農林水産委員会 第19号
- 発言数
- 78 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1975/05/07
会議録
○澁谷委員長 これより会議を開きます。 飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。柴田健治君。
○柴田(健)委員 飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する案件について、まず、法案から御質問申し上げたいと思います。 第一条の「目的」なんですが、「この法律は、飼料及び飼料添加物の製造等に関する規制、飼料の公定規格の設定及びこれによる検定等を行うことにより、飼料の安全性の確保及び品質の改善を図り、もって公共の安全の確保と畜産物等の生産の安定に寄与することを目的とする。」となっており、これだけを見るとまことにもっともらしいもので、現在までのいろいろな法律の目的だとか定義だとかいうことになればこの文でいいと思うのでありますが、しかし、もうこの辺で発想を変えなければならぬというわれわれの考え方があるわけです。それは何かというと、生産も大事であるが、また、社会的責任というものも並行して考えなければならぬと思う。そういう立場から申し上げると、この目的に、輸入業者であろうと、製造業者であろうと、販売業者であろうと、その社会的責任というものをもう少し法的に明確にする必要があるという気がするのであります。 そこで、もう少し字句を変えるべきではなかろうか。「公共の安全の確保と畜産物等の生産の安定」を図るのなら、業者にもみずからの社会的責任を持たせるための位置づけというものを目的の中で明らかにすべきだろうと思うのですが、この点についてどう思いますか。
○澤邊政府委員 飼料につきましては、その栄養的な観点からの品質の改善を重点としたものがこれまでの法律制度になっておったわけでございますが、特に、最近、国民的な関心として、人体あるいは人間の健康に対します安全性という観点からの関心が非常に高まっておりますので、そのような観点からの諸規定を整備するということで今回の法律の改正をお願いしておるわけでございますけれども、ただいま御指摘のございましたような業者の社会的責任ということは、品質の栄養的な観点からの改善の問題においてももちろんあるわけでございますが、特に、安全性の問題につきましては、業者の社会的責任というものは当然重く見なければならないという観点から、安全性の観点からの諸規制を今回の法律につきましては大幅に取り入れたわけでございます。 その意味では、目的の中で直接的にはそのような表現はございませんけれども、「飼料の安全性の確保」という言葉、あるいはただいま御指摘のございましたような「公共の安全の確保」というような表現の中には、飼料関係の製造業者あるいは販売業者がその社会的な責任という観点からの規制を受けるというような意味も当然含まれておるわけでございまして、それらの具体的な規制につきましては、各条文によりまして新たに規制が行われるということになっておるわけでございまして、ただいま御指摘のございましたような背景といいますか、考え方がこの法律の改正の基本的なバックにあるということは御指摘のとおりだと思います。
○柴田(健)委員 局長はどうもあいまいで、明快な答弁がないわけです。私たちは今日まで数多くのいろいろな事故の原因等を調査してみたが、たとえば富山県で原因不明で牛が死んだ。ところが、あれは飼育管理者の方の責任だ、それは生産農民の方の責任で、むやみやたらにえさを食わしたから死んだのだということで逃げようとしておる。先般の水島の油事件においてもそうですよ。企業がどこまで社会的責任を持つのかということは、法的にもいろいろな制度の中で矛盾がたくさんある。一つの法律をつくるにしても、この辺で社会的責任を明確にしていくという法律にしないと発想の転換にもならない。だから、行政に携わる立場の農林省はそれだけの心構えで社会的責任を持ってもらうということの考え方を明確にすべきだと思う。 この法律をずっと読んでみても、業者の損害賠償の責任の条文が一つも出てこないというのは社会的責任の不明確さをあらわしている。 あなたらの考え方は、いずれは民事で解決すればいいんだろう、民事の法律があるから民事でやればいいのだという、そういう逃げようとする発想があるのではないか。この点、もう少し明確にしないと法案の修正をしなければならぬと思うのですが、どうですか、局長。
○澤邊政府委員 御指摘の点はよくわかるわけでございますが、目的の中にその規定が文言としては表現されておりませんけれども、安全性の観点からの規制がこれまでなかったのが幅広く規制を受けるということになりました点は、飼料に関する流通業者がそれだけ社会的責任があるという点に着目をして規制が加わることになったわけでございますので、先生の御指摘になっておるような観点が条文の全体には個々の条文に表現をされておるというように考えます。
○柴田(健)委員 この条文を逐次お尋ね申し上げますから、そこに明らかに出てくるかどうかはっきりしてもらいたいと思う。 次に、第二条の「定義」のところなんですが、第二条の中で一項、二項、三項、四項があるわけですが、この法律において、三項における飼料添加物の指定については「農業資材審議会の意見を聴いて」ということになっておるわけですが、いままでのような農業資材審議会の構成でいくのか、あるいは今度は新たにどういう学識経験者を入れて、どういう形で、員数はどの程度の員数でいくのか、そういう考え方をまず明らかにしてもらいたいと思います。
○澤邊政府委員 この審議会は、この改正法案におきましては、飼料及び飼料添加物の安全性を確保するための飼料添加物の指定だとか、あるいは安全性の観点からの基準なり規格の設定あるいは飼料等の販売の禁止等の個別処分、あるいはまた栄養成分に関する品質の改善という観点からの公定規格の設定だとか、あるいは表示の基準となるべき事項等の設定に当たりまして、農林大臣が諮問をいたしまして審議会の意見を聞くということになっておるわけでございますが、安全性の確保とかあるいは栄養成分の確保、表示の適正化というのは、ただいま申し上げましたような諮問事項というのはこの法律の根本にわたる非常に重要な事項でございますので、この審議会の役割りはきわめて責任が重いというふうに考えるわけでございます。したがいまして、われわれといたしましては、この審議会は各専門分野のしかも中立公正な学識経験者の委員をもって構成をして、そしてその運営に当たりましては、一方に偏することなく公正かつ科学的な調査、審議をお願いしたいというように考えておるわけでございます。そのような観点から、審議会の構成につきましては、現在農業資材審議会というものがございますけれども、その中に飼料品質部会というものを設置いたしまして、委員は二十名をもって構成をし、そのもとに専門的な事項を調査するために専門委員会を設けることを考えております。専門委員会も約二十名程度を予定いたしております。 資材審議会は、これまでも、農業機械だとかあるいは農薬とか、それぞれ部会運営をいたしておりますので、今回の法律改正に伴う飼料関係につきましても飼料品質部会を中心にして運営をしてまいるというふうに考えておりますが、ただいま申しましたように、できるだけ中立公正に、しかも科学的根拠に基づいて御審議を願うにふさわしい人選をしてまいりたいというふうに考えております。
○柴田(健)委員 この審議会の任務の重要性というものの理解はできるのです。しかし、今度のこの法律の軸になるのは、何としても、この審議会のメンバーの行動、権威というようなものが重要な任務を持ってくると思うのですよ。それだけに、われわれは、いままでのような審議会のあり方や運営ではまた問題が起きるという懸念がいたしますので、この農業資材審議会の中で、品質部会の二十名の人選にはよほど配慮してもらいたいという気がいたします。 同時に、また、この法律だけでは十分とは言えないわけだが、審議会の手足はあるのかないのか。ただ審議会の委員が諮問機関としての審議会にあって大臣の諮問に対してそれをやるというのではなしに、審議会の下に手足があるのかないのか、また、そういう構想があるのかないのか、これが第一点。 それから、第二点は、添加物のこれからの種類についてどういう解釈をしているのか、これが第二点。 第三点は、ただ国内の法律だけではこれは参考にならない。あらゆる外国にも、そういう飼料添加物や飼料に関するいろいろな規制や基準というものがあるわけですが、これらについて、どうそれを参考にするのか、どうそれを判断の基礎にするのか、比較検討をしておられるのかどうか、それに合わせてこの法律をつくっているのかどうか。 以上三点をまずお伺いいたします。
○澤邊政府委員 当資材審議会の飼料品質部会の手足になる部局を設けるのかという御質問でございますが、これは通常の審議会の例に従いまして、特段に独立の事務局のようなものは設けることにはいたしておりません。畜産局の流通飼料課が事実上の事務局となりまして、当審議会の運営に必要な資料の整備等、事務的な事務を担当することを考えております。もちろん、直接的には事務的な処理は畜産局の流通飼料課によって行ないますけれども、畜産局の飼料関係の試験研究機関あるいは検査機関等が資料の提供等につきましては全面的に協力をしていただくということで運営をしてまいりたいというように考えております。 それから、次に、飼料の添加物というのはどのようなものを考えておるのかということでございますが、現在、飼料の添加物につきましては法律上規定を設けておりませんが、安全性の観点から、また、栄養成分の確保という観点から、行政上の指導によりまして規制をいたしておるわけでございます。 飼料添加物と言いましてもいろいろございますけれども、大別いたしますと、各種飼料の組み合わせによっての、不足する栄養成分を補給するために添加するもの、これはビタミンだとかミネラルだとかアミノ酸といったようなものがございますし、さらに、飼料の保管中におけるカビの発生だとかあるいは酸化ということによりまして飼料の品質が低下するのを防止するために添加するもの、あるいは家畜等に給与いたします飼料が有効に家畜の体内で利用されるように、家畜の生理作用の正常な活動を阻害するような諸因子を抑制して、それによりまして飼料の効率を向上させるというようなことを目的といたします抗菌性製剤等の添加物がございます。 主なものは大別すると大体そういうものでございますが、これは近年広く世界各国におきまして開発をされまして、飼料に添加をされてきておるところでございます。これらのものは非常に微量でありましても、適正な使用がなされない場合には安全性の問題で種々問題が出ますし、また、家畜の栄養上の問題も発生をいたしますので、先ほど申しましたように、これまでは法律的な規制根拠がないので行政的な指導によりまして飼料添加物の公定書というものを定めて指導をしてきておるわけでございますが、飼料添加物の種類につきましては、大別するといま言いましたようなものでございますけれども、例を挙げますと、抗菌性製剤といたしましては五十四種類、それからミネラルが十四種類、ビタミンが二十五種類、アミノ酸が四種類、その他防カビ剤あるいは抗酸化剤等が九種類というようになっておるわけでございます。 これら添加物の使用に当たりましては、その種類ごとに使用の目的、使用対象等を定めております。どのような飼料にそれを添加するかという飼料の種類や使用量の最高限度等を先ほど申しました飼料添加物公定書で定めておるわけでございます。 現在、飼料添加物の製品の使用量は配合飼料全体の中での比率が〇・三七%程度になっておりまして、四十八年度の配合飼料の総生産量は一千八百万でございますが、そのうち飼料添加物は六万六千トン使用をされておるという実績になっております。 諸外国におきましても飼料添加物につきましては広く利用されておりまして、わが国と大体同じような状況になっておるところが多いわけでございますが、これらにつきましては、各国によってもちろん差はございますけれども、安全性の観点からの規制を漸次強めてきておるということでございますので、わが国の場合も単なる行政指導ということでは徹底を期せられないので、今回、法的規制の対象といたしまして厳正な規制をしていくというふうに改めることにしたわけでございます。
○柴田(健)委員 第二章の第二条の二の「基準及び規格」と第二条の三の「製造等の禁止」の条項についてですが、製造等の禁止規定ということになれば、この事故が発生をしたと認定せざるを得ないのですが、その場合に、先ほど冒頭に申し上げたように、社会的責任という賠償責任というものを入れていない弱さというものがもうこの辺で出てくるという気がいたします。そして、製造禁止をする場合に、どの時点でどういう処置でということは、そのつど任意的に行政官の判断によって、これは製造禁止をやるべきだとか中止をさせるべきだとかいうことになる。しかし、これは過去の実績から言うて余り数がない。そこまで追い込んだという例はめったにない。 今度は法律を明確にしたということになれば、適切な処置をとらなければならぬという行政庁の任務が付加されてきたわけですが、この点について適切な処置がとれる方法というか、手段というか、そういう機構ができるのかできないのか。いままでのようなやり方ではこの法律は死んでしまう。思い切ってこういう体制を体系的につくっていくんだという構想があるのかないのか、それをお聞かせ願いたい。
○澤邊政府委員 先ほどもお答えしましたように、飼料の、あるいは飼料添加物の安全性の観点からの規制は、現行法では行う根拠規定がないわけでございますので、もっぱら行政指導によりまして、事故が起こったような場合には販売をしないようにとかいうようなことをやってきたわけでございますけれども、今回は、ただいま御指摘のございました第二条の二からの第二章におきまして、安全性の観点からの種々の規制を行うための根拠規定を置いたわけでございます。したがいまして、これらの規定を活用いたしまして、安全性の観点から問題があるようなものにつきましては種々の事前あるいは事後の措置を講ずるようになるわけでございます。 そこで、いまお尋ねのございました第二条の三の「製造等の禁止」でありますが、これは第二条の二で、「有害畜産物が生産され、又は家畜等に被害が生ずることにより畜産物の生産が阻害されることを防止する見地から、農林省令で、飼料若しくは飼料添加物の製造、使用若しくは保存の方法若しくは表示につき基準を定め、又は飼料若しくは飼料添加物の成分につき規格を定めることができる。」ことになるわけでございます。それらの基準なり規格を当然守らせなければいけませんので、第二条の三におきましては、「基準、又は規格が定められたとき」には「次に掲げる行為をしてはならない」ということで、たとえば第一号におきましては、その「基準に合わない方法により、飼料又は飼料添加物を販売の用に供するために製造し、若しくは保存し、又は使用」したりしてはいけないということでございますので、この基準に合わないものは初めからつくってはいけないのだという禁止でございます。 これは事故が起こる起こらないにかかわらず、予防的な意味で基準を国が定めたものについては、それに合わないようなものをつくったりあるいは使ったりしてはいけないというような規定になっておるわけでございまして、何らか問題が生じまして事故が出るとかあるいは有害畜産物が生産されることを防止するために、有害な物質を含むような飼料が販売されておるとか、あるいは病源微生物によって汚染されたような飼料、飼料添加物が販売されるというような場合には、それを禁止する措置は第二条の六というのがございますが、「有害な物質を含む飼料等の販売の禁止」という規定がございます。それによりまして、次に掲げるような「飼料添加物を含む飼料の使用が原因となって有害畜産物が生産されることを防止するため必要があると認めるとき」には「添加物の販売を禁止することができる。」ということで、これは、いま申しましたような有害な物質を含む飼料なり飼料添加物、あるいは病原微生物によって汚染された飼料、飼料添加物が販売されるというのを、事故を防止する必要があるという場合に販売の禁止をするわけでございます。また、これまでほとんど使用されておらないような使用の経験が少ないような飼料につきましては、有害でない旨の確証がないと認められる場合には禁止できる。したがって、たとえば問題になります石油たん白飼料、これらにつきましては有害でないという確証が得られておりませんので、こういうのがもし販売されれば販売を禁止するというような措置を講ずることができるようになっておるわけであります。 〔委員長退席、坂村委員長代理着席〕
○柴田(健)委員 二条の二から三、四、五、六と、いろいろ皆関係があるわけでありますが、この二条の二の「飼料若しくは飼料添加物の製造、使用若しくは保存の方法若しくは表示につき基準を定め、又は飼料若しくは飼料添加物の成分につき規格を定めることができる。」ということの条文からずっといけば、現在、この製造工場、要するに製造業者あるいは販売業者、輸入業者等は、これはそれぞれ一貫性のある業者もあるでしょう。輸入したものを自分のところで製造して販売する人もあるだろうが、ただ、製造工場を持たないで、飼料として輸入してきたものをそのまま販売する販売業者とか、そういう業者別の区分の点検等はどうするのか。 いま、国内に二百十二工場あるようであります。それで、製造業者は五百五十三社。そして、大資本、大手十社と言われる占有率の大きい業者は試験機関も設備も大体整っておると思うのでありますが、それでも不満な点もある。けれども、小規模の飼料製造工場についての点検ということはどういう形でやられるのか。いまのままで、法律だけつくった、それでやりなさいよというだけでは十分指導したとは言えない。 それから、添加物の配合率によって保存の期間が違うと思うのです。その保存の期間まで明確に指示するのかしないのか。そういう基準というものは、この第二条の二でそこまで掘り下げて決めていくのかどうか。そういう点の考え方を明らかにしてもらいたい。
○澤邊政府委員 製造業者、販売業者等に対しまして、各条項によりましてそれぞれ規制が行なわれるわけでございます。そのためには製造業者、輸入業者あるいは販売業者等の実態を把握しておく必要があるわけでございますので、これは十八条の規定がございまして、製造業者等の届け出義務というものがございますけれども、製造業者のみならず、輸入業者なり販売業者も一定の事項を農林大臣に届けさせることになっております。それによりまして実態を常時把握し、必要な場合には立入検査等も行うということによりまして、本法の諸規定が厳正に履行されているかどうかということを検査することができるようになっておりますので、それらの規定を活用いたしまして遺憾のないようにしていきたいと思っております。 なお、製造業者につきましては、一定の技術者を置いて、それによりまして、飼料の製造過程におきまして特別な注意を払うことによってこれらの本法の諸規定を十分適正に守りながら製造を行わせるということのために、第二条の八に飼料製造管理者の設置を義務づけておるという規定も設けておるわけでございます。 これらの規定によりまして、製造業者あるいはその他の輸入販売業者につきましてもこの法律を厳正に適用させ、あるいはまた行政庁といたしまして、適用を常時監視するようにしてまいりたいというように考えております。 それから、飼料添加物の保存のことでございますが、第二条の二で保存の方法について基準を定めるということになっておりますが、保存期間につきましては直接いま規定をすることを考えておりませんけれども、抗性物質等の飼料添加物につきましては、その添加物の有効期間というものは定めたいというように考えております。一定の有効期間を過ぎればそれは使ってはいけないということでございますので、ただいまお尋ねの保存期間そのものではございませんけれども、有効期間は定めていきたいというふうに考えております。
○柴田(健)委員 保存の基準まで定めるということになると、施設改善まで指導しなきゃならぬということになる。そこまでやるとすれば、農林省はこの施設改善の融資まで考えるのかどうか。その点はどうですか。
○澤邊政府委員 現在考えております保存の方法といいますのは、あらゆる飼料につきまして全部基準を定めるところまでは考えておりませんので、最終的に決めておるわけではございませんけれども、飼料添加物につきましてはその保存基準を定める必要がある。その保存基準といたしましては、光の入らないように遮光した密閉容器に入れなさいという意味での保存基準を決めたいというように考えております。したがいまして、何らか相当大規模な施設を設けて保存しろ、全飼料について規制をするというところまでは考えておりませんので、ただいまお尋ねのございましたような特別な融資制度ということについては、現在のところ考えておりません。
○柴田(健)委員 それから、第二条の四です。この中間の「農林省の機関又は農林大臣が指定した者が行う検定」という、要するに「検定及び表示」の項のところですね。との検定をする職員の問題なんですが、これは現在、全国で六カ所ほどある飼料検定所で、四十四名の技術職員で検査、検定をやっておるようですけれども、今度は添加物が入るというのだから、この検定というものは、高度の技術者というか、高度の権威者でなければならぬ。いままでのようなやり方、いままでのような技術水準、技能水準、そして都道府県に委嘱をしている技術者という程度では、完全な検定ができるかどうか疑問があると私は思うのです。 これらの職員の技術研修についてはどういう構想を持っているのか、今後どういう待遇で、どういう研修をさせてそういう特別技能者を養成していくのか、お考えがあれば聞かせてもらいたい。
○澤邊政府委員 ただいまお尋ねがございましたのは、直接には第二条の四の「検定」でございますが、これは、書いてございますように、「農林省の機関又は農林大臣が指定した者が行う検定」ということで、農林省の検査機関が直接行うばかりではなくして、民間の検定機関を指定いたしまして検定を行うということを考えておるわけでございます。後ほど出てきます第三条の品質改善という観点からの「公定規格」、これは、飼料の栄養成分に関する品質の改善を図るための公定規格を定めて、それに適合しているかどうかというような検定を行うことになるわけでございますが、こちらの第二条の四の「検定」の方は、安全性の観点から特に問題のある飼料につきまして、「特定飼料」ということで、政令で定めたものについて検定を受けなければ販売をしてはいけないということにするわけでございます。 二条の二で一般的に安全性の観点から基準なり規格が定められたものは、それに従わなければつくったり販売してはいけないということがございますが、その中で特に安全性の観点から必要だと思われるものを特定飼料ということで引っ張り出しまして、それだけについては、単に基準なり規格に合っているということだけではなくして、あらかじめ検定を受けなければ販売してはならないという特に重い規制を加えることにしておるわけでございまして、われわれといたしましては、現段階におきましては、抗生物質とかあるいは落花生の油かすといったようなものをこの政令で指定をして検定を受けるように義務づけたいというふうに考えておるわけでございます。 そこで、農林省の機関がみずから行いますもののほか、民間の指定機関が検定を行うということを申しましたが、この民間の検定機関は、現在想定いたしておりますのは、穀物検定協会あるいは食品分析センターとか、それから日本冷凍食品協会といったようなものがそのような検定機能を技術的にも設備の面でも持っておりますので、これを指定する考えをいたしておりますが、農林省の機関につきましては、この安全性の観点からの検定、あるいは先ほどちょっと申しました栄養成分に関する品質改善の観点からの検定等、両方やるものといたしまして、国の肥飼料検査所という機関があるわけでございます。現在六カ所に置かれておりまして、専任の職員は四十四名でございますが、この機関が品質改善とあわせて特に安全性の観点からの検査、検定を行うということに重点を置いて運用していきたいと思うわけでございます。 この法律を適正に施行していきますためには、これの検査、検定機能というものは御指摘のように充実を図っていく必要があるわけでございますので、技術者の確保と分析機器なり施設の整備あるいは技術の向上のための研修というようなことにつきましては今後一層充実を図りまして、検定の体制を整備していくということにしてまいりたいと考えておるわけでございます。
○柴田(健)委員 この二条の六と二条の七、つまり、「有害な物質を含む飼料等の販売の禁止」と「廃棄等の命令」ですが、これらの処置というものは、条文ではこういう条項を設けても適切なる処置がとれるのかどうかという疑問を私たちは持つわけです。というのは、たとえばこの前外国から麦を買ってきたが、その麦が発酵してえさにもならないで海洋投棄を命ぜられた。海洋投棄をするということで船に積んで出て、神戸の沖で別の港へ黙って揚げて、えさにならぬようなものを家畜のえさだということでそのまま今度は長野県や東北の方へ陸上輸送したというように、廃棄命令、投棄命令を出しても、業者は手に合わぬからすっと横流しをしてほかの方へ売り込んでいく。だから、これはよほど適切な処置をとらないと、ただ条文だけこしらえても、それで実効が伴うのだというようなものではない。 これらの緊急処置がどういう形でとれるのだろうか。法律はつくっても、それがとれるかどうかが問題である。それを監視していく体制について、今日農林省の出先においてそういう能力があるのかどうかという疑問があるのですが、この点はどうですか。
○澤邊政府委員 第二条の七の「廃棄等の命令」は、第一号から第三号に書いてございますように、たとえば表示なしに売っているようなものは必要な場合には廃棄させるとか、あるいは第二条の六で、先ほど申しましたような「有害な物質を含む飼料等」につきましては販売の禁止をすることができるわけでございますが、そのような禁止の対象になった飼料、飼料添加物については、これを廃棄させるということを行うための根拠規定でございます。 これらのことが現在の体制で完全に行い得るかという点のお尋ねでございますが、先ほど申しましたように、国の飼料の検査機構のほかに、各県におきまして、名前はそれぞれ違っておりまして、肥飼料検査所とかあるいは検査室とかいう名称でそれぞれ呼んでおりますけれども、大体各県に二名平均ぐらいの専任職員を置いて、これまでも検査をし、あるいは監視のために抜き取りをしたり、行政指導をいたしておりますので、国の検査機関だけではなくして、都道府県の検査機関も動員いたしまして、この廃棄命令等の処分が行い得るように実態の把握に努めてまいりたいというふうに考えております。
○柴田(健)委員 次に、第二条の八で「飼料製造管理者」という規定ができておりますが、先ほど説明がございましたが、この管理者というのはどういう位になるのですか。その業者に対する管理者というのはどういう位置づけになるのですか。ただその技術者のキャップだけが管理者ということになるのか。ただ会社が届けをして、その届けた人間が管理者だという認定をするのか。農林省が特別に試験制度を設けて、この人なら管理者として適任だという試験制度で認定していくのか。単なる届け制の管理者、要するに防火管理者程度のものにしてしまうのか。そして、事故があった場合にはこの管理者が責任を持つのか。管理者だけが責任をとったら、その管理者がやめたら、その業者は社会的責任を負わなくても済むのか、損害賠償をしなくても済むのか。 この管理者というものの任務と権限というものはどういう位置づけをするつもりですか。
○澤邊政府委員 これは、管理者の設置義務を設けておりますのは、冒頭に先生がお尋ねになりました社会的責任というような観点から飼料の製造業者にこのような義務づけをしておるわけでございますが、あらゆる飼料全部ではなくして、政令で定めるもの、基準が定められております飼料または飼料添加物で、その製造の過程において同項に規定する見地から特別の注意を要するものとして政令で定めるものの、そのような飼料あるいは飼料添加物の製造業者にそのような義務づけをしておるわけでございます。したがいまして、あらゆる飼料ということではございませんが、飼料添加物につきましては全部政令で指定をしてまいりたいというように考えておりますし、尿素とかダイブとかいう化学的な合成飼料につきましても政令で指定をして、飼料製造管理者を設置するように義務づけたいというふうに思います。 これの管理者の資格は農林省令で定めることにいたしておりますけれども、獣医師だとか、あるいは薬剤師の資格を持っておる者とか、あるいは大学でそのような獣医学なり薬剤関係の専門の学科を卒業した者とか、あるいは一定の講習を受けた者とか、あるいはまた経験年数何年以上の者とかというような基準を設けまして、資格を定めたいというように考えております。 そのような飼料の製造管理者を常時製造事業場に配置いたしまして、それらが直接現場においてこの法律の安全性の観点からの諸規定を守りながら、規格なり基準を守りながら生産をし、あるいは保存をするということを履行させるために管理者を置くわけでございます。 もちろんこれは現場に常時おって、製造工程あるいは保存の工程、保存の過程等を直接十分監視できる者といいますか、作業員を指導できるような立場にある者を指定するわけでございまして、これによりまして、本法の基準なり規格その他の諸規定が製造過程におきまして履行されるようにすることを担保するというのが本法の趣旨でございます。
○柴田(健)委員 そして、もし事故が発生した場合に——そういうことはあり得ないと思うけれども、万一事故が起きた場合には、管理者だけが責任を持ってやめたら、この社会的責任というものはなくなるのか。たとえ管理者が退職しようとすまいと、そういう事故を起こした会社全体は社会的責任を持つんだぞ、社会的責任は管理者だけじゃないんだぞ、ということになるのか。管理者だけに全部責任を持たせたら、管理者が退職したら会社は何にも責任を持たないということにするのか。その点を明確に答弁してもらわなければ困る。
○澤邊政府委員 これはもちろん管理者だけではございませんので、そのような何らかの違反の事実がありました際には、その責任は、その法人の代表者あるいは法人もしくは人の代理人とか使用人、その管理者を含めた使用人がそれぞれ責任を負うわけでございますので、その根拠規定は第三十一条にございまして、ただいまお尋ねがございましたように、使用人である管理者のみが責任を負うわけではございませんので、法人あるいは法人の代表者自身も責任を追及されることになるわけであります。
○柴田(健)委員 いまは条文だけやると時間を食うので、これはいずれまた同僚議員にお任せすることにしますが、われわれがちょっと疑問になるのは、第三条の分ですね。公定規格ということ。公定規格ということになると、登録と未登録とに分類されていくのではないか。この飼料に登録される登録飼料と未登録飼料というものがあっていいのかどうか。そういう公定規格という制度をつくると、やはり登録、未登録ということになってくる。登録の飼料、未登録の飼料ということで、今日余りにも——まあ、肥料でもそうですか、特にえさが過当競争というか、製造業者が多い。全国で五百五十三もある、それから、それぞれの製造業者がいいかげんな名前をつけて、いろいろな色こをつけていろいろな種類を出している。何千という種類を出している。なぜこういう事態が起きるのだろうか。えさを買って使う消費者、農民の立場から言うとそんなにたくさんな種類は要らない。養鶏なら何種類ぐらい、豚なら何種類、肉牛なら何種類、乳牛なら何種類ともう限定されてくる。それが何千という種類がふえてくる。なぜこんなことになるのか。なぜこういうように種類がふえなければならぬのか。その理由と原因は何か。それは資本主義の自由経済の原理、原則から言うたら、たくさんふえても仕方がないじゃないか、要ればそれだけのものだろうということになるが、しかし、生産農民を保護する立場から言うたら余りにも多過ぎるじゃないか。今度の法律でこの公定規格をつくるなら、もうこの辺で銘柄を少なくして、思い切って減らすということをしたらどうか、そういう方向を打ち出したらどうか、こういう気がするのですが、これは大臣からお答えいただきたい。
○澤邊政府委員 現在、配合飼料の銘柄が非常に多いわけでございます。現状においては、全部で四千七百七十二という銘柄がございます。その中で登録飼料は、二千四百四十九、これは四十九年三月の数字でございます。非登録飼料は二千三百二十三ということで、登録飼料と非登録飼料がほぼ相半ばするということで、五千に近いような銘柄のものがつくられ、また、販売をされておるわけでございます。 現在の登録制度は仕意登録の制度でございますので、全部が全部義務的に登録を受けなければならないという仕組みにしておりません。したがいまして、非登録飼料もかなり出回っているわけでございます。今度の法改正によりまして登録制度は公定規格適合表示の制度に変えるわけでございますが、考え方としては、従来どおり任意の制度にしていきたいというふうに考えておるわけでございます。 そこで、お尋ねの銘柄がこのように非常に多過ぎるではないかという点でございますが、これは現在の登録制度の前提といたしまして、国が公定規格というものを定めておるわけでございますが、それの公定規格の種類にも示されておりますように、家畜の種類ごとに、また、同じ家畜でありましても、発育段階ごとにそれぞれ配合飼料がつくられておるわけでございます。しかも、同一の家畜、同一の発育段階のものでございましても、各企業ごとに数種類の銘柄を製造しておるというのが実情でございます。 なぜそのように多銘柄をそれぞれのメーカーが製造するのかという点でございますが、われわれが理解しておるところでは、家畜の、同じ豚なら豚につきましても、品種によりまして栄養成分の要求量がそれぞれ違うという点、あるいは飼育者の家畜の飼育の方法にもそれぞれまた差があるというような点、あるいは農家によっては単味飼料を買って、それと配合飼料を組み合わせて使うとか、あるいは大家畜のような場合は自給飼料と配合飼料を組み合わせて使うという場合が多いわけでございますが、その場合にどのような単味飼料を使うか、あるいは自給飼料を使うか、あるいはどの程度使うかということは、それぞれの経営によって違うわけでございますので、そのような自分の経営の条件に合わせて、それにふさわしい配合飼料を求めるということがあるわけでございます。あるいはまた、農家によっては価格が少しでも安い方がいいというような考え方から、内容よりも価格でいきたいとか、あるいは非常に栄養成分の高度なものを高くても欲しいというような要求も当然のこととしてあるわけでございます。それらの農家といいますか、実需者側のそれぞれの条件が多種多様でございまして、配合飼料に対する需要もしたがって多種多様であり、それにこたえるためにメーカーが多種多様の銘柄をつくっておるという面も実情としてあるわけでございます。 また、特定のメーカーがいろいろな種類のものをつくりますと、そういう各種銘柄を品ぞろえしてないメーカーあるいは販売店としては競争上非常に不利になるというようなことから、また、いろいろのものを競争上つくるというような面も見られるわけでございます。このようなことは、ある意味では需要者側の要求にこたえておるんだという面も否定できないと思います。 ただ、五千種類に近いような非常に多数の銘柄がつくられ、売られているということは、製造コストという面からいたしますと確かに問題があると思います。大量生産によって連続的に生産ができる場合のコスト、それを銘柄を分けられますと大量生産を分割して少量ずつつくるということになりますし、製造工程におきましても、いわゆる機械をストップさせて切りかえなければいけないというようなロスが出てくるわけでございますので、それだけコストアップ要因になるという点では確かに問題もあるわけでございます。その点、先生の御指摘になります点もわれわれもよくわかるわけでございます。ただ、農家の実態という面もこれは否定できない点がございますので、われわれといたしましては、さらに専門家あるいは実需者の方々の御意見も十分伺いながら検討してまいりたい。ここで減らすんだと明快にお答えできるといいのですけれども、その辺いろいろ検討いたしますと問題も残っておるようでございますので、その辺掘り下げた検討をいたしまして、できますればそれは減らした方がいいということが——幾ら何でも現在は多過ぎるという点がございますし、どの程度までそれができるかということを含めまして検討をしてまいりたいというふうに考えております。
○安倍国務大臣 いま畜産局長が答えましたように、非常に多過ぎて農家の方も混乱するという面もなきにしもあらずだと私も思うわけでございますが、しかし、現実の面から言いますと、メーカー側としては、農家の要求に対応してコストの面あるいは内容、品質なんかの面におきまして工夫をこらして、自由競争をするわけですから、そういう面ではどうしても種類が多くなる。また、農家は、農家の経営の実態等に応じましてそれぞれの多種多様な要請をするというふうなことから、現実的な面におきましては整理をするということは非常に困難な面はあるわけでございますが、しかし、余り多過ぎて混乱をするという面につきましては、これは行政の立場においてはやはり検討する課題ではあろうか、と、こういうふうにも思うわけでございます。
○柴田(健)委員 大臣も局長も少し現状認識が足らぬと思うのです。それではこの法律をつくってみても本当に実効が上がるかどうか疑問がある。 先ほど局長は製造業者の販売部長が言うようなことを言われたが、あなたは畜産局長だから、日本の畜産農家をどう保護し育成して、日本の畜産をどう伸展させていくかということの重大な最高責任者なんだから、農民の気持ち、立場というものをもっと十分に認識してかかって発言しないといけない。あなたのようなことを言ったら、これはわれわれは論議する必要がないという気がするのですよ。 農民はそんな五千種類も銘柄をつくれという要求は一つもしていないのですよ。たとえば農民がつくるキュウリにしても、トマトにしても、消費者は、曲がっておってはいけないとか、真っすぐでなければいけないとか、大きさが同じでなければいけないというようなことは何も言っていないのです。大きさが百二十グラム程度のトマトでなければいけないというようなことは消費者は何も言っていないのですよ。ただ、流通の真ん中におる業者が、消費者の意見だと言って、インチキなことを言って、キュウリは長いのがいいとか、トマトは大きさがどうだとか言って、質だとか味だとか価格だとかいうことは全然考えないで、運びやすいように、もうけやすいように流通の業者がいろいろな注文をつけて、農民に、こういう真っすぐなキュウリをつくりなさいとか、カボチャでも五百グラム程度のカボチャがよろしいでなとか言って、いろいろなことを強要してつくらせていく。それと一緒ですよ。農民は五千種類近くも銘柄をつくってくれという要求は一つもしていないのですよ。これは農林省の、畜産局の重大な責任だと思うのですよ。日本にはそれぞれ技術員がたくさんおるが、その技術員が考えて、いいかげんな発明をして、そして製造業者に意見を出して、こんなものをつくって出したらどうですかと言うて、技術屋が勝手な自分の発案というか考え方を製造業者やメーカーに売ってつくらせて、それをいかにも新しい銘柄で栄養価値がたくさんあるような誇大宣伝をさせて、農民はどちらかと言えばだまされて、そして、新物食いだがらいいと言ったらそうかなということで買うて食わせるだけですよ。何も、農民がどういう銘柄をつくれと言ったことは一回もないですよ。そんな、需要者側がそういう注文を出したなどと言う局長の認識自体がおかしい。 畜産のそういう技術者に対して、農林省が、畜産局がもっと行政指導を強めて、そんなにむやみやたらに銘柄をふやすようなことをするなという指導をするべきだ。北海道から沖繩までの気象条件なり、そういうものに多少の変化はあるかもしれない。たとえば自給飼料を六〇%も七〇%もたくさん与えておる地域と、ほとんど七〇%近くも濃厚飼料で、購入飼料で養っておる地域とでは栄養価値も違うだろうし、給与法についても違うだろう。しかし、そうまで違うはずはない。内臓がそう違うはずはない。局長、そんないいかげんなことを言うてもらっちゃ困る。もう少し認識を変えて、銘柄をうんと減らしていく、種類を減らしていくということをやるべきだ。この法律をつくると同時に「公定規格」という条文をつくるのですから、これを機会にこれをもっと縮小して、農民を迷わさぬようにするという方向で正しい指導を強めていくという姿勢をわれわれは望むのであって、それをなかなかむずかしいと言うのは、あなたらは一体どっちを向いておるのだ。農民の方を向いていないのじゃないか。生産農民を守るという立場に立っていない。業者保護だ。業者保護の立場に立って法律をつくるのなら、もうやめた方がいい。局長、もう一ぺん答弁してください。
○澤邊政府委員 御指摘のような点ももちろん考えなければいけないというふうには思いますけれども、農家の需要の多様性ということも、これは現実には否定できない点でございます。先ほどの飼料につきましても、自給飼料の給与率がそれぞれの農家によりまして、あるいは経営の中の飼料基盤の整備状況によりまして違いますし、それからさらに自給飼料と言いましても、つくっておるものの内容も種類も違いますし、それらのことから、それと組み合わせて使うべき配合飼料につきましても、必ずしも同じではなくして、多様な要求が農家から出てくるという面もあるわけでございまして、これはえさだけのことを言いましたけれども、その他家畜の種類あるいは飼養の方法等によります差もございます。それらが多様な要求になってあらわれておるという面がございます。 自由経済のもとにおきまして、安全性の問題等から特に問題があるものは強制的に規制をしていかなければいけないという点がございますけれども、栄養効果という点からいたしますと、やはり、実需者の選択によって、他方競争が行なわれながらおのずから飼料の銘柄別の需要というものは決まってくるというふうにも考えられますので、これを何らかの国の強制手段によりましてこれ以外はつくってはいけないというようなことをやるということはなかなかむずかしい面があると思います。 これは例を申し上げることが適当かどうかわかりませんけれども、人間の食糧につきましても、すべてについて、最低限の基準なりあるいは内容を適正に表示するというような義務づけがございますし、あるいは安全性の観点から禁止されるとかいう面がございますけれども、銘柄につきましてはこれこれでなければいけないというような規制は必ずしも行われておらないと思います。そういう他の物資との関連からいたしましても、法律的な強制手段によってやるということはなかなかむずかしいと思います。やるといたしますれば行政指導によってやるということで、実需者である農家側の消費あるいは購入の仕方の問題と、あるいはまた他方、生産者側、製造業者側の自粛といいますか、必要以上に余り目先を変えた銘柄の物を多数つくるということのないようにすること、それが生産の合理化にも役立つわけでございます。その辺の兼ね合いをどうするかという点につきまして、専門家あるいは実需者の意見を十分尊重いたしまして、今後慎重に検討していきたいというふうに思います。
○柴田(健)委員 局長、変な日本語でぐじゅぐじゅ言うからややこしくなるのであって、資本主義で自由主義経済でございます。もういたし方ございません、と、はっきり言うた方が映りがいい。変なへ理屈を言うからややこしくなる。 正直に言って、銘柄が非常にたくさんあるということは、栄養価値論というか、栄養価値という面での試験が十分できないおそれがある。また、農林省がその栄養価値を全部つかんでいるかどうか、非常に疑問がある。同時にまたコストの問題がある。一つの銘柄をつくるためにはほかの機械を全部とめるのですからね。三日でも四日でも機械を全部とめてしまうのです。そういう不経済的な製造方式というものは農民が全部かぶっているのでしょう。コスト高については、コストを下げます、なるべく安いえさをつくりますとあなたらは常に言うけれども、口でそう言うだけで、現実の姿は、それぞれの製造メーカーは一つの銘柄を製造するためにはほかの機械を全部とめてしまう。その機械はやはり償却資産ですから、償却して利益を上げなければいかぬから、どうしてもコストが高くなるのはあたりまえのことだ。そういうことを平気でやらせておいて、自由経済だから仕方がないと言えばそれだけのものだけれども、農民が全部かぶっているのですよ。そういう不合理なものは銘柄をもう少し少なくしなさい、コストを安くさせるためにはそれも一つの手段である、と、このようにわれわれは言っているのです。 法案については、もう時間が参りましたからそう長くやらぬでほかの同僚議員に残しておきますが、大臣が見えましたから、大臣に三つの点をお尋ねしたいと思います。 われわれはいつも申し上げるのですが、輸入飼料の数量の枠については政府が口を出すわけですけれども、価格については、これも自由経済だから仕方がない、一切商社まかせだということですが、いつまでもこういうことをしておくと、政府が輸入飼料、国内飼料、自給飼料を含めて本当に抜本的に飼料対策をやっておりますということが言えないのではないかという気がするのです。この価格問題は常に変動が起きる可能性がある。そこで、この点の商社まかせというのをこの辺で考え方を変えたらどうかということが第一点。 それから、第二点は、またことしも麦だとかトウモロコシだとかいう作柄が国際的に余りよくないではないか、どちらかと言えば豊作ではない、不作の方向ではないかということについて、そういう情勢について見通しがあるのかないのか。国際的には不作ではありません、豊作ですという認識を持っているかどうかわかりませんが、われわれはこれはちょっと不作の方向ではないかと思っているし、また、価格変動が起きる可能性があるという心配があるので、これの見通しを聞かせてもらいたい。 それから、第三番目は、この間あなたは豪州へ行かれたのですが、また肉を一万トン入れる。これは政府全体の考え方なのか、あるいは農林大臣の個人判断で、農林省だけの判断で決断を下されたのか、この経過をお伺いしたい。 この三つの点について農林大臣からお答えいただきたい。
○安倍国務大臣 輸入飼料につきましては食管物資の小麦、大麦のほかに大体一千万トンを超えるトウモロコシなどの飼料穀物が輸入されておるわけでございますが、この膨大な輸入飼料につきまして国が一元的に管理を行うということにつきましては、これはいろいろと問題があるわけで、トウモロコシ等の飼料穀物については、自由化をされましてもうすでに長くなっておるわけで、一元的に管理するということは国際的にも問題を生ずるおそれも多いわけでありますし、また、飼料穀物を国が一元的に管理するには相当な組織、機構構、多額な経費を必要とする等の問題がありまして、この点はやはり慎重な検討が必要であると思うわけでございます。現在、配合飼料の価格安定については、行政指導を行うとともに、配合飼料の価格安定特別基金制度を中心とする基金制度の運用によりまして、海外市況の変動による農家への負担を極力緩和する措置をとっておるわけでございます。 〔坂村委員長代理退席、委員長着席〕 さらに、いまお話しがございました輸入飼料につきましての国際的な生産の状況はどうかということでありますが、現在私たちが入手しておる情報によれば、国際的に作付もふえておるわけでございまして、そういう面から現在は価格は低下をいたしておるわけでございます。しかし、何としても、六月以降の天候がどうなるかということが問題で、作付がふえても天候異変が来ればまた昨年のような状況にもなりかねないおそれもあるわけでございますが、現在までのところでは、国際的には豊作であろうというふうな判断の中で飼料価格が下がっておるというわけでございます。 なお、今回、牛肉の輸入の再開に当たりまして、六月から再開をするということにいたしたわけでございますが、その際一万トンほど輸入するということを今回の日豪の閣僚会議においても私が表明をいたしたわけでございますが、これは政府としての決断でございまして、現在、牛肉については保管もいたしておるわけでございますが、今後の需給情勢から見るとさらに保管をふやす必要があるというふうに考えまして、一万トン程度は保管をする必要があるという判断のもとに決断をいたしたような次第でございます。
○柴田(健)委員 一万トンの肉の輸入を再開するわけですが、消費の伸びということを考えるとともに、そしてまた国内の畜産農家に影響を与えないという判断に立たれたかどうか、そういう自信があるかどうか、もう一回お答えいただきたい。
○安倍国務大臣 現在わが国において保管をしておる牛肉は大体二万六千トンばかり全体的にあるわけでございますが、今後の牛肉の需給の情勢から見ますと、価格の面におきましても強含みの状況であるわけでありますし、この秋ぐらいにはさらに牛肉の需要も高まってくるというふうに判断をいたしておるわけでございますから、新しい価格制度もできた今日において一万トン程度の牛肉をさらに国内において保管をするということは今後の牛肉の生産農家に与える影響はない、こういうふうに判断をいたしておるわけであります。
○柴田(健)委員 国内の飼料対策についてお尋ねしたいのですが、最近、飼料対策を本気でやるということで、農林省は安倍農政の中で攻めの農政ということでなかなか勢いよく出発しておるわけですけれども、この中でえさ対策が非常に強く出ておるわけです。ところが、末端では、ただかけ声だけで具体的にはまだ何も出ておらないという不満がある。しかし、それはそれとして、これからどうするのかという点で二、三お尋ね申し上げますので、お答えを願いたいと思います。 まず、御承知のように、日本の和牛、乳牛等畜産全体は、どちらかというと水田畜産、水田酪農、水田和牛ということで、水稲栽培との併用の畜産振興ということでそういう形にならざるを得なかったのですが、多少だんだん変わりつつありますけれども、依然として水田酪農であり、水田和牛であるという傾向が強いわけであります。これを大きく転換させていくといっても、牧野改良を思い切ってやれるような可能地というものは、財産権の問題その他でいろいろうまくいかない、早急にはいかない、そういう弱さがある。当面使えるのは米の生産調整で休耕地というか遊休農地がたくさんあるわけですが、この利用をどうするかということですが、いままでもそういう生産調整で休耕奨励金をもらって、人に貸して、酪農家はそれを借りている。今度は奨励金制度が打ち切られて、もう貸すのはやめたと言われたら、また依然として遊休農地として高度の利用という計画が崩れてくる。この点について、転作奨励金制度が打ち切られた後の休耕地の高度利用というものを思い切ってやるのにはどういう処置をとろうとするのか、その考え方を聞かせてもらいたいというのが第一点。 それから、ことしの予算で飼料作物生産集団育成促進事業ということで、水田裏作のことをやろうということで補助事業予算を組んでおるのですが、いまの予算額では、これを調べてみてもはかばかしくいかない。これは微々たるものだ。これを大幅に予算を五十一年度でもふやすという考え方があるのかないのか、これをお聞かせ願いたい。 それから、次は、飼料の生産、流通という二つの関連から、大型の農業機械なり、調整加工施設なり、大型の貯蔵施設というような方向へもうこの辺で持っていかなければならぬのではなかろうか、そういう形で集団化の育成なり飼料基盤整備をやっていくべきではなかろうか、たとえば家畜のふん尿の処理施設も思い切って大型化していくというような構想をこの辺で具体的に打ち出すべきではなかろうか、こういうふうに思うが、そういう考え方があるかないか、これをお尋ねしたい。 それから、その次は、牧草地の有害雑草をどう完全に駆除するか。いままでのようなささやかな駆除方式でなしに、恒久的に本当に日本の牧草地はりっぱな牧草地であるという形をつくり上げるためには、抜本的に土壌改良をやることも必要であるけれども、有害雑草の駆除を思い切ってやるべきではないか。たとえばワラビ、ゼンマイというようなあくの強い草は妊娠障害も起こすし、また、肥育管理から言っても、肉質低下、乳量の低下というように非常に障害が多く出てくる可能性があるわけです。これらについて、思い切ってどういう形を取るか。いま、薬は、アージランとかいう薬を一回ほどぱっぱっと振って、それでけっこうでしたというやり方を指導しておるようですが、そんなことではいけない。この辺で技術的に思い切った処置をとるべきではないかと思うが、その考え方があるかないか。 それから、牧草地の適応性というものが技術的にどのように研究されておるのか、この研究の成果はどうなっておるのか、地域的にはそれぞれの地域によって違いますけれども、それぞれの研究機関がどういう形でその点の研究をしておるのか、また、研究をどういう形でさせておるのか、それに対する研究費はどういう形で出されておるのか、都道府県にみんなまかせておるのか、お尋ねしたい。 こういう点をまずお答え願って、それからまた次にお尋ねしたいと思います。
○安倍国務大臣 飼料作物の転換につきましては、飼料の自給の向上の観点から見ましても、水田裏作の利用促進と合わせて重要であると考えますので、従来から、いま御指摘のございましたような生産性の高い飼料作物の生産集団を育成するとともに、共同利用の機械、施設の導入あるいは簡易な土地基盤整備の共同施行、畜産施設整備事業、稲作転換特別事業及び水田飼料作推進家畜導入事業等を実施いたしておるわけでございます。これは予算措置も講じておるわけでございますが、こういう事業によりまして、飼料作物の作付の推進とその定着には努めてまいったところでございます。 さらに、五十一年度以降の稲作転換につきましての取り扱いをどうするかということにつきましては、米の需給の動向や、あるいは今後生産を拡大しなければならない作物や定着性の高い転作についても、転作奨励の必要性、国際的な穀物等の需給動向、その他の経済事情等も十分考慮いたしまして、水田という耕地の持つ高い生産力を生かして、その総合的な利用を図るという立場で、米対策全体の取り扱いの検討を行っておるところでございますが、この検討につきましても、飼料作物転作の実情は十分念頭に置きましてその取り扱いを進めてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。 なお、その他有害雑草の排除であるとか、あるいは土壌改良あるいは牧草地等に対する研究の改善等につきましては、関係の局長から答弁をいたさせます。
○澤邊政府委員 飼料作の集団生産組織の育成の問題につきましてのお尋ねでございますが、これは四十九年度から飼料作物の生産振興対策ということで、飼料作付の増加面積に対しまして反当幾ら、多いのは七千五百円、少ないのは五千五百円というように、その問三段階に分けまして奨励金を出すということによって飼料作付を促進しておるわけでございますが、その際も、飼料作につきましてはやはり集団的に栽培をするという方向で助成をいたしておるわけでございますが、五十年度予算におきましては、御承知のように、特に水田の裏作に飼料作物の導入を行いますために、それを促進するためには、特にこれも集団的な作付を組織によって行う必要があるという観点から、水田裏作地等の不作付地を対象として、期間借地あるいは作業の受委託等による土地集積を促進いたしまして、それによって飼料作物の生産集団と、その中での中核になる生産の担い手を育成するというために、それに必要な土地を集めるためにいろいろ協議をしたりするための経費、あるいはあっせんしたりするための経費、あるいは作業の受委託を促進するための経費、あるいは担い手を育成するための、中核農家に対する記帳手当とか、あるいは後作、表作の米等の作期を調整したり、あるいは裏作を行うことによりまして地力が低下する場合もありますので、地力を増進するために必要な経費等を集団に対して援助するとか、そういうことを五十年度から始めたわけでございます。これは来年以降、今年度の実績も見た上で強化をしていきたいというように考えております。 なお、以上申しましたのは、畜産局におきまして飼料作という作物を特定いたしまして、集団的な生産組織を育成するための予算について申し上げたわけでございますが、他の局で、特に作物を特定せずして、いろいろな集団的な組織を育成するための事業をやっております。たとえば高能率集団的生産組織の育成対策とか、あるいは今年から新たに行います土地利用型農業中核小集団育成対策とか、これらはいずれも作物は特定いたしておりませんけれども、集団的な生産組織を育成するために助成をしておるわけでございます。それらの中にも当然飼料作物も入ってきますので、これらの事業におきましても、集団的な飼料作の生産組織を育成するということを促進をしていきたいと思います。 いずれにいたしましても、今後飼料作の導入あるいは作付の増加を図っていきますためには個々ばらばらでやるのではなくして、集団的な組織で能率的に実施をするということが必要でございますので、今年度の実積も見ながら、来年度以降も、できますれば予算を一層拡充充実していきたいということで検討したいと思っております。 なお、大型化の問題につきまして、ふん尿処理とか、あるいは加工調整、これは飼料作物の加工調整の御趣旨かと思いますが、施設の大型化を図る必要があるという点は御指摘のとおりでございまして、現在、ふん尿処理につきましては、環境整備集落群の育成事業とかいうこともやっております。これらも飼料作の集団組織の育成と関連させながら運用することによりまして、能率的な加工調整あるいはふん尿の処理ということもできるように実行上配慮してまいりたいというふうに思っております。 なお、ふん尿処理の問題につきましては、単に浄化装置をつくるとか機械設備を設置することによりまして処理を円滑化し、黄公害の発生しないように適正な処理をするということだけではなくして、耕種農業と結びつけた形でふん尿を土地に還元するというようなことを個別経営内で、あるいは個別経営内でできません場合には、地域で農家ごとに耕種農家と畜産農家をうまく結びつけることによりまして土地還元をしていくということがふん尿処理の能率的な、コストの安いやり方として望ましいと思いますし、また、地力対策としても望ましいことでございますので、それらのことも考えながらやってまいりたい。そのためにも集団的な生産組織を育成するということが地域的な組織づくりのために必要だというふうに考えております。 それから、次に、雑草の問題でのお尋ねでございますが、御指摘のように草地造成後の雑草の問題は実は頭の痛い問題でございますが、基本的に言いますと、わが国の草地の造成技術あるいは管理技術というものは比較的歴史が新しいわけでございますので、三十年代から本格化したというようなことがございまして、いろいろ問題がございます。品種の問題あるいは肥培管理の問題、あるいは造成の問題もあります。それらが技術的には他の作物と比べてまだまだおくれた段階でございますので、技術開発、技術の革新ということもやらなければいけないわけでございますが、一つは、御指摘がございましたように、草地造成開発をやります場合の事前の調査を十分やっていくということが必要だと思います。土壌調査なりあるいは植生の調査等を十分やりまして、その土地、立地条件あるいは土壌条件等に適合した草の種類を選び、あるいは作付を選んでいくということが必要になるわけでございます。 そこで、雑草が非常に繁茂するというような原因は何だという点を調べてみますと、いろいろあるかと思いますけれども、まず不適切な放牧あるいは採草、これは過放牧とかあるいは牧草の刈り取り回数が多過ぎるというようなことのために牧草が雑草に負けてしまうというような原因による場合もありますし、あるいは肥培管理が適切でないために牧草が育たなくて雑草に負けてしまうという場合もあります」、あるいは雑草の駆除の不徹底ということも見られますし、あるいは、そもそも品種が適当でないということもあります。特に、わが国の場合、耐暑性、暑さに強い品種を西日本においては入れていく必要があるわけでございますが、どうしても寒冷地向けの品種が従来入っておりますので、これが暖地について適当でないというような面も見られております。暖地向けの夏枯れに強い品種もだんだんできてまいりましたので、それらの適当な品種を入れるように指導していくということが雑草を繁茂させないということのために必要なわけでございます。四つばかりいろいろ原因がございますので、それらの原因を除去するための技術指導等につきまして今後重点を置いていきたいというふうに考えております。 また、そういうように草地といたしまして退化したようなところ、雑草が繁茂して草地が退化したようなところにつきましては、草地の更新ということにつきましても今後指導し、できますれば助成の道も開きたいということで検討しておるわけでございます。
○小山(義)政府委員 牧草についての研究についてお尋ねがございましたのでお答えをいたしますが、関係の試験研究機関としましては、国の草地試験場が中心になりまして、北海道、東北、九州の各地域農業試験場が協力をいたしまして、研究勢力としては、研究者が約百六十人おります。 そのほかに十県に指定試験を設けまして、これは国の全額委託でやっております。これに従事しております研究者が五十人、合わせまして約二百人が牧草の研究に取り組んでおるわけでございます。 いまのところ品種の育成が中心になっておりますが、すでに約三十種類の新しい品種ができております。その中には非常に研究のおくれております暖地型の牧草の新しい品種も出ておりまして、外国から輸入しております品種に比べて一割程度以上の増収が実現をしておるわけでございます。問題は採集がむずかしいという点がございます。 お尋ねの地域性の問題でございますが、一つは、それぞれの地域の地形の状況に応じて草地造成を普通の大型機械を使って耕起をしていくということが必ずしもできない地域もございますので、そういうところについては蹄耕法でやる。その場合に、研究の課題といたしましては、放牧の時期だとか放牧の密度だとかいうふうなことを実地についていま研究成果を取りまとめておるわけであります。そのほか簡易機械工法の開発をやるというふうなこと等々、草地造成についての研究課題がございます。 そのほかに、地域性といたしましては、北海道と九州とを比べますと、牧草の成育可能期間が非常に幅が違っております。北海道では普通約百五十日と言われておりますが、九州になりますと二百五十日くらいというふうなことがございますので、それに応じてそれぞれ適品種を選定していく。特に、九州等二百五十日もございますと、むしろ寒地型の牧草と暖地型の牧草を組み合わせていくというふうな工夫が可能になってまいります。そういったことをそれぞれ地域の、国の試験研究機関が中心になって進めておるわけでございます。 これらに必要な予算につきましては必ずしも十分でない面がございまして、予算の計上については非常に努力をしておるところでございますけれども、国の牧草飼料作物についての組織的な大型研究等を中心にいたしまして、約六億円の予算の計上をいたしております。 そのほかに、先ほど申し上げましたように十県、各県に指定試験を設けておりますが、そういう指定試験の委託費が二億円近く、あるいはさらに総合助成等の補助金で数千万というふうな単位の予算を計上しておるわけでございます。
○柴田(健)委員 小山事務局長さんがわざわざ答弁に立たれたからちょっと二つほどお尋ねしたいのですが、私たちは、自給飼料率をどう高めるかということに鋭意努力しなければならぬと思っているのですが、そういう立場から、研究が二つの点にしぼられなければならぬと思うのです。 小山事務局長からお答えを願いたいのですが、流通飼料をどう節約するかという観点に立って、自給飼料の有効利用体系、要するに主要粗飼料と言われるイタリアンライグラス、ソルゴ、ヒエというようなものを使ってのイタリアンサイレージの品質の泌乳性、そういう面の影響がどうあるのか、どういう研究をされているのかという、その研究成果と、それからもう一つは、粗飼料の合理的栽培という体系と、栽培から調製、給与別の栄養損失についてどういう研究成果が出ているのかということ、この二つの点について小山事務局長からお答え願いたい。 それから、厚生省に伺いますが、法の二十二条で、「厚生大臣は、公衆衛生の見地から必要があると認めるときは、農林大臣に対し、第二条第三項の指定、第二条の二第一項の規定による基準若しくは規格の設定、改正若しくは廃止、第二条の六の規定による禁止若しくは第二条の七の規定による命令に関し意見を述べ、又は当該禁止若しくは当該命令をすべきことを要請することができる。」というようなまことに抽象的な文章になっているのですが、これで厚生省は、責任を持って厚生省の立場で、関接に人体に影響を及ぼすようなものについて、食品衛生法に基づいて完全なる提携をしてこの意見が十分反映できるようにできると思われておるのか、これを厚生省の方の担当官にお答え願いたい。 以上で私の質問を終わりますが、まず、小山事務局長の方から、二つの点について答弁をお願いします。
○小山(義)政府委員 お答えいたします。 粗飼料の自給の増強につきましては非常に大事な問題でございまして、その場合、いままではむしろ麦を食用の穀類で考えておりましたけれども、大麦の飼料化を進めるというふうなことを中心にいたしまして新しい品種を最近出しておりますが、そのほか、ただいま御指摘のございましたヒエだとか、そういう従来余り注目をされていなかった作物についての飼料化というふうなことについて、これは研究が若干おくれておるといいますか、あるいは正確に言えば中断をしてきた経緯がございます。最近そういう点については研究者の方でも大分見直しが行われておりまして、これから鋭意努力をしたいというふうな状況でございます。 なお、サイレージの問題につきましては、これは普通の技術はすでに普及をしておる段階に来ておりますけれども、非常に品質の高いサイレージを大量に一時につくっていくにはどうしたらいいかというふうなことについての研究課題を一つ持っております。 それから、いま一つは、粗飼料の流通化という問題が先ほど先生の御質問の中にもあったかと思いますけれども、このサイレージをある単位で区切りまして、それで流通を図っていく。その場合に二次発酵が非常に問題になってくるわけでありますけれども、二次発酵を抑えながら、私ども小型のコンテナ方式と言っておりますけれども、そういう形でのサイレージの流通化を図っていくというふうなことについて進めております。なお、それ以外にも、そういう青刈りサイレージじゃなくて、グレーンのものを中心にいたしまして、稲わら等をコンパクトにしてヘイキューブのような形にして成形をして流通化をしていくというふうなこともいろいろ進めております。 私ども研究者のいままで若干立ちおくれていた点を指摘をされまして、歯切れのいい答弁ができないといいますか、研究の成果ができないのはまことに残念でございますが、いましばらく時間をかしていただきたいというふうに考えます。
○柴田(健)委員 もう済まそうと思ったけれどもも、あなたのその答弁では、日本の技術局長としては非常にお粗末じゃないですか。あらゆる試験機関を動員してもっと試験をしなきゃいかぬのじゃないか。いま私の申し上げた点がまともに答弁ができないようでは、日本の飼料対策が技術的に見ていかに非常におくれておるかということですよ。それはもっと反省してもらわなきゃ困りますよ。一番大事なところを一つも研究してないというのはおかしいじゃないですか。まあ、それはいずれまた後であなたと論争するけれども、それはもっと勉強しなさいよ。 では、厚生省から答弁してください。
○岡部説明員 家畜等の肉あるいは牛乳等食用に供される生産物は、当然に食品衛生法の対象になるものでございます。それに、いま提案されております法律は、飼料あるいは飼料添加物の段階におきましてこれを規制して、健全な畜産物が生産されるということが目的でございまして、当然食品衛生法を踏まえてこの規格、基準が定められるものでございます。したがいまして、もし万一、飼料あるいは飼料添加物が原因となりまして食品として不適当なものが生産されるというふうなおそれがある場合には、これらの基準あるいは規格について厚生省は農林省に対して意見を述べるということになっておるわけでございまして、農林省では、この意見に従いまして当然適切な措置が講ぜられるものでございます。 以上でございます。
○柴田(健)委員 時間が来ましたので、終わります。
○澁谷委員長 今井勇君。
○今井委員 今回の法案に対しまして、基本的な問題を幾つかお伺いしておきたいと思いますが、大臣が途中で退席をされるようでございますので、最初に大臣に包括的な問題をお伺いをいたしたいと思います。 〔委員長退席、藤本委員長代理着席〕 わが国の畜産の問題は、国民のたん白資源としては重要な役割りを持っておりまして、魚とほとんど同程度のたん白資源の割合を示しておると思います。また、農業の中で占めます位置も、産出額を見ましても、約二五%、四分の一近くが畜産でございます。しかし、わが国のこの畜産を支えます基盤と申しましょうか、その飼料の問題については、残念ながら非常に脆弱でございまして、大半を輸入飼料に依存しなきゃならぬというのは残念なことであります。そのためにわが国の畜産は、数量はもちろんのことでありますが、価格も非常に不安定でありまして、畜産農民が非常に心配をしている点もそこにあろうと思います。特に、一昨年から配合飼料の価格が大変に上がりまして、畜産農民が畜産危機と言って騒いだのも、その原因はそこにあろうかと思います。 そこで、長い目で見まして、大臣は日本の今後の畜産というもののあり方を一体どう考えておられるのか、まずそこあたりから伺いたいと思います。
○安倍国務大臣 畜産物に対する需要は、今後の国民経済の発展に伴いまして、基本的には増加をするものと考えておるわけでございまして、そういう意味で、畜産はわが国の農業の重要な柱として今後とも発展をすべき部門であると思うわけであります。 しかし、いま御指摘のように、最近における畜産の情勢は、これまでのわが国の急激な国民経済の発展の中におきまして、国際的な飼料穀物の需給事情に大きな変化が見られたわけでありますほかに、あるいは畜産物の消費の停滞、経営用地の取得難、畜産による環境汚染問題の深刻化等、種々な問題に直面をしておることは御存じのとおりであります。 こういうふうな情勢に対処して今後の畜産の安定的な発展を確保していくためには、最近の飼料需給の逼迫に対処して、粗飼料の生産の増大と大家畜に対する粗飼料給与率の改善を図ることにより飼料自給力の向上を第一に図っていかなければならないわけでありまして、そういう立場から、今回の予算におきましても粗飼料の緊急対策措置を講じたわけでございます。 その他、優良家畜の改良普及、経営技術の向上等によるところの生産性の向上、あるいは耕種農業との連携による家畜のふん尿処理の合理化、これは最近土壌が悪くなってきているという意味において、地力を培養するためにおける耕種部門との一体化というものが必要であろうと思うわけであります。あるいはまた、畜産物価格制度の適正な運用による畜産経営の安定、今回牛肉につきまして新しい価格制度を設けたということも、こうした意味における畜産経営農家の経営の安定ということを念頭に置きました措置でございます。さらに、畜産物の流通の改善による畜産物の消費の促進等を図る必要がございます。 そういう意味におきまして、生産面あるいは価格面、流通面につきましての総合的な対策というものを強力に実施していかなければこれからの畜産経営の安定は図っていけないというふうな立場から、わが国の農政の基本的な重要な柱として今後とも畜産行政を進めていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○今井委員 確かにおっしゃるとおり、わが国の畜産の問題を論ずる場合に、飼料の安定供給ということがまず大事であろうということはお説のとおりだろうと思います。 政府の資料を見ましても、飼料の中でも、配合飼料の生産量というものは本当に飛躍的に伸びております。四十年が八百万トン、これが四十八年で千八百万トンということでございまして、わが国の畜産は配合飼料に片寄り過ぎておると思います。 そこで、先ほども大臣が指摘されました粗飼料の問題でありますけれども、粗飼料の増産を積極的に推進するんだというふうに言われましたが、その具体的な施策について、長期的な観点に立っての御答弁をいただきたいと思います。
○安倍国務大臣 粗飼料を増産をしていくということは、今後ともわが国の畜産の増産をしていくという意味におきましては非常に大事なことであります。特に、大家畜につきましては、粗飼料増産ということが大切でありまして、そういう意味で、五十年度の予算におきましても、粗飼料の緊急増産対策費というものを新しく予算に計上をいたしまして、積極的に粗飼料の増産を進めていくわけでございますが、そのためにも、裏作を活用していくとか、あるいはまた未利用地の活用であるとか、不作付地の利用であるとか、わが国における粗飼料増産については、今後ともまだまだ相当の増産をする余地があると私は考えておるわけでございます。 それらにつきましては、現在の予算では十分でございませんが、今後さらに積極的な姿勢で粗飼料対策には進んでまいりたい、こういうふうに考えるわけでございます。
○今井委員 大臣の御答弁のとおりでありまして、こういう問題は一年、二年ということではなかなかできないわけでございますから、どうぞひとつ長期な計画を立てられまして、その長期な計画に基づいて一歩一歩前進するように、予算の面での御配慮をぜひお願いをいたしたいと思います。 それから、四十八年度の千八百万トンの配合飼料の内訳をやはり政府資料で見ましても、トウモロコシ、コーリャン、これはマイロでありますが、合わせまして約一千万トン、これは日本でつくろうと思ってもなかなかつくれぬものでもありましょうが、残余が八百万トンあるわけでございます。その中には、国内で生産しようと思えば生産できないこともないものがあると思うわけであります。そういった濃厚飼料についても国内でできる限り生産を推進すべきだというふうに思いますが、これについて政府の見解を承っておきたいと思います。
○澤邊政府委員 粗飼料の増産を図るということが基本でございますが、中小家畜等につきましては、今後飼養頭数の増加に応じまして需要も一層ふえるわけでございますので、もちろん、濃厚飼料につきましても、安定的な供給の確保を図るということが大事になるわけでございます。 そこで、濃厚飼料の原料になります飼料穀物でございますが、トウモロコシ、マイロが実は主体になっておるわけでございます。それに小麦、大麦が加わり、その他各種の飼料原料が使われておるわけでございますが、大宗になりますトウモロコシ、マイロの国内生産をやるべきではないかという御意見も一部にあるわけでございます。われわれはこの問題は今後時間をかげながら検討する必要があると思いますが、現段階におきましては、わが国の土地条件あるいは農地の利用状況等から見まして、トウモロコシ、マイロは御承知のように夏作物でございますので、他の作物との競合等もございます。そういうこと、あるいは、これは、非常に大規模で粗放な経営によって主要な生産国において生産が行われてコストが非常に安くなっておるわけでございますが、作物的にもそういうところに向いておる作物だと言われておるわけでございます。そういう点から、わが国のような非常に土地の狭いところで能率的に生産をするということはなかなかむずかしい面がある。したがいまして、労働生産性の格差も現状においては非常に大きいというような点あるいは風土上の制約から言いまして、収量がわが国では非常に不安定であるというようないろいろな困難な事情がございます。これらも克服することは相当研究を要するわけでございますので、現状において直ちに国内生産をふやすということに踏み切るには余りにも問題が多過ぎるということで、将来の研究にゆだねておるのが現状でございます。 しかしながら、ほかの飼料穀物について見ました場合、やはり問題になりますのは麦でございます。特に大麦、裸麦につきましては、飼料原料として非常にいいものでございますので、これを何とか国内で生産できないかということで、食用麦を含めた麦の生産振興対策の一環といたしまして、できるだけ国内で生産を、飼料用のものとしても拡充をしていきたいということを考えておるわけでございます。これは水田裏作をかなり使えるわけでございますので、現在裏作の作付率が非常に減っておりますので、これをいかにふやしていくか、あるいは遊休しております耕地をいかに活用して麦作を奨励していくかということが今後のポイントになるわけでございます。 先般来検討しておりますところの、近く正式決定をする予定にしております六十年の生産目要、生産見通しにおきましては、とりあえず三十万トンの飼料用の麦の生産を目標といたしております。これを行いますためには、食用麦と同様でございますけれども、生産奨励金の交付を、現在やっておりますものを今後さらに充実していくというようなことも必要になると思いますし、飼料用麦の生産、貯蔵あるいは利用に必要な機械の導入を促進していくというようなことも必要になるわけでございます。 最後に申しました機械、施設の導入につきましては、先ほど大臣からお答えがございました緊急粗飼料増産総合対策、今年度から実施する予定にしておりますもの、この中におきましてもメニューの一つとして取り上げまして実施をしてまいりたいというように考えておるわけでございます。 飼料穀物全体の中では、当面は麦に重点を置いて考えていきたいということでございます。
○今井委員 そのように国内生産を麦を中心にしていくというふうなことは、私もそのとおりだと思いますが、しかしながら、先ほども申し上げたように、大宗を占めるトウモロコシあるいはマイロというのは日本ではなかなかできがたいということでありますと、こういうふうな日本でできがたいものは海外に依存しなければならぬ。しかも、そうすると、そういうふうなものを安定的に日本が確保するための措置というものが必要であろうと思います。 そこで、たとえば長期の契約を結んで短期の変動に耐え得るようにするというふうな方法もありましょうし、また、備蓄を推進しておいて年々の過不足を補うという方法もあろうと思いますが、こういった長期契約あるいは備蓄の問題についての政府の見解はいかがですか。
○安倍国務大臣 飼料穀物につきましては、ことしは作付も国際的に伸びておるわけでありますし、豊作だというふうな見通しで現在価格も低落をいたしておるわけでございますが、しかし、何としても天候によって大きく左右されるわけでございますから、六月以降の天候を見なければ最終的なことしの生産というものは把握できないわけでございますが、しかし、長期的に見ますと、穀物等につきましては今後とも逼迫をしていくというような情勢にあるというふうに私は判断をいたしておるわけでございますし、また、世界的にも在庫の方はこれまでと比較しますと相当低い水準にあるわけでございますから、そういうものに対処して今後ともわが国の輸入に頼らなければならない飼料穀物についての総合的な対策というものを樹立をしていかなければならぬわけでございます。私たちはそういう意味で安定的な輸入を図っていくということを農政の大きな課題といたしておるわけでありまして、安定的な輸入を図っていくためには、いまお話しがございましたように、やはり長期あるいは中期にわたるところの国際的な取り決めというものを結んでいく必要があるのではないかというふうに判断をいたすわけであります。 私は今回も豪州に参ったわけでございますが、その際、砂糖につきまして豪州からの長期的な取り決めが民間で行われまして、政府もそれに対して協力をいたしましたが、これにつきましても非常に評価をされておるわけでありますが、穀物等につきましても、今回の会議等におきましても長期的な取り決めという問題が検討の課題になりまして、私もこの安定輸入のための長期取り決めということについては積極的に検討する意向を表明いたし、豪州側としても検討するというふうな考え方が示されたわけでございますが、豪州のみならず、アメリカその他の主要な輸出国との間については、今後の穀物の需要の逼迫という面から長期、中期の契約というものをやはり考えていかなければならない、いま穀物が安くなったからといって、そのまま放置しておるべきではない、そういう長期、中期の取り決めというものは政策の大きな課題として考えていくべきじゃなかろうか、と思うわけでございますし、同時に、また、備蓄の点につきましても、現在国内において多少の備蓄はいたしておるわけでございますが、国際的にも世界食糧会議等においても一つの大きな課題になっておるわけでございまして、われわれもこれに協力する考えを示しておるわけでありますが、わが国としても、そういう中にあって、備蓄問題というものも、これからの政策の課題として、むしろ積極的な姿勢で取り組んでいくべきじゃないだろうかというふうに判断をいたして、そういう立場でもって今後とも食糧政策を進めていきたい、こういうふうに私は考えております。
○今井委員 問題がちょっと飛びますが、大臣がおられるうちに石油たん白の問題について大臣のお考えを聞いておきたいと思います。 新しい飼料資源としての石油たん白について、今回の法改正によりまして飼料化の道を開くのではなかろうかという不安があるようにも聞いております。これに対して国民の疑惑を晴らす必要があろうと思いますが、石油たん白の飼料化に対する基本的な農林省の考えを大臣の口から聞いておきたいと思います。
○安倍国務大臣 石油たん白につきましては、これは国会でもしばしば答弁をいたしておるわけでございますが、国民の一部において飼料化を認めてはならないという要望が非常にあるという、そういう国民感情があるわけでございます。また、安全性につきましても確認がされていないというふうな事情から見まして、私は石油たん白の飼料化につきましては当面は不適当と考えており、すでに明らかにしておるとおり、安全性が確認され、かつ、国民的な合意が得られない限り飼料化は認めないというのが私の基本的な考え方でございます。
○今井委員 あと、もう二つほど伺いたいのですが、安全性の問題で、法改正によりますと、安全性の規制を強化することとなりますが、これの実効を担保するためには試験あるいは検査の体制が当然必要であります。現在の農林省のそういった機構としては、国の機関が六カ所で、それから各都道府県はすべて検査機関を設けておるようでありますが、聞くところによりますと、人員あるいは施設等について必ずしも十分ではないというふうに聞いておるわけであります。したがって、この新法を厳格にしかも国民の安心がいくように施行するためには、そういった面の、特に試験あるいは検査体制というものの拡充強化を図る必要があろうと思います。また、検査業務に対します予算の推移を見てまいりましても、五十年度で約一億六千万円くらいでございます。四十六年度等に比べてみますと、四十六年度は約六千万円でありますから確かに増加はしておりますが、これは必ずしも十分ではなかろうと私は思います。 したがって、この点について、大臣は一体どのような所見でこの検査体制あるいは研究体制を進めていかれようとするか、基本的な考え方だけで結構ですから御披露いただきたい。
○安倍国務大臣 飼料の検査機関は、国の検査機関として全国六カ所に肥飼料検査所があるわけであります。各都道府県におきましても検査機関を設置いたしております。従来、本法に基づく立ち入り検査により収去した飼料の成分検査、異物検査は、国、都道府県において検査対象等を調整の上実施をしてまいったわけでありますが、飼料の安全性等にかかわる有害物質等の汚染実態の把握等は国の検査機関が対応してきております。なお、飼料に起因するところの事故発生による原因物質等の究明等につきましては、従来から家畜衛生試験場その他試験研究機関の協力を得て対応してきたところでございます。 また、飼料の安全性にかかわるPCBあるいはアフラトキシン、残留農薬、重金属あるいは病原微生物の混入のおそれのある飼料、さらには飼料添加物の検査につきましては、国の検査機関におきまして、従来関連業務として適宜実施をしてきたところでありますが、今後は、法改正の趣旨にかんがみまして、国の検査は安全性に関する検査に重点を置くことといたしまして、このための技術者の確保、分析機器、施設等の整備、技術の習得等により一層検査体制を充実強化することに最大の努力を傾ける方針でございます。 また、都道府県の検査機関につきましては、四十六年以降機械器具の補助を実施いたしておりまして、その整備に努めておるところでございます。なお、本法の改正が行われましたならば、来年度予算につきましては、それに対応する予算の整備獲得には全努力を傾注しなければならないことは当然であるというふうに思います。
○今井委員 いまの大臣の御答弁で、最後のところに、来年以降に対する御覚悟のほどがございましたが、私も期待をいたしておりますから、攻めの農政の大臣がこういう面の整備強化に対してどうぞ格段の御努力をしていただきたいと思います。 それからもう一つだけ伺いますが、第八条に「表示の基準」がありますが、私どもが選挙区へ帰りまして農民に聞きますと、素朴な農民の声として、いろいろ配合飼料にはまじっているんだが、どうせやってくださるならば原料の配合割合を表示していただいたら非常に安心じゃないかという声があるわけです。ところが、本法によりますと、第八条で、「飼料の消費者がその購入に際し栄養成分に関する品質を識別することが著しく困難である飼料で、」云々ということになっているわけですが、そういう素朴な農民の声に対して、この「表示」というものがこういう第八条のような形になったということは画竜点睛を欠くような気が私はいたしますので、その点について基本的な考え方をお聞きしておきたいと思います。
○澤邊政府委員 品質の表示制度を今回の法律改正におきまして拡充をしてまいりたいという考えで、立案過程におきましても種々検討いたしたわけでございます。昨年の本委員会におきましても、多数の委員から、飼料の原料の配合率をできるだけ、といいますか、あるいは全部表示させるべきであるという御趣旨の御意見が多数出されておりました。われわれはその点も十分検討いたしたわけでございますが、法律には直接文言上出てまいりませんけれども、われわれが現在考えております考え方の基本について申し上げてみたいと思うわけでございます。 まず、農家が家畜に飼料を給与する場合、その必要な給与量は、家畜の飼養標準というものがございますので、それをもとにいたしまして、必要なTDN、DCP量、あるいは燐とか、カルシウムとか、あるいは粗たん白、粗灰分、粗繊維、粗脂肪とかいったものをバランスを考慮して給与量を決めていくというのが通常でございますけれども、使用する配合飼料に含まれておるTDNとかDCPとか、燐、カルシウム等の値が適正に表示されておれば飼料管理上は大体支障がないのではないか、原料が何であるかということは必ずしも必要ではないのではないかというふうに考えるという点が第一点でございます。 それから、配合飼料の配合割合につきましては、実は、これは、個別のメーカーにとりまして唯一の研究開発の成果といいますか、そういう面がございまして、そのメーカーの製品の特徴になっておりまして、そこにいろいろと技術面での競争が行われておるわけでございます。それを優良企業が配合割合を全部表示するという形で公開するということになりますと、すぐにこれを他のメーカーが模倣してしまうというような問題も実はあるわけでございまして、場合によっては、模倣した上で不正な競争手段で安売りをするとかいうようなことも考えられなくはないわけでございます。そういう点から、メーカーの品質改善の意欲を、全部表示をさせるということによって、公開をさせるということによって阻害する心配はないかというような面があるわけでございます。 それから、もう一つ、三番目には、飼料穀物の国際的な需給事情、価格事情というものはそのときどきによってかなり変化するわけでございます。したがって、一般に、使用原料、特に飼料の配合割合というか、使用割合といいますか、これはそのときどきの需給事情、価格事情によりましてふやしたり減らしたりしておるわけでございます。ただ、成分は変えないようにして、同じ成分のものをつくるために、どのようにして安い原料を手に入れてうまく組み合わせて配合して同一成分のものをつくり上げるかというところに苦心が存するわけでございますが、そのようなことがしょっちゅう行われておるわけでございます。そういたしますと、それに対しまして全部表示義務を課するということになりますと、表示票の書きかえといいますか、印刷とか添付とかいうことについて迅速に対応するということはなかなかむずかしいということが実際面であるわけでございます。 諸外国の例もいろいろ調べてみたわけですが、全部が全部調べたわけではもちろんございませんが、主要なところを調べてみますと、私がいま申し上げたような理由があってだと思いますが、配合割合の表示を行っているというところは、われわれの知る限りでは全面的に行っておるというところはないようでございます。一部についてはもちろん行わせるということはわれわれもやりたいと思っていますし、諸外国でもやっておりますけれども、全原料の配合割合を表示させるというようなことはやっておらないのが一般でございます。 わが国の場合におきましても、他の物質について調べてみましたが、食品衛生法の食品関係の表示あるいは農林省でやっております日本農林規格の表示等におきましても、原材料の配合割合の表示は通常行わせておらないというような点もございます。 それらのことも考えまして、私どもは、現在、全面的に表示義務を負わせるということは無理ではないかということで、主要なものにつきましてはもちろん表示義務を課することにいたしておりますけれども、あらゆる原料につきまして表示を義務づけるということは、配合割合についてまで全部表示を義務づけるということは困難ではないかというように考えております。
○今井委員 もう少し局長に念を押しておきますが、ただいまあなた方は行政指導でいろいろと原料等の表示をさせておりますね。あるいは、現在の法律でも成分等の表示票があり、現在やっておられる程度の材料なり原料なりの表示というものから後退をしない、前進をするのだという理解でよろしゅうございますか。その点はどうですか。
○澤邊政府委員 もちろん、原材料名は全部書かせるように現在行政指導でやっておりますけれども、これを法律上はもちろん義務づけることにいたしますし、先ほど言いましたように、TDNとか、DCPとか、あるいは燐、カルシウムというようなものはいままでやっておりません。これを新たにやることにするというようなことで、もちろん現在より後退ということはありません。むしろかなり前進させるつもりでおりますけれども、あらゆる原材料の配合割合を全部記載させるということは無理ではないかというふうに考えておるわけです。
○今井委員 それじゃもとに戻りまして、少し細かい質問をしたいと思います。 最近、配合飼料が数度にわたって値上がりしたものですから、農家によっては、配合飼料中心のいまの経営から、自分の家で調達できる自家配合といいましょうか、そういうものを使って畜産をやっていこうじゃないかというふうに希望する農家が間々あります。間々というより相当あります。私はこれは大変大事なことであると思うので、わが国で配合飼料がなかなか自給できないですから、そういう希望は大事に育ててやる必要があろうと思いますが、これに対して農林省は何か腹案がありますか。
○澤邊政府委員 先ほども問題が出ました配合飼料の銘柄が非常に多いということと並んで、配合飼料を余り使い過ぎているではないかという御意見があるわけでございます。メーカーの商業政策に乗ぜられ過ぎて農家が配合飼料に余りに依存し過ぎているというような御意見があるわけであります。大家畜につきましては粗飼料の給与率をもっと高める必要があるということはもちろんでございますが、濃厚飼料につきましても、配合飼料という形ではなくて、単体で使うとかあるいは自家配合をやるというようなことで、自分の家畜、自分の飼育方法に適したえさを使う、あるいはまたコストも安くなるというような点から、自家配合をもっと奨励すべきではないかというような御意見が多いわけでございます。 そこで、現状を見てみますと、政府操作飼料の大麦だとかふすまなどの単体飼料が比較的潤沢に入手できるような、これは大家畜中心でございますが、そういうような地域の酪農なり肉用牛経営におきまして自家配合というものはふえてきておるというふうにも見られます。また、完全配合飼料ではなくて、二種混合飼料が入手しやすいトウモロコシ等の輸入港隣接の大規模な養鶏、養豚経営において、二種混合飼料を使って他のものを添加して自家配合をやるというような利用が増加する傾向があるわけでありますが、これは自家配合を行うことによりまして購入配合飼料を使う場合よりもコストが割り安になるということと、それから抗生物質等の添加物を余り使っていない安全度の高いものに対する要求を満たすことになるわけでございます。そこで、われわれの推定では、自家配合飼料の使用量は五十万トンないし六十万トンではないかというように推定をいたしております。 そこで、このような自家配合につきまして問題になりますことは、家畜栄養バランスを維持していくというような点からいたしますと、高い技術水準にある人がやらないと栄養バランスを失する場合がある。これは完全配合飼料ということになりますと大体栄養バランスはとれているわけでございますから、自家配合でやる場合、そういう栄養水準についての知識がない人がやると栄養バランスを失するということもあり得るわけでございます。それによって畜産物の生産に悪影響を及ぼすという場合もなくはないわけであります。また、自家配合する場合の主原料になりますトウモロコシは、御承知のように国内産でん粉産業保護の立場から、単体として使用する分については免税措置がないわけであります。現在トン当たり約八千六百円の関税が課されております。したがって、配合原料として単体飼料を使う場合には、それに対しては関税がかかるという点が一つと、それから、農家の立地条件等によっては、自家配合する場合のトウモロコシ以外の副原料の入手が非常に困難である、むしろ配合飼料を買う場合よりも割り高になるというような立地条件上の不利なところは、そういうような例もありますので、それらを一切無視して全面的に自家配合をやるのが好ましいということはすぐには言えない面がございます。 〔藤本委員長代理退席、委員長着席〕 したがって、一定規模の経営条件を有し、自家配合に適合する畜産経営者につきましては、混合飼料の場合は配合飼料の場合と同じように免税になりますので、そういう混合飼料及び各種の副原料が円滑に入手できるような流通面での整備を図るとともに、先ほど言いましたように技術水準も上げていかないと逆の面が出てくるということでございます。現在一〇%課税されております輸入割り当て制トウモロコシ等につきましても、他用途への転用防止の保証によって国産でん粉保護との調整を図りながら関税の減免措置を護ずることができますれば、単体飼料として関税のかからないものが流通して安く入る。こういうことになりますれば自家配合を促進する効果が出ると思います。 この点につきましてかねがね研究しておるわけですが、いかにして他用途への転用を防止するか、それによって国内でん粉の保護という他の目的、そういう観点に支障のないような流通をどういうふうに規制していくか、そこがうまくできるようになりますれば、配合飼料原料の場合と同じように自家配合用の単体トウモロコシについても免税できるということになりますので、その辺のやり方を現在検討しております。これは他の局とも関係しますので、省内でいま検討しておりまして、できればそういう方向に持っていきたいというふうに考えております。
○今井委員 いまの答弁を聞いていて同感であります。いま国民が不安なのは、値段が高いということもそうですか、何が入っているかわからないということが一つあるわけです。したがって、そういうふうに自分のところで配合して、しかもそれがいろいろな優遇措置ができるということならば、そういった創意工夫の気持ちを伸ばしてやることがぜひ必要だろうと思います。したがって、いまの研究が研究に終わることなく、それを実現する方向で早急にこれは検討してもらいたいということを希望しておきます。 それから、いまの問題にも関係がありますが、えさの問題では、安定的にしかも安く入るということが大事であることは当然のことなんですが、それ以上に大事なことは、良質な飼料が供給され、しかも生産された畜産物が、国民が安心してそれを食べることができるというものでなければならないと思うわけです。そういう意味で、昭和二十八年につくられました現行法は、どちらかといいますと、その時代の要請によって栄養効果の確保という意味からの品質管理はありましたが、飼料の安全性という意味については、法の上ではなくて行政指導でするという形になっておったのを、それじゃいけないということで今回法改正をする。私はその方向は正しいと思いますが、二十八年以来もう二十何年になろうとする間、畜産農家の実態は非常に目まぐるしく変わっておりまして、それまで放置しておったとまではあえて言いませんが、法改正を怠ってきたと思われます農林省の行政については怠慢のそしりを免れないだろうと私は思います。 したがって、今度の法改正の眼目であります安全性の問題について二、三基本的な考え方を聞いておきたいと思いますけれども、まず、最近のえさは、どうも薬づけのえさじゃなかろうかと思うほどいろいろな薬が入っているように思います。しかも、それがどんなものが入っているかわからないというところが農家は非常に不安なわけです。したがって、こういうような不安を除去するためには極力飼料添加物というようなものが入らないようにするということが最も望ましいと思うわけですね。したがって、農林省としては、飼料添加物に対しての安全性確保のための基本的な考え方について一体どう考えているのか、まず、それからお尋ねしたいと思います。
○澤邊政府委員 現行の飼料品質改善法につきましては、安全性の観点からの規制措置については何ら規定がないということのために、現在、行政指導によりまして種々の安全性確保のための指導をやっておるわけでございますが、人体の健康に対します安全性の確保ということは国民の強い関心事になってまいっておりますので、これまでのような単なる行政指導で行うということではなくして、法的な根拠に基づきまして徹底して安全性を確保していくということが必要になってきておるという認識に立ちまして、今回法改正をお願いしておるわけでございます。 そこで、ただいま御指摘がございましたように、最近は飼料添加物をふんだんに使って、いわば薬づけの畜産物を生産しておるのではないかというような御指摘でございますが、現在使っております飼料添加物は、飼料の品質低下を防止するための防カビ剤とかいうようなものあるいは栄養を、天然の飼料だけではバランス上必ずしも十分でないということで、それを補充するためにビタミンとかミネラルとかアミノ酸を添加するものとか、あるいは家畜の生産性の低下を防止するために、あるいは逆に言えば飼料効率を高めるために、抗生物質、抗菌性物質を使うといったようなものに大分類ができるわけでございます。このようなものが非常に使われ出したといいますことは、家畜の飼養頭羽数が増加をいたしまして大規模な経営が行われ、また、集団的に飼われるということになりまして、配合飼料の使用量もうんとふえる。それと同時に家畜の飼育環境というものも変わってまいっておりますので、そのような添加物を使用することによりまして生産性の低下を防止したり、あるいは飼料そのものの品質の低下を防止するというようなことのために使われ出したわけでございますが、このような飼料添加物は、その使用量が非常に微量でございましても、適正に使われない場合には家畜の生理上いろいろ有害にもなりますし、それが抗生物質等の場合には、畜産物に残留するということを通して人間の健康に有害であるという場合もあり得るわけでございます。そういう意味から、安全性の問題に対しましては十分慎重な配慮をしていく必要があるということで、薬づけというようなことに伴います国民の不安を解消していく必要があるというように思うわけであります。 現在、飼料添加物公定書というものをつくって、それに従って製造、使用するように指導しておりますが、これを法的な根拠に基づく規格に改めていくとか、あるいは製造基準あるいは保存基準、使用方法基準というものも決めて、それに従わなければ義務違反ということになり、その違反したものについては廃棄させるとかいうようなことをやろうというのが今回の安全性の観点からの主要な規定でございます。 飼料添加物につきましては、もちろん環境衛生を十分やっていきますして——といいますのは、消毒をしたり、あるいは害虫の駆除をしたり、あるいは環境を清潔にするということによりまして、飼料添加物を使わなくても問題がないというような方向に持っていくのが理想でございますけれども、そのような意味で、環境衛生の強化ということは今後とも一層進めていかなければいけないと思います。 現状では、飼料添加物を一切使わないということになりますと非常にマイナス面が出てくるということがございますので、安全性を確保しながら必要なものは最小限添加物を使うということは当面は続けざるを得ないということでございまして、従来の行政指導という不徹底なやり方ではなくして、法的な根拠に基づく規制措置を一層強化することによりまして心配のないようにしてまいりたいというのが基本的な考えでございます。
○今井委員 まあ、わからぬでもないが、そのとき、添加物の問題で、たとえば規模をある程度制限をしてあまりべらぼうな規模にしないでおくとか、あるいは環境衛生の対策をがっちりやるというようなことによって、いま使っている添加物がなくても済むようなことがあるんじゃなかろうかと思います。たとえば鶏のサルモネラ菌ですか、そのためにフラゾリドンという添加物を、これは薬だそうですか、それを使って、そういった菌が一遍に蔓延しないようにするということも聞いております。したがって、いま申し上げるように、育っている環境を変えたらどうだ、何も規模の大きいだけが能じゃなかろうというふうに発想の転換をすれば、おのずからいま使う薬がもっと少なくていいということになるかもしれないし、あるいは全然使わなくてもいいかもしれないが、そういうことに対しての検討はどうされていますか。
○澤邊政府委員 御指摘のとおり、また、先ほどもちょっと関連してお答えいたしましたように、飼料添加物を使わなくても済むようにする一つの方法といたしまして、家畜、家禽の飼養に当たっての環境を衛生的に保全するということをやりますれば、疾病の予防あるいは生産能力の低下を防止するという上で好ましいことで、それがむしろ大前提になるわけでございます。そういうことを進めることによりまして、飼料添加物に対する依存度といいますか、それを少なくしていくということは、今後われわれがやらなければならない基本的な方向であろうと思います。 このために、従来から、各県にございます家畜保健衛生所等を中心にいたしまして、環境を衛生的に保全するための対策として、消毒の励行だとか、あるいは合理的なふん尿処理だとか、あるいは清潔の保持などの普及指導をいたしまして、飼養環境を改善し、疾病の発生予防をやるというようなことをやっておりますが、これらも今後さらに一層拡充していく。また、保健衛生所という行政機関の指導だけでなくして、各県にあります家畜畜産物衛生指導協会が自衛防疫をやることになっておりますので、これらの自衛防疫事業の中でもそのような環境を衛生的に保全するための普及指導をやってもらうというようなことによりまして、ただいま申し上げましたような飼料添加物をあまり使わなくても問題がないという方向に持っていきたいと思いますが、現状におきましては、なお、一切この際やめるということは、疾病の発生あるいは生産性の低下という点で、あるいはまた飼料の品質保全というような点で心配がございますので、できるだけ整理をしまして、この法律が通りますれば、飼料添加物、特に抗生物質等につきましてはもう一回総洗いをいたしまして数は整理していきたいと思いますが、時間をかけながらそのような方向でやってまいりたいと思っております。
○今井委員 したがって、希望しておきますが、規模の縮小なり環境衛生の対策に応じて、そういう場合にはこういう薬でいいんだということもあり得ると思うわけですが、何でもかんでも同じでなければならぬことはないので、そういうふうに使われる方の家畜なりの状態によってえさの状態を変えるということも考えてよかろうと思う。いまはそうでなくて、えさの方があってその状況を合わしているように思いますが、発想の転換とまではいかなくても、ものの考え方を変えていくことも必要だろうと思いますので、そういう意味の御検討をいただきたいと思います。 それから、今度の法律では、第二条一項の「政令で定めるもの」の中には、いまいただいた資料によりますとウナギ等の養殖水産物が入るということが書いてあります。私どものところでもウナギ、ハマチといった養殖漁業のえさも安全性の問題からいろいろ問題があるように実は聞いておりますが、それも今度の法律で入るのだと聞いておりますけれども、そうすると、改正法ではこの取り扱いをどうするのか、基本的な考え方を聞いておきたいと思います。
○澤邊政府委員 現行法上は、飼料といいますのは、「ふすま、油かす、魚粉等家畜家きんの栄養に供されるものとして農林大臣の指定するものをいう。」ということで、農林大臣が指定した物だけがこの法律上はえさだということでございまして、養殖魚類のえさはこの法律の規制対象とすることはできないことになっておるわけでございます。しかしながら、御指摘のございましたような養殖魚類のえさにつきましても、家畜同様安全性の問題あるいは栄養の問題等から品質を保全する必要がありますことは当然でございますし、しかも、養殖魚類のえさがだんだん生産がふえてまいっておるという状況にかんがみまして、今回の改正法第二条の第一項における対象動物の政令指定に当たりましては、政令指定をすることになっておりますので、その政令を定めます場合におきましては養殖魚類も指定をいたしまして、養殖魚類用の飼料の安全性確保のための所要の規制を行うことにしていきたいというふうに考えております。
○今井委員 特に、いまの養殖漁業の問題については、いままで未解決の問題というより未検討の問題が非常にいっぱいあるわけですから、それを取り込むからには、その辺、使用漁民が不安にならないように、使用漁民がむしろ安心して使えるような強力な行政指導をしっかりとしていただきたいと思いますが、その点についての準備は大丈夫ですか。
○澤邊政府委員 私の方の畜産局ではいままでそういう問題は扱っておりませんでしたし、確かにに、一般飼料に比べますと技術的に十分蓄積があるとはまだ申せない面がございます。しかし、先ほどお答えいたしましたように、その必要性については非常に高まりておりますので、規制の対象にしてまいりたい。水産庁もそのようなことを強く希望いたしておりますので、そのようにしたいと思っております。 ただ、技術的な問題につきましては、今度農業資材審議会の中に飼料品質部会というものをつくりますが、さらにその下の専門委員会といいますか、その中に養殖魚類関係の専門委員会を一つ設けまして、専門的に学識経験者の御意見もお聞かせいただきながら御検討願って、各種の指定なり規制なりをやってまいりたいというふうに考えております。
○澁谷委員長 今井君、もう時間がそろそろ来ていますから……。
○今井委員 あと二問だけで終わりますから……。 それは新しい飼料資源のことですが、SCPの開発の状況は一体どうなっておるのかということと、また、それに対する安全性を含めて、こういった新しい飼料に対する基本的な考え方を簡潔に聞かせてください。
○澁谷委員長 畜産局長、簡潔に答えてください。
○澤邊政府委員 新飼料につきまして、特にSCPにつきましては、農林省の農林水産技術会議におきまして、今年度大型研究のテーマとして取り上げまして、研究開発をやることになっておるわけでございますが、それは別にいたしまして、新飼料に対する安全性につきまして今回の規定でどのように考えておるかという点は、新飼料につきましては、栄養価値が確認されていることと同時に、安全性も十分に確認されたものでなくてはならないということが基本原則でございます。 このような見地から、従来行政指導によっておりましたところを法律的な規制を加えるということになるわけでございますが、その一番肝心な規定といたしましては、第二条の六の「有害な物質を含む飼料等の販売の禁止」という中に第三号というものがございまして、これは新飼料の規制を行える根拠規定になるわけでございますが、「使用の経験が少ないため、有害でない旨の確証がないと認められる飼料」となっております。これは石油たん白等も現状においてはこれに該当する飼料だと思いますが、こういうものにつきましては販売を禁止するというような措置が講ぜられるようにするわけであります。 この三号の読み方といたしましては、地域的にもあるいは時間的にも使用の経験が全くないかあるいは余りないというものにつきましては、有害でない旨の確証がない。要するに、平たく言いますと疑わしきは罰するといいますか、そういうもので、疑いのあるものは有害でないということがはっきり言えないものは、逆に言えで有害であるということがわからなくても販売を禁止するということによりまして、新しい飼料によります安全性の確保というものは特に厳重にやっていきたいというふうに考えております。
○今井委員 もう一問だけ、廃棄、回収命令のことで伺いますが、これは有害畜産物の生産を防止することに目的があるわけですが、では、家畜だけが被害を受けたという場合にはどうするのかということと、もう一つ、農林大臣が定めた基準とか規格にちゃんと合っているというものでもし事故が起こったときにはどうするのかということ。これは答えだけでいいから簡単に教えてください。それで私の質問を終わります。
○澤邊政府委員 第二条の七の「廃棄等の命令」でございますが、これは人間の健康に有害な「有害畜産物が生産されることを防止するため特に必要があると認めるときは、」ということでございますので、人体の健康に関係のない、有害でない、家畜に被害が及ぶというだけの場合には廃棄等の処分ができないということになっております。 これは守るべき法益とのバランス上、他の法律の規定等も考えますと、家畜に被害が及ぶものだけについては——それはもちろん被害が出れば賠償責任等も出ますけれども、廃棄処分まで行政庁がやるのはいかがであろうかという点から、一番厳正にやらなければならない人の健康にかかわるような場合だけできるということにいたしておるわけであります。
○今井委員 もう一つ、大臣の定めた基準について……。
○澤邊政府委員 大臣が認めた基準、規格に該当したものであっても、それに適合したものであって被害が出た場合にどうするのかというお尋ねかと思いますが、この点につきましては、もちろんケース・バイ・ケースによりましてどこに責任があるかということが問われなければならないと思いますが、その時点での学問的な水準から見てわからなかったということで基準が決められた、ところが、その基準どおりやったけれども出たというふうな場合には、国の責任をそこまで追及されるのかどうかという点は議論の存するところでございますし、それから、かりにそうであっても製造業者は賠償責任等責任を免れることはできないということ、これまでの他の法律等の運用は大体そういうようになっておりますので、これはケース・バイ・ケースで、法律解釈をどう適用していくかという問題がございますが、現在のところそのように考えております。
○今井委員 終わります。
○澁谷委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時十九分散会