農林水産委員会畜産問題に関する小委員会 第2号
- 発言数
- 104 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1975/03/28
会議録
○坂村小委員長 これより畜産問題に関する小委員会を開会いたします。 畜産問題に関する件について、調査を進めます。 この際、豚肉についての諮問及び答申、乳価についての諮問及び昭和四十九年牛乳、肥育牛、肥育豚の生産費について政府から説明を聴取いたします。高須審議官。
○高須政府委員 ただいま三番町におきまして畜産振興審議会の酪農部会が開催されておりまして、局長がそちらの方に参っておりまして終日離れられない現状でございますので、かわりまして私の方から御説明、御報告等を申し上げたいと思います。 まず、初めに、先日御説明申し上げました豚肉の指定食肉の安定価格の問題でございますが、これは、先般、上限価格六百二十円を六百六十七円三銭、それから、五百七円とありますのを五百四十五円七十五銭ということで畜産振興審議会の食肉部会に諮問いたしましたことは御説明申し上げたとおりでございます。その結果、二十六日、同日、答申を畜産振興審議会会長片柳真吉から農林大臣安倍晋太郎あてということでいただいておりますので、これを御披露申し上げたいと思います。「答申 昭和五十年三月十五日付け五〇畜A第九七〇号で諮問があった昭和五十年度の指定食肉たる豚肉の安定価格を定めるに当たり留意すべき事項については、下記のとおり答申する。なお、あわせて別紙のとおり決議する。」ということがございまして、まず、「記」といたしまして、「昭和五十年度の指定食肉たる豚肉の安定価格については、現行の安定価格水準を引き上げることはやむを得ないが、最近における肉豚及び素豚生産の動向、消費に与える影響を考慮し、慎重に決定されたい。」これが答申の内容でございます。 附帯決議といたしまして、「1 物価、飼料価格その他の経済事情に著しい変動が生じた場合には、すみやかに本審議会を開催し、安定価格を再検討すること。2 養豚経営の安定的発展を図るため、素豚の価格安定、改良増殖体制の整備等生産対策を一層強化すること。3 生畜及び豚肉の流通の改善合理化を一層強力に進めること。4現行の算定方式における算出の方法、豚肉に関する関税措置につき検討を加えること。」以上の点が附帯決議でございます。 これで豚肉に関連いたしましては終了させていただきます。 その次に、先ほど申しましたように本日酪農部会が開かれておるわけでございますが、この酪農部会におきましては、まず、畜産局長の説明要旨がございますが、これは最近の酪農事情を概略御説明することになっておるわけでございますが、その酪農事情はちょっと省略させていただきまして、時間の関係もございますので、加工原料乳の保証価格等の説明のところだけ私から申し上げます。 昭和五十年度の加工原料乳の保証価格等につきましては、事務当局において試算いたしましたものについての基本的な考え方を御説明申し上げます。 第一番に、まず、加工原料乳の保証価格の算定方式については、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の趣旨に即し、主要加工原料乳地帯における生乳の再生産を確保することを旨として、価格決定年次におけるこの地帯の生乳の推定生産費を基礎とすることは従来と同様でありますが、主要加工原料乳地帯につきましては、最近における市乳化の進展にかんがみ、従来の一道四県から市乳化率の高まった一県の山形県をはずし、一道三県といたしております。 この推定生産費の算出に当たりましては、一道三県の昭和四十九年度の生乳生産費を基礎とし、飼料価格の値下がりをも含めた最近における物価水準を加味するとともに、自家労働の評価方法といたしましては、飼育管理家族労働費につきまして、これら地域における製造業労賃を用いて推算いたしております。 また、昭和四十九年度において、肉価の変動の影響を緩和するよう乳牛償却費と副産物の子牛に係る算定方式を改めたところでありますが、昭和五十年度についても前年度と同様の算定方式を採用いたしております。 なお、飼料作物生産に係る家族労働費につきましては、昭和四十九年度保証価格の決定に際し、飼料作物の生産振興を図る観点から臨時的措置として製造業労賃と農業臨時雇い賃金との平均労賃を用いて推算する方式を採用したところでありますが、昭和五十年度につきましては、飼料作物生産の振興を図るための予算措置を大幅に拡充することとしておりますので昨年度のような方法は採用しておりません。 次に、安定指標価格についてでございますが、不足払い制度の安定的運用を図るため、乳製品の生産条件、需給事情等を考慮し、指定乳製品のうち二品目、バター、全脂加糖練乳については、現行の価格より引き上げることといたしております。 次に、基準取引価格につきましては、従来同様主要な乳製品の販売価格からその製造及び販売に要する費用を控除して算定する方式により若干の引き上げを行っております。 最後に、生産者補給交付金の対象となる加工原料乳の限度数量につきましては、従来同様、生産見込み数量から飲用向け乳量等を差し引いて特定乳製品に仕向けられる生乳量を算出し、これを限度数量といたしております。 これがこの保証価格等の算出の考え方でございます。 これに基づきまして、先生方のお手元に資料が行っておると思いますが、「昭和五十年度保証価格等説明資料」という長い資料がございます。もう一つの資料に「昭和五十年度保証価格等算定要領」というのがございますが、この「算定要領」の方よりはむしろ直接数字の説明の方に入らせていただきます。 「保証価格等説明資料」の一ページでございますが、まず「保証価格」の最初に算式が載っております。これは要するに保証価格を算定いたしますためには、一道三県における第二次生乳生産費と、それから租税公課諸負担、集送乳経費、販売手数料といったものを加えたものであります。 そこで、まず、第二次生乳生産費の「C」に当たりますものは一キログラム当たり七十二円六十九銭、租税が九十一銭、集送乳経費が二円八十四銭、販売手数料が九十四銭、したがいまして保証価格は七十七円三十八銭、一〇・五%のアップでございます。 次に、「安定指標価格」でございますが、これで変更いたしましたものはバターの安定指標価格九百九十九円、それから三番目の全練の八千十八円、この二つでございまして、これには大体四十八年二月ごろから五十年一月ごろの過去二カ年間の実勢価格を参考にいたしまして、さらに最近の数値で物価修正を行って安定指標価格を定めておるわけでございます。脱粉、脱練につきましては据え置いてございます。 それから、「基準取引価格」でございますが、この算出は、二ページにございますように、安定指標価格等から卸売業者のマージンその他利潤等を引きましたいわゆる支払い乳代、この支払い乳代を数量ウエート等で計算いたしまして、単位当たりの基準取引価格を計算いたしておるわけでございます。これで平均で申しますと、二ページの一番下の欄に出ております五十七円五十七銭が生乳一キログラム当たりの基準取引価格でございます。 それから、「限度数量」が三ページに載っております。これは下の方に数字がございますけれども、推定生乳生産量四百九十六万八千トン、一・九%アップということを見ております。それから、そのほかの推定飲用向け生乳処理量が三百八万方三千トン、二・八%のアップ、その他等が出ておりまして、限度数量は前年どおり百三十八万トンでございます。 それから、その後「説明参考資料」の中には細かい数字がいろいろ載っておりますが、四ページの「保証価格関係」で、これはすべて先ほどの説明にございましたように一道三県で計算いたしてございます。四十九年の生産費に物価修正係数を掛けまして五十年度推定生産費をそれぞれ算定いたしておるわけでございます。 これらの考え方といたしまして大事なのは、先ほども申しましたように、労働費につきまして、飼育管理労働については昨年のとおり、それから自給飼料の労働費については昨年の特別扱いはやめました。その他細かい点は後に出てまいりますので御説明を省略いたします。(芳賀小委員「四十九年度の最終的な保証価格の要素別のものを言ってください」と呼ぶ) これは、その次の方に一つずつずっと出ております。去年の数字をずっと読み上げましょうか。——恐れ入りますが、読んでまいりますのでよろしくお願いいたします。 飼育労働費の雇い入れ三十四円、それから家族千七百四十八円。それから流通飼料費が千六百六十七円。飼料作物費千五百六十六円。それから敷料費の稲わらでございますが、五十四円とあるのが四十円、その他が四十二円。種つけ料が百七円とありますのが九十一円。それから光熱水料・動力費が五十二円。獣医師料・医薬品費が八十三円。次の賃料料金が百四十九円。その次の乳牛償却費五百五十八円。建物費は、償却費の方が百三十三円、修繕費の方が二十七円。農具費の償却費の方が百十六円とあるのが百十二円、それから修繕費の方が二十九円。畜力費は四円で同じでございます。費用総合計六千三百三十五円。副産物価額が九百三十九円。第一次生産費が五千三百九十六円。地代二百七十六円。資本利子九百二十一円。第二次生産費合計六千五百九十三円。租税公課諸負担八十円。集送乳経費二百四十五円。販売手数料八十四円。保証価格七千二円。これが昨年の数字でございます。 それでは、四ページを過ぎまして五ページですが、ここには「過去五カ年間平均の飲用向け比率」の表が出ておりますが、これは省略いたします。 六ページの「飼育労働費の算出基礎」というところがございますが、ここは大切でございますから御説明申し上げます。 まず、飼育労働時間が三・七四時間。昨年は三・八〇時間でございました。それから評価単価でございますが、主要加工原料乳地域一道三県の製造業五人以上の規模の四十九年十一月から五十年一月の水準による一時間当たりの賃金が六百六円七十八銭、これは三二%のアップでございます。昨年は四百六十円一銭。したがいまして、三・七四時間に六百六円七十八銭を掛けますから、二千二百六十九円。 その次の「飼料作物費の算出基礎」でございますが、この中にも労働費が入っております。「飼料作物費の算出基礎」の一番上のところをごらんいただきますと、労働費四百二十円、物価修正いたしまして五百十一円、これは昨年の政府の原案と若干違っておりまして、農業臨時雇い賃金だけで評価いたしております。(芳賀小委員「日雇い労賃は幾ら」と呼ぶ)日雇い労賃の単価は三百八十六円六銭でございます。(芳賀小委員「時間は」と呼ぶ)一・二四時間でございます。(芳賀小委員「去年は」と呼ぶ)一・四一でございます。この飼料作物費、そこが一番のポイントでございます。 それから、「副産物価額の算出基礎」でございますが、六ページの一番下のところに載っておりまして、子牛の推定値六百五十八円。(芳賀小委員「これはちょっと説明してくれないとわからない、副産物の内容を。」と呼ぶ)昨年の数字を申し上げましょうか。−昨年の数字を申し上げます。 子牛の推定値の一番右の欄のところでございますが、六百五十八円に対応するのが七百三十五円、それから労働費雇い入れが七円。家族が二百二十一円。稲わらが五十四円とございますが、三十八円。その他が同じで四十円。小計三百六円。それから、総合計が千四十一円という数字がございます。 七ページのところの「子牛の評価」の算出が、これは昨年と同じ方法をとっております。これはよろしゅうございますか。(芳賀小委員「去年のを」と呼ぶ)去年の調査開始時の搾乳牛評価額が二十万七千四百六十五円。それから掛ける〇・八七三六とございますところが一・六五九六。その次の雄・雌平均が〇・一二〇五。その次の出生率は同じことで〇・九二。それから一頭当たりの搾乳量五・一九一。それで、結果、イコールが七百三十五円。 次に、七ページの「資本利子の算出基礎」でございますが、これは省略させていただきます。 それから、八ページの「主要加工原料乳における五十年度推定集送乳経費」も省略させていただきます。 それから、九ページ以降は「基準取引価格関係」でございますが、これはもし特に御質問があれば、また後ほど御説明申し上げますが、ここは全部省略させていただきます。 それから、十二ページ以下に「限度数量関係」が載っておりますが、これも同じでございますので省略させていただきます。 それから、十五ページはいろいろ細かい計数の説明表でございますが、これも御説明を省略させていただきます。 時間の関係がございますので、一応ここで説明を打ち切らせていただきたいと思いますが、後ほどまた御質問がございました場合には、詳細に御説明いたしたいと思います。(芳賀小委員「七ページの上段の一頭当たりの搾入量五千百七十七キロというのは実際の搾乳量ですか」と呼ぶ) これはいつもの方法と同じように三・二%に換算いたした数値でございます。(芳賀小委員「ここへ搾乳量と書いてある」と呼ぶ)書いてございますが、換算いたしてございます。(芳賀小委員「いや、書いてあるから、搾乳量は幾らなのか、これは四千八百何ぼなんですか」と呼ぶ) ただいまもとの数字を調べますので、ちょっとお待ちくださいませ。——もとの搾乳量四千六百二十九キログラムでございます。(芳賀小委員「これが本物でしょう」と呼ぶ)はい。これを三・二に換算してございます。 これで終わります。
○坂村小委員長 吉岡統計情報部長。
○吉岡説明員 それでは、お手元に、「四十九年の牛乳の生産費」と、それから「四十九年肥育豚生産費」、「四十九年肥育牛生産費」の三つの資料がお配りしてございますが、これについて私の方から概略御説明申し上げたいと思います。 まず、最初に、「牛乳生産費」の説明を申し上げたいと思いますが、第一表にございますように、生乳百キログラム当たりの第二次生産費は五千五百二十八円ということになっておりまして、前年に比べまして三五%の増ということで、これまでにない大幅な増加になっております。ただ、上にも書いてございますように、この生産費調査期間は昭和四十八年七月から昭和四十九年六月までの一年間の調査でございますので、その点は御留意をいただきたいと思います。 それから、3として書いてございますのは一日当たりの家族労働報酬で、これは八時間の時間に換算してございますが、要するに粗収入から経費等を差し引きました家族労働一日当たりの労働報酬ということになるわけでございます。これは四千十五円ということでございまして、前年に比べまして〇.四%の増ということでございますが、ほぼほほ前年度と同水準というふうにお考えをいただければよろしいのではないかというふうに思います。 開いていただきまして、二ページに主要な問題点が指摘をしてございますが、まず全国平均の生産費で、これはまとめてございますので御説明をいたしますと、やはりこのように生産費の上昇がございましたのは、上から三行目に書いてありますように、配分飼料の値上がりに伴う飼料費の増加、それから労賃の上昇によります労働費の増加というものが主な原因になるわけでございます。 イのところに書いてございますように、飼料費が費用の中で五六・三%という過半を占めておりまして、それに次ぎまして労働費が約二四%、それから乳牛の償却費が八%強ということで、これらの三費目の合計で八八・四%というウエートを占めるわけでございます。 そこで、まず、飼料費の中の一番ウエートの大きい流通飼料費でございますが、生乳百キログラム当たりの生産に必要としました流通飼料費が二千三百九十一円ということで、飼料費全体の約七二%を占めておりまして、これが先ほど申し上げましたように前年に比べまして三六・六%増加をして、非常に大幅な値上がりになっておるわけでございます。 それから、bに牧草・放牧・採草費というのがございますが、これも前年に比べまして一一・八%生乳百キログラム当たりで増加をいたしております。これはここに書いてございますように、牧草類の生産に要する費用が労賃の上昇などでふえたためであるということでございます。 それから、その次に大きい労働費でございますが、これは二行目の初めに書いてございますように、前年に比べまして二八・六%の増加ということになっておりまして、この理由といたしましては、労賃単価が上昇をしたということが大きな理由でございます。 参考までに申し上げますと、労賃単価は前年が一時間当たり二百四十一円でございましたが、これが三百二十三円ということになっておりまして、三四%の単価増という次第でございます。 それから、投下労働時間の方は、やはり多頭化等が進みまして減少を続けておりまして、四十九年の一頭当たりの飼育労働時間は二百二十四時間ということでございまして、前年に比べましてさらに五・一%の減少ということになっております。 それから、乳牛の償却費は二三%の増ということでございます。搾乳牛の価格が上昇したということの結果、このように償却費が上がるようになったわけでございます。 以上が平均で見ました生産費の特徴でございますが、あと、飼養頭数規模別に見まして若干注目すべき点を申し上げますと、アに書いてございますように、生乳百キログラム当たりの生産費で見まして、飼養頭数がふえるにつれまして生産費は下がる傾向になっておりますが、ただ、ことしの状況としまして、十五−十九頭階層を底にしまして、二十頭以上階層では流通飼料費等が割り高になってきましたために、逆に生産費がそれ以下の階層よりも若干上回るという傾向が出ております。 以上が飼養頭数規模別に見た生産費の特徴でございますが、あとの詳しい説明は省略させていただきます。 酪農経営の収益性ということで見ていただきますと、(1)に書いてございますように、一頭当たりで見まして前年を一四・六%粗収益はふえております。これは販売乳価が前年よりも上がったということがその結果として出ておるわけでございます。ただ、コストの方は先ほど申し上げましたようにふえておりますので、三番目に(3)と書いてございますように、所得で見てみますと四ページの冒頭に書いてございますように一頭当たり十四万四百六十三円ということでございまして、一頭当たりの所得は前年度とほぼ変わらなかったということでございます。 一日当たりの家族労働報酬については先ほど申し上げたところでございます。 以上が大体乳牛の生産費調査の注目すべき点であろうかと思いますが、八ページに、生乳百キログラム当たりの生産費が、乳脂肪三・二%に換算したもので出ておりますが、先ほど申し上げたようなことが詳細に出ておりますが、この点の説明は省略させていただきます。 十ページには搾乳牛一頭当たりの生産費というのがございます。十二ページ、十三ページには各費目のウエートが出ております。十四ページ、十五ページには生産費調査農家の一戸当たりの農業経営の概況でございますとか、搾乳牛の概況といったようなものが出ております。十六ページ、十七ページには作業別の労働時間等がございます。最後に、十八ページ、十九ページには収益性が挙がっております。 以下が昭和四十九年の牛乳生産費の概況でございます。 その次に、昭和四十九年肥育豚生産費でございますが、ごれも調査期間は乳牛の場合と一月ずれておりますが、四十八年七月から四十九年六月までの調査でございまして、養豚農家が子豚を導入いたしまして、これを肉豚に仕上げて販売するまでに必要であった費用を調べるということで調べたものでございます。 これでごらんをいただきますと、まず一ページ目の(1)に生体百キログラム当たりの生産費が出ておりますが、三万三百四十円ということでございまして、前年に比べまして一八%の増加で、これは過去の最近年次の中では従来にない高い増加率になっております。これも先ほど申し上げましたような配合飼料の値上がりが非常に影響を及ぼしておるということでございます。その結果、(2)に書いてございますように、一日当たりの家族労働報酬は二千三百十九円ということでございまして、対前年比五三・八%の減少ということになっております。これに近い対前年減少率を示しました年は、昭和四十五年の生産費調査の際に、前年に比べまして四五・六%一日当たりの労働報酬が下がったという時期がございますが、今回の四十九年の生産費ではそれを上回る減少率になっておるわけでございます。 あと、ポイントの点を若干申し上げますと、二ページの全国平均の生産費について、ただいま申し上げましたように、配合飼料の価格が大幅に値上がりしたために飼料費が非常に増加をいたしまして、これが四十九年の全国平均の生産費を押し上げる主因になったということでございます。 そうしまして、アの終わりの辺に書いてございますように、これまで、子豚の価格の騰落によりまして、肥育豚の生産費というのは非常に上がりましたりあるいは下がったりということを繰り返してきたわけでございますが、四十九年に百キログラム当たりで三万円台になったわけでございまして、昭和四十五年から四十八年ぐらいの間はいずれも二万二千円台から二万五千円台で推移をしておりましたけれども、今回初めて生産費が三万円台を超えたという結果になったわけでございます。 この費目の中で重要なものは素畜費と飼料費でございますが、イに書いてございますように、それぞれ四五%ずつ、両者合わせて九割ということでございまして、肥育豚の生産費は素畜費と飼料費によって左右されるということになっておるわけでございます。 まず、(ア)の素畜費は、子豚価格が前年に引き続いて高水準に推移したということがありまして、前年に比べて四・四%の増で、それから飼料費は、(イ)に書いてございますように、前年に比べて三八・七%という大幅な増加になりました。この飼料費の増加がこの費用全体の増加に対して八二%という大きな増加寄与率になったわけでございます。 それから、(ウ)の飼育労働費でございますが、これは豚の場合には非常にウエートが小そうございまして、費用全体の中で六・三%というウエートでございますが、これも前年に比べて八%の増加ということになっております。その中身と申しますと、飼育労働時間は前年に比べて一・四時間もさらに減少をしておりますけれども、労賃単価がそれを上回る上昇率を示しましたためにこのような増加になったわけでございます。ちなみに、一時間当たりの労賃単価は三百二十一円ということにこの生産費調査ではなりまして、前年に比べて三一%の単価増ということになっております。 あと、飼養頭数規模別の生産費の状況が書いてございますが、これは零細規模の一−四頭が特に高いほかは、五頭以上の階層では各階層ともほぼ同様でございまして、乳牛の場合と違いまして余り階層差が認められないという結果になっております。 あと、素畜費、飼料費飼育労働費等が飼養階層規模別にいろいろ書いてございますが、これは時間の関係もございますので説明を省略させていただきたいと思います。 最後に、四ページに肥育豚経営の収益性が出ておりますが、これは全国平均は先ほど申し上げたようなことでございますが、規模別に見ますと、(3)のところで見ていただきますように、一−四頭規模で千三十三円というのを一日当たりの家族労働報酬として得ておりますが、それを最低にいたしまして、規模別に上層に行くほど一日当たりの家族労働報酬は高いという結果が出ておりまして、やはり、経営規模の大きい階層の労働報酬が高いということになっておるわけでございます。 あと、六ページ以下、先ほど申し上げましたようなことがそれぞれ詳細な資料として出ておりますので、これはひとつごらんをいただきたいと思うわけでございます。 それから、最後に、昭和四十九年肥育牛生産費というのがございますが、これも四十八年八月から四十九年七月までの一年間の肥育牛の生産費を調査をしたものでございます。ただ、先ほど申し上げました乳用牛、肥育豚と違いまして、肉用牛の生産費調査につきましては、従来、経営改善あるいは生産対策の資料として使うということで、直接行政価格の算定の基礎資料にするという目的では必ずしもなかったわけでございますので、したがって標本戸数も少なく、いわば事例的な調査だというふうにお考えをいただきたいわけでございますが、そういう前提のもとで調査をいたしました結果としてここに掲げてあるわけでございます。 肥育牛生体の百キログラム当たりの生産費は七万円強ということでございまして、これもほかの畜種と同様に三四・一%の増ということでございまして、最近の増加率では最も高い増加率でございます。 一日当たりの家族労働報酬は約二%の減ということでございまして、ただ、一日当たりの労働報酬としては六千三百四十九円、これは先ほど申し上げましたように事例的調査ではございますが、家族の労働報酬としては非常に高い部類に属しております。 二ページ目にやや詳しく書いてございますが、このように生産費が上がりました理由としては、(1)の真ん中辺に書いてございますように、素畜費と飼料費の増加が著しかったということでございまして、これら両費目が生産費の中で非常に高いウエートを占めておりまして、これらが上がりましたために生産費全体が押し上げられたということでございます。 (2)に書いてございますように、素畜費は全体費用合計の五一%、飼料費が三六%、労働費が八%、これら三費目で合計九五%に及ぶという結果になっております。 素畜費は前年に比べまして三〇・二%伸びておりますし、飼料費は四七%伸びておるということでございますが、この飼料費の伸びは、その飼料費の中の過半を占めております配合飼料の購入価格が高騰したということ、それから販売意欲の低迷あるいは牛肉価格の市況の高値待ちというふうな空気が反映をいたしまして肥育期間が延長したというふうなこともこの飼料費を押し上げる理由になっておるように考えております。 それから、労働費は同じく二一・五%の増ということでございますが、これは労賃単価が約三割方上昇したということがその理由でございます。 以上の結果、先ほど申し上げましたような一日当たりの家族労働報酬というような結果になったわけでございます。 以下、四ページ以降に詳細な、いま御説明申し上げましたようなことが数字として挙がっておりますので、これはごらんをいただきたいと思うのです。 私の説明は一応以上で終わらせていただきます。
○坂村小委員長 以上で説明は終わりました。
○坂村小委員長 質議の申し出がありますので、順次これを許します。今井勇君。
○今井小委員 私は、ただいま説明がありました中で、説明資料の数字についての問題を三つほど伺っておきたいと思います。意見は後で申し上げます。 まず、第一点は、「保証価格等関係説明参考資料」の四ページの中ほどの乳牛償却費の物価修正係数の〇・八四八〇、これのよって来ったゆえん、数字のバックデータを教えていただきたい。第二点は、八百二十円になっております資本利子の去年との対比はどうなっておるか。第三点は、流通飼料費の千七百四十六円という五十年度の推定が出ておりますが、四十九年の生産費の千五百十五円から千七百四十六円に至った経過。この三点をまず質問いたしたい。
○高須政府委員 まず、第二番目にお話しのございました資本利子の昨年の数字でございますが、七ページの(4)の資本利子の算出基礎の固定資本の資本額、これが変わっております。昨年が一万二百七十四円、これに対応いたしますのが一万二千四百五十円、それから借り入れ自己比率でございますが、これは全く同じでございます。それから金利のところ、固定資本の方は上の借り入れはそのまま同じでございますが、自己資本の金利、これが〇・〇七八五に対応いたしますものが〇・〇七三五、〇・五%ばかり違うわけでございます。それから計算いたしました利子が、二百三十七円に対応いたしますのが二百八十七円、それから五百八円に対応いたしますのが五百七十六円。 次に、流動資本の方でございますが、資本額が、昨年の資本額が四千四十一円。それから金利にまいりまして、金利は、先ほどの固定資本と同じように、自己金利は〇・〇七三五が昨年の数字でございます。したがいまして、利子の欄では、昨年の数字は、二十四に対応するのが十九円、それから五十一に対応いたしますのが三十九円。したがいまして、資本額の合計一万五千二百五円に対応いたしますのが一万六千四百九十一円。それから利子額は、八百二十円に対応いたしますのが九百二十一円、そういうことになっております。 それから、第一番目の御質問のございました四ページの〇・八四八〇の計算根拠でございますが、これは物賃の指数を使っておりまして、乳牛成牛の四十八年の七月から四十九年の六月の調査期間の物賃の指数を分母といたしまして、四十九年十一月から五十年一月の物賃の指数を分子にいたしますと、分母の方が一七〇・四、分子の方が一四四・五、これを計算いたしますと〇・八四八〇という数字が出てまいります。 次に、第三番目の問題でございます流通飼料費の千七百四十六円でございますが、これは非常にいろいろな種類がございまして、たとえばふすま専増産とか一般ふすま、ビートパルプとかビールかす、大麦、稲わら、塩類、それから配分飼料その他というようなものがかなりの数がございまして、これを加重平均にいたしてそれぞれ平均値を出しておるわけでございます。これによりますと——細かい数字を全部御説明いたすわけでございましょうか。
○今井小委員 その数字は後でいただくことにしまして、えさの値上がりの大きなものの今後の値下がりを見ているとさっき言いましたね。ちょっとそのことについて説明いただきたい。
○高須政府委員 五十年の四月から値下げが予想されております配合飼料でございますが、これにつきましては六千六百円の値下がりということを想定いたして組み込んでございます。もちろんこれは一月の値上げの分もございますので、これは当然計算に入っておりますが、この四月以降の確定いたしております六千六百円の値下げ、この六千六百円は平均八千円の値下げでございますけれども、この中におきまして、この乳牛に対応する部分が六千六百円でございますから、それを算入いたしてございます。 なお、この計算の中には、専増産ふすまが五十年四月以降値上げを予定されておりますので、この分も当然組み込んでございます。専増産ふすまにつきましては、三十キロ当たり大体百円ぐらいな値上げとなっております。この数字も入っております。 それから、五十年四月以降大麦も値上げを予想いたしておりますので、この大麦はトン当たり四千二百十三円の値上げということを予定いたしております。 こういう値上げと値下げの確定部分をすべて組み込んだ結果がこのような数字になっておるわけでございます。
○今井小委員 意見は後ほど申し上げることにいたしまして、私の質疑は終わります。
○坂村小委員長 次に、美濃政市君。
○美濃小委員 第一に、畜産物価格についてもう少し具体的に説明してください。たとえば雄何ぼ、雌何ぼというように、畜産物価格の子牛関係をもう少し明確に説明してもらいたいと思います。 それから、第二は、後でまた質問いたしますが、従来からの慣例になっておりますが、そのときが来ても、これから先畜産経営に対する飼料生産というものが管理労働よりも安い評価で実際の畜産経営が行われるという、具体的に価格構成の上でそういうふうに扱っていくという間違い、これをことしも修正しないのですが、その根拠は一体どう考えておるのか、きちっと説明してもらいたい。私どもは畜産経営というものはそういうものじゃないと思う。それが第二。 それから、第三点は、同じく飼料作物費の「その他」ですね。この中には燃料その他等が入っておりまして、これは四十九年度中にも、年度当初から見ると、これを決定した四十九年三月から見ればかなり上がっております。にもかかわらず、これが据え置きで計算された。これは大きな間違いじゃないかということ。飼料作物費の算出基礎の「その他」、この中は主として牧草生産、酪農生産に使うオイル、燃料、それから機械に対するその燃料は牧草の生産に一番大きくかかるわけです。飼育管理労働の方は余りかからぬわけですからね。それが据え置き、前年と同額で計上されて計算された。こういうものではないと思うわけです。 以上三点だけお聞きします。
○高須政府委員 ただいま美濃先生の御質問の第一点の子牛の評価でございますが、これは七ページの一番上のところに載っておりますように、まず、調査の開始時の搾乳牛の評価額二十九万三千三十七円を使いまして、それに変化率と、それから子牛平均価格費を——これは〇・一四四七とございますが、これを掛け合わせるわけでございます。そういたしますと、この計算だけで出てまいりますのが雄と雌の子牛の平均価格になるわけでございます。これが三万七千四十三円というものになりまして、昨年はこれが四万一千四百八十九円、したがいまして雄、雌平均してかなり下がっておるわけでございます。この雄、雌平均値を今度雄と雌に区分いたす方法でございますが、これは架空計算がいろいろ入ってまいりまして、雄を幾らに見るか、雌を幾らに見るかということはなかなか議論の多いところでございます。そこではっきり言えますのは、雄、雌を平均すると、一頭当たり三万七千円であるということでございます。それで、仮に雄を九千円くらいで見れば逆算すれば雌の方は七万円くらいになるとか、また、もう少し雌を高く評価すれば雄の方が今度は安くなるという、こういうような計算でございまして、余り意味のない数字でございます。雄、雌平均というふうにお考えいただきたいと思います。そこであと出生率等を掛けまして、今度は乳価に換算して六百五十八円という計算を出しているわけでございます。したがいまして、第一の点は、雄、雌平均価格三万七千四十三円、昨年の四万一千四百八十九円よりは下がっておるということでございます。 それから、第二点の御質問の、自給飼料について労賃をなぜ製造業の労賃としないのか、どう考、えておるのかという御質問でございますが、これにつきましては、生産費調査のいろいろな約束ごともございますが、一般に農業生産に使います労賃は農業労賃で評価するという原則があるわけでございます。と申しますのは、農家が実際に人を雇って、そして雇われた場合にお払いになっておる賃金、これが農業労賃でございます。この農業労賃を使うという原則があるわけでございます。そういう原則の上に立ちまして、ごく特殊なものだけ、特に必要がある場合、そういった場合に製造労賃に評価がえをするというたてまえになっておりますので、畜産の場合にはこの飼養管理労働は特殊な分野であるから製造労賃にするのだということで製造労賃になっておるわけでございますが、自給飼料の方はまだこれは農作業ということで、他との均衡等を考えまして農業労賃ということが原則になっておるわけでございます。 それから、第三点の御質問は「その他」の内容でございます。これは美濃先生御承知のとおり、種子であるとか、燃料であるとか、農具賃借料であるとか、そういったものがいろいろ含められておるわけでございますが、非常に雑多な内容を込みにしてございまして、修正率等も上がるものもあればあるいは下がるものもあるというようなことで、物価修正係数を用いずにそのままの係数を使っておるわけでございます。特にほかの理由はございません。
○美濃小委員 いま資料についての説明ですから、質疑ではございませんので、当面考え方については非常に問題が多いと思います。 もう一点、情報部長にお聞きしておきたいのですが、搾乳量です。一頭当たり搾乳量、これは実際に四十九年度中に搾乳をした頭数の平均価ということですね。そういうふうに解釈をするのですか。
○吉岡説明員 生産費調査対象農家の実際に搾乳をいたしました量を三・二%の乳脂肪率に換算をした量でございます。
○美濃小委員 ちょっと確認しておきますが、そうすると、空き腹になって遊んだ牛は入っていない。それを入れるとこういう乳量にならないのですが、それは入っていないのでしょう。これは確認しておきたいと思う。乾乳牛は含まない。いわゆる四十九年度中に実際分娩して搾乳した頭数の平均乳量。
○吉岡説明員 乾乳期間は計算上入っておるそうでございます。
○坂村小委員長 次に、芳賀貢君。
○芳賀小委員 第一に、先日の十七日の小委員会において昭和四十九年度の保証乳価に対する実績の生産費がどうなったかということを畜産局長にただしたのですが、あのときはまだ十分な資料ができなくて、昨日までに畜産局の方から資料が届いたわけですが、それについてごく数字的な点だけの確認をしておきます。 昨年の四十九年度の飼育労働費の時間当たり評価については四百六十円であったのが、四十九年一年間の平均労働賃金が六百円であるということが明らかになったわけです。そうすると、四月一日の告示時点の四百六十円と実績の六百円ではちょうど百四十円時間当たり違いますね。百四十円一時間当たり賃金差が出てきた。これに対して三・八時間を百キロについて労働時間を見ておるわけですから、百四十円の三・八時間ということになれば、これを一キロの生乳に換算すると、キロ当たり五円三十二銭実績に対して保証乳価決定時点の労賃が低いということになっていますね。 それから、もう一つ、労働賃金関係については、いわゆる飼料作物費の中で去年は一・四時間を見て、この労働費の計算については最初は日雇い労賃であったのを、最終的に委員会等の指摘もあって、日雇い労賃と他産業労賃を足して二で割るという、いわゆる大野伴睦流の計算に修正をして、その結果が五百三十二円に決定時点で修正になっておるわけです。三百九十円を五百三十二円に直して、それらを合算して七十円二銭ということになっておるので、これは計算しますと、この飼料作物費の中の自家労働費については一キロにして百円六十銭実績の方が上回っておる。これが労働費の関係ですね。だから、労働費関係だけで六円九十二銭ということになるわけです。 それから、もう一つ、配合飼料の実績については相当値上がりをしておりますが、そのうちえさの基金制度等から千百円ずつが二回と、千五百円一回の三千七百円、これは政府が負担したという形で配合飼料の価格をそれだけ差し引いて計算をして資料を出した関係上、これは一キロについて三十四銭しか配合飼料費は上がっておらぬということになるわけです。 いずれもこれは畜産局から提出された資料に基づいての計算ですが、そうしますと、労働費関係と配合飼料の若干の値上がりを入れると生乳一キロについて七円十二銭保証乳価が低過ぎたということが年度末に明らかになっておる。これをどうするかということは、午後に農林大臣が出席された場合において、四十九年の保証乳価の改定あるいは追加払い等をどうするかということについては質問するわけですが、この数字について、局長は審議会に行っておるわけであるから高須審議官からでもいいですが、あなたの方から出た資料によって計算したわけだから、念のため確認だけしておけばいいですが、どうですか。
○高須政府委員 第一番目の点は、四十九年の四月一日から改定に——改定と申しますか、実際の給与水準が上がって、その差額が五円三十二銭、それから飼料の方に入っております一円六十銭、合わせて六円九十二銭、この数字につきましては先般も局長の答弁の中にもあったかと思います。ただいま手元に資料を持ち合わせておりませんので正確な数字は後で調べてみたいと思います。 それから、第二番目の配合飼料の三十四銭という計算、これにつきましては先日書類でお届けいたしておりますので、そのとおりでございます。
○芳賀小委員 審議官、これはいずれも局長答弁ないし畜産局から私の手元に提出された資料を整理して計算した結果が七円十二銭だから、ごまかしも何もないわけです。政治的な意図も含まってない。問題は、保証乳価の七円二銭に対して、四十九年度の実績ですね。いわゆる生産者が投入した自家労働並びに経費というものを実績によって計算すると、一キロについて七円十二銭、四月一日に告示した保証乳価は実態より安過ぎるということになるのですよ。これは昼から大臣が来たときにまた質問するが、一体どうするか。改定でやるか、追加払いでやるか。保証乳価だから、保証する価格だから、実損が出た場合には当然補償するために法律があるわけだからね。 それから、その次に、先ほどの説明の中で、一つは、ことしも各費目のとり方は去年と同じですが、飼料作物費の中の自家労働の計算をまた去年の方式よりも過去に戻して農業日雇い労賃で計算したわけでしょう。ですから、去年の労働費よりもこれは低くなっておる。統計情報部長は、日雇い労賃についても去年よりは三〇%上がっておるが、この五十年度の保証乳価の流通飼料費の計算によると去年よりも労働費が下がっているわけです。それは去年は製造業の労賃と農業日雇い労賃を二つ足して二で割るという計算をしたわけですから、結局去年は時間当たりにして三百五十九円十八銭ということで、これは一・四時間を計算したわけです。ことしは、あなたの説明から言うと、昨年の修正以前の農業日雇い労賃だけということになるが、自給飼料をつくって消費した場合においては去年よりも労働賃金が下がったということになるのですね。これはあとで十分解明をしてもらいたいと思います。 それから、その次に、これは毎年問題になっておるわけだが、統計情報部長も関係がありますが、一年間の搾乳牛の生産乳量というものをどうしてわざわざ三・二%に薄めて生産量をふやして一頭当たりの生産費を——量的にふえた数字で割れば、それはキロ当たりの生産費というものは安くなるでしょう。それを分母に使えば百キロ当たりの生産費というものは当然低減するということになるわけですからね。しかし、農家が本当に農協の集乳場に出荷する場合は三・二%、そして水を加えて増量して持って行くわけではないでしょう。三・四%であっても、正味の牛乳を持っていくわけですからね。統計情報部の場合には、一定の確率を求めての三・二%に換算ということの手法はわからぬではないが、毎年の保証乳価を決める場合に、農家が生産した本物の牛乳をどうして三・二%に水増しをしなきゃならないのか。ところが、実際は水を加えて集乳場へ出荷するわけじゃないでしょう。だから、実際の搾乳量を実績によって計算した場合と、水増しの計算、これはキロ当たり数字がおそらく違ってくるでしょう。それは一体どのくらい違うのか。そうした数字というものは生産者にとって利益になる数字であるか、低乳価で抑えようとする政府側にとって有利な数字であるか、それはもう計算がしてあると思うのですよ。私はこの点をきょうは明らかにしてもらわなければならぬということを言っておりますからね。これは統計情報部長と高須審議官の方からはっきりしておいてもらいたいと思うのです。 それから、統計の数字ですけれども、これを昨年の製造業の時間当たり六百円ということにした場合において、統計情報部の生産費の乳価というのはどうなるかということですね。それを計算した結果を知らせてもらいたいと思います。 それから、その次、計算上問題と見られるのは、乳牛の償却費について、昨年は百キロ当たりについて五百五十八円の償却を見たわけでしょう。ところが、ことしは三百八十七円しか償却を見ないわけですからして、百キロについて大体百七十円という償却費が少なくなったわけだね。これは数字の間違いだと思う。逆だと思う。まあ、後でこれは指摘されればここを直して、若干乳価を上げる、あるいはあわ流通飼料についても少なくとも去年ぐらいにやれば七円値上げが十円ぐらいになるということで、その分は自民党に花を持たせるということで、大体最終的には十円の一五%ということに私も情報を聞いていますけれども、そういうでたらめなものを神聖なこの農林水産委員会に出すというのは絶対に許すわけにはいかぬですからね。中身のからくりというものを、この際、本委員会じゃないから、小委員会だから気楽に説明してもいいと思うので、そういうごまかしの点がどことどこかということをこの際明らかにしておいてもらいたいと思うのです。
○高須政府委員 芳賀先生の御指摘の諸点について申し上げます。 第一点の、昨年の春闘の値上がりの影響等につきましては、昨年度来、年度内会計といったような問題もしばしば生産者の方々から御要望も出たわけでございます。私ども、年度内会計の……(芳賀小委員「それを聞いているんじゃない。それは大臣が来てからでいいわけですから、次の質問を」と呼ぶ) はい、わかりました。それでは第一問は省略いたします。それから、飼料労働費の問題も省略いたします。 第三番目の、三・二%で換算し直しております乳量を実際の乳量に直したらどのような数字になるのかという御質問でございますが、これは実は計算いたしていないわけでございます。したがいまして、この数字は現在持ち合わせておりません。 それから、第四番目の点は統計情報部の方でお答えがあろうかと思います。六百六円の製造労賃に評価がえした場合の統計情報部の生産費はどれかというのは、これは統計情報部の方からお答えがあると思います。 第五番目の乳牛の償却費の点でございますが、これは乳牛の評価が下がっております。昨年は乳牛の評価額が上がっておりましたのでかなり償却費は上がったわけでございますが、今年度の算定の中におきましては乳牛の価格が下がっているので、同じ方式を用いれば償却費は当然下がるということで、そのように計算しておるだけでございます。
○吉岡説明員 ただいまの御質問の、私どもの生産費計算と、労働時間を製造業の賃金で計算したら生産費は幾らになるかというお尋ねでございますが、これは先生御承知のように、統計の考え方といたしましては、農村雇用労賃として現在農業臨時雇い賃金で評価をいたしておるということでございまして、そのような計算をしたことは実はございませんので、ただいま数字は持ち合わせておりません。 ただ、農業臨時雇い賃金というものが農村の実態的な賃金として今後とも適当であるかどうかという点につきましては、世の中の事情もいろいろ変わっておる点もございまして、私どもとしては、生産費調査の約束としてどのような賃金をとるのが最も農村の実情を反映するのに適当であるかということで、統計調査の立場から検討をいたしておるところでございまして、将来の問題として研究をさせていただきたいと思うわけでございます。
○芳賀小委員 もう一点わからぬところがあるのですが、一つは、統計情報部の資料によると、四十九年の実際の搾乳量というものは四千七百六十二キロでしょう。四千七百六十二キロを、これは平均すると三・四四%ということに乳脂率はなっておるわけですね。だから、それを換算すると五千百二十六キロということになるわけでしょう。だから、一頭当たりの二十八万三千四百三円を三・二に換算した五千百二十六キロで割ると、結局百キロ当たりにすれば五千五百二十八円、一キロにすれば五十五円二十八銭ということになるわけでしょう。だから、この一頭当たりの経費はもうわかっているわけだから、それを実際の平均乳量の四千七百六十二キロで割れば、これは本当の答えが出るのですよ。 これは百キロにすると五千九百五十四円、一キロに直すと五十九円五十四銭ということになるわけです。そうすると、結局、水増しをして、それを分母にして計算した場合と実際の数字で計算した場合においては、キロ当たりについて四円二十六銭違うわけですから、当然、出てくる答えというものを、水増しによって四円二十六銭低い生産費を出しておるわけです。これは生産者のために利益になるか、政府の低乳価を進める場合に利点になるかということは、これはもう言うまでもない点でしょう。こういう計算上のごまかしまでして何のために保証乳価を下げなければならぬかということになるのですね。平均脂肪率が三・四四だからといったって、それは三・四四%から三・二%引いても〇・二四しかないでしょう。しかも乳脂率の格差は、〇・一%について一円しか格差がないわけでしょう。〇・二四%格差があっても、それは二円四十銭しか生産者は手取りがふえないわけですから、実際の計算でいけばこれは四円二十六銭上がるべきものを、水増しをしておる。農家が水増しして持ってきて受け入れるならいいですよ。それはさせないでしょう。こういうのは計算をしてもわからないかんということはないよ。きのう、この点が大事だから委員会が始まった場合には正確な数字を説明するように用意してくれとわざわざ親切に言ってあるわけですからね。 もう一つは、農林省の資料と統計情報部の資料で換算のやり方が違うのじゃないですか。統計情報部の場合には、四千七百六十二キロを三・二%の乳脂率で直すと五千百二十六キロになるでしょう。ところが、農林省の方は、原数である搾乳量というのが四千六百二十九キロ、これは先ほど審議官が言った数字ですが、それを三・二%で直して五千百九十一キロというのはおかしいじゃないですか。 〔小委員長退席、美濃小委員長代理着席〕 統計情報部は農林省よりも約百四十七キロ多い搾乳量で五千百二十六キロ、農林省の方は搾乳数量が少ないにもかかわらず、換算した答えというものは統計情報部の資料よりも大体六十五キロぐらい多くなっているわけだから、こんなものは子供が計算したって三・二に直すのが当然で、二様の答えが出るというはずはないですよ。どういうわけなんだ。これだってわざわざ水増しをして過大に数字をふやしているわけでしょう。しかも、四十八年に比べて四十九年は一頭当たりの搾乳量も統計の数字から見ると減っているわけですからね。これは午後大臣が来るまでにはっきり計算をし直してもらいたいと思います。 それから、もう一つは、なるほど、四十九年の北海道外四県の地域における製造業の労働賃金というものを主要な生乳の出荷数量で加重平均して、全国平均よりも安い労働賃金を引き出しておるわけです。しかも、ことし使った六百六円という数字は、これは昭和四十九年に帰属すべき数字でしょう。そうすると、昭和五十年の四月一日から五十一年の三月三十一日まで、昭和五十年度の牛乳年度ということで、生産者の皆さん方が牛乳の再生産を二百六十五日毎日毎日持続しているわけだから、そうなると、四月一日以降向こう一年間の自家労賃というものを一体どうするか。これは過去の労賃実績でなくて、いま労働者の春闘も行われておる。たとえば去年は民間は三二%前年度よりも上がっておる。公務員の場合には二九%前年度より上がっておる。ことしにしても、たとえば不況の影響等があって三二%民間労働賃金が上がらぬとしても、保証乳価の中における生産者の自家労賃というものが四十九年実績で据え置きであっていいということにならぬですね。そういうことは法律が許さぬわけだからね。そうすると、四月一日から向こう一年間の自家労賃の値上がりというものを何十%か推計してこの家族労働費に織り込むということをことしやっていないわけでしょう。たとえば二〇%織り込むということになれば、六百六円七十八銭に二〇%さらに加算して計算しなければならぬということになるわけだから、少なくとも七百三十円ぐらいに計算しないとこれは正確なものにならぬと思うのです。毎年毎年、年度が終わって計算すると時間当たり百四十円とか百五十円実績の方が高くなって、保証乳価の方がそれだけ落ち込んでおるということになるわけだから、このままではことし決めるわけにいかぬでしょう。だから、この点については修正で果たして二〇%を考えておるのか、二五%を考えておるのか、あるいは去年の春闘並みに三〇%考えておるのか、その点は事務当局の試算の方針としてはどうしているのですか。
○高須政府委員 ただいま芳賀先生が最後におっしゃいました二つの点でございますが、三・二%換算の件でございますが、これは私ども計算する場合に考えております計算の考え方でございますが、市場における取引の慣行が三・二%ということで行われておりますので、すべて三・二%というものに換算いたして計算するという従来からの計算方法のしきたりでございます。ただ、換算いたします場合に、統計情報部の方の情報の数字とは若干違いまして、一道三県の実乳量を申し上げますと、全国より若干低くて四千六百二十四キロでございます。(芳賀小委員「二十九キロとさっき言ったじゃないですか」と呼ぶ)二十四キロでございます。それから、それを三・二%に換算いたしますと五千百七十七キロでございます。これは全国平均の脂肪の比率とは違いまして、一道三県の比率は三・五八%になっております。若干高うございます。 それから、第二番目の点でございますけれども、これにつきましては、事務的に計算上どのように考えておるかと申しますと、すべて確定した要素だけを従来から織り込む、未確定の部分は織り込まないという計算の基準がございまして、まことに事務的で申しわけないと思いますが、昨年もえさの値上がりがあった場合に、確定いたしました場合にはえさの値上がりは含んだわけでございます。したがいまして、ことしは値下がりが起こったということで確定した要素は含んでおりますが、これは従来からの計算方法でございますが、先行きわからない要因というものは織り込まない。したがいまして、本年の四月一日以降の要素というものをここに含まなかったということでございます。
○芳賀小委員 その点はおかしいよ。あんた、これは役人として重大な問題だよ。わからぬでどうして四月以降の保証乳価を計算するんです。わからぬから物価修正とか、なるたけ確率の高い推計値を使ってやるわけでしょう。豚肉だってみんなそうじゃないか。自分で計算をして、四月以降のことはわからぬからそういうことは計算していないというのはおかしいじゃないか。
○高須政府委員 これは従来からの計算のしきたりでございますが、来年度の水準というものを計算いたします場合には、四十九年度のそれぞれの指標を使いまして、それを四十九年十一月から五十年一月までの物賃の水準でもって修正して、これを来年度の水準に置きかえるという方法を採用いたしております。ただ、先ほど申しましたことは、来年度起こってくる未確定の条件は入れていないということでございます。来年度どのようになるかわからない要素は入れていないということでございまして、わかっておる要素はすべて同じ方法で物価修正して推定計算をいたしておるわけでございます。
○芳賀小委員 だから、同僚の各委員が言っているように、あんたは、高須君という人は口数は非常に多い。聞きもしないことを長々としゃべっているでしょう。しかし、中身が何にもない、最後に責任のある答弁はしない男だということは定説ですよ。これはぼくが言うのじゃない。みんなの意見を総合するとそういうことになっている。とにかく、わからないで計算しましたなんという男がここへ出てきて責任のある答弁とか説明はできないでしょう。それではあなたにかわって別な者が出てきたらいいじゃないか。一体何だと思って小委員会に出ているのだ。担当の畜産局長は、きょうは畜審の酪農部会を招集しておるからそっちに出ておる。大臣はきょうは参議院の予算の集中審議で向こうへ行っておる。だから、畜産局ということになれば、局長の次が高須審議官ということになるでしょう。不満足だけれども私はがまんして聞いておるのだが、しかし、昭和五十年の四月一日から毎日毎日、三百六十五日生産される貴重な生乳に対して政府が法律に基づいて保証する価格を決めるということになれば、過ぎ去った四十九年の価格決定をするのじゃないですよ。だから、物財費の動向というものは一体どうなるのだ、そして、一番大事な生産者の自家労賃というものをどうしたならば昭和五十年一年間のこれに見合うような、他産業、製造業の労賃と匹敵できるような評価をするかということ、これが一番大事な点でしょう。それを、不明確な、未確定な点については計算の中に入れていませんと言う。去年もそういうことをやったから、一年間の実績ということになれば、当然時間当たり六百円に労賃をしておかなければならぬのを、四月の一日には四百六十円という計算をしたわけだから、わずか一時間について百四十円開きが出ておるわけでしょう。これは一時間ですよ。一日じゃないわけだ。一日にすれば千百二十円ということになる。そういう大事なことを未確定、不確定に事をかりて全然計算に入れていないというのはけしからぬじゃないか。 そうなると、四月一日以降全農が配合飼料を八千円下げるということをどうして織り込んでおるのか。もし全農が下げない場合にはそれは一体どうなるか。全農にしたって、四月、五月、六月については現在よりも八千円下げる方針でありますという程度で、しょう。そういうえさを下げれば計算上乳価も下がるというような材料だけは、たとえば三カ月分の見通ししかつかぬのに、いかにも一年間八千円下がって絶対に上がらぬというような計算を豚肉についても乳価についてもやっておるわけでしょう。おかしいじゃないか。労賃がわからなければ、四月一日以降のえさの値下がりなんというものを入れるわけにはいかないでしょう。むしろ値上げ傾向値というのを求めて、えさ代はどれだけ上がるということをやるのが当然じゃないですか。 個体の償却にしても、毎年毎年評価がえするなんという償却のやり方はどこにもないですよ。ではこれから毎年やるかということになるわけだ。固定資産にしても、乳牛にしても、毎年毎年新しい評価がえをしたものを基礎にして新しい償却を起こすかどうかということになると、これはまた問題でしょう。 あなたの言うことはだめですよ。責任のある答弁ができなければかわればいいのだから、おまえさんでなければ絶対勤まらぬというわけじゃないでしょう。後ろにたくさん座っておるじゃないか。きょうはもう予定の時間が過ぎたけれども、これは重大な問題だよ。農林大臣が来るまでにちゃんと報告して、大臣から明らかにしてもらいたい。あなたから答弁を求めてもしようがないわ。 〔美濃小委員長代理退席、芳賀小委員長代理着席〕
○芳賀小委員長代理 瀬野栄次郎君。
○瀬野小委員 農林大臣が午後出席をして、小委員会からさらに本委員会を開いて決議等を行い、当面の畜産価格の決定をするということでございますので、その節いろいろ詳細質問をいたしたいと思っておりますが、去る三月十七日の小委員会でもいろいろ指摘しておりましたし、各委員からも質問がございましたので、時間の関係もあり、省略して、数点資料に基づいてお尋ねをしておきたいと思います。 ただいま質問がありましたが、実は、乳価の問題等について、政府は四十九年十一月から五十生一月の労賃を基準にしていろいろと算定しておるようでありますが、四月一日以降でありますと、いわば一年前の労賃ということになるわけでございますので、この点私も若干補足をしてお伺いしたいと思うわけです。 御承知のように、春闘でどのくらいの決定をなされるか、これは今後の推移を見なければなりません。いまもお話しがありましたように、一〇%、二〇%、三〇%といろいろ検討されるわけですが、こういった労賃のアップが当然見込まれなければならぬのだけれども、いまの高須審議官の話を聞いていると、確定要素は織り込むが未確定要素は織り込まないということである。しからば、先ほど申された五十年四月からの値上げ——あなたは乳牛に対応するものとして六千六百円の値下がりを想定しておる、そして、一月の値上がり分もこれに入っておる、さらにはふすま、大麦の値上げ等が今後見込まれる、そういったものも勘案してある、と、こういうふうにしかと説明があったわけです。そうなれば、これはまことに言語道断のことになるわけでございまして、そういったことをどういうふうにあなたは試算の中に織り込んでおられるか。四月一日以降の労賃についても当然それならば見るべきである。こういったことをはっきりしなければ、午後の大臣に対する質問も、われわれの考えておることがあなたの答弁によって全く変わってくるということで重大な問題である。どうしてもこれはあなたに再度お聞きしなければならぬと思っておりますので、その辺もう少し明確に御答弁をいただきたいと思います。
○高須政府委員 まず、飼料の値下げの問題でございます。この点につきましては、先ほど申し上げましたように、五十年四月以降配合飼料の値下げ分、乳牛用の配合飼料六千六百円、それから専増産ふすまの値上げ分百円、それから大麦の値上げ分四千二百十三円、これを織り込みまして計算をいたしております。労賃の方につきましては、過去の実績を四十九年十一月から五十年の一月の物賃の比率で引き上げておりまして、これをもって五十年度の労賃水準ということで、これは他のあらゆる要素についても同じことでございますが、いずれも過去の実績を四十九年十一月から五十年一月までの水準に置きかえて修正計算をしてあります。それと同じ方法でやっております。
○瀬野小委員 そうしますと、いまの乳牛に対する飼料の六千六百円、それからふすま、大麦、これはもうこれだけの値下げは確定というふうに理解していいのですか。
○高須政府委員 私ども、この値下げないしは値上げは、これは確定と考えて計算いたしております。
○瀬野小委員 これはとにかく午後から大臣に対する質問のときに明らかにすることにして、いまの労賃の問題ですけれども、四月一日以降の労賃については、今度の春闘の労賃アップというものは全然試算の中に入れていないということになっているのですか。
○高須政府委員 そのとおりでございます。
○瀬野小委員 これはあなたにいろいろ言ってもどうしようもないことだが、全くおかしい理屈になると私は思うのです。確定要素を織り込むが、未確定要素は織り込まないというふうなあなたの答弁でありますけれども、これについては後ほどまた大臣にさらにいろいろとお伺いしてはっきりさせるということにいたしたいと思います。 もう一点お伺いするけれども、今度の生乳の生産費は百キロ当たり五千五百二十八円ということで、先ほど農林省統計情報部から「昭和四十九年の牛乳生産費」の資料について説明がありました。三五%の上昇ということでございますけれども、これについては飼料の値上がりと労賃水準の上昇が大きな原因で、このため中規模階層以下の酪農経営というものが中止をしたり、あるいはすでに離農したりする人が大変ふえているわけです。生乳の生産量を見ましても、前年からわずかながらでありますけれども、昨年に引き続き下回る状態になってきておる。実にゆゆしい問題でわれわれは大変憂慮しておるところでございますが、これについての問題は試算の上にどういうふうに反映しておられるのか。その点を資料に基づいてもう少し詳しく説明をいただきたいと思う。
○高須政府委員 生産費が昨年は非常に上がったわけでございますが、この試算値と申しますのは元の原数値に物価修正係数を掛け合わせておるわけでございます。したがいまして、生産費は上がりましたが物価修正係数の方が前年に比べて低いということでございます。昨年は生産費が比較的低くて、そのかわり物価修正係数が非常に大きなものになっておったわけでございます。そういう違いから、生産費の動きそのものだけでは試算の数値の関係になってまいらないわけでございます。
○瀬野小委員 もう一点お伺いしたいが、先ほどの農林省統計情報部の「四十九年肥育豚生産費」の問題ですけれども、この表によると一日当たりの家族労働報酬が八時間で二千三百十九円、したがって二千六百九十七円の減で五三・八%減じておることになっておりますね。先ほどの説明の四十五年の四五・六%に比べますと今回はかなり減になっておりますが、この肥育豚生産費の減について、その背景といいますか、これだけ減ったという試算の経過をもう少し詳しく申し述べていただきたい。
○高須政府委員 いま先生のお尋ねは、生産費の減を計算した試算の問題でございますか。——これは生産費の計測期間、特に昭和四十八年七月から昭和四十九年六月と申しますのは豚価が非常に低落した時期でございまして、それに対しましてコストの上昇というようなものが非常に高い時期でございます。そういう結果から所得の減というふうな形であらわれておると思います。
○瀬野小委員 ちょっと何を言っているかわからぬが、私は午後大臣にもいろいろお伺いしたいのでもっと明確にお聞きしておきたいのだけれども、「昭和四十九年肥育豚生産費」の説明が先ほどありましたね。一日当たりの家族労働報酬が二千三百十九円で二千六百九十七円の減、五三・八%も減っているわけですね。これは先ほど説明がありましたように、四十五年の四五・六%より相当減になっておるわけですが、この寄って来たる原因、その内容を少し説明を願いたいというわけです。
○吉岡説明員 生産費そのもののことでございますので、私から若干補足して御説明申し上げたいと思いますが、先ほど差し上げました資料の四ページに「肥育豚経営の収益性」というのが出ております。その(1)に書いてございますが、この調査期間の四十八年七月から四十九年六月までの肥育豚一頭当たりの粗収益、つまり販売をいたしまして幾ら収入が入ってきたかということでございますが、これは生産者の販売価格がこの期間には上がっておりまして、結果的には粗収入としては六・五%の上昇ということになっておるわけでございます。この粗収益からいろいろなコストを差し引きまして、残りの部分が自家労働に対する報酬という形で出てくるわけでございます。それが、先ほど申し上げましたように、必要な生産費を形成いたします素畜費でありますとか、飼料費でありますとか、そういうふうなものが非常に上がりましたためにコストが高くかかって、したがって家族労働に対する報酬は昨年に比べると非常に減ることになったというわけでございます。 そこで、二ページを見ていただきますと、この上がりました原因が書いてございますが、真ん中辺の(ア)というところに「もと畜費」というのがございまして、これが前年対比四・四%の増、それから(イ)の「飼料費」でございますが、これが前年に比べて三八・七%に及ぶ大幅な増加になったということでございます。 この両費目で費用の中の九〇%のシェアを占めておりますので、これらが先ほど申し上げましたような生産コストの引き上げに非常に大きく影響を及ぼしている。したがいまして、粗収入は若干上がりましたが、このようにコストが上がりましたために、残りの自家労働に対する報酬としましては去年に比べて半分近くまで減った、こういう結果になるということでございます。
○瀬野小委員 それでは、本会議の時間が参りましたので、以上をお伺いしておいて、午後の大臣のときにまた質問することとして、一応質問を打ち切らせていただきます。
○芳賀小委員長代理 この際、暫時休憩いたします。 午後零時三十三分休憩 ————◇————— 午後一時二十九分開議
○坂村小委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。美濃政市君。
○美濃小委員 午前中に、昭和五十年度の保証乳価に対する、本日畜産審議会の酪農部会に諮問されました原案につきまして説明を受けたわけですが、まず、私の持ち時間は十五分間ですから簡潔に質問をいたしたいと思います。質問と意見とあわせて大臣の所信をお伺いしたいと思うのですが、第一点は家族労働費についてであります。 この計算を見ますと、これは昨年もそうですが、四十九年の十一月から五十年の一月までの加工乳生産県の五人規模労賃をとっております。加工原料乳生産県というのは主として非常に農業の比率の高いところでありますから、五人規模という企業の労働者は、定年退職した人が年金をもらいながら働いておるというような人とか、あるいは女子労働が多くて、それが家族労働的な構成になっておるところでありまして、そういう労賃を基礎にしておるというのは間違いであると考えます。いま同じ五人規模でも全国平均をとれば、これは私は乳製品課で調べて資料をもらっておるのですが、九月の五人規模の全国平均はたしか六百二十五円だったと思います。同時に、五十年の乳価を決めるのでありますから、ことしの賃金のアップ率を平均二〇%に抑えるか、二二%に抑えるか、あるいはそれがいま実績がないから労賃に均衡という算出の基礎であるということであれば、それが春闘ではっきりしたときに直ちに修正するということを制度上明確にしなければならぬと思います。こういうインフレ下において、前年度労賃でことし働けという決め方というものはもう許されぬと私は思います。去年もそのとおりだったわけですね。改定されない前は四百六十円でありますから、一時間当たり男女込み四百六十円労賃というのは五人規模の昭和四十八年度労賃でありますから、それで四十九年の牛乳を生産させた。また五十年度乳価を決めるときにも四十九年度労賃で働けという、こういう制度をいつまで存続するのか。三木総理の言う不公正の是正ということを看板にかけておることだし、内閣もかわったことだし、こういう間違った基礎を速やかに政治的に直すということは、これは事務的な問題というよりも政治的な問題だと思うのです。これが第一点です。 それから、第二点は、飼料作物費の計算でありますが、これも雇用労賃を許すことはできません。もう時間がありませんから理由は申し上げませんが、これは管理労働と同額に計算をして、そしてその他経費の中に占める油の値上がりその他を計算すれば、これは単純に申し上げますが、百キロ当たり二千九十九円の経費に修正する必要がある。今回提案されておる百キロ当たり千六百六十五円という経費は、加工原料乳地帯の酪農家が粗飼料を生産する経費としてはまことに不足である、この経費では生産することができない、このように申し上げておきます。それ以下の経費につきましては大同小異でありますから、大きい点だけを申し上げます。 その次の問題は乳牛償却費であります。これは私はまことにけしからぬと思います。確かに、昨年は乳牛が下がったことは事実です。しかし、私は昨年も申し上げております。この相関関係は、乳牛が下がった場合にはいわゆる廃牛です。しぼり上げて売る牛が非常に安くなります。ですから、五年、十年の歴史をとってみると若干の差はありますけれども、償却対象の金額というのはそう大きな差がないわけです。 たとえば昭和四十八年においては、所で違いますけれども、私は北海道ですから北海道地域に例をとりますと、確かに三十七、八万から四十万しました。そのときにはしぼり上げて肉に売る牛が大体二十五万に売れたのです。去年は乳牛が下がったことは確かに事実です。しかし、十万に売れなかったのですね。四十九年のしぼり上げた廃牛の平均が十万を切れております。八万、七万というのが多かったわけです。それも余り喜んで買わない。しかし、乳牛というものは、生まれてから飼料を食わせて、種つけをして、順調にいって二十一カ月で分娩するわけですね。その固定的な価格というものには、えさ代と飼育労賃を含めればそう変化はないわけです。そのときの経済的事情によって変化はありますけれども、乳牛の基礎的な価格というものは政策的にはきちっと掌握していかなければならないと思います。それが肉価格によって変動する場合がある。 ですから、そう考えますと、昨年の肉価格から見ますと、肉価格の値下がりによって乳牛が下がっておるのでありますから、その安くなった価格と残存価格が七万か八万にしか売れぬわけですから、そして四十八年には二十五万にも売れたわけですから、五年なら五年の償却期間で割る償却対象金額というものには変わりがなかったと私は考えます。それにもかかわらず、前年度を大幅に下回って今回提出された乳牛の償却費が百キロ当たり三百八十七円の償却費を計算したということはまことに不当である、酪農という現実、乳牛生産の現実というものを無視した計算である、全然実情に合致していない、と申し上げざるを得ません。 その次は、副産物価格であります。副産物は、これから先においては雌も雄も生まれ落ち一週間で計算すべきである。雌牛を四カ月計算して何ぼだなどという計算はおかしいと思います。確かに、これは、牛乳生産をする過程で種つけをして、子っこが生まれなければ牛乳が出ないのでありますから、生まれ雄にしても、雌にしても、生まれ落ちの価格は副産物収入として計算することは正しい計算方式だと私は思います。だけれども、雌牛が四カ月経過後は何ぼだとか、六カ月経過したら何ぼだとかという計算の仕方は絶対に許されるぬと思います。そういうものではない。雌も雄も生まれ落ちで計算をすべきである。それから先は、たとえば乳用雄を育成するのであれば、その経費を見て肉で保証すればいいのでありますし、雌牛の飼育経費は、雌牛として飼育するのであればそれなりに飼育をして、代がえに使う場合には自家保有の更新牛であれば、それは現在しぼっている牛の償却費であり、あるいは肉で売る残存価格で維持できていくわけでありますから、そういうふうに考えてやるべきである。したがって、第二点の堆肥を去年からずいぶんやかましく私は言っておるのですが、費用価計算方式をもって堆肥を副産物収入に大幅に見ておりますけれども、片や肥料費の方でそれを見ていないというところに問題がありますから、今回の現時点における酪農の経営実態からいくと、副産物価格は四百六十円に修正すべきである。九百二十一円というものは高過ぎる。しかも、子牛が雌、雄込みの三万七千円などという計算はまことに現実に合わない過大計算であると指摘せざるを得ません。 次に、資本利子の問題でありますが、これは公定歩合の引き上げその他で上がる実勢にあるということを加味しなければなりません。 もう一つは、もとへ戻りますが、建物費の中の償却費であります。これは御存じのようにものすごい建物の増加でありまして、たとえば今回政府原案として提出されました七十七円三十八銭、片や北海道の根室にはいわゆる新酪農計画を立てて大型酪農の推進をしております。この建て売り牧場に対して個人が入って支払うのが六千数百万と聞いておりますが、私どもの計算では、そういう根室の新酪の建て売り牧場に入居した者は、この乳価ではその負債は払えません。なぜ払えないかというと、建物の償却に対する基準が低いということであります。これは私の計算では、建物の償却と修繕費を合わせて二百五十円が必要である。政府原案は余りにも低過ぎる。こういう低い償却費でどうして新しい設備投資ができるか。いわゆる多頭飼育をして、大型酪農の設備をした農家は、この保証されておる建物の償却修繕費では償還することができない。これははっきり出てまいります。したがって、この価格でもし政府が一方的に押し切るとするならば、加工原料乳地帯にきわめて不幸な現実が起きてまいると私は思います。 念のために申し上げておきますが、私はその先頭に立たなければならない。私も農協の組合長であります。たとえ総合資金にしても、借りた借金は払わさなければならぬという信念を私は持っております。しかし、この乳価では、大規模なあの多頭飼育をして、三千万、四千万の設備投資をした元利償還を請求することはできません。 農林大臣、そうするとまことに残念でございますけれども、こういう乳価が決まった明日から酪農家の借入金は元金も利子も一銭も払えない。払わぬとは言いません。払わないのではない。払えないのです。払えない乳価を政府が決めたんだ。農林大臣、払えないのだから農林省でこれは何とかしてくれ。払ったら首をつらなければならぬ。この行動に入らざるを得ないと思います。私自身もその先頭に立たなければならぬ。この価格で決めるというのであれば、まことに憂うべき現象が出てきます。どうしてこの乳価で生活できるのですか。 たとえば百トンの牛乳を生産する。統計の資料がございます。百トンの牛乳を生産する頭数といえば、代替育成牛を含めて三十頭規模ということになります。一頭当たりの飼育労働時間百九十五時間とすると、約二百時間。これはデンマークを調べてみても二百時間ですね。寒地酪農は一頭当たり二百時間。三十頭飼えば六千時間。六千時間も働いてこの保証乳価のとおりいくのであれば、六千時間の労働をして二百二十六万九千円しか労賃が保証されていない。まことに不公正きわまりないものである。これでは酪農は崩壊します。 時間の関係で、以上私の方から端的にぶっつけに申し上げましたが、これに対する大臣の見解を承りたいと思います。どうしてもこの乳価では酪農は崩壊します。この乳価で押し切るのであれば、申し上げたような不幸な状況が出てきたときには、大臣、責任をしょってください。私はその一方の旗頭となって、国民の食糧生産のために加工原料乳地帯の酪農を守り抜かなければならない。守り抜くためには、この乳価では守れません。はっきり申し上げておきます。見解を承って、私の質問を終わりたいと思います。
○安倍国務大臣 御質問が非常に多岐にわたっておりますために正確に御答弁ができない点もあると思いますが、後で御指摘をお願いいたしたいと思います。 今回、加工原料乳の保証価格につきまして、その試算を審議会に農林省として提出をいたしました。それに対しましていろいろと御批判があることは十分承知いたしておるわけでございますが、農林省といたしましては、今日までの乳価の算定方式に基づいて試算をいたして提出をいたしたわけでございます。 いま、初めに、五十年度の乳価を決定をするに当たって、今日の段階でこれを決定するということになれば、今後の賃金のアップあるいはまた物価の上昇といったものが十分組み込まれないことになってしまうのではないかというお話しでございますが、これは、やはり、これまでの乳価の決定が法律で前年度に決めるという法律の仕組みになっているので、今日までそういう方式をとってきておるわけでございます。これが果たして正しい方法であるかどうかということについては確かに問題もあるわけでございますが、これは法律で決定をいたしておるわけでございますので、それに基づいてやってきておるわけでございまして、この点につきましては、今後とも国会等を通じて御審議等もいただいたらというふうに考えておるわけでございます。 それから、春闘等によって値上げが当然行われるのが何ら乳価に反映をしないのではないか、一方において、飼料等については、四月以降の飼料の値下がりを乳価の中に組み込んでおるではないかというふうな御意見でございますが、今日までの乳価の決定につきましては、いわば確定分については昨年度もそういう方式をとってきておるわけでございます。確定分については乳価にこれを組み込むということになっておるわけでございますので、春闘がどういうふうになるかということはまだまだ未確定でございますし、飼料につきましては、四月以降六月までの間一応はっきり決定しているということでございますので、これを組み込んだわけでございます。 なお、その次の問題といたしまして、経営に著しい変動のあった場合においては年度内改定をすべきではなかったか、四十九年度においてもすでに改定をするような著しい経済の変動があったではないかというふうな御指摘もあったわけでございますが、これにつきましては、われわれといたしましては、一道四県の生乳の生産が着実に進んでおるというふうな状況からいたしまして、再生産は確保されておるというふうな考え方に立っておるわけでございまして、全体的、大局的に見て四十九年度改定をする必要はないという判断のもとに四十九年度の再改定は行わなかったわけでございます。 また、今回の試算の中におきましていろいろと問題があるということでございまして、たとえば乳牛償却費が非常に安くなっているが、その理由はどうかという御質問でございますが、乳牛の償却費は、生産費調査期間が御存じのように四十八年七月から四十九年六月までで、これから以降最近の乳牛価格が低下しておるわけでございまして、そのために安くなったわけでございます。 この算定方式は、前年度の価格決定に際して、当時、肉の価格の異常な高騰の影響によって乳牛償却費及び副産物の子牛価格が変動することを緩和するための手法として前年度採用したわけでございまして、本年度の場合は前年度と同様の方式で算定をいたしておるわけですが、子牛価格は実態よりも低く評価しておるので、乳牛償却費と総合してみるとなお保証価格の引き上げの要因となっておるというふうに私たちは考えておる次第でございます。 また、副産物につきまして御意見があったわけでございますが、副産物につきましては雌が高いわけでございますが、その経費は生産費の中に入っておると御理解をいただけると思うわけでございます。 なお、建物償却費につきまして問題があるという御意見でございますが、これは統計情報部の調査をもとにした生産費の原数値に物価修正係数を掛けておるわけでございまして、これはやむを得ないというふうに私は判断をいたしておるわけでございます。 なお、飼料作物の労賃の評価が問題があるという御意見でございますが、飼料作物の労賃につきましては農業労賃を用いておるわけでございます。 この点につきましては、四十九年度の飼料作物に係る家族労働力を平均労賃で評価がえしたのになぜ今回評価がえをしないのかという御意見も生じてくるわけでありますが、これに対しては、私たちは、この四十九年度の評価がえは四十九年度のみに限定をして行うというふうな立場でやったわけでございまして、今回の場合においては、一般の農業生産に準じまして農業労賃という形を用いたわけでございます。 その他、このような乳価の試算のままで決定をするということになったら酪農農家は壊滅をしていくのではないかという強い御指摘でございますが、私たちといたしましては、酪農を今後とも振興していくということについては、わが国の農業を発展させ、自給力を高めるためには酪農振興というものは非常に重要な柱でなければならないというふうに考えておるわけでございまして、そのために、五十年度予算におきましても、粗飼料の緊急増産総合対策を初めといたしまして、飼料基盤整備等につきましての諸施策も強化しておるわけであります。今後ともこういう生産対策等は強力に実施をいたしまして、この乳価の決定によって再生産を確保する価格を決定するとともに、生産対策等も充実して、総合的な対策の中で酪農農家の経営の安定と酪農の振興を図っていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。 なお、同時に、酪農農家の方々が非常に大きな負債を抱えて困っておられるということにつきましては、私たちも十分これを認識いたしておるわけでございます。今日までその負債整理のための幾多の施策も講じてまいりましたし、融資等も行ってきておるわけでございますが、さらに今後ともそういう膨大な借金によって酪農の経営に危殆が生ずるというような事態が起こるということになるならば、こういう問題に対してはさらに積極的な具体的な金融対策等も講じていかなければならない、こういうふうに決意もいたしておるわけでございます。 以上私は申し上げましたけれども、なお抜けておる点がございましたら御指摘をいただきたいと思います。
○美濃小委員 時間がございませんので、他の質問の委員にも御迷惑をかけますから……。しかし、大臣のいまの答弁では満足はできません。したがって、きょう私が申し上げたことは後から具体的な証拠が出てまいりますから、いずれ具体的な証拠に基づいて、きょう申し上げたことの責任を大臣にとってもらう時期があろうかと思いますから、そのときはひとつ腹を決めてやってもらいたいと思います。
○坂村小委員長 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○坂村小委員長 速記を始めて。 島田琢郎君。
○島田(琢)小委員 私の質問時間がなくなってしまったのですけれども、三時になったら大臣はどうしてもだめなんですか。——それじゃ、いま小委員長からの注意もございましたから、私は簡潔に質問いたしますので、大臣初め政府側も要領よく、わかるように御答弁をいただきたいと思います。 まず、いまわが党の美濃委員からも厳しい指摘があったのでありますが、私はけさほど審議会に出されました資料を手にして、実は唖然といたしました。これで一体日本の酪農を守れるのか。大臣、私は率直にあなたのお考えをお聞きしたいのでありますが、いま美濃委員が申しましたとおり、との諮問案でもしも政府側が乳価決定を強行されるなら、日本の酪農、とりわけ加工原料乳の主生産地帯であります北海道の酪農はもはや崩壊してしまう。そうでなくても、昨年一年間の統計だけをとってみても、毎日約九十戸の酪農家が生産の戦線を離れているのであります。 先ほどのお話しを聞いておりますと、しかもきょう畜産局長から審議会に説明がなされておりますものを見ますと、着実に生産が伸びている、だから酪農の再生産は可能だなどということを言っております。これは現場の認識を非常に甘く見ているのではないかと私は思うのですが、大臣、いかがですか。
○安倍国務大臣 私も現在の酪農の実態につきましては認識をいたしておるつもりでございますし、これが非常に厳しい状況であるということもよくわかっておるわけでございます。同時に、これからのわが国の食糧の自給力を高めていくという日本の農政の最大の課題の中にあって、酪農の振興に積極的に取り組んでいかなければならないと考えるわけでございます。 そういう面から、酪農の振興につきましては、一つは生産対策を充実していくということが大事であると思います。同時にまた、価格決定に当たりまして、再生産が確保されるような価格を決めていくということがこれまた当然のことであろうと思うわけでございますが、そういう生産流通対策と、さらにまた価格対策を総合的に実施し、運営をいたしまして、これからの酪農の振興を図っていこうというのが私の決意でございます。 農林省が出しました試算について現在いろいろと御批判もあると思うわけでございますが、今日の段階におきまして、現在、畜産振興審議会においてそれぞれ各層の代表者が出ておられまして、そこで十分御意見をいただきまして、その結果に基づきまして、農林大臣の責任において決定をいたしたいと考えております。
○島田(琢)小委員 大臣、認識が乏しいのではないかと私が指摘をしましたのは、いま酪農民が切実に要求をしておりますのは、とにかくわれわれが経営をして償うような価格にしてくれということです。なるほど牧草づくりも大事だし、あるいは生産を上げるためのそのほかの条件を整備してくれるということも大事なことですが、しかし、当面酪農が成り立つかどうかというところに追い込まれている現場の酪農民の願いは、七十円二銭ではとてもやれぬ、何とか百円以上の乳価を実現してほしいということが言われているのであります。いわゆるあすの米よりもきょうの麦飯が欲しいという訴え、とても待っておれない、いまのままだったら死んでしまうという切実な訴えをしているのです。 長期的な構想に立ってのお考えはよくわかります。大臣のおっしゃっていることを私は否定しているのではありません。しかし、そんなことをやっているうちに日本の酪農がだめになっちゃう、なくなっちゃうという、この緊急事態をどう認識されているのかということを私は聞いているのであります。
○安倍国務大臣 私は、酪農の振興は、ただ単に乳価だけではなくて、総合的な施策を強力に推進していくという私の酪農振興に対する基本的な考え方を申し上げたわけでございますが、今日の乳価決定に当たりまして農林省が提出をいたしました試算につきましては、これは今日までの算定方式を基本といたしましてはじき出した数字でございまして、これは酪農の農家の再生産が十分確保されるという考え方に立って提出をいたしました試算であるわけでありますが、もちろん審議会等の意見も十分拝聴いたしまして、その結果に基づいて決定をいたしたいと考えております。
○島田(琢)小委員 私は、先ほど、大事な生産の担い手たる現場の酪農民が牛飼いをやめているということを言いました。また、先般のこの小委員会における質問において私がお尋ねをいたしましたところ、酪農近代化方針をことしは手直しをしていくというような発言がありました。私は、それらの一連の御答弁を聞いておりますと、日本の酪農について、いま大臣がおっしゃったようなことを真剣におやりになろうと思っているのかどうか、はなはだ疑わしいと思うのであります。 生産が伸びたという反面、輸入はまた四十七年からどんどん伸びているじゃありませんか。そこら辺は私は非常に矛盾だと思うのですが、審議官で結構ですが、事務当局ではどういう計算をされたのですか。
○高須政府委員 生産につきましては、一.九%の伸びを見込んでおります。
○島田(琢)小委員 それはどこですか。
○高須政府委員 資料の三ページをお開きいただきますと、推定生乳生産量は、昨年の四百八十七万四千トンから四百九十六万八千トンで、一.九%の伸びでございます。
○島田(琢)小委員 ところで、特に北海道について申し上げますと、私は、この農水の委員会でもしばしば、現場の実情が皆さんの認識と違うんですよということを言ってまいりました。昨年一年間の状況を見てまいりますと、実際に牛乳は伸びた伸びたと言うけれども、あるいは頭数も維持されていると言うけれども、それは牛肉とのからみで、売りたくても売れない。本来ならこれはもう廃牛にしなければならぬという、搾乳の任務の終わった牛でも、売れないのですから牛舎につないで少しでも乳をしほらなければならぬというところから、乳量が若干ふえる傾向が、北海道といいますか、特殊な地帯においてあったかもしれません。しかし、そういう現場の実情というものを無視して、中央においてただ数字だけいじくり回して、これは伸びたんだ、生産性は依然として維持されているんだというふうに見るということは、認識において非常に大きな誤りを犯しているということを私はいま言っているのであります。時間がありませんから、それ以上のことをいまお答えをいただくという時間がございません。 そこで、私は、先ほども美濃委員から指摘のございました飼育労働あるいは牧草づくり労働におきます単価のとり方について若干の考え方を聞きたいのであります。これは午前中に芳賀委員からも指摘がございました点ですが、今回出された労賃のとり方を見ますと、私どもが長い間農水で主張し、政府側もその考え方に対して、実情についてはほぼわかるという考え方を示してきたと思っておりましたところ、今日出されましたものはまたまた一昨年に逆戻りして、二重単価を持ち出してきている。しかも、臨時雇い労賃を平気で牧草づくり労働の中における単価として採用している。先ほど大臣からも答弁がありましたけれども、昨年半分だけ評価がえをしたという、そこから、ことし一年に限ってではなくて、将来に向かっての課題として進めていく、検討を進めながらこれを実現に向けて進めていこうというふうに私は受け取っておりましたところが、これは後退してしまった。その理由は何ですか。
○安倍国務大臣 四十九年度の保証価格の最終決定に当たっては、飼料作物費に係る家族労働につきましては、製造業労賃と農業労賃との平均賃金で評価がえを行ったことは御指摘のとおりでございますが、これは四十九年度限りの措置として臨時に飼料作物生産の奨励を図る観点から行ったわけでございますが、五十年におきましては飼料作物生産の振興を図るために予算措置も粗飼料緊急増産対策費を初めとして拡充をいたしておるわけでございまして、このためにそういう飼料対策を強化いたしておるわけでございますので、保証価格の中で特別の奨励的措置をとらなかったというのがその原因でございます。
○島田(琢)小委員 大臣、この牧草をつくるときの労働の質というものをどのようにお考えになっているのですか。中学校の娘さんでも想定されて単価をお出しになっているのですか。
○安倍国務大臣 これはやはり一般の農業生産の賃金、こういうふうに私は基本的には考えておるわけでございます。
○島田(琢)小委員 審議官、ことし出された単価は幾らですか。
○高須政府委員 五十年度三百八十六円六銭でございます。
○島田(琢)小委員 大臣、お聞きになりましたか。三百八十六円だそうです。いまどきどこを見渡したってこんな単価で仕事をする人がおるとお考えなんですか。いかがですか。
○安倍国務大臣 去年の農業労賃が二百五十八円三十五銭ということに生産費の計算の中でなっておるわけでございます。ことしはそういう意味で三百八十六円六銭でございますし、去年からことしにかけて、それだけの物価、賃金の一般的な上昇分というものは農業賃金の中にも反映をいたしておるわけでございますが、これは生産費調査といいますか、統計情報部等の調査によりまして、農民が事実上払ったものであるというふうに私は認識をいたしておるわけでございます。
○島田(琢)小委員 これは統計情報部にも問題がありますけれども、いまは時間がありませんから言いません。しかし、昨年の単価を是認して、その上に立ってこれだけことしは上積みしたという言い方では、そんなことを理屈として幾ら主張されても、私どもは認めるわけにまいりません。牛乳をしぼる大事な牧草づくりは同じ一連の仕事の中にあり、私らも帰れば乳をしぼるのと同じように草も取るのであります。中学校の子供さんを連れてきて使うのじゃないのであります。牧草づくりは大事だから、大臣は、補助金をつけても粗飼料の生産に全力を挙げるとおっしゃっているのでしょう。そんな人をばかにしたような単価を出しておいて、だれが牧草の生産だ、増産だなんということで一生懸命になりますか。これはもうことしは絶対改めていただきたいと思うのです。時間がないからもうこれ以上申し上げることができませんが、大臣、決意のほどを一言だけおっしゃってください。やるかやらぬかを言ってください。理屈ならいいです。理屈を言われるならお立ちにならぬで結構です。これは直してください。直さなければ、前向きの攻めの農政なんと言ったことは全くうそっぱちになるじゃありませんか。攻めの農政ならこの部分を攻めてください。そして改善していただきたいと思うのです。もちろん六百円の単価にも問題がありますけれども、芳賀先生からそのお話しは強くなされると思いますから、そんな二本立ての労賃をやめて、一本にして、酪農民が本当に喜んで牧草を生産し、牛乳をしぼれるという、そういう単価に直してください。それが攻めの農政なんだ。私の方からむしろ大臣に御示唆を申し上げる次第なんです。
○安倍国務大臣 一つの考え方としてはまことに有力な御意見であろうと思います。審議会の御意見も十分聞いて、その上で決断をいたしだいと思います。
○島田(琢)小委員 終わります。
○坂村小委員長 芳賀貢君。
○芳賀小委員 農林大臣にお尋ねいたします。 当委員会においては、去る十七日に第一回の小委員会を開いて、本日は第二回目でありますが、午前中は、政府が畜産審議会に諮問をする場合の試算資料を委員会にも提出されまして、その内容について説明を聴取して、不明の点については当委員会においても各同僚委員から質疑を行ったわけであります。 そこで、第一にお尋ねしたいのは、政府が昨年四月一日から実行されました昭和四十九年度のキロ当たり七十円二銭の保証乳価というものが、一年間の経過の中で、実績乳価と対照した場合においてどういうような結果になるかということを詰めてまいったわけでありますが、農林省の資料に基づいて再計算をいたしました結果ようやく次のような数字が出たわけであります。 まず、第一に、飼育労働費については、時間当たり四百六十円と保証乳価においては設定されましたのが、十七日の委員会を通じまして澤邊畜産局長から、年間の他産業の製造業のこれに対応する賃金の実績が六百円であるということが明らかになりましたので、飼育労働費において時間当たり百四十円の差が生じておるわけです。これが百キロ当たり三・八時間を要するということになりますので、計算をいたしますと、ちょうど一キロに直しまして飼育労働費において五円三十二銭不足するという結果になっておるわけであります。もう一つは、飼料作物費、いわゆる自給飼料については全く異例な手法で農林省が計算をしておるわけでありまして、この中に含まされておる飼料作物の自家労働費というものが乳価に算入されておるわけでありますが、これにつきましては、昨年は他産業労賃と日雇い労賃を合算いたしまして、それを二で割った結果を飼料作物の時間当たり労賃にしておるわけであります。ころが一.四時間で五百三十二円を要するということになっておりますので、この分については三〇%実績が上昇しておるわけですから、キロ当たりにいたしますと一円六十銭ということになるわけです。この二つの自家労働費を合算いたしますと、一キロ当たり六円九十二銭労働費において保証乳価は不足をしておるということになるわけです。 もう一つの問題は、配合飼料の購入費についても計上されておるわけでありますが、この点については、一年間の経過の中で政府も二分の一の負担をしておる基金制度から合計して三千七百円程度の支出をしておるというような計算が行われておりますので、結局、実績と保証乳価の算入部門を比較いたしますと、これは僅少でありますが、一キロ当たり三十四銭ということになるわけです。 したがって、この労働費と購入飼料の値上がり分というものを合計いたしますと、キロ当たり七円二十六銭、再計算の結果は、昨年の七十円二銭の保証乳価よりもこれは加算して改定しなければならぬという結果が生ずるわけです。ちょうど今回政府が試算されました昨年の乳価に対しまして、一〇・五%のおおよそ七円三十銭でありますが、その七円三十銭と今回の再計算の結果算入すべき七円二十六銭というものは同数ということになるわけですね。だから、今度の試算乳価というものは昨年の不足分を算入したものであるというふうにも解釈できるわけであります。 そこで、大臣に明らかにしていただきたいのは、このキロ当たり七円二十六銭という四十九年度の保証乳価のいわゆる不足分について、これをいかように補てんされるか。方法としては、再計算の結果というものを明らかにして、当然四月一日にさかのぼってこの不足分を追加払いするのが法律の趣旨から見ても妥当であると思いますが、この点について大臣の所見を明らかにしてもらいたいわけであります。
○安倍国務大臣 いま芳賀先生がお挙げになりました計数につきましては、事務当局のお答えしたものによると思いますので、労賃等の変動はまさに否定し得ないと私は思うわけでございます。ただ、私どもはそういう変動があった事実というものは認めるわけでございますが、四十九年度におきまする生乳の再生産の確保といった点につきましては、これに四十九年度価格の決定によって著しい支障が起こるかどうかという事態の推移等も見守ってきたわけでございますが、北海道を中心といたしまして四県の加工原料乳の主要生産地帯の生乳の生産は前年をやや上回っておるという状況で推移してきておるわけでありまして、著しく再生産が阻害されておるとは認めがたいという総合的な判断のもとに立って、四十九年度につきましては再改定をする必要はない、こういうふうに判断をして今日に至っておるわけでございます。
○芳賀小委員 いまの大臣の答弁でありますが、とにかく政府の保証乳価の七十円二銭に対して一〇%を超える七円二十六銭ですね。実績の結果として再計算した場合においてはこれだけ不足が生ずるわけでありますからして、これは非常に低い数字ではないわけですね。とにかく一割計算を誤っておったということになるわけです。だから、毎年毎年政府が年度当初に決定する推定生産費というものが非常に過小に計算されておるということが明らかでありますから、これは当然政府の責任において措置すべきものであるというふうに明確にしておく点であります。 もう一つは、第二点はことしの計算上の問題でありますが、政府の百キロ当たりあるいは一キロ当たりの保証乳価の算定の基礎になりますのは、まず一頭当たり平均の搾乳牛の生産乳量というものを基礎にいたしまして、それをさらに乳脂率三・二%に換算をして、量的には水増しをして、それを分母にして一頭当たりの必要生産費を除するという形で百キロないし一キロ当たりの乳価を算定しておるわけなんです。ここに非常に問題があるわけなんです。ことしは農林省が計算いたしました平均一頭当たり年間の搾乳量は四千六百二十四キロでありますが、これを三・二%の乳脂率換算をいたしまして、五千百七十七キロにこれは水増しをしておるわけです。これは実際の乳量に対して一頭当たり五百五十三キロ水増しをしておる。パーセントにいたしますと実際の乳量よりも一二%水増しをして、分母を大きくして、そうして乳価を少なくするという悪質なやり方をことしも行っておるわけであります。これを正常に計算いたしますと、こちらから申し上げますが、政府の試算乳価である七十七円三十八銭を実際の搾乳量に直しますと、キロ当たりにして九円二十九銭これは違ってくるわけですね。四千六百二十四キロで一頭当たりの経費を除すると、ちょうどキロ当たりにして九円二十九銭という相違が出てくる。これは大した数字になるんですよ。水増しの結果、当然計上されるものが一キロ九円二十九銭過小になっておるということになるわけです。これを昨年の七十円二銭に対して計算いたしますと、昨年の価格においてもキロ当たり八円四十銭乳価というものが低く抑えられるという結果が出ておるわけです。こういう歴然たる事実があるわけでありますからして、生産者が牛乳を販売する場合に三・二%に薄めるために一割以上の水を混入して販売しておるというような事実は絶対にないわけですね。やはり、実際の年間の実績乳量というものを基礎にして正しい答えを出して、それに対して政府が保証すべきであるというふうに、これは当然のことですが、ことしはぜひ最終決定までに改める必要があると思うわけでございます。 時間がありませんから次に進みますが、ことしの計算の中で問題になるのは、午前中も指摘しておりましたが、この飼料作物費の中において、ことしは約一・三時間程度でありますけれども、労賃の評価が飼育労働費の労賃の評価とまた大きく開いてきておるわけであります。まず、飼育労働費の場合には、昨年の四百六十円に対しまして三二%上げの六百六円七十八銭というのが時間当たりの自家労働費。ところが、飼料作物費の場合においては、昨年は時間当たり三百五十九円十八銭でありましたのを、ことしは時間当たりわずか七%の二十六円八十八銭だけを上昇させるというようなことで、実態は据え置き以下の時間当たり三百八十六円六銭ということにしたわけですね。そういたしますと、同一の生産者である家族労働、いわゆる同一労働の中において、時間当たりの評価というものが、作業が違うことによって、一方は時間当たり六百六円七十八銭であり、一方は三百八十六円六銭であるということになると、作業が異なるというだけで、同一労働の評価に対して時間当たりにして二百二十円七十二銭差をつけておるんですね。一時間ですよ。八時間にいたしますと、一日千七百六十円、同じ労働費でこういう大きな差異というものを昨年以上につけておるわけです。統計調査の報告によりましても、三二%日雇い労賃は上がるということを統計情報部長は言っておる中において、いかに乳価を安く決めようという考えがあるとしても、生産者の貴重な労働の評価というものを低乳価の材料にするためにこのように不当に抑えるということは非常に問題なわけですね。 去年も指摘の結果これは一部修正したわけですが、ことしは飼育労働費同様にこれは評価がえをするか、あるいは昨年も委員会において指摘をいたしました購入飼料でやっても、自給飼料でやっても、搾乳牛に投与して、それによって生乳が生産されるということになれば同一の評価をすべきであるが、そうなれば、購入分についても、あるいは粗飼料中心の自給飼料についても、やはり可消化栄養分総量によって同一単位の計算を起こして、自給でやっても購入でやっても同様の評価を行って、一年間の必要なえさ代というものは正しく計上して、それを再生産の基礎にするようにすべきであるというふうに思いますが、この点の根本的な是正をどうされるのか。 もう一点だけこの場で指摘しておきますが、この計算の中の乳牛の償却費なるものが非常に少なく計上されておるわけです。 昨年は百キロ当たり五百五十八円の償却を行ったわけでありますが、ことしは去年よりも償却の幅を非常に下げまして、百七十一円下げた三百八十七円ということにしてあるわけです。毎年毎年償却の基礎をなおすところの個体の評価額というものを変えて、それによって年間の乳価に計上すべき償却費をふやしたり減らしたりというようなまことに不定見なやり方をやるということは、これは断じて認めることはできないわけであります。これを昨年同様に据え置くということになれば、これは一キロの乳価について一円七十一銭という差が出てくるわけですね。これだけふやさなければならぬのをここでまた縮小しておる。 まだまだ指摘する点がありますけれども、いままで重要と認められた点だけについて小委員会において大臣に指摘をいたしまして、これに対して、どうせこのままで押し通すわけにはいかぬわけでありますから、十分に検討をして、当委員会あるいは畜産審議会等の意見を尊重して正しい乳価を決定すべきであるというふうに考えるわけであります。 以上の諸点について、農林大臣の率直な見解を明らかにしてもらいたいと思います。
○坂村小委員長 時間の都合上、簡潔に願います。
○安倍国務大臣 時間の関係があるから簡単に言えという小委員長の御指示でございますから、要を得ないかもしれませんが簡単に申し上げます。 一番初めの年度内改定の問題でございますが、これは分科会におきましても芳賀先生からも御指摘があったわけでありまして、著しい経済の変動ということに対しては、物価、需給事情、経営の実態等、経済の事情を総合的に判断して、年度内改定の場合はこれを決める。ただ、いままで一度もやったことはないのですが、これを決めるということでは、具体的に総合判断と言っても基準がないからこれはおかしいじゃないかという御意見がありまして、私もこれはもっともな点であるというふうに考えまして、この点については年度内改定等も法律に明記してあるわけでございますから、この基準をつくるということにつきましては事務当局にも研究をするように指示しておるところでございまして、研究が煮詰まりました段階でまた御報告をいたすことにもなると思うわけでございます。 それから、第二点の、脂肪率三・二%換算乳量で行っているのは農民に非常に不利な価格決定になるのではないかという御意見でございますが、これは生乳の取引が従来から三・二%基準で行われておることもありまして、政策価格として保証価格を決める場合に脂肪率を三・二%ということにしておるわけでありますが、三・二%を超えるもの、あるいは下回るものについての取引をどういうふうにするかということについては、取引の当事者間で自主的に決められておるのが今日の現状であるというふうに心得ておるわけでございます。 それから、飼料作物に係るところの家族労働を、四十九年度は平均労賃で評価替えをしたのに今回はなぜ評価替えをしないかという御意見でございますが、この措置は四十九年度限りの措置というふうなことにいたして、臨時に飼料作物生産の奨励を図るという観点から四十九年度とったわけでありまして、五十年度につきましては、予算措置としても粗飼料の緊急対策事業等も行っておりますし、その他の措置等も講じておるために、保証価格の中で特別の奨励的措置を持つといった評価替えをする必要はないのではないかということで判断をして、これは農業労賃にいたして算定をいたしたような次第でございます。 それから、飼料作物費の算定に当たっては、濃厚飼料のTDN当たりのコストについて同じになるようにすべきではないかというふうな御意見でございますが、牛乳の生産費調査におきましては、飼料作物は全量自給飼料であるために、飼料作物に係る費用は飼料作物の生産に要した費用を費用価計算によって算定をいたしておるわけでございまして、そういうふうな観点から保証価格の算定を行ったわけでございます。 さらに、乳牛の償却費を非常に安くしておる理由はどうかという御意見でございますが、これは生産費調査期間以降最近の乳牛の価格が低下しているということのために償却費も安くなっておるということでございまして、前年度の価格決定に当たりましては、当時肉の価格の異常な高騰の影響によって乳牛償却費及び副産物子牛価格が変動することを緩和するという手法として昨年度は採用いたしたわけでございます。本年の場合は前年度と同様の方式で算定はしておりますが、子牛価格は実態よりも低く評価しておりますので、乳牛償却費と総合してみますと保証価格の引き上げ要因となっておる、こういうふうに判断をいたしておるわけでございます。 大体以上申し上げましたことで、十分意を尽くしませんですが、いろいろと御指摘の諸点につきましては、現在畜産審議会等におきましてこれらの論点について十分審議も交わされて、そしてその結果の御答申を得られると思うわけでございますし、また、本委員会における御討議、御質疑の内容につきましては、これは十分尊重いたしまして最後の決定をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
○芳賀小委員 時間の都合がありますから、残余は本委員会において質問いたします。
○坂村小委員長 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○坂村小委員長 速記を起こして。 諫山君。
○諫山小委員 酪農農民に再生産ができる乳価を保証せよ、具体的には都市勤労者並みの労働報酬が得られるようにせよ、これは私たちの党の一貫した主張です。 〔小委員長退席、芳賀小委員長代理着席〕 同時に、牛乳、乳製品の消費者価格を引き上げてはいけない。消費者価格が引き上げられていることが需要を減少させる大きな原因になっているわけですから、この両面を解決しなければなりません。そのためには政府がもっと支出をふやし、同時に、乳業資本の不当な利益がないように監視し、指導するということが非常に大切だと思っております。 私は、前回の小委員会で、飲用乳について農民の取り分が減ってきた、小売り店の取り分も減ってきた、ところが乳業メーカーの取り分が割合としてずっとふえてきたという問題を指摘いたしましたが、この問題に関連して、乳業資本が不当な利益隠しをしているのではないかという問題を明らかにしたいと思います。 有価証券報告書を検討していただくように申し出ていたわけですが、たとえば、昭和四十八年四月一日から四十九年三月三十一日までの雪印の第二十四期の有価証券報告書の総覧を見てみますと、公表された純利益というのは二十四億一千万円、ところが、有価証券報告書の中の監査報告で十四億円の隠し利益があるということが指摘されています。関係部分を読み上げてみますと、まず、「監査報告書」として、「貸借対照表負債の部に計上されている価格変動準備金八億四千七百九十万円及び公害防止設備特別償却準備金五億七千百二十万円は、資産評価性及び負債性が共に認められないので、利益剰余金の性格を有するものと考える。従って利益剰余金の総額は同額だけ少なく、負債の総額は同額だけ多く表示されているものと認める。」となっております。これが監査報告書の指摘です。わかりやすく言うと、利益が合計して十四億円以上少なく表示されている。逆に、負債が十四億円以上多く表示されている。これはいわゆる隠し利益だということになるわけですが、農林省はどう理解していますか。
○安倍国務大臣 御質問の準備金は利益の一部の留保であるとも考えられるわけでございますが、価格変動準備金については企業の健全性の保持上、及び公害防止設備特別償却準備金につきましては公害防止設備の設置促進上、ともに有益なものであるわけでございます。これらは企業会計上の指摘はあるわけでございますが、いずれも適法なものでございまして、内部留保を隠蔽するために行ったものとは考えていないわけでございまして、監査報告書によりましても、最後に、「事業年度の経営成績を適正に表示しているものと認める。」というふうに最終的な結論としては出ておるわけでございますから、これはこれなりに適法に行われたものであって、隠蔽をしたものではないというふうに私たちは判断をいたすわけであります。
○諫山小委員 限られた時間ですから、会計学上の論争をしてもしようがないと思います。ただ、公式の監査報告書の中で、これは利益の中に計上すべきものだ、利益金が合計して十四億以上少なく表示されている、と指摘されていることは間違いないわけです。そして、これはこの年だけではなくて、前年度にも同じような指摘がされております。前年度のいわゆる隠し利益も十四億円を下りません。これは雪印がもうけ過ぎている、そして、本来は利益の中に計上すべきであるのに、何らかの理由で計上していないんだ、と、監査報告はこういう指摘をしているわけです。全体としてはなるほど是認しておりますが、この指摘が二年間続いているが、この点はどうお考えですか。この監査報告の指摘は間違っているという見解でしょうか。
○安倍国務大臣 これは調べてみますと、この計上された利益につきましては、その翌年度は公害対策事業に使われておるというふうに調査の結果出ておるわけでございまして、そういう点では利益はあったかもしれませんが、これを有効に使ったというふうに判断してもいいのじゃないだろうかと思うわけでございます。
○諫山小委員 こういう小委員会ですから、私は他の省庁の専門家にきょうは来てもらいませんでしたが、しかし、大蔵省なんかの見解を聞くと、こういう場合はいわゆる隠し利益に当たるから行政官庁が指導すべき事態に当たるというふうに説明しております。この点は農林省がとにかくこれを認めてこられていますから、いまこの場で、確かにこれは隠し利益でございます、粉飾決算ですというふうには言いにくいと思いますが、大蔵省あたりの専門家は行政指導で是正すべき問題だと言っています。そして、是正されるとすれば、たとえば雪印の昭和四十七年度の公表された純利益というのは十九億九千万円だけれども、そのほかに十四億円の利益があったんだ。四十八年度の公表された純利益は二十四億一千万円になっているけれども、それ以外に十四億円の純利益が隠されているんだ。この点をもう少し専門家の意見も聞きながら検討していただいて、いやしくも隠し利益がそのまま放置されるというようなことがないように検討をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○安倍国務大臣 これは先ほど申し上げましたように、企業会計上の指摘はもちろん御指摘のようにあったわけでございますが、これらにつきましては、価格変動準備金につきましても租税特別措置法上認められておるわけでございますし、また、公害防止の準備金につきましても商法上認められておるわけでございまして、そういう観点から見まして、さらにまた、この利益が公害防止ということに還元をされておるわけでございますから、私どもとしては、これは別に隠蔽するために行われているというふうには考えていないわけでございます。
○諫山小委員 公認会計士がたくさん名前を並べて、これはいわゆる隠し利益だと指摘しているわけですから、やはり検討を要する問題です。 もう一つ、退職給与引当金がいわゆる利益隠しのときに常に問題になるということはわれわれの常識です。たとえば電力会社が電気料金を値上げするときに、膨大な隠し利益を退職給与引当金という名目で内部留保している。これが大変問題になったわけですが、雪印を例にとりますと、昭和四十七年度に実際に支払った退職金額が五億三千万円、四十七年度に積み立てた退職給与引当金が約十六億、そして退職給与引当金の累積が百九億。四十八年度に実際に支払った退職金が約二億一千万、この年に積み立てた退職給与引当金が二十一億、退職給与引当金の累積積立額が百二十八億。つまり、昭和四十八年を例にとりますと、一年間に退職金は二億一千万円しか要らなかったのに、退職給与引当金という名目で百二十八億円の金が残されている。これを四年間累計しますと、四年間だけで退職給与引当金の累計というのが五十二億円ふえております。これは表面上にあらわれない純利益なんです。これを考えると、雪印の利益というものは世上公表されているよりかはるかに膨大な利益になるのではないかというふうに見ざるを得ないわけですが、いかがでしょうか。
○高須政府委員 ただいまの問題でございますが、退職金につきましては、特に基準等がございません。積み立てて、結果として残ったということになっておるようでございます。
○諫山小委員 これは雪印だけではありません。明治乳業を例にとりますと、昭和四十九年の四月一日から九月三十日まで、半年間ですが、実際に支払った退職金が約九千五百万円、この間に積み立てられた退職給与引当金が七億九千万円、そして累積されている退職給与引当金が四十億三千万円。つまり、半年間に実際に支払われている退職金の四十倍以上の退職給与引当金が積み立てられている。 森永を例にとりますと、昭和四十八年十月一日から四十九年三月三十一日まで、実際に支払われた退職金が一億二千万円、そして現在累積している退職給与引当金が五十二億二千万円。これも四年間を例にとりますと、四年間に退職給与引当金名目で蓄積された資本が二十九億四千万円。膨大な金が退職給与引当金という名目で会社にためられつつある。 こういう状態は普通の営利一本の株式会社でも問題になるわけですが、いろいろ政府が価格に介入する現在の仕組みのもとでは重大問題だと言わざるを得ないのですが、農林省、どう考えていますか。
○高須政府委員 先生のおっしゃいましたように、企業会計の場合、退職金というのは非常に不安定な見通しに基づきまして積み立てておりますので、各会社ともやや多目になっておるというのは先生御指摘のとおりだと思います。したがいまして、私ども、基準取引価格等の算定に当たりましては、いろいろな条件を考慮しながら、負担能力ありや否やという判定の要素の際に、そのような個々の勘定の動きといったものを慎重に考慮いたして、おる次第でございます。
○諫山小委員 いまの関係をもう一回整理しますと、雪印について言いますと、昭和四十七年と四十八年で、価格変動準備金、公害防止設備特別償却準備金という名目で、それぞれ一年間に十四億円以上がいわゆる隠し利益として留保された。そして、退職給与引当金の名目で、たとえば昭和四十八年だけでも二十億近い金が新たに蓄積された。これは本来なら純利益として公表されるわけです。森永、明治についても似たような関係があります。こういうことが放置されていて、たとえば小売価格を決定し、あるいはいろいろ政府が価格に介入する場合に、これを無視して決めていいだろうかということが私の問題点の指摘だったわけですが、こういう点を根本的に洗い直してみて、そして不当な隠し利益とか内部留保の取り過ぎというような点があれば行政指導で是正させるということは当然必要なことだと思いますが、いかがでしょうか。
○高須政府委員 先生御指摘のとおりでございますが、しかし、一般に引当金とか準備金とかいうような種のものは、法律上、そういう会計上認められておる制度でございますので、各法人が利益の一部分を引当金、準備金等として積み立てるということは適法なことでございます。が、しかし、その内容については先生御指摘のとおりでございまして、退職金引当金等が非常に過大に積まれておって、そして現実には余り使われていない、大量退職が発生していないということでございますので、そういうような会社の経営状況等は私どももよく分析いたしております。 そのようなものを考慮しながら、基準取引価格の算定等については十分配慮いたしておるつもりでございます。
○諫山小委員 最後の質問です。 退職引当金をもう一遍言いますと、雪印の場合には四年間に五十二億円ふえたのですよ。それから森永の場合には四年間に二十五億四千万円ふえたのですよ。これは純利益という形では出てこないけれども、会社の財産がふえていることは事実なんです。ですから、私が最後に大臣に要求したいのは、こういう問題を洗い直して、不当な内部留保があり過ぎるというようなときには行政指導してもらいたい、つまり再検討してもらいたいというのが私の提案ですが、いかがですか。
○安倍国務大臣 いまお話しがございましたところによると、乳業会社等が相当大きな留保を持っておるということですが、これにつきましては、法律的には先ほど審議官もお答えいたしましたように適法であるわけでございますし、会社としていろいろな事態を想像して留保することは当然であろうと思うわけでございますが、しかし、それにしてもやはり一つの節度というものもあるのではないかとも思うわけでございまして、農林省としても、会社の実態等につきましては、平素から十分把握もいたしておるわけでございます。 〔芳賀小委員長代理退席、小委員長着席〕 したがって、こういう会社の実態というものを十分認識した上に立って、乳価の決定に当たっての会社側との直接な関連を持つ基準取引価格等につきましては、十分これらの実態も配慮して決めていかなければならないし、今後ともそういう考えで貫いてまいりたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○坂村小委員長 瀬野栄次郎君。
○瀬野小委員 農林大臣が参議院の予算委員会に出席されるので、余った時間を若干質問いたしまして、残余は引き続き十六時からの大臣を迎えての質問に留保させていただきたいと思います。 各委員から午前中にいろいろ質問をしてまいりましたので、ダブった点は省いて、はしょって質問いたしますが、まず、大臣にお伺いしたいのですが、ことしも春闘が行われて賃金のアップがあることは当然のことでございますが、今回の乳価の政府試算を見ますと、これが全然考慮に入れられていないということで、午前中にも高須審議官からいろいろ答弁がありました。確定要素は織り込むが不確定要素は織り込まないというようなことでいろいろ言われております。都合によってはそういうことを言い、都合の悪心ときにはまた政府は都合のいい答弁をされますけれども、こういう畜産の危機を迎え、大変なときになっているときに、農林大臣は、攻めの農政の立場から、こういうことについては当然配慮していただかなければならぬと思うのですが、その点、まず大臣の見解を承りたい。
○安倍国務大臣 乳価の決定に当たりましては、いまお話しがございましたように、今後の問題については、確定要素についてはこれを乳価の算定の中に組み込んでいくが、未確定分についてはこれを組み込まないというのがこれまでの乳価決定に当たってとってきた措置でございます。ですから、四十九年度に当たりましては、飼料が値上がりをするという確定要素がございましたので、これを四十九年度の乳価に織り込んだわけでございます。ことしは飼料が値下がりをするという確定要素が発生しましたためにこれを織り込んだわけでございますが、春闘等によるところの労賃がどうなっていくかということにつきましては、現在のところまだはっきりしておらない、未確定でございまして、これを価格の中に織り込んでいくということにつきましては、私たちはこれをしないということで今日に来ておるわけでございます。
○瀬野小委員 大臣は過去にもしばしば米価の場合なんかにおいても答弁されておりますが、米価の決定時期なんかについてはいろいろ議論のあるところで、私たちも大臣には田植え前に早期に決めろということを言っております。ところが、米価の際なんかは、これまで普通六、七月ごろに決めるということで、その際は春闘相場が反映されるように春闘後に行うということをしばしば申されておる。 そこで、私が申し上げたいことは、乳価の場合についても、春闘で当然労賃アップがあるが、しからば、これを加味しないと、現在のデータでいけば、これは一年おくれのデータということになって、一年間影響することになりますので、米価の場合と同じような大臣のお考えであるならば、この乳価の場合についても、他産業労賃の決定した時点で評価がえをして、追加払いをして、農家の生産意欲を守っていく、そして、再生産に見合うようにして、農家の壊滅的打撃を救っていく、こういうような考えに立つのが当然である、こういう論理になるわけですが、そういったことについて追加払いの意思があるのか、その辺を大臣から承っておきたいと思います。
○安倍国務大臣 決定の時期につきましては、確かに御意見のようにいろいろと問題があろうと私は思うわけでございまして、やはり、価格制度を維持していく場合におきましては、そのほんの直前までの直近の生産費というものが正しく反映されなければならない。そうなってきますと、この乳価の場合には五十年度の乳価を四十九年度末までに決めろと法律で決まっておるわけでございまして、そういう点は確かに乳価の場合には問題があると私は思うわけでございます。これは法律によって決まっておるわけでありまして、もしこれを改定しようということになるならば、法律改正をしていただく以外にはない、こういうふうに考えておるわけでございますが、年度内の改定につきましては、これは経済事情等著しい変動があった場合には改定をしなければならないという法律のたてまえになっておるわけでございまして、これを行うにつきましては、経済あるいは物価、労賃あるいは需給情勢等も十分勘案をして、その上に立って総合的に判断をした結果、著しい変動がある場合は再改定をするということになるわけでございます。 今日までそうした改定が行われたことはないわけでございますが、法律はそうなっておるわけでございますから、今後そういう著しい変動が起こった場合は、これは改定をするということは、法律上定められておることによって当然のことであろう、私はそういうふうに思うわけでございます。
○瀬野小委員 もう一点聞いて終わりにしておきますが、十五日に畜産振興審議会の総会を開いて、飼料部会、畜肉部会、酪農部会と今日まで来ておりますが、今後の政府のこれらに対する価格決定の見通し等について大臣からお答えいただきたい。
○安倍国務大臣 乳価につきましては、法律で決まっておりますように、三十一日までにこれを最終的に決定をいたさなければなりませんので、畜産審議会の審議がいま行われておりますが、この審議の御答申を早く得て、その結果に基づいて、農林大臣としての責任において三十一日までに決定をする考えでございます。
○瀬野小委員 一応前段を終わります。
○坂村小委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後三時二分休憩 ————◇————— 午後三時五十三分開議
○坂村小委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、お諮りいたします。 本小委員会は、十七日及び本日の二日間にわたり、畜産物の価格等に関する問題について調査を行ってきたのでありますが、本小委員会の結論を次のとおり決定いたしたいと存じます。 以上を本小委員会の結論とすることにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂村小委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 なお、本件につきましては、これを小委員長から農林水産委員会に報告するとともに、委員会において決議せられるよう提案することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂村小委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 本日は、これにて散会いたします。 午後三時五十六分散会