農林水産委員会 第35号
- 発言数
- 142 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1975/09/10
会議録
○澁谷委員長 これより会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 先般、農林水産業に関する実情調査のため、北陸地方及び四国、大阪地方の各地に委員を派遣いたしたのでありますが、この際、派遣委員よりそれぞれその報告を聴取いたします。吉川久衛君。
○吉川委員 委員派遣第一班の調査結果の概要を御報告申し上げます。 本班は、去る八月二十六日から八月二十八日までの三日間にわたり、私ほか竹内猛君。中川利三郎君の派遣委員をもって、石川県、福井県の農林水産業の実情を調査してまいりましたが、まず簡単に調査日程を申し上げます。 八月二十六日は、空路石川県に入り、最初に金沢市打木の施設野菜生産地区を視察し、次いで県庁において、県及び北陸農政局より農林水産業の概要を聴取し、懇談を行った後、河北潟干拓事業と国営奥能登地域農地開発事業二子山地区をそれぞれ視察いたしました。 八月二十七日は、能登島において石川県漁業増殖試験場を視察した後、福井県に入り、県庁において県当局より農林水産業の概要と要望を聴取いたしました。 また、八月二十八日は、福井臨海工業地帯建設事業と同地区の砂丘地農業並びに坂井北部総合農地開発建設事業をそれぞれ視察し、全日程を終えたのであります。 御承知のとおり、この地方は農業生産に占める米の比重が際立って高く、また、わが国でも典型的な早場米地帯であり、地場産業である繊維工業、機械工業への兼業機会も多く、その影響もあって専業農家の比率が非常に低いという特徴を持っております。 この地方の農業においても、農作業の機械化による経営の合理化、農産物の選択的拡大が意欲的に進められている一方、労働力の兼業化、老齢女性化、農村の混住社会化等多様な変化を見せ、農家所得の面でも景気後退の影響は見られるものの、農外依存度がきわめて高い水準にあります。 まず、米作依存度の実態を見ますと、農業粗生産額の中に占める米の割合が、全国平均では三一%となっているのに対し、石川県においては六〇%弱、福井県においては七〇%弱となっており、このため両県とも今後の農業生産の推進に当たっては、稲作と他作目との組み合わせにより農業自体で年間就労可能な健全な農業形態の育成に積極的に取り組むこととし、農用地の開発整備に力を入れ、野菜、果樹、酪農の振興を図っている様子がうかがえたのであります。 次に、専業農家率の問題について見ますと、石川県においては四%強、また、福井県においては四%弱と全国平均の一二%に比しきわめて低い実態で、この状態が続けば、農業生産の停滞も懸念されるところであります。 このため、かかる事態に対処すべく、石川県においては、本年度から県独自の方式により、専業農家を中心とした中核農家育成のための農家登録制度を採用し、今後これら農家に重点的な農業施策を講ずると同時に、第二種兼業農家に対しては、所有と経営の分離を図る施策を進めておりまた、福井県においては、農協を中心とした集団的な生産組織の育成に全力で取り組んでいるとのことでありました。 以下、視察個所の概要について申し上げます。 第一に、農用地の開発事業について申し上げます。 まず、河北潟干拓事業は、昭和三十八年に国営事業として着手されておりますが、その総事業費は百六十七億円、千百三十ヘクタールの農用地干拓造成を行うとともに周辺農用地三千三百ヘクタールの排水改良事業を行うものであります。 干陸は昭和四十五年に完了し、本年度から圃場整備事業を実施し、昭和五十三年度以降入植が予定されているところであります。 現在、干拓地については、その配分方法をめぐり調整が難行しており、また、導入作目については、国及び県当局が畑作、酪農等の導入計画を予定しているのに対し、地元受益者は、計画当初の稲作の導入を強く要望する等、いまだ十分な合意が得られていないのが実情であります。いずれにせよ、本干拓は多額の国費をもって実施されたものであり、これが国民食糧の増産という当初の目的を十分果たすための有効活用が図られるよう強く関係者に要望してきた次第であります。 次に、国営奥能登地域農地開発事業二子山地区について申し上げます。 奥能登地域は、従来、農業用水の不足、土壌の劣悪性等が原因し、農業開発が最もおくれた地域となっていたのでありますが、昭和三十五年以降、国営事業による農用地開発が意欲的に進められており、現在五地区約三千ヘクタールの農地が開発実施中であり、今後、さらに二千七百ヘクタール程度の農地開発が予定され、ここに果樹と畜産を中心とした大規模な農業団地の造成が行われようとしているのであります。 今回視察した二子山地区は、約六百ヘクタールの農用地造成がすでに完了し、その大部分がクリ栽培に利用されておりましたが、土壌が劣悪なこと等から必ずしも当初予想した程度の反当収量を上げるには至っておらず、今後酪農、畜産とリンクした堆厩肥等の投入により地力の増強を図ることが緊急の課題となっております。 また、今後のクリ栽培の見通しについては、すでに現在でも過剰ぎみとの指摘もあり、国において適切な生産指導が十分に行われるべきだとの強い要望があったのであります。 次に、国営坂井北部総合農地開発事業は、福井県の畑作農業の中心地帯である坂井北部丘陵地を対象に、畑地を中心に八百七十ヘクタールを開墾する農地開発事業、畑地、水田合計二千四百ヘクタールの灌漑排水事業並びに千四百ヘクタールの区画整理事業を同時施行し、これにより経営規模の拡大一大型機械化農業体系の確立を図り、畑地農業を主体とする近代的な農業地帯を建設しようとするものであります。 本事業は、事業費百四十億円をもって昭和四十六年に着工されたのでありますが、近年事業費単価の上昇、公共事業の抑制等により、大幅に工期の遅延を来し、昭和四十九年度末の進捗率は、わずか二〇%程度にすぎず、受益者の不満は日一日と高まっているのが実情であります。このため、県を初め関係町長から工期の早期進行につき切々たる要請がありました。 この国営事業等については、最近、農林省においても、その特別促進対策を鋭意検討中とのことでありますが、一日も早く促進対策の実施に踏み切ることを強く要望する次第であります。 第二に、金沢市打木の施設野菜生産地区の概要について申し上げます。 本地区は、金沢市の中心部から西方十二キロメートルに位置する典型的な都市近郊農村でありまして、その農業は大根、スイカ等を中心とした砂丘畑農業が営まれ、特に、大根は昭和四十一年に国の野菜指定産地となり、以後生産出荷の近代化に積極的に取り組んできたところであります。また、昭和四十七年から五十年にかけての第二次構造改善事業により新たに、トマト、キュウリ等のガラス温室団地二ヘクタールが設置され、今日に至っております。また、ガラス温室の運営については、農事組合法人打木温室園芸組合を組織し、温室に係る機械及び土地はすべて法人有とし、その機械施設を組織参加農家が共同利用するシステムをとっております。現在、本地区の農家一戸当たりの平均農業所得は約三百万円と高く、米作に過度に依存した石川県の農業乃中にあっては、まさに模範的な農業のあり方を示す貴重な地区であり、今後の一層の発展を強く期待してまいった次第であります。 なお、ガラス温室に係る施設については、一般家屋と同様固定資産税の課税対象となっており、これら純農業生産施設を課税対象とすることについては、いささかの疑義があるものと思われ、早急に、税法上の改善措置を講ずることを強く要請しておく次第であります。 第三に、石川県漁業増殖試験場の概要について申し上げます。 本増殖試験場は、昭和四十三年に能登島に設置されたものであり、現在は、クルマエビ及びアワビ等の種苗生産事業等を実施し、沿岸漁業の振興に多大の効果を上げておりますが、さらに昭和四十八年度以降三カ年計画で県営栽培漁業センターが建設中であり、昭和五十一年以降マダイ等の増殖事業が実施されることになっております。同センターについては、四分の三の施設費補助が計上されておりますが、その事業運営費に対する国庫補助は現在のところ予定されておらず、本事業の健全な運営を図り、その事業の成果が漁業資源の維持培養につながり、ひいてはわが国たん白資源の確保に果たす役割の重要性をも十分に配慮し、国が手厚く助成措置を講ずる必要性があると痛感したのであります。 最後に、福井臨海工業地帯建設事業と同地帯の砂丘地農業の概要について申し上げます。 福井臨海工業地帯の建設は、福井市及び三国町にまたがる通称三里浜一帯の砂丘地に、昭和四十六年度から昭和六十年度までの十五年間に七百三十ヘクタールの工業団地を造成しようとするものであります。この工業団地の建設については、地元の雇用と所得の増大並びに社会資本の充実等が図られるというメリットがある反面、これが農業生産の減退に及ぼす影響を初め、公害の発生等多くのデメリットを招来させる懸念があり、現在、県当局においては、かかる事態を回避するため、農業対策の充実と公害防止対策に鋭意取り組んでいるところであります。 まず農業対策について見ますと、三里浜は全国有数の砂丘農業地帯であり、全国生産シェアの八割を占めるラッキョウの生産を初め、大根、スイカ等の主産地形成が行われているのでありますが、今回の開発により約四百ヘクタールの畑地が減少することから、畑地の減少に対処して、約百ヘクタールの水田転換特別対策事業を実施するほか、これと並行して畑地帯総合土地改良事業を実施しており、ここに従来からのラッキョウを中心とした畑作集約栽培を行うとともに、トマト、キュウリ等の施設園芸を積極的に導入し、農用地の減少が農家所得の減少につながることのないよう各種施策の充実を図っているところでありました。 次に、公害対策についてでありますが、弗素化合物及び亜硫酸ガス等による大気汚染を未然に防止するため、国の環境基準を上回る独自の公害防止協定の締結等監視体制の確立に万全を期するとの説明を受けましたが、その他本地域においては、工場背後地の農業生産と生活環境の保護を図るため、幅百八十メートル、長さ十キロメートルに及ぶグリーンベルト地帯の造成をするほか、誘致企業の工場内にもグリーン地帯を設置させる等の措置を求めることとしております。 しかしながら、本地域の開発は、いまだ港湾建設の一部が着工された初期の段階であり、今後、企業導入等開発が進むにつれ、農用地のスプロール現象等大きな問題が出現する懸念もあり、一部先進開発地域に見られるような工業開発が農業を壊滅的状態に追い込むといった事態を繰り返すことのないよう県当局に対し、適切な行政指導を強く要請してきた次第であります。 以上が調査の概要であります。 石川県、福井県、北陸農政局を初め、今回の調査に当たり御協力をいただきました関係者各位に対し、深甚の謝意を表しまして、御報告を終わります。
○澁谷委員長 次に、今井勇君。
○今井委員 私は、第二班を代表して、調査結果の概要を御報告申し上げます。 本班は、去る八月二十五日から同二十七日まで、三日間にわたって私及び理事藤本孝雄君、委員柴田健治君、同美濃政市君、同米内山義一郎君、同諫山博君の六人で、愛媛県、香川県における農林水産業の実情、特に愛媛県においてはミカンの栽培、香川県にあっては、栽培漁業の実情を中心に調査してまいったのであります。 まず、愛媛県下における調査について申し上げます。 八月二十五日愛媛県庁において、知事を初め中国四国農政局長、農林水産関係者から農林水産業の概況及び台風五号、六号の被害状況と要望を聴取いたしたのであります。 愛媛県における農林水産業を端的に申し上げますと、農業につきましては、南予の急傾斜地帯をフルに活用して、ミカン類を年間六十万トン程度生産しており、農業粗生産額を見ても千百四十八億円のうち果樹が三百四十三億円でその三〇%を占め、以下畜産、米の三部門が全体の八割を占めていることであります。 林業につきましては、本県の総面積の七一%に当たる四十万ヘクタールが森林面積となっており、そのうち八九%は民有林で占められ、国有林は一一%となっていることであります。 また、水産業につきましては、漁業経営体の九八・三%を沿岸漁業経営体が占めていることであります。 県当局としては、これら農林水産業の実態に即して働きがいのある安定した農林漁業を確立するための広範な対策、あるいは地域の実情に即した農政の展開のための国家予算の確保等、種々の要請があった次第でありますが、特にミカン農家の経営の安定を図るため、昭和四十八年度から本県で実験実施している所得共済制度を五十一年度から国による実験事業として実施されたいという点に最重点が置かれていたことであります。 また、台風による農林水産被害は、五号については、八月二十二日現在百二十四億円余に達し、果樹、水稲、野菜等農作物、真珠、ハマチ等の水産養殖物を中心に大きい打撃を受け、六号についても東予山間部を中心に大量の降雨をもたらし、その被害は、五号に比較すれば直接的な影響は少なかったが、八月二十三日現在約三億円ということであって、これらについては天災融資法の適用、激甚災の指定、地方交付税、地方債の増額等が要望された次第であります。 次いで現地調査に向かい、北宇和郡吉田町において、宮川氏が経営するミカンのハウス加温栽培及び果樹試験場南予分場を視察するとともに、玉津地区においては、吉田町土地改良区が昭和四十六年から四十八年にわたって、総事業費二千九百九万円、受益面積二十二ヘクタールの急傾斜なミカン園のスプリンクラーによる鹹水防除施設を視察したのであります。 これら視察した中でミカンのハウス栽培等につきまして若干申し上げますと、ハウス栽培は、四十六年から南予分場と宮川氏が栽培を始め、その後県下における栽培農家が増加し、五十年においては栽培面積約十五ヘクタールということでありました。ミカンのハウス栽培は、一月中旬から五月まで加温し、二月から三月にかけて開花、七月下旬から九月上旬までに収穫するものでありますが、宮川氏の説明によれば石油危機以来燃料油価格の高騰等により、その経営は並み並みならぬものがあるように感じられたのであります。 すなわち、ミカンの生産費はおおむねキロ当たり七百円見当であって、平均販売価格八百円以上を維持する必要があるとのことでありますが、七月下旬の採取初期から九月上旬までこの平均販売価格を維持することは困難であり、燃油費の補助の要望があった次第であります。 次いで果樹試験場南予分場においては、ミカンのハウス栽培、バイラス病から隔離して育成する新品種導入試験、温州ミカンから晩柑への品種改良更新のための高つぎ等の実情を視察したのであります。 次に、香川県下における調査について申し上げます。 八月二十六日香川県庁において、知事を初め関係者から農林水産業の概況の説明を受けたのであります。その詳細については割愛いたしますが、本県の農業は古くから稲作を中心としており、四国では唯一の米の生産県ということでありました。次いで畜産、野菜及び果樹と多岐にわたっているところであります。 林業は、総林野面積約九万一千ヘクタールのうち民有林が九〇%を占め、民有林の七〇%は生産性の低い天然林で占められており、人工林は二五%にすぎない状況であります。 特に屋島を中心とするマツクイムシの防除について補助単価の引き上げ要請とともに自然保護、周辺地域住民対策について説明があったのであります。 なお、台風六号による被害に対する特別措置について、農林水産被害総額は三十四億二千万円に達しており、愛媛県におけると同趣旨の要望を受けてまいった次第であります。 水産業は、その生産約九万トン、百七十二億円で、これを生産金額で見ると浅海養殖業四五%、沿岸漁業四一%、県外出漁一四%となっており、ノリ、ハマチ養殖を柱とする浅海養殖に対する依存度が増大してきているところであります。 水産業の当面する緊急課題は、(一)漁業用燃料の高騰による漁業経営の圧迫 (二)公害による漁業被が絶えないこと (三)赤潮の発生が絶えなく、その発生機構の解明、防除対策がおくれていること等であります。 当初、本県においては赤潮を中心として調査を行うこととしておりましたが、去る五月以降漁業に被害を及ぼす赤潮の発生がないということから一部予定を変更して、引田漁業協同組合自営によるハマチ養殖及び東讃農業協同組合が昭和四十六年米生産総合改善パイロット事業として建設したカントリーエレベーターを視察し、翌二十七日には香川県水産試験場、瀬戸内海栽培漁業協会屋島事業場を視察するとともに、水産会館において漁業経営安定対策香川県本部、香川県漁連、信連から陳情を受けたのであります。 以下視察等を通じて要望された主な事項を申し上げます。 まず、瀬戸内海栽培漁業は、国からの委託費を主な財源として瀬戸内海関係十四府県及び同漁連を会員とする瀬戸内海栽培漁業協会を設立して、五事業場及び親魚養成前進基地をもって事業を推進しており、最近においてはクルマエビ一億五千八百万尾、ガザミ二千万尾、マダイ二百八十万尾、カサゴ二百万尾、カレイ百万尾、以上五種を中心に種苗の量産が行われ、その事業化とその他の魚種の開発を行っているところであります。 以上のとおり、国からの委託費によるいわゆる瀬戸内海方式に対し、日本海沿岸地域で昭和四十八年から四分の三の高率補助による県営種苗センター方式が採用されたことの関連等から、昭和五十二年度以降国の委託費打ち切りという財政当局の意向に対する関係者の不安が非常に強いものがあり、これが委託費の継続と五十一年度から事業を実施する県営センターへの国庫補助の要請があったのであります。 次に、県漁連、信連からは、国民食糧確保の見地から、農業と同様、漁業を位置づけることを基本として、当面全国的な視点からは、漁業用燃油の値上がりに対する価格差補給、漁業経営維持安定資金制度の創設、沿岸漁業生産基盤の造成整備の要請があり、また、瀬戸内海漁業に限っては、(一)瀬戸内海栽培漁業センター事業の継続実施 (二)瀬戸内海環境保全法(仮称)の制定 (三)赤潮防止対策、赤潮被害救済対策の早期確立 (四)油濁事故防止対策と被害補償制度の早期確立 (五)本四架橋(瀬戸・鳴門大橋)に係る漁業者に対する補償について、それぞれ強い要請を受けてまいった次第であります。 調査結果の概要は、以上申し上げたとおりでありますが、最後に今回の調査に当たって御協力いただきました関係の県、市町村、農政局、関係諸団体の各位に対し、深甚なる謝意を表しまして、簡単でありますが、報告を終わります。
○澁谷委員長 以上で派遣委員からの報告聴取は終わりました。 —————————————
○澁谷委員長 この際、昭和五十年八月五日から同月二十五日までの間の暴風雨等による被害の状況とその対策について、政府から説明を聴取いたします。杉山審議官。
○杉山説明員 本年八月五日から同月二十五日までの間の暴風雨等による被害の状況とその対策について概要を御説明申し上げます。 まず被害の状況でございます。 八月上旬には、東北、近畿、九州地方を中心に集中豪雨等があり、八月十七日には、台風第五号が高知県に上陸しております。また同月二十三日には、台風第六号が四国東端をかすめて明石付近に上陸いたしております。 このため、北海道、東北、近畿、中国、四国地方を中心に河川のはんらん、山崩れ、がけ崩れ等が各地で多発し、大きな被害が発生しております。 被害の状況につきまして、九月十日現在私どもの把握しているところでは、農作物の被害は私どもの統計情報部の中間取りまとめが行われております。そのほかは県の報告によることになりますが、これらの報告では、農林省関係の被害総額は約千九百三十三億円に達しております。その内訳につきましては別途資料でもってお配りしてございます。その資料を一つ一つ読み上げることは省略いたしますが、施設関係で約千四百三十九億円、農作物関係で約四百九十四億円となっております。 次に対策についてであります。 初めに、応急にとった措置でございますが、各災害の被害状況を速やかに把握して適切な災害対策を講ずるため、八月十八日に農林省の本省及び中国四国農政局に災害対策本部をそれぞれ設けております。それとともに、高知営林局に災害対策連絡室を設け、中国四国農政局から農政担当官を常駐させております。また、八月二十三日には近畿農政局に災害対策本部を設けております。 なお、今回の災害につきまして、八月七日から八日まで青森県と山形県に、八月十九日から二十一日まで高知県と愛媛県に、八月二十六日から二十七日まで北海道と徳島県に、それぞれ政府調査団が派遣されております。また、九月四日から七日まで高知県、愛媛県、徳島県に衆議院の災害対策特別委員会の委員派遣が行われております。農林省は、これらの調査に農林経済局金融課長、構造改善局設計課長、防災課長、林野庁業務課長、治山課長、水産庁防災海岸課長等を同行させまして、調査に従事させております。 次に今後の対策、これは今後の方針も含めてでございます。項目にいたしまして九項目考えておるわけでございます。 まず第一に、天災融資法の発動についてであります。八月上旬の豪雨、これは秋田、山形、青森、島根、宮崎、鹿児島等を襲った豪雨についてでありますが、その豪雨及び台風第五号、第六号の災害、これらについて、それぞれを区分することなく合わせてくくりまして天災融資法を発動するという方針であります。 第二に、激甚災害法の発動についてであります。いま申し上げました災害に対し激甚災害法を発動し、公共土木、農地、農業用施設等の災害復旧費補助の補助率のかさ上げ及び天災資金の貸し付け限度の引き上げ等の特例措置を講ずる方針であります。 第三に、既貸付資金の償還条件の緩和措置及びつなぎ資金対策についてであります。農林公庫等融資機関に対し、近く農林経済局長通達を発する予定であります。 第四に、自作農維持資金の災害枠の設定についてであります。今回の激甚な被害の状況にかんがみまして、被災農家の状況及び資金需要の実態等を勘案の上、これに必要な資金枠を確保するということにいたしております。 第五に、農業共済金の早期支払いについてであります。今回の災害により、水稲を中心に著しい被害が発生しておりますが、被害の著しい農家に対しては、共済金の早期仮渡しを行うよう県及び共済団体を指導しております。また、再保険金につながるものについては、国は再保険金の概算払いの措置を講ずるということにいたしております。 台風第五号関係につきましては八月二十一日付、台風第六号関係につきましては八月二十八日付で、それぞれ農林経済局長名をもって通達を出しております。 第六に、農地、農業用施設等の災害復旧事業についてであります。緊急に査定をする必要のある個所については、県において復旧計画が樹立され次第、緊急査定を実施するということにいたしております。また、査定を待っていては灌漑用水、通行の確保に支障を来す場合及び被災施設等の増破のおそれがある場合、こういった場合には応急工事または査定前着工を積極的に実施するよう指導いたしております。 第七に、緊急治山事業の実施についてであります。 林地崩壊に起因する災害が多発している実情から、県の事業計画がまとまり次第、緊急を要する個所から順次緊急治山事業を実施することといたしております。なお、人家、公共施設等に直接被害を与えるおそれがある等、直ちに復旧を要すると思われる個所については、応急工事を実施するよう指導いたしております。 第八に、小規模山地災害対策事業及び林地崩壊防止事業の実施についてであります。人家の裏山崩壊等の災害に対しては、小規模山地災害対策事業を実施するほか、激甚災害法が発動された場合には、林地崩壊防止事業を実施するよう準備中でございます。 第九に、規格外米の買い上げ措置についてであります。被害地で収穫される米の品質、数量がどのような程度であるか、実情について調査を進めているところであります。自主流通米として流通可能なものについては特例的に自主流通米としての取り扱いを認めております。 以上であります。 —————————————
○澁谷委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。竹内猛君。
○竹内(猛)委員 休会中の現地調査と、それからその間における農政の動き並びに地元の農家からの要求等々に関連して若干の質問をしたいと思います。 まず第一に、先般農林大臣はアメリカのバッツ農務長官との間で、三カ年間、千四百万トンの穀物の輸入の約束か契約かよくわかりませんが、そういうことをしてきたということに関して、その事実について関係者から要約して報告をしてもらいたいと思います。
○森説明員 ただいまの御質問、大臣とバッツ農務長官との間で協定というお話しでございましたけれども、むしろ政治的な約束をいたしまして、穀物の輸入の安定につきまして御承知のような、いろいろ需給が非常に変動いたしております事態に対処いたしまして、今後三年間毎年小麦なりトウモロコシ、マイロ、大豆につきまして一応の両国間の努力目標といいますか、そういうものを話し合ったという次第でございます。
○竹内(猛)委員 新聞にもそういうふうに出ていることが事実であるとすれば、われわれが各地を回ってみて感ずることは、食糧が不足をしているわけですから、それに対して農林大臣が一定の契約、約束をしてくるのは反対ではないし、われわれもまた必要だと思っています。備蓄も必要だと思っていますけれども、そのことの前に国内でやることがある。それは何かと言ったら、日本の国内における食糧の自給体制を確固不抜な形で確立をする、要するに農業問題としてこの問題を取り上げていかなくちゃならない。食糧でさえあればアメリカのものであっても、その他の国のものであってもいいということではいけないと思う。だから国土の総合利用であるとかあるいは生産基盤の敏速な整備、それから低利、長期の融資の導入、あるいは適地適産によるところの作物の植えつけ、それから生産費、所得を補償する農畜産物の価格の決定、そして農家の後継者に希望を持たせる農業の体制を国内でまずつくって、なおその上で輸入というものに対する一定の方向を見出して、それを安定をしていく、こういうことが望ましいと思うわけです。こういうことに関してなお一つ問題があるのは、備蓄の法案なりあるいはその備蓄に関する諸般の手続なり、そういうような点について、たとえば農産物の備蓄法とかなんとかいうものを国会に出す意思があるのか、それとも、そうじゃなくてそれは民間で取り扱わせるとか、そういう形をとるのか、どの方向をとって三年間のアメリカからの輸入を処理をしようとしておるのか、その取り扱いはどういうことになるのか伺いたい。
○森説明員 米麦につきましては、食管でいろいろ在庫の積み増しを行っておるわけでございます。したがいまして、米麦につきましては食管が各国からいろいろ輸入の手配をいたしましてそれを履行していくということは、これは国自身がやることでございますから、そういう方向で従来の方針どおり在庫の積み増しを行っていきたいということでございます。 それから、それ以外の飼料穀物なり大豆につきましては、これは一応民間の貿易が通例のたてまえになっておるわけでございます。この問題につきまして、今後輸入の安定化を図っていくための長期契約なりあるいは国内における備蓄なり、そういうものを今後積極的に進めていくというためには、従来のたてまえでは限界があるということでございますので、今後さらにそれを強化充実いたしまして、本格的な体制に持っていく。その制度を確立するためには、一つは飼料作物につきましては国の従来の飼料勘定というものを活用し、あるいは大豆につきましては既存の事業団を改組いたしまして、そういうものに備蓄機能を行わせるという考え方で、これは当然法律の改正を要するということでございます。準備の整い次第、制度改正を国会にお願いをするという考え方で、ただいま鋭意準備、検討を進めておる次第でございます。
○竹内(猛)委員 このことに対して、私はなお二、三の要請をして次の問題に移っていきますが、われわれは、そういうような外国からの食糧の輸入というものをやっていく中で、国内においては、これは後の問題と関連しますが、せっかく干拓したところの八郎潟の米の青田刈りという問題がきわめて痛ましい形で出てきておる。きょうの新聞にも投書がある。ほとんど毎日というぐらいにどこかでこの問題は問題になっている。国内においてはせっかくつくった米を青田刈りをさせておきながら、外国の食糧は三年間確実に安定的に輸入する、こういう矛盾が問題です。 なおそのほかに、この問題の取り扱いに関して、輸入価格の問題には一切触れることができない。価格がもし変動した場合にはこれはどうするのかという問題もある。あるいは備蓄の数量、三年後にはどうするかという問題、輸入の手続、公団がやるのか、公社がやるのか、民間がやるのか、こういう問題、あるいは財政上の問題、それからサイロとかいうようなものを置く場所、非常にたくさんの問題がありますけれども、こういう問題も含めて、これはいずれ別な機会にこのことについてはいろいろ議論をしなければなりませんが、ともかく数量等々も含めて、仮にロスが出た場合、金利、倉敷料というような問題がかかってきたときには、その負担は消費者がかぶるのか国が持つのか、それとも折半でやるのか、こういう点が多々問題があるので、この点についてはきょうの時間ではそれはできませんから、そういうことに対してやがて議論をするということについてだけ注文をして、次に移ります。 先ほど吉川調査団長から報告がありました中で、北陸の報告がございましたが、その中に福井県の坂井北部の総合土地開発に関する報告がございました。四十六年に出発をして五十二年に終わるということでありますけれども、現在、五十年の段階で二〇%しか進んでいない。一体どういう理由でこれはおくれているのか。そうしてそのおくれをどうして取り戻そうとするのか。おくれた理由というものに対して若干の報告があるけれども、どこに問題があるのか、これをまず関係者から御答弁をいただきたい。
○岡安説明員 いま御指摘の福井県の坂井北部国営土地改良事業の進捗が非常におくれているという御指摘でございます。先ほど御報告にもあったわけでございますが、これは昭和三十七年から四十二年まで調査を実施いたしまして、四十四年度は全体設計、四十五年度着工というような事業でございます。総事業費約百四十億ということでございますが、現在五十年度までの進捗率は二五%ということになっております。御指摘のとおりわれわれの予定より大幅におくれているわけでございます。 この理由は、これはやはり御報告にもあったわけでございますけれども、最近におきます労賃それから資材等の高騰、それから公共事業の抑制ということによりまして十分事業費がつかなかったということに私どもは原因があるというふうに考えております。
○竹内(猛)委員 これはこの後の河北潟の干拓その他とも関連をしてくるけれども、この土地改良に着手するときの目的と、その後長期の間それが完成しない間に情勢が変わってくる、内容が変わってくる、そういう中でいろいろな変化に対応できない状態がある。だから、もっとこれを早くするために、土地改良などに財政投融資というようなものも導入をすることの道を開くべきである。大企業にはそういうものを使わせるけれども農業には使えないということでは困る。最近の新聞を見ると、農林省でもこのごろは財政投融資をそういう仕事にも導入しようではないかというような要請をしているようだけれども、これに対して本当にやる気があるのかどうか、まずその辺をお伺いしたい。
○岡安説明員 従来からも財投を導入いたしまして、土地改良事業を進捗しようとするために特定土地改良工事特別会計というのを設けましてやっているわけでございますが、先ほど御指摘のとおり一般的に土地改良事業は非常におくれておりますので、まずこの特定土地改良工事特別会計の対象事業の拡大をいたしたいということが一つと、それから従来は国の負担部分以外の部分につきまして財投を導入をしたわけでございますけれども、来年度以降におきましては国の負担すべき部分につきましてもあらかじめ財投を導入いたしまして、後にこれを返済をするというような考え方をとって、ひとつ事業の大幅な進捗に資したいということで現在検討いたしておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 ひとつそういう方向を早急に進めてもらいたいと思う。そうなれば、その福井の国営土地改良もかなり前進をすると思う。あの県は四万ヘクタールの農地しかない。そして畑地というのは五千ヘクタールしかありません。非常に畑地の少ないところであるわけですから、これはやはり早急にそういうふうな方向で早く始末をして、入り口があるけれども出口がないというふうにぼくはあれは感じているのです。あそこの土地改良は入り口だけはあるがいつ出ていくかわからないという感じです。そういうことのないように、入り口があれば必ず出口もあるのだ、こういうぐあいにひとつしてもらいたい。 次の問題は、これも団長の報告にあったように、河北潟の干拓です。これが三十八年ごろから始まって、五十年にはもう終わっております。あとは圃場整備、それから入植、こういう段階になってきて、いまこの問題については地元ではなかなか判断ができないような状態になっているようでありますけれども、農林省にはいろいろな要請が来ていると思うが、河北潟をどのように利用してほしいという要請が来ていて、どういう整理をされておるのか、そこからまずお伺いをいたします。
○岡安説明員 御指摘の河北潟の干拓でございますけれども、これはすでに相当程度工事が進捗いたしまして、五十三年度には一次利用が開始できるというようなところまで来ているわけでございます。ただ、これも御指摘のとおり、この干拓事業は当初はやはり開田ということで考えてきたわけでございますけれども、最近のような米の需給事情というものを考えまして、私どもは当初の計画を変更いたしまして、水稲はつくらないということでいきたいというふうに考えております。もちろん最終的に決定したわけではございませんけれども、現在まで石川県当局と相談いたしておりますのは、酪農とか野菜というものを基幹作物として導入をしていきたい、それを中心とした営農計画をつくるというような方向で現在検討をいたしておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 大体方向がわかったわけですけれども、これは大変重要な問題で、地元ではこれに対しては大変神経をとがらしているようですが、問題は土地の所有をどうするかという問題なんですよ。国有のままにするのか、公有のままにして利用をそういうふうにさせるのかどうなのか。現地では土地を欲しがっている人もいる。私は、その土地を零細な形で分配することに対しては余り意味がないと思う。だから打木の地区の二次構を見ると、国の助成もありますが、スイカと大根で相当な収入を上げている農家があります。ああいうところを見ると、土地利用型の農業じゃなしに、施設を利用して、資本を入れて、そしてやはり畜産、野菜とかみ合わせた形でのそういうものにしていく必要がある。そのときの所有をどうするかという問題がありますけれども、これもまたきょうここですぐ何とかということはできませんから、一つの要望をして、委員長も団長の報告につけ加えた形でやってほしい、こういうふうに思います。 なお、土地改良におけるところの通年施行という問題についてはぜひ進めてもらいたいという要望がありますが、これに対しては決意はどうですか。
○岡安説明員 米の生産調整につきましては、五十年度で一つの区切りを迎えたわけでございまして、五十一年度以降につきまして、現在水田の総合利用対策という方向で私どもは考えているわけでございます。しかし、やはり米の過剰傾向というものは依然として続くというような基本的な考え方に立っておりまして、転作の誘導等をいたします。その一環といたしまして、通年施行というものは、土地改良そのものの意義、いわば水田に汎用性を与えるというような意義のほかに、米の生産を抑制する効果もあるわけでございますので、私どもは水田の総合利用対策の一環といたしまして、通年施行は継続をしてまいりたいというふうに考えております。
○竹内(猛)委員 次の問題は、これも団長からの報告の中にありましたが、自治省の関係だと思います。農業用のハウスに固定資産税をかけているところかけていないところとがある。宅地の上に家が建てられているなら固定資産税として考えられるけれども、農地の上にある農業用の生産手段としての一部のハウスに対して税金をかけるということは、一体どういうことなのか。しかもそれは県によって、市町村によって、取っているところと取っていないところがある。こういう指導については、自治省としてはどういうような考え方をしているのか、この点についてお伺いしたい。
○川俣説明員 農業用ハウスの固定資産税の課税についてのお尋ねでございますが、御承知のように、固定資産税の課税客体は、土地、家屋、償却資産の三資産があるわけでございますが、そのうち家屋はいわゆる住家、店舗、工場、倉庫、その他の建物を言うものでございまして、不動産登記法に言います建物とその意義を同じくするというふうに考えております。一般的には、屋根、周壁またはこれに類するものを有した土地に定着した建造物でありまして、その目的とする用途に供し得る状態にあるもの、これが家屋であるということになっているわけでございます。 問題の農業用ハウスのうち、ビニールハウスにつきましては、一般的に、季節的にビニールを取り外すというようなことが常態になっておりまして、恒常的な屋根、周壁を有するものと考えられませんので、固定資産税の客体であります家屋に該当しないというふうに考えまして、そういう指導を従前からいたしておるところでございます。ただ、同じ農業用ハウスでございましても、コンクリート製の基礎で骨組みが鉄骨あるいは軽量鉄骨造のものであり、かつ屋根、周壁が全面ガラス張りというようなものにつきましては、これは先ほど申し上げました家屋のいわゆる定義に該当するものでございまして、全面ガラス張りの鉄骨あるいは軽量鉄骨造等の農業用ハウスについては家屋として固定資産税を課税すべきものであるというふうに考えておるところでございます。 そういうことでございまして、ビニールハウスについては、私どもが承知いたしておりますところでは、市町村で課税をいたしているところはないというふうに存じておりますけれども、ただいま御指摘もございましたので、なお、よく実情等については調査をいたしたいと思いますが、基本的な考え方、私どもの指導は、先ほど申し上げたとおりでございます。
○竹内(猛)委員 もう時間がないからこれ以上は尋ねませんが、やはり国が指導している中で、農業の生産手段として、農地の上に建てられている物に対して、あるところでは税金がかけられ、あるところでは税金がかけられない、そういう矛盾をなくさなければ、政治の不信になりますね。だからそういう点で、なお自治省でよく調べてもらいたいと思う。 それからあと、ここで答弁は要りませんが、休会中に私のところに来たもので、養鶏の問題が来ているのです。養鶏を生産調整でやっている。生産調整に応じているものは中小の養鶏である。金を借りる関係からそういうことになっている。ところが商社がやっている大型の養鶏は一切金も系統から借りない、土地を借りて大型のものをどこへでもつくって、そうして自分のえさを持ってきて、人を雇って、卵をつくったり、ブロイラーにして自分で売ってしまう。これはどこも取り押さえることができない、だれも押さえることができない、こういう矛盾をした、行政上どうにもできないということがいま横行している。そのために零細な農家が大変いま悩んでいます。そういう悩みについて、これを調査をし、そのことについて何ら罰則を加えることができないというこの問題について、関係省はどうしたらいいかということについて一遍相談をしてもらいたい。現にあるところでは生産者が団結をして追い出したところがあります。あるけれども、生産者が団結しないところではそれが起こってきて、そのために大変零細な農家が困っている。そこでやはり養鶏の適正規模というものは一体どういうことになっているのか、どれくらいの羽数があれば現在のインフレ、えさ高、生活費の高い中で養鶏というものをやっていけるのかどうなのかということを、これはやはり研究してもらわないと、大商社だけがいい気持ちになってもうけていくというその道を開いてはいけない、こういうふうに考えますので、この点もあわせて注文をして私の質問を終わります。
○澁谷委員長 井上泉君。
○井上(泉)委員 久しぶりの委員会の開会であるし、委員会の日程もわかっておるのに、農林大臣は韓国へ行くための準備が忙しくて来れないのかどうかわからぬわけですけれども、こんな非常な災害を受けた問題等を審議する中で、本日大臣あるいは政務次官等の出席がないことをまことに遺憾に思うわけですが、委員長のところにそれについての何か連絡があったでしょうか。
○澁谷委員長 連絡ございました。
○井上(泉)委員 どういう連絡ですか。
○澁谷委員長 いま井上委員が言われたようなことできよう出席いたしかねるという連絡がございました。
○井上(泉)委員 いま、韓国へ行くことが大事なのか、たとえば北朝鮮に拿捕されている問題等を解決するために国会の意見を聞くとかいうことが大事なのか、大臣ちょっと委員会を軽視をしておるんじゃないかと思うわけです。そういう点について委員長、もっとこうのんべんだらりでなしに、ひとつびしつとした決めつけをしていただきたいと思います。 そこで私質問いたしますが、この間の五号、六号台風によって、わが高知県、非常な災害を受けたわけであります。それに対して政府は、仮谷建設大臣を団長として大挙して現地調査に来られたわけであります。引き続きまして衆議院の災害対策特別委員会も四日、五日と来られたわけであります。被災地の人たち、被災者の地域の市町村、災害があると調査、調査はよく来るわけですけれども、そういう非常な災害に対する対策というものが、これはもうのんべんだらりとおくれておるというのが今日の災害対策の現実であるわけです。そういう点について、大がかりで調査に来られて、その被害の実情というものを把握されておる。そしていま農林省の被害報告の中でも、取り急ぐものは査定前の着工というようなこともやらしておる、こういうことを言っておるのでありますけれども、一体査定前の着工を指示したのは農林省関係で何カ所あるのですか。
○岡安説明員 まだ被害の実態も必ずしもわからないものもございますし、また査定前着工を必要とするようなものがどういう地区であるかということもはっきりいたしておりませんので、一般的に必要なものにつきましては査定前着工もするようにという指示はいたしておりますけれども、具体的にどこどこというようなことはまだまとまっておりません。
○井上(泉)委員 答弁のとおりでしょう。これは先ほどの被害報告と対策の説明の中で査定前の着工も指示してやらしておる、こう言っておるのですけれども、現実に一カ所もないじゃないですか。そんなでたらめな報告をするということは間違いでしょう。被災地の人の気持ちにこたえたところの災害報告ですか。 こういうことを言っておっては時間をとるので先へ進みますが、まずこの被災地の各市町村が、どこの地域でも激甚地の指定ということを強く要望しておるわけです。そして被災者の地域の人たちも、激甚地の指定を受けるということに何かしら一つの災害復旧への期待をつないでおるわけですが、これも災害があってから一ヵ月、政府の大がかりな調査団あるいは国会の調査団、これらも入った今日の時点で、まだ激甚地の指定がなされないというのはどういうところに原因があり、そしていつごろ指定をされる見込みであるのか、国土庁から御答弁を願いたいと思います。
○山本説明員 八月五日から二十五日までの間の台風五、六号を中心としました暴風雨等による災害につきましては相当の被害に上っておりますので、政府といたしましても関係省庁と協議いたし、検討を進めてまいりましたが、一昨日、これらの災害を激甚災害として指定する方針を決定しております。現在、この方針に基づきまして政令の制定手続を進めているところでございますが、なお、政令の制定につきましては天災融資法の発動と同時に行いたいということで、北海道の農作物被害等につきましてまだ調査が十分進んでおりませんので、その結果を待ちまして今月いっぱいには何とか政令の制定にこぎつけたい、かように考えております。
○井上(泉)委員 それでは激甚法の適用を受けるということについては決定した、こういうことですね。——答弁要りません。 引き続き伺いますが、いずれの場合の災害でも個人被害というものが、被害報告に出される以外に大変たくさんあるわけです。たとえば高知県において一万戸にわたる床上浸水、床上浸水と言いましても二階まで来るような浸水状態ですから、家財道具一切だめなんです。こういうふうな個人災害に対する補償措置とかあるいは救済措置とかいうようなものがまことに不十分なわけですが、こういうふうな個人災害に対して——あるいは住宅が倒れた。その住宅が倒れて住宅を復旧せなければならぬ。復旧するためには資金の借り入れをする。その資金の借り入れにしても、同じような金利で払わねばならない、こういうようなことは、災害地における被災者としては本当にもう耐えられないような重苦しい気持ちの中で、倒壊した家屋の中でプレハブで過ごさねばならぬ、こういうことになるわけですが、やはりそういう家屋の復旧も含めて個人災害に対する国の補償なり救済措置、そういうようなものをもっと積極的に立てる、そういうお考えはないのかどうか、この機会に承っておきたいと思います。
○山本説明員 現在まで個人災害につきましては、災害救助法の発動された後の同法の適用のほかに弔慰金とか援護資金の貸し付け等の制度がございますほか、住宅につきましても、災害救助法の規定によりまして、当面、応急復旧住宅の貸し付けがございますが、このほかは住宅金融公庫による災害復旧住宅資金の貸し付けの制度がございます。これにつきまして、私どもも現地に参りましてかなり地元の方々から、これでは不十分だと強い要請がございますので、今後さらに検討を進めまして、個人災害に対する対策が十分とられますように努力してまいりたいと思います。
○井上(泉)委員 個人災害に対する補償の措置、あるいはまた弔慰金の金額にしても非常に少額でありますし、この救済措置をぜひとも取り上げるような措置を講じていただきたいと思うわけです。 そこで建設省の関係でお尋ねするわけですが、今度の五号の台風によってもたらされた水害の中で、たとえば高知県の仁淀川、これは直轄河川ですが、この仁淀川の流域の浸水というものは大変なものである。そこで所在の市長あるいは地域の住民たちも、絶えず仁淀川の堤防の補強とか改修とかいうことを要望してまいっておったわけでありますが、今回は特にこれによって溢水をした個所等がたくさんあるわけです。そこで仁淀川のこういう用石の堤防だとか、これは治水課長さんおいでですからよく御承知だと思いますが、用石とかあるいは高岡堤防とかいうような、防災上どうしても今年度中、いわゆる来年の出水時までにやらねばならないような地域については、これは普通の災害のように三年にわたってやるとかいうようなことであってはならないと思うわけでありますし、さきに大臣に陳情したときも、大臣は、どうしてもそれはやらなければならぬ、こういうふうな話をされておったわけでありますが、これを来年度の出水時までに十分やるところの準備を進めておるのかどうか、措置を伺いたいと思います。
○本間説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘の仁淀川の堤防工事の件でございますが、土佐市を背後に持ちます高岡、鶴若堤防並びに用石堤防につきましては、先般の台風五号によりまして被災いたしましたが、被災直後、直ちに緊急復旧工事に着手いたしまして、すでに完了しておるところでございます。しかしながら、まだこの各地先の堤防につきましては不安でございますので、なるべく早くこれを完成いたしますよう努力する所存でございます。 なお、高岡、鶴若堤防につきましては、何年も前からその改修の必要性があったところでございまして、河川管理者といたしまして、地元に対しまして改修工事を行えるよう受け入れ体制を整えるべく指導してまいったところでございますが、約一年ほど前から事態が好転してまいりました。こういう事情でございますので、今後ともなお一層努力してまいる所存でございます。
○井上(泉)委員 なお一層努力ということですが、努力ということでは大体何年もかかるのですから、そういう答弁では私納得できぬわけです。現地調査に来られたときも、大抵そういうことを言われたのですが、この委員会の席においても——現地に来られたときの見解というか、そういうような中で地元も用地問題も解決をしたという段階でありますので、これはひとつ来年の出水時までに間に合わすように、これは努力ではなしにやってもらわなければいかぬわけですから、その点についての見解を承りたい。 さらに、高知市の中を流れております神田川、これは雨の降るたびに浸水をする、溢水をすることで大変な浸水地域になっておるわけで、これの改修ということは、論議はされておりますけれども、なかなか改修の時期というものはほど遠いわけですが、これの改修の目鼻がついておるのかどうか。さらにはまた、聞くところによると、改修に百億も百何十億もかかるというような状態で、なかなか困難だということも聞くわけですが、こういうところに排水ポンプを備えつけて、湛水を防除するような、そういうことも考えられるのではないか。あわせて答弁をお願いしたいと思います。
○本間説明員 初めに神田川の件につきまして御説明申し上げます。 神田川につきましては、昭和四十五年以来、小規模河川改修事業といたしまして進めてまいりました。しかしながら、下流地域一帯の用地買収に現在まで難航しておったところでございます。しかしながら、最近に至りまして用地交渉に明るさが見えてまいりました。こういう事情でございますので、用地被買収者の御協力を得まして、鋭意促進してまいりたいというように考えております。 それから先ほどの土佐市の堤防でございますが、これにつきましては、現在まだ用地買収が一部しか進んでおりません。 〔委員長退席、今井委員長代理着席〕 延長的に申しますと、まだ相当残っておりますので、こういった点での御協力を得まして鋭意進めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○井上(泉)委員 課長、ちょっと待ってください。 その用地買収も済んだ地域、もうこの間も市長も済んだということで大臣のところへ陳情に来たのですよ。それで大臣も、用地買収が済んでおったら、それはどうしてもやらねばいかぬところだからやる、こう言っておったけれども、大臣が言うことと違うのですか。
○本間説明員 用地買収につきましてはまだまだ残っておるところでございますが、買収済みの地域につきましても相当ございます。この地域につきましては改修工事が可能でございますので、早急に工事を進めるよう考えてまいりたいと思います。
○井上(泉)委員 早急にひとつ改修を進めてもらいたいと思います。 そこで、これは建設省の関係ですけれども、国道三十二号線、三十三号線、五十五号線、五十六号線、高知県を通っております主要な国道が今度の災害で一切交通が途絶をしたという状態にあるわけでありまして、三十二号線にしても三十三号線にいたしましても、絶えず山崩れ、崩壊の危険というものが存在しておるわけですが、これは国道関係の方がおいででないので、それについての御答弁を伺うことができないわけですが、やはりこれは傾斜地の保全課長にひとつ、これはやはり急傾斜の地帯へつくった国道でありますので、勢いそれに対する山崩れの防止というようなことは当然やらねばならないことでありますので、その点についての措置をお伺いをしたいと思います。
○大工原説明員 河川局の傾斜地保全課長でございますが、先生の御質問の国道の問題につきましては、国道一課長がいま見えておりますので、国道に関連いたしましては国道一課長の方から答弁していただきたいと思います。
○坂上説明員 国道の交通の確保と道路利用者を災害から守るために、建設省といたしましては、道路の防災工事を鋭意実施しておるところでございますけれども、いかなる気象状況におきましても交通をそのような災害から守ることが可能な状態に現在なっておりませんので、そういう場合には、特に危険な個所につきましては、降雨の状況に応じまして規制区間を設けて一時交通をとめて対処いたしておる次第でございます。 特に今回の五号、六号の降雨では総降雨量六百ミリというような、ちょっと類のないような雨が降ったというようなことで、非常に土砂崩れ、崩壊等がありまして、交通どめになったわけでありますけれども、なお今後とも防災工事の推進につきまして、そういうような個所の解消に努めてまいりたいというふうに考えております。
○井上(泉)委員 時間がないので先へ走らせてもらいますが、こうした国道が途絶をしてどうにもならなかった状態の中で、海上保安庁の船が高知市から土佐清水市まで復旧に必要な資材等の輸送に当たった。非常に効力を発揮したということを聞きましたが、私、土佐清水市へ行ったときに驚いたことは、土佐清水市の海上保安署に配備してある船がわずか二人しか乗れない、それで速力も非常に遅い船で、あの土佐清水港というのは、これは船谷救難監もよく御存じだろうと思うのですが、たくさんの漁船がおる。そして日本一の漁場である。こういう中で漁船がもし遭難にかかった場合にも、そしてまた台風到来のときにはもちろんですけれども、これの救助にも行けるような状態がないということは、これは海上保安庁としての船の配備の状態の中で私は大変残念に思うわけです。それについての対策を立てるべきであると思うのですが、いかがでしょう。
○船谷説明員 高知における巡視船艇の配備状態は、高知市に新鋭の中型の巡視船二隻、十五メーター型の巡視艇一隻、宿毛に百三十トン型の巡視船一隻、そのほかに土佐清水に巡視艇が一隻ございます。われわれの配備としましては、宿毛は比較的近いところに巡視船がありますので、できるだけのカバーをしておりますし、それから高知の中型の巡視船で高知県一円のカバーをいたしております。しかし、まだ勢力的には足りませんので、土佐清水の巡視艇につきましては、大分老朽化もしておりますし、来年度新しい巡視艇にかえるような計画を持っております。その十五メーター型でもなお足らない面もございますので、できるだけ早い機会に巡視船にかえたいとは考えておりますが、それは予算の状況を見まして、できるだけ早期にと考えておるところでございます。
○井上(泉)委員 ぜひお願いします。 海上保安庁にはまだ後で質問申し上げますので、待っておっていただきたいと思います。 それから、また農林省の関係ですが、今度の災害で稲が非常にやられたわけです。つまり、収穫前の稲がやられて、等外米が非常にたくさん出たわけです。そして、各地へ行っても、その等外米を抱えてお百姓さんから何とかこの買い上げというものの措置を講じてもらいたいという強い要求があるわけですが、これも食糧庁の方にもそういう要請があるだろうと思うので、これは新任の食糧庁長官の英断をもって等外米の買い入れをやりますということでお願いしたいと思うわけです。これは陳情ですが、どうでしょう。
○大河原説明員 お答え申し上げます。 五号、六号台風等によりまして被害を受けました高知なり、あるいはわれわれの承知しておる限りでは徳島なり北海道等におきましては、水田の冠水が相当あり、したがって規格外米の発生というものが予想されるわけでございまして、これについてはわれわれとしての調査を現在行っております。 先生御案内のとおり、等外なり規格外の玄米につきましては、原則としては政府買い入れをしておりませんが、災害ではほうっておけませんので、災害対策といたしましては、被害が著しいような地域、これはわれわれとしては、従来天災融資法の指定県につきましては、食糧としての品質を備えたものについてはと申しますか、配給可能なものについては買い入れるという措置を従来も行っております。 なお、そういう政府買い入れ以外におきましても、自主流通米、これも政府の配給経路のもとで行われるわけでございますが、自主流通米につきましては、従来は一般の場合でございますと、水分過多の規格外の玄米を除いては自主流通米の取り扱いをいたしておりませんが、災害の場合におきましては自主流通米としての取り扱いを認める。むしろ価格としては自主流通米として取り扱われた方が政府の買い入れ価格より有利に従来処分されておるというようなこともございまして、両々相まちまして、被害を受けられました農家の方についての措置を講ずる所存でございまして、どの程度の先生御指摘の低品位米が出るかということについては、早急に調査をいたしたいというふうに考えております。
○井上(泉)委員 自主流通米としての扱いも結構ですけれども、やはり等外米としての買い入れという背景がないと、これは買いたたかれる心配がありますので、そうしてまた、激甚地の指定も受けた地域のことでもありますので、ぜひひとつ等外米の買い入れについて前向きで、いま御答弁なさったように自主流通米としてのルールに乗せることは、いわゆる副次的なものとして取り扱っていただきたいと思います。 そこで、農林省の関係の農地等の災害復旧のことについて私質問をしたいのですけれども、これをやりますとなかなか時間をとりますが、大体査定前の着工なんというようなことは現実問題としてやってないのですから、その辺のところはいいかげんな答弁をなさらぬように、そうして被害を受けたところに対する査定等にいたしましても、けさ方農林省の方の説明を受けたわけですけれども、具体的な個所を指定した場合でも、そこらのところの調査なんかほとんどできてないというような現実の実情にあるわけです。この点はまた委員会等の機会以外にも要求をしてまいりたいと思います。 そこで、もう一つこれは人為的な災害ということになるわけですが、御承知のように朝鮮民主主義人民共和国との間にわが国は国交がない。国交がないということによってもたらされる被害というものは、これはもうはかり知れないものがあるわけですが、今度起こった松生丸の事件等につきましても、外務省としてはいわば拱手傍観、何ら手を打つすべもないというような今日までの経過ですが、こういう状態について外務省は一体どうしておるのか、そして今後どうするつもりなのか、そして今後発生が予想されるようなこの種の問題についてどう対処するお考えであるのか、その点についての方針を承りたいと思います。 それからあわせて、海上保安庁におきましても、朝鮮民主主義人民共和国あるいは韓国あるいは中国、日本、こういう非常に入り乱れる海上における操業の安全というものについて、これは保安庁の権限かどうか私知りませんけれども、わが国の漁船が領海内に侵入をしないような措置で、たとえば漁船に日本国の国籍を標識するような国旗を掲げるとか、何かしら措置を講じて、事前の予防措置を講ずる手だてというものを十分やらねばならぬのじゃないか、そういう点について遺漏はなかったのか、そのことをあわせて承っておきたいと思います。 これは領海内であったのか、領海外であったのか、調査の段階でありましょうけれども、少なくとも日本の漁民二人というものが亡くなっておるわけですから、漁労に従事中における事件として、私はこの問題についての外務省の態度というもの、あわせて海上保安庁の態度というもの、これも承りたいと思います。
○中江説明員 松生丸事件につきまして、外務省がどういうふうに受けとめて、どういう措置をとっているか、またこれからどうしようと思っておるかということに関しまして、簡単に御説明したいと思います。 この事件は、ただいま先生がおっしゃいましたように、承認していない国だから起こったということよりも、承認しているしていないにかかわらず、こういうことが起こることは非常に嘆かわしいことでございますし、今回の場合は特に二人の日本人の命が犠牲になっているという意味では、私どもも非常に重大な関心を持って対処しておるわけでございます。 この事件の発生を海上保安庁から通知を受けまして、外務省は拱手傍観したわけではございませんで、直ちに本件の実情把握、事実の確認ということに全力を挙げたわけでございます。その段階で、おっしゃいますように、外交チャネルがあるかないかということで便宜、不便宜ということはございますが、北朝鮮との間では幸いにして赤十字のレベルでのチャネルがございますものですから、日本赤十字社を通じまして、再三にわたり事実の調査とその報告を求めたわけでございます。その結果、北朝鮮の赤十字社から日本の赤十字社に対しまして、九月五日の日にかなり北朝鮮の本件の見方というものに触れた電報が入りまして、それによりまして二人の日本人の死亡と二人の日本人の重傷、つまり負傷されたという事実がはっきりいたしまして、と同時に、それがどういうわけで起こったかということについての北朝鮮側の考え方というものも私ども承知したわけです。 ただ、その北朝鮮の見方というものが客観的な事実と合致しているのかどうかということについては、これは慎重に当時その近海におりました僚船の見ておりました状況とか、あるいは当該松生丸が早きに及んで送還されましたならばその乗組員の人たちのお話しを聞いたり、いろいろの手段を通じてまず事実を把握する、その上でそのことが北朝鮮当局の国際法上の責任を追及し得べきものであるかどうか、またそれがどの程度のものであるかということを検討したい、こういうことでございます。 他方、それとは次元の異なった問題といたしまして、日本としてはこの二人の不幸にして亡くなった漁船員の方の遺体の引き渡し、また重傷者の看護に抜かりのないようにしてもらいたいし、また早期に返還してもらいたい、またこの船員及び船体の早期送還、こういうものは別途引き続き日赤を通じて要望しておりまして、本日、けさの七時十九分に朝鮮の赤十字から日本赤十字社に参りました電報では、二名の負傷者は生命にかかわりがなく、両名は当方の人道的医療を与えられていることをお知らせするというのが参りました。それを追っかけまして八時十六分には、二人の遺体を含む松生丸乗組員は朝鮮民主主義人民共和国の人道的計らいにより近く帰国させることをお知らせするという連絡が、朝鮮赤十字社から日本赤十字社を通じてけさ連絡が来ております。私どもといたしましては、国際法上の責任追及という面と、この人道的な面と、両方につきまして慎重にかつ重大な関心を持って臨んでいる、こういうことでございます。 これからどういうことをするかという点は、先生御指摘のように本件はどういうことでこういう間違いが起こったのか、またその間違いについて北朝鮮当局に国際法上どういうことが要求できるのか、またするとすればどういうチャネルでやるのか、そういうことが一つございます。 もう一つは、今後こういうことが起こらないためにどういう手が打てるか、これは先ほど御指摘のように主管官庁でございます水産庁の方で慎重に御検討というふうに聞いておりますので、その業界及び監督官庁の御希望に沿うような安全操業確保のためになし得ることは、外務省としてももちろんできるだけ御協力していくべきである、こういう考え方でございます。
○船谷説明員 漁業の安全操業に関しまして、特に朝鮮半島周辺につきましては、大分以前には韓国との間で相当のトラブルがございましたが、日韓漁業協定の締結によりまして大変秩序立った操業ができております。しかし、北朝鮮につきましてはまだ国交が回復してない段階でございまして、われわれとしましてもなかなか具体的な安全操業についての指導が十分にできてない状況でございます。このような非常に遺憾な事態が発生いたしまして、水産庁、外務省等と緊密に連絡をとり御相談をしまして、今後ともこういうことが再び起こらないような措置をできるだけとりたいと考えておるところでございます。
○井上(泉)委員 時間が来たからもう質問を打ち切らなければいかぬわけですけれども、そういう拿捕された松生丸並びに船員等が人道的な扱いで処理をされるというけさのニュース、非常に明るいものとして受け取るわけですが、しかし、事件が発生したのは二日であるし、六日の新聞報道に誤りがなければ、外務省が何とかしょうと思ったけれども、日韓条約で韓国が唯一の合法政府であるから、北朝鮮と何とか接触しようとすると北朝鮮を認めたことになるからということで、第三国へ頼んでみたりしようかということで右往左往しておるというのが外務省の現実の姿ではないかと思うわけです。しかし、そういうことで問題が今後解決するわけでもないし、一日も早くこの朝鮮民主主義人民共和国との間の国交回復ということは実現をさすべきだと思うわけであります。そのことについては、またいずれ機会を見て外務省の見解をただしたいと思います。 そこで、保安庁の船谷警備救難監に一つだけ質問しますが、ああいう国際的にも非常に入り組んだ地域で操業する漁船には国旗を表示するとかいうようなことを考えたらどうかと思う。現実にやっておるかどうか知りませんけれども、そのことはどうか、このことを最後にお尋ねして、私の質問を終わりたいと思います。
○船谷説明員 松生丸は船腹に国旗をかいてあったと聞いております。 なお、そういった具体的なことにつきまして、当庁の出先の七管区では、国際漁業についての安全操業をできるだけ具体的に、そういった国旗の掲揚あるいは船腹にかくとか船橋にかくとかいうようなことを含めまして、具体的な指導に当たっているところでございます。
○今井委員長代理 美濃政市君。
○美濃委員 今次の災害対策につきまして若干質問いたしたいと思います。 まず第一にお尋ねしたいことは、まだ九月の上旬ですからこれからも災害が起きるかもしれない。それから北海道においてはつい最近、台風八号ではないと思うのですけれども、何か天気図を見ておりますと、その前に大雨が降るような条件になったのでしょうかね、一部の地域で災害が起きておるわけですが、こういうものは全部きょういただきましたこの八月の五日から二十五日、これ以降に起きておる災害です。そういうものは災害申請が来れば全部含めてやるという考えに立っておるかどうか、それを最初にお聞きしたいと思います。
○杉山説明員 この被害の集計は十日現在で報告を集めたものによっております。先ほど申し上げました災害の分につきまして、その後さらに詳細が判明すれば、それらの報告に従って修正するということはあり得る話でございます。
○美濃委員 次に、農地、農業用の災害、これはもう当然でございますけれども、建設省の防災課長さんにも来ていただいておるわけですが、災害復旧に当たって原形復旧というものをまず第一番に、通例原形復旧ということで災害復旧が行われておる場合が多いわけですけれども、いわゆる計画高水量に基づく改良復旧でなければ、原形に復旧したのでは、同様の雨量に達したときにはそれは対応性がないわけですから、もうさいの河原のようになって何回も同じところが壊れてやり直さなければならない。その都度被害が発生するわけです。これはどういうふうにお考えになっておるか、あくまで原形復旧なのか、それとも計画高水量に基づく改良復旧をたてまえとするのか、この点をひとつお聞きしたいと思います。
○井沢説明員 お答えいたします。 私ども公共土木施設の災害復旧をやっておりますが、これは原形復旧を原則といたしております。原形復旧と申しましても、そこに護岸がありまして、その護岸が壊れてしまった、だからそれをもとのように直すというふうなことでございます。ところが、そういう原形復旧でだめな場合、あるいは不可能な場合、あるいは不適当な場合、そういうふうな場合には、結果的には改良復旧になるわけでございますが、私どもはこれも原形復旧とみなしております。たとえて申しますと、護岸のないところが決壊した場合に護岸をやっておりますが、こういうものは原形復旧というふうにみなしております。また、木橋などがありまして、木橋が全部流失したような場合に永久橋でかける場合もあるわけでございますが、そういう場合も原形復旧というふうにみなしております。 それから、それは一カ所一カ所の問題でございますが、ある区間、数百メートルあるいは数キロという区間を考えました場合に、その区間の八割ぐらいの施設が災害を受けまして、そしてそれが非常に激甚な場合には、いわゆる一定計画に基づく一定災というふうな言葉でやっておりますが、要するに壊れてないところも全部一緒に直してしまう、そういうふうなことをやっております。それから、そういうある区間の中で半分ぐらいが壊れておるような場合には、さらに改良費をつけ加えまして、そういう一定の計画のもとに全部を、壊れてないところも改良して復旧するというふうな制度もございます。これは災害関連事業あるいは災害助成事業というふうな言葉であらわしておりますが、そんなふうにいたしております。
○美濃委員 農業用災害復旧の見解を承りたい。
○岡安説明員 考え方はいま建設省がお話ししたとおりでございまして、私どもも、再災害が発生することを防止をするという観点から、改良工事に類するもの、また周辺につきましては災害関連というような形でもって私どもも工事をいたしております。これは考え方は建設省の考え方と同一でございます。
○美濃委員 この機会にもう一つお尋ねしておきたいと思いますが、六年か七年ぐらい前だったと思うのですけれども、新潟で災害が起きました。あのときたしか三十名近い行方不明者、死者が出たと思うのです。その現地を私は見たのですが、もう人災だ、こう主張したい面があるわけです。それはなぜかというと、砂防ダムがなければその災害は起きなかったと思うのです。かなり傾斜の強い沢に砂防ダムをつくってある。あのときの大雨は、たしか一時間五十ミリぐらいの雨が三時間ぐらい降ったわけですね。それによって山崩れが起きて、そして土砂と流木によって一応沢の中で水がせきとめられて、その後どんどん降るものですから水かさがそれを破って鉄砲水になった。その下に砂防ダムがあった。砂防ダムの高さは大体二メートル五十か三メートルぐらいの砂防ダムですね。その鉄砲水が砂防ダムから滝になって落ちたものですから、砂防ダムから下流の沢の中をえぐり取ったわけです。えぐり取って、そこが粘土であればよかったのですけれども、大きな玉石、まあ玉石でしょうね、そういう不安定な土壌であったために、その鉄砲水で沢の中をえぐり取って沢口へ押し出してきたわけです。そこに開拓農家がありまして、その開拓農家が全滅しちゃったわけです。家も全部その鉄砲水と、こういう大きな石の下になってしまって、私ども行ったときに、こういうでかい石が三つぐらい重なっておるわけです。九十ヘクタールの土地です。確かあのときに二十七名か二十九名、三十名近いそこにいた人が家もろともどこへ行ったんだかわからなくなっちゃった。それを見たときに、いかに不用意、計画性がないかということですね。 もう一つは、砂防ダムがなければそういう人命被害は起きなかっただろうというのです。せきとめてないですから、そこにどんつきができないから。沢の中の土壌が不安定なところへ砂防ダムをつくった場合には、そういう災害が起きないように、何カ所か沢底がえぐられないようにコンクリートによって沢の底をとめる措置をしておけばああいうことは起きなかったと思う。災害が起きて行って見ると、全くこれは人災ではないかと思われるようなものがある。時間の関係で一例だけ申し上げておきますけれども、人災でないかというようなものがたまたま起きるわけですね。そういう問題に対してこれからどう対応していこうとしておるのか。やっぱりそんなものは天災だと言って、雨が降らなければそうならなかったんだと逃げ切るつもりなのか。そういうことが起きてその時点になるともういつでもそう言うわけですね。県庁も天災だ、農林省も天災だ、あるいは個所によっては建設省も天災だと、天災で逃げ切ってしまうわけです。しかし、具体的に見ると人為的に関連がある。災害防止としてやったんだから、悪くなれと思ってやったことではないけれども、災害防止でやった構築物がさらに災害を拡大しておるということがたまたまあるわけですが、そういう問題をどう処理しようと考えておるか、この際承っておきたいと思います。
○井沢説明員 砂防ダムは、そういう上の方の土砂をとめたりあるいは流土調整いたしまして下流への水並びにそういう土砂の流れというものを軽減するわけでございますが、たとえば今回の岩木山のところの事故につきましても、あのときは上の方に砂防堰堤が二カ所できておりまして、その下に小さな床固め的なものがあったわけでございます。実際の土石流というのはかなり上の方から発生いたしまして、それが砂防堰堤のところで、その辺に蓄えられたりあるいはそのそばのスキー場に蓄えられたわけでございますが、その水は砂防堰堤をオーバーいたしまして、その水が下流の河岸を削りまして下の方の人家を直撃したわけでございます。その災害を受ける前の家のあった付近の川幅というのは二メーターないし二メーター五十であったというふうに聞いておりますが、今回その場所は、いわゆる先ほど申し上げました一定災によりまして、上流で約八メーターぐらい、下流の方では十数メーター、堤防敷を入れますと二十メーターを超えるような川幅に計画をいたしたわけでございますが、それくらいの川幅が要るところに、実際には二メートルか二メートル五十の川幅しかないというふうなことでございますので、非常に大きな雨が降ってきた場合には、そういう土砂崩れの危険もあるかと思う次第でございます。あそこの場所につきましては砂防の方で危険区域に指定しておったというふうに聞いております。
○美濃委員 そういう経過説明では困るのですね。それを追及すると、天災だと逃げてしまうわけですね。それで、ここで天災か人災かということは私は深く追及はしませんけれども、経過報告でもそういうことがあるのですよ。私がさっき新潟災害で言ったことと大体同じです。そういう災害が起きないようにする検討なり、そういうことをこれからどう行おうとしておるかということを聞いているわけです。経過は私が質問したのと似たような経過が今次の災害の中にもあるわけです。そういうものが今後起きないようにしなければならぬと思うのですが、それはどう考えておるか。あるいはいま現実に起きていなくても、個所によってこれは危険だと技術的に発見したときには、災害が起きない前に、そういう個所に対して災害が起きないようにきちっとした工法をもってその手入れをする。たとえば川幅が二メートルでは、こんなものではだめだ、その川の上流が何平方キロある、ですから計画高水量に従って計算すると、一時的に何トンの水が流出するところであるという計算はできるわけですから、それだけのトン数の水が出てきた場合にはこの川幅ではもてない、これは速やかに災害が起きない前に改良工事を完成しておかなければだめだ、こういうことが全然行われたことがないと言ってもいいのですね。災害が起きてから原形復旧、こうなるわけだ。そういう点をこれからどうしようとするのか。経過報告はわかりましたから、どういうふうにお考えになっておるのか伺いたい。
○井沢説明員 砂防には、私の方でやっております砂防と、それから農林省の林野庁の方でやっております砂防と両方がございます。私どもの方では、調べましたところ、最も危険なところというのはたしか現在全国で三万幾らかあるというふうに聞いておりまして、そういうところについては緊急的な、三カ年計画だったか五カ年計画だったかちょっと覚えておりませんけれども、そういうふうなことによりまして逐次やっていきたいというふうに考えております。 それから来年度でございますが、そういうふうな危険地域であるとか、あるいは河川のはんらん区域というふうな問題につきましても、やはり工事のための費用というものは非常に莫大にかかりまして、全部一度にできないわけでございますので、非常に危険な地域につきましては、このくらい降ったらこのくらいのところが危なくなるというふうなことをやはり何らかの形で地域の住民の方にお知らせいたしまして、速やかに退避をしていただくというふうなこともあわせ行うというふうなことを聞いております。
○美濃委員 こういう基準というのは農林省の災害復旧とも関連があると思うのですが、ちょっと答弁が、あるいは三年だったか五年だったか確たることではありませんというような、もうちょっと自信はないのですか。どうですか。
○井沢説明員 これは砂防課長の方でやっておるものでございまして、その計画の方につきましては私の所管でございませんで、私災害復旧の方でございますので、確たることはちょっとわからぬわけでございます。
○美濃委員 もうちょっと詰めたいのですけれども時間がありませんから、いずれまた機会を別にします。 次に、今回の災害でも河川の治水工事が完了しておるところでは少ないのですけれども、地方河川や何かで治水工事ができていないところが多いと思うのです。大切な野菜をつくったりしているようなところが河川のはんらんによって農地がつぶれて、川の流域が変更してしまうという問題が起きておるわけです。この災害復旧については、農地の原形復旧をあくまでやるという考えなのか、そんなものは個人災害だから、天災だから国の知ったことではない、こう考えておるのか。どうですか。
○岡安説明員 河川の沿岸の耕地につきましては、おっしゃるとおり河川がはんらんしたことによりまして被害を受けるのみならず、河川が相当大幅に流路を変えるというようなこともあります。そこで、復旧の際には、私どももちろん原則は原形復旧でございますけれども、河川の改修がどうされるかということに非常に関連があるわけでございます。私どもといたしましては、河川の改修の仕方と十分連絡をいたしまして、それに沿った方向で復旧をするということにいたしております。したがって、そういうような場合には必ずしも原形復旧ということにとらわれないで復旧工事を進めたいというように考えております。
○美濃委員 もう一つこの際尋ねておきますが、そういう災害が起きるとおおむね河川改修工事が急速に計画される場合が多いわけです。その際、先ほどから私が申し上げておるように計画高水量によって河川の幅を広くする場合が計画として多くなってくるわけです。 その場合、畑としてつくっておった農地が河川用地になることも多いわけです。その河川用地は、計画が立って買収するときには農地として買収するのか、現形が農地でなくなっておるから現形買収で、雑種地ということで安い価格で買収するのか。天災をこうむっておるのだから、いわゆる災害前の状態で買収をするのか。その基準はどうお考えになっておりますか。
○岡安説明員 これはむしろ建設省の方からお答えがあった方がいいのかもしれませんけれども、いま聞きましたところ、そういう場合にはやはり農地として買収をされているというふうに聞いております。
○美濃委員 そうすると、さっきの答弁はちょっと聞き取りづらかったのですが、そうなったものは単純に災害復旧で農地の原形に復旧するという工事はいままで余り行われていないですね。これからどうですか。河川の幅を広げて改良工事の中へ入ってしまえばこれは別になりますけれども、そうでない場合、河原になったものを放置しておくのか、農地としての原形復旧をやるのか、これをお尋ねしておきたいと思います。
○岡安説明員 先ほど私お答えしたのは、河川の改修工事ときわめて関連の深い農地の復旧は、原則は原形復旧でございますけれども、原形復旧にとらわれないでやるということを申し上げたと思います。 河川の改修が農地をつぶしたり、そういうようなことが行われれば当然やはり既存の農地が減りますので、それらにつきましては、区画整理その他もあわせ行いまして、河川敷に提供されるようなところにつきましては、減歩というような形で、皆で負担をするというような方法が従来行われておるわけでございます。したがって、そういうことを考えれば、原形復旧ということは必ずしも適当ではないので、新しい事態に即応した復旧をするということになろうかと思っております。
○美濃委員 先ほどの説明で、天災融資法の発動、激甚の指定、既借入金の償還延期、自作農維持資金の貸付枠の設定ですが、これは特に北海道地域においては冷害という災害が重なっておりますから、資金枠だけつけても、自作農資金については、限度額を引き上げないと、既貸し付け限度額でいっぱいになっておるから、実際に貸し付けができない、そういう問題が出てきます。 いろいろいま申し上げたようなことを、それぞれ通知も出してあるし、やりますという当初の説明ですから、それは了解できるのですが、これは適期に、そう陳情なんか行われぬでも、必要な時期に必要な措置が確実に行えるだけの腹構えで進めてもらえるかどうか。 それと、もう一つ。限度額ですが、限度額の引き上げは説明になかった。それが落ちると、資金枠だけつけても貸し付け実行ができないという面が出てきますので、その点を確認しておきたいと思います。
○杉山説明員 一般的な事務の進め方について、陳情などを待たずに災害の場合は応急に役所として自発的に措置がとれるようにすべきではないか、ごもっともな御指摘でございます。私ども機を失せずに、本省なり現地に災害対策本部を設けまして、それなりの措置を十分に講じてまいるように努力しているところでございます。 なお、限度額の問題は、これは構造改善局の所管でございますので、そちらの方から御説明いたします。
○岡安説明員 自作農資金の限度額でございますけれども、これは一般的には百万円ということになっております。災害の場合には、おっしゃるとおり、旧債その他を抱えている方がおるということで、限度額につきまして特例を設ける必要がある場合があります。私どもとしましては、被災農家の被害の状況とか、連年災等によります資金の貸し付け残高とか、新たなる資金の需要の状況等十分検討いたしまして、必要があれば限度額につきまして特例を設ける方向で検討いたします。
○美濃委員 終わります。
○今井委員長代理 米内山義一郎君。
○米内山委員 新全総あるいは日本列島改造論が熱を持っていたころ、企業が買い占めた土地というものが七十一万ヘクタールあるという資料を見ていますが、そのうちの六十万ヘクタールというのは資本金一億以上の四千社余りのものが買っておる、こういう資料があるのですが、農林省はこの資料を確認しておりますか。まあ構造改善局長御就任間もないことで、まだ御勉強不足の点もあると思うから、後で御答弁を願っても差し支えありませんけれども……。 いずれにしましても、七十一万ヘクタールというような土地が、この狭い国土の中で農業のサイドから、企業の金もうけのために、開発ということは名目だけで、土地を転がして利潤を得ようとするだけのことで企業サイドに移ったということは、これまでの農業の蓄積を崩したことになり、今後の農業の発展に重大な影響があると思うのです。 したがって、農林省として、これだけの大量の土地がどういう内容を持っておるか、たとえばその中で二ヘクタール以上の農地転用の場合は農林大臣の所管ですから、数字をつかむにいいと思います。そのほかに、こういう土地の中には、過去において自作農措置法ないしは農地法あるいは町村合併促進の際の国有林の払い下げ等、公共の用に供するという趣旨で国有財産が所属がえになり、売り渡しになった土地もかなり含んでおります。さらには林道だ、牧野の助成だ、こういうふうに、言うなればこれははっきりと農業サイドの財産であったものが企業のために移ったということは、ある意味においては日本の農業の大陥没であるし、崩壊に近い現象だと私は思っています。 今後この狭い国土で、一億を超える人口大国の人口が生きていかなければならぬ。いまはアメリカへ行って、二、三年の間千数百万トンの約束はできたとしても、何年か後には地球の人口が倍になるという予測は明確なんです。そうして、これに対する世界の食糧供給力が並行していくという保証はどこにもないのです。農業政策として責任を持つべきものは、きょうあすの問題も重要だが、十年ないし二十年後を考えるのでなければ農業政策とは言えない。そういう観点から、農地問題というものは日本の農業の根幹をなすものだ、私はこういう考えを持っています。 こういう観点で、実は私は幸いにその現場におって知っておるものだから、青森県における問題を国会で取り上げているのです。単に地元の問題じゃないのです。開発してくる側も、政府はこれの一翼を担って加担していますけれども、国家的プロジェクトだ、こう言っておるが、これはわれわれ農民サイドから言っても大型プロジェクトなんだ。土地問題から高度成長の時代の状態に歯どめをかけて、失われたものを農業サイドに奪還しなければならぬというのが農業発展の道だし、農民の生きる道だと私は考えておる。 こういう点で、むつ小川原開発並びに青森県の東通村、六ケ所村のすぐ隣ですが、この二つの土地買い占めでありますが、これを二年余りにわたって議論してきています。そこで今度は三代目の局長さんになったのですが、ここらあたりでひとつでき得るならば結末をつけてみたいと思うのです。 まず第一に、農林大臣の名で行政処分をした東京電力並びに東北電力の一千ヘクタール、二千万キロワットという世界にも例のない原子力発電を立地するということは書類上の事業計画なんだ。この事業計画を認めて許可した農林省の責任を私は追及するのです。これは明らかに農地法八十三条の二に書いてあるような詐欺による申請であり、それを認めた農林省の責任だと思うのです。 いままで私にいいかげんな答弁をしてきた。これは速記録を見ればはっきりしています。まず事業計画に可能性はあるやなしやということを審査する責任があるのです。この情勢の中で、何も住民運動が盛んになって原電の立地が困難だということでもないし、総需要抑制下にあって情勢が変わったものじゃないのです。初めからあれは虚構捏造なんです。したがって、許可をする前提として、審査に当たっては資金計画を明確に審査することが義務づけられている。一体二千万キロの発電炉、百万キロの原子炉を二十つくるのにどれだけの金がかかるかということを考えてごらんなさい。そうしたことを簡単に審査すれば、これは十年先のものだか二十年先のものだか、あるいはまたこれは単に土地を買うための申請であるかということは、先代の局長でなくたって県庁の役人でもわかることなんです。 大体、資金計画というならば、何兆円に近いそれだけの資金を、いかに八千億の資本金のある東京電力かもしれないが、社債に仰ごうとするのか、増資に仰ごうとするのか、あるいは利益の蓄積をもって充てるのか、借金で普通融資で充てるのかということは、資金計画として明確でなければならぬ。これだけのものが整っていなければ、ただ二千万キロをやります、一兆八千億の資金をかけますというだけでは、これは計画書ともいえないし、資金計画ともいえない。だから、私は、こういう重要な問題がいつの会社の重役会で議決されたのかと念を押して聞いているが、答えようともしない。これは全くインチキなんだ。 そしてその後の後始末、転用後今日何年になりますか。何にもやってないじゃないですか。ただポールを立てて風速をはかったり風向をはかったり雨量をはかる程度のことはやっています。第一、東京電力は現在福島の第一発電所さえ完成していない。第二は、百十万キロを四基つくるのですが、その一基が許可になって、三基の分はこれから許可も得なければならない。これが済んだ後は東京電力の計画は柏崎ということになっています。これ一つを見ても、農林省に出したあの農地転用の申請書というものは架空であり虚構なものだということは明白なんだ。 東京電力でも東北電力でも、公益事業をやっているのです。電気の需給関係というものを常に正確に近く推測し、それに対する投資計画なり、かなり前を展望してやっている計画はあるのです。ことしのもあります。去年のもあります。これを申請したときの計画もあるのです。それをひとつ調べてごらんなさい。その中にむつ、東通の原電の計画が何年後だとあり、資金計画が伴ってあるならば、あなた方の行政処分には重大なミスもなかったことになるし、瑕疵もなかったことにもなるが、このいずれもなかったとしたら、これは大変なことなんです。大変というか当然のことなんだが、こういうことをひとつ次の質問の機会までに御勉強の上、御答弁願いたいと思います。 次には、むつ小川原開発の問題です。 私はこれは農地法第五条の違反じゃないかと思うのだが、許可を得る前に事前審査の内示を受けた段階で、青森県が設立した開発公社というのがありますが、これは県庁の分身で、出資しているのは県だけです。そして大部分は県庁の職員が出向してやっているのです。そしてこれはむつ小川原開発株式会社というものの買収代行をやっているのですが、この公的な公社が、農林省が事前審査の内示を出したことをもって許可の内示であると公の文書を出して土地買いに当たったのです。そしてその他の事情は、契約と同時に八〇%払うとか、仮登記と同時に五〇%とか、こういうふうなことで優良な農地、安定した開拓地がなくなった。そして土地を売った農民が、その後現金はつかんだが貨幣価値は下がってくるし、流民化、難民化している。これは農政の目的からいってどうなります。農地法の第一条の趣旨とどう合致しますか。 私は実態論をとっている。実際に売ったつもり、買ったつもりなんです。だからこれは所有権の移転が伴っている。形の上では二〇%くらいの金は払っていないけれども、これは税金分なんですよ。そして現実に牛を十頭置けば、開発会社から補償金をとって酪農はやめる。そして村にさえいないでしょう。これは一体何だ。実質上の所有権の移転行為じゃないか。罰則の適用はともかくとして、私はこう主張するのです。そうすると、いままでの農林省は違法でないと言う。その根拠は何か。金を全額払っていない、それから所有権の移転が行われていない。これは登記していないということです。仮登記はしておるが本登記をしていないという形式論なんです。 そこで、農林省の言うとおり所有権が買った方にないとすれば大矛盾が起こるのです。たとえば、この事業のためにことしの三月ですでに三百十四億の借金をこの会社はしているのです。そうすると、これに政府の金融機関である北東公庫という公的な会社が筆頭株主でもあるし、多額の金も貸している。そのほかに数社の都市銀行、生命保険会社等がやっているわけです。無担保で貸したということになる。これは貸した方の責任が出てくるのですよ。ところが、この会社の取締役は実質上所有権がわが社にあるんだと、こうおっしゃる。そうすると、買った人の意見と農林省の意見も合わないのです。ここにこういう厳然たる事実があり、法律が存在するのであります。その間に農林省の答弁というものは盲のヘビがのたうち回るようにぐるぐるぐるぐる歩いてきたんです。しかも、この開発というものも架空なんですよ。いつかはできるときがあるかもしれないが、これはいまのところできない明確な条件がある。 こういうふうなことでして、きょうは時間があと少しになりましたが、臨時国会もあすからあるし、通常国会も連続あるから何も急がなくてもいいのですが、慎重にお答え願いたい。 そこで、北東公庫の方が見えているはずですからお聞きしますが、北東公庫の法律並びに業務方法書を見ると、設備投資並びに長期の運転資金を貸すということなんです。貸し金の利息、借金の払うべき利息が設備投資か運転資金かということ、この会社の重役の報酬から交際費も設備資金かという法律的な明確な根拠。十万円や十億程度の十二カ月ぐらいの利息ならばそれと見てもいいが、三百億円以上の金の利子をことしも三十億円払えません、来年も払えません、再来年も払えません。数年たったら元本が一緒になるのですよ。利息の一部を設備投資と見ることもできるが、こうなったらそれと見れるものじゃない。あの決算報告書だってインチキですよ。公認会計士が認定したものだと言うけれども、公認会計士が認定しても会計検査院の検査は通れるものじゃないでしょう。国会の決算委員会で、この会社に何の理由で今後北東公庫が筆頭株主として投資するかという根拠を説明できるはずはないとぼくは思うのです。 だからこういう問題を含んでいるからこれは大型プロジェクトなんです。単なる農地法違反の問題じゃないんです。国と大企業、むつ小川原会社の百五十社というのは経団連そのものなんです。だから私はきょう御答弁として求めておきたいことは、北東公庫がいま私が言ったように単年度限りの利子ならばともかく、これが将来三年、五年と続いて、三年たったら金利分だけで百億になるのですよ。それでもそういうお考えなのか、北東公庫から責任ある答弁だけをもらっておきます。
○小川説明員 ただいま米内山先生の御質問は、むつ小川原会社に対して土地の買収資金、造成資金等について融資できるのか、法律的根拠を示せという御質問でございますが、私どもの業務方法書の第二条の第一項、第二項二号というのがございます。ここに、「北海道又は東北地方において開発事業を営む会社に対して、当核事業に係る設備の取得、改良若しくは補修(補修にあっては、当該設備に価値の増加をもたらすものに限る。以下同じ。)に伴い必要な長期の資金」ここで切れまして、「又は当該地方の産業の振興開発に寄与する事業の用に供する土地の造成に必要な長期の資金を貸し付けること。」ということで、設備資金ではございませんで、後段の「当該地方の産業の振興開発に寄与する事業の用に供する土地の造成に必要な長期の資金を貸し付けること。」ということで、これが業務方法書で認められているわけでございます。そこで、私どもといたしましては、それでは「土地の造成に必要な長期の資金」とは何かと申しますと、土地原価に算入されるところの未成工事勘定に計上されるものというふうにみなしまして、これに必要な支払い利息費用その他これを含めて融資の対象といたしているわけでございます。 それから将来利子が非常にかさんでくるという先生の御指摘でございます。私どもも出資者の一員といたしまして、本件につきましては重大な関心を払っているところでございます。これにつきましては、問題は基本的な計画がどうなるかという問題に帰着すると存じます。私ども国の政策金融機関でございますので、国の御方針が出ればそれに即応して出融資を行っていくということは責務というふうに考えておりまして、昭和四十七年閣議の口頭了解で一応方針が示されまして、現在それの変変更がまだございません。そういう状況にございまして、現状のままに推移すれば、将来もそういう態度で臨みたいというふうに考えております。ただ、経済、金融情勢の変化あるいは会社の体質というものもございますので、そういった情勢に対応し、会社の体質をもにらみ合わせまして、計画的に慎重にこれに対応していきたいというふうに考えております。 以上でございます。
○米内山委員 あと一問だけで終わります。 公的金融機関としての北東公庫の見解がそうだとすれば、まあ申しわけ分の資本金を集めて架空の目論見書を書けば、あとは国の金で幾らでも土地を買えるということなんだ。利息を払えなくとも、五年、十年は一銭の利益の見通しも立たない企業でも重ね重ねで利息も借りられるというなら倒産も破産もない都合のいい世の中です。そしてこれは一般金融機関の場合、国民の貯蓄を預かっている場合は金融業者として社会的な責任はその考えでは果たせない。大変な事件なんです。私はそう思う。あなた方は当然だと考えるかもしれないが、こんな不公正はない。この考え方が日本列島を企業に買い占めさせた根拠だと思うから、私は政府の政治責任をどこまでも追及しなければならぬと考えているわけです。 閣議口頭了解を根拠にしていますが、閣議口頭了解の内容は何であるか、それからこの会社の目論見書は何を書いているかということをあなた方はすっかり読み直して、この次の機会に慎重な答弁をしてもらうことを要望して、きょうの質問は終わります。
○今井委員長代理 多田光雄君。
○多田委員 今度の六号台風の被害につきまして、いま農林省からいただいたこの九月十日付現在の農林省関係の被害額を見ますと、北海道は三百七十三億円で、高知の四百三十九億円に次いで二位という大きな被害を出しているわけです。時間はちょっとずれますが、九月四日に北海道が中間集計した被害状況を見ますと、六号台風の全道の被害総額が、これは農林だけじゃありませんが、八百二十三億です。しかし実際は一千億を超すだろうと言われているのですが、この八百二十三億の中で農業被害が二百九十四億。それからその農業被害の中で農産物の被害が百八十六億円。この農産物の被害の百八十六億円の中で、石狩川水系の空知七十八億、それから石狩四十一億、上川三十一億とこういうふうになっていて、この石狩川水系が最も大きな被害を受けているわけです。 それからもう一つ。時間がありませんので私の方でお話ししたいと思うのですが、今回の石狩川の増水の特徴を見ていますと、これは新聞でも、それから私は何度か現地でお話ししたことに対する政府側の御答弁やあるいはまた開発庁で出しているこの資料を見ましても、昭和三十七年八月のあの水害に比べて、石狩川の水が急激に増水して、そうして急激に減っていくというこのカーブが、どの資料を見てもそれが出ているわけです。この原因については、石狩川の三百余キロを百キロメートル余りショートカットをする。それから上流と沿岸の乱開発、森林伐採であるとか都市開発。さらに築堤建設で本川に水を封じ込めていくというので、急激な増水、そして水勢を増していくという結果、特に被害が石狩川の中流から下流にかけて最も激しくなっているのが今回の特徴だろうと思うのです。 こういう結果から見れば、すでに三十六、七年以後、石狩川の改修が本格的に始まったわけですが、技術的には当然予想されていたことではないか、こういうふうに思うし、これも一般的に研究者が前から指摘しているところなのです。ところが実際はそうならなかった。実際に今度の農業被害を大きくしたものとして私、指摘したいことは、第一にこの石狩川の築堤、これも一定やられておりますけれども、この築堤のおくれですね。第二番目には内水排除の不備です。それから第三には排水機場、それから樋門、樋管の管理の体制のおくれということが今度の六号台風の被害を非常に大きくした要因であったというふうに私ども考えざるを得ないし、現地に何度か入ってみて、多くの農民や組合、自治体あるいはまた関係者の意見を聞いてみても、それが今回の被害を大きくした、とりわけ農業被害を大きくした要因ではないかというふうに見られているわけです。 そこで、これは建設省にお伺いしたいのですが、今回の六号被害について、札幌周辺の茨戸水域は別にして、被害の大きかった美唄、月形、北村、江別、これのオーバーフロー、溢水、堤防破壊の原因をどのように考えているのか、これをひとつ簡潔にお答え願いたいと思う。
○本間説明員 お答え申し上げます。 石狩川におきます堤防溢水の原因は何かという御質問かと存じます。先生が申されましたように、昭和三十七年から築堤工事に鋭意努力して進めてまいったところでございますが、遺憾ながらまだ堤防全体が完成しておりません。この点につきましては、石狩川水系が非常に重要な水系であるということで、全国的に見まして相当多額の投資を毎年行っておるわけでございます。ちなみに本年度は、直轄改修といたしましては百二十八億六千万円、石狩川水系の補助河川、支川につきましては四十億七千万円、合計百六十九億三千万円をもって改修を本年度は実施中でございます。確かに堤防温水、堤防の未整備という点はございますが、全国的に見まして相当に重点を置いて工事を進めておるところでございます。
○多田委員 相当に重点を置いてやっていると言っておりますが、私は時間がもう十五分しかありませんので……。 北海道開発予算を見ますと、こういうことなんです。昭和二十六年の事業費を一〇〇とすれば、現在の事業費は四三二〇、約四十三倍強になっている。ところが、その中で道路はどうかといえば七十六倍なんです。ところが治水関係はどうかというと二十三倍なんです。非常に道路に偏って治水関係が冷や飯を食わされておる。やはりこういう片ちんばというか、つり合いのとれない開発がやられてきておる。しかも治水と道路の事業費の中に占める比率を見るというと、昭和四十五年に治山治水関係、しかもこれは下水が入ってですが六・四%、それが道路は二一・八%、大体この比率で昭和五十年にきている。こういう治山治水が後回しになってきているということが一つの特徴として言えると思うのです。 そこで私、開発庁にお伺いしますが、この石狩川の築堤について完成とそれから暫定と、これは北海道の石狩でよく使われておる暫々定、これは中央では使われておらない言葉なんだが、暫々定、未着、これの比率はどうなっていますか。
○黒田説明員 ただいまの御質問にお答えします。 暫定といいます計画高水の高さまでの堤防でございますが、それが全体の堤防の延長に占める割合が約三四%。ラウンドで申し上げます。それから、先生いま暫々定ということをおっしゃいましたですが、暫々定というのは一つの目標じゃなしに、施工していく過程でございまして、暫定に達していないというものが三二%でございまして、残りが大体完成堤防だということになると思います。
○多田委員 私、現地で聞いたんでは、完成が三四・四%、未着が一二%、こう聞いているのです。いずれにしてもこういう状況なんです。 そこで、一つお伺いしたいのですが、農民は、こういう状況ですから、先ほども話が出ましたけれども、確かに大雨ではあったけれども、これを人災と言ったりあるいは政治災害、政災と言っているのです。しかし農村ほど被害が大きいのだ。今度の決壊の場所を見ても、ほとんど全部オーバーフローしたところは築堤が沈下している。あるいは沈下だけじゃないのです。前に揚水場、排水機場であったのを他に移した、そこが弱い。あるいは前に客土をやっていて堤防を横切っていた、そこを後で補強した、そういうところが破られているのです。それを実際農民は見ていますからね。農民は自費でもいいからかさ上げをしたいと前から言っていたところなんです。そこが結局は破られているのです。 もっと極端な例を挙げれば、河川敷をゴルフ場に貸していて、そのゴルフ場が堤防の上に舗装した道路をつくっているのです。これがオーバーフローしている。江別市がそうなんです。こういうだれでもわかっていることが放置されているんです。だから、これを政災、人災と言っているのです。 そこで、私はお伺いしたいのですが、石狩川のいままでの第四次の五カ年計画、これが昭和五十一年に達成された段階でもまだ不備なんですね。そうすると、いままでの延長でなくして、新しいこの対策を立てる意思を持っておられるかどうか。建設省、開発庁にお伺いしたいと思います。
○本間説明員 新しい計画を立てるつもりがあるかどうかという御質問でございますが、現在、先生御承知のように治水計画は治水事業五カ年計画の第四年度でございます。五十一年度を残しておるわけでございますが、まだ五年度分といたしまして相当の残がございますので、新しい計画を立ててやるまでもなく、現第四次治水五カ年計画で来年度も対処してまいりたいと考えております。
○多田委員 現地で聞きますと、現在の第四次五カ年計画、本年五十年度を終わっても計画の八四%、こう言われているのです。しかも、こういう自然の流れが大きく変化して、そしてこの大きな水が出るというのは、単に雨が多かったというだけじゃないのですよ。先ほど言っているように石狩川の姿が変わってきている。沿岸が変貌してきている。その水を全部本川に流し込んでいく。肝心の中流、下流は護岸その他がおくれている。そうだとすれば、この年にまた大きな水害がないという保証はないのです。現実にその後にまた水が出ている。 そこで、私はその前にもう一つ農林省にお伺いしたい。先ほど言ったように、今度の被害を大きくしたものとして内水排除の問題があるのです。たとえば被害関係のところの内水排除の機場が十二カ所、これは開発庁の調べで十二カ所が何らかの理由で完全に作動しなかった。作動しても動きがとれない。これは一体どういうわけだったのでしょう。農林省に伺います。
○岡安説明員 私どもの報告によりますと、石狩川沿岸に設置されております内水排除用の揚水機のうち、今回の破堤、溢水によりまして浸水の被害を受けたものは大体七カ所と聞いております。この原因は、やはり石狩川のはんらんによりまして、揚水機場設置のときに計画しておりました高水といいますか、水位より以上に、異常に水位が上がったために揚水機場に浸水がありまして、それで被害を受けたというふうに私どもは聞いております。
○多田委員 さっき言ったように、河川管理者の立場から言えば、ともかく金がありませんから築堤はおくれます、農林省に聞きますと、農林省はやっていたのです、オーバーフローしてきましたからどうにもしようがなかったのです、こういうことなんです。さっきあなたは七カ所と言われたけれども、現地でもらった資料はこうなっている。十二カ所は全く水没か、途中どうにもならなくてやめているのです。途中で水が危ないので管理者が逃げたところもあるのです。資料は後でお見せします。これはどういうのでしょうか。そしてお互いに農林省と建設省でもって責任のなすり合いをしているのです。農民から見るならば、農林省でも建設省でも同じことなんです。 築堤が一遍にできないから五カ年なり十カ年の計画を立てるわけでしょう。これは完成しないということでしょう。完成しないということであれば、内水排除を担当する農林省は建設省と相談して、それに見合う内水排除をやっていくということがあたりまえのことです。だから人災であり政災だと言っているのです。現場へ行くとお互いに責任のなすり合いです。建設省は百年に一回の水量でもって計算している、農林省は十年に一回でございます。私どもオーバーフローは予想しませんでした、オーバーフローは建設省の責任でございますと言う。 そこで、私は、もう時間がありませんのでお願いしますが、こういう状況では、いまおっしゃったように、建設省は現状でまた進めていくというんだから、そうだとすれば、この内水排除の問題で本当に農業を守っていく、農民の営農を守っていくためには、農林省と建設省が力を合わせて計画を立てて、その計画の進度に応じて内水排除の総合的な計画を立てていく、統一的な計画を立てていく。あるいはまた管理体制が不備なんです。これは時間がないから言えないが、そういう市町村やあるいは土地改良区にこれを任せっ放しなんです。訓練もやっていない、点検もしていない。だからほとんど役に立たないのです。こういう現状について、私がお願いしたいことは、農林省と建設省あるいは開発庁、これは一体になって内水排除の見直しをされるかどうか、されないというなら農民は絶対容認できません。 第二番目は、排水機場を建設省所管でもよろしいです、農林省所管でもよろしいです、これをもっと大型にするとか、数をふやすとか、あるいはまた排水機場の防水堤をつくっていく、こういうことを真剣になっておやりになるかどうか。 三番目には管理の強化です。たとえば日常訓練を国が責任を持って推し進めるようにするとか、あるいは情報連絡あるいは日常の点検、こういう点をおやりになるかどうか、最後にこれは建設省と農林省にお伺いしておきたいと思います。
○本間説明員 堤防をオーバーフローいたします洪水、これを防ぐためにはもちろん堤防工事が第一でございます。私どもといたしましては、築堤工事を格段に促進いたしますよう努力いたします。 なお、石狩川中流部の地盤につきましては、泥炭層でございまして、急速に高い堤防を築造することができません。従来から各種の工法を検討中でございますが、まだ全部に効くようなこれはと思われる工法は見出しておらないわけでございますが、そういった研究も含めまして大いに促進してまいる所存でございます。
○岡安説明員 御指摘のとおり、石狩川沿岸の揚水機場につきましては石狩川の築堤工事と密接な関係があるわけです。したがいまして、私どもといたしましても、今後建設省の計画並びに事業の実施状況を十分連絡をいたしまして、私どもといたしましても今後こういうことのないように対策を講じたいと思っております。 また、揚水機場の点検また管理につきましての措置も、これは当然私どもとしてなすべきはずのことでございますので、今後十分指導の万全を尽くしていきたいというふうに考えております。
○多田委員 両省の統一したそういう推進を強く要望して終わりたいと思います。
○今井委員長代理 山原健二郎君。
○山原委員 台風五号による高知県の災害につきまして、各省調査もされ、また九月の四日、五日と二日間、衆議院の災害調査団が派遣をされまして、精力的な調査をしていただいたわけであります。その調査団の行かなかった場所の一例を申し上げてみますと、土佐郡鏡村梅ノ木に私が参りましたときに、土砂に埋まった家屋の中から八十三歳の川崎百合恵さんというおばあさんが出てまいりました。山から山へ逃げて命は助かったが、この年まで耕してきた田も畑もなくなったと言って泣き伏しました。いま涙もかれ、花然としておるというのが災害を受けた高知県の農民の今日の姿でございます。 その被害総額、本日の発表によりましても、四百三十九億、これに対しまして、けさの発表によりますと、激甚指定あるいは天災融資法の適用などはほぼ確定する方向に向かっておると思います。このことは大変結構だと思います。しかしながら、このような農林被害の最大の原因となっている渓流河川の改修の問題でございますが、公共土木事業の災害がなければこの災害復旧の対象にならないという事態があるわけです。たとえば高知市の鏡川あるいはあの大きな被害をもたらした神田川、さらには全市が水没をしたあの土佐市の波介川あるいは全村が水没をしましたあの日高村の日下川、こういう河川を一体どうするのか、これがいま最大の問題になっているわけであります。 このように公共事業の災害を受けなくて災害復旧の対象にならないところに対して新たな構想をもってこれを改修をしていく、しかも速やかにやっていく、これは当然国がしなければならないことでありますし、それぞれの被害県が心から求めておるところだと思います。高知県の議会におきましても、昨日災害特別委員会が持たれましたが、各党含めて満場一致で新しい構想の災害復旧の方向を見出さなければならない、これを国に対して強く要望しようではないかというのが一致した見解でございます。 またこれに対して、私が聞くところによりますと、激甚災害復旧のための特別な緊急事業構想を持っておられると聞くわけでありますが、これにつきまして、まず建設省からその構想と内容を簡明に報告をしていただきたいのであります。
○本間説明員 お答え申し上げます。 従来、洪水あるいは土石流等によりまして激甚な災害が発生いたしました河川あるいは渓流等におきまして、堤防等の公共施設が大きな被害があったという場合には、先生が言われましたように、災害復旧助成事業等によりまして、最長四年程度で再度災害を防止するための改良復旧事業ができるようになっております。しかしながら、先生が言われましたような一般災害が非常に激甚であるというにもかかわらず、公共土木施設の被害がほとんどないという場合にはその制度が適用になりません。したがいまして、そういった場合には本来の河川改修事業を重点的に配賦いたしまして工事を促進してまいったところでありますが、全体の枠の関係がございまして、災害復旧助成事業のような早期の完成を見ることができないわけでございまして、これを解消するために先生が言われました激甚災害対策特別緊急整備事業という制度を新たに設けまして、災害復旧に準じて改良事業が行われるよう検討中でございます。
○山原委員 これは大変重要な問題でありますし、新たな構想を持っておられますので、時間がありましたら、たとえば現在考えておられるその基準あるいはこれをどういう形で実現をするかあるいは大蔵省に対して予算要求はいつ行うのか、あるいは法制化するのか、こういった問題についての見解もこの際伺っておきたいと思います。
○本間説明員 検討内容につきましては、ただいま詳細説明する段階ではございませんが、激甚災害対策特別緊急整備事業といたしまして採択する事業につきましては、一般災害の程度を考えましてある程度の基準を設けなければいけないということ。それからもう一点は、災害復旧助成事業のように早期にやる事業でございますので、短期間に相当の投資が必要になります。したがいまして、補助率の点につきまして地方負担の問題について勘案する必要があろうということがただいま検討されておる段階でございます。
○山原委員 林野庁の方ではこの建設省の計画、構想に対して何らかの計画をお持ちでしょうか。
○松形説明員 お答え申し上げます。 ただいま建設省の方からお答えがございましたように、一つの流域をつかまえまして、その上流におけるあるいは山地における災害が再度起こらないように緊急に整備する必要があるということでございまして、私ども建設省と十分連絡をとりながら、法制化等も十分考えながらこれに対処していく。一つの流域をとらまえての対策、こういうことで考えているわけでございます。
○山原委員 いま建設省並びに林野庁のお答えがありましたが、災害復旧に対する一定の構想を持っておられるということでありますけれども、国土庁の方ではこのような構想に対して、国土保全の立場にある庁としてどういうお考えを持っておりますか。
○山本説明員 ただいま建設省及び林野庁から御説明がございました激甚災害対策特別緊急整備事業の制度につきましては、最近の災害の、特に激甚な災害の発生状況にかんがみまして、今後国として防災対策を推進する上で非常に重要な制度であろうかと思います。したがいまして、国土庁といたしましてもこの制度の実現につきましてできるだけの協力をしてまいりたい、かように考えております。
○山原委員 この構想につきましては、もちろん法制化されました場合のそれに対する態度は、またそれぞれの政党としての態度があると思います。しかしながら、私がいまお聞きしました新たなこの構想というのは、これはもう絶対に必要であります。 たとえば今度の高知県における災害というのは、いままで河川改修がおくれ、あるいは十年、十五年もかかっておるもの、これのはんらん、溢水、こういうところから起こっているわけですね。ところが、これは必ずしも堤防が切れたというわけではないわけです。神田川がその一つです。波介川もそうです。だからこれが激甚地指定を受けても対象にならない。しかし、それによる被害はまさに甚大な被害である、こういう特徴を持っているわけです。これに対して国がこれを援助していくというのは当然のことでございまして、たとえば今回建設省やあるいは林野庁で考えられておるお考えの中には、国の助成の率は四分の三とかあるいは五十戸以上の全壊家屋があればこれに対して適用するとか、一定の基準というものはもうすでにお考えになっておるのではなかろうかと思います。私はいまその二つだけを申し上げましたけれども、ほぼそういう内容を持ったものとしてお考えになっているのかどうか、これも伺っておきたいのであります。
○本間説明員 ただいま先生が言われました二つの基準につきましては、検討中でございます。
○山原委員 林野庁の方はどうでしょうか。
○松形説明員 お答え申し上げます。 建設省でいまお答え申し上げましたようなことを大筋といたしまして、なおそれに付随いたしまして、その流域をとらまえた場合に、このような採択基準のところが治山としての担当分野であるというその基準につきましても、あわせて現在検討中でございます。
○山原委員 ではその構想は建設省としても、林野庁としても、大体いつごろまとまるような進捗の状態でしょうか。
○本間説明員 ただいまの制度につきましては、来年度要求として出されておるわけでございまして、この対象となるものにつきましては、本年度あるいは先年度ぐらいからのものを考えておるわけでございますが、来年度の要求の中で考えておるわけでございます。したがいまして、関係機関とそういった時点に間に合うように詰めてまいりたいと思っております。
○松形説明員 お答え申し上げます。 ただいま建設省からお答えがございましたように、現在予算要求の中身といたしましての要求をいたしておりまして、これが大蔵折衝の段階までには十分この中身を詰めておきまして、そしてなお法制等の関係もございますが、いっときも早くというような気持ちでおります。
○山原委員 最後に、たとえば土佐市を見ましても、もう負担の限界へきているわけですね。土佐市あるいは伊野町、日高村等におきましては、集団の移転をしなければならぬという事態も起こっております。場所によりましては逃げる場所がない。どこへ家を建てていいかわからぬ。こういう状態の中で、しかしあの地域を集団的に移動させなければならない。土佐市の場合は、ある調査によりますと、六十六世帯が移動しなければならぬという事態も起こっています。しかし、これに対する地元市町村の負担というものも負担の限界へきているわけです。 そういう意味で、いま恐らく構想されておるであろう、たとえば三年間なら三年間でこれに対する改修をやっていくということ、それに対する国の助成をかさ上げをしていくということ、そしてまた残った、たとえば四分の一なら四分の一については市町村に対する起債、その他市町村の負担を重くしないで解決をしていくということは、絶対に必要なんです。これが今次災害における被災市町村がいま要求しておる最大の問題であると思います。そういう意味で、恐らく国会においても、各党とも皆さんがいま構想されておるこの計画について反対をするものはいないと思うのです。そういう意味で、これは大胆に進めていって、再び災害が起こらないということを絶対に確保していただきたいわけでございます。最後に国土庁のこの点の見解を伺って、私の質問を終わります。
○山本説明員 ただいま建設省及び林野庁から御説明がございましたように、予算要求の過程で順次詰めてまいるということで努力しておるようでございますが、国土庁としましても先ほどの趣旨に沿いまして努力をしてまいりたいと思います。
○山原委員 終わります。
○今井委員長代理 中川利三郎君。
○中川(利)委員 林野庁長官にお伺いします。 せんだっての豪雨災害によりまして秋田県の受けた災害の総額が九十六億円ということを書いてありますが、とりわけ私が問題にしたいのは、その中でも集中的に被害を受けた秋田県の北秋田郡の比内町です。ここだけで三十九億円。ここの年間予算が一年間で十三億円でありますから、大体三年分があっと言う間に、本当に一息の中でそれだけ大きい災害をこうむっておる。その背中合わせの鷹巣の明利又というところも同じような状態でありますが、地元の人々にお話しを聞きますと、このような災害は、全く国有林の皆さん方が木を切り過ぎた、しかも切った後を非常に乱雑にしておって、それが小さなダムをつくり、あの豪雨の中でそれが一気に何か裂け目ができてあのような災害になったのだということを異口同音に言うのですね。だから、その木の切り過ぎということと、おまけに加えて治山のサボタージュといいますか、ほとんど何もやってくれなかったじゃないか。あるいは中小河川の野放しという問題もありますけれども、特にいま前段挙げた二つの問題をみんなが話しているわけでありまして、このような災害の中で林野当局がそういうことに対する反省なり何かありましたら、まず先にそれを一言お聞きしたいと思うのです。
○松形説明員 お答え申し上げます。 このたびの集中豪雨等によりまして局地災害というものが出たわけでございまして、森林の土壌崩壊防止機能を超えました全く予見できなかったような不可抗力の点がございます。しかし、ただいま先生がお話しがごいましたように、この災害の実態にかんがみまして、この貴重な教訓といたしまして、森林の伐採、取り扱い、あるいは必要があればそこに治山事業を集中していくとか、そういうことに対しまして積極的に取り組んでまいりまして、国民生活、住民の方々の安定あるいは生活の向上に寄与したい、かように考えているわけでございます。
○中川(利)委員 あなたは、あのような災害は不可抗力でしょうがなかった、しかしこれからは云々というふうなお話しでございましたが、私は鷹巣地域の明利又にあの災害のときに行ってまいったのですが、あそこの山村の住民は、一方では営林署の定期作業員をやっているわけです。山仕事しかないのですからね。その人々が、おれは山の中へ入って毎日木を切って覚えている、こうなることは明らかに目に見えておったのだ、それでこれからもあのような状況が続くならばおれはここに住んでいることはできないのだと言っている。集団移転という話もいまありましたが、山へ毎日自分が行っていますから、もう恐ろしくてとってもたまったものではないということを言っているのです。おたくの職員ですよ。定期作業員の方々です。あるいは地元の方々のお話しを聞きますと、自衛隊を含めてもう何年も前から、ここヘダムをつくってくれ、こういう要求をしておったそうでありますが、いや、これはおれの方の担当じゃない、県とも話さなければいかぬということで、何かあれこれ言い合いしながらいままで来た。したがって、この災害は当然起こるべくして起こったということを皆さんおっしゃっている。 そこで、私お伺いするのは、では参考までに、今回大きな被害を受けたいまの鷹巣の明利又、これを所管するのは鷹巣営林署でありますね。もう一つ、北秋田郡の比内町、これを所管するのは扇田営林署でありますが、この二つの営林署の昭和四十八年、四十九年、五十年度の治山事業費というのは一体何ぼあったのか、この費用を明らかにしていただきたいと思うのです。
○松形説明員 お答え申し上げます。 私ども治山事業といたしましては、御承知いただいておりますとおりに、五カ年計画で昭和四十七年を初年度といたしましてやっておるわけでございます。秋田営林局全体といたしましては、四十七年から五十年度まででございますけれども三十四億四千四百万円で実行いたしておりますし、扇田営林署におきましては四千万円、鷹巣営林署では六千五百万円というような実態でございます。ただ、先生現地を御承知いただいておるわけでございますけれども、あの地帯で従来余りこのような被害がなかったというようなこと等がございまして、私どもの計画に従っての治山事業あるいはダムを建設するとか、そういうことが十分ではなかったということは反省をいたしておりまして、先ほど申し上げましたように今後地元住民の御意向とかあるいは山の実態等を十分勘案しながらこれを施行してまいりたい、かように考えておるところでございます。
○中川(利)委員 私の手元に扇田営林署の歳入と歳出を示した経理がございまして、これはそれぞれの業務参考資料ですが、扇田営林署では治山費は昭和四十七年五十九万四千円、昭和四十八年ゼロ、四十九年ゼロ。それから鷹巣営林署でありますが、これは四十八年ゼロ、四十九年ゼロ、五十年ゼロ、五十年は予定ですが、こうなっておりますよ。しかもここが非常に損をしているというならともかくとして、大もうけを上げているところなんですよ。定期作業員なんという身分不定の方々をあんなに不安がらしていながらも収益は相当上げているのに、治山事業費はゼロですよ。そこのところに集中して起こっているというところをあなたに——あなたは今度はいろいろしっかりやると言っていますけれども、こういう実態ならば起こるのはあたりまえじゃありませんか。 そこで、時間もありませんから同時に一つお聞きしたいのは、先ほどあなたから伐採計画の見直しなりそういうものを考えなければならないというような話もありましたが、特に私、この地域の図面も地図もみんな持っておりますけれども、両方の地域は背中合わせにくっついているのですね。その背中合わせのところの真ん中に国有林があって、そこではほとんど皆伐しているのですね。 ちなみに皆伐の問題を言いますと、昭和四十一年から四十八年のおたくの方の総伐採面積が、鷹巣営林署管内だけで二千九百四十一ヘクタールのうち皆伐面積が二千三百八十三ヘクタール、つまり八一%。総伐採数量で見ますならば、この四十一年から四十八年の間に六十二万立方切って、そのうち皆伐数量が六十二万立方なんです。九八%。こういう事態になっておる。こういう数字でも明らかなわけでありますので、改めてこの両地域の、私は一般的なことは要りませんから、ひとつ伐採計画の、施業計画の見直しをすべきじゃないか、これが一つ。それから治山事業についても、このように毎年相当額の収益を上げながらゼロ、ゼロ、ゼロなんということは考えられないことであって、しかもそういう地元の要求が前々からたくさんあったということを踏まえるならば、ひとつ緊急に住民が安心できるようにそういうような対策を立てていただけないかということです。 それから、時間がありませんからずっと質問だけしますけれども、あの集中豪雨災害で、皆さんの山で切った木がずっと流れてきて、たんぼの上へ、あっちのたんぼにごろごろ、こっちのたんぼにごろごろごろごろと、もう至るところ一面におたくの流れてきた木がある。これはもう大変なものです。農民にしてみますと、自分の田畑が冠水したほかに、流れてきた皆さんの木のおかげでもう処置ないという状況になっているわけであります。営林局の木ですから、それをどっかに運べば、これは罰則だというんだ。そうして皆さんの方はやがてそれを片づけに来るらしいんですけれども、金になる大きな木だけは持っていくけれども、一緒に流れてきたとんでもない枝条、枝葉みたいなものはそのままぶつ飛ばしていくわけですね。こういうことでいいのかどうか、そういうことを含めて申しますと、やはりいままで至らざるところあったとあなたおっしゃる以上、何らかの国有林の責任も認めてしかるべきじゃないか。そうであるならば、何らかのかっこうで地元の方々にひとつそれなりの形に出るものとしてお見舞いすべきものではなかろうか、こういうふうに私地元の人間として思うのでありますが、この点の見解をお聞きしたいと思うのです。 最後に、援農事業として、やはりいま出かせぎも山村地帯では非常にできなくなっておりますし、また、いま農業自体がやられてしまって、田畑がやられたんですから、そういうことでもっともっと困難な状況になりますので、いまの定期作業員の仕事を保障することも含めて、地元で援農事業を興こす、このようなことをひとつお考えになっていただけないだろうか、この点についての林野庁長官の御答弁をお伺いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○松形説明員 お答え申し上げます。 ただいま扇田営林署あるいは鷹巣営林署の伐採の問題があったわけでございますが、一応私ども計画的にやっておるつもりでございますけれども、扇田営林署の場合、ちょっと申し上げてみますと、昭和四十五年におきましては、一万四百ヘクタールございますが、そのうち二百十ヘクタール、一年間に約二%を皆伐するということになっておりましたものを、昭和四十九年度におきましては、新しい国有林の施業方針に、全国一斉に施業方針を変えたわけでございまして、その結果、約百十ヘクタールということで半分にしておるわけでございます。また、鷹巣営林署は一万二千ヘクタール管轄面積がございますが、当時二百七十ヘクタール一年間に切っておりましたものを百三十と、これも半分にしておるというようなこと等で、私ども新しい施業方針では、そのような国土防災を考えながら、また活力ある森林を積極的につくっていくというようなこと等を期待いたしまして、このようなかっこうにいたしておるのでございます。 なお、治山事業等につきましても、先ほど来申し上げておりますように、緊急度の高いもの等につきましては、地元の方々の御要望等を十分お聞きしながら取り組んでまいりたいと思っておるわけでございます。 なお、三番目に枝条処理でございますが、伐採跡地に枝条が散在しておりまして、それが流れて被害を与えたんじゃないかというようなことでございます。私ども、このような山に土場、簡単な貯木場でございますが、こういうものをつくる場合には、丸太が流散するおそれのない場所を選定するとか、あるいは枝条等を沢に流さないように、そうしてまた積み重ねることによって流れを妨げるというようなことがないように、あるいは末木枝条もなるべく活用いたしまして、パルプ用のチップにするとか、いろいろ私ども、それなりの措置はとっておるつもりでございますけれども、先生御指摘のようなそのような国有林からの流出で明らかにそのような被害を与えておるというような場合には、私ども、国有林野経営というものが、地元の住民の方々あるいは町村の御理解、御協力なくしてはなかなかうまく仕事ができにくいということ等もございまして、従来ケース・バイ・ケースではございますけれども、見舞い金等を差し上げるとか、あるいは市町村の行われます復旧に積極的に協力申し上げるとか、あるいはみずからも災害復旧にそのようなことを実行していくとか、このようなことをしておるわけでございまして、御指摘のような点等を十分勘案いたしまして、現地を調査いたしまして、見舞い金等を含めて検討させていただきたいと思うわけでございます。 なお、新しい事業ということでございますが、その災害の実態に即しまして私どもなりに検討させていただきたいと思います。
○中川(利)委員 終わります。
○今井委員長代理 瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 総合食糧政策、災害対策及びミカン対策問題等について、農林省当局に質問をいたします。 農林省は、八月二十二日に食糧の自給率向上を目的とした「総合食糧政策の展開」と題する八項目からなる基本政策を発表しております。これはことし四月、農政審議会が答申したところの、昭和六十年を目標に食糧自給率向上を目指す「農産物の需要と生産の長期見通し」に基づいて出されたもので、世界的食糧危機時代の到来という背景に対処をしたものであると私は思っております。と同時に、来年度予算に対する安倍農林大臣の攻めの農政の姿勢の基本方針である、かように私は認識し、受けとめておるわけでありますが、農政審の答申は、世界的食糧危機到来ですでに破綻を余儀なくされておるところの食糧国際分業観に相変わらず依存しておるような感がしております。 そういったようなことから、私は、この答申に沿っての内容をつらつら見てみますに、いわゆる策定の内容を見ましても、今回の基本政策は、自給率向上を目指すものではなく、農業者と国民が待望する農業の復権を図るものとはほど遠い内容に終わっているような印象を強くするのであります。本当に今回の基本政策が、農林省の言うように疲弊した日本農業の立て直し策になるかどうか、私は疑問を持つ。また農林省もこの基本方針に、すなわちこの政策に確信があるのかどうか。その点、本日は農林大臣に伺いたいところでありますが、大臣の都合でやむを得ませんので、次期臨時国会等でまたいろいろ審議の際に答弁を求めていきたいと考えておりますが、官房長にぜひひとつ、これらの考えを冒頭承りたいのであります。
○森説明員 実は、昨日、国民食糧会議の御意見、六十九名に及びます皆様方の意見の概要の取りまとめが、東畑座長から総理に提出されたわけでございます。その中でも、御指摘のように、世界の食糧問題からやはり日本の食糧政策に対する期待がいろいろ求められておるわけでございます。そういう国民の総意というふうに私ども理解をしておるわけでございますが、この際、改めて農業を見直し、農村を見直し、食糧問題を考えるということで、精力的に、私どもとしては相当の努力をいたしまして取りまとめたものが、総合食糧政策として過般発表されたわけでございます。先生御指摘のように、ともかく何よりも脆弱化したわが国の農業をこの際体質を改善をいたしまして、自給力を高めていくという基本的な考えに立っておるわけでございます。 〔今井委員長代理退席、委員長着席〕 こういう観点から、今回発表いたしました食糧政策につきましても、先般来いろいろ御質疑がございましたように、ともかくおくれております農業基盤の整備を促進をいたしまして、片方、全体の食糧の中で、米とそれ以外の作物、そういうものも含めまして水田の総合利用を進めていきますとか、あるいはそういうものの担い手としての農民、特に中核的な農家の育成、確保をするための方策を探求してまいる。それに関連いたしまして、やはり農業所得というものを確保していくということから、それはむしろ価格そのものに意味があるわけではない、やはり中核的な農家の所得を確保するという観点から、従来の価格政策を全般的に見直したいということも含めていろいろ対策が講ぜられておるわけでございます。その中に、ほかに農産物の輸入の安定化なり備蓄なりという問題も含まれておりますけれども、これは自給力を基本的に高めていくという方向の中で、日本の国土資源から限られておるものにつきましては、やはり国民に安心して食生活を営んでいただくという観点から、変動します国際経済の中で日本の食糧を確保していくという観点から、別途そういう柱も立てておるというふうにひとつ御理解をいただきたいと思うわけでございまして、これですべて足れりというふうには私ども決して考えておりません。 ともかく今後残された問題につきましては、なおいろいろ問題を含んでおるというふうには思っておりますけれども、とりあえずの考え方としては、私どもこれでひとつ新しい農業なり農村を見直していきたいという考え方で作成いたしたつもりでございます。
○瀬野委員 冒頭、概要を述べていただきましたが、これを全部論議しますと、かなり時間がかかりますので、若干の点を指摘して農林省の反省を促すとともに、いろいろ検討してもらいたいと思いますので、若干はしょって申し上げたいと思います。 まず、いまも森官房長から話がありましたように、農業基盤整備事業の推進でありますけれども、政府は国営灌漑排水事業や農用地の拡充、開発を大いに推進させる、こういうふうに言っております。すなわち、十年後の耕地総面積の目標を五百八十四万六千ヘクタール、こういうふうにしておりますが、この数字は、四十七年に出された方針、すなわち五百二十万ヘクタールより約六十四万ヘクタールほどふえているように私は見受けます。けれども、四十七年の方針には約六十四万ヘクタールの草地、すなわちこれはトラクターなどで耕した牧草地も含むわけでありますけれども、植えつけたところが主体というふうに言われておりますが、今回の基本政策にはこれらを含めておられるようでございます。そこで、四十七年も今回も耕地面積の目標は全く同じで全然進歩がない、こういうふうに指摘せざるを得ないのですが、私の見方が間違いであればまた訂正もいたしますけれども、そういったことから見ましても、農業基盤整備事業というのは重大な問題でありますけれども、また一方、農家の方にしても、負担金の軽減というものが全然うたってない。現実は基盤整備のための膨大な借金を抱えて身動きのできない農家が多いのでありまして、農家も基盤整備は必要と認めながらも、なかなかこれらを受け付けられない事情が全国的にあることも事実であります。国の予算の不足、また急傾斜地等の悪条件、また農家負担の増加、計画と現実の大きな食い違い、こういったことが指摘されなければなりませんが、この点、農林省はどういうふうな認識のもとで本政策を立てられたのか、この点もひとつ簡潔に承っておきたい。
○岡安説明員 農業政策を進めるに当たりましての農業基盤整備の促進が必要であるということは申すまでもないところでございますが、御指摘のとおり、諸般の事情によりまして、現在基盤整備事業の実施状況は、計画と相違いたしまして相当おくれております。私どもはまずこれを促進するということが、おっしゃるとおり農家に対する負担を軽減するゆえんでもあり、また国民食糧の自給力の確保をするゆえんでもあるというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、そういう線に沿いまして二、三対策を考えておりますが、簡単に申し上げますと、まず基盤整備事業の基幹事業であります国営事業につきまして、このおくれを取り戻すために、この際特別会計で行っております事業につきまして、その範囲の拡大、それから財政投融資資金を大幅に導入することによる事業量の増大ということをぜひ図りたいというふうに思っております。 それから農用地の開発の関係でございますが、これも特別会計対象事業に指定をいたしまして事業の促進を図るということのほかに、新たに農地保有合理化法人等を活用いたしまして、農業基盤それから施設というものを一体として農場の開発、整備を行いまして、農業者に売り渡したり、また一時貸し付けを行うというような事業を始めたいというように考えております。 それから五十年度予算におきまして、食糧増産対策費として特別な金が計上されたわけでございまして、これは構造改善事業に関連をする基盤整備事業の促進に充てたわけでございますが、今後におきましては、こういう考え方をさらに拡充強化いたしまして、小規模な土地改良事業につきまして特別の施策を講じて充実さしてまいりたいというふうに思っております。 それから、やはり農民が生活する農村の生活環境条件の整備というものは、最近特にその必要性が痛感されておりますが、従来農村総合整備モデル事業とか農村基盤総合整備パイロット事業等が行われておりますが、新たに山間地帯等を対象といたしました小規模な農村基盤総合整備パイロット事業というものを考えてみたいというようなこと等を内容といたしまして、私どもは今後農業基盤整備の促進に努めてまいりたいというふうに思っている次第でございます。
○瀬野委員 いま局長から答弁ありましたように——一々言っていると時間があれですけれども、従来の採択基準と違って山間地帯における小規模な十ヘクタールぐらいを基準にしてというようなことになろうかと思うのですが、これはぜひ、前から私も提唱しておりますけれども、この構想が実現するように努力していただきたい。これはぜひとも必要なことでございますし、この要望は強いですから、いい機会でございますのでお願いをしておきます。 時間の関係ではしょっていきますが、今度の策定の中で米対策について見ても、生産調整は今後も続ける、また二つには、米価が他の農作物より高くならぬように調整する、こういうような策定になっておりますが、このことは最初から私は米価が高いという認識に立ってこの計画はなされている、こういうふうに指摘せざるを得ません。そこで、このことは今後いろいろと農民の米価要求、今後の米審の審議に対しても問題になる、かように思うのですけれども、農林省は私のこの指摘に対してどういうふうに検討されておるのか、ひとつ時間の関係もありますから、端的にお答えをいただきたい。
○下浦説明員 米対策につきましての米価に関する御質問でございますけれども、この総合食糧政策の中での米価関係につきましては、いわゆる逆ざやの解消ということで私ども考え方を進めてまいりたいというぐあいに考えております。これは従来しばしば御議論のあったところでありますし、かつ米価審議会等でもたびたび御建議のあるところでございまして、食糧管理の健全な運営と農政の積極的展開を図るという見地からいたしまして、現在の逆ざやの存在ということにつきましては、これを計画的あるいは段階的解消を図るという見地から考え方を進めてまいりたいということであります。
○瀬野委員 しどろもどろの答弁だが、これはこの問題だけでも相当時間がかかりますので、一応考え方を承っておきます。 もう一つは価格政策ですけれども、政府は、今回の価格政策で米以外のいわゆる主要農産物について行政価格の決定時期を同じにし、パリティ方式で統一する、こういうふうに言っておるようですが、パリティ方式では真に農家の所得安定を図ることは無理であります。われわれはかねがね生所方式によってやるようにいろいろと機会あるごとに政府に要求をしてまいりましたけれども、この点に、ついてもどうも疑問でなりませんけれども、その点もひとつ簡潔に御答弁をいただきたい。
○森説明員 農業所得を確保するために価格政策を見直しまして検討していくという考え方でございますが、いま御指摘の点につきましては、当面、先生御案内のように北海道の畑作物につきましていろいろ——要するに入れ物が一つでございます。大豆にしろ、麦にしろ、バレイショにしろ、てん菜にしろ、飼料作物にしろ。いろいろ競合いたしまして、全部必要な作物でございます。それらを調和ある発展を図っていく。当面、てん菜の価格決定時期が、秋に政令改正を行いまして延ばされておるわけでありまして、今後至急に決定をしていかなければならないわけでございますが、そういう畑作物につきまして、なるたけ時期を統一して価格を決定していったらどうだろうかという考え方。それからもう一つ。パリティ価格ということにつきましては、これは法律的にそういうパリティ価格を基準にして価格決定を行うというたてまえになっておるわけでございます。これにつきましていろいろ御議論はあろうと思います。生所方式なりパリティ価格なりその他いろいろの考え方もございましょうけれども、パリティ価格の算定方式そのものがそれぞれの作物によって、またそれぞれの作物につきましての価格安定制度が確立された、そういう歴史的な背景をもって算定方式が決められておるわけでございまして、必ずしも均衡がとれておるというふうには私ども判断いたしておらないわけであります。この際そういうものをできるだけ統一的に考えを変えていくということに着手したらどうかということから、とりあえずの問題といたしまして、そういう考え方を出しておるわけでございます。もちろん、長期的な視点に立ちまして今後のいろいろな価格政策全般についての見直しにつきまして、至急検討委員会を設けまして、われわれとしても精力的に詰めてまいりたい、こういうことを発表しておるわけでございます。
○瀬野委員 もう一点は、輸入の安定化と備蓄対策ですが、これも森官房長が先ほど若干触れられましたけれども、私この政策を見ますと、輸入資金の融資の新制度やら税制上の優遇措置というものが簡単にできるのかどうか、こういった疑問に加えて、消費者保護ということが全く考えられていないようにわれわれ考えるわけであります。そういったことでこの一連の流れを見ますと、大企業優先政策でどうしても備蓄費用の大部分を国民が負担することになっておりまして、この考え方については大変疑問があるわけですけれども、その辺に対して、私のこういった考え方について何か御反論があれば、簡潔にひとつ考え方をお聞かせいただければと思います。
○森説明員 確かに税制、金融上という措置の問題につきましては、端的に申しますと備蓄なり長期の輸入の安定化措置、あそこにいろいろ盛られております内容につきましては、簡単に申しますといわば農林省の土俵の外、そういう問題が非常に多うございます。したがいまして、今後各省と折衝をいろいろ行わなければならない問題が多々ございます。そういう点につきましては、われわれも今後大いに努力をしてまいりたいと思います。 もう一つの点といたしまして費用の問題ですが、備蓄ということはある意味では、逆に言いますと、デッドストックを持つということに相なるわけでございます。企業といたしましては、なるたけそういうよけいなものを持たないのが企業の経営ではなかろうか。そういう点につきまして、従来もわれわれ大いに備蓄政策を進めてまいったわけでございますけれども、大豆にいたしましても、飼料穀物にいたしましても、これは民間にいろいろ事業をやらせるというたてまえでやってまいりましたけれども、おのずからそこには限界がございます。そこで本格的にそれを備蓄するということになりますと、やはり政府なりあるいは政府関係機関が乗り出さざるを得ない。そうすると、その費用というのは相当莫大なものになります。何十億あるいは百億を超えるオーダーになってまいるわけでございます。米、麦につきましては国がやっているからまず問題はない。ただ民間の企業にいろいろゆだねなければならない面につきまして、それをだれが負担をしていくかという非常にむずかしい問題がございます。 端的に申しまして、ただいま私ども考えておりますことは、持つことによってリスクが出てまいります。高い物を買って安く売らなければならぬ、そういう場合もございましょう。そういう問題というのは、むしろ国なり特定の事業団がもしやるとすれば、そこで負うべきものと私どもは判断をいたしておるわけでございます。しかしその他、金利もいろいろかかります、倉敷もかかります、保管料も要りましょう。そういうものにつきましては、われわれ、これはいろいろ考えて議論をしてみましたけれども、やはりこれは消費者が保険料として払うべきものではなかろうかという考え方に立っておるわけでございます。 そういう観点から、そういうものをどういうふうにして調達していったらいいのだろうか、その方法論につきましては非常にむずかしい問題があります。そういう問題を今後政府の関係各省、非常に広範にまたがるわけでございますが、それらと十分協議をいたしまして、国会の法律改正までこぎつけたいというふうにただいま考えておるわけでございます。
○瀬野委員 以上はしょって、特に重要な点について指摘をしてまいりましたが、これは八項目から成っておりまして、問題点が多いわけです。いま森官房長からも話がありましたように、今後に残る問題が大変多うございます。その最大のものは、私は政策実行に膨大な費用がかかることだと思うのです。そして現状を見ても、肝心の財源が伸び悩み、しかもこれがこういう情勢下にありましては絵にかいたもちになるということはだれが見ても明らかであります。 こういつたことから、せっかく出された基本政策でありますけれども、政府はもう一遍これを見直し、検討すべきである、かように思うわけです。価格政策やら財源確保などを再検討して、農林大臣も十分また基本政策の底に流れているところの大企業優先思想というものを撤回して、農業を基幹産業とした政策を打ち立てるというふうに検討を進めてもらいたい。来年度予算に当たって、攻めの農政ということで出されたのかもしれませんけれども、余りにも内容に問題が多いと考えておりまして、その前進の跡が見られません。そういったことから農民の生産意欲がこれで燃え上がるかどうか疑問であります。また自給率を向上させることも疑問である、かように思うわけです。そういった点できょう若干のことを、貴重なしかも短い時間に指摘をしましたが、大臣にも十分伝えていただいて再検討をお願いしたい、かように思うわけですが、その点官房長から御答弁いただきたい。
○森説明員 ただいま先生御指摘の点、十分検討いたしましていろいろ対策を講じてまいりたいというふうに思います。
○瀬野委員 次に、ミカン対策についてお伺いします。 農林省は、八月一日現在で調べた今年のミカンの生産予想量を三百八十三万八千トンと発表いたしております。前年の実績を四十五万五千トンも上回り、生産者団体が計画生産目標としている三百四十万トンを大幅に超え、大豊作と言われた四十七年の三百五十六万八千トンをさらに上回るまさに空前の大豊作でございます。もちろんことしは表年になっておりますが……。このため農林省は全国的に一割摘果を昨年同様推進することになりまして、各生産県に通達したということでございますが、この予想が現実になれば、過剰、暴落は必至であり、昨年にも増して強力な対策が必要になるわけでございます。これまでの経過を見る限り、摘果は昨年ほど盛り上がりが見られず、むしろ安易なムードに流れていることに大きな不安を抱かずにはおられないのであります。そこでミカンの生産予想を当委員会に農林省がひとつ正式に御報告願いたい。まずこの点を冒頭お願いしたいのです。
○澤邊説明員 五十年産ミカンの予想収穫量は、八月一日現在でただいま先生の御指摘がございましたように三百八十二万八千トンという予想収穫量を統計情報部で発表いたしておるわけでございます。これは予想収穫量におきまして昨年に比べて一三%の増でございます。もちろん昨年も八月一日現在の予想収穫量はことしの場合とほぼ同じでございまして、摘果をやりまして生産抑制に努めました結果、先ほども申しましたように、昨年は三百三十八万トンになったわけでございます。したがって八月一日現在といたしましては大体同じだ、こういうように御理解をいただきたいと思います。 そこで、御指摘がございましたように、最近の消費の伸びも、全体の消費動向の停滞もございまして、ミカンにつきましても大幅にふえるということは期待できませんので、生産を昨年と同じように抑制するために、これから後期摘果について、昨年と同様に積極的に全国的に実施をしてまいりたいということで、八月末には私どもの方で指導通達も出しまして、現地に指導員も適宜に派遣をいたしまして、生産者団体はそれぞれすでに運動を開始しております。八月下旬から十月の初めごろまでかかると思いますが、これを昨年と同様成功させるように努めてまいりたいというように思っております。 目標といたしましては、先ほど申しましたような消費の見込みからいたしますと、昨年とほぼ同じように約一割の摘果による生産の抑制を目標にしてこれから進めてまいりたいというふうに思っております。
○瀬野委員 澤邊局長も畜産局長からかわられたわけで、着任早々でありますし、いまから大いに勉強していただくわけですが、農林省におられた局長ですから粗々のことは御存じだと思います。きょうはそういったことで肝心なことだけお聞きしておきますので、今後大いに勉強して対策を講じてもらいたい、かように冒頭お願いしておきます。 そこで、いま摘果のお話しが出ましたけれども、前年の摘果運動は非常に低調だったわけです。そこでその成果を危ぶむ声が多いわけでございまして、ことしも生産予想が大幅に狂った前年の摘果の結果を踏まえて果樹農家は意欲に水をかけられているということが言われております。だから余り期待できないのじゃないか、こういうふうな印象をわれわれ受けておるわけです。農林省は積極的に大いに努力し、また一割摘果を推進してもらうということであろうと思いますけれども、果たして結果がどう出るか実に疑問であります。このような摘果状況を踏まえた上で、厳しいミカンの対策の危機打開、こういったことについてどう考えておられるか、果樹農家に対する農林省の決意といいますか、考えをまずお聞きしたい、かように思います。
○澤邊説明員 昨年の摘果は結果的に言いますとかなり順調に行われたというふうに思っておりますが、ことしは、昨年の摘果の結果、価格が当初予想したよりかなりよかった、また、原料ミカンがやや不足ぎみであったということもございまして、確かに先生がいまおっしゃったように、やや安心感といいますか、そういうのがございまして、熱が入らないんじゃないかというような声も当初はございましたけれども、われわれはやはり先ほど言いましたような需給の見通し、生産の見通しということからいたしますと、何としてもことしも強力に摘果を進めなければいけないということで、県を通じ、また実施の主体になります農業団体に強く指導をいたしておりますので、ミカン生産農家の御協力を得て昨年同様に成功させたい、こういうように全力を尽くすつもりでおります。 ミカンの全体の対策につきましては、温州ミカンにつきましては構造的に過剰になるおそれを持っておりますので、われわれといたしましては改植なりあるいは品種更新というようなことをこれから毎年続けていく中で、生産と出荷の計画化、その一環といたしまして摘果の励行ということ、それからまた計画的な出荷ということで、特定の市場、特定の時期に出荷が集中しないようにというようなことに対しまして、財政的な援助もやりながらその徹底をしていきたい。さらに万一それらの対策を講じましても予想しがたい価格の低落があります場合には、通常以上の加工を促進するとか、あるいは異常に低落したような場合には、加工製品を市場から隔離をいたしまして調整保管をするというようなこと、あるいはまた消費の拡大ということも、先ほど言いましたようにこのままではなかなか伸びないという面がございますけれども、海外への輸出を含めまして、あるいは加工品については国内的にもまだまだ伸びるということがございますので、それらの消費拡大ということを含めまして生産、流通、加工を一貫した総合的な対策を講ずる。そのために果実生産出荷安定基金制度がございますので、これを適正に運用して所期の目的を達するようにしたいというふうに考えております。
○瀬野委員 局長も着任早々でございますから、若干申し上げておきますけれども、いまいろいろ申し上げましたように今年のミカン情勢というものがきわめて厳しいということが以上のことでもおわかりだと思います。まず第一点は、量の問題にしましても、昨年はちょうど九月ごろでしたけれども、九州地方を中心に干ばつがありまして、管理の手抜きなど、予想を下回らせる要因等があったわけです。そういったことで若干の減収となったわけですが、ことしはこれまでのところ台風に遭って品質を損なわれたものがあるのも事実でありますけれども、減産になるほどの要因は見当たらないのが実情であります。さらに、いままで述べましたように摘果も十分とは言えず、産地を見た関係者は、一様にことしはミカンは表年で豊作であるということで、むしろうれしい悲鳴というようなことになっております。 二つには、一方販売環境も厳しいわけであります。経済不況は嗜好品である果実の売れ行きに暗い影を落としておりまして、アマナツミカン以降の市場販売にもはっきりとその市況の状況があらわれております。輸入過多のバナナも暴落しましたし、昨年から二割増産しましたところの夏果実のスイカも暴落いたしました。消費者はその日食べる分だけしか買わない。また、小売店も小売マージンをふやして量を売る努力をしないというのが状況でございます。 さらに、人件費の高騰に悩む市場業者の経営方針も厳しい側面をのぞかせておることも事実であります。ミカン一箱を扱うのに三十八円五十銭のコストがかかるとある大手荷受け業者は言っております。一箱千円以下のミカンは扱いたくないということも、どうも最近の荷受け業者の本音のようでございます。流通業者全体がこのような気持ちを抱いておるのも事実であり、より効率の高いミカンに集中してくるということも考えられますし、いわゆる選択買いの傾向が一層強まってくるということが今後想像されるのでございます。特に出荷さえすればといったようないままでの甘い考えが通用しない状況下にあるということも認識してもらいたい。 三つには、加工も期待ができない状態になっております。昨年つくった三十四万トンの分のジュースが持ち越しになる懸念もありますし、今年予想している五十五万トンはかなりまた苦しい状況です。かん詰めも輸出向けが不振となっておりまして、総じて加工需要に大きな期待が持てないというのが今後の情勢ではなかろうか。またことしはリンゴ、カキなどの他の果実が表年で多くとれる予想でありますし、生食の需要の伸びもどれだけ期待できるかが心配されております。 こういった中で二重、三重の厳しい情勢下にあって解決策が必要であるということで、まさにミカンも従来のいわゆる幼齢木から成木になりまして、生産が四百万トン、五百万トン台にますます近ずいていくということで、われわれもいろいろと果樹農家に対する対策を心配いたしております。 今後こういったことも含めて消費拡大に特に力を入れ、外国に対する輸出、また国内加工、いろいろな問題で積極的な——過般私が指摘をしましたあらゆるレストラン、喫茶店あるいは各小売店の販売にしても、従来からのジュースという嗜好品の認識を変えて、いわゆる果汁、オレンジ等のジュース、生鮮果汁が真のジュースであるという認識に立って、今後消費拡大を図っていかなければ、大変なことになるのではないかと思っております。 それにしても、加工用の価格が生食用の半分以下にもならないというコストの問題等、今後真剣に考えなければならない問題があるわけでありますが、時間がございませんので、それらを含めて、消費拡大についてどう考えておられるか、さらにひとつ決意のほどを承っておきたい。
○澤邊説明員 御指摘のように生産、消費あるいは流通等につきまして、種々困難な問題をたくさん温州ミカンにつきましては抱えておるわけでございまして、われわれといたしましては、長期的な観点に立ちまして需給の均衡を維持し、価格の安定、経営の安定に資する、こういう方向で努力をしなければならないという決意を持っております。 お尋ねの消費の拡大の問題につきましては、生食用につきましては、国内は統計的に見ましても所得弾性値あるいは価格弾性値も小さいというようなことになっておりますので、これを一人当たりの消費量を大幅にふやすということは非常に困難ではないかというふうに考えます。したがって、生食用につきましては、海外への輸出の促進ということも長期的な観点から努力をしてまいる必要があるというふうに考えます。 国内消費の拡大につきましては、先ほどもちょっと申し上げましたように、ジュース等につきましてはまだまだ一人当たりの消費量を拡大できるという余地を残しておりますので、その点につきましては種々工夫をいたしまして、一段と努力をすべき問題が残されておるというように考えております。 いずれにいたしましても、生産が過剰だという点が一番問題でございますので、先ほど言いましたような改植、品種更新あるいは摘果というようなことに努力するとともに、価格対策も一層強化する必要があるということで来年度から現在の原料ミカンの価格安定対策の基準価格の決め方あるいは補てん率等につきまして、一段と改善を加えて強化充実をしてまいりたいというふうに考えております。
○瀬野委員 もう一点重大な問題を一つ指摘しておきますが、政府は、果実需要の動向に即応して、その生産の計画的かつ安定的な拡大を図るための措置及びこれに関連して合理的な果樹園経営の基盤を確立するための措置等のために、御承知のように昭和三十六年に果樹農業振興特別措置法、すなわち果振法と普通言っておりますけれども、これを制定して今日に至っております。御承知のように、これは時限立法でございまして、いよいよ来年の五十一年三月三十一日でその期限が切れることになるわけです。百も承知だと思いますけれども、私は、いままで述べましたようなことで、過剰時代を迎えたと言われる今日、こういった情勢を勘案しましたときに、これらを踏まえて来年度以降どういうように考えておられるか。この果振法についても一部改正するのか、また果振法については時限立法ですけれども、来年三月三十一日でこれをなくするのか、またこれを姿を変えて新しい立法制度にするのか。もし一部改正であれば、今回の臨時国会に提案しなければ、来年度の通常国会では、三月三十一日と言えば国会が仮に続行されておるとすると、恐らくは予算委員会等での予算の審議が重点で、法案の審議ができないというようなことも懸念される。また、果樹のこういった大きな問題から考えましたときに、この果振法の第二章の「果樹農業振興基本方針等」を見ましても、第二条の第二項に五項目にわたって書かれております。この中でも特に一項目、四項目、五項目が重大な影響を持つことから考えましたときに、詳しくは申しませんけれども、この果振法の扱いについては慎重な態度で臨まなければならぬ。当局はこれに対して何ら触れておられませんけれども、どういうふうに考えておられるか、その点を明らかにしていただきたい。
○澤邊説明員 果振法の制定当時と比べまして情勢が変わっておるということは御指摘のとおりでございます。ただ、種類によりましてそれぞれ事情が異なりますので、必ずしも全面的にいまの法律が適当でない、妥当しなくなったというところまではまだ言えないのではないかというふうにも思います。ただ、いま御指摘のございました時限立法だというふうに言われました点は、果樹園経営計画の認定期限について来年の三月三十一日までという期限が画してある、こういうことでございまして、この法律全体の話ではないわけでございます。果樹園経営の基盤を確立するために果樹園経営計画というのを個々の経営者が定めまして、認定を受けました場合には公庫資金が経営改善資金という形で貸し付けをされることになっておりますが、その認定を受ける申請の期限が来年三月末で来る、こういうことでございます。 そこでこの資金の貸し付け状況を見ますと、その九割方がミカンでございます。他のものはわずかでございますが、そのミカンにつきましても、最近植栽の抑制をしておりますし、また総合資金制度というのがその後できまして非常に有利な制度でございますので、そちらの方を利用するというようなこともございまして、この法律に基づきます果樹園経営改善資金の利用率というものは、貸し付け実績は急速に減退をしておるのが現状でございます。そのような情勢、また農林金融全般について省内におきましていろいろ総合的に検討いたしておりますので、それらの検討の進みぐあい等も考えまして、その取り扱いについては慎重に検討してまいりたいというふうに現段階では考えております。
○瀬野委員 それでは最後に、いまの果振法の扱いについては、おっしゃるとおり都道府県知事のいわゆる認定の問題等が関係してくることはよく承知しておりますが、果樹栽培者においては重大な関心を持つ果振法でありますので、またいずれかの機会をとらえてさらに政府見解をただすということにしたい。今後十分検討していただきたいと思います。 なお、本日質問通告しましたが、時間が厳しく制限されたために、水田の青刈り問題、また災害対策の問題、飼料問題については留保しまして、これで終わることにいたします。特に災害対策については、去る七月三日に災害対策委員会でいろいろ追及してまいった経緯もありますので、きょうの質問を踏まえて今後早急なる農林省の対策を急がれますように心からお願いし、本日の質問を以上で終わらせていただきます。
○澁谷委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後二時三十五分散会