物価問題等に関する特別委員会 第5号
- 発言数
- 84 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1975/03/14
会議録
○横山委員長 これより会議を開きます。 物価問題等に関する件について調査を進めます この際、越智通雄君から発言を求められております。越智通雄君。
○越智(通)委員 この際、三月十二日の大宮市食肉中央卸売市場並びに肉牛生産地指扇地区視察につきまして、その概略を御報告いたします。 当日の参加委員は、横山委員長を初め、竹内、松浦、小林、加藤紘一、中村、和田貞夫、有島各委員及び私の九名でありますが、現地におきまして小川議員が参加されました。 私どもは、まず、大宮市食肉中央卸売市場に赴き、埼玉県及び大宮市当局から市場の設立経過、役割り、経営の現況等につきまして説明を聴取した後、施設内業務を視察いたしたのでありますが特に屠畜解体室、枝肉処理室におきましては、作業の激しさ、特殊性等について、また、枝肉出荷ホームにおきましては、競り前における牛肉等の品質管理について調査をいたしました。 引き続き、埼玉県食肉衛生検査センターにおいて、肉牛等生産関係者、卸小売関係者、埼玉県、大宮市各当局及び農林省当局等と食肉の流通問題等について懇談会を開催いたしたのでありますが当席には畑知事の参加も得、各委員からの質疑を中心として、関係者等から忌憚のない御意見、御要望等を聴取いたすことができました。 懇談会において取り上げられました主な事項といたしましては、まず、小売関係者からは、輸入牛肉の国産牛肉の需要促進に及ぼす影響、販売店の適正マージンの必要性等が、また、卸売関係者からは、市場施設改修等に対する国の特別融資措置の必要性、食肉市場における取引のシェア増大の必要性、現行の温屠体取引の問題点等が、生産関係者からは、肥育前の素畜価格の乱高下の現況とその対策、配合飼料の価格安定対策、輸入牛肉と国内生産振興との関連性等でありますが、肉牛の冷屠体取引の推進、輸入食肉のうち、特に今回の豚肉の緊急輸入に対する関税の減免措置につきましては、小売関係者よりその期間の延長について、また、牛肉につきましては、その輸入をめぐり生産関係者と小売関係者より全く相反する要望のありましたことを申し添えます。 午後からは、市場内において、大量の牛肉等がわずかな時間に値決めをされ、手際よくさばかれる競りの状況を視察した後、大宮市郊外指扇地区の肉牛生産状況を視察いたしました。 同地の佐藤順一氏宅において、都市周辺地における畜産経営の問題点、特に公害対策を初め、最近における配合飼料の高騰等が及ぼした影響等について説明を受け、佐藤氏の畜産に対する愛着と熱意に深い感銘を受けた次第であります。 以上がその概略でありますが、今回の視察に当たり、埼玉県を初め、大宮市、大宮食肉中央卸売市場、懇談会御出席の各位、生産地の方々並びにその他関係各位に感謝の意を表する次第であります。(拍手) —————————————
○横山委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。和田貞夫君。
○和田(貞)委員 物価問題、あるいは物価対策というのは、物価がどういうように上昇していくかということを正確に把握して、それを歯どめしていく、こういうことであろうと思うわけであります。しかし、そのためには、物価あるいは生計費がどういうように動いているかということ、実態把握というのがどうしても必要でありますが、政府統計といえば、ややもいたしますと、国民の中に、自分たちの生活実感と非常にずれがある、こういう感情というものが根深くあるわけであります。 そこで、この消費者物価指数についてでありますが、すでに四十六年八月に経済企画庁の物価安定政策会議からの提言もありましたし、あるいは昨年暮れには日本学術会議の方からの提言もあったわけであります。ちょうどことしが消費者物価指数の基準年次を改定する年になっておるわけですが、まずお伺いしたいのは、そのような学術合議あるいは物価安定政策会議の提言を、改定年次に当たって、いろいろな貴重な意見を十分に取り入れる考え方がおありであるのかどうか、お尋ねしておきたいと思います。
○喜多村政府委員 消費者物価指数につきましては、この統計を扱っておりますのが総理府統計局でございますので、そこではいま先生御指摘のような、特に物価安定政策会議等から御提言のありましたものを含めて検討するということを言っておられますので、私たちもそれを期待しておるのでございます。
○和田(貞)委員 期待するのじゃなくて、すでに物価安定政策会議の場合は四十六年の八月に提言になっているわけですね。そのようにすでに相当の時日が経過しておるのですが、それでは、いままでに取り入れようとしたところはどういうところがあるのか、あるいはこれから取り上げようとしているのはどういうところがあるのか、お聞かせ願いたい。
○川村政府委員 総理府の統計局でございますがただいまの先生の御質問について現状をお答え申し上げておきたいと思います。 先生がただいま申されましたように、消費者物価指数につきましては、従来からいろいろと御提言がなされております。四十六年の八月の物価統計の改善の指摘の問題につきましては、現在の具体的な検討状況を申し上げますと、持ち家費用の編入というような問題につきましては、すでに四十五年からこれを実施いたしまして、すでに先生御存じのとおり、現在は持ち家の帰属賃金を含む指数として公表をしているという問題がございますし、それから、価格調査の改善という問題につきましては、医薬品等で複数銘柄の調査をすでに実施して改善に努めております。 さらに、連鎖指数の検討の問題につきましては私ども試算を行っておりますが、この連鎖指数は非常に膨大な手間がかかるという問題が同時にございますので、これは今後とも参考系列としての試算を続けていきたいと思っております。さらに品質変化の処理等につきましては、引き続きその回帰分析等の方法を応用した例等で研究中でございます。 それから、階層別の消費者物価指数の作成という問題につきましては、現在すでに年報等で、世帯主の収入の五分位階層というようなことで階層別を発表いたしておりますが、そのほか、各種の世帯主の特性に応じましての関係系列の整備につきまして試算を内々検討いたしております。 それから、季節調整指数の検討というような問題につきましては、季節調整法について目下研究中でございまして、そういうふうなことで進捗をいたしております。 それからなお、学術会議の御意見につきましては、これは昨年の秋に出されたものでありますけれども、これについては基準時改定の作業が現在統計審議会等を中心に進行中でございまして、そのときにそれらの御意見も十分尊重しながら進めてまいるようにいたしたいと思っております。
○和田(貞)委員 きょうは時間がありませんので物価指数の問題について改めて議論をさせていただきたいと思うわけでありますが、少なくともいま報告を受けましたような内容等についてもまだ不十分さがあるということで、学術会議から、統計というのはむずかしい問題でありますから、専門的な分野にわたる面が非常に大きい、しかしながら、国民の政府統計に対する不信、不満、これを解決していくためには、やはり中立的な委員会を設置して、消費者団体の代表もたとえば統計審議会に加えるとか、そういうような形で国民に納得できるような統計指数を出していけという提言があるわけです。 仮に私が一、二を挙げますと、たとえば価格調査の方法につきましても、売り手の側だけの調査をなされる。店舗の販売価格を調査するとかいうことですが、しかし、売り手の価格はそうであっても、買い手が実際にどれだけで買っておるか、個々の生鮮食料品だとか、あるいはそういう店頭販売の物だけじゃなくて、たとえば土地の問題がありますし、あるいはいま問題になっておる歯科診療の差額についても私は同様であると思うのです。なるほど、保険診療というのがたてまえにはなっておりますけれども、実際には消費者の場合はそれだけでは歯の治療が受けられない。 あるいは歯科だけじゃなくて、一般医の場合においても同じことであります。病院に入院する、病院に入院した場合に部屋がない、部屋がないから特別室に入らざるを得ないということになりますと、入院に要る費用、部屋代の差額というものがかなり負担させられておる。そういうようなことが指数の計算の中に出てこないわけですね。 〔委員長退席、松浦(利)委員長代理着席〕 だから、価格調査ということにつきましても、単に売り手の側だけを調査するということじゃなくて、消費者の側の調査ということ、現実的に掘り下げてやっていくという姿勢がないと、正確な数字が出てこない、こういうふうに思うのです。 そういうような点を含めて、学術会議の提言というものはかなり微に入り細にわたって具体例も挙げて、しかも、何ならば学術会議の方に相談もしてくれ、こういうことまで申し入れられておるわけですから、そういう申し入れ、提言について、せっかく改定年次に当たっているわけですから、そういう提言を貴重な意見として取り上げる意思があるのかないのか、もう一度お聞かせ願いたい。
○川村政府委員 ただいま先生おっしゃいました問題、ざっと二つの問題があるというふうに私は承りました。 一つは、主として後半の方でおっしゃった問題でございますが、価格の調査は末端の小売価格ではなくて、実際に消費者が買った価格を調べられないかという点を中心に、実際の物価の実勢を的確に反映させるということが多分おっしゃっているねらいだと思いますが、そういう観点の改正はできないかという点を中心のお話だったと思いますが、この点につきましては、先生もすでに御存じのとおり、あくまで家計費、消費支出の面にウェートを置いておるわけでございまして、プライスの面では、末端の小売価格を実際に調査いたしております。 ただ、この問題も、先ほどたまたまけさの新聞か何かにございました歯の価格の問題にお触れになりましたが、これはむしろ保険診療外の、いわば一種のやみ行為的な問題として金が多くかかった例でございますけれども、実際に末端の小売価格、消費者が買っている場合は、必ずしも高いばかりではなくて、マイナスの、値引きみたいな問題もあるいはあるかもしれません。その辺の実態を実際に調べろという問題でありますが、この辺は実際の調査上、調査技術として、手間なり時間の問題として非常に困難な面が現実には多いわけであります。 すなわち、これはむしろ実査の方法論としていいかどうかという問題で、統計値というものも正確であると同時に、ある程度のスピードを要求されておる現実でございますので、その辺で、おおむね末端の小売価格が現在ある調査方法としては一番的確にっかみやすいという観点から調査をいたしております。ですから、きわめて例外的なそういう問題が起こったときは、何らかの検討を加えるべきではなかろうかというふうに私どもは現在考えております。 さらに、ただいま前半に申された問題としては、学術会議の御提言等で非常に有力な示唆があるから、ここは十分基準時改定に当たっては考えるべきじゃないかという御趣旨だったと思います。この点につきましては、先生すでに御存じのとおり、統計審議会の四十六年四月の答申で基準時は五年ごとというかっこうになりまして、おおむね五十年が予定をされております。このために、現在の進捗状況といたしましては、統計審議会、これは行政管理庁にございますが、基準時の問題のほかに、消費者物価指数を初め、他の経済諸指標について、これのウエート及び指標の算出の方法、それから指標の対象範囲等の検討にすでに入っております。私どももそれと連携を十分保ちながら検討作業を現在進めておりますが、その際に参考にしながら検討を進めたいと思っております。
○和田(貞)委員 調査に当たって、あなた方が直接調査に当たる場合もおありのことだと思いますけれども、民間の調査員に委託をしてやらなければならないという面が多々あるわけですね。たとえば家計の調査を、家計簿をつけてもらうために依頼をする。それもお聞きいたしますといまだに月五百円という手当、あるいは価格調査員の方が店頭に調査に行くのに一日六百円の日当というような、全く問題にならない手当とかあるいは謝礼金であるわけですが、やはり一番基礎になるそういう調査に当たって、手当や謝礼金というものは十分に差し上げるようにしないと、もういいかげんにほうっておけ、こういうことに人間ですからなりがちになるのですね。そういうようなことにつきましても、やはり提言の一つに入っているわけなんです。 いま例を一つ挙げたわけでありますが、そのようなことを含めて、やはり貴重な提言なんですから、そういう提言を十分に受け入れて、改定年次に当たって基準を変えていくというような考え方に立っておられるかどうか、これを聞きたいわけなんです。
○川村政府委員 先生のいまの御質問の中に、調査員の手当の問題と、それから記入者の手当、この二つの点の御質問がございました。これにつきましては、両者ともいずれも従来から私ども増額の努力をいたしてまいりました。 調査員手当につきましては、四十九年度では一日の単価が二千六十円でございましたが、五十年度予算では、それを二千七百円ということに増額して予算を計上してございます。 それから、記入者手当の問題につきましては、たまたま例を家計簿でおっしゃられたものですから、家計調査の記入者の例でお答えをさしていただきますが、四十九年度は一月当たり五百円でございましたが、五十年度は六百七十円ということで、これも増額して計上しております。 これらの調査員手当の増額問題、それから記入者手当の増額問題は、実際に調査に当たっております地方公共団体、あるいはさらにその末端におります調査員の方々等の要望もいろいろあるところでございまして、これを行政管理庁等とも十分協議の上、今後とも努力してまいりたいということでございます。
○和田(貞)委員 時間がありませんので、物価指数の問題についてはひとつ改めて論議していきたいと思います。 そこで、経済企画庁の方にお尋ねしたいのですが、地域に消費者センターあるいは消費生活センターというのを設置するように指導しているわけですね。ところで、この消費者センターの設置の目的、それが現在どういうような役割りを果たしていると把握しているのか、あるいは当初設置を目的としたことが、その役割りとして現在十分果たし得ておるのかどうか、どういうように把握しておられるか、ひとつお尋ねしたい。
○岩田政府委員 御指摘の各地の消費生活センターでございますが、これをつくりました目的といたしましてはいろいろあるわけでございますが、一つは、やはり消費者に身近なところで講習会をやるとか、あるいは展示会をやるというようなことで、消費者の啓発活動をやろうというのが目的でございます。それから二番目といたしましては、消費者の苦情相談の受け付け処理をやる。第三番目といたしましては、一般的な消費者のための情報収集あるいは情報提供をやろう、それにさらに簡単な商品テストというようなものを通じまして、そういう活動をやることによって消費者の利益保護を図ろうではないかというのが、当初の目的でございました。 したがいまして、役割りといたしましては、やはり地方公共団体と地域住民との間のいわば消費者行政に対する第一線的な役目をこのセンターに果たしてもらおうということで、現在もそうした意味ではかなり役割りを果たしていると思っております。 ただ、問題は、四十七年度ごろから私どもとしては各都道府県に少なくとも一カ所はつくってほしいということで指導してまいったわけでございますが、それが一巡をいたしまして、四十九年ごろからはさらに大きな県についてはサブセンターをつくっていくということで、現在百三十三カ所できております。しかし、百三十三カ所ではまだ必ずしもあらゆる地域の人たちがこれを利用できるというところまでいっておりませんので、そうした意味ではまだ不十分な点があるのじゃないかということを考えております。 それからなお内容的にも、御承知のように最近は消費者保護の重点がだんだん変わってまいりまして、たとえて申しますと、消費者の被害の救済というようなものが非常な問題になってきているわけでございますが、そうした点で現在のセンターが必ずしも十分な役割りを果たしていないのじゃないか、いま私ども国民生活審議会で、消費者救済制度あるいは仕組みというものをどう考えるべきかということを御検討いただいているわけでございますが、そういうような御検討をいただいた上で、そういう新しい役割りについてもセンターが果たせるように改正をしてまいりたいと考えているわけであります。
○和田(貞)委員 せっかくつくった消費者センターが、ややもいたしますと、それぞれの自治体の首長あるいは議会の主役の中で、時によれば非常に重要視されたり、時によれば全くアクセサリー的な存在になり下がっておる、こういうのが現状でないかと思うのです。せっかくその目的を達成させ、役割りを果たさそうと思えば、政府の方が、予算の裏づけ、人員確保の裏づけ、あるいは単に情報を収集するとか苦情を受け付けるとかいうことだけでなくて、そこで一切苦情を処理してしまうというところまでやる権限を与えるセンターにならなければ、これはもう形だけに終わっておる感があるわけです。 たとえば、いま一番苦情が持ち出されておるのは、何と言いましても歯科医の差額徴収の問題についての苦情です。私はこの間神戸にも行きましたし、大阪にも行きましたし、それから東京都の方での歯科医の苦情についての内容もお聞きしてまいったところでありますが、その苦情なりあるいは提言を受け付けるのがわずかの間に東京でも約千件を超えてしまった。神戸の方も大阪の方も同じことです。ただその苦情を受けておるだけのことなんです。そのセンターの果たす役割りは、その苦情をそこで消化して処理をしていく、そういう権能も何もないわけですから、これは、きょうは十分議論はできませんが、極端な言い方でありますが、やはり政府自体に消費者保護庁を機構の面でつくっていく、そういう政府自体の所管庁が各自治体に設置された消費者センターに行政指導をしていって、地域の住民の苦情を完全にそこで消化して処理してしまうというような形にまで発展させるようにしていかなくてはならぬのじゃないか、こういうように思うのですが、将来にわたってそういう考え方に立って消費者センターの充実を図っていくおつもりなのかどうか、せっかくの機会ですから、お聞かせを願いたいと思う。
○岩田政府委員 私の御説明がちょっと不十分だったのかもしれませんが、いま消費生活センターでやっております苦情の受け付けと申しますのは、その場で処理をするということを一応目的にしてやっております。そのために、専門的な知識を持った相談員というようなものも養成いたしましてやっているわけでございますけれども、ただ、いまの歯科医のお話にございましたように、非常に特殊な苦情というようなものにつきましては、とても消費生活センターでは処理し切れないというものもあることは事実でございます。平均いたしまして、受け付けました苦情の中で完全に処理できるものというのは大体六割ぐらいございますが、残りは国民生活センター等の商品テストその他をやりました上で処理をするとか、あるいは特殊なものにつきましては、弁護士さんあるいはお医者さんというような方々にむしろ相談を回してしまうというようなことをやっているものもございます。したがって、おっしゃいますように、この苦情処理というものを完全にその場で処理できる、あるいはその場所で処理できるということが理想でございますので、そうした意味で、私どもも、一つは、相談員の養成というものをもっと力を入れてやっていきたい。 それから、先生御指摘のように、何と申しましてもこの苦情相談は、いまのところは地方公共団体という名前でいわば業者にいろんな無理を言うとかいう面がございまして、はっきりした権限関係がございません。そこで、将来の問題といたしましては、先ほどちょっと申し上げました消費者被害救済制度の仕組みの中で、その一環といたしまして、この苦情処理というものに法律的な権限と申しますか、基礎と申しますか、そういうものを与えるということも一つの考え方だろうと思いますが、そうした点についても、全体の仕組みと同時に前向きに検討してまいりたいというように考えております。
○和田(貞)委員 専門的な分野までまだわたってないわけなんです。やはりそういうことが私は必要であろうと思います。これも時間がありませんので、また改めて論議したいと思います。 それでは、厚生省の方にお尋ねしたいのですがせっかくの苦情を受け付けた消費者センターがいま言われたようなことでありますので、その苦情処理のために、厚生省として具体的に挙がっておる歯科の差額治療の問題について公的苦情処理機関をつくってほしいというのが、その苦情者の今日段階における強い要望でありますが、厚生省はどういうように取り組んでおられますか。
○中野政府委員 お答え申し上げます。 歯科の差額問題をめぐりまして最近非常にトラブルが続発をいたしておりまして、消費者団体等におきましてその苦情を受け付けておられます。これに対しまして、先ほどから御議論がありますように、実はその内容が非常に専門的、技術的な問題が多いということからいたしまして、厚生省は、もちろんその消費者団体に集まりました苦情そのものにつきましても、担当の都道府県の部局にその苦情の解決につきまして協力を要請する等の措置はとるわけでございますけれども、厚生省は厚生省といたしまして、この苦情の受付窓口とその処理機構を、歯科の問題に限りましてつくるという姿勢をとっておるわけでございます。 これはつい先ごろのことでございますが、本月三月一日付をもちまして、厚生省としては地方公共団体に指示を出しております。それは、一つは市町村あるいは健康保険組合等のいわゆる保険者の窓口で苦情を受け付けるということが第一点でございまして、受け付けられましたその苦情につきまして、都道府県の段階にこの苦情のうちで窓口で処理できないものを吸い上げるという方式をとりまして、この吸い上げられた苦情の処理につきましては、都道府県の民生部の段階におきまして、第三者をも含め、また都道府県の歯科医師会の代表者をも含めましてこの苦情案件の処理に当たるという、一つのシステムをつくるように指示をいたしたわけでございます。 このシステムにつきましては、実は新聞紙上等に報道されておりますように、中央の日本歯科医師会の現在段階では十分な協力が得られておりませんために、地方段階におけるこの苦情処理機関の設置につきましてもややおくれぎみでございますが、たとえば、一例といたしましては、現に新潟県におきましては第三者をも含めました都道府県レベルでの苦情処理機構がすでに発足しているというケースがございまして、同様な扱いでこれが各都道府県に設置されるよう、厚生省としては今後とも努力をしてまいりたい所存でございます。
○和田(貞)委員 苦情の処理に当たって、いま言われるようなそういうのんべんだらりとのんきな考え方で処理を考えておられるから、この苦情というのは絶える間がないのです。だんだんと拡大していくじゃないですか。何でもかんでも歯科医師会の協力がなかったらできぬとか、理解をしてもらわぬとできぬというようなことでは、国民はたまったものではないですよ。 〔松浦(利)委員長代理退席、委員長着席〕 私は全部の歯科医が悪いとは言わぬ。全く自由診療も差額診療もやらないで、保険診療だけでせっせと努力しておられる歯科医だってたくさんあります。そういう歯科医では、むしろ患者が襲いかかってくるほどたくさん来られて、ここのお医者さんはいいお医者さんですということさえも言わんといてくれ、これ以上言われたらもう手がつけられない——これは医師の言い方でありますけれども、どうぞひとつ自分のことをいい医者だということを言わんといてくれ、こういう言葉もこの消費者センターに入ってくるわけです。 ところで、それに反してまことに悪質な歯科医もあるがために、今日非常に大問題化しているわけです。また、歯科医師会自体にやはり問題があるにもかかわらず、そういう問題のある歯科医師会に幾ら協力を求めても問題にならないのじゃないですか。 きょうの朝日新聞のトップ記事を見てみましても、「「脱保険」の強行指示」、マル秘文書が明るみに出た。最近じゃなくて、すでに四十八年にマル秘文書で歯科医師会から各県に通達をしておる。いままで歯科医師会はそういうことを言うたことはない。私が厚生省にこの前尋ねても、文書で流れておるだろうと言ったら、文書で流れておらぬ、そういう返事を私のところに持ってきたじゃないですか。何ですか、これは。流しておるじゃないですか。私が尋ねて、そういう文書は流しておらぬというように歯科医師会が言っておりますという報告ですよ。行政の主体も何もないじゃないですか。どうなんだ、これは。
○中野政府委員 先生御指摘の本日の新聞紙上に報道されましたマル秘の通牒というのは、今日までの段階で厚生省がそれを確実に把握していなかったことについては、まことに申しわけないことだと思っておりますが、この通知そのものは、実は私どもといたしましては、昨日報道機関等を通じまして細かい点について初めて知ったわけでございます。 ただ、この種の通知は、マル秘と申しますか、極秘になっておったようでございまして、この通知が出た前後におきまして、確かに地方段階におきましてこの脱保険とか差額の問題がいろいろと表面化してまいったという事実がございましたので、その当時から、担当者といたしましては、このルールに違反するような差額問題については、地方段階におきましてそのようなことのないように、厳しく指導や警告を繰り返したという事実はございます。 この現物そのものについて、厚生省として把握いたしましたのがきのうのことであったということについては、厚生省といたしましても遺憾なことだと存じております。
○和田(貞)委員 私は厚生省に尋ねて、日本歯科医師会が各県の歯科医師会に文書を流しておるからと、断定しておるんですよ。文書を流しておるから、その文書を取り寄せてくれということを言っておる。ところが、あなたの方はそれを取り寄せる努力をしないで、日本歯科医師会に尋ねましたところが、その文書を流しておらぬというように言っておりますという返事ですよ。そこに行政の主体がないじゃないですか。そういうような行政の主体のなさの中で、こういう問題が起こってくるのです。 だから、あなたの方が調査されたことも、歯科医師会の協力とかあるいは何だとかと言って、全くそういうペースの中でやられた調査ばかりじゃないですか。領収書をとっておるかどうかと言ったら、領収書はとっておりますというような答えを出すような資料を持ってきたり、価格の掲示がなされておるかということを言えば、価格の掲示は大半がなされておるというような資料をつくったり、全く歯科医師会のペースの中で行政が行われているじゃないですか。そういう態度だからこそこういう問題が解決しない。解決しようという努力がないじゃないですか。被害者の身になってみなさい。 私が先ほど申し上げたように、保険診療で甘んじておる歯科医もたくさんおるのです。しかしながら、それ以前の行為をやっている医者もある。たとえば、この間神戸へ行きましたら、あなたのところの坊ちゃんを連れてきなさい、歯のみがき方を教えてあげましょう。お母さんが子供を連れていった。子供用のライオン歯ブラシを一本くれた。確かに歯のみがき方を教えてくれた。お母さんにしてみればサービス行為だと思って行っている。帰りに二千円。どうですか、これは。診療の分野にわたってないじゃないですか。以前の問題じゃないですか。そういうような悪質な医者もある。こういうあなたの方の主体のない行政指導の中でこそ生まれてくるのです。 東京都の方から、この間も東京都でやられておる一一〇番で訴えられてきておる中で、母子家庭の方が入れ歯を入れてもらいに行った。五十五万円取られた。五十五万円取られて、それが正当な差額料金だというように思っておった。ところが、話をすれば二十万円も下がっておるじゃないですか。最初に五十五万円請求して、話をすれば二十万円も下げておるじゃないですか。大阪でもそうじゃないですか。長い間健康で、健康保険料は掛けておったけれども、おかげさんで何もなかった、定年になって初めて医者へ行った。入れ歯に百二十万円吹っかけられた。百二十万円吹っかけられて、息子や嫁にないしょで歯医者へ行っておったから、自分の持ち合わせば百万円しかない、こういうように言ったら、百二十万円の請求額が百万円になっておる。二十万円や三十万円、そんなに上がったり下がったりするのが自由診療の慣行料金ですか。それが差額の適正な価格なんですか。そういうようなことがちまたに起こっておる。全くあなたの方の行政姿勢の問題です。答弁願いたい。
○中野政府委員 御指摘のような事例、確かに放置すべき事態ではないという認識は持っております。現在までのところ、多少過去の経緯もあるわけでございますが、差額の場合の料金は、いわば慣行料金、自由価格料金から保険で支払いますところの保険の代金を差し引いたものを、いわば歯科医と患者の間の契約によりまして窓口で支払うというルールに従前はなっておるわけでございます。この自由価格料金そのものにつきまして、先生御指摘のようにいわば良識の限度を越えたような実態が発生をしておる、これは事実として、厚生省としては非常に遺憾なことでありますが、認識をいたしておるわけでございます。 この事態の解決策といたしましては、一つには、その差額料金が、根っこに自由価格料金の問題がございますので、これをいわば適正な社会常識の範囲内にいかに導くかというところに、基本的な問題があるかと存じます。これは多少弁解がましくなって恐縮でございますけれども、現在の制度上、自由価格料金の医療の代金につきまして、実は制度的に、これを行政的にある線に限度という形で抑え込むという方法が、現在のところは法制上非常に困難なことでございます。 そこで、当面は、私らの立場といたしましては、たとえば一部にこのトラブルをめぐりまして発生しました、たとえば関西地区におきますところの差額についての標準料金というような動きがございまして、この標準料金的な動きがどのようにいわば納得を得てそれが一般化していくかということについて、当面関心を持って見守っているという段階でございます。 一方、もちろん差額制度そのものは、保険との関連でも一つの制度上の問題点でございますので、この差額制度そのものについて、実は保険の料金を議論していただきますところの中央社会保険医療協議会にその取り扱いについての諮問を申し上げたわけでございますが、現在、日本歯科医師会がその委員を中央社会保険医療協議会から引き揚げられておりますために、この差額問題についてのルールそのものの再検討がいわばとんざをしておるというところが実態でございます。このことにつきましては、厚生省としましては、一刻も早く歯科医師会側が中央社会保険医療協議会に復帰をされて、この差額問題についての建設的な検討が可能になるよう、それにいろいろと努力をいたしておるというところが現状でございます。
○和田(貞)委員 やろうと思えばできるけれども、あなたのところはやらないのですよ。医療監視員というのはちゃんと配置しておる。立入検査をやったのですか。先ほど、長たらしい、こうなって、ああなって、こうしてというような、一年かかっても二年かかっても処理できぬようなことを言うておって、医療機関に対して立入検査というのをやったことがありますか。——やらぬでしょう。 あるいは、もっと方法があるのじゃないですか。あなたのところでできなかったら、国税庁に頼んで、国税庁の協力を得たらいい。領収書を出すのが当然なんです。請求があれば領収書を出しなさい、いまだにそういう通達に終わっているじゃないですか、三月一日の通達も。商取引の初歩的なものじゃないですか。金の収受があれば領収書を出すのがあたりまえじゃないですか。そのあたりまえのことができていない。だから、地域の婦人たちが、領収書をもらいましょうという運動をやりましょうと、この間決めておるらしい。そんなばかげたことがありますか。 国税庁、どうですか。あなたの方で、歯科医や一般医科の医療機関に対して、特別措置の適用を受けておるのは保険診療だけでしょう、自由診療や差額診療、これの歯科医の収入、消費者が払った支払い額、これに対してどういうような課税をしておるのですか。
○田口説明員 国税庁の所得税課長でございますが、御説明いたします。 歯科医師のように自由診療収入の多い医師につきましては、私どもとしては青色申告をお勧めして、収支を明らかにしてみずから正しい申告をしていただくよう働きかける、これが一応ございますが、それだけでは実際には適正公平な課税が十分実現できるというふうにはまいらないと思われますので、調査すべき対象に対しては重点的かつ厳正に調査を実施することといたしております。 調査に当たりましては、特に自由診療収入の課税漏れの追及に力を注ぐようにいたしております。このため、保険が適用されない診療に使用される歯科材料、先生重々御承知かと思いますが、たとえば本物と見分けのつかない入れ歯をつくるための材料あるいは金地金、こういうようなものの取引につきまして、歯科技工士あるいは材料店の御協力を得て資料を収集し、調査に活用いたしております。 なお、調査に際しましては、このような資料のほか、不動産の取得資料、こういうものを活用いたしまして、医師の個人資産形成の面から所得脱漏の有無がどうかという点をチェックするように努めております。さらに、調査に当たりましては、経験豊かなベテランの職員を充てるようにいたしまして、課税漏れのないよう努力いたしているところでございます。 しかしながら、自由診療収入の把握は、正直なところ技術的に非常に困難な面が多くて、必ずしも十分な状況とは言えないかと思います。特に最近いろいろ新聞紙上等で御指摘もございます。これらの点にも配意いたしまして、今後とも重点的な調査を実施して、自由診療収入、差額診療収入の把握に格段の努力をいたしたい、こういうふうに考えております。
○和田(貞)委員 あなたのところもまだ努力していない。領収書も出していないのに、どうして把握するのですか、どんな調査ができるのですか。 東京の場合に、この間苦情を聞きましたら、領収書をくれと言ったら、領収書を出すかわりに税金分を一万五千円よけいにくれと言われているのですよ。神戸の苦情者は、領収書をくれと言ったら、領収書を出すかわりに、税金分、治療費の一〇%をくれと言うて請求しておるのですよ。大阪では、一万円請求しておるのですよ。収入に対して税金をかけるのではなくて、税金がよけいになるからということで、税金をプラスして請求しておるのですよ。そんなことで、どう調査できるのですか。
○田口説明員 御説明いたします。 患者さんに領収書が出されてないから調査ができないということには必ずしもならないのでございまして、たとえば先ほど御説明いたしましたように、その医師の方の使われておる材料、そういう面から、その取引関係を裏づけにして調査に当たって厳しく所得の内容を調査するとか、先ほど申し上げましたように、また別の面から、その医師の方の個人資産の形成の面からチェックをしていくとか、われわれ苦労はいたしておりますけれども、最大限の努力をして課税漏れのないように努めている所存でございます。
○和田(貞)委員 材料屋の調査だとかは確かに貴重だと思います。やってください。私も資料の提供に協力しましょう。しかし、いま申し上げたように、収入以外に税金分だと言うてまだ請求しているのですよ。そんな調査できますか。時間がありませんのでなんですが、税金分として請求したものがどうして調査できますか。
○田口説明員 いずれにいたしましても、税金分と称されて患者さんから取っておられるかどうかその辺は収入面として上がるわけでございますから、その点を医師の調査に当たって十分われわれ実態を把握するように努力しておるということでございます。
○和田(貞)委員 時間がありませんのでなんですが、いまの国税の方はもっと真剣にひとつ調査してください。そうして、そういう面からこの苦情がなくなるように、厚生省に協力してやってください。 厚生省に伺いたいが、この間、文部省の方が国立大学に、一定の自由診療、差額診療の数値を通達しておりますね。それはそのまま開業医の上に押しつけるというようなことは、私は素人でありますからわかりませんが、少なくとも文部省が国立大学の歯科部門に対して出した通達、その通達による数値を基準にして、それぞれ地域の歯科医師会あるいは日本歯科医師会がこういう通達を出すというような——自由料金だから慣行料金を勝手に決めさしていくというのじゃなくて、大体標準値というものを出していく、こういう考え方がないかどうかということ、それから、領収書と、自由診療なりあるいは差額診療を受ける患者さんには、必ず同意書をとって差額診療をやるということを義務づける、この二つの点については、どんなことがあってもやってほしいと思うのです。義務づけてもらいたいと思うのですが、どうですか。
○中野政府委員 先生御承知のとおりに、近畿地区におきまして標準料金の試みがございまして、これがいわば常識外れの差額料金に対する一つの歯どめになるという意味におきまして、標準料金を地域ごとの医師会においておつくりになるということについては、厚生省としてはそれを一つの前進というふうに考えておるわけでございます。 その場合におきまして、その標準料金自身の一つのよりどころといたしまして、先生御指摘のとおりに、国立大学付属病院におけるところの差額の許容されているものについての差額料金制度というのが一つの有力な手がかりになると考えております。国立大学付属病院の場合には、設備その他についてももちろん国費が使われているわけでございますから、自由開業の歯科医の場合には、この国立大学付属病院の差額料金プラスアルファという形になろうかと思いますけれども、いずれにいたしましても、手段、方法、いかなる手がかりでいくかということは別といたしまして、先生御指摘のとおりに、標準料金制度というものが一般化する方向で厚生省としてはいろいろと努力をいたしてまいりたい、かように考えております。 それから、領収書の件でございますが、実はこれは法律的なことで問題が一つございますのは、現在のところ、領収書につきましては、金の支払いが行われれば、受け取った人間が、その払った人間の請求があれば当然領収書は出さなければならぬという民法上の規定がございます。この民法上の規定は、同時履行という関係からいたしまして、いわば領収書を出さなければ金を払わない、つまり金を払うのと領収書を受け取るのが同時だという法律のたてまえがございまして、そういう一般原則を超えて、特殊な法律によりまして領収書発行を義務づけるということには法制上の問題があるというのが、従前検討してまいりました一つの結論でございます。 いずれにせよ、実際問題といたしまして、領収書の発行が一般的に行われるよう、厚生省としては最大の努力をいたしてまいりたいと考えております。
○和田(貞)委員 領収書、同意書というのは、苦情を解決する一番の近道だと私は思います。ひとつやってもらいたいと思いますが、領収書については、単に税の問題だけではなくて、消費者が非常に損をしておるわけです。領収書をもらえないために、それだけよけいに税金を払っておる。医療の控除を受けられないのですよ。消費者が被害を受けておるのです。ひとつ厳に行政指導を強化してもらいたい。 さらに、標準値をあなたの方で検討してもらうときに、技工料が非常に高いというふうに歯科医師側は言いますけれども、技工士の人たちに聞けば、保険診療の点数の大体三分の一ぐらいしかもらっていない。町の慣行料金の十分の一ぐらいしか技工士に入っていないのですよ。患者が支払う額と医師が技工士に払う額と、その差額を見てください。問題にならぬですよ。 時間がありませんのでなんですが、最後に、食料品の安売りが七日から始まっています。これは二回目でありますが、私は、一つだけお聞きしたいのは、あなたの方の経済企画庁、通産省、それに農林省が共同して政府広報を発行しておる。「本年三月の消費者物価対前年同月上昇率 一五%をめざして」こんなに大きく書いている。一五%を目指していろいろな行事をやる。その行事の中に、食料品の安売りがある。これはあなたの方で出したものですよ。一五%を目指して、食料品の安売りをやっておる。その安売りをやっておる期間に統計局の方が店頭販売価格を調査に行く。安く売らしておいて統計局が調査に行く。いわば一五%にとどめるように、物価対策をやるんじゃなく指数対策をやっておるんじゃないですか。三月末で前年三月に比べたら一五%におさまりました——一五%におさまったんじゃなくて、一五%におさめるために、食料品の安売りをやって、そして店頭販売価格の調査に行かして、こうでありましたということをやるんじゃないですか。全くけしからぬ話じゃないですか。物価対策じゃなくて指数対策じゃないですか。経済企画庁、どうですか。
○安田政府委員 安売りの問題について大変厳しい御指摘があったわけでありますが、経済企画庁としては一つもそういう気持ちはないのでありまして、要するに、国民生活上非常に重要な食料品等に対する価格をなるべく安く供給する手段として、いろいろと実は苦心をいたしておるわけでありまして、フードウイーク等についてもその目的から外れたものではないのでありまして、それをねらいとしてこういう施策を指導いたしておるわけであります。したがって、私どもとしては、そういう施策がいわゆる物価の一五%という指数の上に反映しておるというふうには考えておらないのでありまして、これは総理府の方の所管になるわけでありますけれども、消費者物価の調査の場合におきましては、一時的な廉売価格というようなものは調査の対象にしておらないというふうに私どもは承知をいたしておるわけであります。したがいまして、いま、いわゆる物価対策でなくて指数対策ではないか、そういう物価指数を抑えるための目的で行われておるのではないかという御指摘でございますが、そういう気持ちは一つもございませんので、御理解をいただきたいと存ずる次第でございます。
○和田(貞)委員 時間が来ましたので終わりますが、いまの問題につきましても、いわゆる国民の疑惑が持たれておる。先ほど申し上げましたように、消費者物価指数について国民が納得のいかない点がある。これは改めてまた議論いたしたいと思いますけれども、国民が納得できるような指数、それを物価対策に生かしていく、こういうことでなくてはいかぬと思うのです。先ほど申し上げましたように、ひとつ十分に各界の提言を尊重して、物価指数の基準の改定年次に当たっておる年でありますから、まじめな気持ちで取り組んでいただきたい、こういうことを申し添えまして、きょうの私の質問を終わります。
○川村政府委員 ただいま和田先生から御指摘の問題、ただ指数管理という言葉が使われましたので、指数を担当いたしておる者の立場からお答えを一応いたしておきます。 先ほどのフードウイークの問題、確かに新聞等に多少そういう書かれ方をいたしております。現実はフードウイークに限らず、各店舗がその店舗だけで大安売りをやるというような場合がいままでもずいぶんあったわけであります。そのような場合に、目玉商品に引きずられてしまうということが、むしろ物価調査としていいかどうかという問題がありまして、いま全国で一カ月に七百人ぐらいの調査員が小売調査には参加をいたしておりますが、ずっと前から、安売りがあった場合に、特に一週間以内の売り出し期間として大安売り、たなざらえ、投げ売りなどをしている場合の価格は調査の対象にしないというかっこうで、従来から調査員に指導をいたしております。ですから、今度のフードウイークというときも、従来からのその線で調査をすることになるということをお答えいたしておきます。
○横山委員長 関連質疑の申し出がありますので、これを許します。松浦利尚君。
○松浦(利)委員 和田委員の質問に関連して国税庁に質問しておきますが、歯科医が、これは税金分ですよと言って、たとえば一万円なら一万円の診療に対して税金分を払いなさいと言って取ることについては、問題があるでしょう。そういうことは許される行為ですか。少なくとも飲食税とかそういったものは、法律で委任されて取りますね。ところが、全然そういうものがない、申告対象の者が、申告対象のみずからの所得を相手側に対して税金分を払いなさいと言って取る行為、そのことは現実の法体系の中で許されますか、そのことを一応お聞きしておきます。
○田口説明員 税のたてまえからいたしますと、先生御指摘のように、税金分を払いなさいというおっしゃり方は妥当ではないとは思いますが、その分が収入として上がっていれば、所得税法の面ではその分が課税対象になりますから、そのことだけでは税法上違法だということにはならないと思います。妥当ではないということです。
○松浦(利)委員 それではもう一遍聞いておきますが、これからたとえば歯科医からの申告の中にそのことが入っておりさえすればいいという判断であるとすれば、あらゆる業態の中でこういうことが仮に起こった場合、一万円だけれども税金分を一割五分払いなさい、だから千五百円分追加ですよ、そういうやり方は、逆に言うと、今日の税法上あるいは税法律体系上、好ましい行為なのか。仮にそういうことがこういうふうにはんらんをするとすれば、何らかの規制行為を伴うべきじゃないかというふうに判断するのですがね。現在のようなことが野放し状態でいいとあなたは思われますか。こういうことをやることが、現在の法体系の中で野放しでいいというふうに思われますか、その点を聞いておきます。
○田口説明員 税務当局の立場からいたしますと、そのこと自体、先ほど申し上げましたように、望ましいことでないという判断を私は持っておりますけれども、税法だけのたてまえから言いますと、それが所得の中、収入の中に上げられている以上は、私どもとしてはそれを間違いなくつかまえることに努めるという立場だと思うのでございます。そういう点で、そういうことが望ましくないということは、税務当局の立場として、狭い意味の税務当局ということになるかもしれませんが、そのこと自体だけが税法上問題だということにはならないと思うのでございます。そういう分まで収入の面で反映されていなければいけない。それをたとえば裏金にしてしまうというようなことであれば、われわれの立場からも絶対許されないことになりますが、そういうことでございます。
○松浦(利)委員 それでは、税務署のいまの見解では、たとえば私なら私が収入を得た場合に、税金分も払ってくださいと言って取って、そしてそれを申告しさえすればよろしい、その本人の所得に申告されていればいい、そういう見解ですね、あなたの見解は。それならそれで結構です。いいですね、それで。
○田口説明員 税の立場としては……
○松浦(利)委員 それでいいのかと聞いている。いいならいいと言ってもらえばいいのです。
○田口説明員 モラルの問題としては望ましくないと私は考えますが、税だけの立場から言いますと、そういうことになるかと存じます。
○横山委員長 小林政子君。
○小林(政)委員 最近、物価は一時の狂乱状態ということは脱しましたけれども、依然として高水準を続けている。四十八年から五十年の一月までの二年間を見ても、約四五%近く物価は上がっているわけです。こういうことを考えますと、対前年比、三月段階で一五%に抑えようということで努力をしているということですけれども、私は、その数字自体、非常に高い物価の上昇を示すものだと思います。 こういう中で、最近の特徴としては、特に経企庁の月例報告などでも、需給は緩和してきている中で、コスト要因が物価を押し上げていくといいますか、企業の値上げ意欲というものが非常に強く出ていることが指摘されております。経企庁として、転換期における企業行動に関する調査というものを発表しておりますが、これによっても、全産業の中で約七〇%が今後値上げを行いたい、こういう意欲が非常に強いということが報告をされているわけです。先ほどの物価対策じゃなくて指数対策だということもありましたけれども、ともかく三月末段階で何とか対前年比一五%に抑えるということで、後は一体どうなっていくのか。一体現状をどのように把握されているのか、今後の見通しも含めて、まずお伺いをいたしたいと思います。
○安田政府委員 一昨年の石油ショックと申しましょうか、そういう時期を契機にして大変物価が上昇いたしまして、国民生活にも強い圧迫を与えたわけでありますが、そういう情勢では相ならぬということで、政府が最大の努力を払っておりますことは御承知のとおりでございます。その結果国民の皆さん方の大変な御協力もあり、政府の施策の浸透も相まちまして、実は今年の三月末におきまする物価の上昇率は、対前年の同月と比較いたしますると大体一五%以内にとどまるだろう、こういうところまでこぎつけてまいったわけであります。 しかし、御指摘のありましたように、前年に対して一五%という物価の上昇は、これは決して国民生活上望ましいという物価の状況ではないわけでありまして、さらにこれを引き下げなければならぬということで、われわれは引き続き努力を払うことにいたしておりまして、経済企画庁長官といたしましても、国会等で答弁いたしておりますように、来年の三月時期と本年と比較いたしますると、一けた以内に物価上昇率を引き下げていくことに最大の努力を集中していこう、こういう政策目標と申しましょうか、物価目標というものを設定いたしまして、いま引き続き鋭意努力を払う、そういう方針を堅持いたしておるところでございます。 したがいまして、いまいろいろと御指摘がございましたように、一五%というこの三月期におきまする、対前年度同時期におきまする物価上昇率で満足をいたしているわけではないのであります。ただ、いろいろな要因がございまするので、にわかにこれをそう急速に引き下げることも困難な情勢もございますので、まず一五%という目標を設定いたしました。これに成功いたしました上は、さらに一けた以内にしよう、また引き続いてさらにそれを引き下げるような努力を払ってまいりまして、要すれば、物価の安定、国民生活の安定の時期がなるべく早く到来することができるようにいたしていこうという考え方でございます。 しかし、反面におきましては、またいろいろな物価を引き上げる要因というものも伏在いたしておるわけでありまして、こういうものについては政策面からも指導面からもいろいろ処置をとっておるわけでありますが、そういう情勢の中で、片方では大変産業界の不況という問題がございますので、これも福田経済企画庁長官がしばしば申し上げておりますように、きめの細かい、しかも時宜に適した適切な処置を講ずることによって、不況面に対する対応も考えていかなければならぬ、こういうことで、二面作戦と申しましょうか、実態に適応する政策の実施を図りながら、物価の引き下げを今後とも推進していこうというのが私どもの考え方でございまするので、そういう点で御理解をいただきたいと存ずる次第でございます。
○小林(政)委員 ともかく物価を引き下げて、さらにその政策を進めていきたいということですけれども、これは一応いろいろいま述べられましたように、そういう方向を強めていきたいという非常に希望的な観測。しかし、経企庁の調査によっても、コスト要因による企業の値上げ意欲というものは最近もうメジロ押しのような状況である。いま聞いておりますと、ともかく三月までは何としてでも対前年比で一五%、何とかこれを数字の上でつじつまを合わしていかなければならないけれども、実際には、もう三月過ぎればともかく企業はメジロ押しで値上げ意欲が強いという中で、四月から一体どうなるんだということが非常に国民の関心の強いところです。 四月以降の問題等についても、物価抑制をさらにある程度安定させていくという方向を強めるために、本当に国民が納得するような具体策というものは一体持っているのかどうなのか。いま私どもがどこでも聞きますことは、ともかく三月までは、三月までは、こういうことが言われているわけですけれども、では一体四月からどうなるのか。こういう産業界を含めての値上げ意欲というものが強まっている。これに対しての具体的な四月以降の見通し、こういう問題を、抑制をしていくという観点で、どう一体この具体策をお持ちになっているのか、私は、それらの内容について、もう少しお聞かせをいただきたいと思います。
○安田政府委員 小林委員も御承知のとおり、実は五十年度予算が国会に上程されまして御審議をいただいておるわけでありますが、この予算の骨組みそのものが総需要抑制という基本方針を貫いておるわけでありますから、したがって、五十年度におけるいわゆる政府の経済政策の基調といいましょうか、物価対策に対する基本的考え方と申しましょうか、こういうものは、予算の編成方針の中で明確に相なっておるわけであります。ただ、たとえば福祉政策の問題でありますとか、教育、文教政策でありまするとか、一部、そういう基本方針をとりながら、国民生活上あるいは文教政策上どうしても例外的に扱わなければならぬというものもございます。公共事業の中でも、住宅の問題であるとか下水道の問題であるとか、国民生活の環境の整備にかかわりまするような問題については例外な問題がありますが、基本的にはそういう予算編成方針のもとにつくられた予算でございます。 したがいまして、国民各般の立場から見ますると、そういう予算編成に対しまするいろいろな批判もありましょうし、また、私自身も、一代議士と申しましょうか、国会議員という立場から申しますと、私なりに注文もつけたい内容もありますけれども、しかし、それは別にいたしまして、とにかくそういう予算編成方針のもとにつくられたものが国会で議論されている。そのねらいは、どこまでも物価をさらに抑制したい、引き下げたいという考え方に貫かれておるわけでありまして、これは単に予算だけでなくて、いわゆる財政投融資の面でもそうでございまするし、あるいは産業界に対しまする諸般の指導、これは経済企画庁だけでなくて、関連いたしまする農林省あるいは通産省、大蔵省、各般の関係各省が相呼応いたしまして、そういう方針を踏襲し、これを継続し、その実効を上げようということで実は努力を払っておるわけでありまするので、具体的なそのための政策はどういうことをやるのかということになりますと、これはそのために必要な政策はいままでも努力を払ってまいっておりますが、それを引き続いて行うという問題、あるいはまた、国の財政あるいは金融、そういう政策面においても引き続き従来の方針を踏襲して、そして物価の抑制を図る。 ただ、いまの御指摘にありましたように、片方においては、いわゆる諸般の産業界内部におきましては引き上げ要因というものもございましょう。しかし、そういうものに対しましても、公共料金というように政府自身がこれに干渉のできる部分に対しましては、まあ一部たばこでありまするとか、あるいは郵便料金でありまするとか、いろいろ御批判をいただきながらでもこの引き上げをせなければならぬ、そういうものにつきましても、その幅を縮めるとか、あるいは時期をずらすとか、そういうことにいたしまして、それ以外のものについては、実は御案内のとおり凍結をいたしておるようなわけでありまして、したがって、そういうような政策、その精神を貫くために必要な政策を各般にわたってとっていかなければならぬと私も考えておりまするし、それによって国民の期待する物価の正常化と申しましょうか、いわゆるいまのような狂乱時代から、やはり落ちついた、国民生活に余り邪魔にならない、障害を来さないような物価情勢というものをつくっていく、このために努力を払うという考え方でございます。 お答えといたしましていささか抽象的であったかと思いますが、基本的にはそういう考え方でいくことが間違いのない正しい物価対策だ、かように私どもは考えておるわけです。
○小林(政)委員 時間の関係で、私は具体的な問題についてお伺いをしたいと思いますけれども、具体的、個別的に見てみますと、鉄鋼を初め、産業界のさまざまの分野で値上げ意欲というものが相当濃厚であるということが、経企庁のこの報告においてすら書かれているわけですね。私は、この中で砂糖の問題を取り上げてお伺いをいたしたいと思います。 砂糖も、すでに農林省に対してメーカーから値上げ申請が提出をされているというふうに聞いておりますけれども、現在、何社から値上げ申請が出ていますか。そして、その申請の内容はどのようなものでしょうか。
○森(整)政府委員 御承知のように、農林省で、砂糖だけにつきまして値上げについて事前に了承をとるようにという指導をしております。その砂糖の件についてでございますが、現時点で六社の精製メーカーから値上げの申請がございます。 この内容につきましては、まあ一般論として申し上げますと、昨年の九月、十月以降、相当な値上がりを示しておりますが、その時期に値決めしたものがただいま入ってきているわけです。今後も相当コストの高い原糖が入ってくるということで、四月から値上げを認めてほしいという内容のものでございます。
○小林(政)委員 何%の値上げ申請であるのか、そしてその値上げの理由として、いま一端を述べられまして、国際的な高い価格の原糖が入ってくるのでということですけれども、非常に抽象的で、私よくわかりません。現在、何社から、何%で、しかも具体的な理由は何点かにわたって申請書の中には述べられていると思いますが、一体どのような理由になっているのか、この点をやはり明確にしてもらいたいと思います。
○森(整)政府委員 いま私、申し上げましたように、六社から出ております内容は、全部原糖が上がってきているから——ほとんど砂糖は原糖のコストにかかっているわけでございます。それについて、その事情をよく認めてほしいという内容のものでございます。 中身が何%であるかということにつきましては、まあこれは、全体で大中小取りまぜて三十三社ぐらいあるわけですが、そのうち六社から出ておるわけで、業界全体として値上げを考えてほしいという要望もございます。しかしながら、具体的に数字を六社から出してきておりますけれども、この扱いにつきまして、私ども、いままでともかく曲がりなりにも、二度の値上げをいたしましたけれども、全体の国際糖価が荒れている中で、ここまで一応価格を安定さしてきたということ、今後もまた何とかして安定さしていきたいということで、ただいま慎重に検討している段階でございます。六社についての内容は承知しておりますけれども、これは個別の企業がそれぞれの経営事情を素直に出してきておるわけでございます。素直かどうかこれから精査する必要がございますけれども。そういう意味合いがございまして、私どもとして、いまそういう個別の申請内容を公表すべき段階ではないのではないかというふうに判断をいたしておるわけでございます。 もう一つ大きな理由といたしまして、もしそれが表に出た場合に、おそらく待っているかもしれませんほかの会社が、その数字に追随をしていろいろ資料をつくって持ってこられますと、われわれとしては非常に迷惑をいたします。また、そういうこともあってはならないと思うわけです。各社それぞれのポジションがございましょうから当然違っておるはずでございますが、後から追随をするということを防ぐ意味からも、いまこの段階で中身をお話しするということにつきましてはちょっと差し控えさせていただきたいというのが私の気持ちでございます。
○小林(政)委員 私は昨年も、やはりこの砂糖の問題について、あの十月の値上げが行われる直前でした、いま製造数量、あるいはまた輸入量、あるいはまた出荷量、こういう点から見ても品不足というものは当然考えられない、こういう状況のもとで、現実には市場から、店頭から砂糖の品不足という問題が起こり、これはおそらく近く値上げがされるのではないか、こういうことで、そういう心配はないのかということを農林省に対して質問いたしました。ところが、この問題については、いま極力そういうことのないように砂糖の精製等についても督励をしているし、そういうことはないのだという意味のことをおっしゃっていた。その直後にあの十月に砂糖の値上げが行われたわけです。 私は、数社がもうすでに農林省に値上げ申請を出されている、こういう状況のもとで、確かに政府の考え方から言えば、三月の段階だけは何とか一五%に対前年比を抑えなければならないから、これは何とか延ばすだろう、しかし、おそらく四月段階に入れば、値上げをまた一方的に決めて認めていくのではないか、こういう不安がやはり相当国民の中にもあるのではないか、こういうふうに思います。 まして、申請の中身についてもいまの段階では発表できない、こういうことですけれども、それじゃ、メーカー名も何も発表できないというのですから、いわゆる三十三社の中でも、まあメーカーの段階にも大中小といろいろございますけれども、その三つに分けた中で、大きいメーカーから出ているのか、それともどういう状態なのか、この点はひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○森(整)政府委員 十月末の段階の値上げと、ただいま値上げをしてほしいと言っておる段階の環境は、私は非常に違うと思います。あの当時、確かに申請がずっと出てまいりまして……
○小林(政)委員 端的にお答えください。
○森(整)政府委員 はい。ただいまの問題は、コストは確かに上がってきておる。だれから出てきているかと言えば、大メーカーの一部も六社に入っておることは間違いございません。それでよろしゅうございますか。
○小林(政)委員 私は、三井製糖の決算、有価証券報告書ですね、これを調べてみましても、たとえば三井製糖の場合は、四十八年の九月期、あの段階では確かに二十三億円の損失を出していました。しかし、四十九年段階では、値上げによって逆に四十四億円も純利益を上げているのですね。こういう点から考えても、いま国際原糖が、高いものが国内に入ってくる、こういうことで値上げを一体認めるつもりなのかどうなのか。国際相場そのものはいまどんどん下がっているのでしょう。昨年十一月がピークですよ。十一月は確かに国際価格が上がりました。しかし、いまどんどん下がってきている段階です。ちょうどその高いときに買った砂糖をいま溶糖するという時期に来ているので、そのために値上げを申請しているのだということですけれども、値上げそのものをお認めになるのですか、ならないのですか、この点を明確にしていただきたいと思います。
○森(整)政府委員 先ほど私お答えいたしましたように、まだ数社の申請でございますし、いま直ちにどうこうということは申し上げられないわけでございますけれども、御指摘のように、最近、国際糖価が、ある意味では上がったのが下がってそれが落ちつきかけてきているのではないかという徴候がございますが、ごく最近また反騰しておりますので、この辺、国際糖価の動向を見なければならないのではないだろうかということと、現にいま入ってきておる糖価が高いという事実は、これも否定できない。同時に、先ほどお話があったと思いますが、非常に需要の減退を来しておる。そういう意味で、需給事情が非常に変わってきている。端的に申しますと、国内の相場はむしろだれぎみというふうにわれわれは見ておるわけです そういう要素というのは、非常に矛盾する要素でございます。矛盾する要素を抱えて、やはり物価安定ということを当然われわれも考えていかなければならない、こういう事情でございますので、これらを十分精査、検討した上で適切な処置をとりたいということでございまして、場合によりましては、事前了承制度というのがこういう段階でいいのかどうかという反省も実は私どもございます。これらを全部含めまして、十分検討の上、適切に対処いたしたい、こういうことでございます。
○小林(政)委員 砂糖の場合は、昨年の初めから値上げについての事前了承制の対象物資になっていましたけれども、それが昨年九月段階で全部取り払われて、そうして現在では事前協議制の対象物資になっているわけですね。農林省がこういう事前協議制度という形を残したのは、目的は一体何なのですか。
○森(整)政府委員 あの当時の事情、先生十分御存じと思いますが、まさに国際糖価は上がりっ放しということで、千ポンド説も出ておったわけでございます。そういう事態で、いかに砂糖だけとはいえ、何とか物価を安定させる見地から、いやでございますけれども政府が物価に行政介入せざるを得ないということで、政府全体として砂糖についてだけ、農林省として責任を持って物価を安定させていこうという立場から、農林省だけの措置としてとったものでございます。
○小林(政)委員 農林省がそういう形で一応指導価格といいますか、こういうものをずっと定めているわけですけれども、砂糖の場合は、具体的に昨年の二月段階で農林省が指導価格百八十六円ということできめ、さらに七月十七日に二百三十一円、そして十月二十八日に二百八十七円ということで、ずっと指導価格を決めてきましたけれども、これに伴ってずっとやはり小売の価格というものも上がってきているわけですね。現実にいま砂糖の国際価格がまた高騰し始めていると言いますけれども、昨日、一昨日あたりの経済新聞のロンドン相場を調べてみますと、大体昨年の七月程度のところなんですね。そんなに上がっていないですよ。どんどん下がってきていますよ、きょうのあれは知りませんけれども。こういう中で、ともかく高いときに仕入れた、十月、十一月段階で仕入れた原糖をいま溶糖するという状況のもとで、値段の高い砂糖をつくらなければならない、そのために値上げをしてくれというのでしょう。これは筋が通らないと私は思うのですよ。いま国際相場がどんどん下がってきている。しかも、昨年は二回にわたって値上げを行い、いままでは赤字を出していた大メーカーも黒字を出している。非常に利益を増してきている。こういう状況のもとで、また再び、国際相場が下がっているにもかかわらず、高いときに入れた砂糖だからここで農林省に値上げを認めてほしい、これは筋が通らないじゃないかと思うのですね。むしろそれであれば、物価を下げるための事前協議制というものが逆に作用して、農林省がこれは高いときに入れた砂糖だから値上げを認めてあげましょうなどということで、逆に市場の状況とはまた違った角度から、高い材料が入ってきているということだけで協議制という制度を利用してこれを値上げするということになれば、これは全く逆効果になるのじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○森(整)政府委員 確かに御指摘のように、事前協議制といいますか、了承制といいますか、要するに事前に相談してから価格の改定をしてくれという考え方につきましては、われわれとして結局相場をいろいろ見ていくということはもちろんでございますが、相場をわれわれが読むわけにまいりません。したがいまして、メーカーから御提出いただいた間違いのないコストを見まして、それに基づいて、このくらいならやむを得まいという価格を認めるという形にならざるを得ないわけでありますが、事前にいろいろ協議をされましてもそういう形が基本になるということは否定できません。 ただいま御指摘のように、ただメーカーから言いますと、コストが上がってきているのだからそれを見てくれ、この前の改定と同じように上がってきているのだから見てくれということにつきましては、メーカーの立場から言えばそれはそうだと思うのです。ただ、先生御指摘のように、そのまま従来の制度をとっておりますと、むしろ相場を持ち上げるというようなことになりはしないかという懸念については、私も同感でございます。したがいまして、今後の国際糖価、あるいは今後の国内の需給状況、そういうものを見通した上で、果たしてこの制度を維持していくのがいいかどうかということも、先ほど申し上げましたように検討の一つの課題だというふうに思っておるわけでございます。 すべて出してきたからこの制度そのものに基づいて値上げをしなければならないとは、必ずしも考えておりません。くどいようでございますけれども、ただ、コストが上がってきている事実というものは、いままでと同様に考えざるを得ない。場合によりましては、メーカーの倒産を招くおそれもございます。経営のポジションは非常に悪くなっております。先ほど御指摘のように、過去においてもうけたじゃないか、それを全部吐き出せ、これは当然のことだと思います。吐き出してなおかつ赤字が出るということが、いまの値決め状況からしますと、恐らく五、六月ごろがピークになりまして、経営の内容が相当悪化をいたしまして、果たして金触がついてくるかどうかということさえ心配される事態であることも間違いございません。 それらを踏まえましてどういうふうに対応していくか、私ども実は本当に頭の痛い話でございますけれども、これを何とか切り抜けていきたい。物価安定ということが第一目標であることは、御指摘のとおりだと思います。
○小林(政)委員 私は、ここには二つの問題があると思います。一つは、それでは十月、十一月、十二月、特に十一月のピークの高いときに輸入した原糖というものは、数量においてどのくらいになるのか。これは農林省、きちっと把握していらっしゃると思うのですよ。そして、メーカーから、これだけの量の高い原糖をいま抱えてこれを溶糖しようとしている、こういう形での申請が出てきていることも事実だと思います。一体この数量というものはどの程度なのか、また、農林省としてはこの問題についてどのくらいだというふうに押さえているのか、まずその点をお聞きしたいと思います。
○森(整)政府委員 ほかの社について全部精査をしているわけではございませんが、六社について見ましても、個々の企業によりましてポジションが非常に違います。それはなぜかといいますと、やはり上がりぎみのときに、どこが頭だろうか、要するに一円でも安く買いたいということは間違いないわけですから、その値決めの時期をおくらしておって、とうとう追い込まれて高い物をつかんだというところもございます。したがいまして、過半数高い物をつかんでしまったところと、半分程度まだ値決めをしないで、いま下がってきていますが、下がってきている物をつかめる状態のポジションの会社もあるというのが実情じゃないか、 したがいまして、いま出てくる限りにおいては、相当高い物をつかんでいるところが、経営が苦しくなるということから値上げ申請を出してきている。したがいまして、各社によりましてポジションは全部違うと思います。また、非常な開きがある。この相場の変動が非常に激しいときですから、どこをつかむかということは各社のまさに腕次第でございます。相場の見方ということいかんにかかっているわけでございます。コストが単純に一律大体似たようなものであるということは決してございません。非常に差があるというのが実態だと思います。
○小林(政)委員 正確な数量を農林省は調査されましたか。
○森(整)政府委員 これは六社については正確に出してきております。その精査はいたしておりますけれども、先ほど申しましたように、ほかの会社全体についてどういうポジションにあるかということは、ヒヤリングは始めておりますけれども現段階でどのくらいの差があるかということは、まだ全部つかんでおりません。
○小林(政)委員 砂糖というものは、了承制から協議制というようなものをとり続けてきたほど、国民生活にとってはきわめて重要な物資であるという観点も一つはあると思います。こういう点から、やはり需給関係というものをしっかりと確保していくということが当然あってしかるべきだと思うのです。一般の民間企業が取り扱っている問題であるから、その需要供給の関係は何も特別チェックする必要はない、民間企業が勝手にそのときそのときの相場に応じてやっておればよいというようなことだけで、野放しにできる性格を持つ物資ではないと私は思います。 実際に需要と供給との関係、あるいはまた砂糖の精製を促進していくということを当時言っていたわけですから、こういう点から考えても、私は、農林省がメーカーから出してくる資料をただうのみにするということだけではなくて、農林省独自としてある程度需要と供給の計画もきちっと持ち、あるいはまた関税でチェックするなり、実際に農林省としての独自の立場でこれを把握するということは当然のことだと思うのです。いまの段階ではそれがほとんどやられていないじゃありませんか。したがって、メーカーが実は高いときにこんなに買ってしまったと言うことを、あなたは信用するだけでしょう。農林省として独自の形でチェックしていますか、この点まずお伺いしたいと思います。
○森(整)政府委員 メーカーの申請をそのままうのみにするつもりは毛頭ございません。 それから、当然こういう事態でございますから、メーカーの協力を得て、原糖のポジションをただいま至急ヒヤリングを行っている段階でございます。われわれが聞いておりますその大体の状況は、先ほど申し上げたつもりでございます。先ほども申し上げましたように、ともかく相場はだれぎみである。それから、二月ごろに出荷が非常に落ち込みました。だけれども、それも戻しつつあるということも、需給の実態としてあるようでございます。 したがいまして、今後の見通しにつきましては、豪州糖の入着状況も頭に入れながら、やはり家庭用の二百八十七円をどういうふうに安定させていくかということを中心に、メーカーのポジション、需給の状況、今後の可能な限りの見通し、もちろん国際相場の見通しというのは非常に困難でございますけれども、ともかくそういうものを勘案して態度を決定いたしたいというふうに考えているわけでございます。
○小林(政)委員 砂糖のメーカーの中にも、弱小といいますか、小さなメーカーもございます。砂糖業界の場合は、業界全体として、近年、商社による系列化が非常に急速に強められている、ここに一つ大きな問題があると私は思うのです。しかも、ある新聞などによれば、メーカーは商社の製造工場じゃないかと言われるほど分割がもうすでに相当進行している、こういうことすら報道されているわけです。 具体的な問題として、商社年鑑等を見ましても、砂糖業界に対する商社の関与の状況は、三菱商事三井物産、丸紅、伊藤忠、住友、ほとんど商社によってもうすでに系列化が終わったとすら実際には言われているわけです。原糖の輸入を行うのは商社です。したがって、商社はトン当たり千円からのマージンを取っている。それから国内での販売ですね。砂糖が精製されて、その販売もメーカーから直接出ていくのではなくして、商社に一回戻って、商社を通して国内に販売されていく。こういう中で、二%からの売り上げに対するマージンを今度は逆に徴収しているということが言われていますけれども、これを一体どうごらんになっていらっしゃるのですか、事実関係についてお伺いしたいと思います。
○森(整)政府委員 確かに原糖の輸入業務を大体全部商社に委託しておるのは事実でございますが、これは、海外に支店を持っておりませんし、いろいろなところから安いものを買い付けるということで、本来の商社機能を生かした、そういうことから行われているもので、これは何も砂糖だけでなしに、穀物にいたしましても、石炭等にしましても、原材料につきましては大体商社によって輸入事務の代行が行われているということでございます。先ほど千円とおっしゃいましたけれども、砂糖につきましては、われわれの調査では五百円から千円、大体その程度ではなかろうかということで、価格が上がりましたからパーセンテージはむしろ非常に下がっております。〇・三なり〇・五%程度のものというふうに理解いたしておるわけでございます。 国内の販売面につきましても、代理店として商社が機能していることも事実でございます。しかし、これも一律ではございませんで、何も代理店を置かないで、直接ユーザーに売る場合もございます。これは各メーカーのいろいろな事情からの自由でございますが、われわれが把握しております手数料は、価格のおよそ一%程度というふうに理解しておるわけでございます。ある一つのメーカーがどこかの一つの商社にくっついておるという形ではございませんで、確かにいまのような傾向はございますけれども、数社を通していろいろ業務を行っておるというのが、実態でございます。それから、先ほど申しましたように、あるメーカーのごときは直接自分の系列の代理店を使って国内販売を行っている。商社を使うか使わないか、それは各社のいろいろな事情、判断がございましょうが、販売なり金融面のそういう必要性から出ているものというふうに思います。 そこで、各社の系列ということが問題にされますけれども、これは相当血みどろな競争が行われております。これは先生も御承知のとおりであります。したがいまして、商社が入ったから何か寡占的なものができるかというと、そうではない。むしろ商社の大きいのが競争しているわけでございますから、相当激烈な販売合戦が行われておるというのがただいまの実態でございます。それがいまの国内の相場の引き下げをしておるというふうにわれわれは判断をいたしておるわけでございます。
○小林(政)委員 農林省は一応中立の機関であるというふうに私ども考えておりましたけれども、ただいまの御答弁を聞いておりますと、一体どこの農林省なんだろうか、まるっきり業界サイドといいますか、商社擁護の立場に立っている。むしろ価格を安定させていくという役割りを商社が果たしているんだ、こういうことまでおっしゃるということになりますと、私は、農林省というのは一体どこの農林省なんだと言いたくなるのです。実際に、いま、いろいろと問題になっているように、弱小メーカーは本当に倒産をするかもしれないと言われるほどの状態にある。これは私もそのとおりだと思います。しかし、この場合に、何といっても莫大な資金力を持つ商社との関係で、国内販売から、あるいはまた輸入から、すべてを商社に頼らざるを得ないという状況に現在置かれていることも事実です。 こういう中で、私が先ほど申し上げた、いわゆる口銭としてトシ当たり千円、あるいは五百円から千円というお話もありましたけれども、また国内の場合には、新聞などの報道では売り上げの二%と書いてありますが、こういうものを実際に商社が徴収している。これを年間の輸入量に掛けて、二%あるいは千円ということで計算してみますと、商社の取り分というのは、全体で百五十億円ぐらいになるのですね。いま、ヒヤリングも行って、実際に査定をいろいろとやっていらっしゃるというお話ですけれども、今回の査定に当たって、このような商社の、本当に過大なもうけといいますか、取り分といいますか、こういう問題については一体どうチェックされているのか、この点をお伺いしたいと思います。
○森(整)政府委員 先ほど私が申し上げましたことに誤解があるといけませんが、私は商社機能、要するに機能の方を言っているので、商社と言っているわけではございません。商社機能というものは必要でしょう。いま先生がおっしゃいましたけれども、そういう手数料は、用船の準備もございましょうし、輸入手続、あるいはユーザンスの関係、そういうものを全部代行しているわけでございます。代行しなければ、それだけ、メーカー自身が金をかけてやる、海外に駐在員を派遣して買い付けを行う、商社機能をメーカー自身がやるということでございまして、これは別に、コストといたしましては、CIF価格で計算する場合に輸入につきましてはそういう必要な輸入コストとして計上をしてくるということでございます。これは何も砂糖だけでなしに、小麦にいたしましても、大豆にいたしましても、輸入価格の算定に当たりましては、当然そういうコストはコストとして見ておるわけです。だから、そういうものでございまして、一応コストとしては当然それは織り込むべきものというふうにわれわれ考えておるわけでございます。 もう一回申し上げますと、商社を私が弁護しておるというよりも、商社機能というものは必要でございましょう。それはメーカーが行おうと商社が行おうと、それはメーカーの判断でございます。メーカーがどの人を選ぶか、またどれが安いかということの判断からそういうことが行われておる。ただ、系列化が行われておるということにつきましては、系列化の言葉でございますけれども、確かに商社に輸入の委託をするのがだんだん特定をしてくる、その数社間の競争が相当行われておるという実態を私、申し上げたつもりでございます。
○小林(政)委員 時間の関係もございますけれども、具体的には六社ですか、六社から砂糖の値上げ申請がすでに提出をされている。しかし農林省は、この申請をした企業の名前についても、あるいはまたその内容についても、いまの段階では一切発表できない、こういうことです。しかし、一般的に砂糖は国際相場は下がってきている。また農林省は、高いときにその原糖を買ったという量も、ただ企業の言うことをそのまま認めているというだけであって、実際に独自の調査もしていない。非常に不明確な点がたくさんこの中には含まれておるし、いまの段階では十分審議できないですね、こういうことでは。恐らく、三月いっぱいは物価を抑えるというようなことで、砂糖の値上げについても何とかここである程度抑えて、四月段階から値上げを行おうというようなことがいろいろ取りざたをされています。こういう中で、一体いま審査している内容等について、具体的な段階で委員会に公表することができますか、申請の中身を。これは一切できないんですか、おやりになるつもりはないんですか。
○森(整)政府委員 三十三社の中で六社出てきて、それをいろいろいま云々するのは適当ではないのではございませんでしょうかということを私、申し上げているつもりでございます。隠したり何かするという意味で私、申し上げているのではございません。 各社がどうしてももうやり切れなくなって、みんな出そろった段階で、現状はこうであるということは、これは各社がどういうポジションにあるかということはちょっと御遠慮申し上げたいと思いますが、平均でどの程度になってきておるかということは、もちろんその段階でなら私は公にしても差しつかえないと思うわけでございます。また、その段階になれば、私ども当然どうするかという判断をしなければならないわけです。値上げをするのかしないのか、事前了承制をどうするんだ、あるいは将来どういうふうに考えるんだ、そういうことを明確にいたしたい。その時期は、六社の申請で、いまここで農林省が態度を明らかにするということが、逆にかえってメーカーの追随を呼ぶという判断を私どもいたしておるわけでございます。ほかのメーカーの追随を呼ぶということを私ども心配しておるわけでございます。
○小林(政)委員 値上げをするかどうかということ、しかもその期日についても、いま何とも言えない——私は、たまたまこの問題は、先ほども申し上げましたけれども、今回と理由は違っても、昨年の十月の砂糖の価格の値上げを農林省が一方的に承認したあの直前に、砂糖の値上げ問題についてはこの委員会で質問をいたしております。しかし、そのときも非常にあいまいであって、具体的に中身を明らかにしようともしない、こういう形での質疑が行われ、しかもその直後にあの値上げが行われたわけです。私は、そのメーカーが提出している申請の中身ですね、値上げをしなければ苦しくてもうどうにもならないということで出されているその中身をなぜ公表できないのか、どういう理由で値上げをしてくれという申請が出されているのか、この内容をなぜ公表できないのか、この点は非常に疑問に思います。 農林省が一方的にすでにその中身のヒヤリングを始めている。そして、一定の期間に判断をされて、値上げを認める、あるいは認めない、こういう態度をとるわけですけれども、これでは全く委員会では、値上げ申請が出されても、その申請の内容もわからない。もう実際には、果たして個々の物資について値上げが妥当であるのか、この程度はどうなのかということも、判断の材料もない。こういうような形では物価論議が続けていけないのではないか。 私は、この申請の中身等についても当然公表すべきであるし、大体値上げをするかしないかという態度をいつまでにお決めになるつもりなのか、この点の期日を明らかにしてもらいたいと思います。
○森(整)政府委員 先生十分御承知だと思うのでございますけれども、国民の生活に非常に関連があるわけでございます。砂糖の値上げを農林省が認める作業をしておるということ自身が、非常に動揺を与えるわけでございます。この前の時期に、ともかく値上げということによりましてパニックが起こったわけでございます。要するに、値上げといいますか、先高になるということなら、何人も買うと思うのです。 この段階で、六社から申請が出たから、直ちに農林省が値上げを認めるというふうにはおとりにならないでいただきたいと思います。たった六社が、苦しいから値上げをしてくれと言う場合に、われわれは直ちにそれをうのみにして、はい、そうですねと言うつもりはございません。やはり何とかして物価を安定させていく。国民の一般の家庭の皆様に、いま安心して砂糖を使っておられる方々に、私は不安動揺を与えたくない。しかも、ほかの会社が、いま出しているコストというものを見まして、横ににらんで、それならもう少し私どもの方も上げていただきたい、右へならえで統一行動をとられても、かえって迷惑であるというのが、私の現在の気持ちでございます。その点はひとつおくみ取りをいただきたい、こういうふうに思うわけでございます。
○小林(政)委員 最後に一言。大変かたい決意を述べられましたけれども、それでは、値上げをしない、国民が不安を持ってはいけない、農林省は値上げを認める意思はない、このように受け取ってよろしゅうございますか。
○森(整)政府委員 物価を安定するということを最大の目標に私は考えたいというつもりで申し上げているわけです。先ほど申しましたように、いろいろな事情がございます。メーカーがつぶれるかもしれない。メーカーをつぶすわけにはいかぬ全部が全部、みんなもうけさせるというつもりもございませんけれども、ともかくメーカーの経営というものも考えていかなければいけません。その上に、やはり国内の需給事情という問題、それから先の問題、それら全部を総合勘案して態度を決定したいということでございまして、ともかく最大の目標は、物価安定をどうやっていくかということを念頭に置いて対処してまいりたいというのが、私の率直な気持ちでございます。
○小林(政)委員 メーカーがつぶれるかもしれない、こう言いましたね。何を指してそういうことが言えるんでしょうか。具体的にもう少し、それだったら中身を資料として提出してください。
○森(整)政府委員 それは、売れない、それからコストが上がってきている、コストを割って凍結がされている、販売価格が抑えられている、そうすると金融でつながなければいかぬけれども、金融がそこまでつくかどうかという問題もございます。金融がつけばそういうことはないわけでございますが、金融機関といたしましても、先がはっきりしないものを貸すわけにいかぬ、こういうことは当然だと思います。その辺の事情全体を踏まえましてわれわれとして対応していかなければいけない、こういうふうに考えておるわけでございます。そういう意味で私、申し上げたつもりでございます。
○小林(政)委員 この問題は、具体的な中身についてはいまの段階では何一つ、農林省の方ではいろいろヒヤリングをされているということですけれども、しかし申請の中身も何にもわからないわけです。公表されてないわけです。しかし、実際にはいまのままでいくと、私どもが危惧するのは、恐らくこれは三月段階を過ぎると値上げをするのではないかという不安が非常に強いわけなんです。そういうことを言うと、国民の不安を云々とおっしゃいますけれども、私の不安もやはり国民の不安なんです。恐らくそういう問題が出てくる可能性があるのではないだろうか、こういう不安の中から私はこの問題を現在取り上げ、しかも国際的にも相場が下がっておるという現状の中では、値上げの理由はないのではないか、こういう立場で質問をいたしましたけれども、これらの具体的な資料をひとつ委員会で、ここで発言として取り上げる云々はともかくとしても、ぜひひとつ提出をしていただきたいと思います。一切できませんか。
○森(整)政府委員 私、先ほど申しましたように、六社の数字で云々するというのは時期尚早ではないかということを申し上げたつもりでございます。皆さんが、会社の全部が値上げしないとだめなんだということで、資料が出そろいまして、それの内容が平均すればどういうふうになっておるということは、当然私は発表して結構だと思いますけれども、まだそういう時期ではないということで申し上げたつもりでございます。
○小林(政)委員 最後に、政務次官にお尋ねをいたしたいと思いますけれども、先ほど私、質問の当初に、経企庁の調査の中身を読ましてもらっても、企業側の値上げ意欲というものが相当強い、しかし、これに対して、四月段階以降やはりもっと物価の安定ということを推し進めていく上での具体策はということでお伺いをいたしたわけですけれども、その一つの問題として、いま砂糖の問題を取り上げたわけでございますが、国民生活の安定という立場から、現在の砂糖の値上げが急速抜き打ち的にまた行われるというようなことは絶対に避けなければならないというふうに私は考えます。この点について、いまやりとりが行われておりますように、この現状の中で具体的にはメーカーの言いなりの資料に基づいて農林省はいま判断せざるを得ないというような状況も明らかになってまいりましたけれども、こういう状況のもとで、この砂糖の値上げという問題が国民生活に与える影響等を考えて、どのような対策を今後おとりになろうとされるのか、物価との関係で御意見をお聞かせいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○安田政府委員 先ほどから、小林委員の砂糖に関します値上げ問題の応酬を拝聴いたしておりました。私たち物価問題に取り組んでおります経済企画庁としては、大変関心を高く持たなければならない問題である、かように考えておるわけであります。 ただ、御案内のとおり政府部内には政府部内のそれぞれの各官省庁がございまして、それなりの立場においてそれぞれ最善の努力を払っておるわけでありまして、私は農林省の先ほど来の局長の答弁を聞いておりますと、やはり物価問題に対します配慮というのは相当強く考えておられるものと理解をいたしたわけであります。したがいまして、農林省の適切な処置を私はまず強く期待をいたしたいと存ずる次第でございます。 しかし、物価問題を総括的に扱っております経済企画庁としては、農林省に任せ切るというわけにもまいらない本質的なものがあると思いますので、これは政府部内の問題でございますので、横の連絡については十分にひとつ連携をとりながら国民生活の安定上重要な政策課題であるこの物価という問題から見ての砂糖問題、この価格問題に対してはやはりいろいろな事情がありまして、どういう処置をとられますかまだわかりませんけれども、われわれの立場からも十分にひとつ関心を払って、緊密な連携のもとに、物価政策上、国民生活の上に影響を余り大きく与えるようなそういう面については、ひとつ十分に慎重な態度で処置をいただきますように、農林当局との連携を図ってまいりたい、かように存ずる次第でございます。
○横山委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時四十六分散会