内閣委員会 第14号
- 発言数
- 182 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1975/05/06
会議録
○藤尾委員長 これより会議を開きます。 恩給法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中路雅弘君。
○中路委員 恩給法の改正案で質問する前に一、二問長官にお尋ねしたいのですが、四月十八日に国家公務員の関係の組合の各委員長が海部副長官にお会いしまして、各共闘会議の組合の委員長さんから政府に要請書が出されていますが、その際に私同席していまして、この席でも一、二問明確にしておきたいと思いましたので、最初にお尋ねしたいのです。 国家公務員法の第百八条の五の「交渉」というところに、各省庁に働く国家公務員労働者が共通する賃金改善や労働時間その他労働条件の改善の諸要求、こういった問題で適法な交渉の申し入れがあった場合において、その申し入れについて交渉に応ずべき地位に立つということで、使用者たる政府として当事者の責任ははっきりしていますし、「適法に管理し、又は決定することのできる当局」ということが明記されているわけですが、この国家公務員法に規定されてある当事者というのがだれなのか、この点について私は明確にしておいていただきたいと思うわけです。 賃金や勤務時間、定員問題、こういう問題で各省内では交渉が行われているわけですが、最近、政府との話し合いがほとんどできないという現状にあるというので、先日も副長官にお会いして要求書を手渡したわけです。その際に、各関係の組合の皆さんからも強くこのことが要請されました。給与の問題は総務長官が担当の大臣ということになっています。いろいろ関係の閣僚の皆さんもおられるわけですが、制度上の責任をどこが負っているのかということも明確でない、こういう点で最初に、この国家公務員法に規定をされている当事者、これはだれが責任を持つのかという点でひとつお尋ねしたいと思います。 〔委員長退席、木野委員長代理着席〕
○植木国務大臣 私自身、先日来、公務員共闘の方々と会見をいたしまして、非現業国家公務員の処遇の問題についていろいろ意見の交換をいたしております。また、けさ九時半からは、総評の代表者の方々と会見をいたしまして、労働大臣及び官房副長官とともに意見の交換を行ったところでございます。 それぞれの権限を持つ省庁が、それぞれの当事者とともに勤務条件に関しまして申し入れに応ずるということでございますが、全体の責任は内閣が負うべきであると存じます。非現業公務員につきましては総務長官であろうと存じますし、他のものにつきましては、先ほど申し上げましたようにそれぞれの権限を持つ省庁の責任者であるというふうに認識をいたしております。
○中路委員 総務長官が一応当事者として、あと関係の閣僚とも相談をしてというお話であるわけですが、十八日にお話を聞いたときには、総務長官がかわられて、当事者でもあるからごあいさつということも兼ねて総務長官に各組合の委員長がお会いしたいということを申し入れてあったのだけれども、これもまだ実現をしていないのだ、会うこともできないのだ、四月十八日の時点ではそういうお話が強く訴えられまして、先ほど私がお話ししましたように、一体当事者はだれなのかということを明確にしてほしいということがその席上でも出ていたわけです。私は、どこかに障害があったのじゃないかと思いますけれども、この問題も明らかにしておいていただきたいと思います。 諸外国のお話を聞きますと、たとえば先日、国際労連の公務員組合の書記長のお話を聞きましたら、ベルギーでは、公務員担当の大臣と大蔵大臣と日本で言えば官房長官、この三名がいつも交渉に出席をしてやっているということでした。フランスでも、公務員関係の組合の責任者に聞きますと、関係の閣僚が全部出席をして交渉に応じているというお話も聞いています。 対話と協調ということを強調されているわけですし、その後改善されたかとも思いますが、四月十八日の時点でまだ、いま担当者と言われた総務長官も関係の組合の委員長とも会わないということでは、不十分ながらでも国公法に規定されているこういう点も無視されてくるわけですから、私は、この点は、四月十八日の時点で聞きましたそういう総務長官ともまだお会いもできないという事態の理由がどこにあったのかということがその時点でよくわからなかったものですから確かめて、今後こういう点の当事者の責任を明確にして、国公法で言われている適法な交渉の申し入れがあった場合において、その交渉に応ずべきだということを明らかにしていただきたい、もう一度お尋ねしたいと思います。
○植木国務大臣 私は、申し入れがありましたときには、できる限り支障のない範囲内でお会いをいたしておりまして、いまお話しの十八日につきましては、官房長官と総務長官とそろって会いたいというような申し入れであったように記憶をいたします。当時、両方時間が合いませんでお会いができなかったのでございますけれども、その後四月中に、いま時日をちょっと明確にしておりませんけれども、各単産の長の方々と会見をいたしまして、十分意向は尊重すべく努力をしているところでございます。特別の意図があってお会いをしなかったということではございません。
○中路委員 事情はいま御説明になったわけですが、公務員との労使関係の問題は、非常に不十分でもそういう公務員法で規定されている交渉の立場に立つ責任ある皆さんどの交渉はきちっとやっていただきたいということを重ねて要望しておきたいと思います。 もう一点だけ、この要望書そのものについてお尋ねするわけではありませんが、この中にあります問題で、週休二日制の問題でお尋ねしておきたいのですが、昨年でしたか、これは公務員共闘の皆さんと人事院で四項目の確認がされています。「週休二日制は労働時間の短縮を前提として考えるということ。そのため当面週四十二時間、隔週週休二日制を昭和五十年度に実施する。実施に当たって土曜閉庁とし、交代制職場は連続休日とする。交代制職場については原則として同時実施とするが、一部おくれるものについては給与面の措置を考慮する。」という四項目の確認がありますが、この隔週二日制を五十年度中に実施するという問題について、いまどの程度まで具体化を考えられておられるのか、どういうふうに進めようとしておられるのか、この機会に一言この問題についてお尋ねしておきたいと思います。
○植木国務大臣 週休二日制につきましては、すでに人事院から報告が出されておりまして、五十年度中にそれぞれの試行計画に基づいて試行を行うという線でいま人事院がこれに取り組んでおられることは御承知のとおりでございます。政府といたしましても、この人事院の試行に協力をいたしまして、この問題に取り組んでいるところでございまして、いずれ人事院から、その試行の後何らかの勧告が出されるのではないかと思うのでございまして、その点につきましては、まだ人事院が現在申し上げましたような状況で取り組んでおられるところでございますので、人事院の姿勢を待って政府の態度を決めたい、このように考えておるところでございます。
○中路委員 この問題は、またいずれ改めて別の機会にお尋ねすることにいたします。 恩給の問題ですが、最初に、昨年の四十九年の五月二十三日の当委員会の附帯決議にもあるわけですが、「一律アップ方式について、最近における現職公務員の給与改善の傾向を考慮して再検討を加える」という附帯決議がなされています。今回の恩給法の改正案の中では、一律アップを改めていないわけですが、恩給引き上げの指標となる公務員のベースアップ、昨年の場合を見ましても、実際の引き上げは上の等級と下の等級の間に傾斜がつけられているわけですし、恩給の場合は、今回も上から下までアップ率が一律ということで、特に三〇%以上の引き上げになりますと、この格差が非常に大きくなってくるということで、附帯決議でも問題になっています上厚下薄というのがさらにひどくなっているという現状なわけですが、この昨年の附帯決議の問題についてその後総理府の中で検討されたのかどうか。今度の場合もやはり一律アップを改めないで出てきているわけですが、こういう提起をされた問題はどこにあるのか、もう少し詳しくお聞きしたいと思います。
○植木国務大臣 上簿下厚の問題につきましては、私どもも十分附帯決議の尊重のために努力をしているところでございます。ただ、恩給の年額の調整というものは、御承知のように恩給当時の俸給年額と在職年数とによりまして決定されました恩給年額の実質価値を、その後の社会、経済事情の変動に応じまして維持することを目的とするものでございます。 〔木野委員長代理退席、委員長着席〕 したがって、社会全体の中で退職公務員が占めておられる経済的地位を退職当時のままに維持するために社会、経済事情の変化を反映した特定の指標によって一律に増額することが理論的には適当であるという考え方に基づいて、昭和四十八年度以来、物価、国民の生活水準等の変動を総合的に反映している国家公務員の平均給与改善率を指標として恩給年額を一律に増額をしてまいってきておるのでございます。しかしながら、現に恩給改善の指標としております公務員給与の改善自体が上薄下厚という体係で行われておりますので、これを恩給にも反映させるべきであるという考え方が当然出てくるわけでございます。したがいまして、五十年度予算の編成に当たりましては、恩給局といたしまして一つの案を考えまして、大蔵省との折衝に当たり、また総理府そのものといたしましても、これを一つの柱といたしまして折衝してまいったところでございます。 しかしながら、今回の恩給法改正に当たりましては、きわめて多岐多様の問題がございまして、この上薄下厚の項目につきましては、まだまだ検討を進めなければならないという点もございましたので、この点については実現を見るに至らなかったのでございます。現在、その結論を得べく努力をしているところでございまして、今後いろいろな面からこの体系を恩給の中にも取り入れるべく、総理府としては努力を続けていく所存でございます。
○中路委員 この内閣委員会調査室から出されている資料を見ますと「仮定俸給年額変遷表」というのがありますが、たとえばこの中で旧軍人の階級を見ますと大将ですね、文官で七十九号なんですが、このところをとってみますと、四十九年九月で約二百九十七万、五十一年になりますと一月で約四百十万になります。これを兵の二十一号のところをとってみますと、四十九年四十三万、五十一年一月で五十九万七千ということになりますから、この間でも差が約二百五十四万からさらに三百五十万に開くということになりますし、これを四十五年一月にとってみますと、大将が百四十六万、兵が二十一号が二十一万三千ですから、差が百二十五万になったわけですね。それが二百五十四万になり三百五十万になるというふうに、ますますこの矛盾が広がってきているわけです。 昨年の附帯決議に、先ほども読みましたけれども、最近の現職公務員の給与改善の傾向を考慮して再検討を加えるということが出されているわけですし、この委員会でも附帯決議の扱いについてはたびたび論議をしているところです。委員会の意思として、附帯決議については十分尊重して、この具体化のために次の年度においては努力していただくということが強く要請されているわけで、何回か附帯決議をつけても、いろいろ障害を持ち出されてこれが実現しないということになりますと、委員会の結論としての附帯決議そのものの趣旨も生かされないということになるわけです。 先ほどお話しのように、総理府でもこの問題について検討されて、大蔵省との折衝の中でも障害があってまだ実現しないということだったわけですが、いろいろお話を聞きますと、報道等でもアップ率を三段階ぐらいに分けるというような案も検討されてきたようですが、この問題について恩給局長からでも、この附帯決議の具体化についてどのように努力をされたのか、また、どこに障害があるのか、これからさらに一層この格差が広がるわけですから、要請されている問題を解決するというためにどういうふうにお考えなのか、もう少し詳しくお聞きしたい。
○菅野政府委員 上簿下厚の問題、いろいろございます。考え方としまして、ここ十数年ずっと一律アップの方式を続けてきたわけでございますが、これは四十八年以降の公務員給与によった時代だけでなくて、審議会方式の時代もそうでございます。で、一律アップの方式そのものが理論的に、あるいは理屈の上でどういうことかという基本的な問題が一つあると思います。それは恩給というのは、退職当時にその方々が得ておられる恩給年額というものを、その実質価値をどういう形で維持をするかということでございます。実質価値を維持するということにおいて一つ問題になりますのは、その退職当時の方々が社会の中に占める経済的地位と申しますか、そういうものがその後のほかの要素で相対的位置が縮まったり伸びたりそういうことをすることが果たしていいのかどうかという基本的な問題がございます。考え方としては、一律アップ方式というのが、理屈の上ではその相対的価値を維持していくわけでございますので、ある意味では正しいのではないかという考え方もあるわけでございまして、そういうものを続けてきたわけでございますけれども、四十八年以来特に公務員給与そのものにスライドをするという変革をいたしたわけでございますので、その公務員給与がやはり上薄下厚ではないか、そうなりますと、相対的地位が云々という問題はありますけれども、やはり上薄下厚の色彩を入れていくのが一つの方向ではないかという御議論をたびたび承ったわけでございまして、そこに問題点があるということは私たちも重々承知をしているところでございます。 そういう理論的な問題のほかに、今度技術的な問題といたしましては、これもいろいろあるわけでございまして、どういうふうに上簿下厚のその数字を、これも恩給というのはもちろん受給者に密接な関係がございますのみならず、他の年金にもいろいろな影響がございますので、やはり国民全体の納得を得られるような方式なりあるいは数字なりというものがないといけませんので、そういう面から見まして、どういう納得の得られる数字がはじき出せるのかという技術的な問題もございます。そこら辺で私たちとしては大変苦慮をいたしておりますけれども、しかしそうは言っておっても、いま言いましたような上薄下厚の色彩を何らかの形で入れていきたい、すぐに結論が出なくてもそういう形で入れていきたいということで実は三つの段階に、真ん中を中心にいたしまして下の方はやや厚く、上の方はやや薄く、そういうような形が、暫定的な形ではございますけれども一つの案ではないかということで、御要求を申し上げるような段階でいろいろな議論をしたわけでございますけれども、先ほど申しましたような考え方の問題、それから三つの段階に分けましても三つの切れ目をどうするか、その切れた後の上、下、中の比率をどうするかというような技術的な問題もなお多々残っておりますので、そういう問題を十分意識しながら、国会の御意思なりあるいは問題点なりを通じましていろいろ御指摘いただいている点を、今後の検討の課題に置いて実現を図るべく努力をいたしたい、検討を深めたいというのが現状でございます。 特にこの上薄下厚の問題も、やはり低額恩給の是正という一つの方向というものを実現する一つの手段だと思います。そこで私たちとしましては、今回の最低保障額の改善等は、従来のものよりも大幅なアップをいたして、最低保障の改善にそういう面では努力をいたしましたし、あるいは低位号俸の切り上げと申しまして、かつて十七号俸以下の号俸がございましたのを全部十八号俸に上げるというようなことを通じまして低額恩給の是正には努力をしているわけでございますので、上薄下厚の精神につきましても、先生御指摘のとおり問題点を意識しておりますので、今後検討を深めて、納得のいくいい方法を発見していきたいというふうに思っているところでございます。
○中路委員 先ほどのは仮定俸給ですが、六十五歳以上の人の場合をとってみて単純計算してみますと、たとえば四十九年の中将は八十一万七千。五十一年になりますと百十二万八千になります。三十一万一千ここでふえるわけですが、大佐が五十四万七千から七十五万五千、二十万八千ですね。兵になりますと、十四万四千から十九万九千。この六十五歳以上で実在職年の九年未満は最低保障額が五万円になりますから、十六万八百円から二十一万と五万円アップになるわけですが、今回の改正で、いま数字を挙げましたように、中将で三十一万一千円のアップ、兵等がいまお話しになった最低保障された場合でも五万円アップなわけですから、四十九年では中将と兵との恩給金額の差が六十五万七千であったのが、今回の改正で九十一万八千というふうに、今回の改正案でも仮定俸給表とそれを基礎にした一律アップをとっていますから、改善ではなくてむしろこの差が一層ひどくなってきている。去年の附帯決議で指摘された問題が改善されるのではなくて、さらにひどくなってきているということがこの数字の上でも言えるんじゃないかと私は思うのです。 最低保障のお話が出ましたけれども、最低保障制度を設けてこの額もアップするわけですけれども、六十五歳以上の最短恩給年限以上の人で三十二万一千六百円から四十二万になるので、実在職年の九年未満、いわゆる赤紙召集の場合ですと十六万八百円が二十一万になるだけですから、最低保障といってもこれでは余りそれを改善されていない、意味がないわけです。最低保障そのものもさらに検討する必要があるわけですし、いま申し上げたように、このままのアップが続きますと、矛盾が一層激しくなるわけですから、来年度において昨年の附帯決議でも指摘された問題がやはり具体的に検討されて、是非この点提起をしていただきたいということを私は強く要請をしたいと思うのですが、この改善の問題について、来年度には是非とも——このままですと、矛盾が改善されるどころかさらにもっと広がるわけですから、いまの上厚下薄の矛盾が一層ひどくなる問題について、附帯決議でも出ています改善について、是非ともこれは具体的にひとつ来年度は提起をされる、検討するということを要請しておきたいのですが、大臣からも一言この問題についてお考えを……。
○植木国務大臣 先ほど申し上げましたように、昨年の衆参両院内閣委員会の附帯決議の次第もございますので、一律方式に問題点があることは政府としても十分認識をしているところでございます。したがって、公務員給与の改善の傾向を考慮いたしましたより適切な恩給の増額方式を鋭意検討してまいりたいというふうに考えております。
○中路委員 その次に、これは厚生省の方がお見えになっておると思いますが、老齢福祉年金と普通恩給との併給問題ですが、併給の限度額を十六万円から二十四万円に引き上げるということになっていますが、この二十四万円という根拠は何ですか。
○坂本説明員 現在、併給限度額十六万円の考え方といたしましては、短期在職者の普通恩給の最低保障額が十六万八百円で、大体これに合わせて決めておるわけでございます。昭和五十年度におきましては、私どもが伺った限りでこの十六万八百円が二十一万円に引き上げられるということでございます。福祉年金の併給限度額を、今度五十年度に引き上げます二十一万円よりももう少し上回ったところに置いて、この最低保障に該当する方にも若干の併給ができるようにいたしたい、こういった考え方で一応二十一万を上回る額の二十四万というところに決めたということでございます。
○中路委員 いまのお話ですと、なぜ二十四万にしたかというのは、二十一万を若干上回る額ということで、それ以上の、それが二十三万なり二十五万であるとかということについての、なぜ二十四万かということの特別根拠はないというお話ですが、いま、たとえば現実の生活保護費の問題ですが、この生活保護費そのものも、最近の新聞の報道ですと、さらに検討するということになっておりますけれども、現在、いわゆる生活保護費の標準は、四人世帯、一級地、二級地、三級地、四級地とありますが、モデルで言いますとどれくらいになりますか。おわかりですか。
○山本説明員 標準四人世帯の場合で申し上げますと、一級地の場合は、生活扶助の金額が七万四千九百五十二円でございます。二級地が六万八千二百六円、三級地が六万一千四百六十一円、四級地が五万四千七百十五円でございます。
○中路委員 この標準に、たとえば九歳の子供がある場合とか、あるいは借家に入っているとか、そういう場合には幾らかつきますね。そうすると、これよりも相当上回るのじゃないですか。実際はどれくらいになりますか。
○山本説明員 いまの標準四人世帯と申しますのは、夫が三十五歳で日雇いに従事している、それから三十歳の妻がありまして、子供は九歳の男の子と四歳の女の子ということでモデルをつくっておるわけでございますが、この場合には、小学校三年になります男の子のために、教育扶助といたしまして級地にかかわらず一千四十円の金額が給付されます。 また、住宅が借家でございますと、その借家の家賃を給付するたてまえでございますが、最低生活という制約がございますので、幾らでも高い家賃を持つというものではございませんで制約がございます。通常、家賃の限度額は、一級地で五千五百円、二級地も同じでございます。三級地が三千四百円、四級地が二千三百円でございますが、さらに地域の実情によりまして、この程度の家賃では住宅が非常に入手しがたい地域がございますので、そういう場合には、一、二級地では一万八千四百円まで、三、四級地では七千三百円までを限度といたしまして、それぞれの地域の実情によって特別の家賃の給付を行っております。 また、夫が日雇いに従事いたしまして賃金を得ました場合には、それのうちの一部を控除という形で手元に残すようにいたしておりますが、この金額が一級地一万二千二十円、二級地も同額でございまして、三級地一万一千三百円、四級地一万八百十円、このような基準をいろいろに組み合わせて給付をいたしておるわけでございます。 いま申しました以外にも、具体的な生活の必要があれば上がるものがございますけれども、細かいので省略させていただきますが、いまの金額を合計いたしますと、通常の場合で一級地が九万三千五百十二円、家賃が高いところの場合には、これが十万六千四百十二円になります。あと二、三級地は省略いたしまして、四級地の場合は、通常の金額の合計が六万八千八百六十五円、家賃が高い場合の金額が七万三千八百六十五円、こういう金額でございます。
○中路委員 いまお話しのように、たとえば家賃が高いところで一級地で合計しますと十万六千四百十二円、四級地で七万三千八百六十五円ということになりますが、たとえば七十歳の男子一人の場合には、一級地でいいのですが、どれくらいもらえますか。
○山本説明員 七十歳の男子につきまして、生活扶助の一類と二類の金額を合計いたしますと二万八千十二円でございますが、七十歳からは老人の特別の状況を考慮いたしました老齢加算という金額がつけ加えられますので、これが七千五百円ございまして、三万五千五百十二円になります。このほか住宅費が必要な場合には、先ほど申し上げましたように五千五百円、あるいは最高一万八千四百円が加わりますので、合計は四万一千十二円あるいは五万三千九百十二円になるわけであります。
○中路委員 いまのお話でも、七十歳の男子一人の場合、住宅手当まで含めますと五万三千九百十二円ということになります。生活保護費さえ現実にこういう状態なわけですね。こういう点でも恩給の低い人たちには、併給制限を外す必要があるのではないかというふうに思います。昨年も問題になったと思いますが、例の宮裁判の問題で当委員会でも質疑がありました。今度も出ていますが、四十八年十月以降は、戦争公務による傷病恩給及び公務関係扶助料が兵から大尉クラスまでの者は完全併給されておるわけですから、併給できないものではないと私は思うわけです。この点で、一つは、生活保護費に比べても額が非常に低いわけですから、この併給の制限を外す必要がありますし、もう一つは、いまの傷病恩給等では完全併給されているわけですね、ですから、こういった点からも恩給支給額が低い人たちが完全併給できるようになっても問題はないはずだと私は思うわけですが、この点の検討はどのようにされていますか。
○坂本説明員 福祉年金と恩給等公的年金との併給の問題につきましては、これまで福祉年金が恩給その他公的年金を受けていない人に対する年金という考え方に基づきまして、何らかの年金を受けておられる方は一応対象にしない、そうして何も年金のない方に福祉年金を差し上げるという考えで仕組みができたわけでございます。ただ、恩給その他公的年金で非常に額の低い方がおられましたので、そういった方には福祉年金をある程度併給するという形で今日まで来ております。そしてその恩給や公的年金の額の低い方という範囲を次第に拡大してまいってきておるわけでございます。 したがって、私どもとしては、やはりこの福祉年金の基本でございます他の公的年金を何も受けておられない方に対する年金という基本的な仕組みというものは、いまのところそのまま維持する考えでございますけれども、そういった実際の年金額が低い方に対する併給の限度額、こういったものにつきましては、今度いろいろと実情を勘案いたしまして、緩和を図っていきたいというような考え方を持っておるわけでございます。十分にこういった問題についても検討してまいりたいというふうに思っております。
○中路委員 いま生活保護費との対比でお話ししたわけですけれども、実際に非常に低い状態なわけですから、併給されても、いまの制限の併給では、恩給の低い人たちにとっては大変な状態ですし、恩給が事実上社会保障的な老後の生活についての重要なそういう性格を持ってきています中ですから、また現実に傷病恩給等では完全併給もされてきているわけですから、この点で私は、特に恩給支給額が低い人たちについての併給の制限を外して、やはり完全併給ができるようにひとつ努力をしていただきたいし、ぜひともその具体化を検討していただきたいということを強く要請したいのです。 いま厚生省の皆さんと少し論議をしたわけですが、長官の方からも、もし御意見がありましたら、この点について、政府としての今後の検討のお考えをお聞きしておきたいと思います。
○植木国務大臣 いまお話しの恩給と生活保護費につきましては、これは性格の違うものであることは御承知のとおりでございますが、恩給は忠実に公務に専念しました公務員の退職後の生活の支えとなるものでございますから、極端に低額の恩給につきましては、一定額を保障する等の措置を講じておりますが、さらに今後とも努力をしてまいりたいと存じます。 福祉年金との併給の問題につきましては、すべての恩給受給者について御指摘のように措置するということは問題があると思うのでございますが、ただいま申し上げましたように、恩給年額改善について努力をしてまいる所存でございます。
○中路委員 特に恩給の低い額ですが、さっきの二十四万円という併給制限の額についても、それほど根拠があるわけじゃないんですね、二十一万円を若干上回るということで決められているわけですから。この点については重ねて私、特に恩給の低い皆さんについての制限、これを今後検討していただくということを強く要請しておきたいと思います。 次に、これは直接恩給の問題と関連がないのですが、過去二回、私がこの委員会で質問をしてきている問題ですので、もう一度お尋ねしたいのですが、いわゆるアメリカ占領軍がいた時代の、米軍から不法な被害を受けた人たちに対する補償問題です。 当時の被害者は、過去二回、時限立法で、たとえば死亡者の遺族でたしか三十五万五千円ぐらいですか、もらっているわけですが、私も当委員会で取り上げた実例も幾つかあります。たとえば急所をピストルで撃たれたとか、両足を切断する重傷を受けていまも通院している、しかし二十数万円ぐらいの見舞い金で終わっているというようなことで、いま被害者が苦しんでいる実情もこの委員会で取り上げました。全国で推計で、こういう関係者の皆さんが恐らく一万二千から二万いるんじゃないかということが言われていますが、この人たちの補償というのは時限立法ですでに終わったといってほっておくわけにいかない実情があるわけですね。いまは交通災害でも五百万、一千万というふうに出るわけですから、そういう実情もよく調査をして、やはりいま何らかの対策を立てる必要がある、現実に苦しんでおられるわけですから。 それで、四十八年にこの問題を私が一度取り上げた際に、坪井さんが当時、「時限立法措置も期限を越えているような状態でもございます。そうした点を考えますときに、いま御指摘になった点に対しますところの対応すべき法律措置をどうすべきかという問題もありますので、そうした点も十分考慮に入れながら事務当局においてよく検討をしていくべきであるという気持ちもいたしておりますので、直ちにということは困難であろうと思いますけれども、十分考慮してまいりたい、こう考えております。」という御答弁もされているわけですが、この問題について、その後何か具体的な検討が行われたのかどうか、まず最初にその点をお聞きしたいと思います。
○安斉政府委員 各事案につきまして、できるだけ見直しをしてまいりましたけれども、原則としてこの問題はやはり見舞い金の制度である、給付金であるというたてまえもありますので、政府側として処理済みであるということで、すでに四十八年、また四十九年に請願に対します処理意見として決定した次第でございます。
○中路委員 厚生省の方は、たとえばこういう人たちに対する救済の方法という問題について、いま何らか具体的なお考えはありますか。
○井手説明員 お答え申し上げます。 私どもの方は、身体障害者福祉法というものを所管しておりまして、体の不自由な方々に対する福祉の施策としていろいろなことをやっております。一定の障害を持っている方々以上の方に対しましては、その更生のための援助といたしまして、たとえば更生医療の給付でございますとか、あるいは義手義足等の補装具の給付でございますとかいうようなものが行われておるわけでございまして、特に障害を負いまして、いま社会復帰が必要な方々につきましては、施設をつくりまして、そこでリハビリテーションをやっていただく、こういうものを中心にやっているわけでございます。 特にまた、最近におきましては、重度障害者の方々の問題が顕在化してきておるわけでございまして、それらの方々に対する対策を積極的に進める、こういうことで現在逐次推進をしているところでございます。
○中路委員 私お聞きしましたところですと、東京都では、いまお話ししました人たち、たとえば一級、二級の重症者、これには四十八年から月一万数千円出しているんですね。それから三級以下の人たちについては、東京都の方から区の方に一人五千円ですか、補助金を出して幾らかでもいまの苦しんでいる人たちの救済の一助に充てるという処置も東京都でとっているわけですけれども、私は、この点について総務長官にもお願いしたいのですが、相当全国的にまだ関係者も多い、だから、できるだけ実情を調査して、これはサンフランシスコ条約で対米請求権を放棄しているわけですから、また二回時限立法ですが、国で金を出したということですけれども、それも非常にわずかですから、いま実際に被害者が苦しんでいる実情を見ると、それだけでほっておけない、何らかの対策も考えていく必要が引き続いてある問題だと私は思いますので、まずその点で、もう少し実情も調査をしていただいて、どういう方法があるのかということも研究していただきたいということを特にお願いしたいのですが、もしこの点について、関係の皆さんで特に御意見があれはお聞かせ願いたいし、長官の方にも私はこのことを強く要請したいと思います。
○植木国務大臣 占領軍による被害補償につきましては、いま防衛施設庁及び厚生省からその措置につきましてお答えをいたしましたが、ただいま御指摘の実情の調査、さらに補償、救済の方途につきまして、政府としてどのような道があるかということにつきましては、各関係省庁と連絡をとりまして、研究をさせていただきたいと思います。
○中路委員 この点は、いまお話ししましたように、東京都の場合で例をとりますと、都なりにやはり何らかの方法ということでいろいろ考えているわけですから、やはり国の方もひとつ具体的に、いまの実情でどういうことができるか十分考えていただきたいというふうにお願いしたいと思います。
○井手説明員 先ほど申し上げましたように、重度障害者の方々に対する措置というのは、いろいろ多岐にわたって行われておるわけでございますけれども、やはりいま御指摘になりましたように、東京都で現金の給付をしておるという制度もございます。国といたしましても、昭和五十年度から、そういうような重度障害者の方々で特に常時介護を必要とする方々に対しまして、福祉手当という制度を創設いたしまして実施をしようということで、現在、参議院の社会労働委員会で法案の御審議をいただいておるところでございます。実現いたしますれば、月額わずか四千円ではございますけれども、重度障害者の方々のお足しになるというようなことで、せっかく努力をしておるところでございます。
○中路委員 時間もそうありませんから先へ進みますが、これからあと二、三の問題は、すでに前に御質問されている問題ですから簡潔に御質問し、要請もしたいのですが、一つは、女子公務員の、戦前の女の先生の扶助料の問題です。女子の場合、遺族の夫が不具や廃疾というひどい状態の場合はもらえますけれども、他はもらえないわけですね。戦前からの恩給の引き継ぎがここにも残っているわけですが、そうたくさんの人数じゃないと思いますし、新しい憲法のもとで、これは男子との差別でもありますので、全国的に調査をして、この問題はやはりぜひとも改善をすべきだというふうに私は考えますが、具体的なお考えがありましたら、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
○植木国務大臣 この点につきましては、先日、加藤委員からも御質問がございましたが、夫に対する扶助料の支給条件を妻と同一とするということにつきましては、扶助料給付の趣旨が公務員死亡後の遺族の生活に寄与するためのものでありますことから考えますと、わが国の家庭における夫婦の一般的な生計依存の実態から見まして、夫に対して直ちに妻と全く同じ条件で扶助料を給するということは、必ずしも適当でないという意見もございますが、しかし御指摘の点、ごもっともなことでもございますので、これにつきましては、前向きに取り組ましていただきたいと存じます。
○中路委員 もう一つ、これも前に委員の皆さんから御質問になっている点ですが、恩給担保の問題です。国民金融公庫で貸し出しをしているというお話ですが、貸し付けの限度額ですね。この前委員会で質問がされて、その御答弁を聞いていましたら、貸し付け限度額はいま七十万というお話でしたが、この七十万というのは何が根拠になっているのか、まず、それをお聞きしたいと思います。
○菅野政府委員 これは所管が恩給局でございませんので、その根拠は十分存じませんけれども、従来五十万でございましたけれども、それでは低いではないかということで、実は恩給局長名でも大蔵省の方に正式にお願いを申し上げまして、大蔵省あるいは国民金融公庫等でいろいろ御検討になった結果、五十万が最近七十万に上がったわけでございます。根拠自体、詳細につきましては、担当でございませんので存じませんが、そういう経過でございます。
○中路委員 たしかこの前、四十六年、七年、八年ですか、この三年間の一人当たりの平均金額、それが七十万というようなことも、大蔵省の方ですか、お話があったのじゃなかったかと思いますが、全体としてこの貸し出し金額についても、恩給も今度上がるわけですから見直していただいて、さらに引き上げていくということで十分な検討をお願いしたい、これは要請で、ひとつお願いしておきたいと思います。 終わりに、恩給局の職員の問題で一、二問お伺いしたいのですが、恩給の支給が今度八月になって、また早まってきているわけですね。いままで附帯決議でも、恩給改定の時期の繰り上げについては、年度当初からの実施を目途にしていくということで、だんだんこれから実施時期が早まる傾向にあるわけですが、そこで、その仕事の体制の問題ですが、その前に、恩給受給者の変動、たとえば昭和四十年ごろの恩給受給者と五十年の受給者の変動、それから恩給局の職員の変動、これはおわかりになりますか。
○菅野政府委員 恩給受給者の数でございますけれども、昭和四十年度が約二百七十四万でございまして、四十一年、四十二年、二百八十万台にずっとふえておりますが、それ以後、四十六年以降また漸減をいたしまして二百七十万台、現在が大体、概数でございますけれども、二百六十七、八万というところでございます。 これに対しまして定員でございますが、定員は昭和四十年度が七百四十人でございまして、これが逐次減少いたしまして、昭和五十年度、今年は六百十七人ということになっております。
○中路委員 恩給受給者は三十九年、四十年当時と五十年の現在もほとんど同じぐらいですね。先ほどお話しのように五十年が約二百六十七万余り。定員は当時に比べますと八十数%、ずっと減っているわけですが、五十年度も職員の定員削減をやられるというお話ですが、何名削減になるのですか。
○菅野政府委員 昨年度が六百二十九名でございましたので十二名でございます。
○中路委員 五十年度もいまお話しのように十二名削減ということになるわけですね。年々実施時期が早まりますし、仕事を正確に行う、あるいは労働強化にならないという点からも、この定員の問題というのは私は非常に大事だと思うのですが、いつもアルバイトを相当入れておられる。お話によりますと、今度はアルバイト以外にパートの主婦を採用されるというお話を聞いているのですが、このパートの採用というのは事実なのですか。
○菅野政府委員 アルバイトと申しまして私たちがやっておりますのは、夏休みに、増額改定をやります大きな作業の一つであります証書の作成等について学生アルバイトの方を使ってやっておるわけですが、いま御指摘のように、だんだん支給時期が上がってまいりますと——上がってなくてもそうでございますけれども、一刻も早く受給者の手元に改定されました恩給の証書をお届けしたいというのが私たちの気持ちでございますので、夏の学生さんがたくさんおられますときでは、やはりだんだん遅くなりますので、そういう意味で、それ以前にできるものは整理をしていくということでパートと申しますか、それ以前の、学生さんでない非常勤職員を使って準備をする段階を考えていかなければいかぬのじゃないかというふうに思っております。 それから、もう一つお答えしておきたいのは、いま件数のことが出ましたけれども、実は恩給局の大きな仕事をきわめて大ざっぱに申しますと、普通の請求改定と申しますか、請求がありまして改定をするという仕事と、最近は例年になりましたけれども、ベースアップのための増額改定と二つのことがございまして、先ほど総数で申しましたのは、その受給者対象全部でございますので、いわゆる増額改定を含めた数でございますけれども、いわゆる請求裁定というのは、もう年々、たとえは昭和四十六年から比べますと、現在は半分くらいに減っております。そういう意味で仕事の性格としては、学生さんのアルバイトを入れる、あるいは非常勤職員、パートの方というのは、いわゆる増額改定、ベースアップの部分でございます。その点をお断わりしておきます。
○中路委員 私が聞きましたのは、これは組合のニュース等にも出ているのですが、ことしは五月末から六月いっぱいにかけて戸山ハイツの主婦を七十名から八十名程度、仕事のぐあいによっては九月からもパートを採用したい、新宿の職安を通じて行いたいというようなことを当局の皆さんが考えておられるという交渉の議事録、メモがありますけれども、いまお話しのように、パートの場合でも非常勤職員の範囲ですから、国家公務員法の適用を受けると思うのです。そうしますと、国公法の職員の欠格条項というのもあるわけですから、職安を通じて何の審査もなしにどんどん採用していくということになりますと、これ自身もこういう安易な方法ですと問題も残ると私は思いますし、アルバイトだけでなしに周辺の主婦のパートも採用しなければならないという、現実にそういう状態の中で証書のときだけじゃなくて、年間を通じて追跡調査とかあるいは住所の確認だとかいろいろあるわけですが、そういう中で正規の職員をさらに減らしていくということは、やはり問題があるのではないかと私は思うわけです。 その点で、アルバイトからさらに主婦のパートまで採用するという状況の中ですから、こういう中での正規の職員の削減については、当面見合わせる必要があると思うのですが、この点特にパートの場合、非常勤職員との関係から言っても、こういう安易な方法というのはもう少し検討をし直す必要があると私は思うのです。長官のお考えはどうですか。
○菅野政府委員 先ほど御説明いたしましたように、ごく軽易な仕事をやるということが一点でございます。もう一つは、一年じゅうある仕事ではございませんで、ある期間だけ集中的にある仕事でございますので、それを全部定員でやるということは、それだけ定員をふやして、あるいは後人員を整理しなければならぬというふうな問題に逆に移ってしまうわけでございますので、やはり仕事の性質あるいは季節的な問題等を含めて非常勤職員でやる方が適当な部分がかなりあるのではないかというふうに思っております。 ただそういう場合にも、先生が御指摘のように国家公務員法等にのっとるようなことはもちろんでございますし、また実際の定員職員が過重労働にならないように、そういう点につきましては、私たちとしても、定員の要求等で必要なものは今後もやっていきたいと思いますので、そういう点を十分配慮しながらいまのような作業を進めていきたいと思います。
○中路委員 証書を受給者に早く渡したい、これは当然のことですし、わかるのですが、そのためにいまお話しいたしましたように、職安からパートということになれば、全く資格は問わないということに事実上なるわけですね。そういう点で、やはり非常勤職員ということで国公法の適用を受けるわけですから、この点も余り安易な方法で進められると問題もありますし、やはりその時期だけじゃなしに全体として、この仕事は年間を通じていろいろの仕事があるわけですから、アルバイトやパートを採用するという中でさらに正規の職員を減らしていくということについては、十分検討する必要があるのじゃないかという意見なんです。 それでこの点は、やはり特にパートの採用でだんだんそういう形での、今度が初めてだそうですが、いままでのアルバイトが今度はパートにまで広がっていく、こういう点での解決の方法というのは、私はもう一度検討をしていただく必要があるという意見なんですが、ひとつこの点を強く要請しておきます。長官の方でも、皆さんの方でも、非常勤職員の範囲だから国公法の適用を受けるということは言っておられるわけですが、たとえば字のテスト、そういうテスト的なことは何もしていないわけでしょう。なくて採用されるわけでしょう。資格については問わないわけですね。その点、私は問題があるのじゃないかということを言っているわけです。
○菅野政府委員 いまの点は、職安から紹介を受けたから全部の人を採用するというつもりはございません。国家公務員法にのっとって当方で面接をし、調査をいたしましてやりますし、あるいは字のきれい、汚い、私たちが使いますのに、仕事をやっていただきますのにたえないような汚い字の方を、私たちの仕事の性質上、非常勤職員といえども採用するわけにはまいりませんので、そういう点は十分注意をして採用するつもりでございます。
○中路委員 時間なので終わりますが、恩給について、特に旧軍人の場合、階級をもとにして支給されていますから、非常に格差も大きいというような点で私たちはいままで批判的な見解を、採決においては棄権という立場でとってきましたけれども、恩給そのものがやはり皆さんの切実な増額要求でありますし、いま大佐クラスでも実際の老後の生活は相当困難な状態にあるわけで、不十分でも兵だとかそういうところにずっと拡大されていますから、この点については、もっと積極的な立場でこの法案について対応していきたいと思っているのですけれども、それだけに、一番最初御質問しましたけれども、附帯決議に盛られている国会の意思ですね、特に上厚下薄を改善していく、こういう問題については、ぜひともこの恩給法の検討の中で、皆さんもそういう点では強い指摘もありますから、私は、こういった問題の改善を強く要望して質問を終わりたいと思います。
○藤尾委員長 受田新吉君。
○受田委員 この法案の審査に当たりまして基本的な問題点として、特に恩給制度を行政運営しておられる恩給局のあり方をお尋ねしてみたいと思うのです。 海軍退隠令がスタートして以来百年、恩給法が本格的にスタートして五十年という歴史を持っているそのお役所が、恩給局として長期にわたって退職公務員の処遇に貢献された歴史は、まことにとうといものがあると思います。しかるところ、共済年金制度が発足をしました昭和三十四、五、六年辺から、いわゆる恩給受給者が共済年金受給者に転移した時点で、恩給法の適用を受ける人は過去の人になってきておるわけです。将来の退職公務員は国家公務員の共済組合制度の方へ吸収をされまして、恩給法の対象になっている人は新しい後継者がいない、過去の人に限定されてきたわけです。そうしますと、この恩給局のお仕事も、せっかく長い間日本の恩給制度に対して貢献をされ続けてきながら、一定の時期には恩給法の対象になる人がなくなる時期がある。一番ビリでなくなる年が、人間百歳をはるかに超えれば例外でありますが、大まかに言って今後四、五十年にしてこの制度の恩恵に浴する人はなくなる。そうしますと、将来、だんだんと受給対象者が減ってくる。現在文官、軍人、その遺族等におきまして二百五、六十万の対象者がだんだんと減ってくる。新しくこれに追加される者は、もう手続上の問題で未処理の者が裁定されて加わるという程度にしかすぎないわけです。 いかがでしょう、恩給局というこの歴史と伝統を持ち、退職公務員の長期にわたって退職後の処遇に貢献をしてきたお役所を、今後どういうふうにしていったらいいか。扱う件数がだんだん減ってくる、そうすると、職員もだんだん減らしていく、こういうふうな計画、年次的に恩給局を廃止の方向へ進めていかなければならないという形のものかどうか、長官、御答弁をいただきます。
○植木国務大臣 ただいま受田委員から御指摘のとおり、制度の改正がない限り恩給受給者が新しく発生することはございません。したがいまして、恩給受給者は漸減をしてまいるわけでございます。最近三年間では、毎年三万人程度の減少となっております。旧軍人、文官等の恩給の裁定、増額改定、裁定に関する不服申し立て等をその仕事の主なものといたしておりますが、これらの業務が将来どのように推移するかは、法律改定の頻度でありますとか、あるいはその内容、業務のやり方等によって変わってまいりますので、予測は困難でございますけれども、恩給業務の対象者数のみについて申しますならば、現在二百六十七、八万でございます。十年後には二百十七万、二十年後には約百四十万程度に減少するということが見込まれているのでございます。したがいまして、恩給局のあり方につきましては、行政管理庁等と十分に相談をいたす必要があるというふうに考えております。
○受田委員 行政機構上の問題として恩給局のお仕事が漸減する、こういう段階で、将来の展望に立って機構問題を検討しておかなければならないと思うのです。 私は、この共済組合制度がスタートした時点において、当時の今松総務長官に対して一つの提案をいたしました。それは現役の公務員の給与、人事、これは総理府が担当しておる。もちろん各省の独立の人事行政は別にしまして、調整的な役割りを持つ人事権を総理府が握っておる。人事院が勧告した事項の処理は総理府総務長官の御所管に属しておる。退職者の給与ということも現役の給与とこれは一貫したものであって、退職者が現役時代に受けたその給与を、退職時点においてそれを基礎にしてその後における社会生活の情勢等も照らし合わせながら、生涯を公務に従事した人にその生活の保障的な制度として恩給、年金がある、こういうことから言うならば、現役とそして退職者とは一貫した処遇を与えて、そのとうとい生涯を終わっていただくという基本的な考えが必要である。そうすれば、現役の給与、人事を担当し、現にその後において総理府総務長官のもとに人事局までできた、こういう段階になってきている以上は、人事を扱う総理府が当然退職者の給与もこれを扱うべきであって、たとえ共済組合制度というものが大蔵省の所管になって長所があるといいましても、それは退職者の年金を現職者と常ににらみ合わせながらいくという意味から言うならば、ウエートは総理府にかけられるべきものであり、現役の公務員に対する人事局があり、そうして給与法の改正を総理府が担当しておる、そうなれば退職者の年金も一括して、恩給法の適用を受ける者も共済組合法による年金の適用を受ける者も、恩給法、共済組合法それぞれ一貫して総理府に置き、そして恩給局が同時に退職者の年金も所管して、いま大蔵省主計局の共済課が担当しておるお仕事も、その共済組合に関する事項だけは総理府へ持ってきて、恩給局と一緒にして、仮称公務員年金局というものにして一括処理すべきじゃないかという提案をいたしました。 自来私は、何回かこの問題を歴代の総務長官に、ひっかけひっかけ、質問を繰り返してきておるのでございますが、検討に値する御提案であるという御答弁が繰り返されておりますけれども、その値する答えが明確に出ておりません。国家行政組織上の問題として、いろいろと各省間の所管問題等もあることと思いますが、たとえ共済組合関係の退職年金が厳正な保険数理に基づくものといえども、退職者の過去の恩給局所管のものと行政上一括して扱って差し支えないものと私は考えるのです。この問題については、行政管理庁の御所管にも関する問題でありますので、行政管理庁の御答弁をちょっとお願いしたい。
○阿部政府委員 まことに傾聴すべき御意見だとは思いますが、先生も御存じのように、恩給というのは国の一方的な給付であるのに対しまして、共済制度というのは相互扶助、社会保障の一環として、多少仕組みが異なっておる点もあるのじゃなかろうか、こういうような気もいたします。そういう点で当庁としましては、機構改革においては事務の合理化、機構の簡素化という立場で考えておるわけでございますが、それに役立つかどうかという点において、具体的に、要求がありましたら総理府とひとつよく検討をいたしたい、こういうふうに考えております。
○受田委員 阿部政務次官、非常に適切な御意見です。それの要望があったならば検討したい、歴代の総務長官は行管に要望していなかったのでしょうかね。いささか首をひねらざるを得ない現状を、私、阿部政務次官から伺いましたが……。
○植木国務大臣 恩給と共済とが沿革あるいは仕組みについて異なっておりますことは、御承知のとおりでございます。私の存じております限りでは、総理府ではこの点についての検討なり、あるいは行管との協議はいたしていなかった模様でございます。この公務員年金局構想につきましては、受田委員がかねてから御主張になっていることを私も承知いたしております。ひとつ総理府内におきまして、この点につきまして検討させていただきまして、そして先ほど申し上げましたように、行政管理庁と協議をしてまいるというための努力をしてまいりたいと存じます。
○受田委員 人事院は、国家公務員法に規定されるとおり、公務員の身分、給与等を担当し、勧告権を行使するお役所です。その国家公務員法に、昭和三十四年の改正時点まで第八節に「退職者に対する恩給」という規定がありまして、百七条以下百八条までに相当な規定が列記されてありました。それが今度、国家公務員の退職年金関係の規定として三十四年に全面改正がされたわけです。その全面改正された時点においてなお勧告、意見の開陳権限が付与されて、公務員の実態調査をした結果を、国会及び内閣に報告する権限が与えられておるわけであります。その三十四年の全面改正以前と以後と情勢は変ってきたわけです。それは共済組合制度の仕組みに対する認識を前提にした規定にしなければならぬというので現行制度に変わってきたわけです。この大きな変化、全面改正をした時点で私、申し上げたことがあるんですが、退職者の恩給に対する勧告というものを、人事院としてはいままでなぜお出しにならないか。一度ほどちょっとした試案を用意されたようでございまするが、しかし現実に退職公務員で恩給対象者、共済年金対象者、いずれに対しても基本的な勧告というものは拝見していないし、また意見の開陳もない。せっかく三十四年を契機として全面改正で新しい規定もあり、また以前には「退職者に対する恩給」として規定があるにかかわらず、退職公務員に対しては、どうして人事院は目をつむっておったのかということでございます。 ただ、数日前に初めて「退職公務員等生活状況調査について」という、これは内閣及び国会に対する報告でもない、どこへ出されて、何を目的に出されたのかわからない発表がされておる。退職者が生活が非常にむずかしい、病気になったり再就職がむずかしいといった実情を掲げたこれを五月一日に拝見したのです。五十年五月一日になってやっと退職者に対する人事院の調査結果が出ておる。初めてこれを拝見したわけです。かって一度ほど人事院の試案を拝見したことがあるし、同時に、いま四十八年からの調査としてこういうものを拝見した。人事院としては、国家公務員法の確たる規定、一章まで設けてある退職者に対する年金制度、処遇というものを、なぜかくも冷淡に今日まで来ておるのか、私、理解に苦しむのでございます。御答弁を願いたいのです。
○茨木政府委員 百八条の勧告の問題でございますが、この点は御案内のように、共済組合法を中心にして考えていくような趣旨に改正されておることは御意見のとおりでございます。そこで、これは御案内のように、それぞれ各種年金との関係もございますし、それから同じ共済の中でも負担問題、いわゆる財源問題等のこともございますし、そういうようなこともあって、慎重に研究をしなければいけないというような性格のものであろうというふうに考えておるわけでございます。そこで現在も四十八年度から五カ年計画で退職者の状況調査をやっておるわけでございます。ことしがちょうど二年目に当たりまして、その調査票をいま集め、また検討しておるところでございます。そういうような結果を踏まえた上でないと、現行の共済年金制度についてどうこうということを勧告の形で出しますことは、やはり人事院勧告の権威の問題もございますし、慎重にしていかなければならぬというふうに考えております。 ただ昨年度、例の年金の原資問題を検討する、まあ五カ年ごとに検討をされておるわけでございますが、そういうような年にも当たりまして、それぞれ関係の連絡会議でいろいろ検討をされておりました関係もございまして、その空気も踏まえながら人事院としての考え方を、一つ下がった段階の、一応局長段階のところで担当の大蔵省の方にその当時何項目かの意見を申し入れた経緯がございます。それは先般の改正等の内容に逐次織り込まれたものもございますし、今後検討されていくものもございます。そういうような経緯でございます。 先般、新聞に出ましたのは、たまたまどのようなものをそれぞれ人事院で検討しておるかというような問いがございまして、その五カ年計画でやっております内容の一部を、お手元にお上げしてありますような形でもって口頭で説明をしたというような経緯のものが新聞に書かれたわけでございます。一年目の結果によりまして二年目は調査のやり方等も変えたりいたしておりますので、そういう研究過程中のものでございまして、まだまとまったものとして御報告申し上げるようなものには至っていないということでございますので、御了承願いたいと思います。
○受田委員 人事院の現役の公務員に対する熱烈な熱意はよく理解できます。これは公務員にかわって、スト権、団体交渉権にかわる力を持つための熱意を私はよく知っておるのですが、退職者に対しては一向に熱意がない。いまお話を承ると、これはどこへどうされたものですか。いまの意見の開陳というのは、国民に対しての意見の開陳ですか、内閣、国会に対しての意見の開陳ですか。準備が十分できないからという実に場当たり的な冷淡な態度で、せっかく「退職年金制度」という第八節に掲げてある、第百七条と第百八条にこれだけ列記してある任務を一向に行っておらないのはどうしてなのか。どうもいまの御説明では私、理解に苦しむのです。これは一体どこ向けでございますか。
○茨木政府委員 これは一日に記者団の方から、現在、各局で研究をやっておるものについて、変わったものがあれば主なものを紹介していただきたいという申し入れがございまして、その際、五カ年計画でやっておりますその調査の内容の第一年度目の中間的なものをお話し申し上げたという経緯のものでございます。そういうことでございまして、国会に御報告申し上げるというようなふうにまだ固まった段階のものでない、そういう段階のものを御質問に応じましてお答え申し上げた、こういうことでございます。
○受田委員 非常に場当たり的な記者団に対する見解の表明ですね。国家公務員法にこれだけ明記してある規定、現在の恩給制度に対する目的も旧法にはこう書いてある。第百八条「前条の恩給制度は、本人及び本人がその退職又は死亡の当時直接扶養する者をして、退職又は死亡の時の条件に応じて、その後において適当な生活を維持するに必要な所得を与えることを目的とするものでなければならない。」と明記してある。いいですか。「その後において適当な生活を維持するに必要な所得を与える」退職後において生活に必要な所得を与えるのだ、これは生きておるわけです。恩給制度の目的はちゃんとここに明記してある。明記してあるにかかわらず、やめた時点の早い人とやめた時点の新しい人では格差が大きく広がっているということなどは、もう恩給制度に対する非常な問題があるわけなんです。それに対してぴしぴしと勧告をして、格差是正の問題についてもどしどしと人事院が提案をしなければならぬですよ。その方を一つもやらぬでおいて、そしていまごろになって、新聞記者に対する会見の種に、本人が場当たり的なこういうものをされるというのは、これはちょっとおかしい。人事院の責任は回避されておる。退職者に対する処遇については、せっかくこの明記した旧法・新法ともに冷酷である。そこで、その冷酷な問題を補うために国会で附帯決議をつけたり、いろいろ手だてをして、人事院にかわる仕事を国会の方でこれがいいとかあれがいいとかやっておるのです。これは本末転倒もはなはだしいのであって、人事院本来の任務を果たしていないために、国会がこの補完作業をやっておるようなものです。こういうところで人事院に関する一つの使命遂行上の責任を感じてもらいたい。 それが、やっとこさでこのぐらいのものを出される。現に恩給制度の恩恵に浴する人々に非常に大きな問題がある。恩給審議会をつくるとかいうような問題は、これは人事院がびしびしとやっておけば、もうそれはなくて済むのです。七百有余名の人材を擁しておられる、もし足らなければ、こういう問題を進めるために必要な人員をふやしてもいいですよ。行管の承認を——阿部さんだいじょうぶだね。そういうことですから、人事院はひとつせっかくの本来の任務に当たってもらいたい。これは総裁、御就任間がないことでございますが、退職者の退職年金制度に関しては、人事院は何かタブー視されたような印象を与えていると思いますが、新総裁の御所見を承りたい。
○藤井(貞)政府委員 退職公務員の処遇につきまして、非常に御理解のある態度で人事院を御鞭撻いただきまして感謝をいたしておる次第でございます。 受田委員、大変お詳しいように、現在の国家公務員法の百八条というのは、これは三十四年に改正をされたわけでございます。これは基本的には、恩給制度というのが保険数理に基づく年金制度というものに衣がえをいたしました結果行われたものでございますけれども、しかしこの趣旨というものは、基本的には別に変わっておるものではございません。そういうことで、人事院といたしましても、本問題については、常日ごろ大変な関心を持って慎重に取り組んでおるところでございますが、全面改正が行われたということもございますし、そのほか、要するに他の社会保障制度との関連、均衡というような点も大変重要な問題でございますので、それらの点も総合的に勘案をしながら研究を続けてまいらなければならないという問題がございます。 しかしわれわれといたしましても、退職公務員の生活というものについては重大な関心がございますので、いまお話が出ております、四十八年から退職公務員の実態調査を五年間にわたってひとつ詳細にやろうではないかということで取り組んでおるような次第でございます。これを踏まえまして、慎重に検討を加えました結果、結論を得る段階に至りますれば、われわれといたしましては、使命にかんがみて何らかの措置を講じなければならないというふうに考えておるわけでございまして、お説のとおり退職公務員の処遇につきましては、熱意を持ってひとつ今後取り組んでまいりたいと思います。
○受田委員 私、国家公務員法制定以来ずっとこうした問題にタッチしておりまして、二十八年の歴史を持っておりますだけに、この問題に対する熱意は大変大きいものがあるわけです。つまり、現役と退職者と双方を一貫して、私企業等にも関与できない立場で公務に従った皆さんに、現役時代からさらに退職後もそのとうとい生涯に対して国家が適切な生活ができるような保障をしてあげるというところに恩給法、共済組合法のそれぞれの性格があるわけでございますから、いまのような現役だけを大事にして、退職者の方については、せっかくこの一節が設けてあるにかかわらず、これをほとんど無視されるに近いやり方をしておられる人事院に警告を発しておくわけです。いま総裁は、熱意を持ってこの問題と今後取っ組みたいということでございますから、この問題はこれでおきます。 そこで、国家公務員法では現職者と退職者の年金を含めてまで人事院が担当している。それを受けるのが今度は総理府になる。そうなると、現役と退職者の年金問題を含めた給与一貫の作業というものは、私は当然総理府がやっていい性質のものだと思う。大蔵省の主計局にある共済課をこっちへ持ってきたって一向差し支えないのです。そういう時点にきておるのです。 阿部政務次官、この重大な課題を私がいま提案をしておるわけです。総理府はいままで御相談されないのがおかしい。毎年と言っては何ですが、私は、これを昭和三十四年以来適当に間を置いては要求してきておる。幸い植木長官のような若くて名長官を迎えた機会に、この問題を、いま阿部次官も来られたのですから、松澤行管長官も長い親友でございますので、ひとつ大臣同士で話をつけていただいて、政務次官がきわめて適切な補佐の任を果たしてもらって、いまあなたは御相談あればすぐやろうということですから、やってもらいたいのですが、長官、よろしゅうございますか。
○植木国務大臣 共済関係は大蔵省所管でございますので、まず大蔵省と協議をすることが必要であろうと思います。その協議に基づきまして、総理府といたしましての案ができ上がりましたならば、行管と十分に協議をいたしてまいりたいと存じます。
○受田委員 これは総理府が人事を握っているというなら、退職者の人事も給与も一貫作業としてやるのが適切ですよ。いまはちょっと変ですよ。大蔵省の一角にちょこっと共済課があって、そして共済の退職年金をそこで扱っておるわけなんです。これをこちらへ持ってきたって一向差し支えないわけです。この共済組合制度を向こうが握っておるということであれば、その分をこっちへ持ってきてもいいわけだし、共済課の仕事だけを持ってきてもいいし、それはいろいろやり方があると思う。行管もそれについては適切な協力をしようという御見解のようでございまするので、そうすると、恩給局というものは公務員年金局にして、恩給担当と共済担当と別々にやって、恩給がだんだん細って、四十年、五十年たって仕事がなくなった時点では、今度は共済組合の方の年金中心の課にそれが変わっていけばいい。年金局が厚生省にあるのだから、公務員の場合は公務員年金局というものでいく、この私の提案は久しい。公務員年金局にしておけばその問題の解決が図られる。そうして人事院が退職者のことも一緒に考えて勧告もどんどんやる。それを引き受けた総理府が、その退職者の年金も含めて、人事局がちゃんとあり、秋富さんという名局長がここにおられるのだから、そういうところでびしっとやられれば、公務員年金局、人事局、びしっと総務長官のもとで一括して国家の人事関係の大要がなし遂げられるじゃないですか。これはだれが見ても、ちょっと常識的に考えても、筋の通った最も適切な制度であると思うのです。 これは恩給局長には御答弁いただきません。この問題は、そうした国家行政組織上の基本問題でありますので、局長さんは御心配をされなくても結構でございます。総務長官、これはこそくな手段でなく積極的にやってくださいよ。私の提案がおかしい提案なら捨ててもらってもいいけれども、私の提案が筋として大体通るといま阿部政務次官は言われるし、それから退職者のことも人事院がやろうとおっしゃっておる。そうであれば現職、退職の一貫した仕事を総理府が握られるのが適切ですよ。
○植木国務大臣 ただいまの公務員年金局構想というのは、きわめて貴重な御意見でございます。現在までまだ大蔵省との協議等も行っていないようでございますから、早速大蔵省とも相談をいたしまして、総理府としての態度を検討させていただきたいと思います。
○受田委員 では今度は、法律案に直結する質問をさせていただきます。阿部先生、どうぞ御退場を願って結構です。 恩給法の審査に当たっては、常に附帯決議が問題にされてきたわけですが、私、これまで何回か提案しているスライド制の問題、これをここであえて重ねて提案させていただきます。 このスライド制という問題、特に附帯決議の問題について、政府はどのような認識を持っておられるのか。去年もこの附帯決議を朗読してもらったのですが、私は、やはり政府に認識をしていただくために、昨年の附帯決議をもう一度ここで朗読していただきたい。なぜ私がそう言うかというと、政府御自身に附帯決議をこの委員会で朗読していただくことが、この意義の大切さを認識していただくのに大変大事であると思いますので、あえて御朗読をお願いしたいのです。
○菅野政府委員 衆議院内閣委員会の附帯決議を読み上げたいと思います。 政府は、次の事項について速やかに善処するよ う要望する。 一、恩給法第二条ノ二について、その制定の趣旨にかんがみ、国家公務員の給与にスライドするようその制度化を図るとともに、一律アップ方式について、最近における現職公務員の給与改善の傾向を考慮して再検討を加えること。 一、恩給の改定時期の繰上げについては、年度当初からの実施を目途として検討すること。 一、恩給の最低保障額については、最近の社会経済事情を考慮して、その大幅な引上げを図ること。 一、旧軍人に対する一時恩給に関しては、引き続く実在職年が三年以上七年未満の兵に対しても支給の途を講ずること。右決議する。以上でございます。
○受田委員 いま御朗読いただいた問題の中で、一律アップ論議はこの間からされておりますので、これは私、省略します。 そこで「恩給法第二条ノ二について、その制定の趣旨にかんがみ、国家公務員の給与にスライドするようその制度化を図るとともに、退職年次による恩給格差の是正措置を講ずること。」この問題について、重ねてお尋ねしなければならないのです。 この恩給法第二条ノ二の趣旨にかんがみて、国家公務員の給与にスライドするように退職者の年金を変えろ、これの制度化を図る、この制度化を図るということについて、どうも当局に難航する動きがあるわけです。この制度化というのは何か目につくのでございますか。制度化ということは制度をつくることでございますが、何か非常にむずかしい問題があるのですか。つまり附帯決議の精神、趣旨の採用がむずかしいということがあるなら、ちょっと御答弁を願いたいのです。
○菅野政府委員 制度化の問題でございますが、制度化あるいは法制化というのが、何と申しますか、言葉の意味においてもいろいろな面から問題があろうと思いますが、先ほど御指摘になりました現在の恩給法の第二条ノ二におきましては「国民ノ生活水準、国家公務員ノ給与、物価其ノ他ノ諸事情ニ」ということで具体的な例示がございますので、それらを総合勘案いたしまして、昭和四十八年以来、御案内のように、国家公務員の給与に指標を置きます改善というのがこの際一番適当であろうということで、四十八年、それから四十九年、そして五十年、今年度の法案においても、国家公務員の俸給の上がりを指標とした改正案を御審議願っているわけでございまして、そういう趣旨から申しますと、実際に今度のような場合にも非常に大きな、三割に近い、六・八まで入れますと四割に近い大幅な改善でございますけれども、そういう事情のもとにおいても、公務員給与を指標にしてやったという実績が積み重なっておりますので、これはそれなりにそういう実績を積み重ねたことによって、特別にいますぐ法律化をする、あるいは制度化をするという必要は必ずしもないのではないかというふうに考えるわけでございます。 もちろんその問題以外に、実施時期の問題も制度化の中にはあるいは入っているのではないかと存じますけれども、実施時期の問題につきましては、いますぐ理想とするところまでの繰り上げというのはなかなかむずかしゅうございますが、これも附帯決議の次の項にございますように、年度当初からの実施を目途といたしまして、本年におきましても八月の実施というふうに前進をする形で御提案を申し上げている次第でございますので、そういう意味におきまして、いますぐ制度化をするというのは、どうしてもしなければならないというふうには実は必ずしも考えておりません。 以上でございます。
○受田委員 制度化は必要であるとお思いになるのですかどうですか。いますぐは考えぬが、制度化は当然やるべきであるとお考えなんですか。
○菅野政府委員 その制度化でございますけれども、「国家公務員の給与にスライドするよう」という国家公務員の給与というのが、先ほど来上薄下厚の問題その他でいろいろございますが、その国家公務員の給与のいままでのようなやり方なのか、あるいは上薄下厚をもっと入れたやり方なのか、それはどういう形のものなのか、そういう技術的な点もございまして、いま、このまま「国家公務員の給与にスライドする」といいましても、実際に何を目標とするのか問題点もございますし。先ほど申しましたように、実際に国家公務員給与を指標とするという点については、この両三年来その実績が重ねられておるわけでございます。そういうような観点から、いまのようなお答えになったわけでございます。
○受田委員 いま、まだ制度化する前に整理しておかなければならない諸問題がある。つまり、いまの一律アップかどうかという問題などを含めた未処理の問題等もあるので、スライドするとすれば、そのまま現役の公務員の給与に退職者が適用されるという規定になるので、そういうものの整理等をして、しかる後に制度化を図るのが適切だとお考えですか。
○菅野政府委員 そういうふうな点も踏まえまして、制度化の適否というものを十分慎重に検討したいというふうに思っております。
○受田委員 制度化の適否、制度化そのものが適当か適当でないかを検討する。そうすると国会の、この制度化を図るという附帯決議はけしからぬ附帯決議であったということになるのかどうかです。
○菅野政府委員 私たちも、恩給受給者の処遇の改善がよりよくなされるということが本来の気持ちでございます。そういう意味におきまして、この制度化を図っていくということは、これはそういう方向が非常にはっきりいたしますれば、国会の附帯決議でございますし、国会の附帯決議が不適当であるなどということは、とてもそういうことではございませんけれども、先ほど申しましたように、現在の状態においては、いろいろな問題点が、その制度化そのものというよりは、あるいは制度化の周辺と申した方がよいかもしれませんけれども、そういう周辺にいろいろな問題がございますし、恩給法二条ノ二の精神というのは、現在のやり方の中にも十分生きているのではないか。 これは、ちょっと口が滑るかもしれませんけれども、たとえば、これはちょっと私が例として申し上げるのが適当かどうかわかりませんけれども、物価などの問題と公務員給与の問題等々がいろいろ出てまいりますときに、その物価というのは、一応公務員給与の中に反映をしておると思いますけれども、そこいら辺がどういう数字になって出てくるかという問題は、長い間にはいろいろなケースがあると思います。そういう点で、現在のような様式で、かつそのときどきにおける最善の改善をしていくのが一番適当なのではないだろうか。制度化というものが、周辺の問題をいろいろ整理した上で、できますれば、これはそういう方向にもちろん進むべきだというふうに思っております。
○受田委員 諸問題の整理ができて、それが済めばもちろん適当であると思うということに理解をさせてもらいましょう。 ただ、恩給法の第二条ノ二というところには、幾つかの条件が並べてあるわけなんですが、「著シキ変動ガ生ジタ」というような文句がここに出ておることにちょっと問題があるわけなんです。そういうときにはやるのだというような規定に考えられるわけでございますから、いま明確に退職者を現職者にスライドさせるようにしていくという、その言葉はどういう言葉にせよ、一歩前進した言葉がここへ掲げられてしかるべきではないか。一歩前進しないと、「著シキ変動」とかいうような言葉が生きておるということは、これは非常に退職者に不安を与えるわけです。著しくなければ措置ができないということになるわけでございますから、恩給法の二条ノ二というものに対する一歩前進した改正、それは直ちに現役即応という、そのままいくという一歩前に、まだもっと緩和された規定ができぬことはないわけですね。どうでしょう、恩給局長さん。
○菅野政府委員 なかなかむずかしい御質問でございますけれども、「著シキ変動」という言葉と、そういう場合に「国家公務員の給与にスライド」と書きますことの適否といいますか、そういう問題を、先ほど申しましたようないろいろな問題を考えながら、さらに検討させていただきたいというふうに思います。
○受田委員 国家公務員法の第八節の恩給制度の目的のところにも、いま私が朗読しましたように、退職後の生活保障を明記してあるわけです。ところが、現役を退いて後にどんどんこの処遇が陥没していくというようなことは、この恩給制度の目的に反する、国家公務員法の規定にも反するわけでございますから、ここにあるこの規定を、われわれが附帯決議にした線に沿うて恩給法の第二条ノ二を、「国家公務員の給与を基準にして」と、こういうふうに改めていくとか、こういうことにすれば一歩前進じゃないですか。制度化の一歩前進ですよ。つまり、ここに並べてある「年金タル恩給ノ額ニ付テハ国民ノ生活水準、」これが一番先に書いてある。それから「国家公務員ノ給与、物価其ノ他ノ諸事情ニ著シキ変動ガ生ジタル場合」これは、これをつくった当時と事情がぐうっと変わってきたのです。事実問題として、もうこの数年間は、特に四十八年から後は、公務員の給与に事実上スライドしておる、そういう措置をとっておる。そこまで前進した以上は、この古い規定を、幾つか並べた中で「諸事情ニ著シキ変動ガ生ジタル場合」例の恩給審議会の答申の当時と同じような形のものがここへ出ておるのでございますから、「国家公務員の給与を基準として」と、こういうことでこの法の改正をなさっていい時期が来たんですよ。この恩給法の二条ノ二を加えたときとは事情が非常に進歩しておるのです。進歩している以上は、進歩したのに従った制度化を図ればいいわけで、もう現役即応、即時自動的にいくという一歩前の改正があるわけですね。一歩前の改正がありますよ。 これは人事院も、国家公務員法の規定に沿うた忠実な勧告をすれば、こういう問題がもっと早く解決したはずです。公務員の現職の給与を基準にして退職後の生活を保障するという精神でいくならば、国民の生活水準とか物価その他の諸事情を勘案して著しい変動があったなんという、人事院が勧告するときの、あの公務員の給与の古いタイプでなくて、もう公務員給与がこう変われば、それを基準にして退職者の年金も変わる、こういうふうに、基準という言葉を使ってもいいですよ、そういう形にして、この恩給法の二条ノ二を一応改正するのに、即時スライドの一歩前に、それに近い制度がここでできるじゃないですか。それはどうでしょうか、御納得いただけませんかね。
○菅野政府委員 大変貴重な御意見として十分理解できます。
○受田委員 総務長官。
○植木国務大臣 お説のとおり、審議会方式をとらないで、最近では、国会の附帯決議の次第もありまして、現在のような改定方式をとっているわけでございます。したがいまして、この問題の制度化につきましては、いろいろ問題もあるようでございますけれども、ひとつ検討さしていただきたいと思います。
○受田委員 恩給局長のような形で検討するのですか。いま恩給局長から非常に前進した御答弁があったんですよ。お聞き取りのとおりです。私は、いまの局長の御答弁は非常にいい、だから検討という言葉に前置詞がもっと明確にほしいと思う。もう一度……。
○植木国務大臣 恩給局長は理解いたしますと申しました。私は、理解だけではございませんで、理解し検討をするものでございます。
○受田委員 私の趣旨を理解し検討する。そうすると、この附帯決議に「制度化を図る」ことというのが一応書いてあるのですが、この「制度化を図る」ということがどうもあいまいであれば、この附帯決議からことしも外すわけにはいかないのです。そういう理解し検討する程度で附帯決議のこの「制度化を図る」、せっかくいままで続けてきたのを、一歩前進した時点で、制度化が図られる時点で附帯決議の「制度化」は引っ込めてもいい段階が来るわけですが、制度化は完全なスライドの一歩前の制度化があるわけです。 だから、私が要求していることは、完全スライドはいろいろな、いまのような一律アップがどうかという議論もあるから、その前提として公務員の給与を基準にする改定ということでいくということであれば非常に前進するんですね。結構それでいま政府はやっておるじゃないですか。政府はいままでやっている、おととしあたりからやっておるのは、もう完全にスライドですよ。前の格差是正の方はまだお預けでありまするが、最近の扱いは、二三・四、三八・一%のこういう扱いというのは、もう現役即応をやっておるですよ。そうしたらそこを、これはさっとやっていい時期ですよ。積極的にこれと取っ組むという発言をいただけば、検討大臣でなくて積極大臣になるわけです。植木先生いいでしょう、実際やっていることを、一歩前進してこれを改正すればいいのですから。
○植木国務大臣 附帯決議の尊重につきましては、私は、特に重要な課題としているものでございます。したがいまして、昨年のこの附帯決議につきましても、一律アップ方式につきましては実現ができませんでした、また制度化についてもできませんでしたが、しかしスライドするという点につきましては、お説のとおりの取り組みをしてまいったわけでございます。制度化につきましては、この附帯決議の御趣旨を尊重し、かつ本日の御発言を理解し、そして検討をしていくわけでございます。
○受田委員 理解する、そして検討する、あいまいだな。これはひとつ保留しておきましょう。 そこで、一応スライド問題は、事実問題としてこれからスライドしていくということでしょう。事実問題としては、これから公務員の給与の改善に伴ってスライドしていく、事実的なスライド制度をとるのだ、こういうことですね。私の質問と同じですね。
○植木国務大臣 そのとおりでございます。
○受田委員 そうしますと、これからはもう現役が上がれば退職者が上がるということと、もう一つ、実施時期が事実問題としておくれておるのがこの四月へさかのぼっていく、これもよろしゅうございますね。それを目標にする……。
○植木国務大臣 実施時期の繰り上げにつきましては、実は大臣折衝におきましても、大変苦労をした課題の一つでございまして、一カ月でございましたが、他の年金等に先駆けまして八月実施という線を出したのでございまして、今後もこのためには努力をしてまいりたいと思います。
○受田委員 公務員が四月実施になっておれば、それにスライドする意味から言っても、実施時期は四月ということを基点にされるべきですね。これはそう理解しの方に入りますか。
○植木国務大臣 その目標に向かって……
○受田委員 理解しということですか。
○植木国務大臣 さようでございます。
○受田委員 もう一つ。それでもなおかつ公務員より一年おくれるわけですね。その一年のおくれを、四月にさかのぼって実施してもまだ一年おくれるというその問題の処理を、現役即応ということになれば、将来どういうかっこうで解決する道がありましょうかね。その解決策で名案があれば教えていただきたいのです。
○植木国務大臣 ただいま御審議いただいておりますのは、八月実施でございまして、これを四月実施というところまで持ってまいりますように努力をし、そしてただいまもお話のございました一年おくれの問題は、四月実施ができました時点でどうすべきかということに取り組ませていただきたいと存じます。
○受田委員 一歩ずつ前進するという意味で、一応一年のおくれの方もやがては取り返す方向に進んでいきたいという御趣旨でまず四月からと、こういう御趣旨に理解をいたします。 御答弁がはっきりすれば、質問はぽんぽんテンポが早まっていきますから、いまからそのようにお願いしたいと思うのです。 格差是正の問題が一つあるのです。格差是正、附帯決議にも書いてある。事実問題として古い退職者は非常に低いのです。一例を私、ここでひとつ例示しましょう。これは私の郷里で長く昔の中等学校、現在の高等学校長を三十二年勤務した有力な先生の場合を調べてみたのです。山口県で高等学校、旧制中等学校長中の校長として著名な先生、いま九十三歳というお年になっておる人の場合を例示します。 昭和十六年に退職して、現在、改正された年金額で八十四万七千九百七十七円という金額であります。これは恩給局で発行された記号番号、きいL第六九一四号、昭和四十九年九月一日の日付で出ているのです。これを私、拝見しまして、これまた大変なことだ、一カ月にすると七万円程度しかない。最近、高等学校長をやめた同じ年数くらいの勤務者の恩給年額ということになると、もうこれの約六割から七割高い額をもらっておられるわけですが、いわば現役の人の六〇%程度の金額しかもらっていない。五〇%から六〇%。そうなると、せっかく八七%まで是正できた、残りの一三%の是正措置が完了したとおっしゃる恩給局としては、この格差はどこから出たかということをさらに検討しなければならないと思う。一般論とそれからこういう特別の論とが起こってくるわけですが、一般論としては八七%プラス一三%の是正措置で一応格差是正ですね、局長さん。ところが現実にこういう問題が出てきているのは、古い退職者の退職当時の基礎、仮定俸給表の作成に何か問題があるんじゃないか。 そこで私、去年局長さんになってからでしたが、一号俸ずつ、年齢構成によって、年齢が高まるに従って改正する御質問をしたと思うのです。だから五十五歳を超えて一号、六十歳で二号、六十五歳で三号、七十歳で四号、七十五歳で五号、八十歳で六号、八十五歳で七号、こういうふうな是正措置をやる。いま七十歳以上の者に四号改善措置をとられておるわけですが、そういうようなものを補ってもなお陥没している人に対して、年齢的に、年齢が高まるに従ってその補いをつけてあげるというこの著しい格差の現状を救う措置としての提案もしましたが、現実に、たとえばちょうどいまの時点でやめる高等学校長と、そして二十年、三十年前にやめた高等学校長と比べると、六〇%から七〇%の大きな差があるというこの長い間蓄積した不均衡を是正しないと、老後の生活保障の糧にしようと考えられた人には大変申しわけない答えが出てくるのです。 特に戦前は、恩給法の適用を受ける人は、退職金もない、超過勤務もなければ、管理職手当もなく冷遇されていた。しかも公務に必死に勤務した人々が、いまやめる人と比べると著しくまだ不均衡がある、格差がある。恩給局長さん、この格差をお認めになりますね。いま例示した一例でもおわかりのとおり、いまの時点の高等学校長あるいは小学校長に比べた場合に、三十年以上前にやめた人が実際にもらう額は、いまもらう人よりも著しく低いところにある、これをお認めになりますね。
○菅野政府委員 現実にそういう差があることは当然認めなければなりませんけれども、いろいろ問題があると思います、その原因が。その一番大きなのは、やはり現在おやめになる方は、恩給でおやめになるのではなくて、共済年金でおやめになりますから、恩給が三分の一あるいは共済年金が四割というところからスタートするという、これは掛金にも関係がありますけれども、そういう制度上の基本的な違いが一番大きいと思います。 ただもう一つ、先生御指摘のように、非常に古い方については、いま言いましたようなことがございまして、これはその当時の給与、仮定俸給と申されましたけれども、給与そのものの問題点もあるわけでございます。そういう点で一四・七%の一般的な恩給審議会方式と公務員給与スライドとの格差是正というのは、去年、今年とやらしていただくわけでございますが、そのほかに七十歳以上の四号俸アップ、それから昨年は七十歳以上の長期在職者等については三百分の一の加算、それから本年は、先生もいろいろ年齢別の御指摘がございましたけれども、八十歳以上については——恐らく八十歳などという高齢の年齢が法律に入るのは初めてじゃないかと思いますけれども、そういう意味でまたさらに三百分の一の加算、そういうものをやっておるわけでございまして、御指摘の点につきましては、いろいろな面からさらに努力を重ねたいと思います。
○受田委員 さらに事実問題としてこういう格差が出ておる。一般論としては解決したように見えて、しかし退職年次によって不均衡がずっと続いておる。そこで、いま年齢的に八十歳以上を三百分の一アップされた、しかし、それも三百分の一が三百分の十どまりになるわけですね。これは年齢の高い人に対する処遇案としては、恩給局長さん、大変名案です。敬老の意味から言っても、公務員の高年齢の退職者に対する処遇として非常に前進された。この前の七十歳が今度は八十歳に行く、七十歳の上にまた上積みするんだから、この点は非常に前進をしております。そうなれば、やがて八十五歳という案も出てもいいし、そういう退職者に対しては、もう歴史の中で消えていく人々に対しては特別に処遇をしても結構だ。 植木先生だって、恩師の先生などで古い退職者が非常に低い地位にあるのを御存じだと思うのです。いまやめたならば、この先生は倍くらいもらえるんだがという、そういう人こそ謹厳な社会生活をやられて世人の師表たるような人ですよ。それが、いまやめた人とそんな大きな差があるのを見ると、いま局長さんから何かの形で改善措置をとりたい、こういうお話もございましたが、これはひとつ長官も御考慮いただきたいのです。
○植木国務大臣 御説ごもっともでございまして、私事で恐縮でございますが、私の父親もそれに該当するのでございます。今後、格差の是正につきましては、最善の努力をいたしてまいりたいと思います。よく認識をいたしております。
○受田委員 格差是正に対する御認識がお二人とも濃厚でございますから、私、この問題はこれで質問を終わらしていただきます。 次に、傷痍軍人の方へちょっと触れていきます。傷痍軍人にしても、やはりこれから後へ続く人がいないわけなんです。国家に奉仕し、生命を捧げた方の遺族に対する公務扶助料の増額措置、これも実際は、御主人を失って青春を犠牲にした若い奥さんの公務扶助料の金額は、せめて月五万円ぐらいは欲しいという気持ちがある、これは私よくわかるのですが、それと同時に、この傷痍軍人の皆さんの場合でも、これは国家のためにもう体に大欠陥を来して、特に内部疾患を受けた方々など非常に残酷な余世を送っておられるわけでございますが、この方々に対する処遇として、ちょっと一般身障者の方よりも前進した処遇をしてあげることは、また一般身障者の皆さんも傷痍軍人にならえで処遇の改善の目標ができるわけでございますし、傷痍軍人の方々もやがて何年、何十年か後にはこの世からみな亡くなられるわけなんです。そういう意味から言ったら、傷痍の身となった方々を国家が思い切って優遇してあげる、これはもう当然の責任でありますが、ひとつその中でポイントだけちょっと伺っておきたいのです。 去年も私、質問を申し上げて当局で御理解をいただいて改善措置がされたのは、例の傷病恩給に対する二五%の減額を一五%に引き下げた。それから昭和八年の法改正のとき、あの社会が非常に不景気のときに公務員、官吏の減俸もやった当時の間差措置でございまするが、七項症というものが当時なかった。なかったというので、傷病恩給をもらう人と増加恩給の七項症をもらう人とのバランス問題の基準が一応なかったのですが、その問題の解決が去年できました。昭和十三年の改正のときに七項症が二〇%という間差の数字が出たわけでございますが、それを二%引き上げて二〇%が二二%になったわけでございまして、この二二%になったということは、間差を改正したわけでございまして、これは私、御質問を申し上げて、その七項症の間差を直さなければ片がつかぬじゃないかという提案を受け入れていただいたと思うのでございますが、この二二%という二%上がったそのことは、すでに間差を是正されたわけなんでございます。厳たる事実ができたのでございますが、この間差の扱いについて、このあたりでもう一遍、ひとつ基本的に昭和八年の間差にこれを戻していくという御努力はできませんか。
○菅野政府委員 現在の七項四款の体系ができましたのが昭和十三年でございますので、その十三年のものを基準にして、現在その十三年間差にほとんど近いものができているわけでございます。昭和八年の間差と申しますのは、先生ただいまも御指摘のように、いまのような七項四款の体系ではございませんので、その間差全体を八年にいますぐ戻すというのは、いま言いました体系全体の見直しになりますので、いますぐにはなかなかむずかしいと思います。
○受田委員 いますぐ——まあ、できるだけいい条件のものに改めていって差し上げる。全国に十三万人しかいらっしゃらない傷痍軍人でございますし、金額にしてもそう大したものにはならぬわけでございますので、過去の制度の中でいい条件のところへこれを採用してあげる、その条件に結びつけてあげるという意味からは、昭和十三年、現行制度の前に、昭和八年のあの不況時代にできたにもかかわらず、なおその十三年よりもいい条件にあった間差、これを採択していただくような方向へひとつ御検討を願いたい。 それから、一款症から四款症の皆さんの場合がもう少し水準が上がるといいなという感じをしておるわけでございますが、五十一年一月の実施の例をとりましても、一項症が六十万五千円ほど増す、四款症は九万三千円しか増加しないという増額の差も出ておるわけでございまして、この間差是正についての御検討は引き続きお願いをしたい。 いまの一五%の減額措置でございまするが、これはどうですか。もうなくするわけにいきませんか。
○菅野政府委員 一五%の減額は、先生の方が十分御存じだと思いますが、結局、傷病恩給のいわゆる款症でございますけれども、その傷病恩給の方は、必ずしも普通恩給が併給されない、長い御勤務をしなければ併給されないということで、そういう傷病恩給の方々の改善を図るという意味で款症の部分を非常に上げた。したがいまして、七項症との逆転が普通恩給が出る方についてはあるわけでございまして、そういう点で減額制度というものが逆に生まれてきたわけでございます。その減額制度が従来二五%でございましたけれども、これは二〇%のときと一五%のときもあったわけでございまして、私たちとしては、過去の減額率の一番低い一五%に下げる、しかも七項症の間差率は、そのままにしておきますと依然として逆転ができますので、先ほどもお話がございましたように、二〇から二二に上げたといういきさつがあるわけでございます。さらにそれをもっと大きく上げるということにつきましては、やはり間差全体と絡むわけでございますので、その間差全体の問題を検討いたしますときに、減額ということもなくなればこれは理想でございますので、あわせて検討したいというふうに思っております。
○受田委員 これは間差問題の解決につながる問題でございまするから、あわせて御検討を願いたい。 それから症状等差最低基準の改善で四十二年に答申が出されましたね。ところが、あの調査会の格上げの問題の中で未処理のが少し残っておる。この未処理について、もう格下げをする方は目をつぶって、格上げする方へお手伝いしましょうという私からの長い間の提案です。答申の中で、片眼失明の方々を七項症へ格下げするなどというのは、ちょっとこれは変だというので、格下げはストップ、サービスの意味で格上げの措置を要求したところは格上げを願いましょうという非常に慈愛ある要求が続けられておるものが少数残っているわけです。これは目をつぶりますか、目を開いて御検討いただけるか、御答弁を願いたいと思います。
○菅野政府委員 この問題は、症状等差の調査会からの答申があって、まだ実現していないわけでございますけれども、上げるものは上げる、下げるものは下げないということになりますと、調査会の答申がそのまま生きてこないわけでございますが、ただ実情としては、いまの段階において症状等差上そういう結論になるかもしれないけれども、実際に下がるというのは、これはまた行政上必ずしも適当でないという感じを持っております。そういう点で、大変苦慮をして長い時間がかかっている問題でございますが、そのほか、ほかの年金との絡みもございますので、さらにもう少し時間をかしていただきまして、慎重に検討したいと思います。
○受田委員 それから私、毎年提案して、何か当局も御苦労が多いということはよくわかるのでございまするが、例の増加非公死の扱い方でございます。これは傷痍軍人が亡くなった場合は、公務扶助料の七五%という比率で特別の措置がしてありますが、これを一〇〇%にできないものか。それと公務傷病となってこの増加恩給でない傷病年金をもらった方が亡くなると公務扶助料の金額がもらえない。もうこの際、七五%まで前進しておられるのでございまするから、こうした傷痍軍人の遺族に対しては、傷痍軍人が亡くなられたら公務扶助料の金額を支給する。 それからもう一つ、傷病年金の受給者、これが亡くなられると、普通恩給をもらわれない方はもうそのまま何もないということになって、遺族として非常に悲惨な状況になるのでございますが、長い間この傷痍の御主人を助けて苦労された奥さんに、御主人が亡くなられたらせめて普通扶助料相当の遺族補償をして差し上げるべきではないか。 恩給法を政策的に配慮する上から言うならば、もう何十年か後には最後の方が亡くなられる、そういう限られた人だけでございまするから、全国で十三万、その中でいま申し上げた増加非公死の方に公務扶助料と同額を、そして普通恩給を併給される傷病年金受給者には普通扶助料にプラスアルファを、単なる傷病年金受給者には普通扶助料相当額の支給を、それぞれ特別措置として政策的にとってあげる、理論的でなくして政策的配慮でやられてしかるべきと思いますが、御配慮を願いたいのです。
○菅野政府委員 二つの問題がございましたけれども、公務扶助料はやはり公務のために死亡した者の遺族に給されるものでございますので、増加恩給を受給しておった者でありましても、その方が公務で亡くなられれば別でございますが、公務外の事由で亡くなった場合においては、その遺族に公務扶助料を支給するということは、やはりいま理論的と申されましたけれども、考え方の問題あるいは遺族の立場あるいは公務扶助料というもの等を考えました場合にも問題が残るのではないかと思います。 それから、款症の傷病年金を受けておられる方が亡くなった場合の遺族に対する御提案でございますけれども、普通恩給を受けていないそういう方々に対する問題として恩給法の中で処理できる問題かどうか、これもなかなか問題だと思います。もちろん、政策的というお話がございましたので、私たちも理論的——理論的ということだけではなくて、そういう面も当然考えなければなりませんけれども、以上のような問題点を踏まえましてさらに検討を続けさせていただきたいと思います。
○受田委員 いま、これは公務でなくして平病死ですからちょっと理論的にむずかしいという問題がありましょうが、しかし障害は公務でされた、そしてその障害の苦労は大変なことでございまするから、公務で障害された方が亡くなった場合には公務扶助料として上げても、その障害の苦労を勘案すると公務死と見て差し支えない。それから普通恩給を受給されておる傷病年金受給者というものと、普通恩給のない傷病年金受給者と二つあるわけですが、普通恩給をもらっておる人の普通扶助料の金額へプラスアルファ、それから何も普通恩給を受けてない傷病年金には何か新しい制度をつくって、ささやかでも遺族に扶助料を差し上げる、これは金額は少なくてもいいと思うのです。つまり、普通恩給を併給されない傷病年金受給者と普通恩給を併給されている受給者と両方があるわけでございまして、その傷病年金受給者は一款症から四款症、亡くなられると何もなくなるのです。普通恩給をもらってない人は何もなくなる。もらっている人は普通扶助料しかない。このそれぞれに適切な配慮をあわせて検討する、政策的見地から検討するということ、これは大臣おわかりでしょうね。おわかりと思うのですが、御答弁をいただきたい。
○植木国務大臣 ただいまの二点につきましては、理論的には恩給局長が答えたとおりでございまして、なかなか困難な問題がございます。政策的に可能でありますかどうか、ひとつ研究さしていただきたいと思います。
○受田委員 いま一つ、戦傷病者手帳を有する者で目症の三日、四日には汽車の無賃乗車券が出ない。この無賃の問題は、厚生省がおやりになることだと思うのですが、きょうは国鉄の方もおいでいただいているので、この三日、四日に一枚ほど切符を差し上げることについてはいかがでしょう。二日までは出ているのです。
○馬渡説明員 御説明申し上げます。 国鉄では、戦傷病者の方につきまして、昭和三十一年から戦傷病者特別援護法に基づいて国有鉄道に乗車される場合の無賃扱いを国の負担によって実施さしていただいております。いまの戦傷病者の障害程度の範囲が恩給表の別表により定められているわけでありますが、国鉄の実情、先生御承知と存じますけれども、国鉄の負担によって実施することは、現在の国鉄の財政事情からは非常に困難であろうというふうに思っております。
○受田委員 無賃乗車の規定はどうなんですか。戦傷病者特別援護法は厚生省の所管の法律ですね。そこで国費でこれを負担すればいいわけなんで、このサービスは国鉄でなくして政府がおやりになるべき性質のものだと思うのですが、いかがですか。
○八木政府委員 戦傷病者の範囲の問題につきましては、従来一、二日の方までが戦傷病者手帳の対象になっているわけでございますが、昨年の戦傷病者特別援護法の改正によりまして、三日、四日という比較的障害の程度は軽うございますけれども、やはり国のために傷つかれた方々でございますので、戦傷病者の範囲として戦傷病者手帳を交付すべきではないかというようなことで昨年の改正になったわけでございますが、現実に手帳は交付されたわけでございますけれども、問題は無賃の対象にならないわけでございます。私どもいろいろその面の努力はいたしましたわけでございますが、本年度課税面におきます対象になりまして、その意味におきます大きな一歩前進が図られたわけでございますけれども、より軽症でもございますので、今後の問題として検討さしていただきたいと思います。
○受田委員 同時にもう一つ、甲費として戦傷病者の重症の方には六往復、十二枚の無賃乗車券が交付されておる。それから乙になってくるとそれが半分で六枚。そして三枚、二枚、一枚となってきておる。六往復、三往復ということで紙数で言えば十二枚、六枚になるわけですが、重症者の場合、御主人が動けないのですから、介護者が一緒にいるほどで動けないのですから、そういうときに御主人にかわって諸会合へ出る、あるいは親の死に目というようなときに、会えない立場から、だれかかわりに家族を出すというときには、その十二枚の範囲内で使えるようにできないか。それから今度本人だけの分についても、そうしたときに奥さんと御一緒に行動できるようにしてあげられないか。これは何回か私、質問した問題です。つまり与えられた枚数の中でそれを使わしていただく。いまの事情を考えたら、四肢がないような人、介護者がそばにおるような重症の人が、親の死に目に自分の妻を派遣するというときに、その無賃乗車券が使えないというのは、これは悲惨ですよ。それから与えられた枚数の中で御夫婦そろって行きたいというときに、介護者の対象から外されている人に一緒に使っていただくというようなことも、これは道義的にも非常に大事なことで、新しい枚数を要求するわけじゃないのです。ですから、あの枚数で使い残りが何枚あるか、それも含めて私の要望を聞いていただきたいと思います。
○八木政府委員 国鉄の無賃乗車の問題につきまして、重症の方には先生からお話がございますように、介護者につきましても枚数があるわけでございます。そこで、いまの戦傷病者特別援護法のたてまえから申しましても、国のために傷つかれたという戦傷病者の方々に対しまして、国家補償という見地からできるだけ処遇を考えるということで、戦傷病者の御本人に着目して制度ができておるわけでございます。したがいまして、御本人が重症で介護者を必要とする際には、御本人と一体になりまして介護をするということでございますので、従来からも先生から御指摘いただいておる問題でございますけれども、なかなかむずかしい問題があるわけでございまして、障害の程度の重い方につきましては、御本人と一体ということで考えざるを得ぬのではないかと思います。妻の方だけを独自にして無賃乗車の対象にするというのは、いまの援護法のたてまえから申しまして非常にむずかしい問題かと思いますけれども、従来からもお話がございますし、さらに検討させていただきたいと思います。 それから実績でございますけれども、これは四十八年度の実績でございますが、引換証を交付いたした枚数としましては六十三万九千枚でございます。それから引きかえ実績は二十八万枚ということですが、これは現実には、実際に御使用になるかどうかということと当初の引換証の申し込みということで、その間の差があるのはある程度やむを得ないことではないかと思います。
○受田委員 半分は使ってないという現状から、私のいまの要望を——この無賃乗車の分については、厚生省が予算要求をされるわけでしょう。国鉄のサービスじゃないんでしょう。厚生省が国費でお手伝いするんでしょう
○八木政府委員 厚生省の方から要求はいたしますけれども、現在は運輸省の方でその分を予算化している次第でございます。
○受田委員 それは厚生省と運輸省がよく相談されて、半分も使えないのを、四肢がなくなって本当に悲惨な生活をする、親の死に目にも会われぬようなことというのは、これはもう悲惨ですよ、だから、その人の身がわりで行くときにはそれを使っていただく、そして介護者なしの乙種の方には、その与えられた枚数を御家族、奥さんと一緒に使う、こういう配慮を当然して結構じゃないですか。長い間国家に奉仕された人に対するお報いとしても、このくらいのサービス、つまり予算がふえるわけじゃないんです、与えられた枚数を使うんですから。それさえできぬというのはおかしい。 これは国務大臣として植木さん、どうでしょう。いま私が申し上げたような趣旨で、与えられた枚数を——身がわりで行かにゃいけぬ場合が多いですよ。重症の人は、身がわりが行かなければ本人は本当に使えないですよ。介護者も四肢のなくなったような人を一緒に連れていくわけにいかぬですよ。事実使えない枚数を与えておる。それを身がわりでそういうようなときには使っていただく、それから介護者なしの場合も、六往復しかないんだから、せめて三往復ぐらいは適宜御夫婦で親のお見舞いに行くというようなことを許してあげる、道義的に見てもこれはいいじゃないですか。国務大臣としての御見解を伺いたい。
○植木国務大臣 厚生省としては、いろいろ御苦心をしておられるところでありまして、今日までに至ったわけでございます。この間、委員の諸先生にもこの実現のためにいろいろ御支援をいただいたわけでございます。 いまの問題につきましては、厚生省と運輸省が協議をせられるよう強く要請いたしますとともに、私自身、厚生大臣及び運輸大臣に対しまして、ただいまの点については善処方を要請いたしたいと存じます。
○受田委員 これで質問を終わりますが、わかりました。御答弁非常に誠意があります。これは運輸省、厚生省それから戦傷病者を担当される総務長官とが御相談をされて、高度の政治判断で解決していただく大問題だと思います。 最後に一言だけ提案しておくことがございますが、大臣としてもすでに御存じのように、南方から中国大陸と御英霊の御遺骨が残っている。これをどうして祖国へお帰しするかということにつきまして、国家を挙げて短期間にその遺骨収集が成功するように、恩給法の直接対象となる御英霊の御家族にも安心していただけるような思い切った予算措置と、そして行動隊の人員を網羅して英霊にお報いする道を講ぜられるように要望しておきます。 質問を終わります。
○藤尾委員長 足立篤郎君。
○足立委員 本日は、特に委員長のお許しを得まして、外地における特殊法人ないし特殊機関等の職員の恩給の通算問題について質問をいたします。 旧満鉄や旧満州電電等の特殊法人については昭和三十八年に、また旧満州国協和会や旧満州拓植公社等の特殊機関については翌昭和三十九年に、それぞれ変則的ながらも通算措置が講ぜられ、自来各法人、各機関の範囲の拡大、また内容等についていろいろの経過をたどりながら、昭和四十八年に特殊法人九つ、特殊機関十二について完全に通算措置が認められるに至りまして、これらの法人等に勤務していた職員にとってきわめて喜ばしいことでございまして、過去十有余年にわたる行政当局の御協力と御苦心に対し敬意を表する次第であります。 しかしながら、行政当局の配慮にもかかわらず、なお外地に設立せられていた特殊機関等の中に、いまだに通算措置を講じてもらえないでいる職員のいることも遺憾ながら事実でありまして、私どものところにも種々陳情に見える方がございます。その実情を伺ってみますと、勤めていた機関の性格、業務内容等は、さきに触れました十二の機関のそれとほとんど同様であって、当然に通算措置が講ぜられてしかるべきではないかと思われるのであります。 そこで、まず第一にお伺いしたい点は、すでに通算措置を講じている十二の機関を選定された理由と、選定の基準が政府の方にありますれば、この際お示しを願いたいと思います。
○菅野政府委員 いま先生が御指摘のように、そういう経過をたどっているわけでございますが、それらの特殊法人なりあるいは公社等の機関につきましては、いろいろないきさつからいわゆる日本の公務員期間ではございませんけれども、日本の公務員期間として通算をすることが適当であろうという結論になって入れているわけでございますが、その基準というものは、何と言いましてもやはりその業務の内容が行政的な色彩が非常に強いということ、言葉をかえて申しますれば、いわば国の機関の代行的な性格を持っているというようなこと、それからもう一つは、人事上からも日本政府の公務員が多数派遣をされて、いろいろな交流があるという実態等でございまして、それらを総合勘案しながら、ただいまの御指摘のような機関が算入策をとられているわけであります。基準というきわめて大ざっぱな御説明になりましたけれども、そういう点を考慮して選定をいたしております。
○足立委員 きょうは大変時間が制限されておりますので、細かい点等のいまの問題についての議論は差し控えまして、次に、そのものずばりで具体的にお伺いをいたしたいと思います。 私が特にきょうお伺いをしたいと思うのは、満州農産物検査所の職員について、当局において検討をいただいているわけでありますが、その結果どのような御判断——いま大ざっぱな基準についてお示しになりましたが、その基準に照らしていままで通算措置がとられなかった理由等についてお示しをいただきたいと思います。私は、同検査所の元職員の方々からしばしば陳情を受けておりますが、私も実は、もと満鉄に勤務をしたものでございまして、同じ貨物系統の仕事をやっておりまして、現場でこの検査員と一緒に——私の部下が検査員であったこともあるわけでございまして、そうした関係から、この検査所の実態及びその性格等について十二分に承知をしております。すでに特殊機関として政令で認められておりますたとえば満州林産公社、あるいは満州農産公社等と比べましても、その実態においては何ら遜色がないばかりでなく、その公共性という点から見ますと、むしろこの農産物検査所の方が公共性は高いのではないかと私は確信しておりますが、恩給局当局はどのような御判断をしていらっしゃるか、この際お示しをいただきたいと思います。
○菅野政府委員 農産物検査所のお話が出たわけでございますけれども、確かに農産物検査所にはいろいろないきさつがございまして、たとえば業務内容なども拝見いたしておりますけれども、満州国が行うべき国営検査業務の代行をしているというような一面もございます。もう一つは、経過等を見ましても、満鉄がかつて混合保管ということをやっていたわけでございますけれども、そのうちの満州国における重要特産物の国営検査ということを、実際に法律ができて移すときにどちらでやるかという問題がありまして、結局どちらでやるかということの、その解決策だったと思いますけれども、農産物検査所というものができたといういきさつがございまして、満鉄の方に残っていれば満鉄の方々は通算になった、それから満州国の方に移ってももちろん通算になったといういきさつもございますので、確かにいま挙げられました各公社等の問題は、いろいろな基準から入ったわけでございますが、落ちました各特殊機関の中で農産物検査所の問題につきましては、私たちは、やはり相当に問題といいますか、お気の毒な点があるのではないかというふうに認識をいたしております。 ただ、さらに総合的に申しますれば、ほかにも満州の場合にいろいろな特殊法人もございますし、そういう問題等もあわせまして広くもう一度洗い直してみたいというふうに思っておりますので、これからさらに検討を深めてまいりたいというのが現状でございます。
○足立委員 いま通算措置が満鉄との間にとられておりますが、満鉄社員であって、それから農産物検査所に足かけ六年ぐらいですか、できてから終戦までが。そうしてまた内地の公務員になったという場合の通算措置は、農産物検査所に勤務した期間を除いて、その満鉄におった期間と、それから日本へ帰って内地の公務員になった期間を通算しているというふうに聞いていますが、これではまるできせるの吸い口とがん首だけが通算になって、ラウの部分は、胴体は通算になっていないという形になるのですが、そういう措置が本当にとられておるのですか。
○菅野政府委員 これも現行法の解釈で運用として行っておるわけでございますが、従来はそういう方の場合には引き続かないということでむずかしいのじゃないかという解釈でございましたけれども、いま言いました総合的な判断のもとに、前の期間と後の公務員期間は、間に農産物検査所というきわめて特殊なものを通じて続いているというふうに判断をいたしまして、通算をするような運用上の措置をいたしております。ただ御指摘のように、農産物検査所そのものが通算できる組織としてまだそういう判断にまで至っておりませんので、その期間は御指摘のとおり抜けているわけでございます。
○足立委員 いや、それは非常に温情的な措置で、そのことについて私は難癖をつけようと思っておりませんが、法制上のたてまえからすると、これはむしろ違法なことをやっているように私は思うのです。というのは、外地のこういう特殊機関等を退職して、それから日本に帰って日本の公務員に終戦後就職する間の期間制限があるはずなんですね。前には満鉄なんかの場合は一年ということでございましたが、これは内地の役所でいろいろな都合があって、内地の役所から外地に出てまた帰った人間とは扱いが違うので、ポストがあくのを一列励行で待っていたという気の毒な事情もありますから、去年でしたか法律改正のときに政令に移してもらって、たしか三年ぐらいに延ばしてもらった経過があるわけであります。これも私ども、もと外地におった人間としてありがたく感謝をしているわけでありますが、いまの農産物検査所の場合は、少なくも五、六年の間そこにブランクがあるわけで、これをどのように解釈をされてもちょっと無理がある。結局、私の言いたいのは、農産物検査所はこの通算措置をとっていないということでこういう無理が生じてきているということを申し上げたいわけであります。 蛇足になるかもしれませんが、この際ちょうどいい機会でありますから、満州農産物検査所の沿革、実態、性格等について私見を申し述べて、御判断の材料にしたいと思います。 この検査所の母体ともいうべきものは、いま局長からお話がありましたが、満鉄の混合保管の対象としていた大豆とか大豆かす等の受け入れ検査機関であったわけであります。満鉄では大正八年に大豆混合保管制度を創設いたしました。この制度は、満州の特産物である大豆等の輸送及び流通の便を図るために、荷主より特産物の輸送及び保管の寄託を受ける際に、その物資について厳正な検査を実施し、等級に区分し、混合保管をして、同時に、倉荷証券を発行し、証券の所持者が指定の出庫駅で証券と引きかえに倉出しできるという制度であります。たとえばきょうハルビンの駅で大豆を混合保管に寄託する、厳正な検査を受けまして三等なら三等という品質の検定を受ける、そして大体一車扱い三十トン単位でございましたが、倉荷証券が発行されますとその日のうちに特急「あじあ」に乗って荷主は大連に着いてその倉荷証券を出して船積みができる、荷物はまだ一週間か十日たたなければハルビンから到着しませんが、そういう便益を図っておったわけであります。したがって、これは非常に好評を受けたわけでございますが、その好評を受けた裏には、やはり検査が厳正であったということではないかというふうに思うわけであります。 結局、この満鉄が実施してきました混合保管貨物の受け入れ検査というものが、満州における唯一の権威のある検査機関でございまして、戦時中ずっと続けられたわけでありますが、満州国が誕生してからだんだん戦時体制がとられてまいりまして、食糧の統制が行われてまいりました。そこで満州国の側におきましても、こうした国営の検査機関というものの必要を感じてまいったわけでございまして、さらに検査品目をふやさなければならぬという事態にも直面したわけであります。 そこで、昭和十五年十一月、これは満州国の康徳七年になるわけでありますが、勅令第二百八十一号によりまして満州農産物検査所法が発布せられたのであります。そしてこの農産物検査所が設置されましたが、こうした検査能力を持っている満鉄の混合保管の職員が全部移らなければ、満州国側ではそうした機能を持っておりませんので、この検査所に移管をされたわけでございます。そして農産物またはその加工品の国営検査及び委託検査を行うのが目的でございまして、法令によって検査を行う品目は大豆ほか六品目、さらに委託検査品目はコウリャンほか二十一品目にわたっております。なお、この検査所では、農産物の検査規格に関する研究、また興農部大臣の特に命ずる事業等を行うことになっており、全く行政ベースで事業を行っておったわけでございます。 ただ、問題になるのは、法人格でございますが、法人格は財団法人ということになっておりますので、これがいままで恩給局でひっかかった最大の理由ではないかと私は推察をしているわけでございます。純粋な行政機関でやるべきものが、なぜ財団法人になったかということを申し上げますと、これは満州国側としては、業務の重要性とその権威にかんがみまして、当然行政機関として設置する方針を決めたのでありますが、満鉄側との協議の結果、満鉄側としては、みずから大正八年以来やってきた混合保管というもの、そしてその検査機関でございますから、どうもそれを政府の方に移してしまうというわけにいかないということから、実際にはこれは関東軍司令部が中に入って協議をした結果、財団法人ということで話が妥協したわけでございます。したがって、これは本来は、当然に行政機関として設置さるべきものが勅令に基づく財団法人ということであり、また出資も満州国政府と満鉄だけに限られております。ほかは全然出資しておりませんから、常識で考える財団法人とは全く性質が違うということもお認めいただけると思いますし、業務の内容等もきわめて公共性の高いものであるということもお認めいただけると思うのであります。 また、これは命によって満鉄社員からこの検査所に移ったもとの社員の人たちは、全部満鉄と同じ待遇を受けておったわけでありまして、たとえば住宅とか住宅手当とか満鉄のバスであるとか、それから満鉄の福祉機関の利用であるとか、これは嘱託でございますが、非役という扱いになっておりましたから、全く満鉄社員と同じ待遇を受けておった。また満鉄側としても、いま申し上げた重要な混合保管の検査機関であるその職員を手放すわけにはいきませんから、そうした嘱託という立場をとってきたということでございまして、これは行政ベースでごらんになっても、満鉄という特殊機関の側からごらんになっても、一人二役のような形になっておりまして、局長がいまおっしゃったような、いままでの十二の機関と全く同じ性格のものであるということが断言できると思うわけでございます。 どうかそういう点をさらに御検討いただきまして、なお詳しい資料も全部用意してまいりましたが、きょうは時間の制限がございますので、詳しく申し述べることができないのは残念でありますが、恩給局の方もお調べいただいてもう十分おわかりと思います。そういう点をひとつ十分御検討いただきまして、これがその他大ぜいと一緒にされまして、いま局長がちょっとおっしゃったが、広く検討されるということになりますと、これも相当時間がかかるじゃないかと思って、私も心配しているわけでありまして、これは、このものずばりでひとつぜひ御検討いただきたいと思うのです。 最後に、ひとつ簡単で結構ですから、局長の御決意のほどを伺って、質問を終わりたいと思います。
○菅野政府委員 いま広くと申しましたのは、ほかにもいろいろな問題があるからそういう問題も総合的な見地から検討したいということを申しただけでございまして、中でも農産物検査所につきましては、御指摘がございましたように、非常に必要度が高いというふうに私自身感じておりますので、そういう点から十分検討したいと思います。
○藤尾委員長 委員長から申し上げますが、ただいまの御答弁中で、この検査所問題につきまして、特にあなたが御留意になって検討されるということでございましたが、それではその結果はいかようにして出ますか。これは足立先生も非常に御関心を持たれまして、特にこの委員会で御発言でございますので、その点を明確にお答えをいただきたい。
○菅野政府委員 これは該当者は必ずしも多くないのでございますけれども、しかし、やはり予算にかかわる問題でございます。そういう点で法手続としましては政令改正になるわけでございますけれども、いま言いましたような予算措置の問題も絡みますので、財政当局とも折衝しなければなりませんし、私たち自身の検討もさらに深める必要がございますので、そういう点を総合的に勉強させていただきまして、できるだけ早い機会に結論を得たいというふうに存じております。
○足立委員 どうもありがとうございました。
○藤尾委員長 本会議散会後委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後一時三十一分休憩 ————◇————— 午後五時七分開議
○藤尾委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 恩給法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。上原康助君。
○上原委員 提案されております恩給法等の一部を改正する法律案の内容につきましては、もうすでに先輩あるいは同僚委員の方からいろいろお尋ねもありましたし、問題点なども大方指摘をされたような感を受けるのですが、私も若干お尋ねをさしていただきたいと思います。 そこで、恩給局として、政府としてといいますか、この恩給問題はすでにいろいろ議論されてきているわけですが、今後はどういう問題点があると認識をしておられるのか。将来改善をするという方向で行くとするならば、どのような問題点を重視して、より合理的といいますか、あるいは公正を期す恩給内容に持っていくべきだという、一応これまでの議論を通しての感じなども含めてお聞かせをいただきたいと思うのです。
○菅野政府委員 恩給の問題につきましては、まだ多々いろいろ問題がございますので、これを一口にこれからの問題は何かということになりますとむずかしゅうございますけれども、先般来、種々御指摘をいただいております問題などは、その中でも最も重要な問題点であろうと思っております。 〔委員長退席、木野委員長代理着席〕 実施時期の問題あるいは公務員給与のどの数字をとっての調整をやっていくかという問題等でございますが、私は、ひっくるめまして恩給問題いろいろ解決しなければならない問題ございますけれども、大きな問題の一つは、やはり低額恩給の是正であるというふうに考えております。これもそのやり方については、いろいろあるわけでございますので、今回も御審議いただいておりますように、最低保障の問題であるとか、あるいは低位号俸の繰り上げであるとか、そういう点に意を用いているところでございますけれども、何と申しましても、そういう点が問題点の一つではなかろうかというふうに思っております。
○上原委員 そこで、若干重複する面などもあって恐縮ですが、いまの局長の御答弁とも関連をさせてもう少し私なりにお尋ねをさせていただきたいと思います。 そこで、まず基本的な問題点としてこれまで指摘されているのが、いわゆるスライド制を制度化していくということがたびたび各委員の方からも指摘されたのですが、実質的にはその方向に向いているんだから、それを法制化する、あるいは制度化するということはどうかという、ある意味では消極的なお答えがあったわけですが、こういう問題。 それに次に、一律方式の是正の件ですね。一律というと、これはパーセンテージでいう一律にいまはなっているわけですね。従来われわれも賃金交渉などをやった経験もあるわけですが、組合側も一律ベアというものをたびたび要求するのですが、その場合はパーセンテージではなくして、いわゆる定額の一律方式ということがしばしば問題になって、むしろ英語で言うとフラット・ペイ・インクリースということでやってきたのですが、この問題についてもなかなか是正されてきていない。これまで何回か附帯決議などもつけられているのですが、格差はますます上厚下薄になっている。 いま一つは、実施時期の繰り上げ問題あるいは最低保障額の引き上げ、生活保護法との関係も、後ほどちょっとお尋ねしますが、もう下回っている恩給受給者も現にいるということ。 それに午前中もちょっとお尋ねありましたが、他の年金との併給問題の緩和など、大体問題点としてしぼると、いま私が申し上げたようなことが依然として未解決のまま残されている。これらの点は全部一挙に解るやらぬは別にしても、少なくともこれらの諸点についてはまだ改善をしていかなければいけない、そういう認識をしておられるのか。先ほど一律方式あるいは実施時期などが問題だという御答弁があったのですが、いま私、五、六点挙げましたが、これらは未解決というよりも、今後より前向きに解決をしていかなければいけない点だという御認識であるのかどうか、この点明確にしておいていただきたいと思うのです。
○菅野政府委員 いまいろいろな点を挙げられましたけれども、概して申しますれば、それらはすべて問題点であり、かつ何らかの形の解決をしていかなければならない問題であるというふうに思っております。 ただ、その制度化の問題は、制度化というのがどういう形の制度化であるか、そこら辺がなかなかむずかしい問題がございますので、午前中も歯切れの悪い御答弁を申し上げた向きがございますけれども、いま先生が挙げられました各点は、先ほど私が基本的な問題として挙げた、基本的な問題だと認識している問題にいずれもつながる問題でございますので、そういう認識を持っております。
○上原委員 そこで、スライド制の点につきましては、もう大先生の受田先生からいろいろ御質疑があったように思いますのでこれ以上触れませんが、私は、一律方式の是正ということについては、やはり早急に——早急というより次年度からぜひやってもらいたいという感じを持つわけです。これまでやってきているのは、額の定額じゃなくしてパーセンテージの一律ですからね。そうしますと、高額の方が上がるのは当然なんです。この改善の方法については、まだ明確にされていないような感じを、私は御答弁を聞いても受けるんですが、何回か衆参の附帯決議にもありますように、一体具体的にはどういうふうに、三大改正とかいろいろ案があるということも、非公式には耳にもするんですが、具体的にどう着手していくのか。この格差の拡大というものを埋めないと、実際問題として不公正の是正にならないわけですね。これについては、もう少し明確にしておいていただきたいと思うのです。
○菅野政府委員 先ほど来お答え申し上げておりますように、一律アップの方式はそれなりの理由があり、利点もあると思いますけれども、問題点も御指摘のとおりあるわけでございます。そこで、どういう展開をしていくべきかという問題につきましては、考え方の基本の問題が一つ、それから技術的な問題がございまして、それらはいずれもかなりむずかしい問題でございますので、いろいろな角度からさらに考究をしなければならないというふうにただいまのところ認識いたしております。
○上原委員 そこで、方法というと技術的な問題で、実際の改定内容をどうしていくか検討を進めていくということですが、たとえば内閣委員会の調査室から出ている参考資料を参考にしてちょっと検討してみたんですが、一応私の例のとり方は的確でないかもしれませんが、この十七ページにある「仮定俸給年額変遷表」というのを参考にして、最高の八十二号俸と兵の十八号俸をとってみたんです。四十五年の十月段階の改正においては、この十八号と八十二号の差額というのが百五十万五千九百円あるんですね。四十六年一月の改定では百五十三万七千百円、四十六年の十月では百六十六万六千二百円、四十七年の十月では百八十三万四千五百円、四十八年の十月にきますと二百二十六万三千七百円、四十九年の九月では二百八十万二千五百円、五十年の八月、いわゆるいま提案されているものでいきますと三百六十二万四千円の差、五十一年一月になりますと三百八十七万三百円というふうに、約七年間にこれだけ、当初百五十万の差があったのが三百八十七万という本当にもう驚くべき格差、最高と最低の差になっているわけですね。もちろん、このいまの制度なり改定方法からいくと、仮定俸給額の退職時の給与が高い方が多くもらう仕組みになっているわけですが、その是非はともかくとして、当初の段階から現在の改定内容を見てみますと余りにも格差がひど過ぎる。 この点について本当にどうお考えなのか。こういうことを具体的に是正をしていくということでないと、なかなか一律方式はいろいろ問題もあるのだ、しかし反面また利点もあるのだというようなことでは、これまで何回か指摘された事柄が来年度においてもまた同じ議論の繰り返しになりかねない。そういう意味でこのことを私はお尋ねしているんですが、こういう格差というものはきわめて不均衡であり、不公正であり、不公平である。平等とまではいかないにしても、余りにも上と下の差というものがひど過ぎるということの例として私は言えると思うのですが、こういうことの格差の是正というものを、一律方式の問題と含めてどう本当に改めようとするのか、もう少しお答えいただきたいと思うのです。
○菅野政府委員 いま御指摘いただきました数字は、そのとおりでございまして、これは一律でやっております以上は、そういうような額としては開きが出てくるわけでございます。率としては同率でございますが、額としては開きが出てくるのは当然でございます。 そこで、その問題点でございますけれども、従来は審議会方式等で物価等を中心にする改正でございましたけれども、四十八年以降、公務員給与という問題が一層クローズアップされたわけでございますので、その公務員の上簿下厚の色彩というものを、何らかの形でもう少し反映させるべきではないかという御議論をたびたび承っておるところでございます。 たしか先生にも、三段階という方法もあるではないかという御指摘を去年いただいたように思いますが、そこでわれわれも、考え方の問題を詰め、技術的な問題点も詰めまして、できるだけそういうふうにやりたいということで、ただいまのところも一生懸命研究中でございます。何といいましても、恩給の問題は受給者の生活に直接響く問題でもございますし、また一方、長い間の年金であり、かつほかの年金にもいろいろと影響を与えるところが大でございますので、やはり納得のいく方式なり納得のいく数字なりというものが確立しませんと、安定した形の転回というのがなかなか図れないわけでございます。 そこで、まだ研究中でございますので、いますぐどうというふうに申すわけにはまいりませんけれども、たとえばいま定率でやっていますけれども、定額、定率両方を併用するような案があり得るのかどうか、あるいは公務員給与の中でどういうものをもっと事細かく使っていけばいいのか、それらを各方面にわたりまして研究を深めていきたいというふうに思っております。
○上原委員 いま御答弁の中で定額というお答えもあったわけですが、もちろん公務員賃金の改定にスライドをしていく方向性、これも一つの原則的なものになってきているわけですね。それを踏まえながらも、しかしいまの恩給の内容の、現役の公務員との格差の問題ももちろんありますし、余りにも上に厚く下に薄いということを是正していく一つの方法としては、いわゆる定額プラスのパーセンテージを使う、そういう是正のやり方を次年度あたりから実際に取り入れていかない限り、検討してみたけれども、なかなかいい案がなかったということになりますと、いま申し上げた格差というものはもう天井知らずの形で開く一方で、なかなか是正されないと思うのです。 そこで、この一律方式を是正していく一つの考え方としては、いまいみじくもお答えいただきました定額方式プラスアルファといいますか、あるいはパーセンテージといいますか、そういうことも十分取り入れた、あるいは考慮した上で次年度においては改定をしていただくという理解でいいのかどうか。これは何もここで確約をしなさいと、そこまでは私は注文をしません、非常にむずかしい問題もあると思いますので。しかし一つの方法としては、私は、その方法をとらない限り格差は埋まらないと思うのですね。そういう考え方で是正の方法もあるという理解でよろしいですね。
○菅野政府委員 先ほど申しましたように、一つの手段は定率、定額、その定額なり定率をどういう程度にどういうふうに取り込んでいくかという問題もございますので、そういうのも一つの解決策ではないかということで研究をいたしておるところでございます。
○上原委員 それは、ぜひそういうことも取り入れた形で御検討いただきたいと思います。 そこで、それとの関連で、これは各先生方の質問と大体似通うのですが、もう一つ実施時期の問題ですね。長官からもお答えがあったのですが、予算折衝の過程においても、八月実施をさせるのは非常に骨が折れたというお答えですが、その御労苦は評価をいたしましょう。ただしかし、公務員賃金が四月一日改定という一つの原則が、土台があるわけですから、本来ですと恩給についても四月一日から実施せねばいかないわけですね。去年もこの委員会でいろいろ議論になりまして、政府提案十月一日をわれわれは八月一日支給を要請しましたが、なかなか話が煮詰まらないで、結局二で割って九月ということで今度は八月だ。そうしますと、いまのように来年は七月、再来年は六月、その次は五月だ、その次は四月だということになると、あと四年、昭和五十四年にしか四月一日にならないということになるわけですね。それじゃ余り悠長な構えであるし、恩給受給者の御要望にも沿わないと思うのです。 そこで、前向きに検討するという御答弁はあったのですが、一体前向きというのは、来年は四月一日にするのか、あるいは二カ月繰り上げるのか、そういうことについても、もう少し政府の態度というのを明らかにしておいていただきたいと思うのです。いまのように、今度八月だから次は七月だ、六月だということになりますと、そしてその後にまた一年おくれの格差分についての調査は考えるという御答弁でしたので、この点は少なくとも早急に、四月一日までは持っていくという前向きでないと納得がいかない面もあるわけです。ここらは、先ほどの受田先生の御質問との兼ね合いもありますが、大臣の方からもう少し詳しく、その方向性というものを明確にしていただきたいと思うのです。
○植木国務大臣 恩給の改定時期の繰り上げにつきましては、すでに附帯決議にもございまして、私どもといたしましては、できるだけこれを繰り上げるように努力をしているところでございまして、今年は他のものにつきましては、繰り上げというものはございませんでしたが、恩給につきましては、八月実施ということでいま御審議をいただいているわけでございます。 仰せのとおり、毎年一カ月ずつ繰り上げていくのか、そういう考え方でおるのかということでございますが、私どもとしては、早期に年度の初めから支給ができますようにというのが、言うまでもなくとるべき姿勢でございます。したがって、いまの時期に来年度は何月からということを申し上げることはできませんけれども、私どもの姿勢としては、いまお話がありましたような姿勢であるということは、どうぞ御理解をいただきたいと思うのでございます。
○上原委員 これはいまの段階で、おっしゃるように、すぐ来年は何月からしますということは、なかなか予算の問題あるいはほかの年金との関連などもあって言えないかと思うのですが、去年は九月だったから今度は八月だ、次は七月だという立場でないということだけは言えると思うのですが、少なくとも早急にそこまでは持っていって、その後どうするかということが検討できるように、この点も念を押しておきたいと思うのです。 そこで、われわれ若い世代には、と言っても余り若くないかもしれませんが、余り恩給というのはなじまないんですね。本来、社会保障の一環としてすべての年金というものは考えるべきだ、本当にもう素人の立場ですが、私はそういう考えを持つわけです。 そこで恩給も、先ほど長官とほかの方のやりとりを聞いておっても、忠実に公務に奉じた公務員の老後の生活を保障する意味で恩給制度というのはできたのだ、もちろん沿革はそうだと思うのです。そうであるなら、やはり老後の生活保障ということですね。本人はもとより、その扶養すべき者あるいは家族を含めた生活保障ということであるならば、やはり社会保障という全体的な立場で恩給問題なり、いまの年金制度というものを見なければいかないという感じを持つわけです。そういうことを少しお尋ねしてみたいわけですが、そうであるならば、在職間に本当に忠実に公務に奉じた人の保障であるとするならば、それに見合う恩給なり年金の支給でなければ、これは決して生活保障にもならないし、受給者にとってみれば、何が恩給か年金かという不満になり、苦情が出るのも当然かと思うのです。 そこで、そういう概念も取り入れながら考えた場合に、いまの恩給受給者の中に、生活保護を受けておる方々よりも低い恩給受給者がいるということ、これもかねがね本委員会でも大出先生なりほかの方々からも指摘があったことなんですが、どのくらいいるのか、性格上、比較をするのはどうかというお答えもあったやに記憶をいたしますが、しかし、じゃあ本当にわが国のいまのシステムの中で、七十歳以上の老人なり、あるいは一世帯の最低、ミニマム——私は、それはまだ非常に問題があると思うのですが、一応の比較対象にすることのできる基準というものは、大体生活保護費というものを引き合いに出される場合が多いわけですね。そういう意味でこれを引き合いに出したのですが、恩給受給者の中で、生活保護を受けている方々よりも低い恩給受給者というのはどのくらいおるのか、これの改善は一体どうするのか、この面についてひとつお答えをいただいておきたいと思うのです。
○菅野政府委員 生活保護費とそれから恩給でございますが、どうもそれを単純に比較するのは、やはりいろいろな面で誤解を生じやすいのじゃないかと思います。生活保護は、もう先生の方が十分御案内のように、何といいましても社会扶助の観点から、資産その他あらゆるものを活用しても、なお最低生活を維持できない場合に、国民に最低生活を保障するたてまえのものでございますし、恩給は御案内のような性格のものでございますので、その数字を横に並べて単純に比較するのは必ずしも当を得ないのではないかというふうに思っております。また、生活保護の基準なりあるいは恩給の場合も、毎年両方ともいろいろな改定をいたしておりますので、そういう意味においてはある時期——ある時期におきましても、やはりでこぼこもございますので、単純に比較するのはなかなかむずかしいのじゃないかというふうに思っております。
○上原委員 もちろん、私もお尋ねの中で申し上げましたように、単純に比較するのは当を得ていないかもしれない。しかし実際、恩給の最低受給者あるいは最低保障ということを考える場合に、おっしゃるように生活保護費というもの、保護法というものの趣旨あるいは性格、目的とは恩給は違いますよね。違うからこそ指摘しておきたいわけです。恩給受給者には、先ほど申し上げたように、長い間公務に奉じた、あるいは公務員としての職務があったわけですから、それなりのプライドと権利といいますか、ある面ではあるわけですね。その方々が、生活保護費よりも安い恩給だという概念が一般的にあるということ自体は、やはり単純に比較すること自体は悪いかもしれませんが、少なくとも最低保障というものがそれより上回る恩給の内容でないといけないという概念が私は出てくると思うんですね。単純比較でなくして、社会保障という立場で老後の生活保障というようなことで考えた場合には、少なくともミニマムである生活保護費よりも安い恩給の内容というのがあっていいということにはならないと思うんですね。それを私は指摘をしておきたいわけですよ。単純にその問題とこれと同列で考えているわけじゃないのです。しかしこの考え方にも、やはりそういうわけにはいかぬというあれですか。これは、むしろ大臣の方からお答えいただきたいのです。やはりそこは底上げというもの、老後の生活保障ということを考えた場合に、もっと配慮すべき最も重要なポイントじゃないかというのが私のかねがねの指摘なんです。
○植木国務大臣 生活保護法を下回っております普通恩給受給者の六十五歳以上の者、先ほど来上原委員からお話しになっております高齢者でございますけれども、これは文官の場合は、御承知のように現在は九%でございまして、改正後は二%になります。旧軍人の場合には、短期在職者が非常に多いわけでございます。したがいまして、現在では九三%ありまして、改正後は七八%になる。長期在職者につきましては、ゼロという状況でございます。いま申し上げましたように、応召軍人が非常に多うございますために、平均在職年数が五、六年というようなことになっておりますために、生活保護基準を下回っている高齢者がある、こういう状況でございます。 そこで、私どもといたしましては、やはり恩給の意義、性格というものについては、特別に規定をしたものはございませんけれども、先ほど来お話がございますように、その在職中の功労に報い、国が公務員または遺族に支給して生活の支えとしていただくというのが恩給でございます。したがって、社会保険でありますとか、あるいは生活保護とは性格は違うわけでございますけれども、しかし個々の問題の取り扱いに当たりましては、基本的な性格の枠があるにいたしましても、社会保障的な考え方を随時取り入れていくことが至当であろうと思うのでございまして、そのためには、一つの考え方といたしましては、最低保障額を引き上げるというものもございます。いろいろな面について、これから仰せのような線で改善を図っていかなければならないというふうに考えているのでございます。
○上原委員 いまお答えがありましたように、確かに単純比較は妥当でないかもしれませんが、ただ考え方としては、絶えずこの点が取り上げられているわけですから、少なくとも最低保障というものは、生活保護費を下回る恩給受給者というものをなくしていく、その方向性も一応早急に出していただいて、次年度なりあるいは逐次早急に、まあ私の要求としては、次年度からミニマムは少なくともこういう議論が——もちろん私は、生活保護者というものをべっ視するとかそういう立場で申し上げているわけじゃないんですよ。これも改善すべきであるし、また改善されてきている。しかし議論としてそういう比較が出てくるということ自体に、いまの恩給の、先ほど言った上厚下簿の問題があって、絶えず引用されるわけですから、少なくともボーダーライン、最低受給者というものはその線を下らないというところに持っていくということもあわせてやっていただきたいと思うのです。これはそういう方向でおやりになるということでいいですね。
○植木国務大臣 その方向で改善に努めてまいります。
○上原委員 そこで、厚生省の生活保護費の問題ですが、ちょっとだけお尋ねしたいのですが、現在、一級地、二級地、三級地と分かれていますね。これは、もちろんいろいろ経緯があって、きょうもこの一点だけお尋ねしておきたいのですが、最近の生活環境といいますか、あるいは物価にしても住宅にしましても、全部一級地並みということにはすぐ当たらないかもしれませんが、一、二、三、四と分けるのは、私は、むしろ不公平を拡大しているような結果になっているんじゃないかと思うのです。田舎だって物価がどんどん上がるところもあるし、家賃だって大同小異というところがあるわけですね。そういう面で、この生活保護費の等級の問題についてはもっと改善をする。一、二、三にするか、あるいは一、二にするか、そういう面でやっていった方が、現在の生活環境なり、そういう保護を受けざるを得ない方々の御要望に沿える。これがまた多くの方々の要求でもあると私は思うのですが、この面の改善の方向の検討はなされているのか、あるいはいま申し上げたようなことについてはどうお考えなのか、ちょっと承っておきたいと思うのです。
○山本説明員 生活保護は、御承知のように四級の級地という地域別にいたしまして、別々の生活扶助基準を適用しているわけでございますが、たとえば物価の水準なんかを見ますと、実はそれほどの差がございません。いま一級地と四級地の間では、級地の一つの刻みが九%でございますから二七%の扶助費の差があるわけでございます。これは、なぜそうなっておるかと申しますと、実際にその地域の生活の実情を調査いたしてみますと、物価の水準がそのまま生活に反映しているということばかりではございませんので、やはり暮らしの仕方というものが、たとえば同じ食事をいたしましても食べる品目が違う、同じ衣生活でも被服の種類が違う、いろいろそういう差がございます。そういうものを、私どもは、たとえばそれぞれの地域での家計消費というものを大きな手がかりにいたしまして、それぞれの地域での住民が、さらにはその地域での比較的低所得な人々が日々どういう暮らし向きを送っておられるかということを調べまして、それとの均衡ということで保護の基準を決めてまいるわけでございます。 そういう見地で申しますと、たとえば大都会を一〇〇というふうにいたしますと、大体同じような人員構成で町村へ参りますと、やはり七十数%という家計費を支出しているというのが現在の状況でございまして、いまの級地の二七%が離れ過ぎであるかどうかは、非常にむずかしいところだろうと思っております。しかしながら、やはり最近の推移を見てまいりますと、物価の方もだんだんに地域の差は縮まる傾向が出ておりますし、家計費の面でも、そういう田舎といいますか、小さい町村のようなところの家計費が徐々にかさむ方向に動いておるというのは御指摘のとおりでございますので、級地の差というものはやはり縮小する方向で考えるべきであるというのが、現在私ども事務当局の考え方でございまして、五十年度の予算にも級地格差を是正するための予算が若干計上されております。
○上原委員 この点も若干組まれているということですが、この問題は、直接の問題ではありませんので、きょうはこの程度にとめておきますが、二七%の格差というのも、これはそれなりの根拠があったかもしれませんが、おっしゃるように、最近の生活環境からして、ある面では東京の方が生活しやすくて、かえって田舎の方がしにくいという場合もあるわけですね。そこは実際、そういう方向でやるということですから、ぜひ早急に——いまの一級から四級までの従前の級地のとり方というのは、私は妥当じゃないと見ているわけです。またいろいろ聞いてみても、もうそんなに格差をそのままにしておくのは、行政上もやりにくいという意見も耳にするわけですね。ですから、これもぜひ近い将来において改善をしていくということで御検討をいただけますね。
○山本説明員 級地を是正するということは、一つは制度としての級地と級地との間の幅をどう縮めていくかの問題が一つと、さらには低い級地をなくすか残しておくかという問題が一つと、さらには個別の市町村ごとに格づけをいたしておるわけですが、個別の市町村の級地の格づけを上にどういうふうに上げていくか、この三通りあるわけなんでございます。 それで、これまでのところは、主として個別の町村の生活費がかさむようになるような状況変化を見計らいまして、個別に上の級地に指定がえをしてやってまいったわけでございまして、この方向は今後とも必要に応じて講じていかなければならないと思っておりますし、本年度の予算には、四級地の町村をかなり大幅に三級地に格上げする予算が計上されておりますので、今後四級地の町村というものをどういうふうに処遇していくか、なお、そういう方向で検討を進めていきたいと考えております。
○上原委員 要は、内容を密にしてよくしていけばいいわけですよ。どういう方向でやろうが、とにかくなさるということで理解をしておきたいと思います。 そこで、この問題では最後になるかと思うのですが、年金局、いらしていますね。——いま生活保護費の問題なり生活最低保障というこの年金のあり方の面で、わが国の年金制度というものを考えた場合に、確かにそれぞれの背景があり、この制度の相違というのが出てきているわけですが、いまのようにばらばらで、一方は恩給、一方は厚生年金、一方は公務員共済、国民年金というように、さらにそれを細分化していくと、もう三十種もあるというふうなことが言われているわけですね。三木内閣は、社会的不公正をなくするのが至上命令だ、最高の政治課題だということを強調しているのですが、ここにたくさん公務員の方々もいらっしゃるので、私は、官尊民卑なんという言葉は使いたくないわけですが、高いもの、制度の中身のいいのは、そのままよくしていくのもいいわけですが、やはり年金制度全体についての統合性、整合性というものをもっと考えなければいけないと思うのです、ここまできますと。 特に国民年金あるいは福祉年金という面で考えますと、要するに老後の生活保障ということであるならば、在職中高い給料をもらっておったから、その人の老後の生活保障の基準が最低どのくらいなければいけない、あるいは農民をしておったから、漁民をしておったから、その人の最低保障はこれだけということじゃないと思うのです、社会保障の年金の概念というのは。 したがって、そういう面からすると、もうこの段階までくると、やはり最低といいますか、憲法でうたわれている、いわゆる文化的な生活の最低保障というのはどのくらいかというスタンダードを決めて、どういう年金を受給しようが、恩給受給者も各種年金受給者も、少なくともそのスタンダード以下にはない、それからスタートしていくという方向性を確立をしなければいかぬと思うのです。 こういう面で、一体厚生省としては国民年金、厚生年金、あるいは共済の方はおたくでないかもしれませんが、五十一年には福祉——今年が元年かどうか知らぬけれども、五十一年には抜本的な大幅な改正をするのだということが時折新聞などにも出るのですが、どういう方向でいまばらばらになっている年金というものを一元化していく、あるいは内容を、私が申し上げたスタンダードというものを決めてやっていこうとしておられるのか。その基本的な方向といいますか、考え方だけは、この際承っておきたいと思うのです。
○坂本説明員 御指摘のように、年金制度は非常に幾つもに分かれておりまして、その内容にいろいろと相違があるということは、ただいま御指摘のあったとおりでございますが、わが国の年金制度の場合に、それができましたときのいろいろな事情、目的それから制度を構成している人たちの実情、そういったものがいろいろと違いますことから、現在の制度においても、いろいろ内容に差があるわけでございまして、これができるだけ均等な内容であるということは、もちろん望ましいわけでございますけれども、いま直ちに、そういった事情にもかかわらず、これを全く同じものにするということは、現実にはなかなかむずかしい問題でございます。 そういった問題がございますけれども、年金という一つの生活保障という点から見て、できるだけ各制度間のすき間がないように、また不合理な格差がないようにしていくということは当然考えるべきことでございまして、私どもも、基本的にはできるだけそういう方向に向かって年金制度全体が進んでいけるようにいろいろと検討はしておるわけでございます。 私どもが所管しております具体的な制度といたしましては、厚生年金あるいは国民年金という制度がございまして、これにつきましては、たとえば厚生年金におきまして、働いている期間の賃金の格差がそのまま年金額に反映することのないように、高い賃金の人と賃金の低かった人との間の年金額の差というものがある程度縮小できるような仕組みをとっておりますし、国民年金につきましても、現在ではいろいろな事情によりまして保険料の拠出額、給付額が定額になっておりますので、そういった点で年金額の引き上げの面での困難性はございますけれども、加入期間の短い人に対しても年金額をある程度優遇するというように、いろいろと仕組みの面でできるところはそういった調整を考えておるわけでございます。 今後もいろいろとそういう面につきまして、私どもも改善の方向に進んでまいりたいと思いますが、ただ、この問題につきましては、何と申しましても年金制度全体を見ますときに、各省庁に分かれておりまして、私どもだけでこれを左右するというわけにもまいらないわけでございますけれども、そういった基本的な考え方が将来実現できるように、いろいろと関係の省庁とも協議をいたしまして、できるだけ年金制度の整合性を高めていくように努力を進めてまいりたいというふうに思っております。
○上原委員 これは、おたくに聞くよりも、政治の問題として大臣に最後にお答えいただきたいのですが、そうしますと、年金の積み立て方式から賦課方式にするのだ、何か予算委員会で厚生大臣も、次年度からやるとかやらぬとかいうことを言ったとか言わないとかいう報道もあったんですが、そこいらの検討はどうなんですか。具体的に進んでいますか、それが事務段階では。
○坂本説明員 年金の財政方式を将来どうするかという問題は、年金制度にとりましてきわめて重要な基本的な問題でございます。これまでの方式としましては、いわゆる修正積み立て方式、つまり将来の費用をある程度現在の段階において積み立てていく、また、ある程度は将来の加入者にこれを負担していただくという、ちょうど完全な積み立て方式と賦課方式との中間になるような方式で今日までまいってきております。そういうことで、現在でも完全な積み立て方式ではなくて、一部は賦課方式的な考えも取り入れてやっておるわけでございますが、直ちにこれを完全な賦課方式に切りかえるということは、やはり将来の人口の老齢化の問題あるいは制度の実施がだんだん進みまして、受給者がふえていくということを考えますと、やはりある程度の準備というものをいまから考えておかなければいけないということでございますので、直ちに賦課方式に切りかえるという考えをとるのはむずかしかろうと思っております。 ただ、将来に向かいまして賦課方式というものを採用していくことについて、十分検討をするという考え方は持っておるわけでございますけれども、この賦課方式にいたしましても、基本的な考え方は、そのときの老人人口をその時代の勤労世代が扶養していくということでございまして、いわば社会的に老人の扶養を全体で考えていくという内容でございますから、やはり一制度だけで賦課方式という問題を論じるのではなくて、年金制度全体としてこれを考えることが必要であろうかというふうに思っておるわけでございます。 そういう点からいたしますと、この賦課方式の問題も、特定の制度のみでなくて、やはり年金制度全体の課題として将来考えていかなければいけないということでございますので、現在の段階で事務的にどういう具体的な方法でいつ賦課方式という形をとるかどうかというところまでは、まだ決定できる段階ではございません。いろいろと先ほど申し上げましたような、将来の基本的な方向をどのように考えていくかという中で、費用の負担の面においても各制度間の均衡というものを十分に考えながら、今後検討を進めていきたいという段階でございます。
○上原委員 そこで長官に、いまの課長さんの御答弁は、ちょっと納得しかねる面もあるのですが、時間の関係もありますので、私が申し上げたいのは、確かにその歴史的な経緯なり性格が異なる面もあって、一元化の問題はむずかしいと思います。しかし社会保障という立場から考えますと、どういう年金に加入しておろうが、老後の生活は保障できるのだという保障さえあれば、どんどん目減りをしていく預金を無理して、将来の生活とかあるいは子供の教育費ということで預金する必要もないわけですね。もっと国民全体がある面では精神的なゆとりを持った、リラックスした生活をしながらそれぞれの職務に精励できる、私は、それが社会保障の一般的なあるべき本来の姿だと思うんですね。そういうことがないものだから、いまのように非常にあくせくしながら、預貯金もしなければいけない、あるいは仕事もしなければいかぬ。しかし高度成長下におけるそういう時代は過ぎていると思うんですね。 そこで問題は、一元化ということが当面即時にできるとは、私も素人で考えても思えませんが、少なくとも一定額の保障ということと、たとえば公務員共済ですと、御案内のように五十五歳ですね、二十年、まあ十七年というのもありますが。一方の厚生年金は、二十年入って支給が六十歳以上だ。国民年金に至っては二十五年入って六十五歳からだ。実に不公正、不公平なんですよね。老後の生活保障ということであるならば、いわゆる年齢の受給権というものは、公務員共済であろうが厚生年金であろうが国民年金であろうが、私は、たてまえは同じものじゃないといかぬと思うんですね。 少なくともこれらの問題については、これは政治の話であり、また老人対策の閣僚でもあられると思うので、こういうことからまず入っていって、いまの年金の中身というものについて、国民全体がそういう方向で保障される方向づけというものをやらない限り、これは政府官庁のなわ張りなり、あるいはそれぞれの共済なり厚生なりのいろんな思惑などもあって、なかなかいかないと私は思うんですね。やはり年金制度というもの、社会保障というものは、そういう方向に持っていかなければいけない段階にきていると思うのですが、こういう方向でやる御意思が大臣としてあるのか。国務大臣という立場で、少なくとも年金制度はそういう検討というものを早急にやるべきだ、そういう中で恩給というものはどう位置づけなければいかないのかということで、もっと抜本的に解決をする、改善をしていく、あるいは改正をしていく、制度化を改めていく、これがいま国民の一番求めていることだと思うんですね。これに対しての御所見を賜っておきたいと思います。
○植木国務大臣 突然の御質問でございますけれども、いまお話しのように、公的年金制度というものは、目的あるいは沿革、仕組み等につきましてそれぞれ違った姿をとっております。しかし老後の生活の最低の保障をすべきであるとか、あるいは通算についての配慮を行うべきであるとかいうようなことは、御指摘のとおりだと思うのでございます。 そういう意味におきまして、各省庁間にまたがっているそれぞれの制度でございますけれども、公的年金の連絡調整のための会議などを開くことによりまして、それぞれの公的年金制度というものが整合性を保つことができますように政府として配慮すべきが当然であると思うのでございます。 いろいろ困難な問題のあることは、もう上原委員も御承知のとおりでございますが、そういう障害を乗り越えながら、老後の最低生活を少なくとも保障していくということについて、せっかく努力を続けてまいりたいと存じます。
○上原委員 公的年金の一元化が即座にできないにしましても、最低の保障額、いわゆる生活給ですね。最低というよりも生活保障、その一定の額は、どういう年金に加入しておっても保障していく。同時に受給資格についても、もちろん沿革なりいろいろありますが、あっても、一方は五十五歳で、この人は六十歳でいい、この人は六十五歳だということも、これまた社会保障という立場からすると不思議なことで、考え方としてそうあってはいかぬと思うのです。ですから、そういう方向でひとつ検討していく。つまり、そういうものをぴしゃっとやれば、恩給問題でがたがた言う必要はないのです、実際問題として。要は最低の保障というもの、老後の生活保障はどれだけでなければいかないのか。ミニマムは夫婦二人なら二人、あるいは三人なら三人、四人世帯なり五人世帯なら幾らというような、少なくともこれだけの額があれば生活保障はできるのだという、これを一つの基準として年金の上限というものを広めていく。そうでなくして継ぎはぎで制度というものができたものですから、非常なアンバランスというものができてきているわけですね。 そこで、いま私が申し上げていることについては御理解——御理解というより、そうはいかぬだろうというお考えじゃないと思うのですが、少なくとも閣僚としてはそういう方向で今後のわが国の公的年金制度というものは改善をすべきである、あるいはまた相互の整合性というものを見出していくべきであるということについては御異論はありませんね。そういう方向でおやりになりますね。
○植木国務大臣 いろいろ問題がございますけれども、異論はございません。
○上原委員 ぜひひとつ、そういう方向でこの年金問題というのはやっていただきたいと思いますし、それをやらない限り、いろんな面で生活保護の問題なり、あるいは恩給の最低保障なり、特に国民年金の問題等において国民の不満というのがますます出てくると思いますので、ぜひひとつそういう方向で御努力をいただきたいと思います。 そこで、この件と直接は関係ありませんが、大臣は沖繩開発庁長官でもありますので、若干ぜひお尋ねをしておかないといかない問題がありますので、後しばらく時間をいただきたいと思うのです。 それは御承知のように、去る四月の十九日に金武村浜田において二人の女子中学生が米海兵隊に白昼暴行を受けるという事件が起きたわけですが、もうすでに大きく報道されたとおりなんです。私はこの問題については、早速外務省、それに警察庁にも抗議をすると同時に、犯人、被疑者の身柄をわが方に引き渡すべきだという要求もいたしましたが、残念ながらそれは達成できませんでした。細かいことは、いずれお尋ねするのですが、それとの関連でどうしてもがまんできない問題があるわけです。 そこできょう、この事件について、特に外務省は一体どう見ておられるのか、今後のこともありますので、改めてお尋ねをしておきたいのですが、まずこの事件について、外務省独自の調査というものはやっておられないと思うのですが、どうなんですか。
○山崎(敏)政府委員 この事件が四月十九日に発生いたしましてから、直ちに私たちは警察庁と連絡をとりまして、詳細な捜査状況を聴取しておりました。それからさらに、検察を担当しております法務省とも連絡をとりまして、早急にこの問題を起訴に持ち込むようにたびたびお願いしたわけでございます。ただ外務省は、沖繩に手足を持っておりませんので、その独自の調査というものはいたしかねた次第でございます。
○上原委員 じゃ、いわゆる事件の内容といいますか、あるいは被疑者の調書なり捜査、そういう取り扱いについては、すべて外務省独自でなくして、警察庁なり法務省なりあるいは防衛施設庁にまかして、その報告を外務省は受けたということですね。
○山崎(敏)政府委員 さようでございます。
○上原委員 そうであるならば、捜査をどのように進めていくかというのは、警察庁なり現地の沖繩県警なりの態度といいますか姿勢、見解というのを外務省も尊重する、みずからそういう調査なり捜査はしないわけですから、もちろん外務省にそういう権限があるとは私は言いませんが、そういう立場であったということで理解していいですか。
○山崎(敏)政府委員 もちろんそういう捜査につきましては、警察及び法務当局に全面的にお願いする以外はないわけでございますが、これを実施するに当たりましては、日米間に地位協定の関係規定がございますので、それに従って当然行われるものと期待しておりました次第でございます。
○上原委員 地位協定の話はいまやってないのです。そういうふうに警察なり法務省なりにまかせたんですね。まあ、あなたのここまでの言い分は私わかりました。 そこでこれは、長官にお尋ねしておきたいのですが、たしかこの問題で閣議でも長官御自身御発言になったと思うのですが、その閣議での問題提起あるいは総理大臣みずからこの問題に対する言及をなさったという報道もあるわけですが、その内容について改めてお聞かせをいただきたいと思います。
○植木国務大臣 四月二十五日の閣議の席上でございますけれども、この事件の概要につきまして私から説明をいたしますとともに、この事件は公務外で行われたことは明確であり、かつ少女に対する乱暴というきわめて悪質な事件でありますので、沖繩県民こぞって激しい抗議の感情をあらわしておるところであり、また、この感情は国民全体のものであるということを報告をいたしました。 また同時に、現地警察は直ちに米軍に対して容疑者の身柄引き渡しを要求しているが、米軍は地位協定第十七条五項(C)を理由にきつく引き渡しを拒否している、地位協定のいかんにかかわらず、速やかな犯人の身柄引き渡しが実現するよう強く要請をするということを申しますとともに、このような事件が円滑に処理されないと日米の友好関係にも重大な影響が起こるという発言をいたしたのでございます。 これに対しまして、外務大臣から地位協定につきましてのいろいろな説明がございましたが、総理からは、私の発言を受けられまして、地位協定のいかんにかからわず、犯人の身柄引き渡しを強く要請するようにという御発言があったのでございます。 その後、二十八日に至りまして、地方検察庁が強姦致傷で那覇地方裁判所に起訴いたしまして、それとともに身柄は日本側に引き渡されているというのが現状でございます。 いずれにいたしましても、私といたしましては、この二少女乱暴事件というものは、沖繩県民のみならず、日本国民全体にとって大きな問題であるという事件の認識のもとに発言をいたしたところでございます。
○上原委員 いま私が公式の場でこれを改めてお尋ねしたのは、私たちも非常にこの問題を重視しているわけです。ただ十九日に起きて二十五日というのは若干、一週間くらいの経緯はありますが、その点において私は、大臣の御発言に敬意を表するのです。で、そういう総務長官あるいは沖繩開発庁長官として閣議という場で、地位協定のいかんにかかわらず、悪質な事件であるので身柄をわが方に引き渡すべきだ、総理もそれをやれという指示をしたわけですが、それに引きかえ外務省どうなさいました。
○山崎(敏)政府委員 私たち、閣議の内容については詳しくは存じておらないわけでございますが、この問題に関しましては、外務大臣にも御報告申し上げ、そして外務大臣としても、問題は非常にむずかしいが、やはり地位協定に従ってできるだけ迅速に処理をして、起訴をして身柄の引き渡しを受けるように関係各省をさらに督促するようにという御指示を得た次第でございます。
○上原委員 いま総務長官がお読みになりましたね、それについては、あなた自身は、じゃあどういうふうに思うのですか。地位協定とかそういうことでなくして、問題は、外務省の政治姿勢の問題を私はただしている。役人である以上、もちろん条約、地位協定あるいは法律というものを尊重するというあなたの立場まで私は否定をしません。しかし、この種の問題についての外務省、外務大臣を含めたあなたの政治姿勢を私は問題にしているんですよ。そこまで言うなら、いま長官がおっしゃったことについては、どうお考えですか。
○山崎(敏)政府委員 私は、一局長でございまして、政治姿勢について申し上げる資格はございませんが、この問題に関しましては、随時外務大臣に報告をし、御指示を受けて行動したつもりでございます。
○上原委員 政治姿勢について発言をなさる立場でないとするならば——政治的な問題になる発言をあなたやってきたじゃないですか。局長、よくお聞きになっていただきたいと思うのです。私も、この問題が起きて、すぐあなたにも申し入れて、あなた、そのときにも地位協定を持ち出した。それはともかくとして、白昼、中学一年生、一方は中学三年生ですよ。たしか十一、二歳と十四、五歳ですね。私は、その被害を受けた方にも直接会ってみたのです。十九日に事件が起きて、私が現場に行ったのは二十四日、まだ血痕が残っています。しかも、そこは海岸の岩だらけのところなんですよね。もし、あなたの子供が白昼そういうことを、米人にでもあるいはだれにでも、受けたという場合、どうなるのですか。そこまで考えて、局長であろうが、役人であろうが、発言をしてもらわねば困るのだ。 しかも私、その被害を受けた子供、女子中学生を見て非常に感じたことは、小さい方を石で後から殴ったんですね。頭の三カ所か四カ所ぐらいまだ傷を受けていますよ。小さい方をぶん殴って、大きい方に手をかけている。そして大きい方は抵抗をして手に傷を受けている。七、八メートルもあるがけの中をよじ登って逃げていっているんですね、裸で。ここまでされても、なぜわが方の政府というものはアメリカに対して物が言えないのか。ここに沖繩県民や国民の強い不満と要求があるのを本当にあなた知らないのですか。これを問題にしているんですよ。 そこであなたは、参議院の外務委員会でも、あるいはまた日本婦人会の方々が抗議をしたことに対しても、米軍が駐留している限りは、この種の事件というのはやむを得ないという発言をしておられる。これでいいのですか、本当に。 私は改めて、いま大臣と総理大臣でさえも、協定のいかんにかかわらず、極悪非道、悪質な事件であるから直ちにわが方に身柄を引き渡すべく要求をすべきであるという政府見解が出た以上は、局長たるあなたは、それに従わなければいかぬですよ。基地があるからとか米軍が駐留しているからこの種の事件はやむを得ない、これでいいんですか、本当に。 改めて私は、あなたの真意を承ると同時に、それが事実であるならば、この場で国民に対して、なかんずく沖繩県民に対して謝罪をしていただきたい。その意思があるかどうか。
○山崎(敏)政府委員 最初に私は、この二少女に対します暴行事件の報告を受けましたときに、非常なショックを受けまして、非常な憤りと深い悲しみを覚えた次第でございます。 私は、事件を知りました後、直ちに在京の米国大使館のピートリー参事官に対して深く遺憾の意を表しまして、また、こういう事件が今後決して起こってはならないということを申しまして、また米軍の軍紀をさらに厳正にするよう強く申し入れた次第でございます。 さらに、四月の二十四日に日米合同委員会の会合がありました際に、このことを米側に対して正式に自分から申し入れるつもりでおったわけでございます。ただその当日、たまたま参議院の外務委員会が開かれまして、私の出席も求められておりましたので、この合同委員会に出席できませんので、私の代理の者をして同様のことを申し入れさせた次第でございます。 したがいまして、私としましては、このような不祥な事件が多少起こることはやむを得ないというふうな感覚でこの問題に対処していることは決してございません。私としましては、このような事件は決して起こってはならないし、また、このような行為は許すことはできないものであるというふうに考えております。 したがいまして、四月の二十四日の参議院外務委員会におきまして行いました私の発言が適切を欠くものであったということは、深く反省いたしておりまして、その点は深くおわび申し上げたいと思います。
○上原委員 そういう姿勢がないと私はいけないと思うのです。別に私も事を荒立てて、非を問うというつもりはないのです。しかし、あなたの発言をめぐって県内において——本当に考えてみてくださいよ。石ころでぶん殴られて、いたいけな中学生が白昼暴行を受けるということに対して、米軍が駐留している限りやむを得ないとか、あるいは人間社会には犯罪はつきものだというような、ストレートにはそう読めないにしても、そういう内容のことを、事もあろうにアメリカ局長が言うということに対しては、国民という立場で、私は、国民代表であると同時に沖繩県民の代表なんです、絶対許せない。いま、そういう適切を欠いたことに対して深い反省をしておられるが、今後もこういう問題が実際起きるかもしれないんですよ。重々そういうことは肝に銘じていただいて、この種の問題に対処をしていただきたい。 きょうは、おわびをするというお言葉がありましたのでこれ以上深入りしませんが、内容につきましては、またいずれかの機会に、本委員会なりほかの方でもその機会があると思いますので、これに対しては、きょう県会議員の代表もお見えになるし、この問題はいろいろ尾を引くと思ったので一つの区切りを、あなたの本当の真意を聞きたかったがゆえにこの問題を出しましたので、そこいら御理解をいただいて、きょうはこの程度にとどめておきたいと思います。 そこで総務長官、いまそういうことがありましたが、今回とった大臣の態度には、先ほど申し上げましたように私は非常に敬意を表します。今後とも、この種の問題というのは起きるかもしれませんから、重々今後の処理の問題について閣議でも、あるいは政府という立場でやっていただきたい。最後に、何か御所見がありましたら賜っておきたいと思うのです。
○植木国務大臣 二十五日の閣議の発言の際、外務大臣からも私の発言についてはよく理解ができるという御発言がございました。その後アメリカ局長が参議院において発言をせられました言葉の中に、私といたしましても、これを受け入れることができない内容のものがございましたので、局長にもその真意を確認いたしましたところ、必ずしも伝えられるようなことではなかったということでございまして、私自身きわめて遺憾であるということをアメリカ局長にも申しましたし、アメリカ局長からも遺憾の意が表せられたのでございまして、今後再びこのようなことがないように、政府を挙げて努力をしてまいらなければならないと存ずるのでございます。
○上原委員 以上で終わります。
○木野委員長代理 次回は、明七日水曜日午前十時理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時二十六分散会