農林水産委員会 第33号
- 発言数
- 151 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1975/07/03
会議録
○澁谷委員長 これより会議を開きます。 請願の審査に入ります。 今国会において本委員会に付託になりました請願は全部で百二十七件であります。 本日の請願日程第一から第一二七までの請願を一括して議題といたします。 各請願の内容につきましては、請願文書表等によりましてすでに御承知のことと存じます。また、さきに各党理事間におきましても慎重に検討いたしましたので、この際、各請願についての紹介議員からの説明等は省略し、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○澁谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 これより採決いたします。 先ほどの理事会において協議いたしましたとおり、本日の請願日程中、第四、第六、第七、第一〇ないし第一六、第二六ないし第二八、第三二、第三七ないし第三九、第五六ないし第五九、第六四、第六七、第六八、第七一ないし第七三、第八九、第一〇〇ないし第一〇四、第一一七、第一一九、第一二一の各請願は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○澁谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○澁谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は付録に記載〕 —————————————
○澁谷委員長 また、本委員会に参考送付されました陳情書は、食糧の自給体制確立に関する陳情書外四十八件でございます。 右、御報告いたします。 ————◇—————
○澁谷委員長 この際、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。 すなわち、 芳賀貢君外十名提出、国が行なう民有林野の分収造林に関する特別措置法案 農林水産業の振興に関する件 農林水産物に関する件 農林水産業団体に関する件 農林水産金融に関する件 農林漁業災害補償制度に関する件 以上の各案件につきまして、閉会中もなお審査を行いたい旨議長に申し出たいと存じますが御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○澁谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次に、お諮りいたします。 閉会中審査案件が付託になりました場合、本会期中設置されております畜産問題に関する小委員会につきましては、閉会中もなおこれを設置し、調査を続けたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○澁谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、小委員及び小委員長は従前どおりとし、その辞任及び補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○澁谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次に、閉会中審査におきまして、委員会及び小委員会におきまして参考人の出席を求め、意見を聴取する必要が生じました場合は、参考人の出席を求めることとし、その人選及び出席日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○澁谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次に閉会中の委員派遣に関する件についてお諮りいたします。 ただいま議長に申し出ることに決しました閉会中審査案件が付託になり、その調査のため委員を派遣する必要が生じました場合には、その調査事項、派遣委員、派遣期間、派遣地並びにその承認手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○澁谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○澁谷委員長 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。加藤紘一君。
○加藤(紘)委員 いよいよ米価のシーズンも大詰めに入ってきたわけです。もちろん、生産者米価をどの程度上げるかという議論が農村では一番大きいわけです、けれども、その際によく出てまいります議論は、御承知のとおり、米価は実はもしかしたら上がらなくたっていいかもしれぬ、ただ、そのかわり農機具とか一般生活資材、それから農薬の価格が上がらなければそれでいいんだというような声も非常に強い。それほど農機具についての被害者意識というのは広く農村に行き渡っているように思います。 そこで、きょう御質問申し上げたいのは、日本の農機具メーカー、そしてそれの流通、そしてその末端のユーザーの関係において、三者がほとんどそれぞれある種の被害者意識を持っているという問題をどう考えるかということであります。農家の方はもちろん機械化貧乏と言い、そして農機具メーカーの方もいまはたしかかなり利潤を上げていると思いますが、しかし、二、三年前はがたがたになっていた。そして、構造自体が非常に脆弱だというところも指摘されております。 そこで、では一体どの辺に本当に問題があるのかということを見るために、非常に大づかみなマクロな議論でございますけれども、米を中心とした農機具は、メーカーで年間どれだけの生産額を上げておるのか。そういうことをまず農林省の方にお聞きしたいと思います。米に関連した額です。
○澁谷委員長 農機具の生産の総額だ。
○安田説明員 ただいまの御質問で、米に関係した農機具の生産額ということでございますが、これにつきましては、大変残念でございますが、私ども数字を把握いたしておりません。 ただ、農業機械全般の生産額といたしましては、昭和四十九年度におきまして約四千六百億円程度でございます。
○加藤(紘)委員 それはもちろんメーカーの段階における値段でございますね。
○安田説明員 これは鉱工業生産統計に基づく数字でございまして、メーカー段階の数字でございます。
○加藤(紘)委員 そうしますと、約五千億と大ざっぱに見まして、これに対して流通経費とそれからアフターケアに伴う費用等、各流通段階または経済連等で入ってくるわけですから、大体それは二割五分から三割ぐらいと見るのが常識的ではないかと思うのです。そうすると、約六千億から七千億の農機具産業ということになります。もちろんこの中には米以外のものもたくさん入っておりますけれども、その主要なものは米生産に関する農機具機械と見ていいんだと思うのですけれども、これから見ますと、農家がお米の代金として自主流通とそれから政府買い入れ等も含めて米に関して得る収入というものは大ざっぱに見て幾らでございますか。農林省にお伺いいたします。
○三善政府委員 農家二戸当たりにしまして、大体平均して米の場合八十万円かそこらかと思いますが、ちょっとデータをいますぐ調へます。——全体的に申し上げますと、米の産出額が四十八年の概算で約二兆円でございます。
○加藤(紘)委員 その算出額の中には農家自家消費も恐らく入っておると思うのですが、自主流通とそれから政府買い上げで大体約八百五十万トンと見てよろしいですね。 そうしますと、一トン当たり二十四万円ぐらいと計算いたしますと、現在の生産者価格でも約二兆円程度のものと見ていいんじゃないかと思うのです。そうしますと、農機具産業全体が六千億になってるということになりますと、三〇%近くが米代金の中から農機具に支払われている。もちろん六千億とか何とかが全部米ではございませんから、そのデータが出なかったのは残念でございますけれども、その米代金の中で、米価算定の際に農機具として幾らぐらいかかるものと生産調査をし、また値段を付与しているのか、構成要素としているのか、その辺をお伺いしたいと思います。
○三善政府委員 四十九年産米の場合のデータでお話ししますと、原生産費中に占める農機具の割合、第二次生産費が、たとえば四十八年の生産費調査で六万七千百六十二円、そのうち農具費が一万三千四百七十円、約二〇・一%でございます。それから四十七年にさかのぼりますと、比率で一九・六%、四十六年が一七・九%ということになっております。 米の場合にどういうふうに米価の中に農機具の費用が算定要素として入ってくるかというお話だろうと思いますが、これは先生御承知のとおり、米価の算定につきましては、最近三カ年の原生産費の中の農具費、償却費、修理費とそれから購入補充費、これを最近時点で物価修正をいたします。その物価修正をして、米の生産費に評価がえしたものを米価の中に織り込む、こういうことになります。 麦の場合は、これも御承知のようにパリティでやっておりますから、そのパリティのウエート改定を五年ごとにやっておりますし、そのウエート改定の際に農具等のウエートも改正してきております。最近麦の場合は全体で、経営費の中で約一六、七%くらいにウエートはなっていると思います。そういうことで、農業パリティの中の一環として織り込んでいるということでございます。
○加藤(紘)委員 原生産費の中で、昭和四十八年度の統計ですでに二〇%を占めるということでございますね。そうすると、非常に大ざっぱに言いますと、二兆円米をつくっているうちに四千億は農機具に使ってもいいという算定にしておりますよ、そういう前提で米価の試算をいたしていますよということになるのじゃないかと思いますけれども、現に、では農家の方は農機具に幾ら払っておるかといいますと、先ほど言いましたように、米専用の農機具とそれからほかの農機具との分類がわからないと議論できないのですけれども、農林省の課長さんにこれは質問を出しておいたのですけれども、出ておりませんでしょうか。米に関連した農機具の生産費です。
○松元政府委員 米に使われました農機具代でございますが、厳密に申しますと、米専用の農機具もございますが、たとえば耕うん機にしろ、トラクターにしろ、これは共用でございますものですから、一定の推定で分けざるを得ないわけでございます。したがいまして、米用が幾らということを一種の前提を置きますればこれは割り振りをすることはできないことはございませんが、そういう前提が入るものでございますから、目下厳密な計算はいたしておらないわけでございます。 なお、もう一つ、これは私から申し上げるのはちょっと何でございますが、先ほど食糧庁の方から米の生産費のうちに農機具費が約二割という答弁を申し上げましたが、これはいわゆる生産費の中のウェートでございますから生産費と米価とはまた違うわけでございます。御案内のとおり、米価の場合には物財費はいわば生産費要件にいたしますが、家族労働部分につきましては別個都市労賃で評価がえをするということでございますから、いわゆる統計情報部の原採算よりは高くなっている。それとの比率ではござませんものですから、その点、計数を若干あるいはまたやり直さなければならないかもしれませんが、先ほどのは原生産費のウェートでございます。
○加藤(紘)委員 現生産費のウエートといたしましても、現実に米価の中で農機具代として幾らぐらいを想定しているかというのは、十数%から二〇%と大まかに言っていいと思うのです。 それで、米に関連した農機具の分類というのはなかなかできないということはわかりますが、大体の想定で、たとえば麦と米と一緒に使いましても、麦の生産がああいう状況ですとほとんど米と見てもいいということになると思うのです。日本の麦作というものは微々たるものですからね。 そうしますと、大体の勘で、まず農機具としてだけでも四、五千億もうすでに使っているという計算になりますね。それに部品が非常に高いものが次々にあって、農家自体が米代金で想定されている農機具より自分らは実態的にはもうちょっと農機具に金を使っているというか、使わされているという感覚を持っているということは、非常に大ざっぱにマクロに見て否定できないように私は思うのです。 これはどこの責任かということはいろいろ問題があろうとは思いますけれども、その重要性をもうちょっと認識していただいて、農家が買いすぎるのだとかいう議論じゃなくて、もっと真剣に、農家、特に米作と農機具の問題がマクロで見てそれほどの重要性を持っているのだということの認識を持って政策を立てていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○松元政府委員 御指摘のとおり、農機具の重要性は私ども十分認識しておるわけでございます。特に、生産費と申しますか、コストの中で占める農機具の比率が年々高まっております。当初、かなり昔でございますればたとえば肥料が一番ウエートが高かったが、それに対して最近は肥料よりむしろ農機具のウエートが高まっているという実態でございます。たとえば三十五年ごろは肥料は約一八・六%のウエートを生産費中に占めておったが、現在は八・三%に下がった、逆に農機具は九・一%が二割強に高まっているということでございますから、むしろ農機具のウェートが高いという実態でございまして、特に農機具は購入の仕方あるいは使い方によりまして非常に負担が大きくなる点もございますから、私どもは、農機具の適正な使用も含めまして、その重要な地位にかんがみまして、農機具を適正に有効に農家が使うような仕組みも考えなければならぬということで、十分重要性を認めておりまして、各般の施策を進めてまいりたいと思っております。
○加藤(紘)委員 いま私がお聞きしました農機具生産額の方は四十九年の額でございます。そして収入の方は五十年の十一月までに農家が使い得る金額でありますので、その苦しさというのは、実際は五十年の間に農機具はもっと上がっていますから、農林省統計でも一一%上がっているわけですから、もっともっとその比重というものは高くなってくると思うのです。大体、農家が米のために全体にどれくらい農機具を使っているかというデータをつかんでいらっしゃらないのも案外まだのんびりしていらっしゃる証拠じゃないかと思うのですけれども、今後そこの実態を、マクロでもいいですし部分的にでもいいですからもうちょっと見ていただきたいと私は思います。 それで、その関連でいま一番問題になっておりますのは農機具価格の抑制の問題であります。これについては政府の農林省の方も、通産省の方も、米価のシーズンの前にいろいろ手だてをなさっておるようでございますけれども、具体的にどういうことをやって、どの程度の効果が期待できるか、御答弁をお願いしたいと思います。
○松元政府委員 先ほど来農機具の重要性ということについて御指摘があったわけでございますが、農機具の価格の問題につきましては、これは四十八年ごろまでは、その数年間と申しますものは横ばいないし微上昇という程度で推移しておったわけでございますが、御案内の四十八年末の石油危機を契機といたしまして、原材料、購入備品、外注加工費といったものが非常に上がりまして、その結果四十八年の十二月に一四%、それから四十九年二月に一四%と、二回引き上げを余儀なくされたわけでございます。このときも私どもはこれが便乗値上げにならないようにということで、特に農機具の価格というものは農業者の団体でございます例の全農とメーカーとが協議して決めた価格が基準になっておりますから、全農等を指導いたしまして、原料の値上がりのやむを得ない分に限定をする、いやしくも便乗値上げを抑えるという指導をしてまいったわけでございますが、何分石油危機以来のこういった原材料の値上がりで大幅な引き上げを余儀なくされたわけでございます。その後は小康状態に入りまして、後は四十九年九月に田植え機につきまして、それから五十年の一月に田植え機以外の機種につきまして、それぞれ約五%程度の引き上げが行われたわけでございます。 ただいまは全農とメーカーの間の価格改定の時点で申し上げたわけでございますから、これをたとえば年度間にならしますと上昇率が若干違ってまいるわけでございまして、そこで、たとえば末端の価格ということで、農林省の物価賃金調査によってみますと、四十九年度の価格は前年度に比べまして約二六%上がっております。それからまた、前年対比ということで、たとえば最近の五十年の五月の価格を昨年の五月と比べますと一〇%くらい上がっているということになっているわけでございますが、これは冒頭に申し上げました全農とメーカーとの間の価格改定が価格改定のいわば仕切りになっておるわけでございます。 そこで、直接的には全農とメーカーの価格を適正に決めるということがまず基本でございますから、これまではそのように大幅な引き上げを余儀なくされたわけでございますが、機種によって違いますけれども、普通でございますれば本年の七月期が通常は改定期でございまして、十一月までの価格を決めるというのが通例でございますが、本年の場合は全体の物価情勢もやや落ちつきを見せておりますし、特にこういう事情でございますから、改定期であるけれども今回は改定を見送る、具体的に申しますと、次の改定期の前でございます本年の十一月までは少なくとも値上げを認めない、機種によりましては一年間の期間のものもございますから、田植え機は来年六月まで据え置くように、と、こういうことを全農とメーカーの両方に対して強力に指導いたしまして、そのように、決定いたしたわけでございます。
○加藤(紘)委員 そうすると、確認いたしますが、秋作業の農機具については、価格の上昇はまず心配しなくてもいいということが断言できるということでございますか。
○松元政府委員 そのとおりでございます。
○加藤(紘)委員 通産省の方にお伺いしますが、いま、農林省は、一種のプライスリーダーたる全農系に対する指導ということになっておりますが、それ以外の六五%を占める商系の農機具価格は、全農系のリーダーシップに大体従うと見ていいとお考えでしょうか。その辺はいかがですか。
○安田説明員 農業機械の価格につきまして、全農系との間における交渉が行われておる最中におきまして、通産省といたしましても、経済対策閣僚会議で価格引き上げを厳に自粛をするよう要請されましたことにかんがみまして、値上げの自粛要請をいたしました。 これは全農との間の価格交渉の最中に行われた自粛要請でございますが、全農との間に価格が決まりますと、その価格は商系の方にも適用されるものと考えております。
○加藤(紘)委員 商系の方にも適用される、まず一〇〇%商系の方もそれに従うものだ、と、普通そういう流通システムであると考えてよろしいということですか。
○安田説明員 価格の細部につきましては若干の違いはあるかとも思いますが、大きな流通段階を握っております全農の価格がそうでありましたら、当然そのような形に落ちつくものというふうに了解いたしております。
○加藤(紘)委員 時間が参りましたので、最後に一つだけ伺います。 二月の委員会で今井勇議員が、農機具のいろいろな過剰投資を考えると中古市場というものをある程度整備しなければいかぬのじゃないかという質問をなされております。それで、それは具体的に農林省でも検討していこうというお話でありますが、これを実際にやってみますと、自動車なんかと違ってもっともっと機種が多くて、そして各ローカルの特性に合わさなければならぬものでありまして、これをやっていくと本当にかなりむずかしい問題じゃないかと思うのです。それから、また、そういう中古市場において、自動車におけるようなメカというのですか、修理士、技能士というものが十分いるかという問題も実態的にやり始めれば一つの大きな問題になってくると思います。 その点も含めて中古市場の整備という問題についてどの程度取り組まれておるのか、実際に可能なのか、その辺の点をお伺いいたして質問を終わりたいと思います。
○松元政府委員 先ほどの御質問にも関連するわけでございますが、農機具を効率よく使わなければならぬわけでございまして、それにはいろいろな手だて、工夫が要ります。特に、わが国農業の経営規模は一ヘクタール程度というように非常に零細でございますから、高能率機械を入れる場合にはいろいろな工夫が要るわけでございます。 それはそうでございますが、それとも関連するわけでございますけれども、中古を使うという需要もあるわけでございまして、特に最近では汎用性の高い耕運機等につきまして中古取引の事例がちらほら出てまいったわけでございます。したがいまして、中古市場が成立するかどうか、もしうまく使えばこれは有効な効率的な使用法の一環として資するわけでございますから、農林省といたしましても、耕うん機を中心といたします中古農機具機械市場の成立の可能性を検討して、その成立条件を明らかにしようという目的で、実は、四十八年度と四十九年度の二カ年にわたりまして委託調査を行ったわけでございます。 その結果から問題が大体わかってきたということでございますが、それによりますと、現在中古の農機具を購入しておる比率は地域で若干相違がございますが、おおむね一〇%程度現に購入しておるという実態がございます。多いのは耕うん機、トラクター、ティラーという順序になっておるわけでございますが、何と申しましても汎用性の高いものが中古で取引されるということが見られるわけでございます。 それから、今度は、中古農機具に対します潜在需要でございますが、これは都市近郊やあるいは経営耕地面積が小さい階層にやはり多いということで、これももっともな理由かと思われるわけでございます。 さらに、その場合でも、調査でも指摘しておりますが、トラクター等の中古市場成立の条件と申しますか、これはいろいろあるわけでございますが、二つ大きな問題があろうと思います。一つは下取り価格と、それから販売価格についての基準が要るということでございまして、自動車の場合おおむねそういう基準があるわけでございますが、この基準を確立しなければならぬわけで、それをどうやって決めていくかという問題であります。それからもう一つは情報の流れ、それから品物流通経路、これが一本化される必要があるわけでございます。こういった措置が必要であるということを指摘しておるわけでございます。 したがいまして、こういった潜在可能性がある。しかし、成立の条件はいま言った問題がございますから、これらの調査結果を踏まえて本年度はさらに中古市場成立に必要な手順等について調査を行って検討を進めるということで、私どもは現にそういう検討を進めておる段階でございます。
○加藤(紘)委員 私がきょう質問したのは、これは食糧庁長官にもお伺いしたいのですが、原生産費の調査に見る以上に実態的には農機具に金が使われておるのじゃないかというような感じがどうしても私はいたしてしょうがありません。それで、これから来年、再来年と米価の問題があるわけですけれども、その辺を調査する段階で、本当にこの程度で農機具は済んでいるのか、どこに問題があるのかということを調査していただくことを要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○澁谷委員長 馬場昇君。
○馬場委員 最近自衛隊の訓練と称しての国有林への入林が際立って多くなってきておるわけでありますが、そのことで各地でいろいろとトラブルを引き起こしておるという状態がございます。 まず、最初は、過去一カ年間の自衛隊が国有林を利用した件数、その面積、そしてまたその利用によって地元住民とのトラブルを起こした状況、こういう問題についてお知らせいただきたいと思います。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 ただいま御指摘がございました自衛隊の国有林内への入林でございますけれども、実は、入林の許可につきましては、全国三百五十一営林署がございますが、その中で入林の目的も大変いろいろでございまして、たとえば県道、国道をつくるための測量とか、地質調査とか、植物採集とか、集団的なレクリエーションとか、あるいはいま御指摘のございましたようなものの一部、これは数としては少ないようでございますけれどもそういうものとか、入林の目的もいろいろございまして、その件数も大変膨大でございます。したがって、実は、これは各営林署ごとでございまして、入林の実績について全国的集計を行っていないということで、御質問のございましたようなことがよく私どもの方でつかめていないということがございます。 ただ、一般的に申しまして、自衛隊が国有林内で訓練するというような申し入れがございました場合には、国有林といたしましては、管理経営上支障がないという場合に限りましては一般に入林の許可を与えているというのが実態でございます。特に、管理経営上と申しますのは、山火事の危険時期に入林するとか、あるいは造林地を傷めるとか、そういうことの支障があるという場合は入林を許可していないという実態でございまして、御質問のそういう件数につきましては、余りにも膨大でございますので、実は数字をつかんでいないというのが実態でございます。
○馬場委員 自衛隊はわれわれは憲法違反だと思っておるのですけれども、国民の山をその自衛隊が利用する件数をつかんでいないというのはおかしいと思うのです。 そこで、私は、これは全然集計ができていないのか、あるいは全然わからないのかというと、いや実はそういうことは全部わかっているのだけれども集計ができていないのだ、と、こういうことだろうと善意に解釈しますけれども、一言だけ長官にお聞きしますが、最近ずっと多くなってきているのか、あるいは訓練のための利用が少なくなってきているのか、その傾向を答弁していただきまして、あとは時間がございませんので、過去五年間の件数、面積等について——これは時間がかかると思いますけれども、かかっても結構ですからお調べになって私の方に資料を提出していただきたい、こういうことをお願いしておきます。 そこで、もう一つ、次の質問もあわせていたしますけれども、入林許可には先ほど言われましたようにいろいろ条件がついておると思うのですが、入林して訓練を条件どおりやっているのかいないのかということと、訓練中に林野庁の方は監督されるのかされないのかということ、それが一つです。それからもう一つは、入林した後、国有林について、訓練後の跡地調査なんかをやっておられるのかやっておられないのかということ、これもあわせて御答弁を願います。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 ふえているのかあるいは減少しているのかということは、私ども実は数字をつかんでおりませんけれども、特別に近ごろふえているとかあるいはトラブルが非常に起きているというような事例は一、二ちょっとございますけれども、それ以外には特別に問題を起こしているということはないようでございます。 なお、入林許可につきましては、たとえば造林地を壊してはだめだとか、あるいは森林を伐採するというような行為はやめてくれとか、あるいは火事に厳重な注意をしてもらいたいとか、それぞれ条件をつけて入林許可をいたしておりまして、森林内を通るとかあるいは利用するとかいう場合の十分な監督はいたしております。 そして、なお、その跡地等につきましての調査というようなこと等につきましては、私は十分承知いたしておりませんけれども、一応そういう損害等が起こっておるという実態につきましては、私ども別の藻でも常々十分山を見回っておりますので、跡地検査は十分されているというふうに私は思っているわけでございます。 なお、先ほど御指摘がございました入林許可ということ、これは三百五十一ございます各営林署ごとでございますので、しばらく時間をおかしいただければ私の方も調査することができると思っているわけでございます。
○馬場委員 実は、五年間の資料を出していただくということでございますのでよろしくお願いしたいのですけれども、訓練が許可条件どおり行われているかどうかということは監督しておるのだということの御答弁がいまあったのですが、どういうかっこうで監督しておるのかということをさらに詳しくお聞きしたいと思うのです。 それから、もう一つは、トラブルも最近余りふえていないというようなことでございますが、実はふえておるのではないか、それから入林の数も相当ふえておる、と、こういうぐあいに私は理解しておるのですが、これは資料で知りたいと思います。 実は、これは北海道の北見の網走署の問題ですけれども、これは少し以前の話ですが、林野庁の収穫調査中の職員三名に対して自衛隊員が二名で銃を突きつけて、そして一時間ぐらいそこに立たせておったというようなことも私は聞いておるわけです。さらに、函館管内の国定公園に指定されておる国有林地の中で、演習用のロケット砲弾とか発煙筒の燃えがらとかりゅう弾の砲片が至るところに散乱し、地面には爆発によってできたと思われるような穴があり、ごうを築いた形跡が無数にあるということで、こういうようなトラブルも実は起こっておるようでございますし、さらに、前橋署等では、入林許可の申請内容と実際やった訓練が違うというようなこともあったようでございますが、こういう事実についてはお認めになりますか。そして、その後どう処置をなさいましたか。
○松形政府委員 お答え申し上げます。ただいま、北見営林局あるいは函館営林局、前橋営林局等におきまして起こっている事態についての御指摘がございましたけれども、実は、私どもの方にそういう事実につきましての報告等が参っておりませんので、今後そういう問題が起こらないように、トラブルが起こらないようにということを私どもは十分注意いたしておるわけでございますが、いまのようなことがあるといたしますれば、今後こういうことのないように十分注意するように私ども指導をしてまいりたいと思っておるわけでございます。
○馬場委員 相当前に起こったことですけれども、それを林野庁長官が御存じないというのは非常におかしいと思うのです。しかし、これは調べてください。そうしてきちんと報告をしていただきたいと思うのです。 私が知る限りにおいては、最近、高度経済成長政策の中で、国有林の乱伐等によりましてわれわれの山は非常に荒れているわけでです。豊かな緑とかきれいな水とか澄み切った空気の中で国民に憩いをとらせるという任務もあるわけですし、そういう山で完全武装したような自衛隊が訓練をするということは好ましくないと私は思うのです。しかも、現在、私が見るところでは自衛隊の言うがままに入林を許可しておる状況のように見受けられます。 そういう自衛隊の訓練、特に完全武装なんかした訓練も行われているのですが、これについて、国有林の中での訓練は認めるべきではないのではないかと思います。いま言いましたように、山荒らしに拍車もかけますし、そしてまた国有林の作業にも支障を来たしておるという状況もたくさん出てきておるわけでございますので、林野庁としては入林を認めるべきでないと私は思うのですが、これについて長官の御見解を承りたいと思います。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 先ほど私がちょっとお答え申し上げましたように、自衛隊等が国有林内で訓練いたします場合にそういう入林許可の申し入れがございますが、山火事とか、国有財産とか、そういうものに損傷を与えない、管理、経営上支障がないという場合には、相手により異なった取り扱いをするというようなことは現在とっていないわけでございまして、実は、一般的に土地所有者が自分で所有しております土地につきましては、私法上として妨害排除、予防請求権があるというように理解されておりまして、そういう場合に、自己所有の地内への第三者の立ち入りを一部必要に応じては禁止することができるということに理解いたしておりまして、私ども、国有林野経営上あるいは管理上の支障があるという場合にはこれは排除する、しかし、それは相手を差別するものではないということで運営いたしておるわけでございます。
○馬場委員 時間がございませんので議論はできませんけれども、最近入林が非常にふえてきた。そして、山荒らしあるいは作業に支障を来たすというようなことも起きてきた、さらには地元とのトラブルも多いという、こういう条件の中で自衛隊が入林して訓練するという問題については林野庁の中で十分に真剣に対処していただきたいが、長官も御存じないようでございますので、資料を集めていま一度検討していただきたいということを申し上げておきたいと思います。 次に、もう一つは、これは資料の提出を求めますけれども、山火事消火のために自衛隊が出動してやったという過去五年間の資料を提供していただきたいということをまず申し上げて、次に、林野庁は自治省と防衛庁と三者で自衛隊のヘリコプターの常時出動を中心に山火事消火体制の整備を図ろうとしておるというぐあいに私は聞いておるのですが、これはいかがですか。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 実は、山火事対策につきましては、ただいま御指摘のございましたように、自治省所管でございます消防庁あるいは直接的に責任者でございます市町村とか県とか、そういう各関係機関と十分連絡をとりながら、山火事の予防を中心といたしまして林野庁は分担いたしておる、こういうことでございます。 ただ、御承知いただいておりますように、山火事というのはちょっと特殊でございまして、平場の場合と違いまして山のような急峻なところで消火作業が行われるとか、あるいは水が使えないというような事態等がございます。あるいは防火線を切っていくとか延焼を防ぐために伐採するとか等がございまして、人海戦術ということが中心になるわけでございます。 ところが、先生御承知のとおり、山間部につきましては過疎でございまして、現実に人海戦術をとらざるを得ないのにそういう人員の確保ができないというのが実態でございます。したがって、かねがね町村なりあるいは地元部落と十分連絡をとりながらやっておるわけでございます。ところが、かねがね私ども数年にわたりましてこの三者でいろいろ実験をいたしておりましたが、空中消火は海外においては十分一般化しておるわけでございますが、日本においては実験段階を経ましてようやく実用段階ということで、このような山火事の特殊性あるいはそういう人海戦術というものと組み合わせながら山火事を早急に消していくというようなこと等のために、自治省、林野庁、防衛庁と一緒になりまして空中消化を取り込んだ山火事防止体制をとろう、こういうことにしておるわけでございます。
○馬場委員 山火事については、常時の消火体制は林野庁と消防庁の二者できちんと整備すべきであると思うのです。自衛隊というのは非常災害というようなときの特別の出動ですから、常時の消火体制というのは、これこそ林野庁と消防庁で責任を持ってやるべきである。そして必要であればヘリコプターもそこで備えるとか、ヘリポートもそこでつくるとか、こういう体制が必要であって、非常時の場合の自衛隊を常時のそういう体制に組み込んで実験するというのは間違いじゃないか。そういうことをすることが、訓練だと称して自衛隊が勝手に山に入っていく、あるいは消火のためのヘリポートをつくる、それが自衛隊の基地として使われるということでこういうように非常に問題を起こすことになっていくのじゃないかと思うのです。 そういう意味におきまして、常時のそういうものについては林野庁と消防庁できちっと備えるということがやはり原則ではないかと思いますが、いかがですか。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 ただいま御指摘がございましたように、私どもは国有林というものの自分の自衛組織というものは当然持っておるわけでございます。特に重要な営林局の、先ほど申し上げました三百五十一の営林署には、それぞれ職員を中心といたしまして自衛消防組織を持っております。そして全国的に二千二百カ所にそれぞれ……(馬場委員「自衛隊を組み込むかどうかを簡単に答えてください」と叫ぶ)そういうことで、私どもの自衛ということと、消防関係を主管いたしております消防関係ということが当然ございます。 これが人命あるいは財産を尊重する、守る、あるいはそれの危険を防ぐという立場に立ちまして、どうしてもわれわれだけではできないという場合に、県知事を通じて、知事の判断において自衛隊の出動を要請しているわけでございまして、私どもは、林野庁あるいは消防庁が中心であるということは当然そのとおりだと思っておるわけでございます。
○馬場委員 いまも最後に言われましたように、知事の判断で出動を要請するわけですから、知事がどう判断するかわからないという条件が一つあるわけですから、あくまでも本当に国民の山を守るというならば、林野庁と消防庁がそこで共同してヘリコプターを買うなら買う、ヘリポートもつくるならつくるということで、そして常時それをパトロールする要員等もふやしておくということ、それが通常の消火体験ではなかろうかと私は思いますので、そういう方向でやっていただきたいということをお願いいたしまして、時間がございませんので、これは資料の提出があった後にまた御質問いたしたいと思います。 次に、農地の転用の許可の問題について、そのことで、農地行政のあり方ということについてお尋ねいたしたいと思います。 具体的な例を引いて質問いたしますけれども、昭和四十七年の六月二十八日に、熊本県の上益城郡益城町というところでございますけれども、そこで熊本企業開発株式会社というのがゴルフ場の建設用地にするんだということで一団の農地を農民から買いました。このことを御存じかどうかということと、その売買された農地の地目と地積を、通告しておきましたのでお知らせいただきたいと思います。
○大山政府委員 熊本企業開発がゴルフ場用地として、農地につきまして益城で売買契約を結んだという事実は承知しております。ただ、何月何日に結んでいるかということは、実は、農地転用等の関係で申し上げますならば直接関係のないことでございますので、その点は定かではございません。ただ、その当時に売買契約が結ばれたであろうということは確認しているわけでございます。 それから、地目と地籍でございますが、数度にわたる事前審査の段階における変遷を経ておりますので、われわれの方で把握しておりますところの、許可を与えた際におきます。あるいは事前審査の内示を与えた際におきます地目は畑が四十・六ヘクタール、山林等が百十四ヘクタール、合わせて百五十四・六ヘクタールということに相なっているわけでございます。
○馬場委員 その売買された土地の農地転用の許可は現在どうなっておりますか。
○大山政府委員 事前審査の申し出、つまり転用位置として適当であるかどうかという点についての申請が数度にわたって出まして、最終的には四十七年十月二十八日に申請が出され、十一月十四日に内示をいたしております。 それから許可でございますが、四十八年の四月四日に農地分約四十ヘクタールについて許可しております。それから二次、三次として、四十九年三月と五十年五月にごくわずかな、いわば相続登記待ちの部分が許可申請が出て許可されている、こういうかっこうになっております。
○馬場委員 昭和三十四年の農林省 事務次官通達で農地転用許可基準というものが出ておりますが、ゴルフ場にはやはり許可すべきではないというような通達が出ております。ここはゴルフ場でございます。私が調べたところによりますと、普通農林省の許可は大体田畑が二、山林が八というような割合のところを許可されたのは聞いておりますけれども、ここの場合は、私が調べたところでは、畑が八ぐらいで山林が二ぐらいと逆になっているのです。農地が非常に多い。これをゴルフ場に申請したら、事前審査と盛んに言われますけれども、驚くべき速さで許可がおりております。 その事務次官通達でゴルフ場に許可すべきではないというのに、ここでは非常な驚くべき速さで許可がおりておるが、この許可基準とこの事実との関係についてお尋ねいたします。
○大山政府委員 ゴルフ場ついては、その他の農地の転用に比して厳しく規制しているということは事実でございまして、基本的な考えとしては、できるだけ農用地を避ける、それから周辺に対する悪影響等の防止に十分配慮するというようなことをして、なおやむを得ないものに限ってだけは認める、と、こういうふうな方針で対処しているわけでございます。 レジャー施設等につきましても全く同様に、その必要性の程度だとか環境から見て相当と認められるかどうか、あるいは十分な利用見込みがあるのかどうかということを検討して、やむを得ないものに限ってだけ認める。つまり、一般の転用よりは厳しく規制しているというかっこうで現在対処しているわけでございます。
○馬場委員 具体的に聞いているのですよ。たとえばここは熊本の飛行場の隣ですけれども、ほとんど畑ですよ。このゴルフ場が本当に必要であるかどうかということですね。そして農地ですが非常に早く許可が出ておるわけですが、このことが事務次官通達の精神に違反していないかどうかを私は言っているのです。
○大山政府委員 あそこの土地は公共投資も行われておりませんで、農地転用基準から申しますと、いわば乙種の第二種農地でございます。したがって、次官通達と申しますか、農地転用許可基準から申しまして、転用の申請が出てきた際には、その乙種の第二種農地として、かつそれの用途について、ゴルフ場等についてはそういう土地であっても極力農用地をはずすような方向の場合にはやむを得ないものとして許可することがある、こういう感覚と申しますか、そういう考え方のもとにあそこの転用許可に対応しているわけでございます。
○馬場委員 私の調べたところでは、大体百二十ヘクタールぐらい売買契約ができております。その中で農地転用の許可が出たのは四十ヘクタールで、あとは出ていないわけです。そういう点はいまの説明のようなことでわからないでもないのですが、百二十ヘクタール売られておるわけです。その中で四十ヘクタールが農地転用の許可が出ております。後は出ていない。この許可の出ていない売られた土地は、契約書によりますと転用の許可条件で売っているわけです。ところが、許可が出ていないこの残った土地には、そのゴルフ会社の子会社の高遊原農園というのを設立して、そこでたとえば緑化木だとか果樹だとか、芝とか牧草とか、そういうことをやっている。許可が出なかったところは許可条件で売っているわけですから農民に返すべきだ、それが本筋であろうと私は思うのです。許可が出なかったところがそういう利用をされている。これは農民に返すべきだと思うのですが、どうですか。
○大山政府委員 あそこの土地の場合に、地元からの一括買い取りという要請があったように県からの報告では聞いているわけでございまして、そんな関係で、いわば農地転用の許可にかからぬ部分について売買契約を結んでいるという事実はあるわけでございます。 そこで、農地転用が、先ほど来申し上げているような面積に限って他の山林とともに転用することになったわけでございますので、そうでない部分については速やかな契約の解除が行われてしかるべきものであろうというふうに考えるわけでございます。 ただ、あそこが生産力の低い、そして干ばつ等が常に起こるようなところであって、農民が耕す意思がないというような事実もあるようでございまして、現在、高遊原農園ですか、生産法人ができておりまして、それと農家との間の売買契約、農地法の所有権移転の契約が逐次結ばれつつあるという事実はわれわれも了解しているわけでございます。
○馬場委員 具体的にたくさん事実があるわけです。しかし、農民は返してくれと言っているのが大部分ですよ。そういう意思があれば契約を解除すべきだといま言われましたが、そのとおりに返してくれと言っている人にはそのような指導をぜひお願いしたいと思うのですが、実は、この売買の問題あるいは転用許可の問題について私は非常に不明朗なものを感じております。 これはもう時間がございませんので私がいまから言いますから、調べてこれはぜひ私に事実を報告していただきたいのですが、まず、九州農政局がこの農地転用の許可について非常に便宜を図っておる、スピードも速い、こういう感じがしてなりません。そして、具体的に次官通達等についての精神を軽んじた行いをしているような気がいたします。これは具体的にいつ出してどうなったということを私は知っていますけれども、それは調べてください。 それから、農地の転用許可申請書の売り渡し人の印鑑が本人が押したものではないという、そういうようなずさんなものが実は農政局に出ておるのです。本当に本人が押したかどうかということをきちんと調べてやられたのかどうか。そういうずさんさを含めて、許可申請書に売り渡し人が印鑑を押したものではないものが押さっておったという事実も私は聞いておるわけでございます。 それから、さらに、いまのゴルフ場になっておりますところで農地を売らなかった人がおるわけです。その売らなかった人はいま畑を耕しておるのですが、そこに農道があった。その農道がこれはまた非常におかしな話で、そこに関係のない区長さんたちがこれはもう必要ないんだということを証明して、県に対してこれはもう廃止してよろしいと言って、そして県が廃止をしたというようなことがありますけれども、実は、区長さんは私はそういう印鑑を押した覚えはないし言ったこともないということを言っておって、言うなれば書類が偽造されて、それに基づいて耕しておる農道が廃止されたという事実も私は聞いておるのです。こういうようなことについて非常に不明朗さを感ずる。 私がいま言った事実のほかにもまだ具体的な事実があるわけですから、非常な不明朗さを私は感じておりますし、地元の人もそれを感じておりますから、そういう点をきちんとお調べになってはっきりさせていただきたいということを最後にお願いをしておきたいと思いますが、どうですか。
○大山政府委員 先生の御指摘の問題は、農政局と県を通じてさらによく調査したいと思っております。 ただ、先生の御指摘の中で、これも県からの報告でございますけれども、売り渡し人以外の印鑑が押されているとか、あるいは区長が不承認であるということを言ったとかいう話が例の告発状との絡みにおいてあるようでございまして、その告発状との関係においては、あれは御船検察庁支部から何か本庁の方に送られているという事実もあるようでございますので、その問の事情もわれわれの方で聞き得る範囲においては聞いて、また必要に応じて先生の方に御説明いたしたいというふうに思います。
○馬場委員 時間が来まして予定した質問ができませんでしたので、これは資料だけ提出を求めますが、一つは、天草の羊角湾の国営パイロット事業の現在の工事の進捗状況とその見通し、それから、あそこで工事によりまして海が汚濁いたしまして、汚濁補償の交渉が行われておりますが、その交渉の現在の状況はどうなっておるかということ、これについてぜひ御説明を、後で文書ででもよろしくお願いいたします。 次に、もう一つは、熊本県の宇土市に就業改善センターというのが現在建設されておるのですけれども、これは農村地域工業導入促進法に基づいて、その補助金をもらってやっておるのです。この建物が農村地域工業導入促進法の精神にのっとって、それを具体化するために実際に行われておるのか、あるいはほかの目的に利用するために、補助金をとるために農村地域工業導入促進法を利用しておるだけじゃなかろうかという疑いが実は流布されておるのです。これも調べて目的にかなっておるかどうかということをお知らせいただきたいと思います。 以上、二つ資料の請求を求めまして、時間が来ましたので、私の質問を終わります。
○澁谷委員長 野坂浩賢君。
○野坂委員 労働省にまず最初お尋ねをいたしますが、時間が初めから非常に制約をされておりますので、予定を変更して直截にお尋ねをしたいと思うのです。 〔委員長退席、今井委員長代理着席〕 現在の失業者は現時点で同名いるのか、その失業者の生活の状態はどのように把握をされておるのか、この点をまず伺いたい。
○平賀説明員 お答えいたします。 失業者に関する統計といたしましては、総理府の統計局でやっております完全失業者、それから労働省で取り扱っております失業者保険の受給者、これらが主要なものでございますが、四月現在で完全失業者が九十八万人、失業保険の受給者が百四万人余り、こういうことになっております。 完全失業者と申しますのは、手短に申しますと、その月末一週間仕事をしないでといいますか、仕事につかないで、それで就業の意思があって求職活動をしている者、こういうことになって統計上把握しております。 それから失業保険の受給者は、この月の間に失業保険を受給している者、こういう人たちでございます。
○野坂委員 失業者の方は全部失業保険をもらっておりますか。もらっていない人があるとすればどの程度ですか。
○平賀説明員 先ほどの完全失業者九十八万人というのは、失業保険を受給しているかどうかわからないし、また、統計上失業保険を受給しているかどうかを把握しておりませんので、実は、それを数で申し上げることはできませんが、職業安定所に求職を申し込みしている人、これは失業しているかどうかは別にして、求職の申し込みをしている人が約百五、六十万人いる。そのうち失業保険の受給者が先ほど申しました百万余り、こういうような数字は持っております。ただ、ただいま申しましたように、その九十八万の完全失業者の中でどのくらい失業保険をもらっているかということは明らかでありません。
○野坂委員 その百五、六十万人の就職を希望されておる方は、大体どういうところに居住されておるのですか。
○平賀説明員 これは全国一円でございますが……(野坂委員「農村か都市か、分けて」と呼ぶ)はっきりした数字は持っておりませんけれども、都会地であっても、たとえば失業保険を受給している人あるいは求職をする人はむしろ多い。人口に比例して大体分布しているというふうに理解しております。
○野坂委員 失業保険をもらっておる諸君のほかに五十万人程度は失業保険を受給されていないと私どもも承知をしております。それは、日かせぎの皆さんは仕事がなくなれば失業保険を給付されないままに農村にそれぞれ潜在的な失業者となっておるというのが実態であろうと私は思うのであります。 そこでお尋ねをしたいのは、今度は農林省でありますが、出かせぎ者はどの程度今日あるのかということが一つと、それから後継者は五十年の三月の段階で一たしか四十九年は新規の学卒者の農業に従事する諸君は一万四千人と理解しておりますが、今日どの程度になっておるのか、そして学卒者が農業に従事する必要な人員は大体どの程度か、この点をお聞きしたい。
○大山政府委員 各局に分散しますので、私の方からは出かせぎ者の数の問題を御答弁いたしますが、四十八年の農家の就業動向調査によりますと、農家世帯員からの出かせぎ数は三十万というふうに理解しているわけでございます。そして、東北が非常に大きなウエートを占めているという実態にあるわけでございます。 ただ最近、つまり昨年来の総需要抑制政策の浸透後の動きという問題につきましては、これはまだ統計の調査結果が出ておりませんが、情報として言うならば、東北等においては一割程度減ってきているというふうな事実はあるようでございますけれども、定かな調査結果はまだ出ておりません。ただ、ことしの三月を底入れとして、最近多少好転の兆しもあるということも事実のようでございます。
○吉岡説明員 後継者の就農状況でございますが、五十年三月の新規学卒者の状況はまだ調査結果が取りまとまっておりませんので、四十九年の三月まででございますが、最近、農家の子弟の学卒者で農業に就業しました者の数は先生御承知のように年々減少してきておりまして、昨年の三月で、先ほどおっしゃいましたように一万四千人ということになっております。このうちで男子の農業就業者が七九%を占めておりまして、一万一千人ということでございまして、四十八年に比べますと二〇%強の減少ということでございます。
○野坂委員 相前後して恐縮ですが、労働省は出かせぎ者は何名と把握されておりますか。
○平賀説明員 一番新しい数字で、四十九年度の状況について調査したものについて全体の報告をまだ受けておりませんけれども、おおむね四十五万人と把握しております。
○野坂委員 労働省は四十五万と言い、農林省は三十万と言う。約十五万人の相違があります。しかし、これを議論しておりますと時間がたちますからこれは十分御検討いただきたいと思うのですが、いまお話がありましたように、農業に従事する者は少ない、農業で食えないから出かせぎに出ていく、その出かせぎも困難になった、潜在失業者は農村に非常に多いということになってまいります。そういたしますと、これからこれらの失業者に対してどのような政策をとっていくかということが一番大きな問題になってくると思うのであります。 大山構造改善局長にお尋ねをしたいと思うのでありますが、こういう状況を踏まえて、この際農業の基盤の整備も必要であろうし、そして農を興していくという立場に立っていかなければならないと思うのであります。また、五十一年度の予算はこれから本格的に作業に入られるわけでありますが、農業の基盤整備事業をやるに当たって、通年施行をやった場合にいままでは三万円ずつ補償があったわけですね。これについては年限がことしで打ち切られるということに一応はなっているわけですが、これを延ばして、今日の農村の中での作業なりあるいは失業対策ということを踏まえて通年施行をぜひ実施していかなければならないと思うのです。 したがって、これは従来の奨励金といいますか、転作の際のただ草を生やせば銭をやるというのとは違って、具体的に今日の農産物価格に影響を与えるし、また、農村の失業者に対する対策という面では非常に必要な問題じゃなかろうか、もしこれが打ち切られるということになってまいりますと農村における作業というものが非常におくれる、と、こういうふうに思うのでありますが、その点について局長としてはどのようにお考えですか。
○大山政府委員 総需要抑制の中で基盤整備事業が長期計画ベースから比べておくれを示しているという事実の中におきまして、来年度以降、財政需要の問題はございますけれども、飛躍的な拡大を図るようにあらゆる努力をしたいというふうに思っておるわけでございます。 そこで、その一環として行われております圃場整備、これは機械化農業の基礎にもなるし、さらには汎用耕地を造成することによりまして転作だとかあるいは裏作の導入といったような高度利用のための条件整備にも寄与するというような面があるわけでございます。したがって、基盤整備、特に圃場整備というものについては最大限の予算枠の拡大ということに努力しなければならぬというふうに思っておるわけでございます。 そこで、先生の御指摘の通年施行の奨励金の問題でございますが、経過的に申し上げますならば、四十八年に休耕奨励金が打ち切られた後、つまり四十九、五十年につきましては生産調整の一環ということで通年施行の奨励金を出してきたというふうな事実があるわけでございまして、生産調整が五十年で打ち切られるということになりますと、経過的にはまさに通年施行の奨励金も打ち切られるということに相なるわけでございます。 ただいままでこういうかっこうで行われてきて、こういうことが過剰基調のいまなお続く中において圃場整備ということの通年施行が過剰基調に一つのチェックを加えるという事実は今後も必要であろうという点も考えられるわけでございます。それでまた一方では地方では定着しているというような事態もあるわけでございます。 いずれにいたしましても、過去の経緯から言うならば五十年限りで打ち切られるべきところでございますが、稲作転換の今後の進め方、これの全体の問題の一環として通年施行の奨励金の問題を検討してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○野坂委員 前段は非常にその必要性を強調され、休耕奨励金については善処するようでありましたが、これは前向きに検討して、農林省としては、構造改善局長としては、圃場整備そのものをやるのに当たってこの通年施行をぜひ実施しなければならぬということは明らかになったわけです。 問題はその三万円にしぼられるわけですが、その圃場整備事業を進めるためにもこの三万円は必要だというふうにお考えだろうと思うのですが、そういうふうに考えていいのですか。そういうお考えでしょうね。
○大山政府委員 圃場整備の実績、そしてその中で現在通年施行の行われている実績を見てまいりますと、圃場整備の五割強ないし六割が通年施行で行われているわけでございます。そしてその通年施行の行われていますのは積寒地帯が大体四分の三を占めているというような実態があるわけでございまして、圃場条件の整備という面においては、積寒だけではなくて全国的にとにもかくにも圃場整備をする面積が長期計画で申し上げますなら百二十万ヘクタールある、五十七年までに百二十万ヘクタールやらねばならぬ、こういうふうな方向で対処しなければならぬと考えているわけでございます。 したがって、それとの関連で、通年施行という問題も過去においてそれが定着化しているという事実は当然考えていかなければならぬというふうには考えるわけでございますが、今後の稲作転換といいますか、米対策全体をどういう方向でどうしていくかという問題との関連なしにこの問題だけを単独で決められるという問題でもございませんので、全体の米対策の一環ということで通年施行の問題については考えてまいりたい、こういうふうに思っているわけでございます。
○野坂委員 私としては、積寒地帯における圃場整備事業、基盤整備事業は通年施行以外はできないと思う。もしこれをやらないということになればこれは非常におくれる。前にも、土地改良の問題について、金額とその面積が合わないということからいろいろ議論をしたのでありますが、そういう意味も含めてぜひ進めてもらいたいということをお願いしておきます。 それから、白書を見てみますと、牛肉の自給率というのが六〇%程度あります。これは飼料の高騰によって引き合わぬというのが現状だろうと思います。そういう意味で緊急粗飼料対策というものが今年度の予算に組んであります。これは裏作不作地解消運動というような意味を含めて裏作奨励が非常に進められておるわけでありますが、この裏作をやろうとしても、最近機械化が進んでまいりまして五月早々に植えつけをいたしますから、たとえば裏作のイタリアン等を植えましても、すぐに水が入ってくるものでありますから十分育成した飼料作物を刈り取ることができないという事態にあるわけです。これがなかてとかおくてとかいう稲作をつくるということになると十分裏作対策というものができる。しかし、農家の皆さんは早く田植えを終わって出かせぎに出なければ生活ができないという実態にあるわけです。政府が奨励をされて機械化の導入を図って、早くから水が入ってまいりますからなかなか裏作ということになっていかない。こういう実情がございます。 したがって、この裏作不作地解消問題と稲作の作付という問題については非常に関連があると思うのでありますが、今後どのように御指導になるつもりなのか、伺っておきたいと思います。
○松元政府委員 ただいまは裏作の飼料作物との関係で御質問があったわけでございますが、広く裏作全般について、いわば稲作の問題という面でとらえまして、これは私の方では主として稲作を担当いたしますから、私の方でお答え申し上げますが、御指摘のとおり、近年裏作の利用率は非常に落ちているわけでございます。 その原因はいろいろございますが、一つの大きな原因といたしまして表作との作期の調整という問題が大きな要因でございます。表作の作期が早まった理由といたしますと、一般的にまず田植え時期が早まったということがございますし、さらに加えまして田植え機の普及によりましてさらに早まったということでございます。 したがいまして、それに対する対応策といたしますと、一つには稲の方では晩植の適応性品種の導入によりまして田植え時期をおくらせるということが一つの方向である。さらにもう一つは、田植え機は現在稚苗が多いわけでございますが、稚苗でございますと、どうしても作付時期が早くなるわけでございます。それを中苗になりますと時期をおくらすことができるということで、中苗による機械移植技術の普及を図る。これは機械は開発されておりますが、まだ十分普及いたしておりません。この二つが一般的に裏作と水稲の関係で重要なことであろうと思うわけでございます。それ以外に、裏作麦をどうするかとか、あるいは裏作飼料作物をどうするかという作物の問題がそれぞれございますが、水稲との関係では基本的に二つであろうと思います。 したがいまして、私どもは従来は一般的に裏を余り顧みないで米ばっかりに偏しまして、早い品種でしかも早くということが一般的傾向でございましたが、裏作を有効に活用いたしますためにも、米の稲作につきましてもう一度見直しを行いまして、いま申し上げました晩植適応品種を導入して時期をおくらせるということと、さらに稚苗から中苗移植に変えまして機械移植の普及を図るということ、この二点を中心にいたしまして推進してまいりたいというふうに考えております。
○野坂委員 話はわかりますがね。稚苗から中苗に移行していくということでこれから指導されるのですが、そう簡単に農家の皆さんははい、そうですかというこにならぬと思うのですね。三善食糧庁長官もおいでですが、米は安くたたかれるし、なかなかもうかりませんし、だからどうしても早く植えつけ等を終わって身軽になって出かせぎをやらなければ食っていけぬという事情でありますから、局長がおっしゃるようにそう簡単に中苗に移行するということができるだろうかということを心配するのですね。やるならば、いま言ったような裏作の麦の奨励ですね。これを二千円あるいは大豆の奨励というようなかっこうにして転換をしなければそう簡単に変わってこないと私は思うのです。精神訓話だけでは今日の時代ではそうなってこないと思うのです。 それに対する決め手といいますか、中苗に移行するというような具体的な農業の指導方策、具体策というものがございますか。こうすればこうなる、だから奨励金なら奨励金をつける、そうすれば変わっていくというようなことがございますか。
○松元政府委員 私はただいま主として技術的側面、技術指導の面で申し上げたわけでございまして、こういう技術が普及すればできるはずだ、したがってそういう指導をしようということをまず申し上げたわけでございます。 もちろんこれは実行いたしまする農家のサイドに立ちますとやはり経済問題ございますが、そこで、技術的に可能であるということで、それを現実化するというために裏作麦について申しますと、先般来問題になったわけでございますが、今後麦の増産をさらに進めていかなければならぬという場合の中心は裏作麦である。したがいまして、従来もこれは麦全部、畑も含めましていわゆる二千円の奨励金を出しておったわけでございますが、さらに水里異を伸ばすために、中苗移植の普及という要素も勘案いたしまして水田裏に対する助成も何か検討しなければならぬということで、現在検討している過程でございます。
○野坂委員 私は言い忘れたのですけれども、結局、自分のうちのたんぼを持っておりまして、牛も飼っておるから裏作のためにそれをやるというのならおっしゃるようによくわかるのです。ところが、粗飼料対策やその他を見ましても、具体的に言うと他人の土地を借りて裏作をやるというケースが非常に多いのです。だから、貸していただくためには、貸す方はできるだけ早くやって出かけてしまうし、借りる方はそういうかっこうになってくると裏作の飼料作物がつくれない、こういう関係になってくるわけです。それで裏作作地ということになかなかなってこない。自分がやるのならばおっしゃるように簡単なんですけれども、他人のものを借りるということになるまの点がそうなってこない。だから、なかてとか、おくてとか、そういう姿になってくれば比較的裏作の不作地というものは解消できるという声が非常に農家の間に高いのですよ。 ところが、単作をやっておる方々たちはそれに簡単に乗ってこないというきらいがありますので、そういう麦作なり大豆作に対する手当て、奨励対策を進めていただくならば大きく粗飼料の自給率が高まって牛肉の確保なり酪農の振興になるという確信を持って農家の皆さんは一致してまいっておるのです。これの対策を立てるべきではないかということを言っておるわけですが、どうですか。
○松元政府委員 御指摘のとおり、裏作を伸ばします場合にはいろいろな問題がございます。一つは、先ほど来御論議がございました水稲の作期の調整の問題と、それの技術的問題と、それを実施する経済的問題と、さらに裏作を有効に使うには、土地の利用の集積と申しますか、自分の土地だけではなくて人の土地を借りるとか、あるいは作業の受委託関係で使わせてもらうとか、そういうことが必要であるわけでございます。その場合には、自分でやる方と、それから土地を使わせると申しますか、そういう農家等を含めた生産者の組織化を図る必要があるわけでございます。 実は、そのために麦作集団の助成もいたしておるわけでございまして、特に五十年度予算におきましては水田のものを畑よりもさらに手厚くしたということをいたしたわけでございます。そういった技術指導あるいは経済問題をあわせましていままでもいろいろやってきたわけでございますが、施策を一段と拡充しようということで目下具体案を検討しておる過程でございます。
○野坂委員 食糧庁長官にお尋ねをしましよう。 米価の審議会がいよいよ九日から始まることになったわけですが、生産農家の意向を十分おくみ取りになっているかということが一つと、どの程度事前折衝されたのか、農業団体と事前折衝して意思の統一を図られるよう努力をされたのかどうかということが二点目です。それから、日農の要求米価というのは二万二千八百円で、農協の要求米価というのは一万九千七百九十四円ですが、これについては折衝されたのでありましょうが、どのようにお考えになっておるのか、これは政府ももうそろそろ決められておると思うのですね。日農なりあるいは農協の要求米価というものはいち早く決まっておるわけですから、あなたの方も、農林省はかく思うということを米価審議会を開く相当前にある程度のことを挙げて国民的な議論を呼んだ方がよく事情がのみ込める、また交渉がしやすい、と、こういうふうに私は思うのでありますが、その点についてはどのようにお考えになっておるのでしょうか。
○三善政府委員 第一点は生産者の意向、意見等をよく聞いているかというお話でございますが、これは第二点の御質問とダブリますが、私ども農協側と再三話し合いはいたしているわけでございます。昨日も、厳密に申しますと四回目でございますか、農協の各県の中央会の会長さん方や米対本部の代表の方を中心にして農林大臣と政務次官と私も出席いたしましたけれども、農協の方の意見を私どももよくお聞きいたしました。そういうことで、従来に増して今回は農協側と数回会合を重ねましていろいろと生産者側の意見を聞いているつもりでございます。 それから、農協の方で出しております要求米価あるいは日農の方で出しておられます要求米価は、これは毎回相当早い時期に決定してお出しになりますが、これについて私が現段階でとやかく言うことは差し控えたいと思いますが、一言言わせていただけば、農協の要求米価等あるいは試算内容等につきましては大体従来のやり方でやっておられるものと思っております。 それから、農林省では数字等はもう決まっておるのではないか、早く国民の前に出して議論をした方がいいんじゃないかという御意見のように承りましたけれども、算定いたしますにつきましてはいろいろの資料がございますし、私ども現在その資料の完全な整備もできていないわけでございますから、推計したり、そういうことをやって目下毎日遅くまで作業しているという段階でございます。数字についてはまだ出ておりません。 そういうことで、いつも米価審議会の前日に諮問案が決まる。昨年もそうでございましたが、そういう状況で、現段階では目下作業中でございます。
○野坂委員 算定方式はどうなっておるのですか。
○三善政府委員 算定方式についても、農協側もいろいろな意見がございますし、私どもが従来からやっているような方式も一つのやり方でございますし、これについても資料の整備と関連しましていろいろな角度から——御承知のように、食管法三条で「生産費及物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ」となっておりまして、そういうことで米価は決めるわけでございますから、算定方式についてもいろいろの点から検討をいたしているという段階でございます。
○野坂委員 農業団体と話し合って意思の疎通を図るということじゃなしに、意見を聞くということだけに終わっておるわけですね。 それから、おたくの方はいろいろな案はあるが前の日でないと決めないということですけれども、今後米価審議会を開く前にそういう算定をやられ、その米審は植えつけをする前にやって米価を決めてほしいという話まで櫻内農林大臣のころにあったですね。だから、そういうことであれば、もっともっと早く国民の前に明らかにすべきです。計算方式というような点は毎年同じことをやっておるわけですね。できるだけ農業団体と意見の一致を見て諮問するということが一番いいと私は思うので、そういうことをこれから進めてもらいたいということをあなたの方に要望しておきたいと思うのであります。時間が参りまして後は申し上げることができませんが、そういう点は十分留意をしていただきたいと思います。 最後に、政府側からは大臣なり政務次官もおいでになりませんので委員長にお願いをしておきますが、私はこの間六月の五日に降ひょう問題に対する天災融資法発動に関する問題について質疑をしました。これにつきましては、あす閣議が決定をして発動されると思うのでありますが、この天災融資法の第二条にありますように、また、政令にもありますように、天災ということになると相当大きな金額ということに当然なるわけです。これは面積でもありませんし、一戸当たりの農家に対して四十万、永年作物の場合は百万、激甚地になると五十万と百二十万になるということで、今後の農業を維持することが非常に困難になってくるわけです。この間澁谷委員長にもお話しをしたところでありますが、この金額の改定をやる必要があるということは五常で反対されることはないわけです。どの委員の方もこれは安過ぎると言われているのは、この間の静岡県に視察に参りました際にもお話があったとおりであります。したがって、これは昭和三十年に議員立法でできたものでありますから、この金額の改定をやって、たとえば少なくとも四十万を百万に、あるいは永年作物の場合は百万を二百万にというかっこうにならなければならぬと思うのです。 これは具体的な一つの例でありますが、そういうふうになっていかなければ、天災を受けた場合に今日乗り切っていける農家ができないと思いますので、これは理事会で御検討いただきまして早急に対処してもらいたいということを申し上げたいのでありますが、とりあえず委員長の見解を聞いておきましょう。
○今井委員長代理 野坂君に申し上げます。 ただいまお申し出の件につきましては、後刻当委員会の理事会においてその取り扱いを協議いたします。
○野坂委員 ありがとうございました。
○今井委員長代理 津川武一君
○津川委員 いま農民団体が農民の生活と再生産が賄えるような米価を要求して毎日運動を続けておりますが、その農業団体の一つ、農協の中央会、全中の農政を確立する基本要求の中に次のようなことがございます。それは教育であります。農民の心を心とした教育を農業について行うようにという非常に大事な要求が出ておりまして、私もいまさらのように事の重大なのに気づいておる次第でございます。そして、いま国民の子供さんに教育されておる教科書を見て、これにはたくさん農業のことが書いてあって、こんなに農業のことを子供さんに教育されているのにまた感を深くした次第でございます。 そこで、これから農林省と文部省に、きょうの話をきっかけに、私自身が両者に時によると立ち会っていただいていろいろ御相談もしてみたいと思います。 そこで、きょうは問題の指摘を若干してみますが、まず、いまの日本の稲作がこんなに生産量が上がったのは、一つの重要な原因は、各県の農林関係の技術陣の懸命なる研究、試験、努力の結果こんなにお米の生産量が上がったと思います。私の小さいころの思い出で言うと、私の父のころは一反歩六俵上がるか上がらないかだったが、その田からいま十三俵上がっています。この努力というものを私は非常に高く評価しているわけですが、いままたたくさんの品種の改良に努めておる努力をも私たちも援助しなきゃならないと思っております。 そこで、技術会議の方にお尋ねしますが、藤坂五号という品種ですが、これは昭和六年、昭和九年のころに東北が冷害と凶作で大変なことになり、娘が身売りしましたが、そこで、昭和十年に農林省が凶作防止試験地として青森県農事試験場藤坂支場を指定して冷害克服に乗り出したのであります。そして七年間、研究の成果が実って、寒さに強い藤坂一号をつくり出し、これが全国の稲作に大きく寄与して冷害地帯に稲作が広がっていきました。こうした過程の中で試験研究陣がふ系一号から二〇号まで改良して出されて、昭和二十四年にふ系二〇号を藤坂五号という銘柄にして出したのであります。これは寒さにも強く、収穫も上がり、つくりやすい。それで、昭和二十八年のあの冷害でも冷害を克服して、青森県の東半分や北海道の稲作がりっぱに実って収穫を上げたのであります。そのために昭和二十八年十二月には、このふ系二〇号までをつくり出した研究陣営のそのときの主任技師の田中稔博士は総理大臣賞をもらって、藍緩褒章を受けております。 しかし、試験研究陣はこの藤坂五号に満足しません。さらに、昭和三十五年にはこの藤坂五号の丁試験研究を伝統としてフジミノリをつくりました。フジミノリは藤坂五号よりも耐冷性がもっとすぐれており、病虫害にも強く、そして収穫もいい。このために昭和四十年、四十一年にはフジミノリが全国で普及率が第二位になり、四十二年から四十四年の三カ年は全国第一位になっておった。こういうことだと私は承知しておりますが、このとおりでございましょうかしら。
○小山(義)政府委員 いま、稲の品種改良、特に藤坂五号についてお尋ねがございましたけれども、先生のおっしゃったとおりの経過でございまして、昭和十年に凶作防止試験地が青森県にも設けられましたけれども、これは東北六県に設けられたわけでございます。その中からいろいろな冷害に強い品種が育成されましたけれども、その中の非常に代表的なものが藤枝五号であることは仰せのとおりでございます。 藤坂五号は、当初は昭和十四年に農林省の農事試験場の東北小麦試験地、現在の東北農試でございますけれども、そこで交配を行いまして、十八年に青森県の藤坂支場、これは凶作防止試験地の一つでございますけれども、そこに移しまして、これはたしか雑種四代の時代に移したと聞いております。その後、ただいまお話がございました田中稔先生初め青森県の藤坂試験地の研究陣営の総力を挙げてこれを一人前のりっぱな品種に育て上げ、昭和二十四年に初めて奨励品種になり、その後東北地方を中心に、全国的にと言っても過言ではないほど南の方にまでこの品種は採用された経緯がございます。 仰せのようにこれは非常にすぐれた特性を持っておりまして、耐冷性が強い、つまり冷害に強いということはもちろんでございます。それまでに使っておりました有名な陸羽一三二とかあるいは農林一号等よりははるかに——耐冷性はやや強い程度でございますけれども、いもちに強いという点においては陸羽一三二よりもはるかにすぐれております。それから、従来の常識を破りまして非常に短稈、強稈と申しますか、そういう意味ではこれが本当に昔の概念から言う稲だろうかと思うような形のものでありまして、これは先生に申し上げるまでもないことでございますが……(津川委員「時間がないので、私、次の質問を伺いますから」と呼ぶ)そういうことで、非常に優秀な特性をもって普及されたことは事実でございます。 それから、また、それが現在では交配母本として使われておりまして、フジミノリに受け継がれ、さらに、いま第一流の東北地方の品種と言われておりますトヨニシキとかキヨニシキとかあるいはササミノリにも入っておると思いますけれども、そういう現在の第一級の品種に交配母本として使われておるということでございます。
○津川委員 そうすると、藤坂五号をいまつくらないのは、これを基礎にしてその後もっといいのができたからでございますか。
○小山(義)政府委員 仰せのとおりでございます。
○津川委員 そこで、文部省、東京書籍株式会社の「新訂 新しい社会 5上」という本なんですが、これは小学校五年生の子供さんたちが使っておる社会科の教科書です。昭和四十五年四月十日に文部省検定済み、昭和四十八年四月十日に文部省改訂検定済みで、著者はいろいろな方がおりますが、この本をお持ちですか。これは農林省もお持ちですか。七十九ページを開いていただきたいのですが、その終わりから三行目から、「北海道の稲作は、寒さに強い新しい品種がつくりだされるたびに、北の方へひろがっていきました。一九五三年(昭和二十八年)に、北海道と東北にひどい冷害がありましたが、藤坂五号だけはりっぱに実りました。藤坂五号は、青森県の試験場で、十年もかかってようやくつくりだした冷害に強い品種でした。しかし、最近は味が問題になり、作られなくなりました。」と書いてあります。これがこの本なんです。農林省の技術会議の事務局長が言われたのは、もっといい品種がこれを土台にしてつくられたということですが、こういう間違ったことがこの本に書いてある。しかも、このことを話したら試験場の人が非常に怒っておる。学校の先生からこれを習ってきて、藤坂五号はだめなんだということで、子供がお父さんに、お父さん何つくっていると聞いたら、レイメイと言った。レイメイというのは何と聞かれてお父さんは説明した。フジミノリにレントゲンか何か照射して、そしてフジミノリからできたから藤坂五号の孫だと言ったが、子供さんとお父さんが非常に困ってしまった。こういうことがこの教科書の中に教えられてあるんですからね。したがって、いまこれを直せと言っても何でしょうが、文部省はこういうことをどう考えられているのか。これが一つ。 しかも、この本は、百四十ページの最初の四十ページが日本の産業のことを書いてある。後の百ページは全部農業と漁業のことである。私たちはこの本を見て、子供さんがこんなに資料で教わっているから、何か聞かれてうかつにうそをつくとすぐばれる、これは非常にいい本だと思いました。その中でうそが書かれてある。しかも、父兄がそこの地域で命をかけた品種を告発しているというこの本なんです。文部省はこれに対してどう考えているか、伺いたい。農林省と文部省はこういう間違いが本当に起こらないようにするために、これからこういうときには相談して本をつくるべきだと思うが、まず、このことを文部省にお尋ねします。
○安嶋政府委員 御指摘の教科書の記述はただいま先生からお話があったとおりでございますが、書いてあります内容につきましては、まず第一に藤坂五号につきましては、農業技術協会編の「実用農作物品種解説」という本によりますと、その生態的な特性といたしましては冷害を受けるおそれが非常に少ない……(津川委員「局長、いまの農林省の考え方について皆さんはどうするかということです」と呼ぶ) 〔今井委員長代理退席、委員長着席〕 ただいまお話しの点につきましては、事実としてそうであろうと思いますが、ただ藤坂五号が現在つくられなくなっておるということは事実でございますから、そのこと自体間違いだということはできないかと思いますが、ただ、それが基礎になってさらにいい品種ができたというところまで教科書として触れるべきかどうか、その辺のところは、私どもといたしましては今後検討いたしたいというふうに考えております。
○小山(義)政府委員 藤坂五号は先ほど申し上げましたように非常にいい特性を持っており、つくりやすい多収の品種であるということは事実でございますが、現時点で考えますと、味が悪いこともまた事実でございます。ただ、そういう非常にい特性を生かして、味もよくして、より新しい品種をこれを土台にしてつくり出してきたということが先生の御指摘になる点だと思います。 その点がこの教科書に触れられていないために、藤坂五号がいまから見ると全くつまらない品種であるというふうに読み間違えるとか、あるいは小学生が誤った認識を持つということの御指摘かと思いますけれども、ただ、教科書をつくるときのつくり方を実は私は知りませんので、事前の打ち合わせが文部省との間で可能かどうかということについては、その辺の手続をわきまえておりませんので、申しわけないのですけれども、ここで私がお答えをするわけにはまいらないわけでございます。
○津川委員 文部省、「最近は味が問題になり、作られなくなりました。」と書いてあるが、つくられなくなったのは味のせいじゃないんだよ。もっといいものが出たということは農林省の答弁でわかりましたね。しかし、これは国会が終わってから私も参加してあなたたちとじっくり詰めてみますし、農林省とも詰めてみるが、これは後刻最後にまた答弁をいただくことにして、その次は漁業のことなんです。 百十一ページから百十五ページのところに漁業のことを書かれてある。時間がないので問題だけ指摘しますが、百十二ページに「大型の漁船(トロール船)」として写真が載っております。また、百十三ページに「魚群探知機をそなえた漁船」ということで、これも写真が載っております。そして、そのページに「魚の水あげ」として船の作業の写真が載っておる。百十四ページには「捕鯨船団」としてりっぱな写真が載っておるし、「船の中のかんづめ工場」という写真も載っておる。百十五ページには「大きな漁港」という写真も載っておる。このとおりです。このことには何も間違いはありません。 だが、いま漁業にとって何が問題かということです。高度経済成長でいい漁場がつぶされて、そこに煙突の公害の工場が建ったり、あるいは工場が建たないで荒れほうだいになったりしている漁場がある。これが一つと、二つ目は、例の今度の岡山の水島の赤潮ですね。ああいう形で漁場が公害で汚れて魚がぶくぶく浮いてきている。そのために大問題になっておる。漁業を扱うとすれば必ず触れていかなければならないこういう問題が触れられていないんですよ。この教科書を見るといいところばかり書いてある。これは間違いないが、だが、おくれておる点や障害になっておる点の解決しなければならない問題の点は一つも写真に出ていない。いわば臭い物にふた式のものなんです。 この教科書で教育していいかどうか、これは水産庁と文部省にお尋ねいたします。
○松下説明員 最近におきます漁業をめぐる動向にかんがみまして、沿岸漁業の一層の振興を図る必要があるわけでございますが、沿岸海域におきましては、先生のただいまの御指摘のように、工場等からの排水による漁場の汚染、それから大型のタンカーや石油基地等からの油の流出、赤潮の発生、埋め立てによる沿岸漁場の喪失、また、船舶交通のふくそう化に伴います漁業操業活動の制限等、漁場環境は非常に厳しい情勢にございます。 こういう実情を踏まえまして、沿岸海域におきます優良漁場の保険金を優先的に考えていくべきであるという環境保全の教育を行うことは、水産業の将来にとりましてもきわめて有益であるというふうに考えております。
○安嶋政府委員 御指摘の問題につきましては、ただいま先生が御指摘になりました東京書籍の社会科の教科書の五年生の「下」と四年生の「下」におきまして赤潮による漁業の被害について記述がございます。また、同社の中学校の地理的分野の教科書におきましてもこの問題に触れた記述があるわけでございまして、これらをあわせて学習いたしますならば御指摘のような点も含まれるということでございます。 四年生「下」の三十八ページを見てみますと、「水のよごれ」という見出しがございまして、内容といたしましては、「近くの川や海も、工場から出される水などで、年々よごれがすすんでいます。」というような記述がございまして、静岡県の富士市の写真などが掲載されております。さらに、五年生の「下」の八十四ページにおきましては「川や海のよごれ」という単元がございまして、水銀で汚された海、川や海の汚れの原因、各地で起こっている川や海の汚れについて資料も掲げまして詳しく触れております。また、中学校社会科の「新しい社会」の「地理的分野」の七十二ページにおきましては、「瀬戸内海の汚染」という見出しのもとに、瀬戸内海の汚染と水産業の被害一瀬戸内海の漁家が最も困っているという資料等を挙げまして、赤潮発生地域の分布図やその原因等についても記述をしておるわけでございます。 御指摘の個所にはこういう記述がないわけでございますが、他の分野におきましてこういう取り扱いが行われているわけでございまして、教育課程全体といたしましすとそういう問題にもかなり触れておるということが言えるかと思います。
○津川委員 私もこの教科書の「下」を見ましたが、それには「工業都市」と書いてあって、汚染のことを書いてあります。だが、ここは農業、水産業、林業と、いう形で一遍分離して、それを植えつけておいて、片一方は農業、漁業ではなくて別な面からのぞいている。したがって、漁業というものを真っ正面から顔と胸から見ないで斜めに後から見たかっこうで公害の問題を扱っているが、漁業をどうするかというと、いま水産庁が言ったように真っ向からこれに取り組まなければ教育の欠陥が出てくる。 それを指摘してみますと、漁業の中に魚を日本国民は一番食べるということが書いてある。これは正しい。このことだけ言えば正しいが、牛乳は発達した資本主義国では日本の国民が一番飲まないなんて、こんなことは書いてない。そういう点で、農業として、漁業として、はっきりした位置づけがないで、まあ、私に言わすとこれはへ理屈。「下」の方はまたこの次に問題にしてみますが、そこのところは農業を育てることは一つも書いてないし、漁業を育てることも一つも書いていない。 いま日本の農民にとって何が大事かというと、希望を持つことが大事なのです。この立場から言うと、グラビアの一ページに「近年、米の生産が消費を上まわるようになり、このため国は、稲の作付面積をへらすことをすすめるようになりました。」と書いてあるけれども——稲のところではあります。グラビアの一ページでは、生産を減らすことをすすめましたということを書いてあって、五十ページには「稲作の制限がおこなわれています。」五十二ページには「買い入れも制限するようになりました。」「稲の作付面積をへらすことを農家にすすめています。」と書いてある。現実はどうかというと、青森県の黒石市は限度数量五十年十六万六千百五十俵、限度数量として政府がおろしている。農民の買い入れ申し込み十八万一千百四十八俵、余り米一万四千、この事実を皆さんが生産調整することをすすめているというのです。これは上からのかなり強い強制なんです。こういう点の記述がかなり問題になるわけです。 もう一つ言うならば、百三十ページの真ん中に「おろし売り市場では、その日の早朝までに集まった品物を、「せり」にかけてねだんをきめ、小売り商人に売りさばきます。」とある。これも事実です。このとおりです。だが、文部省、一度神田の市場や築地の市場に行って見てごらんなさい。競りにかける物より相対売り、随意契約で売られている物の方が多いのです。小売で競りにかけられている事実は間違いない。だが、これは実態をつかんでいない。 こういう点で一番恐ろしいのは百三十五ページから百三十六ページです。百三十五ページには、貿易の自由化で日本の農産物がつぶれてもよろしいという意味にとれる記事がある。百三十六ページに「国土にあった生産物を選び、質やねだんで外国にまけないようにすること。」とあるが、これも正しいが、外国に負ける物は輸入してもよろしいというのが前のページなんです。貿易の自由化に対して食糧の自給率を高めていくという、いまの基本の国民的合意の問題がこの教科書の中に扱われていない。 今度は別なところで見ると、五年生の「下」の方になってくると貿易のことが少し書いてある。だが、日本の農政にとっていま必要なことは自給率をふやして日本の農産物を守るということです。この対策に一つも触れていない。 時間が来ましたのでこれで終わります。最後に農林省と文部省に対する答弁を求めてきょうは指摘に終わりますが、このことで国会が終わったら私とゆっくりともに検討してみる気持ちはないか。農林省自身が私と一緒にこういう点で教育の問題を検討してみる必要があると思うのです。内容についてはきょうは時間が来てしまったので終わりますが、この二つのことだけ答えてください。
○安嶋政府委員 教科書の編集は、第一義的には発行者と申しますが、著作者が原稿をつくりまして文部省に検定を申請する、文部省は教科書検定調査審議会に諮りまして検定をするという仕組みでございますが、その過程におきまして文部省の教科書調査官の審査を経ることになっておりますが、さらに専門の細かい分野につきましては調査員という方をお願いいたしまして内容の充実をいたしておるわけでございます。したがいまして、農業政策についての問題につきましては、今後農林省等に調査員等をお願いいたしまして、内容についてはさらに適正を図ってまいりたいというふうに考えます。 内容についての先生の御意見は承りたいと思っております。
○大河原(太)政府委員 お答え申し上げます。 社会科の農業に関する記述等について、具体的な教科書についての御指摘がいろいろございましたが、われわれといたしましては、今日の農業の当面する諸問題なり農政の基本的な方向を踏まえた教科書の記述をされることをもちろん期待するわけでございまして、われわれといたしましても、本来の初等中等教育の制度に基づく検定に携わる方々に十分御理解を得られるような資料の提供その他に努めたいというように考えております。
○津川委員 終わります。
○澁谷委員長 林孝矩君。
○林(孝)委員 私は中央競馬に関する問題について質問いたします。時間が限られておりますので責任ある答弁を簡明にお願いしたいと思います。 最初に、最近の中央競馬の状況は、競馬ファンの激増と競馬の売り上げ、賞金の急激な増大に伴って、いわゆる馬主になる人が非常に多くなったという顕著な事実があります。ところが、現在の厩舎事情を考えますと、入厩希望者に対して厩舎が非常に少ないというところから、厩舎をコントロールする立場にある調教師、特に一部の調教師の中においては、その厩舎貸し付け上の地位を背景にしてさまざまな不明朗、不公正なことを行っているといううわさが絶え間なく起こっているわけであります。 こういう実態を監督官庁である農林省はどのように掌握されておるのか、お答えを願いたいと思います。
○澤邊政府委員 近年、中央競馬におきます入厩希望馬が非常に増大をしてまいりましたことを背景にいたしまして、調教師が馬主等に対しまして優越的なといいますか、そういうような地位に立って競走馬の取引に介入をしたり、あるいは入厩等につきまして種々批判を受けるような行動があるという風聞がありますことはわれわれとしても十分承知しておるところでございます。したがいまして、今後、競走馬の取引、入厩等についての指導、規制を初めといたしまして、調教師制度、厩舎管理制度など各般の面に改善を加えていく必要があるというように考えております。 このため、農林省の指導のもとに現在中央競馬会において運営審議会というものがございますが、その下に懇談会というものも臨時に設けまして、ここに諮りながら、調教師間における健全な競争の助長といいますか、いわばメリットシステムのようなものを入れていくとか、あるいは厩舎の需給の不均衡ということが一つの大きな原因になっておりますので、その辺をどのように是正していくか、あるいは入厩馬の選定を合理化するといいますか、改善するというようなこと等につきまして鋭意検討中でございまして、結論が得られたものから具体的に実行していくという方向で検討を進めているところでございます。
○林(孝)委員 競馬懇談会のことについては後でまた触れますが、入厩希望者が多いことから、どうしても調教師の優先的地位が生じてくる。調教師が馬主から馬を預かって、入厩する際に預託契約というものが一定の様式で行われているのかどうか。もし行われていないとするならば預託契約の際には馬主と調教師の両者の話がまとまりさえすればどのような内容でも可能であるというよう環境に置かれているが、そのような状態であるということは問題を起こすもとでありますので、預託契約はまず文書で行って、次に一定の様式で、契約が法外なものであるかどうかということ、第三者から疑惑を持たれないかどうかということ、こういうふうな点についても適正なものとしていくために一定のルールを定める必要があるのではないか、また、そういうルールに合っているかどうかということを判断する機関を必要とするのではないかと、このように私は考えるわけでありますけれども、農林省の考え方を伺いたい。
○澤邊政府委員 競走馬を競走に出走させるためには馬の調教を受ける必要があり、そのために馬主は自分の競走馬を調教師に預託をいたしまして調教を行うわけでございます。その場合に馬主と調教師の間で結ばれますのが御指摘のございました預託契約でございますが、これによりまして調教と管理を馬主が調教師に委託をするということになるわけでございます。 この預託契約は現在ほとんど口頭による契約でございまして、預託料は実費により、契約期間についても特に定めのないのが通例でございます。 この点につきましては、預託契約をできるだけ明確にするということからいいまして、文書化をするということは今後その方向で指導すべきだというように考えております。 なお、預託の契約の性格でございますけれども、これは調教師と馬主との間の自主的な契約という性格のものでございますので、これに中央競馬会等が直接介入をするということはできないということになっております。 ただ問題になりますのは、入厩の際にどのような競走馬を選定するかという点の基準がはっきりしておらないというような点で問題がございますので、この点につきまして、入厩馬の選定方法について改善を加えるということが必要でございますので、たとえば競走馬の能力検定をやることによって入厩馬を決めていくというような方式も改善の一環として検討をしてまいりたいというように考え、現在、先ほど申しましたような審議会、その下にあります懇談会で厩舎問題、調教師問題の一環として検討を加えているところでございます。
○林(孝)委員 懇談会の話をずいぶん出されまして、懇談会でいま検討していると言いますけれども、懇談会ではもうその答えを出しているわけです。そこの競馬懇談会専門委員会の報告書が出されているでしょう。四十九年六月十八日に出ている。その中でもうすでに問題点を指摘しているわけです。改善方法も指摘されておる。それをやるかやらないかという段階に入っている。それをどうすればいいかということについてすでに結論を見ていなければならない時期に入っているわけですよ。局長の答弁と相当時間のずれがあるんです。一体これは農林省として検討しておるわけですか。懇談会ではないですよ。
○澤邊政府委員 ただいま御指摘のございました懇談会は、たしか四十六年の十一月から発足いたしました農林大臣の私的な諮問機関として設けました懇談会で、これは学識経験者に広くお入りいただきまして、中央、地方を通ずる競馬の当面している各種の基本問題についての改善方についての基本的な方向について取りまとめいただいたわけでございますが、これは個々の問題によって違いますけれども、現行制度に対して相当抜本的に改善を加える面もございますが、ただ、個々の問題につきますと必ずしも一本の意見に統一されている面ばかりでもございません。 私が申し上げました懇談会と申しますのは、その懇談会の結論はすでに出ておるわけでございますが、それを受けまして、これをいかに具体化するかということにつきまして、中央競馬会の理事長の諮問機関でございます競馬運営審議会というのがあるわけでございます。これは常時設けられまして、予算その他基本的な事項について諮問に応じて審議をしておるわけでございますが、その中にさらに専門的なものといたしまして運営審議会の中に懇談会というものを設けまして、先ほど申しました懇談会の基本方向に即した具体的な実施のやり方についてまだいろいろと細部にわたって問題が残っておりますので、そういう点について現在さらに検討を始めておるという点を申し上げたわけでございまして、その運営審議会の懇談会の方は、すでに四回ばかりことしの初めから開催してこの問題について検討を加えているところでございます。
○林(孝)委員 それはいつから始めて、いつに終わるのですか。
○澤邊政府委員 三月から始めまして、現在まで四回開いておりますが、私どもといたしましては、いつまでにということはまだはっきりめどは立ちませんけれども、少なくとも年内ぐらいには中間的に来年度から実施するものについては結論を出していただきたいということを期待をいたしております。
○林(孝)委員 それでは、当委員会にその報告をしていただきたいと思います。委員長の取り計らいをよろしくお願いいたします。 それから、私はここで具体的な問題について触れていきますけれども、これはそういう一般的な問題の抜本的解決ということではなしに、こういう具体的なすでに起こっておることが明らかであるというような問題に対する農林省の受けとめ方の問題と、そしてそれを解決するためにすでに行動を起こさなければならないという当面の問題として私は指摘したいと思うわけです。たとえば調教師が自分の牧場で生産した馬をどれだけ自分の管理しておる厩舎に入厩させているかという問題がありますが、この具体的な実数というものを掌握していますか。
○澤邊政府委員 現在中央競馬会におきまして詳細な調査を実施いたしておりますので、詳細なことはその結果を待って把握をしたいと思っておりますが、われわれが現在までに大ざっぱな調査といいますか、把握しておるところでは、約十人くらいの調教師が牧場を経営しておるというように把握しておりますが、詳細はただいま申しました中央競馬会がやっておりますので、その結論を待ちたいと思っております。
○林(孝)委員 たとえば栗東のある調教師の場合、自分の牧場で四十五年、四十六年、四十七年に生まれた馬の合計五十七頭中二十四頭を入厩させているわけであります。このようなことが中央競馬会の出している雑誌に掲載されておる。まず、こういうことが許されていいのかどうかということと、そして許されてならないことであるならば、それを中央競馬会の雑誌に掲載するという神経が非常に問題だと思うが、この点について責任ある答弁を伺いたい。
○澤邊政府委員 調教師が競走馬の牧場を経営するということにつきましては、法令上あるいは規定上特に違反だという明文はございませんけれども、本来競走馬の調教師というのは調教に専念をしてもらうのが望ましいことでございますし、さらに、先ほど御指摘がございました調教師の馬主等に対します優越的地位ということで種々問題があるわけでございますので、そういう点からいたしまして、牧場を経営するということは入厩馬を選定する場合に望ましくない選定が行われるということにもなりかねない要因にもなりますので、われわれとしては好ましくないというように考えておりまして、これらにつきまして調教師に対しては節度ある行動を求めていきたいというふうに思っておりますが、先ほど申しました詳細な調査の結果を待ちまして、今後具体的にどのように指導、規制をしていくかということもあわせて検討してまいりたいと思っております。
○林(孝)委員 その詳細な調査というのはいつ行われていつ終わるものであって、そしてどういう調査の仕方をするのですか。いままでの調査の仕方だと、アンケート調査だとかいろいろなことをやっているわけですけれども、みずからのそういう事実関係について答えないというような人は除外されて、答えた中からデータを出しておる。これは完全な調査じゃないですよね。やはり完全な調査をしなければこういう具体的な問題に対する根本的なメスは入れられないと思うのです。 そういう意味において、この調査というのはどういう方法でいつ行われて、結果がいつ出てくるのか、お伺いしたいと思います。
○澤邊政府委員 調教師からの聞き取り調査の方法によって六月から始めておりまして、大体七月いっぱい、遅くとも八月の初めごろまでには調査を終わりたいというふうに考えております。
○林(孝)委員 では、その結果も当委員会に報告してもらいたいと思います。 それで、いまこの調教師の問題で二つばかり問題点を挙げました。いわゆる厩舎が少ないということと、そこに入厩希望者が多いということです。こういう状態を解決するためには厩舎をふやしていかなければならないということがありますが、この点に対する考え方をお伺いしたいことが一点。 それから、いわゆる一人の調教師が厩舎をどれだけ持っておるかという実態ですね。これは全然持っていない調教師の人もいます。しかし、一人で二十とか三十とかという厩舎を持っている人もいる。そして、一たん持ったら、新しい調教師が生まれても、免許されても、年功序列というか、そういうことによってもう固定化してしまっておる。したがって体質が改善されない。しかし、馬を出走させるためにはどうしてもその厩舎に入厩しなければならない。そこで、調教師の優先的な、あるいは調教師としてあるまじき行為が非常に生まれてくる。たとえばその行為の一つとして、いわゆる庭先取引というものを調教師がやって不当な利得を得ておる。そして、そういう所得が脱税という形で国税庁から指摘される。そうすると修正申告という形で申告をし直しておる。調教師の年間所得がどれだけかということは、正しい調教師の日常の生活であるならば収入は計算して出てくるわけですが、それ以外の収入については出てこない。しかし、現実問題として法外な利得を得ておる。そういうところから牧場経営というものも始まっておる。この馬房の体質が生み出す毒というものは非常に大きいわけです。 そういうことを考えると、厩舎が現状のままであっていいのかということが一つの大きな問題になりますけれども、調教師のやってはならないこと、たとえばそういう庭先取引をやってはならないということは明確に通達で出ておるが、しかし、現実問題としてやっておるわけでしょう。その、やったことに対してどういう処罰の仕方をしておるのかというと、これまた全然なされてない。 また、きょうは国税庁に来てもらっておりますから、国税庁に調教師の税申告の実態についてここの委員会に報告をしてもらいたいことが一つと、そういうオールマイティーな調教師の立場というものは果たして公正取引の適切な状態であるのかどうかということ、これを公取から伺いたい。 まず、この三点についてお伺いしたいと思います。
○澁谷委員長 簡潔に答えてください。
○澤邊政府委員 調教師の現在平均貸し付け馬房数は二十五前後になっております。最高が四十馬房でございます。これが全体で四千馬房であります。 中央競馬は内厩を持っておるわけでございますが、これをふやすということにつきましては、公営競技全体を通じてでございますが、現在、現在以上に開催日数なりレース数をふやさないという大原則に基づいてやっておりますので、これをふやすということはなかなか困難かと思いますが、ただ、現在、預託馬の制限が貸し付け馬房数に最高六頭分まで加えた数まで預託を受けることができるようになっておりますが、この制限の緩和等につきましては今後検討すべき問題だというふうに考えております。 なお、非常に固定化するという点につきましては、老齢調教師等につきましては減らしていくとか、あるいは先ほど申しました四十馬房という最高制限をもう少し下げていくとかいうようなこと、あるいはメリットシステムを入れまして、成績の悪い調教師あるいは何か問題のあった調教師等につきましては貸し付け数を減らすとかいうようなことによりまして、弾力的に競争条件を導入するということが必要であるというように考えております。
○田口説明員 御説明申し上げます。 税の面から見た調教師の状況はどうかという御質問かと存じますが、私ども調教師だけの全国の課税状況というような報告を徴しておりませんので、全体の姿というのは御説明できる状態にございません。 ただ御承知のように所得税の対象者というのは何百万とございます。いろいろな業種もございます。さような中でわれわれは限られた人員で大きな所得の者あるいは問題がありそうだと思われる者を効果的に選定いたしまして調査をするような体制になっております。 御承知のところかと思いますが、現在、全体的に見ますと三%弱ぐらいの実調率になっておりますが、調教師さんの場合、これは中央競馬会所属の調教師さんの多い二、三の署に問い合わせてみたのでございますが、実課率は一般の場合よりもかなり高くなっております。これは調教師の所得金額が全般的にかなりの額になる方が多いということで、高額な者を重点的に調査するという面から結びつきまして、調教師の場合に調査対象になっておるものが他の業種に比べると高いと言えるようでございます。 その結果どうであったかということでございますが、これも二、三の署だけの状況でございますが、そのうちかなりの部分が申告上漏れがあるというようなことで修正申告を出していただいた事例が多いようでございます。 先生重々御承知のとおり、調教師の所得というのは、いわゆる預託料収入と、それから馬が入賞した場合の賞金に関連する進上金収入というものが主たるものでございますが、それ以外にもいろいろな形の収入があるというようなこともわれわれ耳にするのでございますが、そこがわれわれの任意調査の限界で、十分に把握できているかという点についてはななか自信を持って申し上げられないところもございますが、私どもいろいろ工夫をして実態に即した正しい申告をしていただくように調査の面でいろいろチェックする、あるいはいろいろな場で御指導申し上げるというふうなことで適正な課税に配慮してまいりたい、かように思っておるところでございます。
○吉野説明員 調教師の業務につきましては関係法規によりまして厳重な監督規制が行われておるという面から見まして、直ちに独禁法の規制になじまないという側面があろうかと思われますけれども、それはそれといたしまして、独禁法上問題があるという情報がありましたときには直ちに必要な調査を行いまして、法に照らして厳正な措置をとってまいりたいと考えております。
○澁谷委員長 林君、時間が参りました。
○林(孝)委員 はい。あと一問最後にお伺いして終わります。 そういう調教師が庭先取引をしているということはいまこうして明らかになったわけでありますけれども、こういう取引は家畜商法の第十条違反ではないかと私は思うわけであります。そこで、この問題についてはいろいろと疑惑もあり、あるいは取り決めていかなければならないことがたくさんありますので、今回はその問題についての局長の責任ある答弁を伺って終わりたいと思います。
○澤邊政府委員 家畜の取引を営利を目的として継続反復して行う場合は家畜商の免許を得る必要があるということでございます。 調教師が家畜商の免許を得られないということではございませんで、取っておる方もおると思いますけれども、先ほど言いましたような入厩問題に絡んでいろいろな不明朗な事態が生ずる原因にもなりかねないので、家畜商の免許を取らないようにというような指導をわれわれとしてはいたしております。 取引に直接介入することのないように技術的な助言をするというようなことはやむを得ない場合があろうかと思いますが、直接取引を行うことのないように今後とも指導を強めていきたいと思っております。
○林(孝)委員 関連しまして、もしそれで取引をした場合は十二条の対象になりますか。
○澤邊政府委員 家畜商法、家畜の取引の法律に基づいて免許を受けていない者は家畜取引ができませんので、免許を受けずして、先ほど言いましたような営利を目的として反復継続してやれば家畜商法の違反になります。 ただ、調教師も現在家畜商の免許を取れないという法律構成にはなっておりません。しかし、これは望ましくないことで、いろいろ不正を起こす原因にもなりかねないので、われわれとしては調教師は家畜商の免許を取らないようにということを言っておるわけでございます。
○林(孝)委員 終わります。
○澁谷委員長 小宮武喜君。
○小宮委員 昨日、日本遠洋旋網組合から除名された組合員に対して、六月二十三日の福岡地裁からの組合員として取り扱わなければならないという判決について旋網組合は無条件に受け入れなければならないということについての私の質問に対して水産庁は、はい、そのとおりでございますという答弁をされたわけですが、これは昨日も申し上げましたように、旋網組合の方では組合に対する運搬船は一カ統三隻以内ということの念書を各組合員からとっておるわけです。したがいまして、除名された組合員が裁判の判決によって無条件に遠洋旋網組合に復帰するということになるわけでございますが、私が懸念することは、その場合に念書が復帰の条件になり得るのかどうか、その念書を出さなければ組合員として受け入れられないことになるのかどうかということですが、これについての水産庁の見解をお伺いしたい。
○松浦説明員 お答えをいたします。 ただいまの先生の御質問でございますが、昨日長官から御答弁を申し上げましたように、去る六月二十三日の福岡地方裁判所における仮処分の結果、除名決議の効力は停止するという状態になっておりますので、行政庁といたしましては当該二社を組合員として取り扱う必要があるということをお答えいたしたはずでございます。 したがいまして、この仮処分に基づいた組合員の資格取得上の観点から申しますと、他のいろいろな念書その他にかかわらず、当然組合員としての地位が仮処分に基づいて保全されているというふうに解釈せざるを得ないというふうに考えております。
○小宮委員 その際、遠旋組合に復帰するならば念書を出しなさい、運搬船は一カ統三隻以内、合計総トン数は七百五十トン以内、七百五十トンを超えてはならないという念書を出さなければ認めませんよ、また、出しなさいというようになって——いわゆる裁判所の判決によって仮処分が認められて組合員の地位は保全されたとしても、さらにそれに対して念書を出しなさい、念書を出さなければ組合員として認めませんよということでいやがらせをやられる可能性もございますが、その場合に水産庁としてはどのような行政指導をやられますか。
○松浦説明員 お答えを申し上げます。 先生のおっしゃいました二つの問題が一緒になっているように感じられるわけでございますが、一つは、いわゆる制限条件の問題として運搬船三隻ということを申しまして、これは漁業法に基づく措置といたしまして、いますべての組合員について守ってもらっているという状態でございます。これは行政庁の処分でございますから、これは守っていただかなければならぬというふうに思われます。 しかしながら、七百五十トンの運搬船の総トン数の制限につきましては、これは組合の内部の申し合わせと申しますか、そういうことでやっておるわけでございます。したがいまして、今回組合員の地位が仮処分によりまして保全されております以上は、わが方といたしましては七百五十トンの制限を守らないからといって組合員の地位を失わせるというわけにはまいらないというふうに考えております。 しかしながら、できる限り円満な組合の運営を図ってまいりたいというふうに考えておりますし、また、そのような指導をいたしてまいりたいというふうに考えておりますので、できるだけ各組合員が協調体制のもとに組合の運営に参加できるように全般的な行政指導は行ってまいりたいと考えておる次第でございます。
○小宮委員 後者の方はよけいなことを言わぬでもよろしい。前者の方だけでいわゆる復帰の条件とした場合に、七百五十トン以上を超えてはならないという念書を皆出しておる、そのために念書を出さなければまたあなたは追い出しますぞというようないやがらせをやられることが十二分に予想されますので、その場合に水産庁としてはどのような行政指導をするのかということを私は質問しておるわけです。だから、後者の要らぬことは言わぬでよろしい。 それと同時に、この裁判の判決に当たって遠旋の組合では異議の申し立てをやったということを私は伺っておりますが、その異議の申し立ての内容について説明を願いたい。
○松浦説明員 お答えをいたします。 異議の申し立てば行ったというふうにはまだ聞いておらないわけでございますが、あるいはこれからやるということかもしれません。私どもとしては申し立てを行ったというところまではまだ聞いておらない次第でございます。
○小宮委員 従来の生産調整規程が四月三日で失効した。それで、四月四日以降は新たに生産調整規程の変更をやって、これが農林大臣の認可がおりておりますが、その新生産調整規程の内容について簡単に御説明願いたい。
○松浦説明員 お答えをいたします。 本年四月四日付で変更が認可されました旋網生産調整組合の調整規程のお尋ねであろうと思いますが、前の規程と比べました場合に、まき網漁業に使用いたします漁船及び漁網につきましての登録の基準がございましたが、これにつきまして所要の整理を行いました。特にポイントとなりますのは、従来の灯船及び運搬船に関する隻数制限を制限条件に移しておりますし、また、先ほどお触れになりました運搬船の総トン数の規制につきましても落しておるわけでございます。それから、主機関馬力数の制限等につきましては漁船性能基準に譲っているという形で、漁船の登録についての内容を改正いたしております。それから、従来臨時休業の規定がございましたけれども、これを削除いたしております。定時休業につきましては若干期間を延長するという措置をとっております。この三つが大きな改正点でございます。
○小宮委員 新調整規程について、私の手元まで資料提出を願いたい。 それと同時に、生産調整組合でも、たとえば臨時休業がなくなっておりますね。従来の調整規程から比べれば非常に緩やかなものになっているわけですが、そういうような点については、はっきり言いますと、たとえば運搬船の一カ統三隻内、総トン数は七百五十トン以内とするということも削除されておるわけですが、生産調整規程の中で七百五十トンというのがもともと申請する場合も削除されておるわけですが、今度削除された理由についてお伺いしたい。
○松浦説明員 お答えをいたします。 特にポイントになりますのは運搬船の七百五十トンの総トン数の削除という点であろうと思いますが、実は、旧調整規程は主としてサバの価格の低落と申しますか、低迷と申しますか、これに対処いたしますための規程でございまして、諸般の調整を行うことが内容になっておったわけでございますが、今回の措置はサバの問題ではなくてむしろアジの資源保護を目的としたものであったわけでございまして、したがいまして、灯船の二隻の制限と運搬船の三隻の制限を制限条件としてつけますことによりましてアジの資源保護には十分であると考え、また、サバに対する措置としての調整規程には運搬船の総トン数七百五十トンの制限は付さなくてもよい状態であったと聞いておる次第でございます。
○小宮委員 水協法の七条によって運搬船の総トン数の制限が可能かどうかという点はいかがですか。
○松浦説明員 お答えをいたします。 これは昨日も長官から御答弁申し上げたと思うわけでございますが、漁業協同組合といたしましては、経済的に弱い立場にある漁民の相互扶助を目的といたしました協同組織といたしまして、漁業生産力の増進を図り、かつまたその経済的、社会的地位の向上を図りますために、水協法上七条の規定により独禁法は一定の要件を備えた場合は排除されることになっておるわけでございます。従来から、私どもも、そういう解釈のもとに、漁協内部におきまして休業とか運搬等につきまして自主的な調整を行いますことは可能であると考えておりました。そのような立場から水協法の規定の発動ということがあり得ると考えておるわけでございます。
○小宮委員 水協法七条によって運搬船のトン数制限が可能であるならば、それでは何で生産調整組合法の調整規程の中でその七百五十トンを規定したのかその点はいかがですか。 それで、七百五十トンの運搬船のトン数制限については法的規制が非常にむずかしいというようなことも、二月十五日の総大会の議事録を見てもはっきり言っておるし、また、長官自身がそのようなことを答弁しておるわけですが、法的規制が困難という理由についてお伺いしたい。 水協法七条によっては結局運搬船のトン数制限が可能だといういまの答弁があったが、ところが、いままでは可能であるものを生産調整規程の中でこれを規程として残してきたが、今回これがなくなったということで七百五十トンのトン数制限は念書でごまかしてきたというような状況を見た場合、いままでのいろいろな議事録を見ても、長官の方も運搬船のトン数制限については法的規制が非常に困難だと言われておりますし、法的規制が困難だということを七条の関係あるいは生産調整組合の調整規程との関係でどのように理解していいのか、答弁願いたい。
○松浦説明員 お答えをいたします。 非常に複雑な問題でございますので明確に御答弁申し上げなければいけないと思いますが、まず、第一に、水協法の規定上ある種の調整が行い得るということは先ほど私が申し上げたとおりでございまして、その解釈は私ども依然としてそうであると思っておるわけでございます。しかしながら、御案内のように水協法の規定だけでは十分にその目的が達せられない場合がございます。つまり、たとえばアウトサイダーの規制を行います場合には水協法ではできないわけでございますし、また、水協法では小さな漁業者が対象でございますので、大きな漁業者を含めて調整をするというような場合には水協法では不十分なわけでございます。したがいまして、旧調整規程ではこのような強い規制をも全般として必要であるという角度から、調整規程の内容として、運搬船の総トン数につきましても七百五十トンという制限を課していたと考えておるわけでございます。そして、さらにつけ加えて申しますれば、その目的は主としてサバの生産調整というところにあったわけでございます。 しかしながら、今回調整規程の中にこれを入れなかったのはなぜであるかというお尋ねであろうな思いますが、今回の制限条件を付しました目的はアジの資源の確保ということでございまして、そのような資源確保の観点から見ます場合には制限条件を漁業法の規定に基づいて付するだけで十分であると考えましたので、調整規定の中には入れていなかったわけでございます。
○小宮委員 あなた方はアジだとかサバだとかよく使い分けをやって巧妙に逃げ切ろうとしておるわけですけれども、アジとサバは同時回遊をしておるわけだから、これがアジだ、これがサバだというような区別をしてとることはなかなかむずかしいのですね。ただ、皆さん方がどのような答弁をされようとも、これは議事録にも出ておるし、はっきりしておるんだが、七百五十トンというのを生産調整規程から外したというのは、いわゆる公取との協議の中で非常にむずかしい、したがって昨年の調整規程の場合も、昨年の十月三日からことしの四月三日までの半年間ということを制限をっけられて、しかもその制限はまき網の制限だけではなくて、カツオ・マグロの調整規程も全部御破算になったというようにわれわれは伺っておるわけですが、そういうような意味では、公取との協議の内容が非常にむずかしいので、安易に水産庁が公取と協議をしなくても実質的な調整がやれるようにということで皆さん方がこちらに逃げ込んできたことは皆さん方が幾ら答弁されてももうはっきりしておるわけです。 それから、その調整、たとえば七百五十トンを水協法の中でやれるというのも、いわゆる作業艇を廃して運搬船は三隻以内ということにしたにしても、七百五十トン以内になぜしなかったかということは組合の内部事情の問題があるわけですよ。そのはっきりした理由については、私が議事録を読んでみますと、第一の理由は、「全組合員の一統平均の運搬船の合計総も数は、五百二十もであるので」となっておって、これは五百二十トンは問題はありますけれども、「七百五十屯の規制は困難である。」ということ、第二の理由は「七百五十もで規制すれば、既にこれを超過しておる三社に対しこれを永久に認めるような法的規制措置は出来ないこと。」ということ、そして、三点としては一ここが大事ですよ。いままで私が主張してきたことの論点がここにあるわけですが、三点としては、「法的措置を講ずれば、複統経営・系列会社間の運搬船の積合せ等効率的な運航が出来なくなり、経営の合理化に相反すること。」ということになっておる。この複統経営の問題はわかるでしょう。三陸と東シナ海、東海の方面等のこういうような漁を持っておる人が積み合わせがやれぬようになるということなんですよ。だから、法律上の問題とかなんとかは別として、これは組合の内部事情でこういうようにしてくださいということで、水産庁長官にいろいろ陳情して、それでやられておることは事実である。作業艇を廃したことによって船の安全操業ができなくなったということで、操業度を落としたために漁労長で首になった人がもうすでに三人おるわけですよ。 だから、みずからがみずからの首を絞めるような行為をやっておるのだけれども、それは別の機会にやることにして、もう時間がございませんから言いません。けれども、こういういままでの水産行政に対して、水産業の経営の安定だとか言うけれども、自分の首を自分で絞めるような行為を続けておる。しかし、これに対しては時間が来ましたから答弁は要りません。 それで、公取の方もせっかく来ておりますので伺いますが、昨日私が質問しましたところ、たとえば昨年の十月三日からことしの四月三日までの調整規程をなぜ半年に限定したのかという質問に対して、きのうの経済部長はそれは盛漁期でございましたというようなことを言っておるわけです。ことしの調整規程は四月四日以降向こう一年間になっておるわけです。そうすると、昨年の場合は盛漁期だからということで半年間に限定したわけですが、それをことしは一年間にしたという理由はどういうような理由ですか、公取の方に答弁願いたい。
○厚谷説明員 お答えいたします。 昨年私の方が農林大臣からの協議に応じましたときの期限は本年の四月三日までになっております。それを半年間というのは、昨日経済部長が御答弁いたしましたごとく、サバの盛漁期に限って灯船及び運搬船についての制限を認めたということでございます。 本年は一年間ということでございますが、これはそういうような事項が削除されておりまして、それで、サバはもちろん一年間を通じて盛漁期じゃございませんけれどもとれておりますので、そのサバについての必要な限りの制限というのは一年間が適当であるということで私の方は協議に応じたわけでございます。
○小宮委員 最後に一つだけ。いまの除名された組合員に対して、農林漁業金融公庫の方では、だれからの圧力がかかったか知らぬけれども、すでに昨年の十月に申請をしたいわゆる漁業者に対する一般資金の貸し付けについても圧力がかかって、いまだに融資もされていないというような状況になっている。福岡の支所の方を調べても、本省の方がどう言うか、本省と折衝中でございますということで、半年以上も引き延ばしておる。少なくとも今回除名がなくなった、組合員になったということで、そういうようなことは万々ないだろうと思いますけれども、それはすぐきょうでも私は調査しますが、そのようなことを皆さん方水産庁自身がやっておるとは思いませんけれども、そういうような圧力によって、また市中銀行に対してまでそういうような融資の道を閉ざして、そしてそういうような除名された組合員を倒産に追い込もうとしておるようなことが、そんなことが組合として許されますか。 この問題についてはまた後でやりますけれども、水産庁、水産行政がそういうような組合と密着して、自分の気に食わぬやつは倒産に追い込むとか、あるいはこいつはつぶしてしまえと言わんばかりのこういうような悪質な行為をすることに対して私は今後ともこの問題を取り上げていきたいと思います。きょうは時間がございませんからこれで質問をやめますが、十分水産庁と調査をして、そのようなことがないように善処をしてもらいたい。 委員長、どうもありがとうございました。 ————◇—————
○澁谷委員長 この際、一言ごあいさつ申し上げます。 今国会も明四日をもって終了いたしますが、きょうまで長い間委員会運営等につきましては委員各位の特段の御協力をいただきまして、円満なる議事運営ができましたことをありがたく心から御礼申し上げます。ありがとうございました。(拍手) 本日は、これにて散会いたします。 午後一時二十八分散会