査をするというたてまえでございますので、法制局が主導権を握りまして教職員を特別職とするというようなことは制度上はないというように考えております。 それから、先ほどの人材確保法に基づきまして教職員を特別職とする旨の勧告が人事院からできるかというお尋ねでございますが、この人確法第四条は、給与につきまして必要な勧告を行わなければならないとしているだけでございますので、そのような権限は人確法によっては人事院に与えられていないと考えております。
○有島委員 給与に関することであるからと言うのだけれども、特別職もやはり給与ということになるのじゃないですか。その権限はこの法律の中には絶対ないのか。
○味村政府委員 特別職とするか一般職とするかということは、これは給与だけの問題ではございませんで、もっと基本的な問題となってくるわけでございます。この人確法では「給与について」、ということでございまして、単に給与について人事院に勧告しなければならないという職責を与えたわけでございまして、一般職を特別職にするということは給与以上にいろいろな法律上の効果が違ってまいりますので、そのようなことはこの人確法では人事院の権限とはしていないというふうに考えます。
○有島委員 いまおっしゃったようなことは、この人確法がなくても、給与に関する権限といいますか、勧告の権限は人事院持っていらっしゃるわけですね。実際に特別職にするかしないかということは、これはまた別な問題としても、純理論的にそういった可能性といいますか、法解釈は絶対にできない、そういうことになりますか。
○味村政府委員 理論的に教育職員を特別職にするということが法律上絶対に不可能かと言えば、これは国家公務員法の改正によって可能であるわけでございます。 ただ、人事院が人確法に基づいて与えられております権限、さらに一般職員の給与に関する法律に基づいて与えております勧告権は、これは一般職の職員の給与に関して勧告をするという権限でございますので、一般職の職員の給与に関する法律なりあるいは人確法に基づいて教職員を特別職にしろという勧告はできないというように考えます。
○有島委員 以上で終わります。
○久保田委員長 関連質疑の申し出がありますので、これを許します。塩崎潤君。
○塩崎委員 ただいまの有島委員の御質問の中で、二つの問題に関連いたしまして御質問を申し上げたいと思うのでございます。 一つは、いま有島委員はこの問題については何か恨みだけが残っておる、法律が済んだ後いま恨みが残っておるだけで、本当につまらぬではないかというようなお感じの御質問がございました。これが第一点。 それから第二の関連する問題は、七%の資料を出せ、こう言われましたが、これについては私はいろいろと議論をしなければならぬと思うのでございますが、関連質問でございますので、簡単にこの二つの点に関連して御質問したいのです。 そこでまず第一は、委員長に対して御質問しては恐縮なんですけれども、大変御心配をいただきましたので、今度は委員長に対して御質問と同時にお願いでございます。確かに第二次給与改善は、去る三月三十一日公布施行されました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律、それに基づく人事院規則で終わってしまっておるわけですね。まだ二百三十二億円の予算が残っておりますから、私は終わってないと思うのですけれども、人事院の方々に言わせますれば終わっておると思っておられるに違いないと思う。しかし、このような形の法案の提出に当たって、文教委員会でいま気の抜けた、味の悪いビールを飲んでおるような議論だと思うんですね。もうすでにでき上がっておるものについて怒ったりわめいたりしておる、恨みだけ残っておる。本当に国会に苦労して出てきて、気の抜けたビールばかり飲まされたのでは私は本当に情けないと思うわけでございます。 そこで委員長、教員だけの給与改善に関する一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律が提案されたら、これは人確法に基づく給与改定なんですから、内閣委員会だけの単独審議じゃなくして、少くとも文教委員会との連合審査は必ず開いていただける、この慣行を打ち立てていただきたいということを委員長に陳情申し上げる次第でございます。しかし、こんなような人事院の勧告を待って人確法を実現するというやり方ではまだるっこしい、いま有島先生からも出ましたが、特別職にまで持っていくというような大法律になれば、当然また別な論議が必要でございましょうが、一次、二次ともに文教委員会を全く素通りと申しますか無視して、内閣委員会だけで審議して、人確法の精神について何ら審議がなかったのですが、このような問題について委員長はどう考えられるか。もう一つは、私の連合審査の提案は受け入れられるものかどうか、委員長の御意見を承りたい。
○久保田委員長 理事会で相談します。
○塩崎委員 それでは、ただいまの私の質問に対しましては、理事会でぜひとも実現させていただけるということで終わらしていただきたいと思うわけでございます。 第二の問題は、七%ということでございましたが、この問題は、私が気の抜けたビールと言いながらしつこく何遍も立ち上がりますのは、単に教員の給与改善の問題だけではないのです。国会と政府と人事院との関係、予算と法律との関係、法律と人事院規則との関係、ひいては、法務大臣ではありませんけれども、憲法との関係、こういった問題まで発展しておるからこの前もしつこく議論したのですが、とにかく逆転防止という技術論ばかり申されておった。しかし、それが結局このような大問題になっておることを皆さん余り意識されないでここまで来ておることを申したかったのでまた立ったわけです。そこで今度は、人事院並びに政府に私が質問し陳情申し上げる次第です。 まず、人事院にひとつお聞きしたいのですが、いまの七%の問題ですね。このようなことは、人事院勧告が出る前に、七%になったらこんなふうに逆転するぞというような資料も当然文部省に提出されて、お互いに論議されて、しかしそれは、文部省の言い分はだめなんだから、こういった形の人事院勧告を出すんだというぐらいの論議をやってもいいと思うのですが、人事院の独立性というのは、そういったお互いの討議もなくして、裁判所の判決みたいにいきなりずばっと真珠湾の攻撃みたいに出すものですか、どうですか。人事院の独立性というのは、憲法上の規定に基づいて相談をしない、抜き打ちでやるんだ、これが独立性なんですか、ちょっとそれを伺いたい。
○藤井(貞)政府委員 抜き打ちでやることが人事院の独立性とは考えておりません。したがいまして、毎年の夏の勧告その他の措置を講じます場合におきましても、各方面からの御意見というものは十分拝聴いたしまして、これについては真剣な検討を加えて結論を出すという態度は従来とも堅持をいたしておりますし、今後ともそういう態度でもって進みたいと思っております。ただ、勧告の性格といたしまして、各方面に及ぼす影響等も大変重要なものでございますので、最終的な勧告の内容というものを事前にいろいろ御相談申し上げるということは差し控えることが、事柄の円滑な処理を進める上で必要なことではないかというようなことで、従来そういう方針をとってきているわけどございます。しかし、態度としてはあくまで謙虚に、各方面の意見を十分に尊重しながらやっていくという基本的な姿勢を今後も十分に堅持をいたしたい、かように考えます。
○塩崎委員 いまの御答弁は何か中途半端で、よく私は理解できません。七%というような問題ぐらいは、こういった功罪が十分論議されてしかるべきだと私は思うのです。少なくともこれは、私がたびたび申し上げておりますけれども、人確法という一つの政策的な法律なんですね。政治的な判断を伴った法律なんですから、あなた方がそれを単に揣摩憶測して、独断で抜き打ちでやるということはおかしいじゃありませんか。文部省も十分理解して、あるいは国会の人たちも皆さん方の意見について納得できるだけの資料を提供されてから私は出すべきだと思うのですが、そこはさておいて、またそのような独立性にこだわられておると、いろいろとこの人確法でももう少し法律を直して、皆さん方の容喙を許さないような方向に行く恐れがあるから私は申し上げておるわけですね。 そこでもう一つは、人事院と申しますか、まず総理府に聞いた方がいいかもわかりませんが、この給与法は、人確法に基づく給与法の改正だと私は思うのです。これは表題にない。いずれまたこれは味村さんに御質問することにするのですけれども、そこで一次も二次も、去年は三月二十五日、ことしは三月二十六日に提案して、いつも一日しか審議をさせないで即日可決するんだというようなことを言っておられたと思うのですが、人確法は四十八年に通って施行されておる法律ですね。精神はわかっているはずだ。そしていずれも予算に金額は計上されておる。したがって、なぜこの給与法を予算関連法案として取り扱って、少なくとも予算委員会まで含めての十分な審議をできるだけの時間を与えるような提案をしないか。きょうは総理府は来ていないわけでしょうが、私は総理府にこう聞きたいのです。しかし、聞けば総理府は、この法律は人事院勧告に基づいて出す法律だから、人事院勧告が出ない以上は出せません、こう言うに違いない。それなら人事院勧告は、私は予算関連法案として考えればもう少し早目に出す。いつでも出ると思うのですよ、調べておれば。何も三月十七日に出したりするような理由は一つもないと思う。いま私は委員長に連合審査の御提案を申し上げましたが、恐らく日にちがないと連合審査なんかできないと言われるに違いない。そこで、私は人事院勧告までを含めて、十分連合審査までの期間を与えるだけの提案をしてくださるかどうか。総理府が来ていなければ、人事院勧告をなぜ早目に出さないか、早目に出すことができるかどうか、お答え願いたいのです。
○藤井(貞)政府委員 第一次の勧告の場合は、法律ができて初めてのことでもございますので、いろいろな点の検討も必要であったというようなこともございましておくれたことは、これは私の場合ではございませんでしたけれども、やむを得なかったことだと承知をいたしております。 第二次の勧告につきましては、実はこれは申しわけになるわけでありますけれども、特殊な事情がございました。実は前総裁がああいうことで病気で亡くなりまして、その後いろいろな情勢のために、私が後任を拝命をするという時期がおくれました。去年の年末ということになったわけであります。こういう特殊の事情がございました。その後私なりにせっかくの勉強はいたしましたけれども、その後引き続いて寒冷地手当の問題が差し迫ってあったということがありまして、これに第一次的に取り組まざるを得なかったということもございました。それが終わりましてから人確の第二次ということに取りかからざるを得なかったというような特殊な事情がございました。そういうことで、遺憾ながら勧告がおくれたということが今度の実情でございます。したがいまして、私といたしましては、今後の取り扱いにつきましては、御趣旨の点も体しまして、できるだけ速やかに措置をするつもりでございますので、御了承を賜りたいと思います。
○塩崎委員 ただいまの人事院総裁の御答弁では、今度は早目に人事院勧告も出し、そして法律も予算関連法案と同じように、審議の期間を十分与えるという意味で、私は大変いい御答弁だと思いますので、この点はきょうの大きな収穫だと心得ますので、ぜひ実現していただきたいと思います。 そこで、まだまだ申し上げたいのは、今度は法制局なんです。いつも申し上げておりますけれども、味村さん、ともかくも民主的な新憲法のもとでは、法律は表題から一目瞭然たるものであることが望ましいというふうなことがあなたのお教えであったことを私はいま思い出すのです。そこで、私はいま委員長に連合審査をお願いしている。連合審査をお願いするぐらいなら、この法律はいままで二回ともこんなことにして、やっと二度目に理由のところに人確法の規定に基づくぐらいのことしか入っていないのですが、表題に、人確法に基づく一般職の職員の給与に関する——一般職じゃなくても、教育職員だけでもいいんだ。これは一般職じゃないのですから、教育職員だけの給与改正なんだから、こういうふうに明瞭に、人確法に基づく教育職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、こういうふうに表題をつくって出していただければ、連合審査のきっかけも委員長は非常に楽になって可能性が進んでくる。また連合審査は当然すべきだ。わずか一日の審査だから連合審査もできなかったのですから、表題から民主的に、あなたらしく直してくるような気持ちがあるかどうか、ひとついまからお伺いしたい。
○味村政府委員 実は先生の御指摘の点は、今回ばかりでなく前回にも問題になったわけでございます。それで、この法律自体が一般職の職員の給与に関する法律の一部改正法であることは間違いないわけでございますから、その題名といたしまして、このような一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案という題名が一番適切であろうというふうに考えて、このような題名にしてあるわけでございます。そのような御意見もございましたので、実は先例等も調べてみたわけでございます。昭和二十七、八年でございましたか、何々の何々に伴う関係法律の改正というようなことで、二つ以上の法律を合わせまして、それで一つの動機によりまして二つ以上の法律を改正するときには、そういったように伴いとかいうようなのをつけている例が見られたわけでございますが、このような単独の法律につきまして、そういうような先例が実はちょっと見当らなかったというようなこともございましたし、それから先ほど申し上げましたように、本来このような法律案は改正法でございますので、その改正法だということをずばり出すという気持ちでこのような題名を付したわけでございます。 このような件名を、この次に仮に出すときに、先生のおっしゃるように変える意思があるかという御質問でございますが、私どもとしてはこの題名が一番適切ではなかろうかというように、先例に照らしましてもそのように考えておりますので申し上げます。
○塩崎委員 日ごろの味村部長の御意見と大分違いますね。これはまたいずれ何遍でも議論申し上げますから留保さしていただいて、そこで文部大臣にひとつお尋ねしたいのです。 人事院勧告は政府に対する勧告なんですが、これまで大蔵省はたびたび勧告を無視して四月実施を九月実施とか十月実施なんかやってきた。やっと最近勧告どおりになってきた。そこで私はこの前申し上げましたが、二百三十二億円という予算を残すような人事院勧告、これは人事院でもこの勧告を上回る予算をつけるようなことを法律で出すのは、人事院はむしろ喜ばれると思うのですね。何を勘違いしたのか、私よくわかりませんけれども、二百三十二億円の予算を残された。しかし、勧告を上回るだけの給与改善をやるということは閣議で問題にならなかったかどうか。そしてまた文部大臣としては先ほど申されましたように七%、これを考えておったのが青天のへきれきのような三%と四%というような勧告になったわけでしょう。人事院勧告を上回るところの給与改善、それが人確法の精神であるというような気持ちで閣議で主張されたかどうか、これをひとつ伺いたいのです。またそうすべきだと私は考えるわけでございます。勧告ですから、勧告を上回ってやることはいいはずではないか。何か深刻な影響という文学的な表現もけっこうなんですけれども、もう少し政治家らしい、永井大臣の御希望と御決意を出していただいたら、勧告なんだからいいと思うのですが、どうでしょうか。
○永井国務大臣 閣議で私が申しましたことを御報告いたしましたと思いますが、再度申し上げます。 私が申しましたことは、人事院の勧告は予期されているものと異なっていて、したがって異例なものとして文部省は深刻に受けとめた。これが第一点です。第二点は、しかしながら、勧告は尊重するということです。しかし第三点があるのです。第三点は、文部省としてはさらに教員の給与の改善について、当初の期待が生かされ、前向きに対処して人確法の本旨が達成されるよう、人事院及び関係省庁に強く要望していく考えであるということを私はそのとき閣議で申しましたが、この考えをこの委員会においてもその後繰り返し申し上げているわけでございます。
○塩崎委員 関連質問でございますので、もうこれで終わらしていただきたいと思いますが、有島委員の言われたように、とにかく法律が通った後で恨みつらみを申し上げるような機会は本当に残念だと思うのです。何んとしても法律が通過する前に十分な論議を経るのが国会じゃないでしょうか。私は今度のやり方については大変な不満がありますし、また法律が通っても、人確法の精神はこれに完全に実現されていない、まだまだ残されているというふうに考えて、ひとつ委員長、今後の法律案、予算あるいは人事院規則その他についての善処をお願いいたしまして質問を終わらしていただきます。
○久保田委員長 関連質疑の申し出がありますので、これを許します。木島君。
○木島委員 この間、総裁には大変失礼なことを申し上げました。だが、先ほども給与局長おっしゃいましたけれども、他の教育者関係の内におけるバランスあるいはそれ以外のバランスを考えたということですが、しかしこの法律の趣旨は、元来教育職というもののアンバランスを立法の趣旨としているものであります。そういう立場から文部大臣も予期せざる深刻な問題というのは、本俸でなくて手当だという、その関連において予算を余したのだと思うのです。 それでひとつお聞きしたいのでありますけれども、いかに独立的な機関といえども法律によって運営するのが人事院である限り、人確法というきわめて政策的な法律をつくってそれに基づくものでありますから、したがって予算を余したというところに一つの問題があるが、しからば、たとえば国会において特別決議をして、余したことはけしからぬ、それを使って、第何次だかわからないけれども、(「第二次判断」と呼ぶ者あり)という勧告なり何かをせいという決議をしたときに、人事院はどう対応してくださいますか。
○藤井(貞)政府委員 われわれといたしましては、るる申し上げておりますような立場から第二次の勧告をやったわけでございます。ただその後、国会の各委員会等におきましても大変いろいろな御論議がございました。これはわれわれも国会の論議として大変深刻に受けとめまして今後の参考にしたいというふうに考えておる次第でございます。 しかしながら、いまお話のありましたことはたとえばの話でございまして、仮にそういう何かの決議があるということになりました場合は、その段階において考えなければならないということでございまして、あらかじめ、これについて、あればどうするかということにつきましては、御答弁を申し上げかねます。
○木島委員 じゃ、人確法という法律があっても、予算がついても、勧告するかしないかはあなたの勝手であるという判断になりますね。特別決議をしたという国会の意思が決定されても、そのときになってみて考えなければならないというならば、人確法ができたときだって、考えてみて、しなかったかもしれないということになるのですか。だから、私は人事院というのは法律の枠内のものじゃないのですかと申し上げているのです。したがって、私はこの間一貫して言ったのは、あなた方が法律の附帯決議を含めた趣旨を全く生かしておらない、無視しておるということを申し上げたわけですから、もし国会で特別決議をしたら、それはそのときで考えるということでは、人事院のあり方が問われるのじゃありませんか、人事院のあり方の基本になるのじゃございませんか。先ほど塩崎さんが言われた人事院と国会との関係の基本的な問題になるんじゃございませんか、いかがでしょう。
○藤井(貞)政府委員 お話のように、人事院は法律の枠内の存在でございます。したがいまして、人確法ができます前におきましてはそれなりの考え方を持っておったと思いますが、法律として国家意思が確定したということになりましたので、人事院といたしましては、これを受けて第一次、第二次の勧告をいたしたということでございます。
○木島委員 そういうことだから、国会が特別決議をして、残った予算を全部使え、たとえばどういう表現になるかわかりませんが、使って人確法をつくった趣旨に即してと言ったら、あなたはそれをどうしますかと聞いておるのです。
○藤井(貞)政府委員 給与の内容をどうするかということは、これは人事院の権限として法律上任されておることであると思います。したがいまして、われわれといたしましては、いままでもお答え申し上げておりますように、この法律の趣旨あるいは予算措置が講ぜられておるということをまともに見据えまして勧告をやっておるわけでございます。ただ、その予算措置について、額をそのまま必ず使わなければならないというふうには私たちは考えておらないのであります。その点につきましてはいろいろな点から、そういう趣旨ではないのじゃないかというような御指摘もあるかと思いますけれども、われわれといたしましては、やはり逆転防止なり均衡という問題は、給与全般について取り扱いをいたしておりまする人事院の立場といたしまして無視することができないということからこのようなことになったということでございます。
○木島委員 そうなれば法律の趣旨を、ということでしょう。だからそういう意味で特別決議をしたら、どういう内容になるかわからないけれども——さっきあなたは、予算を余したことについても大変深刻に受けとめておるとおっしゃったのです。であるから、そういうことは立法の趣旨に反する。それはぴしっと一銭一厘と言っているんじゃないのです。二百三十二億ですか、あんなにたくさん残したのだから、このことは立法の趣旨に相反するじゃないかというのが一つの中心の議論だったわけでしょう。だから、そういうことを通して立法の趣旨に相反するところの——相反するまでは言わなくても、十分に立法の趣旨を生かしたところの勧告を行い、ところがその予算が余っておる、これは使うべきである、これは立法府の意思であるとして特別決議をしたならばどうなさいますかとお聞きしているのです。それに拘束されるのは当然でしょう。
○藤井(貞)政府委員 その点は、そういう国会意思が確定をいたしました段階において考えるべき問題であろうと思います。
○木島委員 ただいまおっしゃるとおり、どういう中身にするか、どういう手当にするか本俸にするかということはあなた方の権限である。しかし、先ほど言ったような特別決議をしたときに考えるということは、そのことをやるかやらぬかを考えるということなんですか。やらないこともあり得るということを含めた考えるということなんですか。
○藤井(貞)政府委員 決議の趣旨というものは無論最大限度に尊重しなければならぬ、そういう線で考えるということでございます。
○木島委員 最大限ということは、九九%考えるけれども一%は考えないということもあり得るわけですか。拘束されないこともあり得るわけですか。そういうことですか。
○藤井(貞)政府委員 したがって、それは決議の内容いかんでございます。
○木島委員 これはちょっと理事会でどうですか。いまの答弁は理事会で少し議論しましょう。人事院の基本的な問題ですからね。ここでやっても始まらぬから、私は終わります。
○久保田委員長 いまの問題は理事会で相談します。 午後一時三十分に再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三十四分休憩 ————◇————— 午後一時三十六分開議
○久保田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 文教行政の基本施策に関する件について質疑を続行いたします。 質疑の申し出がありますので、これを許します。山中吾郎君。
○山中(吾)委員 特に委員を差しかえていただいて、質問の機会をつくっていただきましたことをまずお礼申し上げたいと思うのでありますが、私御質問申し上げたいのは、東京商船大学の新入生歓迎の席上で酒を強制して、急性アルコール中毒患者を十名出して、三名が重症患者、一名死亡。並びにこれに類する事件がこの一カ月の間に三、四件学校の中に起こっておるものでありますから、これについて御質問いたしたいと思うのでありますけれども、ぜひ御質問をいたしたいと思った動機は、ある特定の大学の特定の現象でいつも終わる習慣がついておるようでありますが、私はそう思わないのであります。これは現代の大学の構造的な欠陥現象だ。現代の大学の荒廃あるいは大学の退廃として、その中でやはりだれかが文教委員会で論議をしなければいかぬのではないかと思いましたので、質問の機会をつくっていただいたわけなのであります。そこで最近の一ケ月くらいの新聞の記事に出たものだけで四件ほどあるのでありますが、いま一つは四月十一日のいま申し上げた東京商船大学の問題でありますが、これは新入生に酒を強要することによってはたにバケツを並べておいて、飲ませてはへどをつかし、飲ませてはへどをつかし、そして最後にへどを全部出すことができないで窒息して死んでおる。ちょっと常識で考えられないこういうことを平気で大学の中に起こしておるということは、国会の文教問題としても捨てておくべき——普通にある大学の伝統だというふうなことで済まされない問題であると思うのであります。 同じ東京商船大学で五月の十一日、ちょうど一カ月ほど後でありますが、ここの学生一人がやはり酒を強制されて、それで結局それを強要されたことから入水をして水死体であらわれたという事件もある。 さらに五月十日の記事で新潟の高等学校の生徒が、これも生徒同志で三十分で酒一升飲めるかというかけをして一番最初に飲み干したところ、急に気分が悪くなってその場に倒れた。全部救急車で運ばれておる。 さらに、五月十七日の福島県郡山市にあるところの日大の工学部のボクシング部の新入生の歓迎会で、これも五人とも意識不明のまま救急車で市内の病院にかつぎ込まれて大騒ぎをしておる。こういうことが日本の学校の中においてもう常識になっておる。日本は急性アルコール中毒の社会と言ってもいいので、電車の中であろうがどこであろうが、急性アル中患者があちらこちらに見えておるわけでありますが、こういう質問を私が特にするのは、酔っぱらい天国そのままが現代の世相に——酔っぱらい運転による事故であるとか、あらゆる方面に、現代の社会に一つの文明病的な現象を出しておるのでお聞きしたいのであります。 そういう趣旨でお聞きいたしたいと思いますが、そこで、まず東京商船大学だけをお聞きいたしますけれども、文部省の方ではこれについてどういう処置をされておって、これからどういう対策をお考えになっておるか。これは大学の学校生活の問題としてお間きしておきたいと思うのです。
○井内政府委員 東京商船大学にこの春入学しました新入生二名が学生寮における飲酒に関連して相次いで死亡するというまことに痛ましい事件が起こったわけでございますが、私どもが大学の方から報告を受けております事実関係を最初に御報告申し上げます。 第一は、ただいま御指摘のございました四月十一日東京商船大学の入学式が行われ、その後学生のみによる新入生の歓迎パーティーがあり、その後各居室ごとに学外に出まして二次会のような形で飲酒が行われ、この死亡いたりました学生は、それが終わりまして寮に帰りまして、寮の居室で再び飲酒をいたしまして意識不明となり、救急車で病院に運ばれ、十一日の夜十一時三十五分に死亡という痛ましい結果に相なりました。当初死因は心不全という診断であったようでございますが、四月十二日東京都監察医務院で解剖した結果、吐物再吸入による窒息死であると一応判定を受けたようでございます。こういうことがございましたので、学校及び学生が協力をいたしまして、寮の中で酔い過ぎておる学生たちにつきまして容体に少しでも異状を感ずる者は申し出るように指示し、十一名が救急病院に入院いたしました。この十一名につきましては、数時間後あるいは十二時間後あるいは翌日等それぞれ退院をし、帰寮して、現在正常に学業に励んでおるようでございます。 このような事態が起こりまして直ちに大学側並びに学生の側におきまして、大学側におきましては緊急教授会を開き、学生委員会を開き、学長より学生部長並びに学生課長に対しまして四月二十五日付で文書による厳重注意をいたしました。学生部長は本件に関します教育上の責任のある立場でもございますので、学生部長の方から道義的責任により学生部長の職を辞したいという申し出があり、それが受理され、五月十五日に発令ということに相なっております。 第二の点は、五月七日の推定でございますが、この学生は五月六日夜寮の中で他の部屋へ話しに行きまして、そこで飲酒をしたようでございます。その場から出まして、学寮の裏口から酔いながら外に出たらしいということまではわかったのでございますが、その後本人の所在が不明になり、大学並びに学生の方でいろいろ捜索いたしましたが、発見できませんので、五月十日深川警察署に捜索願を提出し、五月十一日深川警察署において溺死体として発見されたものであります。 五月十二日学生の方も緊急学生大会を聞き、禁酒の決議を行い、寮風の矯正のためにクラス討論会等を行い、現在大学当局の側と学生の側で寮内外における未成年者の飲酒を禁止し、全学生が規律ある寮生活を確立しようということでただいま努力を重ねているところでございます。 文部省といたしましては、ただいま御指摘もございましたように、大学生の年齢が浪人なしでストレートで参りますと、十八歳から大体二十二歳にまたがるという事情もあり、いろいろと、今日未成年者の飲酒が禁止されておるという法の趣旨でありますとか、こういった点をどう大学において実あらしめるかという点について、一般的にきわめて欠くるところあろうかと存じます。東京商船大学の問題につきましては、学長を招致し、学長に注意をし、大学としまして、ただいま申し上げましたようなことで寮風の刷新に教官、学生含めましていま努力をいたしておるところでございますので、その具体の成果を見守ってまいりたいと存じますが、来週学生部の更生補導関係の責任者の会議も招集いたしておりますし、この痛ましい二つの件が東京商船大学で起こりましたことも契機とし、特にこの点につきましての注意を具体の事例に即し十二分に行ってまいりたいと文部省といたしましてはさように考えておる次第でございます。
○山中(吾)委員 大体のことはわかりましたが、東京商船大学の小山正一学長が、日本禁酒同盟の小塩完治顧問の公開状に対する返事にもそういう処理のことは書いておるわけでございまして、これは現在の大学制度そのものに関連があるので、いま国立学校設置法が提案になっておるようでありますが、この問題の奥に、現在の大学制度が十八歳、十九歳の未成年と二十歳、二十一歳あるいは二十三歳にわたります成人と大体半々の年齢を代表した大学制度、したがって、一方未成年に対しては未成年禁酒法とか禁煙法という法秩序があり、一方は成人としてそういう法適用のない者が混在した社会であるのに、一つのルールのもとに生活をせしめていくというところに、大学制度そのものの中に、未成年に対しては大人扱いをし、成人に対しては子供扱いをしなければならぬという矛盾、現在の年齢からいった日本の大学制度に根本的な問題があると思う。 そこで、一方に大学院という問題もいま出ておるのでありますけれども、三階建て、四階建ての制度を考えるときに、現在の二階、三階の制度というものも検討しながらしないと、思いつきで一つの学校制度をぼんぼん加えていった後全体の矛盾がどうにもならなくなるということをいつも私は心配しておるのです。学内における酒の強要で死人を出すというようなことの中に、現在の新しい大学制度の問題も多角的に論議すべきものがあると実は思っておるので、レギュラーメンバーならばその辺大いに論じたいものがあるのでありますけれども、いま報告の中に、未成年と成人の学生がおる、この大学制度に対して行政はどうするのかという大きい問題が提起されておると思います。後でその点を、制度の改革も含んでひとつ検討をしていただきたいと思うのであります。私も意見を述べたいと思います。 そこで、警察の方へお聞きいたしますが、警察の方では恐らく刑事問題にもなるはずでありますし、大学と未成年禁酒法という法律の執行との自己矛盾、いろいろなことがあると思うわけですが、どういうふうに処置されておるかをお聞きしたい。
○山下説明員 ただいまの商船大学の学生飲酒に基づく死亡事故についてでありますが、その経過概要は先ほど文部省の局長からお話があったとおりでございます。私どもは、十一日の十一時五十九分に連絡を受けまして、直ちに、事柄の重大性にかんがみまして、関係者の調査に当たって同寮の生徒並びに学校当局について事情を聴取し続けてまいっておるわけであります。 そこで、御案内のとおり、未成年者飲酒禁止法におきましては、第一条におきまして保護者及び親権者にかわる者の監督を重視いたしまして、未成年者による飲酒行為につきましてはこれらの者が制止する義務を設けております。同時に、同三項におきまして営業者が未成年者と知ってこれを販売する行為を処罰の対象にいたしております。したがいまして、大学のように年齢が混在しておりますところにおきましてはまず大学における管理、監督を厳に進めていただきまして、それに期待をするという姿勢でまいっているわけでございます。
○山中(吾)委員 おいで願った方にまず全部お聞きしたいので、私の論議は後にしておきたいと思うのですが、未成年の大学生と法律の矛盾が後々へ出てくるのでありますが、それといわゆる伝統的な大学自治との関係もそこに出てくるわけでありますが、同じような例として、きのう新聞に出ておる記事で、東北大学の学生生活協同組合、大学の生活協同組合で一年ほど前から酒の販売の許可を申請しておる、地元の税務署の方では未成年のいる大学において酒類販売を認めるということはできないというので、一年ほど論議をしておるという記事が、盛んにやりとりがこれに載っておるわけでありますが、この点について、これも非常な矛盾があるのであって、現在慣行としては未成年が酒を飲むことが常識になっておる。しかし国民の健康管理から言えば別な角度で考えなければならない。また大学という特殊な社会においては大学の自治という立場から余り干渉しない方がいい、しかし法律はどうするかというふうないろいろなことが重なって、余りすっきりした論議がこの新聞をみると少しも出ていないのでありますが、この点、国税庁においてどういうふうにお考えになるか。私は消費者組織という立場から、地域社会の生活協同組合にはもっと広く販売の範囲を拡大していいと思うのですが、学校内における生活協同組合における酒類販売については私は許すべきでない、むしろ学校からは飲酒は全部撤廃すべきである、これは教師も学生も、そういうふうに思うのでありますが、こういう記事が出ておるので、この問題の矛盾をもう少し浮き彫りしたいので、国税庁からお聞きしておきたいと思います。
○高木説明員 ただいまお尋ねの件でございますが、東北大学の生協から昭和四十九年、昨年でございますが、五月の十日に片平店、川内店、工学部店という三つの店舗につきまして、お酒の小売の免許をもらいたいという申請が出ておりまして、同じ日に所轄の仙台中税務署がこれを受理しておるという事実がございます。なお生活協同組合でございますので、員外利用許可につきましてはその前年に宮城県知事から許可書が出ておるところでございます。 本件でございますが、一般の場合に比べまして、この申請にかかります場所がいずれも大学の構内であるという点が一つの特色でございまして、そういった点から、常識的に見ました場合におきましても、一般の場合とはそこに若干の問題点があるのではなかろうか。仮に免許を与えるといたします場合に若干の要件を定めておりまして、その要件に適合するという場合に免許をおろすことにいたしておるわけでございますが、仮に本件の場合その要件に合致していたといたしましても、だからといってその免許をおろしていいのかどうかということにつきまして、若干ちゅうちょをする要因があるように思われておるわけでございます。 と申しますのは、ただいまお話にもございましたわけでございますが、やはり大学という学問の場、教育の場でございますのでそういうところに致酔飲料であるところの酒が販売されるということが果して妥当であるのかどうか、そういうことを世論が御納得いただけるのかどうか、そういったような性質の問題。同じようなことでございましょうが、大学でございますので、恐らくこの東北大学でも未成年の学生さんが相当いらっしゃるに違いないというようなことを考えますと、そういった場所で酒類が販売されていいのであろうかどうか。あるいはまた大学関係者以外の方々も自由に出入りできるといったような状況にあるはずでございますので、そういった場所にこのお酒の免許が出るという場合におきましては、大学の管理運営という立場からの問題もあるのではなかろうか。私どもも私どもなりにそのように想像いたしておるわけでございますが、そういったような問題。 あるいはまた観点を変えてみますと、本件の場合は大学生協から全酒類の免許の申請が出ておるわけでございますが、大学生協からのこういった免許申請は、実は少なくとも戦後におきましてわが国で初めてのケースに相なりますので、仮に本件免許をいたしますということになりました場合におきましては、それ以外の、つまり全国の大学生協というものにおのずから波及もしていくのじゃなかろうか、こういうことも考えられるということでございまして、ただいま申し上げましたようなさまざまの問題があると私ども考えておりますので、現在慎重に調査検討をしておる段階でございます。
○山中(吾)委員 むしろ私は、大学構内における酒類販売許可をすべきでないという思想で、明確にした方がいいと思っているのですが、国税庁の方がむしろ非常にあいまいです。これは文部省はどう考えておるかもお聞きしたいと思うのです。なぜこういうことを言いますかというと、空洞化されておる法律でありますけれども、少なくとも未成年の健康を守るために禁煙、禁酒の法律があるわけなんです。ところが、大学においてたばこは販売されておる。これはまあ私はそれほど非常識でもないのでよくわかっているのですが、それが、販売許可になると自動販売機が設置される。したがって自動販売機は、のましてはならぬという法律を無視して、未成年もいつでものめるようにしむけるたばこ奨励機なんですね。酒類販売も、許可すると酒の自動販売機を構内に置くことができることは当然なんです。そういうことを考えて一体大学生活というものに——学問の自由という意味の大学自治と、こういう未成年と成人が混合しておる社会に対してどういうルールをつくるかということは、しっかりとした教育行政がないのでありますから、これは国税庁だけの問題でなくて、やはり文部省の文教行政で、私はこの機会に文部大臣の意見も聞いておかなければならぬと思うのです。 その前に、国税庁のいまの答弁は、大学の構内における販売許可は東北大が初めてと言うが、東大には認めてあるんですね。そして東京大学には認めておるではないかと主張されたときに、出先の税務署は、東大は外国からのお客さんが多いので、観光地みたいなものですから認めておる、こう言っておるのですね。これも私は戦後いろいろのものの考え方が混乱をしておる一例だと思うのでありますが、しかも東大では年間の酒の販売が三千万円である。観光地だからと言って認める、東大では観光地になってしまったということも、これはささいな問題である、そう思う人もあるでしょうが、私は、そうではない、こういう中に現代の大学の荒廃があると思うので問題にしたいと思うのですが、これは国税庁では訂正をされなければなりませんね。東大は認めてある。出先機関では、観光地だから認めたと書いてある。それは訂正されるかどうか。それから文部省の御意見を聞きたいと思うのです。
○高木説明員 東京大学のお話でございますが、東京大学につきましては昭和二十四年の十二月二十七日に、お酒の種類を限定いたしまして雑酒と果実酒の小売りに限るという条件をつけられました免許が実はおりておるのでございます。先ほど初めてという言い方を含めまして東北のことを申し上げましたのは、すべての種類の酒を売りたいという形のものとして初めてという、若干技術的な点にわたるのでございますが、そういう意味でございますので、その点は御了解していただきたいと存じます。
○井内政府委員 大学にあります生活協同組合がその事業を行うに当たりましては、ほとんどの大学が大学の施設を大学の許可を得て使用して事業活動を行っておるというのが実情でございます。したがいまして、当該大学当局の学生、教職員に対します福利厚生事業の一定の方針があり、その方針を基礎としながら生活協同組合の事業も行わるべきが当然かと存じます。 ただいまお尋ねになっておりまする酒類の販売を大学にある生活協同組合が行うという件につきましては、まことに恐縮でございますが、東北大学の生協におきましていまそのような案件が進行しておるということを実はけさ知ったような状況でございまして、大学当局と東北大学の生協との話がどうなっておるかとか、そういった点もまだつまびらかにいたしておりませんので、その辺をまず確認さしていただきたいと思いますが、いずれにしましても大学当局の方針というものがやはりなければいかぬだろう。その点につきまして、具体の案件につきましては東北大学の意見を徴してみたい、かように考えます。 なお、最初のお尋ねの、具体の問題でございました東京商船大学の二人の死亡者を出すという事件が最近続いて起こりましたこと等にもかんがみ、先生から御指摘のように、大学における学生の指導の面において、特に未成年者の飲酒の問題につきましては、形の問題でなく実効を上げるという面におきまして、どのように大学当局と今後協議し具体の実効を上げるかという点と真剣に取り組んでまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○山中(吾)委員 東北大学では先生と学生が会を組織して「酒を愛する会」「酒の免許を勝ち取る会」をつくって税務署に許可運動をしておるとここに書いてあるのですが、大学の中は、自治は治外法権ではないのですから、その辺のけじめを、学問の自由を認めると同時に、やはり現在の大学の荒廃をどうするかということ、いわゆる政党的な次元とか、そういうものを超えて、やはり日本の学問の府としてのあり方を、こういう問題を中心にして御検討さるべきであると私は思うので、問題提起をしておくわけであります。 ここで、こういう問題から文部大臣にお聞きしたいのでありますが、従来文部省においては、いままでこの文教委員会のいつもの論議の中で、大学は営造物である、大学営造物観に立っておるわけです。大学紛争に関する法律審議の場合にもそれを突き通してきた。したがって、営造物を利用する者はお客さんであり、一方的に決めたルールを守っておりさえすればいいのだ、お客さんなんですね。いわゆる図書館、博物館のように、入場して施設を利用して出ていくお客さんである。そしてわれわれは大学は社会である、一つの大学社会観を出して、その社会を構成しておる人間にはやはり参加の権利、一定の地位を認めるべきであるというので、教授、職員、学生の地位の問題を論議してきた経過がございます。いまの文部省が大学営造物観に立っておるそのことから、どうも大学に対する文部省の正しい分析と、それに対する大学の自治を認めながら、しかも大学をどういうルールの上に置くべきかということについての識見とか政策が生まれてこないのではないかということが、こういう問題から出てくる私の感想なのであります。 そこで、これはひとつ永井文部大臣の御意見を聞きたいのでありますが、私は、大学という社会は三つの社会の構成要件があると思う。一つは未成年と成人が混在しておる社会だ、ここから一つのルールをもっていくときに国の法律の関係に非常な矛盾が出てくる。その次に教える者と教わる者の関係が軸になった社会である、だから、教える者が教える能力が低い、教わる方は勉強する意欲がなければ、もう大学の社会は退廃すると思う。第三に権力ですが、権力に親しまない社会で、いわゆる学問とかその他の権威によって自立が許さるべきときである。ところがいま、権力もなければ、そのかわりに権威があるかというと、権威がないところに現在の大学の荒廃があり、そして結果は治外法権になり、いまのようないろいろの事件が起こっておるのではないかと見ておるのです。この大学の現実を、現象面に出てくるいろいろな問題から、私は、大学は一つの特定の社会という社会観の上に立って分析をして、分析した上で文部省の大学行政を再検討すべきだと思うのですがいかがですか。
○永井国務大臣 ただいま先生が、大学をよく分析して、その分析の上に立って大学行政を行うべきであるかどうかという御見解でございますが、まことにそのとおりでございまして、大学の構造というものを、いま先生が言われましたようにいろんな角度から見ることが大事だと思います。しかし、いま問題になっているのは飲酒の問題でありますから、そのことに関連して申しますと、私は三つぐらいの角度があるんではないかと思います。 第一は、未成年者、成年者ということですが、現代の社会は、成人するということがかなり複雑なことになっている。禁酒禁煙が一つでございますが、そのほかに選挙権を持つというのがございます。さらに結婚の年齢というのがございます。さらにまた、自動車の運転免許を取れる年齢というものがございます。これは昔の社会ですと、ある日を限りに成人、その前は未成年と、こうなっていたんですが、いまはちょっとなし崩しになっているようなところがあります。それだけに大学だけではなく、実は高校なども人間が成人していく教育というものに相当心を使わなければいけないのではないかと思います。最後には全体的成人になりますが、順を追ってなっていくときに、そのそれぞれの段階で責任を重んじさせるようにするということに非常に心を使うべきものである。これは現代のむずかしいところでありますが、この点は大いに心がけなければいけない、大学以外のところも心がけなければいけない問題と思っております。 二番目が、先生も御指摘のとおりの自治でございますが、大学は学問、教育に関して自治を行っていくということは非常に大事と思いますけれども、どうもそれが拡大解釈されまして、何もかも大学は治外法権みたいな考え方がかなり長く続いたと思います。しかしたとえば暴力でございますが、暴力というものが大学であろうとなかろうと、わが国の法律に反しているものは許すべからざるものであるということは言うまでもないのでありますが、この点は前に比べれば幾らかははっきりしてきておる。まだ決して理想的状態とは申しませんが、幾らかははっきりしてきておる。この飲酒の問題も全くそうでありまして、飲酒の許される年齢が決まっているのですから、これはもう大学の外であろうとなかろうと、そういうことが大学の中では特別であるというような考え方を持っているのは一つの混同でございますし、また幾らか古い考えだと私は思います。ですからそういう点は一人の市民として大学でもお考えいただいて当然のことだと思います。 第三に、そこでさしあたっていまの飲酒の問題、商船大学で起こったようなこと、あるいは東北大学の問題などをどう考えるかということですが、商船大学のような、そういう人を死に至らしめるような酒を強要するということは許しがたいことは言うまでもないわけでありますから、大学もお考えでしょうが、文部省としてもでき得る限りのことをして、補導関係の会議で、大学局長が申し上げましたように、しっかりわれわれの立場を伝えなければいけないと思っております。 ほかに大学全体の大勢を見ますと、大学でお酒を売っておりますのは、実はいま東大の話が出まして、東北がいまそれを考えているということですが、ほかには私の調べましたところではないようです。これが全国の大勢でございますから、この大勢というものは特に初めに申し上げた二つの原則と関連いたしますと、大学もいろいろお考えになってそうなっているのでありましょうから、大学はそれぞれの場において基本方針を御自分で決めていただくということが大事であると思いますが、この大勢の中でどうしていかれるかということについて、われわれ文部省としても具体的なケースにつきまして十分まず調べて、そして大学と話をしていくという形で対処すべきものと考えております。
○山中(吾)委員 もう少し時間をかけて聞かなければいかぬのですが、時間がないので結論でお聞きしておきたいと思うのですけれども、全国の大学に対して、学内における酒の強要、未成年の飲酒についての自戒に対する通牒をお出しになるかどうか。 それから高等学校以下に保健科という保健教育があるわけですが、どうも四十代、五十代になってアルコール中毒になって、家庭が崩壊し、暴力をふるい、悲惨な状況になる者は、大体十代の未成年時代から飲み始めた者で、二十歳以後の場合は大体なってないのですね。したがってそういう国民の健康から考えますと、やはり高等学校以下では保健科の関係で、飲まさないということはまじめに教育行政の中で奨励行政としてすべきである。最近は先生もみんな子供に飲ます習慣があり、それがわかりのいい先生になっておるのですが、その辺は少し考え直して、その人の一生の幸福のために、健康のために、少なくとも高等学校以下には学校内の飲酒をなさないような行政指導をされる意思があるかどうか。二点をお聞きします。
○井内政府委員 ただいま高等学校等につきましてのお尋ねもございましたので、私の存じておる限りでお答え申し上げます。 高等学校等の児童生徒等のこの種問題につきましては、特に子供の健康のこと、それから子供たちの非行につながる問題という観点があり、従前、特に修学旅行、遠足等における自由行動中において、ややもすると放縦に流れ、飲酒、喫煙等の非行に陥る者が発生して事件になったりしている経過にもかんがみまして、特に文部省の初等中等教育局の方におきまして、遠足、修学旅行につきましての特に留意すべき事項といたしましてこの点を指摘して指導しておるというのが実情でございます。 なお大学関係の問題につきましては、先ほど申しましたように、六月の初旬に国立大学の学生部の次長、課長の全国会議等もございますし、むしろ一片の通牒というよりも、東京商船大学の具体ケースの具体資料等も配付し、未成年者、成年者等両方あるわけでございますし、各大学におけるそれぞれの従前の雰囲気もあろうと思いますので、どうすれば具体の実効を上げることができるか、この法律の趣旨を科学的にもよく理解させるようなすべがないかどうかとか、そういった問題を具体に指導、助言してまいりたい、かように考えております。
○山中(吾)委員 酒害予防対策費として厚生省で二、三年前から若干予算が計上されてきておるわけでありますから、文部省もそこと連絡をされて、まず飲む習慣がつかない間にそういう予防政策が一番いいので、習慣がつけば飲みたくなるし、三度のおまんま二度にしても飲みたいのであって、その飲んだ後は必需品になってきますから、行政が変わってまいりますので、やはり未成年時代に飲む習慣をつけないということは、まじめに人間形成の問題として考えるべきでありますから、その辺真剣にひとつ考えてもらいたいと思うのであります。 そこで、先ほど文部大臣から大学の問題についてお答えがあったわけでありますけれども、こういう問題を処理するときに、現在の大学制度そのものに矛盾があるので、なかなか的確なる対策が出ない、干渉じゃなくて対策が出ない。未成年の十八歳、十九歳、それから二十歳、二十一歳を含んだ年齢を前提とした大学制度は再検討すべきではないか、成人以下の学校制度と成人以上の学校とは、いわゆる成人年齢を限界にして六・三・三・四制というものを検討すべきではないか。大体未成年と成人とが半々になるようなところに大学制度というものがあるために何もできない、捨てておけばいまのような治外法権的なことを認めざるを得なくなるし、一つのルールで統制できない社会が学校制度の中にあるのではないか、年齢制度と比べますと。そこで、六・三・三と大学を一応切り離してこれをどうするかということを検討した上に大学院制度も考えるべきだと思うのですが、文部大臣どう思いますか、年齢制度と学校制度の関係。
○永井国務大臣 ただいま先生の御指摘の問題点はよくわかりました。よくわかりましたが、これはいろいろほかの角度もあると思います。六・三・三の後で四年という、そこに大学がくるというのは、これ日本だけではなくて他の国もそうでありますし、そういう場合のいろいろ学生の交換などの問題もあります。六・三・三の後でどういうふうにそこを切ってしまうかということは、いろいろ学習カリキュラムの問題もありますから、飲酒の問題に関連して、これは大変だというのはよくわかりますから、それは先ほどからも大学局長が申し上げましたように、われわれとしていろいろ工夫をすべきだと思いますが、この段階でそこで直ちに大学の年限をどこからどう変えるというところにその問題点だけからちょっと私はお答えしにくいように考えております。
○山中(吾)委員 そう簡単に答えられる問題ではないのですか、いずれにしても、この大学制度そのものの荒廃というものが年齢の関係でもあることは明らかなので、これから検討される場合にはいままでのような伝統的な考え方ばかりでなくて、そういう問題も含んで論議をさるべきである。酒の問題から考えただけではなくて、六・三・三・四制全体の中の矛盾が年齢とも関係あるということを私は申し上げておきたいと思うのであります。 そこで、現在この大学学内に起こる問題は上限と下限と分けてはいかぬが、思想的に相当目覚めた学生の上限の方は無差別爆発事件、それから団体の中のお互いにかたき討ちのような殺人事件、下の方は、こういう運動部のリンチ事件で、酒を無理に飲ませて死に至らしめるというふうな学内の学生の現象の中に、上限と下限の中にいろいろな問題があるが、共通しているものは人命軽視だと思うのですね。全体の中に人の命にかかわることを簡単にできるという現象が、思想的な学生の中にもあるいは思想以前に、ある一般の無思想の中の学生の事件の中にもある。したがって生命軽視というふうなことがあらゆる大学の荒廃を示す事件の中に共通したものとしてあるとすれば、幼児教育全体の中に、日本の戦後の学校教育に一番欠けたものは、生命尊重の思想形成に欠けたものが一貫して出ておるのではないかと思うのですが、いかがですか。
○永井国務大臣 私、現在の教育にいろんな問題があると思いますが、非常に大事なことは、人間は、理想を持って生きるのでありますが、そういう理想喪失’そしてただ生きる、そこでわがままに生きる、そういうことが根本にあると思います。そのことが他の人の人権も尊重しないというところにつながってきやすい。その人権の最も基本的なものはいわば生存権とでもいうべきものでありまして、命を大事にするということでありますから、先生のおっしゃったように生命軽視ということが出てくると思いますが、それはとりもなおさず、やはり本当に自分が理想を持って生きていくという、そういう自分を大事にするということを知らないところから起こってくるのだと思います。これは大学だけでなく、小、中、高を通しまして非常に大きな問題である、また学校教育だけではなく、日本の現在の社会、文化にある非常に広範な問題であると考えております。そういう点で、本当に根本的なことをいま考えていかなければならない、そういう時代であるという点で、先生の御指摘のとおりであると考えております。
○山中(吾)委員 もっとほかの答えを期待しておったのですが、これは次にしまして、時間がありませんのでお聞きして終わりにしたいと思うのですが、いまの大学のそういういろいろの問題をやはり重点的に文部省が考えて、大学教育の質を充実するということに重点を置くべきで、やたらにいろいろな大学をつくるのを一度おやめになって、大学の新設とか新しい大学制度は後回しにして、後向こう三年くらい現在の大学をどうするかということに重点を置くべきだと思うのですが、いかがですか。
○永井国務大臣 その点は、全然一つも新しい大学をつくるのではないというふうには申し上げられないと思いますけれども、量的拡大よりも質的な充実の時代であるという考えでわれわれはいま臨んでおります。
○山中(吾)委員 その次に、大学と学歴偏重の問題があるわけですが、現在の学歴尊重というのは大学の学歴だと思うのです。その大学の学歴尊重というのは就職前の学歴を尊重、偏重するところからきておるので、就職後の学歴を尊重すれば、一たん社会に出てまた再教育を受ける、その学歴が就職前の学歴と同じく経済的にも尊重される、そうすると、本当の意味の学歴尊重が出る。日本の学歴尊重が問題になるのは、就職前の学歴だけが尊重されて、就職した後にいろいろの勉強をしいろいろの研究をしてもそれは学歴にならない、そこに問題があると思うのですね。だから私は、学歴は否定してはならない、本当の意味の学力を尊重すべきである、そういうことを考えて、現在の大学制度そのものが六・三制から地続きであらゆる子供の終着駅で、それ以前に高等学校で終わればこれは途中下車であって、大学へ行くのが全部終着駅になっている。その後はどんなに勉強しても学歴にはならない。 これをなくするのに、いわゆる大学以前の学校制度と大学制度の間に就職というものがあって、大学を別な考え方に考えると、いわゆる生涯教育の思想としての大学制度を考えていけば、学歴偏重の弊害はなくなってくるだろう。そしてまた本当に学問をしたい者はそこに入ってくるので、いまのように学歴が欲しいからあるいは遊びとして入ってくる、私はそこに酒の問題も出ると思うのであります。そういう酒の問題も考えながら、現在の学歴の問題も考えながら、私はこの大学制度を再検討すべきであると思うがいかが。
○永井国務大臣 いまの先生のお言葉は、基本において私は全く賛成です。実は最近、高等専門学校校長会議がありまして、そこでも先生方に申し上げたのでありますが、大体高専卒といいますと大学卒より低く見るというのがいままでの考え方でございますが、私はそういう考え方の時代はもうそろそろ終わらなければいけないという考えです。 高専では、いままでの大学に比較いたしますと実習も重んじる、そして額に汗して労働するということのいわば初歩を学ぶわけです。そして学習をする、そういう形で、いわゆる年数から申しますと大学より早いところで終わりますが職場に出る。他方、労働省などでは、だんだんに有給で研修をするというような方向も定着さしていくべきであるというふうに考えている。 そういたしますと、いま先生が言われましたようにやはり学習というのは生涯にわたるものであって、必ずしも、いままでの形式的な大学を出ればそれによって学歴が高いというふうに考えてそこで給与が決まっていく、しかも将来の昇進が決まっていくということは、もうこれからの時代に次第にそぐわないものになっていくし、またそうでなければならない。 そこで、高専のようなところを出られた方、これがいままでは低いというふうに見ましたけれども、そうではなく、むしろ職場に出てさらに学習する、そしてそれが新しいいわば一つの背景として認められて昇進も行われる、そういう形で学校教育が新しい方向を打ち出していくということをお話し申し上げたばかりでなく、先週も労働省とそういうことについて両省の会議をいたしまして、基本的に合意をいたしております。 そういう考え方で、具体的な例としていま高専のことを申し上げましたが、ほかにもだんだんそういう考え方を及ぼして、形式的な学歴の偏重ではなく、やはり生活の中で本当に生かし得る知恵を持っている者を尊重して、そういう人が生涯生きがいを持って働いていけるように教育というものを考えていくべきである、またそういう制度をつくらなければならないと考えております。
○山中(吾)委員 私の質問と答えは少しずれているのですが、いずれにしても学校制度と学歴の関係を別々には考えられないのでありますから、その点もひとつ在職中に御検討願って、学歴は社会が直さなければということを考える、教育政策としてやはり学歴偏重というものをなくしていくという観点に立って文部大臣は検討すべきだと思うので先ほど私は私見を申し上げましたが、それを申し上げておきたい。 それから、東京商船大学は全寮制である。全部入る。そして歓迎会にバケツをはたに置いて飲まして洗礼を受けさせて、そしてへどを吐くまで飲ませて急性アルコール中毒にして死に至らしめる。これを伝統の学校の美風ぐらいに考えておる。私は、現在の管理能力なら全寮制なんという寄宿舎制度はむしろ廃止すべきだと思う。全寮制というのは全部の者を入れるのですから、そうしたらその青年の健康も管理しなければならぬし、責任がある。私は、国立ですから国が責任があると思う。そういうことから、大学における寮制度というものを教育機関として考えるならもっと徹底すべきであるし、教育機関の外に置くのならいわゆる公営寄宿舎、公営下宿という観念で、そういう団体の中において、人命軽視につながる強要とかあるいは封建的な人間的抑圧というふうな悪風をなくしていくべきである。ですから再検討すべきだと思うが、局長いかがですか。
○井内政府委員 大学の寮の問題につきましては、現在商船大学それから高専で商船高専等が全寮制で教育を行っております。これにつきましては、特に商船大学なり商船高専なりが掲げておる大学あるいは高専の目的を実現していく上からいって、寮における共同の生活を教育手段としてあくまでも効果あらしめるべきだという前提に立って、ここにつきましては特にそういうことを現在やっておるわけでございます。そのほかは工業高専におきまして、低学年において相当パーセンテージを寮に入れておるところがございます。これも教育的観点でございます。 しかし、現在国立大学だけで見ましても、それぞれの国立大学が戦前の学校制度のときに持っておりました寮の意味と申しましょうか、寮の教育的効果と申しましょうか、その実質が非常に変化してまいって形骸だけが残っておるという形のものも相当あろうかと思います。その意味で、国立大学の寮に対します基本的な考え方もこの辺で大きく整理を要するのではないかと私ども考えておりまして、この辺、各国立大学のそれぞれの寮によりましても沿革が異なりいろいろ事情もございますので、画一的にはなかなかいかないかと思いますが、とにかくいま先生がおっしゃいましたように教育的な観点を重視する寮は寮としてその責任がとれるようにしていくべきだし、そうでないものについてはむしろもう下宿なら下宿、公営の下宿ということで割り切るか、どちらかにやはり整理をしてまいりたい、基本的にはそのように考えております。なお、そうであるならば、いま全寮制あるいは全寮制に近い運営を行っておる商船大学あるいは高専等について、それに十分対応し得るだけの行政的な条件あるいは財政的な条件を文部省はどうしているのだということに相なるわけでございますが、商船高専とか工業高専で低学年全寮制に近いことを実施しておるところ等につきましては、十分ではございませんけれども若干の定員措置等もこの数年図ってきておるところでございます。 なお、先ほどもお答え申し上げましたが、商船大学でこの事件が起こりまして、商船大学の学長に対して最も痛烈な批判が来ましたのは同窓会からだそうでございます。商船大学が戦前からの伝統として持っておった寮の気風というのは決してそういうものじゃなかった、酒を飲んで暴れ回るというようなことは弊風として厳に戒めておったということで、伝統のございます商船大学の同窓会からも、そういうことがございました。 商船大学が全寮制でいまやっておるわけですが、全寮制のゆえんを本当にどうここで再確認していくか、どこまでのことがなし得るか、この辺、私どもも大学当局にいま具体の改善策を示すことによってこたえてほしいということを要求しておるような次第でございます。
○山中(吾)委員 いま言われたように、商船大学の伝統は、船に乗ったときに酒を飲むことは相ならぬ、またそうでなければ船員として勤まらないというので、寮は禁酒寮だったのですね。酒を飲めない自治寮であった。したがって酒を飲まして歓迎するのは戦後の現象である。大体現在の、戦後のいわゆる自由な空気の中に、伝統伝統と言っても実はいい伝統はなくなって、そういう退廃的な生命軽視、人に強要するということで、そして自治の精神はなくなっておる。その中に東京商船大学が出ておるわけですから、全寮制度をこのままで維持することには私は反対である。開放した方がいい。船乗りが船の生活を考えながら、禁酒を伝統的なものとして全寮制度があったわけですから——何もないのでしょう。弊害だけ生んで、殺人事件が起こるのだ。だから文部省は大学の自治は尊重すべきであるけれども、大学自身が大体そういうことを指導する能力がもうなくなっているのでしょう。いい意味においてやはり文部省もそれに対して積極的にもっと現状を分析し、戦前を分析して、なすべきことはなし、助言すべきはすべきであると思うのであります。私はそういうことを考えて、いまのままなら全寮制度は廃止すべきだ。観念的に戦前の全人教育としての全寮制度がいいというようなことをすぐ言って、新しい大学ができると全寮制度、魂がなくてそんなものに使うのは税金のむだですから、それならば公営の無料の下宿をつくった方がいいのだ。そして個人個人自由にして、そんな外から団体としての人間軽視の抑圧集団をつくる必要はない。そうでなければ、もっと正しい指導能力のある先生があって、権力でなくて権威で学生を導いていくというふうなものが前提でなければならぬと思うので、その点は検討すべきだと思うのであります。 最後に、一般論として、これも余りこういうことを言うことはかた苦しく思うかもしれませんけれども、やはり未成年時代は健康教育の一環として酒、たばこに親しまない一つの学校教育のルールはつくるべきではないか。法律があるからというのではなくてそういう習慣は努めて遅く身につけさす努力は未成年を対象とした学校教育の重要な課題であると私は思うのであります。大抵外から強制されて習慣をつくるのであって、体質的に飲まない方がいい人が半分以上あるわけですから、こういう問題を契機に、文部省の教育行政は、文明人の生き方の問題として、飲酒についてのルール、それから酒の害、そういう問題について、やはり教育課程の中に重要な課題として入れるべきではないか。酒あるいはセックス、そういう問題もまじめに考えていくべきだと思うので、その点、文部大臣の御意見を聞いて終わりにしたいと思うのです。
○永井国務大臣 酒につきましては法律もございます。法律を守るということが重要であることは申すまでもありませんし、またそのことは学校でも教えております。なおそれを保健の立場から酒害というようなことを十分に教えていくようにということは非常に大事であると考えております。 セックスとも関連しというふうにおっしゃいましたが、性教育は、最近は非常に狭い意味に性教育を考えるのではなく、本当に保健の立場、さらにまた社会的な関係の立場から、本当に小学校の一年ごろからいろいろな角度から教えるようになってきておりますが、これを一層強化すべきであると思います。 また酒害というような問題を含んだ保健の教育、そして高いモラルを持って生きる人間をつくる、そういう理想に基づいて教育課程を考え、指導を考えていくということを心がけたいと考えております。
○山中(吾)委員 終わります。
○久保田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時四十五分散会