農林水産委員会 第18号
- 発言数
- 112 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1975/04/16
会議録
○澁谷委員長 これより会議を開きます。 家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。柴田健治君。
○柴田(健)委員 家畜伝染病予防法の一部改正について、それに関連をしてお尋ねを申し上げたいと思います。 この家畜伝染病予防法に関連をして、国内だけの問題ではなく、国際的な問題も私たちは常にあわせて考えなければならぬ。そういう意味から、国際的な食肉流通の過程における家畜予防についての措置がどういうふうになされておるのか、その点をお聞かせ願いたいと思います。
○澤邊政府委員 国際的な食肉の輸入検疫の措置につきましては、従来から関係国が相互に衛生条件を定めて実施しておるというのが一般的でございまして、最近では、その最重点事項といたしましては、牛疫とか口蹄疫とかいったような悪性伝染病の伝播防止ということに重点が置かれておるわけでございます。しかしながら、これらの伝染病を予防するための検疫の規制措置が非常に過度になりまして輸出入に非常に障害を与えてはいけないというような議論が一方にございます。特に検疫によって貿易の自由な実施を阻害するようなことがあってはならないというような動きもございますけれども、反面、また、規制が非常に緩和することになりますと、各国とも畜産が危機にさらされるというようなおそれもございますので、国際獣疫事務局、OIEというのが国際機関として前からございますが、そこにおきまして、その両者の要請をうまく調和するように、国際的な場においての種々な検討が定期的にも行われているわけでございます。現在は国際動物衛生規約というものが定められておりまして、一定の基準と原則のもとに輸出入検疫を円滑に図ろうということにしておるわけでございます。この規約では、現在、主要な疾病に対する侵入防止のための検査の基準及び証明書の様式など、細部について定めておるわけでございますが、最近では、食肉及び畜産物の中の残存ウイルス等の処理に関して非常に問題がございますので、現在、その基準を定めるための資料を収集する等の努力が国際的な立場において行われておる段階でございます。 なお、関連して申し上げますと、世界の家畜衛生状況を見ますと、大まかに言いまして、現在、アフリカとかアジア、南米、ヨーロッパの一部は悪性伝染病が存在する地域ということになっておりまして、中米、北米、大洋州は清浄地域、わが国もアジアの一部でございますけれども、清浄地域に入っております。そういうふうに大まかでは区分できるわけでございまして、食肉の輸出入検疫措置についても、防疫的な見地から、清浄国といいますか、清浄地域については非常に厳格な規制措置を行っております。わが国の場合も、輸出入検疫につきましては、動物検疫所を中心にいたしまして、専門の防疫官を配置いたしまして——最近、畜産物なり家畜の国際的な交流と、それに伴います輸入がふえてまいっておりますし、また人の交流も非常にふえており、また、畜産物、家畜以外の物の交流も非常にふえておりますので、それらに付着して入るというようなおそれがありますので、検疫施設を強化し、検疫担当官の人員も漸次ふやしておりまして、最近の事態に対応しまして厳正な規制をする。特に、清浄地域でございますので、他の国以上に厳格にやっておるわけでございます。
○柴田(健)委員 いろいろ説明をいただいたのですが、まだ十分とは言えないという気がいたします。 特に、中国の問題なんですが、輸入禁止地域としていま禁止措置をしておるわけですが、これを解除してくれという解除要請がある。これについて、中国との関係の見通しと、そして解除する気持ちがあるのかないのかということと、まだ解除する段階ではない、まだ非常に危険性があるとするならば、その考え方、これらを明らかにしてもらいたいと思う。
○澤邊政府委員 中国からの家畜及び食肉等の畜産物の輸入につきましては、かねがね、先ほど申しましたような厳正な考え方に基づきます輸入禁止区域にし、検疫も厳正にやっておるわけでございますが、それに対しまして、輸入を促進するために禁止を解除すべきであるという御要請があるわけでございます。 われわれといたしましては、中国の家畜衛生状況が戦前と比べまして非常に好転しておるということは承知しております。しかしながら、牛肉、豚肉等のいわゆる偶蹄類の動物の生肉については、口蹄疫の撲滅が完全にできたということが国際的にはまだ確認をされておりませんし、中国国内の防疫事情、伝染病を防遏するための種々の事情が必ずしも詳細に明らかになっておらないというのが現状でございますので、いま直ちに禁止を解除するというようなことはまだできない段階ではないかというふうに思っております。 これまで民間の調査団が三回ばかり行っていろいろ調査をしたこともございます。それらの調査結果も関係者が集まりまして十分検討をし、なお不明な点についていろいろ質問事項も相手方に出しておりますけれども、まだ十分な回答が得られない面が残っておりますし、国際機関の年報によりましても、口蹄疫等が存在をしている地域ということが——これは推定も若干入っておるかと思いますけれども、そのようなことが書かれておりますので、われわれといたしましては、国内の防疫上、いま直ちにするのはまだ困難であるというふうに考えておるわけでございます。しかしながら、これはあくまでも純技術的な問題でございまして、技術的な問題が解明できればいつでも解除をしていきたいという前向きの姿勢を持っております。 国交が正常化して以来、わが国の家畜防疫についての基本的な考え方、あるいはわが国側の家畜衛生についての情報もいろいろ提供いたしまして、技術交流を双方でやるということを提案いたしまして、原則的には同意を得て、国交回復後すでに三回にわたってわが国の技術者と向こうの技術者の交流が行われております。しかし、先ほど申しましたように、問題点を全面的に解明する段階にまだ至っておりません。 先ほど申しましたように、わが国は清浄国でございますし、すでに発生した経験のある国に比べますと非常に厳重にやっております。それに、わが方の考え方に応ずる解明がまだ全部終わっていないということでございますので、今後も引き続いて両国政府間の技術者の交流、情報の交換ということを深めまして、本問題の解明につきまして専門的な検討は続けてまいりたいというように思っております。
○柴田(健)委員 小山局長にお尋ねしたいのですが、昭和四十三年から八ヵ年計画で、海外悪性伝染病研究推進協議会というものをつくられて、これを研究するということで先進国へ人を派遣されておるようであるのですが、その調査結果については、十分結論が出ておるかどうかまだわかりませんが、海外における伝染病の対策についてのそういう研究の成果というものの結果が出ておれば、御報告願いたい。
○小山(義)政府委員 ただいま尋ねの点につきましては、昭和四十三年から、家畜伝染病に関して先進諸国に研究者を毎年派遣をいたしまして、今日まで来ております。 内容につきましては、口蹄疫がやはり一番大きな問題でございますので、当初から四十七年まで、ずっと口蹄疫に関しまして、これら研究の先進国でありますイギリス、アメリカ、西ドイツ等に派遣をいたしております。なお、四十八年、四十九年については、アフリカ豚コレラを内容といたします研修の方に切りかえてきておるわけであります。 これらの研究者の研究内容につきましては、家畜伝染病の研究の海外悪性伝染病研究推進協議会というものを技術会議の事務局に設けまして、ここでそれぞれ報告をさせ、それらの成果に基づいて、国の家畜衛生試験場の研究体制の整備なり研究の方向なりというところに反映をさせて、今日まで研究体制の拡充に努めてきておる、こういう状況でございます。 なお詳細の細かい技術的な研修の報告と申しますか一そういう点につきましては、この協議会で報告をした以外に、ちょっと私きょう手元に持っておりませんけれども、内容については、この協議会で検討し、専門家の間で検討されて、家畜衛生試験場の研究体制の整備というところに反映をされておる、こういう状況でございます。
○柴田(健)委員 それならまだまだこの研究は長期間にわたってやられるという見通しですか。
○小山(義)政府委員 特に、口蹄疫とか豚コレラ等につきましては、わが国の中で自由に十分菌を扱って研究できる状況になっておりませんし、また、そういうことについてはなお若干の危険性等も考えておりますので、御指摘のように、いまの段階では、もうここまでくれば大丈夫だというところにまで必ずしも行っていない点がございますので、今後とも引き続いて相当研究体制の整備を図る必要があるというふうに考えております。
○柴田(健)委員 鑑別が非常に困難だと言われるウイルス性の伝染病で、特に、水胞性口内炎と水胞疹、豚水胞病の三つが非常に鑑別がむずかしいと言われておるのですが、この三種類の病菌の特に危険性の高い地域とすれば、英国、イタリア、香港というように言われておるのですが、この地方の防疫体制はどうなっておるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○澤邊政府委員 お尋ねにつきましては、豚水胞病と、非常に判別の困難な伝染病といたしまして、水胞性口炎と、それから水胞疹というものがございます。これはいずれもわが国ではまだ発生したことはないという病気でございますが、今回改正案で御提案しております豚水胞病と症状が非常に類似しておるということでございます。このうちで、水胞性口炎は現在中南米の諸国に限定して発生をしております。これは牛のほかに馬にも発生をするのが特徴でございますが、発生国におきましての防疫措置といたしましては、輸出検疫を厳重にやっておることのほか、輸出国の国内での移動制限によって対処をしておるように聞いております。 また、水胞疹というもう一つの類似しております病気につきましては、アメリカで発生が報告されたことがございますが、現在は世界じゅうどこにも発生しておらないということで、本病のウイルスは地球上からもうすでに消滅したのじゃないかというような見方がなされております。 わが国といたしましては、各国との情報交換とそれからFAOだとかOIEだとかいうそれぞれの国際機関を通じて、海外におきます伝染性疾病の発生情報の入手に努めるとともに、先ほど申しましたように、輸出入検疫に当たっても万全を期するように心がけておるわけでございます。 また、豚水胞病につきましては、御指摘がございましたように、イギリスでかなり発生をし、その他イタリアを含めましてヨーロッパ諸国と、それから香港で発生をしておりまして、国際機関におきましてもこれの防遏につきまして非常に努力をしておるところでございます。英国の例等では、発生したものは全部殺処分にするとか、死体あるいは汚染物品については焼却、埋却をする。消毒とか隔離ということはもちろん当然のことでございますが、それらの厳重な措置を講じておりますけれども、現在、完全に発生がなくなるというところにはいっておらないという現状でございます。
○柴田(健)委員 英国でも、口蹄疫が発生した時分には相当の研究施設を持ちながら、あわを食うたというか、万全な処置ができなかったという苦い経験もあるわけですが、そういう点から考えて、わが国の防疫体制が万全かどうか、私たちは自信がないのですが、畜産局はそれに対して万全な処置ができるような体制をいま持っておるのかどうか、特に国際的の防疫協力体制とあわせて日本の国内の体制が完全かどうか、その自信のほどをお聞かせ願いたいと思う。
○澤邊政府委員 口蹄疫はわが国において一回もまだ発生したことはないわけでございますが、御指摘がございましたように、かつてイギリスで大発生をして、多数の家畜が死亡し、あるいはこれを殺処分にしたということで、畜産振興上大きな損害を与えたわけでございます。わが国といたしましては、畜産物なり家畜あるいは人、物の交流がだんだんふえてまいります。で、これらの侵入防止のための措置につきましては、従来以上に厳格に強化をしている必要があるというように考えておるわけでございます。 試験研究のことにつきましては、先ほど技術会議の方から答弁申し上げましたように、従来の家畜衛生試験場におきます研究体制を強化するために五十年度から新たに口蹄疫の免疫研究室も設置するというようなことでやっておるわけでございますが、畜産局のサイドの問題をいたしましては、五十年度から新たも口蹄疫のワクチンの予防液の備蓄を十万トン分開始するということを五十年度予算から実施をしてまいりたいと思います。これは発生をしなければ、有効期間が約一年でございますので廃棄処分にするわけでございますけれども、万が一侵入した場合に、迅速に防疫措置を講ずるために、発生した周辺の地域に全偶蹄類の家畜につきまして予防接種をするということのために予防液をあらかじめ国が備蓄をしておくわけでございます。これは検疫所に備蓄をしておくわけでございますが、予防液は国内では生産がされておりませんので、海外から輸入をすることによって十万トン分の備蓄を開始したいというように考えております。 その他、海外からの情報の収集には従来以上に努力をしたいと思います。国際機関あるいは二国間の情報集収の努力を続けるとともに、必要に応じまして、これまでもやっておりますけれども、専門の技術者を海外に派遣いたしまして、技術の研修あるいは発生国におきます防疫状況の把握、情報の収集に努力をいたしておるわけでございます。もちろん、検疫体制につきましては、これまでも検疫施設あるいは防疫官等の陣容の整備についても努力をしてまいっておりますけれども、今後さらに強化をしてまいりまして、検疫に遺漏のないようにしていきたいというように思っております。 繰り返して申し上げますけれども、家畜の輸入、畜産物の輸入、それから人の交流、物資の交流というものが頻繁になりますれば、侵入のおそれが従来以上にふえるわけでございますので、その点につきましては厳正に対処いたしまして、万が一侵入をするというような場合には、先ほど言いましたような備蓄ワクチンを迅速に利用いたしまして対処するというようなふうに考えておるわけであります。
○柴田(健)委員 日本の場合はそういう経験が少ないということで、職員の研究という点から言うとまだまだ十分と言えない、未経験者が多い、こういう立場から非常に不安があるわけでありますが、英国を一遍調査をせられたことがありますか。
○澤邊政府委員 四十二年に英国で大発生いたしました場合は、家畜衛生試験場の専門の技術者と畜産局の技術者を派遣をいたしまして、調査をいたしております。
○柴田(健)委員 その調査のもとに、国内で万一発生した場合にはどういう処置をしてというような、机上なり実地なりのそういう予防に対する訓練をせられたことがありますか。
○澤邊政府委員 海外伝染病の防疫実施要領というようなものを定めまして、口蹄疫を主といたしまして、侵入した場合の防疫をどのようにしてやるかということを、われわれはこれを防疫演習と言っておりますけれども、これを毎回やることにいたしておりまして、毎年、県を変えながら、数日間にわたりまして防疫関係機関を動員いたしまして防疫を想定して演習を実施するというようなことによりまして、要領に基づく措置が迅速、的確に取り得るような実地訓練もいたしておるわけでございます。
○柴田(健)委員 日本の場合はいろいろな試験研究機関その他が多少あるわけですけれども、われわれは小規模で話にならぬという考えを持っておるのです。家畜衛生試験場の職員でもふえないが、なぜふえないんだろうかという気がするんです。本気でやっておると言うけれども、この試験研究機関の職員の増員を見ても、また、研究機関の施設整備についても非常に弱い。もう少し大規模の研究所をつくったらどうかという気がするのですが、大規模の研究所をつくる用意はありませんか。
○小山(義)政府委員 家畜衛生試験場の現在の体制は、研究者だけで、本場で百一人、支所を合わせますと百五十五人という状況でございます。そのうち、口蹄疫関係を中心にした海外の悪性伝染病の専門の研究室は必ずしも十分に整備されているという状況にはございませんけれども、昭和四十五年からこれらの研究施設の建設にかかりまして、四十六年には口蹄疫の診断の研究室を設置し、また、本五十年度からは、ただいま御質問にございましたワクチン等の、国内における非常に効率的な製造技術の開発を行うための免疫研究室を新しく設置いたしておるわけでございます。 家畜衛生試験場はそういう意味での国の専門の場所として、農林関係の研究機関の中でもトップクラスにあります非常に水準の高い研究機関でございますので、この衛生試験場を今後とも質的にも十分充実をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○柴田(健)委員 そういう研究員には、研究手当をどのくらい出しておるのですか。
○小山(義)政府委員 衛生試験場の予算につきましては、衛生試験場の各研究員に人当研究費というものをつけておりますが、これが本年度予算では一億五千九百万で、前年度は一億三千九百万でござりますから、約二千万円の増額をいたしております。これは、各人が、いわゆる経常研究と申しますか、自分のそれぞれの研究テーマについて使う金でありますが、そのほかに、特別の研究費といたしまして、共同研究をするための、いわゆる大型のプロジェクト研究をする金は、これはまた別に予算の措置を講じておりまして、たとえば本年度の新規については、豚のコイーネ・バクテリウムの防除に関する研究でございますとか、あるいは肉用牛のピロプラズマの予防に関する研究だとかいうふうなものは新規で出しておりますが、こういう大型研究費は大体三年ないし五年の継続で、大蔵省と話をいたしまして継続的につける、一年ごとに、来年度はもうつくかつかないかわからないというふうな研究費では困りますので、そその辺は大蔵省と実質的な話をいたしまして手当てをしている、こういう状況でございます。
○柴田(健)委員 研究費も非常に多いとは思わないし、これは思い切って研究費をつけてやらないと十分できないと私は思うので、今後十分配慮願いたいと思います。 大臣にお尋ねしたいのですが、アジアにおける日本の家畜の防疫体制の協力関係というものは、日本は非常に任務が重いと思うのですが、そういう面から言うと、国際協力事業団というものが先般発足したわけですが、この中で、家畜の防疫体制についてどういう役割りを持たせるかということを、もうこの辺で協力事業団の方で研究をし、そういう推進力になっていくという役割りを持つべきではなかろうかと思うのですが、事業団に対してそういう任務を持たせていいのか悪いのか、大臣としての見解があれば聞かせていただきたいと思います。
○岡安政府委員 それでは私の方から従来の実績について先にお答えいたしますが、御指摘の東南アジア地域におきます家畜衛生に関する技術協力につきましては、実は、従来から国際協力事業団で実施してきておるわけでございます。それはまず技術者の受け入れ研修でございまして、大体、過去五年間の累計としまして、アジア地域から約五十名程度の人間を受け入れまして研修をいたしております。それから、日本からの専門家の個別派遣でございますが、これも過去東南アジア方面に対しまして約三十人程度の専門家を派遣いたしていているわけでございます。今後とも、協力事業団の事業といたしましては、重要な事業の一つといたしまして、各国からの要請を踏まえて積極的にやりたいと思っております。 なお、ちょっとつけ加えておきますけれども、口蹄疫につきましては、タイ国の口蹄疫製造ワクチンの製造能力の拡大と診断能力の強化ということを目的としまして、口蹄疫ワクチン製造センターというものをつくるべく、現在いろいろ調査をいたしております。四十九年度までに大体実施設計等も終わりましたので、五十年度以降、この建設に協力をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
○安倍国務大臣 いま経済局長が御答弁申し上げましたように、国際協力事業団を通じまして、技術者の受け入れ研修を初めとして協力を行っておるわけでございますが、こういう国際協力事業団を通ずる技術協力につきましては、相手国からもいろいろと要請があるわけでございますので、今後ともこの要請も踏まえて積極的にこれを推進して行いたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○柴田(健)委員 今度の法の改正は一部でありますが、家畜伝染病に対して、発生した場合には殺処分や焼却処分等いろいろあるわけですが、それをした場合に、農家の犠牲というものが非常に大きい。これに対する救済措置がいままでのとおりでは十分とは言えないという不満が農家にあるわけですが、共済制度の問題なり、助成措置なり、いろいろな融資措置なり、数多くあるわけですが、それらについても万全の処置を講ずべきではないかと思いますが、それに対する考え方を聞かせていただきたいと思います。
○澤邊政府委員 共済問題につきましては経済局長の方からお答えいただきたいと思いますが、農家の負担に対しましては国の予算で種々援助をしておるわけでございます。また、家畜伝染病予防のための防疫員の旅費とか、あるいは獣医師の雇い上げ手当とか、あるいは生物学的製剤その他の医薬品の一部に対して助成をいたしておるわけでございますし、さらに、殺処分をした場合、あるいは死体、汚染物品等を埋却あるいは焼却処分にした場合等につきましては、手当金の一部につきまして国が負担をするということにいたしております。殺処分手当につきましては一応最高限度を決めまして、これは病気の種類によって違うわけでございますが、五分の四ないし三分の一の手当金を交付をするということによりまして農家の負担を軽減する措置を講じておるわけでございます。 これらも、そのときどきの家畜の価格の推移等を見ながら是正すべきだというふうに考えておりますが、昭和四十六年に、前回の法改正の直後に最高限度額をきめておりますが、これも最近の情勢を見ますと、牛、馬、豚等につきましては、最高限度が実情に合わない点が若干ございますので、これも早急に是正をするように現在検討を進めておるところでございます。 なお、畜産が発展をしてまいりまして規模が拡大をし、また、全体の飼養頭数ももちろん拡大をし、経営の形態も、企業的と言うと大げさですけれども、畜産事業の場合にはかなり大きな経営になってきておりますので、今後の伝染病その他の疾病の予防、防遏のためには農家の自主的な防除努力というものに期待をしたいという考えもございまして、数年前から、自主的な団体といたしまして、家畜畜産物衛生指導協会というものを各県ごとに設置いたしまして、国が、事業団からの助成及び注射をするための薬剤費あるいは技術料等の援助あるいは一般的な知識の普及、技術の普及を行いますための経費に対します援助等もやっておるわけでございます。これらも農家の負担を軽減するという面でも役立っておるわけでございます。このような自衛防疫体制の強化というものは今後さらに推進をする必要があるというように考えております。 以上申しました各種の手段を講じまして、農家の負担を軽減する措置を講じているところでございます。
○岡安政府委員 家畜共済制度の運用でございますけれども、この制度を円滑に運用するためには、中心となります獣医師の待遇改善が図られなければならないということで、私ども、最近、それらを重点的に対策を講じてきているつもりでございます。 なお、制度の面につきましては、なお改善を要する点があるというような団体等の要請もございますので、現在、制度改正のための検討会を発足させております。できるだけ早くその成果を得まして、法律改正をする点があれば法律改正として御提案を申し上げたい、かように考えております。
○柴田(健)委員 早急に改正をしてもらいたいという声があるわけですが、近いうちとして、それはいつごろですか。
○岡安政府委員 私どもの心づもりでございますけれども、できればことしの十月ごろまでに結論を得まして、次の通常国会に御提案を申し上げたいというようなつもりで準備をいたしております。
○柴田(健)委員 時間が余りないですから飛ばして申し上げますが、狂犬病の問題に関連をして私たちいつも疑問を持つのは、犬は家畜かどうかという問題なんですが、厚生省と農林省の両方から、犬は家畜かどうか、説明を願いたい。
○澤邊政府委員 家畜の概念をどういうふうに規定するかによって、家畜に入ったり入らなかったりするということかと思いますけれども、狂犬病につきましては、これは主として人間が狂犬病に感染することを防止するという公衆衛生上の見地から、現在、狂犬病予防法その他の法律によりまして規制が行われておりますので、そういう面から現在は厚生省の所管になって実施をしているわけでございます。
○岡部説明員 家畜の定義ということによって犬が家畜になるかどうかということでございますが、人間が飼いならしておるということから見れば家畜と言えるのではなかろうかと思います。 なお、狂犬病予防法は、いま農林省からもお答えがございましたように、狂犬病という疾病を予防するという立場から狂犬病予防法ができておりまして、それの所管が厚生省になっておるということでございます。
○柴田(健)委員 この問題はきょうは結論が出ねと思うのですが、狂犬病ということになれば、人間だけを対象にして考えた場合、牛や馬や、そういうほかの動物を狂犬病を持っている犬がかんだ場合、これはどちらにしても基本は人間の生命に影響するということに関連をしてくるわけですが、どうも厚生省だけで野犬狩りをさせているが、それなら、ノネズミはどちらが持っておるのですか。ノネズミは厚生省が持っておるのか、農林省が持っておるのか。
○澁谷委員長 吉崎環境整備課長、しっかり答えてくれよ。
○吉崎説明員 人の伝染病を媒介するおそれのあるものといたしまして、「鼠族・昆虫等の駆除」を市町村の事務として伝染病予防法で定められておるわけでございますけれども、ただいまお尋ねのございましたネズミにつきましては、本邦で約十四種類と言われておりますが、この中で、ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミが居住性がございまして、人の住むところに住んでおるということで、私どものほうではこの三種類を主たる対象にしておるわけでございます。したがいまして、私の方ではノネズミは直接的には対象にしておらない次第でございます。
○澤邊政府委員 ただいま厚生省からも答弁ございましたが、ノネズミと言いましても、山のノネズミはたしか林野庁関係で所管をしております。田畑におきましてのノネズミの駆除というのは、農作物の被害防止という意味では、農林省の、たしか農蚕園芸局で所管をしておるわけでございます。 なお、この機会に、先ほど申し上げましたことでちょっと十分でなかった点がありますので補足させていただきたいと思いますが、狂犬病につきましても、人の狂犬病につきましては厚生省所管でございますが、家畜に対する狂犬病につきましては、これは犬は対象にしておりませんけれども、法定伝染病ということで、家畜伝染病予防法の対象にして措置を講じております。
○柴田(健)委員 ネズミにも種類がぎょうさんあるからわれわれも困るのですが、全国に百五十万頭くらい野犬がおると言われておる。ところが、犬でも家畜を食うわけですから、家畜に被害を与えるものについては農林省も少しは征伐する力をかしたらどうか。これは厚生省にみんな任したって能率は上がらない。厚生省の職員はそういうものを主体にやるところではないということから考えたら、農林省も野犬狩ににもう少し力をかして、人間だけが対象でなしに、鶏でも何でも犬は食うわけですから、家畜に被害を与えるという立場から言って、ネズミと同じように厚生省の分と農林省の分と犬でも分けたらどうか、こういう気がするのだがどうですか。
○澤邊政府委員 家畜伝染病の発生畜舎へ野犬が侵入するというようなことによりまして病原体が散逸するのを防止するというようなことについては必要な措置を講じておりますけれども、特に、これが伝染性疾病の蔓延の非常に大きな原因だということまでは、これまでの例では非常に少ないように思っております。 それから、野犬の捕獲につきましては狂犬病予防法の規定に基づいて措置されておるわけでありますが、所有者の判明しない疾病犬とか、あるいは負傷した犬とか、あるいは死体等の抑留、収容等につきましては、動物の保護及び管理に関する法律というものがございますので、その法律に基づきまして定められた引き取り施設等に収容することが動物保護法の見地からも当然のことだというように考えております。 なお、逸走犬といいますか、放し飼いになった犬あるいは遺棄された犬の取り扱いについては、遺失物というようなことで、公共機関が一時収容等の措置をとることが行われておるわけですが、そういうような措置を畜産局のサイドでもお願いをしたいというように考えております。
○柴田(健)委員 この問題はいずれ論争するときがあると思いますが、ダニや蚊やハエは厚生省の関係だ。ところが、蚊は日本脳炎を媒介する。これは豚にも感染をする。豚がじっと菌を持っておると、その感染した豚に蚊がとまって、血を吸って、今度は人間に媒介する。人間が日本脳炎になる。これは伝染病なんですが、そういう場合、豚の方は農林省で、蚊やハエやダニは厚生省だということになるのですが、この蚊やハエを退治する市町村、県に対する交付税の財政措置はどういう形になっておるのか、それを厚生省から御説明願いたいのと、その日本脳炎を媒介する豚に対する処置を農林省はどうするのか、どういう処置をとっておるのか、お答え願いたいと思います。
○吉崎説明員 御指摘がございましたように、地方交付税の対象とされております都道府県分につきましては、標準団体当たり、鼠族・昆虫駆除等の経費といたしまして、本年度分といたしまして二千四百五十四万五千円を計上しておるところでございますが、これは前年度に比べますと二九%の増と相なっております。また、市町村分につきましては、鼠族・昆虫駆除費といたしまして一千二百二十一万一千円を計上しておるわけでございますが、これは同じく前年度に比較をいたしますと二四%の増と相なっております。
○澤邊政府委員 蚊の駆除等につきましては、伝染病が発生したような場合には、環境を浄化するという意味で消毒をするということをやっておりますので、それの消毒に対しまして国が援助をするというようなことは、伝染病予防法上の措置としてやっております。 なお、ダニのお尋ねもございましたけれども、ダニにつきまして現在やっておりますのは、牛の体に付着したダニの駆除につきましては、これも伝染病予防法に基づきまして、保健衛生所等の指導のもとに駆除を行っておりますし、また、最近、牛の放牧飼養の普及に伴って問題になっておりますピロプラズマ病を媒介する牧野ダニを駆除するためには、適切な農薬散布等の牧野衛生技術の向上を図る必要がありますので、これは現在家畜保健衛生所がその技術普及を図っておりますので、それに対しまして経費の補助をいたしておりますし、さらに、別途、牧野におきますダニ駆除に要する経費につきまして、薬代そのものと、その散布代に対しましての助成も畜産局において実施をいたしております。
○柴田(健)委員 財政援助をしておると言うけれども、それこそ蚊の鳴くほどしか出していない。余り出さないから十分万全の処置をとれていない。駆除処理をやっていない。何年たっても同じことを繰り返しておる。これは思い切って財政措置をやったらどうかという気がします。 大臣、こういう問題についてもっと気を配ってもらいたいと思うのですが、どうですか。
○安倍国務大臣 家畜の伝染病等によるところの疾病に対する対策につきましては、先ほどから局長がそれぞれお答えをいたしましたように、国としても、共済制度につきましてはさらにこれを改正するとか、あるいはまた殺処分に伴うところの手当につきましても、家畜の価格の変動に伴ってそれに対応するように手当等も検討していきたいとも思うわけでありますし、さらに、その他の自主的な防疫体制をつくっていくための助成措置等も講じておるわけであります。さらに、全般的に農家の負担を軽減するという立場から、融資等の面につきましても考えていかなければならぬと思うわけでありますが、全体的に防疫体制を確立していき、農家の負担の軽減を図っていくということが今後の方向として大事なことであろうと考えておるわけでありまして、私といたしましても、そういうあらゆる観点からこれらの防疫体制を推進して農家の負担軽減を図っていくというたてまえに立って、いろいろな面で予算措置等も順次講じてまいりたい、こういふうに考えております。
○柴田(健)委員 時間が来ましたから終わりますが、家畜衛生についてもう少し本気でやってもらいたい。岡山県でも、昭和四十七年、四十八年、四十九年の三カ年にわたって、牛の奇病や流産で約四千頭被害が出たのですが、この被害が出た農家の財政的な問題は大変なものです。みんな歯を食いしばってしんぼうしてきたのですが、国が非常に冷たいという批判があるわけですから、家畜衛生については万全の措置をとってもらいたい。これを付言して私の質問を終わります。
○澁谷委員長 竹内猛君。
○竹内(猛)委員 家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案について、若干の質問をしたいと思います。 まず、この法案は、改正をしようとするポイントについては至極当然のことであって、特にこれに対して異議を言うものではないわけでありますけれども、問題は、日本の農業の中で畜産の占める位置というのは非常に重要なものであり、特に、動物性のたん白の供給源としての畜産の果たす役割りは大きい。したがって、これに対する予防措置というものは万全を期さなければならない。そこで、先ほども質問がありましたけれども、日本の家畜伝染病の特徴は世界的に見て一体どういうような位置にあるのか。こういう点についてどのように把握されているかということについて、まず質問いたします。
○澤邊政府委員 わが国の家畜伝染病の発生状況は、最近の農家におきます畜産衛生知識の向上、あるいは獣医技術の向上、防疫体制の整備等によりまして非常に少なくなってきております。これは世界的に見ましても、通常の家畜伝染病の発生数は急激に減ってきておる地域の一つになっております。 現在提案を申し上げております牛の結核病、ブルセラ病、あるいはまた今回の提案とは関係ございませんが、馬の伝染性貧血等につきましても、徹底した検査と淘汰によりまして現在非常に少なくなってきておりまして、結核病につきましては、最近では年間百頭前後になってきておりますし、ブルセラ病につきましては数頭というところまで急激に減ってきております。また、かつて非常に発生いたしました豚コレラと、それから鶏のニューカッスルでございますが、これも年々減少いたしておりまして、一部予防接種を怠っておるような農家におきまして局地的な発生を見ておるということでございまして、最近、国際的に見ましても非常に少なくなってきている国に属するというふうに見ております。 それから、もう一つ、海外において発生しております牛疫なり口蹄疫等、あるいはアフリカ豚コレラとかというようないわゆる悪性伝染病も、わが国は清浄地域になっておりまして、中北米あるいはオーストラリア等と並んで非常に清浄な地域になっております。それだけに厳重な輸入検疫措置を講じておりまして、そのために、畜産物なりあるいは家畜の輸入が経済的に見れば支障を来しておるというような意見も一部にないわけではございませんが、われわれといたしましては、清浄地域であるだけに、これらの悪性伝染病が一たん入りますと相当爆発的な蔓延をするおそれがあるということで、厳重な規制を続けておるわけでございます。国際的に見ましても、いま申しましたように通常の家畜伝染病の発生は急速に減っており、かつ、悪性伝染病は発生しておらない清浄地域であるというような位置にあると思います。
○竹内(猛)委員 国際的に見て、比較的病気の少ない、しかも余り汚れていない地域であるということはまことに結構だと思うのですが、そういうような状況においても、日本の国の家畜の防疫体制はまだ不完全だと私は思うけれども、農林省から見て、まだ不十分だと思われる点があるかどうか、その点はどうなのか。
○澤邊政府委員 わが国の家畜伝染病の防疫体制につきましては、家畜伝染病予防法という根拠法規に基づいて実施しておるわけでございますが、国内防疫につきましては、各都道府県に委任事務としておろして、家畜保健衛生所を第一線の行政機関といたしまして実施しておるところでございます。 農林省自体は、全体の基本方針を決めたり、防疫事業の指導を行うということでございまして、現在、家畜伝染病予防事業費といたしまして、五十年度予算におきましては八億八千四百万円を計上しておるわけでございます。それらの予算の中で、各都道府県が行います家畜防疫事務に必要な防疫員の旅費だとか、雇入獣医師手当とか、生物学的製剤等の購入費に対しまして都道府県に補助をする、それと同時に殺処分家畜に対します手当金を家畜の所有者に交付する、というようなことをやっておるわけでございます。また、外国からの伝染性疾病の侵入を防止するためには、全国の主要な空港に動物検疫所を、これは一本所、五支所、十二出張所を設けておりますが、この機関を中心といたしまして家畜及び畜産物の検疫をやっておる。このほか、動物用医薬品につきましては薬事法によりまして、製造、輸入、販売等について所要の規制を行っておりますし、試験、研究、調査あるいは一部の生物学的製剤の製造等を行いますために家畜衛生試験場を国が設置をするということ、あるいは医薬品の検査のために動物医薬品検査所を設置するというようなことが現在のわが国におきます伝染病のおおむねの防疫体制の姿でございます。 これらで特に現在問題はないかという点のお尋ねでございますが、われわれといたしましては、一番問題だと思いますのは、産業動物の獣医師が畜産の盛んな農村におきましても不足であり、しかも老齢化の現象を来しておるという点が今後の伝染病その他疾病の予防、蔓延防止のための衛生行政を進める上において一番問題ではないかというように考えております。それらを考えまして、四十八年、四十九年の二カ年間にわたりまして、産業動物獣医師の総合対策につきまして研究会を持ちまして、専門家の御参集を得て種々研究をお願いいたしまして、ついせんだってその研究報告が出ておるわけでございます。これらの対策を今後徐々に実行に移していきたいと思いますが、五十年度では、その報告、結論の一部を予算化することを考えまして、無獣医地区に対してモデル的に獣医師を誘致し、定着化を図るために診療施設あるいは住居等に対しまして国が補助をするというモデル事業として、全国で四カ所ばかり実施することにいたしておりますが、そのように、畜産振興上特に問題になりますのは、産業動物関係の農村在住の獣医師が不足をし、かつ老齢化しておるという点を一番心配をしておるわけでございます。 なお、獣医技術の進歩、家畜の医療に対します要請等から見まして、獣医技術者の技術水準を高めていくということも、数の問題とあわせて質のの問題として大事な問題であろうということで、これらは文部省とも協議をいたしまして、現在の四年制大学を六年制大学に教育期間を延長するというようなことが一つ懸案になっております。それら獣医師の質量両面におきまして、現在是正すべき問題が出ているという点が一番大きな問題ではないかと思っております。
○竹内(猛)委員 いま局長もかなり問題点に触れたと思うのですが、現在、五十年の四月一日で、四十七の都道府県で、市が六百四十三、町が千九百七十四、村が六百四十で、合計三千二百五十七の行政区がある。これは合併前にすれば一万二千を超えるくらいの旧町村があったはずです。こういうような広い地域があるのに、実際は家畜保健衛生所が合併をして二百二、家畜防疫員が七千四百三十九人、獣医師の数が二万一千九百二十九人、そのうち、いま話のあった産業動物の関係獣医師が五千七十四人、こういうふうに見てくると、保健衛生所が合併したということはどういう意味を持つのか。私の地域にも何カ所かあったものを一カ所に集めておるわけですが、そういうことと、それから獣医師が非常に足りない。こういう形になっているがこの点は非常に問題ではないかと思うのですね。資料によっても、特に、豚にしても、昭和四十年当時にたとえば三百九十七万六千頭の豚が、現在では八百万頭にふえているし、牛にしても、三百十七万頭が三百六十五万頭にふえ、それから鶏にしても、八千八百万羽から一億二千万羽にふえている。ブロイラーにしても約七倍のふえ方である。要するに、対象になる家畜は恐ろしくふえているのに、保健衛生所や獣医、あるいはそれに従うところの防疫員というものはふえない。ここに問題がある。こういう点についてもっともっと考える余地があるのじゃないかと考えるわけですが、ここら辺は政府としてどういうように考えておられるのか。
○澤邊政府委員 基本法制定以来、畜産が、選択的拡大部門ということで、飼養頭数におきましても規模においても急速に伸展を示したわけでございます。それらの増大、伸展に即応しまして、疾病の発生も多様化するといいますか、それから飼養戸数はそんなにふえておりませんけれども、大規模な飼養形態がふえておりますので、一たん発生をいたしますと集団的に発生をするおそれがあるというようなことに対応いたしまして、予算、機構、人員の面におきましても、できるだけ強化充実を図るように努力をしておるわけでございます。 その一環といたしまして、家畜保健衛生所の整備につきましては、昭和四十二年から七カ年計画で、五百八十数カ所ございましたのを二百二カ所に統合整備をしたわけでございます。これは要請されます技術水準が非常に高まっておるということ、あるいは町村合併なり農協の合併等の地域の事情あるいは交通条件もだんだん改善されてきておるというようなことを勘案いたしまして、技術水準の高い、施設のりっぱな保健衛生所にしていくためには、広域統合をすることによりまして、人員をある程度集中し、施設も充実するということが望ましいという判断に基づいてやっておるわけでございます。 これらの結果、伝染病等の発生状況は、先ほども柴田先生にお答えいたしましたように、最近急激に減少してまいっております。頭羽数はふえ、規模も拡大しておるにかかわらず、発生数は非常に減ってきておる。この意味では、わが国の家畜衛生事情は相当大幅に改善されてきておると言っていいのではないかというふうに思うわけであります。 なお、予算面で見ますと、頭羽数の伸びに比べまして予算の伸びはそこまでいっておらないという点は、あるいは御指摘のとおりであろうかと思いますが、実績はかなり上がってきておるのではないかというふうに思いますが、なお、今後の国際交流がふえてくるとか、あるいは規模が拡大するとか、あるいは国内の移動も非常にふえてくるというようなことに伴いまして、伝染病の発生するおそれは従来以上にふえてきておりますので、今後とも、予算、施設、人員等もできるだけ強化をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 いまの問願も含めて、これから質問することに対して大臣の答弁も求めたいわけですが、確かに、いま言われたように、家畜保健衛生所を統合して、それはある意味ではそこへ集中したかもしれないけれども、しかし、山村地帯などに行くと大変これは迷惑なことで、できるだけ近くにそういうものがあってほしいという要求がある。ともかく、一万二千を超える旧町村があって、それを今度は三千二百段階に合併をした。確かに行政は合併をされたけれども、地域の存在は変わっているわけじゃない。しかも、そこに家畜は多くふえてきているわけです。そういうようなことで近くにそういう診療所があってほしいということは、一般の人間の病気を担当する医者についても無医地区をなくするということが言われているように、獣医だって同じことなんです。その二万一千九百二十九人の獣医師のうち、現在の産業動物の対象になる獣医の配分を見ると、個人開業が二千百九人、農業共済組合職員が千五百十人、それから乳業会社等の民間会社職員が四百四十七人、市町村の職員が三百四十九人、農協の職員が六百五十九人という、こういう形できわめて乏しい配置だと思うのですね。この市町村に三百四十九人なんというのは、十の市町村に対して一人という形になっている。農協にしたってそうでしょう。こういうような状態で万全だということは言えた義理でもない。ここらあたりを直さなければどうにもならないと思うのですね。 一般の町の開業医などは、われわれの市なんかで税金の申告をする場合には、十番目の中で五人ぐらいは内科とか外科とか、そういう者が多額収入者になって申告をしています。獣医師でそういうようなランクに入る者はほとんどない。仕事がじみで汚い仕事で容易でないということからして、獣医になる人がなかなかいないという傾向もあるだろう。したがって、数が少なくて年齢が高齢化して行動力が鈍るということもある。もっと若い獣医を農林省は計画的に育成する必要がある。そのためにはいろいろな奨励措置もしていかなければならないと思うけれども、何どかもっと獣医師を確保するということに対する努力というものは考えられていないかどうか。こういうものがなかったら、これは片手落ちになるだろうと思う。一方においては、畜産を振興しろ、金も貸します、いろいろなこともしますと言っているが、しかしながら、病気になった場合には恐ろしく苦労しなければならない。この点の矛盾を解消するためにはもっと努力する必要がある。その芽は見られるけれども、さらにさらにそれはテンポが遅いと思うのです。そういう点で、この辺は大臣から答弁してもらわなくちゃ困る。 〔委員長退席、坂村委員長代理着席〕
○安倍国務大臣 先ほども局長が答弁をいたしましたように、わが国における家畜伝染病の発生の状況は諸外国に比較をして低い。ということは、わが国における防疫体制が整備されておるということでもあると思うわけでございますが、しかし、家畜伝染病が発生すれば、これによって畜産の振興にも大きな支障を来たすわけでございますし、農家の負担もまた大きくなってくる、農家の被害もまた大きくなってくるということでございます。 先ほどからお話しのように、これからも産業動物は増加していくわけでございますので、われわれとしてもさらに防疫体制を強化整備していくということは当然なことであろうと思うわけでございます。そういう意味におきまして、研究体制等を改善強化していくことはもちろんでございますし、先ほどからもお話しがありましたような、農家の負担を軽減するためのいわゆる手当て等につきましても改善を加え、改定を行っていかねばならぬし、あるいはまた共済制度も充実をしていくということも行っていかなければなりませんし、あわせて、いまお話しのように獣医師が全国的に不足をしており、無獣医師地帯も存在をするわけでございまして、これが防疫体制を推進していく場合において非常に大きな阻害要因になるわけでございますから、やはり、獣医師をふやしていき、無獣医師地帯を解消していくということにつきましては今後大きく進めていくための努力を加えていかなければならぬ、そのためには、獣医師に対する待遇の改善であるとか、あるいはその他いろいろの獣医師をふやすための努力を今後とも国としては積極的に推進をしていきたい、私はそういうふうに考えておるわけであります。モデル地区等もつくりまして無獣医師地帯の解消等にも努力をしておりますが、さらにこれは今後とも積極的に進めてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 農林省が若干の努力をしていることは今度の予算の中でも認められるわけですけれども、それは現状の進展の度合いから見ると遅いということなんです。答弁はできても中身は伴っていないということだから、中身が伴うようにしてもらいたいということ、これを強く要請せざるを得ない。というのは、この十年間に獣医は七百五十三人も減っている、年齢は高齢化している、若い人たちが余り希望しないという、この状況を克服しなければならない、それから無獣医地帯を解消していくという努力がもう少し計画的にやられる必要があるから、これはぜひやってほしいということをまず要望します。 続いて、自衛防疫体制というものに関して、やはりこれは問題があります。四十六年の法改正で、四十七年から各都道府県単位に農業団体も会員となって、家畜畜産物衛生指導協会というものができた。実は、私は、ゆうべ選挙区のある町に行って、この担当者から聞いたんです。この問題についてどうだと聞いたところが、それはまさに青年ですが、それから話がありましたが、確かに、多くのいろいろな病気に対して県なり何なりが指導をしてきていますし、団体も入ってきているけれども、非常に数が少なくて、二、三人の人間で運営されている。ともかく形はできているけれども、規模が小さくて事業内容も充実していない、そういう意味で財政的にも乏しい。したがって、骨はあるけれども、結局財政が伴わないから、注射とか薬とかいろいろなものをその団体が一手に集めてきて、そこで利益を得ている。これは、かつては全購連におけるところのマレック病で何人かの人が自殺をするというような問題まで起こったほどの問題も発生した事件もある。ああいうようなことが起こらないとも限らない。だから、この問題に関しては、自衛防疫体制というものに対しては国がもっともっとしっかりした方針を立てなければいけないんじゃないかというふうに考えるわけですね。だから、いまここで改正をしようとする問題点並びにいまやろうとしていること自体は別に問題はないことだし、結構なことだと思うけれども、その中身あるいはその体制、これは主として予算の問題もあるでしょうし、人員の問題もあるでしょうが、そういう点について不十分だから、これはもっともっと強化をしてもらいたいと、こういうことを要望したり質問したりするわけですが、この辺も局長と大臣から答弁してもらいたい。
○澤邊政府委員 家畜防疫の充実を図りますためには、第一線の行政機関でございます家畜保健衛生所の整備を図り、そして専門職員の数をふやすということとあわせまして、施設、機械器具等の充実を図りまして技術水準を高めるということが必要でありますと同時に、先ほどお尋ねがございましたように、一般の獣医師が農村部で不足しているのを、いかにこれを定着化させ誘致していくかということが第二に必要でありますと同時に、第三には、いまお尋ねの自衛防疫体制をいかにしてしっかりしたものをつくっていくかということが必要になるわけでございまして、畜産の経営が拡充をいたしまして飼養頭羽数もふえてくることになりますと、やはり行政機関だけでは対応できませんので、自主的ないわゆる自衛防疫体制というものを充実する。もちろんこれは自主的と申しましても、国もしかるべき援助をしていくということが必要であるということで、四十七年以来、都道府県を単位とする家畜産物衛生指導協会というものを設置いたしまして、畜産振興事業団からも出資をし、さらに国からは毎年予算補助をするということで進めてきておりまして、現在一全国的に、ほとんど各県に設立を終わって、これも法人化した段階でございます。しかし、中身につきましては、御指摘がございましたように、人員におきましても事業内容につきましてもまだまだでございますので、ようやく全国的に設立が終わった段階でございますが、今度はその内容を充実していくことにつきまして、従来以上に財政的な援助の面につきましても配慮をしていきたいというように考えております。
○安倍国務大臣 自主的ないわゆる防疫体制をつくっていくために各県で体制がとられておるわけでございまして、これに対しては国からも助成をいたして今日に来ておるわけでございますが、いま御指摘もありますように、その自主防疫のあり方につきましては改善を加える余地もずいぶんあるのじゃないか、さらに、また、国としてのこれに対する協力の面についても、今後ともさらにこれを強化していく必要があるのではないかということについては私も全く同感でございまして、この点につきましては防疫体制の非常に重要な一環でございますので、ひとつ積極的に今後とも財政措置等について強化するように努力をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○竹内(猛)委員 時間が参りましたのであと一問だけ質問して終わりますが、最後の問題ですが、これも法改正の問題で、病気にかかった家畜が死んだ場合、これは殺さなければなりませんが、これの補償の問題です。手当金について、できるだけ最高の実勢価格によってこれに対する補償をしてほしいということを私は要望したいわけですね。これは参議院の方でも議論をしてそういう要望があったと思いますけれども、こういう点についてお答えをいただきたいし、参議院の方はそういう要望をしていますが、ぜひこれに沿って処置をしていただきたい。この点についてはどうですか。
○澤邊政府委員 殺処分手当の最高限度額は、考え方といたしましては、「標準的な資質を有する家畜の売買取引において通常成立すると認められる取引価格を下らない範囲内」で定めるということになっておりまして、現行の最高限度は、昭和四十六年度の前回の法改正時に、一般の取引価格を基礎といたしまして、あわせて当時の殺処分家畜の評価額も勘案いたしまして、それらの大部分がカバーできるような額として家畜ごとに政令で定めたものでございます。牛につきましては二十六万円とか、馬については五十九万円とか、それぞれ決めておるわけでございます。しかしながら、最近におきます殺処分した家畜の評価額は、鶏とか七面鳥とかウズラとかいうようなものにつきましては、大部分のものが現行の最高限度の範囲内にございまして、一般の取引価格も大体その範囲内にとどまっておりますけれども、牛、馬、豚については、その評価額が最高限度を超えるものも見られます。また、家畜の一般の取引価格も、政令を定めました昭和四十六年当時に比べますとかなり上昇しております。このようなために、この防疫措置を円滑に進めるためには殺処分ということをやらなければいかぬわけでありますので、円滑に進めるためにも、牛、馬、豚につきましては、最近の一般の取引価格、最近の殺処分家畜の評価額等を考慮いたしまして、実情に合うように改定して、引き上げるように検討を進めておりますので、ぜひ実現をさせたいと思っております。
○竹内(猛)委員 これで終わりますが、この問題は法律改正自体には余り問題はありませんけれども、それを取り扱う中において、先ほどから言っているように農家が安心できるようにするということと、もう一つは、家畜保健衛生所についても、獣医についても、あるいは防疫の自主体制についても、財政的にももっといろいろな指導と援助がなければこれはうまくいかないと思うので、これを強化してもらうということを要望して終わります。
○坂村委員長代理 津川武一君。
○津川委員 今度の家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案については、私たちも賛成して、これの実施に遺憾ないようにしたいと思うわけであります。 そこで、豚の水胞病が一昨年に起きたのですが、そのときの疫学的な状況について、これはどこから来たのか、そしてそれは日本の国内に残っていないのかということ、そこいらあたりをまず説明をしていただきたいと思うわけです。 実は、あのときに、これはどこから来たのかということについて、その原因を徹底的に調べて、それに対する対策が明らかにならなければならなかったのだと私は思うわけですが、何か中途半端になっているようですが、ここいらあたりを説明してほしいと思います。
○澤邊政府委員 前回の発生は、四十八年の十一月二十四日に茨城県の総和町というところ、十一月二十七日に神奈川県の綾瀬町、それから少し飛びまして十二月十日に愛知県の豊橋市において発生をしたわけでございますが、十二月十四日以降は発生を見なかった、その間におきまして、三県での発生は合計十五戸、五百八十頭、ということになっております。 これらの発生に対処いたしましては、家畜伝染病予防法六十二条を適用いたしまして、法定伝染病に準ずる疾病として指定をする政令を定めまして、移動禁止だとか消毒だとか殺処分だとかいうような徹底的な防疫措置を行いまして、その後発生を見なかったわけでございます。 さらに、四十九年の三月と八月に、二回にわたりまして、全国的に本病の浸潤調査、血清調査をやりまして、抗体が発生しているかどうかということを見るわけでございますが、その結果血清中に全然抗体が見られなかったということで、本病は終息をし、いわゆる常在化、常にいるというようなことにはなっておらないというふうに判断されましたので、四十九年の十一月二十一日に政令を廃止したということでございます。 その発生要因といいますか、感染経路につきましては、当時、現地の家畜保健衛生所と、それから家畜衛生試験場と、それから民間の機関等の協力も得まして、発生したところの農家の豚の飼養状況と、それから導入状況、どこから素豚を入れたのかということ、それからそういう病豚の発生状況、それから給与した飼料をどこから買ったのか、特に厨芥等はどこから入手したのか、あるいは関係した家畜商がどのような出入りをしたのかというような、いわゆる疫学的な調査も行いまして感染経路を追及したわけでございますが、茨城県と愛知県の発生は、神奈川県の発生に随伴してそこから感染したのではないかというように見られるような結論を得ましたけれども、しからば、もとになる神奈川県への侵入経路はどうであったかということは、種々調べましたけれども、残念ながら断定するところまでいかなかった。それまで発生したことはないわけでございますので、おそらく海外から何らかの形で入ったのではないかという推定はされますけれども、どういう経路でいつ入ってきたかということは残念ながら明らかにし得なかった事情がございます。
○津川委員 そこで、一昨年の神奈川の発生が一つの根源らしかったということだが、ことしの発生と一昨年の発生は関係あるのかどうか。血清を調べたらなかったということだから関係がないようにも聞こえますが、その点の検討ができているか。それから、ことしの発生根源がどこにあるのか、これをどういうふうに調べてあるのか、今後もまた血清の検査をして調べる必要があると思うのですが、そのつもりがあるのか。 たとえばリンゴの黒星病ですが、これが出たときに、徹底的に原因を追及して根本対策を立てなかったために私たちの日本に入っちゃった。そして定着しちゃった。今度の水胞病が定着することがあってはいけない。せっかく法律まで改正するんだから、今度こそ徹底的に調べて、原因、根源を明らかに突きとめなければまた出るということも考えられますので、いまの追及の現状がどうなっているのかということ、これが一つと、また、血清的な反応で調べていく必要があると思いますが、今回もやるのかということ、これが二つ。 それから、農林大臣、今度やらなければまたあるので、今度こそはどんなことがあっても原因を突きとめなければ対策が根本的にできない。そのために法が改正されるのだろうと思うのです。そこで、これについて取り組むために今度どうしてもここでやらなければならぬと考えているのか。そのための体制を指揮、指導する必要があると思うのですが、最後にこの点を大臣にお尋ねします。
○澤邊政府委員 今回の発生は、去る三月二十三日夜われわれは報告を受けたわけでございますが、東京都の西多摩郡羽村町の一養豚農家、これは二百十七頭飼育中の農家でございますが、その飼養豚の一部に食欲不振を示しまして、鼻の先だとかひずめの部分に水胞、かさぶたができているというようなことがわかりまして、家畜保健衛生所に届け出があり、われわれの方へも報告があったわけでございます。その後、病性鑑定を家畜衛生試験場において行いました結果、二十九日に豚水胞病であるということが判断されたわけであります。 そこで、これの感染源につきましてどのように考えるか、あるいはどのようなことで調査をしているかという点のお尋ねでございますけれども、これは前回の四十八年の十一月、十二月の発生とは全く関係のない地域であるわけでございます。したがいまして、他地域からのもの及び人を介しての侵入であるのではないかというような判断に立ちまして——といいますのは、前回発生したところならば、そこに残っておってそれが再発したということが考えられるわけですが、場所が全然違いますので、やはりほかから入ってきたというようなことも考えまして種々調べてみておるわけでございますが、一つは、考えられることは、発生農家に導入された肥育豚というか、素豚の産地から入ったのではないかという点と、それから給与飼料、特に残飯ですか、厨芥、それから感染したのではないかというような点と、それから三番目には、家畜商などの、導入、出荷時の関係者から感染したのではないかという点と、それから、発生農家及びその農家と関係のある者の最近の海外旅行をした場合に何らか付着をして入ったということもあり得ますので、そういうことにつきまして疫学的な調査を行ったわけでありますが、現在までのところ、まだその原因を明らかにすることができなかったわけであります。 やや詳しく申し上げますと、まず第一の導入状況につきましては、本病の病性から見ますと、潜伏期間等から見ますと、二月一日以降導入した豚が疑いがあり得るとすればあるということで、二月以降どこから導入したかというようなことの出荷先、羽村のこの農家へ出荷した出荷先について調査いたしましたが、本病と疑うようなものはその場所では発生していない。これは高崎から入れた豚でございますが、それが発生をしておらない。また、同時期に同じ産地の高崎から発生農家の周辺農家に導入したものについても何ら異状が認められないというので、これはどうも断定できないということでございます。 それから、第二に、給与飼料につきましては、発生農家は配合飼料と厨芥を給与しておるわけでございますが、同じ配合飼料を使っている農家であっても発生しておらない。それから、また、厨芥については、何か近くの養護施設から集めて給与しておるということでございますので、この養護施設についていろいろ調べましたけれども、同じ養護施設から厨芥を集めて給与している周辺農家にも全然出ておらない。それから、また、厨芥収集先のいまの養護施設等で豚肉を食事に出すのですが、そのために購入している豚から感染したのではないかということも考えて、特にこれは輸入豚肉などが関係がありそうだということで調べましたけれども、これも国内肉を使っておって、特に疑わしい点はなかったということであります。 それから、家畜商につきましても関係者を調べましたけれども、その家畜商に関係した他の養豚農家につきましては全然発生しておらない。 それから、発生農家等の海外旅行者の有無ですが、これも海外旅行は全然やっておらないということで、立証が困難でございました。 以上のような状況でございますので、感染ルートはいまのところ残念ながら明らかにすることができておらない現状でございます。しかし、感染源を明らかにすることが今後の防疫上にも非常に大事なことでございますので、なお引き続き、全国的な異常豚の有無と、それから前回やりましたような血清抗体調査を実施するように現在検討いたしております。これもぜひやりたいと思っております。それらによりまして感染源につきまして明らかになれば非常に幸いだと思いますが、専門家の話を聞きますと、こういう場合につきまして感染源をはっきり見つけ出すというのはなかなかむずかしい場合が多いと言っておりますので、成算があるかと言われますとはっきりしたことを申し上げられませんけれども、できるだけ突きとめるように今後努力を続けたいというふうに思っております。
○安倍国務大臣 今回の豚水胞病の発生につきましては、いま局長も答弁いたしましたように、その発生源というものについていろいろの角度から調査をしておるわけでございますが、まだ明らかになっていないということは非常に残念に思っておるわけでございまして、この水胞病に対する防疫対策を徹底的に行うという立場からも、これはもう何としてでもひとつ発生源を突きとめたいと、私もこういうふうな考えを持っておるわけでございまして、そういう面で全国的にもいろいろと調査も進めておるわけでございますが、そういうこともあわせて、ひとつ今回で発生源を突きとめて、これから水胞病が発生しない防疫体制を何とか確立してまいりたい、こういうふうに考えるわけであります。
○津川委員 こういう法律もできるし、ここで原因を突きとめていくこと、これが家畜伝染病の防疫上においていま取り扱わなければならぬ何よりも重大な課題だと私は思うし、安倍農林大臣の手でこれを突きとめて撲滅するという実績は、農林大臣のためではなくして、日本の家畜伝染病予防のためにぜひやらなければならないと私は思っております。 そこで、ブルセラ病と結核が、たとえば私たちの方の青森県で、上北六ケ所甲地なんというところであんなふうに蔓延したのを、今度法律を改正してもいいような状況になってきて、こういったことは皆さんの苦労が非常に実ったと思うのですが、そこいらで、悪い方の総括もするけれども、こういう点の総括をする必要があると思うのですが、時間がないので、この問答は繰り返さないで、これの指摘だけにとどめておきます。これは総括して私たちに教えてほしい。 第三の問題は、海外伝染病防疫要領第三次試案というものを見せてもらったのですが、屠殺中心に考えている。これは防疫体制や治療体制がおくれている時代には屠殺中心でいいけれども、これが進むと、隔離、治療、予防に重点が指向されなければならないのじゃないかと思う。ここも質問するつもりでありましたけれども、これはまた別の機会に譲ります。 最後に獣医師のあり方でございますが、獣医師が都市に集中して、過疎地帯にいない。肉牛でも乳牛でも、いま過疎と言われる地域がこれから飼育の中心舞台にならなければならぬのに、そこが獣医師が減っておる。この点をどうするか。過疎地域に無医地区をなくする対策が必要かと思うのです。これに対する対策が一つ。 この対策の二つ目としては獣医師の生活です。文化生活というか、子供さんたちを十分教育できるような農村環境をつくらなければ、幾らやってもこの点が実現できない。これに対する政府の対策がどうなっているのか。 第三番目には、現地で開業している獣医師は、診療報酬の単価が低くてなかなかやらない。こういう単価の点で考えなければならぬ。これが第三 第四番目には、現地で開業しておる獣医師が予防衛生コンサルタントの相談をかなりしておる。これに対して報酬が一つも払われていない。ペイされていない。ここいらに問題が出てきます。 まず、この四点だけを聞かせていただきます。
○澤邊政府委員 お尋ねがございましたように、農村部で産業動物関係の獣医師が特に不足を来たしておるわけですが、これは全国的に見られるわけでございます心反面、都市におきましてはむしろ獣医師が多過ぎるという意味での過密の問題が出ておりますけれども、畜産政策上重要な産業動物関係の獣医師は全国的に非常に不足しておるわけでございます。不足しておる町村は、われわれの調査では二百六市町村であります。これは畜産に全く関係のない町村を除いて、畜産に関係があって現在不足しておるというのが二百六市町村というふうに把握をしておりますが、そのうちで獣医師が一人もいないという無獣医市町村が四十七市町村あるわけでございます。これは特別なところでございますけれども、一般的に獣医が不足しておる。 しかも、また、反面、老齢化が進んでおって、若い人が新たに産業動物用の獣医師になりたがらないという点があるわけでございます。最近の獣医関係の大学の卒業生等を見ましても、飼料会社とか、食肉会社とか、乳業会社とか、そういう企業関係に入る人あるいは研究所等に入る者の待遇は他と比べてそう遜色はないと思いますけれども、産業動物関係の診療に直接当たる共済組合なり、農協なり、市町村というところへ就職する者の給与は一般に比べますと見劣りがするということのために、そういう待遇上の不利益ということのために、卒業生が新たに産業動物関係の農村在住の獣医師になりたがらないという点がありまして、これは今後畜産を進める上に非常に重要な影響がございますので、われわれとしても、何とかこれを解決すべきではないかというふうに考えるわけでございます。 そこで、その対策といたしましてはいろいろございますけれども、一つは、無獣医地区等の獣医師の誘致定着化をはかるために、まず、四十七の現在の無獣医である市町村に獣医師に来てもらうというのが先決でございますので、診療施設あるいは診療車とか住宅を含めまして、それらの施設に対しまして国が援助をするということによりまして——給与等につきましてはやはり地元で負担をしていただくほかはないと思っておりますが、施設面につきまして整備をしてそこに獣医師を誘致するというようなことを、モデル的な事業として、五十年度から、わずか四カ所でございますけれども着手をしたわけでございます。今後この成果を見ながら拡充をしていきたいというように考えております。 それから、さらに、家畜共済診療点数表の技術料を引き上げるということが診療報酬の改善を図るために必要だと思いますので、今年度は七五%の引き上げを行っております。また、共済組合なり農協等を含めまして、開業獣医師等も含めまして、民間の獣医師を雇い上げて伝染病の予防対策をやっておりますので、それらの雇い上げ手当を引き上げるということも待遇改善の一つだと思いますので、前年度の四千五百円から五千九百五十円という三二%余りの引き上げをことし行ったわけでございます。 これらの対策で十分だとは思いませんけれども、今後ともこれらの対策を一層充実することによりまして、農村部におきます獣医師の定着、不足解消ということには努力をしていきたいと思っております。 二カ年間、産業動物獣医師総合対策検討会というものを設置いたしまして、報告もいただいておりますが、五十年度予算にはその報告がまだ全面的に間に合わなかったものですから、それを受けて全面的に予算を組んだというところまで参らなくて一部にとどまりましたけれども、今後、その報告の方向に沿いまして、ただいま申し上げたような点につきましてさらに拡充をしていくことによりまして定着化を図りたいというように考えております。 そこで、二番目にお尋ねになりましたことについて、あるいは問題を私は十分理解しておらないかもしれませんけれども、生活条件という問題については、単なる報酬のほかに農村部に獣医師が集まらないという問題でもございます。これは子弟の教育とかいう点まで申し上げれば、確かに農村部は都市部に比べて生活上の不便がありますので、そういう面からも、単なる報酬だけではなくて、不利益のために集まらないという面もございます。これらの問題につきましても、将来の問題として検討してみたいというように思います。 三番目の診療報酬につきましては、先ほど、共済の技術料の引き上げについて一部配慮をしておるという点でお答えしたところでございます。 それから、予防衛生のコンサルタントの問題につきましては、現在共済事業でやっております乳房炎の予防につきましては、これに対しましてたしか共済として援助をしておると思いますが、いずれにいたしましても十分な措置ではないと思いますので、御趣旨の線に沿って今後検討してできるところから実施してまいりたいと思います。
○津川委員 農林大臣、皆さんのところの産業動物獣医師総合対策検討会報告書というものがことしの二月十日に出ておりますが、これを見ますと、農村獣医師の不足対策として、「農村獣医師の地位、所得等の向上についての当面の対策」とか、「獣医教育制度の改善」とか、「獣医師需要の見通し」とか、また、「都市獣医師の過密対策」とかいろいろなことが出ておりますが、かなり積極的な対策ですが、人間の場合だと無医村、過疎対策はかなり大きな世論になっておるけれども、産業用動物の場合は世論が必ずしも出ていない。厚生省あたりは過疎対策に特別な立法まで考えていま準備しておるが、この点で農林大臣は特別に対策を立てなければならないと私は思うわけでありますが、農林大臣、この点はいかがでございますか。 〔坂村委員長代理退席、委員長着席〕
○安倍国務大臣 獣医師対策といいますか、無獣医地区の解消は、これからの家畜疫病を防疫する上からいきましても非常に焦眉の急であると考えておるわけでございます。そういう面で、いま御指摘のありましたように、農林省としても検討会をつくって報告書も作成いたしておるわけでございますが、この検討会の結果に基づきまして、先ほども局長も答弁いたしましたように具体的にも一部進んでおりますが、これらの問題点は五十一年度から具体化する方向で積極的に進めてまいりたいと考えております。
○津川委員 農業基本法とも関係してきますが、畜産の飼養頭数が、基本法の出た昭和三十六年に比べていま三倍、四倍近くなっているわけです。ところが、家畜衛生施設における獣医師の数が一〇九%だ。こういう点もかなり考えていくことが必要だと私は思います。 そこで、教育の問題ですが、医学ですと教養課程が二年、本当の専門課程が四年、これでお医者さんができます。獣医師課程の場合は四年制大学だが、ところが、医学の場合は対象が人間が一つですけれども、獣医師の場合の対象は、四つ足から鳥までかなり多くのものがあります。そこで、獣医師教育に対してもう一度教育のあり方も検討していかなければならぬ。六年にするといういろいろな意見が出ておるが、ここいらの検討がどうなっているか。六年にして、今度は応募する人がなければ、これはまた逆な形にもなりますので、この点について農林省はどう検討しているか、また、文部省もどう検討しているか、これが一つ。 第二番目には、いまの獣医学にしても、医学にしても、非常に進歩が早い。したがって卒業後の教育が非常に大事になってまいりますが、卒業後の教育をどうするのかという研究をもっと進めなければならぬ。皆さんのところの前衛生課長の信藤謙蔵さんの著書によりますと、「農林省の行う家畜衛生講習会では年間四百名程度が限度で、衛生所の職員だけでも五年に一度しか受講の機会がない。家畜防疫員七千名を対象にすれば十七年に一回しか教育、講習できない」と書いているのです家畜の三四〇%に対して獣医師が一〇九%、これはさっき答弁ありましたからいいですが、今度は卒業後の教育ですね。講習、研修、海外派遣なんかもいろいろさっき話に出ていましたが、この対策が必要だと思います。したがって、獣医学教育のあり方と卒業後の教育講習、この二つをうんと進めなければいかぬと思いますが、いかがでございますか。
○澤邊政府委員 いまの畜産振興とそれから公衆衛生の向上という点から、獣医師が非常に重要な役割りを果たしておるわけでございます。最近におきます畜産の発展あるいは公衆衛生に対します国民的な関心の高まり等からいたしますと、獣医技術に対しましてさらに一層水準を高めていくということの必要性が出てまいっておるというふうにわれわれも見ておるわけでございます。そのような社会的な要請にこたえまして、現在の獣医師の養成機関であります四年制の大学につきましては、専門的な獣医技術の教育のためには短か過ぎるのではないか、六年制に移行すべきではないかということは、われわれといたしましても、望ましい、必要であるというように考えておりまして、文部省とも協議しながら、その方向に進めていただくようにお願いをしておるわけでございます。 文部省におきましては、今年度調査費を組んでおりまして、この問題につきまして調査検討を深めまして、結論が出ますればできるだけ早い機会に六年制に移行したいというような意向が強いように伺っておりますので、農林省といたしましても、そのような方向で推進されるよう要請をしてまいりたいと思っております。 それに伴いまして、六年制の教育に移行しますれば、現行の獣医師制度につきましても種々検討すべき点がございます。例を申し上げれば、獣医師国家試験の内容につきましても水準を高めなければいけないというようなこと、あるいは、六年制の大学を出た程度の高い獣医師が今後新しく職場に入ってくるということになりますと、従来の獣医師との格差の問題が出ますので、それらの従来の四年制大学を出た方々の技術水準を新しい六年制の大学を卒業した獣医師に遜色のないように高めていくための再教育といいますか、そういうことをやる必要がありますし、また、六年制大学を出た方だけですべてをやるというわけにいきませんので、そうなれば、補助員のような制度といいますか、そういうような仕組みも場合によっては考えなければいけないのではないかというような種々の問題が出てまいりますので、六年制への移行について文部省のサイドで検討が本格的に進められるのに対応しながら、獣医師制度のあり方について農林省サイドで検討を進める必要があるということで、五十年度予算にも若干の検討費を計上しておりますので、関係の学識経験者等のお集まりをいただきまして、文部省と並行して検討を進めてまいりたいというように考えております。
○津川委員 これで終わりますが、獣医師たちは自分でも勉強しているが、しかし、政府の方で手を引っ張ってやることも非常に大事だと思うので、この獣医師さんの研修、講習、卒業後の教育にかなり重点を指向すべきだと思うのですが、大臣、おやりになりますか。
○安倍国務大臣 獣医師の社会的な重要性というものも十分考慮して、いま局長も答弁いたしましたように、教育年限について、四年制は六年制に移行すべきであるというふうな考えも私も持っておるわけですが、これは文部省でいま検討を進められておるわけであります。これは農林省としても十分文部省とも協議をしてこういう方向で進められるべきであろう、こういうふうに思うわけでございますが、さらに、先ほどお話しがありました卒業後の研修あるいは講座という点についての国としての、農林省としての協力につきましては、今後も十分留意してまいりたいと思います。
○津川委員 終わります。
○澁谷委員長 瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案について、農林大臣並びに農林省当局に質問いたします。 まず、本法の提案に当たりまして、第二条第一項、第十七条第一項、第二十一条第一項関係で、豚の水胞病関係を追加することになっておりますし、二つには、牛のブルセラ病及び結核病に係る検査体制を合理化するために、第三十一条第一項関係が改正する要点でありますが、これについて政府の提案の内容を簡潔に農林大臣からお答えいただきたいと思う。
○安倍国務大臣 最近における家畜の伝染性疾病の発生状況等にかんがみまして、豚水胞病を家畜伝染病に追加をするとともに、その患畜及び擬似患畜を殺処分命令及び死体の焼却等の義務の対象として追加をすること、さらに、また、牛のブルセラ病及び結核病の蔓延防止のために実施している検査制度の合理化を図ること、これが今回の法改正の趣旨でございます。
○瀬野委員 次に、農林大臣にお伺いしますが、三月二十三日に発見されたものでありますが、東京都西多摩郡羽村町において、農家一戸で、二百十七頭飼養中六十九頭が豚の水胞病にかかったということで、発病豚全部に対して殺処分が行われておりますが、この概要と、どういう対策をとられたかという点についてお答えをいただきたい。
○澤邊政府委員 去る三月末に再度発生いたしました豚の水胞病の発生の経過及びそれに伴います緊急措置についてお答えをしたいと思います。 三月二十三日の夜に、東京都の西多摩郡羽村町の一養豚農家の飼養豚の一部に、食欲不振と、それから鼻端、蹄部に水胞、痂皮——これはかさぶたでありますが、そのような現象が出現する疾病のあることが東京都の家畜保健衛生所に届けられました。翌日の朝、同保健衛生所が現地調査を実施いたしました結果、症状が口蹄疫、豚水胞病に類似しておりましたため、農林省の家畜衛生試験場へ病性鑑定を依頼いたしました。同時に、東京都は、農林省の指示に基づきまして、その養豚農家の自主的な隔離——法に基づかざる自主的な隔離、消毒の実施、それから飼養豚の検診、周辺畜産農家への——これは豚と牛と両方でございますが、周辺の畜産農家への立入検査などの緊急防疫措置を法に基づかずして事実上やったわけであります。 一方、家畜衛生試験場による現地調査及び実験室内の検査の結果、三月二十四日に、口蹄疫ではないということで、口蹄疫は否定されましたが、その後種々検査をいたしました結果、三月二十九日に至り、抗体及びウイルスの分離検査の成績から豚水胞病と診断されたわけでございます。 農林省といたしましては、診断が下されました三月二十九日に、各都道府県、国内関係諸機関、及びOIEという国際獣疫事務局というものがございますが、そういう国際機関に対しましても発生を通報するとともに、家畜伝染病予防法による本病の蔓延防止措置を講ずる必要がありますため、本病を家畜伝染予防法第六十二条の疾病として政令で指定する手続を急ぎまして、この政令は四月四日に公布され、翌日四月五日から施行をされました。 また、これと並行いたしまして、本病の侵入経路を明らかにする必要がございますので、当該発生農家の飼養豚の購入先——これは高崎の家畜市場でございますが、この購入先における異常豚の有無、それから厨芥等飼料の利用状況とその仕入れのルート、それから出荷豚との関係あるいは海外への関係者の旅行の有無といったことにつきまして調査も進めているところでございますが、現在までのところ、どのような感染経路を通じて侵入したかということを明らかにする段階には至っておりませんので、現在なお血清調査あるいは全国的な発生調査を行うことによりまして、できるだけ感染ルートを究明をしたいということで努力をしておるところでございます。
○瀬野委員 この豚水胞病に対する感染ルートがまだはっきりしておらぬようですが、これは大変な問題であります。過日この問題が発生するや、農林省当局から緊急に電話がありまして、政令の発令など対策をとられたわけですが、前回もこのルートがはっきりしていないままでございます。先ほどからるる答弁がありましたように、感染ルートについての媒体はどうであるかということの調査と感染経路について早急に検討しておられると思うが、農家が安心できるように調査を進めていただくように強く大臣にもお願いをしておく次第であります。 そこで、時間の制約があるのではしょって質問してまいりますが、この水胞病に対しては世界的にも治療法がないわけでございまして、発病したら殺処分方式による以外にないというのが現状でございます。今回もそのような処分がなされたわけでございますが、ワクチンの開発を急がねばならぬわけで、これは焦眉の急務だと思うけれども、これに対してはどういうふうな対策をとっておられて、いつごろワクチンの開発ができる見通しであるか、その辺の見通しをお答えいただきたい。
○澤邊政府委員 予防ワクチンの開発が、本病を予防するのに、あるいは蔓延を防止するのに大きな決め手になると思いますので、現在、農林省の家畜衛生試験場におきまして、予防ワクチンの開発につきまして研究を進めておるところでございますが、短時間にワクチンが開発できるということはなかなかむずかしいように聞いております。
○瀬野委員 農林大臣、この問題については、今後もこういう病気が発生するかもわかりませんので、予防ワクチンの開発については大臣も十分留意していただきたいと思うが、御見解はいかがでございますか。
○安倍国務大臣 予防ワクチンの研究は進めておりますが、これは一日も早く成功するように、今後とも農林省としても力を尽くしてまいりたい、こういうふうに思っております。
○瀬野委員 次に、自衛防疫体制の問題についてお尋ねいたしますけれども、昭和四十一年から四十三年にかけての豚コレラ及びニューカッスル病の大発生に際し、わが国においても自衛防疫体制がとられることになったわけでありますが、昭和四十二年以降、国の予算措置をもって豚コレラ及びニューカッスル病の予防注射を促進するために、ワクチン購入費に対して助成措置が講ぜられたことも御承知のとおりであります。たしか、四十六年の大改正で、新たに、自衛防疫の推進とこれに対する国及び地方公共団体の助成に関する規定が第六十二条の二に設けられました。この規定に基づいて、昭和四十七年以降、各都道府県単位に、都道府県、市町村、農業団体等を会員とする家畜畜産物衛生指導協会が設置されております。ところが、この家畜畜産物衛生指導協会が現在二人ないし三人程度の職員で運営されておるといったことで弱体でございます。今回は東京西多摩郡羽村町の一カ所であったわけでありますけれども、これらが仮に各地に発生したとなれば大変な混乱が起きるのではないかと思うわけでありますし、現在の家畜畜産物衛生指導協会が二、三人程度で何ができるかと言いたいわけです。現在の仕事は、ほとんどと言っていいように国からもらう助成金を配分するだけのことになっております。これらは当局も十分御存じだと思うが、これを強化するとか、あるいはまたこれを他の団体に包含して行うとか、いろいろ方法もあるかと思いますけれども、これに対して国はどういうふうに対策を講じておられるか、お答えをいただきたい。
○澤邊政府委員 御指摘がございましたように、前回の家畜伝染病予防法の改正の際に規定が追加されまして、自衛防疫体制に対して国が積極的に援助するというような趣旨の規定が入って、それに基づきまして、畜産振興事業団から、出資の約三分の一につきまして事業団出資をするというようなこともやり、また、特定の疾病についての予防事業に対しまして、予防液だとかあるいは接種ずるための技術料に対しまする援助、その他家畜衛生知識、技術の普及等の事業を行うための経費につきまして、家畜畜産物衛生指導協会に対しまして国が援助をするということをやっておるわけでございます。 御指摘のように、一県当たり二人ないし三人の専任職員しか置いておりませんので、弱体と言えば御指摘のとおりでございますので、今後一層強化をしていきたいと思いますが、ただ、これは会員には経済連とかその他の生産者団体がかなり入っております。ほとんど網羅的に入っております。その傘下にそれぞれ獣医師が配置されておるわけでございますので、二人ないし三人といいますのは、事務局の専任の職員というふうに御理解をいただきたいと思います。そうは言いましても、なおできましたばかりでございますし、機構が法人化をいたしましてようやく整備されたという段階でございますので、内容につきましては今後一層充実することによりまして自衛防疫の体制を整備強化していくという必要はあると考えておりますので、今後とも財政的な援助につきまして一層強化するように努力をしてまいりたいと思っております。
○瀬野委員 この家畜畜産物衛生指導協会は、四十五都道府県のうち四十四道府県については社団法人になっておりますが、一都道府県当たりの平均三千万円のうち一千万円が国からの出資、すなわち畜産振興事業団からの出資となっておりますが、あとの二千万円は県と民間団体が負担するということになっております。現在和歌山県と沖繩県にはこういった指導協会がないわけでありますが、それと同時に、四県については出資は要求中ということで、現在準備中であるやに聞いております。こういうふうにない県もあるし、まだいまだに出資準備中であるという県もあり、実にこれは不徹底である。あってもなくてもいいような感じがしてならぬのですが、その点の対策はどう考えておられるか、お答えいただきたい。
○澤邊政府委員 各県ともできるだけこの組織ができますように、畜産振興事業団の出資並びに国の財政援助を強化してまいりたいと思っておりますが、現在、御指摘のように、沖繩県と和歌山県はまだできておりません。できるだけ早く設立できるように指導してまいりたいと思っておりますが、和歌山県は畜産関係が非常に事業量が少ないというような事情でなかなかできにくいという点がございます。それから、沖繩は、復帰後、一般本土と違いまして畜産家畜衛生関係の体制が未整備でございますので、まだ設立までには至っておりませんけれども、できるだけ早い機会に設立を見るように指導援助をしていきたい、こういうふうに考えております。
○瀬野委員 獣医師の農山村定着化の問題と、家畜保健衛生所の規模拡充等の問題について若干お尋ねいたします。 獣医師問題については、昭和四十七年六月八日に私は一時間にわたって当委員会で多般にわたって質問してまいったのでありますが、その後いろいろと今日までの経過を見ましても、余り進展していないし、対策がなされていないという感を深くするわけですので、それで、改めて本法審議に当たりましてお尋ねしておきます。 現在、わが国の獣医師数は二万一千九百二十九人となっておりまして、産業動物を対象とする農村獣医師数が五千七十四人、うち個人開業者二千百九人、農業共済組合職員一千五百十人、乳業会社等の民間会社職員四百四十七人、市町村職員三百四十九人、農協職員六百五十九人にすぎないわけでありまして、最近の傾向としては、社会的、経済的理由等から獣医師数の減少がはなはだしく、十年間で七百五十三人の減少となっております。そしてさらに老齢化しているということは、四十七年六月八日の質問の際にもこの趣旨を申し上げて政府の見解をただしてきたわけでありますが、事実、現在は、老齢化とともに、地方における畜産地帯からますます都会へと、ペットなどの小動物の獣医師に移行して、産業動物の獣医師がだんだん減少しつつある。しかも、十年間に七百五十三人も減っており、この対策は焦眉の急である。すなわち、口蹄疫等の病気が入ることはいまのところまず考えられませんけれども、今回のように突如として豚水泡病が起きたり、または将来口蹄病に類似したような病気が蔓延すると、一挙に日本の畜産は壊滅状態になるということが恐れられます。もちろん、昨年の本法一部改正においても隣県から援助を求めるということになっておりますが、実際に隣県から来る医師の手当というものも全く少ない。低額であります。そういったことから、将来伝染病が入った場合には大変な憂慮すべき問題となりますので、これに対しては農林省当局も積極的に本格的に取り組まなければならぬ。これは一挙に簡単に解決できる問題ではなく、時間をかけて解決しなければならぬ問題でありますけれども、国民の保健衛生を守る上からも重要な問題だと、かように断定せざるを得ません。 これに対して農林大臣はどういうふうに対処しておられるのか、今後どういうふうにこれについて検討していかれるのか、十分な対策を披瀝していただきたいと思います。
○安倍国務大臣 獣医師が全国的に少ない上に、いまお話しがありましたように最近だんだんと都市に集中しておるというようなことで、畜産関係で非常に必要な地帯において極度に不足をする状態が出てまいりまして、無獣医師地帯という地帯まで生じておるというのが現実の姿でございます。これからの家畜伝染病等の防疫体制を確立していく上から見ても、わが国の畜産を振興する上から見ても、この無獣医師地帯を一日も早く解消していくということは確かに焦眉の急であろうと思うわけでございます。 そういう観点に立ちまして、農林省といたしましても、無獣医師地帯の解消等につきましても目下努力を続けておるわけでございます。たとえば待遇の改善とか、技術料等についても改善をいたしたわけでありますが、そういう待遇の改善のこととか、あるいはまた住居等の施設に対して国が協力をしていくこととか、あるいはまた農村環境の改善といったような面も含めて取り組んでおるわけでございますが、さらにこれについては積極的に今後とも取り組んでいかなければなりませんので、財政措置等も含めてひとつ力を入れていききたい、こういうふうに思うわけでございます。
○瀬野委員 農林大臣からいま答弁がありましたように、無獣医の市町村が四十七も全国である。これも獣医師を配置する体制を考えなければならないことは当然であります。と同時に、日本全体にわたって獣医師が高齢化し、しかも農山村から都会へ流れていく傾向がある。そして、ペットなどの小動物へ獣医師が移行するという傾向がますます強くなっておるのですから、それに対する対策を十分講じていただきたい。このことは四十七年の六月にも私は指摘したわけですが、その後何ら対策を講じていただいていないということを指摘するわけですから、農林大臣はさらに真剣にこれに取り組んでいただくようにお願いをするわけです。 なお、日本の獣医教育の大学の問題でありますけれども、四年制を六年制にせよということは、これまた四十七年六月八日の質問の際にも私は農林省及び文部省にも指摘をしたところですが、早急に調査費をつけて検討するというまま、先ほどの答弁を聞いても何ら進展を見ていないように思われてしようがありません。いろいろ問題があることも承知しておりますが、いわゆる獣医師の資格を持たせるということが大事であり、獣医師たる自信を持って今後の推進を図るということが重要なときになっている関係から、外国でもほとんどが六年ないし七年制になっております。日本だけが四年制ということであります。 これに対して農林大臣は文部省とも積極的に話を進められて、六年制大学の実現に向かって努力していただきたいと思いますが、その点について大臣からさらに決意をお答えいただきたいと思います。
○安倍国務大臣 獣医師の社会的な地位、その重要性から見まして、教育年限を四年から六年に延ばすということは必要なことであると私も思っておるわけでございまして、文部省としてもこの点につきましては十分検討を進められておるわけで、五十年度にはこの点についての調査費も文部省において組まれたわけでございますが、農林省としても、六年制に移行していくように今後とも積極的に文部省と協議を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○瀬野委員 澤邊局長にお尋ねしたいが、先ほどの問題で、無獣医地区獣医師定着化モデル事業を農林省は五十年度予算で考えておられますが、適正配置等に対する具体的施策等についてはどう考えておられるか、お答えいただきたい。
○澤邊政府委員 現在、獣医師の不足いたします町村が、都市は除きまして、産業動物としての獣医師の不足する市町村は二百六市町村ございます。その中で一人もいないという無獣医市町村が四十七市町村ございますので、これをまずつぶしていくということが必要だと思います。そのために五十年度予算から新たに診療施設あるいは診療車あるいは住居等、診療に必要な施設に対します助成をいたしまして、獣医師を誘致し、定着化を図るという事業を、モデル的なものといたしまして、わずか四カ所でございますけれども、今年開始をすることにしたわけでございます。この成果も見ながら、今後まず四十七市町村に配置をするということと、それからさらに二百六市町村に、一名おってもなお足らないというようなところにはふやしていくということを進めていくべきだというように考えておりますが、お尋ねの全国的な再配置の問題につきましても今後検討をしてまいりたいと思っております。
○瀬野委員 昭和五十年度からは、獣医師の診療報酬の改善を図るために、農林省では家畜共済診療点数表の技術料を七五%引き上げられていくお考えのようでありますが、雇い上げ獣医師手当も四十九年の四千五百円から五千九百五十円に引き上げるということになっております。仮にこれが五千九百五十円に引き上げられても、実際の現在の給料、手当等から見ましたときに、これは実に低い。こんなことで、ある町村で伝染病が発生した場合に隣県から応援を求めるというような事態が発生したときに、果たして獣医師がこのような日当で来れるかどうか、実に疑問であります。 こういったことについては実に問題だと思うが、これは改正しなければいかぬと思うが、五千九百五十円の根拠はどういうように考えられたのか、また、将来どういうようにしようと考えられるのか、見解を簡潔に承りたい。
○澤邊政府委員 獣医師の雇い上げ手当を前年度の四千五百円から五千九百五十円に今年度引き上げを行ったわけであります。引き上げ率は三二%を若干超えるわけでありますが、これは国家公務員のベースの引き上げ率、それから一般の入間の方の医師の報酬の引き上げ率等も勘案をいたしまして、毎年ではありませんが、しかし、大体毎年最近はやっていると思いますが、引き上げをやっておるわけでございます。 御指摘のように、五千九百五十円で十分とは申せませんので、今後適正に引き上げることによりまして——先ほど来問題になっております獣医師の不足となかなか定着しないという問題は、報酬が不十分であるという点が一つの大きな原因になっておりますので、その対策の一環といたしまして、獣医師雇い上げ手当の適正な引き上げにつきましては、今後も引き続き努力をしていきたいというふうに考えております。
○瀬野委員 次に、家畜保健衛生所についてでありますが、昭和四十年以降その整備統合が行われて、昭和四十年に五百八十六カ所もあったのが、現在、四十九年には二百二カ所となっておりまして、はなはだしく減少いたしております。これに伴い、施設の近代化とか診療機能及び機動力の強化が図られておるということは当然言えますが、家畜保健衛生所の管轄の広域化によって個々の巡回指導が不十分となるおそれがあります。なぜ減らしたのか。県で十カ所あったものが四カ所になったために不便になってきている。また、内容は施設の近代化などで充実したというものの、遠くへ行ってしまったために巡回指導がおろそかになっているのも当然でございます。 巡回が不十分になったことでいろいろな支障が今後起きてくる心配がございますが、これに対しては農林省当局はどういうように対処をするか、また、従来から比べて減った家畜保健衛生所について、これをどういうようにカバーすれば十分対策ができるというように思っておられるのか、その点を明確にお答えいただきたい。
○澤邊政府委員 昭和四十二年から七カ年計画で広域的な統合整備を進めてまいって、現在二百二カ所になっておるわけでございますが、これは家畜の飼養頭羽数の増大、特に大規模化等に伴いまして、病気の発生が複雑化し、かつ多様化しており、そのために衛生技術も高度化が要請されておるということのために、小さな家畜保健衛生所が分散しておるよりは、広域統合することによって施設も整備をし、陣容も集めまして、専門分化するということによって高度な衛生技術に対します需要にこたえる体制を整える方が好ましいのではないかということで広域統合に踏み切ったわけでございます。もちろん、他の理由といたしましては、市町村の合併なり、農協の合併なり、あるいは交通事情等も昔に比べればかなりよくなっているというような点等も考慮いたしまして、広域統合することが技術の高度化の要請にこたえるには適当ではないかという判断に基づいてやっておるわけでございます。 反面、御指摘のように、巡回指導等について、どうしても農家から距離が遠くなる場合が多いわけでございますので十分でなくなったという点もあろうかと思いますが、この点につきましては、家畜の飼養規模、飼養形態が変化をしてまいっておりますのに伴いまして、農家自身が自衛防疫体制を強化するということによって自主的な努力もお願いをするというような考え方から、先ほども御質問をいただきました家畜畜産物衛生指導協会という自衛防疫組織をつくりまして、これに対して農林省並びに畜産振興事業団から出資、援助をするというような方法によりまして整備を進めておるわけでございます。したがいまして、足らざる点はそのような自衛的な組織によって補っていただき、これに対します援助もさらに強化をしていきたいというふうに考えておりますが、もちろん、家畜保健衛生所自体も農家との接触がうとくなってはいけませんので、種々の情報の収集、情報の提供等のモニター制度等も新たに去年からつくっておりますので、そういうこともあわせまして、機動力の強化と相まって巡回指導もできるだけやっていくという努力はしてまいりたいと思っております。
○瀬野委員 次に獣医師法違反の問題で一件指摘をし、政府に対策を講じていただきたいと思うのです。 時間がございませんので内容は省略いたしますが、四十七年の六月八日に私はこの問題を指摘し、政府の見解をただしておったのでありますが、すなわち、外国人であるフリードマンという人、これはアメリカ人でありますが、東京タワーの下のメソニックビル内で営業を行っておりますが、日本の国家試験は落ちております。この人が日本人の獣医師を一日置き、すなわち隔日に雇ってはおるらしいのでありますが、これは完全に獣医師法違反でありまして、現に日本の獣医師及び獣医業を誹謗しておって、獣医師会からいろいろと指弾されているものであります。詳しくは四十七年の六月八日の質問の際指摘しておりますが、これに対して当局の当時の増田政府委員からは、フリードマン氏を呼び出して厳重に注意をし、警告をして、獣医行為はその後やめたというように聞いておるが、また早急に確認したいというような答弁があったのでありますが、現に違反を続けておるわけであります。これに対して早急に農林省も対策を講じてもらいたい。四十七年に指摘したのですが、いまだにそれが行われておるということは農林省の対策の怠慢であると私は指摘せざるを得ません。見解を承りたい。
○澤邊政府委員 お尋ねの米国人フリードマンなる者の都内におきます獣医師法違反行為についてでございますが、前提といたしまして、わが国の獣医師国家試験を受けて獣医師免許を取得しなければ外国人につきましても獣医師業務を開業できないということになっておるわけでございます。御本人は免許取得を行った事実はございませんし、同人の獣医師類似行為につきましては、昭和四十七年二月に農林省に本人の出頭を求めて厳重に注意した経緯もございます。最近また同じような違反行為をしておるというような御指摘でございますが、直接の監督は東京都でやっておりますので、私ども東京都から聞き取りをいたしましたところでは、フリードマン名義の家畜診療所の開設届はないということであります。港区を管轄する芝保健所によりますれば、港区の芝公園の近くで、獣医師近藤何がしという者が四十七年の九月二十一日に診療所を開設し、フリードマンが診療を行っているとのうわさを聞いているが、診療所内で当該人を見たことがなく、違反の事実を確認していないという報告を実は東京都庁からもらっておるわけでございますが、他方、東京都の獣医師会の会員の方の一部からは、その近藤某なる者は月曜、水曜、金曜の三日間は診療所に勤務するが、診療、治療等の行為は事実上フリードマンが行い、しかも、診断書のサインは近藤何がしの名義でやっておるというような御指摘もございますので、さらにこれを私どもといたしましては調査をいたしまして、違反の事実があれば適正に処置したいというように思っております。 いまお答えしましたように、都庁の調べと獣医師会の会員からの聞き取りとが食い違いがございますので、さらに私どもで確認をいたしまして、違反の事実があれば厳重に処置をしたいというふうに考えております。
○瀬野委員 本件は、獣医師会の明朗化を期するためにも、都庁の見解と獣医師会の見解が食い違っておるわけですから、ぜひ早急に農林省の姿勢を正してほしいということを強く申し上げておきます。 最後に、簡単に二つだけお尋ねして、本法案に対する締めくくりの質問にいたします。 患畜の殺処分に伴う手当金の最高限度額の改善をしてもらいたいと思う問題でありますが、患畜である家畜評価額の最高限度額については、四十六年に法改正が行われて、現在までそのままになっております。当該家畜の評価額の三分の一あるいは五分の四の手当金を交付するということになっておりまして、その後家畜も高くなっているにもかかわらず、評価額はまことに低い価格で抑えられている。事実、三年経過したにもかかわらず、牛が二十六万円、馬が五十九万円、綿羊及びヤギが一万五千円、豚が三万円、鶏及びアヒルが九百円、七面鳥が二千七百円、ウズラが百円というように、最高限度額が低い上に、家畜の評価額が実に低く抑えられておりまして、これは問題であるし、後の経営が農家としても非常にむずかしいということになりますけれども、本法が改正になって、いままで法律になっていたものを家畜の動向を見ながら改定していくということで、しやすくなっておるわけです。にもかかわらず、こういったことで抑えられておるということは、農林省の対策が手ぬるいということになるわけです。改定しやすいようにしたわけでありますから、むしろ早急に農家の期待にこたえるように改定をしていただきたいということが一点と、もう一つは、牛の異常産の問題で一最近異常産が少しずつは減ったとは言いながらも、また、範囲が広くなっております。対象範囲が広くなっております。これに対しては十分な対策を講じていただきたい。 この二点について、農林大臣並びに局長からお答えをいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○澤邊政府委員 牛の異常産につきましては、最近、昨年から北陸、東北の日本海側等につきまして新たに発生を見ておりますが、その後続発は余りしておりませんけれども、この問題については、原因がアカバネウイルスだということがおおむね確定をいたしておりますので、これの予防液の開発等につきまして、家畜衛生試験場を中心にいたしまして鋭意努力して、予防措置の万全を早く期せられるようにしたいと思っております。 なお、これに伴います農家の損失に対しましては、これまで、主要な発生地帯に対しましては、人工授精の授精料につきまして一部地方競馬全国協会から援助するというようなことをやっておりましたが、今後ともそのような対策は大規模に発生したような場合には講じてまいりたいというように考えております。 なお、これに伴います損失によりまして農家の借入金の返済等が十分いかないというような場合も考えまして、金融機関に対しまして、貸付条件の緩和等につきまして指導をこれまでもしておりますが、今後もそれを続けていきたいというように考えております。 なお、殺処分手当の最高限度額につきましては、大臣からお答えをいたします。
○安倍国務大臣 殺処分に伴うところの手当金につきましては、四十六年に決まりまして以来改定されていないわけでございまして、実勢に合わないという面もございますので、早急に改定する方向で努力をしたいと思っております。
○瀬野委員 以上で終わります。
○澁谷委員長 これにて、本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○澁谷委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もございませんので、直ちに採決いたします。 家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○澁谷委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 —————————————
○澁谷委員長 この際、本案に対し、先刻の理事会の協議のとおり附帯決議を付したいと存じます。 案文を朗読し、その趣旨の説明にかえたいと存じます。 家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行にあたり、左記事項の実現に遺憾なきを期すべきである。 記 一、海外からの悪性伝染病がわが国に侵入する危険性の増大に対処し、動物検疫施設の整備拡充等検疫体制の一層の強化に努めること。 特に、再度にわたり発生をみた豚水胞病については、同病の感染経路と感染媒体を早急に究明するとともに、その予防体制に万全を期すること。 二、家畜の防疫体制に万全を期するため、家畜保健衛生所の機能の充実、獣医師の処遇改善及び自衛防疫組織の育成等の諸施策をさらに強化し、これに必要な財政措置を講ずること。 三、殺処分手当金の最高限度額については、最近における家畜の実勢価格が適正に反映されるよう、その改定を検討し実施に努めること。 四、近年における牛の異常産の被害にかんがみ、ワクチンの開発等その予防及び治療方法の確立を急ぐとともに、被害農家に対し適切な救済措置を検討すること。 右決議する。 以上でありますが、本附帯決議案を本案に付するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○澁谷委員長 起立総員。よって、本案に附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいまの附帯決議について政府の所信を求めます。安倍農林大臣。
○安倍国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その御趣旨を尊重し、善処いたしたいと思います。 —————————————
○澁谷委員長 なお、ただいま議決されました本案の委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○澁谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○澁谷委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時十一分散会