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75回国会衆議院1975/03/14

農林水産委員会 第14号

発言数
235
登壇者
10
会派数
3
開催日
1975/03/14

会議録

澁谷直藏自由民主党

○澁谷委員長 これより会議を開きます。  農業振興地域の整備に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野坂浩賢君。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 昭和四十四年に制定をされました農業振興地域の整備に関する法律は、二つの柱によってでき上がっておると私は理解をしております。  一つは、農業地域の確保と保全、もう一点は、当該の農業地域について、農業に関する公共投資、農業の振興に関する施策を計画的に推進すること、そして、この二つを両輪のように進めていくことがこの農業振興地域の整備に関する法律である、この二つが基本だというふうに考えておりますが、そのように理解してよろしゅうございますか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 農振法は、長期にわたりまして農業振興を図るべき地域を明らかにいたしまして、そして、その中の土地の農業上の計画的あるいは効率的な利用を確保することが目的であるわけでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 そういたしますと、農用地の保全、確保、さらには拡大ということがねらいでございますが、それが施行されましてから五年間、事志と違って農用地は年々減少しておるのでありますが、そのために今度の改正法案も提出をされておるという経緯がございます。そのような振興整備の計画がされ、進められてきたにもかかわりませず、なぜ農地が減少してまいったのか、その原因は何であるか、そういうことをお考えですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 法律ができましてから、まず、農振計画を立てるべき市町村の指定を行ないました。それが三千二十四でございます。この二月二十日現在におきまして、その中の三千八の市町村におきまして農振計画が完了いたしているわけでございます。そういうことで、農振計画が九九・何%というところまで達成いたしまして、その中の農用地区域内の農地というものは、農振法に基づきまして農地の転用は行わないということにいたしているわけでございます。農用地区域内の農地といたしましては四百四十万の農地、そして混木林地、それからその他の山林原野約百万ということで、農用地区域内におきます農用地面積は五百四十万ヘクタール、こういうことになっているわけでございます。  ところで、昭和六十年の生産の見通しというものを農政審議会において御審議をいただいているわけでございますが、その際に必要とする農用地面積は五百八十五万ヘクタールということでございまして、一応の水準まで農用地区域内の農地というふうに確保し得たというふうに考えているような次第でございます。  農地転用の問題につきましては、これはやはり農業外の需要ということもあるわけでございます。したがいまして、たとえば住宅でありますとか、そういうような目的に供せられるということもあり得るわけであり、特に、市街化区域内の農地についてはそういったような趣旨に使わるべきものであるというふうに考えているわけでございます。  その中におきましても、固定資産税との関係におきまして、いわば宅地並み課税との関係で生産緑地制度というものも出てまいりましたけれども、やはり農外需要というような問題がそれ相当の理由を持ってある程度あるわけでございまして、われわれのこれの対応といたしましては、優良農用地を確保するという精神のもとで、農地法に基づきます転用基準に従ってこれに対処しているわけでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 いろいろお話しをいただいたのですが、端的に言って、集約いたしますと、適当な理由で農外利用があったためだというふうに理解をしていいのですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 確かに、国民経済の異常な膨張の中で農外利用が非常に進み過ぎた。ですから、農地の造成等につきましては、毎年四、五万ヘクタール造成しても壊廃の方は六、七万ヘクタールというふうに、造成よりも壊廃の方が進んだ。これは、やはり、端的に言えば、いまもおっしゃったような高度経済成長ということが農地の壊廃を非常に推進したということにつながっていくと私は思います。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 大体わかりましたが、それでは、農業をしておるよりも、農民個人としては、経済べースで考えて、産業に寄与するということもありましょうけれども、農業よりもその方がプラスだという考え方に立ったということになろうと思いますが、そういうふうに考えてもいいのですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 高度成長の中におきまして農業が非常に兼業化をしていったということも事実でありますし、先ほど申し上げましたように農地の壊廃が進んだということも事実であろうと思うわけでございますが、これは農業による所得というよりも、農外所得も含めた農家の所得という形の方に経済の趨勢としては進んできたという事実ははっきり認めざるを得ない、こういうふうに私は考えるわけであります。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 それは、真っすぐに大臣のお話しをお聞きしますと、農業と他の産業との所得の水準の差があった、そのために兼業が現出をし、農外所得に重点が置かれた、これが今日の農地の減少につながったということになりますが、そのとおりですね。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 農家としての所得が増大をしてきたことは事実でございますが、その中にあって、農業所得の占める比率よりはやはり農外所得の方に重点が置かれたということも言えるんじゃないかと思います。それから、農家の経営の規模が非常に零細でございますから、全体的に見れば、農業所得の上昇というものが、経済の膨張の中にあって、他産業と比較をすると十分それに対応できなかったということも言えるのではないか、こういうふうに思います。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 農業所得は他産業の所得と比較をして低いということがわかりました。  それで、問題は、いま二つの柱を挙げたのですけれども、農用地の確保、そのためには所得を上げなければ他の所得の水準と合わない、こういうことをおっしゃったわけですから、合わせるようにする。その一つは農業振興地域の整備の点が、いわゆる計画はできたけれども具体的に進められていない、こういうところに欠陥があったのではなかろうかと思うのです。だから、農地の転用その他については、保全という意味で農家の皆さんに非常に規制はするけれども、その農地を、さらに生産性が向上し、あるいはその他総合的な整備計画があるにもかかわらずそれが進められなかったというところに一つの欠陥があるんじゃないでしょうか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 かつて農振法ができましたときに、いわば領土宣言ということが巷間言われたわけでございます。農振地域で農用地区域というかっこうに囲い込む、こういうことが当初の目的であったわけでございますけれども、いまやそれが全国に網をかぶせた現段階におきましては、むしろ内容の充実ということに今後尽くさねばならぬ。時あたかも現下の世界の食糧事情にもかんがみまして、国内で自給すべきものは極力自給するという姿勢についての国民の総意といいますか、理解も得られるような時期に来ている。さらには、国土利用計画法というようなものもできまして、都市なり住宅との調和のとれた農業地帯の位置づけ、また確保ということも必要になってきている。こういったような農業内部におきますところの、大臣が先ほど言われました土地に対する資産保有的な色彩というような問題から、逆に農地の利用度が低下しているというような問題、それからもう一つはいま申し上げました二つの要素、こういう問題から、いわば農振地域の質の向上といいますか、質の充実ということを緊急に図るべき時期に来ているという考え方のもとで今度の改正法を出した次第でございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 お話しがあったように、領土宣言的な法律だ、そのためには優良農用地を確保する、それが今度の重点なんだということでありますが、規制をするから農家の皆さんは反発をする。だから、局長がおっしゃるように、その内容の充実が問題だと私も思うのです。その内容の充実はいままではどうでもよかったのだ、これからだということではなしに、四十四年からそういうような考え方に立ってこの領土宣言が出されておるわけですから、いま確認をしましたように計画もしなければならぬけれども、その計画に基づいて具体的に推進をしなければならぬと法律で書いてあるわけですから、それが進められなかったのじゃないですか、何をお進めになったのですか、と、こういうことです。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 やはり、施策は、農振地域に、そして特に農用地区域に統一的あるいは集中的に投資するということが一つの目的であることは御指摘のとおりでございます。そこで、全体的な網のかぶってまいりました昨年に、今後におきます公共投資等は農用地区域に集中する、農地保有の合理化なり近代化に関する施策も原則として農用地区域に集中する、それから、農村の環境整備でありますとか、あるいは流通加工の近代化と言いますか、こういう施策については主として農振地域に集中する、と、こういうふうな施策を打ち出しますとともに、税法上の優遇措置も講じたような次第でございます。  さらに、現在相続税の特例の問題が出ておりますけれども、その際にも、準農地につきましては、十年以内に開発するということを前提といたしまして、農地と同じように相続税の減免措置も講じていただくことにしているような次第でございまして、各種施策をいまや農用地区域ないし農振地域に集中するという体制を、全国に網をかぶせてまいりますとともに充実させてまいったということでございます。  なお、土地改良事業等につきまして、特に農用地開発につきましても、従前は、農用地区域外のところにおいても、若干それをそのままで事業を実施していた時期もあるわけでございますけれども、昨年以来、採択のときには農用地区域内に全部編入させた後でなければ採択しない、また、農用地区域外にある地区については事業を行わないという姿勢もとっているような次第でございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 いろいろお話しがありましたが、単発的にはやられておりますけれども、私は、たくさん問題があろうと思うのです。  それでは、大臣にお尋ねをいたしますが、きのうも畜安法が採択されまして、附帯決議が万場一致で確認され、大臣が善処して尊重してこれを進めるというふうに御答弁になりましたが、あの附帯決議は、政府としてはそれに応ずるように対処するということですが、一般的に、附帯決議というものは政府としては誠意をもって進めるというふうに解してよろしゅうございますね。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 やはり、議会政治でございますし、委員会の決議につきましては、政府としてはこれに対して誠意をもって善処していくということは当然のことでございますし、今日まで、附帯決議等につきましても、政府としても、この決議の内容、趣旨が実現できるように努力もしてまいったところでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 農業振興地域の整備に関する法律は、昭和四十四年四月十六日に衆議院のこの委員会で附帯決議が決議をされております。その中で、一番初めに、農業生産の地域分担のあり方を明らかにせよ、目標を明らかにして、それを計画的に進めろ、生産基盤の整備を一段と促進するため国の高率補助をやれ、と書いてあります。以下たくさんございますが、参議院も同じような決議をしております。いま尊重されておるわけですが、この法律が通ってから、そういう基盤整備事業の補助率の引き上げあるいは地域分担のあり方の明確化の問題等がどのように進められておるのか、よく私は承知しておりませんので、四十四年以降五年間たっておるわけですから、どのように補助率がアップされたか、そして、具体的に大きな成果が上がったということがあればお話しをいただきたいと思うのです。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 農振法が成立いたしましたと気の衆議院の附帯決議は、たしか七項目であったと理解しているわけでございます。  第一点といたしまして、運用に当たっては指針となるべき地域分担のあり方を明らかにすべきであるという点であったわけでございますけれども、農産物の需要と生産の見通し、こういう目標を現実化するためには、地域の立地条件を十分に考慮いたしました地域分担の具体化が必要であるというふうに考えているわけでございます。  内部的な作業といたしましては、さきの需給見通しの際に、それを受けたかっこうで、ある程度のブロック別までおろした地域分担の試案というものは作成いたしたわけでございますが、それの見直しというかっこうで、六十年の農産物の生産と需要の見通しという問題につきまして、現在農政審議会において御審議をいただいており、それの結論を得た段階におきまして、この地域分担の具体化ということについて進めてまいりたいというふうに考えるわけでございます。  第二点といたしまして、未利用地なり水資源の活用を図るべきであるということ、この点につきましては、開拓適地を積極的に農用地区域に編入し、そして開発利用を措置しているような次第でございます。この点についても、すでに通達を出し、現実に実行しているところでございます。  農振の指定を受けました地域への総合的、集中的な施策の実施、あるいは生産基盤の整備促進のための高率補助という御指摘につきましては、先ほど申し上げましたように、農振地域ないし農用地区域にあらゆる施策を集中するという体制を現在とって行っているわけでございます。また、生産基盤の整備につきましては、そういうことですべての事業を農用地区域に実施しているわけでございまして、採択基準の緩和なり補助率のアップなりという措置を毎年逐次とってきている次第でございます。  第四点といたしまして、生活環境の整備を促進すべきであるという御指摘があったわけでございますが、この点につきましても、御存じのように、現在農村の総合環境整備モデル事業を発足させまして、逐次これの実施に当たっているような次第でございます。  第五点の、農業委員会のあっせんによる土地取得につきまして、税制上なり金融上の特別措置を講ずべきであるという御指摘に対しましては、税法上の優遇措置といたしまして、これは法律にもあるわけでございますけれども、農用地区内の土地等が農振法によります市町村長の勧告による協議あるいは知事の調停あるいは農業委員会のあっせんということで譲渡されました場合に、特別控除なり損金算入、これは二百五十万までしていたわけでございますが、さらに五十年度改正では五百万まで上げる。あるいは農用地区内の土地等を農用地区域外の土地を譲渡して取得した場合、あるいは農用地区内の土地を譲渡して取得した場合におきまして、これはもちろん、先ほど申しました勧告、協議、調停、あっせんというようなことが前提になるわけでございますけれども、特定事業用の資産の買いかえの特例を実施しているわけでございます。また、勧告、協議、調停、あっせんということで土地を取得した場合の登録免許税の軽減ということもさらにいたしておるわけでございます。また、不動産取得税の課税標準も三分の二に下げるというような措置を講じているような次第でございます。  さらに、今度の法律が改正になりますと農業用施設用地ということが対象になってまいりますので、こういうところもその措置を受けるし、その他交換分合のことによりましても同様の措置が講ぜられることになろうと思っております。ただ、その中の不動産取得税の問題についてだけは五十一年の地方税法の改正で措置するというようなことになっているわけでございます。いずれにいたしましても、税法上なりの特別措置は逐次講じてきているような次第でございます。また、金融上の措置といたしましては、農地等取得資金問題につきまして、それの貸し付け枠の拡大を逐次やっているような次第でございます。  それから、六番目といたしまして、市街化区域なり調整区域と農振との関係を明らかにして、農用地の保全利用に支障のないようにしろ、あわせて地価対策の強力な推進を図るという、こういう御指摘と言いますか、附帯決議があったわけでございますが、その点につきましては、土地利用の調整方針を市街化調整区域等について定めるというようなことを含めまして、優良農地の確保利用に努めているわけでございます。地価対策につきましては、先般の国土利用計画法に期待しているというような次第でございます。  なお、七番目といたしまして推進体制なり予算措置について実効の確保に努めるべきであるという御指摘につきましては、推進協議会を設置いたしましてこれが推進に当たっておりますとともに、必要な予算措置を講じてきているというような次第でございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 長々と御説明をいただいたのですが、いま検討しておる、これからやる、今度できるのだ、こういうお話しでありますが、たとえば、地域分担のあり方についてはいま研究しておる、未利用地については積極的にやってきたということですが、未利用地を利用されるようになったのは、この五年間何ヘクタールぐらいですか。  それから、生産基盤の整備を一段と促進するために、たとえば土地改良とか圃場整備とか、そういうものは高額補助になったということは私は不敏にしてよく承知をしておりませんが、何%がどの程度に上がってまいりましたか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 未利用地の開発につきましては、国営、県営、団体営というようなかっこうで、毎年国営が四、五本、それから県営が内地、北海道合わせて大体十数本、それから団体営関係が三十本ないし四十五本ぐらい、こういうふうな採択をいたして実施しているわけでございます。  基盤整備に関します補助率の問題は、基盤整備が農用地区域内に集中するというかっこうでございますので、毎年行いました各種の補助率改正というものはすべてそれに該当するわけでございます。  ただいま具体的に何年にどれを何%上げたという資料を持ち合わせておりませんので、必要がございましたら後ほど御提出させていただきたいと思うわけでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 基盤整備の補助率の引き上げの資料を持ち合わせていないと言うのですけれども、出されても、上げていないのですよ。  それから、土地改良をやったり圃場整備をやったりという話なんですけれども、それは未利用地じゃなくて、いまの農地を土地改良したり圃場整備をされたのであって、何もしていないところをどの程度やったかということなんです。未利用地ですから、農用地となっていないところ、農業地としてつくられていないところ、原野とか山林とか、そういう未利用地をどれだけやったんだということですよ。十九本とか二十本とかやったということをおっしゃっているわけですけれども、ああいう土地利用のことを私は聞いていないわけです。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 先ほど申し上げましたのはまさにそういう意味で、未利用地の開発の本数を申し上げたわけでございます。仮に五十年をとってみますと、内地におきます県営の農地開発は新たに五本着工いたします。それから、県営総合開発はございませんが、県営の草地改良が着工四本、それから団体営の農地開発が十五本、それから北海道におきまして、道営の農地開発が六本、道営の草地開発が二本、団体営の草地開発が十四本というようなことでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 わかりました。  それでは、この農業振興地域の整備に関する法律の改正案の中には、いまお話しがありましたように、「土地の農業上の利用の確保とその効率的な利用の促進を図るとともに、農業経営の規模の拡大を図る」ということが精神としてうたわれておるわけですが、農林省からいただきましたこの法律案の参考資料の三十一ページをごらんいただきますと、地域数は二千九百七十二、関係市町村の農用地は五百八十二万四千ヘクタール、農業振興地域の農用地は五百三十七万九千ヘクタール、農用地区域は四百四十一万六千ヘクタール、と、こういうことになっております。いま局長から、これからの農業はこの農用地区域に集中してやるんだというお話しをいただきましたが、農用地区域というものはざっと四百四十万で、これがこれから日本農業の中心になるんだ。しかし、現在ある農用地というのは五百八十万で、差し引きしますと百四十万の開きがありますね。これから開発をするんだ、これから造成をするんだということも必要でしょうけれども、いまある農地をどうするか、どう活用するかということの方がもっと投資効果もありましょうし、投資も少なくて済むということになるわけです。この農用地にすべてを集中して、あとの百四十万は放棄する。これは理論的には、あなたのお話しからするとそういうかっこうの筋になってくるわけでありますが、この百四十万はどうするのですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 現況、農地の中には市街化区域内の農地もあるわけでございます。先ほど先生が、三千二十四の中の二千九百七十二の集計いたしましたところの農用地面積を言われたわけでございますけれども、現在三千八あるわけでございまして、いまや三千二十四程度の、全国に網をかぶせた場合の農用地区域内の農地というものについての推定は可能でございます。  そこで、農用地の中におきましては、山林、原野というかっこうで農用地に開発するという面積も八十六万ヘクタール含まれているわけでございます。用途区分別に見ますならば、農用地区域内で四百六十七万の農地、それから採草放牧地あるいは混牧林地それぞれ約三十八万ヘクタール、こういうようなことに相なっているわけでございます。  したがって、将来六十年の生産目標という問題について、現在農政審議会で御審議をいただいておりますところの面積から見るならば、一応の水準が農用地区域内において確保できたというふうに考えているわけでございます。しかし、その他の農地はどうするんだというお話しでございますが、そういう農地につきましても、たとえば融資等の措置は当然講ずるわけでございます。そして、農地法によりましてこれが農地としての確保を図ってまいるいうことでございますので、農用地区域内の農地だけを持っておればそれで済むということではなくて、農用地区域内の農地を、いわば核と言いますか、核以上のとりでといたしまして、そして農地法に基づき農地を守ってまいる、こういうことに相なるわけでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 私は頭が悪いので、口頭説明はなかなかわかりにくいのですがね。  いまお話しがあったように、農政審議会でいろいろと議論をしておるものは、造成面積は、山林、原野その他で八十六万だ、そしてそういうものを含めて五百八十四万六千ヘクタールだ、これが六十年度の目標だと書いてあります。そうすると、いまあなたがお話しになったように、農用地区域にこれからの基盤整備事業やその他は集中してやるんだ、ほかのものは編入するまでやらないのだ、編入するように指導するのだ、と、こういう話があったのですから、ほかのものも投げておくわけではなくて、これは核であって、ほかのところもまあ何とかやりますよ、と、こういうことだとまただんだん話が変わってくるのですね。やわらかくなってくるというか、初めは高姿勢、しまいは低姿勢というようなお話しでありますが、少なくとも、農用地区域を確保してそれで食糧の安定自給をやるということになれば、農業振興地域にある五百三十万なり、ある程度その程度にまでやはり上げていく。お話しがあったように三千二十四もあれば、この関係市町村の農用地と農用地区域との差はさらに拡大しておるには間違いないわけです。だから、農用地区域というものが四百万であっていいのか、もっと上げなければ、本当の意味の農業集中といいますか、食糧の安定自給というものにならないではないかということを危惧するわけですが、その点はどうですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 農振計画は、市町村が地元の住民との合意の中におきまして部落座談会等を開き、さらには農用地区域というものについて縦覧、公告等の手続を経て確定したところの面積、そして用途区域があるわけでございます。ところで、現実の基盤整備事業、特に農用地開発事業、特に、たとえば昨年発足いたしました農用地開発公団事業というようなものの事業予定地区というものを見てまいりますと、ときには、農用地区外にあるけれども、その後住民間の意見の一致を見てそこを開発したいというようなところもたくさん出てきているわけでございます。特に、農振計画をつくる段階において、入会権の処理についての意見がまとまらないために農用地区内に入っていないというようなところもあるわけでございまして、そういうところについて公団事業を実施してほしいという要望も出てくる。また、国営の草地開発等においてもそういう問題が出てまいります。  したがって、現在開発すべき山林原野として八十六万ヘクタールというものが組み込まれておりますけれども、この八十六万ヘクタールだけでわれわれはいいと思っておりません。今後ともそういう一いまは下からの積み上げとして出ております農用地区内にある山林原野以外に開発適地があり、また、そこを開発しなければならぬというようなこともあり得る。また、非常にたくさんあると思っております。そういう場合におきましては、これを農用地区域内に編入した後でなければ着工しないということでございます。その際には、その前提として、着工までに農用地区域の拡大の変更をしてもらうということが条件になっているわけでございますので、今後の問題として、農用地八十六万ヘクタールがさらにふえるであろうことを期待し、また、ふやさねばならぬだろうというふうに思っているわけでございます。  なお、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、相続税の特例という中で、準農地と申しますか、そういうところもいわば対象にしていただいたということもそれを促進するのに寄与するであろうというふうに期待するわけでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 去年の八月にメリット通達その他も出されて、農業用区域に集中をするという話があったのですが、いまの話をずっと聞きますというと、これから拡大はする、区域の変更もやって農用地拡大を図っていくということはわかるのです。それから、この百四十万の差につきましても、たとえば、都市計画による市街化区域というものも入っておるだろうと思うのです。しかし、百万程度は農用地として厳然とある。これはあなたのお話しを確認をしますと、農用地区域には集中をするけれども、これは核だ、残された市街化区域と離れた百万程度については、これは同じような取り扱いをするように農用地として十分指導して振興する、こういうふうになりますか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 やはり、国の施策という場合にも財政的な限度があるわけでございます。したがって、われわれといたしましては、まず農用地区域の充実ということに重点を志向せざるを得ないし、また、志向すべきであろうというふうに考えるわけでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 大臣にお尋ねをしますが、いませっかく、これにありますように五百八十万が農用地になっておるわけですね。農用地区域は四百四十万で百四十万の差がある。そこはたんぼだ、畑地だ、こういうことですね。いま、昭和六十年まで、やっこらやっこらブルドーザー等を入れてこれは造成をするんだ。八十六万。りっぱなのが百万あるんですからね。これを放てきして、政府も金がないんだからできるだけ投資効果を上げなければならぬということなんですよ。だから、あるものをもっと大事にして、農業区域なら農業区域として、それを中心にし、拡大してその造成面積をやられた方が、投資効果としては十分あるし、それなりの効果があるのではないかと私は思うのですが、大臣、どうでしょうか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 私も、先ほど構造改善局長が申し上げましたように、農用地区域を設定して、そこで農業の振興を集中的に図っていくということにつきましては、いまそういう方向で進めておるわけで、これは先ほどから論議の中にありましたように、われわれは、一つの核として、そして今後の農業振興を図っていきたいということですが、しかし、農用地区域外の農地についても、これをそのまま放置する、もうどうなってもいいということであってはならない、これからの食糧自給というわれわれの大目的を進めていく上においてはそういうことはあってはならないことでございますから、そういう農用地区域を中心とした政策の集中は行っていきますが、同時に、農用地区域外の農地につきましては、これまで以上に農地法の適用等も厳正に行って農地としての確保をしていくとともに、それに対する農業政策等も十分配慮を加えていって、農用地区域とともに、そういう農用地区域外の農地も農業振興に大きく寄与していただくように努力をしていくこと、これはもう当然なことであろうと私は思っておるわけでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 よくわかりましたが、そうすると、この農用地区域の中にある混牧林、山林原野十二万九千と八十五万四千、この土地はどうするのですか。どう活用し、どうさせるのですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 農用地区域内にございます現況で申し上げますと、農地、それから採草放牧地、混牧林地、山林原野、こういうことに相なるわけでございます。採草放牧地なり混牧林地というものについては畜産的利用ということを意図しているわけでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 今度は、改正の中に施設というものを相当大規模に、ということが柱にもなっておりますからそういうことであろう、こういうふうに思っておりますが、ぜひそのような措置をこれから進めていただきたいと思うのです。  いまお話しがあったわけですが、今度の改正の要点というのは、土地の交換分合あるいは農用地の利用増進事業、特定利用権の設定、農用地の効率的利用、こういうことが改正の重点になっておるわけです。いま局長からお話しをいただきましたように、区域の変更もこれからやっていく、交換分合等もやり、そして農用地を拡大していくのだというお話であります。したがって、交換分合による区域の変更は、いわゆる市町村が申請をして、県が許可をしてやるわけですが、この交換分合が引き金になってむしろ減少するではないかという危惧が私にはあるわけです。  最近のわが国の情勢から見ると、農用地と非農用地、それから農用区域内の農地と他の農地、これはたとえば農村工業導入法等によって工場も進出してくる、市町村の姿勢というものが開発という方向に非常に向かっておる、こういう状況でございますけれども、たとえば構造改善局の課長さんなんかにお話しを聞きますと、次男坊がおる、家を建てなければならぬから非農用地に出ていく、そうすると、これと交換をするんだぞ、ということになる。もちろん、穴ぼこというか、スプロール化したところは防げると思うのですが、そのときに、交換分合というのは等価交換が原則ですね。非農用地に大きな工場が来る。工場が来た場合に、たとえば二ヘクタールなら二ヘクタールということになってぐる。そうすると、土地というものは農用地の中に入っておると安いものですから、そちらに出ると高い。だから、区域の変更はそれで適正と見て認定がされる。その近所は日照の問題等もあってなかなか作物の増収ができない。おまけに、その土地を替え地をもらうということで、等価交換ではなしに、そっちをやるのなら、これを一ヘクタール出すなら、農用地の方は三ヘクタールもらわなければ話が合わない、こういうことになってくる。そういうことになってくると、やはりこの農用地区域から出ていきたい、この際脱出をしたいということになるやもしれぬ。そうなりがちではないかということを私は非常に心配をするわけです。  だから、交換分合等によって逆にその農用地が拡大できるということよりも、それが一つの引き金になって、逆な、あなた方が考えておられない方向が出るのではないかということを私は心配するわけですが、その点はどうでしょうか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 先日の参考人に対する御質問の中でもその種の問題が出されたわけでございますが、われわれとしては、交換分合という問題について、無秩序な農地の壊廃を未然に防止して、いわば農用地区域内の農家というものを含めた純化をはかるということで、客観的に他用途に供せられることが見通されて、そういう計画の変更をすることになるときにあわせてそういう交換分合を行うことによって純化し、スプロール化されるような壊廃を未然に防いでまいるということ、こういうことが一番大きなねらいであるわけでございます。  また、新たに加わるところがない限りにおいては、先生の言われるような要素、いわば縮小ということも考えられるわけでございますけれども、それにつきましては、一定限度というものは必ず設けたいというふうに考えております。特に、集団的な優良農用地は確保するという見地から、それもまた最小限度にとどめるということを指導方針といたしたいと思いますが、それ以上にわれわれといたしましては、あわせてその際編入すべきところは編入してまいり、そして、交換分合の手法を通ずる中で、新たに入れるべきところを大幅に入れるように指導してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。  こういう交換分合ということが、交換分合それ自体によって農用地区域がどうなるということではなくて、むしろ、農用地区域というものについて、農地利用計画の変更という場合がどんな場合にあるかということ、ややもすると恣意的にそれがなされがちであるものを、むしろ、この際、地域全体の土地利用の動向でありますとか、地域の人口でありますとか、産業の将来の見通しというようなことから客観的に見通させるということも含めて、いわば交換分合ということの中において——それをいままでの農用地について言うならば必要最小限度——そして、たとえば創設換地の場合に、たしか三割だったと思いますけれども、限定をつけておりますが、それと同じような限定はもちろんいたします。あわせて新たに編入すべきものは編入して、したがって、その結果として、農用地が単に縮小するだけにならぬように、そしてまた将来スプロール化しないようにしてまいりたいというふうに考えるわけでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 話としてはわかるのですが、しかし、この交換分合でも、区域の変更でも、農業者の同意がなければならぬわけですね。農民のためにやるわけですからね。あるいは農民の皆さんが選挙でやる市町村長に向けて厳しくそういうことをやって、そうしてもらわなければならぬ、ここは工場が来る、おれもここで農用地だったら安くてかなわぬから出ていく、と、こういうことになったら、農林省がいかに指導しようとも、大勢としてはそれが押し切れるだろうかということを心配するわけです。     〔委員長退席、坂村委員長代理着席〕  それをやめさせるためには、農業の所得をどう見るか、お話しがあったように、産業の見通しはどうなのか、ここに焦点が合わせられるわけですから、このようなちゃちな税制の問題とか、あるいは補助率も何となく引き上げたような感じだけれども動かぬとか、こういうようなことでは、これはそういうスプロール化は防げるであろうけれども、農用地の縮小というものは余儀なくされるということの歯どめがかかるようにきちんとしてもらわなければならぬと思うのですが、指導するというようなことではなしに、どうやって歯どめを具体的にかけるか。そのものについては、そういうことがないように政策的にどのように措置をするかということがあれば伺いたい。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 現在混在社会化している農村集落の実態を踏まえながらも、やはり、農業といいますか、農村というものが魅力ある環境の中にならねばすべての問題の解決の前提は出てこないだろうと思っております。したがって、最近若者のUターンということも、しかも有業Uターンというような事態もあるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、そういう意味において、農村の環境というものについて、生産の場が生活の場であるという実態を踏まえて、基盤整備事業の一環として、あるいは別途環境整備事業として、その環境の整備をはからねばならぬというふうに考えるわけでございます。  そのほか、先生御指摘のように、適正な価格支持政策というような、いわば農政全般を通じた各種の施策というものが背景として出てこなければならぬということは、私たちも十分に理解できるところでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 理解をして、善処してもらいたいと思います。理解で終わらないようにお願いしておきます。  次に、利用権、特定利用権、こういうことが設定をされた場合は、これは農地法の適用から除外するわけですね。農用地区均の中にあれば、それの利用権の設定ができればやらない。そこで、いま何回も議論しましたように、農用地区域の農地は全農地面積の八割以上だ。それらの農地はこの法によって農地法の枠から外に出るわけですね。適用から除外されるということになります。したがって、この間の参考人諸君からもいろいろと言われたように、農地制度に対して農地行政は二元化をされてくるということになると思うのです。農地制度は農地法が本筋だというふうに私は考えておりますが、農林省としては、農地制度に対して二元化されてくるということと、そして農地法が本筋なんですね、という点についてはどのようにお考えでしょうか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 利用増進事業を行います場合に、それによって設定される利用権というものについて、農地法の法定更新の規定等を排除しております。農地法全部を排除したのではなくて、農地法のいわば耕作者の地位の安定、そして農業生産力の増進という根幹、この根幹からはみ出すような感覚において利用増進事業を考えているわけではございません。利用増進事業というものが現在の地価の高騰ということを背景として資産保有的な傾向が非常に強まっている。そして、耕作権というものの保護という影響もありまして流動化が進まない。そして、耕地の利用度が低下している。こういう事態の中において、いかにして農地を効率的に利用させるか、そしてまた規模の拡大がはかれるようにできるか、こういうことから考え出したのが利用増進事業でございます。  したがって、利用増進事業の第一の観点は、一部の地方においてすでに出ておりますようなかっこうで、いわば所有権は留保しながらも安心して貸せられるようなことに一方はしてやらねばならぬ。しかし、今度は利用する方から言えば、安心してそれが耕作できるようにしなければならぬ。この二つの問題を、市町村の関与ということと、地域の所有者、利用者の集団的合意という枠組みの中で継続して実体的に利用しようとする人の耕作者の安定もはかるということをねらいとしているわけでございます。したがって、農地法で言います耕作者の地位の安定と生産力の増進といいますか、農地法の基本理念をはみ出しているというふうにはわれわれは考えてないわけでございます。  しかし、本来的な流動措置は何であるかといえば、当然農地法でございます。したがって、所有権なり、所有権の移転なり、あるいは長期にわたります賃借権の設定という格好での流動化があり、ならばそれはまず一義的に流動化措置としてとらまえ、進めていかねばならぬということについては、われわれとしては何ら異存のないところでございます。合理化法人事業でありますとか、農業委員会のあっせん事業でありますとか、そういうふうなかっこうの農地法の運用ということについては、われわれとしても、予算措置も含めまして今後とも大いに努力してまいりたいというふうに考えるわけでございます。  二元化という問題は、たとえば利用増進事業が先ほど申し上げましたような農振に最もふさわしい事業であるということから、市町村が作成主体になるということと、農地法の管理権限でありました農業委員会との関係、この問題がいわば二元化と言われるものであろうというふうに考えるわけでございますが、この点については先般来先生方の御指摘もあるようなわけでございまして、特に、利用増進事業でありますとか、こういったことについて市町村がいろいろと施策をする場合に、省令の定むるところによって農業委員会の意見を聞かねばならぬということを省令にうたうというようなことを前提といたしまして現在のわれわれの原案にしているわけでございます。  しかし、それでは不十分である。特に、農業会議の部分について、運用上でその点を指導していくという点について、先生方からいろいろ御指摘を受けておりますことは、十分に承知している次第でございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 大臣にお尋ねをしますが、農地の問題については農地法が本筋であるということをお話しになりました。いま、二元化行政については農業委員会の問題であるということですが、この農業委員会の所掌事務について、第六条の二項に、「農地等の利用関係についてのあっせん及び争議の防止に関する事項」とか、あるいは「農地等の交換分合のあっせんその他農地事情の改善に関する事項」とか、「農業及び農村に関する振興計画の樹立及び実施の推進に関する事項」というようにみんな「所掌事務」のところにはっきり書いてあって、しかも、法律によって農業委員会の任務が規定をされておるわけでありますから、これをこのとおりやれば二元化行政というようなことはないと私は思うのですが、この農業委員会法の六条、そして今日の利用増進計画の樹立、こういう関係においてこの法律改正というものは農業委員会を軽視するという結果になってきておると私は思うのですが、大臣はこの点についてはどうお考えでしょうか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 先ほどのお尋ねの農地法と農振法との関係でございますが、これは局長が答えましたように、今回の農振法の改正は農地法の根本的な理念、根幹を崩すものではない、と、こういうふうに私は確信をいたしておるわけでございます。  それから、いまお話しがございました農業委員会、農業会議との調整の問題でございますが、これにつきましては、農振法の改正におきましても農業委員会については省令で定めるようにいたしておるわけでございますし、また、農業会議との関係につきましては、都道府県知事の意見を聞くということで調整を図っていく、そういうことで十分配慮しておるというふうに私たちは思ってはおりますが、しかし、いろいろと本委員会においても御指摘がありましたように、農地法との関連で二元的な行政にもなり得るというふうな御議論等も十分あるわけでございます。したがって、こういう点につきましては貴重な御意見として私も十分これを拝聴し、この点について国会としての配慮というものも考えていただくということもあり得ると思いますが、私たちとしては、現在の農振法の規定で調整ができるとは思いますけれども、さらに、そういういろいろの疑問といいますか、疑念を排除することも、これまた十分貴重な御意見として承っておきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 前向きな答弁でありますから、これ以上は、と、私は思うのですが、しかし、省令で定めておるからいいんじゃないかと言われるけれでも、農業委員会の任務というものは、いま、振興計画やそういう市町村の農業地域の紛争や交換分合その他すべてこの立法に基づいてやる。省令は農業委員会は市町村のかさの下にあるからいいじゃないかというような行政運用上のことだけでは、この立法の精神から言って済まぬと私は思うのです。そういう意味で、大臣としては、そういう点についてはやはり考えなければならぬだろうという御答弁になったと思うのです。したがって、たとえば農用地の利用増進計画を定めようとするときは農業委員会の同意を得なければならぬということ、あるいは決定を経なければならぬということ、こういうことを法律上に書けば問題がなかったと思うわけです。この間の参考人も、池田さんでしたか、いろいろと言ったけれども、農林省は見切り発車をしてしまったというようなお話しさえあったわけですから、この増進計画をやるのは市町町でも、農業委員会なり農協なり該当者なり、そういう人たちがやらなければ幾ら政府が言ってもできないわけでありますから、そういう点についてはなぜもっと十分に意思を統一して、盤を詰めて法案を出されなかったのか。その点は大臣はどういうふうにお考えなんですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 私は、この法律の改正案につきましては、現在政府が提出しておる法律案の内容で、農業委員会あるいは農業会議との調整は行政的に十分でき得ると判断して——まあ、省令にも書くわけでございますし、また、農業会議につきましては府県知事の意見を聞くということになっておりますから、行政上の運用として十分に調整できるというふうに判断をして出したわけでございますが、しかし、当委員会の意見や議論等をいろいろと聞いてみますと、委員会でいろいろと御発言がありました内容につきましては、なるほどそういうことも考慮しなければならないのかなという感じも実は持っておるわけでございまして、今後この農振法が適正に運用されて、農振法改正の法律的な目的を達成して、農地の効率的な運用、さらにまた経営規模の拡大といった目的を果たしていかなければならぬわけですから、そういう面については、目的を達成するためにはそういう点についても十分尊重しなければならない面もあるのではないかということも実は頭の中でいま考えておるところでございます。  しかし、国会としてどういう御意思をとられますか、その点は国会としての御意思に任せるわけでございますが、私どもとしてはこれで調整ができるとは考えております。しかし、そういう点は確かにあるということは十分拝聴しておるところでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 この法律はいま出されたわけではなくて、本当はこの前の国会から出されておるわけですよ。だから、詰めが足りなかった。これは大臣の責任ではないと思うのですけれども、もっともっと詰めるべきであったと思うのです。  いま、大臣は、省令だけではなしに委員会の意向というものを尊重して、この法案の中に増進計画を定めようとするときには、農業委員会の決定なり同意を得るという方向というものは当然考える、そして国会の意を受けるべきだ、と、こういうふうに考えておられるというふうに確認していいですか。確認と言うと過ぎますが、そういうふうに考えておられますか。もう一遍伺いたい。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 まことに傾聴すべき御意見でございまして、この点についてはしかと頭の中に入れておきたいと思います。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 利用権の問題なんですけれども、これは短期間——農地法でやった場合は、賃借で小作権、耕作権の確立ができた上は十年間ということになっておりますが、この利用権というのは、市町村がいろいろと話し合って未利用地を借りる。その利用権設定というのは大体三年間といいますか、そういうふうに聞くのでありますが、三年間ですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 未利用地ではなくて、農地につきまして一方において——先生の御指摘は利用増進事業だと思います。そこで、利用増進事業における利用権の存続期間については、これは先ほど申し上げましたように、市町村の関与のもとで、地域の所有者、利用者のいわば集団的合意ということによって創設するわけでございますが、その場合の存続期間というものは、作目により、あるいは地域の事情によって異なってくるだろうと思っております。ただ、どの辺を基準とすべきか、あるいは指導としてはどの程度の期間を適当とするか、これは先ほど申し上げましたような作目なり何なりによって異なってはまいりますけれども、当面のわれわれの指導方針としては三年程度を一般的には考えて、そして、この利用計画が継続する中において逐次定着化するという中におきまして、それが三年ぐらいの期間というかっこうで存続期間が次々とつくられていくというようなかっこうが一般的には最も好ましいかっこうではないだろうかというふうに考えるわけでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 大体三年ということでありますが、そうすると、これは耕作権ができるからなかなか貸せない。だから、そういう苦肉の策としてつくったのだ。たとえば、あなた方が指導されて米の生産調整をやられた。それで荒廃をした。これをやる。この場合、この荒廃した農地を整備して非常に生産性が上がるようになるまでには三年かかる。そうすると、たとえば安倍さんという方が私に貸したとして、安倍さんは、三年してりっぱな美田になりましてから、人間というものは欲望がありますから、あれを返してくれ、これからおれは百姓をやるのだから返せと言った場合に、そう言われればこれは返さなければならぬわけですね。私も農業をやりますから返してくださいと言われた場合にはこういうことになりますね。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 いわば地域の利用者、所有者の集団的合意という中におきまして、個人の勝手な意思というものが当然に表に出るということではないだろうというふうにわれわれは考えているわけでございます。  ただ、実際問題として、今度返還という問題が出てまいりました場合には、有益費という問題につきましては、土地改良事業に属するものであれば増価額、それからその他の場合においては投下費用または増価額、こういうことになる。これは民法の規定によりましてなりますし、投下した有益費についてもし地主側が応じないということになりますと、これは民法によりまして、留置権によりまして返還を阻止するというか、占有を続け得るというような規定もあるわけでございます。  いずれにいたしましても、利用増進事業において、それらの有益費の取り扱い、そしてその額の問題については増進規程において本則をうたい、計画において具体化さしていく、こういうふうなかっこうで、いわば第三者機関である市町村なり農業委員会がそういう問題について裁定するといいますか、判定するというようなことをあらかじめ両当事者の間において同意をとっておくというような措置によってこういう問題のトラブルはないようにしてまいりたいというふうに考えるわけでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 それで、初めから都合のいいときは農業委員会を今度は引っ張り出しておられますが、農業委員会等と話し合って短期間、三年間ということであるけれども、三年ではこの復旧田というものはなかなか成功しない。だから、それを返してくれというようなことは、一定の人間みんなが公共的に話し合うわけだからそういうことは表に出ないということですが、有益費の基準の問題ですけれども、たとえばその土地、土地によっていろいろ違うと思うのですけれども、資本を投下する。これについては耕作者が持つことになると思いますが、この点、耕作者が持つか所有者が持つかということが一つと、耕作者が持った場合に、それは三年後に返せと言われて返さなければならぬときにはどういう基準でやっていくのかということ。これこれだと言って農業委員会に行っても、市町村が窓口でありますから、それを言っても相手の方が払わない、そこで紛争が起きる、紛争あっせんは農業委員会の任務だということだけではなかなか逃げ切れない面があろうと思いますが、初めからトラブルがないようにするというのは規則その他できちんと決めさせてやるわけですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 今度の利用増進計画の前提になります利用増進規程、この中におきましてうたいたいと思っておりますのは、一つは、有益費以外の離作料の支払いはありませんということが第一点でございます。  それから、第二点として有益費、これは増進計画が定着化するとともに積極的な投資がなされてくると思うわけでございますけれども、土地改良事業の場合は、土地改良法に基づきまして増価額ということになります。     〔坂村委員長代理退席、委員長着席〕  それから、土地改良事業以外でありますならば、民法の百九十六条二項でしたか、何かの規定によりまして、投下費用または増価額ということに相なるわけでございまして、これの額の決定の仕方等については、これも利用増進規程の中にうたい、また、計画の中にうたいまして、その中で両当事者の同意をとっておく、こういうかっこうで措置したいというふうに考えているわけでございます。  なお、それでも紛争が起こるというような場合におきましては、市町村なり農業委員会があっせんに入るというようなことも利用増進規程の中にうたいたいというふうに思っております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 そういう紛争を未然に防ぐということでありますが、大体、昭和四十四年にやられてからいままで何にもやられなかったけれども、——何にもやらなかったと言うとまた失礼でありますが、大したことはなかった。これからやるということで、メニュー方式でやろうじゃないかということで初めて今度の国会に出されておるわけですね。これは一地域当たり平均五千万、補助率は二分の一ということでありますが、これにつきましては、復旧田、いわゆる生産調整によるあの農地を復旧するには大体どの程度かかるようにお考えになっておるわけでしょうか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 農用地の利用増進促進対策事業費、これを本年度の予算で百地区についてお願いしているわけでございます。  その中におきます内容といたしましては、機械施設なりの導入でありますとか、あるいは排水路が壊れているというようなこととか、あるいは整地等といったような農用地の整備でありますとか、あるいは小作料の一括前払いでありますとか、あるいは営農集団の活動促進でありますとか、こういったことをメニューでやれる問題として、一地区平均五千万という事業を予定しているわけでございます。したがいまして、それらの中身というのはあくまでもメニューでございますけれども、積算の根拠というような意味で申し上げますならば、その中で農用地整備事業ということでやっておりますところの、いわば復元的な経費といいますか、これにつきましては大体二万円ぐらいが実績として必要であろうというふうに理解しているわけでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 二万円というのは何の単位ですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 反当でございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 反当二万円が補助金ですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 積算の根拠という意味におきまして考えた際の、そういう復元といいますか、農用地整備事業といたしましては事業費に反当二万円、こういうことでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 事業費反当二万円というのはどういうところから出たのでしょうか。二万円ではできないのではなかろうかと思うのですが、その詳細な積算の根拠を後で文書でお願いをしたいと思います。  これにつきましては、二万円の二分の一ということになりますから、後はどこでその融資を受けたらいいのか、それはどういう金を使うのか、聞いておきたいと思うのです。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 促進事業の中の一つでございます農用地整備事業、これにつきましては、先ほど言いましたが、農用地の整地でありますとか、あるいは用排水路の補修でありますとか、そういういろいろなことをメニューでやろうということでありまして、復元だけを言っておるわけではございません。  そこで、二分の一補助の残額といいますか、地元負担部分につきましては、土地改良資金あるいは農業近代化資金の活用をはかってまいるということでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 利息、利率というのは大体六%から七%ということになりますね。そうなりますと、そういう二万円だけではできない。いま財政硬直化の問題が盛んに地方自治体の中で言われておりますけれども、復旧田が二万円でできるとはなかなか考えられない。それが基準になって二分の一ということになる。あと一万円は、たとえば一万円のうちの八割は農業改良資金なり、あるいは近代化資金を借りる。その利息が六、七%ということになると、農業経営として引き合うということになりますか。しかも、たとえば先ほど議論をしたように、三年間で返すときに、今度はその二万円問題が根拠になって、それ以上は認められない、国の基準だってそうじゃないかと言われたときに、そういうことになれば、利用する耕作者の皆さんは、投下資本に非常に制限が加えられてくる、一生懸命でやりにくくなってくる、こういうことになるではないかと思うのでありますが、その点はどうでしょうか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 農用地整備事業の場合の補助残の土地改良資金を活用します場合は、これは団体規模になってまいりますので五分五厘、償還期間二十五年以内、据え置き期間十年以内、こういうルールに従うわけでございますし、あるいは農業近代化資金でありましたときには、小規模土地改良資金として五分五厘、償還期間十年以内、うち据え置き期間二年以内、こういう経費を活用することに相なるわけでございます。  いずれにいたしましても、有益費が出る限りにおいては、これは先ほど申し上げました規定の中において、また計画においてはっきりさせるわけでございます。したがって、この利用増進事業が定着化するとともにそうした投資はふえるであろうし、また、ふえる中において出てくるであろうそういう問題については、増進規程の中でうたって紛争なからしめよう、こういうふうに考えるわけでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 政府がたとえば基準を示すことは、一つの議論の対象といいますか、大きな力になると思うのですね。たんぼを二万円で復旧ができると政府は算定をして、その半額、細かく言って一万円は補助金、他は融資及び自己資本ということになるわけです。それが有益費といいますか、たんぼを復旧するに当たって要った諸経費として、この貸し借りのときに、たとえば三年後あるいは六年後に返してもらう方はそれを基準に主張をするということになるのではないか。そういうことを一つの基準として設定をされるわけですから心配をするわけです。  しかも、それ以上に、通称超過負担といいますか、二万円以上を必要とされるという結果になれば、そのものはそれ以上に投資ができないし、優良農地に変化ができない、こういうことになってくる。だから、全体的にそのものが二万円でなしに、現実に要った費用というものを——たとえば第二次の構造改善事業と同じように、その額とは別に補助率は決まっておるけれども、額はやはりかかったものというふうなことにしなければこの振興整備計画は思うように進んではこないではないかと思うわけでありますが、そのときにあわせてこの基準の二万円というものは大きく変更される余地ありと思うのでありますが、その点についてはどうでしょうか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 先ほど来、私が、いわばメニュー方式の事業の中の積算の根拠としては二万円でございますということを申し上げているわけでございます。二万円というのは、それらのことを行っております幾つかの県の実例等から、その積算の根拠として二万円という額を出したわけでございますが、あくまでもメニューでございます。全体の事業費が五千万の範囲内の問題として何を取り上げるかは自由でございます。  そこで、先生がいま言われましたことを取り上げると、その実績が仮に三万円かかるなら三万ということに相なるわけでございまして、その二万円以内で打ち切るというような趣旨は全然考えているわけではございません。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 時間がまいりましたので、これでやめますが、私はこの法律の議論をやっておりまして、この法律が通った場合の方がこれから問題だと思うのです。いろいろ修正をされて、農業委員会の問題なり農業会議の問題なりが、あるいはその同意を得るとか、あるいは決定を経なければならぬとか、あるいは意見を聞かなければならぬとかいうような義務づけは省令その他法律改正なり修正でやられるとしても、通った場合に、農協とかあるいは市町村とか、そういうものは、これを推進していく受けざらといいますか、その方が非常に重要ではないかと思うのです。だから、規定とか規則とか、それを早くつくらなければ、この法律が昭和四十四年につくられて、また、もうしばらく五年程度やって、その五年先には攻めの農政の安倍さんはおらなくて、だれか撤退農政をやる人が出てきて、またこれがパアになるというようなかっこうになってくるのではなかろうかという懸念が、いままでの経緯としてあるわけです。  この本則なり、そういうスムーズにいくものはいつごろ出されるのか。本委員会に一緒に出してそれを検討してもらう方が盤が詰むし、事業効果としてもある。農業委員会のようなことは見切り発車しておいて、大事なことは何も考えていない、機関車だけが走っていくというような感じがするわけでありますが、その点については農林大臣はどうお考えですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 確かに、この法律の改正を行って、この法律の改正案の趣旨が生かされるように事業がどんどん進んでいくということを私たちは心から期待をしておりますし、そのためには、受けざらであるところの地域の市町村であるとか、あるいは農協であるとか、農業会、農業委員会であるとか、そうした地域の団体等が協力をしていただかなければなりませんし、また、農民の御協力というものも特に必要になってくるわけでございまして、そういうことで、この法律が幸いにして成立するといった段階におきましては、直ちにそれに基づくところの政令あるいは省令等を整備をいたしまして、そして一日も早く実施される方向で努力をしていきたいと思うわけであります。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 時間が参りましたのでこれでやめますが、二元化の問題等については、明らかに所信表明をされましたけれども、農民に不利になることのないようにして、そして農用地の拡大をするということにして、現にある農地よりもはるかに後退をするというようなことがないように十分配慮していただきますように要望して、私の質問を終わらせていただきます。

澁谷直藏自由民主党

○澁谷委員長 芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 最初に大山局長に尋ねますが、今回政府から提出された農振法の改正案の各条文の中には、政令で定める事項、あるいは特に省令で定める事項というのが随所に出ておるわけであります。実は、昨日の当委員会においても、政令、省令の問題について大臣に指摘をしたわけでありますが、今度の改正案の中に、政令で定める事項と省令で定める事項がそれぞれ何カ所ぐらいあるのですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 政令で定める事項は二カ所でございます。それから、省令で定める事項は全部で二十二カ所でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そこで、まだ政令案、省令案がわれわれの審議のために配られていないのですが、それは用意してあるのですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 御要求がございましたので、直ちに提出いたします。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それじゃ、早速いま局長の言われた政令案、省令案を各委員の皆さんに配布して、できるだけ審議が進行するようにしてもらいたい。われわれとしてこれに協力するにしても、あなた方が資料を出さないと協力しようがないですからね。  それから、もう一つ、今度の改正の中に利用増進事業を行うための規程の設定並びに計画の設定という点が出ておるわけです。これは今回の改正案の事業実施上一番中心になるところの、いわば目玉というようなものですが、この規程並びに計画案というものは用意してあるのですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 現在検討中でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 法律の条文の中に載っておるでしょう。利用増進規程はこれこれの点について策定しなければならぬ、増進計画はこれこれの事項を基礎にして計画を設定するということは改正案の中に載っておるわけですよ。しかし、あくまでもそれは柱であって、中身について、たとえば利用増進規程を市町村において策定する場合、一体、この通った法律の条文だけに基づいて、市町村が自発性の上に立って任意に策定して知事の承認を求めればいいかどうかですね。あるいはまた、農林省が十分な効果を期待して、指導性を発揮して、利用増進規程等については模範的な準則ともいうようなものを整備して、たとえば事務次官通達とか省令等の手続によって当該市町村にそれを示して、それに基づいて地元の市町村の増進計画というものを充実してつくらすという考えか。その点はどうなんですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 利用増進事業というものは、地域の実態に応じて、こういう事業を行うことが機が熟しているというところにおいて実施するわけでございます。したがって、地方地方によっての事情というものを尊重しなければならぬと思っております。したがって、画一的な運用をするのは好ましくないのであろうというふうに考えているわけでございますけれども、その中でも、全体を通じて当然行わぬばならぬもの、あるいは考慮すべき事項というようなことにつきましては、この法律ができますれば次官通達あるいは局長通達も出しますとともに、規程例、模範例といいますか、これは当然全国に通達したいというふうに考えているわけでございます。  利用増進規程の中で述べるべき事項としては、実施区域でありますとか……

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 局長、それは書いてあるからいいです。  そうすると、農用地利用増進規程並びに増進計画の模範例等については、農林省において整備して全国にそれを示すということですね。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 そのとおりでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それはしかるべき方法だと思うが、そうであれば、もう案をつくっておく必要があるんじゃないですか。この農振法改正案は今国会に突如として出たわけじゃないでしょう。昨年の通常国会において、農林省としてはこれは農政転換の目玉であるということで出したものです。農地法をなくする、食管法も取っ払ってしまうというような田中内閣の方針に対して、農林省の皆さんが、あくまでも農業を防衛しなければならぬ、特に、農地制度等については、現行の農地法を中心にしてこれを防衛しなければならぬという熱意で農振法案を出したので、国会においてもその意を理解して迅速に審議をしてもらいたいということを前国会においてときどき述べられたのですよ。そこに座っている官房長だって、これは一番の目玉だからというようなことを言ってきているわけですからね。昨年提出したときの局長も大山局長でしょう。それが二年越しに法律だけ出して早く上げろと言ったって、中身が何にも準備されていないというのはどういうわけですか。政省令もいまもらいましたが、これは全部案ができているわけでもないでしょう。大事な増進計画を行うための規程案にしても計画案にしても、何もつくらないで、通ってからぼつぼつやりますと言うのじゃ、これはちょっとひどいじゃないですか。あくまで案ですからね。素案でもいいですよ。そういうものが準備されておらなければならない。そして、言われなくてもそれを委員会に審議の資料として提出して、委員の皆さんが今回の改正の趣旨というものを十分理解して審議を進められるということが、当然あってしかるべきだと思うのですが、規程についても、計画についても、本当に素案もないのですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 先般来から、この法律ができました場合には模範例というものは当然出さねばならぬわけでございますので、各方面の御意見を聞いているわけでございます。素案でございますれば、現段階における素案はございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それはまだ完全に成案化されていたくてもいいですよ。たとえば中間的なものであっても、委員会の審議の資料に供するということは当然なことだと思うのですね。それがあれば審議を進める参考上もらいたいわけだが、それはお粗末と書く粗案でもしょうがないですよ。まだそこまで行っていなければね。それを早速出してもらいたい。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 先生方全員にお配りするにはちょっと時間がかかると思いますけれども、とりあえずお渡しいたします。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは大臣にお尋ねしますが、今回の農振法の改正によって、昭和四十四年にで、た現在の農振法が相当性格上の変化が来るというふうにわれわれは考えておるのです。それはなぜかと言うと、現行の農振法はあくまでも農業地域振興のための計画法と言っても差し支えないと思うのです。したがって、農林大臣としてはこれに直接タッチしていないのですよ。農振計画をつくる場合においても、市町村と都道府県知事が中心になって地域振興計画を策定して、それを農林大臣に報告して、都道府県段階の計画は農林大臣の承認を求める、大臣はその計画に対して必要のある場合には適切な勧告をすることができる、市町村においては、その振興計画が策定された単位の地域において、その計画の写しを都道府県を経由して農林大臣に提出すればいい、と、こういうことになっておるわけでありまして、この点は、昭和四十四年に当委員会で農振法を審議した場合においても、都道府県までの計画は策定されるが、農林大臣が主体になった全国的な農業振興計画というものはこの法案には出てこないではないか、これは重大な手落ちではないかということを議論したことがあるわけです。当時大臣は農林委員会の理事をやっておられたと思うので、よく経過を御存じだと思うのです。ところが、今度の場合、計画法の形が改正案によって、実施法というか、実体法的な性格が非常に強化されてきたわけですね。したがって、現行法の性格を大きく変更することになるのじゃないかというふうに思うわけですが、その点はいかがですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 今度の改正案におきましては、確かに、実施法的な性格といいますか、そういう要素が非常に強くなってきておることは事実でございますが、しかし、当初、現在の農振法の方向に従って、その内容の充実を図っていくというたてまえで改正案は立案をされたものである、こういうふうに理解をしておるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そこで、現行法の場合は、先ほど言いましたような計画法ですから、したがって、農地法を基礎にした農地行政をやる場合において農振法との競合というものはなかったのですね。計画策定であるから、市町村あるいは都道府県が農振地域または農用地区域というものを計画で設定する場合においても、それに市町村の農業委員会あるいは都道府県の農業会議が直接関与するという、そういう機会は現行法にはないのですよ。たとえば促進協議会というものを設置した場合に、市町村においては、農業委員会あるいは農協とか各農業団体がその協議会に参加する。都道府県においては、農業会議あるいは農協の連合会とか、土地改良団体とか、そういうものが推進協議会に参加して農振計画の実現にそれぞれ力を出し合って協力をするということになっておるから問題はなかったわけです。今度はいよいよ実施法ということになると、どうしても農振法に基づく計画あるいは事業を行うという場合において、現行の農地法の運営というのは主として農業委員会あるいは農業会議というものが担当しなければならぬことになっておるわけでありますから、そこで世上言われるように、これは二元的になるのではないか、農地法と別のレールを敷設して農振法の事業を行うことによって農地行政が二元化するのではないかということが言われる。そして、農振法の方は市町村、都道府県というような地方公共団体が主体になった路線で進んでいく、農業委員会や農業会議は従来どおり農地法を基礎にした任務を果たしていく、そこに問題が出たわけですね。そういう点をこの際解明しておかぬと将来に禍根を残すのではないかと思うのです。  その点は農林大臣も案じておられると思いますが、この際明快にしてもらいたい。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 農地法と今回の農振法改正との関係におきまして、農地法の根幹といいますか、根本的理念は農振法の改正によりましても損なわれることはない、私はこういうふうにいま思っておるわけでございます。  ただ、問題は、いまお話しがございましたように、実施法でございますから、農業委員会あるいは農業会議等との調整の問題がいま起こってくるわけでございます。それが農地法との関係におきまして二元的な行政になる可能性が今回の改正法案ではあるのではないかという御指摘につきましては、私も十分承知いたしておるわけでございますが、現在私たちが提出しておる改正案によれば、利用増進計画事業を行うにいたしましても、農業委員会につきましては、省令において農業会議所との調整を規定することにいたしておるわけでございますし、県段階におきましては農業会議と県との調整を図っていく、県は農業会議の意見を聞かなければならない、こういうことで調整が行われて、したがって行政酌に農業委員会と農業会議所との間の調整は十分行われて、いわゆる二元化行政ということにはならない、こういうふうに判断もいたしてはおるわけでございますが、われわれとしても、こういう法改正によりまして、農村の農業における自給力を高めていき、さらにその中にあって中核的農家の生産意欲を向上させ、あるいは規模の拡大を図っていくという、こういう最終目標を何としても達成させて一つの大きな前進を図りたいということでございますので、そういう点から見まして、そういう二元的な面につきましては、委員会等の御意見等も十分踏まえて、そういう中にあって考えていかなければならない問題はある、こういうふうに思うわけでいございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これは昨日の畜産物価格安定法の扱いのようなものとは違うと思うのです。ですから、たとえば改正案の中に出ておる農用地の利用増進事業を増進規程に基づいてやるという場合も、参加する全員の同意によって利用権が設定されておることになっておるわけですから、ここで言う利用権というのは農地法で言う利用権と質的な違いはないと思うのですが、どうですか、局長。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 耕作を目的とする賃借権であるという意味におきまして、農地法の賃借権と何ら異なるわけではございません。  利用増進事業で集団的合意のもとで設定されます利用権は、その中で、法形式論で言うならば短期的な賃貸借、こういうことになろうと思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そうなれば、農地あるいは農用地に生ずる利用権の確認というものは、手続上どうやらなければならぬかということになれば、やはり、農地法にある利用権の規定を全然無視し、あるいは排除することはできないと思うのですよね。ですから、その点に、農振法の改正条項と農地法の運用との間の接続がないでしょう。そういうものは専門家の農林省当局において十分な配慮が行われてしかるべきだと思うのですよ。もともと計画法でできたのであるからして、農業委員会とか農業会議の関与の機会がいままではなかったわけですよ。しかし、実体法としての一面を付与して事業をやるということになれば、その点を十分配慮しなければいかぬじゃないですか。運用上やるというだけでは済まぬと思うのです。やはり、制度の中で接着点というものをはっきりしていかぬと、また法律改正しても効果は全然上がらないですよ。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 政府が原案を提出いたしましたときに、利用増進計画につきましては、省令によって農業委員会の意見を聞くというかっこうで両者の間の調整を図れるというふうに考えたわけでございます。確かに、この交換分合の際に市町村の同意書という問題はございますけれども、これも市町村の同意書が得られない場合には知事が意見を聞く、こういうふうな規定もあるわけでございます。あれやこれやそういうものとの関係から意見を聞くということを省令において義務づけるというかっこうで立案の当時において対処したというのが経緯でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 私はそういうことを言っているんじゃないですよ。たとえば農地法における利用権の設定あるいは賃借権の設定の場合は、その事項というものは農地法の政令や省令にまかしておるわけじゃないですからね。これははっきりと法律事項の中で規定づけられておるのですよ。農地法の方は、ちゃんと法律に基づいて、義務行為として、賃貸借契約をした場合は必ず文書契約の形で当該農業委員会に通知をしなければならぬということが義務づけられておるわけですからね。そうなれば、利用増進規程に基づいて、利用増進計画というものは全員参加、全員同意の中で契約が締結されるわけですから、その中には、利用権を設定する者と利用権の設定を受ける者との間における相互間の契約というものは、全員契約でなくて、利用権を設定する者と設定を受ける者との個別契約というもので、これがさらにその上に全員同意という形でまとめられるということに当然なっておるわけですから、増進規定は別としても、増進契約において全員同意で契約が締結されたものについては、当然これは農業委員会に提出をして決定を受けるとか、あるいは同意を受けるというような手順というものはだれが考えても必要になるわけなんですよ。それを単に後で省令で考えるとか、省令でうたえばいいとかいうものではないと思うのですね。そういうことをやると農地法との摩擦が生ずるわけですからね。これは明敏な大山局長として、二年越しでのこういうまとめとしてはちょっと手抜かりがあるんじゃないですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 立法の際の経緯を申し上げますと、法律に、手続関係のことについては省令に権限を委譲するという意味において、「省令の定めるところにより」ということでやっておりまして、そういう意味でつくられます省令というのは法律と全く同一の効力、資格を持つということで、農業委員会の意見を聞くということを省令にうたおう、こういうことで立案したということが経緯でございます。しかし、先生の言われましたように、確かに、耕作を目的とします所有権、使用収益権の設定移転というのは、農地法では原則といたしまして農業委員会の権限になっているという点にかんがみまして、先生の御指摘ということも確かに傾聴すべき御意見であるというふうに考えるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ただ傾聴されても迷惑ですけれどもね。いいですか、局長。農地法にうたってあるところの、たとえば所有者の場合には所有権、耕作者の場合には耕作権というものを基礎にした賃貸借の権利とか使用収益の権利というものは、これは基本は民法にあるわけですから、民法の権利が農地関係については農地法に移されておるわけですから、だから、民法においても、あるいは農地法においても、こういう重大な権利に属する事項については政令に譲るとか省令で決まればいいなんということは、もしそれができるとすれば憲法違反ということになるのですよ。これは軽々しい問題ではないですよ。だから、農林省として、固有の農地制度上の、農地法上の権利というものを軽視するということなら、これは重大問題ですからね。この点は大臣からはっきりしてもらいたいと思うのですよ。これで行くと、もう攻めの農政じゃなくて、守りというよりも、退却の農政になってしまいますよ。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 この改正案を策定する場合におきましては、政府部内におきましても十分論議も尽くし、法制局等の意見も徴して、この改正案が憲法その他の法律に違反をするものではないという判断のもとに改正案を決定いたしておるわけでありますし、そういう中にあって、農業委員会と農業会議との調整の問題にいたしましても、農地法との関連等も十分配慮してこの法律案が策定された、と、私はこういうふうに考えておるわけでございます。  基本的には農地法の趣旨にもとるものではないという判断のもとにつくられたものであるというふうに理解はいたしておるわけでございますが、御指摘がございましたような農地法と農振法との法律解釈につきまして、この間にいろいろな矛盾といいますか、問題が将来とも出てくるというふうなことになるという点については、やはり、国会審議の過程の中にあってこういう問題は明快にしておかなければ今後の法律運用上支障を来たすおそれもあるわけでございますから、そういう点は、御意見等につきましては十分私もこれを拝聴して、その上に立ってさらに御審議が行われ、私たちもこれを踏まえて十分考慮していかなければならない問題ではないか、こういうふうにも思うわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 いまの御答弁ですが、皆さんの方が農地法に基づく利用権等の規定を熟知しておるわけですからね。熟知しておりながら、農林省としてどうしてこういう手抜きの改正法案を出したかという、その気持ちはわれわれもおおよそ察しがつくのですよ。だからといって、この形でいいとは絶対に了承するわけにいかぬですからね。たとえば農地法における利用権の設定ということになれば、耕作者に対する利用権の保護というのは、厳しい規定が数カ条にわたって規定されておるわけですからね。たとえば利用権の存続期間の問題とか、存続期間が満了した場合の更新規定とか、いわゆる耕作権を擁護するという精神の上に立って利用権の保護というものは農地法の規定にはあるわけです。しかし、これを使えば今度の農振法上で行う利用増進事業というものは障害が出てなかなか進まぬという、その配慮でこういう手抜きの、何か異質の利用権というものをつくったようなことになっておると思いますが、農地法の規定の利用権の保護ということについては、これを完全に骨抜きにするということはよろしくないと思うのですね。そう思わぬですか、局長。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 われわれの基本的な考え方といたしましては、流動化措置というものについて農地法でいろいろの規定があるわけでございます。その流動化の規定なり、あるいは長期の賃借権なり、こういうかっこうで行おうとする本格的な流動化措置、これはやはり本格的流動化の措置としてわれわれも当然考えていかなければならぬことだというふうに思っておるわけでございます。  ただ、現在の地価高騰、そうして耕作権の保護という中で、流動化が進まない現在の事態の中において、緊急に土地の利用の高度化を図り、担い手を育成するということになりますと、それはそれなりに、貸し方から言うならば貸しやすいようにしてやらねばならぬ、そうして利用する方から言えば安心して利用できるようにしなければならない、こういうことから今度の利用増進事業をつくったような次第でございます。その両者の間において、賃借権というようなかっこうの農地法の農業委員会の機能と、それから今度の利用増進事業における策定主体である市町村との調整と、これが意思の疎通を欠くようなことがあってはならぬというふうに考えるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そういうことであれば、利用権設定は利用増進計画の中に出てくるわけですね。たとえば全員同意であっても、その契約の存続期間は、ごく短期なものであってもこれは明らかにしなければならぬと思うのです。  それから、更新規定は、いまの素案なるものについては全然使っていないわけですからね。しかし、当事者の合意によって利用権が設定された、そうしてたとえば最低三年とか五年の存続期間の契約が締結された、そうして利用権の設定を受けた耕作者が善意な耕作と管理を続けて期限が満了したという場合、その先のことは今度の改正案においても何も根拠がないわけです。その際に、たとえば法律に根拠がなければ、当然これは農地法に根拠を求めるということになると思うのです。そうなると非常な混乱が起きるわけでしょう。だから、利用増進計画の中において、大事な契約条項等については、存続期間の問題も当然でありますが、善意な管理と耕作をした後で、さらに所有者である利用権設定者がみずから耕作する意思がない、あるいは他にその農地を売り渡す意思もないというような場合においては、三年ないし五年間、その農地あるいは農用地を農地としての目的に十分供して十分な成果を上げたという場合においてはさらに存続することができるというような合意の契約条項というものが——改府案によるとこれはいわゆる利用増進計画ということになっておるわけですから、ちょっとぴんと来ないのですよ。計画だから手軽でいいように考えていますと、中身というものは非常に大事なものだけ並べてあるのですからね。私は、規定よりも計画の内容というものが非常に重要だと思っているのです。だから、この素案の中身についても、欠けたる点については十分充実するようなことにする必要があると思いますが、その点はどうですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 存続期間の問題につきましては、これは指導方針といたしまして、少なくとも三年を当面の目標といたしまして、地域の実情に応じ漸次その目標に到達するよう指導してまいりたいというふうに考えているわけでございます。もちろん、この利用増進事業が、作物によりまして、あるいは時によりましては、裏作だけの利用増進事業ということがあり得るわけでございますので、それぞれの地方によって、あるいは事情によっていろいろと異なると思いますけれども、指導方針としての存続期間についてはいま申し上げた方法でいきたいと思います。  もう一つ、いま先生が言われましたところの、あとへのつながりの問題でございますが、この点につきましては、利用増進規程の中におきまして、前の契約が、前の増進計画の満了とともに引き続いてまたそれが計画されるものとするというかっこうで義務づけたいというふうに考える次第でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは問題を整理しますが、利用権設定の場合の存続期間というのは三年をめどにするわけですか。  それから、存続期間が満了した場合は、この規定によっても第二回目の利用増進計画を立てることができるというふうにはなっておるが、それは必ずしも更新を意味した、継続を意味したものと違うのですね。第一の三カ年計画が終われば、それでもう終わり、また別にその区域等を対象にした第二次の計画を策定して実施することができるということになっておるので、それではこの延長とか継続ということにならぬわけですね。だから、その接続というものは、その当事者の合意、契約の中で延長、接続ができる根拠というものは、農地法による法定更新規定を持ってくれば何も問題はないが、皆さんはそれはもう何とか避けていきたいということですが、しかし、契約条項の中においてはこれは明確にしておかぬと、これは全く耕作者の権利というものを一方的に無視したようなことになると思うのですよ。なぜかというと、この利用権設定の場合は、たとえば農地法の規定によると、小作地の所有制限の規定というのは別表によって明定されておるのですよ。それ以上の小作地を所有することができないわけだから、超過した小作地を所有しておるということがわかれば、農地法においては、農業委員会が直ちに指摘をして、その超過面積というものを国に売り渡せという指示ができることになっているのですね。ところが、この農振法の利用増進事業においては、全員の同意で賃貸借契約が利用権の名称のもとに締結された場合においては、そのことによって生ずる小作地の所有面積超過分については農地法の規定を適用しないということに政府案には載っておるわけですからね。これは非常に重大な問題だと私は思いますが、ただ、政府の考えが、あくまでも長期化するものではない、暫定的にこういうような手法を講じて、次の段階には、所有者がみずから耕作しない場合においては、当然農地法の規定に基づく小作契約に移行させるという考えがあってこういう暫定的な方法を考えたのではないかというように私は善意に考えておるのですよ。ただ、所有者にとって、小作地の制限が全然ない、青天井で幾ら小作地を持っても構わぬというような、そういう農地法を排除したような規定を設けて、そうしてこの全員同意の利用権設定をしようとしておるわけですからして、そうなれば、これに対抗して、耕作者が存続期間中善意な管理と耕作をした場合においては、さらにこれは優先的に継続するものであるというような合意事項とか、あるいは覚書でもそれはいいですが、それをして、あとでこれは農業委員会に報告あるいは決定を求めるということになるわけですが、その点はどう考えているのですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 利用増進事業というものが、先ほどもちょっと申し上げましたような、現在の土地に関します環境の中におきまして流動化が進んでこないということに対処して、貸し方が安心して貸せるようにするということが一つの大きなポイントになるわけでございます。したがって、そういう意味におきまして、先生御指摘のように法定更新ということについての例外を認めたわけでございますが、その他、そういうことによって貸し方が安心して貸せるようにするということが一つのポイントであるわけでございます。ただ、利用者側から言いますと、この期間が実態的に継続していかねばならぬということであることが必要になるわけでございますので、この事業の開始に当たりましては、所有者等の理解を得てできるだけ多くの者が参加できるようにいたすための周知徹底を図らねばならぬわけでございますが、それとともに、市町村が定めます利用増進規程の中に、市町村が利用権の継続設定のための利用増進規程の切れ目のないように定める旨を明確にさせていきたいというふうに考えているような次第でございます。  なお、先ほど三年という問題についての御指摘がございましたけれども、これは作物なり地域の実情という問題もございますけれども、少なくとも三年を当面の目標として、地方の実情に応じて漸次目標に達するように指導してまいりたいというふうに考えているわけでございます。先般の参考人の意見聴取の際にも、実際にこういう事業を行っております参考人の方から、定着化した段階において五年が適当であろうというふうなお話しもあったような次第でございますので、これも参考にさせていただきたいと思うわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 だから、余り安易に走って条件を緩和しながら、安心して農地を貸す人がないというようなことでいけば、この際農振法の改正でそういう別な方法を講じても、次の段階には、農地法そのものの小作契約の規定とか所有者の立場だけに偏重したような農地法そのものの改悪が起きないとも限らないわけですよ。特に、この利用権設定によって参加した所有者が、農地法に言うところの小作地の所有面積を全部が超過するとは限らないが、超過した場合であっても、この分については農地法の制限規定を適用しないということは、これはもう大変なことですからね。所有者にも最大の恩恵を与えて、自分がつくっていないで放置している場合においてはぜひ他に耕作してくれということ、これは農林省が呼びかけるようなことになるわけですからね。それを頭に入れれば、所有者が貸しやすくなっても、耕作する者が安心して耕作できる条件というものを一方において設定しておかなければ、つくる者がなかったら、どんなにりっぱな制度をつくってもだめじゃないですか。その点は全然心配ないとい言うのですか。貸す者だけが安心できるようにしてやれば、耕作者には耕作権とか利用権の保護を与えないでもみんな喜んでつくると思っているのですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 現在流動化が進んでいない中におきまして、たとえば北陸でありますとか、都市近郊でありますとか、こういう地帯において作業の受委託とかあるいは請負というかっこうで一部の農家に事実上利用権が集積されている事実もあるわけでございます。このこと自体がいいか悪いかは別といたしまして、そういう所有者の方で所有権を留保しながら安心して貸せるならば貸したいというグループがあり、また、一方で、とにかく規模の拡大をしたい農家があり、そういう地帯においては、むしろ利用増進事業というかっこうで貸し方が安心して貸せて、そして利用者側から言いますならば、それが地域の住民の集団的合意というようなことで、それを安定、継続させるという意味において、市町村の関与のもとで、利用増進事業というものでその利用権が設定されるならば、いまの兼業農家の実態等から見まして、事態的にそれが継続されるであろうというふうに考えるわけでございます。  それを裏づけるように、増進計画については引き続いて必ずやらせるように増進規定の中にもうたうというようなことにおきまして、利用者側が安心して利用できるというようなことへのてこ入れは当然しなければならぬというように考えるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、その契約の存続期間は最低三年ということで理解していいですね。  それから、もう一つは、存続期間を終わっても、所有者がつくると言えばそれでいいのですよ。本人がつくらないと言う場合には継続して契約することができるというはっきりした規定を整備して、法律のどうしても修正しなければならぬ点は当然われわれとしては修正するか、政府が一たん提出を取り下げてちゃんと整備してまた出すかという二つの方法があるが、それはまあ後で大臣の御意見を聞くことにして、いずれにしてもこのままではこれは通らぬわけですからね。その場合に、いまの存続期間を最低三年として、それ以上、五年なら五年がなおよろしい。善意に耕作した場合においてはさらに継続するということについて、この全員同意の契約の中に、農林省が模範例として示す規定の中にそういう事項もちゃんと入れて、これを必須事項として、そういうような合意による契約が成り立って、それを農業委員会の議を経て市町村から知事に提出して認定を受けるというふうにされた方がいいと思うのですが、大臣、いかがですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 この利用増進事業は農地法の統制理念の中で許される範囲における一種の特例措置であるわけでございますが、先ほどから局長が答弁をいたしましたように、これからの農地の規模の拡大を図っていく、あるいは効率的に農地を活用していくというたてまえから、この利用権制度というものを農振法の改正の中で取り入れたわけでございますが、これについては、先ほど答弁をいたしましたように、やはり、所有者も安心し貸せるということでなければならないと思うわけでありまして、そういう面から三年間ということを一応の基準として考えておるわけでありますけれども、しかし、これは、その地域地域によっては多少の地域の状況というものを踏まえた期間ということにもなり得る可能性もあると私は思いますし、また、そうしなければならぬと思うわけでございますが、その場合において、いま芳賀先生の御指摘がありましたように、所有者が安心して、耕作者がそれでは安心できないじゃないかという問題はもちろんあるわけでございます。  これはいま局長も答弁いたしましたように、最近非常に流動化がおくれておる。そういう中にあって所有者が安心して貸せるということになれば、利用化、流動化がうんと進んでいくであろうという現実の判断の中において、農業政策上こういう制度を取り入れておるわけでありますけれども、三年間たってこれを継続するかどうかということにつきましては、市町村も関与するわけでございますし、全員の同意ということでありますので、三年間たって終わるという段階におきまして、耕作者あるいは所有者ともお互いに全員の一致という形においてはこれは継続をしていける可能性は十分あり得る。ただ、そういう中にあって、耕作権を保護するところまで農地法の適用を厳しく規制していくということになると、現在のこの所有者によるところの利用増進事業に参加をするということを非常に制約することになるわけでございますから、私は、この利用増進事業というものは、そういう所有者あるいは耕作者との間の調整を現実問題として図っていく制度としては非常に現実的な制度ではないだろうかと思いますし、これによって流動化は進んでいくのじゃないだろうかというふうに私は判断をいたしておるわけでございますが、耕作者についての、今後とも続けていくということについては、これはまあ何らかの配慮をしていくということは考えていかなければならぬ問題ではあろうとは思うわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 委員長に申し上げますが、ごらんのような質疑が続いているわけですけれども、どうも、私の提起する問題に対して局長ないし大臣の答弁時間が長過ぎるわけですね。長いのはいいですよ。長い時間かかって明快にできるのであればいいが、何回繰り返しても、問題点に対して、いいとか悪いとか、そうするとかしないとかということが明らかになっていないのですよ。われわれの指摘した点が、そうではないとか、そういうことはできないというのであれば、それははっきりしてもらえばいいのですよ。そういう場合にはこの法案に反対するとか、あるいは委員会として手直しをするということができるわけですからね。だから、適当なときに区切りをつけてもらわぬと、二人で何を言っているかわからぬじゃないですか。こういう種の問題は大臣だけの政治答弁ではだめですからね。大臣に農地法を全部覚えておけなんて、私も同様で、そう言うわけにはいかぬわけだから、大山局長が問題点に対して事務当局として明快な答弁をして、それに対して、大臣として、そのとおりだとか、いいとか、つまり、裏づけさえしてもらえばいいと私は思うのですよ。  委員長もその趣旨で運営してもらいたいと思うのです。答弁に時間を食われてしまって、予定時間の倍くらい必要なことになりますからね。私の言っているのは、農地法の特例的な制度を設けて政府が農振法の改正を試みておるわけですから、利用権の設定と手軽に言っても、農地法によれば、利用権の設定については、市町村の農業委員会の裁定までの権限が農地法の中では根拠がつくられておるわけですから、そういうものも何も全部省いて、全員同意だけで、耕作者に対する利用権の擁護というものを忘れたそういう規定とか計画とかいうことでいけば、これは問題があるじゃないか、と、その点を私は言っているわけです。だから、問題がなければありませんと言ってくれればいいのですよ。質問者の質問が間違っておるのじゃないか、狂っているんじゃないかということであれば、そう言ってくれればいいんです。これは質疑ですから、何も私の言うとおりの答弁をしなければならぬということはないのですよ。いま増進規程と増進計画の問題だけでやりとりしておるだけですから、まだたくさんあるのですよ。

澁谷直藏自由民主党

○澁谷委員長 芳賀委員の発言は了承いたしました。私も質疑応答をお聞きしておりまして、同じような感じがいたします。  政府の方でも、原案を出しておられるというたてまえ上、やはりそれにどうしてもこだわるということで、明快な答弁ができにくいという事情があるのじゃないかと思いますが、だんだん審議時間も少なくなっておりますので、芳賀委員がいま言われましたように、政府側でも、端的に、明快に、その態度をこの審議を通じて明らかにされるように委員長からも要望しておきます。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 先ほど来申し上げておりますが、利用増進規程の中におきまして、計画の定めるところによって設定されました利用権の存続期間が満了した後も、その農用地の利用の増進を図るために引き続いて農用地利用増進計画を定めるものとするということを義務づけまして、そして後、手続を書いてまいりたいというように考えるわけでございます。法定更新の規定を入れられないゆえんのものは、それを入れたのではいまの利用が流動化が進まないという事態の中にあることをひとつ御了承いただいて、そういう中での増進計画を継続させるということを増進規程の中で義務づけるかっこうでこれに対処したい。その背景といたしましては……

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 肝心なことだけ局長は答弁すればいいんだよ。存続期間が終わった場合は、さらに継続できる条件であれば継続させるというようにその規定に決めて流しますと言うんだから、最初にそれを言ってくれればよかったのを言わないで、三十分も時間かけて、結局言ったわけでしょう。とにかく法定更新の規定を除外しておるんだから、それにかわる力の強いものはないとしても、全員合意でなければ契約は成り立たぬわけですから、そうであれば、法定更新にかわるところの耕作者の立場に立った存続の同意規定というものを農林省としてせめて整備して指導すべきでないか。それが私の指摘した点ですから、それはわかればいいですよ。  次は、もう一つ、利用権に関する問題ですが、この特定利用権の規定というのが今度出てきてるわけですね。いままで議論をしたのも利用権ですからね。その上に特定利用権というものをかぶせて、しかも法律で五年間の存続期間、これについては法定更新の規定は適用しない、非常に特殊な利用権というものがここへ急に出てきたわけですね。この点について簡潔に説明願いたいと思います。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 特定利用権、これの存続期間は、裁定によって決まります特定利用権は五年以内ということにいたしているわけでございます。特定利用権につきまして、法定更新はいたさないというかっこうの規定にいたしているわけでございます。     〔委員長退席、坂村委員長代理着席〕

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それは、ここに法律に書いてあるでしょう。だから、わざわざ特定利用権というものをここに持ち出したのはどういうわけですか。先ほど議論した利用権で済むのじゃないですか。この特定利用権設定の当事者というのは、農用地を放棄して耕作もしない、放棄したままになっておるという状態でしょう。そういう現況をとらえて、市町村または農業協同組合がこの農用地を放棄しておる所有者に対して、これを耕作の用に供したいからぜひ協議を整えて利用権を設定するように同意してくれということで協議を呼びかけるわけでしょう。それなら何も特定というものは要らぬじゃないですか。たとえば農地法においても共同利用権の規定もありまして、市町村あるいは農業協同組合または法律にいうところの農事組合法人等が利用権の設定を求めることもできるし、所有者との間において利用権の設定ができるわけでしょう。今度の法律の趣旨は、当事者というのは土地の所有者と地方公共団体である市町村あるいは法人である農業協同組合ということになっておるわけですからして、直接農業に従事する個人には利用権の範囲というものは及ばぬわけですね。そうなれば、現行法の規定の中において明確な根拠があるわけですからして、何も特定利用権でなくても、これは先ほど議論した利用権の設定よりも安易にできると思うのですけれども、何も知事の裁定を望んでおるわけじゃないでしょう。こちらから協議を求めて当事者間の協議を整えるということがこの法律の期待でもあると思うのですが、その点はどうなんですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 特定という名前の問題もさることでございますけれども、耕作されないままになっており、引き続いて耕作される見込みがないという場合において、利用増進事業の利用権で両当事者の間で話がつくことはけっこうなことであり、また、それが好ましい方向だと思っております。ただ、どうしても話がつかぬ場合に裁定によって強制的に利用権を設定させるということも必要であろうということでこういう規定を入れたわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 いや、規定か入っているからどういうわけだということを言っているわけですよ。いいですか。たとえば農地法三十一条には「市町村等の利用権設定」という条項があるわけでしょう。だから、今度の場合も、農地の所有者が耕作しないで放棄しておるものを農業生産の用に供するために市町村あるいは農業協同組合が利用権を設定しようじゃないかという協議を求めるんでしょう。そして、たとえば協議が整わぬような場合においては、農地法によれば、わざわざ知事のところに持っていかぬでも、その市町村の農業委員会がこれはあっせんしあるいは裁定することができるということが数カ条の規定に載っているわけですから、これもこの農地法の利用権の方へ載せれ法定更新ということに当然ぶつかるわけだから、それを避けるために存続期間は五年間として、法定更新の規定は排除するという苦心の作だからわざわざ特定利用権ということにしたと思うのですけれども、しかし、いろいろ奇妙なものを法律でつくったら大変なことになるんですよ。  そういう心配というものは一体どうやって処理するか。それが農地法上の耕作者の特に権利等に侵害となってあらわれぬようにするためにはどうするかという配慮をすることは当然必要だと思うのですよ。局長で明快にできなければ、後ろに担当の部長、課長も座っておるんですから、何も説明員ではだめだとは私は言いませんよ。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 農地法に薪炭、採草地の利用権、あるいは草地利用権というのがございます。草地利用権等の場合におきましては、開拓すれば、未墾地として買収しようと思えばできる土地というような土地について加工をして、いわば現状を変更して利用権を設定させる、こういうのが草地利用権であるわけでございます。それから薪炭、採草地の利用権でございますが、これはいわば農地改革といいますか、地主側が耕作者の持っております自家用の薪炭でありますとか、肥料、飼料用の原木、落葉あるいは草の採取というようなことについて意地悪をされないようにということで、意地悪をされるよう場合において利用権を設定しようということであるわけでございますが、これに対しまして、今度考えております利用権というものは、「特定」という名がついていることの問題はさることでございますけれども、現在農地であるけれども引き続いて農地として耕作される見込みがないという事実に着目いたしまして、そのままでは土地の高度利用に寄与しないということから協議が調わない場合には強制的に利用権を設定させるということから出てきたわけでございます。  草地利用権なり薪炭の利用権という問題につきましては、本来的に相当長期であることが予定されるのに対して、今度の利用権という毛のについては、本質的には耕作の用に供されていないということ、そして、また、今後も引き続いて耕作される見込みがないという事実の認定ということから問題が出てまいりますので、長期化ということは主張し得ないわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 政府提案の法律案の中に書いてあることをここで繰り返して読む必要はないんじゃないですか。政府提案の法案を見て、われわれはこの点に疑点があるから一体どうなんだということを聞いているわけですから、法案の中身を何回読み返したって、それは前進ないじゃないですか。市町村等の行う利用権設定条項というのは農地法にあるではないですか。それは個人が締結する利用権の各条項の規定を準用するということは農地法にも書いてあるわけですからね。当該市町村の農業委員会においても、利用権設定のための裁定規定というものは農地法に載っているわけだから、農地法の規定によった場合にはいろいろ支障が生ずるという考えの上に立って、これと切り離した利用権を別個に想定しておるわけでしょう。その気持ちはわかるが、利用権という権利を抹殺するような利用権の形というものはやはり認めるわけにはいかぬですからね。首をひねっておられたってそうじゃないですか。  だから、たとえば法定更新規定が発動できるようにすれば、一方においては売り渡しの申し出の件にしろ、対抗上与えなければいかぬわけですからね。恐らくそういうことも考えていると思うのです。しかし、本人が五年たってもさらに耕作の意思がない、それを放棄しておるということになれば、単に契約の更新だけでやろうと考えておるのは、五年間の契約期間の中において、たとえば満了の時期でもいいが、特定利用権でも何でも私の土地を農用地として拘束するのであればぜひこれを買い取ってもらいたいという申し出もあり得るでしょう。そういうことは何も想定してないじゃないですか。  たとえば現在の農地法第十六条は、所有者の申し出によって国がその農用地を買い取りすることができる、買い取るものとするという規定があるでしょう。だから、そういうように放置してあっても農用地であるということで、現況を認定して特定利用権を締結しておるわけですから、その所有者が、私は将来にわたってこれを農用地として活用することはできない、しかし、農用地区域の中で縛られておるのだから、他に転用するわけにもいかないわけだから、しようがないから買い取ってくれということになれば、現行の農振法の中においても、農地の規模拡大のための所有権移転のあっせんとか調停事項というものは規定があるわけだから、所有者が売り渡ししたいという場合においては、それを受けとめて買い取るという対応が当然なければいけないじゃないですか。いつまでも放置された農地を、町村や農業協同組合の特定利用権の設定の形だけでどうしてその農用地が有効な生産力を発揮できるかということ、これはあなた方の方がよくわかっておるでしょう。そういう配慮を一体どうするわけですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 御指摘のように、耕作放棄地というようなものについては、農業に意欲のある農家によって長期的に活用されるということが本来の方法であると思っております。したがって、農業委員会のあっせんでありますとか、合理化法人等によりまして売り渡しあるいは長期貸し付けというように行われるのが最も好ましいかっこうだと思っております。  特定利用権が万やむを得ずしてできたような場合におきまして、その満了時点におきまして所有者から買い取りの要望があったときどうするかというお話しでございますけれども、合理化事業によって対処するというのも一つでございますけれども、農地法十六条ですかによります申し出買収制度というものも活用いたしたいというふうに考えるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 局長、だから、次の発展段階における対応というものがなければ制度というものは歯車が回らぬでしょう。いままでもあなた方のやっておるのはみんなそうでしょう。この農振法ができたのは昭和四十四年でしょう。四十五年には農地法の相当大幅な改正をしたわけですからね。われわれから見れば、これは改悪されたというふうにいまでも考えておるんですよ。そのときに農業協同組合法の改正もやっておる。その新しい改正の中に、たとえばいま局長の言われた農地保有合理化法人の規定が農地法の中に出てきたわけでしょう。これは農地の流動化を進めるために農地保有合理化法人が国の資金を導入して農地の買い受け、管理ができるということになっておるんですよ。これはわれわれとしても一つの試みだと思ったが、法律はつくったけれども、これは何も動いていないでしょう。あるいはまた、四十五年に改正された農業協同組合法の中においても、農業協同組合が組合員である農業者の農業の経営を委託を受けて行うことができるという規程、いわゆる受託規程というものがある。だから、こういう特定利用権の設定をしなくても、農業協同組合の組合員である土地の所有者が、私の土地をぜひ協同組合において経営をしていただきたいという申し出をすることはできるわけですからね。ただ、その農業協同組合が総会の議を経て定款等に規定を設定していない場合は別ですけれども、相当機能を発揮しておる総合農協はみんなこの受託規程というものを農林省の指導によって持っておるわけですからね。その時代時代に思いつき合理化法人の制度をつくってみる、あるいは農協の受託規程をつくってみるということで、実績としては何もないじゃないですか。だから、私は、この特定利用権の問題にしても、現行制度のいずれかによってこれは処理できるケースだと思っておるんですよ。しかし、無理にやろうとするのを無理やり差しとめるわけじゃないですけれども、やはりこれについても十分な配慮が必要だと思うんですよ。ただ、契約当事者は市町村であり、農業協同組合ですから、その市町村や農協が当然これは直営事業の形で耕作をすると思うんですよ。まさか、町長や組合長がその特定利用権の場所へ行って働くわけにはいかぬですから、労力を雇い入れてやるのか、あるいは地元の生産組合等に何らか合法的な方法でこれを耕作させるようにするかは別として、とにかく当事者はその農地の所有者と市町村または農業協同組合ということになるわけですからね。売りたいという場合には、農地法十六条の規定で国が買う場合もある、あるいは農地保有合理化法人がそれを買い取ることができる、あるいはまた農業協同組合が、組合員の所有する土地であれば信託契約を結ぶこともできるし、それを農協が保有することも、やる気になればできるわけです。次の段階をどうしますという対応がはっきりしないと、これは国会で決めても進まないですよ。だから、そういう点を明快にしてもらいたいと思うのですよ。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 特定利用権制度の運用に当たっての問題でございますけれども、耕作放棄地等は、先ほどちょっと申し上げましたけれども、農業に意欲がある農家によって長期的に活用されるのが本来の方法でありますので、農業委員会のあっせんなり合理化事業等によりまして売り渡しあるいは長期貸し付けが行われるように指導してまいりたいと思います。  それから、また、この制度を活用する場合におきましても、まず、利用増進事業あるいは農協の農業経営受託事業の活用を図ってまいりたいと思うわけでございます。なお、それにもよりがたいというようなことになりました場合でも、極力協議によって利用権を設定するようにしたいと思っております。そして、所有者の事情とか地域農業の実態というものを考えながら、適当な期間の特定利用権を設定いたしまして、耕作を放棄されている土地の安定的利用に配慮してまいりたいというふうに考えるわけでございます。  期間が満了したときにおきまして、利用権者の意向、それから所有者の耕作意欲の有無ということを聞きながら、先ほど来申し上げましたような本格的な活用に乗せるように配慮したいと思いますけれども、やむを得ない場合でも所有者との合意によって期間の更新を行うように指導してまいりたいと思います。  なお、満了時におきまして所有者から買い取りの要望があったような場合におきましては、保有合理化法人の活用のほかに農地法十六条の申し出買収制度の活用も図ってまいりたい。  こういうかっこうで特定利用権制度の運用をしてまいりたいというふうに考えるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 いまの問題等についても、現行制度にブレーキをかけるような作用もあるのですよ。いまの制度は、農用地区域内の土地利用計画を進める場合においても、その区域の中において農地の流動化を進め、農業に専業できるような所有の拡大についてもやはり農業委員会があっせん調停の努力をする。いつまでもこういう利用権設定等を繰り返し繰り返しやるというのは、現行の農振法の主たる目的ではないのですよ。だから、たとえば五カ年間の特定利用権の存続期間が終わると、その時点で所有者は一体どうするんだということも十分配慮して——その振興地域内においては経営面積が過小なために農業に専念できないという人も相当いるわけですから、自己の所有する農用地を農業のために活用できないという者に対しては、やはり権利を移動させるというような積極的な手段を講じないと、いたずらに農地というものは財産保持的なことで終わってしまうということになるわけですから、何でもかんでも所有者の気持ちに迎合するようなことはやめてもらいたいと思うのですよ。いいですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 先ほど申し上げましたような方針で進めてまいりたいと思うわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 第三点は、交換分合の事業の問題ですが、交換分合をやる場合の規定は土地改良法に基づくということになっておるので、これは何も問題はないわけです。ただ、今度の交換分合のやり方ですね。従来の交換分合というのは、おおむね農用地の交換分合を目的として行われてきたわけです。今度は、たとえば農用地区域内の農地と非農地との交換分合という形もあるでしょう。それから、同一の振興地域ではあるが、農用地区域の中の農地と区域外の非農地との交換分合という形もあるわけですね。もう一つは、交換分合によらない、交換分合はする意思がないというものについて、それを交換分合計画の中に入れて、結局、交換分合によってかわるべき土地の必要がないというものも、交換分合計画の中でその者の所有地の売り渡しを行わせる、そういうことも含めてあるのでしょう。この三つの形式というものは、従来の土地改良法等によるところの交換分合の規定から相当はみ出した点があるわけですね。  局長、これにまた二十分もとられたら、大体予定の時間が終わってしまいますから、問題点だけ簡潔に説明してもらいたい。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 この交換分合というものは、他用途に一部の土地が供せられるということが見通された場合に、農業者の意向に応じまして、市町村が発議してあわせて交換分合を行うというものでございます。その交換分合は、農用地として利用すべき土地の農業上の利用の確保と集団化その他の構造改善の目的に促する、こういう趣旨によりましてこれを運用してまいるわけでございます。先生御指摘のように、非農地といいますか、農地自身の問題もございますし、それから、農振区域外の土地との交換の中において、それぞれの人々のほしがっているものの交換ということもあるわけでございますが、これらの規定の運用を通じまして純化した農用地、そして新たに農用地に入れるべきところを農用地に入れる。さらには、その結果として、将来とも農業を行おうという人が集団化その他の構造改善の目的に寄与するような方向で運用してまいりたいと考えるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そこで、一つは、農用地区域内の農地と非農地との交換の場合ですね。交換された非農地は一体どうするつもりですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 交換されまして、非農地が農用地区域に入るわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 入っておる場合は、農用地区域内の、現況農用地になっていない土地もあるでしょう。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 農用地区域内の農地につきましては、用途区分が明確になっておりますので、その用途区分に従った適用といいますか、目的に使用されるように指導してまいるということでございますし、また、そのために必要な措置も講じてまいりたいと思うわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 農用地区域内にまだ非農地として現存しておるもの、これは振興法では未墾地と言いませんけれども、森林、原野は明らかに非農地でしょう。だから、振興法ができて今日まで農用地区域内の非農地がいまだに非農地になっておるわけだから、それを今度は対象にして農地と非農地との交換分合をやるわけでしょう。では、交換分合をやった後の非農地は一体どうするつもりなんですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 具体的な例で申し上げるといいかもしれませんが、水田や畑を手放してでも樹園地あるいは草地を入手したいという農家があり、また、一方では、その地域に樹園地なり草地としての開発可能な山林があるという場合で、その所有者がかわりに水田や畑を求めているということになりますと、その山林、原野を含めた交換分合を行うわけでございます。その結果といたしまして、その山林、原野は、そこで決められました用途、これが農用地計画の中に定められ、そしてその目的に使われることに相なるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 局長、相なると言っても、農振法ができたのが四十四年だから、それからもうまる五年たっているでしょう。農用地区域内の農用地、いまだに農用地化されていない非農地というものは、これは区域内の土地利用計画の中で一応目的が設定されておるでしょう。その中には——農地法ではこれは未墾地ですね。森林、原野等についても、そのまま森林、原野として保存するということにはなっていないでしょう。土地利用区分にしても、田、畑、樹園地、採草放牧地、混牧林と、この五様に区分されているわけですが、そのいずれにも形質を変えていないというものが相当残っておるわけでしょう。それをとらえて、今度の改正案によると、農地と非農地を交換分合の対象にするわけですからね。交換分合の対象にして一体どうするかということなんです。  もう一つは、現行の農振法の中においても農用地区域内の土地利用区分というのはできておるのですからね。いまの農振法の中には、その所有者が土地利用計画に基づいてそれを実行しない場合には、町村長が法律に基づいて勧告の発動をし、あるいは十分な利用計画の目的を実行していない者に対しては、それを農用地にするというような意欲のある地域内の特定の者に対して、それを選定して申し出をさせて調停するという規定があるでしょう。それをやっていないというのは町村長の怠慢とも言えるが、そういう状態の中で、一定区域に網をかぶせて農用地と非農地の交換分合をやらせると言っても、これはナンセンスに終わるんじゃないですか。そう思わぬですか。いま言ったのは農用地区域内の問題ですからね。  それと、もう一つは、農用地区域内の農用地と、農振区域には入っておるけれども、それは農用地区域ではない、いわゆる白地区域と言われる地域の非農地等との交換というのはどういう意味があるのかということを聞いているのですよ。  それから、もう一つは、交換を求めないものを分合計画の中に入れているのはどういうわけかという点ですね。  これらを一つ一つ明確にしておいてもらいたい。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 確かに、用途区分の指定がありながら原野のままで存在しているという事態、これを早急に本来の用途区分の目的に沿うようにしなければならぬわけでございます。しかし、たまたまその所有者がその土地の用途について希望を持たぬというような場合においては、農用地区域内にあっても、それを開発することは、合理化法人等による買い上げ等をもってしなければできないわけでございます。そこで、本当にそれを必要とする人との間において、交換する中において、それを開発する意欲ある人間に渡す。そういうことによって、その土地が農用地の用途区分どおりの目的に使われるようにしたいということが一つの目的でございます。  そして、利用される方の問題についての本来的なあり方としての、農振法による利用についての市町村長のあっせんなり知事の調停というようなことは、これは当然行わねばならぬことでございますけれども、それをやるについては、その人間の意欲ということが何としても前提になってまいりますので、そういう意味においても、先ほど申し上げましたような原野というようなものについて、本質的にそれを使う意欲、そして、また、そういう需要のある者との間における交換を行いたい、こういうことで、場合によっては原野と農地というようなことについての交換を規定したいというふうに思うわけでございます。  それから、非農地を含めることの問題もそういう意味においてあるわけでございますが、取得する者を、土地を定めないで清算金の支払いだけでするということについての御質問があったわけでございますけれども、これは、労働力不足でありますとか、あるいは居住移転というような事情によりまして土地を処分したいという意思を持っている所有者もあるわけでございますので、そういう人の申し出なり同意によりまして、土地を取得することなく清算金の支払いをもって足りるようなことにしたわけでございます。そういうかっこうで清算金支払いを受けた者の有します土地というものは、農用地区域にありますならば、そこにおいてその土地の規模拡大を図りたいというような意思のある人にそれを渡す、あるいは農用地区外の土地でありますならば、それらの土地を取得する希望を持つ人間に渡す、そういうようなかっこうで規模の拡大に寄与させることも、この際交換分合という手法の中で農用地区域の純化を図り、そして規模拡大を図りたいという趣旨からで、金銭だけの交換といいますか、取得すべき者なしに清算金だけで済ます方法もこの際交換分合の中に入れた次第でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 もう一つ。問題ごとに聞きますが、農用地区域内の農地と非農地の交換の場合ですね。いま局長の言ったのは、その非農地の所有者が土地利用区分の目的に沿わないで現況のままにそれを所有しているという場合も交換分合計画の対象にするというようなことを言っておるが、これは間違いだと思うのですよ。交換分合に乗せる前に当然町村長が勧告をする、あるいは意欲を持った者を選定して調停の申し出をさせるという手順を経ないで、意欲のない者をそのままにして、今度は農地と交換させるというのは間違いじゃないですか。これは問題があると思うのですよ。利用計画上これは森林、原野として目的があって保存しておるというものと農用地との交換ということであれば話がわかるが、計画実行の意思の全然ない者の森林、原野を対象にして交換するというのはおかしいじゃないですか。それであれば、現行の勧告あるいは適当な者の選定による調停の実現ということにした方がいいと思うのですよ。  それから、もう一つ、交換分合というのは対物交換でしょう。片一方は農用地を持っておる、片一方は金によるということになれば、物と対価の交換ということにはならぬでしょう。売買ということにしかならぬじゃないですか。その区域内の所有者が農地を保有する意思はない、売りたいということであれば、交換分合計画の中に入れて、対価の支払いによってその農地の所有権を移動させるという必要は全然ないじゃないですか。そういうことがあれば、当然、現行法の規定によって地元の農業委員会が権利移動のあっせん等ができることになっておるわけですからね。近ごろのあなた方のやり方は、一体何を考えておるのかわからぬですよ。奇想天外のことさえやればいいというわけじゃないでしょう。いままでは退却の農政でしたから、中途で退却するから何をやってもいいと思っていたかもしらぬけれども、今度は、安倍さんになってからは攻めの農政ですから、真っ向から真剣勝負のような気持ちで立ち向かってもらわなければならぬのですから、これは外した方がいいと思いますがね。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 金銭だけの清算という問題を常にやるということではないわけでございますが、いろいろの交換分合をやる中において、たとえばその中に、一人といいますか、少数の人間がどうしてもこの際処分したいんだという人がたまにあるならば、それも例外的なものとして入れませんと、結果的に利用しようとする人の集団化というようなことにも、それによって阻害される場合なしといたしませんし、あるいは規模の拡大を期待するという人間がおり、しかも、交換すべき相手が必ずしもすっきりいかぬというようなこともあり得ますので、例外的なこととしては、金銭によって清算するということもあってしかるべきではないか、あってもやむを得ぬのではないだろうかというふうに考えるわけでございます。     〔坂村委員長代理退席、委員長着席〕

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 この点は、そういう答弁じゃだめですよ。そういう事例は交換分合計画を立てる前に予測できるし、確認できるのでしょう。交換分合計画を行う地区というものを一応あらかじめ選定するわけですからね。その選定された地区の中において、甲なら甲という、将来所有する意思も耕作する意思もない、有利な価格であれば売りたいという農用地の所有者がおれば、これはいろいろな角度からあっせんをして、権利の移動をまず完了させておく。そして、どうしても交換分合をする必要がないというものについても交換分合区域の中に入れなければならぬということであれば、そういう所有権の移動が行われた後に入れてみても意味がないのですからね。その者は交換分合する意思がないというのを無理やりに、いや、これが区域だから入りなさいと強制して入れるわけにもいかぬし、たまたまその中に非農家がおったとしても、これを入れなければならぬということはないでしょう。交換によらないものを無理やり交換分合の仲間に入れても、これはどうしようもないじゃないですか。こういう問題はやはり整理した方がいいと思うのですが、大臣どうですか。これは変に思わぬですか。交換を求める意思のない者を、区域内に居住しているからといって無理やり仲間に入れて、その者については対価の支払いで終わらせる、それも一種の交換分合であるというような解釈、これはどうしても無理だと思うのですね。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 交換分合計画、この法律、私たちの趣旨は、やはり、大きい意味における流動化を進めるということですから、これはそういう面ではきわめて例外的な措置として、そういう中にあってこれを認めるということもやむを得ないことじゃないだろかと私は思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これはあんまり大まか過ぎるからこういうことになっちゃうのですよ。これはあんたが大臣に就任する前に、倉石さんの時代に提案された案ですけれども、倉石農林大臣の時代に提出したのだから、後任の大臣として苦情を申すわけにもいかぬ、まあしようがないと、おそらくあきらめているのでしょう。明敏なあなたがこれを不思議に思わぬはずはないと思うのですよ。しかし、これは問題点が明らかになったということだけは念頭に置いてもらいたいと思うのです。  その次に、もう一つ、今度の改正で農業振興整備計画の変更の条項が出ていますね。この変更というのは、従来、計画が設定されて、都道府県知事が承認して農林大臣に報告した、その計画の変更ということになるわけですから、この変更については、現状よりも拡大の方向に向かっての変向であるか、戦線整理のための縮小に向かっての変更であるか、それはどう考えておられますか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 率直に申し上げますと、両方のことが考えられるわけでございます。  といいますのは、農用地区域の一部が他用途に供せられることが客観的に見通されるというふうな場合に農用地計画の変更を行うわけでございます。その際に交換分合もあわせ行うわけでございますが、これをやる際には、客観的に見通されるから常にそれに従わねばならぬということではなくて、むしろ、かって土地改良法の創設換地の際に一定の限度を設けましたと同じように、一定の限度を設けねばならぬだろうというふうに思います。そして、集団的な優良農用地を確保するという意味からいきまして、必要最小限度にとどめねばならぬだろうというふうに思うわけでございます。  しかし、そういう単なる縮小だけではなくて、あわせてそばに農用地に編入すべき必要な土地がある場合は、極力それも取り入れたかっこうで変更を行いたい、そして、その過程の中におきまして、交換分合等の手法も、そういう意味においても、新たな土地を編入させる手段としても活用してまいりたいというふうに考えているわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、計画区域と言っても、一つは農業振興区域ですね。一市町村内の場合もあるし、広域振興区域ということになると数町村にまたがる場合もあるのですけれども、いわゆる振興区域と、その中の農用地区域というものがあるわけですからね。変更ということになれば、主として、すでに設定されておる農用地区域を拡大の方向に——いわゆる白地地域の中に残っている農用地に編入すべき個所を農用地区域の中に拡大するという意思でことさらに変更規定というものを設けるのか。  それから、全国的にはいろいろな様相がありますが、ある地域においてはできるだけ農用地区域の中に入りたくないという所有者もおるわけですからね。それでは、そういう者の希望を尊重して農用地区域を縮小する方向に行くように、あるいは整備の変更をするかということにもなるわけですよ。同じ変更でも、一体攻めていくのか、退却でいくのか、これは大臣の意向を十分尊重して答弁してもらいたいのです。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 農用地区域を極力広げて、将来の農業生産の最も重要な拠点としなければならぬということは、われわれといたしましては肝に銘じてそういう方向で進めたいというふうに思っておるわけでございます。  ただ、個々の農用地区域の話になってまいりますと、全域農用地区域になっているが、ところが次三男坊の家を建てる住宅地もないというようなところから、住宅地区部分をどこかにつくらねばならぬというような事態もあり得るわけでございますが、しかし、基本的な姿勢におきましては、農用地区域を極力広げ、そして、それを中核といたしまして、今後の食糧事情の向上に資するといいますか、あるいは担い手の育成に努める等、今後の農政の基本的な方向へ持ってまいりたいということでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 その点はよくわかりました。  ただ、市町村が、農用地区域外の白地区域の中から農用地区域に、これは適地であるから編入するという計画を立てても、所有者がそれに応じない場合があるでしょう。その場合には、これは知事の裁定まで持っていくわけですから、それに対抗しての所有者の不服申し立てというものは、不服審査の段階まで、法律に基づいて所有者の権限の擁護というものはありますけれども、いまの局長の答弁のような形で区域の拡大をするということになれば、本人においてその意思がないとか同意しない場合が非常に多くなってくると思うのですね。そういう場合には積極的に規定に基づいて拡大をするように市町村を指導するのか、所有者の権利を尊重して、余り無理をするなということでやるのか、その点はどうですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 農用地区域の変更に際しまして、知事に対する異議の申し立て等が行われるわけでございますが、われわれといたしましては、その住民といいますか、農用地区域から出たいという人間については、これを極力説得するという基本的姿勢で臨まねばならぬだろうし、そして、むしろ誘導措置というものがあわせて必要ではないだろうかというふうに思うわけでございます。  今度の相続税の特例の中で、準農地というものを同じ十年間以内に開発するということを条件にしておりますが、農用地区域内にある場合に限って相続税の猶予措置を講じたというようなことも、そういう意味における誘導措置の一つであるというふうに考えているわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 大臣にお尋ねしますが、以上、不十分ではありますけれども、今回の政府案に対して、特に問題になるような点を抜き出して質疑を行ったわけであります。大臣もお聞きになっておるわけでございますが、以上指摘した点については、政府の法案に対して何らかの修正を加えなければならぬという点が多いわけです。  修正するという場合、先ほど言ったとおり、政府が積極的に修正をするという手続もあるわけですけれども、一たん法案を撤回して、整理して、また出し直すというやり方もできないことではないが、相当これは審議が進んでおるわけですからね。そうなると、結局後刻委員長を中心にして委員会において十分総合的な検討を加えて、必要ありとする点については、これは何も行政府の意見を聞く必要はないですけれども、第一には、原則として農地法の侵害にならぬようにするという点はあくまでも守ってもらわなければならないですからね。そして、土地の所有者に対する所有権の尊重ということについても、憲法の私有財産権から言っても、私有財産としての及ぶ範囲の擁護はもちろんしなければならぬが、元来、農用地というものは、個人の私有財産であっても、食糧増産とか、国土の保全とかいう見地から見て、これは社会、公共的な大きな目的を持った国土の一部ということになるわけですからね。したがって、農地制度については、現在の農地法というものが現存しておるわけですから、特に農地法の場合には耕作権擁護というものが太い柱になっておるわけですから、これをゆがめるということは、時の政府であっても、農林大臣であっても、われわれとしては断じて許すわけにいかぬわけです。ですから、その点を十分に念頭に入れてぜひ対処してもらいたいと思うのですよ。  その点について農林大臣としての所信を明らかにしてもらいたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 先ほどからの質疑を通じまして、私としても傾聴すべき点はありましたし、また、示唆を受けた点もあったわけでございます。  私たちは、この農振法の改正を行うことによって、わが国の食糧の自給力を高めていくという農政の基本課題が一歩前進することになるという考えを持っておりますし、さらに、これによって農村における農民の生産意欲を大きく前進させるという考えで、この農振法の改正についてはぜひとも御協力、御賛同を賜りたいと思うわけでございます。  この法律を施行するに当たりましては、この法律が適切に施行されるということが何としても大前提でございますので、今後当委員会等におきまして積極的な御論議が行われて、そういう中にあって明確にすべき点は明確にすべきであるという意味の御決定というものがあり、これがこの法律の施行に当たって農業の振興にさらに大いに貢献できるということになるならば、こういう点につきましても私たちとして十分留意すべきことは当然のことであろうと思うわけでございます。  基本的には、先ほどからの御論議の中にもありましたが、この改正法案が農地法の根幹を揺るがすものではなくて、農地法の基本的な理念の中にあって、特例措置として、現実の農業情勢から見て、農業の振興を図るものであるというふうな解釈に立っておるわけでございますけれども、しかし、さらにこれを明確にするという意味におきまする御意見等につきましては十分配慮していかなければならない問題もある、こういうふうに考えるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 われわれ社会党としてはなぜこの点を強調するかというと、冒頭に申したとおり、昭和四十五年に、農地法の改正について、当委員会としては力を尽くして審議を行ったことがあるわけです。  それは、第一、農地法の目的を改正するという政府案が出たわけですからね。農地法の目的は、農地は耕作者が所有することを原則とするということと、それから、耕作する者の耕作権擁護ということ、これが二本の柱になっておるのですよ。それを薄める目的の改正が昭和四十五年に政府から提案されて、それにつながって相当大幅な改正が行われるということになったわけです。いまの事務次官の中野和仁君が当時農地局長でして、この委員会において私と中野君が八時間にわたって論戦したという記憶も私は実はあるわけですよ。だから、これは農林委員会の芳賀貢という一個の委員がきょうは議論しているわけではないのですよ。日本社会党として、その立場に立って議論をしておるわけですから、その点は間違えないようにしてもらいたいと思うわけです。  もう本会議の予鈴が鳴りましたから、最後に、社会党として検討した結果修正すべき問題となる点だけを列挙して質問を終わりたいと思います。  第一は、農業委員会関係の関与については、政府案の第十五条の五第四項の、「市町村は、農用地利用増進計画を定めようとするときは、」という、この場合に、当然農業委員会の決定を経る必要があるのではないかということ。  第二点は、都道府県農業会議の関与の問題でありますが、一つは、都道府県知事が農用地利用増進規程について認可しようとするときには、事前に都道府県農業会議の意見を聞く必要がある、この点を修正すべきではないかということ。  第三点は、都道府県知事が特定利用権を設定すべき旨の権限にある裁定をしようとするときには、都道府県農業会議の意見を聞くべきであるということ。  第四点は、都道府県知事が開発行為の許可をしようとするときは都道府県農業会議の意見を聞かなければならないようにすべきではないかということ。  第五点は、農用地区域以外の区域内における開発行為について、都道府県知事がこれに対して勧告をすることができるような根拠をつくるべきであるということ。そして、勧告をして、なおその勧告に従わない場合においては、命令の発動等の他の例もありますが、少なくとも、その旨を公表すべきである。そして、いわゆる社会的制裁といいますか、そういう制度に秩序を与えるということ。それから、この農地制度というものは、農地法を基礎にした制度と農振法を基礎にした制度とが二元的にならぬようにするということは非常に大切なことでございます。  社会党として検討した結果、以上述べた五点については、これは少なくとも政省令に譲って解決する問題ではありませんから、後刻委員長を中心にして各党の理事とも御相談をする予定ですが、これをあらかじめ大臣に対して率直に指摘をしておきたいと思います。

澁谷直藏自由民主党

○澁谷委員長 この際、本会議散会後再開することとし、暫時休憩いたします。     午後一時五十四分休憩      ————◇—————     午後四時七分開議

澁谷直藏自由民主党

○澁谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。柴田健治君。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 農振法に関連をしてお尋ねを申し上げたいと思います。  時間の関係上簡潔にお尋ね申し上げますから、できるだけ簡潔にお答えを願いたいと思います。  まず、われわれは、農業関係のいかなる法案を審議するに当たりましても、日本の食糧問題全般にわたって考えて、その法案が本当にりっぱな法案になるかどうかということに結びつけて判断をしておるわけでありますが、今度の農振法に関係することについて、食糧の安定的供給という言葉を近ごろ私たちは常時聞くわけであります。文章にもそういうふうに書いてある。いままでは国際分業論という言葉が多かった。ところが、いまはその言葉がなくなりまして、安定的供給論という言葉に変わっておる。しかし、本当の意味の、いい意味の安定的供給論ということには受け取り方の方から言えばちょっと疑問がある。それは、消費者の立場に立っての安定的供給論か、それとも生産農民の立場に立っての安定的供給論かということです。消費者の立場から言うと、国内で生産しようと外国から輸入しようと、とにかく安定して供給してくれればいいんだということに結びついてくる。ところが、農民の立場の安定的供給論というものは、あくまでも生産が安定し、供給も安定していくということにならないと安定的供給論というものにいろいろの面で疑問を持ってくる。  こういう気持ちを私は持っておりますので、この点についての位置づけを大臣からお答えをお願いしたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 国民的食糧の安定確保という基本的な問題ですが、これはいわば国民的立場における安定的確保ということでございますが、食糧の確保と食糧の安定的供給と言えば、消費者の立場から見れば消費の安定を図るということになるわけでありますが、しかし、国民食糧を確保するには、国内における農業の生産力を増大して、自給力を高めていかなければならない。そういう意味におきましては、生産の立場に立った意味というものも非常に大きいわけでございます。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 いままで、国際分業論で生産農民の方は常に屋台骨を揺すられてきた経過がある。それだけに、安定的供給論というものもこの両面作戦でやられるのではなかろうか。都合によったら輸入をどんどんふやしていくというようなことになりかねないという気持ちがあるものですから、やはり、安定的供給論については、日本の国民的食糧を供給するという大きな命題の中にあっても、農林省の姿勢としては生産を主体にした安定的供給論であるという、そういう位置づけを明確にしてもらいたいと思うのですが、どうですか、大臣。     〔委員長退席、坂村委員長代理着席〕

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 食糧の安定確保を図るということの大前提としては、やはり、国内における自給力を高めていかなければならないわけでございまして、そういう自給力を高めるという上におきましては、国家社会における農業の果たす役割りあるいは農業者の果たす役割りというものは非常に大きいわけでございますので、われわれとしては、農業の生産という面を、安定食糧を確保するという意味におきましてはきわめて重視していくべきである、こういうふうに考えるわけであります。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 だんだん明確な答弁になるのですが、そういう考え方を明らかにして、農林省の姿勢としては今後の農政全般にわたってそういう方向でやっていくということである。しかし、いままでの経過からいくと、どうも思いつき農政が多くて、農林大臣がかわるたびにくるくる変わってきたということで、生産農民は余りこれを信用しなかったという弊害が起きておる。今後この信頼をどう取り戻していくかということも農政の中における重要な任務ではないかという考え方をわれわれは持っておるわけで、農民の政府に対する信頼度、信頼感を高めるという気持ちからいうと、安定的供給論というものは、いま大臣が言われるような明確な位置づけというものをしてもらわないといけない。しかし、この点は先ほどお答えになったからやや理解をいたします。  次に、日本の農業の柱としてこれを支えてきた中心的な制度の一つは農地法であり、一つは食糧管理法である。この二つが大体柱になって戦後日本の農業の伸展をやってきたと私は思っておる。中途に農業基本法もできたし、その他各般のいろいろな法律ができましたけれども、中核となったものは農地法と食管法だったと思う心そして、また、この二つを支えてきたのが農業委員会であり、農業協同組合だと思うが、これに対してどう評価して、どう認識しておるのか。この二つの制度を守り、支えてきた団体であるところのこれに対して大臣はどう理解しておるのか、どう認識しておるのか、どう評価しておるのか、その点を明確にお答え願いたいと思う。     〔坂村委員長代理退席、委員長着席〕

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 農業委員会は、市町村の行政委員会でありまして、同時にまた農民の代表機関ということで、昭和二十六年に発足をいたしたわけであります。また、農業協同組合は、農民の協同組織として昭和二十二年に発足して、今日まで活発な事業活動を通じて農業の発展と農民の地位向上に寄与するとともに、農地法、食管法との関連においても、これら制度の運用上重要な役割りを果たしてきておる、こういうふうに考えておるわけでございます。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 そう大臣が認識しておりながら、今度の農振法の中では、特に農業委員会の位置づけがはっきりしない。先般の参考人の中で見切り発車をされたという御意見が出ましたが、ほかの法律と違って、農振法については、これはみんなが協力していかなければできない事業推進であり、その法律に対してみんなが協力をしていくという姿勢がなければ成功しないと思うのですよ。ばらばらでは、いかに農林省が気張ってみたところでできるはずはない。そういう法律の趣旨から言っても、長い歴史的なそういう苦労をしてきた農業団体を通り越して、除外して、無視しててやろうとする考え方はどこから出たのかという気がするんですが、大臣にこの点についてのお考えを聞きたい。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 農地法における農業委員会の役割りは非常に重要でございますことは御承知のとおりでありまして、また、その役割りを果たしてきたわけでございますが、私たちが農振法の改正をいたす段階におきましては、もちろん、この農地法との関連におきまして、農業委員会の役割りを無視しておるわけでは全然ないわけでありまして、改正案の中におきましても、農業委員会につきましては、省令において農業委員会の意見を聞かなければならないというふうな規定も設けるわけでございますし、農業委員会あるいは農業会議等につきましては、改正法案におきましても十分その調整を図っていくということでございますので、これは無視をしているということではないわけでございます。しかし、当委員会におけるいろいろの御意見を承りまして、農業委員会の地位をもっと明確にすべきであるということにつきましては、私たちも謹んで傾聴いたしておるわけでございます。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 大臣もだんだんと理解されてきたようですが、政省令で位置づけをするというのは、それは高く評価しておるとは言えない。法の精神を生かすためには、末端の実情をよく理解して、それをよく踏まえて判断をしないと成功率が非常に低くなっていくと思うのです。  そういうことから、本委員会で各党が話し合いをして本法を修正をするということについては、農林大臣はしぶしぶながら、やぶさかではない、従うという気持ちがありますか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 もちろん、私もせっかく農振法の改正を提出したわけでありますし、農振法の改正が施行されまして、これによってわが国の農業における自給力が高まっていく、あるいは農業者の生産意欲が向上していくということになっていくことを期待するわけでございますので、そういう意味におきまして、委員会の御判断によってさらにこの法律が有効、適切に施行されるというふうな位置づけといいますか、そういうふうな考え方がこの法律案に盛られるということにつきましては、私も決してこれに反対するものではございません。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 はっきり御答弁いただいたので、これ以上余り言うてもいけないので、その点はわれわれも判断をして、了解をしておきたいと思います。  次に、昭和三十六年に農業基本法ができた時分には、これは日本の農業の憲法だ、これによって産業間の格差是正もする、地域間の格差是正もする、そして個々の農家の専業農家の育成をする、選択的拡大方式で、農業、特に畜産と果樹と水稲の三本の柱を基軸にしてどんどん進めていく、と、こう言って大きな旗を振ったわけでありますが、しかし、だんだん追い詰められて、いまや農業は、どちらかというと他産業、特に重化学工業の犠牲になっておるという受けとめ方を私はしておるわけです。ああいう憲法というような農業基本法をつくりながらいろいろな格差が出てきたし、農家の就労人口はどんどん減ってくるし、農家戸数もどんどん減ってくるということにいま現実にはなっているが、これは何が原因か、何が理由か、この点をお答え願いたいのですよ。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 農業基本法が制定されて以来、わが国の農業におきましても、たとえば畜産部門等におきましては、成長部門として着実に増大をいたしてきたことも事実でありますし、また、西欧先進諸国と比べまして、農業の成長率は年率七%という成長率を達成してきておるわけでございます。あるいは、農村の過剰人口も解消し、全体としての農家の所得が向上してきたことは事実でありますが、しかし、やはり、御指摘がございましたように、過疎、過密の問題あるいは環境問題等が起こってまいりましたし、また、さらに、農村人口の急速な流出によりまして農業の労働力が脆弱化してきた、あるいは農村における兼業化が進んできた、こういうふうなことで相当問題が現在起こっておることも事実でございます。そして、これは、究極するところは、日本経済の成長が余りにも急速度に進み過ぎたところに一つの問題が惹起してきた根本的な原因があるというふうに私は判断をいたしておるわけであります。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 われわれは農村におって矛盾と抵抗を感ずることが多いんですが、たとえば高等学校を卒業するまで、いまの価格で計算をすると一人ざっと五百万円ぐらいかかる。この五百万かけた若い労働力を他産業に相当吸収される。それは所得がいいんだから、人間だからどこで働いてもいいじゃないかと言われますけれども、五百万の資本を投下していくのだから、農業でかせいだ金は全部つぎ込む。そして、足らないから出かせぎしてまで子供の教育に全力投球をやる。それが他の産業へ流出していく。考えてみると、資本も労働力も頭脳もみんな引かれちゃう。そして、農村に何が残るのかということです。そういう他産業に労働力なり資本なり頭脳なりを提供してきた日本の農村に対して、この辺で、農林省だけでなしに政府全体として、そういう人を農村に帰すわけにいかないから、要するに収益還元方式でもって思い切って農村に金を還元すべきじゃないか。日本の経済を発展させた最大の原動力になった農村に対して、農業労働者に対して、もう少し思い切って政府が金を還元すべきではないかという気がするのですが、大臣どうでしょう。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 高度経済成長が続いてきた中にあって、先ほど申し上げましたようないろいろの問題が農村あるいは農業に起こってきておることは事実であります。これは問題というよりはひずみと言った方が正しいかもしれませんが、そういう問題が起こってきておる。しかし、今日におきましては、御存じのように、国際的な食糧事情を見ましても、今後不足という状態が基調として続いていくのではないかというふうに世界の食糧事情も大きく変わってきつつあるわけでありますし、また、わが国における経済構造も、高度成長から安定成長という方向へ変革が行われていこうというふうな時期に来ておるわけでございますので、そういう中にあって、まさに農業も一つの転換期に来ておると言っても過言ではないと思うわけでございます。  そういう今日の農業を取り巻く諸情勢を十分認識した上に立っての農業政策をこれから進めていかなければならぬわけでありますが、それについては、基本的には、わが国の農業における自給力を高めていくという農業本来の趣旨を思い切って進めていくということが必要でありますし、また、わが国農業におきまして自給が非常に困難な農産物等については、海外からの安定的な供給を図っていくということも同時に考えなければならぬわけですが、そういうもろもろの事態を踏まえて、いま御指摘がございましたように、わが国の農業に従事している農村の方々が自信を持つといいますか、意欲を持って今後農業生産に取り組んでいただけるような長期的な農政の方向というものを打ち出していく必要がある。一番初めに御指摘がございましたように、農業従事者から信頼をされる農政といいますか、そういう方向を打ち出していく必要がある。それには、やはり、長期的な展望に立った農政の基本方針、基本方向というものを策定する必要があるのではないかということで、現在農政審議会にも諮問もいたしておりますし、農政審議会の御答申を四月にでも受けて、五月か六月には、こういう観点からの基本的な今後のわが国農政のあり方といった基本政策、基本方針を確立していきたい、こういうふうに私は考えておるわけでございます。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 私はいま還元方式と言いましたけれども、実際、本当の農業の見直しというものは発想の転換ということが一番大事だ。大臣、あなたも政治家だが、私も政治家としてあなたに聞きたいのですが、政治家というものはある程度の展望を持たなければならぬと思うのですよ。とこれが、今日までの戦後三十年の経過を見ると、二十年代、三十年代、四十年代が終わって、いま五十年代に入るわけですが、この間、ほかの問題は知らないが、日本の政治家が食糧問題に関して本当にどういう展望を持ってきたのかということをとらえて判断をした場合、果たして展望を持っておったのだろうかどうだろうかという気がするのです。  いやしくも政治家というものは、十年先、十五年先の食糧問題を考えたり、人口増のことを考えたり、また、経済社会発展の段階における食生活の改善なり、国民に与えていくカロリーの供給量なり、そういういろいろなもろもろのものを考えて展望を持つべきではなかったかという気がするわけですが、大臣、われわれは、日本の政府・自民党の皆さんは展望を本当に持って今日まで来たかどうかという疑問を持っているのですよ。この点について大臣の見解を聞いておきたい。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 農業が民族の中核でなければならないという基本的な考え方を持って今日まで農政を行ってきたことは間違いないと思いますし、そのために農業基本法も昭和三十六年に制定をきれてきておるわけでございますが、しかし、国民全体の立場から見ますと、最近までの世界の食糧事情というものが、食糧、農作物が非常に過剰であるというふうな状況に推移してきたために、食糧問題という意識は国民の中においてはそれほど強く出てきたということは言えないと思えるわけでありまして、そういうことで、たとえば農業につきましても、国際分業論などという考え方すら国民の一部からも出てきた事実はあるわけでございますが、最近における食糧情勢については、国民の中にも食糧問題という形で十分認識が深まってきているというふうに私は思うわけであります。  また、われわれ農政を担当する者としては、今後の世界的に不足な食糧の事情を十分認識して、その中にあって、その上に立って食糧政策を打ち出していかなければならない。そして、特に農政を担当していく者としては、最近の事態から今後を見通しての新しい決意というものが必要になってきた。私はそういうふうに考えて今後とも農政に力を注いでまいりたい、こういうふうに考えるわけであります。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 私たちが見たところでは、安倍農林大臣がいま一人で踊っておるような気がするわけですよ。これでは本当の農政の転換ということにはならないし、少々の法律をつくってみたところで、また、改正をしてみたところで成功しないような気がするのですよ。だから、大臣、あなたの号令で農林省だけが踊ったのではこれは成功しないと思うのですが、いまの政府全体でこの農業という産業に対して本気でやっておるとあなたは思われておりますか。どうですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 私も、実は、農林大臣になる際に、三木総理大臣から、石油問題とともに食糧問題は今後のわが国の政治が解決しなければならない基本的な課題であるから、ひとつそういう心組みで農政を担当してもらいたいという激励を受けたわけでございまして、そういうことで、三木内閣は総理大臣以下今日の食糧問題の重要性に対する認識は十分高まってきておる。そういう中で、もちろん思い切ったことはできなかったとしても、五十年度予算においても、食糧問題の重要さを認識した上に立っての、将来の農政を見通しての、ある程度の新しい芽というものが出ることについて、政府部内の協力を得ることもできておるというふうに私は思うわけでございますが、さらに、これが政府の認識だけではなくて、食糧問題につながっていく農業問題あるいは水産の問題を国民がもっと深刻にとらえて、そういう中で農政を見直さなければならぬ、あるいは水産というものを見直していかなければならぬというコンセンサスが今後とも生まれてくることを私は期待いたしておるわけでありますし、私も、国民的なコンセンサスを得るために今後とも全力を注いでみたいとも思うわけでございます。  そういう意味におきまして、農政審議会の答申を得て基本的な長期政策を打ち出して、そうして国民の理解も得たいと思いますし、その際においては、たとえば国民食糧会議といったような国民全体の理解を深めるような機関も今後考えていく必要もあるのではないかというふうに感じておるわけであります。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 大臣はまじめに物をとらえて判断し、行動されておるのですが、しかし、私たちから見ておると、たとえば五十年度の予算、この二十一兆円余りの予算の中で、自治省の県なり市町村に対する単位費用の問題に目を通してみたところ、農林省がいかに気張ってみたところで、県なり市町村なり農民なりが一貫した協力体制ができるようにしてやらないと、多少の予算をつけてもだめである。飼料対策費の補助を三十億よけいつけたとか、こちらの予算を幾らかつけたからとか言っても成功率は少ない。これは本気でやっておるとは思えない。今度の単位費用の配分を見ておると、正直言って、国が政府全体で力を入れておるやつがうんと伸びておるのです。環境整備、それから経常費の中に投資的経費だとか経常経費で分類されておりますが、たとえば投資的経費では、県の段階では農業行政費、林野行政費は昨年どおり、ゼロです。全然上がっていない。投資的経費はゼロです。それから市町村のものを見ても、投資的経費は上がっていないに等しい。あとの省は大分上がっているのですよ。交付税の単位費用、県なり市町村の産業経費の中で、特に農業関係投資的経費は——いま、地方公共団体は財政硬直化と総需要抑制の両面作戦でピンチに立っている。その中で、あなたが一生懸命食糧問題を見直して農業政策を強力に進めていると言いながら、自治省の方は何も認めていない。これで政府全体、三木内閣全体が農業に本気でやっておりますと言えますかどうか。私は、農林大臣の安倍さん一人がいきり立っているのじゃないか、政府全体にはあなたの波及的影響力は何もないのじゃないかと言っているのです。全然上がっていない。そして、今度の農振法でどんどんやらせますと言ったって、市町村なり県がそういう単位費用がふえないのに何ができるのかという気がするのですが、大臣どうでしょうか。あなた言われるけれども、三木内閣全体が本気でやっていると思えますか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 五十年度予算につきましては、もちろん私もこれで十分であるとは思っていないわけでございますが、公共事業費につきましても、道路、港湾といったものが四十九年度横並びという中にあって、わずかであっても三・四%伸びたということは、農業の重要性というものに対する認識がここに出てきたと思うわけでございます。もちろんこれで十分であるはずはないわけでございますが、少し出てきておる。同時に、また、非公共といいますか、一般事業については、四十九年度に比較して二四%の伸びを示しておるわけでありまして、そういう点から見ましては、予算全体としては抑制基調の中に組まれたわけでございますから必ずしも期待にこたえるまでには至っていないわけですが、ある程度の評価はされてもいい予算の内容であるのではないかと思っております。  たとえば項目別に見ましても、先ほど御指摘がございましたような飼料増産につきましても、粗飼料の緊急自給対策費を打ち出すことができたわけでありますし、いままで、この数年間農業政策の中にあってはなかったところの、いわゆる食糧増産という形の新しい予算、これは構造改善事業を通じて予算の配分を行っていくわけでございますが、食糧増産費という形で三十億の予算を獲得することができたとか、あるいはさらにまた相続税について、軽減措置あるいは金融問題としての近代化資金の枠の拡大といったこと等も、農業予算の中にあっては、これからの新しい農政に移っていく場合におけるある程度の芽を出すことはできたのではないか、と、私はそういうふうに思っておるわけでございます。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 私は岡山県ですが、県が米の生産調整で休耕地をたくさんつくった。この休耕地の復元費を県費で昨年から単独でやっているわけですね。今度の単位費用、県段階では投資的経費は一銭も見ていない。去年より交付税の算定基礎は一切上がっていないのですよ。今日財政硬直化と言われるが、農林省は日本の農政の欠陥をこれから埋めていかなければならぬ。復元費もこれからどんどん予算をつけていかなければならぬ。そういうことを一方ではやらしているでしょう。それで、財政硬直化だと言って抑えつける。いままで政府のやってきたやつのしりふきを県も市町村もしなければならぬ。そういう過去の反省の上に立って、これから農業と農政をどう進めるかということを考えなければ本当のものにはならぬと私は思うのですよ。いままでのやつはもうどうでもいい、これはおまえらがやれというような、地方の犠牲と責任において物事を解決していこうとする発想、そういう考え方が変わらない限りいいものにはならぬ。苦しみも悲しみもみんなお互いに一緒に味わおう、過去のわれわれが悪かった、責任をとりますということで、責任の分野を明確にしながらそういうものを進めていかないといいものにはならぬと私は思うのですが、大臣、よう研究してください。  時間がございませんから先を言いますが、この農振法が昭和四十四年にできるときには、建設省の新都市計画法ができるから急いで領土宣言をやるということで、区域を守る、優良農地を守るということであわててやったのですが、われわれもそれには賛成した。ところが、優良農地が守られなければならぬのに、この法律ができてから農地の移動、流動が非常にひどかった。農振法ができてから特にひどくなったという経過があるわけですが、局長、これは農振法が不備だからこんなことになったのか、行政指導の面で力足らずで及ばなかったのか、どちらかですね。農振法ができから今日まで、岡山県でも山林、原野を含めて、この三、四年の間に五万ヘクタール売買されているのですよ。それで、買うには買ったけれども、七千ヘクタールという手もつかない土地がいまだにある。五万ヘクタールの中で農地が大分動いているのですが、農振法ができてからなぜこんな現象が起きたのだろうか。領土宣言だということで、優良農地を守るという精神でつくった法ができながらそういうことが起きたということは、局長、これは何が原因ですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 農地の転用という問題につきましては、御存じのように、農地法に基づきます転用基準に基づいて転用が実施されるわけでございます。農振法に基づきます農用地に入ってまいりますと、これは農振法によりまして農用地区域内の農地は転用してはならないという方向で運用しなければならぬというふうなことになっているわけでございます。  農振法ができまして、農用地区域が四十八年までかかって指定が終わり、そして、現在、全国に九九・何%までようやく網をかぶし得たというふうに考えるわけでございます。農振法が契機となって、と言いますか、農振法以来転用がひどくなったということではなくて、やはり、農地に関する限りは、経済情勢との関連において、農地の転用実績というものでも多少ずつふえてきているということが言えるかと思います。  しかし、過去におきます、ここ数年来の大幅な買いしめというような事態につきましての情報をいろいろと収集している過程で見ますと、その中に占める農地の割合というのは比較的少ないというふうに考えるわけでございます。山林原野などが大幅に買い占めされ、それと関連する迫田のようなところが同じく買い占められていくというようなケースが比較的多かったと思っております。  現在のように農振法が全国に網を張った現段階におきましては、そして、また、今度の改正によりまして開発規制ができるという事態になってまいりますと、先般できました森林法とも相まちまして、こういう買い占めというようなものに対処する方法ができてきたというふうに考えるわけでございます。なお、国土利用計画法によりまして、規制地域内であれば厳しく、規制外でありましても届け出というかっこうに対する是正措置というようなことも可能になっておりますので、今後の問題としては、これら各種の制度によりましてこれらの買い占めには対処し得るだろうというふうに考えるわけでございます。  反省してまいりますと、過去の土地全体に対します動きの中で、農地の転用もそれの一環としての動きであったというふうに考えざるを得ないわけでございます。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 あなたたちは日本語でどのようにでも言って逃げられるけれども、直接間接にこの被害をこうむるのは農民なんですよ。特に、この農振法で農用地の区域指定があるという中で、生産調整をやって休耕地をどんどんつくらした。優良農地として守るのなら、休耕地をつくるということは、これはもう形式農地なんですよ。本当の農地じゃない。これは台帳面の農地であって、本当に付加価値を高めるような農地ではない。利用しない農地は形式農地なんですよ。そういう形式農地をどんどんつくらした、休耕地をつくったということは、局長、どう反省しているのですか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 ただいまの御質問は農振地域内の休耕地の問題でございますが、これは先生御案内のとおり、当時の米の需給事情にかんがみまして、四十六年度から米の生産調整及び稲作転換を進めてまいった。その場合、当時は二百万トンを超える規模であったわけでございます。もちろん、その場合に望ましいことは転作でございます。米をつくっていただかない、いわゆる転作が最も望ましいわけでございますが、何分これを当時は二百万トンを超える規模でやらなければならぬという事態でございまして、いわば緊急の措置といたしまして、休耕もやむを得ないということでやったわけでございますが、しかし、休耕は三年限りということで、四十九年度からは休耕奨励金は打ち切りまして、転作に一本で進んでまいったわけでございます。  ただ、その場合、御指摘のとおり、四十八年度まで休耕いたしたものが過半は米とか転作に復帰いたしましたが、なお不作地のまま残っておるものがございます。これらも国土の有効利用という観点からは極力生産に復帰してもらうようにするということが必要でございますが、ただ、その場合に、これらの休耕になっているままのものにつきましては、経営条件でございますとか、立地条件でございますとか、いろいろございます。たとえばこういうところは谷地田が多いとか、あるいは都市近郊の転用待ちみたいなものが多いという実態もございます。したがいまして、これを今後有効に利用するには、まず実態を把握いたしまして、それに応じた対策を立てなければならぬというわけでございまして、そのためにまず実態調査をするということで、五十年度予算ではそのための調査費も計上して、実態を十分把握して、その上で次の対策を講じていこうというように考えているわけでございます。  さらに、それまでの間でも少しでも有効利用いたしたいということで、これを転作に誘導する場合には、従来の稲作転換事業の中でも条件を緩和いたしまして極力生産に復帰するようにいたしたいということをやっておりまして、それと相まちまして、実態を十分把握いたしまして今後の対策を進めてまいりたいというふうに考えております。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 あなたの答弁を聞いていると緊急という言葉を使っているが、緊急という言葉は余り使ってはならないのです。災害の場合は緊急なんですよ。これは一つの政策なんですよ。緊急という言葉は、そういう物のとらえ方というのは、あなたは大きな誤りを犯す。主要農産物というのは米だけじゃないでしょう。たんぼを荒らしてはならない。歴史的に見ても、昔からたんぼには物をつくるということが原則なんですよ。米をつくるのは一応休んでくれ、そのかわり麦でも大豆でも芋でも何でもつくってくれということをしないから、今日、今度の農振法をつくって、君、たんぼを荒らしておいちゃいかぬ、農地で高度利用しなければならぬ、おまえこっちへ貸しなさい、何や、政府は金までくれたじゃないか、それをいまになって荒らしたらだめだなんておかしいじゃないかと、こういうことになる。農地は物をつくることが原則です。それをつくるなと言ったものが、今度は荒らしちゃいかぬからこっちへ貸せと言う。そして、あれは緊急であったのですからと言う。そんなことが通るか。農民の歴史的な使命感に対して、そんな、緊急であったというようなことが通りますか。どうですか、局長。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 私も先ほど申し上げましたが、もちろん、米にかわって転作するということが一番望ましいことはおっしゃるとおりでございます。ただ、その場合、先ほど申し上げましたように、何分、数量規模が大きいものでございますし、全国規模でなければならぬ。したがいまして、すべての地域におきまして全部転作ということはなかなかむずかしい実態もございました。したがって、やむを得ず四十六年度から三年限りは休耕も含めてやったわけでございますが、これは本来望ましくないことでございます。したがって、四十九年度からは転作一本にいたしたというふうにいたしたわけでございまして、いわばその間の経過的なやむを得ない措置であったわけでございます。  ただ、その場合にも、休耕地につきまして、御案内の休耕奨励金も出たこともございまして、農家の方々はいろいろな管理をしておられまして、大部分は良好な管理ということでございましたものですから、先ほども触れましたが、過半は生産に復帰した。しかし、残念ながら一部は不作地のまま残っている。これも国土の有効利用の見地からは極力生産に復帰をするように持ってまいりたい。ただし、それにはいろいろな条件がございますから、まず実態把握をいたしまして、その上で対策を講じたい、こういう趣旨で申し上げた次第でございます。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 責任は感じておられるのですか。どうですか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 これは責任というお言葉の意味にもなるわけでございますが、当時といたしましては、休耕を含めて生産調整をせざるを得なかったというやむを得ざる経過的措置であったわけでございます。したがって、それに対しまして休耕奨励金の措置も講じたわけでございます。それを活用なさって休耕地を管理して、その結果生産に復帰したのは過半はあるわけでございます。その場合、そうでないところもある。それはそれぞれの立地条件、経営条件がございますから、その事態になったわけでございますが、そういった実態を踏まえましても、さらに国土の有効利用という見地からこれを生産に復帰いたしたい、それには十分実態把握する必要がある、その上で対策を講ずる、こういう趣旨で申し上げたわけでございます。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 正直言うて、責任をちいと感じるようなことを言うてもらわないと困るのですね。収益を抑えるために奨励金を出したので、ペンペン草を生やさしたというのと奨励金を出したというのとは違うでしょう。米をつくるという収益を抑えたのでしょう。それからペンペン草を生やしたというのとは違うのです。ほかのものをなぜつくらせなんだかという、その物の考え方が気がつかなかったかどうかなんですよ。     〔委員長退席、笠岡委員長代理着席〕  そうすると、都道府県の方は、どちらかと言えば、市町村を含めて、あなたらに強姦された方だ。強姦された方が、いま予算で復元費をつける。財政硬直化と言われながら予算を組んで復元をやるというのですよ。もとへ戻しおる。強姦した方が責任も感じずに、何もしない、金も出さないというのは、これから調査をしてどういう利用計画を立てますか。これは余りにも無責任じゃないですか。その責任は感じられるのですか、どうですか、こう聞いておるのです。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 御説明がまずい点は申しわけないわけでございますが、私が申し上げましたのは、ただいまは責任という言葉が出たわけでございますが、ただ、当時といたしまして、米を休んでいただくというのは、その場合に転作が望ましいということはもちろんそのとおりでございますが、当時の規模からしますと、全部転作というわけにはなかなかまいらなかった。したがいまして、転作の奨励金と休耕奨励金の両方用意いたしまして生産調整をお願いいたしたわけでございます。したがって、かなりの部分は転作していただいた。しかし、できないところもあったという場合には休耕をいたしたわけでございます。その休耕の場合でも、休耕奨励金を活用いたしまして管理を続けたところもございます。したがいまして、四十九年度から生産に復帰したものもかなりございます。しかし、やはり、いろいろな経営条件、立地条件がございまして、残ったところがあるという事態であるわけでございます。  したがいまして、その実態に応じでまず調査をして、その次の国土の有効利用の見地からの施策を講じたいということを申し上げたわけでございまして、そういった一連の経過を見ますと、こういった措置をとることが一番実際的ではなかろうかというふうに考えるわけでございます。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 役人というものは都合のいいことばかり言うてる。今度の農振法で、休耕地まで含めて、荒れているものを今度は全部農地に高度利用せいと言うわけですからね。常に下の方の者が犠牲と責任においてやらなければならぬというところに、日本の農政に対して信頼が起きない理由があるのですよ。悪ければ悪くたっていいですよ。あれをやったことは失敗だったと率直に認めればいいのです。実際、米はやめさせたけれども、かわりに何か植えさせればよかった。農地には何かをつくるというのが歴史的な原則であったが、農林省はその原則を崩したのだ。何かをつくらせばよかった。何でもいい。そして、奨励金をやる。その転作の品目別に厳しく規制までするから、おれは芋を植えた方がよかったけれども、芋を植えたら転作奨励金をくれないから、ということになる。そして、また、転作の優良農地まで含めて、たとえばおいしい米がとれるところまで役人のそろばん勘定で一律に各町村へ割り当てをした。終戦後の米の供出の割り当てと一緒で、おまえのところの部落は何町歩減らしてくれ、おまえの部落は何戸戸数があるから、いいところも悪いところもない、何戸やめてくれと言う。まるでもう一律にそろばんをはじいて、応用動作もできなければ何もできない。そんな生産調整の割り当てをして、強制的に休耕させた。これはいい土地だから一、二年荒らしたら後は大変だとわかっておるのだが、それを責任を感じないということはどうだろうか。松元局長、あなたはもう少し責任を感じなければだめですよ。しかし、これはもうこれ以上追及しません。  ところで、今度のこの法律を出したねらいは飼料対策じゃないですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 現在、六十年におきます農業生産と需要の見通しにおきまして、そして、また、それを背景としてどれくらいの農用地が必要であるかという問題を考えますときに、やはり、一番大きなウエートを占めますのは草地であるというふうに考えておるわけでございます。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 今度の農林省の「農産物の需要と生産の長期見通し」の中を見ても、飼料、粗飼料、濃厚飼料というふうにある程度力点を置いておられるわけですが、粗飼料と濃厚飼料は大体何をどの程度生産するのか、品目別に御説明願いたいと思う。

沢邊守農林省畜産局長

○沢邊政府委員 六十年の生産見通しにおきましては、粗飼料は、TDN換算でございますが、四十七年度の四百七十三万七千トンに対しまして、六十年度では九百二十六万九千トン、それから濃厚飼料は、これもTDN換算でございますが、四十七年度は一千五百五十一万六千トン、六十年度は二千六十万九千トン、こういうように出しておるわけでございますが、お尋ねの粗飼料、濃厚飼料それぞれにつきまして品目別にどのような生産見通しを考えておるのかという点につきましては、これは飼料需要の、と言いますか、飼料の消費のパターンも十カ年間たちますとかなり変わりますし、たとえて申し上げれば、十数年前には糟糠類が濃厚飼料の大部分であったのが、最近ではトウモロコシなりコウリャンというようなものが非常に多量に使われているというようなこともございまして、今後十年間にはこれもかなり流動的に変わるのではないかというふうに思いますし、また、価格関係も世界的にもあるいは国内的にもかなり流動的でございますので、正確な品目別の積み上げはそれぞれきちっとはいたしておりません。  公表に足るものを固めてはおりませんけれども、おおよその傾向といたしましては、粗飼料につきましては、何と申しましても牧草、青刈り飼料等のいわゆる飼料作物を二倍以上ふやしていくというような点に重点を置いて考えておるわけでございます。低質粗飼料につきましては、稲わらとか野草類の生産なり利用はある程度ふやしていきたいというふうに考えておりますが、野菜のくずだとかカンショの芋づるだとかいうようなものはこれまでの傾向を見ますとどうしても利用率が下がっておりますので、それら全体を見て、低質粗飼料は四十七年の基準年次から比べますと若干減になるのではないかというように見ております。飼料作物の中ではこれを重点でやるわけでございますが、その中では特に牧草類をふやしていきたい、青刈り飼料よりは牧草類をふやしていきたいというように考えております。  次に、濃厚飼料の方でございますが、これは、まず、穀類につきましては、トウモロコシ、コウリャンについては国内で生産をしてまいりますことがいろいろな事情から考えてなかなか困難であろうということで、重点を、裏作でございます麦類、飼料用としては大裸麦でございますが、これに重点を置きまして、約三十万トンの生産を考えております。  これが穀類では特色のある六十年の展望におきます考え方でございますが、糟糠類、フスマとか米ぬか等につきましては食用の方がそれほど伸びませんので、同時に生産されますふすま、米ぬか等も余りふえないということで、四十七年の基準年次に比べますと微増程度ではないか、油かすにつきましては、大豆の油かすは、配合飼料全体が伸びるということになりますとかなりふやしていく必要があるのではないか、一・五倍前後にはふやしていくべきではないか、と、こういうように考えております。  なお、芋類につきましては、地域的にはもちろん飼料用の利用が続くと思いますけれども、全体といたしますと、四十七年度の基準年次に比べますと減少してくるのではないかというような見通しを立てております。  最後に魚かす、魚粉も、四十七年の基準年次からすると大体微増程度ではないかというように考えております。  細かい数字は非常に流動的でございますので固めてはおりませんけれども、傾向としてはそのようでございます。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 大ざっぱな説明なんですが、これはいずれまた改めて資料をもらいたいのですが、飼料拡大をするなら、毎月変化のない数量で供給していかなければならぬ。いままでのいろいろな経験からというか、統計的に見ると、昨年もそうなんだが、四、五になるとえさが下がる。ことしも四、五になると下がる様子がある。四、五になぜ下がるのだろうかなと見ると、これは乳価を決めるときだ。乳価を抑えるためにえさをとっとと下げる。去年もそうだった。だから、これはなかなかうまいな、農林省はなかなか知恵を使うわいと思っておるのですが、いずれその問題は後に論議するとしても、たとえば土地改良法では基盤整備をやるとちゃんと決まっておる。それは国営、県営、団体営という、こういう基盤整備をやるわけですが、今度の農振法では、整備計画というのはたてまえは営農だ。だから、この基盤整備の方と耕作権を守っておるのは農地法だ。今度の農振法は、営農を基軸にして近代的な農村をつくっていこうということになれば、ただ土地の利用だけでなしに、それに携わる農家の所得、営農というものを考えるならば所得というものを考えなければならぬ。ところが、主要農産物は生産費所得補償方式をとらない。なぜとれないのか。それをしないと、どんなに営農奨励をしても、そして生産単位の基本を決めても、これは成功しないと私は思う。問題は、農民の生産意欲をどう高めるか、使命感をどう与えるかということを真剣に考えていかないと、これはりっぱな営農ができるとは思えない。やはり、所得のことを考えると同時に、それに魅力を持たせるような農業後継者というものを考えなければならぬ。  昨年、中国四国農政局管内で、四十八年度で農業高校の卒業者が五千五百人、農村に残ったのはたった百人であります。なぜ残らないか。農業に対する所得がない。水は低い方へ流れる。人は所得の高い方へ流れる。これは昔もいまも変わらない。農業後継者のことも考えて営農というものを考えなければならぬ。営農はやはり所得というものを考えなければならぬ。これはどちらが表、裏でなしに、一体となるものだ。その一体のものを考えないと、本当に農林大臣が考えておられるような方向に行くかどうか疑問がある。成功しないと私は思うのですが、大臣、どうでしょうか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 これからのわが国農政の基本としては自給力を高めていくことで、その大目的を貫徹していくためには農家における生産意欲を向上しなければならぬわけでありますが、それの手段として価格制度を充実していく。農作物についての再生産が確保され、また、農家の経営が安定するという形の価格制度、そのための価格制度の充実、改善というものは今後やっていかなければならないわれわれの責任であろうと思うわけでございますが、ただ、その価格制度を充実する場合において、いま御主張のようなすべての農作物と言いますか、そういう農作物の価格制度を生産費所得補償方式に一本化せよということにつきましては、今日の段階におきましては非常に困難がある。これは農作物それぞれの特性があるわけでございますし、また、農作物それぞれが生産、流通の形態も異なっておるわけでございますから、そういう農作物をすべて生産費所得補償方式に一括することは困難ではないか、むしろ、農作物それぞれの生産、流通の状態または特性に応じた価格政策あるいは算定方式というもので再生産を確保していき、農家の経営の安定に資していくという方向の方が現実に合った価格政策の方向ではないだろうか、と、私はそういうふうに考えておるわけでございます。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 時間が大分たったので、後継者問題はいずれ後の機会で論争するとして、沖繩の問題なんですが、沖繩で五十一年度までに四十九地域整備計画を立てて指定をするが、沖繩の主要農産物は何を主体に奨励していくのか。たとえばパインは果樹になっているのですが、あれが果樹かどうかわれわれも疑問を持っているのですが、それは別として、パインが売れないというような状態の中で、沖繩の農業振興は、作物としては何を基軸にして力を入れていこうとするのか。今度農振法の整備計画を立てて、その中でどうやるという考えがあれば、簡単にひとつお答え願いたい。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 沖繩はわが国唯一の亜熱帯に位置する地域であることは御存じのとおりでございますが、この地理的条件を生かした農業の振興を図っていくということが基本であると思うわけでございまして、その見地から、主要作物たるサトウキビ、パイナップルの生産性を高めるということをわれわれは最も基本に考えておるわけでございます。そして、さらに、さきに策定をされました沖繩振興開発計画に即して、畜産あるいは、野菜、養蚕、花卉等を振興して、作目の多様化というものを進める方針でございます。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 今度の農振法の改正法案の中では、開発規制であるとか、利用増進であるとか、利用権の設定だとか、いろいろ解説されるわけですが、農民の側から言うと、これはメリットがあるのかないのかということをまず考えるわけですね。それから、いままでの日本の農政がてんくらてんくら変わってきたことに不信感がある。不信感の中で今度また農振法を改正して、やれやれと言うが、いつまでこれが続くのかという不信感から、安定性、定着性というものに疑問を持っておる。それにどう答えていくかということなんですが、このメリットの問題について、これは農民の立場で考えてもらわなければならぬ。農林省の立場じゃなく、農民の立場に立ってメリットがどの程度出てくるか。やってみなければわからぬと言うかもしれぬし、また、私が答えをするわけにはいかぬが、もうこの方向で定着させていくんだ、安定性を図っていくんだという考え方があるのかどうか、見通しを聞かせていただきたい。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 農振法につきましては一昨年メリット通達を出したわけでございますが、全国に網を張りました現段階におきましては、原則といたしまして、生産基盤整備事業でありますとか、あるいは近代化施設とか保有の合理化とかいったような施策は農用地区域に集中して実施する、また、環境整備でありますとか、広域的な流通加工施設といったものにつきましては農振地域に集中する、こういうようなことにいたしたわけでございます。こういうことで、各種の施策を集中的に計画的に農用地区域を中心といたしまして集中するわけでございますが、その中におきまして、各種農民のサイドから見た場合に、たとえば基盤整備なら基盤整備についての補助率について、あるいは採択条件について、いろいろと注文もあろうと思います。いままでのような画一主義ではなくて、たとえば圃場整備にしても、傾斜の高い山合いの方の農用地区域内の圃場整備については、現在四五%という補助率を適用するのは三反圃場が三分の二を占めるというような場合になっておりますが、それを二反圃場が三分の二あればいいというようなかっこうに直していかなければならぬというようなこともあろうかと思います。その他、基盤整備事業が個々の農家の受益につながるわけでございますから、国費補助率にも限界はあると思うわけでございますけれども、補助率の改定といいますか、補助率のアップによって、事業費の増高とも絡みますが、農民負担を軽減するといったようなことも今後とも当然やらねばならぬだろうというふうに思うわけでございます。  それから、御存じのように、農振法の農用地区域に入りますと、たとえば税法上の問題といたしまして、譲渡所得税でありますとか、あるいは登録免許税、不動産取得税というものについての税法上の優遇措置、さらに今度は農地に対します相続税の問題に関連いたしまして、非農地について、十年以内に開発されるものについては相続税の猶予措置もあわせ今度の税法の改正で行うというような税法上の措置を講じているわけでございます。  こういうふうなことで、それぞれの事業を実現性可能なものから逐次取り上げる中におきまして、農用地区域が日本農業の中核となって今後の生産の担い手になってもらうというふうな方向にしてまいる、そして、また、そこに住む若人を含めた農民が住みよい環境の中で生産活動ができるようにしてまいる、そういうふうな方向で今後の施策を集中してまいりたいというふうに考えるわけでございます。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 いまの農民も非常に計算高いわけですから、メリットが出るか出ぬかにおいてはっきり説明ができるようにしておく必要があるのではないか。たとえば国営土地改良、県営土地改良、団体の土地改良というものは、いまの土地改良法でやりますと、それで残った採択は——いまはいろいろ採択基準があるわけですが、現行制度の採択基準に当てはまらない小規模のやつまで圃場整備もできるし、小さい農道もできるし、そういうものを営農と結びつけてある程度の事業ができる。そこが、利用増進計画というか、増進事業としてやれるんだということをもう少し明確にしてやる必要があるのではなかろうか。そういう小さいやつに網をかけていくという考えですね。  と同時に、また、いまの五十年度予算の利用増進事業の補助、それから県に対する事務費、市町村に対する事務費というものが余りにもその金額が少ないから成功するのかどうか、そこに疑問がある。こんな少額で推進できるだろうかどうかということですね。金額からとやかく言うては失礼なんですけれども、いままでのやり方から考えると、たとえば一県当たり推進事務費として二十九万九千円で、いまの貨幣価値から言うて、これで何ができるのだろう。市町村が三十万七千円。こういうことを考えたときに、本当に十分メリットが出るのかどうかという疑問が起きる。一地区五千万円で三カ年でやる。いま一年の間にもう何回となく物価が上がってくる。三年の間に大幅な物価上昇があった時分には、その五千万を七千万にする、一億にするというスライド方式をとるのかとらないのか、出発が五千万の査定であっても、その物価上昇に合わしてふやしていくという措置がとれるのかとれないのか、それを聞かせていただきたい。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 利用増進事業と結びつけたかっこうでやります利用増進特別対策事業、これが一地区五千万円、御指摘のとおりでございます。五千万の中で何をやるかというのは、メニュー方式ということでございますが、考え方といたしましては構造改善事業、二次構と同じような感覚でおります。  二次構につきましても、一昨年来の大幅な資材費、労賃の値上がりというようなことがございまして、本年度からは標準単価の改定をいたしまして、それから継続地区については原則として三割程度の単価アップを実施したわけでございますが、公共事業でございますと当然に物価にスライドさせております。しかし、非公であるというハンディはございますが、今後の物価の動きというもので考えねばならぬと思います。  もしも物価が大幅に値上がりするというような事態が参りますならば、これは二次構の先例に準じて改定をしなければならぬことになるだろうというふうに思いますけれども、現在のところは物価も比較的安定してきておりますので、五千万円ということでここ当分はいけるのではないだろうかというふうに期待はしているわけでございます。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 この法の中で、交換分合の中で清算の分があるのですが、先ほど芳賀委員からもこの問題は非常に厳しく質問が出たので重複は避けますが、そういういろいろなむずかしい問題がある。土地改良法における交換分合方式と、今度の農振法の改正における交換分合。ところが、その入会権だとか水利権という問題に関連する補償金というか、権利賠償金というか、そういうものが絡んだのをどうするかという点が起きるわけですね。農村によっては、河川だけから水利をとっている河川水利権と、河川とため池と両方からとっている水利権と、両方ある。河川からとっていないで、ため池だけで持っている水利権もある。水利権というものは農地と一緒に動くものである。農地がAの所有の耕作権者からBの耕作権者にかわったら水利権が動くことは常識だ。けれども、水利権を放すことによって自分が持っている権利も放さなければならぬということになったらどうするか。ため池の内水面漁業の権利を持っておる人が水利権を放したら漁業権も放さなければならぬということになったら、これはうらはらに持っておりますから、その補償をどうするか。それの清算金はだれが負担するのか。それから、水利権に伴う問題、入会権も、今度の農振法では草地改良が多いようですから、草地改良に伴う入会権というものはどうなるのか。こういう権利問題について説明を願いたい。     〔笠岡委員長代理退席、委員長着席〕

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 無形財産といいますか、非常に慣行的なかっこうで行われております問題というものは、一般的な方針というものは非常に決めたがたい問題だろうと思います。ただ、水利の場合におきましては、土地とともに動いてくる、これが普通の方向である、こういうふうに思うわけでございますが、場所によっては水利だけが耕地から分離された取り扱いをなされるところもあるやに聞いております。しかし、一般的には水利つきの耕地というかっこうで、水利だけが切り離されて取引の対象になるということは考えられないわけでございますが、もしも、先ほどちょっと申し上げましたような、水利というものが耕地から別の取り扱いがなされるような場合におきましては、水利権の対価というものと土地そのものの対価というものを合計した額をもって評価して清算をする、こういうかっこうになるのであろうというふうに思うわけでございます。  この辺の問題につきましては、非農地と農地というようなことではなくて、土地改良法の交換分合の際においても、そういう問題について地方地方によってその慣行に従った取り扱いがなされているわけでございますので、この交換分合の際のこの種水利権に、慣行水利権といいますか、それも申し合わせの、組合の持っている水利権等の問題につきましては、換地士等の意見を十分に聞いた上で、それぞれの地方の実情に応じた評価をしなければならぬというふうに考えているわけでございます。  それから、その水利権なるものがため池等の漁業権と相関関係を持つというふうな場合のお話しがあったわけでございますけれども、これまたその地区地区の旧慣によるものでございますが、一般的には水利権の対価の中に含めて評価額の計算を行うということが最も普通ではないだろうかというふうに思うわけでございます。しかし、この点についても地方地方によって非常に異なると思いますので、換地士等の十分な意見を聞いた上で、その地方に合った処理の仕方をしなければならぬというふうに考えるわけでございます。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 一時農業をやめる人が出る。水利権も離れる。水利権があることにおいて内水面漁業の認可を受けて、漁業組合員になっている。農業をやめても、休んでも、魚だけはとらしてもらいたいし、楽しみとしてやりたいが、それまで水利権がなくなってくると自動的に組合員の資格がなくなる。その点の補償は、それなら今度借りる方がその中で料金を持つのか。その点については、市町村が中に入って農業委員会と話し合いをして何ぽか権利を買ってやれということにするのかどうか。そういう農村の長い歴史の慣行という問題があって、一概に法理論的に割り切っていけるような問題ばかりはない。それらの諸雑費というものは、市町村にある程度どういう形で持たせるかどうかは別として、交付税の算定でいくのか、特別交付税でやるのか、農林省の直接の補助でやるのか、何とかこの余裕の金を持たしておかないと調整がつかない。農業委員会に調整をやれと言ってもなかなかできるものではないということがあるわけですから、これは十分研究してもらいたい。そういうてもきょう直ちに答えが出るものじゃないから、こういう点についてどうするかということは今後研究して万全の処置をとってもらいたいと思います。  もう時間がございませんが、国土庁に伺いたいと思いますけれども、いままでの新全総開発計画を手直しするということを聞いているんですが、これはいつごろ手直しをせられるのか、そのスケジュールを聞かせてもらいたい。そして、たとえば優良農地その他については、土地の利用については明確にするのかどうか。いままでのような新全総開発計画は、たとえば地域開発の中では、中国地方とか、私の方の近くのところは全部レジャーの適地になっているんですよ。レジャーの適地にさせておくと、農地なり山林原野をどうしても売ろう売ろうとするわけですね。これをとめるためには、あらゆる関係法律のかみ合わせをうまく考えてもらわなければ困るという気がするのだが、そういう点の御意見を聞かせていただきたいと思うのです。

向井清国土庁長官官房審議官

○向井説明員 お答え申し上げます。  現行の全国総合開発計画は俗に新全総と申しておりますが、昭和四十五年五月に策定されたものでございます。その計画策定後、御承知のように、過疎過密問題、土地問題、環境問題等の深刻な問題が起きまして、それに伴いまして、この計画の点検、検討というものを進めてまいっておるわけでございます。さらに、国際的情勢の変化と申しますか、エネルギー問題あるいは食糧問題というような重大な問題が起きてまいっておりますので、こういう内外情勢に即応いたしまして、さらには全般的な経済情勢の変化というものを踏まえまして、諸情勢の検討という作業を目下進めてまいっております。  それから、さらに遠い将来の話でございますが、二十一世紀、と申しましても、二十一世紀の始まりはあと二十五年でございますが、そういう遠い将来にわたりますところの経済社会あるいは文化の情勢の展望ということをいたしまして、その間における人口の変化、諸情勢の変化等を踏まえて、その辺の展望を確立するという作業をこれから進める、そのような点検、検討、展望というような作業を踏まえて、これから新しい第三次全国総合開発計画というものを立ててまいろう、予定としては五十年度、今年度中に一応作業を結了いたしたい、策定をいたしたい、計画の期間としては、いまのところ五十一年から六十年までの十カ年計画、こういうことを考えております。  それで、計画の大体の基本的な方向というようなものでございますが、いまここで具体的に申し上げる段階には至っていないのでございますが、先ほど申し上げましたようないろいろな問題点の検討を踏まえまして、有限な資源、環境、土地、水等、そういう客観情勢を前提とするということと、それから、先ほど申しましたように、遠い将来にわたります長期展望というものを踏まえます場合には、一つの考え方でございますが、たとえば人間と自然とのかかわり合いというような基本的な問題を大いに議論して、長期展望の視点というものを徹底的に定めていきたい、その場合には、自然環境保全あるいは農用地の保全というような問題がやはり問題の一つの中心点となって上がってまいるのではないか、そうすると、農振法等に出ている農用地の保全等の基本的な考え方というものが今後の新しい計画の中に十分生かされてくるのではないか、このようにいま考えておる次第でございます。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 時間がまいりましたから終わらせていただきますが、農林大臣、一番最初に私が申し上げましたように、今度の農振法を生かして、本当に関係機関といろいろと協力、協調をして、これを守りつつ前進させなければならぬという大所高所に立っていくということになれば、この本文を修正しなければならぬという判段にいまわれわれは立っているわけです。それから、大臣が一番最初に言われたところの、農林委員会で意思が決まればそれに従うということを私は善意に解釈して、この法案がよりよいものになるようにわれわれも努力するが、農林省の当局も最大に御理解をいただくということで御協力願いたい。  このように要望いたしまして、終わりたいと思います。  以上です。

澁谷直藏自由民主党

○澁谷委員長 諫山博君。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 農振法は日本の農業の根本にかかわるものですから、農振法及びその改正案について三点ばかり質問いたします。  第一は、現行農振法第四条三項の問題ですが、これには、「農業振興地域整備基本方針は、国土総合開発計画、首都圏整備計画、」云々とあり、そして、「その他法律の規定による地域振興に関する計画及び道路、河川、鉄道、港湾、空港等の施設に関する国の計画並びに都市計画との調和が保たれたものでなければならない。」となっております。これを素直に読みますと、政府は長年にわたって重化学工業中心の政策をとり、農業を重化学工業の犠牲にするような政策を進めてきたわけでありますが、それがまさにこの条文としてあらわれてきているというふうに読めるわけです。  そこで、農振法が施行された五年余りの間に、この第四条第三項がどのように運用されてきたのか、どのように作用してきたのか、お聞きしたいと思います。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 これは、県が農振地域の整備基本方針を作成する際の基本方針であるわけでございます。農振につきましても、また、都市計画につきましても、国土の一部についてそれぞれの機能を果たしているわけであり、それらの調和ある発展ということがやはり必要でございます。そういう観点から、県がこういう基本方針を定めます際には、これは関係部課の中におきまして十分な協議をし、そして、さらに、そうは言いながらも、県の農業振興協議会ですか、それに諮って、優良農用地の確保ということを旨としながらこの基本方針に対処してきたというのがいままでの県の基本方針の作成方針でございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 国土総合開発計画、首都圏整備計画その他いわゆる国土総合開発の計画で、たとえばここに道路をつくる、ここに鉄道を敷くというような場合には、優良農地が当然犠牲にされる。その場合に調和が保たれたものでなければならないと言いますが、実質的にはこういう総合開発計画が優先して運用されるということになっているのではなかろうかと思いますが、その点はどうでしたか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 農振計画ができる、あるいはできてから後にたとえば道路ができてくる、あるいは河川の改修がある、こういうふうな問題があるわけでございますけれども、具体的な路線の問題ということにつきましては、地元住民と、そして、また、これは地元農民の利害関係のきわめて激しい問題でございますので、路線について、関係各省の間において、また、県の関係部課の中において、そしてまた市町村内の各機関において慎重に審議し、路線の位置について、われわれのサイドといたしましては、それが優良農用地に支障のないような路線になるよう極力努力するという方向で対処してきたわけでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 農地の壊廃面積と、さらに壊廃の理由を調べてみますと、住宅用地にとられて壊廃する、工業用地にとられて壊廃する、さらに道路、水路、鉄道用地にとられて農地がつぶれる、と、こういうものが非常に多くなっております。このことは、第四条三項が現実には大工業優先で運用されており、そのために工業用地とか道路、水路、住宅などに農地が転用されていくという結果になったとしか思われないわけですが、いかがでしょう。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 統計情報部の耕地面積統計の方から検証してみますと、田畑で、四十四年以降工業用地といたしまして大体八千ないし九千というベースで、ほとんど動きはない。それから道路、鉄道用地につきましては、四千ヘクタールから、四十七、八と五千の上ないし六千の初めになり、そして四十九年はむしろまた四千台に下がっている、こういうふうな状態でございます。また、宅地等につきましては、四十五年をピークといたしまして、多少ですけれども減少して、大体三万三千から五、六千というようなところで推移しているというのが田畑についての統計から出てくる原因別の壊廃の実態でございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 四十八年を例にとりますと、壊廃面積が約八万八千ヘクタール、その原因として、住宅用地約二万ヘクタール、鉱工業用地九千二百、道路、水路、鉄道用地九千、こういう数字じゃないですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 私の手持ちの資料で申し上げますと、四十八年八万七千の中で、市街化区域内で一万八千つぶされております。それで、目的別に見ますと、宅地等が三万四千、道路、鉄道用地等が六千、そして工業用地が八千五百、こういうふうにわれわれの方では集計になっております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 いずれにしましても、相当な農地を次々に壊廃する。そして、これは、新しく造成されている農地に比べてもはるかに多いという数字が出ています。そして、ここで壊廃されている農地というのは一番農業に適しているところばかりです。こういう結果が出てくるというのは、いわゆる残地農業という立場をとるからだ。まず重化学工業のために必要な土地を確保する、余りのところで農業を営む、こういうやり方が行われるために、農地の造成よりかはるかに速い速度で農地が壊廃されてきたという結果になったと思いますが、その法的な根拠をなしているのが農振法四条三項ではないかと思うわけです。  そこで、四条三項を削除するとすれば何か問題が起こるのかどうか。農林省、どう考えていますか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 先生の御指摘の農地の壊廃という問題は、農用地区域の中においては確かに農地はつぶさないようにするということになっておりますので、農地の転用基準以上に転用は厳しく規制されるわけでございますが、四条三項の他との調和を図る云々ということが農地の壊廃の基準になっているわけではございません。農地の壊廃につきましては、農地の転用基準というものに基づいて実施しているわけでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 この四条三項がなければならない、削除するわけにはいかないという合理的な理由はどこから出てくるのでしょうか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 国土利用計画法もできまして、国土のそれぞれの地域が調和ある発展をしてまいるということに相なるわけでございまして、その中においての農業地域、これは少なくとも農振地域を含む地域、こういうことでございますが、それと都市地域というものとは、それぞれの国土における一つの機能を果たしているわけでございますので、その間においてはどちらかに従属するというようなことでなくて、それぞれの間に矛盾なく行うということは当然であろうというふうに考えるわけでございます。  したがって、この四条三項は当然の規定を書いているだけだというふうに理解しているわけでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 実際にこの法律をどういうふうに運用するかというときには、建設省その他関係官庁といろいろ相談があるのですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 農地の転用の場合につきましては、農林省サイドで判断いたしまして実施しているわけでございます。ただ、ものの性格によりましては、関係各省の所管に属する企業等については、関係機関に、その企業なら企業の目的とか、そういったものが真実であるかどうかというようなことの照会をすることはございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 歴代の自民党政府が、いわゆる重化学工業優先の政策、農業を第三次、第四次ぐらいの位置づけしかしないというような政策をとってきたことは紛れもない事実です。そして、この立場というものはいまも変わっていないと思います。そういう観点から四条三項を見る限り、まず、工業その他いわゆる国土総合開発のために必要な土地を取っていき、そして残りの土地を農業に充てるという運用に現になっているし、また、この法律はそれに道を開いているというふうにしか読めないわけですが、これを取りのけることによって生ずる弊害があればお聞かせ願いたいと思います。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 この種の規定というのは農振法だけにあるわけではございません。都市計画法等にも同じような規定がございますので、農振法においてそれを排除するならば、ほかの法律においても排除しなければならないであろう、その結果は結局戦国時代になるのか、ならなくてもお互いの調和というものは当然とられるように協議していくのか、ということになろうと思いますけれども、こういう国土の調和ある発展ということであるならば、その間に調和をとるようにしていくべきであるということは残しておくといいますか、やはり、あってしかるべき規定ではないかというふうに思うわけでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 農林大臣にお聞きします。  大体問題点は御理解いただいたと思います。これは一言で言うと、重化学工業中心、農業切り捨て政策に道を開くものである。そして、これを取りのけたからといって何か弊害が生ずるかというと、いまの説明ではそういう弊害は指摘されていないというふうに受け取れるのですが、大臣はいかがお考えですか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 私たちは、農政の基本的な課題として、農業の自給力を高めていくということを最高の目標に掲げて農政に真剣に取り組んでいるわけでございます。しかし、国民経済的な立場から見れば、公共的な施設、住宅等といった計画につきましても、これを無視するわけにはもちろんいかないわけでございますから、そういう中にあって食糧の自給力増強ということを基本的な課題と考えながら調整を図っていくということも、やはり、国民経済という立場においては必要ではないだろうかと私は思うわけでございますが、しかし、農政の基本課題は食糧自給力の拡大にある。そして、われわれが農用地区域を設定し、農振計画の改正をお願いしているというのも、そういう地域内においては農業を最優先に考えて、そういう中にあって調整を図っていくという基本的な立場というものは変わっておるわけではないわけでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 次に、農振法第二十条との関係です。  昭和四十八年七月三十日の次官通達の「農業振興地域整備の推進について」というのがわが党の中川委員の質問に関していろいろ論議されております。この中で、農林大臣の答弁として、長期的な土地改良計画、生産基盤の充実は集中的に農用地域内において行うと言われております。さらに、大山構造改善局長からも同趣旨のことが繰り返されております。  そこで、私がお聞きしたいのは、農用地区域でない農振地域についてはどのような基盤整備が農振法のもとで行われてきたのかということ、その実情をお聞きしたいと思うのです。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 基盤整備は、原則といたしまして農用地区域において行うわけでございます。しかし、農振地域というかっこうまでいかないと基盤整備の機能を果たせない農道でありますとか、あるいは生活環境整備モデル事業、これは農用地区域というよりは、むしろ農振地域を対象として行う、こういうことに相なるかと思います。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 農用地区域と農振地域について、予算はどのように使われたか、わかりましょうか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 先生の御質問がいつの時点におけるお話しに相なるかという問題があろうかと思いますが、御存じのように、全国に網を張ったのが四十八年以降ということでございますので、四十八年に投下した金の中で、いわば農用地区域とそうでない区域とを分けることができるかどうかという問題もございますが、少なくとも、考え方においては、いま言いましたような環境整備事業あるいは農道の事業というものを除いては農用地区域において集中している、こういうことに相なろうと思います。ただ、ダムをつくるということになりまして水源を確保いたしますと、その取水口を農用地の区域内あるいは区域の外にとるわけでございますが、そうすれば、それの受益のごく一部が農用地区域外に及ぶということもありますし、排水事業をとった場合においては、いわば排水受益という問題もございます。したがって、農用地区域とそれ以外の区域というものを分けて金額的に出すことはなかなかむずかしい問題であろうと思いますけれども、考え方としては農用地区域に集中するのを原則とする、こういうことでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 これは将来とも、農振地域には土地改良法に基づく諸事業などは余りやらないという方向ですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 とにもかくにも、基盤整備はまず農用地区域内に集中いたしまして、そして農用地区域内の農用地の、圃場整備で言うならば乾田汎用化を実現する、そして、その結果といたしまして機械化農業が可能なような圃場にする、こういうことに集中することになろうと思います。  国の予算に限度のある問題でございますが、仮に農用地区域内の完全武装が済んだ後に基盤整備をやらないのかということになりますれば、それは農用地区域外の農振に及ぶことになるかと思いますが、その際はそういうところもまた農用地区域に入れるかっこうで実施すべきであるというふうに考えております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 しかし、日本の農業を担うのは、農用地区域が中核ではあるかもしれませんが、これだけでは足りない。やはり、すべての農家がすべての農地で、自分の経営もそれで立てていくし、日本の食糧もそれで賄っていくというたてまえをとっているわけですが、そういう観点から見ると、農用地区域以外に政府が余り金を出さないというのはどう考えても片手落ちだし、不公平だし、日本の農業が全体として発展するという立場から見れば正しい方向でないように思われますが、その不公平あるいは不平等という点はどのようにお考えですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 一部のところに集中しますと他のところは薄くなるわけでございますし、ばらまけば分散ということになるわけでございますけれども、たとえば市街化区域内の生産緑地というような、いわば農用地区域でないところを例にとりますと、そこはそれなりに、ここ当分の間は、首都圏にといいますか、都市に対する野菜の供給基地としての機能を果たしているということもあるわけでございます。しかし、農地法の転用を排除している現段階におきましては、これらの土地について恒久的な施設ということは行うべきでないということで、普及事業でありますとか、それが第一種生産緑地というようにやや恒久性を帯びるようなものについては融資等の措置を講じてまいるというような方向で対処しているわけでございます。  われわれといたしましては、農用地区域にまずは集中するということで施策を進めていかなければならぬだろうというふうに考えるわけでございますけれども、他の地区についても、時の事情に応じて融資等の措置も講じてまいるということになろうかと思います。  なお、農振計画というのは、御存じのように、規模が大体二百ヘクタール以上の農地がなければならぬわけでございますので、離島でありますとか、そういうところは農振計画は立てられません。しかし、こういうところにおいては当然に農業が行われるわけでございますから、こういうところに対する基盤整備その他は当然行ってまいるわけでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 農地がどれだけ必要かということについて、政府はいろいろ計画、見通しを持っているようですが、いまのようなやり方で、政府は、たとえば昭和六十年度に五百八十四万ヘクタールですか、この目標に到達することはできるのかどうか、できるとすればどういう手順でこれを達成するつもりか、お聞かせください。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 約五百八十五万の農地を必要とするという考え方をとっているわけでございます。六十年までに造成すべき農用地の面積につきましては八十六万ヘクタールの農用地の開発を行う、こういうふうな考え方をとっております。  この背景には、今後の経済成長がダウンするということを踏まえまして、過去の壊廃等の趨勢値とGNP相関その他の相関から、今後六十年までに見通されるであろう壊廃というものを一応はじいてみると七十万ヘクタールになるということも踏まえまして、農用地の造成八十六万ヘクタールをもちまして、そして五百八十五万の農用地を造成いたす、こういうふうな考え方になっているわけでございます。  ただ、七十万ヘクタールというのは、先ほど申し上げましたような傾向値ではじくとそういうことになるということでございまして、七十万ヘクタールを目標にして転用を進めるというつもりはございません。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 農用地区域の面積が約四百四十一万ヘクタールということになっているようですが、そうすると、五百八十五万ヘクタールにしても、相当の面積というものは土地改良法に基づく諸施策の対象外に置かれたままになるのですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 先ほど申しましたように、土地改良長期計画におきましては農用地区域に集中する、こういうことを申し上げたわけでございます。現在の農用地の用途区分によりますれば、山林原野から田畑あるいは採草放牧地というようなものにするという面積の八十六万も含んでいるわけでございます。今後の造成を行います際には、現在農用地区域内に入っていない開拓適地というものにつきましては、これは極力今後とも農用地区域に入れるかっこうで土地改良事業を行ってまいるということに相なるわけでございます。  したがって、現在の時点におきます農用地区域にある土地だけを対象にするということではなくて、投資する時点において農用地区域にある土地について投資するということでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 大臣に質問します。  農用地区域に多く投資することに反対はしません。しかし、ほかに農地はたくさんあるわけです。そして、非常に困難な条件の中でどうにか農業を守り育てているというたくさんの農民があることも事実なんです。その人たちが同じ日本の農民であり、同じ税金を負担しながら、土地改良法その他のいろいろな事業で余り利益を受けられないということになると、これは大変ではないかと思うわけです。ですから、農用地区域に大いに投資するのは結構ですが、その他の地域にも農業が十分やっていけるように、もっといろいろな基盤整備その他の事業を施していくべきではなかろうかと思うのですが、どうでしょうか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 限られた財政力の中におきまして農業の生産性を高めて、農業を近代化していく、こういうことをやろうと思えば、やはり、集中的に政策を行うことが最も効率的じゃないだろうか。そういう意味において農用地区域を設定して、この農用地を中核として農業の生産力を高め、その生産の増強を図っていくということでございますから、私たちは、これがこれからの農業を近代化していくのに非常に効率的な方向ではないだろうかと思うわけでございます。  しかし、農用地域外の農地につきましては、優良農地については今後極力これを農用地区域に吸収していくという努力をしていくことは当然のことでございますし、同時に、また、農用地区域外の農地につきましては、農地法等の厳正な適用によって農地としての確保を図っていくという方向で努力をしていきたい、そういうことがこれからのわが国の農業の近代化に大きく前進することではないだろうか、こういうふうに私は考えておるわけであります。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 いまの説明を聞いていますと、日本の農業の全体の生産を高めるためにはという観点が中心になっているように思います。大臣の言葉でも効率的な方法だという用語が使われたわけです。しかし、同時に、そういう観点だけではなくて、現に農業をやっている一人一人の農民が経営が成り立つようにするということが必要ではなかろうかと思うのです。余り効率の上がらない農業をしている人たちはもう農業をしなくてもいいんだという、そういう思想がどうも根底にあるような気がしてしようがないのですが、そうでしょうか。

安倍晋太郎自由民主党農林大臣

○安倍国務大臣 いや、別に、そういう農用地区域外の農業者を切り捨てるというふうな考え方で言っているわけではなくて、農業の生産性を高め、その効率化を図っていくということは、これからの自給力を高めていくというわれわれの目標に一歩でも近づいていくベターな方法だというふうに考えておるわけでございます。しかし、同時に、そういう農家の方々につきましても、農家の経営が安定をしていくための価格政策であるとか、あるいは環境整備のための対策であるとか、さらに、また、他産業との関連において農外所得が確保されるような道を開くためのいろいろなあっせんであるとか、調停、調整等は、これはもう当然図っていって、農家全体が安定をしていくということが基本であることはもちろん当然であります。  ただ、農業の生産性を高め、効率化を図っていくということは、これからのわが国の資源の制約された中にあって、今日の時代的な要請を貫いていくことであり、それには現在のこの方向が正しいのではないか、こういうふうに私は考えるわけであります。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 第三に、開発規制の問題です。  今度の改正案で農用地区域内の開発を規制するという立場がとられています。しかし、農用地区域内だけではなくて、農業振興地域の区域内全体の開発を規制すべきではなかろうかというのが私たちの立場です。そして、農林省も最初はそういう立場をとっていたと聞いているのですが、そうでしょうか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 開発規制を農用地区域だけにしぼって今度の法律案は提出しているわけでございます。御存じのように、農用地区域というものは、市町村が公告縦覧するというような慎重な手続を経まして決められました利用計画において、農用地として利用すべき土地の区域ということとして位置づけられているわけでございます。したがって、そういう農用地等として位置づけられた土地の利用を確保するための開発行為について許可制をしくというのはこれは法制上からも許されることであるというふうに考えているわけでございます。  しかしながら、農用地区域外のいわゆる農振白地ということになりますと、それは、農振という意味においては、一体的に農業振興を図るべきところということになるかと思いますけれども、その中には、実態といたしまして、農村集落でありますとか、あるいは道路河川等の公共用地もございます。あるいは用途の明確でない雑種地等もございます。そういう各種の土地が含まれておりまして、それがそれぞれ農業上に限られない活動が営まれている、こういうことからいたしまして、それらを規制する基準の明確化ということはきわめて困難である、こういうことでございます。したがって、農振ということを目的といたします農振法で、これらの地域についてまで開発規制するということはできないということで、今回の法律では農用地区域に限って開発規制をいたすということにいたしたわけでございます。  政府の原案の段階にあったかどうかという問題でございますが、われわれ法律をつくりますときには、広い面についての検討をいたすわけでございます。その検討の当時におきまして農振白地問題も検討したことは事実でございますが、政府といたしまして、法制局で済ませた段階におきまして、先ほど来申し上げましたような理論体系のもとで農用地区域にしぼるということにいたしたわけでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 私が調査したところによりますと、農林省としては、農用地区域内だけではなくて、農業振興地域のすべての区域に開発規制をしたいと考えていた、しかし、それは他の省との関係、とりわけ建設省とか国土庁とか、そういうところとの折衝の中でいま提起されているような改正案になったと聞いたのですが、違いますか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 立法府に対します法律は政府として提出するわけでございまして、まあ、いろいろの過程が中にあるわけでございますが、これはあくまでも政府内部の話でございますので、その辺の経緯については御勘弁いただきたいと思います。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 私は、これは立法技術の問題ではなくて、最初に私が取り上げた国土全体の利用との関係でこういうふうに後退したのだというふうに理解しているわけです。そして、現在の改正案では、たとえば農用地区域内の開発規制をしてみたところで、その周囲の農業振興地域の区域内の開発がどんどん進むということになると、農用地区域内の条件さえ維持できなくなるというような問題が起こり得るわけです。ですから、本当はもっと規制の範囲を広げるべきではなかろうか、これは立法技術の問題ではなくて、むしろ、国土の利用全体の調和という観点から見てもそうした方がいいのではなかろうか、と考えるのですが、もっぱら立法技術でこうなったのですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 農用地区域は、御存じのような慎重な法手続をした結果といたしまして、農用地として利用すべきところという位置づけがなされるわけでございます。農振白地につきましては、そういうふうな手続を経て、いわば農業目的にだけ使うべきところというかっこうの位置づけをするような法的手続はとられていないわけでございます。したがって、そういうところにおきましては、農家集落もあれば、河川もある。これらの目的をすべて農業目的だけで規制することは不可能でございます。そういうことから農用地区域に限定したわけでございますが、農用地区域外の乱開発という問題につきましては森林法もできておりますし、農地につきましては農地法も厳正な運用を行うということでございますし、さらに、国土計画法でも土地の取引についての規制ができるという段階でございますので、農用地区域外にあるということで、ただ簡単な手続で決められるところまで強力な規制をするということはできないというのが法律技術論としての考え方でございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 私たちの党が準備している修正案では、農業振興地域の区域内の開発を規制するということにしているのです。そして、立法技術的にやかましい法制局もこの点では簡単にパスしているから、立法技術上の問題というのは大したことはなかろうと思うのです。問題は、本当に農用地区域あるいは農振地域を農地として守ろうとする姿勢が農林省にあるのかどうかだと思います。さっきの説明でも、農用地区域は広げていくつもりだと言われました。広げるとすればまずその対象になるのは農振地域だろうと思います。ところがここは開発規制の対象になっていない。もちろん森林法とか農地法はあるわけですが、それがあるからいいじゃないかというのであれば、これは農用地区域内の開発を規制すること自体が無意味になるわけです。現行法では開発規制として不十分だから農用地区域内の開発を規制するというたてまえをとったはずだと思うのですが、将来農用地区域をさらに広げるつもりだというさっきの御説明と、開発規制が現在の農用地区域のみに限られているということとの関係をどう理解したらいいのでしょうか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 先ほど来私が申し上げておりますのは、農用地区域は極力広げる方向で進めてまいりたいということを申し上げました。農用地区域を広げますときには、将来、その後は農用地として利用するという位置づけがなされるにふさわしい縦覧公告等の手続を農用地区域の変更について行うわけでございます。そういう手続を経た結果、いわば農振白地から農用地区域に入ったところは、これは農業目的に使わるべきところであるということになりますので、それの開発規制を行う。もちろん、農地については現在農地法があるわけでございますけれども、農地以外の部分について、そういうところの開発規制を行うというのが今度の法律の趣旨でございます。  つまり、私たちの申し上げておりますのは、農用地のような、そこに土地を持つ権利者が、一応の法手続に基づく——いわば民主的と言うのですか、そういう手続を経て農用地として位置づけられるという法手続をした範囲内のものについては、それに異なる開発をすることは法律的に規制し得る、こういうことでこの規定を入れたわけでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 私は、この法律の三点について問題を提起しました。第一は、四条三項を削除すべきだという点です。第二点は、第二十条の運用を、この対象になっていない条件の悪い農地についてももっと及ぼすべきだという点です。それから第三番目は、政府の改正案で開発規制がとられることになっているわけですが、農用地区域内というだけでは不十分だという点です。  このすべてに共通していることは、この法律が大企業優先、農業切り捨てというような立場で運用される一つの材料に利用されているのじゃなかろうかという点を懸念することです。新しい政府でもできれば別ですが、大企業を中心的に考える立場というものは、いまの政府では恐らくずっと続けられるだろうと思います。  そういう観点から考えますと、第四条三項というものはやはり問題がある。全国的な工業優先の地域開発がまず土地を独占する、残りの土地で農業を進めるという立場にどうしてもならざるを得ないだろうし、開発規制という点から見てもどうも不十分になるのはそれとの関係があるのではなかろうかという気がするわけです。  こういう点で、現行法並びに改正案についてはわが党としてはいろいろ問題がある。われわれとしてはこの点はさらにもっと深めていきたいということを申し上げまして、時間が幾らか残っておりますが、これは次回に留保したいと思います。  終わります。

澁谷直藏自由民主党

○澁谷委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時二十六分散会

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