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75回国会衆議院1975/05/23

文教委員会 第10号

発言数
134
登壇者
14
会派数
4
開催日
1975/05/23

会議録

久保田円次自由民主党

○久保田委員長 これより会議を開きます。  この際、文化財保護に関する小委員長から小委員会の調査の経過及び結果について報告いたしたいとの申し出がありますので、これを許します。文化財保護に関する小委員長河野洋平君。

河野洋平自由民主党

○河野委員 文化財保護に関する小委員会の小委員長といたしまして、文化財保護に関する小委員会の調査の経過について御報告申し上げます。  本小委員会は、去る二月七日、当委員会に設置され、当面する案件としては、文化財保護法の改正を目的として調査を行うこととし、今日まで小委員会五回、小委員打合会を六回開会する等小委員各位の御熱意によって鋭意検討を重ねてまいりました。  本案件につきましては、去る第七十二回国会及び第七十三回国会閉会中文化庁長官より文化財保護行政の現状と問題点について報告を聴取する等調査を行ったほか、三月四日には日本考古学協会委員長江上波夫君外三名を参考人として招致し、現行制度の問題点について、専門家及び行政担当者から忌憚のない意見を聴取する等慎重な調査を行ってまいりましたが、その詳細につきましては会議録によって御承知願いたいと存じます。  なお、本小委員会におきましては、文化財がわが国の歴史的、文化的業績のかけがえのない遺産であるとともに、国民の生活環境を構成する不可欠の要素であるとの観点に立ち調査を進めてまいりました。  しかるところ、昨今、全国的に見られる開発事業等の増加により、貴重な埋蔵文化財が破壊されつつあるところから、これらの文化財を含め、早急に保護対策を図らねばならない問題もございますので、当小委員会といたしましては、各党の御提案をしんしやくしつつ、当面はその意見の一致する緊要な事項に限って改正を行い、その他の問題については、なお引き続き調査を進めることとし、お手元に配付いたしました文化財保護法の一部を改正する法律案の草案を小委員会案として決定した次第であります。  以下、簡単に本案の趣旨及び内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。  御承知のとおり、昭和二十五年議員提案による画期的な文化立法として文化財保護法が制定されまして以来、わが国の文化財保護行政は、その法的基盤の上に多大な成果を上げてまいりました。  しかし、同法は昭和二十九年に無形文化財、民俗資料の指定制度等について一部改正が行われた以後は二十一年間実質的な改正は行われず今日に至っているのであります。  一方、わが国の高度経済成長に伴う社会経済情勢の急激な変化や、文化財にかかわる開発事業等の増加に伴い、文化財保護に関して種々の問題が提起されてまいりました。  行政当局においても、国民一般の協力により文化財保護に努力されているところでありますが、現行法では今日の時代の要請にそぐわない面もあり、また、法的に不備な点も出てまいりましたので、これらの点について関係各方面から法改正を強く要望されているところであります。  よって、この際、埋蔵文化財保護制度の整備を初めとし、文化財保護のより一層の充実を図るため所要の改正を行うことは急務であると考えまして、本草案を提案した次第であります。  次に、本草案の主な内容について概略を御説明いたします。  まず、第一は、文化財の定義を整備することであります。すなわち、有形文化財の定義の中に、建造物その他の有形の文化的所産と一体をなしてその価値を形成している土地その他の物件を含むこととし、現行法上では必ずしも明確でなかった学術上価値の高い歴史資料を明記することなどの措置を講じ、その拡充を図ることにしております。  第二は、重要文化財に関する制度の整備であります。重要文化財の現状変更の許可制は、これを拡充し、拓本、形取り等重要文化財の保存に影響を及ぼす行為を加えることとし、新たに、これらの不許可等の場合の損失補償の規定を設けることとするほか、従来、とかく不明瞭でありました管理団体である地方公共団体等の指定物件の買い取り補助について根拠規定を設けることにいたしております。  なお、重要無形文化財の指定については、新たに、保持団体を認定することができることといたしております。  第三は、民俗文化財の保護制度の確立であります。すなわち、現行の民俗資料の名称を民俗文化財と改め、民俗芸能をこの中に位置づけるとともに、新たに、無形の民俗文化財を重要無形民俗文化財として指定できるようにし、現行の重要無形文化財に準ずる保護措置をとることにいたしました。そのほか、民俗芸能や民俗的行事などで衰亡のおそれのあるものの保護のため法的措置の強化を図っております。  第四は、埋蔵文化財の保護制度の整備充実を図ることであります。  すなわち、その一は、周知の埋蔵文化財包蔵地における土木工事等に伴う発掘行為の届け出等についての規定を整備強化することであります。現行法におきましては、発掘行為の届け出期間は、当該行為の着手する日の三十日前となっておりますが、この期間では十分な事務処理ができないおそれもありますので、この期間を六十日前に改めることにいたしております。  なお、従来、公社、公団等の発掘行為につきましては、覚書により、開発事業に際して事実上の事前協議を行ってきたところでありますが、今般、新たに、これを制度化し、国の機関等が周知の埋蔵文化財包蔵地において発掘行為を行う場合には、事業計画の策定に当たって、あらかじめ、文化庁長官に通知する義務があるものとし、必要のある場合には協議を行わなければならない旨を規定いたしました。また、周知の埋蔵文化財包蔵地の周知徹底を図るため、国及び地方公共団体は必要な措置の実施に努めなければならない旨並びに地方公共団体に対する国の助成を含む援助の措置について規定をいたしております。  その二としては、埋蔵文化財の性格上、工事に着手した後発見される場合が見られますので、現行の遺跡の発見に関する届け出等の規定を改正し、その整備強化を図ることであります。すなわち、土地の所有者等が遺跡と認められるものを発見した場合には、現状を変更することなく、遅滞なく届け出る義務があるものとし、新たに、当該届け出に係る遺跡が重要なものであり、かつ、保護のため調査を必要とするときは、三カ月を超えない期間及び区域を定めて現状変更行為の停止または禁止を命ずることができる規定を設け、この場合引き続いて調査する必要のあるときは、一回に限り、その前後の期間を通算し、六カ月を超えない範囲でその期間を延長することができることといたしました。なお、この期間につきましては、調査体制の整備状況等を考慮し、附則におきまして、本法施行後五年間は当初の停止命令等の期間につきましては六カ月、前後を通算する期間については九カ月とすることにしております。また、遺跡発見の届け出がなかったときも停止命令等の措置が行えることとするとともに、停止命令等によって損失を受けた者に対して損失を補償する旨を規定するほか、国の機関等に関する特例を設け、文化庁長官への通知義務及び必要のある場合の協議義務の規定を設ける等所要の整備を行い、その保護に万全を期しております。  これらのほか、埋蔵文化財の発堀調査については、歴史上または学術上価値が特に高く、かつ、調査が技術的に困難なため、国において調査する必要があると認められるものを除き、地方公共団体がこれを行うことができることとしておりますが、その場合地方公共団体は事業者に対しては協力を求めることができることにいたしております。また、その発掘経費の一部を国は補助することができる規定を設けるなどの法的整備を行い、すみやかに発堀調査が行える措置をとっております。  第五は、史跡名勝天然記念物に関し、その現状変更などの不許可等により損失を受けた者に対する損失補償の規定及び管理団体である地方公共団体等が土地または建造物等の当該指定物件を買い取る場合、その経費の一部を国は補助することができること等の規定を設け、現行法の不備な点を補い、史跡名勝天然記念物の保護制度のより一層の充実を図ることにいたしております。  第六は、新たに、文化財として伝統的建造物群を定義づけることとし、一章を設けて、伝統的建造物群保存地区制度を確立したことであります。  今日、関係市町村において、独自の措置として条例により、いわゆる町並みや集落の保存の措置がとられているところでありますが、国としても積極的にこれらの地区の保存措置を講ずる必要があると考え、その法的措置として、市町村は条例等により伝統的建造物群保存地区を定めることができる旨の規定を設け、そのうち、価値の高いものを文部大臣は、重要伝統的建造物群保存地区として選定することができることといたしました。なお、同選定地区の管理、修理、修景及び復旧に要する経費の一部を、国は補助することができるなど所要の規定を設け、由緒ある町並みや集落の保存を推進することにいたしております。  第七は、新たに、一章を設け、文化財保存技術の保護制度を確立することであります。今日、宮大工、楽器師及び表具師等文化財の保存、修理のために欠くことのできない専門職の方々は、年々減少する一方でありますので、これら文化財の保存に欠くことのできない伝統的技術または技能のうち、保存の措置を講ずる必要があるものを選定保存技術として選定する制度を設け、後継者の養成等その保存についての必要な援助措置について所要の規定を設けることといたしております。  第八は、地方公共団体の文化財保護行政の整備充実であります。現行法におきましては、地方公共団体の文化財関係職員の規定は、都道府県教育委員会に文化財専門委員を置くことができるとする一条のみでありますので、これを改正し、都道府県教育委員会に都道府県文化財保護審議会を置くことができることとし、その任務等について規定することにしております。また、昭和四十九年度から予算補助を行っておりました文化財保護指導員につきましては、これを新たに、文化財保護指導委員として、置くことができる職員とするとともに、その任務等を規定し法的な根拠を与えることといたしております。  そのほか、管理団体である地方公共団体の国有文化財の無償使用及び地方債について国は適切な配慮を行うことなど所要の規定を整備し、地方公共団体の文化財保護体制の強化を図っております。  以上のほか、罰則について整備強化を図るとともに所要の規定の整備を行っております。  なお、この法律は、公布の日から起算して三カ月を経過した日から施行することといたしております。  以上が本草案の主な内容であります。  この際、お手元に配付いたしました案を委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案として決定されるようお願いする次第であります。  委員各位の御賛同をお願いいたします。

久保田円次自由民主党

○久保田委員長 これにて小委員長からの報告は終わりました。  小委員長並びに小委員各位の御努力に対し、厚く御礼を申し上げます。     —————————————

久保田円次自由民主党

○久保田委員長 次に、文化財保護法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。  ただいま委員各位のお手元に配付してございます小委員長の報告に係る起草案の趣旨及び内容につきましては、ただいま小委員長の報告にありましたので説明を省略いたします。     —————————————  文化財保護法の一部を改正する法律案     —————————————

久保田円次自由民主党

○久保田委員長 別に発言の申し出もありませんので、この際衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣の意見があればお述べ願いたいと存じます。永井文部大臣。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 このたび衆議院文教委員会におかれまして、文化財保護の重要性にかんがみて、かねてから文化財保護法の改正について慎重な御審議を重ねられ、本日ここに、本法案の提案をされるに至りましたことに対し、深く敬意を表するものであります。  本法案の内容につきましては、政府といたしましてはやむを得ないものと考えるものであります。  本法案の制定の暁には、文化財保護の現状にかんがみて、緊急に措置すべき施策を定めようとする本法案の趣旨を体して、文化財の保護に一層の充実を期してまいる所存であります。     —————————————

久保田円次自由民主党

○久保田委員長 お諮りいたします。文化財保護法の一部を改正する法律案起草の件につきましては、小委員長から報告のありましたお手元に配付の案を委員会の成案とし、委員会提出の法律案と決定するに賛成の諸君の起立を求めます。

久保田円次自由民主党

○久保田委員長 起立総員。よって、さよう決しました。  なお、本法律案の提出手続及び字句の整理等の必要が生じました場合は、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

久保田円次自由民主党

○久保田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————

久保田円次自由民主党

○久保田委員長 次に、昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。  この際、参考人出頭要求の件についてお諮りいたします。  本案について、本日、参考人として、私立学校教職員共済組合理事長加藤一雄君及び常務理事三浦勇助君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

久保田円次自由民主党

○久保田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、参考人の御意見は委員からの質疑に対するお答えでお述べいただくことにいたしますので、御了承願いたいと思います。     —————————————

久保田円次自由民主党

○久保田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。三塚博君。

三塚博自由民主党

○三塚委員 ただいま議題となりました私学共済法の一部を改正する法律案について若干の質問を申し上げます。  今回の法律案の改正の内容、この点をまずお伺いを申し上げます。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 今回の改正は、例年どおり国公立学校教職員の共済制度の改正に準じて行おうとするものであります。その主な内容は、既裁定年金の年金額の引き上げ、既裁定年金の最低保障額の引き上げ及び標準給与の上限及び下限の引き上げでございます。  その内容は、次のとおりであります。  第一に、既裁定年金の年金額の引き上げであります。私学共済組合法の規定による年金の額を、国公立学校の教職員の年金の額の引き上げにならい、昭和四十九年三月三十一日以前の退職者について、これらの年金額の算定の基礎となった標準給与を昭和五十年八月分から二九・三%増額することにより、さらに昭和四十五年三月三十一日以前の退職者については、昭和五十一年一月分から給与水準との格差是正分について六・八%を限度として増額することにより年金額を引き上げることにいたしております。また、これらに伴い、旧財団法人私学恩給財団の年金についても、これらに準じて年金額を引き上げることにいたしております。  第二に、既裁定年金の最低保障額の引き上げについてでございますが、既裁定の退職年金、廃疾年金及び遺族年金の最低保障額を、国公立学校の教職員の既裁定年金の最低保障額の引き上げにならい、昭和五十年八月分から引き上げることといたしております。  一例を挙げますと、六十五歳以上の退職年金受給者で組合員であった期間が二十年以上の者の最低保障額が、三十二万一千六百円から四十二万円に引き上げられることになります。  第三に、標準給与の上限及び下限の引き上げの問題であります。掛金及び給付の算定の基礎となる標準給与の月額の上限を、国公立学校の教職員の掛金及び給付の算定の基礎となる俸給等の限度額の引き上げに順じ、二十四万五千円から三十一万円に引き上げるとともに、下限についても、従来から基準にしております国家公務員の最低俸給額を考慮し、また全組合員に対する標準給与の下限に達しない組合員数の割合等を勘案して、三万九千円から五万二千円に引き上げることといたしております。  その他の改正としては、国共済法の改正に準じて、高齢者の退職年金等の年金額の計算の特例措置を講ずることとしております。  なお、私学共済組合法は、給付関係の規定について国共済法の関係規定を準用することにいたしておりますので、今国会に政府から提出している昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案が成立いたしますと、廃疾年金受給権の消滅時期の延長措置について、私学共済組合の給付についても同様に措置されることとなります。  以上、簡単でございますが、今回の法律案の改正の骨子でございます。

三塚博自由民主党

○三塚委員 今回の年金改定の対象となる者はどれくらいいるのか。それともう一つは、この改定により増加する費用はどれくらいに見積もられているのか、その点をひとつ……。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 今回の改定により既裁定年金の引き上げが行われる者は八千二百九十九人であります。最低保障額の引き上げが行われる者は八百九十六人であります。またこれらによって増加する費用は、昭和五十年度において五億三千八百二十六万円、平年度化すれば十億一千二百二十四万円でございます。これに伴う国庫補助額は、昭和五十年度において九千六百八十九万円、平年度化して一億八千二百二十万円でございます。

三塚博自由民主党

○三塚委員 次に、私学共済組合に対する昭和五十年度の国の予算措置はどのようになっておりますか。その点をお伺いします。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 私学共済組合に対しまして、昭和五十年度におきましては長期給付の事業費と事務費について補助金を支出しております。その私立学校教職員共済組合補助金の総額は、約十九億六千四百十七万円でございます。内訳は、長期給付事業費補助金が十八億三千百六十二万九千円、事務費の補助金が一億三千二百五十四万二千円でございます。

三塚博自由民主党

○三塚委員 これの給付でありますが、特に長期給付に対する国庫補助率は、厚生年金並みにやはり百分の二十に引き上げるべきではないかと思うのでありますが、その辺の今後の見通しなり心構えについてお伺いをいたします。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 私学共済組合の長期給付事業に対する国庫補助につきましては、学校法人及び教職員の負担能力等を勘案して、昭和五十年度の予算編成の際にも百分の十八から百分の二十に、つまり厚生年金並みに引き上げるように検討を行ったところでございますが、他の制度との均衡もございまして、つまり国共済、地共済、農林年金等との均衡もございまして、百分の二十は実現をするに至らなかったわけでございます。補助率は百分の二十でございますが、他に調整財源百分の一・七七というのがございまして、事実上百分の十九・七七と、百分の二十に近い補助を出しておる現実もございます。  こういうことで、五十年度におきましては百分の二十に補助率を引き上げることはできませんでしたけれども、私学振興を図るというこの組合設立の趣旨も考え合わせまして、今後とも努力を続けていきたい、かように考えております。

三塚博自由民主党

○三塚委員 最後に短期の問題で、短期経理の収支及び今後の見通しについてひとつお伺いをします。また同時に、短期給付に対しましても国庫補助を行うべきであると思うのでありますけれども、この点についての見解をお尋ねします。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 短期経理について国庫補助をすべきであるという附帯決議もいただいておりまして、私ども短期経理の内容を検討し、昭和五十年度の予算について国庫補助の予算要求もいたしたわけでございますが、要求どおり認められなかったわけでございます。多少事情を述べて御説明にかえたいと思います。  短期給付事業の収入財源は、学校法人と組合員が折半負担する掛金でございます。これは組合員数の伸びや給与の上昇につれて漸次増加しておりますが、一方また丁医療費の増高に伴いまして給付支出が上回ってきたので、昭和三十七年度以来赤字が続いておりました。昭和四十五年度末には約十四億円の累積赤字額が生じました。しかし、その後事情がやや変化してまいりました。昭和四十六年度には、単年度収支の均衡を図りまして、給付面を改善するため、昭和四十六年十月から掛金率を千分の六引き上げました。そういうこともございまして、昭和四十六年度は三億四千万円の黒字が出ました。昭和四十七年度においては、医療費が一三・七%引き上げられたにもかかわらず、五億六千万円の黒字が出ました。昭和四十八年度においては収入の伸びが医療費の伸びを上回ったことにより、十四億二千万の黒字が出ました。また昭和四十九年度においては医療費改定が行われたわけでございますが、一方大幅な掛金収入の増が計上されまして、結局十三億六千万円の黒字が予想されます。こういうぐあいで、昭和四十九年度末において二十二億六千万円の累積黒字になる現状でございます。  なお、五十年度におきましては、医療費の改定を見込まなければ約二十億六千万円の黒字が予想されます。  こういうことで、一見黒字の金額が大きいように見えますけれども、なおしさいに検討してみますと、これらの黒字は支払い準備金として、当該事業年度における短期給付総額の十二分の一相当額を積み立てる必要があります。また不足金補てん積立金として、当該事業年度以前三事業年度における短期給付の平均請求額の百分の十を積み立てる必要がありますので、そういう計算をいたしますと、差し引き一億五千九百二十一万円となり、さらに医療費が仮に一%改定されたといたしますと、一%相当額が二億三千六百二十万円になりますので、この差し引き剰余金は医療費に対して〇・六七%に相当するにすぎない、つまり、このように一見多い黒字が、しさいに検討いたしますと必ずしも多い黒字ではない、こういう状況で、短期経理は一応均衡を示しておるとはいいながら、なお不安定な状況にございますので、先ほども申し上げたとおり、昭和五十年度の予算編成に際して国庫補助の検討を行ったわけでございますが、他の共済制度との均衡もございまして、実現には至らなかったという状況に相なっております。しかしながら、この問題につきましても、なお他の制度との均衡を考慮しながら、私学振興を図る趣旨において今後とも検討を続けていきたい、かように考えております。

三塚博自由民主党

○三塚委員 これで終わりますが、どうぞ、いま局長申されるとおりの内容でございますので、やはり私学振興の一環といたしまして、特に長期に対する厚生年金並みの補助率の実現、さらには短期に対するそういう補助を新設をしていく、こういうことが今後きわめて大事な課題であります。わが自民党文教部会も、そういう観点から大いに本問題を精力的に、これから五十一年度予算に向けて積み上げていくつもりであります。格段の文部当局の御奮発と御努力を御要請申し上げまして、私の質問を終わります。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員長代理 小林信一君。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 時間がないそうでございますので、直接おいでいただきました参考人の方たちに御質問を申し上げますが、この問題で、私、直接私学関係の皆さんから御意見を承ったわけではなく、いただきましたこの「共済だより」、これを拝見をしたのですが、組合といたしましても、今度の法律改正については相当自信を持って、最低二九・三%、最高三八・一%の大幅引き上げである、こういうふうに強く組合員に伝えてあるわけでございますが、確かに法律改正に組合、当局としても自信を持ち、そして本当に組合員が喜んでくれるだろうという気持ちでおいでになる心情は、私はよくわかるわけであります。それだけ、いままでの年金受給者というものは不遇な状態に置かれておったということも言われるわけでありまして、かつては、恩給をもらうということは一般からは非常な羨望の的であったわけであります。しかし、いまの世上からすれば、それは本当にもう意味のないことになっておるような状態であって、従来のように扶養の責任者が見てくれるような状態であれば、恩給というものはそれにプラスアルファになるわけであってよかったかもしれませんけれども、いまは扶養する人たちがまず自分たちの生きることに精いっぱいである、したがって年金受給者というものはその年金でもって食っていかなければならないわけでありますが、その間貯金をしておったものもありますけれども、そんなものは貨幣価値の低下とそして物価の高騰、こういうもので何にもならないような状態に置かれたのが、年金受給者の現状だと思います。したがって、当事者であります皆さんといたしましても、相当いろいろ努力をされたことと思いますが、その結果、最低四十二万円、こういうものが支給されるということは非常に画期的なものであって、こういうパンフレットを配って組合員を喜ばせようとするのは私はよくわかるわけであります。しかし、その四十二万円というものがいま申し上げたような世情からすれば必ずしも生活し得られる金額であるかどうかということを考えれば、私はまだ大変な不満が出てくるものと思います。四十二万円、結局月三万五千円で生活せよということになるわけでありますが、長年教育にすべてをささげて努力をしてきた者が——最低四十二万円になればそれほどでもないでしょうが、しかし、ごく最近の事情からすれば、退職をいたしましても職を探さなければならない。かつて田中総理大臣が施政方針演説の中で、私はそういう姿を見るに忍びない、こういうことを言ったほどであります。こういう点からすれば画期的なものでございます。しかし最近の私学の経営あるいはこの金額、こういうものからいたしますと、共済組合の責任を持っておられる皆さんとすれば、まだまだこうもしたい、ああもしたい、あるいは組合員の方からもいろいろな要望があると思うのですが、そういうものを私はこの際率直にここで述べていただきたい。そして、もっともっと改善をするようにしなければいけないと私たちは考えておるわけなんですが、その点をどちらでも結構ですから、お述べ願いたいのです。  私がこう申し上げますのは、元来そうであったのでありますが、最近私学というものは国公立の学校と何ら隔たりがないのだ、国家、社会に責任を帯びるものは同等である、こういう見解が強くいま出されておることからも、共済組合法の第一条に掲げてあります私学振興ということがあくまでも私学振興の道でなければならない。そういう点からすれば、私学だからということで遠慮することなく、もっと国家的な立場で強く世間に要望していいじゃないかと私は思う。そういう考えでございますので、ただいたずらにこの法案で国公共済と同等になったというような満足感でなく、もっと私学を振興させるために、あるいは国公立の学校と同等の責任を負うという観点から御要望がありましたら述べていただきたいと思うのです。

三浦勇助私立学校教職員共済組合常務理事

○三浦参考人 理事長に成りかわりましてただいまの御指摘の点につきまして、私学共済の立場におきましてのお答えを申し述べさしていただきたいと存じます。  御存じのように、私学共済事業は、低給与の私学に奉職する教職員、教育基本法にうたわれております全体の奉仕者としての公共的な教育責務を果たすために生涯をかけている人々に対するもので、ございますので、私どもの当面の私学共済の事業目標、努力目標といたしましては、公立学校教職員の処遇と老後の保障に格差のないような方向に努力していくことが当面の課題だというふうに考えながら努力しているものでございます。  したがいまして、御指摘のような老後保障の年金の問題、現職教職員の医療給付の問題等できるだけ公立学校教員のそれと格差のない方向に持っていくように努力いたしました結果、一応先生方の御理解を見まして大体その線に行きつつございます。  ただ問題は、この私学共済事業の三本立てのうち——つまり短期給付事業、長期給付事業、もう一つは福祉事業でございます。現職教員がその職務に専念する背景として生活の安定がなければ、ただ努力せいと言っただけではどうにもならないと思います。やはり現代におきましても人並みの生活をしながら教職に専念するような生活環境づくり、そういったことを目標に努力しなければならないと存ずるのでございます。  それで、ただいまの老後保障等の面におきましては、公立学校教職員の年金等の改正に伴いまして、先ほど管理局長からの法案の立案の趣旨等にもございましたように、改正されると思います。  それから旧恩給財団の人々の処遇にもやはり通年制の適用等によりまして、これも改正されたと思います。  ただ福祉事業の実態から申し上げますと、この福祉事業はいま財源といたしましては千分の二だけでございます。したがいまして、この財源の枠の中で宿泊事業、保健事業、医療事業といったようなものを行うということになりますと、なかなか大変でございます。公立学校共済などは各府県に支部を持ちまして、そして長い歴史の上に立って宿泊事業というものはきわめて完璧に整備されているように見受けられるのでございますけれども、私どもの方といたしましては会館が三、宿泊所が七、保養所が三、海、山の家が四、そして指定旅館が二十四といったきわめて貧弱な状態にございます。今年度予算でも認められましたので、ただいま博多に会館をつくるとか大阪に会館をつくるとか、そういったようなこと、それから那須に保養所をつくるとか、そういう具体的な面の計画をなしつつございます。  保健事業といたしましても人間ドックその他の問題も考えておりますし、医療事業といたしましても下谷病院たった一つでございますので、これを全国二十五万の組合員が利用できるような配慮からというので、全国の私立学校の医学部に健康の日といったようなことで適宜診療をしてもらうような配慮を医学協会等に協力を得まして、目下推進中でございます。  それから貸付事業等も目下時代の趨勢に応じまして、つまり金を借りて家を建てるとか、勉学に必要な一時の貸し付けをやるとか、そういうようなことを鋭意やっておるわけでございます。  したがいまして、こういったことについての全面的な強化を実施してまいりたいというふうに考えますので、よろしくお願い申し上げます。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 そういう切実な私学共済側の意向というものをお聞きしながら、だったら文部省はどう考えるかということを文部大臣から直接の意向を聞きたかったのですが、いま参議院の方に呼ばれておりまして残念ですが、もっともっと私学共済の希望というものを掘り下げていけば、私は問題がたくさんあると思います。先ほど三塚委員の方から、今回該当者何名だとかあるいは総額どれくらいの金が必要であるとかいうふうなことが質問をされました。私も同じような質問をしながら、その財源はどこからどういうふうに工面をするのか、足りるのか不足するのか、苦しいのか楽なのかというふうな点をお聞きしようと思っておったのですが、その財源の問題について、何か組合側でお考えになっている点がありましたらお聞かせ願いたいと思います。

加藤一雄私立学校教職員共済組合理事長

○加藤参考人 日ごろいろいろとお世話になってまことにありがたく感謝申し上げております。  先ほど常務から申し上げましたように、順次いい方向には向かっておりますけれども、まだまだこれからやるべきことがたくさん残っておると思います。いま小林先生からのお尋ねによりますと、どのくらいの金が要るかという話でございます。いまの長期給付が今年度改正になりますと、全部で退職給付、廃疾給付、遺族給付、恩給財団給付、そういうものを加えますと九十二億七千万、対象の人員が三万七千三百三十六名。これを収入の面から申しますと四百四十四億円に対していま九十二億七千万になりますが、その改善に伴って必要な金額は、退職年金が三億五千万円、通算退職年金が三千七百万、それから減額退職年金が百万、廃疾年金が千六百万、遺族年金が九千九百万、恩給財団年金が三千三百万、一時扶助金が二百万、これを合わせますと五億三千八百万、したがいまして全部の所要財源としては九十三億円に大体なるように思います。したがってこれは年金の保有財源の増加率を考えますと、先ほど局長からお話がありましたように、どうしても百分の二十という厚生年金並みにしていただかなければ将来に対する不安が残る。先ほども常務から申し上げましたように先生方に対して後顧の憂えなからしめるということから考えますと、年金の財源というものをはっきりつかんでおかなければならぬ、そのためには現在の状況ではまだかなり不安感がありますので、いままで附帯決議として加えられました百分の二十以上の国庫補助をぜひひとつお願いいたしたい、かように考えております。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 ちょっとお話が理解できなかったのですが、組合の収入が四百四十四億ですか、そして九十三億のこの際必要な金、これはまあ特別増加されるのが九十三億であるのか、経常的な支出というものが九十三億で済むのか、そこら辺もう少し明確に知らしていただきたいと思うのですが。

加藤一雄私立学校教職員共済組合理事長

○加藤参考人 説明がはなはだずさんであったかもしれませんが、九十三億と申し上げましたのは五十年度の長期給付の所要額でございまして、五十年度給付改善に伴う所要額は五億三千八百万でございます。したがいまして八十七億三千万と五億三千八百万加えますと合計九十三億。よろしゅうございますか。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 長期給付の問題だけがもちろん支出ではないわけでありますが、何かそれだけのお話を聞きますと、四百四十四億入って九十三億——たとえ五億でもいいのですよ、あるいは百億でもいいのですが、大分金が余って困るような感じがするのです。少しも百分の十八を百分の二十にする必要を私ども感じないことになってしまうわけです。もちろん皆さんとすれば保有財源というものは持たなければならぬ。それを年々増加さしていかなければならぬ、ことにいままでの年金をもらっておる人たちは安い給料の中から掛金をしたわけです。その人たちに、今度の改正からすれば相当多額な給付をしなければならない。もちろん新しい組合員の人たち、給料の高くなったところから組合費を払っていただくもので補てんはできるでしょうが、やはりそこに私は多少問題点があるような気がいたします。そしてこの保有財源というものも、常に増加させなければならない、そういうことを考えておるのですが、それでは少し私は何か余り切実感がないような気がするのです。もう一ぺん御説明願いたいと思います。

三浦勇助私立学校教職員共済組合常務理事

○三浦参考人 ただいま理事長から申し述べましたのは、給付の改善に伴いまして、それに耐え得る財源措置が可能であるかどうかというふうな理事長の立場からの了解で申し述べたわけでございます。したがいましてその段階では五十年度の収入が四百四十四億ぐらい、それから支出の方といたしましては、この改善分を含めまして九十三億程度、したがいまして三百五十一億の差し引き残が残るということを申し上げたわけでございます。  ただ、この長期経理のいわゆる財源保持の問題は、責任準備金といたしまして——一人の加入者が組合に加入いたしまして、そして遺族年金を含めてのその受給権の終了までのワンサイクルは大体八十年と見ているわけでございます。  したがいまして、この責任準備金額といいますのは、その八十年のサイクルの上で平準保険料方式の数理的な計算を踏まえましての積算の上で責任準備金というのが決まるわけでございます。ここで問題になりますのは、五年ごとの再計算をしておりまするけれども、こういうふうに給与が急上昇いたします場合には、その給与の急上昇に伴いましての給付率というものを数理的に計算しなければならないわけでございます。したがいまして現時点での責任準備金額というものは、おおよそでございまするけれども四千億程度を超えるんじゃないかというふうに考えておるわけでございます。いまの保有財産は、先ほど申し上げました三百五十一億余りますれば、これは責任準備金の中に繰り入れまして累積幾らというふうに責任準備金の積み立てを行うわけでございます。それを保有資産といたしますが、と同時に引当金というものを合わせまして、責任準備金と同額になれば、これは財政的にきわめて健全であるというふうに考えられるわけでございますが、いまの段階から申し上げますと、責任準備金の不足額はどうしても約一千億は超えるんじゃないか、そう考えます。したがいまして、国の助成に百分の二十ということを申し上げますのは、この責任準備金の不足額を充足しておきませんと、私立学校共済組合の年金給付の財政が根底から、つまり将来安定性を欠くことになる。この段階で何としても、厚生年金法の特別法として制定された私学共済組合の給付事業が、やはり最低限母法程度の国の助成をまず仰いでおいた上で、将来の対処の仕方を考えなければいけないんじゃないか。最低限の要求としてその母法程度の、つまり厚生年金には四十八年度から百分の二十給付されておりますが、この程度はどうしても最小限国の助成を仰がなければ組合員に対して申しわけないというふうに考えるわけでございます。したがいまして、それなら自己努力をしなければおかしいんじゃないかということで、この八月一日から千分の六の組合員掛金の引き上げは実施することになっております。  以上でございます。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 あなた方はよく御存じだから、大体これだけ話せばわかるだろうというようなところで理事長さんの方の御説明があったと思うのですが、やはりいまのように詳細に、一番大事なのは準備金というものを保有しなければならぬ、この点をやはり明確にしていただいて、私たちの認識を改めながら百分の二十を要望しないというと、何だ、たくさん金があるじゃないかというふうな印象も受けるから、あえて皆さんの御説明を願ったわけであります。  先日もお話を聞きましたら、福祉事業の方で、広島に保養所ですか、仙台にサービスセンター、そういう三つの施設を計画をされたけれども、総需要抑制の中でこれが中止をされておった。しかもその財源というのは保有財源の中から出してしまうんではなくて、その金を一時立てかえといて、そして組合員の使用する使用料の中にそれを加算さして、そして元金をまた保有財源の方に繰り入れるんだというふうな、このつつましい財政経理というものは、私はちょっとお伺いしたのですが、そういうようなものを本当に明快に一般に訴えなければ、百分の十八は百分の二十にならないと私は思う。案外局長なんかも、いまにやにや笑っておりましたが、金はあるんじゃないかというふうな、文部省自体も考えるかもしれませんが、そういう準備金、保有財源、これを持たなければ本当に組合員の老後の問題あるいは退職時の保障あるいは医療の施行、こういう問題が十分にできないんだ、しなければならないんだというものを、文部大臣なんかによく聞いてもらわなければいけない、私はそういう意味でお二人をお願いしたわけであります。大体目的は達しましたが、そういうふうに一般の理解はまだ十分でない点を皆さんも十分御認識願っていろいろと御説明を願いたいと思います。  先ほどお話がございました医療問題ですね、この福祉の問題をもっと十分にしなければならぬというお話でございました。その中で病院のお話が出ましたが、確かに各私立大学の医学部を便宜お借りして医療の責任を果たす、これも一つの便宜的なものかもしれませんけれども、東京の下谷ですか、あそこに一つあって、そして全国の私立学校の二十何万人の組合員の人たちの医療を満足させることは私はとうてい不可能だと思います。少なくとも北とか中央とか、あるいは西とかいうようなものを設置する必要があるし、そういうものを十分政府当局に理解をさして、それを整備するためにはもっと十分な国の補助金というものを願わなければならぬというふうに皆さんも主張しなければならぬし、私どももその点を主張してまいりたいと思っております。  先ほど三塚委員の方から質問があったのをお聞きしておりまして、私ちょっと局長さんの御答弁が——私がいま持っております資料は四十八年度のものですが、この資料には国庫の補助が九億八千二百五十六万三千円と書いてあります。それから四十九年、そして五十年とどういうふうにふえておるか、局長さんの方から御説明願っていまの数字を明確にしていただきたいと思うし、それとあわせて、都道府県の補助金の交付がございますね、千分の八ですか、総額で四十八年の額を見ますと、十五億二千九百一万八千七百七十二円、こういうふうになっておりますが、都道府県の心配の仕方、私学共済に対する理解、こういうものを考えれば、これも重大な財源になるわけでございますが、この方については組合側としてはもっと深く理解を願う方針であるのか、地方財政としてはこれが限度であるのか、こういう点もお聞かせ願いたいと思います。恐らくこれは共済組合の方でなく、文部省側として地方財政のこの額というものに対してもっと配慮を願ってもいいのか、地方財政の現状からすればこれが限度であるかというふうな点もお聞かせ願いたいと思います。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 国が私学共済に対して支出している国庫補助金の逐年の金額でございますが、いま四十八年度九億八千二百万円と御指摘されました。その金額について申しますと、その前年度の四十七年度は八億三千八百万、四十八年度が九億八千二百万、四十九年度が十四億百万、五十年度が十九億六千四百万、こういうことに相なっております。  それから都道府県が私学共済に対して援助する経費でございますが、給与の千分の八相当額が地方交付税の積算の基礎において計算されております。都道府県はその地方交付税の積算の金額をほぼ忠実に現実化、具体化しておる感じでございます。昭和四十八年度におきましてその金額が十五億二千九百万、四十九年度が二十一億三千三百万、五十年度につきましては、まだ予算を計上していない県がございますのでトータルはしておりませんが、各府県ごとのこの状況を報告のあった分について見ますと、共済組合から要請のあった金額がほぼ忠実に予算化されておるということでございまして、今年度も締めてみると、四十八年度の十五億、四十九年度の二十一億が相当の比率で伸びる傾向にあり、最近はおかげさまで私学に対する地方公共団体の理解も大分深まってきており、ありがたいことだと存じております。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 いろいろお聞きしたいのですが時間がもう過ぎておりますので、あと一つだけお聞きいたします。  私学共済の経営の問題で私は自分なりに考えておる問題は、大学のように高額所得の人たちもあるし、幼稚園の保母さんをなさっておられるような低額の方たちもある。この資料で見ますと、大学よりも幼稚園の保母さんなんかの数の方が多い。そうすると低額者の組合員の方が多い。こういうアンバランスの組合員を統括して経営をなさるわけなんですが、こういう点の悩みというようなものはございますか。  そしてもう一つ、まとめて申しますが、この共済組合法が問題になるときには、未加盟の学校をできるだけ多く、早く組合に加盟させなければいけないという議論がいつも交わされるわけなんですが、いまはそういう問題があるかないか、その二つを時間がございませんのでひとつ組合側から御説明願いたいと思います。

三浦勇助私立学校教職員共済組合常務理事

○三浦参考人 未加入の問題につきましては、先般来諸先生方の御配慮によりまして法律を改正いたしまして二万五千人程度の新規加入の成果を見たわけですけれども、でき得ますならば私学振興の立場で国の助成を仰ぐにいたしましても、一部未加入であるという弱さをできるだけ早く払拭いたしたいと存ずるのでございまして、なおなお私どもも努力をいたしますけれども、諸先先方からも高所からの御指導をちょうだいして一元的な御施策をちょうだいできるような体制にいたしたいというふうに考えております。ことに御存じのように都内の大大学が未加入の形でおるということは、いかにも残念だと思うわけでございます。  それから、私学共済発足の目的は、幼稚園から大学までの私学に奉職する職員が一体的な体制で扶助事業を行い、福利厚生を図るというのが目的でございます。この末端の幼稚園保母さんの資格は大体短大卒業程度でございます。しかも私の方の標準給与の最下限が、ようやくにして三万五千円から五万二千円に引き上げようとしている段階でございますから、いまの段階で短大出の保母さんが五万二千円で奉職しているという事実もあるわけでございます。それから一方にはミッションのような学校の、奉仕的な立場で生涯を送る先生方も組合員としておるわけでございます。したがいまして、たとえば先ほどの財政補てんの角度から掛金の千分の六を引き上げるということも、本来ならばもっともっと引き上げて、早く言いますと、いまの責任準備金等を解消するためには一挙に千分の十以上も上げる必要があったと思いますけれども、それをいたしませんのはそういう事情がありますので、これはあとの部分はやはり国の助成、都道府県の助成それから私学振興財団といったような団体からの助成、当初はこの三本立ての助成が不可欠であるという御認識のもとにこの助成体制ができたのでありますけれども、この完璧な助成を仰ぎながら財政の堅実性、安定性を確保していかなければならないというふうに考えるわけでございます。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 いろいろありがとうございました。そういうふうに個々の問題をお聞きしてまいりますと、いかに私学共済の運営というものが御苦労なさっておられるかということがわかるわけです。それが私学振興の一つの方途であるということを考えれば、私学も国公立もいま同一、同等視しなければならないという思想から言いましても、もっと私学助成の道というものは政治的に配慮されなければならぬということが強くわかるわけでございまして、その点、強調していただいたことを非常に感謝を申し上げるものでありますが、いまの幼稚園の保母さんの問題を考えれば、これは四十八年度でありますが、大学の先生が五万八千に対して幼稚園の先生が六万一千というふうに、低額所得の方たちが非常に大きな部面を持っておる。幼稚園の先生というのはいままで、私が申し上げるまでもなく保母さんだというふうなことで非常に社会的に軽視をされて薄給に甘んじておったわけです。こういうものをどういうふうに改善をしなければならぬか。これはやはり私学助成という問題がいま強く叫ばれておりますので、文部省当局あるいは政治の一つの課題として検討しなければならない問題であります。  それから、これもお聞きしようと思ったのですが、国公の先生方には人確法というものが適用されて非常に給与が上がっております。そういう措置が私学にもなされなければならぬということはあの法律に附帯決議として出ているわけですが、それがどういうふうに及んでおるか、これが及ぶ及び方のいかんでまた共済組合の方の経理運営にも影響してくるものだと思います。  こういう点をお聞きすると大変時間が長くなりますが、そういう基本的な問題を個々取り上げて改善をして、もっと私学共済の充実をして、そしてここに働く人たちも国立学校あるいは公立学校に働く先生方と何ら隔てがないという状態において初めて私学振興という問題は解決をすると思うのです。ひとつ組合側もそういう実情というものをアピールする、一般社会に認識をさせる。と同時に文部省当局においても、いまほかの団体が百分の十八であるから百分の二十は不可能であるというふうな答弁を聞きましたが、もっと教育という問題は他に比較をするものでなく優先をすべきものじゃないかという少なくとも文部省が見解を持ってこれに対処していただきたい、そういう要望を申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

久保田円次自由民主党

○久保田委員長 栗田翠君。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 私学共済法の改正につきまして、かなり前に質問された方とダブる点がありますから、その辺は割愛しながら伺うことにいたします。  最初に私が問題にしたいのは、これは毎年毎年国会で改正されておりますが、そのたびに附帯決議がついております。七十一国会でも、また七十二国会でも大体同じ中身で短期給付の国庫補助の問題、それから長期給付百分の二十にせよという問題、それから給与スライドの問題、毎年ついているわけなんです。毎年つきながらこれが実行されていないという、ここのところが大体第一に大変問題だと思います。附帯決議を一体どう見ておられるのか、こういうことがあるわけなんですね。ここを、まず私はその姿勢を伺いたいと思いますけれども、さっきもそれに触れての御質問が幾らかございました。長期給付、なぜ百分の二十にできないのかという、それに対して農林年金その他との関係があるということが一つと、それから財源調整費を加えていけば約百分の二十に近いのだ、こういうふうにおっしゃっておられました。  そこで伺いますけれども、まず七十二国会のときに安嶋局長がやはりこのことの質問を受けて答えられました。財源調整費という形ではなく、やはり国庫補助率の引き上げということで努力をしていきたいと、もうすでに七十二国会で言っておられます。一体どういう努力をしてこられたのか。それにもかかわらずことしまた同じ状態になるのは一体どういうことなのか、その辺をまず伺いたいと思います。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 七十二国会におきまして、本委員会の附帯決議がございました。  文部省としては、その附帯決議の御趣旨を実現すべく努力はしたわけでございますが、なかなかまだ実現されていないという実態でございます。少し事情を述べさしていただきます。  第一に「長期給付に要する費用に対する国の補助率を百分の二十以上に引き上げるよう努めること。」この件につきましては、昭和五十年度の予算編成の際にも補助率の引き上げについて検討を行い、予算要求をいたしました。いたしましたが、先ほど申し上げるように農林共済、国共済等との均衡もあり、また学校法人教職員の負担能力、あるいは財源計算等々の問題もございまして、最終的に予算的に実現を見るに至らなかったものでございます。  第二に年金改定の、いわゆる自動スライド制についてでございます。「給与スライドの導入を検討すること。」スライド制という意味が法律によらずして、政府の行政上の施策によって私学の教員の年金が、国公立学校教員の年金と同様に、いわゆる現役の給与のベースアップにスライドして上昇していくような制度をつくれという意味でございますが、これにつきましては政府の部内で公的年金制度調整連絡会議において検討を重ねてまいりましたけれども、その連絡会で結論が出なかったわけでございます。現在のところ法律をもって給与にスライドするような仕組みになって、それが今回提案をされておるということでございます。  第三番目に、短期給付に要する費用についてでございますが、国庫補助の道を開けという御趣旨でございますが、これは先ほど三塚先生の御質問にお答えいたしましたように、当時の事情とやや事情が違ってまいりまして、累積赤字が解消して、最近では黒字が累積するような状況にあります。もっともその内容を検討すれば、先ほど申し上げたような事情もあるわけでございますが、そういうこともございます。  それとやはり共済制度でございまして、政府としては他の共済制度との均衡を図るという観点もございますので、いろいろ予算要求にも工夫をしてみたわけでございますが、認められなかったということでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 伺わないことまで最初お答えいただいたのですけれども、まず長期給付について私伺っておりますが、いまのお答えですと、毎年毎年附帯決議が出されながら、余り努力らしい努力がされていない。どうも納得できるような理由があるとも思えないわけです。他との均衡とおっしゃいますけれども、それじゃ農林共済なんかですと、私学共済との均衡というふうに言っていらっしゃるんだと思いまして、両方でそんなことを言って上げなければ同じことなんですね。これはやっぱりこれを受ける組合員の利益ということをまず第一にして、大いに考えて努力していくということ、これが必要じゃないかと思います。  そこで予算ですけれども、百分の十八を百分の二十にした場合、一体予算的にはどのくらい余分に必要だったのでしょうか。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 いま的確な数字を持っておりませんが、財源調整費が百分の一・七七でございます。  いま御質問は百分の二十と百分の十八、百分の二が幾らかという御質問でございますので、一・七七に該当する金額が一億六千三百万円でございます。したがって、二%となりますと、恐らく一億八千万そこらじゃないかと思います。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 結局大した金額ではないということです。  大蔵省に伺いますけれども、さっきのような均衡ということをしきりに言われていますけれども、それは私は余り理由にならないと思うのですがね。大蔵省は一体なぜこれを認められなかったのでしょうか。年々こういう要求が出されながら、認めていないという、その理由です。それをはっきり胸に落ちるように説明してください。

梅澤節男大蔵省主計局主計官

○梅澤説明員 御説明申し上げます。  御案内のとおり、わが国では各種の年金の制度がございまして、各制度ごとに国庫助成の割合を違えてございます。いま御指摘のありました私学共済年金について現行の補助率は御指摘のとおり十八%でございますが、百分の二十という率は恐らく厚生年金に対する現行の補助率を想定しての御議論かと思います。私ども毎年度予算編成の過程におきましてこの問題を検討いたしておるわけでございますけれども、結論的に申しまして、現行の私学共済に対する補助率百分の十八というのは十分均衡のとれた率であるというふうに考えております。と申しますのは、厚生年金と端的に比較いたしますと、厚生年金の場合年金の算定の基礎になります給与のとり方、これが厚生年金と私学の共済の場合は異なっております。  それから、もう一つ主要な理由といたしましては、これは現在年金制度でいろいろ問題になっております点でございますけれども、年金給付の開始年齢が違う。つまり、共済の場合は五十五歳、厚生年金の場合は六十歳でございます。  で、各種の点を勘案いたしますと、年金給付現価と申しますか、もっと端的に言えば、年金給付の水準が、共済年金の場合は厚生年金よりも上回っておるわけでございます。そういたしますと、いずれにいたしましても、各種の年金に対する国庫助成というものは十分権衡のとれたものでなければなりませんので、したがいまして厚生年金と同率の率を共済年金に助成するということは、かえって国庫助成としての均衡を失するというふうに考えております。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 そうなりますと、国会で毎年毎年附帯決議をつけておりましたけれども、それじゃ国会の決議というのは実情を知らないから、国会で議員がみんなで附帯決議をつくっているけれども、大蔵省としてはそういう理由があるから今後とも百分の十八で十分だ、こう考えていらっしゃるわけですか。その辺を伺います。今後附帯決議を守って、要求に対してそれをのんで百分の二十にしていくお気持ちがあるのかどうか、それとも実情を知らないくだらない要求をしているのだと考えていらっしゃるのか、その辺の考えを伺いたいと思います。

梅澤節男大蔵省主計局主計官

○梅澤説明員 御説明申し上げます。  本件に限りませず、国会で御決議をいただきました事項につきましては、予算編成の過程において入念に念頭に置きつつ検討をいたしておるわけでございます。いまの百分の十八の問題でございますけれども、先ほど申し上げましたように、現行の年金制度の仕組みのもとにおいては、百分の十八を変更することはかえって均衡を失する。この考え方は、現行の制度に関しまする限り、財政当局としては変わらないというふうに御説明申し上げます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 じゃ、一生懸命附帯決議をつけてもだめだということなんですね。これは大変な発言だと思います。また後でこの問題については、今後のこと、またこれから私学共済の法案をここで改正を決めていくわけですけれども、みんなで協議をさせていただいて考えさせていただかなければならぬ、こういうふうに思います。  次に、短期給付の問題についてですけれども、さっき百分の十の問題、やはり出ておりましたから、私はその中身について伺いませんが、さきの御質問で、黒字に短期給付の経営状態が転じてはいるけれども、決して長期安定したものではないというようなお話でございました。そして、いままでの国会での御答弁を聞きましても、やはり国庫補助をしていくように努力をしていくということが言われているわけなんです。特に最近は、私立の大学などを見ますと、健保の方がいいからというので単一組合をつくって健保に転じているようなところもあるわけです。こんな実情を考え合わせまして、一体私学共済の意味がこれではなくなっていくのではないか、数の多いところでは健保に変わっていくようなところさえ出てくるのではないか、予盾するのではないかというふうに思いますけれども、いまの単一組合をつくっていくような実態すら出てきている実情と、百分の十の国庫補助をしていくべきだといういままでの御回答との関係の中から、どう努力をされてきたか、どう努力をこれからされるかというそのお考えを伺いたいと思います。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 私自身は、前に附帯決議をつけられましたころの私学共済の短期給付事業の経理の内容がございまして、そういう実態を基礎にして短期給付に対しても国庫補助の道を開くべしという附帯決議がつけられたことと考えております。そして、その後事情がやや変わってまいりましたことは先ほど御説明申し上げたとおりでございます。やや変わったからといって附帯決議の御趣旨が全く変更されるほど事態が変わってはいない。したがいまして、私どもも附帯決議の御趣旨を尊重して予算要求をしておるわけでございますけれども、予算はなかなか、一定の枠内で、文部省予算の中でも取捨選択が行われますので、要求をいたしましたが、いろいろな、たとえば管理局だけ限ってみても、管理局のいろいろな柱と申しますか、予算の柱との兼ね合いで最終的に認めることができなかった、かようなわけでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 さっきの大蔵省の答弁もありますけれども、非常に国会でやられている決議、みんなの考えというのが反映しない、文部省としてそれでまた余り十分努力もしていらっしゃらないというようなことで、私は大変残念だと思います。そういう態度でなくて、もっともっと私学の教職員のために本気になって努力をしていかなければ、こういう審議はやってもしようがないんじゃないかという気がしてくるわけですね。その点もしっかりやっていただかなければならないと思います。  引き続いてもう一つ、運営審議会の問題に移りますけれども、これも私学共済の中身が十分なものになっていない一つの理由になっているんじゃないかと思うのです。いま私が調査いたしましたら、この運営審議会のメンバー二十一名、学識経験者七名、法人役員関係七名、組合員関係七名というふうになっております。ところで、この組合関係というのが言ってみれば一般教職員の代表ということになるわけなんですが、この方たちはどういう選び方で選ばれておりますか。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 共済組合の運営審議会の委員の中で、組合員を代表する者につきましては、全私学連合の推薦を求めまして、その推薦に基づきまして任命をいたしております。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 ところで、全国の私学連合なんですけれども、たとえばこの中で、七団体ぐらいで構成されているようですけれども、私大連とか私中高連、この選んでいる私学連合そのものが大層問題だと思います。  ここに私中高連の名簿がありまして、私、調べましたところが、驚いたことに、その日本私中高連、全部、校長とか理事長で占められているわけなんですね。これは一般の教職員の代表、組合員代表はほとんど出ておりませんで、どこかにたった一人、教諭という方があるのが珍しいくらい、全部校長、理事長でございます。ところが、その組合員関係まで選んでいますが、一般教職員ということになっていても本当に職場から選ばれた代表が出ていないというのが実情です。これは私の調査ではっきりしております。日教組代表は一人も入っておりません。私学共済法で、組合の業務の適正な運営を図るために運営審議会をつくるということが言われておりますし、「一部の者の利益に偏することのないように、相当の注意を払わなければならない。」というふうになっていますけれども、こういう立場から考えてどうなのでしょうか。日教組代表でないにせよ、ここに出されている一般教職員に当たる組合員関係者が自分の学校から出ていることさえ、そこの同じ職場の教職員が知らないという実態がございます。いわば民主的にその職場で選ばれていないわけなんですね。このような実態をどうお考えになりますか。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 ただいまの御所見の中で、言葉の定義について意見を申し上げるのは恐縮でございますが、この共済組合の組合員という概念とそれから職員団体の組合員という概念とは違うわけでございます。御存じだと思いますが、念のために申し上げておきます。  第十四条では、学校法人等に使用される者で学校法人等から給与を受けるものが組合員だということになっておりまして、学校法人の理事も校長も事務職員も全部組合員でございます。しかし、その組合員の中でも、先生のおっしゃるのは、言葉が悪いのですが、いわゆる平の職員の意見が十分反映されるようにという御趣旨での御発言だと思います、さように理解いたします。私学連の——これは民間団体でございますが——組合員というのは、学校法人になっております。各学校法人が私学連の組合員になり、その学校法人を代表する者が事実上集まっておる。そこで法人の理事とか校長とか理事長とかいったような人々が現実に集まって会合をやっておるのが私学の諸団体、いわゆるいまおっしゃいました七団体の会合でございます。そういう団体から推薦をしてまいります。しかし、従前の速記録を見てみますと、そういう意味での組合員でなくて、いわゆる職員団体あるいは労働組合の組合員の意見がもう少し反映されるようにしたらどうかという御趣旨の御質問が毎回ございまして、そしてその都度政府委員あるいは大臣が答弁をいたしております。そういう事実も私、承知いたしましたので、今年度は私学共済の運営審議会の委員の委嘱の場合に、ことしの一月十六日でございますが、福利課長を通じまして日教組の私学部長さんに電話をいたしまして、私学共済の運営委員の問題について御意見があれば意見を出していただきたい、従来私学七団体と協議をいたしておるので、私学七団体の方へ意見を申し出ていただきたい。ちなみに日教組の資料で、二、三年前の資料でございますが、私学共済の組合員二十六万人のうちで私立学校部に日教組で所属している人が一万三千四十四名と、わりに少ないわけでございます。二十六万中一万三千四十四人、ちょっと代表するには少ないと思いましたけれども、教組の中で私学を代表するというような形で運動をなすっておる方々でございますから、そちらの意見も出してほしいということも電話で連絡したような次第でございますが、全私学連合の方でお話し合いの結果、そちらの代表をお取り上げにならなかったというのがことしの事情でございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 私が組合員関係と言いましたのは、私学共済組合員だと初めから理解して言っております。それで考え方としては、学識経験者と法人役員関係というのがあるわけですから、組合員関係者の中に、さっき平の教職員とおっしゃっていましたけれども、一般の教職員が入って意見を反映すべきだということで、最初からそういう考えで言っているわけです。  今度そのような努力をなさったけれども、全私学連合が取り上げなかったということです。ですから、これは組合員関係者を全私学連合が推薦するという形をとるのがいいのかどうかという、この問題にまで発展していくと思いますが、文部省としてそのような努力をされたというお話を伺いましたので、今後は中の問題としてもこの改善をやっていくようなことも必要かなと思いますけれども、今回の努力についてはわかりました。ですけれどもやはり考え方として、一般の教職員が入って、最も私学共済の恩恵を受ける数の多い方、それから最も生活の上でも必要のある方たちの意見が十分反映されなければならないということについては、文部省お認めになりますね。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 共済組合の運営審議会の委員が組合員関係、法人役員関係、学識経験者関係、この三部に分かれておるという趣旨を考えてみますと、先化のおっしゃるような方向で考えなければならない筋のものだと思います。現実に組合員関係として出ております委員の方は、それぞれの私立学校の教授あるいは教諭の方であり、小学校から大学までにわたっておるわけでございます。ただ問題は日教組の私学部に所属する人の中から出すかどうかということでございますが、それにつきましては、日教組の私学部に所属する人の数、あるいは私学共済に属しておる組合員の数、それらの現実の数の関係も配慮しなければなりませんし、また従前のいきさつ、そのいきさつを改善していく理由等々もございますので、いろいろ考えなければならない要素は多いと思います。しかし、いずれにいたしましても先生のおっしゃる方向に私も同意いたしておりますので、そういう方向で各方面の意見が正確に忠実に反映されるような運営審議会の構成にしていかなければならないと考えております。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 次に、共済組合員の資格取得の問題で伺います。  いま私学共済は本人と学校法人が掛金を半々に出しているわけですけれども、資格の取得の問題では、その学校法人が一方的に通知をすれば資格を喪失したり取得したりする、こういうことになっております。  ところで伺いますけれども、現在、私学関係で解雇などをされまして係争中の人が二十一名全国でおります。こういう人たちは、資格はどんなふうになっていますか。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 係争中の方の資格でございますが、学校法人が解雇をしたという事実があり、その報告を受ければ、組合員の資格を喪失させることになっております。しかし、争訟の結果地位を回復したということであれば、さかのぼって組合員としての資格を復活させるという扱いをしております。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 昭和二十五年の十月九日、厚生省の保険局長から都道府県知事あて通牒が出されておりますけれども、これを見ますと、「解雇行為が労働法規又は労働協約に違反することが明かな場合を除いて、」となっているのですね。ところがいまの場合、明らかであるかどうかということについて十分な検討がされていないのじゃないかと思うわけです。たとえば、いま解雇されている方の中で、東京の高千穂学園で六名の方があります。これは係争中の方たちです。この解雇の例を見ますと、学校が生徒の募集を中止して廃校にしたのですね。高校をなくして大学一本にするということでやりまして、この六人の先生は高校の先生方なんですね。このやり方に反対して係争中なんですが、こんなのは非常に問題があると思うのですね。さっきの除外の例に当てはまるのではなかろうかと思うような中身になっております。また高知県の外語学園が五名やはり解雇されて係争中ですが、この学校なども立地条件や経営が悪いために生徒が集まらなくなったのですね。そのころちょうど、自分たちの身分を守るというようなことで先生たちが組合をつくって活動されて、二十名中十名やめて、残った組合員五名、これが切られているわけです。ところが、切った後で新しく講師その他を雇ってその穴埋めをしているのですね。だから実際にはそれだけの定員が必要なくなったのではなくて、まさにこれは不当労働行為と考えられていま係争中なんですが、こういう方たちは全部資格を喪失しております。  そこで問題になりますのは、係争中でも、「労働法規又は労働協約に違反することが明かな場合を除いて、」という、このことが十分にやられていないのではないかと思うのですが、その点、どうお考えになりますか。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 実のところ、いま初めて伺うケースでございまして、事前の研究をいたしておりません。問題点は明らかに労働協約に違反するかどうかという問題だと思いますが、そういう事実関係でございますので、いま直ちに答弁するということは差し控えさせていただいて、なお研究さしていただきたいと存じます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 急いで調査をしていただきたいと思います。これはその方たちにとって重大な問題になっておりますから。少なくとも、その調査をした結果そういう疑いが濃厚な場合に、資格が剥奪されていた場合には直ちに保留すべきだと思いますけれども、その辺はいかがでしょうか。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 事実関係がわかりませんので、事実関係を明らかにいたしました上、正確なと言いますか、御回答をさしていただきたいと存じます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 次に私は、私学共済問題と関連しましてどうしても伺いたい点がありますので、二、三伺わせていただきます。  これは私立学校に対する八十億円の国庫補助金が今度出まして、この配分をめぐって各都道府県いろいろに頭を悩ましたり期待をしたりしているわけです。  ところで先日五月六日、地方行政委員会でやはりこの八十億の問題が討議をされました。このとき文部省の高石振興課長が、八十億円の補助対象に直接授業料補助をしているところは加えないというふうに言っておられますが、これはそのとおりでしょうか。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 八十億円というのは、都道府県が学校法人の経常的経費といいますか、教職員の人件費あるいは物件費、経常経費について補助をするのを国が奨励する、その奨励のための補助金として予算に計上したものでございます。  ところで、経常経費というのは、私学の学校法人の歳入、歳出で考えてみますと、歳出面に計上された、つまり私学で必要な経費といいますか、私学で必要な歳出でございます。授業料減免経費というのは歳出面に上がってこない経費でございます。歳入補てんというような意味があって、歳出面に上がってこない経費、したがいまして、観念的にはこの経常経費も学費減免経費も類似した観念でございますけれども、予算の実務から考えますと学費減免措置費というのと経常経費というのは別の性質のものとして考えなければならぬ。したがいまして高石振興課長がお答えしたとおりの見解を持っております。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 同じその委員会で高石課長は、間接的な補助はかまわないが直接的には問題である、こう言っていらっしゃるのです。いまのお答えとちょっと違いますが、その辺はどうお考えでしょうか。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 文部省は私学の学校法人に対する都道府県の助成については従来無関係であったわけです。したがいまして、都道府県ごとに各種各様の補助の態様がございます。学校法人の経常経費に対して都道府県が補助金を現実には支出しながら、それが間接的な結果としては授業料減免に役立ちますので、授業料減免措置だと称しておるような県もあるわけです。それから歳入面の欠陥を補うという意味で学費減免措置を行っているところもございます。つまり、学費減免措置という一言で表現される内容が、歳入、歳出面の予算の技術から見ますといろいろ違った態様になっております。したがってその態様を大きく二つにとらえて、間接的なもの、つまり直接的には経常費補助金であるものは経常費補助金として考えるけれども、直接的に父兄にお金を出すようなもの、そういうものは私学の学校法人の経常費に対する補助金ではないから経常費の補助金としては考えません、そういう意味のことを非常に短く縮めて課長が御説明しているように思います。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 それではもう少し確かめさせていただきますが、直接授業料補助というのは父兄に現金を渡すのですかね。どこかの窓口で直接に授業料の補助金ですよと現金を渡すような場合であって、間接的と言われたのは、たとえば学校法人に一定の額を下ろしてそれをどのような形で使っていくか、それによって結果的には授業料が安くなったというような場合にはそう見て、そういう形ならばよいというわけですね。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 お答えいたします。  学校法人に出す場合にまた二通りに分けられるような気がします。つまり歳出面に計上された経常費に対する補助金でありながら、効果が学費減免になるので学費減免だという面をしきりにPRしておるような県もあるわけです。それから歳出面の経常費に補助しないで歳入の欠陥を補うという意味で歳入に対する補助金、その言葉も本当は適当でないのですが、歳入に対する補助金をふやす、ふやす名目を学費減免という名前をつけて学費減免の補助金と言っておるような県もあるわけでして、学校法人にお金が行く場合もまた分けてみると二つの型があるように思います。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 そうしますと、少し具体的に伺いますけれども、直接助成に該当するところはどことどこだと考えていらっしゃいますか。それから間接助成でも、後者の歳入に補助金を充当している場合、これはいまのお答えですとぐあいが悪いということなのでしょうけれども、それはどことどこなのでしょうか。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 従来都道府県が都道府県の方針に基づいてそれぞれにやっていたものを、私ども今年度初めて都道府県の課長から克明にその内容を聞いたわけでございます。聞いてみますと、名前は同じでありながら実態がいろいろ分かれていることに実は驚いて、まだ整理が十分でないわけでございまして、ある概念を立てて、その概念に該当する都道府県がこれとこれというにはまだ不正確なものもございます。しかし、私どもがいま理解しておる限りにおいて申し上げますと、学校法人が授業料を一定額減額する場合に、その学校法人に対して都道府県がお金を出すケースと、それから学資を負担する、いわゆる父母に対してお金を出す場合と二通りがございます。そうして前者の割合が圧倒的に多い。学校法人が授業料を一定額減免した場合に、当該学校法人に対してその減免額相当額のお金を渡すという県が二十二県、それから後の、父兄に対して直接お金を渡すという県が二県というようなことでございます。しかし県名を申しますと、またもう一回精査しますと動くかもしれませんので、およその見当として御理解いただくためにここでは数字だけ言わしていただきたいと思います。三月の県の課長から口頭で事情を聞いた結果がかようでございますが、今年度の補助金の配分に関することで、また各県ごとの事情に影響もございますので、不正確な県を申し上げては恐縮でございますから、いまのところその二十二と二という大まかな数字を申し上げて全国の動向の概念だけを御理解いただきたいと存じます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 それではもう一度はっきりお考えを確かめておきますが、直接父兄に現金を渡す場合はぐあいが悪い、それから法人に出された場合でも、歳入面に授業料収入分の足りない分を充当するという形で入れているようなところに対しては八十億配分のときの対象として考えないということでしょうか。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 この補助金の性質が経常費補助、お金がかかりますから補助金を下さい、こういったことで、歳出面に計上された経常費に対する補助ということでございます。歳入面に対する補助という言い方は本当は私はおかしいのだろうと思うのですけれども、あえて分けてみるとそういう説明があろうかと思うのです。結局しかし、それにいたしましてもこの二つは一緒になってしまいますので、経常費に対して補助をする、その結果が授業料の減免になるというだけの要素で考えますと、どっちから言っても同じことになるものですから、各県の課長におきましては、国のこういう補助金が始まった機会に、従来各県ごとにばらばら、まちまちであって、どうも国の補助金制度と事務的に合わない仕組みを今度の六月あるいは九月の県会において適当に是正をして、そうして通常に補助金がもらえるような形にしたいということで研究を進めておる県が多いこともまた事実でございます。それもまた御報告いたしまして、私の説明は正確を期そうとしてやや奇妙な説明になっているようにも思いますが、しかし正確に御理解いただきたいと思いまして、私流の概念規定をもって御説明したわけです。しかしこの二つは違っているようで本当は一つのことになし得ますので、一つのものにするように、各県の課長はいま工夫中であるということも申し添えておきたいと存じます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 高等学校の場合、経常費補助だけに限るというその考え方についてですが、私は大臣に伺いたいのですけれども、私学助成の考え方の中に、教育の機会均等という考え方はかなり大きな要素になっていると思います。いま高等学校の場合、すでに九〇%以上の進学率を超えておりまして、私立の高校へ入る家庭が豊かだから私立を選ぶという実情でもないわけですね。これはむしろ中学のときの成績で振り分けられているような面が非常に多いわけです。各県の父母の要望を聞きましても、いまの私学の負担が非常に多くて、そのために子供を学校に通わせるのが実に苦しいというのが大きな声になっております。実際受験の時期になりますと、公立へ行くつもりだったのに落ちて私立しか行けないからやめたとか、公立だけしか受けなくて、そのために落ちたら自殺をした子供が出てきたとか、いろいろな悲劇も生まれているわけです。  ここに大学私学教組の父母に対するアンケート調査がございます。二年生、三年生の父母ですが、いまの学費問題をどう考えているかということなんですけれども、まず第一に、あなたの御子弟を私学に入学させられた理由をお聞かせくださいといいますと、もう八五・八%までが公立に行かせたかったが行けなかったからと、こう言っているわけなんです。それでは学費についてどう思うかと聞きますと、公立との差があり過ぎるというのがもう九〇・七%、その他答えないのまで入れましたらもう一〇〇%に近いわけですね。じゃ、学費値上げによってあなたの家計に影響がありますか、耐えがたい負担であるというのが二四・九%で、これから非常に心配になってきたというのを入れますと九二%になっているのですね。しかも、学費支払いのために家族がどうやっているかということですと、共働ぎや内職をしているというのが三八・六%、子供がアルバイトしているというのもかなりあります。何にもしなくてやっていけるというのがたった一四・五%しかない。こういう実態になっているわけですね。  ですから、いま各地で、直接的にせよ間接的にせよ、授業料助成という形で都道府県がやっておりますのを父母は非常に歓迎しておりまして、ぜひそれをしてほしいということを言っているわけです。もちろん経常費の助成をすることによって教育内容を高めるという中身はあるわけですから、これはこれで必要なんですけれども、それだけでは間に合わないということなんですね。こういうことでの要望がいま非常に高まっていますとぎに、経常費だけに限って授業料助成の場合には計算に入れないという考え方ですね。さっきの法人の場合、いろいろやり方によって複雑な形になってはきますけれども、その考え方を今後ずっと続けていかれますのでしょうか。私は、かなり不合理ではないかというふうに思うのですが、いかがですか。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 今回八十億の経費は経常費補助金として計上された。したがって、経常費補助金という観念の中に入らない経費については補助の対象にならない、これは私どもの行政技術屋の意見としてはあたりまえなことだと思います。学費減免という措置について県が補助金を出すということでございますが、これも何か私ども行政の事務屋という見地から見ますと、奇妙な感じがするのですね。減免するにはお金がかからないじゃないか、かからないお金に対してどうして補助金を出すんだ。何かお金がかかるから補助金を出せというのはわかるのですけれども、減免するにはお金がかからない、かからないお金に、マイナスのお金に補助金を出せというような、何か予算の理屈がありそうで、さっきから変なことを申し上げているのですが、それにしても現実にやられていることは事実でございますし、その辺を県の課長と話をしてみますと、それならば同じことなんだから経常費の補助金とかえます、結果としては学費はその分だけ減免になるんです。何か考え方だけの整理であって、何も変わっていないような、しかし観念だけで議論すると二つがあるような気がいたしまして、私もまだ、ことしの補助金の配分の決定までには、その辺を自己流の言い方でなくてもう少しだれでもが共通に理解できるような言葉で説明できるようにならなければいけないと思っているのですが、非常に問題がございます。決して私ども、学費減免に対して違反だとか拒絶するとかいう気持ちを持っておるわけではないわけでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 父母の負担を減免するということですわね。大臣、どうお考えでしょうか。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 父母が私立の高等学校にお子さんを入れる場合に、いま非常に授業料が高いのでお困りになるということは、もう世間に広く知られていることで、われわれも十分にこの点を認識しております。また、その問題は教育の機会均等と関連して重要なことであるということも、私も全くそう思います。  そこで、父母のお立場から言いますと、授業料減免という姿でいまの教育機会均等とかそういう要求を満たしてほしいということになりましょうが、歳入と歳出というのはやはり関連しているわけですね。それで経常費に金がかかってそこは足りないということがやはり私学の経営の体質でありまして、それが高い授業料を招くという相互関連性があるわけでございますから、私たちとしては私学の質を高めると申しますが、それは決して父母の授業料の負担を考えないということではないと思います。要するに私学における歳出面の不安というものを幾分かでも政府として助成していくことによって間接的にいまのような先生御指摘の父母の要求にこたえていく、こういう形で今回の助成が行われ、またこれに踏み切ったものと私は考えております。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 自治省に伺いますが、自治省は一九六八年に授業料助成についての自治省見解というのを出しておられます。これは先ほどから私が幾度も言っています五月六日の地方行政委員会の中でも問題になりまして、ここで自治省の答弁で、実情に合わない面も出てきたから行政局で検討してもらうようにするというふうに言っておられますが、どのように検討されましたか。

石原信雄自治省財政局財政課長

○石原説明員 まだ検討結果の結論は出ておりません。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 それではお考えを伺いますけれども、この自治省見解というのが実は各地で授業料助成の運動、私学助成の運動をしていきますときにかなりぶつかる問題なんですね。ところが、この中身を見ますと、ずいぶん実情に合わないなと私も思いますけれども、こんなことが書いてあります。「一般に公立に入学せしめれば低廉な経費ですむところを私立学校独自の伝統、校風、教育方針等を慕い、好んで入学するのであって、これらの者は家計に余裕があり、敢えて多額の教育費の支出を予め承知している者であると考えられ、これらの者に対して補助金を交付することは公益上必要であるとは到底考えられない。」というようなことを言っているのですね。高等学校の場合でも同じであるが、「一方の公立学校の定員が少ないためやむを得ず入学する者があり、これらのものの教育費負担が公立学校等に比し過重であることは事実である。しかし、ともかくにも入学させ得る者についてはまだ余裕があるのであって、月千円の補助を受けても到底私立学校へ入学することができないため、進学をあきらめて就職する勤労青年との間の均衡は全く失なわれている」なんということが書いてあるのですね。これはずいぶん実態にも合いませんし、勤労青年との均衡というのではなくて、教育を受ける権利、学習権をいかに保障し、その機会を均等に与えていくかという立場から言うと、ずいぶんおかしな見解だと思いますが、現在の一九七五年の実態に合わせましてこの見解をどうお考えになりますか。

石原信雄自治省財政局財政課長

○石原説明員 四十三年二月の行政実例でございますが、これは愛知県からの問いに対して答えたものでありまして、その内容は公金の支出のあり方がいかにあるべきかという形で問われております。すなわち地方自治法二百三十二条の二におきましては、地方公共団体は公益上の必要性がある場合に補助金を出したりあるいは寄付金をしたりすることができるということになっております。その解釈として、公金の支出のあり方として、住民に一律的に公金を支出することが適当でないんではないかという考え方でその行政実例が出されたと理解しております。したがいましていわゆる授業料減免補助がどういう理由で——私学と公立学校とも進学者の実態はどういう関係にあるかというそういう実態関係というよりも、公金の支出のあり方として個人の家計費補助的な支出は適当でないんじゃないかという考え方が基礎になっているように思います。そういう意味で、公金の支出のあり方という点では、私はその考え方は現在も正しいんではないかと思います。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 公金の支出の面というふうにおっしゃいますけれども、それでは、私まだよくわからないのですが、授業料をたとえ直接補助している場合でも、それは父母の負担の軽減をはかるという立場で考えていくと、一体法人に対して補助する場合と直接補助する場合とどこが違うのかということですね。もちろん現金を渡しているとかいないとかという問題は出てまいります。それからさっきのお答えですと、今度の八十億の場合には経常費助成という名目になっているから経常費でないものには出さない。これは一応筋が通っておりますけれども、それでは、考え方として直接助成するのとしないのとどう違うのか、その辺はいかがですか、どうなんですか。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 直接というのは父母に対して直接補助金を出す、あるいは父母に対して結局は授業料を軽減するんだけれども、学校法人にお金を渡すことによって学校法人が授業料を減免するから間接的に父母が減免の効果を受けるということでございますが、先生おっしゃるように結果は同じことになる。しかしその方法は、おっしゃるようにまた直接と間接の違いがある。直接の場合は私ども事務屋の立場から言いますと、大変に膨大な事務量が必要だ。間接の場合は、何百人分、何千人分まとめて一カ所で処理ができるから財務の処理上は非常に簡単である、こんなことを言えるのではないかと思います。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 違いは事務量の問題だけだということですね。自治省の御見解とも、そうしますとちょっと違いますね。それから、さっき自治省は考えは変わっていない、見解は正しいとおっしゃいましたが、この間の地方行政委員会では実情に合わない面があるから検討するというお答えが出ているのですね。矛盾していますけれども、どうなっているんでしょうか。

石原信雄自治省財政局財政課長

○石原説明員 たしかその地方行政委員会での答弁では、行政局長からその後の実情など調べて、あの行政実例がそのままで正しいか、どうか、いま妥当するかどうかという点について調べて検討したいということで、あれがいけないというか直すというか、そういう意味でなしに、実態関係をよく調べて、現状においてあれが妥当するかどうかという点を検討するというふうにお答えをしたと聞いております。私もその行政局長と違うことを申し上げているわけではありませんが、公金支出のあり方という面では、私はいまの行政実例は正しいんではないかという私の見解を申し上げたわけであります。もちろんこの点については、行政局において検討の結果、役所としての方針が決まればその見解に従うつもりでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 それでは、早急に検討していただいて、また結果をぜひお知らせください。  それでは、時間がありませんからもう終わらせていただきますけれども、今度の八十億の授業料補助に関係する考え方については大体伺ってわかりました。どのようにやっていったらいいだろうかということも大体わかりました。それで、最後に、授業料補助以外に配分の基準として検討していらっしゃるのはどんなことでしょうか。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 八十億の配分につきましては、初年度のことでございますし、相当慎重に扱う必要があると私は思いました。というのは、県の方でまだ白紙であれば、国の方からいろいろな方針を示してやりやすいわけでございますが、県はすでに県独自の過去五年間の実績を持っております。それに八十億という、県が支出しているお金に比べればわりに少額のお金をもって国が何らかの措置を講じようとするわけで、相当慎重な取り扱いをしなければいけないと思いまして、三月の末に一週間ほどかけて、まず私どもは県の実態を十分知るということをやりました。配分につきましては六月の県会、それから九月の県会で、県がまたことしの八十億あるいは地方交付税の積算の基礎等を勘案しながら措置をいたしますので、そしてその措置をした結果について八十億が奨励、援助的な役割りを果たせばよろしいわけでございますので、まだ現在の時点においては配分の方針を決定的に決めておるわけではございません。新しい補助金であるので、政府で決定されました直後に県の私学担当課長を集めて、一つのたたき台、骨子案という名前をつけて出した案を基礎にしてみんなで討論した事実はございますけれども、まだ配分の方針を決めておるわけではないというのが現状でございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 高校以下の補助金、来年度はどうなさるおつもりですか。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 来年度は、文部省から八月の末に文部省の省議を経て大蔵省に概算要求書を出さなければいけないわけでございます。国会でも終わりました時期ごろから真剣に取り組まなければならないと考えておりますが、目下現在の法案を通していただくことに精いっぱいになっておりますので、まだそこまで考えておらないところでございます。

栗田翠日本共産党・革新共同

○栗田委員 では、これで終わります。

久保田円次自由民主党

○久保田委員長 山原委員より関連質疑の申し出がありますので、これを許します。山原健二郎君。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 一言だけ質問します。  栗田さんが残された問題です。それは附帯決議の問題ですね。長期給付の国の補助率百分の二十というのは、これは毎年私ども私学共済を審議するにあたって年中行事のような形で附帯決議がつけられているわけです。ところが先ほど大蔵省の説明を聞きますと、現行の年金体制ではそれはできない、とこういう言い方ですね。そうするとわれわれは何となく、きようもまさに採決が、高橋先生の質問のあとで行われようとしておる段階でまた附帯決議をつけようとしておる、迂遠なことを私たちはやっておるのかという疑問が生じてくるわけですね。そこで理事長にお伺いしたいのですが、この大蔵省の見解、大蔵省が言っておるところの均衡論、そういうものに対して理論的にそうではないんだ、私学の切実な要求はこうなんであると言うことができるのか、そういう決意があるのかということです。これが一つ。  そして同時に、そのことについては文部省にもお聞きしたいのですが、文部省はどういうふうにお受けとめになっておるか。国会の方で附帯決議を毎年つけられておるのだから、これは国会がおやりになることでやむを得ないというふうに考えておるのか。実際にこれは何年も何年もこんなことをやっているわけですから、どこかで突破しないと、委員会としても余りかっこうのいい話ではないと私は思うのです。もちろんその努力が続けられているとは思いますけれども、ここの隘路をどこで突破するかということは、もう考えられないといかぬと思うんですね。そういう点で文部省が、この委員会で附帯決議をつけられるのは御勝手でございますという受け取り方なのか、先ほど文化財保護法のとき、文部大臣はやむを得ないというお言葉をお使いになったわけですが、ちょっと私は気にかかっているのです。あのやむを得ないというのも、たとえば何も法律改正しなくもいいのに、この委員会が勝手にやってやむを得ないんだというお考えかあるいはこの程度の改正ではだめだ、もっと改正しなければならぬという積極的なやむを得ないというお言葉であったのか、これもあわせて伺っておきたいのです。どうでしょう。

加藤一雄私立学校教職員共済組合理事長

○加藤参考人 お答え申し上げます。  現在いろいろ調査をいたしておりますが、過去の四十八年では三百六十五億の保有財産に対する不安感が残っておりますし、その後、皆様のお力で年金の改定等が行われておりますので、それに基づきまして支払いをやりますと、われわれ後々のための安全性ということを考えますと、それを計算に持ってまいりますと、先ほど常務から申し上げましたように、かなり大きな金額を補助していかなければならぬ。こういうことで、その点の満足点を与えるためには、どうしても百分の二十を厚生年金並みにいただかなければ、その不安感を取り払われない、こういうのが現状でございます。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 私学共済の方で財源の事情の御説明があって、どうしても厚生年金並みにしてもらわなければやり切れないのだという御議論がございましたが、先ほど大蔵省の主計官から御説明がございましたように、厚生年金並みにというだけの議論をいたしますと、厚生年金と私学共済とはその内容が違いますので、横に並べて御議論をなさる大蔵省の議論の方に私は説得をされてしまうわけでございます。ですから、もう少し違った意味で、数理的な保険料率がいかになければならぬか、あるいは整理資源率がいかになければならぬか、したがって財源率がいかになければならぬか、その財源率が他の共済組合と比べてどうか、あるいは私学の共済のためにいかなる給付内容、保険給付、貸し付け事業あるいは長期、短期やっているか、そういうことを詳細に緻密に積み上げないと、簡単によそがいい比率だからうちもいい比率にしてくれというだけでは、うちとよそとの内容が違うという議論をされると、なかなかうまく議論を突破できないところもございます。全体の仕組み、構造とも関連いたしますので、非常にむずかしい問題をはらんでおりますが、補助率が高まることは、結局は、終局は私学の振興に役立ち、私学の先生方の福祉に役立つことでございますので、私どもとしては附帯決議の御趣旨を体しまして、従前以上に緻密な議論をし、引き上げることが行政の技術面においても十分了解を得られるよう、さらに一段と工夫、努力を重ねなければならない、かように考えております。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 文化財保護法案に関連してやむを得ないと申し上げましたことについて、私の考えを申し上げます。  文化財保護に関連いたしまして、今回の法案に盛り込まれた考え方以外にも、さらに理想的に行っていくというような考え方もいろいろあるということは考えております。ただ、この種の問題を実現していきます上には、財源等勘案しなければならない諸条件というものがありますので、国会の諸先生方がこの法案を作成なさって、そして御討議を進められていくというところまで、その積極性というものまで政府は積極性を持っておりませんでした。しかしながら、国会のきわめて重要なる御決定でございますから、それを尊重して私たちも御協力申し上げたい、こういう意味合いでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 この私学年金に対する附帯決議は、与野党一致して決定しているわけですね。隘路があれば、それを国会としても突破をしていくということが必要なんです。これは当然委員長としてもお考えいただくべきことだと思いますので、そういう意味で私発言しておりますが、答弁をいただきましたから、これでおきます。

久保田円次自由民主党

○久保田委員長 高橋繁君。

高橋繁公明党

○高橋(繁)委員 私は、いま私学共済に現実に起こっている問題を取り上げ、あるいは私学振興とあわせて若干質問をいたしたいと思います。  まず最初に、地方自治体が大変に財政的に窮迫を告げておる。そういうことで大学の組合の掛金を各都道府県が千分の八補助をしておる。この千分の八補助について切ろうとしておる、あるいは低額にしてほしいという都道府県があるやに聞いておりますが、そういうことを文部省は聞いておられますかどうか、この点についてまず最初にお聞きいたします。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 先生のおっしゃるようなお話をちらっと聞いたこともございますので、各県に照会をいたしまして、昭和四十八年度、昭和四十九年度、昭和五十年度の私学共済組合に対する都道府県の補助について実情を調べてみました。  四十八年度、四十九年度については過去の実績でございますので、四十八年度十五億、四十九年度二十一億という数字が明らかになっております。五十年度については未定あるいは未計上という県が五県ございます。四十二県についていま累計いたしますと二十五億でございます。この五県はわりと大きな県も入っておりますので、計上されますと恐らく二十六、七億円あるいは二十七、八億円になるのじゃないだろうかというような感じがいたしております。この大勢を見てみますと、ちょっと聞いたような心配はやや杞憂ではなかっただろうか。そう心配しなくてもいいのじゃないか。私学の共済組合からの要請額がほとんど聞き入れられておる。聞き入れられてないところは、不足額については補正予算で組むとかいったような話も聞いておりますので、耳にしたほどの心配はないのではなかろうかと考えておる次第でございます。

高橋繁公明党

○高橋(繁)委員 組合側の方は状況をどのように把握されておりますか。

加藤一雄私立学校教職員共済組合理事長

○加藤参考人 いまお話しのように、地方自治体の財源が非常に苦しいということで、いままではかなり順調に補助をもらっておりましたが、その補助は大体私学共済業務にという規定が三十五条にありますが、実際はそうでなくて、都道府県によりましては先生方の掛金に、そういうことが慣習となっております。根本は私学共済の業務にということになっておるので、われわれはそのことを中心にして請求をいたしておりますが、現在われわれの耳に入っておりますところは、まず東京が昨年かなり削られております。と申しますのは、自治体は、高等学校以下の教育については責任があるけれども、大学、短大等は国家がやるべきである、そういう負担はとてもいまの東京の財政ではやれないということで、大学の先生は七カ月分程度しか補助は回らない、こういう現状であります。その後いろいろ手を尽くしまして、各都会議員の先生方にもかなり努力していただいておりますが、どんな結果になるかまだわかりません。そのほかわれわれの耳に入っておりますのは、まだ決定とはまいっておりませんけれども、やや決定に近いのは岡山、福岡というところがありますし、あるいは宮城県でまだはっきりした結果が出ていないので、不安感をその土地の先生方は抱かれておるようでございます。

高橋繁公明党

○高橋(繁)委員 東京初め福岡その他四都道府県があるようでありますが、組合側は、組合員がそういう不安を抱いている、文部省の方は、そう心配ない、補正予算で組まれるであろう、このように踏まえておるようでありますが、実際こういう傾向が今後起きないとも限りませんし、果たして補正予算で組まれるかどうかということも危惧されるわけですが、そうなった場合に文部省としてはどういう今後の対策を考えておりますか。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 私立学校教職員共済組合法の第三十五条には、「国及び都道府県の補助」という規定がございまして、その第三項で、「都道府県は、当該都道府県の予算の範囲内において、組合の業務に要する経費について補助することができる。」という規定がございます。そして、都道府県は大学、高専を所管しないで、高等学校以下の私学を所管しております。したがいまして、地方財政がだんだん窮屈になってくると、従来はいろんな経緯で県内にある私立の大学、高専についても補助金を出していたものが、高校以下について補助金を出そうという傾向が出てくるのはやむを得ないところかと思います。しかし、それでは私学共済組合の運営上支障もございますので、附帯決議の御趣旨に沿いまして、国庫補助金が現在法律で百分の十八となっておりますが、これが百分の二十にされますよう積算の内容等を精査いたしまして、要求すべき理由を明瞭にして予算の増額に努めたい、かように存じております。

高橋繁公明党

○高橋(繁)委員 百分の十八を百分の二十にするのは、いま議論されたとおりでなかなかむずかしい問題です。ところが、大学の方はもう現実に四県なり五県がそういう掛金の補助を打ち切っているということを考えると、もういまの問題なんです。現実の問題なんです。ですから、そういう対策を百分の十八から百分の二十にした暁においてということではなくて、そういう緊急な対策を考えていくべきではないか、このように思うわけですよ。それ以上のお答えは出そうもないから強く要請をしておきますが、そのことが今度高校についても、地方自治体の財政の窮迫ということから、あるいは今回の八十億の補助ということから、あわせて高校に対する千分の八の補助も心配になってくる、このように私たちは考えるわけですが、その前に、いまも質問がありました今回の私学振興とあわせて高校に対する八十億の補助の問題ですが、配分基準が定まっていないということでいまもいろいろ問題になりましたが、都道府県のふるいにかけるわけでありますが、そのふるいにかける一定の限度のラインを一体どこに設定するかということが問題になってくると思う。配分基準は七月に決める、こう報道しておりますね。あなたもまたそうおっしゃっておりましたが、そうした一定の限度のラインをどこにおくかということが最大の焦点になろうと思う。その中で、地方交付税の単位費用を一応目安とする、これには変わりございませんか。大体それらを目安として今後の配分基準を決定するつもりなのかどうか。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 まだ決めておらないわけでございますから、先生こうじゃないかと言われましても、決めてないわけですから、答えられないというのが、私、何か一番正確な御答弁じゃないかと思います。  いま先生の御指摘は、試案をみんなで検討する場合に議論した、その過去の議論の一こまに出たことでございまして、新しい事実でございますので、わりにそれが皆さんに浸透しまして、あたかも文部省は決めておるかのようなつもりで反論がいろいろ出てくるわけでございますが、まだ決めていないわけでございます。

高橋繁公明党

○高橋(繁)委員 この配分の問題、そういうことを目安に考えているかということを聞いたのであって、まだその考えを持っていないということなんですか。あるいは最終的に七月になったら決めるというように言われておりますが、大体めどを六月末か七月のいつごろかということを聞いておきたいのです。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 おそくとも七月の末ごろまでにはことしの八十億の補助金の配分の最終的な文部省の態度を決定し、大臣の御決裁をいただかなければならぬと思っております。しかし、その中で物の考え方の要素として、地方交付税の単位費用と直接にコネクションをつけるという考え方は放棄しております。

高橋繁公明党

○高橋(繁)委員 そうすると、地方交付税の単位費用を一応目安とするということは考えていないということなんですか。ひとつ早急に基準を定めて発表をしていただきたいと思うのですが、そうすると、いま全然考えを持っていないということなんですか。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 一月に試案を出しましたところ、私どもの想像している以上に都道府県の実態は多種多様でございましたし、それからまた、私どもの発表いたしましたたたき台に対する反論も非常に強かったので、それらを総合的に勘案して、本当に私学振興のためになるような方策を考えなければならないということで、あれやこれや施策を考えておりますが、まだ決定的なものは何もございません。

高橋繁公明党

○高橋(繁)委員 もうきょうは五月末ですね。あと七月末まで二カ月の間でいろいろ自治省その他関係各省と連絡をとって決めると思うのですが、大体七月末間違いないですね。念を押しておきます。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 七月の末に配分の基本方針を確定するということは事務的な見通しを立てております。七月の末に補助金を配分し終わるというわけではございません。

高橋繁公明党

○高橋(繁)委員 そうした大学側と、先ほど千分の八の問題で関連しまして、高校のそうした千分の八の組合に対する補助という問題が、今後私学の高校以下に対する八十億の問題とあわせてこの掛金の問題がまたクローズアップされてくるような感じもしないわけでもないのですが、その辺の心配はありませんか。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 私学の経常費に対する八十億の補助金が計上されたことによって、都道府県が私学共済組合に対する補助金を減額するのではないだろうかというようなことも一部には言われましたけれども、最近都道府県の私学の担当課長から情報をとりました結果としては、私はそういう心配は持っておらないわけでございます。むしろ、この私学の問題がこれほど世間的に話題にされ、そして私学の重要性がそれぞれの関係の中で議論されることによって理解を深めた面があるのじゃないだろうかというような感じさえもいたします。ただ、それに対するマイナスの要因は、最近の地方財政の悪化状況でございまして、その中で各県ごとにそれぞれ私学の関係者あるいは私学の行政関係者が努力をしておるところでございます。

高橋繁公明党

○高橋(繁)委員 私はそういう心配がされるので、いまからそういう指導をあわせてやっていただきたいと思うのです。  私学の振興ということとあわせまして、一、二点、これは文部大臣にちょっと聞いておきたいのですが、過疎地における高校がいま大変危機にさらされておるということは、生徒数がだんだんなくなってきておる。それで、長野県あるいは青森県——一例を申し上げますと、青森県の場合、公立の収容数が本年度一万六千六百二十五名、ところが、全日制に進学した数が二万一千九十名、したがって、その残の四千四百六十五名というのが私学に収容しておるのです。実際は五千百四十名私学は収容可能数があるわけです。だから、すでにマイナスの六百七十五名。これがいまの青森県下の小学校からずっとやっていきますと、五十七年には私学に入る生徒は千百名しかない。そうしますと、すでに東洋大附属南部高校が五十年で廃校という憂き目にさらされておる。これは一つの青森県の例でありますが、岩手県もそういう例があります。長野県もしかり。しかも現在、東洋大の附属南部高校は生徒数が七十一名。本当は三百四十九名収容できるのです。それで、先生方の給料も、あるところによっては、四月、三万五千円しかもらってない。五月もそのとおり。こういう中で、私学の危機が叫ばれ、こうした過疎地における高校というものは廃校並びに授業停止というようなかっこうになってくる。こういうことを考えますと、特にそういう過疎地帯は、通学の距離等からいって、なかなか他の高校へ通うということも困難であるし、そういう点で、過疎地における私立高校というものは大変な危機にさらされておる。しかも、子供を守る、教育を守る先生方の熱意で、大変な苦労をなされて、現在、経営をしておるようでありますが、そうした過疎地における高校の問題を今後どうするかというようなことについて、関連をして大臣の御意見をお聞きいたしたいと思います。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 人口減少のある県で、公立と私立の高等学校があって、そしてこれは仮定でございますが、公立学校の方が教育内容がよくて授業料が安くて、私立学校の方が授業料が高くて教育内容が低い、そういう事情があって、高校に就学する子弟がだんだん減少していくならば、私学は端っこの方からぽろぽろ落ちていくというのは、これはやむを得ないところだと思います。したがいまして、そうでない条件をつくるために、私学の方で、本当に私学の独自の学風をつくって、魅力のある私学にされていくということは、私学自体の努力でございます。また、私学の経常費助成を公共団体あるいは国という関係で行いまして、そして私学と公立学校の教育条件の格差是正に努力することは、私ども行政当局の仕事でございます。その私学側における努力と行政当局における努力、その積み重ねをやることによって私学の振興を図っていきたい、さようなことで経常費の補助金の増額等にも努めておるつもりでございます。

高橋繁公明党

○高橋(繁)委員 努めておるつもりですが、私学高校以下に対する補助は、本年度初めて八十億ということでしょう。それよりも、こういった過疎地における高校をどうして救っていくかということが現実の問題であると思うのですね。本当に困っておるその過疎における高校をどうするかということ、これは私学の経営の方も努力しなければならないといまおっしゃったが、確かに授業料に格差があって、そういう授業料の高いところは、教育はりっぱにされておるけれども来ないというのが現状なんです。そういう私学を救っていくために、今後、そういう高校のあるところは、ただ廃校になるのを待っているのか、あるいはそれ以外に行政当局がいかにしてこれを救っていくかということなんだけれども、具体的にはどういうふうに考えていますか、過疎地における高校を救うために。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 私の先ほどの説明が一般論に過ぎて、過疎地域に対する特殊な事情の配慮の答弁ではなかったので、その点に関する御質問だと理解いたします。  その問題につきまして、種々の要素があろうかと思います。極論ですけれども、公立、私立を通じて高等学校の収容定員があって、県内の該当児がその定員以下になった、そういう場合は、公立であれ私立であれどこか廃校になるのは仕方のないことでございます。そういう極限にならない状態におきましては、やはり子弟の高校進学の希望をかなえるためにへ公立、私立を通じて、行政側でも学校側でも努力をするのが当然でございます。その場合の行政当局の努力の仕方としては、第一次的には、その過疎圏を持っておる都道府県からの学校法人への補助金の問題であり、その補助金を多く支出していただけるように国が調整的な役割りを国庫補助金でもってやるというような仕組みになっていくのが、筋道といいますか、普通のやり方ではないかと考えます。

高橋繁公明党

○高橋(繁)委員 行政的にはそう指導をされるが、大臣はその問題についてどのようにお考えですか。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 私の考えは、これは人口過密のところであれあるいは過疎地であれ、高校に進学したいという希望を持っておられる人たちの学習要求というものが満たされるようにすることが、最も望ましいことであると考えております。ただ、それがたとえば過疎地の場合、先生御指摘のように、非常にむずかしい問題を生じてまいるでありましょうから、そのような条件を持っておりますところについては、どのように問題を解決していくかということについては、御指摘の問題が過疎地における私立であるというときには、もうこれに対応する主体というものは三つあると思います。一つは、私立学校自体である、もう一つは地方自治体である、さらに国であると思いますが、この三者の関係というものをどのように調整して、そうして基本的には子供たちの要求にこたえていくかというふうにしていかなければならない。それで、これは学校だけで解決できるということであれば望ましいのでありますが、そうでないような事態でございますから、私は、そういうものが生じてきますときには、また事実きておりますが、これは地方自治体と国とがその当該の学校との関係をどうすべきか、特に財政的な側面について考えて、要求にこたえていくべきであると考えております。

高橋繁公明党

○高橋(繁)委員 参考人がいらっしゃっておりますので、次に問題を進めさしていただきますが、理事長が四十九年、六十億ですかで福祉施設をつくっていこうというように計画を立てられておったようであります。しかしながら、総需要抑制でできなかった。組合員は、そうした福祉施設の充実を大変要望していらっしゃる。それで、今後の見通しについて、本年度どのようにお考えになっておりますか。

加藤一雄私立学校教職員共済組合理事長

○加藤参考人 昨年は、いまお話しのように、総需要抑制ということで抑えられてきましたが、本年は、大変文部省等の御尽力によりまして、大体こちらで考えた事業は行われるという見通しを持っております。  まず、いま考えて着手しておりますのは、福岡市に九州会館と申しますか、そういう私学のよりどころを一つつくって、私学の研修あるいはお互いの連絡の場所、さらには私学人として地方視察の場合の利用の宿場、そういうものを兼ねた会館をつくりたいと思っております。それから関東の那須に、もう前から土地を持っておりましたので、その那須に、関東は非常に先生方も多いものですから、いわゆる保養の地として保養所をつくりたい、かように考えております。さらに若い人方が非常に利用されております志賀高原に、この場所が狭うございますので増築をいたしたい、かように考えております。なおまだ将来のことでございますけれども、大阪もやはり東京都と相呼応した会館をつくっていきたい、こういうことで敷地をようやく購入したような状況でございます。  そういうことで大体今年度の仕事は順調にいけるのではないか、かように考えております。

高橋繁公明党

○高橋(繁)委員 宿泊施設を本年度若干つくるようでありますが、これはもう大変な、私が申し上げるまでもなく利用者が多い。しかも、沖縄から来ても、急に出張してこられても泊まることができない。たとえば湯河原なんか行きますと、もう土曜、日曜は一カ月か二カ月前に申し込まないと泊まれない。夏休みはもうとっくに、今月末で締め切りですね。京都などはもう五月一日で完了というようなことで、大変に施設不足がある。いま公立学校共済、これは組合員の数が若干違いまして九十二万と二十四万ですけれども、宿泊所を六十九持っているわけですね。ところが私学共済は七つです。人数にすれば約四分の一ですか。ところが保養所は公立学校共済が十に対して私学共済は六、会館は二十五に対して三です。病院は八に対して一つ。まあ組合員の数も違いますけれども、それにしても率からいきますとまだまだかなり足りない。組合員の利用という強い要求から考えると、かなりの不足を感ずるわけですが、そうした将来のやはり福祉事業計画の年次計画なりあるいは何年計画なりというものをお立てになって進めなくてはならない。そのことが福祉事業を推進することになり、福祉施設ができるということになって組合員の福祉の向上につながる。だから、そういう計画を立てていまおやりになっているのか、そういう計画がおありなのか、その辺についてお聞きをしておきたい。

三浦勇助私立学校教職員共済組合常務理事

○三浦参考人 先ほどもお答え申し上げましたように、私学共済福祉事業の当面の目標は、公立学校教員のそれとの比較において見劣りのしないような施設を持つことである、こう申し述べました。先生からただいま御指摘のように、公立共済に比べますといかにもこれは貧弱でございます。したがいまして、私どもの方といたしましては運営審議会の中に福祉小委員会を設けまして、そして組合員全体の意向を、アンケートを行いましたが、その意向を踏まえまして十年計画を立てております。ただいま理事長から申し述べましたこともその十年計画の一環として取り上げて予算的に措置されたものでございまして、今後ともまたその線に沿うて努力いたしたいと思います。  なお、機会がございませんので申し上げたいと存じまするけれども、私学共済の立場というもの、この財政的な背景というものは、公立学校と全然違うのでございます。公立学校はいわば親方日の丸でございまして、公共団体の財政負担力それ自体が財政的な背景でございます。私学共済は、薄給な保母さんの掛金までを踏まえて、とにかく年々積み立てていかなければどうにも財政的な安定性を確保することができないということでございます。したがいまして、教育行政の枠内での共済団体というものの横並びということでございますれば、公立共済の横並びというような形で予算措置も配慮していただきたいというのがわれわれの本音でございます。どうぞよろしく。

高橋繁公明党

○高橋(繁)委員 そうした福祉施設の充実について、まあ十年計画でおやりになっておる、いま参考人からお話があったとおりでありますが、私学共済の特殊的な問題についてそうした福祉施設についても格段の政府の補助を得たい、こういうふうに考えておるようでありますが、それについて文部省の考えをお聞きいたしたい。

今村武俊文部省管理局長

○今村(武)政府委員 私学共済の側からは私学共済の側に立った一つのスタンドポイントでいま御披瀝になったような意見が出るわけでございましょうが、共済組合という考え方で見ますと、地方公共団体も国も、使用者としての地方公共団体あるいは使用者としての学校法人という意味では同じような立場に立って共済組合をつくっておるわけでございます。私学の方が全くお金がなくて、一方の方が全く親方日の丸でというような理解で御発言があったとすれば、その発言はその部分において間違っておると思います。  ただ、御指摘のように組合員の数が違いますので、長期の積立金の金額が、そのボリュームが違うわけでございます。公立共済の方がそういう意味では比較的に有利な資金の運営がやられておる、その点で私学の側が見劣りをしておる、そういう理論ならばまさにそのとおりでございまして、そういう関係において私学共済の方でいま年次計画を立てて、小委員会をつくって御討議のことは結構なことだと思います。その御討議の成果を見ながら積極的な措置を考えていきたい、かように考えております。

高橋繁公明党

○高橋(繁)委員 先ほどもお話がありましたように、これについては附帯決議が毎回ついておりますので、その実現に向かって文部当局の努力を強く要請して、質問を終わります。

久保田円次自由民主党

○久保田委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

久保田円次自由民主党

○久保田委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改正に関する法律等の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。

久保田円次自由民主党

○久保田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。     —————————————

久保田円次自由民主党

○久保田委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、三塚博君外四名より、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の五党共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  この際、提出者より趣旨の説明を求めます。三塚博君。

三塚博自由民主党

○三塚委員 私は、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の五党を代表して、ただいまの法律案に対し、附帯決議を付すべしとの動議を提出いたします。  まず、案文を朗読いたします。     昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   私立学校教育の重要性と私立学校教職員共済組合の実情にかんがみ、政府は左記の事項について検討し、すみやかにその実現を図るべきである。  一 長期給付に要する費用に対する国の補助率を百分の二十以上に引き上げるよう努めること。  二 年金額改定のいわゆる自動スライド制については、給与スライドの導入を検討すること。  三 短期給付に要する費用について国庫補助の措置を講ずること。  四 組合員に対する福祉事業の充実を図るため、福祉施設の整備拡充に努めること。   右決議する。 以上でございます。  その趣旨につきましては、本案の審査に際し十分御承知のことと存じますので、案文の朗読をもって趣旨説明にかえさせていただきます。  何とぞ御賛同くださいますようお願いを申し上げます。

久保田円次自由民主党

○久保田委員長 これにて趣旨の説明は終了いたしました。  これより採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

久保田円次自由民主党

○久保田委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。  この際、本附帯決議に対し政府の所見を求めます。永井文部大臣。

永井道雄文部大臣

○永井国務大臣 ただいま御決議がありました事項につきましては、御趣旨に沿って十分検討いたしたいと存じております。     —————————————

久保田円次自由民主党

○久保田委員長 なお、ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

久保田円次自由民主党

○久保田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     —————————————

久保田円次自由民主党

○久保田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後二時三十一分散会      ————◇—————

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