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75回国会衆議院1975/06/03

農林水産委員会 第24号

発言数
156
登壇者
19
会派数
4
開催日
1975/06/03

会議録

澁谷直藏自由民主党

○澁谷委員長 これより会議を開きます。  飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  本日は、まず本案について参考人から意見を聴取することといたします。  本日御出席の参考人は、地方競馬全国協会会長、元飼料品質改善制度研究会座長太田康二君、東京大学農学部教授藤巻正生君、全国農業協同組合連合会常務理事永松英二君、協同組合日本飼料工業会会長河田四郎君、以上四名の方々であります。  参考人各位に申し上げます。  参考人各位には御多用中にもかかわらず本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。  本委員会におきましては、ただいま議題といたしました本案について審査をいたしておりますが、本案につきまして、参考人各位のそれぞれの立場から忌憚のない御意見をお聞かせいただきたいと存じます。  なお、議事の都合上御意見を一人十五分程度、太田参考人、藤巻参考人、永松参考人、河田参考人の順序でお述べいただき、その後委員からの質疑がありますので、これにお答えをいただくことにいたしたいと存じます。  それでは、太田参考人にお願いいたします。

太田康二協会会長、元飼料品質改善制度研究会座長)

○太田参考人 ただいま御紹介を賜りました太田でございます。  ただいま当委員会において審議をされております飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する法律案の前提として、畜産局が飼料品質改善制度研究会というものを一昨年の十一月に設けられたのでございますが、私はその際委員の一人に選ばれまして、委員の互選の結果座長の職を相務めまして、前後約六回にわたる審議をいたしまして、畜産局から検討を命ぜられました各項目につきましての研究会としての意見を一応取りまとめまして御報告を申し上げたわけでございますが、これらの報告書の内容につきまして御説明を申し上げ、それが現在審議をされておりますところの改正法律案の中にどういうふうに具体化されておるか、織り込まれておるかというようなことにつきまして、私の考えを述べさせていただきたいと思います。  最初に研究会が設けられまして、私どもが農林省から現在の飼料の現況等につきましての現状認識を得るための説明を伺いまして、その際、現在の飼料の品質改善に関する法律が昭和二十九年に制定されたわけでございますが、その後三十一年に公定規格に伴いますところの改正をいたした程度で今日まで推移をしてきたのであります。しかしながら、近年、畜産物等を通じての有害物質による人体への影響の問題あるいは抗生物質を初めとした飼料添加物の家畜体内での残留性の問題等が取り上げられまして、これらの問題の防止に対する社会的要請が非常に高まってきておるのであります、従来これらの問題は、家畜家禽に対する栄養効果の確保という観点からの規制だけが法律で取り上げられておったわけでございますが、これらの品質問題と並びまして飼料の品質問題が重要な課題となってきて、そこで、これらの問題について検討をしてもらいたいという前提で研究会が始められたわけでございます。  研究会が検討いたしました事項は全部で八項目ございまして、これを順次申し上げますと、飼料の範囲につきましての問題が第一点で、第二点が業者の届け出制度の問題でございます。第三点が飼料の登録制度と公定規格、第四番が表示の制度、第五番が飼料の添加物、第六番が異物、有害物質の規制、第七番が新飼料の取り扱い、第八番が検査制度ということになっておるのでございます。  先ほど申し上げましたように、四十八年十一月五日に第一回の研究会が開かれて以来、六回にわたりまして審議を重ね、四月二十日に一応会議を終わったわけですが、その後起草小委員会を設けまして案を練りまして、最終的には五月二十日の研究会にかけまして、各委員の方の御了承をいただきまして農林省に提出した、かような経過でございます。  そして、この研究会としては、これは特に農林省の配慮であったかと思いますが、どちらかといいますと直接業界の関係の方は除かれておりまして、主として学者先生を中心とした、いわゆる学識経験者の集まりによって研究会が持たれたということでございます。  それでは、以下項目を追いまして、研究会の報告の内容並びにそれがいかに今回の改正法律の中に織り込まれたかという点につきましての私の考えを申し上げたいと思います。  まず、第一は、規制の対象となる飼料の範囲でございますが、現在の法律では、「ふすま、油かす、魚粉等家畜家きんの栄養に供されるものとして農林大臣の指定するもの」というのが飼料だと定義づけられておったわけでございますけれども、飼料の事情が法制定当時と非常に変わりまして、いろいろと新しい行政上の要請が出てきており、特に、農林大臣の指定がないものがそのまま流通する場合には法の規制が全く及ばないというような難点があるということが現状の問題として提起されました。  さらに、御承知のとおり、水産物におきましては、とる漁業からつくる漁業へということで、養魚用の飼料というものがかなり生産もふえておる。これらにつきまして現行法では法的規制が全く及んでいないというようなことはやはり問題があるのではないかというような問題点が指摘されたのでございます。  なお、それ以外に、最近におきましては、愛玩用の動物とかあるいは実験用の動物用にもえさがつくられて供されているというような事実もあるので、これらについても品質保全の面あるいは公正取引の確保の面から法的規制を行わないことは問題があるのではないかというような点が指摘されたのでございます。  そういった問題点を踏まえましての委員会の意見の集約といたしましては、飼料の定義といたしましては、いわゆる経済動物としての家畜家禽、豚、鶏、牛等はもちろんでございますが、養魚用のものあるいは愛玩動物、実験動物等を含めた広義の家畜に対する飼料が対象となり得るように改めて、必要なときには何どきでも具体的にその生産、流通等を規制し得る体制を整備することが望ましいというような報告に相なっておるのでございます。  これにつきまして、今回の改正法律案におきましては、「家畜等」につきましては、「家畜、家きんその他の動物で政令で定めるものをいう。」というふうに第二条の一項で定義をなさいましたし、対象動物に養殖魚を含み得るようにするというようなことで、飼料の定義につきましても、一々農林大臣の指定をまたなくても、「家畜等の栄養に供することを目的として使用される物をいう。」ということで、私どもが要望いたしましたように、機動的に発動し得るようなことに以上の二項で相なっているようでございますので、私どもといたしましては、私どもの報告書の内容がおおむね実現を見たというふうに考えております。  それから、第二に、業者の届け出制度でございますが、現行法では製造業者と輸入業者だけにつきまして一定の届け出義務が第三条によって課せられておるのでございますが、改正法の十八条によりまして、届け出の範囲について、対象業者あるいは報告する事項につきましても私どもの報告にございますような点がかなり取り入れられての改正が行われたと解釈をいたしております。  現行の制度は、申し上げましたとおり製造業者と輸入業者に限っておるのでございまして、しかも、飼料につきましても特定の飼料に限られておったのでございますが、新しく飼料の添加物等をこの法律の規制の対象に加えるというような研究会の考えもございまして、えさだけではなしに添加物につきましても製造業者、輸入業者、販売業者につきまして報告義務を課すべきであるというようなことに相なったのでございます。もちろん、従来は、飼料添加物につきまして特に法的規制がございませんでしたからそういったことは行われなかったわけでございますけれども、今回新たにこれをこの法律の対象にして規制をするということにいたしまして、えさと同様添加物につきましても届け出義務を課するべきであるということにいたしたのでございます。  それから、従来は販売業者につきましての届け出制度がなかったわけでございますけれども、飼料需給規模の拡大、飼料種類の多様化等、飼料をめぐる情勢が法律制定当時と大いに異なっておりますので、販売業者につきましてもやはり一定の届け出義務を課すべきであるというような意見が強かったのでございます。  要するに、今回のこの研究会における報告書におきましては、「飼料添加物を法規制の対象に加えるとともに、その前提として実態に応じ必要な限度で飼料同様その製造、輸入又は販売業者に対し届出義務を課する必要があろう。」ということにいたしたのでございます。したがいまして、これを整理いたしますと、製造業者につきましては、現在、配混合飼料、一部の単体飼料につきましての届け出義務があるわけでございますけれども、新しく飼料添加物につきましての届け出義務を課することにし、輸入業者につきましても同様でございまして、配混合飼料と単体飼料につきまして届け出義務があったわけでございますが、新しく飼料添加物について届け出義務を課することとし、販売業者につきましては従来届け出義務がなかったわけでございますけれども、配合飼料、一部の単体飼料、それに飼料添加物につきましての届け出義務を課するべきではないか、と、こういう報告書の取りまとめをいたしたのでございますが、これを受けまして、今回の改正法におきましては、安全性の見地から、二条の二の規定によって基準、規格が設定された飼料または飼料添加物の製造、輸入、販売業者で一定の者につきましては届け出義務を課するという十八条の規定が設けられておりますので、おおむね私どもの研究会の報告の趣旨に沿って改正が行われるというふうに理解をいたしております。  第三が、飼料の登録制度と公定規格の問題でございますが、現行法におきましては、公定規格に基づく登録制度がこの制度の根幹をなしておりまして、それが飼料の品質改善に大いに役立ったという評価をいたしたのでございますが、現在の登録制度は、御承知のとおり、他の農薬とか肥料と違いまして任意登録制度の仕組みになっております。これらの実態を踏まえまして現行の制度につきましていろいろ検討いたしたのでございますが、何と申しましても、この法律をつくりました以後の飼料業界を取り巻く事情が大きく変化をいたしまして、安全性に対する社会的要請の高まり等、飼料をめぐる諸情勢が著しく変化してきたわけで、そこで、飼料の品質の一層の適正化を図るため、制度全般との関連におきまして、現在の登録制度あるいは公定規格の制度について再検討すべき時期に来ているという認識で一致を見ましていろいろ議論をいたしたわけでございますが、先ほど申し上げましたような八点の検討項目のうち、すべての点につきましておおむね意見の一致を見ましたが、この点につきましては委員間で意見の統一が若干とれませんで、必ずしも統一意見にはなっておらないのでございますが、登録制度、公定規格制度の改正に当たっては、飼料の品質改善制度の全体のあり方との関連を踏まえて十分検討することが必要であるということで、こういった答申をいたしております。  それは、「以下のいずれの制度を採るとしても、畜産物等を通じての人の健康を損なうことの防止いわゆる安全性の見地からの要件を加えることが必要である」ということで、今回の改正法の眼目がそこにあるわけでございますので、当然そういったことを前提に置きまして、一つは、公定規格の内容等について検討を加え、現行の任意登録制度を続けたらどうだという意見と、いま一つは、公定規格と登録を分離いたしまして、公定規格適合のものはその旨の表示を付することとする、いわゆる規格適合表示制度、つまり、今度の改正のたしか第四条でございましたかに採用されておるような制度の提案をいたしております。  それから、一部の飼料、特に配合飼料については義務登録制を導入したらどうかとか、あるいは全部の飼料について義務登録制を導入したらどうかというような各種の意見が出たわけでございますけれども、報告書の取りまとめの段階では統一見解にはなりませんでしたが、農林省はこれらの報告書の中から、第三の、「公定規格と登録を分離し、公定規格適合のものはその旨の表示を附することとする」ということで、規格適合表示の制度を、改正法の四条だと思いましたがとられまして、私どもの意見の中からおおむね最大公約数的なものをお取り上げいただきまして改正案にしていただいたというふうに理解をいたしております。  それから、第四の表示制度の問題でございますが、表示制度につきましては、現行法の十五条の二で「成分等の表示義務」があるのでございますが、しかし、これらにつきましても、「飼料の種類の多様化、飼料添加物の使用量の増大等、飼料をめぐる情勢の著しい変化からみて、飼料の品質の適正化と消費者保護の見地から表示制度のより一層の充実を図るとともに、特にその厳正な履行が確保されるよう行政庁はその監視に努める」という前提を設けまして、表示制度の問題の検討に当たったわけでございます。  そこで、表示制度の問題におきましては、現在、この法律の実効を補うためにいろいろと農林省畜産局が行政指導によって実施されたものも含めまして、必要最小限度でこれを法律制度として確立すべきであるというような前提に立っての議論をいたしたのでございますが、特に問題になりましたのは、飼料の原料名の表示を義務づけるということは当然でありますが、配合割合についても表示を義務づけるべきであるかどうかというような点につきまして議論がございました。特に、一部の生産者の方から、配合割合についても強く表示を義務づけるべきではないかというような御意見がございました。しかし、いろいろ議論をいたしましたが、飼料製造の実態を見れば、原料の需給事情及び価格事情に応じて配分割合はかなり頻繁に変化するというようなことを考えますと、なお一部のものにつきましては配合割合を確認する検査技術上の困難性もあるというようなことを理由に、確かにそれができれば好ましいわけでございますけれども、成分量等の表示をいたしますれば相当の部分は目的が達成されるのではないかというようなことで、飼料添加物その他の特定原料についての配合割合の表示を義務づける等の二条の二の改正をいたしまして、さらに八条で「表示の基準」というような規定を設けられまして、これらによって対処されるということになされたようでございますので、私どもは、その運用によりまして十分目的が達成されるのではないかというふうにこの点については考えております。  それから、第五の飼料添加物の問題でございますが、今回の研究会におきまして最も議論になりましたのは添加物の問題でございます。添加物につきましてはいろいろ問題があるということでずいぶん時間をかけて議論をいたしたのでございますが、従来は御承知のとおり法律上の規制がなくて、いわゆる行政指導ということでやってまいったのでございまして、飼料添加物公定書というようなものをつくりまして、これに基づきまして規格、使用基準を定め、これに適合するものを使用するとともに、配合飼料に使用した場合はその旨の表示を行うような行政指導を行っておったという現状にあったのでございますが、そういったことでは最も問題になっておりますところの添加物の規制としては不十分である、当然法律制度としてこれを取り込むべきであるということで、いろいろ外国の制度等も参考にいたしまして、結論といたしましては、わが国においても飼料添加物の規制を法律上の制度として整備すべきであるという考えを示したのでございます。  そこで、そのおおむねの方向としては、規制の対象とすべき飼料添加物の範囲は、配合飼料メーカー段階において添加するもののみでなくて、単体飼料として農家で添加するものもあるわけでございますから、これらも規制の対象に含めるべきではないかということ。第二点としては、現在行政指導によって添加物の公定書がつくられておるわけでございますけれども、その内容を権威ある審査機関で再検討の上法制化し、飼料添加物ごとに製造基準とか成分規格とか使用基準等を定めて、その基準、規格に適合するものについてのみ製造、使用を認めるようにすべきであるというような報告書でございます。第三点としては、薬事法の適用を受けない飼料添加物であっても、その包装容器には有効成分名とか添加効果、使用方法等必要事項を表示させることが望ましい、薬事法による規制はまた薬事法によってやるべきであるというような報告。第四点としては、飼料添加物を使用する配合飼料工場におきましては一定の資格を有する技術者を配置し、添加施設の基準、関係帳簿の整備等一定の要件を確保する必要があるという報告をいたしておるのでございます。  これらを受けまして、今回の改正法律におきましては、資料添加物の定義を新しく法律上の二条三項として設けられますと同時に、製造、使用、保存の方法、表示についての基準あるいは成分についての規格をお定めになる。これにつきましては農業資材審議会に諮って決められるというようなことに二条の二の二項で相なっておるようでございまして、農家段階におきましても、この規制がこの二条の二の二項によってかけられるということでございますので、当然私どもの報告の趣旨に沿った改正が行われたものと理解をいたしております。  なお、改正法の二条の八で製造管理者の規定が設けられておりまして、私が先ほど申し上げた飼料添加物を使用する配合工場におきましては一定の資格を有する技術者を配置してもらいたいということを報告書として取りまとめておるのでございますが、それも実現されたものというふうに考えております。  次が、異物と有害物質の規制の問題でございます。現行法では第十五条で「異物混入の禁止」という規定があるわけでございますが、有害物質の規制につきましては、これまた飼料添加物と同様従来行政指導によって処置をされてまいったのでございますが、行政指導だけではおのずから限界があるし、今回の法律の改正の趣旨に沿ってもできる限りこれを法制度化すべきであるということで、改正法二条の二あるいは二条の六の一号、二号、あるいは二条の七というような改正が行われたようでございます。これらにつきましての報告書の検討の経過は、異物につきましては、一応現行法上一般に異物混入が禁止されておるので、制度的には現行制度の踏襲でおおむね問題はないという理解の上に立っての報告に相なっております。  それから、有害物質につきましては、基本的な考え方といたしましては、病原微生物によって汚染されている飼料の添加物あるいは有害物質を含む飼料ないし飼料の添加物につきましては、その生産、販売等の規制は行政指導にゆだねるべきではなくて、当然法的制度として整備すべきである。それから、この場合に、家畜、家禽等、さらには畜産物等を通じての人体に対する毒性、家畜、家禽等の体内への蓄積及び人体への移行等について客観性のある科学データが得られる場合には、許容基準の設定によって対処する方法を導入する。予測しがたい事故に対処するため、有害物質により汚染された飼料を一般的かつ包括的に規制し得る措置を講じ得る制度を導入することが必要である。これは、こういった制度が他の同種の法律の、たとえば食品衛生法の四条とか七条の規定がございますので、これらに準じた制度を導入すべきではないかということに相なっておりますが、先ほど申し上げましたように、改正法の二条の二、二条の六の一号、二号、二条の七等で私どもの報告書に盛られた趣旨の改正が行われたというふうに考えております。  それから、第七番目に、新飼料の取り扱いでございますが、これにつきましても、従来は飼料規格等設定委員会という特別の委員会を行政内部に設けまして、その適否の検討とか飼料化のための試験基準の設定等のいわゆる行政的な措置のみによって対処してきたようでございますが、他の同種の制度におきましても新しいものの規制につきましてはいずれも何らかの法的規制がなされておるという実態があるわけでございますので、今回の委員会の検討の過程におきましても、新飼料につきましては当然規制措置を加えるべきである、それも法的裏づけを持った規制にすべきであるということで検討がなされたのでございます。  一方におきまして、現在の飼料の事情から考えまして、わが国においては新飼料の開発ということが非常に強く望まれるわけでございますが、同時に、その安全性の確保ということが要請されるわけでございまして、特に、新飼料が出される段階におきまして、国のみでなく、大学等も含めて権威ある研究機関等第三者機関において十分オーソライズし、適正な裏づけを得た上でその利用に踏み切ることにすべきであるというようなことを言っておるのでございまして、特にその取り扱いは慎重を要する。  そこで、新飼料についての規制の問題でございますが、特に安全性の問題を確保しなければならないということで、改正法の二条の六の三号あるいは二条の七等で規制の措置がとられることに相なっておりますので、これまたおおむね私どもの報告の趣旨を生かして改正が行われたというふうに考えております。  それから、最後に、検査制度の問題でございますが、検査制度につきましては、現行法の二十一条から二十五条に国及び都道府県の検査のことが書かれておるのでございますが、従来の制度もかなり活用はされてまいっておりますが、今回規制の範囲が非常に広がった。しかも、これだけ規制を加えるということになりますれば、その実効を確保する上におきましても、この検査機関の充実ということは非常に焦眉の急を要する問題である、それがなければ法律改正の実効が確保されないというような見地から、国ないし都道府県を通ずる検査機関の施設面あるいは人員面における充実ということが強く言われたのでございます。  なお、さらに一定の要件を備えたものでありますれば、民間機関も活用すべきであるというような意見も出まして、現在、アフラトキシンにつきましては、民間の検査機関による製品検査を実施しているというような実態もあるようでございますので、要件をきわめて厳重にした上で民間機関の活用も図るべきであるというような答申に相なっております。これらにつきましては、新しく第四章として、指定検定機関というような規定が第十条から十五条七ということで設けられておりますので、これも私どもの報告の趣旨に沿った改正がなされたというふうに理解をいたしております。  なお、参考までに申し上げますが、先ほど申し上げましたように、関係業界代表の方は当初の研究会には排除をいたしておりましたので、余り実態とかけ離れたような報告書になってもどうかというようなこともございましたので、最終の取りまとめの段階におきまして、一応参考意見を聞こうということで関係業界の代表の方の意見をお聞きいたしました。それによりますれば、今回の法律の改正のねらいといたしておりますところの安全性の確保に重点を置いた改善の方向については全く賛成であるというような御意見をいただいております。  なお、そのほか幾つかの御意見がございますが、おおむねわれわれの報告書の内容を是認した上での意見でございますので、これは省略をさせていただきます。  大変時間が超過して恐縮でございましたが、以上申し上げたとおり、私どもはこれを五月二十日に報告をいたしました。なお、その後、農林省はこの報告書を受けまして、これを法文化するための検討に入られたようでございまして、たしか昨年の十一月でしたか、もう一度かつての研究会のメンバーの方にお集まりいただきまして、私どもの報告書に基づきましてこういった改正をいま検討いたしておりますという報告を畜産局からいただきまして、われわれ研究会の委員といたしましては、おおむね私どもの報告書の線に沿った改正が意図されておるということで、その旨を了承いたしまして、研究会を終えたというようなことでございます。  どうも失礼いたしました。(拍手)

澁谷直藏自由民主党

○澁谷委員長 ありがとうございました。  大分予定の時間を超過いたしておりますので、これからの参考人の方は、大体十五分程度という時間をできるだけ厳守していただきたいと思います。  次に、藤巻参考人にお願いいたします。

藤巻正生東京大学農学部教授

○藤巻参考人 私は、ただいま御紹介いただきました藤巻でございますが、東京大学農学部におきまして食糧化学講座を担任いたしている者でございます。  私は飼料の専門家ということではございませんけれども、飼料と食料とはある意味においては共通したものであるし、また、当然でございますが、飼料は家畜、家禽の体を通して畜産物すなわち食料となるということを踏まえましても、ある程度共通した理念で対処さるべきものであると常々考えている次第でございます。  このたび、飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する法案を拝見いたしまして、簡単に参考人として意見を申し上げたいと存じます。  本法案は飼料品質の改善と安全性の確保に関するものでございまして、品質の改善につきましては、従来の公定規格に加えまして、新たに燐、カルシウムあるいは可消化養分総量、可消化たん白質という四項目の追加や規格適合表示といった制度を見ますことは飼料の栄養成分確保に役立つものと存じられますし、また、新たに安全性の確保をお取り上げになられまして、従来の行政指導にかわるに基準、規格の設定など諸規制を設けられましたことは、農林省が飼料の安全性につきまして責任ある積極的な体制をおとりになられる態度を明確にされたという意味におきまして、今後、わが国の飼料の生産、流通ばかりでなく、飼料資源の自給にもつながりますところの新飼料の開発の点からも大いに喜ばしいことと考えられる次第でございまして、わが国畜産の振興発展のためにも本法案の速やかな成立が期待され、希望されるものでございます。  いま、その内容につきまして簡単に二、三の点について申し上げたいと存じますが、御承知のようにわが国の濃厚飼料の最近の輸入数量は約二千万トンに及ぶかと存じますが、非常に莫大な数字でございまして、これは一面わが国畜産の基盤のもろさを物語っていると申してもよろしいかと考えられるのでございまして、その一端といたしまして、私どもは飼料資源、特に飼料たん白資源の開発にあらゆる努力を払いまして、自給へ一歩でも近づくことが肝要かと考えております。  そのためには、考えられますあらゆる方法を探索いたしまして解決に資すべきでございますが、その一つに微生物たん白質の問題もございます。  微生物たん白質の効用につきましては、わが国におきましての微生物学の優秀性と相まちましてはかり知れないものがあろうかと存じますけれども、御承知のように、外国ではすでに一部その生産も開始されておりますし、その安全性につきましても、一部では、たとえばラットの十七代、日本産ウズラの二十五代、豚、家禽については七代といったいわゆる累代テストの結果でもすべて障害がなく完了しておりますようでございまして、また、EC九カ国も昨年六月に生産の許可を与えている現状でございます。  翻ってわが国におきましては、安全性の再チェックあるいは国民的な合意というものにまつところでございましょうが、今回の法案によりますところの農業資材審議会の運用に期待されるところが非常に大きいと考えられます。  飼料品質の改善といい、安全性の確保といい、今回の法案を実施される場合に最も重要であると考えられますのはこの審議会の活用にあると申してもよろしいかと私は存じますが、そのためには、人の健康の問題も含まれる飼料の安全性でございますから、科学的に正しい答申を生み出すためにも、食飼料の安全性に関する学識経験者を委員に加えるなど、十分権威ある専門部会とすることが必要でありましょうし、また、安全性の新しい評価法の研究を含めまして、飼料の安全性に関する研究、検査といった体制の充実に十分な御配慮が望ましいと考える次第でございます。  現在、食品添加物の安全性と効用につきましては、その総点検が行われておりますけれども、飼料添加物につきましても、その効用は率直に十分私は理解できる次第でございますが、抗生物質といい、抗菌製剤といい、可能な限り整理いたしまして、ある程度減少の方向をとるべきかと考えられますので、これも同時に正しく科学的に処理する意味からも、本農業資材審議会の活用にまちたいところでございます。  以上、簡単でございますが、再び本法案の速やかな成立を個人的には期待いたしまして、私の申し上げるところを終わらさせていただきたいと存じます。(拍手)

澁谷直藏自由民主党

○澁谷委員長 ありがとうございました。  次に、永松参考人にお願いいたします。

永松英二全国農業協同組合連合会常務理事

○永松参考人 永松でございます。  まず、最初に、諸先生方の非常な御尽力によりましてわが国の畜産がここまで参りまして、平素皆様方に非常にお世話になっていることにつきまして厚く御礼を申し上げます。  まず、わが国の畜産の伸びの問題でございますけれども、高度成長によりまして畜産物の需要が非常に伸びておるということは御承知のとおりでございます。その結果、今日まで主として品質よりは増産体制へ中心が行きまして、多頭飼育、大規模化という方向をとってまいりました。その結果生産性を上げるということが主体になりまして、また、労働力は非常に不足しておるというふうな結果、購入飼料が非常に多くなってきたというのが今日の日本の畜産の現実でございます。  これをえさの面から見ますと、本来国内で飼料は生産すべきだと私たちも考えますけれども、実際には国内生産の基盤は非常に脆弱でございます。そうして、飼料殻物の原料は海外から輸入されるというふうな実態になっております。この海外から輸入される原料は国際商品として非常に問題の多い商品でございます。  また、日本の畜産も必ずしも自給率一〇〇%というわけにはまいりません。したがって、畜産物を輸入するということになりますと、国際競争上裏でこの畜産が行われておるということは他の耕種から見ますと非常に特徴的なものではないかというふうに思います。  そこで、輸入原料をいかに安く入れるか、そしていかに完全な配合飼料をつくって畜産の生産効率を上げるかという、そういうことをより効率的な工場で配合するという実態に至っておるのが今日の姿ではないかというふうに思います。  その結果、飼養効率、飼養の技術につきましてもかなり進んでまいっておる。言い方によりますと国際的な水準までまいっておると言っても過言ではないかと思います。そういったノーハウの開発もまたかなりされてまいっておるということでございます。そういった意味で、行政的な品質管理、品質保全といいますか、行政上の取り締まりもかなり濃密にやっていただいておるし、また、生産する側から言いますと、品質管理ということにつきましても非常に神経を使っておるというのが現実でございます。  そこで、日本の畜産物が残念ながら国際競争上裏で非常にコスト高についておるという点を指摘する必要があるかと思いますが、これは一つには生産基盤が非常に弱いということと、一つには飼料の問題と、もう一つは規模の問題ではないかというふうに思います。そして、もう一つは、先ほど申しました輸入原料が主体であって、これが国際的な相場によって変動が非常にはなはだしく、したがって日本の畜産が安定しないということは御承知のとおりでございます。  また、もう一つ申し上げなきゃならぬと思いますのは、畜産物製品の流通の未熟さ、不合理さでございます。  われわれ生産者団体としましては、本来の姿は以上のような実態の中で飼料は自給体制でいくのだということを考えていろいろ対策をやっております。また、多少のコストがかかっても、これからの消費者が要望しておる点は、畜産物が安全であり、フレッシュであり、そして味もいいということなんだから、いかにしてわれわれはそれに対応していくかという姿勢でございます。  それから、もう一つわれわれも考えなきゃなりませんのは、飼料はもちろん畜産物も国内自給度を高めるということでございますが、こういったことを急にやりますな非常な破壊になります。急にコストを上げますと需要が減る。今回の畜産物でわれわれはそれを体験をしております。したがって、所定の時間をかけて消費者と生産者の納得の上で逐次そういう方向へ持っていくという努力をわれわれはしなきゃならぬというふうに考えております。  こういった意味で、今回の品質改善法の改正の趣旨は、生産者側の生産に使うえさの問題であると同時に、そのえさを使った食品がいかに消費者にとっても安全であるかという趣旨でございますので、われわれ生産をしながらその製品を消費者にいかに消費してもらうかという立場の農業関係者としては、今回の品質改善法の趣旨にはきわめて賛意を表しておる次第でございます。  ただ、法案を拝見しまして、われわれの考えておることをこの機会に若干申し上げておきたいと思いますけれども、その一つは、先ほども申し上げましたが、理想を追うの余り現実を破壊するということにならないよう御配慮を願いたいということでございます。細かく言いますと切りがありませんが、生産性を無視して理想を追うということによって生産が落ちる、せっかく開発された技術をいきなり否定してしまうことによって生産が落ちるということになりますと、それは即国内の供給が減ることになるし、したがってこれが消費者価格にも逆に悪い結果を及ぼすということは、現在の畜産物価格が特に需給実勢価格で決められておるという中においては非常に問題が多いわけでございます。  もう一つは、急にそういった過激な変化を及ぼしますことは、先ほど言いましたように日本の畜産がまだ非常に脆弱な中でそれをやりますと、国際的な競争力を欠いておりますし、結果としては日本の畜産を否定することになることになりますので、この点につきましては生産者と消費者との両利害関係者のコンセンサスが十分得られるという中で逐次改善を図っていくという姿勢が必要かと思います。  次に、添加物の問題でございますけれども、従来は、われわれは、添加物公定書によって、その範囲内で、しかもわれわれ自身も問題であるということについては許される範囲内で、さらにわれわれの意思もそこに入れまして、その範囲内で添加物の取り扱いについて自主的にもいろいろと対策をやっております。そして、われわれが第一に考えなければならぬのは、何といいましても製品を使っていただく消費者の安全ということでございます。その薬品が生産者にとっても危険な場合ももちろんあるかと思いますので、これも配慮する必要があるかと思います。  しかし、その場合に頭に置かなければならぬと思いますのは、恐るるが余りに余りにもそれを忌避しまして、国際的にはそれが使われておるにもかかわらず日本では非常に理想的な配合飼料をつくるということは、現在日本の自給率が一〇〇%でなくて、外国から製品としての肉を入れなければならぬ、酪農製品を入れなければならぬという実態の中で、外国から入ってくるものについては、それは外国の法の規制のもとでつくられた製品であり、日本の生産者のみが国際的に非常にきつい規制を受けるということにもなりかねませんので、その辺のバランスというものは非常に重要であるという点でございます。  それから、もう一つは、現在使われております薬品類、抗生物質等も、すぐに代替ができるものとできないものとございますが、できないものについていきなりここで急激に否定をいたしますと、畜産物自体も病気の発生がございますし、さらに消費者に行きます製品、畜産物についての問題も非常にございまして、消費者の健康を害するというふうな問題も発生しかねないことでございます。  第三番目に留意しなければならぬと思いますのは表示の問題でございます。表示につきましては、公定規格の内容を充実して、これが生産者にとって必要にして十分な表示であるということはわれわれも賛成でございます。ただ、必要にして十分以上の表示をする必要があるかどうかという点の配慮をする必要があるのではないかというふうに思います。現在ここまでわが国の畜産が非常に生産性も上がり、伸びてまいった一環として、配合飼料の製造過程におけるいろいろな技術、言いかえればノーハウというものはきわめて尊重に値するのではないかというふうに思いますが、そういった意味で、生産者である農家に必要なものは何であるかということを主体にして、その限度で製造過程におけるノーハウの向上ということも同時に配慮する必要があるのではないかと思います。しかし、これは何と申しましても混合物で、一目ではわからない商品でございますので、その辺の取り締まりといいますか、規制は厳にする必要があるかと思います。  それから、四番目に留意しなければならぬと思いますのは、農業資材審議会でかなりのことが審議されるわけでございますが、この審議会は純粋な学術的な検討の場であるべきだというふうに思います。他の利害関係者を入れるのではなく、動物と飼料とそれから人間の健康という面から純学術的に時間をかけて十分究明をしていただきたいというふうに思います。  それから、第五番目に、この機会に若干要望を申し上げたいと思いますのは、そういった安全性という非常に重要な問題が飼料と畜産にこれから絡んでまいりますと、公的な試験研究、検査機関をもっともっと充実する必要があるのではないかというふうに思います。民間でも私たち自身も相当の経費をかけて研究所を運営しておりますけれども、ある意味では負担の限界が参っております。この点は要望でございますが、ぜひ実現をお願いしたいと思います。  それから、最後に、この法律の施行によりましてよほど運営がうまくまいりませんと、一時的にでも畜産物がいろいろな障害を起こして供給が減るとか、生産性が落ちるとか、コストが上がるとかいうふうな症状が出てまいるのではないか。そうなってはいけないと思いますが、もしそういうことが発生し、またそれを強いてやっても——安全性についてコストをかけてもやるのだというふうなことであるとすれば、生産者にそのことが負担にならないように、強いて言えば日本の畜産がそれによってマイナスにならぬようにひとつ御配慮を願いたいというふうに思います。たとえば、ある薬をあしたからやめるということによって高い薬に切りかえるとか、また、薬をやめることによって多少生産性が落ちるということによるコストアップをどう結末をつけていくかという点については特段の御配慮をお願い申したいというふうに思います。  結論的に申しますと、今回の改正はわれわれとしましては非常に妥当なものであると思います。しかし、これの運用を間違えますと非常に問題が多く発生するので、これの取り扱いにつきましては、方法論についても時間的にも十分慎重に取り扱いをお願いしたいし、また、これは国民全般の問題でございますので、生産者、消費者、関係者に十分な理解を得るような手はずを十分とって具体的な実施をしていただきたいと思います。  終わりに、角をためて牛を殺すようなことにならないように特にお願いを申し上げまして、私の陳述を終わりたいと思います。(拍手)

澁谷直藏自由民主党

○澁谷委員長 ありがとうございました。  次に、河田参考人にお願いいたします。

河田四郎協同組合日本飼料工業会会長

○河田参考人 ただいま御指名いただきました河田でございます。  まず、協同組合日本飼料工業会の組織と運営について申し上げたいと存じます。  本会の組合員は、七十四企業、百四十九工場で、昭和四十九年度においては九百七十万トンの配合飼料を製造をいたしております。  運営に当たりましては、各地区から選出された理事と委員で理事会と委員会を設置いたしまして、議題に応じ検討、協議を行いまして、配合飼料産業の健全なる発展を図っております。  組合員の使用する原料につきましては、輸入割り当て、たとえば脱脂粉乳、関税割り当て、たとえば輸入魚粉原料は本会で共同買い付けを行い、政府操作飼料につきましては組合員の希望する数量の買い付けを行い、輸入自由化品目のトウモロコシを初めとする原料等はそれぞれ組合員各自が買い付けをいたしております。  次に、飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する法律案の審議に当たりまして、見解を申し上げます。  改正案は、飼料の安全性の確立と品質のより一層の改善向上を目的としており、ことに、畜産物の飼料及び飼料添加物が原因となりまして人体あるいは人間の健康を損なうおそれがあるものの生産防止または禁止をいたしますことは、食品の安全性の観点から時宜を得たものと存じます。  御高承のとおり、配合飼料は昭和初期に始まり、長い歴史の間に、飼料製造業者と畜産農民との相互信頼の上に立ち、農林省の行政指導による検査等をあわせて今日の生産拡大を見てまいった次第であります。  配合飼料の基本は原料手当て、製造技術、給与であり、他の単一商品とは異なる種々いろいろの特殊性がありますが、特に原料は農産物、水産物等の天然の産物を使用しております関係上、気象条件等により豊作、凶作等が常に価格、品質に大きく関連をいたします。製造業者としては、良質の原料による高栄養成分のものを廉価に提供する姿勢を堅持し、よって畜産農家の安定的経営に寄与してまいった次第であります。  配合飼料は、国民所得の向上に伴いまして食生活改善による畜産物摂取が高まり、畜産農家の飼養する家畜頭羽数が増加いたしますとともに、飼料の需要は年々加速度的に増高してまいりました。最近では配合飼料の生産量は年間千七百万トンを超える数量に達しております。  その間、飼料業界は畜産農家とともに畜産経営に当たっての家畜の品種改良、肥育畜舎の環境改善、飼料品質の向上、飼料の流通経費の軽減等につきまして、先進諸外国の例も取り入れ、あらゆる合理化を図ってまいりました。このことは、畜産物が過去諸物価上昇に追随しない価格傾向を示したことを見ても判断できる次第であります。  しかし、近年、配合飼料の主な原料供給先であるアメリカ合衆国を初めとする需要国を含めた国々の天候異変に基づく穀類の収穫減少及び食糧としての需要増、さらにソビエト連邦等の大量買い付け等が重なり、飼料穀物の需給に不安定な様相を示したため著しい価格の高騰を招来いたしました。  このことは配合飼料価格の数次にわたる値上がりにつながり、折からの経済動向の変調による消費減退と相まって、畜産経営上支障を来す問題が惹起した次第であります。その際は、諸先生方の深い御理解と農林省御当局の行政指導によりまして、畜産農家救済のための配合飼料価格安定特別基金制度の発足を見ましたことは、心より感謝申し上げる次第でございます。  配合飼料の原料は、御高承のとおり、大部分を海外からの供給に依存しております関係上、輸出国の穀物生産の動向が輸入する量及び価格に反映され、直接畜産経営に影響を及ぼすわけであります。  飼料業界としては、畜産農家に配合飼料を安定的に供給できる企業努力として、輸入先国の多元化、穀類の品目別使用の多様化、さらに、また、輸出国における予測できる短期的な争議行為等に対応するための事前の買い付け対策等によりまして異常事態回避の努力を行っておる次第でございます。  最近、世論としての飼料穀物の備蓄問題は、目的としては有意義と存じますが、実施に当たりましての問題点は、収容する穀物サイロの不足及び備蓄穀物の買い入れ代金と諸経費の増高等が考えられ、これに要する費用は莫大なものとなりますので、特別なる御配慮を期待するものであります。  配合飼料の製造は関税定率法で定められました配合飼料の規格に基づき、その上にまた農林省で定められた現行の飼料品質改善法の公定規格に基づきまして製造しており、畜種別に適切なる栄養成分を含有したものであります。また、使用原料は、それぞれ原料別に海外相場を十分勘案して買い付けたものであり、最も適切なる原料を選択使用するわけであります。  一方、畜産経営の動向は、急激な経済の発展に伴い、畜産用地の取得難または環境汚染問題等が深刻化しつつありますが、飼養形態の多頭化、集団化等により、できるだけ経営のコストダウンを図っている次第であります。飼料業界はこの趨勢に対応するために試験研究を重ね、農林省の指導のもとにより一層品質の改善向上に努力している次第であります。  この目的のために、本会組合員は、家畜家禽、養魚の飼養実験を含めた試験研究所五十ヵ所と、また、工場ごとに試験分析室を設け、飼料製造責任者、品質管理責任者等それぞれの専門分野での技術者八百五十名を配置し、原料及び製品の成分、安全性等の検査を実施いたしております。  問題となっております抗生物質、フラゾリドン等の添加物は、農林省の行政指導に従い、主として幼動物のみに使用いたしており、人間の食用に供する肉、卵、牛乳を生産する成鶏用、乳牛、肉牛用には全く使用いたしておりません。肉豚用につきましても、ごく一部を除き使用いたしておりません。その上に、さらに安全性を確保するため休薬飼料を製造しております。また、ホルモン剤は一切使用いたしておりません。  以上、見解を申し述べ、法改正に当たっては細部にわたる御検討を賜り、今後とも畜産物が国民の食糧としての需要を十分満たすことができますよう適切なる御配慮をお願い申し上げる次第でございます。  以上。(拍手)

澁谷直藏自由民主党

○澁谷委員長 ありがとうございました。  以上で参考人からの御意見の開陳は終わりました。     —————————————

澁谷直藏自由民主党

○澁谷委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。今井勇君。

今井勇自由民主党

○今井委員 時間もございませんので、私は政府・与党の立場からきょうの四先生に同じ質問をいたしたいと思いますので、順次御意見をお聞かせ願えれば大変ありがたいと思います。     〔委員長退席、坂村委員長代理着席〕  まず、第一点は、安全性の問題についてでございますが、今回の法では二条等の関係で安全性の確保についていろいろ規定してございます。その諸規定の評価並びに実効を担保するために、先ほどから先生方のお話しがありましたように、試験研究設備体制の強化が必要であろうと思いますが、それについての御所見を承りたいと思います。  第二点は、農民の素朴な要求の中に品質の表示の問題がございます。今回でも品質表示については現行制度よりも一歩進んでおりますが、ここまでやるならば原材料についてもうちょっと細かい表示をしてもらえないだろうかというのが素朴な農民の意見でございます。この表示、法文で申しますと八条、九条でございますが、これについての御意見。  この二点について先生方の御発言の順序に御意見を承れればありがたいと思います。

太田康二協会会長、元飼料品質改善制度研究会座長)

○太田参考人 今井先生の御質問にお答え申し上げます。  まず、第一の、安全性の確保についてさまざまな規定が設けられたわけです。これの法律の評価というお話しでございますが、この点につきましては、私は報告書との関連におきまして種々申し上げたわけでございますけれども、この法律の改正のねらいはそこにあるわけでございます。  先ほど全農の常務からのお話しにもございましたとおり、法の運用に当たっていろいろ実効が上がっていくことが期待される面が多いわけでございまして、実は、われわれの研究会の場におきましても、たとえばいろいろな規格や基準等を決めます場合に、新しく農業資材審議会の場をかりてそこでやられるわけでございますけれども、私どもの議論にもございましたし、これは関係業界代表の御意見でもあったわけでございますけれども、飼料等の安全性の認定とか規格、基準の設定等を審議する機関は社会的に評価された者をもって構成することということで、その委員の選考に当たりましては、これは農林省がやりますとともするとメーカーサイドに偏るのではないか、特に、人の健康の問題でございますから、そういった面で非常に学問的にすぐれた方を資材審議会等の場に入れまして、十分討議の上でこれらの基準等を設定していただきますれば、この法律がねらっておるところの、新しいねらいとしての安全性の確保という面に大きな役割りが果たせるものというふうに考えておりますので、この法律の改正の内容はきわめて適切なものであるというふうに考えております。  それから、第二点の表示の基準とそれに基づく指示等の問題でございますが、確かに農家の代表の方から原料の表示だけではなしに配分内容についての表示もしてもらいたいというような御意見もございました。この点につきましては、先ほど私が一つないし二つの理由を挙げて、研究会としてはとりあえずはそこまでいかなくてもよろしいのではないかというふうに申し上げたのでございますが、その裏側といたしましては、栄養成分量等につきましては当然表示するわけでございますから、それをやれば十分ではないかというような意見があったことは事実でございます。しかしながら、私、その後国会の議論等を伺っておりますと、一つには、企業として非常に努力をなすっていろいろ配分の比率を決められておるというような点もございまして、配分割合を一々表示することはなかなかむずかしいという議論も言われたようでございますが、伺いますと、農林省も必要とあらばこの八条の規定によって配分の割合等についても物によっては何か決めることがあるのだというふうに聞いておりますので、これらの点につきましてはよくそれらの事情を勘案した上で運用なさることが必要ではないかというふうに私は考えております。

藤巻正生東京大学農学部教授

○藤巻参考人 藤巻でございますが、簡単にお答えいたしたいと思います。  第一の御質問に対しましては、先ほど私も申し上げましたように、この法案が実施される場合には非常に有力であろう、特に家畜の生産物、いわゆる畜産物の安全性につきましては、これまで農林省関係の研究機関におかれましてはそれほど十分に当たっておられなかったうらみもあると思いますので、今後この法案の進行とともに研究対象におきましての研究の強化ということが十分に御配慮願えれば幸いだ、と、こういうふうに私は思います。特に、申し上げましたように、この安全性をチェックする方法が日本はもちろん国際的にもまだ十分でないわけでございまして、その安全性を評価する研究もまた当然農林省においてお進めいただきたいという意味で、ぜひこれは強化されるように御配慮願いたいと思います。  それから、二番目の原材料の表示につきましては、私もいろいろ伺っておりますけれども、使用いたします原材料というものは製造する側におきましては十分わかっているわけでございますが、科学的に考えますと、そういう原材料を一々明示されましてもその効果というものは必ずしも十分使用者側に把握されないのではないかと思いますし、もしそういう必要をお認めになるならば、たとえば栄養成分を含めて一種の成分規格を十分おつくりになる方が科学的に正しい。たとえば先生方御承知のように、たん白質一つ取り上げましても、いろいろなたん白質によっていわゆるアミノ酸組成が違う。つまり、栄養価値も違う。こういう必須アミノ酸の含量というものも当然問題になりますし、原材料を一々挙げても使用者側におかれましてはそういうことは恐らく認識できないだろうのが常識でございまして、そういう点では、今後必要とあらばそういう成分規格を決めるという努力をしまして御要望にこたえていくのが科学的な行き方ではないか、と、私はこういうふうに存ずる次第でございます。

永松英二全国農業協同組合連合会常務理事

○永松参考人 第一番目の御質問の安全性の問題につきましては、本法案に盛られている考え方についてはわれわれは賛意を表しております。また、高く評価もしております。ただ、いろいろな技術的な問題、新技術の開発等は時代的、時間的に非常に変化をする面もあるかと思います。したがって、これは資材審議会でかなり濃密な検討をしていただく必要があるというふうに私たちは考えております。結論的には、この運用を間違いますと非常に問題が大きくなりますので、特に最前も申し上げましたけれども、運用については十分関係者の意見を聞いていただいて御配慮を願いたいと思います。  二番目の表示の問題でございますけれども、先ほども私が陳述いたしましたように、結論的には必要にして十分な表示にとめるべきであるし、また、逆に言いますと、必要にして十分な表示はすべきであるということでございます。  現在成分表示をやっておりますけれども、御承知かと思いますけれども、成分を保証いたしまして、その保証すべき成分を何で実現するかということで諸材料を使っておる次第でございます。トウモロコシとか、マイロとか、大豆かすとかいうふうないろいろなものをその成分を実現するために使います。したがって、そのときの入手の難易、価格のいかんによりましてこの原材料について非常に変動がございます。したがって、成分表示を明確に厳格にいたしますれば、原料の方を同時にそれに並行させるということは非常に煩瑣でございますし、また、コストも非常にかかってまいるのではないかというふうに思います。  それから、もう一つは、先ほども話題になりましたノーハウの問題でございますが、これは民間の企業意欲というか、開発意欲をいかに尊重していくかということのために表示の仕方についても配慮を要するかと思います。  それから、先ほど生産者が言っているではないかというふうな御意見がございましたが、確かに私たちも生産者の団体でございますので、そういう生産者の意見は十分聞いております。ただ、生産者においてその結果どういうふうな問題があるのかということにつきましては、まだまだ意見交換が十分にされておりません。それで、すべてを知るということは結構なことでございますけれども、その利害得失がどういうふうになるのだというふうなことを十分話し合いながらわれわれも生産者と接触し、生産者にも必要にして十分という意味を納得していただくという努力をするつもりでございます。

河田四郎協同組合日本飼料工業会会長

○河田参考人 お答えいたします。  安全性につきましては、これは法の改正にもあるとおり、また太田参考人からの御所見にもありましたように最大に重要なものでございますので、これを適切な方法に持っていきたいと存じております。  原料表示につきましてでございますが、先ほど申しましたように、原料の大部分を海外より依存して、国際需給事情により常に輸入する量と価格が変動しておるのでありますが、この影響を受けて、定められました栄養成分を含有するもので適切なる原料を選択して使用することが余儀なくされているわけでございます。表示義務を果たさせることは、コストアップにもつながるわけでございます。また、配合割合は一朝一夕にできたものではなく、各企業、メーカーが長年にわたりましての経験と研究の成果で、また、製品の特徴でございます。いわば企業のノーハウでございます。これを公表することになれば配合飼料の品質改善、向上の意欲が阻害され、今後多額の研究費と労力をかけて新規の研究開発をする意欲をなくするようなことにもなりかねないし、畜産農家にとってはかえって損失じゃないかというようにも考えられます。  さらに、配合飼料を畜産農家が使用する上において相互信頼に基づいております飼料の品質について、販売技術者が畜産農家の使用する家畜の環境等も調査して、実態に合った飼料の有効成分を説明し、納得の上で使っていただいているというのが現状だと私は思います。

今井勇自由民主党

○今井委員 終わります。

坂村吉正自由民主党

○坂村委員長代理 次は、美濃政市君。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 参考人の方には大変御苦労さんでございます。  二、三質問いたしたいのでございますけれども、まず、最初に太田参考人にお尋ねしたいと思いますが、いろいろ委員会でも検討されたようでありますが、安全性という表現を四人の参考人とも同様にされております。この安全性という表現の中で、畜産物について、できたものを人間が食べた場合の安全性だけを考えて粗悪な原料を使えば家畜の体質変調を起こすので、家畜の安全性も考えなければならぬわけだが、それは余り検討されていないというようにお聞きしたのですが、いかがでしょうか。

太田康二協会会長、元飼料品質改善制度研究会座長)

○太田参考人 確かに、安全性の問題で、人の健康を第一に強調したためにさような誤解を受けたかと思いますが、必ずしもそうではないのでございまして、先ほど申し上げましたように、有害物質等を含んだえさが家畜に供与されて家畜に被害を与えるというようなことも当然あるわけでございまして、安全性の問題については、えさを通じて畜産物に、そして畜産物を通じて人体に移行する問題とともに、家畜それ自体に対する問題も当然あるわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 時間が短いですから簡単に申し上げますけれども、私はかって北海道の議会議員だったときに、地元の新得の畜産試験場で粗飼料で試験をしましたが、その試験は、乳牛にゲントコーンサイレージ七〇%と乾草三〇%を供与した場合と、それから反対に乾草七〇%とゲントコーンサイレージ三〇%を供与した場合で、これを十頭の牛で試験しました。ところが、ゲントコーンサイレージ七〇%の場合の牛は四頭空き腹になりまして、六頭しか妊娠しませんでした。乾草を七〇%供与した牛は、一頭が空き腹で九頭まで受胎をしました。そして、その次の年に、その同じ十頭の牛を六月から放牧して、青草につけて、反対の試験をやったわけです。同様にやはりゲントコーンサイレージを七〇%食べさせた牛は、そのときは四頭でなくて三頭空き腹になりましたが、前に四頭空き腹になった十頭の牛は青草で全部受胎しました。  たとえばゲントコーンサイレージは酸がありますが、その酸というものは毒性ではないわけですから、それからできた牛乳を人間が飲んでも人体に影響は起きませんが、毒性ではないがそういうふうに体質変調を起こす。そういう観点から農林省から出ておるこの資料を見ますと、これは困ったものだなと私は思うのです。  先進酪農国の欧州へ行ってフランス、ドイツ等を歩けば、大麦四、トウモロコシ六というのが配合基準で、原則はほとんど自家生産で、自家配合ですね。デンマークは北緯五十度で夏の積算温度が足らぬのでトウキビがつくれませんから、大麦が八〇で、カラス麦、われわれが言えば燕麦ですが、このオートミルが二〇。こんな油かすなんか使っておりません。この農林省から出た資料を皆さんも手元に持っておるでしょうが、トウモロコシが六百三十三万トンで、マイロが三百八十九万トンで、その他植物性油としかも、大豆かすが百十七万トンとそれから米ぬか油かすというように、こういうものの総計で油かす類が三百万トン使われておる。この原料比率で、いま言ったような家畜の体質、生理変調が起きないような配合が本当にできるのだろうか。私はできないと思いますが、だから添加物を入れるのですか。その添加物というのが私にはわからぬのですがね。粗悪な原料を使って添加物を使うということ、これが日本の現在のえさの特徴だと私は思います。  そこで、可消化養分量を表示すればあえて原料割合は表示せぬでもいいんじゃないか。これは私ども畜産農家にとっては了解できないことですよ。話を聞いておっても、もちろん配合割合は多少の弾力は持たすべきだと思いますよ。自分が生産しておる自家生産を先進EC諸国のように自家配合するわけではないのですから、やはり限られた輸入条件もあるでしょうし、いろいろな条件の中で行うのですから多少の弾力はあってしかるべきだと思います。たとえば配合割合を変えたから、それは一%違っておっても承知できないのだというものではないと思うが、しかし、搾乳牛あたりにこういう油かすを多く入れてやった場合に、油かすというものは油ですので、消化が悪いですから可消化養分量も低下する。そして、そのものが体質を変調していく。これは植物性ですから、つくったものが人体に影響する、せぬの問題はそう起きないと私は思います。油かすというのは植物性ですから、それを食べさせた動物から出る肉にしても、牛乳にしても、そんなに人体に悪影響が起きるようなものにはならぬと思いますけれども、動物の体質が変調して、十頭のうち三頭くらい空き腹になったら、これは酪農なんかは大凶作なんですよ。これはものすごくコストが高くなります。農林省が計算しておるように、酪農の面だけ見ても、いま全国で二十万頭近い乾乳牛がおるが、先進諸外国を見ると通例そんなに空き腹はおりません。その差はえさにあると断定して間違いないと私は思います。  えさの劣悪性によって空き腹が多いのだ。その乾乳牛はそっちのけにしてしまって、しぼった牛だけで五千キロしぼっておくのだというコストで乳価が計算されて、三〇%からおる空き腹にかかっておる飼料経費やその他は保証乳価の中から計算上除外されておる。こんなばかなことですから日本の畜産はいつまでたってもコストが高い。こういう問題がえさから出てくるわけです。ですから、もちろん可消化養分量の表示も大切ですが、しかし、原料割合の表示というものは上下五%や三%くらいの差はあることは——ない方がいいけれども、しかし、多少の弾力をつけなければならぬと思うが、原則としてこういう配合割合になっております。原料はこれこれですということを表示する。できない、それをしないということは非常にいけないと私は思います。それでは動物飼育上わからぬですからね。配合飼料になって、粉になってしまっておりますからね。なぜそれをスムーズにやらないかと私は言いたいわけですが、どうでしょうか。

太田康二協会会長、元飼料品質改善制度研究会座長)

○太田参考人 先生の畜産と飼料との関係につきましての全般のお話しを伺ったわけでございますけれども、私もついこの間まで役人をやっておったわけですが、その経験によりますと、たとえば日本の畜産がやや濃厚飼料依存型に偏り過ぎておる。特に、家畜の中で草食性家畜と言われます乳牛とか肉用牛につきましては、もっと草を食べさせていいにもかかわらず濃厚飼料に依存をしておるというような実態があることは御指摘のとおりだろうと思います。そのために繁殖障害等が起きておるというような事例もあろうかと思います。しかし、一方におきまして、豚、鶏等の生産性の向上がきわめて目覚ましかったということは、もちろん挙げて農家の努力にあったわけでございますけれども、配合飼料が果たした役割りも大きかったというふうに私は評価をいたすのでございます。  外国の例をおとりになってお話しが出ましたが、われわれの検討の過程におきましても、外国の場合には畜産農家が自家配合をする場合が非常に多いんだというようなお話しも出ました。しかし、わが国の場合には、現在の畜産農家の実態から言いますと、それぞれのメーカーの完全配合飼料に依存する度合いが非常に強い。添加物につきましては農家の段階で添加をすることがある。したがいまして、その場合には飼料添加物の扱いは当然慎重でなければならないということで、今度の法律でも二条の二の第一項で、「飼料若しくは飼料添加物の製造、使用若しくは保存の方法若しくは表示につき基準を定め、」というようなことで、農家段階の製造とか保存の方法等についても規制をし得る道が開かれたようでございますので、これによって対処ができるのではないかというふうに考えます。  それから、原料の配分割合の表示の問題でございますが、表示の義務の議論におきまして、そこまでやってもらいたいということが研究会の委員の生産者代表の方からお話しが出たことは事実でございます。それにつきまして、各委員の方々の議論で多数を占めましたのは、先ほど来メーカーの参考人の方が御発言なさいましたように、各国からいろいろなえさを入れて配合しており、しかも、時々刻々変わる情勢の中でえさとしての効果を最も落とさないような配合割合に腐心をしてやっておられるという実態もあるわけでございますから、成分量の表示等を十分なさいますれば、それである程度の目的は達成されるのではないかというような意見がございまして、この報告書としては、先ほど申し上げましたようなことで、原料の名の表示だけで配分の内容までの表示は必要ないんではないかというような結論になったわけでございます。  なお、法律の制定の過程におきまして、先ほどちょっと申し上げましたが、八条の表示の義務のところで、「栄養成分量、原料又は材料その他品質につき表示すべき事項」を定めるということになっておるようでございまして、これらの運用によりまして、ここに書いてあるような実態にある飼料につきましては、農林省も必要に応じて何かやられる場合もそういうことを基準としてお定めになる場合もあるというふうに検討をしておると聞いておるのでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 同様の問題で、全農の永松さんと飼料工業会会長の河田さんの両氏にお尋ねしたいと思いますけれども、私は、先進畜産国から見れば原料が非常に粗悪だと思う。しかし、日本の置かれておる現在の立地条件ですから、これはここで自給できないという一つの悩みがあるわけですけれども、たとえを申し上げたように、この現状ではどう考えても繁殖障害がはっきりと起きる。乳牛用のえさがこの現状では確保できない。油かすその他であっても、たとえば卵を取る専門の産卵用の鶏にしても、肥育豚にしても、肥育牛にしても、すぐ肉にして、繁殖を伴っていないものには、日本の現実から見て油かす等がえさになることも一面——いまやかましくここで言ってもしょうがないと思うのですが、そういう点、現在、配合割合の上で十分配慮しておるのかどうか。いま、ここで、現在乳牛用には油かすは一つも使っておりませんということが言い切れるかどうか。その配合の現状というものをお聞かせいただきたいと思います。

永松英二全国農業協同組合連合会常務理事

○永松参考人 確かに先生のおっしゃるとおりで、特に大動物につきましては、われわれもできるだけ自給飼料でいくということで、自給飼料を農家の段階で自作する、また開発するということについては、これは政府からもいろいろな御援助が出ておりますけれども、そういう方向でまず考えております。  それから、そうは言っても現実にカロリーも足らないし自給飼料も足らないというふうな場合に、配合飼料をわれわれは供給しているわけですが、特に肥育用の短期のものと、それから乳廃用の長期のものといいますか、これにつきましてはわれわれもこれまでもいろいろ配慮しておりますし、今後もその泌乳率のいい牛が長くもつような十分な配慮をしていきたいというように考えております。

河田四郎協同組合日本飼料工業会会長

○河田参考人 ただいま御質問の大動物につきまして、わらのあるところ、それから牧草のあるところの牛その他につきましてのことは、われわれの方は大体市販飼料をつくっておりますので、それを買っていただけるお方は——そういうものをおつくりになっている方々は、恐らくそれを十分利用してその上にわれわれのものを一緒に使っていただいておるのじゃないかと思いますが、まあ、都市周辺でおやりになるお方はやはり配合飼料専門でいかれるところもあるかと思いますけれども、その点、牧草とか粗飼料の生産と、それからそれとどういうふうに組み合わせてお使いになっているか……。牛なんかを飼っておられるお方は、飼養管理その他についての御経験も大体において相当ある方が多いものですから、われわれのつくります配合飼料等を適当に勘案されまして御使用をいただいておるのじゃないかと思っております。  それから、配合の問題でございますけれども、先ほどもちょっと申しましたように、その原料にも非常にばらつきが多いのでございます。たとえて申しますれば、トウモロコシ等におきましても、産地によりましてはたん白が六だとか七だとか、多いところは一〇あるということでございます。畜種にもよりますけれども、いまの鶏とか小動物に対しましては非常に厳しい栄養を要求しているんじゃないかと思いますので、そのために、先ほど申しましたようにわれわれとしても非常な努力をしていろいろなデータを集めてその製造をいたしておりますので、いまおっしゃるように養分が五%ぐらい違ってもいいじゃないかということは、大動物等については言えるかもわかりませんけれども、小動物等については、われわれの観点からいきますれば、非常に厳密な決められた範囲内のものでこれを農家の方に供給するという責任があると考えまして現在えさをつくっているわけでございますので、ひとつその辺で御勘弁をいただきたいのでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 いまの河田さんのお話しですが、もちろん初生ひななどは量的にも余り多くありませんし、また本当に弱い初生ひなですから、えさの配合割合は厳格にしなければならぬと思います。私が言っておるのは大動物だけじゃございません。たとえば鶏でも、親になって産卵をする時期になれば、配合割合がそのときの国際価格やあるいは輸入の事情によって多少変わっても対応性はあるわけです。それから、たとえば豚についても、二十キロ以内の初生肥育と二十キロを超えての本格的な肥育になって体力がついた場合とでは、えさの割合等については体力が出てきますから違う。ですから、私が言っておるのは、通例大動物、小動物という区分はないということです。しかし、動物はえさで生理変調を起こすわけですから、その生理変調が起きる条件の動物には、配合割合の厳格性は、私が申し上げておるのは、多少の弾力はあってもいいけれども、可消化養分さえあれば何を食わせてもいいのだでは困るということなんです。動物が生理変調を起こすと受胎をしなくなるのですから、乳牛の場合ですとはらまない牛が多くできる。はらまなければ乳が出ないわけですね。生産することができないわけです。そういう関係にある牛についてはさっきちょっと例を粗飼料で申し上げたけれども、河田さんのお話しを聞いているとそういうところは粗飼料でおおむねまかなっておるのじゃないかということですが、そうじゃありません。北海道地域においては、乳をしぼるのは大体粗飼料が五〇、濃厚飼料五〇です。あるいは都市周辺になると五〇、五〇を上回っておるくらいで、粗飼料だけで牛乳を生産しておるという酪農はございません。全部濃厚飼料、皆さん方のつくる配合飼料を食べさせておるわけなんです。ですから、配合飼料は単に可消化養分だけあればいいのだ、表示はそれでいいのじゃないか、中身は言わなくてもいいのじゃないかということでは困りますよと私は言っておるわけなんです。

河田四郎協同組合日本飼料工業会会長

○河田参考人 えさをつくりますときに、いまおっしゃるように、鶏で申しますと、一番初めに生まれてすぐのときのえさ、それから六十日から百二十日くらいまでたつときに育てるときのえさ、それから卵を産むまでの期間の、いわば大雛と申しますか、そういうようなときのえさ、それから産卵を始めてからのえさ、と、こういうふうに区分けしております。したがいまして、大きくならなければならぬときには、いま申しましたように栄養価の高いものをたくさん入れたものをつくります。それから、相当量体重ができまして余り太らせてはいけないというときには、たん白類を落としましてでん粉質のようなものに置きかえる。それから、卵を産むようになりますればそれに必要な栄養を与えていく。そういうふうに飼料の種類をつくっておりますが、初生用、中雛用、大雛用、成鶏用と、それからまたブロイラーの肉用の鶏のごときは、最初に一週間ないし二週間使うえさ、それから体をどんどん大きくしていくときに使うえさというように大体二種類ないし三種類に分けましてえさをつくっております。豚等におきましても、えづけをするときの子豚、中豚、それからどんどん肥育しなければならないときのえさというものを区別してえさをつくっております。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 次に、全農の永松さんにちょっとお尋ねしたいと思いますが、先ほど、自給体制には全農としても力を入れる、具体的にこれから全中とタイアップすると言われたが、これは可能な限度もございますね。えさの自給には土地という条件が要るわけですからね。だけれども、時間がございませんから地域別その他は別として、どういう方法で自給体制に力を入れていくかということと、もう一つは、遠き将来まではわからぬでしょうけれども、当面の輸入価格の推移とその量の確保ですね。これについてお伺いをいたしたい。  それからもう一つは、私の聞いた範囲では——これは立入検査をして私が証拠をつかんでいるというのではないので、事実に相違しているかもしれませんが、私の聞いた範囲では、えさ会社によっては、特になたねの油かすまでえさにしているという話を聞いているわけですが、なたねの油かすなんかということになると、これはえさとして果たして適当であるかどうか。やはり有機質の、果樹かその他の肥料に使うべき性格のものじゃないかとも考える。しかし、大体使っておるらしいのではないかと私も思うのですが、確証はつかんでおりません。そういうことで、この質をもう少しよくしなければならぬということと同時に自給を高めるということですね。えさの中身が、先進畜産国に比べると非常に粗悪な原料が無理して使われておる。これも日本の特殊性ですから、いまここで私は皆さん方が悪いときめつけるわけじゃありません。やはり、自給できていないという弱さがあると私も理解しますからね。だけれども、先進畜産国に比較すればえさの原料は粗悪なものが使われておる。これを将来直していかなければいかぬだろう。直す方向は、自給の方向と、もう一つは輸入の中でも変えていくという方法だと思うのですが、これについてどういうふうにお考えになっておるか。  私は去年予算委員会等でもこの質問をしたことがあるわけですが、政府は大麦等の買い付けにもつと力を入れたらどうか、役人はどうも商売が下手でだめだということなんだな。だから商社に依存せざるを得ないというのが政府の態度なんだ。ですから、自給の方は農業団体ですから全農からだけでよろしゅうございますが、価格の推移と将来の対策についてどうお考えになっておるか、河田さんとお二人からお聞きしておきたいと思います。

永松英二全国農業協同組合連合会常務理事

○永松参考人 最初の御質問の自給問題でございますけれども、これは農政上の問題が非常に多くあるかと思います。しかし、生産者団体としましてもできる範囲ではそういった方向で努力をしたいということで、過去、もうすでに十年ぐらいになりますけれども、北海道でトウモロコシの開発ができないかというふうなことで、特にそれにつきましては国内でトウモロコシの配合原料としての開発ができないかというようなことでやってまいりました。しかし、これはなかなかむずかしいわけでございまして、一部では定着をしてまいりましたけれども、なかなか面積が拡大できないということで、これは特にコストの問題が大きな問題でございます。  それから大麦の未乾燥の、ソフトグレーンとわれわれは言っておりますけれども、これの開発にここ数年努力をしてまいりました。これは北海道ではなくて少し南の方で、関東以西と申しますか、そういうところでやってまいりまして、これは現在非常にいい結果を生んでおります。したがって、コストもわりあいに合ってまいりましたし、かなり普及ができるのではないかと思います。ただ、残念ながらソフトでございますから、いわゆる長距離の流通ができないということで、われわれとしましては、できるだけ産地を団地化して、その団地の中でそれを小売りをするというふうなことでやっていきたいということで、現在かなり進んでまいっております。  そういうことを含めて、未利用資源もありますが、えさづくり運動というふうなことで、先ほど先生がおっしゃったように生産者の頭をまず自給飼料にできるだけ切りかえていく、特に大中動物についてはそういう方向でわれわれとしても対応していく、したがってえさの供給についても、いわゆる基礎飼料というか、産地でそういう飼料で飼育をやる、それに不足するものをわれわれは供給していく、つまりサプリメントするといいますか、そういうような形でこれからは進めていくべきではないかというふうに考えております。  それから、二番目の御質問の輸入価格と量というお話しなんですが、それの考え方というふうに御質問をとったのですが、現在トウモロコシ、マイロの主原料でわれわれの団体だけでも年間約五百トン輸入が必要になります。まあ、かすも多少ありますが、これをできるだけ実需で向こうの生産者と契約をしていくという形でいまわれわれは進めております。端的に申しますれば、アメリカなりオーストラリアなりの協同組合とこちらも協同組合ですから、協同組合同士の契約をしていくということで現在まで過去十年以上進めてまいっております。これはアメリカ、南米、特にアルゼンチンとそれからオーストラリアあたりでも高く評価されておりまして、今度の備蓄とか規制とかいうふうな問題の場合にも、この契約につきましては向こう側の政府も非常に応援をしてくれておるという現実でございます。  この場合に、価格の問題でございますけれども、向こうも農家ですからできるだけ安定価格で契約ができれば一番いいとは思っているのですが、残念ながら、シカゴ相場に右へならえというふうなことがまだ標準になっております。必ずしもそうではありませんけれども、そういう形で現在数量と価格の問題がございます。  それから、三番目に御質問のなたねかすの問題でございますけれども、これは非常に害になる要素がございまして、日本でも非常にきらわれておりますし、われわれは使っておりません。外国では使っておるようでございますけれども、われわれは使っておりません。  それから、その際御質問の、粗悪なものが非常に出回っているのではないかというふうな御質問でございますけれども、われわれも生産者の立場から見ますと非常に心配をしております。まあ、手前みそになりますけれども、全農のマークのついたものについては、品質管理並びにブランドの保持の問題からそういうものは絶対にないというふうに確信をしておりますけれども、未利用資源という名をかりるといいますか、そういうものが生産者のところへ若干出回っておるということも聞いております。しかし、われわれとしては、それは価格が安くてもかえって非常に問題があるというふうなことで、いろいろなルートを通じて生産者にも、PRといいますか、教育といいますか、やっておるわけでございます。

河田四郎協同組合日本飼料工業会会長

○河田参考人 いま永松さんからも御答弁がありましたけれども、簡単なものから先にお答えいたします。  なたねかすにつきましては、なたねかすを今後使ったらどうだという話がずっと前からいろいろと世間でございます。それから、日本ではなたねかすが現在非常に減少しておりますけれども、カナダとかどこかでなたねかすを盛んに売り込んできておりまして、なたねかすの飼料化ということにつきましていろいろやかましく言われておりますけれども、現時点におけるわれわれの業界といたしましては、これをどれだけ使ったらどれだけの効果があり、どれだけ使ったらどれだけの危険があるというようなことをまだはっきりとわれわれは耳にしておりませんので、非常に危険だと思いますが、全農さんのように、現在では恐らく使っていないのじゃないか、もし使っている人があったにしましても微量に試験的にお使いになっているという程度じゃないかと私は想像いたします。  それから、原料の輸入の問題でございますけれども、これは先生も私たちも本当に頭の痛い問題でございまして、産地によりましては南半球、北半球と収穫時期が違います。それらを勘案し、それからいろいろ世界の情勢等を見まして——持ってくるときの船賃なんかも、アメリカから持ってくるのに七、八ドルで来るときもありますれば三十ドルも取られるときがあります。こういうようなことも勘案しなきゃならない。最近では為替の相場がどんどん変わってまいります。これは非常に大きく影響いたします。  それから、各地のトウモロコシ買い付けにつきましては、現在貿易協定で買っておりますのはタイでございます。毎年輸入業者と使う方のメーカー側と話し合いまして、貿易協定で一定の期間を決めまして買っております。それから、中国から、これはもう十何年になりますけれども、少量でございますけれども年間契約をいたしております。その他のところはほとんど需要買い付けでございます。したがいまして、先ほど申しましたように場所によって非常に内容が違ってまいります。水分の多い問題とか天候その他の関係で割れが多かったり、未熟が多かったりというような問題がございます。これらは私たちが配合飼料をつくる上におきまして大きな問題でございまして、それらをよく勘案して使っているわけでございますけれども、来たときにそれがいいか悪いかわからないときもありますし、規格どおり来るものもありますし、いろいろでございますので、それを確保することにつきましては最大の情報網をもちまして、また手当てをいたしまして調査して買っております。  そういうわけで、飼料の原料をわれわれが手当てをするのは大体三ヵ月から四ヵ月先のものを買っていかないと、来るのに大体一ヵ月半くらいかかって参りますから間に合わないわけでございます。そうすると、先物を買っておきませんと、もし仮に船の都合とかいろいろな問題で来ないときには、われわれとしましては生き物を後に控えておりますので、どうしても相当の危険をわれわれは負担いたしまして手当てをいたしております。これは私が言うのははなはだ口幅ったいのでございますけれども、過去五十年の飼料の歴史を持っておりますけれども、メーカーで、えさの原料を切らして家畜にえさをやれなかったというメーカーはいままでかつてないのでございます。そのようにわれわれメーカーといたしましては配慮をして手当てをいたしております。  それで、その手当ての先行きにつきましては非常にむずかしいわけで、いまの天候の問題とか、それからよそが突然買ってくるんじゃないかとか、買われたとか、それの後になりましたら高くなるとかいうことで、自由貿易でございますので、そういう点につきましてわれわれは全く夜もまくらを高くして寝られないような時期もありますので、考えると自分の身上は今晩飛んでしまったというようなこともないとは言えません。そういうわけで今後もその原料手当てにつきましてはわれわれ全力を尽くしまして、各企業がそれぞれ自由に買っておりますが、先の見通し、それから現在の時点ではアメリカの収穫、それから年度末の繰り越し、それから新年度の収穫というもの等をいろいろ調査しておりますけれども、現在のところでは輸入原料につきましてのわれわれの見通しというものは全くついていない。しかしながら、高くても安くてもわれわれの系列におりますところの鶏、牛、豚は殺してはならないということで、現在でもその手当てをいたしております。  したがいまして、現実にいま困っておることは、この前は高いところのやつを買っておりまして、それがいまはだんだん下がってまいりまして、高い原料をたくさん手持ちして、現在それを消化しなくちゃならないという事態で、売れ口がとまればそれは置き場も困るというようなことで、事実現在そういう問題で当惑している事態がございます。  そういうわけで、お尋ねの見通しにつきましては、われわれはぜひそれをキャッチするべく、外商、商社それから自分みずからも産地に調査陣を出しまして、あらゆる方法をもって収穫だとかいろいろな問題の調査をいたしておりますが、現時点におきましては、先行きこの飼料が安くなるんだろうか、それからわれわれが買うのにどれだけのものが確保できるんだろうかという点につきましては、企業はそれぞれの企業努力によってやっておりますけれども、なかなかむずかしい問題だと存じまして、はっきりここでお答えすることが私はできないわけでございます。あしからず御了承いただきたいと思います。

坂村吉正自由民主党

○坂村委員長代理 次は、柴田健治君。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 参考人にお尋ね申し上げます。  まず、太田参考人にお尋ねしたいのですが、私たちは今度の法案を審議する過程の中でいろいろと疑問を持っているわけです。まず、家畜にも大家畜、中家畜、小家畜といろいろ種類があるし、特に鶏、豚、乳牛、和牛に重点を置いて私たちは飼料の品質に非常に関心を持っておる。そういう立場から言って、添加物を使わなければならぬ理由というものがよくわからない。添加物、添加物ということで規制をしながら、そして品質を改善しながらなぜ添加物を使うんだという、こういう添加物利用の基本的な理由がよくわからないので、その点の考え方をちょっと聞かせていただきたいと思います。

太田康二協会会長、元飼料品質改善制度研究会座長)

○太田参考人 添加物につきましては、先ほど来申し上げておりますようにすでに使われておりまして、飼料公定書によってこれを規制をしておるという実態であったわけでございますが、なぜ飼料添加物が使われたかということにつきましては、確かにメリット、デメリットがあることはおっしゃるとおりであろうと思いますが、現実の問題として、飼料の変質の防止のこととか、栄養成分、特に微量栄養素分の追加補給の問題とか、あるいは家畜疾病の防止等に飼料添加剤の果たす役割りが非常に大きいこととか、そういったメリットもあるわけでございますから、その種類とか使用方法とか使用量のいかんによってはもちろん問題もあるわけですが、十分にこれらに対する手当てを講ずることによってやはり使用を認めるべきではないかということで、規制を法律上の制度として整備して認めるという報告をいたしたのでございます。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 銘柄がどんどんふえて、現在登録、未登録を含めて四千八百種類ほどある。この四千八百種類もまだその上ふえる要素がある。こういう銘柄がふえる根拠は、そういう添加物を使うことによって銘柄がどんどんふえていくんだろうという気が私はするわけですね。  そうすると、消費者である農民の方は、本当に中身を勉強してこの飼料を与えるとどうなるかというような研究がおろそかになる。それから飼育管理者である農民の勉強不足からくるところのいろいろの弊害、つまり、先ほど美濃委員が言われましたような、日本の場合には死産、流産、妊娠障害というものが減っていない。なぜ減らないかという理由は、そういういろいろな添加物を使った銘柄の濃厚飼料がいろいろな災いをしているのではないかと思う。御承知のように沖繩から北海道まで日本列島は気象条件が皆違うし、粗飼料の給与率も違うし、そしてまた水も違う。水の質もアルカリ性のところもあれば、鉄分のあるところもある。そして、水で溶解させていく飼料についてはいろいろな変化を起こしてくるというように、地理的条件、地域においてもろもろなものが変わっておる面も考えなければならぬ。  そういうことから考えたときに、余り添加物を使うと変なことになる、そういう障害を起こしてくるということをわれわれは常日ごろ考えているわけです。こういう添加物を使うことによって銘柄がどんどんふえる。この銘柄のふえることによって農民は非常に迷いを起こしている。こういう弊害があるとわれわれは思っているのですが、そういう弊害があるかないか、太田参考人、ひとつ見解を聞かせてください。

太田康二協会会長、元飼料品質改善制度研究会座長)

○太田参考人 飼料添加物の使用を認めることによって銘柄が非常にふえたのかどうかという実態につきましては私は必ずしも明らかでないわけでありますけれども、確かに、御指摘のように、飼料添加物を使用することによりましてのデメリットがあることは研究会の場でもずいぶん議論されたわけでございます。しかし、先ほど申し上げましたように、全体をながめてみますとデメリットよりもメリットの方がやはり大きい。しかし、デメリットも伴うものでございますから、その使用規制等については十分な配慮を加えた上で使用を認めるべきであるということに相なったのでございます。     〔坂村委員長代理退席、委員長着席〕  飼料の数が非常に多いということにつきましてはいろいろ問題があろうかと思いますが、飼料添加物の使用が飼料の種類を非常に多くしたかどうかについては私は必ずしもつまびらかにしないので、ちょっとお答えいたしかねます。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 同じ質問ですが、藤巻参考人はどういうお考えを持っておりますか。

藤巻正生東京大学農学部教授

○藤巻参考人 簡単にお答えいたしたいと思いますが、先生の御指摘のように、勉強不足からくる弊害があるということ、こういうことがたとえば一つの添加物についてもまつわっているということはある程度心配されることがあろうかと思いますが、これは反面から考えますと、添加物の効用がかなり大きいということがある意味では災いしているかとも考えられるわけであります。  添加物についてメリット、デメリットがあるということもいまお話しが出ましたけれども、添加物というのは食糧の場合でも基本的には大体同じだろうと思いますけれども、まず第一番目に安全性の問題が確保されなければいかぬということと、それに基づいてさらに効用が十分であるということが立証されなければいかぬという点で、添加物はそういうものが保証されれば、その必要性は、ことに日本のような環境においてはある程度必要であろうというふうに私には考えられるわけであります。  しかも、飼料の場合にそれではどういう添加物が必要かということについては、今後の農業資材審議会の専門部会とか、そういうようなところで科学的にもう一回洗い直す必要があるというふうに私は考えております。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 それぞれの方が資材審議会に大きな力点を置いて、これを絶対信頼して、この資材審議会の活動によって適正な飼料供給体制ができるのだということを言われたのですが、この法案の文章から見ると私はそうはとっていない。これはこの資材審議会という会にもう少し手足となるものがあるのかないのかという問題があるのですね。その手足がこの法案によって完全にできるというふうに参考人の立場としてお考えになっておるのかどうか。太田さんと藤巻さんにお尋ねしたい。

太田康二協会会長、元飼料品質改善制度研究会座長)

○太田参考人 先ほどの報告書の内容の御説明でも申し上げたのでございますが、資材審議会に今度の規制についての基準等が諮問されまして、資材審議会で判定が下されるわけでございますが、それは二条の二の基準、規格なんかについてもそうでございますし、八条の表示の義務なんかについてもそうなっておるわけでございますが、そこで審議される場合には、十分これらを裏づけるバックデータが国の試験研究機関で実施されているものは当然国の試験研究機関から出されるでございましょうし、それぞれのメーカーの機関から研究されているものも出されると思いますが、伺いますと、農林省としてはメーカーの試験研究機関でやったものはにわかに信頼するわけにはいかないので、やはり第三者機関による信頼すべき実験データをバックデータとして審議をするということを期待しているようでございます。  現に私どもの報告書にもそういったことが新飼料等についてうたわれておるわけでございますが、そういった客観性のあるバックデータを得たものが当然現実に認められていくものであるというふうに思うわけでございまして、そういった十分なデータのないものが認められて使用されるというような事態はなかろうというふうに信じております。

藤巻正生東京大学農学部教授

○藤巻参考人 先生の御指摘のこの審議会の手足ということは、私なりの理解では、農林省におきますところの研究体制の強化というところでその手足の充足があるというふうに考えたいと私は思いますし、日本の実情から申しまして、これに各国立大学、私立大学等の研究機関が協力することが望ましいと考えております。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 配合飼料の原料は輸入に頼っておるというのが現実の姿ですが、この輸入原料に対する品質の検査、調査というか、そういうものが十分なされておるんだろうかどうか。たとえばトウモロコシにしても、マイロにしても、同じトウモロコシでもそれぞれの国によって成分というか養分が違っておると思うのですね。国内でもそうです。同じ米と名前がついておっても養分がいろいろと違う。そういう原料の養分なり成分の検査が十分されておるのかどうか。それによって国内でそういう添加物を使って配合飼料をつくり出していく。そういう場合に、基礎的なものが狂っておると大変なことになるのじゃないかという心配もあるわけですが、そういう点で、輸入原料についてもそういう養分または成分の検査がいま十分されておるんだろうかどうか。その点参考人の立場からの見解を聞いておきたいと思います。太田、藤巻両参考人にお願いします。

太田康二協会会長、元飼料品質改善制度研究会座長)

○太田参考人 えさの数量が非常にバルキーな数量に上っておりますので検査が大変なことは言うまでもないわけでございますけれども、メーカーの方といたしましては、当然品質の保証ということで製品をつくっておられるわけでございますから、原料を入手されました場合にも、当然それ相応の品質管理をして製品化しておるというふうに信じております。  なお、製品等につきましては、御承知のとおり、国なり県の飼料検査所あるいはこれらと類似の機関がそれぞれ立入検査あるいは抜き取り検査等によりまして検査をいたしておるのでございまして、これらを通じて十分——まあ、十分という意味がなかなかむずかしいわけでございますけれども、それぞれの立場立場で行われておるというふうに考えます。

藤巻正生東京大学農学部教授

○藤巻参考人 先生がただいま御質問になられました輸入原料の品質がたとえばロットごとに違うであろうとか、そういうことはある程度考えられるど思うのでありますが、それをいかにチェックしているかは、大変恐縮でございますが、私はつまびらかにいたしませんけれども、そのゆえにこそそういうものを原料にしてつくられたもの、たとえば一つの例で申しますと配合飼料というものの成分規格が設定されており、そういう成分規格の設定とか、そういうことによりまして原材料の品質というものが当然チェックされて使われている、こういうふうに私は考えておりますので、成分規格の設定というところでそういうことが充足されているというふうに考えたいと思います。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 この条文から見ますと成分規格というものが明確でないのです。いま藤巻参考人からもろもろのものの原料の成分規格の設定ということについても言われましたが、私はこの成分規格を明確にすべきであると思うのですが、これはそういう成分規格を明確にするという条文ではないという気がするのです。  その点について藤巻参考人にもう一回見解を聞きたい。

藤巻正生東京大学農学部教授

○藤巻参考人 現段階でこの成分規格が十分であるかどうかということは、一つは現在の学問的な結果の水準にもよると思うのでありますが、一応この法案に盛られているところの成分規格というものはかなりよろしいことであるというふうに私は考えております。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 全農の永松さんと工業会の河田さんにお尋ねしたいのですが、先ほどの美濃委員の質問のなたねかすを使っておるかどうかということですが、農林省の畜産試験場が昭和四十八年二月に出した「改訂飼料成分表」を読んでみると、油かす類の成分表が皆出ているわけです。アマニかす、カポックかす、ゴマかす、サフラワーかす、大豆かす、なたねかす等の抽出と圧搾と、それからニガーかす、パーム核かす、ヒマワリかす、綿実かす、ヤシかす、落花生かすというように成分が出ておる。こういうように農林省みずからそれぞれの成分の率を出している限りは、いろいろの面で使っておるということを判断しなければならぬ。  それで、日本にいま五百五十三社ほど製造業者がある。五百五十三社で、いまの検査体制は農林省なり都道府県に委嘱している。この検査が十分に行われておるかどうか私たちはちょっと疑問を持っておるんですが、こういう農林省が出しておるいろいろな品種の成分を見ると、全然使っていないということは考えられない。全農は使っていないかもしれない。特に、全農連、日本配合、日清製粉、日本農産、協同飼料、大洋漁業、菱和飼料、東急エビス、昭和産業、アミノ飼料というような大手十社について、それぞれの農家がいま使っておる飼料の表示がなかなか不明確な点があって、私たちは十分知らないのですけれども、農林省が出したそれぞれの成分が出た限りは使ってもいいという判断に立っておるのではなかろうか。いまの飼料メーカーの社会的責任というか、道徳的責任というか、そういう責任の度合いをそういうことによって考えた場合には、売れるやつは何でもつくって売ろう、どんな方法でもやれということになる可能性はある。  私たちは、乳牛の面でも、分娩二ヵ月前からどういうえさを与えていくか、そして生まれたらその子牛というか、哺乳牛というか、保育牛というか、そういうものに一週間の間にどういうえさを与えていくか、また、幼齢期と言われる三ヵ月間の間にどういうえさを与えていくか、六ヵ月まではどういうえさを与えていくかというように、こういうものについていろいろ試験をし、そういう指示はやっておる。それをやった場合に成功しておる例もあるし、不成功の面もあるが、そういうことを考えたときには、やはりえさの中身というものがいろいろな複合的その他の変化を起こすのか、また、持っている牛の体質なり、あるいは肥育管理なり温度調節なりというもので影響があるのかというような総合的な研究というものがまだまだ農家では十分なされていない。そういう弱さがある。要するに、肥育管理体制の弱さというものがある。そういうものにいま配合飼料でいろいろな銘柄をつくってどんどん供給していくということはメーカーの方もお互いにもう少し考えなければならぬのではないかということを私は考えておるわけです。  そういうことで、全農の永松さんと工業会の方の河田さんがいまの現状で十分に責任を果たしているかどうかという立場から、この法案に対して、今後安心して農家が使えるようなえさを責任を持って供給していくという自信があるかどうか、見解を聞いておきたいと思います。

永松英二全国農業協同組合連合会常務理事

○永松参考人 三つばかり御質問があったと思うのですが、最初のなたねかすの問題ですけれども、農林省の許容されている範囲と、それからわれわれが実際に農家の生産を考え、またそこから出てくる販売物と、これの消費者への対応と、それを消費がどう見てくれるかというふうなことを考えた場合に、われわれとしてはその範囲内でえさ、飼育方法、流通等を考えてやっておりますので、先ほど申しましたように、なたねかすについては、これはよくない要素がほかのかすと違いましてあります。したがって、使っておらないということでございます。  それから、検査体制の問題につきましては、われわれといたしましても、今度法律が改正になりますればなおさらでございますが、国の施設としましては肥飼料検査所が六ヵ所しかなく、人員は承知しておりませんけれども、体制は非常に不備だというふうに思っております。したがって、われわれといたしましても、われわれの立場から言いましても、充実をしていただきたいということにつきましては先ほど陳述を申し上げたとおりでございます。  それから、農家の段階での総合的な研究なり知識なりがまだまだ不十分だという問題と、先ほどのお話しの銘柄が非常に多くなってくるという問題と、問題が非常に絡んでおりますけれども、まず、全農といたしましては、いろいろな新しい技術も開発されますし、農家が知識を大いに持ってもらわなければ困るし、また、それを持っていない農家が使われるいろいろな飼料も安全である必要があるというふうなことから、すでにもう七、八年になりますが、茨城に中央研究所をつくって、えさの安全性についてといいますか、そういう検査体制を厳格にやっております。ここの年間の経費だけでもいま八億円以上かかるというふうな非常な投資になっております。  それから、銘柄の問題ですが、そういった中で銘柄が非常に多くなってくるということにつきましては、これは非常によくないといいますか、好ましくないことだというふうに私たちも考えております。したがって、指導といたしましては、先ほども成分の問題が出ましたが、同じようなえさ、それから同じような段階で使うものにつきましてはできるだけ統一をしていく。このことは農家の技術の問題も非常に影響しているのですが、そうなれば、たとえば素畜も統一されてくれば、できてくる畜産物も規格が統一されるというふうな利点が出てまいりますので、われわれといたしましても、銘柄につきましては極力減らすということで多少の実効は上がってまいっております。  そういったことが先ほどの成分表示とそれから原料との関連になるのですけれども、原料が非常に浮動している中で、また、農家の知識がそういうふうにまだ十分でないという中で、原料の名称だけで農家がそれにいろいろと自分のところで添加したり何かするということの危険性も非常にございます。  したがって、銘柄がふえるということは好ましくないので、農家の知識が向上するということと同時に、その向上を待ってそういった問題をわれわれとしては順次改善をしていくというつもりでやっております。

河田四郎協同組合日本飼料工業会会長

○河田参考人 お答えさせていただきます。  順序不同になるかわかりませんが、銘柄の点でございますが、われわれメーカーといたしましては、なるべく銘柄を少なくすることによりまして工場の操作が簡素化してまいります。したがいまして、原料その他につきましても、いろいろと使用するのに便利があろうと存じまして、銘柄が少なければそれだけコストダウンにもつながるのではないかと思っておりますから、われわれ業界といたしましても、メーカー側といたしましても、極力必要になるものだけにして、銘柄を少なくしていきたいというのがわれわれの考えでございます。  それから、先ほども申しましたように、なたねかすその他のものについては、大体大豆かす以外には余り多く使っていないと思います。とにかく、なたねかすにつきまして特に指摘がありましたので申しますけれども、先ほど申しましたように、恐らく使っておらないというように私は考えております。  それから、原料を入荷したときのチェックでございますけれども、これは非常に厳重なチェックをいたしております。各メーカーごとによって方法その他はいろいろ違うかもわかりませんけれども、しかし、大体におきまして、原料が入ってまいりますれば、それに対して、量目等につきましても、ショートした場合にはそれはコスト高につながりますし、そういう検量の問題と、それからサンプリングをしてその適合検査をいたします。物理検査、化学検査、細菌検査等のいろいろな角度から、先ほど冒頭に申しましたように専門の要員を持っておりますので、その機関を通じまして専門員を動員いたしまして、原料にいたしましても、製品にいたしましても、その責任体制を整えましてチェックをいたしておりまして、不良その他によりましての生産者方に御迷惑をかけるようなことは、現在のわれわれのメーカー、生産者側との関係からいきますれば、どうしても生産者側の採算性の合った有利な飼育をしてもらわなければわれわれのえさ代がもらえない、また買ってもらえないということになりますので、非常に慎重に、皆様の御満足のいくような万全の策を講じてチェックをいたして、監視、監督をしているということを申し上げます。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 もう時間が来ましたので、簡単に全農の永松さんにお尋ねしますが、先ほどの御発言の中で現実論と理想論という言葉をどういう意味で言われたのか、余り理想論ばかり言うなという気持ちで言われたのかどうかわかりませんけれども、私たちは、あくまでも畜産事業は第一次産業だという位置づけをしているわけですね。第一次産業なら第一次産業らしくやっていかなければならぬ。それがいまや日本の場合は畜産はもう第三次産業だ、加工業だと言われる。農民の中からそういう声が出ておる。それはなぜかというと、えさは全部購入飼料だというところに問題がある。それから、自給飼料体制をどうつくっていくかということが今後の日本の国民の政治課題でもあるし、また、農林省もそういう方向でやってもらわなければいかぬ。  私たちは、配合飼料や濃厚飼料はあくまでも極力原料輸入を抑えて国内で自給していくという施策を強力に進めたいために、添加物を使って化学飼料というようなものはなるべく排除していきたいという考えを持っているから、この法案の審議の過程でもいろいろ申し上げておるわけです。そういうことで、現実論と理想論という言葉を使われたから、それはどういう意味で言われたのか、その点の見解を聞いておきたいと思います。  それから、あわせて単味飼料の供給体制なんですが、農民の方はこれを強く要望している面もあるわけですが、これからのそういう単味飼料の供給体制というものについてどう対応していかれようとするのか。  以上の二点だけお聞きします。

永松英二全国農業協同組合連合会常務理事

○永松参考人 いまの御質問の現実論といいますか、理想論といいますか——理想論ではなくて、特に大動物等については、先ほど御説明申し上げましたように、自給飼料化の方向へわれわれとしても努力をしておるという現実でございます。しかし、将来どういうふうな方向へそれを持っていくのかということは先ほど申し上げたつもりでございます。  単味飼料につきましては、いま自給飼料化の方向の中で非常に要望もございますし、非常に好ましいことだというふうに思っております。ただ、単味飼料を供給するという手はずが、制度的にもいま非常に欠陥がございます。たとえば税法上の問題でも、単味については税がかかるとかいうふうに非常に問題がございます。われわれとしましても、できるだけ農家の技術が向上するということとと同時に、そういった単味といいますか、それの供給をふやしていくというふうにしたいという考え方でおります。

澁谷直藏自由民主党

○澁谷委員長 中川利三郎君。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 全農の永松参考人にお聞きするのでありますが、まず、全農のよって立つ基盤は農業協同組合法だと思うのですね。したがって、全農がいろいろとおやりになる事業もそういう精神に立脚しているものだと思います。つまり、一人一人の農民は非常に弱い立場でありますが、これが団結いたしまして、現在農業にいろいろな面で障害を起こしている資本の攻撃に対して太刀打ちしていこうじゃないかという考え方の基礎の上に全農の事業が位置づけられているのだと私は考えておるわけでありますが、この点についての永松さんの御見解はいかがでしょうか。簡単で結構です。

永松英二全国農業協同組合連合会常務理事

○永松参考人 おっしゃるとおりでございます。全農の立場はあくまでも農家、生産者、しかも経済的に弱い者の結集であるということはおっしゃるとおりであります。ただ、問題は、全体の経済が進んでいる中でそういう集団がどう闘っていくかということに非常に問題がございますので、全農もそういう姿勢でやっておるということを御承知おき願います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 いま問題になっております配合飼料の割合の公表ですね。この問題については私もこの前の委員会で申し上げたわけでありますが、これはもういまの生産者、農民の欠くべからざる要求になっておる。技術水準あるいは経営意欲という面から見ましてもどうしても配合割合を公表していただきたいというのが一般の農民の声であります。これは理想論でなくて現実論でそうなっておるわけでありますが、特に、先般私が調べましたある県の昭和五十年四月の調査によるところの飼料品質改善実態調査の結果では、「飼料の品質が低下したと思う人」というアンケートをとったところ、千羽以下の採卵鶏の場合は五〇%の人が「低下した」と答えておる。三千羽以内の人は三〇%、三千羽以上の方は四〇%が同じような答えをしておるのですね。繁殖豚の場合でも三九%、肉用牛の場合は六六・六%の方々が「飼料の品質が低下したと考えている」という答えをしておるのですね。「低下したと思われる理由は何だ」「なぜあなたはそういうことに気がついたのだ」ということのお答えには、産卵だとか肥育、成長、乳量率低下というものがほとんどなんです。そして皆さんがひとしく言っておることは、「配合の割合を公表していただきたい」ということをおっしゃっておるわけであります。  そこで、私はお聞きしたいのですが、全農は農民のよって立つ農業協同組合法によるところのそういう性格を基本的にお持ちになっていらっしゃるのだが、農民の要求に対してなぜ全農は配合割合の公表に踏み切っていただけないのだろうか、なぜおれたちの全農はそうなんだろうかという声に対して基本的にいかがお考えであるか。簡単でよろしゅうございますから、御返答いただきたいと思います。

永松英二全国農業協同組合連合会常務理事

○永松参考人 農民の要望があることは、先ほどからお話し申し上げておるとおり承知しております。ただ、要望の内容並びに要望に対するこたえ方について、農民が逆にデメリットにならないような方法でわれわれはこたえる義務があると思います。全農の立場は先ほど申し上げましたが、われわれとしてはそういう姿勢でやっております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 農民のデメリットにならないようにという非常に抽象的なお答えでございますが、現に配合飼料についてそういうような意欲がある農民の方々にとってみますと、お仕着せの、自分の工夫も要らなければ考えることも要らないようなそういうものでやってこられると、そういう状況の中で畜産が本当に発展するだろうかと懸念せざるを得ない。  現に最近の品評会なんかを見ましても、一等賞、二等賞、三等賞、四等賞ぐらいまで、自家配合によるところのものが大変優秀な成績をおさめておる。私は秋田県でございますが、秋田県でも天皇杯をとった方は自家配合なんですね。そういう方からいたしますと、配合割合を公表してもっともっと農民の経営意欲を発展させてやろうということが全農の役割りじゃなかろうかと私は思うのですが、それをやるとどのようなデメリットがあるのでしょうか。

永松英二全国農業協同組合連合会常務理事

○永松参考人 最前から申し上げておりますように、自給飼料でいくということが一番好ましいことでございます。また、それを使って十分に効率を上げるべく農家の技術を向上するということもわれわれの義務でございます。しかし、一般論から言いまして、それではあしたからすぐに全生産者がそういうことでいけるかといいますと、非常に問題点がございます。したがって、それを検討してみますと、やはり成分容量というものを明示し、少なくともそれは農家にははっきりしておるという中で畜産をやってもらうということで十分である。  では、デメリットとは何かということの御質問ですけれども、最前からこれも申し上げておりますけれども、原料の品質問題について先ほど御質問がありましたけれども、品質につきましても、同じトウモロコシでも変わってまいります。それから価格も変わってくるというふうなことで、トウモロコシとマイロはまた価格の差が出てくるというふうな変動もございます。したがって、それらを一つずつ一回ずつ表示をする。また、逆に言いますと、不十分な表示では不満足であるし、非常に問題が多いということを考えますと、いまの段階では表示はあくまでも成分表示で必要にして十分であるというふうに考えております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 私は何も自給がたてまえだから自給を全部やりなさいということを言っているのじゃないのです。皆さんのお仕着せと言えば言い過ぎでありますが、配合飼料でやる人はやって結構じゃないですか。しかし、おれは自家配合でやりたいという人もいるだろうし、その中でまた配合をいただいておる方でも、うちの牛や豚はこの規定でやっていけばもっと太るはずなのにおかしいじゃないかという研究をする人もいるだろうと思うのです。いろいろなケースに従って需要があるのは当然でありまして、そういう面で、自家配合がいいからといってもあしたから早速に切り変えることはできないのだという一面的な論法では論法としてもどうも成り立たないのじゃないだろうかというふうに私は思うわけであります。  したがいまして、私がお聞きしたいことは、全農さんがそういう立場であるならば、系統の農民といいますか、系統の農協といいますか、そういうものに対しては、これから配合表示の意向があった場合にはこれを表示することに少なくともやぶさかでないという姿勢がおありなのかどうか、この点をお聞きしたいと思うのです。

永松英二全国農業協同組合連合会常務理事

○永松参考人 われわれもえさの流通に携わっておりますので、生産者がどういうふうにそれを使っているか、どういうふうにそれが生産のためになっているかという研究もいろいろしておりますし、また、話し合いもしております。そういう中できょう現在においてはこういう原料でこういう成分をとっておるというふうな話し合いは、これは研究として十分やっております。しかし、商品として流通していく場合にはコストも非常に低減させなければならぬし、先ほどもノーハウというお話しがありましたが、そういうメリット、デメリットを考えますといまの表示で十分であると思います。  われわれも生産者の団体でございますから、いま先生のおっしゃるような研究、話し合いは生産者と十分いたしてもおりますし、これからもいたすつもりでおります。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 自分の系統農協に対しても、そういう御要請にはいろいろなノーハウの関係等があってなかなか言うことはできないのだ、しかも、いまの成分量で十分なんだと言われるが、その十分だという御判断は何を基礎にしておっしゃっているのか、私はよくわかりませんが、最近の「酪農事情」という雑誌などを見ますと「自家配合のすすめ」という特集号を組んでいますね。いろいろなかっこうで配合をわれわれに表示せよということは天の声だ、地の声だ、自分たちの経営意欲をもっと発展させ、生産を発展させたいのだ、畜産を発展させたいのだという、こういう生産農民の要求にこたえるのが少なくとも全農の姿勢だと私は思うわけであります。  そこで、ノーハウがあるとおっしゃいましたけれども、ノーハウについてお聞きしますならば、五月七日の日にあなたの部下の全農の責任ある方が私の部屋へ三人ばかり見えまして、全農としてはノーハウはそう大した問題ではないんだ、全農が問題にしているのは一つは需給事情なんだ、もう一つは検査ができなくなるからだ、と、このことを口を酸っぱくして大変力説してお帰りになったわけでありますが、いまあなたのお話しを聞きますと、同じ全農の責任ある立場にいながら、ノーハウがあるからそうなんだということが一つの理由になっているわけです。一方の五月七日に私の部屋を訪れた全農の方は、ノーハウは全農としてはほとんど問題にしておらないとおっしゃっている。これでは私たちは非常に迷うわけでありまして、何が本当の全農の腹の中なのかわからない。また、全農の指導体制は、課長、参事段階ではそういうことになっておって、常務理事さんの段階になればそうなるというふうにちぐはぐなものなのかどうか。この点について責任ある御答弁をはっきりお聞きしておきたいと思うわけであります。

永松英二全国農業協同組合連合会常務理事

○永松参考人 先ほど先生のおっしゃるとおりで、検査の時間が非常にかかってできるものとか、非常にやりにくいものとか、原料の表示をいたしますといろいろと中身が出てまいるかと思います。そのことを私たちの係が先生に申し上げたんじゃないかというふうに思います。  それから、ノーハウのとり方の問題ですが、非常に厳密な意味でとれば非常に極秘ということになるかもしれませんが、価格の契約の仕方とか、買い方とか、それからどういう原料を使っておるかとか、広くとりますと、われわれがいろいろ努力しておる結果が外にそう公表できないという面が多分にございます。  一番初めに先生が私に御質問になった全農の姿勢はという中で私が回答として申し上げたとおりで、全農といえどもこういった競争場裏の中で仕事をやっております。国内はもちろん、外国との畜産物は、特に外国との値が同じでございますので対外的な競争の問題もあるというふうな中での仕事でございますので、すべてを公表するということには限界があるというふうに思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 全農といえども競争場裏にある、したがって公開するためには限界があるというお話しでありますが、限界があるということは、一部ならよろしいのかどうかということです。私が先ほど系統農協なり農民に対してはいいのかということを聞いたら、それはだめだというお話しだったが、そうすると限界の範囲は一体何か一限界があるということで実際何もやらないということなのか、そこら辺が一つ問題だと思いますが、これはあとでお聞きします。  そうすると、あなたの論法でまいりますと競争場裏に全農といえどもあるわけでありますが、メーカーが公開した場合はどうなさいますか。全農はその後におくれてついていくというかっこうになると思いますけれども、もしそういう事態が起こったならば全農としてはゆゆしい責任問題が起こるだろうと私は思うのですが、この点はいかがでございましょうか。

永松英二全国農業協同組合連合会常務理事

○永松参考人 これは先ほど申し上げましたように競争場裏でやっておるわけでございますので、これは公表の仕方もあるかと思いますけれども、メーカーが公表した段階で、それはそれでわれわれとしてはまた配慮しなければならぬというふうに思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 少なくとも全農は農民の団体である。五千五百万農民のそういう基礎の上に立っている団体がメーカーよりも後発で、メーカーが発表したらその段階で考えるということが全農の姿勢として適切かどうかということですね。私がお伺いしたいのはそこなんです。  メーカーによっていろいろあるでしょうけれども、たとえば中部飼料という会社がございます。これはメーカーでございます。このメーカーは非常に限定されたものでございますけれども、中部飼料では、肥育豚の後期について、たん白一四%物について、トウモロコシが三〇%、マイロが四〇%、大豆油かすが一〇%、ふすま五%、その他一五%ということを公開しておるわけであります。そのほかにもあるわけでありますけれども、これは農民の間に大変好評を博しておるということを私は聞いておるのでありますが、これについての御見解をお聞きしたいと思います。

永松英二全国農業協同組合連合会常務理事

○永松参考人 先ほど公表の仕方の問題というふうに申し上げましたが、たとえばわれわれがそういう表示をした場合に、それがいつまでそのとおりにいくかどうかというふうな問題がございます。先ほども言いましたように、輸入の実態、世界的な条件の変化によってその内容が変わってまいります。そういったことを考えますと、いまの段階ではメリットよりはデメリットの方が非常に多いという解釈でおります。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 どのような方法でそれは公表したのかということですが、これは私が知ったのはチラシで知りました。愛知方面にメーカーのチラシがずっとばらまかれているのです。いずれにいたしましても、全農としては、メーカーが何かをやっても、いまのこの段階でもそれを十分キャッチなさらないだけでなくて、しかもみずから進んで何もやろうとしない。そういうことを私は非常に残念に感じ取ったわけであります。  そこで、最後にお聞きするわけでありますが、しからばこういう状況の中で農民の方が、全農さん、何らかの方法でおれのやつを知らせてくれないか、何とか公表してくれないかと個人が言った場合に全農さんはお答えしますか。それも答えてくれないのですか。いかがでございますか。

永松英二全国農業協同組合連合会常務理事

○永松参考人 公表という言葉の解釈の問題でございますが、先ほど申し上げましたように、特定の農家と特定の畜産について語り合うというふうなときには、研修の内容としてそういった問題が十分討議されるということにはわれわれはあえてやぶさかではないわけですが、ただ、いわゆるしゃばで言うところの公表するということについてはわれわれとしては問題が非常に多いということを申し上げたわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 先ほど公表はだめなようなお話しでしたから、私は百歩譲って、農家個人としてのそういう場合にはどうなのかということをお聞きしたわけであります。あなたは先ほど公表には一定の限界があるのだというように言われたが、そうすると、限界の歯どめというものは何もないということなんですよ。個人が言ってもだめだ、一般の公開についてもだめだ、中部飼料というメーカーが限られた品種でやっておってもだめだということならば、これは私は非常に遺憾なことだというふうに考えるわけであります。  そこで、時間の関係もありますから次へ行きますけれども、これは太田参考人にお聞きしたいと思います。  先ほどあなたは、改正案の八条の配合割合の公表について、政府が必要に応じてやることを検討しておるというような意味の御発言があったような気がするわけでありますが、この点をちょっと確認したいということが一つと、それからもう一つ、あなたは前段の御意見発表の段階で、自家配合の場合、添加物に関連して農家段階でも規制を受けるというお話しがありましたが、この点についてもう一回、簡単で結構ですから、そのとおりなのかどうかということを御説明いただきたいと思います。

太田康二協会会長、元飼料品質改善制度研究会座長)

○太田参考人 私も参考人としてこの席に呼ばれることになりましたので、国会における主なる議論を勉強いたしたのでございますが、原料の配分割合を表示しろということが非常に大きな問題になっておるということで、その取り扱いについて農林省は一体どういうことであるのかというふうなことを伺ったのでございます。私どもの研究会としてはそこまではいかなかったわけでございますけれども、法案の段階におきまして、八条で、審議会にかけて表示の方法等について何か規制をするようなことが出ておるわけですが、その過程においていま検討しておるということを聞きましたので、率直にそれを申し上げたのでございます。  それから、飼料添加物の場合には、農家の段階でも添加する事例がございますから、これを規制しなければならないということを報告書でうたっておるわけですが、二条の二で、「飼料若しくは飼料添加物の製造、使用若しくは保存の方法若しくは表示につき基準を定め、」とございまして、農家の段階で飼料に添加物を添加することは飼料の製造であり、使用であり、保存でありますから、これによって規制ができるというふうに考えるということを申し上げたのでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 では、政府が来ておるようですから政府にお伺いしたいのですが、改正案の第八条で、いまお答えがございましたように、配合割合公表について政府が必要に応じてやることを検討しておるという趣旨の参考人の意見の開陳があったようでありますけれども、先般私がこの委員会で質問したときに、部分的な公開といえども認めないということを終始一貫してあなたの方では力説されましたが、なぜこのように食い違いがあるのかということが一つ。  もう一つは、農家段階でも規制していくということ、つまり、自家配合が今度できなくなるような状況になるわけでありまして、これは私はここで初めて発見した大変な事態だと思うのでありますが、そのとおりなのかどうか、もう一回あなたから確認していただきます。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 ただいまの太田参考人からお答えになりましたことに関連しての御質問でございますけれども、八条の第一項の一号に「栄養成分量、原料又は材料その他品質につき表示すべき事項」とあって、「原料又は材料その他品質につき表示すべき事項」と書いておりますので、これは法律的には原料、材料の名称のほかに配合割合も当然書き得るわけであります。法律上は、告示をして農林大臣が定めますれば定め得るという余地が残されておるわけであります。ただ、実際上の取り扱いといたしましては、増量剤的なものは私どもとしては原料または材料の割合まで書かしたいというように考えておりますが、その他のものにつきましては、先般申し上げておりますような観点から、現段階においてすぐ全部書かせることは適当ではないのではないかというふうに考えておるということをお答えしておるわけでございます。  それから、もう一点は、農家の使用段階までの規制という点は実は安全性の方の規格に関することでございまして、二条の二の第一項に「省令で、飼料若しくは飼料添加物の製造、使用若しくは保存の方法若しくは表示につき基準を定め、」とありまして、その中で農家の製造につきましても規制が加わるということでございます。  あるいはちょっと問題を取り違えておるかとも思いますけれども、一応そういうふうにお答えしておきます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 私の質問の時間の関係もあるので、いまの問題は聞いておくといいますか、聞かせていただいたわけでありますが、また後の機会でやることがあるだろうと思うのです。  河田さんと藤巻さんに一つずつ質問させていただきますが、まず、工業会の河田さんに伺いますが、先ほどあなたは高成分のものを廉価に農家に分けるのがわれわれの使命だとおっしゃいましたね。それで、トウモロコシであれ、マイロであれ、これは輸入の免税品ですね。国がある程度特別措置を講じて安いものを出しておるわけですね。あなたのおっしゃるような高成分で廉価のものが市場に出されておるのかどうか、また、果たして免税品に見合う安いものかどうかということを政府かだれかが検討し、チェックしておるのか、本当にそのとおり安いのだというように客観的に立証できる手だてはどういうことがあるのか、教えていただきたいということです。  藤巻さんに対する質問としては、添加物として抗生物質を認可するときの条件としては、いまのところはメーカーの書類審査だけなんですが、それではなくて、権威ある機関による追試験を行うべきであるとわれわれは考えるのですが、この点に対する御意見を聞かせていただきたいと思います。  以上です。

澁谷直藏自由民主党

○澁谷委員長 時間が参っておりますので、簡潔にお答え願います。

河田四郎協同組合日本飼料工業会会長

○河田参考人 お答えいたします。  簡単に申し上げますが、諸原料、主要原料にいたしましても、副原料にいたしましても、これは産地及びメーカー等によりまして非常に相違があります。そこで、いいものを廉価で差し上げますと言ったことは、われわれの努力によりまして、同じトウモロコシにいたしましても、先ほども申しましたようにたん白の多いものをできるだけ買う、それからマイロ等につきましても、要するにあれはタンニンがありますことは非常に大きな災いをしておりますので、できるだけタンニンの低いものを買ってお渡ししよう、と、こういう意味でございますので、さように御理解をいただきたいと存じます。

藤巻正生東京大学農学部教授

○藤巻参考人 簡単にお答えいたしますが、添加物の認定につきましては添加物の公定書というものがございまして、それにのっとっているかと思いますが、私は、先生がおっしゃったように権威ある機関にゆだねるべきであるというふうに考えます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 終わります。

澁谷直藏自由民主党

○澁谷委員長 瀬野栄次郎君。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する法律案について参考人にお伺いいたします。  まず、最初に、東大農学部教授藤巻参考人にお尋ねいたしますが、藤巻教授は東大においても食品学を専攻しておられますし、また、厚生省所管の食品衛生調査会の委員でもあられる立場であります。今回の法案は国民にとって大変重要な影響を持つ飼料の品質改善の法案でございますが、私は、将来の国民の健康と安全に影響する重大な法案であるということで先般来農林省に見解をただしてきたところでありますが、時間の関係もございますので、若干はしょってお聞きしますが、教授の御意見をお聞かせいただければ幸いであると思います。  まず、最初に端的にお伺いしますけれども、催奇形性、発がん性等について重大な疑問がいまだに残っておりますAF2については厚生省を通じて使用禁止になったことは御承知のとおりであると思います。ところが、このAF2と同類のニトロフラン系飼料添加物であるフラゾリドン等三種類がいまだに飼料添加物ということで使用されておるわけです。これについてはいろいろ論議されてきたところでありますが、御承知のように、最近外国の方が見えますと、日本は景色その他ながめはいいけれども、食べものの中で鶏の肉、卵の味が落ちたと言います。もちろんこれは成鶏になっていない関係もあって、肉の質が十分でないという面もわかりますけれども、とにかく肉がまずい、卵がまずいと言う。また、一方、農家においても、いまにわかにAF2やニトロフラン系飼料添加物等を抜くと畜産が全滅する。すなわち、マイシン系、AF2などを抜いたならば、ひよこを含めて大量生産方式をとっている関係から、緑の目やにが出て鶏が参ってしまう。実際問題として、日は当たらないし、暗いところのゲージ飼いでヒーターによって育成されているというような傾向が強いわけで、鶏が参ってしまうということで、急激にこれを抜いたら大変であるということも言われておるわけです。かといって、今回の法案の趣旨は、教授としてもそうであると思うが、私は、何といっても人間性が大事であるというところに根本があると思う。畜産物が大事か人間性が大事かといえば、当然人間性を大事にしなければならない。ところが、最近の飼料を見ますとなかなかわからないような名前の飼料がいっぱいあって、農家も判断に困る。飼料に添加されているものの内容そのものの表示もいろいろ言われておるわけでありますけれども、その薬の内容がどういう作用をするか、どういうビタミン剤であるかということが農家にはなかなかわかりにくい。これは農家に言わせれば、飼料の値段を上げるためにいろいろなものをまぜて農家の目をごまかしているのじゃないかというふうに批判をされているところであります。  いずれにしても、そういった背景を踏まえて考えましたときに、畜産に影響を及ぼすこの添加物が将来人体に影響するということは、いろいろと学説の異なるところはあっても証明されている点も多々あるわけでございますので、食品衛生調査会の一員でもあり、また今回の法案に対しても参考人として呼ばれて、食品の面から重大な関心を持っておられる教授に、私は、こういった問題について今後このままにしておいていいのかどうかということをお聞きしたいわけです。  農林省は段階的にというようなことも言われます。AF2については年間四百トンぐらいを使用している。昨年、四十九年は十一月期から二百トンに減らした。五十年は何とか百トンに減らして、だんだん減らしていこうということである。育雛にしても、いわゆる幼びな、中びな、大びなとあれば、幼びなだけに食べさせてあとは食べさせないようにする。休薬飼料等も五日間にする。先日の私の質問では、これを一週間か十日か延ばすようにするというふうな話もありましたけれども、実際休薬飼料なんかは農家は見たこともない。使えるということになっておるけれども、実際にそんなものは余り買ったこともないという者が多い。そういった状況下において将来大変心配が予測されるわけですけれども、そういったことを踏まえて、その道の権威であられる藤巻教授はこれに対してどういうふうに考えておられるのか、国民の前に教授の見解を明らかにしていただきたい。  これをまずお尋ねするわけであります。

藤巻正生東京大学農学部教授

○藤巻参考人 簡単にお答えいたしたいと思いますが、先生が御心配になっておられますように、添加物の過用、著しく用い過ぎるということはまず第一番に慎むべきことでございまして、先ほどおっしゃられましたAF2につきましても、食品の場合にこれが原因になりまして発がん性というものがあらわれたときは、もう猶予なく直ちに停止という処置がとられた次第でございますが、飼料の添加物につきましても、先生が御心配のように、また、私が先ほどの御質問にもお答え申し上げましたように、今後権威ある機関を——私はそれはこの法案によります農業資材審議会の専門部会であろうと存じますけれども、そういう権威ある機関をおつくりいただきまして、それによって十分討議しまして整理されることが望ましい、と、こういうふうに考えております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 教授からもっと具体的な答弁を欲しかったのですけれども、余りにも簡単過ぎましたが、御答弁にありましたように、確かに、本法施行に当たっては、この農業資材審議会のあり方というものが大変問題であると私は思う。これが一つの大きなチェックポイントになる。そういったことで、私は、国民の健康を考えるためにはこの選考については十分考えろということを言って、四つの分野に分けて四十名を擁して審議会を運営するということを先般農林大臣からも答弁をいただきましたが、これについてはもちろん私情を入れずに公正中立にやり、利害関係者は入れない、そして安全性を第一にやる、第三者的公的機関で行うということは当然であります。  そこで、さらに私は藤巻教授にお伺いしますけれども、私が心配しているのは飼料の試験研究機関、検査機関の整備の問題でありますが、御存じのように、飼料等に対する検査体制というものは、従来から、国及び都道府県が立入検査により収去した飼料及び飼料添加物について、それぞれの検査機関で成分、異物等の検査を実施し、最近行政指導まで国及び一部の都道府県で有害物質飼料添加物の検査を実施しておったわけですけれども、今回の法改正によれば、飼料添加物検査事項として飼料のほかに飼料添加物も検査の対象に加わり、これには四つありまして、一つには、公定規格が設定された飼料についての規格適合表示の検査、二つには、その事後検査及び法第八条に基づき表示の基準が定められた飼料についての検査、三つには、法第二条の二に基づき設定される基準及び規格の適合検査、四つには、第二条の四に基づく特定飼料の検査等内容が拡大されていること、等であります。そこで、いろいろ申しましたが、現在まではどっちかというとメーカー主導型で検査がなされてきましたけれども、今回の法改正がなされるとなれば、現在全国六ヵ所しかない肥飼料検査所は、そのほかに各都道府県に検査機関も一ヵ所ずつあるとは言うものの、実際に従来からの予算を見ても少ない。人員も少ない。果たしてこれで十分にできるかどうか、危惧の念を持つわけですが、その点は教授としてはどういうふうに判断をしておられるか、御見解を承りたい。

藤巻正生東京大学農学部教授

○藤巻参考人 先生のおっしゃいましたところの、できないかどうかということでありますが、できないかどうかではなくて、できなくてはいけないと私は思うのでありまして、それができるためには先生方の御配慮によりまして検査体制をぜひ強化するように御配慮願いたいと思います。  同時に、検査というものは、常に科学が進歩しておりますから、それと正比例して研究体制も充実していかなければいかぬ。そういう体制を充実していただきまして、この安全性を確保して畜産の振興を図っていくということが筋だろうと私は考えるのでありまして、先生のおっしゃるように四つの機関で十分かどうかということじゃなくて、十分であるようにしなければいかぬという考え方を私は持っております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 太田参考人に伺いますが、いまの件について教授からできるようにしなければならぬというようなことをおっしゃったけれども、それはそうだろうと思うけれども、これまた予算の関係とか、いろいろな従来の経緯から見てなかなか大変なんだが、皆さん方が研究会で研究された段階でこの点についてはどういうふうに見通しを立てておられますか、どういう見解でございましたか、お伺いいたしたい。

太田康二協会会長、元飼料品質改善制度研究会座長)

○太田参考人 私は時間が参りましたので検査のところははしょって少し飛ばしたのですが、「飼料生産量の増大、検査内容の多様化に十分対応しているとは言い難い。特に今後制度改正を行った場合には、有害物質、飼料添加物の規制及び表示制度の充実等が実現することとなり、これらの厳重な実効を確保するため、検査業務は今後なお一層、検査範囲、内容の拡大を伴いつつ、事務量が増大することが予想されるので、検査体制のより一層の整備が要求されることとなる。」以上のことを踏まえまして、「国、都道府県の検査機関は効果ある検査を実施するため適正な体制整備と内容の充実を検討すべきである。」ということを報告いたしております。なおそれ以外に幾つかのことが書いてございますが、そういった報告をいたしております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 余りぴんとこないけれども、一応聞きおくとして、太田参考人にさらにお聞きしておきますけれども、二条六の三号の関係で、新飼料の開発の問題が規定されておりますけれども、この内容は、新飼料開発に際しての安全性のチェックについては、開発機関と同一機関が付属的にこれを行っていることが従来からも問題になってきたわけです。それで、今後は国の機関を初め第三者機関等によってチェック体制を確立して、安全性についてその適正な裏づけをする、そして国民に十分安心できるようにしていこう、と、こういうことであるようでありますが、私は、従来の経緯から見て開発と安全性は別にすべきであるということを先般来農林大臣にも強く質問してまいりました。  たとえばサリドマイド児について、当時は心配ないと言いながらも、あのように安全だと言っていたものが結果的には実際にああいう結果になったことは御承知のとおりです。自分で開発したものを自分で悪いと言うことはなかなか言えないわけでありますから、これについては国が金を出して安全性をチェックする機関をつくるということは大変問題であるというふうに私は思うのですが、この点についてはどう検討してこられたか、太田参考人からお答えいただきたい。

太田康二協会会長、元飼料品質改善制度研究会座長)

○太田参考人 新飼料の問題につきましては、「安全性については、国のみでなく大学等も含め権威ある研究機関等第三者機関において十分オーソライズし、適正な裏付けを得たうえでその利用に踏みきることとし、」ということで、まず第一義に考えられますのは、この資材審議会で審議される場合にメーカーの試験研究機関の結果が恐らく出てくると思いますが、それでは十分ではないので、やはり権威ある第三者機関によるオーソライズされた結果というものを踏まえた上で利用に踏み切るべきであるという、そういう慎重な態度をとることを報告いたしておるのでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 太田参考人にさらにお尋ねしておきますけれども、廃棄または回収命令の問題ですが、これまた大変な問題でありますけれども、農林大臣が廃棄または回収命令等を出し得る条件としては、「有害畜産物が生産されることを防止するため特に必要があると認めるときは、必要な限度において、」云々となっておるのですが、そこで、廃棄命令等を発動できる前提については、これは有害畜産物の生産を防止するということに置いておりますけれども、家畜等に被害が生じた場合の処置はどうかということをお尋ねしたいわけです。  すなわち、人間がおかしくならなければどんな飼料をやってもよいということにはならぬと私は思うのです。仮にそういった支障があった場合に、メーカーはおかしいものはおかしいのだと言ってはっきりすればいいのですけれども、信用問題の関係からそういうことはなかなか隠したがるということも起きてくると思うのですが、家畜に被害が出てからでは遅いと私は思うわけです。従来から、ダイブの例とか回収した例があるわけですけれども、家畜の場合は金で片づきますけれども、人間の場合はそうはまいりません。従来の経過からもいろいろ例があります。  そこで、家畜に被害が出た場合でも回収するか廃棄するというふうにすべきだと私は思うわけですけれども、この点について太田参考人はどういうふうに研究会で審議してこられたか、お答えいただきたい。

太田康二協会会長、元飼料品質改善制度研究会座長)

○太田参考人 有害物質の取り扱いにつきまして、研究会では「現行食品衛生法第四条、第七条の規定に準じた制度を導入することが望ましい。」ということを言っているわけですが、いま先生のお尋ねの件につきましては、一つは二条の二で、飼料ないし飼料添加物によって被害が生ずることにより畜産物の生産が阻害されることを防止する見地からというのと、人の健康の問題と両方あるわけでございます。この場合には基準を決めて規制をする。しかも、基準に合わない方法によってやる場合には、「製造等の禁止」の「禁止」ということばが二条の三にあるわけでございます。それから、「有害な物質を含む飼料等の販売の禁止」は第二条の六で、いままさに先生のおっしゃるとおり、「有害畜産物が生産されることを防止するため必要があると認めるときは、」ということで、資材審議会の意見を聞いて販売を禁止するというような措置が講じられておるわけでございますが、前段の二条の二で、「家畜等に被害が生ずることにより畜産物の生産が阻害されることを防止する見地から、」ということで、製造、使用もしくは保存の方法あるいは表示についての基準を定め、あるいは成分についての規格を定めるということになっておりますので、これによって指導し、さらに違反する場合には製造の禁止等もできるわけでございますから、大体私どもが報告した線に従いまして措置が講じられておるというふうに理解をいたしております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 協同組合日本飼料工業会会長の河田参考人にお伺いしますけれども、いまの問題で、そういった飼料が出た場合に廃棄または回収すると業者は信用問題にかかわるということで、好まないことはよくわかりますけれども、しかし、人間の安全性ということから考えますとこういったことは思い切ってやるべきだと私は思うわけです。  従来のいきさつから見ましたときに、廃棄処分の例は過去数年間に三件ぐらいしかないということで、本当にわずかでありますが、私はもうとあるというふうに推察しております。今後こういつた問題がますます問題化してくると私は思うのですけれども、人間の生命が最大事であるという点から、河田参考人のメーカー関係ではどういうふうにこれに対処する決意であるか、参考までにお伺いしておきたいと思います。

河田四郎協同組合日本飼料工業会会長

○河田参考人 いまの廃棄物その他につきましては余りわれわれの方で取り扱ったこともございませんし、各メーカーごとでも、そういう問題はいままでに余りないのじゃないかと思います。  それから、また、飼料によりましていろいろ障害が起きた場合には、飼料による障害ということが画然とした場合には、メーカーとしましては責任を現在までもとってきておりますから、そういうことによって生ずる問題については、いま当面したことは余りないように思います。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 あと時間がわずかになりましたので、永松参考人と太田参考人に簡単な問題を二、三点お伺いしてみたいと思います。  まず、太田参考人にお伺いしますけれども、公定規格の設定及び規格適合表示等の問題でありますが、御承知のように、現在、登録飼料、非登録飼料も合わせて約五千ぐらいの銘柄の種類になっているわけであります。その中で登録飼料が二千五百二あると言われておりますが、こういった銘柄がものすごく多い。一つの例を言いますと、一つのメーカーで子豚用として五つの銘柄の格づけ検査をしておる。同じ用途でもこんな実情で、なかなか多岐にわたっておる。こういったことでは今後整理を必要とするし、こんなに数が多いといろいろな面で支障を来たすと私は思うわけです。こういったことが研究会で問題になったろうと思うが、これについてはぜひもっと整理をすべきではないかと思うが、こういうことでは問題にならなかったかどうか。  この規格適合表示の問題については永松参考人からも伺いたいが、これについてはどう考えておられるか。  それから、もう一点永松さんに伺いますが、飼料品質表示制度の拡充で、これもしばしば問題になっておりますけれども、私がもう一点お伺いしておきたいことは、この配合飼料の表示はいまのもので十分だ、と、従来から一歩も出ないような言い方をしておられるけれども、これは政府部内その他国会でもこれだけ問題になり、いろいろと各地でも問題になっておる問題であります。穀類と増量剤と添加物と三つに飼料は大まかに分けられるが、添加物については各薬品に細かく表示がなされている。そこで、穀類、増量剤についても逐次農民の要望にこたえていく誠意を示してやっていくという方向でなかったならば、いまのままでいいということでやったら——全農は農民あっての全農じゃないですか。そういった意味からこれは問題であると私は思うが、その点についての決意をさらに最後に伺って、私の質問を終わりたいと思う。

太田康二協会会長、元飼料品質改善制度研究会座長)

○太田参考人 公定規格と登録制度との関係の問題でございますが、御指摘のとおり、現在配合飼料生産量の六五%が登録飼料によって占められておる。したがいまして、残りは登録飼料ではないわけでございますけれども、しかしながら、登録飼料でなくても実際上はその成分保証を大部分が実施しているということで、現在の新しい情勢に即応して登録制度は考え直すべきではないかという議論があったわけでございます。したがいまして、その結果、先ほど先生が御指摘になりましたとおり、公定規格と登録制度とを分離いたしまして、公定規格適合のものは規格適合表示の制度というものを新しく四条で設けたというふうに理解をいたしております。  なお、飼料の種類が非常に多い、したがってそれは減すべきであるという点につきましてはこの審議会では必ずしも議論にはならなかったように私は記憶をいたしております。

永松英二全国農業協同組合連合会常務理事

○永松参考人 規格適合表示の問題につきましては、われわれとしては異議はございません。  それから、品質表示の問題でございますけれども、いま先生は一つも進歩がないと言われましたけれども、いままで法規上はこれだけは表示しろというものと、しなくてもいいというものとがございます。しかし、われわれといたしましては、生産者、えさの使用者のことを考えて、たとえばTDN、DCP等については特別に全農の飼料には表示をしてまいりました。そういった意味で、これはいまの段階では表示をする必要があるというふうに生産者との話し合いが進んだといいますか、生産者の技術もそこまで進んでおるというふうになった時点では、われわれとしては、規定その他にかかわりなく、生産者のためになる表示はしていくつもりでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 各参考人には貴重な御意見をありがとうございました。  以上で質問を終わります。

澁谷直藏自由民主党

○澁谷委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人各位には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。(拍手)  この際、午後四時再開することとし、暫時休憩いたします。     午後一時五十四分休憩      ————◇—————     午後四時十五分開議

澁谷直藏自由民主党

○澁谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する法律案について質疑を続行いたします。井上泉君。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 きょう午前中に参考人を招致して、参考人の方からいろいろ意見を聞いたわけでありますが、飼料ということになっておるけれども、飼料は食糧と同一に考えるべき性質のものであるということがきょうの参考人の中で、東大の先生からも意見を述べられたわけですが、農林大臣としては、飼料に対する考え方はどういうふうに考えているのか、伺いたい。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 飼料につきましても、これまでも議論がございましたけれども、食糧と同じような立場で飼料を重大に考える必要がある、飼料の安全を確保することは人間の健康を第一に考えるという意味において必要である、と、こういうふうな基本的な考え方を私は持っておるわけであります。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 そこで、かつて石油たん白の問題が国会の中で問題になったときに、あなたはその国会の中で、そしてまたこの委員会でも、石油たん白の問題について、安全性が確認され、さらに国民的な合意が得られなければ一切認めないと約束した。その翌々日か、農林省の研究機関がこれを打ち消して早期に実現を促すような論文を発表して大変問題になったわけでありますが、そういうことについて農林大臣としてはどういう感想をお持ちになるのか、まず、その点を承っておきたい。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 飼料の安全性を確保していくためには、先ほども申し上げましたけれども、人間の健康というものをやはり第一義に考えていかなければならぬわけでございまして、そのために「安全性の確保」があり、なおかつ国民的な合意を得ない新飼料につきましては、これをつくるというふうなことはさせないというのが農林省の、また私の基本的な立場でございまして、そういう意味におきまして、私の国会における答弁でもございますし、農林省の事務当局にも厳しく指示しておるわけでございます。  これに対する農林省内における一つの研究としての論文等につきましては、学者としての良心に基づいた研究でございますので、これはこれなりに今後の技術開発あるいは研究を推進していくという意味においては大切なことであろうと思いますが、私のそういう基本的な方針に反するようなことは厳に慎むべきであるし、これは慎んでいくように指示をしておるわけであります。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 大臣の見解としてもそういう見解を持っておる。しかし、「SCPの飼料化によって浮くはずの飼料用大豆たんぱくを食用に回せれば」ということで、そうすれば非常に助かる、そして石油たん白を早く実用化するように期待したいというふうにその論文が表明しておるわけですが、これは農林省の研究室としてはちょっと軽々な発言であるし、国民に誤解を与えることであるが、依然としてそのことは学者の良心として、やはりそういう飼料化を目指して研究をしておるのかどうか。その点をこの際承っておきたいと思いますので、室長の方から御答弁を願いたいと思います。

小山義夫農林水産技術会議事務局長

○小山(義)政府委員 お尋ねの研究室長を出席させておりますので、当人からも説明をさせますけれども、いまお話しの資料といいますか、論文といいますか、それは先般新聞に出たものであろうかと思います。  これは中身を読んでいただきますと御理解をいただけると思いますけれども、「SCPの飼料化をめぐる諸問題」という題で書かれておりまして、いわば一般的な解説文でございますが、SCP、いわゆる微生物たん白の中にはいろいろな種類のものが含まれておりまして、この解説文の中では、酵母のそれぞれの種類の特定のものを指す場合にはそれぞれの名前が書かれてございます。亜硫酸パルプ廃液を原料とする酵母であるとか、あるいはでん粉かすを利用するものであるとか、その中にはもちろん石油たん白と言われておりますノルマルパラフィンの資化酵母だってあるというふうにそれぞれのことが書かれてございまして、いま御指摘の一番最後の早急な実用化を期待したいというところには、「SCPの早急な実用化を期待したい。」ということが書かれておりますが、これは御心配のいわゆる石油たん白の早急な実用化という意味ではなくて、総称した言葉としてのSCPの早急な実現というふうに書かれておるわけでございます。  そういう意味で、農林省といたしましても今年度新規の予算を計上いたしまして、農産廃棄物を利用した微生物たん白の飼料化の研究に取り組むというふうにしておりまして、そういうことを含めたものであるというふうに、私は、指導監督の責任者としては理解をしておりますが、なお、この点については、本人が出席をしておりますので、本人の口からも研究者としての考え方をお聞き取りいただきたいと思います。

吉田実農林省畜産試験場栄養部飼料資源開発研究室長

○吉田説明員 ただいま農林水産技術会議事務局長の方から概略の御説明を申し上げたわけでございますけれども、私、執筆した当人といたしまして二、三御説明を追加させていただきたいと思います。(井上(泉)委員「時間がないから、あまり専門的にむずかしく言わずに、要約して簡単に言ってください」と呼ぶ)  この私の論文の「むすび」の短い文をごらんいただきますと、「SCP」と「酵母」の、この二つの言葉を慎重に使い分けているつもりでございまして、この点に御留意いただきたいと思います。  SCPと申しますと単細胞たん白質のことでございまして、バクテリアでありますとか酵母、カビ、藻類、プランクトンといったようないろいろな種類のものがございまして、それを総称しております。ノルマルパラフィンを資化いたします炭化水素酵母もその中の一種類にすぎないことになります。私がこの論文で「早急な実用化を期待したい。」と書きましたのは広い意味のSCPでございまして、単に炭化水素酵母一種類のみを特に指して、それの実用化を期待したいというふうに申しているつもりではございません。仮に、もしもその国民的な合意、皆さんの合意が得られまして、炭化水素酵母を飼料化するということになりますれば、それはそれで結構であろうと私は存じます。本来、農林省の方針といたしまして国民的合意が得られるまではということになっておりますので、そういうことになればそれはそれで結構だと思いますけれども、私は、この炭化水素酵母をSCPの本命とは考えておりませんで、SCPの最も本命と考えるべきものは、農産廃棄物あるいはふん尿等を循環再利用する、その一環といたしましてSCPを培養して利用する、こういう考え方に立つSCPが本命であるというふうに考えております。  もちろん、この種のSCPにつきましても、実用化に当たりましては慎重に検討いたしまして、その結果に基づいて、国民的合意を得られました上で飼料化されるものと私は考えております。  そして、そのための判断材料といたしまして、私の研究室は未利用資源の飼料化に関する試験研究を担当しておりますので、飼料化の可能性があるかどうかということを含めまして、研究結果をすべて国民の皆さん方の前に提供いたしまして御判断いただくというのが私の研究室の業務であると考えております。  私の文章につきましてはそのように御解釈願いたいものと存じます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 それはそういう解釈をするとかしないとかいうことではなしに、あなたも科学者でありますから、そのことについてはやはり責任を持って追求をしておるというわけでしょう。  そこで、それでは、農林省が今度わらとかもみがらというような廃棄物で微生物たん白の飼料化の研究をやるということで、ことし一億何千万円かの予算を計上しておるが、この研究はいままではやっていなかったわけですか。これからやろうとするのですか。

吉田実農林省畜産試験場栄養部飼料資源開発研究室長

○吉田説明員 先生の御指摘のとおりに、農産廃棄物等を利用するSCPを積極的に開発しようという研究、これはそれぞれの研究室あるいは個々の研究者の発意として行われていたかもしれませんけれども、農林省としてまとまった一つの研究プロジェクトとして研究するというのは本年度からが初めてでございまして、それまではこの種の研究を大きなプロジェクトとして取り組んだことはないと私は考えております。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 それでは、この石油たん白の研究を農林省が四十四年からやってきておったのは、あなた自身の個人的な研究としてやってきたんですか。鶏に石油たん白を与えて、その成長をずっと記録をしたり、いろいろやったでしょうが、それは、農林省として四十四年から石油たん白の飼料化に取り組んだわけじゃないんですか。

吉田実農林省畜産試験場栄養部飼料資源開発研究室長

○吉田説明員 ただいま御指摘いただきましたいわゆる石油たん白、炭化水素酵母の飼料価値に関する研究は、昭和四十四年から四十八年までの五ヵ年計画での、「たん白質の高度利用並びに資源の開発」という課題の大きなプロジェクト研究がございまして、その中の一環として分担、担当した研究でございまして、これは本年度から研究に取り組もうとしているSCPとは別種類のSCPでございます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 それでは、石油たん白の飼料化の研究を昭和四十四年から今日までもうすでにずっと大規模に続けてきたわけだが、続けてきた結果、あなたとしては確信を得たからこれの早期の実用化を願った、と、こういうことになったのとは違うのですか。

吉田実農林省畜産試験場栄養部飼料資源開発研究室長

○吉田説明員 私どものプロジェクト研究の結果につきましては、すべてすでに発表いたしまして皆さん方の御批判を仰いでおりますけれども、もちろん、私どもの研究の結果だけで先生の御指摘の石油たん白が安全であるかどうかという判断をするのではなくて、私どもといたしましても、慎重の上に慎重な検討をさらに続けていただきました上で御判断願いたいものだというふうに考えております。  したがいまして、私が「SCPの早急な実用化を期待したい。」と申しましたのは、この炭化水素酵母の実用化を期待したいということではなくて、一般的な広い意味でのSCPの実用化に向かって、これを期待したい、と、こういうふうに文章で記述したつもりでございます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 それでは、そういう大規模な研究をやってきたが、これがどうも飼料用にいけるぞということで、大日本インキ会社だとかその他の会社が飼料たん白を製造化しようとして、それが物すごい攻撃にあって批判にさらされてやまったわけで、そして農林大臣としても、そういう心配のあるものは使うようなことはしないという発言をせざるを得なくなってきたわけでありますけれども、そういう研究のデータ、研究の結果の知識というものについて、これを企業化しても十分にいけますよとこれらの業者に流したというか——流したという言葉が当てはまるのか、知らしめたという言葉が当てはまるのか、とにかくこれをひとつやってみませんかというアドバイスをあなたたちが与えたわけですか。

小山義夫農林水産技術会議事務局長

○小山(義)政府委員 吉田研究室長はお尋ねの研究の一環を分担をしたものですから、その研究自体は技術会議事務局として企画をしたものでございますので私から答弁をさせていただきたいと思いますけれども、当時は、御承知のように、石油たん白についてのいろいろな問題が世間でいろいろ御批判がありました。その批判の中に、企業側が出したデータだけで物事を判断するのはよくない、すべからく役所自身の試験研究機関の中でその数字を出すべきだという御意見が非常に強くございました。それで、私どもでは急遽その要望にこたえるために大型プロジェクト研究を組んだわけでございます。その結果出ましたデータはいま先生が御指摘のとおりのデータでございます。私どもの研究は、この研究に限らず、すべて研究の成果は公表すべきものであるということで中間報告もいたしております。そういうことでデータが出ておりますので、企業側に安全であるとか、これは進めていい段階のものであるというふうな意味で出したものではなくて、常に研究成果は公表しているということで出ておるものであることをまず御理解をいただきたいと思います。  なお、安全性につきましては、実験計画でやった限りにおいては、対照区であります普通の配合飼料を与えた場合と比べて特に異常は認められないという結果が出ておることはそのとおりでございます。ただ、それだけで企業化に踏み切れる段階に来ておるかどうかということにつきましてはなお問題があり、家畜はもちろん国民の健康にかかわる非常に大事なものでございますので慎重の上にも慎重にこれを取り扱うべきことであると考えておりまして、あの実験計画だけで早急に判断をし、結論を出すべき筋合いのものではないというふうに私どもは考えております。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 石油たんぱくの企業化で、大日本インキ会社なとが企業化を中止せざるを得なくなって中止して、そのことによってこの石油たん白に対する研究は打ち切ったというふうな新聞報道でありましたけれども、農林省の方としては、今度の微生物たん白の研究の対象の中に石油たん白は依然として含まれておるんですか、いないんですか。

小山義夫農林水産技術会議事務局長

○小山(義)政府委員 農林省の研究の中には大きく二本の柱がございまして、新しい微生物たん白飼料の開発と、それから安全性を確認するための手法を確立することと、この二本の柱がございます。  それで、新しい微生物たん白を開発する研究の中には、いわゆる石油たん白等は全く含まれておりません。農林水産廃棄物を利用するという分野のものでございます。  それから、安全性の確認の手法につきましては、これはいろいろな微生物を使ってやらなければなりませんので、それの使う材料の一つとして石油系のものを使うことは考えております。考えておりますという理由は、たとえばその中には、最も安全で、われわれがすでに口にしておりますビール酵母も入っておりますが、石油たん白系も入っておりますので、そういうものを比較検討しませんと安全性の基準の確立、方法論を求めることができません。いろいろな酵母、細菌等を比較検討する上では石油たん白を使うことがあり得るわけでありますが、これはあくまでもそういういろいろなものを比較検討した上で安全性確立の基準をつくる、と、こういう意味でございます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 安全性の基準を確立するために石油たん白を研究するということは、これは農林省としてのらち外に考えなければいかぬのじゃないですか。あなたは飼料として依然として石油たん白というものを頭の中に画いておるからそういうことを言われるわけで、少なくとも農林省としては、その石油たん白を研究の中で飼料とは言わずとも、これを研究の対象の中に今日も依然として置いておくということは間違っておるのと違いますか。

小山義夫農林水産技術会議事務局長

○小山(義)政府委員 いわゆる石油たん白につきましては、安全とか安全でないとかという最終的な結論を出しておりません。したがって企業化を認めていないわけでありますけれども、石油たん白が安全でないとすれば、安全でないという科学的根拠を示す責任がわれわれにあると思います。そのときに私どもは石油たん白そのものをみずからの手で開発をするつもりはありません。  そういう計画は持っておりませんけれども、もし仮に石油たん白が安全でないとすれば、それを企業側が開発をしたいとかあるいは実際に市販をしたいということで持ってきたときに、それが安全でないと判断をする手法を持っていませんと規制のしようがないわけでございます。したがいまして、農林水産廃棄物を利用した酵母であるとか、あるいはビールの発酵に使っております酵母でありますとか、そういうものだけを判断する手法を持っておりまして、石油たん白そのものを判断する手法を私どもが持ち合わせていないときには、これは規制する技術を持たないことになります。  それでは、私どもがもし石油たん白が有害であると仮にいたしましたときには——いまそういうデータが出ておるわけじゃございませんけれども、仮にそういう事態があった場合には、それを判断する手法を開発してそれを持っておることが、いろいろな法律上の規制手段をとる場合に私ども技術陣営が果たすべき役割りであるというふうに考えております。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 それでは、飼料として石油たん白が有害でないという結論が出た場合には、いま飼料として考えなくても、石油たん白が人体に害がないというデータが出される。そのデータをつくることが必要であるということは、依然として石油たん白は農林省の方も研究は続けていくということですか。  この石油たん白を飼料として——これはもう飼料としてではないけれども、その他のものとしてでもいいが、もしこれを企業側が飼料として出してきた場合に、それに対して反駁するものを持っていなければいかぬから研究しておくのだというふうな答弁でしたが、もっと端的に、石油たん白が安全であるかどうかということを含めて農林省としては依然として研究をするという姿勢でおるのかどうか、そのことを明確にお答えを願いたいと思います。

小山義夫農林水産技術会議事務局長

○小山(義)政府委員 微生物たん白を利用しました新しい飼料を開発する場合……(井上(泉)委員「石油たん白のことだけでいいですよ」と呼ぶ)その中にいろいろなものが含まれておるわけでございますから、それの微生物たん白の安全性を確認をする手法を私どもは用意をしなければならない。その場合に、石油たん白も、その安全性の手法について、尺度にかけてみてそれを判断するということが当然あり得るわけでございます。しかし、それは石油たん白の安全性を認めるために、実証するために行っているのではなくて、たくさんのものが世の中に出てまいりますので、それらの共通的な安全性をはかる尺度を開発するという、そういう研究でございます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 それは認めるためにはやっていないけれども、安全かどうかということを確認するための研究をやるということは認めるのと同じことじゃないですか。  厚生省は、この石油たん白の問題については、これは人体に有害だという結論を今日の段階では出して、研究を打ち切って、企業化するとかいうことはもってのほかだというような見解を表明されておるように私は承知をするわけだけれども、農林省は、石油たん白から飼料を求めなければ飼料問題が解決をしないのだと、それほどにまだ考えておるのか。農林大臣、その点についてはどうですか。いま石油たん白を研究すると言っているのですよ。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 石油たん白につきましては、私もしばしば申し上げましたように、その安全性が確認をされ、国民的な合意が得られなければこれを実用化させないという基本的な方針を堅持いたしておるわけでございます。ただ、いままでの研究の過程におきまして、いま局長も申し上げましたように、石油たん白について有害であるというようなはっきりしたデータも出ていないが、しかし、安全性も確認をされていないわけでございます。さらに国民的な立場からいろいろと石油たん白に対する御批判があるわけでございますから、私は、先ほど申し上げましたような基本的な方針でこれに対処していかなきゃならぬと思っております。  ただ、これから農林水産廃棄物を開発し、そして同時にこれが安全の確認をしていこうという研究はわれわれがやっていくわけでございますから、そういうふうな研究を進める過程において、いわゆる研究の分野の中にあって、この石油たん白については、開発ということではなくて、いわゆる安全性について研究をしていくということはやはり主として必要なことではないかと、私はそういうふうに思っておるわけでございます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 飼料は日本の国内飼料としては絶対不足である。そこで、世界的にも食糧危機であるというような中で、飼料としてトウモロコシなんかを食わすのはもったいないから石油からそういう飼料をつくり出すようなことをやったらどうだという発想を農林省が打ち出したこと自体に大変問題があると私は思うのですが、そういう発想をいつごろから考え出したのか、その経過について御説明願いたいと思います。

小山義夫農林水産技術会議事務局長

○小山(義)政府委員 この研究を大がかりに組みましたのは昭和四十三、四年からでございますけれども、この種の問題に研究者が目を向けておりましたのはかなり古くからでございます。  いまトウモロコシというお話しがございましたけれども、考えておりますのは、大豆かすのように鶏とか豚のために非常に高濃度にたん白が含まれておるものでなければならない、そういう飼料に置きかわるものがないだろうかということをかねがね研究者は模索をしておったわけであります。それで、この問題はいまから考えますと非常に突拍子もない新しい発想のようでありますけれども、実はそれほど新しい発想ではなくて、御承知のように、牛は草を食べて、そして第一胃の中で——微生物があの中で繁殖しておりますが、その微生物の菌体が持っておるたん白が第四番目の胃の中に送り込まれて吸収をされておるわけであります。そういう意味で反すう動物は草を食べて、それをたん白質の形に置きかえて体内に吸収をしているというメカニズムは畜産関係の研究者としては学生時代からよく身につけておることでありますが、豚とか鶏は反すう動物ではございませんので、そういう形のものを何とか豚とか鶏に適用できないだろうかということを考えるわけで、かといって、豚とか鶏を反すう動物にして、第一胃のような発酵機能を持った胃をつくるというわけにまいりませんので、それを体の外でどうやってつくっていくかというふうな形の、そういう素朴な研究の着想というものは、畜産関係の、特に畜産のえさの研究をしている者にとっては相当古くからあった考え方でございます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 学者として、研究者としてそういう問題を研究するということもあり得ると思うわけですし、農林省のそういう研究の部門であるからそういうことをやるということも少なくとも私は認めるわけです。しかし、行政の場にある者としては、飼料というものを日本の畜産行政の中でどういうふうに位置づけていこうという考え方の上に立って考えなくてはならぬと思うわけです。  たとえば極端な議論でありますけれども、いま食糧が非常に危機であるから、えさに回しておるもので人間の食糧に回せるものは回すべきだ、だから石油たん白なんかは大いに使うべきである、今日食べるものがないのだから、石油たん白であるけれどもこれは食わさにゃしようがない、それで二十年先にがんになっても仕方がない、きょう飢える者、あした飢える者を救うためには、がんになるおそれが多少あるものでも食わさにゃしようがないじゃないか、と、こういう危険な考え方というか、国民の健康を無視したばかげた考え方が農林省の食糧問題に対する技術研究者の中には広まっておるのではないか。たとえば吉田さんも石油たん白のことをいまいろいろと説明されたわけでありますけれども、しかし、結論的には石油たん白を飼料化するということについて熱意を持たれておることだけは事実である。そして、また、農林省の中の食品問題を研究しておりまするところの、これはどういう地位にある方か知りませんけれども、その人たちも雑誌で絶望的な食糧危機の実態というものを訴えておられて、その中で石油たん白も食わにゃしようがないじゃないかという意味のことを国民の前に宣伝しているというか、意見の発表をしておるわけです。そういう思想というか考え方については農林省当局としては十分に考えなければいかぬ問題だと私は思うのです。  国民の健康を守り、国民を食生活の上で安心させていくためには、そういう化学製品に頼らない中でどうやって飼料の需給に見合ったものをつくっていくかという考え方に重点を置かなければいかぬと私は思うわけですが、依然として石油たん白に頭を突っ込んでおる。有害ということがわかっておると言われておりながらも、なおそれに農林省は頭を突っ込んでいるわけだが、そんなことをしなくても、それ以外にエネルギーを集中する道があると私は思うのですが、農林大臣、そういうふうな農林省の中における風潮を一体どう理解しておるのですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 私は、今日の飼料の需給情勢、さらにまた畜産物の今後の需要の増大というものを考えるときに、わが国として、飼料を増産し、あるいはまた同時に飼料の安定的な輸入化を図っていって、国民の畜産物に対する需要にこたえていくということは当然のことであろうと思うわけでありますが、そういう中にあって、わが国においては資源的な制約があるわけですから、新しい飼料を開発していくということはやはり必要なことではないかと思うわけでございます。しかし、その新しい飼料を開発する上においても大事なことは安全性の確保の問題であることは言うにも及ばぬことであります。  石油たん白につきましても、その安全性が確認をされ、さらに国民的な合意が得られれば、石油たん白といえども飼料として開発することは当然のことであろうと私は思いますが、現在の段階においては安全性も確認されておらないし、また、国民的な合意も得られていない。ですから、これを企業が開発し、そしてそれを実用化されるということは私たちは許さないという姿勢でおるわけでございます。  しかし、その安全性もまだ確認はされておりませんが、有害ということもデータの上ではっきり出ておらないわけですから、安全性の問題について、この石油たん白につきましても農林省における科学陣が研究をしていくということは、これは当然のことであろうと思います。  しかし、私たちは、政策、行政の責任者として考えるときに、あくまでも研究の成果としてこの安全性が確認されなければならぬし、さらに、国民的合意が得られなければこれを開発して実用化させるということは絶対にさせないというのが基本的な考え方でございます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 それで、飼料の関係の中で、石油たん白については安全性に疑問が持たれるし、農林省はさきに同僚議員の質問の中でも研究は一切しないという話をされたのを私は聞いたわけですけれども、この法律はきょうとあすで審議が終わるわけですが、この時期にもやはり研究を続けるということですか。  私はくどいことはよう言いませんが、石油たん白については安全性があるのかどうか、飼料として適当か不適当か、そういうことについてはなおこれからも農林省としては研究をするというのかしないというのか、この二つに一つ、どっちにもつかぬのならつかぬでいいですから、ひとつ御答弁を願いたい。

小山義夫農林水産技術会議事務局長

○小山(義)政府委員 石油たん白を開発するための研究はやりません。それは大臣から数回繰り返し御答弁があったとおりでございます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 石油たん白の研究をやらないということだが、いままで四年間やってきて、これを大日本インキやその他の会社が企業化にまで乗り出そうとしたのは、農林省の石油たん白についての研究をしたデータがその基礎になって企業化に踏み切ろうとしておったわけですけれども、それが国民の間からも、そしてまた役所の中の厚生省からもその危険性が指摘されて企業化を中止したという段階にあるわけなので、そんな国民に危険を与えるような研究をしなくとも、それにとってかわる、それ以上の国内の飼料生産に意欲を持っていくということが農林大臣の志向する前向きの農政の一環ではないかと私は思うわけですが、その点について農林大臣の見解を承りたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 新飼料につきましてはまだ未知の分野があるわけでございますし、安全性の問題につきましても、これまたいろいろと問題があるわけでございますから、慎重な上にも慎重な研究をして、そして、その結果安全性が確認され、国民的合意が得られなければこれは実用化しないわけでありますから、これの開発という面につきましてはまだまだ長い年月がかかるわけでございますし、いまお話しのように、飼料政策というものを考えるときに、現在の自給飼料の増産であるとか、あるいは飼料穀物についての安定輸入化とか、あくまでもそういうオーソドックスな飼料問題というものに農林省として真正面から取り組んでいくことがわれわれの最大の責任であろう、と、こういうふうに私は思うわけであります。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 石油たん白の問題に抗議をした主婦の間からも出ており、最近やかましくなってきておりますところの、土を大切にする運動、つまり、土の力をつける、地力をつけるという運動が非常に盛り上がっておるし、これは当然しなければならないと思うわけですが、そういう点、飼料との関係におきましても、「農産物の需要と生産の長期見通し」の中でも、あるいは「食糧問題の展望と食糧政策の方向について」という中でも、良質の粗飼料の給与率を高めていくという考え方の上に立っておりながらも、十年たった後において、現在四五・九%のものを五〇・六%に、つまり四%ちょっとの自給率を高めるような計画しか出されていないわけですが、畜産局としては飼料の自給率については実際にどういう考え方を持っておるのか、御説明願いたいと思います。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 乳牛及び肉牛につきましては、草食動物という性格上、できるだけ粗飼料を給与することが家畜の産肉能力なりあるいは泌乳量等にも好影響をもたらしますし、また、経営のコスト面でも有利であるということで、われわれといたしましては、いたずらに濃厚飼料に過度に依存することなく、適正な粗飼料の給与率まで高めるように指導し、また、それに必要な草地開発等の事業もやっておるわけであります。  われわれが政府といたしまして六十年度の長期見通しを定めました前提といたしまして、粗飼料の給与率を平均的に見ますと、大家畜平均で六七%水準まで高めたいということを考えております。基準年次の四十七年は五八%でありますが、それを六七%まで上げたい。その中で乳用牛につきましては七五%まで上げる。繁殖牛につきましては、これは主として草を利用して飼育するものでございますので、これは九〇%。肉用牛の場合は三五ないし四〇%というような給与率。肉用牛の場合には、御承知のように濃厚飼料等を使うことによってかなり肉質のいいものをつくるということがございますので他の大動物よりはやや低目になっておりますが、以上のようなことで、総合いたしまして六七%の粗飼料の給与率まで高めたい、こういう考えで施策を進めることにいたしております。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 良質の粗飼料の給与率を高めるということになると、草地の造成とか水田の裏作の利用とかというようなことをやらねばならないわけですけれども、それをやるためには土というものを今日育てなければいかぬわけで、そういうふうな方向に農林省がもっと意欲を注がねばならないと思うわけですが、微生物たん白の研究の費用として一億三千何ぼもことし計上しておる。私どもはこれに対しての予算を省くような組み替えを提案もしたわけでありますけれども、否決をされたわけですが、それと引きかえに土を生かすということについての予算をとれないものか。これはいわゆる裏作として飼料作物をつくっていくためにも絶対的に関連があると思うのですが、この予算をそういう方向へ回すようなことはできないのか、飼料作物という点でこれを回して使うということはできないのか——これは役人だからどうでも理屈をつけるのですが、そういうふうな方法はとれないものかどうか、この点を伺いたい。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 地力対策につきましては、これは何も畜産の草地のみに限らず、日本の耕種農業全体が土地の地力が非常に低下しておるということが問題になっておりまして、畜産面でもこれに対します種々の対策を講ずる必要があるわけでありまして、その一つといたしまして、家畜のふん尿を堆厩肥という形で耕地に還元するというようなことに今後一層努力をする必要があるということで、畜産の環境汚染問題の解決にも資するという観点から、畜産環境整備に関する各種の事業の中で、そのような方向で施策を進めておるところでございます。  なお、お尋ねのございました粗飼料の給与を高めるためには、予算的な措置といたしましては、御承知の公共事業によります草地の開発造成事業を、これは五十年度は百九十七億ぐらい畜産局と構造改善局両局にわたって計上いたしております。  さらに、外延的な拡大だけではなくして、既耕地に飼料作物を裏作を含めまして導入していくということの関係の予算といたしまして、今年度約六十八億ぐらい計上いたしております。  これらの施策は地力対策にももちろんなりますし、今後一層拡充実施していく必要があるということで今後進めたいと思っております。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 私は多くの質問をしたいのですけれども、時間がありませんのでそろそろやめますが、この飼料について当委員会で論議をされておるのは主として家畜に関する飼料が中心に論議をされておるわけです。さっきの理事会のときにも稲富先輩からも発言がありましたが、養殖漁業が非常に盛んに行われておるわけですけれども、養殖のハマチに食わすえさとタイに食わすえさがほとんど違いがないわけで、ハマチに食わすえさをタイも食っておるのであるから、成長したタイの身の味もハマチの味もほとんど変わらないという現象が出ておるわけですが、水産関係におけるこのえさの問題について、今日そういう問題点が提起されていないのかどうか、あわせて承っておきたいと思います。

兵藤節郎水産庁次長事務代理

○兵藤政府委員 最近、わが国におきましても養殖漁業が大分発展してきておるわけでございますが、養殖漁業でも海面養殖と内水面養殖の二つがあるわけでございまして、海面養殖の場合ですと四十八年度の数字では八万四千トン、内水面養殖の場合には六万四千トン、合わせまして十四万八千トンという養殖水産動物の生産があったわけでございます。これに要するところの配合飼料としましてはおよそ十六万トン程度のものの生産が行われております。  それから、いま先生がお話しになったハマチ等につきましては、イワシ、サバ、サンマ等の鮮魚、冷凍魚が中心になっておるということでございまして、このハマチ等の生えについては、その供給についてはほぼ心配はないといったような状態になっておるわけでございます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 あと若干島田議員から関連質問を行うわけでありますので、私はこれ一つで終わりたいと思いますが、この飼料の品質改善に関する法律の改正案、つまり飼料の安全に関する法律が通った場合に、畜産物の関係だけではなしに、水産物の関係にもこの法律は当然適用されるべき性質のものだと思うわけですが、それについての大臣の見解を承って、私の質問を終わりたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 これは畜産動物だけではなくて、養殖漁業に対する配合飼料につきましてもこの法律の適用を受けるべく、法律改正が行われたときには直ちに省令、政令等で指定をする方針でございます。

澁谷直藏自由民主党

○澁谷委員長 関連して、島田琢郎君。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 先ほど、石油たん白について、小山水産技術会議事務局長から、一般的にはこれを普及するという立場では一切研究をやらぬというお話しがありましたが、その前段では、SCP等の研究の比較から言って石油たん白についても研究をやらなければならないという意味の発言があったように思いました。この点については、大臣からも、先般の私の質問に対して、国民的合意が得られなければという趣旨の、石油たん白の研究あるいは開発についての明確な発言があったので、私はそれをある程度了解をいたしておりましたが、先ほど大臣から盛んに国民的合意ということを言われるわけであります。しかし、国民的合意とは何かという点になりますと非常にこれがあいまいで、たとえば少数の反対者があっても国民的合意は得られなかったと判断する場合と、少数意見は少数意見なんで、大勢としてはこれを認める国民的合意があったのだという理解がそこに成り立つと石油たん白を開発して使用するということに流れがちになりますので、きょうの答弁は前回から見ると若干ニュアンスが変わっているというふうに私は受けとめていたのですが、私の受けとめ方が間違いであれば幸いですが、この点については、大臣、いかがでしょうか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 私は、しばしば申し上げておりますように、石油たん白につきましては、国民的な合意と安全性の確保がなければこの実用化はさせないという基本方針をもって今日まで行政当局に指示し、指導もいたしてきておるわけでございますが、この国民的合意とはどういうことかということにつきましてはここで具体的にはっきり申し上げることは非常にむずかしいわけですが、国民的合意を得る前提条件は、やはり何としても安全性の確認ではないかと私は思うわけです。安全性の確認があって、それが周知徹底をして、その結果国民的に合意が得られたならば実用化ということも考えられるわけでございます。  ですから、国民的合意の大前提というのは安全性の確認であろうと思うわけでありますし、その際の国民的合意におきましても、もちろん、多数決といったような、少数が反対し多数で押し切るといったようなものであってはならない、やはり広く国民が合意をするということでなければならないと私は思うわけであります。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 厚生省の岡部乳肉衛生課長、先ほどの井上委員とのやりとりあるいはいま私から端的に質問を申し上げました点について、厚生省としての見解はいかがですか。

岡部祥治厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○岡部説明員 お尋ねはSCPに関してでございますか。石油たん白でございますか。——石油たん白につきましては、すでに先生も経過を御承知のとおり、従前こういうものの開発が進められたわけでございますが、これらを飼料として利用いたします際には、生産物が肉あるいは牛乳等として人の食用に供されるものでありますから、その安全性を十分検討する必要があるということから、食品衛生調査会におきましてこれらのデータをいろいろ検討した経緯がございます。しかしながら、今後これらのものが飼料として開発、利用される場合でありましても、その家畜の肉等が食品となるものでございますので、これらの問題を十分踏まえましてその安全性を確認する必要があると考えております。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 そうすると、厚生省は、石油たん白の研究開発については農林省にゆだねて、その安全性が確認されれば厚生省としても合意するという考え方ですか。

岡部祥治厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○岡部説明員 安全性が確認されるということの評価の問題でございますが、この評価が科学的に十分行われたものであり、なお、私どもといたしまして食品衛生の立場から専門的に検討いたしまして、食品の安全性が確保されるものであれば私どもとしては差し支えないと考えております。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 そうすると、厚生省としては、石油たん白については、人体に影響があるかないかの判定はまだしていないということですか。

岡部祥治厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○岡部説明員 大日本インキ及び鐘淵化学の実験段階で行われたものにつきまして実験データで見ます限りにおきましては、これは従前の飼料等で飼育したものと差がないということでございます。しかしながら、これが実用化、いわゆる企業化に当たりましては、この実験段階におきますものと同一のものである等いろいろな条件がございますけれども、この実験段階におきますものにつきましてはそういう評価をいたしております。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 どうも私にはわからないのですけれども、めんどうくさい石油たん白だ、いま国民的合意がなかなか得られないのだ、だから厚生省としては石油たん白に直接かかわるのは避けたいのだ、責任をむしろ農林省に移した方が得なんだ、と、そんな判断があってあなたは何かごちゃごちゃ言うのか、さっぱり私にはわからないのでありますけれども、私に言わせれば、石油たん白については、これを家畜に食わせていった場合でも畜産製品に変わって、その食料を人間が食べるのですから、むしろ厚生省がこのことに対して的確な判断を下すべきではないんですか。  実験段階では危なくないと思っているがさらに用心をしなければならないということで、その責任が農林省に転嫁されている点では、これは農林省としては非常にやりにくいでしょう。だから、先ほどから大臣や小山事務局長からの答弁にもあるごとく、国民的合意という言葉が盛んに出てくるわけでありまして、その辺はむしろ厚生省が責任を負わなければならない範疇に入るのではないか。そういう点についてもう少し態度をはっきりさせないと、国民的な合意はもちろんのこと、これは非常に危険だという立場でいままでも取り扱いをされてきたという私どもの理解から言うと、これはいささか責任回避というふうに聞こえるのですが、いかがですか。

岡部祥治厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○岡部説明員 飼料としての安全性の確認の方法にはいろいろな手法がございますが、現在なかなか確立されていない段階の部分もあるわけでございます。したがいまして、これらの新開発の飼料につきましては、今後この改正法によりまして、農業資材審議会等におきまして十分審議されるわけでございます。  しかしながら、これが食品としての安全性というようなことから疑問がある場合には厚生省といたしましては農林省と十分連絡をとり、また、法文上は意見を述べるということになっておりますが、これらの条文を活用いたしまして食品衛生の万全を期してまいる所存でございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 どうも私の質問に的確にお答えにならないのですけれども、今度の改正によります新しい法律で、第二十二条の取り扱いで確かにそのことは私は理解しているのです。しかしながら、石油たん白について私はいま聞いているわけで、石油たん白もこの二十二条の厚生大臣の農林大臣に対する要請という形の中で取り扱いを進めていくということについては不都合ではないかと私は思うから、石油たん白については明確にしておかないといけないのではないかと思って厚生省の見解を求めているわけです。

岡部祥治厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○岡部説明員 いわゆる石油たん白というものにつきましては現在飼料としての実態がございませんので、この新しい法案におきます新開発の飼料の部類に入ると考えております。したがいまして、二十二条でこれらの規格、基準あるいは使用方法等につきましての適用を受けるものと考えております。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 いま大変重要な発言があったのですが、実際に食わしてみた、そういう実験データがない、また、試験ではなくて、実際に現場で石油たん白が使用された結果によって実害が出た、出ないというデータがないから依然としてこの二十二条で取り扱いすることがいいんではないかという趣旨の発言ですけれども、石油たん白以外の問題についてもいまのおっしゃり方で言うと非常に問題があると私は思います。石油たん白についての国民の側からのいろいろな御意見がいま非常にたくさんあるということは厚生省も御承知でしょうし、それだけに、人体に及ぼす影響については、幾つかの試料あるいは学者の研究結果によってかなり疑わしいということがすでに指摘をされている段階です。  したがって、厚生省としてはそういう意見に対してはどのように対処しようとしているかの点がきわめてあいまいだから、それを農林省の責任に転嫁してしまうということで厚生省の役割りが果たせるのでしょうか、と、このことを私はくどくお聞きをしているわけです。農林省にすべてをやらせて、結果が悪ければひとつ文句を言おうというふうに聞こえるのですが、いまの御発言はそういう御趣旨ではないのですか。

岡部祥治厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○岡部説明員 新しい法案の二条の六の三号において石油たん白等使用経験の少ないものにつきましての規定がございます。それで、二条の六について、厚生大臣は公衆衛生の見地から農林大臣に対して、これの規格、基準あるいは使用方法等についての意見を申し述べることができるように条文上なっておりますけれども、これが研究の段階でございますとかあるいはそれらのデータ等につきましては内部で十分連絡をとりまして、そういうことのないようにいたす所存でございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 それでは、もう時間がなくなりましたので余り長くお話しを聞くことができませんが、この際最後に岡部課長にお聞きしますが、この第二十二条の、いま触れております厚生大臣の農林大臣に対する要請という条項に対して、先ほど午前中に研究会の太田座長から報告が行われておりました中にもありましたが、この研究会では、「現行食品衛生法第四条の二の規定に準じた制度を導入することが望ましい」と言っている。この「準じた」ということに多少のひっかかりがありますが、私に言わせれば、むしろ、食品衛生法の第四条の二に「飼料」という項目を入れて厚生省が積極的に取り扱うべきだというふうにさえ一面考えておった一人であります。それを二十二条で救ったわけですが、この際二十二条に対する厚生省側の見解を明らかにしておいていただきたいと思います。

岡部祥治厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○岡部説明員 先生御承知のとおり、食品衛生法では四条でございますとか、あるいは七条でございますとか、いろいろと食品衛生上の危害の発生防止のための規定がございます。それで、畜産物について、特に人の食用にそれが供せられてそれが人の健康に影響を与えるというようなことがないように、飼料あるいは飼料添加物の段階でこの新しい法案において規制をしようというのがこの法案でございます。もちろん、これが飼料あるいは飼料添加物の規格、基準あるいは使用方法等を定めます場合に、この食品衛生法を前提におきまして規格、基準を定められることは当然のことと考えております。  したがいまして、なお、それらの規格、基準が食品として不適当なものが生産されるおそれがある場合には、二十二条によりまして厚生省から農林省に意見を申し述べるという規定でございまして、これで私どもは食品の確保ができるものと考えております。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 まだ私は二十二条の問題については多少意見がありますけれども、もう時間がありませんから最後に農林大臣に伺いますが、いま厚生省側の見解が示されましたけれども、この条文にある「意見を述べ」とか「要請することができる」という言葉の使い方から感じとる中ではきわめてこの点が弱いし、また、人間の食べる食料の安全性確保という見地から言って、厚生省が農林省に対して、ともに、同時に責任を負わなければならない立場にあるという理解をいたしますと、もう少し積極的に——たとえば農業資材審議会の審議に当たっては、農林省だけではなくて厚生省も参加をするということで、事前チェックができるという責任の持ち方も必要だと私は思っております。  したがって、審議会の運用に当たってはこれは相当慎重を期さなければならない点ではないかと私は思いますが、この点について農林省としては厚生省との関連において、具体的には審議会の持ち方等についてどのようにこれからされていこうとお考えなのか、時間がありませんのでごく簡単に具体的にお答えをいただきたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 この改正案が成立いたしましてこれを実施するに当たりましては、厚生省とは十分連絡を密にしながらこの適正な運営を図っていかなければならぬと思うわけであります。  食品の安全につきましては食品衛生法によって規定をされるわけでありますし、その食品を生産する原料となるところの畜産物の飼料あるいは飼料添加物につきましてはこの法案によって規制をされるわけでありますし、厚生大臣が要請をするという二十二条につきましても、これが要請をされる事前に農林省は厚生省と十分な連絡もとっていかなければならぬと思うわけでございます。  同時に、審議会の委員につきましては、農林省といたしましては、食品衛生関係の委員を審議会の委員になっていただくという考え方を持っておるわけであります。

澁谷直藏自由民主党

○澁谷委員長 島田君、時間が来ました。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 岡部さん、いま大臣からそういう話が出ました。私は「要請」という言葉は弱いと思っているのですが、これを「協議する」とかいう言葉の使い方にするのと、厚生省側としてはどちらが強い意見がそこに出されると思うか、それだけ承って質問を終わりたいと思います。

岡部祥治厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○岡部説明員 「協議」というのは受け身であると私は考えております。現在の条文は厚生大臣から農林大臣に意見を述べることができるということでありますが、「協議」というのは向こうから御相談がなければ何にもできないということで、むしろ改正案法の方が積極的だと考えております。

澁谷直藏自由民主党

○澁谷委員長 次回は、明四日水曜日午前十時理事会、午前十時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時二十七分散会

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