逓信委員会 第16号
- 発言数
- 104 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1975/05/22
会議録
○地崎委員長 こよれり会議を開きます。 昭和二十四年五月以前の簡易生命保険契約に関する特別措置法案及び簡易生命保険法の一部を改正する法律案の両案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。古川喜一君。
○古川委員 私は、昭和二十四年五月以前の簡易生命保険契約に関する特別措置法案について若干の質問をいたしたいと思います。 最初に、昭和二十四年五月以前の保険に関する特別措置法案の対象となる契約件数は二百三十三万四千件、保険料の総額一千九十九万円、保険金額の総額が二十二億九千四百万円となっておりますが、これはこのとおりですね。
○北政府委員 そのとおりでございます。
○古川委員 対象件数二百三十三万四千件の内訳ですが、昭和二十年以前いわゆる終戦以前と終戦後二十四年五月までに分けた場合の件数はどうなりますか。
○北政府委員 終戦と申しますと二十年の八月でございますけれども、当時の月別のものがちょっとございませんので、仮に昭和二十年度以前を含めてそれ以前のものと、二十一年度以降のものとに分けてお答え申し上げますと、それぞれの契約件数は昭和五十年の十二月末におきまして、昭和二十年度までのものが百九十二万七千件でございます。ちなみに保険金額が四億八千三百七十八万円。一件平均の保険金額が二百五十一円。それから昭和二十一年度以降のものは四十万七千件でございまして、保険金額が十八億一千二十二万円。一件平均の保険金額が四千四百五十一円。こういう見込みでございます。二十年度の新契約締結当時の状況を見ますと、いわゆる終戦前のものが大体九五%を占めておりますので、終戦の前と後という区別でもおおむねこの数字に間違いはないというふうに存じております。
○古川委員 次に、この措置法案の第三条に言われている特別一時金の金額、それから保険金の繰り上げ支払い金、分配支払い金及び特別付加金の額の合計額と、いま申し上げました区分別の額はどうなっていますか。
○北政府委員 特別措置の対象といたしております契約の一件平均で申し上げますと、保険料額が四円七十一銭……(古川委員「そう聞いているのじゃない。保険金の繰り上げ支払い金、分配金、付加金です」と呼ぶ)わかりました。 保険金の繰り上げ支払い金は一件平均九百八十三円でございます。それから分配金、すなわち配当金の繰り上げ支払い金の一件当たり平均が千二百六十二円でございます。それから特別付加金の一件当たり平均は三千円、こういうことでございます。 これを総体の金額にいたしますと、保険金繰り上げ支払い金の方は約二十三億でございます。それから分配金繰り上げ支払い金の方は約三十億でございます。それから特別付加金の方は約七十億、合計約百二十二億円、こういうことに相なります。
○古川委員 今度の措置で、いまの経済情勢では、過去の保険契約というものは現在ただいまでは完全に補償するだけの金額に至っていないものが多いと考えられるのですが、この行われる措置というのは、目減り対策あるいは物価にスライドしてという金額で支払われるということになっているのかどうか。もう一つ、この措置法案の目的と理由、どういう理由で行われるのか。さらに、これは加入者からの要望によってなされるのかどうか。このことをお伺いいたします。
○北政府委員 お答えいたします。 本措置の理由、目的でございますが、これは法律案の要綱にもございますところでありまして、結局、簡易保険事業の効率的運営、それから加入者の利便、これを図るために実施しようとするものでございます。したがいまして、いわゆる貨幣価値の変動に伴う目減り補償というものを目的とする措置ではないわけでございます。すなわちこの措置は、保険金及び分配金を繰り上げて支払うとともに、その際事業経営の効率化による将来の経費節減額、これをめどにいたしまして特別付加金をあわせて支給をしよう。そうするものでありまして、いわばこれらの契約の多年にわたる保険事業への貢献、それからこの特別措置をやりますことによりまして保険事業の効率化が図られるわけですが、これに対していわば御協力をいただく関係になりますので、そういった意味合いから事業として可能な範囲でこれに報いようとするものでございます。なお、この措置につきましては数年前から加入者の方から強い要望があった事情がございます。
○古川委員 先ほど、今度の特別措置による対象件数、一件平均幾らという金額を承りましたが、この保険に対しての申し出はどの程度の申し込みがあるだろう、さっき言われました二百三十三万四千件という件数を対象にしてどのくらい申し込みがあるだろう、そしてどのくらいの金額になるだろうという見込みを立てておられるのか、承りたいと思います。
○北政府委員 先生も御承知のように特別措置の対象になる件数が五十年の一月現在におきまして推定いたしますと、二百三十三万四千件あるわけでございます。この場合、実際にどの程度その消滅方の申し出があるだろうかというお尋ねだと思いますが、私どもこの措置をやりますにつきましては、措置をやる期間も前後通算いたしまして三年半というものを考えておりますし、それから幸いにこの法律が御可決いただきますれば、公布の日から直ちにその利用者に対しまして、こういう措置があります、これは非常に有利でありますということでPRにも努めたいと思いますので、そのほとんど大部分が申し出ていただけるものというふうに存じております。 ちなみに、かつて、御案内のように郵便年金につきまして特別措置を行いましたが、そしてあの特別措置も終了しておりますが、その支払い割合のトータルが七九%という数字でございます。今回の場合はさらにそれを上回る申し出があるのではないだろうか、こういうふうに考え、かつ努力をしてまいりたいと思っております。
○古川委員 期間は三年半であり、大部分が申し込みがあると考えるということでありますが、さきに行われた郵便年金の場合は七九%で二一%残っておるわけですね。今度の保険の場合もやはり残るだろうと考えられるわけでありますが、この未整理のものを今後どう処理していこうとされるのか。当然いまの答弁で見ましても一〇〇%とは答えておられないわけですから、そのことを伺いたい。
○北政府委員 結果的に未整理のものが絶無であるということは、これはできないことだと思います。また、一部の契約につきましてはこの特別措置に応ずるよりも、これはあらかじめ予測できないことでございますが、不慮の事故等によられまして倍額支払い条項の適用ということを考えますと、対象になる契約の一部につきまして特別措置に応ずるよりも不慮の事故による倍額支払いの方が有利になるようなケースもございますし、その他、残った方が有利というようなケースも若干、レアケースとしてはあり得ると思います。 いずれにいたしましても申し出の期間というものがいわゆる除斥期間でございますので、この期間内にお申し出がない場合にはその契約は依然として有効に存続する、こういう形で残るわけでございます。決して効力は消滅はいたさないわけでございます。
○古川委員 その消滅するかどうかという意味で聞いたのでなく、いわゆる簡易生命保険事業の運営の効率化を図るという考え方でこの法案が出てきておるのに、未整理が残るということはその目的が一〇〇%達せられないんじゃないかということで承ったわけでありますが、いま聞きますと、この措置法案によらない場合でいわゆる死亡した場合は倍額もらうとかいうような利益のある場合もあって申し出のないこともあるだろうということですが、そうすると、この措置法案ができれば全部二十四年五月以前の対象者は利益を得るのかというと、そうでもないわけですね。その内容というものは具体的に契約者にはわかるようにできるのですか、どうですか。
○北政府委員 内容は加入者には十分わかるように周知PRをしたいと思っております。 それから、ただいま例として、レアケースとしては存続した方が有利な場合もあると申しましたが、それはただいま申し上げましたとおり、契約が残っておって不慮の事故があった場合に有利になるケースがあるというだけでございまして、あらかじめ不慮の事故というものは予測できませんので結果的の話でございます。率にいたしますればおそらく九九%以上の方がこれに応じた方が実際有利になる、その点をよく周知申し上げれば大多数の方がこれに応じていただける。結果的に若干残りますれば、御指摘のようにその点だけやはり事務の効率化という点では一〇〇%きれいにいかないという事態はあるわけでございますが、その場合でも現在の契約者に御損をかけてはならないということで、やはり契約は存続させなければいけない、こう思っておる次第でございます。
○古川委員 この内容を見ますると、申し出期間を十六年三月三十一日以前と同年四月一日以降に区分をしてありますが、これはどういう意味ですか。
○北政府委員 実は対象件数が先ほど申し上げましたように二百三十三万件余りある、そして事前に相当周知期間がある。で、来年の一月から郵便局でこれを扱うといたしますと、来年の一月からおそらく数カ月の間がピークとなりまして一斉にその多数の方々が郵便局まで殺到される。そういった場合にお客様にも御迷惑がかかりますし、郵便局あるいは地方保険局におきまする事務も著しくふくそうする、こういうような事態が生じませんように、一応契約の成立時期によって二区分いたしまして、そういった一時的に混雑を生ずるという事態を避けるためにこういう措置をとったわけでございます。
○古川委員 じゃもう一つ伺いますが、二十四年の五月以前の契約というふうに分けた理由です。いわゆるこの措置法の対象を年月で切った理由は何なのか。
○北政府委員 実は二十四年六月一日から現行の簡易保険法ができております。それ以前の法律はいわゆる旧法ということになっております。その場合、旧法時代の契約につきましてはいわゆる保険料建てのシステムがとられております。六月以降の現在の法律では御承知のように保険金建ての契約になっております。そういうこともございまして、その後、簡易保険局では電子計算組織による事務の合理化を図ったわけでございますが、その際、この保険料建ての契約と保険金建ての契約と二通りがある、これをいずれも機械にかけますときにはマスターが二つ、二つのシステムが要るわけで、当時それは非常に経費もかかるということで、新法になりましてからの保険金建ての契約だけをEDPSにかけた。それ以前の別システムの契約につきましては、集金停止になっておったものが多いというような事情もございまして、従来どおりの手作業でやってまいったわけでございます。 そういうことでありましたが、今日で見ますとやはり人件費というものの単価が相当高騰いたしておるような状況で、この手作業部分が相当大きな事務を要する部門として、まあ効率的運営を欠く部分として際立って残ってまいったわけでございます。そういう意味で、これを消滅させることが事業の効率化に非常に役に立つということが第一点であり、主たるポイントでございます。あわせて五月以前の契約、当時の最高制限額二万五千円でございましたが、六月から最高制限が五万円に上がったというような事情も加味したわけでございます。
○古川委員 まあ二十四年五月以前は旧法で、それ以降はただいまの現行法であるということや機械化の問題等をいま述べられたわけでありますが、先ほど、こういう措置をということは以前からも加入者の要望があったということでありましたが、いまの説明を聞いておりますると、それはあくまでも当局の運営効率化だけの問題であって、加入者がそういうことを望んだというのはどういう理由だとお思いになるのですか。私は、金額が少額で、いわゆる保険というものの用をなさなくなったということから、加入者は少額整理——整理と言うとぐあいが悪いが、こういう措置というものを望んだのであろうと思うのですよ。そうすると、いまの説明はあくまで郵政省の運営の効率化だけを考えて処理をされたとしか理解できないんですが、どうですか、それは。
○北政府委員 最初に申し上げましたように、本措置は事業の効率化を図るということと、あわせて加入者、お客様の利便を図るという二つのポイントでこの特別措置を考えた次第でございます。そういう意味合いにおきまして、事業の効率化ができる、それによって一定の節減額というものが考えられる、これをお客様に還元をしたい、その限りにおいてお客様の利便につながるわけであります。でありまするから、やはり効率化ということが可能であるからお客様の利便も図られる。私どもといたしましてはやはり効率化の方が主であるのだが、結果的にそのことがお客様のプラスにつながる、いわば俗な言葉で言えば一石二鳥である、こういうふうな考え方でございます。したがいまして、お客様の方の積年の御要望というのは、やはりお客様の方はそういう事業の効率化ということを直接言及しておられるわけではございませんので、その点は先生がおっしゃいましたように、戦前または戦後問もない時期に締結された保険契約は何らかやはり優遇措置をとってくれという率直な御要望が従来からあったわけでございます。それにたまたま事業の効率化をこの点で図ることによって結果的に沿えるというので、この特別措置を考えた、こういう次第でございます。
○古川委員 局長の言うお客様の利便というのは、当局の方がそのように押しつけているだけで、本当に加入者が要望しているという考え方に立つならば、加入者はなぜ要望するのか。それは、現状ただいまの経済情勢に合わなくなったということなんですね。そうすると、あなたの説明は旧法と現行法、そしてあくまで当局の運営の効率化ということに主体が置かれておるというふうにしか受けとれないわけであります。まあそれはそれでいいです。 そこで伺いますが、現在、いまの法律が成立した場合の対象件数は、措置をしないまま、このままずっと置いておくとすれば、何年くらいで消滅するのか。そして、その間の人件費と物件費は、金額に直してどのくらいかかると思われるか、それをお知らせ願いたい。
○北政府委員 現行の該当契約につきましては、今後十五年を経過いたしますと、現在ありますものの九割が消滅する、その時点で一割はまだ残る、こういう計算でございます。そして、その間どれくらいの経費の節減が可能になるかという仰せでございますが、結論的にはおよそ七十億円程度の経費が節減になるだろうというふうに考えております。それは、先ほど申しましたように、すべて手作業で処理しておるのでございまして、この間の事務処理に要する経費として約八十億円要るというふうに思うのでございます。反面、この特別措置を実施する場合の業務費と申しますか、それが三年半ないしそれ以前のPRの段階がございますので、その期間に約十億円くらいかかるだろうというふうに考えます。したがいまして、この八十億円から直接経費十億円を引いた七十億円程度がこの節減額として期待できる、こう考えた次第でございます。
○古川委員 この対象契約は相当古いものがあると思うのですね。実際には消滅しているものあるいは居所不明のものなどがあると思われますが、その点はどのように考えておられますか。
○北政府委員 残念ながらそれはあるのではないかというふうに思います。ただ、それがどの程度あるかということにつきましては、ただいま推測する資料はございません。
○古川委員 ざっと聞いてまいりましたが、いまの措置法はあくまでこれは郵政省の運営の効率化を図るということが主たるねらいであって、少しも加入者の利便ということは考えられておらないと言わざるを得ないと思うのです。いま承りましたように、これによっていわゆる付加金として出ていく金額は七十億円ちょっとですね。さっきそのように答えておられますが、ところが、措置をしないで十五年後には約九割が消滅をする。その間の人件費、物件費というのは約八十億。しかし、今度の措置をとることによっての経費というものは十億、差し引き七十億ということでしょう。そうすると、七十億の付加金というものは、この措置をしないでも当然かかる金額しか支出しておらないということになるでしょう。七十億の付加金というものは、この法律をつくらないでほっておけばこれから十五年で約九割消滅する、その間の人件費、物件費は八十億。しかしながら、この措置費が十億ほど要るから、どうしたって七十億は要るんでしょう、十五年後には。この措置をすることによって特別に出す金というのは七十億なんですよ。保険金や分配金というものは当然支出すべき金額ですから。そうすると、少しも加入者の利便にもなっておらなければ、今日やかましく言われているインフレ目減りということもいささかも考慮されておらない。全く皆さんの運営の効率化だけしか願っておらないということなんです。それはどう考えておられるのです。
○北政府委員 この特別措置をやりませんと、先生御指摘のようにずっと手作業で残りまして、差し引き七十億というものはいわば事務費、保険で言いますれば付加料として事務の方へ消えていくわけで、お客様には何ら還元されないわけでございます。それをこの措置に御協力いただければ、その七十億というものが事務費として経営側で費消しないで残るわけであります。それをお客様にダイレクトに還元できるわけでございます。それは先ほど申し上げましたように、当時の平均保険金額が九百八十三円でございますから、それに対して三千円でありますので、保険金に比べれば三倍強のものをお返しできる。これはやはりお客様にとって一つの利便であるというふうにお考えいただけるのではなかろうか。そういうふうに考えておる次第であります。
○古川委員 お客さんの利便ということをよく主張されておりますが、どうもいろいろ内容を承りますとそういうふうに理解ができないわけであります。まあ戦前の加入者、これは戦争という大きな、まあ国家的犠牲とでも言うか、そういう大きな犠牲によって、掛金というものはこれまた個人個人の犠牲によって失われていったわけですから、これはまあやむを得ないといたしましても、先ほど承りましたように、戦後の四十万七千件ですか、この契約者というものは、いわゆる戦争という犠牲を経ないで、せっかく戦争という犠牲のもとにおける貨幣価値あるいは保険というものの信頼失墜からようやくまた盛り上がってきたものに、悪性インフレをぶつけてまたまた国民に大きな犠牲を強いておるわけでありますよ。にもかかわらず、せっかくのこの措置をとるというときに、いろいろインフレ目減り対策ということが民保でも言われているときに、全然それを措置しないという考え方がどうかと思うわけです。昭和二十二年に子供ができまして、いやあなたのところのお嬢さんがやがて結婚するときには、土十年満期で十万円の保険に入っておくと結婚の費用一切、それから披露宴も全部できますという勧誘がありました。私も入りましたよ。そのときの昭和二十二年というのは、片山内閣で千六百円、千八百円ベースというときです。昭和四十四年に娘が結婚しましたけれども、二十二年たって十万でたんす一本買えなかったのですよ。しかしながら、当時の契約、当時の期待額というものは、そういう大きいものだったんです。事実できたんですよ、千六百円、千八百円の給料の時代ですからね。そうすると、いまならば昭和二十二年に入った保険は五百万か七百万ほどの価値があるわけなんです。そういうときに、せっかくこういう措置をとろうとしておられるにもかかわらず、一銭も損をしようとしておらないんです。お客さんの利便だとかお客さんの前々からの要望にこたえてと言っておられますけれども、金銭的な面では少しも郵政省は損をしておらない。出そうとしておらない。こういうことですが、これはどうかと思うのです。昨年十二月二十五日保険審議会の生命保険部会は、インフレ激化の中での生命保険のあり方についての答申に対する中間報告をまとめて発表いたしておりますが、局長はそれを承知しておられますか。
○北政府委員 承知いたしております。仰せのように、昨年十二月に保険審議会が生命保険商品についての審議の結果を中間報告という形で発表をいたしておりました。それによりますと、生命保険につきまして数点の問題を指摘しておりますが、第一にインフレの対応策ということで、新規契約者に対する措置としては、そういった情勢に適応できるような各種の制度もしくは新種保険について検討をして逐次実施に移すべきだということでありますし、また、既契約者に対する措置といたしましては、昭和二十年代の契約、終戦直後と今回と二度にわたる物価上昇を経験しておる。これに対してはやはり今回限りの特別措置として満期時及び死亡時において支払われる金額、これを増額するように配慮すべきではないかというような点、あるいは定期保険というものをもっと普及さすべきだとか、あるいは生命保険の貯蓄機能というものの再評価をすべきだとか、あるいは商品に関する情報提供をもっと具体的にして、消費者の選好に合わせるべきだというような意見が出ておったことを存じております。
○古川委員 大蔵省から来ておいでになると思いますが、昨年の暮れに出ました中間報告の取りまとめは、五十年四月から実施するよう生保業界を指導したというふうに新聞では発表しておりましたが、この生命部会の中間報告の取りまとめの概要と、そして五十年四月というともう過ぎたわけでありますが、その指導は実際にはどのような形で行われておるのか、ということを簡単にお聞かせ願いたいと思うわけであります。
○浅谷説明員 昭和二十年代に入りました契約、これはもうすでに二十年以上長期間継続した契約者に対しまして、その支払い金額をふやすよう特段の配慮を行うべきだという中間報告をもとにいたしまして、本年の四月からこれを実施しているわけでございます。まだ具体的にはこの措置自体がそれぞれの会社の決算総会を経て確定するわけでございますが、現実に私どもの方にそのような方向で申請書が来ております。四月一日以降その契約が死亡あるいは満期あるいは解約によって消滅した場合には、すべてその金額を支払うという措置をとるということになっております。 なお、ちょっと補足して説明さしていただきますると、この措置自体が今回限りの措置ではございまするが、この措置自体を対象契約としています契約が昭和五十年、本年の四月一日以降、その満期、死亡、解約によって消滅した際には、いつでも支払うということでございます。
○古川委員 北局長はちゃんとその生命部会の中間報告というものをよく理解をしておられるのですが、せっかくこういう措置法という法案を提出される際には、なぜこういうことを考慮されないのか。私は、自分の過去の保険に対する経験を簡単に述べましたけれども、そういう保険者というものは莫大な損害をしておるわけです。いまから考えれば金額は小さいけれども、その当時の金額としてはいまの五百万、七百万、八百万というものに相当する大きな額ですからね。しかも民間ですらやっているのに、インフレの一番大きな責任者である政府、その政府が改めて法案を提出するときにそれが少しも考慮されておらないということについては、ちょっと考えられないんですがね。この額というものはもっとふやすべきであると思うが、どうお思いになりますか。
○北政府委員 この特別措置そのものは、先ほど来申し上げておりますように、事務の効率化を図れる、その節減額をめどに、これに御協力いただいた方に付加金という形で差し上げよう、それが保険金額の三倍を上回る、こういうことでございますので、これにはそういう趣旨でありますからおのずから限度がございまして、これを増額するということはできないことだと存じております。 ただ先ほど申し上げましたように、十二月の保険審議会の中間答申は、当時すでに私ども了知いたしておりました。ところが、これを受けられまして民保さんの方でずっといろいろ検討しておられたようでございまして、いま大蔵省から御説明がありましたような段取りで実現がされようとしておるのでございますが、何か手続的に聞きますと、やはり社員総代会というようなものが今月の末にありまして、もしくは六月の初めごろにありまして、そこで正式に決まって四月にさかのぼるというもののようでございます。その内容等につきましても、ごく最近私ども知ったわけでございます。しかし、思想といたしまして保険審議会の答申関連で民間保険がいろいろ施策を考えておりましたのは、また今度施策に移されるのは、いわゆる特別配当というものでございまして、特別配当というのはいわゆるキャピタルゲインというものの積立金と申しますか、そういったものをもとにした配当でございます。すなわち簡保と民保は運用制度が相異なりまして、民保の場合は株式でありますとか不動産でありますとかいうものに対する投資が可能のようでございますが、簡保につきましてはこれはできないわけでございます。そういった株式、不動産というものはいわばキャピタルゲインを生むわけでございまして、それを蓄積してあったものを特別増配という形で一定の年度の契約に傾斜的に配分をする、こういうことのようでありますが、簡保には、ただいま申し上げましたように、そういった特別増配を生むもとのキャピタルゲインというものがないという大きな事情の相違がある。もっとも、簡保におきましても繰り越し剰余金というものがございます。しかし、剰余金というものは一応加入者にすべて還元することになっておりますが、加入者に還元いたします場合にもやはりその還元の公平性というようなことも考慮しなければいかぬ。そういうような問題がいろいろございまして、にわかに民保と同様な事情にないわけでございますので、したがいまして、民保さんがやられる、では当然簡保もやるんだ、ということには相ならぬわけでございます。しかし一方では、簡易保険の加入者もそれから民間保険の加入者もいわば同様の事情にあるということもございますので、そのような措置をとることについて簡保といたしましても慎重に検討しているところでございます。
○古川委員 局長は、この法案の理由に書かれておる簡易生命保険事業の運営の効率化を図るとともに、それに御協力をしていただく加入者に利便を図る、その枠を出ようとしておらないから、特別の金は出ないのですと言っておるわけですよ。私の言っているのは、昨年の生保部会の中間報告の取りまとめ、あるいは大蔵省が民間に指示しているこういう情勢、そして多くの国民から貯金の目減り、インフレ対策ということが出ておる今日の段階でこういう法案を新たに出すときは当然それを考慮に入れるべきではないのか、こういうことを言っているわけであります。いろいろ承ってまいりますと、尽きるところ、総額保険に涙金をつけて整理をするんだということしかなっていないのですよ。そうでしょう。その発想をいま言われておる目減り、インフレ対策というものの方へもう少し向けるべきじゃないか、このことを主張しているわけであります。 時間もありませんからそれはまた後に譲りまして、いま運用の面についてのことを申されましたが、それを少し承ってみたいと思います。 まず、郵政省は、昨年十一月に、第十三回生命表が発表されたのを機会に保険料の引き下げをされましたね。予定死亡率は厚生省の五カ年ごとの発表のものを用いておられるわけであります。したがいまして、第十三回生命表というのは昭和四十五年のものであるはずでありますが、今日の日本の国民の死亡率というものはどうなっておるのか、それから今後の見通しをどのように立てておられるのかということを承りたいと思うのです。
○北政府委員 御承知のように簡易保険は一定の年齢の制限等はございますけれども、一般的に、また制度上も現実の上でも全国民を対象にしておるわけでございます。したがいまして、簡易保険だけの生命表というものを相当の手間をかけてこさえるということよりも、国民全体の死亡率というものを基礎にして十分であるという考えから、従前から国勢調査に基づく厚生省の生命表、生残表というものを使っておるわけでございまして、昨年十月にそれが厚生省から発表されましたので、直ちにこれを用いて現在の表定保険料を十一月から引き下げる一助にしたわけでございます。 しかし、仰せのようにここ十数年来の傾向を見ますれば、日本国民の死亡率は逐年低下をいたしてきております。これはその低下が将来どこまで続くか、そのピッチがどうかということにつきましては専門でございませんので必ずしもつまびらかにいたしませんが、やはり当分の間は死亡率は年々低下をしていくだろう。そのことは簡易保険の加入者の方々の生残という問題にもダイレクトに響いてくる、こういうふうに思っております。しかしながら、一方でそういう実際よりもいささか高い死亡率を用いて保険料を算定しておるということになりますれば、その差というものはいわゆる死差益として剰余金という形で蓄積されるわけでございます。剰余金の発生の中の一部分という形でそれがダイレクトにやはり出てまいります。剰余金というものは、これは別途簡易生命保険法によりまして加入者に還元しなければならないものというふうになっておりまして、簡易保険事業としての利益というものとは考えておらないわけでございます。事実、毎年決算あるいは決算見込みをいたしまして、その剰余金を毎年加入者に還元をしておる、あるいは分配金の上乗せという形で剰余金を分配いたしましたり、あるいは制度上の改善というような施策のために剰余金を分配したりいたしまして、結局は加入者に全部お返しをする、こういう形にいたしておる次第であります。 ちなみに、十三回表ではございませんが、たとえば四十八年、十二回表時代でありますが、実際死亡率が〇・四三三であったのでありますが、予定死亡率、つまり十二回生残表の死亡率は〇・七二一ということで、この両者の数字を調べますと、生残表、すなわち表定保険料算定の基礎になっておる死亡率の実際死亡率が六割であったということになっております。しかし、その四割というものは、それで保険事業がもうけたのではございませんで、それは剰余金に出ておるのでございまして、それは逐年加入者に還元をしておる、こういうことでございます。
○古川委員 厚生省の発表という技術上の問題にすりかえて予定死亡率が低く押さえられているということは、それだけ加入者が不利益をこうむっているということになるわけです。したがって、局長の言う余剰金というものが出てくるのだということになるわけですが、ちょっと私の聞き違いだったかと思いますが、毎年その余剰金を云々という言葉があったように思いますが、それは毎年その余剰金を加入者に何らかの形で返しておられるという意味ですか。その内容をちょっと説明してください。
○北政府委員 毎年剰余金というものを加入者に還元しておるわけでございます。 具体的に申し上げますれば、ここ数年来毎年四月一日にいわゆる上乗せ配当——要するに簡易保険におきます剰余金の分配というのはいろいろな方式がございますけれども、一つにはあらかじめ将来に対する配当額を保険金のほかにお約束する確定配当というものと、それから毎年毎年の経営実績に応じまして配当額を決めます不確定配当方式と、この両方を実は併用しておるわけであります。剰余金ができますと、そういうことでこの両方を実施をしておる。無論経営状況の悪いときにはその片方になりましたり、どちらもできなかった時代もございますけれども、ここ数年来はほぼ順調に経営が推移しておりますのでこれをやらせていただいております。最近では四十九年度でありますが、年度初めに七百三十三億円という剰余金をこれに充てております。それから去年の十一月に、先ほどの新しい死亡表を使ったとか予定利率を高めに変えたとかいうようなことで、表定保険料率を一割強引き下げました。これにも当然原資が必要でありましたわけで、これも繰越剰余金を取り崩してこれを行ったわけであります。五十年度におきましても、四月一日にすでに剰余金の上乗せ配当という形での剰余金の分配を行いました。大体今後毎年四月一日にはやっていける、そのほか機を見て制度の改善にも剰余金を使っていける、こういうふうに思っております。
○古川委員 ちょっと私の質問していることと説明が違うのですが、私の毎年その余剰金を加入者に返しているという意味は、民保でいうと、われわれが保険に入っていると、配当金といって掛金が毎年少なくなっていきますわね、そういう意味で毎年返しているのかどうかということを聞きたかったのです。あなたのは全体として余剰金を上積みして、満期か何かになる人に返していくという意味のことを言っておられるのじゃなかろうかと思うのですが、それはどうなのですか、簡単に答えてください。
○北政府委員 それは簡保と民保の根本的な差でございまして、わが方は前から満期、死亡特等に幾ら上乗せするということを事前にお約束する、こういうシステムでございます。民保さんの方は、そういうシステムと、それから毎年発生した剰余金を還元する場合に、保険料を毎年逓減していく方式と両方持っておられまして、そのどちらにするかはお客様の選択に任せているという状況であります。わが方はやはり事務の簡素化を図るという意味合いにおきまして、先ほど申し上げましたような方法一本をとっている次第であります。
○古川委員 局長は、その余剰金はすべて加入者のものであって、いろいろの不利益な面がある、いわゆる予定死亡率の不利益な面でも、あるいはこれから幾つか不利益な面が出てくるであろうが、それらは余剰金で出てきたものをお返しするのだから、もうけてはいないのですという説明をしているわけですが、そこにもまた加入者が損をしているという面が出てくるのですよ。民保の場合はその年に返してもらうのですから、年々掛金から減額して余剰金を返してもらっているわけですよね。簡保の場合は二十年か三十年、四十年、五十年という長い年月がたってその余剰金が特別分配金になって返ってくるわけですからね。そうすると、さっきから論議している目減り、インフレというものはそこでもまた食うことになるわけですよ。そうでしょう。現在ただいま余剰金を何らかの形で返してもらうのと、二十年か三十年後に返してもらうのとではずいぶん違ってくるでしょう。それはどう考えられますか。同じだとお思いになりますか。
○北政府委員 ただいま仰せの点は、満期時のいわば保険金等を含めた返戻金と申しますか、こういったものが将来にかかっておれば、それ全体が貨幣価値の低落というものの影響を受けるじゃないか、それは仰せのとおりだと思います。しかし、一方でその間ずっと保険料はやはり払い込まなければいかぬわけでございますから、その払い込むべき保険料自体が先行きだんだん少なくなっていくということになると、その点では保険料払い込みのサイドからいけば、同じ金額を払い込んでいる方が、仮に物価騰貴、貨幣価値の下落があった場合には払込者に有利であるというふうな面があると思います。それと、わが方はやはり月掛け集金システムを基本にしておりますので、これを毎年保険料を削減して変えていくということになりますと、やはりそのための事務費というものが相当かかりまして、これはやはり保険料のうちの事務費部分、いわゆる付加保険料率というものが上がってきて、逆に言えばお客様の積立金としての保険料率というものが相対的に低下していくというような問題もございますので、一概にどちらが有利ということにはならないのではないだろうかというふうに思うわけでございます。
○古川委員 局長の説明はどうも私には理解できないのですが、やはり現在の貨幣価値というものは将来にわたって保障されているということになれば、それはもう問題ないのですけれども、現実にインフレ政策というものがとられてきて、何十分の一、何百分の一になっているのですから、それをもうかったら、余剰金が出たら何十年後にお返しするのですからということでは、貨幣価値の少なくなったものが返ってくるということを言っているわけです。ただいま何万円というものが余剰金で返ってくれば、それだけのものを自分のうちの家計にであろうと買おうと、それだけの価値のものが手に入るわけですよ。それは、たとえば月に五千円ずつ余剰金が返ってくるとしても、何十年後ではそれだけの価値がなくなっているということを言っているわけです。それがインフレであり、目減り対策がやかましく言われている原因だと言っているわけです。それを局長のような考え方でいくと、何も目減り対策もやらなければ、インフレ対策も問題にならないことを言っておられるということになるのですが、どうですか。それは私がわからないのかな。
○北政府委員 先生の仰せも十分私わかっているわけであります。(古川委員「あなたの言うことがわからない」と呼ぶ)私が申し上げましたのは、やはり一般的に保険契約につきましては、契約が存続している間、契約の種類にもよりますが、保険料を払い込まなければいかぬわけです。十年前の保険料と今日の保険料がわが方のシステムでは同額であります。その場合、貨幣価値が仮に半分に低落しているとすれば、ノミナルな保険料の払い込みは半分に減っているということになるわけです。一方配当金と差し引きで毎年保険料が逓減になりまして、仮に今日すでに保険料を払い込まなくてもよくなっているというシステムをとっている保険に加入しておられる加入者の場合は、いわば貨幣価値が高いときに保険料を全部払ってしまわれて、安くなったときには保険料を払い込まれない、そういう点だけを見れば、やはりコンスタントに同じノミナルの金額を払い込む方が貨幣価値の低落時は有利という面もあるということを一つ申し上げたのであります。 いま一つは、契約件数が圧倒的に簡易保険というのは多いのでございます。現在四千九百万件を超す契約を持っておりますが、これは民保にはないことなのであります。しかも、そのほとんど全部が月掛け集金である、そうなってきますと、毎年徴収すべき保険料金額が変わるということになりますと、この間に必要な事務手数というものが非常に膨大なものになります。膨大なものになるということは、結局事務費がかかるということでございまして、その事務費というものは結局保険料の中に入っているわけでございますから、仮に保険料全体を一〇〇といたしますと、その中で事務費部分がふえるということは、お客様のために積み立てるべき部分が減る、こういうことになりまして、その点ではお客様にも保険数理上不利になるのではないだろうか。そういうような点ではわが方のいまやっております方式が有利である。しかし、先生おっしゃられるような面では確かにわが方が不利である。そういう有利な面と不利な面と両方ございますので、一概には全体としてどうだということにはならないのではないだろうか、こう申し上げた次第でございます。
○古川委員 先ほどキャピタルゲインのことを局長が言いましたが、この運用利回りですね、この運用利回りのよしあしというものは、これは加入者の利益に直接影響するわけであります。簡保の場合は、先ほどおっしゃいましたように、民保と異なりまして、運用が制限されている。簡保の場合は資産収入を得るためのいろいろな運用をいままでやってきたと思うのです。そこに差があって、資産収入を吐き出して被保険者に返すというわけにはいかないのだという説明をされているわけですが、簡保の場合、低利でもって地方自治体等に貸し付けをするなどの特色を持っておるわけですね。本来ならば、そういう地方自治体やその他の施設等に対しては国がめんどうを見るべきである。あるいは助成するとか、あるいは低金利の貸し付けをするとか。そうでしょう。そういう税金で賄うべき分野にまでこの資金が使われているということは、いい悪いは別として、個々の加入者は損をしているということになると思うのです。運用の利回りが悪いということは、個々の加入者が損をしているということになる。これはどういうふうに考えられますか。
○北政府委員 簡易保険の資金は当然国の資金でございます。したがいまして、簡易保険の積立金の運用に関する法律にもございますが、公共の利益に合致するような運用を要請されることは、これは当然だと思うのでございます。こういう観点から、現実に資金は郵政大臣が運用しておりますけれども、財政投融資計画に協力をいたしておりまして、資金の大部分を財投計画に計上いたしまして、財投を通じまして、国民福祉の向上あるいは社会資本の充実整備に貢献しておるわけであります。その結果、御指摘のように、運用上有利性の面では若干欠ける面が見受けられる現実がございます。そこで、私どもといたしましては、財投計上中のいわゆる有利部分、これをできるだけ多く確保するように逐年努力をしておるわけであります。また、財投枠外の社債や金融債に対する運用の額の増大ということについても努力をいたしておりまして、それらのことを通じて、そういうシステムの中での有利運用に努めておる次第であります。 しかし、こうした努力をしておりますけれども、現状では、仰せのように、民保の利回りとの間になお格差があるのでありまして、この格差が現にある、なおあるという現実を踏まえまして、さらに今後運用制度の改善、それから経営の効率化等に具体的に努力をいたしまして、この格差をできるだけ早く、できるだけ多く埋めていきたいというふうに考えておるところであります。
○古川委員 局長はいま簡保と民保とを比較して、運用利回りには格差があるということを認めておられるわけであります。そして、今後この格差を縮めていくように努力したい。では、現在ただいまどの程度の格差があるのですか。民保と簡保との運用利回りの格差、このことをひとつお知らせ願いたい。
○北政府委員 近年両者の格差は常に一%以上ございます。ただ、四十八年度におきまして簡保は総体資産が六・四七%に回っておりましたが、民保は七・六〇%でございまして、その差一・二二%でございました。しかし、これは四十五年ごろから逐年この格差は縮めてまいっております。これは先ほど申しましたような運用制度の内容的な改善に伴うところが大きかったわけであります。 四十九年度は簡民保ともに決算が終了しておりませんので、明確な数字はございませんが、おおむね簡保が六・八%程度、民保が八・〇%程度になりまして、格差が一・二%ぐらいに今度は若干拡大するのじゃないだろうかというふうに考えております。これは御承知のようにごく最近の高金利時代に、運用制度の差からいたしまして民保さんの方が相当自由に資金が動かせたのではないだろうか。そういうところに原因があるというふうに思っております。
○古川委員 いま一つ伺いますが、商品のオープン化ですね。いままで消費者、いわゆる加入者というものは簡保なり民保、あるいは民保同士の比較というのは余り知らされておらないわけであります。勧誘員だけの言葉を聞かされて、自分のところが一番いいのだというような話し方でいっておるわけですが、今後比較情報の提供等に対して、簡保は民保と競争してやっていけるのかどうか。あるいは簡保は簡保として独自の道を行こう、こういう考え方なのか。この商品のオープン化という問題について、簡単に考え方を承りたいと思います。
○北政府委員 商品のオープン化、要するに公的機関によりまして保険商品についての比較情報が提供されるようにせよということだと思いますが、その場合一番問題にされておるのがいわゆる保険料の問題だと思います。現在簡易保険の保険料と民保の保険料を比較いたしますと、表定保険料では去年の十一月の改正以後はおおむね簡保の方が安くなっております。でありますが、配当を含めた正味保険料では残念ながら簡保の方がやや高目になっております。その原因は、先ほど先生からも御指摘のありましたような資産運用面の制約によるところが大きいのであります。しかしながら、私どもの簡易保険は、国営保険として国民の生活に密着しておるわけでありますので、今後とも運用制度の改善、それから機械化の推進等経営の効率化に努めまして、より良質の保険をなるべく安い保険料で提供していかなければならないと思っております。 簡易保険の民保にない特色というものも保険以外の点では御承知のように多々あるわけでございます。たとえば加入者福祉施設について非常に国民の好評を博しておるものが大々的にあるということ、あるいは保険料を徴収しない倍額支払い制度があるということ、その他いろいろな民保にない特色というものもございますので、そういった簡保のよき特徴というものをさらに伸ばしながら、民保と適正ないわば競争をしてまいりたい、そのことによって国民の生活保障という点でお互いにお役に立てれば、こういうふうに思っておる次第であります。
○古川委員 先ほどは簡保は国の資金であるということを言っておられるわけであります。したがって、公共の利益に合致する利回り、運用というものを考えていくべきだということを言っておられるわけであります。そして簡保資金は国民の生活に密着している等々言っておられるわけでありますが、これはやっぱり全部加入者の資金であるはずであります。したがって、あくまで加入者の利益ということを考えて運用すべきであると思いますが、しかしながら私はこの簡保があるいは学校をつくるとか橋をつくるとかというふうに使われていくということには賛成であります。したがいまして、そういう点に利用されて、民保と比較して運用の利回りの悪い分は当然、国民福祉として使われていくのですから、国が民保と比して格差の分は保障すべきではないか、このように考えるのですが、それはどのように受け取られますか。当然でしょう。保険者の利益を守るために国の政策として福祉関係に使われていく。そうする以上はやはり民保と比較して運用差の出る分は国がめんどうを見る。それが被保険者に対する利益ではないか、こう考えるわけですが、それはどう考えられますか。
○北政府委員 仰せではございますけれども、私どもといたしましてはやはり簡保の資金は国の資金としての一つの特色と申しますかあるいは使命と申すものもあるわけでございますし、現に四十五年当時相当民保との格差がありましたものを逐次詰めてきておる。今後もさらに詰めるように努力をしていくという中でこの問題は解消すべきではないだろうか、あるいは経営のさらなる効率化を図るということによって解消すべきであろうか、こういうふうに考えております。
○古川委員 先ほど昨年末の生命部会の中間まとめのことについて質疑をいたしました際に、やはり向こうはキャピタルゲインの問題等もあって、いわゆる簡保がその面では悪いんです、いわゆるインフレ、目減り対策というものを実施することができないんですということを局長が言っているわけですね。民保はやるわけですからね、四月一日から。二十年代の保険、それから今後の新種保険に対して目減り、インフレ対策をやるわけです。それは簡保にはやれない。やれないのはやはり運用の面が制限されておるからである、こういうことになるわけです。それで制限されておるということについてはわれわれもやむを得ないと思うのです。簡保の資金が国民福祉を前提として運用されていくということには賛成ではあるが、しかしながらこれはあくまで個人個人の掛金ですからね、やはりその人たちの利益を考えた場合は国の政策としてやるから当然国が補てんすべきである、こういうことを主張しているわけです。これからますます差が開いていくはずですよ、この四月一日以降は。民保でインフレ補償政策がとられるとすればまた差が開いていく、こういうことを主張しているわけです。まあいいです、いつまでやってもかみ合わないから。 もう最後になりますけれども、簡保のあり方ですね。幾つかいま下手な論議を私がやってまいりましたが、簡保労働者は民保から比較するならば不利な商品を少ない定員でしかも高い目標を掲げて押しつけられているわけですよね。したがって、いろいろと悪質な話法によるトラブルが起きたり、あるいは管理者が優績者中心主義となっていろいろ施策をやるためのトラブルなどが出てきて、簡保に従事する仲間が自殺をする。あるいは今度も新聞に出ておりましたように門司港の郵便局における「簡易保険恐るべき勧誘」というふうな問題まで出てくるのですよね。これらに対しては局長はどういうふうに責任を感じておられるのですか。先ほど申し上げました、幾つかの論議をしてきましたが、民保と比較して確かに不利なんです。そういう不利な商品を少ない人数でしかも高い目標を掲げてさあやれさあやれと言って、そして優秀な者を表彰するとかいろいろの制度を設けて進められておるわけですよね。そして過去においても幾つか事故が起きているわけです。自殺者も出ているわけです。これに対してどう責任を感じておられるのかということです。
○北政府委員 募集活動の適正化につきましては当委員会でもここ数年来いろいろ御指摘を受けまして、省といたしましても真剣に対応策に取り組んできているところでありますけれども、御指摘のような今回の事件が発生しましたことはまことに遺憾に存じております。ただ門司港局事件等につきましては身柄が勾留中でございまして実相がなかなか判明いたしませんが、鋭意この点につきましても私どもといたしまして実態あるいは原因というものを徹底的に調べてまいりたいと思いますが、総じてまことに私といたしましても遺憾に存じておる次第であります。 商品の有利、不利の点でございますけれども、御承知のように生命保険、種類が非常に多うございます。しかも長期の契約ということになりますと、保険料それから配当金の額ということだけで単純に評価するというわけにもいかないんじゃないだろうかと思うのであります。その点につきましては先ほど申し上げましたようにやや高目である。しかし、簡易保険には民保にはない特色もあるわけでございまして、たとえば国営であることによって信用がある。全国どこでも手軽に加入できる。それから先ほど触れましたが保険料なしで保険金倍額支払いの制度というものを設けております。それから保険金につきましても原則として窓口での即時払いをやっております。それからマイナス面にもなるわけでありますが、やはりプラス面として大きいのは積立金を地方公共団体等へ融資いたしまして、国づくり町づくりに役立っておる。それから保養センター等の福祉施設が利用できまして、現に利用率が昨年八割ぐらいでございまして、五百万人近い方に喜んで利用していただいておるというような利点もありますので、これら全体を総合して考えますと、必ずしも簡保は不利な商品であるというふうには私ども思わないわけであります。 それから募集推進に無理があるのじゃないかという仰せでございますが、定員については特段に原因というものはございません。むしろ何といいますか定員の適正配置ということには努めておるわけでございますし、毎年の募集件数等も大体新規募集件数は四百十万ないし四百二十万でございまして、飛躍的にふえるということはございません。またいわゆる目標額にいたしましても、最近はほぼ前年度実績並みのものを次の年の目標額としておるというようなことでございまして、それほど無理を強いておるとは思っておらないわけであります。ただ、やはり外務員全体、あるいはこれは管理者も含めてでありますが、募集技術の向上ということが必要だと思いまして、この指導、訓練には今後とも十分力を入れていかなければいけないと思います。またお客様の要望に合うような新種保険を開発するとかあるいは加入者サービスをさらに充実するとかして、募集しやすい環境を側面からつくるというようなことも十分配意をして、総じて無理の生じないように、そして品位のある国営保険として伸ばしていくように努めておるところでございます。
○古川委員 最後になりますが、いまの簡保の労働者の中で起きておるいろいろの自殺や事故の問題について、局長は商品は不利な商品でもないし定員は少ないこともないし、そして目標もそう高くは置いていないのだというと、少しも事故が起きてきそうな状態でないということを言っているわけでありますが、現実に高い目標を掲げられ、あるいは優績者中心主義に行われているから、競争して無理をしているのです。それでなければ無理をする必要はないのですからね。親方日の丸でおれば全然無理をする必要はないのです。そういうわけにもいかないから、この保険行政を進めるために真剣に働いておる。それに加えてそういう優績中心主義というものが行われるから競争して高く事故が起きてくる。先ほど言われたように、手軽に加入できるという、これはもう便利で非常にいいけれども、そのためにむしろ、目標に追われておる簡保労働者はその契約に無警戒になって、いつもここで論議されておる超過契約などが起きてくる。それがまた事故に関連をしてくる、犯罪に関連をしてくるということになると思うのです。でありますから、成績主義は手当主義とうらはらでありますが、まじめに活動しておる人たちを軽視する。成績がいい者は——成績がいい者はというのは、どういう悪いことをしても契約高を高く契約してくる者は成績がいいんだというふうな考え方に受け取られると、まじめな活動をしている者が軽視されていく。またそういう職場がつくられていくわけです。したがって、それが簡保事業というものに非常に大きな弊害を与えておるなどを考えあわせて、もう少し真剣にこの問題と取り組んで、あるいは自殺者や、あるいは高額保険を獲得するための勧誘犯罪等を絶滅するという考え方で真剣に取り組んでもらわないと、いや商品は悪くないのだ、あるいは目標はそんなに大きいことはないのです、定員も少なくないのです、と言っておったら、どうしてこの事故を絶滅しようという決意が出てくるのかということなんです。このことをいま一度考え方を述べていただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○北政府委員 仰せのとおりでございまして、事業を伸ばすためにすべてを犠牲にするという態度はとるべきではございません。私ども国営保険であるというその信用が何よりも基盤になって簡易保険事業が伸びていくのでございますから、その信用に値するようなそういう態度、そういう姿勢というものを全関係職員に徹底させる、その基本の上に立って業績を伸ばしていく、これが簡保事業のあり方であるということを肝に銘じまして進んでまいりたいと思います。
○古川委員 終わります。
○地崎委員長 土橋一吉君。
○土橋委員 私は、昭和五十年二月郵政省が提案をしております。昭和二十四年五月以前の簡易生命保険契約に関する特別措置法案というのを論議をする前に、最近私の見たところの新聞によりますと、一つは五月十二日の新聞でありますが、「簡易保険恐るべき勧誘」という見出しで「高利の金貸し契約“返せぬなら死んで払え”」こういう題目で、田中勝美というのが首謀者ですが、こういう新聞記事が出ておるわけです。もう一つは、同じような、大体時期はほぼ同時期でございますが、「簡易保険の集金会社 掛け金二億円横領バーなどに不正融資 郵政省 事故防止の規制なし」ということで、これまた大変悪質な内容でございます。ちょっと新聞の最初の見出しだけを読んでみますと、こういう案件でございます。「郵政省簡易生命保険の加入者から掛け金の集金業務を委託されていた東京都目黒区上目黒一丁目中目黒マンション内、株式会社「都(みやこ)信用」(木村勲会長=四十九年二月解散)が、集金した掛け金のうち約二億円を郵政省に払い込まず、知人や関連会社に不正に融資してこげつかせた事件を捜査していた警視庁捜査二課は、二十二日朝、同社など四カ所を業務上横領の疑いで家宅捜索、関係書類を押収した。同二課は木村会長ら関係者の犯意がはっきりし次第、取り調べるが、事故防止など、集金を代行する民間業者の法的規制がないうえ、都信用の場合は郵政省側が集金業務をあっせんしており、今後、郵政省の監督責任なども問われそうだ。」 こういう記事なんです。これに見られますように、新聞に出ておるのはこういうことなんですが、つまり簡易保険契約を結ぶに当たっての話術のやり方、あるいは最高限度が五百万なら五百万の限度を超えて、たとえば一千万やるとか、あるいは一人の人に三千万を掛けるとか、こういうことが行われて、非常に保険料の大量の収入を目的として郵政省が各地方簡易保険局等を動員をして金を集めておる。こういうまことに世上では納得できないようなやり方が行われておる。こういうことは一体この簡易保険法の第一条の目的から見て、あるいは簡易保険制度全体の目的から見て、それでもいいと考えておるのか。それは非常に間違ったことで、直さなければならぬと考えておるのか。まずこの点を明確に答えていただきたい。
○北政府委員 不正話法でありますとか、あるいは無理な団体をこさえてまで募集をするというようなことにつきましては、先年来いろいろの場で御指摘ございまして、郵政省といたしましても、すでにそういったことについては、その根絶を期しまして、それぞれ指導方針というものを明確にいたしまして是正措置を講じておるところであります。
○土橋委員 この「保険年金展望」三月号、第二十一巻第十二号というのに出ておりますが、これは郵政省簡易保険局がつくったわかりやすい雑誌なんです。この中に、お名前は省略して、ある地方の保険局長さんがこういうことを言っておるのですね。「私の幼い頃、それは簡易保険が創設されていくばくもない頃であったわけですが、おとな達が「保険などというものは、イザという時になると文句ばかりつけて、なかなか払ってもらえないものだ。」といったことを話していたのを、不思議とよく覚えています。今でも、たまたま同じような申告をお客様からいただくことがあり、十年一日といった思いをする次第です。」ということをある地方の簡易保険局長が述べておるんです。このことは一体どういうことを意味しておるのか。つまり、入るときにはたなからぼたもちが転げるようにうまい話をして、金をどんどん払い込ませる。ところが、実際入っておっていざ金をもらう段階になってくると、酢のコンニャクのと言って、なかなかむずかしい保険上の約款というもの、あるいは保険法上の規則が、ここにもありますように百九十何カ条の取り扱い規則があるわけですね。そういうどこかにひっかけて、なるたけ金を払わないようにというような意図があるやに見受けるほど、この人も述懐をしておりますように、こういうことであってはならないと私は思うのですが、郵政大臣どうですか。これは大臣に答えてもらいたい。まともに払うかどうか。
○村上国務大臣 どういうことでそういう記事を載せておるかわかりませんが、昔の時代はそういう疑いも多少あったんじゃないかと思います。しかし現代ではそういうことは絶対にありません。
○土橋委員 これはついこの間出た、三月ごろの「展望」ですから、そんなに昔のことじゃない。これは簡易保険局長をやっておるある地方の最高幹部がこういう話を出して、そして新規契約等についていろいろ話をしておられるわけです。ですから、このことは決して簡易保険にとって無縁のことでも何でもない。つまり、いま私が申し上げた取り扱い規定は百九十何カ条の条文を持っているわけですよ。そして簡易保険法は八十何カ条の条文でいろいろなむずかしい約束があるわけですね。ところが、入る人はいまお話をするように、非常に簡単にさあっと金がもらえるというような話をするために、それじゃ入ってみようかということで入るけれども、入ってみたらなかなかもらえない。こういうことになっておるので、こういうことについてやはり誠意を尽くして勧誘をしませんと、後でいろいろ問題が生ずるというふうに私は考えますので、この取り扱いのやり方、先ほど申し上げたこの問題、あるいは約款等において契約を結んでおる内容について誠実にやる必要があるということをまず私はお願いしたいと思います。 そこで、大蔵省の方にちょっとお尋ねいたしますが、今度この簡易保険に関する特別措置法という法律をつくっておりますけれども、簡易保険法の第一条の規定がこういうふうに書いておりますね。これはあなたさんもよく御承知ですが、「この法律は、国民に、簡易に利用できる生命保険を、確実な経営により、なるべく安い保険料で提供し、もって国民の経済生活の安定を図り、その福祉を増進することを目的とする。」こういうふうに書いておるわけですよ。そうしますと、いま特別措置法を出してきたような事態が起こっておる。戦争に負けただとか異常なインフレ状態で物価は非常にどんどん上がって金の目減りをするとか、こういうような場合にはこの第一条の目的に述べておるように、「国民に、簡易に利用できる生命保険を、確実な経営により、なるべく安い保険料で提供し」て保険金を払う、そして「もって国民の経済生活の安定を図り、その福祉を増進することを目的とする。」こういう非常にだれが聞いても納得のできる基本的な態度をとっておるが、この特別措置法というのはこの第一条の規定の例外としてつくったのか。こういうことを考えない、つまりこの簡易保険法第一条に予定しておるような事態と違った全く別の事態が起こったので、この特別措置法を制定せざるを得なかったというふうに考えておるのかどうか。つまり、この規定第一条ではもはや救済できない、この規定ではもう処置できないというので、特別措置法をつくったように思うがどうか、その点ちょっと聞きたいわけです。
○北政府委員 特別措置法そのものにつきましては、先ほども申し上げましたように、いまから見れば当時の金額、確かに一千円を切る保険金額でございます。そういうものが二百三十何万件もある。しかも、それがいま機械化の作業対象から外されまして、手作業という形で事務処理がされておる。しかも、その現存する契約の九割がまだ十五年間はある。そういう状況の中で、一方高騰した業務費というものをもってこの事務処理をしなければならない。彼此勘案いたしまして、これを加入者の利便を図りつつ消滅させることによりまして事業も効率化が図れるし、結果的に加入者の方も一定の特別付加金という形での利便をお持ちになる。そういう趣旨で、この特別措置法を提案させていただいたわけでございます。 先生御指摘のインフレ、貨幣価値の下落という問題につきましては、この特別措置法とは一応別と申しますかの問題でございまして、それにつきましてはやはりそれなりに簡易保険一事業だけではいかんともしがたいわけでございますが、国の問題としていま政府が取り組んでおられる問題だというふうに思うわけでございます。
○土橋委員 北簡易保険局長の御答弁、まことにありがたいわけですけれども、あなたは私が申し上げたことについて答えていないわけですよ。前半のあなたの答えというのは、コンピューターの問題や事務処理ができないというような、要するにあなたの内部の方の内輪の説明をしただけなんです。私が聞いておるのは、簡易保険法の第一条の規定のこの大原則というものがもう適用できなくなって救済できないので、別に新しい事態が起こっておると見て特別措置法を制定したのではないか。したがって、第一条の規定そのものはもう現在の特別措置法においては全然別の分野から、要するにこの第一条の規定では保障し得ない事態を救済するために起こったので、第一条はほとんどそういう事態については予測をしていない問題じゃないか、こういうふうな内容の質問をしておるわけですよ。内部がどうだこうだ、それはあなたの御都合であって、保険契約者にとってはそんなことは抗弁の理由にならないわけですね。つまり、第一条の規定というのではもう救済はできないのだ、別に法律をつくってそしていろいろな事情はいまあなたが話したようなことがいろいろあるけれども、新しいそういう方法で二十四年五月以前の契約はこれで処理をしたいということを言っておることは、この第一条の規定の精神じゃないじゃないか。第一条の規定の精神から言うと、ここにちゃんと書いておるように、つまりなるべく安い保険料で提供して、そして国民の経済の安定を図って社会福祉を増進するんだ、しかも生命保険を確実な経営によってやるんだ、こういう大宣言をしておるわけですね。ところが、この規定じゃ全然処置つかないでしょう。第一に確実な経営ができていないじゃないですか、こんな物価が上がっている中で。同時に、安い料金で提供するとかなんとかいったってこんなものは話にも何もならぬわけだ。その次に、国民の経済生活の安定を図るといったって、今日図りようがない。たとえば二百五十円あるいは千円の保険金を掛けて、いま千円もらったってどうしようもない。こういう事態でしょう。安定も何も図れない。だから特別措置法をつくったのじゃないですかということを聞いている。つまり、第一条の例外的な事情としてこういうものをつくったのじゃないですかということを言っている。
○北政府委員 特別措置法はそれなりの理由でつくったのでございますということを先ほど御説明申し上げたつもりでございます。と申しますことは、第一条は厳としていまでもあるわけでございます。私どもも現に第一条の趣旨でこの事業をやっておるつもりでございます。現に簡易に利用できる保険ということで制度の改善にも努めております。現在ほぼ順調な経営がおかげさまでできておりまして、決して不確実な点はございません。また、保険料につきましても、あとう限り安くするということで、先ほど来申し上げましたように、昨年の十一月には表定保険料を下げる、また全体としての正味保険料につきましても、経営努力によりましてこれを高めていくという努力を払っておるつもりでございます。それらの総合した結果はやはり国民経済生活の安定、福祉の増進ということにつながっていくということを信じております。ただ、長期的に見ますと、物価騰貴あるいは貨幣価値の下落という問題が日本全体を包んでおりますので、そういった問題が簡易保険事業そのものの中と申しますよりも、置かれておる基盤において発生しておるということを先ほど触れたつもりでございます。
○土橋委員 委員の先生方お聞きになったと思うのですが、いまの北さんの御説明は答弁になっているでしょうか。私が聞きたい点は、この簡易保険法が規定している基本原則というものは、要するに安い掛金でそして効果のある保険ということを受けて、そして経済生活が安定するように、また同時にその保険の金は社会公共的なものに投資をして福祉を増進するんだ、こういう基本方針と、いま特別措置法を上程してきているこの内容というものは全く例外的に、この保険法第一条の規定では救済も何もできないような事態について特別の措置をとっているものじゃないかというふうに理解をしておるがどうかと言っても、いまのような答弁じゃ私は納得できないですね。そうだと、あなたのおっしゃるとおり、敗戦とかあるいは異常な物価状態で、この第一条の規定ではもう保険金を払ってもしようがないからしてこの特別措置法をつくったんだから、例外だということをどうして言えないのか。どうしてそこを言い渋るのか。私はそこのところがどうしてもわからないのですよ。確かにこれは簡易保険局としては清水の舞台から落ちたような気持ちで、相当張り込んだ気持ちだと私は思うのですよ。その気持ちは私もよくわかる。しかしながら、この特別措置法という法律は保険の大原則から見るととんでもない、つまり異常な事態に対処したものじゃないか。そうだ、とどうして答えられないのでしょうか。それはここに書いてある条文のいろいろな規制から言うと——あなたが固執する意味、私はようわかるのですよ。ようわかるのだけれども、この特別措置法というものはそういうための救済的な規定じゃないかということを言っておるのだが、そこのところあなたの答弁はどうもはっきりしていない。つまり、この保険法全体の分野から見て、これは特別な事態に対して対処するものだということをどうして言えないのか。やはり何かこの規定の枠の中の問題みたいにあなたは説明しようとしているのですね。そうじゃないでしょう。この十カ条ばかり出してきた特別措置法というのは明らかにこれはあなたの方の手続上の問題もあるし、それよりはむしろ保険契約者の権利あるいはそういうものをどう守ってあげるかということが中心でなければいかぬわけだ。これは先ほどの議員さんも追及されておりましたね。あなたが提案理由の説明のところで述べられた問題について鋭く追及されておりましたね。あなたは「簡易生命保険事業の運営の効率化を図るとともに加入者の利便を図るため、」この「簡易生命保険事業の運営の効率化」ということだけを中心に物を考えておるのじゃないか。 だって、この契約はあなた、私法上の契約ですよ。保険契約者と政府が結んだ契約ですよ。そうすれば、さっきあなたもはしなくもお客様ということを言ったが、お客様の便宜を図るため、加入者の便益をまず第一に図って、同時に「事業の運営の効率化」というふうに書くならいいけれども、そもそもこれは逆立ちをした物の考え方から発想しているわけだ。大臣、見てくださいよ。こういうやり方をしているから話にならぬわけですよ。親方日の丸式で、簡易保険局長はおれは大臣のかわりに一切保険をやっているのだ、おまえたちに幾らか涙金をやるのだ、こういうようなかっこうにこれは見えているわけです。これはあべこべじゃないですか。どうですか、加藤さん。こういう書き方をしている。全く契約者を無視して、事業運営の効率化だけを第一に掲げて、契約者の皆さんに対して便宜を図るということを第二段に書いてある。ここにあなた方の基本的な誤りがあるわけですよ。大臣、お聞きになってどうですか。私はそういうふうに思うのだが。お客さんを一つも大事にしていないじゃないか。口ではお客様なんと言ったって、てめえのことばかり考えている。(加藤(常)委員「お客さんは神様だ」と呼ぶ)
○村上国務大臣 先生の御指摘のことはよくわかりますが、結局これはお客様が大事だから、お客様を後に書いているようですけれども、要するに効率化を図って経営の合理化をして、そして余剰金が出てこなければお客様にお払いができないというような意味で、そこでお客様の利便を図るため、こうやっているので、いわばこの後先については神経質にやかましく言われれば先生のおっしゃるとおりかもしれませんが、とにかくお客様大事で、どうしても合理化を図って十分剰余金を出していこうということを先に書いたのは、どっちを先に書いても私は余り気にならぬところだと思います。
○土橋委員 村上郵政大臣、どっちに書いても問題にならぬというようなことじゃないのです。私は、この書き方の前後をそれほど重きを置いていない、こういう物の精神でおるからいかぬ、ということを言っておるのであって、私が言おうとしているのは、これを上に必ず書きなさい、そういうことを言っていないのですよ。ここの書き方をよく読んでみてください。こういう書き方なんですよ。後段を読みますよ。「簡易生命保険事業の運営の効率化を図るとともに加入者の利便を図るため、」この書き方は明らかにだれが見たって——それは簡易保険局のEDPSというコンピューターの制度は大変金のかかるもので、しかも簡易保険局は全国に八つとか七つある、そこへ皆配付をすると大変な事業なんです。それは私もよくわかるわけだ。しかし、それは内輪の事務の簡素化や手続のやり方を合理化する問題であって、お客さんにはそんなことは理由にならぬわけですよ。また、法案を提出して国会にこれを出してくる以上は、お客様は神様と加藤さんもおっしゃっているように、そのお客様をないがしろにするように、つまり経営の効率化を図るとともに、つけ足しとして加入者の利便も図るのだ、こういう物の発想で来ておるわけですよ。読んでごらんなさい。うそじゃない。「とともに」なんてつけ足しじゃないですか、どうです。こんなことで簡易保険事業がまともにやっていけるとあなた考えているのか、北さん、こういう物の考え方で。答弁聞きましょう、明確に聞きましょう。
○北政府委員 先ほど来御説明申し上げておりますとおり、経営の効率化によりまして、差し引き七十億円程度のものが見込まれる。無論それは今後十五年余り契約が——最長二十数年続くようでございますが、今後十五年しましても、まだ一割ぐらい残るわけでございますから、それをいま全部整理したとすれば七十億になるわけで、したがいまして、その七十億という金は、いわば剰余金全体の中から一時お借りをして該当契約の方にお払いする、しかしそれは残る契約者の方々、いずれはこれは埋まってくるわけでございますから……(土橋委員「そんなことを聞いていない、この基本原則、物の考え方というのは、どういう考え方からそういう発想をしておるのかということを聞いておる」と呼ぶ)そういう意味で七十億というものはとにかく節減できる。それがまずありまして、それを御協力いただく方にお分けする。こういうことでございますので、まずその節減というものがあって、その後でその利便というものがあるわけでございますので、ただそういう時系列的にAアンドB、こう並べたわけでございます。無論私どもといたしましてもお客様が第一であることは常々考えておるのでございますので、そのことに変わりはございませんけれども、順序がAアンドBであるためにこういう書き方をしたわけでございます。
○土橋委員 委員長もお聞きになったでしょう。そういう物の考え方で簡易保険契約を結んでおるのかということになってくるわけなんですよ。いまの説明を聞いておると、まず計算上金が出なきゃいかぬ、金が出ることが中心だから、七十億の金を捻出して、その金が出たものについて払ってやる、こういう説明なんですね。そうじゃないでしょう、この精神は。要するに、異常な物価高によって契約者にえらい迷惑をかけておるからして、とにかくそういうふうに不十分だけれどもここで解消して、支払い保険金とかあるいは剰余金の繰り上げ支給金であるとか、あるいは特別付加金の繰り上げ支給金をまとめて払いましょう、これが中心ですよ。計算して金が出なきゃ払わぬということじゃないでしょう、この法律全体の精神は。大臣、どうですか。いまの説明では、金が出なかったら払わぬぞと暗に言わんばかりの説明を北さんはしたわけです。そうじゃないでしょう、この法律というのは。どうですか、あなたの説明を聞くとそういうふうに聞き取れるんだ、私は。だれが聞いたってそうですよ。
○北政府委員 この特別措置法を考えておりますのは、いわゆる目減り補償ということで考えておるのではございませんで、繰り返しまして恐縮でございますけれども、やはり先生御指摘の要綱にございますような、そういう趣旨での特別措置でございます。古くは郵便年金の整理のときにも同様の考え方であったわけでございます。
○土橋委員 あなたの説明を聞くと、目減りのためじゃないのだ、ここで簡易保険契約の契約者全体の問題について処置をしたいという趣旨のような説明をいましたわけですね。それならば、なおさら一層大事じゃないですか。目減りの問題だけじゃないのだ、つまり各個人との間に、ここに書いてあるように、二百三十三万四千件の要するに契約をしたものに対して処置をつけたいのだ、こういうことでしょう。その結果目減りという問題についてはできるだけ解決をしたいというので、つまり昭和二十四年五月以前の契約については、とにかくコンピューターにものせられないようなものが二百三十三万四千件もあるので、何とかこれを措置したいのだ、こういうことでしょう。そうすれば、私が言ったように、やっぱりお客さんですからね、契約当事者ですからね。しかも、保険料を払ってもらったわけであります。非常に物価の安いときに営々として保険料を払ってやった人なんです。ところが、物価が異常に上がったものだから、その保険料も保険金も全く値打ちのないような金になってしまった、事務上も処理しなければいかぬ、こういう関係でしょう。そうすれば当然、あなたのいまおっしゃったように、これは保険法の規定の第一条、保険法全体から見て特殊の場合だ、特別にこういう事態を想定して努力をした、こういうことでしょう。そうなってくると、私の言いたいことは、特別の方法としてこれを提案する以上は、たとえば、お聞きしますが、この改正法の第三条の規定によって「特別一時金の額は、保険金繰上支払金、分配金繰上支払金及び特別付加金の額の合計額とする。」、これは一体平均どれぐらいの金になるのですか。いまの二百三十三万四千件の平均は、一体どの程度の金を支払う予定なんですか。総額はわかっていますよ、七十億円。この保険金繰り上げ支給というのは平均しまして一件当たり何ぼですか。
○北政府委員 一件当たり平均で申し上げますと、保険金繰上支払金は九百八十三円、分配金繰上支払金は千二百六十二円、特別付加金は三千円、以上であります。
○土橋委員 これは目の子でいま私計算してみれば、五千円ちょっとでしょう。そうすると、いま五千円という金が一体どういう使いでがある金かということを考えてみると、昭和二十四年以前の効力発生した当時の平均がここにも出ておりますよ。当時の平均は幾らでございますか。ちょっと教えてください。北さん、幾らになりますか、保険料と保険金の支払い金額。
○北政府委員 保険金につきまして、ただいま申しましたように平均九百八十三円、保険料はたしか四円七十一銭でございます。
○土橋委員 これは毎月の——一年間の支払いですか。
○北政府委員 いいえ、月額四円七十一銭でございます。
○土橋委員 たとえば昭和二十年前後で四円何ぼというと、大体くつが一足買えたのじゃないですか。いまのくつ一足は三千円とか四千円でしょうけれども、戦争前だったら四円七十一銭出せばぱりっとした革の底のついたくつが買えたわけです。ゴム底だったら大体三円五十銭ぐらいだった。しかも、それは九百八十三円という大枚の金をもらうのだというので、毎月四円七十一銭払っていったわけです。くつ一足買えるのですよ。いまで言えば三千円とか四千円のくつなんですよ。ところが今度受け取ってみたら、これは合計すれば大体五千円ですよ。くつ一足で終わりですよ。そういう異常な状態について、金を払ってもらったからといって、そんなにありがたくないわけです。たとえば、卑近な例をとれば、老齢福祉年金は七千円を一万二千円に上げたというので三木内閣はこればかり宣伝しておるわけだ。ところが、一万二千円で御老人が食っていけるかと言えば、食っていけない。こういう状況の中において、こういう計算方法で出した金では非常に少ないのじゃないか。もっと、この特別措置に関する法律をつくった以上は、だれもが納得できるような、いま申し上げたような金を支給する態度でなければ、出さぬよりはいいかもわからない。しかし保険の枠の中に入っただけでは解決しない。その責任は一体だれが負うのですか。昭和二十四年この方政権握っているのは自由民主党じゃございませんか。ほかの党派では握っておりませんよ。そうすると自民党の政策によって今日のようなインフレ状態が起こってきた、その責任は当然政府が保証すべきじゃないでしょうか。いかがでしょうか。私が言うのは間違っておるでしょうか。もしあくまでも郵政省がこの保険法の基本原則をたてまえとして特別の場合じゃないというような説明をしてこの特別措置法を出したとすれば、その足らない分は政府が当然責任を負うべきじゃないでしょうか。ほかの党派は政権握っていないのだから。いかがですか。
○北政府委員 やはり簡易保険事業というものは、簡易保険事業という一つの国家企業でございますので、その中であとう限り万般の措置を講ずるということでございます。ただ、繰り返して恐縮でございますが、特別措置法は先ほど来私が申し上げておる意味で御提案申し上げておる次第であります。
○土橋委員 そうじゃないでしょう。この特別措置法は、この保険法の規定ではどうしても救済できないから、この第一条その他の規定によって救済できないから、この第二条の国営で行うという基本原則から国会へ、従来の保険法の規定ではどうにもならぬからこういう特別措置法をつくって、そしてここで俗に言うけりをつけたい、そして保険契約者にも便宜を幾らか差し上げたい、こういう精神でしょう。つまり現在の保険法の全体の規定から見て、これは特別の措置として国会へ提案してきているのでしょう。違うんですか。じゃ、なぜこんなもの出したのか。この規定でずっと押していけばいいじゃないですか。どういうわけかわからないな、私は。
○北政府委員 特別措置と申します特別は、先生御指摘のように保険法第一条に対する特別措置、こういう意味合いでは全くないわけでございます。先ほど来申し上げておるような意味合い、すなわちこの特別措置は、いわゆる御指摘の貨幣価値の変動に伴ういわゆる目減り補償というようなものを目的とするものではございませんで、恐縮でございますが、その事業経営の効率化と加入者の利便を図るという、そういう特別の目的のために実施しようとするものでございまして、したがって特別付加金というものも、この事業の効率化によって得られる節減額、こういうものをめどにして支給しようというものでございますので、この金額というものは結局七十億円というものの分配ということにとどまらざるを得ないわけでございます。
○土橋委員 どうも北さんのおっしゃることは私には、私の勉強不足か何か知りませんが、理解できないわけです。こういう趣旨には私も賛成なんですよ。しかし、余りにも金額が些少ではないかということをすぐ私は直感で感じたわけですよ。 それでこの保険法を見ると、ここに書いてありますように、確実な経営によってなるべく安い料金で提供する。確実な経営方法です。確実な経営方法をやってきたと思うのですよ。決してふしだらな経営をやってないと思う。そして国民の経済生活の安定を図る。ところが安定じゃないわけです、いま。そのためこういう特別措置法をつくってきたわけですよ。そうすると、この保険法が予定をしておる六十何カ条の条文ではもう解決できない。したがって、ここでこういう特別措置法をつくって幾らかでも、要するに先ほどから申し上げておる二百三十三万四千件のものを処理したいということじゃないのですか、ということを聞いてもまともな答弁はできないわけだ。それならば思い切って、いま申し上げたようにこの支給額については、三木内閣は老齢福祉年金を五千円上げる、それで一万二千円にしたいというようなことを言っておるそういう精神から見ても、当然この金額、五千円前後ではちょっと少ないのじゃないか。当然これは上げるべきじゃないか。しかも、その政治を担当してきたのは自由民主党の歴代政権であるわけですね。したがって、簡易保険でもしこれ以上の枠が出ないということになってくれば、政府がそういう物価に見合ったような、この保険法の第一条の規定がちゃんと明確に言っておるように、つまり確実な経営によってやった。しかも、安い料金で保険金を払ってやってきた。ところが、国民の経済生活が安定しなかった。その責任は政治の問題だ。簡易保険局の責任じゃないわけですね。これは。簡易保険局は営々としてこの第一条その他規定に基づいてきたわけだ。ところが、実際はこの金をもらってみたところがどうにもならぬということになれば、当然政府がめんどうを見るべきじゃないかというふうに私は考えるわけです。郵政大臣どうですか、めんどう見切らぬですか。見切らぬとするならば、この特別措置法を根本的に変える必要がある。見切ると言うならば、これはこれとして五千円前後上げる、あと政府が上乗せをして金を出すということになるのじゃないでしょうか。
○北政府委員 先生のお説はよくわかるのでございますけれども、しかし私ども第一条に基づきまして簡易保険事業としては精いっぱい努力をしてまいったわけでございます。しかし、国の経済自体がこういうふうに長期間の間に動いておるという事実が一方にございまして、これはひとり簡易保険事業だけでございませんで、なかんずく何と申しますか貨幣財産というようなものにつきまして、それを簡易保険事業のみならずいろいろなところにも共通の問題でございまして、いわばこれは簡易保険事業外の問題というふうに考えざるを得ません。 それから第一条に関連して、第二条にもこの保証する云々という規定がございます。これなどにつきましても私どもはやはり額面金額の履行を保証する、そういう意味であると理解をしておりまして、保険金等の実質的な価値まで保証するという意味にはとれないと思うのでございます。万一実質的な価値まで保証するということでありますならば、それこそ先生仰せの厚生年金保険法でありますとかあるいは国民年金法のようなスライド条項でも法律に確保されておるということであれば別でございますけれども、簡易保険事業は御承知のようにはっきり任意保険でございまして、そういうスライド条項もございませんので、やはり簡易保険事業としてできるだけのことをするということであろうかと思います。 ただし、この特別措置法そのものは、繰り返して恐縮でございますが、また別途の観点での措置であるわけでございます。
○土橋委員 私の言っていることがわからないのでしょうかね。私はそうむずかしいことを言ってはいないのですよ。つまりこの特別措置法をつくった以上は、最大限にやはり簡易保険局としては努力をしてもらわなければならないのです。それにはここに言われているように、平均して大体五千円前後の金では余りに少ないんじゃないか。たとえば剰余金は何ぼあるか。大体二千五百億以上の剰余金を持っておるでしょう、四十九年度から五十年にかけて。仮にその三%でもあるいは五%でもここへ入れるということになるならば、目の子で勘定して三だから約八十億から九十億ぐらいですか。そうすると、現在の七十億にそれだけ足してもかなり旧保険契約者は喜ばれるのじゃないか。そういう措置も簡易保険局限りにおいてとることはできるのじゃないか。それをなぜとらないのかという点が一つあると同時に、政府はこの昭和二十四年以来ずっと自民党政府なんです。そこでこういう物価状態が起こったことについて——規定ではここに書いてあるように確実な経営によってなるべく安い料金で、そして国民生活を安定させます、こう言って募集しておるわけなんだ。金を集めている。ところが、その金が目減りしちゃってどうにもならぬということになれば、当然その上乗せは政府がさらに考慮すべき問題ではないか。何も私はむずかしいことを言っていませんよ。どうですか、大臣。
○村上国務大臣 御意向はよくわかります。よくわかりますが、仮にいまの金額をうんとふやしていきますと、やはり現在の契約者の——これは私の考え方なんですが、剰余金をどんどん出していくということになりますと、いま契約している人たちの利益にも今度はやはり関係してくることになります。この程度が、まだ多くはないけれども、妥当な数字でないかというように……。戦前あるいは戦後の当時と今日のあれは、それはどの政府がやってもこうなったのでしょうけれども、こういうインフレは。五倍、十倍にしてもまだ本当は足りないと思います。けれども、当時仮に私が金を借りておったとしても、やはりお払いするときにはインフレの倍数を払う必要はないので、個人の貸借なら五千円借りれば五千円払えばいい、それで責任を果たすことになっておりますが、そういうようなことから勘案してみますと、やはりこの程度でお許し願わないと、剰余金の積み立てをどんどん取り壊していくということになりますれば、いまの既契約者に対してもその利益をついばむことにもなるのじゃないか。いろいろ考えた末にこういう数字になったと思います。私も余り気に入らないのですが、お気に入らないことは十分わかりますけれども、この措置法によってあの当時からの本当にもやもやしている問題を解決させていただいて、そうしてりっぱな効率化を図っていただきたい、これが私どものこの法案を提出した精神であります。
○土橋委員 そこで、北さんに私、もう一回。あなたの方で出しておるこの資料の理由のところの今度は二行目から「当該簡易生命保険契約につき保険金の支払に代わる特別一時金の支給に関し、支給の要件、特別一時金の額等必要な事項を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。」こういうふうに説明しておるわけです。ところが、あなた答弁をなるたけ婉曲に、わかりにくいようなことばかり説明しておったけれども、ここにちゃんと書いてある。保険金の支払いにかわる特別一時金の支給に関してその支給の要件、とかがちゃんと決めてある。そうなってくると、これは保険法規定全体の中から出てこないものであって、特別の措置をするということでなければならぬというふうに私が言っておるのに、それをそうじゃない、そうじゃないと答弁を盛んに繰り返しているけれども、ちゃんと書いてあるじゃないですか。そうすればこの特別措置法というものに関して最大限の、いま郵政大臣の答弁もありましたけれども、最大限の努力をして、いま申し上げるような目減りとか、あるいは保険契約上のいろいろな諸問題を誠意をもって解決をすべきものだというふうに私は理解しておるわけなんですよ。ここにちゃんと二行目のところに書いてある。保険金の支払いにかわる特別一時金の支給に関して要するにやっておるのだと、こう書いてある。そうすれば、これはこの保険法の規定全体から流れるものじゃないぞと、こういう法律によって別に扱いをしますよということを書いてある。それならば、ここに書いてある「特別一時金の額は、保険金繰上支払金、分配金繰上支払金及び特別付加金の額の合計」だけではなくて、もっと誠意を持ったものをやってしかるべきじゃないかという結論が出るわけです。しかもこの金額は、先ほどあなたが答弁されましたように、せいぜい五千円前後ということでは話にならぬではないかと思う。つまり、一カ月分の保険料を払った金しかもらえない。そうすれば、その保険料を払ったものの何倍かに相当するというような話はわかるけれども、せいぜい二カ月分くらいしか金を出していないんじゃないか、それじゃ余りひどいじゃないか、こういうことです。その責任は、あなたの方は簡易保険局長さんだから、政府に要求すべきですよ。何で国民の方にしわ寄せしてそんな小額を支給するんですか。あなたは責任者ですよ。ここにちゃんと、簡易保険法の規定によって、あなたはちゃんと責任者になっていますよ。この三条の規定によって「郵政省簡易保険局長が行う。」ということになっているんですよ。ちゃんと三条で、あなたはりっぱに、もう主宰者としてこの措置をする責任を負っているわけです。なぜ政府に要求しないんですか。なぜ契約者の方へしわ寄せして小さくするんですか。それではあなたは保険局長としてこの第三条に規定するところを忠実にやっていないじゃないですか。法律違反じゃありませんか。しわ寄せを契約者にやって、政府に要求しないでおいて、それでこの法案を国会に上程してくるなんてことは、保険局長、第三条の規定を、あなたは自分で責任をとっていないじゃございませんか。責任をとれば当然政府へ、村上さんのような事のわかる郵政大臣がおるんだから、話をして、大蔵省と話をして、金をちゃんともらったらいいじゃないですか。なぜその責任を果たさないんですか。
○北政府委員 特別措置という言葉でございますけれども、やはり先ほど来申しておりますように、一条に対する特別措置ということでは全然ございませんで、先ほど来申しておるような、特別の一つの別の理由からこういう措置をお願いしておるわけであります。それが特別措置という名前がついておりますのは、保険法系列で申し上げますと、保険金の支払い、要するに満期とかあるいは——契約というものを結んだ場合、その契約はいずれ消滅するわけですが、その契約の消滅というものは、結局満期でありますとかあるいは死亡とかいうような、いわゆる保険事故が発生したときにこの契約が消滅をするわけなんです。ところが、本措置におきましては、そういう保険事故を迎える前に当事者間の合意によりましてこの事前消滅をさせるという点、それから、保険事故が発生いたしました場合には、約定による保険金と、それから分配金等、こういう支払いを受けるというのが保険法の本則でございますが、この措置につきましては、それに相当する金額のほかに、先ほど来申し上げております特別付加金というものを差し上げる、この二点において保険法の考え方と違っております。その点をつかまえて特別と、こう考えておる次第でございます。 それから、このわずかな金をお客様にお返しする、保険事業で、簡保でそれができないなら、おまえの責任で政府に要求しろと、こういう仰せでございます。簡保事業、これは当然郵政大臣が所掌しておられまして、私は、契約関係につきまして大臣の委任を受けまして、そして対外的に当事者になるということでございます。いずれにいたしましても、これも先ほど申し上げて繰り返して恐縮でございますが、やはり簡易保険事業としては一条の趣旨で従来から、また今日も将来も大いに努力をするわけでございます。ただ、国の経済自体が変転したという事情がございまして、これは簡保事業だけの問題でもございませんので、そういう意味合いにおきまして、簡易保険事業として国に請求するということはいささか無理があろうかと思っております。
○土橋委員 何かわかったような説明をされたけれども、実はあなた自身も説明の内容から見て、現在の簡易保険法のあそこの条文とここの条文とこの条文を持ってきて、そしてひとつ特別措置法というのをでっち上げて、これで大体五千円前後の金を払ってパアにしよう、率直に言うとそういう感じを私は受けるわけです。それであってはならないということを私は主張しているわけです。つまり、保険法のらち外においてこれを措置しようとするならば、特別措置法という法律をつくって出した以上はやはり保険契約者にも満足できるような、また当然だれが見てもそういう意味で国会へそれを上程しておるのかということがきちっとするようなものを出すべきである、ということが私の主張の根本であるわけです。ですから、従来の保険法のすべての条文をさらに超えてここで措置をしなければならない。つまり、簡単に言いますと、この第一条の規定は非常にりっぱな規定なんですよ。この規定をだれも信頼して、これを中心に簡易保険事業は動いているわけですよ。この規定には何らやましいところもなければ、あいまいなものは一つもない。非常にりっぱな内容を持っている。これは恐らく大正の初め、大正五年だか四年につくったときも同じような精神であったと思う。またその後の改正も、基本方針はこれであったと思うのです。そうしてこれを信頼して契約を結んでくる。ところが、政府の政策よろしきを得ないで、異常に物価が上がってしまった。石油ショックなんか、あれは外国などと盛んに言うけれども、そうじゃないでしょう。やはり措置はとられるわけなんですよ。そうなってくると、こういう事態に対処するためにつくったこの特別の措置法というものは、当然そのようなことを考慮してつくらなければならないものであって、つくり方の根本においてこの保険法の枠のうちで何とか拾っていこうという物の考え方では措置できないよということで、私は答弁を求めたわけですが、これ以上聞きましても時間がもったいないからこれはこれで——私は大臣の答弁も北さんの答弁も非常に不満です。不満ですが、時期を残して他の適当な時期にさらに私は時間をいただいてこれを糾問したいと思っております。趣旨には賛成だけれども、やり方が非常にこそくだというふうに考えております。 次に、これはまた同じように「保険年金展望」の五月号、この間私のところに来たばかりです。私も勉強させていただいております。これの二十ページ、「(二)運用計画の内容」の「A財投計上」それから「B財投枠外」「C原資」というのでいろいろ説明しておるわけです。そこで私が聞きたい点は、この数字は五十年度は大体予定ですね。四十九年度が合計しまして一兆八百五十億円です。それから五十年度は一兆二千百七十億円の金になっておるわけですね。この中で私がどうしてもわからない点は、一番しまいの「7社債等」九百五十億の金が出されておるわけですね。この九百五十億というのは間違いないのかどうか。計上したあれで九百五十億、これはありますか。見てください。これは間違いないのかどうか。
○北政府委員 財投の枠外投資分として、社債等に九百五十億という計画でございます。
○土橋委員 そうしますと、ここで郵政事業特別会計で二百七十億円の金を出しておるわけですね。政府関係機関に合計いたしまして二千六百三十五億出しておるわけです。第三番目に公団関係に三千八百三十七億円出しておるわけですね。第四番目に地方公共団体に三千五百億出しておるわけですね。そして商工組合中央金庫に対して百五十八億。それから電源開発株式会社に対して百億。そして七番目に社債等というので九百五十億。そして簡保年金契約者等で七百二十億、こういうふうになっておる。そうしますと私はここで、非常にこの数字の多いのに驚いたのですが、これは一体社債等という名前でどういうところに金を貸しておるのですか。どういう社債、株券を買っておるのでしょうか。
○北政府委員 社債といたしましては電力債、ガス債それから私鉄債というふうに政令でもって決められております。
○土橋委員 さらに興業銀行や長期不動産銀行などにもやっておるわけでしょう。これらの諸君が、今日まで御承知のように土地の買い占めをやったりいろいろな製品を買い占めて物価をつり上げたり、そういう諸君にただ金利がいいから、利回りがいいから、こういう金を貸して何とか保険のつじつまを合わせよう、そういうふうに私はとれてしようがないのですが、なぜ地方公共団体であるとか、あるいはここに書いてありますようにたとえば電電公社であるとか国有鉄道であるとか——九百五十億というのは大枚な金ですよ、全体の金の約八%近くに該当する金ですよ。こんなところになぜ、買い占め、売り惜しみをやる張本人に簡保の資金を融通してやるようなことをやるんですか。
○北政府委員 御承知のように、また先ほども申し上げましたが、簡保の資金は国の資金でございますのでやはり、郵政大臣これを運用いたしますけれども、郵政大臣としても財投計画に協力するという立場でございます。そういうことで財投の一翼を担うわけでございますが、五十年度につきましても、財投として総体でどれくらいのものが要るかということがまず決まるわけでございます。そうした場合に、運用部資金というものが一方で出ますし、一方で簡易保険資金というものが出るわけでございます。そこで簡易保険の五十年度に新規運用できる金額のうちのある部分が、そういう経緯の中で財投の中へ入ってまいります。そうすると残る部分があるわけでございまして、それが御指摘の九百五十億とそれから契約者貸し付けの七百二十億だ。ただいま金融債ももちろん買っておりますが——金融債、社債でございますが、金融債もそういうことで公共性の高い金融機関が発行する金融債を買っておるわけでございます。 それから、たとえば全部地方公共団体でありますとかというところへ回せという御質問かとも思いますけれども、これはやはり財投計画の中での資金需要というものに対応するわけですから、私の方は全部そっちへ計画いたしましても、あるいはその部門でそれだけの資金需要がないかもしれません。また、運用部の持ち分もあるわけでございます。そういう意味で、結局財投計画として必要のないといいますか、そういったものが九百五十億プラス七百二十億ございまして、それを公共性があり、かつできるだけ有利に運用するということを考えておるわけです。 ちなみに契約者貸し付けの七百二十億というのは、これは年七分二厘にしか回りません。ですから、その九百五十億というのを許される範囲内でやはり最も有利に運用いたしませんと、これまた先ほど古川先生の御質問にもございましたが、簡民保の運用格差という問題を一方で埋めることが加入者の利益につながるという問題もございますので、そういう公共性を失わない範囲内において有利にこの九百五十億は運用してまいる、こういう趣旨でございます。
○土橋委員 そこでこの表によりますと、国有鉄道、電電公社等の社債を買っているわけですよ。あるいは北海道東北開発公庫のそういう社債を買っているわけですよ。その他ほとんどの公団関係は全部、日本私学振興財団だけからそういう社債は買わないが、あと全部買っておるわけですよ。そして「社債等」というところで九百五十億。四十九年度は五百億なんですね。倍近いものを買っておるということは一体どういう根拠になっていますか。
○北政府委員 九百五十億は本年度の計画でございまして、まだ買っておるわけではございません。枠が確かに倍率から見れば倍近くにふえておりますけれども、総体の一兆円余りという中で見ますればまあわずかでございます。私どもといたしましては、九百五十億というものをひねり出すために財投計画を圧迫したというつもりは毛頭ございません。財投計画に十分協力した余りがこれだけあったというふうに考えております。
○土橋委員 私が非常に疑問に思いましたのは、四十九年度は五百億で、ここに、いま言われましたように、電力債であるとかガス債であるとか私鉄債あるいは興業銀行債とかあるいは長期何とか銀行債であるとか不動産銀行の発行する金融債であるとかというものも買っておるわけですね。いま総需要抑制で、要するに需要を抑えなければいかぬ、物価を安定させなければいかぬ、これが三木内閣の基本方針であるわけです。ところが、社債を買うためにこれだけの倍額の金を使うということは、とりもなおさずインフレを促進させるものだ。特に郵政省は、郵便料金値上げも十月一日から御承知のように倍あるいは二倍半あるいは第三種郵便物は五倍上げる。こういうことに符節を合わせるようにこういう金の使い方をすれば利回りはいいかもわからぬが、いま国民が非常に苦しんでおるインフレというものについて真剣に考えているのかどうかという気が私はちょっとしたものですから、これを聞いておるわけなんですよ。あなたは電力債が中心だと言う。電力会社は電気料金を上げるとき、これは配電会社、電力会社のいろいろな問題はございますけれども、電力資本が自由民主党に政治献金を大変しておるわけですよ。こういう点を考えまして、私は、こういう電力債を多分に買ってやって、そしてまたインフレが促進するようなことはむしろ慎むべきじゃないかという気がしておるわけですよ。それが昨年に比較して約倍に近いものを投資をするということは、五十年度予算全体のいわゆる総需要抑制、国民生活安定という基本原則から外れてやしないかということを聞いておるわけです。どうですか。
○北政府委員 私どもの方はそういったことでもっぱら、これは簡保の資金の運用先としては最有利部門でございます。そして簡保としては民保との運用格差を縮めなければならぬという命題がございます。そういう意味で私どもとしては、財投協力の余力があればこういったことをしたいという気持ちを持つのは当然でございます。しかし、わが方がそういったことで昨年五百億、それをことし九百五十億にしたということによって、電力債やらその他格づけの高い社債の発行量がふえるというふうには別に思っておりません。私ども直接の仕事じゃございませんが、そういったものにつきましてはすべて大蔵省、日銀で、国の経済計画と申しますか、そういうものの中で起債の認可をしておるように聞いておりますので、私どもの資金がそれに出るからといって、それによって起債量がふえるということではさらさらない、こう考えております。
○土橋委員 北さん、あなたは私の言ったことを何かちょっと誤解をしていらっしゃると思うのですよ。つまり簡易保険の九百五十億の金を使うから、だから社債がふえるなんて私は一口も言っていないのですよ。あなた、そんなばかなことはない。簡易保険がたくさん社債を買ってくれるから電力債をふやそう、そんなことを考えていない。それは当然ですよ。 ここで問題になることは、こういう多額な倍の金を使うというようなものが結局電力債をやはり多く発行させる一つの素因になることは事実なんだ。そうでしょう。そうなってくる結果がインフレを促進する、つまり事業をどんどんやってくるということになるのであって、電力債をここでたくさん買ったからさあ電力債がふえた、そんなことを私は考えていません。ここで従来の倍のものを買うと言って、これは財投外の問題として——これは財投じゃないです、ここにちゃんとあなたの方は説明しているのですよ。これは財投枠外としてちゃんとあなたがうまく説明しておるわけです。したがって、私が言いたいことは、こういうことでインフレ促進になるようなことはやめてもらいたいということであります。たとえば、ここで申しますと、これは簡易保険の金ですから、実は保険契約者の金でもある。ここでこういうのがありますよ。大臣、聞いてください。ここで、公団等に金を投資をする場合に、四十九年度は三千六百二十三億円なんですね。それで五十年度の計画は三千八百三十七億円なんですよ。そうしますと、約百何十億多くなっているわけです。これは財投に充当する金額は約二千億円ほど上がっていますから、数字だけこうやって見ていけば納得のできる問題です。ところが、公団等に上げておる幅がどこで一番大きい幅を持っておるかというと、日本道路公団に一番多くあらわれている。日本道路公団は百何十億という金を急遽ここでふやしているわけですね。ほかのところはわずかです。ほかのところは四十億とか三十億なんです。日本道路公団に対してうんと金をふやしているわけです。それと、いま申し上げましたように九百五十億という社債。主に電力債ですよ。ここいらに自民党政府のいわゆる物価引き上げの引き金を引くような体制がとられているのじゃないかという気がしてならないわけです。この点ひとつ郵政大臣、そうじゃないという説明があったら、していただきたい。
○村上国務大臣 それは全く先生のお考えと違います。そういうものじゃありません。政府全体の、財政投融資にいたしましてもあるいは公社債の発行にいたしましても、やはり大蔵省で一つの枠がはめられたその範囲でやっておりますので、先ほど先生もお話しになりましたように、簡保の金がいったからといって枠が広がるものじゃないというお話と全く合致しておりまして、これは絶対に心配ございません。 それから電力債等、私は電力関係がどういうふうになっているか知りませんが、非常に経営困難な状態であることは聞いております。そういうところの社債を買わなくてもいいわけなんですが、郵政当局がそういう社債を買っていこうということは、やはりこれは政府が許した社債ですから、どこが買おうがだれが買おうが関係ないことですけれども、そういうところが少しでも金利がいいというので財政投融資に回す。いわゆる政府にお貸しする金とのバランスをとって、それで六・八四が七になるとか、少しでも有利に貸し付けていくということは、これはまた保険契約者の利益を図るために当然なことだ、かように私は思っております。
○北政府委員 いま大臣からお答え申し上げたとおりでございます。 なお、もう少し具体的に申し上げますと、電力債の発行総量でございますが、四十九年度が六千六百億円程度と聞いております。ところが、五十年度はほとんどふえませんで六千八百億円程度というふうに相なっておりますので、わが方の資金がそちらへ出ましても総量としてはあまり変わりがないようでございます。したがって、恐らく運用部資金の方がその関係で少し減って、わが方がふえた。結果的に、これは先ほど古川先生の御質問にもお答え申し上げましたが、去年はいわゆる財投あるいは、まあ運用先で八%というのが五一%だったのでございます。有利部門八・七%以上というのが五一%であったのでございますが、ことしはそれを五〇%、五〇%というふうに改善されました。その一環としてこれが有利部門としてふえた、こういうことでございます。
○土橋委員 大臣のおっしゃること、まことに言いにくい話ですが、私はあなたの御説明はその場限りのような御答弁であったと思うのですよ。と申しますのは、四十九年度と五十年度の財投及び財投外並びに「C」に挙げておりますところの原資その他の関係から見まして、たとえば郵政事業特別会計はたった十億円しかふやしていないわけですよ。「2」の政府関係機関に対する投資はむしろ五億円減らしているわけですよ。公団関係は先ほど申し述べましたように百何十億ふやしている。そのうちの最も多いのが道路公団であるわけです。そして、たとえば地方公共団体等に対しては大体二百五十億ほどふやしているわけですね。いま、御承知のように地方財政の非常に困難超過負担が非常に多いという問題に対して当然の措置として、これはむしろ二百五十億では少ないと思いますけれども、こういう比率を持ってきているわけですよ。 たとえば、ここで私が見たのは、沖繩振興開発金融公庫は同じですよ。あるいは農林漁業金融公庫は減らしているのですよ、六十億も。こういう措置をとっている中で、いまお話をするようなことが行われておるから非常に奇怪であるということを私は言っているわけですよ。決して私がむちゃに言っているわけではない。調べてみると、どうも権衡を失しているじゃないかということを言っているわけです。たとえば電源開発。それほど必要な電源開発ならば——この電源開発の百億の社債を買うようになっているのですね。電力債というのは、電源開発債だけではないのですよ、いわゆる電力債も買っておるわけなんです。そういうことを私は非常に懸念をするわけだ。あなたは懸念は要らぬ、こうおっしゃっているけれども、実際郵便料金も十月から上がるわけでしょう。今度会期が切れてそのままパアになるかもわかりませんわね。ですけれども、こういう状態になっているわけですね。決して私はむちゃなことを聞いているのではない。 それでは、さらに大臣の答弁をお聞きいたしましょう。
○北政府委員 去年の、四十九年度の契約者貸し付けとか、そういう財投枠外を除きますと、財投に私どもが協力いたしましたのが、ちょうど総額一兆円でございました。五十年度計画では五分ふえまして一兆五百億円でございます。その各あて先機関別の割り振りが若干異なっておりますが、これは先ほど申し上げましたように、去年は標準部門が五一%、有利部門へ四九%という比率でございましたのを、ことしは契約者に対する運用利回りを格差を詰めるという、そういう角度から五〇、五〇にまで努力したつもりでございます。その四九、五一というのを五〇、五〇に変える段階におきまして有利部門を多くし、標準部門を少なくした、それが入り繰りのすべての理由でございまして、他に全く理由はございません。 その結果、それではそれらの機関に対する融資額が総体として減ったかと申しますと、そういうことはございませんので、必要な融資額は出ておるはずでございます。と申しますのは、御承知のように財投資金のうちの簡保資金は約一二%、一一ないし一二%でございまして、他の八十数%は運用部資金でございます。だから、わが方が減った部分、必要があれば運用部資金が出ておるはずでございますし、両方合わせて見なければ、減った、ふえたという議論はできないのじゃないか。もっぱら有利部門をふやすという中で対象先が少し変わっておる、こういうことでございます。
○土橋委員 この二十一ページの終わりの、「おわりに」というのに書いてあります、「四九年度の日本経済は、異常な物価騰貴を抑えるために財政・金融が一体となった強力な引締め政策の実施により、年度後半から、一気に不況局面に突入しました。金融市場は年間を通じて逼迫を続け、長期金利は高位に固定し短期金利も高水準を続けました。簡保資金の四九年度の運用利回りは、こうした高金利を反映し、六・七%台に達し、昭和二八年の運用再開以来、最高の利回りとなる見込みであります。しかしながら、民保の利回りはそれ以上に上昇し、両者の利回り格差はさらに拡大するものと予想されます。したがって、今後におきましても、加入者の利益向上のために、余裕金運用制度の改善をはじめ運用制度の改善を行い運用利回りの向上を図っていく必要があります。」 こういう説明をしておるわけですね。ということは結局、先ほど私が指摘をいたしましたように、電力債にいたしましても、あるいは道路公団に対する資金の散布の仕方が多いというような点を見ましても、物価引き上げのいわゆる引き金のような役目をするのじゃなかろうか。四十九年度落ち込んだ、今度五十年度はそういうことでだんだん上げる方向に来ておることは、国民生活の上から見て好ましくないことではないかということを質問しているのです。 もう時間が来ましたので、大変不満ですけれども、最初の問題についての発言は、全く私の意図したことを正当に答えようとしていない。特別措置法が持っておる基本的な考え方を従来の保険法の枠だけで何とか説明をして、たった平均五千円程度しか支給しないという結論になった、これはまことに不都合だ、もっと上げてあげるのが当然じゃないかということであります。 第二番目の問題は、三木内閣が物価抑制を中心政策にしていながらこういうような金の使い方をすることは、やはり物価引き上げの引き金を引くようなものじゃないか、これはまた保険料がいわゆるだめになってくるような事態を自分でつくり出すもので、賛成しがたいものだ、もっと考慮して財投外の金の使い方をして、そうしてここに書いてある確実な方法で経営をやるようにすることがもっと大切だ、こういうことであります。以上。
○地崎委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時二十九分散会