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75回国会衆議院1975/05/27

内閣委員会 第19号

発言数
57
登壇者
9
会派数
1
開催日
1975/05/27

会議録

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員長 これより会議を開きます。  防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。加藤陽三君。

加藤陽三自由民主党

○加藤(陽)委員 数日前NHKのテレビ解説を見ておりましたら、オケアン演習の解説をしておりました。と同時に、日本の周辺に対する外国の飛行機の状況等を述べておったのを聞きまして、私、防衛庁はこういうことをどうして国民にもう少し知らせないのだろうかなという気がしたのであります。きのうの新聞を見ておりますと、日本海の沖合いで日本の漁船が国籍不明の外国の軍艦らしいものに攻撃をされたとか享捕された、というふうなことが出ておりましたね。私はこういう事態を大変心配しておるのでございますが、最近、防衛庁として、国民の皆様方に大変心配をかけるだろうとか、あるいは心配は感じられないかもわかりませんが、こういうことは知っておいてもらいたい、こういう事態があったのだという、わが国の周辺において起こりました事態がありましたら、御説明願いたいと思います。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○坂田国務大臣 防衛庁といたしましては、日本をめぐっております周辺のいろいろの軍事情勢につきまして知っておくということ、そしてそのことをある程度国民にも知っていただくということは、非常に大切なことだと考えておるわけでございます。  最近におきまして目立ちましたものとしては、ソ連海軍が実施いたしております全世界的な規模の演習を挙げることができると思います。同演習は七〇年代のオケアン演習以来の大演習でございまして、ソ連海軍が海軍としての実力を蓄積してきたことを示すものであるというふうに考えております。参加いたしました詳しい隻数等につきまして、もしお尋ねがございますならば、防衛局長からお答えを申し上げたいと思います。

加藤陽三自由民主党

○加藤(陽)委員 私は私なりの判断がありますけれども、オケアン演習がどうであったということよりも、むしろ日本周辺における外国の軍艦とか軍用機等々の行動といいますか、往来ですね、潜水艦も含めてですよ。そういうものがどうであろうかということを教えていただきたいのですがね。

丸山昂防衛庁防衛局長

○丸山(昂)政府委員 国籍不明機の日本領空に近接をして飛来いたします状況、これに対してわが方がスクランブルをかけます状況、こういった点につきましては、かねがね御報告を申し上げておるような状況でございますけれども、そのほか、日本の対馬海峡あるいは津軽海峡を通過いたしますソ連邦の軍艦、あるいはその他国籍不明のもの、こういったものにつきましては、最近のオケアン演習、その他、宇宙衛星の実験あるいはインド洋への進出、こういうことで逐次その数がふえてきておるという状況は、私どもとして承知をしておる次第でございます。

加藤陽三自由民主党

○加藤(陽)委員 その都度お知らせしておるとおっしゃったようだけれども、私、聞いてないのですが、どこへ知らされたのですか。

丸山昂防衛庁防衛局長

○丸山(昂)政府委員 私どもの方の刊行物の「防衛アンテナ」とか、私ちょっと手に持っておりますが、「防衛ハンドブック」、あるいは一般広報用につくっております「日本の防衛」、こういうところで、大体この二、三年の状況、平均数というものはお知らせをしてあるわけでございます。

加藤陽三自由民主党

○加藤(陽)委員 私も「防衛アンテナ」をいただいておりますけれども、「防衛アンテナ」には確かに出ておりました。しかし国会議員を通じて国民に知らせるということの方が大事なんですね。何人が読んでおられるか、私わからぬですけれども、そうたくさんの部数が出ておるとも思えないのです。もっと広く知ってもらうように努力をしていただきたいと思います。  それからスクランブルの回数ですが、昨年じゅうにどれぐらいの回数がありましたか。

丸山昂防衛庁防衛局長

○丸山(昂)政府委員 ただいま申し上げました「防衛ハンドブック」にございますように、飛来をいたしております航空機でございますが、たくさん飛んでおりますけれども、近接飛行、日本の領空に比較的近く参ります回数が年平均二百回でございまして、これに対して、近接をいたしました場合には必ずスクランブルをかけておりますので、平均は二百回という数字でございます。

加藤陽三自由民主党

○加藤(陽)委員 スクランブルをかけた中で、領空に入ったというものはないのですね。また潜水艦は領海内を浮上して通らなければいかぬということに国際法上なっておる。それを浮上しないで領海内を通ったという事態はありませんか。

丸山昂防衛庁防衛局長

○丸山(昂)政府委員 領海、領空を含めまして、いままで侵犯の事実がございまして、当方が確認をしておりますのは一回でございます。それは昨年の初めにございましたが、それ以外は、私ども直接承知しておりますのでは、ないようでございます。  それから、領海、領空は御案内のように三海里でございますから、陸地をクロスするという状況が出ませんと、ほとんど領海、領空侵犯というのは出てこないというのが実態でございます。  それから潜水艦でございますけれども、潜水艦が浮上して通っておりますのは、いままで津軽海峡、対馬海峡等においては何回となく見ておるわけでございます。この場合、潜水して航行しておるかどうかという点については、私どもの方でははっきり確認をしておりませんので、申し上げられないという状態でございます。

加藤陽三自由民主党

○加藤(陽)委員 私いま考えますのに、海峡を潜水艦が潜航して通っておったかどうかということは、これは日本の国民にとっては大変重大な関心事だと思うのですね。これは確認をしてないということはないというふうに考えていいのですか。潜水して通ったことがあったかもわからぬということなんですか。ないと考えていいのでしょうか、国民としては。どうでしょうか。

丸山昂防衛庁防衛局長

○丸山(昂)政府委員 はっきり断書はできないのでございますが、まず浮上して通っておったというふうに解釈すべきではないかと思っております。その理由はいろいろあるわけでございますけれども、潜水のための諸条件、これは御案内のように両海峡ともなかなかむずかしい条件がございますので、そういう危険を冒してあえて潜水をして通ったかどうかという点については、比較的否定的な考え方、判断の方が強いように思うわけでございます。

加藤陽三自由民主党

○加藤(陽)委員 ちょっと歯切れが悪いのだけれども、いいですわ。  その次には長官にお伺いしたいのですが、最近インドシナ紛争がああいうふうな形で終わりまして、国民一般の中に、次は朝鮮半島というものが大変重大な事態になるのではないかと言われておる。私もその可能性はあると思うのですね。前の前の外務大臣ですか、北からの脅威はないなんということを国会ではっきりおっしゃった。私、非常におかしく思ったのですけれども、この間、北鮮の金日成首相が北京を訪問して共同声明を出しておられます。私も拝見をいたしました。どうも何かもやもやしたようなものがあるように私には思えてならないのですけれども、これは恐らくあの朝鮮半島における軍隊の配備等については御調査になっておるんだろうと思うのですが、軍事的に見てどうなんでしょうか。当分危険はないというふうに見ていいのでしょうか。あるいはまた、紛争の勃発する可能性があるとお考えになるのでしょうか。その辺をひとつお聞かせ願いたいと思います。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○坂田国務大臣 朝鮮半島におきまして、韓国と北朝鮮が強力な軍隊を対峙させておるという中におきまして、現実に越境事件等の小規模な衝突が続発するなど、緊張状態が続いておるわけでございます。しかしながら、一方におきまして、米国が韓国防衛の意思を明確にしております。また他方、北朝鮮がそれぞれ友好協力相互援助条約を結んでおりますソ中両国が厳しい対立関係にあるという状況のもとにおきましては、米ソ中三国は、いずれもこの地域におきます急激な現状変更というものを望んではいないというふうに考えられますので、韓国及び北朝鮮におきます限定的な武力紛争というものは、生起するという可能性を私は否定はできないというふうに思いますけれども、しかし、大規模な武力闘争の事態に発展をするということは、抑制されておるというふうに見た方が妥当ではないかというふうに思います。最近のインドシナ情勢の急変に伴いまして、御指摘のように、金日成主席の訪中がございましたし、韓国の国内引き締めの強化といった事態等も見られますが、これらがいま申し上げましたような情勢の基本的枠組みにまで影響するに至るというふうには考えておりません。そういうふうに一応把握をいたしておる次第でございます。

加藤陽三自由民主党

○加藤(陽)委員 大体、長官のお考えはわかりましたので、私もそういうことじゃないかなと思うのでございますが、長官からはっきりそういうふうな御説明をいただいたことを多とするものであります。  次に、ちょっと外務省にお聞きしたいのですが、去年の十二月に国連総会で侵略の定義に関する決議がなされたわけですね。これはもう十数年来の問題で、できたことをよかったなと思ったのですが、読んでみると、これは非常にむずかしい。かえって問題を多くしたような決議になったのじゃないかなという気がするのです。  まずお伺いしたいことは、これは国連総会における日本も参加してのコンセンサスだと思うのですが、国連総会の決議というものは、日本をどの程度拘束するものでしょうか。

川口洋外務省条約局法規課長

○川口説明員 ただいま先生から御指摘ございましたように、「侵略の定義」は国連の決議として採択されておるものでございます。したがいまして、一般的に国連の決議というものは、国連憲章の第七章に基づきます安保理の決定のようなものとは違いまして、勧告的な性質というものでございます。ことにこの「侵略の定義」につきましては、これをどういう性格のものにするか、条約にするべきではないかというような意見も一部にはございましたが、いろいろ議論の末、結局、総会の決議として採択する。しかもこれは、安全保障理事会が、国連憲章第三十九条に従いまして、侵略行為があったかどうかを決定する際のガイドラインとしてつくることにしようということで決まったわけでございます。したがって、これは日本を法的に拘束するというような性質の文書ではございません。

加藤陽三自由民主党

○加藤(陽)委員 それなら私も大分考え方が楽になるのですが、防衛庁にお伺いいたしますが、自衛隊法の第三条に「自衛隊は、わが国の平和と独立を守り、国の安全を保っため、直接侵略及び間接侵略に対しわが国を防衛することを主たる任務とし」云々、こう書いてありますね。この「侵略」と、国連憲章三十九条の安保理事会の決定の条件である「紛争」ですね、これとは同じなんでしょうか、違うのでしょうか。「侵略行為の存在を決定し」とありますね。これとどうなんでしょうか、関係は。

丸山昂防衛庁防衛局長

○丸山(昂)政府委員 これは国際的な取り決めと国内法という関係にありますので、外務省の方からお答えをいただく方が至当かと思いますけれども、ただいま外務省の方から御答弁がございましたように、ただいまの「侵略の定義」に関する決議それ自体が一つのガイドラインとしてという御判断がありまして、私どもといたしましても、ここに出ております自衛隊法の第三条の「間接侵略」あるいは「直接侵略」というものを解釈するに当たりまして、一つのガイドラインになるという判断はいたしております。そっくりそのまま同義であるということにはならないというふうに解釈いたす次第でございます。

加藤陽三自由民主党

○加藤(陽)委員 その点わかりました。  そこで、今度の「定義」に関する決議の第二条によりますと、先制武力攻撃は侵略だ、こうしながらも、事情によっては侵略と認めない場合があるということが書いてあるわけですよ、「定義」の第二条に。そうしますと、もし仮に日本に対する武力攻撃があったとしますと、自衛隊法の第何条でしたか、自衛隊は恐らく総理大臣の命令で防衛出動すると思うのですね。ところが、先制の武力攻撃があったにかかわらず、後で国連の安保理事会が、それは侵略じゃないのだ、こう決定した場合に、一体、自衛隊法の第三条の「侵略」というものは、どういうふうに解釈したらいいのでしょうか。三条の「侵略」というものと防衛出動との関係ということになりますかね。あるいは国連憲章の三十九条の「侵略行為」と五十一条の「自衛権」との関係になりますかね。そこの辺のところを御説明願いたい。

斎藤一郎防衛庁長官官房長

○斎藤(一)政府委員 ただいま外務省の方から御説明があったように、国連における決議が一つの解釈上のガイドラインでございますが、いまお話しになったのは、たとえば自衛隊法七十六条の「武力攻撃」の解釈、あるいは三条の場合の「間接侵略」などの解釈でございますが、こういうものについて、政府としては、わが国に対する単なる武力攻撃だけではなくて、やはり計画的、組織的な武力による攻撃というふうに解釈しておりますので、安保理事会によって、行為の目的、意図から侵略の存在が否定されるような武力攻撃、こういうものは、わが方の自衛隊法の解釈に当たっても、七十六条の「武力攻撃」にならないというようなことになるというふうに考えております。解釈の問題でございますから、一般的にいま申し上げたようなことですが、あとは個々の事態について十分な事実認定の上に立っての法解釈をすべきものだ、というふうに理解しております。

加藤陽三自由民主党

○加藤(陽)委員 外務省の方にお聞きしますが、国連憲章の五十一条の「自衛権」と、三十九条の安保理事会の平和維持機能の発掘のための侵略行為の決定、これはどういう関係にあるのですか。

川口洋外務省条約局法規課長

○川口説明員 ただいま御指摘の点につきましては、「侵略の定義」をつくります際にもいろいろ問題がございまして、一部には、五十一条における「武力攻撃」というものをむしろ定義すべきではないかという意見もございましたが、結局は憲章第三十九条の方の「侵略」というものを定義しようということになりました。その結果、「侵略の定義」にいろいろな行為を例示的に列挙してございますけれども、そういうものが当然に侵略行為ということになるのではなくて、先ほど申し上げましたように、「定義」の性格として、まずガイドラインであるということがございますし、さらにその「定義」の第六条にもございますけれども、合法的な武力行使に関する規定を含め、憲章の範囲というものを何ら「拡大し、又は縮小するものと解してはならない。」というふうにセーフガードを設けまして、自衛権の行使、あるいはそのほか、安全保障理事会が憲章第七章に基づいてとるいろいろな武力を含む措置、そういったものについては「侵略」には該当しないというふうな規定を設けまして、結局、この憲章三十九条による「侵略行為」というものと、五十一条の自衛権行使の要件としての「武力攻撃」というものは、全く別の問題として取り扱った、そういう経緯になっております。

加藤陽三自由民主党

○加藤(陽)委員 いまの解釈がいいと思うのですね。私は、自衛隊法の解釈も、いまの七十六条の「防衛出動」と三条の「侵略」とは、カテゴリーを異にして考えるべきものじゃないかと思いますが、しかし、これはいずれまた私もよく勉強いたしまして、お尋ねしたいと思います。  もう一つ、「侵略の定義」に関する決議でお伺いしたいことは、自衛隊法の三条に「間接侵略」とあるわけですが、「間接侵略」というものは、どういうふうに防衛庁では解釈なさっておりますか。

丸山昂防衛庁防衛局長

○丸山(昂)政府委員 在来からの私どもの解釈は、いわゆる直接的な組織的武力進攻という形をとりません形の侵略行為ということでございまして、いわゆる内乱に対する援助とか、武器の支援であるとか、こういう形を具体的にはとられるもの、こういうことを想定しておるわけでございます。

加藤陽三自由民主党

○加藤(陽)委員 公式な解釈として、たしか、一または二以上の外部の国の教唆または干渉による大規模な内乱、騒擾、というふうなことを言っておられたように思うのですね。この「侵略の定義」に関する決議の第三条を読んでみますと、このカテゴリーが、いま言った「間接侵略」のカテゴリーと、どうも一致しないように私は思うのです。(a)から(f)まで国を中心に書きまして、(g)に「上記の諸行為に相当する重大性を有する武力的行為を他国に対して実行する武装集団、団体、不正規兵又は傭兵の国家による若しくは国家のための派遣又はかかる行為に対する国家の実質的関与」、こう書いておるわけですね。これが一または二以上の外部の国による教唆または干渉ということと一致するのだろうかどうかという疑問を持ったわけですが、この点は防衛庁の方としては、いままでの「間接侵略」の定義について改める必要はないと思われますか、どうですか。その点をひとつ。

斎藤一郎防衛庁長官官房長

○斎藤(一)政府委員 この点は、先生も十分御承知のことでございまして、従前、ただいま御指摘のように、一または二以上の外国の侵略または干渉による大規模な内乱または騒擾と、伝統的にそう解釈しておるわけでございます。この意味も御説明申し上げるまでもないと思うのですが、原則的には、外部からの武力攻撃の形をとるであろうけれども、その干渉が正規軍の侵入のような形態をとって、わが国に対する計画的、組織的な武力攻撃に該当する場合、こういう場合は、自衛隊法七十六条の適用を受けるという事態であるというふうに解釈しておりまして、私どもとしては、いまのところ自衛隊法については従来の態度で解釈しておりますが、事実認定が伴う問題でございますから、先ほどお答えしたように、その辺のところの実際の運用は慎重にやってまいりたいというふうに考えております。

加藤陽三自由民主党

○加藤(陽)委員 それでは問題を変えまして、四次防は五十一年度が最終年度なんですが、五十年度の予算も決まりまして、あと一年残すだけとなりました。一体防衛庁としては、これは完遂できる見通しでありますか。どの程度残るというふうにお考えになりますか。

丸山昂防衛庁防衛局長

○丸山(昂)政府委員 それでは私の方から御報告申し上げます。  陸上自衛隊関係で申し上げますと、戦車が二百八十両のうち二百一両、装甲車両が百七十両のうち百三両、自走火砲が九十門のうち十門、作戦用航空機が百五十九機のうち百十八機、ホーク三群増強完了となっております。  それから海上自衛隊は、護衛艦が十三隻のうち七隻、潜水艦五隻のうち三隻、その他三十六隻のうち二十三隻、作戦用航空機九十二機のうち六十一機となっております。  それから航空自衛隊につきましては、航空機二百十一機のうち百三十四機、ナイキ二群増強及び一群準備のうち、一群が増強ということになっておるわけでございます。これがただいままでの状況でございます。  五十一年度の関係を考慮いたしましても、主要項目の一部につきましては、かねがね申し上げておりますように、完全達成が非常に困難な状況になっておるというところでございます。

加藤陽三自由民主党

○加藤(陽)委員 この四月一日に長官が「昭和五十二年度以後の防衛力整備計画案の作成指示について」というのを出していらっしゃいますが、この中で、「我が国は、従来、「通常兵器による局地戦以下の侵略事態に対し、最も有効に対応しうる効率的な防衛力」を目標とし、漸進的に防衛力の整備に努めてきたが、複雑な国際情勢のもとにおいて、国の独立と平和を確保するにたる防衛体制を確立するには至っていない。」こう述べていらっしゃるわけですが、これは四次防の現実を踏まえておっしゃったのか、あるいは安全保障体制全般についておっしゃったのか、どういう御趣旨でこういう御指示が出たのでしょうか。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○坂田国務大臣 私といたしましては、当面、四次防達成というものを努力目標にいたしておるわけでございますけれども、その四次防達成すら、いま防衛局長から御答弁申し上げたような主要項目の未達成が考えられるということであって、このことはもう不十分である、もう少し防衛努力をする必要がある、それでなければ日本の独立と安全とを確保することができない、こういう趣旨でございます。

加藤陽三自由民主党

○加藤(陽)委員 そこで、私、前々から気になっておったんですが、オイルショックがおととしの暮れにありましたね。防衛庁も油を削減されたとかいう話を聞くのですが、一体いままで自衛隊の訓練について油を節約できるような訓練をしておられたんですか。どういうふうに油を節約していたんですか。

丸山昂防衛庁防衛局長

○丸山(昂)政府委員 石油ショックに至ります間において、従来こういう事態を想定して、これに対応できるような体制を組んでおったかということになりますと、率直に申し上げまして、全般的にそういう体制であったということは、遺憾ながら申し上げにくいと思うわけでございます。  問題は、エネルギーの節約という国の大方針にのっとりまして、自衛隊もその範囲において、できるだけ国の基本方針に沿い、かつ自衛隊の防衛力としての能率も高めていく、水準を落とさないという両者の目的を達するために、訓練の中身をどういうふうに持っていくかということが検討されまして、その結果、在来のやり方をいろいろ修正をいたしまして、この訓練の実効が上がるような方法を検討いたした、こういうことでございます。  具体的に申し上げますと、どういうことをやったかと申しますと、まず、陸の場合を主として申し上げますと、集中野営によります訓練の効率化ということで、これは各部隊が個別にいろいろ訓練をしておるわけでございますけれども、それをできるだけ同一の時期に同一の枠内に入れて訓練をするという方式でございますが、それによって訓練の密度を高めるということで、回数は少なくなりますけれども、実効を上げていくという趣旨に沿うのではないかということでございます。  また、充足率の関係で完全な部隊というものが編成しにくいわけでございますけれども、これを、一つの部隊についてほかから要員を転換させるという方法で、完全部隊を編成いたしまして訓練をするというようなことをやっております。これは、部隊員はもちろんのこと、指揮官の能力を高めるという意味において、大いに効果を上げておるようでございます。  その他、駐屯地業務とか日常業務が非常にたくさんあるわけでございますが、こういうものをある部隊に肩がわりさせることによって、その残余の部隊を訓練に専心せしめるというような方法もあるわけでございます。  それから、各機能別に効率化を図るというような方法も使っておるわけでございます。  いずれにいたしましても、最近の外国、アメリカあるいはヨーロッパその他の状況を見ましても、現実に部隊自体を動かすことはもちろんやっておりますけれども、それにかわるものとして、かつ指揮機能の能力の発揮というような点を考えまして、私どもCPXと申しておりますけれども、指揮所演習ということに力点を置くというようなことをやっておるようでございます。私どもの方も最近これに重点を置いております。  それから、多少経費がかかるわけでございますけれども、シミュレーターを開発することによって、できるだけ実戦に即応した形の演習が実質にできるというような方法を考えておりまして、これは先進国におきましては、ほとんどの国が大幅に採用しておる、あわせてエネルギーの節約の目的にも沿うような方向に進んでおる、こういう状況でございます。

加藤陽三自由民主党

○加藤(陽)委員 私はやはりシミュレーターというものは非常に大事だと思うのです。国民が一般に心配するのは、パイロットの訓練の操縦時間、それから艦船の訓練の操縦時間、こういうものが減らされたのではないか。私も地方へ行くと聞かれるのです。これはシミュレーターで代替できるものは代替すればいいのですが、そういう練度が落ちることは実際上ない、こう考えていいのでしょうね。石油の問題でパイロットや艦長なんかの練度が落ちることはない、こう考えていいのでしょうね。

丸山昂防衛庁防衛局長

○丸山(昂)政府委員 率直に申しまして、石油の節約の問題とあわせて、主として航空自衛隊でございますが、わが航空自衛隊にとって大きな問題になっておりますのは、訓練空域の制約ということでございます。この点はかねがね御報告申し上げてございますように、訓練空域が離れておるという関係で、指定の回廊を通りましてその訓練空域の往復をやるということで、このための燃料の消費が相当量に達する、したがいまして、訓練空域に参りましてからの時間が制約をされるということで、かなりその点も問題がございます。  それからもう一つは、訓練空域自体が非常に狭くなっているということで、これはいまの問題に直接関連する問題ではございませんけれども、いわゆる戦闘行動その他の曲技飛行の制約があるわけでございます。  そういう点で、全般的にはかなり問題はあるわけでございますが、できるだけその点を克服をして、技量の低下を来さないようにしたいということに努めておるわけでございます。事故率その他の点から見ましても、一定限度の飛行訓練時間を切りますと急速に事故がふえてくるということもございますので、安全対策の面からも、また練度維持の面からも、一定必要時間以上の訓練飛行はぜひとも確保しなければいけないということで、そのためには、その他の油の消費の分野で節約をいたしまして、極力訓練飛行の方に重点的に注ぐというような配慮をいたしておるわけでございます。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○坂田国務大臣 ただいま防衛局長から申し上げましたように、やはりいまの油の節約でぎりぎりの訓練をやっておるということは、率直に認めざるを得ないと私は思うのです。したがいまして、やはりこれから日本の国防能力というもの、防衛能力というものを高めるためには、こういう油であるとか、あるいは修繕であるとか後方支援ですね、こういうものを充実していかないと、いかに正面の近代的な兵器を調えましても、私は強い力にならないというふうに思うわけでございまして、やはり非常の事態に備えて、時間のかかるものでございますから、日ごろ訓練を積み重ねていくということが防衛上必要なことであるというふうに思います。したがいまして、私はポスト四次防の考え方といたしまして、こういう後方支援についても十分留意をしていくという方向が好ましいのではなかろうか、ということを考えておるということを付言しておきたいと思います。

加藤陽三自由民主党

○加藤(陽)委員 私、長官の考えに大変共鳴するわけなんでありまして、非常に大事だと思うのですがね。いまお話を承っておりましてふっと思い出したのですが、ポスト四次防の指示の中で、補給整備のことも言っていらっしゃいますが、長官は(二)のカで、「正面防衛力と後方支援体制の均衡を図るとともに、抗たん性の向上等に配慮すること。」こううたっておられますね。これは新しい防衛構想だというふうに私は思うわけなんですが、長官はどういう御意図でこの「抗たん性の向上」ということを特に御指摘になったのでしょうか。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○坂田国務大臣 いまもちょっと触れましたけれども、私自身としては、正面の装備だけでは防衛力にならない、特に近代戦においてはそうなんだ。一つのファントムを動かすにしましても、たとえばコンピューターシステム、あるいは104にかえてファントムにすれば、それだけ厚い滑走路が必要である。あるいはそれを入れる格納庫についても工夫をこらさなければならない。あるいはまた整備員等についても、優秀な飛行機を手に入れますと、それに従ってその人員がふえなければその機能は十分ではない。そういうことを考えますと、どうも正面の装備はちゃんとできておるようだけれども、果たしてそれを動かすところの、いわゆる抗たん性や補給や支援体制というものはどうなのかということについては、やはり不十分だと言わざるを得ないんじゃないかというのが実は私の認識でございまして、やはりこれからポスト四次防ということを考えていく上においては、この四次防におけるそういう事実認識をする必要があるんじゃなかろうか。この点について、従来、いままではこうこうこういうふうにやってきたからその惰性でというようなこともあるかもしれないけれども、そういう惰性はひとつ反省してもらいたい、欠陥があるならば欠陥として認めてもらいたい。その上に立ってポスト四次防を考えようじゃないか、そのことが国民のためにもわれわれの責任と義務を果たすゆえんなんだ、こういうことを考えまして、抗たん性、あるいは縦深性、あるいは後方支援、補給、そういった部面についてやはりウエートを持って考えるという私の考え方を申したわけで、そうしてその上に立って指示をいたしておるということと御了解を得たいと思います。

加藤陽三自由民主党

○加藤(陽)委員 私はいま長官のおっしゃったことは同感なんですよ。同感なんですが、後方支援体制だということだと私は思っておったのですね。抗たん性という考え方は、たとえばレーダーサイトをどう守るだとか、あるいは飛行場の滑走路をどういうふうに復旧して改修していくということをするとか、あるいは、もし武力攻撃を受けた場合にわが方の国民の損害をどの程度に限定していくとか、そういうふうな考え方がこの根底にあるものだと思っておったのですが、これは後でまたお伺いしたいと思います。  いまの長官のお話を聞いておりまして、前から私、非常に心配であったことは、タンカーの雄洋丸の撃沈のときに、魚雷が何発か不発だったということが新聞に出ておりまして、いやこんなことでいいのかなと思ったのですが、一体これはどういうことなんでしょう。どういう原因で不発の魚雷が出たのでしょうか。

山口衛一防衛庁装備局長

○山口政府委員 ただいま御指摘のとおり、雄洋丸の沈没処分に対しまして四発の魚雷を使ったわけでございます。そのうちの二発は雄洋丸のちょうど中央部に命中いたしましたが、一発は自走をしませんで、発射管の途中にとどまってしまった。これをそのままでは危険でございますから、直ちに押し出し処分をいたしました。それから一発は自走をしたのでございますけれども、これは船尾をねらいましたが、船尾の喫水が浅いためか、その下をくぐっていってしまったということで、この原因につきまして、現在、理由の解明とその対策につきまして十分検討しておるわけでございますが、何せ自走しなかったものにつきましては、海没してしまっているものですから、明確な回答が実はまだ得られない状況でございまして、想定される要素と、それからこれまでの訓練魚雷等の実情から見まして、どういう原因かというのを解明を急いでおります。  ただ考えられますことは、結局、一つは推進用の電力のもとになります電池の発注電力が不足しておったのじゃないだろうか、これは調整が不十分だったのじゃないかという考え方があります。それからもう一つは管制電気回路。発生電力を魚雷の中のモーターに通ずるやつでございますが、回路がどこか故障したのじゃないか。あるいはモーターとかリレーとかいう故障原因がいろいろとあると思いますが、いずれにしましても、なるべく早く明確にしたいと思っておりますが、海没しているためにいささかおくれております。  それからもう一つ、船の船尾をくぐっていってしまったのでございますが、これは御承知のとおり、MK37という中魚雷を使いましたが、この中魚雷がああいう船を沈めるには一番適当だという判断でやったのでございますが、御承知のとおり37はホーミング魚雷であるわけです。ホーミングというのは、御承知のとおり相手の船のスクリューなんかの発生音を追尾しまして当てるわけでございますが、この船は実は停止をしておりました。したがって発生音がない。もう一つは、雄洋丸の近辺に自衛隊の艦艇あるいはその他船舶が大部周囲にありまして、ホーミング魚雷を使いますと、もし当たらないときにそっちの船にホーミングしていってしまうと大変なことになりますので、実は37からホーミング機能を切り離してしまいまして、直進魚雷に面してしまったわけです。したがって、本来のホーミングの機能を全然果たしませんで、直進魚雷でできないことはないのですけれども、そうなりますと精度が非常に落ちてしまうということで、十分な成果が上げ得なかったということで、いずれにしましても、私ども、調整、あるいは実魚雷の発射訓練というのをほとんどやりませんので、その辺のまだ不十分さが残っておるということで、反省をしながらも十分いま検討を急いでいるという段階でございます。  それから念のため、砲弾の方は全弾命中をしております。

加藤陽三自由民主党

○加藤(陽)委員 やはり国民は、多額の予算を使って魚雷を調達して、これが自走もしなかったということじゃ本当に残念だと思うのですね。海没してしまっておると、なかなか原因の究明がむずかしいと思いますが、できる限りひとつ調査をして、今後こういうことの起こらないようにひとつお願いをしたいと思います。  その次にお伺いしたいのは、四次防でPXL、AEWについて国防会議の決定があって、この調達の作業を進めておられると思います。それからあわせてFXの調達についても、いまどういうふうな進行状況であるか。これはだれがお答えいただけばいいのかわからないが、お答え願います。

丸山昂防衛庁防衛局長

○丸山(昂)政府委員 私から御説明申し上げます。  PXLとAEWにつきましては、昨年の十二月の末に、国防会議の事務局から委嘱をいたしました専門家会議の結論が出まして、その結果、PXLについては、国内の開発の状況その他諸般の事情を勘案した結果、国内で開発してこれを装備するということについて、いろいろな問題点があるということでございまして……(加藤(陽)委員「その結論は知っているのですよ」と呼ぶ)よろしゅうございますか。現在の状況でございますか。  そこで、PXLにつきましては、その外国機の導入ということがございます。外国機の導入と国内開発という問題について、技術的、財政的な基盤を検討して、そして五十一年度の予算要求までに結論を出す、こういうことになっておりまして、そこでいま関係省庁で事務的な詰めをやっております。片や海上自衛隊からは、この外国機の中で一番有力でございました、現在日本に配備されております、米軍の基地にございますP3Bのさらに改良型でございますが、P3Cにつきまして、近く調査団を派遣をいたすということになっております。その結論をまちまして、それから関係各省との詰めもまちまして、五十一年度にどうするかを決定をいたしたいというふうに考えております。  それからAEWでございますが、これも御案内のように、機数が非常に少ないという関係もあります。それから、国内開発上の技術上の問題もございまして、費用対効果の面から国内開発は不適当であるという答申が出ております。したがいまして、この機能を果たすためには、外国機の導入を図るという方法を考えざるを得ないわけでございまして、この点につきましては、現在もう一回海上自衛隊において検討中というところでございます。  それからFXにつきましては、五十二年度に第一次契約をなし得るように、と申しますのは、現在の104に代替するわけでございますので、その時期から逆算をいたしまして、五十二年度に第一次契約ということがぎりぎりのところでございます。そこで、本年度御予算でお認めをいただきましたので、海外資料収集のための調査団、これを五月の末、あるいはいまのところでは六月に入ると思いますが、ヨーロッパ、それからアメリカ、一応候補機と思われるもの十三、四機でございますけれども、これを対象にいたしまして、まず本年度は資料収集をいたしまして、そしてその収集をいたしました資料をORにかけまして、いろいろ技術的な検討をいたします。その結果、来年におきまして、候補機種を数機にしぼりまして、再度調査団を派遣をいたしまして、その結果に基づいて、先ほど申し上げましたように、五十二年度の予算要求までに結論を出したいというふうに考えておるわけでございます。

加藤陽三自由民主党

○加藤(陽)委員 わかりました。  これは長官に希望を申し上げておきたいのですが、AEWはほんのわずかな機数でしょう。これは輸入することもやむを得ぬと思いますが、PXLになりますと、やはり数十機の調達になると思うのですね。これはやはり国産の方向で考えていただいた方がいいんじゃないかと私は思うのです。  もう一つ、FXにつきましては、これは私も実際に防衛庁におって、十数年前非常に苦労したんですが、当時は、防衛庁の飛行機の選定に対する判断能力といいますか、経験もなくて、本当にいまから考えれば貧弱だった。だから外国の飛行機会社及び商社を仲介に入れまして審議を進めざるを得なかったんですね。これは、非常に政治的に結びついたりなんかしたように伝えられて、残念だったと思うのです。それから防衛庁も大分成長しておられますので、もうそういう疑惑のないように、商社を中間に入れないで、防衛庁がじかに判断をし、必要な資料を取り寄せて、できれば外国の航空会社の話を聞いたりしないでやれるようにできぬものか。これは、いまの防衛庁のためにぜひそうあってほしいな、私はこう思うわけでございます。これは希望として申し上げておきます。  その次に、国防会議の事務局長がおいでになりますが、この間の長官の談話の中で、今後の防衛力整備計画については、その都度段階的に国民の前にも公開をし、御意見も承り、また国防会議も段階的に開いていって最終的にまとめたいというふうなことをおっしゃっておったように私、記憶するのですが、これは非常に結構なことなんですね。いままで防衛力整備計画の決め方を見ておりますと、防衛庁が実務的な作業をして、国防会議の事務局で各省の意見をまとめて、形式的に国防会議で決めるというかっこうだった。これは私、本当に残念だと思っておりました。どういうふうな整備計画を立てるかということは、国防会議で先に大方針を決めて、そしてこれを防衛庁におろして作業をさせるのが本当じゃないかと思うのです。その点は長官どういうふうにお考えになりますか。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○坂田国務大臣 この点につきましては、私しばしばお答えを申し上げておりますように、ぜひとも国防会議というものは実質審議をしていただきたいというふうに思っておるわけでございまして、やはり今日の防衛、国防ということを考える場合は、単に軍事的な防衛力ということでなくて、外交あるいは経済、あるいは民生安定、それらをひっくるめた中においてどうやって防衛力を高めていくかということでなければならないんだ、そういう観点からするならば、いま先生の御指摘のような形において国防問題が討議をされ、国民のために責任を持った一つの方針が打ち出されてしかるべきであるというふうに私は考えておる次第でございます。

加藤陽三自由民主党

○加藤(陽)委員 そういたしますと、長官のお出しになりましたポスト四次防の指示については、これは国防会議の了承を得ておる、こう考えていいんでしょうか、どうでしょうか。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○坂田国務大臣 私自身は国防会議がそういうふうにあってほしいという気持ちを申し述べたわけでございますが、寄り寄り総理大臣にもお目にかかりますし、それから外務大臣にもお目にかかりますし、私の意のあるところもお伝えを申し上げまして、総理大臣も外務大臣も、ひとつそういう方向で国防会議を運営したらどうかというようなお気持ちになっていただいておるように私は思うわけでございます。そういうわけで、今後、国防会議がそういうふうに運営されるということには、私、賛成でございます。

加藤陽三自由民主党

○加藤(陽)委員 これはぜひ長官が御在職中にそういう軌道を敷いていただきたいと思うのです。ぜひお願いをいたします。  それで、ポスト四次防の計画なんですが、長官の指示の最後に、「当面、原案の作成に際しては五か年固定方式を前提として作業を進め、ローリング方式への移行に際しても柔軟に対応できるよう配意する」、こう書いてございますね。この真意はどういうことなんでしょうか。  と申しますのは、やはり依然として四次防後の防衛力整備計画というものは、装備の調達が中心になっていっているのか。私は、防衛力整備計画というものは、これは前の方にもおっしゃっておりますが、どういうふうな防衛構想を持って、五年後なら五年後にどういうふうな防衛力を持ちたいということが整備計画の重点でなければいかぬと思うのです。そのためにどういうふうな装備を持つべきか、隊員の練度をどの程度上げるべきか、隊員の定数をどうすべきかが防衛構想に基づいて決められなければいかぬと思うのです。  このローリング方式というのは、これは装備の調達の問題でしょう。どうもやはり装備の調達が主になったような気もするのですが、私は、五年なら五年の計画というものは、装備の調達より前に決められなければいかぬと思うのですが、その点はどうでしょうか。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○坂田国務大臣 私はそのように考えておるわけでございまして、実はポスト四次防の長官指示をいたしまして、まず防衛構想をどういうふうに決めるか、そういうものの大体の大綱が決まりまして、それから先、計画を立てなければならない。そしてその場合に、たとえば、いままでのような高度経済成長から安定経済成長へ変ってきたこの転換期において、純然たる固定方式がいいのか、あるいは、やはり五カ年の計画はもちろん持っておるのだけれども、それを一年ずつ見直していくというような折衷案がいいのか、そのあたりも検討をしてみたい、こういう趣旨でございまして、大体、先生のお考えと私の考えは一致しているのじゃないかというふうに私の方は考えるわけでございます。

加藤陽三自由民主党

○加藤(陽)委員 長官、ぜひそうあってほしいので、むしろここで最後に「追って」云々と、こう書かれたものですから、今度の防衛力整備計画もまた装備の調達が中心になるんじゃなかろうかなという気が私はしたわけでございます。だから、書かれるのなら、「なお装備の調達については」と、こういうふうに書かれるとよくわかったと思うのです。  それで、その次にお伺いしたいことは、隊員の処遇の問題でございますが、現在の隊員の充足率、それから隊員の健康管理の状況。大変多くの青年を国民の中からお預かりしておるのですから、健康管理ということも大変大事な任務だと思うのですね。その辺の状況を御答弁願いたいと思います。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○坂田国務大臣 詳しくは他の政府委員からお答えを申し上げたいと思いますが、この間、防衛衛生学会というのが開かれました。そのときに事務当局から聞いて私、知ったのでございますが、大体、薬をのんでおるのが全体の一〇%いるのだそうです。それからまた、そのうちで入院しているのがその一〇%いるのだそうでございます。それから要注意というのがまた、全体の一〇%いるのだそうでございます。そういたしますと、たとえば陸海空自衛隊員合わせまして二十五、六万、それに欠員がございます。そしていまの要注意を差し引いてみますと、二十万そこそこの自衛隊員ということなので、これではもうそれだけ防衛力が大変落ちるわけなので、この自衛隊が本当に健康で、頑健で、そして体力もあり気力もあり、練度も上がっておるといえば、まさに言葉どおり精強なんだと思います。したがいまして、医学衛生というものが非常に大切なことなんだと私は考え、そのことについて、単に病気を治すというようなこと、つまり診療医学だけではなくて予防医学、それからむしろ精強な自衛隊員を養成するための訓練の練度を上げたそういう自衛隊員にならなければいけない、そこまでやはり防衛医学というものも進まなければいけないのだという話を申し上げた意味はそうなんです。  と申しますのは、私がまだ防衛庁長官になる前に、ある自衛隊に参りまして、そしてあいさつをさせられたのです。そうしますと、四、五分ばかりの間、そうやけつくような暑いときでもなかったのですが、見ておりますと、二千人ばかりの中に二人か三人倒れるのがいるのですね。私は、小中学校の生徒も、戦前と戦後を比較しますと、体位は向上しているけれどもどうも体力がないのじゃないか、あるいはがんばりがないのじゃないかというように思います。ずいぶんばたばた倒れるのが多かったのですが、自衛隊に行きましたとき、二人ぐらいそういうふうにして倒れておるということで、私は非常に自衛隊員の体力という問題について関心を持っておりました。で、募集等についても、その点をチェックいたしましたら、かなりやはり体力の十分でない者も入ってきておる現状であるということを発見いたしました。したがいまして、この点については今後十分気をつけていきたい。健康を守りあるいは予防する、そしてまた精強な自衛隊員を養成するということについてのもろもろの施策を考えていかなければならない。そのためには、またチェックする意味において募集も大切でございます。それから同時に、訓練のやり方等についても考えなければならない。それからまた、待遇の面についても考えなければいけない。それからまた、喜んで自衛隊に入ってくるというためにも、自衛隊をやめて出ていく、そして社会人となる、そういう人たちに、何か技術を身につけさせる、そしてそれが社会に通用する、そういうこともやはり考えていくべきことではなかろうか。そういうことをちゃんとやれば、自衛隊に入ろうとする募集の面においてもプラスの面があらわれてくるんじゃなかろうかというふうに思います。  幸いか、われわれ自衛隊にとっては幸いだと思うのでございますけれども、去年あたりから、募集等についてずいぶん努力をいたしておる結果でもございますけれども、漸次、自衛隊募集も軌道に乗ってきたように、私は承知をいたしておるわけでございます。その他について足りないところは……。

今泉正隆防衛庁人事教育局長

○今泉政府委員 自衛官の充足状況でございますが、四月末で二十三万八千九百六十二名でございます。これは定員に対しまして八九・八%の充足率でございます。内訳は、陸上自衛隊が八六・七%、海上自衛隊が九六・五%、航空自衛隊が九六・一%でございます。

加藤陽三自由民主党

○加藤(陽)委員 私が次にお尋ねしようと思ったところを長官に先に言われてしまったのですが、非常にいいことですが、公的資格の問題ですね。自衛隊の隊内の教育訓練がそのまま外でも通用するようにしてやればいいんじゃないか。これは本人も喜びますし、日本の社会のためになると私は思うのですね。この間、私もその点に関心を持ちまして、資料を出していただいて見てみたのです。少ないのですね。たとえば海上自衛隊の艦船に乗っておる者が、航海士や機関士の資格をとる何か実用年限に入っていないとか、こんなことは何かできるような気がするのですがね。これは長官が十分御関心をお持ちですから、私それ以上申し上げませんが、隊の教育と公的資格、これは確かに質的に矛盾はございますよ。矛盾はございますし、やはり一般社会には、一般社会の船乗り、それからパイロット、無線通信士としての規則は、勉強して試験を受けなければいかぬと思うが、実用経験年数などは、自衛隊の中の教育を、すべての点につきまして取り入れてもらうようにできぬものかな。いろいろな職種がございますが、そういうふうに私は思います。長官に特に御配慮をお願いしたいと思います。  まだまだいろいろと伺いたいことがあるのですが、一つ参議院の予算委員会で長官が、この国会が終わった後、シュレジンジャー長官を招いて、日本周辺の海上防衛の構想と申しますか、分担について話し合いたいというふうなことを御答弁なさったというふうに聞いておるのですが、これはどういうことでございましょうか。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○坂田国務大臣 わが国の防衛は、御承知のとおり、米国との安全保障体制を維持しつつ、わが国みずからも、有効な防衛力を保持して専守防衛に徹し、小規模な直接侵略等に対してはわが国が独力で、それ以上の規模の侵略に対しては米国の協力を得てこれを排除するというふうにしております。また核の脅威に対しましては、米国の核抑止力に依存するということにしております。しかし、現在、日米間で調整いたしましたいわゆる有事に際しての自衛隊と米軍との間における具体的な任務分担とか、あるいは作戦上の取り決めは存在しておりません。しかし、これで一体いいのであるだろうかというふうに私は考えたわけでございます。  純軍事的な面から申しますならば、わが国周辺海域の防衛の構想を立てる上で、米海軍の第七艦隊による全般的制海を前提といたしまして、日米間の作戦協力のため何らかの分担取り決めが必要ではなかろうかというふうに考えたわけでございます。防衛庁におきましては、平素から統幕並びに陸海空幕の幕僚が、それぞれ随時、在日の米軍司令部あるいは陸海空軍司令部の幕僚と、わが国の防衛に関する意見の交換とかあるいは研究というものを行って、意思の疎通を図っておることは聞いておりますが、この種の問題を含めまして、日米安保条約の円滑な運用に関しまして、日米の防衛上の責任者同士が話し合う必要があるというふうに私は判断をいたしたのでございます。  昨年、山中元長官はシュレジンジャー米国防長官とお会いになりまして意見交換をされましたが、今回はひとつ、国会の終了後できれば、二、三カ月以内に、手続を踏んでシュレジンジャー国防長官を日本にお呼びをしたい。お招きをし、この会話の中で、これらの点について話し合いを煮詰めてまいりたいというふうに考えたわけでございます。また、できますならば将来それを何らかの取り決めの形にしたいというふうな考えを持ったわけでございます。ところが、御承知のように、ベトナムの状況がああいうふうなことになりまして、すぐシュレジンジャー長官がこちらへ来られるというわけにもまいらぬようでございます。しかし、私の方では正式に招待の意思を伝えてございます。したがいまして、相手のあることではございますけれども、私は、できるだけ早い機会にお会いをして、こういうような問題についていろいろお話をするということも必要ではないか、緊要なことではないかと考えておる次第でございます。

加藤陽三自由民主党

○加藤(陽)委員 長官がシュレジンジャー国防長官とお会いになることは、非常にいいことだと私は思うのですね。ぜひ会って、両国の責任者が意思の疎通を図るということは非常に結構だと思う。いまのお話を聞きますと、問題は具体的な話し合いの内容なんですが、陸上防衛、航空防衛については、任務がわりあい簡単にだれでも一般の人が納得できると思うのですね。しかし、日本の海上防衛に対してどういう任務を与えるかということは、大変むずかしい問題ですよ。外航防衛をどうするかというような問題になりますと、国会でも合意が得られていないし、自民党内でも合意が得られていないかもわかりません。まだ海上防衛について十分な国論といいますか、自衛隊を認めることを前提にして立っていないときに、海上防衛の任務の分担について具体的にお話しになるというのはどういうものだろうかという私は心配があるわけなんでございますが、その点はよくお踏まえの上でお話しになることだろうと思いますから、私はこれ以上は申し上げません。  時間がありませんので、最後に防衛施設庁の関係を二点だけ伺っておきます。  飛行場の周辺に国が騒音対策として買い上げられた土地がずいぶんあるわけですね。これはどのくらいの面積がありまして、どういう状況になっておりますか。

久保卓也防衛施設庁長官

○久保政府委員 従来、行政措置、したがいまして予算措置でもって買い上げておりましたが、昨年春の新法によって法律に基づいてやることになりました。  そこで、四十九年度末でありますが、面積は三百八十五万平米ぐらい、この中で植樹などをやりまして緑化をしておりますのが約五十五万平米、パーセントで約一四%になります。それから地方公共団体及び民間などに使用許可をしておりまする面積が約九十二万平米で、二四%ばかりになっております。その他がまだ残っておりますが、この分はさくをやりましたり、それから草を刈ったりしている現況でございますが、四十九年度のこの緑化予算が、当初は法律でない前提での予算でありましたので千二百万。五十年度が六千万になっております。  結局、予算の問題、それからさらに民間に貸す場合に、民間でたとえば芝生を植えましたり植樹をしたりするのですけれども、少なくとも私が最近知りましたのでは、農地法の関係があって、農林省から若干横やりを入れられておる状況もありまして、ちょっとその点が進行しておらないということで、この点はまだ現在農林省と協議を進めております。そこで、地方公共団体などが使う分には、広場とか物置場あるいは公園などに使うときに無償で使用許可ができることになっておりますので、特に地方公共団体にお使いいただくということを進めてまいりたい、そういうふうに思っております。

加藤陽三自由民主党

○加藤(陽)委員 私、申し上げたいことは、土地が非常に足りないときに、相当膨大な数量を買い上げておられるわけですね。地方公共団体が使うと一番問題がないでしょう。騒音の対策として買ったのですから、人が住むことは不適当だし、また建物を建てたりしますと、これはぐあいが悪いと思うのだけれども、いまあなたがおっしゃった、木を植えるとか、あるいは芝生を植えるとかいうことはいいと思うのですね。何か立川か横田の方で、国が買ったけれども後そのままにしておるものだから、蚊や何かが出て近所が非常に困るのだというふうな話を聞いたことがあるのです。もっと積極的に公共団体に話しかけて、おまえの方で使ってくれというようにできないものかと思いますね。国費をかけて管理しているなんということは、何かばからしいような気がするのですが、これも時間がないからお願いにしておきます。  もう一つ防衛施設庁関係でお伺いしたいことは、基地対策を私どもは非常に熱心に主張しておるわけで、年々予算もふえてきておりまして、これはそれでいいのですが、基地対策を防衛庁なり防衛施設庁だけで全面的に取り組むということは、私は無理じゃないかなという気がしておるのですね。いままでもテレビやラジオを無料化にしたりすることについて、郵政省あるいは電電公社の支援を受けてやっております。  基地のありますあるところの町長さんが来まして、私に話をしておったのですが、保育所の補助の認可を県を通して厚生省に出した。そのうちで、県の申請が全部が全部補助がつくわけではないのでしょうが、自分のところが落とされてしまった。防衛施設庁から補助をもらうこともありがたいことなんだけれども、厚生省やあるいは文部省の関係もございましょう。農林省の関係もございましょう。政府として、基地のある町に対しては、気の毒だから文教施設でも厚生施設でも農林施設でも援助してやろうというふうな態度を示してもらえぬものでしょうか、ということを切に訴えておりました。これはこの前、総理府の中にそういうふうな問題の協議会があったやに聞いておるのですが、もしそういうものがありましたら、これを活用していただきたいですね。施設庁も基地対策事業だけでいいんだということでなしに、ほかの面でも、基地のある町村の方々は気の毒だから、いろいろな公共施設——建設省の道路なんかでもあると思うのですね。政府として取り組んであげるということについて長官に御尽力をお願いしたい。また防衛施設庁、防衛庁もそのつもりでやっていただきたいと思います。  時間が参りましたので、これで質問を終わりますが、最後に長官に私の意見として申し上げておきます。  防衛庁も、二十五年に予備隊で発足しまして以来、二十五年になるわけです。いまだに、文民統制の問題だとか、いろいろ言われております。最近何かの新聞に陸幕の機構の改編のことが出ておりましたが、私もあれを読みまして、なるほどもっともだなという気がしたのであります。ちょうど二十五年なんですから、この際本当にあるべき防衛体制はどうか。これは、安全保障政策の中で防衛力の占めるべき位置はどうだということを検討した上で整備計画を立てるのだということを長官おっしゃっておりますから、それは非常に結構なんですが、防衛庁、自衛隊の内部についても、一遍洗い直してみる必要があるのではないかという気がいたします。ことに内局と各幕との関係、時間があればもう少しお尋ねしたいのですが、時間が参りましたのでこれでやめますが、これを最後に長官にお願いいたしまして、私の質問を終わります。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員長 次回は、来たる二十九日木曜日午前十時理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時十分散会

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