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75回国会衆議院1975/07/01

物価問題等に関する特別委員会 第20号

発言数
136
登壇者
13
会派数
3
開催日
1975/07/01

会議録

横山利秋日本社会党

○横山委員長 これより会議を開きます。  物価問題等に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松浦利尚君。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 きょうは、主として物価指数の問題について政府の御見解を承っておきたいというふうに考えております。  御承知のように、昭和四十五年に物価指数の改定をして、今日、消費者物価指数は政府の経済指標の一応の重要な部分を占めるようになってきておるわけですけれども、どうも政府が言う数字と、国民が理解をする物価上昇というものの実感とのずれがある。そのずれが一体どこにあるのかということについて、政府当局もいろいろと研究をしておられると思うのでありますが、われわれ自身も、先般の日本学術会議会長の政府に対する物価指数改善のための申し入れ、あるいは消費者団体等といろいろと議論をしてまいりましたが、いろいろな意味で、この際、国民の声が物価指数の中に反映されるようにすべきではないかというふうに考えます。したがって、時間もありませんが、幾つかの問題点について指摘をして、政府の御見解を承りたいというふうに思います。  くどくどとは申し上げませんが、一つの問題は、家計調査の収支項目分類、これが若干国民の生活実態に合っておらない、そのことが実は指摘をされておるわけです。  たとえば、どういうことかといいますと、いまの家計簿からくる統計調査によりますと、教育費なら教育費というものをとる場合に、これは八千世帯の無差別抽出でありますから、一つは、支出の中に教育費が含まれておらない。子供さんがおらぬところは教育費はゼロなのでありますが、そのゼロのところまで平均化されておる。ですから、逆に言うと、ゼロが多ければ多いほど教育費の支出というのは下がってくるわけですから、そういう実態にそぐわない、家計の教育費はゼロだ、そういうものまでが、ミックスされておる。これは統計上のやむを得ないことだと思うのですが、一つの例でありますが、その点が若干疑問点として出されておる。  そしてもう一つは、教育費というのは主として授業料だけが統計上あらわれてくるようなシステムになっていますね。ところが、教育費というのは授業料だけではなくて、教科書もあれば参考書もある。ところが、教科書とか参考書というのは、教育娯楽費というところに計上される。あるいは通学定期券というのは交通費の中に計上される。ですから、総理府が発表した、たとえば教育費なら教育費というものの支出に対して、実感と非常に合わない。  そういう意味で、この際、この改定期を軸にして、家計調査の支出項目分類をもっと国民の生活実態に合うような分類方法に変える方法はないのか。要するに、調査を頼んでおる国民の側に、もう少し家計簿のそういったやり方を変えて、調査のやり方を変えて協力をいただく方法をとるようなこと、こういう方法は考えられないだろうか、その点はどうですか。

川村皓章総理府統計局長

○川村政府委員 お答えをいたします。  ただいま先生は、物価指数の教育費の観点で、教育費というものが授業料だけであるから、仮に通学定期であるとか文房具であるとかいうものを合わせれば、むしろ教育費というものは見やすいじゃないか、こういう御質問であろうと思います。この点は、物価指数でいいまして、現在は主として品目分類になっておりますものを、いわば目的分類に再編成してみたらどうかということに一般的にはなろうかと思います。  ただ、具体的に実際に例をとりました場合に、たとえば鉛筆を例にとらしていただきますが、鉛筆にしても、実際に学童が使っている鉛筆と、あるいは家庭用で使っている鉛筆というものを分けて調査することが、実はその場合には必要になってまいります。そのようなことが、実際にはなかなか実査に当たってむずかしいという問題もございまして、そういう意味では、その目的分類というのは言うてみればよろしいのでございますが、実際上の問題としては非常に困難な側面がございます。そういう意味で、目的分類にはおのずから限界があるというふうにおとりを願いたいと思います。  その点で、どちらかといいますと、五年ごとに実施しております全国消費実態調査では、参考分類としてもかなり広い範囲によって教育関係の集計を行っておりますので、家計支出という面で見る上では、これを利用することが考えられると思います。  以上でございます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 いま言われたように、品目分類になっておることは事実ですね。しかし、いま私は教育の例を一つとったのですが、鉛筆の支出でやはりウエートの高いのは、子供さんの教育だと思うのです。家庭で消費するものよりも、教育で消費する部分がウエートが高い。ですから、そういった意味では、政府が発表する統計指数の中で、逆に言うと、教育というものが非常に支出が少ないわけですね。ところが実態に合わないのです。だから、そういう意味のギャップをなくすためには、やはりそういった目的分類という方向をある程度考えることも、私は一つの方法だと思うのですよ。  それはなぜかと言うと、物価指数というのが、いままでのように、ただ単なるいいかげんなものとして受け取られておらない。三木内閣になりまして、一五%以下だ、九・九%だ、あるいは預金金利以下だということを盛んに言われるものだから、自然に国民全体の目が、この消費者物価指数というものに向いてきたのですね。そのことはよかったと思う。しかし、そのことはよかったけれども、実感と合わない原因がそこにあるわけだから、私は、やはりそういう点は改善をしてもらい賢いうふうに思いますね。  それからもう一つの例だけれども、さらに土地や住宅の購入、建築費が、これは四十五年のときにも私は質問したのですが、財産購入であるということで除外をされておるのですね。ところが、土地とか、あるいは住宅とか、あるいは建築費というのは、全部本人が居住するために必要な経費なんですね。地価の異常高騰とか、あるいは住居購入費の暴騰、あるいは建築費の高騰というのがあるわけでありますから、こういうのがやはり指数の中に組み入れられておらぬというのは不合理だというふうに思います。  たとえば、住宅ローンを毎月毎月返済しておる人は、住宅ローンが非常に高いにもかかわらず、これは計上されておらない、しかも家賃支出としても計上されておらない。結局、その類似的な建物の家賃に帰属させておるだけだ。だから、実態に合わないわけですよ。本当は住宅ローンでたくさん払っておるのだけれもど、それはあくまでも類似の借家の家賃に帰属して平均化されていく。実態に合わない。だから、私たちが指摘をしたいのは、持ち家政策を政府が唱えておる、そういったことを考えていけば、この際、毎月のローンの返済とかそういうのは、そのままやはり計上していくべきじゃないか。  四十五年のときの議論でもそうだったのですが、そうすると、建築が非常に複雑だ、その建築単価は非常に高いのもあれば安いのもある、非常に複雑だから、なかなか統計としてはむずかしいのだ、そういう質的なアンバラがあるからという。しかし、少なくとも家計の支出なんだから、正しく物価指数に反映させる意味では、そういったものもこの数字の中にあらわれるようにすべきではないかというふうに思うのですが、その点どうですか。そういう点についても的確に答えてください。

川村皓章総理府統計局長

○川村政府委員 お答えをいたします。  最初に、先生が冒頭で申されました教育費の問題についてちょっと触れておきますが、目的分類ということで、ウエートの面は、確かに目的分類をとることによると教育費のウエートは実は高まると思いますけれども、実はウェートが高まるということと、物価指数が高いか低いかということはまた別問題でございまして、現実に最近の動きを先生御承知だと思いますが、むしろ教育費に比べて、文房具であるとか、あるいは通学定期の上昇率というのは、指数上も低くなっておりますので、仮にそういうかっこうで教育費というのを観念的に考えた場合においても、物価指数の中自体におけるウエートは確かに高くなりますけれども、必ずしもその上昇率が高いというような問題はございませんので、これは念のためそのように申し上げておきたいと思っております。  次に、地価なりあるいは家屋の新築、購入費の問題でございますけれども、まず持ち家につきまして、その住宅費用の消費者物価への編入につきましては、去る昭和四十六年だと思いますが、物価安定政策会議の御提言もございまして、四十五年の指数の基準時改定を機会に、理論的及び実際的な側面から検討いたしました結果、帰属家賃方式によりましてこれを含めた指数を作成していることは、先生すでに御存じであると思います。  帰属家賃方式というのは、持ち家につきましても、その住宅から得られるサービスをいわば消費しているという観点に立ちまして、そのサービスに見合う対価を消費支出とみなしまして、家賃を自分自身に支払ったと仮定してその費用を含める方式でございます。また、土地の方は、消費財とは見られておりませんので、その購入費は指数に含めていませんが、借地についての地代はウエートに含めているということで、地価の動向は間接的に家賃指数に反映させることになっておることは、すでに先生も御存じであろうと思います。  そこで、最後に住宅ローンの返済の問題が出たわけでございますが、住宅ローンの返済の場合に、家計支出の分類上はこれを消費支出とはいたしておりませんけれども、消費者物価指数の計算上は、この帰属家賃を含む総合指数に含まれるという考え方をとっておるわけでございます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 そのことはわかっておるのですよ。ただ、そのことはわかっておるのだが、直接支出したものがそのまま統計数字にあらわれるようにしたらどうかと、こう言うのですよ。直接支出しておるわけだから、その直接支出したものを統計上の数字に入れていったらどうかと、こう言うのですよ。いまあなたが言っていることはわかるのです、統計学上はね。

川村皓章総理府統計局長

○川村政府委員 お答えいたします。  いま先生が、直接支出したものは、性格を問わず、出したという実感に基づいて何か指数をつくったらどうかと、恐らくそういう御提言だと思いますが、この辺の問題は、実は十分検討すべき問題だと思いますが、どちらかと言うと、現在の指数の性格からまた別のものというふうに考えて処置するのが適当じゃなかろうかと、いまのところは考えておるわけでございます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 どうもそういう御答弁をいただくと、極端に言うと、政府自身がためにする指数であって、物価指数なんというのは、国民にとっては何のプラスにもならぬ。政府が、副総理が、要するに一つの政策目標として、物価は九・九に抑えるように努力しますよというための目標であって、消費者にとっては無縁のものだ、全然そんなものは関係ないじゃないかという実感だけが残るということに私はなってくると思うのですよ。そういう考え方であるなら、私はそれでまたいいと思うのです。国民が、そんな政府の発表なんか信用しなければいいんだというふうになればいいわけだから。しかし、そうではいけないと思うから、私はいま問題にしておる点を若干言っておるのです。  いまいろいろな問題点だけ指摘をして御返事をいただきたいのですが、要するに、一般的に統計局では、大体モデルチェンジした際には製品というのは値上げが同時に行われるのですね、ところが、その品質向上分は値上がりの中から差し引くということで、変更上の値上がり分は指数に反映させない方法をとっているのですね。  この学術会議の報告によると、何かリンク法とかなんとかややこしい表現を使っているのですが、私は統計に余り詳しくないから、詳しいことはわかりませんが、要するに、モデルチェンジ等が行われた場合に、その価格指数と公表指数が必ずしも一致をしない、そしてそのことがあたりまえだというふうに現実的にはなっているのですね。  要するに、品質向上分は値上がりの中から差し引くわけだから、実際にかかってきた値上がり分の指数というものは、単品をとった場合は、統計から発表された公表指数には数字的には一致してこない。だから、私は、こういうものはそのまま指数化するのが当然じゃないかという気がするのですがね。その点は、局長、どうなんですか。

川村皓章総理府統計局長

○川村政府委員 先生十分御存じのように、私どもの物価指数に取り上げておりますいろいろな品物を調べる際の調査銘柄というものは、原則として二つの立場を持っております。一つは、市場価格というものを十分代表している品物であるということ、それから、ある程度長期間にわたって調査が可能であるという観点から、実は指定をいたしております。  そこで、個々の調査銘柄については、絶えずその出回り状況を私どもは見ておりまして、銘柄によりましては、価格の代表性が薄らいだり、あるいは新製品に取ってかわるというようなことが起こる場合に、いわば適切なものに変更するということになるわけでございます。  この際の価格の接続の問題でございますが、先生がちょっとおっしゃいましたいわゆるリンク法だけで処理しているわけでは決してございませんで、実質的な値上げと見られるものは値上げとしての処置を実はいたしております。しかし、明らかに品質に差があって、値上げとして処理することがむしろ適当でないものは、その分を調整しているということが原則でございます。  その点ではむしろそのままつなぐと申しますか、たとえば一つだけ最近の例を申し上げておきますが、たまたま適切かどうかわかりません炉、ギターという楽器がございます。これは従来ヤマハのGの八〇Aというものを調べておったわけでございます。これが製造中止になりまして、ヤマハのGの一二〇というのにかわりました。これは実際五〇%の値上げでございます。この場合には、五〇%の値上げのままつないでおりますので、むしろ先生の御指摘とは異なるのじゃなかろうかと思っております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 モデルチェンジというのは、この委員会でも再三にわたって議論されているのですよ、電気製品や何かにつきましてはね。要するに、価格を値上げしたい場合には、必ずモデルチェンジという形をとるのですよ。だから、品質の向上というよりも、むしろモデルチェンジによる値上げということの方が、この委員会でもたびたび指摘しているのですが、考えかたとしては正しいのですよ。率直に言って、品質向上分というのは余りないのですよ、取っ手が一つモデルが変わったから高くなるというだけのことで。  だから、そういった意味から言うなら、もう少し実感に合ったように、支出したらそのまま指数にあらわれるようにしていかなければ、国民というのは、やはり実感として、何だこの指数はおかしいじゃないかということになってくるだろうと私は思うのです。ここにやはり問題点があるのです。これは学術会議の学者先生の指摘していることなんです。消費者ももちろん指摘をしていることでしょう、後で総括的にまたいろいろ聞きますが。  さらに問題点として申し上げておきたいのは、非消費支出、税金、社会保障関係費、こういったものがいま非常に高くなってきておるのですね。現実に所得減税というのが行われておりませんね。だから、所得減税というのが行われておる、あるいは物価調整減税というのが実態に合うように行われておれば、これは別だけれども、実質負担分というのは上昇してきておるのですね。だから、そういう非消費支出――対価がないわけですね。対価と言えば対価はあるのだろうけれども、実際的に政府が行うことだから、その対価がどういうものかということは漠然としてわからない。しかし、支出負担というのはふえてきておるわけで、そういうものもウエートがかなり高くなってきておるのだから、こういったものも何らかの形で指数としてあらわされるような方法というもののはこの際考えていくべきじゃないか。非消費支出部門について、家計の中における負担というのはどれだけふえてきておるのかですね。だから、これは物価指数の中に入れてしまうという方法もあるだろうし、対価のないものを入れるということについて統計学上問題があるとすれば、別の角度で、別個にそういうものもやはり統計資料の中にあらわしていくことが必要じゃないかというふうに思うのですが、この点はどうですか。

川村皓章総理府統計局長

○川村政府委員 お答えをいたします。  先生御指摘のように、現行の家計支出の分類体系の上では、社会保障費なりあるいは税金などは、いわば非消費支出になっております。したがって、いまの消費者物価指数は、むしろ消費支出の動きというものを的確に表現したいというねらいである以上、これに入れてしまうとごっちゃになってしまうという問題も多少ありまして、先生も別に考えたらということもおっしゃっておられますが、どちらかというと、消費者物価指数に含めて考えるよりは、むしろ別の扱いとして何らかの形で検討していくべき問題であろうと思います。  その理由は、社会保障費や税金というものは、ある一定のものを払って、それが還元されるサービスを考えますと、実は直接家計支出とは結びつかないというような問題もございますし、さらに、支出に対する価格をどの段階でとらえるかというような問題もございますし、そういう概念上の問題や実際計算上の問題などを、理論的なあるいは技術的な両面から検討してみることがむしろ必要ではなかろうかと思います。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 検討するということですから、これもまた後で、改めて総括的に政府のお考え方を聞かしていただきたいと思うのです。  それから、これはこの前の東京都の発表なんですが、要するに、いま小売価格の調査は大変御苦労なさっておるようですが、この小売価格の調査は、小売りの売り手側だけの価格の調査をしておる。ところが、東京都の方で買い手側の調査をしてみたら、誤差が生じた。売り手が一〇〇に対して一一八、一八の誤差が生じておる。ですから、私は非常にむずかしいということはわかるのですが、実際の取引価格というものに限定すべきじゃないか。  だから、そういうことを考えると小売価格については、売り手だけじゃなくて買い手側の調査というものもやはりやってみる必要があるのじゃないか。非常にめんどうだと思うけれども、統計専門家だし、やろうと思えばできることなんですよ。そういう点について、まず局長の御意見を聞かしていただきたい。

川村皓章総理府統計局長

○川村政府委員 先生が御指摘になりました売り手と買い手を調べるという、たまたま東京都の例をお引きになりましたので、その辺からお答え申し上ますが、恐らく東京都の両方を調べたという調査は、末端卸売価格等調査のことではなかろうかと思います。そうしますと、卸売価格場合には、一般に売り手は卸売店になりますし、買い手は実は小売店になるわけで、ここは一般的に取引の場合に価格が明示されないというのが大体通常でございます。  ところが、先ほどの御質問は小売物価調査の問題でございますから、私どもの場合にはいわば小売店における売り手と買い手という問題になりますから、売り手は小売店でございますし、買い手は実は消費者ということになります。この場合には大体価格が明示されているという方が一般的でございますので、その辺は事情が多少違うのじゃなかろうかという前提をまず最初に申し上げておきたいと思います。  それから、しからばそれでは小売調査の場合にも、売り手調査だけじゃなくて、買い手調査、すなわち消費者側からの調べが実際やってできないことないじゃないか、こういう御意見でございます。事実、やってできない問題ではございませんが、実際に小売店が、価格を表示しているものを場合によっては値引きしたり、場合によっては何か乗せたり、やみ価格の場合なんかそういうふうにやったと思いますが、そういうことが非常に多いという場合には、ある意味で消費者の方の幾らで買ったかという調べをやっておく必要があると思います。消費者を実際に調べる問題になりますと、実は毎日毎日調べるわけにはまいりませんので、ある期間まとめて調べなければならぬ。そうすると消費者の記憶に頼ってくるという問題、それから、買った品物の銘柄がばらばらになってしまいまして、かえってそういう実際上の問題も起こしますので、やみ価格みたいなものとか値引きみたいなものが非常に多いというときには、それだけ無理して、ある意味で消費者の側のいわば買った値段を調査する必要がございますが、毎月毎月小売りを調べていくという意味では、実際的に、かつ的確につかみやすいという観点から、現在の方法が一番妥当であるというふうに考えているわけでございます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 やはり売り手側の一方的な聞き取り調査では、私は把握できないと思うのですよ。一遍、買い手側の調査もやってみたらいいと思うのですね。一方的な売り手側の聞き取り調査だけではわからないと思うのですよ。だから、そういう努力をしていかなければ、私は一般消費者と物価指数というものがますます無縁なものになっていくような気がしてならないのです。  しかも、そういう数字が出されておる内容については非公開でしょう。資料について公開できないわけでしょう、平均した結果について公表するだけで。どこのお店でどういうものを聞き取りしたのか、その価格はどうなのかということについては、統計の法律上、一切非公開が原則ですね。だから、逆に言うと、消費者というのは疎外されているわけです。どこでそんなものを調べたのですかと聞いたって、いや、それは守秘義務で発表できませんでおしまい。だから、あなたの言うようなことであれば、法律を改正して、公開を原則とすべきなんだ。私は、いま消費者が問題にしていることを一つ一つ指摘して、あなたから答えを引き出しておるわけですよ。ただ技術的にいま聞いておるだけですからね。  それで、もう一つお尋ねしておきたいのは、いま全体をしぼって四百八十品目でしたね。だから、逆に言うと、その中で生活必需物資というものは限定されておると思うのですね。あの政府が発表する指数の中で、生活必需物資の動きについてはこれだけ上昇しましたよということで、一つの枠の中で生活必需物資の上がり下がりというものも統計数字としてあわせて発表してやるという方向はとれないのですか。そのためには生活必需物資というのはこういうものだということをひとつ前提にする必要がある。そういう統計の方法、分類はないかということが一つ。  それからもう一つは、八千世帯の調査ですから、その中には金持ちもおれば、いろいろな階層の人がおりますね。昭和四十五年から五分位に分けての統計発表というものが出されておることは事実です。しかし、それはウエートの置きかえだけをやっておるのですからね。できれば、階層別分類といいますか、年金受給者、あるいは生活保護世帯、こういったものを階層別に分けて統計数字を出すお考えはないのか。この二点をひとつお答えいただきたいと思うのです。あなたの答えを聞いてから、副総理にお尋ねします。

川村皓章総理府統計局長

○川村政府委員 まず、生活必需品の部分指数をつくったらどうかという御質問にお答えをいたしていきますと、現在の消費者物価指数は、あくまで家計の消費支出全体を対象として、その品目とウエートは基準年における家計調査の結果から、原則として家計支出の上で割合が一万分の一以上の商品やサービスを選定して、客観的に決めておるということが、まず全体としてございます。  その中で、生活必需品だけを部分指数としてつくったらどうだという御指摘でございまして、部分指数をつくることは別に大した手間ではないわけでございますけれども、むしろ生活必需品の問題というのは、何が生活必需品かという範囲の問題が必ずしも明確でございません。いろいろな説がありまして、支出の弾性値が一以上かどうかで分けるような説もありますし、あるいは食料品みたいなものだけが必需品だというような考え方もありますので、むしろ必需品とは一体何かという範囲を明確にしないと、その部分をつくりましてある意味で参考に供することはどうであろうか、その辺に焦点があろうと思います。  第二番目は、物価指数が、平均世帯のみでなくて、ある意味で階層別のものが出せないのか、こういう御質問でございます。  この階層別の消費者物価指数につきましても実はいろいろございまして、昭和四十年以降、年間収入五分位階層別の指数、それから標準世帯、これは申すまでもなく夫婦と子供二人から成る世帯で、世帯主が有業者の世帯ということになりますが、この指数を実は作成いたしておりまして、年報に発表をしております。そのほか、各種世帯の属性別指数と申しますか、これは世帯主の年齢階級であるとか、世帯主の職業であるとか、住居の所有関係別というような問題も私どもで試算をしております。  なお、御質問の中に、年金生活者なりあるいは生活保護世帯等について消費者物価指数ができないか、こういうことでございますが、これは現在の家計調査、先生おっしゃるように八千でございまして、これらの中からこういうものを抜き出す意味では、サンプル上はやはり不足でございますし、もう一つは、実際に家計調査をやる場合に、年金生活者であるとか、あるいは生活保護世帯という意味で聞きまして、実際に答えてくれるかどうかという技術上の問題もございます。その点で、それらをつくる意味では、現在必要な資料は得られない、したがって、作成が困難だという段階でございます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 副総理、いまお聞きになったとおりなんです。私がいま申し上げたのは、これは総評なり、あるいは消費者団体、主婦の皆さん等が寄って、私も統計の専門家じゃありませんから、いろいろ問題点の御指摘のあったところを述べたのです。  そうして、さらに日本学術会議会長の政府申し入れにつきましても、これは経済企画庁にも出されておりますから恐らく事務当局あたりでは御存じだと思うのですが、いろいろとやはり物価指数については問題があるという指摘があるわけですね。だから、その指摘を私は大まかに主なところだけ申し上げたのですが、いま政府の統計局長の御答弁をお聞きになったように、今年度は物価指数の変更する年になっておる。にもかかわらず、依然として、国民の疑問点に答えるという方向じゃなくて、ただ統計学上むずかしいからだめですよということだけなんですね。  いまの政府が発表する数字と国民の生活の中で実感のずれがあるという声は、副総理はお聞きになっておられますか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 それはしばしば聞くところでございます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 その実感とのずれがあるという内容については、いま申し上げたように、統計学上の問題と実際の支出というものとに、一つの大きなずれがあるのですね。ここに大きなポイントがあると思う。ですから、それをなるだけ改正の段階で近づけるように、ずれがなくなるように方向づけたいということはお考えになりませんか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 とにかく一億人の日本人それぞれみんな、生活態様というものは違いますから、その人たちのどなたにも、あの数字はうちの生活の実感と合っているなというような感じを受けていただく、そういうことは非常に困難かと思います。統計は平均的な数字を示すわけでありますから、どこまでも統計というものは平均的な数字であることを、まず国民に御理解を願わなければならぬだろう、こういうふうに思いますが、その数字の内容につきましては、それが平均的なものであるにせよ、本当に平均的なものであるかどうかということにつきましては、これはできるだけ勉強いたしまして、そういうものとして完璧でなければならぬ、こういうふうに考えます。  ことしは、四十五年から五年目の年に当たります。基準改定期でもありますので、その辺を十分にらみまして、統計として完璧になるように最善の努力をしなければならぬ、かように考えております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 それで、統計学上、いまの品目分類ということもいいと私は思うのですよ。しかし、国民の側は目的別に支出しておるわけですからね。だから、品目分類を目的別に集計するということは、統計学上は可能だと私は思っているのですよ。  たとえば、発表された数字では、教育費というものが非常に少ないですね。ところが、家計簿の中から支出しておる教育費というのは、非常に大きいわけです。それはなぜかというと、授業料だけをとっておるからですよ。だから、そういうものは実態に合わして、教育費はウエートが高くなる、支出がそれだけ家計の中でウエートが高くなければ、高くなったという統計でいいと私は思うのです。そういうこともだめだ、だめだ、こう言われるのは、私は非常に不合理だと思いますね。  あるいは住宅ローンの問題にしたって、事実、毎月毎月払っておるわけですね。しかし、財産購入だからといってそれがネグられておる。逆に持ち家と借家との平均が、極端に言うと――私は統計の素人ですから、先ほどの局長の答弁によると、借家と持ち家との平均が家賃として出てくるというようなことも、コンピューターシステムをやっているわけでしょう。私は、もっと国民の実態に合うように考えてやるべきだというふうに思うのですがね。  ただ統計学上は正しいかもしれぬけれども、それはやはりあくまでも国民の生活実態に合うようにそういうことを考えるべきだというふうに思うのですが、副総理、どうですか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 物価指数はどこまでも平均的な数値の終結でございますから、その平均的な数値が妥当であるかどうかということにつきましては、これはどこまでも研さんいたしまして、それが適正にいかなければならぬということを旨としてやらなければならぬと思いますけども、まあ国民全体の生活の実感と合うかどうか、こういう御指摘でございますが、国民の生活はそれぞれ皆違いますから、平均と個々の乖離ということはあり得ることだと思うのです。その辺は、どなたの感覚にも合う統計というわけにはいかぬと思いますけれども、平均的な数値というその一点につきましては、どこまでもそれが本当に平均的なものであるかどうかということについて研さんをしなければならぬ、かように考えます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 平均平均といま副総理言われましたけれども、たとえば教育費だけに限定して申し上げますと、授業料を子供さんがおらぬところは全然払わないわけですね。支出はゼロなんです。だから、ゼロと出したものと足して二で割りますと、下がるわけですよ。だから、教育費というなら、ゼロを外して、そしてやはり実態に合うように平均化されていくなら話はわかるけれども、ゼロまで入れて平均化するというのは、平均の行き過ぎだという気もするのですよ。私は素人だからこんなことを言うのかもしらぬけれども。  だから、そういう点は統計学上は正しいかもしらぬが、少なくとも学術会議の方から政府に対して、物価が、そしてまた生計費がどのように動いているかという変動の実態把握というものをないがしろにしてはいけないのだ、こういうふうに指摘してあるように、ここに実感とのずれがあるのですから、この際、副総理として――局長は統計学者、権威者ですからね。統計学者だから、そういうことばかりいじっているからあれしか出られぬのだけれども、往々にして統計学の人は非常に頭のかたい人が多くて、まじめな人が多いのですがね。だから、そういう意味では、政治的な立場というよりも、むしろ国民の生活実態を反映するという意味で、いま私が申し上げたようなことも含めて、ちょうど改定期ですから、御検討を積極的に前向きにしていただく、そのためには、積極的に消費者なり、あるいは関心を持っておるそれぞれの団体から、政府自身がいろいろ意見を聞いて、少なくともこれからは国民の声が反映できるような物価指数というものに変更していくというお考えについて、お聞かせいただきたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 この五年間には大変な経済変動があったわけです。その結果、経済の構造にも、あるいは家庭の生活にも、相当大きな変化があった。そういうことをとらえまして、今度の五十年度の改定はかなりいろいろな問題をはらんでおる、こういうふうに思います。いろいろ専門的な御指摘もありましたが、御指摘の点も、これはもちろん統計当局は十分検討をしなければならぬと思います。同時に、各界の意見もよく聞いて、この統計をなるべく国民から活用されるようなものにしなければならぬ、こういうふうに考えます。  ただ、こういうむずかしい時期です。特に物価の一けた目標というのがある時期に、さあ政府は統計の基準を変えたなんというようなことで、またいろいろ逆な意味の御批判を受けることもなしとしないものですから、その辺は、私ども慎重に扱っていかなければならぬ、かように考えます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 もう時間がなくなりましたが、事務当局の御説明によると、新しい指数は五十一年の九月ごろまでにはやりたい、こういうお考えなんです。そこで、これは副総理の覚悟のほどをお聞かせいただきたいのですが、四十五年の改正のときに、ウエートの変更や品目数の増加をやったわけです。ところが実際には、古い指数でいきますと一一〇・四であったものに対して、新しい指数でありますと一〇八・六ですか、一・八%下落したわけですよ。いみじくもいま副総理が言われたように、三月九・九、来年は早い時期に定期預金金利並みに物価を下げるという御方針です。その御方針はいいのですが、ウエートが変わったときは、過去の例ではダウンするのです。四十五年に一・八ダウンしたわけですから。だから、そういうことでまた文句が出たら困るという御配慮がありましたので、そういうことがないように、ある一定期間は旧指数と新指数の両方を国民に示すべきだと私は思うのですよ。そうすれば国民も納得すると思うのです。そういうことについて、副総理、私の言っているとおりでしょう、その点について御返事いただきたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 ただいま申し上げましたように、物価算定基準を変更する際には、それが政策的に作為されたというようなことについての疑惑を生じないように最善の努力をいたしたい、かように考えます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 最善の努力ということは、私の言った新旧両方の指数を発表するということも入っておるというふうに理解してよろしいですか。

川村皓章総理府統計局長

○川村政府委員 お答えをいたします。  まず先生にお願いをいたしておきたいのは、統計というのはやはり技術的であり、かつ客観的であるということが命でございまして、その意味で頭がかたいとおっしゃられれば甘んじてやむを得ないと思っておりますが、実はそれが命だろうと思います。したがって、その基準時の改定というのは、あらかじめ統計審議会の議を経て決める。これはやはり国際的な関係もございまして、大体五年ごとに改定されてくる。したがって、政府で物価目標を何%にするというようなこととは実はもう関係なしにそれが動いていくということも、先生御存じだろうと思います。したがって、いまのところ、五十年基準の新しい指数は、五十年一年間のウエートをとります関係で、実際にそのウエートが出てくるのは五十一年の春ごろになってしまって、それを基礎として計算をし直しますから、先ほど先生、五十一年の九月とおっしゃいましたが、大体秋ごろというふうにお考えをいただきたいと思います。そうしますと、その場合に、五十年の一月からその基準を変える五十一年の秋までのところは、新旧の両指数を並べて出します。ただし、新しいところに乗りかえたならば、それは一番最新の事態の消費構造に合わせて、それが正しいとして乗りかえるわけでありますから、それから後、実は新旧のものを二つ出すことはむしろ人を迷わせる結果になりはせぬかという意味で、新しいところに乗りかえた以降は、新旧二つを出すことは現在のところ考えておらないわけでございます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 もうそのことだけで議論するつもりはありません。また議論させていただきますが、私は何も将来ずっとということじゃなくて、相当期間対比して出したらどうか、こういうことなんです。  そこで、副総理、統計審議会ですね、これは専門的な分野にわたるから素人は入れないという意味だと思うのですが、統計学者とか、官公庁の統計を扱うところしか入っておらないのです。やはりこういうところに消費者団体というのを入れるようなことを政府としてもお考えになった方がいいのじゃないか。ある程度消費者の意見も入る。それは専門でないかもしれませんよ、専門でないけれども、指摘しておることはある意味で正しいことを指摘しているかもしれない。それをどう統計にあらわすかは学者、専門家の方だけれども、そういう意味で統計審議会に入れるようなことを配慮していただいたらどうかと思うのですがね。

喜多村治雄経済企画庁物価局長

○喜多村政府委員 統計審議会と申しますのは、これは行政管理庁設置法に基づきます行政管理庁の付属機関でございます。しかも、この委員の数でありますとか、選任の範囲につきましては、行政管理庁設置法にもうすでに明示されてございます。したがいまして、たとえば委員数は十八名であり、その中の学識経験者は七名、行政機関、都道府県の統計部局の代表者が七名、それから統計利用代表者が四名、こういうぐあいに法律で明示されておるものでございますので、いま先生の御提案の消費者代表を加えるべき御意見につきましては、この行政管理庁設置法の改正ということにもなってまいりまして、これを私どもの方から有権的に御説明申し上げるわけにもまいりませんので、行政管理庁当局に十分御連絡を申し上げたいと思います。  なお、もし総理府統計局の方で御意見がございますなら、御聴取いただきたいと思います。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 私は知っておるのですよ、行政管理庁設置法の抜粋も持ってきておりますからね。ただ、経済企画庁長官が副総理ですから、私はそういう統計審議会に入れるような方向を――法律を改正しなければならぬということもわかっておるのです、だから、そういった方向について努力するという気持ちがあるのかないのかということをお聞きしておるだけのことです。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 これは行政管理庁とも十分相談いたします。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 それで、先ほど副総理から、消費者団体等の意見も聞いて、できるだけそういう機会を持って努力をしたいというお話がありました。そこで、これは委員長に私はお願いしておくのですが、政府が発表する統計数字と国民の実感との間にずれがあるということは、私はゆゆしき問題だと思う。だから、本委員会におきましても、閉会中審査その他で、こういう統計の問題にしぼって、国民各層を呼んでやはりある程度議論をしてみておく必要があると思うのですが、その点について理事会でお諮りをいただきたいということを、希望として申し上げておきたいと思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員長 承知いたしました。理事会で相談いたしましょう。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 それでは、この統計問題だけで、これは私、素人ですから、まだまだたくさん疑問点があるのですが、もう少し統計的にも勉強さしていただいて、また改めて議論さしていただきます。きょうは議論の入り口だというふうに御理解をいただければ結構だと思いますから、お願いしておきたいと思います。  それでは、残された時間、しばらくの間、省の薬務局長さんに若干お尋ねをいたします。  その前に、実は経口糖尿病治療薬トルブタマイドというのですか、これがすでにいままでわが国でも、ちょっと問題があるのではないかということでいろいろ議論をされたのですが、AMA、米国医学会において、これはやはり危険だという結論が出た。そして、研究班長のマックス・ミラー博士は、この薬は筋肉を萎縮させる作用があることがわかった、動物実験では、薬によって心臓の筋肉組織が動きにくくなり、より多くの酸素を必要とするということを指摘し、経口薬を使う患者は、使わない患者に比べて心臓病で二倍も死亡率が高くなっていると言って警告をしたわけですね。これが依然としてわが国では糖尿病の治療薬として使われておる。  これは何もアメリカがこうしたから直ちにということは私は必要ないと思うのですが、厚生省としては、これは危険がない、大丈夫だという御判断で今日対処しておられるのですか、その点をまずお聞かせいただきたい。

宮嶋剛厚生省薬務局長

○宮嶋政府委員 経口糖尿病薬のトルブタマイド、トルブタミドとも申しますが、これは血糖降下剤としてきわめて有効なものでございます。ただこの薬は、もともと誕生しましたときから、この使用につきましては相当注意をして当たりませんと問題を起こすということが言われておりまして、私どもも特に関係の方面に注意をしているところでございますが、ただいま先生御指摘のように、心臓の筋肉にけいれんを起こさせる、心臓ないし血管系統で障害を起こすという話が、実は米国で、いまから五、六年ほど前にそういう指摘がございました。  わが国の国内の専門家の学者におきましてもその論議がございまして、当時その試料を分析していたわけでございますけれども、その当時アメリカにおきましても、当時の調査の統計的な処理の問題その他いろいろ問題があるのではっきりしないということでございましたが、ただいま先生御指摘のように、先般新たにまたそういう御指摘があったわけでございます。そのニュースに接しましたけれども、まだ具体的資料は入手しておりません。  しかし、私どもとしましては、実はこのトルブタミドにつきましては、心臓ないし血管に対する障害のみならず、特にこの経口糖尿薬の使用を誤ると低血糖症を起こして、場合によっては植物人間になってしまうというような副作用もございまして、現在、糖尿病学会の専門家五人の方を煩わしまして、トルブタミドに関する検討を続けていただいております。とにかくアメリカの方の資料を入手して吟味すること及び低血糖症に関する吟味をやるということで早急に試料分析をいたしまして、できるだけ早目に所要の措置を講じたい。具体的には、恐らく使用上の注意につきましてさらに追加して記載をさせるということになろうかと思いますが、そういうことを現在考えております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 局長、これが米国医学会で発表になったのは一月二十七日ですよ。いまはもう七月一日ですね。私は、アメリカの方から入手するのは簡単だと思う。しかもアメリカの医学雑誌にも出ておる。にもかかわらず、そういうのをいまから入手をしてというのは、遅きに失するのじゃないか。  だから、わが国においても、これは非常に危険だから、投与の間違いによっては大変なことになるから、注意をして使えということでいままで来ておるわけです。ですから、その結論が一体いつ出るのか。それまではアメリカから来ないからどうのこうのと言うのは、私は理屈にならぬと思うのですよ。一月に発表になったのをまだ入手しておらぬということになれば、私は厚生省の怠慢だと思う。そうじゃない。事務局は資料は持っておるだろうと私は思うのですね。だから、その結論が出るまでは、注意をして、さらに注意をして使うような指導をするのかどうか、その点をもう一遍具体的に聞かせてください、ぴしっと。

宮嶋剛厚生省薬務局長

○宮嶋政府委員 ただいま私、御説明申し上げましたように、トルブタマイドの使用上の注意に関する検討を急いでおります。実は相当論議も進んでおりますから、恐らく近々のうちに結論が出ると思います。ただ、低血糖症に関する部分はずいぶん作業が進んでおりますけれども、いま先生がおっしゃいますこの新たなAMAの先生の所論というものは、現在FDAでその解明を急いでおりまして、その情報はわれわれも得ております。得ておりますが、まだFDAの情報では、文献を見る限りいろいろ問題があるということも言っておりますし、また、私どもいま聞きますと、この一月にすでに先生の論文は入手しておるそうでございますが、概要でございまして具体的なものではございませんけれども、その内容を見ましても、まだいろいろな問題があるようでございまして、いま専門家が検討しておるということでございます。  いずれにしましても、事柄は重要でございますから、近々のうちに結論を出して、その所要の措置、具体的には恐らく使用上の注意の追加ということだと思いますが、そういうことをしたいと思っております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 それから、局長さんのところで六月十八日に全国都道府県薬務主管課長会議というのが開かれたのですね。そのときにこの資料をお配りになった。  そこで、公正取引委員会にお尋ねをするのですが、この中の添付資料として「医薬品の乱廉売又は医薬品小売業の乱立等を防止するために利用できる現行制度」というので、公取の所管に関する部分が大分たくさん出ておるのですね。こういうことについて、公正取引委員会に、事前に厚生省の方から、こういうことをやりたい、こういうことでということの御相談がありましたか。

熊田淳一郎公正取引委員会事務局長

○熊田政府委員 事前にそのような御相談はございませんでした。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 それで、これはある新聞社の当時の報道ですけれども、これは各社全部書いておられたのですが、要するにこの中に、安く売ることはけしからぬ、こういうことになりかねないのですね。  そこで、公正取引委員会の事務局長さんにお尋ねしておきますが、廉売というのはどういうものを廉売というのか、仕入れ価格プラス二割程度の利潤があれば、廉売と言わないわけでしょう。その点、どうですか。

熊田淳一郎公正取引委員会事務局長

○熊田政府委員 公正取引委員会といたしまして、従来扱っております不当廉売の考え方でございますが、通常の仕入れ原価を割って販売をする、こういう場合を考えております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 局長にお尋ねをしますが、いま薬というのはメーカーの出し値がばらばらなんですよね。極端な言い方をしますと、百円のメーカー出し値のものが、実際は、百円で売られたようになっているが、買ったときは三十円ぐらいなんですよ。仕入れ値は三十円、三十円に二割の利息を入れて三十六円で売った。片一方の方では、メーカーが言うように百円で売った。この場合、この三十六円というのは薬乱売、不当廉売に入るわけですか一

宮嶋剛厚生省薬務局長

○宮嶋政府委員 私ども、各都道府県に指示をしたいと思っております。不当廉売ないし乱廉売に関します通達の趣旨は、そういうことによりまして、かつて三十年代の初め、あるいはまた三十年代の後半に見られた現象でございますけれども、当時大正製薬の乱廉売がございまして、そこで問題がございましたのは、期限切れの医薬品とか、あるいはまた期限について墨で塗ってわからなくした医薬品とか、あるいはバラ売りで古くなった薬を売るとか、そういうことが方々で見られました。私どもは、いわゆる公取の所管の領域でございます不当廉売について云々ということにもろにかかわるつもりはございませんので、そういう不当廉売のような事態があったときには、特にその品質面について監視を十分やりなさいということを申しているわけでございます。  具体的には、特に不当乱廉売がありますようなときに、よく現金問屋等から流れましたよくない医薬品、古くなった医薬品等が売られることがある。そういうことがないように、特に品質管理の面でそういう場合には注意しなさい、こういう趣旨でございます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 量販店、スーパーとかそういうところが、薬を目玉商品にすることについては、私は賛成はいたしませんよ。しかし、この三ぺ-ジを見ますと、「医薬品の販売態勢の適正化及び不良医薬品の監視対策の強化について」となっているのですよ。だから、安いものが売られておったら、これは不良医薬品だから一遍チェックしなさい、こういうことが前提になっているのですよ。それで、仮に調査に行ったときに、公正取引委員会のこっちの方の不当廉売に該当しますよというようなことを言って中に入っていくというようなことになれば、公取自体の権能を侵すことになりますね。だから、不良医薬品の監視なら、廉売しておるところとかしておらぬところとか関係ないと私は思うのですよ。  いま薬屋さんで売っておるものは、仕入れ値そのものがもう乱売で崩れておるわけで、メーカー側が崩しておるわけだから、そういうことを考えますと、逆に言うと不当廉売に該当しないものまで不当廉売だということでチェックをする。そのことは逆に言うと、消費者が高いものを買わされるという裏返しになるわけですよ。本来なら安く買えるものが、皆さん方の指導で高くなった。だから、不当廉売というのは、仕入れ値に対して、仕入れ値を割らなければいいわけだ。ところが、その仕入れ自体が安くなっておるわけでしょう。だから、その点は慎重に扱ってもらわないと、逆に言うと、安売りをメーカーの立場に立って、これは局長さんが、厚生省が監督をするメーカーの使い走りをするという結果になりますよ。  この点について、そうじゃないという答弁が返ってくるだろうと私は思うのですが、この通達についてはもっと慎重に扱うように、これに対する通達細目といいますか、そういう点をもう一遍出し直してもらいたい。同時に、公正取引委員会とこれは十分打ち合わせをした上で、公取なら公取の出番を願うなら、公取と十分話し合いをしてもらいたいと思うのですよ。もう一遍出し直してください、その点についてひとつ。

宮嶋剛厚生省薬務局長

○宮嶋政府委員 先生御指摘のような心配もございますので、私ども先般の十八日の会議におきまして、その点については特に注意をいたしたつもりでございますけれども、今後におきましても、いま先生御指摘のような点につきまして、改めてまた十分注意をしたいと思います。  ただ、何度も申し上げますけれども、私ども不当廉売そのものを追うということではなしに、不当廉売行為に関連して、特に医薬品の品質管理の面で問題が起こったら困るということでやっておるということを、改めて申し上げたいと思います。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 局長が言われたことはわかるのですが、これそのものが生きておりますと、やはり混乱が起こるのですよ。あなたが言われるようなことは、これはある新聞社の報道ですが、このときに来たある課長が、百円の薬を九十八円で売ったのが該当するかという議論があった、そうしたら、それは常識で判断してくれというようなことを言っておられるのですね。これは事実かどうか知りませんよ、新聞の報道ですから。仮にそんなことになりますと、ばらばらなやり方をするわけでしょう。  だから、そういう点を、私が言ったようにもう一遍公正取引委員会とちゃんと打ち合わせをした上で、間違いのない処置をしてもらいたい。少なくとも安く売れるものを売らないような行政にならないようにしてもらいたい。もう一遍、簡単でいいですから答えてください。

宮嶋剛厚生省薬務局長

○宮嶋政府委員 私ども、公正取引委員会と、あるいはまた経済対策立法の関係で通産省の関係も出ると思いますけれども、問題があった場合には十分連絡をとってやるという前提で物事をすべて進めております。しかし、いま先生御指摘のようなこともございますので、今後とも公取あるいは関係の省庁との連絡は十分とりたいと思います。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 十分連絡をとらなかったから質問をするわけですよね。これを出すときに公取と打ち合わせをしておらぬと、局長は言っている。だから、指摘されてからやられることもこれはいいことだけれども、そういうことのないように、ひとつぜひしてもらいたいと思いますね。  それから、最近、医薬品の値上げについて厚生省が追認をする、値上げを認めるというような方向が新聞でうわさをされておるのですけれども、これは私が有価証券報告書でとった資料なんですが、各大手メーカーというのは相当な利潤を上げておるのですね。たとえば武田でありますが、税引き後の純益が四十七年の下期で三十七億、四十七年の上期で四十一億、四十八年の下期で四十五億、四十九年の上期で五十億、五十年三月のものはまだ私のところに入手しておりませんから、四十九年九月までの決算から拾ったのですけれども、相当な利益ですよ。三共にしたって同じ。第一製薬、塩野義、吉富、藤沢、すべてのところが相当な利益を上げておるのですよね。  さらに、大衆薬については値上げをする方向でやられるようでありますけれども、私は、ここにメーカーが出しておる資料があったのです。こんなに厚い、たくさんのものだけれども、たった一枚しかくれなかったのですが、それを調べていきますと、やはりバルクライン方式というのですか、あの関係で相当なずれが出てきていますよ。  たとえば薬価基準が改定されて、薬価基準を実態に合わすように下げましたね。下げたけれども、たまたまこれに書いてあるのだけ申し上げますと、たとえば三共のビオトミン、これが従来の旧薬価では十円六十銭だったものが新薬価で十円になった、ところが実際には小売段階でお医者さんたちに五円五十銭で売られておるのですね。藤沢のケミセチンSF二百五十ミリですか、これが旧薬価で三十五円だったものが三十二円に改定されたけれども、実際に売られている価格は十五円。また、これは各社とも売っておるのですが、コカルボキシラーゼ五〇ミリ単位の二百アンプルのものが、旧薬価で五百五十円のものが改定薬価でも五百五十円だが、実際の価格は八十五円。これはビタミンB1誘導体製剤ですね。  こういうふうに、バルクライン方式という、なるほどバルクライン方式かしれぬけれども、実際にしてみれば相当に差があるのです。それでもなおかつ五十億近くの利潤が上っておるのですね。これでもやはり薬代の値上げ、特に大衆薬の値上げは、それに目をつぶって、経営が悪化してきたから値上げをしてやるという御方針を厚生省ではおとりになるわけですか。

宮嶋剛厚生省薬務局長

○宮嶋政府委員 医薬品は、いわゆる大衆向きの医薬品、一般医薬品と、それからドクターが使います医家向き医薬品があり、医家向き医薬品が全体の八割で、大衆薬は二割ぐらいのシェアでございますけれども、医家向きにつきましては、先生御存じかと思いますが、社会保険で使いますものですから薬価基準というものが決められておりまして、それによってやっておる。薬価基準につきましては、実は四十五年、四十七年、四十九年と、薬価基準の全体的な実態調査をやりまして、その結果に基づきまして値段を下げつつございます。三・四%とか、あるいは三・五%とか、いろいろ下げてまいりました。要するに年々下がっておる、こういうふうに御理解願いたいと思います。  ただ、薬価基準につきましては、ただいま先生おっしゃいましたように、九〇%バルクという原則でやっておるものですから、いわゆる平均的な医薬品の値段よりも、薬価基準の方が高く出てまいります。そういうことが一つございますので、そこに一つずれが起こる可能性があること、いま一つは、薬価基準を下げますと、今度はまたそれを購入なさいますドクター側におきましてそれを下回った値段を要求なさるということで、また値段が下がる、そういうことがございまして、薬価基準はどんどん下がっていくという傾向にあるわけでございまして、今日、薬業界におきまして、先生おっしゃいますように、他のものと比較いたしまして利潤率が高いようでございますけれども、それでも年々一%程度の利潤率の低下現象が見られておりまして、今日では相当医薬品産業界でもつらい状況になっておる、このように理解しております。  それから、一般薬につきましては、実は昨年三月から事前了承制度というものをとりまして、すべての大衆薬につきまして値段を上げるものは厚生省において承認するということをやりましたが、九月に承認制をやめまして、自後、報告制ということに切りかえましたけれども、実態は事前了承制と全く同様の立場で、個々の申請がございましたものにつきまして一々チェックをいたしましてやっております。     〔委員長退席、橋口委員長代理着席〕 恐らく今日の段階で、こういうふうに省レベルにおきまして値段をチェックしておるのは、ほかの省でも余りないと思いますけれども、大衆薬についてはすべてそういうことをやっておりますので、私どもは内部点検いたしながらできるだけ抑えてやっておるということで、御理解を願いたいと思います。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 副総理、いま、五十年三月決算が把握されておりませんからわかりませんけれども、大衆薬も医者向けも、総合して相当な利潤を上げておるのですね。しかもいま申し上げましたように、バルクライン方式によって、薬価基準よりもずっと低い価格でお医者さんたちに薬が入っておるのです。ですから、全体で約五兆近くの医療保険の中で四五、六%が薬にいっておるのですが、しかしこれだけ安く売ってもなおかっこれだけの収入があるのですね。しかし、薬屋さんの経営が不振になってきたからということで、本当は八割が医家向けなんですけれども、残っておる二割の大衆薬の値上げを、追認といいますか、認めていこうという動きが厚生省にあるのですね。私は、やはりこういった事実が解明されないまま放置しておいて、ただたった二割の消費である大衆医薬品の値上げだけをやる、そのことを追認する――まあ事前了承制になっておるからいいわけですけれども、事前了承制だけれども実際は追認です。ですから、事前了承制の形をとっておればとっておるだけに、この際私はこんな値上げは安易に認めるべきじゃないというふうに思うのですが、この際、副総理の考え方をお聞かせいただいて、質問を終わります。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 ただいま、大体特別のもの以外につきましては各物資とも自由価格制になっておるのです。ただ、厚生省は医薬品につきまして実際上行政指導をしている、こういうのが現状でございますが、いま政府の一般的な見解といたしましては、まあ行政指導という直接な介入はしませんけれども、各業界におきましていまの物価情勢が重大であるということを踏まえまして自主的に値上げを抑制する、そういうことを期待する、こういう立場でございますが、医薬品につきましては、いま厚生省からお答え申し上げましたように、特別の配慮をいたしておりますので、この上ともこの物価政策との調和という点につきまして十分配意して措置してまいりたい、かように考えます。     〔橋口委員長代理退席、委員長着席〕

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 いま副総理からお話がありましたが、これは局長さん、消費者の立場からのお願いですが、やはり過去の決算から見ても、もうけておることだけは事実なんですよ。薬九層倍といって、その結果がここに出ておるわけですから。だから、そういう点は、いま副総理も言われたように、安易にメーカーの値上げを追認するということじゃなくて、大衆薬はたった二割のシェアしかないのですから、やはりもっと厳しく対処していただきたいということをお願い申し上げておきたいと思います。

宮嶋剛厚生省薬務局長

○宮嶋政府委員 先ほども申し上げましたように、今日、これだけ全面的に政府が介入をしましてその値段を抑えておるものは、恐らく医薬品をおいてほかに例はなかろうと思います。私ども実は、個々の申請がございましたものについて、まさに先生がおっしゃいますような立場で、個別に厳正な立場で審査をやっております。決して安易に値上げするなどという考えはございません。厳重にやっておりますので、そのように御承知願いたいと思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員長 小林政子君。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 まず最初に、食糧庁にお伺いをいたしたいと思いますけれども、物価高のもとで、最近、国民の米の消費量が大変ふえていると言われております。特に低所得層の場合には、比較的経費がかかると言われております。ハン食などから、米食への切りかえがここのところ非常に高まっているというふうに言われておりまずけれども、最近の需給状況についてはどうなっているのか、お伺いをいたしたいと思います。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 最近の米の消費状況でございますが、政府の売却量。それから自主流通米、両方の数量で見てまいりますと、昨年は一昨年に比べまして全般的に各月とも相当大幅に減少したということがございます。ただ、昨年の十月に消費者米価を改定したというときに仮需要の関係が起こって、このときは需要が増加しております。本年に入りましてからどうかと言いますと、初めのころは全体としての消費量はかなり落ち込みました。これはどうも前年の末に仮需要があったものですから、その分がだんだん後の消費に影響したのじゃないか。もう少し正確に言いますと、秋ごろまでの仮需要の影響が、年末からことしの年初めに影響したのではないかというふうに見られておったわけでございます。  これがごく最近ではやや回復してまいりまして、大体ここ四月、五月、六月の消費状況は、ほぼ前年並みになってまいっております。数字で申し上げますと、三月が九九・一、それから四月がちょうど一〇〇%、五月はちょっと落ち込みましたが九六・一、年初めの落ち込みに比べましてかなり回復してまいっております。ですから、全体として前年に比べてふえているというようなことではございませんが、一時の落ち込んだ状況から見るとかなり回復したということが言えると思います。  なお、パンだとかめんの消費量は、特に減退しているということは顕著には見受けられません。大体横ばいではないかというように考えております。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 しかし、政府が出しております総需要量、これの対前年比で見てみますと、四十九年には需要量は千百八十五万トンということですけれども、五十年度には千二百万トンを見込んでいる。あるいはまた、いまいただいた資料などを見ても、確かに昨年十月に消費者米価が上ったということで、その前に若干急いで買う、そしてその後消費が落ちるというようなことはありますけれども、需要量全体では四十九年度に比べて五十年度が増加しているということは、ここのところの数字の動きを見てみましても、やはり米に切りかえていくというような動きが強まっているのではないか、このように見ますけれども、この見方について、これは間違っているというふうにお考えでしょうか。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 米の消費量は、一人当たり年間、かつて約百二十キロぐらいまで消費しておったのでございますが、最近とみに減退いたしまして、九十一キロぐらいになってまいっております。  そういう傾向をどんどん続けてまいりますと、今後どこまで減るかという問題がございますが、最近ではその減り方が、減ることは減っておりますけれどもやや鈍化したというふうに見受けられます。一方、人口の増加がございます。大体一人当たり消費量の減少と、人口の増加とがほぼ見合うような状況に来たのではないか、消費が増加すするというまでは至らないにしても、全体の消費量としてはほぼ横ばいのところに来ているのではないか、今後ともそういう傾向で動くのではないかというふうに見ております。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 こういうような中で、やはり標準価格米を求める世帯数が非常にふえてきている、こういうことが言われておりますけれども、その実態はどのように把握をしているのか、お伺いをいたします。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 最近いろいろ生活が苦しくなった、特に物資の資源問題がいろいろあるというようなことから、物を大切に、それからできるだけ安いもので消費しようというような傾向があるやに思われるわけでございます。そのことは米の消費の上でも確かに見受けられるわけでございまして、たとえば東京での標準価格米の消費量の状況を見ますと、率で申し上げますが、四十八年、四十九年、それから五十年の初めごろまでは、購入量のうち二四%ぐらいが標準価格米でございましたが、最近は、三、四月を平均しまして二七%ぐらいに上がってまいっております。また、特に後半はこの二七%より若干高いのじゃないかというふうに考えられます。その意味では、標準価格米の消費数量は増加する傾向にあります。  ただ、私ども物価統制令の適用を廃止いたしまして、標準価格米の制度を設けましたころ、標準価格米の原料米をたっぷり用意いたしましても、なかなか消費されないという実態がございました。一つは、やはり国民の生活水準、生活意識といったものに大きく影響されるとい思いますが、最近そういうような傾向があるとは言いましても、また経済が安定いたしますと、これはやはり米の消費の仕方に顕著に反映してくると思います。短期的な現象としては標準価格米の消費量は増加いたしておりますけれども、長期的にどうかということになりますと、今後全体の方向といたしましては、なおしばらく状況を見る必要があろうかというふうに考えております。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 明らかに標準価格米を求める世帯が相当ふえてきているという統計は、私も幾つかの資料を調べてみましたけれども、その中でも顕著にあらわれてきています。たとえば私の近辺のお米屋さんの実態についても調べてみましたけれども、具体的に標準価格米の率が売上量の中に占める比率なども数字を計算いたしたわけでございますが、四十八年当時は標準価格米は六%程度であったものが、四十九年七%、五十年に入りまして三月二八%。四月一三%、五月一六%と、特に五十年に入りましてから非常に顕著に伸びてきているわけですね。そして、四十九年の七%に比べて、実際には倍になっている。  このことは、逆に自主流通米が内地米の一等などを見てみますと、四十八年には売上高の中で七三%を占めていたのが、四十九年には六五%になり、また五十年に入りまして三月段階で五五%、四月に五二%、こういう形で下がってきているわけです。具体的には、やはり自主流通米を食べていた世帯も、ここにきて標準価格米に切りかえている。標準価格米の消費量が、四十九年に比べて二倍にもふえている。これは一つのお米屋さんの数字ではありますけれども、こういう傾向が顕著に出てきております。  また、こういう中で、東京都の実態も調べてみますと、標準価格米は四十九年度は三六%であったものが、五十年度は三二%と、計画は逆に四%も減っているわけですが、しかし、では実態はどうなっているかと言えば、四十九年の十一月から五十年の四月は標準価格米は三七%、前年に比べて一%ふえているわけですね。ですから、標準価格米を求める世帯というものが、一軒のお米屋さんの実態を調べても、あるいはまた東京都の実態を数字でもって調べても、自主流通米は消費が減っているけれども、標準価格米の伸び率というものは非常に顕著にここであらわれてきているということが言えると思います。  具体的に食糧庁にお伺いいたしますけれども、現在、標準価格米は、四十九年の十一月から五十年の四月までで三七%というふうに消費量が伸びているのに、五十年度三二%という計画は、これはちょっとおかしいのではないか。逆に前年に比べて四%も計画そのものが減っている。店頭にはすでに標準価格米が出回らないというような店も出てきている。こういう実態をどのようにごらんになっているのか、また、この問題についての計画を決める基準をどこに求めているのか、この点についてお伺いをいたしたいと思います。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 先生お調べのは一店舗の事例で、全体としての標準価格米の使用量、使用の割合はちょっと低いように思いますが、傾向として増加の傾向にあるのじゃないかという御指摘、これは私、東京の例でもって、平均でもって申し上げました。これは確かに地域によって、それから店によってかなりの差はあると思います。ですから、傾向としてふえているという前提でもってのお話は、これはごもっともだというふうに思います。  そこで、東京の標準米の全体の消費量は、先ほど申し上げましたように二四%ぐらい、最近上がってきて二七%ぐらいということでございます。これに対しまして、現在の売却の割り当ては三二%、ですから、三二%の原料を使って二七%ぐらいの供給ができるということで、前年より枠としては若干減っておりますどれども、まだ標準価格米の原料としては十分事欠かないという数量は供給いたしておるわけでございます。これは、実は標準価格米の数量、原料米をどういうふうに割り当てるかということになりますと、全国の従来の実績なり、それから米屋さんの意見なりを聞きまして 予測を立てて配分するということになりますが、その場合、余り余裕を見てたくさん渡すということになりますと、これは逆にいわゆる格上げ混米、米屋さんがいろいろ悪さをするのではないかというもとにもなりかねない。そこで、消費者が要求するものに対して、店頭にいつでも十分に置けるようにしながら、しかも余り余裕をことさら多く見積もるというようなことでなしに、適正な量ということで、それぞれ全国の各県、地域別の配分を勘案して決めてまいっているわけでございます。全体の枠としては前年より若干減ってはおりますが、なお標準価格米の原料米としては十分供給できるものが東京には割り当てられているという状況でございます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 東京都のモニターがアンケート調査をいたしたわけでございますけれども、それによりますと、標準価格米は、最近特にこれを希望する世帯の数もふえてきているという中で、三六%になっているにもかかわらず、実際に五十年度の割り当てが三二%と抑えられている。二七%というのは一体どこから出してきた数字なのか。事実、統計数字の上ではそのような数字がどこかから出てくるのかもしれませんけれども、モニター等が調査をしたこの数字は、やはり三六%に標準価格米というものが上昇している、こういう数字が出てきております。私は、この三六%の上昇に対して五十年度の計画が三二%ということが、結局これは店頭から標準価格米がなかなか求めにくくなる、こういうことにつながっていくのではないか、このように思いますけれども、標準価格米の消費の伸びと割り当て計画との関係というものはどうなっているのか、明らかにしていただきたいと思います。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 先ほど先生御自身の調査の一店舗の例と、それからいまのお話の例とでは、かなり標準価格米の数量に差がございます。私どものはまたそれとも若干違いますが、東京都全体の売却の三月、四月の実績、これをとって申し上げたわけでございます。いろいろ御希望の向きもあって、それを集計する、その場合に、全体の需要量を正確にあらわすかどうかということになりますと、もう少し実は先生のおっしゃる三六%について私どもも調べさせていただきたいと思います。  それから、全体のそういう動向と割り当てとはどうなんだというお話でございますが、これは直接はやはり小売屋さんを通じて需要量というか、意見が上がってまいります。それを各都道府県ごとにまとめまして、これを食糧庁において、年間の、さらには四半期に割っての売却割り当てというものを策定することにいたしております。その売却割り当ての際に、そういう動向が小売屋さんの、あるいは卸なりの、さらには各都道府県なりの意見を通じて反映されるということになるわけでございます。  なお、実際にそういう標準価格米を欲しいとおっしゃる向きに対して供給ができないというようなことがあっては問題でございます。そこで、ある米について、地域的に、仮にある店にないというようなことがあると大変でございますから、やりくりをするというような必要が生じてこようかと思います。そういうことのために、私どもは巡回指導をいたしまして、必ず店先に標準価格米が置いてあるかどうかということの調査をいたしております。そういう調査もいたしまして、仮に置いてない、また置いてない原因が供給が不足であるということならば、その間のやりくりを工夫するというようなことで、全体的な計画の面でも、個別の操作の面でも、それなりの工夫をいたしているわけでございます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 私は、やはり政府、食糧庁が特に計画を具体的に立てて、そしてむしろ実態に見合った形で指導、監督を行うべきだと思うのです。事実いまの計画自体が、何か食糧庁の一方的な、自主流通米とあるいは標準価格米との比率、こういったようなものも、都道府県段階で、知事なり、あるいはまた米穀の販売業者といいますか、こういう人たちの意見ということよりも、むしろ食糧庁の自主流通米をできる弾け伸ばしていこうとするような計画の中で、今日のような、店頭でも標準価格米がなかなかちょっと手に入らないという店も出てくるというような事態が出てきているのではないか。  私は、もっと食糧庁が実態に即した計画をつくり、あるいは下から意見が上がっていけば、その割り当て量についても調整を行っていくというような監督、指導も含めて、このような割り当てを行うべきではないかというふうに思いますけれども、今後の方針について見解を求めたいと思います。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 売却割り当ての考え方については、いま先生がおっしゃられたことを全くそのとおりに考えております。実際の個別の問題として、いろいろ情勢が変化するものに対応し切れないという面があるいはあるのかとも思いますが、今後とも一層、そういったことのないように、各方面の意見も聞いて、十分私どもも注意して割り当てには適正を期してまいりたいと考えております。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 東京の下町などでは、徳用上米などをやはりこの不況の中で求めるというような動きも出てきておりますけれども、実際にはその徳用上米も、いままでのある程度の割り当ては何とか確保することができるけれども、それを上回る割り当てということはほとんどできないというような状況を、お米屋さんが、何軒もの方々が言っておりますけれども、やはりここいらのところにも問題があるのではないか。具体的に徳用上米、あるいはそれも含めた標準価格米、質のよい標準価格米をいつでも店頭で買えるというような体制をやはりぜひつくっていく上で、計画などももっと地域の実態に即したものにしていくことを、強く要望いたしておきたいというふうに思います。  次にお伺いをいたしますけれども、政府の売り渡し価格の引き上げという中で、消費者米価が値上げされるということは、消費者支出も落ち込んでいる、こういう状況のもとで、一般家庭への影響というものは私は非常に大きなものがあるのではないかというふうに思います。特に外食などに依存をいたしております学生だとか、単身世帯といいますか、こういう方の負担増は私は非常に大きいものと思いますけれども、この問題について、これは経済企画庁長官に、どうごらんになっているのかお伺いをいたしたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 私は、いまの政府のお米の売り渡し価格は、一般の物価体系の中では少し低きに失しておる、こういうふうに思うのです。いつの日にかこれは是正しなければならぬ。その是正のタイミングをどういうところにとるかということが問題なんだ、こういうふうに考えておるわけなんです。  今度、本年度の生産者米価の決定をしなければなりません。その際に、当然消費者米価をどうするかということが問題になるわけですが、物価情勢の非常にむずかしいときに、消費者米価をこの際、他の物価とバランスがとれるように直す、一挙に直すということはなかなかむずかしいのじゃないか、こういうふうに思うのでございます。財政の関係ももとよりあるわけです。財政、物価、そういうこととにらみ合わせながら、消費者米価問題を考えなければならぬだろう。一挙にこの際ということはむずかしいが、何がしかのことを考えるのか考えないのか、その辺が、これから政府部内においても十分検討しなければならぬところである、こういう見解でございます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 いま物価の安定ということを最優先に進めていかなければならない、こういう立場にある副総理が、昨年三二%も消費者米価が上がった、これに引き続いて、今年も生産者米価、消費者米価の問題が、いま米審を間近に控えていろいろ論議をされておりますけれども、昨年の三二%という大幅な引き上げに続いて、このような物価の抑制を図らなければならないという時期に、今年度消費者米価を引き上げるということは、私はやはり非常に大きな影響を与えるのではないか、このように思いますし、具体的には、国民生活を安定させていくという立場からも、私は消費者米価はこの際据え置くべきではないか、このように考えますけれども、経企庁長官、この点についてどのようにお考えでございましょうか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 物価だけのことを考えますと、この際は据え置きということにすると一番いいのですが、しかし、この際として、財政のこともまた考えなければならぬ立場もあるのです。さなきだに、五十年度の財政は歳入欠陥含みの状態であります。そういう状態のもとで、生産者米価が上がる、それに対して消費者米価を据え置きということになりますと、五十年度予算で見通しておった均衡がそれだけ破れまして、新たなる歳出要因が出てくる、こういうことになりますので、なかなかこれはつらいところなんです。そのつらいところをどういうふうにさばきますか、とにかく物価は非常に大事である、いま国民も非常に負担に苦しんでおる、そういう点は十分考えますけれども、それだけでやり抜くということもまたいろいろ問題がある。非常に苦しい立場である。十分慎重に考えてまいりたいと考えております。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 私は、いまの答弁、これは大蔵大臣が答弁をされるならば、財政の問題を前面に出されてお話しをするということはわかりますけれども、何といっても、昨年に引き続いてまた消費者米価が上がるということになれば、これは政府の消費者支出の中に占める米類の割合というこの数字を見てみましても、いわゆる五分位階級別で見てみますと、第一分位の消費支出の少ない、所得の低い世帯は、月間のお米の支出の占める割合というのは非常に高くなるのですね。  これは政府の数字を見てみますと、七万一千五百十一円の消費支出の場合には四%の支出割合になる。それから、第五分位でもって消費者支出が十五万九千九百十九円の場合には二・四%の割合にしかならない。片一方は四%、片一方は二・四%というふうに、実際には比率そのものもずいぶん大きな開きが出てまいります。したがって、米が上がれば負担増で大変家計が圧迫されるのは、むしろ所得の余り高くない、低い人たちがその負担割合が非常に高くなるということは、これはもうはっきり数字の上でも出ております。  こういう点を考えますと、あらゆる点でいまの物価の影響を受けてやりくりに四苦八苦しているこういう現状の中で、消費者米価をいまここで上げるということについては、これはやはり物価の担当大臣として、経済企画庁長官が据え置きをはっきりと、むしろ消費者の立場に立ってこれの抑制を図るのが当然のことではないか、私はこのように思いますが、もう一度御答弁をお願いいたします。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 物価は、国民生活のことはもう十分心得ておるのです。でありますがゆえに、麦につきましては売り渡し価格を当面据え置く、こういうことまでいたしておるわけでありますが、これから米の生産者米価をどうするかという問題が起こってくる。それに対して、消費者米価、政府売り渡し価格をどうするか、こういう問題も起こってくるのですが、物価だけを考えるというわけにもいかないのです。  そういういろいろな事情があるものですから、消費者物価本年度一けた、こう言っているのです。一けただって、これは高いのです。公共料金というか、お米だとか、そういういろいろな料金、たばこの販売価格を上げなければ、もっと低く目標を設定し得るわけなんですけれども、そうもいかぬ。そこで九・九というような高い目標を設定しているわけなんでありまして、その辺はお気持ちはよくわかるので、お気持ちのような同じ態度で処理しますけれども、もう物価一点張りで処置もできない問題である、こういうこともまた御理解おき願いたいのであります。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 たしか昨年は、やはり米審を前にいたしまして、大蔵省あるいはまた経済企画庁は、消費者米価についてもいろいろとお互いに活発な話し合いや、あるいはまた論議も行われた。確かに経企庁はこの当時、消費者米価はあの時点で全然上げないというわけにはいかないけれども、ここまでだというような数字も発表されたりして、積極的に昨年の米審のころは経企庁の強い発言などもあったわけでございます。  いま大蔵省が、財政負担の増大にはもう応じられない、こういう態度を鮮明にしながら、生産者米価の引き上げ分はその上がった分だけは消費者米価の引き上げによって賄っていく、そのほか末端逆ざやの解消を図っていく、こういうようなことを、新聞だとか、あるいはまたあらゆる機会に、パンフレットまで出して、相当大きなキャンペーンを張っているわけです。国民の立場に立って本当に物価の抑制を最重点として図っていこうとされる経企庁が、いまのこの時点で、消費者米価について一体どういう対策をもって臨もうとされているのか、この点は余り新聞などでも見かけませんので、この際ひとつ長官に、いまの消費者米価の問題等について篤と御意見を伺いたいというふうに思っております。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 私どもは別に声を大きくて言っておるわけじゃないのですが、消費者麦価をとにかく据え置きをする。まあ、麦価につきましては大変な逆ざや現象です。その際、麦の売り渡し価格を据え置く、これは大変なことなんです。それをとにかく政府としては当面そういうふうにしようということで決意したわけで、そういう点はひとつ大きく評価してもらいたいのですがね。  お米につきましても同じ気持ちでおりまするけれども、これは財政上の理由もあるので、その立場も考えなければならぬ、そういうことでありますので、仮に上げるというような場合がありましても、これは昨年三二%上げた、それの惰性でというような、そんな考え方はとりません。物価政策も、また財政も、両々相立つというような決め方にしなければならぬ。また、それを実施する時期につきましても慎重な配慮をする。  とにかく、いま方針を言えというのですが、方針はまだ政府として決めておりません。おりませんが、万一消費者米価を上げる場合におきましても、さような綿密な配慮を行って、そして国の政策として総合性が保たれるようにしなければならぬ、こういうふうに考えております。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 特に米価の問題は、個々の物資ということだけにとどまらず、これは国民の主食です。したがって、やはり国民の主食であるこの消費者米価については慎重に、これは本当に物価政策のかなめにもしていかなければならない問題ではないだろうかと私は思うのです。よく産業の基礎物資は鉄だというふうに言われますけれども、国民生活にとっては生活必需物資の中でも本当に基礎的な物資としてのお米、この米が上がるということは、やはりすべての便乗値上げも起きるでしょうし、相当大きな波及効果を、心理的にも、また物質的にも与えることが考えられます。そのときに、大蔵省がいま盛んに財政の立場から、この問題について、生産者米価に見合った消費者米価の引き上げ、あるいはまた末端逆ざやの解消を図るなどと言って、財政負担を伴う一切の支出の増大には応じられない、こういう態度を打ち出しているときに、国民の主食である米の問題については、経済企画庁がもっと本腰を入れて、いまの時点の中で物価を抑制する立場からも米価をこの際据え置くべきだ、こういう強い態度を当然持ってしかるべきではないかと思うのです。いま大臣のお話を聞いておりますと、何か物価の立場だけからはこれは考えられないのだ、総合的な財政の問題もあるしというお話でございますけれども、私はむしろ物価の立場から、基礎物資である米の値上げについてはもっと積極的にその抑制策をとるべきであるということを、強く申し上げておきたいというふうに思います。  さらにお伺いいたしたいのは、いま、同時諮問が行われるとか、いや、それは行われないとかということも言われておりますけれども、生産者米価と消費者米価の同時諮問についてどのような見解をお持ちか、お伺いをいたしたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 同時諮問という形式をとるか、あるいは米審を別個に開いて、生産者、消費者両価格を別々に取り扱うか、これはやり方の問題ですが、いずれにしても実態的には、生産者米価が決められるという際に消費者米価のことを考えないで決める、こういうことはないと私は思うのです。やはりある程度の消費者米価、それを頭に置きながら生産者米価というものも扱っていかなきゃならぬだろう、こういうふうに考えますが、いま、考え方はそうであるとして、手続をどうするかということにつきましては、同時に同一の米価審議会に諮問するか、あるいは少し時間を置いて別々に諮問をするかということにつきましては、まだ関係省の間で相談中でありまして、結論を得ておりません。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 生産者米価あるいは消費者米価の決め方につきましては、これはもう毎回問題にされますけれども、食管法の第四条で、「家計費及物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ」そして家計の安定を図るという立場から消費者米価は決めなければならない。また、生産者米価については、「生産費及物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ」米穀の再生産を確保していく、こういう立場に立って、生産費所得補償方式という立場で生産者米価を決めるということは、これは食糧管理法にはっきりと規定されている問題です。ところが、最近、財政が赤字を出しているから、食管会計の赤字が相当ふくらんできているからということを理由にして、この食糧管理法に定められている生産者米価の決定、消費者米価の決め方、これがなし崩しに崩されてきているのではないか、むしろここのところをもっとはっきりと打ち出していくべきではないか、このように私は考えますけれども、これは一貫して堅持をしていかれるおつもりでございますか、お伺いをいたしたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 米価につきましては、生産者米価につきましても、あるいは消費者米価につきましても、その算定方式は法律でもう決まっているわけなんです。その法律をどういうふうに適用するかということにつきましては、いろいろ議論はありますけれども、基本は決まっているのですから、これはその基本に従って決めるほかはない問題である。それを逸脱することはありませんです。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 食管法で二重米価というものがはっきりと打ち立てられて決められている。これは制度の上でもはっきりとしている問題でございます。それを今回、財政というものを理由にして、生産者米価と消費者米価を関連させて、そしてその上げ幅をどの程度に置くべきかとか、あるいは財政赤字をどう埋めていくかとか、こういうことがいま具体的に問題になってきているということは、食糧管理法が決めているこの規定を踏みにじっているものではないかというふうに思いますけれども、この点について、食糧庁は具体的に法を管理する立場からどのようにお考えになっているのか、お伺いをいたしたいと思います。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 食管法三条には、これは買い入れ価格でございますが、「政府ノ買入ノ価格ハ政令ノ定ムル所二依リ生産費及物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ米穀ノ再生産ヲ確保スルコトヲ旨トシテ之ヲ定ム」とあります。それから消費者米価につきましては、その第四条に「政府ノ売渡ノ価格ハ政令ノ定ムル所二依リ家計費及物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ消費者ノ家計ヲ安定セシムルコトヲ旨トシテ之ヲ定ム」とあります。これは条文を別々に規定してありますところから、両米価は全く関係なく別に決めるのではないか、あるいはまた、生産者米価のところでは「生産費及物価」という言葉、それから消費者米価、これは具体的には政府売り渡し価格なんですが、そのところでは  「家計費及物価」とある言葉によりまして、そういうことを中心に考えればいいではないかというふうに受け取る向きもあるわけでございますが、その後の「其ノ他ノ経済事情」というものがいずれにも条文上明示されております。  買い入れ価格の場合の「其ノ他ノ経済事情」と言いますと、生産費、物価のほかでは財政事情も入りますが、一番中心になるのはやはり需給事情、あるいは買い入れの場合でありますならば売り渡し価格、それから売り渡し価格の場合の「其ノ他ノ経済事情」は、同様に需給事情なりあるいはコスト、買い入れ価格といったものが当然参酌事項に入るというように考えております。  それからもう一つ、先ほど来、財政上の観点から、それから特に今日物価対策が重要であるということから、そういうような観点からのいろいろの米価に対する御議論がございますが、私ども食糧庁といたしまして、これはもちろん財政上、物価対策上の配慮も必要でございますが、もう一つ、米価につきましては、食糧政策上あるいは農林行政上、この逆ざやの問題については本当に考えなければいけない、あるいは皆様方にも考えてもらわなければいけないという考えを持っておるわけでございます。  と言いますのは、確かにこれだけ大きな食管制度というものを維持しております以上、政府は何がしかの経費を負担するのは当然だと思いますが、しかしそれには限度があるというふうに考えておるわけでございます。いろいろ売買に伴う経費、人件費だとか、直接経費がいろいろありますが、そういう経費はともかくとして、政府の買う買い値より売る売り値が安いという、その売買逆ざやの問題については、確かにこれは食糧管理上、むしろこの管理制度を長く安定的に続けていく上からは非常に大きな問題があるというふうに考えておるわけでございます。  よく言われますように、逆流というような極端なことも想定され得ますし、さらに、一般的な生産者の生産意欲、あるいは同じ米でありながら生産者と消費者に対しては政府の負担の仕方、つまり生産者の食べる米については財政負担がないというような、そういうバランスの問題もありますし、答弁が大変長くなって恐縮でございますが、私どもは、財政上あるいは物価対策上の配慮もさることながら、食糧政策上、農林行政上、むしろ食管制度を安定的に保つという考え方の上に立って、こういう逆ざやはできるだけ是正してまいりたいというように考えておるわけでございます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 私は、いまの発言は食管制度のたてまえからいって非常に逆行する発言だと思います。事実、現在食管制度の中では二重米価制というものがはっきりと法律によって規定されているのです。赤字幅が広がった、少ないということは、いろいろと議論がいままでもされてきたところでありますけれども、この二重米価制を、いわゆる食管制度そのものをもうすでに半分はなし崩しに崩してきている。しかし、これを今後さらに崩していこうとする発言としか受け取れないと私は思います。  むしろこの二重米価制そのものは、やはり農民にとってはその生産に見合った補償をされる、あるいはまた、消費者にとっては家計の安定を著しく損なわない、こういう点で私は非常に重要な制度だというふうに考えておりますけれども、この点について、経企庁長官から、いまの問題についての見解をお伺いいたしたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 食糧管理制度は二重米価でなければならぬ、こういう法的構成ではないのです。生産者米価はこう決めなさい、消費者米価はこう決めなさいという、その決め方の原則を決めておるわけであります。その決める場合に、いずれも「経済事情」ということを言っておるわけで、「経済事情」というのは、財政もあります。コストもあります。需給もあります。いろいろありますので、それらの要素を全部くるめて生産者米価、消費者米価を決める、こういうことですが、いま今日この時点においては、生産者米価はかなり具体的に決め方が法律で決めてありますが、消費者米価につきましては、物価の問題、したがって国民生活の問題、また財政の問題、それらを総合的に勘案して決めなければならぬ、こういうことであります。  もうこの米は、近目で見れば消費者は安い方がいいに決まっているわけですが、それで一体国家経営ができるかというと、そういうわけにはいかない。そういうことを考えますと、事は総合的に考えて対処しなければならぬこういうふうに考えております。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 この米の問題についてはこれで最後にいたしたいと思いますけれども、経済対策閣僚会議の中心にある副総理が、このいまの時点で、消費者米価の問題に対して、物価抑制を最優先として本当にここで積極的な姿勢で臨まれるのか、それとも財政負担の解消ということを優先的に考えられるのか、私はこの点は明確にしていただきたいというふうに思います。そして本当に、経済対策閣僚会議の中心的な立場である副総理が、この消費者米価によって国民の期待を裏切ることのないように、私ははっきりとした姿勢をここで言明していただきたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 物価はわが国が当面する最大の政策課題ですが、その政策課題を実現するために、五十年度の目標といたしまして一けた台にとどめるということを言っておるわけです。その目標に到達するために万難を排して努力をする、こういうことであります。物価鎮静に対する決意は非常に強固でございます。しかし、事は総合的に考えなければならぬ問題でありますので、物価だけを申しますれば、一けた台なんてそんな高い目標を設定するという必要もないくらいなんですが、事を総合的に考えるという立場から、九・九、一けた台ぎりぎりのことを申し上げておるわけであります。その目標はぜひ実現をしたい、こういう決意でございます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 時間が大分なくなりましたので、ごく簡潔にあとお伺いをいたしたいと思います。  通産省お見えになっていると思いますけれども、私これからお伺いをいたします問題は、小売業者の小売市場あるいはまた共同店舗などの電気料金の算定方法と、その改善策についてでございます。  御承知のとおり、昨年来電気料金改定の行われました際に、百キロワットアワーまでの料率を低く抑えるというナショナルミニマムの制度が取り入れられると同時に、逓増制料金制度という形になったわけでございます。したがって、私もそのときに物価対策特別委員会でもこの問題を取り上げまして、アパートだとか、あるいはまた集団で何世帯も住んでいるというような家庭の場合には、結局メーターが一つのところに取りつけられていて、そして幾部屋もある個々の使用量というようなものが全部そこに集約をされる、こういう中で、逓増制料金のために非常に負担が重くなるという問題を取り上げたわけでございますけれどと、私はこの問題について、小売業者の小売市場だとか、あるいはまた共同店舗、何店舗かが一緒にお店を開いているという場合には、ぜひこれは住宅と同じような計算方法をとられるべきではないか、このように思います。政策料金として、これが当然小売店舗などの場合には適用されてしかるべきではないかというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。

大永勇作資源エネルギー庁公益事業部長

○大永政府委員 この件につきましては、実は請願もございまして、それに対しまして内閣の方としましても処理意見を出している問題でございます。  先生御指摘のように、ナショナルミニマムの制度と申しますのは、電灯の中で生活必需品的に使われる部分、一応それを百二十キロワットアワーということにいたしまして、その分につきましては平均的な料金よりは二割程度安い料金を適用しようということでございまして、原則としましては一つの契約ごとにこの百二十キロワットアワーというのをはじくわけでございますけれども、ただ、先生が御指摘になりましたように、共同住宅等につきましては、そういうことでやりますと、非常に高い料金になるものですから、一つの一括した契約でありましても、それを便宜分割して個々の住宅ごとにナショナルミニマムを適用しておるということでございます。  しかしながら、いまの共同店舗の場合でございますけれども、共同店舗でございましても住宅が一緒になっているもの、つまり店舗併用住宅的なものでありますれば、これはいまの共同住宅と同じようにナショナルミニマムの制度を適用することができるわけでございますが、店舗だけの集合体の場合には、先ほど申し上げましたように、この制度の趣旨が生活必需品的に使われる部分についてという考え方がございますので、せっかくの御指摘でございますけれども、適用するにつきましては非常に困難であるというふうに考えております。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 ただいま述べられたような制度が料金改定の際に取り入れられたということは、やはり政策料金の中の一つであることは間違いないと思います。御承知のとおり、いま非常に不況の中で、特に零細な、小さな小売店舗、こういう営業がきわめて苦しくなってきている中で、何店舗もの小売店舗が一つの建物の中に経営をしている場合に、電気供給規程の中で、結局逓増で、全体を含めますとすごく高い料金になるのですね。ですから、この問題は、やはり一般住宅と同じように個々に分割をして、そして一定の料金を算定していくというようなやり方を非常に多くの人たちが望んでいることは当然だと私は思うのです。しかも大きな百貨店とか何かと違いまして、本当に小さな市場だとか共同店舗というような場合には、政策的な配慮の中に当然この問題は入れてもしかるべきではないかというふうに考えます。  今後この問題について検討をされて、そしてこれの実現を図っていただきたいと思いますけれども、具体的には何らかの対策をお立てになる意思がおありになるかどうか、この点をお伺いいたしたいと思います。

大永勇作資源エネルギー庁公益事業部長

○大永政府委員 一つの契約で行っております場合には、これを分割して適用するということは技術的にもなかなかむずかしい問題がございます。そこで、共同住宅の場合につきましては、たとえば隔壁がはっきりしているとか、それから台所がついている、つまり炊事が行われているというふうなところを一つの基準にいたしまして、これは何世帯であるという判断をしておるわけでございますけれども、共同店舗等の場合につきましてはそういった隔壁の問題、あるいは本当にそれが一軒の店なのか、二軒の店なのかというふうなことを技術的に判断することが、なかなか困難でございます。  かたがた、先ほど申し上げましたように、この制度の趣旨が生活必需品的に使われる部分について特に安い料金を適用しようというふうなことでございますので、せっかくの御指摘でございますけれども、現在のところは、そこまで広げて考えるということは困難ではないかというふうに思っております。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 私は、やはり政策的なこの料金制度の中で…是非この問題については検討をしていくことがしかるべきであろうというふうに考えますので、その点だけ意見を述べておきたいと思います。  次に、乳価問題につきまして、いまこれは非常に大きな問題になっておりますけれども、時間がありませんので何点かの質問を一挙にお伺いをいたしたいと思います。  酪農農家は、飼料の高騰などによる経営破綻で、毎年一万数千戸の農家が経営を放棄したり、生乳の生産量は減少を来しております。小売店を見てみますと、スーパーなどに押された経営危機が深刻になってきていますし、また国民は、インフレ、物価高のために、牛乳や乳製品の消費の節減というものを余儀なくされているというのが現状だと思います。このような中で、乳業大メーカーだけが内部留保を非常に強化してきています。ことし三月の決算を調べてみますと、雪印乳業は売り上げでは約二千九百五十九億円で、前の年に比べて二五七%の増であります。利益は約二十億円で、前年比七・五%増であります。森永も雪印と同様、増収増益を記録いたしているわけでございますけれども、このような中で、メーカーがいま生産者価格の引き上げを理由に、卸や小売価格をさらに引き上げるという状態が起こるならば、これは一般消費者に大きな影響を与えることは言うまでもありませんけれども、販売不振となっている小売店の経営を危機に陥れることは明らかでございます。  そこでお伺いをいたしたいと思いますのは、酪農農民の原料乳の取引価格が上がっても、メーカーがそれを可能な限り吸収することによって、小売店への卸売価格に転嫁しないことがさしあたって第一の必要なことだと思われますけれども、農林省はこれについてどのような指導をされていらっしゃるのか、この点をまず第一にお伺いいたします。  第二点目の問題といたしましては、もうけを上げている大手メーカーが、生産者価格の値上がり分を可能な限り吸収するということは、これは私は当然のことだと思いますけれども、現在加工原料乳について行われている不足払い制度を、牛乳は国民の重要なたん白資源だという見方からも、生乳にも取り入れるということも検討していく必要があるのではないか、このように考えますが、以上二点についてお伺いをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

鴻巣健治農林省畜産局牛乳乳製品課長

○鴻巣説明員 お答え申し上げます。  第一点につきましては、御承知のとおり、現在の牛乳は小売屋さんで売られておりますのが二百cc当たり四十六円でございます。そのうち、メーカーから牛乳販売店に卸しますのが二十九円七十六銭でございますが、その中で生産者に対してメーカーが払うのは二十円四十三銭でございますから、牛乳の卸売価格の中で、いわゆる生産者への原乳代といいますのは大体七割を占めておるわけでございます。そういう意味では、牛乳というのはかなり付加価値の低いものでございます。したがいまして、従来も値上がりのときに、原料価格の値上げに際しましてどうしても末端価格の引き上げ等も行われてきたわけでございます。  いまお尋ねの件につきましては、牛乳の販売価格につきましては、過去、たとえば昭和三十九年とかあるいは三十七年には、政府が具体的な値下上げ幅の限度を示しまして行政指導したことがございましたけれども、その後、昭和四十二年に至りまして、国民生活審議会消費者保護部会から、政府が行政指導で価格介入をいたしますと、それを契機に一斉に値上がりをするということになって、非常に独禁法の運用上問題になるのじゃないか、そういうことは慎めという御要望がございまして、以来、農林省といたしましては、飲用牛乳の価格形成には具体的な値上げ幅の限度を示すということはやれませんし、やってないという形になっているわけでございます。  そういうわけで、政府といたしましても、現在の乳価交渉につきましては、当面、当事者の交渉の推移を見守っていくという態度でございますが、交渉の推移によりましては、いま申し上げましたような基本的な方針を堅持しつつも、必要に応じまして、関係者に対しては、できる限りたとえば企業努力をやって、そして値上げ幅を圧縮するようにというようなことの指導をしなければいけない局面にあるいはいくこともあるというふうに考えております。  ただ先生方も御承知のとおり、乳業者の中には、大手メーカーのほかに、中小乳業とか、中小乳業に匹敵するような農協プラントというのがございます。現在の牛乳は年間三百万トンございますが、そのうち、四十八年で言いますと五三%が大手でございますが、残りの四七%は中小乳業あるいは農協プラントでございます。したがいまして、この人たちに企業努力で圧縮しろと言っても、かなりむずかしいという問題もあるかと存じております。  二番目の、飲用牛乳についても不足払いにしたらどうかという御質問でございますが、御承知のとおり、現在、年間の生産が生乳で約五百万トンございますが、そのうち二百万トンが乳製品に向けられて、残りの三百万トンが飲用になるわけでございます。その二百万トンのうちの百三十八万トン部分、つまり乳製品に向けられる二百万トンの中の百三十八万トンに対して、御指摘のような形で不足払いという形が行われております。これはなぜかといいますと、ほうっておきますと、どうしても乳製品に向けられますものが相対的に非常に不利に価格が決められるという傾向がございまして、そのために政府といたしましては、農業経営が成り立つようにという形で、本来ならば再生産が償える価格と、現実に支払いが成立する乳代との間を不足払いという形でやりますが、これは法律の規定では暫定という形でございまして、酪農経営が生産性が上がるとか、あるいは国際競争力がつくとか、あるいは現在のそういう不足払いの対象になっております加工原料乳地帯が市乳地帯に組み込まれてくるというまでの間の暫定的なものという形で、法律も暫定措置法という形で書いてございます。  それに比べますと、飲用乳の方は、従来から、いまも申し上げましたように当事者で自主的に形成されております。飲用乳の方は、現在、生産者がメーカーに渡す一キログラム当たりの原乳代は九十八円でございます。それに対して、加工原料乳、つまり乳製品向けとなりますと、政府の考えております保証価格が、一キログラム当たり八十円二十九銭でございます。したがいまして、政府が決めております乳製品向けの保証価格の方と、飲用向けとの間に、二割ぐらい開きがあるわけでございます。そういう意味では、飲用乳というのは現在でも、需給事情あるいは当事者の経済的な事情を反映いたしまして、相対的に有利に決められております。  いま先生御指摘の、飲用乳についてもこういう問題があるから不足払いにしてはどうかというお話は、いろいろございますが、私どもとしては、いま当面、なかなかむずかしいと思います。といいますのは、乳製品向けの不足払い自身が、いま申し上げたように暫定的でございますが、飲用乳につきましては、御承知のとおり、家計に占める牛乳の地位も、米とか、あるいは肉とか、野菜等に比べますと、まだ相対的に低うございます。それから、地域によっても、世帯によっても、お米ほど確実に食べるというのじゃなくて、飲む量もいろいろ違っております。したがいまして、その方々のために全体として相当の財政負担をすることについては、まだなかなか現在の段階では国民的合意も得にくいだろうと思っております。  それからもう一つは、やはりいま言いましたように、牛乳は末端で四十六円でございますが、そのうち五五%ぐらいが処理段階あるいは販売段階の取り分でございますから、生産者段階で不足払いをいたしましても、なお処理段階あるいは消費の段階、要するに販売段階の値上がりはなかなか吸収できないで、末端の価格にも反映せざるを得ないという難点もございますので、そのあたり、飲用乳への不足払いは、いろいろお話がございますけれども、まだきわめて困難ではないかと考えております。

横山利秋日本社会党

○横山委員長 和田貞夫君。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)委員 自治省の五・一六通達ですが、大変な通達を出してくれまして、引っ込めろ、取り消せと言っても、自治省がなかなかこの通達の撤回ということをやらないわけです。そういう中で、ある新聞では、この通達が地方公営企業関係の料金値上げの催促通達だ、こういう悪口をたたいておる新聞もあるわけですが、早速経企庁の方は、物価政策の面から、そう便乗して値上げしては困るということを言われて、自治省と経企庁との間に局長間で確認を六月五日にされておる。  ところで、この確認の内容を新聞でも見せてもらいましたし、この確認書の内容を見せていただきましたが、きわめて抽象的で、何が何だかさっぱりわからぬというあいまいもことした確認に終わっておるのです。一体自治省は、この確認に基づいてどういうように対処していこうと思っておるのか、あるいは経企庁は、この確認によって地方公営企業の料金の値上げについてどういうように対処していこうとしているのか、その点が、この確認書だけでははっきりわからないわけでございますので、その点、この機会に、自治省からと経企庁の方からと、ひとつお聞かせ願いたいと思います。

山本成美自治大臣官房審議官

○山本(成)政府委員 自治省が五月十六日付で事務次官の通達を出しましたことは、いま御指摘のとおりでございます。この種の通達は、例年、大体同じような内容を盛りまして、注意を喚起する意味で、指導上大事なことを繰り返して毎年度やっておる性格のものでございます。したがいまして、私の方といたしましては、今年度特に変わったことを書いたというほどの気持ちはなかったのでございますけれども、料金問題と、それからこれに絡みます経営合理化問題を、やや昨年度の通達の内容よりはきめ細かく書いたような形になっております。  そういうことで、あるいま御指摘の中でありましたように、料金値上げ催足通達と言われるようなふうにとられたのではないかと思いますけれども、私の方としては、適時適切に料金改定をやってくれということは、これは前々からも繰り返し公営企業指導上申し上げてきたことでございます。  なお、経済企画庁との間に局長名で確認書を交わしました件についての御質問でございますが、これは、私の方がいま申し上げましたような性格の通達を出しました後で、経済企画庁としては、全体の消費者物価なり物価一般につきましての所管官庁でございますので、時によっては大都市あるいは都道府県の物価についての所管課なり部局というものとの接触もございますので、そういう意味で、私どもの方と経済企画庁との間に、指導上のそごなり、あつれきなり、考え方の違いがあってはならぬということで、この際、地方団体に直接出しました通達以外に、考え方のまとめをしておこうじゃないかというふうなことで、この覚書が交わされたのでございます。内容は、御承知のように非常に抽象的でおわかりにくいということでもございますけれども、要は、私の方は、合理化を十分やってくれ、その上で料金問題を取り上げてもらいたいというふうに、この確認書については、関心を持っておるというふうに申し上げたらよいのではないか、こういうふうに考えております。特段新しいことではございませんけれども、私どもの方と経済企画庁との間の、物価一般についての所管省との間の整合性といいますか、そういうふうなものと、税金に多額の負担をかけざるを得ないようなことが大体目に見えてまいっておりますような公営企業についての料金問題という、この両者についての整合性を求めるということを共通の地盤にしたものでございます。

喜多村治雄経済企画庁物価局長

○喜多村政府委員 ただいま自治省からお答えのございましたことで尽きるわけでございますけれども、なお敷衍して申し上げますと、地方公営企業の料金の決定は、従来、地方自治法あるいは地方公営企業法に基づいて、その地方公共団体で決められることになっております。したがいまして、経済企画庁がこれに関与いたしますという関係は、いままで余りなかったわけでございます。ただ、バスでありますとか、地下鉄でありますとか、路面電車は、運輸大臣の認可になっております関係から、その段階で私ども協議に応ずるということはございましたけれども、それ以外のものにつきましては、企画庁との関係はいままでなかったわけでございます。  そこで、自治省の通達が出たわけでございますけれども、これはいま自治省からお答えございましたように、五十年度の財政運営についてということの中の一環としてでございます。そういうことでございましたのですけれども、特にこの分につきまして、現在物価事情が非常に厳しい状態にあります関係から、特にここでその通達の内容について両省間で確認をしようということでございまして、いまお答えございましたように、一つは、やはり受益者負担の原則に立つことによって決定されるべきであるけれども、その改定については、まず経営の合理化を図ってほしい。それから、安易な値上げを許すという趣旨のものではないということを確認したこと。それから第二番目といたしましては、料金の改定を地方自治体で行う場合でありましても、国の経済政策あるいは物価政策との整合性を保ってやってほしいということでございます。  先ほどもちょっと自治省からのお答えの中にはございましたように、現在、県段階及び政令都市の段階には、物価行政を担当する部局がございます。たまたまこの自治省の通達が出ましたときに、私どもと地域的に部分的な会議を持っておりました段階でございまして、したがって、自治省の通達の真意を確認してほしいというような意向もございましたためにこういう通達になったのでございますが、いずれにいたしましても、いま申し上げましたような趣旨で自治省と十分相談して、いやしくも経営の合理化をすることなしに安易な値上げをしないということ、それから国の経済政策、物価政策との整合性を十分考えてやってほしいというようなことで、県段階及び市町村の一部のところに指導をいたしておる次第でございます。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)委員 そうすると、自治省の方にお尋ねしますが、通達の中で「適時適切に料金改定を実施するよう格段の努力を傾注されたい。」「格段の努力を傾注されたい。」という言葉は、この確認の中で配慮されたものだと解釈していいのですか。

山本成美自治大臣官房審議官

○山本(成)政府委員 二十八ぺ-ジに料金問題を取り上げておりますが、「適時適切に料金改定を実施するよう格段の努力を傾注されたい。」これも毎年度大体同じようなことを書いておるのでございまして、先ほど申し上げましたように、今年度特に変わったというふうな性格のものではございません。御承知のように、団体によりましては適時適切にいままでやってこなかった結果が、大幅な料金値上がりに結びつくといったようなことが現実にございまして、そういうことがあっては困りますので、いまから配意をしてもらいたいということでこれは書いたものでございます。重ねての御質問でございますけれども、特段その点で変わったというふうな趣旨ではございません。従来から申し上げてきたことでございます。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)委員 先ほどの説明では、合理化にできるだけ努力せよ、企業経営についてもっと努力せい、その上に立って適切な料金を設定せよ、そういう内容の通達であれば、そう催促通達であるとか、あるいはこれによって便乗値上げしようとかというような空気が起こってこないのですが、「格段の努力を傾注されたい。」こういう強い指導的な、指示的な文書がある以上は一やはり自治体としては長い間、特に地方選挙もあったことですから、それぞれの首長さんが選挙されるまでできるだけ見送ろうということで、この一年、二年、あるいは国の物価政策に見合って値上げを抑えてきたということは事実であると思うのですね。ところが、格段の努力を傾注せよ、こういうことだから、さあもってこいだということで、この際、それじゃ自治省通達によってやろうかという気持ちが強く支配しているというように思うのです。  私は、やはり先ほど説明されたような確認の内容であれば、そういう強い行政指導は、上げるように強い指導をやるというのじゃなくて、物価政策というところにむしろ重点をかけて努力をするような指導をさすべきじゃないか、こういうように思うのです。  ところで、受益者負担の原則に立ってということですが、特に水道にいたしましても、あるいは交通機関にいたしましても、受益者負担というこの原則に立ちますと、国の住宅政策によりまして新しい住宅団地ができていく、その新しい住宅団地にやはり交通機関が必要である、あるいは上水道なり下水道の施設が必要であるということで、新設の路線あるいは新設の上下水道の事業というのは行われるわけですから、いまの時点で新しい建設に要する経費が、受益者負担という形でなってくるわけですね。そこでは受益者の負担という原則を貫くということであれば、経済性が全く第一義的に考えられて、公益性というのは薄れていく。それじゃ私企業と余り変わらないじゃないか、同じことじゃないか。  地方公営企業法で言うところの経済性もさることながら、あくまでも公営企業あるいは地方公営企業というのは、この中にもうたわれておりますように、本来の目的というのは、やはり公共の福祉を増進する、そういう観点に立った運営をしていくのが公営企業であるわけですね。そこに第一義的に目的をおかなければ、受益者負担を原則だということであればこれはもう何をか言わなやということですが、一体この経済性というものを第一義的に置くのか、あるいは公益性というものを第一義的に置くのか、公営企業のあり方について、政府の確固たる考え方をひとつ明らかにしてほしいと思います。

山本成美自治大臣官房審議官

○山本(成)政府委員 いま御質問になりました内容に直接触れます前に、先ほど私が御答弁申し上げた点で少し抜けておったのじゃないかと思う点がございますので、触れてみたいと思います。  昨年の四十九年度の通達の中では、実は料金問題の中に合理化問題をあわせて書いておったのです。それを今回の通達におきましては、人件費、物件費等の合理化問題を第一に抜き出しまして、それをトップに持っていった、その次の項目として料金問題を書いたというふうなことでございまして、大綱におきましては変わりませんが、むしろ御質問の中にありましたような趣旨には沿ったのではないかというふうな感じが実は私どもはいたしておったのでございますが、誤解があったとすれば、私の方の説明が悪かったということになります。  その次に、一般に政府企業というものの性格についての御質問でございます。私どもの所管としては公営企業になるわけでございますが、政府企業一般の原則として、公共の福祉のためにやるのだという点におきましては、一般の政府事業も、行政も、政府企業につきましても、変わったところはございません。ただ、それを達する手段といたしまして、たとえば私の方の地方公営企業でございますと、企業というものの原則に乗って、いわば経済性に乗って公共の福祉を増進するように努めるのだ、こういうふうな仕組みになるのではないかと思います。そういうふうな経済性というものを発揮することによって公共の福祉に役立つ、そういう事業としてどういうふうなものがあるのだろうがということになりますと、現在地方公営企業法で決められておりますような、御指摘の中にありました上水道でありますとか、あるいはバス、路面電車、地下鉄といったようなものが代表的なものの中のさらに代表的なものではないかと思いますが、そういうふうなことではないかと思います。  それでは、公営企業におきます経済性というのは何かということになりますと、政府企業一般にそうでございますように、利用者負担というものと独立採算制、この二つ、盾の両面といってもよろしかろうと思いますが、こういうふうなものによって成り立っておる、そういうふうに考えております。したがいまして、企業原則から申し上げて、企業としての性格がつぶれてしまうというふうなものになってはならぬという意味で、人件費や物件費の合理化問題を取り上げ、あるいは料金水準を取り上げる、こういうふうな仕組みになっておるのではないかと考えております。  独立採算制なり、受益者負担、あるいは利用者負担というもののあり方については、内容的に個々の問題については議論がございますけれども、地方公営企業全般としては、いま申し上げたようなことではないかというふうに考えております。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)委員 経営努力、企業努力というものはやはり限界があると私は思うのです。よそのことは余り詳しくわかりませんが、たとえば大阪市で、今回地下鉄、バスの値上げ、それから上下水道の値上げ、これが審議会から答申されて、市の方も何とかしないと、これ以上企業努力はできないという結論に審議会が達しておるわけですね。  たとえば、バスの場合に企業努力をやろうと思いましても、車掌制度が廃止になって、全部ワンマンカーになっておるわけですから、一人の運転手が必要で、バスの運転手を半人ずつ走らすというわけにはいかぬ。あるいは燃料の節減をするということでバスを小型にすれば、燃料の節減になっても、収益の面で決して実を上げるということはできない。あるいは大型化しようということでいま以上の大型化をした場合、路面で走るというようなことは今日の交通事情の中でとてもできない、そういう具体のことを検討していったら、これ以上企業努力をやれ、経営努力をやれとい言っても、おのずから限界に達しておるわけですよ。あるいは運用面で、ラッシュのときに走らして、そうでない時間帯では走らさぬでおいたらいい、こういうようなばかげたこともできないし、企業努力あるいは経営努力をせよと言ったところで、具体に実態を把握した上で、なおこういうようにしなさいと言うのだったら話はわかりますが、抽象的に、その実態もつかまないで企業努力しなさい、経営努力しなさい、これでは話にならぬと思うのです。そういうような点について具体に、まだ経営努力する必要がある、あるいは企業努力をする個所があるということを指摘されるような用意があるのですか。あれば、その内容を具体的にこの機会に教えてもらいたい。

山本成美自治大臣官房審議官

○山本(成)政府委員 合理化問題についての御質問でございますが、先ほども申し上げましたように、料金問題一般から抜き出して、今年度は特に第一項目として人件費等の合理化問題を取り上げたのが通達の内容であったわけでございますが、具体的にどういうふうな点かというふうことになりますと、団体によりまして、また公営企業の内容によりまして、いろいろさまざまだと思います。  仮に人件費だけをとってみましても、バス、路面電車の場合は労働集約的な事業の性格上、七十数%というものが人件費で占められておる。あるいは地下鉄で申しますと、資本が非常にかかりますので、資本集約的な性格の費用構成になっております。また、病院におきましても約五〇%を超えた程度のところが人件費で占められておるというふうなことでございまして、合理化問題は必ずしも一律の図表によって解決するというようなことはできないと思います。ただ、一般的に申し上げることができるとすれば、一つはやはり人件費問題ではないかと思うのでございます。公営企業の人件費問題は、水準としてはどうしても一般会計職員の給与水準との肩並びの議論が出てまいりますので、必ずしも公営企業だけの議論で解決できるとは思いませんけれども、やはりこの人件費問題は、まず合理化をする必要があるのではないかというふうに考えております。  それからあと、お説の中にもございましたように機械化の問題がございます。大阪市でワンマンカーを徹底したというふうなお話もございますけれども、まだまだワンマンカー率の低いところもございますので、われわれとしては、やはりこういう点で、マンパワーを節約する意味でも機械化をやるべきだというふうなことを考えておるわけであります。  そのほか、燃費等々につきましては、大して大きな数字ではございませんけれども、やはりむだをなくするというようなことは常時心がけてもらいたいということで、具体的なことは、個々の団体、企業によりまして、私どもも指導を変えておるわけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員長 この際、暫時休憩いたします。     午後一時二十一分休憩      ――――◇―――――     午後三時四分開議

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。和田貞夫君。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)委員 山本審議官が先ほど合理化について若干具体的に触れられましたが、たとえば人件費という問題が出まして、先ほどもバスの例を挙げましたが、人減らしは、バスは一台一人制ですから、バスが走っておる限りは運転手を減らすというわけにいかない。運転手を減らせばバスの回数が減ってくる、こういうことになるのですから、減らすわけにいかない。あるいは地下鉄ということになってまいりますと、これも人数を合理化しようと思えば増結していく、増結をしていけば、ホームをこれまた改築せなければいかぬ、増設せなければいかぬということで、また設備投資がかかってくる。それから機械化という点にも触れられましたが、大阪ではすでに機械化については、集改札の機械化がもう全駅を通じて終わってしまっているわけなんです。だから、人件費を節約する方法がないわけです。また、燃料もできるだけ節減と言われましたけれども、燃料を節減していこうと思えばバスを小型化していくという方法しかないのですが、バスを小型化すると収入面が減少するというようなことで、燃料の節減ということもこれまた不可能であるわけです。そういう実態というものを踏まえれば、これ以上に企業努力をせいとか経営努力をせいと言ったところで、始まらぬわけなんですね。そういう実態をつかんだ上で企業努力をせいというように言われておるのかどうか、その点が私はどうも納得するわけにはいかない。その点、各地方公営企業の実態というものをつかんだ上で考えておられるのかどうか、その点をもっとつまびらかに説明してもらいたい。

山本成美自治大臣官房審議官

○山本(成)政府委員 人件費の問題でございますけれども、各企業の性格によりまして人件費の構成が異なることは先ほど申し上げましたが、現実に個々の団体を見てみますと、人件費そのものの構造がまたいろいろございます。一つは、民間との間の給与水準が一体どういうふうになっているのだろうか、あるいは一般職員との間でどういうふうな水準になっているのだろうかという水準の問題。それから、水準はともかくといたしまして、職員の年齢構成、こういうふうな問題もございます。一般に、公営交通の場合でございますと、民間からは高齢者が多いということをよく指摘されるのでございますが、そういうふうなことも一般的には目に立つ問題でございます。それから、給与水準にいたしましても、比較的民間よりは高い者が多いということでございます。  こういうふうなことから、当然給与費全体がふくらむわけでございますが、それ以外にも、民間の公営交通類似の企業から言わせますと、やはり人数につきましてももったいない使い方をしているのではないかという批判も、私ども現実に受けることがございます。こういう点も、個々の団体によってはいろいろございましょうけれども、やはり思い切って合理化を進める方策を持たなければなるまい、こういうふうに思っております。  ただ、いま和田委員御指摘の中にございましたように、ぎりぎりまで職員なり給与水準の合理化をやるにいたしましても、企業環境がどういうふうになっておるかという問題が一つございます。先刻の御質問の中にもありましたように、たとえば表定速度がバスでございますと十二キロしかないというふうなことでは、これは一般の乗客を集めることもできませんし、交通機関、特に大衆交通機関としての信頼性もそれではがた落ちでございますから、どうしてもバスを利用しよう、あるいは路面電車を利用しようというふうなことにならないことになるわけでございまして、これではいわば商品として売り出しておる値打ちがないということになりますので、乗客数も落ち、収入も悪くなってくる、こういう悪循環になるわけでございます。  そういうことでございますので、表定速度十一キロだとか十二キロだとかいったようなことは、何としても改善する必要がございますけれども、これはおっしゃるように企業だけの仕事として責任を持たせるのは無理でございます。そういう点から、私ども特にこの三年ほどの間に企業環境の整備をやれということを強く指導いたしまして、たとえば大阪市でございますと、警察当局の交通部局と大阪市の交通局との間に橋渡しをするような方策を、われわれも間に入ってやったわけでございますが、こういうふうなことによって、専用レーンでございますとか、あるいは優先レーンとかいったようなものが、徐々にではありますけれども相当伸びてきているのが、実績として見られると私は思います。  さらに、警察当局では、五十一年度を期して自家用車の総量規制をやりたいというふうなことも強く方策として打ち出しておるわけでございますから、こういうふうなこともあわせてどんどんやりながら、先ほど申し上げたような、企業内部における特に人件費の問題の合理化を図っていくべきではないかというふうに思っておるわけでございます。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)委員 いま山本審議官が指摘されましたように、努力はやっても限界があるということを私は言いたい。いま指摘されたように、警察当局とも協力してバス専用レーンの設置をしたり、あるいは住民福祉ということも兼ねて、乗客増の対策として、ゾーンバスの導入をマイクロバスでやっておるというようなことをして、増収面についても常に努力しているわけですね。あるいは都市交通だけでなくて、上下水道の事業についてもかなりの努力をしておるのです。料金の徴収体制を、従来職員がやっておったのを請負ということで、労働組合が反対してもやはりそれなりの努力をしておる。水道についても、事務面ではかなりの機械を導入して努力しているのです。だから、その努力をやらないということは言ってないわけです。  企業努力、経営努力をしても、そこに限界があるわけだから、限界に達したら、その努力をやれと言ってもそれはできないわけですから、今度はおのずから料金に転嫁していかざるを得ないという問題が出てくるわけです。そうすると、あなたの方の指導では、努力をそこまでやって、やった以上はしょうがないから料金を上げざるを得ぬ、その料金は適切な時期に、あるいは適切な料金でというように言われるのですが、一体この適切な時期というのはどういう時期を選ぶか、適切な料金というのは、一体どの程度のことを指して適切な料金だというように言われるのか、これも非常に抽象的でありますので、その点をひとつお答え願いたいと思います。

山本成美自治大臣官房審議官

○山本(成)政府委員 適時適切に料金を合理化しろということを言っておる問題につきまして、一体適時適切とはどういうことかということになるわけでございますが、先ほど経済企画庁の方から料金について若干お触れになったところにございましたけれども、たとえば交通でございますと、これは民間と競合いたす問題でございますけれども、運輸省への料金認可の申請を出して、そうして民間とのバランスも考えながら、大体大都市では三年程度、一般都市でございますと二年程度といったようなものを頭に置いて、ローテーションを組んでやっていく、逆に申し上げますと、料金算定期間は二年ないし三年というふうなことで実際はやっておるわけでございます。その際に、物価対策の上から、特に大都市の交通については関係の閣僚で決める、最終的な判断をするというふうな仕組みも仕組まれておるわけでございますが、水道のような場合には、これは当該地方公共団体の議会のコントロールだけで実際やれるというふうな仕組みになっておりますので、全国的な目から見るバランスのとり方、あるいは水準の算定、そういうふうなものがやれないわけでございます。  考えてみますと、上水道と申しますのは、明治二十三年ごろに横浜で始まりまして以来、各市町村に義務として水道の布設が任務づけられておるというふうなことでございまして、たとえばいまでございますと兵庫県の家島町というのがございますけれども、ここでは雨水がございません。そういうことで海水の淡水化をやっておるわけでありますが、ここでは実に十トン当たり三千七百五十円という高水準になっておるわけであります。     〔松浦(利)委員長代理退席、委員長着席〕 あるいは長野県の岡谷市くらいになりますと、今度は逆に十トン百円といったようなことで、全国的にもすごい差があるというのが実態でございます。これはやはり歴史的な沿革の中で、上水道事業というものが特に市町村の専属的な義務としてやらされてきた。むろん例外はございます。しかし、専属的な専管区域と申しますか、そういうふうなものを持ちながら、沿革を持ってやってきたということでございまして、この問題についてはなかなか簡単には割り切れない問題がございます。私どもは、水道につきましても、全国千七百ほどの水道事業がございますけれども、大体三年程度の料金算定期間をもって運営をしておるというのが実態でございまして、大体その程度であれば適時適切にと一まあ水準がございますけれども、料金水準さえうまくコントロールなりあるいは維持をしていけば、これは一遍にものすごい水準に切り上げるというふうなことの心配はないわけでございます。ざっとした感じで申し上げますと、自治体の専管区域ではございますけれども、大体三年ぐらいずつでそのときそのときの原価コストをよく計算してやっていけば、私はうまくいくのじゃないかというふうな感じがいたしておるわけでございまして、まあいま申し上げたようなことでその時期さえ外さずに、またコストの水準に見合ったものを上手に料金化していけば、そう一般財源に将来非常に大きなウェートをもっておんぶをしなければならぬというふうなことにはならない、こういうことを考えておるわけでございます。直接適時とは何だ、適切とは何だということのお答えにはなりませんけれども、まあ大ざっぱではございますが、考え方をつかめばそういうことになるのではないかというふうに考えております。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)委員 二年ないし三年というこの改定する時期は、説明がありましたからわかりましたが、適切な料金というのは、たとえば水道料金が三倍になるとか、あるいは地下鉄、バスの料金が一挙に倍になるとか、そういうような改定の仕方が、適切な料金と言えますか。この適切な料金というのは、大体どの程度の料金を考えておるのか、どの程度の値上げ率が適切であるというように考えておられるのか、これは経済企画庁の方から一回お話し願いたいと思います。

喜多村治雄経済企画庁物価局長

○喜多村政府委員 何が適切であるかということは一義的には言えないと思います。そのときそのときの事情に応じてそのときの高さが決まってくるものと思いますが、私どものあの適時適切の理解は、現在の非常に高い物価の事情における段階におきましては、二倍であるとかというような高いことでは、とても家計支出に大きな影響をもたらすと思いますので、そんなに高いものでは困るという感触は持っておりますけれども、しからば何%がいいのかということについて、東京都のことを十分存じませんので、幾らがいいかということについては、東京都の具体的な例としては申し上げるわけにはまいりません。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)委員 少なくとも二倍、三倍というのは適切な引き上げ率でないということは、いま御指摘あったように理解していいですね。  そうすると、先ほども申し上げましたように、経営努力をやった、企業努力をやった、これ以上どうもならぬというと、しんぼうして、しんぼうし切れなくなって、二年ないし三年たつとこれはどうもならぬわけですから、料金の改定をしなくちゃならぬ。その料金の改定については、この覚書のように両省庁が共同して指導するということを確認なさるわけですから、そういう指導、料金をこういうようにしなさいということだけが経済企画庁なりあるいは自治省の指導の内容なのか、その点はどうですか。

喜多村治雄経済企画庁物価局長

○喜多村政府委員 この適時適切に指導をしようではないかというお互いの申し合わせで、確認でございます。私どもは、直接東京都の料金に対して、従来とられております協議というようなことを受けまして指導するというようなことではございませんで、私どもが直接関与いたしております物価担当部局に対する指導をいたします。また自治省は、直接的に地方公共団体を御指導なさる場合に、お互いが適時適切に行おうではないかということの確認をしたということでございます。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)委員 その場合に、やはり指導をなさる政府、国のその姿勢というのは大事だと思うのです。国の方が直接関係する公共料金について、それはいたし方ないということで、今回のようにたばこや酒の値上げ、あるいは郵便料金の値上げはやっておいて、そして地方の方に値上げをこの程度で切り詰めよと言ったところで、指導する側がそういう姿勢にならなくては、これは地方の方は何をぬかしているんだということになるでしょう。国のその姿勢というのは大事なんです。  国の方は、それでは公共料金の改定、値上げについて今後どういうように考えておられるのか。もうすでに具体的に出ておる郵便、あるいはたばこ、酒、これはもう明らかになっておりますけれども、それ以降、やはり国が関係する授業料の問題であるとか、いろいろな、公共料金とは言えなくても、直接国民の生活に波及する問題があると思うのですが、その点はどうですか。

喜多村治雄経済企画庁物価局長

○喜多村政府委員 国の公共料金につきましては、かねがね副総理からもお答え申し上げておりますように、きわめて抑制的に、厳に抑制的に行うという姿勢をとっております。いま御指摘ございましたけれども、本年度におきましては、公共料金といたしましては、たばこと郵便を法定公共料金として認める以外は、一切これを抑制するというか、上げないという方向をとっておりますし、また郵便につきましては御承知のように十月一日ということで、お申し越しよりも半年おくらしたというようなこともございまして、できるだけ抑制的に行っているということでございます。国鉄の基本料金につきましても本年度見送りましたし、また、電信電話料金につきましても本年度につきましては同様に見送ったということでございまして、万やむを得ないものにつき、また万やむを得ない範囲においてたばこと郵便というものを認めていただきたいというお願いを申し上げたような次第でございまして、基本的に申しますならば、やはり私どもが本年度の努力目標といたしております九・九%というものを達成し得るぎりぎりの範囲内において抑制するというような態度でございます。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)委員 政策としてはどうですか。先ほども質問者が述べておりましたように、消費者米価を決定することについて、最小限ぎりぎりで消費者米価を抑えるという抽象的なことしかいま言えないというような答弁を大臣がされておりましたが、やはり毎年毎年消費者米価が上がっていくというのじゃなくて、それこそ地方公営企業の料金の改定の時期というのは二年ないし三年ということを言われましたが、せめてそのような形で、ことし一年間は、あるいは向う二年間は消費者米価を、これはもう物価対策として値上げをやらないというような方針をとっていくとか、あるいは水道料金の問題については、工業用水に見合う自治体への財政援助という問題を含めて、政策面で水道料金の値上げを抑止していくというような行政指導が必要だと思いますが、そういうような政策面で対処していく、政策面を含めて、財政援助を含めて行政指導をしていく、こういう考え方には立たれないのですか。

喜多村治雄経済企画庁物価局長

○喜多村政府委員 先ほどお答えいただきましたが、公共料金といえども私は価格だと存じます。したがいまして、むげに長い間これを抑えておくというわけにもまいりませんので、ある時期には適切に、それこそ適時適切に上げなければいけないというようなものだと思います。もしそうでなければ、企業の経営基盤というものを脆弱にいたしますし、サービス自体が悪くなるというようなことになりますので、私は、やはり政府が決定いたします価格である以上、適正なものでなければいかぬということを考えております。  しかし、そうは申しましても、確かに物価に対する影響度も強いものでございますから、政策的にこれを考えていかなければならぬ部分というものも相当あるかと思います。先ほど申し上げましたように、まずそれを本年度上げていいかどうかということについての判断、あるいはどの程度上げるか、あるいは時期はどうするかというようなことは、きわめて政策的に決まることでもございますし、また、物によりましては、と申しますのは、外部経済が非常に大きなものにつきましては、たとえば地下鉄の場合には補助金政策があるとかということはございますけれども、基本的にはやはり受益者負担、これは直接及び間接を含めますけれども、受益者負担原則がまず貫かれるべきであろうと思います。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)委員 水道の問題につきましても、工業用水と家庭用水、これは料金に大きな隔たりがあるというのは、やはり政策として工業用水に対する補助率というものが非常に大幅にあるわけですね。だからこそ、工業用水が、同じ自治体が経営しても安価な料金でしんぼうできるということですが、工業用水に見合うような財政措置というのを上水の場合にとるというような、こういう政策はお持ちじゃないですか。

山本成美自治大臣官房審議官

○山本(成)政府委員 上水道に工業用水と同じような補助政策はとれないかということでございますが、上水道は、先ほどから申し上げてまいりましたように、長い歴史と市町村の伝統の中で大きな政策の一つとして取り上げてきた建設事業であり、供給事業であると思いますが、最近のように水源地が非常に遠くなるとか、あるいは隣り合った市町村同士で人口の社会増、社会減等々があります場合に、やはり独立したものとしてやるよりは、それぞれの間を結ぶパイプが必要だ。それぞれの地域の水道を結ぶパイプがある方が便利であり、また効率的だというふうなことも当然出てまいっておりますので、そういうふうに水源開発に関します経費、あるいは広域化をするために要します建設改良費の部分につきましては、現在厚生省の方で四分の一あるいは三分の一といったような補助率で制度化されておりますので、私どもはこれを強化充実するという方向で上水道の問題は当面対処していくべきだ、こういうように考えておる次第でございます。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)委員 地方公営企業の経営基盤を確立していくという政府の方策というのは、この際きちっとしてもらわないと、非常に困るわけです。地方公営企業は、病院、水道、電気、それにこの地下鉄、バスですが、それぞれ性格は違いますけれども、たとえば、私だって東京都民じゃないわけですから、税金を払っておらぬ。税金を払っておらぬけれども、都が経営するバスにも乗るし、あるいは水もちょうだいするわけですね。大阪だってやはり同じことです。大都会になればなるほど、その住民が負担する経費で、一般会計から企業へのできるだけの繰り入れをやって、何とか経営努力、企業努力というものをやってきておるわけですね。それもやはり限界がある、確かにあります。したがって、特に地下鉄であるとか、あるいはバスであるとかという場合には、当該の税金を払っている住民が使うよりも、むしろ大都会に乗り入れてくる住民の方が、利用したり、使用したりするウエートが高くなってきておると思うのです。そうなってまいりますと、いま伝統的にそれぞれの自治体が経営してきたという歴史過程はありましても、今日のような経済圏の中では、その自治体だけに押しつけて、特に最近のようなインフレによって資材が上がった、人件費が上がった、こういうことですから、そのような国の政策のしわ寄せを自治体に押しつけて、自治体に努力せいということじゃ始まらぬと私は思うのですよ。やはり地下鉄は地下鉄なりに、あるいは水道は水道なりに、政府がそれだけの財政措置というものをやって、そしてできるだけ料金改定について料金を極力抑えていく。そういう財政裏づけの政策を打ち出さないとただ口先だけで、努力しなさい、そしてその上で適切な料金改定をしなさい、こういうことでは、指導ではないじゃないですか。

山本成美自治大臣官房審議官

○山本(成)政府委員 和田委員のいまおっしゃいましたように、東京都であろうと、大阪市でございましょうと、当該地域の住民以外の人が相当のウエートをもってサービスを受けておるという事実がございます。ただ、そのことは、逆に申しますと、やはり当該住民の税金を入れるのはおかしいじゃないか、入ってきた利用者がそれに応じた、あるいは原価に応じた料金を払いなさいということにもなるわけでございまして、数字の足らないところを税金で入れる、あるいは国税を入れるというようなことには必ずしも結びつかないものだと私どもは考えておるわけでございます。  ただ、そうは申しましても、先ほど来申し上げてまいりましたように、水源地が非常に遠くなる。大変なコストがかかる。あるいはバスにつきましても、環境が非常に悪くなってくる。表定速度が十一キロとか十二キロとか、とても大衆交通機関としての信頼が持てないわけでありますから、そういうふうなことにならないようにする。これは言葉を言いかえますと、外部経済が大きくなるようなものであれば、そういうものに着目をして、国税あるいは地方税で賄っていくという部分が現実にふえてきておることも事実でございますから、結局利用者負担というものの徹底を図ると同時に、利用者負担をすべき限界というものをこの際明らかにしていくべきだ。それは地方公営企業で申しますと、現在法律の中で、政令まで含めてでございますけれども、一般会計がどの辺まで負担すべきかということは抽象的ながら書いてあるわけでございますが、これの運用をきちっとしていくということで、一般会計が負担すべきもの、あるいは負担に適応したようなものは入れていく。しかし、そのあとは全部企業としての性格からくる利用者負担なり独立採算制でやっていくということが一つのけじめではないかというふうに考えるわけでございまして、そういう意味におきまして、先ほども触れましたように、上水道の水源地なり、広域化をいたします場合の建設改良費の補助金制度を強化しろということも、厚生省にことしも強く申し入れをしたいと思っておるわけでございます。  また、地下鉄につきましても、現在六六%は税金で入るという仕組みになっておりますけれども、これをさらにどこまで上げるかというふうなことも現実に課題としてわれわれは取り上げておるわけでございまして、お話のような点は、われわれとしても関心を持って、措置すべきものは措置をするということで対応しておるわけでございます。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)委員 したがって、水道にいたしましても、地下鉄にいたしましても、自治体の一般会計から繰り入れるというのは、今日の自治体財政の中では底をついておるわけですね。これ以上一般会計からということはとてもできない。ただ、だからといって、受益者負担だというその原則だけを貫いていくと、これは先ほど言われましたような適切な料金になってこないわけです。そうすると、適切な料金で抑えようとすれば、これは国の財政援助しか道がないわけなんです。  たとえば水道の場合はまちまちでありますが、やはりきちっと原則面を決めて、水源の開発については一切国が責任を持つ、あるいは水源からそれぞれの自治体に対する送水については府県が持つ、そうして末端の家庭への配管については市町村が負担するというようにきちっと分担を決めるというようなことも、水道事業についてこの際明確にする必要があるのじゃないか、こういうように私は思うわけなんです。その点はどうですか。

山本成美自治大臣官房審議官

○山本(成)政府委員 上水道の場合の例をお取り上げになりましたが、先ほど申し上げましたように、負担区分というものが法令で決まっておりまして、一般会計で負担すべきものは負担をする。さらに、水源の開発でございますとか、あるいは先ほど申し上げたような意味の広域化をするための補助金というものは、徐々にではございますけれども改善されてきておりますし、今度は私どもは、やはりこの辺は厚生省でも踏ん張ってもらって、大幅に改善をしてもらいたいということを、強く申し入れをいたしておるところでございます。  料金算定の原則といたしまして、やはり大前提は、最善の経営合理化の努力をする、その前提に立って原価主義を貫く、そうして全体として見た場合に料金が公正であるというふうな状態を、われわれは仕事の中で求めておるわけであります。各自治体においても、当然その努力はいたしておると思いますけれども、なおそういう観点から反省すべきものは反省しろというのが私どもの立場でございますし、日常の指導の方針でございます。  国が持つべきものは当然持てということも強く主張してまいりますが、何をおきましても、大前提になる公営企業の経営の合理化の問題は自治体自身でやるべき問題でもございますので、特に強く言っておるというふうなことでございます。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)委員 補助をやっていくということだけじゃなくて、私がいま言いましたように、水源開発は自治体は心配せぬでもいい、国が責任を持って国の費用で水源の開発はやっていく。そうして水源地から各自治体への配管については、これは広域自治体としての府県が担当する、市町村は心配せぬでもいい。それからの枝管を利用して各家庭へ給水するということだけは市町村でやっていけというような、負担の区分を明確にするという、これも一つの政策でありますから、そういうような政策を取り入れて、今日の水道事業の危機というものを打開していく、そうして水道料金を適切に改定をさせていくというようなことが本当の国の指導じゃないか、私はこういうように思うのですが、それをお尋ねしているわけです。どうですか。

山本成美自治大臣官房審議官

○山本(成)政府委員 上水道事業全体の中でどの部分を国費が持つか、いまおっしゃいました意味は、恐らくそういう意味での責任というふうな言葉をお使いになったのだろうと思うのでありますが、どういうふうな部分を国が自前でやって、どこからあとを地方公共団体がやって、どこからあとをさらに一般世帯が持つかという問題は、いまお述べになりましたような物の区分区分でやっていくやり方もございましょう。それから、全体の事業について何%を国が持つ、都道府県が持つ、市町村が持つ、あるいは一般世帯が持つというふうな区切りの仕方もあると思います。  ただ、いろいろ考え方はあろうかとは思いますけれども、現在、建設改良費の大規模なものとしてやっております国の公共事業の中での直轄事業につきましても、地方公共団体が一部負担をするというふうなことが、常例として長い間なじんできておる制度だと考えますと、やはりそれに似たような考え方でいく方がむしろよろしいのじゃないか。  水源といいましてもどの部分なのかという問題もありましょうけれども、そういうふうに細切れにやっていく方がいいのか、事業費全体について着眼をして、どの部分を税金、その税金も国、地方というふうに分けるのか、いろいろありましょうけれども、まあまあ私どもとしては、現在、余り細切れにということでなくて、いまの水源開発なり広域化水道についてやっておりますような方式を強化していくのが現実的であろうかというふうに思っておるわけであります。  しかし、これにも確かに考え方がいろいろございますので、目下、自治省の内部でも研究会をつくって研究をしておるのが実情でございます。いろいろせっかくのお説でもございますから、十分それを頭に入れて、なお研究は続けてみたいと思っております。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)委員 料金を改定したり、運賃を改定するということだけでは、これは根本的に地方公営企業の経営基盤を確立する方策にはならないわけで、それはむしろ物価のつり上げ、波及させていくということにしかすぎないわけでありますから、やはり根本的な対応策というものを考えて、ひとつ御研究願いたいと思うのです。  病院についてはどうですか。自治体の場合に、病院が黒字になっておるのは大体三〇%程度だと思うのです。七〇%までは公営病院は赤字です。それについて、企業努力あるいは経営努力というものはどういうように指導されようとしておられるか、お尋ねしたいと思います。

山本成美自治大臣官房審議官

○山本(成)政府委員 病院の赤字問題についてのお尋ねでございますが、実は病院の料金というものは、御承知のように公定料金でございまして、収入が、診療報酬という国の公定価格によって運営をされておるというのが実情でございまして、制度上そういうふうになっておりますので、やはり先ほど来申し上げてまいりました料金の適時適切な改定というものは、国におきます診療報酬の内容の改善、適時適切な改定ということになろうかと思います。そういうふうな、片や料金収入の面で国の考え方がそのまま出てまいりますので、公立病院の場合、特に地方の中核病院以下の小さな病院におきましては、非常にむずかしい問題がございます。したがって、この辺の解決をどうするかということと、それからいまお話のありましたような病院の経営内容の合理化ということ、私ども両方主張しておるわけでありますが、病院についての経営の合理化と申しますと、たとえば給食の機能というものを外部に委託をしてやるような手はないか、あるいは診療報酬の計算をする事務がございますが、これが病院では大変厄介な、めんどうな、また季節的なといいますか、月の中でもある時期だけ非常にピークが来て、むずかしい繁雑な仕事だというふうになるのでありますが、そういうふうなものを機械化する余地はないか、あるいは簡単なカードで次から次への段階を処理していくようなことができないかというふうなことも問題でございます。また、常時病室にあります患者を見ていきます場合に、テレビカメラのようなものを使って、労働力をなるべく節約するというような方法はないかといった、細かく言えばいろいろ出てくるわけでございますが、そういうふうなものをやると同時に、やはり先ほどから触れてまいりましたように、一般民間の病院におきます給与水準でございますとか、そういうふうなものとの比較において、人件費の構造も適切なものにする余地はまだ残っておるというふうに見ておるわけでございまして、これらを総合して合理化をやってくれということを私ども言っておるわけでございます。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)委員 大臣の時間の関係もあるらしいので、大臣に二つばかりお尋ねしたいのです。  一つは、適切な料金で指導するということですが、国の五十年度の消費者物価指数の伸び率一けたということを繰り返しておられますが、そういう目標の達成に、地方公営企業の水道料金であるとか、電気代とか、病院のベッド代とか、そういうようなものが上がっていっても大丈夫だというようにすでに見越して一けたという目標達成にあるのか、目標達成のために支障を来さないのかどうか、それをひとつお答えいただきたい。  もう一つは、先ほども言いましたように、運賃の改定をやったり料金を改定して、そして地方公営企業の危機に対応していこうとしても、それは何回も繰り返していくと思うのです。だから、先ほどもちょっと述べましたように、水道は水道なりに、鉄道は鉄道なりに、バスはバスなりに、やはり根本的に地方公営企業の経営基盤を確立させていくためにはどうすべきであるか、国がこの際大きななたをふるって、メスを入れて、抜本的に経営基盤を確立させていくためにはかくあるべきだというような政策を打ち出し、その政策のもとに指導していくということがぜひとも必要じゃなかろうか、こういうように思うのです。その点についての大臣のお考えを伺いたい。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 国の方では消費者物価一けたという目標を立てておりますが、その前提として、公共料金は厳にこれを抑制するという基本的な考え方であります。国鉄の料金改定は見送る、また電信電話の料金改定もこれを見送る、また塩の価格引き上げも見送る、いずれも差し迫った必要あるものですが、それをあえて見送る。ただ、公共料金につきましては、たばこ、それから郵便料金、これを引き上げる。それから、酒は公共料金という正確な定義づけはできませんけれども、それに準ずるような立場にあるものですが、これ。それから米価、これはこれから先に考える問題ですが、麦価は当分据え置く。そういうふうに、非常に抑制方針をとっておるわけなんです。その程度の抑制方針が地方自治体においてもとられるということでありますれば、これはまあ一けた台物価目標というのには支障はない、こういうふうに考えております。  それから第二の、地方の公共企業の刷新、合理化、それから建て直し、こういうことを徹底的にやるために国が範を示すべきじゃないか、こういうお話でございますが、これはそういうふうに努めておるわけです。地方でもそうだと思いますが、国でも、一挙にはそれはできません。国鉄のごときは幾たびかそういうことを試みましたが、なお今日、非常にむずかしい状態になっておる。しかし、いませっかく広範な国鉄対策というものを練っておりますから、これはぜひ近いうちに成案を得たい、こういうふうに考えておりますが、それなどは地方の公営交通というものに対しましても一つの大きな参考になろうか、こういうふうに考えておる。時間は多少はかかりますけれども、その他の国の公共企業につきましても逐次再建を図って、そして揺るぎなき体制にいたしたい、こういうふうに考えております。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)委員 大臣、もう一つお答え願いたいですが、地下鉄やバスの場合は、大都会でその地域に限るから、全国的にはそう物価に波及しないだろうというように思われるかわかりませんが、水の問題については、これは直接日々の国民の生活にかかわる問題であるし、また水を使って、銭湯の料金の問題とか、クリーニングの料金の問題とか、あるいは豆腐の問題であるとか、いろいろと他の物価に波及する点が非常に大きいと私は思うのです。だから、かなりの数字の変動が出てこようと思うのです。九・九%というその数字の中で、そういうような波及性の強い水道料金の改定を含めて、地方公営企業の値上げ率というものを一体何%ぐらいに見積もっておられるのですか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 九・九というのは、積み上げ方式でそう言っておるわけじゃないのです。とにかく物価水準を四十九年度は一五%以内、こういうことを目標としたが、五十年度におきましては一けた台にとどめる、こういうことでありまして、別に積み上げでこう言うというわけじゃないのです。  参考のために、たばこは政府案のように値上げをいたしますれば〇・六%の影響はある、こういうふうには申しておりますけれども、現実にそういうふうに動くかどうか、これは的確にはつかめませんが、大観いたしまして、とにかく五十年度の物価水準というものは一けた、そこへ持っていく、こういうことを言っておりますので、そのうち中央の公共料金がどう、地方の公共料金がどう、こういう積み上げ方式でやっているわけじゃないのですが、まあ大体私の見当といたしましては、国の公共料金に対する姿勢、これが地方においてとられるというようなことでありますれば、これは九・九%目標には支障のない状況である、そういうふうに判断しております。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)委員 国の公共料金を抑えるということは国の責任でやれるわけですが、地方の方を抑えるということは、地方自治体の、あるいは地方公営企業の財政にも関する問題でありますから、料金を抑えるということだけであっては、これまた公営企業なりあるいはその自治体が非常に支障を来すわけで、やはり先ほどから繰り返しておりますように、何分かの国の負担、財政の援助、財政の措置ということを含めて、料金改定について指導してもらうということを、私はやはり強く要望しておきたいと思います。  それで、山本審議官にお尋ねしますが、公立病院は、先ほど言われたように人件費だけではないのです。むしろ今日の公立病院の赤字の原因の中に、ベッドがあいているわけです。看護婦不足という問題があるわけです。看護婦さえ充実すれば、空きベッドというのはなくなるのです。それによって収入が見合ってくるわけです。これもやはり経営の努力と言うても、自治体でどれだけ努力しても、これはなかなか人が集まらぬわけですね。それもやはり国が看護婦の勤務体制というものにメスを入れて、かくあるべきであるという指針を出して、そして看護婦を集めるというような、こういう援助をやらないと、これはただ自治体で看護婦を集めてこいと言ったところで、どないもこないもならぬのですからね。これは赤字の一つの大きな原因になっておる。そういうようなことは、自治省が所管するところじゃございませんが、厚生省と十分かけ合って――看護婦の勤務体制によって人が集まるか集まらぬかということにもなってくるわけですからね。看護婦の資格があって家庭におられる看護婦さんが、たくさんおるわけです。やはり勤務体制によって勤務ができない、そのために病院が空きベッドで放置されておる、これが病院の赤字の原因になっておるということを繰り返しておるわけですから、そういう点はどうですか。

山本成美自治大臣官房審議官

○山本(成)政府委員 公立病院の赤字は、四十八年度末の不良債務をたな上げいたしましたけれども、その後、やはり事態は余りよくなっていないというのが現状でございます。四十九年度の決算状況がまだはっきり申し上げられませんのでいかがかと思いますが、結論的にはなおやはり好転しておらぬ、むしろ依然として悪化の傾向を続けておるということでございます。  ただ、その原因として、その中に看護婦不足からくる病棟閉鎖といったようなものがどれくらいのウエートを占めているかということになりますと、これはなかなかむずかしい判断でございまして、にわかに申し上げることができませんけれども、少なくとも公立病院によりましては、二・八制を徹底しておるというふうなところにおいては特に病棟看護婦の不足が出てまいりまして、看護婦不足が叫ばれておるということでございます。県としては、あるいは市町村当局では、現在のところ、たとえば看護婦の養成所を設置いたしまして、かなり以前からそういうふうなことを続けてきた結果が少し出てきておるのではないかといったようなところも見受けられますけれども、全般としては、やはり看護婦不足は覆いがたい事実でございます。  ただ、そういうふうなことに対してどうするかということになりますと、これはもう基本的になかなかむずかしい問題でございまして、早急に決定的な名案というものは出るわけではございませんけれども、やはり非常な地域差がございますので、その辺に着眼をいたしまして、県なり市町村の指導を現在しておるところでございます。たとえば看護婦の養成所につきましては、地方交付税で運営費を措置いたしましたり、いろいろな財政的な手当ても一応いたしておるわけでありますが、看護婦不足ということは、厚生省の所管ではございますけれども、私ども現場を見ておりまして非常に困った事実の一つでございますので、なおその辺は厚生省とよく話をして、病棟閉鎖のような事態が起きないように十分に努力してまいりたいと思っております。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)委員 これは山本審議官、繰り返しますが、看護婦養成機関を幾らつくっても、看護婦はでき上がっていっても、家庭に入ってしまうのですよ。看護婦ができ上がっていっても、勤務につかないのです。やはり勤務体制の問題なのです。看護婦が不足しておるというのは、看護婦の勤務についておる看護婦の資格を持っておる者が少ないということだけのことであって、看護婦の資格を持って家庭におられる方はたくさんあるのですよ。勤務体制さえ変わったら勤務する意欲が出てくるのです。だから、看護婦不足というのは、やはり看護婦を養成することも必要でありますが、看護婦の勤務体制に根本的にメスを入れるということでなければ、幾ら養成機関をつくりましても、看護婦の資格者ができてきましても、勤務につかぬですよ。やはりそこらを検討してこの際改めるということにしてもらわなければいかぬ。  それから、経営努力、企業努力ということを病院に押しつけますとどういう現象が起こってくるかというと、これはもう収入面が限られておるわけでしょう。もちろん、空きベッドというのがあって収入が上げられないというような面もありますが、そこで出てくるのは、総室から個室あるいは四人部屋、三人部屋というのをつくって差額ベッド代を徴収する、そうして収入面を上げていく、こういうところにおいおいなっていくわけです。そうなってまいりますと、歯の治療じゃありませんが、せっかく国民健康保険や社会保険を持っておりながら、その保険では入院できない。差額を出さなければいかぬ。ひどいところでは、かなりの差額料を出さないと入院ができないというような病院もできているわけですね。厚生省の指導では、差額ベッド数を大体二〇%以下に抑えなさい、こういうような指導をしておりますが、そういう厚生省の指導によって、言うことを聞いて、自治体病院が差額ベッドを規制しておるというような病院はどのくらいあると思いますか。

山本成美自治大臣官房審議官

○山本(成)政府委員 いまの数字についてのお尋ねでございますが、持ち合わせがございませんので、後刻調べたいと思います。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)委員 大阪のことを言いますと、少なくとも二〇%以下というところは一カ所もありません。全国的にながめましても、少なくとも公立病院の場合は厚生省の指導に基づく二〇%以下に抑えているところというのはないに等しいと私は思うのです。はなはだしいところでは八〇%以上まで差額ベッド料を徴収するというような、こういう企業努力をするということになっているのですよ。これ以上その通達によって企業努力させられたら、住民はたまったものじゃないですよ。先ほどから、水道の問題なり、あるいは地下鉄、バスについてはかなり具体的に指導面について言われましたけれども、こういう現状の中で、病院経営についてこれ以上、通達に基づく企業努力あるいは経営努力というのは、どういう方向を志向して努力されようとしておるのですか。

山本成美自治大臣官房審議官

○山本(成)政府委員 細かい数字を持ち合わせございませんので、具体的なパーセンテージについては私の方から何も申し上げられないのでございますが、私どもが具体的に地方を回りましたときに、むしろ目につきましたのは、非常にりっぱな建物で公立病院を経営しておるのに、差額ベッド料を取れないのだ、公立病院の宿命であるということを常々聞かされてきたものでございますので、全国的に八割以上にもなるということが、私、具体な数字を持ちませんので失敬でございますけれども、ちょっと実感と合わないのでございます。恐らく虎の門病院におきましても、七五%の病床程度は差額ベッド料を徴収しておるのではないかと思いますけれども、地方公共団体の場合は、むしろ差額ベッド料をどうしても取れない、議会の関係でそれは料金化できないのだということをよく聞かされてきておるものでございますので、ちょっと実感と合いませんので、この点はお許しを願いたいと思います。  私の方はむしろ、たとえばクーラーを入れますとか、特別なテレビを入れますとか、あるいはきわめて効率のいい高価な暖房を入れたりするような部屋があれば、それは一般の方との格差を当然つけて差額ベッド料を徴収すべきではないかというふうなことも申したような例もございますけれども、一般には、私ども伺っておりますのは、なかなか徴収しにくい、料金化しにくい、条例でとてもそんなことはできませんというのを聞いてまいっておりまして、ちょっと実感と合いませんので、具体的なお答えになりませんけれども、私どもとしては、やはり根本は診療報酬規定というものによります料金収入というものが実態に合うようにならないと、どうしても病院経営は根本からむずかしいのではないかということで、昨年もそうでございましたけれども、人事院勧告が出ました後くらいに、特に厚生省にお願いして診療報酬の改定を要請しておるというふうな経過がございます。ことし、そういうふうなことになりますかどうか、これはまだわかりませんけれども、恐らくそういう事態も予想されるのではないかというふうに思っておるわけでございます。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)委員 なるほど自治体の場合は極力差額ベッドを取らぬように努力しております。それでもやっぱり厚生省の指導する二〇%以下というところはないのです。三〇%、四〇%、はなはだしいところでは、いま申し上げたように八三・四%も室料の差額を取っておる。そういうところに経営努力をしていくようになっていくのですよ。  だから、病院にかかわらず、水道の事業にいたしましても、電気事業にいたしましても、あるいは地下鉄、バスの事業にいたしましても、やはり企業努力、企業努力ということだけで押しつけていって、そしてやむを得ないときには値上げしてこい、その値上げが適切な料金だったらいいということでは、これは指導にならない。やはり地方公営企業の経営基盤というものを確立していく。その確立さしていくのは政府の責任でやっていく。政府の責任でやる以上は、やはり財政的な措置を伴わないと、経営基盤というのは、今日段階における自治体の力でどんなにがんばりましても、確立することができないと言い切って私は差し支えないと思うのです。しかも物価政策上、公営企業の料金を極力抑制していくということであればあるほど、国の抜本的な地方公営企業に対するところの態度がこの際非常に必要になってくるのじゃないか、こういうように考えるわけであります。  したがいまして、そのような方向でひとつ、ただ文書で経済企画庁と自治省が約束したということじゃなくて、これを実のあるものにして、地方公営企業に対するところの指導ということだけじゃなくて、援助、努力、そのことを政府の責任でひとつやってもらいたいということを最後に申し上げまして、質問を終わります。

横山利秋日本社会党

○横山委員長 次回は、明後三日木曜日、午前九時三十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時十六分散会

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