物価問題等に関する特別委員会 第11号
- 発言数
- 51 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1975/05/20
会議録
○横山委員長 これより会議を開きます。 物価問題等に関する件、特に廃棄物の回収、再生利用に関する問題について調査を進めます。 本日は、本問題調査のため、参考人として、財団法人古紙再生促進センター専務理事岩本六男君、日本再生資源事業協同組合連合会会長金子昌明君、日本製紙連合会副会長川口利朗君、前東京工業大学教授林雄二郎君、野村総合研究所取締役生物科学研究部長松宮弘幸君、全国製紙原料連合、会会長山室仁作君、以上の方々に御出席をいただいております。 この際、一言ごあいさつを申し上げます。 参考人各位には、御多用中のところ御出席をいただき、まことにありがとうございました。 天然資源の乏しいわが国は、資源エネルギーを大量に輸入し、これを基礎に今日まで急速な経済発展を遂げてきております。しかしながら、一昨年の石油緊急事態を契機として資源不足が表面化し、資源の有効利用の促進が国の大きな政策課題となっております。政府は、資源の節約運動を推進し、国民に対して、この運動への積極的な参加と協力が得られるよう働きかけを行う必要があります。 一方、経済規模の拡大や国民生活の向上に伴って廃棄物の排出量は年々増加しており、資源に恵まれないわが国における廃棄物の再資源化と有効利用は急を要する問題で、これらを解決することが、資源の安定的供給の確保と、一定の価格水準の維持安定に大きく役立つものであります。 しかしながら、廃棄物による再資源化を推進するに当たっては、収集、運搬等回収体制問題、再資源化技術の研究開発、流通の整備と業者の育成及び市場性確保等、種々の困難な問題が内蔵されております。したがって、廃棄物の再資源化と有効利用は長期的観点から総合的にその推進を図るべきであり、国、地方公共団体、企業、消費者等が一体となって力を合わせ、おのおの役割りを果たしていく必要を痛感する次第であります。何とぞ、忌憚のない御意見をお述べ願いたいと存じます。 次に、議事の進め方といたしましては、最初に川口参考人、山室参考人、金子参考人、岩本参考人、松宮参考人、林参考人の順序で、おのおの一人十分程度、要約して御意見を賜り、その後、委員からの御質疑にお答え願いたいと存じます。 なお、念のため申し上げますが、参考人は委員長の許可を得て御発言を願い、また、委員に対しては質疑ができないことになっておりますので、さよう御承知をお願いいたします。 それでは、川口参考人にまずお願いをいたします。
○川口参考人 日本製紙連合会副会長の川口でございます。 製紙連合会は、会員会社百十社で構成されております全国の製紙メーカー団体でありまして、業界の健全な発展を図るべく対策を進めている次第でございます。 ただいまから、故紙に関する諸問題について、製紙メーカーサイドの立場から概況を御説明申し上げたいと存じますが、同時に、故紙関連の各業界全般に関することにも触れながら申し上げたいと存じますので、あらかじめ御了承をお願いいたします。 順序といたしまして、最初に、紙パ産業の現況をかいつまんで御説明申し上げ、次に、この基盤になっております原料として故紙に関する現況を御説明し、最後に、故紙の有効利用を促進するための問題点とか、これを業界としてどのように解決しようとしているかを述べまして、今後の御支援をお願いいたしたいと存じます。なお、御説明に不十分な点もございましょうが、後ほど御質疑にお答えいたしたいと思いますので、御了承願います。 わが国の紙の需要は、本年度で約千五百万トンと見られております。これは世界全体の約一〇%に当たりまして、米国に次いで第二位、また、国民一人当たりの消費量では第七位といった地位にございます。この内訳は、洋紙が五五%、板紙が四五%でございますが、これを用途別に分けてみますと、新聞用紙、書籍用紙などの文化用紙が三五%、段ボール原紙などの包装用、建材用、電気材料用などを含めました産業用が五九%、また、家庭用のティッシュペーパーなどが六%といった構成でございます。 紙の需要は、国民経済の動向と密着しております。御高承のとおり、わが国の実質GNPは、過去十年間年率約一〇%で伸びてまいりましたが、紙の需要はほぼこれと比例いたしまして、九%程度で伸び続けてまいりました。今後は、経済成長の減速に伴いまして、この伸びは五%程度にダウンしながら、しかし着実に伸びるものと予想されるわけでございます。目下のところ、紙パ産業の景気はきわめて深刻な状況にございますが、これは低成長時代への転換とか、ここ一、二年の仮需の反動、消費態度の変化などを原因とする摩擦現象であると考えられまして、これに対し早期の需要回復が切望される次第でございます。紙パ産業の問題はいろいろございますが、大きいものといたしましては、原料問題と公害対策の問題がございます。 最初に、原料問題について申し述べますと、千五百万トンの紙の需要を賄うためには、大ざっぱに申しまして約千六百万トンのパルプが必要になるわけでございます。現在、このパルプは、約千万トンの木材パルプと約六百万トンの故紙パルプで賄っているのが実情でございます。故紙はほとんど全部国内で回収しておりますが、問題はパルプ材で、おおよそ三分の二は国内材でございますが、三分の一は輸入材に依存せざるを得ない状況で、今後の増加分はすべて輸入材に頼らざるを得ないというような状況でございます。 次に、公害問題でございますが、この中心課題は排水、大気、廃棄物問題などでございます。業界では、現在、五十一年六月の全国一律規制と地区ごとの上乗せ基準を達成するために、継続投資として目下約千四百億円を投入して対策を実施中でございます。本年度につきましては、総設備投資額約二千億円強のうちで、三〇%以上の約六百三十億円が予定されております。公害対策は、ここ二、三年来技術的な対策の開発が進みまして、規制値を満足し得る状況に到達しつつございます。 次に、故紙有効利用の諸問題でございますが、故紙回収量は昭和四十八年に六百三十万トン、四十九年には約六百万トンでございました。景気の影響で多少の変化はございますが、いずれにしても、先ほど申し上げました製紙原料全体の約三五%強を占める重要な原料の源となっております。 世界各国の故紙の回収、利用状況は、それぞれの国の資源の保有状況、経済水準、技術水準などによってさまざまでございますが、米国の回収率が二〇%、英国が二六%、西独が三〇%、日本が四〇%といった状況でございまして、日本のレベルは最高水準にあります。 この背景といたしましては、まず第一に、わが国の木材資源がほぼ限界に達しているために、資源の多角的な利用がきめ細かく進展したことが挙げられます。たとえば廃材チップの利用、広葉樹材の活用、故紙の利用というようなことでございます。 次に二番目に、京浜、阪神地区など比較的高密度人口地区をバックにして、回収のための基本的な条件がございまして、回収業者の努力が非常に大きく寄与したということが申し上げられます。 また三番目に、原料の集荷の面での処理法、あるいは製紙技術の発達などが挙げられます。 現在、故紙がどの紙にどの程度使用されているかを見ますと、板紙系統で全体の故紙の約八〇%、洋紙系統で約二〇%使用しているということになります。別な言い方で申しますと、板紙は約六一%が、また洋紙は約一四%が故紙によって製造されているということになります。 なぜこのようになっているかを大まかに申しますと、故紙は基本的に白いパルプとして再使用するのに技術的に経済的にネックがございます。したがいまして、大体そのまま使える段ボール原紙あるいは白ボールの裏とか中層、石こうボードの原紙、こういった分野が一番使いやすく、ほぼ限界まで使われていると申せます。板紙系の用途はほとんどが産業用でございまして、景気の影響が大きく、これが故紙価格に影響するといったような状況にあるわけでございます。 問題は洋紙系の分野でございますが、現在かなり使用が進んでいるのがトイレットペーパーなどの家庭用紙の一部でございます。印刷紙の分野では、故紙の脱墨による利用が技術的、経済的にネックがあったわけですが、技術的な開発が進みまして、故紙利用が増加しておる傾向にございます。具体的には新聞紙と中級以下の印刷紙への有効利用がテーマでありまして、これに対し漸次対策を進めつつございます。 故紙利用のメリットと問題点について申し上げますと、まず、故紙利用の拡大によりまして資源問題に貢献することになります。また、環境問題の発生条件を軽減させることになるのはもちろんでございます。また、故紙による製紙は製品トン当たりエネルギーが少なくて済み、また、用水も非常に少なくて済むというようなメリットがございます。 しかしまた、反面では、故紙を原料として生産体制をとるには、価格、量の長期的な安定が必須条件でございまして、これなくしては投資に踏み切ることは非常に困難であるというような事情がございます。 故紙に含まれる來雑物、接着剤、インクなどの除去には、かなりの設備と費用がかかります。したがいまして、いかにして経済的に資源をサイクルさせるかをテーマに、発生源での分別とか、集荷、保管、輸送、処理技術など全般にわたって、行政面、業界内部での努力が必要でございます。 故紙による製紙には、製造上のトラブルとか紙力の劣化など品質上の問題がございまして、これを解決するため、さらに製紙技術の改善が必要でございます。 次に、今後の展望と対策について申し上げます。 故紙の製紙資源としての重要性は、資源論としてきわめて重要でございます。昭和六十年を展望した場合、紙の需要は二千五百万トンないし三千万トンぐらいの規模となるでございましょう。これを木材パルプで賄うといたしますと、巨額な資源の輸入が必要でございます。このような観点から、別に説明がございますように、古紙再生促進センターの設置がございました。この規模はまだ必ずしも十分ではございませんが、今後も官民協力して、資源の安定化と環境改善を図る努力が必要であると考えます。なお、このほか、合理的な回収方法の改善について引き続き業界での努力が必要でございますが、国益の面からも、この促進につきまして御配慮をいただきたいと考えます。 また、すでに述べましたように、製紙メーカーとしては処理技術をさらに高め、経済性のある故紙の高度利用の開発を進めることが大切でございます。この分野の技術開発の促進につきましても、御支援をいただきたいと存じます。 以上、はなはだ簡単でございますが、これをもって一応の御説明といたします。
○横山委員長 ありがとうございました。 次に、山室参考人にお願いをいたします。
○山室参考人 全国製紙原料連合会の山室でございます。 私は、全国におきまする故紙の直納問屋、わかりやすく申し上げれば製紙メーカーに故紙を納入する業者でございますが、その直納問屋の立場から、故紙問題について御説明させていただきたいと思います。 この全国製紙原料連合会というものは、北海道から九州までの各地区十七組合をもちまして構成せられておるものでございます。ただいまも詳細に御説明のありましたように、故紙の製紙原料としての重要性にかんがみまして、広く全国組織の総意を結集して共通の利益を図りまして、近代化、合理化を助長いたし、商権の擁護とその健全なる発展を期することを目的といたしまして、故紙の需給、価格の安定等を図るために、実は隔月に全国の常任理事会を開催して市況、情報の交換をいたしまして、官公庁及び関連団体との連絡、要望、折衝を行ってまいりまして、今日まで少なくとも私は大いなる成果を上げたというふうに信じておるわけでございます。 この直納問屋の数は、全国およそ六百四十社ございます。昭和四十九年暦年の総出荷数量は、ただいま川口参考人の御説明にもあったように約六百万トン、詳細申し上げれば五百八十六万二千トンということになっております。金額にいたしまして二千十八億四千万円近くなっているわけでございます。一カ月の平均の出荷数量は四十八万八千五百トンでございますが、四十九年の五月までは五十万トンを超えていたものが、実は六月以降四十万トン台となり、十二月には三十六万七千トン、しかも本年の一月以降につきましては三十五万トン台と、出荷数量が極端に落ち込んできたわけでございます。 たとえば、四十八年の十一月から四十九年の一月までと、四十九年の十一月から五十年一月までの三カ月間の平均を対比してみますと、出荷数量におきましては三五%の減、金額におきましては実に七〇・七%も減少しておるわけでございまして、この減産率の七〇・七%という数字は、他の業種にまずないと思われるわけでございます。しかも固定比率というものは五六・八%と、またこれも他の産業に比しまして極端に高い比率を占めているわけでございます。これは、製紙産業、特に板紙産業の極度の不況によります減産のために、原料たる故紙に対する購入が強度に抑制、制限せられた結果と言えるわけでございます。 御案内のごとく、故紙は、細かく集めまして、選別加工いたしましてまとめて出荷する労働集約型の企業でございます。したがって、人手を多く要しまして、しかも製紙原料としてしか使用せられない商品なのでございまして、もしこれが使用せられなければ当然ごみ化し、そして清掃の御厄介になるのみでございまして、パルプ原木、チップ等、木材資源の節約の上からもきわめて重要なる再生資源であり、その有効利用が必要であろうと考えるわけでございます。これらを回収しておりますのは、買い出し人あるいは収集人というきわめて零細なる人々が日夜その集荷に努力をいたしまして、これらの人々の生活擁護上からも、社会政策上からもなおざりにでき得ない多くの問題点を抱えているわけでございます。 価格におきましても、昨年の春と比較いたしまして現在は五分の一に値下がりをいたしまして、かつ余剰が著しく、財団法人古紙再生促進センターの備蓄以外にも、われわれ直納問屋といたしましても、昨年の夏以降、極力集荷離散を避けまして、集荷機構を維持する。また、買い出し人の生活擁護のために、余剰したものの吸収を図りまして、自社の倉庫にはもちろん、遠隔地の土地までも借りまして、現在相当額の経費を払って自社備蓄を図って、その量も現在は関東一円に約十万トン、関西地区におきましては六万五千トン、中部地区におきましては三万トン、その他の地区を合わせますと優に二十万トンを軽く突破いたしまして、その在庫品の値下がりと出荷数量の減少のために、直納問屋というものは非常な赤字にあえぎまして、その経営は現在すこぶる苦境に追い込まれておるというの。が現実でございます。 価格問題に触れてまいりますと、現行の価格は、古新聞について見ますと、静岡の富士地区、メーカー持ち込み到着価格でキロ当たり十二円ないし十三円、トン当たりにいたしますと一万二千円から一万三千円でございますが、これを流通段階別に見ますと、家庭よりの買い入れ値は五十銭あるいは一円で買います。買い出し人は三円ないし四円取りまして、そして四円ないし五円で立て場――関西地区におきましてはヨセヤと言われておりますが、立て場に売ります。立て場は二円ないし三円の経費をかけて問屋に七円ないし八円で売るわけでございます。問屋は立て場まで引き取りに行きまして現金でお支払いする。さらに静岡までの運賃キロ当たり二円を加算いたしますと、十二円、十三円では相当額の赤字ということになっているわけでございます。 昨年、需要業界、集荷業界におきましては、問屋サイドは非常に利潤を取り過ぎているのではないかというようなことを言われてまいりましたが、大体百トン入荷したものが百トン出荷できるならば問題はございませんが、百トンのうち五十トンないし六十トンしか出荷できない状態でございまして、あとの四十トン、五十トンというものは手持ち在庫となりまして、これがたまりたまって、先ほど申し上げましたように全国で二十数万トンという自家備蓄、自家在庫を抱える結果になっているわけでございます。 出荷量の極端に落ち込んでいる現在におきましては、東京数社の直納問屋の一キロ当たりの平均経費というものは大体八円二十八銭を要しております。その内訳を申し上げますと、給料及び福利厚生費、これは賞与を含んでおりませんが三円二十九銭、運送費が一円七十四銭、支払い利息が一円十八銭、旅費、交通費、交際費が三十六銭、水道、光熱、図書費が十七銭、火災保険料が十二銭、通信、事務用品その他四十銭、修繕費が七銭、雑費九銭、減価償却八十六銭、以上、このような計算でまいりますと、八円二十八銭というものを要するわけでございます。従業員も、重労働をなすために、他の産業よりも一〇%程度高い給料を支払わなければ集まりません。昨年よりベースアップというものが大きく経費にはね返りまして、さらに支払い利息におきましても、メーカーは全部五カ月ないし六カ月の手形決済のために割引利息の加重、さらに立て場よりの引き取り運賃、メーカーへの持ち込み運賃等がこれに加わり、これだけでも一キログラム当たり六円以上の経費がかかっているわけでございます。 昨年十一月より、大手の直納問屋は月々一千万ないし一千五百万円、小規模の直納問屋サイドにおきましても毎月二百万ないし三百万円の赤字を計上いたしまして、御案内のように資金にも制限があり、さらに手持ち在庫の値下がり損を加えますれば、企業経営も全く憂慮すべき状態になっているわけでございます。 そこで、現在、中小企業信用保険法の倒産関連特別保証制度によりますところの不況業種指定をすでに三月三日に受けさせていただき、さらに、三月の上旬に民間金融機関によりますところの中小企業救済特別融資制度も申請いたしまして、その借入枠の設定を実はお待ちしている状態で、早急にこの点につきましては救済融資をお願いいたす次第でございます。 長期的に見ますと、故紙の需要が増大することは十分予想せられるわけでございます。したがって、われわれも回収増強のためにあらゆる努力を払うつもりではございますが、この際、故紙回収に対しましての国の強力なる御援助を願うと同時に、現在の価格は、物価上昇を考えるときに史上最低の価格とも言えるわけでございます。すべからく供給業界の採算の合う、しかも需要業界の納得のいく安定価格の樹立ということが望ましい次第でございます。それは、古新聞におきましても、メーカー工場価格にいたしますれば二十五円ないし二十八円、段ボールくずにおきましては三十円ないし三十三円ぐらいの価格が妥当であり、望ましい価格と思われるわけでございます。 最後に要望いたしたき点につきましては、故紙の処理加工業としての加工業への日本標準産業分類の改正を願いたいことでございます。昭和四十年に行政管理庁統計基準局に再三お願いいたしまして、従来中分類の卸売業の雑業から、小分類の再生資源卸売業、細分類におきましては故紙卸売業と改正していただいたわけでございます。しかし、その後九〇%近くは、それぞれこの業者は実は圧縮梱包機を導入いたしまして、機械化を促進しております。さらに、最近は一機数千万円というシュレッダーをつけたベーリングマシンの設置もいたしまして、近代化、機械化を図りつつあるわけでございます。したがって、単純なる卸売業ではなく加工業であり、鉄くずのスクラップの業界とともにぜひこの点につきましての改定をお願いしたい、かように考えるわけでございます。これは金融機関よりの借り入れに際しましては、商業というものと加工業とは相当の差異がございまして、また、中小企業といたしましての商業と工業とでは、金融機関のみならず、あらゆる方面において実は相違があるわけでございます。統計基準局におかれましては、単なる統計上の分類としてなかなか認められなく、この点よろしく御援助と御協力をお願いいたしたい、かように考えるわけでございます。 要するに、直納業界といたしましては、今後一層機械化、合理化、集約化を図りまして、さらに系列化を図っていきたい。今回のこの不況により、多くの回収業者の転廃業を実は耳にいたしております。しかし、姿勢の正しい系列化された立て場は、一社も転廃業をいたしておりません。直納業界といたしましては、現在の流通機構を維持していくために、それぞれを本当に系列化し、そして大型化し、機械化していくことを極力図りまして、コストの節約を図り、需要業界に対し、安定した価格によりまして安定供給を実現すべく実は努力していきたいと考えております。このためには、国の低利の設備資金のあっせんをお願いいたしますとともに、総合商社のスポット的な取引を抑制して、専業者としての直納業界の育成を特にこの席をかりてお願いいたしまして、簡単な御説明にかえさせていただきます。
○横山委員長 ありがとうございました。 まだ四人の方のお話をいただくのでございますが、大変恐縮でございますが、十分程度にお願いいたします。 次に、金子参考人にお伺いをいたします。
○金子参考人 日本再生資源事業協同組合連合会の会長でございます金子でございます。 日本再生資源事業協同組合連合会というのはどういう組織であるかというふうなことから御説明を申し上げたいと思います。 一般に関東地区におきましては立て場というのがございます。これも関西ではヨセヤと言っているのですけれども、再生資源、要するに廃品の中から再利用できる資源というものを回収する業者で組織をされておりまして、北は北海道から九州まで、十ブロックにブロック制度を設けまして、連合会の運営を図っておるものでございます。 この会員につきましては、現在のところは五千二百名というところがわれわれの正式の会員でございます。ただ、このほかに、正式会員以外の未組織の業者が約同数以上あるだろうという推定をされておるわけでございます。 われわれの業態というものはどういうものかと申しますと、いま話題に出ておりますところの故紙、新聞紙あるいは段ボールあるいは雑誌、こういう故紙を集めるのと同時に、鉄くず、ガラス、びん、あるいは非鉄金属、こういう雑多なものを取り扱っておりまして、主として家庭から発生するところの再生利用できるものを集めておるのがわれわれの業界でございます。 内容を申し上げますと、五千二百店舗、あるいはまた未組織のそれ以上の、約一万から一万二、三千おるこの店舗の中で、通常四、五名の買い出し人というのがございます。あるいはまた、一ころ大分話題になりましたちり紙交換というふうなものを全部網羅いたしておるわけでございまして、大体これの数は、五名から、あるいは多いところで十数名というようなところもございます。都市におきましては、扱い数量では故紙関係が大体七〇%、それから鉄スクラップ関係が大体二〇%、その他がぴんとか、あるいはぼろとか、あるいはガラスの割れたものとかというふうなもので約一〇%、こういう営業形態でございますが、都市を離れて地方に行きますと、これが若干比重が変わってまいりまして、鉄スクラップ関係の方が多いというふうなところもございます。 その扱っておる数量でございますけれども、家庭から排出されるものは大体一〇〇%われわれの回収機構の中で回収をしております。その扱ったものが、故紙の場合で言うならば全原連の方々の名前を通してメーカーさんに入る、あるいは鉄のスクラップの場合もやはり同じことで、問屋さんを通してメーカーさんに納めておるというのがわれわれの業態でございます。 そこで、私どもがいま最も問題としておることは、ただいま申し上げましたようにちり紙交換、あるいはまた買い出し人、こういう制度で各家庭を回り、あるいはまた小さい各工場を回って集めてくるわけでございますけれども、本当の労働集約型の企業でございます。しかも企業そのものが非常に零細でございます。一つのお店では大体主入が一生懸命働き、あるいはまた奥さんも手伝う、そういう中で、十数名いまいる買い出し人であっても、一日に持ってくる量というものは微々たる数量が集まっておるというふうな形で、非常に雰細企業でございます。 いま私どもが業界として問題点として取り上げておりますのは、こういう零細企業であるがために現代の企業としての適格性に非常に欠けておるというふうなことは、これはもうみずから認めざるを得ない状況でございます。しかし、なぜこういう零細企業で一歩前に進めないかというふうな問題を究明してまいりますと、これはただわれわれが零細である、小さいということばかりではなく、その大半の責任といいますか、原因と申すものは、経済的側面から見たところの流通過程のあり方に問題がある。 その顕著な例は、昨年まで続いておりました、扱い品目の中でも大きなウエートを占める鉄くずでございますが、鉄くずの合理化カルテルというふうなものが十九年続いておりました。価格面では不当に抑圧をされ、一般物価の騰勢にもかかわらず、昭和三十八年から四十八年までの平均価格が一万六千七百円。集荷するコスト、運搬賃、こういったものから考えても、実情を無視したような低価格に抑えられておったというところにも問題があるわけでございます。 また、故紙の問題につきましては、単価の不安定というふうな問題が絶えずあるわけでございます。これはもちろん需給のバランスの中でこういう価格の安定ということが望めないという問題もあろうとは思いますけれども、その価格の不安定以上に、ある時期には買いどめ、ある時期には出荷の制限、あるときにはもう、ごみとして燃した方がいいのじゃないか、破棄した方がいいのじゃないかというふうな状態まで追い込まれてきた、そういう繰り返しを続けておったがために、大きな設備の投資とかあるいは拡充というふうなことがわれわれ業界にはなかなかできなかったというところにも、非常に大きな問題があるわけでございます。 今日ただいまでも、いま皆さんからるる御説明をいただきましたように、私ども業界としていま故紙を問屋さんに買っていただいておる単価は、都市周辺で新聞それから段ボールは大体七円でございます。雑誌類に至っては二円から三円、一トンで二千円から三千円ということでございます。いま各地方都市のゴミの清掃費というものが、大体一万円から一万一千円と言われております。その中で、われわれの扱っておる故紙に至っては、ある地方によっては六千円であり、東京あるいはこういった都会地でも七千円、雑誌類に至っては二千円とか三千円。したがいまして、これを買う値段になりますと今度は五千円、あるいは雑誌では、ただもらって、そこへ置いておきなさいと言わざるを得ないというのがいまの状況でございます。こういうところまで追い込まれてみますと、業界として零細企業を大きく伸展させようということが非常に困難になる。 しかもまた、昨年の五月、いまごろの時点では、新聞紙あるいは段ボール等が五十五円から六十円近くまでなったわけでございます。こういう事態にわれわれとしましては、山高ければ谷深し、これではいけない、いまの日本の再生資源業界というものはこれではいけないという考えの中でおったときに、たまたま通産省から指導価格が出てまいりました。十五円下げて、四十五円が通産省の指導価格であるがために、この四十五円まで下げなさい、こういうふうなことで、率先をして賛成してこれは実行してまいったわけでございますけれども、その反面、この高騰の時点で通産省の指導価格が出てまいりましたけれども、今日現在、ごみの半分値段だというふうな時点のときになって、ではこの最低の保証価格というものがしてもらえたかというと、これは一切なっていない。したがいまして、こういうところにも、要望としてまた後でお願いをいたしますけれども、われわれの業界としては零細企業という域をなかなか出られない。 そこで、私ども日本再生資源事業協同組合の下部の養成あるいは指導、こういった問題につきましては、あくまでも業界自身で守ろうではないかというふうな考えの中に、四、五年前から集団回収方式というものを大きく取り上げてまいっております。この集団回収という方法は、いまの国内の地方自治体で清掃をしておるごみの中には、もちろん、故紙を初め鉄くず、あるいはびん、こういったものも含まれますが、三〇%以上のものが再利用できる原料として入っておるわけでございます。こういったものをあくまでも集団で、何人かの共同の中で、市あるいは地方自治体、こういったものと結びつきながら、また町内会の方々とお話を進めながら、まとまったものを定期的に回収していこう、それを原料として活用してまいろうというふうな考えの中で、この集団回収方式というものを目下進めております。 これは、もちろん地方の清掃行政というものへの協力もあります。あるいはまた、環境保全という問題も当然考えております。また、もっと大きな問題では、これほど資源が不足しておるわれわれ業界の中にあって、資源のリサイクルというふうな問題を真剣に検討した中で、この集団回収方法というものを進めてまいっております。近くの例で申しますと、東京二十三区の中で十八区がこれに賛成をいたしまして、十八区の中でこの集団回収を進めております。あるいはまた、近いところでは、横浜市におきましては、約二千二百の町内会の中で、今日現在千八百町内会を神奈川県の資源回収業者が手がけてこれを実施しております。 もちろん、この集団回収方式というのは、従来個々の零細企業で一人一人でやっておったというものを抜本的に改めるべく、協業組合という形に持っていく第一歩であろうという形の中で、あるいはまた、その前提としての共同販売というふうなものを計画いたしながら、この集団回収の問題に取っ組んでおるわけでございます。私どもの日本再生資源事業協同組合といたしましては、このような考えの中でいろいろな事業を進め、あるいはまた、それが合理化につながっていくべく目下努力をしておるわけでございます。 そこで、最後に要望と申しますか、お願いを申し上げたいことがございます。 ぜひとも行政当局にお願いいたしたいのは、日ごろわれわれは、故紙は資源なのかごみなのかということでいつも迷っておるということがございます。先ほども申し上げましたように、足りないときには、国の宝だから故紙を集めなさい、あるいはまた、故紙一トンは立木二十本に相当するので、国策上集めろ集めろと言ってやるわけでございますけれども、一たん今日みたいなこういう情勢になると、燃した方がいい、ごみとして捨てた方がいいのではないかというようなところで、絶えずこの問題については私ども自身が迷っておるというふうなことでございます。したがいまして、昨年のような五十五円とか六十円とか、こういう大きな単価のスライドなどというのは当然望んでおりません。少なくとも先ほども全原連から申されましたような二十五円あるいは三十円、最低三十円くらいなところの価格の保証と申しますか、そういった面に対する御尽力、御指導をひとつぜひともお願い申し上げたいと思います。 それから第二番目には、この集団回収に対して、ぜひともひとつ特別なる助成をお願い申し上げたい。もちろん、この集団回収につきましては、先ほどもるる申し上げましたように、これは地方の公共団体あるいは地方の自治体、こういったものと結びつきながら、公共性のある社会的な仕事に真剣に取っ組んでおります。それからまた、今後におきましても、これは全国的に普及をして進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございまして、どうかこの集団回収方式につきましても何らかの助成の措置をぜひともお願い申し上げたい。 第三番目には、こういう集団回収方式あるいはまた協業化、共同販売、こういったものを進める上で、近く正式に文書をもってお願いに上がる手はずになってございますけれども、近促法の適用をどうしても受けさせていただきたい。これによりまして金融面における御援助方をお願い申し上げたいということでございます。 それから四番目には、事業税の撤廃をぜひひとつお願い申し上げたい。これほど資源が枯渇しておる、あるいは大事な国の宝だというふうな形の中で、ただいまも申し上げますように、公共性ある、社会性あるこういった仕事に真剣に取っ組んでおるわけでございますけれども、私どものこの集団回収という問題につきましては、ぜひともひとつ公共性というものを前面に押し出しまして、何とかこの事業税の撤廃までいかなくとも、少なくとも減免はひとつお願いを申し上げたいという考えでございます。どうかよろしくひとつこの点お願いを申し上げたいと思います。 それから、最後のことでございますけれども、これは先ほどから申し上げますとおり、私どもの業界といたしましては、たとえ六円に下げられても七円に下げられても、これが自分たちに与えられた天職であろうと思って努力をしておるわけでございます。あるいはまた、これが大きく国家の経済政策にマッチするというような考えの中で事業を進めておるわけでございますけれども、何といたしましても一番大きな問題は土地の問題でございます。集団回収を進め、あるいはまた、現在のような都市状況の中にありまして、自分たちが自主備蓄ということで盛んにやっておりますけれども、なかなかネックになっておるのは土地の問題でございます。どうか公有地、あるいは国有地、あるいは市有地、県有地、こういったところをぜひともひとつ便宜をいただきまして、この国家的な資源回収という事業が何とかスムーズにいくよう、ひとつ格別なお取り計らいあるいはまた御援助方をお願い申し上げたいと思います。 以上で私のお願いを終わります。
○横山委員長 ありがとうございました。 大変恐縮でございますが、委員の質問もございますし、時間がなくなりますので、お時間をひとつよろしく十分程度にお願いいたします。 次は、岩本参考人にお願いいたします。
○岩本参考人 財団法人古紙再生促進センターの専務理事の岩本であります。 財団法人古紙再生促進センターの設立趣旨について最初に申し述べたいと思います。 センターの設立は、昨年の三月二十六日でございました。その主たる目的は次のものがございます。 まず最初に、故紙の回収の増強を図り、故紙の再生利用を推進することでございます。これは、国民の経済向上、文化の向上に伴い、紙類の需要増大をもたらすことは事実でございます。紙の原料の大半は木材でございますので、故紙の再生利用を促進することは、森林資源の保全、かつまた都市の清掃事業費の負担節減につながるものでございます。この観点から、故紙の活用は省資源、生活の環境美化につながります。したがいまして、故紙の再生利用増大というこの必要性を十分一般国民の方に知らしめるために啓蒙宣伝を行うことを趣旨としてやっております。 次に、故紙回収業界の整備を目的といたしております。これは、故紙の回収機構が複雑多岐でございまして、また、先ほどいろいろ業界から述べられましたように、回収業界は零細規模のものがほとんどでございます。それゆえに、需給変動の影響を受けまして、回収量、価格ともきわめて不安定でございます。そこで、故紙の回収増強を図るため、早急に回収業界の基盤育成、回収方法、回収機構の近代化と省力化を強力に推進する必要があります。 三番目は、故紙の回収増強、利用を促進することとあわせまして、故紙の需給安定の緊急的改善に資するために、備蓄の施設の増強、その運営を行う必要がございます。この三点が主たる設立の目的でございます。 この設立目的に沿って、これらの対策を推進することと実行に移すことが必要でございますので、センターといたしましては次の事業を行っております。 まず、広報宣伝事業でございます。これは故紙の回収増強、再生促進に関する広報宣伝でございますが、四十九年度は政府から半額の補助を受けまして、合計五千百万円の事業を行いました。この事業は、ポスター、パンフレット、パネル、リーフレット、ステッカー、映画等を作成いたしまして、地方公共団体、一般家庭に、長期的展望に立って資源の大切さを認識していただき、故紙の回収に協力していただくように呼びかけたものでございます。 次に、債務保証事業でございます。四十九年度は政府より債務保証事業基金造成補助金の半額の一億一千万円を受けまして、民間から同額これに補充し、同基金といたしまして二億二千万円を造成いたしました。五十年度は三億円の基金造成を予定いたしております。これには政府から一億五千万円の補助を受けることになっております。債務保証基金は、四十九年度から三年間、つまり五十一年度までに合計十億円の基金を造成することにしております。この基金をもちまして、供給業界の整備に取りかかり、近代化設備に要する資金の確保に対する債務保証を行うものでございます。 次に、備蓄事業がございます。これは備蓄業務と備蓄場建設でございます。 備蓄は、故紙の需給の急変に対処すべく、昨年六月、行政当局の指導に基づいて夏季の緊急備蓄を行いました。これには日本興業銀行、日本長期信用銀行、日本不動産銀行の三行の協調融資十五億を借り受けまして、故紙を約六万トン、各地域に積み込みを完了いたしました。しかし、この夏季緊急備蓄のみでは、消費水準の落ち込みが激しいため供給過剰の状況は解消できませず、十月より商工組合中央金庫の十五億円をさらに借り受けまして、第二次備蓄を行いました。年度末までに約九万一千トン、合計十五万トン、金額にして約三十億円の資金をもって備蓄を行ったわけでございます。このほかに、価格下落に伴いまして、故紙の買い出し人の救済を目的とした特別備蓄も計画いたしましたが、これは実施に至りませんでした。 以上の十五万トンの備蓄量は、四十九年暦年の月平均消費量の三〇・七%、約九日分に相当いたします。当センターがそういう備蓄を十五万トンいたしたにもかかわらず、故紙需給の安定化にはほど遠く、故紙の供給過剰感は払拭できません。価格は下落を続け、末端回収機構の買い出し人、チリ紙交換者などを一部廃転業に追いやり、社会問題にまで発展する様相を呈したのでございます。当センターのみの対策にはやはり限界があることを痛感いたしております。今後の備蓄事業実施の上でもより効果あらしめるよう努力するとともに、備蓄基金の造成に着手することが急務かと存じます。 次に、備蓄場の建設でございますが、ただいま業界からの資金として、三年間に製紙メーカーの需要者側が二十四億円、供給者業界が六億円、合計三十億円をもって建設資金に充当することになっております。五十年度は十五万トンの備蓄品の放出後、備蓄場建設に着手する予定でございます。 以上、簡単でございますが、設立に至る経緯と事業の大筋を申し述べた次第でございます。 最後に、諸先生方にお願いがございますが、ただいまから申し上げます点について御理解と今後の御協力を下さるよう伏してお願い申し上げます。 第一点は、資源小国のわが国にとって、故紙は木材に匹敵し、故紙一トンは立木の二十本に相当すると言われておりますので、たまたま不況時の余剰故紙を十分ストックできるよう、備蓄基金造成の必要性が痛感されますので、政府としてもこれに御援助賜りたいと存じます。 第二点は、備蓄するには備蓄場の確保が必要でございます。民間資金の三十億円では幾らも確保することができないかと思いますので、国、地方公共団体の低廉な土地を提供くださるようお願いする次第でございます。 第三点は、センターに対する寄付金の取り扱いでございますが、センターの公共性、公益性の観点から、寄付金を損金算入できる方法を講じていただければと念願いたしております。民間企業の現状から、寄付金納入は大変むずかしくなってきております。 第四点は、故紙の再生利用による製品について需要開拓が急務でございますが、これについて国、公共機関が優先して故紙系製品を使用するよう御尽力くださるようお願いするとともに、通産省にもこれらの対策を講じていただくようにお願いいたしております。 以上をもちまして、私の話は終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○横山委員長 ありがとうございました。 次に、松宮参考人にお願いいたします。
○松宮参考人 野村総合研究所の松宮でございます。 本日は、野村総合研究所を中心といたしまして、従来取り上げてまいりました散在性廃棄物、特に空きかんの回収とその利用ということに関して行ってまいりました調査研究の基本的な考え方、そしてその結果についての概略、そして残りました問題というものを申し上げたいと思います。 普通の廃棄物と違いまして、この空きかんの中でも特に散在する、散らかっているという状態のごみは、ほかの物がわりとかたまって廃棄されるケースが多いのに対して、非常に散らばっているというところが一つの特徴でございます。したがいまして、これを回収するというのも非常にエネルギーといいますか、費用のかかるものでございます。これは感覚的にわかることでございますが。この問題に関連を持っております幾つかの要因、それからかんが捨てられることに関係している幾つかの主体といいますか、団体を明らかにして、次に有効な回収、そして処理システムを形成していこうということを目標にいたしまして、この問題を研究対象として取り上げました。 いままで、物を捨てるということ、あるいは捨てられるということに関しては、ほとんど実態が知られておりません。問題がよくわからないということ。次に、それが何らかの形で、簡単な方法で散在を防ぐことができるかといいますと、捨てるべからずという一枚の立て札で、物が捨てられなくなってきれいになるということはまずございません。 それから、関与している主体、まあ団体ですが、ごみ全般ということになりますと、地方自治体、かんのメーカー、かんに中身を詰めたかん詰めのメーカー、そしてそれを売った販売者、そしてそれを飲んだ人、消費者、そしてそれを回収、処理する業者というふうなものが複雑に絡まっております。したがいまして、この問題の解決に向かうためには、これらの多くの主体がシステムの形成に協力をしなければ多分解決はしないだろうというふうに考えました。まあ、だれが悪い、かれが悪いということでは問題は解決しないだろうということであります。 次に、問題の中身の性格も明らかにしていきますと、いままでと比べてどこが違っていたかというと、人間の生活ですから、使って要らなくなった物を捨てるということはあるわけですが、捨てる物の量、それから捨てる物の質、内容の変化があったわけで、たとえば捨て場所とか捨て方につきましても、最近ではもう、焼けばまた煙が出るとか、あるいは捨てるべき場所もなくなってきたとかいうふうに、生活にマイナスを与えるようになってきたわけです。さらに、要らなくなった物はもう何の役にも立たないかということでなくて、むしろ資源的な観点から再利用するということが見直されてきたわけです。 もう少し問題と対策というふうにこれを考えてみますと、どういうことが問題として起こるかといいますと、まず捨てるということで起こります問題は、それによって環境が破壊される。また、ある場合には安全を損なう。それからまた、極端な言い方ですが、よそのうちの庭にごみを投げたというと、投げられた方の人に感情的な問題も出てくるわけです。回収のための問題としましては、回収のコスト、その費用負担、さらには処理に伴う二次公害というようなことを考えなければならないわけです。 そこで、対策といたしましては、捨てられる性質の物、まあ非常に多くの物が捨てられるという運命を持っておるわけですが、それにつきましては無害化とか公害を起こさないというような制限を加えたり、あるいは人間の捨てるという行為をある程度抑制したり、捨てられたことに関する損害補償といいますか、被害補償といいますか、そういうものを考える。それから回収については、できるだけ散らからないような、同じ捨てるにしても散らかし捨てというのと集め捨てという考え方があるかと思いますが、できるだけ集め捨てを助長するということで回収のエネルギーを節約する。二つ目に、その回収についての技術を開発する。三番目に、さらに回収された物についての処理、利用システムの開発ということを考えていかなければならないと思います。 そこで、そういった具体的な対策を考えるときに、いままでに幾つもありましたけれども、あるものがだめであれば全然別の方法を持ってくるということをよく提案する場合もございますが、かんというものが持っております食品包装容器としての便利さと、それに伴って、それが使用されたということの損失とのトレードオフということを考えなければいけないだろうし、また、回収処理に関しては二次的な影響ということを考えていかなければならないわけです。 こういったような考え方が基盤になりまして、われわれ野村総合研究所だけでございませんで、非常に多くの方々に参加していただきました霧ケ峰プロジェクトチームというものを形成いたしまして、特に散らかすということの実態調査、それについて野外で行い得る幾つかの実験も行いました。それにつきましての詳細が、たくさん部数を持ってこなかったので大変恐縮なんですが、この「カンコロジー入門」というのに書いてございます。中には多少漫画やら何やらいろいろなことがごちゃごちゃと書いてございますので、おひまなときに頭休めの材料としてでもごらんいただきたいと思いますけれども、これは観光地という場所で行いました。それから、同様の調査が現在市街地についても行われてまいっております。 その結果、その最初の段階でわかりましたことは、基本的にわれわれ人間は物を捨てるということに恥ずかしみを持っておる、それに加えて、なかなか適切に、なるべく散らかさないようにうまいぐあいのところにごみ箱が配置されていないといいますか、要するに回収のシステムが不十分であるということなどがわかってきたわけです。さらに、そういうものを適正に配置したりいたしますと、集め捨てということがある程度効率化されるということがわかってまいりました。 回収のコストそのものについては、一般的にどのくらいかかるということはなかなか言いにくうございます。ただ、この段階で言えることは、散らかっているものよりある程度集まって捨てられたものの方がはるかに安い、集まっている方がいい、これはまあ当然のことなんです。 次には、回収をしました後の処理につきましてある程度の実験を行ってきたわけです。食品を中心といたしますいわゆる金属かんというのは、ほとんどが鉄かんあるいは鉄、アルミの複合かんでございまして、一般的に鉄のスクラップの処理法としては三つの方法がよくとられるわけですが、ほかのごみとまじっているような場合によくとられることは、焼いて固めるとか、あるいは分別するということですが、ただ集めて何らかの処理を施して埋め立てなどに使うということは、先ほども申し上げましたようにもう限界があるだろうということ。さらに、資源の有効利用という観点からは、一の方法は余り望ましくない。 二番目には、製鉄プロセスの中に返してやるということも考えられます。この問題につきましては、私どもではちょっと手が出ませんので、どなたか検討していただかなければならないと思いますが、私の知る限りのことでございますと、アルミとの複合かん、さらには塗料がついているということから、製鉄のプロセスの中に返すのに幾つかの問題があるかのように伺っております。 三番目の方法として、銅山の青水の中に浸して銅を回収する。そうしますと、鉄かんの鉄が溶けます。銅を回収するのにいわゆるスクラップとして使う、こういう方法の方がどうやら有効利用の道であろう、あるいは二次汚染的なものの軽減にも役に立つであろうと思っておりますが、現在のところは第一段階の鉄かんで沈でん銅をとるということを試験的に行っております。今後の問題としましては、その後の、鉄を沈でんさせなければならないというような問題もございますけれども、過去においてスクラップの利用は行われてなかったわけではありませんし、いままでにも銅の回収に青水の中に単に浸すということはやられてきたわけですが、われわれの取り上げました試験研究では、それをある程度積極的に、時間的にも促進した形で行って、一応の高成果を上げたというふうに考えております。 なお、今後の問題としましては、先ほど申し上げましたような散在防止、そして回収ということと、いま申し上げましたその処理、利用というところは、ある程度別々に行った試験研究の成果でございますけれども、それを社会全体として一つのシステムに含まなければいけないわけですが、どこか一つの機関、あるいはどこか一つの企業、あるいは団体がこれを遂行するということは、非常にむずかしいだろうと思います。先ほど冒頭部分で申し上げましたように、非常に多くの主体が関連しておるということから、その対策を考える場合でも、あるいは有効な処理、利用ということを考えれば考えるほど、多くの団体の協力と、そしてそれのシステム化ということが進められなければならないかと思います。 なお、いままで申し上げてまいりました内容は、非常に試験研究的な段階のものでございまして、性格に物価とどういうふうに関連するかということは、非常に申し上げにくうございますが、従来のいわゆる処女資源の利用ということに比べますと、当然費用的には回収利用の方が高くならざるを得ないかと思いますが、少なくとも金属かん、空かんの場合について考えてみますと、やはり一番ネックになるところは、回収のコストが地形、地理、人口その他の状況によって非常に変化をするので、そういうところがあるいはネックになるのではないかと思うわけでございます。 また、そうは言いながら、処女資源よりも高いとは言っても、副次的ないろんな効果、価値があるということから考えて、こうしたシステムの開発が今後継続され、そして有効に作動するということの必要を痛切に感ずる次第でございます。 以上、簡単でございますが、御説明を終わります。
○横山委員長 ありがとうございました。 最後に、林参考人にお願いいたします。
○林参考人 林でございます。 時間がありませんので、私の考えておりますことを、結論だけ申し上げたいと思います。 現代の社会は、申すまでもなく工業化社会というよりも高度工業化社会と言った方がいいかと思いますけれども、工業社会と農業社会と比べた場合にいろいろな違いがございますが、最も基本的な違い、これは社会的な機能の違いというふうに言ったらいいかと思います。最も基本的な違いは、農業と工業という二つの産業の基本的な性格の違いなのでありますけれども、農業という産業が基本的にリサイクルインダストリー、つまり資源再循環型の産業であるのに対しまして、工業というのはそうではないということです。これは非常に基本的な性格の相違であります。 だれが考えてもわかることでございますけれども、ことしの秋の取り入れによって得られました収穫物というのは、大半は人間によって食べられるわけですけれども、そのうちの一部は翌年の種まきといいますか、翌年の作付のときの原料になるわけです。そうしてそれを原料にして、秋にまた収穫をするわけですが、この収穫物の一部は、またその翌年の生産のときに原料になるわけです。つまり、製品がその次のプロダクションの原料になる、こういうことを毎年繰り返しているわけですが、それがしかも季節の循環と非常にぴったりと結びつきまして、春は作付が行われ、夏はそれが成長し草取りをしたりして、秋になるとそれを取り入れる、そういうことが毎年繰り返されるわけです。したがいまして、農業社会というのは、人間の生活、それから習慣、社会的ないろいろなしきたり、そういうすべてのものが、そういった一つの循環の上に組み立てられてきております。 ところが、工業の場合はそこのところが非常に違いまして、工業は生産のたびに原料を集めてまいります。そうして、この原料とエネルギーを使って、原料もエネルギーもその都度集めてくるわけですが、それによって生産活動が営まれて、最終製品、それは原則として全部消費されてしまう。最終製品がそのまま農業のようにその次の生産のときの原料になるというようなことは、原則としてはないわけです。原則としては、と申し上げましたことは、きょういろいろ御説明がありましたように、紙であるとか、あるいはスクラップであるとかというものもありますから、工業でも全然ないことはないのですけれども、原則としてはないということでございます。したがいまして、その原料、エネルギーというものは絶えず調達ができるわけです。季節の輪廻とは何の関係もございません。一方においてはどんどん原料とエネルギーを調達して、それで絶えず連続的に生産が営まれて、絶えず最終製品が出てくるわけです。つまり再循環、リサイクリングということではなくて、そこでは一方通行にどんどん進んでいくわけです。したがって、工業というのは季節の輪廻とかそういうこととはあまり関係ありませんで、連続性というものが工業の持っている一つの特徴であります。 ところが、そういう循環するかしないかということの持つもう一つの重要な意味は、その循環ということが、急激な拡大、とめどなき拡大というものに対して歯どめの機能を持っているということです。このことは、人間の体を顧みてみればすぐにわかることです。 私たちの体の中には、血液が循環しております。動脈と静脈の間を血液が流れているわけですが、循環の過程で、心臓とか肺臓とかいう臓器が非常な微妙な働きをいたしまして、急激なエネルギーの消耗が行われますと、途端に息が苦しくなったり動悸がしたりして、どうしても休まざるを得ない状態になります。つまり、それによって私たちの健康が維持されておるわけです。もしこの自覚症状がなかったならば、それこそ東京タワーでも一気に駆け上ることは一向平気かもしれませんけれども、そのかわりに、途中で突然にばったり倒れて、そのまま息を引き取ってしまうというような危機に、しょっちゅう人間は見舞われなければならないわけです。ところが、そうならないずっと手前で息が苦しくなって、どうしても休まざるを得ないようになりますから、そこで死ななくて済む、こういうことで、血液が循環しておるおかげで、私たちはいろいろな自覚症状にしょっちゅう襲われる。それによって健康を維持することができるわけです。つまり、これはとめどなき拡大に対する歯どめの機能の発動になるわけです。 このことは、産業の場合でも同じことが言えます。農業の場合に、いざ生産というときに急に生産力をふやそうと思いましても、なかなか思うようにいきません。肝心かなめの原料が、その前の年の生産物としてすでに与えられておりますから、急に生産をふやそうと思うと、隣村へ行って脚かっぱらってでもこない限りは、なかなか原料の調達ができない。人間が勝手にそのときに調達するというわけにいかないものですから、つまり、そこで急激な拡大をしようと思っても、そこに歯どめがかかる。 そういうことに対しまして、工業の場合には、どんどん原料さえ調達してくれば幾らでも生産ができるわけですから、急激な生産力の拡大が可能であります。したがいまして、先ほど工業の性格は連続性ということを申しましたけれども、もう一つ拡大性、もっと端的に申しますととめどなき拡大性とでもいいますか、そういう性格を持っているわけで、どうしてもそういう場合には――生産の規模が小さいときにはそれは何でもないのですけれども、生産の規模が大きくなってまいりますと、資源の枯渇であるとか、あるいは物価の急騰であるとか、急激な景気変動であるとか、いろいろな現象に見舞われます。したがいまして、工業社会がいま必要としておりますのは、そういう工業社会の中で農業社会の持っていたような歯どめの機能というものをいかにしてつけるかということではないかと思います。 そういう意味で、私は現在の工業社会において工業の農業化ということが必要ではないかということを言っているものですが、これは別に工業の農業化と言っても、工業をやめて農業の社会になれということではありません。農業社会の持っていたそういう歯どめの機能というものを、工業社会にふさわしい形で持つということです。 しからば、その工業社会にふさわしい歯どめの機能としてどういうものが挙げられるのかということを考えてみますと、それはいろいろあるのですけれども、きょう問題になっております物の再循環、物のリサイクリングということもその一つとして大変重要であります。私は、リサイクリングというものは物だけではないと思います。そのほか、情報面でも、それから社会的便益という面でも、それから環境そのものについても、いろいろな面でリサイクリングということを考えなければいけないと思いますけれども、きょうはそれが主題ではございませんので、物の面について考えることは最も手っ取り早いことであります。 幸いにして、最近この委員会でも取り上げられましたように、社会的にも、工業社会における資源の再循環、資源の再生利用ということが大変重要な問題として取り上げられてきておることはきわめて結構なことだと思うのですけれども、ただ、率直に申し上げますと、私は、現在取り上げられております資源の再循環ということは、私がきょう申し上げている歯どめの機能ということとは少し違うと思うのです。 というのは、どういう点が違うかと言いますと、いま取り上げられております工業社会における廃棄物の再生利用ということは、昔の古めかしい言葉で申しますと、いわゆる廃物利用ということでありまして、もっと端的に申しますと、それがなくても工業社会というものは存続できるわけですね。ところが、農業社会の場合にはそうじゃないのです。資源の再循環なくしては農業というものは生存し得ないのです。それを前提にして初めてその産業が成立し、そういう社会が存続しておるわけです。つまり、それなくしては存続し得ないということと、それがあればあった方がいいというのとは、社会的機能として見た場合には非常に違うわけです。 そこで、私は、それはやらないよりはやった方がいいですから、まずそういういまの再生利用というところからだんだんやっていくのは無論大変結構なことなんですが、さらに将来はそれを一歩進めて、工業社会におきましても、資源の再循環なくしては工業という産業が成立し得ないというような状態にまで持っていって、初めて本当の歯どめの機能が組み込まれるということになるだろうと思います。 しからば、そうするためにはどうしたらいいかということなんですが、これは結局、いまの工業社会におきまして、たとえば原料から生産物をつくる、そのためのコストが仮に百といたします。そこで、その最終生産物をまたもとの原料に返してやる、そういうことがいまいろいろ技術開発をされておりますが、それはただではできません。そこで、そのために要したコストが幾らか知りませんけれども、仮にそれがまた百かかったといたします。そういたしますと、原料から出発して最終製品までのコストが百、最終製品からまた原料に返るまでのコストが百でありますから、原料から原料まで一回りするコストが二百ということになります。そこで、仮にこれが二百であるとすれば、それが一つの基準になるわけですが、全く新しい技術開発をする必要があります。それを私はマイナスの技術というふうに言っているのです。 いままでの技術というのは、いろいろな散在している資源を集めて最終製品にする、そういう方向へ向かって技術開発が行われてきました。これを私は正の技術というふうに申します。それを今度は、反対方向のもとに戻してやる技術、これを負の技術というふうに言ったらいいと思うのです。実は自然界にはちゃんとそれがあるわけです。自然の森羅万象の変化の中には、必ず正の技術と負の技術が共存しているのです。そして、全体としてバランスをしているのです。 人間というのは、生きて活動しているときにはいろいろな活動をいたしますけれども、一たび死ねば、またもとの元素に返っていきます。人間がつくりかけた鉄のかたまりでも、途中で手を加えるのをやめて空気中にほうり出しておきますと、だんだんと赤さびて、やがてぼろぼろになって、長い年月のうちにはもとの元素に返っていきます。つまり、自然現象の中には、いろいろな物をつくり出すという進化の方向での変化と、つくられた物がまたもとの空々漠々たるものに返っていくという反対方向の変化とが必ず共存しておりまして、そこは自然現象の大変微妙なところでありますが、バランスしている。 ところが、人間の活動というのは、片方の、つくった物を返す、そういう方面の技術はちっとも開発しないで、いろいろの物をつくり出すという方向でばかり技術開発している。これはやはり森羅万象の中に進行している自然の変化というものに比べますと、人間の手によって促進されている変化というものは片方の技術ばかりであったということでありますから、自然現象の中にあると同じように、その反対方向の技術というものが人間の努力によって行われる必要があるのではないか、それを私は負の技術というふうに名づけたわけです。 それを積極的に開発してまいりますと、いまある原料からある製品をつくって、その製品をもとへ戻すということでいろいろ技術開発が行われておりますけれども、それとはまた全く別のやり方が開発されるかもしれません。現在はまだそういうものはございませんけれども、そういういろいろな新しい観点からの技術開発ということが行われる、それによって、先ほど、つまりいままで百のコストであったものが、原料から原料までワンサイクルを考えると二百というふうにした場合に、二百というコストが一つの目標になるのではないかということを申しましたが、そういうことを目標にして負の技術の開発をする、そういうことがこれからの社会の中では考えられなければならないのではないかと思うわけです。そういうことをやっていくことによって、初めて工業社会の中で本当の歯どめの機能というものが機能するようになっていく。そうなりますと、そういう社会が初めて安定成長の社会であるということになるのではないかと私は思います。 どうも大変はしょった説明でございましたが、これで終わります。
○横山委員長 ありがとうございました。 以上で参考人各位の御意見の御開陳は終わりました。 ―――――――――――――
○横山委員長 これより質疑に入ります。質疑を希望される方は挙手を願います。 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○横山委員長 速記を始めてください。 それでは、どうぞ。
○有島委員 最初に、川口さんに伺いたいのですけれども、回収率のお話がございましたが、日本は四〇%でなかなかいいのだというようなお話がございましたけれども、ソ連ではかなり一生懸命やっているというような話を私は聞いております。 それから、こういったことはやはり心がけによるのか、うまくいっているところとうまくいかないところは、どういうところでこういった回収率の差が出てくるのだとお考えになるのか、そこら辺のところを伺いたいと思います。
○川口参考人 お答えいたします。 残念ながらソ連の数字は入手できませんので、はっきりしたことをお答えできませんですが、私ども想像しておりますところでは、ソ連の回収率は余り高くないと思っております。これが回収されるというのは、やはり一応何らかの形で使われて、それが廃棄される段階で回収されるわけですが、ソ連の場合には非常に回収しにくい段階じゃないか。たとえば日本の場合でも、終戦直後の紙の消費が非常に少ない場合には、回収率が非常に低かったわけでございます。たとえば印刷紙なんかでも、それが印刷紙として使われた後、包装紙というような形で使われてしまって、後は廃棄されてしまう、焼却されてしまうというようなことがございまして、一人当たりの消費量が少ない段階では回収率は余り高くいかないのが普通の形でございます。そんなこともありますから、多分余り高いことではないと思います。 ただ、ああいう世界でございますから、たとえば都会地なんかの一部分に限りましては、相当制度的なもので、地方公共団体というようなところでのルールがございまして、そういったルールでコストをある程度無視しても集めるということになれば、これは相当大きな回収率が上げられると思います。これはソ連だけではございません。ほかの国でもそういうようなことはございます。先ほど申し上げました日本でも、都会地が非常に回収しやすい、農村地ではわりあいに回収しにくいといったようなことと同じようなことが、ソ連の場合でも言えると思います。
○有島委員 もう一つだけでおしまいにしますから、私もそれではとば口と結論だけにいたします。 林先生の御高説をいま承ったわけですけれども、ポジティブな技術と、それからマイナスの技術とございましたね。これからはそういった回収していくためのコスト、あるいは公害を解消していくためのコストということが初めから原価計算の中に込められていかざるを得ないような社会状況にしなければならぬ、そういうようなことになりますでしょうか。そういたしますと、これは物価の方から申しますといままでよりは物価のレベルは上がる、これはもう避けられない、そういうようなお考えでございますか。
○林参考人 そういうふうにすれば、いままでの水準から比べれば上がるという可能性は確かにあると思うのです。これもいろいろ問題があるかと思うのですけれども、たとえば省エネルギーというようなことでエネルギーを使わないようにしろ、それから省資源ということで資源を使わないようにしろということをしきりに言っているわけですけれども、根本的には、その資源をよけい使えば使うほど、エネルギーをよけい使えば使うほど損するという仕組みを社会の中につくるのが一番早いわけです。たくさん使えば使うほど割り高になるという価格構成にすれば、一番手っ取り早いわけです。つまり、一ダースなら安くなるのじゃなくて、一ダースなら高くなるというふうにしておけば、だれも一ダース買わないわけです。そうすればひとりでにだんだんむだをしないようになる、こういうことです。 つまり、これは余り好ましくないことなんですけれども、価格面から一つのそういう仕組みをつくれば、それによっていやでもおうでもむだな資源を使わなくなる。それから、回収をした方が得だという仕組みをつくる。いまの社会の中で、一番手っ取り早くつくれるのは価格面からだろうと思うのです。したがいまして、過渡期には当然むだをすれば高くなるということになるかと思います。
○有島委員 ありがとうございました。
○松浦(利)委員 川口さんにちょっとお尋ねするわけですが、一つは、故紙を諸外国から輸入しておりますね。十七万六千トンということになっておりますが、これは主としてどういう種類の故紙を輸入しておられるのか、そのことが一つ。 それから、もう一つ川口さんにお尋ねをしたいのは、現在の不景気に伴う在庫調整、それがどういう状態なのか。 それから、現在操短率というのはどれくらいなのか。 さらに、先ほどの説明ではちょっと不明確でしたが、新規設備投資という見通しは今後あるのかどうか。仮にあるとすれば、現状の設備の中でどれくらいの年数、平たく言えば、現状の設備で間に合わなくなるという状態はいつごろと見るのか、その点をひとつお聞かせをいただきたいと思います。 それから、全部言ってしまいますが、松宮さんの「カンコロジー入門」というのはこれから読ましていただきたいと思います。この空きかんの問題というのは、御指摘のとおり大変問題になるのですが、これの回収費用は最終的にだれが負担したら最も適当だと判断しておられるか、そのことをひとつお聞かせいただきたいと思います。
○川口参考人 お答えいたします。 最初の御質問は、故紙輸入があったのはどういうわけかというようなことだと思いますが、それはちょうど生産のピークのときで、故紙が不足であったという時代がございます。それはこのグラフにもございますが、四十九年の初めごろには故紙が非常に不足で、そのためにまた非常に価格も暴騰したというような時代がございます。そういった大変な価格の暴騰を抑える意味もありまして、外国から買ってくるものは決して安くございませんけれども、あえてこれを鎮静する意味で買ってきたものが大分ございます。この種類は段ボールくずが多いと思っております。一部新聞故紙のようなものもございましたが、それは非常にスポット的なもので、いま申し上げましたような抑えの意味が大部分でございます。 次に、在庫調整のお話がございましたが、これは紙の製品の方でございましょうか、故紙の方でございましょうか。
○松浦(利)委員 製品です。
○川口参考人 製品の在庫は、大分在庫調整は進んできております。これは需要が伸びているわけじゃございませんで、需要は相変わらず低迷しておりますが、それ以下にそれぞれの企業が生産を抑えているということから、マイナス的な意味の在庫調整だと思います。これは明確には申し上げられませんが、大体六月ぐらいには一応のいい線にいくのじゃないだろうかというふうに想像いたします。これはむずかしいところだと思いますが……。 それから、現在の操短率でございますが、これも銘柄によりまして非常に大きな幅がございます。大ざっぱに申し上げれば、操業率で六〇ないし八〇%程度であろうと思います。これは銘柄によって非常に大きな差がございます。 それから、設備投資のお話だと思いますが、現状ではこういう状況ですから、前向きの設備投資というものは非常に少ない。これも銘柄によって特殊なものについてはございますが、ほとんどないと言っていいに等しい。ただ、設備投資として出ている数字がございますが、これのほとんどは公害投資に振り向けられております。 そんな状況でございます。
○松宮参考人 いまの回収費用の負担ということは、究極的には受益者負担ということになるかと思います。 先ほど申し上げようと思って落としたのでございますが、非常に多くの団体の方がこういった問題に関心を持っておられまして、たとえば、現在私どもがこういった事業を推進しようとしておるわけでございますが、それに対して、通商産業省の事業補助金あるいは調査研究の推進に、製缶協会さん、製かんメーカーさん、空きかん処理対策協会さん、かん詰めメーカーさん、日本鉱業会さん、あるいはその他の金属関連のメーカーさんであるとかいうところから御協力をいただき、また、研究の実施に当たりましても、これらの団体に加えて、地方自治体あるいは関係諸機関にもいろいろ御協力をいただいたわけでございます。 究極的にだれが負担するかということの答えは先ほど申し上げましたけれども、いま一気にそういうふうに持っていくということは、当然物価にはね返ることにもなろうし、世の中に急激な変化を与える、もしくは包装のやり方を急激に変えなければいけないというような事態にもなるかと思いまして、現在のところ、個人的な見解ですけれども、三方一両損的な考え方から出発していかざるを得ないのではないかというふうに考えております。 以上です。
○小林(政)委員 岩本参考人と金子参考人にお伺いしたいと思います。 先ほど古紙再生促進センターの設立の目的が述べられましたけれども、その中で、特に緊急備蓄の問題については、三十億円の経費をかけて十五万トンの備蓄が行われているという御報告があったわけですが、この備蓄につきまして、現在末端の買い出し人あるいはまた集荷業界等の備蓄というものが具体的にどのようになっているのか、救済保障的な措置も含まれているのかどうなのか、この点についてまずお二人から御意見を伺いたいと思います。
○岩本参考人 いまの御質問でございますが、センターといたしまして三十億の借り受け資金をもちまして十五万トン備蓄いたしたわけでございます。これは現在の回収流通機構を通じまして買い出し人が集めた立て場さんの品物が問屋さんの方に集まって、問屋さんの方、直納業界からセンターの備蓄場に持ち込まれた備蓄品でございます。というのは、メーカーに納入される場合も、買い出し人が立て場に集めて、立て場の方が今度は問屋の方に持ってくる、問屋からメーカーに納められるというような従来の流通体系の中でセンターも備蓄をいたしたわけでございます。
○金子参考人 お答え申し上げます。 非常に適切な御質問をいただきまして、ありがたく思っております。 現在、回収機構、要するに私どもの買い出し人、ちり紙交換、あるいは立て場という業界が、直接センターに持ち込む方法は全然ございません。いまおっしゃられましたように、間接的には入っているものがあると思います。しかし、先ほどるる申し上げましたけれども、私どももこのセンターができたがためにある程度流通機構が改善されるであろうという期待を持っておったのですけれども、まことに残念ながらそういうわけにまいりません。したがいまして、私どもの立て場、買い出し人、あるいはちり紙交換、こういったものは、間接的には入っておりますけれども、直接的には一トンの備蓄もできない。さらにつけ加えますと、そういう形の中で、末端のわれわれ業界は、絶えずそのしわ寄せと申しますか、こういったものを受けて、非常に苦しんでおるわけでございます。
○小林(政)委員 先ほどから、現在業界すべてが大変不況の中にあるけれども、買い出し人の方、また立て場の人たちが一番苦しい立場といいますか、こういう状況の中に置かれているということが、それぞれ御説明を伺って痛感されたわけですが、備蓄の問題についても、いままでの流通過程といいますか、そういうものをたてまえにするということは、要はメーカーへの安定供給ということがプールの最重点に置かれている。いま本当に苦しい立場に立っておられる立て場あるいは買い出し人の人たちのこういう備蓄も、促進センターが積極的に行っていくべきではないかという考え方を持っておりますけれども、この点についていかがでしょうか。促進センターの方から伺いたい。
○岩本参考人 実は昨年設立されまして問もなく、六月から備蓄を開始いたしたわけでございますが、手持ち資金はございません。したがいまして、興長不から十五億借り受けまして、商中から十五億借りたわけでございます。その場合に、銀行から借り入れる条件といたしまして、保証の問題、メーカーさんの引き取り保証、それから備蓄場にいろいろ積み込む場合の作業効率の関係もございます。そういうところから、直接立て場から物を買ってそこに積むということは、センターとしては、今回はいろいろ条件がついたものですからやれなかったのですが、将来については、私先ほど説明いたしたように、センター自体が備蓄基金をつくるようになれば、そういうことで救済の資金に回せる、備蓄できるという考え方は持っておりますけれども、これも前向きに善処したいという考えでございます。
○野間委員 川口さん、それから岩本さんに少しお伺いしたいと思います。 まず、川口さんにお伺いしたいのは、故紙について言いまして、これは資源かごみかという、一番前提になる問題ですけれども、五十年一月一日付の紙業日日新聞によりますと、これは東京製紙原料協同組合の上田さんという理事長の方が書いておられますが、その中で、メーカーサイドはどうも故紙に対する価値観が十分でないのじゃないかということが書かれているわけですね。そして具体的には、いまのパルプ六〇、故紙四〇の割合を逆にしろということが書かれておりますけれども、この点で、コストと申しますか、単価の問題、それから技術上の問題をどういうふうにお考えになるのかということをまずお伺いしたい。 ついでに、時間がありませんので、岩本さんにお伺いしたいのですが、先ほど小林委員の方からも話がありましたけれども、結局、センターの機構そのものに問題があるのじゃないかということも私よく聞くわけです。というのは、たとえば理事の構成を見ましても、四十五名から五十五名というのは寄付行為に入りますけれども、その中で立て場サイドで入っておられるのはわずかに二名ということもあるわけで、なかなか意見が入らない。そのことは、備蓄についての、直接立て場から買い入れるというようなこととか、あるいはコストの問題等々も含めて、やはり直接の買い出し、あるいは立て場サイドの声がうまいぐあいに反映していないのじゃないかというふうに思うわけですね。このあたりの構成、機構をどうするかということについてお伺いしたいと思います。 それから、寄付行為の中身ですけれども、これは私、聞いておるのは、メーカーサイドが二十四億ぐらい、原料協同組合ですか、問屋の方が六億ぐらい、それから立て場の方では千五百万というふうに聞いておりますけれども、これはそうなのかどうか、全部出資をされておるのかどうか、この点についてお伺いをしたいと思います。
○川口参考人 お答えいたします。 故紙が資源かごみかというふうな御質問でございますが、これは先ほど申し上げましたとおり、私どもの方は非常に重要な資源であるというふうに認識しておりますし、今後ますますそのウエートは高くなると考えております。 お話のありましたように、現在の六〇、四〇を逆にするというようなこと、これは私どももそのように目標を置いております。現在の段階ではまだなかなかそこにいっておりませんが、これの理由が、いまお話もありましたように、技術上の問題があり、あるいは価格、これは価格と技術は切り離せませんが、その関係がございますから、やむを得ずいま四〇%そこそこでおります。あと、このグラフにもございますが、一応このグラフでいっております回収可能の限界、上限は約五七%ぐらいになるようになっておりますが、やりようによってはこれはもっといくべきじゃないか、そうすべきじゃないかと考えます。 ただ、これもおわかりのとおりでございますが、森林資源との関係がございまして、これはコストが余り逆転したようなことになりますと、ちょっと企業としては使いかねる、この辺が社会問題にも関連したことになると思いますが、また、われわれ技術の面からもそうならないように、故紙を有利に、天然資源を使わずに故紙が使えるような方向で努力しなければなりませんし、事実、その点では非常に大きく進歩しつつある段階でございます。
○岩本参考人 最初の御質問の機構の問題でございますが、現在理事が五十二名おりますが、そのうち供絡サイドの方が十八名でございます。十八名の中に、いま申されましたように、立て場の方が二人入られています。したがいまして、この問題の理事の構成につきまして、将来いろいろ理事会の意向を聞きまして、今後そういう意見の反映するような方向でぜひ善処したい、こういうふうに考えております。 二番目の寄付金の問題でございますが、メーカーの方で二十四億、供給サイドの方で六億、合計三十億をもって備蓄場の建設資金に充てたいということで、これは四十九年度から三年間で六回払い、年二回ずつの払い込みということで、最初設立のときにそういう趣旨でやられたわけですが、こういう不況になりましたので、供給サイドで現在一億二千万程度、それからメーカーさんの方で七億二千万程度いま集まっております。一年で集めるものではございませんで、三年間でございますので、先ほど要望の中にお願いいたしました損金扱いをしていただきたいというのは、指定寄付というのは非常にむずかしいそうですけれども、できればこういう公益性のあるセンター、いろいろ参考人から申されましたように、その必要性というのはあるわけでございますので、これをぜひひとつ損金扱いにしていただいて、企業の方あるいは供給業界の方から出しやすいような方法を、ぜひ講じていただきたいということでございます。
○野間委員 約八億ちょっとがいま出資されておるということのようで、私そういうふうに認識しておりますけれども、いまの窮状の中で、そういう低利の融資と申しますか、特融ですね、そういうものがあれば、比較的さらに寄付行為を早めて、そして急場の業者の皆さんの利益と申しますか、経営を守るためにさらに備蓄の量をふやすということも可能ではないかというふうに思いましたので、そういうふうにお聞きしたわけですけれども、そういう低利なり何なり特別の融資制度をつくることによってさらに備蓄の量をふやしていく、十五万トンをさらにふやしていくというようなこと、これは可能なのかどうか、その点についてさらに伺いたいと思います。
○岩本参考人 センターといたしまして、四十九年度約十五万トン、三十億の資金を使ってやりました。五十年度につきましては、これ以上資金をお借りする能力はございませんので、今後そういう備蓄問題につきましては、メーカーサイド、供給サイド、いろいろ知恵を出し合って、何とか対策を講ずるというような方法しか現在はとれないのじゃないか。現在七億の出資金がございますが、これについては前の借入資金の金利、保険料等にもいろいろ出費がありまして、これは自由に使えるというような状態じゃございません。したがいまして、今後備蓄をふやすという方向では、センターの資力ではもうできませんということをここで申し上げたいと思います。
○越智(通)委員 私は、物特の方は余り長くないものですから、間違えた認識をしているかもしれません。私なりの認識で聞いてみたいと思うのですけれども、川口さんと岩本さんですが、違っていたら言ってください。それから、将来のことについても伺いたいのですが、大体再生センターをつくったときは、故紙が上がるからつくったのだと思うんですよ。値段が下がるのは困るので下支えするという、当初からそういうつもりでつくったのじゃないように私は理解しておるのです。つくってみたら、非常に市況が変わってしまった、逆転してしまった。メーカーさんの方は、もっとどんどん紙の使用量がふえると思って、パルプを買ってしまったのだと思うんですよ。あれは当用買いじゃなしに、外国ですから、ある種の長期購入契約だ。それが来ている。だから、故紙だけじゃんじゃん使うわけにもいかない。パルプも野積みになっておる。そこで、ある程度の両方の使用比率を頭に置いて故紙を使っていくと、いつまでたっても故紙がさばけない。 市場にだぶついた故紙をどこかでたな上げしなければいかぬ、たまたまセンターができておるじゃないかということで、どこかの段階で――立て場で金を借りるといったってむずかしいでしょうし、直納業者がそれぞれ金を借りるのもむずかしいから、連帯保証みたいなものでセンターで金を借りてしまって、そこへ故紙を凍結してしまえということで、あそこへ三十億の金を融資した。正直言って、金を出そうという話のときにぼくらも相談を受けたのですが、出しなさいよということで金融機関にはお歓めした方の側なんですけれども、そうすればどの段階のどの人がどのように利益を受けるかわからないけれども、市況全体としては、ともかく家庭から出たものをメーカーが使わなければ、途中でだぶつけば値が下がるだけですから、どこかではともかく救われるだろう、だれがどのくらい救われるかわからないけれども、どこかではだれかが救われるはずだということで、いま十五万トンのストックができ上がったのだと私は思うのですよ。 ですから、いま立て場さんの方から直接センターへ売り込むとなると、直納業者のファンクションというか、立場というのはどうするのだということをはっきり理解しておいてやらないと、国営直納業者ができたみたいなかっこうになってしまうと、またこれは後がややこしくなるのじゃないかと思うので、立て場さんには立て場さんの言い分があると思うし、問題は引き取りの仕切り値の問題だろうと思うのです、ぼくはよくわからないけれども。 そこら辺はよく、業界の中の流通機構と言ったらおかしいかもしらぬけれども、段階の仕組みを考えなければいかぬと思うのですが、一番大事なのは、メーカーさんがいまの十五万トンを一年たっても全然減らすつもりがない、と言ってはあれですが、減らすほどの生産にいかない。五十年度だってまだ故紙はどんどん家庭から出てくるのですからね、幾ら消費が落っこちても。今後出てくる故紙がメーカーに使われていくだけだ。物はぐるぐる動くかもしれないけれども、トータルの数量としては十五万トンが減るのか減らないのか、減らないままでいったら、市況はますます落ち込むのか、落ち込まないで横ばいでいくのか、そこらがぼくらから言えば一番心配なところだ、こういう感じがするのですけれども、そこら辺について、私の感じと質問を、どちらさんでも結構ですから、お二人でもいいですが、お答えいただければと思います。
○川口参考人 私のお答えできる範囲のことをお答えいたします。 お話のように、古紙センターができる時分のねらいというのは、これはむしろ故紙の発生、それからこれを使う方が、実はいつも波がございまして、そのために価格の高低が非常に大きな波になっている。これは余り好ましいことでございませんので、安定させるという意味、むしろ発生が非常に多い場合にこれは価格が下がりますから、余り下がり過ぎるのをとめる方が主なねらいで古紙センターというものができたと思います。 ところが、それが実際に手続してできた時分には逆の現象になってしまいまして、故紙が足りないような情況になった。非常に暴騰し始めた時分にむしろ発足したというようなことで、何か志と違ったようなことになって、手がつけられないような状態であった。その時分に、先ほどお話もありましたが、通産省の指導価格、行政指導によりまして、極端なことを言いますとキロ六十円ぐらいの故紙さえ出るというようなこともありましたが、これを四十五円にとめろというような御指導がございまして、ちょうどまた時期的にも市況が変わってくるようなことでございましたので、下がり始めます。下がり始めると、今度はまたとめどなく下がり始めた。 その時分に、古紙センターといたしましては、いままでの事業計画のテンポではとうてい問に合わなくなってしまって、緊急備蓄というようなことをお願いした。事実、その第一次の十五億を投じて買い入れた時分には、これはまだ高い時分でございました。何円ぐらいでしたか、三十円余りだと思いますが、そういう時分に買い入れましたのが、約六万トンぐらいですか、一時期、ほんのわずかな時期には一応下げどめをすることができましたけれども、ところが時の流れというものは非常に大きくて、そんなことではとうていとめ切れない段階で、またさらにずっと大変な急角度で下がってしまった。これはまた大変だということで、第二次を十二月限度を目標にして、同じく十五億ということでこれをまた買い入れたわけでございます。第二次と第一次を合計して約十五万トンを買い入れました。 第二次のときにはもう少し安い値段でいきましたが、この辺の規模というものが、従来のパターンでございますと、一年間に小さな波が二つぐらいのことで、それでもやはり高い安いがあったのを、それぐらいの波ですと十分消せたのではないかと思います。これはセンターだけじゃなくて、もちろんメーカー段階、流通段階で備蓄能力というものが大体一カ月余り、一カ月半ぐらいあると思います。いまもそれくらい十分抱え込んでおりますが、その上ですから、その程度の手が打てれば、いままでのパターンであれば十分これをコントロールし得たと思うのですが、今度の場合にはその期間が非常に長くて、かつ幅が大きいために、それぐらいのものではちょっと効果があらわれにくいままで今日落ち込んでしまった。 もう一つ申し上げますのは、紙の生産段階と消費段階、したがって故紙の発生段階と言ってもよろしゅうございますが、タイムラグがございまして、これがすぐにそのまま出てきません。たとえば仮需でばんばん生産したようなものは、不況になってから生産の方をとめた時分に故紙としては発生してくるというようなタイムラグもございますので、なかなかこれが思うようにいきません。 そこで、これからの需要がどうかということでございますが、われわれ希望をつなぐのは、これから需要がふえてきてくれることでございますが、これが需要がふえてきてくれれば、今度は発生とバランスする。当分のうちは発生よりも消費がふえる方へいっていただければありがたいわけです。それがしばらくはすぐにはいきませんが、そろそろその時期にきているのではないかという希望的観測を持っておりますが、そうしてくればだんだんその備蓄も食っていくようになり、したがって価格も復元してくるということになるわけでございます。 ついでですから、悩みを申し上げますと、十五万トン備蓄した第一次のものはそろそろ一年たちます。梅雨どきを通り越すようなことになりますと、備蓄しております故紙が品質的にも非常に劣化しまして、下の方は腐ってしまう。劣化だけでなくて、目減りもするわけです。同時に、売る値段にしても、経費をかけますと恐らく二十五、六円のものになっているわけでございますが、これがセンターが損しないように放出できるにはそれぐらいに復元してくれないと、ちょっとセンターも大変なことになるわけですが、これがいっその段階になるかということが、まだいまのところでは備蓄がふえつつある状態のようなことでございますので、その辺に非常に大きな悩みを持っておるというようなこともひとつ御理解願いたいと思います。 不足なところはまたお答えいただきます。
○岩本参考人 実は第一回の夏季緊急備蓄を行いましたときは、ただいまお話がありましたように、これは供給安定を図るため、価格安定ということを主眼といたしまして、そのころまだ値段も三十円以上だったわけでございます。それで、たまたま余剰感が市況に出てきましたので、何とか十五億で買い支えて価格の安定を図るということで、センターが備蓄に入ったわけでございます。ところが、なお市況は悪くなる一方でございましたので、特に越智先生にもそのとき大変御理解を示していただきましていろいろ御援助いただいたわけでございますが、なお十五億をセンターが借り受けまして何とか価格の安定を図ろうということでやったわけでございますが、厳しい経済環境のもとでは、センターの資力三十億ではどうにもできなかったというのが実情でございます。
○小林(政)委員 いまいろいろお話を伺っておりますと、一つには、促進センターが備蓄の買い入れを行う場合、これはいわゆるメーカーが取引の保証をしたものを買い入れているというふうに私ども聞いておりますけれども、それ以外は一切買っていない、こういうことなんですね。岩本参考人にまずお伺いしますけれども、そうですね。
○岩本参考人 センターが備蓄いたしておりますのは、いま申し上げたものが備蓄されておるわけです。ただ、立て場の段階あるいは直納段階で自家備蓄された物には、センターは全然タッチいたしておりません。センターが三十億の借り受けをして、十五万トンの備蓄はセンターの所有でございますから、そのための、先ほど申し上げましたように、この三十億の金をつくるのに、メーカーさんの引き取り保証を全部つけて、条件つきで金を借りているわけでございます。そのほか、十五万トン以外に、各自家備蓄というのは、先ほど説明がありましたように相当量があると思いますけれども、センターはその備蓄については全然資金的にも関与しておりません。
○小林(政)委員 そうしますと、結局、直納問屋から備蓄をするわけですね、センターが。
○岩本参考人 買い入れるわけです。
○小林(政)委員 そうですね。そうしますと、それは全部メーカーの引き取り保証といいますか、そういうものがついているものだけだったということになるわけです。私は、この古紙再生促進センターが設立された根本的なねらい、やはり業界全体の立場に立っていま抱えている問題を解決していくというセンター設立の目的、機能といいますか、こういう問題から考えて、具体的にいま集荷機能という問題を抱えている立て場や買い出し人の人たちの対策という問題が、促進センターの中で当然取り上げられるべき立場にあるのではないか、このように思いますけれども、センターの公益性とかいろいろ言われておりますが、それらの点についてもう少し詳しく御説明を願いたいと思います。
○岩本参考人 私の方が備蓄いたしましたのは、手持ち資金でございませんで、借り受け資金でございます。したがいまして、従来の流通秩序の流れで、結局金を貸す方でも、センターは資力がないので、必ずメーカーさんの引き取り保証がなければ金の借り受けはできないわけですね。そういう問題がございまして、メーカーさんに全部引き取り保証の保証状を出していただいて、それを条件に銀行から借り受けたわけでございます。 したがいまして、立て場さんの直接備蓄ということは、第一回が六月から九月、第二回は十二月から始めましたけれども、それについてそういう条件がありますし、メーカーの従来の取引の流れに従って問屋さんの縦系列がございます。したがいまして、その割り当てというか、そういう点で、メーカーさんの引き取り保証を受けて私の方は確証のあるものについてつぎ込んだ、そしてなお立て場さんの方の要望がございましたので、これについて各業界の協力をお願いするということで、八地区にセンターは地区分会を持っておりますけれども、その八地区の資金配分、資金の計画につきまして、センターの中でいろいろ需給備蓄委員会で検討いたしまして配分いたしておるわけです。その中で、約一〇%程度のものは特別備蓄を行うように各地区委員長に要請したわけでございますが、先ほど申し上げましたように、計画はあったけれども具体的に実行に至らなかったというケースがございます。十分その点はセンターも両業界に呼びかけて、何とか立て場あるいは買い出し人の方の生活救済という意味で行政指導を受けながらいろいろ対策を講じたのですが、結果的にはでき得なかったという事情でございます。
○小林(政)委員 その点に関連して。結局、公益性を持っていると言われる促進センターが、お金を借りるためにはメーカーの保証がなければ金を貸してもらえない、こういう条件、事情にあったということでいま御説明があったわけですけれども、公益性を持っている促進センターの性格からいっても、私はこれはメーカーの単なる下請機関ではないと思うのですね、お金を借りる条件にはいろいろあったと思いますけれども。こういう点から、集荷機能を、業界全体の流れを本当にここで正しく促進させていくという対策などについて、今後一体どのように進めていかれようとしているのか。この点についてはまた金子参考人にも御意見を伺いたいと思いますが、最初に岩本参考人から……。
○岩本参考人 いま小林先生からお話がありました件につきましては、私の方は前向きでいろいろ善処していくように心がけておるわけでございます。まだ設立して一年でございまして、先ほど申し上げましたように基金も集まっていないというようなことでございますし、いま三十億の十五万トンの品物を抱えまして四苦八苦しているのが実情でございます。
○金子参考人 お答えを申し上げます。 先ほどから私、もう自分の業界を非常に情けない業界だということで、非常に零細だ零細だということをくれぐれもお話ししておるのでございますが、実はこの私どもの業界から見た時点の古紙センターの設立という問題につきましては、これは通産省当局の御指導のもとに故紙の安定を図る、それからもう一つは回収機構の確立、こういう二つの方針でセンターというものができたというふうに私は理解をしております。したがいまして、古紙センターそのものが、私、先ほども申し上げましたように、量的の問題は別にいたしまして、われわれ業界から参加をした以上、やはりわれわれ業界からも直接納入できるような方法をどうしてもとっていただきたいというふうに私どもは強くお願いしているわけです。 それともう一つ、いまのセンターの専務のお話ですと、確かにセンターのお話を聞きますと発足の日も浅い、それから金も集まらないというような形の中で、センター自体非常にお苦しみになっているということは重々お察しを申し上げておるのです。ただ、現実の問題として、十五万トン、十五万トンと言われるけれども、年間使用量の中では十日分に満たないわけです。果たしてこれが今度需要期、最盛期、あるいはまた製紙業界が好転をして、それ必要だといった場合に、十日分にも満たないくらいな在庫で安定できるだろうか、私どもは強くこれを問題にしておるわけです。 この際、私どもの回収団体の立場から、国、先生方にぜひともお願いを申し上げたいことが一つあるのですけれども、すべて物価を安定させるということは、原料政策でいくのならば最低一カ月の原料は手持ちし、欲を言えば二カ月分ぐらいの在庫を備蓄するなり、メーカーに持っていただくなりして、初めて原料政策というものは安定した行き方ができるのではないかというふうに思っておるわけです。したがいまして、そういうことになりますと、年間の二月というと約百万トン、必要基金としては二百億から二百五十億かかると思います。思いますけれども、何とかここいらの点はひとつ国でもお考え願い、あるいは先生方のお力添えをいただいて、センターというちっぽけな団体の力でなくて、国の施策として二月分くらいの在庫を持って、製紙原料業界、あるいはまた私ども回収業界、こういったものをぜひともひとつお育て願いたい、こんなふうに思うわけでございますけれども、よろしくひとつ御配慮のほどをお願いしたいと思います。
○和田(耕)委員 いま金子さんのおっしゃったことは、非常に大事なことだと私、思うのですね。先ほど川口さんもお話しになりましたけれども、この回収資源が資源として、まあ絶対という言葉を使っていいかどうか、必要だということになりますと、やはりそれならそれなりの腹構えをしなければならない。しかし、それにはかなり金がかかる、コストに反映をしてくるということですけれども、そのコストをメーカーだけが持つということは余り適当じゃないと思う。やはり当然国がそれを持っていかなければならない。しかし、国が持つにしても、結局税金その他の財政資金の問題ですから、いろいろと長期的にはコストにはね返ってくるということにもなるわけですけれども、そこはそこで財政資金というのは非常にむだに使われているところもあるし、できるだけ合理化をしていく。そしてメーカーとしてもできるだけの合理化をして、絶対必要な資源なんですから、原料なんですから、そういうふうなつもりになって、もっとこういう促進センターのようなものが、これは故紙の場合ですけれども、鉄くずの場合もあるいはびんの場合も、いろんな重要な資源化していかなければならない品目については、こういうものをつくっていかなければならぬわけですね。しかし、これがいま十五万トンぐらいのところでにっちもさっちもいかないなんてことじゃ情けないことで、情けないということは、つまり回収資源というものについての考え方がまだはっきりしてない。従来のような経済的な採算の観念からすれば、そこまでできることじゃないのです、これは。そういうふうな問題で、新しい経済原則というか、考えに立ったこの問題についての対処の仕方というのは、当然必要になってくるというように私は思うのですね。そういう点をひとつ……。 通産省なんかも、その問題で、こういうものについてはかなり金はかかる、相当金がかかっても、必要な資源であるから何とかしていかなければならないとお考えになっておるのか、その点いかがですか。
○沢田説明員 現在の故紙の相場が非常に悪い状況に来ておる、私どもも非常に悩んでおります。現在の故紙の相場を買い支えるために、いま先生が御指摘のように、財政資金を投入するなり、あるいは低利の融資をする、まあ膨大なお金はかかると思いますけれども、私その点を考えるわけでございますけれども、やはり本来、いい悪いは別にいたしまして、故紙の相場というものが戦後ずっと非常に乱高下をやっておりました。言ってみれば、故紙というものが一つの投機商品の対象になっております。 先ほどの御指摘もございましたけれども、もしここで仮に、たとえば食管会計のごとく、あり余った故紙を全部財政資金をもって買い支える、このようなことをいたしました場合に、逆に今度は好況のときに、非常に故紙の値段が上がりました場合、これをまた放置することはできなくなる。この基本的なジレンマにいつも追い込まれているわけでございます。先ほどお話がございましたけれども、そうなった場合には、やはり現在の日本の回収機構は、立て場にいたしましても直納にいたしましても、語弊はございますが一種の国有、国営的な直納、国営的な立て場、こういうものにならざるを得ない。少なくともいい悪いは別にいたしまして、今日までのところはやはり投機商品としての相場で来ております。 私ども、現在古紙センターが決して十分な、特に今回のような際どい不況に対処しまして、十分な機能を発揮しているとは思いません。限界に来ておると思います。しかし、私ども、できる範囲では、やはりいまの古紙センターの性格は、業界、メーカーを初めとしまして、供給業界も含めました相互扶助的な機能にいかざるを得ないのではないかというふうに思っております。 そう言いましても、非常に現状について建設的な意見になりませんので、私、将来についてもいろいろ考えておりますところは、やはり故紙というものは二つの面を持っていると思います。一面におきまして、これは通産省に限らず、すべて今日の販売業界は御認識いただいていると思いますけれども、資源に制約のあるわが国の重要な資源の側面を持っております。しかし同時に、客観的に見ますと、やはりごみの側面をどうしても持っております。 私、率直に申し上げますと、現在の直納から立て場の回収機構、これが十分に満足し得るものであるとは思っておりません。むしろ投機の対象になり、またこれが一つの私的な企業の経営の対象になっておるというのは、諸外国の中では日本が特異な体制であると思います。米国は資源がたくさんある国でございますけれども、ヨーロッパの国におきましてもやはり回収率は確かに低うございますが、その主体は地方公共団体、あるいは地域のコミュニティーの職務になっております。 これから私どもがあるいは産業界とともに故紙を本当に資源として認識していくためには、やはりそのごみの側面を持っておりますから、ごみ清掃事業と一緒に総合的に考えて、そして社会的にかかる費用、それから製紙はもちろんいま企業経営でやっております。そういう私的な費用、この総体をプールするような形にいたしまして、そのトータルで、日本社会全体としてわれわれ民族にとって貴重な資源をどういうふうにうまく使うのか、もうちょっと広域的な角度から見ていく必要があるのではないかと思っております。 多少長期の展望でございまして、まだ具体案がございません。しかし、先ほど来お話がございましたように、日本の故紙の発生、何と申しましても二五%は東京都で発生いたします。それから大阪では一五%発生します。このような過密の大都市で、ほぼ日本の四割の故紙が発生するわけでございます。とりあえず地方の農村部あるいは田舎は一応さておきまして、まず私、戦略ポイントといたしましては、東京都、大阪、かような二つの巨大都市、この二つの公共団体とも、私どももじみちな努力でございますけれどもやはり話していきたい。まだ十分成果が上がっておりません。従来の都市の清掃局は、率直に申しまして、やはりごみとして、たとえば東京都でございますと夢の島に持っていけば一応これで仕事が終わりという状況になっております。その辺、私も微力でございますけれども、東京都の担当の方にもいろいろこれからもお話をしていきたいと日ごろ考えておる次第でございます。 もう一度繰り返しになりますけれども、財政資金の投入が本当にいいのかどうか、率直な見解を申し上げさせていただいて申しわけございませんけれども、必ずしも私は賛成できない、むしろ疑問であるというふうに思っております。
○和田(耕)委員 終わります。
○横山委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人各位には、お忙しいところ長時間にわたり御出席をいただき、貴重な御意見をお述べくださいまして、まことにありがとうございました。ここに、委員会を代表して、厚くお礼を申し上げます。 次回は、明後二十二日木曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時八分散会