農林水産委員会 第29号
- 発言数
- 80 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1975/06/19
会議録
○澁谷委員長 これより会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。芳賀貢君。
○芳賀委員 この際、農林大臣にお尋ねいたします。 昭和五十年に生産される米並びに麦につきまして、生産者米価及び生産者麦価の決定が迫っておるわけでありますが、この際、生産者米価及び生産者麦価に対する政府の具体的な方針についてまずお尋ねいたします。
○安倍国務大臣 生産者米価につきましては、食糧管理法の定めるところによりまして、生産費、物価等の動向、生産、需給の状況、全体としての食糧農業政策のあり方等諸般の情勢を総合的に考慮して決定することとしておるわけでございます。また、麦につきましては、御存じのように、パリティ方式によりまして決定いたすことになっておるわけでございますが、現在の段階におきましては、まだ具体的な取り扱いを決めていないという状態でございます。
○芳賀委員 米及び麦の決定の時期の問題でありますが、もうすでに六月下旬でありまして、食管法に基づいて、麦価については六月中に米審に諮問して政府が決定することになっておるわけでありますので、いまの時点で言えば、まず麦価を先に決定して、その次が生産者米価の決定ということになると思うわけであります。 そこで、麦価決定についての米価審議会の開催あるいはまた審議会に生産者麦価についての諮問をなさるわけでありますが、その内容等についてはどこまで作業が進んでおるか、米審開催の時期と合わせて明確にしておいてもらいたいと思います。
○安倍国務大臣 米の前にまず麦を決めなければならぬわけでありますが、六月じゅうに麦価を決定したいと考えております。そのための米価審議会は二十五日、二十六日の両日間にわたって開催し、米審の答申を得て六月いっぱいには決定することにいたしておるわけでございますが、まだ、麦価の政府買い入れ価格につきまして、麦価についてのパリティが出ていないというのが今日の情勢でございます。
○芳賀委員 麦価算定の内容については後でお尋ねしますが、米価決定についての米審の開催時期については七月に入ると思いますけれども、政府としては何日に生産者米価決定の米審を招集するのか。予定がおおよそ固まっておればこの際明らかにしてもらいたいと思います。
○安倍国務大臣 米価につきまして、その取り扱いをどうするか、あるいは米審をいつ開くかというふうなことにつきましてはまだ最終的に決めておらないわけでございますが、毎年の例もあるわけでございますから、七月の中旬ぐらいには米審を開きたい。その日時につきましてはまだ決定はいたしておらないわけでございます。
○芳賀委員 客観的な判断としては、七月十九日から沖縄海洋博が開催になるわけでありますから、恐らく三木総理を初め各閣僚においても海洋博の開会式には出席すると思うわけです。したがって、海洋博開催の前に当然米価の決定をして、それから海洋博に出かけるのではないかということが常識的な判断になっておるわけですが、そうなれば少なくとも七月十八日までに政府は生産者米価を決定すると考えてよろしいですか。
○安倍国務大臣 まだ、その決定の日時等も決めておるわけではございませんが、いまお話しのような沖縄博の問題も考慮しながら米審の開催日時、米価の決定日時を決めていかなければならぬと思いますが、麦価が終わった段階でそういうことに対して準備をしたいと考えております。
○芳賀委員 もう一つの客観的判断としては、全中が中心になって開催する全国の生産農民の米価要求大会が毎年武道館で開かれるわけでありますが、ことしは、最初は七月十日に全国大会を開くということが予定されておったわけでありますけれども、それが後で七月七日に縛り上げて開催するということに変更になったわけですね。これは明らかに政府の生産者米価決定の米審開会の時期と調整をして七月七日ということに決まったのだと思うわけです。 そうなれば、われわれの従来の経験あるいは政治的な判断から言うと、大臣としては少なくとも七月十日ごろに米価審議会を開催されるのではないかと考えるわけです。そして、米審で三日ないし四日継続して審議をする、答申を得て若干の日時を置いて沖縄海洋博前に決めるということになれば、そうした手順が大体もう内部的に決まっておると思うわけです。これは何も秘密にする問題じゃないわけですね。正確な予定が決まれば、政府としては速やかに国民に対して、生産者に対してそういう予定とか作業の内容というものをむしろ公表して、責任のある審議、決定を行うべきだと思いますが、その点についてはどうですか。
○安倍国務大臣 米価要求のための全国中央会主催の米価大会は七日に行われると聞いておるわけでございますが、これは中央会において自主的に決定をされたものと判断をいたしております。その決定につきましてはいろいろと配慮もされておると思うわけですが、国会が七月四日に終わるわけでございますし、そういうことも一つの判断の材料として七日に決定されたのではないかというふうに推察をいたしておるわけでございます。 米審の日時につきましても、決まれば一日も早くこれを発表するということは当然でございますが、現在のところまだこれを発表する段階に至るまでの決定はいたしておらないということでございます。
○芳賀委員 社会党としては、昨日の午後三時半に首相官邸におきまして井出内閣官房長官と会見をして、米麦価問題を中心とした党としての政府に対する申し入れを三木総理並びに井出官房長官に対しまして行ったわけです。その際この具体的な日程の問題等についても触れたわけであります。もとより政府内部においては、米審の問題、決定の予定日等は農林大臣が主体的に決めることになるわけでありますが、井出官房長官としても、米価決定の時期は沖縄海洋博が十九日に開催されるのでぜひ開催前に米価をちゃんと決めて、それから海洋博に出発するようにしたいと思っているという趣旨の発言をわれわれにされたわけでありますからして、これはもう確実な予定日であるというふうに考えていいと思うのですよ。 官房長官はそう言っているのに農林大臣がはっきり言わぬというのはおかしいじゃないですか。
○安倍国務大臣 米価決定は、農林大臣が米審を開催するわけでございますから、農林大臣がやるわけでありますけれども、しかし、政府全体としてもやはり日程等の関係もあるわけでございますから、官房長官は政府全体の立場に立っていろいろと判断をされると思うわけでございますし、いずれは相談はあると思いますが、現在の段階におきましては、いま御指摘がありましたような話は私はまだ官房長官から受けておらない。相談もしなければならないのですが、まだ相談もしていないというのが今日の姿でございます。
○芳賀委員 くどいようですが、それではことしの米価決定の時期は七月十八日ないしそれ前に行われるというように受けとめていいわけですね。そうでないと言うなら海洋博後ということになるが、そういう怠慢なことでは国民の強い批判を受けることは間違いないわけですが、そのぐらいのことははっきりできるんじゃないですか。 幾らに決めるかということはまだ聞いていないのですから、何日に決めるのかということを聞いているのですから、もう少し率直な答弁を願いたいと思うのです。
○安倍国務大臣 私も率直に答弁をしたいわけでございますが、しかし、米価問題というのはなかなか大変な政治的な行事とも言えるわけでございますし、大変な事態でございますので、慎重の上にも慎重を期して——私が責任者でごさいますから、その決定につきましても、実は麦価が決まった後で政府関係とも十分相談をして決めたいというふうに考えておるわけで、いろいろとあちこちの御意向等も徐々に承ることにいたしておりますが、いまの段階は先ほどから申し上げたように最終的には決定をしていないということでございます。
○芳賀委員 次に質問したいのは、政府の米価決定の方針として、ことしは米価審議会に生産者米価の諮問をする際に同時に消費者米価についても諮問をするという政府内部においての大勢的な方針が決められておるようにも伝えられておるわけでありますが、この点はどうですか。
○安倍国務大臣 そうした重要な問題につきましてはまだ具体的には何も決めてないということでありまして、各方面の御意向等も十分判断をして決定をしたい、こういうふうに考えております。ですから、まだそうした問題も何ら決めてないということでございます。
○芳賀委員 大臣、えらく慎重居士になったんじゃないですか。われわれは、安倍農林大臣は農業、食糧問題等については責任ある所管大臣として相当自主性を持って、むしろイニシアをとるような立場に立って積極的な政策を進めるんじゃないかという期待と判断を現在も持っているわけですが、まず、米価決定の予定日もはっきり言えぬ。生産者米価、消費者米価の同時諮問という問題は、これはむしろ政府側で先制攻撃のような形でことしは宣伝を開始したのですよ。一般国民からこういう声が出たのではなくて、政府の側から、農林省とか大蔵省、経済企画庁あるいは与党自民党の方面から、ことしは米審において生産者米価、消費者米価の両米価をぜひ同時諮問をして、そして同時決定を行うということを言い出したのです。 これは異例な政府の態度であるというふうにわれわれはながめておったわけですが、いよいよ米審も迫ってきておるわけですし、これはやはり両米価決定の基本にかかわる問題になるわけですから、この点は農林大臣として同時諮問の考えで現在おるのか。全く切り離して、生産者米価については食管法の定めるところに従って忠実に生産者米価の決定を進める、そして消費者米価の決定については、これも食管法の規定に基づいて、国民の生活、家計の安定を旨として別個に決めるということでいくべきでありますが、ことしことさらに政府側から積極的な宣伝が行われておる。これはわれわれとして絶対了承できない点ですから、伝えられておるような同時諮問の考えを農林大臣自身が持っておるのかどうか、この点を聞いておきたい。
○安倍国務大臣 私は、この米価の問題につきましては自主的に農林大臣の権限に基づいてやるべきことはやらなければならないという決意でおるわけでございますが、何としても米価問題は非常に重要でございますので、各方面の意見を聞き、その中で判断をしたい、決断をしたいということで、現在は非常に慎重な態度で臨んでおるわけでありますが、同時諮問につきましても、私の与党であります自民党の中においても相当強い声が出ておるわけであります。あるいはまた政府の一部におきましても同時諮問をすべきであるというふうな考えがあるということも承っておるわけでございますが、それに対していま慎重に私は考慮をしておるということでございます。 したがって、現在の段階におきましておまえの考えはどうかと言われても、いまここで即座にどうしますということは言えないわけで、各方面の意見、国会の御意見等もっと十分に聞かせていただいて最後の決断をしたいというふうに考えておるわけでございます。
○芳賀委員 それは農林大臣のお考えが最終的な政府の決定とたまたま結果的に相違することがあるとしても、とにかく、食糧問題、農政担当の農林大臣自身がこの重要な問題について確固たる考えがあるかないかということは非常に大切な点だと思うのです。まさかそれがないとは言えぬと思うのですね。基本になる考えが何もなくて便々と農林大臣を務めておるわけではないと思うのですよ。そういう信念のないことは安倍さん自身としてもできないと思うのですね。 そうなれば、当然、農林大臣安倍晋太郎として、この米価決定に当たっては米価審議会に事前に諮問しなければならないということになっておるわけだが、その際に同時諮問をするかしないかということは最初から腹が決っていなければならないと思うのですよ。そしてたとえば関係閣僚間でぜひ同時諮問をしろとかするなとか話が決まらぬと最終的には三木総理の裁断を求める。そこまでこれは行かぬでしょうが、たとえばその場合に三木総理が同時諮問をしたらいいのじゃないかということになればやむを得ぬかと思いますが、肝心の安倍大臣自身がどう考えておるかということを私は聞いているのですよ。まさか考えがないとは言えぬと思うのですね。
○安倍国務大臣 まあ、この問題の取り扱いは、これはやはり私が責任を持って最終的に決めなければならぬ問題だと実は思っておるわけでございます。そのための判断の材料として政府間のいろいろの御意見も聞いておるわけでありますし、あるいは自民党の御意見または国会の御意見等も聞かせていただいておるわけでございます。したがって、私は、何度も申し上げますように、まだ最終的に決断はしてないわけでございます。 しかし、生産者米価、消費者米価につきましては関連がないとは言えないわけでございますので、そういう意味においては関連を持った形において米価審議会においては審議をしていただきたいというふうな考えも持ってはおるわけでございますが、しかし、同時諮問の問題については、これは各方面の意見を慎重に聞かせていただいて、その上でやらないといろいろと後々までに問題を残すことになるわけでございますから、これは決定をするまでにはまだ時間もあるわけでございますから、十分考えさせていただきたいと思っております。
○芳賀委員 とにかく、同時諮問を行ったということは、過去の米価審議会あるいは米価決定の長い経緯を振り返ってみてもほとんどないわけですね。もしやるとすれば、前例を破って同時諮問をやるということに当然なるわけですが、農林大臣としてはそういう危険なことはしないと思うのですよね。 それから、各方面の意見を聞くということもいいが、物の順序としては、ほかの大臣の意見を聞く前に、自分の農林省内部に食管なら食管担当の食糧庁長官というものが現存しておるわけですから、まずその辺の意見から先に聞かぬといけないと思う。自分の身内の意見とか責任ある長官の意見も何も聞かないで隣近所の閣僚仲間の意見を聞くなんて、そんなばかなことはすべきではないと思うのですよ。 それで、後ろに控えている三善食糧庁長官としては、これについて大臣からも何も相談をされていないのですか、また、あなたからも進言もしていないのですか、成り行き任せにしておるのかどうか、その点はどうですか。
○三善政府委員 同時諮問の問題でございますが、いま先生は過去において例がないようなことを言われましたけれども、過去において例はございます。先生が一番御承知のように、三十二年とか、二十四年とか、具体的な数字を出して同時諮問をした例、あるいはその他具体的数字のない同時諮問みたいなものもあるわけでございます。そういうことで、過去に例がないということではございません。 それから、大臣と全然相談していないんじゃないかというお話しのようですけれども、大臣にはいろいろ常に御相談を申し上げておりますし、私も、先ほど来大臣が御答弁になりましたように、いろいろの方面の意見も聞きながら最終的に大臣に決めていただくことにしたいと思っております。
○芳賀委員 最終的に大臣が決断をされると言うが、その前に食糧庁長官が意見を持っていなければならぬでしょう。それがどういう意見かということを聞いておるのですよ。進言していなければここで長官の考えをまず委員会で述べて、それから大臣に堂々と進言したらいいじゃないですか。長官自身は同時諮問というものについてどう考えておるのか。
○三善政府委員 同時諮問の基本的な問題としましては、生産者米価と消費者米価、政府の売り渡し価格でございますが、これは全然切り離した別個のものではないと私は考えております。と申しますのは、政府の売り渡し価格、消費者米価もコストというものは当然要素として考えなければいけませんし、全く切り離した別の次元の問題だというふうには考えておりません。関連はやはり当然あるというふうに考えております。 ただ、具体的なそういう諮問のやり方としてどうするかという問題でございまして、最終的な判断をしていただくのは大臣でございまして、私も、ここで申し上げるまでもなく、同時諮問については、いま申し上げましたような基本的な考え方等については大臣に常にいろいろと申し上げているわけでございます。
○芳賀委員 私は何も大臣や長官が悪いことをしているからけしからぬと言っているのじゃないですよ。政策を進める場合に基本になる考えが固まっておるかどうかということを尋ねておるわけですからね。何もおどおどする必要はないですよ。 それから、先ほど来大臣も長官も生産者米価、消費者米価は関係ありということを強調しておりますが、われわれは何も関係がないとは言っていないですよ。ただ、両米価を決める場合に物の順序というものがあるでしょう。まず、五十年度に農民が生産した米について、政府が食管法の定めるところに従って政府の買い入れ米価というものを決定しなければならぬということになるわけでしょう。それを決める場合には米価審議会の意見を聞いて農林大臣が決定して告示をする、そこでようやくことしとれる生産者米価が決まるわけですからね。それから、五十年の生産者米価決定の後に、政府として消費者米価をどうするかということも、方針が固まれば、必要があれば米価審議会を開いて、そこに諮問をして決めることも、これは当然できるわけですね。だから、同時諮問でなくともまず生産者米価を適正に決める。決まった生産者米価というものは国民全体に明らかになるわけですから、その後で米価審議会を開いて、消費者米価改定の必要があれば、そこで政府として手順を踏んで決めるということはできるわけですね。 いままではそういうことをやってきておるわけであって、このやり方というものは両米価に関係のないやり方ということにはなっていないでしょう。今回特に政府が同時諮問を考えておるのは、生産者米価と消費者米価を米審という同じ土俵に上げて、一方においては生産者米価をできるだけ抑制して決めるような情勢をつくり、一方においてはまた生産者米価の値上げあるいは食管会計における一般会計からの多額な繰り入れをされておるという状況を強調して、そこで消費者米価の大幅な引き上げを実現させるという、こういう意図があって初めて米審に両米価同時諮問をするというねらいが出てくるわけですね。これがなければ、何も無理に生産者米価、消費者米価を同時に諮問して同時に決定しなければならぬ理由というものは全然存在しないわけです。いま言ったとおり、生産者米価をできるだけ抑制し、消費者米価をできるだけ値上げするというねらいを持っておるから政府が先制的に同時諮問ということを与党自民党も巻き込んで宣伝しておるということになるわけですね。これには全国の生産者にしても猛烈な反対をしておるわけですね。われわれ社会党としても、こういうような作為的な米価の決め方というものは食管制度から見ても正常なやり方ではない、当然分離して両米価を適正に取り扱うべきであるということは、六月五日に農林大臣に社会党の代表としてわれわれがお会いしたときにもその点は当初明確に述べておるわけです。 これは非常に重要な内容を包蔵しておる問題ですから、この際当委員会を通じて農林大臣としての責任のある態度をぜひ明らかにしておいてもらいたいと思うのです。
○安倍国務大臣 確かに、この問題は取り扱いの問題でございますが、非常に重要な問題であると思います。したがって、これは私だけの独断で決めるべき問題ではないとも考えておるわけでございまして、そういう立場から現在慎重に各方面の意見を徴しておる状態でありまして、まだ時間もあるわけでございますから、麦価が決まった後にこれを最終的に決定をしたい、と、こういうふうに存じておるわけであります。
○芳賀委員 方針がまだ決まっていない、麦価の米審が終った後でということでありまして、その際各方面の意見を聞くということを盛んに言っておられますが、それでは国会におけるこれに関する論議等については、貴重な論議として、大臣としても方針決定については当然十分に配慮をさるべきだと思いますが、その点はどうですか。
○安倍国務大臣 非常に重要な問題でございますし、先ほど申し上げましたように各方面の意見を聞かなければなりません。したがって、国会の御意見等も特に重要な御意見として十分考慮をさせていただかなければならない点であろうと思います。
○芳賀委員 その次に、あらかじめ明らかにしてもらいたいのだが、昭和四十二年以降政府は、生産者米価を決める場合の米価審議会に提出する政府の試算米価等についても、あるいは国会に説明する場合の試算米価にしても、毎年の生産者米価の試算をする場合の基礎になる算定方式を毎年毎年取りかえてきておるわけですね。だから、結局、算定方式を取りかえることによって米価が不当に抑制されてきておるということは言うまでもないことであります。 そこで、昨年の政府の算定方式が是であるというようにはわれわれは決して評価するものではありませんが、しかし、去年よりもまた米価を抑制するような目的の算定方式をつくるということになれば、比較して去年の算定方式の方がいいということも結果論として成り立つ場合も出てくるわけですが、ことしはその算定方式を用いる場合にどういうような考えに立っておるのか、去年よりもまた条件の悪い物差しをつくる努力をしておるのか、去年どおりの算定でいく考えでおるのか、あるいは昨年の算式をさらに改善して、適正な生産者米価というものが農民に納得されるような形で決定するような方式を検討しておるのか、その点はどうですか。
○三善政府委員 算定方式の問題でございますが、米価は大きく言えば生産費所得補償方式という方式でやっておるわけです。ただ、その方式の中の要素の取り方の問題の御質問かと思いますが、生産者米価を決めます場合に、経済事情、特にそういった生産事情とか、そういう一つの大きな問題等も当然考慮しなければならない問題でございますし、私ども、ことしの生産者米価について、まさに先生御承知のように、まだ生産費の調査も出ておりませんし、資料の整備を待ちまして検討をしてみたいと思っておりまして、具体的にいまここでどうするというようなことは申し上げるまでに至っていないという状態でございます。
○芳賀委員 私は算定方式の中の各要素に取り入れる係数等がどうなったかということを聞いておるのじゃないのです。たとえば算定方式そのものを昨年同様に実施するという場合もあるわけでしょう。それも過去に例のあるように、それよりもまた安い米価ができるような算定方式に変更するという場合もあるでしょう。それからまた前向きに改善するということもできるわけですから、それらの算定方式の設定についてはどういう考えを持っておるかということを私は聞いておるわけです。
○三善政府委員 いま先生が申されましたように、算定方式と申しましても、その要素の取り方の方式の問題だろうと思います。そういう意味で私は申し上げたわけでございまして、これは、やはり、生産費の調査等が出てまいりまして、いろいろそういう資料が整ってから具体的なことは考えたいということで、いまの段階では、これをどうするとかこうするとかいうようなことはまだ申し上げられないような段階であると私は思っております。
○芳賀委員 私は幾らになるかということは聞いていないのですよ。 そこで、大事な点を大臣に確認しておいてもらいたいと思うのですが、算定方式を変更することによって決定米価というものは左右されるということを私はいま指摘しておるわけですが、実例を挙げますと、昨年の四十九年産米価決定の際に、当委員会において、食糧庁長官に対して、算定方式のとり方によっていろいろな米価が決められるではないかということで、昭和四十二年に政府が米価を決定した際に採用した算定方式を用いた場合に、昭和四十九年産米の六十キロ当たりの価格はどうなるかということをただしたわけでありますが、これに対する食糧庁長官の説明は、昭和四十二年方式で算定すれば六十キロ当たり一万七千六円になるということを資料を提示して明確にしておるわけですね。ところが、昨年政府が決定された米価は一万三千四百十二円ということになっておるのですね。これは一定の算定方式を基礎にして計算した結果として六十キロ当たり一万三千四百十二円の米価が決定になっておるわけです。そうなると、算定方式が相違することによって、六十キロについて実に三千五百九十四円生産者米価に差異が生じておるでしょう。現実にこういう問題が出ているわけですからね。 だから、ことしの米価を決める場合も、四十二年の算定方式を使えば、恐らくことしは少なくても六十キロ二万円台になると私は考えておるのです。政府の場合にはまだ方針が未定のようでありますが、これは物価、労賃等の事情が相当激変しておるわけでありますから、政府が去年使った算定方式によっても相当の生産者米価の上昇というものは答えとして出てくると思うのですね。それを恐れて同時諮問、同時決定をやるとか、あるいはさらに生産事情、経済事情を無視して低米価で決めるということになれば、また去年と違った算定方式をつくって、それを基礎にして低い米価を決めるということになるおそれが多分にあるわけですね。同時諮問の政府構想から見るとそのおそれが多分にあるわけですよ。だから私は事前に米価決定の一番基礎になる算定方式を一体どうする考えかということを聞いておるわけです。 大臣、これは食糧庁長官だけに任せておけない問題ですよ。三善長官は正直な男だということはわれわれも知っておるし、農林大臣の信頼も厚いことも当然だと思う。とにかく、農林省は善良な役人諸君が多いのですが、米価を安くするという場合には精力を傾けてやり、どうしたならば低米価になるかというそろばんをつくることは巧みなわけですね。だから安心してうまくやってくれなんて言ったって、これはだめですよ、大臣。 だから、麦価もそうでありますが、ことしは米審が始まる前にわれわれは委員長とも御相談申し上げるわけですが、重要な問題については国会の中の当委員会等を通じての十分な相互の論議というものは必要だと思うのですよ。米審が開かれるまでは資料も出すことはできませんと言って、米審の朝になってから米審の資料とか麦価の資料とか、あるいは生乳とか畜肉の資料をあわてて持ってくるというのでは、それじゃもう間に合わないでしょう。だから、ことしはそういうことのないように事前に十分な論議をする必要があると思うわけですが、それらについて大臣から率直な見解を述べてもらいたいと思います。
○安倍国務大臣 まだ米価についての取り扱いすら決めてないという今日の状態でございますし、算定方式につきましても、先ほどから食糧庁長官が申し述べましたように、その要素のとり方等いろいろとあるわけでありますし、生産費の調査等もまだできていない段階でございますので、これらの問題は具体的に申し上げるほどの段階に至っていないということで、大変申しわけない次第ですが、今日の段階においては明確にお答えができないわけでございます。
○芳賀委員 予定の時間が迫っておりますから最後に申し上げますが、六月五日にわれわれ社会党の米価闘争本部の代表が農林大臣とお会いした際に、次の五項目にわたって大臣に申し入れをして、また、若干の時間われわれと大臣とお話ししたわけであります。 特にその重要な点といたしましては、まず、一番は、ことしの生産者米価を決定するに当たっては、バルクライン八〇%による生産費及び所得補償方式によって算定すべきであるということであるが、この点は、昭和四十三年までは政府におかれましてはバルクライン八〇%の方式ではありませんで、標準偏差一シグマをとって、いわゆる限界生産費方式でできるだけ適正米価を実現するように努めた過去の経緯があるわけでありますが、限界生産費方式とバンクライン方式というものは、生産者の生産費所得補償の対象の範囲をできるだけ拡大して決めるという点については、やはり、ある意味においてはやや一致した点もあるわけであります。 二番目には、米価決定に当たっては、事前に政府としては生産者団体と——農協、農民団体もそうでありますが、これらの生産者団体と事前に必要な都度会見等をして、いわゆる法律的な根拠がないとしても、そういう団体交渉的な機会を積極的に設けて、生産者の政府に対する要求等についても行政の中で十分反映されるようにせられたいということを述べたわけであります。 三番目には、二重価格を堅持し、食管制度を拡大強化すべきであるということで、これは食糧管理法の趣旨に基づいて忠実に食糧行政を進めてもらいたいという点であります。なお、これにあわせて、生産者米価、消費者米価の同時諮問、同時決定の動きが政府にあるが、これは食管制度の根幹を否定することになるので絶対に避けるべきであるということを申し上げたわけであります。 四番目は、二十五日から麦価決定の米価審議会が開かれるわけでありますが、五十年産の麦価決定については、これは食管法に基づいてパリティ方式ということになっておりますが、昭和二十五年、二十六年の政府の買い入れ価格の基準として農業パリティ指数を乗じて当該年の政府買い入れ麦価を決める。パリティ方式によって出た価格を下回らないように、経済事情を勘案し、再生産が確保されるようにしなければならぬということになっておるので、法律上はパリティ計算も必要でありますが、あわせて生産費、所得補償方式による計算をして、それを反映させるようにことしの麦価を決められたいという点であります。 五番目は、世界的な食糧危機、食糧不足の中にあり、わが国の食糧事情等を見た場合においても食糧の自給率を向上させる必要があり、大臣のいわゆる攻めの農政、積極農政を展開するためにも、この際米麦価の決定等を通じて確固たる日本の農業の再建と食糧の自給体制を確立すべきであるということ。 こういう点を中心にして大臣とお話し合いをしたわけでありますが、ことしの米麦価決定についても、社会党が主張しておるこれらの重要な点については十分理解して、配慮をめぐらして、ぜひこれが反映するように努めるべきであると思いますが、最後に、これに関する大臣の所信を聞かせてもらいたいと思います。
○安倍国務大臣 六月五日でございましたか、社会党の芳賀委員を初めといたしまして農政関係の議員の皆さんから党としての正式な米麦価決定についてのお申し入れがありまして、いまお話しがございました五点について御要求があったわけでございますが、その際にも私もいろいろとお話しを申し上げました。また、きょうの委員会におきましてもそれに関連する問題につきまして御答弁申し上げたわけでございますが、私も、農林大臣といたしまして、今回の麦価の決定とそれから米価の決定というものは今後の農政に非常に大きな影響もあるわけでございますので、非常に重要に考え、それだけに慎重に対処もいたしておるわけでございます。 特に、生産者団体との話し合いにつきましては、私を初めといたしまして農林省といたしましてもいままでにすでに数回にわたって意見の交換も行っておるわけでございますし、その他、自民党のみでなくて、野党の皆さん方からの御意見も聞かせていただいておるわけでございます。個々の具体的に挙げられました問題点はなかなか困難な点もあるわけでございますが、皆様方の御意見は御意見として十分承り、今後の農政を推進する上において誤りないことを期したいと思うわけでございます。 特に、世界的に食糧事情というものが大きく変化をしてきておる今日でございますので、そういう面から農政の転換ということも一つの大きな時期に来ておりますので、そういう点も踏まえて今後の農政は積極的に進めなければならないという決意は持っておるわけでございます。
○澁谷委員長 中川利三郎君。
○中川(利)委員 ただいま同僚議員からの質問にもありましたが、同時諮問をすべきではないということはもちろんわが党の方針でもあり、ただいま聞きましたら、公明党の皆さん方も民社党の皆さん方も一致してこの点は主張しておるわけでありますが、かたがた、聞くところによりますと、きょうは全国の農民が集まって同時諮問をすべきではないということのために大会を開くということも聞いているわけであります。同時諮問をすべきではないということは、消費者や生産者を問わず、この国会の中でもこれだけ大きな声となって集中してきておるのであります。 そこでお聞きしたいことは、安倍農政の攻めの農政というものの中身はそれらの声や要求を組み入れることを基本としているのか、あるいはどんな抵抗やら声がありましても、それを無視してごり押しするというのか、そういう要求を踏みにじってまでやっていくということを基本としておるのか、まず、この基本姿勢についてお伺いしたいと思うのです。
○安倍国務大臣 今日の時代は民主政治でございますから、やはり、民主的な方法によってすべての重要な問題は決定をされなければならぬと思うわけでございます。 米価問題は、単に米価ということでなくて、国民生活に非常に大きな影響もあるわけでございますし、また、今後の農政につきましても直接的な関係を持つわけでございますから、重要なる政治的案件として慎重に対処をしていかなければならぬし、また、各方面の御意見も聞きながら決定をしなければならぬと思うわけであります。 したがって、そういう意味におきまして私も慎重の上にも慎重な態度で臨んでおるわけでありまして、この取り扱いにつきましては、先ほども芳賀委員に申し上げましたように、私といたしましてはまだ何も決定をしていない、各方面の意見を聞いた上で決定をしたい、こういうふうに考えて各方面の意見をいまいろいろと承っておる最中でございます。
○中川(利)委員 問題は、だれのために慎重にやるのかということですね。そういうただ慎重にということの中で、同時諮問してはいけないといういまの切なる国民の声をはぐらかす手段、道具にそれをお使いになっておるような感じもするわけであります。 あなたは、先ほど来、いまのところは大臣としての公式なこれに対する見解はもちろん発表できないが、個人としてはどうだということを再三聞かれたわけでありますが、これに対してもただ慎重にということで御発表にならなかった。ところが、せんだって十七日、私ども日本共産党の国会議員団として公式に官房長官の井出さんに面会を申し入れた際に、井出さんからは、農民の抵抗あるいは国民の抵抗が多分相当大きくなるということを考えますと同時諮問はやはりやるべきじゃないと思う、切り離してやることが至当だと思うし、そう考えているという御発言があったのですね。これは官房長官の公式な回答なんですね。いいですね。しかも、ただ単にそう思うというだけではなく、私はその際聞いたのです。切り離してやるとすれば、七月に生産者米価をやって八月に消費者米価をおやりになるのですかと聞いてみたら、いや、そうではないんだと言う。そうではないと言うから、それならこの次の七月の米審の中で日にちを改めて、この三日間のうち二日間は生産者米価で、残り一日は消費者米価をやるというかっこうの切り離しなのかと中身に突っ込んで聞いたら、いや、そうでもありませんということだった。そうすると同じ七月の中で二回にわたってやるのかとも聞いたが、そこら辺になりましたら大分あやふやな返答でありましたが、つまり、農民の抵抗とか、国民的なそういうものを多分に意識されて、とにかく切り離してやるということについての中身としてそこまで御検討いただき、そこまで考えていらっしゃるということですね。 にもかかわらず、最も責任のある農林大臣がおれは知らぬ、慎重だということだけで済まされるのかどうか。この点についていま一度あなたから担当者としてのお考えを聞きたいと思うのです。
○安倍国務大臣 井出官房長官は昔農林大臣をおやりになったわけですから、そういうことで経験もおありになるし、いろいろとお考えは持っておられるわけであろうと思うわけでありますが、私はまだ何も官房長官にも相談をしておるわけではないわけでありますし、同時諮問の問題についても何ら決めてない。ただ、同時諮問につきましてはやるべきではないという声もありますが、同時にやるべきであるという声もあることも事実でございます。 私が慎重なのは、私自身が責任者の立場にありますので、それだけに慎重を期することは責任上当然である、と、こういうふうに考えておるわけであります。
○中川(利)委員 官房長官が政党の公式な申し入れに対して発言したことが官房長官の単なる思いつきであって、何を話したかわからぬけれどもという、その程度の取り扱いでいいのかどうかということですね。官房長官は昔農林大臣をやった、農政に経験がある、したがってその立場から適当に話したのだろう、と、わが共産党の申し入れに対してそういう御理解だというふうに理解してよろしいですか。
○安倍国務大臣 官房長官から共産党の議員団に対してどういうふうな発言をされたか、私もまだ聞いていないわけであります。いま中川さんからこういうふうな発言があったということを聞いておるわけで、私自身は聞いていないわけでございます。ですから、その問題については私は何もまだ相談をしていないわけですから、官房長官は官房長官としておっしゃったのであろう、と、こういうふうなことを言ったわけであります。
○中川(利)委員 官房長官の共産党に対するそういう発言をいま初めて聞いたということだが、いま言ったようなことが事実だとしたならば、こういうような同時諮問をすべきではないという国民的な声をいまもって農林大臣はさっぱり検討していないということだ。官房長官、つまり直接責任者でない方でさえもそのくらいいろいろ検討していらっしゃるのに、あなたがこの段階で麦価の方が終わってからなんだなんてのんきに澄ましていられるのかどうか。 そうすると、いままで全く検討しておらないということは、農林大臣としての当然の責任を放棄していると言うと言い過ぎになると思いますけれども、そういうことに近いのじゃないかと私は思いますが、どうでしょうか。
○安倍国務大臣 米価問題は来月のことでありますし、麦価が終わってから決めたい、取り扱いにつきましてもそれから決めたいということであります。 その間に各方面から御意見を聞くということは例年の農林大臣がやっておることでありますから、私もこれは当然のことであると思うわけでありまして、そういう立場に立って現在各方面の意見を聞きつつある段階でございます。
○中川(利)委員 個人的にも皆さんの意見は聞くとおっしゃるけれども、同時諮問をやるのかやらないのかという一番関心がある問題について農民あるいは消費者がいま声を上げ、国会でもこのようにわれわれが声を上げているのに、まだ時間があるからその段階ではないのだというのは、あなたが日ごろ口にしていらっしゃる攻めの農政だとか積極的な農政だとか開かれた農政なんという看板とどういうかかわりを持つと理解したらいいのですか。 ですから、私は、少なくとも何%値上げするのかなんということを聞いているのじゃないですよ。何%諮問するのかなんて聞いているのじゃない。基本的な方向として同時諮問をやるのか切り離すのかという、その原則的な態度をいまの段階で国民の前に明らかにするのが時期的にもあなたの当然の責任だと私は思うのですが、その点はどうでしょうか。
○安倍国務大臣 もちろん、最終的に私が責任を持つわけでございます。したがって、私としては慎重の上にも慎重を期して決断をしたい。決断をすれば、その結果に対して私が責任を持たなければならないわけでございますから、その段階に至るまでは熟慮するということは当然のことではないかと思います。
○中川(利)委員 そういうことであるならば、たとえば農林大臣が熟慮した結果が国会のいろいろな私たちの要求やら官房長官が公式に政党に言明したことやらと全く違ってくるという事態が起こることもあり得るというふうに理解してよろしいですね。 つまり、重ねて言いますけれども、どんなに農民の抵抗や消費者の抵抗があっても、責任ある政府の方が公式に言明したことさえも全く無視されてごり押しされるといいますか、その強行を考えているのだ、一方でそういうことを言っているのだというふうに理解してよろしいかどうかということをお聞きします。 〔委員長退席、藤本委員長代理着席〕
○安倍国務大臣 官房長官がどういう発言をされたのか事細かに私は聞いていないわけですが、いまおっしゃるように同時諮問はしないと言っておられるわけじゃなく、同時諮問については考えなければならぬというようなことじゃないかと私は思います。しかし、農林大臣が決めるべきであるということも言っていらっしゃるのじゃないかと思います。したがって、これは農林大臣の責任において最終的に決めなければならぬわけであると思います。
○中川(利)委員 あなたは去年の反省から何か学ばれておりますか。去年は事実上の同時諮問をしたわけですね。あのとき倉石さんは、そういう諮問の仕方について国会で何回も弁解にこれ努めたという記憶を私は持っておるのです。しかも、消費者米価を生産者米価と同時に諮問して、結局米審からそれを突っ返された、拒否されたという経過があるわけですね。そういうことの反省なんかもあなたの今回の判断の中に入っているのかどうか、重ねてお聞きしたいと思います。
○安倍国務大臣 もちろん、各方面の意見を聞く中においては、いままでの米価の取り扱いについては十分検討した上でなければならないことでございますので、毎年の米価決定の事情等も十分承知をして、その上で決めていきたいと思うわけです。
○中川(利)委員 そういうような去年あたりの米審から逆に拒否されて大恥をかいたというようなことも中身の中に入っておるということでありますが、重ねて私は聞きたいのですが、先ほど言ったようにきょう全国から農民が集まってくるのですが、そのテーマが同時諮問反対の全国大会なんです。その中身をどうするということはまだ検討中だということで、あなたがおっしゃれないことも私はわかるのですが、そういう基本的なやり方の変更、これはかつて一回くらいあったかもしれませんけれども、ほとんどかつてなかったそういう問題について、一方陰の方ではどんどん同時諮問を宣伝している。これはいまこそあなたの立場から、農民の皆さんと消費者の皆さんというかっこうで原則的な諮り方だけは——国会のこの委員会は農政に関しては最高の機関だと私は思いますので、慎重は慎重でよろしい。あなた個人でもなかなか出されないという話がありましたけれども、どの程度出るか知りませんが、個人でだめならあなたの心で——心も個人の中に入っているけれども、そういう点で、いまの国民の要請にこたえるために、安倍農政の攻めの農政という看板に恥じないかっこうでのあなたからのそれに見合う御答弁をここで重ねてもう一回得たいと思うわけであります。
○安倍国務大臣 これは先ほども芳賀委員にお答えをいたしましたように、私のここにおける発言は農林大臣としての発言でございまして、そういう意味において個人的な見解を述べる場ではないと私は思うわけでございます。私が農林大臣として言えることは、今回の米価の取り扱いについてはまだ決めてない、麦価が終わった段階において十分各方面の意見を聞きながら決定をしたいということ以上に申し上げることはないわけでございます。
○中川(利)委員 井出官房長官は個人でなく公式の見解を堂々と御発表になっていらっしゃる。農林大臣は個人の見解さえも拒否なさっていらっしゃる。そうすると、三木内閣はそういう統一のないばらばらなものだ、とりわけ、このような国民的な声があるにもかかわらずそれに対して答えようとしないのが安倍農政の中身だ、ということもはっきりするように私は思いますけれども、ここで何ぼ責めても仕方がありませんので、重ねて早急にこの点を明らかにせよということを強く要求しておきたいと思うわけであります。 次に、麦価の米審が近々あるわけでありまして、この問題については二十四日に改めていろいろお聞きしたいと思うわけでありますが、一つだけ聞きたいことは、予算上の取り扱いからして消費者麦価は値上げする必要がないではないかということですね。予算上の取り扱いからして、無理して値上げする根拠はほとんどないではなかろうかということであります。 内容的にちょっと申しますと、たとえば予算では一ブッシェル五ドル二十セントでおたくの方では計上しておりますね。ところが、現在は買い付けの値段がずっと下がりまして、これからの見通しとしても上がる気配がないということで三ドル台を低迷しているように見受けられるわけであります。私の試算したところによりますとこの分だけでも大体三百億円ぐらい赤字というか、食管の背負い込む部分がなくなることになるようでありますので、こういう状況を一方にしていま消費者麦価の値上げ問題が出ているわけでありますが、予算上は別にそのような必要は全くないと考えるのですが、予算上の取り扱いとしてはどうでしょうか。
○三善政府委員 予算上は一応予定価格で組んでおります。たとえば政府の買い付け価格はトン当たり約七万二千円でございます。現在は御承知のように非常に下がってはおります。ただ、先生御承知のように、昨年の例を振り返ってごらんいただければわかると思いますが、ちょうど昨年二月最高の一ブッシェル六ドル九十ぐらいになりまして、五月に三ドル五十ぐらいに下がりまして、アメリカ等は大豊作であるということで、五月はその見通しで下がったわけですが、七月にはまた四ドル台に上がってきた。どうも収穫時にいろいろ天候不順で思わしくないというようなことで、まあ、小麦の国際価格というのは非常に振れが多いということは、これは例年のことでございます。 そういうことを経験しましたし、またごく最近の情報でございますが、食糧庁ではこの買い付けをやっているわけでございますが、ソ連の天候がことしは非常にいいということでこれまで言われておりましたが、果たしてそのように予想どおりにいくかどうかというようなことも多少懸念されるような節も見えておりますし、昨日食糧庁でテンダーをいたしましたときに、低い価格ではございますけれどもストップ高みたいなものをシカゴ相場でも示しておりますし、そういった問題がございますので、いま下がっていると申しましても今後どういうふうに変化するかわからないということは、これは私ども常にそういうことは考えて買い付けを実施しているわけでございます。 したがいまして、予算上予定した価格より下がっているからその分だけ余るのじゃないか、食管の会計上は損失が減るのじゃないかというような御指摘のようでございますが、現実がそういう事態でございますから、最終的にはやはり一年締めくくらないとわからないという問題も当然あるわけでございまして、現在たとえ下がっていましても逆ざやというものはまだ相当強いわけでございます。 それで、自給率五・五%ぐらいでございますから九五%ぐらいは外国の小麦を輸入しているわけでございますが、その外国の小麦を入れて、それがしかも国内で売り渡し価格が安くて逆ざやになっている。こういうことは過去何十年かのうちにこの二、三年だと思いますが、そういう問題もございますし、逆ざやは少なくとも現在でも相当あるわけでございますから、そういう意味ではできるだけ早い機会にこれは解消していくというのが当然のことではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
○中川(利)委員 最後の質問ですが、つまり相場ですから浮き沈みがあるわけですね。しかし、試算いたしますと大体三百億円は浮くということは、せんだって大蔵大臣の大平さんと会ったときもそのように私にはっきり話しておりました。私が試算しても大体そうです。もっとも相場がこうあると言ったって、シカゴ相場というのは大体そんなに——きのうあたりの状況も私はわかっておりますけれども、見通しとしてもいまの予算の中で十分消化していけるだけでなくて相当の部分が出てくる。赤字がまだ全体の麦の勘定の中にあることは事実でありますけれども、そのことをもってしてことしの消費者麦価を大幅に上げなければならないという理由にはならない。つまり、予算上の取り扱いとして全く問題ないという、その事実は変わらないでしょう。この点を確認して質問を終わります。
○三善政府委員 全く問題ないとは言い切れないということを先ほど申し上げましたし、また、現在たとえ安い価格が続くとしても逆ざやは相当ございますということを申し上げているわけでございます。
○中川(利)委員 終わります。
○藤本委員長代理 瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 昭和五十年産生産者米麦価について農林大臣に見解を求めます。 五十年産米価についてでありますけれども、政府は、税収入の伸び悩み、また財政状態の悪化等を理由に生産者米価を抑制しようとして、厳しいことが伝えられ、また、一般の報道機関にもそのことが報道されております。すなわち、先制攻撃をしかけられていると言っても過言ではありません。こういった背景を踏まえまして、ことしの米価は一般に厳しいというようなことが頭の中に植えつけられているような感じがしてならないのでありますけれども、反面農家の立場を見ますと、事実、実質所得が一・六%の微増にとどまっておりまして、生活は改善されていないのが現在の日本の農家の実情であります。 国民の食糧を確保する上から、農業の基幹作目である米作に対して農家の重大なる関心があることは言うまでもありません。農民の父とも言うべき農林大臣として、また、日本の農政をあずかっておられる農林大臣として、この農家の窮状を踏まえて、今回の米審に対して十分に対策を講じてもらわなければならぬと思うわけです。 御承知のように、他の工業でありますと月に一回、毎日でも製品はできるわけですが、お米というのは二期作の一部を除いては年に一回とれるものでありまして、大変な手数がかかるわけでございまして、工業製品とは比べものにならないはるかに貴重な生産であることは御承知のとおりでありまして、農家を守り、日本の基幹産業である農業を推進するために米価の決定こそはまことに重大な意義があるということから、政府はどういうふうにこの米価に対して取り組むのか、その姿勢を私は改めて農林大臣に冒頭承りたいのであります。
○安倍国務大臣 米価につきましてはもちろんきわめて重大でございます。これが決定につきましては食管法に基づきまして、生産費、物価の動向需給事情、さらにまた食糧政策全般等とも関連をして総合的に判断をして決定をすべきであろうと思うわけでございますが、現在のところはその取り扱いにつきましてもいまだ決定をしておらないという状況でございます。
○瀬野委員 先ほどから米価の日程のことについても大臣は御答弁がございましたけれども、本日の新聞報道等によりますと、すでに常識としても考えられるようなことがいろいろ出ております。ちょっと引用してみますと、「麦価審議会は二十五日、米価審議会は来月十日に開かれるが、農協などが要求するような大幅値上げはとても望めない。麦価が一〇%から一一%、米価も一一%程度というのが常識的な答案で、農民団体の反発をかわすには、政策で「前進」を示す以外にない。もう一つは、米麦だけで八千億円を超す食管赤字の処理を生産対策と結びつけ、これだけ政府も努力しているのだから、消費者も価格引き上げに協力してほしいという意図があるようだ。」云々というような記事が報道されておりますが、こんなことを質問すると、政府からは、新聞は見てないとか、それはわれわれの言ったことではないというようなことはたびたび聞くことでありますけれども、いずれにしてもこういったことが勝手に報道されるわけはないわけです。 われわれの常識からしても、農業団体が七月の十日に大会を開くという予定が七日になったということから推測しても、麦価の決定後、米審は、沖縄の海洋博との関係も考えて恐らく十日ごろには開かれると思う。そうしていかないと十八、九日の決定にはなかなかこぎつけられないということは常識になっておりますけれども、そういったことをどうしても大臣はまだはっきり言明できないのか。こういったスケジュールを踏まえて一刻も早くいろいろ検討していただいて、農民の切実な要求である米価についても農民の側に立って考えていくべきであると思うわけです。一部の新聞の報道にも十日に行うというふうに断定した書き方ををしておるので、われわれとしては、国会を無視してわれわれより先に報道機関に別の場所でこういったことが発表されているように思われるわけだが、これをこういう公開の席で聞いてもあいまいとしていてはっきりとした答弁がない。これはまことに残念で、国会軽視もはなはだしいと思うのですけれども、その点大臣はどういうふうな見解を持っておられるか、改めてお聞きしたい。
○安倍国務大臣 新聞はそれぞれの報道活動を通じて取材をして記事にしておられると思うわけですが、政府、農林大臣といたしましては、先ほどから何度もお答えをいたしておりますように、米価につきましては、その取り扱いにつきましてもあるいはその他につきましてもまだ検討中であって何ら決定もしていないということでございます。麦価が終わった段階で十分検討して決めたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○瀬野委員 わが党でも、生産者米価と消費者米価の同時諮問については、当然これは分断して別途にやるべきであるということをかねがね申し上げておりますが、今回は生産者、消費者の双方を牽制して生産者米価の引き上げを抑制するというような意図のもとに同時諮問ということが言われ、一発回答というようなことも言われて、いろいろと生産者、農民を悩ましておるのは事実であります。先ほどからいろいろ論議されてきておりますが、大臣は、各方面の意向を十分聞いて、時間もあるから検討するとおっしゃっているけれども、この同時諮問については、従来からの大蔵省的の主張ならばまだしも、どう考えても今年は農林省が非常に乗り気のような姿勢が見えてならないということで、われわれは残念でならないわけです。 御承知のように、これは食管法の精神にもとるわけでございまして、繰り返し申し上げますが、現行食管法のもとでは生産者米価と消費者米価のあり方がはっきりと区分をされて、前者は「生産費及物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌」して、後者は「家計費及物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌」して決定するよう規定づけられておることは言うまでもありません。こういう食管法の精神を農林大臣はどういうふうに踏まえておられるのか。食管法の趣旨に従えば、当然、生産者米価は生産費、消費者米価は家計を優先して考慮をしなければならぬはずであります。両米価は完全に遮断されておるという食管の精神に基づいて、これは当然同時諮問はすべきではないと私は思うわけで、わが党としてこういったことについてさらに強く要請しておくという関係から、この点について大臣に改めてお伺いをする次第であります。
○安倍国務大臣 私は、両米価は完全に遮断されておるというふうには考えていないわけでありまして、生産者米価、消費者米価につきましてはそれぞれ関連があるということは否めないことであろうと思うわけでございますが、両米価の決定に当たりましては、いまもお話しがございましたように、食管法の趣旨にのっとってこれを決めていくことは当然のことでございますので、われわれもそういう趣旨のもとにこれを決めたい、こういうふうに考えております。 同時諮問につきましては、まだ各方面の意見を聞くという段階にあるわけでございますから、これを行うかどうかといった問題についても決定しておらないということであります。
○瀬野委員 時間の制約があるのではしょってお尋ねしますが、消費者米価のことについても一言お尋ねしておきたいと思います。 大蔵省は例年より強気に財政負担軽減論を主張して、年度内の追加財政支出は極力抑制する方針から同時諮問を意図し、生産者価格上昇分以上に消費者価格を引き上げたいという意向を示しておるのでありますが、一方、経済企画庁としては、来年三月における前年同月比の消費者物価指数上昇率を九・九%以下の一けたに押さえるという政府の公約を果たすためにも消費者価格値上げには消極的な姿勢を示しており、こういうふうに大蔵省と経済企画庁では違うわけであります。 農林省としては、消費者米価に対しては今年の考え方としてはどういうように思っておられるか。いろいろ巷間伝えられておりますけれども、農林省としてはどういうふうに考えておられるか。けさの報道によっても、またいろいろとあちこちを見ましても、大蔵省等は消費者米価を二〇%上げるというようなことを言っておられますが、こういったことでは大変であると思うのですが、これについて大臣の見解をこの機会にあわせてお伺いしておきます。
○安倍国務大臣 基本的には生産者米価、消費者米価の間には大きな逆ざやがあるわけでございますし、この逆ざやは単なる財政上の問題ではなくて、農政上の見地からも非常に憂慮すべき問題であろうと私は思うわけであります。したがって、この逆ざやを少なくしていく、解消に努力していくということは農政当局としてはこれからの農政発展のためにも当然努めていくべきではないだろうかというふうに基本的に考えておるわけでございますが、ことしの消費者米価をどうするかといった問題につきましてはこれから検討すべきことでございますので、まだ何も考えておりません。
○瀬野委員 来たる二十四日にまた当委員会を開いて、米麦価の審議会を前に当委員会で細部の質問をすることになっておりますので、本日は農林大臣に大きな基本方針だけお伺いすることにいたします。 農林大臣に対してさらにお伺いしておきますけれども、農林大臣は昨日農林省の米麦対策を発表しております。米作については来年度以降の転作奨励金と買い付け制限を継続するということで、このことについては先日私も質問通告をして、生産調整が五十年度で終わり、五十一年度からはどうするかということでいろいろ大臣にきょう質問をする予定にしておりましたが、いち早くこういったことが昨日打ち出されまして、これも一説には、今度の米麦抑制のための政策じゃないかとか、また、農業団体の反発をかわすための政策じゃないかという批判もあるわけですけれども、一応前向きの姿勢として私は歓迎するわけです。 米作について、来年度以降も転作奨励金と買い付け制限を継続するということとか、具体的には来月中旬の米審で詰めるということとか、それから麦作についても、食糧自給率向上の最大の柱で農林省が最も力を入れているものだが、これについては思い切った政策を展開し、水田裏作で麦作した場合には十アール当たり五千円の反別助成金を支給する等の五項目を出しておられますけれども、この席でこの構想について正式に大臣から見解を述べていただきたいと思います。
○安倍国務大臣 来年度からの稲作の転換をどうするかといったことにつきましては、現在農林省を中心にいたしまして鋭意これが対策を詰めておる段階でございますが、今日の状態から考え、また今後を判断しても、やはり米は過剰の基調にあるというふうに考えるわけでございますので、稲作転換につきましては何らかの措置を講じなければならないと思うわけでございますし、同時に、また、米の買い入れ制限も過剰基調という問題があるわけでございますから、これも続けていくべきだというふうに考えておるわけでございます。 同時に、麦の増産対策ということは、これは六十年目標も明らかにいたしておりますが、農政の大きな柱として、今後これに対してわれわれは集中的に施策を行わなければならないということで、いま具体的にその施策を詰めておる段階でございます。
○瀬野委員 時間があとわずかしかございませんので、最後に二問だけ農林大臣にお伺いしておきます。 二十五日、二十六日には米審を開いて麦価の諮問をすることになっております。麦価が米価に先立って決定されることになりますけれども、麦価の算定方式については、従来のパリティ方式ではもう矛盾があるわけでございます。どうしても生産費所得補償方式にして検討願いたい。そして、裏作を推進していただき、日本の食糧の自給を大いに向上させるための施策として進めていただきたいと思います。そういったことで、算定方式についてどういうふうに考えておられるか。これはぜひとも生産費所得補償方式によってやっていただくようにお願いしたい。それが一つ。 もう一点は、消費者麦価の問題ですけれども、経済企画庁は値上げについては反対であるけれども、農林省は、麦価の値上げについては、どうも大蔵省と一緒になって進めているようにわれわれは印象づけられております。これについてもどういう考えであるか、基本的見解を大臣に承っておきたい。具体的なことについては二十四日にまた関係当局にお伺いすることにいたしたいと思いますけれども、大臣の見解を承っておきたいと思います。
○安倍国務大臣 麦の政府買い入れ価格につきましてはパリティ方式でやるということでございます。しかし、麦の増産対策等も行わなければなりませんので、奨励金その他の麦増産のための諸施策は今後とも積極的に推進しなければならないと考えるわけでございます。 麦の売り渡し価格につきましては、先ほど食糧庁長官も申し述べましたように、やはり逆ざやが現在あるわけでございます。しかし、一面においては、外国の麦の価格は非常に変動しておる、予算価格よりはうんと安くなっておるという状態もあるわけであります。さらに物価上の見地等もあるわけでございますので、そういうもろもろのことを判断して決定したい、こういうふうに思うわけであります。
○瀬野委員 いずれにしても麦価、米価を決める重大な段階になっております。本日は日本青年館で全国一千名の農協代表者大会も開かれ、同時諮問、米価、麦価要求大会が開かれますが、来る七月二日には農業会議所関係、七日には全国中央会主催の米価大会が開かれるということで重大な時期を迎えております。 農林大臣は、農民の立場に立って、本年度米麦価の決定に最大の努力をされるように心から望んで、細部にわたる質問は次回に留保し、以上で質問を終わります。
○藤本委員長代理 稲富稜人君。
○稲富委員 私は持ち時間が十分でございますので、余り質疑応答をやっておりますとそれだけで終わってしまいますので、要点だけをお尋ねし、希望を述べたいと思うのでございます。 先刻から、本年度の米価、麦価に対する問題は非常に事重大であるがために、各方面の意見を十分聞いた上で慎重にこれに対処したいというような農林大臣の御意見も出ておりますので、私がこれからお尋ねしますことが何かの参考になれば結構であると思いますし、また、こういう意見も一方にはあるということもひとつ頭に入れていただいて、今後の麦価並びに米価の決定に対する方針を決めてもらう参考にしていただきたいと考えております。 まず、最初に、農林大臣に特に申し上げたいと思いますが、農林大臣は日本の健全な国家づくりの上において大きな役目を持っているのだということを確認を願いたい。すなわち健全な農村があって健全な国家が存在するのだ。これに対しては十分自負を持って、自分の任務の重大さを考えて農政問題に対処していただきたいということを冒頭に申し上げるわけであります。 しからば、健全な農村はどうして建設されるかと言えば、農民が希望を持って農業を経営することができるような農村を建設することだと思うのでございます。希望を持てるような健全な農村はどうして建設されるかと言えば、農産物の価格が生産費を割るようなことでは農民は農業に対して希望が持てないと私は思うのであります。御承知のごとく、農産物を生産する最も大きな原動力は何と申しましても労働力でございます。農民の持ちまする労働力を高く評価することによって農民の農業経営に対する希望は増大していく、このことが必要であると私は思いますので、そういう点から農産物の価格は決定すべきである。特に、主要食糧でございます米、麦の価格決定に当りましては、農民の期待に反しないような価格決定をやるのだということを農林大臣としてはまず考えて事に処していただかなくてはいけないのではないかと思います。それで、今回農林大臣が米審に諮問される場合におきましても、農民の期待に反しないような資料をもって諮問することが必要ではないかと思う。 このことを詳しく申し上げておりますと時間がなくなりますから今日は省きますけれども、従来の労働賃金あるいはこれに対する米価というものを比較いたしますと、今日の労働賃金から見て、今日の米価を相当引き上げても農民の持ちまする労働力を過大評価することにならないと思うのであります。その点から申し上げますと相当な米価が決定されても矛盾はないと私は考えますので、この点も十分参考の中に入れて諮問をしていただきたい、米価審議会に対する農林大臣としての諮問の材料にしていただきたいと思うのでございます。 次に、麦価の委員会が近く開かれると思いますので、麦作の問題についてお尋ねしたいと思いますが、私は今日まで政府のやっておる麦作対策というものがどうもはっきりわからないのですよ。日本でも裏作によって相当に麦ができる。ところがこれは放任し、また米の生産は調整して、わざわざ外国から麦を買ってくる。いままで政府のやられておる麦作対策というものは何が何やらわからない。しかも数年前にソビエトから麦を買って、そして買う当てにしておった麦が足らないということになりますと、今度は直ちに麦作奨励をやる。まるっきりこれはどろなわ式なんで、もっと麦作対策を考えなければいかぬのじやないか。米と麦との一貫生産対策あるいは麦の品質改良ということも合わせて、今後の麦作対策というものはもっと真剣に検討しなければいけない問題じゃなかろうかと思うのでございますが、この麦作対策に対する政府の方針、またその価格等に対する考え方について、私の言うことが間違っておるならば間違っておると御指摘を願って、御意見も承りたいと思うのであります。
○安倍国務大臣 これからの農政を考える場合において健全な農村、そして希望の持てる農業を建設していかなければならぬという御指摘はまことにそのとおりであろうと思いますし、その場合において農産物の価格が非常に大きな要素を占めるということも当然であるわけでございます。したがって、われわれが進めていく農政の一つの大きな柱として価格政策を充実をしていくということは、これまた当然のことでありますし、今日まで努力もいたしておるわけでございます。 大体、農産物の七割は何らかの価格対策が行われておるわけでございますから、この価格対策につきましては、いろいろと改善すべき点は今後とも改善をしながらこれを強化をしていきたいと思っておるわけでありまして、特に麦につきましてはいま御指摘がございましたように、これからの国民食糧の確保といった面から見ても、米と並んで麦については自給力というものを大いに高めていかなければならぬわけでございまして、今日までそういう観点に立って麦に対するところの奨励金であるとかあるいはまたその他の集団的生産組織に対する助成といった諸施策を講じておるわけでございますが、私は、来年度はさらにそれを一歩進めて、農民の皆さん方が安心をして麦がつくれる、そして麦の増産が大いに図られるというふうなところまで政策を詰めたいということで、現在いろいろと施策を詰めておる段階でございます。
○稲富委員 それから、麦作の契約生産奨励金をお出しになるということでございますが、実は、この奨励金が昨年のごときは非常におくれまして、農民がもらうのに困っているのです。それで、この奨励金のごときものは、奨励金という名前じゃなくて、もう麦価の中にこれも包含するのだ、奨励金じゃなくして、当然必要なものなんだから麦価の中にそういうものを含めて麦価を決定するのだ、と、こういうような方針でいかれることが妥当ではないかという考えを私は持っておりますので、この点も一考をお願いしたいと思うのであります。 次に、もう一つお尋ねをしたいと思いますのは、これは先刻からもいろいろ論議されておりますが、本年度の米価決定に対しましては、政府は各方面からの圧力等によって、農林省でも生産費と消費価格との一元諮問をやりたいというようなことがなされておるということが先刻からもいろいろ論議されておるのでございます。これに対しましても、先刻いろいろ御意見を聞いておりますと、もちろん食糧庁長官は、生産価格と消費価格というものは切り離されて考えるべきではないというようなことを言われておるのでございますが、食管法に対して農林省は大体どういうような解釈をしていらっしゃるかということについて、率直に言って疑問を持つことが多いのでございます。自分の勝手な食管法に対する解釈をしていらっしゃるのじゃないかと思うのです。たとえば食管法の第三条には、「米穀ノ生産者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ生産シタル米穀ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノヲ政府ニ売渡スベシ」となっているのですが、ところが、政府は、食管法第三条に「政府二売渡スベシ」ということになっているにもかかわらず買い上げ制限をやられる。農民には政府に売らなければいけないと義務づけながら、買う方の政府は勝手にこれを買い上げ制限をするということは、食管法の「命令ヲ以テ定ムル」というのを、余りにも朝令暮改というのか、勝手な解釈をしていらっしゃるのじゃないか、と、私はかように考えます。 さらに、第三条の二項にも「前項ノ場合ニ於ケル政府ノ買入ノ価格ハ政令ノ定ムル所ニ依リ生産費及物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ」とあって、次に、「米穀ノ再生産ヲ確保スルコトヲ旨トシテ之ヲ定ム」とある。この食管法の第三条の「米穀ノ再生産ヲ確保スルコトヲ旨トシテ之ヲ定ム」という、ここに生産者に対する食管法上の米価決定の要素があると私は思う。やはり、農家が、生産者が次期生産を確保するということを趣旨として米価は決定すべきものじゃないか、と、かように私は考えます。 さらに、消費者価格については、御承知のとおり第四条で、先にいろいろ書いてありますが、ともかくもその二項には、「家計費及物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ消費者ノ家計ヲ安定セシムルコトヲ旨トシテ之ヲ定ム」となっておる。食管法の消費者価格を決定する一番の主眼、重点は、この最後の「消費者ノ家計ヲ安定セシムルコトヲ旨トシテ之ヲ定ム」ということになくてはいけないと私は思う。 でありますがゆえに、生産費を決定する場合は生産者の再生産を確保することを旨とする価格に政府が取り組むべきであり、消費者価格を決定する場合は消費者の家計を安定せしめるということを旨として政府がこれに取り組んでやるべきであると私は思う。ところが、政府と生産者、政府と消費者という形でなくてはいけないにもかかわらず、生産者価格が上がれば直ちに消費者価格も上がらなくちゃいけないんだということは、曲がって考えますと、これはどうも生産者と消費者を対立させるような謀略があるんじゃないかと、これは余りにも邪推かしらぬけれども、そういう感じさえ私はする。これを一時に決定するということ、すなわち生産者と決めるべき生産費、消費者と決めるべき消費価格を一時に決定するという政府は、自分でやらなくてはいけない政府の責任をいかにも回避しているというようにさえも私たちは疑わざるを得ないことになってくる。これは政府としては非常にずるいやり方だと私は思う。 それで、生産費は生産費として次期生産を確保することを旨として考え、消費価格は消費価格で家計を安定せしめるということを旨として別個に考えていくべきもので、そして、その決め方は、生産費と消費価格をすべての国民に対していかに調和をとるか、調整をするかということに政府としての大きな任務があると私は思う。それを同時にやるということは、いかにも政府がその自分の任務を忌避して、そうして両側にこれを決定せよというようなずるい態度に出ているんじゃないかということさえわれわれは疑わざるを得ないのです。 政府が本当にそうでないとするならば、食管法の第三条、第四条に決めておりますように、生産費は生産費として、消費価格は消費価格としておのずから別個に諮問して別個に決定すべきものだ、これが食糧管理法の立法の本当の精神である、と、かように私は考えるわけでございますので、この点も特に考えていただきたいと思います。いままだ決めておらぬとおっしゃっておりますから、ひとつこれも参考にして決めていただきたいと思いますが、いかがでございますか、承りたい。
○安倍国務大臣 食管法というのは今日まで米麦について非常に大きな役割りをなしてきた。あの狂乱物価の時代におきましても米麦が安定しておったということは、やはり、食管法が健在であるということではなかったかと思うわけでありますし、今日まで、生産者米価につきましても消費者米価につきましても、いま先生のおっしゃるような食管法の精神に基づいてそれぞれ決められてきたものであるというふうに考えておりますし、今後ともこの食管法の趣旨に基づいて決定をすべきである、と、こういうふうに私は思うわけでございます。 ただいまの御意見につきましては、御意見として私も聞かせていただきます。そして、今後その取り扱いは慎重に決めてまいりたいと思うわけであります。
○稲富委員 まだあとありますけれども次の機会に譲りまして、私の質問はこれで終わります。
○藤本委員長代理 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時四十九分散会