農林水産委員会 第22号
- 発言数
- 162 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1975/05/28
会議録
○澁谷委員長 これより会議を開きます。 この際、理事辞任の件についてお諮りいたします。 理事渡辺美智雄君より、理事を辞任したいとの申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○澁谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次に、理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。 ただいまの渡辺美智雄君の理事辞任に伴う、その補欠選任につきましては、先例により委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○澁谷委員長 御異議なしと認めます。よって、今井勇君を理事に指名いたします。(拍手) ————◇—————
○澁谷委員長 飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 この際、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。 すなわち、本案について参考人の出席を求め、その意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○澁谷委員長 御異議なしと認めます。 なお、参考人の人選、出席日時及びその手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○澁谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○澁谷委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。稲富稜人君。
○稲富委員 飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する法律案の質問に当たりまして、まず、農林大臣に最初にお尋ねいたしたいと思います。 この法律で言う「飼料の安全性の確保」とは、家畜に主体を置くのか、それとも家畜を通じて生ずる人の健康を損なうおそれがあるということを主体とするのか、そのいずれに重点を置いて改正しようとするのか、その点の基本的な考え方を承りたいと思います。
○安倍国務大臣 どちら側に主体を置くのかという問題でございますが、何としても人間の健康保持といいますか、安全性というものに主体を置き、あわせて家畜の安全性を図っていく、確保するということが趣旨である、と、こういうふうに私は理解しております。
○稲富委員 人の健康に重点を置くということを主体に考えを持っていくといいますと、厚生省としての責任もまた非常に重大になると思うわけでございますが、これについて厚生省としてはどういうような考え方を持っておられるか、この点をまずお尋ねしたいと思うのでございます。
○岡部説明員 御指摘のように、厚生省としては食品衛生に関する担当をいたしておるのでございますが、人の食用に供せられる畜産物等の生産物というものは、これは当然食品となるものでございまして、これが食品衛生法の適用を受けることは申すまでもございません。したがいまして、この畜産物等の生産の段階におきまして飼料あるいは飼料添加物等を規制いたしまして健全な食品を生産するというこの改正法案でございまして、私どもといたしましては、この食品衛生の確保ということから大変結構なことと存じております。
○稲富委員 厚生省にさらにお尋ねいたしたいと思いますが、食品衛生法の第一条におきまして、「この法律は、飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、公衆衛生の向上及び増進に寄与することを目的とする。」ということを書いてあります。ところが、今日まで厚生省が、国民衛生の立場から果たして積極的に冒頭からこの阻止に取り組んできたかということを見ると、その点不十分であった点が非常にあるんじゃないかと私たちは考えます。 今回の法案の二十二条を見ますと、「厚生大臣は、公衆衛生の見地から必要があると認めるときは、農林大臣に対し、第二条第三項の指定、第二条の二第一項の規定による基準若しくは規格の設定、改正若しくは廃止、第二条の六の規定による禁止若しくは第二条の七の規定による命令に関し意見を述べ、又は当該禁止若しくは当該命令をすべきことを要請することができる。」ということで表現されてあるのでございますが、この点、いま申しました食品衛生法の第一条の「目的」から見まして、防止するというこの意味から申し上げますると二十二条は非常に弱いのではないかと思うのでございます。 私は、この問題に対して、かつて食品衛生課に、たとえば生乳の問題でいろいろ尋ねたことがある。生乳を市場に出しているが、乳の消費を非常にふやすためには、牛乳の入っていないコーヒー牛乳なんかを禁止する必要があるんじゃないかとか、あるいはオレンジジュースと称して今日ちまたにはんらんしているものが、オレンジが入っていない、砂糖水に化学染料で色をつけたものが市場に販売されているが、こういうことに対して厚生省はどう考えておるかと伺ったところが、その当時厚生省の食品衛生課としての答弁は、そういうものがちまたにはんらんしておっても、それが人間の体に害を与えたときに初めて取り締まる対象になるのであって、これが人間の体に危害を与えないときには取り締まる対象にはならないんだ、牛乳が入っておろうと入っておるまいと、あるいはオレンジジュースにミカンの果汁が入っておろうと入っておるまいとそれは関知しないことであって、そういう名称の清涼飲料水として扱っておるにすぎないのだ、と、こういうような答弁を受けたことがあります。 それで、その間厚生省としては、いま言うように食品衛生法ではっきりと防止策をやらなくてはできないということを決めておりながら、人間の体に危害を与えるまでは人間を試験管にしておいて、そうして危害が与えられた上でこれに対する取り締まり方策をやるというのが従来の食品衛生法の実施に当たっての厚生省の態度ではなかったか。こういうことを想起するときに、二十二条のこの規定というものは、これが人体に影響するとするならば厚生省が非常に責任を持ってこれに当たらなくちゃできないにもかかわらず、農林大臣の方にこれをゆだねてしまう。責任を転嫁してしまう。こういうようなことでいいのであるか。飼料の最初の製造から厚生省がもっと積極的に取り組んで、そして不安のないような飼料をつくることに厚生省として取り組むべき大きな使命があるんじゃないかと私は考えるわけでございますが、この点厚生省としての考え方を承りたいと思うのでございます。
○岡部説明員 御指摘のように、食品衛生法は飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止することを目的といたしておるわけでございまして、ただいま御指摘になりましたような事例につきましても、たとえば四条でございますとか、七条でございますとか、それぞれの規定がございまして、清涼飲料水につきましては、衛生上の危害の発生を防止するために規格基準を定めておるところでございます。 したがいまして、先ほど申し上げましたように畜産物というものが人の食用となる場合におきまして、これが健全な食品であるということは当然でございまして、このために、その飼料だとか飼料添加物から由来する有害な畜産物を生産することを防止しようというのがこの改正法案でございまして、これに対しまして規格基準等を農林大臣が定める場合におきましても、当然、この食品衛生の見地を十分踏まえられまして規格基準を定めることになっておるわけでございます。さらに私どもといたしまして、これらの規格基準等の設定につきまして、食品衛生上問題があると思われるような場合には意見を申し上げるという規定でございます。これをもって食品衛生の万全を期したいと考えておる次第でございます。
○稲富委員 この問題につきましては、飼料の製造の過程においても食品衛生法の精神を十分くんで、そして農林大臣に協力をするという、この体制を強力に進めることが必要じゃないかと考えますので、この点について今後の厚生省としての心構えを特に承っておきたいと思ったわけでございますので、そのつもりでその点をよろしくお願いしたいと思うのであります。 さらにお尋ねいたしたいことは、この添加物の問題につきましては、飼料の中に薬事法による薬品を使う場合が非常に多いことはすでに御承知であると思うのであります。この薬品の使用につきましても、御承知のとおり、薬事法の八十三条によりますと、「医薬品、医薬部外品又は医療用具であって、もっぱら動物のために使用されることが目的とされているものに関しては、この法律中「厚生大臣」とあるのは「農林大臣」と、「厚生省令」とあるのは「農林省令」と読み替えるものとする。」となっている。この点からもってしても、いま私が言ったように、厚生省が非常に責任を持って人体に危害を及ぼさないようにしなければならぬのだが、飼料をつくる場合に医薬品をこれに使うというような場合には、いまの食品衛生法に対して責任を持たれるように、薬事法に対しても厚生省としてもずいぶん考えなければいけないと私は思うのです。ただこれを「厚生大臣」を「農林大臣」に読みかえるんだというような消極的な態度でいいのか、現在抗生物質等の薬品が非常に飼料に添加されるというような時代にこれでいいのかどうか、薬事法に対してももっと検討の必要があるんじゃないか、と、こう思いますが、これに対しては厚生省はどういうようなお考えを持っておられるか、承りたい。
○岡部説明員 大変恐縮でございますが、私、薬事法の担当をしておりませんので明確な御答弁はしかねると思いますが、飼料添加物等につきまして、今後この改正法案によりまして健全な畜産物を生産するという考えでございますので、その点につきましては、それが使用方法によりまして、薬品あるいは飼料添加物あるいは食品添加物という使われ方がいたすわけでございますけれども、それぞれの法規によりましてそれぞれの規格基準あるいは使用基準が定められるものと考えております。
○稲富委員 この問題につきましても後ほどまた質問いたしますけれども、添加物の中には薬品を使う場合が非常に多いので、この点は農林省と十分協力して、そういうような危険な飼料の生産をされないように、こういうことに対しても薬事関係としても特段の考え方を持っておっていただきたいということを、この機会にこれは厚生省に強く要望しておきたいと思うのでございます。 次に、農林大臣にお尋ねしたいと思いますことは、今回の飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する法律案の内容を検討いたしますと、表面は一部改正と称しながら、その内容は、その法律の名称から「飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律」と変更されております。さらに、この法律の第一条の目的も全く従来と変わっているというようなことになっておるのであります。この全文のどこを見ましても、一部改正どころか、変わった部分が多いように見受けられて、事実は一部改正ではないんで、改正された分が多い。これを何ゆえに一部改正法として提出されたのか、何ゆえに新たな単独法として提案してこの法律を廃案としなかったのか、その辺のいきさつ、理由等を承りたいと思うのであります。
○安倍国務大臣 本法の改正案の提案の理由につきまして申し上げましたように、今回の法の改正のねらいは、飼料の安全性の確保と栄養成分に関する品質の改善によりまして一層の適正化を図ることでございまして、これら二つは飼料の品質に関する車の両輪とも言うべきものでありまして、両々相まって公共の安全の確保と畜産物等の生産の安定が確保されるものと考えておるわけでございます。 現行法はもっぱら家畜、家禽の栄養成分の確保、飼養管理の合理化の観点から飼料の品質の改善を図ることを目的としており、畜産物に関しての人間の健康に対する安全性の考慮は払われておらぬわけでありまして、したがって、改正法案中、飼料の安全性の確保に関する規定は、いま御指摘のように全く新規の規定でございます。しかし、栄養成分に関する品質の問題につきましては現行法の改正によって対応し得るわけでございますので、飼料の安全性に関する規定を含めて、全体として現行法の一部改正という形式をとったわけでありまして、いまの法律を廃案にして全く新しい法律としてつくれということも一つの御意見であろうと思いますが、政府としては、いま申し上げましたように、車の両輪というような形で、全体としての現行法の改正によって対応できるというふうな考え方をとって改正法としてお願いをしておるわけであります。
○稲富委員 大臣、邪推かもわからないけれども、私たちはこういうことを思うのです。それは、今度の法律改正は、いま申しましたように題名から内容も全部変わっているでしょう。これを一部改正にしたということは、従来これが農林省の畜産局の所管であるがために、余り題名を変えたならばよそに持っていかれやせぬかという、一つのお役所のセクト主義がこういうような結果になってきているのじゃないかと思うのです。これは邪推かもわかりませんが、そういうような疑惑さえ持つわけなんです。これほど内容の変わったものならば、この安全性ということに重点を置くならば、安全性のための法律だということをあっさりと率直にうたった方がよかったのじゃないか。従来のものを一部改正していくのだと言って、一部じゃなくて大半を改正するというようなこの取り扱い方に私は非常に基本的な疑惑を持つわけなんですよ。恐らくセクト主義であったとはおっしゃらないだろうけれども、この点をもっとわかりやすいように、さっぱりした態度でなぜお出にならないのか、こういうことについて私は非常に疑念を持つわけなんです。 もちろん、飼料でございますから、これはどこまでも農林省の所管であり、畜産局の所管であるということに対して異議を言うのじゃございませんけれども、大体法律の主題そのものから変わっているし、目的が変わっているし、内容が大半変わっている。これを一部改正というようなことで取り扱うという前例があるのかどうか、私はこの点を疑わざるを得ないので、それで私はそういうことを聞いておるわけなんでございますが、本当に安全性に取り組むとするならば、その安全性をまずうたってやるというふうな方法がなぜとれなかったか。 農林大臣としてはそのくらいの事務的な問題は説明できないかわからぬが、畜産局長、その点はどうなんですか。私は責めるわけではございませんが、その方がさっぱりするのじゃないかと思うので、率直に承りたいと思うんですよ。
○澤邊政府委員 率直にお答えいたしますけれども、先生の御指摘のような見解は私どもも十分了承できる面が多いわけでございます。立法の過程におきまして、先ほど大臣からもお答えいたしましたような観点が法制局等との協議の過程においていろいろ出まして、一部改正でということになったわけでございます。われわれといたしましては、安全性の確保ということを目的に加えたということはまさに大改正でございます。そういう意味から言いますと、あるいは先生のおっしゃったような形式をとった方がよかったのではないかという気持ちは現在でもいたしておりますけれども、内容におきましては先生の御指摘のような内容になっておりますし、安全性につきましては十分重視をして、各種の規制規定を設けておりますので、成立いたしますれば、その目的に即しまして、安全性という点については十分配慮して運用してまいりたいというように考えております。
○稲富委員 その問題に対しては議論してもしようがありませんからそのくらいにしまして、それでは、次の問題をお尋ねしたいと思います。 現在の飼料添加物は百六種類の多きに達しておると承っております。しかも、政府の提出の資料によりますと、その使用量は六万六千トンにも及んでおると言われておるのであります。その飼料の添加物の中でも、その中枢となるものは抗生物質等の抗菌性物質製剤でありまして、しかもこれらすべてが先刻申し上げましたように薬事法で指定された動物医薬品であるということを考えますと、わが国の家畜はまさに本当に薬づけの状態であると言っても過言ではないというように思う状態であるのでありまして、こういうことは決して好ましい状態であるとは私たちには思われないのでございますが、これに対しては政府はどういう見解をとっていらっしゃるか、承りたいと思います。
○安倍国務大臣 わが国の畜産の中におきましては、特に豚だとか鶏だとかいうものは生産の体制が非常に大型化しており、あるいは集団化が進んでおるということでございまして、したがって、一たん伝染性の疾病が発生した場合には非常に甚大な経済的な損失をこうむるという危険性が非常に高いわけでございます。これらの疾病の予防並びに家畜、家禽の生産性の低下を防止するためには、適正な動物用の医薬品の使用が経営安定上は欠くべからざるものではないかというふうに私は基本的には考えておるわけでございますが、しかし、家畜、家禽の飼養に当たりまして、環境衛生的に保全をすることは疾病の予防並びに生産能力の向上を図る上からいきましても基本的な原則でもございますし、過度に医薬品に頼らないということ、過度に医薬品に依存することを防いでいくということは非常に重要なことであろうとも私は思っております。 こういう考え方から、従来からも家畜保健衛生所を中心といたしまして、消毒の励行であるとか、合理的なふん尿処理であるとか、清潔保持等の飼養環境の改善、疾病の発生予防のための技術指導等には努めておるわけでございますが、飼養環境あるいは飼養管理方法等に対する衛生上においての留意すべき事項につきましては今後ともさらに指導を徹底していきたいと思っております。 したがって、薬づけという御批判もございましたが、医薬品をすべてなくしていく、これを全部なくしてしまうということにつきましては、今日の飼養形態、畜産の現状から見まして、需要に対して自給力を高めていくという点からも問題はあろうと思いますが、しかし、安全性の確保と衛生上の見地からも、医薬品の使用につきましては、可能な限りできるだけこれを少量にとどめるというためには今後とも一層の努力をする必要はあろうか、と、こういうふうに私は考えておるわけであります。
○稲富委員 ただいまも農林大臣の御答弁の中にもあったのでございますが、いま申し上げましたような事態を招来した最も大きな原因は、政府がじみちな家畜衛生対策を怠って、ただ単に畜産加工業的な大規模経営の出現を奨励してきたということがいま大臣のおっしゃったような結果を招いたんじゃないか。 一方には、これに便乗して飼料、製薬品メーカー等が売りさえすればいいんだというようなことに迎合したことによってただいま私が申しましたような批判がいたされているというように思うのでございますが、これに対しては今後十分注意をしていくという大臣のいまの御答弁ではありますけれども、今回の改正に対してもこれらの点をどのように考えているか。これはいままでの政府のやり方についても相当に反省しなければいけないと私は思うのですが、どのような反省をして、どのような健全な畜産経営の育成をやっていこうとするのであるか。こういうような点に対しての国としての方針あるいはこれに対する所信を詳細に承っておきたいと思います。
○澤邊政府委員 大臣からお答えいたしましたように、飼料添加物につきましては、飼養環境の保全を進めるということによりましてできるだけ使わなくて済むような条件を整備していく必要があるというように考えておりますが、現段階では全くなくするわけにはまいらないという現状でございますが、安全性という点でさらに一歩を進めるために、この法律が成立いたしまして施行されるまでの間に、飼料添加物につきまして全面的に見直しをしてみたいというように思います。 栄養効果の点はもちろん、安全性につきましても、資材審議会の専門家の御意見を伺って全面的に見直しをいたしまして、整理のできるものは整理をする。あるいは後ほどまた御質問、御意見が出るかと思いますけれども、人畜共通の抗生物質等につきましては耐性菌が出現をする。だから、人間にもその抗生物質が効かなくなるというようなことの心配もございますが、それらの点につきましては、人畜共通のものはなるべく整理をしていく。あるいは残すものにつきましてもできるだけ使用を縮小していく。休薬期間を延ばしていく。一部のものについてはすでにやっておりますけれども、それらを延ばしていくというようなことをやりまして、施行までの間には百六種類を少しでも減らしていくというようにしたいと思います。 なお、今後新しい飼料添加物が出てくるということもございますが、これは二条の二によりまして、基準、規格について、安全性という観点からあらかじめ試験基準というものをつくっておりまして、それに基づいて動物試験なり、あるいは残留試験なり、あるいは理化学的な試験なり、毒性試験なりというものを十分やりまして、成分の規格を決めたり、あるいは製造なり使用の基準を決めるというようなことを厳正にやりまして、必要最小限にとどめるように運用してまいりたいというふうに考えております。
○稲富委員 いま、局長も、この問題に対しましては慎重に検討しながら、過去における反省の上に立ってやっていくということでありますので、政府の意のあるところは大体わかったわけでございますが、重ねて申し上げておきたいと思いますことは、最近における飼料添加物の多用は畜産の消費者にも大きな不安を与えているということであります。これはすでに畜産局長も十分御承知であると思います。たとえばフラゾリドン等の添加物を使用した畜産物の不買運動が一部に出ているということに対しまして、飼料添加物の見直しはやはりこの機会に十分やらなければいけないと考えます。いま、畜産局長もその点に対しては十分見直しをしながらやっていくということでございますので、その点は私も十分多とするのでありますが、この点は、少なくとも消費者に不安を与えないということで対処しなければ、ひいてはこれが畜産振興に非常に影響を及ぼすことになりますので、私は特にその点を強く対処していただきたいという希望を申し上げたいと思うのでございます。 さらに、次にお尋ねしたいのは、今回の改正案の第二条に、「この法律において「家畜等」とは、家畜、家きんその他の動物で政令で定めるものをいう。」と、うたってありますが、魚類の飼料が人体に及ぼす影響は非常に大きいということが言われておるのでございますが、この魚類の飼料の影響はどのように考えておられるか。水産庁としてはこれでいいとお考えであるか。水産庁が出席しておるならば、水産庁としての御意見を承りたいと思います。
○兵藤政府委員 水産の場合には、最近養殖が盛んになりつつあります。先生御承知のように、日本の水産の漁獲量は全体を通じますと一千七十八万トンで、いわば世界で第一番目の漁業王国であるということになるわけでございますが、その中で内水面漁業は約十七万トンという漁獲量でございます。さらに、そのうち海面養殖あるいは内水面養殖で揚げているのが約十五万トンといった数字になるわけでございます。 この養殖用に使っている飼料でございますが、これには人工配合飼料と鮮魚、冷凍魚、あるいはサナギといったような生えもあるわけでございまして、これらを合わせまして約十六万トンのえさを使っているということでございます。そういうことでございまして、今回の飼料の法律の改正に当たりまして、水産庁としましても、養殖水産動物を政令によって指定してまいりまして相応な措置をとるという考え方でおるわけでございます。
○稲富委員 農林大臣にお尋ねしたいと思いますが、ただいま水産庁で言っておりましたように、魚類の飼料によって国民の人体に及ぼす影響は非常に大きいのであります。畜産物の場合は、これを使用しまして病気にかかっても獣医がいてその治療に当たるけれども、水産の場合はお医者さんがいないのです。だから、抗生物質等の医薬品をえさの中にまぜまして、そのえさを使ってできるだけ魚が病気にかからないようにすることが非常に多いわけなんです。特に、日本の国民といたしましては、動物たん白資源として魚をとる場合が非常に多いので、人体に及ぼす影響は非常に大きいのでございます。そういう点から申し上げまして、第二条で、「この法律において「家畜等」とは、家畜、家きんその他の動物」ということで、魚類を「その他の動物」に加えているのは漁業を非常に軽視しているのじゃないかと思うのですが、あなたの所管なんですから、大臣、特に考えてもらいたい。 第二項には、「この法律において「飼料」とは、家畜等の栄養に供することを目的として使用される物をいう。」とありますが、魚はこの「家畜等」の中に入っているのですか、どうなんですか。なぜここにこれほど重要な関係のある魚類というものを入れないのか。同じ農林大臣の所管のもとにある漁業でございますが、この点はこれで十分であるという考えを持っていらっしゃるのかどうか、これを大臣に特に承りたい。
○安倍国務大臣 水産物に対する飼料の問題は、日本においては国民の副食の中で水産物が非常に大きな立場を占めておりますので、私も非常に重要であると思うわけであります。この法律には魚類ということをはっきり書いてはおりませんが、私の考えでは、養蚕もあると思いますけれども、魚類あるいは養蚕等につきましては政令で直ちに指定するという考え方を持っておるわけであります。
○稲富委員 これは畜産局所管の法律案であるがために、特に魚類あるいは養蚕というものを書かなかったんじゃないですか。そういう考え方ではなくて、魚類の及ぼす影響は非常に大きいのですよ。しかも、いま言ったように、医薬品等の使用が人体に及ぼす影響というのは、家畜より水産の方がもっと多いと言っても言い過ぎじゃないと私は思う。それを、「その他の動物」の中に魚を入れ、「家畜等」の「等」の中に魚を入れるという取り扱い方は——同じ農林大臣の所管でありながら、これは恐らく畜産局所管の法律案なるがゆえに魚をわざわざ政令にゆだねたのじゃなかろうかと思うのですが、なぜ魚類というものをうたわないのですか。この点はどうなんですか。私はどうもこの点が腑に落ちない。
○澤邊政府委員 二条で政令で指定することになっておりますが、家畜につきましても、牛とか豚とか鶏というのは個々に政令で指定することにいたしております。 その中で、「その他の動物」ということで魚類を軽視しておるではないかという趣旨のお尋ねでございますが、これは決してそういうつもりはございませんので、施行と同時に、養殖動物につきましては、牛なり豚なりと同じような形で政令で指定してまいりたいと考えております。 なお、大臣も申しましたように、蚕につきましても、最近人工餌料が普及の緒につきつつありますので、これは施行と同時というわけにはまいりませんけれども、時期を見て政令で指定をするというふうに考えております。 その点で、魚だけではなしに蚕の問題もございましたので、一々全部並べるのはいかがかという単純な考え方でございまして、特に軽視するとかいうような気持ちは持っておりません。
○稲富委員 それは、豚とか鶏とか家禽とかいうものはいままで畜産と言っておったから、「その他の動物」と言われても、あるいは「家畜等」の中に入れてもいいのですけれども、魚と家畜というものは、四つ足を持っておるものとひれを持っておるものだからまるきり違うので、これを同じ飼料を使うのだからといって、畜産関係とは別に漁業関係の飼料に対する法律をつくるならともかくも、政令で魚も入れるということは、漁業に対する影響というものを非常に軽視しているのじゃないかと私は思うのです。 そこで、水産庁にこの機会にさらに聞きたいと思うのですが、水産業に対する添加物、薬品等の使用の現状はどういう状態に置かれておると水産庁は思っておられるのか。ことに、魚を通じた人体の健康に及ぼす影響というものがどのくらいあるかということを私が前に質問したところが、水産庁はその点はまだ十分調査していないと言っていらっしゃったのだが、もしもその後の調査が出ているならば、それも承りたいと思うのであります。 さっきも私が申し上げましたように、水産庁に特に申し上げておきたいと思うことは、獣医学というものはあるけれども魚医学というものはないので、魚にえたいの知れない病気が最近非常に発生し、それがために薬品等の添加物として抗性物質が飼料に使われているが、こういうような事実を水産庁はどのくらい把握されておるか、この点を承りたいと思うのであります。
○兵藤政府委員 先ほど申し上げましたように、水産動物に対しますところのえさとしまして人工配合飼料がある。それからもう一つは、いま先生がお話しになった飼料添加物があるわけでございます。配合飼料の方は大体魚粉を主原料としているわけでございますが、飼料添加物としましては、各種のビタミン、ミネラル等のいわゆる微量栄養素、それから飼料の保存中のカビの発生を防止するための、食品添加物として認められているところの防ばい剤が一般に使用されております。このほかに、一部には、飼料中の油の酸化防止のための抗酸化剤、さらに稚魚の時代の斃死を予防するために抗菌剤が若干使われております。 それで、現在、この添加物は、畜産物飼料に準拠しながら、魚の特殊性というものを勘案して使用されておるわけでございますが、私ども水産庁の調査したところ、昭和四十八年度で約一千五百トン程度の飼料添加物が使われているということになっております。しかし、このほとんどがビタミン、ミネラル類等で占められており、抗菌性物質は約七トンといったような調査が私どもの手元に参っておるわけでございます。 なお、先ほど先生が名前を挙げられましたフラゾリドンでございますが、抗菌性物質としてはこのフラゾリドン一種のみを使っており、しかもその使用量は七トンであり、また、その過半は非食用のカツオ釣りのためのえさ、いわばカツオ釣り用のえさイワシの畜養飼料として使っているというのが現状でございます。 それから、先生がお話しになったように、畜産界においてはいわゆる獣医師制度があるわけでございます。また、魚病の発生等も最近四、五年前からあちこちで散見されるというようなことでございまして、私どもといたしましては、各都道府県に水産試験場がございますが、この水産試験場で、魚病対策のための専門家を養成するということで三年ほど前から予算化をしましてそういった仕事を始めておるという状況でございまして、現在約百五十人ほどのこういった専門家が各都道府県の水産試験場に配置されている。こういった現状でございます。
○稲富委員 大臣、いまお聞きになったように、水産飼料というものの使用がだんだん増加するというような状態でございますので、この問題に対しては国としても十分思いをいたしておかなければいけないと思うのでございます。それだからこの法律に対して、もちろん後で政令で魚類も入れるんだとおっしゃるのでございますけれども、水産の養殖漁業が発展しますと同時に使用量というものはだんだんふえていくことになるし、これに対しても十分なる態度が必要であると思いますので、でき得るならば、魚を「家畜等」とかいうようなままっ子扱いをしないで、やはり魚も家畜と対等に今後取り扱っていくというような考え方が必要ではないかと私は思うのであります。いかにこの法律が畜産局の所管であるからといって、魚という問題を入れたら、おれの方は魚は扱わないから畜産局は知らないということではなしに、人体に及ぼす影響というものは同じなんだから、そういうような小さい考え方ではなくして、魚というものを軽視しないような、でき得るならば「家畜その他魚類」とかいうような表現でこれをやっていくような御意思はないのであるか、やはりどこまでも政令にゆだねていこうという考えであるか、これに対する修正等をやる御意見はないのであるか、この点もあわせてこの際承りたい。
○安倍国務大臣 わが国の漁業資源の状況から見まして、これから養殖漁業というものを推進していかなきゃならぬことは当然のことであります。そうなりますと、この養殖を推進するための飼料問題はますます大きくなってくるわけでありますし、使用する飼料の量、あるいはまた添加物の量もふえてくるわけでございますから、そういう意味では、飼料の安全性の確保という意味においても水産における分野というものは非常に大事になってくるわけであります。まあ、法案としては「その他」の中に入っておるわけでございますが、行政当局としては、先ほどから御指摘がございましたように、畜産物と魚類を対等に扱うという姿勢で対処していくということであります。現在のところは「その他」ということで提出をしておりますので、政令には真っ先に魚類を入れるわけでありますけれども、改めて魚類というものをつけ加えてこの法律をまた出し直すというような考えは持っておらないわけでありますが、あくまでも対等な立場で、また、重要な意味を持つ魚類という考え方に立って今後とも対処していきたいと考えております。
○稲富委員 非常に不満でございますけれども、こればかり議論しておりますと時間を食いますので、それではこれは今後の問題といたしまして、これに対する質問はこの程度にしておきます。 次に、新飼料等の開発並びに農業資材審議会等についてお尋ねしたいと思うのでございます。 まず、わが国のような飼料資源の乏しい国においては、新飼料の開発というものは、安全性の確保が十分確認されればこれを積極的に進める必要があるということには私は異存はございません。これは積極的に進めなければいけないと思うのでございます。しかも、その進め方というのは特に慎重にやるべき点であって、この点一部の消費者団体から微生物たん白質等の開発研究について大きな批判が生じておるけれども、その原因がどこにあるというように考えておられるのであるか、まず、こういうことも承っておきたいと思うのでございます。
○安倍国務大臣 今日の飼料の需給の状況から見まして、わが国におきまして新しい飼料を開発するということは非常に大事なことではないかと思うわけでありまして、そういう立場から農林省も五十年度予算におきまして、水産物の廃棄物を活用して、これによるところの微生物によって新飼料を開発するという予算も計上をいたしておるわけでございます。 しかし、新飼料を開発する場合においても大事なことは、いまお話しもございましたように、この安全性の確保ということが一番大事じゃないかということで、消費者の皆さん方からこの予算につきまして反対もあったわけでございまして、それはやはり石油たん白ではないかというふうな観点からの反対で、ただ開発をし、そしてこれを使用するということは非常に危険であるというふうな意見が強かったわけであります。したがって、われわれは、それを開発する場合におきましても、あくまでもその安全性を確保する、安全性の手法等をはっきり打ち立てるということに研究の焦点を合わせておるわけでありまして、これは必要ではありますけれども、しかし、慎重に研究に研究を重ねて、そしてこれを使用するという段階においては、国民的な合意も得られ、同時にまたこの安全性が確立されるということによって使用には踏み切っていかなければならない、その間に十分研究は重ねていきたい、こういうふうに考えるわけであります。
○稲富委員 ただいま申しましたように、消費者の中に飼料行政に対する不信を非常に招いておるというような大きな原因については政府としても今後大いに反省をしなければいけない問題である。というのは、現在まで政府と大企業というものが癒着して、その結果、新飼料の開発等に当たっては、企業が付随的に安全性の検査を行って、政府はただ単に事後チェックしておるというようなことがあるわけでありますが、今後は、安全性の問題についても、そういう企業側が安全性の検査を行って、これに政府が付随するというようなことではなくして、政府は積極的にこれに対してイニシアチブをとっていくというような体制を確立することが非常に必要ではないかと、かように私は考えます。 これに対しての大臣としてのはっきりした御答弁をこの機会に承っておきたいと思うのでございます。
○安倍国務大臣 新飼料を開発する場合におきまして、企業等もこれに着手をいたしておるわけでございますが、企業が飼料を開発すると同時に、また、その安全性の研究を行っておるということは結構なことでございます。しかし、それだけに頼っておっては安全性というものが国民的な信頼を得るわけにはいかないわけでございますから、安全性を確保するということにつきましては、やはり、政府、国が中心となった安全性確保のための試験研究を進めていくということが一番大事なことであろうと思うわけであります。 五十年度予算に微生物の研究のための予算をとったのも、あくまでも国が中心となった安全性の手法等を研究するという趣旨に基づくわけでございます。
○稲富委員 いま大臣の御答弁もありましたごとく、五十年度から政府が研究を進められておる微生物たん白等の開発が石油たん白の開発につながっておるということはもう御承知のとおりでございますが、これに対しまして、最近、消費者の中に非常に不安も生じております。 これに対しましては、実は二十六日の日経新聞にも水産技術会議の鈴木章生総務官の研究の話が載せておられますが、幸いにきょうは鈴木総務官に来てもらっておると思いますので、この点をひとつ詳細に伺いたい。こういうものを新聞に大きく発表されますと、消費者はいたずらに不安を感ずるわけでございます。それで、消費者が安心のできるものであるとするならば、この点を、その研究の立場からこの機会に明確にしておいていただきたいということを特に私は要望いたしたいと思うのであります。
○鈴木説明員 今回行います研究につきましては、御案内のとおり、農林水産廃棄物を利用いたしまして微生物たん白を生産する技術を開発するということが第一のねらいであります。それから、もう一つ、これらを使用する場合の飼料としての安全性を評価する方法、方式を確立するということが第二のねらいでございます。この二つが研究のねらいでございます。 先ほどお話しがございましたように、これらにつきましては従来の飼料と性格が違うわけでございますので、原料、素材が違うというようなこと、あるいは飼料の安全性の確保ということにつきまして制度上にも不備があったということ、あるいは当時は技術的な裏づけが十分でなかったというようなことで、お話しのように消費者からの反対があったふうに感じております。したがいまして、これらを飼料として使う場合の安全性というものにつきましては十分なる検討が必要であろうというふうに思われます。 これらの安全性に関しますところの研究手法というものにつきましては、従来からも十分に検討されておらないわけでございます。したがいまして、国の研究機関が積極的に安全性の研究をするということを第一のねらいとしております。それから、農林水産の廃棄物につきましては、公害等の関係もございますし、もちろん資源といたしまして大いに活用を考えられるものでございます。したがいまして、これらを利用いたします微生物たん白の生産ということにつきましては、農林省といたしましても積極的に開発してまいらなければならないというふうに考えておるわけでございます。 研究の内容といたしましては、ただいま申し上げましたような生産に関します開発研究と、もう一つは、安全性につきましては、動物等を使いますところの累代試験あるいは障害試験というようなものを実施して安全性の手法の確立をするわけでございます。 これらは非常に長年月を要します。したがいまして、これらの研究を並行的に実施していくということが必要であると思われます。開発と同時に安全性の手法を確立する試験をするためにはやはり並行的にやらざるを得ないということで、これを並行的に実施する場合には、既存の微生物たん白を実験材料として使うということになるかと思います。 そういうことで、ただいま申し上げました二本の大きな柱で、畜産試験場あるいは家畜衛生試験場、食品総合研究所等を中心といたしまして研究を推進していきたいという計画を持っておるわけでございますが、現在、これらの研究内容につきましては、ただいま申されましたような御趣旨に沿いまして十分なる検討を行っております。特に累代試験等につきましては、従来確たるものがございませんでしたので、各方面の関係者を集めまして、この研究計画については鋭意検討をしておるところでございます。
○稲富委員 ただいまのお話しのように、新飼料の開発研究は当然やってもらわなくちゃいけないと思いますが、これを発表する場合はよほど慎重を期して、安全性が十分確保されたんだ、保証されたんだということを確認した上で発表しなければ、その途上においてこれが新聞等に報道されると、これが消費者に及ぼす影響というものは非常に大きいので、この研究を発表する場合は、私が先刻申したようによほど慎重に取り扱うことが必要ではないかと思う。その点の保証のないままに発表されると、いたずらにこれは消費者に不安を与えることになりますので、これは特に今後政府としても考えて、しかも、この発表の取り扱い方、こういうものに対する答えを出す場合は慎重に対処する必要があると考えるわけでございます。こういう研究をする技術者というものは、何かいいことを発見すると早くそれを発表したくてしょうがないし、新聞なんかでも新しいことを書きたくてしょうがないものだから、十分保証のないままにこれが発表される、そしていたずらに不安をつのらせるということになりますので、この点は、先刻申し上げたように新飼料の開発研究はやってもらわにゃいけないけれども、この発表に対しては特に慎重にやってもらうということを私は特に今日念を押しておきたいと思うのでありますが、これに対する大臣の考え方を承りたいと思うのでございます。
○安倍国務大臣 新飼料の開発問題につきましては、国会においてもしばしば論議が交わされましたし、また、国民的にも大きな関心事でございますので、これが開発途上における発表等につきましても慎重を期さなければならないことは当然でございますし、国の機関でいま開発を行っておるわけでございますから、政府としても、いまお話しのような御趣旨に基づいて、これを中間的にも発表する場合においても慎重に行って、いやしくも誤解のないように対処をしてまいる考えでございます。
○稲富委員 次に、ただいまのようなこういう点は、今回の法律改正に伴いまして新しく設けられる農業資材審議会の飼料部会に関係があると思いますので、その農業資材審議会の飼料部会のあり方についてもお尋ねしたいと思うのでございますが、少なくともこれが人選等に当たりましては、政府の御用機関と言われるようなことのないような委員の人選及び運営をなされることが必要であると考えるわけでございますが、これに対して政府の意見を承っておきたい。
○澤邊政府委員 農業資材審議会の飼料品質部会というものを新しく特別に設けて運用することにいたしておりますが、この任務は、飼料添加物の指定だとか、あるいは二条の二に基づきます安全性の角度からの基準、規格の設定だとか、あるいは個々に違反した場合の販売禁止の処分だとか回収命令だとかいう具体的な処分を行うとか、あるいは栄養、品質の確保の面でも公定規格を定める場合に意見を聞くとかいうことで、本法の運用の最も重要な部分に専門的立場から加わっていただくという重要な任務を持つわけでございますので、われわれといたしましては、利害関係者は委員に任命することを避けまして、専門の学者の方を中心にして栄養学なり、獣医学なり、畜産学なり、飼料学なり、生理学なり、それぞれの分野の方々の専門家を偏ることのないように委員に委嘱をしたいというように考えております。 なお、専門委員会もその下部に設けまして、飼料品質部会は委員は二十名を予定しておりますが、専門委員会も同数程度の二十名ほどをお願いしまして、さらに詳細に専門的な調査もやっていただいて、公正、客観的な資料に基づく科学的な意見をちょうだいをしたい、こういうように考えております。
○稲富委員 それで、この機会にただいまの農業資材審議会令についてお尋ねしたいと思うのでございますが、この農業資材審議会制度の目的というものは——この農業資材審議会令は農林省設置法によって決められているのでございますが、この目的というものは、できた時分はやはり農業資材というものが目的であったと思うのでございます。それで、今度は、飼料に対する審議会をつくるという場合に農業資材審議会で飼料も扱うということになった。農業資材審議会というのは、御承知のとおり、種苗の名称の登録の審査だとか、その他農産種苗法とか、農薬取締法とか、蚕糸業法とかいうものについて扱うもので、この審議会令ができた時分は現在のような飼料の問題等を扱うというようなことではなかったと私は思うのです。 ところが、時代はもちろんだんだん変わってまいっております。本来から言うならば、こういう画期的な法律の改正をやるのでございますから、特に飼料のための審議会等を設けるということは必要じゃないかと思うのだけれども、農林省としては、政府の方針としては、できるだけ審議会等はふやさないというたてまえをとっていらっしゃるということはわかりますけれども、農業資材審議会というと、何か農業資材が中心のような感じがする。もちろん、えさも資材に間違いない。えさも資材の部に入るのだと言えばそれまででございますけれども、安全性を保つ飼料を取り扱うという意味からいくと、どうも軽視されておるような感がするのでございますが、この機会に新たな審議会はできないというならば、農業資材審議会令という名称をもっと変更して、飼料の安全性についてこの中でやることも審議会の重要な課題であるというようなことが含まれるような、そういうような扱い方は何かできないものであるか。この点を私は特に政府に聞きたいと思う。 農業資材審議会で飼料も扱うのだ、しかもこれは農林大臣が委嘱する六十人の委員をもって組織するのだ、その六十人の中にまたえさの関係は二十人委員をつくるのだ、と、こういうことになるので、飼料の安全性を保つ審議会というものが農業資材審議会で扱われるとこの点が非常にぼけるような感じを受けるので、これに対してはどういう考え方を持っておられるのか、承りたい。
○澤邊政府委員 ただいまの御意見は非常にごもっともな御意見かと思います。 われわれも、実は、農業資材審議会とは別個に、飼料の品質審議会とか安全審議会とかいうようなものを独立につくりたいという気持ちもなくはなかったわけでございますが、御指摘にございましたように、政府全体の機構を審議会を含めまして余りふやさないというような全体の方針がございますので、資材審議会の中に特別に飼料品質部会というものを設けて、二十名の委員を新たに追加してやるということにしたわけでございます。他の農薬、農産種苗あるいは蚕種のそれぞれの資材につきましても同様にそれぞれの部会が設置されておりまして、会議の運営といたしましては、大体専門ごとにそれぞれの部会運営を主体として総会から委任された審議をするということになっておるわけでございます。資材審議会は設置法に根拠を置くわけでございますが、今回の改正法案におきましても、新たに、飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律により、その権限に属させた事項を行うことのほかに、飼料、飼料添加物に関する重要事項を調査審議するということに規定をされるようになっております。 われわれといたしましては、その実体法でありますそれぞれの法律、えさの場合にはただいま御審議をいただいております法律によって与えられた仕事をやるわけでございますので、内容におきましては、実質におきましては、まさに安全性の問題あるいは栄養成分の確保という観点から与えられた仕事をやるわけでございまして、先生の御指摘のような趣旨に即応した運営はできると思いますので、政府全体の考え方、機構に関する考え方ということでそのような形になったわけでございます。
○稲富委員 時間がなくなりましたので、次に、飼料等の廃棄及び回収等の要件についてお尋ねいたします。 すなわち、改正法の第二条の趣旨によれば、基準、規格等に違反した飼料等については、農林大臣は必要に応じ廃棄及び回収等の命令を出すことができることになっておりますが、この要件は、人の健康を損なうおそれのある有害畜産物を防止する見地に限定されて、畜産等に被害の生ずることにより畜産物の生産が阻害されることを防止する見地は要件とされていないのでございます。こういう点から、今後の飼料行政を推進する上においては非常に憂慮すべき点もまたあるのではないかと、かように考えます。これでは、かつて富山県に発生したダイブ等の事件の経過等から見ましても、やはり何とか考えて法案を作成しなければいけないんじゃないかということも考えられるわけでございますので、これに対する政府の考え方を承りたいと思います。
○澤邊政府委員 ただいまお尋ねの件も、実は立案過程におきまして種々議論をいたしたところでございます。この法律の安全性の確保についてのねらいは、人の健康に対する安全性と並んで家畜に対する安全性、それに伴います生産の減退を防ぐということの二つがあるわけでございますけれども、何と申しましても、冒頭に大臣からもお答えいたしましたように、人間の健康に対する安全性というものが重要度においてはるかに大きいわけでございますので、そのような社会的に是認されるような大きな法益を守るためには、国民の権利を制限するような強権の発動、回収なり廃棄命令をするという、いわゆる強権の発動は許される。しかし、人間の健康の安全について直接関係がなく、家畜のみに被害が出るというような場合には、それによりまして畜産物の生産が多少減りましても、これは単なる経済問題であるということで、当事者間で処理をすべき問題あるいは行政指導によってやるべき問題ではないかということで、廃棄なり回収の発動要件といたしましては、人の健康を損なうおそれのある有害畜産物の生産の防止に限定をしておるということでございます。 しかし、実際問題といたしましては、仮に家畜が斃死したり、あるいは疾病等にかかる被疑が生じた場合、疫学的な調査とか、そういう科学的な調査によりまして、原因が飼料を給与したことによるのだということが明らかな場合には、食品衛生法の第五条に「病肉等の販売等の制限」という規定がございますけれども、その趣旨は、「人の健康を害う虞がなく飲食に適すると認めたものは、この限りでない。」ということがその中にありまして、健康な獣畜が不慮の災害によって死んだというような場合は人の健康を損なうおそれがないというように書いております点からしますと、家畜が一遍に斃死したとかというような場合は、これは人の健康を損なうおそれがあるというような判断にも立ち得るわけでございますので、その意味では、そのような場合には有害畜産物の生産の可能性があるということで、廃棄なり回収の処分もできるというふうにも考えられますので、実際の運用におきましてはそのような運用を心がけていきたいというふうに思っております。
○稲富委員 時間がないので、今度はまとめてお尋ねいたします。 次に、飼料の配合割合等の表示についてお尋ねしたいと思うのでございますが、今回の改正により、飼料の栄養分にかかわる表示の基準が一層厳格になったということは、これは飼養農家といたしましても非常に前進したものとして評価していいと思うのでございますが、今回新たに表示事項に追加されることになった可消化養分総量及び可消化粗たん白は、検査による分析方法がいまだに確立されていないのでございます。これがために実際粗悪な飼料が来るという問題が生ずるわけでございますので、この表示の問題に対してどういう考え方を持っておられるかということが第一点。 次に、これに関連してのさらに大きな問題は、今回の改正に際し、政府は、配合飼料等の原料割合の表示は当分の間行わないでもよいこととされておるのでありますが、この点は私たち畜産農家にとっては最大の関心事でありまして、従来からこれを義務表示とすべきであるという要請が非常に強かったにもかかわらず、特に今回義務表示をさせなかった具体的な理由は何であるか、さらに、今後どう考えていかれるか、この点を承りたい。
○澤邊政府委員 このたびの改正案の中におきまして、安全性の見地からと、それから品質の改善の見地からと、この二つの見地からの表示義務を拡充いたしたわけであります。 そこで、ただいまお尋ねのございました品質の栄養成分についての表示を拡大した中におきまして、従来やっておりませんでしたTDNあるいはDCPあるいは燐、カルシウム等の成分について新たに表示義務を課することにいたしましたが、その中で、TDNあるいはDCPの表示をさせた場合に、それをどのような方法において確認するかということ、これは厳密に言いますと、家畜個体ごとに飼養試験をいたしまして、どれだけえさを給与した中でどれだけ吸収をし、どれだけ外へ排せつしたかということを分析して調べるべきものでございますけれども、そのような確認方法を一々やっておりますと時間もかかりますし、迅速に対応できませんので、実際のやり方といたしましては、飼料の原料につきまして、トウモロコシならトウモロコシのTDNなりDCPというものはすでにわかっておりますので、それを基礎にいたしまして配合飼料の配合割合を調べまして、それの総和を出す。配合量と、それからTDNのわかっておるものを掛けますれば、どれだけのTDNが各原料ごとに入っておるかということがわかります。それの総和ということで調べるわけでございます。その場合にも、実際にはその配合割合というものはどうやって調べるかといいますと、工場におきます帳簿を調べまして、ロットごとにどのような配合をしたかということを調べまして配合率を明らかにした上で、いまのような方法でTDNが表示どおりになっておるかどうかということを確認するというやり方を補助的なやり方として使いたいと思っております。 次に、お尋ねの、全原材料についての配合率を全部表示させるべきではないかという点につきましては、われわれといたしましてはその点もいろいろと検討したわけでございますが、農家が実際に飼養を行う場合には、飼養標準というものを基礎にいたしまして栄養成分のバランスを維持するように給与するわけでございますので、栄養成分がわかれば原料はわからなくても飼養管理上差し支えないということと、それから、飼料の製造は各製造業者が競争をしながら研究開発をして新しい飼料をつくっておりまして、その中でどのような原料をどのように配合するかということは一つの企業のえさの特徴になっております。したがいまして、そのようなものを公開するということは、他の製造業者にすぐまねをされるということになりますとせっかく開発努力をしても報いられないという点がございまして、技術革新、開発の意欲を阻害するおそれがあるのではないかということで、全原材料について配合割合をすぐに書くのは適当ではないのではないかと思っておるわけであります。 他の諸外国におきます例から見ましても、そのような配合割合を全部表示させておるところはございませんし、他の物資、たとえば食品なり、農薬なり、肥料につきましても、ごく例外を除きまして、そのような配合割合を書かせておるところはございません。それらの他の制度との権衡等も考えまして、今回、全材料について配合割合を表示する義務を課さないことにいたしておるわけでございます。
○稲富委員 最後に一点だけ、検査体制の整備等につきましてお尋ねいたします。 現行法に基づく検査義務は、もっぱら飼料の栄養確保の面からの成分検査等に重点が置かれておったということは御承知のとおりでございます。ところが、今回の改正案においては安全性の検査が加えられたということによりまして、その検査の義務範囲というものは非常に大きく拡大されたことになるのであります。しかるに、現在の国の検査体制について見ますると、全国六ヵ所の肥飼料検査所でわずか四十四人の検査官が年間六千万円程度の予算で検査を実施しているというような実情であります。これでは、現在配合飼料だけでも約六千種の銘柄がある飼料の検査を実施するには余りにも貧弱であるにもかかわらず、さらに都道府県の検査体制についても、専従が一人か二人というような程度での実情であるのであります。そして、今回は安全性の検査のための分析機器等もいまだに十分整備されてはいない実情であるということも聞いているのであります。 政府はこれらの問題に対しては早急に検査体制の整備に当たるべきであると思いますし、その人員あるいは予算等に対しましても十分に確保する必要があると考えるわけでございますが、これに対しては政府はどういうような考え方で対処しようとするのか、検査に対していかなる方法で万全なる方法をとろうとするのであるか、この点を承りたいと思います。
○安倍国務大臣 検査体制の整備の問題でございますが、いまお話しのように、現在、飼料検査は、国の六ヵ所の肥飼料検査所と都道府県の飼料検査機関で実施をいたしておりまして、飼料の栄養成分を重点に行われてきたわけでございますが、今回の改正によりまして、政令で決められた飼料または飼料添加物は農林省の機関または指定検定機関の検定を受けることになっているわけでございまして、チェック体制は一層強化されることになると考えられます。いわゆる安全性に係る検査につきましては、従来も国の検査機関において関連業務として適宜実施をしてきたところでございますが、今後は一段と安全性に関する検査に重点を置くこととして、関係機関とも十分に緊密な連絡をとりながら対処をしてまいる決意であります。 特に、国の検査機関に対しては、職員、施設の充実を図り、技術者の確保、分析機器、施設等の整備、分析技術の確立、習得等により一層検査体制を充実強化することに最大の努力を傾ける考えでございます。 この改正法が成立して、まあ一年間の余裕があるわけでございますから、その間にいまの御意向に沿って検査体制を整備、強化すべく、政府としても力を注いでいきたいと考えております。
○稲富委員 時間がありませんので、一応私の質問はこれで打ち切りといたします。
○澁谷委員長 美濃政市君。
○美濃委員 ただいま審議されております一部改正の法律につきまして若干の質問を行います。 まず、大臣にお尋ねいたしますが、御存じのように、現在、国民の中に、消費者の中に、石油たん白を飼料化するのでないか、微生物による新たん白の飼料等の資源の利用開発に関する総合研究の予算の中でもそれが行われるのではないかという疑問と不安が消えていないわけです。そこで、この際まず第一に、大臣から、当面こういう試験研究の中に石油たん白の研究は入っていない、石油たん白はいまのところ飼料化する考えはないということをここで明確にしていただきたいと思いますが、大臣の見解をお伺いいたしたいと思います。
○安倍国務大臣 石油たん白の飼料化につきましては、いまお話しがございましたように、国民の一部に飼料化を認めてはならないとの要望が非常に強くあるわけでございます。また、安全性について確認がされていないという事情もあるわけでございますから、石油たん白の飼料化は当面不適当と考えておるわけでありまして、すでに明らかにしておるとおり、安全性が確認をされ、かつ、国民的な合意が得られない限りは飼料化は認めないという基本方針には変わりはないわけでございます。 なお、国が予算化いたしまして、これから開発いたします微生物たん白、いわゆる農林水産廃棄物の微生物たん白は石油たん白ではないということでありますが、しかし、国民のこれに対するいろいろな御意見あるいは御批判等もまだあるわけでございますから、私たちはこれが開発につきましては慎重を期して、特に安全性の手法の開発というものには特段と力を注いでまいる、こういう考えでございます。 〔委員長退席、坂村委員長代理着席〕
○美濃委員 次に、これは局長にお尋ねいたしますが、同じく新たん白の資源開発、利用開発について、いまのところ予算は決まったわけですから、研究所はどこで、どのくらいの人員でどういうスケジュールでことし発足するのか。これは具体的な質問ですから、局長でなくても、どなたでもよろしゅうございますが、具体的に御答弁をいただきたい。
○小山(義)政府委員 新しい予算の取り進め方でございますが、予算の金額は一億四千四百万で、これは初年度でございます。安全性と、それから農産廃棄物を利用した生産利用の技術と、両方の二本の柱がその中に立っておりますが、私どもの考え方では、いずれも今年度を初年度として、今後五ヵ年間で研究を取り進めていきたいというふうに考えております。 それから、なお、この研究を実施いたします試験研究機関でございますけれども、農林省の国立の試験場等が、家畜衛生試験場、畜産試験場等を中心にいたしまして七研究機関。それから安全性の手法を確立をいたしますために、主として鶏でございますが、一部は豚を使いまして、家畜の累代試験をいたしたいと考えておりまして、それの手法をやります。これには相当の家畜の数が必要となりますので、県の試験研究機関にこれを依頼をする必要がございますので、県の試験研究機関は十三機関に依頼をする予定でございます。 それから、なお、安全性につきましては、毒性その他催奇性等むずかしい問題がございますので、大学に基礎的な面についての研究を依頼をしたいということで、これは大学は四校をいまのところ予定をいたしております。なお具体的にはまだ相手方との折衝その他が進んでおりませんので、これは予定でございます。 大体以上のような研究体制で今後進めていきたいというふうに考えております。
○美濃委員 次に、現在行われております添加物について若干お尋ねいたしたいと思いますが、私は、現在配合飼料用の原料として使われておる添加物にも問題があると思うのですけれども、添加物を使うなどということはおかしいと思います。これは原則としては添加物をなくさなければならない。これはいろいろ不良な原料を使っておりますし、いま即刻直ちにということではないが、将来の方向としてはこれをなくするということが必要だと思います。 これは後の原料との関連がございますけれども、私ども農業をやっているから動物の習性は見ておりますけれども、たとえば鶏の生殖をする条件について一例をちょっと申し上げますと、何も飼料などに添加物なんか使わなくても、鶏を自然に放して飼うわけです。放して飼いますと、鶏は繁殖期に入りますと、もちろん晩には鶏舎に入りますけれども、昼は、お互い農家の屋敷ですから、自然の条件で木の下かどこか土の上に巣をつくるわけです。そこへ卵を産みます。十個の卵を産むと、あれはまくら卵と言いまして、一つだけはかえりませんね。十の卵があれば九羽のひなが完全にかえります。そして、親が子を連れて歩いて、食べれるようなえさを親が子に与えてやれば、下痢をしたり、そんなことは見たこともないです。ところが、ケージ飼いのような方法の中でいまの粗悪なえさを供与した中の卵をふ卵器にかけると、自然の条件でかえるような率ではかえっておりません。相当数の卵がひなにかえらないということです。 私はこれはいま一例を申し上げておるのですが、たとえばそういう鶏の飼い方が合理的で、そういうことが必ずしもいいと私は言っているのではないのですが、動物というものはそういう習性のあるものである。ですからんえさに添加物を使うということは間違いである。自然の条件と良質な飼料を選択することがまず先決だろうと思う。後から悪質飼料についても申し上げますが、なぜこれは悪質なのか。政府から今回の一部改正法案審議に対する参考説明資料をいただいておりますが、この資料を見ても、質的に見ても非常に悪質だと私は思います。劣悪な条件で配合飼料がつくられておる。その劣悪条件をカバーするために薬剤を使う。しかし、飼料資源に非常に恵まれない日本の条件でありますから、資源確保上やむを得ないという点も一面出てくるのでないかという配慮もいたしますけれども、根本的に言うと、日本の配合飼料の原料が非常に粗悪なものが入っていると私は考えるのです。この法律をつくりまして、これから先こういう点の改善はどういうふうにしていくか。 それから、また、先進畜産国へ行きますと、自給した飼料はみずからの庭先で粉砕機で粉砕して供与しますね。それには添加物はありません。たとえば一例をデンマークの酪農にたとえますならば、牧草から濃厚飼料を全部自給いたしまして、自分のところの牛舎のすみで粉砕機でモーターをかけて粉砕して供与しておりますから、添加物なんか入れておりません。特に日本は粉砕飼料にしてああいう流通飼料にいたしますから、粉砕してから半年あるいは相当長期にわたって倉庫の下積みになる場合もありますから、そこに変質防止のためのものを使う。これは理由のいかんを問わず害があると私は思います。たとえば酒に入れる防腐剤にしても、この防腐剤を使うと酒の質が変わらない。防腐剤というのは質を変えない性質の薬を使うわけでありますから、これを使わない酒よりも使った酒がずっと悪いということははっきり言えるわけですね。防腐剤などというものは、粉にすればだんごになって変質するわけですが、それをそうならないようにとめる作用のものを入れるのでありますから、かなりの悪い結果を起こすということははっきり言えるわけです。そういう点の改善をどうするのか。これはもうはっきりと論議の余地はないと思うのです。変質防止の添加物を入れるなどということは、これはもう論議の余地はないと思うのです。これはどういうふうにお考えになっておるか。 流通体系から一貫した、いわゆる日本の原料についての粗悪条件は後から申し上げますけれども、まず、第一番に添加物ですね。原料の粗悪条件を添加物でごまかそうとしておる。これが第一点。第二点は、先ほど申し上げた変質防止の添加物を入れることです。ああいう粉末飼料にして紙袋に入れるわけですね。そして、倉庫の隅に長期にわたって下積みになっている。夏あたり六ヵ月も八ヵ月も倉庫の隅で下積みになると質が変化をしますから、変化をしないような添加物を入れる。この添加物はもう理由のいかんを問わず使用してよろしいということは言えない。これははっきりしておると思うんですね。こういう点を今後どう改善していくのか。その添加物に対する基本的な考え方をお聞きしたいと思います。
○安倍国務大臣 いまの、飼料添加物は原則として使うべきではないという御意見は、私もまさにそのとおりであろうと思うわけでございます。特に、いまお話しのような非常に危険な添加物といったものについては、これはもう当然廃棄をしなければならぬわけでありますが、しかし、現在の畜産の状況を見ますと、御存じのように、豚だとか鶏だとかいうものの飼育形態というものが非常に大型化しておるわけでありますし、また、集団化しておる。こういうふうな状態でもし疾病が起こった場合は生産農家も経済的に大変大きな損失を受ける。そういうふうなことから見て、現在においてはある程度の飼料の添加物もそういう疾病防止という意味においてはやむを得ない面もあるのじゃないか、先ほどからお話しがございましたように、今日の畜産物に対する非常に大きな需要にこたえる生産を確保していくということから見れば、飼料添加物を一挙に全廃をするというふうなことには問題があるのじゃないか、と、このように思うわけでございますが、しかし、少なくとも飼料添加物をできるだけ使わないという方向で今後とも政府としても努力をしていくことは当然でもあろうと思うわけでございます。 この飼料添加物の使用につきましては農民の対応ということもあるのじゃないかと私は思うわけでございますが、そういう中にあってわれわれがやらなければならないことは、この飼料にしても相当品質が悪くなっているというお話しですが、この良質化を図っていく、良質な飼料を農民に購入してもらう、あるいはまた安全性が確認をされた飼料添加物を使っていただくという、こういうふうな体制はやはりつくっていかなければならないのじゃないかと思います。 この法律の主眼というのもそういうところにあるのじゃないかと思うわけでありまして、品質あるいは安全性の確保といった面について基準を定め、あるいは規格を定めるというふうなことも、飼料の良質化あるいは添加物の安全性の確認ということのための措置になっていくわけでございまして、したがって、今度の法律改正によりまして飼料あるいは飼料添加物に対する体制も整備していくわけでございますから、いろいろと今日問題になっておるような点については相当改善が行われるのではないかということを私は期待しておりますし、われわれもそういう方向にこれから極力努力をしていきたいと思っておるわけでございます。
○美濃委員 大臣のお考えのように、今後はなくするという方向で農林省は挙げて努力をしてもらいたいと思います。 その次に、ここに示された参考資料の四ページの「配混合飼料の原料使用量の推移」というところを見ますと、粗悪原料が使われておるということですね。私はこういう経験があるわけです。戦争が終わった直後、当時は私は北海道の畑作農業で、トラクターは使わぬで、馬で起こしてやっておったわけですが、その馬の飼料に使った燕麦も十分置けないわけです。供出命令が厳しくて燕麦も全部出さねばならぬ。そうすると足りないわけです。えさは、春先農耕するときにはやはり穀物を食べさせなければ馬は疲れますから、当時亜麻をつくったわけです。亜麻種は供出の対象にならぬわけです。亜麻種でも穀物ですから、食べさせるのです。しかし、亜麻種を食べさすとどうもいけない。昔は軍馬資源保護法などという法律がありまして、私どもは当時主として牝馬を繁殖兼用で農耕馬に使っておったが、ところが、この油を食べさすと全然だめですね。体質が変化をしまして妊娠しません。それから、たとえば先進酪農国へ行きますと小麦は濃度が高い。日本ではふすまと言いますけれども、日本の専増産ふすまなどというのは、粉を四〇%取って、六〇%がふすまとなってえさ用に回すわけでありますから、かなり小麦濃度が高いわけですね。先進酪農国では小麦は濃度が高い。ですから乳牛のえさとしては使用しておりません。それから油のかすも使用しておりません。しかし、油かすとかふすまとかいうようなものは石油たん白や何かと違いますから、純植物性のものでありますから、肥育豚や何かに使用して、繁殖用にならないものには使っても別に大きな障害は起きないのじゃないかと私は思いますけれども、とにかく繁殖用に使うもの、たとえば種取り用ですが、鶏であっても卵を取る鶏、あるいは豚であっても子っこを取る種豚、これのえさには油かすだとかこういうものは基本的にだめです。こういうものを食べさすと繁殖障害が高くなってコストが高くなる。ですから、いわゆる乾乳牛と農林省は言っておりますが、日本の場合、空き腹で休む牛の率は、先進北欧諸国と比較してみても空き腹が倍ぐらいおるのです。 牛乳を生産する農家では子っこを産まなければ牛乳の生産ができないわけです。次の子っこをはらんで乳が出るまで一年間えさを食わせて遊ばしておくわけです。これは酪農の大きな凶作なわけですね。その最大原因は何にあるのか。まず、そのえさが悪いということも大きな原因の一つになっておるわけです。ですから、保証乳価を高くしなければならぬという問題が出てくるわけです。えさが畜産経営のコストにはね返る。そのコストを守ればやはり消費者の消費経済にもはね返っていくわけです。これは非常にめんどうな問題だと思うのです。 この現状を見ますと、非常に粗悪なものが使われておる。ですから、第一に提言したいことは、日本は自給ができない現状でありますから、この粗悪原因を一遍に解消せいと言っても無理でしょう。この粗悪の原料を大幅に直ちに解消して、油かす等は有機質肥料に回して、えさに使用することはまかりならぬと言ってみても、現実はなかなかそうはいかない。それで、これだけ使っておる大豆かすだとかいうような粗悪原料を全部排除して、そして家畜の体質に最も合致する生鮮な飼料を全部求めるとしても、これを一遍にやれというのは無理じゃなかろうかと私は思う。また、経済的にも量的にも一遍にやれということは無理ではないかと思います。逐次それを改善してもらわなければならぬが、その前にまずしなければならぬことは、単に栄養分析表をつけるだけではだめだと私は思うのです。このえさには何を使っておりますという栄養表示をどうせするのですから、その横へ油かすが入っておるとか入っておらぬと、使った原料をはっきりと明示する制度をとらすようにすべきである。たとえば乳牛のえさであれば油かすとか、そういうえさを食わせた場合、妊娠に非常に影響があるから、そういう体質に陥るようなものはこのえさには入っておりません、乳牛のえさには小麦もふすまも入っておりません、トウキビと大麦で製造してあります、ということを表示させる。それ以外のものは入れては相ならぬと思います。 ドイツへ行っても、フランスへ行っても、全部そうしてやっておるわけです。欧州諸国を皆さん検討してみなさい。乳牛に供与しておる飼料は大麦とトウキビです。それ以外のものは、こんな油かすやなんかは食べさせておりません。小麦系統は濃度が高過ぎるということで全然使用しません。特に、デンマークは北緯五十度でありますからトウキビがつくれない。八〇%が大麦ですね。十アール当たり十俵とっておりますね。二〇%がオートミール。これは向こうでは日本語に翻訳してカラスムギと言います。燕麦とは言わないですね。私どもが行ったらカラスムギと言う。カラスムギが二〇%、大麦が八〇%、余のものは入れておりません。そういう悪いえさを使うと妊娠障害率が高くなってだめなんです。体質が変調しますから正常な妊娠にならない。発情にならないから非常に妊娠率が低下するわけですね。こういう点を厳格にしてもらわなければ困ると私は思うのです。 ですから、たとえば肥育豚あたりにはふすまなどは無論良好な飼料だと思います。肥育豚あたりには障害はないわけです。あるいは種鶏ではなくて卵生産用の養鶏の飼料には小麦を使ってよろしいんじゃないかと思います。酪農に使ってはだめだ。特に油かすについては問題があると思いますけれども、これも石油たん白とは違いまして植物性ですから、人体に影響が起きるとは思いません。ですから、肥育専門の動物であればある程度供与することは経済的にやむを得ないというのであれば、これもやむを得ないのではないかと思いますけれども、原則としては、油かすなどは家畜の飼料としてはいいものではないということははっきり言えるわけです。そういう粗悪なものを使うと体調がおかしくなるわけです。 農林大臣に申し上げますが、大豆を煮て、ある程度の量食べてみなさい。大豆を二百ccとか三百cc食べると、よほど胃腸が丈夫な人でなければ下痢をしますよ。ですから、油かすのようなものを入れてえさをつくって、生まれたてのあれにやると下痢をするのです。下痢をするから、それにペニシリンを入れるのだと言う。これはまことにこっけいな話だと思う。日本の現況は直ちにそれをやめることができませんと言う。しかし、初生ひなあるいは産まれ落ちの豚の子っこも弱いわけですから、こういう一定期間の、弱いときの肥育用のえさから油かすや何かを排除するということはぜひやってもらわなければならぬと思います。そういうものを混入して、下痢をするからペニシリンを入れるのだ、あるいはマイシンを使うのだ、と、こんなことは全く笑い話だと思うのです。そういうことがはっきりしておるのですね。せっかくこういうりっぱな法律をつくるのですから、そういう点を厳格にやってもらいたい。 繰り返しますが、こういう油かす系統の飼料も、肥育豚になって四ヵ月ですか、二十キロ以上になってくれば、ある程度の量を入れても、量を多く入れなければ下痢をすることはないと思います。ひなでもあるいは豚の子っこでも初生のときは弱いですから、そのときにこういうものを入れてえさをつくって、そして下痢をするから薬を入れるのだとか、下痢どめの薬をえさに使うのだとか、こういうこっけいな非常識なことは監督上厳格にやめるようにしてもらいたいと思います。どうでしょうか。
○澤邊政府委員 粗悪飼料が生産されておる、その一例として油かすを使い過ぎているという御指摘でございますが、日本の場合は、御承知のように、牧草、飼料作物等の粗飼料の生産が非常に少なく、したがって給与率も非常に低く、たん白飼料として牧草に依存する面が少ないために、それを補うという意味で大豆・油かす等を使っている面が他の国に比べて多いようにも考えられるわけでございます。したがいまして、基本的には、特に大家畜につきましては、粗飼料の増産をいたしまして、粗飼料の給与率を高めていくということがただいま御指摘になったような線にも沿うことになるのではないかというように思うわけでございまして、草地の造成なり、あるいは既耕地への飼料作物の導入なり、特にその点には重点を置いてやっておるわけでございまして、六十年の見通しにおきましても、酪農について申し上げれば、七五%まで粗飼料の給与率を高めていくというような目標を掲げてやっておるわけでございます。 もちろん、これを達成するためには土地の取得の問題あるいは貸し借りの問題等で非常にむずかしい問題があろうかと思います。あるいは資金の問題ももちろんあるわけでございますが、われわれといたしましては、粗飼料の給与率を高めるということが、家畜の健康といいますか、衛生上あるいは効率上大家畜については特に重要であるという認識のもとにやっておるわけでございます。 飼料の表示について若干お触れいただきましたけれども、配合割合について、全使用原料について表示を義務づけるというところまでは考えておりませんけれども、現在行政指導でやっております使用原材料の名称を全部表示させるということは法律上の義務としてやらせるというようにしたいと考えております。それによりまして何が入っているかということが少なくとも消費者である農家にわかるというようなことは、従来の行政指導では徹底を期しがたい点もございますので、今度は法律に基づいてそれを実施してもらうというようにしてまいりたいと思っております。
○美濃委員 いま、使用原料を表示さすということですから、それは了解しました。 そこで、私の申し上げたことは、私は学者ではございませんから、私の飼育実験から申し上げておるのですから、いまここでそれを全面肯定をしてくれなくてもよろしゅうございます。しかし、私は、青年の時代からみずから動物を飼っており、今日も飼っております。今日はこういうことをやっておりますから息子がやっておりますけれども、二十年、二十五年という長い間本当に動物を飼った飼育実験から言うのですから、学説的には申し上げぬでも間違いないという自信が私はあるわけです。ですから、ここでそれを全面肯定してくれとは言いませんが、そういうことは間違いないと私は思うので、そういう点について、先ほど申し上げたように、これこれの原料は酪農、乳牛のえさには入れてはならないという一つの体系は今後の指導の上でさらに農林省で研究を積んで、明確にしていただきたい。 繰り返しますが、この表を見て、日本のえさの自給上海外にこれを求めると言っても、求める体制から見て、現況はやはりこういう原料をある程度使わざるを得ない実情にあることもわかるわけです。ですから、余り添加物を使わぬでも、使い方によって人体に影響を与えぬように、あるいは動物の生育コストに障害を起こさないように使えるのでありますから、そういう点をもっと工夫して、それをさっき言ったように各飼料に明示して、そして生産者が同じ原料であっても有効的に安心して使えるようにしてもらいたいと思うのですが、どうでしょうか。全面的にいますぐここで肯定してくれとは言いませんが、私は自分で動物を飼育経験して、いま申し上げたことには絶対自信があるという意図で申し上げておるわけです。
○澤邊政府委員 現在われわれが現行法に基づいてやっております飼料の登録制度、その前提として公定規格というものを定めておるわけでございますが、これは試験場なりあるいは野外実験等によります飼養試験に基づきまして使用標準というものを決めて、それを基礎にしてそれぞれ畜種別あるいは生育段階別に公定規格というものを決めておるわけでございますので、私どもといたしましては特に粗悪なものが認められておるというふうには考えておりませんけれども、ただいまの先生の御意見は長い間の体験から出されておる御意見かと思いますので、現在ここで責任を持って御意見に対する私の考え方をお述べするだけの用意がございませんが、持ち帰って十分検討をいたしまして、新しい制度によります公定規格は定めることになりますので、その際には御意見の趣旨も十分考慮しながら専門家に検討していただきたい、こういうふうに思うわけであります。
○美濃委員 次に、配合飼料の数は時間の関係で申し上げませんけれども、すでにもういろいろといままで配合飼料については論議されておりますが、あの膨大な配合飼料が流通される。これが消費者に与える影響は大きいし、農家が生産する原価というものは非常に厳しいわけですし、畜産経営の中ではこの飼料コストというものが非常に高いわけですから、その原価公開方式をとるべきだ。たとえば砂糖なんかも末端指導価格というものをつくっておるわけです。せっかくここまで踏み込むのであれば、これから先は、原価の公開制度といいますか、飼料の末端指導価格制度をとるか、農林政策として政府の介入する価格制度というものをきちっとすべきだと思うわけですが、いかがですか。
○澤邊政府委員 配合飼料の原価を公表しろという御趣旨の御意見でございますけれども、私ども、配合飼料の価格が畜産経営上非常に重大な影響があるということで、行政指導として、毎期配合飼料の価格を決めます際には、主要な飼料の製造業者から原価に関する資料を公開しないということを前提で提出をしていただきまして、説明を求めて、原料価格の推移あるいは製造経費の動き等を勘案いたしまして、上げ幅なり上げる時期等について適正に行われるように指導しておるわけです。もちろん下げるべきときには下げるということで指導しておるわけでございますが、御承知のように、原価はいわば企業の最大の秘密に属することでございますので、われわれは指導する際の根拠として取っておりますけれども、これを直ちに一般に農林省において公開するということは適当でないというように考えております。 従来からそのような御意見はお聞かせいただいておりますし、いまのような考え方に立ちまして企業がそれぞれ公開をされるということは結構なことだと思いますけれども、農林省がこれを公開するということは差し控えさせていただきたいというふうに思います。
○美濃委員 原価の公開ということにも限度があると私は思っております。いまの局長の答弁も理解できないわけではないですけれども、しかし、たとえば飼料の価格が一定のルールで決まった場合は、値上げをするというような場合は少なくとも本委員会等で——上げなければならぬというようなときに、企業の機密主義を尊重して、そして消費者や生産者の立場は全くつんぼさじきに置いて、われわれはある程度は覚えておりますけれども公開することはできませんというのはどうかと思うのです。変動しないときに常時公開する必要もないと思うのですが、価格を上げなければならぬときには、なぜ上げなければならぬかという点については、その理由を国民がある程度理解ができるように、上げるということに対して賛成ということにはならぬでも、なるほどそういう理由があるのかということがわかるような措置をやはりとるべきであると思いますが、いかがですか。それはできますね。資料を提示するとか……。
○澤邊政府委員 原価といいますと、各銘柄別に何千種類の配合飼料がつくられておりますので、それぞれ全部違うということになるわけでございますが、そこまではまだ私ども全部を把握しておるわけではございませんけれども、総体としての製造業者の四半期ごとの原価が大体幾らになるかというと、御承知のように、原料価格が配合飼料の場合は八〇%を超えるわけでございますので、原料の価格変動が一番大きな要因で、さらに最近は製造経費の値上がり等によりまして製品価格の値上げをせざるを得ないという面もございます。それらにつきましては、われわれとしては、個別の名前を挙げるということじゃなくして、それぞれ平均的なものについて平均的に見まして、今回の値上げのうちの何割は原料価格の値上げによるとか、その場合に、原料価格の中でも現地での買い付け価格とか海上運賃あるいは為替相場の変動等による要因がどの程度であるとか、それからさらに製造経費の値上げ分は今回は織り込んでいるのか織り込んでいないのかというようなことにつきましては、本委員会におきましても御質問にある程度お答えしておりますので、その程度のことは、私どもとしては、幾ら公開しないといいましても、各企業の平均的なものにつきまして、大きな変動要因について御説明するということはその都度やっておるわけでございます。
○美濃委員 次に、審議会についてちょっと大臣の御意見を承っておきたいと思います。 これも原案提示が農業資材審議会の中の飼料部会ということであります。だから、いま直ちにこれをここで改定しなければならぬということは申しませんけれども、これは千数百万トンの、米よりも多い飼料の対策でありますから、やはり専門部会を置いた程度の飼料部会を強化するということ、生産者の意識も反映するように飼料部会を強化するということ、これについてこの際御意見を承っておきたいと思います。 それから、日本の畜産と飼料問題というのは大きな問題でありますから、将来はこれは独立する価値があるのではないか。先ほども話がありましたように、これから養殖も多くなるわけであります。農林水産ですから、養殖のえさも含めた飼料部会というものを独立した機関として、独立の審議会にする必要があるのではないかと思う。しかし、当面は直ちにここで独立機関にせよという要求はしませんけれども、独立したぐらいの機構に強化をして、いま申し上げたように、生産者の意思なりあるいはすべての国民の意見が反映できるような措置をとるべきであると思いますが、いかがでしょうか。
○安倍国務大臣 先にちょっと申し上げますが、先ほどからのいろいろな御意見につきましては、貴重な御体験から出た御意見だと思って傾聴しておるわけでございますが、これらの御提案された問題については、今後法律が改正された暁におきまして、この法律を運用する中において積極的に研究、検討してみたいと思っておるわけであります。 それから、いまの審議会の問題でございますが、この審議会は、この法律を施行する上においてまさに最も重要な役割りを持つわけでございますから、私たちとしても、この審議会の運営に当たりましては慎重を期さなければならないと考えておりまして、基本的には利害関係者はこれには入れない、さらにまたデータ等についてもできるだけ公開をしたい、こういうふうにも考えておるわけでございます。 なお、この審議会、部会で今度やるわけでございますが、この飼料品質部会を独立したらいいのじゃないかという御意見もあるわけでございますが、今日の段階におきましてこれを直ちに分けるというふうなことについてはただいまは考えておらないわけでございますが、いずれにしても重要な審議会、その中の部会でございますから、そういう運営につきましては特段と配慮を払って、本当に権威のある中立的な公正な委員会の運営に持っていかなければならない、こういうふうに考えておるわけであります。
○美濃委員 大臣は五十分にここを出られるそうで、私も了解しておりますが、これは最近に起きた情勢でありますから、大臣のおるうちにもう一つだけ大臣のお耳に入れておいて、適当な調査委員を北海道へ派遣するなり、農林省としてもいろいろと措置をとってもらいたいと思いますが、それは、いままでこういう被害がなかったのですが、不幸にしてことし北海道の牧草に大粒菌核病が発生しまして三十一万六千ヘクタールの被害が出た。そのうち五〇%以上、半分以上の牧草が枯死した。半分以上枯死するともうほとんど牧草として使えないわけですが、その面積が一万二千ヘクタール。それで非常に問題が出ておるわけです。これは道から農林省へどのように報告されておるかわかりませんが、この問題について、きょうここですぐにということではないですが、大臣も十分検討していただきたい。 菌核病というのは伝染系統の病気で、菌核菌が伝染するわけです。さらにこれが蔓延するということになると、北海道酪農は粗飼料の牧草がなくなって壊滅してしまいますから、これは相当の対策が要ると思うのです。これについて早急に現地調査をするなり、あるいはいろいろの対策を検討してもらいたいと思うのですが、その御意見たけを承っておきたい。これは最近起きてきた問題なんです。
○安倍国務大臣 いま御指摘の問題につきましては、実は、農林省として昨日北海道庁にこちらの方から問い合わせて状況を聞いたわけでございますが、それによりますと、北海道の道東部を中心として牧草や小麦などに大粒菌核病が発生をし、牧草については、北海道庁で最近その被害状況について調査取りまとめを行った報告によりますと、十勝、釧路、根室、網走の四地区において、牧草作付面積三十一万六千ヘクタールのうち同病により若干でも冬枯れの被害を受けた面積が十四万九千ヘクタール、約四七%に当たるわけでありますが、被害二五%以上のものが三万八千五百ヘクタール、これは約一二%に及んでおりまして、釧路、根室地域の被害が大きいということであります。 このような被害に対しては、被害の程度に応じて牧草種子の追播、施肥、草地更新等の対策を講じる必要があるわけでありますが、実際に今回の被害が牧草の収量にどの程度の影響を及ぼすかにつきましては、今後の牧草の生育状況等も待って初めて判断し得る面もありますので、今後北海道庁とも十分連絡をとって被害状況の正確な把握に努めるとともに、対策についても慎重に検討してまいりたいと思います。 実は、これは、昨日こちらから報告を求めて聞いたばかりでございまして、この点については今後十分北海道庁とも連絡を密にいたしまして、ことし被害がさらに拡大をするというふうなことになれば、早速これは手を打たなければならないし、いまお話しのような調査等も行わなければならないのではないか、と、こういうふうに考えておるわけであります。
○美濃委員 大臣、退席なさってよろしゅうございます。 次に、指定検定機関についてですが、これはどういうことになりますか。具体的に大臣が指定する検定機関ですね。これはどういう機構になって、どういうことを考えておるのか。えさ会社に持たすのか、それとも全く特別の機関をつくろうとするのか、指定検定機関というものについての考え方をお聞きしたいと思います。
○澤邊政府委員 検定機関は二種類ございまして、一つは、安全性の観点から特定飼料について農林省の機関または農林大臣が指定した者が行う検定を受けなければいかぬということで、これは事前に検定を受けなければ販売してはならないという規定が二条の四にございますが、それの「農林大臣が指定した者」というのが検定機関になるわけでございます。これは安全性の角度からの検定を行うということでございます。 現在、この特定飼料といたしまして私どもが予定しておりますのは、落花生油かす、これはアフラトキシンの問題でございます。それから抗生物質が予定をされておるわけでございますが、その中で、抗生物質については農林省みずからが検定をやるということにしております。落花生油かすにつきましては、日本穀物検定協会という公益法人がございますので、これを指定いたしまして検定をさせるということを現在のところは予定しております。 それから、さらにもう一種類は、第三条以下が、いわゆる飼料の栄養成分の確保に関する品質改善面での公定規格を定めたり、あるいは検査をすることになっておりますが、そこで、第四条に公定規格に適合しているかどうかということを検定する規定を設けております。これにつきましては、農林省の肥飼料検査所、それから都道府県にございます飼料の検査機関のほかに、民間の検定機関を指定いたしまして検定をする予定にいたしております。これは冷凍食品の検査協会とか、あるいは食品分析センターとかいったようなものがございます。これに決めておるわけではございませんけれども、今後検討いたしまして、そのような公益法人であって、施設なり技術者なりにおいて検定を行うのにふさわしいというような機関を、申し出がございますれば指定してまいりたいと思います。具体的な名前を申し上げましたけれども、決めておるわけではございませんけれども、たとえばの例として、現段階で予想されるものを申し述べたわけでございます。
○美濃委員 せっかく法律が改正されても、農林省の持つこれらの体制を進める能力が一番大切だと思います。 次に、検定機関を置くこともやぶさかではないと思いますけれども、ということが先ほどもお話しがありましたが、参考資料でいただいたこの表にあります程度の機構と人員と予算ではこの膨大なえさの管理というものができぬのではないかと思うのです。指定検定機関をつくっても、農林省が根っこはきちっと行政管掌をして指導するだけの能力を持たなければならぬと思います。これではそれには少し欠けるのではないか、これを強化する必要があるのではないか、と思いますが、いかがですか。
○澤邊政府委員 ただいま申しましたように、民間の中立性のある公益法人を指定いたしまして、二種類の検定を一部行わせるということを予定しておりますけれども、特に、安全性に関する検定につきましては農林省みずからができるだけ行うということにしていくべきだというように考えております。 農林省の肥飼料検査所が行います検査は、従来法律に基づかざる関連業務として安全性の検査もやっておりますけれども、今後は安全性の検査なり検定に重点を置いて業務を実施していくというようにしたいと考えております。そのためには、現在の人員なりあるいは施設等の能力では不十分な面は確かにございますので、本法の施行時期までにできるだけ整備に努力したいと思いますが、その後におきましても、業務の実態に応じまして、施設面におきましても、あるいは技術者の数におきましても、能力におきましても、できるだけ充実を図っていきたいというように考えております。 県におきます検査は、安全性よりはむしろ品質、栄養成分の面での品質改善に伴う検査が重点になると思いますが、これにつきましても、従来国から若干の補助をやっておりますが、今後さらに拡充をして県の検査体制も整備していきたいというように考えております。
○美濃委員 総合的に申し上げますと、安全性という問題はどういうふうにお考えになりますか。たとえば二、三日前ですか、テレビに化学洗剤と石けんの問題等が出ておりましたが、化学洗剤あたりはほとんどたれ流しですね。この間もNHKでしたか、テレビでやっておったが、シジミなんかというのはおおむね各河口で取れるが、そこは化学洗剤でかなり汚染されておって、たれ流しですから、シジミのおつゆを食べても、その中には人体に悪いものがやはり微量に入っておる。それをいっぱい食べたから直ちにどうこうということはないにしても、肉を食べても、肉の中にはいわゆる不良飼料からくるところの添加物やなんかが入っているし、人体に対して添加物なんかというものは絶体にいいものではないわけです。たとえば夕食ですが、皆さんがお帰りになって、奥さんがつくった夕食がずっと卓の上に並んだときに、その全部が汚染されておるわけですね。それを私どもは考えなければならぬと思うのです。たとえばほかのものは全部きれいで、ある肉だけが多少添加物が入っておるとか、あるいは汚染されておるとか、他のものは全く自然食で、自然の原型で何の汚染もないのだとなれば、その部分だけですから私は聞かないけれども、いまになってくると全部だ。皆さんお帰りになって食卓の上に並んだものを見たときにそう考えてください。皆さんも私どもも同じ消費者ですが、夕飯を食べるときに、何を食べても皆汚染されておるわけです。汚染されていないものはほとんどないという状況ではないでしょうか。 ですから、この根絶を期すという考え方に立たぬと、セクト主義になって、その部分だけで評価するから、この程度は大丈夫じゃないか、そう人体、人体と言って神経質になる必要はないのじゃないかということになる。それは全部総合的に重なっていくわけです。総合的に重なって体内に入ると、抗生物質は簡単に排出しませんから、結局はがん細胞の原因を起こす。あるいは、私は医者ではないからよくわかりませんが、最近、何が原因になって起きてくるのか、いまから十年前、十五年前と比較すると、特に血圧がものすごく変調しておる。はなはだしくは小学生で高血圧になる。薬を飲まなければいかぬ。いまから二十年前、三十年前にはそんなことはなかったですね。私どもが子供のころはこれは遺伝病とされておったわけです。あそこは中風の血統の家だとか言って、高血圧は遺伝病だったわけですが、最近は高血圧は遺伝病じゃなくなってきたわけですね。この血圧の障害も、総合的な、そういう食べる物が悪いという欠陥から来ておるのだと私は考えております。 その反対に、肉を食べたり、抗生物質にいい薬ができて、結核に対する抵抗力と的確な治療薬ができたために結核の死亡率や何かは少なくなったけれども、今度は血圧系統の病気とかがんが多くなってきた。これはすべて食生活から起きてきておる原因にあることには間違いないと私は思うのです。客観的に判断したその判断には間違いがないと思う。ただし、その原因の探求は、私どもは素人ですし、医者でも科学者でもないからできないが、最近の国民全体の傾向として、血圧の変調が目立ち、がんが多発している。がんが非常に多くなってきておる。まだまだこれは多くなると思いますよ。がんというものはまだまだもっと多発してくると思う。その原因はやはり食べるものにあるということだけは間違いないと私は思うのですね。 そう考えるときに、これらのことについては慎重に真剣にやってもらわなければならぬ。現場のセクト主義で、畜産局は、この程度は神経質にならぬでもいいのだとか、魚の方は魚の方で、化学洗剤のたれ流し程度は大したことはないのだとか、こういうことになっていくと、さっき申し上げたように、皆さんがお帰りになって夕食を食べるときに、その食べるもの全部が汚染されてしまっておるということになるわけだ。そうすると、微量であっても食べるもの全部が汚染されておるから、体内に蓄積されていくわけですね。これらはその結果起きてくる現象であろうと思うわけです。 ですから、せっかく法律も強化されるわけでありますから、そういう総合的な観点に立って、十分に法律の効果を発揮して国民の生命を守るということに努力してもらいたい。これは国民の生命を守るだけではなくて、自分の生命にもつながっておるわけだし、生命を守るということに万全の配慮と努力を期待いたします。 お昼も大分過ぎておりますので、多少私の時間は余りますが、以上で質問を終わります。
○坂村委員長代理 この際、午後二時十分再開することとし、暫時休憩いたします。 午後一時五分休憩 ————◇————— 午後二時十二分開議
○澁谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。竹内猛君。
○竹内(猛)委員 飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する法律案に関してと、それに関連する若干の質問をいたしたいと思います。 まず、農林大臣に最初にお尋ねいたしますけれども、この法案に関連をして何人かの委員が質問をしているのを聞いていて、きわめて重要な問題に関して確かめておかなければならない問題があります。それは飼料に関する問題で、農林省の政治姿勢の問題であります。 第一は、えさの原価の公開がどうしてもできないという問題で、第二点は、配合の成分の公表ができないという問題です。この二つの問題は、農家にとってみれば何よりも最初に知りたい問題であるわけでありますけれども、これが明らかにされていない。そうして、この法案は安全性の問題に中心があるわけですけれども、その安全性の前に、何といっても農家が一番知りたい原価の公開と配合の成分の公表という問題に対して、それを担当する農林省が明らかにできないという、その基本的な理由についてまずお尋ねをしてから法案に入っていきたいと思います。
○安倍国務大臣 原価公表がなぜできないのかという第一問でございますが、農林省は、主要な飼料メーカーから原価についての資料を提出させておるわけでございますが、これは飼料の原価の公表をしないという約束で提出を受けておるわけでございます。この資料に基づきまして、農林省としては、三月に一回配合飼料の価格改定が行われる際に行政的な指導をいたして、配合飼料等が適正に決定されるようにいたしておるわけでございます。したがって、原価については、企業がみずから進んで原価の公表をしない限りにおいては、企業から農林省は約束によって資料を受けておるわけでございますから、農林省としてはこれを発表するわけにはいかないわけでございます。原価につきましては、飼料だけでなくて、いろいろの企業等におきましても最も重要な企業の秘密に属するわけでございますので、そうした観点からもこれを公表することはなかなかむずかしいと考えておるわけでございますが、飼料の価格決定については、行政指導等によってこれらの原価を中心にして適正に決定されておる、こういうふうに私たちは理解いたしておるわけでございます。 第二点は、配合の割合を明らかにしろということでございます。今回の法改正によりまして、栄養価値についてはこれを表示することになりますが、この栄養価値の表示によって飼養管理上の判断ができる、また、成分については種類を明示することによって農民も選択ができるというふうに私は考えておるわけでございます。配合割合、配合率というものは企業間の競争の非常に大きなもとになっておるわけでありまして、企業はこの配合割合を農民の要求に適したように決めるということで商品の競争を行っておる。したがって、配合の率を明らかにするということは、せっかくの企業の自由に基づくところの品質をよくする競争にブレーキをかけるということにもつながっていくのではないかと思うわけでございます。飼料の価格、特に国際価格が最近非常に大きく変動いたしておりますし、配合割合も絶えず企業間において変えておるわけでございます。したがって、これを公表するとしても、次から次へと変えていくわけですから、そういう点で事務的にも問題があるように思うわけであります。また外国においても配合割合を明示するということはやっておらない。そういう理由によって配合率は明示しないということで今日対処をいたしておる。配合割合を明示しなくても、農民は栄養価値を明示することによって飼養管理上支障はないというふうに私たちは判断いたしておるわけであります。
○竹内(猛)委員 この問題については、きのうも中川委員が非常に時間を費やして、農民の要求をここに明らかにしてほしいという要求をしたけれども、いまの農林大臣の説明を聞いていると、企業の秘密だとか言って、企業の立場に立っておられる。これを使う全国の農民がこれを要求しているのです。農林省というのは、農民の生活を守り、生産を向上し、食糧を自給するためにあるわけでしょう。そういう農林省が企業の立場に立って、企業がどうだのこうだのと言っていたのでは、それは通産省かあるいは別な省の立場だと思う。農民の要求をもっと素直に聞いて、そしてこの二つのきわめて重要な問題に対して答えをすることが農林大臣はどうしてできないのか、もっと率直なことがどうして言えないのか、この辺はどうなんだろうか。依然としてそれはどうしてもできないというのは、何か法律があってそういうふうになっているのか。そういう法律があるのですか。
○安倍国務大臣 これは飼料だけの問題ではないと私は思います。現在の自由主義経済体制の中にあって、企業の秘密というものが尊重されて、その企業のお互いの努力によって経済の伸展を図っておるということでございますから、企業の秘密に属する原価の公表といったことについては、ただひとり飼料のみでなくて、全体的な経済的な一つの今日のこの体制という中で理解をしていただかなければならぬと思うわけでございます。 また、この配合率の問題につきましても、これはお互いの企業間の競争の非常な焦点になっておるわけでありますから、この配合率についてお互いの企業が切磋琢磨することによって、むしろよりよい飼料が農民に提供されるというメリットもあるのではないかというふうに私は判断をいたしておるわけでありまして、農林省が企業の言うことだけ聞く、企業に密着しているということでは決してないということだけははっきり申し上げておきます。
○竹内(猛)委員 そうは言うけれども、やはり企業の利益を擁護しているとしかとれないということだけは明確に記録にとどめて、農家の皆さんに報告をして判断を仰がなければならない。そこで、これ以上この議論はしない。 その次に、飼料、特に濃厚飼料の場合には年々輸入が増加して、現在千八百万トンないし千九百万トンというものが外国から入ってくるということで、現在の状況が続く限りにおいてはこれは当分減ることはないだろうし、ますますふえる可能性がある。こういう場合に、その輸入の窓口が商社であり、したがって、この商社のために企業秘密を守るということは、今後自民党政府が続く限り、依然として農家の要求と相反することがやられるという形になる。去年のえさの値上がりのときにこういう事件が起こっていることを御承知だと思うのです。えさの会社がつぶれたという話は私は聞いたことがない。ところが、農民大会に行くと、浜松の農民が自殺をしたということもあり、畜産の農家が非常に減っております。これはもう農林省の統計でもわかるわけだ。農家が減っていて、特に乳牛などというものは頭数も減っているという状況であって、一方で畜産を振興しようと言いながら、そのもとになるところのえさに関しては依然としてその原価と栄養分というものは明らかにされないという状態では、やはり農民は納得できない。しかしながら、それを買わなければ農民はやっていけないということだから、不満だけれどもやむを得ずに従っているという形でしかないと思うのです。 こういうことでありますからこれはもう余り答弁を必要としないけれども、私たちの意見として、この問題に対しては大変不満であるということを申し上げると同時に、もう一つ、こういう点については考えられないかという点を申し上げますが、長期にわたって外国からの輸入が避けられないならば、いっそのことこれを国が管理をして、公社か公団か事業団というような方向でこの問題を取り扱って、まず政府が原価を把握をする、そして取り扱いは商社がやってもよろしいということにしたらどうだろうか。いま農林省で考えている中で、食糧の備蓄という問題が考えられているが、その備蓄をする場合に、ある法案をつくるときに公団か公社かという問題が問題になるだろう。こういう問題を考えてみる場合に、これは一つの案だと思うのだけれども、ここら辺はどうだろうか。 農協は、われわれが折衝すると、商社が明らかにしないから農協も明らかにしないのだということである。商社との関係で原価を明らかにしない。農民は非常に不満なんだ。えさの四割を扱っている農協は、商社ではないのだから大もうけをしているはずがない。だから、やりようによれば明らかにできないことはない。そういうことに対しては考えられないか。この点はどうだろうか。
○安倍国務大臣 日本の畜産は今後とも安定的に成長していくし、さらにまた畜産に対する需要も安定的に伸びていくのではないかと思います。そうなってまいりますと、飼料穀物につきましては、国内においてはとうてい自給できないし、外国から輸入せざるを得ない。そこで、飼料穀物については今後とも輸入が増加していくことはやむを得ない趨勢であろうと思うわけであります。 その際に、配合飼料等について、麦につきましては食管物資でございますから食管の制度の中において運営されるわけでありますが、麦以外の飼料穀物等につきましては、これはやはり民貿という姿で今日まで来ておりますし、民貿というものによってお互いに商社等も切磋琢磨をして、安い価格で外国から入札をしてこれを買って、そして国内に輸入している。外国の農産物等の飼料穀物等の価格の変動等も非常に激しいわけでございますので、そういういろいろの条件から見ますと、今日のこの姿というものを続けていくのがやはり適当ではないかと思いますし、麦以外の飼料穀物についても、これをさらに国家管理にしようという御意見もあるのでございますが、こういうことになれば、また第二の食管というふうなことにもなりかねない面もあるのではないだろうかとも思うわけでございます。 しかし、飼料価格を安定して輸入し、そして安定して生産農民に供給するということは非常に大事なことでございますので、これについては、今後は、民間貿易ではございますが、政府としては、いわゆる中長期にわたるところの外国との間の契約、協約というものを結ぶことに対して政府そのものが協力をしていく姿は今後とも積極的に打ち出していかなければならぬと思っております。オーストラリアから砂糖を民間貿易の中で長期契約をして輸入をいたしておるわけでありますが、これに対しても政府は協力いたしまして、これが砂糖の価格安定には大きく役立っておりますから、そういうふうな形を飼料穀物等についても考えていく必要はあると私は思うわけでございますし、同時に、また、国内の飼料穀物の安定供給という面については、国会におきまして親基金制度等も発足させていただきましたので、こうした基金制度も大いに活用して、異常な値上がり等については基金がこれを補てんをするというふうなことで、飼料穀物の安定的な供給を図っていかなければならぬと思うわけでございます。 また、同時に、飼料穀物の需給は最近世界的に非常にアンバランスになる可能性もあるわけですから、備蓄問題というものが大きな課題になっているわけでありますし、わが国としても飼料穀物についての備蓄ということは積極的に取り上げて考えていく必要があるのではないかと思います。 その際の備蓄について、民間でこれを備蓄するという姿が今日の姿でございますが、民間だけの力によって安定的な供給をするための備蓄というものが実現されるかどうかということについては私も一つの疑問を持っておるわけでございますし、この点については、いまもお話しがございましたような点も含めて研究をしていくといいますか、検討をしなければならぬ問題であろう、と、こういうふうに私は考えておるわけであります。
○竹内(猛)委員 えさの問題でもう一つ伺います。 五月二十二日の毎日新聞によると、アメリカのニューオーリンズの発表によって見ると、アメリカで飼料穀物を輸出している商社や、その取り扱っている者の中に大変不正があり、品質や数量をごまかしているという記事が出ております。そして、ソ連では被害国としてアメリカのそれを告発しているというような話まで出ている。だから、これは海外に依存をしていっても、国と国が責任を持ってやるならいいけれども、民間だけに頼ると何が起こるかわからない。そういう場合においては大がかりな被害が起こらないとも限らないということにもなりかねない。これは何も答弁は要らないが、こういうわれわれが心配する問題を前提にして、そういう形で、えさの問題についての農民的立場というものを私は農林省にもっと強く要望をしたい。そして、先ほどの輸入に関する問題についても一考をしてほしいということを要望しておきます。 そこで、この法案に入ってまいりますが、今日までのこの法案を出すに至った経過の中で、どういうような病気がどんな飼料によってどの程度発生したかということが実は法案を出す前提になっているわけで、われわれもこれを要求したわけですから、そういう点について農林省として説明ができるかどうか、それをまず説明をしてほしい。
○澤邊政府委員 今回の法律改正は飼料の安全性の確保という点で新しく規定を設けたという点が重点になっておるわけでございますが、従来の経緯から見てどのような問題があったのかという点について事例的に申し上げてみますと、飼料に起因するいろいろな事故がこれまで発生をしておりますが、その中には、飼料の給与方法を誤ったということのために事故が発生したとか、あるいは飼料が腐敗したとか、あるいは変敗したにもかかわらずそれをそのまま使ったということによります事故だけではなしに、最近特に問題になりますのは、飼料中に有害な物質が混入するということに伴いまして事故が発生するということが見られたわけでございます。 例を申し上げますと、まず、最後に申し上げました有害物質が混入して事故が発生した例といたしましては、御承知の四十三年に、九州地区を中心に中、四国地方にも発生しましたPCBに汚染されたダーク油による鶏の被害がございます。この被害は斃死を含めて約二百万羽に達したということでございます。 さらに、給与方法が適切でなかったということのために発生した事故といたしましての例は、四十八年に富山県下に発生したところの、尿素系飼料であるダイブを使用した配合飼料によっての乳牛の斃死その他の事故が発生をいたしまして、これは約二百頭の被害に及んでおります。 さらに、飼料の腐敗、変敗による事故といたしましては、四十七年に大分県下で発生しました乳牛の下痢、乳量低下という症状で百頭について被害例がございます。 これらの事故が発生しました際には、すぐに回収をさせるとか、あるいは原因究明等を行いまして事後措置を講じたわけでございますが、そのような事故の発生と原因の究明の経験を踏まえまして、PCBにつきましては飼料中の許容基準を設定し、ダイブについては、その使用方法について一定の制限を設け行政指導をするというようなことをやってきておるわけでございます。これらの措置はとりあえず事故が発生した場合の応急の措置でございますけれども、これを事前に安全性の観点から基準、規格を定めたり、あるいはそれに適合しないというものにつきましては、販売を禁止するとか、廃棄処分を命ずるとか、回収を命ずるとかいうような具体的な処置を、これらを従来は法律に基づかずして種々やっておりましたのを、この際はっきりと法律の根拠に基づきまして、法律上の義務を課するというようなことによりまして安全性確保の徹底をしていきたい、こういう考えに基づきまして今回法律改正をお願いしておるわけであります。
○竹内(猛)委員 経過についてのことは大体理解はできるのだけれども、きのうから安全性という問題が実は問題になっている。安全の基準というものについて、きのう島田委員の質問の中でもいろいろ問われたけれども、依然としてこれが明らかでない。発生した経過はわかるし、それから問題もわかるけれども、それなら何が安全基準なのかということ、これがわからない限り法案審議の意味がないわけだ。 きのうは有吉佐和子さんの小説なども引用した中で、経済性が大事かあるいは安全性が大事かというと、農林省のある人は経済性が大事だというようなことを言われたという話もあったが、私は、安全性と経済性というものは両立しておって、どっちが大事だというようなものじゃないだろうと思う。一緒に同時並行的に考えるべきものだと思うのですね。そういう意味で、安全性という問題についてなお不明確だから、安全性という問題はどこでだれがどういうぐあいに決めて、そして何が安全性なのかという、この内容を明らかにしなければ法案を審議する意味がないと思うが、これはどうですか。
○澤邊政府委員 安全性というのは具体的にどういう内容のものであるかという点のお尋ねでございますが、安全性は、人の健康に対する安全性と家畜に対する安全性と両方あるわけでございます。もちろん、前者の人の健康を損なうことのないようにという意味での安全性が特に重要であるわけでございますが、人の健康を損なうおそれのあるような畜産物が生産されたり、あるいは家畜に被害が生じて畜産物の生産が阻害されるような状態がないようにするということが安全性を確保するということになるわけでございます。 具体的に申し上げてみますと、人の健康については、飼料なり飼料添加物の中に有害物質あるいは病原微生物等が含まれておって、それが畜産物に残留をし、その畜産物を摂取することによって人体の中に入って、またそれが蓄積をされるというようなことが心配されるわけであります。それらによりまして人体の発がん等の誘因になったり、あるいは生殖への影響があったり、人体内の微生物への悪い影響を及ぼすとか、その他人間の健康を阻害する要因になるというようなことのないように、飼料なり飼料添加物の生産、保存、使用につきまして基準を定めるわけであります。あるいはまたその成分についての規格を定めるということを考えておるわけでございます。 たとえて申し上げますと、抗生物質が飼料の添加物として利用されておるわけでございますが、これが家畜を通して畜産物に残留して人体の健康を損なうということのないようにするためには、残留させないためには、使用の限度、添加の限度をどの程度にとどめるかというような基準を定めるとか、あるいは発がん性を持つと言われるカビ毒、落花性油かすのアフラトキシン等がこれに当たるわけでございますが、これが牛乳や肉や卵に残留しないように、飼料の中には一定の許容限度以上は入れないようにするというような見地から基準を定めていくということになるわけでございます。 もう少し配合飼料の場合で例を申し上げますと、配合飼料の場合には、一般的に、成分規格としてPCBの含有量は何ppm以下というように決める、BHCにつきましても同じように含有量につきまして限度を決める、それから配合飼料の製造基準としては、落花生油かすを配合する場合は用途別に一定の配合率以内であるということ、尿素の場合も同じように用途別に配合率を決める、あるいは飼料添加物を配合飼料に用いる場合には適応容量を畜種別に決めていく、これらはそれぞれの添加物に応じまして、配合飼料に応じまして違いますので、ここで具体的な数字は申し上げませんけれども、そういうふうに決めていくわけであります。 それから、保存の基準につきましては、飼料添加物につきましては、遮光した密閉容器の中に保存するようにというような保存基準を決めるとか、あるいは抗菌性製剤が添加されているような配合飼料は食用に出荷する五日前の家畜には使わないようにするというような使用基準を決めるとかいうこと、それらにつきまして一定の表示を義務づける。これは配合飼料一般につきましても、あるいは個々の単体飼料あるいは飼料添加物あるいは配合飼料に限らず、全体の飼料に共通するものにつきましてもそれぞれ基準を定めるということになるわけでございます。 特定のものについて申し上げるのもいかがかと思いましたが、一般的にはそのような考え方で基準、規格を設定していくということでございます。
○竹内(猛)委員 それでもやはり安全基準というのはきわめて人体に影響を及ぼすということ、あるいは家畜でそれを食べたものが害になるということ、この二点でしょう。あとはそれを予防するための処置でしょう。人体に影響するかしないかというのは、それは結局人体に影響しなければわからないことでしょう。それはどうなんですか。初めからわかるものだったら問題にならないはずなんだからね。
○澤邊政府委員 これは既存のいろいろな試験研究の成果もありますし、外国の事例等もございますし、それからまた国の試験研究機関におきます研究成果もございますので、それらを見ながら基準、規格を決めるわけでございますが、ただ、新しいもの等につきましてどうするのかということが問題になるわけでございますけれども、たとえば新しい飼料ができましたとか、あるいは飼料添加物ができましたという場合には、あらかじめ国がそれらの安全性を確認するための試験の基準を決めておきまして、それは理化学的な試験だとか、あるいは動物試験だとか、あるいは残留試験というような試験をやって確認する。しかし、それは物によって違いますので、個々につきまして具体的に基準を決める必要があると思います。 けさほど来問題になさっておりますが、PCBにつきましてはどうするんだということですが、そういうことについての安全性の評価をするための基準を技術会議におきまして研究を始めるわけでございます。そういうものは現在はないものをつくるということもありますが、既存のものでもあらかじめわかっておるものについては試験の基準をつくっておき、それに基づきまして製造業者が自分でつくったものを試験をするわけです。その試験データをわれわれの方に持ってきて、それを見た上で、これは結構だということになりますれば、もちろん資材審議会に諮って決定をするわけでございますが、それを新しい飼料あるいは飼料添加物の基準として、あるいは規格として設定をしていくということになるわけであります。
○竹内(猛)委員 安全性の問題だけでも大変時間を費やした。これはやはりこの国会は見送って、次の国会まで大いに議論しなくちゃだめですね。そういう点で、われわれは安全性の問題だけでもまだこれだけの疑問があるんだから、これはひとつゆっくり議論するようにしようじゃないですか。そういうふうな感じがしますね。せっかくいまの答弁があったのですけれども、そこらあたりはまさに解説か何かに出しておかないといけないことであろうと思うのです。これだけの時間を各委員が費やしてきたのですからね。 そこで、いま添加物の話が出たのですが、添加物の問題と関連してこういうことを私は聞いてみたいと思うのです。 畜産を振興しろということで、これは米麦に次いで畜産も大事だ。海洋法の問題から含めても、動物性のたん白を畜産に依存することは避けられないことになる。そうなると、畜産振興というのはわれわれにとってはいやでも至上命令である。だとすれば、えさがないのですから、そのえさをどういうぐあいに考えていくのか。自給飼料、購入飼料、それから老廃物の廃棄物の利用という問題になってくる。廃棄物の利用ということになるというと、今度は化学的ないろいろな作用をするから、当然これにはいろいろな添加物の問題も出るだろう。そして問題になったSCPですか、ああいう問題も問題になることになるだろうと思うのだが、これの期待量というものは、今後の飼料政策として、この三つの分野に分けた場合に、どういう期待で日本の飼料の政策を立てていくという方針を持っているのか。
○澤邊政府委員 畜産物の需要は、従来ほどではないにしろ今後も伸びると思いますので、それに応じた国内生産をふやしていくということのために、飼料の需要も当然着実にふえていくということになるわけでございます。 そこで、われわれは飼料の供給をいかに安定的に確保するかということですが、安定的に確保する方法といたしまして、国内でできるだけ自給率を高めていくということが必要になるわけでございますが、残念ながら、濃厚飼料あるいは濃厚飼料の原料につきましては国内では一定の限度があるということでございますので、まず、自給飼料といいますか、粗飼料といいますか、牧草、飼料作物等の国内生産をできるだけふやしていくということに重点を置いて考えていくべきだというふうに考えております。そのためには、草地の開発造成あるいは既耕地の飼料作としての活用、さらに野草地あるいは林野内の下草等も積極的に活用していくということによりまして、国内の未利用の粗飼料資源をフルに活用していく、これまで余り利用されておらない稲わら等につきましても粗飼料資源として活用、拡充していくというようなこと等、各般の対策を講じまして粗飼料の自給率を高める、それによりまして草食動物でございます大家畜、乳牛なり肉牛につきましての粗飼料の給与率を高めるということ、これがコストを下げると同時に家畜の衛生上にも好ましいわけでございますので、効率を高めるということにもなるわけであります。 それらをやりました上でなお濃厚飼料につきましては、トウモロコシとかマイロ等につきましては、国内におきまして増産を大いに図るということはなかなか困難である。生産性の格差の問題あるいは土地利用の競合の問題があり、風土的にも不適作な地域が多いというような点から考えますと、これを大々的に国内生産するということは必ずしも現在賢明ではないというように考えますと、これは海外からの安定的な輸入に依存せざるを得ない。そのために、先ほど大臣からもお答えがございましたような長期契約とか、あるいは開発輸入とか、それの前提としての開発に対する協力とか、あるいは輸入先の多元化というようなことをやる必要があろうかと思います。 さらに、濃厚飼料の中で問題になりますのは麦でございます。これは現在水田の裏作が活用率が非常に低い。それを利用するのは土地利用を高めるという意味からしても望ましいことでございます。そのために、食用の麦と並んで飼料用の麦についてもできるだけ国内で生産を行うというようなことで、三十万トンくらいの生産目標を六十年に予定をしておるわけでございます。 そのようなことによりまして飼料の安定的な供給を確保していくというふうに考えておるわけであります。
○竹内(猛)委員 局長の答弁はまことに親切だけれども、ポイントを外してしまって時間を消耗するから、聞いたことに対してずばっと答えてもらいたいのだけれども、ぼくが聞いたのは、要するに、今後畜産が大事だ、えさが必要だ、そのえさを自給でどれだけ、粗飼料で幾ら、濃厚でどれだけ受け持って、それで新しく老廃物だとか廃棄物をいろいろ研究してどれぐらいのものを期待をするのかという、こういう三つのものについての比率を、おおむねどれだけかということを聞いているわけだ。ところが、いまは二番目まで言って三番目が抜けちゃったが、一番大事なところが抜けちゃったから、これはぐあいが悪い。
○澤邊政府委員 廃棄物についてのお尋ねでございますが、これは今年度から技術会議におきまして試験研究を開始するという、農林水産物の廃棄物を利用したSCPの開発ということもございますが、これまでの各種のでん粉のかすだとか、あるいはビールかすだとか、そういうものもできるだけ活用していく。先ほど申しましたわら等も、これは廃棄物と言うとどうかと思いますが、従来は飼料的にはだんだん利用が低下しておったものも拡充をしていくというようなことを考えておるわけでございます。 それで、六十年の見通しで申し上げますと、濃厚飼料と粗飼料につきまして、粗飼料の給与率は六十年目標では三一%というものを目標にしております。ちなみに、四十七年度はこれが二三・四%という供給率でございますが、飼料全体の中での粗飼料の供給率でございます。それを先ほど申し上げたような趣旨で三一%に高めることを予定いたしております。 濃厚飼料の供給率は、これは自給率で申し上げますと、六十年に二八・三%というふうに目標を置いておりますけれども、これは濃厚飼料全体につきまして自給率が低下をいたしておりますけれども、中小家畜を中心といたしまして濃厚飼料の需要が非常にふえるということのために、麦等で生産をふやしましてもそこまでは及ばないということでございます。 廃棄物につきましての、生産量をどの程度見込んでおるかという点についてはいろいろな各種のものがございます。現在的確な見通しをすることができませんので、公表に足る資料としては用意をいたしておりません。
○竹内(猛)委員 それで、いま問題になるのは、粗飼料で病気が出たり被害が起こるということはあり得ないことだし、濃厚飼料でも、最近は農家が配合ということに対して非常に疑問を持って、農家自体でいろいろと考えてやっている場合がある。たとえば単体で農家が配合する場合があるが、こういう場合は別に問題がないわけでしょう。いろいろな検査とか、そういうことは問題ないので、結局農家自体が自分の知恵でやるわけだが、そういう場合にはルートが問題になる。それから今度は、魚のかすを使ってトウモロコシやコウリャンに加えて、そして二種混をやる場合があるのですね。そういうときには農林省としては一体どういうような指導なり何なりを考えておられるか。 こういう農民の知恵というものがあるし、私の方の茨城県の豊里町では、いろいろなおがくずを利用してにおいのない養豚を盛んにやっている。これも農林省の指導でやるよりは、むしろ静岡県の掛川のある畜産の見学をして、そしてそれを使ってやっているのですね。えさに発酵菌を添加して、そして大変りっぱな生産を上げている。これは町が挙げてやっているわけだ。こういうぐあいに農林省のいろいろな指導を乗り越えて各地でいろいろな形でやっている場合に、これを一体どのように考えられるのか。これはどうですか。
○澤邊政府委員 それぞれの立地条件に応じまして地元で活用できる、購入できるいろいろなかす類等を利用して効率的な飼料給与をやっている例は非常に多いわけでございますので、これらは購入飼料である配合飼料にのみ依存するよりは有利な場合が非常に多いわけでございますので、好ましいことだというふうに考えます。 それから、最近配合飼料への依存が高過ぎるという点から、自家配合をするという例がかなり出てまいっております。これは政府操作飼料を比較的潤沢に単体飼料として購入できるような農家、あるいは二種混合飼料を容易に入手できるような港湾隣接地域におきます大規模な畜産経営がやっておるわけでございますが、これはコストダウンになる場合もございますし、それから別の意味では、飼料添加物などの入っておらない飼料をみずからつくって使うのだというような考え方から行われている例もあるわけであります。ただ、これは農家の飼料の配合についての栄養的な観点からの技術水準がある程度の水準に達しておりませんと、栄養バランスを崩すということによりまして飼料効率が下がるという場合もございますので、そのような一定水準の技術のある農家が成功するわけであります。 それから、さらに、コストは安くなる場合もございますけれども、かなり大規模な飼養農家であり、しかも先ほど言いましたような港湾に非常に近くて安い二種混合飼料が入手できるとか、あるいは政府操作飼料がこれまでの経緯から見て比較的に他の地域よりは手に入りやすいとか、そういうような立地条件がなければコストダウンにもならない。かえって割り高になる場合もございます。それらを考えて、条件の恵まれたところは非常に好ましいことだというふうにわれわれも考えておるわけでございます。そのためには技術水準を高めるための指導も必要であろうというように考えております。 なお、単体のトウモロコシにつきましては関税の割り当て制度がございまして、一定数量までは一〇%の関税にとどまっておるわけでございますが、これにつきましても、配合飼料用のように関税なしまでには至っておらないわけでありますが、これは御承知のように国内のでん粉保護のために横流れするのを防止するという観点から、単体のトウモロコシについては関税がかかるわけでございますが、これも何か横流れを防止するような方法を考えまして、単体飼料として無税にできるような方法がないだろうかということを種々検討しております。そのようなことがもしできますれば、農家の自家配合にも非常に役立つのではないかというように考えておりますので、基本的にはそのようなことの条件を整備しながら奨励をしてまいりたいというふうに考えております。
○竹内(猛)委員 魚粉の問題については後で島田委員が若干質問を追加しますから、それは最後に残します。 そこで、時間もだんだん過ぎてきましたから質問を続けますが、この法律によると農業資材審議会ができる。その構成、運営についてもいろいろ要望があったから私はこれを過ぎていきますが、そこで、この飼料の製造管理者というものが問題になっている。柴田委員の質問に対しては、管理者を獣医とか薬剤師とかいうようなものに委嘱をしてやるということになっているようですが、先ほど答弁があったようなきわめてむずかしい内容を持ったものに対して、いまの獣医の体制なり管理者の体制が果たして十分にこたえられるかどうかという問題について若干答えを求めたいと思う。 獣医の問題については、前に伝染病のときにもいろいろ質問をして、配置の状況やそのことは大体わかりましたが、獣医師会の方からのいろいろな要求によると、給与の面あるいは配置の問題等についていろいろ不満があるようです。この点については、獣医のいない地域も多々あって、偏在をしているという向きもある。 そこで、獣医の今後の取り扱いは、教育は文部省の方でやるわけだから、向こうの要望では獣医の大学を六年制にしてほしいという要求があるし、農林省は卒業して出てきた獣医を今度は農林行政の中でそれぞれ活用していくわけですから、そういう点について、日本の獣医の体制というものがこのままではやはりいろいろ問題があるように思う。表を出してもらったところによると、世界的に見て獣医の数は必ずしも少なくないというように考えられるし、それから、一人の獣医が担当する家畜の数も日本の場合には余り多くないわけだから、したがって収入が少ないというようなことも出てくるわけで、いろいろ考慮しなければならない点があるが、この点について、文部省と農林省の両方から答えをいただきたい。
○澤邊政府委員 農村部におきます産業動物関係の獣医が地域によっては不足をいたしております。これは、家畜の飼養密度の非常に低いところ、飼養頭数の少ないところというような地域が特にそのような不足現象が見られるわけでございまして、家畜の頭数が少ないために診療頭数も少ないということのために獣医の収入が高くならない。しかも、不安定である。あるいはまた、そのような地域は往々にして生活環境も非常に悪いということのために不足を来たしておる点があるわけでございます。これらの不足をそのまま放置いたしますと今後畜産振興上非常に支障を来しますので、四十八年度と四十九年度の二ヵ年間にわたりまして産業動物獣医師総合対策検討会というものを開きまして、それに対する対策を種々御検討願ったわけでございます。 それらの対策の一環といたしまして、今年度からそれらの農村地域に獣医が定着をするようにするために、施設なり、機械器具なり、あるいは車なりといったものに対しまして助成をすることによってモデル的な地域を四ヵ所ばかりつくっていきたいというように考えております。今後はその成果を見てさらにふやしていくということも考えております。しかし、何といいましても待遇を改善するということが基本になると思いますので、共済の診療点数表の中の技術料の引き上げを本年度から七五%やっておりますし、それから雇い上げ獣医師手当、伝染病関係を主体といたしました手当につきましても今年三十数%の引き上げを行って、今後ともそれらの改善を引き続きやることによりまして農村に定着をするように努力をしてまいりたいと思います。 なお、獣医の教育年限のお話しかと思いますけれども、獣医に対します需要が、産業動物はもちろんのこと、都市関係の獣医につきましても、あるいは公衆衛生面につきましても非常に高まっておりますので、人間のお医者さんと同じように六年制に延長するということについての強い要望がありまして、農林省としても、それは望ましい方向ではないかということで、現在種々文部省で御検討いただいております。
○瀧澤説明員 大学における獣医学教育の問題につきましては、いまお話しがございましたように、現在四年制でやっておるわけでございますが、四年では年限が不足であるという御提案がございまして、かねてから農林省あるいは獣医師会をはじめ関係団体等からそういう御提案をいただいております。これにつきましては文部省の方ですでに検討をいろいろ詰めておりますが、教育内容の問題だけではございませんで、獣医師の需給の関係あるいは農学部との関係、あるいは大学院との関係、あるいは畜産その他の関連の学科との関係、そういう教育研究の組織上の問題等もございまして、なお慎重に検討すべき問題が多々あるわけでございます。 幸いことしの予算で獣医学の関係の調査費を若干いただいておりまして、近々専門家を中心といたしました調査会を発足させまして検討を続けてまいりたいというふうに考えております。
○竹内(猛)委員 法案をわれわれは慎重審議をしていきたいということですが、なおやがてこれは通さなければならない。法案をよくして、そのときにはやはり体制が大事だから、獣医の問題についてはいろいろなことを要望しておきます。 そこで、だんだん時間もなくなってきたから、今度はえさの需給の問題で伺いますが、われわれはなるべく国内のえさで畜産を振興させていきたいというのが前からの念願なんだ。だから、先ほど局長から答弁があったけれども、局長の答弁はどうしてもポイントに触れないから、これは後でなお別な時期にやらなければならないわけですが、私は四十七年の七月のこの委員会でも言ったが、いま通産省がアルコールをとった後の廃液で公害防止と廃棄物の活用という形で、ラクノールという名前の飼料をかなり長い間研究をしておりますが、私のところでもアルコール工場があって、そこでやって、工場の中に牛を入れて、実際に牛の体を通して研究をしてきている。こういうものを研究しながら進んできておるのですが、農林省の方でも試験場等々で新しいえさを研究すると言うが、石油たん白のようなどうしても理解ができないような、説明をしてもなかなか納得ができないようなものではなくて、現に牛が食べて大きくなり、しかも乳を出しているという形であるものをもっと真剣に取り上げてもらいたい。 そこで、これはすでに二年前にここで問題を出しておるわけですから、技術会議の方からと、もう一つはそれを進めている通産省の方から、これについての若干の経過と、今後の取り扱いについての報告と、それから方針を述べてもらいたい。
○小山(義)政府委員 アルコール発酵の原料がでん粉から糖みつに転換をされた結果、従来のように固型分の多いアルコールかすを使うということができなくなりまして、新しい使用の仕方を考えなければいけないというふうなことから、私が知っておる範囲では、昭和四十年代の初めごろから数県でこの問題に取り組んできたように承知をしております。また、最近では、いまお話しのございました通産省のアルコール事業部の方でこの問題と取り組まれ、さらに東京大学にも委託研究に出されているというふうに承知をしております。 そういった幾つかの研究の結果から一般的な事項を要約いたしますと、この液そのものは非常に水分率が高いといいますか、ほとんど水分でございますので、そのまま牛に食べさせると、食べるというよりも飲んでしまうものですから、第一胃を通過して直接第三胃に入ってしまうというふうなことで、せっかくの栄養が吸収できないというふうなことで、わらだとかビートパルプだとかバガスといったものにこれを吸着させると吸収がよくなるというふうなことで、それについてのかなり具体的なデータがいろいろ出ております。 それから、利用の仕方としては、特に喜ばれておりますのは、冬場の生草の欠乏する時期にこれを食べさせるというふうなことでかなりの評価がされている向きがございますが、若干の欠点といたしましては、カルシウムとかマグネシウムを多く含んでおりますので軟便ないし下痢になりやすいというふうなことがありますので、実際に使用する場合には正しい使用法を守っていただくことと、そのための指導がどうしても必要になるというふうなことが報告をされております。 なお、また、そういった幾つかの利点にもかかわらず余り急速に普及しないもう一つの理由としましては、だんだん飼育規模が大きくなりまして、しかも農家の手が足りないというふうなことで扱いに手間がかかるというふうなことも一部あるようであります。これについては通産省の方で御研究になっているいろいろな製造の仕方、施設等について私どももお互いに連絡をして内容を承知しておりますけれども、そういったいまの試みが実用化されていけばかなり問題が解決されるのではないかというふうに考えております。 いずれにしましても、これは通産省と農林省とが両方ともそれぞれの得意な部分を発揮して連絡協調して技術開発を進めていく性格のものであるというふうに考えておりますので、今後そういう方向で進めてまいりたいというふうに思っております。
○飯田説明員 ただいまの先生の御指摘の点につきまして若干御説明させていただきたいと思います。 私ども通産省のアルコール事業部といたしましては、実は、アルコールをつくる際の糖みつ発酵の廃液でございますが、これをわれわれはラクノールと呼んでおりますけれども、これの処理の問題で従来から非常に頭を痛めておりまして、環境汚染の防止と、さらに進みましてはこれを何とか有効利用できないだろうかというようなことで、たとえば肥料に使うとか、あるいは飼料に使うとかというようなことで有効利用の方途をいろいろ検討してきたわけでございます。 そこで、初めに牛久の実験農場長をやっておられました斎藤先生の御指導を得まして、一般の酪農家に対しましてこのラクノールを供給いたしまして、その成果をずっと見守ってきたわけでございます。そして、日本農業研究所というところがございますが、その後ここでの稲わらのサイレージした飼料の開発技術が進むに対応いたしまして、これにもわれわれとして全面的に御協力申し上げたわけでございます。 その結果、牛に対する効果といたしましては、粗飼料の嗜好性が非常によくなったという点ですとか、あるいは牛の体調が非常によくなってくるというような効果があるということがだんだんわかってまいりました。そのような結果に基づきまして、日本産業技術開発研究所で——これは先生も御存じと思いますが、ここで大規模な企業化のプロジェクトが進んでまいりまして、そこのサイレージ飼料を使いまして、アルコール事業部の石岡工場というのがございますが、実は、ここで乳牛を四頭ほど飼ってみるとか、あるいはそのプラントに対しましてラクノールを供給するとか、そういうような形で研究に協力をしてきたわけでございます。 なお、また、別に東大の農学部の亀高先生に、「アルコール廃液の濃縮物添加稲わら発酵飼料の価値に関する研究」というようなテーマで、四十七年以降ずっと研究費を出しまして研究委託をしてまいったわけでございます。その内容といたしましては、飼料の消化という点に関連いたしまして基礎研究をお願いしてきたわけでございますが、その結果といたしまして、稲わらの消化率が非常に向上してくるという結果が出てきておりますけれども、なお、その稲わらの消化率の向上のメカニズムというような点について若干不明な点もございますので、今後とも研究を進めていきたいというふうに考えておるわけでございます。 いずれにいたしましても、先ほど農林省の方からの話もございましたが、こういうような事業を進めてまいりますに当たりまして、農林省あるいは地方の酪農試験場というような関連の機関と十分協力してやっていかなければ実現できない問題でございますので、今後とも密接に連絡をとりながら進めていきたいというふうに考えております。
○竹内(猛)委員 いまのお話しのように、国内にそういういろいろな研究があるのだから、それをまとめて、総合して農林省でも取り上げてもらいたいということを特に要望し、通産省と農林省の機関が一緒になってそれを進めるように特に要望します。 そこで、時間もありませんから、私はいよいよ乳価の問題についてちょっとお尋ねをしたいのですが、原価が公表されないし、そしてまた配合も明らかにされないようなえさをやむを得ず使って酪農家は営々として業を営んでまいりました。そこで、加工原料乳については四月の段階で一四・七%の値上がりをした。ところが、市乳については、生産者とメーカーが一緒になって話をしろというわけで、私は、実は、五月十九日に七十五条によるところの質問書を出したけれども、これの回答には農林省は何ら手をかさないということだ。手をかすということになれば独占禁止法に違反をするからやらないと言う。そして、三十日には全国の牛乳生産者が集まって大会を開いて、あるいは時差輸送とかいろいろな形で社会問題に発展しようというときに、畜産は振興しろとか、価格の問題については、加工原料乳については法律があるから一四・七%上げたけれども、市乳については一切生産者とメーカーだけで話し合いをして決めろとか、こういうようなことではいかにも責任がないじゃないか。先ほどもえさの問題のときに農林大臣は、えさの問題については政府が仲へ入って指導するという話をしたが、乳価については一体いままで何で黙って見ているのか。私に対する答弁はかなり長い文章でありましたけれども、文章の内容は何らやらないということである。これは白紙に等しい答弁ですね。 これに対して、市乳については全然乳価は上げなくてもいいのか、任せ切りなのか、この辺についてはどうなのですか。これは農林大臣から答弁してください。
○安倍国務大臣 飲用向け乳価の決定については政府が行政指導をして引き上げを実現すべきではないかという御意見でございまして、これに対して政府は何もしないということを言っているのかどうかということですが、これはやはりいろいろと問題があるわけでありますから、当事者間で円満に解決することを期待して交渉の推移を見守っておるわけでございます。 問題は、飲用向け乳価は需給動向に即応しつつ当事者間の交渉により形成されることが望ましいと考えておるわけで、これは従来からも自主的な交渉によって決定をされてきたという経緯があるわけでございますから、私たちは、やはりあくまでも自主的に決定されることが望ましいと思います。 また、価格指導を行った場合、これを契機として一斉に値上げが行われた場合に、共同行為として独禁法上も問題が出てくるわけでございまして、昭和四十二年に国民生活審議会からも価格指導を取りやめるよう要望が出されておるという点も配慮せざるを得ない。そういう点で、私たちとしては、あくまでも自主交渉によって価格が決定されることを期待をして見守っておるというのが今日の状態でございます。
○竹内(猛)委員 いままでも、たとえば四十七年の場合には、加工原料乳と市乳の値上がりは四三七%あるし、それから四十八年においても六九%、四十九年は四〇%というようにずっと値上がりをしてきているし、去年の場合でも最終的には農林省が仲へ入っていろいろやって決めたということもある。ことしは一体どうしてそれをやらないのか。それは、望ましい形は望ましいでしょう。しかし、酪農家は、末端の工場で、県でやれといっても、県の段階で話をしようとすれば、県の工場は中央でなければ話ができない。だから、結局中央の折衝になる。したがって、交渉権を委任して、中央では全権を委任された者が交渉してくる。こういう段階になってきて、だんだんだんだん中央交渉になる。県で知事が問題を持ってこなければ話をしないのだという話があるけれども、いまできない状態にあるのでしょう。だから、そういうときに農林省が、行政介入ということが悪ければ何らかの形でそれを指導して、あり得べき方向にこれを持っていってやるのが至当じゃないですか。
○安倍国務大臣 先ほど答弁をいたしましたように、現在は自主的な交渉によって解決されることを期待して見守っておるわけでございまして、表立って行政介入するということになりますと独禁法上の問題も起こってくるわけでございますから、従来の経緯もあって私たちはこれを見守っておるわけでございますが、しかし、これの解決が自主的にはなかなか不可能だ、むずかしいというような事態が起こってくるというふうなときには、行政介入という形では困難とは思いますが、一般的といいますか、抽象的な形で指導するというふうなことはわれわれとしても考えざるを得ないのではないかと思います。今日までの経緯等もありますし、抽象的な指導というふうなことはやはり考えなきゃならぬというふうにも思っておるわけであります。
○竹内(猛)委員 この場合にもう一つ念を押すために言いますが、それではメーカーの方は一体赤字かというと、たとえば雪印は一二五・七%、森永が一二一、明治が一二二・六というように、ちゃんと決算は出ている。もうかっているのです。その乳業会社の労働組合員の賃金でも、アップ率は、要求に対して雪印が一五・五九、明治が一五・〇八、森永が一四・五七というようにちゃんとみんな明確に出ている。それなのに、そこへ乳を運ぶ農民の乳価は抑えて、おまえら勝手にやれと言う。農林省、これでは余りにも農民に対して酷というものじゃないですか。どうですか。
○安倍国務大臣 農林省は決してこれは上げてはいけないということじゃないわけであって、自主的な交渉の結果妥当な乳価が決まることをこいねがっておるわけでありまして、農民、生産者の皆さんの再生産が確保されるような形で乳価が決まることを念願して見守っておるわけでございます。しかし、どうしても解決できないときは、一般的な抽象的な指導というものはやはりしなければならぬだろうと思います。 それから、乳業メーカーが利益を得ておるのじゃないかということですが、具体的にはそういう会社もあると思います。しかし、これは飲用乳だけで利潤を得ているということだけでもなくて、一般的な乳製品その他で総合的な会社としての利益を得ておるということも考えられるわけでございますが、しかし、私たちはただ無責任な形で勝手にやりなさいということではなくて、どうしても解決しないというふうな段階においては、これはやはり行政責任としての一般的な指導というものには入っていかなければならない、その時期を見ておるというところでございます。
○竹内(猛)委員 そこで、今度は、生産者の乳価を上げるということになれば、メーカーは事業団の脱粉なりバターなりをもらって、水をうめて還元乳でこれをやろうということに当然なる。それでもうすでに還元乳を準備するという形で新聞なんかに出ている。こういうふうにしてやろうとしている。われわれが計算したところによると、そういう還元乳によって、不当利益ということばがいいか悪いかは知らないけれども、三十億円ももうかるのではないかという計算さえ出ている。 そこで、これは厚生省にお尋ねしますけれども、四十七年の国会で飲用乳に対する附帯決議があって、その附帯決議では、飲用乳は生乳対濃縮乳の比率を七対三にして加工乳をなくす、加工乳を追放するということを決議している。満場一致で決議をしているけれども、これはもう六月十四日になればその期限が切れるわけだ。その間にどれだけの努力をしてどうなっているか。この点については厚生省はどうですか。 そして、また、農林省はこういう問題についてどういうふうに考えられているのか。業界はこれは邪魔くさいと言っている。こんなことはできないど言っている。業界は大変勢いのいい談話を発表している。そして、この問題でもしっかりやらなければ、農林省はやはり業界の代表じゃないかということになる。えさについて業界の代表で、乳価の決定についても業界の代表で、水をうめるのも業界の代表だったら、農林省は農民のものじゃないということになるので、これは一番初めに指摘したようなことがまた問題になりかねない。さあ、その辺で御答弁をいただきたい。
○岡部説明員 厚生省といたしましては、先ほど御指摘の四十七年の附帯決議の趣旨にのっとりまして、濃縮乳の規格化、加工乳の原料の限定あるいは微量栄養素の添加等の禁止あるいは表示事項の改善という前段のものにつきましては、すでに四十八年の三月に省令を改正いたしまして実施いたしておるところでございます。 それで、先生の御指摘の後段の、特に加工乳の原料について、「生乳の混入割合を七十パーセント、原料は生乳と濃縮乳のみとする」ということでございますが、この問題につきましては、先生の御指摘のとおり、酪農行政との関連が非常に大きいものでございまして、現在農林省ともさらに協議を進めておるところでございまして、農林省におきまして現在検討中と承っておりますので、これらの結果を踏まえまして、さらに附帯決議の線に沿いまして検討を進めてまいる予定にしております。
○澤邊政府委員 農林省といたしましては、牛乳は生乳をもってまかなうのが基本であるという考え方に立っております。そのために、都市近郊地帯では酪農がだんだん減少しておるということのために、飲用乳に必要な生乳を周辺で確保できないということのために、北海道、東北あるいは九州というような遠隔地域から東京、京阪神地区等に対しまして市乳を濃縮乳の形で輸送するということにつきまして種々援助しておりまして、だんだんその方向に向かっておりますけれども、現在のところ、そのような遠隔地からの生乳の輸送によって飲用乳の原料を全部まかなうというところまでにはまだ至っておりません。 今後さらに市乳化を促進するためにはどのような方策が考えられるかということにつきまして、現在、生産者、メーカーあるいは流通業者等関係者が集まって研究会を昨年の末以来何回も続けております。近く中間的な結論も出していただけると思いますので、それを待って先般の社労の決議に対します対処の仕方を決めてまいりたいというように考えております。
○竹内(猛)委員 私の質問時間はもうなくなりましたから、あとは島田委員に先ほどの質問を補足してもらいますけれども、この市乳の問題については、きょうは、この前の答弁書に対する不満もあるが、大臣が一定の時期にそれなりに手を加えるというような意味の答弁もあったわけだからこれを了として、この問題についてはいずれまた改めて質問することにします。特に社労の決議の問題についても、今度事業団の参考人なども呼んでこの問題についてはしっかり討議をしたいと思いますから、それぞれ準備をしておいていただきたいということを要望します。そして、当面三十日に大会があっても混乱をしないように、そういう混乱を避けるために一刻も早く農林省でも手を差し伸べてもらいたいということを要望して、島田委員とかわります。
○澁谷委員長 島田琢郎君。
○島田(琢)委員 先ほどの竹内委員の質問の中にありました免税輸入トウモロコシの問題について、若干関連してお尋ねをいたします。 一つは、この免税トウモロコシはいま一年間に何トン入ってきていますか。それから、先ほどの御説明にもあったように用途が明らかになっているわけですが、そのための措置として魚粉添加をしているが、この魚粉は何%加えているのか。その場合の魚粉の種類は何なのか。さらに、これは二種混というわけですけれども、トウモロコシの性質がかなり変わってくるわけですが、その場合の養分にしても、あるいはたん白質にしても、相当の変化を来していると思われますが、これらについてはどういうふうに調査をしているのか。 以上四点についてお尋ねします。
○澤邊政府委員 免税のトウモロコシの数量でございますが、配合飼料用のものは全部免税になっております。ちょっといま手元に詳しい数字を持っておりませんけれども、約六百万トン免税にされておるわけであります。 それから、二種混合飼料に魚粉をまぜておるという場合の混入率でございますが、五%以上ということでございます。 それから、その種類でございますが、魚の種類まではちょっとわかりませんけれども、たん白含量が三五%以上のものを混入いたしております。 あとはちょっと聞き漏らしましたが……。
○島田(琢)委員 関連質問ですから、時間が余りありませんから詰められませんが、つまり、私が心配なのは、魚の種類が非常に心配なんです。いま言われたように、たん白三五%以上ということで指導がなされているようですけれども、先ほども議論がありましたが、魚が、特に養殖がだんだん進むに従っての食べさせるえさというような問題も午前中に提起をされておりました。こういう添加をする魚の種類というものは非常に気をつけないと、それ自体問題になる。安全性を欠くというようなものが混入されていく危険性が十分ある。しかも、六百万トンにも及ぶ二種混でありますから、この魚の種類というものは大変気を使わなければならないものであります。その点を実は竹内委員から質問をしていたのでありますが、明確でなかったものですから私の方から重ねてお尋ねをしているのです。 いまのお話の中では詳しいデータがいまないというお話しですが、これはきょうは時間がありませんので、後ほど資料ででも出していただきたい。この魚粉の種類と、そしてそれはどういう経路をたどって入ってきていて、農林省としてはどういうチェックがなされているのかということ。三五%以上のたん白を持っておればどんな魚の種類でも結構だというふうに野放しの状態になっているのか。飼料の品質という問題については非常に重要な関心を払わなければならない部面ですから、これを明確にしておく必要があると考えますので、以上を私から資料の提出を委員長に求めて、この質問を終わります。
○澁谷委員長 資料の件は了承、いたしました。 津川武一君。
○津川委員 昨日わが党の中川委員から、飼料原材料の配合割合を表示することを義務づけるようにという質問をし、要求をしたのですが、農林大臣はこれに対しては答えを逃げた。否定した。まことに遺憾でありますので、抗議をしながら、そういうことをするように強く要求する次第でございます。 〔委員長退席、今井委員長代理着席〕 きょうは、改正案の一番の重点の一つの安全性の問題について、人体の健康を保持するという立場から、添加物の中の抗生物質を中心に質問をしてみます。 一つの問題は、抗生物質全般についてでありますが、私たち日本人の平均寿命はいまかなり伸びました。それの一つの原因としては、抗生物質ができて、ストレプトマイシンなどを使うことができたことによって肺結核からの死亡がかなり減りましたし、もう一つは、ペニシリンなどによって急性肺炎で死ぬこともかなり少なくなりました。いまときどき新聞に出ている佐藤榮作さんの末期の症状においてもかなりの抗生物質が使われているかと思います。私たち日本人の健康を守る上において、抗生物質は宝だと思います。このために私たちはあの昔に見たようなひどい淋疾も見なくなりましたし、梅毒も抗生物質でかなり安全に治療できるようになりました。この抗生物質は私たちの人生にとっては何としても宝物で、これはいまの私たちの世代だけでなく、末永く世界の人類が享受すべき宝物だと思います。 ところが、この宝物もストレートにいい点ばかりではありません。その一つは、食べたものやいろいろなものがわれわれの体に残留する。この残留した抗生物質がわれわれの体をある一定の感作状態に置いて、その上に同じ抗生物質を使えば、たとえばペニシリンショックという形で死んでしまうという状態もこの宝の抗生物質にはございます。 第二の問題は、抗生物質によって撲滅するばい菌が、抗生物質を使うことによってそれに抵抗する。そこで抵抗性を獲得する。これを耐性と言います。この耐性を持った菌が私たちのところにかなり出てまいりました。かつて赤痢はスルファミン剤で簡単に治ったが、いまは赤痢はなかなか治らなくなった。ジフテリアも抗生物質で簡単に治ったが、いまはジフテリア菌が抵抗を覚えてなかなか治らなくなった。あの淋疾も簡単に治ったものですが、このごろは抵抗ができて、ひそんで陰湿な形で淋疾がわれわれのところに来ておる。 抗生物質というものはそういう性質を持っております。したがって、私たちの世代にむやみやたらに抗生物質を使って、次の人類の世代で抗生物質が役立たないような耐性をつくってしまったら大変なことになります。抗生物質を扱う立場は、いまの世代だけでなく、人類相当永きにわたってやらなければならぬ。かつてノアの洪水で人類が絶滅した。われわれがいまむちゃに抗生物質を使って、そのためにすべての菌に抵抗ができて抗生物質が効かなくなった世の中ができたらどうするかということも考えられるわけであります。 こういう立場から言うならば、抗生物質の使用は、人類の健康、われわれの福祉、これが第一の重点でなければならない。一時の便宜が得られるためにむちゃなものを使ってはいけない。末永い人類の将来のために保存しておかなければならぬ。こんな立場が私たちの立場なんですが、この点について、抗生物質に対する見解を厚生省からまず伺わせていただきます。
○石丸政府委員 抗生物質とわれわれ人間の健康との関係のことでございますが、ただいまの先生の御指摘のように、二つの面から抗生物質の使用は厳重な管理を行わなければならないと思うわけでございます。 まず、第一は、アレルゲンとしての作用の問題でございまして、こういった物質がわれわれ人体の中に入りまして感作作用を起こすという問題でございます。そういう意味において、われわれの環境からこういった抗生物質をできるだけ排除していくということが必要ではなかろうかと思っております。 第二番目は、そういった細菌の感染によりましてわれわれ人間の健康が阻害された場合の治療上の効果を期待するという観点からの問題でございまして、ただいまの先生の御指摘のように、変異原としての作用として耐性菌の発生の問題があるわけでございまして、われわれ人間の健康を守っていって、しかもそれが抗生物質による医療の効果を期待するために、この耐性菌の発生をできるだけ防いでいくということが必要ではなかろうかと思っております。
○津川委員 農林大臣、家畜のえさの中に抗生物質が入っておること、また成長ホルモンなんかで使われておること、そのためにたくさんいいことが出てきたということは私も承知しておりますけれども、大臣としてはいかがですか。抗生物質を見る目、使う目についての第一の力点は、いま厚生省の環境衛生局長が話したような立場が必要かと思うのですが、大臣、これはどう考えますか。
○安倍国務大臣 津川さんは科学者ですから、私が申し上げる点も満足なさるかどうかわかりませんけれども、一般的な常識論として述べさせていただきます。 抗生物質は人類の宝であるといいますか、今日まで人類の寿命が延びた一つの大きな原因にもなっておると私も理解しておるわけです。この抗生物質を畜産の飼料添加物にも微量に使っておることは事実でございます。それはそれなりに意味があると思うわけですが、しかし、いま厚生省からもお答えをいたしましたように、耐性菌が発生するという問題については、これは十分考えて抗生物質の使用は行わなければならない。したがって、畜産における飼料添加物に対してもなるべく抗生物質は使わないようにする。使う場合においても、ごく微量で最も合理的な方法で使うべきであって、特に、耐性菌の発生については十分これを阻止するように、検討といいますか、研究をしていかなければならない、と、こういうふうに私は理解をいたすわけであります。
○津川委員 まさにそのとおりで、私も、厚生省とも農林省ともそういうふうにしていきたいと思うわけです。 ところが、最近、抗生物質を畜産場で使う量が物すごくふえて、いる。昭和四十六年に、金額にすると六億円。これは四十三年、四十四年、四十五年と急激にふえ始めてまいりまして、三十七年の一〇〇が、四十一年で言うならば四〇〇、四十二年で言うならば七〇〇、四十三年で言うならば一一〇〇、四十四年で言うならば一四〇〇、十四倍。四十一、二年から急激にふえ始めているわけであります。大臣がいま言ったような配慮で使っているならばよろしいかと私も思うのですが、この急激にふえた原因を農林省は何と考えておるか、この急激にふえたことに対してどんな処置をしてきたか、この点を答えていただきます。
○澤邊政府委員 家畜の飼養規模が非常に大きくなり、また集団的に飼うようになり、また鶏の場合で申し上げればケージ養鶏とか、あるいは豚の場合でも非常な密飼いをやるというように、昔の飼養形態からずいぶん変わってまいっております。いわば人為的にコントロールされた環境の中で飼うということになりますといろいろとストレスが出たり損耗が出るということ、あるいはまた、一たん疾病が発生いたしますと大きな被害が発生するというような心配もございまして、配合飼料の複雑化、多様化とともに飼料添加物が各種使われる。その中で、抗生物質につきましては、主として成長を促進するとか、あるいは家畜の生理機能を抑制するような細菌を抑えるとか、あるいは有益なる細菌の活動を促進するとかいうようなことを通じまして、飼料の効率を上げ生産性を上げるということのために急速に使われるようになってきておるわけでございます。 ただ、これは適正な使い方をしないと、家畜に対する悪影響はもとより、畜産物を通じて人体に対して非常な影響を及ぼすということでございますので、四十五年に飼料添加物の公定書というものを定めまして、製造、使用の基準あるいは成分の規格等を抗生物質につきましても定めて、行政指導によりまして規制をいたしておるわけでございます。いろいろ問題が出ました際、これまでも出ておりますので、なるべくそれを使用しなくて済むようにということで、まず、家畜の飼養環境をよくしていくということのために、消毒だとか、清潔の保持だとか、あるいはふん尿の処理を適切にするとかいうようなことを指導しておりますが、それらを通じて、なるべく使わなくて済むようにという方向に持っていきたいというふうには考えております。 ただ、現状におきまして、いま直ちに全面的に使用をやめるというのは種々問題がございますので、縮小の方向で——特に、先ほど先生が御指摘になりましたような耐性菌の問題等については重要な問題でございますので、人畜共通の抗生物質につきましては特に十分に見直しを行いまして、できるだけ減らすという方向で努力をしたいというふうに考えております。
○津川委員 公定書での昭和四十五年の指導というのは後でまた問題にするとしまして、きのうも問題になりました有吉佐和子さんの「複合汚染」では、人間の健康よりも畜産の経済を中心に考えているということでございますが、現に皆さんのところの農林省動物医薬品検査所の二宮幾代治さんが薬剤耐性菌に関するシンポジウムに参加しております。この主催者側は家畜の耐性菌研究会ですが、この資料は「獣医畜産新報」のナンバー六二三の昭和四十九年九月十五日号ですから、まだ新しいわけです。ここで、なぜ抗生物質を使うかということに対して、いま局長が言われたように、「このような需要増は家畜数の増加と並行するというのではなく、畜産経営様式と深い関係をもっている」と言っている。そして、「関係者の深い注意を要する」と言っているが、こういう意味の文献は皆さんの文章の中の至るところで見られるわけです。いま、方向としてはできるだけ少なくしていくという方向だという話だったが、皆さんの文章の至るところにこういうことが散見されるわけです。大臣、こういう考え方が農林行政の中に浸透しているわけです。 この考え方を払拭させて、健康第一に、そして差し支えない範囲で抗生物質を添加物として使うという考え方にいま転換していると思うのですが、思うならば、これらの印刷されている物にすでに表明されている見解を直していく必要があると思うのです。一気にはできないでしょうが、いかがでございますか。
○安倍国務大臣 飼料添加物をなるべく使わないというのが原則でなければならないと思うわけですが、畜産の状況は、御存じのように、最近飼養形態というものが非常に大型化をしておるわけですし、あるいは集団化をしておるということであります。したがって、一たん疾病が出れば大変な損害を生産者も受けるということになるわけでございますから、これを防ぐという意味におきまして、飼料添加物、その中における抗生物質等も使わざるを得ないという面もあるわけでございますし、畜産の振興をして国内の畜産物に対する需要を賄っていくというふうな立場からすれば、飼料添加物をいま一遍になくしてしまうということはなかなかむずかしいと思います。 ただ、使う場合においても安全性は確保していくということが必要でございますが、需要に応じた生産を確保するという面からすれば、抗生物質を一切使わないとか、あるいは飼料添加物を使わないということを一遍にやることはむずかしいのじゃないだろうかと私は思うわけでありまして、畜産につきましても、安全性とともにあわせて経済性というものも要求されるわけですから、何も、農林省が経済性だけを重んじて安全性を無視しておるということでは決してないわけです。 有吉佐和子さんの小説にそういうふうなことが書かれてあったということですが、私は、そういうふうなことを農林省は言っておるわけではないと思います。安全性と同時に経済性というものもあわせて重要であることは、畜産の振興ということを考えるわれわれの立場からすれば当然であろうと思うわけでございますが、しかし、安全性の確保についてはさらに力を注いでいかなければならぬ、そういう点で今日の法改正をお願いをしておるということでございますので、その辺はひとつ御理解をいただきたいと思います。
○津川委員 有吉佐和子さんのものはフィクションだから、小説だから、お互いに余り問題にしないようにしてもいいと思うのですが、ただ、大事なことは、皆さんの農林省の幹部の著作の中に、意見の中にそれが出てきている。これはびっくりしたのだが、「転機に立つ日本畜産の将来」というのを見たら、局長が序文を書いているのです。そして、官房審議官の松本さん、畜政課長の角道さん、畜産経営課長の白根さん、家畜改良課長の堀さん、以下十何名が論文を書いている。これを流れる思想がやはり経済性なんです。私はびっくりしたのです。大臣の言うとおり抗生物質も役割りを果たしているから、使うなとは私は言っていないが、しかし、第一義的なものは、大臣がいま答弁したようにわれわれの健康という点で考える。そして、それを第一義にして、使う場合にはこれこれに注意して使えと書いてくれれば私は質問しなくてもいいのですよ。まだこの思想は流れている。したがって、今度の法改正において、思想的に、指導的に、原理的に、この庁内の大勢を少し修正していく必要がある。これが一つの問題。 第二の問題は経済性の問題ですが、鶏をいままでは千五百羽飼っておった。今度、三十万、五十万、七十万、百万と一遍に感染が起きたら大変なことになる。こういう点で抗生物質の使用は必要だと私も認めます。だが、大臣、皆さんの方の資料の「飼料添加物公定書収載品目の適応・用量一覧表」というのを見て私はびっくりしました。この中の「ひな」「鶏」「ほ乳期子豚」「子豚」「若豚」「豚」「ほ乳期子牛」という欄を見て、何が書いてあるかというと、そういう疾病の予防用としては書いてないのです。全部成長促進用として書いておる。こういう考え方が皆さんのところに出ているのですよ。しかも、この中で、オキシテトラサイクリンは、哺乳期子豚の成長促進、哺乳期における生産性の低下の防止、子豚の成長促進、若豚の成長促進、哺乳期子牛の成長促進、哺乳期における子牛の生産性低下の防止、それから幼齢牛、若い牛の成長促進、と、こういうことですね。このオキシテトラサイクリンというのは、いま日本で一番耐性ができてしまっている菌なんです。これはわれわれが下肢潰瘍なんて言って、すねにばい菌がくっついて皮膚病が出て、緑の色がついてくる病気なんです。あれなんかにこのオキシテトラサイクリンが何よりも効くんだよ。しかし、こういう形で全的に使われてしまったから耐性ができてしまって、このごろはあんまり効かなくなっちゃったのよ。このことが非常に大事なんだ。それで、これを見るとそういう形にして効能書きを書いてある。したがって、ここでは少し耐性ができるから注意して使えなどという言葉は残念ながら出てこないんだね。 そこで、大臣、繰り返しくどいようだけれども、今度の法改正については、私たちはその意味において後で修正案も出すつもりでいますが、不十分なこともありますが、賛成なんです。賛成であるがゆえに大臣の指導方針について、これの考え方を聞きたいわけなんです。私は使うなと言っていませんよ。効果がありますからね。この点について大臣の本当の気持ちを聞きたいのです。これが変わるのか——まあ、変わったんだろうね。提案したんだから。そこいらをもう一回明らかにしていただきたいと思います。
○安倍国務大臣 基本的な考え方については先ほども御答弁いたしましたが、やはり、畜産を振興して国内の需要に対応していくという、いわゆる食糧の自給力を確保しなければならぬという一つの大きな農林省としての役割りがあるわけでございます。同時に、また、いま問題になっております安全性を確保していくという二つの面があるわけでございまして、この安全性とともに、これからの畜産の振興法というものをあわせて図っていく、これの調和をとりながらこれからの行政を進めていくということが私たちの基本的な考え方でなければならぬというふうに思うわけでございますし、特に、安全性の問題につきましては、法改正をお願いをしておるということは、いろいろと問題が出てきておることに対処をして、これから積極的に行政として対応していこうという決意をいたしておるわけであります。
○津川委員 まだ納得がいかない問題があるのです。五十万羽、七十万羽とおって、一羽に伝染病が出てくるとすぐ広がる。これは抗生物質でやる手が一つの方法だが、もう一つは、大臣、養鶏場を無菌にするということです。そうすると一発で決まる。無菌だと、もともとないんだからね。私も大臣から科学者だと言われたが、まだ国会に来る前に少し研究室におったこともあって、無菌的な形で子供を育てようとしてやったら、大変費用がかかって、これは追いつくものでも何でもない。いま、無菌的にやることは、と、私は言ったけれども、しかし、その方向が一番正しい。その方向にあるものは何かというと、鶏や豚を飼うこと、そこの環境の整備、ここのところに偉大なる努力が向いておって、そして成長ホルモン剤として使うんだというんだったら私も納得いくけれども、この無菌を目指すようなかっこうの環境の整備をするという点で手落ちがあって、いきなり簡単に抗生物質に来ておるのがいまの安倍農政じゃないか。そして、安倍農政の前の農政じゃないか。これが歴代続いた農政じゃないか。そこらあたりはぜひ考えていただかなければならぬ問題ですが、この点はいかがでございますか、農林大臣。
○澤邊政府委員 御意見のように無菌状態にできれば理想なわけでございますが、そこまではなかなか一気にまいらないということでございますれば、飼養環境をできるだけ改善していくということは基本的に一番重要なことではないかというように思います。このためには、消毒の励行をしたり、あるいはふん尿処理を適正に行ったり、あるいは清潔を保持したり、あるいは害虫を駆除したりというような各般の対策が必要になると思います。 われわれといたしましてもそのような点に最近力を入れて、家畜保健衛生所等を中心にいたしまして指導しておるところでございますが、今後そのような環境を改善するという考え方を農家にも持っていただくように衛生思想の普及を図るということとあわせまして、一層強化する。それが、先ほど申し上げましたように、できるだけ使わなくする基本的な前提であるということは御指摘のとおりだと思いますので、今後一層努力を強化してまいりたいというふうに思っております。
○安倍国務大臣 いまも局長が申し述べましたように、私も、何でもかんでも薬で解決するというふうなやり方はやはりいいことではないと思います。安全性の問題が非常に重視されておる今日でございますから、農林省としても、飼養の環境を整備していくということに対しては今後とも積極的に取り組んでいくということが正しい方向じゃないだろうかと思っております。予算関係の問題もありましてなかなか一挙にはいかないとは思いますけれども、こういう方向で積極的な努力は続けていきたい、こういうふうに思います。
○津川委員 農政についてはわれわれも責任があるが、抗生物質を使うと安上がりなんだ。そこで、そこへ流れているわけだ。だが、無菌状態に向かってする努力というものは非常に大事な努力だ。人類を永久に抗生物質の不利な面から救い得る。抗生物質に流れるとやがて耐菌性ができ、大変な状態が考えられる。そこへわれわれの農政が期せずして向かっている点について、これはこれからももっと農林省と一緒に話していかなければならない。この点では農林省と厚生省の両省の協力がぜひなければならない問題だと思うのです。 これで抗生物質一般についての一つの質問を終わりますが、次に、われわれが家畜には使いたくないもの、人間のためにだけ残しておきたいものがあるわけであります。この点で耐性ができて効かなくなったりするようなことがあってはいけないので、人間専用にだけ使いたい抗生物質、家畜には使いたくない、使ってはならない抗生物質があるかと思うのです。 この点で、国立衛生試験所の「調査月報」の、昭和四十七年三月の第五巻三号の中にこういうことが書いてあります。「開発された抗生物質を人間専用に残して置くべきかどうかという問いに直面しなければならない。」として、これはFDAの動物飼料における抗生物質の使用問題に関する作業班の報告です。英語ではこの作業班を「タスクフォース・オン・ザ・ユース・オブ・アンチバイオティックス・イン・アニマルフィーズ」と言いますが、ここで、アメリカにおける製造業者が飼料中の医薬品の安全性と効能を立証できるときはそうではないけれども、いまの状態では、テトラサイクリン、ストレプトマイシン、ジヒドロストレプトマイシン、スルフォンアミド及びペニシリンは一九七三年一月までに家禽飼料から抜け、クロラムフェニコール、半合成ペニシリン、ゲンタマイシン及びカナマイシンは従来どおり動物用飼料に使用することを禁止され続けるだろう、と言っている。これがそういう作業であります。これは非常に大事なことだと私は思っております。 そこで、この中に指摘されたテトラサイクリンが現在日本の畜産のえさの中に使われておりますか。
○澤邊政府委員 使われております。
○津川委員 ここに名指したストレプトマイシン、ジヒドロストレプトマイシン、ペニシリン、クロラムフェニコール、カナマイシン、これは使われておりますか。
○金田説明員 ただいまの御指摘のうち、クロマイは使っておりません。その他は使っております。
○津川委員 そこで、この中でのたとえばクロラムフェニコールは腸チフスのときのかなり有効にきく抗生物質なんです。かつてメキシコでチフスの大流行があったときに、このおかげでいろいろなことを撲滅できたという記録もあります。こういうクロラムフェニコールに対する抵抗ができると、その菌に抵抗ができると、今度はほかにある他菌も交差耐容性でたくさんふえていくわけです。したがって、少なくとも私の言うクロラムフェニコールは、せっかく安全性のことが問題になるんだから、これは飼料の中から除いて、人間専用として残しておく必要がぜひぜひあると思うのですが、厚生省はこの点でどう考えておりますか。
○近説明員 生物製剤課長でございます。 先生の御指摘のように、私ども厚生省で抗生物質を研究開発いたしまして、そしてまた確保するという見地から述べてみますと、これは全くゆゆしき重要な問題だと思っておるわけでございまして、そういうようなわけでございまして、現在、クロラムフェニコールにつきましても非常に耐性の問題がありまして、かつてのような適用が次第に崩れているような現状になっております。現在そのような事例があることからしましても、せっかく私どもが開発いたしましたところの、先生のおっしゃいますような人類の宝とも言うべき抗生物質につきましては、大事に、むだな使い方をしないようにしていかなければならないと思っておる次第でございます。
○津川委員 大臣でもいいし、畜産局長でもいいですが、このクロラムフェニコールはやはりやめていかなければならぬと思うのですが、いかがですか。
○澤邊政府委員 私、専門的なことについては十分お答えする力を持っておりませんけれども、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、人畜共通の抗生物質につきましては、耐性菌の出現を防止するという観点からできるだけ整理をしていくのがわれわれの基本的な態度でございます。今度新設されます農産物資材審議会の飼料品質部会にも、人体医学の専門の方、公衆衛生の専門の方にももちろん入っていただいて、そのような観点からの御意見もお聞きしながらやってまいりたいというふうにも考えておりますので、御趣旨の線に沿って進めたいと思っております。
○津川委員 大臣、ぜひとも人間専用に残しておかなければならぬものが幾つかある。この中で腸チフス用のクロラムフェニコールを私はいま指摘したわけですが、大臣、皆さん専門家の意見を聞いてと厚生省はおっしゃっているんだから、これを除外するかしないかを速やかに決めていただかないと、私たちはこの法案に賛成していいのか反対していいのかわからなくなる。 そこで、これは委員長にもお願いするが、十分ばかり私は時間を削りますので、この次の委員会の質問のときに一応これについて見解を出していただきたい。 大臣、いまは無理でしょう。
○安倍国務大臣 最終的な御答弁はまた次の機会にもしますけれども、この法案を成立させていただいて、そのあとで専門家によるところの飼料部会に十分諮って、その御意向を聞いた上でこれは対処すべき問題だと思うわけでございますから、私は、むしろこの法律を一日も早く成立させていただいた方が、そういういま御指摘の問題について的確な処置をする上において非常に有効である、と、こういうふうに考えるわけであります。
○津川委員 これが残しておきたい問題の抗生物質の一つで、もう一つは、使ってほしくないのはカナマイシンとオキシテトラサイクリンです。 カナマイシンは簡単に耐性ができてしまう薬なんです。したがって、いま下手にやるとカナマイシンの適応症に使えなくなる。これは大事な問題です。これは抵抗をつくる上で一番すぐつくってしまう。それからオキシテトラサイクリンはかなり出てしまったので、これ以上さらにやるとこの系統の新しい薬をつくるのにも困るという点で、これは保存すべき問題があると思うのです。 これは審議会に聞いて、というと、大臣、国会の論議にならないのですよ。そこで次の機会に大臣の見解だけ持ってきていただきたい。 委員長、このカナマイシンとオキシテトラサイクリンとクロラムフェニコールの三つの点については、私は十分くらい早目に終わりますから、次の機会に見解を聞かせていただきたい。
○澤邊政府委員 ちょっと一つこちらからお尋ねしたい点は、飼料添加物としての使用ということで結構でございますか。動物医薬品そのものとしてのものではなくして……。
○津川委員 そうです。
○澤邊政府委員 わかりました。
○津川委員 これで使いたくない抗生物質、ぜひ除いていただきたい抗生物質、われわれが人間専用として保存していかなければならぬ抗生物質のことを終わります。 その次に、残留問題です。これは先ほど厚生省の環境衛生局長が話したアレルギーの材料になる。ちょうどペニシリンショックで死んだ人を調べてみたが、絶対に使ったことがないということだった。ペニシリンショックは、一回ペニシリンで襲われていなければペニシリンショックは起きない。この人については家族会議を開いて家じゅうみんな聞いてみたけれども、ペニシリンを使っていない。だけれども、その中からペニシリンショックで死んだ。よく調べて、調べて、調べてみたら、牛乳に入っていた。いまのことじゃないけれども、これが残留の問題なんです。 人間の食べ物には抗生物質は厚生省が厳重に禁じているのです。したがって、私たちの食べるものには入っていない。動物の食べるものにはたくさん入っている。これが残留しないかという問題であります。これは残留していると大変なわけだ。そこで、残留していないか、われわれが食べる肉に、卵に、牛乳に抗生物質が一滴もないか、この保証はどこにあるかという問題です。 これはどなたでも結構です。
○金田説明員 現在、抗性物質につきましては五日間の休薬期間を設定しております。これは畜産試験場、都道府県の試験場その他の実験によりますと、残留期間が二日程度で最大の投与量でも消滅するというふうなデータに基づいております。したがいまして、現在の常用量でございますと、瞬間的に残留は消滅するというふうにデータが出ております。
○津川委員 そうすると、抗性物質は豚や鶏の口を通じて入っておるけれども、われわれの食品とするときには五日前からその服用を禁止しているから、その五日の間に、二日で抗性物質はなくなってしまっているから人間には大丈夫だ、と、こういうわけでございますね。
○金田説明員 そのようなデータになっております。
○津川委員 その点で、私は、農林省の技術陣営が一生懸命やられた報告書を見て非常に感心しています。いわゆる吉田レポートと言われるものとかいろいろな問題で、吉田実、星井博、米沢昭一、中村久、山岡良三という人たちその他の論文を拝見しましたが、これは非常によく出ておりますし、欧文にもなって紹介されておる。吉田さんに至っては、さらにかなり解説的な、非常に熱心な、「畜産の研究」という昭和五十年一月の文献もある。私は、これを拝見しておりまして、皆さんの御努力のすぐれておることに、また、その業績のすぐれておることにも感心しておる一人でございます。本当に御苦労さまです。 ところが、問題がある。一連の同じ考え方を持つ人たちのグループの試験研究、これだけでは真理とならない。まして、私たちの健康を保持するものだから、真理以上に絶対的なものでなければならない。これは追試を受けなければならない。どなたか別な人が同じ条件でやって同じ結果が出たということになってくるとわれわれ国民が安心できる。したがって、こういう意味での皆さんの御努力がだれかに追試されておるか、追試の結果があるか、このことを教えていただきたい。
○金田説明員 四十五年に公定書をつくりました際に、科学飼料協会に依頼しまして同じような実験をやってもらっておりますが、その際のデータでもやはり残留性はないというふうになっております。 それから、もう一つ、欧米の規制を見ますと、二日ないし三日間の休薬期間ということになっておりまして、その間で消滅するというふうな認定をやっているように見られます。
○津川委員 業者がやってくれたと言っているが、去年の九月に出ている「転機に立つ日本畜産の将来」という本の中で澤邊局長が序文を書いています。「本書は、畜産業界の指導的立場にある方々や畜産行政、試験研究部門の第一線にある方々の執筆になるもので、我国畜産業の当面する問題の分析や指摘、提言等は畜産に関係する方々にとって裨益するところがあるものと思われ、関係者の一読をお奨めする次第であります。」と言っている。実にりっぱです。これは御存じでしょう。
○澤邊政府委員 もちろん、存じております。
○津川委員 この中に、農林省畜産局衛生課長、農学博士信藤謙蔵さんの論文があるんです。ここには何と書いてあるかというと、「そのデータは自社試験の他、必ず公正中立な権威ある機関の追試が必要であることが定められている」と書いてある。この追試をやらなきゃいけない。農林省の皆さんの、いまのベテランのやられた仕事、外国の文献がどうであったじゃなくして、これだけいい仕事をしてくれているんだから、これは非常に大事で、この体制を進めなきゃならぬが、このお仕事をだれかがずばり追試してくれるとわれわれは安心できる、こういう意味なんです。 この追試がやられているかどうか、重ねてお答え願います。
○山本説明員 ただいま先生からお話しのございました信藤氏の論文でございますが、表現がいささか事実と違っておりまして、私ども動物用医薬品の製造承認に当たりましては、必ずしも追試を必要といたしておりません。しかし、安全性の問題に関しましては、吉田実氏の研究と同時に、私どもの方の動物医薬品検査所におきましても、ほぼ同様な水準の試験を実施しているところでございます。
○津川委員 いまの課長の発言だけれども、せっかく推薦すると局長が書いているその本がだめなんですか。追試が必要でないと言うが、今度六月三日に参考人として大学の専門家に来ていただきます。私は、学問として成立する基礎の問題として追試のことをお伺いします。そこで追試が必要であると言うでしょう。そのときにもう一回この議論をやりますから時間を残しておかなきゃならぬので、いまここで余りやると時間が詰まりますのであれですが、追試はぜひやらなきやならないし、必要である。追試されて初めて私たちは安心できる。 そういう立場から言うならば、現に皆さんの東京芝浦食肉衛生検査所で屠殺場に持ち込まれた病気の牛、豚、鶏を解体してみたのですが、いま言われたように五日過ぎている。そうしたら抗性物質が残留しておったということで、ペニシリンで六六・七%、それからさっき言ったオキシテトラサイクリンで二六・七%、ジヒドロストレプトマイシンは何%になっておりますか、パーセンテージは出ておりませんが、現に残留しているんです。だから、追試が必要なんです。これは病気のあれだったけれども、しかし、食肉として屠殺場に持ち込まれたものを検査したら病気があったのだ。それをやってみたら抗生物質が残留しているのです。したがって、これは追試する必要がある。 こんな状態なので、食品としてわれわれのところへ回っておる豚肉、鶏の肉など、一度残留があるかないか調べてみることが必要になってきたと思うのですが、厚生省、いかがでございますか。
○岡部説明員 東京都で調べましたのは、ただいま先生も御指摘になりましたように、病畜を治療したということが明らかなもののデータでございます。 先ほど御指摘になりました抜き取り検査の問題でございますが、これは一般の食品等におきましても通常収去検査等を行っておるわけでございますが、通常のものから特に抗生物質が検出されたという報告は受けておりませんが、今後さらにこういう問題を踏まえまして検査ということを重点的にやらせたいと考えております。
○津川委員 まだもう少しあるんだけれども、時間がないから……。 その次は、抗生物質の耐性の問題です。人畜に共通の問題で、動物に耐性ができると、それがまた人間に来てしまって大変なことになる。 〔今井委員長代理退席、委員長着席〕 そこで、時間も来たので簡単に進めますけれども、皆さんのところの「ナショナル・インスティチュート・オブ・アニマル・ヘルス」という、一九七四年スプリング、ナンバーワン、ボリューム十四のものの中で人畜共通の菌の耐性を調べた。サルモネラ菌ですね。そうすると、鶏で五四%、豚で六四%、牛で四三%、これだけ耐性菌が出ておる。サルモネラ菌というのは食中毒なんです。これから、はやる。食中毒が来たときに抗生物質で抑える。だが、これがきかなくなってしまっている。こういう耐性の問題が出てきているわけです。 先ほど話したとおり、私たちの長い人類生活の中で、サルモネラなんという急激な症状が来るもの、死亡者も出ることのある食中毒について、抗生物質を保存しておかなければならぬ。これから抗生物質の認可をするときに、これは農林省だけで認可をしないで、こういう点は厚生省と協議してこれから認可する必要がありますが、この点はどう考えますか。 私たちは、この点で、これからやるときには厚生大臣と農林大臣は協議するという条項をこの法律の改正案に修正案としてぜひ出したいと思っている。こういう気持ちもあるわけなんですが、いかがでございますか。
○澤邊政府委員 飼料の添加物を新たに指定します場合、あるいは基準、規格を定めます場合には、改正案の二十二条に基づきまして、厚生大臣は農林大臣に対して意見を提出することができることになっております。 これは法律上のことでございますが、われわれといたしましては、当然農林省から積極的に御意見を厚生省に伺って、協議をして、一致したところで実施をするというような運用をやってまいりたいというふうに思っております。
○津川委員 必ずやりますか。必ず厚生省と協議しますか。 そこで、私たちは、必ず協議しなければならないように農林大臣と厚生大臣の協議ということを決めよう、修正しようと思っているわけだ。必ずやるというならおれたちの修正も考えなければならないのですが、農林大臣、そこのところはどうでございますか。
○安倍国務大臣 いま局長が答弁したとおりでございます。
○津川委員 農林省の答弁を聞いて、あと十分残してありますので、きょうはこれで終わります。
○澁谷委員長 次回は、明二十九日木曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時三十五分散会