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75回国会衆議院1975/03/26

物価問題等に関する特別委員会 第6号

発言数
100
登壇者
14
会派数
4
開催日
1975/03/26

会議録

横山利秋日本社会党

○横山委員長 これより会議を開きます。  物価問題等に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松浦利尚君。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 時間が余りありませんから、簡潔にお答えをいただきたいと思います。  実は、先般の予算委員会で、電気冷蔵庫の節電問題を取り上げまして、その後、私自身が電気冷蔵庫に対する苦情一一〇番を設けました。二月二十七日に設置したのでありますが、その結果、今日まで約八十件近くの消費者からの苦情が寄せられたわけであります。ところが、その中で、実はもと電機メーカーにおられた方が、余りひどいので私はもうやめましたということで、私のところに三十分ぐらい、技術的な問題についての電話による投書があったわけであります。それをいまここに翻訳して持っておるわけでありますが、それが事実かどうか、メーカー側の技術者を呼んで調査をしてみました。ところが、この電話による投書は正確であったわけであります。  そこで、まず公正取引委員会の事務局長にお尋ねをいたすのでありますが、いま、電気冷蔵庫に「霜なし」というコマーシャルがあったことを御記憶だと思うのです。最近はメーカー側も自粛をいたしまして、霜なしということは使わないし、新聞の広告欄を見ましても、フリーザーには霜がつきません、括弧して、技術的なことが解説入りで入っておるわけでありますが、いずれにいたしましても、霜なしという宣伝は明らかに過剰宣伝である。結局、冷却機が消費者の見えないところに内蔵されておるだけであって、その冷却機そのものには実は従来どおり霜が相当つく、そういう構造になっておるわけです。ですから、霜なしというのは明らかに間違いであって、霜が見えないということであったはずだと思うのでありますが、事前にもう公取の方にも資料を差し上げておきましたから、その後調査を進められて、実際にそういう誇大広告であったかどうか、その点を公取の方からお聞かせいただきたいと思うのです。

熊田淳一郎公正取引委員会事務局長

○熊田政府委員 ただいまの冷蔵庫の「霜なし」という表示の問題でございますが、これはすでに先生からもお話がございましたし、また、他からもそういうお話がございました。公正取引委員会といたしましても、現在、調査を行っておる最中でございます。この「霜なし」という表示がどういう意味合いで用いられておるかということとも関連をいたしますが、いずれにいたしましても、これが景品表示法上、不当な表示ということに当たるかどうか、これは現在の調査の結果を待ちまして判断をいたしたい、こういうふうに考えております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 それでは、早急に調査をしていただきたいというふうに申し上げておきます。  さらに、もう一つお尋ねをしておきたいのですが、家電業界の公正取引規約ですね。これはどうも業界間で非常にトラブルが多くて、なかなかまとまりにくいという話をちょっと聞いたのですが、この霜なし等の問題も含めて、大体家電業界の公正取引規約というのがいつまでにでき上がるという見通しを立てておられますか。

熊田淳一郎公正取引委員会事務局長

○熊田政府委員 家電の公正競争規約の作成につきましては、私ども昨年からずっと指導を続けておりまして、いつということをいまはっきり申し上げるわけにはまいりませんけれども、できるだけ速やかに、本当に不当表示を防止し得る内容の規約を設定できるように、指導をこれからも努めてまいりたいというふうに考えております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 公正競争規約が一年近くもなかなかまとまらない。しかも、節電とか霜なしとかいろいろな誇大宣伝がされて、消費者にあたかも事実かのごとく宣伝をしながら販売をしていくというケースが、特に最近の家電業界の不況というものをバックにして過当競争的にあらわれてきつつあるということを私は非常に憂慮しますから、速やかに公正競争規約というものをつくらせるように指導していただきたいということを、念を押しておきたいと思います。  そこで、通産省の森山局次長さんにお尋ねをするのですが、この霜なしというのは、冷却機が内蔵されておって、隠れておるだけでございましょう、構造的には。従来の直接方式ですと、冷却機が見える部分にありますから、霜がつく。ところが、霜なしというのは、冷却機部分が内蔵されておるから、表面から消費者が見た場合には全然わからない。しかし、その冷却機そのものには霜がつく構造になっておるのでございましょう、その点はどうですか。

森山信吾通商産業省機械情報産業局次長

○森山(信)政府委員 ただいま先生御指摘のとおりでございまして、霜は事実上つくことになりますが、これは自動的に霜を取る装置がついておりまして、あるいは御承知だと思いますが、十時間に一回程度自動的にヒーターが回りまして霜を取る、こういう装置になっております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 結局、自動霜取り装置をなぜつけなければならぬのかというと、冷却機を内蔵したために、水が凍ると御承知のように膨張します。膨張すると、電気冷蔵庫の本体そのものを破壊する、水の膨張する力で。ですから、必然的に自動霜取り装置というものをつけざるを得ない、そういう構造になっておるわけですね。  そうすると、自動霜取り装置が、いま十時間に一遍というふうに言われたのですが、通常、一日二、三回、自動的に、ユーザーが知らない間に作動するわけでありますが、そのときの温度ですね。自動霜取り装置に通電をした場合の温度、一体どれくらい霜を取るための温度を必要とするのか、そういう点については通産省として具体的に把握をしておられるのかどうか、その点をひとつお聞かせいただきたいと思います。

森山信吾通商産業省機械情報産業局次長

○森山(信)政府委員 霜取り時期におきます温度の上昇の問題でございますが、最も上がりました温度で、庫内の温度は五度ないし七度Cという状態になります。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 いま森山次長さんが言われたように、庫内の温度が摂氏五度ないし七度に高まるということは事実だと思います。  そこで、今度は厚生省の三浦食品衛生課長さんにお尋ねするのですが、冷凍食品を百貨店、スーパー等で売る場合の、保存するための基準温度、これは一体幾らに指導しておられるわけでございますか。

三浦大助厚生省環境衛生局食品衛生課

○三浦説明員 マイナス摂氏十五度という保存基準がございます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 いま御指摘がありましたように、マイナス十五度Cが基準だ。そうすると、これは厚生省と通産省それぞれにお尋ねをしたいのですけれども、まず厚生省がいいでしょう。  各家庭に冷凍食品を持ち帰って、各家庭で長期保存をする、そのためにツードア式の冷凍冷蔵庫というのが普及したのですね。ところが、実際に各家庭における冷凍食品の貯蔵温度というものについて、厚生省でチェックされたことがあるか、基準を決められたことがあるかどうか。確かに百貨店、スーパーはマイナス十五度Cということで保存し、消費者に供給しなければならぬということになっておりますが、消費者が持ち帰った場合の冷凍冷蔵庫に保存する温度、そういったものについて基準を設けたことがありますか。

三浦大助厚生省環境衛生局食品衛生課

○三浦説明員 流通過程におきます冷凍食品の保存温度は、食品衛生法の基準によりましてマイナス摂氏十五度以下と定めてあるわけでございますが、家庭におきます保存につきましては、これは法律が及んでおりません。しかし、マイナス十五度以下というのは、食品衛生の立場から言いますと家庭においても望ましい温度でございます。したがって、冷凍食品がマイナス十五度以下の温度で保存できる機能を持った家庭用の冷凍庫が製造販売されるように、通産省に指導方をお願いしたいと思いますけれども、ただいま先生のおっしゃった家庭の温度の基準というものは、特に私の方で指導したということはいままでございません。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 通産省自身も、コールドチェーンということで冷凍食品の普及ということについては積極的な努力をしておられるわけであります・が、通産省として、いま厚生省の三浦課長さんが言われたように、冷凍食品を貯蔵するための貯蔵庫の温度、これは幾らでなければならぬという基準というものを設定してあるのか、JISというもので規格があるのか、あるいはなければ、行政指導で、冷凍冷蔵庫なりの温度はこれだけだぞという技術的な指導というものをされたことがあるのかどうか、その点をひとつお聞かせいただきます。

森山信吾通商産業省機械情報産業局次長

○森山(信)政府委員 冷凍冷蔵庫の平均温度は、日本工業規格、通称JISと言っておりますが、このJISの規格におきまして、平均摂氏マイナス十二度以下というふうに定めております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 いま森山局次長さんが言われたように、JIS規格でマイナス十二度C以下、ところが、厚生省は冷凍食品の保存温度はマイナス十五度C以下、現実にすでにここにマイナス三度の差があるわけですね。そういった意味の調整というものは私はぜひやってもらいたい。せっかく売る側で幾ら厳しく規制をしても、持ち帰って貯蔵する冷凍冷蔵庫そのものの温度がマイナス十二度Cというのでは、私は好ましい状態でないと思うのです。厚生省の三浦課長は、マイナス十五度C以下でなければ好ましくないんだ、こう言っておるのですから、そのようにJIS規格というものを変えられる御意思が通産省側にありますか、あるいは厚生省ともう少し調整してみられるというお考えはありますか。

森山信吾通商産業省機械情報産業局次長

○森山(信)政府委員 先ほど、日本工業規格、JISでマイナス十二度C以下というふうに申し上げましたが、実行上はほとんどのメーカーがマイナス十八度C程度のものをつくっておりまして、現行におきましては、私どもは厚生省でお考えになっておられますマイナス十五度の基準はほぼ達成いたしておるというふうに考えております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 私はやはり、マイナス十八度Cが平均であるとすれば、十八度CにJIS規格というものは決めるべきだ、マイナス十五度Cなら十五度C以下に決めるべきだと思う。何もそこでJISでマイナス十二度Cにしておく必要は技術的にないわけでしょう。だから、そうであるとするならば、マイナス十八度Cに変更される御意思はありますか。

宮沢和夫工業技術院標準部電気規格課長

○宮沢説明員 ただいまの御質問でございますが、JISの案を検討します段階でいろいろと意見もございましたし、十分検討したわけでございますが、現在の家庭単位での使用といいますのは、日本の状況で、これは平均的な話でございますけれども、期間を余り長期に冷蔵庫内に保存するということは少のうございまして、その点は流通段階と若干違うようでございます。ISO、これは国際規格でございますけれども、これにもマイナス六度C、十二度C、十八度Cといったように三段階ございまして、用途に応じて使い分けているようで、またこれは地域的な差もあるようでございますが、そういった使い分けをしておりまして、日本では、一ヵ月程度の保存をめどとしたときには、マイナス十二度Cで十分いけるという検討結果で、現在のJISはそうなっております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 変更するつもりはないのかと聞いているのです。

宮沢和夫工業技術院標準部電気規格課長

○宮沢説明員 失礼いたしました。  それで、もし実態として、そういう温度を下げなければいけない、これはコストの問題ともからむのでございますが、必要があるとしますれば、今後検討してまいりたい、こういうように考えます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 今後検討されるということですが、先ほど森山産業局次長が言われたように、自動霜取りが働いたときには、温度が摂氏五度ないし七度Cに上がるわけですね。そうすると、いま仮にマイナス十二度Cの冷凍食品を入れておった場合に、室内温度が上がるから、その温度上昇につれて解凍するわけです。そういうふうに思いませんか。自動霜取り装置が作動して、五度ないし七度に上がるために、冷凍食品の凍結度がさらに解凍の方向にいくということはどうですか。

宮沢和夫工業技術院標準部電気規格課長

○宮沢説明員 自動霜取りの場合には、先ほど森山次長からも話がありましたように、十時間に一回程度のサイクルで、実態は十分前後という時間に庫内に温度が一時的に上がるわけでございますから、冷凍食品のように凍っているものについては、解けるというようなことは実態上余りないと思います。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 私は完全に解けるということを言っておるのじゃない。要するに、マイナス十五度で保存しなければならない食品の温度が上がるじゃないかということを言っておるわけですよ。いいですか。室温が五度ないし七度Cに十分間通電をして上がる。そうすると、十分から二十分の間ですから、非常に冷凍しておる食品ですから、そんなに解凍状態にいくということはない。しかし、厚生省が好ましくないと言っておるマイナス十五度C以上に上がってくることだけは事実でしょう。科学的変化として当然じゃないですか、温度が上がるのだから。

森山信吾通商産業省機械情報産業局次長

○森山(信)政府委員 先生御指摘のとおりでございまして、霜取りの通風時におきましては温度が数分間上がりますので、当然冷凍冷蔵庫の中に入っております食品につきましては、温度は上がります。そこで、私どもが調査いたしました数字を申し上げてみますと、先ほど申し上げましたように、JISはマイナス十二度Cということになっておりますけれども、実際現在売られております冷凍冷蔵庫はほとんどのものがマイナス十八度になっておりまして、これが霜取り時期に冷凍室の温度が上がることによりまして食品としてどういう影響を受けるかという調査をいたしました結果は、大体マイナス十二度Cもしくはマイナス十六度Cぐらいまでに食品の冷凍度が上がる、こういう状態でございます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 厚生省にお尋ねをいたしますが、いま言われたように、自動霜取り装置の冷凍冷蔵庫というのはマイナス十二度Cまで上がる状態がある、こう言うんです。そしてまた、自動霜取りですから、霜が取り終わると自動的に温度が下がるわけですね。そうすると、マイナス十二度Cの食品がさらにマイナス十八度ぐらいにまた戻る。そうしてまた十時間たつと、これがまた自動霜取りが自動的に働きまして、マイナス十二度Cないしマイナス十度Cぐらいまでいく場合もあるというんですから、マイナス十度Cになる、そうしてまた結氷するという、そういう温度の落差、こういったことが少なくとも一日に十時間ということ——私が調べた範囲ではもっと回数が多いんですけれどもしかし仮に十時間としても、二十四時間で二回そういう状態が続くわけですね。仮に一カ月なら一ヵ月間ということになると、六十回そういう冷凍食品の温度の変化というのが起こるわけです。保存しておる冷凍冷蔵庫の中で。そういうことは、厚生省の食品衛生上から見て正しい、それでもいいというふうにお考えになりますか。

三浦大助厚生省環境衛生局食品衛生課

○三浦説明員 私ども、流通過程にあるものは、常時摂氏マイナス十五度以下でなければならぬと考えておりますが、ただ、いまお話を伺っておりまして、家庭におきます。マイナス十二度あるいは十八度、この間隔の温度でしたら、細菌学的にはそう変化はないと思います。特に私どもは衛生という立場から申し上げますと、むしろ細菌の問題になってまいりますが、そういう面から見るとほとんど影響はないんじゃないかというふうに私は考えておりますが、しかし、冷凍食品というものは常時一定以下の温度で保たれるということは、これは全く望ましいことでございます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 いまあなたが言っておられるのは、厚生行政として、そういった各家庭の中で長期保存をする一いま冷凍食品というのが非常に流通してきましたね。夫婦共かせぎの人たちは、冷凍食品を利用する場合が多い。しかも、だんだん冷凍冷蔵庫そのものも大型化してきているわけですね。一週間なら一週間分入れておいて常時出すとか、あるいはひどい人になると二週間も入れる。そういう長期保有を目的とする場合に、そういうふうに上がり下がり、上がり下がりがあったって、食品衛生上一つも困らぬ、こういうお考え方ですか。いまあなたの言っているのは、そういう考え方だ。そういう考え方でよく衛生課長が勤まると思いますね。それでいいんですか、もう一遍正確に質問しておきます。

三浦大助厚生省環境衛生局食品衛生課

○三浦説明員 私どもの方は、冷凍食品の保存温度というものはやはり変化がないのが望ましい、これはもちろんでございますが、特に家庭の電気冷蔵庫がございますけれども、これなんかもかなりあけ閉めしますと温度にかなり変化がございまして、そういうものに対しては、私ども消費者に対して、なるべくそういうあけ閉めということはあまりなさらぬようにという指導ばしておるわけでございます。もちろん私どもの基本的な考えは、温度は変わらないというのが一番望ましい姿でございます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 そうしますと、厚生省は温度が変わらないということが望ましい。ところが、通産省がやっておる機械は、明らかに自動霜取りが働いたときにはそういう状態になる変化がある。これを厚生省なり通産省側で、コストの問題がどうのこうのさっき言われたけれども、事食品というものはやはり生命に関係のあるものだとすれば、当然厚生省と通産省との間でこういった矛盾点については話し合いをして統一を図るべきだ。通産省はつくりっ放しではなくて、そういう調整をやるべきだというふうに私は思うのです。そういうお考えが通産省なり厚生省側におありになりますか。通産省の局次長さん、政府委員ですから、ひとつあなたの方からまずお聞かせいただきたい。

森山信吾通商産業省機械情報産業局次長

○森山(信)政府委員 ただいま厚生省の方から御答弁のございましたように、冷蔵庫内の食品、これは家庭用でございますけれども、家庭用の食品につきまして一定の温度を保たれることが望ましいというお答えがございました。これは私どもから見ましても確かにうなずける点がございます。一方、冷蔵庫を私ども供給する立場にございますので、この冷蔵庫というものをできるだけそういう状態に持ってまいりたいということは了解できるわけでございますけれども、先ほど先生も御指摘になりましたように、コストの問題云々というのはどうもおかしいのではないかということでございますが、現実の問題といたしまして、食品の温度を一定に保つ技術というのはきわめてむずかしいのではないか。そこを、食品衛生の立場から許容される限度はどうかということを見きわめることは、当然必要かと思います。そういう意味におきまして、私どもは厚生省といろいろな面で御相談をさしていただきたい、こういうふうに考えております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 私は、技術進歩というものは逆の場合があると思うんですね。従来、間接じゃなくて直接冷却方式の冷蔵庫であった場合は、ユーザー自身がスイッチを入れるんですね。消費者自身がオンに入れるんですよ。ですから、そのときには霜を自分自身で取るわけですから、冷凍食品やなんかがないときにはやるわけですね。ところが、この自動霜取りがついておるのは、技術が進歩していますから、自動的にかってにやるわけです。何が入っておろうとお構いなく、自動的に操作していくのです。だから、確かに技術は進歩したが、反面、衛生上から見れば好ましくない状態が生まれてきておるわけです。  だから、いま森山局次長が言われたように、コストの問題もあるということですけれども、ぜひそういった点は調整をして、これだけ普及をしておる冷凍冷蔵庫ですから、できるだけ食品の質に変化を与えないように通産省としての指導をしてもらいたい、ぜひそういうふうにみてもらいたい。きょうは大臣が来ておられませんから、局次長、ぜひお願いしますよ。よろしいですね。−首をこうしておられるから、よろしいということで理解をしてもいいですね。

森山信吾通商産業省機械情報産業局次長

○森山(信)政府委員 ただいま私がお答えいたしましたように、私ども冷蔵庫を供給する立場としては、できるだけ低廉な価格で機能のよろしいものを消費者の方々に供給したい、こういう一つの使命がございますので、それと食品衛生の立場のぎりぎりの接点というものを見つけたいということでございまして、先ほどお答えいたしました、現在の状態では霜取り時間中の食品の温度がマイナス十二度まで上がるという状態でございますので、これが果たして食品衛生上危険な状態であるかどうか、もう少し検討さしていただきまして、どうしてもそういう必要がございますれば、善処をさしていただきたい、こういうふうに考えております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 これは実は図書館の方で各地方版の新聞を、投書にあるから調べたのですが、朝日新聞の神戸版に、「冷凍冷蔵庫でアイスクリームとける」これは県立神戸生活科学センターにそういう問題が出てきた。霜取り中の温度上昇でアイスクリームが解ける。性能再検討を要請した。これは昭和五十年二月六日の朝日新聞なんですけれども、こういうことについては通産省ではもうすでに知っておられて、この苦情センターからの内容についてはチェックをなさったわけですか。

森山信吾通商産業省機械情報産業局次長

○森山(信)政府委員 ただいま先生から御指摘のございました兵庫県立神戸生活科学センターからの質問書が三月二十三日付で日本電機工業会に出されております。これは昨日私どもも入手いたしまして、目下検討中でございます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 いまあったように、電子工業会に神戸生活科学センターから質問書が出されておるとすれば、恐らく電子工業会の方も調査をしておるだろうと思うし、これはたまたまアイスクリームという特殊なものですけれども、ぜひこの際国民の疑惑にこたえていただきたい。ぜひ早急に、こうした問題についてどうすればいいのか、アイスクリームが解けるということは事実なんだから、具体的な問題として、それじゃアイスクリームを保存するときには自動霜取りの冷凍庫ではどういうふうに保存したらいいのかということを消費者は疑問に思っておるわけですから、そういうものについてはぜひひとつ的確に政府自身も業界を指導してこたえていただきたい。そのこともあわせて、これは具体的な問題ですが、お願いをしておきたいと思います。

森山信吾通商産業省機械情報産業局次長

○森山(信)政府委員 ただいま私が申し上げましたのは日本電機工業会でございまして、先生御指摘のとおり、この質問が出されておりまして、しかもその結果について回答を求められておりますので、工業会を指導いたしまして、調査いたしました結果を、兵庫県立神戸生活科学センターあて回答させるように指導いたします。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 いまの厚生省、通産省のお答えで一応了解をいたしますが、早急に問題点の解明をし、また解決をしていただきたい。  最後に、これは一般論としてお聞きをいただきたいのですが、実は最近、普及型だというので、新型で安い冷蔵庫が普及しておるわけですが、ところが、その冷蔵庫は今度はサーモスタットがついていないわけです。従来ですと、冷蔵庫が一定の温度になりますと通電がとまる。そして室温が上がるとまた通電をする。ところが、最近の普及型というのはそれがついておらぬのがある。ですから、冷蔵庫にそれが必ず必要かどうかというのは、私は議論のあるところだと思うのです。物の値段を下げるということは消費者にとって非常にいいことだし、また省資源という意味でもいいことだと私は思うのですね。ところが、逆に言うと、今度はサーモのない冷蔵庫は、常時通電をしておりますから、電力を消費するわけですね。そうすると、省資源にはこたえたけれども、省エネルギーというものには逆になっておる。逆にエネルギーを食う。非常に矛盾したものが出てきておる。だから、消費者は安いものを買ったけれども、電気料を払うときには逆に高くなる。私はこれは通産省として非常に行政のしにくい面だというふうに思うし、消費者も、いずれがいいかという選択というのはこれから消費者自身に始まると思うのですけれども、こういう場合の通産省の考え方、特に家電業界というのは日進月歩で技術が進むし、また、省資源であらゆるものがカットされた、むだのなくなったものが出てくるわけですが、そういう調整はどういうふうに考えておられるのか。この際、一般論としてで結構ですから、突然の質問で恐縮ですが、局次長からひとつお聞きしておきたいと思います。

森山信吾通商産業省機械情報産業局次長

○森山(信)政府委員 ただいま先生から御指摘のございました点につきましては、私どもも大変頭を痛めているところでございまして、一方におきましては省資源、省エネルギーという要請がございますし、一方におきましては、国民の皆様方に低廉かつ良質のものを供給しなくちゃならぬ、こういう義務がございますので、その接点をどうするかというのは実は大問題でございまして、いまお話のございましたサーモスタットなしのものが一時的に出回っております。こういう事実も私どもつかんでおりますが、御指摘のとおり、一方においてエネルギーを使うということでございますので、私ども、一般論といたしますと、先般、産業構造審議会の機械産業部会におきまして、今後の一九八五年までの機械産業のあり方につきましての答申をいただいたわけでございますけれども、それの骨子を端的に申し上げますと、国民的なニーズにこたえた機械をつくっていこう、これが端的な答えになっておるわけでございまして、いま申し上げました省資源ということも国民的ニーズでございますし、また、低廉かつ良質なものを供給するということも国民的ニーズでございますので、それをうまく両方調整するような技術革新というものを求めてまいりたい。はなはだ抽象的なお答えで申しわけないのでございますけれども、そういった方向で努力をさせていただきたいというふうに考えております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 私の質問自体も抽象的で大変恐縮なんですが、いまの御答弁もよくわかるのです。ただ問題は、いま出回っておるサーモのない冷蔵庫に対して、消費者がどう反応するかというのはこれからだと私は思うのです。安くて買ったのですから。しかし、それが今度は電気代を払う段階になると通常のものよりも高く払うという、それに対してどう国民が対応するのかというようなことはまだ未知数ですから、私はきょうここで質問を差し控えさせていただいたわけですけれども、その接点をうまくしないと、消費者の苦情というのは結果的について回るという気がしてなりませんので、先ほど一般論としてお聞かせをいただいたわけであります。  もう私の時間が来ましたから、以上で私の質問を終わりますが、最後に、経済企画庁の特に国民生活局長の方から、こうした家電製品なり冷凍食品というもの、それが調和して家庭の中に入り込んでくるわけですから、そういったものに対する国民の生活指導といいますか、あるいは行政に対する調整、こういったものについての経済企画庁のお考え方をお聞かせいただいて、質問を終わります。

岩田幸基経済企画庁国民生活局長

○岩田政府委員 私どもの考え方といたしましては、やはり冷蔵庫と申しますのは食料品を入れるものでございます。食料品についての一番基本は、衛生性ということを維持するということではないかと思います。したがいまして、いまお話がございましたように、自動霜取りというようなことで温度が上がる、そのために一時的にある程度の解凍が行われて、もし食品に変質が起こるというようなことであれば、これは大問題でございますし、そういうような食品衛生上問題があるということであれば、幾ら値段がよろしくても、あるいは便利であっても、これは冷蔵庫としては欠陥商品ではないかと私は思います。  そうした意味で、きょうの問題も含めまして、関係省庁とも私どもよくひとつ問題を詰めてみたいと思いますし、通産省、厚生省もそういうお気持ちのようでございますから、私どももそういう点を御協力してまいりたい。  それからまた、そういう冷蔵庫に限らず、電気製品はどんどん新しいものが出ますので、どうしても消費者側で使い方になれないというものもあると思います。そういう点につきましても、やはり消費生活センターあるいは私どもの広報等を通じまして、これからも適宜適切な指導をやっていきたいというように考えているわけでございます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 終わります。

横山利秋日本社会党

○横山委員長 小林政子君。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 まず、経企庁にお伺いをいたしたいと思います。  今回、政府は、酒税の改定を行うということで、酒税の大幅引き上げを法案として提出いたしております。これは清酒、あるいはまたビール、ウイスキーなど、平均二二%の税の増収を図るという内容でございますけれども、物価はようやく鎮静化の兆しを見せているとは言いながらも、国民生活の必需品は、依然としてやはり物によっては非常に値上がりを続けている。しかも勤労者の実質収入というものは、これは政府の統計によってもマイナスという発表もされておりますし、あるいはまた、国民の消費支出も非常に伸び悩む。その上、失業者がすでに百万を超えるというような、こういう現在の状況のもとで、今回、清酒の特級が一・八リットルで増税分として百十五円、そして結局徴収税額というのは特級酒の場合には六百二十八円になるわけです。また、ビールの場合には、六百三十三ミリリットルのいわゆる大びんというのですか、これが十五円の増税だ、しかも今回の措置によって八十二円に税額がはね上がる。ウイスキーの場合も、七百二十ミリリットルでこれも増税分が百四十九円、これは結局今回の増税後の税収というのは八百十八円。清酒の場合は一五%の値上げということでございますけれども、その他は平均して二二%という、非常に大幅な改定が今回行われようとしておるわけです。  いまのこのような情勢のもとで、酒税増収分千七十億円、いわゆる酒税の今回の改正によって一兆三百十億円も実質的に収入をはかるというような措置が、いまの国民が置かれているようなこういう情勢から見て、やはり多くの国民からいろいろと批判が起こってきているということですけれども、この問題を経企庁として具体的にどう受けとめていらっしゃるのか、まずその点からお伺いをいたしたいと思います。

喜多村治雄経済企画庁物価局長

○喜多村政府委員 先生御指摘の酒税の引き上げにつきましては、確かに仰せのとおり、国民生活にあるいは消費者生活に非常に大きな影響を及ぼすということは承知いたしております。ただ、酒類の税率は、昭和四十三年度の改正以来据え置かれてまいりまして、その後におきます物価水準の上昇でありますとか、個人所得の増大等に伴いまして、従量税率によっている酒類の税負担の水準が下がってきておるというようなこともございまして、この際、その格差の是正ということもありまして、やむを得ないものに限って酒税を引き上げるということもやむを得ないかと思っております。実はこれは公共料金ではございませんで、自由価格でございます。その上に酒税が乗っかるということでございますが、そういうことで公共料金ではございませんけれども、非常な関心を私どもは持っております。  酒税の改正案では、先生いま御指摘になりましたように酒類別にパーセンテージが違うわけでございますが、清酒二級等の大衆品につきましては、酒税の引き上げを見送るというようなことで、一般大衆の負担にはならないような特段の配慮をしておるということもございます。こういうことで、実は酒全体につきまして、CPIのウエートは一万分の二百六でございますから、大体二%程度でございますが、この引き上げが行われますならば、CPIに及ぼします影響は大体〇・一%以下である、こういうように考えまして、こういう時期ではありますけれども、やむを得ないものと経済企画庁では見ておるわけでございます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 今回のビールその他清酒、ウイスキーの値上げは、物価に及ぼす影響というものはほんのわずかなのだ、大したことはないのだ、こういうお話ですけれども、しかし私は、この問題については、一般の大衆的な課税という点から、物価に対する影響力というものはやはり非常に大きいものだというふうに考えます。しかも具体的にいま経企庁が最大の課題としているのは、物価抑制ということを中心課題にしているのでしょう。大蔵省の答弁なら、いまの答弁わかります。しかし、物価を抑制するという立場にある経企庁の、しかも物価局が、何かの大蔵省が答弁しているような、今回の値上げは大したことはないのです。しかもやむを得ない措置だみたいな、こういうことは、私はやはりちょっと問題じゃないかというふうに思いますね。  それでは、具体的にお伺いしますけれども、酒税が増税されれば、酒税の増税額を上回る価格の値上げというものは、当然これはいろいろと見越されているわけです。物価抑制をそれこそ最重点課題として取り上げている経企庁として、このような最近の動きに対して、どのような対応策を持っているのか、具体的にお伺いしたいと思います。

喜多村治雄経済企画庁物価局長

○喜多村政府委員 酒税の引き上げに伴いまして、酒類価格そのものを引き上げたいという意向があることは私も十分承知いたしておりますけれども、これは酒税を上げるということによって便乗的に上げられることは私どもは困るということで、大蔵省にもその旨を申し上げまして、業界の御指導方をお願いしておるような次第でございます。  確かに最近におきまして、一部の会社におきましての、たとえば、ビール会社で、新聞等に出ておりますようにコストアップの影響があるかもしれませんけれども、そのコストアップがあるからという理由だけでもって価格にそれを転嫁していくということは、この際、先生仰せのように、私どもは五十年度という時期を非常に重要な時期と見ておりますだけに、ぜひともそこのところはひとつ踏ん張っていただきたいという旨を、大蔵省の方にも申し上げておる次第でございます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 今回のこの改正の中でも、先ほど一兆三百十億円の改正後の税収という数字を申し上げましたけれども、その中でも、やはりお酒とビール、ウイスキー、いろいろありますけれども、お酒の場合は結局二千五百六十億円、二四・八%でありますし、ビールは五千二十億円で四八・六%、ウイスキーの場合は二四%、ビールの今回五十年度の改正後の税収の中に占める割合というものが非常に大きいのです。私はこのビールの問題を中心にして国税庁にお伺いをいたしたいと思います。  三月十一日に朝日麦酒が大びん二十円の値上げを断行いたしましたけれども、国税庁は、この値上げを妥当なものだというふうにお考えになっているのかどうか、お伺いをいたしたいと思います。

高木壽夫国税庁間税部酒税課長

○高木説明員 朝日麦酒の値上げでございますが、三月七日でございます。朝日麦酒が大びん一本当たり末端価格で二十円の値上げという内容のものを発表いたしたわけでございます。  ビールの値上げにつきましては、実はこの前の値上げと申しますのが一昨年の十月でございまして、そのときにも、末端の価格で二十円、つまり百四十円から百六十円という価格への値上げが行われたという実績があるわけでございますが、その値上げが行われました直後に、例の石油ショックと申しますか、事態が起こりまして、その後、狂乱物価という事態が起こったわけでございます。そういう事態のもとで、ビールの製造なりあるいはまた販売に関しまして、種々のコストが上昇してまいったということでございまして、その結果、会社の経営内容が非常に悪化してまいったという事情があったわけでございます。そういうことで、実は昨年の秋以降値上げの動きが出てまいったということは事実でございます。  国税庁といたしましては、ビール業界に対しまして、一般的にいわゆる指導、監督という立場にございますので、そうした立場からいたしまして、コストアップの事情そのものは理解するところではあるけれども、ただいまも企画庁の方からもお話がございましたように、物価政策というものが当面きわめて重大な事態になっておることでもございますので、企業に対しまして、できる限り企業努力によりましてそのコストアップを吸収するようにということをずっと申してまいったわけでございます。  また、会社といたしましても、これは当然ながら種々の経費の節減という努力をいたしてまいったわけでございますけれども、朝日麦酒といたしましては、四十九年の下期の決算内容という結果も明らかになってまいりました時点におきまして、やはりこれは値上げで対処するほかはないと決意したものと思われます。  私どもといたしましては、極力値上げを回避するようにという要請を続けてまいりましたのにかかわらず値上げが行われましたということは、遺憾に存じておるところでございます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 できるだけ質問に端的にお答えをいただきたいと思いますけれども、私は、今回の二十円の値上げが国税庁としては妥当であると見ているのか、どうごらんになっているのですかということをお聞きしたわけで、いろいろと説明がありましたけれども、一体どのようにごらんになっているのでしょうか。

高木壽夫国税庁間税部酒税課長

○高木説明員 末端価格で二十円ということでございますが、そのうち、メーカーの取り分といたしましては十二円ということでございます。したがいまして、二十円との差額でございます八円が流通の取り分ということに相なろうかと思います。  十二円の内容でございますが、原材料費におきまして約三〇%程度、それから人件費におきまして二九%程度、あるいは運賃におきまして二一%程度というようなことであったかと思いますが、前回に値上げをいたしました当時、つまり四十八年の十月から今日までの間に、ただいま申し上げましたようなコストの上昇があったということで、十二円の値上げが必要であったということでございまして、私どもといたしましても、その内容につきましては、これはやむを得ないものではないかというように存じておるところでございます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 やむを得ない措置であった、こういうふうにお話しですけれども、今回、十二円がメーカーの取り分であって、そして八円がその他の運搬費あるいはまた小売のマージンその他ということですけれども、私は、むしろこの配分そのものも問題があるんじゃないかと思います。  具体的に私ども調べたわけですけれども、かつて百四十円の時代のビール、このときには小売のマージンというのは十八円二十銭だったんですね。十八円二十銭でもこれは非常に低いではないかというような意見も多々ございました。今回の場合は、いまビールは百六十円でしょう、その百六十円のビールで、私ども調査すると、小売のマージンというのは十六円二十銭なんですね。いかがですか。

高木壽夫国税庁間税部酒税課長

○高木説明員 小売のマージンでございますが、十八円二十銭でございます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 現在は、私どもが小売屋さんからいろいろと資料を取り寄せまして調べたわけですけれども、この場合、ワンケースというのは二十本入りであって、この二十本入りのワンケースが問屋から小売店に入ってまいります価格が、ケース分二百円を別といたしまして二千八百七十六円。そうしますと、これを具体的に二十本入りですから割っていきますと、大体百四十四円、こういう数字が出てくるのですね。百四十円のときには十八円二十銭で、小売のマージンが一三%であったわけですけれども、いま現在百六十円のビールはむしろ一〇・二%、十六円二十銭にしかなっていない。この点いかがですか、はっきりさせていただきたいと思います。

高木壽夫国税庁間税部酒税課長

○高木説明員 ただいま十八円二十銭と申し上げましたのは、小売価格が百四十円であった段階の数字を申し上げたわけでございます。  百六十円になりました段階でのワンケース二千八百七十六円の中には、箱の保証金として二百円が含まれているので、これを差し引くと二千六百七十六円となり、小売のマージンは二十六円二十銭ということでございます。したがいまして、販売価格に対しまする率で申し上げますと、十八円二十銭の場合、つまり百四十円の場合におきましては二二%、それから百六十円に対しまして二十六円二十銭でございます昨今の場合におきましては、一六・四%ということに相なるかと存じております。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 そこで次に、朝日麦酒が今回二十円の値上げをしたのは、一応やむを得ない措置であったということですけれども、実際四十九年度の下期の決算を見ても、非常に苦しい状況であるというふうに言われましたけれども、私どもも有価証券報告書を調べてみますと、四十八年度の上期、このときの当期利益は四億四千三百五万五千円、四十八年下期の当期利益が八億一千三百二十三万五千円、それから四十九年の上期が十二億九千三百四十六万七千円と、これは半期ごとに四億円ずつ、ずっと上がってきているわけですね。  さらに、配当もどうなっているのか。この朝日麦酒は、資本金、端数を除いて約百億円でしょう。この百億円で配当も半期ごとに五億円といいますと、年間通して十億円、いわゆる一〇%の配当ですね。これがずっと継続的に一〇%配当ということでやられているわけですよね。さらにまた、四十九年の上期で二十一億円の利益準備金というものも積んでいるんですね。また、この有価証券報告書の中に、四十九年上期には八十一億円の任意積立金もあるのですよ。  こういう点を考えますと、私は、会社の内部留保というものが年々増加している、配当もずっと継続している、こういう状況のもとで値上げをするというのは、経営状態が苦しいとおっしゃるけれど、果たしてこういう状態が苦しいということが言えるのかどうか。百億円の資本金の会社といえば、そう町にある零細な中小の業者と違いまして、相当の規模を持つ会社でありますし、しかも配当もずっと継続して続けられている、こういう中で、今回経営状態その他からいってやむを得なかった措置であるということで、いわゆる二十円の値上げを妥当であった、こういうふうに言われているわけですけれども、これは私はちょっと、いまの有価証券報告書の中身から見ても、妥当な措置だとは言えないのじゃないのかと思いますけれども、いかがでしょう。

高木壽夫国税庁間税部酒税課長

○高木説明員 ただいま数字をおあげになりましての御指摘でございますが、四十八年の十月に値上げをいたしまして、その結果、ここしばらくは値上げをしないでもその百六十円という価格を維持していけるであろうということであったはずでございますが、その後の予期しない状況で、今回、三月七日でございますが、朝日麦酒が値上げをしたということでございます。その間、一年四、五カ月ということでございますが、いろいろな努力によって耐えてきたということであると思います。  ただいま配当等のことに触れられまして御指摘があったわけでございますが、配当ということについて申し上げますならば、本来、これは業績に応じて企業の方で決定をすべき事項であるかと存じますが、今後はそれらの点につきましても弾力的に考えていくべきものであろうというように存じます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 私は、経営が大変苦しいから値上げをしなければならないのだということを言う場合に、やはり配当はいままでどおり続けていきます。あるいはまた、任意積立金の取り崩しもいたしません、あるいはまた、利益準備金も特段取り崩しもしないというような形で、すぐに値上げに結びつくという行き方は、いまいろいろと国民生活も非常に厳しいと言われているような状況の中で、どうしても経営が苦しいのなら、まず配当の問題を若干どうするかとか、あるいは内部留保の取り崩しをどの部分かで行うとか、こういう措置を十分とった上で、やむを得ない措置をして値上げを認めてもらわなければどうにもならないということであれば、筋が通りますけれども、今回、朝日麦酒が二十円の値上げを行った——私、十一日と申し上げましたけれども、七日ということですけれども、この七日に二十円の値上げを行ったという今回の措置については、そういうことが何らとられないで二十円の値上げという形で出てきたわけです。これは私は国税庁が大蔵省妥当であるというふうにごらんになるということは、これは値上げの理由が成り立たないんじゃないだろうか、このように思いますけれども、いかがでしょうか。

高木壽夫国税庁間税部酒税課長

○高木説明員 ビールの価格は、もう申し上げるまでもないことでございますが、昭和三十九年から自由価格ということに相なっておりまして、私どもが価格に介入あるいは決定というようなことはできない仕組みになっております。最終的にはこれは企業が自主的に企業の責任において決定をするという仕組みになっておりますので、私どもの指導、監督という立場からのいろいろな要請、指導、これは当然のことでございまして、従来からもやっており、またこれからもやるつもりでございますけれども、それには限界があるという点につきましては、御了承をいただきたいと思います。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 確かにビールは自由価格ということでございますけれども、実際には、今回の値上げを妥当というふうにごらんになりますかというふうに私、質問したのに対しても、いろいろと理由もあって、コストアップもある、人件費の増加もある、あるいは石油危機その他のショックもあったというようなことで、二十円の値上げというものはやむを得ない、大方妥当なものであるというふうな御答弁をされたわけですけれども、監督官庁と言いながら、こういう姿勢がやはり値上げを実質的には認めていくという方向につながるのじゃないか、このように考えるわけです。     〔委員長退席、松浦(利)委員長代理着席〕  それで、朝日麦酒の場合は今回実際に二十円の値上げを行ったわけですけれども、他のサッポロ、あるいはまた麒麟、サントリーというようなビール会社に対して、具体的な動きがどのように出ているのか、そしてまた、それらについて行政指導も含めてどのように見ていらっしゃるのか、見通しを持っていらっしゃるのか、この点についてお伺いをいたしたいと思います。

高木壽夫国税庁間税部酒税課長

○高木説明員 ただいままで申し上げましたことと若干重複するかもわかりませんけれども、一昨年の十月から四十九年の一月にかけまして、ビール四社の値上げが行われたわけでございますが、その後の物価の異常な高騰という事態がございました中におきまして、ビール各社それぞれの企業努力によりまして、今日までともかくも値上げということは回避してまいっておるわけでございます。  その間におきまして、私ども指導、監督の立場にございます者といたしましては、当然ながらそのような努力をするようにということにつきまして強く要請を続けてまいったわけでございます。     〔松浦(利)委員長代理退席、委員長着席〕  しかしながら、その企業の努力にも限界があるということで、去る三月七日に朝日が上げたわけでございますが、今回の朝日麦酒の値上げを最終的に余儀なくされました主たる事情、これも先ほど申し上げたところでございますけれども、原料あるいは材料、それから人件費、運賃といった、いわば比例費と申しますか、そういった種類の経費のアップということに伴う値上げであったわけでございまして、そういった事情は、実は朝日麦酒を除く他の会社におきましても、ある程度共通にかぶっている事情であるということは言えるかと思います。そういうことでございまして、朝日以外の会社におきましても、決して経営の状況は楽ではないというふうに私どもは見ております。  そういうことでございますので、見通しはというお話だったかと思いますけれども、ビールが自由価格であるということからも、昨今の各社の経営の実情ということを無視いたしてまで値上げを抑え切れるかどうかということにつきましては、私ども最終的には行政上限界があるというふうに心得ておる状況でございます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 企業はコストアップで大変苦しんでいる、朝日を除いて他のところもみな同じような状況であるということですけれども、こういう状況の中で、今回酒税の大幅な引き上げが行われる。経営が苦しくて悪化しているというところへ、酒税の今回の引き上げというものは、価格にそれだけ上乗せしていくわけですね。間接税ですから、価格にその分だけが上乗せされるわけです。しかもその上に、今度はコストアップというようなことになれば、これは大幅値上げにつながるというふうに私どもは大変心配をしているわけです。  これらの問題について、具体的に、二重の負担といいますか、税金でもって価格が上がり、企業がコストアップしていると言ってその分だけ価格が上がる。一体この二重の価格の引き上げはだれが全部かぶるのですか。

高木壽夫国税庁間税部酒税課長

○高木説明員 先生おっしゃいますように、コストアップによる値上げ、それから増税がこのたびは予定されておるわけでございますけれども、増税が実施されました場合に値上げということに相なるかどうか、それをだれがかぶるのかというお話でございますが、コストアップによります値上げ、これは最終的には企業の責任におきまして値上げを世に問うということでございまして、これはもう消費者に御負担をお願いするということであろうかと思います。  それからまた、増税によります値上げというものをだれが負担するかということにつきましては、この酒税というものが間接税ということである事柄の性質上、最終的には消費者に負担をしていただくということが予定されておるという性格のものであると心得ておりますので、やはりこれは消費者に御負担していただくということに相なるかと存じます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 そうしますと、これはいま問題になっている酒税ですから、上がることを想定するのも私どもちょっと、そういうことではありませんけれども、しかし、その分についてはこれは間接税だ、しかし、コストアップの分については、これはいわゆる企業が負担するのだ、こういうことですね。いまの御答弁、そういう御答弁でしたね。企業がコストアップ分については負担するのだということでしょう。

高木壽夫国税庁間税部酒税課長

○高木説明員 ちょっと言葉が不十分であったかと思いますけれども、私が申し上げましたのは、コストアップによる値上げにつきましては、企業の責任において、その負担を消費者にお願いするということを世間に問うという行為であろうと申し上げたつもりでございますので、やはり消費者に負担をしていただくということに相なるだろうと申し上げたつもりでございます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 そうしますと、コストアップ分の値上げというのは、どなたがどこで判断するのですか。企業が一方的に、これだけのコストアップがあったということで、それを国民に一応すべて転嫁するということになるわけですね。国税庁に聞いても、その資料はないというのでしょう。具体的に調査もされていないのでしょう。しているのならば、しているとはっきり言ってください。  私は、本来、こういう場合には、当然、監督官庁である国税庁が、それらの問題についてもきちっとやはり把握をしていくということが必要だと思いますけれども、一体、コストアップだコストアップだと言ったって、どのくらいのコストアップかということもだれもわからない。知っているのは企業だけ。国民に公表するかと言えば、企業の機密だから公表できないと言う。国税庁に聞けば、これはすでに自由価格であって、国税庁としては云々と、こういうことでは、この分は国民に転嫁するのだ、それじゃ一体、だれが判断して、どこで企業が一方的にこういうことを進めていくことをお認めになられるわけですか。

高木壽夫国税庁間税部酒税課長

○高木説明員 私ども、ビール業界に対しましても、指導、監督の責任の立場にある者といたしまして、当然のことながら値上げといったことにつきまして十分慎重であるように、また、こういった事態にございますので、物価問題の厳しい状態がありますので、値上げということにつきましては極力これを抑制するようにということを言ってまいっておりまして、業界の方も、従来私どものこの指導というものに十分従ってきてくれておるということは言えると思っております。  ただ、自由価格ということもございまして、値上げ幅というようなものを国税庁がきめるという立場にないということは御了承いただきたいところでございますが、たとえばこのたびの朝日麦酒のように、現実に値上げが行われたといったような場合におきましては、私どもといたしまして、コストアップの要因なり、あるいはその内容というものにつきまして説明を受けておるところでございまして、その限りにおきましては、このたびの値上げの内容にいたしましても、不適正なものではなかったという判断をいたしておるわけでございます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 実際にビールは、国税庁いろいろ言いますけれども、四十年の十月の値上げのときにも、ほとんど同期日ですね。四つしかない会社ですから、四十年十月のときにも、朝日とサッポロが同じ日に上げる。そして一日置いて、二十八日に麒麟とサントリーが上げる。そうしてまた四十二年の五月にも、これも酒税の増税による値上げだということで、この場合には四つの全メーカーが一斉に値上げをしている。あるいは四十二年の九月にも、九月九日にサッポロが値上げをする。翌日の十日に朝日が値上げをする。そして二日置いた十二日には麒麟とサントリーが値上げをする。四十五年の十月も、大体一日、二日というような状況のもとで、しかもみんな同額の値上げをやっているわけでしょう。自由価格だ自由価格だと言うけれども、実際には一日、二日ぐらいのずれはあるにしても、同期日に、しかも同額の値上げを一斉に行っている。  こういう問題は、自由価格だと言っても、こういう事態が起きるということは、一体これは競争条件というものが実際にどう働いているのだろうか。この四つの企業の中で、同じ時期に同じ額の値上げが行われるということは、一体どういう競争条件というものが価格の中において働いているのか、この点を明確にしていただきたいと思います。

高木壽夫国税庁間税部酒税課長

○高木説明員 ビールの業界は、申し上げるまでもなく、実質的にわずか四社による寡占業種であることは事実でございます。そういう中で実質的にどのような競争が行われておるのかという御質問であると存じますけれども、たとえば戦後の歴史を見ましても、ある会社がビール業界に参入をしてきて、約十年間ビールをつくり売っておりましたけれども、撤退を余儀なくされたという歴史も一つあるわけでございます。それからまた、その点を除きましても、いろいろなシェアの推移といったことからもうかがわれると存じますけれども、現在におきましては、この四社という少ない企業数ではございますけれども、その間におきまして、相当激しい販売競争が行われておるということは申し上げ得ると存じます。  ただ、しかしながら、同じ時期に同じ幅ではないかというお話でございますが、確かに古い時期におきましては、ほとんど同時あるいは全く同時といったような時期に値上げが行われたという事実があるいは過去においてあったかと思いますが、たとえば前回行われましたときにおきましては、十月から一月というようなことで、値上げ時期につきまして若干の開きも出てきておるというような状況もございます。  それからもう一つ申し上げ得ると思いますのが、ビールだけではございませんけれども、酒につきましては、相当長い期間にわたりまして統制価格という時代が続いてきておりまして、自由価格になりましたのは三十九年でございます。そういうことで、比較的この統制価格時代の単一の価格に長い期間なじんできたという事情は一つあるかと思います。  それからもう一つは、これはやはりビールと申します商品の一つの特性と考えられると思うのでございますけれども、他の商品に比べまして、その価格が比較的低く設定されておるということからいたしまして、競争の余地がわりに少ないということは言えると思います。それから、四つの銘柄がございますけれども、消費者が認知できるほどの明確な品質の差異がないというような事情もございますし、あるいはまた、原価に類似性があるというような点もございます。そのような点からいたしまして、やはり同じような幅の値上げというものが過去において行われてきたということが言えるのではなかろうかと存じております。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 時間も大分過ごしておりますので、あと簡潔に伺いたいと思いますけれども、答弁もひとつごく簡潔にお願いしたいと思います。  いま長々と御答弁でしたけれども、消費者の立場から見て、一体どこに価格競争が行われておるのかということはかいもくわからない。同じ時期に同じ率で上がるのですから、どこに競争というものがあるのかということは、企業側に立っていろいろと御説明いただくのじゃなくて、消費者の立場から見れば、現実に価格に競争が行われてないという不満が非常に強く出ているわけです。  あと一点だけ伺って、きょうは時間もありませんから、またこの問題は引き続いて行いたいというふうに考えますけれども、麒麟麦酒が一社で市場シェアが六二%を超しているわけですね。こういう場合には、いわゆる独禁法の政府素案の、一社で五〇%、あるいは上位二社で七五%の市場シェアを持った場合、これに明らかに抵触する。あるいはまた、新しく参加するものが出にくい状態、こういう独占的状態を占めている場合には、営業の一部譲渡あるいは企業分割という問題が、具体的にいま自民党でですか、いろいろと論議され、法案として出されようとしている独禁法の素案の中にも、こういう問題というのは現在はっきりと明記されているわけです。  公取の事務局長にお伺いをいたしたいと思いますけれども、一体、現在、麒麟麦酒のこの六〇%を上回る市場のシェアという問題をどのようにごらんになるか、また、企業分割を当然行うべきではないかと思いますけれども、この問題についての見解をお伺いいたしておきたい。

熊田淳一郎公正取引委員会事務局長

○熊田政府委員 麒麟麦酒のシェアでございますが、これは四十七年のシェアで六〇・二%、六〇%を若干上回っております。  それで、今度の独禁法改正の問題でございますが、公正取引委員会の発表いたしました改正試案の骨子、あるいは総理府の発表いたしました政府の素案、この中におきまして、独占的な状態の排除規定があるわけでございます。ただ、独占的な状態というのはどういう状態であるかと申しますと、これはシェアだけで判断をするわけにまいらないわけでございまして、やはりその事業分野におきまして、新規参入が著しくむずかしいというような点、それから競争が実質的に抑圧されておると、これはもう価格競争だけではございませんで、あらゆる意味におきまして、上位企業に対しまして下位企業が競争をいどむことが著しくむずかしくなってくる。  そういうような点も含めまして、そういう要件を全部満たした場合に初めて独占的状態というふうに見るという考え方になっておりまして、現在のビール業界を見まして、この独禁法の改正が行われまして、こういう独占的状態の排除措置というようなものが規定をされることになった場合に、果たして麒麟麦酒がその独占的状態ということで企業分割の対象になるのかということになりますと、これは現時点において直ちにそういうような企業分割の対象になるというふうには私どもは考えておらないわけでございます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 ビール業界の実態については、私は、公正取引委員会はいろいろと御調査もされて、十分その実態その他もつかんでいらっしゃった上でのいまの御発言だと思いますけれども、ただシェアだけで規制をするということはできない、あるいは新しく参入するそういう余地というものが業界にないのかどうか、あるいは競争が行われているかどうかというこれらの問題は、これはもう前から公正取引委員会が言っていたことでもありますし、そういう上に立って、前回ビールの問題が問題になりましたときに、公正取引委員長がやはりこの問題について、現在のビール業界は明らかに寡占的なものであるということを認められ、ごく大きなシェアを持っている一社がこれからどんどん大きくなっていくというような余地、寡占の弊害というものが十分出てきているし、あるいはまた、値上げの問題一つを取り上げても、実際に値上げをしなければ、逆に国民から、値上げをしない商品ということで一層商品に対する集中が強まるし、企業の経営としては相当大きな規模を持っているにもかかわらず、他社と一緒に値上げを行っていくというような、こういう矛盾は解決しなければならないということをはっきりと委員会でもおっしゃっていたわけです。  私は、やはりこの問題について、明らかにシェアの点と言い、あるいはまた、価格競争の面と言い、あるいはまた、実際にはもう四社でずっとやられてきていて、新しく参入するという余地がきわめてむずかしい、こういう状況というものを率直にどのようにごらんになっていらっしゃるのか、その点をお聞きして、時間も過ぎておりますので、質問を終わりたいと思います。

熊田淳一郎公正取引委員会事務局長

○熊田政府委員 現在の時点で果たして企業分割の対象になるかということにつきましては、先ほど私が御説明を申し上げたとおりでございます。  ただ、このビール業界の値上げの状況、過去の状況を見てみますと、これはまさに先生おっしゃいましたように、ほとんど同じ時期に、全く同じ値幅で値上げが行われておる。つまり、協調的値上げが行われておる。しかも、このビール業界はまさに高度寡占の状態でございます。そういう高度寡占の状態におきまして、協調的な値上げが行われるというところに問題があるという意識は私どもも持っておりまして、ただ、これは現在の独禁法上、たとえばカルテルに当たるのかと申しますと、カルテルとしての証拠はつかむことができません。したがいまして、現在の独禁法上問題にするわけにはまいらないわけでございますが、こういう点は今度の独禁法改正の試案の中に、たとえば公取の試案の骨子で言えば原価の公表というようなやり方であり、また、政府の素案で申しますと、価格の同調的引き上げがあった場合の報告義務を課す、そしてこれを国会に公取から概要を報告する、こういう制度によりまして、そういうような弊害を予防していくといいますか、そういう点を考えておるわけでございます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 私は、これがカルテル云々ということで御質問したのじゃなくて、こういう事態の中で寡占の弊害が具体的に出てきている事実をどうごらんになりますかということで御質問をいたしたわけです。その点、もう一度御答弁いただいて、質問を次に保留したいと思っております。

熊田淳一郎公正取引委員会事務局長

○熊田政府委員 寡占の弊害と申しますのは、いわゆる管理価格の弊害ということであろうかと思います。管理価格の弊害というのは何であるかと申しますと、これはいわゆる協調的な値上げにあらわれておる、こういうふうに私どもは考えておるわけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員長 石田幸四郎君。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 私は、公益法人でありますゴルフ場の問題について、これから若干の質疑を行いたいと思います。  この前、予算委員会で文部大臣に対して伺ったのですが、ゴルフ場で公益法人を名のっているところは、全国で三十カ所あるわけなんですね。三十ヵ所という言い方はおかしいかもしれませんが、三十法人あるわけです。これはスポーツ振興というために公益法人の認可をとっているわけなんですが、問題は、やはり現在のゴルフ場の経営状態から見て、公益法人としてのあり方としてはふさわしくないのじゃないか、こう思うのです。  具体的に申し上げますと、税金の面でも、一般のゴルフ場ですと、収益に対して四〇%課税であります。公益法人でございますと、たしか二三%というふうになっておると思うのですね。その実態をいろいろ私もいま調べておるのでございますけれども、どうも貸借対照表あるいは損益計算書を見ましても、公益法人としてのあり方には非常にふさわしくないのではないかというような実態がかなり見受けられるわけです。  そこで、まず、政務次官にお伺いをするわけなんでございますが、民法三十四条の規定「公益法人の設立」については、「祭祀、宗教、慈善、学術、技芸共他公益ニ関スル社団又ハ財団ニシテ営利ヲ目的トセサルモノハ主務官庁ノ許可ヲ得テ之ヲ法人ト為スコトヲ得」このようにあるわけなんですね。ですから、公益法人の主たる目的というのは、営利を目的としてはならないというようなところにそのポイントがあるように見受けられるわけです。そういう立場に立って、現在の公益法人を名のっている各ゴルフクラブを見た場合に、今日の社会情勢と相関連して考えてみた場合には、どうしてもスポーツ振興という名目のもとに公益法人を名のっていることはまずいのじゃないか、こういうふうに思うのでございますけれども、概括的な問題でございますから、まず政務次官からひとつお答えをいただきたいと思います。

山崎平八郎自由民主党文部政務次官

○山崎(平)政府委員 ただいまの石田先生の御質疑でございますが、ゴルフ場が公益法人として活動しておることは、本来の目的に反するのではないかというお話でございますが、実はただいま公益法人を名のっておりますゴルフ場を調べますと、大体戦前から昭和三十年代、非常に古い時代に経過的にそのような事実がございまして、その際設立されたものに限りましてそのようなことがあるわけでございます。大体同好会的な気持ちで発足して、営利を目的としないという趣旨で発足されたものでございます。それ以外のものは、その後設立されましたので、すべて株式会社等の営利法人によって運営されておる事情がございます。  それで、公益法人が運営しておりますところの既存のゴルフ場につきましては、その実態等についていま調査を進めておりますが、その結果を待ちまして、必要に応じてさらに指導を強化していきたい、かように考えておる次第でございます。  なお、昭和四十九年、すなわち昨年の十二月二十七日付で文部事務次官の通知を出しまして、「地方公益法人に対する都道府県教育委員会の許可、認可等の事務について」こういう表題の通知を発しておりますが、法人の許認可につきましてその審査基準を示しておりまして、適正を期しますように指導いたしましたもので、今後許認可される法人につきましては、適正な運営が行われるものと考えておる次第でございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 いま見直しをしている最中ということでございますので、それ以上多くは申し上げられないかもしれませんが、いま政務次官がお話しになりましたように、明治から始まっているものもございますので、過去においては、今日の状況とは違いますので、公益法人を名のっておってもよかったかもしれませんけれども、現在の社会情勢を見ますと、完全な営利企業になっております。  この点は、それでは、まずいというふうになった場合に、公益法人の認可を取り消すことが法的に果たしてできるかどうか、この点はいかがでしょう。

山崎平八郎自由民主党文部政務次官

○山崎(平)政府委員 民法に基づきます法令によっておりますが、現時点では、認可の取り消し等につきましては法の改正を要すると存じます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 そういう意味におきまして十分御検討願いたいと思いますが、先ほど来申し上げておりますように、完全な営利企業の実態になっておりますので、今後こういう問題をもう少し公益性のあるものに変えていかなければならぬと思うのですね。文部省でいまいろいろお調べだと思うのですけれども、私も公益法人としてのゴルフ場の決算表を四十七年度、四十八年度あたりずっと調べてみたのでございますけれども、たとえば剰余金が出ているところがございます。そういうものの使い方についても、次年度に積立金として繰り越しているだけであって、本当に公益性のあるものに使用されておらないという状況があると思うのですね。そこら辺のところにつきましても、これはやはり公益法人を名乗っている以上は、社会的な還元をするような何らかの行政指導が必要だと思うのでございますが、いかがでしょうか。

山崎平八郎自由民主党文部政務次官

○山崎(平)政府委員 仰せのとおり、北海道あるいは関東等におきまして、先生御指摘のような事例があるようでございます。剰余金をたとえば他のクラブ等に貸し付けるなどということがあるようでございますが、こういうことは本来の目的に反しますので、十分改善の方途を講じたい、かように考えておる次第でございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 いま政務次官のお話でございますので、一つだけ事例を申し上げるのでございますが、これはゴルフ場の名前は申し上げません。関東のあるゴルフ場でございますけれども、この実態を見ますと、別のゴルフ会社からゴルフ場施設を全面的に貸与されておる。ところが、それに対して賃貸料はもちろんのこと、そのゴルフ株式会社の株式保有をクラブ入会の条件とするというようなことになっておりまして、そういうような形は全く公益性が欠けていると思いますね。それから、そっちの公益法人の方からゴルフ株式会社に対して投資が行われております。それから、長期貸付金が行われておりまして、一億以上のものがそちらのゴルフ会社へ行っている。ところが、じゃ、そのゴルフ会社は別にあるかといいますと、登記されている住居というのは全く一緒でございます。と言いますのは、これは完全にゴルフ場経営ということだけを目的にしておやりになっているとしかわれわれには感じられないわけですね。そういうようなきわめて公益性の失われている実態というものを、もう少し各自治体とも御相談の上、善処していただきたい、こう思うわけでございます。  また、もう一点御指摘を申し上げますと、四十八年度分の現金及び預金を見てみますと、各公益法人のゴルフクラブとも相当な現金、預金を持っているわけですね。一番目のものが五千六百万円、二番目のものが一億二百万円、三番目のものが六千四百万円、四番目のものが一億九百万、五番目のものが一億七百万、その次が一億一千万等々、相当な現金及び預金を持っておるわけでございまして、これは相当な収益が上がっておって、しかも社会に何ら還元をされていないという明確な証拠ではないかと思うのですね。この点もひとつぜひいろいろな対策を立てて御指導を願いたいと思うわけでございます。  それから、公益性を名のっているからには、会員権の問題にいたしましても、これは後ほど通産省にいろいろお伺いをいたすわけでございますけれども、少なくとも公益法人ということで、民法を改正していかなければ認可を取り消すことができないということになりますと、やはり会員権につきましても何百万というような価格になっているわけでございますので、ここら辺も整理をしていただく必要があるのではないかと思います。  それからもう一つは、最近、ゴルフの会員権の譲渡に関して課税が行われる、いわゆる譲渡利益に対する課税が行われることになっておるわけでございますけれども、いまゴルフ会社では、ゴルフの会員権が譲渡された場合、名義の書きかえ料というものを取るわけなんですね。この公益法人の中でも、高いのは七十万円も名義の書きかえ料を取っているわけです。これもいささかどうかと思います。これは通産省との御相談になろうかと思いますけれども、こういう問題もやはりある程度の規定をつくらなければならないのではないかと思います。いま一番高いのは、たしか名義の書きかえ料だけで五百万円ですね。これは一方においては公益法人ということでスポーツ振興という名目を認めながら、書きかえ料がそんなに高いのは、いわゆる会員が実質的にかわらないように、投資をした人々共通の利益というのですか、そういうものを守るために、余りに中身がかわって変な人が入ってこられても困るというのでものすごく高くしているのだと思うのでございますけれども、一方においては公益性を認めながら、一方においては、経済の自然な流れかもしれませんけれども、そういうようなことが行われている。そういった点も十分加味していただきたいと思うのです。  それから、もう一点申し上げておくわけでございますが、減価償却なんかを見ましても、この三十法人の中で減価償却をやっているところもあります。また、行われてないところもあるわけなんですね。こういう面の中身につきましても、これはあるいは大蔵省の問題なのかもしれませんけれども、十分にそこら辺の行政指導をしていく必要があるのではないかと思います。たとえばある会社の例を挙げますと、四十八年度に二億五千万円の収入があって、そして五百六十万円の欠損を出しているわけですね。ところが、中身を見てみると、減価償却費が一千百九十万円、それから退職金引当金に五百九十万円も出しておる。その上で五百六十万円欠損だなんて言っても、本当は私は実態はもっとひどいんじゃないかと思うけれども、こういう内容を見ましても、課税という問題からも非常に疑義があるわけなんですね。そういうようなことが公益法人の名のもとに行われているということは、非常に私としては遺憾なことではないか、こういうふうに思いますので、公益法人の認可を取り消すことができないとすれば、それなりの問題を提起する必要があるのではないかと思います。  それからもう一つ、これは特に文部政務次官の方にお願いをしたいのでございますが、この公益法人の中で公有地を使用しておられるところがかなりありますね。九法人あるわけですね。そういうようなことにつきましては、特にこれは過疎地帯においては私はそこまで制限をしません、町村等の財源が少ないわけでございますから。少なくとも都市近辺においては、こういうような形は今後やはり避けるべきではないか、ぜひこれは禁止規定というものをつくるべき必要があるのではないか、こういうふうに感じておるのでございますけれども、この点はいかがでございましょうか。

山崎平八郎自由民主党文部政務次官

○山崎(平)政府委員 ただいま三点のいろいろの御要望がございましたが、特に第三点目の、公有地を使用しております法人が九つもある、これにつきましてぜひとも将来根本的に考え直せ——お説のとおりでございまして、十分に配慮いたしまして、御趣旨に沿うようにいたしたい、かように存じております。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 特にこれは公益法人の問題に絡むのでございますけれども、いまスポーツ人口、特にゴルフ人口は三千万と言われているそうでございます。これは多分に通算の数字だと思うのでございますけれども、かなりの人数に上っておることは事実でございます。そういうようなことから、そういう公有地等を使っているものについては、むしろパブリックの、一般に公開されたゴルフ場と申しますか、スポーツ場、そういうようなものに方向転換をしていく必要があるのではないか、こう思っておるのです。各県においてはパブリックのゴルフ場をつくっておるところもかなり散見されるようでございますので、この点もひとつ加味していただきたい、こういうふうに思うわけであります。  やはりこれだけの人口がそういうものに参加しておる。特に二十代の後半から五十代、六十代に至るまでの人口と比較してみますと、これは相当な方がおやりになっていらっしゃるというふうに思われるわけですね。そういった意味でも、これはパブリックのゴルフ場を何でもかんでも制限する方向ではなくて、むしろ推進をする方が一般大衆化してきたゴルフに対する姿勢ではないかと思いますので、特に公益法人についてはそういう方向も加味していただくように、ひとつぜひこれらの法人の方々と話し合いをしていただきたい、こんなふうに感ずるのでございますけれども、いかがでございましょうか、文部政務次官にひとつ。

山崎平八郎自由民主党文部政務次官

○山崎(平)政府委員 ただいまの御質疑は、公益法人の趣旨に沿って今後利用方法について一般に還元する方向で進めようという御趣旨でございますが、まことに御趣旨のとおりでございます。すべてこれは利益として積み立てなどはいたさず、すべてを使用者に還元していくという方向で進むべきだと存じます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 それでは、渡部政務次官の方にお伺いをするわけでございますが、これはごく抽象的な話になるかもしれません。と申しますのは、現在のゴルフの発展と申しますか、非常にふえているわけでございますけれども、会員権の問題一つを取り上げてみましても、そこには非常にルールが感じられないわけですね。一千万円からする会員権がございます。片や何十万という会員権という、値段の上においても非常に大きな差がある。これは立地条件等に絡む問題でございますから、やむを得ないと言えばやむを得ませんけれども、実際にこの会員権も有価証券の一つだと思うんですね。それで銀行等はこれを担保に取ってお金も貸すというようなことが行われております。そういうようなことを考えますと、全般的にいわゆるゴルフに対する行政指導というものを強めなければいかぬのじゃないか。先ほど来申し上げておりますけれども、書きかえ料で最高は五百万円というのでしょう。ちょっと非常識です。  これは大蔵省の問題になるかもしれませんけれども、会員権の譲渡利益に対して課税をするというのであれば、会員権の名義の書きかえ料は完全な不労所得でございますから、これに対してやはり特別に課税をするというような必要も出てくると思うんですね。そういうことを整理しないと、私は、本当に野放し状態ではいかぬのじゃないか、こういうふうに思うのでございますけれども、いかがでございましょう。

渡部恒三自由民主党通商産業政務次官

○渡部政府委員 ただいま石田先生のおっしゃるとおりでありまして、ただ、ゴルフについての感覚が、時代の推移でこの十年間に急激に変わったのですね。十年前ぐらいまでは、何かゴルフというのはある種の特定の人だけの対象になっておったのが、この十年間急速な勢いでこれは大衆化してきた。ところが、まだ、いま先生御指摘のとおり、ゴルフの会員権に対する法的な性格があいまいである、あるいは取り扱い、売買譲渡等に対してはっきりしたルールができていないというようなことで、いろいろの混乱が起こっておるのはおっしゃるとおりであります。  ゴルフの本来の会員権は、そのゴルフ場の会員になった場合、そこである程度の優偶的な特権を受けて、そこでプレーができるというのが、会員権の性格だったわけです。それがこの十年間、異常なる土地の値上がりとかそういうことで、実質的には投機の対象になってきたことも否定できませんし、そういうこの十年間の変化というものを考えると、当然にこの会員権の性格をもっと明確にする、あるいは一定の行政指導というものでトラブルのないようにしなければならないということは私どももいま考えておりますので、いますぐ何らかの立法措置で変えられるかどうかというところまではいっておりませんが、先生の御趣旨を体して、担当の課で強力な行政指導をしていく方法を検討してまいりたいと思います。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 それから、これは文部省に要望したのと同じでございますが、一カ年の収益なんかを見ましても、二億、三億、五億、六億というような膨大な収益を上げておるわけですね。そういうような企業は今日ではかなり活発な企業体と見ていいと思うのでございますけれども、それが河川敷なんかの公有地を借りておりまして、話にも何もならぬような安い値段で借りておるわけですね。たとえば岡山のあるゴルフ場でございますが、建設省所管の河川敷を借りておりまして、一平方メートル年に二円なんですよ。一坪七円ぐらいですね。そういうようなことがかなりあちこちで見受けられるわけです。  そういう問題についても、ぜひこれは、そういうゴルフ場を認可する場合の一つの考え方として、大都市周辺の公有地はだんだんなくなっておりますし、そういうものはやめるとか、あるいは賃貸料にいたしましても、そういう非常識な価格、国有地だから安いんだというようなことであってはいけない。そういうものを利用して不当にゴルフ場だけが収益を上げている、国民の財産を貸しておるわけですけれども、国民はそれについて全般的に何にも還元がないというような形は、ぜひやめていただきたい。ただ、先ほど来申し上げておるように、過疎地は違いますよ。疎過地はやはりある程度の、町有地であっても貸さなければ財源が少ないという問題がありますから、それの適切な一つの決め方が必要だろうと思うけれども、いま申し上げた趣旨についていかがでしょうか。

渡部恒三自由民主党通商産業政務次官

○渡部政府委員 いまのお話のように、これもやはりゴルフ場の性格が時代的に変化したことと関連してぐるのですが、十年前の時期には、おっしゃられるように過疎地なんかではゴルフ場を誘致する、一つの地域社会にゴルフ場ができることが何かその地域社会の発展につながる、市町村の自治体なんかまで、ゴルフ場を誘致するということがその地域の発展につながるというような関係で、恐らくいまおっしゃられたような公的な土地を特別な便宜で提供するというようなこともあったかと思うのです。最近は、地方自治体で、ゴルフ場の許認可に当たっては、森林法、農振法、そういうもので農地をつぶしてはならないとか、あるいは保安林に立ち入ってはならないとか、かなり条件が厳しくなってきておりますので、これからのものはそういうものは余りなくなってくるかと思うのですけれども、確かにおっしゃるとおり、今日ゴルフ場について、何かいまおっしゃられるような河川敷とかそういうものが特別に安い値段で便宜を図られておるというようなことがあれば、余り今日の時点では適当でないと思いますので、そういう点も十分に検討してまいりたいと思います。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 では、あと時間がありませんので、両政務次官に対してはこれ以上御質問はございません。どうもありがとうございました。  それから、国土庁の方にお願いをしたいのですが、これは生活問題でございますので、特に本委員会においても取り上げさしていただくわけでございますが、いわゆる奄美大島の問題です。  奄美大島は御存じのとおり二十八年の十二月に本土に復帰したわけでございますけれども、米軍に占領されておった時代、米軍から復興金融基金の貸付金というものを一般の人が借りておるわけですね。あるいはガリオア物資などの問題が発生をしておったわけでございます。そしてもう二十年以上を経過しているのですけれども、アメリカ軍から各人が借りた債権がいわゆる日本政府に承継をされて、その合計が三十一億五千六百万円ぐらいですね。そういうようなことで今日まで引き継がれてきているわけでありますけれども、これが住民の生活を非常に圧迫いたしておるわけであります。  この問題は、私は何回か各委員会で取り上げて、当時自治大臣であった野田さんが大変骨を折ってくれて、いろいろ規定を考えていただいて、ある程度返済を免除するというような規定がつくられたわけでございますけれども、最近またそういうものの徴収が大変厳しく行われているように地元から訴えがございました。  一つの例を挙げますと、ある公務員の例でございますけれども、二十四万円相当借りて、毎月三千円、ボーナス期には一万円の返済ペースで、八万五千円まだ残っているわけですね。ところが、それを払い終わると、あとは延滞利息をさらに二十万円以上返済しなければならぬというような状況がいまもって続いておるわけでございますけれども、ここら辺の問題について、国土庁としてはどういうような行政指導をしているのか。  特に、前回、「老人、寡婦、身体障害者、延利、小型製糖工場の被害者等は免除申請をすること。給与所得者に対しては管理要領第四条、第五条を併合して適宜免除の方向で措置すること。」ということが、口頭で四十六年に通達がなされているわけですね。ところが、最近そういう訴えがまた出てきているわけなんですが、この通達はうまくいっておりますか、そこら辺からまず……。

諏訪部信国土庁地方振興局特別地域振興課長

○諏訪部説明員 ただいま御指摘ございましたとおり、奄美群島振興信用基金につきましては、その保証関係の基金といたしまして、いわゆる承継債権でございますが、その中身には、ガリオアの物資代でございますとか、御指摘ございました復興金融基金の貸付金等の債権が含まれているわけでございますが、復興金融基金の貸付金につきましては、三億一千五百万円余りのうち約八五%が回収されておりまして、その残りのうちさらに七百六十九万円が、先ほど御指摘ございました貸付金の債権管理要領に基づきまして免除の措置がとられているわけでございます。なお四千万円近くが残っているわけでございますが、それらにつきましては、御指摘ございましたとおり、四十四年にただいま申しました債権管理要領をつくりまして、一定の手続で一定の条件に当てはまった場合には徴収の停止なり履行延期の措置、さらには免除の措置がとられているわけでございます。  その時点におきまして、基金等におきましても、十分それらの債務者の方々に周知徹底を図ったわけでございますが、かなり時間も経過をいたしておるわけでございます。現在におきましても、毎年、これに基づきまして免除等の措置がとられているわけでございますが、先ほど御指摘ありました債権や利息を完納された方の延滞金だけ残っているような場合には、一般よりも条件が有利になっているわけでございます。  かなり時間もたっておりますので、一度調査をいたしまして、実情によって、これらの規定に適応する場合には適用するように、基金に対しまして指導してまいりたい、かように考えております。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 これは四十八年八月の新聞ですが、大蔵省の中小金融課の加藤課長補佐の談話として、「何がなんでも取り立てよといってはいない。だが、国の財産だから回収できるものは取り、免除するものはする。復帰二十年になるので自治省、大蔵省主計、銀行両局、鹿児島県を加えて再検討しようと検討中です。」こういうような談話が載っているのです。一年たってもまだその検討の結果が出てこないのですか、どうですか。

諏訪部信国土庁地方振興局特別地域振興課長

○諏訪部説明員 いわゆる承継債権の残っている分につきましては、ただいまの復興金融基金のほかにガリオアの物資代等があるわけでございますが、これらにつきまして、ただいま御指摘のとおり、当時の自治省時代から現在の国土庁の時代にかけまして、大蔵省と共管になっておりますので、関係者の間で協議をしているわけでございますが、これらがその保証基金の原資になっているというようなこともございまして、基金のあり方全体にも影響がございますので、現在それらの対策について引き続き検討している段階でございます。できるだけ早い機会に結論を得たいと思います。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 もう少してきぱきやらなければいけませんね。だって、たとえばこの信用基金の常務の話でも、同じ条件の沖繩あたりは、米軍がどんどん免除するものは免除して、そして復帰前に大体片づいておるというのですよ。そうすると、沖繩と奄美大島と比べると、奄美大島の住民は非常に不公平な待遇を受けておるということに一つはなりますよ。  それから、たとえばガリオア物資代についても、私も現地に行ってみたけれども、もうすでに借りていた七団体のうち二団体は、消滅してなくなっておるわけですよ。返そうにも返しようがないのだ。そういうのは明確にこの基金の債務から削らなければいけませんよ、実体がないんだから。  そういうようなことを考えてみますと、やはり奄美の特別措置法について、国費だけでも三百三十七億円もつぎ込んでおるわけでしょう、その中の一億円ぐらいつぎ込めば全部済んでしまう話じゃないですか。そういうような問題についてもしっかりと検討してもらいたい。少なくとも延滞利息ぐらいは勘弁してやるというような、もっと人間的な、温かい血の通った行政とよく言われるけれども、そういう措置を講ずるように大至急検討してもらいたいのですが、いかがですか。

諏訪部信国土庁地方振興局特別地域振興課長

○諏訪部説明員 先ほど申し上げましたように、延滞利息につきましては条件がやや緩やかになっております。それで、それらの規定を十分活用いたしまして、延滞利息だけ残っておるような方についてはできるだけこの規定を適用して、この規定によります免除等の措置がとれるように指導してまいりたいと思います。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 もう一点だけ。これはある新聞の報道ですから、正確かどうかわからぬけれども、残りは六百十八人なんですね。だから、その六百十八人についても、一つ一つ基金の方に督促をして、この人はこういうような適用を受けることができるというように、申請を待っているのではなくて、どんどん基金の方で査定をしていくというような方向に検討しないといけませんよ。もう二十数年間、民間だったら二十年間も経過すれば、まあいいや、勘弁してやるというようになりますよ。そういうような社会の実態と合わないようなことをいつまでもやっておられるんじゃだめだから、そこら辺のところはひとつ基金の方で明確に、六百十八人の名簿があるんだから、こういう人はこういう適用を受けることができるとか、あるいはどういうふうにしたらいいか、一遍ひとつ国土庁の方と詰めて、六百十八人については全部きちんとそういう方向にしてもらいたい。どうしても取り立てなければならない人は、どうしてもこういうわけで取り立てるようになりますとか、もう少し積極的な姿勢で住民を救助してあげようというふうにならなければいけませんよ。  何百億つぎ込んだって——本当にお金をつぎ込んで生活をよくしてもらいたいからそういうような措置を国でも講ずるわけだから、どうかひとつ、これは振興のための金だからそっちへ使えないというようなことではなく、もっと人間を助ける、奄美という国土をよくするのではなくて、そこに住んでいる住民を助けるというつもりでこの行政をやってもらわなければいかぬですね。もう一遍だけ伺って、これで終わります。

諏訪部信国土庁地方振興局特別地域振興課長

○諏訪部説明員 ただいま先生から御指摘のございましたような趣旨で十分調査しまして、指導してまいりたいと思います。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 終わります。

横山利秋日本社会党

○横山委員長 次回は、明二十七日木曜日午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時四十三分散会

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