農林水産委員会 第16号
- 発言数
- 85 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1975/03/28
会議録
○澁谷委員長 これより会議を開きます。 この際、連合審査会開会の申し入れに関する件についてお諮りいたします。 すなわち、建設委員会においてただいま審査中の宅地開発公団法案について、連合審査会開会の申し入れを行いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○澁谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、連合審査会開会の日時等は、建設委員長と協議の上、追って公報をもってお知らせすることといたします。 ————◇—————
○澁谷委員長 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 農林大臣に対して、先ほどの小委員会に引き続き質問をしてまいります。 まず、最初に、加工原料乳についてお伺いをしたいのでありますが、加工原料乳の不足払い制度は、農家に対する保証乳価は再生産を第一義として決められるべきであるわけでございまして、当然そのようになっているのですけれども、実際はそうじゃないというのが現状でございます。過去の実績から見てまいりますと、メーカーが支払う基準乳価が幾らになるかによって保証乳価の水準が決められるというのが現在までの実情であります。 そこで、過去の実績から見てまいりますと、メーカーが支払う基準乳価が幾らになるかによって国がいろいろと試算をされるということで、この差額に相当する不足払い部分を圧縮して財政負担を極力抑えたいとする政府当局の計算も働いているということをわれわれは感知せざるを得ません。そこで、何よりも問題なのは、不足払い制度が乳業メーカーの保護にはなっても、実際に肝心な農家の再生産に対する手当てになっていない、十分役立っていないということが言えるわけでございます。御承知のように、不足払い制度というものは、昭和四十一年度に発足して以来十年目を迎えて今日に至っておりますけれども、四十九年度までの九年間に、農家の保証乳価をずっと試算してみますと、累積八九・一%上昇したことになっております。ところが、乳業メーカーの支払う基準乳価は六七・九%の引き上げにとどまっておりまして、このため、その差を補給する国の不足払い額は三倍となっております。こういった点を見ましても、財政負担の恩恵が農家よりも乳業メーカーに大きく寄与しているということが明らかに言えるわけでございます。まことにこれはけしからぬ。 これは昨年も小委員会並びに農林委員会等でこの価格決定に当たっていろいろ政府に質問したのでありますが、農林大臣は、この加工原料乳の不足払いについていま私が指摘したことに対してどういうふうに考えておられるか、所見を承りたいのであります。
○高須政府委員 基準価格を算定いたします場合と保証価格を算定いたします場合には、それぞれの独自の手法を用いまして、保証価格の方の場合には生産費が基準になっておるわけでございまして、それで計算いたしております。 他方、基準価格の方は、メーカーの製造経費であるとか、マージンの動きであるとか、また消費者価格の動向であるとか、そういったようなものをいろいろ勘案いたしまして決める。結果としてその伸び率はいろいろ違いますけれども、算定の基準が非常に異なっておるわけでございます。
○瀬野委員 大臣、いまの問題について高須審議官から答弁がございましたが、大臣はどういうふうに見解をお持ちでありますか。
○安倍国務大臣 いま審議官から答弁をいたしましたように、保証価格の決定につきましては、これはもう御存じのとおり、法定をされておるように、酪農農家の再生産を確保するという大前提のもとに、生産費を中心にして算定方式によってはじき出したわけでございます。 基準価格の算定は、先ほども説明をいたしましたように、これはメーカーの生産費を中心にしてはじき出したわけでございますから、これとはそれぞれ異なっておるわけでございます。したがって、保証価格の算定に当たっては、あくまでも再生産の確保ということを大前提といたしておるというふうに私は認識をいたしておるわけでございます。
○瀬野委員 農林大臣にさらにお伺いしますけれども、昨年の春ですが、大手乳業三社の不当利得が年間六十億に及ぶという事実が暴露されたことがございました。実際にはもっとそれ以上にあることは予測されるわけでありますが、当委員会でもこれが問題になりまして、いろいろ論議したところでございますけれども、この不当利得が生じたのも、不足払い制度が結果として乳業メーカー擁護のために運用されたからにほかならないということが結論として言えたわけであります。乳業メーカーの支払い得る基準乳価を算定する際に、その土台となるバター、脱粉などの指定乳製品の実勢相場というものが年々上昇していたにもかかわらず、四十三年度から四十七年度までの五年間も指定乳製品の安定指標価格を据え置いて、しかも四十八年度も多少修正をした程度にとどまったのは、大臣も恐らく御存じだと思います。こういった結果から見まして、乳業メーカーは、実際にはもっと高い乳価を農家に支払い得たにもかかわらず、乳製品の指標価格と、それをもとにした基準乳価を押えたために、そこに膨大な不当利得がなされたということが、当時当委員会でもいろいろ論議した問題点であったわけです。 そこで、四十九年度の保証価格が四四%引き上げられたのは、この不当利得の追及を受けた結果、問題の乳製品指標価格を実勢に合わせ、基準乳価を三三%引き上げた面も作用しているからであろうとわれわれは考えております。しかし、不足払い制度が乳業メーカー寄りに運用されている体質というものは、これはぬぐい切れないものがある。これはわれわれはいつも指摘しておるところでございとして、基準乳価を算出する過程で、乳業メーカーの利潤だけはがっちり算入されているというふうに思われてしょうがないのであります。 乳業工場の非能率な操業状況とか流通過程の不合理といったものは全然不問にされて、しかも、乳業メーカーは自社製の乳製品を流用しての還元乳で利益を上げるという実態が現にあるわけですが、こういうことを放置されていいのか。このような厳しい酪農の現状にかんがみて、大臣もこういうことは十分承知しておられるかどうか。これは昨年ずいぶん問題になったことでありますので、その後大臣に就任された安倍農林大臣にも、今回の価格決定に当たってはこういうことを十分踏まえた上でいろいろと対処してもらいたいと思うので申し上げるわけですが、この点についての大臣のお考えをお聞きしたいのであります。
○安倍国務大臣 いまお話しがございましたように、乳業の大メーカー等につきまして、利潤等の相当の留保分があったということは事実でありましょう。これに対して、基準価格が低かったのではないかという御指摘もあるわけでございますが、これは市況の変動等によってそういうふうな留保が生まれたというふうにも考えるわけでございますが、農林省といたしましては、基準取引価格を決めるに当たりまして、今回の場合等におきましては、そういう乳業界の実態等も十分配慮いたしまして、マージン率というようなものを非常に低く抑えて基準取引価格をきめるわけでございます。 しかし、今後とも乳業メーカーの経営の実態等は農林省としても十分把握しながら今後の措置につきましては配慮していきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○瀬野委員 以上、乳価問題等について、午前中に二回、現在は三回目の質問ということでいろいろ申し上げてまいりましたが、いまのような問題についても、不足払い制度を乳業メーカー本位から真に農民のために取り戻すということで、農家の再生産に見合うように、意欲を持って生産できるように、十分配慮した価格決定をぜひされるように強く要望しておきます。 時間の制約があるので、豚肉の問題について若干質問をしておきたいと思います。 政府は、おとといの三月二十六日に食肉部会を開いて、指定食肉の中で、豚肉について、基準価格キロ当たり五百四十六円、上位安定価格六百六十七円、現行の七・七%アップの五十年度政府試算価格を示されたわけです。この政府試算は、算定方式は従来どおりの需給実勢方式を採用しておられて、生産を刺激するため需給調整係数を一・〇〇から一・〇二に引き上げられておりますし、さらに四月からの配合飼料値下げ分を織り込んだ、さらには湯はぎ方によるものの格差を七%にした、というようなことが大きな特徴となっておるようでありますが、この試算価格については、農協または各種団体が要求している価格を大幅に下回っているのは事実でございます。 こういったことではわれわれはが納得いかないわけでありますが、わけても、今回の政府のこの試算を見ましたときに、上位価格が一〇%高では、政府が言うところの良質の生産を幾ら慫慂されても生産者は価格アップを目指すところの意欲が起きない、いわゆる生産者に不利になるということで意欲が起きてこない、かように思うわけでございますけれども、この点についてはどういうふうに政府は検討されておるのか。この価格決定に当たっては十分配慮していただきたいのですけれども、こういったことではどうも納得がいかないわけでありますが、その点、見解を求めたいのであります。
○安倍国務大臣 豚肉の価格につきましては、二十六日に畜産振興審議会からの答申が出たわけでございます。この答申は、御承知のとおり、「昭和五十年度の指定食肉たる豚肉の安定価格については、現行の安定価格水準を引き上げることはやむを得ないが、最近における肉豚及び素豚生産の動向、消費に与える影響を考慮し、慎重に決定されたい。」ということが付記してあるわけでありまして、私たちはこういう審議会の答申を十分尊重いたしまして、最終的に農林大臣として決定をいたしたいと考えておるわけでございますが、この審議会に諮問いたしました農林省の試算につきましては、これは従来の需給実勢価格方式でございますから、それに基づいた算定方式によって試算をいたしたわけでございます。 飼料が四月から値下がりする、それを含めることに問題があるのではないかという御意見でもあるわけでございますが、非常な長期的な展望に立ちますと、やはり農産物というものは世界的に不足という基調でありますが、最近は幸いにいたしまして飼料穀物については低落をいたしておるわけでございまして、この情勢というものはここ一年ぐらいは続くのではないかというふうに私は判断もいたしておるわけであります。そういう中にあって、全農の決定いたしましたこの飼料価格の値下げは確定をいたしておりますから、確定要素といたしまして豚価の試算の中に入れたわけでございまして、これは将来にわたる確定要素につきましては試算の中に計上するという今日までのやり方になっておりますので、そういう方向をとっておるわけでございますが、この審議会の附帯決議におきましても、経済に非常に著しい変動のあった場合は畜産審議会をさらに開いて再検討しなければならないということも決議をなされておるわけでございます。したがって、そういう点は十分配慮しながら今後を見守っていきたいというふうに考えております。 私は、この安定価格でもって農家における再生産というものは確保されるものである、こういうふうに考えておるわけでございます。
○瀬野委員 時間の制約がありますので、あとははしょって二、三点簡潔にお伺いしますので、大臣あるいは高須審議官から要点を簡潔にお答えいただきたいと思います。 いまのことに関連して、豚肉の場合に湯はぎ法によるものは七%ということになっておりますが、七%の格差では皮はぎとの格差が従来よりも広がって、特に関西なんかは湯はぎの多いところでございますが、かなり問題になりはせぬかと思う。こういった試算はどういう根拠に基づいてやられたのか、その点が一点。 それから、農林省が諮問された中で、時間がないので一点だけお伺いしますが、「昭和五十年度指定食肉安定価格算定説明参考資料」というのがありますが、これの三ないし四ページの表の下の方に、指定食肉の安定基準価格及び安定上位価格の算出の中で恥というのがございますが、要するに、基準期間における肉豚農家販売価格というものでありますけれども、これが二百八十円となっておりますけれども、頭打ち方式をとっているわけです。実際にはこの表を見ますと二百八十八円七十銭になっておりますね。これは平均で見てあるわけですが、二百八十八円七十銭に当然実際値が出ているわけですから、この平均値でいいと私は思うのですけれども、わざわざ修正値で八円七十銭も低く見てある。何でこういうふうに見たのか、理由をお答えいただきたい。 それから、もう一つは、今回の試算については四ないし六円のえさの値下げ分を参酌しているというふうに言われておりますが、これは農家にとって非常に不合理なことでありまして、本来ならばこれを織り込むべきではないと私は考えるわけですけれども、どうしてもこれを入れるというのであれば、えさの値下げは六月までのもので、今後値上げになる要因も必ず将来は起きてくることが懸念されるわけです。そうなった場合に再検討、再改定をするという考えがあるのか、これまたあわせてお伺いしたい。 御承知のように食肉部会での附帯決議でも、「物価、飼料価格その他の経済事情に著しい変動が生じた場合には、すみやかに本審議会を開催し、安定価格を再検討すること。」という決議も出ているわけです。そういった点も含めて、以上三点について最後にお伺いをいたしたいと思います。
○高須政府委員 瀬野先生からただいま御質問いただきました三点につきましてお答え申し上げます。 第一点は、湯はぎと皮はぎの格差の問題でございます。これは昭和三十八年以降、下限の方の価格の差は二十円、上限が三十円ということで長い間推移してまいりましたが、実際を考えましたときに余りにも適正でない、むしろ定額よりはパーセントにしようということで、関係業界の御意見をいろいろ拝聴いたしまして、七%が適当であるということでさような考え方を導入いたしたわけでございます。 第二点でございますが、第二点のいわゆるPoの頭切り方式が問題であるというような御意見でございましたが、これにつきましては、従来ともこの方式によっておるわけでございますが、算定の基本的な考え方と申しますのは、政策価格を決めたならば、それを超えるような価格またはそれを下回るような価格は異常価格でございまして、たとえば頭切りの場合、本来ならば政府がいろいろな措置をとって価格を冷やす措置を当然とるべきであったはずでございますけれども、それを政府が価格を冷やすような措置はとらなかった、そこで異常価格が発生したわけでございますけれども、そういうようなものは正常な姿ではないということで、頭切りまたは足切りの基準価格を出します場合にはこのような考えでやっておるわけでございます。 それから、第三点の価格改定につきましては、これはしばしば大臣からお話しがございましたので、私は省略させていただきます。
○瀬野委員 以上で質問を終わりますが、先ほどの畜産小委員会でも六項目の畜産物価格等に関する附帯決議を決定したわけですが、後ほど委員長からもいろいろと決議を読み上げていただくことになっていますけれども、どうかひとつ農家の再生産に見合う価格決定をされるように、大臣には決議の内容等を十分踏まえて価格決定をされるように強く要望して、質問を終わります。
○澁谷委員長 島田琢郎君。
○島田(琢)委員 先ほどに引き続き若干の質問を申し上げますが、これまた大変時間が限られておりますので、簡潔に御答弁をお願いいたします。 まず、労働単価の問題で先ほど質問いたしましたが、これは審議官で結構ですが、四十八年、四十九年、そしてことし、この労働時間について、どういう推移をしているかという点をまずお尋ねいたします。
○高須政府委員 ただいま調べておりますので、ちょっとお待ちください。
○島田(琢)委員 あわせて、牧草の関係の労働時間もお示しください。
○高須政府委員 先に管理労働の方の時間だけを申し上げます。 四十八年が三・九三時間、四十九年が三・八〇時間、五十年が三・七四時間と、徐々に時間が減少いたしております。 牧草の方も大体このような傾向だと思いますが、いま数字を調べておりますから、ちょっとお待ちください。
○島田(琢)委員 これはどういう要素に基づいてこのように労働時間が短縮されているのですか。
○高須政府委員 先に牧草の時間を申し上げます。 四十八年が一・四二時間、四十九年が一・四一時間、五十年が一・二四時間で、これは生産費調査によって調査いたしました。逐次労働力省力化の傾向が見える、かように考えております。
○島田(琢)委員 つまり、農民の努力によってこれが短縮された、もっと裏返して言えば、そのことによって政府側で言う合理化がされた、と、こういうふうになるんだろうと思うのですが、これは明らかに農民の努力によって生まれた数字だということでしょう。
○高須政府委員 確かに、時間が節減されてまいりますということは生産者の御努力によるところと思います。しかし、国費を大量に投入いたしております不足払い制度の中におきましては、まだ合理化が進行中の状態でございますので、逐次そのような合理化の結果を反映していく、このように考えておるわけでございます。
○島田(琢)委員 後段の部分については、あなたのおっしゃることと私の考え方は大きく違うが、大臣、まず、前段の部分について、農家の努力でこのように時間が短縮されていった、つまり、あなた方のおっしゃる合理化がされた、これは間違いございませんね。
○安倍国務大臣 やはり、規模拡大が進んでくる中において、農家の努力というものが最大の要因であったと私は思います。
○島田(琢)委員 これを一頭当たりに直しますと、これは大変な時間短縮がされたことになるんですね。ところが、農家の働く労働時間というのは、一日八時間にして、仮に三百六十五日仕事していったとしたら大変な時間を働いているわけです。とても一日八時間平均なんか働くことはできません。したがって、大変な努力がここに払われているということがこれによってうかがい知ることができると思うのです。当然農家の努力であなた方がおっしゃる合理化が進んでいるのですから、これを政策的に吸収するというようなことは許されないと私は思うのです。何らかの形で還元すべきだと思いますが、大臣、お考えはいかがですか。
○安倍国務大臣 省力化が進んだということは、先ほど申し上げましたように、農家の努力というものが最大の要因であったと思うわけでありますが、同時に規模拡大を進めなければならないという酪農の振興の基本的な命題の中においていろいろの施策等もあわせて行われたということにも結びついておる、私はそういうふうに理解をいたしておるわけでございますが、こういう努力につきましては、これは十分配慮していかなければならぬことは当然でもあろうと思うわけでございまして、そういうふうな前提も十分踏まえながら今回の価格決定も行われる、また、行われておる、私はこういうふうに思うわけでございます。
○島田(琢)委員 私が先ほどの質問でも申し上げたように、今回出された七十七円という価格の中には、いま大臣がおっしゃっているような、農家の努力によってこのように経営が進められているという点に還元されているような価格はないと私は思うのです。どの部分がいま大臣おっしゃったような部分なんでしょうか。
○高須政府委員 具体的な内容でございますので、私の方からお答えさせていただきます。 価格算定方式の中にはいろいろな要素が配慮されておるわけでございますけれども、いろいろな係数のとり方だとか、そういう方式は決まっておりますけれども、その方式の中におきましていろいろな係数を操作いたします場合に、たとえば調整係数等はそれを最も端的にあらわすものでございますけれども、そういういろいろな要素を全体として多分に織り込んでまいる。規模拡大とかを推進してまいりますれば当然合理化が進んでいくわけで、単位時間等が減少していくわけでございますので、そういうものはもともと生産費を基準にいたしておるこの算定方式でございますから、形式的には、特にこの項目ということは見当たらないわけでございますけれども、これらの方式を運用してまいります場合の考量事項として、御努力に報いるような水準、再生産を可能にするような水準という基本路線は貫かれておるわけでございます。
○島田(琢)委員 私は、今回出された諮問価格では、いま幾ら審議官がそうおっしゃっても、そういう頭があったのかどうかを疑っております。なかったと思います。大臣、この際、米のように生産性向上メリットは明らかに農民に返すということをわかるような手段でおやりになるべきだと思いますが、いかがですか。
○安倍国務大臣 米の場合は生産費所得補償方式をとっておることは御存じのとおりでございます。したがって、労働賃金の評価にいたしましても乳価とは異なってもおるわけでございますが、飼育労働費等につきましては、比較的米に近いということも言えるんじゃないだろうかと思うわけでございます。やはり、乳価が適正に決まって、そして再生産が図られていくということでなければならない。価格制度というものを維持していく以上はそういう大前提に立って価格の決定を行わなければならないことは当然でございまして、したがって、農林省の試算におきましても、そういう観点から全体的に再生産確保というものを配慮いたしまして決めておるわけでございます。批判はいろいろとございますが、そういう趣旨を貫いてきておるわけでございます。 ただ、酪農の振興を行っていく場合には、これは食糧自給力を高めていくという農政の基本方針を貫いていくためにも酪農の振興をやっていかなければならない。そして、酪農の振興を図っていくためにはこの価格制度というものは非常に大きい要素を持つわけでありまして、価格制度の充実とともに、生産対策であるとか、あるいは流通施策であるとかいうものもあわせて行う。総合的に酪農の振興に取り組んでいくことによって、今後とも、六十年を目標にした酪農の振興、農家の経営の安定というものは十分貫いていける、私はこういうふうに確信をいたしておるわけであります。
○島田(琢)委員 私は先ほどの小委員会でも質問をしたわけですけれども、いまも同じようなお答えが返ってまいりました。 もう一度繰り返して申し上げますが、いまは大臣がおっしゃるように悠長に進めていくような状況にはないんだ、言ってみればカンフル注射が必要なくらいの瀕死の状態にいま陥ろうとしているんだという認識がありませんと——いま大臣がおっしゃっていることを私は否定しているのではございません。そのとおりだと思うのです。それは大変大事なことだと思うのです。しかし、それだけではいまの酪農は死んでしまいます。ここをどうするかというために私はいま一つの提案をしたのであります。 さっき労賃の単価の問題で申し上げましたが、製造業労賃だって適正に盛られていないような低い単価を用いて、しかも二本立ての労賃を採用している。これで生産性向上メリットを還元した考え方を各項目の中に盛り込んだなどということに一体なるかどうか。審議官、あなたはどうしてもそう思っているんですか。これはそんな価格じゃないじゃありませんか。それじゃ、いま大臣あるいは審議官がおっしゃったように各項目に分けているというんであれば、ここのところこそ生産性向上メリットの分として思い切った単価の引き上げをすべきであり、一本単価に直すべきではないですか。しかも、今回、いま非常に問題になっておりますところの、そして、これは三番町の審議でも問題になっておりますが、不確定要素と言われる、四月以降のわずか三カ月間のえさの値下がりを要素として加えるようなやり方をやってまいりました。こんなやり方はいままでないことですよ。私も、乳価の問題に参画して以来、今回のようなこんなばかげたことをやったことは記憶しておりません。この面も含めて御答弁ください。これは一体何なんでしょう。
○高須政府委員 私の名前をお呼びでございましたので、お答え申し上げます。 農業労賃の問題につきましては、これが一番問題点でございます。しかし、一般的に農林省の各作物は、基本的に生産費等におきまして算定いたします場合には、農家がお支払いになった賃金、要するに農家で雇い上げられた方の労働の評価というもので評価するならわしがございます。これは統計情報部長から先般御説明があったとおりでございますが、それについては問題のあることは十分承知いたしております。 そこで、特に製造業労賃というもので評価がえをするというような場合には、それはそれなりに非常に重要な理由がなければならない、なかなか世の中に通らないというのが現実でございまして、米のような特殊な主要な農産物、それから乳価のような中における飼養管理労働、そういうものにつきましてやっておるわけでございますが、自給飼料等につきましては普通の原則で計算いたしておる、こういうことでございます。 第二の点のえさの分につきましては、はなはだ事務的な答弁で申しわけないと思いますが、確定した要因は従来から入れ込んでいる。たとえば昨年度の中にも、えさが値上がりしたというようなものもいろいろ計算いたしておるわけでございます。これは従来の手法に従ったということでございます。
○島田(琢)委員 この乳価では、あなたの方の都合のいいことだけ取り上げているという今度の印象じゃありませんか。しかも、酪農家はことしの新しい年度を去年の労賃で乳しぼりをせよというんですね。こんなことにも矛盾をお感じになりませんか。これはさっきやり合ったから御答弁は同じような繰り返しになるんでしょうけれども、私は何としてもこれは納得できない。従来の手法を用いたと言うけれども、明らかにえさの値下げということの不確定要素を、しかも一年間の見通しじゃなくてたった三カ月間の問題を取り上げて、それを要素として入れるなんというようなやり方は、従来もやってきたと言うけれども、私の記憶する限り、そんなやり方はいままでなかったと思います。 さらに、基準価格のとり方について説明をしてください。何でこんなに低いんですか。
○高須政府委員 御説明申し上げます。 基準価格のとり方につきましては——これは、この「保証価格等説明資料」の中の「基準取引価格」のことでございますですね。
○島田(琢)委員 はい。簡単にしてください。時間がもうなくなっちゃうから。
○高須政府委員 はい。この九ページにございますが——いや、これはむしろ最初のところをごらんいただいた方がよろしゅうございます。二ページでございます。ここに方程式が出ております。まず安定指標価格を算定いたしまして、そしてその係数につきましては……
○島田(琢)委員 それはわかっている。私の質問が理解できなかったかもしれませんが、この方程式はわかっているのです。言ってみれば、メーカーが出してきたこの資料を農林省はどうやってお調べになったのかということ、それが一つと、この調べた各項目について、自信を持ってこの数字に間違いないとおっしゃれますか。
○高須政府委員 この方程式の個々の要素につきまして、私どもメーカーの経営状況というものにつきましてかなり詳細な調査をいたしております。したがいまして、その調査から得ました係数を具体的に使いまして、そしていろいろな方法を実は使っておるわけでございます。たとえば「バター」、「脱れん」、「全れん」というように各項目がございますけれども、それらのウエートの調整の問題であるとか——これは個々に具体的に申し上げるのを省略いたしますけれども、たとえばマージン率にいたしましても、過去のデータから不況産業と目されております五業種を選択いたしまして、マージン率を非常に厳しく査定いたしております。そのようなことをいたしまして、かなり大幅な基準取引価格の引き上げをこの中に織り込んでおるわけでございます。
○澁谷委員長 島田君、時間がもう来ておりますから……。
○島田(琢)委員 もう時間がなくなりましたから、委員長から当然御注意があると思っていたのですが……。 私がこの間政務次官とお話ししたときに、高須審議官は立ち会っておられたですね。ことしはメーカーの内容については思い切ってふところに手を入れるようにしてやるというお話しをしたにしては、出てきた五十七円五十七銭というのは、私にはちょっと理解ができないのです。この製造業者、いわゆるメーカーの取り分、利益部分というものも、その中身の勘定の仕組みについて非常に問題があると私は思っているのですが、時間がなくなってしまったのでこれを議論することができません。後ほど、これが説明できるような資料が欲しいと思うのです。委員長、この資料の提出を求めたいと思います。 それから、どういう方法でメーカーの製造コストを調査しているのか、それらの関連する資料をぜひ届けてもらいたいと思います。 それから、統計情報部の関係につきましては、先ほど統計情報部長から労賃の問題についてお話しがありましたが、これにはまだことしは間に合わぬというお話しもありました。しかし、統計情報部の資料がなくたって、おやりになる材料は何ぼでもほかにあるわけですから、これを十分調査されて、この機会に一本単価を——重ねて言いますけれども、一本単価を全国の製造業労賃に比べて少なくとも均衡のとれる価格に直すということを作業の中でやってもらいたい。 以上の要望を加えて、私の質問を終わります。
○澁谷委員長 芳賀貢君。
○芳賀委員 先ほどの質問に続いて農林大臣にお尋ねいたします。 第一は、五十年度の保証乳価の算定の中において、ことしの四月一日から来年の三月三十一日まで生乳生産者は三百六十五日毎日毎日乳の生産に取り組むわけでありますから、その大事な再生産確保のための家族労働というものについては、当然、ことしの四月一日から向こう一年間の他産業の製造業の自家労働に比較すべき賃金というものが的確に推計されなければ正当な乳価は出てこないわけですね。ところが、午前中の事務当局の説明によりますと、四月一日以降の製造業の賃金の上昇というものについては全く掌握できないので、政府の家族労働の試算については、四月以降の上昇分については計上されておらないという説明があったわけです。これはまことに当を得ない五十年乳価の算定であると考えるわけでありますが、まさか大臣としてはそういうお考えはないと思うのですね。 ただし問題は、四月一日に告示するということになれば、たとえばことしの労働者の春闘を通じまして、民間においても、公労協においても、また、国の公務員においても、五十年四月以降の労働賃金については五月下旬ないし六月に入らなければ確実な労賃の水準というのはつかめないことはわかっておるわけですが、しかし、それを的確に推計するのは保証乳価を決める農林大臣の責任でもあると考えられるわけです。ことしはインフレと不況が共存するというようなむずかしい経済状態でありますから、民間の労働賃金が昨年のように三二%以上果たして上昇するかどうかということはわれわれとしても定かではありませんが、少なくとも北海道ほか東北三県の五人以上規模の製造労賃というものは、最悪の場合においても四十九年度に比較して二〇%ないし二五%は上昇すると考えられるわけでありますが、それを全然織り込んでおらないということでは、ことしの保証乳価の正確さというものをわれわれは信頼することができないわけです。 この点については、大臣としては、五十年乳価において自家労賃がどのくらい上昇するというお見通しですか。いかがですか。
○安倍国務大臣 私がいまさら申し上げるまでもないわけでございますが、乳価につきましては、五十年度の乳価を四十九年度の年度末までに決めるという法律の内容になっておるわけでございまして、そういうところにも一つの問題があるのじゃないかと私は思うわけでございますが、今日までの乳価の決定をしてきた経緯から見ましても、その決める年度の労働賃金等を反映をさせていない。これは、乳価を決めるに当たっての未確定な要素についてはこれを取り入れないという今日までの査定のやり方でございますから、ことしにつきましても、確かに春闘による賃金のアップといったこともあることは十分予測できるわけでございますが、いまだ未確定ということによってこれを取り入れていないわけでございます。 前回の審議においても、四十九年度の乳価決定後の賃金、物価の動向が大きく変動して、それが四十九年度の決定乳価よりも実質的には上がっておるのだといういろいろなデータを並べての御指摘でありましたが、まさにそういうふうにデータの上ではなっておるわけでございます。しかし、年度内の改定というのは総合的な判断から行わなかったわけでございますが、この乳価の決定時期にも一つの問題も残ってくるわけでございますし、また、いままで法律では死文化しておったような経済の著しい変動のあった場合に乳価、農産物の価格の再改定を行うという法律のたてまえがあるわけでございますが、これが行われていなかった。 しかし、今後こういうふうな事態が起こるということになれば、やはり、この改定問題というものは一つの大きな問題として取り上げていく必要もあるのではないか、そういう際の基礎、基準といったようなものも研究する必要があるのではないかということを私は考えておるわけでございますが、しかし、今日の段階におきましてはいままでの乳価改定の方式にのっとってやって、そして未確定分であるから労賃等の上昇についてはこれを織り入れていない、こういうふうになっておるわけでございます。
○芳賀委員 そこで、私が先ほど申したとおり、現時点においては四月以降の自家労働に匹敵すべき製造業の賃金の掌握がむずかしい。だから、不確定要素であるからして、今回の乳価にはこれは計上していない。当然計上すべきものが計上されていないわけだからして、判明すればこれを計上するということは当然だと思うのです。たとえば人事院勧告に例をとりましても、昨年は七月に人事院勧告が国会並びに政府に出されまして、そして四月一日にさかのぼって全面的にこれは実施されておるわけですね。ですから、大臣として良心的にこれを処理するということであれば、少なくとも六月上旬には五十年度の民間労賃というものは固まるわけですから、その時点で五十年の乳価の中に計上すべき自家労働の上昇分というものが判明した場合においては、これは四月一日から告示されるわけでありますから、当然四月一日にさかのぼってこの未確定要素と言われた労働賃金の自家労賃の上昇分というものを計上して保証乳価の取引において実行すべきであるというふうに思うわけなんですが、その点はどうでしょうか。
○安倍国務大臣 これは豚価のときの審議会の附帯決議にもあるわけでございますが、経済に著しい変動が起こったときは畜産審議会を開いて検討すべきであるということになっておるわけでございまして、今後の賃金、物価等を含めて非常に著しい変動があるような事態が起こるということになれば、これはえさの問題も含めてあるわけでありましょうが、そういう事態になったときには、これはやはり畜産審議会等を開いて検討はいたさなければならないのではないか、こういうふうに私は考えるわけでございます。
○芳賀委員 年度内における加工原料乳補給金法による第十一条第八項の改定条項の発動についての大臣の御熱意は先般来私も承知しておるわけですが、当然四月一日の保証乳価に計上すべき一番大事な生産者の所得とも言われる自家労賃の上昇分が未確定要素ということで計上されていないわけですね。だから、それを判明の時期に四月一日にさかのぼって速やかに計上するということになれば、たとえば六月に判明すれば、その時点でたとえばキロ当たりにしてこれだけの分が労働賃金の上昇分であるということで、それを追加計上する。それがどうしても至難であるということになれば、むしろ四月一日告示の時期を諸般の算定要素が整う六月なら六月まで二カ月ずらして、その時点で計算するということになれば、いわゆる牛乳年度というものは、現在は四月一日に始まって翌年の三月末で終わるわけですが、六月の方が正確なものができるということであれば、牛乳年度の開始時期を毎年六月一日に開始をして、翌年の五月末をもって終わるということにすれば、これはやはり一年間の牛乳年度ということになると思うのです。 だから、むしろこれは大臣の判断によって二カ月ずらした方がその年の労働賃金が十分掌握できるし、あるいは政府の新しい予算実施の時期にもなるし、あるいは物価の上昇等についても、労働賃金が固まればそれに影響を受ける部門というものは出てくるわけですから、四月一日告示よりも、むしろ六月に年度を開始するということの方が的確な計算ができるのではないか、と、これは私見ですけれども、私はそう思う。 結局、さかのぼって計上して実行するか、年度の開始時期を二月なら二月延ばすかということしかないと思うのですが、その点はどうですか。
○安倍国務大臣 私は、農産物の価格の決定につきましては、一番新しいデータといいますか、直近の生産費の動きというものが正確に農産物価格の中に反映をしていく姿が正しいのではないか、再生産を確保するといった意味におきましてもそれが正しいのではないか、こういうふうに基本的に思っておるわけでございます。したがって、この乳価の決定につきましても、三月三十一日までに決めるということが再生産を確保するという眼目を果たして貫けるかどうかということについては、私は、一つの問題も残っておるんじゃないか、いま御指摘がございましたように、労働賃金等の五十年度の動きというふうなものは未確定要素として入れていないわけでございますから、そういう問題も十分議論をする余地があるんじゃないか、と、そういうふうに思っておるわけでございます。 ただ、二カ月ずらすといういまの御意見ですが、これは私はまだはっきりお答えできないわけです。これは法律改定の問題に結びついていくんじゃないだろうかとも思うわけでございますので、こういう問題等はやはり国会の御意見もございますし、また、畜産審議会等の審議でもおそらく相当この論議もされておるんじゃないかと思いますが、そういう御論議等も十分拝聴をいたしまして今後政府として決めていくべき筋合いになってくるのじゃないだろうか、私はそういうふうに考えておるわけでございます。 ただ労働賃金だけをとらえて、労賃が上がったからといって六月、七月に変えるということにつきましては、先ほど申しましたように、経済の著しい変動という中において、労賃もその中の一環としてとらえて、現在の法律の中の改定条綱というものも研究していく必要がある、こういうふうに私は考えます。
○芳賀委員 大臣、私の言っているのは年度途中の価格改定の問題ではなくて、年度初めに農林大臣が告示すべき保証乳価の決定と告示の時期については、一番正確な資料が整備される時期を選んだ方がいいんではないかということを言っているのです。生産者にとっては、自分の家族が働いた一年間の家族労働の報酬の上昇すべきものが未確定要素ということで取り上げられないということは、これは一番がまんができないところですからね。そのことを言っておるわけです。そうしておいて、さらに、一年間の間に経済変動が顕著な場合においては価格改定条項を発動するということについては、これは大臣のお話しになったとおり。 大臣、とにかくこれは大きいんですよ。キロ一円にしても、搾乳牛一頭について五千キロということになれば、一頭五千円ですからね。先ほど指摘したとおり、四十九年の自家労働費の不足分が大体六円九十二銭ということになれば、まあ七円でしょうが、そうすると、五千キロということになれば、一頭について三万五千円ですから、十頭で三十五万円でしょう。二十頭の搾乳牛であれば七十万円。こういう当然受けるべき労働費というものが未確定ということで片づけられて、毎年毎年それが未払いになっておるわけですね。これが北海道等における酪農家の赤字の最大の要因であるというふうに指摘することができると私は思うのですよ。これは安倍大臣の攻める農政の中において、五十年度は自家労働の上昇分は絶対に乳価の中に算入をするということでぜひやってもらいたいと思います。 それから、次の問題は、先ほども若干触れましたが、えさ代の問題ですが、これを購入飼料と自給飼料に区分して購入しておるわけですね。ですから、計算の基礎も違うわけですね。購入飼料と粗飼料を中心とした自給飼料については、なるほど性格は違うとしても、これはとにかく生乳の再生産を図るための大事なエネルギーということになるわけでありますから、先ほど言いました可消化養分総量の換算方式というものを畜産局も持っておるわけです。いまでも購入飼料は濃厚飼料ですし、自給飼料は粗飼料でありますが、これを可消化養分総量で換算すれば、同一単位の飼料単位というものを求めることはできるわけです。その換算された飼料単位に対して一定の飼料価格、単価をというものを乗じた場合においては、それが粗飼料であっても、濃厚飼料であっても、購入であろうが、自給であろうが、やはりえさの正しい評価というものはそれによって明快になるわけでありますから、これはもう研究の必要はないのですよ。これは畜産局においても担当官はそういう換算をした資料を持っておるし、昨年の当委員会においても、私の要求によって可消化養分総量による換算と、それを評価した場合の金額表というものはすでに出されておるわけですからね。要は、実行するかしないかということになるわけです。 ですから、この際安倍大臣のもとにおいてこれで検討してやったらいいじゃないかという大臣からの指示が出れば、役人の諸君はこれはもういやもおうもないですよ。私が言ったぐらいでは何だかんだ抗弁する場合もありますけれども、直属上官である農林大臣がこうしたらいいじゃないかと言えば、はい、かしこまりましたということに当然なるわけですから、えさの評価をもう少し近代的方式、科学的方式で実行するということについて、この際農林大臣が明快な指示をぜひ下すべきでないかと思いますが、いかがですか。
○安倍国務大臣 技術的な問題につきましては、いまさら私が答弁するまでもなく芳賀先生よく御承知のとおりでありますが、これは検討していかなければならぬと思うわけございますし、事務当局の話等も聞いてみますと技術的にも問題があるというふうなことでございますので、まあ、今回の措置はこれまでの方向に従って算定をいたしたような次第でございます。
○芳賀委員 いや、農林大臣は経過を御存じないのですよ。これが昨年当委員会に提出された可消化養分総量による換算表なんですよ。これは単に数量の換算だけではなくて、これを同一単価で評価した場合に、濃厚飼料で幾らになる、粗飼料でどうなる、そして合計したものが幾らになると出ているわけですからね。——何もおまえさんに聞いておるのじゃない。あなたがそばにおって、内容がわからぬで大臣につまらぬことを進言するから、むずかしいとか、まだできておらぬということになる。これは去年もうできておるじゃないですか。去年も沢邊君が畜産局長でしょう。私からこれは後で大臣に資料にして一部お貸ししますけれども、そばに座っておって、けしからぬですよ。すべてにおいて安倍農政の攻める農政の足を引っ張るためにあなた方はそばに取り巻いておるのでしょう。けしからぬじゃないか。 大臣、これはぜひ内容を精査して処理してください。これはもうむずかしいとかできないというものじゃないのです。これはちゃんとあるのですからね。われわれは安倍大臣に期待しておるのです。あなたの時代でないとこれはできないですからね。そういうことで、これはぜひ明快に処理してもらいたいと思うわけです。
○安倍国務大臣 内容を精査いたしまして、検討いたします。
○芳賀委員 ぜひ迅速にお願いします。 それから、もう時間がないですが、もう一つだけ伺いますが、先ほども大臣に申し上げましたとおり、この保証乳価を計算する場合、搾乳牛一頭当たりの生産費というものを——これは統計情報部にありまして、その一頭当たり一年間の平均的な生産費をその搾乳牛一年間の生乳の生産数量で割ったものがことしの百キロあるいは一キロの保証乳価ということになるわけですが、そのやり方については、先ほど申しましたとおり、実際の搾乳量というものを三・二%の乳脂率に換算して、ことしの場合には実際の乳量よりも一二%水増しをして、四千六百二十四キロというものが五千百七十七キロになる。つまり、五百五十三キロ架空にふえておるわけですね。だから、先ほど言いましたとおり、この計算で言うとちょうど一二%乳価を低減させるような働きをこれはしておるので、これは一キロに当たって九円二十九銭乳価が下がるようになるではないかということを指摘したわけです。 〔委員長退席、坂村委員長代理着席〕 これをあくまでも三・二%にそろえなければならぬということになれば、この際農林大臣から——一道三県の場合には平均の乳脂率は大体三・四五ぐらいになっておるわけですね。ですから、〇・二五%ぐらい乳脂率はふえておるわけですね。だから、計算上一二%水を入れて乳量をふやすのであれば、これを実行する場合には、生産者の牛乳についても、二一%生乳に水を入れて同じ数量にしなかったらこれは実行できないですね。政府は水増しをして乳価を下げる、生産者は水増しをしてはならぬということになれば、これは単に乳脂率の〇・一%当たり一円分の加算にしか取引上ならぬわけですからね。そうなると、たとえば土台になるキロ当たり七十円というものは全くもう削減されてしまうわけです。あくまでもこれでいくということになれば一二%水を入れさせて、百キロについては一二%水を入れれば、百十二キロに牛乳を薄めて持っていけば農林省のこの計算に当てはまるのですよ。そういうことまでさせる必要はないと思うのですけれどもね。 だから、この点については、実際の搾乳牛一頭当たりの平均乳量というものを分母にして一キロ、百キロの保証乳価というものを計算すべきではないか。このまま強行すれば、当然われわれは水を入れて三・二%に薄めて出荷しなさいということになる。そうやったからといってあなたの方でけしからぬと言うわけにいかぬでしょう。自分が水増しの計算をしているわけですからね。酪農の皆さんももう窮迫の土壇場まで来ておるわけだから、政府がインチキをしたりごまかしをした場合には、それと同じ手法で自己防衛をしなければならぬということにもなりかねぬわけですから、この点も、わが信頼する安倍大臣のもとにおいて明快にしてもらいたいと思うのですよ。これも精査した結果でもいいですよ。これは大変なことになるわけですから……。
○安倍国務大臣 この点につきましても、私も事務当局からいろいろと聞きまして判断をいたしたわけでございますが、生乳の取引が従来から三・二%という基準で行われておるというふうなことで保証価格にこの基準で当てはめたわけでございますが、取引の当事者間におきましては、この三・二%を前後する場合においては、これに対して自主的に決める。先ほどお話しがありましたように、北海道等については〇・一%当たり一円出すというふうなことになっているということでございまして、これはいままでの慣行という問題もあるわけでございますので、今回は私の判断で脂肪率三・二%換算乳量ということで行ったような次第でございます。
○芳賀委員 大臣、これはあなたの判断はまだ未熟だと言っては非礼だけれども、とにかく実際の生乳に一二%水を入れなければ三.二%にならぬでしょう。平均にして乳脂率が三・四五ですからね。だから、〇・二五だけ乳脂率が薄まるようにするためには、結局脂肪だけに農林省はこだわっているわけだから、水を一二%入れる以外に方法はないわけですよ。いいですか。入れない場合は、本当の本物の牛乳を持っていっても乳脂率だけ——高須君、何がおかしいんだ。そういうふまじめな態度で国会に臨むからこういうことになるんですよ。これは全部大臣にマイナスをかせがせるだけじゃないですか。 取引の慣行というのは、政府が食管で買い入れる米価の場合は、たとえば三等を建て値とか四等を基準ということで買い入れ価格を設定するでしょう。ですから、四等米に対して、それが基準であれば、三等米を政府に売り渡した場合においては一俵当たり百二十円とか二百円の格上げをして買い入れをするわけですからね。これはそれと同じなんですよ。取引の基準というものを乳脂率三・二%で七十円二銭にすると、それよりも〇・一%脂肪が多い場合にはただの一円ということになるんですからね。それは水増しになっていないわけですからね。農林省のやつは一二%水を入れて薄めて、乳価を下げる場合に、四千六百キロのやつを五千百キロに水を入れて薄めているんだからね。農林省が薄めて低い乳価を決めるのであれば、生産者もそれと同じように一二%水を入れて薄める。そうなれば、三・四五というのは当然これは三・二%の規格牛乳ということになるわけだ。結局そこまでいかなければならぬことになるんですよ。取引の慣行なんというのは、これは基準価格というものの乳脂率三・二%ということで、これを標準にしているだけですからね。その点を大臣において十分解明してもらいたいと思うのです。あなたが勉強して詰めれば、いろいろな問題が次から次へと出て、なかなか責めるところまでいかぬですよ。この矛盾はぜひ安倍さんのもとにおいてやってみてもらいたいと思うのです。
○安倍国務大臣 いまいろいろと御意見を聞いてみますと、やはりそれだけの理論的な基礎もあるようにも思うわけでございますが、現在の取引の慣行基準というものに従って農林省として試算したわけでございまして、これに対していま直ちにこれを改めろという御意見でございますが、今回につきましては、現在の慣行というものに基づいて換算をする以外にない、そういうふうな考えでございます。
○芳賀委員 きょうは時間になりましたけれども、きょうだけが委員会じゃないから、まだ先があるわけですから、十分これは検討してもらいたいと思います。 これで終わりますが、先ほどから指摘した家族労働費の五十年アップ分とか、あるいはいま言った搾乳量を水で薄める問題とか、あるいはまた先刻申し上げました乳牛の償却費とかいうものだけを取り上げても、たとえば家族労働費が二〇%のアップした場合はキロ当たり五円五十銭、搾乳量を正確にやった場合は六円九十銭、それから乳牛の償却費を去年どおりやった場合には一円七十銭、これだけでキロ当たり十四円二十一銭出てくるわけですからね。それに先刻来申しました四十九年の自家労働の支払いがまだ行われておらない分が七円二十六銭、これは未払い分になっているわけだから、こういうものを合算するとキロ当たり二十一円四十七銭というものが——四十九年を別に処理するということになればそれが七円二十六銭、それから新年度の保証乳価計上についても、重要な点だけで十四円二十一銭これは計上漏れがあるというようなことになりますので、明日の夜までには大臣の手元において十分検討されまして、生産者の満足できる乳価あるいは豚肉の安定価格が決められるということをわれわれは熱意を持って期待しているわけですから、ぜひ十分な取り組みをすべきであるということを申し上げて、きょうはこれで終わります。
○坂村委員長代理 中川利三郎君。
○中川(利)委員 わずかな時間ですので、豚価についてお聞きしたいと思うのですが、昭和四十九年度の生産費調査で、豚を飼養した場合の利潤が一頭当たりについて平均百四十八円のマイナスになっているわけであります。 そこでお聞きしたいのは、なぜこのような状態になったのかという、その主な理由が一つと、利潤が出るためには何頭くらいの飼養規模が必要なのかという、この二つの点をまずもってお聞きをしたいと思います。
○吉岡説明員 四十九年度の肥育豚生産費で、一日当たりの家族労働報酬が前年に比べまして五三・八%減ということになっております。それから、いま御指摘の点は、粗収益から生産費の総額を引きまして、いわば企業的な計算をした場合の利潤が四十九年度の調査では百四十八円というマイナスが一応立っております。 〔坂村委員長代理退席、委員長着席〕 この原因といたしましては、素畜費と飼料費が全体のコストの中で九割のウエートを占めておりますが、素畜費が前年に比べまして四・四%の増加を示しておりますほか、飼料費が、特に配合飼料の値上がりが非常に大きかったために三八・七%前年よりも上がっておるというふうなことで、結果といたしまして、企業的計算をいたしてみました場合の利潤が、マイナスが平均としては立った、こういうことでございます。 飼養頭数別の規模で見てみますと、九十九頭以下のところで利潤計算にマイナスが一応立っておりますが、百頭以上の階層ではプラスになっております。百頭から二百二十九頭までの階層では百八十九円、三百頭以上では二百九十円というのが肥育豚一頭当たりの利潤計算でございます。
○中川(利)委員 いま御指摘もありましたように、えさの値上げは、生産費の調査期間だけを見ましても、昭和四十八年の九月と四十九年の二月の値上げだけでも六二%も大幅な上げになっているわけですね。ところが、資料的にいろいろな過去の実態を調べてみますと、たとえば昭和四十三年以降利潤がプラスになっている規模は、どんな悪い状態でも大体二十頭ぐらいあれば利潤が出た。ところが、いまの御説明では、百頭以上なければわずかながらでも利潤は出ないのだという御説明なんですね。 ところで、百頭以上の規模層というものは、私は調べてみましたら、昭和四十八年二月の統計でも、飼養農家の戸数全体のたった六・四%にしかすぎない。ですから、九十数%の農家の方々は全く間に合わないというか、利潤が出ない。経営の規模が出ない。したがって、健全経営という限りにおいてそれが可能だという展望が全く出ないわけでありますから、先行きの不安というものは全く取り除かれないことになるわけですね。昨年は何人かの悲しい養豚農家の自殺者も出たわけでありますが、そういうような計数的にも明らかになっておる状況の中でも、昨年審議会を開いて、年度内の改定をせよという改定要求をいろいろな農民団体から受けたわけでありますね。ところが、それに対して政府は拒否して、先ほど大臣は死文化している法律だったというような言い方をしておりましたけれども、農民の要求なり、そういう事実上明らかになったいろいろな計数の中でそれをけっているということです。 そこで、私はお聞きしたいのは畜安法の第四条に言う改定ですが、政府は一体どんな条件のときにこれを改定するのか、具体的にお聞きしたい。これは大臣にお答えいただければありがたいと思います。
○安倍国務大臣 この問題は、政府が再改定をするというふうな立場に立つときは、いわば生産、流通の情勢あるいは再生産の確保が著しく阻害をされるとき、あるいはまた物価、賃金の異常な変動があるとき、そういうふうに全体的、総合的に判断をして、著しい経済の変動があったときということであって、総合的な判断というのがこの法律における基本的な認識ということになっておるわけでございまして、具体的にこれが基準というものがあるわけではないわけでございます。
○中川(利)委員 法律の趣旨から言いましても、経済に著しい変動があるときはもちろんですが、その「おそれがある場合」と、「おそれ」という言葉も出ているわけでありますね。そうすると、農家総数の六・四%しか利潤が出てこない。あとの九十何%層の農家は全く展望を持てない。拡大再生産はできない。まして、えさの値上がりが、皆さんの言う基準年度の中におきましても、生産費調査の四十九年度の調査におきましても、べらぼうに一六二ばかり上がっておりますけれども、しかし、豚価の価格の上限、下限を見ましても、たったの六しか出ていない。こういう状況なんですね。総合的に見た場合と言うけれども、そういうおそれがこういう実態の中ではっきり出たにもかかわらず、皆さんの方では、審議会を開こうとして、年度内の改定をおやりになろうとしなかったわけですね。したがって、今度はやるんだと言っても明確な基準がないということでありましたならば、農民はどこをどう信用したらいいかという問題が出てくると思うのです。 したがって、いままでの反省なりそういうものがもし本物であるならば、ここにおいて一応具体的な説明ができなければ農民に対して申し開きができないだろうと思うので、この点について責任ある回答を私は聞かなければならないと思うのです。
○安倍国務大臣 豚の生産農家につきましては、御指摘がございましたように、四十八年は大変な厳しい状態であったことは私もよく認識しておるわけであります。そういう観点から、四十九年におきましては大幅な安定価格の上昇を行ったわけでございますが、最近におきます養豚農家あるいは酪農農家につきましても、状況は相当好転をしてきておるというふうに判断をいたしておるわけでございます。 しかし、この価格決定に当たりましては、畜産農家の方々が再生産を確保できるということを大前提にいたしまして価格の決定を行わなければならないことは当然であると思うわけでございまして、畜産審議会におきましても現在審議を行っていただいておるわけでございますが、この審議会の答申を得た後に、国会等の御議論も十分背景に踏まえて決断をいたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○中川(利)委員 いままで法律はありながら、その「おそれ」という言葉もありながら、全くこれを死文化させてきたことは政府に責任があると思うのです。したがって、審議会のいろいろな意見を聞いて考えると言いますけれども、具体的にそれをどういう場合にどういうふうに発動するのかということは、当然基準みたいな一つの規範がなければならないと思うのですけれども、この点についてはどうかということが一つと、それから、今年度内にたとえば相場がうんと変わってきたとか、あるいはえさが非常に深刻な状態になったとか——これは海外要因ですから皆さんがどうのこうの言ってもしようがないことですけれども、そういった状態が出たときには改定というものを考えるかということ、この点もあわせてお答えをいただきたいと思います。
○安倍国務大臣 年度内の再改定につきましては、法律にも明文されておるわけでございまして、これについては総合的な判断で行うということになっておるわけでございますが、今日までこれをいたした経験というものはないわけでございます。 しかし、再生産を著しく阻害するという状態は一体どういう基準をとって言うのかということになりますと、これはあくまでも総合判断ということになっておりますので、それだけに農家の皆様も理解しがたい点もあるのではないかと思うわけでございます。そういう点から、経済に著しい変動がある場合とか、あるいは変動のおそれがある場合といったことについては一つの基準のようなものをつくる必要があるのではないかというふうに考えておりまして、これについては要素をどういうふうにとってくるか、なかなかむずかしい問題もあるわけでございましょうが、いま研究をさせておる段階でございます。 同時に、また、五十年度中にそういう変動があったときはどうするかということでございますが、これにつきましては、畜産審議会の豚価における附帯決議におきましても、著しい変動のあった場合は畜産審議会をもう一回開いて再検討しろという附帯決議がなされておるわけでありまして、これはもっともであろうと思うわけでございます。これは物価、賃金あるいは飼料等につきましても、おっしゃるように今年度は大体安定をしていくだろうというふうに私たちとしては判断をしておりますが、世界の市況もあるわけで、生産情勢もあるわけでございますから、そういうふうに推移するかどうかはわれわれの判断だけではなかなかわからぬわけですから、そういうことも踏まえて、附帯決議等もありますから、私たちは十分配慮していかなければならぬ、こういうふうに考えるわけでございます。
○中川(利)委員 そのことはそれとして、もう一つお聞きしたいことは、昨年の深刻なえさ値上げのときに、あの場合には年度内の改定をしないでおいて、今回の状況を聞きますと、えさの値下げ分として八千円を盛り込んだというのですね。こういうときは早速盛り込んでいるわけですね。私は、これは農民のことを考えない不当なものであるというふうに考えるわけですが、そのことの論議はそれといたしまして、そこで、この値下げの部分を盛り込まなかった場合には、基準価格あるいは上位価格は幾らになり、何%アップになるのかということを改めてお聞きしたいと思うのです。
○高須政府委員 数字を申し上げます。 上の方の価格が六百八十二円十三銭、それから下の方の基準価格でございますが、五百五十八円十一銭、一〇%のアップになります。
○中川(利)委員 現行価格に対して値下げ分を含めないと、どっちも一〇・一%あるいは一〇%アップになるというお話しがいまあったわけです。したがって、その価格にいたしますと、安定基準価格にして五百五十八円十一銭ですね。そして、安定上位価格にして六百八十二円十三銭ということになると思うのですね。そうしますと、今後値上げをやるかもわからないというようないろいろな不確定要素があるわけでありまして、いまのところだけで値下げ分を織り込むなんて不当なことはやめてというか、まあ織り込んだと仮定いたしましても、当然この部分までは値上げするというか、アップすることができる、そうすべきじゃないかということですね。 先だって、三月上旬のことでありますが、実勢相場がキロ当たり六百九十円になった当時、農民の方々がようやくこれでやれるのだ、これからひとつやるのだということで意気込んで、大変喜んだというようなお話しもありましたが、したがいまして、いまの一〇%アップの程度のものは最約的に政府は、当然これだって不足なわけでありますが、お示しできると思うのですが、これは農林大臣いかがでございましょうか。
○安倍国務大臣 これは四十九年度の豚価、乳価を決定するに当たりましても、実は二月、三月分の飼料の値上がり分をこの中に含めておるわけでございます。確定要素として含めておる。したがって、今回におきましては、五十年度におけるえさの四月からの値下がり分を乳価、豚価において含めたわけでございまして、確定要素を含めるという今日までの算定の決定の中においてこれを行ってきておるわけでございますが、しかし、一つの御意見ではあろうと思うわけでございます。 これは畜産審議会等におきましてもいまいろいろと御議論もあるところであろうと思うわけでございまして、畜産審議会の意見等が答申の形で出ました段階で、どういうふうな御意見が出るか、いまのところはっきりしておらないわけでございますが、畜産審議会の意見等も尊重して、適正に再生産が確保せられるという形で決めていきたい、こういうふうに私は考えておるわけでございます。
○中川(利)委員 そうすると、いまの農林大臣のお答えは、大体その程度の言い分はわかるから、それは十分考えてもいいということに理解してよろしいかどうか。その一〇%アップの実現を——今回はですよ。今回はその程度のことは理解できるという趣旨だと思うのですが、この点の確認と、もう一つは、全農は四月一日から値下げを実施するということが確定したということが先ほどのあなたのお話しにあったようでありますが、商社系がまだ何か渋っているという話も聞いているわけであります。そうなりますといろいろとまた問題が出ると思うのでありますが、農林省としてはどういう指導をお考えになっておるのか、ここのところだけをお聞きしておきたいと思います。
○安倍国務大臣 先ほどお答えをいたしましたのは、確定分については、これまでも、上がるにしても下がるにしても価格の中に組み込んできている、したがって、農林省としては、ことしもそういう考え方のもとに試算を出しておるわけですが、畜産審議会等の意見も十分お聞きして、その段階になって決定をいたしたいということでありまして、いまお話しのように、積極的にこれをとっていくのか、農林省がいま試算をいたしたその値下げ分をそれではとるのかとおっしゃられても、私の考えとしては、農林省として自信を持って提出をいたしました試算でございますから、これで行ってもらいたいというのがわれわれの判断でございますが、同時に、また、全農の値下げ分について商社に対してもどうするかということはこれはひとつ積極的に行政指導をいたしまして、商社等についても値下げを行わせたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○中川(利)委員 最後に申し上げたいことは、あなたは、従来、えさの値上がりの場合、それを十分織り込んだと言いますが、確かにその時点では織り込んで価格算定をしましても、その年度内に何回かの値上げがあるわけですね。そういうものは全く計算の中に含まれない、そういうことの中で養豚農家が非常に苦しんだということが実態であるわけであります。今回値下げ分があったからいきなりそれを織り込んでしまう、今後の値上げについてはよくわからないというようなことでは、何か、全然農民の立場に立たない考え方のように私には考えられるわけでございます。 そういう点で、いま非常に重要な時期に差しかかってきておりますし、農民の立場に立ったということで何ぼか安倍さんが期待を受けておるわけでございますから、ひとつ、しかるべく——今度の三月三十一日に関税の減免ですね。あの問題を含めて、これをいま延長するかどうかという問題もありますけれども、農民サイドということでさらに強くお願いするというよりも、要求をしまして、質問を終わらせていただきます。 ————◇—————
○澁谷委員長 この際、畜産問題に関する小委員長より、小委員会の経過並びに畜産物の価格等に関する件について発言を求められておりますので、これを許します。坂村吉正君。
○坂村委員 畜産問題に関する小委員会における審査の経過の概要について御報告申し上げます。 小委員会は去る二月十三日の本委員会で設置が決定され、同日十三名の小委員が指名され、私が小委員長を務めることになったのであります。 第一回の小委員会を三月十七日に開き、政府から最近における畜産業の概況につき説明を聴取した後、これと関連して、島田、芳賀、諫山及び瀬野の各小委員が質疑を行いました。 次いで、本日第二回の小委員会を開き、政府から、昭和五十年度に適用される加工原料乳保証価格及び豚肉の安定価格等に対する政府試算並びに生乳、肥育豚及び肥育牛の生産費調査結果等を聴取した後、これと関連して、今井、芳賀、美濃、島田、諫山、瀬野の各小委員が質疑を行いました。 質疑終局後、小委員会におきましては、本問題の緊急性にかんがみ、二日間にわたる質疑の過程で各小委員から問題点として指摘された事項を、ただいま委員各位のお手元に配付しておりますとおりの結論として取りまとめ、政府にこれら事項の実現を督励することとした次第であります。 以下、その結論を朗読いたします。 畜産物の価格等に関する件(案) 加工原料乳生産者補給金等暫定措置法及び畜産物の価格安定等に関する法律に基づく加工原料乳保証価格及び豚肉の安定基準価格等の決定にあたつて、政府は、左記事項に留意し、適正価格の実現等に万遺憾なきを期すべきである。 記 一、加工原料乳保証価格については、生産コストの上昇を適正におりこむとともに、家族労働費については、製造業労賃が適正に反映されるよう評価し、生乳の再生産確保が図られる水準に引き上げること。 また、自給飼料費の算定については、可消化養分総量に換算して評価するよう検討すること。 二、飲用原料乳については、消費の拡大を図るとともに生乳の長距離輸送等に対する施策を一層強化すること。 三、豚肉及び牛肉の安定基準価格等については、生産コストを適正におりこむとともに、家族労働費を適正に評価する等所得の補償に十分配意し、その再生産確保が図られる水準とすること。 四、加工原料乳保証価格並びに豚肉及び牛肉の安定基準価格等に対する年度内改定の発動基準を早急に検討すること。 五、畜産物の輸入については、国内の畜産物価格に悪影響を及ぼすことのないよう適切な規制措置を講ずること。 六、最近の飼料原料価格等の動向にかんがみ、配合飼料価格等の適正な値下げが行われるよう厳格な行政指導を実施するとともに、飼料の安定的供給を図るため、草地造成の拡充及び飼料作物の増産対策に対する抜本的な諸施策を確立するほか、国内備蓄体制の強化拡充等に努めること。 なお、政府取扱い飼料については対象品目と取扱い数量の拡大等につき、適切な措置を講ずること。 以上であります。 何とぞ、本日の小委員会において取りまとめました結論を本委員会の決議とされますようお願い申し上げ、小委員会の報告といたします。 —————————————
○澁谷委員長 ただいまの小委員長の発言により、畜産物の価格等に関する件について、本委員会において決議すべしとの動議が提出されました。 本動議について、別に発言もありませんので、直ちに採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○澁谷委員長 起立総員。よって、本動議は委員会の決議とすることに決しました。 この際、本決議に対して、政府より所信を求めます。安倍農林大臣。
○安倍国務大臣 ただいまの御決議につきましては、十分検討し、適切に対処すべく努力いたす所存でございます。
○澁谷委員長 ただいまの決議について、議長に対する報告及び関係当局への参考送付等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○澁谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう取り計らいます。 ————◇—————
○澁谷委員長 まず、家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。安倍農林大臣。
○安倍国務大臣 家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 畜産の振興を図るためには、家畜衛生、特に家畜の伝染性疾病の発生を予防し、蔓延を防止することが基本的要件でありますので、従来から、家畜伝染病予防法の定めるところにより、家畜の伝染性疾病の防遏に絶えざる努力を払ってきているところであります。 近年におけるわが国の家畜の伝染性疾病の発生状況を見ますと、おおむね平静に推移しておりますが、海外との人的、物的交流が近時一段と増大しているため、海外において流行している家畜の伝染性疾病の侵入機会が増大しており、昭和四十八年十一月末には、わが国において初めて豚水胞病が発生いたしました。そのときには、緊急措置として、本法第六十二条に基づく政令を制定し、本法の規定を準用し、迅速的確なる防遏措置を講じた結果、幸いにしてその後の発生はなく、事なきを得たわけでありますが、その病性、伝播性等にかんがみますと、今後家畜伝染病予防法に基づく強力な防疫体制の中に本病に対する防遏措置を恒常的に組み入れ、緊急事態に備えておく必要があると考えられます。 また、長年にわたり法に基づく定期検査の徹底により蔓延の防止を図ってまいりました牛のブルセラ病及び結核病につきましては、近年その発生数もきわめて少数にとどまるなど、清浄化が図られてきております。 このような最近における家畜の伝染性疾病の発生状況等にかんがみ、現行規定を改め、家畜防疫の適正なる運営を図ることとし、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。 第一は、先般わが国において初めて発生した豚水胞病を家畜伝染病に追加するとともに、その患畜及び疑似患畜を殺処分命令及び死体の焼却等の義務の対象として追加することとしたことであります。 第二は、牛のブルセラ病及び結核病の蔓延防止のために実施している検査制度の合理化を図ることとしたことであります。 以上が、この法律案の提案の理由及びその主要な内容であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速かに御可決いただきますようお願い申し上げます。 ————◇—————
○澁谷委員長 次に、飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。安倍農林大臣。
○安倍国務大臣 飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 飼料の品質改善に関する法律は、飼料の統制撤廃直後の昭和二十八年にふすま、魚粉、油かす等農林大臣の指定する一定の飼料の検査、登録等を行い、その品質を保全し、その公正な取引を確保することを主な目的として制定され、その後昭和三十一年に登録の基準となる公定規格等に関する条項等を追加することを内容とする改正が行われ、現在に至っておりますが、その間、飼料の検査、登録等を通じてわが国の飼料の品質改善に大きな役割りを果たしてまいりました。 近年における飼料等をめぐる諸情勢を見ますと、畜産物の需要の増大とこれに対応する生産の拡大に伴い、畜産経営においても、多頭化、集団化等飼養形態の変化が進むとともに、飼養管理技術も進展し、飼料の種類、品質、給与の実態等も大きくその姿を変えるに至っております。これに対応して、飼料の栄養成分に関する品質の改善をより一層強化することが強く要請されております。 また、最近におきましては、食品の安全性という観点から、畜産物のみならず、生産資材である飼料及び飼料添加物についても、その使用等が原因となって人の健康を損なうおそれがある畜産物等が生産されることを防止したり、家畜等に被害が生ずることにより畜産物等の生産が阻害されることを防止することが緊急の課題となっているところであります。 しかしながら、現行の飼料の品質改善に関する法律は、もっぱら家畜家禽に対する飼料の直接的な栄養効果の確保の面での品質改善を主たる内容とするものであるため、このような多様な要請に適切に対処することが困難な事情にあります。このため、これまで所要の行政指導等の措置によりこれらの事態に対処してきたところでありますが、これらの措置をさらに徹底するため、飼料及び飼料添加物の製造、流通等に関する規制等に関し法的な整備を行うことがきわめて重要であります。 政府といたしましては、このような観点から、飼料及び飼料添加物の安全性の確保と飼料の栄養成分に関する品質の改善等を一層促進するのに必要な措置を講ずるため、この法律案を提出いたした次第であります。 次に、この法律案の主要な内容について御説明申し上げます。 第一は、内容の改正に伴い、題名を「飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律」に改めるとともに、本法の規制の対象とする飼料及び飼料添加物の定義規定を整備したことであります。 第二は、農林大臣は、飼料の使用が原因となって人の健康を損なうおそれがある有害畜産物が生産されることを防止し、または家畜等に被害が生ずることにより畜産物の生産が阻害されることを防止する見地から、飼料または飼料添加物の製造の方法等の基準及び成分の規格を定めることができることとし、この規準または規格に合わない飼料及び飼料添加物の製造等を禁止する制度を新設したことであります。 また、これに関連して、この規格が定められた飼料または飼料添加物のうち一定のものについては、その販売に当たり、農林省の機関または農林大臣が指定した者が行う検定を受けなければならないこととしております。 第三は、農林大臣は、有害畜産物が生産されることを防止するための措置として、有害な物質を含む飼料または飼料添加物等の販売を禁止することができる制度を新設したことであります。 第四は、農林大臣は、有害畜産物が生産されることを防止するための措置の実効を確保するため、これに違反して飼料または飼料添加物が販ま売された場合における応急措置として、当該飼料または当該飼料添加物の廃棄、回収等必要な措置をとるべきことを命ずることができる制度を新設したことであります。 第五は、第二で述べた製造の方法につき基準が定められた飼料または飼料添加物の製造業者は、その製造を実地に管理させるため、一定の資格を有する飼料製造管理者を置くことを義務づける制度を新設したことであります。 第六は、飼料の公定規格制度を改善することによりまして、栄養効果の確保の面での良質飼料推奨制度としての同制度の意義をさらに明確にしようとするものであります。 すなわち、従来、飼料の公定規格は、これを任意登録の基準とすることにより、飼料の栄養成分に関する品質の改善に多大の役割りを果たしてきたところでありますが、今回、最近における飼養管理技術の進展等に対応して公定規格の項目を拡充するとともに、公定規格に適合しているか否かを一層厳密に識別するため、従来の登録制度にかえ、農林省の機関または農林大臣が指定した者等が公定規格が定められた種類の飼料について公定規格による検定を行うこととし、これに伴い所要の規定を整備することとしたものであります。 第七は、飼料の消費者が、その購入に際し、その栄養成分に関する品質をより正確に識別することができるよう、その表示制度を拡充したことであります。 すなわち、従来は主として登録飼料について表示を義務づけていたところでありますが、今回は栄養成分に関する品質を識別することが必要な飼料についてはすべて表示を義務づけるとともに、その内容についても畜産経営における飼養管理技術の進展等に対応したものとなるよう充実することとしたものであります。 以上のほか、第二及び第六で述べた検定を適正かつ迅速に行う体制を整備するため、指定検定機関の制度を新設することとしております。 以上がこの法律案の提案の理由及びその主要な内容であります。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○澁谷委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時二十三分散会 ————◇—————