農林水産委員会 第27号
- 発言数
- 199 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1975/06/17
会議録
○澁谷委員長 これより会議を開きます。 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。安倍農林大臣。
○安倍国務大臣 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 農林漁業団体職員共済組合制度は、農林漁業団体職員の福利厚生の向上を図り、農林漁業団体の事業の円滑な運営に資するための制度として実施され、その給付内容も逐年改善を見てまいりました。 今回の改正は、その給付に関しまして、恩給、国家公務員共済組合制度その他の共済組合制度の改善に準じて、主として次の三点につき改善を図ろうとするものであります。 改正の第一点は、既裁定年金の額の引き上げであります。これは、退職年金等の年金額の算定の基礎となった平均標準給与を昭和五十年八月分以後二九・三%引き上げ、さらに昭和五十一年一月分以後六・八%を限度として引き上げることにより、年金額の増額を行おうとするものであります。 改正の第二点は、退職年金等についてのいわゆる絶対保障額の引き上げであります。 改正の第三点は、掛金及び給付の額の算定の基礎となる標準給与の月額の下限及び上限の引き上げであります。 その他、恩給、国家公務員共済組合制度等の改善に準じ、障害年金の受給権の消滅について猶予期間を設けるとともに、八十歳以上の老齢者に対する退職年金等について算定上の特別措置を講じようとするものであります。 以上がこの法律案の提案理由及び主要な内容であります。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願いをいたします。
○澁谷委員長 次に、本案の補足説明を聴取いたします。岡安農林経済局長。
○岡安政府委員 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を補足して御説明申し上げます。 この法律案を提出いたしました理由につきましては、すでに提案理由において申し述べましたので、以下その内容につき若干補足させていただきます。 まず、第一は、既裁定年金の額の引き上げであります。これは、昭和四十八年度以前に給付事由が生じた退職年金、減額退職年金、障害年金、遺族年金及び通算退職年金について、その年金額の算定の基礎となった平均標準給与を二九・三%引き上げることにより年金額を増額するとともに、その改定時期を昨年度より一ヵ月繰り上げて、昭和五十年八月といたしております。さらにこれに加えて、昭和四十四年度以前に給付事由が生じた退職年金等の既裁定年金について、従前の既裁定年金の改定率と国家公務員給与の上昇率との格差を、昨年に引き続き解消するため、昭和五十一年一月分以後、その給付事由の発生時期に応じて 〇・八%から六・八%までの率で増額することといたしております。 第二は、いわゆる絶対保障額の引き上げであります。これは、退職年金、障害年金及び遺族年金について、年齢及び組合員期間の区分に応じ、その絶対保障額を引き上げることといたしております。たとえば、六十五歳以上であって組合員期間二十年以上の者については、その退職年金の絶対保障額を三十二万千六百円から四十二万円に引き上げることといたしております。 第三は、掛金及び給付の額の算定の基礎となる標準給与の月額の下限及び上限の引き上げであります。すなわち、標準給与の月額の下限については、農林漁業団体職員の給与の実態、私立学校教職員共済組合制度との均衡等を考慮して三万九千円から五万二千円に引き上げるとともに、上限については国家公務員共済組合制度に準じて二十四万五千円から三十一万円に引き上げることといたしております。 第四は、障害年金の受給権の消滅の猶予期間の創設であります。障害年金の受給権につきましては、従来は廃疾の状態に該当しなくなったときは直ちに消滅することといたしておりましたが、今回の国家公務員共済組合制度における改善に準じ、三年間の猶予期間を設けることといたしました。なお、この猶予期間中は、障害年金の支給を停止することといたしております。 第五は、老齢者に対する退職年金、減額退職年金、障害年金及び遺族年金の額の算定上の特例措置であります。これは、旧法組合員期間二十年以上を有する八十歳以上の老齢者に対する退職年金等について旧法組合員期間二十年を超える年数に応じて加算する額に割り増しをすることといたしております。 以上のほか、所要の規定の整備を図っております。 以上であります。
○澁谷委員長 これにて、本案の趣旨説明は終わりました。 この際、暫時休憩いたします。 午前九時四十九分休憩 ————◇————— 午前十時九分開議
○坂村委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野坂浩賢君。
○野坂委員 それでは、最初に厚生省の方にお尋ねをしたいと思うのです。 社会保障制度審議会等の答申を見ましても、「五十一年度には、わが国の年金制度の総合的な見直しが行われると伝えられているので、共済年金関係も当然それに応じた大幅な改正が行われなければならない」と述べられております。いわゆる年金制度について五十一年度は見直すといいますか、洗い直す時期に来ておると言っております。また、厚生省におきましては、ことしの一月六日の新聞等を見ましても年金制度の一本化構想が出されております。仮称としては新国民年金法案、これの要綱をまとめて五月ごろに審議会に諮問するということが新聞に載っておりますが、この構想がどういうものか私どもは承知をしておりません。したがって、この考え方についてお話しをいただきたいと思いますし、特に、その中で基礎年金をつくって、これで国民年金なり厚生年金、各年金のパイプをつないで賦課方式を採用するということを示唆されておりますが、この点についてはどのように基礎年金についてお考えなのかということが一つであります。 それから国民年金が非常に赤信号が出ておる。こういう意味から、厚生年金の財源流用についてもこの発表では触れられておりますが、それならば国庫財源そのものはどのように投入をし、また増額するということをお考えになっておるのだろうかと思うのであります。社会保障制度審議会の答申の洗い直す時期が来たということとたまたま一致して厚生省が発表されておる一本化構想についての基本的な考え方をまず承っておきたいと思うのであります。
○坂本説明員 お答え申し上げます。 ただいま御質問のございました年金制度の五十一年度における改善、さらに各年金制度の統合というような問題について私どもはどのように考えているかということになるわけでございますが、最初に、五十一年度に年金制度を見直しをするということは、私どもはこれは予定を組みまして現在準備を進めておる段階でございます。具体的には、私どもの所管しております厚生年金と、さらに国民年金につきましてそれぞれ専門の審議会がございますが、この審議会におきまして御意見をまとめるための検討が現在行われている段階でございます。 この五十一年度の年金制度の改善を控えまして、単に個々の制度の改善という問題以外に、日本の公的年金制度全体について将来どうあるべきかということもあわせて念頭に置きながら検討をしていく必要があると私どもとしては考えております。 将来のそういう制度のあり方につきましてはこの際いろいろな考え方があると存じますけれども、現在制度が幾つもに分かれております関係上、その各制度の間にいろいろな不均衡もございますし、また、必ずしも年金が全部の人に完全に支給されるかどうかということも制度の上から見てまだ不十分な点もございます。逆に、年金が一人の人に幾つも重複するというようなケースもございます。そういうことから、年金制度全体を通じてそういった受給権の欠落とかあるいは重複を避けて、できるだけ均衡のとれた制度にしていく必要があるのではないかということを考えておるわけでございますが、直ちにこの各制度を一本化してしまうということは、これまでの年金制度の発展してまいりました経緯や事情から見まして非常に困難でございます。したがいまして、各制度について何か基礎的なものをできるだけ見出して、それをある程度一体的なものにするという方向がまずとれないかどうかということを考えて見ておるわけでございますが、現在の段階では具体的な構想というようなところまではまだ行っておる段階ではございません。 正月に新聞に出ましたのは、将来の年金制度についてこういった考え方も一つの考え方でないだろうかということについても私たちの方で今後十分考えてみたいというようなことで申し上げたわけでございまして、直ちにあれを法案にして国会に御提出するというところまでは、必ずしも早急には実現できない問題もございます。したがいまして、こういった問題を含めまして、各公的年金制度の将来の姿というものを今後十分真剣に考えてまいりたい、こういうことでいろいろと検討を重ねていきたいと思っておる段階でございます。 また、厚生年金と国民年金の財源の問題でございますけれども、確かに、御指摘のとおり、国民年金の方は年金財政がかなりむずかしい状態になってきております。しかしながら、それに対して、たとえば厚生年金の方から財源を直ちにそちらへ流用するということは、これはやはり厚生年金という制度を構成している加入者等の方の問題もございますので、直ちにそういう結論を出すというわけにはまいりませんが、こういった各公的年金制度全体で一定の基礎的な部分を運営していくということになりますと、各年金制度がお互いに財源の負担をし合って、そしてお互いに必要な給付をしていく、こういう結果になるということは言えるわけでございまして、そのような方向に今後進むかどうか、これは今後のいろいろな検討の結果を待たなければ何とも言えないわけでございますけれども、その際に、国庫負担につきましても、できるだけ各制度間の均衡というものを考え、そして必要な部分には必要な御負担をというような考えで進むのが適当ではないかというように考えておるわけでございます。
○野坂委員 では、厚生省としては基礎的なものはある程度一本化をしたいという構想で考えておると言ってもよろしゅうございますかということが一つと、それからいまお話しがあった中で、それぞれ不均衡もある、完全に支給されておるかどうか疑問もある、受給権の欠落と重複も考えられるということでございますから、そういうものを是正をし、解消したいということと、それを受けて、同じような制度の中で不均衡なりあるいは是正をすべき点もあろうかと思いますが、そのようなものについては早期に同じ制度の中の不平等は是正し、解消をする方向で厚生省としては検討されるということが当然だと思いますが、そのとおりであるかどうか、もう一度伺います。
○坂本説明員 年金制度の基礎的な部分を一本化するという構想で考えておるかという御質問でございますが、現在の段階ではまだはっきりとそういう方向をとるべきであるというところまで行っておるわけではございませんで、今後の年金制度のあり方としてそういう考え方も一つあり得るであろうという、この考え方は必ずしもいま初めて出てきたわけではございませんで、かつて、たとえば国民年金制度ができます際に、学識経験者の方にもいろいろとそういうようなお考えをお持ちの方もいらっしゃったようでございますし、それは一つの考え方であろうということで、そういった方向で今後実際上の運営が果たしてできるものかどうかいろいろと検討を進めてまいりたいということでございます。 それから、不均衡の問題につきまして、各制度間のいろいろな均衡の問題になりますと、これはそれぞれの制度を所管しております各省間の話し合いから入っていかなければならないわけでございまして、私どもだけで一方的に決めるわけにもまいりませんけれども、そういった調整についてはいろいろな機会を通じて今後進めていく必要があると思っておりますし、私どもの所管しております制度の内部につきましては、制度内における各種の不均衡のできるだけの是正は当然考えていかなければいけないと思っております。
○野坂委員 構想はまだ一案として出ておるところだということでありますが、保障制度の審議会と洗い直す時期ということでは一致しておるわけですから、それでは、一つの案をまとめて審議会に諮問をする時期は厚生省としてはいつごろとお考えになるのか、その目標がない限り構想はまとまらないと思うのであります。 そういう意味で、時期としては決めなければならない時期に来ておるから、その時期はまさにいつごろを考えておるということだけを御答弁いただけばよろしいと思います。
○坂本説明員 五十一年度に厚生年金、国民年金の改善をするということは、私どもはそのように考えて進めておるわけでございますけれども、こういう各年金制度全体の将来をどうするかという問題につきましては、これは一厚生省のみの問題でもございませんし、私どもがいま頭の中でこういったような方向もあるのではないかということで考えているものでございますから、具体的にいつの段階において明確な構想となり、そして正式の諮問ができるかどうか、この問題は私どもの方で具体的にいつごろというところは実は申し上げられるような状態になっておらないわけでございます。 こういうことで、その一つの考え方ではございますけれども、これをどのように今後進めていくかということについては、いまのところそういった具体的なスケジュールまで申し上げるような段階にまだ来ておらないということをお答えする以外にないわけでございます。
○野坂委員 それならば、まだ考えておるぐらい のところで、だれが主唱してやるのか、そういう点についてはわからないということだが、いまこれを洗い直すといいますか、再計算の時期でもありますから、そういう作業とあわせて年金全体の問題として一つの構想が出なければならぬと私は考えておるわけですが、それは厚生省としてはい つを考えておるのか。 それから政務次官にお尋ねしますが、あなたのところにも農林年金制度をお持ちなんですから、そういう社会保障制度審議会の状況なりあるいは洗い直す時期ということを見て、いつごろこの年金全体を再検討して一つの構想を打ち出すということになるのか、この点を伺っておきたいと思います。 だれが主唱するのか、厚生省だけの考え方か、両者から伺っておきたいと思います。
○坂本説明員 五十一年度の改善は、現にございます一つの、あるいは個々の制度を具体的に改善するわけでございますが、先生のお取り上げになりましたような公的年金全体の問題になりますと、これは非常に基本的な大きな問題でございますし、個々の制度の再計算の時期に限らず、将来に向かっていろいろな条件が整備されることは必要になってまいりますので、いつごろどういう形でこれが実現できるかということについては私どもとしてもなかなか明確に見通しもできないような状況でございますが、いずれにいたしましても十分検討いたしまして、これが制度として現実に本当に運営できるようなものになるという見通しをつけまして、何らかの形で関係方面にまた御相談申し上げるという形になるだろうと思っておるわけでございます。 〔坂村委員長代理退席、藤本委員長代理 着席〕
○江藤政府委員 農林年金制度は、当初厚生年金から分離いたしますときから、そもそもこの制度を農林漁業団体の職員については特別によくしたいという念願のもとに実は発足したいきさつがございます。そこで、ただいまお尋ねのように、厚生年金あるいは国家公務員の共済等についても最近改正の話があることは私どももよく存じておりますので、本来の趣旨からして、これらの制度に劣ることのないようにこれから先も十分そういう動き等も勘案しながら改善の方向に向かって努力をする、と、こういうことにいたしておるところでございます。
○野坂委員 政務次官、これから私が質問しようと思っておることを先にお答えいただいて、質問の趣旨といまの答弁はちょっと違っておるのです。全体の年金制度が済んでからだったのです。あなたのいまのお答えは、ですね。 それで、厚生年金の方ではこれから各省に対して呼びかけるということでございますが、その厚生省が呼びかける時期と、それからILO百二号条約につきましていま外務委員会で審議をしておりますが、その審議の内容を見てみますと、ILO百二号は四部門について義務受諾をするという案件でありますが、この百二号全体の、たとえば遺族の問題等を含める条約批准はいつごろおやりになるか、なぜできないのか、そういう点についてお答えいただきたい。
○坂本説明員 公的年金制度全体の調整の問題について私どもの方からほかの関係省にいつ話をするかということは、こういった考え方の検討が今後どのように進むかということによって決まってまいるわけでございまして、現在の段階では具体的にいつごろというところまでは私どもとしても申し上げられるところにまではまだちょっと来ておらないわけでございます。 それから、ILOの問題につきましては私の担当以外にもいろいろと内容がございますので、私だけで十分なお答えはあるいはできないかとも思っておりますけれども、ILOの今回の百二号条約の各部門のうちで基準に該当していない部分が幾つかございます。そのそれぞれにつきましてできるだけ国内制度の内容を充実させる方向で私どもの方も考えておるわけでございますが、ただ、残りの部分について具体的にいつどういう形でまた批准するかということは非常に問題が大きいわけでございまして、各制度ごとの今後の内容の改善の方向についての基本方針というものを十分検討してまいりませんと具体的なお答えもちょっとできないような状況でございますが、この問題につきましては、いずれにしましても各制度ごとの今後の改善の検討は十分進めていきたいというふうに思っておるわけでございます。
○野坂委員 批准ができないということは、国際的な水準に達していないということです。さらに、そういう水準に達するために鋭意努力をしていただかなければなりませんし、各年金の問題点がすでに出てまいっておるわけですから、早急にこれらと取り組んでいただくという方向で御検討いただくように、上級の職責の皆さんに十分意を徹底をしていただきたいということをお願いしておきます。 それから、政務次官からいまお答えをいただきましたように、農林年金のできました理由というものを質問をしないままにお答えをいただきまして、よくわかりました。これは昭和三十三年の三月十二日でしたが、政府の提案理由の中で、人材確保が厚生年金は困難であるし、また、経営不振の原因にもなっておるという意味で政策年金として取り上げるというふうに設立の由来が述べられております。 そこで、政務次官にお尋ねをしたいと思いますが、お話しのとおりに厚生年金よりもいい条件にしなければ農林漁業の振興は図れないし、また、人材確保をするためには年金を制度を改めてつくる必要があるという意味でこれはできたわけでありますから、劣るところがあれば早急に是正をするということで、厚生年金よりも悪いところはないはずだというふうに私は考えておりますが、そのとおり理解をしてよろしゅうございますかということが一つと、厚生年金よりも劣るところがあれば当然直ちに是正をするというふうに農林年金出生のてんまつをお話しいただいた政務次官でありますから、そのようにされるのは当然だと考えておりますが、そのとおり考えてよろしゅうございますか。
○江藤政府委員 先ほどは失礼いたしました。精神をお話し申し上げたわけでありまして、いい点と悪い点があることも事実であります。 時間もないことですし、もう御存じでしょうから簡単に申し上げますが、農林年金の一番いいところは退職前の一年をとっておるということで、これはこういう物価の変動の激しいとき、給与の上がり幅の大きいときには、確かに、この制度は、三十年以降の全期間をとっておる厚生年金からしたならば、内容においてははるかにすぐれたものだと私は思っております。 第二番目は、厚生年金が六十歳から支給が始まるのに対して農林年金は五十五歳でありますから、これはこの程度もよろしい。ただ、問題は、旧法と新法との関係がございまして、旧法年金について見れば、その絶対保障額において新法の最低保障額を下回るというようなところがございますから、これは今後の大きな改善の問題点だと私は認識をいたしておるところでございます。
○野坂委員 それでは、今度出てまいりました法律の中身についてお尋ねをしたいと思うのであります。 今度の改正の要点は、そう大きな問題とは言えませんが、三つの問題にしぼられておるように思うのでありますが、第一番目の既裁定年金の引き上げの問題でありますけれども、二九・三%を一ヵ月繰り上げて八月から実施をする、昨年と本年の二ヵ年で積み残し分をやるという決定があり、〇・八から六・八、これを来年の一月に支給するということになったわけであります。去年はこれは一括して九月にやられております。これはこの間衆議院の地方公務員共済法の年金額の際にもいろいろ議論があったところでありますが、本来ならば八月に同時に上げていくというのが筋だと思うのでありますが、一月にならざるを得なくなった理由ですね。本来はこれは八月だし、一遍にやるべきだと私は思うのですが、そのとおりかということと、一月になった理由を聞きたいと思うのです。
○岡安政府委員 いま御指摘のいわゆる積み残し分につきまして、その改定時期を一月実施といたしましたのは、恩給とか、これにならいましたほかの共済制度共通の措置でございます。先生の御指摘のとおり、既裁定年金につきまして、公務員給与の改定率にならって大幅な引き上げを今回やるわけでございますが、この引き上げが相当大幅であるために、いわゆる積み残し分の是正も同じ時期にあわせて実施するということにいたしますと財政上に非常に問題があるということから、今回は二九・三%の改定を優先いたしまして、いわゆる積み残し分の是正につきましては五十一年の一月からということにいたした次第でございます。
○野坂委員 言うなれば、金の問題だけだということでありますが、この農林年金の二九・三にしても、この前のスライドにいたしましても、何に基づいてこの上昇率というものは出されておるわけですか。
○岡安政府委員 これは国家公務員の給与改定率に準じているわけでございます。
○野坂委員 厚生年金とか国民年金は物価にスライドをさせるということになっておりますが、農林年金は公務員の上昇率だけ、いわゆる賃金スライドだけであったということでございますか。
○岡安政府委員 先生御指摘のとおり、国家公務員の給与上昇率にスライドするということは、いわゆる賃金スライドということになるわけでございますけれども、これはやはり一般の物価の上昇をその中に含んでおります。したがって、私どもの農林年金の改定は物価その他の上昇を含み、あわせて国家公務員の賃金の上昇率を勘案して、それにスライドしておるというふうに私どもは理解をいたしております。
○野坂委員 あなたは頭がいいですからなかなか理屈を言われますけれども、厚生年金とか国民年金といいますのは、現実に物価を一年間とってみて幾らだったということで、たとえば二一・八だとかあるいは一六・一だとかいうふうにきちんとそれに合わせておりますね。そんな理屈を言わぬでもこれははっきりしておりますね。農林年金は公務員の賃金にすべてきちんとスライドしておりますね。そのとおりですね。そうすると、もうここ何年間も物価ではなしに賃金だということになっておるわけですから、数年間はそれだけでいったのですから、これが変わるということになると大問題になりますね。私はそう思う。だから、賃金のスライドはこの段階で定着をしたというふうに私は考えておりますが、政務次官はいかがですか。
○江藤政府委員 おっしゃるように、最近の趨勢からすると一応定着しておると考えて差し支えないと思います。ただし、それは永久不変のものであるかということになりますと、先ほど来御意見のありましたように改善点もあるわけでありますから、それらの問題を全部ひっくるめて将来の検討課題として残しておることも事実であろうと思います。
○野坂委員 定着をしてきた、しかし、物価は完全に否定をしたわけではないということで、非常にきちんとしたようできちんとしておりませんね。政務次官のいままでのやり方とは違って非常にあいまいです。だから、恒久的なものではない、不変のものではないとおっしゃいますけれども、長い間いまの制度があって、これ以上よくならなければならぬというふうにあなたはおっしゃっておったわけですから、そういうことになれば、そのとおり定着をしたという現実を認めて——法律だって状態が違えば変わるのですからね。だから、一応は定着をした、当分はそのとおりでいく、その点については大きな変化がない限り変わることはない、と、こういうふうな御発言だと私はとったわけでありますが、そのとおりですね。
○江藤政府委員 そのとおりでございます。
○野坂委員 次は、絶対保障額の問題に関連して、昨年の法律改正で低額年金の改善のために導入をされましたいわゆる通算年金ですね。厚生年金の場合は定額部分がございますが、農林年金はこれがないわけでありますから、そういうことを取り入れて通算年金というものを取り入れた。したがって、これによって利益を受けた人たちは約九〇%ぐらいいらっしゃると思うのであります。非常に改善されたと思うのでありますが、しかし、農林年金法の三十六条を見ますと頭打ちがありますね。現行給与の七〇%以上は出せないというふうに書いてあります。したがって、この限度があるためにせっかく通算年金を導入したけれどもこの恩恵に浴すことができないという人たちが相当数あることは御承知だと思っておりますが、この限度額というものをとっていかなければ、このために低額者は、低額者ですからより不利益をこうむると思うのであります。この点については、改善をした趣旨を生かして、その措置が生きられるように善処をすべきだと思うのでありますが、どのようにお考えでしょうか。
○岡安政府委員 昨年の改正で、いわゆる低額年金の受給者につきましては、本来の計算方法のほかに通算退職年金制の計算方法に準じました計算方法により計算をした額といずれか高い方を選択するという改善をいたしております。ただ、先生御指摘のとおり、その場合におきましては百分の七十の頭打ちという制度はあるわけでございます。これは退職年金の算定につきまして、組合員期間二十年で平均標準給与年額の百分の四十として計算されておりまして、組合員期間が二十年を超える場合には超える一年につき百分の一・五の率で加算をする。したがって、百分の七十で頭打ちということは組合員期間四十年で頭打ちで、それ以上勤務いたしましても年金額は増加しないということを意味しているわけでございます。この組合員期間四十年の頭打ちという措置は、恩給にならいまして、各共済組合制度共通の制度でございまして、これを農林年金だけで改善をするということにはなかなか困難な問題があるわけでございます。 この頭打ちの問題は、考えてみますと、いわゆる定年制度の問題とかいうようなことにも関連があるわけでございますので、今後、勤務形態等の変化とか、そのほかの共済制度の改善の方向等を見守りまして、私どももこの制度につきまして検討は続けてまいりたいというように考えております。
○野坂委員 検討はしていただかなければなりませんが、これは後の同僚議員の皆さんもお尋ねになると思いますが、ぜひ前向きに制度を進めるように、善処をしていただくようにお願いをしておきます。 それから、いま政務次官からお話しがありました新法と旧法との格差の問題でありますが、先ほども厚生省の方から、同じ制度内での不均衡は是正すべきだ、厚生省はそのように基本的に考えておるというお話しがありましたが、その中でたとえば遺族年金を取り上げますと、六十五歳未満で二十年以上勤めた人は今度この法律の改正によって十五万七千五百円、あるいは二十年未満というのは八万四百円が十万五千円ということになっておるわけです。たとえば老齢年金は一ヵ月一万二千円、あるいは母子家庭の皆さんの場合もたしか十八万円ぐらいだったと思うのですが、これは無拠出であります。この方々たちももっと高い方がいいと私は思うのでありますが、この年金の場合は掛金を払っておって十万五千円ということになると非常に見劣りがすると思うのです。第一、生活ができませんね。生活保護家庭の方々の金額をながめてみましても非常に合わないというのが実情だろうと私は思うのであります。これの格差を是正し、解消するという方向を考えていくことは当然だと私は思う。農林年金を担当しておる局長なり大臣は一体どういう顔をしておるのだろうかという遺族の方々からの激しい投書その他が来ております。この問皆さんが出られた芳賀さんの本の出版記念会のときにも強い抗議の投書が何通か来ていたということが書いてありましたね。 これを是正しなければならぬ。厚生省が言ったようにそういう格差は制度上ではなくしなければならぬ。しかも、無拠出の皆さんよりもはるかに劣るという点については是正をするよう努力すべきだと思うのでありますが、政務次官はどのようにお考えですか。
○岡安政府委員 先生の御指摘のとおり、確かに遺族年金につきましては新法、旧法の差がございます。これは先ほども申し上げましたとおり、農林年金制度の持っております問題点の一つである新法、旧法の差が遺族年金の制度にもあらわれてるというふうに考えるわけでございまして、私どもはこの問題につきまして真剣に今後とも取り組むつもりでございますが、重ねて申し上げますと、先生御承知のとおり、各共済制度とも共通した問題でございます。そこで、農林年金のみ単独で新法、旧法のこの区分、格差を是正するということはなかなか困難であろうと思いますので、私どもはこの問題は十分承知しているつもりでございますので、関係各省とも相談をいたしまして、今後ともこの改善につきましては努力をしてまいりたいというように考えております。
○野坂委員 今度は政務次官にお尋ねをします。初めから言っておきますから、次官から答えてください。 いま局長からお話しがあったように、新法と旧法の格差が歴然としてある、それは認める、しかし、農林省だけの力ではどうしようもないということでございますが、今度はあなたの出番ですね。あなたは向こうっ気が強いからひとつやってみるかということにならなければならぬわけです。 そこで、問題は、一番初めにあなたから御答弁をいただきましたように、厚生年金から分離して農林年金が誕生した趣旨と由来ですが、時期は、三十三年に審議されて、三十四年一月にできたわけですね。それから、口を開けば公務員に準拠した、準拠したと言ってお話しになりますが、公務員の年金も三十四年一月に新法に切りかわっておるのですね。この農林年金が出たときには公務員のいわゆる旧法に準拠しておるわけです。だから、これに準拠しておるならば、三十九年の十月の法律というものは当然こういう差別をなくして公務員に準拠をして、できたときに考えればよかったわけでありますが、なぜこういうふうに旧法でやったのか。すでに公務員は新法に切りかわっておるというときに旧法を後追いをするということはどういうわけですか。直さなければならぬじゃないですか。次官、どうですか。
○岡安政府委員 先に、私からちょっと事実問題について申し上げます。 先生の御指摘のとおり、農林年金制度は昭和三十四年の一月一日から発足しておりますが、国家公務員共済制度は御指摘のとおり全体としては三十四年の十月一日から新法に切りかわっております。ところで、農林年金の方は五年数ヵ月おくれ.まして三十九年十月から新法切りかえということで、この格差がそのことから現在生じていることは私どもも承知いたしているわけでございます。 確かに、いまから考えますと、発足当時から新法によって発足するか、あるいは国家公務員共済におくれずに新法に切りかえるということが適当であったという御批判もあろうかと思いますけれども、先生も御指摘のとおり、農林年金のそもそもの発足は厚生年金から分離、独立いたしまして、農林漁業団体職員に対してよりよい、より有利な年金制度をつくり上げようというようなことであったので、当時の分離独立の経緯、事情から考えますと、まず制度を発足させるということ、農林漁業団体職員については独自の年金制度自体を発足させるということが大きなねらいであったので、新法、旧法の切りかえ等につきましては、この措置がやはり若干おくれたというふうに私どもは考えているわけでございます。 しかし、御指摘のとおり問題があることは事実でございますので、なかなか困難ではございますが、今後ともこの問題につきましては取り組むというのが農林省の従来からの姿勢でもございますし、今後もそういう姿勢で参るつもりでございます。
○野坂委員 では、新法と旧法の格差はなくするようにこれから一生懸命に働きかけて、必ずこの格差是正、解消はやるというふうに政務次官はお考えでございますね。大臣にかわって、簡単で結構ですからお願いします。
○江藤政府委員 できるだけ御期待に沿うように努力をしてまいりたいと思います。
○野坂委員 それでは、次に、例年問題になります都道府県の補助の問題等がございますね。これはいまは財政硬直化で地方財政は非常に圧迫をされておる、むずかしいじゃないかというような声がございますが、今度の提案理由を見ても、私学共済の皆さんの実情等を勘案してやったというふうに言っておりますが、第三項目の上限、下限の問題等はやはりありますね。だから、同じように取り扱ってほしいということでお尋ねをしましたら、この前の改正のときには、学校の場合は公立学校が普通なんだ、しかし、それが間に合わないために、不足なために私学にお世話になっておるから県としては見なければならない、農業の場合とはちょっと違うんだというようなお話しでやりとりがあったのでありますが、しかし、いま食糧の自給の問題がやかましく、食糧事情の窮迫を告げておる今日の中で、国民はひとしくこの問題について関心を持っておるわけです。県としても、それらについてはやはり私学と同じように考えていかなければならないという考え方の地方自治体もあることは間違いないと私は思います。 したがって、いま政府が画一的に法律で縛ってしまうということは去年の討論から見て困難と思うならば、そういう道を開くということ、つまり、私学において実施をされておるのだから、したがって、農林年金の場合もこの補助金を地方自治体としては出してよろしいというように道をあけながら、その考え方が全国的に浸透して実施ができるようにするという道もあろうと思うのであります。その点については各県の補助に自主性を持たせて積極的に指導するということがこの農林年金を生かしていく一つの大きな道ではないか。国の財源もこのような状況でありますから、そういう措置も考えていかなければならないと思うのでありますが、これが一つ。 それから、掛金の負担歩合でありますが、農林年金の掛金はたしか千分の九十六だと思います。国鉄に次いで非常に高い。月給は安い。しかも、時間外手当等まで繰り入れてこの標準賃金を設定して拠出をさせるという状態になっております。したがって、組合員が生きていくためにも、しかも今次の社会、経済環境の中で生活をするためにも、五対五というのは非常に困難であろうと思います。これを七対三にしてほしい、いわゆる組合員は三の割合で掛金負担を考えてほしいというのが声でありますが、これについてはどのようにお考えになっておるのか。農林省は、名目はいろいろありましょうが、七対三の措置をしておる団体もあろうかと思っております。したがって、その点についての考え方と今後の進め方を御答弁いただきたいと思います。 〔藤本委員長代理退席、委員長着席〕
○江藤政府委員 地方自治体の農業共済への掛金補助については、この法律案を提出いたしますときにもずいぶんと農林省としては努力をしてきたところでございます。しかしながら、私立学校と本来性格的に違うことはおっしゃるとおりでありまして、人件費、施設補助を公立学校にかわるものとして私学にはやっておるわけだからそれはできるであろうということでありますが、どうしてもその壁を破ることが実はできなかったわけであります。しかしながら、この法律で地方自治体がこの農林年金の共済掛金について補助をするという制度はできないというふうにその門を閉ざしておるのではありません。したがいまして、今後この問題については私どもとしても引き続いて努力をしてまいりたいと思います。 それから、掛金の負担率については局長から答弁をいたさせます。
○岡安政府委員 御質問の掛金の負担関係でございますけれども、御指摘のとおり、現行法上では組合員及び使用者の折半となっております。この掛金の折半負担の考え方は農林年金制度だけではございませんで、ほかの年金制度もそうでございますし、健康保険を含め社会保険全般に共通しているところでございます。 御指摘のとおり、現在農林年金の対象団体におきましては折半を超えて負担している団体も若干認められます。ただ、一方では、現在赤字決算を行っているような団体も少なくございませんので、団体負担を増加させることの団体経営に及ぼす影響等も無視はできないものというふうに考えております。したがって、この問題につきまして早急に結論を出すことは困難でございまして、年金制度共通の問題といたしまして、なお引き続き検討を行うことといたしております。
○野坂委員 地方自治体からの補助の問題については道は閉ざさない、積極的にこれからやるということでありますが、できない県、赤字県がそれぞれありますが、できるところはやるように農林省としては積極的に関係各省と相談をしてやるような体制にするというふうにいまの御答弁は確認してよろしゅうございますか、政務次官。
○江藤政府委員 地方自治体自体の財政事情もあるわけでありますから、それらも十分に勘案をいたしまして、私どもとしてはできるだけの努力をいたしたいと思っております。
○野坂委員 積極的に指導していただくわけですが、農林省は、その手続としては、その法律で縛るということを自治省が言ったら、そういうことの道をあけるように自治省あるいは農林省から各県に通達をしてもらうということになりますか。
○岡安政府委員 先ほど政務次官がお答えいたしましたとおりの考え方でございますけれども、たとえば私どもが数年来自治省と折衝いたしておりますのは、この年金の法律の中で都道府県が助成することができるという能力規定といいますか、いま禁止しておりませんけれども、さらに積極的な意味を含めた能力規定を設けたいということで自治省と折衝してきたわけでございます。ただ、積極的な意味を含めたそういう能力規定を設けるということは、現在の地方公共団体が置かれております財政事情等を勘案いたしますと自治省としてはやはり賛成しがたいということなので、協議が調っておらないのが現状でございます。 したがって、先生の御指摘のとおり、私どもの考え方は今後とも推進をいたしたいと思っておりますけれども、法律改正も残念ながら実現ができなかったのでございますけれども、それと同趣旨の通達を出すということも、現在すぐお約束をして可能であるというふうには考えておりません。ただ、先ほど政務次官がお答えいたしましたとおり、私どもは今後の地方公共団体の財政事情等を十分勘案しながら、さらに精力的に関係省と折衝を進め、その実現を期したいということでございます。
○野坂委員 農林省はよく悪口に大蔵省の出先機関だと言われるが、年金の問題については厚生省や自治省に頭を打たれて一つも主導権がない。いつもあっちに行ったりこっちに行ったりで、頼む、拝むということだけですからね。これは来年はいい方向ができるように積極的にやってもらいたい。むずかしい、むずかしいとおっしゃいますけれども、いままでやられておるわけですね。 これは委員長にもお願いをしておきますが、四十六年の農林水産委員会理事会の申し合わせ事項について、農林省は二十年未満の遺族年金の最低保障額についてはむずかしいとか、あるいは旧法の平均並みの十一万円を新法並みに改善することはできぬと言っておったことが、現実にできておるわけですからね。それは委員会が特別に決議をして、理事会が記名捺印をしておるというようなことも詳しく書いてありますが、そういうことはできるわけですから、努力をしたができないということではなしに、来年度はその道を開いてもらいたい。こういうふうにやったけれどもだめだったというようなことではなしに、自治省よりも強い力でそういう点については善処してもらうように、農林大臣なり政務次官はこの問題についてはその程度の決意を示してもらわなければならぬと思うのでありますが、どうですか。
○江藤政府委員 この制度は、農林漁業団体に勤める者の身分保証を行う一番の基本でありますから、私どもとしては、この制度の全きを期することに努力をすることは至極当然のことであります。大蔵省の出先でもありませんし、厚生省にコメツキバッタをするような農林省でもありません。その点はひとつ十二分に御理解を賜りたいと思います。 今後も御趣旨に沿いましてできるだけの努力をすると言いますと気に入りませんから、全力を挙げて努力をしてまいりたい、と、このように考えております。
○野坂委員 それでは、もう時間がありませんので終わりますが、去年の国会で四十九年法改正に附帯決議がございますね。附帯決議は必ず尊重してやるということを大臣もお答えになり、七十二国会でも決議をされたわけですが、「年金財政の健全化をはかるため、給付に要する費用に対する国の補助率を百分の二十以上に引き上げ、」云々とあって、そしてここにも「都道府県補助」ということが書いてありますね。これをやはり進めてもらわなければならぬ。しかし、今日たしか百分の十八でありますから、百分の二十になるように何回も決議しても農林省はやらぬじゃないですか。これに対しては年金財政というものが問題でありますから、このことをまずお答えをいただくと同時に、こういうことを聞いておきます。まず、いま言った年金財政の現況についてが一つと、この農林年金の健全財政の維持はどのようにするかということが二点目。三点目は、いわゆる過去の債務ですね。過去債、これがだんだん法律が先行いたしますから、そういう点についての対処策はどうかということ。こういう点をお尋ねして私の質問を終わりたいと考えております。 さらに、最後に財政方式ですね。たとえば積み立てとか賦課とか方式がございますが、そういう点については農林年金を預かっておる農林省としてはどのようにお考えになっておるのか、この点を伺っておきたい。
○岡安政府委員 まず、農林年金の財政状況から申し上げますけれども、四十八年度末現在におきます農林年金の不足責任準備金は約四千九百億ということになっております。四十九年度末でもいろいろ推定をいたしておりますが、大体七千五百億円程度というふうに考えております。このように多額の不足責任準備金が発生いたしましたのは、先生も十分御承知と思いますけれども、まず、制度発足の際に厚生年金期間を引き継いだので、初期過去勤務債務が発生したということが第一でございますが、その後、既裁定年金の改定等の制度改善、それから毎年度の給与のベースアップ等がございまして、これらの事由による後発過去勤務債務が発生をしたということが原因だというように考えております。 そこで、このまま放置いたしますと、御指摘のとおり財源率が上がり、したがって掛金率も上がってくるということで、毎年私どもは附帯決議の御趣旨に沿いまして、現在一八%でございます国庫補助率といいますか、これの増高方を折衝いたしておりました。ところが、五十年度予算の時期も折衝いたしたわけでございますけれども、次の再計算が四十九年度末ということで、すなわちことしの三月末現在でもう一回財源率の再計算をするということを控えておりましたので、今回は、補助率のアップ等につきましては折衝はいたしましたけれども、結果的に見送ったわけでございます。 そこで、私どもといたしましては、この再計算の結果を踏まえまして、新しい掛金率がどうあるべきかということと、それとの関連で国庫補助がどうあるべきかということと、さらにはそれらの基礎となります財政方式の問題等も含めまして、農林年金の財政全般にわたりまして総合的な検討を加えるつもりでございます。その過程におきましては、御指摘のとおり財政方式の問題も当然ございますので、従来の積み立て方式をそのまま存続するのかということと、それからほかの共済制度も検討いたしておりますけれども、一部賦課方式等を導入した方がいいのかということもあわせてこの際検討いたしたいというふうに考えております。
○野坂委員 いまの厚生年金から発足をしたときは、いわゆる初期の勤務債務が相当ある。また、後発債務がある。その総金額はいま整理するとすれば大体七千五百億ということは、これは大変な金額ですね。そして、これについては非常に抵抗されて、今後努力をされるといまおっしゃったのですが、あなた方の国の方のものもある程度緩やかにと思って地方自治体の補助ということも考えるのですが、なかなかむずかしい。 掛金率千分の九十六というのは、岡安局長の前任者のいまの水産庁長官の内村局長が、これはもう限度であろうということを私にお答えになっておりますね。これ以上乗せるということは農林年金の場合は大変だろうということになってくれば、必然的に国庫補助というものに思いをいたしていく以外に道がない。詰めてくればそういうことだと私は思っておるのです。それ以外にない。だから、与党の皆さんも含めて百分の十八は不適当だ、百分の二十が適当だというふうな決議をされて、それを尊重されてやっておるけれども力が足らぬ。政務次官はもうそんなところにはおれの方が力が強いんだ、やってみせるんだということでありますが、この百分の二十について——七千五百億の不足財源をいま整理しておかないでずるずるといくということになると、今度は法の改正にまで影響が出てくる。条件をよくするために足を引っ張る結果になる。そのための措置を早急にやる必要があると思いますが、その決意についてと、いままでの決議を尊重して厚生年金並みに当面上げていくというお考えになっておられると思いますが、そのことについての政務次官のお考えはどうですか。
○江藤政府委員 補助率の面については厚生年金よりか劣っておることはお説のとおりであります。厚生年金が百分の二十、こっちは十八でありますから、劣っておることはもう百も承知をいたしております。しかしながら、そのような状況がございますから、私どもとしては財源調整として補助を一・七七つけて、実質は十九・七七になっておりますので、さほど劣るものではないと思っております。しかし、これで十分だとは思っておりません。本来これはやはり厚生年金並みになるべきものであると考えておりますから、引き続いてこのことについては努力をしてまいりたいと思っております。
○野坂委員 満足をしていないし、努力をするということですが、国の方での補助として、第六十二条の二項に、「財源調整のため必要があるときは、毎年度、予算の範囲内において、これに要する費用の一部を補助することができる。」とありますが、これはいわゆる事務費ですね。あなたのおっしゃっているやつ、これが一・七七だ。しかし、これは厚生年金にも公務員共済にも何にもない本当に事務費なんですよ。だけれども、あなた方が答弁されるときに込みで厚生年金の二〇%にちょうど合わせて物を言うのに便利がある。法律は別だけれども、本当はどんぶりなんだ、と、こういう物の言い方だと思うのです。だけれども、財源調整は事務に必要な事務費というふうに書いてあるわけですから、「組合の事務に要する費用」なんですから、それらの点については別にして考えてもらわなければ、現実にやってもらったとしても七千五百億の不足財源というものを将来にわたってこのままで考える場合は、法改正さえ金のためにやる大変な問題になるわけです。これについては大いに善処をしてもらわなければならぬ。 三木内閣のスローガンは不公正の是正ですよ。社会保障の確立じゃないですか。何にもそれができないようなことになれば、ほかのをやめてでもこの問題については善処をするという姿勢がなければスローガンが泣くのじゃないですか。どうですか。
○江藤政府委員 お言葉でありますけれども、一・七七は事務費ではございません。百分の十八と同じ性質のものだと私どもは考えておりまして、これはあくまでも財源の調整費でございます。事務費は別途補助しておるはずでありますから、そのように御理解を賜りたいと思います。
○野坂委員 これは議論をしてもしようがないと思いますが、これは一項と二項と分かれておって、「組合の事務に要する費用」というのは一項のうちの二号ですね。政務次官、それならばおっしゃるように百分の十八と一・七七は別にしないで、一緒にしたらどうですか。
○岡安政府委員 確かに形式的には別でございまして、百分の十八に相当する額の補助と六十二条二項の財源調整と別に書かれておりますけれども、政務次官がお答えいたしましたとおり、実質的にはこれは給付費の補助というかっこうになっておりますので、百分の十八に相当する額の補助と百分の一・七七の財源調整費というのは、積算の考え方からいたしまして同じような意味合いを持っているということを申し上げたわけでございます。 別途、六十二条の一項二号の「組合の事務に要する費用」は一件当たり幾らということで助成をいたしておるわけでございます。
○野坂委員 そのとおり書いてありますね。そのとおりに書いてありますけれども、一緒のものだが、相手が抵抗するからこういうものを設けたということが言いたいんだろうと私は思うのですよ。しかし、百歩譲ってそうであっても、掛金率は限界だと言っているのですよ。初期の勤務債務も、後発した債務も、制度というものは変わっていくわけですから、そのために政府が決めていくわけですから、この不足財源というものは考えていかなければならぬ。しかも、いまの負担歩合いは五対五ではもうやれぬと組合員はおっしゃっておる。しかも給料は異常に安い。今度改正になった四十二万一千六百円ですか、たしかその程度今度上がって、ほとんどの人たちがそれにぶつかっていくということになっていくという現状からすれば、掛金は内村さんもおっしゃったようにもう限界だ。法律は改正をされる、二十と十八で、十八にこの一・七七を加えておるんだからまあまあじゃないかということだが、それならば不足財源をどうするんだということになるわけですね。それならばもう国庫の補助率を引き上げる以外にないじゃないですかと私は言っているのですが、どうなんですか。
○岡安政府委員 確かに、財源率の再計算をいたしますと裸の財源率は相当な増高を示すものというふうに考えております。これをそのまま掛金率に反映させないためには、まず、財源率の計算につきましても工夫をこらすということはあるかもしれません。たとえば、積み立て方式ではございますけれども、一部賦課方式等を勘案するという方法もあるかもしれませんし、その他計算方法につきましても工夫をこらすと同時に、おっしゃるとおり、国その他の助成につきましても、これらの増額に努力をいたしませんと、掛金率にそのまま反映をしまして掛金率が増高するというおそれがございます。 そこで、私どもは、財源率再計算の結果を踏まえまして、国の補助、財政方式、その他もろもろを総合的に検討いたしたいということでございまして、現在の農林年金の掛金率が国鉄共済を除きますと最高であるということも承知いたしておりますので、その現状も踏まえまして私どもは努力をいたしたいと思っておるわけでございます。
○澁谷委員長 野坂君、時間が来ました。
○野坂委員 時間が来ておりますのでこれ以上私は申し上げることはできぬのですが、政務次官に最後にお尋ねをしておきます。 いまの財政問題については、問題点は明確になっております。しかし、賦課方式にするか、あるいは掛金をどうするか、それらは限界に来た。たとえば財政の方式として賦課方式になるとしても、ある程度この財源を狭めておかなければ、この不足財源をそのまま組合員に掛けるということになると賦課方式そのものに大きな支障が出てくるということは間違いないですよ。そうすれば、それまでに一挙にこれを百分の四十とか五十とかにするということはいまの財政事情からして不可能とすれば、できるだけこれを詰めていくために来年度は思い切ってこれ以上にしなければ、もちろん百分の二十以上にしなければ不足財源が大きく増加をして将来に禍根を残す。このことは認識していただいておると思うのです。 政務次官としては、大蔵省の出先機関ではない、交渉すれば必ず勝つといまおっしゃったんだから、それについては、この補助率を来年度は必ず引き上げるであろうという約束をしてもらいたいと思いますが、どうですか。
○江藤政府委員 けんかではありませんから、まだやってみなければわからぬことでありまして、大蔵省とけんかをして勝つとか負けるとか、そんなおこがましいことを実は申し上げているわけではありません。ただ、この制度を厚生年金から分離独立をさせた趣旨からしても、農林漁業団体の事業というものは本来人によってなすものでありますから、その将来に後顧の憂えなからしめるような制度の確立を一日も早く果たす必要がある、その責任が私どもにはある、と、このように認識をしておりますので、今後の制度の問題あるいはそういうふうな財政上の問題、掛金の問題、あるいはいま岡安局長から申し上げましたような積み立て方式か賦課方式かという問題、それらの制度上の問題を含めて、今後ともにこの制度がより充実をしてまいりますように精いっぱいの努力をしてまいりたい、このように思っております。
○野坂委員 あなたに似合わない、非常に具体性のない抽象的な答弁で終わったわけですが、また時間をもらって十分この問題について議論をしたいと思っております。ぜひ今日の財政事情等を勘案され、いままでの制度の不整備は早急に善処されるように要望して、私の質問を終わります。
○澁谷委員長 竹内君。
○竹内(猛)委員 農林漁業団体の職員共済の法律と関連をして幾つか御質問をいたします。 まず、最初に、いま野坂委員から質問がありましたように、今度の改正に関しては前に比べては前進しており、努力をしている点が見られますが、まだ問題が相当残っておると思います。そこで、いろいろな意見がありますけれども、この法律をこのまま通したときにおいてなお問題が幾つか残ると思うのですが、これに関して、いまの野坂委員の質問も含めて今後どういう問題が残り、これにどう対応されるかということに対してまず質問します。
○岡安政府委員 御質問は、今後の農林年金についての問題点だと思いますけれども、その一つは、先ほどからお答えをいたしておりますように、農林年金制度の発足のそもそもの経緯から考えまして、他の制度におくれをとることなく所期の目的を達成するように内容の改善に努めなければならないということだと思っております。その内容は、先ほどから御指摘がございましたとおり、たとえば新法、旧法の問題であるとか、それから遺族年金制度の問題であるとか、その他あると思いますが、私どもはこれは具体的に他の共済制度と比較をいたしまして、おくれをとることのないようにできるだけ早い機会に改善をいたしたいと思っております。 もう一つの問題は農林年金の財政の問題でございますが、これも先ほどお答えいたしましたとおり、四十九年度末の数値を基礎といたしまして財源率の再計算を行うということになっているわけでございます。しかし、今回の再計算の結果はまだわかっておりませんけれども、前回の再計算以降の制度改正等によります財源率の増加が見込まれますので、その数値を踏まえた上で、掛金率、国庫補助率、財政方式の問題を含めまして、農林年金財政全般にわたって総合的な検討を加えなければならないというふうに思っております。 大ざっぱに分けまして大体この二つの問題を私どもは改善の重点事項として対処いたしたいと思っておる次第でございます。
○竹内(猛)委員 私は、それ以外にまだ基本的な問題があると思う。重要な問題を局長が抜かしていることははなはだ残念なことです。それは、一番問題になるものは、農林漁業団体の基本賃金が非常に安いという問題を指摘をしなければいけないと思うのです。以前からわれわれはこの法案を議論するときには、あるべき賃金形態というものはどうあるべきかという問題で議論をしてきた。そして、各市町村には小中学校やあるいは市町村役場があるわけでありますから、これに見合うように農林漁業団体の職員の給与を何とか底上げしていかなければ幾ら制度を直してもだめだとわれわれは主張してきた。もちろんこれは公務員ではありませんから法律によって決めるわけにはいかないけれども、そのいろいろな努力の中でそれを高めていかなければどうにもならないということをわれわれは主張してきたけれども、農林省としてはその問題をどう考えるか、要するに、農林漁業団体の職員の給与問題についてどう考えられるか、この点を質問します。
○岡安政府委員 給与問題が抜けていたということでございますけれども、もちろん給与問題はしばしば論議をされた問題でございまして、重要な問題であると私どもは考えておりますけれども、農林年金制度を問題とする場合には、できるだけこの制度を改善することによりまして、その結果として農林漁業団体職員の給与が向上するようにということを、まず制度の側からのアプローチとしては私どもは考えておるわけでございます。 農林漁業団体職員の給与の問題はそれだけではなくて、農林漁業団体が持っております問題点が職員の給与の低さにもあらわれているというように考えまして、これは年金制度だけで解決できないというふうに考えているわけでございます。 御指摘のとおり、農林漁業団体職員の給与はほかの地方公務員とか学校の先生等に比べますと一般的に低いということは否定はできませんけれども、最近におきましては大分これが改善の方向にあるというふうに考えております。たとえば、最近におきます単協と役場の平均給与の比較等を見ますと、これは四十九年六月の調査でございますけれども、単協を一〇〇にいたしますと、役場の平均は九六ということになっております。ということは、最近、おくればせながらも、農林漁業団体の職員の給与がほかの地方公共団体または学校の先生等の給与の伸び率に比べまして相当大幅な伸びを示しているということではなかろうかと思っております。 これは必ずしも十分な資料ではございませんけれども、五十年におきます春闘の妥結状況を見てみますと、民間大企業のベースアップ率は一二・九%、中小企業は一四・四%でございましたけれども、農協におきましては、全国連が一四・九%、県連が一八・四%、単協が二〇・三%というような伸び率を示しております。もちろん、基礎の給与が必ずしも十分でなかったために、単純に伸び率だけでもうすでに改善が済んだというわけにはまいらないというようにも考えておりますが、私どもは、今後とも農林漁業団体の経営自体を強化するという方向で職員の給与の改善に努力をしたいというように考えております。
○竹内(猛)委員 だんだん底が上がってきたということは結構なことだと思いますが、なおこれは努力をして、この三つの団体がなるべく同じような状況にあることが一番望ましいということをつけ加えて申し上げておきます。 次の問題としては、この国会で、農協合併に関して、さらに向こう三年間合併の期間を延長することをわれわれは承認した。そこで、農協が合併して大型化になれば賃金はより合理的に上がっていく可能性があるのか、これはそれとは関係がないのか、要するに農協大型化の問題と賃金関係はどういうことになるのかという点について、農林省の考えはどういうものですか。
○岡安政府委員 私ども、先生御指摘のとおり、昭和三十六年以来農協の合併を推進しておりますが、一般的に申し上げれば、この合併によってまず営農活動の面において農協の事業機能の強化が図られるということ、それから経営の能率化が図られるということ、三番目にはすぐれた人材の確保ができやすくなるということ、こういうようなことを考えております。 しからば、そういうような成果が上がっているかという問題でございますけれども、具体的な事例の調査はできますけれども、なかなか一般的には申し上げにくい点もございますけれども、たとえば総合農協の規模別にその職員の平均給与の水準を比べてみますと、組合員の規模が大きいほどその職員の平均給与はやはり上がっております。たとえば組合員が五百戸未満の規模の農協の職員の平均給与を一〇〇といたしますと、五百から九百九十九戸までの組合では一〇二、千から二千九百九十九戸までの組合では一〇四、三千から四千九百九十九戸は一〇七、五千戸以上の組合員を擁する農協におきましては一一一というように、平均的には上がっているというふうに考えているわけでございます。
○竹内(猛)委員 そこで、問題と方向は大体わかったわけでありますが、ここで、私は、この農林年金の法案と関連のきわめて深い農林年金の特殊法人の問題について関係者の意見を聞きたいと思います。 農林省の管轄にはいま政府関係の特殊法人が幾つあって、その特殊法人からどういうような問題が提起されているか、どう処理をしているか、このことについてまず農林省から……。
○岡安政府委員 農林省の監督下にございます政府関係特殊法人の数でございますけれども、いろいろ数え方があろうというふうに思っておりますけれども、私どもは大体十五というふうに考えて……(竹内(猛)委員「十八じゃないか」と呼ぶ)何をさらに加えるかですけれども、一応私どもは十五と考えております。そのうち、特殊法人に設けられております労働組合が、政労協に加盟しているのが五つというふうに私どもは考えているわけでございます。 あとの御質問は……。
○竹内(猛)委員 もう一度質問します。 その政府関係の特殊法人から、農林省が窓口になっているその労働組合なり団体から、どういうような要請が毎年出されているかということです。
○岡安政府委員 農林省関係の特殊法人におきましては、毎年労使の間で残念ながら紛争がございます。私ども農林経済局の所管団体である農林年金におきましても、労働組合が結成をされ、政労協に加入し、毎年労働条件につきまして交渉をし、それらの問題点につきまして農林省にもお話しがあるわけでございます。 農林年金の労働組合が、代表といいますか、平均的な要求を掲げておりますので、簡単に申し上げますと、今年の春闘の場合、労働組合の要求は、まず本俸について申し上げますと、各号俸を四万円引き上げてほしい、それから高卒の初任給を十万五千六百円にしてほしい、それから扶養手当、住宅手当、退職手当を引き上げてほしい、それから学歴、経歴による本俸の格差を撤廃してほしい、それから週休二日制の実施、定年制の延長等を行ってほしい、それから労働条件については、自主交渉、自主解決を図ってほしい、と、こういうような要求が出されております。 ことしの場合を申し上げますと、三月十日以降農林年金当局と十六回にわたりまして団体交渉を行い、その間におきましてストライキを五回行っておりますほか、超勤の拒否等も行っております。団体交渉におきましては、以上のような要求がなされたわけでございますけれども、その主な要求は、労働組合側につきましては、特殊法人である農林年金の職員は労働三権が保障されているはずである、したがって給与の引き上げ等の問題については労使の自主的な交渉によって早期に解決すべきであるということを主張されたわけでございます。これに対して農林年金当局におきましては、政府関係特殊法人という特殊性から、給与改定等については主務大臣である農林大臣の承認等を必要とし、これらの事項については労使交渉のみで解決することは困難であるということを答えまして、これが最大の争点であったと聞いております。 これらの経過があったわけでございますけれども、ことしの五月十五日に至りまして交渉が妥結いたしたわけでございます。その内容は、まず、給与改善につきましては公務員に準拠して解決することとし、その実施について人事院勧告後速やかに所要の手続が進められ、早期に行われるよう努力をするということが一つと、以上の趣旨に沿って交渉を継続するということで労使合意を見まして、争議は収束をしたというふうに聞いております。 ほかの政府関係特殊法人労働組合の場合も大体同じようなものというふうに聞いております。
○竹内(猛)委員 これは毎年毎年大体同じようなことを季節的に繰り返している。夏になれば台風が来て、秋になれば霜が降るのと同じように、毎年同じようなことばかりやっていて、基本的に農林省自体でいまの要求を処理できる権限と能力はありますか。
○岡安政府委員 私どもにおきましては農林大臣としての監督責任がございますけれども、特殊法人につきましては、その予算等につきまして大蔵省とも協議をしなければならないという点もございます。また、労働三権等の実施につきましては労働大臣とも御相談をしなければならないということで、このような紛争等が毎年判で押したように起こるということは私どもははなはだ残念に思っておりますので、関係省とも相談をいたしまして、こういうような事態を再び繰り返すことのないように、なかなかむずかしい問題ではございますけれども、努力はしたいというふうに考えております。
○竹内(猛)委員 政府関係労働組合の紛争処理の問題については、社会労働委員会でいろいろ討議をしている経過があります。本年の三月十九日の社会労働委員会でわが党の枝村委員が質問をしているわけですが、この内容は、過ぐる四十七年五月三十日の衆議院の社会労働委員会において、労働大臣から、この政府関係特殊法人についてはその公共性にかんがみ云々という形での一定の回答があり、その回答に基づいてアンケートをとり、これに基づいて速やかにこの調整をしようというような趣旨のやりとりがあったわけですね。この問題を中心として枝村委員が質問をしているけれども、このことについて内容は余り前進をしていないように思うのです。監督をする窓口である農林省にその最終的な決定の権限がないということと、労働省は労働三権を組合に保障しているわけだから、憲法に基づいて自主的に交渉する権限を組合は当然持っているにもかかわらず、その当事者は大蔵大臣と協議をしなければならない、そこで大蔵大臣がこれに対して拒否をすればその話はだめになってしまうという形で、労働三権を与えながら、実際の交渉権というか、それは何ら解決権がない。そうすると、農林省も、あるいは公団の理事者も、肩書きだけは理事長だとかなんとかいう肩書きを持っているけれども、実際はこれはロボットじゃないか。そういうロボットと幾ら交渉したって何の役にも立たない話だ。 こういうことを毎年毎年繰り返して、しかも公団、事業団というものはやたらにどんどんできていく。こういうことは明らかに紛争の拡大再生産にしかならない。これは時間の浪費ですね。当事者間の感情の摩擦をふやして時間の浪費をすることになるから、これは早く解決しなければならぬと思う。だから、一般の問題については社労の委員会でやるにしても、農林関係に関する限り、この問題については問題をうまい方に進めていかなくちゃならないと思うのだが、そこで、本問題についてアンケートを出しているし、そのアンケートも、法人が八十三、組合が六十一の百四十四の団体の中の百四十三の団体からもうすでに回答が返ってきて、そして各団体とヒヤリングをやっているというけれども、三年間もこういう問題をヒヤリングをやるなんて、そんな時間の浪費とむだと引き延ばしをなぜしなければならぬのか、どうしてもっと早くできないのか、そういうことについて労働省並びに大蔵省から、その責任者からまず回答を求めたい。
○保谷説明員 お答え申し上げます。 政府関係特殊法人の給与問題については、御承知のとおり種々の問題がございます。それで、実情及び意見を把握すべく関係者に現在ヒヤリングを行っておりますが、労働省といたしましては今後においても一層この点について努力を重ねたいと思っております。 今後の計画といたしましては、なお主要の関係法人についてヒヤリングを行う予定にしております。
○吉居説明員 ただいま先生から御指摘がございましたように、昭和四十七年の五月の社労委員会におきましての労働大臣の発言の中で、特殊法人の基本問題につきまして、労働省、大蔵省合わせまして検討いたしましょうというふうな答弁をされたわけでございますが、その後アンケートを行いましたわけでございまして、それは御指摘のとおりでございます。しかし、そのアンケートに書かれましたものにつきまして、各当局と組合からさらに具体的によりいろいろと微妙な問題につきまして十分にお話しを伺いたい、また、そうしなければその問題の内容が十分によくわからぬ、われわれもその問題の内容をよく知りたいということで、その後ずっとヒヤリングを続けているわけでございます。 ただいま労働省の方からお答えがありましたように、現在まだそのヒヤリングを行っている最中でございますけれども、われわれといたしましては、この問題を十分に理解し、その内容を知る意味からいきまして、もうしばらくこのヒヤリングを続けていきたいと思っておりますけれども、なるべく早い時期にこの問題については取りまとめを行いたい、こういうふうなつもりでおります。
○竹内(猛)委員 いずれも抽象的な話で、これじゃまる三年間何をしたかさっぱりわからない。これからも研究するということじゃだめですね。これははっきりしているでしょう。大体内容は三つじゃないですか。今日までの内示制度というものを守っていくのか、それとも内示制度を守りながら運用を少し変えるのか、それとも労働組合の自主交渉を認めていくのか、こういう三つに大別されるでしょう。それぐらいのことはわかるでしょう。三年間あなた方は一体何をやっていたのだ。いまの答弁じゃまるっきり答弁にならないじゃないですか。アンケートをとって、それじゃ三年間何をしていたのだ。毎日毎日三百六十五日働けとは言わないけれども、少なくとも土曜、日曜を抜いても、このくらいのことをもっと早く解決して、多くの労働者のストライキとか超勤拒否とかのいろいろな問題に対して、そういうことは明らかに毎年起こるのだから、それを未然に防ぐということをやらなければいけないでしょう。そういう点について少し怠慢じゃないですか。どうですか。もう少しまともな答弁をしてください。
○保谷説明員 この点につきましては、政府が五月十四日に労働組合の方との会見ですでに御説明も申し上げておりますが、この関係法人の職員の給与問題は重要かつ非常に複雑であるということで、本問題の結論を得るためにはなお相当の期間が必要であると考えられるのが、現在実施中のヒヤリングを関係者の協力を得てできるだけ早く終わらせるという方向で努力するということを申し上げておりますが、その線に沿ってわれわれは鋭意努力を重ねているところでございます。
○竹内(猛)委員 それは大体いつごろまでにやるのですか。もう三年間たっているのだからね。だから、鋭意努力と言うけれども、鋭意ということはわかるけれども、それはいつごろまでにやるのか。いつごろまでにどういう段階を経てやるかという大体の目標があるでしょう。それはわかるでしょう。そして、内容だってあるでしょう。いま言ったように、一体どういう内容が問題になっているのか、そこへ出てきた傾向はどういうことか、それはわかるでしょう。そのくらいのことは言えないはずはないでしょう。
○保谷説明員 この点については、やはり政府の答弁でお答え申し上げましたように、諸般の事情を考慮しつつできるだけ早く行うということであります。 特殊法人と申し上げましてもいろいろな種類の特殊法人がございます。問題の出し方についても、労使それぞれ別の角度で問題が出ております。こういうような複雑な条件の中でわれわれとしては十分意を尽くして調査を行い、そしてヒヤリングもアンケートの後に行って、現在やっているところであります。問題の所在のむずかしさについては先生もすでに御承知だと存じますが、非常に時間もかかる問題でございます。したがいまして、いますぐ一定の時間を示せというふうに仰せられましても非常に——われわれとしては十分努力を重ねて先生方の御趣旨に沿うような方向で努力をしたいと思っておりますが、ただ、事が労使関係問題でございますので、すぐに結論を明確に出すという問題は、両者が対立しており、意見が十分にすり合わせられない段階においては非常にむずかしいということを御了承願いたいと存じます。
○竹内(猛)委員 大蔵省の方は、これはやはり同じ意見ですか。
○吉居説明員 ただいま労働省からお話し申しましたのと同じ意見でございます。
○竹内(猛)委員 それでは、今度は行政管理庁の方へ尋ねます。 現在、この政府関係特殊法人に属するものがたくさんあります。また、今度も宅地開発公団というものができることになっている。こういうものはどしどしつくっていきながら、しかも労使の関係がいま言うように解決しない。そういう問題を含みながらそういうものをつくっていくということは紛争の拡大再生産のようなことになるのじゃないですか。そういうものをつくるときには、そういうようなことがないようにということでこれはつくったのでしょう。公益性あるいは能率性、公共性という非常にいい文句で出発をしたが、しかし、現実には問題が毎年毎年同じように起こる。しかも、アンケートをとりながらいつになったら解決できるかわからないような、無責任とは言わないけれども、そういうそれに等しいことではどうなるのですか。行政管理庁としてはこういうものをこれからもまだどんどんつくっていく考えですか。そういう問題に対しての行政管理庁の方の考え方を聞きたい。
○安原説明員 特殊法人の設置の問題でございますが、行政管理庁といたしましては、毎年度の予算編成の過程で、新しい行政需要に対応して特殊法人を新設することがどうしても必要であると判断されます場合におきましても、できるだけスクラップ・アンド・ビルドでやって、いわゆる既設の特殊法人の見直しをやりまして、統合再編成によって対処し、全体としてのその総数の増加を厳に抑制するという方針をとっております。今後もこの方針を堅持してまいりたいと考えております。
○竹内(猛)委員 私は特殊法人をつくることについて別に反対をしているわけじゃない。つくるときにいまのような問題が常時起こっているが、その理事者に当事者能力が与えられていない、あるいはそれの監督官庁にも最終的にそれを処理する能力がない、その結果人事院勧告が出て、そしてその後で最終的に給与が決定する、労働条件が決まる、こういうように毎年同じことを繰り返すということは明らかに浪費じゃないですか。そういうことがわかっていながら、早くこれを解決していこうという努力がない。これに対してはたとえば内示制度というようなものをとるのか、あるいは自主交渉の方式でいくならば、自主交渉を承認して労働者の権利をちゃんと保障していくようなことでいくのか、そこのところを明確にしなければ、そういう関係の機関をつくること自体が問題じゃないですか。 皆さんはそういうふうに考えないのですか。行政管理庁としては、現在起こっている問題について、それはもうつくってしまったのだからあとは勝手にしろと考えているのか、それとも、こういう問題については当初からそういうはずではなかったと思っておられるのか、この点はどうですか。
○安原説明員 特殊法人の労働問題につきましては、先ほど来大蔵省、労働省からも御発言がございましたように、実態をよく踏まえて、できるだけ合理的な問題の解決に努力していただくということだろうと思います。 それで、その労働問題はございますが、一方で、社会経済情勢の変動に対応しまして、どうしても新しい行政需要を満たしていかなければならないという別の要請があるわけでございます。それで、その要請にこたえるためにどうしても特殊法人が必要になるという場合は、先ほど申しましたように、スクラップ・アンド・ビルドの原則でその増加の抑制を図る。さらには、行政改革の一環としまして、新設に伴いますスクラップ・アンド・ビルドだけではなくて、従来からの既設の特殊法人につきまして、その設立目的が達成したかどうかとか、あるいは社会経済情勢の変動に対応しまして存立の必要性が乏しくなってきたのではないかというような観点から審査をいたしまして、積極的にその整理統合を進めているところでございます。
○竹内(猛)委員 そういうように事業体をつくって一定の権限を与えておきながら、労働者に対してはその処理を常におくらせておる。そしてその間に紛争が起こらざるを得ないような状態をつくっているということに対しては、その経過の問題については何と言っても私は承認できないことです。だから、大蔵省にしても、労働省にしても、この点についてはアンケートも出ていることだし、そして問題だって大きく言えば三点に分かれていることなんですから、こういう問題を速やかに処理をし、行政管理庁にしても、つくるにしても、もっと親切に、今後問題が起こらないようにしていく必要があると思う。 こういう点で、労働省と大蔵省に対して、この問題の取り扱いについてなおもう一度私は答弁を要求したいと思うのです。
○保谷説明員 問題は労使関係の自主性という問題と、それから一応別の次元ではありますが、政府関係特殊法人の事業の特殊性、公共性という問題をどのように調和するかという問題だろうと思いますが、この点については私どもはすでにアンケート調査とヒヤリングを行っておりますが、先ほど申し上げましたように、ヒヤリングの段階におきましても、非常に業務が多様にわたるという側面がございまして、意見も非常に分かれております。したがいまして、こういう点を踏まえながら私どもとしては鋭意努力を重ねて、円満な労使関係が特殊法人の間にできますように一層努力を重ねてまいる所存でございます。
○吉居説明員 特殊法人の労使関係につきましては、先ほど御指摘がありましたように労働三法が適用されており、そして、職員の給与やその他の労働条件は労使間の団体交渉による労使協約によって決定されるたてまえになっております。しかし、同時に、これらの特殊法人は、その業務の特殊性と公共性というものがございます。また、政府によって出資がなされておったり、あるいは業務の運営につきましても補助金やあるいは交付金等が出されておるというふうに、国からの財政的な補助、援助によって成り立っているような法人が多いわけです。 このように特殊法人というものは国の財政と密接不可分の関係にあり、さらに、また、そこで働いておられる職員の勤務状況や勤務体制は国の職員や公務員と非常に似ておる面もたくさんあります。そういうふうな点を種々勘案いたしまして、現在は、その特殊法人の業務運営や給与の決定につきましては主務大臣の承認を要し、あるいはその際に大蔵大臣の協議を要するというようなたてまえになっておるものが多いわけです。このように一般の民間の企業とは異なった法令上の制約を受けているわけでございますが、これはただいま申し上げましたような特殊法人の業務の公共性等にかんがみましてやむを得ない取り扱いではないかとわれわれ思っているわけであります。 先ほど先生がちょっと御指摘になりましたようないわゆる内示という問題につきましても、このような特殊法人の性格にかんがみまして、大蔵大臣に協議があったりあるいは相談があったりという際に、その手続を円滑に進めるというためのいわば事実的な行為でございます。ここまでならば、つまり、公務員に準ずるところまでならば財源的な保障はいたしましょうということをあらかじめお話し申し上げることによって、その後のいろいろな労使交渉の手続を非常に円滑に進め得るというふうなつもりでやっているわけでございまして、現段階においては非常に必要な制度ではないかと考えているわけであります。 しかしながら、他方、先ほどからいろいろお話しがありましたように、この問題等につきましてもいろいろ問題がございます。したがいまして、われわれといたしましては、各法人、各組合から現在いろいろと御意見を承っている最中でございます。このヒヤリングにつきましては、これまた先ほど申し上げましたように関係省の御協力を得まして、できるだけ早い時期に終わらせるように努力をいたしたいという所存でおります。
○竹内(猛)委員 いま労働省と大蔵省から若干の内容に入った話を聞きましたが、もう時間がありませんから、これ以上はこれについては申しませんが、それでは、これは委員長にお願いしますが、労働省なり大蔵省なりにいまアンケートが届いているはずだから、そのアンケートの資料と、それからいつ、どういうことをやったかということに対する今日までの問題点の資料を提出してもらいたいと思うのです。
○澁谷委員長 承知いたしました。
○保谷説明員 調査結果につきましては現在調査を進めている段階でございまして、取りまとまった段階で扱いを考えたいというふうに考えておりますので、御了承をいただきたいと思います。
○竹内(猛)委員 その最終結論がいつ出るかわからないような状態だから、アンケートが出ているでしょうから、その経過的なもので結構です。そういうものを出さないと話のしようがないじゃないですか。
○澁谷委員長 保谷君、中間報告で結構だから、まとめられるだけのものをまとめて中間報告として出したらどうだ。
○保谷説明員 概要についてお答えいたします。 アンケート調査については……。(竹内(猛)委員「きょうは時間がないから、その話はここで聞く必要はないから」と呼ぶ)
○澁谷委員長 ここで聞くのではなくて、それを資料としてまとめてほしいと言われているのだから、そのようにしなさい。
○竹内(猛)委員 資料として、その中間のものを出してもらいたい。そういう重要な問題を、あなた方が三年もかかることをここで十分や二十分で了承なんてできやしないよ。了承しろったって、それは無理だよね。だから、その問題についてはいずれゆっくり話し合いをしたい。別にわれわれはこの事業団や公社、公団がだめだと言っているわけじゃないし、そういうものは必要だと思っている。必要だと思っているけれども、いまの問題の取り上げ方が余りにも緩慢であり、余りにも秘密的である。それじゃまずいじゃないですか。出てきたアンケートに対してはみんなでもっと堂々と論議したらいいじゃないですか。これはいずれ委員長にお願いして中間的な報告をもらって、そして、そういうことに対して皆さんと話をする機会をつくりたいということですから、わかりますね。 そこで、行政管理庁の方に今度は要求と問題を出しますが、政府関係労働組合の皆さんが先般天下り白書というものを出しましたが、労働者に関しては大変権利を与えておきながら、後始末がきわめて悪い。けれども、そこへ天下っていく人々にとってはこれはきわめて居心地のいい場所になっている。ある学者に言わせると、五十代までは役人でその後は民間へというコースが今日定着したと言っている。それから、その役人の法制上の規定は、国家公務員法の百三条によって営利事業には行ってはならないけれども、非営利事業については何ら規定がないから、堂々とそこへ行くわけですね。こういう形になっていて、そこで若干の仕事をするけれども、その仕事はきわめて非能率であり、無責任であり、給料だけは高給をとり、退職金もたくさんもらうというわけで、これはまことに結構な場所だということを学者が言っていますね。そのほかに今度は人間関係の問題やいろいろなことが書かれた後で、労働基本権の問題に触れて、「政府関係特殊法人の労使関係、特に賃金は、国家公務員の給与改定についての人事院勧告が出された後、それに準拠した大蔵省の「内示」というものが各法人に示され、その範囲内での賃金改定をし、関係各省庁の「承認」的な行為によって実施されるという、「時期おくれ」の「公務員準拠」的なものがここしばらく実施されて来た。つまり、これら特殊法人の役員たちは、常に政府の顔色をうかがい、労働組合からの申入れ内容の理解に欠け、「内示」をたてに団体交渉にろくに応じもせず、労働基本権が法制度上民間と同じく保障されている政労協傘下ないし関連労組の活動を、公務員並みに封殺しようとしている。そのため数年前ころまで、年の初めのころ、前年度の賃金闘争のヤマ場を迎え、春闘のはしりと誤解された笑えぬ悲劇があった。」と、こういうぐあいにこの労働法の学者が指摘をしていることはやはり正しい見方だと私は思う。 こういう点で、今後もこういうことはたくさんできるのですから、何としてもこの問題は早急に解決をしていかなくちゃならない問題だということを私は要求しますが、行政管理庁の方としてはこういう問題について一体いまどういう考えを持っているのか、伺いたい。
○安原説明員 特殊法人への天下り問題でございますが、この問題は実は行政管理庁の所管ではございませんので、若干承知していることだけ申し上げたいと存じます。 特殊法人の役員の人事につきましては、昭和四十年の五月の十四日の閣議口頭了解というのがございますが、この中で、公務員の出身者から選考する場合は、関係省庁の職員にとらわれず広く各省庁から適任者を選考するということと、それから、特殊法人相互間のたらい回し的異動は極力避けるということと、第三点としまして、清新な気風を反映させるため、常勤のポストについては高齢者の起用は努めて避けるということ、それから第四点としまして、役員の長期留任は特別の事情のない限り避けるということ、こういうことが了解されておりまして、さらに四十二年の二月七日の閣議口頭了解で、広く人材を登用するために、特殊法人の役員の任命については事前に内閣官房長官と協議するということが了解されております。したがって、特殊法人の役員の選考につきましてはできるだけ広く適任者を各界から選任するということがたてまえでございますけれども、特殊法人の性格上本来国が行うべき業務を国にかわって代行するということでございますので、その役員の一部には行政機関の出身者が含まれるということは有益であるという場合も少なくないかと存じます。できるだけ適任者が選考されるということ、しかも適正な運用が行われるということが大切であろうかと考えております。
○竹内(猛)委員 担当ではないと言うが、なお管理庁の方に言っておきますが、そういうように公共性を持っているはずの公団、事業団が、たとえば住宅公団の賃上げ問題とか、あるいは東京新空港の問題、パイプラインの問題、原子力の事業団の問題等において基本的人権を揺さぶるようなことが非常に多いということも指摘をされているわけだが、これは要するに、一つは役員や何かはいま言うような天下りという形で安定した形にあるが、労働者の方はきわめて不安定の状況に置かれる。そして、公共性を持つべきものが今度は基本的権利やあるいは公害を起こしている。こういう点を含めながら、これに対してわれわれは今後も十分に監視をしながら、整理すべきものはきちんと整理をしていく必要があるということを意見として申し上げて、この問題についての私の質問は終わります。 続いて、農林省の経済局の方に調査の要求をしたいと思いますが、最近各地を回ってみて感ずることですが、あるいはまた私のところに投書が幾つか来ておりますが、こういう問題は共通の問題のように思います。それは農業協同組合の精神と運営が必ずしも正しく行われていないということがいま大変問題になっていることです。 その一つのことが、茨城県においては四月十日の「いはらき」という新聞でも明らかにされております。組合が正当な理由がないのに一年以上事業を停止した場合には解散を命ずるということが農協法にあるにもかかわらず、五十年四月十日の「いはらき」新聞によると、二十二年の農協法施行に基づいて設立された農協は業種別、地域別に七百三十六あったが、その後農協の合併が進んで昨年末百八十六の農協になったが、そのうちで一年から十年以上休んでいる農協が、名ばかりの農協が四十六もある。郵便を出せば戻ってくる、組合長や専務も死んでしまっていない、責任者はわからない、こういうようなことですね。その農協には借金、債権債務があって、その清算事務が残されている。こういうような農協が現に茨城県にはあります。しかし、これは何も茨城県だけではなくて、恐らく全国にこのような例がたくさんあるだろうと思うが、こういう問題について調査をしたことがあるか。ないならばこれは早急に調査をしてもらいたい。これがまず第一です。 その次に農協の剰余金の使い方に対する問題がありますから、これも調査をしていずれ報告をしてもらいたいと思うのです。協同組合の原則では、協同組合における剰余金の性格とその分配について、組合の運営によって剰余金または節約金が生じた場合でもそれは組合員に帰属するものであり、一組合員が他の者の犠牲の上において利することを避けるような方法で分配されなければならないというのが協同組合の原則であります。したがって、これをもう少し分けて言えば、協同組合の事業発展のための準備金、あるいは共通サービスのための準備金、あるいは組合利用高に比例した組合員への分配というように、剰余金の性格についての原則は必ずしも決定しているものではないけれども、そういうようなものが常識になっている。これは農業協同組合の調査特別委員会の報告でも、組合の剰余金ないし節約金は普通の商業的意味での利潤ではないというふうに報告をしてある。したがって、剰余金が出たとすると、それはどういうメカニズムによって発生をし、それがどうなっているのかということを、剰余金の問題についていまの原則の上に立って調査をしてもらいたいということが一つです。 その次に、細かく内容を言えば、たとえば農業共済組合、その生命共済や建物あるいは自賠、そういうものをいまやるようになっていますが、農村地帯では比較的に火災もないし、死亡率も低い、あるいは自動車についても事故がわりあい少ないということで、この面は黒字だと言われている。こういう点について、農業共済が担当しているそれぞれの分野におけるところの死亡率、火災率、それから自動車の事故、故障というものがどういうことになっているのか。 そして、今度は、危険防止のための基金の積立金として三千億円以上の積立金がしてあるはずですが、この金利があるわけです。そういうものはどういうふうに使われているのか。一説には、金が余れば、これはもうかったのだからどこへ使ってもかまわないじゃないかということで株式を買い込んでいるようなことも言われているわけです。これは本当でなければまことに結構ですが、こういうことがもしあるとすれば、これは大変ゆゆしい問題だと思います。農協法の原則なり精神から逸脱をしているのじゃないか。こういうことで、この問題についても調査をしてもらいたい。 それから、役員の退職金についての規程ですが、現在の会長なり理事長なり、そういう者が退職した場合に現在の規程では一体どれくらいの退職金がもらえるのか。こういう問題をやはり調査をしてもらいたい。どうも最近は公社、公団、事業団のような方向で、農業協同組合が事業に力が入って農民へのサービス機関というところを忘れたのではないかという声があります。これはこういうことのないようにしてほしいわけですから、そういう点をやはり調査をしてもらいたいと思うのです。 なお、最後に調査をしてもらいたい点があります。それは農協が不動産事業をやっていますが、過般の農協法の改正なり農林中金法を改正をするときに、これは大変危険だということを考えて、こういうことのないようにという厳重な注意をして、本委員会でも条件をつけてこれを通したわけですが、その後、各新聞に出るところだけでも、最近は本当に目を覆うような事件が幾つか起きております。 〔委員長退席、藤本委員長代理着席〕 六月九日の朝日新聞によると、「農協不動産赤信号」という記事が出ている。これは新潟の農協です。それから六月十四日には、これまた福島県の郡山の農協が土地に手を出して、赤字を出していま大変困っている。中に土地ブローカーが入っている。農民の必要とするえさの価格の原価は公表はしない、だけれども、土地にはどんどん手を出してもうけることはやる、職員の給与についても、多少はだんだん上がってきているけれども、それでもまだまだいろんな点で抑えられている。こういうことで農民から浮き上がってしまう農協が出てきて、農協の役員が一個の事業団体の重役のような形におさまってしまうような傾向があるのではないか。これはまことにゆゆしいことだと思うのですね。いまここに挙げた土地の問題は二つしか出ていないけれども、なお全国の各地には隠れたこういうものがたくさんあるだろうと思うのです。 農林省はこういう問題について早急に調査をして、この問題は厳重に戒めなければ大変なことになるんじゃないかという意味で、いま私は農協の問題について幾つかの点を質問しました。これは答弁は要らないわけですが、この点はぜひ早急に調査をして出していただきたいということを要求しますが、これはどうですか。
○岡安政府委員 大体五つの事項につきましての資料要求があったわけでございますが、三番目の農業共済の運営について、死亡率とか火災率、それから自動車の事故率等の御要求、それから積立金の運用の金利の問題等につきましては早速資料を御提出いたしますが、それ以外のものにつきましてはなかなか一般的な調査もございませんし、また、しがたい点もございます。しかし、できるだけ事例調査というふうなかっこうででも調査をいたしまして御提出いたしたいというふうに考えております。
○竹内(猛)委員 終わります。
○藤本委員長代理 津川武一君。
○津川委員 農林漁業団体職員の年金の基本問題については、あした、わが党の諫山委員が農林大臣を相手に質問いたしますから、私は障害年金のことで若干気になっていることがありますので、質問を展開してみたいと思います。 第三節の「障害給付」でございます。第三十九条の別表第二の上欄一級の最低保障額三十九万三千六百円を五十一万七千八百円に——これは昭和五十年八月一日からですが、二級の三十二万一千六百円を四十二万九百六十円に、三級の二十四万円を三十三万九千三百六十円に改める件でございます。まあ前進であって改善でありますが、このことで若干質問してみます。 一級の七、八ですが、「精神に、労働することを不能ならしめ、かつ、常時の監視又は介護を必要とする程度の障害を残すもの」、これが七項目。八項目が「傷病がなおらないで、身体の機能又は精神に、労働することを不能ならしめ、かつ、長期にわたる高度の安静と常時の監視又は介護とを必要とする程度の障害を有するもの」となっております。そこで、「常時の監視又は介護を必要とする程度の障害」とは一体どんなものなのか。八項目の「長期にわたる高度の安静と常時の監視又は介護とを必要とする程度の障害」というのはどんな状態であるのか。この七、八項目の障害年金を適用した例が実際にどのくらいあったのか。この点をまず明らかにしていただきます。
○岡安政府委員 障害年金の廃疾の程度のうち、一級の廃疾の程度のうち、一級の七と八の御質問でございますが、七と八がどういうものかというのはなかなかむずかしい問題で、非常に医学的な問題でもございますのでここでお答えすることはちょっとできませんが、運用を申し上げておきますと、農林年金におきましては、この一級の七または八に当たるかどうかという認定は農林年金が行います。ただ、先ほど申し上げましたように、これは非常に専門的な知識を要するわけでございますので、専門分野の医師四名を委嘱いたしまして認定を行い、その御報告によりまして年金は理事長が決めるということにいたしておるわけでございます。もちろん四名の医師が構成をいたしておりますこの廃疾認定委員会におきましては、まず請求者から医者の診断書をつけてまいりますので、その診断書に基づきましてそれぞれ程度の認定をするということにいたしておるわけでございます。 それから、該当の数字でございますが、いまちょっと調べておりますので、後ほどお答えいたします。
○津川委員 そこで、「常時の監視又は介護」の、この「介護」にはどなたが当たっておりますか。
○岡安政府委員 ちょっと私も見当外れかとも思いますけれども、一般的にこういう状態にある方の介護につきましては、家族というよりも、やはり専門的な知識、経験が必要とされるというように考えられますので、通常の場合には、入院の場合には入院した病院の専門的な看護婦その他の方方、また自宅におられる場合におきましてもそういうような知識、経験を持った方々が看護等をなさるのが常態であろうというように考えております。
○津川委員 そこで、一級の七にしても、八にしても、こういう人たちはおしっこ、うんこはたれっ放し、御飯とおしっこ、うんこはまぜ返す、叫ぶ、壊す、物をたたく、一ヵ所にいない、こういう形で入院させます。そうすると、これはいまの状態で介護を必要とする。それはかなり知識を持った介護人が当たりますが、一人雇いますと一ヵ月どのくらいかかるかという問題なんです。これは非常に大変な介護なので、その人の賃金、食費を入れますと一ヵ月三十万円ぐらいかかると思いますが、この一級で今度年金額が三十九万三千六百円から五十一万七千八百円に上がったけれども、そうすると、本人はもらうものがほとんどなくなるという状態です。入院させないで家族において看護しておる。だれか家族の中に人がいればいいが、看護する人がいないとすれば、この点でまただれかを雇わなければならぬ。そうなると、この費用が大変です。本人の五十一万何ぼ、今度改正して上がっても、これはとうていやれない、こういう状態です。仮りに家族の中からだれかを割いてやるとすれば、この人が働いてこそ家計費が賄われておったのに、そこで家族の収入労働が一人減ってしまう。こういうふうに見ると、三十九万三千六百円から五十一万七千八百円に引き上げたことはよろしいが、まだとうてい問題にならない。この点で、特別に検討してみて実情に合うように上げていかなければならないと思いますが、いかがでございますか。
○岡安政府委員 私もそういう経費の関係その他は必ずしもつまびらかでないわけでございますが、御指摘のとおり、今回の限度額の引き上げによりましても、必ずしも十分に介護、監視等に要する費用を賄えるというふうには考えられない節もございます。そこで、私どもも今後ともこういう限度額等の引き上げには努めたいというふうに思っておりますけれども、ただ御了解いただきたいと思いますのは、この障害年金もやはり共済制度の一環としての年金の制度でございます。したがって、この年金だけでそういうような必要とする費用のすべてを賄う、また賄わなければならないというふうに考えるのは、実際に年金としての制度の制約もあるのではなかろうかと思います。 もちろん、私どもはそういう通常必要とされるような費用等の額も十分勘案いたしまして最低限度額というものの決定はいたさなければならないとは思っておりますけれども、やはり、年金につきましては年金のおのずからなる制約があるものというふうに考えております。したがって、そういうような重症患者であって介護、監視を要する方々に対する社会的な費用といいますか、それに対する措置は、年金だけで充足できるものではなかろうというような考えを持っておるわけでございます。
○津川委員 そこで、七項目、八項目ですが、業務上の場合はどうでございますか。業務上の場合はだれがその人の生活を見てくれますか。これは年金しかなくなってしまう。ほかになくなる。これでもやはりほかのものから生活費を探してこいとおっしゃるのが農林省でございますか。
○岡安政府委員 これは、業務上の場合、それから業務以外の場合と分けまして年金支給の条件等は変えてございまして、業務上の場合には非常に有利な条件でもって年金が支給できるように措置はいたしております。 ただ、問題は、業務上だからこれはまるまる年金でもって措置をすべきであるという御指摘だと思いますけれども、先ほどから申し上げますとおり、年金というものの持つおのずからなる限界というものがあるのではなかろうかと思うのでありまして、そういう方々が今後生活していくために必要なものにつきましては、年金だけですべてこれを措置をするということも必ずしも可能なことではあるまいというのが私の考えでございます。
○津川委員 家族の常時の監視もしくは介護ということになると家族が大変ですが、この人たちの生活の資金というものは年金以外には出ようがないのです。したがって、足りないから引き上げるというこういう気持ち、このためにどういうことをするのか、生活保障の関係で、憲法の二十五条と年金をどう考えているのか、この二つの点を答えていただきます。
○岡安政府委員 憲法の問題が出ましたのでちょっとお答えいたしますけれども、従来からしばしば論議されておりますのは、多少論点が違いますけれども、年金の最低の保障と、それから生活扶助の問題が非常に議論をされております。もちろん、生活扶助を受けなければならないような状態は解消しなければなりませんし、それにつきましては年金もできるだけ最低を上げるという形でもって措置はいたしたいと私どもは思っておりますけれども、これは別途生活扶助の体系というものがありまして、その体系の中で処理されるべきものというものがあろうというふうに考えております。 それとイコールとは必ずしも言えないかもしれませんけれども、重症患者を抱えている家庭の生活の維持につきましては、年金もそれ相応の努力はいたしますけれども、別途の体系でもってそれを措置すべきものというふうに私どもは考えざるを得ないと思っております。
○津川委員 そこで、また一級の八ですが、「傷病がなおらないで、身体の機能又は精神に、労働することを不能ならしめ、かつ、長期にわたる高度の安静と常時の監視又は介護」とあるが、「高度の安静と常時の監視又は介護」が一人でできると思いますか。いかがでございますか。
○岡安政府委員 どうも抽象的な話で私どもからお答えしにくいわけでございまして、本人の症状いかんにもよるというふうに考えております。
○津川委員 局長、さっきも話をしたが、これでは不十分だと思う。したがって、これからどうするかということを聞いたのです。そこで、これからの皆さんの態度、施策を話してください。
○岡安政府委員 私どもは、障害年金のみならず、退職年金も含めまして、最低保障額または絶対保障額の引き上げにつきましては従来からも努力をいたしております。額の決定に当たりましては、勘案すべき事項は多々あるというふうに考えております。 ただ、これは農林年金だけではございませんで、各共済制度共通の問題でもあるわけでございます。私どもは、そういう共通問題につきましては、ほかの共済を担当いたしております関係省とよく相談もいたしますし、また、農林年金独自の問題といたしましては、財政問題もございます。年金額、特に最低保障額、絶対保障額を上げるということは直ちに年金財政に響くことでございまして、この財政は、組合員の掛金なり、国その他の助成なりその他に負うわけでございますので、年金財政の関係とも十分にらみ合わせまして、方向といたしましては、できるだけ引き上げる方向で努力をいたすというふうに考えておるわけでございます。
○津川委員 年金の基本問題、財政問題はあした諫山委員がやりますが、私たちは、ここで必要なことを十分補給すべきだと考えているわけであります。 そこで、農林次官、八のところを読んでくださって、長期にわたる「高度の安静と常時の監視又は介護を必要とする程度の障害を有するもの」に対して、今度のアップで、五十一万では足らないと私は思うのですが、どうでございますか。
○江藤政府委員 私も足らないと思います。
○津川委員 足らないとすれば、農林次官としてはどうされますか。
○江藤政府委員 一つの方法は、使用者とそれから被使用者がおのおの掛金をたくさん払って、そして財源積み立てをすることだと思うのです。これはもう共済の大原則でありますから、労使ともの責任においてそれをやり、それに対して政府の私どもとしても応分の補助というものを十分考えていき、そして一つの財源的な体系づけをしていくということ、これが一つの大きな原則ではないかと思います。 それから、局長が申し上げておりますように、この年金そのもので片づくものと片づかないものとがありますから、これは国全体の大きな問題として共通の事項でもありますので、それはそれなりに今後のこうした障害者に対する対策というものを考えるべきではないかと思うのです。 それから、もう一つ、これは余談でありますが、どういう人たちがそういうおっしゃるようなものになっておるかということを私はちょっと調べてみましたが、一級、二級、三級の職務上のものが昭和四十八年で四十数名です。それから、職務外のものが九百数十名であります。その職務外というのがどこにあるか、その内容はつまびらかでありませんけれども、職務上のものよりか職務外のものの方が二十倍以上もある。 そこで、こういう労務管理、日常生活の生活態度等を通じて事故を起こさないようにお互いが十分考えていくということも一つの大きな大事なことではないかという感じを私は持っておるのであります。
○津川委員 基本問題はあした諫山委員がまた詳しくお尋ねするとして、業務上、業務外についてはこの後で問題にします。ちょうどいいぐあいに渡りに船と答えてくれたので、そこもやろうと思っていたところなんですが……。 第二の質問ですが、二級、三級で、今度は二級は三十二万円から四十二万円に、三級は二十四万円から三十三万円に上げる。これも上げ方は不十分だけれども、まあいいとして、そうすると三級に当たらない障害者はゼロですね。三級に当たらないで、もし四級、五級というものをつくれば該当する人たち、これが切られておるわけです。労災では十四級まであり、軍人の障害恩給は七級まであるのに、農林年金についてだけなぜ三級にとどめておるのか。労働力が完全な人とこの三級との中間を切ってしまっている。これは少しごついんじゃないか、無情じゃないかと思われるのですが、ここの見解はいかがでございますか。
○岡安政府委員 確かに、農林年金の場合、諸疾病の程度は一、二、三級に分けております。これはまた農林年金だけではございませんで、各種共済制度共通にこういう分け方をいたしておりまして、御指摘の労災その他の分け方とは違っているわけでございます。これは後刻もう少し調べませんと的確なお答えはできかねる面もありますけれども、十何級もあるというほかの級別のものの下の方を全部切り払いまして上の方の三つだけをとったということでは必ずしもないのではなかろうかと思います。これはある程度そういうものを勘案しながら、年金の給付の上に制度化する面から三つに分けたものというふうに考えますけれども、これはもう少し勉強させていただいてからお答えさせていただきたいというふうに思っております。
○津川委員 勉強することは結構だけれども、そんな不明確なことで農林漁業団体で働く労働者の年金のことを考えられたらこっちがかなわない。 そこで、次官、労災では十四級なのです。片一方の軍人恩給では七級です。国民年金は二級なんです。それで、このわれわれの年金が三級ですね。こういった不統一については、かゆいところに手が届くみたいに、労災みたいに十四級まで設けるのが本当だろうと私は思うんだけれども、ここいらいの政府の見解を伺わせてもらいます。
○江藤政府委員 こっちが三級に分けて片一方が十何級というのは不合理ではないかという御意見が出るのはごもっともであると思いますが、御存じのように、これは共済全体の横並びの関係でこうなっておるわけでありまして、年金の場合には四級以下については一時金を支給するということになっておることも御承知のとおりであろうと思います。しかしながら、これは、この年金制度そのものが、先刻も申し上げましたようにまだ完全なものではないと私は思っておるのです。発足当時からこれは歴史的にもまだまだ日が浅いし、したがっていろいろな社会変動の中で十分対応するような制度に完成されておるかというと、必ずしもそうではない。こういうところがいまの御意見のような面になってくるのであると私は理解をいたします。 しかしながら、制度全体として農林年金だけが飛び抜けていくわけにまいりませんので、横並びの関係でこういうふうになっておりますけれども、これは全体の制度の問題として、私ども政府の一翼を担う者として、今後もこれらの問題については十分に見劣りがしないように努力してまいる所存でございます。
○津川委員 そこで、次の質問ですが、さっき次官の言われた業務上の問題ですが、業務上で精神が荒廃してくるということを判定する基準を政府はお持ちでございますか。
○岡安政府委員 これが業務上であるか業務上でないか、その結果によりまして年金の受給資格は変わるわけでございますので、これは慎重になさなければならないわけでございますが、現在、年金におきましては、まず業務上の死傷病と認定するためには、労働基準監督署長の意見書と、それから労災保険の障害補償年金等の支給をしている旨の労働基準監督署長の証明書を提出していただきまして、これに基づいて年金の理事長が認定をするということにいたしております。したがって、一義的には労働基準監督署長の御判断を仰いでいるというのが現状でございます。
○津川委員 局長、労働基準監督署長は何で判断をするのですか。行政だから基準がなければならないね。労働基準法の施行規則第三十五条の「業務上の疾病の範囲」をちょっと見てごらんなさい。その基準はどの項目でやりますか。——それじゃ私の方から言いましょう。三十五条は一から三十八まである。その中でいまの表の一級の七、八に該当する項目はどこにもない。だから、労働基準監督署長が判断する基準がないのだ。一人の労働基準監督署長に預けておくわけにはまいらないのだ。 そこで、これはよく検討して、業務上の精神障害というものをちゃんと項目を設けて明確にさせるようにしてもらいたい。ぼくはもっと詳しい質問を展開するつもりであったのだけれども、そこのところを皆さんに申し入れておく。強いて言うならば、三十八の「その他業務に起因することの明かな疾病」だが、次官は業務上の精神障害は少ないと言うが、そうではないのだ。現実にたくさんあるのがつかまえる方法がない。これが政府の労働災害の業務の規定なわけです。ここらに対する見解がありましたら、伺わせていただきたい。
○岡安政府委員 御指摘のとおり、労働基準法の施行規則三十五条で、業務上の疾病については一から三十八までございますが、精神関係でございますか、それらのものにつきましては必ずしも明らかには書いてないわけでございまして、たとえば「その他業務に起因することの明かな疾病」というのが三十八にございますが、それにどれだけ具体的な運用指針があるか、私ども現在ちょっとわかっておりませんが、御指摘の点につきましては労働省にもよく相談いたしまして、むしろ年金の施行が円滑にいくように——もしそれが障害になっているような点があれば私の方からも申し入れまして、円滑にいくように努力はいたしたいと思っております。
○津川委員 こういう状況で、これはないわけでもないのです。社会保険庁の昭和四十年三月二十四日の庁保発第八号の中に「精神および脳疾患による疾病の認定基準」というのがあるのですが、一つには内因性精神病、これは親からもらってくるもので、二つ目には器質的脳疾患、これは自動車で頭を打たれて、ふっ飛んでしまったとか、脳溢血を起こしたというようなものです。ところが、この間北海道で、これは農協の職員だが、御存じのとおりに畜産のえさが値上がりして、農民から一生懸命に頼む、下げてくれ、これでは農業がやっていけないと言われて、その仕事を専念しているうちにノイローゼになって自殺してしまったんだね。これを業務上と認めていないのだよ。これは保険庁の見解で言うと内因性精神病と器質性疾患しかないのだが、業務に専心して、その結果神経が疲れているというのは、これは業務上なんです。だから私はこれを問題にしたのだが、いいぐあいに次官がそれを答えてくれた。そしてこの器質性疾患のところで何を考えているかという認定基準のところでまた、「神経症にあつては、」「原則として廃疾の状態と認定しない」と言っている。取り上げないと言う。これが四十年に出たときといまとの学会の見解が違ってきている。いま精神分裂病なんというものはだんだんなくなっている。そうでなくて、こういう形でいったものは、ノイローゼだとか精神の障害とかいうもの、ここに大きな原因を置いてある。現に北海道で自殺している。これに死亡年金として業務上の年金が出ていない。こういうところがあります。 これ以上質問しても政府もおそらく答えに困るだろうと思うから、こういうことも明からにしなければ農林年金を皆さんが扱うたびに不都合が出てくるので、このことを私は指摘して、政府は農林年金だけはだめだと言っているから、年金制度について、公務における精神障害というものを一体どう考えるか、それをどうするかという点でとる措置があるならば答えていただいて、なければまた別な機会に別な場所でこれはやらなければならないかもわかりませんので、その点を質問して、私はきょうは一応質問をこれで打ち切ります。
○江藤政府委員 先ほどの北海道の例についてはまことに痛ましいことであります。制度としては御存じのように不服審査の制度がございまして、審査会を置くことになっております。また、それらの運用が本当に十分であったのかどうか、そこらにも反省すべき点は多々あるのではないかと思います。とにかく、こういう問題はきわめて微妙な外部からわからない面もたくさん含んでおることでありますから、今後の運用についても十分気をつけますとともに、いま御指摘のような点についても、私どもも今後さらに検討を続けてまいりたい、と、このように考えております。
○津川委員 一応終わります。
○藤本委員長代理 この際、午後二時二十分再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時五十八分休憩 ————◇————— 午後二時三十三分開議
○澁谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 農林年金の一部を改正する法律案について、農林省及び厚生省当局に質問いたします。 本案は、農林漁業団体職員共済組合による給付に関し、他の共済組合制度に準じて、一つには既裁定年金の額の改定、二つには年金の最低保障額の引き上げ、三つには標準給与の月額の上下限の引き上げ等を行おうとするものでありますが、法案の中身に入る前に、まず厚生省に若干お尋ねをいたしたいと思うわけであります。 わが国の年金制度について、公的年金の基幹である厚生年金及び国民年金も財政再計算期に入り、本来であれば昭和五十二年度が再計算の時期であるわけでありますけれども、経済情勢の変動の激化で二年も待っていられないという状況下にありまして、一年早めて昭和五十一年度にはわが国年金制度の総合的な見直しが行われるとされておるわけであります。したがって、本年後半には予算編成等の上からも当然検討されることになるわけでありますが、長期的な社会変動に対応できる制度の設計が当面要求されておるのであります。そういう関係から、基本的な姿勢あるいは長期的な計画の見通しということについて、来年度の見直しに当たって厚生省はいまどういうふうに構想を練り、考えておられるのか、その辺をまず冒頭にお答えをいただきたいと思います。
○坂本説明員 お答えいたします。 厚生年金と国民年金の財政再計算は前回昭和四十八年に行われまして、大幅な制度改正があったわけでございますが、法律上は少なくとも五年ごとに制度の見直しをやるということになっておりまして、五年後といたしますと五十三年がこれに当たるわけでありますが、最近の経済情勢の変動が著しいことを考慮いたしまして、これを二年繰り上げて五十一年度に実施するということを目途に現在いろいろと準備をしておる段階でございます。 この財政再計算を含みます制度の改正に当たりましては、特に最近の物価、賃金その他もろもろの情勢の変化を勘案いたしまして、これに適応した年金水準を確保するということを主眼にして改正を進める必要があると考えておるわけでございます。同時に、現在いろいろと年金制度が分かれておりますために、各制度間の問題として、たとえば受給権が必ずしも確保されないというような問題もございます。そういったこともできるだけ各制度との調整を図りながら必要な給付が行われるように考えてまいりたいと思っておるわけでございます。たとえば遺族年金とか障害年金の通算の問題といったように、各制度にまたがって必要な給付を確保するための方法というものも検討の対象にいたしておるわけでございます。 その他制度全般につきましていろいろな点から検討をいたして必要な改善をいたしたいと思っておるわけでございますが、その際、できますれば、将来年金制度のあり方はどうあるべきかという点についても十分に思いをいたしまして今後の方向を考えていきたいと思っておりますが、ただ、この各制度を含めた全体の問題は非常に大きな問題でございますので、これが五十一年度という時期に果たしてどの程度そういう問題が具体的に解決できるか、これはまだ何とも申し上げられるような段階にはございませんけれども、そういうことも十分頭に置きながら検討を進めてまいりたいと考えておるわけでございます。 なお、現在、厚生年金、国民年金を通じまして関係の審議会で御検討いただいておる段階でございまして、この御意見が出されました段階でそれらを十分尊重しながら具体的な方策を考えてまいりたいと思っておる段階でございます。
○瀬野委員 厚生省当局の答弁を聞いていますと何となく中身がないような感じがするわけですが、答申も受けていろいろ検討したいということでもありますけれども、もうすでに来年度は再計算期に入っていろいろ検討をするということになりますと、ことしの予算時期にはもう当然いろいろな構想を立ててやっていかなければならない。現段階でもいろいろとすでに検討がなされておらなければ間に合わぬと私は思うわけですけれども、そういう面で、来年度の見直しについてもどうも余り期待を持てないような感じがしてならないのだけれども、課長だからその程度しか答弁できないのかもしらぬが、前もって十分に通告もしておいたわけであるので、局長並びに上司とも相談をして検討をされての答弁であると思うが、その点もう少し将来にわたってのことは答弁できないものですか。それで十分検討してあなたは答弁されているのですか。
○坂本説明員 来年度の改善の内容につきまして私どもは検討はしておるわけでございますけれども、この結論につきましては、まだある程度の時間を必要とするわけでございます。したがいまして、どういう項目についてどのような改正を行うかということについての具体的なお答えは、まだお答えできる段階には至っておりませんけれども、私どもは、来年度の改正ということにつきましては鋭意問題点を詰めて、早急に検討を進めるという態度を持っておるということは御理解いただきたいと思うわけでございます。
○瀬野委員 農林省当局は、五十一年度の総合的な見直しに対してどういうふうに対処する考えでおられるか。その辺農林省としてはどういう決意でおられるか、お答えをいただきたい。
○岡安政府委員 先ほど厚生省から御答弁がございましたとおり、厚生年金、国民年金におきましても基本的な問題で見直しをいたしておるようでございます。また、国家公務員共済制度につきましてもいろいろ検討が行われているというように聞いております。 そこで、私どもの農林年金におきましては、ことしの三月末時点を基礎としまして財源率の再計算をいたすことにいたしております。したがって、これを機会にいたしまして、農林年金そのものの財政方式、それから掛金率、それの関連での国庫補助の問題等を検討すると同時に、他共済制度の検討の方向等も十分見きわめまして、おくれをとることのないように心がけて検討を進めるというのが農林省の態度でございます。
○瀬野委員 厚生省にさらに伺っておきますが、従来から厚生年金に一元化せよという一元化論があったわけですけれども、国家公務員共済を初めとする共済年金が既得権の侵害というようなことで今日まで反対しておることも承知しておりますが、いずれにしても、根底にはこの一元化論ということがあるわけでございますけれども、来年のいわゆる総合的な見直しに当たって、厚生省はこの一元化論についてはどういうふうに見解を持っておられるか、この機会にこの点もあわせてひとつお伺いしておきたいと思います。
○坂本説明員 年金制度の一元化論というのは、確かにそういう御意見はございますし、私どももそういった方向がとれないものかどうかということもこれまでにいろいろと考えたわけでございます。しかしながら、現在の年金制度それぞれにつきまして、その目的、沿革、さらにそれを構成しております加入員の労働の形態、条件、その他いろいろな事情がさまざまでございまして、これらを本当に一本にするということについては、やはり非常に困難だろうというふうに考えざるを得ないわけでございます。しかしながら、公的年金制度として、やはり何らかの共通面というものは当然あるはずでございますし、そういった年金としての共通面については、制度が違っても、できれば、できるだけそこに均衡が保たれ、整合性が確保されるような方向であることが望ましいと考えられるわけでございますので、そういった方向が将来どのような形で可能であるかという問題についてもいろいろと現在検討はいたしておるわけでございます。 それと同時に、先ほどもちょっと申し上げましたように、現在の制度のたてまえからいたしましても、さらに各制度の間で調整を要すべき点、さらにそれが何らかの形で実現できそうなものについてはできるだけ早急にこれを実現させていくという方向でいろいろと現在検討を進めておる段階でございます。
○瀬野委員 農林省はいまの一元化論についてはどういうふうな見解をお持ちであるか、お答えいただきたい。
○岡安政府委員 先生も御承知のとおり、現在、公的年金制度といたしましては、各種の共済制度のほかに、船員保険の制度とか厚生年金、国民年金等があるわけでございます。これらはそれぞれ沿革も違いますし、目的、制度の内容とも若干異なっているわけでございますから、それらを単純に一本化するということは非常に困難だというふうに考えております。ただ、一方、年金制度につきましては均衡とかいうようなことも言われていることでございますので、各種の年金制度の特殊性を生かしながら均衡をとるという目的で、支給要件、給付内容等につきまして、できる範囲内で調整をとるということは必ずしも不可能ではないというような感じでございます。
○瀬野委員 厚生省にもう一点お伺いしておきますが、高度経済成長から経済安定成長へということで現在移行しつつありますが、今後年金をどうするかということが、これは各種年金とも国民の大きな関心事になっていることはもう御承知のとおりです。すなわち、高度成長下においては御存じのように年金そのものは相当向上してきました。高度成長のおかげと言えばおかげとも言えるわけですが、だんだんに安定経済成長下に移行しますと、かなり財政的に厳しいものが今後予想されるということになるわけです。 そこで、私は、この年金については、福祉論としての年金を今後どう見るかということが問題になるとかねがね思っておるわけですけれども、その辺についての将来にわたっての厚生省の考えをこの機会にお聞かせいただければ幸いであります。
○坂本説明員 公的年金制度といたしましては、これは社会経済情勢の変動に伴って年金の水準を改定していかなければならないということがはっきりとうたわれておるわけでございます。したがいまして、その具体的な条件などにつきまして、そのときの情勢によりましてはいろいろと問題もございますけれども、いずれにしても、今後の国民の老後生活の安定のための年金制度の水準につきましては、国民生活あるいは労働賃金の水準を十分勘案いたしまして、その変動に見合って適正な水準を確保していく、それに対して将来の財政問題についても十分長期的な見通しを持ってこれに対処し、そして、制度が今後とも健全に運営できるように各方面からの検討を加えてまいりたい、こういう態度で現在年金制度のあり方を考えておるわけでございます。 〔委員長退席、今井委員長代理着席〕
○瀬野委員 次に、農林省当局にお尋ねしてまいりますが、農林年金法によりますと、「年金額の改定」というところで、第一条の二に、「この法律による年金たる給付の額は、国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応ずるため、すみやかに改定の措置が講ぜられなければならない。」というふうに規定されておりますが、この中で「国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合」というのは具体的にはどういう場合を言うのか、明確にお答えをいただきたいと思います。
○岡安政府委員 先生の御指摘の年金法の一条の二の規定は、これは昭和四十一年に国家公務員共済、地方公務員共済、私学共済にならいまして同様な趣旨の規定として挿入をされたわけでございます。 それで、運用でございますけれども、一定額の年金が定められた以後、物価の上昇によりましての年金額の減価とか、賃金の向上によります国民の生活水準の向上等が見られる場合には、そのまま放置しますと老後の支えとしての年金の役割りが有効に果たし得ないというような見地から、改定を必要とする場合には改定をし得るようにこのような規定が設けられたというふうに考えております。 ただ、具体的には、たとえば物価が何%上がったらこの規定を動かしてどうのこうのというようなことが現在あるわけではございませんで、具体的な運用としましては、毎年改正としてお願いをいたしておりますように、国家公務員の給与の改定がありましたならば、その改定率を用いまして改正を行うというような具体的な運用をいたしております。いわば国家公務員の給与の改定というものが一般的に賃金、生活水準の動きをとらえて表現をしているというふうに私どもは考え、そのアップ率に応じて改定をするという運用をとっているわけでございます。
○瀬野委員 端的に言えば、国家公務員の給与の改定、すなわちアップ率に応じて改定をしていくということのようですが、先ほど冒頭からお尋ねしてまいりましたように、二年も早く来年度は総合的な見直しが行われるという年金の大きな改革のときになっておるわけです。こういうときに当たりまして、この第一条の二に書いてあるような「国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合」云々ということから、自動改定の措置が当然行われるべきじゃないかというふうに私は思うわけです。こういったことが第一条の二にあるにもかかわらず、農林省はその都度その都度時に応じた勝手な解釈をしているというふうにもわれわれにはとれるわけですけれども、来年度の見直しに当たって、いまから十分対策を練り検討を進めながら、第一条の二の次に三を設けて発動基準を法に明確化し、自動改定の措置が行えるようにすべきじゃないか、と、かように私は思うわけですけれども、この点を十分検討してもらいたいと思うが、その点の見解を承りたいのであります。
○岡安政府委員 先生の御指摘のいわゆる自動スライド制の導入につきましては、国会におきましても何遍か御指摘があり、また、附帯決議等でも御指摘があった問題でございます。 私ども、一般的には、先ほど申し上げましたとおり、国家公務員の給与の改定に応じまして直ちに改正をするというようなことがいわば定着をいたしておりますので、さして不都合はないというふうには考えておりますけれども、私どもは前々から厚生年金と同じように自動スライド制の導入につきましては検討を進めておりますし、今後さらに検討を進めたいと思っております。 ただ、問題は、自動スライド制を導入する場合に何を指標とするのか、たとえば一般の物価であるのか賃金であるのかというようなことをとりましても、どちらがベターかという問題はなかなか困難な問題があります。それから、やはり年金でございますので、財源の問題等もあわせて考慮しなければならないというようなこともございますので、それらをあわせ考慮いたしまして、今後ともできるならば自動スライド制が導入し得るように、なるべく早くし得るようにという方向で検討はいたしたいと思っております。
○瀬野委員 今後なるべく早く検討していきたいということでございますので、この点は来年度の見直し等の時期にも当たるわけでありますので、明日農林大臣が見えた席ででもこういったことを大臣にもぜひ聞きたいと思います。本日は大臣がおいでになりませんので、明日この点はまた若干お尋ねすることにしまして、今後の農林省当局の努力を期待するものであります。 次に、新法と旧法との格差是正問題について伺いたいのでありますが、御承知のように農林年金には三法があると言われておりますが、旧法は昭和三十四年一月一日に発足して三十九年九月三十日まで、新法は昭和三十九年十月一日から現在に至っているわけです。三十九年の十月一日を境にしておるわけでありますが、国家公務員は三十四年一月から新法切りかえをしておるわけでありますので、すでに農林年金の新法との差は五年九ヵ月もあるということで、これらが問題になるわけです。もう一つには昭和四十四年に旧法、新法の格差是正のため年金改定法を設置したわけでありますが、こういったことで、この三つの法があるということになっております。 そこで、五十年の改正で私が特にお尋ねしたいのは、六十五歳以上の者に対する格差がほとんどなくなったわけでありますけれども、退職年金の六十五歳未満の者、特に遺族年金で顕著にその差が出ておるわけです。一例を申しますと、九年未満勤務、すなわちこれらのやめた人とかまたは亡くなった人なんかも入るわけですが、特に期間が短い人は旧法によりますと約十万円にしかならないような計算になっておりますが、新法によれば同じ条件でも三十五万程度と、三倍以上の差がついております。しかし、三倍以上と言っても決してこれは高くなったというわけではありませんし、額は少ないわけですが、旧法に比べると三倍以上ということになっております。こういったことを考えてみましたときに、農林年金で当然一つの問題になるのは、同じ法律が適用されながら、また同じ条件でありながらこういう格差があるということはわれわれは黙認できない問題であります。農林省としても相当検討されて本法が提案になっていることはよくわかりますけれども、いろいろな角度から考えても、新法、旧法の格差是正ということは当然やらねばならぬ問題であると私は思うわけです。 これに対して農林省はどういうように検討されたのか、その点の御答弁をいただきたい。
○岡安政府委員 御指摘のとおり、農林年金におきましては新法、旧法の格差がまだ存在をいたしておりますし、特に、御指摘の遺族年金につきましては相当な格差があるということは私どもも認めざるを得ないと思っております。 従来からこの点は指摘を受けておりまして、私どもも、旧法の受給者につきまして、なるべく新法と余り差がないように改善をいたしたいということで研究を進めておりますが、これも先生十分御承知のとおりでございますけれども、ほかの共済制度とも共通な事項でございますので、農林年金だけ新法、旧法の差を取っ払うということは非常に困難があるわけでございます。 ただ、だからといって私どもはこれを放置をすることなく、今後ともほかの共済制度を所管しております関係の各省とも相談をいたしまして、できるだけ早くこの格差を縮めるように努力をいたしたいというふうに思っております。
○瀬野委員 旧法、新法との関係については他の共済とも関係あることもよく承知しておりますけれども、こういったことについても関係省庁ともよく連絡をとりながら、来年度の財政の総合的な見直しという一つの大きな転換期にも差しかかってくるわけですし、これは将来にわたって問題がずっと続くわけでございますので、なるべく早い機会に職員の要求にこたえられるようにせっかくの努力をさらにお願いをしておきたいと思うわけです。 さらに、通年方式の問題でございますけれども、給付が厚生年金以下となる人を救う措置として昨年から通年方式が導入されたことは御承知のとおりであります。この制度も新法のみに適用されて、旧法にはないということがこれまた問題になるわけで、今後十分検討してもらいたいという意味で申し上げるわけです。すなわち、旧法適用者にもぜひ通年方式を適用さすべきではないかと、かように私は申し上げたいわけです。これは国家公務員共済に準ずるとは言いながらも、農林年金に対してのべつ視あるいは批判ということもありまして、値切られてきたというのが事実であります。今日農林年金の給与水準が他制度と比肩し得るまでに改善はされましたが、年金額の算定の基礎となる標準給与の平均額が低いことと勤務期間が比較的短いことによりまして、年金額は国家公務員共済に比べかなり低く、厚生年金とほぼ同じ水準というふうなことが言えると思うのです。こういう背景から、低額年金の救済の手を打てということで、昨年低額年金の改善のため通年方式ということが導入されたことで、われわれもこれは歓迎をしたわけでありますけれども、実際に見てみますと、旧法適用者にもぜひその通年方式を適用させなければ意味がない、と、かように私は思うわけです。 この点についてもどう検討しておられるのか、当局の見解を承りたいのであります。
○岡安政府委員 低額年金受給者のために、本来の計算方法とそれから通年方式に準ずる新しい方式とで計算をいたしましていずれか高い方を給付するという方式は、御指摘のとおり新法だけの適用でございます。この旧法への適用につきましては、先ほど申し上げましたとおり、新法、旧法の格差の是正の一環といたしまして今後研究をさせていただきたいというように考えております。
○瀬野委員 以下具体的な問題に触れてまいりたいと思いますけれども、農林年金の新法総年金者数が昭和五十年三月末で四万一千七百三十七人で、そのうち共済方式該当者が三千二百四十五人で、パーセントにして七・八%。まあ、これは給料の高い人であります。農協長とか比較的給料の高い人がこの部類に入るわけですけれども、もう一つは、通年方式該当者が三万八千四百九十二人で、九二・二%。この中に、御承知のように百分の七十の頭打ち該当者が一七・五%おるわけですね。さらに、最低保障額の該当者が四千六百八十五人おります。 これが新法でありまして、旧法の総年金者数は千九百四十八人で、絶対保障額の該当者がこのうち千六百二十八人、八三・六%、こういうふうになっておりますが、共済方式では厚生年金に負ける人がたくさん出てくるというので通年方式を導入したと言えるわけですけれども、いま申し述べましたように通年で救われる人が九二・二%、共済で救われる人が七・八%となっております。 こういう実態から見まして、この通年方式該当者の三万八千四百九十二人の中の一七・五%という人、いわゆる百分の七十の頭打ち該当者、これは当然取り払うべきだということを私は申し上げたいわけですけれども、これについてもいろいろ検討してこられたと思いますが、どういうふうに検討されたか、将来の早い機会にこれを考える用意があるのか、その点明快にお答えをいただきたい。
○岡安政府委員 農林年金で昨年改正をいたしました通年方式によって改定されるもののパーセンテージ、また頭打ちに該当するもののパーセンテージ等につきましては先生の御指摘のとおりの数字でございます。 この頭打ちがなぜあるかということでございますけれども、そもそも頭打ちというのは、組合員期間二十年で平均標準給与年額の百分の四十とされておりまして、二十年を超える場合には一年につき百分の一・五の伸び率が加算されるということで、頭打ちの百分の七十というのは四十年までの勤務だけを計算いたしまして、四十年以上の勤務については年金額を増額しないという意味でございます。この制度はほかの共済制度とも共通の制度でございますので、農林年金だけで頭打ちをやめるというわけにはまいらないと思いますけれども、検討いたしておりまして問題点として考えられますのは、一つにはやはり定年制の問題があると思います。定年制が今後延長されるような方向であるならばこの問題も検討に値すると思いますけれども、一方、農林年金につきましては五十五歳から支給開始ということもあります。 そこで、私どもは、そういう支給開始の時期、定年制の問題その他をあわせ考えまして、この頭打ちにつきましてはもうしばらく検討させていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
○瀬野委員 当局もいろいろ検討しておられると思うのですが、この頭打ちについては例年問題になるわけでありますから、これを早く解決できるようにさらに努力を急いでいただきたいと思います。 もう一つは、最低保障額の該当者が先ほど申しましたように四千六百八十五人もいるわけですが、こういう実態から、低額年金の救済、改善のために何らかの処置を考えるべきでないか。これは当然のことだと思うのですけれども、この点についてはどういう配意をなされておりますか。
○岡安政府委員 最低保障額につきましては、従来から毎年のようにベースの改定をいたしておるつもりではございますが、現在でも必ずしも十分であるとは思っておりません。これはほかの共済制度とも関係がございますが、なるべくこの最低保障額を上げまして、低額年金受給者に対する保護といいますか、これを完全なものにいたしたいと思って、今後とも努力を続けてまいりたいと思っております。
○瀬野委員 局長、そういう意味で、低額年金者の救済について来年度総合的な見直しをするということが先ほどから言われておるわけですが、こういった機会に十分検討するというようなことも今後考えていかれるつもりですか。その辺はどうですか。ぜひこれは検討して、こういうことに対して何とか来年度は対策をとってもらいたい。これはいまから言っておかないと遅くなるので申し上げるわけですが、その辺の考えをお聞かせいただければと思います。
○岡安政府委員 御指摘のとおり、最低保障額はこれを上げるという方向で検討いたしたいと思っておりますけれども、これはやはりほかの共済制度との問題があります。農林年金だけがほかよりも高い最低保障額を設けるというわけにはまいらないというふうに思っておりますので、ほかの共済制度との均衡等も十分考えながら、上げる方向で検討いたしたいというふうに思っております。
○瀬野委員 次に、農林年金の財政問題に入ってまいりたいと思います。 この問題は農林年金においては大変大きな重大な問題であります。まず、農林年金は昭和四十八年度末で不足責任準備金が約五千億に達したと言われておりますけれども、現在はこれが相当多くなっているというふうに聞いていますが、一番新しいデータでどのくらいになっているか、その点をまずお答えいただきたい。
○岡安政府委員 四十九年度末で、これは推定でございますけれども、不足責任準備金は約七千五百億円に達するというふうに考えております。
○瀬野委員 このように、四十八年度に五千億だったものが四十九年推定で七千五百億円となりますと、この理由はどういうことになりますか。
○岡安政府委員 四十八年度末現在で約五千億だったものが四十九年度末で約七千五百億となりますのは、これはやはり制度の改正をいたしましたのと、それから給与のベースアップがあったということ、これらがいわゆる後発過去勤務債務の増加という形でもってあらわれてきているものというふうに考えております。
○瀬野委員 この不足責任準備金というものは実際はこういうふうになっておりましても、建物だとか土地だとかいうものを評価がえすれば実際には最後は支払えるということになるんじゃないかと思うわけです。これはいわばあるべきものがないというようなことのお金ではないかというふうに思うのですが、これはそういうふうに理解していいのですか。
○岡安政府委員 現在の農林年金制度は積立方式ということになっておりますので、将来発生すべき給付についてすべて財源として保有するというたてまえのもとに計算をいたしますと、先ほど申し上げましたように七千五百億程度足りないということで、あるべきものといいますか、将来の給付に相応する分が現在積み上げられていないという意味からは、あるべきものが足りないということになろうかと思っております。
○瀬野委員 次に、国庫補助率を現行の一八%からぜひ二%アップして、厚生年金並みに二〇%にしていただきたいということでありますが、これについても御承知のように四十七年に一六%から一八%に引き上げられたわけですが、このときの理由が、四十四年末で不足財源が出てきたということで、そのための埋め合わせであったとわれわれは承知しておるわけです。ことし四十九年末で財源率の再計算をやっておりますけれども、前回以上の不足財源がいまおっしゃったように七千五百億ということになりますと、これはかなり問題でありますが、今後ますますこの不足財源がふえるのは火を見るよりも明らかであります。 五十年暮れから本格的な予算要求に入るわけでありますので、本年七、八月に再計算結果が出てくるように聞いておりますけれども、その再計算結果が出てまいりますと、政府はその結果を踏まえて五十一年度予算編成時期に財政方式を含めて総合的な検討に入るということになろうかと思うわけです。四十八年度末の赤字が五千億、四十九年度推定赤字が七千五百億ということになってきますと、これは今後相当心配されるわけですけれども、いずれにしても、農林年金も前回以上に不足財源が出てくるわけでございますので、二%のアップ、補助率の引き上げをして、この際厚生年金並みにということが当然必要になってくる、焦眉の急務である、と、かように私は思うわけです。 当局も財源については十分心配をして検討されておると思うけれども、この見通しはどういうふうに考えておられるのか、その点も明らかにしていただきたい。
○岡安政府委員 御指摘のとおり、五十年三月末の時期を基礎にいたしまして財源率の再計算をいたしているわけでございますが、ただ、私どもは、その結果といいますか、基礎的な数字ができました場合に、まず財政方式をどうするかという検討から入らなければならないというふうに思っております。財政方式のいかんによりまして財源率も変わってまいるというふうに思いますので、財政方式の検討をいたしまして、それで財源率が出てくる。財源率が出てまいりますと、そのうち必要な国庫補助等を考えまして掛金率をどうするかということになるわけでございます。 したがって、従来から言われておりますように、現在の農林年金に対します国庫補助率一八%の問題も最終的に掛金率をどうするかというようなことを見通しまして、総合的な検討の一環として考えてまいりたい、と、かように思っております。
○瀬野委員 なお、この財政方式の検討に当たってわれわれがかねがねから主張しておりますところの、現在の積立方式を改めて賦課方式に移行するという問題については、これまた含めて検討の用意があるのか、その点もあわせてお答えいただきたい。
○岡安政府委員 従来から言われておりますように、積立方式も賦課方式もそれぞれの利点と難点があるわけでございますが、私どもはそういう点を踏まえまして賦課方式の導入につきましても十分検討させていただきたいというふうに思っております。
○瀬野委員 賦課方式については将来にわたって十分検討していくということでございますし、われわれも数年前から要請をしておる問題でありますので、検討をさらにやっていただきたいと思います。 次に、財源調整費の補助問題ですけれども、現行が一・七七%でありますけれども、これを三%に引き上げてもらいたいということでありますが、御承知のように、農協職員が近くの役場と同じ待遇改善をしなければならないという問題がありまして、農協職員と近くの役場の職員との格差が相当大きい。そのために農協の職員にはなかなか人材が寄ってこない。これは多年問題になっておる問題です。また、一挙に解決できないにしても、徐々にこういった問題は検討していかなければならない問題でありますが、事実はそういうことでございます。 農林年金の給付水準は改善されてはきたものの、年金額算定の基礎となる標準給与が低いということが問題です。標準給与額が低いために結局年金も低くなるということで、たまたま地方公務員給与との格差がちょうど三%で、同じ三%になるものですから、これを埋め合わせる意味でというわけではありませんけれども、現行の一・七七%を三%に引き上げるということをぜひやってもらいたいと思うのですけれども、これについてはどういうふうに当局はお考えであるか。ぜひそのように近い将来やっていただきたいと思うのですけれども、御見解を承りたい。
○岡安政府委員 御指摘のとおり、現在、農林年金におきましては、給付費に対します一八%の定率補助のほかに、財源調整費補助といたしまして給付費の一・七七%の相当額というものが補助されているわけでございます。これは一八%の定率補助とは別に財源調整費補助というのがございますけれども、働きとしましてはいずれも国庫補助という形をとっておりまして、結果的にこれが掛金率を引き下げる役割りを果たしているわけでございます。 そこで、私どもといたしましては、今回の財源率の再計算を機といたしまして国庫補助のあり方というものも十分検討いたすつもりでございますので、定率補助のほか財源調整費補助につきましても見直すつもりでございます。
○瀬野委員 次にお伺いしたいのは、農林年金の年金法の中に都道府県の補助条項を新規に入れていただきたいということについてお伺いしたいわけです。 私学共済法の都道府県は予算の範囲内で私学共済組合へ掛金の一部を譲渡をすることができるとの条項によりまして、都道府県から補助を受けているわけであります。また、国の私学振興財団からも補助を受けているわけでありますが、農林年金についてもこのような条項を新しく設けてもらいたいというのが私の質問の要旨であります。 各都道府県で補助について自主的に折衝はしておられます。一部には山村部ではそういったことが検討されているやに聞いておりますが、いま申し上げました補助条項なきがゆえに難航しているのが現状でございます。 すなわち、私学共済の場合、昭和二十九年の国会修正で規定を入れたわけですが、その際掛金の千分の八相当を都道府県が補助するということになっております。これは自治省が交付税で裏から見ているということであります。確かに、私学振興も国の将来のために大事なことは言うに及びませんけれども、われわれ農業をつかさどっておる立場から申しますと、農業団体は基本法にもありますように国民の食生活を支えており、また、基幹産業として国の重責を果たしておる。いわば国民の食糧を確保しているということで、これは重要な役割りです。 また、中小企業も大事だということも言えますが、農業については、食糧危機、食糧自給の向上という上から将来にわたって特に重要な位置を占める産業であるという意味からも、私学共済法にあるような補助条項を農林年金にも新規に設けて補助ができるようにぜひとも努力すべきである、当局は関係省庁とも十分折衝をして実現を図るべきである、と、かように私は要求したいわけですけれども、この点についてはどういうふうに検討され、将来にわたってどういうふうなお考えであるか、これも本法提案に当たって明らかにしていただきたいと思います。
○岡安政府委員 農林年金に対します都道府県補助の規定の挿入でございますけれども、これは年金法の御審議の際にその都度御指摘を受け、また附帯決議にも毎年書かれまして、私どももその意を受けまして鋭意検討しているところでございます。ただ、今回の改正案の提出に当たりましてもその条項を挿入することができませんでしたのは、自治省といろいろ相談をいたしたわけでございますが、自治省は決して農林漁業の重要性を否定をするわけではございませんけれども、現状として二つの点の指摘があったわけでございます。 その一つは、現在都道府県から共済制度に対しまして補助を出しているのは私学共済だけである、それ以外については地方公共団体と関係の深い地方団体関係団体職員共済組合ですか、関係団体の職員の共済組合にも補助は出していないし、もちろんそれ以外にも出していない、だから、この際農林年金に補助を出すということは、ほかへの波及、均衡から言ってもなかなか踏み切れないという点が一点と、それから、特に現在都道府県におきましては財政事情が非常に困難な時期に逢着をしているわけでございますが、そういうときにたとえ都道府県において補助することができるという能力規定を置くにいたしましても、その趣旨がやはり助成を勧奨するという意味合いになるわけでございますので自治省としては賛成をいたしかねるということで、法案を国会に提出する直前まで折衝いたしたわけでございますけれども、残念ながら協議が調わなかった次第でございます。 私どもは今後ともこの点につきましては粘り強く折衝は続けてまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
○瀬野委員 自治省との折衝の結果自治省は賛成できなかったということであるけれども、いろいろ努力されたことはわれわれも仄聞いたしております。今後粘り強く努力していきたいということでありますので、ぜひとも粘り強く努力を続けていただきたいと思う。これは財源不足等がかなりかさんでまいりますし、高度経済成長から安定経済成長へと現在移行してきていることを思いますときに、将来にわたってこの財源問題は大変憂慮される問題であるがゆえに、今後の農林省の努力をさらに期待をしたい、かように私は思うのです。 そこで、農林年金の財源問題について締めくくりとして申し上げるわけですけれども、四十九年の社会保障制度審議会の答申で、「元来財政基盤に問題があるうえに、今回のような大幅な改正措置や今後における通算年金の拡大等を併せ考えると、将来の財源について確たる見通しを立て、これに応ずる計画を策定することが必要不可欠である。」という答申が出ているわけです。発足当時から赤字であったわけですけれども、いずれにしても、冒頭に申し上げましたごとく財政問題は今後避けて通れない問題であります。 そこで、福祉論ということからも、農林年金について当局は将来の見通し等をどのように考えておられるか、これまた財政問題の締めくくりとして見解を述べていただきたいと思います。
○岡安政府委員 昨年度の社会保障制度審議会におきまして御指摘のような指摘があったわけでございまして、今年度の法律提出に当たりましても、諮問した際、前回と同様であるというような御指摘を受けております。 私どもも、不足財源が七千五百億円にも達する農林年金の現状につきましては、財源率対策というものは最大の問題であるというふうに考えておりますので、現在進めております財源率の再計算の結果が出ますれば、ひとつ総合的な対策として取り組んでまいりたいとかように考えております。
○瀬野委員 以上、農林年金に対する質問をひとまず終わりまして、残余の問題は、明日農林大臣を迎えて主なところだけ農林大臣に再度お伺いしたい、と、かように思いますので、本日は以上で質問を打ち切らせていただきます。
○今井委員長代理 島田琢郎君。
○島田(琢)委員 皆さんそろっておられるのですか。大蔵省も厚生省もおいでですか。——皆さんそろっておられるようですから、今回出されました法案に対して若干各省庁の考え方もお聞かせいただきながら質問をさせていただきたいと思います。 けさから同僚議員や他党の委員の皆さんからも法案の中身についてはかなり突っ込んだ質問がなされておりますので、なるべく重複しない範囲でお尋ねをしてみたいと思っているのでありますけれども、大事な点については念押しで政府側の見解を重ねてお聞きする場合もありますので、どうかよろしくお願いをいたしたいと思います。 まず、ことしの二月に社会保障制度審議会の答申が出されております。きわめて簡単な文面になっておりますが、中身を読んでみますと非常に意味深長なところがあるようにうかがえます。たとえば、「今回の諮問もその趣旨において例年と変えるところがないので、」と前置きしておりまして、「これまで本審議会が繰り返し述べて来たところにより承知されたい。」と言っておりますが、この「繰り返し述べて来た」というのはどの点なんですか。
○岡安政府委員 制度の改正自体につきましては、この審議会の答申のとおり別段異議がないわけでございますけれども、先ほどもちょっと瀬野先生から御指摘がございましたとおり、農林年金につきましては制度の改善も必要だけれども、一方財政の確立がなければならない、相当前から財源の不足が発生をしておるし、これが毎年のごとく行われる制度改善並びに給与のアップによって整理資源率がふえて、不足財源が増大をしている、これをどうするかという計画を早く立てなさい、と、こういうところがこの社会保障制度審議会の四十九年度の答申の中心であり、それは昨年度と同じであるというふうに五十年度において指摘をされたというふうに考えております。
○島田(琢)委員 しかし、もちろん財政問題は大変重要な点でありますけれども、中身についても審議会においてはかなり意見があったと聞いております。たとえばこの既裁定年金のスライドの問題にいたしましても、あるいは新法、旧法の取り扱いの問題にしても、特に新法の採用については審議会でかなり意見が出されておって、特に新法の給付方式を採用すべきだというふうな意見があったように私は聞いております。 今回の改定に当たってもこの点が改善されていないということははなはだ遺憾だと私は思っているのですが、つまり、昨年もその前の年も、私が国会へ出てから通常国会では毎回この農林年金の問題がこの場に出ているのでありますが、けさからの意見あるいは七十二通常国会におきます私どもの質問の中でも、繰り返しこういう改善すべき点について政府側の見解を聞いております。さらに、また、附帯決議でもこの点が明らかにされているし、また、特に社会党は昭和四十四年にこの法律の改正に当たって対案を出してこの点についても明確にしているわけでありますが、どうも一向にこの制度の前進がない。つまり、けさからのお話しを聞いていても、来年はまあ大幅改正ということがあるので、そこに向けて今回は小幅にとどめた、と、こういう印象でありますけれども、農林漁業団体にお働きになっている職員の皆さん方というのは、この年金のいわゆる的確な対応がないままに非常に優秀な職員が居つかなくなって、あるいは就職しなくなって、そのためにこの農林漁業団体における職員の質的な問題についても非常に心配されているのが今日の実態ではないかと私は思うのです。これがすべてではありませんけれども、しかし、年金制度というものが働く職員の皆さん方にとっては非常に重要関心事であることは間違いありません。 したがって、この法の改正という点については大変な努力をされて、それぞれ政府にも要請が繰り返し繰り返しなされている。国会もまたこれを受けて、とにかく思い切った抜本改正をすべきだという意見を出しているのでありますけれども、どうも農林省当局は漸進方式で、少しずつ積み上げてよくするというふうな考え方から一歩も出ていないという感じなんです。 私は、審議会における意見などをどのように尊重しようとされているかにも疑義があるので重ねてお尋ねをするわけでありますが、けさからの御答弁の中でもいろいろな点で改正をしているというお話しでありますけれども、私はどうも飽き足りなくてしようがないので、少なくとも農林年金については厚生年金並み、あるいは国家公務員年金並みにせよという主張がこの際明確に取り上げられなければいけないのじゃないかと思っているわけでありますが、重ねて局長のお考えをお聞かせ願いたいのであります。
○岡安政府委員 確かに、社会保障制度審議会の答申の中は、ちょっと私は一つ落としましたけれども、財源問題に対する措置が必要であるという指摘のほかに、恩給等に追従することなく共済制度独自の給付改正を行う必要があるという御指摘があります。これにつきましては、私どもも、特に御指摘のように新法、旧法の格差といいますか、その是正につきましては、これはできるだけ差を縮めるように努力はしているつもりでございますけれども、これは共済制度の本質にも関係をし、また、各共済制度共通の問題でもございます。 農林年金だけがこれを是正するということはバランスの点その他の点からむしろ非常に問題があるというふうに考えるわけでございまして、こわはやはりそれぞれの共済制度を所管しております関係省庁が寄りまして、共済制度共通の問題として対策を検討しなければならないというふうに考えておりまして、そのような検討の機構もつくりまして続けてきたわけでございます。 〔今井委員長代理退席、委員長着席〕 ただ、なかなかこれは指摘が長いにもかかわらず成果が上がらないという御指摘はそのとおりでございまして、問題がそれだけ複雑であり困難であるということに私ども考えております。根本的な問題であるならば、関係各省間の連絡会議だけでなく、そこで結論が出なければ、より基本的に社会保障制度審議会の御意見もまたもう一回伺うというような措置も私どもとしてはとっているつもりでございます。近く国家公務員共済と、それから共済ではございませんけれども、厚生年金等につきまして抜本的な制度の洗いがえが行われるというふうに聞いております。 私どももことしの三月末で財源率の再計算期を迎えておりますので、それを機に、ほかの制度の検討状況等もにらみ合わせながら、この問題ともさらに取っ組んでまいるというのが私どもの心づもりでございます。
○島田(琢)委員 昨年の七十二国会におきましても、本委員会では附帯決議を付しております。いま局長からお答えがありましたから私はこれ以上追及はいたしませんけれども、これは大変困難だということは私どももよく承知しております。特に、いま各省庁で所管する年金制度の横の連絡というものが必ずしも明確でない。総理府が一応元締めみたいなかっこうにはなっているようでありますけれども、総理府が各省の所管する年金に対して絶対権限を持って指示できるというような仕組みにもなっていない。したがって、農林省については農林省の制度の中で年金が取り扱われ、あるいは自治省、大蔵省、文部省、厚生省というふうにそれぞれ各省庁の中で取り扱いが限定されているというようなこともあって、せっかく福祉国家の衣がえなんというようなことを言われ、田中総理大臣時代から福祉元年にしなくちゃならないなんてことが言われながら、全体的には一向にそれが実を結ばなかったというのは、そういう機構上の問題に確かに整理をしなければならない点があるということは私は承知しております。しかし、農林省においては、農林年金のほかは農業者年金との二つでありますが、少なくとも、この二つだけ見ても必ずしも統一されているという感じではありません。だから、もっと前向きに検討してほしいということを、前国会でも、その前の通常国会でも私は申し上げたわけでありますが、その点が今度の改正の中でまだ明確になっていないという点が大変不満であるということを私は先ほど申し上げたわけであります。 そこで、きょうは大臣がお見えにならぬそうでありますが、政務次官がおいでだから私は政務次官に申しますが、日本の社会福祉という問題について、ぜひ根本的にわれわれが考えてみなければならぬ点があると思うのです。これは言うは易くしてなかなか行うことがむずかしいと言ってしまえばもう身もふたもないのでありますけれども、社会保障、特にこの年金というものは、一定年齢以上の老齢者に対して平等の年金権を保障することでなければならぬと私は思うのです。これはいわゆる国民的最低限の確立といいますか、ナショナルミニマムの確立といいますか、こういうことが社会保障制度の根っこでなければならぬ、年金制度の基本になければいけないと私は思うのです。ところが、この農林年金にばかりではないのかもしれませんけれども、特に農林年金にいわゆる低額給付者が多い。つまりさっきちょっと指摘いたしました新法、旧法の関係です。 そして、どの年金制度を見るよりも農林年金制度というものは実にむずかしくてわからない。私は頭が悪いのかもしれないのですが、本当にこの制度というのはむずかしいのですね。これはもう少しわかりやすくできないんだろうかということを前国会でも私は申し上げましたが、政務次官、第一、組合員の皆さん方にこの中身を聞いてみても、大体余りよくわからないとおっしゃるのですね。むずかしくてわからないと言う。それがわからないで済まされるかと言えばまたこれは身もふたもない話でありますけれども、しかし、ほかの年金制度から見るとどうもむずかしくてわからない。ここがいわゆるナショナルミニマムの確立というものがなされていないという指摘の第一点になろうかと私は思うのです。 こういう実態を見ますときに、特に、いまも指摘を申し上げましたとおり、いま組合員で現職にある人たちでさえも毎月引かれる掛金というものは大変重い。ましてや、もう退職して年金で生活している人なんてものは、これはもう大変なものであります。数字を挙げないまでも局長はそのことをよくおわかりになっていらっしゃると思うが、農林漁業団体の退職者の生活なんてものは、今日の物価の非常事態の中では一体どうやって暮らしているんでしょうかと私の方からもお見舞いを申し上げたいぐらいの状態にあって、せっかく何十年と勤めてきた人たちの生活状態がそういう状態に置かれている。これは一刻も早く改善しなければならない点ではないでしょうか。それを今回も、あるいは来年の大幅改正でもこれをお取り上げになるというのであれば、そのことを明確にきょうお約束くだされば私は引き下がりますけれども、しかし、これは大変なものであります。次官も農業者の出身でありますから、農協の退職者の皆さんがどんな生活を送っていらっしゃるかということは私が言うまでもなくよく御存じだと思うのですが、こういう最低生活者の人たちをまず救っていくということがこの年金の真のねらいでなければならぬというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
○江藤政府委員 もともと年金制度は発足の当時から相互扶助の基本に立って、お互いの福利厚生を図っていこうという法の趣旨のもとに発足して今日まで歴史を重ねてきたことは御案内のとおりであります。 そこで、年金の給付額が低いために退職後の生活の安定ができないではないかということが一番の問題点になるわけでありますが、これはもうよく御存じのように、農業団体というのは、たとえば国家公務員、地方公務員と比べますと途中で勤務する人たちがずいぶん多いわけでありますから、そういう公務員関係あるいは学校の先生等からしますと、年数で見ると、平均した勤務年数がずいぶん短い。したがって、この掛金期間が短いから給付内容というものも低いということが一つあります。 それから、もう一つは、給与そのものが低いではないかということも御意見のとおりであります。けさほど局長が、市町村役場の職員や学校の先生と農協の職員は同じくらいがいいという御質問に対して、それを肯定するような答弁をしましたけれども、私は少し違うんです。学校の先生は、今度特例法をつくりまして、あれはもともと他の公務員よりか給与が高いようにつくっておるわけでありますから、それと農業団体と一緒にするということは、いまの時代にはそういう考え方はいかがかと私は思いますが、全体的に引き上げていくということは、これはもう至極当然のことである。私どもが農業団体におりますころは、役場の職員と比べると農業団体の職員というのはずいぶん低いものでありまして、うらやましかったものでありますが、近ごろは逆に今度は農業団体の方がいいところもあります。あるいはまた、悪いところでも、その他の諸手当あるいはボーナス等で調整を図っておるところもあります。一体全体どうして低いんだろうかということを私は少し調べてみたんですけれども、一番低いのは、この団体の中にある土地改良区の職員ですとか、森林組合ですとか、あるいはその他の小さなものがやはり低い。協同組合系統のもので、合併でもしっかりとずっと続けておるようなところやあるいは連合会あたりはいいんですけれども、そういう土地改良区とかいうような組合員が直接人件費を負担しておるところは給与そのものがなかなかうまくいかない。 それはともかくとしまして、少なくともいろいろな問題をたくさん抱え込みながら、いま申し上げましたように厚生年金から分離独立したわけでありますから、その趣旨を体して十二分にこの制度が生かされるように、悪い点は悪いなりに率直に認めて、そして次の段階にこれを改善していくということでやっていきたい。新法、旧法との御指摘もありますが、まさにこれは横並びの関係もありますけれども、これをそのままにほっておいていいという理由はありません。これは改善できれば改善すべきものでありまして、今後もそれらの問題はずいぶんあります。 津川先生からも午前中に御指摘がありましたが、そういう障害年金等の問題についても、御指摘をいただくまでもなくこれはたくさん問題点があります。そういうこともこの国会の御審議を通じて十二分に明らかにされてきたことでもありますので、改めて私どもは思いを新たにしましてこれらの諸問題の解決に今後努力をしてまいりたいと思っておるところでございます。
○島田(琢)委員 次官から率直なお話しがありましたので、さらに突っ込んでお話しをするということははなはだ失礼かもしれませんけれども、この機会に厚生省の見解を承っておきたいのですが、いま私は社会保障という問題を取り上げました。これは国民一人当たりの社会保障給付費という形で各国と比べてみるのが妥当だと思うのですが、多少古い統計数字によりますけれども、日本は非常に低いのですね。この社会保障給付費というのは五・三%ですね。しかも、世界のランクで言えば二十二位です。これは古い統計ですからことしになれば少し上がっているかもしれませんけれども、しかし、余り大きくは変わっていないと思うのです。世界的に見ますと社会主義国が総じて非常に高い。しかし、フランス、イタリア、西ドイツあたりでは一五%前後に社会保障給付費がなっているのですね。そうすると、先進国に比べると日本は三分の一から八分の一という低さなんですね。これは私はこの辺を田中内閣時代にも改善しようとお話しになっていたんではないかと思って期待をしたんですが、これは一向に改まらない。三木内閣においてもこの点についてはさらに後退をして、取り上げる考えは全くないみたいに聞こえます。 これは国民総生産に占める割合をいま申し上げたわけですけれども、御存じのとおり、日本は先進国の中でも二番か三番というぐらいGNPの高い国である。これはもう世界で認識のあるところであります。そういう点で、これは厚生省が所管しているのかどうか私はわかりませんけれども、少なくとも社会保障ということになれば一番大もとになるのは厚生省じゃないかと思うので、こういう点について厚生省はどういう見解をお持ちですか。 あわせて、きょうは私は労働省を呼んでおりませんからちょっとお答えしにくいということになるかもしれませんけれども、政務次官、あなたはなかなか見識のある方ですからあるいは御存じかもしれぬからちょっとお尋ねしますけれども、次に労働分配率ということがありますね。これは非常に重要な問題だと思うのです。この労働分配率を見てみますと、これがまた日本は大変低い。一番高いのがイギリスで、これは言うまでもなくよく御存じだと思うのですが、ところが、先進国をずっと並べてくると日本は八番目なんです。さらに驚くことには、最近十年間日本の労働分配率は三三・七%がほとんど変わっていない。一番高いのはイギリスの六六・一%であります。日本はこの半分ですね。アメリカと比べたって一四%程度低い。日本は今後は福祉国家に目覚めて衣がえをしていくんだなんておっしゃったって、これで一体そういくのかどうか。こういう点がしっかりと政府の認識の中になかったらどうにもならないでしょう。年金制度を検討してみても一向に中身の改善ができないというのはいろいろなむずかしい問題がありますという局長の御答弁でもあるが、また、政務次官が、悪いところは積極的に直して、真にナショナルミニマムの原則に沿ってやっていきたいとおっしゃっても、これではなかなかむずかしいだろうと思います。 したがって、後ほど政務次官からもお答えいただきますけれども、いま厚生省の見解をまずお尋ねして、次に政務次官には、こういう福祉制度のあり方について、少なくとも農林省だけは他省に先駆けて思い切ったことをやりたいという気持ちになっていただけぬかどうかということを伺いたいわけです。それは後ほどまたいろいろと財政問題で大蔵当局との間で努力をされたという報告を受けることになるんだろうと思うのですけれども、しかし、この実態は大蔵省だってよく知っているんだし、何とかもっと熱を入れてやっていただけないものでしょうか。政務次官が一生懸命やるとおっしゃっているその気持ちでぶつかったら、これくらいのものは改善できなければならないはずだと私は思うのですが、その限りにおいてはどうも努力が足りないんじゃないかと私は言わざるを得ないのであります。 まず、厚生省から見解を承りたいと思います。
○坂本説明員 お答えいたします。 社会保障の給付費が国民所得に占める比率が日本の場合は諸外国に比べて非常に低いという御指摘でございまして、確かに、数字を見てみますと、先進諸国に比べて低いということは否定できないわけでございます。 ただ、これはいろいろ原因があるわけでございますけれども、特に私どもが感じておりますのは、年金の給付というものについては、諸外国に比べて確かに給付の額が相対的に見て少ないわけでございます。これはこれまで制度の発足が諸外国に比べてかなりおくれたという面がございまして、そういったところから、現在の段階では諸外国に比べて年金制度がどうしてもまだ未成熟であるという現状でございます。したがいまして、年金の加入期間が全体を通じてみますと必ずしも十分な期間にならないうちに老齢に達し、その加入期間に基づいた年金を受けている、比較的低い年金を受けているという人が相当部分を占めているということと、特に、年金を受ける人の数自体が国民の人口との比率においてもまだ相対的に見て非常に少ないということ、こういう段階でございまして、そういったことがかなり大きな原因になっているというふうに考えております。 私どもも決して現状でいいという意識ではございませんで、できるだけ年金制度を充実させてまいりたいということで鋭意検討を進めてまいっておりますけれども、これから年金制度がだんだん成熟化してまいりますと相当数受給者もふえますし、また、その受給額というものも必然的にふえてまいりますので、ある程度の給付額の増加というものは、これは当然の成り行きとして出てくるものと思っておるわけであります。しかしながら、なお内容につきましても十分検討いたしまして、改善すべき点は改善に努めていくという考え方で、将来の方向についても現在いろいろと検討を進めておる段階でございます。
○江藤政府委員 労働分配率については間違うといけませんし、これは経済企画庁長官の答えることでありますから、こっちに企画庁から優秀な答弁者が参っておりますから、後で企画庁長官にかわりまして答弁をしてもらうということでお許しをいただきたいと思います。 先ほど来の年金の問題でありますが、やはり、これからはもうくたばれGNPという時代でありますから、低成長になっていくであろうし、そうすると、物事の考え方、取り組み方もいささか変わってくるのではないかと私は思うのです。同時に、日本の給与体系というものはずいぶん低い低いと言われたわけですけれども、最近ではずいぶんとよくなったのではないかと思います。お手元の資料が何年のものか存じませんが、私もこれは何も持っていなくて申し上げるわけでありますが、先般来何かの機会に調べましたときには、日本の給与もずいぶんと逐次よくなってきて、欧米諸国に近づきつつある。ただ、その中で、アメリカなり、イギリスなり、フランスなり、それぞれ資源を持っておる国と持たない国があり、あるいはまた歴史のある国とない国等いろいろございます。そういう中で日本のように人間ばかり多くて資源の全くない国がどのような労働分配率が適切であるかということについては、よその国がこうだから日本もこうでなくちゃならぬという議論ににわかになるのかどうか、そこいらは実はいささか判断に苦しむところであります。 ただ、たとえば私どもの農林省にもたくさん職員がおって一生懸命働いておるわけでありますが、こういう国家公務員については政府が直接の雇用主でありますから、この共済についての制度の改善なり給付内容の改善を図っていくことについては政府に直接の責任があるが、農林漁業団体については、これは直接の雇用主ではありませんから、一義的にはこれはやはりそれぞれの団体の責任であると思うのです。さりとて、最近のこういう状況の中で、発足後間もない制度でありますから十分ではない。高福祉、高負担と言いますけれども、しかし、いまそれほど掛金を高くして高い給付率を維持しよう、改善していこうということはなかなか大変でありますから、そこに当然国としては応分の財政負担をやっていくこと、これがやはり第一義的な原則であろうと私は思っております。 それにつけて、いろいろな制度の改正、あるいはまた行政指導、あるいはまたいろいろなそういうような財政負担等を通じて、少なくともこの制度の目的が果たせるように一生懸命努力をしていくわけですが、国の制度あるいはその他のものを特別に国が飛び越えて農林年金だけ優遇するというやり方は、せっかくの御意見でありますけれども、いまの時代においてはいささか困難ではないかと私は思っております。やりますと言うことが私は大変好きな男でありますけれども、これだけはなかなかそういうふうにまいらないような感じがいたすわけであります。 前半の問題につきましては経済企画庁に説明をゆだねることにいたしたいと思います。
○出井説明員 分配率でございますが、分配率の統計のとり方はいろいろございます。普通使われますのは国民所得分の雇用者所得というものがございますが、これで申し上げますと、三十五年に五〇%でございましたが、年々上がってまいりまして、四十年には五六・三まで上がってまいりました。ところが、四十一年から再び下がり始めまして、四十三年をボトムに五二・九まで下がったわけでございます。ところが、これがまた四十四年から上がり始めまして、四十七年には五八・二、四十八年には六一・一という数字まで上がってきております。 あるいはまた、雇用者所得プラス法人所得分の雇用者所得というとり方もございます。それから、先生が御指摘になりました数字は、恐らく製造業のうちからとりました付加価値分の人件費という数字だと思いますけれども、いろいろとり方がございますが、傾向といたしましては、三十五、六年ごろから分配率は上がり始めまして、三十年代の後半は上昇ぎみで推移し、四十年代前半に入りまして低下し、再び後半に上昇しているということでございます。こういう分配率の上下というものは、やはり、景気循環によって法人所得が変化するということになりまして、その割合が変わるということでございます。 さらに、わが国の分配率が低いという御指摘でございますけれども、これは確かに統計の数字から申しますと低いわけでございますが、このわが国の雇用者所得の分配率の低いのは、わが国では第一次産業あるいは個人業種というものの比重がまだ高いために雇用者の分配率は諸外国に比べまして低くなっておるということでございます。 それから、なお、わが国のこれまでのいわゆる高度成長ということも大きな原因でございますが、各企業の付加価値の構成比を国際比較いたしますと、わが国では利子、金利等の金融費用部分が各産業を通じまして諸外国より高く、また、設備投資が非常に速やかであるということによりまして、減価償却費も諸外国に比べまして非常に大きなウエートを占めておるということがわが国の分配率が諸外国と比べて低いということの原因になっております。
○島田(琢)委員 きょうの議論はこれだけで終始してしまうわけにはまいらないのでありますが、いろいろとり方があるということで説明がありましたけれども、つまり、一口に言って、日本の労働賃金というものは非常に安い、先進国で比較いたしますともう最低だということだけは事実だというふうに受けとめておかなければいけないと私は思うのです。 そこで、前に進ませていただきますが、先ほど次官は相互扶助ということを言っておるわけでありますが、確かに原則はそうでしょう。しかし、厚生省からもこもごもお話しあったように、年金制度というもの、いわゆる社会保障制度というものは日本の場合は非常に未熟であって、日が浅い。そして、いまのままで推移して制度を延長していくとすれば、これは何十年かかるかわからぬということに相なる。そこで、その部分を何とか先進国の水準にまで追いつくためには国が相当の財政負担をすべきではないかというのが私の主張したい点であります。そこを何とか前進させたいという努力の中でしっかり考えてやれば、いまの日本の社会保障制度というものは少なくとももっともっと進むはずだ。そこもちびって手をつけようとしないでいて、いまの日本の社会福祉制度を前進させようたって、それはとてもできないでしょう。だから、いろいろ議論がありましたけれども、欧州を中心にして起こった大砲かバターかという議論はもはやずいぶん昔の古い言葉になったんですけれども、日本はまさにいまこれを考え直していかないといけないときに来たと私は思うのです。 そこで、きょうは農林年金の問題でありますから、全般の年金制度、社会福祉制度などに十分の時間をかけて議論をすることはできませんので、まず、この日本の国内にある各種の社会保障制度を横並びにして比べてみて議論をしたいと思うのです。 いままで幾度もこの問題については指摘がありました。政府側もそれを認めているわけですが、農林年金は、その置かれている日本農業の見直しとか、あるいは食糧の絶対量の確保とか、大変なたくさんの課題を抱えている日本の農業の実態から見て、ここに働いている農林漁業団体職員の皆さんの身分保障というものはこの際何物にも先駆けて早急に、しかも重厚に取り上げていかなければならない大事な点だと私は思うのです。ですから、ほかの年金との比較において劣っている部分について埋めていくということはせめて政治の責任においてやるべきだと私は思うのです。 そこで、まず第一点の指摘は、たとえば保険料率の問題でありますが、たくさんあります中で、公共企業体、農林年金、国家公務員、地方公務員、私学あるいは厚生年金のわずか六つの掛金を比べてみても、農林年金の掛金率が非常に高い。それから国庫で負担すべき分が非常に低い。それは地方公務員、国家公務員の一五%に比べれば一八%ですからまだ高いとおっしゃるかもしれませんが、しかしながら、諸般の置かれている実情から考えれば、私は重ねて二〇%の国庫負担をすべきだという主張をしたいのであります。この点くらいは改善できないはずはないと私は思うのですが、ことしの五十年度の予算の編成時期においてもついにこれがまた見送られた。これは附帯決議でも昨年私どもは意見をつけました。なるほど農林省はことしの予算の要求に当たってこれを大蔵省に持ち出したようでありますが、しかし、結果的には大蔵省からばっさり切られるという状態になりました。私は午前中に局長からこの経緯について聞いて、真剣に努力したがことしも実るところにならなかったという説明でありますから、今度は大蔵省の主計官にお尋ねをするのですけれども、たとえばこの二〇%の問題にしても、それから事務費の百七十円を二百三円にするという要求の問題にしても、それから財源調整費のいわゆる三%にする問題にしても、要求の段階で農林省の内容を見ましたら、いずれもこれは大蔵省に確かに要求しているということはわかりました。どこまで真剣におやりになったかの中身の問題は別として、ともかく大蔵省と第一次の査定でこれは協議をしたという事実は私も認めます。それを大蔵省はなぜ切ったのですか。その辺の理由をこの際明確にしていただきたいと思うのです。
○梅澤説明員 ただいま御指摘の点は三点にわたるかと思いますが、まず、最初の国庫補助率の問題でございます。 御案内のように、わが国では各種の年金制度が分立いたしておりまして、制度ごとに、ただいま御指摘がございましたように国庫補助の割合をそれぞれ変えてございます。農林年金の場合は給付費の一八%という法定補助率になっておるわけでございますけれども、この問題につきましては従前から厚生年金並みの二〇%にしてはどうかという議論が確かにございます。私どもの考え方といたしましては、厚生年金と農林年金の制度の仕組みを比較しました場合に、まず、年金額の算定の基礎になります給与のとり方が厚生年金と農林年金とでは違う、あるいは年金の支給開始年齢が、御承知のように共済は五十五歳、農林は六十歳というふうになっておりまして、そういう点を彼此勘案いたしますと、年金現価と申しますか、もっと端的に言いますと、給付水準が制度の仕組みとして共済年金は厚生年金よりも非常に有利になっているわけです。そういたしますと、給付水準が均衡しておればあるいは厚生年金並みの二〇%という議論も成り立つわけでございますけれども、逆にいま申しましたような実情でございますので、農林年金の補助率を二〇%にすることは負担の面から言いましてかえって均衡を失するということで、法定補助率一八%を変える考えは、現行制度を前提といたします限り私どもはそういう考えを持っておりません。 ただ、財源調整の特別の予算補助といたしまして、五十年度四億九千八百万円の予算措置をとっておりますので、仮に補助総額を給付費に対する割合で換算いたしますと、五十年度の場合はおよそ一九・八、一九・七七という割合になっておりまして、五十年度にとりました予算措置はそういうことで十分均衡のとれたものであると私どもは考えております。 なお、御質問の事務費の問題でございますが、これは組合法六十二条の規定によりまして、予算の範囲内で組合の事務に要する費用の一部を補助することができるという規定で従前から予算措置を講じておるものでございまして、五十年度の場合、これは農林のほかに、私学とかあるいは国家公務員共済組合のほかに各種の社会保険制度の事務費がございまして、その単価を相互に勘案しながら農林年金の場合は総額にいたしまして五十年度一億四千五百万、金額的に見ますと前年度のおよそ六割増しの予算措置をとっておるわけでございます。
○島田(琢)委員 大蔵省はこれはなかなか高姿勢で、理屈があるとおっしゃっておるわけですが、たとえば一人当たりの老齢年金にかかわる支給額を私は比べてみたのです。これは局長は御存じだからいまさら申し上げるまでもないことでしょうけれども、われわれがしばしば主張しております厚生年金並みにということを言っておりますたてまえから比べてみますと、農林年金は平均で三万二百九十四円で、それから厚生年金は三万八千二百七円。国家公務員並みにという主張も私どもはいたしておりますから、これと比べますと四万八千四百二十円で、実に一万八千円も差がある。ですから、大蔵省、御説明の趣旨は私はわかりますが、しかし、こういう実態にあるということを十分踏まえて、少なくとも来年度の予算の編成に当たっては余りばっさばっさと切らぬようにしてください。厚生省がおっしゃっているようにまだよちよち歩きの年金制度ですから、しばらくの間国が相当力を入れなければこれはひとり立ちできないのだという観点に立って、血も涙もないようなやり方でなくて、ほかの年金と同じような温かい措置をするよう、この際ぜひ考え直していただきたいということをお願い申し上げておきます。 時間がなくなってまいりましたから多少はしょりますが、いまの給付の前提となる標準給与の比較もひとつ申し上げておきたいと思うのです。これもおわかりのとおりです。一番高いのが地方公務員の十万二千二百十五円、次が国家公務員の九万五千八百六十六円、公共企業体が九万五千百九十三円、厚生年金が八万九千四百三十七円、私学が八万三百二十円に対して、農林年金は七万六百二十円と大変な差があるわけであります。これは局長が答弁に立たれれば、いまの農林漁業団体職員の給与の低さであるとおそらくおっしゃるだろうと思いますが、それもよくわかっている。五十年の春闘におけるそれは先ほどの竹内委員の質問に対してもお答えがありましたが、それはことしの場合は若干の伸びがあったということを私も確かに認めます。しかし、それだけではこの給付改善はとてもできないと思うのです。ですから、その点も、政治の責任において格差を是正するという前向きの検討がなされない限り、これもなかなか時間がかかって、三木さんがおっしゃっている公平な社会を築いていくなんということはできないと私は思うのです。農林年金制度についての、農林省の段階における思い切った抜本的な大前進の腹構えを見せない限り日本の一連の社会福祉制度というものは前に進んでいかぬ、まずこれを一つの突破口にして、文字どおり日本は福祉元年としての面目を世界に示してもらいたいものだ、と、こういう願いを私は強く持っております。 そこで、最後になりましたが、実はせっかくの積み立てが農林年金の場合になされておりますが、これは相当の額に上ると思います。それで、細かに内容を聞きたいと思っておりましたが、それはまた後ほどお聞きいたすことにして、この積立金の使い方の問題について私は若干お尋ねをしておきたいのです。 その一つは福祉事業についてであります。これも制度としては、貸付事業あるいは福祉施設の充実など幾つかの事業があります。特に、貸付事業については、一般貸し付け、住宅貸し付け、災害あるいは育英と、大まかに分けて四つほどの貸付制度があるようでありますが、しかし、いまの世の流れを反映して、住宅改善あるいは住宅の新築にお金を借りる人が組合員の中には非常にふえているようであります。総体の九〇%近くは住宅の建設あるいは改善に向けられているようであります。これらの現行の事業の持ち方について、この利用料率をもっと引き下げるとか——この貸し付けの期間はかなり長くて、十五年から二十五年ぐらい年限はあるようです。これも規則できめられているそうでありますけれども、利子は五・五%という利子負担になっているが、これはもっと借りやすい方法にしてあげるべきだと私は思うのですが、この点についてはいかがですか。
○岡安政府委員 御指摘の農林年金の福祉貸し付けの実態でございますけれども、制度発足以来四十八年度末までの貸し付け総枠は二百九十五億、残高は百八十八億ということになっておりまして、御指摘のとおり、その九九%は住宅貸し付けということになっております。 この福祉貸し付けは額としても年々ふえてまいります。私どもとしましては、組合員の要望は十分充足をしている、希望を査定したり減額していることはないというふうに思っておりますけれども、ただ、貸し付けの条件等につきましては、現在さらに要望にこたえるべく検討中でございまして、たとえば住宅の貸し付け限度につきましても、現在最高三百万円ということになっておりますけれども、これをもう少し上げたいという方向で現在検討をいたしておるわけでございます。 何にいたしましても、この年金の創立した趣旨が組合員の福祉の向上ということにあるわけですから、福祉貸し付けにつきましても今後量並びに内容の充実に努めたい、と、かように私どもは考えている次第でございます。
○島田(琢)委員 私はちょっと金利の部分で間違ってお話しをしましたが、災害貸し付けが五・五で、あとは五・七六ですね。私は五・五以下に下げるべきだと申し上げたかったのに、ちょっと数字を間違って失礼しました。 それから、もう一つの事業であります福祉施設事業ですが、これが末端の事業を調べてみますと、法人をつくって経営を委託しているようであります。これが金利が五・五%で、償還が大変厳しい。ですから、これらについても条件をもっと緩めていく必要があると私は思うのです。第一、利用の実態を調べてみますと、組合員の利用というものが逆に部外者の利用より低い。本来組合員の福祉施設のために温泉療養所をつくったり、あるいは宿泊所をつくったり、あるいは東京に学生寮などの建設もやっているようでありますけれども、これを見てみますと財政的に経営が火の車だという訴えがありますが、これの実態はどうおつかまえになっているのですか。
○岡安政府委員 福祉施設の運用につきましては、当然これは組合員利用の優先ということを原則として運用されなければならないというふうに思っております。 御指摘のとおり、現在の組合員の利用率は大体四〇%前後ということになっております。ただ、私どもは、この利用率については今後いろいろ検討しなければならないと思っております。と申しますのは、組合員の利用率を上げるということは、これはやはり目的に沿うことではございますけれども、農林漁業団体の職員の利用というのは、土、日とか、そういうところに集中するわけでございます。そこで、組合員に優先利用させるためにはあらかじめスペースを確保しなければならないのですが、たとえばキャンセルその他が続出いたしますと経営にも問題が出てくるというようなことがありまして、現在の運用が組合員の要望を必ずしも一〇〇%満たしているかどうかということには問題がありますけれども、あわせて宿泊施設の経営ということも考えなければならないという点があるわけでございます。 しかし、全般的には宿泊施設に対する資金の貸し付けは先生の御指摘のように五・五%となっておりますし、また、その施設の利用に当たりましては、組合員については特別安い料金で利用させるというような措置もとっております。 今後はなお工夫をこらしまして、組合員の利用率が上がるように、なおかつそれによって経営が悪化しないように検討はするように指導してまいりたいと思っております。
○島田(琢)委員 これは独立採算制というたてまえになっているわけですね。そこらに非常に問題があるんだと私は思うのです。それは検討するということでありますから、そういうことでぜひお願いをしたいと思います。 いま私は給付の問題と福祉事業の問題について触れましたが、そもそもこれはこの年金制度の中における最も大事な点だと思う。どっちがどう欠けてもこの年金制度の趣旨というものは損なわれる。つまり、言ってみれば、これは車の両輪みたいなものであります。福祉事業の基本方針としては、給付事業とともに福祉事業を経営して、両者の総合的な運営によって組合員の福利厚生の増進を図るということになっているようでありますから、どちらが片ちんばになってもこの年金制度というものはうまく前へ進まないことになると思います。したがって、これはぜひ再検討をお願いしたい。 それから、最後に、全体の資金運用についてでありますけれども、調べてみますと、いま申し上げた福祉事業に対しては、規則の上では二〇%まで運用できることになっているのですね。
○澁谷委員長 島田君、そろそろ時間になりました。
○島田(琢)委員 もう少しで終わりますから……。 ところが、実際には福祉事業費として使われるのは一割ぐらいですね。あとは何かというと、いわゆる投資有価証券の取得に八五%近いものが使われている。この投資有価証券というものは何物ですか。
○岡安政府委員 まず、運用資産のうち福祉事業への運用の状況を先に申し上げますと、四十九年度で運用資産を一〇〇としまして、約一四%というものが福祉事業に回っているわけでございます。御指摘のとおり、有価証券運用が全体の七〇%ぐらいになっていると思いますが、その内容は金融債と特別法人の債券、それから社債、貸付信託の受益証券その他農林大臣の承認を受けた外国債、株式ということになっておるわけでございます。
○島田(琢)委員 有価証券で七割近くが占められているのだという説明でありますが、これは農林年金ばかりじゃありませんが、国の大蔵省の財政運用の中で、いわゆる大企業に金を回していく分なんかもこの中には相当量含まれているわけですね。先ほど御説明にありましたように、この給付額は二百九十九億、約三百億で、積立金は現在時点で計算すれば恐らく二千二百億近くなるんじゃないでしょうか。そうはならないにしても、二千百億円はもう超えているでしょう。そういうふうに見てまいりますと、先ほど私は車の両輪ということを言いましたが、給付対象、いわゆる受給権者は全体の数の上から言えばまだ余り大きくはないのかもしれません。しかし、現職で一生懸命農林漁業団体でお働きの皆さん方の福祉運営についてはもっと重厚に、しかも借りやすいように、返しやすいようにというふうに改めていくということが資金運用の中で大変大事な点ではないかと私は思うのです。 先ほど、住宅の貸し付けを申し込んだ者については制限しないでどんどん貸しているというお話しでありましたが、お話しにあったとおり三百万円頭打ちでありますし、いま三百万円くらい借りたってとても家なんか新しく建てられません。これは五百万、一千万くらいの貸し付けをしないとりっぱな家はなかなか——りっぱな家ではないにしても、住むような家は建てられない。土地の取得から始まるわけですからね。だから、まだまだこっちの福祉事業に相当重厚にこの資金を振り向けていくべきではないかと私は思うのです。有価証券も絶対大事な有価証券の取得ということになっているのでしょうけれども、無意味な有価証券の取得だと私はきめつけて申し上げるつもりは決してありませんけれども、資金運用の全体的なバランスがどうも崩れているように思います。そういう点も細かなことと局長はお考えかもしれないけれども、私は、これはこの年金制度においてぜひ改善しなければならない大事な点だと思うのです。 幾つかの点を私はきょうは指摘いたしましたけれども、議論の上においてすれ違いのあるところもありましたが、しかし、来年度の大幅改善年度を控えて、来年は大幅にやってくれるという先ほどの政務次官のかなり勇敢な御発言がありましたから、そこに期待をして私は余り深追いはいたしませんでした。しかし、いままで幾つか私自身も指摘をいたしました点は、早急にこの制度の改善を図るべき重要なポイントだけを申し上げたつもりでありますから、この制度が農村における農業者と真に一体となって、あるいは漁業者と真に一体となっていけるような制度にどうか育て上げていただきたい。そして、日本の大事な第一次産業を守っている農林漁業団体の職員の皆さんの身分保障の問題については、来年もまた同じことを余り私どもに言わせないように、しっかりした抜本改正で日本の食糧政策あるいは大事な農村の福祉対策をお進めいただくように心から期待をして、きょうは私の質問をこれで終わりにさせていただきます。 大臣がいれば決意のほどを聞きたいわけですけれども、局長に決意を聞いても、大臣のところに行ってぼつっと切られればこれはだめなんで、大蔵省がまた後ろにおってなかなか高姿勢だから、これは緩くない。その点は私もわかりますが、大蔵省はどうもかたいようだから、この予算の獲得時期にはわれわれもひとつ手をかしましょう。 これはもうおととしになりましょうか、去年の予算編成のときに私どもは時の大蔵大臣の福田赳夫さんのところへ乗り込みましたら、農林年金制度というものは大変大事なことだ、おっしゃるとおりだ、大蔵省としてもこれは二重丸をつけてがんばると言っていましたが、何のことはない、ばっさり切られてしまって、大蔵大臣といえどもさっぱり力はないんだということで私はがっかりしたのでありますが、そういうことがないように私どもはまた応援団を繰り出してこの制度の抜本改正に向けて全力を挙げて応援しますから、農林省もがんばってもらいたいと思います。 以上をもって終わります。
○澁谷委員長 次回は、明十八日水曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時三十七分散会