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75回国会衆議院1975/05/27

農林水産委員会 第21号

発言数
194
登壇者
11
会派数
4
開催日
1975/05/27

会議録

澁谷直藏自由民主党

○澁谷委員長 これより会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  この際、畜産問題に関する小委員長より発言を求められておりますので、これを許します。坂村吉正君。

坂村吉正自由民主党

○坂村委員 畜産問題に関する小委員会における審査の経過の概要について御報告申し上げます。  当小委員会は、四月二十二日に第三回目の会議を開き、政府から昭和五十年度に適用される牛肉の安定基準価格等に対する政府試算並びに畜産振興審議会における審議経過等につき説明を聴取した後、美濃、芳賀、諫山、瀬野の各小委員が、安定基準価格の算定方式の妥当性、輸入牛肉等の放出方針並びに牛肉の長期生産目標の達成方策等の問題を中心に質疑を行いました。  質疑終局後、小委員会におきましては、本問題の緊急性にかんがみ、次の事項を取りまとめ、その実現につき、小委員長から政府当局に申し入れを行いました。    牛肉の安定基準価格等に関する件   政府は、牛肉の安定基準価格等の決定にあたり、畜産物の価格安定等に関する法律の改正に際しての審議経過並びにその附帯決議等の趣旨にてらし、左記事項の実現に万遺憾なきを期すべきである。       記  一、安定基準価格等の決定にあたっては、生産コスト並びに牛肉の需給事情等を適正におりこむとともに、家族労働費を適正に評価する等所得の確保に十分配意し、その再生産確保が図られる水準とすること。  二、物価その他経済事情に著しい変動が生じた場合には、すみやかに安定基準価格等の年度内改定措置を講ずること。  三、牛肉の輸入並びに輸入牛肉等の放出にあたっては、安定上位価格設定の趣旨に十分留意し、国内市況に悪影響を及ぼすことのないよう慎重な配慮のもとに行うこと。  四、牛肉の国内自給度の向上を図るため、価格制度の有効な運用と相俟って、飼料基盤の整備、素牛の生産及び価格の安定、肉用牛の改良増殖その他肉用牛の振興対策を積極的に講ずること。  五、牛肉の流通機構の合理化を図るための諸施策を強力に実施することとし、特に、畜安法の運用による牛肉の卸売価格の安定の効果が消費者価格に反映されるよう小売価格の形成について適正な措置を講ずること。  以上、御報告申し上げます。      ————◇—————

澁谷直藏自由民主党

○澁谷委員長 飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。島田琢郎君。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 今回出されました法律の一部改正法案について質問いたします。  今回、従来の「飼料の品質の改善に関する法律」というのを題名を変えて、「安全性の確保」という一項を特に加えて新しい法体系を持たせたという説明でありますけれども、私はまず冒頭にこの一連の法案を見ますのに、安全ということが盛んに強調されているわけであります。この「安全性の確保」ということについては法律の中でもうなずき得る部分があるわけですけれども、しからばえさの安全とは何なのかということ、ここがいま一つ明確でないという気がいたしますので、畜産局長から、えさの安全というものの一つの基準をまず明示していただきたいと思うのです。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 今回お願いをしております飼料の品質改善法の一部改正法案は、御指摘のように題名自身を「安全性の確保」という表題に変えておるわけでございますが、これは最近飼料の内容が複雑になってまいりまして、栄養効率を高めるため等から添加物等も添加される場合が非常に多くなってきているわけですけれども、ところが、現在の飼料の品質改善に関する法律におきましては、飼料の栄養成分の効果をいかに確保するかという点からの各種の規制規定を設けておるわけでございますが、安全性に関しましては根拠規定を置いておりません。  そこで、今回、飼料の安全性を確保するために種々の規制規定を設けたわけでございますが、お尋ねは、安全性ということの概念と申しますか、それについてどのように考えているかという御質問でございますけれども、これは人の健康に対する安全の問題と、それから家畜の健康といいますか、それに対します安全性の問題と両方があるわけでございますが、特に最近強くなっておりますのは、人の健康に対する安全性、すなわち、飼料あるいは飼料添加物を介しまして生産されます畜産物が人の健康の安全性を損なうおそれがないかどうかということに対しまして国民的な関心が非常に高まっております。われわれといたしましては、そのような事態に対応いたしまして、ただいま申し上げましたような意味での安全性の確保という観点からの各種の規定を現行法の中に追加をするという考え方で改正法案を提出しておるわけであります。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 いま局長からお話しのありました家畜の安全ということもさることながら、それを食用に供していくわけですから、食べた人間の安全という面についても今回配慮するという説明でありますけれども、私は、この法案の審議に当たって、今日の飼料の置かれている状態というものを分析をしてみましたが、特に、今日、米のほぼ二倍に達しようとする国内のえさ利用の動向から見まして、また、海外の飼料の市場も非常に窮屈になってきている最近の動向から見て、ややもすると安易にえさの確保に走りたがる。つまり、人間の命にかかわる大事な部分が置き忘れられてきたということについては、これはいま厳しく指摘を受けている点ですから、局長からのお話しは当然と私は思うし、そういう方向に力点を置いた法の改正ということについては、私は基本的には賛成であります。  しかし、こういう法律改正だけでいま局長が言われているようなことが果たしてしっかり守られるかどうかということについては、いま一つ欠けるものがあるような気が私はいたします。それは何かと言いますと、たとえばいまお話しにありました安全性というものの追及あるいはその個体、個体におきます分析であります。個体というのは飼料の個体でありますが、その分析というものが、日本のいまの技術の中で、多くの国民、つまり消費者の皆さん方のコンセンサスを得ることができるような体系に果たしてなっているかどうかという点が私の一つ心配の点であります。  今回はそういう機関も法体系の中に入れてきちっとやるということを言っているのですけれども、具体的には、それらの安全をチェックしていく機能というものを一体どういうメカニズムでおやりになろうとしているのか、まず冒頭にそれを明らかにしていただきたいと思うのです。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 安全性確保のための改正法案におきます規制の方法でございますけれども、これは主として第二章に新しい条文として追加をすることにいたしておりますが、第二条の二にございますように、まず、飼料の安全性を確保する見地から、「農林省令で、飼料若しくは飼料添加物の製造、使用若しくは保存の方法若しくは表示につき基準を定め、」たり、あるいは「成分につき規格を定める」というようなことがあります。基準、規格を定めますと、それに基づいて製造なり、販売なり、輸入なり、あるいは使用をしなければならない。逆に言えば、その基準、規格が定められているときは、それに合わないようなものをつくったり販売したり使用してはいけないというような規定がございます。  さらに、その中で、特に安全性を確保する必要があるところの、政令で定める特定飼料につきましては、国の機関あるいは農林省が指定いたします民間の検定機関の検定を全部受けなければ販売してはならないというような、検定を受けて合格したという表示を付さなければ販売できないというような、特に強い規制をかけるものもあるわけでございます。  もちろん、その表示がなければ売ってはいけないというようなこと、あるいは第二条の六にございますような「有害な物質を含む飼料」等につきましては、これは販売の禁止措置を個別処分としてやり得るというようなこと、あるいはその禁止に違反して販売をされるとか、あるいは基準、規格に違反して販売されているもの、あるいは表示をせずして販売されているものにつきましては、農林大臣が廃棄なり回収その他の措置を命ずることができる。あるいはまた安全性の基準に基づきまして製造されることが基本的な条件になりますので、そのような安全性の基準に基づいて製造が行われるように、製造の過程において管理をする責任者といたしまして、飼料製造管理者というものをメーカーは設置することを義務づけるというような方法によりまして安全性を確保するということにいたしておるわけでございますが、それらの基準を決めたり、あるいは規格を定めたり、あるいは処分をしたりという場合には、農業資材審議会の中に飼料品質部会というものを新たに設置いたしまして、そこに諮問をして意見を聞いた上で農林大臣が決定をしたり、あるいは処分をしたりということによりまして、学識経験者の専門的な意見を十分お聞きしながら個々の処分をしていくということによりまして技術的な裏づけを確保してまいりたいというように考えておるわけでございます。  なお、基準、規格に違反した飼料が流通することのないように抜き取り検査をもちろんやるわけでございますが、これは国の機関は国の肥飼料検査所、あるいは都道府県にございます飼料の検査機関あるいは民間の検定機関等を動員いたしまして、国の場合は主として安全性の確保という観点からの検査に重点を置きまして抜き取り検査をいたしましてチェックをするというような考えをいたしております。  なお、厚生行政によります公衆衛生という観点からの行政との調整を図るために、一定の事項につきましては厚生大臣が農林大臣に対しまして意見を述べたり、あるいは措置を要請することができるというようなことによりまして、直接人の健康の問題を扱っております厚生行政との調和を図るというような考えもとっておるわけでございます。  この本法の施行につきましては、御指摘のように、非常に技術的に、客観的な研究成果に基づいて公正に行う必要があるわけでございますので、直接法案には出てまいりませんけれども、農林省の試験研究機関におきましては、安全性確保に関します各種の試験研究を当然今後拡充実施してまいり、それらの試験研究機関と本法を運用しますわれわれの畜産局の行政担当機関との間の連絡も従来以上に密接にしていく必要がある、と、かように私は考えておるわけでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 畜産局長にお願いいたしますが、私の聞いていることだけにお答えをいただきたいと思うのであります。  いまの安全性のチェックの機構については概略わかりましたが、しからば、最初に質問いたしました安全という問題についてもう一度お尋ねをしたいのですが、つまり、安全でないという判断をどういう基準に基づいてやるのかということ、そこが私の聞きたい点なんです。安全性をチェックする機能としては、いまお述べになった点はわかったのですが、しからば、それらをチェックしていくためには安全の基準というものが要ると思うのですが、それはどういう基準に基づいてやろうとお考えですか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 安全の基準についてはどのように考えるかということでございますけれども、御質問の趣旨を必ずしも私は十分に把握できない面があるわけでありますけれども、有害畜産物が、家畜に対する飼料の給与が原因となって生産されるというようなこと、あるいはまた、家畜自体に被害が生じて畜産の生産性が低下するというようなことを防止するという観点から、飼料なり飼料添加物につきまして、製造の基準だとか、あるいは保管の基準だとか、あるいは使用の基準だとかをそれぞれ決めるわけでございます。  これらにつきましては、先ほど申しました農業資材審議会の飼料品質部会の専門的な学者を中心とした学識経験者の御意見を聞いた上で決める予定にいたしておりますけれども、現在の学問的な水準あるいは試験研究の成果というものから、どのような製造方法をとったならば安全性が確保できるか、あるいは飼料添加物の添加量はどの程度が限界であるかというようなことは、そういう試験研究機関等の学問的な研究成果を踏まえまして基準を諮問し、決定をしていくというような考えでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 私の聞き方が悪いのかもしれませんが、審議会へ諮問をするという、その審議会の委員構成についても後ほどお尋ねをしますけれども、その審議会へ諮問をする場合に、このえさは安全なのか安全でないのかということを判断する基準がないと、学識経験者の委員の意見だけが並べられてきて、一体どこに目安を置いて結論を下すのかわからなくなるのじゃないでしょうか。つまり、安全基準とは何なのか、そこが私の聞きたい点であります。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 基準、規格の設定を農林大臣が行う場合、具体的にはどのようにして決めるかということについての御質問かと思いますけれども、これは第二条の二の基準、規格を設定するに当たりましては、信頼し得るデータを整備して、先ほど申しましたように審議会に審議をお願いした上で決めるわけでございますが、たとえば飼料につきまして、当該飼料に含有しまたは当該飼料を汚染している有害物質があるかどうかとか、あるいはまた汚染の実態はどのようであるかとか、あるいはその飼料の生産、流通市場の実態がどうなっておるかとか、当該有害物質等の家畜及び人体に対する有害性がどの程度あるかとか、あるいは家畜等の摂取の程度と有害物質等の畜産物への残留その他の影響の程度はどのような関係にあるかとか、あるいは製造方法なり、保存方法なり、使用方法と有害物質の含有または汚染との関係がどうなるかというようなこととか、あるいはまた飼料添加物につきましては、その化学構造なり、理化学的な性質なり、飼料中の定量法とか、あるいは飼料添加物を入れた場合の安全性とか、残留性とか、それらを検討いたしまして規格なり基準を決めるわけでございます。  なお、有害畜産、たとえば人体に対して有害ではないという確証がない場合には新しい飼料につきましては販売を禁止するという規定を設けておるわけでございますが、この場合、その有害でないという確証をどうやって得るかということが問題になるかと思いますけれども、この点につきましては、農林省においてあらかじめ審議会にお諮りした上で、安全性を確証するような、証明するような試験の基準といったようなものをあらかじめ決めておきます。それに基づきまして、たとえば生産者、製造業者はその基準に照らして安全性の試験をする、そのデータを農林省へ提出をする、そして確証が得られない場合には禁止措置は解除できないということになるわけでございますが、そのような農林省が定めます安全性確証のための試験基準に適合しておるかどうかということは、メーカー自身がやったのでは、客観性といいますか、中立性について問題がございますので、これは中立的な第三者機関に委託をして行わせるというようにしたいと考えております。  若干事例的に申し上げましたけれども、以上のようなことで安全性を確認していくというふうに考えておるところでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 しからば、その第三者機関とは、いまどういうものを考えているのですか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 たとえば大学だとか、あるいは民間におきます試験研究機関等を考えておりますが、それぞれ試験研究機関によりまして専門が違うので、どのような試験につきましてはどのような試験研究機関が適当であるかというようなことはまだ決めてはおりませんけれども、たとえて申し上げますれば、大学の試験研究機関とか、あるいは公益法人である民間の試験研究機関等が考えられると思います。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 現行法では、安全性の確保は行政指導によって行われてまいりましたが、行政指導をおやりになるにしても、安全なのか安全でないのかという判断がなければこれはできないのですが、それでは、いままではこの行政指導をおやりになる場合の安全という基準をどこに置いて、どんな機関で調査をしてこれを行政指導に移されたのか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 現在は、行政指導によりまして飼料添加物の公定書というものを作定いたしておりますけれども、それらは飼料添加物公定書作成委員会という非公式のものでございますけれども、その意見を聞きながら決定をしておるわけでございます。これは国の試験研究機関、あるいは大学を含めましての試験研究機関、あるいは外国のいろいろな試験研究、これらの成果報告書等を総合的に検討いたしまして、委員会に諮問をいたしまして規格を決定しておるわけでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 局長、つまりこういうことじゃないのですか。あるえさが出てきて、それを実需者である畜産農家が食べさせてみて、事故が起こらなかったらこれは安全だ、事故が起こったらこれは危険だということで、そこで行政指導に乗り出すという、こういう従来のやり方は行政指導という中で行われてきた方法ではなかったのですか。いまのお話しを聞いていると、あっちゃこっちゃからいろいろな話を聞いたらこれはどうも危ないから行政上乗り出したというお話しですけれども、現実には全国各地で飼料による事故が起こっていて、その事故が起こった後で事後処理として行政指導に乗り出しているというのが今日の日本のえさの安全性に対する取り扱い方ではなかったかと思うのですが、いかがですか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 そのようなことではなくして、事前にただいま申し上げましたように安全性に関します規格等を設定いたしまして、それに基づいて製造、保管あるいは使用をするように行政指導をするということでございますけれども、特に、添加物につきましては四十五年以降指導をしてきておるわけでございます。たとえば飼料添加物につきましては、現在百六種の添加物につきまして公定書というものを定めておりますが、これはただいま御指摘がございましたように、具体的にこれを使用して事故が出たということで定めておるわけではございませんので、安全性の基準につきまして、先ほど言いましたような学問的な成果を基礎にいたしまして基準なり規格なりをあらかじめ設定しておるわけでございます。  そのようなことで、今後もさらに添加物等につきましては法律改正の機会に総見直しをいたしまして、法律的施行の際には整理をいたしまして、法に基づく公定書というものを作定して実施をしてまいりたいというふうに考えております。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 しからば、現行法の中で行われてきた行政指導による安全性の確保というのは、どういう試験研究機関のデータに基づいてこれを安全、不安全と規定づけたのか。先ほどのお話しによりますと、これからは第三者機関を設けて、そこに委託をしてやっていくんだという新たな構想をお持ちのようでありますけれども、その言をかりるなら、いままではそういうチェック機関はなかったということを裏書きしているのではないですか。だから、私は、それはまさに畜産農家のモルモット的実験結果によってその安全、不安全の基準を設けて行政指導に乗り出したというふうに聞こえるから、そうではないのですかとお尋ねをしたのであります。  もう一度繰り返しますが、現在はどういう方法によってこのえさの安全基準を設けているのですか。具体的に言えば、どういう機関がそれを取り扱って試験研究あるいは安全性のチェックをしているのですか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 飼料につきましては、これは天然の農産物あるいは農産加工品が主でございますから、一般的には安全性について問題になるものは少ないわけでございますけれども、飼料添加物等につきましては、抗生物質等かなり広範に最近は使っておりますので、これらの安全性が一番大きな問題になるわけでございます。  これにつきまして、現在どのような基礎に基づいて基準なり規格を設定しておるかということでございますけれども、これらにつきましては、諸外国においても相当広範に使われておりますので、それの試験研究の成果がデータとして入手できますので、これらも参照しながら、物によりましては国の試験研究機関とか大学あるいは民間の公益法人の試験研究機関によります試験研究の成果とか、あるいは民間の企業におきまして飼料開発のために種々の研究をしておりますが、これらの資料を農林省におきましてチェックする過程におきまして、大体この程度の基準ならばよかろうというようなことで決めたものもございますので、どのような基礎に基づいて基準なり規格を設定したかということを一概に申し上げるわけにはいきませんけれども、ただいま申しましたような各種の方法によりまして基準、規格を設定しておるわけであります。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 飼料というのは、たとえば牛に例をとってみますと、牛ならどの牛も同じようなえさの食わせ方をしてもいいというものではないのですね。たとえば日本の牛は、アメリカの牛と比べて、同じえさを食わせても日本の牛に事故が起こるという場合もあり得る。だから、国際的に大丈夫だということになっておるから日本の家畜に食わせても大丈夫だということには相ならぬのであります。それは幾つかの事例がそれを示しております。たとえば尿素の問題にしてもしかりであります。国際的に言えば尿素は飼料化としてかなり定着したというふうな印象をもって考えられますが、日本の場合は尿素はなかなか危険な添加物の一つであります。諸外国の例をそのまま引用して日本の牛に食わせるというようなことをやったって、それが即安全とは言い切れない。これは一つの例でありますが、たとえば富山に起こりましたダイブ事件なども、あれは農林省が絶対安全だということで認可をした飼料の一つでありますが、現実には大変な事故を起こしたじゃありませんか。あわててその原因を追及し、究明する中から、このえさについては問題があるということで統一見解を一年かかって出されたようでありますけれども、これも一つの例であります。  新しい今度の法体系の中で、先ほど局長が触れておりましたこのチェック機関というものについてもっと権威あるものに——たとえば大学のような第三者機関にという例をいまおっしゃったようでありますけれども、その辺しっかりした考え方がこの法の中で示されてまいりませんと、どういう行政指導を法律の中に入れて今度は一歩前進させたと幾らおっしゃっても、それだけで安全が確保できるという保証はどこにもないと私は思うのです。もっと極端に申し上げれば、飼料をつくっている会社がそれぞれ学者に依頼しあるいは研究機関を設置して、そこで安全性をチェックしてきた、つまり、行政のアウトサイダーで、えさをつくる人たちの手によってこの安全性の基準がつくられてきたと言っても言い過ぎではないと私は思うのです。そこに気づかれて、政府は、今度新しくそういう点も盛り込んだ法案をつくっていきたいということを出されたんだと思うのですが、お話しを聞いていていま一つ私が釈然としないのは、そんなことでこの法律で言う目的が果たして達せられるのかどうかということに私は疑念を持っている一人であります。  そもそも私が牛飼いを始めた当初、北海道の酪農の大御所と言われます黒沢酉蔵さんと並んでの酪農界の有名人の中に深沢吉平さんという人がおりました。この方はもう故人となられた人でありますが、私はあるときこの人の門をたたいたのでありますが、そうしたら、「島田君、酪農というもの、あるいは畜産というものは食糧を貴化するという重大な任務と使命を持っておるのだよ」と言われた。これがあの人の食糧貴化論であります。これは一冊の本にもなって当時かなり読まれたものでありますが、私は、今日えさはえさであってえさではなくて、まさに食糧であるという考え方に立って進めていかなければならない、特に大事な時期に差しかかったと思っております。したがって、いまから四十年も前に深沢吉平さんが、畜産はえさをもってえさと考えず、食糧として考えていかなければ大きな過ちを犯すといみじくも喝破されたことは大変貴重な意見であったといまも私は思っているわけであります。自来一つもそのことは変わっておらないと思っています。  ところが、最近は、えさはえさだという考え方に立って、そのえさなりのやり方をしようとするから、いかがわしいものがまじってきたり、あるいは大事な草食動物に対する基本的概念を誤って、第一胃が縮小してしまうような飼料体系が今日まかり通るような世の中になってしまった、これは行政にも大きな責任が一つあると私は思っているのです。だから、私の考えを言うならば、そういういかがわしい、安心して使うことのできないような、基準さえもあいまいな、また、行政指導しようとしても、法律体系に盛り込んでそれをやろうとしても、大事な安全という基準が明確にならないと安心して家畜に食べさせることはできないような——えさというものはそういう一つの宿命を持っているわけでありますが、ですから、いま有機農法なんという言葉が出ておりますが、これは単に言葉のあやとして聞き逃すことのできない大変重要な意味を持っていると私は思っているのです。その原点を踏まえる中から飼料政策を出していかないと、いろいろな添加物やあるいは農家自身が判断のできないようなえさが出回っているような現状の中では、幾ら行政指導をやったり法律を強化してやろうとしたって、その目的を達成することは困難だと私は思うのです。  いささか長い議論を申し上げましたけれども、この点を誤ってはならないし、そこを原点に踏まえて飼料政策を進めていかないと日本の畜産、酪農はだめになってしまうと私は思っているのですが、大臣、いかがでしょうか、私のこういう意見に対してお考えをお聞かせいただきたいと思うのです。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 いまの島田さんの御意見を聞いておりまして、飼料が食糧であるというお考えにつきましては、最近の状況から見まして、また、今後の畜産の重要性といったものからも判断して、まさにそのとおりではないかと私も思っております。  飼料を食糧と同じような重要な観点から管理していき、さらにその安全性の確保を図っていくということはまことにそのとおりであって、そういうふうな意味でこの法律の改正も提案をされておるというふうに私は認識をいたしておるわけでございまして、したがって、いまお話しのように、飼料あるいは飼料添加物についての安全性の基準あるいは規格といったものについても、これを明確に打ち出す必要があるわけでございまして、今度の法律の改正によって、農林大臣がこの基準または規格を決めるわけでございますが、それを決める段階に当たりましては、公的な機関によるところのはっきりした基準というものを審議して、そしてこれを決め、それに対して農林大臣が決定をしていくということでなければならない、そうすることによって飼料行政の信頼というものが得られていくのではないだろうか、こういうふうに私は考えておるわけであります。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 厚生省の岡部さん、あなたは乳肉衛生課長という、文字どおり畜産物のチェックの窓口にいらっしゃる課長さんだけれども、えさはまさに食糧だという考え方に立って進めていかないと、やがてこれは必ず人間が食べる、われわれが食べるという食糧をつくるものでありますが、あなたの所管する窓口では、でき上がってきた牛乳や肉に対する安全性をどうやってチェックされていて、どうやってそれに区別をつけて指導されていらっしゃるのか、その概要をちょっとお聞きいたしたいと思います。

岡部祥治厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○岡部説明員 先生御承知のとおり、特に食用に供する獣畜につきましては、と畜場法によりまして、屠場におきまして全頭検査をやっておるところでございます。  さらに、牛乳その他の食品につきましては、食品衛生法によりまして、営業者の臨検検査あるいはそのものの収去検査等を行いまして、これの食品衛生上の適否を判定しておるところでございます。  特に、御指摘の乳肉食品につきましては細菌汚染あるいはその他の問題もございますので、他の一般の食品に比べまして、これらの収去検査あるいは監視、指導というものを特に重点的に行っておるところでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 厚生省のお話しはどうもいま一つぴたっと理解できないところもありますけれども、ひとまずこれはおきましょう。  そこで、大臣、最近朝日新聞に有吉佐和子さんが、これは小説でもあり小説でもないという前置きで、昨年の十月から「複合汚染」という題名で連載をされております。私はこれは第一回目からずっと毎日読ましてもらっておりますが、問題の核心にぐさりとメスを入れて、現状起こっているもろもろの問題点を非常に浮き彫りにしているという上での役割りを私は評価している一人でありますけれども、大臣、これはお読みになっておられますか。  最近、三月までの分を集大成して一冊の本にして、上巻として彼女は出しました。これは私がずっと毎日見ていた新聞の集大成でありますけれども、もう一度一晩で私は読み直してみましたが、有吉さんは大変私どもに痛いことをおっしゃっている。学者と政治家がえさという問題に対する概念なり、あるいは具体的にももう少し勉強されていたらこんな間違った世の中にはならなかったでしょうというくだりがあります。私は政治家の端くれでありますから、この言葉に対して当然猛然と反発しなければならないはずでありますが、実は、このくだりを読んでいて、私は逆に深い反省に陥りました。私は、三十年この方酪農を実際にやってまいりました中でも、先ほどお示しした深沢吉平さんの食糧貴化論というものを頭の中にしっかりと据えて今日までやってきた一人としてみれば、この御指摘には非常に反省すべき点がたくさんあると私は感じているわけであります。  ところが、この二、三日前からまさに農林省がやり玉に上がっている。これは彼女が前置きでフィクションでもありノンフィクションでもあるというふうに言っておりますから、フィクションの部分もノンフィクションの部分もあるのだろうと私は思っておりましたが、事は重大、金田課長の名前が実名でここに載っているのであります。  たとえばその一節を引用してみますと、これは五月二十五日の二百二十号の文章でありますが、農林省の金田さんにもう一度考え直していただけませんかと前置きして陳情したときに、あなたが大変重要なことをおっしゃったことをこの中に書かれています。大変恐縮だが、事実関係は私は知りません。しかし、ここに書いてあるくだりを見ますと、あなたは、胃潰瘍の豚も、「肉と関係がなければいいだろう。胃カイヨウは別に遺伝するわけじゃない。伝染するわけじゃない。胃カイヨウの豚は、うまいといいますよ」と言っているんですね。これは、事実関係は私は知りませんよ。しかし、彼女が小説の中にそう書いている。農林省の「課長さん」、「金田課長」と言っているわけであります。これは反論がありますか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 「複合汚染」の安全性に対します基本的な考え方については、われわれとしても共鳴するところが非常に多いわけでございます。個個の具体的な指摘事項につきましては若干意見を異にする面もあるわけでございますが、現在ちょうど飼料関係が始まったところでございますので、毎日読ましていただいておるというところでございます。  それで、ただいま御指摘にございましたように、金田課長が昨年の九月に「たまごの会」という会の方々とお会いした際のことに触れられておりますけれども、豚の場合、最近胃炎なり胃潰瘍なりが非常にふえておるということが一般に言われております。これの原因が何によるのかということは必ずしも明らかではないわけでございますが、ただ、この問題を考えます場合、われわれといたしましては、産業家畜としてきわめて短期間に人間の食糧にするための畜産物を生産するという目的で飼われます豚だとか鶏の場合の、その家畜の健康の問題と人間の健康の問題とは健康の考え方に違う面があると思います。現在の家畜は自然の状態とは異なるようないろいろな機能を求められまして、人工的なコントロールされた環境の中で育てられるわけでございますので、自然の状態では見られないような家畜の健康上の問題も出てきております。それによって、人間が食用として用いる場合に人間の安全性に非常に問題が生ずるというようなことは、これは絶対に防いでいかなければならないと思いますが、人間の食用に供する畜産物として特段に影響かないということであれば、これは産業家畜としての特性から言いまして、人間の健康の問題とは別の観点からある程度やむを得ない面があるのではないかというように考えております。そういうような考え方に基づきまして発言をしたことが部分的に記載されたのだと思いますが、当時の事実につきまして全部記録をとどめておるわけではございませんので、正確には覚えておりませんけれども、そのような観点から金田課長は発言したと思います。  なお、その「たまごの会」の方々の御意見は、当時、金田課長に聞きますと、動物愛護法というような観点から、えさによって豚の健康が害される、胃潰瘍になっておるというような点につきまして非常に懸念をされておるということでございますが、ただいま申しましたように、産業家畜の健康の問題と人間の健康の問題とを同一に論ずるのはいかがかというようなことで発言したことがあのような記事になっておるのだと思います。  いずれにいたしましても、われわれといたしましては、人間の健康に直接関係がある、影響を及ぼすというようなものでございますれば、飼料の段階あるいは薬剤の段階におきまして厳重に規制をする必要があるということは当然のことだと考えております。  今回の法律改正におきましても、そのような観点から規制を強化してまいりたい、法的な根拠に基づく規制をやってまいりたいという考えでございますので、基本的な姿勢としてはそう大きな隔たりはないのではないかというように考えております。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 局長はいろいろと長いことおっしゃったが、そうすると、胃潰瘍の豚の肉も人間には害がないんだというふうに判断していると受けとめてよろしいですか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 現在、食品衛生法によりまして、潰瘍ができておる臓器は販売しない、食用に供しないということになっておりますので、その部分は当然除外されるわけでございます。販売が禁止されるということになるわけでございますが、それが直ちに普通の食肉の部分について影響があるということではないわけでございますので、そのように潰瘍なり、炎症なり、あるいは場合によってはがんというような症状を呈しておる胃なら胃という臓器の部分はもちろん切除されるわけでございます。その他の部分につきましては、直接関係がないということでありますれば、これは食用に供して差し支えないというようなふうに考えておるわけでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 岡部さん、あなたの見解を承りたいのですが、あなたは害がないという判断に立っておられますか。

岡部祥治厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○岡部説明員 先ほど申し上げましたように、屠畜場におきます屠畜検査におきまして、生体検査あるいは解体検査を行うわけでございますが、この場合におきまして、疾病にかかっておるもの等につきましては、これを食用に供しないということにしておるわけでございます。  それで、御指摘の潰瘍でございますが、確かにその原因はいろいろあろうかと思いますけれども、潰瘍あるいは変性の部分については、食用として不適当なものとして廃棄処分にしておるわけでございます。なお、それらの生体につきましては、それぞれの症状によりまして、単に部分的な潰瘍のものにつきましては部分廃棄ということにいたしております。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 獣医学上は、なぜ豚の潰瘍が最近目立って多くなっておるのか、この原因を追求しておりますか。明らかにしておりますか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 最近豚の胃潰瘍が非常に多いということが言われておりまして、その原因は何かということについて追求をしておるかという御趣旨でございますが、この豚の胃潰瘍の問題は昭和二十年ごろアイルランド及びアメリカで初めて報告されたことでございまして、わが国においても三十九年に確認をされて以来、各地においてその発生が報告されております。  本病の場合は、大部分のものが発育は大体正常であるということで、貧血だとか発育不良だとかいう臨床上の異常を示するものはきわめてわずかで、屠殺のときに初めて病変が確認されるというのが大部分のようでございます。特に潰瘍は前胃部と食道の末端部に多く発生しており、発生形態としては、単発性の一部分だけがなっておるものと集合性で数カ所に出ておるものというように、そういうように種々の病変が見られるようでございます。  わが国における発生状況は、家畜保健衛生所によりまして、昭和四十七年に全国で三千三百頭ばかりを調べたことがございますが、その飼養豚のうち、びらんと認められたものが一六・八%、潰瘍の病変を認めたものが八・六%、合計しますと二五・四%ということでございました。     〔委員長退席、坂村委員長代理着席〕 その原因でございますけれども、飼料中の粗繊維が不足しておるとか、あるいは濃厚飼料の粒子が非常に細か過ぎるとか、あるいは飼養の環境がよくないためのストレスの問題とか、あるいは栄養のアンバランスとか、そういったような種々の要因が言われておりますけれども、現在のところ明確な原因は明らかにされておりません。  現在のところそういうような状況でございますが、今後これらの発生原因と目される要因を明らかにするように検討いたしまして、はっきりしますればそれを防ぐようなことも検討してまいりたいというように思いますが、何分、現在のところ、どの原因に基づくものであるかということを確定するところまでにはまだ至っておりません。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 さて、原因と、その追求をしてきた現状はわかりました。しかし、私はもう一度もとに戻りますが、農林省側は胃潰瘍の豚肉も害がないとおっしゃるし、厚生省はそれは問題であるとおっしゃるのだが、これはどちらをとればいいんですか。  先ほど局長は食品衛生法上云々という話はしましたが、しかし、金田課長がいみじくも言っているとおり、それは食べたって大したことありません、むしろうまいですよという言い方は、これは農林省を代表しておっしゃっているのかどうか。ここは厚生省と見解が非常に大きく違う。見解と言うよりも、実務を進めていく上でこれは大変大事な食い違いでありますが、この点はどうなんですか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 私が申し上げましたのは、たとえば胃潰瘍が見られる場合には、胃潰瘍の部分については食用に供しないように、販売しないように切除するということになっておりますので、その部分は当然有害であるおそれがあるために使用しないということでございますが、ただ、胃潰瘍であるがために食肉の他の部分がすべて食用に供されないということではない、安全性で問題があるということではないということでございますればその部分は食用に供して差し支えないということでありまして、先ほど申しましたように、豚の胃潰瘍について申し上げれば、症状は余り出ておりませんし、外見的には何も見られない、発育不良という点も特に際立っておらないというように言われておりますので、特に原因が明らかでない面もございますけれども、その胃潰瘍の豚肉について、いま直ちにすべて禁止をするとかいうような方法までは安全性の観点から必要ではないというように厚生省の方からお聞きしておるわけであります。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 先ほど、原因の一つに濃厚飼料の粒子の問題が挙げられましたけれども、私は、四つほど挙げられたもののほかに、もう一つ、それこそ直接に胃潰瘍になる原因になるものがあるというふうに見ておりますが、たとえば抗生物質によって胃潰瘍が発生するというようなことは獣医学上はどうとらえているんですか。これは技術会議の担当者がいらっしゃれば、技術会議からでも結構です。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 専門的なことでございますので、必要によりまして説明員からお答えさせたいと思いますけれども、われわれが聞いておりますところでは、抗生物質を用いたことによりまして特に胃潰瘍がふえるというようなことは現在のところ聞いてはおりません。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 私は、先ほど、事実関係はあるかどうかわかりませんと前置きしましたが、しかし、いみじくも胃潰瘍の肉を食ったらうまいですよと言われたという発言は、これはきわめて不用意で不謹慎な発言だと私は思うのですね。それは局長が幾らここで否定されておっしゃっても、そうかい、胃潰瘍にかかった内臓というものはそんなにうまいなら、ということになったら、これはまさにえらいことになると私は思うのです。  いま、抗生物質による影響ではないと言い切っておりますけれども、しかし、多くの獣医学上の分析では大いに関係ありと報告されていますよ。それも否定されるのですか。

山本格也農林省畜産局衛生課長

○山本説明員 胃潰瘍の要因につきましては、ただいま局長が御説明申し上げましたように、各種の要因が一元的なものではなくて相互に総合した形で発現をするのではないかというのが現在までの学界の総合的な見解でございます。特に、抗生物質を多用したことによりまして、これが潰瘍の原因になるというふうなことは私ども承知をいたしていないわけでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 大臣、私がいま非常に懸念をしますのは、添加物を入れた濃厚飼料というのは、これはいま紛れもなく多くの畜産農家、酪農家が使っているのであります。ほかには一切使われておりません。つまり、農家は、もしも人体に影響が出るような畜産物を生産しているとしたら、加害者としての責任を追及されます。それは手厳しく需要減退、消費減退という形になって攻撃されるのは必至であります。この際、最も重要な立場に置かれる農民はまさに二律背反の立場に置かれているということを考えますときに、このえさ政策、とりわけ今回出されているえさの品質と安全性の確保という問題については必要以上に神経質にならなければならないと私は考えますから、あなた方農林省内部にでも不統一な見解を持って対外的に発言をされるということがあるとしたら大変困ったことでありますから、これは大臣としては知らなかったでは済まされない問題にまでなるぞ、と、こういうことを私は警告していま申し上げたのでありまして、課長の名前まで挙げて大変恐縮だと私は思っております。  しかしながら、これは重要な問題だから、いまそういう点について消費者の皆さん方から、多くの国民の皆さん方から、日本の国内でつくられる畜産製品はすべて危険である、安全性に乏しいというレッテルが張られるようなことになったら大変なことになってしまう。現にそれを裏書きするような事態が幾つも幾つも各所で起こっているから、そこをきちっと原点を踏まえた法案改正でないとだめなんだということで、冒頭にも申し上げたように、安全性の基準というものをきっちりと明示して——明示する段階でも、大方がそれを納得できるようなものでなければつくっても何の役にも立たぬということを私は心配するから、ずいぶんたくさん時間をかけてこの問題に終始をしたのでありますが、所管の農林大臣としてのはっきりした見解をこの際承っておきたいと思うのです。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 先ほど課長の発言が問題になっておりましたが、言葉の足らなかった点もあったというふうにも私は思うわけでございますが、先ほどから畜産局長が申し述べましたように、胃潰瘍の豚については、その内臓を切除すれば肉については販売をしてもよいという法律の規定によってこれを販売をいたしておるわけでありまして、いろいろと今後とも研究をすべき点は残っておると私は思うわけでございますが、現在の段階においてはそういうふうなわけであります。  私も、えさの安全性を確保するということは、畜産の振興といいますか、畜産農家の経営の安定を図っていくという大目的を貫いていく上からいきましても非常に大事なことであると思っているのでありまして、安全性に対する消費者等の非常な信頼感がなくなってくるということによって畜産に非常な悪影響を及ぼしてくるわけでありますから、そういう意味においても安全性を確保するということは大事であるし、ここに今回の法律改正の大きな目的もあるわけでございます。したがって、今回の法律の中においてこの安全性の基準あるいは規格というものを農林大臣が決める場合は、権威のある審議会等の十分な審議を受けて、その結果を受けて農林大臣がこれを決定するということになっていくわけでございます。  私たちといたしましても、今後とも、飼料政策を進める上におきましては、この法律が改正されたならば、それによってさらに安全性というものに対する国民の信頼感が高まってくる、そしてそれによってさらに畜産の振興が図られていくという方向でこの法律の運用を図っていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 いま大臣は盛んに安全性ということを力説されましたが、私もそれは当然だと思いますし、今度出された法律の趣旨もそのようになっております。  ところが、これまた一つ有吉佐和子さんの小説を引用させてもらうのでありますが、これも農林省を代表する立場でおっしゃったのかどうかわかりませんが、農林省としては、経済性か安全性かを問われれば、われわれは経済性が第一だと心得ております。ということを言っておられる。これはいま大臣が幾ら飼料の品質と安全性を力説されても、それを担当する窓口が否定しておるようなことでは国民の皆さんは納得しないではありませんか。安全性は厚生省だ、農林省は経済性第一主義だ、ということは、高度経済成長政策の路線の上に乗っかったいまの政府の言い方としては当然だと言えば当然かもしれませんが、しかし、そこを考え直さなければいけないというところにこの法案の趣旨があるわけでありますから、それを否定されておるような発言というものは厳しく糾弾されなければいかぬと私は思いますが、大臣、いかがですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 いま、農林省が安全性よりも経済性が大事であると言ったということが書かれておるというふうなお話しでございますが、これは正確にそういうふうな発言をしたのかどうか、私も知らないわけでございます。しかし、農林省として、畜産を振興していく、あるいは農家の経営を安定していくということについて力点を置いて今日までの畜産行政を進めてまいったことは当然でございますが、同時に、また、今後これらの目的を達成していく上においても、現在大きな世論の問題となっておる飼料の安全性を確立しなければ畜産の振興をさらに図っていくということは非常にむずかしいという意味において、その安全性と同時に、畜産の振興という、経済性といいますか、これを両立させながら行政の面で貫いていかなければならない、こういうふうに私は考えておるわけでございまして、そういう状況の中でこの法律の改正というものがここに提案されたというふうに理解をいたしておるわけであります。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 世間では、今度出された法案は、むしろ、表面を前よりもコンクリートにして大事な中身を隠してしまうというふうな意図があるのではないかという説さえあります。私は必ずしもそのことを肯定しておる一人ではありませんが、しかし、そういう批判が仮に出てくるような法律改正なら、原則としてこの法案を通すことに私は反対であります。ですから、そこをひとつ時間をかけてじっくりとやってもらいたい。わが党としては、これを重点法案の一つに据えたのも、少なくともそこに意義があり、目的があるのであります。  有吉さんが書かれているこの本はいま大変なベストセラーで、物すごい売れ行きであります。いまの事実関係を一つ考えてみても、あるいは中身についても農林省としては大変反論しなければならない点がずいぶんたくさんこの中にあると私は思うのですが、黙って見過ごしていていいのですか。いまのようなお考えがきちっと反論として出てこないと、皆さんはこのベストセラーをうのみにします。そうするとわれわれ畜産農家は二律背反の立場に立たされる。農林省とまさに同罪の立場に農家が立たされるということになれば、これはきわめてゆゆしい問題だと思うから、この有吉さんの書かれた本に対する反論をおやりになる考えがあるのかどうか、大臣のお考えをもう一度聞いておきたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 私も農政をあずかる者といたしまして、新聞に連載中の有吉佐和子さんの「複合汚染」につきましてはときどき読んでおるわけでございます。そのノンフィクションの小説といいますか、その中には、われわれがこれからの畜産行政を進めていく上においても非常に傾聴すべき点が多々あるとも思うわけでございますが、同時にまた農林省としても、これに対して、何らかはっきりさせなければならない問題点も含まれておる、場合によっては反論もしなければならない問題点も含まれておるというふうに私は判断をいたしておるわけでございますが、いま連載中でございますので、これが終わった段階において、私たちとしても総合的に全体的にこれを十分熟読をいたしまして、その上に立って農林省としての見解を打ち出していかなければならない、そういうふうに考えるわけでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 そこで、これまた大変巷間話題を呼んでおります石油たん白について若干お尋ねをいたします。  過般、私は、技術会議の小山事務局長にもおいでいただいて、石油たん白の問題について勉強させてもらいましたが、今度五十年の予算の中で約一億四千万を投じて研究をされるというSCPは、名前も違うから石油たん白でないという理解の上に立つべきなのか、あるいはまさに名前こそ違うけれども、同じ性質のものだという理解をすればいいのか、私は現状の段階でまだ明確に判断を下し得ないでいる一人であります。ただ何となしに、SCPの試験といえども非常に心配があるという疑念は一向に晴れておりません。石油たん白の問題については、やはり、公式な国会の場での大臣からの明確な意思の表示が必要であります。特に、わが社会党としては、石油たん白の試験研究については一切やってはならないという方針を打ち出して、この五十年の予算の組みかえのときにも、この予算をすっぽり削って福祉対策に向けるという提案をした経過があります。  まず、大臣から石油たん白に対する見解を承っておきたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 私の石油たん白の飼料化に対する基本的な考え方を申し上げさせていただきますが、石油たん白は新しい飼料であり、現行法においてはこれの販売に対する有効な規制措置がないわけでございますが、改正法においては、第二条の六を適用することにより、その販売を禁止し得るものとしているところでございます。しかしながら、現段階においては、一部企業が研究を行っておるものの、石油たん白の飼料としての経済性、社会的評価等から、これをいま直ちに企業化することはあり得ないものと判断もいたしております。  農林省としても、石油たん白の飼料化については、国民の一部に飼料化を認めてはならないとの要望があり、さらにまた安全性について確認がされていないということから、石油たん白の飼料化は当面不適当と考えておるわけでございまして、すでに明らかにいたしておるわけでありますが、安全性が確認をされ、さらに国民的な合意が得られない限り、飼料化は認めないというのが私の基本的な方針でございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 いま技術会議が中心になって進めていこうとされているところの、申し上げましたSCPの研究は、いわゆる技術的なプロセスというものについては私は承知をさせてもらいましたが、しかし、その工程なるものについては、石油たん白と全く同じ手法をとっておるというふうに思います。ただ、微生物に食べさせる食糧が石油であるのか、あるいは農耕廃材であるのか、あるいはその他の水産加工過程における魚肉の水さらしであるとか、あるいはミカンの皮であるとか、こういったことの違いはありますけれども、現実にその工程手法において変わりはないと私は思うのですが、つくられたいわゆる酵母なるものは、その限りにおいて石油たん白とは全く似て非なるものというふうに確実に判断していいのかどうか、私はまだ疑念が残っていますが、小山技術会議事務局長、これはいかがですか。

小山義夫農林水産技術会議事務局長

○小山(義)政府委員 お尋ねの点につきましては、いわゆる石油たん白、すなわちノルマルパラフィンをえさとしまして繁殖、培養する酵母の種類と、それからミカンのかすであるとか、あるいは残廃水であるとか、今度私どもの新しい予算でねらっておりますものと基質、すなわちえさが違いますと、それに一番適する微生物を見つけることがこの研究の一番大事なポイントでありますので、ノルマルパラフィンの中で最も繁殖の効率の高い微生物と、それからミカンのかすの中で最も繁殖、培養のしやすい微生物とは違ってくるわけです。  微生物の種類は非常にたくさんございますので、そういう意味で微生物には違いございませんけれども、酵母であるとか、あるいはその細菌であるとか、みんなそれぞれ種類が変わってくるというふうに考えております。ただ、そういう基質の中で微生物を繁殖させるという限りにおいて同じではないかというお尋ねであれば、それは同じでございますけれども、微生物の種類は変わってくるであろうというふうに思っております。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 いまおっしゃった酵母にもずいぶん種類があるようでありまして、舌をかむような名前がいっぱいあります。カンジダだとか、サッカノミネスだとか、ノベラスとか、こういったような酵母がいろいろ種類があるようであります。  石油をえさにしてつくったところの、いわゆるノルマルパラフィンをえさにしてつくった石油たん白と、そうしたものでつくられたたん白と、でき上がったものは全く同じだとすれば、それが鶏だとか牛の胃袋に入って作用する方法といいますか、作用の仕方としても同じではないかと私は判断するのですが、これはいかがですか。

小山義夫農林水産技術会議事務局長

○小山(義)政府委員 やはり、微生物の種類が違いますので、その点の区分は多分にできるわけでございます。ノルマルパラフィンをえさにして繁殖します酵母は、カンジダの中でも、またその中に幾つかの種類がございます。これは普通天然にはほとんど見られない奇数脂肪酸をたくさん持っております。そういう幾つかの特色がございますので、その点をとらえて判断をするというふうなことが大体可能ではないかと思いますが、なお、一部その点についての研究開発の余地が残っております。  今度の予算で安全性の確認の手法のための経費を相当部分とっております。一億四千四百万円の半分以上の金額は安全性確保のための経費でございます。その中でさらに新しい判別の方法は引き続き研究をしていきたいというふうに計画をしております。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 大臣、そもそもいま一億四千四百万円の大きなお金をかけてこの研究をするという意味合いですが、きょう冒頭からの質問の中でも私が明らかにしましたように、そういう添加物に多く依存するような形の飼料政策というものは誤りなんだ。だから、国内での自給飼料、つまり粗飼料の自給度をもっと高め、生産を上げていくという方向に力点を置いたやり方が今日国民のコンセンサスの上からも非常に必要であるという立場に立って私はきょうは議論をいたしてまいりました。一口に言って、そんな研究のために一億円も使うということはもったいない、即刻中止すべきだという考え方に私は立っています。そして、いま申し上げた国内飼料の増産に大きな力を注いでいくべきだ、それが飼料政策の大前提であり、原点であるという考え方を依然捨てておりませんが、このお考えはありますか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 農林省で今回予算措置をとったところの、農林水産物の廃棄物を利用して、その微生物によるところの飼料化を図っていくという問題は、石油たん白ではないし、これが農林水産物の廃棄物をいわば活用するということになりますから、今日の飼料の需給が非常に逼迫をしており、国際的にも非常に逼迫をしておるような状況から見れば、わが国としてもこの研究をするということは当然のことじゃないか、その研究の主題はあくまでも安全性の手法を開発するということにあるわけですから、これはぜひとも私たちは推進をしていかなければならない、こういうふうに考えるわけでございますが、同時に、また、いま御指摘のように、わが国において自給飼料を確保し、これを増産していくということは、これからのわが国の畜産を振興していく上においてわれわれが最も大きく力を注いでいかなければならぬ問題であろうと思うわけであります。  そういう面から、昭和五十年の予算におきましても自給飼料の緊急対策予算を確保いたしたわけでございますが、さらに十年見通し等におきましても、飼料基盤、特に自給飼料を確保、増産していくということに力を全面的に注いでいくということについては非常に強い決意を持って私たちはこれから取り組んでいきたい、こういうふうに思っておるわけであります。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 時間が参りましたので、私はこれで終わらなければなりません。残念ながら通告いたしましたものの半分も消化しないまま時間を使ってしまったわけでありますが、最後に一つだけ希望がございます。  先ほど局長から、農業資材審議会の委員の選び方について基本的な考え方が示されましたが、それをひとつ確実に守っていただきたい。利害関係を持ったような代表が出て審議するようなことでは、もう、その審議会自体から過ちを犯すことになります。また、われわれもしばしば悪態をついておりますが、いわゆる政府の御用委員などと言われるような人たちの参加についても十分にチェックをして、これこそまさに国民の命を守る大事な審議会でありますから、それが所期の目的を達成できるような審議会委員の構成となるように、このことだけは厳重に私は要求をいたしておきたいと思います。  その考え方について、最後に大臣から、一言で結構ですが、約束を守ると明快におっしゃっていただいて、私の質問を終わりたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 いま御指摘の点は、もっともなことであろうと思います。利害関係者はもちろん排除をいたしまして、公正な権威のある審議会をつくっていくことに努力をしてまいります。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 終わります。

坂村吉正自由民主党

○坂村委員長代理 次は、中川利三郎君。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 まず大臣にお聞きするわけでありますが、飼料の配合割合の表示についてであります。  配合割合を表示することを、基本的にはできればそうさせたいということが政府の立場なのか、全くそういう必要がないということを基本的な立場にしていらっしゃるのか、まず、その前提についてお伺いしたいわけでありますが、お答えいただきます。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 いまの御指摘は、配合率の表示について改正法ではどのように対処しているか、私の考えはどうかということでありますが、現段階におきましては、次のような理由から、法的な措置として、すべての原材料についてその配合割合を表示させることは考えていないわけであります。  農家が家畜に飼料を給与する場合、使用する配合飼料に含まれている栄養価値が適正に表示されていれば飼養管理上支障はないものと考えられること。また、配合割合は個別のメーカーにとりまして唯一の研究の成果であって、かつ、製品の特徴ともなっておるわけでございますので、これを公開することによりまして配合飼料の品質改善意欲が阻害をされるというふうな反面もあるのではないかということ。あるいはまた、諸外国におきましてもすべての原材料の配合割合の表示は行っていないのが現状でございます。また、わが国におきましても、食品衛生法の表示や日本農林規格の表示等において、一般に原材料の配合割合の表示は行われていない。こういうふうなことから、その配合割合を表示させるということは考えていないということを申し上げたいと思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 私は基本的な前提を聞いたのですが、現段階においてはこうだというのがあなたの御説明なんですね。ですから、当面はどうだ、現段階ではどうだということじゃなくて、本質的には配合飼料の割合を表示する、できればそうさせたいということが農林省の基本的見解なのか、全くその必要はないとお考えになっているのか、ここのところを聞いているわけですから、現段階ではなくて、まず、その基本についてあなた方の御答弁をいただきたいと思います。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 飼料の品質表示の問題につきましては、前回の国会におきましても種々御意見をお聞かせいただいたわけでございまして、われわれといたしましても、今回の法律立案に際しまして真剣に検討をいたしてまいったわけでございます。しかしながら、現在、先ほど大臣からお答えいたしましたように、あらゆる飼料につきまして配合割合についてまですべて表示をするということは適当ではないという判断に立ちまして、現行の法律に基づきます表示制度あるいは行政指導によります表示制度よりは、表示の内容等につきましてはさらに拡充強化をすることは当然でございますけれども、前国会におきましても種々問題になりましたところの、配合飼料につきましての副原料を含めましたすべての原料についての配合割合を表示するということは適当ではないという判断に立ったわけでございますが、先ほど大臣が申し上げましたような種々の理由から申しまして、検討の結果そのような結論に達したわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 畜産局長ともあろう人の答弁が何だか要領を得ないな。わかったようなわからないような答弁ですがな。  配合飼料の割合表示を農民はいまたくさん要求しているわけですが、あなた方はできることならば表示してあげたいということが基本的なお立場なのか、全くその必要はないというお立場なのか、このことを聞いているのですよ。当面がどうだとか現段階がどうだとかいうことじゃなくて、もう少し一定の条件があって、できればそうした方がいいじゃないかという御意向なのかどうかということを聞いているのですから、もう一回はっきり、一言でいいからお答えいただきたい。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 現在の生産あるいは流通、消費の現状、実態を総合勘案いたしまして、すべての配合原料につきまして配合割合を表示することを義務づけることは適当ではないというふうに判断をいたしております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 現在云々という、そんなことを聞いたのじゃないということを何回も言っておるでしょう。いまの経済状態はどうだじゃなくて、もしできる状態であればということを、私はわざわざ前提条件をつけて聞いているのです。それを何だ、あなたは。それでもそのような答えしか出てこないということですね。わかりました。  それではもう一つ前提でお伺いいたしますが、畜産が非常に重要だということであれば、その生産に携わる畜産農民の経営意欲と生産意欲を何としても発展させるような方向で皆さんが指導していくこと、このことが基礎になると私は思うが、この点について大臣はどう思いますか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 いま御指摘のように、まさに、畜産を振興、発展させるためには、畜産に従事しておられる農家の方々に生産意欲を持ってこれに取り組んでいただけるような体制を確立していくということが、まず、畜産行政を進めていく大前提であることは当然である、こういうふうに思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 畜産農民の要求やら意見を組み入れていくこと、つまり、彼らの経営意欲、生産意欲を伸ばしてやることが大前提だということですね。わかりました。  それでは、もう一つ前提でお伺いしたいわけです。濃厚飼料についてでありますが、これはいろいろな情勢から、主なものについては日本ではなかなか自給できがたいという政府見解があるわけでありますが、それならば、輸入その他について、こういう主要な飼料原料について、安定供給に対して政府が最大の努力を払うべきものだというふうに考えますけれども、この安定供給のための保証、裏づけというものはどういうふうに確信をお持ちになっていらっしゃるのでしょうか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 これからの農政の基本的な方向として、第一に国内の自給力を可能な限り高めていくということが農政の大きな柱でございますが、同時に、国内において自給できない農産物につきましては、外国からの安定的な輸入を図っていくということが第二の農政の課題であろうと思うわけでございます。  最近の国外の農産物の需給関係はこの二、三年来非常に変動があったことは御承知のとおりでございまして、今後の海外の農産物の生産等は非常に不安定である——まあ、高位不安定というふうな状況にも移っていく可能性は十分あるというふうに私は考えるわけでございまして、そういうふうな外国の情勢をも踏まえながら安定輸入を図っていくわけでありますから、なかなか困難な問題もあるわけでございますが、これまでのようにただ外貨だけあれば自由に買えるというわけにもまいらないのじゃないか、今後は、生産国、輸出国との間の友好関係をさらに増進させるとともに、安定輸入のための中期あるいは長期にわたるところの食糧の輸入協定といったようなものも今後前向きに積極的に取り組んでいくことが安定輸入につながっていく道ではないだろうか、そういうふうにも私は考えておるわけであります。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 トウモロコシ、マイロというようなものの、えさの主なる原料は自給はなかなかむずかしいということでありますから、どうしても外国の輸入に頼らざるを得ない。しからば、その安定供給について責任を持たなければならない政府が、いまの御答弁で見る限り、なかなか不安定なんだな。そして、これからそういう方向でやっていかなければならないと思うが、そういう頼りないものだとするならば、これは農民にとっても生産者にとっても大変なことだと思うのです。  この問題は前段として私はお聞きしたのでありますが、本題に入りますが、私はせんだって秋田県の畜産農家その他を少し回ってみたのですけれども、何を言うているかといいますと、今度飼料の品質改善法が改正になるのだ、今度こそ私たちの長年の願いであった配合飼料の配合割合を明示してくれるのじゃないかという期待を持ってこの法案を見た、と言うのですよ。ところが、私たちが一番欲しがっておる配合割合については、すぽっとそこのところだけが抜けておって、つまらないと言うわけじゃありませんが、安全性だとか、そういう問題がずらっと非常に強く打ち出されており、それはそれで評価するけれども、これでは何のための法改正なんだ、と、こういうことが率直な声として出されているわけでありますね。  先ほど大臣は、農民の意見や声を反映させていくことが畜産発展の前提だということをおっしゃったわけですが、いま、そういう生産農民が、そのためにもどうしても配合割合を表示して欲しいと言っているわけでありまして、それをやる必要はないというようなことでは、日本の畜産を本当に自主的に発展させることはできるのですか。     〔坂村委員長代理退席、委員長着席〕

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 先ほどもお答えしましたように、今回の改正法案におきましては、従来に比べまして表示制度を強化いたしております。  まず、配合割合につきましてももちろん一部を強化しておるわけでございますが、その内容について申し上げますと、まず、その表示義務につきましては、安全性の見地からの表示と、それから栄養効果を確保するという点からの表示の問題上両者に分かれるわけでございますけれども、改正法の二条の二によりまして、安全性の確保という面から表示を必要とする一定の配合飼料、あるいは尿素とか、ダイブとか、落花生油かす、飼料添加物につきましては審議会の意見を聞いて表示の基準を設定することにしておりますが、その基準におきまして、たとえば抗菌性製剤であります飼料添加物あるいは抗菌性製剤である飼料添加物を含みます配合飼料の場合には、その用途だとか、あるいは用いた抗菌性製剤の名称だとか、それから有効成分量、それから添加量、これが配合割合に関連するわけでございますが、その添加量、さらに使用上の注意等を表示させることに予定しておりますし、単体飼料である尿素、ダイブの場合にも、窒素含有量あるいは配合率、用途、使用上の注意等について表示をさせるということにいたしております。  以上が安全性の確保という観点からの表示でございますが、栄養的な品質を確保するという観点からの表示につきましては、配合飼料の場合は、従来、粗たん白、粗脂肪、粗繊維、粗灰分という四成分についてだけ表示をしておりましたけれども、そのほかに燐とかカルシウムあるいは可消化養分総量、可消化粗たん白というものの成分についての表示の範囲を広げる、それからさらにすべての原材料名を書かせるということ、それから動物性たん白質飼料につきましては粗たん白、粗脂肪、粗灰分、植物性油脂、油かす類にあっては粗たん白、粗繊維等を表示させることにいたしております。したがいまして、従来よりは、すべてとは言いませんけれども、配合率についてもかなり強化をされるわけでございますが、すべての配合率について表示を義務づけるということにつきましては、先ほども大臣からお答えしましたような点、これが特に各メーカーの研究の成果の一番大きなところであり、それぞれのえさの特徴であるということからいたしますと、また、今後のメーカーの飼料の品質改善意欲を損ない、不公正な競争を誘発するというような点からいたしますと、全部書かせるということは問題があるというように考えておるわけでございます。  他の食品衛生法その他の例からいたしましても、原材料名を書かせている例はございますけれども、配合割合につきまして書かせておるものは食品についてもほとんどございません。そういう他の制度とのバランス等も考え、また、農家自体飼養管理上成分がわかりますれば配合率は必ずしも必須要件ではないというようにも見られます点等、さらにまた飼料の需給状況、原料の需給状況、価格の変動に応じまして、それぞれ一定の成分に合うように配合率は変えておるわけでございますので、それがまた配合飼料価格の安定にもつながるわけでございますので、それらのことを非常に硬直的に決めさせるというのにも問題がある。  それらの点を総合勘案いたしまして、必要な限度におきまして拡充はいたしますけれども、あらゆる原材料の配合率につきまして全部表示するということは今回は考えておらないわけであります。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 澤邊さん、あなたはもう少し答えを簡単にしてくれなければいかぬ。こっちが簡単に聞いているわけですからね。くだらないことをだらだらと言っているがそのくらいのことは私も勉強しているのですよ。聞いたことだけに答えてください。  そこで、私が申し上げているのは、農民の人は決してあれこれが悪いと言っているのではない。この法案については、安全性を入れてあるということは前進面もあるのですよ。それは評価しながらも、一番の肝心な配合割合が入っておらないということは目玉が抜けたに等しいじゃないか。これではわれわれの経営意欲に対して、本当にそれを発展させ、支援するようなものにはなっておらないということを皆さんがおっしゃっている。いまのあなたの答弁を聞けば、もしもすべての配合率について表示させるとすればメーカーの意欲を失わせるということをおっしゃっているが、あなたはいつからメーカーの代理人になったのですか。いつからメーカーのセールスマンになったのですか。農民の意欲を発展させることが畜産発展の大前提だということを先ほど農林大臣はおっしゃったでしょう。農民がこうしていただきたいということ、この意欲を発展させていってこそ日本の畜産が発展していくのに対して、そういうことをすればメーカーの意欲をなくして公正じゃない扱いになると言う。それが農林省の畜産局長の言う言葉ですか。  大臣、農林省はいつからメーカーのセールスマンになったのですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 メーカーが飼料の配合率等について研究するということも、やはり、自由経済の中にあっていい飼料をつくって、それを多く売ろうという、自由主義経済のいいところだと私は思うのです。それがまた畜産の振興にもつながっていく面もあるのじゃないかというふうにも思っておるわけでございます。  さらに、また、先ほどのお話しでございますが、配合率を明示することが農家の意向にこたえるものだというふうな御意見でございますが、今回の法律の改正によって規格、基準等にこれを明示することによって、配合率を明示しなくても農家の意欲、要望には十分対応できるものである、と、こういうふうに私は判断をいたしておるわけであります。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 いまのいろいろな問題については後ほどまた論議しますけれども、まず私が言いたいのは、ここに日本農業新聞のことしの四月十一日の記事があるのですが、何と書いてあるかというと、「上位入賞は「自家配合」千葉県干潟町肉豚共進会 エサに関心高まる」という記事がある。ちょっと中を読みますと、「先月旭市食肉センターで行われた干潟町肉豚共進会で、名誉賞一人、優等賞五人のうち名誉賞をはじめ優等賞の上位三人、また、一等賞十人のうち、二、三、四、五席の四人のいずれも上位入賞が自家配合飼料グループによって占められた。とくに、名誉賞の花香勝久さんの場合は、生体百三・五キロ、枝肉六十八・五キロ、歩どまり六六・一八%、上物率一〇〇%という成績を示している。」云々といって、その配合割合がずっと書いてあるのです。もう一つついでに紹介しますと、これは私のところの秋田県の能代市でありますが、「音楽を流して豚づくり 能代市 もりもりわく食欲 生後六カ月で百キロにも」という見出しの五月二十日付の地元の「秋田さきがけ」という新聞の記事ですが、それによると、「日本海からさわやかな潮風が流れてくる能代市東雲原開拓、ここに音楽を流して豚の食欲をおう盛にしている養豚家渡辺昭さんがいる。戦後、食糧基地に生まれ変わった原野でこつこつと養豚に専念してきた渡辺さんは購入飼料を節約する自給飼料方式をとり、一昨年十一月、全国農業コンクールで晴れの天皇杯を獲得した人でもあり、地域開拓民の柱となっている。」となっている。これは参考にいま読み上げたわけでございますが、そのほかに「酪農事情」という月刊誌は、今月号に、「自家配合の勧め」という特集まで組んでいる。  これらの一連の事態を農林大臣はどのように認識されますか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 自家配合によりまして非常に効率のいい飼料給付をやっており、あるいはコスト面におきましても非常に安い飼料費になっておるというような点についての事例の御紹介をいただいたわけでございますが、最近の情勢を見ますと、政府の操作飼料によります単体飼料のふすまとかあるいは大麦が比較的潤沢に入手できるような農家、あるいは魚粉をトウモロコシに混入したような簡単な二種混合飼料が入手しやすいような輸入港湾地帯近くの大規模な畜産経営農家等におきまして、自家配合飼料を用いている例がふえておる傾向にあることはわれわれも承知しておるわけでございます。これは自家配合によりましてコストが下げられるという面と、いま問題になっておりますような抗生物質等の飼料添加物を用いなくても済むという点で、安全性について非常に神経を使っておられる方はそのようなことをやっておられるという面も一部にはあろうかと思うわけでございます。しかし、自家配合飼料を使って非常にうまくいく前提といたしましては、家畜の栄養バランスをどのように維持していくかということが判断できるような高い技術水準を持った農家であるということでなければ、自家配合飼料が非常に効率が高いということには必ずしもならないわけでございます。  そこで、技術水準が高くて、しかもそういう原料が、先ほど言いましたような政府操作飼料なりあるいは二種混合飼料が容易に手に入るというような条件のある農家の場合は、これは非常に結構であり、成果を上げておると思いますので、その意味ではこれを普及することは望ましいことだと思いますけれども、そのような条件の整備されていないところは配合飼料を使う方が簡単でございますし、望ましい点もありますので、それらの条件整備もにらみながら自家配合というものも今後奨励をしてまいりたいというように思います。  また、トウモロコシの関税が、御承知のように単体の場合は高くなっております。無税じゃございません。その点も、国産のでん粉との競合という点からそのような措置をとっておるわけでございますので、その辺、国産のでん粉に支障のないような流通の区分が適確にできるようなやり方を現在検討しておりますので、そのような方法が見つかりますれば単体飼料につきましても関税の減免ができるようにもしたいということで検討を進めております。  それらによりまして、御指摘のような自家配合ということも、条件のあるところは奨励をしていくということがわれわれの基本的な考え方でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 私が聞いたのは、自家配合で大変な成果をおさめていらっしゃるが、これを特殊な部分として配慮するのじゃなくて、これを進めて農民の経営意欲をかき立てていくということですね。つまり、この方々はお仕着せの配合飼料ではもうがまんができないから、それを突き破ってやっている。音楽を流すということがいいか悪いか私はわかりませんが、この方々はそこまで技術水準を高めることについて研究心が旺盛であるということですね。そのことを農民の現在の技術水準、経営水準、研究意欲というもののあらわれとしてわれわれは評価していかなければならないし、それがそこまで来ているということを申し上げたいために私は申し上げたわけであります。  そこで、何だかんだとあなたはおっしゃいますけれども、私の手元に、昭和五十年四月十九日付の、ある県の農政部畜産課長が関係各方面に配布した「昭和四十九年度飼料品質改善実態調査結果について(通知)」という資料がありますが、飼料の品質についての実態調査、つまりアンケートを生産農民からとっている。県の名前は差し控えますが、何を書いてあるかというと、「農家意向調査集計表」の「農家区分」「採卵鶏」というところを見ますと、「飼料の品質が低下したと思いますか」という設問で、「著しく低下した」「やや低下した」「変わらない」「よくなった」「わからない」という項目に分かれているのですね。千羽以内では「やや低下した」というのが五〇%、千羽から三千羽の農家は「やや低下した」というのが三〇%、それから三千羽以上は「著しく低下した」というのが一〇%、「やや低下した」というのが三〇%で、合計四〇%なんですね。これは大変なことです。同時に、繁殖豚について見ますと、「著しく低下した」「やや低下した」というのを合わせますと三九・九%、それから肉用牛については、「著しく低下した」というのが一三・三%、「やや低下した」というのが五三・三%と、こういうすごい数字が出ているのですね。しかも、第二番の設問は、「飼料の品質が低下したことがどうしてわかりましたか」という設問なんですが、皆さんほとんどの方が異口同音におっしゃっていることは、「産卵肥育成長乳量等低下」という点に圧倒的な答えが寄せられているということです。  そして、それぞれについてまとめた要求をとっているのですね。たとえば採卵鶏について見ますと、「流通飼料の品質について。国や都道府県に対する希望や意見について。」という設問の中の「栄養成分について」の項で、「表示されている栄養成分を信用してよいのか。メーカーを信用する以外にない。」と書いてあります。これは悲痛な叫びだと思いますね。いまのは「ア」のところですけれども、「イ」のところには、「現在農林省で問題になっている品質改善の法改正は栄養改善にプラスするものでない。」というのが来ていますね。それから「その他」の項の「ア」で「配合飼料の原料使用割合を表示してほしい。」と書き、「イ」では「メーカー以外の行政機関が成分検査を抜打ち的に実施してほしい。」と書いてありまして、そういうことを各項目についてみな書いてある。全部について、配合飼料の明示あるいは抜き打ち検査ということをアンケートで農民の皆さんが言っておるのですよ。  こういうことからいたしましても、なおかつ配合飼料の割合表示をやることはいまのところ適当でないのだとか、農民の意欲なんかどうなってもいいのだとか、メーカーのそのことが大事だということをまだ言い張るのですか。農林大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 いま、資料についてお聞かせをいただいたわけでありますが、農林省としても、飼料の品質についていろいろと調査も現在いたしておるわけでございますが、現在の法律の中におきましても、一定水準以上の品質を持った飼料を供給しなければならないということになっておるわけでございまして、検査等もやっておるわけでございますから、必ずしも飼料の品質が低下しておるというふうには私どもも考えておらないわけでございます。  同時に、また、配合率そのものを決めるということが飼料の品質を維持していくということにももちろんつながっていくわけでもありましょうが、私は、基準を決めあるいは規格を決めていくということによって飼料の品質を保持し、安全性を高めていくということについては現在の要望には十分対応できるものである、と、こういうように考えるわけであります。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 では、大臣にもう一回お聞きしますが、配合成分量を表示すれば必ずしも配合割合を表示しなくてもいいのだということは、これはだれの判断ですか。農林大臣の安倍さん個人の判断ですか。それとも政府の判断ですか。  それから、先ほど畜産局長も、農家にとっては成分がわかればそれでいいのだと言われたが、農家はいま言ったように全部配合割合を表示してほしいと言っているのですよ。そういう言い方をするということは、一体これはだれの判断ですか。農民の要求が基礎になっていないことは当然でありますが、だれかを代弁している判断でしょう。農民以外にだれがおりますか、だれがそのように判断したのですか、お聞きします。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 先ほども申し上げましたように、配合飼料の全原料についての配合割合までは、現在表示義務を課することについては非常に問題があるというふうに考えておりまして、そこまでは実施することを予定しておらないわけでございますが、ただ、従来四成分だけを書いておりましたものを、可消化養分総量、可消化粗たん白あるいは燐、カルシウムというところまで書かせるというようにいたしましたので、栄養成分につきましては使用農家において大体判断できるわけでございますので、あと、そのような成分規格に合うように具体的にどのような原料を使うかということは、そのときどきの需給事情なり価格事情に応じまして、できるだけ安いものを使いながら有利な配合率を考えながら成分規格に合致するものを製造業者はつくるわけでございます。  現実の実態がそのようなことになっておりますので、われわれとしては、原材料のすべての配合割合についてまで書かなくても使用農家につきましては飼養管理上支障はないというように考え、他方、繰り返して恐縮でございますけれども、先ほど言いました飼料の技術革新意欲を阻害しないというようなこと等、あるいは他の制度との比較等からいたしまして、総合的に農林省のわれわれが判断をしておるわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 農民は必死になって、血の出るような叫びを上げて、配合飼料の割合を表示してくださいと言っているんだが、あなたは農林省が判断したと言うんだね。その判断の理由としては、メーカーの技術革新を、経営意欲を阻害するおそれがあるからだということがはっきりしましたね。わかりました。  そこで、お伺いしますが、あなたは、現段階では全原料についての配合割合を明らかにすることは適当でないということをおっしゃいましたが、それでは百歩譲りまして、主なる原料について配合割合を表示することについてはどうですか。全原料についてはうまくないと言うから、そうすると、その中の主なるものについては表示してもよろしいというふうに私の耳には聞こえたわけですが、そこはどうなんですか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 主要原料といいますと、トウモロコシ、コウリャン、それからそれに次ぐものは大豆かすというようなものでございますが、それらについてだけでも表示義務を課したらどうかという点は、それらについてももちろん検討したわけでございますけれども、先ほど言いましたような現状の実態におきまして、すべての原料の配合割合についての表示義務を課することは適当でないというふうにわれわれ判断をしておるわけでございますが、その理由は、主原料であるトウモロコシ、コウリャン、あるいはそれに次ぐ大豆かすについてまさに同じような理由があるわけでございまして、具体的に申し上げれば、トウモロコシとコウリャンの配合割合といいますのは、トウモロコシとコウリャンの価格は相関関係がもちろんございますけれども、そのときどきによってトウモロコシの方が割り高になったり、コウリャンの方が逆に割り高になったりというような変化をいたしておりますので、その辺はどちらをまぜてもとにかく成分規格に合致するように——買い付けの上手、下手の問題もありますし、そのときの市況の一般の動きもありますので、それらを総合的に考えながらやっておるわけでございます。  大豆かすにつきましても、魚かすその他のかす類あるいはその他のたん白飼料との関係もございますし、そのようなことでやっておりますので、迅速に表示を対応させるということは非常に困難であるという点、あるいは技術革新の意欲の問題等につきましては、主原料についても同様な事情でございますので、これについてのみ表示させるということも適当ではないというふうに判断しておるわけでございます。  それから、配合飼料の品質は、主原料だけではなくして、副原料によってもずいぶん変わるわけでございますので、主原料だけを書くということも部分的なことにもなりますので、われわれとしては、その部分だけ、主原料についてだけやるということも適当ではないという判断をいたしております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 あなたは、先ほど、すべての原料について配合割合を表示することは現段階ではなかなか不可能だとおっしゃった。だから、私が聞いたのは、それならば主なる原料について、中身として一部はやれるのかと言うのだが、いま話を聞くとそれもできない。結局何もやらないということですね。それをああいう言い方をするなんということは農民を愚弄するものじゃありませんか。結局何もやらないということでしょう。それを、全原料についてはいまのところ考えられませんなんて、それならその中身を聞けば、何にもない、やらないということでしょう。こういうやり方の中で、お仕着せの配合飼料の中で畜産農民がどれだけいろいろな問題に出っくわしているかということです。要すれば、あなた方の話を聞いていれば、そういう農民の基本的な要求に対して、これをメーカーの言い分を口移しにして、政府の独断で押しつぶしている。つまり、農民に対しては、それをありがたくいただいて配合飼料をやればいいんだというやり方である。農民が考える自由、工夫をしてよりましなものをつくっていこうじゃないかという自由、それをみんな押し殺すことに何とか一生懸命やろうじゃないかとがんばっているのがいまの畜産局の皆さん方の姿勢ではないかと思うのです。どう考えてもそれ以外に答えが出てこないのだが、この点についての農林大臣の御意見はどうですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 いまおっしゃるように、この配合率を表示しないということはメーカーのためにやっておるのじゃないかというふうにお考えになることは、これは全く独断ではないかと私は思うわけであります。  その一つの理由としては、メーカーが自由に競争して、その中でいい飼料をつくっていくための競争をするわけで、その技術を革新していくということは、現在の自由経済の中においては一つの大きないい面でもあろうかと思いますし、また、これを伸ばしていくということは畜産を振興するために大きなプラスにもなると思うわけでありますし、同時に、また、農家が飼養管理する場合において、栄養価値というものを表示すれば、それでもって農家の要望にも十分対応できるのじゃないか、と、こういうふうに判断もいたしておるわけでございます。  また、同時に、先ほども申し上げましたように、外国等におきましても飼料の配合率を明示するというふうな例はないわけでございますので、そういうところから判断をいたしまして、これからの畜産行政を進めていく上におきましても、あるいは農家の要望にこたえる上から見ましても、われわれのとっておることは適正な措置であるというふうに考えるわけであります。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 何も、外国の例を引き合いに出さなくたって、日本でやれること、日本でできることをやったらいいでしょう。  そこで、私はお伺いしますが、農民が品質がうそだと言うことは、一つには、肝心の原料が、自分が欲しい原料が減っていたじゃないかとか、そういうことが先ほどアンケートにありましたでしょう。これはいろいろな不満や不安を解消してやりたいという気持ちがあるわけですね。ですから、原料配によって最も自分が納得できる飼育をしたいという、その経営意欲をどうか政府は発展させてもらいたいと思って、いま、経営発展、技術発展のために欠くべからざるものとして配合割合を表示してくれ、と、私は言っているわけですね。にもかかわらず、畜産が重要だと言っている政府が、その必要はないんだというようなことで頭から押さえつけていくということは問題である。しかも、その理由を聞きますと、企業の秘密であって、企業の意欲を損なうからということなんだね。  では、お伺いしますが、配合割合が企業の秘密だと言うのですが、それは農民にとっていい飼料ができるという保証になる素材のものなのか、どうなんですか、そこは。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 メーカーもやはりいい飼料をつくりたいということで競争するわけで、悪い飼料をつくりたいということではないわけでありますから、お互いに企業間の競争、努力によっていい飼料を、そして農家に使用していただけるような飼料をつくっていくということは当然であろうというふうに思うわけでございます。  そういうことで、配合率といったようなものも企業間の努力によって決まっていくわけでありますから、これを明示するということは、企業間のそういういい飼料をつくるという努力というものにむしろ支障を起こすことにもなるわけである、と、これは一つの面でありますが、そういうことも当然言えるのじゃないかというように思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 しかし、企業秘密というのは、企業のもうけのための公開できない秘密でしょう。もうけのためなんでしょう。現にあなたの方でそれは言っているじゃありませんか。この前の五月七日のこの委員会で言っているのだが、いろいろ原料が変わってくるというんだな。そして、そこの肝心な点は、「同じ成分のものをつくるために、どのようにして安い原料を手に入れてうまく組み合わせて配合して同一成分のものをつくり上げるかというところに苦心が存するわけでございますが、そのようなことがしょっちゅう行われておるわけでございます。」と澤邊さんはお答えになっているね。つまり、農民にとっては配合割合を表示してこそ経営意欲も生産意欲もわいてくるのであって、企業秘密だ、企業秘密だということは、農民のそういう要求を踏みつけにしての、企業のもうけのための企業秘密なんでしょう。農民にとっては何にもプラスにならないじゃないですか。  大臣、ここのところは非常に大事なところです。大臣に大事なことを言うというのはごろ合わせみたいになりますけれども、これはどうなんですか。この段階においてまだそれは企業の方が大事だとおっしゃるのですか。もう一回農林大臣としての御答弁をいただきたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 現在の自由な経済体制の中におきましては、企業間がお互いに切磋琢磨しながらいい商品をつくっていき、これを認めていくということが現在の体制でございますので、そういうことから判断いたしましても、むしろ、この措置はいい飼料を農民に供給するという方向につながっていくことである、と、こういうふうに私は確信をいたしておるわけであります。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 なぜ、企業秘密がいい飼料をたくさん出すという保証になるのですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 現在メーカーがたくさんあって、それがお互いに競争しておるというのが現在の自由な経済の体制であるわけです。それで、配合率といったようなものは企業の秘密に属する競争の一番大事な面であろうと思うわけでありますが、こういうものを明示するということは、そういう企業間のいい意味の競争というものをむしろ阻害していくことにもなる、と、そういうふうにも私は思うわけであります。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 いまのお話しは、いかにも企業がそう言っているということのようです。そして、そのことによって企業は自由社会、自由競争の中で欠くべからざる要因だということですね。一方、生産者農家にとってみれば、配合割合の表示が欠くべからざる要件だと言っているわけですが、いまのお話しは、農林省は企業の言い分を採用しているということになりますね。そうですね、大臣。だから、企業はそう言っているということですね。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 どうも話がお互いに平行になってしまうわけですが、私が先ほどから申し上げましたように、企業はお互いに競争していい飼料をつくり、そしてそれを選択をするのは農家でありますから、農家が選択をして、その企業間の競争によって、どれがいい飼料であるかということで、自分たちの畜産経営にとってメリットのある飼料を購入するわけでありますから、これは農家もそういう面で今日まで対応してきておる、それが今日の畜産の進歩にもつながってきておる、また、今後の畜産の振興にもつながっていくものである、こういうふうにも私は思うわけであります。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 もともとトウモロコシであれ、ふすまであれ、免税品ですね。こういう大事な原材料を使って配合飼料をつくるわけですが、その段階になりますと、これがいい飼料をつくっているのか、いいかげんにごまかしているものなのか、あの農民のアンケートを見ても非常に疑心暗鬼である。そういう状況が一つありながら、どこまでも配合飼料でなければならないという態度を固執しておるわけでありますが、それなら、農民の配合割合表示の要求が強いんだから、メーカーがそれをやらなかったならば——メーカーの企業秘密もいいですよ。それを私は否定はしません。しかし、農林省が農民にかわって、模範的な配合割合はこうだ、皆さんこういうふうにやったらどうだというようなことを逆にやるくらいの積極的な姿勢をとるべきだ、それが農林省だ、と私は思うのですよ。何にもそういうことをしないで、そこのところは指一本触れない聖域にしておいて、そしてメーカーの弁護にひたすらこれ努めているが、農林省にはその配合割合を研究する研究機関だとかいうようなものはありますか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 農林省におきましては、試験研究の成果に基づきまして飼養標準というものを決めております。これは家畜ごとに、あるいは成育のステージごとに、どのような成分を含んだ飼料を給与するのが適当であるかというようなものを定めております。農家はそれを見ながら、TDN、DCPあるいは燐、カルシウムという、今度新たに表示をさせますそれらのものについての組み合わせを判断して飼料の給与をするわけでございますので、成分が明らかになっておりますれば農家としては飼養管理上支障がないというふうに判断をしておるわけでございます。  お尋ねの、どのような配合率がいいかという点は、原料については直接やっておりません。といいますのは、単に栄養効果の点あるいは一定の成分を確保するということのほかに、えさとしていい悪いということは、コストの問題、価格の問題もあるわけでございますので、そのときどきの価格の動き、需給事情等によりまして組み合わせは変えていく。それによりまして、最も安い価格で一定の成分を含んだ配合飼料を製造していくというのが最も望ましいわけでございますから、原料ごとに農林省で配合率をあらかじめ決めて指導しておるというようなことはいたしておりません。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 いままでの話の中でわかったように、ノーハウだ、ノーハウだということで、農林省はそこを聖域にしていらっしゃる。通産省がそうするならまだ話がわかりますよ。現在の農民の技術水準は、音楽を流して豚を飼うというようなところまで工夫しているのですね。あるいは自家配合で営々と努力していらっしゃるのですね。そういうことで成績を上げています今日の経営水準、技術水準から見ますならば、ノーハウなんてあってないようなものなんですよ。  そこで、先ほど、メーカーの意向もあってなかなかそれはできないとおっしゃるような言い方がありましたけれども、実際にメーカーでもやっているところがあるのですよ。そういう配合割合を表示しておるという話は聞いていませんか。たとえば私が調べたところによりますと、これは中部飼料というのですが、肥育豚の後期のたん白質一四%物についてこれこれだということを、トウモロコシが三〇%、マイロが四〇%あるいは大豆油かすが一〇%、ふすまが五%、その他が一五%ということで大変好評を博しているのです。愛知付近でこういうチラシまでまかれているのですね。これは農民には非常に感謝されているわけであります。だから、何だかんだと聞いておりましても主要原料も公開しないなんというようなことは、あなた方はさっきからいろいろな例を挙げておりますが、これは農林省のためにする口実だというか、何としてもメーカーのそれを守ってやるということにしかすぎないのじゃないですか。いままでの論議を通じてもそういうふうに思える。何回もそのことを繰り返してもしようがないわけでありますが、これは非常に遺憾だと私は思います。  それから、先ほど来あなた方から、海外要因だとか価格事情で配合割合がしょっちゅう変わるから割合表示がなかなかできないのだというお話しがありましたが、それは確かに変わるでしょう。しかし、いま一般にどのくらいの期間で変わるのですか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 原料によって、あるいはそのときどきによって必ずしも一律ではございませんけれども、現在の配合飼料の価格は、御承知のように三ヶ月ごとにあらかじめ定めるというような慣行になっております。したがいまして、三ヵ月間につきましては原料もなるべく変えないようにというようなことに努力はしておりますけれども、そのときどきの需給事情、価格事情が激変するような場合には、その三ヵ月内であれ、特定の原料につきましては配合率が変わるということも避けられないわけであります。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 つまり、三カ月というのは、飼料の状況の中では、それを理由にして配合割合を表示できないということも一つの理由に挙げているわけでありますね。しょっちゅう変わるからとても配合割合はやれないということですね。よくよく聞けばメーカーのノーハウを守るためだということがわかりましたけれども、しかし、その周辺においてはそういう問題も挙げていらっしゃるわけですからお聞きするわけでありますが、変われば変わったで表示できないわけはないでしょう。現に、あなたの方の農林省の畜産局長が昭和四十八年九月二十七日に通達を出していらっしゃる。その通達の中を見ましても、「記載上の留意事項」というのがありまして、そこの「エ」という項に、「既に表示されている原料、飼料添加物のほか、新たに追加するものがあるときは、ゴム印等をもつて追加してさしつかえないものとする。」なんというようなことを書いてある。もちろんこれは「新たに追加する」ということですから、変更するときも含むはずだと私は思うのですね。あなたの方でさえも、そういう場合はいつでもこういうふうなやり方もありますよ、ということをおっしゃっているのですね。三カ月ごとに変わるのですから、それをやったらメーカーだって、たとえば農業新聞にいろいろ広告を出してやっていくとか、工夫すれば何ぼでも手があるわけですね。そういうことを何にもやらないで、それを表示できない理由ばかりるる挙げていらっしゃるということは何としても納得できませんが、「酪農事情」という雑誌に、「飼料の品質改善法の改正案の意味するもの 配合割合は公開されるのか」という文章があるのですが、ここにだって、やり方はたくさんあるということをちゃんと書いてあるのですね。「たとえば、四半期のはじめごとに日本農業新聞か何かに、自分の会社の配合割合を公表しておき、配合割合を変更した分だけそのときどき公表してもよい。あるいは配合割合表をガリ版で印刷して農協や小売商の店頭にはり出してもよいし、バラ輸送のとき運転手が生産者に手渡ししてもよい。知りたい人だけに渡してもよい。やり方はいくらでもある。」というようなことまで書いているのです。  これはなぜあえて何だかんだと理屈をつけてできない理由にしているのですか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 三カ月ごとにという点は、飼料の原料の国際価格というものはしょっちゅう動いているわけでございますが、といって、配合飼料の価格を毎月変えるというようなことも飼料の価格の安定性という点から見て適当ではないということで、三カ月ごとという習慣になっておるわけでございます。  配合割合について、価格が動いてもできるではないかというお尋ねの点は、私どもも、それは程度の問題だと思います。ただ、全配合飼料についての原料の配合割合についての表示義務を課さないということの理由は、先ほど申しましたようないろいろな理由を総合判断をして考えておるわけでございます。先ほど来申し上げておりますような外国の例、あるいはわが国におきます他の食品とか物資の例等を見ましても、食品につきましても配合割合を法律上義務づけているものは、何か一品目あるというふうに聞いておりますが、そのほかはございません。それらの点も比較考量いたしまして判断をいたしておるわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 需給事情がしょっちゅう変動する、だからそうだという不可抗力みたいな言い方をしていますが、政府はもともと、配合飼料の主な原料になるところのトウモロコシやコウリャンあるいは大豆かすについては、輸入に依存しなければならない品目だということをちゃんとはっきりさせているのですね。そうであるならば、前段に私が申し上げましたように、安定輸入のために、安定供給のために長期計画みたいなものをつくっていらっしゃると思うのですけれども、最大の努力を払わなければいけない。それをやらないからしょっちゅうこういう需給変動が起こってきて、こういう状態になるわけでしょう。  問題は、政府のそういうはね返りを全部農民がかぶらなければならない理由なんて一つもないわけですね。そういう点であなた方の言い分は全く崩れていると言わなければなりませんし、同時に、あなたは、外国の例があれもそうだとか、国内のほかの食料の食品衛生法でもこうだとか、何だかんだとだめな理由ばかりウの目タカの目で探して回っているように見えますけれども、なぜだめなところばかり探すのですか。できるものからやっていくということが筋じゃないですか。これは特にいまこれが問題になって、論議になって、農民の要求でもあるということであれば、それにこたえていくということは当然な話であって、それをやらないための道具立てを何か探し回っているなんということは、少なくとも農林省としてはとるべき態度ではないと思いますけれども、いかがですか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 世界の例なりあるいは他の食品等の例を申し上げましたのは、これはいわば傍証的に申し上げておるわけでございまして、似たような事情があって、それらのものについても、あるいはそれらの他の国においても行われていないということを申し上げるために例として出しておるわけでございまして、先ほど申し上げましたような技術革新の誘因を少なくしないとか、支障にならないようにするとか、あるいは需給変動に基づきます原料の配合率がしょっちゅう変わるということに伴いまして適確迅速に対応できないというようなこと等、繰り返して恐縮でございますが、それらの事情を総合判断をいたしまして、現在、先ほど来申し上げているような考え方に立っておるわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 総合判断という名前のもとに、たとえば主要なものについては配合割合を明らかにしてもいいようなことを、全部はできないけれどもなんという言い方でにおわせながら、中身は結局何にもなかったり、政府は、総合判断という名前の名前のもとに実際は企業の利益を守るのに必死であったりしている。  あなたの方の総合判断はわかりましたけれども、そこで、これは私の判定ですが、いまのようなことを私が総合判定いたしますと、メーカーのもうけのためにやっていることには腐心して評価して、需給事情などの問題で行政責任をたなに上げて、表示しないためにあらゆる知恵をしぼり、農民の意欲を押しつぶすために最大限の努力をしている。これは酷評に当たりますか、どうですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 いまおっしゃったことは全く逆でございまして、私たちは、畜産の振興、農家の経営の安定のために飼料の輸入についても安定化を図っていく。その場合において、先ほどから、飼料の需給が不安定であるのが政府の責任であるようなお話しもございましたけれども、飼料穀物は主として外国でつくっておる。これを日本は輸入するわけでありまして、外国の飼料の生産、需給というものが現在不安定であるという現実は率直にとらえて、その上に立った輸入の安定を図っていくということはわれわれのなすべき当然のことじゃないかというふうに考えておるわけであります。わが国として飼料穀物を自給できるような体制にあるならば、これは政府の責任において安定確保ができるわけでありますが、外国から輸入するわけでありますから、外国が不安定であるという中にあって安定供給の道を開いていくということが政府のこれからの責任である、こういうふうに私は思うわけでございます。  また、飼料の配分率を明確にしろというふうなことにつきましても、これは見解の相違というふうなことにもなってくるわけでありますが、栄養価値を適正に表示することによって飼育管理上対応できるというふうにも私たちとしては思うわけでありますし、同時に、また、メーカーの利潤追求ということのみに政府が密着をしているというふうな話でありますが、現在のメーカーの自由な競争の中にあってよりよい飼料が農家に安定的に供給されていくということが現在の姿としては適正である、と、こういうふうにも私たちは判断をいたしておるわけでございます。  そういう考え方から今日の改正案を提案いたしたわけでございまして、あくまでも、畜産農家の振興と同時に安全性の確保ということがこの法律の改正によって大きく前進をするというふうに思うわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 あなた方はあれこれの理由をいろいろ挙げましたけれども、それがいかに道理のないものであるか、それがいかにその場つなぎの便宜主義的なものであるかということですね。これは私は証拠を持っておる。なぜかといいますと、この前、私は質問するに当たりまして、前々からあなたの方のお役人さんに来ていただきまして、なぜ配合割合を明示できないのかということを率直にお聞きしたら、第一の理由に挙げたのは、一たん配合されてトウモロコシもマイロも皆まぜられてしまうと、どんなことをしても検査ができないのだということで、そのことで半日論議をし、やりとりをしても、先生、もうそれが主な原因でございますよと大力説をしている。ところが、きょうあなた方の答弁を聞いても、この前の五月七日のあれを聞いても、そこはすぽっと抜けているんだな。内輪話を話すのは悪いけれども、そのときは私に大分反駁されたのです。それで、ああ、これはだめだ、この理由だと太刀打ちはできないなということですぽっとはずしたものと思うけれども、それは言い過ぎだ、見過ぎだ。これは当然私もそう思いますが、何かほかに、この期間中に、検査についてはこれが大前提の理由じゃない、割合表示をできない理由でないという客観的な事情の変化が起こったのですか。これをお聞きします。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 私どもの方の担当が御説明に上がりました際にどのようなことを申し上げたか、私は立ち会っておりませんので詳しくは存じませんけれども、配合割合自体を把握し、確認する方法といたしましては、これは厳密にやりますれば、恐らく実際に分析するのに相当な時間と手間がかかるわけでございまして、TDN、DCPの成分についての規格に適合するかどうかという判断をします場合も、本来ならば一頭一頭家畜を飼ってみて、どれだけ吸収をし、消化をし、どれだけ排せつしたかというようなことを見なければわからないはずでございますが、そこまではとてもやり切りませんので、実際には配合飼料の製造の各ロットごとに、原料の使用状況を帳簿によって調べて確認をするというような方法によることにいたしておるわけでございます。  そのようなこともい配合割合についても、もちろん便法でございますが、やればできないわけではないわけでございますが、先ほど申し上げましたような理由によりまして、われわれといたしましてはすべての配合割合について書くということは適当ではないということで——すべてという点で御批判があるわけでございますが、冒頭で申しましたように、安全性につきましては、配合率といいますか、あるいは添加量といいますか成分量といいますか、そういうものを原料につきまして書くようにいたしております。たとえば落花生油かすなり、尿素なり、ダイブというようなものにつきましては、配合飼料にどの程度の配合率で加えたかというようなことを表示するように義務づけることにいたしております。また、添加物につきましても、その中の成分量というものを明記させるというようにいたしております。  そういうことで、いままでより全く前進がないということではないという点を御了承いただきたいと思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 だれも前進がないということを言っているんじゃないですよ。この点は冒頭に私も一定の評価をしているのですよ。ただ、配合割合という一番大事な問題が抜けているということでいま論議しているのですからね。また、あなたは私の聞いたことにとんでもないことばかり答えて、聞いたことに何にも答えていないじゃないですか。しかも重要なことは、担当の者が先生の部屋に行って何を言ったかわかりませんなどと言う。こんな無責任な局長がありますか。法案について、なぜ配合割合を表示できないか、その理由を聞いたときに、来た担当の人は課長ですよ。それが何を言ったかわからないなんということで、あなたはそれで勤まりますか。農林省の中はそういう体制になっておるのですか。法案のことで勝手なことを言わせて、あなたは何にも責任を負わないという立場ですか。  そのことについて、どういう客観的な事情の中であの検査の問題がすぽっと理由から抜けたのか。検査ができないということが配合割合は表示できないということの理由として最大のものであったのに、すぽっと抜けたということに対して、それでは説明にならないでしょう。もう一回御答弁ください。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 配合割合につきまして分析をして確認をするということは、非常に時間と手間をかければ不可能ではございませんけれども、実際問題といたしまして、行政上そのような方法によることはできませんので、したがいまして、分析することによりまして確認をするということは行政上実際問題としては不可能である、と、こういうことを申し上げたのではないかと思います。  先ほどお答えしましたのは、帳簿上、原料の使用割合によってある程度配合割合を確認する方法もあるということはございますけれども、個々の収去いたしました配合飼料につきまして原料割合を完全に把握するためには、先ほども申しましたように相当の時間と経費を要するということでございますので、実際問題として採用がむずかしいということでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 つまり、そんな理屈づけのためにあれこれ考えて、頭をしぼって、あ、これが最大の理屈だ、これがいいな、ということになる。ところが、これをやられると、今度は別の理由で出してくる。こういう姿勢が畜産行政に責任を持つ者の口から出てくるということを私は非常に残念に思うわけでありますが、あなたといろいろ論議しても、すれ違いどころかとんちんかんになってくるので、私はもう自分が悲しくなるんですよ。  そこで、時間の都合もありますから、大蔵省の関税局の方が来ていらっしゃると思いますのでお伺いしますが、トウモロコシやふすまなどの免税品であります。これはメーカーへ行くわけでありますが、目的以外の用途へ横流れしないために当然しかるべきチェックをいろいろやっていると思うのですが、概略、どのようなかっこうでやっているか、大変恐縮でございますが、簡単に要を得たお知らせをいただきたいと思います。

松本克也大蔵省関税局輸出課長

○松本説明員 お答えいたします。  製造工場から製造終了届が出てまいりますと、税関におきましては、製造工場を承認するときに届け出られました製造仕様によって製造がなされているかどうか、これをチェックいたします。そして、必要に応じまして年に一回以上製造工場の方へ出向きましで、原料品、それから製品の在庫量の適否、原料品の仕掛り品の確認、それから不正な引き取りの有無、記帳内容の正否といったようなものを確認いたしまして、目的外に使用されることを防止いたしておるわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 そうすると、お伺いしますが、大蔵省の方では、免税になる原材料のほかに、それと一緒にまぜ合わせて物をつくるわけでしょうから、全部の配合割合を把握なさっていらっしゃるのかどうか。それから、配合割合を変更したときには、届け出を受けてその実態も把握していらっしゃるのかどうかですね。およそその二つが私のお聞きしたい主なことでありますが、ついででありますからもう一つお伺いするとしますと、そういう免税品を原料にして物をつくるわけですね。そうすると、その製品としてつくられたものが果たしてそれに見合う価格であるかどうかということはチェックしているのかどうかですね。もしチェックしているとするならば、これを担当しているのはどこなのか、そういう点もあわせてお知らせいただければありがたいと思います。

松本克也大蔵省関税局輸出課長

○松本説明員 製品の配合につきましては、製造工場を承認いたしますときに添付資料として提出されてまいります。そして、これが製造途中で仕様が変わるという場合には、その届け出を受けまして、先ほど申しました検査の際に確認をいたしてございます。  それから、価格につきましては、実は、私どもの方では、要するに減免税の目的が達せられておるかどうかということを主眼にチェックいたしておりますので、その製品の価格が適正であるかどうかということはチェックいたしておりません。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 もう一度ちょっと伺いますが、そうすると、配合割合は絶えずつかんでいらっしゃるということですね。

松本克也大蔵省関税局輸出課長

○松本説明員 はい。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 では、農林大臣にお伺いします。  主な飼料原料は免税品である。これは非常に安い値段でメーカーの手に払い下げられるわけでありますが、それが果たしてそれに見合う価格として構成されているのかどうかということは、これは国の責任において明らかにすべきものだと私は思うのですね。免税品を扱って、そのやり方が何もわからないというようなことを許すことができるものかどうか。しかし、それに対するチェックを大蔵省もやっておらないとするならば、特にこれはえさとして製品に添加するわけでありますから、こういうことでいいものでありましょうか、お聞きしたいと思います。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 ただいま大蔵省の方から、配合割合について全部報告を求めて把握しているというお答えがございましたけれども、これは私どもも十分理解しにくい面もあるのです。といいますのは、工場全体での配合飼料、これはいろいろな銘柄のものをつくるわけでございますが、全体でのトウモロコシならトウモロコシの配合率がどの程度であるかという点をお調べになっているのではないかと思うわけですが、各銘柄ごとの配合飼料について、あらゆる原料の配合率まですべてお調べになっているかどうか、私どもはちょっとその辺がわかりませんので、ただいまの御質問の点はお答えいたしかねるわけであります。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 大臣にお聞きしますが、畜産局長は、国の免税品を扱ってえさとしてつくられた品物が果たして免税品に値するような価格で売られているかどうかということについては全くわからないと言うわけです。そこで、このようなあり方が許されて横行しているわけでありますが、免税品でありますから、これは国の責任でそこまでチェックすべきであると思うのですけれども、どうでしょうか。大臣の御答弁を願います。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 ただいまの価格の問題につきましては、御承知のように四半期ごとに価格を決めておるわけでございますが、これにつきましては、現在、各製造業者から原料の使用割合あるいは原料の入手の価格等につきまして詳細なデータを求めまして、配合飼料の価格につきまして、原料あるいは製造経費等につきまして大きな変動がございました場合には配合飼料の価格を改定するというような行政指導をいたしております。  その際、われわれとしては、無税で入りましたトウモロコシにつきましては、当然無税で工場側が入手をしておる、原料を買っておるという前提で査定をして価格指導をしておるわけでございます。その意味におきましては、免税の効果は、価格に対します行政指導を通じまして最終的には農家まで及ぶように配慮しながらやっておるわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 そうすると、いまの御答弁で明らかになったことは、農林省は全部の配合割合を絶えずつかんでいるということが一つですね。もう一つは、その製品の価格がどうであるかということについても絶えず十分つかんでいるということですね。そこで、それはどこの課のだれが担当してそういうことになっているのですか。その点を明らかにしてください。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 工場ごとに報告をとっております。したがいまして、銘柄別ではございませんけれども、その工場におきまして原材料をどのような割合において使用したかということが把握できるわけでございます。ただ、御承知のように、各工場ごとに畜種別あるいは生育段階別に各種の多数の銘柄の配合飼料を製造しておりますので、われわれとしては個々の銘柄ごとの配合割合までは報告をとっておりません。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 後の方の答えはなかったじゃないですか。後段の価格の方は私の言ったようなかっこうでは調べておらないということはわかりましたけれども、免税品でありますから、何らかのかっこうで価格の問題も適正に評価してやっておるのだから、その評価の基準だとか、そういうものはたくさんあると思うのです。それを何課の何という係が担当しているのか、それをお知らせいただきたいということを言っているわけです。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 畜産局流通飼料課の需給班というところで資料提出を求めまして把握をし、それに基づきます価格指導をいたしております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 税関は全部つかんでいる、皆さんの方もつかんでいるにはつかんでいるけれども、非常に不十分なつかみ方をしている、と、こういうことですね。農林省は少なくとも税関でつかんでいるぐらいのことは当然つかまなければいけないと思うし、つかんでいることは事実でありますから、配合割合を表示してくれという農民の要求があるのに対して、いまのお話しをずっと積み重ねてみますと、表示できないのじゃなくて、表示させないようにあなた方は努力していらっしゃるということが一応明らかになったわけでありますが、この点で時間をつぶしてもいけませんから、次に進みます。  簡単にやりますけれども、TDN、DCP等いろいろなものがありますね。今度はこれを出すことにしたから一歩前進じゃないかということで——しかし、これだってよく考えてみますと、前前から行政指導で皆さんはやらしているわけですね。今度法改正でこれを規則づけたからこれは前進だと言ったって、そういう意味では何も前進ではなくて、ただ法律にしたというだけの話です。それはともかくとして、可消化養分総量だとか、可消化粗たん白質だとか、この成分量の算出の仕方の基礎になるものは配合割合だと思うのですけれども、それがなくてどうしてこういう養分総量なんか出すことができるのですか。あなた方は十分につかんでいないと言いながら、可消化養分総量はちゃんと出せますよ、可消化粗たん白質はちゃんと出せますよと——しかし、私が見たところでは、この可消化養分総量だとか可消化粗たん白質を出すためには配合割合がなければ出ないのですよ。そうでしょう。その点をはっきりしてください。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 まず、お答えする前に、TDN、DCPについては行政指導で現在表示をさせておるというお話しでございましたけれども、実は、私の方はそこまで行政指導でも現在はやっておりません。今度法律によりましてそういうようなことを義務づけたいというふうに考えております。これは一部のメーカーがメーカーごとに自主的にやっているというのが現状でございます。  では、TDN、DCPの配合割合をどのようにして確認をするのかというお尋ねでございますが、これは先ほどもちょっとお答えしましたように、厳密には各飼料ごとに家畜の飼養試験を実施して行わなければ、可消化養分総量とか可消化粗たん白質というものの確認はむずかしいわけでございますが、非常に手間暇がかかるということと、まあ経費もかかるわけでございまして、迅速には対応することが非常に困難であるということで、補助的な手段でございますけれども、対象企業の帳簿の検査によりまして製造ロットごとの配合割合を把握いたしまして、それを基礎としてTDN、DCPを把握するというようにしたいと考えております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 ですから、私が申し上げるのは、TDN、DCPを出すためには配合割合をつかまないと出ないでしょうということを言っているのですが、この点はどうですか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 そのとおりでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 つまり、先ほど来何回も繰り返して言っているわけでありますが、配合割合をつかまないで可消化養分総量がこうだとか何がこうだと言ったって、これはごまかしにすぎないわけです。問題は、配合割合をあなた方が基礎としてつかんでいながらこれを絶対出さないということです。そこに今日の問題があるわけであります。これは全く道理がないのだ。私は重ねて配合割合の表示を要求し、また、今度の修正案でもわが党もそれを出すつもりでおるわけであります。  時間も参ったようでありますので、最後に一つお聞きしたいことは、現にえさの方が原因ではないかと疑われ、しかもそれ以外に考えられないという問題がたくさん農家の間に起こっているわけですが、そういう場合に農民は一体どこへその検査などを頼めばいいのかわからない。こういうことも実際あるわけであります。メーカーに持っていきますと、おら方ではそんないいかげんなことは絶対していないのだということでぱんとけられてしまいますね。また、都道府県が、これらの被害者農民を立入検査だけでなくて現に使う場で起きている問題を十分に受け入れていくという体制にあるのかといえば、それもまた非常に疑問なわけですね。したがって、農家はどこに行けばいいのかという、問題の宣伝だとか問題の方向、道筋はどうなっているのか、十分行われているのかどうか、この点をひとつ聞きたいわけであります。現在では、立入検査の結果の公表さえも農民に十分伝わるようにはなっていないわけでありますが、この点を改善するのかどうかということです。  その次の問題としては、まとめてお話ししますが、検査の結果えさに問題があることが判明した場合、メーカーにどんな措置をとらせるのかということですね。この点もはっきりしていただきたいと思うのです。  さらに、その次は、こんな問題が現に各地で起こっているのに、法的に被害者救済の措置をはっきりさせないで、ただ、おまえたち持ってくれば検査してやるなんていうような受け身の姿勢では、これまで農民を足げにしてきたわけでありますが、これはもっともっと救いがたい状態のものだと思うのですね。したがって、法律の上でもこの被害者救済の項を明示する必要があるのじゃないかということを私は考えるわけであります。  あわせて、最後の最後に私がお聞きしたいのは、いま国には農薬の法律もあれば、肥料だとか農機具のいろいろなものがあるわけですが、できれば、被害者救済というかっこうで一本に法律化してまとめてやるようなことがあればもっといいのじゃないかというふうに私は考えますが、いま挙げた以上の諸点について、被害者救済の問題について、ひとつまとめて御回答いただきたいと思います。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 えさの品質上の問題で事故が出たような場合、あるいは疑わしい場合、どこに持っていって調べてもらったらいいかという点でございますが、これは国には肥飼料検査所があり、県には家畜保健衛生所と肥飼料検査所があり、名前はいろいろございますけれども、それらの機関が大体ございますので、それらに持ってきていただければ検査をし、結果に基づきまして必要な措置をとるというようなことをやることができるわけでございます。しかし、現在それが非常に広範に行われているということではございません。特定の県におきましてはそのようなことを積極的に実施をしておる県もございますが、われわれといたしましても、今後の問題といたしまして、前向きにそのようなことが迅速に十分になし得るように考えてまいりたいというふうに思います。  それから、被害者の救済制度の問題でございますが、これは飼料等の使用が原因となりまして家畜等に事故が生じて経済的な被害を及ぼすというような場合、他の類似物資と同じように、当事者間の問題として、民法の一般原則に基づきまして処理するというのが現状でございます。  なお、民法の一般原則によりますと過失責任が原則になっておりますけれども、現在、無過失責任を制度化しているものといたしましては、御承知のように公害にかかわる無過失責任の規定が大気汚染防止法だとか水質汚濁防止法にございます。これは人の生命、身体を害した場合に限定をして適用されておりますので、えさの場合、直ちにこれを適用するというのは問題があるというふうに考えます。  また、食品だとか医薬品等の各種の物資による消費者被害の救済のあり方につきましては、御承知かと思いますけれども、現在、国民生活審議会の消費者保護部会で、学識経験者を中心に調査検討が行われておるというように承知しております。  したがって、これらの飼料と類似した物資に対する被害救済の制度の今後の推移も十分慎重に見きわめながら、今後農家の経済的な被害の救済について遺憾のないようにしていきたいというふうに考えております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 これできょうの私の前段の質問を終わり、あすは津川さんがやるわけでありますが、きょうのやりとりの中でも明らかになりましたように、いま、農民としては、技術的面から言っても、配合割合を明示せよということは、もう切実な欠くべからざる基本的な条件になっているわけです。農民の経営意欲を発展させることこそが畜産発展の基本だとする農林大臣が、そう言いながら、一方ではそれをずっと阻害して目をつぶらせ、工夫する余地を与えないような方向に持っていこうとする。あれこれきょうの検討の結果を見ますと、それらが帰するところ、企業のそういう経営意欲の方に農家の畜産経営発展の意欲よりも非常に重きを置いているというところに何といっても帰着せざるを得ないと私は思うのです。  この問題については後々また追及し論議していくことになるだろうと思いますが、この点に対して深く遺憾として、私の質問を終わらせていただくわけであります。

澁谷直藏自由民主党

○澁谷委員長 この際、午後二時二十分再開することとし、暫時休憩いたします。     午後一時二十七分休憩      ————◇—————     午後二時二十六分開議

澁谷直藏自由民主党

○澁谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。瀬野栄次郎君。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する法律案について、農林大臣並びに農林省、厚生省当局に質問いたします。  現行の飼料の品質改善に関する法律は昭和二十八年の第十五回国会において成立したものであるが、現行法に基づく飼料取り締まり行政は、家畜等に対する飼料の栄養効果の確保という観点からの品質問題に重点が置かれ、飼料の安全性の確保の面はもっぱら行政指導に基づき実施されてきたわけであります。  今回の改正は、飼料の安全性確保の見地から、題名を飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律と改め、目的規定を整備し、飼料をめぐる諸情勢に対応しようとしておるわけでありますが、一つには、食品衛生法の法律体系をほとんど踏襲しているということと、二つには、法としては一応りっぱそうに見えることが書いてあるけれども、この法によってやるとは言っておるものの、精神面が主体であって、中身が問題である。その実効は、運用いかんが重大な問題となることは言うまでもないわけであります。  そこで、本法審議に当たりまして、国民の生命と健康を守る上から数多い困難な諸問題があるので、逐次質問の上で政府の見解をただし、その結果、政府の答弁いかんにより、本法の大幅修正あるいは廃案などを検討していく考えでありますが、ともあれ、本法提案に当たっての決意と見通しについて、まず最初に、冒頭に農林大臣にお伺いをいたしたいのであります。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 現行の飼料の品質改善に関する法律は、急速な発展を遂げたわが国の畜産農家の飼料の品質の改善に対する多様な要望にこたえるとともに、畜産物を介しての人間の健康に対する安全性を確保するという観点からの規制について不十分な面があるわけでございまして、特に安全性に関する諸規定につきましては、現行法は全くと言っていいほど対応していないという状況にあるわけでございますので、本法の改正は、こういう点に関して関係方面から強く要望されたわけでございます。  そこで、今回、さきに御提案申し上げましたとおり、本法の改正案を提案いたしまして御審議をいただくことになったわけであります。  改正後は、法に基づく基準、規格の設定、有害な物質を含む飼料の規制、表示の実施等につきまして、速やかにその実施のための体制を整備するとともに、これに関連するところの検査体制の整備もまた図ってまいり、広く国民の期待に沿うようにこれから最大の努力をしていきたい、と、こういうふうに考えておるわけであります。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 さらに農林省当局にお尋ねしますけれども、本法には政令事項が六つ、省令事項がたしか十九ほどあるように聞いておりますが、先般審議しました農振法の場合とほぼ同じく、かなりの政令、省令事項があります。     〔委員長退席、藤本委員長代理着席〕  この政令、省令等の中身をずっと検討していかなければなりませんが、政令、省令に規定する事項で主なものは大体どういうものであるか、当局から述べていただきたいと思うのです。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 本法の施行に際しまして、多分に技術的、専門的な事項がございますので、それらにつきましては農業資材審議会等の意見を聞くような手続も経て政令、省令等によって定めることにいたしておりますが、主要な政令事項、省令事項について申し上げますと、政令事項につきましては、まず、本法の適用の対象となります動物の種類、これは二条の一項関係でございますが、これを政令で定めることになっております。  それから、二条の四で、「検定及び表示」で、特別に安全性を確保するために必要なものを特定飼料として指定をいたしまして、事前に検定を受けさせることにいたしておりますが、それの特定飼料を政令で指定することといたしております。  それから、二条の八で飼料製造管理者を設置をすることになっておりますけれども、それの飼料製造管理者を設置する必要のある飼料について、政令で指定をすることになっております。  さらに、第八条でございますが、「表示の基準」の規定がございますが、その中で、表示の適正化を図る必要があるものとして政令で定めるものについて、表示の基準となるべき事項を定めることになっておりますが、その政令で飼料を定めることになっております。  その他若干ございますが、主要なものとしては、政令事項は以上でございます。  さらに、省令事項につきましては、主要なものだけ申し上げますと、二条の三項で飼料の添加物を、省令で定める用途に供することを目的として添加、混和、浸潤その他の方法により用いられるものを農林大臣が指定するということでございますので、その省令で用途を指定することにいたしております。  さらに、二条の二の第一項におきまして、農林省令で基準、規格を定めることになっております。  それから、さらに、二条の三の第一号で、基準に合わない方法によって飼料または飼料添加物を販売の用に供するために製造、保存または使用することを禁止をしておりますけれども、その販売の概念の中に、農林省令で定める授与を含むことになっております。具体的に、授与の中で特に農林省が定めたものは販売とみなされるという規定がございます。  それから、その他手続的な規定がかなり多数省令に譲られております。手続だけではございませんが、十八項目ばかり省令規定がございますが、長くなりますので、特に重要な省令事項を御説明しますと以上のようでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 いま局長から概略の答弁がございましたが、政令事項が六つ、省令事項が十九もあるわけでありますが、本法は政令、省令にゆだねる事項の中に大変重要なものが入っておるわけです。それらの問題全部を限られた時間に聞くことは大変でありますけれども、それらを踏まえて逐次政府の見解をただしてまいりたいと思います。  そこで、いま局長から答弁があった中で逐次引用して質問してまいりますが、法律の対象となる家畜等の範囲というものが法第二条第一項において定められておりますけれども、「「家畜等」とは、家畜、家きんその他の動物で政令で定めるものをいう。」ということになっておりますけれども、「その他の動物」というのはどういうものを考えておられるか。その予定しておられる種類を明らかにしていただきたい。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 本法の対象となります家畜を政令で指定することになっております。これは、今回、安全性の確保という観点からかなりきつい規制を加えることになりますので、対象となる動物の範囲も政令によってはっきり確定をしておくというような考え方でそのような規定が設けられているわけでございます。具体的には、規制の必要性とかあるいは法益との関係から決めてまいるわけでございますが、基本的には食用に供します畜産物の生産を目的とする経済動物という考え方が基本になると思います。現在、現行法でも対象とされておりますような牛、豚、鶏、それからさらにウズラ、ミツバチといったようなものを予定いたしております。  さらに問題となりますのは、現行法では対象として規制を加えられておりません水産動植物の中で、養殖魚類につきましては人工の飼料が給与されておりますので、安全性の問題あるいは栄養成分の確保の問題等の観点からの規制をこの際新たに加える必要があるということで、養殖魚類を対象にすることを検討いたしております。  以上が原則でございますが、そのほかに最近養蚕に対しましても、蚕に対して、人工餌料といいますか、飼料といいますか、これらを与えるという研究が行われておりまして、一部実験段階に入っておりまして、将来普及の段階に入りますれば、それらも、いますぐではございませんけれども、普及の段階に入った時点において対象に加えるかどうかを検討したいというように考えております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 養魚用の飼料に対しても今回規制対象とするということでありますが、これはもう当然のことだと思います。  現在、現地からの報告によりますと、養鰻業に対しても最近AF2が使用されているということが言われておりまして、大変私たちも心配をいたしております。ウナギも安心して食べられないということになりかねないということで、私たちもいま調査を進めておりますが、こういうことも農林大臣も十分承知しておられるかどうかわかりませんが、国民の健康保持上からも政令事項ないしは省令事項の中に十分踏まえて対策すべきであると私は思うわけです。  そこで、飼料品質改善制度研究会が検討経過の中でいろいろ指摘したところの愛玩動物とか実験動物に対する飼料については、今回本法の規制対象に加わっていないようでありますが、この点については、どういう理由からそうなっているのか、お答えいただきたい。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 改正法案によりますれば、政令指定によりまして規制の対象に加えることは法律上可能な余地は残しておりますけれども、私どもの現在の考え方といたしましては、愛玩動物あるいは実験動物等につきまして、今回改正法で考えておりますような各種のかなり強い規制措置を加える対象に入れていくということについてはなお検討すべき点があるということで、すぐ直ちに対象にすることは考えておりません。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 次に、法第二条の二に基づいて、飼料の使用に伴う安全性の確保問題でお尋ねしてまいりますが、農林大臣は省令で製造、使用の方法等の基準及び成分規格の設定を行うということにしておられますけれども、本法提案に当たりまして、いかなる飼料を対象にするか、まず、その点をお答えいただきたい。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 考え方といたしましては、安全性という観点から特に基準なり規格なりを定めなければいけないものとして考えられますものは、その特性あるいは成分から見まして安全性の確保上問題となるおそれのあるような飼料であるということ、それから汚染の頻度が比較的多いと想定されるような飼料ということになるわけでございますが、そのような抽象的な考え方は別といたしまして、それを具体的に適用する場合に何を予定しているかという点につきまして、現段階として考えておりますのは、落花生油かすについては成分規格、アフラトキシンの含有量、含有限度を成分規格として定める、使用基準については用途別に使用限度を使用基準の中に書く、それからさらに表示の基準は用途等について定めたい、というように考えております。  次に、尿素、ダイブについての成分規格は、窒素含有量等を成分規格で定めたい、それから表示の基準は、窒素含有量を表示させたり、あるいは用途を表示させる、こういうようなことを考えております。  魚粉につきましては、成分規格は、PCBの含有限度を成分規格として定めたいというふうに考えております。  それから配合飼料についての成分規格、それから製造基準、これは成分規格といたしましてはPCBの含有限度を、配合飼料の中での含有限度を定める。それから製造基準といたしましては落花生油かすなり、尿素なり、ダイブなりの用途別の配合限度、飼料添加物を用いる場合の適応量等を製造基準として決めたいというふうに考えております。  さらに、配合飼料につきまして、使用基準といたしましては、食用に転化する五日前の家畜等に対する抗菌性製剤添加飼料の使用禁止等を使用基準として定めたいと思っております。  さらに、配合飼料の表示基準といたしましては、配合飼料の用途と、それから落花生油かすなり、尿素なり、ダイブなりを配合したものはその旨、それの配合率、飼料添加物を用いた物はその名称、添加量、使用上の注意等を表示基準として定めたいというように考えております。  さらに、次に、飼料添加物については成分規格、これは添加物の有効成分量なり重金属等の不純物の含有限度を成分規格として定めたい、製造基準といたしましては、使用いたします菌株等を製造基準で定めたい、というふうに考えております。  保存基準につきましては、抗生物質等につきまして、遮光した密閉容器に入れることというような保存基準を定めたいというふうに考えております。  さらに、最後に、飼料添加物の表示基準といたしましては、有効性分量なり有効期間、適応用量、使用上の注意等について定めたいというように現段階では考えております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 特に、最近、使用方法等が原因して事故を起こしましたところのダイブ等の化学的合成飼料を初め、PCB、アフラトキシン等は本条項にどのように取り扱われるかということについては、どう検討されましたか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 御指摘のございました落花生油かすにつきましては、成分規格といたしまして、これは現在まだ検討中でございますが、現段階の考えとして申し上げますと、アフラトキシンの含有量は一PPM以下であるというような規格を定めたいというふうに考えております。  それから、さらに、使用基準につきましては先ほどもちょっと申し上げましたけれども、落花生油かすの用途別の使用量、表示基準といたしまして、用途と、それから使用上の注意といったようなことを表示をさせるようにしたいと考えております。  それから、ダイブは尿素の一種でございますので、尿素全体といたしまして、窒素含有量と水分を成分規格として定める。  それから表示基準といたしまして、ただいま申しました窒素含有量と水分の成分規格を表示させ、それから用途についても表示をさせる。  それから使用上の注意といたしまして、たとえばダイブ等につきましては、ダイブを給与する場合には一気に飼料を全面的に切りかえないように、漸次段階的に切りかえていくとかいうような使用上の注意事項を表示させるように表示基準を定めたいというふうに考えております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 この際さらにお聞きしておきますけれども、第二条の二で、その所期の目的を達成するために農家段階の使用基準を設けるというふうにしてありますけれども、抗生物質等は五日前には使用してならないというふうにせっかく基準、規格をつくってみても、現在、実際に農家の方の調査をしてみますとそういった飼料は来てもおらぬし、また、そういう表示の飼料をわれわれはいままで見たことがないという農家がかなりある。こういったことから私は大変危惧をするわけですが、農家段階におけるこういう基準を守らせるためにどのような指導方法を考えておるかということを、私はこの際あわせてお尋ねをしておくわけです。  御承知のように、農家を見ましても、全国的に広い範囲で、いわゆる日本の長い列島の中で農家数も多いわけですから、実際に罰則があったといっても一々これを見ておるわけにはまいりません。第二条の三及び第二条の六に違反しても、また、農家が使ったといっても、二十七条の罰則で、「三年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」ということになっておりますけれども、こういう罰則もさることながら、実際にこれを見て五日前に抗生物質の入ったものを使ってはならぬと言ったって、これはなかなかむずかしいと思う。  そこで、具体的にどういうふうに農林省はこういうことを検討して本法を提案されておるか。事前に十分啓蒙したり指導したりするということも当然であろうけれども、こういうことが実に不安でならない。そういう点、われわれが納得するような明快な検討をされてきたのか、その点もあわせてお答えをいただきたい。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 安全性を確保するためには、製造なり保存基準あるいは成分規格等だけではなくして、使用につきましても適正な使用基準を定めて、これを畜産農家に守っていただくということが基本的前提になるわけでございます。その意味から、種々の規制措置を、義務を課して、それを担保するために罰則の適用まで考えておるわけでございます。  しかし、御指摘のように、多数の農家が全部使用基準を守っていただけるかどうかという点についてはむずかしい面が率直に申し上げて確かにあると思います。私どもといたしましては、法が施行される前に、あるいは施行されて後も、都道府県を通じまして法の趣旨なり内容を、特に使用基準のところを重点として十分に説明をするとか、あるいはこれらの農家に常時接して指導の立場にある農業改良普及員なり、家畜保健衛生所の職員なり、あるいは農協の職員というような方々に指導のできるように講習をするとか、あるいは農家にわかりやすいパンフレットを配付するとか、あるいはまた製造業者に対しましては、わかりやすい使用の基準なり使用の方法につきましての表示をさせたり、あるいは解説書というか、文書を配るというようなことをできるだけやってもらうように指導をしていきたいと思います。  なかなか全農家に目が届かないではないかという御心配は私どももわかるわけでございますが、といいましても、使用基準を定めずに、使用基準に基づきます使用を義務づけるということをやめるわけにもまいりませんので、ただいま言いましたような各種の手段、方法を講じまして、できるだけ農家の方に遵守してもらうように努めたいと思っております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 農林大臣、いま局長から答弁がありましたが、いまからいろいろ具体的な例を厚生省、農林省に聞いてまいりますが、大臣からもまたいろいろ途中でお考えをお聞きすることになりますので、どうかひとつ十分に聞き取りていただきたいと思うのです。  いまも局長が言っておりますように、時間の制限があるので詳しくそれをとことんまで申し上げることもどうかと思いますけれども、この法案には大変たくさんの問題があるわけです。初めての方はいろいろとわからぬ点もあるかと思いますけれども、私たちも農林水産関係の守備分野にあって、何とかこういう法案を通してまた一歩前進させたいという気持ちには変わりはないわけですけれども、実は、この法案を検討すればするほどいろいろと安全性という問題が出てくる。  いま、国民のうちで、十人赤ちゃんが生まれますと、そのうちの六人ないし七人は、体が弱い虚弱児または奇形みたいな赤ちゃんが何らかの形で生まれるということも言われたりして、ある学者なんかは、五年間で飢えて死ぬか、それとも二十年生き延びて胃がんになって死ぬか、どちらを選ぶかという、こういう極端なことを言っておる学者もおるくらい、いわゆる文化病といいますか、こういう抗生物質等で大変問題になっています。最近の子供の体を検査しても抗生物質が相当残留している。それは結局、飼料の中にいろいろなこういったものが入っているからで、高く売るために、農民はわからないのにいろいろな抗生物質等が入っておる。それを家畜が食べて、それがめぐりめぐって人体に残留するということで、最近注射がなかなか効かないというようなことで問題になっているのも事実であります。     〔藤本委員長代理退席、委員長着席〕  そういったことから、農家もこれは守らにやならぬが、何といっても一番の基準は国民の健康、子孫の繁栄だということを考えたときに、本法審議に当たっては十分検討していかねばならぬ問題があるわけです。そういったことをないがしろにして通すというわけにいかないので、私はるる逐条的に指摘をしておるわけです。そういう意味で、何も農林省をとっちめてやろうという意味で私は指摘をするわけではございませんから、その点は大臣も十分謙虚にお聞きいただいて、国民の衛生、健康という問題から十分に対処してもらわなければならぬ。大臣も在任中にこういった法案を通して将来に禍根を残すというようになったのでは大変と思うがゆえに、私はかねがね勉強したことをいまからるる具体的に指摘をしてまいりますから、その点十分にお聞き取りいただきたいと思うのです。  そこで、厚生省に若干ここでお尋ねしておきますけれども、改正法の第二章に「飼料の製造等に関する規制」が規定されております。「基準及び規格」が法定されておるわけですが、第二条の二から第二条の八までが安全性ということで本法は規定がなされておることは御承知のとおりでございます。食品衛生法は基準、規格を当然定めておられるわけですが、まずお尋ねしたいことは、食肉の成分規格をいつつくる予定か。私が聞くところによると、全作業が終わるのがかなり先のことのようでございます。三年以上かかるということも言われるし、または五、六年もかかる、あるいはもっとそれ以上だというような話もありますけれども、どういうふうに作業を進めておられるか、その点をまず明らかにしてください。

岡部祥治厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○岡部説明員 食肉等の規格基準の問題でございますが、先生御承知のとおり、こういう動物性食品にはいろいろと自然に由来するものもございますし、あるいは汚染物質に由来するものもございます。したがいまして、その都度いろいろな問題を検討いたしまして、必要に応じてこの規格基準を設定してまいる予定にしております。たとえば先般いろいろ問題になりましたPCB等につきましては、暫定的ではございますが、すでにこれらの食肉その他につきまして基準を設定しておるところでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 厚生省、それで食肉の成分規格はいつごろ作業が終わるのかということですが、見当はつきませんか。

岡部祥治厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○岡部説明員 成分規格といいましても、いろいろな要素が含まれておると思います。先ほど御指摘になりましたところの、たとえば従前から問題になっております抗生物質につきましては、すでに食品中には含まれてはならないという規定をつくっております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 農薬とか重金属、PCB、すべての有害物質についての成分規格を厚生省としては食肉に設定するということを考えておられるか。これに対してはどういう御見解ですか。

岡部祥治厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○岡部説明員 たとえば先生の御指摘の農薬でございますが、農薬等も現在農薬取締法におきまして非常に分解性の速いものになっておりまして、ほとんど動物性食品には含有していないわけでございます。また、残留性の高いと言われておりました有機塩素系の農薬等につきましてもすでに使用を禁止しておりまして、これらの問題につきましても現在いろいろ調査いたしておりますけれども、問題になるほどの残留量は出ておりません。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 なかなか不明確なんだけれども、それじゃ厚生省にさらにお尋ねしておきますけれども、飼料添加物と動物の奇形に対する因果関係について厚生省は実験を行って究明すべきである、と、かように私は指摘したいわけであります。農林省だけに任せるということは、衛生上、人体の保健上、安全性から大変心配である。また、その機能も農林省と厚生省は違うわけです。だから、厚生省自体が実験を行って究明するということが必要ではないかと私は思うわけです。肉になるまでは農林省で、肉になったら厚生省では、肉になるまではどんなことをやってもいいのか。いまのように牛、豚、鶏、薬づけと言われるように、ほとんど薬によって製造されているような経営の仕方——大型化しておりますからそうなってきているわけですけれども、そういうことでいいのか。環境整備をしたり、いろいろなこともやらなければならぬわけですが、そういうような製造法でいいのかということを思ったときに、これは国民に対する大変な不安が残るわけです。  農林省としてはこういう実験はほとんどしていないと私は思っております。そういうことが問題なんですが、安全基準には御承知のように製造基準と使用基準と成分規格と、これら三つが定められております。この三つを規定してありますが、いまの厚生省のような答弁では検討の余地がないじゃないか、農林省としても、本法を提出するに当たっては、厚生省自体がはっきりしないのに本法を出しても問題じゃないか、こういうような気が私はしてならないわけです。  そこで、厚生省としても、こういうことに対する実験を十分行って究明するというお考えがあるのかどうか、その点厚生省の見解をお聞きしておきたい。

岡部祥治厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○岡部説明員 動物の奇形という問題でございますが、奇形には先生御承知のようにいろいろな原因がございまして、たとえば血統でございますとか、あるいは種族でございますとか、あるいは外因的に、妊娠中のいろいろな病気でございますとか、いろいろな問題があろうかと思います。したがいまして、これらの因果関係というものは学問的にも非常に不明確なものがあるわけでございます。  畜産動物につきましての直接の所管は農林省でございますけれども、私どもといたしましてもこれらのことにつきまして常に関心を有するところでございまして、農林省とも十分協議いたしまして、これらの問題解決あるいは原因の究明というようなことも図ってまいりたいと考えております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 農林大臣、いま厚生省から御答弁ございましたが、私は若干のことをお尋ねしてまいりましたけれども、今回の安全ということがとても大事な問題で本法提案になっておるわけですが、安全基準の中に製造基準と使用基準と成分規格というものが規定されておるわけです。ところが、いま申されましたように、今後検討するということで、厚生省としてもまだはっきりしていないのです。厚生省がはっきりしていないのに農林省は何を基準にやるのか、こういうことが私は疑問になってならぬわけです。農林省としてもこういう実験を行って究明するということにはなっていないと思う。また、陣容もなかなか少ないわけです。こういうことがわからないのに製造基準だ、使用基準だ、成分規格だと規定をしても、せっかく本法を出しても検討の余地がないのじゃないか。  そこで、私が大臣にお伺いしたいのは、この辺も十分に煮詰められて、十分やっていける、国民に対しての安全性については心配ないのだと申し開きできるという自信を持って本法を出しておるのだというふうに言えるのかどうか、その辺農林大臣のお考えをさらに国民の前でお聞きしたいのであります。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 本改正案の最も重要なポイントは、飼料並びに飼料添加物の安全性を確認するということでございます。そのためには、いまお話しがございましたように、基準並びに規格を農林大臣が決めるわけでございますが、この基準、規格を決めるに当たりましては、審議会を設けて、その審議会で公正かつ権威のある審議が行われた結果御答申を得て、その御答申に基づいて農林大臣として基準、規格を決めて、これによって法律を適正に運用していくことになるわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 農林大臣は審議会にということで逃げられましたけれども、審議会についてはまた後ほど議論しますが、審議会の構成がまた問題なんでして、審議会が答申するからといっても、審議会の言ったことを全部聞くわけではないのです。意見を聴取するわけですから、都合のいいことは聞くけれども、都合の悪いところは聞かないということになるわけです。それは米価においても何においても、みんな同じことが言えるわけです。だから、われわれはこれは隠れみのだと言うのです。もちろん、審議会の構成メンバーというものが一つの大きな歯どめになることは当然でありますので、後ほど審議会についてはまたじっくりお聞きすることにいたしておきますが、それはそれとして、そういうふうなことではわれわれは納得いかないのです。この辺が国民的な立場から実に心配なんです。  では、次に厚生省にお尋ねしますけれども、法第二十二条は私に言わせれば義務規定だと思うのですが、「公衆衛生の見地からする要請等」と書いてあり、「厚生大臣は、公衆衛生の見地から必要があると認めるときは、農林大臣に対し、第二条第三項の指定、第二条の二第一項の規定による基準若しくは規格の設定、改正若しくは廃止、第二条の六の規定による禁止若しくは第二条の七の規定による命令に関し意見を述べ、又は当該禁止若しくは当該命令をすべきことを要請することができる。」と規定されております。そこで、私は、公衆衛生上の見地から国民の健康と安全が守られるかどうかということが非常に不安である。第二十二条の一項だけが厚生大臣に対する規定となっておりますけれども、これだけで本法の趣旨に十分対処できるかどうか、実に不安でありますけれども、厚生省はどういうふうにお考えであるか、御見解を承りたい。

岡部祥治厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○岡部説明員 先生の御指摘のように、家畜等の肉あるいは乳等が食品に供せられるというふうな生産物につきましては食品衛生法の対象になるわけでございます。食品衛生につきまして厚生省としての責任があるわけでございます。したがいまして、この飼料の品質改善に関する改正法案におきましては、健全な畜産物を生産するために飼料あるいは飼料添加物の段階で規制を加えようとするものでございまして、これらの規制をする場合におきましては、当然、食品の安全性あるいは食品衛生法の規定等を前提として定められるものでございます。  したがいまして、これらにつきまして厚生省といたしましては、あるいは食品として不適当なものが生産されるおそれがあると思われるような場合につきましては、公衆衛生の見地から農林省に意見を申し上げるというような条文でございまして、農林省はこの意見に従いまして当然必要な措置をとるものと考えております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 失礼な言い方になるかもしれませんけれども、厚生省は本法の提案に当たってよくぞこのくらいですんなり認められたものだと思えてならぬわけですけれども、この法律を見ますと、「公衆衛生の見地からする要請等」とありまして、最後には「当該禁止若しくは当該命令をすべきことを要請することができる。」とありますが、「要請する」という言葉は、普通いままでの常識では法律用語ではないというふうに私は認識しておりまして、法律的にはまさにナンセンスじゃないかというふうにも思っておるわけですが、私の勉強不足であればこれは訂正はするとしても、厚生大臣もこういった規定でよく納得されたな、というふうに思っているのです。「要請することができる」とか、また、「意見を述べ」とかいうことになっていますけれども、この程度で厚生省は了解されたんですか。その点はどうなんですか。何も、農林省が出したものに対して一々どうというのじゃないですけれども、一度法律ができますと、農林省も今後相当予算もとって人員を拡充強化していかなければならぬということで、将来これをまた改正することはなかなか大変なことになります。厚生省が入る余地がもうなくなってくる。JASの農林規格物資のときのことを考えてもよくうなずける問題であります。そういったことで、私は将来をおもんぱかって大変心配するわけですけれども、その点、厚生省の見解はどうですか。

岡部祥治厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○岡部説明員 飼料あるいは飼料添加物等につきまして、すべてのものが公衆衛生上あるいは食品衛生上問題になるものではないと思います。したがいまして、第二十二条の条文によりまして、必要がある場合には厚生大臣が農林大臣に意見を述べるということで、この飼料に関します安全性の確保ができるものと考えております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 こういったことでやるので、私は、本法審議に当たっては学者及び関係団体等の参考人を呼ぶことを要請しておりまして、いずれ本委員会で参考人を呼んで意見を聞き、検討することになっておりますが、さらに農林省、厚生省等で公害等の連合審査等もすべきであるということも私は実は考えているわけで、提案をいたしておるわけですが、この点で将来に禍根を残さねばいいが、大変心配な点であります。しかし、こればかりにこだわっているわけにいきませんので、問題を指摘しておきまして次に進んでまいります。  さらに、厚生省にお伺いしますけれども、食品衛生法の中で抗生物質を使ってはいけないというふうになっているわけですが、最近子供から検出されているということは十分承知であるか、素朴な質問でありますけれども、後の質問に関係があるのでお聞きをしておきます。

岡部祥治厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○岡部説明員 食品の規格基準といたしまして、「抗生物質を含有してはならない」という規定をつくっております。それで、現在までに、特に食肉等で抗生物質が検出されるというのは、むしろ治療後のものに検出されるという事例が多いようでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 農林大臣、いま厚生省から答弁がありましたが、農林大臣としても、抗生物質が口を通して人体の中に入るということになれば問題であるということは十分御承知であるか、伺いたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 抗生物質が動物の中に入って、それがまた影響するところが出てくるということになれば非常に重要であるというふうには承知しております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 厚生省並びに農林大臣からも答弁があったように、これは重大な問題であることは言うまでもありません。  そこで、農林大臣にお尋ねしますが、去る二月五日の予算委員会でもわが党の渡部一郎議員が催奇形性、発がん性等について質問していますが、これに関して重大な疑問のあるAF2は厚生省を通じ使用禁止になった。これについては私も当委員会でも二回ほど政府の見解をただしたところでありますが、当時、豆腐に使用するAF2が問題になりました。いわゆる防腐剤です。そうしてこれが禁止になったことは私たちも国民の側に立って本当に喜んだわけです。  ところが、このAF2と同類のニトロフラン系飼料添加物であるフラゾリドン等三種類がいまがに飼料添加物ということで使用されておる、上野製薬で生産され、年間二百トンほどの使用量である、これを即時使用停止すべきである、という質問に対して安倍農林大臣は、「これについては、豊民の方から使用さしてほしいという非常に強い要望があるわけですが、しかし、これについては十分理解を求めながら、これはひとつぜひとも縮小、やめさしていくように、今後最大の努力をしていきたい」と答えておられます。質問に先立って、事前の通告に当たっての農林省側とのやりとりの中では、農林省当局は、人体に有害であるAF2と同類のニトロフラン系飼料添加物であるフラゾリドン等三種類については使用禁止すると言いながら、国会答弁では想定問答集によってこういうように変わって、いま申し上げたような農林大臣の答弁となっておる。まことに後退をしたわけであります。これは背信行為であると私は言いたい。この点さらに明快に答弁をいただきたい。  その後、これはどちらから根回しがあったのかわかりませんが、上野製薬からしきりと私の方にフラゾリドンについての釈明がなされておりますけれども、いまだにその安全性が確認されないものに対してわれわれは国民的立場から大変憂慮いたしております。それを含めてその後の動きも十分承知しておりますが、このときの答弁は事前の打ち合わせとずいぶん後退した答弁がなされたわけですが、これは重要な問題であるので特に通告をして答弁をいただいたわけですけれども、納得できない問題でありますので、さらにこの席を使って大臣から明快なる御見解を承りたい、と、かように私は思うわけです。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 フラゾリドン等は、サルモネラ菌等の予防、治療の面で薬効が顕著である反面、他のニトロフラン系薬剤と比較をして毒性も弱く、耐性も生じがたく、畜産物への残留もないことなどから、大規模飼育の進んでいる豚、鶏等の飼育に際し、飼料給与上の添加物として広範に使用されております。  しかしながら、昨年の食品添加物AF2の禁止以来、消費者がフラゾリドン等の安全性に不安を持っておるということも承知をいたしておるわけであります。このために、農林省においても、安全性を確認するため、諸文献の収集、検討、専門家の意見聴取、家畜による試験の実施等に努めてきたところであり、現在までの治験によれば、フラゾリドン等は家畜体内での分解、排せつが早く、畜産物への残留は認められないが、消費者の不安感等にかんがみまして、今後さらにその安全性について究明を進める必要があるものと判断をいたしておるわけであります。  以上の状況を総合的に判断し、今後もその安全性の確認に万全を期することとし、当面ニトロフラン系の飼料添加物については、行政指導によりその使用を縮小させるとともに、法改正後の取り扱いについては、農業資材審議会において専門家の意見を聞いた上で最終的に措置をしたいというふうに考えておるわけでございまして、私が二月五日の予算委員会において答弁をしたこともこの趣旨によるものでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 農林大臣、従来の飼料添加物公定書によると、マイシン類が二十五種使用されているうちの十六種類は人体に影響あることはすでに明らかであり、との使用の停止は急務であると予算委員会で指摘したわけですが、これについて、マイシン系医薬品の効き目がないということもあわせて考えれば事態は重大であると言ってさらに質問したわけです。しかし、この点については農林大臣は答弁が当時なかったわけですけれども、本法提案に当たってこれは重要な問題でありますので、この点についてもこの機会にあわせて御答弁をいただきたいと思います。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 ただいまの御質問は、飼料添加物の一種でございます抗生物質のうち、人畜共用の抗生物質につきましては、家畜に使うことによりまして細菌が耐性を持つ、それが人間の細菌に移行するということで、人間の病気の際に使います抗生物質が効かなくなるというような懸念をされておるわけでございます。  現在そのように人畜共通に使っております抗生物質は十六種ございますが、これにつきましてはただいまのような心配もございますので、この法律が施行せられますまでに全面的に洗い直しまして、特に人畜共通に用いております抗生物質を飼料添加物からできるだけはずすように総洗いをいたしまして整理をしてまいりたいというように考えております。もちろん、これは農業資材審議会の飼料品質部会に案をお諮りした上で最終的にそのように処理をしていきたいというふうに考えております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 農林省は、いま使っておるところの飼料についてはオーケーだ、これからできるであろう新飼料については、変なものは厳格にする、と、こういうふうに私には聞こえてならぬのですけれども、その点、さらに大臣から明快にしていただきたい。  AF2も結局は当分使用していくということに私には聞こえてくるわけですが、やめるのか、それとも堂々と使うのか、こういうところがどうもはっきりしないのです。何か段階的に解消するような感じでもあるし、その段階的というと、十年、二十年の段階もあれば、一年、二年の段階もあるかと思うが、その辺がどうもはっきりしないのですが、その点、明快にお答えいただきたい。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 AF2類の飼料添加物につきましては、予算委員会においても答弁をいたしましたように、残留性はないということが明らかでありますけれども、国民の疑惑等もあるわけでございますので、その点を考慮いたしまして、当面縮小をし、将来においてはこれをやめさせたい、こういうふうに考えておるわけであります。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 農林省は、AF2については当分使っていく、禁止する考えはいまのところないというようなお答えであるけれども、マイシン系とかAF2などを抜いたら、いろいろ養鶏業者も言っておりますけれども、ひよこが全滅するというようなことがよく言われている。もちろんこれは鶏舎の環境整備をして、病気が感染しないように十分やればこういうものは必要がなくなることは当然でありますけれども、日本の相当範囲の広いこういう畜産に対して、にわかには指導もなかなか徹底しない面もあろうかと思うけれども、いずれにしてもこれは自然のままが一番いいことは決まっております。  そこで、大量生産方式で、日光も当たらないところで飼育されている最近の養鶏等を見ましても、将来にわたって現状のまま推移していけば大変心配でならないことが予想されるわけです。国民的立場からこれは十分検討していかねばならぬ問題であるがゆえにあえて申し上げますけれども、マイシンやAF2で支えられたところの、いわゆる俗に言う薬づけという鶏になっております。AF2と同類のニトロフラン系飼料添加物であるフラゾリドン等三種類を抜いたならば鶏の目に緑の目やにが出る、そして全滅するということが言われる。これは大変だということから、農林省も、先ほど言ったような、渡部一郎議員が指摘した問題等についてもずいぶん後退したようなことになって、われわれも本当に農林省の姿勢を疑ったわけでありますが、農林省は、日光に当てて自然にやるとコストが高くなり、消費者に高いものを与えるというようなことを関係者は言っておる。  危険な安いもので人間の命を危険にさらすことが大事か、人間の生命を安全にすることが大事か、よく考えたらこれはもう当然結論は明快に出るわけです。人間の生命が大事だ。そこで、安全第一ということを考えるならば、行政指導を強化して、AF2と同類のニトロフラン系飼料添加物であるフラゾリドン等三種類については使わずに、コストも余り上げないようにして、人間の命を最大事にしていくということで当局も十分対処せねばならぬ、これが国民的立場じゃないか、と、かように私は思うわけですけれども、現在のような薬づけをやっていくということでいいのかどうか、私は大変心配でございます。いまいろいろと大臣や当局にお伺いしてもきましたが、こういうことについて厚生省は承知をしておられるか、そんなことは初めて聞かれる問題であるか、どういうふうに厚生省は考えておられるか、その点見解を承りたい。

岡部祥治厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○岡部説明員 畜産の形態というものが非常に集約的になってきておる、いわゆる多頭羽飼育になってきておるということは承知しております。それで、なるべく薬剤に頼らないといいますか、必要なもの以外は使っていないはずでございますけれども、そういうような環境浄化によります整理ということは非常に望ましい方向だと考えております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 農林大臣、いまの件について、厚生省としては望ましいことだということですが、大臣はどうですか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 飼料添加物、抗生物質を初め百六種類現在使われておるわけでございますが、これはそれぞれ目的がいろいろございますけれども、飼料の効率を向上させるとか、あるいは栄養でやや足らない部分を補給するとか、腐敗を防止するとか、いろいろな目的で添加をしておるわけでございますが、最近畜産の飼養規模が非常に集団化し、かつ大規模になったということのために、一たん病気が発生いたしますと大きな被害を受けるということのために過度に医薬品に頼る。その場合に飼料添加物として用いる場合もあるわけです。そのような傾向があるわけでございますが、われわれとしては、家畜の飼養環境を改善するということによりまして、医薬品なり添加物をできるだけ使わなくても済むような飼養管理に持っていくということが基本的には大事であろうということで、家畜保健衛生所等を中心にいたしまして、消毒の励行だとか、あるいは合理的なふん尿の処理だとか、あるいは清潔の保持等、そういう飼養環境を改善することにも努力しておるわけであり、また、疾病の発生予防のために衛生上の技術指導も特に今後も力を入れてやってまいりたいと思うわけでございますが、現段階におきまして、飼料添加物を一切使わなくてそのような細菌による被害を抑制できるかどうかということにつきましては、環境の改善をやってもなおそれだけでは十分ではないという面がございますので、できるだけ添加物等は使わないという方針のもとで飼養環境も改善をしながら進めますけれども、飼料添加物を全面的に廃止するというわけにはまいらないので、必要最小限度においては使っていく必要が現段階ではあるというふうに考えております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 必要最小限には使わねばならぬと現段階では考えておるということですが、その必要最小限というのは大体いつごろを指しておっしゃっているのですか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 個別に添加物の品目を洗い直してみなければ、いつまでということをここで申し上げるわけにはいきませんけれども、家畜に給与した場合、有害な畜産物が生産されるおそれが全くないということであれば、これは使用を続けるということも許されるわけでございますので、その安全性の確認につきましては、試験研究の成果等も踏まえましてできるだけ厳正的確にやり、規格なり基準も厳しくしていくということは今後われわれがやっていかなければならない責務だというふうに考えます。  AF2等の例で申し上げれば、先ほど大臣も申し上げましたように、昨年から食用に出荷する直前五日間は休薬期間といいまして、添加物を添加しない飼料を使うように現在指導をいたしております。今度の使用基準にもそのようなことを明記したいというふうに考えておるわけでございますが、その休薬期間につきましても、先ほどもお話しがございましたように、鶏で言いますれば幼雛期、あるいは豚で言えば幼齢期で、子豚の段階で細菌に侵されて飼養効率が低下するということがはなはだしいわけでありますので、現在の五日間というのをもう少し長期間休薬期間を設けることができないだろうかという点も現在検討をいたしておりますので、本法の施行されます場合には、さらに使用期間を縮小するように努めたいというように考えております。できますれば、これを使わなくても大した被害は出ないというようなことができるようになりますれば、全面的に禁止をするということも検討をしたいというふうに考えております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 農林大臣、いましどろもどろの御答弁ですけれども、この辺は本当に問題があるのですね。おっしゃるような意味のことは、おそらくそう言うであろうということは大体想像はしておりましたものの、これは本当に心配なんです。必要最小限は使わなければならぬと言い、また個別に洗ってみないとわからぬというようなことをおっしゃるし、安全性については厳正的確にやる、休薬期間は使用基準にも明記する考えである、五日間が短いからもっと長くするということも考えたい、と、これは精いっぱい振りしぼっての答弁じゃないかと思う。一カ月前からこういうことを厳しく言うぞということを言ってあったから、ずいぶん考えた上での答弁のようでならぬのですけれども、いずれにしてもこれは使うのですね。  それで、さっきも最初の方でちょっと触れたように、日本列島は広いし、農家は数が多いのです。PRするとか指導するとかいろいろおっしゃるけれども、実際問題として、一々農家について見ておるわけにいきません。休薬期間といって、いわゆる制限したもの、袋に入ったものが来ても、現にそういうのは見たことがないと言うし、来ていないところが相当ある。また、それを見て区別して食べさせるということは、そんなことは罰則があったにしても、これはなかなか大変なことだと思うのです。これは守ってもらわなければならぬことだけれども、大変なことだと思うのです。これが行き渡るかどうか。この飼料不足のときに、法はつくって罰則はつくったけれども、実際にこれを履行することはむずかしい問題です。もうやめちゃったらそんなことは何も問題ないわけです。  そういったことでこの辺は大変大きい問題であります。くどくど言っても切りがないのですし、また質問の後でわれわれは十分部会でも検討するわけですが、一応聞くこととして、農林大臣、さっきから言いますように、牛、豚、鶏の薬づけということでいまいろいろ言われておりますが、これはいわば病気の肉を人間が食っているということになります。端的に露骨な言葉で言えば、死骸みたいなものを人間が食っていると言わざるを得ないわけです。最近中国または外国から日本に来た人が、食べ物もいろいろ食べて、景色もいい、食べ物もおいしいけれども、一番まずいものがあると言うから、何ですかと聞くと、それは鶏の肉だ、そして卵だと言うのです。昔は鶏の肉と卵は日本ではとてもおいしかったが、最近は鶏の肉と卵が一番まずいと言われる。これらを聞いても、やはりこういった問題があるからです。大臣もそんなことは宴席などで外人からもよく聞かれる機会があるのではないかと思うけれども、われわれもしばしばそういうことを聞くわけで、そういうことを思いましたときに、私は実に心配でなりません。それで、これは急にやめると鶏が全滅するとか、または緑の目やにが出るとか、または育雛が大変困難になるとかいうことでいろいろと聞いておりますので、われわれもなかなか心配なんですけれども、しかし、こんなことをいつまでも許しておいていいのかという問題は国民の健康衛生上あるいは安全性ということから言えば大変ゆゆしい問題であるので、厚生省としてもしっかりやってもらいたいし、農林省もしっかり検討してもらいたいと思う。  本法については、冒頭に私が申しましたように、本改正案を廃案にすれば従来どおりということで依然残ることになるし、かといって、本法を改正したからといってすぐに添加物等の不安がなくなるわけじゃない。むしろ、本法が成立すれば将来厚生省の入る余地がなくなるようにガードを固めてしまわれる。そうすると、近い将来改正をする場合にますます困難が予想されるということを心配するのであります。農林省には六つの検査所と各県に試験場がありますけれども、一説には、厚生省は五千人の陣容を整えて、曲がりなりにもいろいろな試験研究、検討または衛生に当たっておられるということである。農林省はもっと少ない陣容でやっておられる。幾ら何でも農林省よりも厚生省の方が心配がない。それはまずは厚生省の方が十分とは言わなくてもいろいろな施設または陣容が整っておる。こういったところで十分な検査をしなければならぬということで、農林省と厚生省のもっと強い共管の法案にすべきでなかったかということもわれわれは申し上げているわけですが、いずれにしても本法はそういったところがいろいろ問題になりますので、修正案等も考えてもみました。あとまたいろいろと当局の意見を聞いた上でこれを若干修正して通すということも一つの方法でありましょうけれども、われわれが国会で修正してやったんでは農林省の認識がなかなか改まらぬと思う。  今回本法を提案されておりますけれども、各委員から、また私からいろいろ指摘したような問題等を農林省の手によって十分検討した上で、次期国会で修正を行って、そして農林省みずからが反省をし、姿勢を改めてやるべきではないかというふうに実は私は思っておるところでございます。いま厚生省からも、また農林省の局長からもいろいろ答弁がございましたが、ここらが一つの大きな問題点でございますが、農林大臣の見解をこの際お伺いしておきます。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 私たちは、この改正案によりまして、いわゆる飼料についての安全性を確保させる、そういう措置がとれるという考え方のもとにこの改正案を提案したわけでございまして、法律ができたからといって、いまおっしゃるようにそれによってすべてが解決するというわけではないわけでございますが、今回の法律の改正が行われて、そして行政的に運営よろしきを得れば、この安全性の確保という問題につきましても大きく前進をするというふうに私たちは考えておりますので、御協力をお願いしたいと思うわけであります。  議会において国会の立場で修正をされるということならば、議会政治の立場上これも一つの方向であろうと私は思うわけでありますが、農林省自体としてこの法律をさらに見直して、出直して再提出をするという考え方はないわけでありまして、この改正案を何とぞ成立させていただきたいというのが私の念願でございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 農林大臣から答弁をいただきましたが、この点については国民的な立場から重要な問題でありますので、日本消費者連盟代表委員の竹内直一氏から各党に対して、また政府に対しても飼料品質改善法の改正について国民的立場から要請が来ておりますので、あえて私はこれを読み上げてみます。    飼料品質改善法の改正について   政府は飼料の安全性確保のためと称し、飼料品質改善法の改正法案を国会に提出し、衆院農水委では審査が始まりましたが、私ども消費者は、下記理由によって、本法案には絶対反対であり、飼料及び飼料添加物の人体の安全性に対する諸影響のチェックについては、食品衛生法に基づく行政系列に組み入れるべきであることを強く要求いたします。したがって、緊急を要する安全性のチェックシステムの樹立のために、食品衛生法に所要の改正を行うことをさしあたりの措置とし、安全性チェック以外の飼料の取り締まり等については、改めて新しい観点から調査検討を加え、その結果を待って法改正の論議をなすべきものと思料します。   1 農林省はみずから「経済官庁」であると称し、農林行政全般にわたって安全性を無視し、生産効率優先の立場をとってきた。その例を挙げれば際限がない。有毒農薬の乱用、ニトロフラン製剤の飼料への添加、抗生物質の乱用等々は言うに及ばず、食糧、食品が生命の維持のためにあることを没却し、商品経済の論理によって左右されることが当然だという姿勢をとっている。したがって、農林省には安全性をチェックする資格も能力も誠意もない。   2 消費者保護基本法が公布されるや、農林省は他省庁に先駆けて「消費者保護のため」と称して農林物資規格法改正法案を提出した。これは、食品の品質規格について実質的に農林省が支配力を得ることを目的としたものであった。言いかえれば、食品の品質規格について権限を有する厚生省や、表示について権限を有する公正取引委員会のなわ張りに割り込みを図る意図を持っていた。   このことを見抜いた消費者団体は一斉に反対を唱え、この法案の成立を阻んだが、次の国会において強引に成立させてしまった。その結果、続々とJAS規格の新設、改定が行われたが、消費者保護どころか、業界にとって都合のいいものを一方的に、消費者の意向を無視して乱造したものであった。   一例を挙げれば、健康上問題ありとして消費者団体が「かん水」(アルカリ)抜きの中華めんの開発に成功したと見るや、JAS規格を改悪して「かん水を添加しためん類だけが中華めんという名称をつけることができ、そうでないものは和風めんとしか呼べない」という前代未聞のことを強行した。   また、発がん促進物質であることが学問的に立証されている亜硝酸塩を添加したものだけがハム、ソーセージ、ベーコンと名乗ることができ、発色剤亜硝酸無添加のものは「蒸し肉」と称すべしという規格にし、無添加運動を進めている消費者団体を逆なでする行為に出た。   3 昨年八月、食品添加物の合成殺菌料AF2が禁止された直後、AF2より毒性の強いニトロフラン製剤が大量に飼料に添加されていることに抗議して農林省に迫った消費者団体に対し、農林省畜産局は「人体のことは厚生省、農林省は効率的生産を目標とした行政をやるところ」と、全く安全性に関心なく、いまだに「農民が希望しているから」(農林大臣の国会答弁)と称して使用を認めている。   4 農林省は、人間の安全性について判断する能力を持っていない。畜産試験場、家畜衛生試験場があると農林省は主張するが、獣医学の知識と技術で人間に対する慢性毒性、催奇形性、突然変異性、その他もろもろのチェックができるはずがない。   5 農林省の飼料取り締まり機構は、飼料が登録したとおりの栄養成分を有しているかどうか、増量材(おがくず、石粉など)の有無のチェックを本務としてきているため、要員も施設もごく低い技術水準にあり、法案が掲げているような目的を達成することはとうてい不可能である。   一方、厚生省は国立衛生試験所、予防衛生試験所、公衆衛生院などを有し、都道府県段階の衛生研究所、それに保健所(人員約五千人)という機構を持つ。消費者の現在の食品に対する極度の不安を一刻も早く解消するためには、既成の機構をフルに活用するしかない。官庁間のなわ張り意識と次元の低い権限争いは消費者にとって全く関知するところではない。 こういったことがこの連盟から出されております。  長い文章でありますけれども、将来のために重要な問題であるから私はあえて時間を使って読み上げました。今後国民の健康上大変心配される問題でございますので、これに対しては農林大臣として十分対処していただくようにさらに要望しておきますけれども、大臣、いま読みましたことをお聞きになっておるか、またこれに対してどういう印象を持たれたか、御見解をお聞きしておきます。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 瀬野さんもわが国の農業あるいは畜産に対して非常な熱意を持って取り組んでおられるわけでございますから、もう私が何も申し上げる必要はないわけでございますが、現在薬づけ農業というふうな批判も出ておりまして、たとえば農薬をなくした無農薬農業をやれとか、あるいはまた飼料添加物なんかを全然使わないで畜産を行えとかいうふうなことも言われておるわけでございます。しかし、一億を超えるわが国の国民の需要にこたえて食糧を供給しなければならないという立場において農業を行い、畜産を行うという立場から見れば、わが国の風土等から見ましても、農薬を無視し、あるいは添加物を全然なくして日本の農業を推進し、畜産を推進をするというふうなことはとうてい不可能であろう、と、こういうふうに私は考えるわけであります。  また、家庭の菜園であるとか、あるいは自分の家で鶏を飼うというような場合においては、農薬なしに、あるいは飼料添加物なしに飼うことができるかもしれませんが、今日のこれだけの膨大な経済の中における農業を振興して、その中にあってわが国の食糧を確保するという立場からすれば、日本の高温多湿という面から見て、ある程度の農薬というものは絶対に必要であるわけであります。あるいはまた畜産に対して最小限の飼料添加物というものは必要である。ただ、これが人体に非常な影響を及ぼし、あるいは安全性に欠けるというふうなことになればいまの御指摘のような問題もあるわけでございますから、この点については私たちも十分配慮していかなければならぬわけで、今回の法律の改正も、最近におけるそういう国民的な一つの課題に十分対応するという立場に立ってこの安全性を確保するという面を改正案で強く打ち出しておるということでございまして、そういう面から見まして、一方的な、とにかくもうイエスかノーかだというふうな考え方でわが国の農業、畜産を判断していただくということは私たちとしては納得ができない面があるわけであります。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 局長、限られた時間ですので若干はしょってお尋ねしますが、先ほどから答弁をいただいた中で休薬飼料の問題があったわけですが、畜産局長は、昭和四十九年七月十三日の「四九畜B第一八二九号」で、各県知事あてに畜産局長名で通達を出しておられます。その内容は省きますけれども、「飼料添加物公定書の作成について」という通達が出されたにもかかわらず、一向にこれが守られておりません。これもさっき若干指摘はしたんでありますが、改めてお尋ねしますけれども、休薬飼料の徹底、いわゆる公定書の厳守ということについてはその後どういうふうにしてこられたか、効果があったと見ておられるか、その辺について畜産局長の見解を承っておきたい。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 休薬期間を設定いたしまして、それを励行するように、通達を初め各県を通じて農家に徹底をし、それが実行されるように指導をしておるわけでございます。もちろん、多数の農家でありますので一〇〇%完全に実行されているかどうかと言われますと、率直に申し上げて、絶対一〇〇%間違いないというところまで言い切るだけの自信はもちろんございませんけれども、かなり繰り返してその趣旨を徹底するように努力をいたしておりますし、さらに、最近の農薬の生産量、使用量等の推移を見ますと、現在細かい数字を手持ちで持っておりませんけれども、休薬期間が守られておるということを推定できるような生産量になっておりますので、かなり遵守されておるというように判断をしておるわけでございますが、その趣旨の徹底、基準の励行につきましては今後とも農家を指導すると同時に、飼料製造販売業者を通ずる指導にも遺憾のないように努めてまいりたいと思います。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 農林大臣、いまの件はよくおわかりだと思いますけれども、昨年の七月十三日に畜産局長からそういうふうな通達が出ておるわけです。これは昨年のAF2の問題と関連して大変に問題になりましたので、飼料添加物公定書が改定されたわけですが、ニトロフラン化合物や抗生物質は採卵鶏の飼料については添加を禁止した、ブロイラーや豚等に対しては、出荷する前五日間に与える飼料には添加を禁止した、ということなんですけれども、出荷前五日間の添加禁止について、茨城県石岡市にある養豚農家を私はあちこち調べましたけれども、確かに配合飼料の袋には、「出荷前五日間薬剤無添加飼料に切りかえてください」と書いてあります。けれども、そういう飼料を売り込みにも来ないし、見たこともない、また切りかえてもおらぬというわけです。これは名前は隠しておきますけれども、愛知県のある飼料店の主人も、ほとんどの農家が切りかえていないと言っておりまして、証言に立ってもいいと言っておるのですが、要するに、農林省の措置は現場ではほとんど実施されておらぬということです。  本法が改正になっても、これは恐らく大変むずかしい問題だと思う。先ほどから何回も指摘したとおりですが、大臣もこの点を十分承知していただくと同時に、この休薬飼料についても、これは当面問題なんですから、大臣としても十分に指導に当たってもらいたいと思うが、どうですか、大臣。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 せっかく通達を出したわけでございますが、この通達を周知徹底せしめるように、さらに指導を強化してまいりたいと思います。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 次に、新飼料の開発等についてお尋ねしますけれども、新飼料の開発に際して、安全性のチェックが大事なことは当然でありますけれども、私は、新飼料の開発についての政府の基本的な考え方をまず大臣から御答弁をいただきたいと思うのです。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 新飼料につきましては、これから取り組んで開発しなければならない新しい飼料でございますので、その安全性を確保するということにつきましては十分意を尽くしていかなければならないし、研究もしなければならないし、さらに、安全性についての国民的な合意が得られるということが新飼料を使用する場合における一つの大きな前提でなければならぬ、こういうふうに私は考えるわけであります。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 局長、新飼料の開発に当たって、大臣がおっしゃるように十分な安全性の確保をしなければならぬということですが、基準設定を急がなければなりませんけれども、現在想定している基準はどういうものを考えておられますか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 ただいまのお尋ねについて、新飼料の安全性の見地からの販売の禁止規定は第二条の六にあるわけでございますが、第二条の六の三号に、「使用の経験が少ないため、有害でない旨の確証がないと認められる飼料」については「販売を禁止することができる」ということになっておるわけでございます。そこで、有害でない旨の確証を判断する場合、その基準となるものはどのようにするかということについてのお尋ねかと思うのですが、確証の判断基準となる安全性を証明するに必要な試験基準というものを農林省としてあらかじめ定めておく必要がやはりあると思います。  試験基準の設定は審議会の意見も聞いた上で定めることにしておりますけれども、たとえば当該飼料に含有されるおそれのある有害物質等についての理化学的な試験だとか、あるいは毒性に関する生物学的な試験だとか、それから有害物質等の家畜への残留試験等が中心となりますので、それらについての試験基準というものをあらかじめ定めておきまして、新飼料を新たに開発する製造業者が農林省があらかじめ定めておりますその試験基準に基づいてみずから試験を行う。ただ、開発した飼料を企業が自分で試験を行うのでは、国民の信頼を得るに足る客観性という点で問題がございますので、中立、公正な、権威のある外部の機関に開発をした企業が試験を委託する。それによりまして大丈夫だということでありますれば、その企業は新しい飼料の製造、販売に踏み切るということになろうかと思います。  その際に、農林省といたしましては、新しい飼料が出ました場合、その試験基準に基づきます試験のデータを製造業者からとりまして、審議会にも諮った上で、試験基準に適合しておるかどうかという点について詳細な審査をいたしまして、適合しておるということであればそのまま使用を認めることになりますし、十分な、確証するに足るデータがそろっていないとかいうような場合、あるいは疑義があるような場合には、国の機関みずからがその試験基準に基づいて新飼料について試験をしてみるというようなことまで場合によってはやるということによりまして、適合しておらない、安全である旨の十分な確証が得られないということでありますれば、販売を禁止するというようなふうにしてみてはどうかということで現在検討しておるわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 農林大臣、いまの件についてさらに大臣からも御答弁をいただきたいのですが、新飼料の開発に際しての安全性のチェックというものは、従来、開発機関と、それから同一の機関が付随的にこれを行っているというところに問題があったわけです。  そこで、開発と安全性は別々にすべきだと私は申しておるわけですが、今後は国の機関を初め第三者機関等によってチェック体制を確立して、安全性についての適正な裏づけをして、国民に対して十分安心がいけるようにしてもらわなければならぬ。これがまた一つの大事な問題でございます。飼料メーカーなどが入りますと、どうしてももうかることを考えるわけです。たとえばサリドマイド児が過般問題になりましたが、これに見られますように、当時は安全だと言っておりましたけれども、後で出てきたことによって問題になりました。自分が開発したものを自分で悪いということは言えないわけでございます。したがって、国が金を出して安全性をチェックする機関をつくらないと問題ではないかと私は思っています。  局長からいろいろと答弁がございましたが、この点については、国民の健康の問題からも衛生上の問題からも、政府の姿勢が問題だと思いますので、大臣としてもこういったことについて十分対策を講じてもらいたいと私は思うわけでございますが、この点、大臣の見解をさらにお聞きしておきたい。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 一般企業等において、開発した企業がさらに安全性をチェックするということでは、国民もその安全性に対する信頼をするわけにはいかないということになってくるわけでございますから、いまおっしゃるように、その安全性のチェック、確保ということにつきましては、公平な第三者の機関あるいは公的な機関がこのチェックに当たるのは、その筋から言って当然なことであろうと思うし、われわれとしてもそういう方向で安全性のチェックを行うべきである、こういうふうに私は考えるわけであります。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 いろいろ問題がたくさんあるので時間が足りませんけれども、次に、農林省は、昭和五十年度以降農林水産廃棄物の活用による飼料等の生産利用技術の開発に関する研究を進めるということで、五十年度予算には一億二千八百万円を計上しております。新しい微生物たん白の開発等を行うということでございますが、従来から、石油たん白というとなかなか国民的反発もあり、また聞こえも悪いということで、イメージをチェンジするために、微生物たん白の開発ということでSCPというふうに名前を変えられましたけれども、私はこの問題について若干お尋ねしておきたいわけです。  まず、新しい微生物たん白の開発を行うということでありますが、具体的研究内容と実施体制について簡潔にお考えを述べていただきたい。

小山義夫農林水産技術会議事務局長

○小山(義)政府委員 本年度予算で新しく、農林水産廃棄物を利用しました微生物の新しい飼料の開発を考えております。この内容は、飼料の増産を進めていくことはもちろん当然でございますけれども、そちらの方はどちらかと言えば粗飼料、草資源の増産の方に重点がかかりますし、高濃度のたん白が配合されておることが必要でございます。豚だとかあるいは鶏の飼料については新しい飼料を開発していきたいというねらいで始めていくわけでございます。  微生物を繁殖させますえさといいますか、基質については、ミカンのジュースかすであるとか、あるいはおがくずであるとか、あるいは水産加工品の加工過程で出ます廃水等々を利用いたしまして、その中で最も効率的に培養し増殖をしていく微生物を見つけていく、この微生物の中に含まれておる五〇%内外のたん白質をえさとして利用していきたい、こういう内容でございます。したがいまして、この研究は、今後とも不足が見込まれます高たん白系の飼料を安定的に供給する、それの一助にしていきたいということと、同時に、この種の農林水産廃棄物でございますので、環境汚染の防止というふうなこともあわせて効果としてねらえるわけでございます。  なお、誤解のないように申し上げておきますけれども、いわゆる石油たん白、石油の精製過程から出ますノルマルパラフィン等を利用した石油たん白を開発するということは考えておりません。  なお、この研究の中には、いま申し上げました新しい開発のほかに、微生物の安全性を確認するための手法の確立をしていくという柱がもう一本立っております。  予算といたしましては、新年度、昭和五十年度で一億四千四百万円、体制としましては農林省の直轄の試験場七研究機関、これに県の試験場十三機関、それから大学が四校、この体制を動員いたしまして、この際新しい飼料問題の解決に取り組んでいきたい、こういうことでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 農林大臣、先ほども、新飼料開発についてはいろいろ安全性が確認されなければやらないとか、また、いまも、石油たん白飼料、すなわちSCPに対しては開発は考えていないとか、そういう答弁ありました。また、五月七日の当委員会で、もそのような答弁があったことは承知しておりますし、先日、もう二十日ばかり前に、当法案について農林省の方へ質問通告の際に私も提起しておきましたが、「科学朝日」の五月号の表紙の裏に、「単細胞タンパク」という見出しで大日本インキ化学の大きな宣伝が出ております。当局にも提示しましたから大臣も十分見ておられると思いますが、時間の関係ではしょってちょっと申し上げますけれども、この石油たん白飼料、SCPの広告の問題であります。  企業が広告を載せるということについては、それ自体は自由でありますが、ところが、私はこの広告を見まして、その記述の内容に問題があるというように思って指摘をしておるわけですけれども、一つには、「動物飼料としては百二十点」という見出しがあります。こういった文句の問題点、すなわちこの表現は、あたかも石油たん白飼料が安全性についてすべて確認され、栄養科学的にも動物飼料として最高だという意味の宣伝文句ともとれますが、安全性に疑義が提起され、消費者に大きな不安を与えている段階において、また政府も飼料として認めていない石油たん白についてこのような書き方をすることは問題ではないか、と、かように私は思うのです。  二つには、「自然の摂理にしたがう天然物」というふうに書いてありますが、この宣伝文句についても、石油たん白が天然物であるかどうか疑問とするところであります。化学物質と言ってよいのではないのか、政府はどういうふうにこれを考えているのか、この点もまだ明快な答えが出ないのにこういうふうに書いてある。国民として実に惑うわけであります。  三つには、これは一種の誇大広告であり、石油たん白の危険性を覆い隠そうとするものであると言われても仕方がないと思うわけですが、こういう問題について政府はどういうふうな見解をお持ちであるか、国民の不安を除くためにも御見解を承っておきたい。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 御指摘の「科学朝日」の広告は、SCPの説明と、開発、研究の現況等を記載したものでありますが、石油たん白の飼料化につきましては、国民に不安のある現時点におきまして、その内容について慎重を期する必要があるものと判断をいたしております。したがって、大日本インキ化学の関係者を呼びまして、SCPの報告に当たっては誤解を招くことのないよう畜産局長から注意を促したところであります。  農林省といたしましては、私がしばしば申し上げましたように、石油たん白の飼料化につきましては当面不適当と考えておるわけでございまして、何度も申し上げましたように、その安全性が確認をされ、かつ国民的な合意が得られない限りは飼料化は認めない、こういう方針は変わらないわけであります。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 時間がなくなってまいりましたので、あと二、三点急いでお聞きしまして一応部会の検討にしたいと思いますので、当局の明快な答えをお願いしたいと思います。  農業資材審議会の問題でございますけれども、今回の改正案において、第二条第三項及び第二条の二第二項、第二条の四第三項、また第二条の六等にいろいろ述べてありますが、すべて農業資材審議会の意見を聞く法体系を採用しておられます。専門に審議する専門部会を設けることもこの中に盛られておりますが、この専門部会は、飼料の安全性等に関する基準設定とか危険な飼料等のチェック等を行う中心的機構となるものであると認識しておりますが、その運営に当たっては、関係者のみならず広く国民全般に理解が得られるような体制の確立が必要なことは言うまでもありません。  そこで、専門部会の委員数とか、委員の構成方針とか、さらには審議会の運営方法というようなことについてはどういうように考えておられるか、簡潔にお答えをいただきたい。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 審議会の飼料品質部会の役割りは、御指摘ございましたように、この法律施行上の中心的な役割りを果たす重要な機関になるわけでございますので、われわれといたしましては、各専門分野の中立公正な学識経験者のみをもって構成をしたいというように考えておりまして、その運営に当たっても、一方に偏することなく、科学的な調査に基づきまして審議をお願いしたいというように思っております。  そこで、具体的にはどのような構成を考えておるかということでございますが、委員の専門分野は、家畜栄養学、飼料学、畜産学、薬理学、微生物学、病理学、毒性学、遺伝学、生理学といったようなそれぞれの専門の方々を委員にお願いし、これは委員は二十名でございますが、専門委員も同じように二十名程度を予定しておりまして、ただいま申し上げましたそれぞれの専門分野からお願いしたいというふうに考えております。  専門委員会は四つに分けて構成をしたいと思っております。飼料品質専門委員会が十名、飼料添加物の専門委員会が十名、飼料安全専門委員会が十名、養殖魚用飼料専門委員会は特殊でございますが十名、というような構成を現段階では考えております。  いずれにいたしましても、直接の利害関係者はこの際入らないということで、純粋の学識経験者のみから委員も専門委員も選任をしてまいりたいというように思っております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 いま局長から専門部会の委員数とか、委員の構成方針とか、また審議会の運営方法等について答弁がありましたが、もう時間が迫ってまいりましたのではしょっての質問でありますが、本法の中での一つのよりどころとして考えれば、この農業資材審議会が中心機構で、大変重要な位置を占めるわけです。この農業資材審議会は安全性の審議会でありますから、資材の価格を決めるのとは違うわけであります。よって、第三者的には国民の健康を考えて、公正に委員の選考をし、運営をすべきであります。たとえば飼料メーカーなどが入ることは言語道断と思う。また、情実が入ったり、政府の息のかかった者が入ったりすることもいけないのは当然であります。すなわち、私情を入れず、公正、中立なものにして、利害関係者は当然除外すべきであるし、必要に応じてはデータの公開をすべきである。でなければ国民は不安であり、俗に言う隠れみのとなる可能性が強いわけです。変なお墨つきが出るということになると国民は迷惑する。だれからも安全で心配がない、安心ができるというようにすべきである。メーカーが出てきて安全だというのではけしからぬわけであります。  この新農業資材審議会の構成と運営については十分考えて対処してもらいたいと思うが、大臣の御見解をお聞きしたい。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 この審議会は非常に大事な審議会でございます。したがって、権威のある公正な審議会にしなければなりません。そのためには、御指摘がございましたように、利害関係者をこの審議会に入れるという考え方は毛頭持っておりません。また、審議につきましての公開は考えておりませんが、データ等についてはできるだけ公表をしたいと思っております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 データ等についてはできるだけ公表したいということですが、ぜひそういうふうにしていただきたいと思う。  もう一点、最後にお伺いしておきます。  たくさんの問題を通告してありましたけれども、いろいろなきょうの答弁を踏まえて、いずれまた整理した上でお聞きすることにしますが、飼料等の試験研究機関と検査機関の整備の問題でありますが、御承知のように、飼料等に対する検査事項の中に、飼料のほか飼料添加物も検査対象に今度加わったわけですけれども、これには四つありまして、一つは、公定規格が設定された飼料についての規格適合表示の検定、二つ目には、その事後検査及び法第八条に基づき表示の基準が定められた飼料についての検査、三つ目には、法第二条の二に基づき設定される基準及び規格の適合検査、四つ目には、第二条の四に基づく特定飼料の検定等、内容が相当拡大されておるわけでございます。  この飼料等の試験研究機関及び検査機関の整備ということについて、現在、御存じのように全国で国の機関が六カ所、そして予算も四十七年度は三千六百三十四万八千円、四十八年度が五千九百三万五千円、四十九年度が六千二百七十三万三千円、五十年度もほとんど同じです。しかも、職員数は、四十七年度が四十三人、四十八年度が四十四人、四十九年度が四十四人ということで、まさに少ない陣容で、予算も少ない中でやっておられますけれども、これで果たしてこういったことができるかどうか大変不安でございます。できもしないようなことをやるということは無責任もはなはだしいじゃないかと思っております。  これについてもいろいろと問題がございますけれども、大臣はこれに対してどういうお考えであるか、農林大臣の見解を承っておきたい。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 二問あったと思うわけでありますが、検査体制につきましては、飼料検査は国の六カ所の肥飼料検査所と都道府県の飼料検査機関で実施をし、飼料の栄養成分を重点に行われてきたわけでありますが、今回の改正によって政令で決められた飼料または飼料添加物は農林省の機関または指定検定機関の検定を受けることになっており、チェック体制は一層強化されることになると思っております。  いわゆる安全性にかかわる検査につきましては、従来も国の検査機関において関連業務として適時実施してきたところでありますが、今後は一段と安全性に関する検査に重点を置くこととして、関係機関ともさらに緊密な連絡をとりながら対処してまいりたいと思っております。  特に、国の検査機関につきましては、職員施設の充実を図り、技術者の確保、分析機器、施設等の整備、分析技術の確立、習得等により一層検査体制を充実強化することに最大の努力を傾ける考えでございます。  なお、研究体制につきましては、試験研究機関においては安全性確認のための手法の開発、突発的な問題発生に対する技術的対応等について、畜産試験場、家畜衛生試験場等が中心となり、鋭意研究の推進に努めてきたところであります。しかしながら、遺伝変性等の共通基礎的な分野についての研究につきましては、農林省の試験研究機関のみでなく、関係の研究機関との緊密な連携のもとに遺漏のないような研究を推進することとしたい、こういうふうに存じております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 あと、飼料添加物に対する規制の問題とか飼料添加物の公定書の問題等いろいろございますし、さらには廃棄または回収命令の問題等も重要な問題になるわけです。  時間が参りましたので、残余の問題は本日の答弁をいろいろと検討いたした上で、次回に補足的にまた大臣に質問をするということで、若干はしょりましたけれども、本日の質問は一応これで終わりたいと思います。

澁谷直藏自由民主党

○澁谷委員長 次回は、明二十八日水曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時二十三分散会

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