物価問題等に関する特別委員会 第14号
- 発言数
- 70 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1975/06/03
会議録
○横山委員長 これより会議を開きます。 物価問題等に関する件、特に入学金及び授業料等値上げ問題について調査を進めます。 本日は、私立学校の入学金、授業料等の学生、生徒の納付金及び学校経営の現状等につきまして、参考人として、日本私立幼稚園連合会理事長大河内四郎君、東京都教育委員会教育長佐藤文男君、日本生活協同組合連合会婦人部事務局長田村羊子君、日本私立中学高校連合会理事長棚橋勝太郎君、日本私立大学連盟常務理事村井資長君、以上の方々に御出席をいただいております。 この際、一言ごあいさつを申し上げます。 参考人各位には、御多用中のところ御出席をいただき、まことにありがとうございました。 申すまでもなく、わが国の学校の普及度は世界でも一、二と言われているのでありまして、この事実は、最近時の義務教育以降の大学など高等教育機関への三割を超える進学率にも如実にあらわれているのであります。 また、将来の問題として、ある金融機関が行ったアンケート調査によりますと、子弟を持つ家庭の実に七五%以上が義務教育以上の高等教育を希望しているという調査結果も明らかにされているところであります。 しかしながら、かく期待されている高等教育の実態、特に私立学校につきましては、最近における入学金、授業料等の納付金の増額傾向や教育研究条件等の悪化の現状を見ますると、人間形成途上において教育の取り組むべき基本的な課題について、その十分な解決が懸念されるのであります。 もちろん、私どもも、私立学校関係者の方々が多年にわたり私学振興に払われております御努力に対しましては敬意を表するものでありますが、憂慮すべき現状を打破するためには、あらゆる角度からの御努力が必要であろうと考えます。 他方、この問題を就学子弟を擁しております家計の側から考えてみますと、お手元に配付しております委員会資料からも明らかなように、四十五年に比べ、五十年四月の教育費は二倍以上となっているのであります。これは、私立学校の授業料の値上げがいかに家計を圧迫しているかを示しているものと思われます。 このため、政府当局におきましては、私学振興につきましてもかなりの予算の増額を行っているようでありますが、私立学校がわが国の学校教育に果たしている役割りの重要性、すなわち高等教育就学者の約八割が私立学校の負担となっている事実、あるいは家計負担の軽減という観点からいたしますと、国民の期待するところまではなお道遠しの感を抱くものであります。 何とぞ、本問題につきまして忌憚のない御意見をお述べ願いたいと存じます。 次に、議事の進め方といたしましては、最初に大河内参考人、棚橋参考人、村井参考人、佐藤参考人、田村参考人の順序で、おのおの一人十分程度、要約して御意見を賜り、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。 なお、念のため申し上げますが、参考人は委員長の許可を得て発言を願い、また、委員に対しては質疑ができないことになっておりますので、さよう御了承ください。 それではまず、大河内参考人にお願いいたします。
○大河内参考人 御紹介をいただきました日本私立幼稚園連合会理事長大河内四郎でございます。 意見を述べるように委員長からの御指示がございましたので、幼稚園関係についての意見を述べさせていただきたいと思っております。 現在、わが国の幼稚園教育は、一万二千六百八十五の幼稚園で教育が行われており、そのうち私立幼稚園は七千六百十四校でございます。全体の六〇%を占めております。そして園児数は、二百二十三万人の園児のうち百六十九万人、パーセンテージにいたしまして七五・七%の教育を私立幼稚園において担当いたしておるのが現状でございます。 ただいま委員長の御指摘のように、幼稚園関係につきましては、入園料あるいは授業料、保育料が増額しておる、こういうことでございますが、いまお手元にございまする資料を見ましても、四十九年の例をとりますと、授業料が前年比で二五・四%ふえている、こういう数字が出ておるわけでございます。 しかし、父兄負担がこのようにふえたということは事実でございますが、それではそれに伴って教員の給与はふえているだろうか、こういうことが私どもとしては一番問題になるところでございます。私どもには私立学校教職員共済組合がありますが、そちらの方のデータを見てみますと、四十九年度は前年比にいたしまして三三・六%の人件費の増であります。収入におきましては二五・四%の増であり、父兄負担はこのようになっておりますが、それに対して人件費は三三・六%。これを見ましても、収入の授業料等というものと人件費だけ取り上げてみましてもバランスがとれていないということが御了解いただけると思うのでございます。 また、昭和四十八年八月九日には一五・三九%の人事院勧告がございました。そして、四十九年三月十八日には人材確保法によりまして九%の人件費の上乗せがあり、また、同年五月三十日には一〇%の上乗せがあったのでございます。また、四十九年七月二十六日には一八・六二%の人事院勧告がございました。これらを合計いたしますと、昨年の四十九年三月十八日の人確法に基づく九%以来、三〇・四八%という人件費の上乗せがあるわけでございますが、また、四十八年八月九日の人事院勧告一五・三九%以来の合算をいたしますと、何と四二・二三%の上乗せがあるわけでございます。 これは、私立幼稚園には何ら関係のないことでございます。しかし、私どもとしては、勤めておる教員たちには、やはり教員としての資格を持って就職いたしておりますので、それに見合う人件費は支払ってあげたいのは人情でございます。しかし、とうていこういった三〇%なり、あるいは四二%のような上乗せはできません。はなはだ残念ながら、国及び地方公共団体からの助成金というものは、決してこれに見合うものが出ておりません。したがって、私どもは、はなはだ不本意ながら父兄の負担を増していかなければならないのでございます。しかし、それではいま言ったような四〇%、三〇%の多額の負担を親に支出願えるだろうか、こういうことを考えますと、私どもはなるべく父兄負担は軽くしていかなければいけない。しかし、物価の上昇、あるいは人件費の上昇等に見合えば、ある程度は父兄にも負担を願うようにしていかなければならない、このように考えておるわけでございます。 そこで、私は、自分の幼稚園の四十五年度から四十九年までの決算に基づく実態を資料として提出させていただきました。それをごらんいただきますと、四十五年度には保育料が一人当たり毎月四千円でありましたが、それが四千五百円になり、五千円になり、五千五百円になり、四十九年度には六千五百円になったわけでございます。これを見ましても、父兄にはそんなに負担をかけられない。ですから、これは何とかして助成金の増額を図り、あるいはまた経営の合理化を図って運営をしていかなければならない、このように考えておるわけでございます。 人件費を見ましても、一人当たりの平均が、四十五年度は六十万円でありましたものが、四十九年度には百七十一万円まで伸びております。それからまた本年度、五十年度の予算におきましてはこれが二百八万円になっておりまするが、これは先ほど申し上げました人事院の勧告あるいは人確法に基づく公立学校の給与の上乗せとははるかに遠いものがいまだにあるのでございます。 先ほど申し上げましたように、たくさん人件費を払わなければならない事態になっておりますにもかかわりませず、保育料等の収入はそれほど増額を望めないのが現状であるわけでございます。私どもの幼稚園の例を挙げれば、四十九年度をごらんいただくとおわかりのように、保育料の中で人件費が占める比率は、何と昨年などは一〇〇%を超えたわけでございます。そして、本年度は九三・五%という状態でございます。したがって、一般教育費の削減を図りながら、足りないところは助成金、あるいはまた入園料等で賄っているのが現状でございます。 私は、子供の教育は金がかかる、このように考えております。私立学校、私立幼稚園の授業料、入園料等が仮に問題になるとするならば、国公私立の別なく、一体どれくらいの教育費で一人の子供が教育されているか、そういう調査をぜひしていただきたい。それと私立学校がかけている教育費と対比をしていただきたい。そして、その中において一人にかける教育費はこうあるべきだという、一つの基準的なものが出され、その中で私立の幼稚園の入園料あるいは保育料が高いか安いかということを、その場合において論議していただきたい、このように考えるわけでございます。 私は東京都の例を伺ったのでありますが、東京都の幼稚園は、前年に比して四〇・九%父兄負担が増大していると伺っております。全国的には二五・四%であります。しかしながら、先ほど申したような人事院の勧告、あるいは人材確保法に基づく四十八年八月九日以来の公立学校、公立幼稚園の給与の上乗せから比較するならば、東京都の場合もこれは決して高いものではない、このように考えるわけでございます。そういう私立幼稚園の実情をよく御勘案の上、御審議を賜れば、非常に幸せだと思っております。 時間もございませんので、追って委員の先生たちから御質問等があれば、お答えをさしていただきたいと思います。 以上で終わらしていただきます。
○横山委員長 ありがとうございました。 次に、棚橋参考人にお願いいたします。
○棚橋参考人 大河内先生の言われた部分と重複するところは避けまして申し上げたいと思います。 私ども学園関係の基本資料というのは、毎年五月一日現在で調査されます。そういう関係上、五十年度の確定的な数字はまだ出ておりませんので、これから申し上げます数字は、東京都の私立の高等学校、中学校のことだけに限って申し上げたいと思います。 御承知のように、私立の中学校あるいは高等学校は、公立と異なりまして、その組織、構成等に非常な差がございます。たとえば生徒の定員にいたしましても、五百名以下という小規模のものもございますし、また、三千名というような大規模な学園もございます。教員の平均年齢にいたしましても非常な差がございますし、また、勤続年数等にも差がございます。したがいまして、それらのことが原因になりまして、入学金あるいは授業料等にも自然に格差が出てくるわけでございます。もちろんまた、大都会と地方都市との差もございます。 東京都では、現在約二百五十校の高等学校、全国から見ますとその五分の一を持っておりますが、そのうちの約二百校につきまして五十年度の数字が出ておりますので、それを申し上げたいと思います。 入学金につきましては、最低が六万円から最高は三十万円でございます。昨年は平均いたしまして十一万余でございましたが、今年は平均いたしますと十四万八千四百円という数字が出ております。したがいまして、値上げ率は一三・四%ということになります。一割三分でございますから、入学金としてはわりあいに上げ率が低いわけでございます。ところが、授業料は、昨年に比べまして、昨年は八千三百余円でございましたのが、今年は一万一千八百八十円という数字が出ておりますので、三千五百円余り平均して値上げをいたしております。値上げ率にいたしますと四二・四%に当たります。 この大幅な授業料の値上げにつきまして、一言申し上げたいと思います。 例年ならば、年間大体一割ないし二割というのが値上げ率でございます。ところが、今年は、いま申し上げましたとおり四〇%、四割の値上げでございます。と申しますのは、私ども私立高等学校、中学校の授業料の決定というものは、募集の関係上、前年の秋に決定いたします。決定いたしまして、それからそれが募集要項に載りまして公表されるわけでございますので、どうしても募集の関係上、秋には決定しなければならない。つまり、ある意味から言いますと一年前でございます。 昨年は、例年どおり、どこの学校でも一割ないし二割の値上げをいたしました。ところが、御承知のように、一昨年の募れの石油パニックから、物価は急上昇いたしました。その年の十二月に石油のパニックがあったわけでございます。その前に、すでに九月、十月に翌年の授業料は決定いたしております。そういう関係上、昨年はどこの学校も赤字で非常に苦しんだわけでございます。そのしわ寄せが、今年の値上げに来たという結果になります。そういうことで、ことしは特に大幅な値上げということが起きたわけでございます。 それでは、私ども高等学校の教育費は一体どのくらいかかっているか。これは先ほどの幼稚園のときと同じでございまして、公立の県立あるいは都立の授業料は年間大体二十五万から三十万かかっております。私ども私立学校の授業料というのは、年間にいたしますと大体十五万ぐらいということになります。入学金は一年に入るときだけにもらいますので、それを三年間に割りますと、十万円といたしましても年間三万円程度でございます。それを加えましても十八万円から二十万円程度ということになります。 そうすると、その差を一体どうやってカバーしていかなければならないかという問題が出てくるわけでございます。従来、国からも地方交付税によっていろいろ助成されておりますし、また、地方自治体、あるいは東京ですと東京都からの助成金というものがございますけれども、まことに微々たるものでございまして、とうていそれをカバーすることはできません。結局、借入金ということによって学校の経営を賄っていくよりいたし方ないわけでございます。 そういう観点からいたしまして、ぜひとも国からの大幅な助成ということを私どもは希望、期待しているわけでございます。どうかその点も十分御考慮いただきまして、先ほど大河内参考人からもお話がありましたとおり、生徒一人にかかるところの教育費というものを公立と私立と対比していただきまして、その上で非常に高額であるかどうかということをひとつお考えいただきたいということを申し添えておきます。
○横山委員長 ありがとうございました。 次に、村井参考人にお願いします。
○村井参考人 私は私立大学連盟の常務理事をしておりますが、私立大学の関係には、まだほかに二つの団体がございます。それは、私立大学協会と懇話会でございます。それから、高等教育の中で大学と申しましても、短期大学あるいは高等専門学校も入っておりますが、主として大学院を含む四年制の大学について意見を申し上げたいと思います。 時間が限られておりますので、大体、現状、実態を先に申し上げて、それから順次、私立大学の財政の構造、あるいはその背景、今後の方向、あるいは私立大学の役割りというような四点について申し上げたいと思います。 まず第一に、私立大学の学費の改定、と申しましても値上げの状況でございますが、この推移は、実は昭和四十年から四十五年までの間は、大学紛争がありまして、学費の改定が非常に困難であったということ。東京大学のように入学試験を中止するということになりますと、大学の財政は立ち行かないわけで、入学試験を実施するということを主に考えて、昭和四十年から四十五年の間は学費の値上げはわずか二%とか三%というような状況でございましたが、この間、大学はやはり支出超過の赤字が重なってきております。 次に、昭和四十六年から四十九年にかけての問題でございますが、この間、大学紛争がやや下火になってきたということ、それから、経費がどんどん増大していく、累積赤字の補てんもしなければならないということで、四十六年以降逐次、入学金、授業料等の値上げが行われてきたわけでございますけれども、それでもまだ赤字を全部解消するまでには至っておりません。 その点につきましては、ただいまお配りいたしました私大連盟の二枚目の紙に「学生納付金、消費者物価指数及び人事院勧告による伸び率の推移」、これは四十五年から書いてございますが、学生納付金の上の欄に金額が十九万七千円からずっと五十年度の三十六万一千円まで書いてございまして、その下の欄が前年度比の上昇率でございます。四十五年度は二・五%、それから六・六、九・一、一三、八・九、四十九年度まではこういうような一〇%前後の上昇でございます。それ以前のは、実は文部省の統計にもございますが、四十四年度が二・八というような状況で、四十九年度までとにかく一〇%前後の上昇をしてきたわけでございますけれども、まだそれによって人件費の上昇、物価騰貴を吸収するだけの値上げではありませんので、赤字はさらに増大していったわけでございます。 次に、昭和五十年度、本年度でございますが、本年度の学生納付金はその表の最後にございますように平均で三十六万一千円、前年の二十八万三千円に対してとにかく八万円ばかり、パーセンテージにいたしますと二七・五%の値上げというのが実態でございます。 このような状況が値上げの実数でございますが、私立大学の学費の改定につきましてはやや特殊性がございます。それは、私立大学の教員あるいは職員の人件費は、大体国家公務員の教職関係者あるいは一般事務者に準じて支給しておりますが、必ずしもそれの額には達しておりません。それよりか低い率でございます。 それから、学費の改定は一般の物の価格や料金の値上げと違いまして、この改定したものが実はそのまま大学の納付金の伸び率にはならないわけで、大体いままでですと、三年とか四年、あるいは五、六年に一度というような値上げを新入生からいたしますので、少なくともその値上げ率は四分の一しか増収の方へは回っていかないということと、それから、私立大学の学費の改定というのは、どうしても社会一般の物価の騰貴とか給与のベースアップに追随していっている、決して私大の学費改定は先行的な値上げではないというような特徴があるわけでございます。これが一応実情でございます。 次に、私立大学の財政構造でございますが、それはきょうお配りいたしました「大學時報」の二十五ページにあります表の左の端の四十八年度決算のところでごらんいただきたいと思います。かねて私大連盟から「窮迫する私立大学財政」という四十数ページのパンフレットをお配りしてございますが、これは私立大学連盟全体で、短大あるいは付属の学校も入っておりますので、大学だけを抜いたのがいまの「大學時報」の二十五ページの左のところにあるのでございます。 この主な点は、収入の面で学生、生徒が納付する割合がどれくらいかと申しますと五四・八、約五五%、それから寄付金が一七%、補助金が一二・六、約一三%、これが主な収入財源になっているわけでございます。そして、いま申し上げました学生納付金の今度の二七%アップというのが、この約五五%の収入のところに効いてまいります。けれども、全学生にはやりませんので、実際にはその四分の一しか効かないということでございます。 これの実例でちょっと申し上げますと、この二七%というのはことしの平均値上げでございますけれども、私学によってはその平均以下のところもありますし、改定しないところも含んでおりますので、改定したところでは、一挙に二倍近く改定になったところもございます。けれども、実際にそれが効いてくるのは、四分の一しか増収の方へ効いてこないということでございます。 それから、支出の面では、その下に書いてございますように人件費が六七・八%、約六八%、つまり七〇%近いものが人件費でございまして、その次に大きい項目が教育研究経費二一・三%、つまり九〇%ぐらいが人件費あるいは物価に反映する支出経費でございます。 そういうような意味で、私立大学では、学費を大きな収入源に置かれている限りは、改定しなければ一般のいまの社会についていけないということでございます。 ただ、そこにもございますように、いわゆる補助金が一三%ぐらい、これは四十八年度のですが、四十九年度から五十年度になってまいりますと二〇%前後に上昇してきます。そういうような意味で、補助金の収入がややふえてきて、学生納付金の上がり方が、これはまあ相対的なものでございますが、助成金がふえればこの値上がり傾向は多少は抑制できるであろうということが言えるわけでございます。 いずれにいたしましても、まだこれで赤字が全部なくなるわけではございません。今年度二七%の値上げをいたしましても、私学全体では非常に大きな赤字がふえております。累積赤字もさらに増大するということ、そして、これを何で賄っているかと申しますと、やはりこれは借入金の増大ということで賄っているわけでございます。 次に、第三点として申し上げたいのは、私立大学が学費改定をいたします背景と今後の問題でございます。私立大学は、御承知のように、現在は国で決めております文部省の設置基準に従って大学の教育研究が行われているわけでございます。したがって、一定の人員の確保、学生定員の厳守ということが、やはり教育条件の上から要請されるわけでございます。そういう意味で、実際に設置基準を守り、そしてまた、国際的にも、大学の立場ということを考えた場合にどうであるか。 まず、国際的を考える前に、国立大学との比較の問題でございます。幾つかの格差があるわけですが、学生、父兄の負担の格差、つまり学費等が、国立が今度入学金が五万円になっても、それでもまだ四倍以上の平均値で負担の差がある。医学とか理工系になりますと、この数字がさらに大きくなるわけでございます。その意味で、学生一人の納付金、五十年度の平均が先ほど数字がありましたように、三十六万二千円ですが、国立の負担が八万六千円というような数字が出ております。 ここで一言申し上げたいのは、戦前は、基準はない私立大学でも、学費は国立と私立の間ではほとんど差がない。私立の方が安いところもあった。差があっても、約一〇%ぐらい早稲田や慶応の学費が高かったという実態があったということでございます。 それから、条件の格差でございますが、教員の数が、国立に比べて私立は四分の一ぐらいしかいない。国立は教員一人に八人の学生に対して、私立では平均三十二名という数字が出ております。 それから、学生一人当たりの教育費は、いま申し上げましたように、国立では、非常に古い数字ですが、昭和四十六年に九十五万円かけておりますが、その当時、私立では二十八万五千円しかかけられない、三分の一以下であったということ。それから校舎の面積、校地、これらも、私立では三分の一ないし四分の一しかないというような貧弱な状態にあるわけでございます。 つまり、そういう物的な、あるいは人的な状況の中にあっての値上げは、その現状を維持するだけであって、内容の充実、向上には何ら役立っていないという、非常に憂慮すべき状態にあるわけでございます。 それから研究条件は、教員が少ないわけですから、やはり教員の研究時間が少ないし、学生の授業負担が多いということ。それから、これは一つ顕著な例として、今日重要な電子計算機でございますが、教育研究用に、これは昭和四十八年の数字ですが、国立には平均一大学に三・一台、一千万円以上の電子計算機がありますが、私立大学では平均いたしまして一大学に〇・四台しかないというような数字も出ております。 それから、教員の待遇は、先ほど申し上げましたように、公務員より低いというのが実情でございます。 それから、いま補助金が出ておりますが、補助金の割合、これは今年度の予算から推計しますと、国立では学生一人当たり百八十四万九千円かかることになっております。私立大学では、平均一人当たりの補助金が六万六千円。つまり、国立に行っている学生は、国費を、私立の大学生より二十九倍の補助を受けているということになるわけでございます。 いま意見として申し上げたいのは、このような私立大学の教育研究条件を、何としても一日も早く改善、充実しなければならない。これをヨーロッパの大学あるいはアメリカの大学と比較いたしました数字が、先ほどお配りいたしました私大連盟の資料の一枚目の右の方にございますが、学生一人当たりの教育費、これは少し古いのですが、昭和四十六年に日本は国公立が九十五万円、私立が二十八万円、アメリカ、イギリス、フランスその他のが出ております。 そういうようなことで、私立大学ではいま現在の値上げがいろいろ取りざたされておりますが、これは現状維持であって、国内的に国立に近い数字に持っていくためには、さらに経費を四倍も五倍もかけなければならないということ、それを学費だけによるといたしますと、さらにさらに大きな値上げをしなければならないということが実態でございます。 最後に、この日本の私立大学が果たしてきました役割り、そしてまた現状の数字、これが一番左に教育条件と一緒に書いてございますが、学生数において八〇%もの学生を私学で教育している現状の中で、いまのような状態の私立大学を置くということは、日本の高等教育のため、日本の社会のために非常に憂慮すべき問題である。まして国際的に競争しなければならない高等教育の問題としては、非常に危機にあるということ。その意味で、例年、文部省を通して国庫助成をお願い申し上げているわけでございますが、いままでのはただ現状維持であったので、これをさらにさらに拡大しなければ向上へは向かわない、こういうことであるならば、私立大学の存立ということは、むしろ社会悪になるのではないかと考える次第でございます。
○横山委員長 ありがとうございました。 次に、佐藤参考人にお願いします。
○佐藤参考人 私、東京都の教育長として、これまでの参考人と違う観点と申しますか、主として公立の高等学校を経営する立場から意見を述べさしていただきたいと思います。 最初に非常に大胆な言い方をお許しいただくならば、東京都に関しましては、子供が生まれたときに、その子供百人のうち九十七人が全部高等学校に入るということを前提として学校を増設しなければならない、そういうふうに考えられます。それほど高い進学率を示しております。それはすでに、高等学校は義務教育じゃございませんが、量的には義務教育と何ら違いはないものとして経営しなければならない、そういうふうに考えられます。それから、社会自身が最低高等学校卒業を要求している、そういう現状を考えますと、どうしても私たちもその要求に応じなければならない、そういうふうに思います。 また、社会全体の要求は、より高い教育を受けた社会人を求めておりましょうし、また、何が正しくて何が正しくないかということを十分判断できる市民を、たくさん自治体が抱えているか抱えていないかということによって、自治体の繁栄が考えられる、そういうふうに思いますので、私たちはどんなに苦しくても高等学校の増設は図るというふうに考えております。 次に、第二の問題としまして、それならば教育投資というのはどういうふうに考えたらいいかということでありますが、私たちはそれを二つに考えております。 その一つは、個人が高い教育を受けるということは、その人自身の教育財産をふやすというふうに考えられます。したがって、その人がたくさんの利益を受けるという点で、その人の学歴なりあるいは教養を増すという点では、経済の原則をそのまま活用してもいい分野ではないかというふうに考えられます。より高い教育、よりお金のかかる教育を受けるということは、その人の教育財産をふやすという点においては、その人自身が授業料なり何なりを払うべきだという経済の原則に従ってもいいというふうに一つは考えられます。 もう一つの道は、その人がより高い教育、よき高い判断力を得て社会に出た場合に、その人が社会のいろんな分野において活躍するということは社会全体の教育財産をふやす、社会の教育総量をふやすという点においては、これは個人の問題ではなくて、社会全体の経費で賄う、いわば社会全体の税金でこの学校を経営してもいいというふうに考えられます。したがって、私たちはこの教育投資を、個人の側といいますか、経済の原則に従って授業料を決定するか、あるいは教育の原則に従って授業料を決定するかという二者択一に迫られておりますが、後で申し上げたいと思いますが、私は後者の原則に従って授業料を決定すべきだというふうに考えております。 次に、第三番目に、それでは具体的に授業料とは一体何かということを私たち研究しておりますが、実は授業料ときわめて安易に一般の人は言っておりますが、授業料とは一体何か、あるいは入学金とは一体何なのかという問いかけになりますと、なかなか市民の考え方が一致しておりません。 入学金というのは、入学のための通行料なのか、手数料なのかという問題もございますが、私たちは、入学に際していろんな事務がふえますので、入学金というのはそのいわば手数料というふうに考えておりますが、東京都はこの入学金は取っておりません。 それならば授業料は一体何かというふうに考えますと、授業料は、たとえば先ほど申し上げましたような経済の原則に従いますと、公営企業のように、投資的経費、人件費、その他運営にかかる費用全部を足しまして、それをその人数で割る、それが授業料だというふうに考えておりますが、これならば教育配慮は一切ございませんので、従来は、私たちはこういうふうに考えております。 土地を買って学校を建てるというのは、東京では高等学校を一校建てますのに大体三十億円から四十億円ぐらいかかりますが、これは税金で出す、授業料には入れないという原則を従来とっております。それを省きますと、学校経営にかかるお金は、人件費、校長以下教職員の給料を全部の生徒で割ってみますと、生徒一人当たりにしますと年間二十四万三百八十円、約二十四万円かかります。それから物件費、これは光熱水費とか、維持補修費とか、あるいは教材、教具等の運営費、これを全部足しますと四万一千三百八十円になります。約四万円でございます。したがって、都立の高等学校を経営しますのに、生徒一人当たり一年間に約二十八万円かかります。 そこで、実は現在、東京都では授業料は月額八百円でございますから、年額九千六百円でございます。生徒一人当たりに二十八万円かかりますのに、九千六百円の授業料をいただいているのが現状でございます。 それならば、この九千六百円というのは二十八万円の中のどの分野を負担しているのかという問題が起こります。物件費の中をもう少し詳しく申し上げますと、物件費はいま四万一千三百八十円と申し上げましたが、その内訳は、光熱水費が六千五百九十四円でございます。それから、学校を維持補修していく場合の維持補修費が四千九十三円であります。それから、教材、教具、白墨とか生徒の成績をつける材料とか、そういった運営費が三万六百九十二円であります。 実は従来の高等学校の授業料は、最後に申し上げました運営費と大体とんとんでございます。ところが、ここ数年、この運営費が膨大に物価騰貴によって伸びまして、現在三万円ぐらいになっておりますが、かつては、東京都の授業料が月額六百円時代、一年間に約七千円授業料をちょうだいしていましたときに、ちょうどこの運営費がそれに見合う金額でございました。それが、急に大きくなりまして実は三万円になってしまった。したがって、かつての考え方をそのまま応用すれば、九千六百円をこの三万六百九十二円に引き上げれば、授業料はかつての法則に従うということになるかと思います。 しかし、私たちは、授業料は安ければ安いほどいいのだという原則に立ちたいと思っております。もっとも、きれいごとだけで教育ができるとは考えておりません。しかし、そうかと言いまして、いま自治体は非常な財政難に陥っておりますが、財政難だから授業料を上げるということは、やはり私たちはとるべきではない。 それはなぜかと申しますと、高等学校に通学しております生徒は、大体十五歳から十七歳までのきわめて多感な十歳代の後半の年齢層でございます。したがって、きわめて正義感が強い年齢層でございますし、また、社会の動きに非常に敏感な年齢層でもある。したがって、彼らをやはり学園において十分教育し、正しい判断をつけさせる、彼らの持っている能力を十分引き出していくということが教育の目的であるとするならば、財政難あるいは経済の法則をそのまま生徒の授業料に応用するということは、どうも私たちはとりたくないというふうに考えます。 それから、先ほど来、私立学校の諸先生からいろいろ意見が出ておりますが、もう一つは、公私の格差是正という問題がございます。私立学校の授業料は、東京都の高等学校におきましては、先ほどからお話がございましたように、大体月額一万円から一万数千円でございますが、公立の場合は八百円、実に大きな格差が出ております。大変少ない予算ではございますが、東京都としましては、私立学校に対しては授業料の一部あるいは学校運営費の一部として、年総額約百二十億円ほどの補助を出しておりますが、とても足りるものじゃございません。 そこで、私立学校の授業料が高いから、この格差が大きいから、都立の高等学校の授業料を上げることによって格差を是正するという考え方がございます。それからもう一つは、私立学校により多くの助成金を出すことによって、授業料そのものをダウンさせるということによって公立との格差を是正するという方法があります。私は、できれば私立学校にもっと多くの国費を投入していただくことによって、私立学校の授業料そのものを下げる、それによって公私の格差を是正するという方策をぜひとっていただきたいというふうに考えます。私立学校の授業料を目標にして、その差を縮めるために公立の高等学校の授業料を上げるということは、どうしても私たちは教育的な配慮からしたくないという気持ちでございます。 大変舌足らずで申しわけございません、以上でございますが、金持ちの子弟だけが勉学できるという高等学校にはしたくないということが私たちの切なる願いでございますので、よろしくお願い申し上げます。
○横山委員長 ありがとうございました。 次に、田村参考人にお願いをいたします。
○田村参考人 田村でございます。 日本生協連の婦人部が毎月行っております全国生計費調査の中から、教育費の点について申し上げたいと思います。 私たちの行っておりますこの調査は、全国の生活協同組合の組合員の中で、世帯主の年齢が三十五歳から四十五歳まで、収入も平均的収入の勤労者世帯といたしまして、幼稚園から大学までの必ず教育費のかかる子供のいることを条件といたしました百人の集計でございます。 この生計費調査の中から、世帯主の収入と全支出の割合、物価高によるしわ寄せがどういうところにあらわれているか、食費に見られる生活圧迫の状態など、いろいろの問題点を見ることができますが、きょうの問題は教育費ということになっておりますので、特にこの点にしぼって申し上げたいと思います。 生計費の中における教育費の割合は、七月、八月の夏休みは一〇%を下回りますが、普通の月で大体一一%前後であり、三月、四月、九月の入学期、新学期などでは一三%から一五%という、生活費の中で大きな比重を占めております。 毎月の世帯主の収入は、全支出の大体七〇%から七五%でしかございません。したがって、不足分の二五%から三〇%は、一時金を貯金しておいて毎月引き出したり、主婦がパートやアルバイトの収入などによって補っている状態でございます。 そういう中で、五十年三月は、世帯主の収入は全支出の六六%でしかございませんでした。これは、三月の教育費が、四十九年三月に比べますと一六〇%、五十年二月に比べても一二八%というように非常に大きくはね上がり、消費支出に占める割合が一八%という数字になってあらわれておりますように、教育費が大きく支出されていることによるものと思われます。 私たち母親が集まりますと、食費の問題に続いて教育費の問題が話題に上るほど、教育費は大きな問題になっております。 ところで、先ほどの主婦収入でございますけれども、かつて、私たちの生計費調査の中で主婦収入が大変多くなってきていることにつきまして、四十七年に主婦収入を得ている主婦三百十四人についてアンケート調査をいたしました。そのとき、その主婦収入の使い道は、という質問に対しまして、三百十四人中、生活費補助が百十四人、教育費のための積み立てと答えた人が九十四人ございました。このことからもわかりますように、教育費、特に入学期の多額の出金のために、主婦はアルバイトやパートに出、手に入る収入をそのために蓄えていかなければならないことになるわけでございます。 ところが、昨年六月ごろから、この主婦収入がどんどん減っております。特にことしに入りましてから、二月で比べてみますと、四十九年が一万四千六百二十七円ありましたものがことしは八千三百二円、三月は、去年が一万五千六百七十八円ありましたのがことしは九千九百二十五円、になりますと、去年が一万八千百四十八円ございましたのがことしは九千九百三円と、いずれも前年対比で五五%から六〇%となっております。 これは、言うまでもございませんように、不況のためにパートやアルバイトがなくなってしまったからで、このことは、先ほど申し上げました生活費補助、教育費積み立てができなくなってしまう、主人の収入が全支出の中での割合を下回ってきております中で、まさにダブルパンチといった状態でございます。 こういう厳しい状況の中で、入学期の出費はどうなっているか、申し上げたいと思います。 ことしの四月、総理府統計局が発表されました数字を見ますと、消費者物価指数が三月に比べ東京で二・五%はね上がり、四十九年四月対比で、東京一三・四%、全国一四・二%の上昇となったと発表されました。これは私立の学校の授業料の値上げが大きく影響しているとありました。 授業料の値上げが大きかったのは全くそのとおりですが、上がりましたのは授業料ばかりでなく、入学金、受験料も軒並み上がっております。東京私立学校教職員組合の調査によりますと、東京の私立高校の平均で、授業料は四十九年は八千五十三円だったのがことしは一万二千五十円で、四四・三%のアップ、入学金は三万七千二百三十二円が十万五千八百八十円で、四四・六%のアップとなっております。四十八年から四十九年のアップ率は、授業料二〇・六%、入学金二一・九%ということですので、ことしの四五%台のアップは大変なものでございます。したがって、入学の際に学校へ納入するお金は、設備費その他いろいろなものを含めまして、三十万円から六十万円という大変な額になっております。 大学につきましても、東京のある私立大学の法学部を調べてみますと、授業料が一年分十二万円から十六万円に、入学金が八万円から十万円になっており、入学の際の納入金は、四十九年度二十五万六千三百円がことしは三十一万九千六百円と、二五%アップでございます。そのほか受験料を含めて、私立大学の場合の教育費は、最低でも四十万円が家計から支出されるわけでございます。また、月々の授業料も、私たち日本生協連婦人部の調査では、三月二千十四円から四月は三千六百六十八円と八二%も上昇し、授業料の値上げが生計費の中で大きく影響いたしております。 次に、このような教育盛りの子供を持った家庭の状況について申し上げたいと思います。 神戸に住みますAさんのお宅では、地元の公立大学に一人、東京の私立大学に在学中の子供が一人、公立高校に一人、小学生が一人、計四人ですが、このAさんの家庭での九月の新学期の教育費は九万四千五百三十円、十月は十一万六千百十七円で、消費支出における割合は九月は三九・四%、十月は四四・七%というすさまじく大きい比重となっております。Aさんのお宅では、成長期の子供のセーターなどはどうしても買わなければならないし、御主人は働いているために着る物が要る。そうなりますと、主婦のものは十年も前の物を着ているというように、大変な苦労をしておられます。まさに「教育盛りは貧乏時代」という言葉がぴったりする教育費の支出となっております。 一方、東京で仕送りを受けております学生の生活はどうかということを申し上げてみますと、全国大学生活協同組合連合会の調査によりますと、親からの仕送り額は四十七年度は三万六百円、四十八年度は三万四千九百三十円、四十九年度は四万二千六百円と年々ふえております。四十八年度と四十九年度と比べてみますと二二%アップとなっており、五十年度になりますとさらに増額することになりますでしょう。これは申し上げるまでもなく、諸物価の値上がりにより仕送りをふやさなければならないわけです。もちろん四万二千六百円で暮らせるわけがなく、不足分はアルバイト、奨学金で埋めているのですが、この不況の世の中に、アルバイトも割りのよいものがそうそうあるわけがございません。 インフレの中で生活費増をどうしているのかということを大学生活協同組合連合会で調査いたしましたら、家からの仕送りをふやしてもらうしかないと答えたのが、下宿生活者で五〇・八%もございました。親の方から見ますと、毎月の生活費の仕送りのほかに授業料も送金するのですから、仕送りをふやすということは並み大抵のことでできるわけがないと思われます。 このような生活費の状況を踏まえまして、最後に、教育費についての意見を申し上げたいと思います。 根本は、何と申しましても教育費を国で負担する立場を貫いていただくことでございますが、具体的には、私学に対する助成でございます。これがない限り、幾ら向学心に燃えても、お金のない家では学校へも行けないということであり、教育の機会均等ということは空文句になってしまうことになります。 その中で特に申し上げたいのは、高校教育でございます。すでに高校教育は義務教育化しており、高校の進学率は全国平均で九〇・七%、東京で九六%から九七%と覆われております。けれども、その中で公立学校への収容は東京で五〇%、大阪、兵庫で七〇%ということで、公立高校を希望して入れない人は私立に入らざるを得ないという状況でございます。しかしながら、公立高校への入学のときの納入金が一万円にもなりませんのに、先ほど申し上げました私立高校では三十万円から六十万円ぐらい要りますのでは、生活の楽でない家庭ではとても私立に入ることはできません。 四月三日付の朝日新聞で、ことしの中学浪人が全国で一万二千人にも達したということが出ておりました。この一万二千人の中には、希望した学校に入れないからという人もおりましょうが、公立以外に入れないために、やむを得ず浪人するという人も多いのではございませんでしょうか。 東京都におきまして、四十九年度に都立高校生一人当たりにかけた教育費は二十二万七千五百円、うち父母負担額が九千六百円なのに比べまして、私立ですと、父母の負担が九万九千八百二十八円と、十倍にもなっております。私立高校の入学金、授業料が高いのも、私学に対する助成が少ない限り、父母の負担増が家計を圧迫するのと並行して、教育そのものに大きく影響することになるのではないでしょうか。 それと同時に、公立高校の増設でございます。東京都における公立、私立の割合は、現存五対五という低い割合になっておりますが、これもいまのままでいきますと、四対六にもなりかねない状況にあると聞いております。私学への公費助成と同時に、公立高校をふやすことをぜひお願いいたします。 次に、医科系大学の問題がございます。ことしの私立の医科系大学の入学期の納入金は百万円を超えたということを聞いております。それに加えて、在学中の経費は五百万から八百万ということで、このような莫大な費用がかかったことによりまして、かかったものを取り返すということから、国民への医療のはね返りが大きくなりはしないでしょうか。いつ、どこでも、だれでも医者にかかれますようにするために、ぜひ医科系大学の国立増設とともに、私立大学への助成について御考慮をお願いいたします。 三つ目に、奨学金の問題がございます。親から離れて勉学している学生たちが、親の仕送りをふやしてもらったり、アルバイトに無理をすることのないよう、奨学金の枠を拡大していただき、公立、私立とも平等に奨学金制度を適用されますようお願いいたします。 私たちの調査によりますと、この物価高の中で、一人一日の食費は四百四十四円というきわめて少ない金額で、主婦たちはよりよいものを家族に食べさせるため、大変な努力をいたしております。このような苦しい生活の中の主婦の努力を知っていただきまして、せめて教育費の心配はしないでも済むよう、格別の御配慮をお願い申し上げたいと思います。
○横山委員長 ありがとうございました。 以上で参考人各位の御意見の御開陳は終わりました。 —————————————
○横山委員長 これより質疑に入ります。 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○横山委員長 速記を始めてください。 それでは、御質疑を希望される方は挙手をお願いいたします。
○石田(幸)委員 まず、村井先生に一問お伺いをするわけでございますが、先ほど来いろいろ現状についてのお話を承っておりまして、私立大学と国立大学の格差はいろいろな面であるわけでございますけれども、特に教員一人当たりについての生徒数が、私立の場合は国立の四倍、こういうふうになっておるわけでございます。確かに大学の先生方が多いにこしたことはないと思うのでございますけれども、理想的な大学の特に教育に携わる教職員の数と生徒の関係、これはどこら辺に置くべきなのか。 それから、もう一点お伺いしたいのですが、人件費と教育研究経費との比率。これはなぜかと申しますと、大学の先生方はいろいろな意味で教育だけでなくて研究部門に非常に力を入れていらっしゃいますので、その研究にとられる時間というものが非常に多いように私どももおつき合いの先生方から話を聞いております。週に一遍、大学に講義に行く。あとはほとんど研究のために行っておるというようなお話も聞いておるわけでございますが、それだけに非常に多くの人件費を抱えざるを得ないというのが大学の一つの特性のように思われるわけなんですが、そういった意味で、人件費と教育研究経費との比率というのはどういう状態であるのが理想なのか、そこら辺が比較的うまくいっているような例がございましたらお伺いをしたいと思います。
○村井参考人 まず、理想的な教員対学生の比の問題ですが、これはやはり後段の御質問の研究の問題と関連いたしますので申し上げますが、いま設置基準で示されておりますのは、最低基準ということで出ております。国立はその基準の高いところを使っているということで、基準に合っていても大体一対二ぐらいですね。ところが、いま定員超過しておりますので、そういう一対四倍というようなことが出ておりますが、教員一人当たりの学生数は、国立の八人というのは国際的に見ても少しぜいたく過ぎると言われております。ですけれども、イギリスなんかではやはりそういうような数字が使われておりますが、アメリカの新しい大学改革を行ったカリフォルニアのサンジエゴの大学では、教員一人当たり二十人という数字が使われております。アメリカでも、いままで十人ぐらいだったのですが、非常に経営が困難ということで、教員一人について十五人ぐらいというような数字が使われております。 私学の本当の基準からいきますと、教員一人当たり三十名なので、第一目標としては、私学としては教員一人当たり二十名ぐらいに持っていく、そうすると少し改善、充実ということに向くのではないか。 それから、先生の研究に使う時間でございますけれども、これは一つは、図書だけが主になるような法文系の先生方と理工系とだいぶ違いますが、それにしてもとにかく時間が、いまのように私立の先生は平均一人当たり講義時間を十二時間ぐらい持っておられます。国立ではその半分ぐらいです。六時間かあるいは四時間というようなことなので、いまの時間を半分にしようと思うと、やはり私立の大学の先生を倍にする。そうしますと、いま定員超過を含めてのことを考えても十五人となるわけなので、そういうようなことで、私は、私学としてはさしあたって二十人、できれば十五人ぐらいに持っていけば、国際的に物が言えるし、先生の研究時間もできると思います。 それから研究費の問題は、やはり自然科学の方は、最近、機械器具あるいは電子計算機等道具がたくさん要るようになりましたので、人件費と研究費の比率というのは、ちょっと系統によって違いますけれども、現在の七対三でなくて、やはり人件費が六〇%以下になって、研究費が全体の経費の中で三〇%を超えるようになりたいと思っております。
○石田(幸)委員 これはいまの村井先生、それから棚橋先生、それから東京都の教育長の佐藤先生にお伺いをしたいのでございますが、先ほど教育長からもお話がございましたように、教育費全体が年々非常に経費がかからざるを得ない状況にあるわけでございますけれども、やはり個人の教育財産むふやすという問題と、社会全体の教育総量をふやすという問題と、確かに二面あると思うのでございますが、いまの文部大臣が、国民総生産高の中において教育費が何%ぐらいを占めるのが妥当かという一つの提起をされたことがあります。私ども研究をしてみたのでございますけれども、なかなかその結論が出にくい。 しかし、いずれにしても教育費がかかるわけでございますので、いま田村参考人からもいろいろお話がございましたように、家計に占める教育費の割合というのは非常に高いわけでございまして、外国の制度等を見ますと、結局、そういう問題はかなり奨学金でカバーしているように思われるわけであります。個人が成長して働いてからそれは返還する。その制度の拡大というものがどうしても必要ではないだろうか、私はこういうふうに思うわけなんでございますけれども、いまの奨学金に比較いたしまして、一体どの辺まで拡大をすることが妥当と思われるのか、そこら辺についての御意見を最後にお伺いしたいと思います。高校のそういった教育費まで含めて考えていただきたいと思います。
○佐藤参考人 おっしゃるとおりでございまして、日本の奨学制度は、実はかつては特定のすぐれた者を奨学していこうという歴史がございます。日本育英会の戦前のスタートはまさにそれにございました。したがって、特段にすぐれた少数に多額の奨学金を与えて、将来の国家有為なリーダーを養成するということが奨学制度のスタートであったように私は記憶いたしますが、実は戦後は、そういった制度そのものは残っておりますが、そうじゃなくて、もっと広く厚く、たくさんの学生、生徒に教育の機会均等を与えていこうという制度に変わって現在の日本育英会ができておりますが、しかしそれはまた、一方では、一人当たりの奨学金そのものが非常に下がってきたという欠陥もございます。 そういう点で、実は私は、現在の制度は非常に結構だと存じますが、やはり一人当たりの奨学金そのものの総量を上げていただくということをぜひお願いしたいと思うのですが、日本の奨学制度というのはどうも歴史が古いにもかかわらずなかなか定着いたしませんで、大変こういう席で不穏当な表現だと存じますが、奨学金が入って、果たしてその奨学金が奨学そのものに使われたのか、あるいはレクリエーションに使われたのか、調査するものもございますけれども、なかなかむずかしいと思います。 そういう点で、ただいま先生がおっしゃったように、奨学制度を充実すると同時に、子供たちに、奨学金そのものが社会の全体の善意であるということを十分に認識させて使うようなシステムをどうしてもつくりませんと、奨学金そのものが生きないのじゃないか、そういうふうに思いますし、また、私たち自治体も、現在の日本育英会の育英事業そのものに協力しまして、東京都も同じようなシステムでこれに準じて事業を行っておりますが、奨学金の総量が非常に少のうございますので、現在の制度では生徒からそれほど喜ばれていないというのが実情でございます。 そういう点で、もっと金額を上げると同時に、やはりその子供も社会へ出たら社会に返還していくという制度をもう少し定義さしていただければ、いまの御意見は、大変すぐれた制度になる、そういうふうに存じます。
○村井参考人 GNPのうち教育に幾ら充てるかということに対しては、ちょっと私、意見を差し控えたいと思いますが、日本の現状の高等教育からいたしますと、私学の教育費が少な過ぎる。ですから、どうしてもこれに対して支出をふやさないとだめだという状態ですね。その場合に、これを学生に出させるか、いまの奨学金でいくかという、その奨学金というのは国からすればいわゆる一つの間接補助の形になると思います。 私どもは直接補助を願っているわけですけれども、やはりこれに限度があるとすれば、間接補助でもやむを得ない。ただし、間接補助の場合は、やはり私学の内容を国立と同じレベルに持っていく。それだけで言いますと、つまりどうしても学費のいまの国立との差額、この全額に相当するものを、学費のない人には育英資金で出すということ、ぜひそういう形でしていただく。そうしますと、私学が本当に教育にかけようというときに、貧しい人が学費が高くなるけれども、これは一応全部間接補助で国から奨学金でやられるのだということ。 それからもう一つ、その場合に、現在の育英制度の中に実は非常に矛盾があるわけです。最近、私学振興財団を通して貸付金を奨学金のために受けておりますが、私学の場合は学生から利子を取るようになっているわけです。ですから、国立の場合もやはり同じように育英会が取っていればいいのですが、私学だけ利子を払わないといけない。そうでなくても高い上にという、そういう矛盾がありますので、これはぜひ育英会法を根本的に改善していただく、そこへもっと詳しくまた意見を出したいと思います。
○棚橋参考人 現在のように国からの助成が十分でない現状でございますから、ぜひともこの奨学金制度をもっと充実していただきたいと思います。現在ではどうも非常に条件がむずかしいということ、それから割り当ての人数が少ないということ、そういうように非常に限界があるものですから、なかなか希望者全員に奨学金をいただけないというのが現状でございます。なるべくそういう制限を緩和していただいて、原資のない関係かもしれませんけれども、原資をふやしていただきまして、なるべく多くの者に利用してもらえるような奨学金制度にしていただきたいというのが現状でございます。
○小林(政)委員 これは佐藤先生と、それから棚橋先生並びに村井先生にお伺いをいたしたいと思いますけれども、いまお話を伺っておりまして、日本の教育の中で私学の占める割合というものが非常に高いという現状、日本の教育は私学を抜きにしてはいま考えられないという中で、いろいろな格差、授業料の問題、入学金の問題、こういう経済問題も含めて、あるいは教育条件、環境、そういった問題をお述べになられたわけでございますけれども、私はこの中でまず一つお伺いをしたいのは、昔は私学といいますと、それぞれ学校には歴史的な伝統もあり、それを選択するということで、比較的生活条件の高いといいますか、水準の高い家庭の子供さんが入学をしていたという一時期がございましたけれども、最近の状況と申しますか、いまベビーブームというような中で、あるいはまた、公立の学校の数も非常に少ない、あるいは先ほど教育長さんが述べられましたように、教育に対する期待が非常に高まってきていて、特に高校などでは九七%からの進学率という、こういう条件の中で、公立には入れない、したがって、こういう社会条件の中では私立を希望するというようなお子さんも相当の数を占めておりますが、最近の家庭の生活水準というようなものをどのようにごらんになっていらっしゃるのか、ひとつこの点をまず第一にお伺いいたしたいと思います。
○村井参考人 これはやはり私学と言っても大変学校によって違うと思いますが、一応私どもの古い大学早稲田で申しますと、生活水準の分布というのは、かなり豊かな人から、そして非常に苦しい方から、ずっとまんべんなくおりまして、昔比較的豊かな人が、というようなことは、いま私学ではございません。いまでも私学の中で、豊かな人しか行かれない大学もありますけれども、現在はわりにそれは広がってきているのではないか。むしろ逆に、国立のいわゆる有名校の方が、豊かな人の比率がだんだんふえてきているように思います。やはり私学というのは下からやっていかないと入れない、そういう一つの条件があるものですから——私学だからということで豊かな人は昔のようには集まっておりませんと思います。いろいろな階層の方がいらっしゃると思います。
○佐藤参考人 私たち、いま実ははっきりしたデータを持っておりませんが、いま村井先生がおっしゃったように、都立は貧困階層の子弟たち、私立はブルジョア階級の子弟が入学しているということはございません。階層的にはほとんど同じというふうに考えます。 ただ、私学はきわめて古い伝統と校風というものを持っていらっしゃいますので、やはり父親なり母親がその学校を出たというので、娘さんあるいは息子さんも父親あるいは母親の出た学校に行きたいという欲望がございまして、そういう親子二代大体同じ学校に行くという子弟もいらっしゃいます。 ただ、公立の場合は、ことに東京の場合、三多摩は社会変動、人口流動が非常に激しいものですから、都心からスプロールしてきた人々で三多摩がほとんど埋まっておりますので、ここは新設の高等学校だけでございます。したがって、伝統もございませんし、まだまだこれから新しい校風をつくらなければならないときでございますので、特に家計の豊かな方、貧しい方という分け方では入ってございません。
○棚橋参考人 ただいまの御質問ですが、はっきりしたデータはございませんけれども、私の学校の状態から申しますと、私の学校は、授業料は四期に分納、銀行振り込みという制度をとっておりますが、家庭の関係でどうしても月割りで毎月分割して納めたいという希望者が大体一〇%おります。それによって判断するよりか、ほかにちょっと方法がございません。 また、学校自体が、いわゆる育英の制度がございまして、それで月に若干の授業料の減額をしておるわけです、そういう家庭の生徒に。その申し出が、特に女子の場合、これは本人と学校だけしか知らないことでございますけれども、やはり遠慮しまして申し出がございませんので、確実な数字がつかめません。これも希望者がわれわれが想像している以上に少ないのです。そういうのが現状でございます。大体一〇%という程度ではないかと思います。
○加藤(清政)委員 いま各参考人の先生からお話を承っておりますと、公立と私立の比率が全国的に言いまして大体半々ということでありますけれども、特に東京では、私学が大体五五%、公立が四五%で、しかも私立は二十四万人、公立が大体十八万人というお話でありますので、私立の教育に対して担う任務というのも大変大きいわけですね。過般、ベビーブームによっての高校急増対策については、文部省も力を入れましたけれども、特に東京都の場合には、私学において大変な責任を負っていただいたというようなこともあります。 そこで、いまお話を承りますと、この授業料について、五十年度においては昨年度に比して四二・四%という急上昇を示しておるわけですね。それから入学金についても、昨年度に比して大体一三・四%という上昇を示しているということなんですけれども、その原因は一体どこにあるかということは、いまお話を承りましたらば、特に募集要項の設定の問題が出てくると思うのですね。 お聞きいたしますと、大体夏に募集要項を作成して、秋までには募集要項を各学校に配らなくてはならないということになると思うのです。そこで、一般の物価上昇の度合いというのは、その時点においての物価の上昇に対応していきますけれども、私学の場合には、特に更に募集要項を考え、それが秋に各学校に配られる。ところが、新学期の四月においては、そこに半年間のずれがある。したがって、収入の見込みに対しての策定は延べ一年間のずれがあるということが考えられるわけですね。 そこで、昨年の物価の上昇があったが、募集要項を変えることができないので、一時借入金によって賄って、次の年にはまた物価の上昇等を加えて、そこに急上昇をもたらした原因があるということなんですけれども、募集要項を各学校に配付するのに、そのネックを埋めて四月の新学期に対応できるように何か方法がないものであろうかどうか、その点を一点、棚橋先生にお伺いしたいと思います。 もう一点は、いま田村参考人からお話がありましたとおり、四月には二・五%の物価上昇をもたらした。その中で特に教育費が三一・一%の大きなウエートを持っている、それが物価上昇の大きな主因である。したがって、授業料あるいは父兄負担を何とか軽くする方法はないかということでお話があったのですけれども、公立が八百円、私立が大体一万円ということで、公私の格差が非常に大きいわけですね。したがって、この格差を埋めていかなければならないわけで、教育の機会均等という立場に立ちますと、公立は一図充実していかなければならないけれども、私立にはさらに国の助成策を一段と必要とするというお話があったわけです。 そこで、お聞きいたしますと、私立学校の経常費助成について八十億円が今度計上されておるということですが、この八十億円について、私学の負担軽減、あるいは授業料、入学金の軽減という立場に立って、特に棚橋先生に、これに対してどうお考えになっておられるのか、その点をお聞きしたいと思うのです。
○棚橋参考人 先ほどの御質問ですが、なるべく募集要項の発表を遅くできないかということでございますが、これは募集人員の正式な発表が毎年十一月に行われます。それから、願書の受け付けが一月から始まりまして、二月の中旬に試験、毎年大概二月の十八日ごろが試験の日に設定されるわけでございます。そういう関係からいたしますと、最低どんなにあれいたしましても、十一月までには決定しませんと無理が生じます。そういう関係で、十月、十一月には各学校とも翌年度の授業料を決めるわけでございます。 私どもといたしましては、大体人事院勧告がどのくらいだ、あるいは物価の上昇がどのくらいだということを予想いたしまして一応決めるわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、一昨年のああいう石油ショックのような異常な状態になりますと、とても私ども想像もつかないということでございます。 それから、東京の例でございますけれども、ことし大体四割授業料がアップいたしましたけれども、これは私ども、ことしもまた最低二五%ぐらいの人事院勧告があるのではないかというような予想もございました。それは私ども内々の内輪同士の話でありますが、そういうような点と、それから昨年の赤字を埋めるということも多少ございます。そういうようなことで、ことしは非常な高額な値上げをしたということでございます。 それから、第二点の八十億の問題でございます。これはまだ正式に分配方法が決まっておりませんので、どういうふうな結果が出ますかは、九月にならないと恐らくわからないと思います。私どもといたしましては、東京は特に交付税の不交付の団体でございますから、東京に一体どのくらいの割り当てが来るかというようなことも全然いまのところわかりません。できれば私どもは、不交付県でも交付県でも平均に出していただいて、それが生徒の授業料の方に還元できるようにしていただきたいというのが希望でございます。
○中村(茂)委員 村井参考人と、文部省から見えていたら文部省からもお聞きしたいのですけれども、私立、公立それぞれ格差があるわけですし、また、私立の場合には私立の学校によって格差がありますし、それから、特に私いまお聞きしたいと思いましたのは、一つの学校の中においても、各学部の系統によってそれぞれ格差がある。資料を見てみますと、特に医歯系統の学生の納付金について非常に高いわけです。授業料等については五十六万一千円、入学金は二十六万九千円、施設拡充費が四十九万円、合計百三十二万円なければ、この医歯系に、どんなに優秀で本人が行きたいと思っても行けない、こういう事情がはっきり出ているわけです。 補助金等についても、本年度まだ決まっていないようですけれども、この配分等で、同じ学校で、学部によってこういうふうに格差がある。こういう非常に高いところについては国としても相当補助金を出すとか、または奨学金制度において、そんなにお金がなくても、本人が希望があり、またそこへ行くだけの学力があるとすれば、十分行ける対策を立てなければいけないのではないか、こういうふうに思うわけであります。したがって、村井参考人からは、そういう立場で考え方があったらお聞きいたしたいと思いますし、文部省からは、こういうものに対する対策をどういうふうに立てているかということについてお聞きしたいと思います。 それから、特に入学金等について、これは私も経験があるわけですけれども、同じ学部へ入っても入学金が違う。このデータはどういう出し方をしてあるか知りませんけれども、まあ人間によって、同じ学部へ入って入学金が違うというのが現状のようです。これは私の知っている学校では三口ぐらいに分けて、いわば甲乙丙という組ぐらいに分けて何か決めているようですけれども、大体そういう傾向にあるのか、そういうことは全然ないのか、その点について簡潔にひとつお答え願いたい、こういうふうに思います。 それから三つ目、特に短期大学については国立が一、私立が一六・六、それから高専については逆に私立が一で国立が七・四。これは、短大の場合には私立として経営しやすいからそういうことになっているのか、高専については、特に化学関係の技術関係の高専ですから、私立としてはなかなか経営が成り立たないのか、それとも、これは文部省の方針としてこういう傾向が出ているのか、その点をひとつお聞きしたいと思います。
○村井参考人 ただいまの第一点の格差の問題でございますが、確かに私立大学の中でも歴史的にいろいろな生い立ちがありますので、大きな格差もございます。そういうような意味でやはりこれは解消しないといけないのですが、その中で一番大きな問題が、国立大学の場合は、医学部であろうと、文学部であろうと、理工系でも同じなんですね。ところが私立は、学部のやや独立採算的な考えがないと、他学部の学生が医学部の学生に多大の学費を使われるということはなかなか感情として許さないので、私学では、この点はいまのところ学費に依存する限りやむを得ないのではないかということで、ただそのためにせっかく優秀な人材が得られないということも事実でございますので、これは何らか、もう明らかに奨学金とか補助金で解消しなければ、私学の向上ということはあり得ないと思うのです。 それから、一学部の中で成績によってというのは、入学時の寄付の問題だと思いますけれども、私どもはそういうことがあったやにも聞いておりますが、そういうことはいまはだんだんなくなりつつあるというように私は聞いております。絶無であるかどうかは私はちょっとわかりませんが、だんだんそういうことは少なくなってきているということを聞いております。 それから、短大というのは、実は女子が非常に多いわけです。私学が過去において果たした役割りの中で、女子教育において私学は非常に貢献してきているわけです。やはりその継続として、あるいはミッションスクールなどが短大という形で女子教育を分担している。そういう面で、むしろ私学にそういう特徴があるのでふえているのかと思います。 高専については、仰せのとおり、やはり技術教育ですから非常に金がかかるので、私学ではやりにくいということで、始めたところもすでに閉鎖したところがあるような状態でございます。
○高石説明員 医歯系の問題でございますが、御指摘のように相当金がかかりますので、実は経常費の補助金で言いますと、文科系の一人当たりの学生の約十倍ぐらいの補助金を出しているわけです。それでもなお相当学生から納付する金額は高い金額になっているということでございます。 それから、育英奨学につきましても、もちろん医歯系につきましてはいろいろな配慮を加えながらその活用を図っているということでございますが、何と言っても医歯系は私学でやりますと相当な金がかかりますので、今後の課題といたしましては、医歯系学部につきましては国立でできるだけそれを整備していくという中で、国家的に必要な人材の養成を図っていくことが必要ではなかろうか、こういうことを考えております。 それから、短大の問題でございますが、これもまた、国立大学の最近の増設の傾向は、非常に金のかかる医歯系とか理工系、そういうものに重点を置いて国立大学の拡充を図っているわけでございます。したがいまして、短大等につきましては、主として女子教育の面が多いし、また、経費の面でもそういう学部に比べますと安い経費で教育ができるという観点から、国立で短大を直接やるという傾向よりも、私学の方がその分野をたくさん受け持ってもらっているという傾向がございまして、別に国といたしまして短大をつくらないとか、国立はやめたということではございませんで、まず何と言っても金のかかる分野から国立の整備を図っていきたい、こういう方針で来ているわけでございます。
○和田(貞)委員 文部省と、大河内参考人と、田村参考人にお尋ねしたいのですが、まず文部省の方にお尋ねしたいのは、適齢期になって幼稚園に入園する率が大体どの程度あるかということ。 大河内参考人にお尋ねしたいのは、各自治体で助成措置をいまだに講じてもらっておらない自治体があるかどうか、あればどのぐらいかということ。それから、助成措置の内容として、保護者対象にしておるのと、設置者対象にしておるのと、地域の私立の幼稚園団体に助成しているところとあると思いますが、それぞれの率を教えてもらいたいと思います。 それから、田村参考人にお尋ねしたいのは、先ほど述べておられた中で、幼児教育の点が余り触れられておらなかったと思うのですけれども、幼児教育に対する父兄負担の立場から、参考になる意見があればひとつ聞かしてもらいたい。 以上です。
○高石説明員 四十九年度の数字で申し上げますと、全国平均で就園率が約六二%でございます。 なお、幼稚園につきましては保育所との関係がございまして、保育所と幼稚園という問題が残りますが、幼稚園だけの就園率でいいますと六二%でございます。
○大河内参考人 ただいまの地方自治体における助成の状況でございますが、各都道府県で助成をしているのがどれぐらいか、あるいはそれは設置者主体であるのか、保護者主体であるのか、こういうお尋ねでございますが、これについての統計は私の方ではわかりません。しかし、大まかに言えますことは、都道府県は原則として大体設置者を対象としておるのが多いようでございます。中には、都道府県の場合に二、三、幼稚園を通して父兄負担の軽減を図る、こういうところもあるようでございます。 それから、保護者の父兄負担軽減につきましては、主として市町村が行っている例が多いようでございます。しかし、現実に都道府県が設置者に助成をしておる現状を見ましても、文部省の調査によりましても、地方交付税に積算してある基準財政需要額の一定の比率に到達してない私立幼稚園に対する助成をしている都道府県が二十九県もある、こういう状態のようでございますので、はなはだ残念ながら、国が積算していただいた以下のところがまだそんなにもある、こういう状況が現状でございまして、どれくらい各都道府県にそういうような例があるのかという実態を私どもではまだ調査してございませんので、わかりません。
○田村参考人 私どもの中でいま一番言われておりますことは、共働きの人が非常にふえておりますわけでございます。その中で、きょうは残念ながらその人たちが保育所に幾ら払っているかというようなデータをお持ちしないで申しわけなかったのでございますけれども、一様に言われておりますことは、公立保育所がないために、私立の、それも無認可の保育所に預けている人が非常に多いようでございます。そのほかに、さらにまた二重保育と申しまして、大体五時までしか預かってもらえませんので、それ以後また預かってもらう、二重保育をしている人が非常に多うございます。そうした場合に、もう奥さんが働く分だけ全部子供を預ける保育料に持っていかれてしまうというようなことで、仕事はしたいけれども、どういうふうにしていいかということで悩んでいる人が非常に多いように見受けられます。 ですから、私どもといたしましては、ぜひ公立保育所をたくさんつくっていただきたいということ、それから、公立で二重保育ができるようにお願いできないだろうか、こういうことをお願いしたいと思います。
○有島委員 最初に、村井参考人にお願いしたいのですけれども、先ほどお示しいただきました資料の中で、学生納付金、また寄付金というのがございましたが、学生納付金に受験料というものが含まれておると思うのですね。
○村井参考人 学生納付金には受験料は入っておりません。
○有島委員 じゃ受験料というのはどの辺に入っているのか。 それから、寄付金というのがございますね。この中には、入学できなかった人の分というのが大分含まれてくるのではないかと思うわけでございます。そうなりますと、受験の倍率が高い方が学校にとっては好ましいというようなことも極端に申せば出てくる。これが受験競争をあおるという妙な悪循環というものを呼ぶのではないか、この辺についてはどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、それが一点です。 もう一つ、国庫をもって助成しなければならないということはいま検討されているわけでございますけれども、こうした国庫について、これは間接にするにせよ直接にするにせよ、こういうものを制度化していくことが本当に望ましいのであるか、あるいはこれは近年きわめて異常なる事態であるというふうな認識の上から、臨時措置としていく方が望ましいのであるかということを私たちは論議しているのですけれども、その辺のことを、これは村井参考人を初め、棚橋参考人、また大河内参考人の御意見も承っておきたいと思います。 それから第三点には、ちょっと問題が違いますけれども、幼稚園の問題につきまして大河内参考人にお伺いしたいのですが、幼稚園の先生方の質の問題と申しますか、いい先生を集めたい、この給与の標準をどの辺に置くべきであるとお考えになっていらっしゃるのか、そのためには、補助金の総額は今後理想的に言えばどのくらいがどうしても必要であるというふうな御判断をしていらっしゃるか。 以上、三点について伺いたい。
○村井参考人 第一点の受験料でございますが、先ほどの私大連盟の「大學時報」の中の二十五ページの、手数料というのが受験料でございます。平均六・三%になっております。 それから、いわゆる学生納付金というのは、入学金、授業料、施設費というような、これが大体大きなものでございます。これは、入学生がその意味でいわゆる二重払いという、そういうことでの問題がずいぶん新聞紙上にも出たわけでございますが、私立大学ではどうしてもやはり定員を確保しなければならない、そしてやはり幾つかの学校を受けておりますので、脱落者は、実際には手続を完了した人でそれを確認する以外にはないわけで、そういうようなことで、多くの大学では、自分のところを受験した者は自分のところへ来るのだ、やはり学校としても自分のところに対して自負心があるわけだから、受けたからには自分のところへ来るだろうというような考えから、合格した者は手続してほしいということが現状だと思うわけです。 ただ、国立と私立との間で、特に国立の方が遅いものですから、国立と私立で言いますと、国立がもっと早く発表してくれれば国立、私立という間では二重払いのことは防げると思うのですが、今度一期校、二期校が廃止になったことは、そういう意味では一つの進歩だと思います。 これは私どもの例を挙げてはなんですけれども、早稲田でも慶応でも、学部によって違うのですが、非常に国立と併願の多い学部では、国立の発表まで手続を待っているわけです。私学で、早くも二月の終わりか三月初めには試験が終わって、三月十日までには全部発表してあるにもかかわらず、国立の一期校の東大の三月二十二日まで実は手続を待っているわけです。ですから、こういうところでは二重払いということはないわけです。 私学間では、もう二月の初めごろからずっと継続的にありますので、やはり自分の学校へ来る学生を確保したいということで、一つの個人契約だという気持ちで取っているわけです。いろいろ問題がありますけれども、これは何か受験の日にちを一斉にそろえることができるかどうか、いま毎年四十万、五十万の学生を一斉にやるということは非常に困難ですし、統一試験とかそういうことが出てきますと、あるいはそういうような受験競争の率が、一次試験に使えばそれは減るということもありますが、これはまた別の問題なので、実情は、やはり自分の大学を選んだ人は当然払うべきだ、そういうことから、いまそういうような、法律的にはどうであっても徳義的には何かちょっとひっかかるものがあるというのは、これは感情としては私どもも同感なんですけれども……。 それから、国庫助成の制度化の問題ですが、国庫助成の仕方は、日本ではいまは暫定的に、昭和四十五年から国会で経費を助成するということができましたのですが、これはまだいわゆる経費助成ということで、本当の意味での制度は、やはり私立大学に対する助成法というような制度ができることが望ましいと思います。 ただ、その制度の内容については、もうイギリスなんかでは八〇%以上国費ですし、カナダもそうですし、アメリカでは逆に、公立と私立の学費の格差を詰めていこうということで、公立は、先ほどの佐藤参考人の意見と違いますけれども、アメリカではそういうことですが、日本の場合でも、私学の安定ということを考えてやはり制度化していかないと、本当の意味の助成ということにはならないのではないか、私どもは、そういうことで、ぜひ制度化は望ましいことだと申し上げたいと思います。
○棚橋参考人 御承知のように、高等学校以下の助成は地方自治体から交付されております。ところが、御承知のように地方自治体の財政がいま非常に緊迫しておる折、現在でもすでに交付税の積算の基礎まで交付されてない県が十県ほどございます。これからも、自治体の財政基盤が非常に弱いものですから、ますますそういう県が多くなってくるのではないか、非常に不安定でございます。そういう意味から申しましても、国庫助成を法制化していただくということは、高等学校以下では非常に強く望んでおるところでございます。
○大河内参考人 幼稚園の教員の給与の標準をどの辺に置いたらいいと考えるかというお尋ねでございますが、原則的には、全国的な視野に立ちますれば、国立の教員の給与に大体準ずるのが一番適当であろう、こういうふうに私は考えるわけであります。 しかし、現状ではまだそこまで行っておりません。私どもの私立学校教職員共済組合、これは幼稚園関係の職員まで入りますが、教職員が約六万五千人加入いたしておりますが、それの平均給与、これは初任給じゃなく平均給与、標準給与でありますが、六万二千二百七十二円という数字が出ております。これは全国的に見ますとずいぶん低いと私は思うのです。だから、せめて国立学校と同じような給与は受けられるようにしてやらなければいけないと思います。 私の例を取り上げてはなはだ恐縮でございますが、私のところは私立幼稚園の中ではまだ比較的待遇をよくしておると思っておりますが、それでも、残念ながら四十九年度は定時昇給額は一年に二千円しか計上できないわけです。国立の方で見ますと、それが大体最低三千七百円、その次、三千八百円、四千円、こういうふうに一年ずつ昇給していくわけであります。したがって、全国的には標準はやはり国立の幼稚園の教員の給与をもとにして、その場合に人事院勧告等があればそれに見合うような給与を標準としていくのが妥当であろうと私は思っております。 しかし、これは大きい都市、たとえば政令都市など覚ますと、国立の幼稚園よりももっとはるかに高い給与を支払っております。私は名古屋でございますが、名古屋の公立幼稚園ですと、初任給が本俸は八万一千九百円です。それに調整手当八%、教職手当四%を加えますと、九万二千九百九十円というのが初任給です。そういう公立幼稚園がそばにありますと、どうしてもそれに近づけるような努力をしないと教員も不満足でございます。ですから、全国的にはやはり国の標準給与というものをもとにして、その場合、人勧等のことがあればそれを上乗せする、それを標準に置きながら、大きい都市においては、地元にそういう公立幼稚園がありますればその教員との比較をして、私ども私立幼稚園の教員もそれに近づけるように努力せざるを得ない実情にございます。実はそういう苦しみがあるわけです。 大きい都市におきましては、そういったようにせめて全国的には国家公務員、地方におきましてはその所在する自治体の教員の給与、それに見合うものにしていかなければならない、このように考えております。
○和田(耕)委員 一点だけ御質問したいのですが、私立学校の経営が非常に苦しいということは非常によくわかりました。そしてまた、田村さんの御発言で、逆に家計収入が非常に減っていくということで、教育費の負担が恐るべき状態になってきつつあるということも非常によくわかったわけですけれども、この状態は一年、二年の問題ではなくて、今後少なくとも数年、あるいはそれ以上にわたって、家計収入は減っていく、そして教育費はふえていくという状態が続いてくると思うのです。こうなりますと、結局解決策とすれば、国の補助を高めてほしい、公立をつくってほしいということになるわけです。またそういうような主張を私ども今後したいと思いますけれども、しかし、これも非常に限度のあることですね。来年度の予算がどうなるかと大変心配しておる、地方自治体も大変心配しておるということです。 そこで、こういう状態のもとで、無限に国の金があるわけではないから、国公立の授業料あるいは入学金等の料金を上げていかざるを得ない時期が次第に近づいておるのではないか、こういう感じがするのですけれども、この問題について、文部省と、東京都教育長からお答えをいただきたいと思います。
○高石説明員 まさにいまお話しのあったような傾向がこれから出てくると思います。 そこで、教育に対する国の投資責任と申しますか、それは学校の段階によって違うと思います。幼稚園、それから義務教育段階の小中学校、義務教育に準ずるような形になっている高等学校、それから三〇%程度の学生が入る大学教育という、それぞれ学校の段階によって国がどうこれに対する援助策を講ずるべきかは違ってまいると思います。 高等学校の段階で申し上げますと、ほとんど九〇%を超える進学率になっておりますし、その九〇%の子供たちが入る私学と公立の関係から、一般論として申し上げると、非常に有名な私立学校につきましては、いわばそれだけの経費負担を覚悟の上で進学をする。ところが、そうでない一般的な方たちは、公立に入りたいけれども、私立で公立の代用としての機能を果たしている学校に進学するというような階層があるわけでございますので、画一的に論じられないわけでありますが、しかし、いずれにいたしましても、公立と私立の経費の親の負担という観点からは、格差を縮めていく政策をとっていくことが必要であろうと思うのです。 それから、大学の段階になりますと、すでに三割程度でございますけれども、あと七割の人たちは、高校を卒業して職場で働いて国に税金を納めておる。その税金を三割の学生に全面的に応援しなければならないという仕組みが妥当かどうかということも検討しなければならない。そうなりますと、大学教育における受益者の適正な負担ということが当然問題になってまいろうかと思います。国家的に人材を養成しなければならないような教育の機能も学校にございますが、これだけ大衆化してまいりますと、そういう観点も検討していかなければならない。そうなりますと、国公立における授業料の適正負担ということが自然の勢いで問題になってくると思います。 一面では、確かに御指摘のように私学の授業料と国立の授業料の格差が非常に大き過ぎる、それをある程度縮めていく、適正化していくということも、当然の傾向として検討すべき課題であろうというふうに思うわけでございます。 以上でございます。
○佐藤参考人 高等学校の授業料の問題でございますが、先ほど私も冒頭に申し上げましたように、高等学校はすでに義務化に近いといいましょうか、東京都の場合、百人のうち九十七人も進学しておりますし、私たちの推定では、昭和五十八年には九十八%の進学率だというふうに考えております。したがって、教育内容そのものは義務化ではございませんが、量としてはもはや義務と考えざるを得ないというふうに私たちは思います。 そこで、高等学校にかかる経費をどういうふうに負担するかということでございますが、国と、自治体と、受益者と申しますか、市民と、その三者でどういうふうに分担していくか、そういう計算を実は私たち、いましてございますが、まだはっきりした数字が出ておりません。そこで、先週の水曜日に、ちょうど八大都道府県の教育委員長と教育長の会議がございまして、高等学校の授業料はどういうふうに考えたらいいかという議論をいたしました。しかし、かなりの長時間を費やしましたけれども、残念ながらこの三者の負担区分をどうするかという結論はついに出ませんでした。 そこで、私は全国の教育長協議会の幹事長でございますので、全国の教育長と相談をして、文部省といずれ近くこの問題について一緒に御研究したいというふうに考えておりますが、実は東京都に限って申しますと、富裕団体と申しますか、高等学校に関しましては残念ながら国費をいただいておりません。先ほど来、参考人からもお話がございましたように、そういう問題については、事教育につきましては過疎過密を超越して、やはり一つのファウンデーションと申しますか、国と、自治体と、それから生徒といいますか、教育を受ける生徒の親、その負担区分をある程度きちんとぜひお決めいただきたいというのが第一でございます。 それから第二は、実は東京都の中で、同じ東京都民の子弟でありながら、一人は公立の学校に行き、一人は私立の学校に行くことによって、法の前に平等でありながら、なぜこんなに格差があるのかという大きな不満を私たちいただいておりまして、大変困惑しております。東京都の財政にもきわめて限界がございますが、先ほど申し上げましたように、年間百二十億の私学に対する補助をしてございます。大変けちなことを申し上げて失礼でございますが、実は東京都の私学の中には、千葉、埼玉、神奈川の隣接三県から入っていらっしゃる子弟もおります。それで、私たちは、東京都民の子弟と隣接県から入ってこられる子弟を分けて補助をするということは、それは教育的な配慮から大変まずうございますので一切してございません。しかし、財政当局からは、実はやはり東京都民の子弟と他府県から入ってくる東京都の私立学校の子弟と分けて補助をすべきだという強い要請を受けております。 私たちは、なるべくそういったことはしたくないと思いますが、ぜひこの点は、先ほど申し上げましたように、国と言っても先生もおっしゃるように限界がございますので、国と、自治体と、教育を受ける市民の間の、授業料なりあるいは学校の経費に対する分担をぜひお決めいただきたいというふうに存じます。 それからもう一つ、私がどうしてもここで申し上げておかなければならないのは、学校における授業料だけではなくて、課外の教育と申しますか、非常に過熱した塾通いといいましょうか、そういったものが非常に多いようでございます。そういう点では、東京のお母さんたちあるいはお父さんたちには、そういった課外の過熱した教育に余り熱中されないようにいろいろ指導してございますし、それと同時に、公立の体育館、あるいは社会教育施設が非常に少のうございます。そういった施設が足りないために、やはり学校を終えてから子供さんの教育が民間によって誘導されているという点もございますので、非常に反省して、東京都立の、あるいは市町村の協力を得まして、体育館、あるいはプール、あるいは運動場、あるいは社会教育施設、そういったものをもっとたくさんつくるべきだ、そういうふうに考えております。
○和田(耕)委員 関連しまして一言。よくわかります。先ほどの御説明の中で、東京の場合は、高等学校の授業料が、都立が八百円で私立が一万二千円というのですから、約十五倍ですね。これは私、十倍ぐらいだと思ったが、十五倍になっていると、これはいろいろ理屈はあっても、何としてもこれは一般の人から見ればちょっと理解のできないことなんですね。しかも、この状態がだんだんと緩和されるのではなくて、先ほど参考人の皆さんがお話しになっているように、私立学校経営の経費はどんどん高くなっていく。そしてまた、父兄の収入は減っていくということになると、この問題はどうしても国あるいは地方団体、学校当局で話し合ってみなければならない問題だと思うのですね。 これは物価委員会で国公立の学校の授業料を上げろなんて私、言うつもりはないのですけれども、しかし、この問題はもう避けて通れない問題の一つになってくるという気がするのですけれども、参考人で、うん、そうだ、あるいはそれは違うという、一言でいいのですが、そういう感じをひとつ述べていただきたい。
○佐藤参考人 実は八百円を私たち割ってみますと、一時間五円になります。学校を経営しますのに、一つの都立の高等学校の人件費が校長以下一年間に一億円かかります。にもかかわらず、生徒が一時間五円の授業料であるというのは、確かに先生がおっしゃるように余りにも格差が大きいと思います。 しかし、高等学校の授業料は一体何を負担するのかという点の原則がまだはっきりしておりませんものですから、一般の物価に比べて確かに安いと思いますが、先ほど申し上げましたように、運営費が年間一人当たり約三万円かかりますので、せめて三万円、その運営費だけは学校の教育を受ける子弟の親に負担していただけるという原則になれば、年額九千六百円を三万円まで上げる、それ以外は税金で負担する、その税金の負担も、国と自治体がどういう割合で負担するかということが決まると思いますが、実は一挙に九千六百円を三万円まで上げるということは、先ほど申し上げましたようにかなり抵抗がございますし、私、東京都の教育長としては、授業料はなるべく安い方をどうしてもとりたいというふうに存じます。
○村井参考人 これは、高等教育は確かに義務教育ではないので、国立大学がいま百八十五万もかかって八万六千円というのは、結局五%しか取っていないわけですね。外国の例を見ましても、イギリスが国費で全部私学を補助していると言っても、八〇%は超していないわけなんです。そうすると二〇%は負担しているわけなんですね。ですから、やはり私立並みまでは上げていいのではないか。 アメリカの州立大学は、前は非常に安くて無料のところもありましたが、だんだん二百ドル、四百ドル、五百ドル、いまはもう千ドルを超しているわけです。私立は三千ドルから五千ドルということです。それからカナダでも、いま五〇%を国が、二五%を州がということで、二五%は学生が負担している。まあ大ざっぱな数字ですが、そういうような意味で、大変日本の国立大学は優遇されている。 私は、私立の立場であえて日本の学術の振興、向上のために申し上げたいと思う。家庭によって、奨学金によってそれはまた補助してもいいのですけれども、いまのような状態は、決して国立大学の人がみんな貧困家庭だということはないのが実態でございます。
○田村参考人 授業料などの公共料金が家計に及ぼす影響でございますけれども、去年消費者米価が上がり、国鉄料金が上がりましたときに、経企庁の発表されました数字は、本当に零コンマ以下の、家計に及ぼす影響は大変に少ないということを発表されました。それで私どもは、そのお米とか、国鉄、電気、ガスなどがどういうふうに生計費に影響するかということを考えました場合に、これは単純に去年の一月に、たとえば灯油が上がりました場合に灯油の上がった率を掛け、それからお米が二〇%上がったら、二〇%消費されたお金に掛けて計算いたしましたら、何と月に四千八百八十七円という、五千円足らずの影響でしがなかったわけでございます。そうしますと、年間に五万八千六百五十二円で、少なくはございませんが、大したことではないというように感じておりました。 それが、ことしの一月と二月で、本当にそのような四千八百八十七円で済むかどうかということを調べてみましたら、去年の一月が消費支出が十五万七千百二十三円でございましたものが、ことしは十八万七千九百一円になり、二月で計算いたしますと、十三万一千七円だったものが十六万九千三百九十四円と、月に三万円から三万八千円上がってしまったわけでございます。 そういうことを考えますと、単に公立の授業料が八百円が幾らになるというような単純な計算ではなくて、そういう公共料金が他の物価に及ぼす影響が非常に多いということをぜひお考えいただきまして、簡単に授業料だけが及ぼす影響という数字にお考えいただかないように、ぜひそのことをお願いしたいと思います。
○越智(通)委員 いろいろ議論を伺っていて、非常にポイントに出てきていると思うのでございますが、率直に申し上げまして、父兄の方が負担が高い、困っていらっしゃる、その通りだと思いますし、また、私学の関係の方が大変に御苦労していただいている、もうやめたいぐらいだというぐらいつらい思いをしながら、あるいは教育の現場に当たっておる方が御努力をされている、これも事実だし、また、その閥をとって、それでは財政でそれをどうカバーしていくかというときに、私学の問題は、ちょっといじくりますと、わずかのお金では相済まない。すぐ何百億、下手すると何千億、こういう数字に全部はね上がってまいります。それだけに非常に私はこれは深刻な問題だと思うのですが、そういう経費面だけではなくて、実はこの学校教育という制度そのものを一遍根本的に考え直さないと、この問題の基本的な解決が出てこないように思うのです。 その論議は、物価対策特別委員会ですからここでやるつもりはありませんけれども、そうした場合にひとつ頭に置いておかなければいかぬと思うのは、村井さんには大変失礼かもしれませんが、従来、国立の場合でも、私立の場合でも、大学の方にわりあいウエートが寄っていて、初等中等教育の方は財政のかけ方その他もわりあい弱い、そういう感じが私はしておるのですが、そういう点で、やはりこれからはそっちの初等中等教育のところを、ことに義務教育でもありますし、むしろいままで私学に対する考え方というのは、義務教育があるのだから、それと並行している初等中等教育の私学なんてほっておいてもいいじゃないかという感覚があったかもしれない。 これは教育長さんあたりに後で聞かなければならぬかもしれませんけれども、そういう点で、初等中等教育の方にもっと肩を入れていかなければならない。ところが、そうした学校というのはほとんどが都市に集中しておりまして、都会において最もそういう問題が典型的に、あるいは先鋭に出てくるというのが、一番の悩みだと思います。 そこで、都会の教育全体を考えたときに、ここから御質問したいのですが、三問ほどあるので、最初に教育長さんにお伺いしておきたいのですが、私どもの知る限りでは、三多摩地区なんというのは公立高校は余り建っていないのじゃないか。過去の実績がございましたが、たとえば五年間なら五年間、なかなか建たない。まして私立は、やはり伝統がありますから、昔からあったところ、言うならば二十三区以内みたいなところはあるけれども、三多摩地区は非常に足りない。そういうところこそ、公立の高校なんかはもっとどんどん早手回しにやってもらわなければいけないのが、なかなか建たない。 逆に、都心の方の公立の小中学校なんというのは、かなり児童数、生徒数が落ちてきているように聞くのですが、ところが私立の小中学校というのは、都心というか、国電環状線の中にあって、大変に競争率激甚なんでございます。十倍を超している。小さい子供がそこまで通っている。にもかかわらず、その近所の公立小学校は、でっかい建物の中に生徒数が五百人、六百人というのを私どもは聞いているのですけれども、教育長さんのお立場から、公立のバランスをどう見ていらっしゃるか、実績等があったらちょっと御発表いただきたいと思います。
○佐藤参考人 実は三多摩地区には、確かに越智先生もおっしゃるとおり、従来、それほど人口もございませんでしたし、公立高校を建てるという教育投資が少なかったと思います。はっきり申し上げますと、都立の場合は、立川に旧東京府立第二中学校、それから府立の高女がございました。それだけでございましたが、戦後、非常に都心からのスプロール現象が多くなりまして、人口が急激に多くなりました。最初はどうしても義務教育重点主義で、小学校並びに中学校の建設に非常に努力をいたしましたが、いまはその人たちの向学心が非常にふえてまいりまして、今度は高等学校をどうしても建てろという要求が非常にふえて、市民の要望と、それから建設のテンポがどうしても合わないのが現状でございます。したがって、私たち大体一年間に都立の高等学校を五校ないし七校建設しておりますが、その大半は三多摩地域でございます。 ただ、三多摩地域でも、学校を建てるのは、建設の用地その他なかなか条件が合いませんので、子供たちの住宅の近くになかなか建てられないのが現状でございますが、確かに越智先生のおっしゃったとおり、三多摩にもっと建てるべきだというふうに考えますし、また、二十三区の周辺部、ことに足立とか、江東とか、葛飾とか、そういう東北地区の周辺部にも従来教育投資が少のうございましたので、その地区と三多摩に集中的に高等学校を建てるべきだと思います。 それから第二の都心の学校、いわば過疎地帯といいましょうか、夜間人口が非常に少なくなりましたので、かつての名門校と言われるような番町小学校その他が、非常に人口が少なくなっております。ところが、教育投資はかなりりっぱなものがございます。ことにまた私学もたくさんございますし、一つは、この学校の問題を、教育の場だけではなくて、全体の都市計画といいましょうか、もしくは人口の呼び戻しといいましょうか、そういった面からも考えていただかないと、教育行政だけでこの問題を解決するということは負担が非常に大きいと思うのですが、確かに過疎地域になってしまったような都心の学校の再編整備ということは私たち考えるべきだ。 そこで、高等学校については、二十三区、ことに山手線の内側の高等学校をもう少し投資をしまして、従来のように新しい土地を買って新しい学校を建てるという非常にぜいたくな学校建設はもちろんでございますが、それだけではなくて、既存の高等学校を改築することによってキャパシティをふやしていく、その両方の政策をとっていけば、高等学校の需要には大体応じられるのじゃないか、そんなふうに考えております。
○越智(通)委員 それじゃ二つ目の質問として、公立高校をつくってもらえれば、月額八百円で済む父兄がよけいになってくるわけで、非常に助かるわけなんですね。ですから、ぜひそういうのをどんどんやっていただきたい。私の住んでおります世田谷、目黒のあたりだって、正直言って公立高校をつくってくれという声が非常に強いです。ところが、私どものところなんかも非常に私立がございますけれども、私立は込んでくるところと余り人気の出ないところと、最近ことに格差というか、離れが出てきたように思うのです。 これは棚橋参考人にでもお伺いしたいのですけれども、私立の中に、もっとそういうものを統合するといいますか、効率化することによって、経営的なコストダウンと言ったらおかしいかもしれませんけれども、そういうものが図れないのかどうか。旧制女学校、中学校みたいなものが私立にあって、短大までつくったというようなのが並立して、結構経営的な競争もあり大変だと思いますが、私立は私立なりにそれをコストダウンする努力というか、何か方法、お考えはございませんでしょうか。
○棚橋参考人 そういう問題は過去にもずいぶん論議された問題でございますが、やはり学校法人の成り立ちと申しますか、そういう面から、なかなかうまくまいりませんで、過去に、実はこれは一つの例でございますが、ある学校が二つ合併したわけです。ところが、合併しましたあと一、二年後には、法人の構成からどうしてもうまくいきませんで、また分かれたという例もございます。 それで、最近は、経世の非常に困難な学校は大学に統合して、大学の付属になるということで解決しているところが多いようでございますが、どうも法人同士で、普通の高等学校同士で統合ということはなかなかむずかしい問題があると思います。ただ、経済的に非常に苦しいために、大学がいわゆる肩がわりしたところは相当ございます。
○越智(通)委員 じゃ三問目、これでおしまいですが、高等学校以下の話というのは文部省直轄でないわけでございまして、地方公共団体、東京で言えば佐藤教育長さんのお手元にあるわけです。ですから、平等にながめていただいているのだろうと思うのだけれども、何となく公立の方に気がいって、私立の方へ気がきていただけているのかなとひがむ場合もあるわけです。そういう場合に、先ほどの私学の助成を法制化する、あるいは増額するということになってくると、いままでどおり、文部省は、地方公共団体を通じてのみ私学に対して監督し、助成するという方式でいつまでもやっていけるのだろうか。さっきちょっと教育長さんがおっしゃいましたが、東京の私学なんというのは、もともと東京に生まれて住みついている人間の私学というよりは、他府県からも来るし、遠くからも、さっき仕送りの話がありましたが、学生だけが来ておりますし、全体的に言えば東京都というローカルな話を外れて、非常に国家的事業になっている場合もあると思うのです。 そうしますと、私どもとしては、これは文部省さんに聞けばいいのか、佐藤さんに聞けばいいのかわかりませんが、そういう意味で、高等学校以下の私学助成に関して今後法制を変えて、文部省が直接といいますか、国と直接と申しますか、そういうかっこうでやっていった方がいいとお考えになっているのか、それとも、従来どおり地方公共団体、都知事の監督、認可といいますか、そういうもののもとに置いておくべきだとお考えか、それについて文部省と東京都と両方から聞かせてください。
○高石説明員 わが国の教育の分担を、現行制度では、小中学校段階は市町村、高等学校段階は都道府県、それ以上の大学等につきましては国というように、現在の法律の仕組みがなっているわけでございます。そこで、私学につきましても、高等学校以下につきましては都道府県が所轄庁としていろいろな仕事をしている。高等学校段階で公立と私立とございますので、高等学校段階における教育をどうするかという課題を考える場合には、それの横並びで、公立、私立あわせて総合的な政策を講じていかなければ、十分な成果が期待できないのではなかろうかというふうに考えておりますので、今後の助成につきましても、都道府県を通じてという形にすることが適当ではなかろうかと考えられます。 ただ、一方におきまして、高等学校は、自分の直接経営する都道府県立、そして間接的な所轄庁である私学という関係で、自分の直接経営する方がどうしても先になって、間接的な助成、援助ということについては後回しになる、こういう一般的な傾向は否めないと思いますが、その付近の隘路を打開していくことによって解決することが適当ではなかろうかと考えます。
○佐藤参考人 いまの越智先生の御質問に、私たち二つの会議を持っているということをまずお答えしたいと思うのです。 その一つは、私の方で提唱いたしまして、高等学校の問題につきまして、隣接の千葉、神奈川、埼玉三県の教育長と私とが実は定期的な会合を持とうということで呼びかけましたところ、大変賛同をしていただきまして、近く一部三県の教育長の会議が開かれます。ここでいろいろな問題が議論されるわけでございます。いま先生がおっしゃった高等学校に入っている子供の問題、あるいは教育の内容の問題、授業料の問題、そういったものを全部ここで討議していこう、その結果をもって文部省当局とまたお話し合いをしていこうということをまず考えております。 それから、第二のテーブルは、実は東京の中で私学の果たす役割りは非常に大きゅうございます。したがって、東京の私立学校協会と私たちとが昨年の秋から定期的な会合を持って、一緒にやれる分野について話し合っておりまして、実は私の方で、教員の研修、あるいは研究発表のようなものを一緒にできないだろうかという提案をしましたところ、私学協会からも非常に賛同していただいております。授業料の問題だけではなくて、教員のそういった問題についても、公私いろいろ話し合っていこうというテーブルがございまして、実はこのテーブルを私は大事にしていきたいと思っております。 この二つなんですが、実は恥をさらすようで大変申しわけございませんが、いま都道府県庁の中で、学校の問題は二つに分かれております。公立学校については教育委員会の教育長が所管をしておりますし、私立学校については知事と直結をしております。東京のように私学が非常に多いところは、知事部局から補助金その他が流れておりまして、私たちとは断絶といいましょうか、離れておるような関係にございますので、公私の問題は、実は東京都庁の中の問題にもなりまして、私たちと東京都の総務局長との間でまた公私の問題について話し合う、そういう都庁の中の小さなテーブルも実は活用しております。
○小林(政)委員 先ほどの続きでございますが、結局、私立に上がっている子弟の家庭の水準というものについては、昔のようなことはないのだというお話でございます。したがって、そういう状態の中で、入学金の問題ですね、先ほども大学の場合の例でお話がされておりましたけれども、高校の場合等でも、合格発表がありましてから非常に短い期間で入学金を納める、こういう問題が起こっております。 結局、滑りどめといいますか、公立の高校が少ないという中で、ほとんどの中学卒業の子供が東京の場合ですと都立高校へということで、滑りどめも含めてということで私立を受けておりますね。こういう場合、私は、先ほどの大学の例と同じように、この入学金の問題については納付期限を延長するとかというようなことに、是正していく必要があるのではないか、このように考えております。学校によってはずっと時期をずらして措置をとられているところもございますけれども、この問題について棚橋参考人と田村参考人にまずお伺いをいたしたいと思います。 それから、これは佐藤参考人にお伺いをいたしたいと思いますけれども、公立の高校が大変望まれているわけですが、いま公立の高校が、東京でも財政難その他でなかなかむずかしいと言われております。この一番の大きな隘路は、私ども聞いておりますのでは、用地費が非常に高くなってきている、そこに財政問題が絡んで、高校がほとんど義務教育にも等しいような状態になっているにもかかわらず、なかなか建たないということが言われております。 これは文部省にもお伺いしたいと思いますけれども、実際には卒業生の中の九七%が希望している、高校をつくるには四十億からの金がかかると言われている、こういう現状の中で、用地費その他について、これは都道府県の行うべきものだということで果たして割り切れるのかどうなのか、この点については自治省あたりでも、過密都市近辺の高校の経費については国が用地費なり何なりを補助の対象にしていくというような予算要求もあったようですけれども、文部省の見解はどういうことなのかお伺いをいたしたいと思います。 それからもう一点は、きょうの毎日新聞に出ておりました、いわゆる都内の私立高校に他府県から来ているお子さんが七万人いる、しかも東京都民の子弟で他府県に行っている子供が、これは新聞の発表ですけれども、約九千人いらっしゃるということで記事が書かれております。東京都では、私学に対して二万七千円の補助をいたしておりますけれども、こういう現状から見て、私は国がこの問題についても対策を立てるということが当然のことだと思うのですね。先ほど悩みが訴えられておりましたけれども、他府県の子供と都民の子供という形で補助金の対象として差別をするべきではないということで、やはり教育という立場から、東京都内の私立に通っている子供については補助金の対象にしているということでございますけれども、この問題に対して、文部省は一体どのようにこれを受けとめるか、そして、これらの問題の解決のためには当然国が補助を行うべきではないかというふうに私は思いますけれども、文部省の見解と、佐藤参考人の御意見を伺いたいと思います。 最後に、もう一点は、私学に対する国の補助ですね、この問題について先ほどから現状を訴えられ、それが必要であるというお話、私どももよくわかります。したがって、その点について国が助成をするけれども、教育内容に対する干渉、これは背からいろいろと問題になっているところでございます。この教育内容に対する国の介入の問題等、私はやはりこれも一つの非常に大きな問題点だろうと思いますが、この点につきまして参考人の私学関係の皆様からお伺いをいたしたいと思います。 以上、三点をお伺いします。
○横山委員長 恐縮でございますが、時間があまりございませんので、参考人にはそれぞれ簡潔にお願いいたします。
○棚橋参考人 入学金の取り扱いの問題でございますが、現状では大体は、かなりの期間をもって取り扱っている方が多いと思います。これは私どもお互いに、私学の協会を持っておりますけれども、統制することができません。申し合わせで、なるべくそういうことは避けようということはいつも話に出ておりますけれども、やはりその学校学校のいろいろ自主性がございますから、それをどうするというわけにまいりません。で、現在では、なるべくそういうことはしないようにという申し合わせ程度で来ております。現状では、それは公立の発表後というところがかなり多くなっております。それが現状でございます。
○田村参考人 申しわけございませんが、そのことにつきまして資料を持ち合わせておりませんので……。
○佐藤参考人 簡単に三点だけお答えいたします。 第一点の高等学校の用地でございますが、高等学校一校を建てますのに、坪でいうと大体六千坪から一万坪ぐらいかかりますが、大変単価も高うございますし、用地が買えるというのは非常にむずかしい。また、学校の用地というのはどこでもいいというわけにはちょっとまいりませんで、そういう点で大変ぜいたくな用地を必要といたします。しかし、幸か不幸かいま景気が悪うございまして、用地の売り込みが非常に多くなっておりますが、そういうときに限って都の財政がまた非常に苦しいということで、何とも矛盾しておりますが、土地そのものは実は非常に売り込みが多うございます。ただ、私が教育長になりまして最高の値段は、坪三百五十万円という売り込みがございまして、これはどうしても私は財政的に判こが押せませんでしたが、大変高い出物が多うございます。 それから第二点は、他府県よりの子弟に対する教育費補助でございますが、これは先生がおっしゃったとおり、他府県出身者である、他府県から来ているというだけで差別は一切しないということを原則にしております。 それから第三は、私学に大変少額でございますが助成をしておりますのは、金は出しても教育には介入をしない、口を出さないというのが東京都の原則でございます。
○高石説明員 高等学校以下に対する国の財源措置には二通りありまして、地方交付税措置によるものと、直接助成、補助金によって助成するものとあるわけですが、先ほども仕組みをちょっと申し上げましたが、そういう観点で、従来は国の財源措置は、地方交付税による財源措置によって地方に十分な手当てをしていこうという仕組みで来ていたわけでございます。ところが、五十年度八十億の経常費助成が創設されたわけでございますが、この八十億の制度をつくった発想といいますのは、実は都道府県間に非常にアンバランスがある、一定の財源措置に対する措置よりも低いところの交付金しか出していない、それを引き上げて誘導していこう、いわば呼び水としての政策をとることによって全国的なレベルを上げていこうという性質の金が、実は八十億の金でございます。 したがって、この配分について現在いろいろ具体的な配分計画を検討しておりますが、まず補助金の対象といたしましては、都道府県がそれだけのお金を出していらっしゃれば、それに対して出していきましょうということを方針にしたいと思っておりますので、東京都のような場合に、他府県下の子供たちを積算として出されておる場合には当然対象にするということになろうかと思います。 それから、高校の急増問題につきましては、文部省といたしまして過去三年ぐらい予算要求をしてまいりましたが、実は先ほどの仕組みとの関連もございまして、やはり地方交付税制度による財源措置でいいのじゃないかという意見も一方においてあるわけでございます。したがいまして、今日まで実現をしていないということでございまして、地方交付税制度ないしは起債制度、そういうものについては相当手厚い措置を現在の時点でも講じておりますけれども、それではなくして直接助成をという声が非常に高まってきておることは事実でございますし、そういうことを踏まえて、来年度予算要求の問題について現在検討が加えられているというのが、現状の段階でございます。
○小林(政)委員 もう一つ、私学に対する補助と介入の問題について、私学関係の方から……。
○村井参考人 国の補助を受けるわけですから、税金ですから、その使い方について公正であるということは当然のこと、その目的はやはり教育研究の内容の向上ですから、その向上の仕方については、やはり私学が独自のやり方をするという、その原則に立っておりますので、干渉はされることはないと信じております。これはもう外国の例で、ドイツでもフランスでも、国立でも決してそういうことを受けておりませんし、英国でもどこでもそういうことを受けておりません。においてはそういうような干渉を受けておりませんので、日本でもそうだと信じております。
○石田(幸)委員 一問だけ。先ほど来いろいろ、幼児教育から高等教育に至るまで、結局その経営については、授業料収入という学生等の納付金と、私学助成、いわゆる国の助成というものを強く望んでおみえになるようでございますが、授業料収入ということになりますとこれは父兄負担ということになるわけでございまして、先ほど来、田村参考人のお話を聞いても、大変に教育の経費が増大をしておる、こういうような状態にございます。これを一挙に解決するというのは非常にむずかしいと思うのでございますけれども、そういった意味におきまして、無制限という意味ではないけれども、税金の教育費控除、これは私はどうしても必要ではないかというふうに思っているわけです。課外教育の問題等は別問題といたしまして、直接学校教育にかかる父兄負担の経費というのは、ある程度やはりこういった教育費控除を設定することが大事ではないか、いわゆる奨学金と二本立ての制度というものが私はどうしても必要ではないかと思うのですが、時間がありませんので、代表で村井参考人に御意見を承りたいのです。
○村井参考人 その点、私もちょっと言い漏らしたのですけれども、いま私学には寄付の財源がありまして、個人の所得税の控除があるのですが、父兄に対してないわけで、父兄は、いま私学は二重負担をしているということを言っておりますので、授業料で国立との差額が所得控除になりますと、父兄は非常に気持ちの上で助かると思いますので、お説のとおり、私はそういう点はぜひできることを望みたいと思います。
○横山委員長 委員長からちょっと質問したいのですが、二、三の委員から滑りどめ、二重払いの話が出ましたところ、村井参考人は、ひっかかる気持ちもあるがとおっしゃる。棚橋参考人からは、自粛をしておるというお話がございました。私は、違法ではないと思いますが、しかし、恐らく万人ともにこれは納得していない問題ではないか、そう思います。あなた方は二人とも、腹の中ではひっかかるものもあり、自粛をお考えだと思うのです。教育の関係のところでございますから、滑りどめをやっていく親の気持ちというもの、子供の気持ちというものを善意で善処をなさらなければいかないのじゃないか、受験をするための手数料が必要であったというならば、満額全部もらわないで、ある点は削っても返戻をすべきではないか。教育の場でございますから、単なる自粛、単にひっかかるもので、毎年毎年国会で議論になるのでございますから、全部返せとは言いませんが、一部を除いて返戻をなさるべきことではないか、ここまで毎年毎年国会で言われておることでございますから。もう文部省としても、たび重ねて文部大臣が国会で善処、考慮、努力を約束しておることなのでございます。どうしていつまでもこれができないのでございましょう。その点、御両所と、文部省から御返事をいただきたいと思います。
○高石説明員 実は、私学の学生が入学する際に納める金はいろいろございまして、受験料は、受験するための実費みたいなものですから、全部納める、これは当然だと思います。それから、入学金というのは、その学校に入りますという意思表示をする、そうしないと学校側で準備をするためのいろいろな準備体制が整わない、これもある程度うなずけると思うのですが、ただ、授業料とか、学校拡充費、設備の維持費であるとか、そういうものの前納システムというのがございます。そういう点はやはり相当研究していかなければならないというので、実はことし、全部の私学に対してその実態の調査を行っております。その計数で、これは私学経営の財源にもなっているものですから、一体どれぐらいの財源の依存度であるかということを分析して、これに対する措置を講じていきたいというふうに考えているわけでございます。 もう一つ、これは私学側の気持ちを推測いたしますが、実はどうしても国公立、それから私学同士の格差があるものですから、私学の方はいい学生をとって教育効果を上げていきたいという気持ちがあるわけでございます。したがいまして、そういう観点での引きとめ策ということで、前納制度というものを活用しながら、私学の教育の質を高めていこうということがあるものですから、なかなか金の問題だけで論議し得ない一面を実は前納制度については持っているようでございますので、そこで社会常識的には、一般の国民の感じとしてはそういうのはおかしいという考え方がございますので、そういうものを規制しながら、なお私学の質を維持できるような調整方法はどうあるべきかという観点で、今後いろいろな指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○村井参考人 さっきも申し上げましたように、国立と私立の間ではそういうようなことがある程度は改革できるような気がいたします、これは国の側でそういうような日時を決めればいいわけですから。残念ながら国が、先に一応国立の試験を全部終えてしまうというようなことで、それで国立と私立は一つ解決ができると思います。 私立間の場合には、個別の大学が自粛する以外にはないのじゃないか。私どもは及ばずながらそういうことを続けてきております。それですけれども、いまの入学金だけはやはり徴収するという方向でいまやっておりますが、それ以外のはしておりません。これは各校が自粛する。ただ、私ども連盟とか、いろいろなそういう会をつくっておりますので、そういう席でも個人個人で良心的な発言をもってそういう方向へ行くようにして、やはり一般の学生、父兄の非難は受けるべきではない、そこに問題があるわけですから、避けるように努力したいと思います。
○棚橋参考人 先ほど申し上げましたとおり、現在ではそういうことは非常に少なくなっておると思います。ただ、これは隣に村井先生おられますが、大学の付属などで大学と同じようなシステムでやっておるところは、前納させるというようなこともあるかと思います。 それから、寄付行為に明示されておるもの以外を取るということは厳に戒めておりますので、そういうものはないと思います。たとえば維持費とか授業料の前納とか、そういうようなことはないと思います。入学金として明示してあるものはすぐ納めさせるところもございますが、そうでない限りはそういうものは取ってない、私はそう信じております。
○横山委員長 ともあれ、多くの意見があり、毎年の国会で議論になるところでございますから、関係者の善処を求めます。 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人各位には、お忙しいところ長時間にわたり御出席をいただき、貴重な御意見をお述べくださいまして、まことにありがとうございました。ここに、委員会を代表して、厚くお礼を申し上げます。 ————◇—————
○横山委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 物価問題等に関する件について、参考人の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○横山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、参考人の人選、出頭の日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○横山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次回は、明後五日木曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時七分散会