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75回国会衆議院1975/04/22

農林水産委員会畜産問題に関する小委員会 第3号

発言数
94
登壇者
9
会派数
4
開催日
1975/04/22

会議録

坂村吉正自由民主党

○坂村小委員長 これより畜産問題に関する小委員会を開会いたします。  畜産問題に関する件について、調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。美濃政市君。

美濃政市日本社会党

○美濃小委員 まず、最初に、統計情報部長にお尋ねいたしますが、いま手元に「昭和四十九年肥育牛生産費」か配付されましたが、これは乳雄はどうですか。乳雄の調査はどういうふうになっておりますか。

吉岡裕農林省農林経済局統計情報部長

○吉岡説明員 乳雄の肥育につきましては、実は、四十九会計年度で百戸の予算規模で実施をいたす予定で、いろいろ対象を選びまして調査をいたしたのでございますか、何しろ初めていたす調査でございますということと、経営形態というものか非常に多種多様にわたっておりまして、最終的に調査集計をいたしましたところが、利用できるものとして、百戸やりました結果が三十戸を割るような集計上の結果になりまして、これでは事例調査としても発表いたすことはいかがかというような結果になりましたものでございますから、今回は公表をいたさないということで処理をさせていただきました。  そういう事情でございますので、五十年度の乳雄肥育につきましては、体制を十分整えまして調査に遺憾のないようにしたいということで、いま準備をしておるところでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃小委員 五十年度はどういう方法でやられますか。その的確な、来年度において公表できる資料を五十年度中には得られるという自信かございますか。

吉岡裕農林省農林経済局統計情報部長

○吉岡説明員 乳離の肥育につきましては、五十年度予算規模として約七百戸の規模を想定しておりまして、和牛肥育牛の規模とほぼ同じ規模でいたしたいということで、目下、全国の出張所を通じまして、十分代表性を持ったところの、しかも調査記帳能力のある農家について協力を得られるように準備をいたしておりまして、私どもとしては、今年度は本格的に行政価格の算定の基礎資料として使えるような調査をいたしたい、また、できるつもりで実行をしたい、ということでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃小委員 牛肉と保証乳価との関連でまず最初にお尋ねしたいのですか、ことし決まった保証乳価の副産物の中の内訳を細かく説明してもらいたい。この関係についてでいいわけです。

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 乳価との関係という御質問でございますけれども、和牛の去勢の「中」につきましては、直接的な関係はもちろんないわけでございます。乳雄等のその他の去勢牛の牛肉の「中」につきましては、先ほど御説明しましたように、直接的には和牛の去勢の「中」の価格との関係から一定の係数を掛けまして試算をいたしておりますので、これまた乳価と関係をつけて算定はいたしておりません。  御質問の趣旨かどういう点か、ややわかりかねる点もあるのでございますか、先般も議論のありました乳廃牛の関連ということでございますれば、先般の本審議会においても種々御議論がございましたけれども、私どもといたしましては、今回特に乳廃牛は対象としないということで案を出したわけでございますか、この点につきましては、特に乳廃牛を入れろという御議論はほとんど出なかったと思います。したかいまして、先般来お答えしておりますように、とりあえずそれでスタートいたしまして、乳廃牛の価格か間接的な支持効果によりまして支えられるということかわれわれの期待するように得られなくて、これか乳雄その他の牛肉の価格を買い上げによりまして支持することにいたしましても、間接的に無関係に暴落をするというような事態か見られるようでございますれば、その段階で早急に検討をいたしまして対象の牛肉に加えるということも検討したいと思いますか、スタートは、ただいま申しましたように対象にいたしておりません。  なお、御質問の趣旨がスモールの価格をどの辺に見ておるのかというような御趣旨でございますれば、その点は、乳雄につきましても、肥育農家が通常の場合は十カ月くらいの素畜を購入するわけでございまして、一貫生産も中にはございますけれども、大体導入してやる場合か多いわけでございます。その素畜の見方は、和牛についてああいう実質比率方式で算定いたしておるわけでございますが、それを乳雄の場合は一定の係数で掛けておりますので、直接の関連では積算をいたしておりませんけれども、乳価の場合には、たしか、子牛の価格は、雄の場合は九千五百四十八円で見たことになっておると思います。過去の一定の算定の方法によりまして、標準的なものを畜産物収入として見込んでおるわけでございますが、そのときには九千五百四十八円で出しておるわけでございます。その点も、今回の乳雄の価格の算定の基礎といたしましては、乳雄の価格が幾らというような算定はいたしておりません。

美濃政市日本社会党

○美濃小委員 そうすると、乳雄の算定に当たって、去勢和牛から一定の率で計算をされたとなっておりますか、しかし、片や保証乳価の副産物との関係は、酪農家、搾乳する農家のためにも、肥育する農家のためにも、政策として重大な関連があるわけです。たとえば保証乳価で見た価格とこっちで算定する価格とは、片や去勢和牛の率から持っていきますから、食い違っていた場合には、政策として大きな矛盾が出てくるわけですね。これはどうお考えになりますか。やっておるのは同じ農家です。たとえば肉の保証価格が低い。ですから、副産物収入で見た価格で売れない。たとえば加工原料乳生産地帯で昨年あたりは三千円ですね。雄子牛は産まれ落ち一週間ぐらいで三千円、四千円というんです。副産物収入で見た価格では全然売れていないわけです。そうすると牛乳を生産する農家も、政府が保証して、そうして副産物収入としてこれだけに売れるといって公示をした収益が伴っていない。あるいはそれが反対の場合には、肉を生産する農家に、同じ畜産政策の中で、片や和牛の一定率を掛けて計算をした。だから、そこはバランスシートがとれておるのか、とれておらぬのか。とれていなくても無関係にその政策が行われるということは私はどうかと思うのです。

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 酪農の場合は、子牛のスモールの収入といいますのは、いわゆる副産物収入に入れておるわけでございますが、酪農の再生産を確保するためには、もちろん副産物収入も差っ引いた上で生産費がどの程度緩和されるかということを考えながら、あの方式によりまして乳価を決定するわけでございますが、ただ、去年からのやり方は、御承知のように、乳価の変動により子牛価格も変動をし、それによって副産物収入が非常に変動するというのを、そのときどきの数字をそのまま入れるということは乳価の不安定性を増すという点から、何らかの標準的なスモールの収入を入れるべきではないかというような御意見が強く出されまして、あのような成牛、搾乳牛との価格比によりまして子牛収入を見ておるわけでございます。雌牛につきましても雄牛についても見ておるわけでございますので、それらの見方につきましては、確かに結果と外れることはもちろんあり得るわけでございますが、これは一定の理論値といいますか、標準値のようなものを入れることによりまして乳価の安定に資するという意味であのような手法をとることに昨年から変えたわけでございます。  したがいまして、その見方が適当かどうかということは、あるいは今後の運用を見ながら、あるいはああいうやり方では不適当であるということならば変えなければいけないということになりますけれども、改正いたしました趣旨からしますと、やはり、乳価を安定させるためには肉価、それに伴います子牛価格が極端に変動するのをそのまま副産物収入に入れるのは好ましくないということで標準的なものを入れることにしましたので、標準的であるということは、逆に、そのときどきには高過ぎたり安過ぎたりするということでございますので、安定のためにはやむを得ないことではないかというように思っておるわけでございます。  牛肉の場合、先ほど来申し上げておりますように、乳雄につきましては、生産費調整がないためにやむを得ず去勢和牛の「中」との価格比、基準期間における価格比を用いざるを得ない。一種の便法でございまして、将来ともにそれでいいとまで考えておるわけではございませんが、そういうことをやりましたので、子牛からその他の生産費から積み上げをしておらないために、ただいま申し上げましたような乳価の場合のスモールの評価の算入の仕方と直接的なつながりができておらないということでございます。  また、一般の農家の場合には、スモールをいきなり肥育農家が買って肥育をするという例も、それはなくはないわけですが、やはり、七、八カ月なり十カ月齢まで育成したものを肥育農家が買って肥育に回すということでございますので、そこで経営が変わりますので、スモールの価格と素牛価格というものが必ずしも変動が同じでないという場合もございますので、将来資料が整いましても、スモールからいきなり積み上げというよりは、子牛価格、肥育の素牛価格、まあ和牛で言えば十カ月齢ぐらいが標準でございますが、そういうものの価格を幾らに織り込むかという、その場合にも実額を、実績をそのまま織り込むのではなくして、和牛の場合でやりましたように、生産費の中におきます素畜のウエートといいますか、比率というものを用いて計算をするというのが、素牛価格自体は非常に変動いたしますので、その変動をならすという意味ではそれが枝肉の安定にも資するということでございますので、そういう点からするとああいう比率方式が適当ではないかと思いますので、乳雄につきましても、かりにデータが整備されまして同じようなことをやる場合にも比率方式を使うということになりますと、必ずしもそのときどきのスモールの価格と完全につながるということにはなりがたいのではないかというように考えております。

美濃政市日本社会党

○美濃小委員 この制度は急にことし初めて発足し、和牛あるいは乳雄というふうに、同じ肉でも非常に多様化したものを該当していかなければならぬから、事務的にもかなりの苦労が伴ったということはわかります。それからまた局長自身も、これでいいのではなくて、まだ不十分だがこれで出発して悪い点は改善するということでありますから、その点は理解できます。  しかしながら、生産しておる農家は非常にこれを期待しておるわけで、本日朝陳情要請のあったようなことも私どもは十分参考に考えております。そういう点も、生産費その他を私どもはある程度調べております。あの要請についても、真に駆け引きのないものを制度ができた以上はぜひ実現してもらいたい。この要請なんですが、その差が出ておるわけです。  先ほど、生産者委員の中から安いでないかという意見も審議会の中で出ておるという報告でございましたが、私自身もけさもらった資料でありますから細かく的確な解明ができないことが残念ですけれども、やはり客観的な意見で申しわけないのですが、これは統計資料を見ても、きょうはしつこく言いませんが、たとえば、従来、家族労賃の評価にしても、他産業の均衡は別としても、同じ農産物を生産するのに、米価と比較しても家族労賃の評価は低く算定されておる。こういうところにも大きな——これから農民は生産をして所得で生活をしていくわけでありますから、今回諮問された価格は、それらが反映された適正な価格であるということは言えないと私は思います。そこらを決定までにはもう一回十分に算定して、そして再生産に支障のないように努力されたいと思います。  この需給の問題でございますが、一体、現時点では牛肉の消費量というものを的確に把握されたかどうか。前から論議はしておりますけれども、局長として、需給に対する的確な把握は今日の時点ではできたかどうか。それをお聞かせいただきたい。

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 需給の見通しという点につきましては、長期的には、先般農政審議会で御答申を得て、近く政府として決定したいと思っております。六十年の目標五十万八千トンというのを目標に置いておりますが、これは長期の話でございますし、やや意欲的な見通しをいたしておるわけでございます。ただ、いまお尋ねの件は今年度の需給見通しというお尋ねかと思いますので、その点について、現在われわれで試算をいたしておりますところを御説明を申し上げたいと思います。ただ、これは一つの前提を置いて御理解をいただきたいと思います。  需給の見通しは、われわれのデータ不足ということもございましてなかなか的確に行いがたい点は豚以上にあると思います。しかし、何もないというわけにもいきませんので、きのうも審議会で御質問がございましたので御説明をしております。ただ、これは固定的に考えずに、なお今後の推移を見ながら変えていくべきだというように考えております。  そういう点で申し上げますと、今年度の四月の基礎在庫が約一万八千トンぐらいございます。これは主要な港湾におきます冷蔵庫等、事業団が指定しておりますような冷蔵庫が大部分でございますので、個々の流通段階におきますところの、たとえば加工メーカーが自分の倉庫に持っておるとか、あるいは肉屋が店頭の冷蔵庫に持っておるとか、そういうものまでは入っておりませんが、われわれといたしましては一万八千トンぐらいの在庫がされておるのではないかというように見ておるわけでございます。  それから、今年度の生産をどう見るかという点は非常にむずかしいわけでございますが、昨年が一昨年に比べまして五〇%ばかり伸びたわけでございます。これは三十五万四千トンの生産でございましたが、今年は年度で見ますとそれよりやや減になるのではないかと思います。暦年で見ますとなおふえると思います。しかし、年度で見ますと、昨年スモールその他をかなりつぶして、肥育を従来しておったものがしなくなったということがございます。その影響が年度の後半になってかなり顕著にあらわれてきます。そういう点を見ますと、私どもといたしましては、三十五万四千トンという昨年の年度の数字から見ますと九八%ぐらいに減るのではないかという感じを持っております。三十四万六千トンという数字も一応はじいておりますけれども、そのように考えております。  これに対しまして需要をどう見るかということですが、これはことしの景気の見通しをどう見るかということとも関連いたします。政府の見通しによりますと、経済成長率は四・三というところから個人消費支出を見ますと四・六というようなことを言っておりますが、最近の見方は、これはやや高過ぎるのではないかというような見方も御承知のようにあるわけでございます。そこで、個人消費支出の伸びがゼロと置いてみますと、人口の増だけ消費がふえるということになるわけでございますが、そういたしますと、私どもの考えでは四十二万五千トンというような数字もはじけるわけです。これは端数については余りこだわらずにお聞きいただいた方が適当かと思いますが、計算のありのままを申しますと四十二万五千トンです。ただ、四・六%という個人消費の伸びがありますとそれよりふえてきて、四十五万トン近くになると思います。そういう幅で見まして、最低限を見ても四十二万五千トン。これは枝肉ベースの話でございます。  そうしますと、生産がせいぜい横ばいか、去年よりも微減じゃないかということと、それから、消費は〇%とすれば前年度より横ばいより微増、それから四・六%というような伸び率で消費支出が伸びるときにはもうちょっとふえるということでございますといまのような数字でございますが、その間のギャップが一部は在庫量を食いつぶしていくということで、在庫の中には事業団が持っております八千五百トンと、昨年生産者団体に調整保管をしてもらったわけですけれども、そういうものが三千六百トンばかり入っております。その他も入っております。そういうものをこれから放出をしていくということになりますれば、それがいまのギャップの穴埋めを一部していきますけれども、なお需要に対しまして、生産といいますか、供給不足になるというような数字が出てくるわけでございます。  そうなると、その分が輸入ではないかというような見方もありますけれども、これは今後の推移を見ていかなければなかなか即断はできないと思います。しかし、私どもといたしましては、年度後半には需給のギャップといいますか、供給不足が出てくる、早ければその前に出てくるのではないか、調整保管中のものも放出をいたしましてもなお出てくるということでございますので、この年度間に何がしかの輸入はやはり必要になるのではないかというように考えております。

美濃政市日本社会党

○美濃小委員 いま一応需給見通しのお話を聞きましたが、これは昨年も起きておりますが、見通しと実勢とは違っていくことがありますから、具体的には、この問題に対して前から意見が出ておるように事業団の一元取り扱いにして、輸入については、どうしても不足するものを輸入するなとは私どもも主張しておるものじゃないわけです。ただし、いま言った数字の推定で、的確な需給の実績を踏まえないで安易に計画を立てるということは国内生産を破壊しますから許されぬと思う。安易な計画に基づいて輸入が行われて、過剰供給となって、四十九年度のように暴落して、生産者は赤字で大きな負債を抱えて倒産に瀕するということは許されないと思うのです。その点に対する腹構えはどうですか。

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 私は、いま、年度後半には少なくとも到着するように輸入が必要ではないかと現在の推定では考えておりますということを申し上げましたが、もちろん、価格の先行きについては、需給見通しはなかなか的確にやりにくい情勢にございますし、仮にいずれかの時期に輸入をやるといたしましても、慎重に小出しをしながらやっていく。いきなり、たとえば仮の数字ですが、五万トン必要だという需給計画が出ましても、それを一遍にぱっと割り当てするというようなことじゃなくして、そのうちの一部分をまずやってみて、小手調べでやってみるというような配慮も必要だと思いますし、それから国会でも修正をしていただきましたような一元的な輸入をやるということは、まさにこういうように価格が非常に不安定であるときにはやる必要があると思いますので、もし再開するような時期がありますれば、その辺は十分配慮しまして、もし輸入した場合にわれわれの見通しと違って価格が非常に安いというようなときには、放出しなくて済むように事業団が輸入品を一元的に扱う、こういうふうな運用の仕方は当然配慮していくべきだと考えております。

美濃政市日本社会党

○美濃小委員 次に、起きてくる状態かどういうふうになるかわかりませんが、私どもが想定できる範囲では、特に北海道地域において、こういう制度ができて価格がある程度安定できるのでないかということになると生産者は期待を持ちます。特に、乳雄の肥育に期待を持つわけです。ややもすると下牧時——北海道は御存じのように大規模草地等もかなり整備されておりますから、放牧が上がる時期にかなり販売が多くなる。その販売はその時点の需要量をかなりオーバーして、たとえば十月の末とか十一月にかけて、一カ月、二カ月の需要量をかなりオーバーした販売が起きてくる。そのときに買い入れ発動なり、そういうものをしなければならぬが、先ほど四十九年度実績の推定生産量の話もございましたけれども、北海道地域において産まれてくる乳雄がこういう安定制度によって全部肥育できるということになればかなりの生産量になるだろう。これを上回る生産量になるだろう。それも一面価格との関連がございます。素牛で二百五十キロで売り出すという場合、あるいは価格がかなりのところをしておるから四百キロで売る場合、肥育すると最高六百キロまでいきます。ですから、その価格との関係、それから同じ頭数でも売る時期の関係で肉量が違うわけです。流通体系が大体四百キロぐらいで売るという習慣になるのと、大体六百キロ近くまで最高の肥育をして販売するという考え方とでは、肥育牛で二百キロ、四百キロで売るのと六百キロで売るのとでは、たとえば十万頭で計算してみても需給量に大きな相違が出てくるわけです。そういう関係はどういうふうに今後指導していくのか。  特に、そういう多いところは、動物ですから穀物と違って倉庫保管はできません。結局は、需給調整には、大量の生産地帯にはそれに対応できる屠場なりあるいは全部冷蔵庫を生産地に置く必要はないわけです。消費地にもかなりの冷蔵庫が整備されているわけですから、逐次冷凍した肉は輸送する。あるいは将来コストを下げるためには、枝肉というのはもう前世紀の流通体系でして、これからの流通体系は、北海道のような大生産地帯で処理する場合には枝肉ではなくて箱詰めにして、大体牛肉は七種類ぐらいになるわけですね。ですから、肩肉とかロースとか分類して、そのまますぐ枝で大生産地が冷凍して、それがまた消費地へ枝肉で来て屠場に入ってきて解体されるというのじゃなくて、一たん解体したときにはもう分類の解体保管ができて、その肉はそのまますぐ肉問屋なり消費の段階に乗っかるような迅速な体系整備が必要ではないかと思うわけです。これはコストが安くなりますから、生産者価格から見て、コスト圧縮に政策的な手段を講じ、あるいはそういう施設に対して長期低利の資金なりあるいは助成措置を講ずればかなりの流通改革ができて、生産者価格を維持しながら消費者価格を抑制できるという大きな手段が残されておると私は思うのです。それに対しては農林省畜産当局としては積極的な姿勢をとらなければならぬのじゃないかと思うのですが、それに対するいまの考え方なりことしの予算にそれがなければ来年度予算にそれを要求して、こういう制度かできたのを機会に早急に流通経費を圧縮して、そして生産価格の維持と消費価格の安定を期していくという、この腹構えを持ってもらわなければならぬと思うのですが、それに対する計画についてはいかがですか。

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 確かに、北海道の酪農地帯でございますので、そこから生産されます乳雄の肥育というものは、今後わが国の牛肉生産を考えます場合に最も重点を置いてやるべきものだと思います。六十年の見通しでも、四十七年はちょっと低いですけれども、乳用種は二十九万五千頭を百二十万頭にふやすということで、かなり全体の頭数をふやす中で一番の重点を置いております。乳雄が肉資源として一層重要度を今後は増してくる。ところが、昨年の価格の低落によりまして、肥育への利用率がかなり下がっております。最近価格が回復の兆しを示しましたので、また再び肥育熱が出てまいっておると思いますが、これはできるだけ利用していくということが必要だと思います。  その場合に北海道で問題になりますのは、従来北海道で生産されました子牛、乳雄を途中の段階で内地に持ってきて肥育するという形が多いわけですが、これは北海道の酪農なり肉用牛の生産という立場からいたしましても、やはり、子牛の段階で移送するよりは現地でできるだけ肥育までやってもらうということの方が好ましいと思います。そういたしますと、ただいまおっしゃったような屠場その他の処理施設、食肉センターとか、そういう屠殺解体処理施設というものが北海道の場合整備が非常におくれております。これは消費の面から見ましても、北海道は牛肉の消費量が全国的に見まして非常に低位にあります。これは道内生産、消費をふやしていただければ、それだけまた屠場、解体施設等もふやし得る余地もございますが、もちろんそれだけではなしに、全国的に出荷をするためにも、まさに御指摘のとおり、たとえば成体で東京へ輸送するということじゃなしに、産地において屠殺、解体処理をして、枝肉のみならず、できれば部分肉までやるというのが流通の合理化のために一番望ましいことだと思います。  しかしながら、残念ながら現在のところおくれておりますので、そういう屠場施設、食肉センター施設の整備については北海道は非常に重点を置いて考えております。今年度の予算におきましても総合食肉流通対策というような事業で大型食肉センターを整備するということをやっておりますが、いまの予定では、北海道はその中でも全国で数カ所の中の二カ所ぐらいはやりたいというようなことでかなり重点を置いておりますし、公団事業の根室地区の事業の中にもそういう施設を行く行くは設置するというような計画を持っておりますので、われわれといたしましては、まさに御指摘がございましたような形で北海道内の流通施設の整備には特段の重点を置いてやっていき、そこで流通改善に資していくということがきわめて重要ではないかと考えております。

美濃政市日本社会党

○美濃小委員 以上で大体私の持ち時間になりますので、終わります。

坂村吉正自由民主党

○坂村小委員長 次は、芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 まず、第一に、畜産局長にお尋ねしますが、今回、畜安法の改正によって初めて牛肉の安定価格を決めるわけでありますが、物事はとかく最初が大事でありまして、最初に安定価格が低位に決められると、それが基礎になって、将来にわたって禍根を残すことになるので、まず価格算定上の問題についてお尋ねいたします。  第一は、今回の安定価格を設定する場合において、いわゆる安定価格の価格帯の幅が、豚肉の場合には安定基準価格が二〇%の幅を持っておるわけで、つまり、それは中心価格の上下一〇%づつ開くということだが、今度の場合には中心価格から見れば上下に一四・一%ずつ価格帯を広げるということになっておるのですが、この点は、同じ畜安法の中の指定食肉であり、その中の豚肉と牛肉の安定価格を決める場合ですから、なるたけ同一の算定方式、同一の価格帯の中で生産者の価格が安定されるということが望ましいと思うわけですが、この点はいかがですか。

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 豚肉の場合は現在一〇%を使っておるわけでございますが、この制度がスタートするときには一六%以上で、たしか一六・三%だったと思いますが、そこからスタートいたしまして、その間安定制度ができたこともございまして、若干変動の幅が縮まったということもございますし、やや政策的な配慮も加わりまして、現在は一〇%ぎりぎりのところで使っておるわけでございます。これをどの程度の変動の幅におさめるかということは、その食肉が持っている性格上、過去の実績から見てどの程度の変動幅で推移したかということがやはり一つの基準になるわけでございまして、本来非常に大きく変動するものにつきましては、余り縮めましても運用上それを守ることが不可能になるという面もございますので、これは過去の実績を見た上で、標準偏差というものを用いまして変動率を出しておるわけでございますが、これはきわめて常識的に申し上げますと、かなりの変動をしているうちでそれぞれの時点をとりまして、大体三分の二くらいはその幅の中におさまるというのをワンシグマという係数でとっておるわけでございまして、これが豚肉の場合と牛肉の場合が完全に同じでなければいけないということは直ちには言えないのではないかと思っておるわけでございます。それぞれ価格の性格なり推移の実績も違いますので、必ずしも同じでなければならぬということは言えないと思いますけれども、今回の場合は、いろいろな算定をする場合の基準期間といいますのを七カ年を一応とっておりますので、それに相当します期間の月別の価格の変動を見まして、それを豚と同じような単純平均した推移からの変動の幅を見ますと、先ほども資料の際にちょっと御説明しましたように、二五%にもなるわけですが、豚の場合と同じで言えば二五%になりますけれども、それでは政策的に見てやや幅が広過ぎるということで、傾向値を出しまして、その傾向値からの変動幅というようにやや有利にしました結果一四・一%になっておるわけでございまして、これは、生産者側団体等の御要求の中にも、豚の一〇%に対しまして一三%くらいでいいのではないかという御要求もございますが、一三%の数字は別といたしまして、豚よりはやや幅を広めてもいいというような御意向かと思いますが、われわれは基準期間を使って算定いたしまして、しかも豚よりは有利な算定方式を用いまして、一四・一というものを使っておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 私の聞いているのは、豚は昭和三十七年からやっていますけれども、その経緯については、当時畜産物価格安定法の審議に携わり、それから法律に基づいた畜産審議会の第一回は国会議員が委員になっておるわけですから、その当時の経緯というものは私の方が局長より知っているはずです。だから、豚と牛肉の安定帯の幅は同一でなければならぬということがないというのであれば、異なるようにしなければならぬという根拠はあるのですか。同じでなければならぬという理由がないとすれば、同じにしてはならぬという理由がまたなければならぬわけでありますが、それはどう思っているのですか。一〇%上下に開くということにするのが不都合だということになりますね。

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 それは、需給の操作によってその幅におさめるのが非常にむずかしくなるという問題が一つございますが、ただ、これは中心価格から開く場合でございますので、開き方は上下大体同じにするというのは当然だと思いますので、その指数の小さな数字を使うということは、下の価格を底上げするという生産者側のメリットがございますが、逆に上の価格は下げるということになりますので、安定帯を守るというのが政府の責任ということになりますと、それだけ輸入を促進するという面も出てくるわけでございますので、それらを総合勘案いたしまして、過去の実績から見てこの辺が妥当ではないかということで考えておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 安定帯価格の形成は、これは中央卸売市場における売買価格ということになるのですね。法律では安定価格だが、これは実態的には中央卸売市場の売買価格ということになるのでしょう。その場合、豚肉と牛肉の上位価格あるいは下位価格の性格上の相違点というものがあるのですよ。豚肉の上位価格の場合は、それ以上価格が上昇しないようにこれを抑えるわけでしょう。暴騰抑止の力を持っているわけですね。その場合の方法としては、たとえば事業団の保管豚肉がある場合においては直ちに放出をして、上位価格以下にその価格を冷却させるとか、あるいはまた豚肉の緊急輸入を、関税の免税措置等を講じて、海外から肉の輸入を行って、そしてできるだけ価格帯の中におさめるという作用があるわけでしょう。牛肉の場合はその点が違うわけですね。牛肉の上位価格を超えた場合に初めて輸入発動ということに法律ではなっていないでしょう。これは先般審議をしたわけだが、畜安法四十一条の第一項、第二項を見ても、同じ法律上の名称は上位価格であっても、その発動の力というものは全然違うのですよ。それから牛肉の場合は四十一条第二項によって——これはもうここ当分はどうしても国内生産だけに依存することができないわけだから、全体の需要量のたとえば二〇%なら二〇%はどうしても輸入をしなければならぬという情勢に置かれておるわけですからね。それを理由にして政府が立てる年間の需給計画の中においてどうしても最低限必要とするものについては、あらかじめこれは輸入をして業者から事業団が買い入れをしておくという措置が講ぜられるわけだから、上位価格を超えて初めて輸入発動ということにはならぬわけですね。上位価格を超えた場合には、保管牛肉がある場合には緊急売り渡しを行って価格を冷却させるという作用をするわけですから、どうしても豚肉と違う点は、生産者の側から見ると、価格帯の中で中心価格と上位価格の間において生産者販売価格というものを安定させるということは、豚肉から見るとこれは至難ということに当然なるわけです。だから、そういう場合には上位価格を一四%、一五%上げても、生産者の側から見ればそれほど有効な作用はしないということになるでしょう。そのかわり下位価格、法律上から見たら安定基準価格ということになるが、これは豚肉にしても牛肉にしても、上位価格に対しては下位価格ということになるわけですね。下位価格ということは、それ以下に価格が低落することを防ぐための防止線でしょう、それ以下に暴落した場合に初めて畜産事業団の買い入れ発動をする、その事前措置として、たとえば指定生産者団体が農林大臣の承認を受けて調整保管計画を立てて調整保管努力をする、そのものを優先的に買い入れるということになれば、中心価格より非常に大幅に下回る基準価格、下位価格が設定されるということは、生産者の立場から見ると好ましい価格形成ではないと思うのですよ。牛肉の場合には、局長も法案審議の際に委員会で説明したが、できるだけ中心価格というものを基礎にした販売が行われるようにしたいという意味は、この上下に対し大きな幅を持った安定価格帯の中で運用するということは、残念ながらあなたの委員会の答弁というのは違うのですよ。中心価格というものを特に強調した点は、ですね。そうすると、結局豚肉が上下に一〇%、牛肉が一四・一%ということになれば、これは安値安定を図るための上下の幅を広げたということには当然これはならぬわけですから、そういう豚肉と安定価格の相違点、特徴点というものを踏まえた場合においては、みだりに価格帯の幅を広げるということは行うべきではない。理論上から見てもこれはそうなると思うのですね。できないということはないでしょう。下位価格から下回った場合、暴落した場合には事業団が買い入れを発動するということが法律に規定されておるわけですから、広げなければできないということはないと思うのですよ。

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 安定上位価格の性格が豚肉の場合と牛肉の場合と違うという点の御指摘でございますけれども、確かに、豚肉の場合は自由化をしておりますし、事業団が直接輸入するということはまずないわけでございますので、そういう意味では、民間の自由な貿易活動によって一部不足分が輸入されるということに対しまして、牛肉の場合は割り当て制度のもとにおいて普通の場合は二割ぐらいは輸入肉が占めるというようなこと しかもその大半を事業団が扱うということでございますので、事業団の売買操作を通じてかなり需給調整がやれるという面はございます。しかし、安定上位価格の性格といたしましては、それ以上に上がらぬように政府としては努力をするという政治的といいますか、行政的な責任を与えられた目標の価格でございますので、その意味では、同じような目標価格、これ以上上がらぬような上限の目標価格であるという点では差異はないというように思うわけでございますが、実際の輸入の仕方が違いますので、確かにおっしゃるような点は運用上の差としては出てくると思います。  ただ、私どもは、牛肉の需給の見通しというものを従来以上に的確にそのときどきに立てながら輸入を決めていくわけでございますけれども、景気の変動によりましてその動きというものもわれわれの予想せざるような動きはもちろんいたしますし、輸入というものは、入れるからというのですぐあした入るものではないわけでございまして、輸入を決めてから入るまでにやはり二、三カ月期間がかかるわけでございます。そういう点からいたしますと、中心価格に収敵するように需給操作を事業団はやるということでございますけれども、やはり、価格は安定帯の幅の中で一点に集中するということでなしに、かなり動くということはやむを得ない面が出てくるのではないかと思います。  消費面だけではなくして、国内の生産面におきましても、八割ぐらいの生産のシェアを仮に占めるといたしましても、これは乳価の動きによりまして当然変わってまいりますし、あるいは価格によりまして出荷が急がれたり、あるいは逆に出荷が抑制されるというようなこともございますので、われわれが立てます需給の推定どおりに必ずしもいくということではございません。その間、商売でございますので、当然仮需要が出たりあるいは売り控えが出たりというような、投機的といいますか、そういうものもある程度は避け得ないところでございます。そういう点からいたしますと、先ほど言いましたように、安定幅をこれまでの実績の三分の二ぐらいをおさめるところにやるというのが、一遍に幅を極端に縮めるということになりますと、国内肉の操作につきましても売ったり買ったりということをしょっちゅうやらなければいけないということになります。ということは円滑な運用をなかなか期しがたい面がございますので、一四・一%ぐらいのところからスタートいたしますと、この前の変動の三分の一ぐらい極端なのは排除されるわけでございますから、その辺からスタートしていくのが適当ではないかというように考えているわけです。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 だから、私の言うのは、豚肉の場合は、たとえば安定価格が低くても、実勢はもう中心価格を下回るというようなことはないでしょう。ことしの五十年の価格改定をしても、とにかく政府が決めた安定上位価格を大体上回るか、その安定上位価格の線で販売が行われているわけですからね。その場合、関税の免税措置を講じて緊急輸入するといっても、輸入豚肉というのは高いでしょう。外国は牛肉よりも豚肉が高いというような実態も生じておるわけですからね。だから、政府として豚肉を安く決めようとしても、いやでも高値に決めなければならぬようなことに国際価格に引きずられて追随しているというのが実態でしょう。  牛肉の場合は上位価格を一四・一%も幅を広げても意味がないではないかということを私は言っているのですよ。それは先ほども言ったとおり、牛肉については一定数量の輸入が必要である。それから輸入する牛肉は国産牛肉よりも現在の時点では安値である。そうでしょう。  それからもう一つは、大事な点ですが、事業団は現在もまだ国産の買い入れをしないわけですからね。保管牛肉ということになれば全部輸入牛肉ということになるが、事業団の保管牛肉の卸売市場への売り渡し条件としては二様にあるわけですからね。それは安定上位価格を超えた場合の緊急放出と、超えない場合であっても農林大臣の指示によるところの通常売り渡しが行われる。この通常売り渡しについては、畜産局長は、委員会において、大体中心価格というものをめどにして、それを配慮して卸売市場に対する事業団の売り渡しを行いますということを言っておるわけだから、そうなると、上位についての幅というものは実際問題はそう広げる必要はないということなんですよ。しかし、それを五%にしろというわけじゃないですよ。これは一年たってみればわかるのですけれども、中心価格から一〇%を超えるというようなことは余り起きないと思いますよ。超えるような運営をすればいいが、結局しないでしょう。中心価格を配慮してやる、たとえば中心価格を下回った場合でも放出量を調整するという程度におさめる、中心価格を下回った場合においては事業団の売り渡しをストップするということを、あなたいままで全然言っていないわけですからね。そうなると、どうしても、中心より上位については伸び幅が結果的には狭まるということにしかならぬわけですよ。ところが、下の方は、一四・一%というのはこれより下回った場合に買い入れるという、その価格の限度ですから、どうしても下の方へその広がりが生ずるということになるわけです。だから、たとえば上が一〇%、下が一五%というようなことにもこれはなるわけですからね。こういうことは担当の役人としてもう最初からわかることなんですよ。だから、わかりながら上下に一四・一%広げるということは、結局下位価格を不当に下げて、そうしてできるだけ事業団の買い入れ発動を避ける、それから輸入牛肉の安いということを考慮に入れて、安定価格そのものを低位に抑えるという、そういう配慮から今回の政府試算というものが生まれたと思うのですよ。この点ははっきり指摘しておきますからね。あなたの弁解だけくどくど聞いても審議は進まぬですからね。こういうことになるわけだから、一四・一%という上下に対しての開きというものは幅が開き過ぎる。少なくとも豚肉で上下一〇%で適正な運用をしておるわけですからね。十何年間という運用上の経験というものを持っているわけですから、これができないということはないと思うのですよ。だから、この点は十分の配慮が必要である。そうなれば、結局、安定基準価格というものが一四・一が一〇%になれば、下位価格が上がることはもちろんですからね。そういう点を十分配慮してやるべきである。これが第一点です。  第二点は、先ほど局長からも話がありましたが、豚肉の場合は、価格算定上、需給調整係数は、以前は供給促進係数というものを畜産審議会や当時の農林委員会において、算定の中に活用するということをやったわけですね。ただしこれをマイナス要素には使わせぬということで、従来もそれは守られているわけですが、この豚肉の場合には自給原則によってやるわけですね。年によっては若干の不足あるいは過剰があるとしても、とにかく豚肉については国内生産で賄うことができるというたてまえでいっておるわけであります。     〔小委員長退席、笠岡小委員長代理着席〕  牛肉の場合はなかなかそう簡単にはいかないでしょう。いかない場合に、現在は二〇%ぐらいがまだ不足しておるが、これをいつまでも不足状態のままで置くというわけじゃないでしょう。この畜産局長の審議会における説明資料を見ても、牛肉に対する国民の消費弾性値というのは豚肉や鶏肉に対して伸びる傾向を持っておる。したがって、昭和六〇年には消費は現在の一・七倍に、そして、それに対応する生産については、六〇年度においては国内の生産を現在の一・八倍に伸ばさなければならぬ、伸びる、そういう傾向にあるということをあなたははっきり言っておるわけです。十カ年間に生産を一・八倍に伸ばすということは、自然放任の状態ではそうならぬでしょう。そのことは結局国内における自給率を高めるということが根拠になると思うのですよ。そうなれば、価格算定の場合においても、自給ができるという状態の豚肉においても当然需給調整係数のプラスアルファを使っておるわけですから、牛肉についてはこれから国内の生産を高めねばならぬというような、そういう状況下において促進係数を使わないというのは逆じゃないですか。使えば値段は当然上がるのです。上がると困るから使わぬということでは理論的な弁解になりませんから、やはり、この際は、当然豚肉の場合よりも積極的に供給促進係数を——現在はこれは需給調整係数ですが、豚の場合にはこれは一・〇二を使っているわけでしょう。豚が一・〇二であれば、牛肉で使うとすれば、それと同率ということじゃ済まぬと思うのですよね。その辺はどうですか。

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 供給促進係数につきまして、先ほども資料の関係で御説明したと思うのでございますけれども、われわれとしましては、長期見通しは、いま御指摘がございましたように、国内生産は五十万八千トンを一応目標に置いております。しかし、これはもちろん価格政策も大事でございますけれども、他の生産経営対策あるいは飼料対策等を通じて総合的にそういう方向に十年間に順次持っていくということを言っておるわけでございますが、それが直ちに供給促進係数というものに結びつくというようにはわれわれは考えておらないわけでございまして、豚の場合は自給原則をたてまえとしながら、事実海外からも余り入らない、価格が向こうの方が高いこともあるというような実情からいたしますと、国内で供給不足が予想される場合には、需給関係から見まして当然価格にそれを反映させるのがしかるべきであり、それがまた供給促進の効果を当該年度に発注させることにもなるという意味で使っておるわけでございますが、実は、この豚の場合でも輸入が若干はあるわけでございますので、輸入をどのように見るかによりまして、需給調整係数の指数は一・〇二にことしはしておりますけれども、輸入の見方によりまして、実はかなり流動的な面があるわけでございます。その意味では恣意的な面がどうしても残るので、アルファを使うことについて疑問を呈される向きもかなり多いわけでございます。しかしながら、豚の場合はいま言いましたような需給調整係数をとっております。これは当該年度に供給促進の必要があるということもあわせ考えて使っておるわけでございますが、牛肉の場合は二割程度はコンスタントに通常の場合は輸入をせざるを得ないということになりますれば、しかも輸入が国際貿易の面から見まして容易に可能である。しかも、海外の価格の方が安いということだから入れようと思えば入るということでございますれば、国内で供給不足だからといって直ちに供給を促進する——長い目で見れば供給を促進するということは、生産対策とあわせてやらなければいけないと思いますけれども、それは制度全体の問題であり、あるいは生産対策、経営対策、飼料対策等全体を通じてやるべきことであって、価格政策としてその年々に不足するからといってすぐ供給促進を図るということは非常に恣意的になり、適当ではないのではないかというような考え方に基づいてアルファを使っておらないということでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 結局、畜産局長が何のために畜産審議会においてこういう発言をしたかということになるのですよ。「なお、長期的にはこれまで急激に増大してきた豚肉及び鶏肉の需要の伸びが今後低下すると見通される反面、牛肉につきましては、その所得弾性値が依然として高く、また、日本人の嗜好性等から今後とも相当の伸びを維持するものと考えられ、昭和六十年度には、昭和四十七年度の一・七倍の六十二万五千トンに達するものと見通しております。」と言っている。これは需要の見通しですね。そして、「一方、国内生産につきましては、この需要の伸びに対応するため、可能な限り、その振興を図ることとしており、」と言っていますが、ここが大事ですよ。できるだけ振興を図るというのだから、放任しておくという意味じゃないでしょう。「この需要の伸びに対応するため、可能な限り、その振興を図ることとしており、昭和六十年度には昭和四十七年度の一・八倍の五十万八千トンと食肉中、最も高い伸びを見込んでおります。」というのだから、これを達成させるためには可能な限り生産促進ができる諸施策というものが必要なわけでしょう。  その中で価格政策だけは除いてと言っても、それはいままでも失敗しているわけだから、価格政策を無視して生産の伸びを十年間に一・八倍なんということを期待することはできないですよ。だから、結局は、それはいまのところは買えば外国からどんどん定い牛肉が買えるとしても、それは国内の畜産を全滅させるという考えの上に立たぬ限りそういう無謀なことはできないですからね。そうなれば、六十年度までに一・八倍にするということであれば、安定価格を決める場合においても、一つの要素として、豚肉においてさえも使っておるわけだから、いわゆる供給促進のためプラスアルファを使うべきであるということが私の指摘です。使うべきではないですか。使ったら困るという理由は何もないでしょう。使えば安定価格が上がるというだけのものでしょう。上がると困るという、それだけの理由じゃないですか。  これは非常に大事な点です。きのうの新聞やけさの新聞を見ても、昨日の朝刊においては、政府が予想よりも低い安定価格の試算をしたことによって外国からの牛肉の輸入条件が整ったということも書いてあるですよ。けさの朝刊を見ると、きのうの審議会の審議の経過とか答申の内容等が出ておって、最近の実勢価格は政府が試算した中心価格より若干上回っておる、だから、このまま決定すればいつでも輸入再開のできる条件がもうすでに整っておるということを各紙が強調しているんですよ。これはいままでちょっとないことですよ。とにかく、輸入条件が整ったということを、きのうの朝、審議会の始まる前に大きく報道されておるんです。けさは審議会の後を受けて、この安定価格が現在の卸売市場の平均価格から見ると若干下回った価格で試算をされておるので、このまま通ればもういつでも輸入の再開ができる、そして、たまたま農林大臣が、畜産局長もついていくでしょうが、日豪の経済閣僚会議に行くわけだから、できるだけ安い安定価格を決めて、さあ、いままでストップしたのを今度は再開しますと、これは一種のおみやげ的なものにして行かれるんじゃないかと、そういう判断をしておる向きもあるんですよ。  だから、この際、国内における生産を高めるということについては、世界のどの国もこれに対して攻撃とか非難をすることはできないと思うのですよ。自国民の生存のために自国の政治的な努力を通じて食糧の自給度を高めるということに対して、いかなる国といえども攻撃とか非難をすることはできないと思うのですよ。だから、この点から見ても、供給促進係数というものは、畜産物価格安定法の中の算定方式の実績としてすでに豚肉に使われておるわけですからして、これはやはり適正な係数というものをこの際用いて算定をやるべきである。この点を第二の問題として指摘をしておきます。  第三の問題は、今度の安定価格によって生産農家の販売価格というものは一体どういうことになるのかということですね。生産者が直接生体を枝肉にして東京あるいは大阪の中央卸売市場に出荷をして、枝肉価格として安定価格帯の中で販売するというわけではないですからね。とにかく、今度は、安定価格というものは中心価格を基礎にして政府が決定するわけですからして、それから見て、安定中心価格がたとえば枝肉にしてキロ当たり千三百三十円の場合、これは生体百キロでもいいですが、この生産者の販売価格、これはいわゆる生産者から見れば手取り価格ということになるが、これが従来とどのような変化を生ずるか、生産者販売価格についてどの程度の保証というものが実現するかという点について、これは数字を挙げて説明してもらいたいと思います。

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 算式値の場合で御説明すれば、中心価格は千三百三十一円でございますが、これは枝肉でございますので、それは枝肉換算をする前の農家の販売価格は五百三十九円ということでやっておりまして、基準期間がそうで、それに一・六〇四というものを掛けておりますので、一キロ当たり八百六十四円五十六銭というものが農家の生体の販売価格。そういう計算をいたしますと、一千三百三十円という中心価格は、一頭五百六十七キロが生産費調査の平均になっておりますので、これを用いますと、四十九万二百五円の農家販売価格ということになるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 同じ単位でどうなるかということです。  それから、安定価格は枝肉一キロについて中心価格が千三百三十円でしょう。ところが、生産者が販売する場合はこの生体価格で取引しておるわけですからね。そうなると、生体を枝肉に換算しなければその対照ができないでしょう。生体に対する枝肉の換算率というのは何十%に計算しておるのですか。

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 ちょっと御質問の御趣旨が理解できない面もあるわけでございますが……。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 理解できなければ、たとえば生体百キロを枝肉に換算する場合、その換算率は何十%掛けるのですか。

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 これは二ページの算式をごらんいただきますと、ここにありますように、何倍というやり方ではございませんので、過去の実績から見まして、生体の農家販売価格に対しまして一・三五〇を掛けまして、それに百六十三円四十二銭を足すと、これまでの傾向からいたしまして枝肉価格に換算できるという、その換算の係数を用いて一千三百三十円を出しておりますから、それを逆にすればもとの生体価格が出るということになるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 局長、そういうことでは生産者はわからないですよ。生体に対して枝肉の歩どまり率というのがあるわけですからね。これはもう長い慣行上あるのですよ。それが農林省の試算の中においてはわからぬでしょう。はっきり現存しておるものを使わないで、だれが見てもわからぬような数字を使っているでしょう。一体何十%の歩どまりになっておるわけですか。生体重量に対する枝肉の歩どまり率というのは当然あるでしょう。

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 これは歩どまり率ももちろんございますけれども、それだけではなしに、途中の経費等もすべて含めて平均的に過去の基準期間の実績から換算をしておるわけでございますので、歩どまりは標準的に何%ということはもちろんわかりますけれども、それを直接用いずに、先ほど御説明しました十七ページの係数を用いてやっておるわけでございますので、いまのようなやり方ではなしに、歩どまり何%ということではなしに、それらを含めて、中間の経費も含めて過去七カ年の毎月を調べまして、生体価格と枝肉価格との換算率を出しておるのが先ほど言いましたmXプラス々というものでございますので、いま先生のおっしゃるような歩どまり率というものを直接用いてやっておるわけではないわけです。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 用いてはいないが、わかってはいるというのですか。用いてもいないし、中身もわからぬというのか、わかっているけれども用いていないのか、どっちですか。

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 千三百三十円を八百六十四円で割りますと六五%となりますので、結果としてはそういう数字が出ますけれども、それは歩どまりのほかに中間経費も入った数字でございますので、そういう歩どまりが幾らで中間経費が幾らでという積み上げではなしに、過去七カ年の各月の平均から一定の換算率で換算をするというやり方をしておりますので、歩どまりはもちろん個々によって違いますし、変化もいたしますけれども、それらを全部包含してこの係数を用いて換算しておる。これは豚でも同じやり方をしておるわけでございまして、これはいろいろ変動要因もありますけれども、歩どまりも個体ごとにもちろん違いますし、あるいは価格の変動に応じて平均的にも変わることもございますし、流通経費も当然変化はございますけれども、それらを全部込みにいたしまして換算をする方法をとっておるわけでございます。そういう歩どまりからの積み上げはやっておらないわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 これはむずかしければ局長でなくてもいいですよ。担当課長いるわけだからね。生体百キロを枝肉に処理した場合に、生体重量百キロは枝肉重量何キロにとまるかということを聞いているのです。

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 いろいろなものがございますから、五七%のときもあれば五九%のものもあるし……(芳賀小委員「平均ですよ」と呼ぶ)中をとれば五八%で、これは最近の数字でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 課長からでもいいよ。何もびくびくする必要はない。局長だからといって全部知っているわけじゃないんだからね。局長がわからぬことを補うために説明員がそばにいるんだ。羽田君でいいよ。

羽多實農林省畜産局食肉鶏卵課長

○羽多説明員 それでは、お答えいたします。  たとえば、これは統計情報部から出しております「食肉流通統計」ですが、これの二月分を見ますと、大宮の屠場、つまり大宮の市場に上場されました乳廃牛が五二%、乳用肥育雄牛が五八%、去勢和牛が六〇%、雌和牛が五九%で、それから東京では、いまの順序で申しますと、乳廃牛が五一%、乳用肥育雄牛が五七%、雄の和牛が五五%、去勢和牛が五八%、雌和牛が五八%で、以下横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、福岡とございますが、各市場によりまして、種類によりまして全部違っておりますので、ただいま局長が申し上げましたように、大体これらを総合して五七%とか五九%とか、そういう数字になるというふうに申し上げたわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 この程度のことはいまから十年も二十年も前からはっきりした実績があるのです。だから、生体百キロを枝肉に処理した場合の枝肉重量が大体歩どまり率が五八%ないし六〇%ということは、こんなものは調べる必要はないのですよ。まず、頭の中に入れておく事柄ですからね。換算率ということになれば、結局生体重量に対して五八%ないし六〇%だから、価格で換算するということになれば、たとえば枝肉価格を生体の価格にも直せるでしょう、どっちかがわかればこれは簡単にできるでしょう。だから、そういう数字を根拠にして生体と枝肉というものをいずれかの価格に単位をそろえて、その上に今度政府が試算したものを一これはまだ決定じゃないが、中心価格は千三百三十一円ですから、その場合、法律が実施されない前の無政府状態のもとに置かれた場合の農家の販売実績価格というものは変わりがないということになれば、これはわざわざ法律の対象に国産牛肉を入れて価格安定を図るという効果が何らなくなるわけです。だから今度はどういうことになるのか。現在では余り経費率が高過ぎるでしょう。生産者の販売価格と中央卸売市場の売買価格との間に差があり過ぎるわけでしょう。これが縮まらなければ農家の手取りはふえない、生産農家の所得はふえないということになるわけです。その点、農林省としては一体どういうような改善策を講じていくのか。やはり、必要な場合にはそういう目安の価格というものを指導的に発表する必要も出てくると思うのです。あるいは生体の取引段階において、あるべき取引条件というものを農林省として指導する場合も必要になると思うのです。そういう点についての準備あるいは配慮というものを講じてこういうような低い安定価格というものを試算したのかどうか、その点はいかがですか。

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 いまのmXプラスkという換算率を用いてやっておるわけでございますが、この中にはいまの歩どまりの問題と中間の経費が全部入っておるわけであります。輸送費だとか手数料だとか、枝肉にするまでのものが入っておるわけでございますので、その中間の流通段階におきまして、食肉、特に牛肉の場合にはいろいろ問題もございますので、それを圧縮すべきだということは別途の政策としてやらなければいけないと思います。  それはそれといたしまして、ここでは、これまでの実績を見て、ある意味ではまだ合理化の余地があるものをそのままとっておるという意味では、逆に換算率が高くなっているというような見方もあるいは成り立つかと思いますが、それを目標として合理化をして圧縮をするからといってその数字を使うということになると、逆に価格を引き下げる要因にもなりかねないわけでございますので、屠場の問題あるいは家畜商の問題あるいは家畜指導の問題等につきましては、別途の流通改善対策としてわれわれとしては今後努力をしてまいらなければいけないと思います。それによりまして流通経費等も節減をしていくということは当然のことでございますけれども、今後改善をする目標を前提にして換算をするというのは無理じゃないかというふうに考えまして、これらの実績から一定の係数を求めて、実績に基づく換算をしておるというふうに御理解をいただきたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 第四点は、先ほど同僚美濃委員からもお話しがありましたが、素牛価格が適正に算定されるか否かによって、生産者にとっては再生産の確保ができないという事態が生ずるわけです。たとえば先ほどの吉岡統計情報部長の説明によると、昭和四十九年の肥育牛の生産費の中に占める素畜の割合というのは五一%です。生産費全体の五割以上を占めておるわけですから、そうなると、局長は先ほど生産費パリティ方式と言われましたが、生産費パリティ方式で今度は新たに計算した、豚肉の場合には需給実勢方式、これは委員会の議論も相当尊重して新しい算定方式を考えたんではないかというようにわれわれは好意的に見ておるわけですが、少なくとも生産費とかパリティ方式なる言葉を使う算定方式の場合は、やはり、その再生産の確保というものが重点にならなければいかぬと思うのですね。  その場合、この素牛、いわゆる素畜費のまず価格の基礎ですが、これは開会前に生産者の代表から要請も受けたわけです。まず、その素牛の一番始まりのぬれっ子というのは生後一週間ぐらいのものを言うわけですが、その場合の価格というものを少なくとも一頭二万円程度を確保されるような計算にしてもらいたいという具体的なお話しがあったわけです。二万円の根拠というのは何かというと、とにかくこれは乳雄ですから、乳雄を最初から生産するために乳用雌に高い種つけ料を出して子をとるわけじゃないですから、雌牛が生まれればよかったが、たまたま雄牛が生まれたんじゃこれは大変だということになるわけだから、そうなると、優良な種牛の人工授精にしても、種つけ料というのは相当高いわけでしょう。それから、雄子牛でも雌子牛でも、受胎して分娩期になれば当然親牛は搾乳は停止ということになるわけですが、それでも生き物だから飼料も必要だし、慎重な飼養管理も必要である。そういう諸経費を全部合算した場合には、その利潤を抜きにしても、生後一週間程度の子牛については二万円程度の基礎価格というものは当然保証してやるべきだと私も考えておるわけですが、そういう点の配慮というものは今度の安定価格決定上どういうふうに処理したのですか。     〔笠岡小委員長代理退席、今井小委員長     代理着席〕

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 大変むずかしい御質問でお答えしにくいわけでございます。といいますのは、乳雄につきましては、先ほど申し上げましたように、和牛の去勢の「中」から一定の比率で安定価格を出しておりますので、生産費調査に基づく算定をいたしておりません。したがいまして、それが幾らということは申し上げにくいわけでございますが、和牛の場合には、この十八ページにございますように、四万一千百八十一円というものを一を計算する場合に用いておる。それから、また、第二算定方式の生産費方式の場合にもこれを用いておるということになるわけでございますが、この四万一千百八十一円というのは百キロでございますので、一キログラム当たりに直しますと四百十二円に見ておるわけでございます。  これは例として申し上げますと、これを一頭当たりに直しますと二十三万三千円くらいになるわけでございます。これは生産団体が算定をされます場合に素畜費をいろいろ見ておられます。これは生産費所得補償方式という形の中で見ておる場合もありますし、いろいろな形に算定方式が違いますけれども、素畜の見込み方をどうしているかという点を見ますと、たとえば全中から出しておられるものを見ますと、百キログラム当たり約四万二千円で、私の方は約四万一千二百円ですから、そんなところで非常に接近しておるわけでございます。他方、別の生産団体から出されておりますものはかなり低くて、三万五千九百円というふうふうな数字もございます。また、他の団体では三万九千八百円というようないろいろな出され方をしておりますので、われわれといたしましては約四万一千二百円というのはそう低い数字ではないのではないかというように推定をしておるわけでございます。  なお、先ほど生産費調査との関係で言われました五一%という生産費の中での素畜費の生産費調査における比率は、今回用いておりますものは理論値を用いておりますが、実質生産比率の素畜比率ということで、生産費の中での素畜費の比率を基準期間をならして用いているものでは五二・五ということで、去年の生産費調査よりはやや高目に結果として見ておることになっておるわけでございます。  それから、一番むずかしいぬれ子の話でございますが、これは生産費調査がないと、推定でもなかなか出せないわけでございます。といいますのは、和牛についてはこういう計算をしておりますけれども、乳雄につきましてはこういうような生産費の計算をしておりませんので、それで仮にそれを推定で出しましても、和牛の場合から類推で出しましても、これは素牛価格が出るだけでありまして、二百何十キロからの十カ月くらい育成したものが出るだけでありまして、またそこからさかのぼってスモールまで出そうと思いますと、その間の経費がどのくらいかかるかということを生産費調査から見ながら逆算しなければいけないわけでございますが、生産費調査がないために出せないわけでございますが、きわめて大ざっぱに出しますと、私のほうでは二万円との対比で申しますと、一万六千円くらいになるのじゃなかろうかという感じを持っております。ただ、これは感じでございますので、その見方が、育成費を幾らと見るか、あるいは肥育の経費を幾らに見るかによって違いますので、これは余り重きを置いていただくと誤解を招くかと思いますが、その程度のモデル的な計算ではなるのではないかという試算を一つやっております。その辺で御了承いただければと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 いまのぬれ子の問題の生産費等については、これは統計情報部において今後速やかにデータを出すようにしてもらいたいと思います。  最後になりますが、これは吉岡部長と畜産局長にお尋ねしますが、統計情報部の出された「四十九年肥育牛生産費」によると、肥育牛の生体百キロ当たりの生産費が七万六百十八円で、これを先ほど議論しました枝肉の換算率を使いますと、計算を容易にするために、たとえば六〇%歩どまりということにすると、枝肉百キロについてこれは十一万七千七百円ということになるわけですね。よろしゅうございますか。これは後で計算してください。そうすると、キロ当たりにすると、枝肉一キロは千百七十七円ということになるのですね。たとえば換算率五八%ということになれば、キロ当たり千二百円ということになると思うわけです。  これはあくまでも生産費の結果ですから、東京ないし大阪の中央卸売市場に出荷して売買されるときの価格とは時点が違うわけですからね。これはいわゆる販売段階でいけば、生産者の販売価格に見合うものですからね。そうすると、安定価格ということになれば、生産費調査の結果としての枝肉一キロ、たとえば一万二千円なるものに中央市場までの運搬費であるとか、手数料であるとか、必要な業者のマージンとか、そういうものを加算して、それから経費を控除した残りがつまり生産者の販売価格、手取り価格ということになるわけですから、これが昨年の生産費調査、しかも四十八年八月から四十九年七月までの期間の調査ですから、これから見ても、今回の安定価格の試算というものは非常に低過ぎる。しかも統計の調査でございますから、大事な家族労働費等についても依然として農業日雇い労賃を用いておると思うわけであります。同じ農林省の中で政治性を排除して厳正中正な形でできた生産費を基礎にした場合において、これを尺度にして判断した場合においては、今回の政府試算の安定基準価格あるいは上位価格、安定価格そのものが非常に低く試算されておるということを断定せざるを得ないわけであります。  だから、これらの点については、あらゆる角度から的確な計算を起こして——これはまた試算の段階ですからね。きのうの審議会の答申は、何を意図して答申案がまとまったか私もちょっと判断に苦しむわけですが、国会とか委員会というのは審議会と違うですから、その日だけごまかした答申でいいというというわけにはいかぬわけです。われわれとしては所属の党というものがありますし、また、国会において、国権の最高機関の立場において責任があるわけですから、でたらめな無責任な論議はできませんからね。一時間程度の限定された時間ですが、こういう点についても、今回は小委員会にとどめてあるわけでございますが、農林委員会の各委員の皆さんの質疑等も十分考慮に入れてやってもらいたい。政府決定の場合、農林大臣が五月一日から実施するための告示をするわけでありますから十分な配慮の上に立ってやってもらいたい。すべて最初が大事です。最初に低く決めると、来年もその低い価格が基礎になってまた低く決まる、その次の年も低く決まるということになるわけですからね。せっかくわれわれが農林水産委員会において積極的な審議を行って、わが国の畜産の発展の将来についても揺るぎなき方向づけをするためにお互いに努力をしてきているわけですから、きょうは大臣がおられませんが、そういう点について、小委員会におけるわれわれの発言とか指摘の内容というものを局長からもぜひ十分に大臣に伝えて、攻めの農政を実証するようにやってもらいたいのですよね。

今井勇自由民主党

○今井小委員長代理 諫山博君。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山小委員 私たちは、この制度の出発を歓迎しております。いろいろ不十分な点はありますが、とにかくこういう制度ができたということは支持できるからです。ただ、これが本当に有効に活用されるかどうかということがこれからの課題として残ります。     〔今井小委員長代理退席、小委員長着席〕  そこで、同じ法律に基づいて制度化されている豚肉の場合は、ここ数年間この制度が実際に発動されないという状態が続いているわけです。今度の諮問で政府が出している数字で現実にこの制度が発動されていく見通しを立てているのか、それとも、価格は決まったけれども発動はされないだろうという見通しを立てておるのか、どちらでしょうか。

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 私どもといたしましては、この安定帯の中に現実の価格がおさまるように需給操作を行うように畜産振興事業団などに指導してまいりたいと思っているわけであります。したがって、これは一種の防波堤のようなものでございますので、これからあふれるときにはこれで防がなければいけませんが、幸いにしてといいますか、牛肉の需給は約二割ぐらいが海外に通常の場合は依存せざるを得ない、しかも、それを民間貿易ではなくて輸入割当制度のもとにおいて事業団が大半を扱う、国にかわるべき事業団が大半を扱うということでございますので、その需給操作をうまくやりますれば、上も下もこの堤防をオーバーすることはないというような運用ができるのではないかと思います。これは理想はそうでございますので、この制度をできるだけ発動しなくて済むように、上位価格も基準価格も同じでございますけれども、そのように需給操作するということに最大の努力をしたいというように考えます。  しかしながら、需給というものはわれわれの予測と違いまして予想外に流動的な面もございますので、ときにわれわれの予想以下に下がることがございますので、その場合には基準価格による買い入れということは当然発動しなければならないと思いますけれども、われわれとしましては、この制度の発動をしなくて済むように需給操作をするということに最大の目標を置いてやっていきたいと思っています。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山小委員 畜産農家の経営が十分安定する、再生産も保証される、そしてこの制度が発動されずに済むということは結構だと思います。ただ、現在の実情を見ていますと、飼育戸数というものは年々減少する。そして、この減少傾向というものはとどまっていない。さらに、飼育頭数も伸び悩みが続いている。これが畜産の、とりわけ肉牛の実態ではないかと思います。私たちが牛肉についてもこういう制度をつくるべきだと主張したのは、いまのままであれば引き合わない、だから何らかの形で政府が介入して引き合うような価格を決めるべきではないかということからこういう制度を主張してきたわけです。  そうすると、いままで続いてきた飼育戸数の減少とか、あるいは飼育頭数の伸び悩みというような問題についてはどういう見通しを立てていますか。

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 肉用牛につきましても、飼養頭数の全体としての伸び悩み、その中で戸数はかなり急速に減ってまいっておるという点が見られるわけでございますが、われわれといたしましては、無限に規模を拡大すればいいんだとまでは思いませんけれども、複合経営であれ、現在の平均三・六頭というような小規模の経営規模が大半であるというような形では経営を維持発展させていくということはなかなかむずかしかろうというように考えておるわけでございます。したがいまして、専業経営はもちろん大きくならなければいけないと思いますが、複合経営の場合でも、繁殖の場合には平均すれば十頭前後、肥育経営の場合は少なくとも三十頭ぐらいまではいくということが平均的には必要ではないかと思います。その中で、土地条件、経営技術条件の非常に恵まれたものは、もっと大きな、たとえば肥育で言えば百頭経営というものも立地によりましては成り立つと思います。しかし、平均的に言いまして、現在の三・六でいいんだということはとても言えませんので、いま言いましたようなところをめどにして規模の拡大も図っていく必要があると思っております。しかしながら、現在すでに相当な規模になっているものをさらにふやすということは必ずしも望ましいことでもないと思いますので、やはり、零細規模といいますか、小規模層、中堅層を含めまして、これらの層の規模を引き上げていくということに努力をしなければいけないというように思います。  そのためにはいろいろな対策が必要だと思いますが、何といいましても、土地対策をあわせて飼料基盤の整備を図ること。これは既耕地におきます飼料作物の生産のほかに、肉牛の場合には、野草の利用という意味で、林野の畜産的利用も図るということも必要でございますし、また、とは申しながら粗飼料だけではだめでございます。特に、肥育の場合は濃厚飼料にかなり依存するということは今後も続くと思いますので、配合飼料を初めとする濃厚飼料の価格安定を図るというようなこと。それからもう一つは、価格が最近のように特に変動が激しいということでは、これは経営が非常に不安定であって、放棄するということになりかねないわけでございますので、枝肉の安定を図るということのために今回の畜安法の改正もやったわけでございますので、それらを適正に運用しますれば、従来以上に価格が安定するということになりますれば、生産の刺激にもなろうかと思うわけでございます。  それから、もう一つは、繁殖経営と肥育経営が別に分かれておりますので、今回の価格安定制度によりまして直接価格安定の対象となりますのは枝肉だけでございますので、牛肉といいますか、枝肉でございますので、繁殖の子取り経営を安定させることが別途必要であるわけでございます。肥育経営が安定いたしましても、一貫経営の場合は別でございますけれども、通常の分離した経営の場合には、もとになる素畜が安定して入手できないということがございますれば、幾ら牛肉価格が安定いたしましても全体としての牛肉生産の増加は図れないわけでございますので、その意味から言いまして、別途繁殖経営の安定のための生産対策と価格安定対策を拡充実施する必要があるというように考えております。平均三・六頭は肥育と繁殖の平均でございますが、特に繁殖経営の場合はさらに平均よりも零細でございますので、これらの規模を順次拡大をしていく。そのためにはある程度戸数の減というものはやむを得ないと思いますが、最近の戸数の減はやや急激過ぎるということで、中堅層を中心にした規模の拡大には重点を置いていく必要があるというように考えております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山小委員 零細な農家であっても一生懸命苦労しながら畜産をやっているわけで、この人たちにも引き合うような価格を、ということを私たちは念願したわけですが、政府の方ではそういうことはほとんど考えていないようです。飼育戸数がどんどん減少するというのはむしろ当然のことだ、零細畜産農家がやっていけなくなるのは当然のことで、一定の水準に自然に淘汰されるように今後進めていくつもりだということになるんでしょうか。さっき十頭とか三十頭という数字も示されたわけですが、そういうことでしょうか。

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 私どもといたしましては、将来を見まして、国民の必要といたします牛肉の需要にこたえるだけの国内供給をできるだけ図っていくということでありますが、とは申しましても、土地条件その他から言いまして、直ちに輸入肉と競争できるところまではなかなかまいらないと思いますので、また、生産も一〇〇%満たすだけのところまでは一気にはまいらないということでございますので、輸入もある程度安定的に行いながら供給を確保をしていくということを考えておるわけでございますが、その際、消費者の立場からの価格の安定ということも当然考えなければいけませんので、幾ら高くても国内生産をやればいいんだとまで極端に考えるわけにもまいらないと思います。そこは将来の生産を伸ばしていくということも考え、その意味ではある程度国際価格よりは割り高なところで消費者にもがまんしていただくということも考えながら、そうは言いながら、あまり極端に割り高な牛肉を消費者に食べてもらうというわけにもまいらないという、その辺の兼ね合いを考えますと、現在のような小さな規模のままでいきますとどうしても生産費が高くつきますから、価格は非常に高くなければ引き合わないということになります。  したがいまして、先ほど言いましたようなところを当面の目標といたしまして規模の拡大を図っていくということが必要ではないかと思っておるわけでございます。ただ、これは立地条件なり経営条件によりまして、それだけでやるということではございませんので、そういうものを育てながら、規模の拡大ができるような経営を育てながら、他方におきまして、そういう条件に恵まれておらないところにつきましては、ことしから事業を着手することにいたしておるような、過去に飼育の経験のある老人の福祉ということ、あるいは地域の振興ということも含めまして、一、二頭飼いの奨励ということももちろんあわせてやっていきますが、ただ、そういう零細経営だけでいいんだということではなくして、将来の展望といたしましては、肉牛経営にかなりウェートを置いた、専業とまではいかなくてもウェートを置いた規模を一歩一歩着実に拡大するような経営によって担い手を育てながら、反面副業的な経営も維持できるような、両者をにらみながらやっていくということが当面現実的ではないかというふうに見ております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山小委員 私も、相当規模の大きい農家がたくさんできることは結構だと思います。ただ、私の知っている人では、五頭とか六頭とか小さな牛を肥育しながら、何とかこれでやっていけるようにという努力をしている人がいます。しかし、政府の方ではそういうところはもう見放すという方針のように見えるわけです。零細な農家であっても、こういう制度ができたそうだから何とか自分たちもやっていけるようになるんじゃなかろうかという期待もあるようです。しかし、そういうところが今度の制度で救われるというような面は全くないように思うんですが、これはそういうふうに割り切って理解した方がいいんですか。

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 地域なり経営によって必ずしも一律には申せませんけれども、いま御指摘のございました五、六頭層というのは、これは平均より上でございますので、これらの層は、規模が専業とまではいかなくても結構でございますから、さらに頭数規模をふやしていくというようなことは奨励をし、助成をしていくということが必要ではないかと思います。  それから、また、一部の地域におきましては、先ほどちょっと触れましたような老人対策的な意味も含めまして、一、二頭なり二、三頭飼いというものも存続をしていくということに対しましては、今年度から若干の助成の面も出しておるわけでございますので、そういうものもあわせて維持していくということも必要だというふうに考えております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山小委員 この制度は現実に運用されないのが理想だという説明もありましたが、それで本当に生産費が償うような、私たちの立場から言えば都市勤労者並みの労働報酬が補償されるというようなことになれば結構ですが、現実にそうでないから、飼育戸数が減っているだけではなくて、飼育頭数までが伸び悩んでいるという状態になっているわけです。そのためには、価格をもっと操作によって云々というのじゃなくて、再生産ができないような場合にはもっと積極的に介入していくということが必要だと思うのですが、飼育戸数が減少するという面だけではなくて、飼育頭数を計画どおりふやすという点から見ると、これはどういう作用が出てくると見ておりますか。

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 私どもといたしましては、六十年の五十万八千トンというものを一応目標に置いておりますので、これは年次計画で毎年幾らというところまでは策定をいたしておりませんが、長期の目標として、これを政策の目標として、それに到達するように努力をしなければならない。そのためにはこの価格制度を適正に運用していく必要がある。したがって、今回試算で出しております価格は、そのような意味での再生産を確保し、ふやしていくということのために必要な水準ではないかというようにわれわれは考えております。したがって、また、いまの基準価格以下には下がらないようにできるだけ事業をやるということも申し上げたわけでございますが、六十年の目標を達成いたしますのは、この価格安定制度の適正な運用とあわせまして、生産技術、経営、えさ対策というものももちろん必要でございますので、この価格政策だけでやるということではございませんけれども、その一環として、やはり適正に運用していく必要があるというように考えておるわけでございます。  いずれにいたしましても、これはやってみまして、この価格では再生産ができないとか、あるいは増頭が思わしく進まないということがわかりますれば、生産対策を一層強化することとあわせて、価格水準についてももう少し上げるべきだというようなことになる場合もあり得ると思いますが、私どもといたしましては、現段階におきましては、この程度の水準によりまして、他の施策とあわせて着実に努力を積み重ねていけば、六十年の目標に順次到達することが可能ではないかというような大筋の見通しを立てながらやっておるわけでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山小委員 確かに長期の目標が決められているわけですが、それでも一年一年この目標に到達するという実績が積み上げられていなければ長期の目標というものは達成されないわけです。そして、現在、たとえば牛一頭売り出すときに何十万円赤字が出るというような話がよくあるのですが、そういう実態といいますか、引き合わないから飼育頭数がふえないとか、何とか続けたいと思うけれども引き合わないから続けることができずにたくさんの農家が牛から手を引いていっているとか、そういうような事実の認識が、私たちと農林省と大分隔たりがあるように思うのですが、現在の価格がそういう危機的な状態になっているというふうな認識はないんですか。

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 私どもといたしましては、価格自体は、過去の実績等から見まして現水準が必ずしも低いとは思っておりません。ただ、コストの面から見ますと、先ほども御説明しましたように、素畜費というものが圧倒的に高く、大きなウエートを占めておるわけでございまして、五〇%を上回るわけでございます。さらに、次に、えさの経費がコストの中で大きいということでございます。  現在必ずしも経営的に十分でないと申しましたのは、現在出荷されております肥育成畜は、これは子牛の非常に高いものを入れているわけでございます。昨年もそうでございました。四十八年は非常に高い牛肉価格が実現しましたために子牛価格も非常に暴騰いたしました。その暴騰した子牛を入れて肥育を始めて、これがいま出てくるという経営につきましては、現在の乳雄で言いますれば、キログラム当たり千百円前後という水準でもなお採算点には達しないということはございますけれども、この一年を見ますと、昨年子牛価格がかなり下がりましたこともございまして、安いときに入れた子牛がだんだん出てくるようになります。そういうことを考えますと、年間を通じてみまして、今回試算をいたしておりますような価格で再生産が可能ではないかどいうように見ておるわけでございまして、価格水準とコストと、特にその中での素畜費どの相関関係によって採算が決まるわけでございます。  われわれが試算をいたしておりますのは、高いときのものを素畜費として算入しておるわけではございませんで、先ほど言いましたような標準的な素畜費を入れて計算をしておりますし、五十年度に関する限り、今後出てくるものは比較的それに近い素畜を入れたものが出荷されてくるという点からいたしますれば、再生産ができないというような、採算割れになるというような価格水準では決してないというふうに考えております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山小委員 輸入の問題が出ているのですが、農林大臣と畜産局長がオーストラリアに行かれるそうですが、これは牛肉の輸入の話し合いというのが主たるテーマですか。

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 今回は日豪の閣僚委員会ということでございますので、農業問題だけではなしに、通産あるいは大蔵、外務、それぞれの問題の中の一つとして農業問題も取り上げられるわけでございます。農業問題の中では、いま一番問題となっておりますのは牛肉問題である、特に、豪州側が一番関心を示しておるものは牛肉問題であるということは、そのとおりでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山小委員 牛肉の輸入については、言うまでもなく、日本じゅうの畜産農民が非常に神経をとがらして関心を寄せているわけです。いよいよ出発が間近なようですが、全く腹案なしにぶっつけ本番で話してくるのではないと思いますが、どういう構想で話に行かれるのか、お聞かせ願いたいと思います。

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 これは政治的に見ましても非常にむずかしい問題でございますので、私の段階できょうお答えするだけの用意がございませんけれども、これは、まず、この価格安定制度ができ、この価格が幾らに決まるか、これはまだ私どもはいま試算をお示しをしておるわけでございますので、最終的に幾らに決めるかということが輸入の時期なり数量を決める一つのファクターになろうかと思います。  私どもといたしましては、今年の需給見通しをいたしますれば、年度内に一切輸入せずに需要を賄うということは非常にむずかしい、困難である、いずれの時期かに適正な輸入量を入れざるを得ないというように考えておりますが、その適正と申しますのは、決まるべき価格安定制度と矛盾のないような輸入数量を決めるという意味での適正な輸入枠を決めて行わざるを得ないと思っておりますが、その時期がいつであるか、最初どの程度の輸入量にするか、年間どの程度の輸入量にするかということはなお慎重に検討を要する問題だと思います。  その場合の一つの考慮すべき点といたしましては、決定さるべき安定価格水準の問題とあわせて、現在畜産振興事業団なり生産者団体がなお調整保管を牛肉について行っているものが残っておるというような点も考慮して時期なり数量なりを決めるべきではないかというふうには考えますけれども、これは今後慎重に態度を決めるべき問題だと思います。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山小委員 今年度にオーストラリアから牛肉は輸入するが、いつどれだけ輸入するかということはまだ明言できない、と、趣旨はこういうことですね。そして、それは今度決められる価格と関係があるということも言われているわけですが、それはどういう意味ですか。新聞でもいろいろとそういうことがいま書かれているようですが、いま問題になっている価格と輸入との関係はどうなっていますか。

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 安定帯価格の中に市場の実勢価格をおさめていくという場合、われわれは、理想といたしましては、中心価格になるべく収敵するようにということで需給操作をやるわけでございますが、価格安定帯の決め方によりまして、中心価格も、高いところに決められるか安いところに決められるかによりまして、必要輸入量あるいは輸入の時期等については当然に影響が出てくるわけでございまして、極端なことを言いますと、一例を申し上げれば、非常に高いところに決めれば余り急ぐ必要はないというようにももちろんなるわけでございますので、その辺、どのような価格が最終的に決められるかによって、輸入の具体的な実施の時期、数量を決定すべきものだというふうに考えております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山小委員 価格が決まって輸入の量とか時期を決めるのじゃなくて、その逆に、輸入を念頭に置いて政治的に価格を決めるというようなことはないのですか。

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 わが国の牛肉の再生産を確保していくためには、そのような判断ではなくして、わが国の牛肉の生産を順調に伸ばしていくためにはどのような価格水準を今年決めたらいいかということを展望しながら、今年の需給の具体的な見通しに基づきまして安定帯価格の中におさめていくためには、いつごろ供給量が国内で不足してくるかということを見通しながら決定すべきものだと思っております。     〔小委員長退席、芳賀小委員長代理着席〕

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山小委員 私たちは、わが国の食糧の自給率を高めるべきだ、畜産も同様だという主張をしています。しかし、それは、どんな場合でも外国から持ってくるなというような極端なことを言っているのじゃないのです。ただ、現在、国内で飼育頭数も伸び悩んでおるし、飼育戸数も減っておるというような状況である。つまり、日本の畜産農民が危機的な状況に置かれている。そういう中でいろいろな説明がされているのですが、恐らく、主として外国側の強い要請によって牛肉を輸入してくるということだろうと思うのですが、本当に国内の必要性から輸入を問題にするのですか。そうじゃなくて、いろいろな国際的な諸関係、とりわけ輸出側の強い要請によって輸入せざるを得ないというのじゃないんですか。

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 昨年の二月に輸入を一部とめましてから、豪州を初め輸出国からはかなり強い再開についての要請が昨年の春以来何回も繰り返し行われておるわけでございますけれども、私どもといたしましては、昨年中は、価格の推移あるいは消費の動向、肉牛経営の実態から見まして、輸入をするのはわが国の牛肉再生産を維持するために非常な支障になるということで再開を見合わせ続けてきたわけでございます。国際会議等におきましても何回もこの問題を取り上げられて、すでに一年近くなるわけでございますが、その間拒否し続けてきたということでございます。それによりまして、豪州初め生産国に対しては、率直に言いましてかなり迷惑をかけておる面はあると思います。  それから、現在は牛肉が世界的にだぶついておりますけれども、長期的に見ますれば、牛肉というのはその性格から言いましてどうしても不足ぎみでいくだろうということになりますと、将来とも相当量の牛肉を海外からの輸入に依存することによって需給を調整していく必要があるということから考えますと、やはり、輸出国との安定的な輸入ということを確保することが長期にわたって輸入を確保するために必要なことではないかというふうに思いますので、それらの諸情勢と短期、長期の問題も考えた上で今後の輸入の再開の時期なり数量を決定すべきものだというように考えております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山小委員 たとえばアメリカからオレンジ類とかいろいろな物を輸入する場合に、国内のミカンをつくっている農家を犠牲にするようなことは絶対にいたしませんということは、これは田中総理大臣のころもそうだったし、桜内農林大臣もそう言っておったし、歴代にわたって公式に政府が言っておった口ぶりではないかと思います。そして、これは牛肉の場合でも例外であってはならないと思うのですが、いまわが国の畜産が全体として大変な危機の状況にあるという中で、時期とか数量はまだ発表しないとしても、とにかく輸入するのだということはきわめて重大だと思うのです。そして、これが近く具体的に話されるということは実に重大な問題だし、同時に、新聞でもちらほら出ているように、これがこの制度、この価格と結びつけて提起されているというところにもう一つの問題を私は感じます。  そこで、さらにこの問題に入りますが、きょう全国農民総連盟の要請書をいただきました。その中に、「価格低落時のいちぢるしい場合、中物以外の規格のものおよび乳用雌牛、乳廃牛等も買い上げを行なうこと。」という要請がありますが、適用範囲をもっと広げるべきではないか、そうでなければ適用以外の規格品について買いたたきも行われるのではないかということを私たちはかねてから主張してきたのですが、この要請に対してはどう考えられますか。

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 昨日の審議会におきましても、一部の生産者側委員から同じような御意見が出されております。これにつきましては、本委員会におきましても私どもからお答えをしておる点もございますが、たとえて申し上げれば、いわゆる乳廃牛等につきましては強い御意見もございましたので、当面は初年度からは対象にはまだ取り上げておりませんけれども、間接的な価格安定効果が及ばない、それが買いたたかれるというような事態が生じますれば、われわれといたしましては、追加をいたしまして対象に加えていきたいというように考えますし、なお、中物以外に並み物も対象にしろという意見も、やや少数でございますけれども出ておりますけれども、これにつきましても、私どもは、代表的な規格であります中規格のものを買い入れ、売り渡しの対象にすることによりまして、並みにつきましても、上につきましても、間接的に価格が安定されるという期待をいたしておるわけでございます。  これはそれが事志と違うということになればまた改めて検討しなければいけないというように考えますけれども、昨日の審議会におきましても一部の委員からそういう意見がございましたけれども、全体としては特にその点についていま直ちに追加をすべきだというほどの御意見は出ていなかったように思いますので、われわれとしては、われわれの考えておりますような方向でとりあえずスタートを切りまして、今後の実態の推移を見まして、必要ならば検討を加え、実施をしていくということにしたいと思っております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山小委員 これは非常に広範な人たちからの要求でもありますし、ぜひ要求に耳を傾けていただきたいと同時に、買いたたきというような実態が果たしてあらわれないのかどうかというような点にも配慮を求めたいと思います。  なお、規格の判定の仕方が実に前近代的であるといいますか、勘と経験でやられているという話を聞きますけれども、専門家によれば、そういう勘と経験だけではなくて、たとえばロースの太さがどうだとか、脂肪の乗りぐあいがどうだとか、歩どまりがどうだとか、第三者でも納得できるような格づけの判定方法があるはずだという要求が出されているそうですが、これはどうなんでしょうか。

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 商品の性格上、機械的な判定はなかなかしにくい面がございますので、脂肪の交雑のぐあいとか、色沢とか、そういうようないろいろな感覚的な方法によりまして規格の格づけをやっておるわけでございます。これは格付員の目をならすというようなことによりまして絶えず技術の研修はしておるつもりでございますけれども、それらの技術の向上については今後一層強化する必要があると思いますし、また、中立的な公正な検査をやるという姿勢が必要になるわけでございます。  この点につきましては本委員会でもすでにお答えしたところでございますけれども、日本食肉格付協会というものが二月一日にできまして、従来の日本食肉協議会から独立をいたしました。日本食肉協議会といいますのは、どちらかといいますと流通業者寄りの団体でございますので、その辺完全に中立、独立の立場で格づけをやるには分離をした方がいいというような考え方から新たな組織ができたのでありますが、そのようなことによりましてできるだけ客観的、公正な格づけをするようにしたいと思っております。  また、きのうの審議会でも意見が出ておりましたけれども、現在の規格自体が、最近の消費者の需要からすれば必ずしも適当でない面があるのではないかという指摘がありました。たとえば霜降りといいますか、脂肪の交雑を非常に重視しておるけれども、これは古い食習慣と言えば確かにそうであるけれども、最近は赤肉をかなり好むように嗜好も変わってきておるので、そういう意味では、乳雄等につきましては、和牛とは違った規格を同じ中物であっても決めるべきではないかという——現在は一本の規格になっておりますが、そういう点についての問題も指摘されております。  これは前から関係者の間では問題となっておりまして、検討したことがあるわけでございますが、まだ結論を出すに至っておりませんけれども、これらの問題も、需要の推移、消費の好みの変化等もよくにらみながら、引き続き検討をしていくべきだというふうに考えております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山小委員 指定食肉の中に牛肉を加えるということは本当に切実な農民の要求であったし、私たちの党も、その農民の要求にこたえて、やはり制度化すべきだということを主張してきたわけですが、これが果たして農民の期待にこたえるような役割りを果たせるのかどうか、そしてこれが本当に日本の畜産を守る防波堤の役割りを果たすし、同時にまた消費者の価格についてもいい影響を及ぼすのかどうかというような点はみんな非常に注目をしているわけです。この数日間ほとんどの新聞がこの問題を取り上げて報道しているということは、農産物の価格としては異常なくらいの現象ではなかろうかと思って私は読みました。それだけに期待も大きいわけですが、農林省の姿勢として、果たしてこれがうまくいくのだろうかという疑問を私は感ぜざるを得ません。  強い農民の要求に従って始まった制度だし、この制度が効果的に運用されていくことを最近の新聞報道を見ても世論が期待しているということを十分念頭に置きながら、制度の発足にふさわしいりっぱな運用をしていただくということを希望して質問を終わります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員長代理 瀬野栄次郎君。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野小委員 農林省は、二十一日に、農林省分庁舎で畜産振興審議会食肉部会を開き、新たに指定食肉となった牛肉安定価格の政府試算価格を諮問したわけでありますが、今回新たに畜安法が通りまして、今後、将来の日本における畜産の自給率を上げるためにも重要な価格を決定する最初の段階であるということで、本日の小委員会でもこのことを重要視してわれわれも政府の見解をただすわけであります。  まず、最初に、先日、五十年度指定食肉についての諮問に対して片柳畜産振興審議会会長の答申が出ておりますけれども、この答申をどういうように受けとめ、今後この答申に従ってどういうように実行していく決意であるか、畜産局長からその点を冒頭に明らかにしていただきたいと思います。

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 先ほど御説明しましたように、昨日出ました答申の趣旨にのっとって今回の価格を決定し、また、附帯決議の内容を順次実行に移していくことがわれわれの責務であるというふうに考えております。  そこで、本文の「記」にございますような答申をいただいたわけでございますが、私どもの受けとめ方といたしましては、われわれもそうでしたけれども、何分初めての制度であり、しかも、資料的には、豚肉だとか牛乳等に比べましてどうしても未整備な面が残されておるということのために、どのような算定方式を用い、どのような価格決定をしたらいいかということについては非常にむずかしいというような感じを委員皆さん方が持たれておって、その意味では明確な御判断がなかなかしにくかったというふうに思います。しかし、全体の空気といたしましては、今回の政府試算でやってみるのはやむを得ないのではないか、あるいは妥当ではないかというような御意見が大勢ではなかったかというように考えております。もちろん、生産者の一部の方からは強く引き上げの御要求もございましたし、さらに一部消費者あるいは流通関係の方々からは、中心価格、特に上位価格については高過ぎるのではないかというような御発言がかなり見られました。しかし、全体としてはいまのような空気でございましたので、われわれといたしましてはそのような御答申の趣旨に即して最終的に価格を決定したいと思いますが、今後とも試行錯誤を繰り返しながら漸次いい算定方式を固めていき、また、それに即した適正な価格を決めまして、それによって再生産を確保していき、六十年目標に生産がいくように、生産流通対策等と相まって価格対策を円滑に実施していくということに最大の努力をしたいというふうに思います。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野小委員 今回の食肉部会の答申の中でさらに六項目の附帯決議が付されております。この六項目についても先ほど懇談のときに一応お伺いしましたが、政府の方ではこれをどう受けとめられておるか、そして、また、この六項目については重要な内容が盛られておりますから、今後この問題についてはどういうふうに実行をしていく決意であるか、きちっと記録にもとどめておきたいので、局長の考え方を述べていただきたいと思います。     〔芳賀小委員長代理退席、小委員長着席〕

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 まず、六項目の附帯決議のうち、第一項の資料の整備につきましては、これは当然のことでございますので、農林省を挙げて、特に統計情報部の御協力も得ながら、生産費調査その他の基礎資料を早急に整備をしてまいりたいというふうに思っております。すでに五十年度から生産費調査等については拡充を進めることになっておりますので、予算の実行に当たってはそのようなことをお願いしたいというふうに思っております。  さらに、価格算定の方法につきましては、先ほど申し上げたとおり、初めてのことであり、資料も未整備であるため、十分だとは必ずしも言えない面が残ると思いますので、われわれといたしましては、資料の整備を待ちながら、順次適正な算定方式を固めていくということには努力をしたいと思います。今回はこれでやったから来年はそのとおりでいいんだというような安易な考えではなしに、制度の運用の実態も今後見ながら、検討は続けてまいりたいというふうに考えております。  二番目の、肉用牛経営の合理化を図るための素畜の生産及び価格の安定対策については、審議会におきまして各委員から一致して出された意見でございますので、われわれといたしましては、枝肉の価格安定だけではなくして、そのもとになる子牛の肥育素畜の生産を伸ばし、そのために必要な価格の安定措置を強化するということについては特段の努力を今後したいというように考えております。  なお、飼料基盤の整備拡充については、これは何回も御指摘を受けていますけれども、当然のことでございますので、国有林野の活用その他民有林も含めまして、林野の畜産的利用、下草、野草の利用ということが肉用牛経営については大事でございますので、そのような施策は今後重点的に進めたいというふうに思っております。  三番目の輸入牛肉の取り扱いにつきましては、国会において修正が行われまして、一元的機能を十分に発揮するよう措置するということになりましたので、その趣旨を体しまして、価格の不安定なとき等におきましては輸入肉の事業団一元的取り扱いということを励行する、通常時は大半を扱うということによりまして、需給調整を弾力的に行うということには最大の努力を続けたいと思っております。  四番目の資質の改良と繁殖経営の安定を図ることにつきましては、これは2とも関連いたしますが、当然のことでございます。改良という、じみではございますが最も基礎的な技術でございますので、これは引き続き重点を置いていきたいと思っております。  次に、流通の改善合理化、そのための市場及び屠場の整備、卸、小売を通ずる規格取引の確立につきましては、これは各方面から本委員会においてもしばしば御指摘を受けているところでございますが、その中で食肉、なかんずく牛肉については一番問題があるというふうにわれわれも考えておりますので、市場なり屠場の整備、あるいは規格取引が小売段階まで行われるような小売価格の設定、こういうことについてもすでに具体的に研究を始めておりますので、それらを一層ピッチを上げまして、方針を早急に固めて、固まったところから実行に移していくというふうにいたしたいと思っております。  六番目の項目は、これは乳価、豚価ともに同じように書かれておることでございますけれども、経済変動が非常に予測しがたいということが現状でございますので、著しい変動が起こりました場合には速やかに審議会を開催いたしまして、改正すべきか否かということの検討をしていただき、必要な場合には改定をするということに努めたいというふうに考えております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野小委員 なお、今回の審議会で委員からいろいろ意見が開陳されて審議が進められたわけですが、その審議の過程で主な問題点のあった点をこの機会に局長から述べておいていただきたいと思います。

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 昨日の審議会においていろいろ議論が出ましたけれども、主なものを御報告いたしたいと思います。  まず、牛肉の安定価格につきましては、初めてのことであり、資料の未整備ということもございますので、適当かどうかという判断がなかなかむずかしいということでございましたけれども、政府の試算につきましては、おおむね妥当であるとか、あるいはやむを得ないという意見が大多数であったように思います。ただ、生産者の代表委員の方の一部からは、政府試算額では不十分であるのでそれを引き上げるべきであるという御主張が強く行われました。それから、また、半面、試算程度でやむを得ないとはいいながら、やはり少し高過ぎるのではないか、特に上位価格、その前提となります中心価格は特に高過ぎるのではないかという点について、消費の減退を招くおそれがありはしないかという点で懸念を表明された方々がかなりございました。しかしながら、なかなか判断しにくい面もございまして、これでスタートするのはやむを得ないだろうという意見がこれらの方々の最終的な御意見であったというふうに思います。  それから、算定方式あるいは算定の要素につきましても、政府の示しております方式でおおむね妥当だ、やむを得ないということでございますが、今後ともより適切な方式とするべく検討を進めるということでありました。先ほど申しましたように、試行錯誤をしながら、運営の実態を見ながら、必要ならば方式を改めるということにやぶさかであってはならない、そういう研究を今後とも続けるべきである、と、こういう御意見が多く出されました。それから、その前提といたしまして、基礎資料の整備、拡充は当然早急に図れという御意見もあったわけでございます。  輸入に当たりましては、長期的な観点に立って安定確保に努める必要がある、長期契約等も行うべきであるというような御意見が数人の方から出されております。また、このような安定価格ができ、価格安定制度が発足したならば、できるだけ早い機会に輸入の再開を検討すべきであるという御意見も、消費者あるいは流通関係の方々を中心にいたしましてかなり出されております。反面、生産者側の委員からは、将来とも輸入は一切すべきではないとまでは言わないけれども、当面輸入を再開することについては慎重を期すべきであるという慎重論も出されております。なお、いずれにいたしましても、輸入を再開いたしますような場合には、事業団の一元的な取り扱いという修正の趣旨を十分体して行うべきであるという意見が出されております。  子牛の供給価格の安定対策につきましては、これが牛肉生産のもとになるものでありますから、これは別途生産対策を、現在ございます価格安定対策を強化するということを重点的に行えということが一致した意見でございます。  それから、格づけ体制が十分でないので、格づけ体制を整備すると同時に、規格につきましても、現在の規格で果たして適当かどうかということはよく検討すべき余地が残っておるという御指摘がございました。  それから、長期的な見通しに基づいて飼料基盤の整備を図りながら生産の増加を図っていくためには、国有林を初めとする林野の畜産的な利用を今後進める必要が肉用牛の場合には特にあるという点から、そのような施策を早急に進めるべきであるという御意見がございました。  また、一部の意見といたしまして、事業団は価格の安定を図るためには常時一定のストックを持つべきである、それによって需給調整を円滑にやるようにすべきである——まあ、ストックを持てば経費はかかるわけでございますけれども、ストックを持つべきであるという意見が出されておりました。  それから、輸入牛肉の事業団売り渡し等によります差益金が出るわけでございますが、これは国内牛肉の生産の振興に使うことは結構であるけれども、あわせて流通の改善、消費の拡大のための施策にも使うべきではないかという御意見がございました。  また、申し落としましたが、輸入に関連いたしまして、昨年の輸入の一部停止措置は国内対策上やむを得なかった面はあるにしろ、長期にわたって輸出国に対して相当な悪影響を及ぼしておることは否定できない、国際協力の面から言いましても、あるいは長期的に輸入をしなければならないというためには、わが国としても安定輸入を図るというためには、輸出国の安定輸出も考えてやらなければいけないという点からしますと、その点について、今後そういうことのないように十分配慮して、需給見通し、輸入の実施を行うべきであるという御意見が出されておりました。  さらに、生産者からは、六十年の長期見通しに基づく牛肉生産が果たして達成可能であるか、特に生産対策、飼料対策の面では並み大低のことではむずかしいのではないか、その一環として、価格対策についても、それらのこととの関連も十分配慮して引き上げるべきである、と、こういうようなことを発言されておったわけでございます。  なお、価格の水準をどの程度にするかということの一つのめどといたしまして、豚肉の価格との関係と無関係に決めるべきではないし、あるいは、いままでの実勢と余り乖離したような高いところまたは低いところに決めるべきではないので、豚肉と牛肉の価格比というものは、米と麦の価格比のようなものがおのずからあるはずだから、それを尊重しながら決める必要があるのではないか、と、こういうような御意見もかなりございました。  以上でございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野小委員 去勢和牛は、一キロ当たり、中規格で安定基準価格が千百四十三円、安定上位価格が千五百十八円、乳雄等その他の去勢については、安定基準価格が九百三十円、安定上位価格が千二百三十六円、こういうふうに政府は諮問しておられますけれども、これらは農協の要求に比べますと、和牛中物で百九十六円、一四・六%低いし、乳雄で二百十円、一八・四%もそれより下回っております。  御承知のように、現在の牛肉の価格から見ますと、キロ当たり牛肉は千二百円以上ないと採算がとれない、収支が償わない、赤字経営で畜産農家は壊滅になるというのが常識になっております。こういう点から見ますと、今回のこの諮問はまことに低過ぎる、特に、乳雄等の九百三十円の安定基準価格等は問題にならぬ、かように私は思うわけです。  農協要求の価格等も局長は陳情を受けられ、十分検討されたと思うが、農協要求価格と皆さんが諮問された価格とかなりの差があるということについてはどういうように検討されたか、その点を明快にお答えいただきたい。

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 生産者団体から出されておりますものは、全中関係から出されておりますものと、肉用牛協会から出されておりますものと、各県の協議会から出されておりますものと、三つが要求としてかねがね出されておったわけでございます。  そこで、お尋ねの全中関係の要求といたしましては、中心価格におきましては、和牛肉が一千五百四十円、乳雄が一千三百十円、基準価格におきましては、和牛が一千三百三十九円、乳雄が一千百四十円という数字が出ております。なお、この場合の開き方は、vは一三%を使っております。なお、上位価格につきましては要求が出ておりません。なお、肉用牛協会はそれよりやや低目でございまして、中心価格が一千五百円、乳雄が一千二百円ということでございます。これは中心価格だけ要求が出されておりまして、基準価格、上位価格は出されておりません。なお、十七県の協議会の方は基準価格だけ出されておりまして、和牛は一千三百五十円、乳雄は一千五十円ということになっております。  これらを見ますと、特に、全中の場合はいわゆる生産費所得補償方式によります算定をいたしておりますために、われわれとは算定方式に著しい差がございますためにこういう高い数字が出ておるかと思います。肉用牛協会は生産費方式という方式を使っておられるようでございます。感じといたしましては、基準価格を出されておるものも、あるいは出されておらないものもございますが、出されておらない肉用牛協会等につきましては、一三%から一五%というようなものを仮に置いて、入れかえてみますと、全中の方は大体二百円がらみ高い、その他の協会は百円ぐらい私どもが考えておるものよりは高いという数字になっております。  われわれといたしましては、これらのお考えもそれなりにわからぬではないわけでございますけれども、現在の、今回成立いたしました法律によります畜産振興事業団の買い入れ、売り渡しによりまして安定価格帯の中に異常な変動をおさめるという趣旨での安定制度のたてまえからいたしますと、市況の実勢というものから著しく乖離するわけにはいかないのではないかというふうな考え方に基づきまして生産費パリティ方式というものを使っておるわけでございます。その点、われわれといたしましては、この方式によりまして再生産が維持できるというふうに考えておりますけれども、今後運用の実態を見て、必要がありますれば別途の算定方式も研究する必要があろうかということで、繰り返し申し上げておりますような試行錯誤を繰り返しながら、資料の整備と相まって恒久的な算定方式を固めていきたいというふうに思っております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野小委員 今回の諮問で特に特徴となっておるのが算定方式でありますが、政府はいわゆる実勢方式をとっておるわけでございますけれども、われわれは生産費及び所得補償方式をとれということは従来から主張してきております。これは今後も十分検討してもらうとして、今回の特徴の中に、需給調整係数というものが、豚の場合は従来一・〇二であったのが現在は一・〇一という係数になっております。今回牛肉についてはこれが全然認められていない。いわゆる需給調整係数がないわけでございます。このプラスアルファについては当然これは設けるべきである。聞くところによると、今回は政治加算等かなり厳しいということも言われておりまして、どういうふうなことになるのか、いずれにしても今夜はっきりするわけでございますが、そのために、今夜政府が決定する前にわれわれはこの委員会を通じて皆さんにいろいろと注文をつけ、また、指摘をして、農家の再生産に見合う決定をしていただくということで申し上げておるわけであります。  いずれにしても、豚の場合は国内自給ということで、ほぼ自給していくということもございまして、需給調整係数というものが一・〇一ということでいろいろ調整されておる。一応これは了とするわけでありますが、牛の場合は、二割前後の輸入ということも必要に応じては考えられるということもあるわけで、すなわち安定輸入ということも時と場合によっては考えられるということからいろいろと検討されておると思うのですが、それはともかく、自給率を上げていくためには需給調整係数というものを入れなければ自給率は上がっていかないと思う。食糧自給は大変である。特に、海洋法会議の関係で、動物性たん白質については、水産資源が厳しい情勢にある。また、国内の畜産も飼料の暴騰によって大変厳しい情勢下にある。こういうさなかに今後国内における自給率を上げていくということは当然考えられる。こういったことから考えてまいりますと、牛の場合は、豚に比べて、計算をすると、私の試算では需給調整係数は一・二になる計算になります。そうすれば、二百円ぐらい上がるという試算になるわけですが、こういうことを考えましたときに、なぜこれを牛の場合は除いたか。いろいろ資料がそろわぬとおっしゃるけれども、畜産が危機だと言われてからもう数年たっている。統計情報部の方でもこういうことについては国民のために当然真剣に調査をしてきていることは事実でございます。また、当局もこういうことは検討してきているのが当然でありまして、こういうことが考えられぬということはどうも納得できないわけです。  その点について当局はどういうふうに国民の前にこれを答弁されるのか、明らかにしていただきたい。

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 需給調整係数は豚肉の場合は使っておるわけでございますが、これも毎年一・〇一を使うとか一・〇二を使うということではなくして、その年々の単年度の需給見通しをやりまして、供給不足のときには一以上を使い、供給過剰のときには一以下を使うということが理論的でございますけれども、それを一にとどめておるというのが原則でございます。したがって、これはあくまでも単年度の需給を見て、需給調整をする必要があるかあるいは供給促進をする必要があるかという観点から決めておるわけでございまして、長期的に見て生産をふやす必要があるからこの係数を使うというものではないわけでございます。したがいまして、豚でありましても、生産は今後消費の伸びとともにふやしていく必要があるわけでございますけれども、だからといってこれは必ず一以上を毎年使うということではなくして、単年度の当該年度の需給を見ながら、必要な場合に一以上を使っていくということであるわけでございます。  そういう観点からいたしますと、牛肉の場合は、単年度の需給を推定いたしました場合、これは国内ではもちろん不定であります。これは構造的な不足と言っていいくらいでございます。したがって、今後長期的には生産をなおふやしていかなければいけないということは当然でございますけれども、単年度の需給という点から見ますと、牛肉というのは、海外から二割前後は通常の場合は輸入をして需給をバランスさせるというたてまえでおりますし、事実、海外からは輸入は可能でございますし、しかも価格は安い。豚肉の場合は海外からいつでも輸入できるというような貿易事情にない。あるいは価格も国内よりは輸入品の方が高いということもときどきあるわけでございます。そういう意味ではいつでも入れるというようなことが可能ではない。しかも、たてまえとしてといいますか、方針として自給を原則とするという観点からいたしますと、供給が国内で足らないときには需給関係から価格が上がるというのが経済原則でございますし、したがって、また、国内の供給を促進する必要もあるということからアルファを使っておるわけでございますが、牛肉の場合はいま言いましたような需給事情あるいは貿易事情にございますので、輸入をしようと思えばできるわけであり、恒久的には適正な輸入量を毎年やるということでございますので、当然輸入割り当ても適正に行い、供給量の不足を補っていく。その場合、事業団が大半を輸入するということによりまして、需要に見合った供給を確保しておるわけでございますので、国内の不足分というものは恒常的に輸入によって補っていく必要があり、かつ、それがうまくやれば可能であるという前提からいたしますと、絶えず一になってしまう。それを、輸入は意識的に減らしていくんだというようなことをやりますれば、それは政策判断ということになりますけれども、それは一定の係数から出てくる問題ではなくして、政策的にどうすべきかということで、ある意味ではいろいろな数字が出てくるわけでございます。これでなければならないという数字が一定の算定方式から出てくるわけではないということになるわけでございますので、なかなか使いにくいという面がございまして、今回は使わないことといたしたわけでございます。  副次的な理由といたしまして、豚肉の場合は、供給促進効果が不足の場合には、アルファを使うことによりまして当該年度中に出てくるわけでございますが、牛肉の場合は、価格を仮に一以上を使ったといたしましても、それの供給促進効果というものは当該年度中には発生せずして、二、三年後に出てくるというような性格を持っております。  それらの点から言いまして、豚肉の場合と牛肉の場合とは事情が違うという点からいたしますと、いろいろな考え方によって幾らでも数字をつくり得るような、恣意的と言うと語弊がありますけれども、不安定な数字を使うのは一定の算式に基づいて客観的にはじく場合には適当でないというような判断に立って用いておらないわけであります。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野小委員 時間の関係がありますのではしょって御質問しますが、さらに、五十年度の生産費の算定を豚肉と同じように推定生産費を使っているために、生産性向上メリットというものが吸い上げられてしまうということになると思うのですが、私は、五十年度の生産費というものは四十九年の生産費をもとに修正すべきじゃないかと思うわけです。本日の決定に当たっては十分配慮していただきたいと思うのですが、その点はどういうふうにお考えですか。

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 豚肉の場合にも、同じように五十年の生産費の各費目を推定する場合に、最近の傾向はふえるのと減るのと両方あるわけでございますが、それらの傾向を織り込んでおるわけで、その場合、減る方の数字を推定の中に織り込むということは、合理化メリットを全部吸収してしまうという意味で御異論が一部にあるということはわれわれも十分承知しておるわけでございます。豚肉の場合も、牛肉の場合も、同じように最近になって肥育が本格的に始まったということもあり——最近といいますか、昔から肥育というものは専門に行われたわけではなくして、肥育が行われ出してからまだ日が浅いということもございまして、経営技術の面におきまして今後改善すべき点がありますし、また、規模もいまのような零細なものではなくして拡大をしていくという必要もあるという点からいたしますと、相当合理化をしていかなければならない余地があるという点、それらを考えまして、最近の傾向値というものを将来に延ばして、実質で見まして経費が節減できるような面は節減できるというような見通しを将来に引き延ばしておるわけでございますが、しかし、これは、反面、合理化だけではなくして、最近の傾向としてはっきり見られるものはそのまま延ばしておるという場合、先ほども御説明をいたしましたけれども、牧草なり採草の経費等につきましては、最近自給飼料の増産ということでかなりふえておりますので、これらは従来以上に費目をふやしておるというようなこと、あるいは獣医手数料とか薬品費とかというようなものは最近非常に経費がかかっております。それらも最近の傾向を織り込んで、むしろふやす方向にしておる。あるいはえさの、政府操作飼料についてはことしから上げることにしておりますので、それは当然上げ要因として見込んで算定をしておるということでございますので、すべて合理化だけを見ておってふえる分は見ておらないということではなくして、優位に見られるものは傾向を伸ばしておるということでございます。  現在の肉牛の経営の実態からいたしますと、非常な変化が進んでおるときでございますので、そのような傾向を織り込むのが妥当ではないかと考えておるわけであります。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野小委員 時間がないので、あと、はしょって四点だけ聞いておきますので、簡潔にお答えいただきたい。  今回の、畜安法による最初の、牛肉を指定食肉として入れて価格を決定するということについては、今後、畜産農家のために一歩前進であることは間違いありませんが、いまいろいろ論議してまいりましたけれども、結局はこれらの対策によっても四分の一、二五%ぐらいしか救われないといいますか、この対象にならないというように私は思うわけですが、この対象になる牛肉は全出荷量のどのぐらいになるのかということが一つ。  それから、豚肉は上下一〇%、いわゆる安定上位価格、安定下位価格で一〇%の開きがあるのに対して、牛肉の方は上下一四・一%の開きがある。これも大変開き過ぎるわけでございます。これらを今度農林大臣がオーストラリアへ行くための一つのみやげに持っていくというようなことが言われて、畜産農家も大変心配しておる。そういったことから、この安定帯の幅の開き過ぎ、この辺も本日の決定に当たっては十分考慮していただきたい。これが第二点。  次に、先ほど、冒頭の質問に対してお答えがありました今回の答申の附帯決議六項目の六番目にも、「物価、飼料価格その他経済事情に著しい変動が生じた場合には、速やかに本審議会を開催し、安定価格を再検討すること。」ということが出ておるわけですが、今後の年度内改定措置といったことについても十分考慮していただきたい。といいますのも、最初の試みであり、最初のスタートが大事でありますし、今後、自給率を上げ、畜産農家が意欲を燃やすためにもこういったことを十分配慮していただきたい。それに対する政府の考えはどうか。  最後に、もう一点。畜安法の運用によるところの牛肉の卸価格の安定の効果というものが消費者価格に反映されるよう、小売価格の形成についても適正な措置を講ずるようにしていただきたい。  こういったことについて私は申し上げたいわけですが、それらの四つについて簡潔にお答えをいただきたいと思います。

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 第一点の二五%のシェアというのは、私どもでは、対象牛肉は大体二〇%ないし二五%のシェアを占めるというふうに見ております。他の牛肉については間接的な価格安定効果が波及するものと期待しておりますが、これは実施の実態を見ながらなお検討していきたいと思います。それから、一四・一%のvの開き過ぎという点につきましては、基準期間からこのような算定をいたしておりますが、これは今後実行をしながら検討してまいりたいと考えております。  なお、見直しにつきましては、豚価、乳価と同じように、経済事情に大きな変動がございました場合には、当然審議会を開催して検討していただきたいと思っております。  それから、小売価格に反映させるという点につきましては、この制度の運用とは別途に切り離しまして、流通機構の整備、小売りマージンの適正化あるいは規格取引というようなことを促進いたしまして、卸価格の動きが適正に小売価格に反映できるように施策を講じてまいりたいと思っております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野小委員 以上で質問を終わりますが、いま四項目については明快にお答えをいただいたので、一応了とします。特に、三番目の、畜産振興審議会を経済事情の変動によっては速やかに開くという附帯決議をつけておることについては、局長からも経済事情の変動に応じて審議会を開くという決意で臨むというお答えがございましたので、今日の価格決定に当たっては、本日の審議を十分参酌されて、再生産に見合う、農家が意欲を燃やす価格決定をされるように、そして、今後、価格については、経済事情の変動に即して速やかに審議会を開いて対処されることを強くお願いして、私の質問を終わります。

坂村吉正自由民主党

○坂村小委員長 速記をとめてください。     〔速記中止〕

坂村吉正自由民主党

○坂村小委員長 それでは、速記を始めて。  この際、牛肉の安定基準価格等に関する件について、小委員各位との協議に基づき、政府に対し次の申し入れを行いたいと存じますので、御了承願います。    牛肉の安定基準価格等に関する件(案)   政府は、牛肉の安定基準価格等の決定にあたり、畜産物の価格安定等に関する法律の改正に際しての審議経過並びにその附帯決議等の趣旨にてらし、左記事項の実現に万遺憾なきを期すべきである。       記  一、安定基準価格等の決定にあたっては、生産コスト並びに牛肉の需給事情等を適正におりこむとともに、家族労働費を適正に評価する等所得の確保に十分配意し、その再生産確保が図られる水準とすること。  二、物価その他経済事情に著しい変動が生じた   場合には、すみやかに安定基準価格等の年度   内改定措置を講ずること。  三、牛肉の輸入並びに輸入牛肉等の放出にあたっては、安定上位価格設定の趣旨に十分留意し、国内市況に悪影響を及ぼすことのないよう慎重な配慮のもとに行うこと。  四、牛肉の国内自給度の向上を図るため、価格制度の有効な運用と相挨って、飼料基盤の整備、素牛の生産及び価格の安定、肉用牛の改良増殖その他肉用牛の振興対策を積極的に講ずること。  五、牛肉の流通機構の合理化を図るための諸施策を強力に実施することとし、特に、畜安法の運用による牛肉の卸売価格の安定の効果が消費者価格に反映されるよう小売価格の形成について適正な措置を講ずること。  以上でございます。(「「右申し入れる」を言わないか」と呼ぶ者あり)

坂村吉正自由民主党

○坂村小委員長 ちょっと速記をとめて。     〔速記中止〕

坂村吉正自由民主党

○坂村小委員長 速記を始めて。  以上でございます。御了承いただきたいと思います。(「採決しなければだめじゃないか」と呼ぶ者あり)

坂村吉正自由民主党

○坂村小委員長 御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂村吉正自由民主党

○坂村小委員長 御異議なきものと認めます。  御了承いただきまして、どうもありがとうございました。  本日は、これにて散会いたします。     午後二時四十四分散会

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