農林水産委員会 第12号
- 発言数
- 291 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1975/03/12
会議録
○澁谷委員長 これより会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上泉君。
○井上(泉)委員 それでは、まず最初に伺いますが、外国漁船によるカツオ、マグロ、カジキ類がわが国へ年々年を追うて陸揚げが激増してきており、それがために日本のカツオ、マグロの漁業者が大変な痛手を受けておるということは水産庁は承知をしておるのですか。
○兵藤説明員 韓国マグロ漁船は、最近その生産量を年々増加しておるわけでございますが、四十九年現在で韓国のマグロ漁船が約五百隻ということで太平洋、インド洋あるいは地中海、あるいは大西洋ということで、日本に準じて世界各地で操業しておるわけでございますが、このうち年間百五十隻のものがわが国に直接水揚げをしておるわけでございまして、四十九年に韓国から輸入されたマグロ、カジキ類は三万七千トンということになっておるわけでございます。 四十九年の輸入総量が、マグロ、カジキ類で六万一千トン、そのうち韓国が三万七千トンといったような数字になっておるわけでございまして、この三万七千トンという数字は国内の生産量の約一〇%に相当するものと見られておるわけでございまして、こういった韓国の輸入量が年々ふえているということは、日本のマグロ業界に対してもかなりの圧迫になっていると見ざるを得ないと思うわけでございます。
○井上(泉)委員 いま、一〇%と言いましたけれども、現在はもう二〇%の状態になっておるわけですが、そういう非常な被害を受け、影響を受けておるということをお認めになったならば、その影響を排除するような措置をとられるのが水産庁としての任務ではないかと思うのですが、その影響を排除する措置をとられておるのですか。それとも、そのままの状態であるのか、その点について伺いたい。
○兵藤説明員 日本のカツオ・マグロ業者はいま経営的に非常な苦況に立ち至っておるわけでございます。この原因についてはいろいろと言われるわけでございますが、一つは燃油、A重油でございますが、こういう燃油あるいは漁網綱というものが、石油ショック以来燃油等は三倍にもなり、あるいは漁網綱は二倍等にもなり、その他人件費等のアップもございまして、経営コストが五割ないし六割、四十八年に比べまして四十九年は上がっているというようなことでございます。それから、一方、国内におけるところの産地価格が、全体的な消費の停滞を反映しまして、伸びておりません。四十八年よりはやや伸びておりますが、経営費のアップをまかなうほどの魚価の値上がりにはなっていない。そういうことからしまして、経営的に非常な苦況に立ち至っているというわけでございまして、私どもは、この経営が苦しくなっているということに着目しまして、去年、経営安定のための特別融資ということをやっておるわけでございます。
○井上(泉)委員 そういうことを私はお聞きしているのではなしに、こういう韓国漁船とか、あるいはいわゆる便宜置籍船、パナマの船とかいうものによる輸入、日本の港への陸揚げが多くなって、日本のカツオ、マグロの業界がたいへんな迷惑を受けておる。そのことをあなたもお認めになった発言をされたのですから、そのことに対する措置をしておるのかどうかということであります。それは何ら被害がないと言うなら、別にその措置は必要ないのですが、あなたは被害があると認めたでしょう。
○兵藤説明員 この問題につきましては、できるだけ韓国からの輸入量を減らすということに努めねばならぬということが第一ということで、この輸入関係を取り扱っているところの商社に対しまして、私どもとしましては強い指導を行っているわけでございます。 現在、代表商社がこの十日に韓国に赴きまして、韓国に対しまして日本に対するところの輸出を自主規制するように働きかけをやっておるわけでございます。しかし、商社としても、向こうのマグロ経営に参加しているわけではないというようなこともございまして、果たして韓国側がそういった商社の自主規制に応ずるかどうか、これはかなりの疑問があると思うわけでございます。 それから、もう一つは、現在、外国人の漁業を規制する法律が四十二年にできておるわけでございますが、これは外国人漁業の規制に関する法律と申しまして、外国漁船がわが国の港、あるいはその他の水域、つまりこれは領海でございますが、これを利用して漁業活動を行うという場合には、その漁業活動の増大によってわが国漁業の正常な秩序の維持に支障が生ずることを防止するという目的からしまして、次の三つのことをこの法律では規定しておるわけでございます。つまり、領海において、当然のことではございますが、外国人漁業の操業を禁止している。それから、第二には、わが国の港への外国漁船の寄港につきましては、これは規制する。それから、第三の措置としましては、わが国の水域における外国漁船から他の漁船への漁獲物等の転載制限をする。こういつたようなことを内容にしておるわけでございますが、しかし、この法律では、一般貿易ベースで、つまり、向こうが原産地証明を持って正当の輸出手続をとってきているものについては、この水揚げについては、それが漁船であろうと、あるいは貨物船であろうと、あるいは運搬船であろうと、それは制限しない、それは貿易活動であるがゆえに制限しないということで、この法律の対象外になっている、こういうことが現状でございます。
○井上(泉)委員 それでは、たとえば三菱とか、三井とか、あるいは丸紅とか、こういう大きな商社がこのカツオ、マグロの韓国の漁船に対しては多額の資金投資をしてやっておるわけですから、だから、あなたがいま言われるように、商社が幾ら韓国へ行って話をしても話が煮詰まる道理がない。そういうことでは期待できないわけであるし、むしろ、そういう外国人の漁業の規制に関する法律というものの中で、これは農林大臣が許可しなければ船は入ってこれないわけですから、そういう点からも——この寄港の許可で、当該外国漁船を本邦の港に寄港させようとする場合には農林大臣の許可を得なければならぬということになっているのですから、許可を与えなかったらいいわけです。その与えないためにはどういう場合があるかと言うならば、「外国漁船による漁業活動が助長され、わが国漁業の正常な秩序の維持に支障を生ずるおそれがあると認められるとき」、つまり、最初に私が質問したことに対してあなたの言われた、韓国の漁船等によるカツオ、マグロの輸入というものが日本の漁業に重大な影響を与えておるんだから、この条項から言っても、こうした韓国漁船の取り締まりは当然できるのじゃないか。商社の立場に立って考えるならば取り締まりはできないでありましょう。しかしながら、本当に漁業者の立場に立ち、日本の漁業という立場に立てば、この法律は十分適用ができると思うわけでありますが、適用はできないとお考えになっておられるでしょうか。
○兵藤説明員 いま先生が御指摘なさいましたように、この外国人漁業の規制に関する法律の第四条第二項で、日本の漁港あるいは港におきまして、水揚げするだけではなくて、同時に直接仕込みをする場合には、この第一項によって農林大臣の許可を受けねばならない。第二項で、その「許可の申請があった場合には、当該寄港によって外国漁船による漁業活動が助長され、わが国漁業の正常な秩序の維持に支障を生ずるおそれがあると認められるときを除き、同項の許可をしなければならない。」というふうに規定しておるわけでございます。そこで、この許可をするか不許可にするかということの判断は、一つは、漁業活動が助長されるかどうかということと、それからもう一つは、わが国漁業の正常な秩序の維持に支障を生ずるかどうかということ、こういうところに問題があるわけでございます。前段の漁業活動が助長されるということは、この内地におきまして直接仕込みをしてすぐ外洋に出ていくということでございますから、その隻数が多くなれば確かに助長されるというふうに解されるものと思います。それから、その次の第二段の、わが国漁業の正常な秩序の維持に支障を生ずるかどうかということでございますが、これにつきましては、現状においてこの正常な秩序の維持に支障があるかどうかということを立証することがきわめて困難であるということでございまして、検討を要する問題であるというふうに私どもは現段階では考えておるわけでございます。
○井上(泉)委員 それは、正常な秩序の維持に支障を来しておるかどうかということは検討せねばならないと言っておるのですけれども、現実にこの韓国漁船等によって——そしてまたその韓国漁船を、日本の商社が、聞くところによると七百五十億もの莫大な投資をして使っておるでしょう。だから、そういう状態の中で日本の零細な漁業者が非常な迷惑を受けて、正常な漁業活動に支障を来しておるということには変わりないでしょう。間違いないでしょう。これについてあなたは間違いありとするのですか。現在も韓国のこうした漁船によって日本の漁業者が正常な業務が行われておると解釈をしておるのですか、していないですか、簡単に答えてください。
○兵藤説明員 ここでの正常な漁業の秩序とは何ぞやということになってくるわけでございますが、私どもはこういうふうな解釈を持っておるわけでございます。それは、漁業法と蕨産資源保護法その他の漁業関係法令、それから調際条約、それの運用によって、漁業生産力の維持向上のため、いろいろの種類の漁法とか漁期とか、あるいは漁場とか操業形態の規制をやっているわけでございますが、そういう総体としてもたらされる秩序、これを私どもは漁業の正常な秩序というふうに言っておるわけでございます。マグロの場合には、サケ、マスと違って、隻数を除いては実質的な規制は何ら行われていない、いわば自由漁業に近いような形で行われている、こういうふうなものでございまして、韓国漁船が直接こっちで仕込みをしたから直ちに漁業の正常な秩序を維持することに困難を生じたというふうに読むのはなかなかむずかしい、こういう状態でございます。
○井上(泉)委員 むずかしい、漁業の秩序を破壊しておるということは言えない、しかし、破壊していないとも言えない、そういう官僚の考え方でこの問題に対処されては困ると私は思います。日本の漁業者を現在の法律でどうやって守っていくのか、そして、現在の法律で守れないとするならばその法律をどう変えていくのか、そういうことが水産行政を預っておる者としての任務じゃないかと私は思うのです。 この問題に時間をとられると、私はあとの問題がありますので、これはまた次の機会に譲りたいと思うわけですが、政務次官も先般、ソ連の無謀な漁業操業の実態を見て大変憤慨をされたということを私は報道で承知をしたわけであります。そういうような状態の中で、たとえばいま私が指摘をしておりますように韓国の漁船によって——しかも日本の商社がカツオ、マグロを買いたたいて、市場占拠するために七百五十億も八百億も投資をして船をつくらせてやらせて、その船をどんどん日本へ入れてきて、そして日本の零細なカツオ、マグロの漁業者が本当に今日窮迫した状態の中にあるということ、これはあなたも認めておると思うわけでありますが、そういう場合における外国人の漁船の日本寄港に対する規律というものを、日本の漁業者の立場に立って考えるならばもっと厳正に行うべきであると思うのでありますが、その点についての政務次官の見解を聞いて、この問題に対する質問を終わりたいと思います。
○江藤政府委員 ソ連の船団のお話しがございましたが、わが国は、近海の資源保護のために沿岸漁民が長年努力をしてまいっております。ソ連のトロール漁業というのは根こそぎこれを持っていくわけでありますから、これらの漁船団が食糧の積みかえあるいは石油の積みかえ、あるいはまたその他休養のために上陸をしたい——これは仮にでありますけれども、そういうことのための寄港の要請があったらどうするかといいますと、それはもちろんお断りをいたします。それが基本方針であります。 それから、韓国の問題につきましては私どもも大変心配をいたしまして、政府間でも交渉させ、業界ベースでもただいま交渉させておりますが、私自身も近く商社の代表を呼んで、いろいろないまの御意見のような多額の投資云々等の問題もございますから、十二分に自粛を促し、今後のこの問題に対処をしてまいりたい、このように考えております。
○井上(泉)委員 もう水産庁はいいですから、また後日……。 それで、林野庁の長官がおいでになっておるようですから、長官に私はお尋ねをいたすわけですが、振動病、いわゆる俗に言う白ろう病に対してあなたはどれだけの認識を持っておられるのか。この原因、治療、そしてまたその予防、こういうことについてどれだけの認識を持っておられるのか。まず、その点からお伺いしたいと思います。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 現在、ただいま御指摘のような白ろう病は——これは一名白ろう病でございますけれども、私どもこれは非常に重要な問題と思っておりまして、それなりにそれぞれの対策を講じてきておるところでございます。何と申しましても、このような病気か出ないような予防措置を中心といたしまして、発生した後はその治療あるいは補償とかいうことに万全を尽くす。これは林野庁だけではございません。関係する省もいろいろございますので、十分連絡をとりながらそれらに対して対応していこう、こういうことでございます。
○井上(泉)委員 まず出ないようにすると言うが、なぜ出たのか、そのことについての認識をお伺いしておきたいと思うのです。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 なぜ出たかということでございますが、この問題につきましては、現段階では医学的にもいろいろ究明されつつあるのでございます。振動の数あるいは発病の段階というようなものの因果関係は、現在はなかなかはっきりしていない分野がございます。したがって、私ども、研究委員会等をつくりながらこれに対応していこうとしているのでございます。とにかく、このようにチェーンソーというものが労働力を軽減する。非常に重労働でございますから、それを軽減していこうということで世界的にこれを採用しているものでございますけれども、そのような事態があるということに対しましては、いろいろ問題があるので、私どもは真剣に取り組んでいこう、こういうふうに現在考えているわけでございます。
○井上(泉)委員 それはなぜ出たかということ、これをいろいろ専門的に原因を究明するというようなことで考えなくとも、チェーンソーを使ったから出た、このきわめて単純な、労働行為によっては生じたということはお認めになっておるでしょう。
○松形政府委員 当然、チェーンソーを使うということが主原因であろうと私どもは考えております。
○井上(泉)委員 そこで、チェーンソーを使ったことが主因であるということなら、これは勢いチェーンソーというものの使用についてのいろいろな方法というものを次の段階として考えられるのが当然だと思うわけです。そこで、日本の山林で働いておる人たちの状態を見ても、やはり、林野庁のやっておることがすべての日本の林野行政の上に大きな影響を与えるものである。いわば、林野庁の、国有林野で働いている人たちに対する対策というものが民間の企業のお手本だと私は思うわけです。 そこで、白ろう病の問題が提起をされて、国会の中でも論議をされ出して一体どれくらいの年月を経過しておるとあなたは承知しておるのですか。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 この問題が発生してまいりましたのは多分四十年ごろからであろうと思っております。確かではございませんけれども、それらを受けまして、四十一年から林野庁で、チェーンソー等を民有林等で買います場合には——これは林業構造改善事業等が主体でございますけれども、それを買う場合は防振つきであるという通達を出しておりますので、多分その前後と思っておるわけでございます。
○井上(泉)委員 そこで、四十年ごろからというと、今日まで十年だが、四十年ごろにはもうすでに患者は出ておる。だから、四十年ごろに防振装置のついたチェーンソーを買うようにという通達を出したということは、つまり、チェーンソーによる振動病患者というものはそれよりずっと前から発生しておる。つまり、チェーンソーを導入した時点からこの症状というものが徐々に出てきたものである。四十年までにはそういうものが全然なくて、初めて通達を出したというものじゃないのですから、言うならば、チェーンソーを林野庁が導入したのはいつですか。
○松形政府委員 三十六年ごろからと思っております。
○井上(泉)委員 それでは、三十六年ごろからチェーンソーを導入して、そうしてチェーンソーを使い出して、それから症状が出てきて、これでは大変なことになるという不安を感じて、そこで四十年に防振装置つきのチェーンソーを買うようにという指示をなさったという経過になるでしょう。そう理解していいですか。
○松形政府委員 そのように理解しております。
○井上(泉)委員 そのように理解しておって、四十年にそういう通知を出して、今日は昭和五十年ですよ。もう十年たっているでしょう。その十年間に患者というものが続出をしておる。この状態に対しては、あなたは、防振装置をつけたものでその後の処置対策というものはどういう対策を今日までとってこられたのか。四十年に振動病の予防措置として出したこの通達から、その後林野庁がとったところの振動病に対する予防対策というものをまずお伺いをしたいと思います。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたように、四十一年六月でございますけれども、国あるいは都道府県の助成の対象とするような場合には防振つきをという通達を出しておりますし、また、昭和四十五年の二月でございますけれども、労働省から一日使用時間二時間以内ということに関する通達が出ておりまして、私どもそれを受けまして、各都道府県あるいは林業労働災害防止協会等を通じまして、事業主等にも連絡に努めておるのでございます。 なお、また、民有林関係でございますけれども、四十九年度からでございますが、シミュレーターを導入いたしまして模擬訓練施設をつくるように助成を開始いたしております。 さらに、また、森林組合とか、あるいは素材の生産協同組合とか、いろいろな公的な意味の強いところがございますが、そういうところで新しくそういう機械を導入する場合には、それぞれ助成をするというようなことをいたしております。 さらに、また、四十九年、昨年の十一月でございますが、先生のお手元にも差し上げたと思いますけれども、「林業労働環境・安全施業基準」というものを作成いたしまして公表いたしますと同時に、また、主なるチェーンソーの機種につきまして、その振動測定の試験結果というものを、二十一機種でございますけれども、公表いたしました。 さらに、これは五十年度の新しい施策といたしておりますけれども、点検パトロールというようなことで、民間林業の各施業地を巡回いたしまして、機械の整備とかあるいは安全な作業仕組みとか、そういうものの指導をいたすべく予算措置をいたしておるのでございます。 さらに、また、国有林におきましては、先生御承知いただいておりますとおりに、時間規制についても厳しくいたしますと同時に、機械の改良等を続けておりまして、近くロータリーエンジンつきのチェーンソーも入るというようなことをやっておるのでございます。 さらに、また、障害の発生した患者の方につきましては、温泉療法とか機能回復訓練等をやっておりまして、温泉療養所の新設とか、あるいは関係機関を通じましてのベッドの確保とか、それぞれ私どもは一歩一歩前進した対策をとろうということで真剣に考えておるところでございます。
○井上(泉)委員 一歩一歩と言いましても、もうすでにこれが発生してから十五年たっておるでしょう。十五年たってまだそういうふうな措置で、今日、チェーンソーによる白ろう病というものは、日本の山林労働者のもう八割までこれにかかっておるということが言われておるわけです。その具体的な例といたしましては、たとえば私どもの高知県の馬路村の全村調査にいたしましても、あるいは幡多における調査にいたしましても、その結果というものは実に恐ろしいものがあるわけです。 それを真剣にやっておると言っておりますし、これに対する対策というものが、林野庁はこんなに熱心にやってきたから、まあこれ以上やりょうがなかった、これはこれでもう十分だ、と、そういうお考えのような御意見であるわけですけれども、それではあなたにお尋ねいたしますが、昭和四十五年に労働省が、チェーンソーの使用時間は二時間ということで通達を出した。これは労働省がそういう通達を出す前に、林野庁は、自分のところでそういう被害が出ておるのだから、それに対しては二時間の使用というようなことを、労働省の通達を待つまでもなく、あなた自身が、林野庁自身がそういうことをしなければいかぬのじゃないですか。労働省が通達を出したことによって、林野庁は急いでその通達に従ってやってきたと思うわけですけれども、その二時間制というものが民間の山林労働者にも十分生かされておるかどうか、そういう点をあわせて承りたいと思います。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 実は、労働省通達といたしましては四十五年ということになっておりますが、私どもは組合と相談いたしまして、労働協約というようなことで、昭和四十四年からその時間規制というものを行っておるわけでございます。 さらに、その時間規制の内容といたしましても、きわめて細かく時間規制をいたしておりまして、それを私どもは厳重に守るように努力いたしておるわけでございます。
○井上(泉)委員 それでは、民間の山林労働省もその通達が守られておるとお考えになっておるのかどうか。それから、四十四年に労働組合と交渉して二時間使用というものを決めたと言われておるのですが、その後患者は発生していないかどうか。その二点についての御答弁を賜りたいと思います。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 ただいま、高知県の馬路あるいは幡多郡における実例等につきまして先生から御指摘がございましたが私ども、民有林における林業労働者の就業時間の実態というものはやはり懸念しておったわけでございまして、各地域によって、一様ではございませんけれども、実は、昭和四十八年度で八県につきまして実態調査をいたしました。そして、チェーンソーの操作時間は、調査結果ではおおむね二時間程度というふうになっておるのでございます。しかし、御指摘のように、チェーンソー使用時間が二時間超えるというような実態があるといたしますならば、私どもはよく実態を調査いたしまして、そういうことがないように、自分の体を むしばむようなことがないように当然指導していくべきものだと思っております。
○井上(泉)委員 それは本当に結構な考え方です。しかし、自分の体をむしばんででも働かなければならぬという労働条件の状態に思いをいたす気持ちはないですか。そういう労働者の気持ちに、ですね。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 当然その二時間規制というようなものを守っていただくように、そして、また、労働者の方々もそうでございますけれども、使用している方もそういうことが守れるように自分の企業を健全にしていくというようなことが当然でございましょうし、また、企業そのものが非常に零細なものが全国多数でございまして、一説によりますと五万企業体があるというようなことでございまして、この方々の企業の合同なりあるいは協業化、あるいは協同組合をつくるとか、そういうことで企業全体としてもこれを安定したものにすることによりまして、そこで働く従業員の方々もそういう規制が守れるように私ども指導していく、こういうことが当然の姿勢であろうと思うわけでございます。
○井上(泉)委員 それで、林野庁の方では、国有林野で働いておる方に対しては二時間の規制をやって、その後それによって振動病患者が出ることを防ぐことができたとお考えになっておりますか。
○松形政府委員 国有林の実態を申し上げますと、約二千三百名という認定者が出ておるわけでございます。その確かな数字を私ここに記憶いたしておりませんが、そのうちの約半分が昭和四十五年以前の方でございまして、時間規制等をやった後に千二百名くらいの方が発生しておるように思っております。この時間規制等につきましては、さらに私ども徹底する必要がある、こういうふうに思っておるわけでございます。
○井上(泉)委員 それでは、それまでには症状がなかったけれども、時間規制をやって以後新たに発生した者はどれだけあるかということは把握をしていないというわけですね。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 実は、ここにある手元の人数を申し上げますと、四十五年度が百二十五名、四十六年六十五名、四十七年九十名、四十八年四百三十六名、四十九年九月末四百二十六名というようなことで、四十八、四十九年に非常にたくさん出ておるわけでございます。私ども、この問題につきまして、医学的になかなか解明できない面もございますけれども、おそらく、長年使ったことによる累積がこういう現象に出ておるのじゃないかということを想像はいたしておりますけれども、何分これは医学的な問題でございまして、なお解明すべき問題があろうかと思います。
○井上(泉)委員 その医学的な解明ということになりますと大変時間がかかるわけで、それで、また、医師の立場でもいろいろ問題があるわけです。見解の違いも出てきたり、あるいは治療の問題も出てくるわけですけれども、現実に、四十八年で四百三十六人、四十九年で四百二十六人出ている。林野庁、いわゆる国有林で働いておる人たちにそういう患者が出たという事実ははっきりしておるわけでしょう。それなら、その二時間規制をやった以後であったかどうかは定かではないが、つまり、前から使っておった者が今度二時間規制をやっても症状がずっと進行してこういうふうになったものではないかということは想像されると言われておるわけですが、この二時間の規制でも、これは今日振動病患者を絶滅するということにはならないと私は思うわけですが、あなたは、その二時間の規制でやれば振動病患者は今後は絶対起こらないようになるという考えの上に立って二時間槻制を実行してやっておるのであるかどうか、承りたいと思います。
○松形政府委員 ただいま、この二時間規制というものをもう少し短くしたらどうだという御意見だと思いますが、私ども、先ほど来申し上げておりますように、この振動障害が起こるのを防止するということを重点にいたしておりまして、そのための時間規制であり、そして、また、私どもはそれなりの努力をしながら機械の改良をしたり、休憩施設等の改善等を総合的にやってまいっておりまして、先ほども御答弁申し上げましたけれども、やっとロータリーエンジンつきのチェーンソーもでき上がるというところに来ておるわけでございまして、この操作時間につきましては、現在の時間規制のもとにおきまして、玉切り装置とか、あるいは新しいツリーフェラーとか、そういう振動のない機械を導入するとか、あるいは一部造林地につきましては手のこを使うとか、あるいはチェーンソーを使わずに造林事業との組み合わせをやるとか、そういういろいろなこと等を含め、総合いたしまして、なるべく鋸断時間というようなものを短くして造林事業に従事するようにして いこうという努力を私どもは続けてまいりたいと思っておるわけでございます。
○井上(泉)委員 その二時間でやることによって、振動病のこれからの発生を防止することができると思うのか、これではまだ不十分だからこれを一時間半くらいにしようとか、あるいはそれを一時間にしようと考えているのか、どういうことにしようと考えておるのか。その二つの道を私はあなたに尋ねておるわけです。休憩の設備を改善するとか、いろいろなことをやると言うが、治療と予防のことですから、この二時間で大丈夫だと考えているのか、あるいは二時間と決めておるけれども、二時間ではどうもいかぬからこれをどういうふうにしようというように考えておるのか、この二つに一つの答えでいいですよ。
○松形政府委員 私ども、医学的な問題というようなものがございますし、なるべくそういう基準というものを早くつくりまして、そして検討して、それに適合するような作業仕組み等を考えていく、こういうことを考えておるわけでございます。
○井上(泉)委員 昭和四十四年にこの二時間の規制を話し合って決められた。ところが、その後、二時間でやってきておったけれども、四十八年、四十九年あるいは五十年と振動病患者は続出する状態にあるわけです。そのことは、いま長官もお認めになったように、いままでの時間規制のない以前の振動による故障というものがこれでずっと加速をつけられてきた。つまり、それにずっとプラスアルファされてきたがために起こっておるわけです。だから、現在林野庁がやっておられる二時間というものは、いままで規制以前に症状が出かかっておったものを防止するという役には立っていないで、依然として二時間規制をやる以前の症状というものを進行さす方向になっておると考えざるを得ないと私は思うのですが、あなたはどう考えておりますか。
○松形政府委員 先ほど来私が申し上げておりますように、二時間ということだけでなしに、いろいろなことを総合しまして、のこを使わない時間を年間を通じてなるべく少なくしょうという努力を私はしておるわけでございまして、そういう意味では、医学的な問題もございますし、われわれもそういう努力を続けていく、そして鋸断時間に使う二時間というものをなるべく短くするというのが一歩前進であろう、こういうことを申し上げておるわけでございます。
○井上(泉)委員 こういう振動病患者をなるたけ少なくするようにする考えであるということはあたりまえのことで、それは何もあなたがここで自慢して言うことじゃないでしょう。その振動病患者の発生を防止するように努めていくのは当然のあなたの任務だと私は思うのですが、そういう任務だとあなたは考えておるのか、そういうことをするのは林野庁の長官としては一つのサービスだと思っておるのか、どっちですか。
○松形政府委員 サービスというようなことを考えているわけではございませんで、経営の立場の者、あるいは山で働いていただく方々、全員が健康で、そして国有林に与えられた使命が達せられるように努力できる体制というものが必要だと私は思っているわけでございます。
○井上(泉)委員 国有林で働いておる方だけではなしに、民有林で働いておる労働者に対しても林野庁の長官としてはそれと同じような考え方を持っておらねばならぬと私は思うのですが、持っておりますか。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 そのような指導ということを私の立場で申し上げますと、国有林も民有林もその責にあるわけでございますから、同様な気持ちでおるわけでございます。
○井上(泉)委員 その気持ちがあるならば、その気持ちが具体的にあらわれてこないと、それは何ぼあなたを愛しますと言うても、愛していなかったら、そしてわきでおなご遊びをすれば、これは愛しておる証拠にならぬでしょう。やっぱり民有林の労働者を愛しておると言うなら、愛しておるということが具体的にあらわれてこなければいかぬ。 そこであなたにお尋ねするわけですけれども、立木処分をずいぶんなされるでしょう。立木処分をなされるときに、国有林をあなたが払い下げて——あなたがと言っても、あなた個人のことではないですから誤解せぬようにしておってもらいたいが、あなたが払い下げた山を伐採してやっていくために民間の業者が労働者を使用する。そのおかげで民間の労働者の中にはチェーン患者が大変多く、国有林の労働者よりもまだひどい状態の中に今日あるということに対してあなたはどうお考えになりますか。
○松形政府委員 立木処分を受けて、そこで働いてレイノーがたくさん出ておるというような実態がありますならば、特別にそういう実態がありますならば、われわれは調べてみたいと思っております。
○井上(泉)委員 特別にその実態があれば調べてみるとかいうようなことでは、それはあなた、官僚の答弁でしょう。現在の白ろう病の患者というのは国有林で働いておる人の中にもたくさんあるが、民有林の労働者の中にもたくさんある。その民有林の労働者の患者が出てくる大半の作業場というのは、民有林の仕事もありましょうけれども、国有林を払い下げることによって生ずる作業工程の中からも、これが全部とは言わないけれども、この作業工程の中からも生まれておるということ、これは調べてみねばわからぬというようなことではなしに、現実的にそういう判断が成り立つのじゃないかと私は思う。それなしには、あなたは、民有林で働いておる民間の山林労働者に対して、国有林の労働者と同じように、この振動病の出ないような措置が講じられねばならないという労働者を愛する気持ちというものがあらわれてこないのじゃないかと私は思う。口では言うけれども、あなたの行政の行為の中には、そういう民間の労働者に対するいささかの愛情も持っていないのじゃないかと私は思うのですが、そんな認識ですか。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 私の言葉が足りなかった点があろうかと思いますが、実は、そのような立木を処分いたしますのに対しましては、先ほど来申し上げておりますように、チェーンソー使用に伴う振動障害の予防についての昭和四十五年の労働省通達あるいは林業労働環境安全施業基準等を策定いたしまして、立木販売の契約の相手方に対しまして関係筋からも十分指導しておるのでございますけれども、それを売り払う立場にあります営林局署というようなものがさらにこれら通達を周知徹底するというようなことの指導を私どもはいたしておりまして、なお、今月の初めでございますけれども、これにつきましては、さらに一層厳重に守るよう指導するようにという通達を改めて出したわけでございます。そのような指導を通じまして、十分そういうことが守られるように指導してまいりたいと思うのでございます。 なお、先ほどちょっと御紹介申し上げましたけれども、このような労働安全衛生管理ということは非常に大事なことでございますので、五十年度からは点検パトロールというようなものを全県に適用すべく予算を計上いたしておるわけでございまして、専門家により、民間のそういう現場をそれぞれ時期を見まして巡回指導しながら、このようなことがないように、そしてまたこういう通達がよく守られるように私どもは今後も指導してまいりたいと思うわけでございます。 なお、同時に、県の段階では、安全推進のための林業労働についての協議会を設けることにいたしておりまして、その協議会の中でも、この点検パトロールした結果を持ち寄りまして、その反省によりましてさらにもう一歩また巡回するというようなことを繰り返しながら、この立木処分を受けた方々が、このような通達に基づいて、その精神を生かして、そうして仕事に従事していただくように指導してまいるつもりでございます。
○井上(泉)委員 それではお伺いしますが、いま後段の方で言われました。パトロール班のことでありますが、五十年度の新規事業としてこれが計画されておるということは私も承知しておるわけですけれども、これの予算内容につきましても、これは本当にわずかな金額であるということと同時に、その予算の内容はいろいろな金の関係で少ないかもしれませんけれども、しかし、これをやる主体はあなたが委嘱した側の立場の人だけでしょう。こういうパトロール隊を編成してやるとするならば、やはり、山で働いておる労働者の代表をこの中に入れる。端的に言うならば、組織された労働者と言えば全林野の方たち以外には余りないので、これは全林野の代表を入れる。組合ということがいやなら、少なくとも現場の山で働いておる労働者の代表をこのパトロール隊の中に入れてこそ、初めてあなたの意図される点検の効果というか、目的が達せられると思うわけですが、それに対しての考え方を承りたいと思います。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 現在、そのパトロールで——先ほど専門家と申し上げたのでございますが、そのパトロールをする主体といたしましては、林業労働災害防止協会というものが中央にございまして、県の支部あるいは町村の分会というようなものがございます。それを通じまして行うわけでございますが、仕事の内容をちょっと申し上げてみますと、チェーンソーのエンジン部分の適正な整備とか目立ての可否とか、チェーン張りの可否あるいは下刈り機のエンジン部分の整備状況あるいは目立ての可否、集材機のドラムブレーキの整備とかエンジン部分の整備、あるいは架線を張ります場合の索張り方式の適否とかワイヤロープの張力の適否、あるいは作業仕組み、作業動作、作業時間等の適否、その他安全衛生に関する諸点、そういうものについて専門的知識を持っておる方々によって構成されるパトロール隊というようなことを考えておるのでございます。 したがって、要員の構成について、ただいま先生からそのような御意見もございましたが、私ども各方面からの協力を期待いたしておるのでございまして、労働者の中にも適任者の方があれば協力をお願いするということもあり得ると私どもは考えておるわけでございます。
○井上(泉)委員 労働者の中に適任者があればというように、労働者というものをあなたは軽視しておる。労働者をもっと重視せねばならぬですよ。山はだれによって育てられ、守られておるのか、そのことを考えたら労働者を重視せねばいかぬ。ある大臣が国民を信頼しないということを言って大問題が起こったわけですけれども、労働者の中に適任者があればというような、あなたのそういう考え方というものは労働者を軽視した考え方に通ずると私は思うのですが、もっと労働者というものを重視したらどうですか。
○松形政府委員 労働者を軽視しておるというような気持ちで申し上げたわけではございません。実は、専門的知識を持っておる方々、林業労働という実態もよく承知しておる方々を私どもは専門家と申し上げておるのでございますが、これの仕事が初年度ということでもございまして、まだスタートしていないものですから、その実行の過程においていろいろ考えたいという気持ちもございます。 ただ、先ほどちょっとパトロールと同時に申し上げました県段階における協議会というものを設置することになっておりまして、その協議会の中にそういう労働者の代表の方に入っていただいて、そこで実際にパトロール計画を立てるとか、内容を検討するとか、そして、また、そのパトロールした結果によって反省し協議するとか、一歩でも前進しようということでございますから、そういう中に入っていただくということも現在は考えておるわけでございます。
○井上(泉)委員 そこで、労働者を軽視しておるという考え方はない。ところが、重視をしておりますという考え方は御異論がなかったわけですが、やはり山で働いておる人を考えるということで、チェーンソーのいわゆる振動病患者をなくしていくために、そういう不幸を生ぜしめないように、肉体をむしばむようなことのないように、これは行政庁としてなさねばならないということをあなたは何回か言われたでしょう。そういう温かい思いやりのある話をされたでしょう。そうなれば、やはり労働者というものを重視して、そうして本当に山を守って働いておるこの人たちの健康管理のために、せっかくこのパトロール班をつくったのだから、そういう専門家がどうのこうのといろいろなことを言うんじゃなしに、むしろ積極的に労働者の代表に参加していただいて、そうしてこのパトロールの任務が十二分に達成のできるように——しかも、初年度、最初でありますから、この最初が大事です。最初が大事ですから、この最初の年にそういうことを決意をされてこそ、労働者を大切にするという考え方に立ったあなたの行為だと私は思うわけですが、どうですか。ひとつ明確にしていただきたいと思います。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 この関係は労働省の出先とかいろいろなものも含めての検討をすることになりますし、なお、ただいまのような御意見もわかりましたので、私の方で検討させていただきたいと思います。
○井上(泉)委員 それでは、その次に、そういう国有林を払い下げることによって立木処分をさした業者が、このチェーンソーの使用時間も二時間厳守を守っておるのかどうか。また、守らねばならないということでこの三月の七日に通達を出した。これも大変遅いでしょう。もっと早く四十五年ごろから、林野庁と労働者との間で決めた時点でこれくらいの通達を出すだけの心がなぜなかったのか。その時分にはあなたも長官ではなかったのでしょうし、これはあなたの責任を追及するわけではないですけれども、そういうふうな民間の民有林で働いておる労働者、さらにはまた、国有林を払い下げてその伐木をやっておる業者、これに対する指導というものが全くなっていない。それがためにおくればせながらも三月七日にこういう通達を出したということに私は理解をせざるを得ないわけですが、そこで、この通達を出したけれども一その通達を業者が実行しなかった場合にはどうするのですか。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 先ほど、前論の方でございますけれども、今月の七日に改めて出したということは、それ以前から、通達等を通じまして、事あるごとに、機会をとらえまして厳重に指導しておったわけでございますけれども、さらに、いろいろな発生の状況等から見てより一層厳重にすべきである、こういう趣旨でございます。 なお、この時間厳守等につきましては、当然そういう通達等もございますし、また、関係する省もございますので、それらの機関と出先の機関等とも十分連絡をとりながらより一層強力な指導をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○井上(泉)委員 それは、通達を実行しておるかどうかということについて強力な指導をするということは当然のことでしょう。 そこで、その立木を処分するに当たって価格を決めるでしょう。その価格を決める場合の規程というものがあると私は思うわけです。その伐木の量がどれだけあるか、これを切り倒すためにはどれだけの経費が要るか、それにはどれだけの労働力を必要とするかという、そういう計算書というか、その立木を処分する一つの基準というものがあろうと私は思うわけですが、どのような基準があるのか。特に、その立木処分に要する労働者の労賃の算定の基準というものはどうなっておるのか、お示しを願いたいと思います。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 請負作業とか立木販売に係ります単価積算の際におきましては、一日当たりの作業工程の採用につきまして労働省の指導通達があるわけでございますが、それに基づきましてチェーンソーの操作時間の規制を加味しておりますほかに、経費につきましては、防振装置つきのチェーンソーの損料を見込むというようなことと、あるいはチェーンソーの機種選定、操作時間の規制に見合った適正な作業単価となるように措置しているところでございます。 なお、そのような事業主あるいは従事者に対しましての予防の対策あるいは指導の徹底と相まちまして、さらに振動障害対策を一層推進してまいりたい、こういうことで指導をいたしておるわけでございます。
○井上(泉)委員 それで、労働省の通達というのは、チェーンソーは二時間使用するということで労賃の単価を計算して立木を売り渡すときの価格の基礎にされておるというふうに理解しておって間違いないですか。
○松形政府委員 そのようでございます。
○井上(泉)委員 そこで、もとへ房るわけですけれども、そういうふうなことで、規制でやっておる。それにもかかわらず立木処分を受けた作業場、いわゆる民間の業者のもとで働いておる人たちが、この二時間という規制を守らされずにやられておるということが判明した場合に、これに対する処置というものは何ら請負契約等の中に講じられていないわけですが、そういうものに対してはどういうようにするつもりですか。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 チェーンソーのただいまのような二時間という積算因子でございますが、このような作業基準を契約書には明定いたしておりません。このことは労働条件というようなことでございますので、基本的には、立木の買い受け者である事業主と、これに雇用されております労働者の間で取り決められる問題であろうと考えているわけでございまして、本来、国の産物の売買は、やはり公法上の契約でない立木売買でございますので、このような労働条件に係る問題を含めて処理することを契約書に盛り込むということは性格上なじまない点があるのじゃないかということで、私どもはこの契約書の中にはそういうことはうたっていないのでございますが、予定価格等の算定には二時間基準というようなものを算定いたしておる、こういうことでございます。
○井上(泉)委員 それで、その売買契約書の中にはそれは入っていないのです。そういうことは入っていないけれども、しかし、あなたの山の労働者を愛するという気持ちからして、そういう振動病患者をなくするためにはどうしなければならぬか。そのためには二時間規制を実行するように民間もやってもらわなければいかぬ、国有林でもやっておるけれども、民間でもやってもらわなければいかぬ、と、こういう方針で通達もなされておる。そして、売買契約には書いてないけれども、その立木を売却する場合の計算の基礎にはそういうことになっておる。なっておるけれども、それをその業者が実施しないということは、せっかく林野庁が売り渡した業者が労働者を食い物にして、そこでその利益を取っておるということだ。そういう不遜なふらちな行為をする者に対してこの売買の立木の処分をするということは、これは間違ったやり方じゃないですか。そんな労働者を無視したやり方をするような業者に立木の処分をさすということは間違っておると私は思うのですが、間違っていないですか。 〔委員長退席、坂村委員長代理着席〕
○堀川政府委員 ただいま先生のおっしゃった問題は十分私どもも理解ができるところでございますが、ただ、私ども、労働安全衛生上の観点からの法令や通達の遵守状況について、すべての立木処分者を対象として網羅的な調査をするということはなかなか困難でございますが、客観的に、労働安全衛生に関する法令の違反でございますとか、先ほど来問題になっております時間規制に再々違反することとか、そういう悪質な業者と契約を結ぶかどうかという問題であろうかと思います。 契約者の中に書くか書かぬかという問題は先ほど長官の申し上げたとおりでございますが、将来の問題として、いま先生のおっしゃった御指摘の点につきましては、契約を結ぶ相手方の選定の方法ということで、他の建設業その他の業者の選定の仕方等、いろいろと考え方も他省あるいはわが省におきましてもあるようでございますから、そういうものとの関連調整ということも十分考えて、将来の問題として検討してまいりたいと思います。
○井上(泉)委員 これは将来の問題だと言われるのですけれども、将来の問題ではなしに、あしたからでも、立木処分をするに当たっての相手業者にそれだけのことは厳重に規制をする必要がある。いわばこれは賃金の未払いに等しいでしょう。賃金のかすめ取りでしょう。林野庁の方ではチェーンソーを二時間使うことによって、二時間で操作をするのだから、これを伐採するためにはこれだけの労働賃金が要るからということを積算して立木の処分をしておるのでしょう。その積算したものを労働者に払わないということは、これは労働者を搾取しておるということになるでしょう。そういうことを林野庁が許すということは、これは将来の問題ではないのですから、今日の問題ですから、その今日の問題を将来にわたって研究をするなんて、そんななまぬるいことをするから、十年前にこの問題が提起されて、十年前に提起されたが、今日なおその患者が多発しておる。特に、最近においては、民有林の労働者の中では、いままでは潜在的であったものが爆発的に出ておるという現状でしょう。そういう山林労働者の肉体をむしばんでおることに対する危機感というものをあなたたちはもっと持ってもらわなければならぬと私は思うわけですけれども、それを依然として、将来にわたって、ということですか。
○堀川政府委員 契約上、いろいろのコストの見方につきまして標準的なものを採用して、それをもとにして契約上の価格を決めるということは一つございました。ただ、そういうことがございましたからといって、契約の当事者である売り払い側が買い受け側に、最後のコストをどういうふうに案分するというような問題についてまで介入するということがいいかどうかということは非常に問題があろうと思いますが、しかし、労働安全衛生の諸法令や諸通達を守ってもらうということは別途の立場からあるわけでございますから、そういう立場に立ちまして、契約の相手方として選ぶやり方の問題を真剣にこれから検討してまいりたいと思います。
○井上(泉)委員 それで、労働者の体をむしばむようなチェーンソーも、現在二時間でもまだいろいろ問題があるけれども、林野庁は、せめていまできておる二時間の使用限度というものを守って、そこでその作業をしてもらうようにということに基づいて計算をして、立木処分をやらせておる。ところが、そのやらせた業者がそのことを守らないということは、これは林野庁の行政を覆しておることでしょう。それで、覆しておることに対して、それを厳重に考えるという、その考えるということが具体的な行動となってあらわれてこなければならぬと私は思うのです。これは建設省の仕事でも同じことだと思うわけですが、建設省の仕事で、たとえば賃金の未払いなんかをした場合には、おそらく指名が停止されるでありましょう。ところが、林野庁が払い下げる立木処分をした業者に対しては、その業者と労働者との間の取引ということではなしに、林野庁が指導して、こういうことに基づいて立木をあなたに売り渡すんだから、あなたはそれを実行してもらわなければ困ると言って、そのことを徹底させると同時に、そのことをやらない業者に対しては立木の処分を 一時停止するとかいうような行政処置は当然なければならぬと私は思うのですが、その気持ちはないですか。
○松形政府委員 先ほど来議論になっているわけでございますが、契約書に書くか書かないかということは公法的なものではない、契約になじみにくいというような問題がございます。しかし、ただいま御指摘のように、建設業等の場合はそれは指名停止とかになるんだよというようなお話しでございますが、立木販売とかいう場合に、その契約を適正に履行するに必要な技術者がおるとか、あるいは機械を持っているとか、あるいは過去における契約違反の有無とか、実績とか、あるいは信用の問題とか、私ども、そういうものを総合的に勘案いたしまして立木販売をいたしておるわけでございまして、林野庁といたしましては、かねがね林政部長がお答え申し上げましたように、なお一層こういう趣旨の徹底を図りながら、さらに一歩前進するように一層検討していくということで御了解いただきたいと思うわけでございます。
○井上(泉)委員 それは過去の誤ってきた行政というよりも——これは、まあ誤りではないでしょう。誤りではないです。それはあなたたちもこういうことでやれということでやって、やったことが実行されていないということについてはこれから考えると言うのでありまするが、しかし、そういう例というものはたくさんあるわけです。具体的な事例としても、私は高知県でありますけれども、高知県のある山林労働者は一日四、五時間もチェーンソーを使い、やっといまの生活を守っておる。この方は長尾という方ですが、地元農家の六人でグループをつくり、営林署から国有林の払い下げを受けて伐木に従事し、林業会社から出来高に応じて収入を得ておる。つまり、あなたが払い下げした業者のもとで働くのに、これが適正な労働賃金、労働基準でやられないがために、少しでも働こうとして、二時間のところを三時間、四時間働いて、自分の手をまっ白くして、そのあげくの果てには手が使えないというような状態に追い込まれておるのであります。事、人間の生命に関すること、健康に関することでありますので、林野庁はそういうことを実施しない業者に対してはもっと毅然とした態度をとってもらわないと、こういう立木処分をする業者と林野庁の関係者との間のなれ合いということが巷間伝えられておるわけでありまするので、そういうなれ合いといううわさを払拭するためにもそのことが必要だと思うわけであります。 そこで、その立木処分に出す量と林野庁が直轄で切る林の量とは、国有林の場合でどれくらいの比率になっておりますか。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 全国から見ますと六割が立木処分で、四割が直営生産ということになっております。
○井上(泉)委員 それでは、その四割の立木処分をするために林野庁の必要とする労働者の数はどれくらいですか。
○松形政府委員 確かな数字ということにはまいりませんけれども、立木処分をするのに対しましては、その土地の面積の確定、あるいはそこに立っている木の樹種ごとの材積の確定、評価、そういうことに職員なりあるいは一部作業員が従事するわけでございます。
○井上(泉)委員 それは、山では木を切るだけではいかぬですから、切った木も運び出さなければ いかぬわけですが、林野庁が処分する立木の中の四割を直轄でやっておる。それなら、その直轄においてやる現場の作業員というものは、これは全体でいいですが、とにかく何万人あるのか、そのことをお聞かれ願いたい。
○松形政府委員 四十八年度で生産に従事をいたしました者が、延べ二百五十万人でございます。
○井上(泉)委員 私の質問の仕方が悪いのかね。はっきりわからぬですが。 それでは、四と六の比率ですから、現在林野庁が使用しておる山林労働者の数よりも、この国有林の払い下げのものだけを例にとっても、これは六割も立木処分をしておりますから、その六割の方に労働者が多いということは、当然その推察というものは間違いないと思うのですが、そういうふうに理解しておって間違いないでしょうか。
○松形政府委員 確かな数字ということはわかりませんけれども、量的な面から見ますとそういうことに相なろうかと思います。ただ、立木処分します場合に、その場所とか樹種の傾向というようなものがいろいろと違っておりまして、先生は御承知と思いますけれども、高知県等の場合における立木処分の樹種なり山の形態あるいは、これは林相と申しますが、そういうものと直営生産でやっておる森林の状態というものは内容がちょっと違っておりますので、一概に量的な面からだけでこれを判断するということはできないんじゃないか、かように思うわけでございます。
○井上(泉)委員 量的な面では判断はできないけれども、しかし、立木処分に基づく国有林に作業しておる労働者がたくさんおるということは、その労働者の健康管理について、労働省がどうだ、病気になったら厚生省がどうなるとかというようなことではなしに、立木処分をする側の林野庁としてはどうかということをもっと積極的にきちんとしなければいかぬと私は思うのです。それがためには、立木処分の、払い下げの条件としての規定というものが、こういう労働者をむしばむようなことをやることに対しては厳重な規制の措置を行うというものでなければならない。できれば、請負契約の中で、売買契約の中でそれくらいのものを示すべきだと私は思うのですが、その考えは持たないですか。
○堀川政府委員 この問題は、先ほど申し上げましたように、物の販売とか処理とかいう私法上の契約関係に立つわけでございますので、契約条項の中にそれを直接に取り入れるということは法的な性格から言ってなじまないのではないかというふうに私どもは考えております。 ただ、しかし、先生のおっしゃる労働安全衛生に関する趣旨の徹底を、法令はもとより諸通達に至るまで厳格に守ってもらうという姿勢を私どもはしっかりと持って、関係の業者に対して、特に、立木販売というようなことで国と直接の関係を持つ業者に対しまして指導すべきは当然でございますから、その点の徹底はさらに図ってまいると同時に、先ほど申しました契約の相手方にいかなるものを選定するかという問題として、これは真剣に検討してまいりたいと思っております。
○井上(泉)委員 時間が参りましたので、だんだん取りまとめて結論を申し上げたいと思うのですが、山林労働者に振動機によっての白ろう病というものが多発をしておる。それは、昭和三十六年にこれを導入したときから始まってきたことに原因をしておる、そういう原因がわかった、原因がわかったから、この原因を排除するために二時間の規制とか、そのほかもろもろの措置を講ずるようにやっておられる、と、こういうことでありますが、現在これにかかっておる方はこれが全治するのか、もとの健康体に戻るような病気の性質であると考えておるのかどうか、この点を私は厚生省の方にお尋ねをしたいと思います。
○北川説明員 御説明申し上げます。 厚生省といたしましては、国民の健康を守る立場からと、それから医学的な見地ということからこの白ろう病問題につきましても勉強をしているわけでございますが、従来厚生省の所管しております医療研究助成金等で、その実態等の把握、治療方法の開発等を行っているわけでございますが、現在のところ、温泉療法というようなことがこの疾病に対して有効であるというふうに専門家の先生方はおっしゃっておられるわけでございます。 先生方のおっしゃられるのには、この疾病につきましては、作業から離れるというようなことと、あるいはそれに周辺しましたいろいろな治療を進めていくことによりまして回復は可能であるというように私どもは伺っております。 以上でございます。
○井上(泉)委員 それで回復が可能であるということなら、現在症状の出ておる方が依然としてこの振動機を使っておるということについては、たとえそれが十分でも二十分でもその振動機を使うことは——そういう治療をやることによって病状が回復するけれども、治療せずに十分でも二十分でもその振動機を使うということは、治療にならないだけではなしに、むしろその病状が促進されるということが想像されるわけですが、それについての判断はどうですか。
○北川説明員 その治療と、それから作業との関係がどうであるかということの御質問であろうかと思いますが、疾病ということの観点から見ますと、疾病を促進する環境から離れてしまうということが一番望ましいことであろうかと思います。しかし、私どもが厚生省として従来いろいろ対策を進めてまいりました結核というような病気があるわけでございますけれども、われわれ人間が実際には生活をしており、労働をしており、社会生活をしておるわけでございまして、そういう生活を進めながら治療をしていくという考え方が基礎的にはあるわけでございまして、そういう考え方をこの白ろう病の問題に敷衍しまして考えました場合に、作業から離れなければならないのか、あるいは作業を続けながらも治療が可能であろうかというようなことにつきましては、その個々の該当者の状況に応じながら主治医が決めていく問題かと思います。
○井上(泉)委員 そこで、補償の問題とかその他のことにつきましては島本先生から引き続いて質問があろうと思うわけですが、四十五年にこのチェーンソーを二時間使用するということを決めてやり出してから、いまの林野庁の発表だけでも、四十七年ではわずか九十人であったものが、四十八年では四百三十六人、そして四十九年では四百二十六人というふうに多発をしておるということから推察をしていくと、症状が出ておる者が依然としてチェーンソーを使うことによってこれがだんだんだんだん進行してくるということは言えるんじゃないかと思うわけですが、どうですか。
○北川説明員 これは私自身の感想ということになるかと思いますが、患者数がどのようにふえていったのか、先ほど来のお話しの中で、四十六年から四十九年にかけて患者数が非常にふえているというようなことにつきましては、数字はまさにそのように説明をされるかと思いますが、この数字のバックグラウンドがどういうことであったかにつきましては、私どもも現在十分に承知をしておりませんので十分なことはわかりませんが、確かに患者はふえているのではないかというふうには考えられると思います。
○井上(泉)委員 これは私は常識として考えるのですが、症状の出ておる者に、その症状を生ぜしめた原因を依然として繰り返しておったならば、たとえそれが五分でも十分でも、その症状が回復をするということはできない。それは結核でも、やっと治りかけた結核患者が急に水をかぶるとかいうことをしたら症状がまた一挙に悪化するというようなことでもわかる。あるいは傷口がもう八分どおり治ったと思うときに湯へつけることによって、その傷口から湯が入ってはれるということにもなるわけなので、そういう点からも、現在症状が少しでも出ておる者に対しては、この際抜本的な治療対策と治療措置を林野庁としてはやらねばならないのじゃないかと私は思う。そして、そのことは、林野庁の関係だけではなしに、民間の山林労働者にもそのことが適用されるような行政指導といいますか、そういう措置を林野庁としてはなさらねばならないと思うわけです。 発生の原因はわかった、一応曲がりなりにも治療法ができた、しかしこのまま放置しておけば患者は続発するという、こういう状態に対して林野庁長官としてはどういう対策をお考えになって処置をとられようとしておるのか、最後に見解を承りたいと思います。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 先ほど来申し上げておりますように、いかにしてそういう発生を防ぐかということに中心を置いて、ロータリエンジンつきとか、あるいはいろいろな仕事の配分とか、仕組みとか、そういうことを考えてやっておるわけでございますが、ただいま厚生省の方からもお話しがございましたように、温泉治療がいいということで、私どもすでに大分に一つ設けておりますが、五十年度はさらに青森県に設けるとか、また、厚生省、労働省、文部省等の御協力をいただきまして、いかに多くのベッドを確保するかというようなことで努力いたしておりまして、治療に万全を期しております。昨年の三月はたしか四病院くらいでございましたけれども、現在は二十五の病院とそのような取り決めがすでに行われておりまして、収容できるというようなかっこうになっておりまして、そういう方々ができるだけ早期に発見できて、そしてまた早期に治療ができて、そしてまた現場へ復帰していただくというような措置を私どもはとりたい、こういうように考えておるわけでございます。
○井上(泉)委員 これで質問を終わりますけれども、もう一回だけ伺っておきます。 その温泉を別府へつくり、あるいは青森へつくるということも、これも確かに一つの前進でありましょう。しかしながら、家族の近くでそれぞれ療養のできるようなものを多発地帯に設けるという措置を講ずべきじゃないか。たとえば高知県の場合なんかでも、県立宿毛病院の中に何人かの患者を収容してその治療に当たっておる。そして、また、県の方もそれをもっと促進するようにしたいというようなことも言っておるわけでしょう。そういう点からも、別府や青森でいま計画をされておる構想だけでは、多発しておる患者に対してはとても——これは林野庁の関係者、国有林の関係者だけですから、民間の山林労働者の治療施設というものはまことにお粗末の限りだと思うわけですが、そういう点につきまして林野庁としてはもっと積極的な行政を展開していただきたいということと、こういう山林労働者が日本の山を守って、そうして体をむしばまれてきておるという現象に対して、政府としても、政治の温かい手を差し伸べて、治療の面からも補償の面からもこれの救済について万全を期さねばならないと思うわけでありますので、その点について政務次官の見解を承って、私の質問を終わりたいと思います。
○江藤政府委員 先刻来、白ろう病の問題についていろいろと御意見を承ってまいりました。この問題は、林業行政を進めてまいります上に重大な問題でありますので、林野庁としてもそれなりに努力をして取り組み、あるいは指導の面において、あるいはまた予算措置の面において、十分とは言えませんけれどもこれに取り組んでまいっておるところでございます。しかしながら、このような大きな人の健康に関する問題でありますから、農林省としては、省内はもちろんのことでありますが、将来ともに関係各省とも連絡を緊密にいたしましてこの問題に対処してまいりたい、このように考えております。
○坂村委員長代理 次に、島本虎三君。
○島本委員 私は、この機会に、ただいままで井上議員もいろいろ皆さんに承っておりました振動病の問題について、林野庁並びに労働省を中心にして根本的な問題について詰めてみたいと思う次第であります。 この二月十一日から十三日にかけて三日間、私も、社会党の林業労働者振動病現地調査団の団長といたしまして、高知県の宿毛市、それから土佐清水市の林業労働者の振動病の実態を調査してきたわけであります。そして、私自身その惨たんたる状態に驚いてきたわけです。また、これと同時に、大分、宮崎の両県にも調査団を派遣して調査してまいりました。そして、林業における振動病の発生状況はきわめて深刻なものだということをはっきり認識してきたわけです。 いままでの答弁を聞いておりまして私自身も若干疑義が生じてまいりましたし、この問題については国会で再三にわたって抜本的な対策の確立を求めてきているわけであります。政府も、関係省庁におきましても当然あらゆる努力をすることを契約して現在に至っているわけであります。しかし、一向に効果があらわれていないようであります。そして、その間に、これは長官も労働省もよく聞いておいてもらいたいんですが、奈良県では自殺者さえも出ている始末であります。それと同時に、土佐清水市では生活保護者の実態以下の生活を強いられておる。こういうようなことであります。これでは努力したことにはならないんじゃないかというようにさえ私は思うのであります。したがって、今後はこういうようなことを繰り返さないために抜本的な対策を立てて、その反省の上に立ってはっきりしためどをつけたいと思って私はきょう臨んできたわけです。 いままで、林野庁長官は、三十六年ごろからチェーンソーを導入して振動病が発生したが、四十年ごろから防振装置のついたチェーンソーを買うように通達を出したし、民有林に対しても、四十九年十一月ですか、林業労働安全基準を示したし、主たる機種二十一種を公表した、そして真剣に取り組んでいきたい、と、こういうような御答弁があったように承っておりました。労働省においても、四十九年四月二十五日の参議院の社会労働委員会でありますけれども、振動病に対し、基準法施行規則三十五条の十一号に該当する職業病であるということと、そしてこれについて積極的に認定の姿勢をとるということを、現事務次官、当時の労働基準監督局長が言明しているのであります。 双方ともにこの問題には積極的に取り組むという姿勢がうかがわれるのでありますけれども、林野庁も労働省もとも厳しい反省の上に立って今後この問題と取っ組むようにするという確認の上に立って私は具体的な質問に入りたいと思うのですが、私がいま言ったのは、確実な資料によって、その答弁によっていま聞いているのでありまして、これからこの問題を前進させるために、再び皆さんの意向を聞いてから私は質問を展開していきたいと思います。両省庁からの責任者の答弁を求めます。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 先ほどの井上先生の御質問に続きまして、ただいま島本先生からさらにそれの確認というようなことで、私どもがとってまいりました対策について御理解いただいておるのでございますが、今後も、このような振動病というようなものが発生しないように、予防措置なり、あるいはそれぞれの対策を、労使双方とも十分検討しながら対策を立てていくというような姿勢を持っていきたい、かように考えているわけでございます。
○東村政府委員 ただいま先生から御指摘がございましたように、この問題につきましては、かなり前からいろいろ問題にされておりましたし、労働省としてもできるだけの手を尽くしたわけでございますが、何しろ、医学的な問題で、まだ未解明の分野がございます。しかし、そういうことを言っておられません。やはり現実に苦しんでいる方がありますので、労働省としても積極的にこの問題に取り組んでまいりたい、かように考えております。
○島本委員 林野庁の長官にいまの御答弁の上に立って聞きます。 先ほど井上委員に対しましての答弁にもございましたが、振動病の主因はチェーンソーである、しかしそれ以外にもあるというような答弁であったように承るのですけれども、いわゆる振動病と言われる白ろう病、この白ろう病というのは、これはもうすでに社会主義の諸国では重症患者なのです。したがって、白ろう病と言うよりも、これは振動病と言う方が正しいと思うのですけれども、この主因はチェーンソーであるけれども、それ以外にもあるという考え方は私は初めて承りましたが、それ以外にはどういう理由があるのでしょうか。この際はっきりさせておきたいと思います。
○松形政府委員 原因ということを意識して私は申し上げたわけではございませんで、湿度の問題とか、温度とか、あるいはきわめて傾斜度が高いとか、日本の森林の置かれているそういうもろもろの環境というようなものも原因する点があるのじゃなかろうかというような意識で申し上げたわけでございます。
○島本委員 どこへ参りましても温度はあります。また、どの国に行きましても湿度はあるわけです。温湿はそれぞれ異っておっても、これが全然ない国はないのであります。まして、傾斜地のないようなところも、これまた珍しい。そういうような見地に立って、振動病の主因はチェーンソーであるという反省の上に立って今後やるのに、そのほかにもあるという考え方で、いままでの対策をまた後退させるような思想的な傾向が見えてきて残念だと私は思うのですが、ほかの国で、温度、湿度、傾斜度のない国でりっぱにやっているところがあったら、この際ですからはっきりさせてもらいたい。そうでなければそうじゃないのだということを明確にしておかないと、これはとんでもないことです。
○松形政府委員 現在私どもがとっている対策といたしまして、暖くしようとか、あるいは休憩小屋でもそれは暖くしようとか、パックを使うとか、あるいは人員輸送車によって暖いかっこうで運ぶとかいうようなことがございますので、温度とかいうようなものが非常に影響するというふうに理解してそういう対策をとっておる関係からそのようなことを申し上げたわけでございまして、そういう環境に対する施策もとっておるということを認識して申し上げたわけでございます。
○島本委員 ちょっとくどうございますが、主因はそれによるものではないということ、これをはっきりしないといけません。こういう環境によるものもあるということではぽかされるのです。
○松形政府委員 チェーンソー使用による主因であることは間違いございません。
○島本委員 それで、もう一つ、この点についての長官のはっきりした御意見と、それから資料を賜りたいと思いますが、私どももいろいろ調査してまいりましたが、林野庁の調べによると、やはり民間でもチェーンソーの使用時間が約二時間であるというようなことでございます。私どもの方の手元にもそういうような資料がないわけではございません。あるのでありますが、しかし、私が見てきた実態は全然違うのであります。一日に四時間も五時間も、多い人は六時間ぐらい使わざるを得ない状態なんだ。そして、それは、単に指導行政などのためじゃなく、生活上そうしなければ自分らが食べていけないような状態に追い込まれているのであります。その実態も私どもとしてはよく調べてまいりました。しかし、長官は依然として民間も二時間ぐらいだということで、これも林野庁の調べによれば、ということであります。林野庁はどこを調べられた結果こういうような現状把握をなさったのか。私の調べたところと天と地の違いがありますので、これはそのままにしておけないと思います。現状把握の問題で天と地の差があるということは、これはいろいろ今後の問題にも差しさわりがございましょう。 したがいまして、どの事業所の資料によったのか、この資料の提出を求めたいと思います。委員長においてしかるべくこれのお取り計らいを願います。
○松形政府委員 先ほどの井上先生のときに、八県について、と申し上げましたが、その八県についての実態調査というようなことの資料は提出いたしたいと思います。
○坂村委員長代理 島本君に申し上げます。 ただいまの資料は、理事会で相談をいたしまして、提出するように取り計らいたいと思います。
○島本委員 なお、お伺いしますが、その八県というのは、八つの事業所という意味ですか。これは特定の国有名詞ですか。
○松形政府委員 先日先生のお手元に差し上げました「林業労働環境・安全施業基準」でございますが、その九ページでございますけれども、そこに全国を八ブロックに分けておりまして、その八ブロックから代表県を選んで調査した、こういうことになっておるわけでございます。
○島本委員 この中で見ましても、これは、「所在地北海道山越郡、経営面積一万五千六百ヘクタール、年平均事業量、伐採量三千五百平米、林道密度」云々となっており、いろいろありますが、これらによっても、チェーンソーの使用は全部「一連続五分、日二時間」となっている。北海道の場合は全部そうであって、そのほか旭川市のものによりましても、やはり一日二時間、一連続五分になっている。みんなそうなっている。それ以外のところはないのであります。これはいいところばかりやっているじゃありませんか。この調査資料は私の手元にあるのですが、この調査は、調査したいところばかりを調査しているのです。これからはっきり改良しなければならないところ、改善しなければならないところが一つも載っていないのでありますが、林野庁、こういう実態では一体どうなるんですか。 では、土佐清水、宿毛、中村営林署関係ですか、その関係は調査に入っていますか。
○松形政府委員 入っておりません。
○島本委員 遺憾であります。私はその方面を調査したら、この資料が全然でたらめなんであります。これは林野庁としてもいいところばかり調査しております。そして、資料としてまとめてこのとおりですと言っても、実態と余りに違います。違い過ぎます。これは私としては、まことに残念ですが、認めるわけにはまいらないのであります。 それで、先ほど資料の要請をいたしましたが、これは「林業労働環境・安全施業基準」で、昭和四十九年十一月林野庁発行のものでありますが、もしこれと同一のものであるならば、調査資料としての提出は、いま私の手元にありますから要りません。これであるなら要りません。一あわせて、高知県のこの資料を新たに要求いたしたいと思いますので、委員長においてこれのお取り計らいを願いたいと思います。余りにもこれは違い過ぎますから、これは大事でありますから……。
○坂村委員長代理 先ほど申し上げましたように、理事会で協議をいたしまして、前向きで取り計らいます。
○島本委員 これは理事会でやらずに、資料要求は委員長でできるのです。
○坂村委員長代理 理事会で相談をいたしまして、前向きに取り計らいます。
○島本委員 前向きですね。
○坂村委員長代理 はい。
○島本委員 それで大体わかりました。 次に、労働省ですが、いろいろな資料ができておると思うのですけれども、私どもも林野庁の資料についてはただいま伺いました。労働省の方では認定の数なんかも相当進んでいるんじゃないかと思うのでありますが、労働省の認定者の数をお知らせ願いたいと思います。
○東村政府委員 いままで白ろう病として労災で認定されました民有林労働者の数でございますが、労災保険で給付している者は、昭和四十七年三月末現在療養中の者が百四十九名、昭和四十八年三月末現在療養中の者が百四十六名、昭和四十九年三月末現在療養中の者が三百九十三名となっております。
○島本委員 これは間違いございませんか。昭和四十九年四月二十五日木曜日の参議院の社会労働委員会の会議録第八号によると、矢山参議院議員がいろいろ質問しておられますが、そのころのデータと違いませんか。
○東村政府委員 ただいま先生の御指摘の件はいま調べておりますが、私がいま申し上げましたのは、認定をして現在療養中の者、それぞれ末現在療養中の者を申し上げたわけでございます。
○島本委員 次に、機械の問題にちょっと入らせてもらいたいと思うのでありますが、振動病を発生する原因であるチェーンソーの問題です。 林野庁長官の御意見もはっきりわかりましたから、それについてはあえて追及はいたしませんけれども、まず、現在市販されているチェーンソーには、無振動チェーンソーというものが実在するかどうかについて簡単に答えてもらいたいと思うのです。無振動チェーンソーというものがありますか。ありませんか。
○中西政府委員 振動の比較的少ないチェーンソーはあると存じますけれども、全く振動のないチェーンソーというものは現在ないと思っております。
○島本委員 林野庁よろしゅうございますか。
○松形政府委員 そのように理解いたしております。
○島本委員 振動のないもの、それにこしたことはないのでありますが、若干はあっても本当に少ないもの、いわば振動病にならないような機械がそれに準じて望ましいのであります。それはそのとおりなんです。 無振動のチェーンソーはないというのはあたりまえなのでありますが、実は私どもはこれは本当に驚いたのであります。これは土佐清水並びに宿毛の方へ行って驚いたのであります。現地の調査に行ったところが、民有林の労働者は、私は無振動チェーンソーを購入して使用していると言うのであります。私どもは三人の者が行って、一緒に行ってもらった人も一緒にそのチェーンソーを直接手にとって見たのでありますが、約四、五年前に購入したものでございますが、いろいろ調べてみましたところが、これは、マッカラー社の日本総代理店である新宮商工が、「マッカラー無振動チェーンソー」という大々的な宣伝を行われたわけであります。しかも、林業関係の刊行物に連続してこれを記載して宣伝されているのであります。そして、さきの民有林労働者が無振動チェーンソーを使っていると言った、その発言の原因にこれがまたなっているわけであります。その人たちは無振動チェーンソーを使っているから病気にならないという自信を持っている。ところが、その人たちを調べたら、ほとんどの人が、A、B、Cに分けて、このランクのいずれかに入っておるわけです。ことに土佐清水では私は唖然としたのであります。こういうようなことからして、二時間規制をやっていると言いながらも、無振動チェーンソーを使っているのだから何でもないんだということで四時間も五時間もやって、その人たちの体はもうすでに脳まで冒されているのであります。こういうようなことが許されていいんですか。これもちやんと林業関係の本になって宣伝されているんですよ。ことに丁寧なことには第六十一国会の衆参を通じての私どものこれに対する追及まで中にちゃんと入っている。そして、裏表十文字、どこを見ても、「無振動チェーンソー、CP五五型、CP七〇型、CP一二五型」というようになって、きちっと宣伝しているじゃありませんか。まさにこれは誇大宣伝じゃありませんか。林野庁、公然とこういうようなことを認めているんですか。しかも、これは悪質な誇大宣伝です。人の命さえ侵すんです。健康さえ侵すんです。 これは誇大宣伝だと私は思うのですが、公取取引委員会、これは誇大宣伝じゃないですか。
○利部説明員 問題の表示物を私どもの方ではまだ入手してございませんので、はっきりはお答えできませんですけれども、御指摘のようなことであれば、非常な大きな問題のように思います。早速に調査いたします。
○島本委員 念のために、いま島田議員がその現物をお見せいたします。この内容等につきましてはいずれまたはっきり申し上げなければならないのでありますが、一番古いそれの改良型がどんどん出ているのであります。そして、これは、CP一二五のデラックスがその後出ております。CP五五型のデラックス、CP七〇デラックス型も出ているのであります。それの林業試験所測定値の機械別の振動最高値あたりも、負荷時最高振動強度が、三・二、一・八、四・六と、それぞれきちっと出ているのです。そして、無負荷時最高振動強度も、六・四、六・〇、四・五とそれぞれ出ているのであります。しかし、これの改良以前に無振動だとして、その本の宣伝のように出ているのであります。これは改良された去年かおととしのものです。改良される五年も六年も前に無振動だとしてそれをやっている。ちょうどそのころに二時間の規制が行われて、無振動でないと使ってはだめだと言われたころに無振動として出ているのであります。 これはどうなんですか。これでも誇大広告じゃないですか。それ以後改正されたものでも振動があるんです。それが一番原点の、一番振動の多いものです。
○利部説明員 景品表示法上非常に問題があると思います。早速検討いたします。 〔坂村委員長代理退席、藤本委員長代理着席〕
○島本委員 もうすでにこれは過大広告だと言ってもいいじゃありませんか。問題がある、これからよく検討すると言うが、その程度で問題があるから検討するんでしょう。そんなものをやらしちゃいけないのであります。林野庁もこういうような状態を労働省とともに見逃していませんでしたか。
○中西政府委員 先生の御指摘の、その機械につきましては、二年ほど前にそういう事実を発見いたしまして、これは大変問題だと存じましたので、輸入業者を労働省に呼びまして、表示が適当でないということで厳重に警告をいたしまして、改善させております。
○島本委員 その実態を林野庁が知らない。そういうような実態を林野庁が知っていたんですか。
○松形政府委員 ただいま私は聞いておりませんけれども、あるいは部局の方ではそういうことは承知いたしておったのか、よく調査してみないとわからないと思うわけでございます。
○島本委員 したがって、林野庁はこういう事実を知りながら放置しておったんです。また、マッカラー社だけの問題ではないのです。私どもの調査したところによると、「完全防振機(ホームライ社)九〇%吸収、パートナー社、白ろう病を追放するためにつくられた機械、ハスクバーナ、振動ゼロに挑戦」というようなことで宣伝しているのであります。しかし、これもきちっと二時間の制限をした後にこういうようなことをやっている。国有林の時間規制の協約化の後に一斉に宣伝が入ったということはきわめて問題じゃないかと思うのであります。林業における今日の振動病の深刻化については、これはまことに重大なかかわり合いを持っていることに気づかなければならないんじゃないかと思うのでありますが、これは一つの企業モラルにも反します。社会正義にも反する行為です。 こういうようなことで行政の指導をするということは、行政そのものはもうすでに企業と癒着しているんじゃないかと疑われざるを得ないじゃありませんか。チェーンソーそのものは凶器である。危険物である。いま巨大タンクが不等沈下を起こして、これも危険物じゃないかと思われておるのでありますが、それ以前にチェーンソーが危ないということは天下に明らかになっている。しかしながら、そうしてやったならば売れないから、そういうように表示をごまかして買わせようとする。買った民間の労働者は全部それを安全だと思って、みんな白ろう病、振動病になっちまっている。こういうような実態であります。こういう実態を見る場合に、やはりこれは行政の怠慢じゃないかと私は思うのであります。 これは政務次官に伺いますが、こういうようなことがあってはいけないと思うのであります。こういうことはさせてはいけないと思うのであります。しかし、されているわけです。労働省は二年前にわかったと言います。しかしながら、これまた林野庁の方では目をつぶっていたわけであります。今後そんなことはしてはならないと思うのでありますが、この際政府を代表しての決意を聞かせてもらいたいのであります。
○江藤政府委員 昨年国立林業試験場で測定いたしましたチェーンソーの振動数値はどのくらいかということを、実は林野庁としても発表をいたしております。 ただいま、それは企業モラルに反し、非常な誇大広告ではないかという御指摘もありましたわけでありますが、私どももいまその小冊子を初めて拝見をいたしました。農林省は農林省なりの立場でこれらの問題についてよく調査もいたし、また、将来にわたって対処してまいりたいと考えております。
○島本委員 そういうような広告を平気で出させて、そういうような業界誌を平気で買わせて、そうしてそういうようなものが市場に出回るのを黙って認めているということは、直接には黙認していることであって、間接にはこれまた奨励することにもつながるんじゃないかと思うんです。この点については、こんなことがないように、公取、労働省、林野庁、ともにこの問題に対しては今後厳重に対処しておいてもらいたいと思うのであります。こういうようなことをやらしてはいけません。そのために、この調査にない地域ではいま現に苦んでいるんですから、こんなのを横行させてはならないのであります。この点は強く注意を喚起しておきたいと思います。 それで、林野庁にこれまたちょっとお伺いいたしたいのでありますが、第七十二国会の参議院社会労働委員会で、先ほど私どもが労働省に示しました議事録によりましても、矢山議員の質問の中で林業試験場のチェーンソーの振動測定値の提出を求めたところ、それに対して林野庁は、当初なぜか正確な資料を出し渋っておったわけです。これはそれだけでも困るのでありますが、出されてきた資料は紙一片であって、これによって振動の測定値がわかるようなしろものではとうていなかったのであります。こういうようなやり方は国会に対して少し非礼じゃないかと私は思っていたのであります。理解に苦しんでいました。私自身もその資料を要求しましたが、やはり同じようなものが出てまいりました。測定結果が判断できるような資料をきちっと国会に出してこそ、それが林野庁の国会に対する一つの態度じゃないかと私は思うのであります。それを何でもかんでもわからないようにしようとする行き方は今後改めてもらわないといけません。私の手元にあるのもそれ です。再三再四再五再六要請して、ついに試験の生々しいデータを私どもは見ることができたわけであります。国会が要請したらなぜ素直に出さぬのですか。長官はそういうものを出すなと言ってあるのですか。参議院の矢山議員もその一人、衆議院では島本虎三もその一人、私は本当に慨嘆にたえないのでありますが、われわれに資料を出すなと長官は言ってあるのですか。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 そのような指導をしているわけではございません。実は、先ほど政務次官からもお答え申し上げましたように、また、先生のお手元にも資料として一冊お届けしましたように、昨年の十月に、林業試験場で、二十一機種につきまして、その振動数なり振動の発生の場所が最も大きいところとか、あるいは場所と方向、排気量等につきまして、私どもがいろいろ測定した結果を公表いたしたわけでございます。と同時に、県なりいろいろなところを通じまして、各企業にもこれが徹底するようにいたしまして、そして、この機種の中から最もそういう原因にならないようなものを選んでいただくというようなことの指導の参考にしたいというような意味をもちましてこのような発表をいたしたわけでございます。 これは第一回発表でございますから、今後ともさらにこれを続けてまいりたいと思うわけでございます。
○島本委員 確かに、資料として、私の手元にも、「林業用手持ち機械の振動測定試験結果(ナンバー一)」という、昭和四十九年十月の林野庁からの資料もあるのであります。しかし、予防上の現時点で最もこれがいいのか、これは使っていいのか悪いのか、これを見て明確に評価できましょうか。 長官、こういうようなものを見て、この機械は使ってもいいのか、これは使わない方がいいのか、警戒したらいいのか、わかりますか。この資料はこういうふうな数字ばかりべらべらと出しておるが、業者は何を根拠にして安全性の点検ができますか。こういうものを出したらこれでいいのだというのはまさに官僚的なやり方じゃありませんか。明確な評価を加えて出すべきである。これは何にも評価は加わっていないじゃありませんか。これじゃ何の指導ですか。指導じゃないのですよ。 長官、ただこういうようなものを見ても、この機械のどれがいいかということがわかりますか。私は研究しましたが、それでもわかりませんよ。まして業者の方にこれをやっても、一人親方のチェーンソーを持ちながら働いている人にこういうようなことをやったからといってどうしてわかりますか。まして、表示には「無振動」なんて書いていたら、実際わかるわけがないのであります。なぜ明確に評価を加えて出さないのか、なぜわかるような評価を加えて、これが安全だとして出さないのか、これを伺います。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 私ども、国有林の場合は労働組合と覚書を交わしておりまして、機種の選定の範囲を限定いたしておるわけでございます。ホームライ、共立、マッカラー、スチール、この四つにつきましては現在国有林で使用中でございます。 なお、近く導入予定ということで、現在労使間で協議中というものもそのほかにございます。会社といたしましては七社ということで労使双方で検討し、あるいは合意の上使っているというようなことでございます。 なお、先生御指摘のように、これでは不親切じゃないかということでございますが、民有林に対しましても、県には林業の専門の技術員がおりますので、それを通じましてこれを普及したいというようなことで、説明会等も開きましてよく理解するように努力いたしているわけでございますが、あるいは先生の行かれましたところでそういうことが徹底していないということはあるかもしれません。そういうことで、ある程度振動数の少ないとかいうようなことも数字的にわかっているわけでございますから、今後も県等を通じまして、私どもはさらに一層十分に指導してまいりたいと思っているわけでございます。
○島本委員 ただいま承りまして、マッカラー、ホームライ、スチール、共立等の機種は大体いいということがわかりました。しかし、スチールの中でも、ホームライの中でも、マッカラーの中でも、共立の中でも、先ほど申しましたように各機種がございます。共立の場合はCS七〇一SVLとか、CS六〇一VLとか、CS四五一VLとか、これは全部ある。これは全部振動がきわめて大きくて、使用すべきじゃない部類に該当するじゃありませんか。このうちの機種のどれがいいのですか。スチール社のもの、フホレスターAV、ニューサンダーAV、ニューアイルドAV、スパイダーAV、これも全部振動が大きくて使用すべきじゃないと思われるものに該当するじゃありませんか。ホームライ、XL九五五LV、XL三五〇、XLミニ、これもすべて振動がきわめて大きくて使用すべきじゃない。ことに、XLミニあたりに至っては、まことに振動が大きくて、強度も大きい。これは使用すべきじゃないのに、これを推薦している。おかしいじゃありませんか。マッカラーにしてもそのとおりです。この四つの機種を選んだ、そうしてその中ではっきりと、この「林業用手持ち機械の振動測定試験結果」で数字ばかり並べて出してあったって、実際現場においては、振動が大きくて、強度も激しくて、これを使ったらだめだというのが、それがすでに林野庁の推薦になっている。これは私としては了解できない。 いま私が挙げた四つの機種のそれぞれの機種はどの点がいいのですか、はっきりしてください。
○須藤説明員 お答えいまします。 ただいま長官が申し上げましたのは商品名を申し上げたわけでございまして、労働組合との協議の中では、その中の振動数の軽いものを協定して決めております。したがいまして、いま協定しております機種につきまして資料を持ち合わせておりませんけれども、先生御指摘のような全般について使うということではございません。そういう特に低いものを使うということで協定をいたしております。
○島本委員 なお、これは労働省並びに林野庁双方にお伺いしなければなりませんけれども、林野庁から出された「林業労働環境・安全施業基準」によってそれぞれ地域の方に指導なさっておられる。そして、また、「林業用手持ち機械の振動測定試験結果」によって安全な機種を選びなさいということを言ってやっている。それで民間の方も林野庁関係の方も大丈夫だろうとお考えだと思うのであります。この二月十一日から十三日までの私どもの調査によって、高知の農林部ではチェーンソーの機種の選定について具体的に判断できるものが欲しいんだと言っているんです。これは高知県の農林部長が言っているんです。林野庁ではこういうようなものを出しているからいいと言う。現地の方では具体的に判断できるものが欲しいと言っている。この資料だけでは役に立たないじゃございませんか。林野庁が測定結果に評価を加えなかった。これによってわからない。そしてまた、この四つの機種、これによると大体いいと言いながらも、この中のほとんどは欠陥品である。そういうようなことからして、現地の県の農林部の方でも、この機種の選定について具体的に判断できるものが欲しいんだと言っているが、そういうようなところへ幾らこの資料をやったってわからない、わからない資料を幾らやったって何にもならない。林野庁の方では、もう少し親切に、具体的に、これはどれほどの振動がある、これはどれほどの強度なんだというようなことでなぜ県を指導しないのですか。これは業界の圧力を恐れた結果じゃないんですか。ここでは林業労働者の健康と命ほど大事なものはないのであります。ところが、依然としてわからないようにして指導している。これは能力の不足ですか。それとも業者、業界からの圧力によってこれを言えないのですか。私はこの資料だけを見て、まことに難解なのに苦労したのであります。もっと親切にして、現場の労働者一人一人に判断できるものを使わせるべきではありませんか。これはどう思いますか。これではわかりません。私だけわからぬのではございません。これは県の農林部で、農林部長もわからないと言っている。こういうようなものをやったってどうなりますか。もっと親切にやらなければいけません。したがって、現場の労働者一人一人が判断できるようなものをおろしてやるべきじゃございませんか。これは行政指導の立場から重要だと思うのであります。政府次官、これは農林省が労働省の方も代表してやりますか。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 先生のいろいろな御意見は、もって親切にわかりやすくして普及すべきであるということでございますが、私ども、林業の普及組織というものを県を通じて持っておるわけでございますから、そういうものを通じて徹底を図ると同時に、それの普及につきましては、これを十分読みこなしていけるような資料にしてまいるということはもちろん当然でございますし、また、先ほどちょっとお答え申し上げましたけれども、五十年度から点検パトロールをやるわけでございます。そういう中でも十分指導していけるのじゃないか、本当に一対一の指導もできるであろうと、そういうことも私は期待いたしておりますので、そのようなことで努力してまいりたいと思っておるわけでございます。
○島本委員 いままで「林業労働環境・安全施業基準」というようなものがきちっとしているし、「林業用手持ち機械の振動測定試験結果」というようなものもみんな渡しているから、これできちっとしている。今後またパトロールもやるから大丈夫だ、と、こういうふうに念の入ったお話です。パトロール以外は全部現地の方ではわからないですよ。今度パトロールするから、これでわかるようになるのでしょう。したがって、林野庁としても、労働省としても、現場の一人一人が、チェーンソーを使う人も使用させる人も判断できるようなものをつくってやらせておいて、なおかつ振動の高いものを使っているならば、これはパトロールによって是正してやる。それもまだ全然やらないでおいて、パトロールをやるからいいんだというのはどうも論旨が進み過ぎているのです。清水の舞台から飛びおりるようなことを考えていなさる。やはりそれは違うんじゃありませんか。 したがって、政務次官、これは一人一人が判断できるようなものを年度内にお書きになり、おつくりになって、そして大量に発行して全国を指導するということを、この際労働省、林野庁の双方を代表してあなたからきちっとしておいてください。そしてその後点検し、パトロールしていいのですよ。
○江藤政府委員 私もいまこの調査報告書を見ましたが、ずいぶんと念の入ったものでありまして、私ども素人にはちょっとわかりにくいということは仰せのとおりであります。しかし、役所が、一つの販売をされておるものについて、これを販売する者、製造する者、あるいはこれを使用する者、そして同時にこれを指導する人たちに対して責任の持てる資料を提出するということになれば、やはり調査結果を詳しく御報告をするというのが当然でありますから、これはお互い専門家でありますので一素人同士の話のようにはいきません。いろいろなことの説明資料としても当然これくらいのものは備えることが適当であろう、それなりに努力はしておる、と、私は評価をいたします。 ただ、これが非常にわかりにくいではないか、もっとわかりやすくどうしてできなかったのか、それは業界との癒着であり、あるいは圧力ではなかったか、と、こういう御意見もありますが、そのようなことは絶対にございません。農林省としては、特に林野庁としては、そのようなことは一切ないということを御了承いただきたいと思います。 それから、一番わかりやすく大量につくって年度内に配布せいという御意見でありますが、年度内と申しましても、もう残るところわずかでございまして、御期待に沿えるかどうか存じませんけれども、十分に検討をいたして、内部で相談をしてみたいと思っております。
○島本委員 私がそれをいろいろ申し上げますのは、チェーンソーがいいのか悪いのかの判断ができるようにいま指導しているはずなんです。ところが、現地へ行ってみたら、県の農林部長もその資料によってはわからないと言うのです。まして、現場の方へ行ってみますと、現に使っているチェーンソーで、マッカラーCP六〇DX、四十七年に購入したもの、ハスクバーナ二八〇、四十五年に購入したもの、パイオニヤ、四十五年に購入したもの、これはいずれも無振動だと思って使用しておったのです。それで振動効果の点では、年数もいつなのか、それも使用年数さえわからないままにこれを使用しておったという実態がわれわれ調査した中ではっきりわかったのです。これはわからないから使っているのです。わかるようにしてやるのが行政なんです。そして誇大広告の点については、労働省では二年前にわかったと言うのです。林野庁ではわからなかったのです。だから、癒着というのはそういうような意味からちょっと出た言葉なのであります。したがって、これはいま公取委の方へはっきり申し上げましたから、その辺の段階でこの処理はするでしょう。したがって、私としては、年度内にでも大量に発行して全国的に指導するんだ、そして年度が明けたならばパトロールが行きますから、予算を組んでいますから、今度はそれでいってきちっとパトロールするんだ、前にはいろいろな小冊子を出しておっても、その内容といい、具体的な指導といい、それがさっぱり行き渡っておらなかった、その原因は、たくさん機械があって、その内容が複雑、煩填であって、それを理解することができなかったからだ、と、こういう結果がわかった。したがって、わかりやすくして、そしてそのものに対して明確なる評価を加えて、健康と命にかえられませんから、これは安全だというものをつけてやるぐらいのことは当然の行政の義務じゃございませんか。 したがって、これは年度内にでも大量に発行して全国的に指導せいと言うのです。これは林野庁も労働省も責任を持って答えられる人がきょうはいない。あなた一人なんです。できないということでは私もちょっと引っ込みがつかぬじゃありませんか。
○江藤政府委員 島本先生、私はよく思うのですけれども、こういう委員会やらがありますと、よく役所からレクチュアを受けますが、大体、役所の文章というものはわれわれ俗な人間から言いますとかなを振る必要があるのであります。あのまま読んだのでは、私どもではちょっと理解できないのです。役所の文章というものはどだいそんなものでありますが、しかし、また反面において考えてみますと、われわれ政治家のように変幻自在、融通自在でもなかなか困るわけでありまして、行政の立場は公平でなければならないし、きわめて慎重でなければならない、常に国家の責任を伴うものである、と、こういう考え方からいたしますと、われわれの認識感覚からするとずいぶん違う。しかし、違うからそれが悪いとは一概に言えないと思っておるのであります。 ただ、いまおっしゃる御意見につきましては、これは大事なことでありますから十分検討させていただきたいと思います。(島本委員「検討だけいままでしてきたのだけれども、効果が上がらないのです」と呼ぶ) 効果が上がるように、御趣旨に沿うような方向で十分検討してみたいと思いますので、御了承をいただきたいと思います。
○島本委員 政務次官の発言は余りにも政治家的であって、そういうどっちにでもとれるようなことでは、まじめな議論の中ではちょっと困るのであります。これは何でもないじゃありませんか。わかるようにして配ってやるんだ、安心なんだというような評価も加えて出してやるんだということて——わからなくても、評価しないままに出しているじゃありませんか。これからここまでは安全なんだぞというものを評価してやればわかるでしょう。その評価がないのですよ。だから、わかるようにしてやれということなんです。この点は私だけじゃないんだ。高知県の農林部でもそれははっきり言っているのですから、それぐらい言ったらどうですかね。全国的に指導するようにすることこそ政府のやり方じゃありますんか。 では、労働省、あなたたちは労働者の命を扱うわけでありますが、そういうような状態のまま、知らないままに自分の健康がむしばまれて、これは脳細胞さえ冒しますから、人間がすでに自分で自分の体を、仕事によって、食うために痛めつけているわけです。こんなことをさせておいてはいけません。そのために労働基準法から安全衛生が独立したんじゃありませんか。独立してなおかつこういうような指導がやられていることは、私としてはまことに遺憾です。こういうようなことがないようにするために基準法から独立しますということになったのが労働安全衛生法でしょう。依然としてそれがまだ行われているということは遺憾なんです。 労働省としても、これをわかりやすくして評定を加えながら、山林労働者が使っているのですから、各民間のチェーンソーを使う人たちに対してははっきりと指導してやるという見地に立たなければならないと思うのであります。労働省の意見を伺います。
○中西政府委員 お答えいたします。 振動の測定方法とか振動の許容基準をどうすべきかというような問題につきましては、まだまだいろいろ問題があるところでございまして結論が出ないのではございますが、いずれにしましましても対策は急を要しますし、一方、林業試験場から具体的な振動の大きさを測定した数値等の発表もございました。それで、労働省としましては、とりあえずの目標値というような観点から、推奨できる機械といいますか、個々の商品名を掲げることは必ずしも適当ではないと存じますので、とりあえず振動の大きさをどの辺に置くかというような点をまた十分林野庁とも協議をいたしまして処理をいたしたい、改善を指導いたしたいと考えております。
○島本委員 それでは、私はこの辺でこの問題を打ち切りたいと思うのでありますが、これは答えは簡単なんです。というのは、この問題については、一人一人のチェーンソー使用者はわからないで使っているのですから、チェーンソーはどれがいいんだということを判断できるように指導するんだということを明確にせいと言うのです。 長官、これもやはり明確にしないのですか。私が言ったのがわかったですか。いま私がしつこく言っているのは、先ほどのデータで言ったように、一人一人のチェーンソーの使用者の人たちは、チェーンソーはどれがいいのか、悪いのか、安全なのか、判断できないような状態でいるから、判断できるように指導することを明確にやってくださいということなんです。これさえ拒否されるならとんでもないことなんですが、長官、どうですか。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 先ほど来いろいろ問題になっておりますように、チェーンソーはなるべく振動の少ないものを使用するということが当然でございます。私ども、せっかく第一回のあのような発表をいたしまして、振動数測定結果というものを公表したわけでございますけれども、国がどの機種を推薦機種にするということも、先ほど労働省からお話しがございましたように、振動の強度と発病との医学的関係というものがなお解明できない分野があるというようなこともございますので、なるべく振動数の少ないチェーンソーが選択できるように、しかもそれを判断するのに必要なわかりやすいものをつくりまして、県の組織を通じて私ども十分指導してまいる、こういうことにしたいと思うわけでございます。
○島本委員 指導するということでありますが、これはまだ私の言うところまでぴたっといきませんけれども、こればかりやっていると時間がなくなるから……。これは私はあきらめたのじゃありませんよ。いまの言葉でも大体わかったのでありますが、もう一つ、そのとおりやると言えばいいのですがね。 それで、チェーンソーの改良のことなんですが、これは林野庁と労働省双方に伺います。 これも資料として出していただきたした「労働の科学」でありますけれども、林業労働災害防止協会振動障害検診委員会というのが四十九年八月に出した「民間林業における振動障害の予防対策について」という報告の中ではっきりとこれを出しているわけです。これによると、「国有林で白ろう病問題が発生した以後において、チェーンソー等の防振の研究が行なわれてきたが、それはほとんどメーカー側の自主的な努力にまつものであったため、今日においてもまだ十分な段階に至っていない。」とはっきり言っているわけであります。四十九年八月です。国としてもみずから対策はきわめて不足であったということを言わざるを得ないのです。したがって、これを早急に対策をしなければならないと思うわけであります。この点については労働省並びに林野庁ではどうお考えですか。 同じくこれで指摘されておりますように、振動と騒音の抑制、これも当然です。それから軽量化、これもあたりまえなんです。そして排気の無害化、工具形状の人間工学的合理化などについて、国の責任で今後は十分研究するということ、この点についていかようにお考えですか。
○中西政府委員 労働衛生研究所におきましては、振動についてすでに相当前から研究を続けております。その他、この排気ガスの有害性の除去等、御指摘がありました点につきましても、今後の問題としまして十分に検討、研究してまいりたいと思います。
○島本委員 林野庁も同様ですね。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 先ほど先生から御指摘がございましたように、軽量化、振動を少なくするという方向で、長年国立林業試験場を中心といたしましてそのような研究を続けておるわけでございます。御承知のように、無防振の時代からハンドル防振あるいは防振機構をその中に入れていくという、内蔵方式と申しますか、そういう段階を経まして、いままさにロータリーエンジンつきのチェーンソーというところまで来た、この十年間の歩みというものがございます。これも林業試験場等を中心といたしまして、そのような努力をしてまいったのでございますが、先生の御指摘のような人間工学的見地ということで、チェーンソー振動がどのような形で体に伝達されるかというようなことを、レントゲンによる高速度撮影分析を現在やっております。また、チェーンソーのハンドルの高さ、形状の違いによる振動伝達測定というようなもの等をやっておりまして、今後とも関係する研究所あるいは省とも十分連絡をとりながら、こういう研究とか開発、改良というものは当然積極的に進めてまいるべきものだろうと思っておるわけでございます。
○島本委員 したがって、振動工具に関する衛生学的な許容基準やその規格、これらについても速やかに設定すべきであると思いますが、この点はいかがですか。
○中西政府委員 白ろう病等の根本的予防を図るためには、申すまでもなく、機械そのものを改善していかなければならないわけでございますが、そのためには、先生御指摘のように、この振動機械、チェンソーの振動の許容基準とかあるいは構造規格を設けて、しかも、それに合致しないものは販売や使用ができないというような規制をする必要があると考えております。しかしながら、先ほども申しましたように、振動の測定方法は国際的にもまだ多くの議論がございますし、統一的な基準もございません。したがって、振動の許容基準についての医学的な解明も十分進んでいない実情でございます。このため、まだチェーンソーの振動についての明確な基準を設定するに至っていないのでございますが、今後これらの解明を早急に進めまして、できるだけ早い機会に基準が定められるよう一層努力してまいりたいと存じます。 しかしながら、それまでこのままにしておくわけにはまいりませんので、先ほど来問題になっておりますように、現在までに知られました知見をもとにしまして、関係機関とも連携をとりまして、暫定的な基準とかあるいは改善目標値等を示しまして、チェーンソーのメーカーとか輸入業者、林業業者等に対しまして行政指導を行い、改善を図ってまいりたい、このように考えております。
○島本委員 林野庁も同様だと思います。したがって、この娠動工具は危険物とみなすかどうかというようなことまですでに論ぜられておるわけでありますけれども、しかし、この振動工具の国家検定というようなことも考えて、一定規格以下の不良だと思われる工具に対しては販売を禁止する。販売を禁止するというのは、それを考えるからいいのですけれども、この国家検定の実施というようなことに対してはいかがですか。当然やるべきじゃありませんか。
○中西政府委員 先ほど申し上げましたように、危険、有害な機械につきましては、現に労働安全衛生法の四十二条で、必要な規格を定め、それに合致しないものは譲渡、貸与、設置等の禁止ができることになっておりますが、その中で、特に問題のあるものにつきましては、それぞれの機器が規格に合致しているかどうかということを検定をいたす制度がございますので、将来検定にのせるかどうかということにつきましても検討を進めてまいりたいと考えております。
○島本委員 将来の検討では私としては歯がゆいのでありますけれども、それにしても、国が推奨するような良好な工具を購入する場合には助成や融資制度を確立するということは、現労働事務次官が昭和四十九年四月二十五日に——これもはっきりしておりますけれども、この点に対しては労働省としても前のお考えと変わりないですよう。こういうようなことに対してはやはり確立すべきであると思いますが、労働省、いかがですか。
○中西政府委員 現在安全衛生関係の特別融資制度は二つございまして、一つは安全衛生特別融資制度で、主として安全衛生の専門機器の融資でございます。それからもう一つが職場環境改善の融資で、この二つに分かれておりますが、この安全装置その他につきましては、いわゆる安全衛生専用機器として融資の対象になるわけでございます。チェーンソーにつきましては、安全衛生専用機器ということは必ずしも言えないというところに若干問題ございますし、また、職場環境の改善とも言えないのでございますが、しかし、問題が問題でございますので、積極的にこの対象とするように関係機関と折衝をし、実現するようにいたしたいと考えております。
○島本委員 その問題は、今後もやはり問題になる一人親方の問題と関係してくるわけであります。したがって、これは融資制度を今後研究すると言うのですから、可及的速やかに結論を出すように、これも要請しておきたいと思います。 それと林業用のチェーンソーなどの振動工具、これはいま全部自分持ちでありますから、こういうようなことに対してのいわば振動病の発生促進、こういうようなことになってしまうわけです。したがって、使用者に備えつけと完全整備の義務化は当然考えててもしかるべきじゃございませんか。この点について伺います。
○松形政府委員 お答府民申し上げます。 チェーンソーの所有形態というものが自分持ちであったり、あるいは一人親分、あるいはシイタケ生産のために自家用で切るためにチェーンソーを持りているとか、あるいは継続的に、あるいは短期的に雇用されるとか、そういうようないろいろな実態がございまして、その実態を把握するというのは困難な点がございますけれども、先生のお手元に差し上げております「林業労働環境・安全施業基準」におきまして、原則として事業主持ちということを指導することに明記してあるわけでございまして、今後ともこの方針の徹底に努力してまいりたいと思うわけでございます。
○島本委員 それと同時に、女子の年少者等に対する、チェーンソーだけではなくて、刈り払い機の使用等についても考慮しなければならないのじゃないかと思います。女子の機械造林手十一名が振動病の状態になりたという例が北海道にありました。置戸です。四十八年の調査によってです。これは刈り払い機で、要治療患者ということになっているわけであります。高知県でも同様に、女子は男子の半分の使用時間でこういうような状態を呈するということが専門の医師によってはっきりしているわけであります。したがって、女子の年少者には、チェーンソーだけではなくて、刈り払い機の使用も当然禁止すべきであると思いますが、この点については、林野庁並びに労働省はどうお考えですか。
○中西政府委員 振動の著しい機械の取り扱いにつきましては、一般的に女子年少者の使用が禁じられているところでございますが、刈り払い機が取り扱いを禁止すべき機械に該当するのかどうかにつきましては若干問題があろうかと存じます。 なお、現在相当多数の女子の方が刈り払い機を使っているという実態もございますので、慎重に検討していかなければならない問題だと考えているところでございます。
○島本委員 ただいまの労働省の答弁は一体何ですか。去年の四月二十五日に、やはりこの問題に対して指摘を受けているでしょう。 〔藤本委員長代理退席、委員長着席〕 そして、大臣も、労働省としては初耳だし、早急にこの問題に対しては、その関係している先生のところに照会申し上げるとともに、そういう地域がわかっておりましたならば、私の方の役所を通じてすぐフォローさせたいと思いますので、資料がありましたらお貸しいただきたいと思います、早速これを調べ、善処します、と言っているのだから、もうすでに去年調査もできてやっているじゃありませんか、それをいまだに刈り払機の問題についても結論が出ていない。使っている人がたくさんいるから、これはもうやめさせるわけにはいかないんだ。しかし、使っている人がたくさんいるということと、労働安全衛生法によって、白ろう状態になって生命と健康をむしばまれている人たちを助けることと、一体どっちの方が大事なんですか。やはり、人間の生命は何物にもかえがたいのですから、健康と命の方が優先するんじゃありませんか。一年たっても、現在なお同じような状態をお考えでしょうか。これは労働省から伺いたい。
○中西政府委員 実態調査も一応やっておりますので、できるだけ早い機会に結論を出したいと思います。
○島本委員 林野庁はそれでよろしゅうございますか。林野庁の方では全然それはやっていませんか。
○松形政府委員 私ども、国有林の方ではそういう実態を聞いておりません。恐らく民有林関係での現象かと思いますが、ただいま労働省の方でお笑えのように、実態を十分調査いたしまして、両省十分協議させていただきたいと思います。
○島本委員 労働省、大分時間が詰まってきましたから論争できないのですけれども、私の質問要項で研究すべき大事な点は皆さんの使者を通じてあらかじめ言ってあるはずですが、この点についての成果だけで結構でありますから、返答だけを簡単に申してください。全部こなしたいと思いますので。 それは休業補償の問題です。労災保険法が第七十四国会において改正されましたね。これはもういろいろとありますが、六〇%から八〇%に上げた。休業補償の問題や、遺族の障害補償の問題や、死亡見舞い金の百万円とか、こういうようにしてそれぞれ改正になりましたが、休業八日以上の特別支給金は八〇%ですけれども、これが保険施設から支給されることになっておるわけです。振動病の場合は、就労しながら週に一回、二回と通院のための休業をして治療している者が多いわけであります。したがって、これらの人々も通算して八日になれば特別支給金を受けられるということで、これはいいのじゃないかと考えますが、それでいいのでしょう。
○東村政府委員 ただいまの御質問にお答えする前に、先ほどちょっと問題を残しましたので申し上げますと、参議院の社会労働委員会における政府委員の答弁における数字でございますが、あれは四十八年三月末と四十九年一月末の数字でございまして、私がただいま申し上げたのは四十七年、四十八年、四十九年の各三月末のものでございます。 それから、ただいまの御指摘の問題でございますが、休業八日以上の数え方につきましては、休業日が八日以上連続している場合はもちろんでございますが、白ろう病のような場合は疾病の実情を考慮いたしますし、断続している場合であっても、御指摘のように通算八日以上にわたる場合をも含めることと考えて結構だと思います。
○島本委員 よくわかりました。答弁というものはそういうようにすべきだと思います。 平均賃金算出の特別措置について次に伺いますが、振動病の場合には、これはだんだんと悪化して体が弱くなって、結局は、治療を受けるためには、賃金の支払い形態がほとんど出来高払いでありますから、人の半分以下の仕事もできないような状態にならないと認定を申請しない例が多いわけです。したがって、労働省もごく初期の状態で認定しないこともあって、これはもう休業補償がきわめて低い。これが現実であります。生活保護基準以下のものもかなりある。これは土佐清水で具体的にその問題に私は触れてまいりました。そして、けがなどの場合とこれは本質的に違うのでありまして、こういう実情をよく認めた上で特別措置を講ずるべきじゃないかと思うのであります。平均賃金算出上のこういうような根拠は、さかのぼって算出してスライドを適用するなどしてこれらの人たちを守ってやるべきじゃないかと思いますが、この点についても簡単な結論をお伺いいたします。
○東村政府委員 平均賃金の算出の起算点でございますが、これにつきましては、職業性疾病のような場合にただいま御指摘のような問題がございますが、これは診断によって疾病の発生が確定した日以前三カ月間の賃金を基礎として算定される、かように考えてよろしいかと思います。ただ、その診断によって疾病の発生が確定した日というのがなかなかむずかしい問題があるとは思いますが、そういうたてまえでございます。 なお、この問題につきましては、現在最低給付基礎日額は千三百八十円とされておりますが、近く労災保険審議会に諮った上で四月一日から千八百円に引き上げたい、かように考えております。
○島本委員 これは自分で生活しながら山に出て、一日最低一万円はなければならない人たちが、現実の面において四千円から五千円ぐらいにしかなっていない人が多いのです。それは土佐清水です。機械持ちで、油まで持って、一日に四千円か五千円です。そういうような人も、自分らがもし休むならば生活もできないし、そのために入院もできない。そういうふうな現実を前にして、これは機械的な問題じゃなくて行政上の問題ですからいろいろな社会的な問題も含みましょうが、そういうふうな点をもう少し考えて、さかのぼって算出してやってスライドするなどの適用も認めてやる、その方面に向かって検討したい、と、このことの言葉ぐらいは出ていいんじゃありませんか。現実面においては生活保護基準以下の生活をしているのですよ。そんな人があるのです。それが労働者ですよ。
○東村政府委員 ただいま法のたてまえを申し上げたわけでございますが、白ろう病の場合の給付基礎日額の問題につきましては、御指摘にもございましたが、就労の実態、賃金の支払い形態など、いろいろなむずかしい問題はございますが、さらに慎重に研究してまいりたい、かように考えております。
○島本委員 慎重に検討するということは、私の言う意味を含めて慎重に検討するということですね。恐らくそうでしょう。そこで、委員長に発言を求めて、そのとおりですと言ってください。
○東村政府委員 さように考えております。
○島本委員 次にいきます。 次は、使用者の不当な平均賃金算定によるトラブルに対する指導の件であります。 平均賃金の算定については、今回の四国の調査で非常に問題がありました。これは出来高の実収賃金ですから、平均賃金が算定されていないというような苦情が出るわけであります。これは逆に言えば、労災保険料金を低く抑えるために使用者が賃金を操作しているということになって、法違反の疑いが濃いわけであります。したがって、労働者になぜ使用者に対して是正を求めないのかと聞くと、恐れているのです。そんなことをしたらあいつは恐ろしいやつだと言われるし、再び使ってもらえないからだと訴えているのであります監督署として、これは厳重に点検するように指導すべきじゃございませんか。これが一つです。これはもうすべきですよ。しないと言ったらとんでもないですからね。 それと、もう一つ、この七十二国会で、これはやはり同僚の矢山参議院議員が参議院で質問していますが、治療のための休業や職種の転換における賃金低下に対しては、使用者として、法定外の上積み補償に対しては、「林業面につきましてもいま先生御指摘のごとく事業主にい労災が改善されましてもさらにその上に事業主としての努力をできるだけするように指導してまいりたいと存じます。」と、前の基準局長が言っているのです。いまの労働事務次官であります。この具体的な指導をどうしてきたのか、やはりこれを明らかにしなければならないと思うのです。これが二つ目です。 もう一つ、三つ目には、この基金制度です。こういうものを設けるか何かして、これに対して対処しなければならないのじゃないかと思うのであります。 それと同時に、むしろ労災法によって一〇〇%の賃金の補償を考えるべきじゃないかと思うのであります。 この四点について労働省として明らかにしてもらいたい。
○東村政府委員 最初の問題でございますが、賃金等の実態が適切に労災保険の方に反映されていない、あるいはそこに作為があるというようなことがありますることは適切でございませんので、そういう問題については第一線の監督署で十分はっきりさせていきたい、かように考えます。(島本委員「点検ですよ、点検させなさい」と呼ぶ)はい、点検させていきたいと思います。 それから、二番目は、企業内における補償の上積みの問題でございますが、これにつきましては、休業しながら療養する、安心して療養が受けられるということは一つの望ましい形でございますが、企業内の上積み問題について、さてどういうふうにわれわれがこの問題を考えていったらいいかということになりますと、この問題は本来労使間で自主的に処理すべき問題でございまして、国が上積みの仕方について直接こうしろああしろと言うのは適当ではございませんが、労使間で問題の円滑な処理が図られるよう、適切な指導に努めてまいりたい、かようなことを考えておりまして、この旨を去る二月に開かれました全国労災主務課長会議において指示したところでございます。 それから、一〇〇%問題あるいは基金の問題でございますが、ただいま先生のお話しがございましたように、白ろう病によりまして休業している者については、休業八日目から平均賃金の六〇%に当たる休業補償が支給されますが、昨年十一月一日から、御案内のとおり、休業八日目以降はさらに平均賃金の二〇%に当たる額の特別支給金を支給されることになりました。つまり、実質的には休業期間中には平均賃金の八〇%に当たる額が支給されることになりましたので、国の制度としては精いっぱいの改善を図った、かように考えているところでございます。
○島本委員 事務次官である当時の渡邊基準局長が言っている。いま言ったのは議事録を読んだのですが、それより後退した答弁を現局長がなすということは、これはちょっと困るじゃありませんか。そういうふうに指導すると言っているのですよ。「できるだけするように指導してまいりたいと存じます。」と言っている。そうしたら指導しないということになって、現在あなたは局長でありながら事務次官の言うことを守らないということになりますよ。
○東村政府委員 ただいま申し上げましたとおり、その企業における上積みについての指導の方法について、私どもといたしましては、直接介入するのは適当でない、直接ああしろこうしろと言うのは適当でないけれども、労使間で問題の円滑な処理が図られるようこういう側面から指導していきたいということで、その旨を二月に全国労災課長会議の席上において指示したところである、かように申し上げた次第でございます。
○島本委員 基金制度だとか、そのほか一〇〇%の賃金補償をどう考えるかというのは、丁寧に言っているのですがわざと答弁しないのですか。この次にやったのとあわせて、この基金制度のやつをやってください。これで私はおしまいなんですから。これ以上は、委員長が怒って、もうだめだという紙が二、三枚来ていますから。最後は、一人親方は、一人親方の問題なんです。一人親方の問題のいわゆる特別加入についてなんですが、林業の、特に造伐作業というのですか、これは危険な作業である一方、きわめて零細な林家が多い現状なんであります。したがって、どうしても一人親方問題が出てまいります。現にこのことが私が調査した地域では非常に問題となっていたわけであります。労働省としても積極的に指導して、二十七条による加入の道を新年度から開くべきじゃないかと思うのであります。一人親方の特別加入については、もうすでに個人タクシーもやっております。すでに全建総連の人たちもこれによってやっております。また、「漁船による水産動植物の採捕の事業」も該当しますから、これによってやっておるのであります。これは法施行規則の第四十六条の十七によってやるのでありますから、国会の承認を得ないで、あなたたちだけでできるのであります。したがって、林業の方もそれに入れる。これを検討すればいいのであります。そうでなければ、特定作業従事者等というこの第二の項目の方に入れてもいいのであります。これは審議会を通せばやれるのであります。したがって、基準監督局としてもこの点を十分考えて、これに対して来年度から道を開くように進むべきだと思うのであります。これは当然過ぎるほど当然で、これは当然考えているのじゃないかと思います。このために今度は労働安全衛生法が基準法から独立したのですから、これもやらないなんということはないでしょう。最後に一言だけ言ってください。
○東村政府委員 特別加入制度といいますのはただいま御指摘のとおりでございまして、労働者に該当しない、いわゆる一人親方の方等で、災害等については、これは本来労災保険制度以外の制度により救済されるというのがたてまえでございますが、しかしながら、一人親方につきましては、業務の実態、災害の発生状況から見て、危険度が高く、重度の障害を起こす恐れがあるという人たちについて、ただいま御指摘のような方々にこの制度が及んでいるわけでございます。 そこで、林業におけるいわゆる一人親方の問題につきましては、作業の実態とか災害の発生状況等がまだ不明な点がございます。したがいまして、今後調査を行いまして慎重に研究してまいりたい、来年度からすぐというわけにはいきませんが、そういう姿勢でやっていきたい、かように考えております。
○島本委員 大変ありがとうございました。ただ、もっと積み残したのですが、これは先ほど長官の不規則なる発言があって、それで十分ほど費やしてしまって、この点本当に残念であります。 以上、積み残した点は社会労働委員会の方で労働省を相手にしてもう一回御検討させてもらいたいと思います。 大変ありがとうございました。これで終わります。
○澁谷委員長 瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 蚕糸業問題、地下水対策及び農林業機械のガソリン無鉛化対策について、農林省、建設省、環境庁等、関係各省にお尋ねをいたします。 まず、蚕糸業問題についてお伺いをいたしますが、昨十一日十三時より、両国日大講堂において、全養連、日本製糸協会ら蚕糸生産者七団体主催のもとに、全国六千人の代表者が参加して「蚕糸業危機突破全国生産者大会」が行われたのであります。昨年の大会も同じ三月十一日に持たれまして、ちょうど満一年目を迎えたことになるわけであります。 御承知のように、蚕糸関係の価格というものは、繭糸価格安定法により、安定上位価格は法四条によって、また、安定下位価格は同じく法第四条により、さらに最低繭価は同法第十一条の五項により、基準糸価は同法第十二条の五の四項により、三月中に定めることになっておることは御承知のとおりであります。生産者は、生糸生産費がキロ当たり一万三千円以上にも達しているが、生糸の実勢価格は生産費を大幅に下回る水準で低迷しているため、蚕糸業の推進かあるいは壊滅かの分岐点に立たされているということで、真剣な、しかも悲壮なまでの決意のもとでの大会であったわけであります。そして、今月末に決定される「五十生糸年度の基準糸価を大幅に引き上げること」というスローガンのもとに決議をし、宣言が採択されたのでございます。 そこで、まず、最初に私はお伺いしたいのですが、これは例年のことでありますけれども、ことしもかなり厳しい情勢であることは私も十分承知をいたしております。しかし、蚕糸業の岐路に立つ重大なときでありますがゆえに、基準糸価の大幅値上げということについてはぜひともやっていただきたいと思うわけですが、その基準糸価は、法律に基づく算式を使っても、私が計算しても一万三千円以上になることは明らかであります。そこで、蚕糸業振興審議会に諮って最終的には農林大臣が決めるというようなことになるとは言うものの、単純計算で計算した場合に一万三千円には必ずなる計算になるわけですが、諮問される前であるけれども、農林省は単純計算をどういうふうに見ておられるか、それに間違いないか、その辺の見解をまず最初に伺いたいのであります。
○松元政府委員 御案内のように、基準糸価は生産費、生産事情、需給事情その他の経済事情を参酌して決めることになっておるわけでございますが、ただいま御質問の生産費でございますが、これはまだ集計中でございますから計数的に何とも申し上げかねるわけでございますが、昨年一万円の基準糸価を決めたわけでございますが、そのときの前年、四十八年の生産費は約八千八百円でございますから、それから推定いたしますとただいまのような数字とはなかなか違うのではなかろうかと思います。もちろん、生産費の取り方はいろいろな取り方がございますから、それぞれの立場からの取り方はあるわけでございますが、私どもは従来から統計情報部の生産費調査というものを基準にいたしまして価格算定に使っているわけでございまして、その数字は目下集計中である次第でございます。
○瀬野委員 蚕糸業振興審議会に諮る前でもあるので慎重な答弁のようでありますが、これは政府が算定している計算で単純計算してもこうなることは明らかであります。そこで、さらに生産者が要求しておりますところの生産費及び所得補償方式によれば一万八千円程度になるという計算になるのでありますが、これはまた単純計算で行うとそういうふうになるのですが、そういうことを試算されておられるか。試算しておれば答弁いただきたいし、もし試算していなければ、さきの単純計算による基準糸価が一万三千円という計算になるわけですけれども、それらとあわせて後刻計算をしてお示しいただきたいと思うわけです。御答弁いただきたい。
○松元政府委員 従来から、基準価格その他安定下位価格等を決めます場合には、生産条件ということで、生産費を基準にいたしておりますが、これは御案内の統計情報部調査の生産費を基準といたしまして組みかえ計算をいたしているわけでございます。したがいまして、いままで生産費及び所得補償の算定はいたしたことはございません。もちろん、価格の決め方についての御論議はあろうかと思いますが、従来から、私どもの生糸の場合には糸価の安定ということが一番最大の目的でございます。したがって、いわゆる生産費及び所得補償計算はいたしたことはございません。もちろん機械計算すれば出ないことはございませんけれども、私ども価格算定方式としては用いていないわけでございます。 なお、先ほど申し上げました生産費につきましても、私ども一目下ございますのは四十八年生産費で、それから推定いたしますとお示しのような数字にはなかなかならないのではなかろうかと思っておりますが、集計中でございますから、計数の断定的なことは申し上げる段階ではございません。
○瀬野委員 慎重な答弁であるわけですが、公式の場ではなかなか答弁がむずかしいということもわからぬではないですけれども、事実、蚕糸業関係は大変なピンチに遭っておりますので、基準糸価について、生産費所得補償方式によれば一万八千円くらいになる、また、政府が計算しておる試算によっても一万三千円くらいにはなるということは、われわれが計算してもそうなるわけですから十分おわかりだと思いますけれども、それらを含めて十分慎重な価格決定をしていただきたいということを申し上げる次第でございます。 そこで、いろいろお尋ねしたいのでありますが、この計算に当たっては家族労働費が問題であります。政府の試算等を見ますと、過去からずっと推移して考えてみましたときに、ニコヨン程度の家族労賃になっております。こういうことでは基準糸価の大幅値上げということはとうてい考えも及ばないところでございますので、これらについても都市並みの評価をするということをぜひ考えていただきたいと思うわけですが、都市並みとなれば、結局生産費及び所得補償方式になるということで、政府はかたくなな考えを述べられるというふうに考えられぬでもないですけれども、その辺は、蚕糸業危機を救うためにもぜひとも十分検討していただきたいと思うのです。その辺の見解を承りたいと思うのであります。
○松元政府委員 価格の算定におきまして、いわゆる家族労働をどう評価するかはもちろんいろいろ御論議のあるところでございますが、先ほど申し上げましたが、糸価の場合は、この目的が、法律にございますように、「生糸の生産条件及び需給事情その他の経済事情からみて適正と認められる水準に生糸の価格を安定させることを旨として定める」というふうになっておるわけでございまして、いわゆる生産費だけで決めるわけではございませんで、生産事情、それから需給事情を見まして、しかも適正と認められる水準に生糸の価格を安定させるということが趣旨であるわけでございます。したがいまして、生産費を基準にします場合に、その労賃の評価につきましてはいろいろ御論議がございますけれども、従来はこれらの事情を勘案いたしまして、統計情報部の生産費調査というものを基準にしてまいったわけでございます。したがいまして、所得を大いにふやしたい立場からはそういう御論議も出ますけれども、同時に、やはり、需給事情等を見なければならぬわけでございまして、そこらを総合勘案して適正な水準に生糸の価格を安定させる、こういう趣旨に照らしまして算定をいたしたいと考えておる次第でございます。
○瀬野委員 そこで、昨年ですと、この価格決定は三月の二十七日に行われたわけですが、ことしも恐らくその辺を目標にして政府も考えているやに仄聞しておりますけれども、今後の価格決定のスケジュールは大体いつごろをめどに考えていられるか、その辺をお答えいただきたい。
○松元政府委員 これは三月末——多少数字の振ればございますけれども、三月末に決めるということを目途にいたしまして、恐らく下旬のうちに蚕糸業振興審議会を開きまして決定する段取りに考えております。
○瀬野委員 次に、生糸の在庫量ですけれども、私の掌握している数字でいきますと、昨年十二月在庫が八万三千百六十九俵、事業団がそのうち六万十三俵、民間が二万三千百五十六俵。五十年一月末在庫で七万九千百八十四俵、事業団がそのうち六万十三俵、民間が一万九千百七十一俵。二月の在庫で、事業団が五万六千七百二十俵、三月十二日現在で在庫が、事業団五万四千九百十七俵で、二月、三月はいずれも民間がわからぬのですけれども、一番最近の新しいデータで、政府がつかんでいる事業団と民間の在庫数をわかっていれば明快にお答えをいただきたいと思うのです。
○松元政府委員 事業団在庫は先生御指摘のとおりでございますが、民間在庫は、私が手元に持っておりましたのが一月末でございますが、一月末は一万九千百七十一俵でございます。通常私たち正常在庫というふうに考える場合には大体二万四千俵ぐらいというふうに踏んでおるわけでございまして、一月はそれより若干少ないわけでございますが、二万俵ちょっとの民間の通常在庫、それに事業団在庫、これは一時六万俵を超えましたが、最近若干減ったわけでございますが、合わせまして、荒っぽく申しますと八万俵程度の在庫があろうと考えております。 なお、詳細な数字は後で必要に応じまして御説明申し上げます。
○瀬野委員 さらに、事業団の一元輸入の問題で、去る二月二十日に一万五千四百五十俵を入札し、特に「二十一中A」というのが需要が多いということで、政府の方もこれを考えておられるようです。二月二十五日に契約を完了されて、一番早いもので三月末か四月初めには入ってくるというふうに言われておりますけれども、この「二十一中A」というのが需要がかなり伸びており、比較的需要か多いということで——外圧もあったろうし いろいろな関係から全然輸入しないわけにいかないということもあって、若干輸入されるということだろうと思いますけれども、それほど在庫を抱えておるにもかかわらずあえてこういったことをなさった真意を伺いたいことと、また、今後こういったことについてはどういうふうな考えで臨まれるのか、その辺を明らかにしていただきたい。
○松元政府委員 御案内のとおり、昨年八月一日から日本蚕糸事業団による生糸の一元輸入措置を実施いたしたわけでございますが、実際には昨年末までは輸入は行わないできたわけでございます。これは一つには、いわゆる一元輸入の外になります一元輸入実施前の輸入と、実施後、いわゆる例外、一元輸入の外で入ってくる分がかなりあったという問題と、それから当時糸価が低迷いたしておりましたものですから、実際には輸入は行わなかったわけでございます。それから、最近の情勢を見ますると、糸価は基準糸価の一万円をかなり上回る水準で推移いたしている等、情勢は好転の方向にございます。それから、もう一つは、「二十一中」の生糸を中心といたしまする細い繊度の生糸需給はかなり逼迫をする状況にございます。これはもちろん需要もございますが、実は、昨年の特色としまして、いわゆる細ものの生産を余りしないで太ものを引いた。生産面で総体的に「二十一中」というような細ものの生産が比較的に少なかったという事情もございまして、需給が逼迫するという事情にございました。かたがた、輸入を一切行わないということは一元輸入の本旨には合わないわけでございまして、それに対しまして国際的非難も高まっているという事情もございました。 そこで、今回、この需給の逼迫しております「二十一中」を中心といたしまして一元輸入を実施することが適切な措置であり、かつ、得策ではなかろうかというふうに判断をいたしまして、実施をいたしたわけでございます。したがいまして、その場合、輸入数量も、最近の需給動向を十分勘案いたしましたし、また、糸価に悪い影響を与えないようにということを考えて、その程度の数量として一万五千五百俵という数量に決めたわけでありまして、現にその後糸価に悪影響は及ぼしていない次第でございます。 さらに、今後この一元輸入の実施をどうするかということにつきましては、今後の需給の推移、それから糸価の動向等を慎重に見定めまして検討してまいるという考えでございます。
○瀬野委員 そこで、いま答弁がございましたが、御存じのように現在はインフレ、不況下であり、総需要抑制下のもとであるので、今後消費拡大を図るべきであるということはもう当然であります。いずれにしても、需要の停滞が最近また見られておりますので、政府としても、反面、消費拡大に力を入れて積極的に推進すべきであると思うのですが、その点に対しては当局はどういうふうに対策を講じ、考えておられるのか、また、その対処方針はどういうふうにしておられるのか、その点を明らかにしていただきたい。
○松元政府委員 先ほど来御質問にございましたとおり、最近の生糸の需給事情は非常に厳しい情勢にあるわけでございますが、これは一つには、過去において輸入が非常にふえまして、その後遺症と申しますか、その影響を受けたという面が一つと、もう一つは、何と申しましても需要が減っているということが大きな原因でございまして、この需要の減りました原因は、総需要抑制によりまして消費が減ったということと、それから、また、金融の引き締めとか糸価の先行き不安ということから中間需要が減ったということから需要が大幅に減少いたしておるわけでございます。たとえて申しますと、四十七生糸年度では約五十万俵め需要がございました。しかし、この中には、当時の景気の好調を反映いたしました中間需要の増大がかなりあったと思われるわけでございまして、したがいまして、その余波が四十八生糸年度に参りまして、四十八生糸年度では内需は約四十一万五千俵に減少いたしたわけでございますが、さらに、四十九生糸年度は、恐らくは内需は三十五、六万俵程度ではあるまいかと思いますが、非常に減っているわけでございます。これが何と申しましてもいまの需給の厳しい事情の大きな原因であるわけでございます。 このように減った理由は、先ほども申し上げましたが、最近では、一つは糸価が安定いたしました。何と申しましても安定が大事でございまして、糸価の先行き不安がなくなったということから、需要も出てまいりましたし、最近の現象を見ますとやや回復している兆しが見えているわけでございます。したがいまして、それを大事に育てていくことが大事でございますし、さらに、基本的、長基的には、生糸の消費を拡大するということが何と申しましても大事なことでございます。それには絹織物の末端消費を安定的にふやし、そして糸価を安定させて中間需要もふやしていくということが必要でございます。 そこで、私ども、絹織物の需要をどうして伸ばしたらよかろうかと申しますと、何と申しましても、これは今後将来にわたりまする日本の蚕糸業の大きな課題でございます。そのために、絹織物の新規用途の開発でございますとか、品質の改善でございますとか、広報宣伝事業の拡充強化とか、あるいは流通費用の改善等いろいろな問題があるわけでございます。これにつきましては、基本的には業界の自主的努力にまつ分野が多いわけでございますが、政府といたしましても、特に農林省といたしましては、今後直接織物を所管しておりまする通産省とも十分連絡をとりまして、需要増進対策の具体的方策、その実施方法につきまして検討してまいりたいと思っておるわけでございます。 ただ、御承知のとおり、現在の織物需要は約九割は和服でございます。したがいまして、これをどういうかっこうで伸ばしたらいいかということと、また、和服だけに限定するとおのずから制約もあるわけでございまして、ほかの方にも需要がないであろうかということ、これをもう少し関係業界一体となりまして、少しでも需要をふやすいろいろな工夫を行わなければならぬだろうと思っております。その場合、消費宣伝が必要ならば、農林省といたしましてもその対策を講じたいと考えておりまして、関係者集まって大いに努力しようという気構えで、それに対応いたしまして、農林省としましても所要の対策を講じてまいりたいというように考えておる次第でございます。
○瀬野委員 さらにお伺いしますけれども、事業団の一元輸入の措置がことしの五月三十一日で期限が切れることになるわけですが、われわれとしてはぜひこれを延ばしたいと考えております。団体の方からは恒久一元化を図ってくれという要請もあるわけですけれども、恒久一元化はにわかには問題があるとしても、この期限を延ばすことについては当然であると考えて、各党ともいろいろ連絡をとりながら対処しつつありますが、政府の方としても、これについては当然そのように考えておられるのか、その辺の見解をこの機会に伺っておきたいと思います。
○松元政府委員 生糸の輸入一元化措置、いわゆる伝家の宝刀というわけでございますが、これは生糸の輸入が増大して糸価が低迷いたしましたために、昨年の八月一日から本年の五月三十一日までの期間、これは政令でございますか、実施されているわけでございます。現在の生糸の需給事情等から見ますと、六月一日以降も何らかの生糸の輸入調整対策が必要であるというふうに考えておりまして、野放しで輸入を自由にしますと、せっかく安定しておりまする需給バランスが崩れ、しかもまた低迷すると思われますから、何らかの輸入調整対策が必要であると考えております。 その場合、一元輸入措置を継続するかどうかの問題につきましては、これは生糸の需給事情でございますとか、これは国際的問題もございますが、これらを考慮いたしまして、今後十分に検討してまいりたいと存じております。
○瀬野委員 以上、養蚕業に対する当面の問題をお尋ねしましたが、いずれにしても、三月下旬には価格を決定するということになるわけでございますので、蚕糸生産者がいま極度にピンチに追い込まれている実情を十分当局も御承知だと思いますし、そこで、このような事態を打開するためには、基準糸価を大幅に上げて再生産を確保できる経営の実現を図るほかに道はないと、かようにわれわれも考えて以上の質問いたしたわけであります。 昭和五十生糸年度の基準糸価を大幅に引き上げ、蚕糸業の振興が図れるように、また、再生産の意欲が起きるように、価格決定に当たっては以上の点を十分に踏まえて対処をしていただくように要求し、お願いをして、蚕糸業に対する質問を終わります。 次に、地下水位の問題について、建設省初め各関係省庁にお伺いをいたします。 私が地下水問題で現在承知している点では、全国の地下水のくみ上げ量が年間百三十億トンにもなっておる。そのうち工業用水が六十五億トンで、約二分の一であります。農業用水が三十三億トン、上水道用水が二十七億トン、その他、こういうようになっておるわけですけれども、建設省は、現在、土地所有権さえあれば際限なくくみ上げることができると考えられている地下水を国民共有の公水と規定し、家庭用の井戸水を除くすべての地下水の採取を許可制にし、地盤沈下や地下水位の広範囲の低下をもたらすなどのおそれがある場合は禁止をする、そして、許可を受けた者からは地下水採取料を取り、地下水の調査や保全事業の費用に充てる、と、概略こういう骨子を盛ったところのお考えのようでございます。 この地下水問題でまず建設省にお伺いしたいのですが、建設省は地下水を国の資源として、公水として管理し、採取を規制するという、いわゆる地下水法基本要綱案をこのほどまとめておられるわけですけれども、それについて私は、いま概略申し上げたようなことぐらいしか承知しておりませんが、簡略にその内容のほどをまず最初にお答えをいただきたいと思います。
○佐藤説明員 先生から御指摘がございましたように、最近全国各地におきまして、地下水の採取等に伴う地盤沈下、地下水位の低下、地下水の塩水化等の障害が発生してきておる状況にかんがみまして、国土保全と水資源の確保という両方の見地から地下水の総合的な管理を行うべきであるというふうに考えまして、内容につきましては、ただいま先生からお話しがございましたように、地下水の採取行為を許可制とし、また、地下水に悪影響を与えますような障害行為の規制を行うこと、さらに、規制面だけではなくて地下水の保全涵養事業を行うこと、あるいは代替水への転換措置を講ずること等を含めました総合的な地下水管理法制の骨子といいますか、基本的な要綱案をまとめまして、現在関係省庁と意見の調整を図っておる次第でございます。
○瀬野委員 関係省庁と現在意見の交換を図っているということでございます。 いまの件について、農林省は、聞くところによると、これらの問題について近く建設省に反対の意見を正式に申し入れるやに聞いておりますが、そういうふうな申し入れをやったのか、また、申し入れを行ったとすればどういう内容のものをやったのか、その点農林省側のお考えをこの機会にお聞かせいただきたいと思います。
○大山政府委員 建設省河川局が非常に元気のいい案を政府部内の話として提案されているわけでございまして、それに対してわれわれの方としてもいろいろと検討しているわけでございます。それで、建設省との間にどういうやりとりをしているかという問題につきましては、政府内部の内輪の話でございますのでここで申し上げるのはどうかと思うわけでございますが、基本的に考えまして、現在地盤沈下等が起こっているという事態に対処する何らかの考え方というものは政府としてあるべきであろうと思います。ただ、全国的に一律に規制するというようなことについては、技術的にもまだ非常にむずかしい問題があるし、また、法律的にもいろいろの問題があろうというふうに考えているわけでございまして、建設省の方の考え方も、あるいは環境庁の方にあります考え方も、一つの目的として、地盤沈下という問題が現実に起こっているという事態との関連の問題もあるわけでございまして、今後関係各省の間でいろいろ協議してまいりたいと思うわけでございます。
○瀬野委員 大山局長は、政府部内での検討で、内輪の話だということでありますけれども、内輪の話が決まってしまったんじゃ遅いものですから、いつも後手はかり引くので——私は地下水の大事なことは十分承知しておりますし、将来の日本の国土保全という意味からも地下水の規制ということは当然考えなければならぬし、石油並みの扱いをせなければならぬということは私も考えておりますけれども、これが建設省案でにわかに出るとなりますと、一律に規制しますといろいろ問題があるわけですから、部内の検討をされるさなかにこういった問題を提起しながらいろいろお考えをお聞きして、われわれもまたいろいろと検討をしていきたいということでお伺いするわけですから、以下質問の内容等を十分吟味して今後対処していただくようにお願いをしておきます。 次にお尋ねしたいことは、法制局、農林省、建設省の順に見解をお聞きしておくわけですが、建設省案では、家庭用のものは届け出で、その他は農業用地下水も含めすべて許可制にするというただいまの答弁でございますが、地下水を公水化することに対しては、民法二百七条の条文があるわけです。すなわち、「土地ノ所有権ハ法令ノ制限内二於テ其土地ノ上下二及フ」となっております。そこで、土地の所有権の内容とされている地下水の既得権を侵すもので、所有権の否定は財産権という点で憲法上問題があるのではないかという疑問があるわけでございますが、これに対して法制局はどういうふうに見解をお持ちであるか。そして、次に農林省、次に建設省、と、今後のためにわれわれもいろいろと検討したいので、簡潔で結構ですからそれぞれ見解を述べていただきたいと思います。
○別府政府委員 お答えいたします。 内閣法制局は、御存じのとおり、各省庁から提出される法案を法律案として審議するというたてまえになっております関係上、いわゆる地下水法案は、いま瀬野委員がおっしゃいましたように新聞等ではいろいろ議論されておりますが、まだ当方は法案を全然見ておらないということもございますので、正式の意見を申し述べるのは差し控えたいと考えております。 ただ、御指摘の点につきまして一般的な考え方を一応ここで申し上げるといたしますと、いま瀬野委員御指摘のように、河川流水と同じような形で所有権から除外するということ、あるいはそのような考え方をとらずに、地盤沈下防止あるいは予防の観点からいままでも一部について行われております公法上の規制を強化するというようなこと、それ自体は必ずしも民法二百七条に抵触するというようなことはないのじゃなかろうかと考えております。 ただいま言われました憲法との関係でも、「財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。」ということになっておりますので、その法律の定め方次第ではございますけれども、そういうような法律案を立案する際に、地下水の実態がどのようになっているか、それを非常に厳しく、たとえば所有権の内容から除外するとか、あるいは厳しい公法上の規制をするというようなことの必要性があるのかないのかというような点についての実態判断がまず先行すべき問題だろうというふうに考えられます。 なお、そのようないろいろな特別の取り扱いをする場合にも、従来の法制でも、御存じのとおりに、既存の利用関係については急激な変動を生じさせないということについて特別の措置を、いわゆる経過措置的なものを講ずるということは普通考えられておりますことでございますから、もし当方に法案が出てまいりました場合の審査に当たっては十分その点も検討したいというふうに考えておりますご
○大山政府委員 公水論といいますか、地下水を公水とするという考え方に対して、農林省として法律的にどう見るんだという問題でございますが、民法二百七条の規定をそのままずばり読めば、一応所有権の内容ということになっているわけで、これを前提として営まれている社会経済生活との関連ということを考えるならば、この際あえて公水というかりこうの問題を地盤沈下等との関係から考えた場合に持ち出して問題をむずかしくする必要があるのかないのかという問題があろうかと思います。 地下水問題に対して、ある地区においては何らかの対策を必要とするような事態の中においては、むしろ、農林省としては、地下水そのものの法的性格を改めなくても、利用という行為に着目するならば、それなりの方法があり得るのではないかと思うのでありまして、あえて公水論というものを真っ正面から議論することが非常に適切であるかどうかという問題はまたあろうと思います。 いずれにいたしましても、建設省のせっかくの試案も出ているわけでございますので、今後とも検討しながら、建設省とも協議してまいりたいと思うわけでございます。
○佐藤説明員 ただいまの問題につきましては、私どもといたしましては、従来からあります家庭用の井戸のような形の地下水の採取でございますれば、これはその土地所有権に付随する水であるというふうに考えられてもいいかというふうに思いますが、最近のように動力を用いまして大量に採取をするというふうなことになってまいりますと、自己の所有地に属しておる水ということではなくて、周りの水を集める結果になってしまうのではないかと思いますし、そして、さらに、地下水というのは一体どういう性状の水であるかというふうに考えてみますと、水文学的循環の一過程といたしまして地下水はあるわけでございまして、しかも、地下水の大部分は流動しておるわけでございます。やはり、地下の水流なり地下の水源というものをなして流動しておるわけでございまして、そういう意味で、河川水と本質的に何ら変わるところはないのではないかというふうに考えられるのではないかということでございます。 そして、諸外国の法制を見てみましても、多くの国々におきましては河川水と地下水を一体として取り扱っておりまして、したがって、はっきり公水と規定しておるところもございますし、はっきり公水とは規定していないところもございますけれども、しかし、公水的な性格のものとして規制をしておる状況でございます。 そういうことを考えまして、私どもといたしましては、この際、地盤沈下等の障害が著しいこの状況におきまして、地下水を公水と観念いたしまして総合的な管理を図った方がいいのではないかというふうに一応考えて御提案しておるわけでございます。しかし、最終的に、近い時期に立法化を図ります場合に公水宣言規定を置くかどうかということについては、なお関係省庁とも十分協議をいたしまして、慎重に取り扱ってまいりたいと考えておる次第でございます。
○瀬野委員 さらにお尋ねしますけれども、建設省は地盤沈下問題に限定せずに全国の規制にまで広げるのだという考えが明らかになったわけですけれども、実際に地盤沈下に関係のない地域では、御存じのように農業者は水を大切にし、自分たちでその地域を守って、そして今日営々として農作業にいそしんできているわけですが、そういう地域においては農業用水に対する正しい認識が欠けているという批判もあるわけでございまして、これに対してはいろいろわれわれも異論があるわけですが、農業用地下水に対する認識のなさといいますか、そういった面から建設省は過剰介入をしているではないかという批判が起きるのは当然だと思います。 〔委員長退席、中川(一)委員長代理着席〕 現に、また、そういったことについての意見があちこち聞かされておるわけですけれども、一律の規制となると、今日まで営々として地下水を利用してやってきた農家の人たちとしては相当抵抗があることも考えられますので、農林省自体はどういうふうにその辺は考えておられるか、これまた見解をお聞きしたい、建設省からも、農民のそういった考えについての御見解はどうであるか、さらにこういう機会に伺っておきたい、かように思います。
○大山政府委員 農業地下水は、御存じのように利用する水が相当部分また地下に還元するということで、みずから涵養しつつ反復利用するというかっこうをとっているわけでございます。 〔中川(一)委員長代理退席、笠岡委員長代理着席〕 反復利用の過程において水質の劣化を招かないという特徴、そして、また、その利用期間は原則的に灌漑期間にほぼ限られているというようなこともありますし、そして地下水の採取施設も、多くは異常干ばつ時におけるというか、まあ、干ばつ時におきます応急的な水源施設というようなことで、それによって農産物の枯死を防ぐ貴重な水資源というようなかっこうで利用している。こういうふうに反復利用するのに非常に合理的な使い方を、古くからの知恵といいますか、それでやっている、こういうふうに考えるわけでございます。また、農業地下水利用の実態を見てまいりましても、大体その四分の三程度は浅層といいますか、浅層不圧地下水を利用しているというようなことで、その部分については地盤沈下というようなものには全く関係がないんだろうというふうに考えているわけでございます。ただ、沖積平野だとか海成洪積台地という被圧地下水を水源としております一部の地区におきましては、それらの深層地下水のくみ上げということも、他の用途とも競合いたしまして地盤沈下の原因になっているところもあるということは否定できないというふうに思うわけでございます。したがって、そういう地盤沈下地帯に対しましては、今年度から地下水地盤沈下対策事業費というのも新設いたしまして、水源の転換なり導水路の復元なり、こういうふうなことを行う事業を行っているわけでございまして、そういう局部のところにおいては、それなりに他の用途とあわせて調整してまいらねばならぬのだろう、こういうふうに思っているわけでございます。
○佐藤説明員 地盤沈下に関係のない地域の農業用水についてどう考えておるのかという御質問かと思いますが、先ほども御説明申し上げましたように、現在の建設省案におきましては、地盤沈下防止ということだけではなくて、水資源としての地下水の水位の低下や塩水化その他の汚染等の障害を防止するという見地も入っておるわけでございますので、地盤沈下に関係がないからといってこの対象から外すということは考えていないわけでございます。 また、農業用水の特殊性につきましては、ただいま農林省の方からお話しがございましたが、相当部分そういう特殊性があるということも私ども承知はいたしております。しかし、だからといいまして、一概にこの対象から省いてしまうのがいいかどうかということになりますと、農業用水の中にも深層地下水を利用して地盤沈下の原因になっている場合もございますし、また、それぞれの採取をされる場合の地層とか、あるいは採取の仕方とか、そういうものによってそれぞれ違いがあるわけでございますから、最初から対象から外すということではなくて、許可等の判断をする際にそういうことを十分勘案して判断をすべきであるというふうに考えておる次第でございます。 なお、一律に規制するというふうな言葉が使われるわけでございますが、先ほども申しましたように、単に規制をするということを考えておるだけではございませんで、貴重な水資源としての地下水をいかに上手に将来まで使っていこうかということがねらいでございますので、単なる規制だけではなくて、地下水の保全、涵養事業でありますとか、あるいは河川水も含めまして、いかに水資源を有効に利用していくかというようなことを総体的に考えていく必要があるということで法案の制度の骨子を考えておる次第でございます。
○瀬野委員 次に、環境庁にお尋ねします。 いま建設省から御答弁がありましたところの、地下水を全国一律に及ぼすということについては建設省の考えがいろいろと明らかになりましたので、その点は十分わかりましたが、いずれにしても、現在の技術水準、行政能力の上でもなかなか実行がむずかしいということが言われておるわけですけれども、環境庁は御承知のように地盤沈下地域に限るというような考え方を持っていろいろ進めておられるようでありますが、その点環境庁の見解をお聞かせいただきたい、かように思います。
○松田説明員 地盤沈下の防止に関しましては、現在のところでは、御承知のとおり、工業用水法と、それからビル用水法と言いますけれども、建築物用地下水の採取の規制に関する法律というものがございまして、地盤沈下の防止のための地下水の採取規制ができるわけでございますが、それらの法律による規制だけでは不十分だということでございまして、全国各地で深刻化かつ広域化しております地盤沈下を防ぐというふうな観点から、かねて中央公害対策審議会で審議願っておりまして、その地盤沈下防止のための地下水採取規制制度のあり方というふうな答申をいただきまして、現在地盤沈下防止法案要綱という形でまとめまして、各省と折衝中でございます。 私どもの考えております地盤沈下対策としての地下水の採取規制は、地盤沈下の激甚な地域あるいは地盤沈下の進行しております地域に重点を置きまして、それぞれの地域の特殊性に応じた地下水の採取の規制を行う。その趣旨は当然ながら地盤沈下の防止という点でございまして、防止を図るような規制をするということでございますが、さらに、その地域以外でも地盤沈下のおそれがあるというふうな地域につきましても、これも第三番目の地域としまして予防的に適正な揚水を確保する、地盤沈下の過剰揚水にならないようにするというふうなことを考えまして、それに対応する調整といいますか最終調整をする。これは建設省の考えておりますような許可制度ということではございませんけれども、そういうふうなことで地盤沈下の防止を図りたいというのが骨子でございます。 そういうことで従来から実施しております地盤沈下防止のための地下水採取規制制度を、この際そういうふうなビル用水、工業用水以外の用水にも原則的には広げまして、それぞれの地域の実情に即して規制をしていきたいと、こういうことでございます。
○瀬野委員 環境庁にこの機会にもう一点お伺いしておきます。 環境庁の、地盤沈下地帯に限るといいますか、そういう構想に対して、農林省側も原則的には反対してはいないんじゃないかというふうに私は、感じておりますけれども、農林省側からさらに、地域指定を余り広げるなというふうなことと、代替水の保証というようなことについてもいろいろ協議があったやに聞いておりますけれども、その辺も十分話を進めておられるのか、それについてはまだ農林省らと協議しておられないのか、そういう点について現段階ではどの辺まで進めておられるのか、ひとつ環境庁の方からお答えをいただきたいと思います。
○松田説明員 現在各省と話し合いを進めておる段階でございますけれども、政府部内の検討中の、いわば意見の交換をしている段階でございますが、確かに、そのような段階におきまして、先生御指摘のような、つまり代替の水の確保ということについて配慮すべきであるということは、これは農林省のみならず通産省でも同じような見解があるわけでございます。確かにそういうふうな意味では貴重な水でございますので、その地下水に頼っている水を直ちにやめるということにつきましてはいろいろ問題もあろうかと思います。 私どもの考えております防止法案要綱におきましては、代替水の供給につきましては直接細かい規定はございませんけれども、代替水の供給を計画的に進めて、それで地盤沈下の防止のための地下水の採取規制に見合ったものにするというふうな考え方は根底にございます。 それで、いろいろ地域区分がございますが、そういうふうな考え方ではございますけれども、たとえばゼロメートル地帯でありますとか、現在非常に災害、被害の発生の危険が増大しつつあるような、一たん高潮でも起きれば大災害になるというふうな地域につきましては代替水の供給はもちろん促進すべきでございますが、それは実態上の話としまして、法制上代替水とリンクさせるということになりますと、その地盤沈下の防止は一体いつできるかというふうな問題にもなろうかというふうに考えまして、これは中央公害対策審議会の答申の中にもあるのでございますけれども、そういうふうな激甚地域につきましては代替水の供給というものを法制上の条件にしない、指定の条件にしないというふうな考え方に立っているわけでございます。しかし、これにつきましてはさらに関係省、たとえばその水の手当てをする関係省とも現在要望あるいは協議をいたしておりまして、大体そういうふうな考え方ではございますけれども、代替水の対策というものをさらに進めてもらいたいというふうな点で相談をしている段階でございます。
○瀬野委員 建設省にはいままでいろいろお伺いしてまいりましたが、いろいろ勉強になりまして大変ありがたく拝聴しましたが、この建設省案は、今後のスケジュールはどういうふうに、いつごろをめどに大体まとめたい、成案したいというふうに見通しておられるか、その辺のお考えがあればお答えをいただきたいと思います。
○佐藤説明員 地下水問題の解決は急を要することでございますので、今国会に提案をいたしたいということで努力をいたしておる次第でございます。しかし、現在の段階では、先ほど来のお話しにありますように、関係省庁の調整がまだついていない状況でございますので、今後のスケジュールについて具体的に申し上げることはできない状況でございます。
○瀬野委員 環境庁にも同じく、今後の大体のスケジュールについてはどういうふうにお考えであるか、お答えいただきたいと思います。
○松田説明員 先ほど申し上げましたとおりに非常に地盤沈下が深刻化しておりますので、すでにここ二、三年来検討した結果でございますので、何とかして今国会に提案の運びに持っていってもらいたい。これはひとり環境庁だけでできる問題ではございませんけれども、いろいろ関係方面でも努力されておりますので、そういうふうな関係方面とも連絡あるいは御支援を得まして、何とかこれが法案として出るように取り運びたい、こういうふうに希望しているわけでございます。
○瀬野委員 時間が参りましたのでこれで終わりますが、いま各省庁からいろいろと御見解を承りましたが、いろいろと参考になったことがたくさんございまして、ありがとうございました。 いずれにしても、地盤沈下、すなわち公害問題は重大な問題でありますし、水不足を理由に湯水のように浪費している都市用水、工業用水を優先させるだけでなく、農業用地下水を守るという立場も十分法案の中に盛り込んで今後検討していただきたいというのが私の現在の考えでございます。今後政府部内でも検討していかれるようでありますし、各省庁ともいろいろと今後協議をされるようでございますので、将来の子孫のためにも、また、国土の保全のためにも重要な問題でありますので、十分に検討して今後対処していかれるように強く要望いたしておきます。 時間が参りましたので以上で終わりますが、もう一つ通告しておりました農林業機械のガソリン無鉛化対策については、時間がなくなりましたので、農林省または通産省等関係各省においでいただいておりましたけれども、次回に留保することをお許しいただいて、本日はこれで質問を終わらせていただきます。 どうも御協力ありがとうございました。
○笠岡委員長代理 諫山博君。
○諫山委員 私は、飼料価格の問題を質問します。 現在も畜産農家が飼料の価格が高いために大変苦労しているという話をいろいろ聞きます。たとえば農業新聞に出ていたんですが、群馬県では昭和四十八年から農協の未収金がふえた、県内各単位農協の未収金の合計がすでに百五十億円だ、それは大部分飼料高によるものだ、というようなことが報道されております。飼料価格を何とか下げられないものかということが全国民的な課題になっているわけですが、私たちは、こうすれば飼料価格が下げられるんじゃないかということをいろいろ調査してみました。もちろん、現在決められている飼料価格の決め方の資料そのものを私たちは是認するわけではありませんが、いま用いられている資料によっても次のように飼料価格が下げられるんじゃなかろうかという試算をしてみましたから、農林省の方に問題を提起してみたいと思います。 第一は、トウモロコシの相場が安くなっているという問題です。現在の飼料価格を決めた昨年十二月末の時点では、いわゆるシカゴ相場がトウモロコシ一ブッシェル三ドル七十セント程度だったのが、現在では二ドル八十セントぐらいになっている。つまり、一ブッシェル当たり九十セントぐらい割り安になっているのではなかろうかという数字を私たちは調べたんですが、農林省、いかがでしょう。
○澤邊政府委員 御指摘のように、昨年の十月ごろが、世界のトウモロコシの指標的な相場になっておりますシカゴ相場で見まして一番高かったわけでありますが、その後徐々に下がりまして、御指摘のように最近は二ドル七、八十というところにきておることは事実でございます。
○諫山委員 そうすると、昨年十二月末ごろから比べると一ブッシェル当たり九十セントぐらい安くなっているという計算は農林省も異論はありませんか。
○澤邊政府委員 一ブッシェル当たり九セント下がっておるというのが大体——九十ではなくして九セントだと思いますが、その程度下がっておることは事実でございます。
○諫山委員 それからプレミアム、諸掛かりがやはり昨年十二月末が三十セント程度で、現在が二十セント程度、十セントぐらい下がっているという調査が出ていますが、そのとおりですか。
○澤邊政府委員 非常に動いておりますので正確にはなかなか把握しにくい面もありますけれども、二、三セント下がっておるというように聞いております。
○諫山委員 昨年十二月末が幾らぐらいで、現在が幾らぐらいだと把握していますか。
○澤邊政府委員 昨年末が二十五セントぐらいだというふうに把握しておりますが、最近やや下がっておりますので、四月以降の価格を見込みます場合には若干引き下げるべきだと考えております。
○諫山委員 船賃については、昨年十二月末ごろがトン当たり十ハドルで、現在は十二ドル程度、結局六ドルぐらい安くなっているというふうに出ていますが、農林省の数字はいかがですか。
○澤邊政府委員 私の方がガルフから日本までのトン当たりのフレートを調べておりますところによりますと、十二月が約十四ドル、三月の第一週が十ドル五十セントということになっておりますので、これもかなりの値下がりになっております。
○諫山委員 そのプレミアムとかフレートは、当然昨年の値段を決定する基準になったと思うのですが、いまあなたが読み上げた数字を基準に飼料価格を決めているのですか。
○澤邊政府委員 配合飼料の価格は、御案内のように四半期別に決めることにいたしておるわけでございますが、今年の一月から三月までの四十九年度の第四・四半期の価格を決めましたのが昨年の末でございます。その段階におきまして、昨年の十二月の中ごろから、各主要のメーカーにつきまして、原価構成についてのデータの提示を求めまして、われわれで精査をいたしまして、この程度でやむを得ないということで、行政指導として適正な引き上げにとどめるようにやっておるわけでございますが、審査いたしました時点におきます最近の諸データを使いまして、一−三月の価格を算定しておるわけでございます。
○諫山委員 その場合に幾らを基準にしたかという、きちんとした数字は確定していないのですか。
○澤邊政府委員 各メーカーによって買いつけ時期も買いつけ価格も違いますし、品質の差ももちろんございますが、われわれとしては、審査いたします段階での最近時におきますデータをできるだけ客観的にとりまして、それを物差しにしながら、各メーカーごとにそれぞれ差のあるものを、この辺ならばやむを得ないのじゃないかというように決めておりますので原価構成の各費目について各メーカーとも共通に査定をするというようなやり方は必ずしもいたしておりません。
○諫山委員 いま私が指摘した数字は、これはもう公式の数字ですから、本来食い違いがあるはずはないわけですから、もう少し議論を進めます。 いま指摘した私たちの数字によりますと、トウモロコシあるいはプレミアムートウモロコシの原料価格ですね。こういうものを含めますと、トン当たり三十九・四ドルくらい去年の十二月末に比べたら安い計算になっている。船賃も六ドルくらい安くて済むようになっている。結局、トウモロコシ一トンについて、円に換算するとすれば、二百八十六円として計算して一万二千九百八十四円だけ安い計算になるのではなかろうかということになったのですが、農林省、いかがですか。
○澤邊政府委員 最近のシカゴ相場の値下がりあるいはフレートの値下がり、あるいはプレミアムの値下がりということは、御指摘のように最近の傾向はそのようになっておりますけれども、一月に製造いたしまして販売する原料は、やはり数ヵ月前に値決めをしているものでございます。ただ、為替の関係で言いますと、決済を守るユーザンスの期間がございますので、決済は、一月に使ったものは、大体平均的に見まして使った月の一・五ヵ月後ぐらいに決済をする。そこまで見ないと実績はどの程度であったかと、価格を決定します場合の、データで積み上げて決めた価格と実績との差を見るためには、たとえて申し上げれば、一月に製造し、販売したものについては二月半ばごろにならなければわからない。三月のものにつきましては五月の半ばごろにならないと最終的には幾らのコストがかかったということはわからないわけでございます。さらに、一月のものにつきましては、大体工場在庫が平均一ヵ月ぐらいございますので、十二月一ヵ月ぐらいは工場の在庫としてすでに倉庫に入っておった。それから、もちろんガルフから日本までの輸送期間が一カ月ぐらいございますし、その前に、船積みの一、二ヵ月前に値決めをしておるわけでございます。契約をした上ではっきりと価格は幾らという取り決めをしておるわけでございますので、一月のものは、一月の国際相場が下がったとかいうことで、あるいはフレートが下がったからということだけで一月に製造販売された配合飼料のコストが幾らかということを見ることはできないのではないかというふうに考えます。しかし、あくまでも、十二月の末に一月−三月の価格を決めますということは相当想定に基づいてやっておりますので、実績との食い違いがある程度出るということははやむを得ない。これは値上げ幅、逆に値下げ幅等が結果として計算上出てくるということがありますので、それはその時点で適切に処理をする。たとえて申し上げれば、次期の価格の改定の際にそれを織り込むとか相殺をするとかいうようなやり方で事後処理をするというのがこれまでのやり方でございます。
○諫山委員 一つ一つのデータについては、農林省の数字と私の指摘と幾らか食い違うようですが、大きな傾向としては食い違わないということが言えると思います。そこで、私の計算に従ってもっと議論を進めていきますと、結局、トウモロコシを例にとると、配合飼料の価格に占めるトウモロコシ、コウリャン両方の割合というのが大体六五%、コウリャンについてもトウモロコシと全く同じ傾向が出ていますから、六五%の価格を占めるトウモロコシ、コウリャンによってトン当たり八千四百四十円だけ値下げが可能なはずだ。ほかにもいろいろな要因が絡んでくると思います。しかし、いま指摘したデータだけから言えばこれだけの値下げが可能になる計算になってくるんですが、いかがでしょう。
○澤邊政府委員 先ほど申しましたように、現在の時点での国際相場が下がったから、たとえて申し上げれば二月の配合飼料の価格が安くなるはずだということには直ちにはならないわけでございまして、現在価格が下がってきておるというのは、主としては四月以降の配合飼料価格の算定の際に影響が出てくるというように見ております。先ほど申しましたように、実際に製造して使用されるものの輸入価格というのは、個々にはそれぞれ違いますけれども、平均的に見ますれば、大体製造販売される月の数ヵ月前に値決めが行われているわけでございますので、その当時は昨年の十月のピークをちょっと過ぎた程度でございますので、非常に高い価格で契約をされておるものが現在使用されておるということになるわけでございますので、現時点において世界の穀物価格が下がったからというものは、これは数ヵ月先に製造し販売するものに影響が主として出てくる。この点はフレートにつきましても同じような関係になるわけでございますので、現時点の価格の動向から直ちに現在製造販売されます配合飼料の価格を決定する、あるいはすでに決定したものを手直しをするというわけにはまいらないという、タイムラグがあるわけでございます。
○諫山委員 いま問題にしているのは、むしろことしの四月から五月、六月の飼料のことです。 そこで、ことしの四月に使う配合飼料は大体ことしの一月ごろ買いつけされたと見ていいと思いますが、どうでしょう。
○澤邊政府委員 個々の商社によってもちろん違いますけれども、先生のおっしゃいました一月、二月よりもう少し早い、平均的に見ますれば、昨年の年末ごろから一月ごろにかけて買ったもの、買ったといいますのは、値決めしたものというふうに見るのが妥当だと思います。
○諫山委員 一月にどういう相場かということを調べてみたわけですが、トウモロコシ一ブッシェル当たり三ドル三十セント程度ではないかと思うのですが、農林省、いかがですか。
○澤邊政府委員 われわれの把握しておりますトウモロコシの市販相場は、五十年の一月は三ドル二十七セントでございますので、大体、先生のおっしゃる数字に近いように把握しております。
○諫山委員 三ドル三十セントだとして、昨年十二月末、つまり、現在の価格が決められたころよりかブッシェル当たり四十セント安い。プレミアムもブッシェル当たり十セント程度安くなっている。船賃はトン当たり十一ドル程度で、やはり七ドルくらい安くなっている。私たちはこういう調査をしたのですが、違いますか。
○澤邊政府委員 ちょっと恐縮ですけれども、質問を聞き漏らしましたので……。
○諫山委員 プレミアムが二十セント程度だから、昨年十二月末よりか十セント安い。船賃がトン当たり十一ドルで、七ドル程度安い。
○澤邊政府委員 大体そのような傾向が見られると思いますので、先ほど御指摘になりましたように、四月以降の価格には最近の価格がかなり織り込まれてくると思います。特に四−六の間の五、六の後半になればなるほど、最近の穀物価格なり、フレートなり、あるいは円高とかいうような傾向が織り込まれてまいりますので、四−六のうちでも、後半になればなるほど安くなってくるというように見ております。
○諫山委員 私の質問が最初から誤解があったのかもしれませんが、私は現在の価格が云々と言っているのじゃなくて、四月以降の価格を検討する場合に、いま私が初めから指摘した要素を当然加味すべきではないかという点から問題を提起したわけです。 そうすると、一月の価格についてはほとんど数字の食い違いはなかったと思うのですが、それに加えて為替レートの変動というものが非常に激しくなった。昨年十二月末、価格を決定した当時は一ドル当たり三百円程度だったが、現在では二百八十六円。そうすると、この点から言っても、一トン当たり千五百九十八円程度は為替レートの変動だけで安くできるのではなかろうかという計算に到達したのですか、いかがですか。
○澤邊政府委員 大体そのような計算になろうかと思います。
○諫山委員 そうすると、四月以降の配合飼料の価格というのは、私たちが計算したデータによれば、いま私が指摘した全部を総合すると、一トン当たり一万三十八円ぐらい安くすることができるはずだがどうだろうかということです。いかがでしょうか。
○澤邊政府委員 私どもは、これから各メーカーごとに、主要なものにつきまして原価に関する資料の提示を求めまして、ヒヤリングをやり、審査をしてまいるわけでございますので、現段階で幾らが妥当だということはまだ申し上げられる段階にはないわけでございますが、一−三月現在ピークになっておりますけれども、そのピークになっている配合飼料価格がある程度下がるということは当然期待できるというふうに考えております。
○諫山委員 四月以降の配合飼料の価格が下がる、これはもうすでに言われていることです。ただ、どれだけ下がるのだろうかということに農家の人は非常に関心を持っているわけです。そして、私は、従来決められていたようなやり方、従来用いられたデータによってしてもトン当たり一万円ぐらいは安くなるはずだという計算が出てきたのですが、何か違いがありましょうか。データの根本的な違いとか算出の方法の違いがあったら御指摘願いたいし、そうでなければこれは非常に合理性のある数字ではなかろうかということを農林省に提起するわけです。
○澤邊政府委員 傾向としては先生のおっしゃるようないろいろな値下がり要因がございますので、かなり下がるというふうに見ておりますけれども、現在まだ資料の提出を求めておる段階でございますので、十分それを聞き取った上で、われわれができるだけ客観的な物差しで査定をして最終的に決めたいというふうに考えております。例年のことでございますけれども、時期はもうしばらく待っていただかないとわれわれの数字をもってお答えする段階にまいりませんので、きょうここで一万円以上という数字が妥当かどうかということにつきましては申しかねるわけでございます。 ただ、一言だけ、先ほど来お答えしておりますことにつけ加えておきたいと思いますのは、最近配合飼料の生産、販売量が若干減っております。したがいまして、昨年の夏から秋にかけまして非常に高かったために、今年は、最近は値決めの時期を通常よりは早めております。それが若干裏目に出ているというような面もございますし、それから、製造量がやや減っておりますために在庫がふえている。在庫がふえているということは、古いものが通常の場合よりも多い。それが、古いものというのは、値下がりの傾向のときには高いものが多い。そういうことになるわけでございますので、その辺の事情も見ながら審査をしたいと思いますので、大筋の値下がりの傾向につきましては先生の御指摘になった点と同じように考えておりますけれども、詳細な金額をもって、数字をもってお答えできないのが現状でございます。
○諫山委員 三月四日に、全国農業経営者会議と全国農業会議所の共同主催で全国農業経営者大会というものが開かれています。ここでは、「畜産飼料の自家配合について」ということが論議になったようです。そして、自家配合した方が品質もよくなるし、価格も安い、トン当たり五千円から八千円ぐらい安くなるという数字が示され、いろいろ議論されたようですが、農林省、こういう実態は把握しておられますか。
○澤邊政府委員 いろいろお話しは伺っておりますが、まあ、自家配合した場合、配合飼料の製品を買う場合よりも安いという御論議もあることはわれわれ承知しております。 しかし、反面、品質と、それから自家配合といいますとそれだけ手間もかかるわけでございますので、やり方をうまくやらないとかえってコストが高くなるというような場合もあり得ますので、配合飼料から自家配合に切りかえるというのは、その条件を整えないとうまくいかない場合もあるというふうに考えております。
○諫山委員 私は、自家配合がいいか悪いかという議論をしたいのじゃなくて、自家配合すればトン当たり五千円から八千円も安くなるということに問題があるのではなかろうか、どこかにこの利益が不当に吸収されているようなことはなかろうかという疑問を持ったから質問したわけです。こういう点、いいとか悪いとかいうことは別問題として、自家配合の方がこんなに安くなるということに何か疑問を感じるということですが、いかがでしょう。
○澤邊政府委員 いま御指摘になりました自家配合というのは、一般に行われておりますのは二種混合飼料、これはたとえばトウモロコシと魚粉をまぜたものでございますが、これは一般の配合飼料の場合と同様に関税がゼロになるという優遇を受けておるわけでございますが、それを使ってさらに必要な他の原料を、副材料を自家において配合することによって安くできるのではないかと、恐らくこういうような趣旨の御意見と伺うわけでありますが、この点につきましては、二種混——二種混合飼料でございますが、二種混というのはわが国の場合現在約二十万トンぐらい年間生産されておる。御承知のように、配合飼料は約千八百万トンという大量な規模になっておるわけでございます。二種混の場合は、メーカーの在庫調整あるいは資金繰りとかいうようなことから、生産をふやしたり減らしたり、かなり変動が大きい、また価格も非常に投げ売りをするとかいうことで、適正な価格が安定的に形成されるというような条件にはないように見ております。したがいまして、たとえば非常に投げ売りしたとか非常に安売りしたというようなものを使った場合には非常に有利になるということはあると思いますけれども、コンスタントに非常に有利だということはそれほど言えないのではないかというふうに考えておるわけでございます。 さらに、品質面のことにつきましては、先ほど申し上げましたように、トウモロコシなりコウリャンと魚粉とをまぜるという場合に、魚粉の品質が必ずしも均一ではない。良質のものを使う場合あるいは粗悪なものを使う場合もございますし、現在の品質改善法によりましては登録の制度もございませんので、そういう意味で飼料の品質の不安もメーカーによってはある。メーカーと申しましても、主として中小企業が二種混をつくっておるわけでございまして、それを農家が買いまして、他の原材料を加えて配合飼料を自家生産する、こういうことになるわけでございます。 そういう点でいろいろ問題がございますので、常に有利だということは必ずしも言えないと思いますが、ただ、先ほど来申し上げておりますように、非常に安売りが行われたような場合、それを原料として自家配合した場合には非常に有利になるという点は否定できないと思います。
○諫山委員 私が感じた疑問は、むしろ、配合飼料の加工段階とか流通段階に問題はないんだろうか、そういうところから自家配合の方が安上がりという結果が出てきたのではないか、そうだとすれば調査を要するというふうに考えたからです。 この問題に関して行政管理庁の方で監察を始めたということが新聞で報道されていますが、どういう動機でどういうことをされたのか、御説明ください。
○田畑説明員 この監察は本年度の三・四半期に行いました。その目的は、四十七年の後半から世界的に穀物であるとか大豆というものの価格が急激に上がりました。そのことは、濃厚飼料の七〇%を輸入に依存しているわが国では、これらのものを原料とする飼料の価格も当然上がります。それと同時に、畜産物の生産費の中に占める購入飼料費の割合もきわめて高いというようなこと、それがひいては一部の畜産物の価格を上昇させ、国民の食生活にも影響を及ぼすじゃなかろうか、というようなことを踏まえまして、飼料需給計画、それから濃厚飼料の確保、配混合飼料の生産流通等のあり方について、濃厚飼料を中心に検討いたしまして、飼料行政の改善に資したいということを目的にいたしました。 この監察については調査結果を取りまとめ中でございますから、結果は当然まだ出ておりません。
○諫山委員 価格が非常に高くなったから何となく調査したんですか。どこかに問題があるんじゃなかろうかという問題意識を持って監察を始めたんですか。どちらでしょう。
○田畑説明員 これは価格が上がった、価格が上がったということによって当然畜産物価格が上がる、国民の食生活に影響を及ぼすというような基本的な問題意識でございます。 と同時に、先ほど来先生がおっしゃっているような配混合飼料、濃厚飼料一般の中の配混合飼料がどういうふうな形で流通しているか、その流通段階が果たして正常かどうかというようなことも一応問題意識に加わっております。
○諫山委員 新聞ではいろいろ憶測、報道がなされているんですが、いつごろ結論を出すのか、そこではどういうことを問題にするつもりなのか、説明できたら説明してください。
○田畑説明員 まだ調査結果が私の方の出先から来たばかりでございまして、取りまとめ中の段階であり、いつごろそれがまとまるかというようなことははっきりお答えできる段階ではないと思います。 と同時に、そういうような状況でございますから、どの辺に問題点が出てきているかということも、まだちょっとお答えできるような段階ではないのです。
○諫山委員 私は、配合飼料の価格を決定する基本的なデータを挙げましたが、いずれも値下げ要因がそろった。遠い将来はどうか別として、この傾向というものはさらに進んでいくんじゃなかろうかと言われているわけです。私の調査でもトン当たり一万円以上下げることができるということですし、これは奇妙な計算方法を採用したんじゃなくて、従来行われたような計算方法でこうなるんです。そうすると、当然これからの価格というのは一万円ぐらい安い価格になるだろうと思うのですが、それはどうなんですか。
○澤邊政府委員 先ほどもお答えいたしましたように、数字をもっていまここでお答えするのができないことは非常に残念でございますが、傾向としては、四月以降値下がりが実現できると思いますし、それ以降につきましては、アメリカが最大の輸出国でございますけれども、これの農家の生産意欲も非常に高い。意向調査によりますと、昨年非常に作付がふえたのとほぼ近い、若干それを上回る作付がこの春から行われるように聞いておりますので、生育さえ順調であれば、四−六に限らず、七−九以降も漸次価格が低落をしていくということは期待できるわけでございますが、何分まだこれから播種をするものが大部分でございますから、四−六以降のことにつきましては断定的に申し上げる段階ではないと思います。
○諫山委員 飼料価格が暴騰したころの経過を振り返りますと、とにかく必要以上に上げ過ぎたというか、上げ過ぎて後の処置をどうしようかというような問題さえ出てくるというようにずいぶん問題があったと思う。今度の場合は下げるわけです。そして、一部では全農なんかずいぶんもうかってしょうがないんだというような話もあるわけですよ。実態は私はなかなか教えてもらえませんからわからないんですが、そういうことだとすれば大変です。ですから、とにかくこれだけ値下げ要因がそろったわけだし、その点では、飼料価格が日本の畜産に及ぼす影響、さらに全国民の消費者に対する影響なんかも考えて大胆に下げる、このことを強く要望しまして質問を終わります。
○笠岡委員長代理 小宮武喜君。
○小宮委員 農林省は、養鶏農家の多年の念願でありました卵価基金の助成について、基金の造成額を三十四億として、その二分の一の十七億を三年間に分割して助成するということで、五十年度予算に五億七千万を計上しております。ところが、予算措置を行って養鶏農家を喜ばせたと思った途端に、その助成と引きかえに「卵価安定基金の運用について」という改悪案を出してまいりました。 そこで、私は、この改悪案の内容について若干お尋ねしますが、その第一は、「基準価格の算定は需給実勢方式によるものとする」とありますが、この算式で計算した場合に基準価格は幾らになるのか、その点をまず質問します。
○澤邊政府委員 農林省といたしましては、現在の民間にございます卵価の安定基金協会から申請がありまして、それを認可するということで価格を決めていくわけでございますが、いわゆる第一基金の全農系統の基金からは、二百七十三円という価格を今年度決定したいという申請が現在出てまいっております。われわれといたしましても、これは政府がみずから決めるものではございませんけれども、内容を十分審査をいたして妥当なものではないかというふうに考えております。
○小宮委員 二百七十三円という数字は全農の方で出された数字だということでございますが、昨年四月以降の飼料価格の動向を見ましても、昨年七月にはトン当たり四千三百円の値下げはありましたけれども、十一月には八千五百円、ことし一月には四千五百円と値上げされて、差し引き八千七百円の値上がりになっているわけです。したがって、この基準価格が今度二百七十三円というのは、これは計算方式でいろいろ変ってはくるでしょうけれども、第二基金の方で計算したところによれば、農林省のこの算式でも二百七十九円になるということが言われておるわけですが、これは計算の仕方、また数値のとり方にもいろいろ違いがあると思うのですが、そういった場合に、たとえば全農の方は二百七十三円と言い、第二基金の方は二百七十九円と言う。こういう場合に農林省は低い方の数値を採用することは大体いままでの常識ですが、こういうふうに二つの基金で違った数値が出た場合の調整について、どちらの案を農林省としては採用するのか、その点はいかがですか。
○澤邊政府委員 現在全農系の第一基金が申請しておりますのは二百七十三円だということを申し上げました。第二基金の方はもう少し高い二百七十九円というような案を検討されておることはわれわれも承知しておりますけれども、これはいわゆる需給実勢方式といいますか、そのような算定方式を用いてはじいておるわけでございますが、先生御指摘のように、はじき方によって若干の差が出るということは避けられない点があると思いますが、われわれといたしましては、卵価は産地なり消費地の若干の差はございますけれども、おおむね全国一つの市場として統一的な価格形成が行われておりますので、両基金によって保証基準価格が食い違うということは好ましくないと思います。特に、国が助成をするという場合には、一方には高い価格を基準として助成する、片一方にはそれよりは低いところでやるというのは適当でないと思いますので、これは一致すべきであるということで考えておるわけでございまして、その意味では、第一基金の方ですでに二百七十三円、これは昨年の二百七十円と比べて上げ幅が非常に少ないじゃないかという御疑問があるいはおありかと思いますが、これは昨年はあくまでも民間におきます自主的な基金として、完全に自主運用しておる段階での価格でございますので、これにつきまして国がとやかく必要以上の介入指導をするというのは避けるべきだということで昨年はあのように決まっておるわけでございますが、今年は、御承知のように国の財政援助ということになりますと、やはり民間だけで自主的に決めるというわけにもいきませんので、われわれももちろん内面指導しながら話し合いの上で、第一基金については二百七十三円というのころの価格でいこうというところで一致しておるわけでございますので、第二基金におかれてもその線に歩み寄ってもらうように、これから十分話し合いの上で説得したいというふうに考えております。
○小宮委員 基準価格の問題だけではなくて、今度の安定基金の運用という問題についても、むしろ上部の方ではある程度了解を与えたかのようでございますけれども、下部末端の農家に行けば、この問題については非常な不満があちらこちらで起きておるんですよ。だから、上部の方々が二百七十三円という線を出したとしても、下部の組合員はかなりあちらこちら不平不満が出ておるんですよ。そういうような問題等も十分考慮されて、農林省のなるだけ低い方に定めようという気持ちはわかるけれども、やはり、その中間ぐらいで何とか双方も納得できるような線で決めてもらいたいと思いますけれども、その基準価格の決定は大体いつごろになりますか。
○澤邊政府委員 ただいま決めております第一基金の場合ですが、役員会でも決めてわれわれの方に持ち込んでおりますのは四月からというのではなしに、その前からできるだけ早く実施したいということでございますので、第二基金の場合もできるだけ早く決定をしていただきたいというふうに考えております。
○小宮委員 それでは、今後の飼料価格の動向についてはどういうふうに見られておるのか、その点もいかがですか。
○澤邊政府委員 配合飼料価格につきましては、十一月と一月と二回、最近連続して引き上げが行われたわけでございます。そのために特別基金もつくりまして、この一−三月につきましては、特別補てん、異常補てん、トン当たり三千円の補てんをしたいということで決めておるわけでございますが、最近世界の飼料穀物の価格が低落ぎみに推移しておりますし、特に、ことしに入ってからかなり下げ足が速くなっております。それから、海上運賃も世界の貿易が停滞しているということもございまして安くなっておりますし、さらに、御承知のように円レートは最近非常に強くなってきておる。一−三月の価格を十二月に決めます際には一ドル三百円のレートでやっておるわけでございますが、御承知のように、最近は二百八十五、六円というところまで強くなっておりますので、それらが四月以降の配合飼料価格の値下げ要因として働くことは当然でございます。 〔笠岡委員長代理退席、委員長着席〕 したがいまして、今月の下旬にかけまして、全農を含めまして各メーカーとも配合飼料の四−六の価格を決める予定になっておりますが、われわれはこれから主要なメーカーからデータの提出を求めまして、できるだけ適正な値下げができるように指導するつもりでおりますが、四月以降はある程度値下がりが期待できるというふうに思っております。
○小宮委員 一説には、トン当たり大体四千円ぐらいは下げられるのではないかというような見方もございますが、いまの段階ではなかなかむずかしいとも思いますが、ただ、小幅ということではやはりなかなか困るので、農林省としては飼料の値上げについては昨年からもう本当にこりごりしているわけですから、その点、養鶏農家の方々のためにできる限りの値下げをしていただくように、特に要望しておきます。 それから、飼料価格について全農系と商系との間に価格差があることが明らかになっているわけです。商系の方が全農系よりは大体トン当たり二千円ぐらい高いというふうに言われておるわけですが、これは事実ですか。それで、また、事実とすれば、商系の方がどうして全農系よりは二千円も高いのか。その辺の理由について明らかにしてもらいたいと思います。
○澤邊政府委員 全農とメーカー系統と言いましても、メーカーの中でもそれぞれ差がございますので必ずしも一律ではないわけでございますが、現在の一−三月の価格で見まして、全農は全畜種平均いたしまして六万八千円前後になっているわけでございますが、それよりは、全農を除いた工業会に属しておりますメーカーの平均を見ますと七万二千円ぐらいになっておりますので、四千円近い差が出ております。これはそれぞれメーカーごとに事情がございますけれども、一つは、畜種別に飼料の製造比率が違うという点でございます。これは先生御承知のように、ブロイラーとか養鶏、養豚、あるいは酪農、肉牛によりまして、それぞれ配合飼料の価格が違います。大家畜は一番安くなっておりますし、ブロイラーは一番高いということになっておりますので、それらの製造比率が各メーカーごとに差がございまして、全体的に見ますれば、全農は他のメーカーに比べますと大家畜向けの配合飼料をより多くつくっておるという点が価格差を生ずる要因の一つでございますし、あとは原料の買い付けその他の上手下手ということもございまして、そのときどきに若干の価格差が出ておるわけでございますが、一番大きな要因といたしましては、畜種別の製造比率が違う、ということは原料の使用比率も違う、これによる差が大部分でございます。
○小宮委員 「補てんは基準価格を下回る額の八〇%につき月別に行う」ということがありますが、これは、これまでの運用方法からすれば明らかに改悪だと思うのです。しかも、いままで日別にやっておったのを月別に改めるということも改悪につながるというふうに私は考えます。 そういうような意味では、行政というものは一歩一歩改善されていい方向に向かわなければならないのに、今回の農林省の考え方はむしろ後退するような印象を受ける改悪案だということは、私はこれは非常に重要な問題だと思うのです。したがって、「補てんは基準価格を下回る額の八〇%につき月別に行う」という、こういうような改悪案をどうして持ち出したのか、その理由について説明を願いたいと思うのです。
○澤邊政府委員 国が助成をすることに伴いまして補てんの仕組みを若干手直しをしておるわけでございますが、御指摘のございましたように、従来は、毎日の価格を見まして、毎日の価格が基準価格より下がりますれば、その下がった額を補てんするという、基準価格から下がった分を補てんするというやり方をしておりましたが、今回は月単位で見まして、月平均価格が基準価格を下回った場合に補てんをする、こういうように改めたわけでございます。 これは、補てん制度は、もちろん、価格が通常変動以上に異常に変動した場合に経営の打撃を緩和するということをねらいとして設けておる制度であるわけでございますが、一日だけ仮に下がったといたしましても、それによって直ちに経営が非常に影響を受けるということではなくして、毎日卵価は動いておりますけれども、一定期間を見まして継続して基準価格を下回ったような場合に経営が悪影響を受けるということになると思いますので、毎日生産し、毎日卵価が変わっておるという現状のもとにおいては、やはり一定期間——それが一ヵ月がいいのか二ヵ月がいいのかという点は議論があるいはあるかと思いますけれども、一ヵ月程度の期間をとってみまして、その間の平均価格が基準価格を下回るという場合には経営に相当な影響を受ける、一日だけ下がっても、それは直ちに経営に影響を受けないというふうにも考えられますので、今回、その一定期間を一ヵ月という単位でとりまして補てんを行うというように改めたわけでございます。
○小宮委員 この補てんは原資の範囲内で打ち切るということについてはどういうように考えますか。
○澤邊政府委員 一応補てんは財源の範囲内で行うということにしておりますけれども、これは積立金等によります財源以上に無制限に補てんをするということは基金の運営上好ましくないという考えからそのような指導をしておるわけでございますが、しかし、万一財源が不足するような場合、基金が自己財源で確実に返済できるというような額を限度として借り入れをするということは可能になるように指導をしていきたいというふうに考えております。もちろん、無制限に返済のめどもないのに借り入れをして補てんをするということは好ましくないと思いますが、返済のめどがある限り、積み立てた資金で不足する部分について直ちに打ち切るということではなくして、借入金によって一部補てんをしていくということもケース・バイ・ケースでわれわれ十分審査した上で認めていきたいというふうに考えております。
○小宮委員 あえて私は改悪案と言うわけですけれども、こういうようにいろいろと従来より改悪されるということになれば、やはり、基金の魅力がなくなると私は思うのです。特に、いままで、われわれは、何とか基金というものを魅力あるものにしなければならないということで、昨年の基準価格の引き上げの場合もかなり主張したわけです。そこで昨年の四月に基準価格が二百七十円に引き上げられたことによって、この第二基金の基金への加入者も倍増しているわけです。第一基金に対しても、少しではありますがやはり加入者はふえているというように、基金に魅力を感じて加入した人たちが、こういうふうに改悪されるということになると、新規加入者はもちろんのこと、既存の加入者も基金に対する魅力を失って脱退する者が続出しはせぬかというように私は考えるのです。そればかりか、基金価格を上げて魅力ある基金にしたかと思えばたちどころにこういうふうに改悪するということになれば、農民の方々も、農林省の畜産行政に対して非常に不信感を抱く結果にもなると私は思うのです。 だから、この問題については、改悪案は撤回すべきだ、したがって畜産局としては再検討すべきだと私は思うのですが、いかがですか。
○澤邊政府委員 いろいろと改悪だという御指摘でございますけれども、われわれといたしましては、完全に自前で自主的に運営されるものであればとやかく言う必要もないと思いますけれども、国の財政援助までして補てん事業をやるということになりますと、他の制度との関連等も考えまして、やはり筋の通った仕組みにしなければいけないというふうに考えるわけでございます。たとえて言いますと、先ほどお尋ねもございましたが、毎日の価格を見て基準価格を下回ればすぐ補てんするというようなことは、卵価が上がった場合、特に年度後半は毎年上がるわけでございますが、上がりましても特別に積立金をルールとして増徴するということもないということになりますれば、下がった場合も、一日下がったからといって直ちに補てんするというのはいかがというふうに考えるわけでございます。さらに、直接にはまだ御指摘はなかったと思いますけれども、八〇%の補てん率というものも、他の制度も大体八〇%前後の補てん率でやっておりますし、これは俗に言えばがまん率というようなことも国の財政援助という場合には考えていかなければいけないということで、われわれとしては改善を加えるというつもりでやっておるわけでございますが、先生のおっしゃったようにもちろん魅力をつけて加入率を上げる、それによりまして懸案になっております鶏卵の計画生産を推進するということが一つの大きなねらいになっておりますので、その意味では先生のおっしゃる御趣旨はわれわれも同じに考えておるわけでございます。 現在のところ、一部で御指摘のあったような御不満はわれわれも伺っておりますけれども、全体とすればこの程度でやむを得ないのではないか、協力してやらうという機運が多いようにわれわれ見ておりますので、他の方々につきましても、われわれとしても国の考えているところをさらに十分に御説明をしまして、新しい制度に対する理解を深めて加入をふやし、御協力をいただきたいというように考えております。
○小宮委員 これはいままでここで再三再四にわたって、魅力ある基金にしなさい、そうでなければいま生産調整を農林省がやろうとしても、基金に加入しておる人たちはわずか全体の三〇%ぐらいではないか、だから、そういうような基金に加入をしておる三〇%の人たちだけが生産調整をやっても、アウトサイダー七〇%の人たちは生産調整に協力しないということになれば、正直者がばかを見るではないか、だから、魅力ある基金にして、それで養鶏農家をできるだけ多数参加させて、その中で農林省が生産調整を進めるということになればその調整の実効も上がるではないか、ということをたびたび主張してまいって、ようやく農林省も前向きにこの問題に取り組んだやさきにこの問題が出てくるということになれば、農家の人たちは行政に対して明らかに不信感を抱いて、それではもう生産調整にもなかなか協力はしがたいということになったら、日本の養鶏行政は混乱してしまうと私は思うのです。 そういうような意味で私は再検討をぜひ考えなさいということを言っておるわけでございますが、再検討するお考えがあるかどうか。これは局長は参議院の農林水産委員会でも再検討するということをちゃんと約束しておるわけだから、ちゃんと議事録に載っておりますから、そういうような意味で再検討をここで約束してもらいたいと思うのです。
○澤邊政府委員 五十年度から国の助成によります補てん制度に切りかえたわけでございますが、昨年の八月末に農林省がこの構想を固めまして大蔵省にも予算要求をする段階以降、現行基金の指導者の方々を通じて、先ほど来御指摘のあったような制度の仕組みを変える点につきましても御説明をして、大体特段の異論はないという理解のもとにわれわれは進めてきたわけでございます。予算が通ってから急に言い出した話ではないわけでございますが、しかし、現地の方々の一部でまだその趣旨が十分浸透しておらないということのために、制度が手直しされた点についての御不満があるということはわれわれも伺っておりますけれども、先ほど来申し上げているような趣旨から言いまして、他の制度との均衡ということを考えましても、われわれといたしましては現在考えております線で初年度はとにかくスタートをする。これをやってみまして非常にうまくいかないということがあればまた別でございますけれども、現在の制度でスタートをしてやれるところまでやってみるということが前提にならなければならないのではないかというふうに考えておりますので、われわれの意図するところをさらによく御理解いただくように努力をしていきたいと思います。 それから、先ほどお答えした中でちょっと間違いましたところがありますので、ごく簡単でございますが訂正をさせていただきたいのは、高い卵価のとき積み増しをしないということを申し上げましたけれども、これは一定の基準以上全部取るということではないのですが、一部はやるようにしていただこうと思っております。
○小宮委員 畜産局長が言われておることは、この基金の総枠を三十四億に決めておるという問題の中で、いろいろいま言われたような改正案、改悪案というものが出されておる。これはまた予算折衝の場合に農林省がいろいろ大蔵省とやりとりされた内容も知っておりますのでわからぬでもないですが、ただ、問題は、こういうような大きな問題は十分考えてやってもらいたい。 ほかにもいろいろ質問したいことがございますが、時間がございませんので次に移ります。 次は、飼料基金についてでございますが、飼料基金と農林省が推進しておる生産調整とを結合させるべきだと私は考えますが、その点、所見はどうですか。
○澤邊政府委員 われわれは、卵価安定基金と生産調整といいますか、計画生産はきっちり結びつけた運用をしていきたい、それによりまして生産調整をできるだけ目標どおり推進していく手段にしたいというふうに考えておりますが、配合飼料の方の基金につきましては、これは今度特別基金というものをつくりましたけれども、これはあくまでも従来ございました自主的に設立されておりました三基金を前提にいたしまして、その農家との契約関係を前提にした上でそれを補完するといいますか、補強するといいますか、足らざるところを補うという形で特別基金の異常補てんをやるということにしておりますので、しかも、採卵養鶏の配合飼料だけではございませんので、全畜種にわたる配合飼料につきまして価格補てんをする、あるいは異常補てんをするというようなことにしておりますので、採卵養鶏だけを取り出して計画生産と結びつけて運用するという点は、ねらいとしてやりますればそれも一案かと思いますけれども、いま直ちにそこまで踏み切るかどうかにつきましては非常に問題が多いのではないかというふうに思います。しかし、先生の御指摘がございますので研究はしてみたいというふうに思いますが、直ちに結びつけるのは現段階では無理があるのではないかというふうに考えます。
○小宮委員 生産調整は順調にいっておりますか。生産調整の現状について若干説明してください。
○澤邊政府委員 生産調整は、昨年の春全国的に方針を指示しまして、県協議会、市町村の協議会を通じて主要な養鶏農家に目標を指示してやっておるわけでございますが、その効果もあったと思いますが、昨年後半から最近に至りますひなの導入数もかなり減ってまいっております。これは余り減り過ぎるのも問題があるわけでありますから、需要に見合った適正な生産を続けていく必要があるわけでございますが、昨年やりました三千羽以上の飼養農家は、前年水準の現状で規模を凍結するというようなやり方は五十年度につきましてもまだ最終的に決めておりませんけれども、同じような方式で実施してみてはどうかということで現在内部で検討を進めておるところでございます。
○小宮委員 この飼料基金の運用についてでございますが、漏れ聞くところによれば、徳島県で補てん金額が末端農家の手に入らないということから大きな刑事事件が発生しておるということを聞いておりますが、その真相について説明をしていただきたいということがまず第一点。 飼料基金では各県ごとにメーカー別に荷受け組合をつくり、その特約店が荷受け組合の事務所になって、すべてメーカーがお世話をしておるというのが実情なんです。しかし、その実態が非常にあいまいである。責任の所在も明確でない。また、特約店では補てん金を飼料代金と相殺したりするなど、実権をメーカー側が握っておりますから、そのための弊害が生じておるケースもあちらこちらで見受けられます。したがって、徳島県の刑事事件にしても、飼料基金の運営と機構の問題に原因があるのではないかというようにも考えられますけれども、その点についてどう考えておられるかということ。 もう一つは、そういうようなことからかもしれませんが、いま各県に基金協会を設置しようとする動きがありますが、そのことによって農民の負担がふえることになりはしないかということを農家の方々は非常に不安を感じておりますが、その点の解明。 以上三点を一括して質問します。御答弁を願って、私の質問を終わります。
○澤邊政府委員 徳島事件につきましては、一月中旬に徳島県下において元飼料小売商が商系の配合飼料価格安定基金の交付に係ります価格補てん金を詐取した疑いで徳島県警に逮捕されたという事件でございます。これは被疑者が全くかかわりのない農家の名義を使いまして基金と補てん契約を結び、二回にわたって総額五百八万円の補てん金の詐取を行ったとする、いわゆる詐欺事件であるわけでございまして、このような事件が出ましたことは非常に遺憾だと思っております。 それは、この事件は個人の詐欺事件でございますので、基金の会計経理の内容や国庫補助金の適正化に直ちに累を及ぼすものではございませんけれども、商系基金においては、内部の末端監査においても当該事件の発生を確認いたしまして、被疑者と基金との契約は無効であるとの判断をいたしまして、その中間責任者であるメーカーから被害額相当金額の返還を求めて、すでに処理を終わっております。 しかし、このような事件が発生いたしましたことは、畜産農民に与える影響及び行政効果の上から見ても好ましくない事態でございますので、今後このような類似事件が発生しないようにわれわれといたしましても厳に指導していきたいと考えております。 確かに、御指導がございましたように、現在の商系の配合飼料価格安定基金ができましたのは、一番新しい政府の補てん財源に対する補助を契機として急につくらせたということもございますし、農協系統と比べればやはり組織が未整備であるという点に問題がございますので、特別基金ができましたことでもございますので、今後末端の組織を整備する必要があると考えております。そのために県基金、基金協会のようなものをつくるのも一案かということで考えて検討しておりますが、それによりまして農家の負担がふえるということはできるだけ避けるようにして、しかし、反面、ただいま申しましたようないろいろな問題が発生しないようにきちっとした組織をつくる必要がございますので、それらをにらみ合わせて、他の農協系統の組織と同じように円滑に運営できるように指導していきたいと考えております。
○小宮委員 終わります。
○澁谷委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時五分散会