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75回国会衆議院1975/03/17

農林水産委員会畜産問題に関する小委員会 第1号

発言数
148
登壇者
8
会派数
4
開催日
1975/03/17

会議録

坂村吉正自由民主党

○坂村小委員長 これより畜産問題に関する小委員会を開会いたします。  私がこのたび小委員長に選任されましたので、何分よろしくお願いいたします。  畜産問題に関する件について調査を進めます。  この際、畜産振興審議会に対する昭和五十年度畜産物政策、価格等の諮問について政府から説明を聴取いたします。高須審議官。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 私、畜産局の審議官の高須でございます。  ただいま局長が畜産振興審議会の飼料部会の方に出席いたしておりますので、間もなく参ることと思いますが、それまで局長にかわりまして私の方から御説明を申し上げたいと思います。  まず、初めには、十五日に行われました畜産振興審議会の議事の状況を簡単に御報告申し上げます。  冒頭に農林大臣のあいさつがございまして、その後、部会長等役員の指名がございまして、お手元の資料の中に入っております諮問が正式に諮問されたわけでございます。  この諮問の中身は三つございまして、最初のものは、飼料需給安定法第三条の規定に基づきまして政府が行う輸入飼料の買い入れ、保管及び売り渡しに関する昭和五十年度飼料需給計画の意見を求めておるわけでございますが、これはただいま三番町の方でこの部会が行われておる段階でございます。  第二番目の諮問は、お手元にございますように、畜産物の価格安定等に関する法律第三条第一項の規定に基づきまして、豚肉の安定価格を定めるに当たり留意すべき事項について意見を求めるといった趣旨のものでございます。  第三の諮問は、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法第十一条第一項の規定に基づきますところの加工原料乳の保証価格等につきまして留意すべき事項について審議会の意見を求めるというものであります。  こういう趣旨の三つの諮問が出されたわけでございますが、その後で、畜産局長から、最近におきますところの畜産の動向と畜産の諸施策等についての報告がございました。これはかなり長いものでございますので、その要旨だけを簡単に私から説明いたしたいと思います。  まず、初めには、畜産をめぐります一般動向についてでございます。  わが国の経済は、四十八年秋以降異常な混乱に見舞われたわけでございますが、最近におきましてはようやく収束の兆しが見られたというふうに、まず一般の経済事情を説明いたしております。この中におきまして、農業面にもいろいろな種々の影響がありましたが、とりわけ畜産につきましては、国際的な飼料穀物需給の逼迫というようなことが起こってまいりまして、きわめて困難な情勢になった。特に、消費節約ムードが浸透いたしまして、畜産物、とりわけ牛肉につきましては需要の減退が見られ、卸売価格が低落するというような状況が起こったわけでございます。この畜産物需要の停滞というものは、しかしながら一時的現象にすぎない。そうして、今後においては、国民経済の発展に伴って拡大するというふうに考えております。  そこで、御承知のように、農政審議会におきまして、昭和六十年を目標年次といたします長期見通しをただいま検討中でございますが、この長期見通しの中におきましては、一般の消費支出水準の伸びを大体五%くらいに想定いたしておりまして、こうした見通しの中におきまして、畜産物の生産といったようなものあるいは消費というようなものの見通しが行われておりますが、これにつきましてはまた後に申し上げますが、一般的に言いまして、ほかの農産物の伸びが非常に低いにもかかわらず、農産物の中におきましては畜産物は安定的な発展をすることがこの中に述べられておるわけでございます。  そこで、この畜産物の政策といたしましては、生産の増強、特に一その基盤でございますところの飼料穀物の需給、粗飼料を中心といたします国内飼料資源の開発というようなものと、それから海外原料に依存いたしておりますところの濃厚飼料の輸入の確保、そのほか、畜産物価格安定対策であるとか、技術、経営の改善合理化というような諸施策を推進することを述べておるわけでございます。  こういう畜産物一般の状況から、次に、牛乳乳製品と酪農の動向に及んでおりまして、まず、生乳の生産につきましては、四十五年以降鈍化傾向をたどっておるわけでございますが、特に、最近二カ年は前年を下回って推移いたしております。  また、このような中にございまして、生乳の主要生産地帯は次第に遠隔農業地帯に移行するという現象が見られ、このために生乳輸送の問題が増大いたしております。  牛乳の需要につきましては、堅調に推移してまいっておりましたが、四十九年には、対前年比九八・五%とやや停滞ぎみに推移いたしております。  また、乳製品につきましても、最近の消費節約ムード等の影響もございまして、消費も減退いたしております。そして、指定乳製品の市況は、安定指標価格の水準か若干それを下回るというようなことで推移いたしております。  次に、酪農経営の動向でございますが、飼料戸数は三十八年がピークでございまして、その後、  一貫して減少いたしております。四十九年には十七万九千戸となっております。  飼養頭数を見てまいりますと、これも四十六年以降停滞いたしておりまして、四十九年も一・六%の減少を示しておるわけでございます。  ところが、一戸当たりの飼養頭数を見てまいりますと、四十年当時三・四頭が四十九年には九・八頭となっておりまして、規模拡大が着実に進んでおるわけでございます。  また、酪農の飼養規模階層別の構成も非常に変化してまいりまして、成畜十頭以上層のシェアが大幅に増加いたしております。  このような酪農の一般事情を踏まえまして、酪農関係の施策を申し上げますと、まず、第一番目は、加工原料乳生産者補給金制度についてでございますが、四十九年度は御承知のように大幅な値上げをいたしまして、七十円二銭、基準取引価格等も五十三円四十一銭、その結果、補給金といたしましては十六円六十一銭、これは御承知のとおりでございます。五十年度におきましては、この三月三十一日までに適切な水準に決定してまいるという考えでおるわけでございます。  第二番目に、酪農の生産対策でございますが、何よりも必要なのは飼料生産の積極的推進でございまして、五十年度予算におきましても、自給飼料の対策の強化とか、あるいは乳用牛資源の有効利用等を中心にいたしまして生産の振興を図る予定でございます。  飼料関係の問題につきましては、後でまた飼料部会の会長報告がございますので、その中で詳しく御説明いたすことにいたしまして、ここからはすべて省略させていただきます。  それから、乳用牛資源につきましては、従来から引き続き、優良乳用種雄牛選抜事業であるとかあるいは乳用牛群改良推進事業等を通じまして、一層改良増殖対策の拡充を図りますとともに、乳用牛資源確保対策事業その他乳用牛の導入を推進いたすことにいたしております。  また、従来から引き続きまして、市乳供給モデル団地育成事業等を実施いたしまして、酪農経営の組織化にも努めてまいります。  第三番目には、牛乳の需要の拡大と流通対策でございますが、これには、まず学校給食用牛乳供給事業を引き続き計画的に実施いたすことになっておりまして、前年度同様六十三万キロリットルの供給量を予定いたしておりますが、また、僻地校への輸送費についても助成いたすことにいたしております。  流通改善問題につきましては、生乳の輸送体系の整備であるとか、あるいは送乳用のコンテナをリースする事業でございますとか、こういう事業を行うことにいたしております。  また、協業化につきましては、牛乳配送合理化促進モデル事業ということを引き続き実施することになっております。  以上のように、酪農対策につきまして、現状とその施策を御説明申し上げたわけでございます。  次に、牛肉と肉用牛飼養の動向でございますが、牛肉の問題につきましては、一昨年及び昨年と、諸先生方も十分内容を御存じでございますので、簡単に御説明申し上げます。  牛肉の国内生産は、四十八年に非常に低下いたしまして、そのために牛肉価格が暴騰いたした。その反動といたしまして、四十九年は生産もきわめて増大いたしておりますが、価格は非常に低迷を続けたわけでございます。このために、政府は、四十九年の二月以降、輸入枠の凍結と申しますか、輸入調整、それからまた生産者団体による自主調整保管事業あるいは小売価格指導、消費拡大促進等の種々の政策を繰り返してまいりまして、最近では牛肉の価格も回復の兆しを見せておりまして、たとえば和牛去勢肉「中」一キログラム当たり千三百円程度、乳雄牛肉にいたしましても千百円弱の水準で推移いたしておるわけでございます。  また、注目すべき状況といたしましては、四十九年の夏以降、乳用雄子牛の屠殺が急激に増大いたしております。昨年の十一月には二万五千頭を超える屠殺になっております。ところが、最近、この屠殺の動向もやや減少傾向を示しておりまして、この二月、一月でございますか、一万八千頭程度まで減少いたしてまいっております。このことは肥育仕向け率もまた次第に回復しておるということを示すわけでございますが、しかし、昨年の後半に屠殺の増加いたしましたことは、五十年の後半、特に暮れから五十一年にかけて牛肉の不足を予想されるわけでございます。  肉用牛の一般の経営動向を見てみますと、乳用牛と同じように飼養戸数は減少いたしておりますが、飼養頭数の方は最近やや上昇いたしております。特に乳用雄牛を中心といたしまして急速に増大いたしておりまして、肥育用の仕向け率も四十八年は非常に高かったわけでございますが、四十九年は若干下がりましたが、最近再び復活してまいっております。  このような経営の動向を対象といたしまして、肉用牛の生産振興対策の概略を申し上げますと、やはり大家畜でございますので、自給飼料、特に粗飼料の利用ということを重点に飼料基盤の整備を図ってまいりたいと思いますが、これにつきましては後ほどまた申し上げます。  特に、この肉用牛につきましては、山林と農用地が併存する地域において、林業経営との調和を図るというような形で林間放牧の問題の新たな調査を実施してまいることにいたしております。  第二点は、肉用牛資源の維持強化でございますが、このためには、産肉能力調査であるとか、あるいは乳用雄子牛利用促進事業であるとか、また、肉用牛の導入事業を引き続いて実施することにいたしております。  それから、草資源の利用ということを基礎といたしまして、多頭繁殖経営の集団的な育成を図るための肉用牛生産団地育成事業であるとか、また、高能率な大型畜産専門経営群の育成を図るための畜産基地建設事業の拡充というような基盤の事業があるわけでございます。  それから、四番目は牛肉価格安定対策でございますが、これには先般国会の方で御審議をいただきました畜産物の価格安定等に関する法律の改正を行いまして、牛肉を同法の指定食肉に追加するということで将来の価格安定を図ってまいりたいと思うわけでございますが、この三月三十一日までに可能であるならば、同法案の可決成立によるわけでございますが、速やかに牛肉の安定上位価格と安定基準価格を審議会に諮って決定できることを期待いたしておるわけでございます。  それから、牛肉流通の問題でございますが、これにつきましては、生産圏を単位といたします大規模な食肉処理保管施設の整備であるとか、また、消費地における生産者団体等による大規模冷蔵施設の整備であるとか、こういう流通問題にも新たな施策が五十年度には予定されておるわけでございます。  さらに、また、牛肉の小売問題はなかなか問題でございますが、これにつきましても、標準食肉販売店の育成事業を新たに実施することといたしております。  牛肉につきましては以上のようなことでございますが、次に、豚肉と養豚の動向を御説明いたしたいと思います。  豚肉の需要は順調に、きわめて急速に伸びてまいったわけでございますが、最近やや鈍化の兆しを示しております。豚肉の国内生産もこの需要に対応して急速に拡大してまいったわけでございますが、昨年に至りまして、年度後半、生産の伸び悩み傾向を示しておりました。したがって、豚肉価格も最近に至って急激に上昇いたしておるわけでございまして、これは特に本年に入りましてから肉豚の出荷の減少ということから由来いたしておるわけでございます。したがいまして、三月十三日から関税減免措置を実施いたしまして、消費者価格の安定を図っておるところでございます。  豚の飼養動向につきましても、やはり同じような状況を示しておりまして、飼養戸数は減少、飼養頭数は増大というようなことで、二戸当たりの飼養規模は確実に進んでおるわけでございます。  特に、肥育経営の規模拡大というものはまことに顕著でございまして、五十頭以上の階層のシェアが現在戸数にして九%、頭数にして六〇%に達しているわけでございます。  このような、養豚に対しまして種々の施策を行っておるわけでございますが、豚、そのほか鶏等につきましてはほとんど完全自給の体制でございますので、それを一層進める、ほぼ完全自給をさらに一層進めるというようなことで基本的に考えておりますが、そのために養豚団地育成パイロット事業等を引き続き計画的に実施するわけでございます。  また、豚の改良等につきましては種々の改良増殖の事業を行っております。そして、優良種豚生産促進事業等を実施いたすことにいたしております。  それから、豚と、後に申します鶏の場合には特に環境汚染の問題が問題でございまして、これらにつきましては、土地還元を軸といたした適正なふん尿処理を推進することを考えておるわけでございます。  次に、豚肉の流通の問題でございますが、これは牛肉とともに、食肉処理施設であるとか、あるいは大規模冷蔵施設等の整備を行ってまいる予定でございます。  豚肉の価格安定対策につきましては、これは御承知のように、畜産物の価格安定等に関する法律に基づきまして安定価格帯をお決めいただくことになっておるわけでございます。これにつきましては、いずれ部会が開かれまして御答申をいただくことになっております。  そのほか、子豚の需給調整につきましても、需給調整対策事業を拡充してまいりたいと考えております。  次に、鶏卵、鶏肉及び養鶏の動向でございますが、鶏卵の需要につきましては、すでに日本の消費は世界的にもきわめて高い水準にございますところから、伸び悩みの傾向を示しておるわけでございます。大体百八十万トン程度ということで横ばいになっておりますので、鶏卵の生産もこのような消費の動向に合わせまして計画的な生産を指導いたしてまいりたいと考えておるわけでございます。  価格につきましては、四十九年の夏ごろは二百円を少し超える程度の異常な低落を示したわけでございますが、最近に至りまして鶏卵の価格は計画生産の効果が如実にあらわれてまいりまして、四百円という史上最高の高値水準に到達いたしておるわけでございます。  鶏につきましては、特に卵につきましては、毎年毎年季節変動を繰り返すわけでございますが、この季節変動を調整するために卵価安定基金があることは御承知でございますが、五十年度の予算から初めて国がこれに対しててこ入れをすることを考えておるわけでございます。液卵公社の強化あるいは団体の調整保管事業に対する助成等も引き続き講じてまいる予定でございます。  鶏肉につきましては、最近需要はやや横ばいと申しますか、いままできわめて急速に伸びてまいりましたが、ようやく転換期に到達したように思われます。したがいまして、ブロイラーの卸売価格も非常に安定的な水準と申しますか、最近三百三十円程度で推移いたしております。  鶏の飼養状況につきましても他と同じことでございまして、他よりはもっと激しく飼養戸数が減少、飼養羽数が増大、一戸当たりの飼養規模が拡大というような規模の拡大が引き続いて進んでおるわけでございます。  この鶏につきましても、生産対策といたしまして、優良種鶏集団の育成事業であるとか、優良鶏相性テスト事業であるとか、こういうものを引き続き進めてまいるわけでございます。  流通対策その他につきましては、その資料にございますが、これは省略させていただきます。  このように各部門別の御説明を終えまして、その基礎でございまするところの飼料問題を詳細に御報告申し上げておるわけでございます。  資料をずっと四十ページまで飛びまして、えさ関係は後でまた御説明申し上げたいと思いますが、時間がございませんので、さらに四十ページのところの畜産経営の環境整備の問題ですが、これはふん尿処理が一番の問題でございます。  それから、四十三ページにございますように、家畜の改良増殖の推進であるとか、あるいは四十五ページの家畜衛生対策と、畜産局の現在推進いたしております一般的な御報告を申し上げております。特に、衛生対策のところで、四十六ページにございますように、豚水胞病を家畜伝染病予防法の一部改正によりまして伝染病に指定していただくという法律改正を現在国会に提出しておるところでございます。  時間がございませんので、畜産局長報告をこの程度でやめさせていただきます。  このような報告がございまして、あと質疑がございました。そこで若干の問題点が指摘されておるわけでございます。  その問題点だけ申し上げますと、まず、年度内価格改定の問題で、生産者代表の方から改定条項の発動基準を具体的に明らかにした方がよろしいというような御意見が出ておったわけでございますが、中立委員、消費者の方々からは、年度内改定は慎重にすべきであるというような御意見が出ておりました。なお、年度内改定の問題に関連いたしまして、この畜産物価格を決定する時期についても検討、研究の必要があるというような発言がございました。  それから、第二番目の問題は、国有林をもっと積極的に活用すべきであるという御意見が主張されておりました。  それから、第三番目は、そのほかいろいろな問題が出ておりましたが、農業の位置づけであるとか、あるいは畜産対策とか、各種の制度があるけれども根本的に再検討を加えるべき時期ではないかとか、あるいはまた金融制度を新たに見直すべきではなかろうかとか、あるいはまた牛肉輸入調整金といったようなものをもっと活用すべきではないかとか、そういうような御意見が聞かれたわけでございます。  このようにいたしまして、十五日の二時半ごろ終了いたしまして、それからあと若干時間がございますが、本日三番町におきまして、ただいま畜産振興審議会の飼料部会が行われておるわけでございます。ここで部会長あいさつあるいは諮問が行われまして、畜産局長あいさつといったような順番で目下進んでおる最中でございます。  この諮問の内容は、先ほど申し上げましたように、飼料需給計画についての意見を求める趣旨の諮問でございます。そこで、飼料部会の局長の説明の中に一般の飼料需給の動向等を詳細に説明いたしております。これはいまさら御説明するまでもございませんが、一昨年来の飼料穀物の国際需給の逼迫、特に昨年の国際需給の逼迫で国内の配合飼料価格が非常に上がった、そのために畜産経営が非常に苦しい状況になったというような状況を御説明申しまして、そこで、これらのこのような状況を踏まえまして、飼料関係の施策といたしましては、やはり良質な飼料を安定的に供給して畜産経営の安定向上を図ることにあるというようなことで、各種の施策が述べられております。  これは、お手元の資料の飼料部会の方の資料の中に局長説明というものがございまして、その六ページから七ページあたりから重要な点だけ御説明させていただきたいと思います。  まず、飼料対策といたしましては、飼料生産の増強でございまして、この方向といたしましては、長期見通しにおきまして、将来、六十年までに作付面積を百四十七万ヘクタールに拡大する、そうして大家畜について粗飼料給与率を六七%程度に高めるということを目標にいたしておるわけでございます。このためには、八ページにございますように、従来からの草地開発事業を推進する、あるいはまた、事業団の行います畜産基地建設事業の拡充を行ってまいる、また、従来から行っております既耕地における飼料作物生産の増強を行うところの飼料作物生産振興対策を行ってまいる、特に、五十年度におきましては、新たに水田裏における飼料作物の生産利用という事業や、また、地域の実態に即応いたしました飼料作物の作付拡大、効率的利用あるいは粗飼料流通の促進、稲わらの利用といったようなことを対象にいたしますところの緊急粗飼料増産総合対策を強力に実施してまいる、こういうことになっております。  第二番目の点といたしまして、わが国の場合流通飼料が非常に重要な位置を持っておるわけでございます。そこで、流通飼料対策といたしましては、まず第一に、政府操作飼料を安定的な運営を行ってまいるということでございます。また、国内におきまして飼料穀物の備蓄を行うとか、また、飼料穀物の長期輸入取り決めの推進といったようなものを考えてまいるとか、あるいはまた輸入先の多元化を図ってまいるとか、このような事業を五十年度において考えておるわけでございます。  特に、流通飼料対策といたしまして特筆すべきものは、配合飼料価格安定対策でございます。これは四十九年度内に、本年の二月一日でございますが、すでに配合飼料価格安定特別基金制度というものを発足させまして、この一−三月対策ということを考えておるわけでございます。この細かい点は省略させていただきたいと思います。  それから、飼料につきましては、価格の問題あるいは量の問題のほかに、もう一つ飼料の品質問題があるわけでございます。これにつきましては、今回飼料の品質改善に関する法律の一部改正というような形で、すでに去る十四日閣議決定が行われまして、国会提出の運びとなっておるわけでございますが、この問題は、配合飼料におきましては非常に種類の多様化等も進んでまいりましたし、また、飼料添加物が非常に多くなってまいりまして、中には人体への影響、残留性の問題等も問題になってまいったわけでございます。したがいまして、現行制度では十分対応し得ないというようなことで飼料の品質改善法の改正を考えておる次第でございます。  この改正の内容は先刻御承知のとおりでございますが、飼料添加物を規制の対象に加えるとか、あるいはまた安全性を重視いたしまして、飼料、飼料添加物についての基準または規格を設定してまいるとか、また、品質改善のために公定規格適合表示の制度を設けまして、その内容を表示するということを義務づけるといったような性質の内容でございます。  以上のような飼料事情を背景にいたしまして、十三ページにございますように、昭和五十年度の飼料の需給計画ということを御諮問申しておるわけでございます。  個々の内容につきましては、「昭和五十年度飼料需給計画説明資料」というのが資料の中に入っておると思いますが、この説明資料の二枚目をあけていただきますと、「一、飼料需給安定法による昭和五十年度政府売買計画(案)」というのが載っております。これがその内容でございまして、小麦につきましては、ふすま増産用の昭和五十年度計画は百十八万トン、前年と同じでございます。それから配合用の小麦は五十万トンでございまして、前年四十九年の欄を見ていただきますと、二十万五千トン、ざっと三十万トンをふやしてあるわけでございます。これは、万一の場合、トウモロコシ、コウリャン等の輸入が困難になりました場合のための余分のものでございます。それから、大麦につきましては、前年度より五万トンふやしまして百十五万トン、それからさらに、備蓄用といたしまして十五万トンを考えておるわけでございます。それから、従来、調整用として掲げておりましたトウモロコシ、コウリャンは、これはなかなか技術的にも困難な点がございますので、この六万トンは落としてあるというのが今回の需給計画の骨子でございます。先ほどの局長の説明資料の中には、これが詳細に述べてあるわけでございます。  いただきました時間を経過いたしましたので、また細かい内容は御質問の際にお答えいたすことにいたしたいと思います。

坂村吉正自由民主党

○坂村小委員長 以上で説明は終わりました。  質疑の申し出があります。順次これを許します。島田琢郎君。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)小委員 一昨日から、新しい年度の畜産問題に対しまして、政府の諮問機関であります畜産振興審議会に諸問題が提起されているようでございますし、きょうは飼料部会が開かれているそうでありますから、そちらの方に大臣も局長も出ておられて、審議官とのやりとりということに相なるようでございますから、政策的な面等につきましてはきょうはおきまして、主として当面の技術的な分野で若干の質問をしたいと思います。  最近の畜産の動向について、先ほど概括的に審議官の説明がございましたが、そういう中で、非常に総需要抑制等の影響を受けながら、消費面における伸び悩みということが強調されていたようであります。しかし、最近における牛乳において、そしてほかの畜産物におきましても、個々的には生産の不安定というようなことが非常に心配されております。これは技術的には、牛肉対策とかあるいは豚肉におきます従来の成り行き等があって、日本の畜産というものは、原則的に見ましただけでも、まだいまだに非常に不安定な状況を持ちながら推移しているというのが一般に言われていることであります。そういう面については、先ほども触れましたように、政策的な問題がずいぶんありますからこれは大臣とやらなくてはならぬと私は思うのでありますが、たとえば先ほどの御説明にあった牛乳の問題でありますけれども、前年対比で出されております資料は四十八年の資料になっております。四十九年度はことしまだ終わっておりませんけれども、一応見通しとしては、生乳生産はどの程度になりそうなのか。そのほかの畜産物等も説明がございましたが、とりわけこの牛乳については、生産が全国的には非常に伸び悩んでいるということが巷間言われているわけであります。頭数の上から見ますと、先ほど説明があったように着実に伸びており、あるいは戸数は減ったけれども二月当たりの飼養頭数もこの十年間に約三倍になったという報告でございますが、それなのになぜ全体的には牛乳生産がこのように落ち込んでいくのか。その辺はどういう分析を政府側としてはしておられるのか。そこをまず第一点にお尋ねをしたいと思います。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 生乳の生産を全体で申し上げますと、最近二カ年間、四十八年は前年対比九九・四%、それから四十九年が九九・一%、わずかながら前年を下回っておるわけでございます。これには、この四十八年、四十九年という異常な事態ということがございます。したがいまして、一般的になかなかいろいろな要因が重なっておると思います。  まず、消費の側面を見てみますると、消費全体が先ほどお話し申し上げましたようにきわめて停滞いたしておるわけでございます。ただ、飲用乳は相当消費も伸びておるわけでございますが、飲用乳以外のものの消費がきわめて停滞しておる。そういった消費からの側面というものも間接的な影響を持っているかと思います。  また、生産サイドにおきましても、飼料の高騰であるとか、その他生産資材等の高騰であるとか、そういう一般的な困難さと、そのほか国内の生産環境の悪化と申しますか、特に北海道を除く他の地域の生産環境が全体として悪化しているというようなもろもろの条件が総合的に働いてこのような状況になっておるものかと考えております。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)小委員 消費が落ちたから生産が落ちるというようなことは、これは次元の違う話ですね。そういうことじゃなくて、私の聞きたいのは、生産がなぜ鈍化傾向を示し、あるいは前年対比でこの二カ年続いて落ち込んでいるのか。その原因についていま幾つか項目を挙げられたわけですけれども、一番大事なことは、酪農家を含めて農業全般にわたっての政治に対する非常な不信感というものがありまして、確たる見通しの上に立った酪農民に対する的確な指示が行われないというようなことを生産者の側からよく聞くわけです。私はその点では全く同じ考えを持っておりますし、それだけに私ども政治の場にある者としては同じように責任を感じておるわけですけれども、この価格問題などが、たとえばこの六ページに報告されておりますが、需要の停滞に対する原因の一つとして、「四十九年には、牛乳価格の値上げ等の影響により特に加工乳が目立って減少した」というふうに報告されているわけですけれども、いまの生産者価格というものは政府側から考えるとそれほどむちゃくちゃに高いと思っておられるのでしょうか。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 昨年の三月の時点におきまして決定されました加工原料乳の価格、これは私どもその当時において妥当であったと考えておりますし、その後の推移等を考えましても、ほぼ妥当に推移してきた、かように考えております。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)小委員 需要が落ちたから生産が落ちたというふうなことにはならぬということは、審議官もそういうお答えをしているんじゃないだろうと思うのですね。しかし、昨年の夏ごろも私は質問をいたしましたが、需要拡大というような面で、私ども北海道では農民工場をつくりまして関西あるいは関東に濃縮乳ということで送り込んでおるのですけれども、関西方面における濃縮乳の需要が目立って減少しているという話がありまして、私も調べてみましたら、計画の七〇%ぐらいにしかなっていないというような報告が、途中ですけれどもありました。私は現地に戻りまして、農民工場の幹部に、この実態について、どうしてこうなっているか、現地としての分析はどうですかと言って聞きましたら、いろいろとせっかく道あけをしてみても、濃縮乳といったようなものに対するなじみといいますか、こういうものがありまして、ストレートにはなかなかいかない部面がある、一生懸命努力をしているんですが、そういう面についても政策上考え直していただくようなことがないとこれはいかぬということを滑り出してから感じ取っております、と、こういう話でした。その後、当時私が質問しましたのは、いわゆるせっかくの本物牛乳というようなものをこれから普及していかなければならないやさきに、また農林省サイドからも三・八牛乳を容認するような動きが出てきて、せっかく国会も附帯決議をしたり、特別な決議をして本物牛乳の消費拡大を図っていくというようなことをやっても、一面そういうふうなことが行われるとしたら、消費の面でいつも堂々めぐりをして、前に進んでいかぬではないかということを前に御指摘をしたことがありました。畜産局長からは、万やむを得ないのでこれは認可する方針だということで押し問答になってしまったわけですけれども、そういう点なども一つ一つ改善し、前進させていくという姿勢がありませんと、今日の牛乳の需要の減退というような問題は生産面にも心理的に与える影響は確かに大きいわけです。ですから、こういう施策についてもっとしっかりした考え方が出されてまいりませんといかぬと思うのですが、この三・八牛乳などというのはその後どういうふうな動きになっているのですか。それによってどの程度北海道から来る濃縮乳に対する影響をしているのか。この現況についておわかりならお示し願いたいと思うのです。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 いわゆる加工乳の問題につきましては、しばしば局長からお答え申し上げておりますとおり、私どもといたしましては加工乳の存在そのものは好ましいということは考えていないわけでございますが、しかしながら、御承知のような状況で、内地の大都市周辺において季節的に非常に不足が発生いたすわけでございまして、そういったような際にやむを得ずそういうものが存在しておるというのが現状でございます。  私ども、ただいま、この問題につきましては委員会をつくりまして、この問題を解決してまいりますためにはどのような点をどのような方向に誘導していくべきものであるか、また、どのような問題点が存在しているのかということを、学識経験の方々に徹底的に分析をお願いいたしておる段階でございまして、それらの御検討の結果具体的に出てまいりました方向に従いまして、私どもの基本的な方向に向かって努力いたしたい、かように考えておるわけでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)小委員 お答えが具体的でないのでまことに不満足ですけれども、限られた時間内での質問でありますから、これはまた別な機会に譲って、もう少し詰めなくてはいけないと思っております。  そこで、先ほどのお話しにありました今日の酪農の状態というものについて大変幾つかの問題点が出てきている。そういたしますと、酪農振興法に基づいての酪農近代化計画の樹立についても洗い直しが必要な時期に入ったというふうな見方をしていいんですか。恐らく、目標年次に対してこれはかなりの計画そごが出るんじゃないかというふうにいまの御説明によると見通されるのですが、酪近計画についてはどういうふうにお考えですか。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 酪近計画につきましては、その根底となります長期見通しというものが、従来の路線からかなり修正されております。したがいまして、そのようなことを前提にいたしながら、酪近計画につきましては五十年度見直す予定でございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)小委員 これは、酪農振興法ができて酪近計画というものが制度化されてから間もなく実は手直しが行われましたが、これは酪農近代化計画の考えておる基本の問題が整理されないまま滑り出しをしたのではないか。当時私も町村におりまして、酪農近代化計画に参加をいたしまして、市町村の計画作成の段階で大変多くの議論をしたのであります。ところが、間もなく、三年もしないうちに酪農近代化計画の手直しだということでまたおろされてきた。事ほどさように酪農の問題に関する限り——酪農の問題に関する限りではないわけですけれども、きょうの話をしぼって申し上げますと、酪農近代化計画一つ取り上げてみても、日本の酪農の行政上の取り扱いというものは非常に試行錯誤が多い。確たる自信を持っての、日本の酪農はかくあるべしといったような施策を農林省自身はまだお持ちになっていないというような印象を私は強めているわけであります。ですから、いろいろな動向を踏まえてその都度手直しをしていくというようなことで政治を進めていくということになれば、ますます末端を混乱させて不信感だけが残るというような結果になります。私は、この辺で、価格政策等も踏まえてきちっとした考え方が明確に示される必要があると考えているわけです。  そのいわゆる酪農近代化計画につきましてもことしは見直しをしたいというようなことを言っていますが、考え方はどの辺に置いてこの計画を手直しされようとお考えなのか、具体的にお示しを願いたいと思います。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 わが国の酪農の過去の発展状況を見ておりますと、非常な発展を遂げておるわけでございまして、酪近計画の実施自体がいろいろ問題があったことは事実でございましょうけれども、結果といたしまして、酪農は目覚ましい発展を遂げてまいっております。  今日、牛乳、乳製品をめぐりまして周囲の情勢が大きく変化してまいりました。日本経済そのものが大きく変化いたしておりますし、その中に置かれております農業、また、その中の酪農のあり方というものも大きく転回し始めておるわけでございます。そこで、私どもは、新しく六十年に対する見通しというものを現在固めつつあるわけでございます。そのような方向の中において六十年度の姿を具体的に描きながら、さらに全国的なその肉づけを行うといったような考え方で検討いたしたい、かように考えております。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)小委員 これは政策の部分に入ってしまったような話で、答えもまことに木で鼻をくくったようなお答えにしか受け取れないのです。  特に、先ほど審議官から一昨日の畜審の総会の模様が概略報告されましたけれども、その中で価格の問題にも触れておるようでありますが、一つは、農業者側といいますか、生産者代表委員からいわゆる経済条項発動の基準を明確にせいという意見が出されたと同時に、昭和五十年の乳価決定の時期の問題にまで触れているようでありますが、これは具体的にはどういう意見が出されたのですか。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 その問題は、年度内改定をめぐりまして、年度内改定がそもそも必要になってくるのは、三月末という時期に価格を決定しなければならないという現在の体制が現在法律で定められておるわけでありますが、若干それに問題があるのではなかろうか、したがって、三月末という時期に決定するよりは、むしろ他の時期、たとえば夏と秋などに決定すれば、四月に通常ございますところの一般のベースアップの問題であるとか、あるいはまた米価であるとか、そのほかえさ価格の見通し等もある程度できるのではなかろうか、そういうためには春三月末にやるよりは秋にやった方がよいのではなかろうか、と、このような意見があったわけでございます。これについてはひとつ研究してもらいたいというような感じの御発言でございました。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)小委員 政府側としては、その問題提起に対してどのように現在考えておりますか。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 この問題につきましては、技術的な問題もいろいろからまっております。はっきりいまこの段階で申し上げる見解にはまだ到達いたしておりませんが、種々の観点から研究をいたしております。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)小委員 畜審における意見というものは非常に重要な意味を持ちます。したがって、政府側はそういう重要な発言に対して明確な態度でこたえるべきではないかと思うのですが、それは単に聞きおくということに一昨日はされたのですか。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 この問題が出ましたのは、年度内価格改定の問題が中心でございまして、年度内価格改定について、発動基準等を具体的にした方がよろしいといったような御意見があり、そのほか、年度内改定につきまして先ほど申しましたような種々な御意見があったわけでございますが、その一環として研究してもらいたいというような御趣旨と申しますか、要望と受け取っておるわけでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)小委員 新聞の報道によりますと、委員会全体の空気もそういう空気であったということです。これは新聞の報道が正しいかどうかわかりませんが、全体の委員の委員会における空気がかなりそういう方向を肯定しているような空気であったというふうな報道が一部なされているのですけれども、それだけに、昭和五十年の価格決定を目前に控えて、これは大変重要な発言だと私は思うのです。その点について、単に検討事項として検討しますというだけの政府の姿勢じゃ私は困るのです。現行法はきちっと年度末においてこの価格を決めることになっておるわけですから、それをあいまいにするということはよくない。いま、生産者段階においては、五十年度の価格要求をめぐってその運動が大変盛り上がっていこうとしている大事な時期なんです。こういう考え方が委員会に出されて、それに政府側が明確に答えないということは非常に混乱をさせるということになりかねないと私は考えるので、そこはやはり現行法に基づいて、三月三十一日までに決めて一日に公示するという姿勢を堅持していただかないと困ると私は思うのです。ですから、問答の余地はないと思うのです。もう目の前に来た審議会の意見です。その辺は毅然たる姿勢というものが示されていないように新聞報道等で感じられるのですけれども、その辺はいかがなんですか。かなりあいまいに考えているのじゃありませんか。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 豚肉価格あるいは乳価関係のこれは、法律で現在はっきり定まっております。年度内に決定するということになっておりますので、それを改めなければ方法は変えられないわけでございます。したがいまして、この際、いま当面の問題を先に延ばすというようなことは全く問題外でございます。将来の制度のあり方としてそういうことも研究した方がよいという御趣旨でございまして、現在当面の問題を先に延ばすというようなことをお考えの方は、どなたも、一人もいないのではないかと思います。その点は新聞が若干きつかったかもわからないと思いますが、私ども、先ほど申し上げましたように理解いたしております。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)小委員 非常に大事な時期ですから、生産地における影響というものは大きいわけですね。ですから、この取り扱いには非常に慎重を期していただきませんと、もう早速私のところに、政府は五十年の乳価を秋に延ばす意向なのかという質問が電話で飛んでまいりました。私はそのことについては聞いていないので、きょう畜産小委員会があるのでその点は公式に明確にしたいとお答えしたわけですが、そういう経過もあります。  非常にこれは混乱をいたしますね。それだけにいま微妙な時期に来ている。その微妙な時期に来ている矢先の総会における委員各位の発言というのは、これは非常に影響が大きいですから、私は重ねて言っておきますが、そういう場合であるだけに、政府側としては、将来の課題と今日の当面決めていかなければならない五十年の価格の決定とは明らかに分離して、明確に委員会の席上でお答えになるべきではなかったか。そうしないと私がいままで申し上げたような混乱が起こってしまうということを私は改めていま警告しておきたいと思います。  さて、先ほど酪農近代化計画について考え方が示されたようでありますが、この酪近計画の取り扱いにつきましてはもう少し政治的な立場での議論をしなくちゃいけないと私は思っておりますから、きょうは余り政治的な話は抜きにしておきたいと思いますけれども、加工原料乳の北海道におきますシェアというものは依然として改まらない傾向があります。北海道においては九対一で、市乳の部分は一割しかありません。先ほど私が関西に送っている濃縮乳の問題について現状を御説明願いたいということを申し上げたのは、北海道における加工原料乳地帯の牛乳をできるだけ多く市乳化するという考え方に立って政府も行政上の取り扱いを進めてきたと考えているのですが、補助金などは何とか出す形をとったものの、現実にはこれらの輸送に対する一部補助、助成という点もまだまだ十分でないということ、そこら辺に非常に大きな問題があるのではないだろうか。それから日数の問題などもあります。産地から消費地に送り込むときの技術的な問題などもあるようであります。これらについて、今日段階でこのせっかくの市乳化促進の方向が計画どおりに進んでいないということに対して、政府としては手直しをするべきだと私は思うのですけれども、その考え方を具体的にお示しをいただきたいと思うのです。  お考えがなければしようがありませんけれども、なければ私の方から問題を出しますが、このままではだめだと政府側もお考えになっているのではないかと思うのですが、これを具体的に一〇〇%達成できるような方法を急いで検討いたしませんとこの事業はなかなか進んでいかぬと思うのです。いま私の方から問題を出しましたように、輸送の一部補助、助成という方法、あるいはまた具体的な輸送の技術的な問題の解決方法、こういう点が幾つかあると私は思いますが、いかがでしょうか、この考え方をお示し願いたいと思います。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 先ほど申しましたように、加工乳をできるだけ少なくして、生乳なり濃縮乳の形で消費を促進するという方向につきましては、私どももそのように考えておるわけでございます。ところが、加工乳が使用されておるという現実の背後には、簡単には申し上げられないような種々の困難な問題があるわけでございます。したがいまして、その一つ一つをよく分析いたしまして、そして具体的に何が可能なのかということを——理屈はきわめて簡単でございますけれども、現実のいろいろな困難な問題が存在いたしておりますので、その分野でどのようなことが可能であるかということを現在学識経験者の方々にお諮りいたしておる段階でございます。  今日まで、問題点等の分析等は徐々におおむね進んでおるわけでございますが、なかなか一朝一夕にはまいらないわけで、具体的な解決方法を考えます場合にむずかしい問題に突き当たるわけでございまして、これらをどのように乗り切ってまいりますかということについてはもう少し検討の時期をかしていただきたい、かように考えるわけでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)小委員 そこで、最後に飼料の問題で若干お考えを聞いておきたいと思います。  飼料の中の特に配合飼料の問題でありますが、先般当農水のどなたかの質問に対してであったかと思いますが、政府側から答えて、見通しとして四月に入ってから配合飼料の値下げがあるだろうというふうな話が出てまいりましたが、これは値下げをする方向なのか、値下げをするとすればどれくらい下げるのか、そして、下げる要因としては何と何が出てきているのか、この点を明確にしていただきたいと思います。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 配合飼料の価格につきましては、一−三月まで、途中で若干の変化はございましたけれども、おおむね上げを続けたわけでございます。ところが、この配合飼料の過去の値上げの原因を分析いたしてみますと、第一番目には、配合飼料の原料でございますトウモロコシ、マイロ等の穀物の値上がりでございます。これは御承知のように、二、三年前はブッシェル当たり一ドル五十セント程度のものであったものが昨年の十月には四ドルを超えたというふうに、原料で三倍もの値上がりを示しておるわけでございます。配合飼料の五、六〇%がこの原料で占めております関係上、配合飼料の建て値を改定せざるを得ないというのが第一点でございます。  それから、第二点は、円とドルとの為替換算率でございます。これがちょうど円がきわめて強かった当時があるわけでございますが、この前のえさの値上げ当時には三百円を超えるというふうな円の安値になっておったわけでございます。この円、ドルの為替換算率の問題が一つであります。  それから、もう一つは、海外のフレートの問題がございます。フレートは、エネルギーショック等の前に経済が非常に加熱いたしましてきわめて上昇いたしたわけでございます。この点が一つでございます。  この三つの要因について、最近の状況をかいつまんで申し上げますと、一つは外国の穀物が値下がりを始めたということでございます。最近時点の値段は、一時二月は相当下がりまして、二ドル五十セントくらいまで下がったわけでございますが、その後ちょっと持ち直しまして、現在三ドル程度で推移いたしております。したがいまして、この要因が一つ。  それから、もう一つはフレートの問題でございます。一時三十ドル程度までいっておったと思いますが、これが急激に安くなってまいりまして、最近十ドル程度で推移いたしております。  また、円の方もドルに対して最近は大変強くなってまいりまして、一時二百八十五円くらいになったこともございますが、また最近ちょっと円が弱くなってまいりました。  これらの要素は絶えず変動いたすものでございます。四月以降の配合飼料がいつ買った原料を使って出てまいるのか、それによります。それからこれらの原料の値決め、それからフレートの決済、あるいは円為替、ドルの関係でございますから、その決済がいつ行われたかという、そういうようなもろもろのものが影響してまいりますが、方向といたしましては、四月以降は値下がりの方向にございます。ただ、幅につきましては、現在全農あるいは商系の方々から種々飼料の提供を受けまして、できるだけ下げていただきたいということをお願い申しておる段階でございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)小委員 配合飼料の製造者の方から出されている案というのはどれくらいですか。それから長期的に見て——長期的と言っても、五年も十年も見通すことはなかなかむずかしいでしょうけれども、少なくとも昭和五十年度の年度末までの見込みで、配合飼料の価格はどういう状態で推移するというふうに政府側は見ておりますか。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 幅については、私どもまだ最終的な考えにまとまっておりませんので、御勘弁いただきたいと思います。  今年度、外国の要因とか、あるいは世界経済の流れの中において決まってまいります要因に規制されておりますので、この点の見通しはきわめて困難でございます。一つ原料をとらえてみましても、昨年のちょうどいま時分にはアメリカの作付が有史始まって以来の作付ということで、シカゴ相場も大変安くなったわけでございますが、それが春になりまして長雨が始まる、夏に至りまして干ばつが起こる、秋に至って早霜が来る、と、こういうようなことで輸出規制までやられるんじゃないかという騒ぎになって、それが八月にわかったことでございます。  そのように今後世界の構造が大きく変化してまいりまして、二、三年前までは一年間の輸出分の二倍から三倍に達するような在庫を抱えておりまして、したがって、若干の不作が起こっても別に動揺はしなかったわけでございますが、現在アメリカの在庫は船底すれすれといったような状況でございますので、全く天気に支配されるという様相が非常にあるわけでございます。したがいまして、私どもはきわめて不安定である、私どもは一カ月先、二カ月先のことが容易に見当がうかない、こういうことが本当でございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)小委員 まだ、値下げ幅について政府側としては結論は出していないでしょう。ただ、私は、全農なり商社なり商系なりが一体どれくらい値下げできると言ってきているのか、そこを聞きたいので、あなたの方の決定を聞きたいのではありません。ですから、それが幾らなんだと、それを先にお答えください。それから私は聞きましょう。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 全農さんもあり、それから飼料会社もあり、飼料工業会関係だけでも七十社ございます。それがほとんど各社ごとに違うと言ってもいいくらいでございまして、幅は非常に大きゅうございますので、ほとんどできないというところから、かなりできるというところまでございまして、そこをどう判断するかということがなかなかむずかしい状況でございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)小委員 その代表的なものだけでいいですが、一体どれくらい譲ると言ってきているのですか。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 具体的な数字だけは御勘弁をいただきたいと思います。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)小委員 私はいまのやりとりでも指摘をしたいのですけれども、酪農経営者あるいは畜産経営者としては、この二、三年来えきに振り回されて経営がぐらぐらしたという苦い経験を皆様も強く持っていらっしゃる。ですから、えさの値上げ、値下げ、これはどちらにしても非常に関心が高いわけですね。せっかく値下げという空気があるなら、この際これくらい下がるぞということぐらいはおっしゃった方がいい、また、おっしゃるべきだと私は思う。現行法のいわゆる飼料需給安定法という法律は、いまの政府のとっているやり方としては、基金制度できわめて不安定な飼料の需給をやっていこうというわけですから、これは長期的に見てかなり問題が出てくるだろうと思う。いままでも出てきたし、また、これから先も、おっしゃるとおりえさに大変振り回されるという事態は続くであろうというふうに私は考えざるを得ません。私は、長い間、この飼料の需給安定法というものに対して、これを改正して、価格も政府がきちっと関与できるような飼料の需給と価格の安定法というようなものをつくるべきだという主張をしている一人でございます。きょうは時間がなくなりましたからこのことに長々と触れることはできませんので、また別な機会に譲りますけれども、根本的な抜本的な対策を穀物を原料とする配合飼料に対しておとりになりませんと、これから先もまだまだえさに振り回された日本の畜産、酪農というものが続いていくと私は思うのですね。ですから、そのときどきのばんそうこうを張ったようなやり方からこの際大きく脱却するべきときです。飼料の将来見通しだって、さっきお話しがあったように、これからの需要量はまだまだふえていきます。もう米の倍に達する。この大変な配合飼料をそのままにしておいて日本の畜産の発展を考えるということはもはやできない。そういう立場にいまは立っているわけですが、これはまた改めて私の考え方を申し上げて、御意見を聞かせていただく機会を持ちたいと私は思います。  私に与えられた時間がやってまいりましたから、最後に一つだけ申し上げておきますと、今度の国会に、えさの添加物の規制の問題について、飼料の品質改善に関する法律の改正案が持ち出されるようであります。消費者サイドから私どもいろいろな質問を受けておりますが、この添加物の中で今日まで非常に心配されておりましたAF2の問題にしても、あるいは石油たん白の問題にしても、今度の予算でこの研究を始めるということでありますけれども、ここら辺もきちっとした政府側の明快な姿勢というものが消費者の皆さんに理解されませんと、これはひっくり返って生産者の方にひっかぶってまいります。仮に、そんな物を使っていたら私どもはもう牛乳も飲まぬ、牛肉も食わぬというような事態になったとしたら大変なことになるわけであります。これはひとり消費者の問題ばかりではありませんで、生産者も挙げて心しなければならない大事な点であります。飼料の絶対量が不足するという、その逃げ場を簡単なAF2とか石油たん白というような形のものに求めて逃げていくということはゆゆしき問題を残すことにもなりかねませんから、これは飼料の品質改善に関する法律の一部改正が出されてまいりました時点でもっと細かに私は申し上げてまいりますが、きょうは、えさ問題の中にこういう点も含めて、日本のえさのあり方について、ぜひ抜本的に考え方を変えていく姿勢をお示しくださるようにお願いをしておきたいと私は思うのです。  私の時間がなくなりましたから、畜産局長は途中からお見えですから、高須さんからいまの私の考え方に対してお考えをお聞かせいただきたいと思います。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 ただいま御指摘のございました飼料添加物の問題は非常に問題でございます。しかしながら、今日全く行政の手を出すことができないような、そのような制度は法律的に担保されておりませんので、今回飼料品質改善法の改正ということでお願いいたしておるわけでございます。このような制度ができました暁には、飼料添加物の問題については、あるいは新しい飼料がどのような物が出てまいるかわかりませんが、たとえば微生物たん白等の問題が出ました際には、徹底的に安全性の検討をいたした上で使用できる物を使用してまいる、そのような確証のない物は使用を禁止してまいる、そういう制度を確立することが今回の品質改善法の改正でございます。そのようなものを含めまして、先ほど来先生がおっしゃっておりました配合飼料の諸問題について今後も鋭意検討を続けてまいりたい、かように考えます。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 質問の後半だけしかお聞きしておりませんでしたが、いまの添加物の話につきましては、われわれといたしましては、安全性が確認され、しかも国民的合意が得られるということ、この二つの条件が満たされなければ使用を認めないということでやっていきたいと思っています。したがって、いま飼料添加物について種々行政指導はしておりますけれども、これは法律があるものではございませんので、それをきちっとした法律制度にしたいということ、それからさらに、添加物についてももう一遍総洗いをしまして、必要最小限度にとどめていくということ、もちろん、安全性の問題と養鶏、養豚、畜産全般の経営の安定というものをどこで調和させるかということが一番苦慮するところでございますけれども、基本的な考え方といたしましては、いま申し上げたようなことで、安全性というものに十分配慮をしてやっていきたい、こういうふうに考えます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)小委員 終わります。

坂村吉正自由民主党

○坂村小委員長 芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 局長に尋ねますが、まず、第一に、昭和四十九年の生乳の生産費調査並びに肥育豚の生産費調査の公表の日にちが迫っておるわけでございますが、これはいつになりますか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 例年でございますが、二十日過ぎごろに出る見込みでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 この生産費調査の公表の問題については、毎年の当委員会における畜産物の価格審議の際、この審議に間に合うように提出すべきであるということを指摘しておるわけですが、それが改善されないわけですね。極端な例から言うと、たとえば生乳の場合は畜産審議会の酪農部会の開かれる日に合わせて公表するとか、あるいは肥育豚の生産費については畜肉の部会が開かれる日に公表するとか、あるいはまた農安法の場合においても、てん菜の生産費が、毎年四月十日までに、てん菜の最低生産者を決める直前にしか公表されぬとか、米価のごときは、五月に決める場合は米審の直前に公表になるとか、七月に決める場合には七月の米審直前とか、そういうことになっているけれども、政府の価格決定作業の最終段階に符節を合わせるような公表のやり方というのは間違いでしょう。四十九年の生産費調査の必要な原材料というのは、去年の六月までに全部そろっているわけですから、それを整理して公表するということになっておるのですね。たとえば、きょうの小委員会に間に合わすということになれば、これはできることなんですよ。統計を政策的に、政治的に扱うというのは問題ですからね。これはどう考えていますか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 昨年六月までにというのは調査期間でございますので、その後資料を収集し、集計をし、その間いろいろ問題点をチェックするというような作業もございますために大変おくれているわけでございますが、われわれといたしましては、統計情報部にできるだけ早くというお願いをしておりますが、全体のスケジュールの中でやっと三月末の審議に間に合うということで例年出していただいておるわけでございますが、今後とも統計情報部に対しましてはさらに少しでも早めるようにお願いをして、便宜に供したいというふうには思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 この点については、小委員長から統計情報部長に出席を求めてもらいたい。統計情報部長が出席しなくても、きょう出席した農林省の皆さんでわかればいいですけれども、責任を持って明快にできないとすれば、早速出席を求めてもらいたいと思います。

坂村吉正自由民主党

○坂村小委員長 芳賀君に申し上げます。  統計情報部長に連絡をとって、すぐに出席させるようにいたします。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 それでは、この問題は統計情報部長が出席してから尋ねることにいたします。  第二の点は、昨年四十九年度の生乳の加工原料乳保証価格を四月一日に告示したわけですが、政府価格決定時点における価格決定のそれぞれの要素と、実施されてから一年間の実績というものが全く同一ということにはなっていないと思うわけであります。  そこで、問題を四つに分けて、まず、第一に、保証乳価決定時の自家労賃については、これは重要な算定の基礎になっておるわけでありまして、つまり、決定時の時間当たりの自家労賃に対して、その後七五年春闘等が闘われまして、民間労働賃金が前年度に比べておおよそ三二%具体的に上昇をしておる。そういう点から見て、決定時の自家労働に対する推定労賃というものは、これは春闘後の民間の労働賃金の上昇、特に保証乳価の自家労賃に対応するものとしては、主要なる生乳の生産地域の製造業の平均労賃を加重平均するというような、非常に複雑な低賃金を志向した計算をしておるわけでありますが、結局、三様の賃金というものはどういうふうに変わっておるかという点について、まず、資料に基づいて説明してもらいたいと思います。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 四十九年度保証乳価の算定基礎となりました飼育管理家族労働の労賃単価は、四十八年十一月から四十九年一月における加工原料乳地域、一道四県でございますが、製造業五人以上規模の労賃水準として四百六十円一銭というように算定をしたわけでございます。現時点では、労働省の毎月勤労統計は、県別の製造業三十人以上の規模の労賃は十一月までしか把握されておらず、また、全国製造業三十人以上の規模の労賃は本年一月までしか把握されていないので、試算の域を出ませんけれども、強いて申し上げれば、約四百六十円の三割強程度になるのではないかというふうに思われます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 決定時の自家労賃が四百六十円一銭、それじゃ、これに三〇%上昇した金額を加算すると幾らになるのですか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 三〇%ですと、百三十八円足すことになりますので、約六百円前後になると思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 これは結局、去年の四月一日から四十九牛乳年度である三月三十一日までの変化というのは、これと大きな変化はないということですか。十一月だから、十二月の年末手当とか、あるいは年が明けてから年度末手当等のものがこれに入ればまだ上がるでしょうがね。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 若干は上がるかと思いますけれども、余り差は出ないのじゃないかと思っております。一月までの分でやりますので、それほど差は出ないのじゃないかと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 そうすると、時間的に見て、政府の推定して決めた四百六十円に対して、この四十九牛乳年度においてはおおよそ六百円ということになれば、時間当たり百四十円、政府が推定して定めた乳価よりも労賃部分が高くなっておるということになるのですね。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 そのとおりでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 二番目は、生産費の一番大きなウエートを占める飼料費の点ですが、農林省の計算によると、飼料費を分けて購入飼料と自給飼料に区分しておるわけですが、そのうちの購入飼料については、価格決定時の単位当たりの濃厚飼料代と、その後一年を経過した平均の実績価格というものはどうなっておりますか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 平均の実績価格というお尋ねですが、直接のお答えにはならぬかと思いますが、昨年織り込みました場合の配合飼料価格が、その後四月以降約四千円の値下がりをいたしましたが、十一月から七千六百円、四千円下がったところからまた七千六百円、一月からさらに四千円というように上がっておりますので、飼料価格は当時算定したときに算入いたしました価格よりは上がっておるということは当然言えると思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 それでは、年度初めに決めるえさ代ですから、当然、推定、つまり織り込み価格ですが、それと実績を対比するとどのくらいですか。十キロ当たりでもいいし、百キロ当たりでもいいです。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 ちょっといま大ざっぱな計算をしてみますけれども、先ほどお答えしたことをもう少し正確に申し上げますと、四月から八百円ですか、四−六が八百円トン当たり下がりました。  それから、七月からはさらに三千二百円下がりまして、七月から十月末までは、三月の織り込み価格よりトン当たり四千円下がった。四月から六月までは八百円下がって、それから十一月からは織り込み価格よりは三千六百円、十一月、十二月と上がりました。一月からは三千六百円にさらに四千円、ですから、七千六百円三月の織り込み価格より上がった、こういうことになるわけでございます。  したがいまして、平均しますと織り込み価格より上がったということでございますが、いま計算をさしてみたいと思います。  なお、一月からの値上がり分につきましては、四千円——全農ベースの話でございますけれども、上がった分につきましては特別基金からの補てんが約三千円、それから通常補てんが約四百円ということで、三千四百円は最低限補てんをされますし、さらに残りの六百円につきましても、各県連によりまして値引きしたところもございます。全面的な値引きをしたところもございますし、一部値引きしたというようなことがございますので、実質的な農家負担は一月からの分はかなり緩和されておるというように思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 私の尋ねておるのは、これは毎年のことでありますが、生乳の価格決定は年度の初めに決めるわけですからね。毎日毎日これは生産をしておるわけです。一年三百六十五日、日々の生産になっておるわけですからして、一年じゅうの中で生産費に変化が生ずるということは当然あり得ることだし、また、インフレの高進が激しい場合においては、年中途においても、年の初めに決めた価格というものは適合しないではないかという場合も出てくるわけです。ところが、農林省の場合、毎年の生産費調査の結果というものが、たとえば加工原料乳にしても、あるいは肥育豚にしても、四十九年度の生産費がいまだに公表されておらぬ。それが早目に出てくれば、大体の生産費の動向というものはその年度中においてどうなっておるかということを掌握することができるが、これがぎりぎりしか出てこないわけですからね。結局は、実態を知るためには農林省事務当局から正確なものを聞かなければ判断ができないということになるわけです。一回決めて大臣が告示すれば、一年間安くても高くても構わぬというわけにはいかぬと思うのですね。だから、実績の発表等については迅速、正確を期すようにしてもらいたいと思います。  後で数字が調ったら、質問を終わるまでに知らせてもらいたいと思います。  三番目は、副産物収入の変化がどうなっておるかということです。これは昨年の副産物収入の価格を論議する場合においても、食肉の価格動向というものは非常に不安定ではないか、そういう場合においては、むしろ生産費の中に副産物収入というものを取り入れるということに問題があるのではないかということを指摘したわけでございますが、価格が告示された後、国産の牛肉等はその前年に比較すると、大体一〇%ないし二〇%というふうに暴落をしておるわけですからして、価格決定の時点における副産物収入のそれぞれの要素についても相当修正すべき点があるのではないかというふうに思うわけですが、その点はいかがですか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 これも先生のお尋ねになったことずばりのお答えにはあるいはならぬかと思いますが、四十九年の保証価格の際の副産物の織り込み価格は、問題になりましたのは特に子牛かと思いますが、子牛についてみますと、一頭当たり雌子牛は七万八千円、それから雄子牛は九千三百円という価格を織り込んでおるわけでございますが、その後の価格を見ますと、昨年の乳雄の子牛価格はかなり低落をしまして、四十九年の七−九月の物賃調査結果では、乳雄子牛一頭当たり六千九百八十八円。これは九千三百円を織り込んだと言いましたが、七−九でございますが、それよりさらにその後下がった価格で売られておりますが、その七−九でとりまして六千九百八十八円ということでございます。これは全国でございますので、地域によって若干の差はもちろんあるわけでございます。したがって、織り込み価格を下回っておるということでございます。  それから、一方、乳雌子牛、これも副産物で出るわけでございますので、これの価格は九万二千八百二十三円、これは同じく七−九でございます。したがいまして、これは織り込み価格七万八千円よりはこの段階ではかなり高いということでございますので、問題となります雄のスモールの価格は下回っておりますが、雌の方は織り込み価格より上回っておるということが七−九まで見られております。  この傾向はその後も若干幅が縮まっておる、あるいは乳雄についてはさらに格差が開いた、乳雌については織り込み価格より高かったものの幅が縮まった、ということはございますけれども、傾向自体はそう変わっていないのではないかというふうに見ております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 第四点は、直接保証乳価の価格に影響はないわけですが、しかし、同じ生産される生乳が用途別に加工原料乳と飲用向けに販売されておる。ところが、飲用向けの生乳価格は、最近は加工向けの生乳に比べてキロ当たり大体三十円ないし三十五円、場合によっては四十円の格差があるわけですが、加工原料乳の方は政府が行政価格として決めるわけで、特に責任がある。飲用向けはこれは売り手と買い手、生産者と工場側の合意によって成立する価格でありますが、この方が需要供給との間に生じた実勢価格としては実効力があるというふうに考えられるわけです。  だから、これは毎年のことであるが、加工原料保証乳価を決める場合に、実勢で決められるところの飲用向け乳価というものを相当配慮して保証乳価を決めないと、政府の決める保証乳価というのは生産者に対する所得補償というものを全く忘れた低乳価を押しつけるのではないかというような非難が毎年生産者から起きてくる。それが酪農を後退させ、破壊きせる原因になっておるわけですから、こういう点はいまどの程度の格差になっておりますか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 全国的な平均で申し上げますと、われわれが把握しておりますのは、飲用乳価は九十八円十銭、保証乳価は御承知のように七十円二銭でございますので、二十八円八銭の格差があるわけでございます。このほかに地域ごとに若干の差がございますし、価格ではございませんけれども、それに類似の奨励金等も、正確ではございませんけれども出されておる地域が多いわけでございますが、それらを見るともう少し開くかと思いますが、一応純粋の価格だけで見ますと二十八円余の格差になっております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 以上の四点を踏まえて、いま同僚の島田小委員も指摘したわけですが、まず、四十九年の保証乳価というものは年間を通じて妥当であったかどうかということを十分再検討する必要があると思うのです。米とか雑穀のように一年一作の場合、しかも、価格決定が収穫の直近時に行われているという場合においては、おおむねその時期を前後にして取引が行われるわけですから、その後の変化というものは、次の再生産をやる場合に追加払い等の改定措置が必要なときもありますね。とにかく、三百六十五日生産するわけですから、四月一日から翌年の三月三十一日まで同一価格が底辺をなすわけでしょう。そして、毎年の価格決定、新しい乳価を決めるという場合、昨年の場合には大体三七%ぐらい、四十八年度乳価については上がっておるわけですね。丸めて四〇%上がるとしても、四十八年の四月一日を起点にして乳価の実施が始まって、そして四十八年度乳価というのは、去年の三月三十一日まで五十円台の乳価でずっときているわけです。そして、今度の四十九年四月一日以降の実施価格については、四〇%の二十円以上上がっておるということになると、次の年度の決定価格と前年度の決定価格の間においてちょうど四〇%の差が出る。底辺は同じですからね。そうすれば三角形というものができるでしょう。三角形の中に置かれた面というものは、生産者の立場から見れば、当然それが赤字要因ということになっておるわけですからね。それを補てんしなくてもいいという理由はないと思うのです。そういう点についての配慮とか検討というものは当然行うべきだと思うのですがね。  それはことしの価格審議の場合においては、この問題についての根本的な処理をどうするかということは、農林省としても当小委員会に対して十分明快にしておく必要があると思うのです。きょう即座というわけではないですが、小委員会は次回二十七日に開くことになっておるし、毎年本委員会も決定直前に畜産物価格問題について開くということになっておるので、それまでの間に十分検討して明快な方針を示すようにしてもらいたいと思いますが、いかがですか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 四十九年に決めました価格が一年間固定されておるのが妥当かどうかという点は、そういうものも含めて次回までに検討するように、こういう御意見でございます。  他の機会にも農林大臣からお答えしておりますように、年度内改定の問題につきましては、農産物の種類ごとにそれぞれ需給事情なり生産事情も違いますし、価格決定の時期も違い、価格決定の方式も違いますので、それらを考慮しながら個別に研究をしてみる、こういうふうにお答えしておったところでございますので、われわれといたしましては研究を続けたいというように考えております。二十七日の際に改めてお答えをしたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 次に、ことしの新しい年度の価格決定について、先ほどもちょっと触れました自給飼料費に対する計算というものは購入飼料と全く違った計算によって計上されておるのですが、これはやはりことしは統一する必要があると思うのです。購入飼料の場合には、これは購入した飼料ですから、その実績、平均価格というものを織り込み価格に計上する。これは当然としても、自給飼料の場合は、自給飼料作物の生産費調査に基づいた、その答えを自給飼料価格の単価にしては、これは非常に問題だと思うのです。  同一家畜に与えるえさの価値というものを二様に分けるというところにまず問題があるし、もう一つ大きな政策的な面から見ると、国内で自給された飼料作物というものは極端に評価を安くして、そしてそれを牛乳とか畜肉に価格上低く反映させるというようなやり方をするということは、結局、国内における自給飼料の作物の生産意欲というものを政府が政策的に抑圧するという結果になるわけです。  何もこれは自給飼料だけに限ったわけじゃないですからね。国内で飼料の大増産をやるということになれば、生産されたえさ作物というものは、販売しても、他の農産物に比較して収益の面においても決して遜色がない、あるいは経営の上においてもプラス要素が非常に多いというような刺激がなければ、国内における自給飼料作物の大増産を進めるということは全然できないわけでしょう。それが増産をして、できるだけ購入飼料に依存しないで自給飼料をもって畜産経営をやろうとすれば、それによる生産費の算定というものは非常に低く押えられてしまうということになるわけです。だから、飼料作物をつくって、それを家畜に供給すればするほど生産された牛乳あるいは畜肉の値段が安くなるという答えしか出ないわけです。  そういう点から見ても、やはり、ことしは、この飼料費の計上というものは、購入であろうと自給であろうと、たとえば可消化養分総量、TDN方式で同一の単位に換算して、一単位当たりの飼料費というものは幾らであるというふうに、もう少し科学的根拠の上に立って飼料費というものは計上するというふうに改める必要があると思うわけです。この点について、これは毎年繰り返している点ですが、局長から、ことしはこうするというふうに明らかにしておいてもらいたい。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 自給飼料費につきましては、自給飼料というのは市場で一般に流通しておりませんので、市価がないわけでございます。流通飼料は市価がございますので、幾らで買ったかという算定ができるわけでございますが、牧草あるいけ粗飼料等につきましては、一般に流通しておらなくて市価がございませんので、われわれの現在のやり方といたしましては、生産費調査と同一期間をとりまして費用価調査というものをやっております。飼料作物を生産する場合にどの程度の費用がかかるかという、一種の生産費調査のような調査をやっておりまして、労働費、建物費、農具費、肥料費等、それぞれの費目ごとに調査をしておるわけでございます。それによって、それを飼料作物費として全体の生産費の中に含めているわけでございますが、昨年は御承知のように流通飼料が配合飼料を中心といたしまして非常に値上がりをいたしましたので、飼料の自給率を高めることが酪農の場合特に大事であるということから、飼料作物費のうちの労働費につきまして、従来農業労賃をそのままとっておりましたのを、農業労賃と都市労賃との平均をとることによりまして粗飼料の生産を振興するような効果を持たせるということにしたわけでございます。  全体が生産費方式でやっておりますので、飼料作物につきましてもその方式に従って、一部労賃だけは農業労賃を他に換算しておりますけれども、その方式でやっておるわけでございます。

坂村吉正自由民主党

○坂村小委員長 念のため芳賀君に申し上げますが、吉岡統計情報部長が出席しております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 局長にもう一問伺いますが、国内で生産された飼料に市価がないというのはおかしいじゃないですか。市価がないというのは、国内で生産された飼料作物は国内において販売できないというのですか。市場性がないというのは、販売する場合、飼料としての市場価値がないから市価がないというわけですか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 私が申し上げましたのは、一般に流通しておらなくて、客観的な価格というものは統一的なものがないということを申し上げたわけで、粗飼料であっても一般に全く流通していないわけではございませんが、一般には流通しておりませんので、市場性がないといいますか、よるべき市場価格がとり得ないということのために、生産費の積み上げのようなやり方で飼料作物費を出しておるということでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 それはおかしいじゃないですか、局長。国内の飼料作物といえば、ほとんど粗飼料ですがね。いわゆる乾燥した乾牧草にしてもそうだが、あるいは水田の転作によっての飼料作物を農林省は奨励して、転作栽培を相当やらしているでしょう。水田地帯で飼料作物を栽培する場合は、水田地帯ですから酪農地帯と違うのですから、大半はそれを農協等を通じて販売するということになるのですが、幾らでも羽が生えて売れて困るのですよ。量的にもう少しないかというような希望は多いが、せっかく農林省の転作の対象になった飼料作物が収穫されて、販売できないで困るというような現象は全然ないですからね。そういう点はもう少し勉強しておかぬといかぬじゃないですか。国内の自給飼料は市価がないからわからぬ、わからぬから情報統計部の牧草の生産費調査だけに頼って、そうして自給飼料費を計上するというやり方をやっておる。勉強不足だからそういうことをやっているんですよ。もう少しみんなで勉強をして問題に取り組まぬと、いつまでたっても国内における飼料増産というものはできないと思いますが、どうですか。  もう少し飼料問題についての優秀な局員はいないのですか。いまいなければ、農林省全体としては多士済々なんですから、そういう問題をこなせる人を連れてくるとかしたらどうですか。何でも局長一人だけではやれぬことはわかるが、どう考えているのですか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 確かに、将来牧草その他粗飼料が広範に流通するということになれば、そこに客観的な粗飼料の市価というものが把握されますので、そういう段階に至りますれば、流通飼料と同じように購入価格あるいは購入に要した費用をそのままとるということは当然考えられますが、現在のところもちろん一部では流通しておりますけれども、粗飼料につきましては自家用というものが大部分でございまして、一般にはまだ流通しておりません。われわれといたしましては、粗飼料が流通するようにいろいろな施策でいろいろな助成措置も講じておりますけれども、現状においてはただいま申し上げたようなことでございますので、まだとり得ないということで、費用価計算をいたしまして飼料作物費を算定しておるわけでございます。今後の問題として研究をしてみたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 あと、豚肉の安定価格の算定についてですが、これは大体昭和三十六年以降同一の計算方式をとってきておるわけですが、この際、国際的にも食肉の価格が相当高騰しておるときだし、特に、豚肉の場合においては国内の生産が後退ぎみでしょう。それで、輸入関税を免税して外国から輸入を続けておっても、それがまた高いわけですからね。輸入豚肉によって安定上位価格を超える価格を抑えるだけの作用はもうできないでしょう。そうかといって、国内の豚肉の生産はどんどんやめさせて輸入豚肉だけでやっていくというようなこともできないわけですからね。そうなれば、算定方式についても、いままでの市場価格の五カ年間を平均にした、いわゆる実績価格を基礎にしたやり方をさらに高度に改善して、畜産農家の生産費と所得が補償されて再生産が安定的に持続できる価格決定方式というものをこの際どうしても採用する時期に来ておると思うのです。  この点についてもまだ正式な案が出ておらぬと思いますし、特に、先日ようやく衆議院を通過した畜産物価格安定法の中における畜産牛肉の価格決定等についても、参議院の審議が順調にいけば三月中に牛肉の安定価格を決めることができるかもしれませんが、それとあわせてことしの豚肉、さらに牛肉の安定価格の算定については一層の工夫というものが必要じゃないかと思いますが、その点はどうお考えになりますか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 最近豚肉の出荷が減退しておるということは御指摘のとおりでございます。しかし、それは豚価の安定上位価格の問題ももちろんございまするが、それとともに、えさ価格が非常に不安定であった。一時下がったと思えば、また二回にわたってかなりの上昇をしたというようなことが何回もございまして、養豚農家が先行きに対して不安を持ったということのために子取りが進まなかったというような点が主要な原因ではないかと思っておりますが、最近御承知のようにえさの価格もやや下がり始めておりますし、将来におきましても、四月以降はある程度の値下がりが期待できる、七月以降はさらに値下がりするのではないかというような見通しもございますので、その意味ではやや明るくなってきたのではないかと思うのでございます。そういう点もございまして、最近小豚の価格がかなり高くなって、種つけも進むのではないかというように見ておりますので、豚は御承知のように回転が速いものですから、年度後半になりますれば生産もある程度回復の基調に乗り得るのではないかというふうに思っておるわけでございます。  そこで、安定価格の決め方の算定方式の問題でございますが、われわれはこの問題を白紙で議論するのはなかなかむずかしいと思っております。と申しますのは、現在の畜産振興事業団によります買い入れ、売り渡しという制度の仕組みがいいか悪いかということはまた御議論があって、別の価格安定制度をやるべきだという御議論もあるいはあるかと思いますけれども、そこはまず一応おきまして、現在の畜産振興事業団が下がったときに買い、上がったときに売り渡すという仕組みを前提にする限り、生産費所得補償方式というものを直ちにとるというのはなかなかなじみにくい点があるのではないかというように思います。もちろん、生産費の上昇要因というもの、上昇の傾向というものは、来年度の安定価格を算定する場合にも当然一つの要素として働きますので、その分は従来どおり織り込んで価格を算定しなければならないと思いますけれども、現在のいわゆる需給実勢方式といいますか、そういうものをがらりと変えて生産費所得補償方式というような制度に移行するということは、現在の買い入れ制度を前提にする限りなかなかなじみにくい点があるのではないかというように思っておるわけでございます。  えさの価格の動向も非常に微妙なところに来ておりますので、それらも含めまして、三月末に適正な試算をし、諮問をした上で決定をしたいというふうに考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 吉岡部長に尋ねますが、四十九年度の牛乳の生産費調査と、それから肥育豚の生産費調査もまだ公表になっていないわけですね。これは毎年指摘する点ですが、三月に入れば毎年の加工原料乳の保証価格あるいは畜肉の安定価格の審議に入るわけですからして、それに間に合うように生産費の公表を行えば、われわれ農林水産委員会としても適正な審議が行われるし、それを基礎にして的確な価格安定措置を講ずるように強力に政府を鞭撻することもできるのですが、いつもぎりぎりの段階しか大事な統計資料が出てこないのですよ。  これは毎年委員会としても希望している点ですが、ことしは公表がいつごろになりますか。

吉岡裕農林省農林経済局統計情報部長

○吉岡説明員 牛乳生産費は、いまのところ四月二十五日の公表という予定で準備をいたしております。それから、肥育豚の生産費は二十日でございます。  それから、これは直接今回の審議会の討議の材料となるかどうかは存じませんが、肥育牛の生産費は二十四日公表というふうなことで準備をいたしておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 次に、二月二十八日の予算分科会でも私から農林大臣並びに吉岡部長に質問した点ですが、生産費調査の場合、自家労賃の評価を改善する、いままでの農業日雇い労賃から適切な評価方法を求めて作業を進めておるということを了承したわけですが、それは現在審議の始まっておる加工原料乳あるいは畜肉等の決定に対しての生産費の資料として間に合うかどうか、その点はどうですか。

吉岡裕農林省農林経済局統計情報部長

○吉岡説明員 私ども、いま先生の御指摘のとおり、家族労働の評価賃金についていろいろ検討を進めておるところでございますが、農林省としての結論を得ました結果は、総理府の統計審議会等の御了承も受け、最終的に決定しました暁には、出先にそれぞれ指示をし、準備体制を整えて調査を始めるということになりますので、今後始まる調査について適用になるわけでございますので、今回の畜産審議会等にかけられます生産費調査は過去の生産費調査の結果を用いられるものでございますので、私どもの家族労働の評価を変えますものが使われるということにはならないのであります。将来の問題でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 きょうはこれで質問を終わりますが、先ほど来指摘した問題の資料として提出してもらうべきものについては、小委員長から農林省に対して要求してもらいたい。いいですか。

坂村吉正自由民主党

○坂村小委員長 要求されたものは、いま頭にありませんけれども、即にやるでしょうから……。

芳賀貢日本社会党

○芳賀小委員 局長が聞いておるから……。

坂村吉正自由民主党

○坂村小委員長 提出をしてもらうように手配いたします。  速記をとめてください。     〔速記中止〕

坂村吉正自由民主党

○坂村小委員長 速記を始めてください。  諫山博君。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山小委員 ごく常識的な観点からお聞きしたいと思います。  第十回畜産振興審議会で行われた畜産局長報告によりますと、牛乳の需要が伸び悩んでいる、加工乳が目立って減少しておるという部分があるのですが、これは生牛乳の消費も減っていますか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 生牛乳とおっしゃいますのは、おそらく飲用牛乳のことじゃないかと思いますが、これは昨年は前年に比べて減になっております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山小委員 需要が減っておるというのは、理由として、牛乳価格等の値上げの影響となっていますが、それがやはり一番大きな原因と見ていますか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 一昨年の十二月、実際には昨年の一月から値上げしたところが多いと思いますが、それからさらに、昨年の七月半ばだったと思いますが、約半年間に二回値上がりしたということが消費の減退の一つの大きな要因になっておると思いますが、そのほか、一般的には、先生御承知のように、一昨年末のドルショック以来の諸物価高騰によります消費の節約ムードといいますか、これがさらに背景にあるということで、大きく言えば二つが原因ではないかというように思います。  ちょっと数字で申し上げてみますと、六月が前年に比べて一〇三・〇になっています。四月から申し上げますと、一〇一・五、一〇二・六、一〇三・〇——これは六月でございますが、七月に九四・二、九五・二、九六・八、九八・二、九七・六、十二月が九八・一、一月が一〇二・六ということで若干上向いてきた、というのが飲用乳の消費量でございます。  ただ、その中で、普通の飲用乳、牛乳と言っているものと、加工乳——加工乳は脂肪なりたん白を添加しているもので、普通の牛乳よりも脂肪率が高いというような、いわゆる良質のものが比較的多いわけでございますが、これは値段がやや高いということもありまして、これの減り方が特に大きい。普通の牛乳は先ほど言いましたように、全体が九〇%台のときでも一〇〇%を下回ったことはございませんが、加工乳の方はたとえて申し上げれば七月は八二・七%とか、年末まで八〇%で来ております。ことしの一月になりまして九二%ということで、やや上向いてきました。このように値段の高いものの減り方が特に大きいという内容になっております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山小委員 現在の畜産を取り巻く諸状況から見ると、この価格が下がる見通しはほとんどないように思うのです。飲用乳にしても、加工乳にしても、当然上がらざるを得ないと思うのですが、そうなれば需要がますます減ってくる。そうすると、畜産というのはさらにむずかしい状況になってくるというふうに考えるのですが、まず、価格の面から需要がふえる見通しがこの一、二年ありましょうか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 飲用乳について申し上げれば、現在、二百CC一本ですが、配達料込みで四十六円というのは建て値のようなものになっているわけです。実際には販売店ごとに若干違いますし、値切れば少しまけてくれる。それからスーパーへ行きますと、大体五百CCとか一千CCという単位でカートン入りのやつを売っているわけですが、これは相当目玉商品にされていることもございまして、かなり安くなっておりまして、極端な場合には、二百CCにしてですが、三十数円というものも出ておるわけでございます。  そういうことがございますけれども、いま御意見がございましたように、下がるという要因は、店により一時的ということは別にしまして、傾向として全体的に下がるという要因は余りないと思います。  ただ、価格が上がる場合に、どこまで消費がついてくるか、あるいは逆に減退するかということは非常に心配されるところでございますけれども、もう一つ考えていいことは、一般の物価の上昇あるいは賃金の上昇というものもあるわけでございます。それらとのバランスの問題もございまして、一般物価との相対関係で飲用乳の消費量というものは変化をする面もありますので、一般物価が上がり、あるいは名目的であれ賃金が上がるということでございますれば、若干の値上げ分は消費の著しい減退も来たさずに実現できるという面もございますので、一概には言えませんけれども、相当価格を引き上げれば消費が減るというような一つの節目にかかってきておるということは言えると思います。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山小委員 飲用乳について少し質問したいのですが、私たちがお菓子屋で牛乳を飲む場合でも、やはり五十円以下ではほとんど飲めない。そして、ほかの飲料に比べて牛乳の値上がりが特にひどいような感じがするのです。確かにジュース類とかコカコーラ類も値上がりしているのですが、それにしても牛乳の方が高いというのは最近出てきた現象ではなかろうかと思うのですが、ほかの飲み物との値上げの比較なんというものはありますか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 いま手持ちに資料を持っておりませんけれども、確かに、御指摘のように、他の飲料に比べまして牛乳の値上がりが大きいということは否定できません。  これは一つには、いまお話しのございました店頭で買うような場合、特に駅売りで飲むとか、あるいはお菓子屋さんで飲むという場合には、先ほど言いました四十六円が、配達はなくても五十円であるというのが一般だと思います。その値上がり幅も確かにほかのものと比べて大きいという点が消費の伸びを押えておるという面は否定できないと思います。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山小委員 そうすると、畜産の状況から見て、このままほうっておけばだんだん価格は高くなっていくんじゃなかろうかと思われる。そうすると自然に消費も減っていく。牛乳でなければいけないというような病院とか、あるいは特殊の栄養的な観点から飲んでいる人は別として、そうでない人から見ると、飲用乳の需要というものはますます減少せざるを得ないような感じが私はするのですが、この問題を抜本的に解決するためには、農家の人が安心して酪農が営めて、そして、農家の手取りがふえたからといって牛乳の消費者価格に直ちにはね返らないような仕組みにして、その差を何らかの形で政府が補償していくというようなやり方をしない限り悪循環がずっと続いていくのではなかろうかと思うのですが、いかがでしょうか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 牛乳の消費が他の飲料との関係から言いましても伸びが鈍化しておるということは否定できないわけでございますが、これは消費者の嗜好が非常に多様化しているということと、これは牛乳という栄養食品であるわけですが、これを飲む消費者がそういう栄養価を必ずしも評価して飲むかというと、そういうことが少なくなってきておるという面は否定することができないと思います。  そこで、価格は生産費との関係で上がらざるを得ない、消費は減退するということであるならば、そこで何らか政府が価格安定対策を——現在の不足払いということかもしれませんが、何らかの価格安定対策を飲用乳についても直接やるべきだという御意見が一部にあるわけでございます。先生の御指摘になっていることも、あるいはそのようなことを念頭に置いての御質問かと思いますけれども、これにつきましては、現在の飲用乳の流通機構自体にいろいろ問題がございます。     〔小委員長退席、島田(琢)小委員長代理     着席〕  先ほども一例を申し上げましたけれども、現在の宅配制度、しかもそれぞれメーカー別の専門販売店がございまして家庭まで届けるというようなことで、配達料と牛乳代が一緒になってしまっているというような点、それに対して片や最近スーパーにおきますカートン入りの一千CCクラスの販売が非常に伸びておる、しかも価格は宅配価格と比べますと非常に安い、目玉商品として客を集めるためにマージンを非常に圧縮しておるということもございますけれども、とにかく相当な格差がありまして、一般の宅配からスーパー買いに消費者の購買傾向が変わってきておるということも事実でございますが、いままでの専門店を通ずる宅配制度というものが新しい消費者の要望にこたえる流通機構として果たして存続できるかどうかという問題がございます。われわれといたしましては、配達料と牛乳代というものは当然分離して考えるべきではないかというふうに思いますので、そういう流通機構の不合理な点、おくれておる面を改善をする必要があると思います。それらによりまして原料乳代の値上がり分を流通段階でできるだけ吸収する努力もわれわれはしていかなければならないというように思うわけであります。  それから、また、国が直接価格安定措置として価格に介入をするということにつきましては、牛乳は確かに栄養食品として重要な食品ではございますけれども、米だとかその他のような一般的な基本食糧と同じように財政負担をして、それを消費者に安く届くようにすることが国民的な合意が得られるかどうかという点についてはなお検討すべき点が非常に多く残されているのではないかというふうに思いますので、いま直ちにたとえば不足払いというようなことを飲用乳についてやることについてはなお検討すべき点が非常に多いというふうに考えております。研究はいたさなければいけないと思いますけれども、そこまで直ちに踏み切るのにはなお時間がかかるのではないかと思います。     〔島田(琢)小委員長代理退席、小委員長     着席〕

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山小委員 飲用乳の技術的な問題についていろいろ説明があったわけですが、しかし、これは処理しようと思えば処理できる問題で、中心的な課題はやはり財政負担ではなかろうかと思うのです。しかし、このままであったら消費者もだんだん牛乳が飲みにくくなるし、酪農農民も経営が成り立たなくなる。そういう悪循環の中でどうにもこうにもならないような事態が起こるんじゃないかと思うし、現にそれに近い状態が出てきていると私は思うのです。ですから、財政負担ということが中心的な課題と思うのですが、農林省が強力にこの問題は推進する必要があるのではないかと思います。  さらに、さっきの畜産局長報告の中では、牛乳の需要が伸び悩んでいる一番大きな原因として、牛乳価格の値上げ等の影響ということを挙げています。ところが、牛乳の需要拡大の方法として幾つかのことが述べられているのに、その問題が触れられていないわけですね。農林省としては、牛乳の需要が減った一番大きな原因は値上がりだと言っているのに、この値上がりをどうして抑えるのかという問題に触れない解決策というものでは解決にならないと私は思うのです。  牛乳の需要が減った最大の原因として値上がりを挙げながら、需要を拡大する方法として、値上げ問題の解決にどうして触れなかったのか。恐らく触れることができなかったんじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 需要の減退の理由の一つといたしまして、確かに、飲用乳の価格の改定というようなことが四十九年の現況におきまして一つの要因であったということを指摘いたしておるわけでございます。  それならば直ちに不足払いをすれば解決できるのではないかという御意見もあるわけでございますが、不足払いにつきましては、不足払いの難点がまた非常にございます。これは現にイギリス等においても行われ、今回やめようとしておる制度でございますが、不足払いにつきましては不足払い特有のいろいろな問題がございますので、その点は慎重に検討を要する事項であろうかと思います。  価格を指摘いたしておるという点につきましては、それらの価格の引き上げの要因となるもろもろの生産の諸条件等についても、生産対策なり、合理化対策なり、あるいは流通の合理化なり、価格を引き下げる方向に働きますいろいろな要因を考慮しなければならない。これは諸般の政策によるかと思いますが、価格そのものもあるでございましょうが、それ以外のコストの引き下げの諸政策ということを留意しなければならないというふうに考えておるわけでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山小委員 需要が減少するいろいろな原因があると思います。しかし、高いから使わないということが何といっても中心だと思いますよ。安い牛乳をもっと自由に国民が飲めるようにしなければならない。同時に、牛乳を生産する酪農民の経営が安定しなければならない。この二つの要求を同時に満たすためには、不足払いという言葉を使われたわけですが、これに技術的な難点があるとすればもっと違った方法を研究することも考えられましょうし、とにかく、何らかの形で政府が介入し財政を投入しなければこの問題は解決しないということを私たちは一貫して主張してきたわけですが、その必要性が現在ほど切実になった時期はないということを意味しているのではないかと思います。  そこで、飲用乳について、小売価格が四十六円という説明があったわけですが、この価格の構成を見てみますと、昨年七月で生産者、農民の取り分が四四・四%、メーカーの取り分が二〇・三%、小売店の取り分が三五・三%という数字が出ています。これはずっと以前に比べると比率が大分変わっているわけです。たとえばメーカーの取り分は昭和四十二年度は一七・八%だったのが、昨年七月では二〇・三%にふえている。メーカーの取り分がふえただけ、当然、そのしわ寄せは酪農農家に行くか小売店に行くしかないわけです。どうしてこういう結果になっているのか、これは避けられないことなのか、御説明願いたいと思います。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 この末端価格の四十六円の価格の中には、生産者段階あるいは工場段階、流通段階、それぞれの段階におきますところのシェアと申しますか、そういうような——特に、メーカーから小売といったようなことは、何といいますか、メーカーの側、それから小売の側ということで、自主的な折衝によっていろいろお決めになっておる段階でございます。もちろん、そのメーカー段階における諸経費の関係、それから小売段階における流通経費の関係、それらが年々変動いたしまして、その変動の率と申しますか、それぞれの年におきまして特殊な事情が働きまして、おのおの納得されるところに決定されておるわけでございますが、結果としてこういうことになっておるということでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山小委員 一言で言うと、この割合というものは力関係で決まる、メーカーの力が強くなったからメーカーの取り分が多くなった、と、こういうことになるのですか。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 力関係と申しますか、お互いに納得のいく線で決まるわけでございまして、現在の段階でどちらの側が力が強いというわけには、私ども一概には申されないわけでございます。そのときそのときにお互いが納得のいく線、こういうところで決められておるものと考えております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山小委員 納得と言うけれども、それは心から納得して受け入れるんじゃなくて、泣く泣く受け入れざるを得なくさせられるんじゃないですか。たとえば生産者、農家の取り分が四十二年に四七・三%だったのが、昨年七月に四四・四%に減少する、これを快く納得するはずがないわけです。〇・一%でも取り分をふやそうと一生懸命になるはずです。それでもやはりこういう結果が出てくるというのは、私のわかりやすい表現で言えば、力関係でメーカーから押しまくられているということにならざるを得ないと思うのです。納得をしているんじゃなくて、無理に押しつけられているというのが実情じゃないかと思うのですが、こういうふうに取り分の比率が変わってくるのも当然だという経済的な背景は何かあるんですか。力関係で決まっているんですか。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 これらの取り分につきましては、年々の諸物価、諸資材の変化の相対的な関連がいろいろございます。経済的な諸因で、結果として出てまいるものでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山小委員 そうすると、この問題には農林省は全く関与しませんか。たとえば助言と勧告というようなこともしないんですか。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 この問題につきましては、農林省の方は干渉ないしはタッチは何らいたしておりません。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山小委員 この問題で、メーカー側のいろいろな協定というものがよく問題になるんですが、そういう問題も農林省は余り関心を持っていないんですか。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 そのような協定等につきまして公取委員会の方で取り上げられているということは聞いておりますが、その実態の詳しいことは承知いたしておりません。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山小委員 私も、メーカーがもうけ過ぎているのか、損をしているのか、そういうことはよく知りません。ただ、この経過を見ていますと、まさに強い者が弱い者を食うという現在の独占資本主義の姿が非常に端的にあらわれてきているように思うのです。ですから、これは農林省が関与すべき分野ではないということで高見の見物をするんじゃなくて、この点は農林省としてはもっと関心を払わなければならないんじゃなかろうかと思うのですが、いかがでしょうか。そうでなければ、ただでさえ酪農農民の経営は圧迫されるのに、さらに経済外の要素としてメーカーからどんどん押しつけられてくるというのでは、これはもうどうにもならないのじゃないですか。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 これは四十二年に国民生活審議会というのがございまして、消費者保護の観点からこのような価格の形成には政府は介入してはならないという御勧告をいただいておりまして、私どもとしては、これは経済の需給の実勢にゆだねるということで、干渉はいたしておりません。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山小委員 乳製品も全体として需要が減っているようですが、この問題はどういうふうに解決していくつもりですか。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 どのような食品をどのように選択してまいるかということは消費者の選択でございます。したがいまして、製品の中には栄枯盛衰がございますが、現在のところ、乳製品につきましては、一般経済の動向と、その経済から生み出してくるところの所得の動向、家庭の消費支出の水準というものに非常に大きく影響を受けております。  御承知のように、四十八年の十一月以降、いわゆるエネルギーショックが起こりまして、節約ムードが浸透いたしております。家庭の食事につきましても、ぜいたく品よりは実質品へと現在のところ徹底した対応がなされておりまして、このような段階におきまして、乳製品関係とか、あるいは牛肉等の肉類の中でも比較的高級品とか、魚でもマグロ等の高級品に属するものとか、こういうものはすべていま消費が非常に減退いたしておるわけでございます。しかしながら、経済が順調に回復いたしまして、家庭の消費支出水準が向上いたしますならば必ずや消費は回復してくるもの、かように考えておるわけでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山小委員 ずいぶん達観したといいますか、栄枯盛衰というような観点でこれを見られたのでは、これは政治によって前向きに打開していこうという姿勢ではないと思うのです。やはり、乳製品がぜいたく品扱いされるような価格に置かれておることに問題があるわけで、そういう点から考えますと、私たちは、酪農家が経営が非常に困難な状態になっていることはよく知っている。その意味では、加工原料乳の保証価格を引き上げるということは切実な要求なわけです。同時に、消費が伸びなければ元も子もないということで、消費者価格は絶対に上げてはならないという立場を貫いていくなら、この面でも政府の支出をもっと大幅にふやして抜本的に解決していくという策をとらざるを得ないと思うのですが、そういう方針というものはないのですか。いつの日にかまた乳製品をうんと使ってくれるだろうというようなことでは、何のための政治かわからないと思うのですが、いかがですか。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 これは全体の国民の負担をどうするかという問題にかかる問題でございまして、赤字補てんと申しますか、不足払いと申しますか、そういったものは一般納税者の負担に転嫁するということでございます。したがいまして、農林省の産品の中におきましては、米のように農家にとってもきわめて重大で、かつ国民にとっても主要食品であるというようなものは社会がこれをある程度認めるが、ところが、それ以外の産品につきましては、物によりまして違うわけでございますが、畜産物の中でも牛乳等につきましては最も手厚い保護が行われているものでございまして、そこに段階がございます。今日、ブロイラー等につきましてはほとんどまだ手のつけられていない分野もございまして、おのずからそこに段階がございますので、一挙にすべてを米のように赤字負担をしてまいる、一般国民の税金負担にするということにはなかなか社会の御納得が得られないというのが実情でございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山小委員 私は総理大臣や大蔵大臣と議論しているんじゃなくて、農政の直接担当者と話しているわけで、この負担は結局は国民の税金でございまして、という式の議論は余りする必要はないと思うのです。私が希望するのは、このままであったら牛乳の消費は減ってしまう、このままであったら酪農は壊滅するという、そういう立場で大胆に予算を要求していく、大胆に制度の改善を要求する、そうしなければいまの事態というものはなかなか解決できないと思います。もっとも、農林省がそういう要求をしても、大蔵大臣や総理大臣は、まさにあなたが言われたように、これは結局国民の税金で賄いますからというような言い方をすると思いますが、農林省は余りそういうことは考えなくていい。こうしなければ農家の経営は守れないし、こうしなければ牛乳の需要もふえないんだということで、強く政府当局に当たっていくようにということを要望いたしまして、終わります。

坂村吉正自由民主党

○坂村小委員長 次は、瀬野栄次郎君。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野小委員 去る十五日に畜産振興審議会の総会が開かれ、畜産物価格が三月末までに法に基づいて決定されることになるわけで、これから各部会が逐次行なわれるわけであります。最終的には二十八、九日ごろ価格が決定されると予想していますが、来る三月二十八日にさらに畜産小委員会を開いて政府の姿勢をただすということにいたしております。  審議会が始まったばかりでありますので、政府としても内容については即座に答弁できない面もいろいろとあろうかと思いますけれども、畜産農家が危機に瀕している現状にかんがみて、以下いろいろ質問申し上げてまいりますので、ぜひ再生産ができるよう、今後畜産農家の要求に応じた畜産諸価格の決定をお願いしたい、かように冒頭申し上げる次第であります。  そこで、まず最初にお伺いしますけれども、畜産振興審議会の委員が二十五名おるわけですけれども、一五日の出席はどんな状況であったか、また、欠席委員はどういう理由で欠席されたか、その点を明らかにしていただきたいと思います。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 お答えいたします。  欠席の方は二名でございました。ただいま名前を調べておりますので、ちょっとお待ちくださいませ。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野小委員 二十五名中、欠席は二名ですか。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 さようでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野小委員 今回の総会で、年度末に決定をするということは適当でないということが論議されて、理由が幾つも挙げられております。その内容は省くとして、特に中立派が慎重論を唱えたということでございますが、この問題についてはいろいろ検討する余地があるとわれわれも思っておりますけれども、畜産農家が動揺するようなことがあってはならぬ。既定の方針どおり三月末をもって決定をし、四月一日には告示をするということで、当初の方針どおり政府は考えて進めておることは事実でありますけれども、どういう内容で大勢が占められたか。これは今後の参考にもしておきたいと思いますし、年度末は適当でないというのがほとんど大勢であったと言われておりますけれども、出席の委員の中でそれはどういう比率であったか、その点の説明を願いたいと思います。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 いまの点でございますが、この問題につきましては、特に全委員の御意見を色分けするような採決とか何か、そういうことは全くやっておりません。ただ二、三の委員の方からそういう御要望なり意見が述べられたということでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野小委員 さらに、これはわれわれがかねがね指摘していることですが、畜産については米価と同じように諸物価の高騰によって——米価の場合は追加払いということで要求しているわけですが、畜産についても諸物価の高騰によって価格に相当問題があるということから指摘をしておるわけでありますが、この総会の席で、農林大臣は、年度内改定をなぜやらなかったかという問題に対して、再生産確保に支障がなかったので改定しなかった、しかし、再生産確保の基準をどうするかという検討はしているというような答弁をしたやに聞いておりますけれども、その点はどうだったか、さらに説明をいただきたい。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 農林大臣からお答え申し上げましたのは、年度内改定について、生産者代表の方方から、昨年の実際の状況を考えて何らかの基準があった方がいいではないかというような御意見が述べられましたのに対しまして、農林大臣から、そのような基準について検討してみましょうというふうに答えがあったと聞いております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野小委員 審議官の答弁を聞いているといやに慎重のようだけれども、局長が畜産振興審議会の方に出席するのでやむなく私も退席を認めたのですが、局長にかわって明快な答弁をお願いしたいということを冒頭に申し上げておきます。  さらにお伺いしたいことは、何といっても今回一番問題になるのは乳価の問題であると思っております。そこで、加工原料乳等の問題、また飲用乳価の問題等を中心にお伺いをしたいと思いますけれども、「最近における畜産の動向と畜産諸施策等について」という畜産局長の報告書が先ほど読み上げられましたが、この五ページを開けていただきたいと思います。「口牛乳乳製品と酪農の動向」というところで、「まず、生乳の生産は、四五年以降その伸びが鈍化傾向をたどってまいり、特に最近二カ年は、それぞれ対前年比九九・四パーセント、九九・一パーセントとわずかながら前年を下回っております。」ということになっており、先ほど審議官から局長にかわってこれの報告があったわけですが、これに基づいてお尋ねしたいのです。  四十九年度はまだ年度が終わっていないのでわからないかもしれませんが、四十九年ならば総生産量がわかるのじゃないかと私は思うのですけれども、その辺はどうですか。生産の報告がたしかこちらの方の「畜産関係資料」の中の九ページに出してありますけれども、この「牛乳、乳製品の需給状況」では四十八年までしか書いてないのですね。この場合は四十九年がないわけですけれども、四十九年度であればまだ済んでいないからはっきり数字が出ないと思いますけれども、四十九年ならば数字はつかんでおられると思うのですが、その点を明らかにしてもらいたいと思う。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 暦年でございますともう出ております。  この資料の九ページの方に出ておりますのは年度でございます。したがいまして、これに対応する数字を申し上げますと、四十八暦年の場合には、ここには四百九十万二千トンとございますが、この数字に対応いたしますものが四百九十万八千四百トンでございます。これに対しまして、四十九暦年が四百八十六万四千トンでございます。暦年で見まして対前年比九九・一%、この数字が畜産局長の説明の中に書いてございます九九・一%という数字でございまして、これは局長の報告の中には暦年で述べてございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野小委員 そうしますと、いろいろさっきからも述べておられるけれども、四十五年以降鈍化傾向をたどって、いま言われたような。パーセントになってきておるわけですね。これは飲用牛乳にしても同じことが言えるわけですけれども、減ったということについては、この原因はどういうふうに踏まえておられるのか、改めてお聞きしたいのです。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 減る傾向を示し始めておりますのは昭和四十八年からで、四十七年まではわずかながら対前年比で上回っております。四十八年が九九・四%、四十九年が九九・一%と、この二カ年が若干の微減を示しておるわけでございます。  御承知のように、この二カ年間と申しますのは非常に異常な年であったということは最初申し上げたわけでございますが、まず、乳用牛の飼養がなぜ停滞してまいったかと申しますと、兼業化の進行に伴います零細飼養層が急速に飼養から離脱が進んでおるということ、これが一つでございます。また、これは土地の規模、土地の限界といったようなものもあるかと思いますが、飼料生産基盤の拡大の困難ということ。それから、これは若い人々から最もよく聞くことでございますが、三百六十五日一日も休暇がとれないという労働事情、特に若い方々がこれをきらうというような問題。そのほか、一般的に申しまして、飼料価格の値上がり等その他経営の困難な事情、特に環境保全等の問題で、内地におきましては周辺が市街化してまいるというような種々の事情が重なってこのような微減となっておるものと思われます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野小委員 そこで、政府の「畜産関係資料」の十六ページから十七ページにかけての「飲用牛乳価格の動向」をあけていただきたいのですが、この中で小売りの家庭配達牛乳の価格が示されておりますけれども、二百ccで四十八年二月が三十二円、四十八年十二月が四十円、四十九年七月が四十六円と急騰しておるわけです。そこで、現行飲用原料乳価がキロ当たり九十八円となっておりますが、この牛乳の価格を見ましたときに、今後もかなり上がることは当然考えられますわけで、団体からは百三十八円二十六銭の要求が出ておりますが、実際にこの要求をのむということになりますと、私の試算では、小売りが現在四十六円となっているのが六十円ないし七十円くらいになることは当然間違いないであろうというように考えられます。そうなってくると消費者はますます買わなくなるということで、消費、生産もともども減退をするということはかねてから憂慮し、心配されておるところであります。  そこで、いよいよこういうふうな状況を迎えておる段階で、畜産農家を今後保護、育成していくためには、飲用原料乳については、加工原料乳と同様に不足払い制度、すなわち二重価格制というものをどうしても採用していかなければ今後行き詰まりが来る、これは問題ではないか、と、こういうことを今回の畜産振興審議会の開催に当たって私はしみじみ感じているわけですけれども、いまのままでは続けていくことはなかなか無理である、いよいよ限界がやってくるというように思うわけです。  そういうことについて当局はどういうふうに今後の見通しを立てて考えておられるか、その辺を明らかにしていただきたい。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 先ほども実はその御質問がございましてお答えいたしたわけでございますが、具体的に申しますと、飲用原料乳について不足払いを行いまして、原料乳価の値上げを直接消費者価格へ反映することのないようにするということが不足払いの趣旨であろうかと思いますが、これは一つの考え方として、現実に英国等でとられておった制度でございますが、この食料の購入費を一体だれが負担するかということで、私ども、畜産物につきましては、一応消費者に負担していただくということを原則として考えておるわけでございまして、なかなか不足払いというのはむずかしい問題であろうかと思います。  それから、先ほどもちょっと申し上げましたが、牛乳の家計支出に占めます地位というものを考えますと、最も重要な米、それから肉類、野菜といったものと比べました場合に、きわめてウエートは小さくなっておるわけでございます。日本では牛乳は英国やヨーロッパ諸国と違いまして、家庭の重要な食料品というよりは、先ほども比較が出ましたように、どちらかと申しますとコカ・コーラとかジュースとかいうものとの対比がなされるほど、牛乳の消費の形態がわが国では若干違っておるわけでございまして、そのような性格を持つ牛乳に対しまして、納税者負担という原則を貫き得るかどうかという一般的な問題があるわけでございます。  それから、段階もなかなかいろいろと複雑でございまして、技術的にも種々の問題があろうと思いますが、ともかく、不足払いということは何よりも相当な財政負担を引き起こすということでございまして、なかなか現実のものとなりにくいという性質を持っておるわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野小委員 なかなか財政負担で困難だということでありますけれども、飲用原料乳価については、酪農農家と乳業メーカーとの直接交渉によって決定されていくわけでありますが、再生産加工ができるような取引価格にするという点で行政指導を強力にやるというふうに言われておりますけれども、その辺についてはどういうふうな行政指導をなさる考えであるのか、その点もこの機会に明らかにしていただきたい。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 飲用乳の価格につきましては、先ほども申しましたように、政府としてこれに干渉するということはよろしくないということで、国民生活審議会消費者保護部会等の御勧告をいただいておりまして、したがって、私どもはこれに対して介入するという考えは現在持ち合わせていないわけでございます。したがって、今後におきましても民間における自主的な折衝にゆだねたい、かように考えております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野小委員 次に、加工原料乳の保証価格問題ですけれども、「畜産関係資料」の十九ページに安定指標価格等の内容が盛られておりますが、安定指標価格の水準が若干下回るということで推移しておるわけです。言うまでもなく消費減退が続いている関係でありますが、この安定指標価格を今後上げるということはなかなか厳しいという問題であると思いますけれども、基準取引価格もそう上げるわけにいかないということになってきますと、結局、財政負担その他もかさむと言いながらも、保証価格を上げなければどうしようもないのじゃないかと私は思うのです。  こういうことで諮問をしておられるわけですけれども、ぜひこれは保証価格を上げるということで検討してもらいたいということを申し上げるわけですが、その点、今回諮問に当たって政府はどういうふうな検討をされておるのか、述べていただきたいと思います。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 先ほど局長から芳賀先生の御質問に対してお答えいたしましたように、生産費の中に占める重要な要素でございます労賃であるとか、いろいろな要素について、昨年決定いたしました際よりは若干変動のある要素が入っております。したがいまして、一般的には上げると申しますか、適正な修正を行うという必要が——まだはっきりした結論は出ておりませんけれども、傾向といたしましてはそのようなことになろうかと思いますが、しかし、問題は幅でございまして、生産者団体はすでに御発表になっておりますけれども、その点がいかが相なりますか、私ども慎重に検討いたしたい、かように考えておるわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野小委員 慎重に検討していただきたいと思うが、そこで、四十九年度は二十一円五十一銭のプラスとして、四四・三%アップ、七十円二銭となったわけであります。最近では近年にない大幅アップということでいろいろ政府は言っておられるようだけれども、しかしながら、価格を上げたにもかかわらず、牛乳、乳製品の生産が減っているということは、やはり生産者の価格に問題があるということはもう当然に指摘されておることだし、また、政府もそういうことの原因を申されておるわけです。  そこで、補給金の単価ですが、現在十六円六十一銭となっておりますが、政府はこれをどのくらい上げるつもりで検討しておられるのか。これもなかなか言えないかと思うのだが、聞くところによると一〇%ぐらいの保証価格のアップというようなことも言われておるのですけれども、そういった程度では生産減退をますます招くばかりか、今後生産者が仕事ができないというふうに考えておるわけです。こういうようなところも大変問題なんですけれども、十分諮問をし、また、諮問の結果を得て考えたこととは思うのだけれども、一〇%というようなことが巷間伝えられておりますが、その辺の検討はどういうふうに持っておられるか、さらに説明を願いたい。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 この七十円二銭、四四・三%は昨年上げました。これは加工原料乳に適用いたします保証価格でございまして、この加工原料乳地帯だけを取り上げてみますと、必ずしも生産が減退しているということではございません。むしろ、全国的に飲用乳地帯をすべて含みますと微減ということでございますが、加工原料乳地帯だけをとらえますと、前年対比で上昇いたしておるわけでございます。  それはともかくといたしまして、財政負担のことは、現段階におきましてはまだなかなか申し上げかねる段階でございますので、御了承いただきたいと思います。  それから、なお、つけ加えて、先ほど欠席者はだれかというお話しがございまして、二名と申し上げましたが、三名の誤りでございましたので訂正させていただきます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野小委員 ただいま申し上げた補給金の問題ですが、四十八年度の実績は百七億、四十九年度はまだ予定でありましょうが、二百二十五億というように私は思っておりますけれども、その点は間違いありませんか。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 今度予算上ふえておりますのは、昨年の修正が平年度化したということで自動的にふえたものでございまして、別段変わった要素を含んだ予算ではございません。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野小委員 そうすると、四十九年度はおおむね二百二十五億ぐらいですか。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 二百二十五億、大体予算どおりだと存じます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野小委員 そこで、これもまた審議官では答弁は無理かと思うのだけれども、畜産振興審議会が開かれておるさなかであるので、私たちも政府に対して要求をし、また、質問する立場にあるから十分検討してもらいたいと思うのですが、この補給金については五十年度は幾らであるかということになるわけです。四十八年度が実績として百七億、四十九年度がおおむね二百二十五億。そうしますと、五十年度は加工原料乳の要求が団体から百二円九十三銭、現在の保証価格が七十円二銭ということになりますと、これを差し引きずれば三十二円九十一銭で、約三十三円となります。そうすると、限度数量を百三十八万トンとしましたときに、この三十三円を単純計算で掛けますと四百ないし四百五十五億の補給金ということになります。この補給金を見なければならぬということをわれわれは試算しておるわけですけれども、こういつたことについても十分対処してもらわないと、先ほど申し上げたように生産者の再生産の力は減退すると思うわけで、この辺も十分検討していただいたと思うが、それについてはどういうふうに検討を進めておられるか、その点もお答えいただきたい。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 私ども、この十六円六十一銭がどのようになるかが決定いたしませんと、どの程度の国費が要るかという計算ができかねますので、決定いたしました際に計算いたしたいと思います。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野小委員 この補給金については、いま私たちの計算でいろいろ試算を申し上げましたが、そういうことで十分検討して対処していただきたいことを強く要求しておきます。  さらに、この「畜産関係資料」の四十ページに、「農産物の需要と生産の長期見通し(案)における畜産物の需給見通し」というものが出ておりますが、これについてもこの機会にちょっと質問をしておきたいと思うのですが、牛乳、乳製品についても、四十七年の四百九十四万四千トンに対して六十年は七百六十八万トン、一五五・三%の見通しを打ち出しておられます。いま減退傾向にあるさなかで、しかも、価格がなかなか厳しいような政府の考えの答弁であるが、こういったことが果たして実行できるか。こういう問題なども本当に心配でなりません。おくめんもなくこういった数字を並べておられるけれども、どうしていかに実行するかということについてはどういう決意でこの表を出しておられるか、審議官からお答えをいただきたい。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 私どもがこの見通しを行っておりますのは、日本経済の成長率をある程度前提にいたしております。経済成長率が四%といたしますと消費支出水準が五%、こういったものを前提にしてこの計算をいたしております。現在、日本経済の成長率も、昨年はマイナスでございます。しかし、日本経済の全体が十年間のうちにマイナスであるというようなことはとうてい考えちれないわけでございまして、後半に至って、あるいはいつからかよくわかりませんが、かなりの成長で、平均して四%、かように考えるわけでございます。したがいまして、四十八年、四十九年におきまして一時的に酪農が微減したといいましても、これからの十年先にこの程度の伸展ということは当然あり得る、またしなくてはならない、私どもかように考えてこの見通しをつくったわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野小委員 答えることは簡単かもしれませんけれども、この二十八ページによっても、乳用牛については、戸数、頭数ともにここ四、五年落ち込んでおるわけで、この見通しから見ますと、四十七年の百八十二万一千頭に対して六十年は二百五十六万七千頭と、一四一%増を見込んでおられますけれども、これまた果たして実際達成が可能なのかということをわれわれは本当に危惧するわけです。そういったことから、いま、保証価格問題についてとか、あるいは補給金の問題で若干お尋ねしてまいりましたが、こういうふうな農産物の需要と生産の長期見通しを立てられるならば、ここらで二重価格制の問題やら、先ほどから申し上げましたように交付金の問題やら、こういったことも真剣に取り組んで、大幅な決意で望まないとなかなか生産者も意欲が起きてこない、減退をする一途である、と、かように私は思うわけです。  それで、いま、畜産物の需給見通しのことでいろいろ御答弁がありまし北が、こういう計画を立てた以上、たとえば新しい価格制度を導入するとか、何らかの施策をしなければ、これはまさに絵にかいたもちということになるわけでして、その辺はどういうふうに考えておられるのか。何らかの新しい価格制度を設けなければ当然行き詰まってくるということが懸念されるわけですけれども、その点をあわせてお伺いしておきたい。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 先生のおっしゃいますように、この目標を実現いたしますにはかなりの努力が要るであろうということは私どもも十分考えておるわけでございます。しかし、ただ不足払いの価格の改定という価格政策だけでこのようなことが実現できるというふうには私どもは考えていないわけでございます。それには、生産から、流通から、消費から、あるいは価格政策といったようなものから総合的に考えまして推進していくということを考えておるわけでございます。  もちろん、この不足払いの実施ということも一つの重要な問題でございますが、さらには飼料生産基盤の強化というようなことで、今後におきましては、特にこの中堅階層の飼養規模の拡大というようなことを中心にいたしまして生産条件を整備する。これを実現いたしますためには、先ほど詳しく御説明する余裕がなかったわけでございますが、五十年度以降畜産基地の建設といったようなものを強力に推進してまいる。また、土地の流動化の促進であるとか、あるいはまた融資政策に負うところが非常に大きいかと思われます。また、今後の酪農には、新技術の普及、乳牛の改良、増殖等広範な施策をますます総合的に展開いたしまして目標の達成を図ろう、と、こういうわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野小委員 時間が詰まってきましたので、次に飼料問題にも触れておきたいと思います。  御承知のように、四十七年の末にトン当たり三万八千三百円であったのが、現在では六回の値上げがされて倍以上になっていることは御承知のとおりですけれども、先般、澤邊局長は、トウモロコシのシカゴ相場は現在一ブッシェル二ドル八十セントで、昨年十二月末の同三ドル七十セントに比べて九十セント安くなっている、フレートもトン当たり十八ドルから十二ドルへ、諸掛かりも三十セントから二十セントへ下がり、さらに、為替レートも一月の一ドル三百円から現在二百八十六円になっている、と、こういうふうに説明しておられます。飼料穀物のシカゴ相場の低落やフレートの低下などから、四−六月期の配合飼料価格というものに値下げの要因があるわけで、適正な値下げができるように指導していきたいというふうにさらにお答えをされておるわけですけれども、このことについて、値下げの幅は大体どのくらいを想定しておられるか、その点お答えをいただきたい。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 先生のおっしゃいましたように、トウモロコシのシカゴ相場だけを見てみますと、もうすでに二月で二ドル九十五セント七、その後若干上がりまして、現在段階で約三ドル見当で上下いたしております。したがいまして、昨年の一時期から比べますとかなり下がっておるわけでございます。それからフレート等につきましても、最近は十ドル見当で推移いたしておりますし、円為替も先ほど申しましたように二百九十円程度で推移しているものと思われます。  このような諸要素を勘案いたしますと、四−六月について値下げの方向にあるということは先ほど局長が申し上げたとおりでございますが、いろいろむずかしい事情がございます。というのは、大体四−六月に出てまいります配合飼料の原料と申しますのは数カ月前に手当ていたしておるものでございまして、ちょうど一番高い時期から若干過ぎた時期、十月が三ドル八十セント平均でございまして、十一月が三ドル六十五セント、十二月が三ドル五十二セントという、こういうような相場に非常に強く支配されておる原料が四−六月に出てまいるわけでございます。一般的には、三ドル切ったんだから、一番高いときが四ドルぐらいだからもっとうんと下がるであろうということでございますが、必ずしもそういうわけにはまいりません。在庫の中から先入れ、先出し方式で原価計算してまいりますので、したがいまして、現在の原価はトウモロコシのシカゴ市況ほどには下がらない見込みでございます。  このように原料の仕入れ時期と原料の使用時期との違いが若干ございます。それからもう一つ非常に問題なのは、最近配合飼料の売れ行きが非常に悪くなってまいりました。一月現在では前年対比三〇%の減というような大きな減を示しております。したがいまして生産に回すはずの買い入れておったトウモロコシ等の原料が大変な過剰在庫で残っておる、押せ押せで大変高いものが残っておるというような状況もございまして、これが各社まちまちでございます。たまたま金がなくて原料手当てができなかったところが非常に有利になっておりまして、原料手当てをしてしまったところが非常に苦しい状態になっておるわけでございます。したがいまして、飼料工場会等の七十社の種々の原価計算等を見てみましても千差万別でございまして、どの辺が妥当な線であるかということは慎重に検討を要することでございます。  したがいまして、現段階におきましては下がることは確かである——下げてもらいたいということは私どもから強く要望いたしておるところでございますが、私どもといたしましては、畜産農家の利益になるようにできるだけ下げてもらいたいという強力な申し入れを行っておる段階でございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野小委員 もう下がることは明らかであるけれども、私はいろいろ検討してみました。先般の澤邊局長の答弁の内容を見ましていろいろ私は業界とも当たってみたのですが、私たちの単純計算でも、これはトン当たり一万円以上値下げができるのじゃないかと思われてならないのですが、その点はどうですか。価格は言えないにしても、その辺の見通しは立ちませんか。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 まことに申しわけないことだと思いますが、先生のいまおっしゃいました金額まではとうていむずかしいという感じがいたしております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野小委員 それで、これはひとつ大いに指導もしていただきたいと思うが、さらに、澤邊局長は先般の委員会で、在庫分で古くて高いものが多い、売れ行き不振による在庫分があるということを答弁になっておりますけれども、こういうことについてはどう処置されるのか。時間も参りましたので簡潔にお答えください。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 先ほど申しましたように、通常の需要を見込みまして手当ていたしました原料が予想外の需要の減というようなことが出てまいりました。それと、もう一つは、昨年、御承知のように輸出規制があるかもわからないというふうな異常な事態もございましたので、手当てできるだけ手当てしたというようなこともございまして、結果としてはそういうことはいま解消いたしておるわけでございますが、そうした備蓄的な意味で社内に持ち込んできたものもあるし、それから需要予測に反して意外に需要が減退したというようなことのための在庫といったようなものが大量に滞留いたしているのは事実でございます。したがって、これをどのようにコストの中に織り込んでまいるかということが非常にむずかしい問題でございまして、通常の会計計算方式によるのか、あるいはまた別途の方法を考えるのか、そこらあたりが検討すべき一つの問題点かと存じております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野小委員 最後にもう一点お伺いして、本格的には三月二十七日の小委員会でまたいろいろ政府の意見を聞くことにいたしますが、行政管理庁が、長期的には飼料穀物の自給向上が緊急課題となっているということから、農林省の行っている飼料行政の中で輸入、生産、流通、価格などが効果を上げていないということで、昨年、たしか十月から十二月の間に各関係省庁の調査をしてきておるわけで、こういうことに対して近く農林省に対する厳しい改善勧告をするというようなことが言われております。  農林省としてもこういうことを十分受けとめて検討しておられると思うし、われわれもこの内容を仄聞するところによると、かなり時宜に適した厳しいもので、当然のことだとわれわれは思って受けとめておりますが、これについて農林省はどういうふうに対処しておられるか、また、受けとめておられるか、その点をお答えいただきたい。

高須儼明農林大臣官房審議官

○高須政府委員 行政管理庁の方でこの問題をお取り上げになりまして、現在御調査中であるということは聞いております。また、私どもも、この問題は相当真剣な問題でございますので、種々情報をお伺いしては検討いたしておりますが、これはまだ勧告は出ておりませんので、どのような勧告をいただきますか、その結果を見まして早急に検討いたしたいと思っております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野小委員 まだ出てないことは当然ですが、三月中にもこれは出すということです。これらが早く出ると、今回の畜産振興審議会のいろいろな審議の参考にも大いに役立っただろうというふうに思っているわけですけれども、国会もいよいよ大詰めになってきておりまして、いま、畜産振興審議会がちょうど終わるころではないかとわれわれは思っていますけれども、その結果を待ってまた改めて四月、五月ごろにこれらの問題については政府の考え方をただすことにしますが、この中には、ちょっと内容を仄聞すると需給動向と需要に関する計画とか、濃厚飼料の確保だとか、配混合飼料の生産、流通及び価格形成とか、数々の内容が盛られておりまして、農林省初め畜産振興事業団、国際協力事業団、都道府県、市町村、配合飼料価格安定基金その他飼料関係団体及び製造工業団体にわたって、昨年十月から十二月まで調査を実施しておられますので、相当重要なものになると思っています。  これは十分に受けとめて、今回の諮問の結果とともに、価格の決定について、酪農民が再生産ができる体制で今後価格政策その他に十分対処されるように要求して、質問を終わります。

坂村吉正自由民主党

○坂村小委員長 本日は、これにて散会いたします。     午後五時二十六分散会

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