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75回国会衆議院1975/06/10

物価問題等に関する特別委員会 第16号

発言数
60
登壇者
14
会派数
4
開催日
1975/06/10

会議録

横山利秋日本社会党

○横山委員長 これより会議を開きます。  物価問題等に関する件について調査を進めます。  本日は参考人として、全日本労働総同盟調査局長河野徳三君、五代利矢子君、日本生活協同組合連合会会長中林貞男君、一橋大学名誉教授馬場啓之助君、日本労働組合総評議会幹事福田勝君、以上の方々に御出席をいただいております。  この際、一言ごあいさつを申し上げます。  参考人各位には、御多用中のところ御出席をいただき、まことにありがとうございました。  最近の経済情勢は、総需要抑制政策の浸透により、消費者物価の四十九年度中上昇率は、政府の目標一五%を下回る一四・二%におさまりましたが、一方、企業の生産活動の低下をも招きました。  ことしの春闘は、こうした物価の鎮静、不況ムードの影響により、過去一年間の物価上昇率をも下回るベースアップで妥結することが確実になりました。  現在、政府は、物価対策の第二段階として、五十年度中の消費者物価上昇率一けた台、第三段階として、五十一年度の早い時期に定期預金金利並みを目標に、鋭意努力いたしております。しかし、今年度に入り、四月、五月の物価動向、今後予定されている公共料金の改定、企業の製品価格値上げマインド等考え合わせるとき、政府の公約達成には楽観を許さないものがあります。  今後のわが国経済は、資源、公害、環境破壊等が制約要件となって、従来のような高度成長経済の仕組み全体を変え、成長率の低い安定成長経済へ移行せざるを得ないと言われています。  安定成長経済のもとにおいて、物価の安定、所得水準の向上、完全雇用、社会福祉の増進、国際収支の安定等、果たして可能かどうか。長期的観点に立った構図と路線は何か。  また、当面の問題として、酒、たばこに次いで米価、私鉄運賃、水道料金等の公共料金を初め、鉄鋼、石油化学製品、牛乳等、メジロ押しに値上げ機運が高まっており、国民は物価の先行きに不安を感じ、政府の公約達成に疑念を抱く向きもあります。  物価安定の基本目標に徹して、景気の回復を促すという物価対策の重点、決め手は何なのか。  これらの諸問題につきまして、忌憚のない御意見をお述べ願いたいと存じます。  次に、議事の進め方といたしましては、最初に馬場参考人、福田参考人、河野参考人、中林参考人、五代参考人の順序で、おのおのお一人十分程度、要約して御意見を賜り、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。  なお、念のために申し上げますが、参考人は委員長の許可を得て御発言を願い、また、委員に対しては質疑ができないことになっておりますので、さよう御了承をお願いいたします。  それでは、まず馬場参考人にお願いをいたします。

馬場啓之助一橋大学名誉教授

○馬場参考人 ただいま委員長の御発言の中にもございましたように、現在の段階がスタグフレーションの段階にありまして、これを安定成長の状態に持っていくということが中期的な課題でございます。  したがいまして、このスタグフレーションのもとにおきましての物価対策といたしましては、安定成長への移行を阻害するような方策というのは困るのではなかろうかということが第一点、この点に注目したいと思うわけでございます。  安定成長とスタグフレーションとを区別いたします端的な指標といたしましては、先ほども御指摘がございましたように、預金金利がマイナスにならないということが大変重要な指標であろうかと思います。  そこで、第二点といたしまして、スタグフレーションという状態が起こりました段階におきましては、インフレーションの性格が変わってきた。デマンドプルの様相から、コストインフレという性格が強くなってきたのではなかろうかと思うわけであります。  卸売物価の場合におきましては、最近までの調査によりますと、四十五年−四十八年の平均におきましては、大体需要の要因が一六%程度ございますが、あとは賃金要因と、それからその他のコスト要因。その他のコスト要因は、御案内のように海外的な事情によりますところが多いわけでございます。  消費者物価の面におきましては、四十五年−四十八年におきましては需要要因が依然として五〇%を超えておりまして、賃金要因は二四・一%、その他のコスト要因が一二・五%でございます。さらに制度的な要因といたしまして、公共料金等がこれに入りますが、それが九・七%ということでございますが、この傾向が、四十九年以降コストの要因が強くなりまして、四十九年は御案内のように夏ごろから海外の情勢が変わってまいりました。石油、その他農産物等の価格がやや低下の傾向を示し始めております。この段階におきまして、奇妙なことでございますけれども、従来、世界的に見まして異常に高い生産性の上昇率を記録しておりましたわが国の産業におきまして、八月ごろを転機にいたしまして生産性が低下をしてまいりました。したがいまして、五十年の二月の段階におきましては、賃金コストの上昇が四三・四%程度でございまして、前年に比べましてコストが非常に上がっておるということでございます。  この状況のもとにおきまして、賃金の決定のあり方につきましても、昨年の賃金の上昇は三一・九%でございましたけれども、従来までの賃金の決定のあり方といたしましては、労働需給の関係を示します求人倍率が非常に大きなウエートを占めておりましたが、昨年は消費者物価の占めます位置が非常に重要になってまいりまして、変わりました。おそらく四十八年の暮れ近く始まりました狂乱物価に対応するための生活防衛ということが、昨年の賃金を押し上げたのではなかろうかと思うわけでございます。  ところが、ただいま申しましたように、本年の段階におきましては、賃金コストの要因がとにかく四三%以上も対前年で上昇をしておりますので、企業の立場といたしましても、何とかしてこのコストの上昇を食いとめなければいけないということで、賃上げの欲求に対する抑制の態度が非常に強いということは御案内のとおりでございます。その状況のもとにおきまして、いわゆる一五%以内のガイドラインを示しまして、その中で賃金は、ただいままで出ております計数では大体一二・九%から一三%程度でございます。  こういう賃金コストの上昇の要因を残しまして、とにかくことしの賃金がきまったわけでございますが、これに対応いたしまして、本年度末、来年の三月末におきましては物価を一〇%上昇以下に抑えるという公約がされております。  現状を見ますると、いろいろの注目すべき点があるかと思いますけれども、まず第一に注意したいことは、ただいま申しましたように労働コストの上昇が非常に顕著であるということでございまして、これに対応いたしましては、なぜ労働コストが上がったかということを見ますると、もちろん賃金の上昇ということもありますけれども、労働生産性の低下ということが非常に大きな寄与をしておるわけでございます。労働生産性の低下は、申し上げるまでもなく操業度の低下ということが原因でございますので、したがって、ある程度の刺激策を講じまして生産をふやす、出荷をふやすということが、デマンドプルの状態と違いまして、賃金コストを下げるためにも重要であるという特殊性が注目をされるわけでございます。  他方、昨年の消費者の行動を見ておりますと、ごく上層——まあ勤労者家計でございますから、上層と申しましても、載っておりますものはそれほど高額所得を得ておりませんけれども、上層を除きまして、いずれも消費の規制を行っております。この規制の中心になりましたのは耐久消費財、衣料等でございました。食糧にはもとより及んでおらぬことは言うまでもございません。  そういう状況のもとで、貯蓄がインフレにもかかわらず異常にふえてきておりますことは、先生方はよく御存じのところであろうかと思います。ところが、四十八年から貯蓄の目減りが始まりました。いわゆる預金金利に関しましては、実質金利がマイナスになるという異常な状況が続いております。実質金利がマイナスになります状況でなぜ貯蓄がふえるかということは、これは非常に説明しにくいことでございますが、おそらく将来に対しての不安から、見通しということもなくとにかく流動性を確保しようということであったかと思いますが、こういう消費者の行動を見ましても、とにかく安定成長に持っていって、少なくとも預金金利のマイナスを解消するということがいかに重要であるかということが、言うまでもなく明らかであるわけでございます。  したがいまして、政府の公約と言われておりまする五十年度末、五十一年三月におきましては九・九%に下げるということは、ぜひ実現していただきたいわけでございます。  これに関連いたしまして、それでは、賃金コストの上昇の圧力を受けまして、企業の側において値上げのムードが非常に強いという御指摘が先ほどございましたが、こういう状況のもとで、果たして九・九%ということを達成いたしますためにどういう状況にあるかということを概観いたしまして、私の意見陳述を終わりたいと思います。  第一は、農産物の価格でございます。この農産物の価格におきましては、御存じのとおり、米麦の価格、特に予定されておるであろうと思われますところの米の価格の上昇ということは非常に重要な意味を持っております。これの適正な措置をひとつぜひお願いいたしたい。  公共料金につきましては、昨年度、電力、ガスあるいは交通費、医療費等、大体二五%から五〇%の幅の中で大幅な上昇が行われておりますが、対前年度の上昇率ということから申しますと、ことしは公共料金の上昇が昨年ほどではなく抑えることができるのではないかと思いますので、この点につきましても、政府がすでに言っておりますように、塩、小麦は据え置く、電話、電報は本年は据え置く、交通料金につきましても据え置くというような御意思のようでございますが、これをぜひ貫いていただきたいと思うわけでございます。  それから、工業製品につきましては、先ほど来申しましたコストインフレの状態でございますので、したがって、不況対策によりまして操業度を上げるということが必要であるということは言えるわけでございますけれども、この場合に、不況対策のあり方といたしまして、私ども第三者といたしましてぜひ御希望を申し上げたいことは、先ほど、安定成長へ移るためのメルクマールといたしまして、預金金利が実質マイナスにならない、一年の定期ものが七・七五%でございますけれども、これが少なくとも若干のプラスを残すように持っていくということは非常に重要な課題でございますので、これに抵触しないように、つまり、直接金利を下げることはやむを得ないといたしましても、この金利を下げますときに預金金利への影響を十分御考慮いただいて、これが実質マイナスの状態が長く続かないようにしていただきたいということでございます。  過去におきましての引き締めの状態におきまして、金利もさることながら、窓口指導と言われておりますいわゆる貸し出しの対前年度抑制ということが、非常に重要な効果を上げてきたのではないかと思います。この抑制は、すでに本年に入りまして対前年度増を規制するという形に変わっておりますことは、御案内のとおりであります。したがいまして、私どもといたしましては、不況対策におきましても金利を直接いじらざるを得ないと思いますけれども、その預金金利への影響を考えまして、むしろ窓口指導という、これは日本独特だということでございますけれども、その点に重点を置いていただきたいということを希望申し上げたいと思います。  それからもう一つ、不安材料といたしまして、昨年、石油その他が鎮静に向かっていたということ、昨年の夏以来そういう状況でありましたが、本年の下半期に、こういう海外のコスト要因の動向につきましては、見通しが現在のところわれわれにとりましてはきわめて困難でございますので、これが物価安定の政策をおとりになります場合の一つの悲観材料、不安材料になるかと思いますけれども、とにかく以上のことを考えますと、なかなか容易に実現をしないかと思いますが、九・九%をぜひ実現していただきたい。もしこれの実現ができないということになりますと、賃金にはね返りまして、一五%以内に抑制したけれども実際物価は公約どおりいかなかったということになりますと、再び同じような政策をとることができませんので、この点を十分御留意願いたい。  以上で私の意見陳述を終わります。

横山利秋日本社会党

○横山委員長 ありがとうございました。  次に、福田参考人にお願いします。

福田勝日本労働組合総評議会幹事

○福田参考人 総評の福田でございます。  私は、まず第一点として、いま田中内閣から三木内閣に引き継がれている総需要抑制政策という物価抑制のための政策がとられておりますけれども、このやり方に対する批判の点から申し上げてみたいと思うわけであります。  四十八年の暮れから昨年にかけましてのいわゆる狂乱物価というものの原因は一体何かということでございますけれども、基本的には、自民党政府がとってまいりました一連の高度成長政策、裏返して、その結果としてのインフレ政策というものがその基本にあると思うわけでありますが、特に狂乱物価の原因としては、一つは、田中内閣の時代にとられた政策の失敗、もう一つは、その政策に乗っかかって行いました企業の企業行動である。この二点が、最も狂乱物価を引き起こした原因であると私どもは考えているわけであります。  ところが、この総需要抑制政策を見ますと、一体この政府の責任を本当に感じているのかどうかということについて大変私どもは疑問を持つし、全くこの政策について批判をせざるを得ないわけであります。特に総需要抑制政策でもって、現時点を見ればわかるように、雇用問題、特に中小零細等におきましては首切りを生じておりますし、それから、大企業においても一時帰休等の問題が各所に起こっている。いま馬場先生も言われたように、操業度が非常に減っているということがございますし、さらにまた、ことしの賃金についても物価の枠内に抑えるというふうに、いわば社会的に非常に弱い層、それから労働者にこのしわ寄せをして、ようやく物価をある程度抑制しているというのであります。  それからまた、大企業の企業行動につきましても、いま三木内閣の手で独禁法の改正が国会に出されておりますが、この内容についても、野党各党が御指摘のとおり、公取試案でさえも骨抜きにして、そして企業分割であるとか、あるいはまた価格引き下げ命令であるとか、あるいはまた原価の公開等については、全く公取試案に出されているものでさえも出していないという状況でありますし、こういうふうに考えてみると、田中内閣の時代にとった政策の失敗、それから、特に大企業の企業行動に対して反省の色がさっぱり見えていないというふうに私どもは言わざるを得ないのでありまして、そして、この政策の失敗なり大企業のとるべき社会的責任の問題を、勤労大衆に責任をすりかえて、それによって物価の抑制をようやくいま行おうとしているのが、いまの自民党内閣のやり方であるというふうに断言せざるを得ないと思うわけであります。  私どもは、昨年の七四国民春闘、それからことしの七五国民春闘におきまして、ことしはきわめて不十分でありましたけれども、国民春闘を言っているのは実はここにあるわけでありまして、政府、それから大企業の社会的責任を追及して、そして特にインフレ政策を抑制していくというところに、国民春闘の最も中心的な目標がございました。そのために私どもは、勤労大衆の責任ではなくして、政府なり大企業の責任においてこのインフレを抑制していくという道を、要求として追及してまいりました。  基本的には、いまの資本主義の構造を変える以外にはないのではないか。現状のままで、少し太っているから減食をするというのじゃなくして、減食をすれば、実は体の弱い者は死んでしまうわけであります、それがいまのやり方ではなかろうかと思うのであります。したがって、内臓から鍛え直して体の構造を変える以外に、これに耐えていく道はないと思うわけであります。そういう意味におきまして、十七項目にわたる——日本資本主義の構造を変えて、いますぐ社会主義にせよということを言っているのではありません。資本主義の中においても、インフレを抑え、国民生活を向上させていく道はあるということで、具体的な提起をしてまいりました。そういう面におきまして、私どもは、いま三木内閣がとっている政策についてはきわめて鋭く批判をし、これに反対の態度を表明せざるを得ないということを、まず申し上げておきたいのであります。  それから賃金に対して、この物価の要因を賃金にすりかえておりますけれども、これは労働分配率を見ましても、日本の労働分配率は三二%程度であります。ヨーロッパの諸外国は五〇%内外、あるいは六〇%ぐらいのところもございます。この面からいっても、大企業のもうけが少ないからということで、利潤が減ったから賃金要因にこれを肩がわりするのは本末転倒であると思うのです。労働分配率をもっと上げる、この点を考えるならば、十分に大企業の企業製品へ労働者の賃上げ分を肩がわりするような行動は避けることができるということを指摘しておきたいと思います。  次に、当面の物価対策についてでございますけれども、いま企業が赤字である、それからまた、財政が歳入欠陥を生じているということで、この際受益者負担の原則を貫いて高負担をやろうとしていることに対してであります。  私どもは、公共料金の問題について一々詳しく触れる時間もないかと思いますけれども、一、二点だけ実は指摘をしておきたいことがございます。  それは、たとえばことし私鉄の質上げが行われたその直後に、私鉄の経営者協議会の会長が、私鉄の運賃を三七%ですか上げたいということを言いました。その原因を私ども探ってみると、実は総合企業をやっていて、この三年間ぐらいに土地を十分に買い込んだのが、土地が売れなくなった。土地が売れなくなった原因を運賃に求めるというようなやり方がされているということを、指摘せざるを得ないわけであります。  それからまた、各企業、公営企業とも大変な金利負担をしているわけであります。銀行からなり、政府も金を貸しているわけでありますが、この金利負担についてであります。御承知のように銀行が大変もうけているわけでございますから、たとえばこの金利負担を半分にするだけで公共料金の値上げについては十分な抑制ができるというふうに実は考えているわけであります。  この点はいままで余り指摘されていないわけでありまして、企業が赤字を出すと、何かいかにも企業がつぶれそうな印象を国民に与えているけれども、家計の赤字と企業の赤字は全然違うと思うのです。企業の赤字というのは、将来の企業収益を伸ばすために設備投資をしているわけであります。単年度で見れば赤字であるかもしれぬが、将来のことを考えるならば、決して赤字とは言えないと思うのですね。それをいかにも何か赤字だから運賃を値上げしなければいかぬ、国鉄のごときは二倍以上上げるというばかげたことを言っておるわけでありますけれども、それだけの赤字があるということは、企業が銀行から金を借りるだけの力を持っているということを示しているにすぎないと思うのですね。そういう面から言って、赤字の問題は私はそれほど心配すべき問題ではない。むしろ、赤字を出している原因について、なぜこういう赤字を出すか、国鉄の場合は赤字の半分が実は利息を払っている。この利息をどうしたら断ち切っていけるかという、そういう意味の原因追求をすべきである、こう思うわけであります。  また、財政の赤字については、この際、各企業に付している租税特別措置のあの問題についてメスを入れるべきであると思います。税収が足らないというならば、いまこそこの優遇措置をとっているものを一切やめるという措置を大胆にやるべきでありまして、そういうやり方によって勤労大衆に対する減税についてもできるということを、例示の一つとして申し上げておきたいと思うわけであります。  さらに、料金の問題につきましては、ぜひこの際、シビルミニマムをつくって、そして料金体系を改める必要があるし、また、料金の値上げに対するいろいろの不満がありますのは、実は料金の値上げのやり方に対する不満が非常に多いわけです。中身だけじゃなくて、やり方の不満があるわけであります。たとえば電気のような、電気なくしては生きていけないものを通産大臣の一方的認可で行うというようなやり方に対しては、だれしもこれは納得できない。独占企業に対しては、やはり国民全体が納得をするような審議会のあり方なり、また公聴会のあり方、基本的には、たとえば電気のようなものについては国会で決めるというような、この決定のあり方、そういうものがない限りは、この料金に対する方法については不満はいつまでもつきまとうと思うわけであります。  それから、大企業の企業製品の問題については、先ほど申しましたように、労働者の賃上げが実は残念ながら抑え込まれました。企業もひとつがまんをしてもらわなければ困ると思うのです。労働者の賃金は抑えたわ、企業の方は値上げをする、そういう勝手なことは国民も許しておくことはできないと思う。この際、政府も、企業も、物価の問題については、ぴしっとひとつ責任を持ってその姿勢を示してもらいたいと思うわけであります。  第三番目に、私は、物価指数の問題について申し上げておきたいと思います。  実は物価指数が一五%の枠内ということで、この物価指数でもって労働者の賃上げのめどをやってきたわけでございますけれども、一体この物価指数というのは本当に生計費をあらわしているのかどうかということについて、私どもは基本的な問題点を指摘せざるを得ないわけであります。  物価指数は、実は政府がつくった物価の指数であるかもしれないけれども、生計費指数ではないということであります。たとえば、物価指数の中には非消費支出が入っておりません。これは税金であるとか、社会保障費であるとか、こういうものは含まれていないわけでありまして、実は私どもの家計調査によりましても、この物価指数の約倍ぐらい、四十八年の十月から四十九年の十月まで、非消費支出の上昇率は四五%を占めております。消費者物価指数の約倍ぐらいのものを非消費支出が占めている。この一つをとってみても、実は物価指数そのものは生計費指数をあらわしてないということが明らかであります。  さらに、物価指数の取り方をとってみましても、実は幾つかの問題点、調査の方法、家計調査の対象をどういうところからとったか、それから指数の取り方についても、銘柄のチェンジ、そういう銘柄のものが現在ないにもかかわらず、実はそれを指数上はあらわしてない、そういう銘柄の問題。例を一つとってみれば、最近、森永ミルクキャラメルなんというのは子供はそう食べてないのだけれども、その銘柄でもって指数をとってみたり、それから、家賃の権利金であるとか敷金はあの中に含まれていないとか、いろいろな点を指摘せざるを得ないし、特にことしは物価指数の改定の年でありまして、この前の四十五年の物価指数の改定の際に、その前のとおりやるものより一・八%実は物価指数が減っているわけであります。改定のたびに物価指数が低下をするという現象を来しております。  そういうことでございますから、特に私どもは、ことし、五十年の物価指数改定の年に当たりますから、この際、物価指数問題について、国民的な関心を高めて、そして、ぜひ公正なやり方で物価指数をはじいてもらうように要求をしていきたいと思います。  外国の場合は、フランス等では独自に労働組合が物価指数をつくっておりますし、イタリアの場合は労働組合と相談をして物価指数を決めるようになっております。また、西ドイツでは、五つぐらいの単位で物価指数を出しているわけであります。日本のように一本というような形は、外国には非常に例がないわけでありまして、そういう面から言いましても、物価指数が正しく国民の生計費を反映してない。そういう正しく反映してないもので賃金を抑えつけたということに対して、きわめて私どもは不満でございまして、この問題については今後とも各党の先生方にもお願いいたしまして、物価指数問題についてぜひ国会の場でも十分にひとつ御審議を賜るようにお願いをしておきたいと思います。  以上でございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員長 ありがとうございました。  次に、河野参考人にお願いします。

河野徳三全日本労働総同盟調査局長

○河野参考人 河野でございます。  時間がありませんので、要約をして申し上げたいと思います。  第一は、先ほど馬場先生も御指摘なさいましたけれども、政府は、来年の三月の消費者物価指数の対前年同月上昇率を九・九%以下に抑えるという約束を一応しているわけでございますけれども、この目標をもっと下げるべきである。ぜひとも下げてほしいということでございます。  その理由を申し上げますと、ことしの春闘相場、結果的には一三%程度に落ちつきそうでございます。そこから判断いたしますと、これは近くいろいろな民間の研究機関から経済見通しが出されるはずでございますけれども、そういう民間の経済研究機関でも、春闘相場が一三%程度におさまるとすれば、これは一つの仮定でございますけれども、いま予定されている公共料金を引き上げ、かつ消費者米価を一三%程度引き上げても、なおかつ来年の消費者物価指数は八%台におさまるという見通しの作業をやられているということを私は聞いているのでございます。春闘相場の一三%ということからすると、九・九という目標は、いまや明らかに高過ぎると言わざるを得ない。  また、一般に言われておりますように、賃金の上昇が消費者物価に対して大体六割程度響くとか、そういう議論がありますけれども、仮に一三%としますと、その六割とりますと約八%ですか、七%ですね。そうすると、賃金コストの上昇を全部そのまま物価におっかぶせたとしても、来年の消費者物価指数を七ないし八%におさめることは、十分に可能なわけであります。  われわれが当初一〇%以下に抑えろという主張をしたのは、少なくとも賃金上昇率が二〇から二二%になるということを前提にして、そういう約束をすることを政府に迫ったのであって、それが一三%になった段階においては、もはやこの約束は全く無意味だとわれわれは考えます。そこで、ぜひともこの目標は七ないし八%に下げて、それを実現するように最大限の努力をするというように、いまの政策態度を転換してほしいということが第一点でございます。  それから、最近かなり物価が鎮静をしてきたわけでありますけれども、こういうふうに物価が鎮静してきたこの段階こそ、まさにこれまでいろいろ言われてまいりましたいわゆる物価上昇の構造的な要因にメスを入れるべきときだ、ある意味では、そういうものにメスを入れる絶好の機会であるということが言えるのではないかと思います。  その第一点は、競争条件の整備ということでございまして、その中身を言えば、もちろん独禁法の改正の問題でございます。これは先ほど御指摘ございましたけれども、公取試案がだんだんと骨抜きにされてきておる。そうして結局、当初掲げられました競争条件の整備というところが次第に骨抜きにされてきているわけでございまして、ぜひともいまの政府案をもう一度再検討されて、少なくとも公取試案の趣旨を完全に盛り込むような形でこの改正を進めてほしい、これが構造政策の第一点でございます。  それから第二点は、公共料金の問題でございますけれども、われわれは公共料金を一切上げるなという主張はいたしません。しかし、先ほども御指摘がございましたけれども、いまの公共料金の決め方の問題、これが非常に問題でございます。決める機構の問題、それから決める中身の問題、双方に問題があるわけでございまして、この際、やはり公共料金の決定については、民主的かつ合理的なルールというものをぜひとも設定してほしい。特に公共料金と言われます以上は、公共財的な性格と、それから利用者便益の側面からくる性格と両方の性格があるわけでございまして、その両者をどう調和するかということが料金決定の場合に非常に大きな問題になるのではなかろうかと思います。  最近、これは馬場先生が御専門ですから、私がこういうことを言うのは僣越かもしれませんけれども、いわゆる公共財についての経済理論というのはかなりいろいろ検討され、進歩してきているわけですから、そういう学問的な立場から検討していけば、料金決定の合理的なルールというのは十分に設定することが可能ではないかとわれわれは判断しているわけです。  この問題は、たとえば国鉄料金をどうするか、あるいは電話料金をどうするか、あるいはその中の公共的性格の分野については国が負担をする、利用者便益の分野については利用者負担を図っていく、そういった区分けをちゃんとするということが必要ではないかと思います。特に、最近公共料金については、いわゆる利用者負担の原則というものが前面に押し出されてきているわけであって、こういう無原則的な利用者負担の考え方には、われわれは反対せざるを得ません。  それから第三点は、生鮮食料品対策の問題でございます。ことし東京の五月の消費者物価指数がかなり上がりましたけれども、これは生鮮食料品が中心でございます。これは賃金コストと関係なく上がっているわけであって、この分は全く政府の責任であると言わざるを得ないわけでございますけれども、この場合よく問題になりますのは、いまさら私が申し上げるまでもないと思いますが、中央卸売市場の機能の問題でございます。  農産物であるとか、あるいは魚介類であるとか、そういったものに関するわけでございますけれども、そういう生鮮食料品については、米、麦については御承知のような価格制度がとられておりますし、アメリカやヨーロッパでは広範な農産物支持価格制度がとられているわけです。そういう制度を一挙に日本で導入することはなかなかむずかしいかもしれません。これが可能かどうか、専門的な立場から御検討願いたいと思いますけれども、たとえば中央卸売市場の競り値については、最高、最低価格を設定して、その枠の中でしか値段を動かさない。そうすれば生産者に対してはそれがある意味での所得補償になりますし、それからまた、そういうものが公表されれば、たとえばその公表された最高、最低価格と現実に小売店で売られている価格との対比において、小売価格を監視するという機能を果たすこともできるだろうと考えます。  いろいろな点があってむずかしいかもしれませんけれども、とにかくこの生鮮食料品の問題については、かなり抜本的なそういう政策を導入しないかぎり、なかなか安定をさせていくことは困難ではなかろうか。この問題にはいろいろな利権がからんでいるわけでございますけれども、そういう困難を押して、ぜひとも実現をしてほしいと考えます。もちろん細かいことを申しますと、最低、最高価格を設定するときに利害関係者を入れますと、これまた何ぼたっても議論が進まぬわけでございますから、できれば中立の委員をもってそういう価格を決定するといったような機構をぜひとも考えてほしい。  それから、最近は産地直送といったようなものがかなり出てきておりますけれども、私が聞きますところによりますと、いろいろむずかしい問題があるようでございます。しかし、これもむずかしい問題があればそれを徹底的に検討して、できればもっと細かい産地直送網を確立するという方向での政策努力をぜひともお願いいたしたい。  それから、これもいささか細かい問題になりますけれども、一時、特に魚なんかについては、いわゆる冷凍設備を完備して価格を安定させるといったような構想が練られ、現実にそういうものに対してかなりの国家資金が投入されたわけでありますけれども、現実には例のマグロの一船買いというふうなかっこうで、価格引き上げの手段にこれが逆に使われているわけであって、国家資金をもって業者の高利潤を保障するという結果になっているわけでございます。そういうきめ細かいところでの対策が全く手抜かりになっているという点がございます。  こういう点は指摘すればたくさんあるわけでございまして、そういう細かいたくさんの政策のミス、この積み重なりが物価の下方硬直性を生み出している一つの大きな原因になっているとわれわれは判断しますので、そういう点についてもぜひとも格段の御留意を願いたい。  それから、生協への助成ということ。これは中林さんがどうせおっしゃられると思いますけれども、われわれの立場でも、ぜひともこの点については今後とも格段の御努力をお願いいたしたいと考えます。  それから、構造政策の第四点として、これは従来からもよく言われておるわけですけれども、農業とか、中小企業とか、流通機構、これは日本ではおくれておるわけでございますので、やはり言い古された問題であるということで逃げないで、この際ぜひとも抜本的な対策を講じてほしいということ、これが構造政策の第四点でございます。  それから、さらに若干の問題を補足したいと思いますけれども、先ほど馬場先生からも御指摘がございましたが、いまの企業コストを押し上げている非常に大きな要因は、操業度の低下でございます。しかし、依然として景気回復政策については政府は逡巡をしておるというのが今日の姿ではなかろうかと思います。  第一番目に申し上げた話にちょっと戻りますけれども、来年の三月、九・九%の物価に抑えることはむずかしい、むずかしいと盛んにおっしゃっていますけれども、先ほど私が申し上げましたように、それはちっともむずかしいことではないのであって、きわめて容易に達成できる目標だとわれわれは考えておるわけです。そういうむずかしい、むずかしいということを口実にしながら、景気回復策を先に延ばしているといったような印象をわれわれは受けざるを得ないのであって、この際、操業度を引き上げるためと言っては語弊がありますけれども、インフレ対策の一環としても、思い切った景気回復政策を採用すべきであるとわれわれは考えます。  さらに、経済の長期見通しについても、最近、福田副総理は、かつて三、四%と言われていたのを、六%程度にだんだんと改めつつあるというような報道が新聞紙上でも見られますけれども、インフレとの関連から考えてみても、あるいは雇用との関連から考えてみても、かつてのような、高度成長期のような高い目標を設定しろともちろんわれわれは申しませんけれども、少なくとも六ないし七%程度の経済成長を実現するということを前提にした経済政策というものを、この際ぜひとも考えてほしいと思います。  それからあと一点、賃金と物価との関係でございますけれども、賃金は本質的には後追いでございます。物価が上がるから賃金が上がるわけです。それからまた、社会保障や住宅政策がおくれているから、われわれは大幅な賃上げをやらざるを得ないわけです。ですから、そういうものをほうっておいて、賃金だけを抑えようというのは、もともとこれは本末転倒の政策であって、そういう政策にはわれわれは同意するわけにはいかないし、また許すわけにいかないわけでございます。もし政府が適正な賃上げというものを考えるのであれば、その前にまずインフレ抑制に最大限の努力をし、さらに、社会保障とかそういった面での政策を十分にやるということを、まず考えてほしいということでございます。  さらに一点だけ補足しますと、最近、鉄綱等の引き上げの問題が話題になってきておりますけれども、こういうものは、理由はもう時間がありませんから申し上げませんけれども、ぜひとも抑制をしてほしいということを御希望申し上げておきたいと思います。  以上でございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員長 ありがとうございました。  次に、中林参考人にお願いします。

中林貞男日本生活協同組合連合会会長

○中林参考人 中林でございます。  私は、現在のスタグフレーションという中における日本経済の運営というのは、非常にむずかしくなってきているというふうに思っています。しかしながら、そういう中で何といっても最重点を置いてもらいたいのは、きょうここで問題になっております物価をどうして抑えるのか、私は、現在の経済の中でこのことが一番大きな重要な課題だと思う。私は生協を中心に消費者運動をやっているのですけれども、主婦を中心にする消費者の願いは、その点に集中しているというふうに思っております。  そういう中で、不況対策ということも私はもちろん必要だと思います。しかしながら、企業サイドによる安易な刺激政策というものは、私は慎むべきだというふうに思っております。そうして、そういう中で私は非常に心配しますのは、実はこのごろよく言われる昭和の不況。私は昭和初期の不況の真っただ中で学生生活をやり、その中で、不況の一番どん底で学校を出て、新聞記者をやりました。昭和の不況の脱出ということにとられたのは、軍需産業をあふっていくということで、その結果がどうなっていったかと言えば、申し上げなくてもおわかりのように、あの大東亜戦争ということにつながっていったわけであります。私は、やはりこの不況対策という中において、経済の運営ということが二度とそういうところに行かないということが基本的に一番大切なことだと思っております。  しかし、そういう平和という中においてこの困難な経済をどう乗り切っていくかということになると、これは非常にむずかしい問題だと私は思います。そうしてまた、現在の日本の経済は、日本だけでどんな努力をしようとも、国際的な通貨の問題、あるいは資源の問題、すべての中に日本経済はあるわけであります。したがって、私は、そういう中においてどうこの不況を克服していくのか、乗り切っていくのかということについては、やはり国全体として困難に耐え抜いていくという決意を、国全体としてする必要がある。私の方の機関誌には、半年ばかり、毎号、困難に耐え抜こうじゃないかということを基調にして、私はずっとその主張を書いてまいっております。  しかし、そういう中で見ました場合に、私は、政府や経済界でそういうおつもりが本当にあるのか、また、国民に現在の困難な経済事情というものをあからさまに政府はさらけ出していらっしゃるのかと言えば、いろいろな形でベールをかけて、なるべく、それはこうやれば切り抜けられるんだという形でどうもやっていらっしゃるのじゃないかというような気がしてなりません。  そういう中で、これまでの高度経済成長の夢というものはほとんどみんな持っていないと思うのですが、やはりこれからの日本経済はどのような路線をたどっていくのか。安定成長とか低速成長と言われますけれども、私は、かなり厳しい考え方でいないといけない、安易な経済成長ということは、いろいろな条件から考えて、あり得ないことだと思っております。したがって、成長率を何%にするのかということも、政府でお考えになっているもの、あるいは経済研究所のいろいろな資料というものも、私は非常に甘いのじゃないかというふうに思っております。  そういう点では、現在でもいろいろな経済の見通しなどについて、過去の成長時代の経済指標とか、そういうものをもとにしていろいろな測定がなされております。そのこと自身に私はかなり疑問を感じております。私は、そういう点では、国民の生活実態、現在の国民の生活が本当にどうなっているのか、これからの私たちの生活がどうなっていくのかという、国民の生活そのものにもっと視点を合わせて、これからの日本経済のあり方なり運営というものを見ていく必要があるのではないかというふうに思っております。  そういう点から見ました場合に、エンゲル係数でも、現在、これは政府の調査によっても、第一分位の一番低所得者のエンゲル係数は、四十八年には三四・七%だったけれども、四十九年には四〇%を超えておる、しかし、逆に、一番上位の第五位の方のエンゲル係数は、二六%から二二・五%にむしろ下がってきている。したがって、国民の所得の中においても、高所得者と低所得者の開きというものは非常に激しくなってきている。これは政府の統計ですけれども、私ら生協の家計簿を通じてみました場合において、第一位、第二位、第三位くらいに属する人たちのエンゲル係数も、もう四〇%近くないしは四〇%に実際の家計簿では上がってきているというふうに思っております。  そういう中で、みんな本当に生活の苦しみをどう切り抜けようとしているかと言えば、貯金を見ましても、可処分所得の中で貯金に回すのは、やはり低所得者の方が貯金に回している。そうして、高所得者はむしろレジャーだとかいろいろなことにお金を使っているというのが現状だと私は思います。本当に生活に苦しんでいる国民、主婦を中心に、そういうところへ経済の運営、物価の問題について焦点を合わせて、ぜひ先生方にお考えをいただきたい。  これを生協の窓口で見ますと、昨年の秋ごろからパンの売り上げはずっと減ってまいっております。そうして、それは米にかわっております。米も、自主流通米ではなくて、標準価格米あるいは徳用米がふえております。この間、私の方の総会をやりましたら、全国各府県から、標準米が買えないという訴えが非常に強く出ました。私も米審委員をしていますので、昨年の米価審議会では、食糧庁長官は、標準米は絶対に欠かさないということを委員会で言っておいでになりましたので、この点は食糧庁にお願いしたいと思っているのですけれども……。そうして、パンを食べなくなりましたから、バターとか、ジャムとか、生野菜というものの売れ行きは落ちてまいっております。  そして、このごろ魚とか牛肉の値が上がる、また、最近では豚肉の値段がこうだという中で、主婦たちの家計簿の中で最近目立っているのは、豆製品の購入がふえています、生協における売れ行きも。これは、やはり栄養をどうしてとるかという主婦のささやかな抵抗、そういうことのあらわれだというふうに思っております。そうして奥さんたちの買い物も少なくなってきているし、主婦の買い物の態度を見ておりますと、非常にまじめだと申しますか、生活をどうして守っていこうかということについての奥さんたちの真剣な生活態度というものが、生協の窓口から、全国どこでも全部あらわれてまいっております。  そういう中から、ごく最近二、三の単協から、私らいつも秋に消費者大会をやるのですが、秋を待たずして、物価値上げ反対の大きな国民運動のキャンペーンを日生協で張るべきだということを、最近の物価動向を見て、そういうことを言ってまいっております。また、兵庫県では、そういう中で近く県民物価会議をやるという計画を県や消費者団体みんなで相談しているということで、物価値上げ反対ということについては非常な強い動きが出てまいっております。  先ほどから皆さんもおっしゃいましたが、現在の物価問題の中で、大企業が鉄なりその他の価格の引き上げのことをいろいろ考えられているとか、あるいは流通機構においても、魚やお野菜の値段が非常に不安定だということ。流通機構の近代化ということはいいことなんですが、近代化の中でコールドチェーンだとか冷蔵施設というものが完備してくる中において、イカだとかマグロだとかいう魚とか生鮮ものが、投機の材料、価格操作をやりやすくなってきているということにやはり目を向ける必要がある。  それからまた、産地直結ということもいろいろやり、また政府でもバイパス方式ということを考えられ、農協でも戸田橋なり神奈川県の大和なり、方々に配送センターをつくり、生協も組んでやっております。しかしながら、そういうものをやりましても、たとえば戸田橋の野菜ものの値段は、東京の築地とか、神田とか、淀橋、そういう中央青果市場の仲値の価格よりも安く売れないという内部的なコントロールがあるわけです。  それですから、いろいろそういう点では、やはり現在の流通機構の近代化というキャッチフレーズできたものが、寡占化という中において価格操作が非常にやりやすくなってきている。そういう点、去年、おととしとれた魚を、秋のサンマが夏にあるとか、いろいろそういうことで、生鮮ものまでが投機の材料に使われてきている。  そういうことは、国際的にも、やはり多国籍企業というものによって一昨年の石油パニックが起きたり、また、穀物のシカゴ相場が国際的な大きな商社によってコントロールされる。経済全体がそういう動きになってきているのに、日本の物価対策なり政府のいろんな施策というものが寡占化に立ちおくれている。私は、この寡占化に対していろんな施策が立ちおくれているということが、現在非常に大きな問題だと思っております。  また、公共料金のことにつきましても、先ほどから皆さんがおっしゃったとおりですが、私は、やはり公共料金についてももっと経営の責任体制——民間の企業ですと、私など生協をやっておりましても、銀行から金を借りるときに、私ら保証から全部させられる。そしてそれが失敗したら、それは、家とか、なけなしのものでやっておるのをみんな押さえられるというような厳しい中において、民間の企業はみんな仕事をやっております。しかしながら、公共料金に関連する私鉄でも国鉄でも、そういうところの中における経営の赤字の責任、赤字が出れば料金を上げるか、税金で補助金をもらうか、というような安易な経営というものにはメスを入れていかなければ、公共料金一の問題も解決はしない。  もっと大きな問題がありますけれども、いわゆる公共事業における企業の経営責任というものについては、事業団とか公団のトップは、それに対して、赤字が出たら政府に補助金を出してくれ、料金の値上げをしてくれというような姿勢で——私は一度、婦人団体の方たちと公共料金の問題をやりましたときに、いまのことをつきましたら、法律にそういう赤字が出たら役員は退陣しなければならぬという規定は何にもないということを、公然とそういう事業団、公団の役員の方がおっしゃるので、みんなびっくりしたのですが、そういうところの責任体制というものもきちんとしていかないといけない。公共料金はどんどん上がって、税金か料金かということで国民に転嫁されるといういまのあり方についても、私は、国会、この委員会などで真剣に取り上げていただきたいというふうに思います。  そして、もう時間がなくなりましたが、やはり物価対策として、消費者の参加、それから国民みんなが困難に耐えていくということに当たっての大企業の姿勢、そういう点では、独禁法の問題などについても、私は外国へもよく行くのですが、独禁法とかそういうものが大企業のそういうものをどうコントロールするのかということについて、日本は一番立ちおくれているし、今度の国会において独禁法の改正がなされるということで消費者はみんな期待していましたが、それが竜頭蛇尾、何かおかしくなってきているということも、現在の困難に耐えていくという主婦や消費者の願いからいけば、非常に問題だと私は思います。  そういう中では、まだ生協は微力ですけれども、最近物価の問題等、かなり生協を中心に奥さんたちは真剣に取り組んできておいでになる。最近、生協をつくろうという奥さんたちの一番の動機は、牛乳を安く飲みたい、お産婆さんなどがあっせんをして、何とか乳幼児のためにいい牛乳を安く飲もうじゃありませんかということで、生協をつくろうという動きが方々で出て、それが全国的にまた広まってきている。全国で三十から三十五の市で、生活協同組合は、その地方における物価抑制に一定の役割りを現在果たしてきている。その生協の活動というものを、政府においても、国会においても——生協にもいろいろな問題を持っております。私は、生協がやっていることが全部いいとかなんとかと言いません。生協にもいろいろな問題がありますけれども、ヨーロッパや各国の実例からしても、生協の問題を消費者の物価に対する抵抗の具体的な組織として、私はそれしかないというふうに思いますので、この点をぜひお考えいただきたい。  それから最後に、政府の物価対策について、経企庁で中山さんの委員会とかいろいろなものがあったり、いろいろな審議会で答申がなされているけれども、各省の予算の関係だとかいろいろなことで、審議会でいい答申をしても実行されずになっているものがたくさんあります。しかし、やはり物価に対しては経企庁なりどこかで各省に対して指示でもして、そうして物価の問題をやっていかないといけない。私は米価審議会やいろいろ出ておりまして、生産者米価、消費者米価、財政の赤字という堂々めぐりの中でいつも悩まされるわけですが、いま一番物価の問題が最重要な問題だということであれば、国会において物価を国の政策の最重点にして、そうして審議会とかどうとかというよりも、どうやっていくという国としてのもっと強い政策をこの委員会などでお立てになることを最後にお願いして、私の意見を終えさしていただきます。どうも失礼いたしました。

横山利秋日本社会党

○横山委員長 ありがとうございました。  次に、五代参考人にお願いをいたします。

五代利矢子主婦

○五代参考人 五代でございます。  正直なところ、物価問題について語るということ自体ちょっとむなしい感じがするわけです。と申しますのは、これまで物価高についての実感というのは、もう暮らしのサイドからはほとんど語り尽くされておりまして、何年間も繰り返し繰り返しいろいろな形で語られてまいりました。ですから、それに対して、いまの時点では、あるのはあとは対策のみなのではないか。私たちは、要するに施策というのを待っているわけですね。  ですけれども、一方、それでは施策だけ待って私たちが全然何もしないでいるかと申しますと、先ほども中林参考人からのお話しがありましたように、現実に石油ショックの後、狂乱物価の後のとき、スーパーや何かもずいぶんレポートいたしますと、着実に売れているものというのが、ノリのつくだ煮とか、福神づけとか、ふりかけとかなんですね。こういったもので、とにかく辛いおかずで、先ほど非常にお米が多くなったという話が出ましたけれども、辛いおかずを御飯にいっぱいかけまして、それでたくさん御飯を食べるということで、結局じみちに乗り切っていこうとしている主婦は大ぜいいると思います。  現に、実はきょうこちらに参りますときに、私自身はほかに仕事を持っておりますので、細々ながら収入もあります。ですから、本当に御主人のサラリーだけで食べていらっしゃる方たちに何人か集まってもらってお話しを伺ったわけですね。  そういたしまして、たとえばひき肉というのがいまほかのものと比べて比較的安い。百グラム九十円とか百円ですね。たまたま昨今は豚肉が上がってまいりまして、豚こまもきのうあたりは上がってまいりましたけれども、一応豚のひき肉だと、これまでは比較的安かった。じゃ、そういうものでハンバーグをつくったり工夫をしたりすればいいじゃないかというような話が出ましたら、実際に厳しい生活をしている人たちの中から、とんでもない、豚のひき肉でハンバーグをつくってみたことがあるか、という反論があったのです。あれはつくってみないとわからない、なぜかというと、豚の細切れでつくったひき肉というのは非常に脂が多くて、せっかくいろいろなものを入れても、フライパンでじゅうじゅう縮まってきて、フライパンの中で小さくなってしまう。そういうものを育ち盛りの子供たちに食べさせている、そのときの母親の気持ちを考えてほしいというような反論が出ました。こういうことは、実際にその暮らしで、そのひき肉をフライパンの上に載せてじゅうじゅう脂が出てしまった、それを見てみないとわからないわけですね。ですから、世の中にいろいろな理屈とか、たてまえとか、本音とかありますけれども、現実にかなりきついところで暮らしを支えている人たちにとっての実感というのが、なかなか伝わっていかないことがあります。  ですから、たとえば新聞でけちけち料理というのがはやりますと、ネギの下の方、根を切って油で揚げると、結構これもおつなものでおいしいなどということが出ます。そうしますと、生活実感がない方から、そういうふうにしてネギも揚げてたまには食べたらいいじゃないか、主婦は工夫が足らないじゃないかということが出るのですけれども、これをじみちに暮らしをしている人たちに言わせますと、ネギというのはそうしょっちゅう根っこだけたくさん出るものではない、ことにいまネギは結構高いですから、ネギの根っこが多量に出て、それをみんなのおかずとして配分するなどということはできないので、それは非常な思いつきであると言うわけですね。  そういうふうにして、暮らしの中のじみちな実感というのは、やはり体験してみないとなかなかわかりませんし、ちょっと生活程度がいい人にはなかなかそれが伝わっていかないわけです。ですから、苦しい苦しいと言うと、何か工夫が足らないのじゃないか、もうちょっと工夫したらいいのじゃないかというようなことで片づけられてしまう。  その点では、私なども多少仕事をして収入を持っておりますので、本当に苦しい人たちのつらさということについて、まだまだ自分自身が非常に甘いのではないか、私は参考人としてここに呼ばれますとき、非常にその点を後ろめたく感じております。本当に苦しい毎日を一生懸命じみちにしていながらも、どうしてもやりくれない、生活の展望を持てない人に、ここでしっかり語っていただきたい。むしろ私は、その人たちのために少しでも役に立たなければいけないという気持ちでここに座っているわけですけれども、そういう意味で私自身も、自分の生活ぶり、それから皆さんと連帯を持って生きなければいけないということについて非常に甘いということを、むしろこれは自分に対する反省としていま申し上げているわけです。  それから、そういうふうにして暮らしの中でかなり低所得の人たちにいろいろなしわ寄せがいま起きていて、しかも一五%の攻防というようなことをよくこの三月末のときに言われましたけれども、パーセンテージということと生活実感の中ではかなりずれがありまして、いろいろな意味でパーセンテージで語られているあたりに幾つかの落とし穴があるような気がするわけです。  まずその中で、いまの一五%、一三・何%でとまったと言われておりましても、これは石油ショック以来の非常な高騰物価の高値の上にとまった前年度比の一三・何%であって、何か安定した、安定したということ自身が、少し間違っているのじゃないかと思うわけです。  それから、いま、安定したという形において、これからも公共料金の値上げとか、いろいろなものがじりじり上がってくる気配というのが、私自身毎日買い物に自分で出ておりますので、スーパーマーケット、それからお店屋さんに行ったときに、あっ、これも、あっ、これも、というようなものが、じりじりと幾つかその気配があるわけですね。ですから、決してこれは安心できないので、ここへちょっとした刺激要因が加われば、とたんにばたばたと上がる可能性というのは十分あると思うのです。  この間、ある生活のアンケート調査の中で、これは首都圏、それから福島県の白河市というところと、両方でNHKが調査したものなんですけれども、その中でも、五〇%以上の主婦が先行きに非常に不安を感じている。まさに現代というのは不安の時代なんじゃないかと思うわけです。これはなぜ不安を感じるかというと、見通しが立たないということで不安を感じるわけですね。  生活というのは、元来非常にじみちで、毎日毎日の積み重ねというものが暮らしなんだろうと私は思うのです。その暮らしというものは、見通しが立つことによって毎日毎日のじみちな積み重ねをするわけです。ところが、先行きの見通しというもの、展望が立たないから、毎日が非常に不安であり、そしてそれが非常にせつな的な気持ちにすらなる。あるときは思い切って何かはでな物を買って、どうせ土地も手に入らない、家も手に入らないから、ちょっとぜいたくして洋服を買ってみようかとか、あるとき外へ行って、すごいぜいたくな御飯を食べてみようかとか、そういうふうに非常に絶望的な余りせつな的になるという、これは国民全体にとって非常によくないことで、暮らしがせつな的になれば投機的になりますね。  現に、いま中林さんの方から、生鮮食料品まで投機的になっているということで、暮らしの中にそういう投機的な要素まで入ってくるということは、暮らしが破壊されることでございますから、ここで暮らしのじみちな展望というのをリーダーの方たちが崩してもらっては困るので、そのためには、先ほどから言われている預金金利の問題もあります。  それから、じみちに暮らしていくための生活必需品だけは安定させてほしいと思う。それも、高値安定でない形で安定させてほしい。そして、ほかの物は、たとえばいまレモンが非常に高くなりましたけれども、私は正直言ってレモンなど幾ら高くなっても驚かないという気持ちがするわけですね。レモンティーにしなくても別に死ぬわけではありませんし、要するに生活を支えていく基本的な物をきっちり安定させてくだされば、ほかの物はその人の収入によって選択していけばいいわけですから、その基礎物資を安定させてほしい。  それから、もう一つ申し上げたいのは、住まいというもの。人間の暮らしというのはやはり衣食住でございますし、本当は食住衣というランクで考えていかなければいけない。その住まいというものについては、高家賃、それから地価の高騰、こういったものがどれほど私たちを絶望的にしているかわからないので、よく物価というと、住の問題、土地の高騰、それから家賃の問題というのはどうも寄せられて考えておりますけれども、この際、住まいにかかるお金というもの、これの物価上昇ということをぜひ強力に組み入れていただきたいと思います。  余り長くなりますと制限時間を過ぎますので、一応この辺で私の話を終わらせていただきたいと思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員長 ありがとうございました。  以上で参考人各位の御意見の御開陳は終わりました。     —————————————

横山利秋日本社会党

○横山委員長 これより質疑に入ります。  御質疑を希望される方は挙手を願います。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 馬場先生にちょっとお尋ねしたいのです。  十六日に政府が第三次の不況対策を決定して発表することになっておるのですが、どういう内容になるのか、われわれのうかがい知るところでないのですが、ひとつ先生にぜひお聞かせいただきたいのは、実はいま操業度が非常に低下しておる。そのために、有効求人倍率も一を割りまして、少し上がったけれども〇・七五ぐらいのところにきた。そのために、先ほど先生も言っておられましたが、逆にコスト割れの状態ができて、価格を引き上げるという圧力になってきつつある。ですから、ここで生産をある程度上げなければならぬのだ、こういうお話しがありましたですね。そこで、私たちが非常に悩むのは、輸出関係も非常に伸び悩んでおる。そうすると、実際にGNPの約六割を占めておる最終需要である個人消費、これが停滞しておるところに今日の不況の最大の原因があるのじゃないか。そうすると、最終需要である個人消費を伸ばすためには、ある程度所得を上げていかなければならぬというところへ戻りますね。  そうしますと、今度の春闘で、先ほど総評、同盟のお二人からお話しがあり、先生も言われたのですが、一三%の上昇率というのは、一体政府が言うところの五十年度の実質経済成長四・三%を確保でき得る数字だというふうに先生の立場から見られるのかどうか、その点をどういうふうにお考えになるのかということが一つです。  それから二番目に、個人消費を伸ばすためには一体どういう手だてがあるのか、学者の立場からどういうふうにお考えになるのか、たとえば所得税減税ということもあるだろうし、そういった点にどういうお考えがあるのかということをお知らせいただきたい。  それから三番目に、これは私たちもいま非常に悩んでおるのですが、不況対策として、聖域ではなくなったのですが、公定歩合の引き下げという問題があるのですね。御承知のように、〇・五%再度引き下げて八%にしたのですが、企業集団の方からは、金利負担がたまらぬ、もっと金利負担を下げてくれ、そのためには公定歩合をさらに下げろという要求が出ておるのですね。そうすると、先生は、安定成長過渡期移行段階なんですが、公定歩合は実質大体何%くらいなら許容できるか、しかもそれが目減りその他の関係がありますから、預金金利に影響しては困るわけですから、そういった意味で、実際に何%程度なら許容できるのだというふうにお考えになるのか、そういう点についてちょっとお聞かせいただきたいと思うのです。

馬場啓之助一橋大学名誉教授

○馬場参考人 お答えいたします。  オイルショック以来のあれが起こりましたときに、結局、高度成長の状態から、上がってまいりました賃金コストが元に戻るという方向をとるべきであるということで、いま一三%程度の賃上げが行われたわけでございますが、政府の試算によりますれば、一応一五%以内に抑えられれば四・何%というのは可能であるということを申されたわけでございまして、その方向に向いておることだけは確かでございます。したがって、民間の金融機関等の想定によりまして、実は四・何%はむずかしいのだ、三%程度じゃないかということがいろいろ言われておりますけれども、とにかくいまは安定成長への移行期でございますから、何%が可能であるか、何%が適正であるかということを実は私はお答えしかねるわけでございますけれども、その方向に向いておるということは確かであろうということが、第一に気がつくわけでございます。  第二点におきましては、政府の見通しにおきまして、勤労所得の上昇のテンポは現在のあれよりも少し高かったわけでございますが、したがって、一三%程度の賃上げであれば云々ということに関連いたしまして、私が先ほど申し上げましたように、賃金というのは勤労者の所得を形成いたします非常に重要なものでございますけれども、結局、稼働の時間、超勤の問題等々がございますので、私は、ある程度操業度を上げるということが、やはり勤労者の稼得、賃金でなく稼得を確保するために必要ではなかろうか。その意味では、ほかの参考人も意見を申されておりますように、この際はやはりその操業度を上げるという措置をとるべきであると思います。  ただ、四十九年の消費者の行動につきましては、私よくわからないということを申し上げまして、実はよくわからないということは、とにかく目減りをしていく金融資産を積んでおるために、調整のつく消費は抑えているということは、どうも従来の消費者の慣行から見ますと崩れてきております。そして、従来も、高度成長の過程におきましても、大体毎月の賃金所得によりまして、若干の赤字を残しながら、年末とあるいは夏の一時金によりましてそれをカバーしてくるということ、その点がどうも少し崩れたのではなかろうかということが言われておりますけれども、そういう点ではやはり操業度を上げるということが、これは国民全体にとっていま非常に重要な課題になっているのではなかろうかという気がするわけでございます。  個人消費の伸ばし方につきましては、いま申し上げた以上のことを申し上げる知識を持っておりませんので、お許しを願いたいと思います。  それから、第三点の、公定歩合はどのくらいが適当かという御質問でございますが、公定歩合は最近、日本が〇・五%二度下げる、二度目は今度やったわけでございます。従来も高金利であるということが言われてきたわけでありますけれども、私どもといたしましては、現在の日本の対外的なポジションから見ますと、百四十五億ドル程度の外貨を持っておりますが、結局、国際金融との関連で、あるべき公定歩合のあり方というものがあるかと思いますけれども、その点で、あるいはもう少しよその動きとの関連におきまして下げた方がよろしいという意見も将来は出るのではないかということを予測しております。  なお、企業との関連におきましては、私どもは労働委員会でいろいろのあっせん作業をしておりますけれども、公定歩合と、それから企業が借り入れております実効金利と申しますか、その間では、たとえば貸し出しの金利が九・三程度でございますけれども、実際はそれで借りられるというのは非常に少ないので、もっとよけい出しているということでございます。恐らく三次にわたりまして不況対策が漸次進んでまいりますと、この実効金利が下がるような傾向があるのではなかろうかということを私どもとしては期待せざるを得ないわけでございます。しかし、公定歩合が何%がいいかということをずばりと言えということは、ちょっと私の知識では申し上げかねますので、お許しを願いたいと思います。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 もう一つ、これで終わりますが、あと四人の方にお尋ねします。  政府が、先ほど五代さんも言われたのですが、パーセンテージの問題で、物価が安定した、たとえば対前年同月比一五%以下だ、あるいは九・九%だ、こういうことを盛んに宣伝されるのですが、実感として、そういうパーセンテージというのは、消費者の立場、あるいは皆さんのサイドで、本当にそうだ、本当に物価は安定したというふうに率直に受けとめられるかどうか。福田さんは先ほど、こういう計数には問題があるということをずばり言われたのですが、その点、馬場先生はちょっと立場がおむずかしいでしょうから、福田参考人以下の皆様に、一言ずつで結構ですが、感想を述べていただきたいと思います。

福田勝日本労働組合総評議会幹事

○福田参考人 今後の政府のやり方、企業のあり方、これによって、物価が本当に安定するのかどうかということは、政府と企業に私どもはいままでも責任があると思っておるわけでございます。これが一点。責任者が今後どうするのか。  ところが、どうも公共料金とか、企業が値上げを盛んにしたいということで、もう始まっておりますが、これを見ると、物価は安定するというふうには思われない、そういうふうに考えております。

河野徳三全日本労働総同盟調査局長

○河野参考人 お答えします。  かつてに比べればかなり安定しているという感じは持っていると思いますけれども、しかし、やはりまだじりじりと上がっておる、将来も上がるかもしれないという不安感があると思います。  そこで、先ほど福田さんが言われましたからあえて私は言わなかったのですけれども、やはり消費者物価指数に問題がありますし、それから、特に消費者物価指数の中でも、こちらからも指摘がありました生活必需品、これが一体どれだけ上がっているのかといったような、もう少し区分けをして、もっと消費者にぴんとくるような、そういう物価指数の作成と発表、これをぜひともやってほしいということです。

中林貞男日本生活協同組合連合会会長

○中林参考人 毎日買い物をしている主婦たちは、五代さんがおっしゃったように、非常にむなしい気持ちでいるというのが実感だと思います。

五代利矢子主婦

○五代参考人 安定したという言葉で言えば、高値で安定したということだと思います。それですから、これから高値で安定した形から、さらにまたその上にもう一つ高値が乗るのであれば、もう暮らしの方は破綻してくるのではないかと思っております。

橋口隆自由民主党

○橋口委員 貴重な御意見を承って、非常にありがとうございます。  お一人ずつちょっとお伺いしたいのですが、初めに河野参考人にお聞きしたいと思います。  先ほど、九・九%の目標というのは決してむずかしくない、七%、八%に下げられる、こういう御意見であります。われわれもそうあってほしいと思うのであります。私は自由民主党でございますが、わが党、それから政府も、九・九%にしたいと思っているけれども、なかなかむずかしい、こういう状況で、その中で非常にいいお話しを伺ったのですが、いろいろとお聞きはいたしましたけれども、端的に言えば、どういう施策を打てば八%あるいは七%に抑えられる、そういうふうにお考えでしょうか。

河野徳三全日本労働総同盟調査局長

○河野参考人 お答えします。  なかなかむずかしい問題なんですけれども、やはり政府が、本当に物価を抑制するために可能なあらゆる政策手段をここで導入するのだという姿勢を示すことが大事じゃないかと思うのです。それは、先ほども申しましたし、福田参考人もおっしゃいましたけれども、独禁法の問題であるとか、あるいは公共料金の問題であるとか、生鮮食料品の問題であるとか、そういったものについて、どうも政府は、逃げる方向に、逃げる方向に行っておるという印象を国民一般は持っているわけであって、そのこと自体が、少しでも景気回復策をとれば、これは大企業だけとは申しません、中小零細企業にしても、すぐ価格引き上げの方向に走っていく、一つの大きなムードをつくっておるということが言えるのじゃないかと思うのです。政府の責任といいますか、そういう姿勢がとにかく感じ取れないということが第一点。それを感じ取れるようにちゃんと示していくということが、一番大事なことだと思います。  それから、これは私、必ずしもそういう細かいことの専門家じゃありませんから、どうしたらいいかという施策まで一々述べるわけにいきませんけれども、たとえば生鮮食料品の問題にしても、中林参考人が御指摘なさったコールドチェーンの問題にしても、同じことを申し上げるのですけれども、そういうきめ細かいところで国民が常日ごろ疑惑を持っているものがたくさんあるわけでしょう。そういうものを一つ一つシラミつぶしに解決をしていくということを、まずこの際第一にやるべきではないか。そうすれば、少なくとも賃金コストの面から見れば、われわれは七%台に抑えることは十分に可能だと思います。これほど賃上げを抑えられたのですから、それ以上の分は全部政府の責任である。つまり、われわれは、九・九じゃなくて、来年三月の物価が七%を超えるようなことがあれば、それはもう政府の責任だということでむしろきめつけたい、こういうことでございます。

橋口隆自由民主党

○橋口委員 それに関連してお伺いしたいのですが、福田参考人にお伺いいたします。  いまの参考人の御意見のように、公共料金その他、一連の施策を打てば下げられる、こういう御意見です。先ほどのお話しでは、公共料金の値上げをする分というのは金利負担で賄えるのだ、こういうお話しがちょっとございましたね。それは、要するに、公定歩合を下げる、そうすると一連の金融機関の金利も下げていく、それに見合う、こういう御意見だろうと思うのですが、大体の計数的なめどというのはどのぐらいというふうにお考えになっておりますか。

福田勝日本労働組合総評議会幹事

○福田参考人 金利の問題で私が申し上げたのは、たとえば国鉄の例を引いて申し上げた、赤字の半分は利息を払っているということですね。四十八年度で、一日六億五千万ですか、赤字の金利を払っておる。この金利というのは、国からなり、あるいはまた銀行からなり、いろいろ借りているわけなんですが、しかもいま、この銀行が、見るとだんだん利益を上げている会社のむしろトップになっておりますね。そうすると、銀行の社会的責任という問題で、いま銀行法の改正なりが行われようとしているわけなんですが、社会的責任という観点を言うならば、中小企業への融資問題なり、あるいはまた公益企業等に対する金利、こういう点について、その分をぐっと金利を安くして、銀行に負担をさせるという政策が行われてしかるべきではないかということを私は申し上げたわけなんです。  だから、これは直ちに公定歩合との関連なしにやるべきものである、これだけもうけているわけですから。そうするならば、それがはね返って公共料金を上げるのを——これだけとは申し上げていないわけですが、上げ方を非常に縮める要因になるのではないか、そういうところの指摘がいままで非常に少なかったのじゃないかということの一例として私は申し上げたわけです。  単に企業の赤字があるからというのじゃない。企業の赤字の内容は一体何なんだ。この中で金利問題はどうなっているんだ。あるいはまた、郵便料金で言えば、四人ぐらいの大臣と政務次官と秘書官を除いた者は、みんな郵政特別会計で持っている。こういうことはないのであって、もっと国の一般会計で持てる人件費だって幾らでもあるのじゃないか。庁舎については一体どうなっているんだ。いろいろ内部について見ないと、郵政省が言うとおりの赤字をそのまま赤字だというふうに私どもは受け取れませんということの一例として申し上げたわけです。

橋口隆自由民主党

○橋口委員 いま一番の問題は、これは特に馬場先生の御意見を伺いたいのですが、物価対策と不況対策とは、いわば二律背反的な要素だ、こういうふうにいま思われておりますね。ところが、最近、わが党でも反省をしておるのですが、景気対策をして操業度を高めていけば、おのずから今度はコストも下がってくるのじゃないか、そうすると、いまのようなコストの圧力というのはかなり弱まってくるはずだ、そういう考え方も出てきておるので、そのためにけさも党で会議を開いて、政府ももう少し思い切って、不況対策というのは財投だけでなくて、一般会計の公共事業についても強力にやってもいいのじゃないか、こういうような意見も出つつあるわけなんですが、この二つの関係について、先生はどういうふうにお考えですか。

馬場啓之助一橋大学名誉教授

○馬場参考人 お答え申し上げます。  いま御指摘ございましたような、そういう側面が出てきたということに注目していただきたいということを申し上げたのでございまして、それならば、不況対策をやれば物価は必ず下がるかということになりますと、それはタイミングの問題もありますし、また、それは程度の問題でございますので、そういう側面が従来と違って強くなってきたということを申し上げたわけでございます。したがいまして、私は、先ほどこれに関連いたしまして、直接金利を下げるということに重点を置くよりも、従来の効果があらわれてまいりました窓口指導のあり方を重視していただきたいということを申し上げたわけであります。

橋口隆自由民主党

○橋口委員 それに関連して、問題は、いま財投だけの方がもっといい、一般会計でやると赤字財政の危険があるから、こういうようなことを言われておるのですが、その際、赤字公債を発行してでも景気浮揚策をとった方がいいかどうか、その点はどういうふうにお考えですか。

馬場啓之助一橋大学名誉教授

○馬場参考人 お答え申し上げます。  現在すでに歳入欠陥でございますので、ある程度の公債を発行せざるを得ない状況でありますこと、これはいいとか悪いとかいう問題ではなくて、そういう状況であるということでございますので、やはり公債を発行せざるを得ないという状況のもとで、ただこれは、発行の仕方でございますが、恐らく市中消化というのはむずかしいわけでございます。結局、預金部引き受けという形にならざるを得ないわけでございます。  これらにつきましても、やはりどうも、かくあるべきだ、方向というようなことをなかなか言えないので、やはり現場の感覚で、私ども第三者としてはもっと慎重にやっていただきたい、タイミングを見て、慎重に、除々にやっていただきたいということを申し上げたいということでございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 まず最初に、馬場参考人にお伺いしたいのでございますが、現在の経済状況を見てみますと、多分に海外要因、いろいろ原材料の面で左右されている面があるわけでございます。現在の不況を打開するために景気浮揚策がとられるわけではございますが、そういう両方の要因を考えながら、私が考えますには、不況対策のために景気刺激策をとっても、かなり原材料を中心とした海外要因というものが大きく響いてくるのではないか、こういうふうに思われるわけでございます。  そういう点におきまして、各企業の製品価格というものが不況対策をやりましてもどうしても上がりぎみになる、こういうふうにいま考えておるわけなんでございますけれども、現在の経済運営が理想的な形で進行するといたしまして、いわゆる消費者物価指数が、これから二、三年の間、果たして一〇%以下に抑えられるものかどうかということについて、どういうような見通しを持っていらっしゃるか、まずお伺いしたいと思います。

馬場啓之助一橋大学名誉教授

○馬場参考人 お答えいたします。  海外要因によります影響が非常に強いということは御指摘のとおりでございますが、昨年の夏ごろから非常に鎮静に向かいつつございます。したがいまして、御心配のように、景気浮揚策ということで刺激をいたしましたときに、海外要因との関連において物価の値上げを促進する恐れがないかという御指摘だと思います。  私は、その点につきまして、一般的な形で申し上げますよりも、たとえば四十七年の後の木材の値上がり、木材が大変な値上がりをいたしましたが、私どもは、それは海外の要因によるということよりも、むしろ輸入の仕方に問題があったのではなかろうかということで、海外的な要因によって上がると申しましても、国内的要因がこれに関与をしているということは否定できないと思います。したがいまして、計画的に、過熱的な様相が起こらないように、情報をよく分折いたしまして、そして輸入についての措置をとっていただきたいということを希望申し上げたいと思います。  また、一〇%以下の状態というものが続くかということでございますが、この点につきましては、私どもといたしましては、当然一〇%以下の物価の値上がりという形が続くということを期待せざるを得ないわけでございまして、それは先ほど、もとに戻るということを申し上げましたように、かつて卸売物価に関しましては、世界の先進国の中で日本が一番上がり方が低かったわけでございまして、現在もフランスに次いで低いような状態でございます。したがいまして、私どもといたしましては、一〇%以下の物価の値上がりというものが続くということは恐らく期待して差し支えないのではなかろうかということを思っております。  しかし、具体的に、どういう状況のもとで、どういう条件でどうかということを説明しろと言われますと、いまなかなかむずかしいわけでございますけれども、私はそのように考えております。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 それでは、各参考人に一つずつ、まとめて御質問申し上げたいと思います。  いまのコストプッシュに関しまして中林参考人に。生鮮食料品の問題につきましては、米の問題を初めといたしまして、魚等、これはいろいろの年の豊不漁等の問題もございましょうけれども、特に肉の関係につきましては、なかなかコストを下げることができないような状況にあるのではないかと思うのでございます。特に生鮮食料品のコストプッシュにどう対応していったらいいだろうかというのが私たちの悩みのように思うのですけれども、この点についてお伺いしたいと思います。  それから、福田参考人にお伺いをしたいのでございますけれども、先ほど物価指数に関連をいたしまして、生活指数というものについてもお触れがございましたが、具体的にこの生活指数というものをある程度めどをつけたものをお持ちなのかどうか、お持ちであれば教えていただきたい。  特に、消費者物価指数につきましては、私も一生懸命勉強しておるのでございますけれども、ああいう状態ではとても生活実感に結びつかない、逆に生活指数というものをもう一遍ピックアップいたしまして、それから突っつく必要があるのじゃないか、こう思っているので、お伺いをするわけでございます。  それから、河野参考人にお伺いをいたしますが、公共料金の合理的な決め方をつくるべきではないか、こういうようなお話しがあったのですけれども、できればこの点をもう少し具体的に教えていただきたい、こう思うわけでございます。  それから、五代参考人には、いま申し上げました生活指数の問題でございますけれども、これは特に底辺にある人にとっては非常に大事な問題でございますので、政府としてもこの生活指数をどうしてもつくる必要があるのじゃないか、こう私は思っているのですけれども、それに対するお考えをお伺いいたしたい、こう思います。

中林貞男日本生活協同組合連合会会長

○中林参考人 生鮮食料品の価格の激しい変動、コストプッシュ、そしてそれの安定ということですが、私たちの生活協同組合は食料品を中心にして取り扱っているわけで、やはり生鮮ものの価格の安定ということは非常に大切だということで、それと取り組んでいるわけですが、私は、農村における生産農民の立場というものも、都会における労働者と同じく、十分考えていかなくてはならないというふうに思っております。  そういう中で、生鮮ものの価格が非常にこうだという中には、やはり流通機構の問題が非常にある。この点は先ほども言いましたが、現在の日本の市場機構に徹底的なメスを入れないといけない。農村の庭先で、野菜にしてもいろいろなものが買われる、あるいは牛乳でも、それが消費者の口に入るときには非常に高くなっている。魚についてもそうです。私は、そういう点ではやはり流通機構に問題があると思う。  ヨーロッパなどでは、市場機構の中で、企業と、消費者の組織である生協と、そして農民の組織である農協とのいわゆる直結によるフェアな競争を皆やっているわけです。日本の市場機構の中ではそういうことができないわけです。  それで、バイパス方式としていろいろ君えられているのですが、やはり市場機構の支配が非常に強くて、バイパス方式をつくっても、野菜ものですと、先ほど言いましたような東京の幾つかの市場の中間値段よりも安く売れない。安く売りますと、一番問題になりますのは、農協と直結して安く提供をやる、そうすると市場から、その農協の品物はもう扱いませんよとやられる。  現に、カナダの漁業協同組合と北海道の漁連と私らで、日本近海はPCBの問題がありますから、カナダで、魚のいろいろなことをやっているのです。それを北海道へ荷揚げして、直接東京の消費者に持ってこようとすると、やはり中央市場から、そういうことをすると北海道の漁連の魚はボイコットしますよというような形になって、やはり市場機構に非常に問題がある。  そうして、流通機構の近代化ということの中で、先ほど言いましたような価格操作がますますやりやすくなってきている。そういうところに徹底的にメスを入れていかないと、野菜とか魚とかあるいは肉とか、そういういろいろな最も消費者が望んでいるものの対策としてはなかなかむずかしいのじゃないかと私は思っております。

福田勝日本労働組合総評議会幹事

○福田参考人 いま先生から御質問のありました消費者物価指数の問題につきまして、私ども、昨年の十月に東京都の近郊の約三百五十世帯をとりまして、そこで家計調査と同じような形で厳密にやったわけでございます。  そこで、ウエートを出してみますと、総理府がやっているウエートと、この勤労世帯のウエートとが若干違うわけなんです。特に教育費であるとか雑費の方に、ウエートが非常に高くなって出るわけですね、細かい話を抜きにしまして。それだけで指数をはじきますと、三%ぐらいの差異を生じました。正確に申し上げると、二・六%の差異を生じました。  そこへもってきて、もう一つ私ども、先ほど申し上げた非消費支出、これは総理府は入れておりませんから、これを入れますと、五%ぐらいの物価指数の差異を実は生じてくるわけなんです。  こういう点から、政府の指数そのものが、理論的に言われているほかに、実態を調べてみても非常に違うということを私どもは知ったわけなんでありまして、先ほど五代さんですか、言われました、また河野さんも言われましたように、生活必需品をとるだけで十分ではないかという感じがしてならないのです。  各国の物価指数を見ましても、日本が四百二十八品目とっておりますけれども、こんなに多い国はそんなにないわけなんで、普通は大体百五十から二百前後、これが各国多いのです。日本の場合も、大体生活必需品と言われるのは百ないし百二、三十じゃないでしょうか。だから、本来から言うとこれで十分なので、そのほかに加えたにしても、そんなに四百二十八品目も要らない。だから、田中首相のように、イチゴまで入っておるじゃないかとかというようなことを言わなければいかぬような、自分でやっておいて自分で文句をつけなければいかぬようになるわけなんで、生活必需品というものは一体何かということをきちっと規定すれば、それがやはり本当の生計費指数として活用できるものじゃなかろうかというふうに私ども思います。  それから、さらに階層別なり、そういう指数を出しておく必要がある。総理府の方は、全国一本で年五分位層を出しておるようでありますけれども、毎月これは出そうと思うと出せますし、西ドイツなんかは、年金世帯の場合はどういう指数になるかというのを出しております。  年金は物価スライドがいまやられておるわけですから、年金の世帯が一体どうなっておるのかということを、私も厚生省の社会保険審議会の委員をやっておりますけれども、そこで言うのですが、なかなか出てこないのですね。そういうものがあって初めて年金の物価スライドというものが適用できるのじゃなかろうか、こう思うわけでありまして、全国一本の指数でもって、あのスライドをやったからまあ何とか生活できるのだろうと思うのは、理論的にも非常におかしいのじゃなかろうか。そういうような各層別の物価指数というもの、西ドイツでは五つほどやっておるようでありますけれども、せめてそれぐらいのことを日本でやらなければいかぬのじゃなかろうかと思います。  それからもう一つは、物価指数は公開されていないのです。これは幾ら聞きましてもなかなかわからない。統計法上どうだこうだと言うのですけれども、これは個人のことを公開せいと言っているのじゃないので、やはりやったものについては、こういう方法でやりまして、どういうものをどうしているのだということは国民に明らかにしなければいかぬと思うのですね。こういう点が明らかにされていないし、私ども調べてみても非常に疑惑を生ずるようなことが幾つか行われておるわけであります。  先ほどの森永のことはちょっと適当な例じゃなかったのですが、最近、私ども調べてみますと、たとえば電気アイロンなんかは、七〇年のときに千九百六十円で売られて、七五年二月の調査では六千七百三十円になって、事実は三四三%の上昇、三・四倍になっておるのですが、物価指数としては一・五倍にしか出てこない。これは、電気アイロンの値段が三・四倍になっているのに、物価指数上は一・五である、こういうことなんですね。これはなぜかと言うと、電気アイロンの単に銘柄の変更であるということで、効能はそれほど上がっていないから、物価指数上は一・五でございます——ところが、いまどこへ行っても千九百六十円で買える電気アイロンはない。  事実は三倍以上に上がっているものを、物価指数上はその半分以下に抑えているというような、私どもに言わせれば大変インチキが行われておると見ざるを得ないわけでありまして、そういう点を一つ一つ今後、私ども、最近勉強して初めてわかったのですが、労働者の内部なり消団連の消費者の方々にも宣伝をして、物価指数というのは家計指数ではないし、非常にインチキがある、だから、われわれの手で物価指数をつくって、大阪なら大阪、東京で、世田谷区でやったらこうだというものを発表しながら、私どもの賃金なり生活を充実していかなければいかぬのじゃないかとも思って、こういう運動をやろうと考えておりますから、ひとつよろしくお願いしたいと思います。

河野徳三全日本労働総同盟調査局長

○河野参考人 公共料金の決定の合理的なルールということですけれども、私も経済の専門家じゃありませんし、公共財についての学者の先生が書かれたものを走り読みで斜めに読んだぐらいの知識しか持っておりません。  ただ、福田さんもちょっと、郵便料金ですか、この問題についても御指摘なさったと思いますけれども、いずれにしても、先ほど申しましたように、公共料金というのはもちろん公共財に関する問題ですけれども、公共財というのはまた国民全体が必ずしも利用するわけではないのであって、一部の人が利用し 一部の人は利用しない。しかし、それは制度としてどうしても必要であるという、いわゆる公共財という側面、二つの面を持っているわけであって、それぞれ負担の形というのは変わってくると思うのですね。そのウエートも変わってきますし、そこらあたりをもう少し詰めた議論をすべきではないか。  その場合、民主的なルールということで、たとえば消費者の代表も入れたらいいではないか、組合の代表も入れたらいいではないかという議論が出るかもしれませんが、私、率直に申しますと、その議論には余り賛成じゃない。むしろ、そういう点での理論というのは、私は余り知らないかもしれませんが、学者の間でも理論的な一つの大きなトピックとしてかなり研究されているし、理論的にも進んできているわけですから、そういう学者を中心とした中立委員で一遍十分に検討してもらってみたらどうか。そこで出てきた結論を消費者代表とか労働組合代表に説明し、納得してもらうというようなかっこうをとってみたらどうか。  そこで、そういうルールを分けますと、たとえば公共財のコストの中のフローの分野、たとえば人件費であるとかそういうものが直接的に料金引き上げと関連するということになりますと、それは人件費が上がったから上がったのだという合理的な説明がつくでしょうし、そうすれば、まあこれは問題があるかもしれませんけれども、そういう公共財に関連する分野のいわゆる事業運営をどう近代化し、合理化しなければならぬのかという問題意識もそこから出てくるでしょうし、あるいはストックに関する分野、これは当然そのまま料金に転嫁するというよりは、もっとほかの分野で何とか見るというようなことになってくるのじゃないかと思うのです。これは、たとえば国家財政の問題だとか、そういうものと関連して、そこでまた近代化の目標というものがはっきり出てくるのではないか。  要するに、いまの公共料金の議論というのは、いろいろな検討はされるけれども、結局最終的には、いろいろな要素をみんな総合勘案して、ぴしゃっと決めちゃっているというかっこうになっていますから、そこでいろいろな疑惑が出てくるし、それからいろいろな利害関係がそこに錯綜してきて、いろいろ厄介な問題を生み出す大きな原因になっているのじゃないかという感じがするものですから、申し上げたわけでございます。

五代利矢子主婦

○五代参考人 お答えします。  消費物価指数についてもう一度ここら辺で洗い直さなければいけないということ、これは本当にそうだと思うのですけれども、そのことはもとよりそうですか、もう一つ、むしろ生活必需品、いまの日本の時点で人間が暮らしていくためにこれだけは絶対必要だというもの、その中には教育費なんかも当然入るわけですけれども、そういったものを、皆が暮らしを見つめて。幾つか逆にここで最低限度のものを出してみて、それについての指数というものを、別の形で、別建てで出したらいいのじゃないかなと私は思うのです。これは素人の暴論ですけれども。  それはなぜかと言いますと、そうしますと、非常に最低限度ですが、逆に言えば、そこに出たものに対しては政府の方も絶対に安定させますよという一種の決意目標みたいになるわけです。非常に数も少なくてわかりやすくて、それが非常に動くということは、政府その他の施策のいろいろな欠点が逆にそこから出てまいりますので、どこの問題で、どの流通で、どこが悪いということが、数が少なければよけい集中して討議もできると思うのです。  いろいろたくさんの品目があると、お互いが絡まって、市場の問題一つでも微妙になってまいりますので、逆にここで、暮らしに必要なもの、暮らしを支える必要なものは何かというのを新しく創設していただいて、それらの値段の動きについては政府は責任を持ってしっかり受け持つ、守備範囲としてとにかくこれだけはやるというような形でも出していただければ、私たちとしても見ていて非常にすっきりしますし、どこがだめなのかということもわかってくるのではないかと思うのです。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 馬場先生にお伺いをいたしたいと思います。  先ほど、最近企業の値上げムードも大変高まってきている、こういう中で、特に操業度が下がっているところに一つ大きな問題があるのだ、こういうお話しがございましたけれども、特に基礎物資と言われているような鉄鋼だとか石油だとか、こういうものが上がれば、これは公共料金と同じように、すべての物価への波及効果は相当大きい、こういう問題が出てくるわけでございますし、こういう中で、現状の物価を抑えていくという観点から、単なるお互いに自粛しましょうということだけではなくて、これに対する具体的な規制措置をとる必要などもいまの時点では当然あるのではないかというふうに私考えておりますのですけれども、この点について先生はどのような見解をお持ちでございましょうか。  それからまた、特にこれらの問題との関連で、今後、安定成長を本当に実現していくという点での財政、金融の問題などについてどのようにお考えになっていらっしゃるのか。不況対策と言われましても、いろいろございますけれども、私どもはいま一般の庶民の大変強い要求になっております公営の住宅、あるいはまた民間のささやかな住宅など、こういうものをやはり財政支出で、ここで景気刺激として重視をしていくというようなことこそが必要ではないかというふうな考え方を持っておりますけれども、これらの点も含めて御意見をお聞かせいただきたいというふうに思います。

馬場啓之助一橋大学名誉教授

○馬場参考人 お答えいたします。  御指摘のように、とにかく石油が四倍に上がったり何かいたしまして、私も先ほど申し上げましたように、結局その場合に、こちらがコントロールできる要因というのは、国内の受けとめ方、受け入れ方でございます。  この前のオイルショックの後で調査いたしましたように、これは産業連関表で調査したわけでございますけれども、仮に原油が上がった場合に、コストの上がり方としては幾らであるかということを翌年の春に想定いたしました。それよりもはるかに値上げが来たということでございまして、結局それは当時は便乗値上げという言葉で言われておりましたが、この海外的な要因で価格が上がりますときに、便乗値上げを抑えるということが必要でございますけれども、しかし、これは直接統制しているわけではございませんので、私どもとして現在の機構の中でできますことは、結局、どういう形でコストが上がって価格がどうなったかということについて、やはり情報をわかりやすい形で一般に流布するということが政策的にもでき得る、政府の介入の仕方としては、的確にこの情報を流して国民の審判を受けるということができることではないかというふうに考えております。  それから、住宅の問題につきましては、御指摘のとおりでございまして、ただ、住宅の建設につきましていろいろの計画を立てますときに、供給サイドの状況もよくあわせまして、これだけの計画をやりますときには、こういう供給の条件のもとで可能であるというようなことを十分確かめまして、実行可能なような計画を作成して御発表していただきたいということを希望いたします。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 次に、中林参考人にお伺いいたしたいと思います。  先ほど、いろいろと流通機構の問題について、起こっている具体的な事実の例も挙げられてお話しをお聞きいたしましたけれども、このような流通機構の近代化ということで、たとえば冷凍庫を建てればそれで価格がある程度安定することに役立つというよりも、何か大変価格操作がやりやすい、値段は下がらない、こういうお話しでございましたけれども、私どもも実はそういう話をいろいろなところで聞いております。本当に価格を安定させていくということに役立たせ、活用していくということでつくられた冷凍庫なり何かが、実際には何の役にも立たない、むしろ特定の企業の価格を操作していく、そういう手段に使われているということは、これはきわめて問題だというふうに私は考えておりますけれども、これを本当に防止していくために、先生具体的に何かいい御提案なりお考えをお持ちであれば、ぜひこの際お聞かせをいただきたいというふうに思っております。

中林貞男日本生活協同組合連合会会長

○中林参考人 やはり私は、いま小林先生のお尋ねの流通機構の近代化ということで、これは政府もかなり金を使ったりしていろいろやってまいったわけですが、結果的には、いまいろんな問題が逆になってきているというふうに思います。これは寡占化が進んでいく中においてこういうことになってきたのじゃないか。いろんなことが企業サイドでみんなやられているということで、流通機構の近代化は私らもいいことだと思っているのですが、それを企業サイドで一方的に進めるのじゃなくて、やはり消費者の参加、それから具体的に、生活協同組合などをもっと位置づける。生活協同組合と、農協なり漁協というものとの連携を深めて、そうして企業サイドのものとのフェアな競争をやらせる、そして消費者の審判を仰ぐ。ヨーロッパでは、私らも見ますと、みんなそういう形が仕組まれているのですが、その点、日本では全然ないという状態です。  そういう点からいろんなことを考えて、独禁法の問題なども、このことは先ほど皆さんおっしゃいましたが、消費者の立場からも、独禁法の改正についても、消費者の参加という点について、この点は公正取引委員会も独禁法の法律さえ改正すればこうだというお考えですが、私は、そういう中でも消費者の参加というものをどういうふうにしていくのかということなどによってやっていかないと、なかなかできないのではないかと思っております。

三塚博自由民主党

○三塚委員 それでは、中林参考人にお伺いしますが、先ほど、今日の日本経済をマクロにとらえられた発言だと思うのですが、このデタントといいますか、経済的なデタント、社会的なデタントだと思うのです。これを乗り切るためには、国全体として困難に耐えるべきであると言われましたね。これは非常にいいことですけれども、そういう点で具体的に、簡単でよろしいのですが、柱だけでもお伝えいただきたい。  それからもう一つ、先生は米審の委員をやられているものですから、政党側に、米審委員として、この際、端的に所懐をひとつ言っていただきたいと思うのですよ。  というのは、各政党はいつも、生産者米価は上げろと、こう言うのです。農協六四%、全く賛成であります。消費者米価は抑えろと、こう言うのであります。それでしからば財政はどうなのかということになりますと、そのことに余りお触れにならぬ。これは各党共通であります。まさにこの点に関する限りは、五党演説会や要請大会に各党代表が出ますと、大体同じ基調で言われるのでありますが、これは大変問題の多い点であります。これは物価政策上基本的な問題で、間もなく米審が開かれ、米価決定が行なわれてまいります。そういう点で、この際、参考人からずばり、各政党に、こういうような点を御留意いただくならば大変よろしいのではないかという御意見をお聞かせいただきたいと思います。

中林貞男日本生活協同組合連合会会長

○中林参考人 困難に耐える、この構えが非常に大切だ。しかし、この構えに対しては、主婦を中心に一般の国民は、本当に現在どう耐えていくかということで、毎日の家計簿、買い物を通じて、非常に真剣になっています。そういう点から見ました場合に、むしろ財界とか政府とか、いわゆる指導層のところに問題があるというふうに私は思っております。  そうして、そのことのためには、政府も、各政党の中においても、いま寡占化の進んでいるという中で、企業というものの横暴なり、そういうものをどうコントロールするのか。いろいろありますけれども、せめて独禁法ぐらいは改正して、国民の困難に耐えていこうという姿勢にこたえていただきたいというふうに思っております。  それから米審のこと、これは困るのですが、私は正直言って、米価審議委員をしていて、ある面むなしく思うことが私自身あります。そういう点は、現在の米価なり、あるいは第一次産業は、高度経済成長の過程で第二次産業の犠牲になってきている。それですから、現在食糧の需給をどうやっていくのだという立場に立ったら、やはり生産農民の人たちが農業を本当にやるという気持ちを皆持っているのかどうか、いわゆる百姓の若い人たちが、やはり百姓をやるということに生きがいを感ずるようにしないと、このままいったら日本の農業はどうなるのかということが私は非常に心配です。それは何も物ということではなくて、やはり本当に生きがいを農業に感ずるように、国会で皆さんにお考えをいただきたい。  そういう立場で、そのことは独禁法の改正にも絡むのですが、第一次産業は第二次産業の犠牲になってきたのだから、犠牲にしてきた第一次産業をどうしていくのかということで、米価の問題についても、農林省の予算ということになりますと、それはもうなかなか問題は解決しないのですよ。  それですから、国民食糧の問題が物価とともに現在一番大事な問題で、自給率を高めるということは与野党皆さんそうおっしゃっているのだから、そうであれば、私は、第二次産業の犠牲になってきた第一次産業をどうしていくのだというこの問題の予算は、食管の赤字ということよりも別の角度で政府全体としてとらえて、自給率をどうしていくのだ、そしてそのための財源は、独禁法の強化なり、あるいは第二次産業の利益というもので公平に、やはり困難に耐えるということのためには、国民みんながそういう姿勢になる。戦後のような一億総ざんげ、ああいうものではなくて、現在の時点においては、そのためにはまず高度経済成長の中でいろいろしてきた第二次産業の中心の人たちが、その犠牲に耐えるということをはっきりされることが一番じゃないか、お答えになったかならないか、私はそう思っております。

片岡清一自由民主党

○片岡委員 私は、一つの点だけ中林参考人にお伺いし、そして、あとその問題に関しまして河野参考人、それから福田参考人にお伺いしたいと思います。  それは、先ほど中林参考人から、公企業が安易に政府におぶさったり、あるいは公共料金を引き上げたりすることの要求をやる、それははなはだどうもけしからぬので、これは企業内における合理化というものをもう少し徹底してやって、その上で言うのならわかるけれども、やはりこの問題は合理化という問題が第一であるという御意見がございました。その点で、どういう点でその合理化を進めるかということについて、中林参考人がお考えになっている要点をお聞きいたしたい。  また、それに関しまして、この合理化を公企業でやりますと、必ず労働組合から合理化反対闘争というのが出るわけでございます。私もやはり合理化というものは大事であると思います。ところが、合理化が首切りにつながったり何かするものだから、あるいはまた賃金に関係してくるということで、労働組合としては反対をされる気持ちというものもよくわかりますけれども、やはりいま低成長ということで、みんながいまおっしゃったがまんをしなければならぬという時代になってきておるのですから、その合理化については労働組合でもある程度の御理解を示していただかないと、それはなかなかできぬことじゃないかというふうに思うわけです。それについて、河野、福田両参考人からも、あわせて御意見を承りたいと思います。

中林貞男日本生活協同組合連合会会長

○中林参考人 私は先ほど、公団やいろいろなものの合理化、経営責任ということを申しました。私はちょっと言いにくいのですけれども、経済というのは生き物なんですね、経済というものは生き物であるのですけれども、公団だとか事業団だとか、また国鉄にしても、地下鉄にしても、すべてそのトップが政府から皆天下りで行っておいでになる。そこで、トップの人の経営責任、そこに私は問題があると思う。これは何年か前の予算委員会で、公共料金の問題について特にしゃべれと言われたときに私は申し上げたのですが、やはり民間の企業経験のある人、それから経理に詳しい学識経験者、学校の先生、そういう人たちによって、その経営はどうだということの監査をきちんとしないといけない。  地下鉄をこうすることは、そのときの政府は、地下鉄は都民の足を確保するために延ばさざるを得ないということが至上命令ですと言う。これは国鉄でもみんなそうなんですね。いろいろな民間の企業でもみんな、社会的な一つの至上命令を持ってやっている。そこで、事業の拡大だとか投資だとか、それは経営的にどうなるのだということを経営責任者は十分考えてやっているのです。それで、そのときの公述人においでになった方は口をそろえて、こう路線を拡大すれば金が要るからと言って、政府に補助金を言うのだけれども、いつも補助金は予算で切られてしまうのです、それで赤字がこうなるのです、それだから値上げをせざるを得ないと皆さんおっしゃる。それで奥さんたちから、それじゃ私らの主人のやっている企業ではかくかくだという御質問が出ると、いや、赤字が出たから自分たちがやめなくちゃならぬということは何も法律に書いてありませんという答弁を、堂々と理事者の方がおやりになるのです。私はそういうような企業体質に問題があると思う。  先ほど農業についても言いましたが、働いている人たちの生活の確保ということ、これは絶対必要だと思っておるのです。しかしながら、どうして経営をやっていくのか。これはちっぽけな私らでも、先ほども言いましたが、みんな借金するときには銀行に、私の家もみんな担保に入ってしまっているのです。失敗すれば、みんな押さえられるのです。そういう中で、民間の企業者は経営に必死の努力をしている。そういうことがもっと貫徹されないと、家庭の主婦や、中小企業の皆さん方は、いまの日の丸的な経営ということでは納得しない。だから、その点を私はきちんと——役人の中でもりっぱな人があって、その人がそこの経営に参加されること、それがすべてが悪いということではない。しかし、そういう点は国民が納得するようなものを、やはり経済は生き物なんですから、生き物の中でどうやっていくかということについては、そこの苦労というものをもっといろいろなところにみんながするということでなければならぬというふうに思います。

福田勝日本労働組合総評議会幹事

○福田参考人 私は、いま中林さんが言われました、そういう問題が一つはあると思いますけれども、それのほかに、いま独立採算制になっているけれども、賃金一つ決められないような独立採算制なんです。ですから、肝心なところは政府に押さえられていて、採算のところの料金のところだけは独立採算をやりなさいということで、実は経営が、国鉄総裁といえども国鉄の労働者の賃金も決められぬというようないまの公共企業体の実態になっている。そういうところが実は基本的に問題なんじゃないでしょうかね。本当の意味のたとえば公共企業体として、政府から一定の資金も出し、あとは全部任せるからおまえやれということでもないのですね。全部相談をしなきゃだめで、一々相談をしなきゃならない。ですから、また役人の方も、きわめて安易な経営にまたがってしまうという悪循環があるのではなかろうかというふうに私は考えられるわけです。そういう独立採算制なるもののまやかしといいますか、その点をきちっと、本当の意味でやるのか、それとも、そういう実態ならばもう国営の方がいいのか、すっきりした方がいいのかどうか、いろいろな面でこの点は再検討する必要があると私は思うのです。  それからもう一つは、いま先生の御指摘のありました、たとえばこれを国鉄で見ますと、あるいはまた郵便事業でもそうなんですが、きわめて労働集約産業であるということですね。郵政の九割近くは人件費でありますけれども、あれは労働者を減らそうにもどうしても減らされないような部面が非常に多いし、特に国鉄のごときは、下手に人を減らせば人命の危険になる。運転手の一人、二人の問題でずいぶん闘争がありましたけれども、そういう問題であって、これはやはり限度がある問題じゃなかろうか。だから、人件費の節約にこれを求める合理化というのはやはり限度がある。  私どもは、何が何でも合理化反対と言っているわけじゃないので、問題は、一つはやはり労働条件の問題、それからもう一つは国民の安全の問題、それからまた、国民にどれだけ奉仕できるかという角度から考えてみると、この問題についてはやはり一定の限度がある。限度ぎりぎりのところへ来ているのではなかろうかと思いますね。したがって、こういう料金については、公益企業というのは生活必需品の問題なんですから、ぜひその角度からもう一遍この独立採算制なり、あるいは合理化なり、そういうもののあり方を国民の立場から考え直さないと、赤字だからどうかという角度からではこの問題の解決はできないというふうに考えております。

河野徳三全日本労働総同盟調査局長

○河野参考人 いまの体制のままで、公共企業体を近代化する必要がある、合理化する必要があるということで、直ちにたとえば人員整理するというようなやり方に対しては、これはやはり基本的に反対でございまして、その前に、いま福田さんもおっしゃいましたし、いろいろな方がおっしゃいましたけれども、私が言いたいのは、ちょっと抽象的かもしれませんが、公共料金は結局公共企業体の経営の内容そのものに関連するのですけれども、合理的なルール、どこに問題があるのかということが一般にわかるような、そういう料金の決め方、それから、それをまた民主的に討議する場といいものをつくることが大事だと思うのですね。そういうことが出てくれば、当然、市民あるいは一般消費者と労働組合との対話がそこに出てくるでしょうし、それが対立になるのではなくて、そこで調和を求めていくような方向で問題を処理する以外に方法はあり得ないのではないか。  それと、もう一つ申し上げたいのは、人間、国鉄に勤めたから一生国鉄に勤めていなければならぬということは何もないわけだと思うのです。しかし、では国鉄をやめてよそへスムーズに移れる体制がいまの日本の社会の中にビルトインされているか。これがないところに、一つの大きな問題がある。雇用調整法というのが非常におくれておる。  それからまた、これがちょっと問題になるかもわかりませんが、たとえば共済制度と厚生年金、これは全部分断されていますね。共済は非常に高い水準なんですけれども、これを下げるということになるとまた問題があるかもしれませんが、そういう制度にしても、それぞれある特定のグループは高い水準を享受し、そうでないグループは低い水準に甘んじておるというところで、それぞれの利害関係が対立しておる。そこにまた非常に移動しにくい条件ができてきているということになっているわけですね、これは長い歴史的な積み重ねで出てきたのですけれども。  そういうことについても、この際、やはり社会制度のあり方そのものについても基本的な検討をやっていかないと、結果的にはそういうものと全部結びついておると思うのです。ですから、少し広い視野でこういう問題はぜひとも検討してほしいというのが私の意見です。

片岡清一自由民主党

○片岡委員 お話しはよくわかるのです。両労働組合の方、河野参考人、福田参考人、おっしゃることはよくわかるのですが、やはり経営努力をして合理化をしていくということが大事なことだと思うので、いまおっしゃったように、いろいろ制度的にも、最初からの対立感情とかそういうことはやはり改めていかなければならぬと思います。しかし、お互いに話し合いをする、そういう態度になっていただかないと、やはり問題は解決しないのじゃないか。初めから合理化反対闘争ということで、もう初めからオール・オア・ナッシングという態度では、私は経営努力が重ねられていく余地がないのじゃないかというふうに思いますので、その点について一言ずつだけ、その合理化ということについての組合の考え方を簡単にお願いいたします。

横山利秋日本社会党

○横山委員長 簡潔にお願いします。

福田勝日本労働組合総評議会幹事

○福田参考人 話し合いは、最近は非常に行われておると思うのです。マル生運動の失敗を認めまして後、国鉄の労使関係なんかでもそんなにあれしているわけじゃございませんし、十分に協力することは協力して労働組合の立場はやっています。また、そうでなかったら国民の支持を得られないと思っております。

河野徳三全日本労働総同盟調査局長

○河野参考人 私も同意見でございまして、やはり話し合いの道をつくることが一番大事だ。だから、最初から当局側も何らかの、たとえば衣の下に合理化を隠しながら話し合いだというようなことでなくて、この際、お互いにフェアになって話し合う必要があるのではないかというふうに思います。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 福田参考人と河野参考人からお聞きしたいのですが、先ほどそれぞれの先生から出ていたわけですけれども、賃金コスト、それに関連して操業度が低くなった。これはまあ事実だと思うのですけれども、その中で、特に福田参考人が、産業構造の改善というところにも大きな考え方を持っていかなければいけない、こういうふうに言われたのです。そこで、独禁法の問題が出てきていますが、独禁法の問題は、独占企業というか、大企業に関連してくると思うのです。この中で中小零細企業の置かれている立場が、特に操業度が低くなった、賃金コストというような問題と非常に大きい関連が起きてきているのじゃないかと思うのです。したがって、これからの産業構造の改善ということを含めて、中小零細企業のこれからの問題についてどういうふうにお考えになっているかお聞きしたい、こういうふうに思います。

福田勝日本労働組合総評議会幹事

○福田参考人 いま中村先生から言われました問題でございますが、実は私ども労働組合でございますから、中小零細企業の問題をどうしろというような立場での問題提起はまだそれほどやっておるわけではありませんが、ことしの春闘で十七項目出しました、また一番力を入れましたのが労働四団体でもやりました最賃制の問題でありまして、それじゃ中小零細企業に全国一律の最賃をやったらつぶれるのじゃないか——いまのままでは非常に問題があると思います。それに、諸外国でもやっているように、最賃を入れるに当たってはどういうふうな対策を一体政府の側もやっていくのかというところを、最賃の闘いとして私ども考えておるわけであります。  零細企業の首切りをやるために最賃をやっておるのではなくて、みんなが生活できるような賃金を得るためにということをひとつ基本に置いて、そういうためには一体いまの零細企業なり中小企業をどういうふうに構造改善をやっていくのかという問題点、しかも首切りなしにどうやっていくかという問題点を、いま労働団体としての迫り方をしているわけなんです。したがって、この次元の問題については、ないとは言いませんけれども、むしろ労働団体としての迫り方はその方が正しいのではないか。  そこのところは、各政党の立場から、妙な話ですが、ここはひとつ明確に出してもらいたい。そういう労働条件が維持できて最低賃金ができるような立場で、日本の産業構造というものをどう考えていくのかという、むしろ投げかけ方をしているつもりなんでございますので、そういう点をひとつ御理解いただきたい、こう思います。

河野徳三全日本労働総同盟調査局長

○河野参考人 中小企業分野でも、競争というのは必要だと思うのですね。ただ、いまやられておる競争というのは、いわゆる過当競争ということで表現されているように、そのしわ寄せが全部人件費にいくというようなかっこうで競争が行われているわけで、したがって、こう言ったら失礼かもしれませんが、もともと企業経営をする能力の余りないような人たちが簡単に企業をどんどん興してしまって、それで人を雇って、悪くなったらばたばたつぶれていくというような状況が出てきているわけです。やはり直接おまえ営業しちゃいかぬと言うことは憲法に違反しますから、そういうことはできませんので、いま福田さんも言われましたけれども、公正な競争条件をつくっていく。だから、最低の人件費というものはちゃんと押さえていって、そこで本当に企業経営能力がある人たちが事業を興していくというような体制をもっと側面からつくっていくべきであろうという感じがするわけですね。  それから、いま中小企業分野の確保法案ですか、何と言うのですか、そういうようなことが問題になっています。これも私たちはどう考えたらいいのか、実は困っているのです。  話はちょっと違いますが、馬場先生御存じかもしらぬが、ガルブレイスが最近、何とかという新しい本を書きましたね。あの中では、中小企業というのは分野を守るべきであるとか、中小企業ではカルテルを結成するのは当然であるとかというような提案をやっていますけれども、これも問題があるような気がするし、そうではなくて、むしろ金利負担でも、中小企業はまだ金利が非常に高いわけですよ。そういう中小企業政策に残された分野がたくさんあって、それがみんなうまくいかないで、それをほうっておいて何とか中小企業だけを守ろうとすると、じゃ分野を確保せい、そうすればいいではないかという、非常に安易な中小企業の救済策に流れていくのではないかという感じがしますので、洗い直し、洗い直しということばかり言いますけれども、そういう中小企業政策の、ある程度中小企業分野でも競争を維持するということを前提にした上での中小企業政策の洗い直しというものをやるべきときが来ているのではないか、そういう感じがいたします。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)委員 未組織労働者の組織された労働者に対する期待を含めて、河野参考人と福田参考人にお尋ねしたいのです。  もちろん、未組織労働者でサービス業に働いておる者も多くありますが、生産労働者で未組織のものというのは、下請企業なり、部品を生産したり半製品を生産したりしておる、そういう中小零細企業、中企業というよりも小企業、零細企業が未組織の生産労働者ですね。そういうところは、親会社から部品なり半製品の価格というものはやはり抑えられているわけですね。  ところが、組織されている生産労働者の場合は、完成品を生産しているわけですね。それは物価の関連で、政府が、賃金の値上げを製品価格にはね返してはいかぬということは、行政指導をやっているかやっていないかわからぬけれども、むしろ物価との関連で、そういう企業に働いている組織労働者が賃金闘争するのももちろん労働組合の本分でありますけれども、それぞれの企業の中で生産される製品価格を値上げさせないような、むしろ値上げをとめる、もっと前進をさして製品価格を値下げさしていく、そういうような労働運動ができないものかどうかということを、お二人にお尋ねしたいのです。

河野徳三全日本労働総同盟調査局長

○河野参考人 私たちは、そういう意味も含めて、日本において労働組合の広い意味でのいわゆる参加の体制、そういうものをつくるべきだ。これは経営の分野においても、産業の分野においても、あるいは国の政策の分野においてもですけれども。  じゃ、いまそういうことが問題になるから、価格の分野だけについて労働組合が値上げをするなという発言を仮にしたとしても、ほかの分野で労働組合がいろいろな政策について参加できる体制がなければ、結果的には価格を抑えたそのしわ寄せを労働者が受けるということになってしまいます。ですから、そういう体制ができるためには、単に価格の問題だけではなくて、西ドイツやら、それからスウェーデンとか、いまいろいろなヨーロッパ諸国で労働者参加というのは非常な問題になっているわけですから、そういう体制をつくっていくということをやはり考えるべきではないか。そういう中で、いまおっしゃった価格なんかの問題も、その中の一つの問題として今後非常に大きく取り上げていくべき問題ではなかろうか、そう考えているわけです。

福田勝日本労働組合総評議会幹事

○福田参考人 いま和田先生から御指摘のあった点は、一つは、率直に申し上げて日本の企業別組合の弱さといいますか、意識の問題が基本的には私どもはあると思います。それぞれの工場で出た製品価格が上がれば、賃上げにはやりやすいことは事実なんです。しかし、そのことが国民的な目でみるならばきわめて大きな問題を持っている。そういう点から言いまして、工場内部においてその製品価格を抑えて、先ほど申し上げました労働分配率をふやしていくというような方向は、いままで高度成長のもとでは余りやらなかったし、また、大企業の卸売物価が上がらないはずであって、労働生産性がどんどん上がったのは、むしろ価格を下げるべきものを下げなかりただけだと思うのです。だがしかし、今後は低成長のもとで大幅賃上げ、実質賃金を獲得していくためには、やはり労働分配率に迫る闘いをしなければならない。そういう闘いの仕方をしなければいかぬということで、ことし総評の運動方針にもそういう報告を出してあります。  そういうことでございますので、いままでこれはなかなかできなかったけれども、今後はやはりそういう方向に行かぬ限りは自分たち自身もどうにもならなくなったというふうに私どもは考えておりますので、この問題は、意識の変革と同町に、今後の課題としてぜひ労働組合としてもやらなければいかぬ時期に来たというふうに、私どもは反省を含めて考えているわけでございます。  なお、あと河野さんが言われました自主参加の問題等についても、非常に重要な問題だと思いますので、諸外国の例等も見ながら私どもも検討を進めていきたいと思います。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 一つだけ中林参考人にお尋ねいたしますが、実はけさ小耳にはさんだので私は調べておらぬのですが、何か生協で牛乳を安く売ったことによって、公正取引委員会から廉売禁止の排除勧告を受けたといううわさを聞いたのですが、そういう事実はありましたか。きょううわさで聞いたので、私はまだチェックしておらないのですが、なければ結構です。

中林貞男日本生活協同組合連合会会長

○中林参考人 はい。私もそういうことを、事実確認はしていませんが、二、三日前にちょっと聞きました。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 わかりました。結構です。

横山利秋日本社会党

○横山委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人各位には、お忙しいところ長時間にわたり御出席をいただき、貴重な御意見をお述べくださいまして、まことにありがとうございました。ここに、委員会を代表して、厚くお礼を申し上げます。      ————◇—————

横山利秋日本社会党

○横山委員長 この際、連合審査会開会の申し入れに関する件についてお諮りいたします。  ただいま商工委員会で審査中の内閣提出の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案、多賀谷真稔君外十九名提出の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案、荒木宏君外二名提出の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案並びに予備審査のため送付されております参議院議員桑名義治君外一名提出の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案の各案について、連合審査会開会の申し入れをいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼び者あり〕

横山利秋日本社会党

○横山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、連合審査会の開会日時につきましては、商工委員長と協議の上、追って公報をもってお知らせすることといたします。  次回は、明後十二日木曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時五十二分散会

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