物価問題等に関する特別委員会 第4号
- 発言数
- 93 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1975/02/27
会議録
○山中(吾)委員長代理 これより会議を開きます。 委員長が本日所用のため出席されませんので、委員長の指名により、私が委員長の職務を行います。 物価問題等に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。愛野興一郎君。
○愛野委員 時間が三十分でありますので、大体取りまとめて質問を申し上げます。 一月二十四日の経済企画庁の「昭和五十年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」の決定によりますと、三月の対前年度消費者物価上昇率を一五%以内に抑えて、五十年度の対前年度消費者物価上昇率を一けた、九・九%に安定させるように目標を置く、こういうふうなことが閣議で決定をされたわけであります。 そこで、大体いまの状態ではそれが非常に着実に推移をいたしておる、こういうふうに思うわけでありますけれども、一五%以内で三月末を乗り切れる自信ありや否や。また、もしそれが崩れる場合は、どういう要因があるのかということが第一点。 それから、三月末並びに来年度の目標に対して、物価対策上警戒すべき要因と思われるものはどういう要因があるのか、これが第二点。 もう一つは、イギリスのヒーリー大蔵大臣が、二十四日に、労働党とそれからTUCの連絡委員会におきまして、イギリスの物価を安定させるためには、やはり労働組合も過剰要求をできるだけ差し控えていただきたいということを明快に訴えたわけでありますけれども、政府もいろいろな懇談会等々では、それを哀願的にお願いいたしておるわけでありますが、もう少し率直に、やはり国益的立場から労働組合等々にもお訴えをしていく考え方はあるかどうかということが一点。 それから、先般予算委員会におきまして、民社党の和田先生が質問をされた、やはり国民に望ましい賃金水準を訴えるべきであるということ、私も同感でありますけれども、それに対する御見解はいかがかということが一点。 それから、二十四日に、自由民主党の幹事長代行の石田博英先生が、帝国ホテルの内外情勢調査会におきまして、物価が前年比一五%ならばベアも大体一五%ぐらいに考えるのが常識である、ただし、その反対給付として、政府は老後の保障を考えているということを言われたわけでありますが、政府は具体的にそういうことを考えておられるかどうか、これをひとつお答えをいただきたいと思います。いまの問題を総括してお答えを願います。
○安田政府委員 愛野委員の御質問にお答えいたします。 第一点の御質問は、政府のかねてから物価抑制の目標として努力を払ってまいっておりまする本年三月の時点における前年度対比一五%以内の上昇率にとどめたい、この目標について達成できるかという御質問でありますが、このことにつきましては、御承知のとおり最近の消費者物価の動向等を見ますると、十二月におきましては前月比〇・四%、あるいは一月につきましては東京都の場合でありますが〇・二%というふうに、きわめて上がり方も微小状況にあるわけでありまして、非常に物価の状況は落ちついてまいっておる、かように存じます。そのほか、卸売物価の鎮静化の状況、あるいは消費支出の動向、こういう点から見て、間違いなく一五%の目標は達成できるだろう、こう考えておるわけであります。 したがいまして、一五%を達成する上における今後の物価政策上の警戒すべき要因は何かというような御質問もございましたけれども、この一五%達成につきましては、そういうような事情でありますから、特に警戒すべき要因というものはないと考えておりますが、しかし、引き続き物価の安定につきましては、従来の方針を踏襲いたしまして、政府側といたしましては最善の努力を払ってまいるべきである、かように考えておるわけであります。 それから、石田博英先生の見解に関連する御質問でございますが、これは私もよく承知をいたしておらないのでありまして、したがいまして、その内容等につきましては私自身が見解を申し述べる立場ではないのじゃないかと思っておるわけでありますが、賃金の上昇率というようなものにつきましては、御案内のとおり労働需給、あるいは物価、企業の収益などによって決定されるものでありますから、したがいまして、消費者物価の上昇率等は一つの目安にはなるかと存じますけれども、必ずしも消費者物価の上昇率によって賃金の上昇率をはかるべきものではないだろう、こう考えておるわけでございます。 それから、それに関連いたしまして、老後における保障の問題、こういう問題についての質問がございましたが、これは御案内のとおり、政府といたしましても、五十年度予算におきましても、あるいは老人対策につきましては医療の無料化、あるいは年金制度の拡充、あるいは寝たきり老人対策等々の社会保障を中心として、いろいろな政策を実行いたしておるところでありまして、したがいまして、こういう問題については今後ともさらに努力を払うべきことは当然であるわけでありまして、石田先生の御発言のいかんにかかわらず、老人対策につきましては十分に努力を払ってまいるべきである、かように考えております。 それからもう一つは、英国の蔵相の賃上げ過剰要求に対しまする自主規制を強く呼びかけておるという問題に関連いたしまして、政府側としても国民に賃金水準というものを率直に訴えて理解と協力を求めるべきではないか、こういう御質問でありますが、賃金問題については、かねがね総理あるいは福田長官等も申し上げておりまするとおりでありまして、これはいずれも労使双方の自主的な交渉によって決定されるべきであります。したがいまして、政府側といたしましてこれに介入するという考え方は持ってはおらないのでございます。しかし、物価の上昇を抑制するという点、あるいは国民生活の安定という観点からいたしますると、これはやはり労使双方の十分な理解に基づきますところの節度ある賃金水準の決定が望ましい、こう私は考えておるところであります。 以上、簡単な答弁ではございましたけれども、御質問にお答えいたしました。
○愛野委員 いまの御答弁で、石田幹事長代行のお話は、すでに五十年度予算に盛り込まれておる問題であろうということであります。私も自由民主党でありますけれども、大体政府の見解というようなものを幹事長代行が発表される場合においては、やはり政府に確固たる政策というものがあって発表せなければならぬと考えるわけであります。そこで、自分の党の幹事長代行のことをとやかく言うつもりはありませんけれども、もう少し慎重に御発言をお願い申し上げたいと要望いたしておきます。 次に、一月二十四日の「五十年度経済見通しと経済運営の基本的態度」に示されておる四十九年度の国民総生産並びに名目、実質成長率の見通しが、この三月末では、言うなれば大きく狂ってくるのではないか、特に実質成長率は狂ってくるのではないか、こういうふうな心配があるわけであります。同時に、その心配は、端的に中小企業あるいは企業に不況としてかぶさってくるわけでありますから、一月二十四日以降の今日の時点でそれぞれの見通しが大体どういうふうに変わっているかということをお伺いしたいのが第一点。 それから、一月以降の個人消費あるいは設備投資、輸出、財政措置、こういったものはどういうふうになっておるのか。特に、年末一兆円に上る公務員の追加支払いが行われたわけでありますがこれが個人消費の落ち込みを下支えする要因になると思われておったのが、実際にはあまりなっていないのかどうか。あるいはまた、消費の落ち込み原因が価格抵抗にあると言われておるわけでありますから、いまは卸売物価あるいは消費者物価ともに大体健全に近い方向に政府も努力をしておるというふうに全般的な認識がなされておるけれども、なお消費の落ち込みが続いておるようであるが、これの見通しはどうなるかというのが第二点。 あるいはまた、民間の住宅建設等の動向はどうなっていくのか。 また、下支え要因と思われるものの中で、公害関連投資、あるいはまた省エネルギー関連等の投資は当然やらなければならない投資であるわけでありますから、この投資は五十年度にはもう必然的にやらなければならないような時期に来ておるのではなかろうか、その見通し。あるいはまた、産業構造審議会の答申の中で、産業構造の長期ビジョンに指摘されております非製造業の設備投資の拡大意欲、これは大体五十年度くらいには起きてくるのではないか、あるいは鉄鋼、化学、電力といった基幹産業の設備投資も五十年度には起きてこなければならないと思います。同時に、そういう下支えの要因がなければ、物価は安定しても今度は不況というのはますます深刻になっていくわけでありますから、その辺の見通しをお伺いいたしたいと思うわけであります。 また、輸出の面につきましては、いままでの状態は国内経済の不振を輸出で支えておった。これがいまのような状態では、五十年度はどういうふうになるのか、こういった面について御見解をお伺いしたいと思います。
○安田政府委員 四十九年度の経済情勢の見通しに対して、大分当初の見通しから変化があるのではないか、そういうような御指摘のようでありますが、これは愛野委員も御承知のとおり、一月二十四日に閣議決定をいたしました経済見通し等につきましては、五十年度におきましては国民総生産の伸びの見込みは名目で一八・七%、実質ではマイナス一・七%、こういうような形になっておりますが、その後の経済の推移を見ますると、物価がかなり鎮静化の傾向を示しております反面、経済活動には総需要抑制に伴いまする摩擦現象等やひずみも出てまいっておることも事実でございます。したがいまして、政府といたしましては、そういうような摩擦現象やひずみに対しまして、去る二月十四日の経済対策閣僚会議等で対策を講じましたように、適時適切な政策を実行いたしておるわけでありまして、現在の見通しでは、さきに決定をいたしておりまする見通しとそう狂わないのではないか、こう考えておるところでございます。 次は、昨年の年末に一兆円に上る公務員の給与等の支払いが行れたが、これが個人消費にはね返りがないのではないか、こういうような御指摘のようでございますが、実は現在のところでは、一月、二月のそういうはね返り情勢というところまではまだ調査も行き届いておりませんし、事実問題としてはなかなかつかみにくい内容でございます。しかし、日銀等の見解等を総合してみますると、やはり何らかのはね返りはあったのじゃないか。しかし、それが顕著なものにはなっておらないようでございますが、ある程度の影響はあったもの、かように推定をいたしておるところであります。 それから、住宅の問題でありますが、住宅建設の動向等については、御案内のとおり四十九年におきましてはそのテンポが大変おくれて、むしろ減ったわけであります。したがいまして、これについては住宅政策という観点からいいましても、あるいは中小企業等の不況対策というような観点からいたしましても、その後におきましては枠をふやしていく。戸数をふやしたり、あるいはまた公庫の方の資金の枠もふやしたり、そういう政策を建設省を中心にしてやっておるわけでありまして、五十年度に入りましてからは、私どもの見解といたしましては、逐次その建設の状況も伸びてまいるようになるのではないか、こういうふうに考えておるところであります。 それから、その次の設備投資の問題についてでありますが、公害関連の設備投資、あるいは省エネルギー関連の投資、これは特に現在のわが国の現況から申しますると必要な設備投資である、緊急を要する設備投資であると思っておりますが、しかし他面におきましては、物価対策上、いろいろと総需要抑制政策がとられておりまするし、それは財政、金融各面にわたってとられておるわけでありまするから、したがいまして、こういう面に対する設備投資もおくれておることは事実だと思っております。 しかし、これは何と言いましても、物価抑制という最大の政策、重点の政策を効果あらしめるためには、現在のところ、それに最大の力点、重点を置いた政策をとっておるわけでありますから、若干設備投資の面でおくれておりますることはやむを得ないのではないか、ただし、これは物価の停滞傾向、こういうものとのにらみ合わせをいたしまして、そうして逐次こうした設備面におきましても、財政あるいは金融面において、先ほど申し上げましたようないわゆるきめの細かい配慮のもとに、是正をするところは是正をする、こういう政策が必要だろうと考えております。 それから、各般にわたっての質問でありましたが、非製造業の設備投資の問題、これも基本的には同じことだと思っておるのでありまして、いまのような物価重点という政策をとっておりまする現況におきましては、そう設備投資を伸ばすということはなかなかはかばかしくはいかぬと考えておりますが、これもやはり産業の諸状況というものを勘案しながら、その辺の適切な措置を講ずることが必要だろう。また、鉄鋼、化学、電力等におきましても、基本的には同じことが言えるのではないか、こういうふうに考えておるわけであります。 それから、輸出の問題でございますが、これは御案内のとおり、四十九年度の輸出というのは、価格の上昇や世界的ないろいろな鉄鋼等の不足傾向というようなものが影響いたしまして、日本の輸出は相当伸びたのでありますけれども、五十年度になりますると、おそらく世界経済全体の停滞という情勢がどうしても避けられませんようでありまするので、五十年度における日本の輸出というのは、四十九年度ほどの伸びを期待することはできないのではないか、むしろ減少傾向をたどるのではないか、こういうふうな観測をいたしておるところであります。
○愛野委員 時間があと五分でありますから、あとはもう全部を一括して質問をいたしますから、よろしく答弁のほどお願いいたします。 そこで、不況対策として、中小企業に対しては金融面でどのような措置をとられたか、あるいはその他の政策的措置はどういうふうにしていただいたのか、また、今後されるのか。 それと、この際、金融問題について、いろいろと銀行のあり方が問題になっておるわけであります。主として都市銀行のあり方が問題になっておるわけでありますけれども、中小企業にとってはやはり地方銀行あるいは相互銀行、信用金庫、こういったものが対象でありますけれども、総じて中小企業ほど、実際は借り入れをする場合において、通常、担保が実際の借り入れよりも多い金額で取られておる上に、さらに増し担保を取られたり、あるいはまた、歩積み、両建て、こういったものは、これはもう大蔵当局から指導されておっても、実際は強要でない強要として行われておるような傾向があります。あるいはまた、景気の変動、実際の好況不況にその業種を合わせて、これは不況業種であるということであれば、各銀行が抜け駆け的に競争で何とか確保しようというようなことでやるわけでありますから、そういう抜け駆け行為、あるいは地方銀行自体で、いまはそういうことはないかもわかりませんけれども、名前を変えた不動産会社や、あるいはいろいろな仕事をやっておられたわけであります。こういうことから、中小企業は逆に大企業よりも金が借りにくくなっておる。 ところが、二、三日前の新聞で見ますと、不況対策として中小企業への金融てこ入れをしたところが、相互銀行とか、あるいは信用金庫等に金がだぶついて、過剰流動性再現の兆しであるというように書いてある。実際は、過剰流動性再現の兆しよりも、私も事業をやっておりますが借りた金は返さなければならぬわけでありますから、結局借りたくても借りられないというのが中小企業の現状ではなかろうか、こういうふうに私は思うわけであります。 したがって、金よりも仕事というようなことが実際であるという御認識であるかもわかりませんけれども、仕事も金も欲しいというのが、三月期決算を控え、また五十年度を控えての中小企業の実態である。しかし、借りた金は返さなければならぬから借りられない。ために、地方銀行も、あるいはまた中小企業相手の銀行も金がだぶつく、こういうことになるわけでありますから、こういった面に対する指導はどうされていくのか、お伺いをいたしたいと思います。 それから、来年度の物価安定のためには総需要抑制をあと一年ないし二年続けていかなければならぬというふうに、経済企画庁長官は申しておられるわけであります。しかし、それは弾力的ないろいろな運用で不況は乗り切っていくということでありますけれども、そういった場合の、来年度の経済運営の撹乱要因であるところの失業対策、あるいは倒産の増大に対する対策、あるいは企業収益の悪化に対してはどういうふうな対策で臨んでいこうと考えておられるのか、これをお伺いいたしたい。 もう一つは、これは企業の経営側も、それから労働側も、いかに良識ある賃金水準を政府が申されても、今日の新聞を見ておりますと、地方公務員の人件費が地方財政を圧迫しておるとか、あるいはいろいろなそういった地方財政の硬直化等々が問題になるわけであります。結局、いかに政府が良識ある賃金水準ということをPRしても、実際の公務員なり、あるいは地方公務員の役所のほうはどうなっておるのか。だから、これは言うなれば、政治がもっとしっかりすべきである、労働側の方も、経営側の方も、政治がしっかりしなくて、自分たちだけにいろいろなことを言うのはけしからぬじゃないか、こういうふうになるわけでありますから、ずばり言って、今日の地方財政の硬直化、この原因はどういうところにあると思っておられるのか、この点をお伺いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○安田政府委員 中小企業等に対する不況対策の問題でございますが、これは御案内のとおり、先ほども申し上げましたけれども、やはり総需要抑制政策ということに力点を置いた政策がとられておりますから、したがいまして、その結果生じまするひずみ現象、あるいは不況というような現象にもなってまいっておるわけでありまして、したがって、こういう面に対しましては、政府側といたしましても絶えず関心を払い、また、これに対応いたしましては、時期を失しない対応策を講じてまいっておるわけでありまして、二月十四日におきまする経済対策閣僚会議の決定等も、その趣旨から出ておることは御理解いただけると思うのであります。 その内容等については詳しくは申し上げませんが、そういうことで、他面、物価の抑制に最重点を置きながら、やはり中小商工業その他の不況対策につきましても、十分な配慮をいたしておるところでございまするので、御理解いただきたいと存ずる次第であります。 それから、物価安定のために、今後、総需要抑制政策を少なくとも二年ぐらい続けていくというような方針をとっておるようであるが、その場合の問題点としての失業対策、あるいは倒産の問題、あるいは企業収益の悪化の問題等、こういう面に対してはどういう措置を講じようとしておるのかという御質問でございますが、これはいま申し上げましたような不況対策に関連するお答えとも相通ずるわけでございまして、どうしても失業問題あるいは倒産問題、経営の悪化の問題は避けられませんので、そういう面に対しましては、財政金融あるいは労働政策、そういうような諸政策を総合的に実施いたしまして、こういう問題の激化を防ぐという措置を講じていくことが正しいだろうこう考えておるところであります。 それから、賃金水準の問題に関連して、地方財政の硬直化の問題を御指摘になられたわけでありますが、これは自治省等においていま十分に検討いたしておるところのようでありますけれども、私といたしましても、地方公共団体によっては、国家公務員ベースよりも高い給与水準のところ、あるいはまた、水準ばかりでなく、増員などを行うことによりまして地方財政を圧迫しておる地方公共団体、こういうものがあることも承知をいたしておるわけでありますが、こういう面につきましては、それぞれ自治省、あるいはその他の関係機関におきましてもいま十分に検討中でありますので、その検討と相まって地方財政の硬直化を改善していくということが、これから政府といたしましては力を入れるべき一つの問題点ではないかこう考えておるわけでございますが、経済企画庁といたしましては、直接こういう問題に干渉すべき立場ではありませんので、その点をひとつ御理解いただきたいと思う次第でございます。 以上、御答弁申し上げます。
○吉川政府委員 最初の方の質問で、中小企業の不況対策としてどういった措置を講じてきたかという御質問に対して、簡単にお答え申し上げます 一つは、政府関係の中小三機関、これは四十九年度の貸出枠が二兆円でございましたが、これを二兆七千億円に増加をして、金融の確保に努めております。 それから、中小企業信用保険法によりまして、倒産関連業種、いわゆる不況業種といたしまして昨年の六月から十二月までに三回にわたりまして中分類的なくくりで約二十九業種を指定いたしまして、倍額の信用保証を受けられるように措置をしてまいっております。 それから、その不況業種に対しまして、民間の中小企業救済特別融資を約二千億出しておりますこの金融実施に際しましては、特に不況の著しい業種、それから下請中小企業に対して十分な配慮を払う、既往債務の償還猶予について弾力的にやるというような措置を講じております。 それから、先ほどお金と仕事という話がありましたが、仕事の方につきましても、官公需の中小企業の受注機会の確保を図るべくやっております。昨年の四月から十二月までで、全官公需の約二九・四%を中小企業が契約をしておりますが、さらにこの増加を図るようにやっております。 さらに、下請代金支払遅延等防止法の厳格な実施等もしております。今後ともこの方向でやっていきたい、こういうふうに考えております。
○後藤(達)政府委員 先生お尋ねの、特に市中金融機関のビヘービアその他の点について御答弁申し上げます。 従来、特に私ども指導の基本にいたしておりましたのは、市中の金融機関につきまして、中小企業向けの資金の量をまず確保すること、これは都市銀行も含めまして、全体として中小企業へ流れる資金量を確保いたしたい。それから質的には、いまお話しのございました特別融資というようなことがございました。それが第一点でございます。 それから、今後どういう気持ちで指導していくかという点でございますが、基本的には、こういう引き締めが長期にわたってまいりまして、特定の業種と申しますよりは、全体に大変いろいろ問題が多いということになっておりまして、企業の方は、その打開のために大変苦労しておられるというふうに承知をいたしておりますが、こういう際に、金融機関といたしましても、融資のうまみというようなことを頭に置くのではなくて、企業とともにこの難局を克服していく、こういう気構えを持って、融資の相談でございますとか、いろいろなアドバイスですとか、あるいは量の確保とか、そういうことに尽力をする、こういうことを基本的な方針として、個々の指導をしてまいりたいと思います。 具体的に御指摘のありましたいろいろな点でございますが、その二、三につきまして申し上げてみたいと思います。 第一点の重要なところは、景気のいいときは銀行は一緒になってどんどん貸しをやるけれども、いざ危なくなると、どんどん先に立って引き上げていく、こういう傾向があるのではないかという御指摘でございます。最近のところ、そういう傾向はかなり改善をしているようには存じますけれども、しかし、こういう際、特にそういうことがあってはならないと存じております。 具体的な御指摘のございました、昨年末から中小企業金融機関につきまして余裕資金がふえておる、こういうことでございますが、この点はなかなかむずかしい問題であろうかと存じます。私どもただいまのところ承知しておりますのでは、実は貸し出しの申し込みの方が、長い引き締めだものでございますから、九月ごろをピークに非常にふえてまいったのですが、それがやや慎重になったと申しますか、やや鈍化をしております。それから、預金の増加の方が思ったよりも好調にふえてまいりました。確かに御指摘のように、余裕資金というようなかっこうで増加をしております。御承知のように、相互銀行と中小企業金融公庫も預貸率は日本の場合大変高うございますので、そういうようなときに、経営者が資産構成を改善したい、こういう気持ちを持つことも、長期的に見れば大事なことではないかと存じますが、しかし先ほども申し上げましたように、そういうことに気を向ける余り、企業の方の必要な資金需要にこたえられない、こういうことで問題を起こすことがあってはならないことだと存じます。したがいまして、そういうような徴候が数字的に見られますものでございますから、先般、財務局に対しまして指示をいたしまして、これは個々の金融機関によっていろいろ事情がございますので、個々の実情に即して、中小企業金融の疎通に支障のないよう具体的な指導をするように、こういう指示をいたしたところでございます。 両建て、歩積み、あるいはその他の御指摘の点につきましては、常に御指摘をいただいておるところでありまして、私どもさらに両建て、歩積みの絶滅、あるいは過剰なる担保を取るようなことの改善、こういうことには極力指導を強化してまいりたいと存じております。
○山中(吾)委員長代理 この際、政府委員の方々に申し上げます。 本日は、時間の制約がありますので、答弁を簡潔にお願いいたします。 中村茂君。
○中村(茂)委員 本委員会における福田長官のごあいさつの中で幾つかお聞きしたいと思ったわけですけれども、長官が見えませんが、次官、それからそれぞれ政府機関の方がおられますので、若干御質問いたしたいと思います。 このあいさつの中で、「本年三月の消費者物価の上昇率を前年同月比で十五%程度にすることを目標としております」こういうふうに言われております。なお、前年同月比の一五%程度に物価を何とかしていきたいということは、このあいさつのみならず、政府機関のあらゆるところでお聞きするところであります。 そこで、お聞きしたいのは、どうして前年同月比で三月ということにこの目標を設定したのか、そして、一五%というふうにしたのは科学的な根拠があり、どうして一五%という目標を設定したのか、明らかにしていただきたいと思います。
○喜多村政府委員 三月の消費者物価の上昇率を、一五%以内ということを言った根拠は何かということでございますが、経緯的に申し上げますと、昨年の八月ごろまではこういった目標を立てるような状態ではございませんでして、御承知のように一−三月及び四−六月ごろには石油の価格の上昇に伴います物価狂乱の影響が非常に高うございましたために、年末にどの程度になるか、年度末にどの程度になるかというようなことを立てることはなかなか困難でございました。 ところが、八月以降になりますと、比較的総需要抑制政策の効果も出てまいりまして、主として需給関係が緩んで、卸売物価の先行きも大体見通しがつくようになってきた、そういう段階が十月でございますが、十月の段階におきまして、政府部内で三月末の目標を立てようではないかという考え方が出てまいりまして、経緯的に申しますと、十一月の閣僚協議会でもって一五%というものをきめていただいたわけでございます。 しからば、一五%というのは三月対三月でございますが、なぜ三月対三月としたかということでございますが、従来、私どもは目標を設定いたしますときに、年度対年度、平均対平均ということで提示申し上げてきたわけでございますけれども、先生御承知のように、この中には、げたという部分が相当ございまして、目標にするにはきわめて撹乱する要因が入ってくるということがございます。それからまた、OECDあたりでの目標の設定、アメリカの目標の設定も、どちらかと言いますと、そのときの瞬間風速と申しますか、対前月比をもって物価対策とした方が効果的であるというようなことでございましたために、私どもの方も対前月というようなものの合計、そういたしますと、三月対三月というような目標設定になるわけでございまして、そういうことで組んだわけでございます。
○中村(茂)委員 いまも説明がありましたように、大体物価に対する目標というのは、年間を通じての目標にしてきたわけであります。そして、三月というふうにとらえたその考え方をいま話があったわけでありますけれども、ずっと物価の動向を見てみますと、四十九年度はまだ途中でありますから終わらないわけでありますけれども、暦年にして四十九年をずっと見てみますと、四十八年の十二月までは大体一〇%台です。十二月が一九・一%です。それから四十九年の一月に入って二三・一%で、二〇%台に上がったわけであります、四十八年は二〇%という月は一回もありません。そして、四十九年の一月にいま申し上げたように二〇%台になって、四十九年の十二月、二一・九%ということで、毎月二〇%以上になっているわけであります。一月は東京都しか出ておりませんけれども、前年同月比で二八・八%です。 そうなってきますと、三月のときに前年度比一五%一五%というふうにいっても、四十九年度全体の物価の上昇率というものを平均してみると、おそらく二〇%の上になるはずであります。もうすでにいま申しましたように、暦年で四十九年度を見ると、一〇%台に下がった月は一回もないわけでありますから。全部二〇%台が続いているわけであります。だということになれば、私は、やはり物価を本当に安定させ、目標を設定するとすれば、年間を通じて四十九年度は何%に持っていきたいんだ、設定したのは途中でありますけれども、そういう設定の仕方でなければ、ちょっと極端に言うと、一五%という三月のきめ方は、国民に対しては物価に対してのごまかしになるのではないか。一五%と言いますけれども、十二月までの経過を見ると、おそらく四十九年度を通じても私は二〇%以上になるのではないか、こういうふうに推測いたします。 そこで、私はそのことをお聞きしたわけでありますけれども、いずれにしても、物価の四十九年度を通じての上昇というものは、三月を一五%というふうに言っても、いまだかつてない物価の上昇率を示すことになるわけであります。四十八年度は上がった上がったというふうに言うけれども、一月から二〇%になったわけでありますから、四十八年度は四十九年の三月の締め切りで一六・一%です。ところが、四十九年になってずっと上がってきているわけでありますから、非常に三月というきめ方についてごまかしがある。そのことを一点指摘をしておきたいというふうに思います。 それに関連して、次の目標ということで、「昭和五十年度末の消費者物価上昇率を前年度末に比し、一桁に止めたい」これはこれからの目標として一年間を平均して言っているようにもとれるしそれから五十年度三月の前年比ともとれますけれども、この長官のあいさつの中で言っている「昭和五十年度末の消費者物価上昇率を前年度末に比し、一桁に止める」ということは、年間を通じてのことか、四十九年度のことしの三月の言い方と同じ目標なのか、その点をひとつ明らかにしていただきたいと思います。 続いて、「昭和五十一年度中のできるだけ早い時期に、少なくとも定期預金金利の水準程度の上昇率に安定させたいと考えております。」これは五十一年度のできるだけ早い機会に、こういうふうに言っているわけでありますが、「定期預金金利の水準程度の」この定期預金ということと、水準程度ということについて、非常に言い方が不明確でありますけれども、不明確は不明確として、この点について私が指摘しておきたいと思いますのは、よく言われますように、これからの経済は安定経済に移行する、こういうふうに言われております。そうしなければならないというふうに言われております。そういう経済が安定成長にいく中における物価というものは何%ぐらいが一番安定かということであります。私は、定期預金の金利というものが、これからの安定成長の中で、物価安定の上昇率だとは思いません。非常に高い物価の上昇率になります。 それは、いままでの経過を見てまいりますと、ことしはまだ三月までいきませんから、話の都合というか、持っていき方で暦年で若干申し上げてみたいと思いますが、四十年暦年で六・六%、四十一年五二%、四十二年四%、四十三年五・三%四十四年五・二%、四十五年七・七%、四十六年六・一%、四十七年四・五%、四十八年一一・七%、四十九年二四・五%。四十年から四十四、五年にかけてのこの上昇率というのは、私は普通預金の金利以下におさめてあるというふうに思うのです、そして、この時期は高度成長に上ってくる時期であります。そういう時期に普通預金金利以下に抑えることができて、しかもここで言っておりますように、五十一年度できるだけ早い機会に定期預金金利ということで経済成長を安定成長の方向に持っていくという、こういう指向は、やはり物価を考えてみれば、そういう経済全体の中から上昇率は非常に高いものになってくる、こういうふうに分析せざるを得ません。 そこで、できるだけ早い時期ですから、経済の安定というか、そういう方向と、物価の関係というものについて、どういうふうにおさめていくのが物価の安定ということになるのか、ひとつ明らかにしていただきたいというふうに思うわけです。
○喜多村政府委員 まず、長官がごあいさつの中に申し述べました一けた台と申しますのは、「昭和五十年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」の中にも述べておりますように、これは年度中の上昇率を指しておりまして、三月対三月でございます。同時に、先生は不適当であるとおっしゃいましたのですけれども、消費者物価指数の年度の平均の上昇率も同時にここに掲示しておりまして、御審査をいただいておるわけでありますが、それは一一・八%ということになっております。五十年度の年度間の平均上昇率は一一・八%、それから三月の段階での上昇率は九・九という掲出でございます。 第二番目の、預金金利というのは非常にあいまいな言葉ではないかということでございましたが、それが非常に適当な消費者物価の上昇率であるというふうにお答えしておるのではなくて、現在、先生おっしゃいますように、二〇%台の高さから一五%台に減らし、さらに一けた台に減らし、そしてその次に大体定期預金金利のところまで持っていくという段階的なことを申し上げておりましたので、必ずしもそれが適当な高さであるという表現ではございません。 確かに、四十一年度以降、先ほどから三十年代も含めて数字をお述べになりましたけれども、あのくらいの程度の高さにまで、もちろん持っていく努力はするわけでございますけれども、その中間的な努力目標指数としてそういうものを一応置いて、定期預金金利の目減りがないようなところまでまず持っていきたいという目標のように御了解いただきたいと存じます。
○中村(茂)委員 いままだ回答がちょっと不足しているのです。安定成長に持っていく持っていくというふうに言うけれども、物価との関係において、本当に経済の情勢と物価が安定するというのは、物価は何%ということが安定か、その点について答弁が漏れています。 私が特にそれを申し上げますのは、このあいさつの中にも、「定期預金金利の水準程度の上昇率に安定させたい」という、これが安定ということになるとすれば大変でありますから、その辺についてもう一度明らかにしていただきたいと思います。
○安田政府委員 お答えいたします。 いま物価局長から御答弁を申し上げましたとおりの考え方に立っておるわけでありまして、御案内のとおり、一昨年来大変な狂乱物価と言われるような物価の上昇を続けてまいったわけでありまして、これに対して、これを引き下げるための努力を鋭意払ってまいりました。ようやく今年の三月段階におきましては、前年度対比一五%程度の上昇率にとどめることができるだろうというところまで来たわけでありますが、この物価抑制の方針をやはり引き続いて五十年度も続けていきたいそのことによって五十一年の三月には大体九・九%程度の前年度三月対比の伸び率にしたい、そういうことで、その次の段階は定期金利の程度にしたいということを言っておるのであります。 要するに、物価問題に対しまするここ一、二年の努力目標をそこに置きたいということでございまして、その金利程度までの物価上昇率に到達いたしました段階において、それが日本における経済全体の中における安定的な物価であるということを断定的に言っておるわけではないのでありまして、したがいまして、どの程度が一体適切な物価上昇の度合いなのかという問題については、これはいま努力を払っておりますところの物価の抑制の成果が上がる経過を見詰めながら、すでに御承知のとおりの経済基本計画等につきましても、五十年度中にいろいろと作業をいたしまして、五十一年度から発足をいたしてまいりたいということで、新計画をいま検討中でありますが、そういう経済基本計画等の策定とにらみ合わせながら、やはり長期的な物価の安定の度合いはどの程度がいいのかというものを定めてまいることになると思うのでありまして、いまのところは、何せ大変に高騰いたしました物価を極力引き下げるために努力を払っておるという段階に御理解をいただきたいと思うのであります。
○中村(茂)委員 ここ数年間は、成長率から見れば物価は高物価政策、こういうふうに言わざるを得ません、いまの答弁では。 そこで、時間がありませんから次に進みたいと思いますが、独占禁止法の改正問題について若干お聞きしたいと思います。 政府の素案ができたというふうに言われて、新聞紙上にも発表になっておりますけれども、政府の素案ができ上がったのですか。
○松本(十)政府委員 政府の素案は、まだできておりません。一両日前に新聞に掲載されたと言われておりますが、これはよく調べてみましたところ、われわれが、独占禁止法改正問題懇談会の懇談の経過にかんがみまして、いろいろとそれを整理し、事務的な各省間の調整を進めたいということで、事務的にたたき台のたたき台として書き上げてみたものの一部が出たということでございまして、素案ではございません。まだつくってもおりません。
○中村(茂)委員 新聞に出ておりますのは、素案ということで出ており、なお独占禁止法改正の政府素案の内容全文は次のとおりである、こういうふうにはっきり印刷か何かで配付したようなかっこうで出ておるわけでありますけれども、いまお話がありましたように、新聞社においてそれぞれ取材して、それをそういう形で集約したものであるというふうに理解していいわけなんですか。
○松本(十)政府委員 そのとおりでございまして発表したものではございません。
○中村(茂)委員 そういう段階でいま法案をそれぞれ政府部内において作成までの準備をしていると思いますけれども、法案作成の見通しと、国会に提出できる時期はどのようになるのか、ひとつ見通しを明らかにしていただきたい。
○松本(十)政府委員 ただいま、まず政府部内におきまして素案をつくるための最後の調査をやっておりまして、これが一両日に済みますか、あるいはさらに若干日時を要しますか、いまのところ何とも申し上げかねると存じます。 それができました上で、やはり与党である自由民主党との調整もございますし、それをもとにしまして、骨子と申しましょうか、素案と申しますか、もとをつくりまして、それから法制局との間の法案作成の協議がございますから、急いでまいりましてもなかなか時間もかかりますが、できるだけ早く進めてまいりまして、三月の中、下旬には国会提出の運びにいたしたい、こう思っておるわけでございます。
○中村(茂)委員 内容について若干お聞きしますが、公取の試案を中心にする大筋の問題については、いま調整中であるという話でありますが、私が特にここで明らかにしていただきたいというふうに思いますのは、消費者保護のそれぞれの条項の内容について、いまどのように法案の改正の中に生かそうとしているのか、その点をひとつ明らかにしていただくと同時に、私の考え方も若干申し上げて、できるだけそういう条項は取り入れていただきたい、こういう気持ちで申し上げたいというふうに思います。 まず、独禁法二十五条に基づくそれぞれの損害賠償の訴訟がいまいろいろな形で行われております。前には、松下電器の独占禁止法違反に伴う損害賠償請求訴訟があります。それから、石油のやみカルテル訴訟に関連して、「奪られたものを取り返す消費者の会」が昨年の暮れに無過失損害賠償請求訴訟を起こしております。それから、これも独禁法二十五条でありますが、このごろやみカルテルによる灯油の不当値上げ分を返せという、やはり石油やみカルテル訴訟が全国消費者団体連合会加盟の主婦連合会、神奈川、川崎等の生活協同組合の組合員によって起こされております。それから、山形地裁の鶴岡支部に対して、鶴岡生協の組合員の皆さんが、同じく石油業界に対して石油やみカルテルの訴訟を、これは民法七百九条に基づく民事訴訟を起こしているわけであります。 この独禁法の二十五条にしても、民法七百九条にしても、いま、それぞれこの請求訴訟の中で、果たしていまの独禁法のもとでは、これらの裁判維持なり、または消費者の立場からして消費者が守られているのかどうかという疑問点が幾つか出てきております。 そこで、まず一点明らかにしていただきたいというふうに思うわけでありますが、独禁法二十五条による訴訟の場合に、裁判所が損害額について公正取引委員会に意見を求めなければならないというふうに規定上は一応なっておりますけれども、そこに提出義務という義務づけがありませんので、ほとんどこの条文については有名無実になっているわけであります。大正製薬の訴訟当時は、公取で回答をいただいたわけでありますが、先ほど申し上げました松下訴訟、今回のそれぞれの訴訟に至っては、公取で、すでにその資料はない、こういうことで資料をいただくことができないという実情になっているわけであります。したがって、今回の改正の際には、そういう書類等、または損害額等について請求義務を付するように改正していただきたい、こういうふうに思いますが、その点はいかがでしょうか。
○熊田政府委員 ただいまの独禁法二十五条の損害賠償請求につきまして、八十四条によりまして、先生おっしゃいますように、裁判所が公取に損害額について意見を求めなければならないという規定がございまして、公正取引委員会といたしましては、裁判所からの請求に常にお答えをいたしておるわけでございます。 〔山中(吾)委員長代理退席、松浦(利)委員長代理着席〕 ただ、その回答の中身でございますけれども、これは額について意見を求めるということでございますので、額自体について御意見を申し上げる場合と、あるいはその額の算定の基準等について御意見を申し上げる場合と、また、そういうような点も公取が把握をいたしました資料によっては具体的な御意見を申し上げることがむずかしいというような場合には、そういう事情をお答えしておるわけでございます。必ずこの回答はいたしておるわけでございまして、したがいまして、回答義務の明確化ということは、立法上、必ずしもその必要はないのではないかというふうに考えるわけでございます。 公正取引委員会といたしましては、従来の最高裁の判決等もございまして、意見を求められました場合には、やはり違反事実の認定の基礎になりました資料及び審査活動で入手しました資料、そういうようなものに基づきまして回答をいたすべきである、こういうふうに考えておるわけでございます。
○中村(茂)委員 経過報告みたいなものを出したって、実際は意味がないのです。裁判でありますから、裁判所が書類を請求する、そういう際には、問題は無過失賠償請求訴訟でありますから、損害額というものが立証できるような書類提出ができるように法文の改正というものをしていかなければ、消費者を保護する、こういうことにはならないと私は思うのです。したがって、いまその改正について取りまとめ中の総理府から、その点ひとつどういうふうにしようとしているのか、明らかにしていただきたいと思います。
○松本(十)政府委員 ただいま公取の事務局長から答弁申し上げたようなことでございまして、改正案の取りまとめと申しましょうか、改正案の推進に当たっての姿勢といたしましては、今日的な要請というものを十分頭に置いて、消費者の保護消費者対策をもっと拡充するという姿勢を堅持したわけでございますが、いろいろと細目にわたって議論を重ね、詰めてまいってみますと、各方面にいろいろな問題が出てまいりまして、必ずしも早急に結論を得てこれを実現することが容易でない、こういう認識を持っておりまして、ただいまの二十五条に関連しての御質問については、公取の答弁のような問題もございまして、前向きの姿勢は持しておりますが、それだけですぐにいい結論が出るというところまでは自信を持って申し上げかねる、こういうことでございます。
○中村(茂)委員 ここで要求しておきます。損害額の立証ができるようなところまで、公取に請求があった場合には書類が提出できるような内容でひとつ法の改正に努力していただきたい、こういうふうに思います。 時間がありませんから、済みませんけれどももう一、二点。 いまの法律でいくと、審決が済まなければ、いずれにしても訴訟することができないことになっているわけでありますけれども、そういうところからいろいろ不合理が実は出てきているわけであります。公正取引委員会で、不正をしているということで問題になって、それに対して、十二社があるわけでありますけれども、その十二社のうち六社が取り消しの訴訟をいま行っております。そうなってまいりますと、今度消費者の方から賠償の請求をしようとする場合に、もう話がついている六社にしかできないわけであります。ですから先ほど申し上げましたそれぞれの請求訴訟については、六社を相手にしてやる、それから、公取の方に対して後の六社はまだ取り消しの訴訟をやっておりますから、相手にすることができない。こういう関係がありますので、やはり消費者が審判請求を公取が済む前にできるような形に法を改正していただきたい、こういうふうに思うわけですけれども、その点明らかにしていただきたい。
○松本(十)政府委員 審決前置主義を廃止できないかという御意見だと存じますが、懇談会におきましても、積極論あるいは消極論、いろいろな御意見がございました。われわれも消費者保護のために何とかできないかなという角度で議論を進めてまいりましたが、目下のところは、事は訴訟制度全般にも響きますし、また、なかなか事実問題としてもむずかしい手続等もあるようでございますので、これまた前向きでは臨んでまいりたいと思っておりますが、なかなか早急な結論を得るということはむずかしい情勢でございます。
○松浦(利)委員長代理 この際、委員長から中村君にお願いをいたします。 本会議の関係がありますから、簡単に質問をしてください。
○中村(茂)委員 この問題については、もうアメリカなり西ドイツなりにおいては消費者ができるようになっていますので、努力していただきたいこういうふうに思います。 それから、第一審の裁判権は東京高裁だけに指定されているわけであります。ですから、山形でやるというような場合については、独禁法の二十五条に基づくものは東京高裁しかできない。ですから、民事訴訟で山形でやらざるを得ない。これだけいろいろな問題が独禁法をめぐって出てきている段階では、地裁とまではいかなくても、どこの高等裁判所でもできるようにこの条項についても改正していただきたい、こういうふうに思いますが、その点いかがですか。
○松本(十)政府委員 御質問の点につきましてもそういう角度でいかないかという立場でも議論をしてまいりましたが、事は訴訟制度全般に響きますし、法務省の意見としても、現在の段階ではなかなかそれはむずかしいのではないか、こういうふうなことでございまして、これも今後引き続き検討したいと思いますが、今回の改正に織り込むということはなかなか困難ではないか、こういう認識に立っております。
○中村(茂)委員 もう一点だけひとつお願いします。 賠償額は大体被害額と同額ということで賠償額が定められるように現行法ではなっているわけでありますが、これは諸外国の例を見ても三倍、そこに弁護士の弁護料とか、そういうかかったものについてはプラスするというような方向へ持っていかなければ——時間がありませんから、いま出されている内容についてもいろいろ申し上げたいわけでありますけれども、一つだけ例を申し上げますと、「奪られたものを取り返す消費者の会」においても、請求額については、一次十二万七千七百三円、二次について二十三万五千二百五十七円というような、十何万というものについてもやはり取られたものは取り返すという精神でやっているわけであります。そういうふうに、同額というようなことではなしに、ここら辺のところもひとつ御検討願いたい、こういうふうに思います。簡単で結構です。
○松本(十)政府委員 外国で損害額の三倍というふうな立法例もあるようでございますが、その国においては、罰金がないとか、刑罰規定が日本ほどでないというふうな関係もありまして、全体の体系なりバランスを考えなければなりませんし、賠償額そのものをいかにするかという場合には、ほかの法律に言う賠償額とのバランス、平仄等も合わせなければならぬと思いますので、御趣旨はよくわかるわけでございますが、これまた簡単には結論を出すのがむずかしい。せめて弁護士費用ぐらいを入れるのはどうかというふうなかなり強い意見もありましたので、そういうことも考えながらこれから煮詰めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○中村(茂)委員 課徴金とか罰金というものについては政府が取るが、実際にやみカルテル等で損害を受けた者は消費者であります。そんなものをどんなに高くしても、消費者を守ることはできないわけです。したがって、消費者保護ということでこういう条項を改正していくとすれば、いかに消費者にそれをお返しするかということになるわけでありますから、そこら辺のところを含めて、どうもいままでの話を聞いておると独禁法の改正改正というふうに言っておりますけれども、消費者を保護していくそういう条項についてもっと力を入れて、守る立場で改正に努力していただきたいことを最後にお願いいたしまして、少し時間が延びましたが、終わりにいたしたいと思います。
○松浦(利)委員長代理 小林政子君。
○小林(政)委員 最近、食品衛生上の問題をめぐって、非常にいろいろな問題が社会問題として発展をしてきております。特に加工食品、あるいはまた着色食品、AF2のような食品添加物などによる遺伝性の問題、あるいはまた突然変異が起こったというような、食品衛生上きわめて危険な状態というものが現在起こってきておりますけれども、食卓の安全確保ということに対して、消費者はきわめて強い関心を示しています。私は、このような中で、プラスチック、ことに塩化ビニールの可塑剤としてフタル酸エステルというものが使用されていますけれども、この食品、あるいはまた包装用容器の安全性という問題につきましてフタル酸エステルの毒性という問題が現在いろいろ言われておる中で、この問題を中心にお伺いをいたしたいと思います。 これはすでに昨年の四月、愛知県の衛生研究所でやられました実験の中でも、ハツカネズミに一日〇・五グラムぐらいの量を飼料にまぜて与えると、親の代では腎臓に穴があいてしまう。これが子供の代、あるいはまた孫の代ということになると、目に見える形で奇形性があらわれてくる。このことは日本だけではなくして、アメリカでも実験が行われ、そしてフタル酸エステルの注射がされたところ、やはり奇形の状態が出てきたということが報告をされています。このような危険な化学物質、これの十分な安全性の確保というものが、本当にあらゆる角度から厳密に規定をされ、そして確実にこれは安全なのだということがない状態で、いろいろと実験の結果などというものが出てきておる中でこれが体の中に入ってくるということになれば、これは大変な問題になっていくのではないか、このように思うわけです。 かつてPCBが大きな社会問題になりました。あのPCBの場合には、年間の生産量一万トンと言われていましたけれども、フタル酸エステルの場合には三十五倍から六倍と言われるほど非常に大量にこれが生産をされ、そしてプラスチック製品、特に塩化ビニール関係にはこれが使われている。こういうような状態の中で、しかもプラスチック製品と言えば、非常に私たちの日常身の回りで日用品として使っている品物が多いわけでございますし、こういうことを考えますと、やはりこれは非常に大きな問題だと言わなければならないと思います。 いま、私どもが毎日日用品として使っておりますそういう容器、あるいは包装品などで、フタル酸エステルが含まれておるというようなものは一体どんなものがあるのか、どのくらいあるのか、まずそれをお伺いいたしたいと思います。
○宮沢説明員 お答えいたします。 ただいま先生御指摘のフタル酸エステルでございますが、これは塩化ビニール樹脂が開発されましてから、急速に可塑剤として使用されるようになってきておるわけでございまして、ただいま御指摘のように、非常に安全性等についても政府としては深い関心を持っております。これが使われておりますのは、主としてやわらかい——塩化ビニール樹脂というものは、純粋なものは非常にかたいのですが、それをやわらかくするために使用するのがフタル酸エステルでございまして、食品を包むやわらかい容器等がございますが、そういったものに使われております。
○小林(政)委員 これは子供たちが非常に好んで食べておりますチューインガムなどにもかつて入っていたわけですけれども、これについては禁止をいたしておるわけですね。しかし、実際にいまそのほかに、いろいろな食品、あるいはまた食品と関係のある容器等について相当使われておるわけですけれども、具体的にどんなものとどんなものとどんなものがあるのか、この点についてもう一度お伺いをいたしたいと思います。
○宮沢説明員 一番たくさん使われておりますもので私どもが調べておりますのは、ラップフィルムと申しまして、やわらかなもので、野菜とか肉なんかを包む、そういうものに一番多く使われておるというふうに聞いております。
○小林(政)委員 いま言われたラップですね。これは非常に薄い、台所で冷蔵庫などに品物を入れるときに水分が蒸発しないというようなことでこれを使うわけですけれども、私は、やはり肉だとかあるいは野菜とか、直接口に入るものですね、こういうものに、こういう危険性を伴うものが使われているということは、非常に問題だと思うのです。そのほかにもマーガリンとかマヨネーズとか、あるいはまた輸血用の医療用器具などにも相当幅広く、危険性があると言われていながら、いまだにこれが使われている。チューインガムは禁止しましたけれども。私は、日常使っております品物の中にも、食べ物と直接関係のあるこういうものに使っておるということは非常に問題だと思うのです。 特に、包装容器などが溶解して、そこから食品に移行するというのですか、汚染していくといいますか、実際に食べる段階で、具体的にはその食品の中に入っていくという可能性があるわけですが、これはいままでの実験の中でいろいろやられておるわけですね。私は、そういうものを現在政府も調査研究しておりますけれども、いまだにはっきりしないという段階でこのようなものが使われるということについて、具体的に一体どのような対策を立てながらいまやっておるのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○宮沢説明員 お答えいたします。 このフタル酸エステルの可塑剤というものは、当初アメリカを中心に開発されたものでございまして、そういったものが食品の容器であるとか、先生ただいま申されました輸血セットであるとかそういうものに使用されるに先立って、慢性毒性とか発がん性の作用があるかどうかとか、あるいは奇形性の問題とか、十分長期間の毒性についてやっておりまして、非常に多くの資料が、私ども調査しました結果判明したわけでございます。 しかしながら、先ほど先生おっしゃいましたように、国内において、ある衛生研究所で実験したところが、腎臓に障害が見られたとか、あるいはそういうことは実際私ども摂取の状態ではないと思うのですが、腹腔内に注射したら奇形性も見られる、こういうようなことに照らしまして、私どもといたしましても、国内でもがっちりとこの試験をした上で安全性を確認しなければいけないということで、現在、国立衛生試験所におきまして奇形性を中心としまして、発がんとかその他の慢性の毒性試験に取りかかっておるわけでございます。その結果を待って食品衛生調査会等の意見も聞くことにしております。 もう一つ、それとは別に溶出の問題がございます。これにつきましても、昭和四十一年ごろ、フタル酸エステルの溶出量についてはこれ以下というふうに、実は非常に厳しい溶出基準を設定しておるわけでございます。しかし、先ほど来先生御指摘のように、いろいろの食品が出回ってきておる。やわらかくて包装しやすいというようなことで、当初私ども考えていなかったような食品にも使われるような傾向も見られる。このような情勢に対処しまして、私どもとしては、たとえば酢酸であるとか、アルコールであるとか、油であるとか、いろいろな溶媒を使って、現在のフタル酸エステルを使用しておる樹脂からどの程度溶出してくるかという溶出試験等についても、現在国立衛生試験所でいろいろな角度からやっております。その結果を見た上で、その安全性等々の関連において食品衛生調査会の意見を聞いて、国民の健康を守る上に私どもは慎重に対処していきたい、こういうように考えております。
○小林(政)委員 確かにいろいろな検査の結果、毒性についても急性の形で直ちに被害が出ておると言うことは、いまのところはなかなかむずかしい。しかし、慢性的な毒性というようなものについては非常に危惧されておる。こういうものは、むしろ食べ物を直接包むとか、食べ物の容器になるというようなものについては、そういう疑いがあり、また現在その問題をめぐっていろいろと検査が試験所等によって行われておるというような問題について、やはり相当厳しい規制をやる、あるいはその規制が本当にできないのだというなら、その結果が明らかになるまで、直接肉を包むとか、あるいは野菜を包むとか、あるいはまた食べ物に直接付着するというようなものについては、むしろ一時的にこれをやめるべきではないか、このように私は考えております。 食品に対する添加物等の問題もいろいろ問題になっておりますけれども、むしろ食べ物に直接結びつくという点から、添加物としてこれを扱っていくということが必要ではないか。外国等では、この問題をめぐっていろいろと実験もされ、そして実際禁止規定も、あるいは使用規定というものも非常に厳密にやられています。こういう中で、食品添加物としてこの問題を取り扱っているというところが出てきています。一体、日本の場合は、この問題については食品添加物として扱っているのかどうなのか、おそらく扱ってないと思うのですけれども、この点を明確にお答えいただきたいと思います。
○宮沢説明員 お答え申し上げます。 アメリカの場合は、先生御指摘のように、医薬品とか、あるいは食品添加物であるとか、そういうようなものについては一本の法律になっておりまして、個別に審査し、許可をしておる、こういうような法律になっております。 日本の場合には、化学的に合成した食品添加物につきましては、厚生大臣が、必要である、そして安全であるということを確認した上で指定するということで、申請に基づく場合、あるいは申請がなくても国民にとって利益になるという場合には指定できる、こういうような形になっております。そうして、ただいま御指摘のフタル酸エステル類、容器等に使う可塑剤、これにつきましては食品添加物としてではなくて、食器、容器の面から、安全性の基準を設定するというような規定が別の条文にございます。その線に沿って定めておるわけでございまして、これはアメリカと許可の仕方が違いますけれども、法律の精神においては全く同じような考え方でやっておりまして、私どももそういった諸外国におけると全く同じような考え方に立って、国民にとって安全な容器、器具の基準を設定してきておるわけでございまして、今後もこれは同様に努力してまいる、こういうことでございます。
○小林(政)委員 結局、フタル酸エステルは包装から実際には溶けて、そしてそれが食品の内容を腐食していくというようなこともいろいろと言われているわけですけれども、この問題について、それじゃ具体的にどういうふうに規制しておるのか。たとえば、確かにおっしゃるように、油類についてはどうであるかとか、酒類についてはどうであるとか、あるいはまたそれ以外のものについてはどのような規定をするというような、三種類に分けて一応規定していますけれども、それではアルコールと脂肪が一緒にまじっておるというような場合には具体的にどういう規制をしておるのですか。
○宮沢説明員 お答えします。 ただいま先生御指摘の、非常に溶出しやすい油とかアルコールとか、そういうようなものについて、私どもは特に神経をとがらせまして、非常に過酷な試験をして、非常に少量しか溶けてはならないということで、三OPPm、これはアメリカとかヨーロッパ諸国に比べると非常に厳しい数字になっております。 しかし、いまおっしゃったように、非常に食品がいろいろな種類——油とアルコールがまざる場合もあるでしょうし、そのほかもっといろいろ多様化してくることもあるというようなことで、先生御指摘の線に沿うようなことで、私どもは衛生試験所でいろいろな条件を想定しまして、現在溶出試験をさらに慎重に詳細に検討しておるわけでございまして、この結果の出次第、必要があれば食品衛生調査会の意見を聞くということでございまして、中間の状態で私ども聞いておる限りにおいては、相当過酷ないろいろな条件でやっても、その溶出量はこの基準に十分合格しておるというようなことでございますが、さらに条件その他等を加味して、慎重に詳細に検討を続けてもらっておるわけでございます。
○小林(政)委員 試験溶液について検査するというのですけれども、それでは一体摂氏何度でどのくらいの時間をかけてやっているのですか。いまあなたの言われたのは、摂氏六十度で三十分間だとその中で溶けたものが何%になるか、こういう検査でしょう。私は、こういうことではいまの実態から見て合わないのじゃないかと思うのです。 実際問題として、フタル酸エステルの場合には酒だとか、あるいはアルコール、油脂には非常に溶けやすい、あるいはまた高温に弱いと言われておるのですね。温度が高くなると非常にこれは弱いというふうにも言われていますし、この場合、ある婦人団体が最近調査をした調査資料があるのですけれども、インスタントラーメンについて、製造された日から実際に消費者が家庭でもって消費したその日まで、大体どのくらいの期間がたっているのかということを全国的に調べたのです。そうすると、まあ都会の場合ですとそう長い期間ということではありませんでしたけれども、地方では一年以上たって消費しておる、こういうような事例もあるのです。こういうことを見ただけでも、六十度で三十分間という検査、これでもってもうパスしたのだ、これで安全なのだ——実際には熱に弱い、そしてまたいろいろと品物によって温度などによっても違いますし、こういう非常に個々の品物によって規制がみんな違ってくるというようなことが言われているとき、六十度で三十分のこの検査に合格しておるからもう安全なのだこういうことは、私はこの検査というものが本当にずさんじゃないかというふうに思うのですけれども、どうですか。
○宮沢説明員 お答えします。 全く先生の御指摘のとおりでございまして、私どもが現在衛生試験所で実験しておりますのは、いま言ったような六十度で一カ月とか四カ月とかそういうふうな長期間の条件もそれにもちろん加味してやっております。そうして、その結果を待って、国民にとって本当に安全なのだというような試験方法の確立も私どもは頭の中に置きまして、現在試験を続行しておるわけでございます。
○小林(政)委員 それでは、毒性の検査についても現在やっていますか。
○宮沢説明員 催奇形性を含めて、長期的な慢性毒性試験を現在衛生試験所で実施しております。
○小林(政)委員 いまのような検査を現在続けている。これは国民が非常に不安を持っていますので、この検査は聞くところによると四月ごろ結論が出るというふうにも聞いておりますけれども、これはもし間違っていれば早急に訂正を願いたいと思います。 しかし、問題は、このように安全だということを一応厚生省は認めながら、いろいろなデータが出てきて、実験の結果なども踏まえてさらに安全度を確認をしなければならないということで、現在それぞれ実験がされているわけでしょう。こういう問題について、AF2のときも感じましたが、いつでも後手後手なんですね。 こういう食品の安全性というような問題については、本当に確実でなければ許可しない、あるいはこれが添加物のように認可あるいは許可が必要になっていれば、確実であるということがわからない限りこれを使用することができないわけです。ところが、実際にはフタル酸エステルの場合にはそうじゃないのです。添加物とも認めていない。業界の中で自主的な規制が若干行われています。行われていますけれども、しかしそれすらも、現実の問題としては、アウトサイダー全部を、業界こぞってその規制に縛りつけるというようなこともできない。これは非常に問題だと私は思うのですよ。外国や、あるいは日本の中でも、専門家や学者の人たちから、このように危険性がある、疑いがあるということが言われている問題を、いままでのような実験方法で、もうこれで安全なんだ、しかしいま再調査をやっているというような、こういうことは許されていいのかどうか。 この問題については、個々の物資についてもっと規制を、たとえば血液保存の場合は、温度じゃなくてむしろ冷凍していくというようなものに耐えられるのか、あるいはインスタントラーメンのようなものは、急に八十度からの熱いお湯を注ぐことによって、一体これで溶出しないのかとか、こういうことは個々の品物によってみんな違うのですから、こういう点は用途別にきちっと法律で規制していくということは必要じゃないですか。いかがですか。
○宮沢説明員 お答えいたします。 全く先生のおっしゃるとおりでございまして、食品の化学物質による汚染の問題は、実は世界的にも大きな問題として取り上げられておりましてストックホルムで人間環境会議をやりました折にも、世界保健機関、WHO、それから国際農業機関、FAO、この両機関に対しまして、積極的に各国が集まって、専門家としても食品汚染の実態を十分調査し、どういうふうに対処するか、情報を各国どういうふうに交換し、そして地球人類の安全食品の確保をどうするのか、こういうようなことをテーマとしてやられたわけでございまして昨年ローマでその第一回のプログラムがあったわけでございます。 そういうことで、法律の規制の仕方は各国まちまちでございますが、食品に対する汚染物質についての考え方は、地球上の食品の流通等がますます激しくなってくる今日、各国全く同じような考え方で同じ安全食品をわれわれは食べようじゃないか、こういうことで国際的なプログラムを発足しようとしておるわけでございまして、私どもも十分そういった国際機関とも連携をとって、情報を迅速に集めて安全性に対処していきたい、このように考えております。
○小林(政)委員 それじゃ一つ伺いますけれどもこのフタル酸エステルを使っているポリ塩化ビニール工場で働いている労働者に、多発性神経炎というような病気が発生しているということを聞いておりますけれども、それらの実態について御存じですか。
○宮沢説明員 聞いておりません。
○小林(政)委員 これは直ちに御調査をされますか。
○宮沢説明員 それでは、労働省の方のそういう産業衛生をやっているところと早速連絡をとって調査をしてみたいと思います。
○小林(政)委員 たとえばこのフタル酸エステルの場合は、最近いろいろと世論の高まりもありまして、業界などにおいてもこれについてはできるだけ使わないようにしていこうという動きも出ているわけですね。しかし、その中でも、現在でもまだ使っているというところも相当あるわけですそれを調べてみますと、これは企業の名前は申し上げませんけれども、一つには輸血あるいは輸血セット、こういった血液パックを製造しているといった医療用具をつくっている企業、ここではいまだにこれが使用されております。それからまたこれはある食品包装用のフィルムをつくっているところも、これをいまだに使用いたしておりますそれから酒造用ホース、お酒をつくる場合のホースが必要なわけですけれども、その製造過程の中でいまだに使っているというようなことが報告されておりますし、それから食品用輸送ホースをつくっている企業もこれを使っているというふうに言っておりますし、また、玩具素材の製造、子供のおもちゃ、これはゴム関係ですけれども、ここでもフタル酸エステルが使われている。あるいはまた、インスタントラーメン用の包装フィルム、ラーメン用カップ、あるいは菓子類の小さな袋などを取り扱っている企業も、やはりフタル酸エステルを使っているという回答をずっとしているわけですね。 こういうことから見て、子供のおもちゃだとかあるいはお酒の場合ですと製造しているところで使われている問題、これは具体的にどう規制していますか。
○宮沢説明員 現在私どもが規制しておりますのは、食器、容器の溶出基準を定めておるわけでございます。いま先生おっしゃったように、非常にいろいろなところにいろいろな状態で使われているということで、フタル酸エステルを是とするか非とするかという問題は、一にかかってその毒性にあると思います。そこで、私どもは、諸外国の毒性実験のデータ等を十二分に調べて、諸外国でも使っておりますが、少なくとも現状の使用の実態から見た場合に、直ちにこれを禁止するというような危険なものではないと各国は判断しております。 しかし、私どもは、わが国の科学も非常に進んでおりますので、いまの日本の進んだ科学の力をもってフタル酸エステルの安全性を見直すという仕事に取りかかっておるわけでございまして、その結果を見た上で、いま先生のおっしゃったようないろいろな形で使われているものについて、もし規制をすることが必要であるというような有害作用が出るような場合があったら、これは早速関係省とも十分連絡をして所要の措置を講じていかなければならぬと思うわけでございますが、少なくとも現在の諸外国のデータを見る限りでは、私どもは現状でさして問題はなかろうというような判断をしております。
○小林(政)委員 現状では間違いなかろうと思っているとおっしゃいますけれども、これは国民がいやというほどAF2のときにも経験しましたしあるいはまたユリア樹脂の食器からホルマリンが溶けたというような問題もそうですし、あるいは有害着色だというようなことでこの間大きな問題になっていましたし、こういう点から考えると、私は厚生省の行政というものが、常に業界に対しては非常に緩い基準でパスさせて、後は今度は被害が出てからさあ大変だというようなことで、後追い後追いというような、ほかの行政ならある程度はそういうことも——それでも問題だと思いますけれども、少なくとも人の命にかかわる、毎日毎日食べていく食品に関するこういう問題については、決して後追いというものは許されないのです。 さっきから何回も繰り返して言っていますけれども、動物実験の結果だとかそういうものがずっと出てきているんでしょう。こういう中で、私はやはり本当にやる気があれば、実験は実験でやりながら、現状をどうするかという点で、当面もっと用途別に規制を強めていくということが必要だと思うのですね。大体、アメリカと日本の規制の違いということを一つ比べてみても、使用許可の添加剤として指定しているか指定していないか、日本は指定していないのですね。添加剤として指定もしていないから許可制もとっていない。あるいはまた、使用条件の制限、これについても、温度がどうであるか、この場合には八十度までよいとか、この場合には六十度までだとか、そういうものも実際には日本の場合には何にも規定してない。ただ使用食品の制限ということについては業界サイドでやっているということだけでしょう。こういうことで本当に国民の安全といいますか、食卓の安全、あるいは生命の安全、まして遺伝性の問題などと言えば、これはもう世代を超えてどういう事態が出てくるかということが、いろいろといま問題になっているときです。こういう問題について、やはり研究を続けると同時に、疑わしいものは、少なくとも食品に関する直接の問題は、当分の間これを禁止するとか、あるいは規制をさらに厳しくしてやっていく、こういう対策をとるということは当然じゃないかと私は思いますけれども、この点について、政務次官からひとつお答えを願いたいと思います。
○安田政府委員 先ほど来からの小林委員と政府委員の応酬を拝聴いたしておりましたが、事柄の内容はきわめて重要な問題だと私も考えておるわけであります。しかし、厚生省の方におきましても、それぞれ鋭意研究を続けておるようでございまするので、私ども経済企画庁の立場におきましても、十分今後厚生省と連携をとりまして、小林委員の御指摘のありました点につきましては、適切な措置をなるべく速やかに講ずるように努力をいたしてまいりたい、かように存じます。
○小林(政)委員 以上で終わります。
○松浦(利)委員長代理 有島重武君。
○有島委員 一五%の問題でございます。三月末の消費者物価上昇率を対前年同月比一五%以内に抑える、この可能性が見えてきたということでございますね。 ところで、この一五%以内の政策目標設定の真意はどこら辺にあるのか、それをまず聞いておきたい。
○安田政府委員 物価上昇率を、対前年三月と本年三月との上昇率を一五%にいたしました真意は何かという御質問でございますが、これはもう申し上げるまでもないわけでありまして、一昨年の石油問題を契機にいたしまして、日本の経済あるいは物価、大変狂乱時代と言われたわけでありますが、それに対しまして、どうしても国民生活の安定を図りまするためには、なるべく速やかにこれを引き下げるということが至上命令になっておるわけでありまして、それなしには国民生活の安定も産業の振興もない、こういうようなことは申し上げるまでもありません。そういうことで実は一五%という五十年の三月におきまする前年同月対比の上昇率を定めたわけでありまして、決してそれ以外には理由はございません。
○有島委員 そうすると、いま二つおっしゃった。国民生活の安定だ、それから産業の振興である、こうおっしゃった。それで、一五%以内に抑えますと、これによって国民生活が安定するのかどうか。実際上、国民生活の立場から申しますと、物価上昇による実害といいますか、これは大体どのくらいになるのか、年間何%の上昇になるのですか。
○安田政府委員 いま御質問の趣旨でありますけれども、一五%という物価上昇率を設定して、それに到達した場合の国民の実害率が一体何%になるのかという御質問のようでありますが、もう少しかみ砕いて御質問をお願いいたしたいと思います。
○有島委員 そうすると、四十八年度とそれから四十九年度、四月から三月までですね、それと比較いたしましてどのくらいの上昇率になりますか。年間の上昇率ということになりますと、どうなりますか。
○喜多村政府委員 消費者物価指数の年度中の上昇率を四十九年度と四十八年度の末で比較しろ、こういうことであろうかと思いますが、四十八年度の最後、つまり四十九年三月は対前年同月比二四・〇%でございました。したがいまして、五十年の三月、つまり四十九年度末の一五%というのはそれよりも九%低い、こういうことでございます。
○有島委員 政務次官、いまの答えでいいと思いますか。
○安田政府委員 いまのお答えでいいと思うのでありますが、何か御不審の点があれば、再度御質問いただきたいと思います。
○有島委員 本当にいいと思うのかということですよ。わかった上で、いいと思っていらっしゃるのか、うのみにしていらっしゃるのか。四十九年の年間でもってどのくらい上がったのか。四十八年度、あの狂乱物価と言われているときに物価が上がった、それと比較して、いまのお話では何だか九%ぐらい少なくなったみたいな話だが、それでいいのですか、国民生活の立場ですよ。
○安田政府委員 物価局長から御答弁申し上げたのは、四十九年三月時点の物価上昇率と五十年三月時点の一五%との開きを申し上げた結果は、九%余物価の上昇率が下がった、こういうことになっておるわけですね。ですから、そのことは一五%という目標を達成できることによって国民生活の上にも好結果をもたらしておる、こう私は考えておるわけです。 しかし、それだけでは十分でないわけですから引き続き五十年度におきましても九・九%という一つの目標を設定して、そして五十一年の三月までにはその程度の上昇率にいたしたいということで、その目標に向かってさらに努力を払っていこう、こういう姿勢を貫いているわけですから、御理解いただきたいと思います。
○有島委員 四十八年度平均とそれから四十九年度平均との開きはどのくらいになりますか。年度全般で四十八年度の平均からどれだけ上がったかということです。
○喜多村政府委員 四十八年度の平均上昇率は一六・一%でございました。それと見合います四十九年度、これは見通しを含めてでございますが、これが二二・〇%でございます。
○有島委員 そういうことだ。さっきのお話ですと、最後の帳じりのところだけ見まして——最後の帳じりというのとも違うのですが、三月度だけを見て、それで一五%だとか、またさっきのお話を聞くと、去年よりか九%も少ないというようなことを言っておられたが、それは数字のお話ですね。数字上はそうである。国民生活という立場から申しますと、いま言ったように四十八年度全体でもって一六・一%だということでございますね。それはいわゆる狂乱物価と言われたときですよ。四十九年度は二二%だ。これはどう思いますか。
○安田政府委員 いま物価局長から答弁のあったように、年間のその比較においてはそれもまた正しい一つの比較だと思うのですよ。しかし、四十九年度中におけるいわゆる政府の物価抑制の成果というものは、やはり一五%という目標を達成したことによりまして、それは国民生活に好影響を与えているということは事実なんであって、四十八年度と比較いたしまして年間上昇率が高かったのではないかという御指摘のようでありますけれども、それはいろいろな経済要因やその他によって上がったわけですが、それを下げるために努力した結果、一五%という目標を達成したわけですから、国民生活上に寄与するところがあったと考えていいと私は思うのです。
○有島委員 だから、三月を一五%に抑えることによって、実質年間二二%で抑えることができましたというお話だ。そういうことでしょう。——そうですね。ですから、国民生活としては二二%値上がりという実害を受けている。わかりますね。四十八年度のときにはそれが一六%という実害であったと言えますね。政務次官はさっき、政策目標は国民生活の安定であり、産業の振興であるというようなことをおっしゃったから、だから実際的な生活の中身としてどうなっているのかということを言ったわけですよ。 ですから、政府がいま宣伝していらっしゃる一五%、一五%だって大変なものですよ。実際には二二%の害を国民は受けておる。政府は一五%でもって食いとどめましたと言っても、国民の実感の上から申しますと、これは数字の魔術みたいなもので、一五%以内ということは宣伝じゃないかというふうに受けとめても仕方がない。これが三木内閣の行き方といいますか、宣伝だというふうに考えられても仕方がないと思いませんか。
○安田政府委員 私は、一五%という目標を達成したことはやはり政策の効果だと思うのです。政府の努力、国民の協力——まあこれは国民全体の問題ですが、その結果だと思いますから、したがって、四十九年という年度中における上昇というものは相当高かったということは事実でございましょうけれども、それを一つの一里塚としての五十年の三月期においては、前年の三月と比較すると一五%でとどまったということになるわけでして、さらに物価引き下げのために努力を払うということが引き続き三木内閣において踏襲され、継続されていくわけですから、その点はひとつ御理解をいただきたいと思うのです。
○有島委員 それで、この物価の引き下げについて努力をなさったけれども、その実質は前年をはるかに超えておった、前代未聞の上昇であったことは、これは国民生活の立場から認識してくださいよ。いいですね。 それで、総需要抑制でもってそういうふうに努力をなさった。しかし、物価をそこに抑え込んだ中で、今度は国民生活の側は、または産業振興、特に中小企業は物価を下げたことによって相当な犠牲を払っているんだということは御認識いただいているかどうか。 〔松浦(利)委員長代理退席、山中(吾)委員長代理着席〕 いまのお話だと、政府の努力によって国民生活の安定に大変寄与したというだけのお話のように聞こえる。しかし、その陰に相当な犠牲が払われた。どこら辺にしわ寄せがいっておるか、そういったことについては御認識があるかどうか。
○安田政府委員 その点については、総需要抑制という政策をとってまいっておるわけですから、それに伴うところの摩擦現象、ひずみ現象というもののあることも事実でありまして、労働事情、あるいはまた生産の停滞、その他の中小商工業を中心とする不況、こういう問題が片方にあることも認識をいたしております。したがって、そういうものについてはそれぞれの面において、金融あるいはまた財政といった面において、それに伴いまする弊害をなるべく少なくすることに一生懸命努力をいたしておるわけであります。したがってこれは一時点一時点で見るといろいろ御批判もあると思いますけれども、こういう政策を続けていることは、やはり国民生活の安定なり産業経済の安定というものにつなぐための努力なんでございますから、私は、その点はひとつ御理解おきをいただきたいと思います。
○有島委員 いまの物価安定の中でもって、たとえば繊維関係にしろ、あるいは木材なんかにしろ、実は原価を割って流通せざるを得ないというような実態がたくさんあるということは、政務次官御承知ですね。
○安田政府委員 その点は承知をいたしております。
○有島委員 そういうものを踏まえてのいまの一五%である、あるいはそういうことをしてまでも年間二二%の値上がりであったということですね。これは相当総需要抑制を——総需要抑制については私は評価をいたします。しかし、その抑制の仕方については個々の問題がある。それはいま政務次官の言われたとおりです。しかし、いわば物価指数を下げさえすればいいんだろう、そして宣伝さえすればいいんだろうというような印象に国民の側からはとられるような状態になっている。このことは政務次官も御認識なさらないととんでもないことになろうかと思うのですよ。 と申しますのは、じゃ四月、五月はどうなるかということです。それで、聞くところによりますと、経済企画庁長官は一月にどこかでもって、一けた台でもって抑えるということをおっしゃったそうだ。それも四月、一けた台というんです。「物価四月以降一ケタ台 「まかせて」と福田副総理」と一月二十三日の読売に出ております。これは額面どおり受け取ってよろしいか。
○安田政府委員 その新聞の内容は私は承知いたしておりませんが、福田大臣の国会等においての答弁の中で、いわゆる一けた台ということを申し上げておる時期は、五十一年の三月と五十年の三月との比較が、上昇率で一けた台、九・九%といいましょうか、そういう比較の上に立った説明になっておるはずでございますので、御了承いただきたいと思います。
○有島委員 それじゃその議論は、これは福田さんがいないから、そのままにしましょう。 ところで、去年の三月と四月はどのくらい上昇がありましたか。去年の三月と四月との月の上昇率の比較、どのくらいですか。
○喜多村政府委員 四十九年の三月、去年の三月でございますが、それは、先ほども申し述べましたように、四十八年の三月に比べて二四%でございます。
○有島委員 伺っているのは、去年度の三月と四月との比較ですよ。
○喜多村政府委員 どうも大変申しわけありません。 四十九年の三月と四月の差がどのくらいかということでございますから、これは四月の対前月比ということで申し上げますと、二・七%の上昇でございます。
○有島委員 今年の予想となると、どういうことになりますか。
○喜多村政府委員 五十年の三月を一応一五%台に持っていきました後の四月をどのぐらいにするかということの見込みはつけておりません。
○有島委員 二・七というふうに言われると、さっき十何%なんという話をしておりますから、それと比べるとちょっと数が小さいように思いますけれども、政務次官、月別でもって二・七%、これは大変な値上がりになるわけです。それで、去年の三月が相当高位であった。それと比べたから一五%以内でおさまった。実際には二二%の開きがあった、そういうことでございましたね。今度これを、四月度、五月度の値上がりということは、去年はかなりの急上昇になっている、それをまた、対前年同月比でもって同じような比較をして、それでもって宣伝なさるということは、これは国民生活の実態とますますかけ離れていくのではないかと私は思うわけです。 それから、いま、企業の七〇%が値上げ期待であると伝えられておりますね。これは御存じですね。その値上げ期待というのを裏返して言えば、確かにこれはもうからないからという面もあるでしょう。しかし、いまもう値段を割ってやっているんだというところも、私の身近に、これは本当に中小零細企業でございますけれども、そういう実態がある。ですから、国民生活ないしは産業の振興という目的ということと、先ほどの一番最初に申し上げた一五%という数字ですね、これは必ずしも一致していないんだという、そのことは十分御認識いただきたいと思うのです。 それで、経済企画庁として、本当の目的は数字の操作にあるのか、本当に、国民生活ないしは産業の振興と言われましたけれども、そこら辺がこの目的なのか、その辺を明らかにしてもらいたい。
○安田政府委員 もう有島委員も御承知のことだと思いますから、私は簡潔な答弁をいたしてまいったのでありますが、日本はきわめて資源の乏しい国であることは御承知のとおりであります。少資源国でありながら、外国からの資源を輸入して、国民生活あるいは日本の経済の成長、産業の発展というものを続けてきたわけであります。その過程における高度成長時代というものが十何年間続いたと思いますが、その一つの大きなひずみ、それから国際的ないろいろな経済的な要因、そういうようなものが一気に、一昨年の石油問題を契機にして日本の経済界を襲った。その結果が、もちろん国内の政治上の問題もあったと思いますけれども、私は物価の高騰を招いたものだと考えております。 したがって、この物価を鎮静させて、そして安定的な——高度成長は期待できませんけれども、安定的な経済成長の時代を早く迎えなければならぬ、そういうことが私ども政府のいまの最大の経済政策の基本になっておると思っております。 したがって、そういう時期を迎えるためには、物価を低くする、物価を抑制して、そして早く落ちついた物価にするということが何よりも急務だというところから、いまの一部産業面等や国民生活の面にも反面的なひずみや摩擦現象を生じておりますけれども、それはそれとして手当てをしながら、その物価抑制政策、管理政策をとっておるわけでありますから、そのねらいはどこまでもやはり日本の経済の安定である。経済の安定ということは国民生活の安定につながるわけでありますし、また産業の安定的な成長にもつながるわけでありますから、私どもが申し上げておりますいわゆる政治の目標というものは、私は、いま御指摘がありましたけれども、御指摘のような受け取り方に立っておるのではなくて、まじめに、真剣に実は物価の問題に取り組んでおり、決して宣伝のためにやっておるわけでもありません。それをいま一生懸命努力をいたしておるわけでありますから、ひとつ御理解をいただきたいということを心からお願いを申し上げたいと思います。
○有島委員 物価抑制をしていただかなければならない。しかし、物価数字の遊戯はしていただきたくない、それを申し上げたかったわけであります。それは御不満かもしれないけれども、そう言うと、そんなはずはないとおっしゃるかもしれないけれども、その一五%という数字を出すためにいろいろな小細工を弄しているというようなうわさもあります。きょうは時間もないからこの辺にしますけれども、数字のとり方なんかについていろいろなうわさが出ております。御承知かもしれない、ここでもって細かく言わないけれども。 それからもう一つは、そうやって四月、五月、こういうふうに抑えつけられていて、だから、これは実質的な物価政策でなしに、無理やりに数字を出すためのいろいろな小細工があるようなことがあれば、必ずこれはしっぺ返しとしてはね上がってくると思うのです。それがまたちょうど五月、春闘にぶつかる。そのときにはあなた方は恐らく、これだけ努力したのだけれども、これは春闘のせいだと、このようなことをおっしゃるのではないかと思うのだ。 そういうようなことがないように、本当の実質的な物価安定ということを、ややきょうは抽象的な話になってしまったけれども、やってもらいたい。具体論はまたチャンスを見てやります。 終わります。
○山中(吾)委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時五十一分散会