農林水産委員会 第1号
- 発言数
- 134 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1975/01/23
会議録
○澁谷委員長 これより会議を開きます。 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 すなわち、 一、農林水産業の振興に関する事項 二、農林水産物に関する事項 三、農林水産業団体に関する事項 四、農林水産金融に関する事項 五、農林漁業災害補償制度に関する事項以上の各事項について、衆議院規則第九十四条により、議長に対し、国政調査の承認を要求することといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○澁谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○澁谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう取り計らいます。 ————◇—————
○澁谷委員長 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 水島重油流出事故に伴う漁業被害の現状について、政府から説明を聴取いたします。内村水産庁長官。
○内村政府委員 昨年十二月十八日の夜岡山県倉敷市の三菱石油の三菱製油所から流出いたしました水島重油流出事故による漁業被害につきましては、一月二十日現在、これは県の報告によるものでございますが、お配りしてございます資料のとおり、百五十九億七千五百七十二万円になっております。 そこで、この資料でございますが、県の報告は、岡山県につきましては、施設被害あるいは漁船の休業による被害等の報告がまだございません。兵庫県につきましても、施設被害についての報告が入っておりません。その他の県につきましては、ノリの養殖業、ワカメの養殖業、ハマチの養殖業、漁船の休業、その他施設被害、全部の報告が入っておるわけでございます。それによりますと、岡山県は三十七億四千八百万円、香川県は八十六億三百六十一万円、兵庫県は十五億八千五百万円、徳島県は二十億三千九百十一万円でございまして、総計百五十九億七千五百七十二万円、こういうことになっておるわけでございます。 なお、この件につきまして、事故が起こりましてから水産庁がとった措置につきまして若干御説明申し上げます。 十八日の夜に油が流出したわけでございますが、水産庁といたしましては、その情報を受けまして、十二月の二十日、直ちに水産庁瀬戸内海漁業調整事務局に連絡本部を設けまして、流出油の拡散状況の把握、漁業被害の調査、防止対策の指導、水産本庁との情報の連絡等を行ったわけでございまして、本庁といたしましても直ちに係官を二名現地に派遣いたしました。 十二月二十八日、漁業被害対策の万全を期するため、水産庁に水島重油流出事故漁業被害対策本部というものを設けまして、本部長には水産庁の松下次長を充てたわけでございます。これによりまして、漁業被害状況の把握、被害防止対策の指導、被害漁業者対策の推進、汚染漁場の復旧対策、油濁の水産資源に対する影響の調査等を進めているわけでございます。 それから、現場で水産庁がどういうことをしたかということでございますが、現場におきましては、水産庁の瀬戸内海漁業調整事務局から担当者二名を現地に派遣いたしまして、同時に水産庁の取り締まり船二隻を動員いたしまして、油の流れに沿いながら調査、指導、連絡を行ったわけでございます。 さらに、十二月の二十七日におきましても、神戸市において、水産庁は、水産庁瀬戸内海漁業調整事務局関係者、水産研究所の者、関係県、関係県水域からなる検討会議を開催いたしまして、これは主として今後の調査の方法等について打ち合わせを行ったわけでございます。 それから、十二月三十日には農林大臣に香川、岡山に御出張をいただきまして、空から徳島、香川、岡山三県の状況を御視察願い、さらに現場で水産業者及び水産従事者との懇談を持たれたわけでございます。 一月七日には、水産庁に三菱石油の責任者を呼びまして被害補償についてとった措置を聴取すると同時に、誠意を持って補償に当たってくれということを要請いたしました。 それから、一月十三日に国の現地対策本部が設けられましたので、水産庁からは松下次長が対策本部の次長として参加したわけでございます。 そこで、現地対策本部において、水産庁は漁業被害の補償問題を担当するということになりまして、現在それに当たっているわけでございます。 そこで、現地に国の対策本部ができたわけでございますので、一月十三日以降は、現地対策本部においていろいろな措置がとられたわけでございます。すなわち、一月十三日には、水産庁、関係県、関係漁連、全漁連から成る漁業被害補償等についての会議を開催いたしました。一月の十六日、十七日には、広島市において、水産庁関係の水産研究所、関係県、関係県の水産試験場、学識経験者から成る流出油の漁業への影響の調査についての会議を持ったわけでございます。一月十八日には環境調査会議、水産関係といたしましては生物環境調査及び魚介類の着油調査でございますが、それが行われ、翌十九日には、魚介類着油調査及びこれに関連する試験操業関係の打ち合わせ会議を行いますとともに、被害漁業者に係る借入金の特別対策会議も開催したわけでございます。これらの会議の結論等によりまして、一月二十日、試験操業等に関する補償問題、補償内容の早期払い等について三菱石油に申し出たわけでございます。 なお、一月二十二日に四県の漁連会長会議が行われまして、その結論として、二十三、二十四の両日、漁連が、事務ベースで、被害の概算を四漁連の事務局が計算いたしまして、それを積算する、二十五、二十六の両日、四県漁連から三菱石油に対しまして概算の協議をする、二十七日に四県漁連会長会議を開催しまして、窓口一本で三菱石油に対して支払い要求をし、三十日までに県漁連に払ってくれということを要求する、こういうことになっているわけでございます。 これが事故発生以後今日まで水産庁がとった措置でございまして、諸手続については、まだいろいろ進行中でございます。 以上でございます。
○澁谷委員長 以上で説明は終わりました。 —————————————
○澁谷委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。 なお、本日この委員会に出席をいたしておりまする政府関係者は、エネルギー庁、自治省、消防庁、運輸省、海上保安庁、環境庁、厚生省、以上の各省からそれぞれ関係官が出席をいたしておりますので、念のため申し上げておきます。 柴田健治君。
○柴田(健)委員 きょうは関係官庁から多数来ていただいておるわけでありますが、時間の関係で簡潔に質問申し上げたいと思います。 本問題は、本日で済むというものではない、相当長期間にわたって国会において論議をしていかなければならぬ問題だと思っておるわけでありますが、十二月十八日の事故発生以来、この関係の県は大変な苦労をしておるわけであります。この問題については、昼夜分かたず精力的に取り組んでおる。その中で、いろいろと論議をやってみて、大変残念なことだということで、もう少し事前に手を打っておったらこんなことにならなかったであろう、返す返すも残念だという意見が常に出てくるわけであります。 なぜそういう意見が出てくるかというと、たとえば昭和四十八年四月に、「海上における防災対策および被害者救済等に関する要望書」というものを、岡山県、岡山県瀬戸内海沿岸の関係市町、岡山県漁業協同組合連合会という連署で公式に関係当局に出しておるのであります。関係省は十一省にわたっておるわけであります。きょうお見えになっておるのは厚生省、農林省、水産庁、通商産業省、海上保安庁、自治省、消防庁と、関係機関が見えておりますが、その他総理大臣以下関係当局にこの要望書を四十八年四月に出しておるのです。この中で、各項目に分かれておりますけれども、この問題を少し読んでみます。「大規模海上流出油災害等海上災害に対する防災対策については、海上保安庁が中心となってその推進が図られているが、具体的な災害予防対策および応急対策業務の実施主体およびその責任分野は必ずしも明確でなく、災害発生にあたって幾多の問題を生じている。ついては、国、県、市町村等防災関係機関の実施業務および責任ならびに経費負担区分を明確化するとともに、地方公共団体の行なう防災資機材の整備、防除等の経費に対する国の大巾な財政援助措置を確立されたい。」となっており、それから、2には、「実効のある防災資機材の開発に積極的に取り組まれたい。」として、「海上防災対策は、現在、オイルフェンスの展張、中和剤の散布および一部地域での油回収船による回収程度で、しかも条件によっては無能力となり、」と、油回収船についても強い要求をしておるわけであります。そして、「二次災害を招くおそれもあるなど、極めて後進的であるといわざるを得ない。」と言っている。これについても、国においては、合理的、効果的な技術の開発等を早急にやってもらいたい。 それから、3、4とあるわけでありますが、特に、四番目では、「近年、海上流出油災害が全国的に多発しており、瀬戸内海においてもますます多発化の一途をたどっている。これら海上流出油災害の防除対策についての技術開発が急務であるが、流出油には火災の危険性のあるものが多く、またそれに対する油処理剤の使用等による二次災害の発生を防除するためにも、当面の措置として、早期に大量の油を回収する以外にその有効な対策を期し難い。」と言っている。この油を回収することを前提として、施設を早急にしてください。そして、「ついては、国において、瀬戸内海におけるこれら流出油の防除に対応できる高性能の大型油回収船を、水島港ほか内海の適地に早期に配置されたい。」というように、こういうことを4、5と具体的に問題点をずっと指摘して、国に、関係省に要求したが、これに対して何ら回答もなければ、何にも連絡もないし、何にも意思表示がないし、とられた措置もない。 本事件が起きることは、末端の関係市町村においてはあらかじめもう十分承知されておった。それを予測して、事前に関係当局に要求した。これについて、農林大臣以下関係省は、この要望書に対してどういう処置をして、どういう検討をして、どういう連絡をして、どういう回答を出したか。回答を願いたいのです。
○安倍国務大臣 水島の油流出事故につきましては、昨年の農水委員会におきまして、農林大臣がすぐ行って現地を視察せよというような御意見もいただきまして、私、早速十二月の三十日に飛びまして、現地を見まして、その惨状に驚愕するとともに、一日も早くこの補償を行って漁業者に安心をしていただかなければならぬということと、同時にまた油の回収を進めなければならぬということを痛感いたしたわけでございます。 その後対策本部等が設けられまして、関係各省との連絡のもとにいろいろと対策も進められており、また、油の除去も大分進んでおるということを聞いておるわけでございますし、また、補償につきましても、年末の融資とか、年末に三菱石油から一部を補償するというふうなことで、年末、年始と多少の補償金も出ておるようでありますが、まだ未解決であることは御案内のとおりでございます。 いまお話しがございました四十八年に出ておる要望書ですが、岡山県の、県、関係市町及び岡山県漁連の連名で、「海上における防災対策および被害者救済等に関する要望書」が提出され、水産関係としては、「被害者救済基金制度の早期確立を図られたい。」という旨が出されておるわけでございますが、この漁業者被害の補償は、御存じのように汚染者負担が大原則であるわけですから、原因者が完全に補償するのは当然のことでございますが、特にタンカーによるところの汚染、油濁につきましては、責任強化を内容とする国際条約の国内法の準備が現在運輸省で進められておると聞いておるわけでございます。これは一日も早く国内法の整備が行われることをわれわれとしては期待しておるわけであります。 また、原因者不明の油濁につきましては、これは今回の予算措置といたしまして、漁業被害の救済については、国の補助あるいは産業界等の拠出によって措置することとして予算措置をとったわけでございまして、予算案が成立した暁におきましては、原因者不明の油濁につきましても一歩前進ができる、こういうふうに考えておるわけであります。
○澁谷委員長 柴田委員、各省全部に、ですか。
○柴田(健)委員 各省。要望書に対してどういう措置をとったか。
○山本説明員 海上保安庁からお答えいたします。 岡山県からの要望書は、四十八年四月に海上保安庁は受けておりまして、この中に海上保安庁関係として入っております事項は、第一項の、「流出油事故等海上災害の防災対策について、実施主体およびその責任分野を明確にするとともに、これに対する財政援助措置を強化されたい。」という項にまずあると思いますが、これにつきまして申し上げます。 先生も御承知のとおり、昭和四十二年にイギリスで「トリー・キャニヨン号」の大量流出油事故が発生しております。この流出油事故の災害の規模の大きさに着目いたしまして、それ以後、海上における大量の流出油の災害の恐ろしさということについて大きく啓蒙運動を始めたのは海上保安庁であると思います。そういった関係から、海上保安庁といたしまして予算を要求いたしまして、防除資機材の整備をその後逐次進めてまいっております。その上に、海上保安庁の力のみではこの防除活動ということは非常に困難であるというふうに考えまして、コンビナート地区ごとに防除の実力のあるものを結集して、官民合同でこれに対処しようという考え方のもとに、コンビナート地区に大量流出油災害対策協議会というものを結成いたしました。これは全国で六十一カ所に現在及んでおります。そういった体制をつくって、地区ごとの防除体制の強化ということを図ってまいりました。 この流出油の防除主体と申しますれば、これは海洋汚染防止法で明らかにされておりますとおり、流出いたしました、その責任者、これが防除の第一の義務者である、この防除義務者の措置が不十分な場合に、海上保安庁がこれに応援をして災害の局限を図る、と、そういう考え方が海洋汚染防止法に盛られております。この趣旨に従いまして、海上保安庁は、さっき申し上げましたような資機材の整備を図っておる、そういうことでございます。 なお、この流出責任者並びに海上保安庁の措置で不十分な場合はどうするかという問題がありますが、海上保安庁といたしましては、これは災害の部類に入るというふうに考えまして、災害対策基本法の「災害」の中に大量流出油事故を含めてもらいたいという要望を当時の総理府にいたしました。それで、その考え方が盛られることになっておりまして、災害対策基本法の防災基本計画の中に、大量流出油に対するいろいろな措置が規定されております。そういった関係から、私どもといたしましては、大量流出油があった場合は、原因者並びに海上保安庁の措置をすることと、それに当然に災害対策基本法に基づきます関係機関、地方公共団体等がこの災害の局限に当たるもの、そういうふうに国としては体制づくりができ上がっておると一応考えております。
○森岡政府委員 消防庁といたしましては、石油コンビナート地帯の防災対策につきまして、まず第一に、石油コンビナート地帯防災計画を地域計画として設定をするという指導を進めてまいりました。企業あるいは市町村、県、官民全体を通じましての責任分野をそれぞれその計画の中で定め、また、相互援助、応援についても的確な措置をとるように定める、あるいは資材の備蓄についても定めるというふうな指導を進めてまいったわけでございます。しかし、それが現実の今回のような災害の発生の際に必ずしも有効適切に作動し得たかということになりますと、私ども大変反省しなければならぬ面があると思います。 第二に、防災資機材の備蓄につきましては、御承知のように、県が広域的に備蓄する場合の国庫補助制度を新設いたしまして備蓄を進めてまいりました。 それから、第三に、昭和四十九年度から、これも御承知のことでございますが、コンビナート地帯のうち大規模な地域につきまして防災診断を実施をするということで防災診断委員会を設け、今年度からそれを進めておるところでございます。四十九年度に診断いたしましたのは川崎、清水及び岩国周辺でございます。 以上のような措置を消防庁といたしましては講じてまいりました。
○藤野説明員 港湾局の機材課長でございます。 御要望のございました中で当港湾局の業務にかかわり合いのありますことといたしまして、油回収船の建造並びに配置に関することが私たちの業務にかかわり合いのあるところでございます。それで、私たちは、四十八年度以来、港湾区域外におきまして、主として原因者不明の流出油の回収ということを主たる目的といたしまして油回収船の建造を進めておるわけでございますが、瀬戸内海につきましてはすでに神戸に一隻配置しておりまして、それからなお瀬戸内海の西部に当たります周防灘地域にも一隻配置すべく、現在設計を進めている段階でございます。 今回の水島の流出事故に関連をいたしましては、海上保安庁の方の緊急出動要請に基づきまして現地へ出動して油回収作業に従事したわけでございます。 なお、そのほか、いわゆる海上の浮遊ごみの回収のために海面清掃船というものをすでに瀬戸内海地域で三隻配置しておりますが、これにつきましては、そのうち一隻が、今回の油流出事故に関しましては、オイルキャッチャーの回収ということで、これも海上保安庁の方の御要請に基づきまして出動したわけでございまして、そういった意味では海上の浮遊ごみの回収ということを主たる目的として建造したものではございますが、そういったオイルキャッチャーの回収ということによっても油回収の作業に御協力できるというふうに考えております。 なお、今後長期的といいますか、今後の問題といたしましては、すでに新聞等にも出ておりましたけれども、より大型の油回収機能を付与した作業船というものを持つことを検討したいということを考えておりまして、五十年度はその調査研究にかかることを予定しておりますし、さらに、いま申し上げました清掃船の建造等も五十年度に予定をしておるわけでございます。 今後、基本的には、そういった港湾区域外におきますところの原因者不明の油の回収ということを主たる要務とはしておりますけれども、そういった回収船の整備ということについて努力をしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○星説明員 運輸省船員局は、水先法に基づきまして、水先案内人の業務の適正化及び安全に関する指導の行政を受け持っておりますが、本要望書は、当時、四十八年の年初に二件ほどタンカーの座礁事故による油流出事故があったというのもこの要望書の一つの契機になっておりますが、瀬戸内海は潮流とか水路とか航行安全上の条件がかなりむずかしいというところでございますので、瀬戸内海は内海水先人会というところに所属する水先人が瀬戸内海全般の水先業務に従事しておりますけれども、四十八年のこの要望書以後約半年にわたりまして、運輸省の出先機関であります現地の海運局あるいは海上保安庁の管区海上保安本部等の関係者の指導によりまして、水先人、特に水島港を中心とする対策につきまして種々検討いたしました結果、四十八年の七月に一応水島港に対する対策というものを立てました。その柱は、水先人の当直者を水島港に専従的に充てる、それから、特に過労防止に注意した勤務割りを組む——瀬戸内海は航行時間に非常に長時間を要する航行区間が多いものでございますから、長時間の後には必ずしかるべく休憩するなり、特に長時間のスピードの遅い船舶には二人交代で勤務するように、二人乗り込むようにするなり、そういう過労防止に配慮する、それから第三に、技術向上といたしまして、特に水島港に従事する前には経験、熟練の豊かな者が配置されるわけでございますが、特に業務指針等を設けるなり、研修制度を実施するなりする、そういうことで水島につきましての航行安全には極力注意するようにといったような具体的対策を織り込みまして、一応水島港の水先に関する安全業務を確保するように努力しております。
○柴田(健)委員 いろいろと関係省からこの要望書に対してお答えを願ったのですが、どうもピントが外れておるというか、あんたらが言うておることが本当なら、あんな事故が起きても早急に処理できたはずだ。それがなぜできなかったか。私は海上保安庁に聞きたいのですが、漁民の方が心配をして、あの港湾内で食いとめる方法がある、それは漁船を三百隻ほどあの水島港湾の中で歯どめをする、それが防波堤になると言うて海上保安庁に申し入れたにもかかわらず、御心配は結構です、私たちが処置しますということでほったらかしをして、手も十分打たないで、どんどんどんどん瀬戸内海へ流出させた。かえって拡散拡大をさせた、それは海上保安庁の責任であると言って地元は怒っている。漁民が言うように三百隻か四百隻かの船で水島港の港湾の入り口で歯どめをしたら港湾の中で回収ができたはずだ。全部は回収できなくても、五〇%ぐらいは回収ができたはずだ。それを忠告したにもかかわらず、海上保安庁は拒否した。こういう態度をとっておきながら、先ほどの答弁を聞いておると、万全の処置を指導してきたとか、やっておりますとか、何を言うておるのだろうかという気がします。 これは災害という言葉を使っておるが、天災か人災か、それを海上保安庁ははっきり認識しておるのかどうか、お答え願いたい。
○山本説明員 先生御指摘の漁業者の発言の新聞報道等がございました。私ども早急にこれについて調査をいたしました。そういう事実があったかどうか、事故発生時非常に事態は混乱いたしておりましたし、非常に作業量がたくさんあって多忙をきわめておりました。そういった関係から、水島の保安部長は、そういう申し出を受けたという記憶は定かでないと言っております。 それから、その次の問題といたしまして、港口に漁船をつないで油をとめられたのだという御意見がそういう漁業者から出たということも聞いております。私どもは考えますのに、漁船を港口につなぐということはまず至難のわざだと思いますけれども、つないだといたしましても、そのつないだ間から油が流出するし、それをとめるということはなお至難なことではないかと考えます。 それから、人災か天災かという御意見でございますけれども、これはいわゆる自然現象による災害とは異なっていますから、当然に自然現象ではない、人災の部類に属するかと思いますけれども、これは災害対策基本法の災害の枠に入るようにしてもらっておるということをさっき申し上げたのでございます。
○柴田(健)委員 そういう態度や考え方をあんたがとるからおかしい。 それから農林大臣、よう聞いて、見解を聞きたいのですが、この天災か人災かというところであいまいな態度を国がとる。それから、会社の方も非常にあいまいな表現を使っておる。加害者だという言葉を使うと、加害者じゃない、当事者であり、第一原因者だと言っておる。会社には加害者という意識がない。加害者という言葉を使う基礎には、犯罪というにおいのあるものに限って加害者という言葉が生まれてくるのであって、犯罪ではありません、それだから加害者ではありません、原因者であり当時者であるという言葉を使ってくれと、これが会社の言い方なんだ。 大臣、あれだけの大災害を起こして、漁民の生活基盤からあらゆる人間の自然や環境を破壊をしておきながら何らの処罰を受けないという今日の制度——たとえば日本の場合、個人が対象でありますが、町の真ん中で立ち小便をしたとすると、量は一合ぐらいだと思うが、一合ぐらい小便したら処罰を受けるが、何万トンという油を流しても処罰を受けないという矛盾、不公平、不均衡、この今日の制度に対して、国民感情や県民感情がどう受けとめるか。こんな政治をするところに漁民は毎日不満と憤りを感じておる。それから、海上保安庁の答弁を聞いておると、天災か人災かということがはっきり明確に言えない。ただ災害という論議をして、この言葉のあやをどう裏づけるかということしか考えてない。明らかにこれは人災だ、三菱が加害者だという位置づけをしない限り住民感情は非常に悪くなる。こういう点について農林大臣の見解を聞きたい。こんな矛盾した制度というものが本当にいいのか悪いのか、まず見解を聞きたいのです。
○安倍国務大臣 今回の事故につきましては、これはもちろん自然災害でなくて人災的なものであることはもう明瞭であると思います。被害者は主として漁民でございますし、被害者があれば、原因者というか、加害者があるわけでありまして、原因者が三菱石油であることも明瞭であるわけでありますから、したがって、原因者負担の原則によって原因者が災害について補償を行うということも、これももう明白な事実であろうと思います。 ただ、こうした大事故を起こした責任について、補償する責任があるのはもちろん当然でございますが、処罰の問題とかいろいろと論議もされておるわけでございますが、消防法その他の法的ないろいろの問題はもちろんあると思いますが、はっきりした処罰規定、こういう大災害に対する処罰規定といったものにつきましては、今後とも国会の論議をいただき、また、場合によっては法律として新しいそういう処罰の方向を打ち出していただかなければならない、そういうことも当然考えられることじゃないか、これは今後とも国会で御審議をいただかなければならぬ大きな問題ではあろう、と、私はそういうふうに思います。
○柴田(健)委員 たとえば不注意で失火で過失で自分の家や財産を焼いても、罰金を取られる制度がある。みんな罰金を払っている。人にあれだけの迷惑をかけて何も処罰を受けないという、その制度自体がおかしい。今度のこの問題で、あのタンクというものをについて、土地造成をもう少し——軟弱性の土地にあれだけの施設をつくって何万トンという油を入れるのですから、重量の面から見ても、施設の面から見ても、もう少し堅固にして、ただ危険物の取り締まりの規則だけでなくして、建物の構造の問題についてももっと検討を加えなければならぬと思っていろいろ検討してまいりますと、あの資産というものが非常にあいまいだ。どちらかといえば、流動資産、償却資産、移動性償却資産に評価されておる。固定資産ではない。屋外の施設は大体固定資産という評価の基準がある。ところが、あのタンクは屋内の取り扱いを受けておる。ちょうど備品である、備品というものは動く、だから、施設も備品であるから、あのタンクは少しは傾こうと動こうと備品だから仕方がないという意見がある。これはどう考えてもわれわれは納得できない。農民がささやかな風が吹いても飛ぶような畜舎を建てても固定資産として評価される。それが何万トンという、六階建てや八階建てのビルが入るようなタンクが備品とは何ぞや。飛行機や汽車なら移動性償却資産として、備品かもしれない。けれども、あの屋外のタンクが備品だという位置づけは、どう考えても今後の指導面において矛盾がある。なぜ固定資産としてあれを位置づけしないのか、自治省の税務局の見解を聞いておきたい。
○川俣説明員 お答え申し上げます。 問題の石油タンクは、固定資産税上は償却資産でございます。現に、四十九年度におきましては、課税標準額一億六千万ほどで、償却資産として課税をいたしておるところでございます。 固定資産税の課税客体といたしましては、御案内のとおり、土地、家屋、償却資産があるわけでございますが、土地、家屋以外の事業の用に供することができる資産で、その減価償却費あるいは減価償却額が法人税法、所得税法上損金あるいは必要経費に算入されるもの、これを償却資産ということで固定資産税の課税対象にいたしておるところでございまして、問題のタンクにつきましても、先ほど申し上げましたように、固定資産税上は償却資産として課税をしておるところでございます。
○柴田(健)委員 なぜあれを償却資産として備品的な取り扱いをするのか。これは大体屋内取り扱いになるのですね。屋内の施設に準ずる。あれを屋外の施設として、固定資産として位置づけを変えたらどうか。そうしないと、ただ償却資産として——固定資産の償却でなしに、正直に言って流動資産、移動性資産、償却資産としての一種の備品であります。厳重に言えば備品という位置づけがある。そういう考えであるから、屋外のタンクはあくまでも固定資産として位置づけをして、完全に施設をしていき、一方では危険物の対象物件として、それぞれの災害が起きないように完全に技術指導をしていくということが大事なんであります。地元では、おい、あれは備品だよ、あれは固定資産ではないんだよ、ちっとは動くわい、備品というものは動くものだ、飛行機みたいに動くわい、タンクが傾こうとしようがないんだ、と、こういう評価をされておるわけであります。一方では災害が起きても処罰は受けないし、大企業というものは得をする。どっちへ転んでも税法上うまいことをやっておるし、そういう災害という犯罪行為を起こしても何にも処罰を受けない。こんなむちゃな世の中はないじゃないか。今度の事件が起きてから、ちまたにおいて、政治不信、行政不信といういろいろな不信感が非常に強い。この不信感がある限り、本問題の解決についてはすっきりいかない面がいろいろな問題で生まれてくるのではなかろうかという気持ちがいたします。そういうものが現実にあるということを踏まえて、補償問題なり事後処理を今後考えていかなければならぬのじゃないかと思います。 次に、私は海上保安庁と環境庁にお聞きしたいのですが、岡山県が十二月十九日から今日まで盛んに出動して、三万人以上の出動者を出している。けれども、これが今後何日かかるやらわからない。しかし、一方では依然としてまた海を汚しておる。大型タンカー船をどんどん通しておる。漁民の立場から言うと、漁場は荒らされる、海は汚される、いつごろ清掃が完了するのかというような心配があるわけですから、海がきれいになるまでは、大型タンカー船の航行を油船に限って当分禁止する。それは半年かかるか一年かかるかわかりませんが、短期間でもいいが、大型油タンカー船の航行を禁止するということをしてもらいたい。片一方で大型船をどんどん通しながら、掃除をしろ、海をきれいにしろと言ったってできるはずがない。国は何をしておるのかという不満がある。大型船をとめてもらいたい。海上保安庁と環境庁共同の責任でこれをとめてもらいたいが、どうですか。
○山本説明員 今回の水島の流出油事故は、陸上から海上へ及んだ災害でございます。それで、私ども海上保安庁といたしましては、日本の経済といいますか、国民生活に油が欠くべからざるものであるという認識に立ちまして、大型タンカーを日本の港に入れるということはやむを得ないという認識から、この安全をいかにして確保するかということに日夜腐心をいたしております。 こういった状況に基づきまして、四十七年七月、海上交通安全法が施行されております。それで東京湾、伊勢湾、大阪湾、瀬戸内海は、これを適用海域といたしまして、この適用海域内の巨大タンカーの航行の安全を確保するということに努力いたしております。たとえば瀬戸内海にタンカーが入ります場合には、その航路に入ります事前に事前通報をいたさせております。それから航路を航行いたします場合には、必要な見張りの増強、警戒船の配備、外国船等については水先人を乗せるように、こういった安全上の対策を講じております。 それで、幸い、瀬戸内海におきまして水島に入ります大型巨大タンカーは、現在までのところ大量の流出油を排出するような事故は起こしておりません。こういった状況にございますので、タンカーの入湾、入港を規制するかしないかという問題は、安全上は当面最大限の努力をいたしておりますし、また、これからもその努力を継続いたしてまいりますので、海上保安庁としては、当面このまま入湾をさせてもいいのではなかろうか、こういう事故を起こさないように最大限の努力をするということで御了解いただきたいと思います。
○柴田(健)委員 あなたには漁民の気持ちというものは全然わかっていない。海をきれいにするためにみんないま命がけで一生懸命やっているんだよ。あなたは安全性が確認されたら通すのだと言われるのですけれども、それなら、隣で大きな火災が起きており、ガス管が破裂しておる、しかし、もう隣は安全だから火をたいてもいいんだという言い方と一緒ですよ。風が吹いて一生懸命消しておるのに、隣で火をたいてもいいというような、常識で考えてもそんなばかな意見が出るはずがないんだ。私は未来永久に通してはならぬと言うておるのじゃないのです。海がきれいになるまではみんなで何とかして海をきれいにすることが一番大事なんじゃないか。万一事故が起きたら、あなたは責任を持つか。絶対大丈夫ということはあり得ないのですよ。絶対という言葉は日本の場合は使わない。いついかなるときに事故が発生するかわからない。いま海上保安庁の勢力や陣容で完全にできるはずがないじゃないですか。完全にできるなら、あの水島の流出油も早急に食いとめることができたはずだ。余りにも無責任な姿勢であると言わざるを得ない。 水産庁の長官にお尋ねしたいのですが、いま総力を挙げて海をきれいにする清掃をやっておるのですが、漁獲を禁止しておる。禁止すると、いつまでもほっておくわけにいかない。いつかは早く解除してやらなければならぬ。解除するには、見通しがなければ解除できないが、いつごろまでにきれいになるという見通しでいまやっているのか。このままで漁民に犠牲を払わせ続けると大変なことになる。いつごろきれいになって漁獲の禁止を解除できるのか、その見通しを聞きたい。
○内村政府委員 私が昨年の三十日に現場を見ましたときには、海には油膜が浮いておりますし、沿岸にはべたりと色のついた重油がこびりついているという段階でございました。実は、水産庁の次長が現地の対策本部に行っておりまして、昨日帰ってきたわけでございますが、彼の話によりますと、海はかなりきれいになっている。それから、沿岸にこびりついている油も大分局地的になってきているということでございます。 そこで、現地の対策本部の方でも、いつ漁業を再開するかということについては検討しており、漁業者の人は漁業をやらなければやらないほど不満が高まりますし、そうした状況をほっておくべきではないというのが水産庁の基本的な考え方でございます。ただ、今後のいろいろな問題を考えますと、やはりある程度の試験操業をやってから本格操業を開始するということにいたしませんといろいろ不測な問題が起こってくるということで、現地の対策本部におきまして、現在、試験操業のやり方その他につきましても統一的な方向でやろうということで、近日中に試験操業をスタートすることになっておりますし、その結果を見ていつ漁業を再開するかを決めようということで、鋭意検討中でございます。
○柴田(健)委員 会社の方は越年資金を少し出して、それから出動の経費というものをいま出しておるわけですが、後はまだ何もしてない。それで、会社の方は担当常務という対策本部長がやっておるわけですが、正直言うて、末端の窓口がまだ明確でない。そこで、会社の窓口を明確にしてやるという指導をまずやるべきではないかということ、これが第一点。それから、漁業補償や施設補償や休業補償というものを含めて、第一被害者に対する補償金を早急に払わせるような指導をしてやったらどうか。月に一回は払うんだというような指導を早急にすべきではなかろうか。 この二つの点で農林省はもっと強力に動かなきゃいかぬのではなかろうかという気がいたしますが、この点の見解を聞きたい。
○内村政府委員 第一点でございますが、現場で資材等が要る、たとえば油をくむためにひしゃくが要る、それを三菱石油に要求するといった場合に、現場に係の人がおりまして、そういった面についてはかなり迅速に対応してくれたというふうに聞いております。 それから、補償の問題でございますが、先ほど申しましたように、二十二日でございますから、昨日、四県の漁連会長会議が行われまして、きょう、あすで事務当局が統一方式で被害額を算定する。そこで、二十五、二十六の両日、四県漁連から、三菱石油を入れまして概算の協議をするということを申し入れております。そこで、一月の二十七日に四県漁連会長会議を開催いたしまして、窓口一本で三菱石油に対して支払い要求をするということで、できれば三十日までに県漁連に払い込んでもらうということを話をすることになっております。 水産庁といたしましても、なるべく早く補償金が支払われるように現地で指導しているところでございます。
○柴田(健)委員 災害を起こしたときには、加害者側は非常に謙虚な気持ちで万全の補償をいたします、納得のいくような処置をいたしますということを大抵いつも言うのです。これはもう恒例なのです。たとえば九州のカネミ事件にしても、熊本の大洋デパートの火災の処理事件にしても、いまや訴訟になっているが、初め事故の起きたときは、大抵、加害者側は謙虚な気持ちで、非常にいんぎん無礼な丁重な言い方で万全の補償をいたしますと言うのでありますが、日がたつにつれてだんだんと逃げる。逃げる要素には、さっきから私が申し上げているように、加害者ではないという言葉を盛んに使っている。だから、逃げないように押さえるべき点は早急に押さえていかないと、また訴訟を起こして長い期間争わなければならぬということになる可能性がある。国が天災か人災かということがはっきり明確に出せぬように、会社の方は加害者意識がない。当事者でございますと言う。処罰を受けないから逃げの一手である。だんだんそういう言い方が伝わってきておる。 それから、直接被害者と言われる漁民ですね。その他の間接被害者ではなしに、この直接被害者においても、十分な補償ができるかできないか非常に問題があるという心配がいま起きている。たとえば三菱の方は、あのタンクをつくった石川島播磨重工業には、おまえのところの工事が悪いから半分補償金を出せと言っておるようです。石川島の方は、私の方は設計どおり工事をして出したのであるから、悪ければ資材だと言う。資材をつくったのは新日鉄がつくったようでありますが、新日鉄の方は、資材は検査を受けて十分万全なものを供給したのであるから責任はないと言う。それなら、その検査をしたのはだれなのかというと、竣工検査なり資材検査をしたのは、消防庁なりまたエネルギー庁なりだということになる。では、検査した者がでたらめな検査をしたのかということに内部の関連が発展する可能性がある。内部ではそういう動きがある。 外部では、第一次の直接被害にだけは補償はしますけれども、第二次まではどうかわからないという言い方がある。おとといの参議院の決算委員会で渡辺社長が、直接間接災害をお受けになった皆さんにはできる限り万全の補償をいたします、と言っている。それは国会答弁である。皆さんでも、国会答弁と末端でやっておることでは逆のことをやっていることが多い。そういうことが起きては困る。起きないようにいまから指導しなければならぬのではなかろうかという心配の余り皆さん方にお尋ねを申し上げて、適切なる措置をとってもらいたいと思っておるわけであります。 それから、補償については、関係県だけではなくして、農林省がみずから乗り出して、漁民の生活と今後の新しい漁場の確保について努力し、生産性をより一層高めて、災いを転じて福となすということに——まあ、油の流出でよくなるとは思わないけれども、前よりもいささかでもよくなるという方向で十分措置していかなければならぬのではないかという気がいたします。いまより一層よくするという考え方については、要するに、いまいろいろ科学者が言うておるのですが、十年たっても二十年たっても海はきれいにならないという意見が出ておるのですが、その点について水産庁と環境庁の見解を聞きたいのです。十年も二十年も三十年も、もう再びもとの海にはならない、あのC重油の後遺症というものは何十年か残るであろうという意見があるのですが、それは事実かどうか、関係者の御意見を聞いておきたい。
○内村政府委員 水産庁といたしましては、ただいま先生から御指摘があった点は非常に重要な点だと思っております。瀬戸内海の漁場自体が、環境庁等の調査によりましても、三十八年と四十八年と比べてみますとかなり汚れが進んでおるという調査が出ております。そこで、私どもといたしましては、今後の沿岸漁業の振興を考えます場合に、沿岸漁業における瀬戸内海漁業の役割り、特に栽培漁業につきましては、瀬戸内海は非常に優良な漁場でございますので、瀬戸内海の汚染というものをきれいにしていって、優良漁場を確保していかなければならぬというふうなことを考えたやさきに今回のような事件が起こったわけでございます。 したがいまして、私どもといたしましては、目下のこの油の流出事故が瀬戸内海の生物環境等にどういう影響を与えるかということについて至急調査をしなければならぬということで、すでに海水の採取その他を開始しておるわけでございます。そういったものの分析結果を待ち、的確な対策をとりまして漁場の回復を図ると同時に、さらに今後の沿岸漁業の重要性ということを考えますと、瀬戸内海の漁場の清浄化と申しますか、環境をよくするということにつきましては一層努力をしなければならぬと思っておるところでございます。
○小川説明員 先生の御指摘のように、水島事故によりまして流出した油は、瀬戸内海の東部一帯から紀伊水道まで拡散しておるわけでございます。それで、流出した油は海岸に漂着したり、あるいは水中に分散したり、あるいは海底に沈降しまして、今後かなり長期間漁場環境等に悪影響を及ぼすのではないかと考えておるわけでございます。 そこで、表面に浮いている油あるいは海岸に漂着して海岸を汚している油といったものにつきましては、漁民の方々あるいは海上保安庁、自衛隊等が総力を挙げて回収に当たっているわけでございまして、その御努力によって表面に浮いている油はかなり回収が進んでおる。それから海岸に漂着した油につきましても、先ほど申しましたように回収して、人海戦術ばかりでなくて、スチームクリーナーといったようなものも導入してやっておるやに伺っておりますが、問題はさらに水中にどのように分散しているのか、あるいは海底に沈降した油がどのように分布しているのかということで、これが現在のところまだ明確に判明していないわけでございます。 こういうような状況にございますので、環境庁といたしましても、体系的な水質調査、底質調査といったものを早急に実施いたしまして、これは水産庁等の関係各省にもお願いしているわけでございますが、水質、底質あるいは着臭調査、生物に及ぼす影響等、そういったものを総合しました体系的な調査を早急に実施することにしているわけでございます。すでに県にお願いして予備的な水質調査も実施しておるわけでございますが、こういったような調査の結果を待ちまして、その結果を解析しまして、今後どこまで影響が及ぶのか判断したいと思っておるわけでございます。それでまた、その判断の結果によりまして、そういったような油による後遺症を極力軽減するような対策を検討していきたいと考えている次第でございます。
○柴田(健)委員 水産庁の長官は、漁獲禁止を解除することを早急にやりたいと先ほど言われたのですが、いまの意見を聞くと、環境庁の方は、海上、海中、海底、動植物に与える後遺症等をいまも研究して調査をやっておる、関係省とよく連絡をとってやりたい、やっておると言っているのですが、いまのような答弁を聞いておると、漁獲禁止の解除というものは当分できませんな。
○内村政府委員 漁獲の禁止の解除につきましては、いずれにいたしましても、現在海底の状況その他がわからない面があるわけでございます。したがいまして、あらゆる漁法によって試験操業してみまして、その試験操業の結果、たとえば異臭魚は全然いないというような海域については漁獲を解除していかなければならない、いつまでも漁業をしないということは漁業者の立場から言っても非常に問題がございますので、そういうところはなるべく早く解除しなければならぬというのが水産庁の考え方でございます。 ただ、今後の漁場の形成あるいは漁場整備というようなことを考えました場合、それからさらに長期的な瀬戸内海漁業の発展ということを考えました場合には、ただいま申し上げましたような基礎調査もどんどんやっていかなければならない、とりあえず試験操業してみまして、その結果海底の状況等も心配ないというようなところにつきましては漁獲を解除するというふうな措置をとらなければならない、と思っております。
○柴田(健)委員 水産庁長官、ただ、そこで、過去にそういういろいろな問題がある。水銀、PCBのときに、水産庁の方はもう大丈夫だと言い、また厚生省の方も大丈夫だということで魚をとらせた。ところが、それが水銀を含んでおる、PCBを含んでおるということで騒いだという経験があるわけですね。水産庁の方は漁民の立場で早く漁獲禁止解除をしたいということで、した途端に魚をとって、すし屋に回った。そして料理屋に回った時分には油臭い魚だった。今度は厚生省の方で営業停止だとか、いや何だとか、営業補償だとか休業補償だということで、今度は関連企業にいろいろ飛び火する。そうすると厚生省の方は、責められると、あれは水産庁が早く解除したものだから大きな迷惑だと言うて、今度は厚生省と農林省がけんかをしなければならぬということに成り行き上はなっていくのではなかろうか。過去にそういう経験がある。だから、慎重の上にも慎重の態度をとらなければならぬ。これは問題が問題でありますからよほど慎重にならざるを得ないのでありましょうが、しかし、厚生省の方の担当というものは、そういう飲食店に関係するのが厚生省の担当です。要するに食品衛生法ということに関連してくる。それから、魚の臭いのが五年先にとれた、十年先にとれたという場合に、水産庁が急いで早く解除したものだから臭い魚を食わされた、厚生省何とかしてくれ、商売ができぬようになったというときにどうなるのか。厚生省と水産庁の意見を聞いておきたい。
○内村政府委員 実は、多少部分的に県が試験操業をやっているわけでございますけれども、今日までの状況では異臭魚がほとんど出ていない。異臭魚というものは官能判定でやらなければならないものでございますから、一応官能判定をして、さらに化学的な分析等も一緒にやるわけでございます。そこで、私どもといたしましては、試験操業の結果、異臭魚が出ないというところについては解除をしていくべきであるというふうに思っておるわけでございまして、たしか、過去において、新潟の沖でジュリアナ号の油の汚染問題が起こったときもそのような措置をとり、そこで別にすし屋さんとも魚屋さんともトラブルがなかったという経験を持っているわけでございますので、そういった方策で、極力早く漁業を再開できるように努力したいというふうに考えておるわけでございます。
○岡部説明員 ただいま水産庁のほうから御答弁がございましたように、これらの地域につきましては、試験操業その他で十分検討いたしまして、それらのデータ等を水産庁とも十分協議いたしまして、そういうことのないようにいたしたいと思っております。
○柴田(健)委員 今度の事件で、間接被害について、たとえばすし屋だとか鮮魚の小売店が被害を受け、また、観光資源として、観光施設がいろいろ破壊されたという、そういういろいろな問題がある。また、魚の運送会社が被害を受けたり、ノリの運搬屋が、ノリが全滅になったために運送事業で営業ができない。また、漁船の機材器具を販売しておった会社がもう売れない。また、学校当局の方が心配しておるのは、海水浴はことしの夏はできぬのじゃないかと心配している。そういうようにいろいろと間接的な被害が広がっておる。これらについて、これはいろいろ各省にまたがっておるわけでありますが、まず厚生省の食品関係と、その他いろいろあるのですが、こういう間接被害者に対する補償というものはどこが窓口で会社との話し合いをしてやるのか。どこの省が、現地対策本部がそれをやるのか。それぞれの省がばらばらでやるのか。 これは農林大臣に聞いておきたいのですが、あなたは閣僚会議でも、その点の取り扱いについて対策本部でも十分意見を言わなきゃならぬ立場でありますから、この点についてひとつ見解を聞いておきたいと思います。
○安倍国務大臣 直接被害、間接被害等いろいろあるわけでございますが、もちろんこれは三菱石油が補償するという大原則があるわけでありまして、三菱石油の社長も、国会におきまして、誠意をもって直接間接ともに被害の補償をするということを言っておるわけでございます。対策本部としても、三菱石油と、被害を受けた漁業者あるいはその他の業界との間に立って、この補償がスムーズに行われるように今日までもやっておるわけでありますし、今後ともこれは積極的に取り組んでいかなければならぬというふうに私は思っておるわけでございます。 その場合に、漁業の被害の場合でも、休業被害補償だとか、あるいは原状回復をするための費用の補償だとか、そういう面につきまして各県ばらばらでは困るので、やはり統一してその補償の要求をしてもらいたいし、同時にまた、これは鑑定というものが必要でございますので、第三者によるところの鑑定機関による公平な鑑定ということにつきましても、これまた、対策委員会として、そういう鑑定が早く行われるように努力しておるわけでありますので、いまお話しのありましたように、間接被害については、市場だとか運送関係も出てくるでありましょうし、いろいろな問題が出てくると思いますが、こういうこともできれば一本の窓口にして、その鑑定機関の公平な鑑定によって三菱石油が誠意をもってこれに補償する、対処するということが筋道ではないだろうかと私は思っております。
○柴田(健)委員 消防庁の次長に聞いておきたいのですが、今度の事件を見て、われわれがあまり奥深く言うといろいろ問題があるから遠慮しておきますけれども、ただ一つ、消防法の改正を早急にやること、これはぜひやってもらいたい。今度の事件で考えて、企業秘密という線がどうしてもわれわれの頭からのかない。それから、各企業に自衛消防隊組織をつくらせていることは、まあ悪いとは言いません。いいことだと思いますけれども、この自衛消防隊というものは、消防法では権威ある組織とは思えない。消防組織法から言うてもそうだ。その自衛消防隊組織に余りにも依存し過ぎた。年二回の予防査察で、都道府県の消防本部が査察をする任務を持っておるし、義務を持っておる。その消防が専門の査察をするのに、自衛消防隊があるからということで遠慮をせざるを得ない。そこに企業秘密というものが企業防衛の意識の中で大きく左右しておる。外部の者も遠慮しておる。昨年十二月十八日に事故が起きる前は、十一月二十六日から十二月二日までは火災予防週間として、全国一斉に査察をやっている。その査察を十分したかどうか問題があると私は思う。それは、そこに一線がある。 自衛消防隊というものを余りにも頼り過ぎておるという懸念がありますから、まあ深くは申し上げませんが、消防庁の次長、今度消防法の改正その他を早急にやらなければならぬと思いますが、この点についての御意見を聞いておきたいと思います。
○森岡政府委員 御承知のように、消防庁といたしましては、現在、事故原因の徹底的な調査と究明を三月末までにいたしたいと考えております。それと並行いたしまして、当面の点検でありますとかあるいは規制の強化とかいう問題は行政指導をもって強力に進めていきたいと思いますが、しかし、いずれにいたしましても、事故原因が明確になりました段階におきまして、保安基準についてかなり思い切った法令の改正に取り組みたいと考えております。 同時に、いま指摘の企業秘密というふうな観点から取り締まり当局の立入検査が拒否されるといいますか、そういうことがあってはもちろんいけないと思います。また、自衛消防力があるからといって、それに依存してしまうということも防災の観点から申しますと非常に不適当なことだと思います。 そういう意味合いで、まず第一に消防当局の危険物に関する取り締まり体制を思い切って強化をしていく。もちろん自衛消防力も充実してもらわなければなりませんけれども、それに依存する度合は御指摘のようにむしろ狭めて、消防当局本来の体制を固めて、自衛消防力はそれに協力してもらうというふうな方式で進めていくことが最も望ましいと私は考えております。そういうふうな考え方で対処してまいりたいと思います。
○柴田(健)委員 以上です。
○澁谷委員長 中川利三郎君。
○中川(利)委員 今回の水島の三菱石油の流出事故でありますが、事故発生当時、会社側は二百キロリットルしか海に流れておらないと言い、また、関係筋に対する連絡が一時間も後だった。こういうことがあのような世界的な不測の大事故を起こしたということになると思うのですけれども、これはやはり企業の秘密性だとか独善性だとかいうもののあらわれだと思いますが、この際農林当局と通産当局の御見解をお聞きしたいと思います。
○内村政府委員 今般の水島製油所のあのような事故につきましては、水産庁としては、被害を受ける漁業者の立場から見ましてまことに遺憾なことであったというふうに思っているわけでございます。
○松村説明員 今回の水島の事故につきまして、通産省といたしましては、当初社長を早速呼びまして、これに対してできる限りの補償を誠実に行うようにという指導をいたしたわけでございますが、こういった事故が起こった原因について、原因の究明が終わり次第、それについて、今後とも私どもとしてもできる限りの対策をとっていきたいというふうに考えております。
○中川(利)委員 私が聞いたのは、あのようなでたらめな情報を流し、また、事故連絡を一時間もおくらせた、これが企業の秘密性と独善性のあらわれとして国民があれだけの大被害を受けたんだ、こういうことに対する見解はどうだということを聞いたのですね。ところが、通産省からは相変わらず何か歯切れの悪い答えが出たわけですね。企業は二百キロリットルしか流しておらないという最初の発表をいまもって訂正しておらないわけですが、これについてもう一回農林当局と通産省の御見解を聞きます。
○内村政府委員 水産庁は、今日までのところ、流出した油の正確な量についての情報を受けておりません。
○松村説明員 流出した油の量についての検討は、現在関係の省庁で現地においていろいろ御検討を続けておられるというふうに承っているわけでございますが、その結果については私どももまだ伺っていないところでございます。
○中川(利)委員 いま、七千五百キロリッターから九千キロリッターだと、世間ではだれしもそう言っているのに、会社当局は二百キロリッターしか流しておらないのだということをいまもって訂正しておらない。こういうものを見逃している。常識でさえもはっきりわかっていることに対しまして、二百キロリッターを訂正しておらない、これは不届きじゃないか、これに対してどう思うかということを聞いているのです。通産省、お答えください。
○松村説明員 会社の方から私どもが報告を受けているところによりますと、会社としては、特に二百キロリッターあるいは三百キロリッターということを現在でも主張しているということではございませんで、関係当局において御検討の結果の数字というものをそのまま認めると申しますか、そういう数字を実際の流出した量ということで考えるという態度をとっているというふうに聞いているわけでございます。
○中川(利)委員 いまの段階でどういう態度をとっているかはともかくとして、そうした最初の発表を会社みずからが訂正するという状況にいまもってないということは、会社というものが、あれだけの損害を起こしながら、国民に対する、謙虚な反省というものがいかにないかということだ。これに役所が何ぼかつながっているということが問題だと私は思うのです。 そこで、海上保安庁にお聞きするわけでありますが、たとえば海上保安庁の資料を見ますと、あなたの方でオイルフェンスを直ちに張ったというのだ。何ぼくらい張ったかというと、四十九年十二月二十一日、事故発生後三日目の報告だが、この報告を見ますと、オイルフェンスを四千九百五十メートルを十数カ所に展張したと書いてあります。ところが、きのう私がいただきましたところの、同じ海上保安庁の五十年一月二十一日の発表、きのうの発表を見ますと、同じオイルフェンスについて、オイルフェンス延べ一万八千三百二十メートルを二十数カ所に展張したとなっているが、同じ役所がなぜこういうふうに違うのか。お答えください。
○山本説明員 当初のオイルフェンスの使用量はその当時はそのとおりでございます。二十一日の報告書にありますのは、水島の港内及びそのほかの地域に展張いたしましたオイルフェンスを総合いたして、使用量として報告いたしておるのでございます。
○中川(利)委員 ではお伺いしますが、十二月の二十一日に張った量が四千五百メートル、油がずっと流れた後にこれはどこへ張ったの。流れた後に一万四千メートル張っているわけだ。流れた時点の二、三日後は四千何ぼしか張っていませんね。四千九百五十メートルですね。その後に張ったなんということは、芝居が終わってからやる話をするようなもので、これは問題にならないじゃないですか。どこにどういうふうにいつ張ったの。
○山本説明員 水島港内に展張いたしましたものにつきましては、私ども、その後に若干張っておりまして、五千二百メートル展張いたしたというふうに承知いたしております。その後の二十一日の報告につきましては、どこにいつどれだけ張ったという記録は手元にございませんけれども、総合いたしまして、油が拡散いたしました各地で張ったものを総計いたしますとその数字になる。そういう事情でございます。
○中川(利)委員 そうすると、この数字はごまかしではないということになるね。同じ官庁が発表したもので、二十一日段階と今日の段階では全く違うが、こういう事態はごまかしでも何でもないということだが、あとでこの資料をいただきましょう。よろしいですね。 では、そういうことにして、もう一回お伺いしますが、あなたの方は、三菱石油側からの二百キロリットルしか流れておらないという情報をうのみにして——多分うのみにしたんだろうと思うんだが、香川県の向かいの対岸に、香川県の人から、これは大変だ、あしたおれの方へ流れてくるんじゃないかということで問い合わせがあった際に、海上保安庁は、おまえのところへは流れないのだ、大丈夫なんだということで、わざわざそういう通報を出している。その結果、あの香川県の坂出だとか王越だとかいうところで事前の処理が全くできなかったわけですね。権威ある海上保安庁からそういう通報が出ているわけですからね。しかし、翌朝になってみましたら、あのとおりの大変な油ですね。こういう事態について、あなたの方の判断が適切であったのかどうか、どういう反省をしているのか、お答えいただきたいと思います。
○山本説明員 三石から私どもに初めて情報が入りましたときの油の量につきましては、明確な量は報告があっておりません。油が流れた、海上に流出いたしておると、こういうふうに連絡が来たと承知いたしております。 それから、香川県サイドに海上保安の方から流れていかないという連絡をしたというふうに承りましたけれども、私ども、そういうことは承知いたしておりません。記録を見なければはっきり言えないのですけれども、事故後、香川県サイドにも、油が流出し、拡散し、そちらの方にも流れていく可能性があるということで、自衛体制をとるよう要請いたしております。
○中川(利)委員 私が聞いたのは、香川県の副知事から直接聞いている。漁民の代表の方からも直接聞いていますよ。あなたがそういうことを言うのであるならば、これを明らかにするためにこれは委員長にお願いしたいわけでありますが、次回に香川県の副知事を参考人に喚問して、この点を明らかにしていただきたいと思うのです。それでよろしいかな、海上保安庁。
○山本説明員 私の申し上げているのは、事実に基づいております。
○中川(利)委員 その点について改めて委員会でお諮りしていただきたいと思います。 それから、通産省が参っておるようでありますが、通産省は、あの流出後、あのような不則な大事故を起こしたことについての対策なり、反省といいますか、そういうものはいまどういうふうになっているのか、そこら辺をお聞きいたしたいと思います。
○松村説明員 今回の事故につきまして、直接の原因はタンクの破損ということでございますので、それぞれ関係の官庁において御処理いただいているわけでございますし、また、原因究明等を続けていただいているわけでございますが、石油業を所管しております通産省として、今回の事故を私どものできる範囲ということで反省いたしてみますと、第一番目には、タンクそれ自体の保安ということとは別個に、先ほど先生からも御指摘がありましたように、ああいう事故が起こったときの通報体制あるいはその後の処理についての機敏な社内の体制といったようなものが不足していたのではないかというふうに考えるわけでございます。したがいまして、そういった通報体制といいますか、社内の通報システムあるいは外部に対する連絡、緊急手配のシステムといったようなものを早急に強化するという方面で現在検討を進めているところでございます。 また、タンク等の保安につきましては、担当の省庁の原因究明の結果を伺いまして、それぞれの対策の指導について万全を期していきたいというふうに考えるわけでございます。
○中川(利)委員 あなたの方では、事故後の十二月二十一日に、エネルギー庁長官の通達を全石油精製企業三十二社の社長あてに出していますね。これで見ますと、この中身はともかくとして、ああいう大事故を起こしたのにふさわしくない、ただ注意しなさいという程度のものなんだな。そして、一月の二十日までにそれぞれの対応を各社に回答を求めたわけですが、この回答は何社から来たんですか。しかも、文書で来たんですか、口頭で来ましたか。そこら辺を教えてください。
○松村説明員 先生のお話しのように、今月の二十日までに各社の対応体制についてのレポートを提出するようにということで、大体各社の報告が参ったわけでございますが、現在まだ、内容の不備等の点をさらにつくり直してもらうようにという指導をやっている最中でございまして、現在、報告が完全に出そろったという段階にはまだ至っていないわけでございます。
○中川(利)委員 三十二社に出して、何社からそういう文書でちゃんとしたものが入ったかということを聞いていますよ。三十二社に対して出して、何社から文書で回答が来たかと聞きましょう。
○松村説明員 三十二社全部から一応の報告は提出されているわけでございますが、いま申し上げましたように不備な点がございまして、それを内容をさらに修正するように要求しているという段階でございまして、現在まだ、全部が正式に出そろったというところまでいっていないわけでございます。
○中川(利)委員 何か、ああいう大事故の反省が一つもないんだな。あなたの方もそうだが、石油会社の連中も、あなたの方の通達というか、連絡に見合うようなかっこうで、のんびりしたものなんだな。 そこで、時間の関係もありますから次へ進みますけれども、おたくでは流出油対策特別委員会というものをつくりましたね。これは何のためにつくったんですかね。その目的だとか、そういうことについて教えてください。どういう動機でつくったの。
○松村説明員 今回設置いたしました委員会の目的でございますが、事故の原因究明自体は担当の省庁でやっておいででございますので、私どもといたしましては、むしろ、その事故が起こった原因がわかった場合に、それに対してのできる限りの対策をとるということが本筋だと思うわけでございます。ただ、その原因の究明自体はまだ若干の時間がかかるというふうに伺っておりますので、それまでの間、とにかくああいった大事故を起こしたわけでございますので、そういうタンクそれ自体というようなことは消防庁の方でやっていただくといたしまして、私どもとしては、もしそういったタンクの破損等があっても、それが港外に流出しないような方法を考えるべきであるという観点からあの委員会をつくったわけでございます。
○中川(利)委員 そうすると、きのうの新聞を見ますと、「通産省、資源エネルギー庁は二十一日、五十年度からスタートする九十日石油備蓄増強計画実現のため、新たに「大規模石油基地安全対策促進委員会」(仮称)を庁内に新設、備蓄基地の安全対策基準の作成に乗り出す方針を明らかにした。」ということが出ているが、これといまの流出油対策特別委員会との関係はどうなるの。
○松村説明員 私も、一部の新聞にそういう記事が出たことは存じているわけでございますが、省内でも調査いたしましたが、そういった事実はないわけでございます。
○中川(利)委員 そうするとこの新聞記事は全部でたらめだということだな。確認します。
○松村説明員 そういった委員会をつくるという件は、事実はないわけでございます。 〔委員長退席、坂村委員長代理着席〕
○中川(利)委員 それならば、今回の事故の反省の中であなた方は流出油対策特別委員会をつくったが、この流出油対策特別委員会の規約とか、あるいは会議が二十一日だか二十日に多分開かれたはずですが、そのときの速記録とか、そういうものはございますか。
○松村説明員 規約あるいは会議における速記録といったようなものは、とりたてて現在のところございません。
○中川(利)委員 会議を開いておって、政府が特別委員会を正式にあなたの方でつくって、何もなかった、メモもない、速記録もないという話ですけれども、この重要な、官民挙げての、官民合同の対策委員会を活用し云々とあなたの方の公文書に書き、この会議の性格をそれほど高く評価しておりながら、しかも中身は何を話したのかさっぱりわからないというようなことがありますか。政府の機関で会議を開くならば、何ぼか税金もかかるでしょうが、何もないなんという会議がありますか。私は聞いたことがないですが、おたくではそういうことはあたりまえになっているのですか。
○松村説明員 今回の三菱の水島事故につきましては、恥ずかしい話でございますが、私の担当しております課の中で、実際に業務に従事しております者が三名でございます。したがいまして、いろいろ業務がふくそういたしまして、そういう委員会のはっきりした規約でございますとか、あるいは会議のときの正式の議事録といったようなものを現在とっていないわけでございますが、御指摘のように、会議を行った場合には、それについて、速記録までいかなくても、議事録というものをとる方がもちろん理想であるわけでございますので、今後はできる限りそういった方向で会議を進めていきたいというふうに思うわけでございます。 ただ、第一回の委員会自体は、現地に委員を派遣して現状を見るといったことを取り決めた程度でございまして、具体的な詳細にわたる論議というものは行われなかったわけでございます。
○中川(利)委員 あなた方が鳴り物入りで、今回の油流出から教訓をくみ出すということでつくった対策特別委員会が、中身を聞けば全くただのサロンだ。これは国民をごまかすものでしょう。国民がいま通産省に期待していることはそんなことじゃないですよ。私はそう思いますね。 それならば聞くけれども、ここのメンバーですが、これは民間の人が入っているの。石油会社とおたくだけじゃないの。ここら辺はどうですか。
○松村説明員 委員会そのものは、御指摘のように、私ども官庁側と石油精製企業とで構成しているわけでございます。
○中川(利)委員 つまり、あなた方通産省は、いかにも石油流出に対して何か規制するぞというようなことを国民に見せかけながら、実態は、石油の業者の仲間とあなた方が、メモもなしに、速記録もなしに、ただお茶を飲んで何やら話をするということが中身だとするならば——そうかどうか私は知りませんよ。しかし、これは非常に重大な問題だと思うのです。問題は、そういう中で何が一体期待できるのかということですね。 そこで私はお聞きしますが、安全工学協会という学会があるのですね。この安全工学協会から、「石油コンビナート地域における危険物施設の安全性に関する調査報告書」というものが昭和四十七年の三月に出ているのだ。この安全工学協会のメンバーを見ますと、三菱石油の役員が二人も参加している。そのほかに学者も参加している。そういうところできめた、中身の、石油コンビナートの安全云々ということについて、どういうことを言っているかというと、敷地から外へ流出した場合、「少なくとも災害は敷地内で処理し、外へは出さない心掛けは必要であろう。このためには敷地周囲に土盛りをするなどの方法がある。」ということをちゃんと言っているんだな。また、「欲をいうならば、その上にさらに土盛りをすべきであろう。これがスペースの点で問題ならば、地震の際破壊した場所を直ちに補修できるよう土のう等を用意すべきであろう。」と言っている。三菱石油の重役というか、偉い専門家が参加して、自分で昭和四十七年に決めた安全工学協会の提言といいますか、こういう調査報告があるわけですね。これさえも石油会社は一つも守っていないのだな。自分たちが一諸になって決めたことさえ守っておらない。そういう危険があるから土のうを積まなければならないとか、あるいは何かそういう土盛りをする必要があるんだとか、当然なことだが、ただほっておいて安全だというわけにはいかないということを言っているんだな。こういうことについて、あなたはいまの流出油対策特別委員会なんてことを言っていながら、あなた方の方と油屋とだけが集まって、そこで何を期待できるの。こういう事例があるのですよ。
○松村説明員 事故の原因の究明につきましては、消防庁の方で、現在、中立と申しますか、学識経験者の方のお力をかりて究明をなさっておられるというふうに伺っているわけでございますが、私どもの委員会は、むしろ、そういった原因の究明ができたあと、それを石油業界に対してどういうふうに速やかに実施させていくかという点が主たる目的になるわけでございます。したがいまして、ここには学識経験者といったような方々は入れていないわけでございますけれども、先生のお話しのような、石油会社というものは一たん決めたことがあってもなかなかそれを守っていないではないかという御指摘につきましては、この委員会をさらに内容のあるものにして、決まったことについては必ず守らせるということはぜひ私どもの責任でやりたい、こういうふうに考えております。
○中川(利)委員 火つけが消防の対策会議を開いたって、これはもう笑い物ですよ。現に、政府の現地対策本部が二十一日に倉敷市の水島コンビナートの関係二十八社を呼んで、急いで安全点検をやりなさいということを指示しているんだな。これに対しての、そのときの各石油会社の言葉がおもしろい。どういうことを言っているかというと、この日の企業側の発言の中では、「タンク点検でもタンクの底の油漏れはなかなかわからない」ということと、それから、「大量流出は全く予想外だった」ということを言っている。まるで他人事なんだね。あるいは、「異常を発見したときの連絡人員確保は各社がそれぞれよくやっている」といったようなことをおくめんもなく言っているんだな。さすがの傍聴した新聞記者でさえも、最後に、「コンビナート周辺の住民に対する配慮が見られない。危険がいっぱいの発言が目立った。」と言っているんだな。 つまり、そういう火つけがあなたの方で集まって、外側から規制する何物もないようなものを、おれの方では特別対策委員会をつくったなんてことでやるなんて神経はどういうものか。むしろ、今日いま求められているのは企業に対する厳しい規制でしょう。立地規制だとかを含めて、あなたの方には何らそういう点が見られないと思うのですね。ここでそんなことをいつまで論議してもしようがないから次へいきますけれども、その点をきつく指摘しておきたいと思うのですね。 同時に、消防庁もきょうおいでになっているからお伺いするわけですが、タンク容量ですね。危険物の規制に関する規則の第二十二条を見ますと、防油提のタンク容量その他についていろいろな規定が書いてあるのですね。防油提のつくり方ですね。ところが、タンクの容量基準というか、容量の計算の仕方がどうなっているの。各県がばらばらじゃないか。統一見解なり、そういうものが何にも出ていないわけですね。そういう規則がないから、その県によって、企業に甘いところは非常に危険な容量の計算の仕方をしている。こういう状態ではないかと私は思うのですよ。そこら辺でちょっと消防庁の御見解を承りたいと思います。
○森岡政府委員 いまのお話しは、防油提の収容すべき容量という御指摘かと思いますが、それにつきましては危険物に関する政令及び規則によりまして、一基の場合にはその容量の五〇%、それから複数の場合には最大の五〇%とその他の一〇%の総和ということで防油提の容量を決める。それからまた、構造につきましては、鉄筋あるいは鉄骨鉄筋コンクリート造あるいは土盛りによりまして、地震とか、そういう災害に耐え得るような構造にすることというふうな規制を行っておるわけでございます。
○中川(利)委員 だから聞いているのです。防油堤とタンクの関係ですね。つまり、防油提のつくり方には、たとえばその容量が最大であるタンクの容量の五〇%に他のタンクの容量の合計の一〇%を加算したものだとか、防油提の高さを〇・三から一・五メートル以下でなければならないとか、あなたの言うのは、そこはわかっておるの。私が聞いたのは、タンクの容量の計算ですね。これがでたらめだ。つまり、防油提全体の広さを決める場合に、タンクの中へ入っている油も容量の中に含めるなんというインチキが堂々とまかり通っているということですよ。水島はその典型じゃないかということです。本来、タンクの中に入っておる油そのものは加えないで、そうして防油提全体の容量はこういう基準に合致しなければならないはずなんです。ところが、タンクの油そのものも流れた場合の容量の中に含んで計算しているという考え方が平然ととられているところに大変な問題があるんじゃないか。しかも、それが各県でまちまちだということが大きい問題じゃないかということを聞いているのです。
○森岡政府委員 タンクの容量の算定方法につきましては、危険物政令で、「内容積及び空間容積は、自治省令で定める計算方法に従って算出する」ということを定め、その容量は、「内容積から空間容積を差し引いた容積とする」というふうに定め、それに基づきまして、規則、省令におきまして内容積の計算方法を定めております。 御指摘は、その取り扱いと申しますか、運用が必ずしも厳正、一律ではないのではないかという御指摘かと思いますが、私どもといたしましては、政令及び省令に基づきます運用がなされておるものと考えていままで対処してまいってきたわけでございます。そういうふうな点につきましても、仮にそういう不統一の面があるといたしますれば、これはまことに問題でございますので、そのようなことのないよう今後厳正に指導してまいりたい、かように思います。
○中川(利)委員 つまり、タンク容量の運用基準ですね。これがばらばらだ。統一されておらない。したがって、水島では、タンクの中へ入っておる油そのものも、防油提の中の容量の中でもう計算されていくんだな。いま厳密にそこをはっきりするならば、日本のコンビナートで合格するものは一つもないというような状況になると思うのです。 いまあなたは御答弁になりましたけれども、こういう重大なことが規則なり法律の中で何ら規制されておらないということになれば、これは大変なことだと思うので、これに対してはっきりした基準を決めるとかなんとかということをやらなければならないと思うけれども、それはどうですか。
○森岡政府委員 仕組みといたしましては、ただいま申しましたように、危険物政令の五条におきましてタンクの容量の算定方法を定めており、また、それに基づく省令二条及び三条におきまして、内容積及び空間容積の計算方法を定めておるわけでございます。 問題は、現実の各消防本部におきます規制、指導というものが不統一で、そのとおりなされていないではないかという御指摘でありますれば、それにつきましては、私どもは、仮にそういうことがありますと大変でございますので、そういう間違いのないように十分指導していきたい、かように考えております。
○中川(利)委員 消防庁についでに聞きますけれども、安全点検ですね。これが水島の場合は中谷石油というところへほとんど下請に出されておったが、会社が責任をもってやるという体制になかったと聞いているわけですね。この点はお調べになっているかどうかわかりませんけれどもね。それから、そういうことを含めて、消防協会の全国のコンビナートの部会みたいなものが、再三にわたって、やはり消防法を改正してやらなければ不測の事故が起こるぞということを指摘されておったといいますけれども、ここら辺は、あなたの方ではそういう事実がありますか。
○森岡政府委員 安全点検につきましては、コンビナートあるいはCTSというふうな危険物を大量に貯蔵しあるいは製造する施設の安全確保のために、これは必須の問題でございます。その前提といたしまして、安全確保のための保安基準というものも適切な技術基準が定められていなければならないことも申し上げるまでもないところでございます。各消防本部におきまして定期的に必要な安全点検を行うように私どもは従来から指導してまいったつもりでございますけれども、率直に申しまして、必ずしも十分でない部面があったということは否定できないと思います。その点につきましては私どもは大変強く反省を現在いたしておるわけでございまして、先般、大体この一月中に大規模なタンクあるいは今回事故の発生いたしました高張力鋼を使用いたしましたタンクを中心に応急点検を全部実施する、それに基づいて必要な措置を講ずるというふうな措置を講じましたが、さらに引き続いて強力な行政指導の方針を確立いたしまして、できるだけ早い機会に指導してまいりたい、かように考えております。
○中川(利)委員 では、そういうこともお願いします。 いま、海上保安庁から、先ほどの答弁に補足して発言したいということがありましたから、簡単に述べてください。
○山本説明員 先ほど、海上保安庁が事件発生当時に香川県へ連絡したのは記録を見ないと時間はわかりませんと申し上げておりましたけれども、記録によりますと、十九日の午前一時に香川県に連絡をいたした、そういうふうになっております。追加いたして御答弁いたします。
○中川(利)委員 いや、連絡したことはわかるけれども、その中身が問題なわけでしょう。副知事が言うには、私の方も危ないんじゃないかと言ったら、おたくの方からは大丈夫だ、あなたの方は流れないんだということを言ったわけですね。あなたの方では、会社の二百キロリットルをうのみにして、恐らく洋上作戦でできると思ったんでしょうが、そのことに対してそういう事実を私は指摘したわけですが、これのお答えをいただかなければだめです。だめならば副知事を呼びますよ。
○山本説明員 詳しく調査をいたしまして、先生にお答えいたします。
○中川(利)委員 どこでお答えするの。委員会ですか。
○山本説明員 先生の御指摘に従います。
○中川(利)委員 いまの点は、改めてこの次の委員会で再答弁していただきたいと思うのです。 それから、時間の関係もありますから被害補償の問題に入ってまいりますが、先ほども質問の中にありましたが、基本的には、三菱石油に対して全面的な被害補償を速やかに行わせるということが基本になるだろうと思うのですね。それで、速やかぬそういうものをやらせるための政府の措置について、先ほども何かお答えがあったようでありますけれども、わが党に対する答弁として、簡単で結構ですからもう一回お答えいただきたいと思います。
○内村政府委員 水産庁といたしましては、四県の漁連を指導いたしまして、速やかに三菱石油と補償交渉を妥結するよう指導しているところでございます。 さらに、この場合におきましては、第三者の被害の検定機関が必要でございますので、日本海事検定協会に依頼するような措置を四県の漁連に指導しているところでございます。
○中川(利)委員 漁船漁業、養殖漁業の被害はもとより、流出油、重油汚染によって営業や財産に損害を受けた事業者に対しても損害を十分補償させるということだと思うのですが、そのために政府も努力するわけでありましょうが、私の手元にも、漁民の、漁業協同組合のそうしたものを含めて、あるいは零細な鮮魚商だとか、魚釣り組合だとか、運送会社だとか、ハマチの生き魚の船の業者だとか、いろいろな人々からのものが届いているわけですね。内容を見ますと非常に零細な要求で、鮮魚の安全宣言をやれとか、営業補償をやれとか、あるいは融資あっせんをしてくれとか、多面的な要求になっているのですね。こういうものに対して、実は間接被害の問題だろうと思うのですが、二十一日の兵庫県議会での会社側の答弁を聞いてみますと、これが問題になりまして、間接被害については非常に微妙なんですね。最初のただ誠意をもってやるということに対して、具体的に各論へ入ってまいりますと、中身は最近何か非常にあいまいになってきていることが特徴だと思うのですね。たとえばここの会社の答弁では、間接被害の補償については、業種ごとに被害を分けていないものもあって、できるだけ会社の中で調べる、直接被害に準ずるものであれば補償は考えなければならない云々なんということを言っているわけですね。それで、零細な間接被害の方々の問題は確かにむずかしいと思うのですが、会社と零細な漁業者が交渉していくとなれば力関係も左右するし、あるいはいろいろな面で投げ捨てられるという可能性が非常にあるわけですね。したがって、私が考えることは、どういう場合にこれが該当するのかということで、おれもそうなんだ、おれもそうなんだと安心して出せるような場をつくってやることが必要だと思うのですね。しかも、会社とそれが対等に話し合えるという、そういうことを考えているのかどうか。あるいは、実際零細な方々でありますからいますぐ被害を補償せいと言ったって、向こうでなかなか応じてくれない。おまえのところはむずかしいとかいうことで後回しにされる危険性もあるわけですね。そういったことからしますと、被害補償の一部をさしあたって国が立てかえて払い、そして国が改めて会社から取るという問題にもなろうかと思うのですね。そこら辺が、単なる間接被害者と言いましても、そういう個々具体的な多面的な要求なり、それが分かれているものでありますから、それに見合うような、しかもこの方々が受けた損害を安心して回収できるような場をつくるというかっこうで政府がお考えになっているのかどうかということ、また、それに関連して一部立てかえということも考えているのかどうかということ、この点をお聞きしたいと思うのです。
○内村政府委員 今回の重油の流出によりまして、先生の御指摘のように間接被害が生じていることはそのとおりでございます。このため、一月の二十二日に、現地の対策本部におきまして、被害四県の商工関係担当者を招請いたしまして打ち合わせを行ったわけでございますけれども、その結果、これらの被害の中にはさまざまな形がある。今回の被害の場合には、一昨年の水銀、PCBの場合よりもさらに間接被害の関係者が多いということもございますので、被害の程度に応じてそれぞれ対策を講ずる必要があるということで申し合わせが行われ、現在現地対策本部を中心に鋭意検討中でございます。
○中川(利)委員 たとえば、そのほかに国や県が相当損害を受けているのだな。淡路島の南淡町の魚礁ですね。これは第二次漁業構造改善事業で魚礁をたくさんつくりましたけれども、地元負担金を除いても、国と県の投資分が、鳴門の大型魚礁の場合は、ある町のところでありますけれども、五千万円近いものが投資されているわけですね。これが全然だめになった。こういう問題も水産庁はつかんでこの検討の中に含めているのかどうか。これをお聞きするわけであります。
○内村政府委員 先生の御指摘のように、国の被害もいろいろあるかと思います。いま御指摘のございました魚礁の場合、いま油がついたから直ちに魚礁が効果がなくなるかどうか。さらに油を落とせばもとに戻るわけでございまして、そうした点につきましては具体的な事例に応じて適切な対策をとらなければならぬというふうに考えているわけでございます。
○中川(利)委員 時間でありますが、一部の立てかえということを適時適切にやるのだとさっきあなたは言ったけれども、こういうものがやっぱり問題になってくると思うのだな。こういうことはやっぱり考える余地があると思うのだ。そこのところひとつはっきりしていただきたいということであります。 それから、質問がばらばらになって恐縮ですが、きのうなんかもまた改めて油が問題になっている。伊予沖だか愛媛沖でタンカーが座礁しているわけですね。そういう問題になりますと、根本的に、根源的に、あそこでこれ以上の立地をするとか、あるいはコンビナートを造成するということは臨時措置法の趣旨から言っても考えなければならないのじゃないか。こういう状態に来ているわけでありますが、これに対しての通産省のお考えをお聞きしたい。 それから、最後に委員長にお願いしたいわけでありますが、この問題はきょうはほんとうの序論なわけですね。これから通常国会へ入りまして本論へ入るわけでありますが、国会も、この国民的な惨事といいますか、世界的な大惨事を目の前にいたしまして、きょうでおしまいなんということはあり得ることでもないし、通常国会の中でのこの次の委員会におきまして、三菱の社長あるいは関係自治体、あるいは学者、あるいは漁業代表者という方々を参考人としてぜひともお呼びいただきまして、改めてもっと深まっていくようなかっこうでこの委員会が討議をされますように、このことをあなたに御質問かたがた善処方を要望します。 以上についての御答弁を各方面から承りたいと思います。
○坂村委員長代理 まず、委員長からお答えいたしますが、いずれ理事会で相談をいたしまして取り扱いたいと思います。
○松村説明員 瀬戸内海におきます石油基地の問題でございますけれども、確かに瀬戸内海は現在でも船舶が非常にふくそういたしておりますし、実際に今回のように事故が起こった場合には、内海でございます関係上、その回復に非常に長期間を要するといったようなことから、やはり、今後石油基地というものはなるべく内海の外に置くことが好ましいわけでございますが、ただ、一方から申しますと、瀬戸内海沿岸と申しますのは、産業のみならず、民間といいますか、いわゆる民生用の石油需要も相当多いわけでございます。これの安定供給ということから考えますと、ある程度のそういった基地も必要になろうかと思うわけでございますが、少なくとも、大規模の原油基地というものは今後できる限り瀬戸内海以外の区域を探すという方向で検討したいと思っているわけでございます。
○内村政府委員 私どもといたしましても、漁業と沿海の工業開発と申しますか、そういうものとの調整につきましては、従来以上に一層の努力をして優良漁業の確保に努めたいと思っております。
○安倍国務大臣 今回のああいう事故が起こったことはまことに遺憾に思います。この原因を徹底的に調査いたしまして、ああいうふうな事故が再び起こらないように、防災対策、予防措置といったものにつきましても根本的に見直して、総合的な対策を樹立していただかなければならないと私は思うわけであります。 同時に、また、今回の漁業の補償につきましては、三菱石油が原因者でございますので、あくまでも誠意をもって補償すると言っておりますが、政府といたしましても、対策本部を設けておりますし、漁業者と石油会社との間に入りまして、この補償が適切に迅速に行われるように最大の努力をしていきたい、こういうふうに努力するつもりであります。
○中川(利)委員 終わります。
○坂村委員長代理 次は、瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 三菱石油水島製油所重油流出事故について、農林大臣初め関係当局に質問いたします。 水島製油所の重油流出事故については、昨年の十二月の二十四日に当委員会で農林大臣に数点にわたっていろいろ質問をいたしておきましたが、今回は原因者がはっきりしておるので、原因者負担の原則によって補償をさせていくということがしばしば述べられたわけでございます。 さて、そこで、本日は、本会議でいろいろとこれらの問題は論議されるわけでありますけれども、現時点でいろいろと政府当局の御見解をただしておきたいという点数点について質問をいたしたい、かように思います。 水島製油所のタンクの亀裂で流出しましたところのC重油の総量は、当初一万八千キロリットルと言われておりましたが、その後、当初発表の三倍の約四万四千キロリットルに訂正されたようでありますが、この多量の重油が瀬戸内海の東部一帯を瞬時にしてまさに重油づけしたわけであります。瀬戸内海の漁場で生きる徳島、香川、岡山県など六県、七万漁民の生活を破局に陥れたということで大問題になっておるわけであります。 そこで、まず、今回の重油流出量についてでありますが、現にどれくらい流出して、陸上で食いとめたものと海上に流出したものがどのくらいの量になっておるか、どう掌握しておられるか、その点をまず明らかにしていただきたいと思います。
○森岡政府委員 総流出量は、これは温度によって差がございますが、摂氏十五度の標準温度で換算をいたしますと四万二千八百八十八キロリットルということになっております。 なお、四万四千キロリットルと申しておりますのは、タンクの貯蔵温度が摂氏八十度でございます。その場合の容量が約四万四千キロリットルということでございます。 〔坂村委員長代理退席、委員長着席〕 なお、海上に流出いたしました量につきましては、その算定方法が非常にむずかしい面もございまして、一月二十日に現地対策本部におきまして海上保安庁が推計されました量と、それから倉敷市の消防本部で推計いたしました量と双方勘案いたしまして、七千五百キロリッターから九千五百キロリッターと、やや幅がございますけれども、そういう発表をいたしております。
○瀬野委員 農林大臣にお尋ねしますけれども、いま申された重油の汚染地域は現在どの程度に広がって、今後どの程度まで行くというふうに農林大臣は大体推定しておられますか。
○安倍国務大臣 私が昨年の十二月の三十日に行きましたときは、このままの状態でいったならば一体どこまで広がるのだろうかということで大変危惧したわけでありますし、また、油回収の努力が行われておりましたが、それはいわゆる人海戦術といいますか、ひしゃく等でやるというふうな、一人一人が油を片づけなければならぬというふうなことで、まことに先の長い話だということを思ったわけでございますが、その後、油の回収についても、漁業者あるいは自衛隊その他各県の努力も実りまして大分回収が進んでおることは事実のようでございます。しかし、この汚染の程度がどの辺まで広がっていくのか。海上における油の回収というのはある程度進んでおりますが、これが海中、海底にどういうふうなところまで影響が出ておるかということになりますと、この点につきましては、水産庁といたしましても、海中、海底の影響を目下調査、分析いたしておるわけでございまして、これが海底等に相当汚染の度が広がっておるということになりますと非常な重大な事態だと私は考えておるわけでございますが、目下調査を進めております。その調査の結果を待って対処していきたいというふうに思っております。
○瀬野委員 消防庁にお伺いしますが、重油流出の事故原因についてはいろいろ言われておりまして、重油タンクの亀裂によるということが言われております。鉄ばしごの溶接が不備ではなかったかとか、または基礎が十分でなかったとか、地盤沈下の問題とか、いろいろ言われておるのですが、現在どういうふうに原因を確認しておられるか、また、正確な原因はいつごろまでにはっきりするのか、これは早くきめてもらわなければ困るわけですが、その点をお伺いしたい。
○森岡政府委員 消防庁といたしましては、御指摘のように、事故原因を早く、しかも正確に調査、究明いたしたいということで、事故発生後、十二月三十日に四人の学者を委嘱いたしまして現地の調査をいたしました。そして、一月の七日に十五人の学者をもって構成いたします事故原因調査委員会を発足させまして、すでに現在までに三回、そのうち一回は現地で委員会を開いておりますが、委員会を開きまして、いま御指摘のような地盤の問題あるいはタンクの構造の問題について、その中においては、材質あるいは溶接工法の問題とか、それからさらに非破壊検査の問題とか、そういうふうな問題につきましてあらゆる角度から調査を進めるということで検討をしていただいておるわけでございます。ただ、学者諸先生のお話しでは、この種のものを徹底的に調査するのは一年ぐらいかかるのは常識だと言っておられるわけでございますが、何としても早くお願いしたいということで、三月末をめどにぜひ結論を出していただくように急いで御検討を煩わしておる次第でございます。
○瀬野委員 消防庁次長の答弁であるが、きょうは参議院でも地方行政委員会でいろいろと審議しておりますので、それ以上の答弁はできないかと思いますけれども、現地の漁民は、二月中には補償をはっきりしたい、そのためには原因もはっきりしていただかなければならぬと、非常に急いでいるわけです。私も、学者の言うように一年もというようななまぬるいことでは大変であるし、三月まででも長過ぎる、早急に原因を追求してはっきりしてもらわなければならぬと思うわけですので、鋭意努力をしていただきたい、かように思います。 以上お尋ねしてまいりましたが、そこで被害総額についてでありますけれども、水産庁長官は、先ほど、岡山県、香川県、兵庫県、徳島県の四県の、中でも岡山県と兵庫県については施設災害の分は含まないということで、水島重油流出事故による漁業被害状況をまとめた、いわゆる一月二十日現在の県の報告によるものを百五十九億七千五百七十二万円と発表されましたが、本員の調査によりますと、この被害額は、一月五日段階で各県はこのような被害額を言っておりました。全漁連においてもこれを確認して、一月五日現在で百五十九億七千六百万円というものを推定して被害額として出しておるんですけれども、二十日というとそれから十五日もたっているわけですが、このような報告でいいんですか。ずいぶん少ないと思うが、もっと相当量伸びているはずですが、こんないいかげんな報告書をもってよしとされるんですか。見解を伺いたい。
○内村政府委員 こういった事故が起こりましたときの被害報告におきましては、当初の速報と、それからだんだん精査いたしまして、極力正確な被害額というものが報告されるのが大体常でございます。 そこで、今般の水島の重油流出事故につきましても、各県いろいろと、たとえばノリ網については、網の評価と生産物の評価等、その他いろいろな問題があるわけでございます。そこで、一月二十日現在で御報告いたしましたのは、これは県がかなり精査いたした結果水産庁に報告をしてきた数字でございますので、現在の時点ではこれが一番現実に近い被害額であろうというふうに考えておるわけでございます。
○瀬野委員 被害額は常識的に考えても今後拡大していくことは当然でありますので、ずいぶんこれは古いデータであると私は指摘しておきますから、ひとつ十分調査をなさって、また当局としても、これらの被害額については今後とも十分確認をしていただくようにお願いしたい。 そこで、通産省にお伺いしたいが、先ほど農林大臣は、今回の水島製油所の重油流出事故については、自然災害でないことは明らかであるので、人災的なものであることは明瞭であるというややこしい言い方だけれども、要するに人災だということを言っておるわけですが、通産省もそういうふうに理解しておりますね。
○松村説明員 今回の事故が三菱石油の責任によって生じたものであるという点は、これははっきりしているわけでございます。
○瀬野委員 人災であるということをおっしゃっているというふうに私は理解したいと思います。 そこで、農林大臣、いまの件について、あなたは、原因者負担の原則が当然のことであるが、ということをしばしば言っておられる。当然そうであります。そこで、若干お尋ねしたいんですが、漁業被害の実態把握がいろいろ問題になる。私の方の水俣病の場合もこれがいろいろ問題になってきたんですけれども、損害の立証ということについては、大臣としてはどういうふうに見解を持っておられるか、お尋ねしたい。
○安倍国務大臣 これは、もちろん漁民が一番被害を受けているわけですから、漁業者の立場において、被害という点については被害総額を要求しているわけでありまして、これについては、四県の漁業協同組合を通じまして被害総額が出ておる。しかし、これに対しては、第三者の公平な鑑定といいますか、評価というものが必要であるということで、現在日本海事検定協会に頼んで鑑定をお願いしておる、公正な被害額の算出をお願いしておる、こういうことであります。
○瀬野委員 その鑑定を頼まれているということは一応わかりますけれども、その鑑定はいつごろになるんですか。あまり時間がかかっても困るんですけれども、大臣は大体いつごろをめどに依頼をしておられますか。
○内村政府委員 私どもが承知しているところでは、大体三月末ぐらいをめどに算定をしたいというふうに聞いております。
○瀬野委員 さて、しからば、この被害額の調査、確認算定を三月末までになさるということでございますが、そこで、今度は、鑑定が出た場合にいろいろな方法があると思うのです。先ほど水産庁長官から、冒頭に、現在まで水産庁がとってきた対策がいろいろと述べられました。一月十三日には現地対策本部が設置されて、水産庁次長が副本部長となって、水産庁、関係県、関係県漁連、全漁連から成る漁業被害補償等についての会議の開催を行い、水産庁が補償問題を担当するというふうにさっきおっしゃったことを私は明確に聞いたわけでありますが、それに間違いないだろうと思いますし、また、一月十六日、十七日にも会議を開き、十八日、十九日、二十日と開いて、つい昨日一月二十二日にも被害四県の漁連会長会議を開いて、二十三日、二十四日には漁連が事務ベースで被害概算の統一方式による積算をし、二十五日、二十六日には漁連と三菱石油が概算の協議をし、二十七日には漁連会長会議を開いて、窓口一本で三菱石油に支払いを要求する、と、こういうふうな順序でいろいろ協議を持たれるように指導監督をなさっておるように承ったのでありますが、それは当然のことといいながら、今後この交渉に当たりましては、国も十分強力な指導監督をしてもらわなければならぬ。 そこで、方法としては、県と県漁連が被害額の算定についていろいろと鑑定をなされてから算定するのか、その前に算定を進めることになろうと思いますが、いろいろ今後順序を踏んでやっていかれると思いますけれども、そういった県と県漁連の算定によるものを三菱石油が確認をするという方法もありましょうし、または県と県漁連、三菱との共同調査ということも考えられる場合もあるだろうし、そういったことを二、三考えたのじゃないかと思いますが、この点については国はどういうふうな見解を持っておられるか。県と県漁連が地元で考えることだというのじゃなくて、これほど重大な事故であるし、国も積極的な姿勢で臨んで早期に解決していくという姿勢から、国の見解を伺いたいのであります。
○安倍国務大臣 これは、いま海事検定協会に頼んでおるのは漁連が頼んでおるわけでございまして、また、三菱は三菱で第三者の鑑定機関に頼んでおるというふうにも聞いておるわけでございます。この三月末までに海事検定協会によるところの漁連側の被害総額に対する鑑定がはっきりした段階におきまして、三菱石油に対しましてこの鑑定によりまして要求がなされるということにこれは当然なるわけでありますし、この三菱石油と漁業者の間にあって、——政府は対策本部を設けておるわけですから、この間にあって、この交渉が迅速に公正に行われるように全力を挙げて指導していくということが政府としての責任であろう、これは強力にやらなければならぬ、こういうふうに思っております。
○瀬野委員 ぜひ迅速、公正に、しかも強力に政府も進めていただきたいと思います。 それで、これまた先のことだけれども、もう一点伺っておきますけれども、そういったことがいろいろ話し合いがついていきますと、いよいよ三菱石油に対する損害賠償請求ということが起きてくるわけでございますが、これについても漁連を窓口一本にしぼってやるような方向のようでありますが、その辺については現時点ではどういうふうな考えを持って進めつつありますか。その辺の見通しもあわせ伺いたいのであります。
○内村政府委員 私どもといたしましては、四県の漁連が統一的な立場で補償を請求するというほうが補償の公平の立場から見てもよいというふうに考えて、そのように指導しておるわけでございます。ただ、岡山県におきましては、児島漁連という郡段階の漁連がございますが、この漁連はまだ一緒にやろうということに同意をしておりません。したがいまして、現地の対策本部に出ました水産庁の松下次長も現場に参りまして、児島漁連に一緒にやるようにしてくれという指導をいたしましたけれども、説得に応じない。県等もいろいろやっておられるようでございますが、過去の経緯等いろいろございまして、現在のところ、児島漁連だけは統一的な要求に入らないということになっております。私どもといたしましては、根強く努力いたしまして、極力統一ある補償請求ということをしたほうが補償の公平という点からもいいのではないかというふうに思っております。
○瀬野委員 水産庁長官から御答弁をいただきましたが、統一的な交渉で進めるということのようですが、当然そういうような方向になろうかと私も実は思っております。 児島漁連の問題が出ましたが、岡山県児島漁連は、海上封鎖をするというようなことにいろいろと決意をしておるようでありますし、水俣病と例を一緒にすることはまことにどうかと思いますけれども、水俣病における自主交渉派みたいに、前回の水銀汚染のときの交渉を不満として今回は独自行動をとるということでございます。水産庁も大変な努力をしておられることは事実でありますが、これらをあわせて、漁民が一日も早く安定した漁業に従事できるようにすることと、強力な、しかも迅速な、そして公正な処置を進めていただきたいということをあわせてお願いをする次第でございます。 そこで、もう一点、水産庁と海上保安庁にお伺いしておきますが、被害を受けた漁連では、いわゆる流出した油をひしゃくでくんで拡散を防ぐという作業をしたわけでありますが、この防除と清掃費といったものは、休業補償を別途請求する旨を明記した書類を地元では整備して要求しておるわけであります。これにはいろいろと見解の相違もあるわけですが、これも当面大きな一つの問題になっておりますし、今後もまた問題になるわけです。そういったことで、現在この人的作業によって油の拡散を防いでいる作業員の皆さん方には、地元では、一日男は一万円、女性は八千円、船を借りた場合には一日の用船料が三万円というふうなことで要求しておられるようですが、それらをあわせて、今後こういったものの清掃費と漁業補償との関係についてはどういうふうに国は指導監督していかれるのか、その辺を述べていただきたいと思います。
○内村政府委員 ただいまの御質問にお答えいたします前に、先ほどの御質問に対しての答弁で触れました児島漁連の問題について、ただいまこういう情報が入ったのでお答え申し上げます。 本日の児島地区漁連の組合長会議において、一月二十日に決議した一月二十四日の海上封鎖の実力行使については、岡山県及び倉敷市のあっせんにより中止したということで、児島漁連も海上封鎖等の実力行使はやめたという報告が入っております。これは、児島漁連が要求していた確認書について、三菱側が調印することを確約したためであるということでございまして、児島漁連が統一的な要求の中に入るかどうか、この報告ではわかりませんけれども、いずれにいたしましても、実力行使というようなことはやめたという報告が入っております。 それから、ただいま御質問のございました点でございますが、一月の十三日に、被害四県の漁連及び全漁連と三菱石油との間に確認書が交わされておりますが、その確認書によりますと、流出油回収等清掃事業に従事することによって生じた漁業者の給料損害等は、作業日当、漁船の用船料等とは重複関係でないことを三菱石油は認めているということで、確認書で別途のものであるということを三菱側は認めておるという報告が入っております。
○瀬野委員 いまの問題は、一方的に三菱の見解を水産庁長官は申されましたけれども、これは地元でまたいろいろ協議をする。異論のあるところでございますので、ここでこれ以上この問題を論議することはどうかと思います。現地の事情もあることでございますので、一応聞きおく程度にいたしておきたいと思います。 そこで、さらにこの被害の補償問題で、今回の重油流出事故は瀬戸内海の油濁だけにとどまらず、漁業を中心とする沿岸の関連産業にも追い打ちをかけておりまして、ノリ、ハマチの養殖も壊滅的な打撃を受けております。さらに、漁場を失った漁民以外にも、木材、釣り具、魚のえさを取る業者と、または旅館、鮮魚屋、すし屋等の業者にまで被害が及んでおりまして、瀬戸内海の沿岸の関係業者は完全失業状態に追い込まれております。こういった状況から、一連の被害補償について当然検討せねばならぬ問題でありまして、実は、水俣病の問題のときもこれは大変問題になったわけでございます。 若干例を申しますと、兵庫県の淡路島などは、民宿、みやげ物店、それから魚の仲買人などが間接被害の補償額算定に乗り出す動きがございますし、また、香川県でも、木材輸入協会や水産物輸送販売会社、漁船専用石油販売店、釣り具商、えさ業者などから補償要求が出ております。また、高松市の「男木島を守る会」は、「きれいな砂浜や釣り場など、重油はすべてを奪った」というキャッチフレーズのもとに、島の連合自治会、婦人会と合同で約三千四百万円の補償要求を出しております。当局はこういった問題については鋭意検討中ということのようでございますけれども、中小企業庁等も現地へ対策本部を設けていろいろと対策をとってもらいたいし、こういった問題が深刻な問題になってきますので、これらについてさらに当局の今後の対処方針をお伺いしておきたい、かように思います。
○内村政府委員 この問題は非常に重要な問題でございますことは先生御指摘のとおりでございます。 そこで、先ほど御答弁申し上げましたように、一月の二十二日に、現地対策本部におきまして、被害四県の商工関係担当者を集めまして打ち合わせを行っております。その結果に基づきまして、今後業種別にいかなる対策を講じたらいいかということを、対策本部を中心に現在鋭意検討中でございます。その検討結果を待って御報告申し上げたいと思います。
○瀬野委員 時間が詰まってまいりますので、次に、運輸省にお伺いしたいのですが、愛媛県の伊予灘のタンカー座礁ですが、これも水島重油流出事故と直接関係はないといいながらも、やはり水島の港から持っていった油であります。これもこういう機会に状況だけをお聞きしたいと思うのですけれども、二十二日の午前二時半ごろ、愛媛県の西宇和郡の瀬戸町志津沖千メートルの瀬戸内海伊予灘でタンカーが座礁した。いわゆる第三岩陽丸、七百重量トンで、積み荷のC重油五百五十キロリットルが流れ出した、ドラムかんにして約二千七百本分だ、こういうふうに言われています。これは二十二日の昼前、同町志津から赤崎鼻まで約二キロの海岸にもうすでに重油が漂流し始めたということで、これまた大変心配な問題であります。海上保安部からも巡視船五隻が現場に向かったということが言われておりますし、この油の事故というものは、二十一日午後岡山県の水島港を出て大分県の佐伯に向かう途中でこういった問題が起きたということですが、簡潔に状況を御報告いただきたい。
○山本説明員 御報告いたします。 この船は第三岩陽丸という船でございまして、タンカー、総トン数二百九十九トン、乗組員は五名でございます。運航者は鶴見輸送でございまして、積み荷はC重油が五百五十キロリットルで、先生の御指摘のとおり、水島から佐伯に向かっておったものでございます。これが二十二日の午前三時ごろ、愛媛県の西宇和郡瀬戸町赤崎鼻南東約千メートルの岩場に乗り上げました。同船からの連絡に基づきまして、海上保安庁は巡視船艇を現場に急行させますとともに、サルベージを手配するように指導し、深田サルベージが現場へ向かっております。 それから、この海難の原因等につきましては、まだ調査が済んでおりませんでよくわかりませんけれども、当時気象状況が吹雪でございまして「北東の風十五ないし二十メートル、波浪四、いそ波高し、視界不良」であったという状況でございまして、進路を誤って座礁したものというふうに一応考えます。 現在の救援の状況でございますが、人命には異状はございません。流出油は、風向きによりまして志津町のほうへ流出をいたしております。その量につきましても、現在のところはまだはっきりいたしておりません。ただ、けさの状況によりますと、オイルフェンスを船の船首から一応張った、海岸じゃなくて沖のほうへの油の流出拡散がしないようにと防止に備えておる、そういう連絡でございます。もちろん、サルベージ船と、瀬取りの船も三机に到着いたしております。天候の回復を待って救援作業を行うという手はずになっております。油処理済の使用につきましては、今回も一応使用しないということで物理的な回収にたよるという基本的な方針が漁業者との間に確立いたしております。 以上、お答えいたします。
○瀬野委員 この水島製油所の事故が起きているさなかに、水島港に関係のあるタンカーが、いま報告があったような事故がまた起きたわけです。御承知のように、マラッカ海峡でも祥和丸の座礁事故がございましたし、さらには、去る十五日には堺・泉北臨海工業地帯のゼネラル石油製油所の堺製油所でも原油が流出するという事故が発生しております。そして、ただいまの伊予灘の第三岩陽丸のタンカー座礁というように、次々に事故が連鎖反応的に起きている。通産省はこういった一連の重油流出事故の問題等について十分責任を感じておられるのか、その責任体制の欠如というものが次々にこういった事故を連鎖反応的に起こしてくると思うわけですので、その安全保障の対策を十分講じなくちゃならぬというふうに思うわけです。 そういったことと、さらには消防法の縦割り行政というものが一つの大きな問題になっていることも否めない事実であります。実際に現在の重油流出事故等を見ましても、行政上の縦割り行政が一つのネックになっているということを指摘せざるを得ません。企業に対する保安のチェックというものが、貯油タンクであれば消防法になるし、消防署の管轄で、高圧ガス関係の施設であれば高圧ガス取締法によって通産省が行う、海上の流出油は海洋汚染防止法によって海上保安部というふうにばらばらなことになっておる。こういったことも、全国のコンビナートに安全防災監視をとる平場からも、総合システムを設ける必要があるというのが第二点でございます。 さらに、今度の水島コンビナートの問題も、いろいろ現地で調査をしてみますと、この水島だけでも六十三社が操業しております。油や高圧ガスなどの危険物タンクが千三百十八基も林立しておる。そして、この水島コンビナート内での事故というものは、四十七年までに爆発やガス漏れが年間七、八件だったのが、四十八年には十四件、昨年四十九年には二十件にも達しておるということが現地で確認されたのであります。大なり小なりこういうような事件が起きている。こういったいろいろなことが、すでに前もって前奏曲が始まっていたと私は指摘したいのであります。 こういったものに対して、このコンビナートの防災体制は、岡山県や倉敷市、海上保安部、立地企業など、すべて合わせまして、実際に化学車等の台数を調べてみますと二十八台しかない。オイルフェンスも延べ一万五千四百メートルしかない。流出油の処理剤等も六十六・一キロリットルしかなかった。さらに、驚くことは、水島コンビナートに一隻も油回収船がなかった。当然これは大型回収船を配置すべきである。こういったお粗末な状況で、私たちは冷や汗をかく思いでございます。海上保安部の部長ですらも、今回の流出油が発火点の高いC重油だったので火災にはならなかったが、もし引火性の軽油だったならばぞっとする思いがするというようなことを言っておりましたが、これまで何度も油回収艇を常設すると国が企業に働きかけてきたのであるけれども、何らなされずにきたということで、地元の部長なんかも大変頭を悩ませております。こういったことから、防災体制の不備ということに強く責任を感じて整備強化を図らねばならぬと私は思っております。 なお、こういった問題を含めまして、次の国会ではいろいろとまた論議をすることですが、そういったことに対する通産省の見解を伺いたいことと、さらに、通産省はいよいよ新年度予算に九十日分の石油備蓄をいろいろと考えておられ、実際に共同備蓄会社を新設するといって予算措置をしておられますけれども、五カ年計画を踏み出す。しかし、こういった問題を踏まえましたときに、この九十日分の備蓄をしたときに、これは日本の大変な問題であると思う。また、こういう問題があれば、国民のコンセンサスはなかなか得られないとも思うし、これらの問題を含めて、安全対策の欠如、安全管理の不手際ということについて国民が不信を抱かぬように今後十分対策を講じてもらわなければ困る、と、かように指摘をしておきたいところでございます。そういったことをひっくるめて通産省にお伺いすると同時に、この件については、農林大臣についても、このばらばら行政が結局一番零細である漁民に被害をもたらして、漁民の苦しみが今後ますます続いていくということを思いましたときに、私は残念でならないので、農林大臣も、こういったばらばら行政の問題に対して、閣僚としての立場から強い発言をなさって、今後国民の不安がないように対処してもらうよう、決意をお聞きしたいと思うのであります。 もう一点は、環境庁に質問を通告しておりました中からはしょって簡潔にお答えをいただけば結構でありますが、私は、今回の被害による油の汚染状況の把握と今後の見通しとを十分踏まえつつ、被害拡大の経緯の徹底的な調査追及をしてもらいたい。と同時に、油で汚染した漁場の後遺症の調査、さらには乳化剤または中和剤によるところの、二次公害等における影響調査というものをもぜひ進めてもらいたい。さらに、こういった問題を進めるために、各研究機関の動員体制、それから調査結果によるところの補償問題ということが必ず起きてくるわけですから、これらについても農林大臣は十分対処していただきたいし、こういったことを強くやっていただきたいと思うのです。 それでは、時間も参りましたので、最後に簡潔に要点をお答えいただいて私の質問を終わりたい、かように思います。
○安倍国務大臣 今回の事故がまことに遺憾であることは本当に当然であります。今回の事故の原因は、現在も、対策本部その他各省でいろいろと調査体制が整えられておりますので、徹底的に事故の原因を調査して、二度と再びこういう事故が起こらないような防災体制、予防措置を講じていかなければならぬ。今回の事故が起こったことについては、これは三菱石油の原因でございますが、しかし、私は、こうした大きな事故が起こって、漁業者がこういうふうな大きな被害を受けるということを思うときに、やはり、行政上にもいま御指摘がありましたような問題点もいろいろとあるのではないかと思います。ですから、行政上の問題としても、今回の事故を契機として反省するところは反省をして、総合対策を一日も早く樹立していきたいと思うわけでございます。 また、事故の補償につきましては、政府としても、先ほども申し上げましたように、強力に、迅速、公正を期して指導をしていく決意でございます。
○松村説明員 通産省についての先生の御指摘は、まことにおっしゃるとおりでございまして、私どもは石油産業を所管しているわけでございますので、消防庁、あるいは高圧ガスについては高圧ガスの取り締まり官庁、あるいは海上保安庁と、一定のところと十分協力いたしまして、コンビナート保安については今後できる限り万全を期していきたいというふうに考えております。 また、備蓄についても、今後備蓄の増強が非常に重要な国民的な課題でございます関係上、今度の事故をむしろ一つの教訓といたしまして、今後絶対にこういった災害がないようにできる限りの対策を講じてまいりたい、かように思っております。
○小川説明員 油流出事故の今回の重大性にかんがみまして、環境庁といたしましては、これまでも関係省庁に対しまして流出油の早期回収とか施設の点検といったことを要望してまいったわけでございますが、問題は、流出しました油が水中に分散し、あるいは海底に沈降しまして、今後長期間にわたり後遺症を残すのでないかという懸念があるわけでございます。そういったような後遺症をできるだけ軽減するために、まず、汚染状況を正確に把握する必要があろうと考えるわけでございます。 何分にも環境に与える影響も非常に広範にわたりますので、生物の影響、水質、底質等、むろん中和剤の影響等も含めまして体系的な調査を実施したいと考えておるわけでございます。
○瀬野委員 以上で終わります。
○澁谷委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後一時二十五分散会