逓信委員会 第23号
- 発言数
- 77 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1975/06/25
会議録
○地崎委員長 これより会議を開きます。 郵便貯金法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。田中昭二君。
○田中(昭)委員 先週に引き続きまして、貯金法の一部改正でお尋ねするわけですが、貴重な時間でありますからいままでの議論を踏まえて抽出してお聞きしていきたいと思います。 その前に、このたびの貸付額を二十万から三十万に引き上げる、こういう改正でございますが、この引き上げなければならない理由はどういうことでしょうか。
○船津政府委員 お答えいたします。 先生御承知のように、この貸し付け制度は二年半前に創設されまして、初め十万円の貸し付け幅、現行二十万円でございますが、これを三十万円に引き上げるように御審議をお願い申し上げております。その理由は、二十万という額は創設当時よりも二倍にはなりましたものの、物価騰貴下におきましては利用上低きに失しますので、かつまた利用層の方々の要望が非常に強うございまして、これを五十万円ないしそれ以上にしたらどうだという圧倒的な御要望も調査の結果わかっておりますし、これを三十万、何で五十万にしないのだとおっしゃるかもしれませんが、先ほど申し上げましたように創設以来二年とちょっとということでございますので、この利用状況をまたここ一年そこら見まして、また上げ幅を考えたい、こういうふうに考えております。
○田中(昭)委員 この郵便貯金の現在高等に関連してでございますが、郵便貯金の口座が大変多くなっておりまして、人口の二倍以上の二億四千万口からの口座に上っておるのでございますが、これはどういう事情によるものでしょうか。
○船津政府委員 各種の調査月報とか日銀貯蓄増強委その他の統計資料にそういうふうな数字が間間見られましたが、私の方の手落ちもございまして、実際の実情を先生の御質問を機会にお答え申し上げますが、二億四千万口座という数字もございます、この数字は誤りではございませんけれども、一応内実を申しますと誤りでございまして、総数は通常貯金、積立貯金、定額貯金、まあ定期貯金というのは非常に数が小そうございますけれども、定額貯金と申しますのは総額三百万円まで、極端に言えば一万円ずつの貯金をしていただくならば三百枚まで可能でございまして、定額貯金の場合の総数をそういうふうな意味でとりますと、口座ということじゃございません、約一億三千二百万枚ということでございます。そのほかに、いわゆる二億四千万口座と言われております数字の中には、通常貯金といたしましても戦前の朝鮮、台湾、広東州等のいわゆる旧外地での郵便貯金が四千万口座、これは居所も不明でそのまま利用がございません、四千万口座は睡眠、全く掘り起こしようのない口座でございます。これらのものを二億四千万から差し引きますと七千四百万口座というのが実数でございまして、この中の一千万口座が積立郵便貯金の口座でございますので、いわゆる通常郵便貯金、日ごろ出し入れしていただいておるものは六千四百万口座という数字に相なるわけでございます。 蛇足でございますけれども、貯蓄に関する世論調査の結果、全人口の、日本国民の約六八%が郵便貯金を利用していただいておるという数字がございますので、この六千四百万口座という数字はほぼそれに合致するというのが実情でございます。
○田中(昭)委員 この郵便貯金は庶民のささやかな金を貯金するという趣旨で設けられておる、このように思うわけでございますが、しかしいまその二万四千口は間違いであると言われましたが、ただその内容ですね、確かにそういう外地から引き継いだ四千万口というのがあることはわかるわけでございますけれども、私は普通預金の七千三百万の口数の中にも、この郵便貯金の本来の趣旨と違った貯金がなされておる、二、三年前からこの郵便貯金がいわゆる脱税の手段に使われているというような世論もあるわけでございますが、そういうものは貯金局としてどう受けとめておられるのか、その辺の事情がわかればお願いしたいと思います。
○船津政府委員 私記憶するところ、読売か何かの新聞で、脱税に郵便貯金がというような大きな囲み記事が一遍出たように記憶しておりますが、非常に誤った根拠の数字その他を使った記事でございまして、本来国営事業といたしまして郵便貯金総額が一人三百万円可能でございます。それをオーバーする場合は厳重に、まず郵便局の窓口で三百万円以上は預かりませんよというようなことでお断りいたしますし、地方貯金局におきましても適宜日を決めまして、名寄せといいまして預金音別に現在高をトータルいたしまして、これがもし三百万円を超しておるというようなことにでもなりますれば、所轄の、通帳を利用していただいておる郵便局に通知いたしまして、郵便局がまた利用者の方に通知して、この減額といいますか三百万円以下、法を遵守する額以下までに是正していただくということでございます。先生も御質問のように、脱税という場合に考えられますのは、甲野太郎が実際の名前でございますれば、甲野二郎、三郎、四郎というようなことで架空名義でするというようなことも絶無ではないという感じを持ちますけれども、これはやはり郵便局の管理者、郵政局の貯金の事業に当たっている人に、私自身が、そういうような官業の品位と節度を守るように、そういうことをさせないように十分意を配れということで、日ごろ会議の席上ないしは通達その他で厳重に注意を喚起して、そういうことがないようにということで絶無を期して事業経営に当たっておるということでございます。
○田中(昭)委員 きょうは大蔵省の税金関係の主税局、国税庁に来てもらっておりますから関連してお尋ねしますが、このささやかな庶民の貯金が、三百万という限度がありながら、世論でいま言われたようないわゆる脱税に郵便貯金が使われているということについてはどのように認識しておられるのか。主税局、また現場の国税庁の方から意見を聞きたいと思います。
○水野説明員 ただいま先生のお話でございますが、ただいま郵政省の方からもお話のございましたように、執行に当たりましてそういった事態の絶無を期するように御努力をされているということでございまして、私どもとしても、郵政省のそうした誠意と御努力に御期待申し上げているわけでございます。そこの技術的な名寄せの方法でございますとか本人の確認の問題でございますとか、そこらの点につきましては、私どもも必要なことを郵政省の事務当局ともお話を進めておりまして、そこらにつきまして、そういったものが制度的にも事務的にも確保されますようにお話し合いはしているわけでございまして、一にかかって私どもとしては郵政省の御努力に御期待申し上げておりますし、またそのようになされているものと私どもとしては確信しているわけでございます。
○田中(昭)委員 国税庁の答弁の前にもう一つつけ加えておきますが、いわゆるこういうささやかな貯金であるために非課税の規定があるわけですね。その郵便貯金の利子に対する非課税規定、これが立法上——いまの世間でいろいろ言われる脱税に使われているというような問題と、この非課税規定というものがありますが、この辺の立法と現実のそういう世論を踏まえての考え方はどうなのか、もう一つ主税局と国税庁からお聞きしたいと思います。
○水野説明員 おそらく先生も郵便貯金自体について課税をするというところまではお話しではなかろうと思います。零細な庶民の貯金でございまして、そのもの自体につきまして非課税措置をすることにつきましては、先生も基本的にはおそらく御了承いただけるかと思いますが、ただ問題は、いまのお話の限度の問題でございまして、そこらにつきましては、従来郵便貯金そのものにつきましてはすべて非課税ということでございましたが、四十八年の改正で悪意の預金者が限度をオーバーして預金をされているということが万一ございましたら、その分につきましては課税はいたしますという改正も行ってまいっているわけでございます。しかし、そういった事態が絶対に起こらないようにということにつきましては、むしろ同じ国の機関でございます郵政省が御努力をされているかと思いますので、現在の仕組み、考え方といたしましては一応は課税しないということで妥当ではないか。なお、今後そうした悪意で限度をオーバーするような事案がたくさん出てまいりましたというようなときには、また基本的に私どもとしても郵政省とお話して考え直す必要はあろうかと思われますが、現在の事態のもとでは非課税というものも先生にも御納得いただけるかと思います。
○宮本説明員 ただいまの点に関しましては、水野主税企画官が話されたことと同じでございますので、それをもってかえさせていただきたいと思います。
○田中(昭)委員 もう少し親切に答弁しなければいけませんよ。言いたくなければこっちから言わなければならぬようになるのですが、まず、いま主税局の方で私が何か郵便貯金に課税しろというようなことの云々というような話がありましたけれども、私は零細な郵便貯金に課税することはけしからぬという立場でいま話しているのですよ。もちろんそれは法律でちゃんと三百万の貯金に対しての非課税規定はあるわけですから、それがあるならば、それがどのように実際の現場の中で運用されているか。これは郵便貯金だけではありません、普通の金融機関の預金についても非課税がありますから、そういう中で国が行っている金融及び市中の金融機関のやっている問題、これも含めて考えなければならない問題ではないかと私は思うのです。 そこで、いま貯金が相当な残高になっておりますが、この貯金の一口当たりの平均現在高というものを見ましても、そんな三百万とか百万にほど遠い金額なんです。だけれども、先ほどから世論にあるように、脱税に利用されているというのは、この平均額以外のものがあるからそういうことになっているのである、こういうふうに思うわけです。そこで、そういう制限額をオーバーして貯金をしておる、その中にもいわゆる脱税に利用するというようなための貯金はないとは言えないという御発言。ですから、どういうものがあるのか。貯金局の方から、それでは具体的例を、その名寄せの結果ですか何か知りませんが、貯金総額が超えたものに対しては減額の処置をしておる、こういうことでございますから、その内容をどういうふうにやっているのか。そして主税局はそれをやったものと現実の法律と比べてどういう話し合いをしているのか。またその話し合いというのは現場の国税庁においてはどういう指導をしているのか。そういうたてまえに立っての御説明をしてください。
○船津政府委員 地方貯金局におきます名寄せはどういうふうにして行われているかということでございますが、地方貯金局では毎年一定の時期に預入申込書によりまして預金者の住所、氏名、預入年月、預入金額、記号、番号を記入した名寄せ小票を作成しまして、次にこの名寄せ小票によりましていわゆる名寄せというものを行います。同一預金者の名寄せ小票の預入金額の合計額がいわゆる現行三百万の制限額を超えているというような場合には制限額以内にするという措置を、先ほどお答え申し上げましたように、いたすわけでございます。そういうふうにいたしました件数でございますが、お尋ねでございますので御参考までに申し上げますが、四十五年度——その当時の記憶が私ちょっとあれでございますが、総額制限額といういわゆる非課税限度は百万でございましたか百五十万でございましたか、ついせんだってまで、百五十万円が先生方の御審議で二年前に三百万になったわけでございますが、その限度額というものが頭の上にありますけれども、その限度額をオーバーしまして措置した件数でございます。四十五年度一万六千八百十二件、超過金額が百九十一億円。こういうものを超えていますよということで利用者の方に引き取っていただく措置を講じております。四十六年度一万五千九百七十一件で、オーバーの額は百三十八億円。四十七年度一万七千五百六十三件で、オーバーの額は百八十五億円。四十八年度は一万七千二件でございまして、制限超過金額は百六十二億円。四十九年度についてでございますけれども、現在集計中でございますが、前提条件といたします制限額が一挙倍の三百万ということに引き上げていただきましたので、正確な数字ではございませんけれども、件数も金額も減っております。制限額がふえたのが直接の原因と思いますが、約九千件、額にいたしまして、概数でございますが約百億円。そういうことに相なっております。
○田中(昭)委員 それでは、大体四十五年から、いまお聞きしましたこの数字と金額を見てみますと、四十八年までは件数も余り増減がない、金額も大した相違はないと思いますが、そうしますと、四十五年から四十八年までの一件当たりの減額した金額は幾らになるのか。その中で最高は幾らぐらいのがあるか。それからおおよそで、何百万単位でいいですから、四十九年ではどういうのがあったか。
○船津政府委員 四十五年度からの数字、私は大体覚えておるわけでございますが、正確な数字ではございませんが、九十何万円とか、ある年度では一件当たり百万円をちょっと一万か二万超している年度もございました。まれには二百万とか何とか超しているやつもあろうと思いますが、平均しますと九十万から百万円、減額措置の対象になって、これだけ引きおろしてもらうということをやったわけでございます。
○田中(昭)委員 国税庁でつかんでおります、いま超過は九十万ぐらいが平均だというのだけれども、最高でどのくらいの減額されたものに対しての利子課税を行っておりますか。——いま計算しておるようですから、貯金局長さん、最高はどれくらいのがありましたか。私は平均を聞いておるのではない、最高を聞いておるのです。問題は、その最高額のもの一件でいいでしょう。それ以上に、たとえば百五十万なら百五十万というものに上積みされる金額ですね、それは。そうなりますね。その最高のもので、いままでで名寄せをやって最高の減額を一口当たりやったのはどれぐらいのがあるか。記憶でもいいですから。
○船津政府委員 正確に御質問にお答えできないのは非常に遺憾に存じますが、最高どのくらいのがあったかということはつかんでおりませんが、最高制限額の倍くらいのものがまれにあったということを……(田中(昭)委員「それじゃ二百万というのはなかったということになるじゃないか」と呼ぶ)三百万が限度額でございますので……(田中(昭)委員「百五十万を二百万超過したものはないということになる。さっきは二百万のがあると言った」と呼ぶ)現行制限額は三百万でございまして、三百万以下は……
○田中(昭)委員 いま説明したでしょう。だれがどうだったというようなことを言っているのではないのですから。あらかじめせっかく名寄せをして、大きな膨大な事務を抱えて、全国二十八ブロックですか、何か知らないけれども貯金局で一生懸命やるわけでしょう、年がら年じゅう。その中で最高どのくらいのがあったかということを聞いておるのですよ。ですから、四十八年までは百五十万でしたね。私はあなたの先ほどの答弁を聞いて、その百五十万を超すこと二百万ぐらいのがあったと記憶しているとおっしゃったから、当然、限度額と加えれば三百五十万以上のものがあったのだな、こう私は理解しているわけですよ。ですから、超過額でいいですから、超過額が二百万のがあったのか、三百万のがあったのか、五百万のがあったのか。一件でも五百万のがあれば、五百万のものがありました、こう答弁していただきたい。
○船津政府委員 総額制限額が百五十万のときに、私のお答えをまとめますと、制限額の倍ぐらいのものがまれにあったということで、二百万のこともあったと思います。
○田中(昭)委員 それじゃ国税庁。そんな計算ができないはずはない。
○宮本説明員 お答え申し上げます。 私たちのいま手持ちの資料をちょっと見ておるのでございますが、最高という数字がなかなかちょっとすぐには出ないのでございまして、ただ、あるサンプル調査で私たちが把握した中で見出せる限りでは、いま郵政省から御報告のあったよりもやや大きい額のものがあるのじゃないだろうかというふうな感じを受けております。
○田中(昭)委員 私は前もってちゃんとこういうことを聞くということは言ってあるのですよ。だから、そんな、ここに資料を持ちませんというような——資料を持たぬでもいいから、あなたも国税の事務についてはどのくらいタッチしているか知りませんけれども、こういう問題が問題になるのは、脱税の調査に入って査察に入ったときの例があろうと思うのです。そういう例が過去に、あなたの記憶でもいいのですから、どういうのがあったか、どのくらいの額があったのか。恐らく一般の調査でそういうものがあるわけじゃないでしょう。査察に行かれた場合の問題でしょう。それを言うてください。
○宮本説明員 お答えいたします。 査察の御指摘でございましたが、私の方で記憶する限りでございますので、あるいはもしこれが間違っておりましたら御訂正願いたいと思いますが、約一千万ぐらいのものがあったように聞いております。
○田中(昭)委員 一つが一千万の郵便貯金が摘発された。 主税局はどうですか。非課税規定とあわせて、そういうものがあった場合には、いまの現行法規で妥当ですか、どうですか。
○水野説明員 税金に非常に御関心をいただいております先生に非常に御心配いただきまして、私どもも全く先生と同じ気持ちでございまして、そういったものはぜひひとつなくしていただきたいという気持ちでございまして、そこらにつきまして、郵政省の方の御努力、誠意を御期待するわけでございます。 関連しましての非課税のたてまえでございますが、そういう一千万とかそういったものが続出するというようなことでございましたら、私どもとしてもなお郵政省なりと御相談して考えなくてはいかぬじゃなかろうか。現在のところでは、たてまえといたしまして非課税というのも、まず現在のところでは適当なものではないかと考えますが、先生の御指摘は私どもとしてもちょうだいいたしまして、なお考えてまいりたいというふうに思っております。
○田中(昭)委員 いま国税庁で一千万以上というようなことが言われ——それに近い数字でされておった。これはいまのあなたの言う制限額の云々という問題とは違うのですよ、問題が。だから問題は、そういう名寄せをやってわかる部分、それと査察の調査によってそういうものがあるということは、これはいま主税局は続出するというようなことが話が出ましたけれども、一年間に新規に預入する郵便貯金の中で、多かれ少なかれ二万件近い、名寄せによってだけでも発覚するものがある。それ以外に、調査をすれば——いわゆる悪質な脱税と思われるやつですよ。私は本当は善良な庶民の預貯金には税金をかけることなんかやめてしまえ、制限を取り払って、そういうわずかな預貯金に対する利子に課税をすること自体がどうか、こういう考えを持っているのですけれども、そういう意味で、名寄せする分と、それから調査をすれば一千万の郵便貯金があったということ、これを踏まえてどうですか、貯金局長。
○船津政府委員 業務量が膨大になっておりまして、先生おっしゃるような、そういうふうな不祥な架空名義による脱税目的の郵便貯金が皆無であるとは私もここでは申し上げることはできませんが、そういうことの絶滅を期しましてあらゆる方法で——名寄せも一つの方法でございます。それからまた利用者の方は大体九〇%以上の方が、利用する郵便局というものが固定しております。郵便局の方がやはりそういうふうな国営事業の品位と節度ということを頭に置いていただきまして、脱税目的の、三百万を超した預貯金であれば、それはお控えください、私の方は受け付けできません、というようなことをするようにしておりますし、また巧妙に意図的にあっちの郵便局、こっちの郵便局で制限額以上のものを預金するようなこともなきにしもあらずという場合も想定いたしまして、各地方貯金局から同じそういうふうな地方貯金局にまたがるやつも一緒にしまして名寄せをいたします。ペンネームその他住所、勤務地だとか本拠地だとかいろいろ使い分けるというような場合も、一々本籍地なら本籍地、現住所なら現住所に限定するように、窓口でこの利用の仕方を厳重に、言葉は悪いですが、そういうふうに規制いたしまして、そういうふうな不祥な脱税目的の架空名義その他による郵便貯金の利用というものがはびこらないといいますか絶滅を期す、ということでいろいろな手だてでやっておるわけでございます。絶滅を期していつもやっておるということをお答え申し上げます。
○田中(昭)委員 もう少し聞いておかなければいかぬのですがね。いまの名寄せをして減額をしたものが大体九十万から百万円ぐらいのものが出てくるわけですね。これはいまの件数で割った金額でしょう。違いますか。
○船津政府委員 さようでございます。
○田中(昭)委員 それに対してもう一遍聞きますが、主税局、国税庁はそのことをどう受けとめますか。
○水野説明員 現在の制度といたしましては、いまの郵政省のお話のように減額をしていただく、減額がされないときにはたしか国債を郵政省の方で買って保管をされる、そういうふうなシステムになっているかと思います。そういう場合におきましても、それがたまたま納税者と申しますか、貯金者の方のちょっとしたミスであるとか思い違いであるとか、そういった場合でございましたら、その間の部分につきましての利子につきましても一応非課税でございますが、預金者がもう自分としても限度を超えておる、あるいは何口も持っておられるということを十分承知の上で、あるいは脱税の目的でされておるという場合には、一応は悪意の場合ということで課税というたてまえになっておりまして、その点につきましての制度的な対策は一応はされているわけでございますが、そういったものが一応制度的にはそういった仕組みはできてはございますが、何と申しましてもそこはやはり郵政省の御努力、誠意でそういったことはむしろ起こることのないようにしていただきたいというのが私ども気持ちでございます。
○宮本説明員 ただいま御指摘がございましたように、国税庁といたしましては郵政省の方でそのような指導を積極的にやっていただけておると思いますし、またこれを今後ともさらにいい方向に、より積極的に御指導願いたい、こういうふうに考えております。
○田中(昭)委員 だからそれによって名寄せをやった結果をいま開陳してもらったわけでしょう。努力をやっておるのですよ。それに対してどう思うかと聞いているのですよ。そんな、答弁をはぐらかしちゃ困りますね、わからぬかもしれぬけれども。 それじゃもう少し言いましょうか。減額をやる。二万件近い百何十億、一口当たり平均すれば九十万、そういう減額する預金者には、脱税のためだけじゃないという人もおろうと思うのです。形態としてどういうのがあるのか、わかっておりますか。たとえば家族名義で自分の家族のために預金をするとか、それからそれ以外の脱税といいますか、ただ、わからなくてする場合もあろう、そういう三通りぐらいに分けて、一万七千件なら一万七千件のうちに、分類すれば故意じゃなくてわからなくてしたものがどのくらいあるのか。明らかに脱税の意思をもってしたのがあるのか。その脱税の中にはいろいろあると思うのですが、一つの例を挙げれば、お父さんが子供の名義で預金するというようなこともあるでしょう。こういうものがわかりますか。
○船津政府委員 先生非常にお詳しくて、額をオーバーしたものの態様を三通りに分けて教えていただきましたが、善意の知らないで三百万を超えておったというようなこともありましょうし、家族名義のやつはちょっとつかまえようが——私も、制限額はオーバーしておりませんけれども、子供の名前でときどき貯金することはございます。それはちょっとつかまえることはできませんが、意図的なものも私先ほどから申し上げますように絶無じゃない、間々ある、という事態を踏まえて貯金法も減額措置その他の規定を設けておるわけでございまして、これを忠実に励行するのが貯金局長の務めだろう、こういうふうに思っております。 私ちょっとよけいなことを申し上げるようでございますが、金沢で郵政局長をしておりましたとき、新潟の地方貯金局で減額措置をやったというようなことを例として聞きましたのが、仮にそのとき百五十万が限度額だといたしますと、ある人が百五十万預金しましたらある年代が経過しますと利子がつきます。利子がついてこれが百七十万になった。そうすると二十万オーバーしている。この利子の分だけ減額するというような措置まで講じるくらいに私の金沢時代には新潟地方貯金局は措置をやっておったというようなことでございまして、非常に厳格にこういう減額措置というようなものに貯金局の幹部は目を光らして励行しようという体制にはございます。
○田中(昭)委員 それだけ厳格にやっておるなら——その内容をいま私は聞いているのですよ。いまの百五十万貯金しておって何年かしたら百七十万になったと言うけれども、それは二十万も利子がついたというのは、ちょっと実例と違うかもしれませんね。二十万利子がつくためには何年貯金しなければいけませんか。そういう実例をいまあなたはおっしゃったわけです。それはちょっとまずいと思うのです。そこまで厳格にやっているということだろうと思う。 そこで、そこまで減額をやった。一万七千口座、二百億近い百何十億というものが制限をオーバーしておりました。問題は、その制限オーバーした一万七千口、四十八年で百六十二億、その対象者の中で悪質なやつは問題だ、こういう世論があるわけですよ。せっかく努力してやった。それはどうなったのか、全然わからない。国税庁も進んで答弁しようとしない。これは完全に現行法律を無視した怠慢です。そうでしょう。制限をオーバーした者には課税しなさいという規定もつくったのでしょう。所得税法施行令の十八条には非課税にはならない利子というものをちゃんと挿入してある。こういう法律ができたけれども、これに該当して課税したことは一件もないという事態なんです。国税庁もそれは貯金局の努力に任せております——任せておって、実際その規定があるのに悪質なものについては利子課税もやらない。それじゃこの規則はないに等しいじゃないですか。それならこれは抜かしなさい。あってもなくも同じなんだから、適用したことはないんだから。どうですか。
○船津政府委員 先ほど計数を申し上げました制限額を超過の件数及び金額でございますが、おっしゃるとおりでございますけれども、その態様を、意図に基づくものか、知らないで善意にオーバーしたものか、家族名義かというような、三態様お分けいただいたわけでございますが、態様的につかむことはいまのところむずかしくてまだいたしておりませんが、先生のおっしゃることは、私の方はそういうふうな制限額を超過したものを、まあウの目タカの目というのは言い過ぎかもしれませんが、とにかくそういう法励行のたてまえから何らかの方法で相当の力を尽くしまして捕捉しまして、そしてこれを郵便局を通じまして本人に御通知して制限額以内におさめていただいている額が、いま申し上げた四十五年度からの件数及び金額でございまして、これによって所得税——私も税法は余り詳しくございません、専門家の方がおいででございますけれども、その以前にその合法的な制限額内におさめていただいておるという努力をしておりますし、今後もまた続けなければいかぬ。御承知のように所得税法で郵便貯金は無税。所得税法施行令で、四十八年ですか、故意または重大な過失により総額制限額の規定を超えて預けた場合は、その超えた部分にかかわるところの利子に対しては課税するんだと、超える部分、その課税する部分を減額措置ということで、なくしておるというのが実情でございます。
○田中(昭)委員 では、そういう努力をされて貯金局の方で一万七千口ですか、四十八年度で百六十二億の貯金を減額通知したというのですが、これを受けて国税庁としてはどうしますか。そのまま何もほっておいていいですか。
○宮本説明員 お答えいたします。 御承知のように四十八年までは非課税でございました。四十八年以降三百万を超過した分、あるいはその当時、限度百五十万でございますかを超過したものにつきましては課税をいたすたてまえになっておりまして、私たちの方で、ある法人税に関する調査でかなり多額の限度を超過したものについて把握した事例を私はたまたま聞いておりますが、そのような場合には法人税の収入に上げるようにちゃんとなっております。 個人の預金者に関しまして限度を超過した分につきまして課税対象になるということになりますと、四十八年以後のデータにつきましてわれわれの方でまだ把握いたしておりませんので、ちょっとその点お答えできないという状態でございますが、いずれにいたしましても郵政省の方から御答弁がございましたように、このようなことが限度を超えないようにより積極的に御指導願いたい、こういう感じであります。
○田中(昭)委員 全然実務に触れてない。私は大変これは問題だろうと思います。ですからもう一遍、貯金局長に聞きますけれども、四十八年に課税するという施行令を入れましたね。これを適用して課税したことはありますか。
○船津政府委員 課税の関係につきましては、私の方も従事員その他に業務上の知識としていろいろ教えてはおりますが、源泉徴収の仕事は貯金局自体としてやっておりませんで、国税庁ないしは主税局の方の範囲の御質問かと思います。
○田中(昭)委員 いまのことでいいですか、主税局。
○水野説明員 ただいまのお話の一万件、そうした件数のその減額をされた措置、そういったケースにつきましては、それが本当に預金者の悪意だ、故意だというケースでございましたら当然課税になるわけでございますが、恐らくそれは一万件あっても郵政省の方の御指導で減額されるということで処理されておられれば、故意、重大な過失ということでなくて処理されておるんではないかというふうな気がいたします。 それから脱税のためとかあるいは査察で出てきた場合、こういう場合は恐らく悪意、重大な過失ということでされるのだと思いますが、その場合におきましても一応課税はなされますが、源泉徴収という方式に乗りませんで、その納税者の方の申告を待つというふうなたてまえになっておりますので、恐らく郵政省の方としては把握はされておらないだろうと思われますが、四十八年に発足いたしまして査察とかそういったもので出てまいったそういう案件につきましては、内部で連絡をいたしまして総合申告をするような措置がとられているものと私どもとしては考えております。
○田中(昭)委員 そこまでとらえてないから問題にしているのですよ、とらえていれば問題にしませんよ。ですから私は、いまの故意並びに重大な過失で課税したことがあるかないかということを聞いたのですよ。ところが、どうもその答えがなくて、まああるかないかわからないような答弁だったのですけれども、聞いてみますと大体ないそうですね。ないという状態の中で、いま主税局からはオーバーしたものについては適当な処置をとっておるという、こういう答弁でございましたけれども、減額の通知をするまでには相当な期間があるわけでしょう。その期間は利子はつけてあげるのですよ。その辺の問題を私は聞いたわけなんですね。だけれども、ちょっとそれじゃ答えになりませんね。この問題はもう少し私、言いたいこともありますけれども、まあ国の政策で零細な預金者から金を集めているということもありまして、これは重大な問題ですから、また時間があるときに質問さしてもらうことにして、次に移ります。 郵便貯金事業は、過去現在までどういうことを重点に貯金業務というものはなされてきましたか。各年の郵便貯金業務を行うための基本的な施策、それをどういう施策があったか、簡単に言ってください。
○船津政府委員 大きな御質問でございますが、紋切り型にお答え申し上げれば、郵便貯金法第一条に規定されております趣旨を体しまして、国民の福祉の向上を図るために預金者の利益を図るために簡易で確実な貯蓄手段をあまねく公平に提供いたしまして、利用者の方々の福祉の増進を図るということで、全国津々浦々に二万一千の局がございますが、利用しやすいように従事員も訓練いたしましてやってきたところでございますが、為替、振替の業務を含めまして、経済、社会生活の進展に伴いまして、住民の方といいますか利用者の方のニードといいますか需要が相当に多様化、高度化してまいりますので、それに即応するように為替、貯金事業もオンラインその他の計画も打ち立てまして、国民と密着した福祉の増進につながる、そしてまた資産形成にも——こういうインフレのときといいますか物価騰貴のときは余り口を大きくして言えませんけれども、それにつながるような姿勢で、従事員一緒になって大臣のもとで経営していくというのが姿であろう、こういうふうに思います。
○田中(昭)委員 そういう国策に沿って業務をやっていただくとすれば、やはり国民に対する、法規定によって、サービス精神というものが大事じゃないかと思うのです。これはそういうことを中心にやってこられましたかどうか。いかがですか。
○船津政府委員 お答えといたしましては、とかく政府、国営の窓口、現場事務に当たる人たちの姿勢、態度——よそのことを言う必要はございませんが、国鉄、郵便局、役場、不親切だというようなこともございますし、それを意識しまして、先ほどの、密着したというお答えに実際的に沿うためには、口念仏だけではいけませんので、四十二年から貯金局の方が——もちろん保険も郵便も全部窓口はそういうふうなサービス面、まあ、現象的なサービス面の話をして非常に次元が低うございますけれども、それが一番大切だと思っておりますが、委員会を設けまして、サービスを向上させる手だてはあらゆるものを尽くせということで、現場の郵政局長——私も郵政局長を一、二度やりましたが、ほとんど頭の中にサービスといいますか、現場のそういうふうな利用者に対する態度というものを、個別的になりますけれども、私自身は重点的に指導したわけでございまして、こう言っては口幅ったいのでございますけれども、四十二年から毎年いろいろ年を追うて、少し郵便局の窓口もよくなったというようなことをときどき声をかけていただく、特に特定局の場合で。普通局はいまだしの感じをまだ持っておりますけれども、こういうような点で、先生のおっしゃるサービスを現象面で取り上げましてお答えして非常に恐縮でございますが、そういうふうな意味のサービスならば、多年これまた利用者と直接接する窓口の訓練というものを重点的に、今後ももちろんやっていくつもりでございます。
○田中(昭)委員 郵便貯金をしておりますと、一年に一遍元金に利子をつけてくれるわけですが、この利子記入についての法律並びに規則をひとつ教えていただきたい。何条にどういうふうにあって、そしてそれを受けて政令でどういうふうに決めてあるかということをひとつ教えていただきたい。
○船津政府委員 正確に事務的にあるいはお答えできないかと思いますが、法文上は、利子記入の条が貯金法の第二十条にございまして、「貯金原簿所管庁」、いわゆる地方貯金局でございます。「又は郵便局は、通常郵便貯金の預金者の請求があるときは、省令の定めるところにより元金に加えられた利子を通帳に記入する。」ということでございまして、私の知識でもし誤りがあれば、後で訂正させていただきますが、通常貯金の場合、利子記入は、本人が通帳を持ってきていただければその場で局で受けつけまして、いわゆる原簿所管庁、地方貯金局に送りまして、利子を計算して、ある程度日数がかかると思いますが、利子を記入しましてお返しする。それ以外の場合には三月三十一日が年度末、これによりまして各種の通帳の利子の計算をいたします。各種というのは通常貯金の全部、先ほど申し上げました六千四百万口座、二十八の地方貯金局が利子計算をいたしまして、それは四月二十日ごろから各貯金局にまとめまして計算しまして、それで任意に——任意ということではございませんが、その中の三分の一ですか、自発的にこちらから、あなたの通帳、何の何がしさんの記号番号の通帳の利子は、ことしの三月三十一日ならば三十一日には何万何千円ついておりますよということを記入して、元金通知書というものを全部が全部お知らせすると非常にサービス上よくて、利用者の方も助かるわけでございます。そんなに利子がついておったかということになるのでございますけれども、それは及び得ませんので、先ほど申し上げました数字が違っていれば訂正しますが、三分の一なり何分の一なりに、地方貯金局から御通知を差し上げる。そして、おう、自分の通帳にはこれだけついておったな、ということがわかるというような仕組みになっておりますが、お答えになりましたかどうか。
○田中(昭)委員 法律は貯金法の二十条ということで教えていただいたのですが、この二十条を受けて省令で定める項目があるわけでしょう。それも一緒に簡単に。いまの三月三十一日に利子を記入するということでいいのですから、そしてそれが現実に窓口でどういうふうに行われておるのか、その点をもう一遍説明してください。
○船津政府委員 郵便貯金規則の十四条、十五条、十五条の二もございますが、これに利子記入の関係の規定がいわゆる省令で定められておりまして、十四条は、ちょっとくどくどしくなりますが読ませてもらいますが、「通常郵便貯金の預金者は、通帳に第五条」——利子の計算方法が規定されているのが第五条でございますけれども、その計算方法によって「元金に加えられた利子(以下「元加利子」という。)の記入を受けようとするときは、」利用者が記入を受けようとするときは、「通帳を郵便局に提出してこれを請求しなければならない。」。先ほど申し上げましたように、利子を記入してくださいといつでも請求できるわけでございます。この場合において、通帳を書類と一緒に提出するということになっております。 第十五条に利子の記入という条文がございまして、「前条の規定による請求があったときは、貯金原簿所管庁は、」地方貯金局は、「通帳に未記入の元加利子を通帳に記入し、これを書留郵便により預金者に返付する。」、そういうふうになっておりまして、先ほど私が御説明申し上げたのは大体間違ってないお返事であったと思います。 先ほど三分の一とかなんとか、通帳の請求がなくても十九条の二で現在高を御通知申し上げるという決めがございまして御通知するわけでございますが、いわゆる睡眠口座と言いまして、一年間その他出し入れがなくてそういう利用がないものは除きまして、活動しているある金額以上の、原簿に現在高がありますところの通常貯金の利子というものは必ず計算されますので、かなりな数のものを、三分の一か何かは後で正確に御返事いたしますけれども、記入して差し上げている。書留郵便で差し上げている。元金通知書とでもいいますか、私ももらったことがございますが、先生方のところにもときどき御利用になっていればまれに来るはずでございます。
○田中(昭)委員 この利子記入について大変お客に迷惑をかけたということがあるようでございますが、そのことの概要をひとつ説明してください。
○船津政府委員 先生から教えていただいた利子額通知書、先ほどの十四条その他で請求して郵便局に提出して、それが地方貯金局の処理その他がおくれたという事例はいまどういうことかとお尋ねでございましたが、恐らくこのことだろうと思います。 御指摘のありましたる貯金は甲府地方貯金局の所管に属するものでございまして、貯金局の内部の処理がちょっとおくれたということでございます。その事情は、甲府地方貯金局では目下貯金原簿の手作業をEDPS化するという仕事に従事しておりまして、切りかえ作業中でございます。また、パンチャーのいわゆる頸肩腕症候群といいますか、職業病の対策といたしまして、電算機への入力方式をパンチシステムからOCRシステムに移行中であるというようなことなどがございまして、これは内部事情で弁解になりませんけれども、それで利子額通知書がそういう切りかえ作業中その他で集中したというようなことから内部事務がおくれまして、相当のおくれを見たという事案だろうと思いますが、申しわけなく思っております。
○田中(昭)委員 そういう内部事情を私は聞いたのじゃないですよ。現実に起こった、どこの郵便局でどういう人が預けに来てどういうことだったのか、それを聞いているのです。私の方から指摘してわざわざ調査に行かれてしたんだから、もう少し親切に答えてください。
○船津政府委員 先生のおっしゃいますのは恐らくこのことだと思います。処理した地方貯金局は甲府地方貯金局でございますけれども、磯本サトさん名義の利子額通知書のことでございます。磯本サトさんはことしの三月三十一日に、局名を挙げてあれでございますが、杉並上井草局の窓口で先ほど申し上げました利子記入をしてもらいたいということで、それで局はその利子額通知の請求を受け付けたということになるわけでございます。先ほどちょっと説明を先にしてしまいましたが、年度年度の利子計算を三月三十一日を区切りまして各地方貯金局の交渉計算がございます。それをまとめるのに暇がかかるので、四月二十日ごろからこの利子計算を実際上一斉に二十八の地方貯金局が始めるわけでございますが、現場の上井草郵便局の局員の方が頭にそういう事情がちょっと詳しくておありになって、これは出されても四月二十日以降にしか計算できませんから——これは地方貯金局の実情を御存じの当務者だと思いますが、本当は三十一日の申し出のときに受け付けてしかるべきところを、二十日ごろしか計算しませんので二十日ごろと申し上げたところ、二度足を磯本サトさんに踏ませたというのが第一の私の方の不手際というか、非でございます。それが、先ほど申し上げましたように甲府の地方貯金局の内部事情でなおかつおくれまして五月三十一日に、二月かかってと申しますか、三十一日には一応引き取られて、二十一日にまた足を運ばれて利子を計算して通知してくれとおっしゃったものが、五月三十一日に利子額三万二千五百七十円と計算されたものをお届けできた。できたのですが、その間、意思表示をなさった三月三十一日からは二月ちょうどかかっておるという事例かと思います。善意といいますか、悪意でサービス不足でそういうあれをしたわけではございませんけれども、二つの手落ちがあった。窓口でそういうふうなことで二度足を運ばせて、甲府の内部事情でまたおくれた、こういうことであろうと思います。おわびしたいと思います。
○田中(昭)委員 その事情も、まだ肝心なところの本人の心情的なものについてはいま触れられてない。もう時間がありませんからこのくらいでとめますけれども、まず利子記入について手落ちがあった。そしてサービスもできなかった。ところが貯金局は、毎年サービスは最重点に取り上げて訓練もしておる、仕事もやらしておる、こう言うのだけれども、どうですか大臣。貯金業務も大事な業務でございますが、先ほどから言うように零細な預金者のお金を預かるわけです。その中で、まず利子記入を申し込んだところが事情により受け付けられないと言って二度足を踏ませたという手落ちがあった。そういう手落ちは、何も犯罪とかそういうものじゃないのですから、サービス精神があればそんなことにはならないはずなんです。そしてさらにサービスを欠いておったから、やっぱり預金者はこれは心情的にも納得いかぬですよ。零細な預金をする人に窓口を開いておる郵便局が、手落ちがあった上にサービスも欠いておる。ところが貯金局では、サービスを業務の最重点にしていると言う。ちょっとぴんと来ないのですが、いかがなものでしょうかね。
○船津政府委員 先ほども御説明申し上げましたようなことでございますが、窓口の当務者は地方貯金局の内部事情に通暁しておりまして、四月二十日以降しか扱わぬということを軽くあれして、御利用の方に二十日以降しかやりませんのでというようなところで二度足を踏ませたということで、私は善意だと思うのでありますが、何もサービスをつっけんどんにして、あなたまた来たってだめだというようなことでやったわけではなかろうと思っております。本来ならばもちろんおっしゃるとおりに、三月三十一日にお申し出のときに預かりましてこれを処理すべきが当然でございます。私の方は磯本サトさんの心情的なものを考慮いたしまして、本省の課長補佐が自宅に行きまして、こういうことでございますと御説明申し上げましたし、そのときの——私ちょっとまた口が滑りますけれども、磯本サトさんは、上井草の局の日ごろのサービスは非常に局風その他明るくて温くていいんだというような御印象を漏らされたそうでございます。私の方もそういうことを聞きますと、またサービスに一段と努めなければいかぬというようなことに思いをいたすわけでございますが、先生のおっしゃる趣旨を体しまして、今後ともそういうふうな手違い、たとえ善意に出るにしましても、そういうものがないように、磯本サトさんに限らず利用者関係全部の人に対して意を尽くして、業務に通暁して、またそういう手落ちがないようなことを心がけたいと存じております。
○田中(昭)委員 私はどうも善意に解釈をしてみても、お客さんが利子記入をしてくださいと言ってきたときに、いつ以降でないと受け付けられませんと言うようなことは、これはどういうことでしょうかということがまずその根底にあるわけですよ。それと一つは、上の方でサービスしなさいと言っておっても、現実にはサービスするどころか規定に違反するようなことが行われている。言っているだけではだめじゃないですか。こういうことを言っているのです。大臣、いかがでしょう。
○村上国務大臣 御指摘のようなことがあるとしますと、これはお客様に対して非常に不都合であります。私の知る範囲では、貯金関係の従業員は非常に好感の持てるようにいままで私は受けとめておりましたが、今後特に窓口等でそういうことのないように十分注意をしてまいりたいと思います。
○田中(昭)委員 この問題については、当局もそういう手落ちのないようにしっかり業務を遂行してもらいたいと思います。 時間を控えておりますから次に移りますが、郵便貯金の特別会計の問題です。特会自体がただならぬ状態にあるということについては、もう時間がございませんから省きまして、簡単に言いますが、いわゆる郵貯特会の収支が大変悪化しておる。これはどういう実態ですか。いわゆる収入、支出、その差額を収支差額と言うそうですけれども、それに対しては基本的にどういうように考えるべきですか。
○船津政府委員 郵便貯金特別会計の収支の内容でございますけれども、四十八年度までは利ざやがございまして、黒字決算であれしておりますが、四十九年度から本年度予算の見込みに至るまで逆ざや、赤字が見込まれております。簡単に申し上げますが、この原因といたしましては、四十八年の四月以降五回にわたる利率の引き上げによる利子負担増、それからまた御承知のような大幅な人件費、私どもの貯金事業も主に人件費に頼るわけでございますけれども、人件費の引き上げ。これを別な角度から申し上げますと、もう一つ重大な原因がございまして、郵便貯金の預金利率の最高限に大体ひとまず目安が置かれますが、これと収入になります資金運用部からの預託利率との利差、これが四十八年の七月に至るまでは、少なくとも〇・五%から一%、時によって変わりますけれども利差がございまして、それで預託利子収入が多いわけでございますから黒字でずっと来たわけでございますが、四十八年の七月の引き上げのとき〇・五%引き上げた。預金利率は引き上がりましたが、これに伴って預託利率が連動しなかったという事実がございます。ですから、私の方の定額郵便、貯金の最高利率と預託金の利子収入の利率とが、現行八%ずつでございますが、ずっと一緒に来ておる。いわゆる利差がない。それが原因でございまして、五十年度、また五十一年度もこのままにおいて推移しますと、相当な赤字が予想されるということでございます。 これに対する基本的な態度はどうだということは、副次的にはほかにもいろいろのものがございましょうが、先ほど申し上げましたように、原因ははっきり利差がないというところにございますので、今後関係の向きと真剣に、鋭意預金利率と預託利率の利差を生むように、これは比較的の問題でございますが、それが何%であるのが適当かというのは構造的にいろいろ両者で詰めなければいかぬと思いますけれども、大臣もしばしば御言明になっておられるように、これを五十一年度の予算編成に当たっては最重点に持っていくのだとおっしゃっておられるようなことを体しまして、関係の向きと鋭意収支状況の好転を来すような詰めをしていきたい、こういうように考えております。
○田中(昭)委員 そういう貯金局の考え方を大蔵省は受けて、どういう考えを開陳なさっておるのか、ひとつわかりやすく個条的に教えていただきたい。
○佐藤説明員 郵便貯金特会の収支がここ一両年悪化してまいっていることは事実でございまして、私ども長期的に見て、特会の収支の健全化を図るためにいろいろ考えていかなければならぬ事態に来ておると思います。 ただいま郵政省の方からお話がありましたように、昨年、つまり本年度の予算編成の過程でございますが、預託利率の点についていろいろ御要望がございました。この点につきましては、大蔵省も関係するところが多いわけでございまして、主計局、理財局、銀行局、いろいろ検討したわけでございますが、非常に預金金利あるいは貸出金利の変動の激しい事態でございますし、一方で非常に預金金利が高くなっている、他方貸出金利の方はいろいろな政策目的から言ってそう急激な引き上げができないといったような事情がございまして、五十年度は現在の姿のまま予算を組んだわけでございます。この問題は、今後預金金利の動向あるいは貸出金利の動向等もにらみ合わせながら、最終的には特会収支の健全化を図るという立場におきまして、郵政省、大蔵省の間で慎重に検討してまいりたい、かような方針で現在おる次第でございます。
○田中(昭)委員 その程度のことならば、前回の委員会でも議論がなされたわけでございますが、郵貯特会の健全な運営を図るという意味からは、大蔵省ひとつもう一遍親切に教えてもらいたいのですが、いわゆる預託金の運用利回りと、それから貯金局が支払います支払い利子と運用の経費といいますか資金コストといいますか、これが大体同じになってくるということ、この郵貯特会の健全化ということについて、どういう点を大蔵省としては貯金局に話をなさったのか。そこで問題になった点はどういう点なのか。もう少し具体的に教えていただきたい。
○佐藤説明員 先ほど郵政省の方からお話のありました、預金利子とそれから預託金の利率が同じになっておるというのは、実は預金の最高のところの利率と預託利率が同じになっているということでございまして、預金の種別によってはもっと低い率のものもあるわけです。したがいまして、運用利回りとコストというのは、全体を比較しなければいかぬわけですが、その全体が五十年度では若干逆ざやになっておるという実態でございます。 その点につきましては、私どもできるだけ特会の健全な収支という観点からは改善を図らなければならないわけでございますけれども、特会の収支全体を見ます場合に、やはり長期的な観点からも見なければならぬ。それから、一方ではやはり金利全体のバランスというものもございまして、五十年度におきましては最終的な結論を得るに至らなかったというのが実態でございます。
○田中(昭)委員 それでは、いまあなたがおっしやったことをもう一回私理解するために大事な点を言いますと、いわゆる預託金の利回りとそれから貯金局が払う利子とは最高額においては同じだ、こういうお話があった。その最高でない部分については収支差額が出るのだが、それで健全な運営を図るというのは窮屈ではないか。そういう点について、私はもう少し説明をしてもらわなければ大変わかりにくいのですが、四十八年度からそういう収支差額がなくなったということも議論されたわけでございますけれども、私もここに四十一年から預託金利の支払い、いわゆる貯金局の収入になる部分と、それから貯金局が支払います利子と、この利子には結局運用利回りのさやのある分も含まれて支払いされるわけですが、これで数字を見てみますと、この実態が四十六年ごろから起こっておりますね。ということは、四十六年の預託金利の受け入れは千七十七億、それに対して支払い利子が八百八十六億ですけれども、これに事務費がかかりまして約千三十億。千七十億に対して千三十億。四十七年が千四百六十億に対して支払い利子が約千百五十、それから事務費が二百八十。ですから、これではもう千四百三十。収入は千四百六十億。百億円で切れば、もうこの段階で千四百億の預託金利の受入額が実際の支払い利子と事務費でかかってしまっておる。そうじゃないですか。長期的展望というならば、私は四十五年の状態から見てみると四十六年からが一番ひどいですからここから取り上げたわけですけれども、四十八年に至ってはもう預託金利の受け入れよりも支払い利子と事務費が多い。受け入れ利子が千八百億、支払い利子が千六百億で事務費が三百億ですからもう千九百億。これは四十八年度において、健全な運営どころか、特別会計だけの経理を見ていけば完全に破綻です。大臣、四十八年ころから云々と言いますけれども、四十六年から始まっているのです。ですから、こういうことを私がここで指摘する前に、具体的にそういう数字、決算額というのが出ているわけです。大蔵省から受け入れる金利が千八百億。簡単に言いますよ、百億円単位で切り上げて。支払い利子と事務費で千九百億になる。これでどうして郵貯特会の健全化が図られますか。
○船津政府委員 申し上げにくいのですが、先生のいまおっしゃいました数字は……
○田中(昭)委員 違いますか、これは。
○船津政府委員 対前年に比べてふえた部分の利子収入と支払い利子及び繰り入れ事務費という観点でとらえられた数字としては正当でございますけれども、総体といたしまして各年度をとらまえますと、実は四十七年までは預託利子収入で支払い利子、事務費、諸経費を賄いましてなおかつ〇・一一という利ざやが出ております。四十八年度までの利ざや、その以前の四十六年、四十七年と利ざやが出ておりまして、そのトータルの剰余金の積立金といいますか集積でございますけれども、その黒字が四十八年度末で千七百三十五億円ございます。これが、先生御指摘のように、四十九年度は支払い利子の方が上まさりまして〇・三六の逆ざや、大体金額にいたしまして六百二十億くらいの赤字。預託利子収入よりも支払い利子ないし経費率、事務費その他の方が上まさる。赤字になる。これが五十年度の予算の見込みでございますけれども、逆ざや率が〇・三六が四十九年度でございますが、五十年度は〇・四四となりまして、ほぼ金額で九百二十億赤が立ちまして、大体五十年の末には四十八年まで積み立てられました千七百三十五億円の黒字といいますか剰余金が取り崩されてしまう事態になるのではなかろうか。その傾向値を、いままでの条件をずっと踏まえまして計算いたしますと、五十一年度、五十二年度、五十三年度相当大幅な赤字が見込まれるというわけで、先生の御指摘のように、預託利率の預金利率に見合う、そういうような収支が悪化しないものを構造的に、いろいろな条件のもとに求め出す努力を、郵政省は大蔵省に対して共同作業といたしまして真剣に検討していかなければならないというのが実情でございます。
○田中(昭)委員 私は貯金局のために議論しておるのですよ。それはもちろん繰越金があるからどうのこうのという問題は、この前も土橋委員の議論をここで聞いておりましたが、性質が違うじゃないですか。だから私はいま対前年増加額で——大蔵省の方も、預金金利の全体から見た場合に差異があるんだから、それで考えている、検討している、こういう話だから、前年よりも預金金利がふえる部分と経費がふえる部分が、経費が多くなればこれは問題じゃないですか、そういうとらえ方をして、それで大蔵省としてはどうそれを見ていくか、ということを私はいま聞いている。では、主計局の方からお願いします。
○佐藤説明員 郵政省の方からも御説明いたしましたように、四十八年度までは単年度で黒字を出している状況でございます。四十九年度以降、単年度で見ますると収支が逆転いたしておるわけでございますが、お話しいたしましたように、過去における累積の積立金というものもございます。一方、預金金利と貸し出し金利の関係につきましては金融情勢全体からくる非常にむずかしい問題もございまして、そういった観点から目下のところ預託利率は引き上げられておりません。おりませんが、郵政省からお話がありましたように、五十一年度以降現状のままで金利水準が推移するとすれば非常に容易ならざる事態になりますので、今後郵政省と特会収支の健全化を図るという観点から御相談を申し上げたいというふうにいま考えておる次第でございます。
○田中(昭)委員 私はいまの大蔵省の答弁では、あくまでも四十八年度の黒字ということにこだわって大変不満な答弁です。なぜかといいますと、私がそういうことをわかっておりながら四十六年からの収入と支出の増加額をいま並べて申し上げた。そこに一遍戻って何で議論できないのですか。それでどうして健全化などということを言えるのですか。この貯金の実際の業務においては、まだ業務をするためにいろいろな経費が要る。一つを取り上げればいわゆる募集手当、こういう問題でも、貯金局の要求予算を大蔵省はばっさり削っている。こういう問題にも大変な問題があります。そこまで私はきょう入りたかったのですが、時間がございませんから入れませんけれども、そういう議論までしていきますと、やはり四十六年くらいからもう収入と支出の前年対比がパーパーになってくるという事態から、そのしわ寄せが実際の業務を行う第一線の貯金を獲得する人たちの経費の圧迫ということにかかってきておるとするならば重大問題だ。 こういう意味において、この問題についてはまた後日に送ることにしまして、きょうはこれで終わりたいと思います。
○地崎委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○地崎委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。 郵便貯金法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○地崎委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 なお、ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○地崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○地崎委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時五十一分散会