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75回国会衆議院1975/06/25

地方行政委員会 第29号

発言数
111
登壇者
10
会派数
3
開催日
1975/06/25

会議録

大西正男自由民主党

○大西委員長 これより会議を開きます。  内閣提出に係る石油コンビナート等災害防止法案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。三谷秀治君。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 この法案についてはいろいろな角度から質問がなされましたので、新しい問題というのはありませんが、少し問題を深めていきたいと思うのが二、三あります。  私が特にお聞きしたいのは、防災緑地に係る費用負担についてでありますが、コンビナートの防災緑地の費用の三分の一を地方自治体が負担をして、その半分の元利償還を交付税で措置する、こういうことなんでしょうか。

佐々木喜久治消防庁長官

○佐々木政府委員 三十三条以下の規定によりまして、防災のための緑地を設置いたします場合には、結果的には地方公共団体はその事業費の三分の一を負担をするということになるわけでございますが、この三分の一の負担につきましては、できる限り地方債資金をもってその費用に充当することといたしまして、その地方債の元利償還金につきましては、この法律の附則において、地方交付税法の一部を改正する法律の規定にございますように、その元利償還費の二分の一の額というものにつきましては基準財政需要額に算入をするということになっているわけです。この措置は、公害のために設置いたします遮断緑地の場合と同じような方式になっておるわけであります。公害のための遮断緑地を設置しないコンビナート地域におきまして、この規定が適用されるということになるわけであります。  事業費につきましては、恐らく用地費を中心にいたしましてこの事業費の総額が決まってくるだろうと思いますが、この事業の性格上、既存のコンビナート地帯において実施されるわけでございますので、やはり緑地の設置に当たりましては、相当な期間を必要とするであろうというふうに考えられるわけであります。これに対しまして、それぞれの年度区分によりまして負担をしていくということになるわけでありますから、事業費の毎年度の負担、あるいはまた毎年度の元利償還金ということを考えますと、地方団体にとりまして、それほど大きい負担になるということはないのではないかというふうに考えております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 地方交付税というものが地方団体の固有の共通の財源であるということは言うまでもありません。それを新しく防災緑地の財源として配分をすることは、今日でも不十分な交付税の絶対量の不足をさらに深刻にするものだと思いますが、この点はどうでしょうか。  それからもう一つは、昭和四十年以後、交付税の対象として新しく拡大しました事業、起債に対する元利償還分でありますが、これはどれだけありますか。その所要額はどうなっておりますか。  資料がないそうですが、私の方で自治省からちょうだいしたのをここに持っております。これによりますと、四十五年以後におきまして同和対策事業債が交付税の対象になりました。公害防止事業債が同じ扱いになりました。市町村におきましては、同和対策事業債に過疎対策事業債、公害防止事業債、これが基準財政需要額に算入をされるという措置がとられております。そこで、このようにしまして、四十五年以降の五年間だけ見ましても、基準財政需要額に算入します交付税の対象が拡大しております。しかし交付税率は一向に改善されていないのであります。つまり、分子は年々増大しますけれども、分母の方が連動していないのであります。これでは交付税の薄まきをする以外に方法がなくなってしまう。そういう措置というものがいまの交付税のたてまえからして妥当でしょうか。地方団体の共通の固有の財源というものが、自治省の一方的な意見によって次々内容が変化してくるというようなことが妥当なことなんでしょうか。

佐々木喜久治消防庁長官

○佐々木政府委員 交付税制度全体についての問題は、財政担当の方からお答えを申し上げるようにしたいと思いますが、公共事業費につきましての交付税の配分の問題につきましては、これは技術的にもいろいろ問題のあるところでございます。事業費の内容によりましては、各地方公共団体に普遍的に財政需要があるというようなもの、たとえば道路事業といったようなものもあります反面、ある特定の団体あるいは地方団体のうちの一部の団体について財政需要の見られる公共事業もあるわけであります。これらにつきまして、地方公共団体の財政の実態に応じてどのように地方交付税を配分していくかということになりますと、そうした普遍的でない財政需要というような場合には、その実際の事業費というものをある程度何らかの形で交付税計算の中に取り入れていくという方法をとらざるを得ない場合があるわけであります。こういう事例が、同和対策事業でありますとか、過疎対策事業でありますとか公害対策事業、そのほか河川事業といったようなものの場合には、普遍的な財源計算のほかに、特定の方式、いま申しましたような、たとえば地方債の元利償還金の一部を見ていくというような方法によらざるを得ない場合があるというふうに考えられるわけであります。こうしたコンビナート地域におきます緑地につきましても、財政需要の面から見ますと、地方団体一般に普遍的にある財政需要ではないというような観点から、やはりこうした方式によったわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 いまおっしゃいましたような、地方団体の普遍的な需要ではない、これは一つの問題ですね。それからもう一つは、よしんばそうであっても交付税の対象にしてはならないとは言えぬと思いますが、しました場合には、分母をどうするかという問題ですね。分子だけはどんどん拡大をしていって、分母の方は三二%から一向に増加しないという状態ですね。こうなってきますと、結局、需要だけが増大してきまして、補給する財源が動かぬわけですから、地方財政問題としましては、非常な矛盾をはらんでおります。そういうことでいいのかということをお尋ねしたわけです。

左藤恵自由民主党自治政務次官

○左藤政府委員 いままでの高度成長下におきまして、国税の税収が順調に伸びておるという段階におきましては、分母と申しますか、その比率をふやさなくても、いろいろなそういったものに応ずることができると私は思いますが、昨年来いろいろ税収が低下したといった問題について、地方財政全体の問題としてもう少し大きな立場で検討しなければならないときに当たりましては、御指摘のようないろいろな問題点があろうかと私は考えます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 法律を見ますと、交付税計算に入れるということが何か国の特別な恩典のように言われておるようですけれども、そんなものじゃないのですよね。これはもともとが地方団体の共有の財源ですから、それを適用するというだけのことであって、しかも、もとがふえないわけですから、適用した分だけどこか薄まってしまうんでしょう。もしもそういう措置をおとりになりますときには、もとをふやすことをやってもらわぬとだめですよ。もともふやして、そうして対象も拡大するということですと、なるほどこれは合点がいきますが、もとの方を少しもふやそうとしないで交付税対象だけをどんどん拡大するということになっていきますと、地方自治体の財源がだんだん薄まってくることになってきます。こういうやり方は道理のあるやり方じゃないと思います。しかもこれは毎年一つずつぐらいふえてきているんですよね。これは一体どうなっていくんですか。連動さしてもらわぬといかぬということです。なぜこれが連動されないのか、それをお聞きしたいのです。

佐々木喜久治消防庁長官

○佐々木政府委員 毎年度の地方財政計画を策定いたします場合には、その年度の国の財政を見まして、それによってその年度分の地方負担の総額を見積もっていくわけであります。したがいまして、公共事業費につきましては、その年度の公共事業費の総体とそれに伴う地方負担分の増加額を計算いたしまして、その他のいろいろな単独事業なり人件費等につきましての計算をしながら、その年度における地方団体の財政収支の見通しを明らかにいたしまして交付税計算に入るというような形になるわけでありますが、確かに、公共事業費につきましての地方負担分をその年度において交付税の面で見ていくというような方式によります場合には、その年度の交付税の総額がいいか悪いかというようなことで判断できるわけでありますけれども、御指摘のように、元利償還費の形で財政需要の見方をしていくという場合には、若干の年度のずれの問題があるわけであります。この点は、見積もりの場合において、公共事業費として支出をする年度と実際に財政需要としてあらわれる年度との間のずれの問題を果たしてどう見込むかという技術的な問題が確かにあるわけでありますけれども、いずれにいたしましても、その後の年度におきましては、毎年度の地方債の元利償還費についての見通しというものも立てていくわけであります。総体として毎年度分の交付すべき交付税の額が不足するかしないかということで判断をされるということになるわけであります。  交付税の率につきましては、御承知のように交付税法では、毎年度分として交付すべき普通交付税の額が引き続き不足するという場合には交付税率の検討をすべきであるというふうな規定になっておるわけであります。個々の財政需要について新たな算入の制度がとられるということで、交付税その他について見るということではなくて、地方財政全体として毎年度の地方財政計画を算定いたします場合に、交付税総額が不足するかどうかという全体の問題として検討されるべき問題であろうと考えております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 長官、簡単におっしゃってください。御親切でありがたいですけれども、蛇足が大変多いようですから。  そこで、交付税の問題について、引き続き著しく不足する場合に税率の改定が行われるという規定のあることは承知しております。しかし、いまのような計算の仕方、要するに事業量を縮小すれば交付税額が引き続き著しく不足するという状態になってこないわけであって、事業量の縮小とか、あるいは基準単価の実情との乖離とか、そういういろいろな問題があるわけでありますから、いまの交付税が引き続き著しく不足していないということはなかなか言えぬのです。ですから、ただ、そういう計算上の計数の出し方によって、あるいは事業量の扱い方によって交付税が引き続き著しく不足するという事態にないかのように紛飾されているだけのことなんですよ。これは交付税の議論のときにずいぶん出まして、自治省の方でも、どうもそれに対する答弁ができなかったということを、私たちはことしも経験しております。ですから、そのことは別にしまして、制度上、交付税対象をふやせば当然交付税に不足を来すということは考え得るわけであって、その場合には分母の方もふやすというのが妥当な措置だと思います。  たとえば、現行の交付税制度のもとにおきまして、消防士の基準財政需要額の算定が行われておりますが、これは非常に不十分なんですね。ですから、消防力の基準に対する人員の充足率が非常に低率になっておる。消防力の基準に対する機材の充足率、これは交付税と関係ないようですけれども、それに対する人員の充足率はどうなっておりますか。

佐々木喜久治消防庁長官

○佐々木政府委員 消防力の基準につきましては、昭和五十年度におきまして従来の消防力の基準の全面的な見直しを行い、その改定を行ったところでございますが、現在、人口十万人のいわゆる標準団体におきます消防力の基準による人員の基準数は、新しい基準によりまして百十人というふうに見込んでおります。これに対しまして、交付税の方で見込みました人員数は、昭和五十年度の場合九十五人ということにいたしております。これに対しまして、十万団体の昨年十月現在の平均的な職員の配置数が八十七・二人というような形になっておるのでございます。恐らく昭和五十年度に入りまして若干数の職員の充足が行われているというふうに理解しておりますけれども、この五十年度の数値はまだ明らかでございません。私どもは、この消防力の基準に対しまして交付税措置の職員数というものをできるだけ近づけていくことを計画的に行いたいというふうに考えておりまして、ここ数年中にはこの基準数に達するように、交付税につきまして措置してまいりたいと考えております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 私はこの間調べましたところ、川崎市の施設の充足率は基準に対して七六・四%になっておりますね。大体八〇%未満が多いようです。人員の充足率が五三・四%になっている。高石市の場合ですと、機材の充足率が基準に対して三七%、人員の充足率は二三%にとどまっています。つまり、今日の基準財政需要額に算入しました消防力では、充足率がきわめて低いということなんでしょう。つまり基準財政需要額はそういう計算がなされているということなんです。その上に交付税というものが組み立てられているということなんです。そして、引き続き著しく不足をしないのだ、こうおっしゃるのでしょう。つまりそういう矛盾があるわけです。  ですから、交付税対象をやたらにふやすということは、いよいよ絶対量の不足をもたらすものであって、いよいよ地方財政の危機を深めるものである。特に最近のように自治省が、地方財政の危機の根源が人件費にあるとか福祉の先取りにあるとかいうふうな、全く事実に反する宣伝をなされております場合に、このようにして交付税の対象だけは次々とふやす、しかもそれに対しては交付税の税率は一向に改正しないということは、これは何といっても不合理なことです。がまんできぬことです。これは改正をしてもらわぬといかぬのです。新しくふやしたものだけで、四十九年度だけでも六十九億になっておりますでしょう。何せこれは起債の償還に関するものでありますから、年々ふえてきている。ですから、四十七年度にはわずか四千二百万程度でありましたが、四十八年度になると九億四千八百万円、四十九年度になりますと六十九億七千万円というふうに、もうこれはどんどん幾何級数的に増加してきている。そうなってくるのは当然ですわ。起債の償還期が来て、あれこれの起債の償還をやっていくわけでありますから、これが交付税に食い込んでくる。ところが交付税の方は税率は一向に構わない。これでは、地方自治体としては迷惑千万な話で、交付税で措置することは国の負担を意味しない。地方自治体の財源を薄めるだけなんだ。その薄めることを前提にして、あたかも特典的な措置のようにこれを扱ってもらっては困るのであって、そういう交付税の対象をふやすときには、必ず税率も連動して改正してもらう、これをやってもらわぬと道理に合いませんわ。これが私は合理的だと思います。改定をしてもらう必要があると思いますが、この点は政務次官どうでしょうか。

左藤恵自由民主党自治政務次官

○左藤政府委員 この一つの問題だけでどうということについての判断というよりも、むしろいまの時代に適合した地方財政のあり方という抜本的な問題として検討すべきときが来ている、私はそのように考えております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 次官、評論家的に、ときが来ているというふうに考えるということでなしに、当事者として、改正すべきである、改正するならするということを明確にしてもらいませんと、何か横合いから見ておるような答弁をなさっておりますので、これは改正されますのかどうか、お尋ねしたいのです。  それから、交付税に係る消防力の基準、人件費ですね、これが非常に不足しているということをさっき申し上げましたが、肝心の消防施設がそのような状態にありますのに、防災緑地にまで交付税の対象としてやる、こうおっしゃるわけですね。これでは防災対策と言えぬでしょう。肝心の消防力というものが実勢が大変不足している、その上に立って防災緑地にまで金を出す、これは必然的に消防力の強化を阻害する結果になるわけでしょう。矛盾があるわけですよ。ですから、交付税率をそのままにして交付税算入対象をふやすことは不合理であるということを言っておるわけですが、この点についてはどうお考えでしょうか。

佐々木喜久治消防庁長官

○佐々木政府委員 現在、交付税で消防費についての基準財政需要額の計算を行っておりますが、この消防費の見積もりました基準財政需要額と、現実に市町村が決算として出しておりますものの各年度の比較をとってみますと、全国的には必ずしも実決算額が交付税の基準財政需要額に到達をしておらないというのが現状でございます。たとえば先ほど例でお示しいただきました堺、高石の消防職員の数を見ましても、これは組合消防でございますが、昭和四十九年度で実員が六百十六名、交付税の計算で見ております数字が七百十一名。五十年度の段階におきまして、堺、高石市は七百十一名の数字になったわけでありますが、交付税の見通しといたしましては、現在のところ七百七十名程度の計算を行えるような形になっておるのでございます。  消防職員にいたしましても、消防施設の内容にいたしましても、まだ若干交付税計算で見積もっております数に及ばないというのが現状でございまして、消防費につきましては、でき得る限り財政措置によりまして、消防施設、消防職員の充足をお願いしていきたいというのが私どもの現在の立場でございます。  それから緑地につきましては、この経費は、前々からお話し申し上げておりますように、これは都市計画事業として行われるものでございまして、その都市計画事業として行われる経費でございます。消防費とはまた別な費目になるわけでございますけれども、ただ、いずれにしてもその性格から見ますと、防災に関する経費という性格も持っておるわけでございますので、この辺は十分各地方公共団体の財政実態に応じまして、財政当局の方とも十分連絡をとりながら、そうした財源対策に遺憾のないように措置してまいりたいというふうに考えております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 これが都市計画事業でありましょうと、直接的な消防事業でありましょうと、そんなことはどちらでもいいのです。要するに、どちらもが今回の法律に関係をする防災事業としておやりになるわけでありますから、そして交付税の対象として地方団体の固有の財源をそこでつぎ込むという性質のものでありますから、事業費目が何でありましょうと、それは大した問題にしてはおりません。ただ、このようにしまして、むやみにこういう交付税対象をふやしてもらって、しかも交付税率は改定しないということをやってもらっては困るというのですわ。地方財政はそうでなくても行き詰まってきているわけでありますから、こういうことを安易にしてもらっては困る。もしも交付税対象をふやしますときには、新しい制度として拡大しますときには、当然これは税率改定を考える。これが連動して動かなければ、地方財政はいよいよ窮乏を深めるということを申し上げておるわけです。これは改善をする必要がありはしないか。  それからもう一つ、この防災緑地などというものは、コンビナート企業の付属施設として法定すべきものだと思います。防災施設を必要とします原因者は企業である。防災上の緑地というものは当然企業活動に付随して必要になってきている。一般住民については、何らそういうものを必要とする利便を生み出してないわけなんです。そうしますと防災施設は、企業活動の付随条件として企業が設置するのが当然なんです。それを財政難にあえぐ地方自治体と住民が負担するという根拠はない。この根拠は何かということです。

佐々木喜久治消防庁長官

○佐々木政府委員 特に第一種事業者におきます防災上の最小限度必要なものにつきましては、別途消防法令の規定によります保安距離の規定があるわけです。いわば第一次的に最小限必要な安全施設というものが、そうした保安距離によって確保されるということになるわけでございますが、さらにコンビナート地域の周辺部におきまして、いわば二重の安全対策として設置をさせるというのがこの緑地の考え方でございます。したがいまして、そうした企業の防災上の安全対策として実施をするという以上は、その部分に関する限り企業がその全額を負担をするというのがたてまえであるというふうに、私どもも考えておるわけでございます。  ただ、この緑地の場合におきましては、非常に大きい災害があって、周辺地域に災害が及ぶというものをここで遮断をしようというものでございますから、平常時におきましては、必ずしもこの事業者にとりまして必須の施設ではない。そういう意味におきましては、平常時は公園緑地として一般市民の利用に供される、そうした公共施設としての性格が非常に強くなるわけであります。したがって、そうした都市施設としての機能と防災の機能とあわせて持つわけでありますから、そうした機能の分担に応じまして、費用を公共負担とし企業負担とするというような考え方をとっておるわけでございまして、そういう意味におきまして、いわば防災部分の負担分が三分の一というような見方をしたわけでございます。そういう意味でこの規定は、都市計画事業の公園緑地としての事業として一応取り上げておるわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 平常時には都市の公園緑地として公共的に利用するという立論も、これは牽強付会の議論です。防災上必要だから設置するものであって、災害防止のための施設なんでしょう。そういう本来的性格の空地を公園であるというふうな強弁をすることは、それこそ住民の安全を無視するものです。たとえば堺の臨海工業地帯の周辺にこういう空地がありますが、そこを散歩している人が、いつでも災害を発見したり、災害を感知したりしているのですね。犬を連れて歩いておると何か異臭が漂ってきた、そこでうろたえて家に帰って電話をして、調べるとガスが漏れておった、そういう事例がしばしば起きているのです。こういうところはいわば災害地域なんですけれども、ここを公園として活用するのだという理論化、その立論の仕方に少し無理があります。それは災害地域として扱って、そして当然発生の原因者である企業が責任を持って処置すべき事業に属するものであって、当然企業に負担させるべきものである、私たちはそう思います。  まあ、これは昔から、風が吹けばおけ屋がもうかるという話がありますが、おけ屋がもうかるから暴風にメリットがあるという議論は成り立たぬわけなんです。つまり、防災時でないときはそこは公園として使えるのだと、こうおっしゃっておる。しかし、それは本来の目的ではないわけであって、つまりおけ屋がもうかる式の発想なんです。そういう無理な発想をしなくとも、実際には企業から発生します災害の防止というところに本来の目的があるわけであります。しかも、その災害の発生源というのは企業でありますから、それを企業に持たせるのはあたりまえな話であって、それを三分の一を地方自治体に持たせるというふうな考え方自体が、今日の地方自治体の実態を御承知のない考え方だと私は思いますが、環境庁あたりは、その点についてはどうお考えですか。

青木英世環境庁企画調整局企画調整課長

○青木説明員 実は私ども、災害ということではなしに、公害につきまして、公害防止事業団という事業団が造成事業をやっておるわけでございますが、その造成事業の一環としてグリーンベルトの造成、このような事業を行っておるわけでございます。公害防止事業団が設立されましたのは実は昭和四十年度でございますが、それから現在までに、完成して地方公共団体に譲渡いたしました施設が、千葉県の市原地区を含めまして十一地区ございまして、これの負担割合を見ますと、民間の事業者の負担分が約四分の一というかっこうになっております。そこで、公害の場合につきましても、実は公害防止機能以外の、いま消防庁長官がおっしゃいましたような都市の施設としての機能と、あるいはそこにレクリエーション施設を設けるといったような機能がございますので、すべて民間の事業者の負担とするということは若干酷ではないか、このように考えておる次第でございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 そこにあなた方の企業に対する基本姿勢があるのですよ。だって、これはそもそも原因はどこから出てくるかといえば企業に決まっておるわけだから、だから、起業します場合には、当然住民に対する災害、公害の責任を持たなくてはならない。その観点からすれば、そういう施設も当然整備しなくちゃならないというのが住民サイドの考え方なんです。  そこで、いまあなたおっしゃいました公害緑地の設置状況についてお尋ねしたいと思いますが、この公害緑地につきまして、完了したものが十一地区、実施中のものが九地区、五十年度より施行のものが二地区になっておりますが、この総所要額は幾らになるわけですか。それに対する企業と国と自治体の負担割合はどうなっておりますか。

青木英世環境庁企画調整局企画調整課長

○青木説明員 現在までに完成いたしました十一地区の総事業費は約百五十二億でございます。その負担割合は、大まかに申しますと、国が一五%、県、市といったような地方公共団体が六〇%、それから企業が二五%でございます。  それから次に、現在仕掛かり中のまだ完成しておりません施設、これが九施設ございますが、いまのところの総事業費の見積もりは三百十六億でございまして、ただこれは、今後、国とかあるいは県、市の負担割合が決まってまいりますものを含んでおりますので、これについては、最終的な国なりあるいは地方公共団体なり企業なりの負担割合はまだ決定しておりません。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 国が一五%で自治体が六〇%で企業が二五%といいますと、半ば以上が地方自治体の負担になっておりますが、こういう負担の仕方というものが妥当なものなんでしょうか。災害の方も、こういう実情から判断して、実際の負担額というものがこういう形になっていく可能性があるわけですか。

青木英世環境庁企画調整局企画調整課長

○青木説明員 実は公害防止事業団が設立されましたのは昭和四十年度からでございまして、これに対しまして、グリーンベルトに対する国の補助金、これは建設省でやっておりますが、これが実施されましたのが昭和四十三年度からという点が一つございます。  それからもう一点申し上げたいと思いますのは、国の補助割合は、原則的には総事業費から民間の負担分を引きましたものについて二分の一ということでございますが、補助対象外、たとえば管理等の経費等は補助対象になっておりませんので、それらの要素を勘案しますと、結果的には一五、六〇というようなかっこうになっておりますが、先ほど言いましたような四十三年度から補助が始められたということ、それからもう一つは、補助対象外の経費がございますので、それらの事情は勘案しなくてはいけないのではないか、このように考えております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 私はこの実情というものを見まして、災害緑地に関する場合におきましても、三分の一、三分の一、三分の一と規定をされておりますが、いまおっしゃいました補助対象にならない部分だとか単独事業に係る部分、こういうものなどを計算しまして、果たして三分の一で済むのかという問題がありますね。三分の一でありましても、その半ばが地方の自主財源に依存するわけなんでしょう。その半分を交付税の対象として認めていくというふうなことになってくるわけですが、この割合が、いま言いました補助対象外の事業だとか単独事業、そういうものを含めまして、あたかも公害緑地のような状態にならないという保障があるわけなんでしょうか。

佐々木喜久治消防庁長官

○佐々木政府委員 公害緑地の負担の関係につきましては、企業負担におきましても、四分の一ないし二分の一というような幅のある規定になっておるわけでございます。それからまた、この事業が相当早くから始められておったわけでありますけれども、その場合の国、地方の負担割合あるいは企業者の負担割合というものがまだ未確定な時期から事業が始められておるというような例もございまして、既設のものにつきましては、企業の負担割合が非常に低くなっておって、地方公共団体の負担分が非常に高い割合になっておるわけであります。最近の実態から見ますと、大体事業費につきましては平均的に三分の一に近くなっておるというのが現状でございます。  この点は、今回の防災緑地につきましては、企業負担につきましては三分の一というふうにはっきり一定率に定めまして、そしてまた事業費につきましても、その事業費の内容というものを明確に政令で定めるという措置をとることにいたしておりますので、従来、既設のいわゆる公害の緩衝緑地の場合の負担とは、現実の問題といたしましても、改善をされた姿になるであろうというふうに私どもは考えております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 公害緑地につきましても、企業負担は四分の一ないし二分の一となっておりますけれども、実際には最低額の四分の一にとまっておるわけですね。そして国の負担額というのが、たとえば千葉県の市原地区で見ますと、三十七億二千八百万円の総事業費のうちわずかに一億四千百万しか負担していない。三十七分の一しか負担していない。そして自治体が二十七億八千八百万円、七〇%の負担をやっている。あるいは十一地区の全体の所要額が百五十二億四千二百万円で、このうち国庫負担額が二十三億二千八百万円でありますから、七分の一にすぎない、こういう状況ですね。ですからほとんどが地方自治体の負担に転嫁されてきておるということなんです。これは公害緑地の問題です。しかもこれは法律によりますと、企業に二分の一を課することができるようになっている。ところが、二分の一でも三分の一でもない、最低限の四分の一しか企業負担をさしていないのだ。そこにあなた方の企業サイドの姿勢が非常に明確に出ているわけなんですよ。  そういう中で、今般の防災緑地ということについても、三分の一、三分の一、三分の一になっている。そのうち地方負担の三分の一につきましては、半ばは自主財源で負担をする、半ばは交付税でこれを支弁する、こうおっしゃっている。しかしその交付税で支弁する場合に問題があります。自主財源で持つことにももちろん問題があるわけでありますが、果たしてそういう比率でこれができるのかどうかという問題をお伺いしたい。  もう一つお尋ねしますけれども、大臣がこの間こう言ったのですよ。市町村、府県が利益を受けていい結果をもたらすのだ。事業を起こすことによりまして国も将来税金がふえる。国、地方が利益を受けるから、将来受ける利益を担保として公的負担を見るのが筋だ、こうおっしゃった。これは高鳥さんの質問に対してこういう答弁をなさった。ここを私は非常に問題視している。石油コンビナート関係の事業主と税収ですね、この関係はどうなっているのか、税制課お見えになっておると思うので、御説明いただきたいと思う。二つずつやっておりますけれども、先の分を答えてから後の分を答えてください。

佐々木喜久治消防庁長官

○佐々木政府委員 この防災緑地につきましての企業の負担、国の負担並びに地方公共団体の負担という三分の一ずつの原則というものは、この事業費の内容を明確に政令で規定することによりまして、その負担割合が、過去にまだ制度が固まっておらなかった時期に見られるような措置にならないように、私どもも、十分建設省の方と打ち合わせをしながら、この負担区分につきましては守っていきたいというふうに考えております。

石見隆三自治大臣官房審議官

○石見政府委員 お答え申し上げます。  コンビナート関係の市税の状況でございますが、例を倉敷市にとってみました場合、コンビナート企業からの税収というような調査を、直接的には地方団体の方でやっておりませんが、倉敷市のいわゆる水島地区におきます税収入を県の方で調査をいたしておりますので、これによりますと、昭和三十九年から昭和四十八年までの十年間で市税収入が四百四億円ということに相なっております。これに対しまして、昭和三十九年から同じく四十八年の十年間の公共投資の額につきまして、倉敷市では三百四十六億という額を予算に組んでおられるということのようであります。ただ、この三百四十六億の中には、もちろん、住宅用地のように一般に売り払って財源が充て得るもの、あるいはまた使用料、手数料等で元利償還が償えるもの、あるいはまた国庫、県からの補助金等が差し引いてございませんので、これは事業費総額として三百四十六億であるという報告を受けておる次第であります。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 水島を例に引かれましたが、水島で見ますと、岡山県の資料がここにありますが、三十九年から四十八年度の累積額としましては税収入というものは四千七百五億になっておりますね。これは地方税、国税全部合わせたものです。そうして事業費ですね。これを合わせますと一兆円を超しておりますね。しかもその中の税収で国税が非常に多いのです。国税というものが四千七十一億になっております。府県税というのが六百三十一億になっております。ですから、これは大変数字が違うようですけれども、あなたの方はどうなっておりますか。

石見隆三自治大臣官房審議官

○石見政府委員 いま先生のお示しの数字と、私ども県あるいは市から報告を受けました数字とは、まずとっております年度が違っておるようでございます。と同時に、なお額につきましても、かなり開きがあるようであります。私どもが、いま申しましたように、県あるいは市から報告を受けました限りでは、過去十年間の倉敷市の水島地区における税収入は四百四億円という額で、これは市税でございます。おっしゃっておりますのは、一つは府県税も入っておろうかと思っておりますことと、同時にもう一つは、先生、国税をお示しいただいたわけでございますが、実は国税につきましては、市の方でも、あるいは県の方でも、御案内のとおり、本店、支店が二以上の地方団体にまたがりました場合には、本店経理等の場合には、本店所在の東京あるいは大阪というようなところで税収入が上がってまいりますので、水島地区だけにおける特定の企業の法人税額というようなものが算定できないということで、資料がとれないわけでございます。その辺の食い違い、あるいはその辺の推計が入っての数字ではないかというふうに理解いたすものであります。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 おっしゃいますように、市町村税は四百四億円なんです。府県税が二百二十九億なんですね。合わせて六百三十一億が十年間の税収です。この六百三十一億に対して、市並びに県が負担しました事業費負担額が三千七百九十三億に達しておりますね。ですから、このコンビナートというものが税収などによりまして自治体に利益をもたらすという理論は、大変なごまかしなんです。  これは水島地区の問題ですけれども、大阪の堺、泉北コンビナートを見たら非常によくわかるのです。この地域の工業出荷額というのは大阪府下全体の約七%を占めている。五千九百六十五億円と計算しています。ところがこの地区の府税収入は一年間に二十一億八千万円なんですよ。ですから府税収入全体の〇・七%にすぎない。工業出荷額で言いますと約七%出荷している、府税収入は〇・七%である。こういう状態になってきている。しかもこれに対しまして、いろいろな財政需要が必要なんでしょう、漁業補償から公害対策から災害対策、工業用水道から港湾の整備、道路建設、交通対策まで、大変な出費を伴うわけなんです。ですから税収だけ見ますと五十年間で回収できる。五十年間いまの税収が引き続きあったとしますと、投資額の回収ができるわけなんですよ。ところがこの堺と大阪の公害対策費は、一年間百一億円に達しているわけです。百一億の公害対策費を負担して二十一億八千万円の税収がある。投資的な経費を別にしまして、そういう計算になってくるわけですから、こういう状況の中で、コンビナートによりまして府県や市町村が利益を受けるから、将来受ける利益を担保として公的負担を見るという根拠が一体どこにあるのかわからぬのです。それをひとつ御説明いただきたいと思います。

石見隆三自治大臣官房審議官

○石見政府委員 お答え申し上げます。  ただいまお示しの大阪府、堺市の数字につきましてまずお答えいたしたいと存ずるわけでありますが、私ども、県を通じましての市からの報告によりますと、昭和三十六年から四十八年までの約十三年間で、堺市におきますいわゆる臨海工業地帯から上がってまいりました税収入は三百十億円という報告を受けております。それに対しまして、公共投資額は四十四億円、うち一般財源は四十億円ということになっておるわけであります。公共投資額の内訳といたしましては、関連道路、港湾、海岸あるいは消防力の整備、公害関係、漁業、上水道というようなものを含めまして、一般財源で四十億という報告を受けておるところでございます。この税収入の見方は、これはまず報告どおりであろうかと思いますが、公共投資額というのを一体どの範囲までとらまえるか、あるいはまた、それは企業の立地とどの程度までの関連を持った範囲にするのかという問題があろうかと思っております。いま申しましたような報告を受けておるわけであります。  私どもといたしましては、もちろんこれは直接税務局の所管ではないかと存じますが、直ちにこの税収入と公共投資額との比較におきまして、企業誘致あるいは工業立地がどうであるかという判断をいたすにはなかなか問題があろうかと思うわけでございます。あるいは人口増の問題、あるいはまた雇用の増大、さらには当該地方団体内におきますいろいろな意味での経済波及効果をどう評価するかという問題、さらにはまた、これにはね返りましてのいろいろな財政需要の増というようなものが、因果相めぐるのであろうと思うのであります。この辺やはり総合的に判断されなければならないと思うわけでございます。端的に先生お示しのように税収入と公共投資額というもののみを比較いたしますれば、いま申し上げましたような実態になっておるという報告を受けておる次第でございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 あなたがおっしゃった税額と私の言っている税額というものが、どういうところで食い違っているかわかりませんが、堺市は、十二年間にわたりまして、年平均の税収は十九億円なんです。堺市の公害対策費の年平均は十九億なんです。つまり税収が全部公害対策費で相殺されるという状態になっている。  それから、私が最初に申しましたのは、堺市だけでなしに大阪府、堺市と言ったんです。二つ合わせたものです。大阪府の場合ですと、コンビナート公害対策費は八十四億円になっている。年平均ですよ。合わせまして約百一億ということを言ったわけなんです。それが一年間に要ります公害対策費なんです。ところが、収入はどうかと言いますと、これは、いま言いましたように、堺市の場合、年平均にしまして十九億円なんです。大阪府の場合でいきますと、これは十二年間に千六百二十一億ですから、これを十二で割ればいいわけですが、最初に申しました金額がそれに該当するわけなんです。  それで、ここは多少の数字のどうこうは別としまして、実際の状況を見ますと、コンビナートを持ちます市町村、自治体というものは、コンビナートによって得ます利益よりも喪失するものの方が大きいのですよ。これは今日どの学者でもそのことを認めているわけなんです。都市の集積の不利益の主要な原因者が重化学コンビナートであるということは、これはもう学説の上でも明確になってきた。ですから、巨大企業が集積の利益の独占を目指して集中をする、その結果として発生する集積の不利益というものはすべて地方自治体の財政にかかってくるんでしょう。これがいま大きな社会問題になってきているわけなんです。ですから、公害、災害、道路、港湾、あるいは水資源の開発から住宅の問題まで込めて、全部これは行政負担になってくるわけです。これが今日の地方財政危機の主要な要因になっているのですよ。これは人件費じゃないですよ。高度経済成長政策こそが地方自治体の財政危機の最大の理由になっている。その上に災害緑地の費用まで負担せいと言うのでしょう。これは二重の負担に等しいものです。これはちょっと道理に合いませんと言うのです。たとえば水資源の開発一つにしましても、重化学コンビナートが入ってきましたために、堺の例で見ますと、ちょうど従来大阪府民全体が使っておりました水の量をこの重化学コンビナートに保証しなければいかぬわけだ。そこで水が足りないから琵琶湖の水げんかが始まってくる。琵琶湖の方では、水位を五十メートル下げるかわりに農業補償費を出せと言っている。膨大な補償金、まだ話が進んでいないのでしょう。そういうものまで全部かかってくるわけなんですよ。ですから、コンビナートによりまして地方自治体が利益を受けるんだ、その利益を担保にしてこういう負担をするんだという論理は成り立ちませんわ。その点はどうですか、これはあなたがお答えになるかどうか知りませんが。

石見隆三自治大臣官房審議官

○石見政府委員 どうも非常にむずかしい問題でございますし、私どもの直接の所管でもございませんので、あるいは十分なお答えにならないかとは存じますが、いま申しましたように、仮に堺市に例をとりました場合でも、先生お示しの数字と、私ども報告を受けております数字では、若干食い違っておるわけでございますが、直ちにこの数字だけで、コンビナート立地が当該市町村にどういうメリット・デメリットを与えているか、あるいはそれがよかったか悪かったかという価値判断は非常にむずかしかろうと私ども思っておるわけでございまして、税収入から見ました場合には、少なくとも市からの報告によります限りは、一応公共投資額はカバーし得ておるという報告を受けておることだけを御報告申し上げまして、御了承を賜りたいと存じます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 これは、いまの税の関係だけでなしに、次官の方から政治的な観点でお答えいただきたいのです。

左藤恵自由民主党自治政務次官

○左藤政府委員 コンビナートとその当該市町村にとってメリット・デメリットという、いろいろなことに関連いたしましてのお話かと思いますが、これは、コンビナートをどこへどういうふうに持っていったから、幾らのものを税収なり何なりほかの収入によって市町村に保証しなければならないというような性質のものでもないとは思います。しかし、いろいろな見地から考えまして、やはり資源がない日本が石油という資源を外国から輸入して、それを精製して国民の需要に提供するという非常に大きな立場から考えた場合に、コンビナートを設置したその市町村において、税収の面とかそういった面についての努力を国も考え、市町村自体がそういった行政を行いやすいようなことを配慮することは必要だ。幾らのものがどういうふうな形になるかということについては、やはり長い目で考えていかなければなりませんし、一年ごとの計算において幾ら得したとか幾ら損したとかいうようなことにはならないのじゃないかと思いますが、いま申しましたような、国がそういう配慮をできるだけのことをするということは、私は政治的に必要ではないか、このように思います。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 いまおっしゃいましたのは、石油が必要であって、石油の精製や貯蔵もしなくちゃならぬとおっしゃっているのですね。私はこれは否定するわけじゃありませんが、それは国策なんでしょう。地方自治体の責任や仕事じゃない。これは国の責任であり、国の政策なんですよ。そうしますと、国がもう少し負担をしなくちゃならぬ。企業と国がしなくちゃならぬのですよ。ところが、実際を見ますと、さっきも話がありましたように、地方自治体というものがほとんどこの負担を負わされておる。さっきの公害緑地の問題を見ましても、県や市が六〇%持たされ、国が一五%で企業が二五%になっておる。こういう負担の割合というものは、国策を遂行する観点に立ちますならば正しいものじゃない。国が持たなければいかぬものだ。  それから、さっき申しましたが、水島コンビナートにおける税収を見ましても、国の税収がこの十年間に四千七十一億に達している。八六%というものが国税として収納されているわけだ。そして市町村は、さっき審議官がおっしゃったように、倉敷市で四百四億、岡山県で二百二十九億、合わせて六百三十一億にすぎないわけだ。つまり税金というものは国に八六%まで納めている。しかも国策としてこれをやるのであれば、国が当然負担を持つべきものであって、地方自治体がこの負担をする根拠は何もないわけだ。地方自治体は、この重化学コンビナートの誘致によりまして、さまざまな社会的な弊害、損失を受けてきている。しかし、それでも国策であるとおっしゃればがまんしなくてはいけませんが、そのかわりに、がまんしなくちゃならぬものに対して膨大な負担をかけて、国策として遂行すべき事業につきまして、国が全く取るに足りない負担しかしないという現状はいいものでしょうか。

佐々木喜久治消防庁長官

○佐々木政府委員 コンビナートの形成に伴いまして、そのコンビナート地域が公害の発生源になり、あるいは災害の発生源になるということについて、それに対応するいろいろな施策を講ずる必要が出てきておるということは御指摘のとおりでありますし、そうした認識が一般的に高まってきたということも最近の情勢であるわけでございます。そういうことで、まず公害防止事業というものが、その取り上げられ方としては初めに始まったわけでありますけれども、こうした立法の過程におきまして、防災のための緑地を設置をするということは、公害の遮断緑地を設置をするということと、その性格がほぼ相似通っておるというような観点から、こうした公害緑地に準じた制度をとったわけでありまして、この場合に、国の負担の割合、地方の負担の割合というものをいまのままでいいかどうかという点につきましては、この両方をあわせて検討していかなければならない問題であろうというふうに考えられるわけであります。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 よくわかりませんが、公害緑地にしましても、防災緑地にしましても、地方自治体がたくさんの負担をさせられる。なぜそういう負担を地方住民がしなくちゃならぬのか。国策でおやりになれば、国の方で負担を持つべきだし、企業責任を言うならば企業が負担を見るべきであって、犠牲者である住民がなぜそういう負担をしなくちゃならぬのか、そこの論理なんです。御承知のように、いま集積の不利益とか集積の利益の問題が学問的にも非常にやかましく言われておりますが、集積の不利益という問題は、重化学コンビナートを中心に発生してきたものであるということ。要するにそれから生じてくる公共負担というものが最も大きな問題になってきておるわけなんでしょう。そういう現状の中におきまして、さらに地方自治体、住民に負担を転嫁するというようなことは、どこに一体道理があるわけですか。どこに根拠があるわけですか。ですから私は、この地方自治体の負担は削ってもらいたい、そうして国と企業で負担をしてもらいたい。企業は発生者だから当然負担すべきもの、国は国策だから当然負担すべきもの、地方自治体はその犠牲を受けておるものだ。その犠牲を受けておる地方自治体にまで、あるいは地方住民にまで負担を押しつけるという、そんな残酷なことは私どもは了解できないことなんだ。

佐々木喜久治消防庁長官

○佐々木政府委員 確かにコンビナート地域におきましては、そのコンビナート地帯からのいろいろな公害の問題、あるいは災害の発生源になるというようなことで、現実的には、そういう面から見ますと、直接のデメリットを受けているというのは、その地域の市町村であろうというふうなことが考えられるわけであります。ただ現実的には、またメリットの方も、これはなかなか具体的な数字としてお示しすることはできないわけでありますけれども、やはりいろいろな波及効果というものが当然に考えられるわけでありまして、その点につきましては、必ずしもデメリットばかりではないというふうに感じられるわけであります。  また、こうした負担につきまして、国と市町村がどういうふうな負担割合をとっていくかということにつきましては、これは公共事業全体の関係で国と地方の負担割合というものが決められておるわけでありまして、地方負担分についてすべてが地域住民の負担に転嫁されるという形ではありませんで、むしろ別に、そうした負担割合をとりました場合に、その地方団体に財政収支の面において不足を生ずるというような場合には、一方において交付税というものがその調整財源として地方に配分をされているということになっておるわけでありまして、すべてがその地域住民の負担にのみ帰属しているというような形にはなっておらないと思うのであります。ただ、いま地方財政全体の問題として、現在の税源の配分が適切であるかどうか、あるいは地方交付税の配分が適切であるかどうかという点につきましては、いろいろ御意見の分かれるところであろうというふうに考えられるのであります。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 私は感じで物をおっしゃらずにほしいと思うのですよ。感じでとおっしゃいましたけれども、大阪などにおりますと感じなんというものではないですわ。次官も大阪だし、もともと堺臨海コンビナートというのは、次官の御尊父が知事時代にできたものであって、私ども長年これは論争を続けてきたものです。すべてが地方財源に依存しているということも私は言っていない。ただ、いま言いましたさまざまな集積の不利益というものを今日受けておるのは、大阪や堺の市民であるということは明白なことなんです。いまいろんなメリットなんとかとおっしゃいました。感じとしておっしゃいましたけれども、そういう物理的につかめない損失なんというのがずいぶんあるわけなんです。たとえば社会的な損失としましては、水不足が出てきているのです。深刻ですよ、大阪の水不足は。それから電力の不足が出てきているのですね。交通麻痺という問題もありますでしょう。こういう問題も集積の不利益として府民に被害をもたらしてきている。あるいは再生不能損失がありますでしょう。公害病認定患者は、大阪というのは日本一なんですよ。しかも死者というのが昨年の八月の段階でもう十六名出てきておる。自然環境の荒廃がはなはだしい。古文化財の損傷も深刻になってきておる。これはいろんなデメリットがあるのです。ですから、そんなことまで一々並べ立てまして、どうこうここで議論したって始まりませんから、要するに、このコンビナートというものが国策上必要であれば、もっと国が責任を持って金を持たねばいかぬということですわ。もう一つは、もっと企業責任を明確にしなくちゃいかぬということですわ。特にこの公害緑地で見ますと、発生者が四分の一でしょう。国が国策でやりながら一五%なんでしょう。地方自治体というのはこの直接の被害者なんですよ。その被害者が六〇%の負担をさせられているわけなんでしょう。しかも税収を調べてみますと、コンビナートができたことによって入りました税収よりも、それによって生じました財政負担の方がはるかに大きい。これはどこのコンビナートも一緒ですわ。調べてごらんなさい。そういう状態の中で、なぜこういう不合理な法律をおつくりになるのか、これが合点がいきませんということなんです。これにつきましては何らかの処置を考えていただきたいと思う。法律を変えてほしい。

佐々木喜久治消防庁長官

○佐々木政府委員 この防災緑地につきましては、現在、公害対策のためにとられております公害緑地の制度と、その緑地の性格が非常に似ておるということから、同じような制度をとったわけであります。この措置につきましては、地方公共団体に対する措置、あるいは企業者の負担というような観点から、これは同じような水準での扱い方をするのが適切であろうというふうに考えたものでございまして、いま直ちにこれを改正をするということは考えておらないところでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 論理に合わぬときには、合ったようにしてもらわぬといけません。それでなければ、ここで審議する必要がなくなってしまう。自分たちがこのようにして立案をしたもんだから、論理上それが正当であろうとなかろうと、それはやっていくのだという、これはファッショの独裁者の姿勢だから、論理上正しくなければこれは改めるということがあってこそ、ここで審議する価値があるわけなんでしょう。だから、さっきから申し上げておりますように、こういう処置は理屈に合わぬから私ども問題にしている。  環境庁にお尋ねしますけれども、さっきの公害緑地の問題ですけれども、これは今日までできましたものは、まだそれほど数が多くないわけなんですね。残っているのがたくさんあります。今日までの十一地区で見ますと、国が一五%、自治体が六〇%、企業が二五%になっておりますが、あとまだ十一地区残っている。この十一地区におきましてもこういう状態でやっていくつもりなんですか。

青木英世環境庁企画調整局企画調整課長

○青木説明員 まず事業者の負担分について申し上げますと、これは御承知のとおり、いわゆる公害国会におきまして、公害防止事業費事業者負担法という法律ができておりまして、地方公共団体なり国なりが、しゅんせつ事業とか、あるいは客土の事業とか、いま問題になっておりますグリーンベルトの事業、こういったものについて事業を行う場合に、その事業を行うに際して、公害の原因となった程度に応じて、いわゆる寄与率と言っておりますけれども、これに応じて事業者から負担分を取る、こういうことが原則になっておるわけでございます。ただ、実際問題としてはなかなかその寄与率がどれくらいかということを算定するのがむずかしゅうございますので、たとえばしゅんせつの場合でございますと、有害物質を含んだしゅんせつについては四分の三から十分の十、あるいは客土の事業でございますと二分の一から四分の三、それからグリーンベルトでございますと四分の一から二分の一と、いわゆる概定割合というものが設けられているわけでございます。そこでグリーンベルトにつきましては、いま申し上げました客土の事業とかあるいはしゅんせつの事業と比べますと、民間の事業者の負担分が低いわけでございます。当時の法律を制定しました考え方としましては、グリーンベルトにつきましては、先ほど申し上げましたような公害防止機能以外の機能として、いわば都市における公園とか、あるいは緑地とか、あるいはレクリエーションといったような機能をあわせ持っておるといったような観点から、そういうように定められておるのではないかと考えている次第でございます。そこで、先ほど来、いままでやりましたものが事業者負担分が二五%というような数字になっておりますが、公害防止事業費事業者負担法が適用になりましたのは四十六年度以降でございまして、それから後の分を見ますと、事業者の負担分は大体三分の一、こういうことになっております。  それから次に、残りの国と地方公共団体の負担関係について申し上げますと、原則は公害防止計画地域につきましては二分の一が国の補助となるというかっこうでございますので、これは補助単価の点とかいろいろあろうかと思いますが、私どもできるだけ建設省等にお願いいたしまして、実態的にもそれに近いようなかっこうになるように今後努力していきたい、このように考えておる次第でございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 いまの点ですけれども、公害防止事業費事業者負担法ですが、「その原因となると認められる程度に応じた額」という文言があります。「その原因となると認められる程度」というのが非常に認定がむずかしいということをおっしゃっておりますが、それは確かにわかることなんです。わかることでありますけれども、これにつきましては、四分の一以上二分の一以下という負担規定があるわけなんですね。そうしますと、この、程度の問題と、四分の一以上、二分の一以下の割合のかみ合わせの問題、これにつきましてどのように扱っていくかということが企業負担の率を決めるわけなんでしょう。そうしますと、いま最近は三分の一になったとおっしゃいましたが、とにかく今日までのトータルというものが二五%となりますと、最近三分の一になったというのがどれくらいの件数か知りませんが、それで二五%の平均値でありますと、過去におきましては二五%に達していなかったものが存在しなければ、それは合わぬわけなんですね。しかし、二五%以下になりますと、これは法律上から言いますと四分の一以上ですから、おかしいことになってくるのですね。そこらどうなっているわけなんでしょうか。

青木英世環境庁企画調整局企画調整課長

○青木説明員 先ほどから申し上げておりますように、公害防止事業費事業者負担法ができましたのは公害国会においてでございまして、四十六年度以降ということでございますので、それ以前の分につきましては、そういうような法律の規定がございませんので、地方公共団体が民間の事業者との合意のもとに決めた率になっておりますので、おっしゃるように、二五%以下の部分は、それ以前におきましては事実の問題としてはございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 法律制定以前にあったというわけですね。そこで今後の問題でありますけれども、今後におきましては、いま地方が三分の一になったとおっしゃっておりますが、これは二分の一まで負担させ得るわけなんですね。ですから、この企業負担というものにつきまして、もっと厳密に評価をやってもらう必要があると思うのですよ。  それからもう一つは国と地方の関係ですけれども、国が一五で地方が六〇%という負担比率、これは全然あべこべです。あべこべというのは、さっきから言っておりますように、元来は地方は負担すべきものじゃないのですよ。ここが集積の不利益の最もくびきになっておるわけでありますから、そこにさらに公害対策費を負担しろ、災害対策費を負担しろ、そういう扱いというものは、いまの地方自治体の財政の実情からしましても、それからこういうコンビナートというものがもたらします負担とか犠牲とかいう面から見ましても、正当なものじゃないですね。この国と地方との問題、これは今後どのようにお考えになっていくのですか。これをお尋ねしたいのです。

青木英世環境庁企画調整局企画調整課長

○青木説明員 最初に民間の事業者の負担分の問題で、二分の一に近づけよというお話でございますが、これ、実は手続的に法律で、当該事業を実施しますところの地方公共団体が、当該地方公共団体に置かれております費用負担審議会の意見を聞いて決めるということでございますので、それぞれの自治体がそれぞれの実態に応じて民間事業者から取るというたてまえになっておりますので、私どもが一律に二分の一に近づけよというような指導はできない立場にあることを御理解いただきたい。  それから第二点の国と地方公共団体の配分の問題でございますが、これは、先ほど申し上げましたように、あるいは消防庁長官からもお話ございましたように、あらゆる公共事業についての国と地方公共団体の持ち分、配分をどうするかといったような問題に関連するかと思いますが、こういう公害防止事業につきましては、いわゆる財特法、公害の防止に関する国の財政に関する特別措置法というのがございまして、通常の補助率よりも一格上げというかっこうで整理されておりまして、先ほど申し上げましたような原則論、二分の一ということでございますので、私ども今後、先ほど来申し上げておりますように、建設省あるいは大蔵省とも十分話し合いまして、できるだけ二分の一に近い実態が確保できるように努力していきたい、こう考えておる次第でございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 国と地方の関係ですよ。国の負担をもっと持ってもらわぬと困るということなんです。

青木英世環境庁企画調整局企画調整課長

○青木説明員 ですから、いま申し上げましたように、補助の対象外の問題とかあるいは補助単価の問題とかいろいろございますが、原則論どおりの二分の一に近いようなかっこうを確保できるように、建設省あるいは大蔵省等と協議して努力していきたい、こう考えておるわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 そうしますと、いまのような六〇%というふうな状態は妥当なものではないということは、お考えになっているわけですか。

青木英世環境庁企画調整局企画調整課長

○青木説明員 それは、先ほど来申し上げましたように、国の建設省の補助が始まりましたのは四十三年度以降でございまして、先ほど言いましたように、公害防止事業団が発足してからの四十年度から現在までと——先ほど市原の例で非常に国の補助金が少ないとおっしゃっておりますが、それは恐らく市原の分は四十三年度だけしか入っておりませんので、そういう点で、一五対六〇というのは、国の補助制度が始まりました以降をとりますと、必ずしもそういうかっこうではないと思いますが、ただ二分の一、二分の一という姿にはなっておらないことは事実でございまして、その点は、できるだけそういうような実態が確保できるように努力していきたい、こう申し上げている次第でございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 災害緑地の方に返りますが、災害緑地の方につきましては、一つの問題としましては、さっきから言っておりますように、地方自治体の負担というものは取ってほしいということなんですよ。公害でも負担をさせ、災害でも負担をさせ、しかもそれは、このコンビナートによって犠牲を受け、被害を受けている人に対する負担になっているわけですから、当然除去すべきものだ。これはできませんでしょうか。

佐々木喜久治消防庁長官

○佐々木政府委員 御承知のようにこの緑地は、都市計画事業に基づきます公園緑地の事業として構成をされておるわけであります。したがいまして、こうした都市計画事業の通常の負担であります地方負担分の三分の一というものを二分の一に引き上げて、これによって特別な措置ということにいたしたわけでございます。やはり都市計画事業として現在この事業の内容を構成しております限り、これ以上の措置につきましては非常にむずかしいのではないかというふうに私どもは考えております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 この細かい都市計画事業とかなんとかいうことは、もう変改すればいいわけのものですから、その細かいお話でなしに、政治論として道理があるかどうかということなんです、さっきからお尋ねしているのは。その点ではどうなんですか。こういうやり方というものは、住民が納得できることなんでしょうか。自分たちが被害を受ける企業に対して、まあさまざまな集積不利益の負担をし、かつまたこういう緑地についての負担をしなければならないということが、国民感情からしましても——感情だけではありません、理論的にもそうなんですが、果たして妥当なことなのかどうか、この点についてはどうお考えでしょうか。それがもしも妥当であるとおっしゃれば別ですし、妥当でなければ、これはどこかで手直しをする必要があるんじゃないかというふうに私は思っておりますが、どうでしょうか。

佐々木喜久治消防庁長官

○佐々木政府委員 この緑地の負担の考え方は、確かに、災害を防止をするという面につきましては、企業者が当然第一次的責任を負うわけでありますから、その部分については一〇〇%企業負担であるということが、この原因者負担という考え方からいたしましても適当であるというふうに私どもは考えております。  ただこの事業が、先ほど申しましたように、こうした緑地が防災機能を発揮いたしますのは、それこそ何年かに一度非常に大きい災害が起きたという場合に防災機能としてその効用を発揮するわけでありまして、通常の姿におきましては、都市公園、緑地としての機能を果たすわけでありますので、そうした面から、防災機能面と都市公園としての機能、この両者の兼ね合いを見ましてその負担の割合を決めたわけであります。そういう趣旨でございますので、やはりこの緑地につきましては、一応防災緑地として構成はいたしておりますけれども、平常の状態におきましては公園としての機能が非常に大きいものであるというふうに私どもは考えておるわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 この災害防止のための広場、空地、これを公園だというふうに解釈しなければならぬというところに、私は問題を感じているのです。要するにこれは災害を防ぐための場所ですから、日常不断に災害とのかかわり合いを持っている場所だ。ガスが漏れてきたり異臭が漂ってきたりする、そういう場所なんだ。そういうところを公園というふうに牽強付会の解釈をしなければならぬというところがおかしい。公園が必要であれば、そこで負担する金で別個なところにもっと健全な公園をつくればいいのであって、これは当然企業が原因者として負担すべきものだ。そしてまたよしんばそれが公園的な機能を持つとしましても、それは発生者のモラルとしては、それぐらいの利便は住民に対して持つべきものであって、そのことはだれが考えたところで無理なことではない。そういう点からしますと、どうもあなた方の姿勢の中に、企業保護といいますか、企業優先といいますか、そういう一連のものがいつでも出てくる。そのところが非常にいま問題なんです。ですから、いま最初おっしゃいましたように、これは一つは、原因者負担の原則で企業が持つべきだ。ただし、こういう企業が必要であるから企業だけの負担にするのをいささか考慮をされるというのであれば、これは国策上必要なものだから国が持つ。この二本ですよ、問題は。あと地方自治体は、こんなものを負担する義務とかそんなものは、一つもありはしません。むしろ地方自治体は、損害に対する企業や国の特別な補償措置でも必要とするという状態なんです。企業はこの緑地を都市公園として住民に提供して、若干のそういう意味での弁償行為をとっていくということですと、これはまだ話がわかる。そうじゃありませんがな。  これは、いずれにしましてもこの法律は、全体から見ますと若干の改善点はあるものでありますから、全面的に反対とはいきませんが、いまの点はこれは改善じゃありません。地方自治体の負担を強化するものでありますから、これは他の条項と違って改善事項とは言えませんから、この点につきましては、私たちは認めるわけにはいきません。だから、この問題につきまして、さっきからやかましく申し上げておるわけであります。そこで、地方自治体が負担をすることが避けがたいとおっしゃるのであれば、地方自治体が負担すべき費用につきまして、国がもう少し妥当な処置をとってもらいたい。たとえば半分は自主財源でやっていくわけでありますが、この自主財源は一体どこから出すわけですか。いまもう地方自治体が、ことしなどにおきましては、大変な税収欠陥が出まして、にっちもさっちもいかないと言っている。先になってくるとどうかという問題がありますが、低成長政策でやっていくというわけでありますから、税収がにわかにふえる当てもない。そうしますと、いまの行政規模を縮小するか、あるいは後退させるか、そういうことなんです。そういう中で地方自治体がなぜこれを負担しなくちゃならぬか。自主財源の問題、これはどうお考えなんでしょうか。  それからもう一つは、いまの交付税です。交付税で処置されるのでありますならば、これは地方自治体の固有の財源でありますから、自治省は勝手に決めるわけではない。これは当然地方自治体の意見を聞いて、もしも自治省が上げるのであるならば、上げた分を税率で補てんをするという処置をとってもらう必要がある。無理なことじゃないでしょう、これは。

佐々木喜久治消防庁長官

○佐々木政府委員 公共事業についてその財源をどういうふうに配分をしていくかという点は、先ほど申し上げましたように、その公共事業の性格によっていろいろ配分の仕方があるというふうに思うわけであります。そうした事業の性格が、直接的に国の事業としての性格が非常に強い場合には、確かに国の負担率というものは高くなっておるのが現状でありますけれども、果たして現在のこうした公園機能を持つ事業というものが、国の立場から見ました場合に、国全体のかかわり合いを持った事業になるかどうかという点になりますと、現在の都市計画事業等につきまして、一般的に補助率が三分の一になっておるということで見られますように、やはり地域性が非常に強いというような観点からいまの都市計画事業についての負担率が定められているというふうに考えるわけであります。ただ、この防災の緑地につきましては、そうした一般的な都市計画事業というものより以上に、やや国全体として必要な施策として講ずべき事業であるという性格を持つ公園緑地事業であるという観点から、地方負担につきましては、その二分の一に引き上げて国が負担をするという考え方になっておるわけであります。そういう観点からまた、国の二分の一が果たしていいかどうかという点につきましては、確かに御議論のあるところだろうと思いますけれども、一般の都市計画事業との兼ね合いから見ますと、やはりこの程度の補助率ではなかろうかと私どもは考えたわけであります。  また一般財源の問題につきましては、確かに、現在の財政状況から見まして、一体十分なそれに耐え得る財政状況にあるかどうか、こういう点になりますと、やはり今後の財政収支の見通しというものを立てなければならないわけでありますが、現在この緑地の負担につきましては、地方債措置を行い、その元利償還についてその具体的な一般財源の所要額というものが出てくるわけでありますから、どちらかというと、負担としましては後年度に譲られておるという形になっておるわけでありまして、こうした後年度に繰り述べられた財政負担というものが、地方財政の全体の面から見て、果たして財政収支の面において相償うかどうか、こういう点は、やはり毎年度毎年度の地方財政計画というものによって考えていくということになるだろうと思います。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 私が国策と言いましたのは、緑地を国策と言っているのじゃないのです。石油精製、石油貯蔵事業というものが、国としてどうしても必要だとおっしゃるのなら、これは国策なんだ。ですから、元来言いますと、これは企業の責めに属する防災事業でありますから、企業が当然負担すべきものだ。しかし、企業を余り締めつけるために、この種の企業というものが敬遠されても困る、それがなければ国策上困るとおっしゃるのであれば、それは国が負担をすべきだということなんです。ですから、そういう企業の責めに属する防災事業なんというものを一般公共事業と判断をするというようなところに無理があります。こじつけがあります。そこのところは是正してもらう必要があるというのが私の意見なんです。  それで、いろいろ議論しておりますけれども、言ったって、なかなかいまそこで変えるとは言えぬでしょうが、そこで一体、この交付税の問題、このままではやはりいかぬのですよ。いま四〇%にしてほしい、あるいは特別な交付金、第二交付金ですが、これを支給してもらいたい、あるいは税収の欠陥分の財政再建債を認めてほしい、これは各自治体の共通の要求になってきている。ですから、いまこういうもので起債するまでもなく、非常な起債を必要としている。しかもこの問題につきましては、いまなるほど直接地方財源に食い込みはしませんけれども、利子がずっと加算してくるものなんでしょう。きのう私は、東京都の財政につきましていろいろ説明を聞きましたが、東京都の債務というのが一兆二千億に達している。しかも長期にわたりましてこの年次償還をしていきますと、この一兆二千億の起債が償還されましたときには、一兆一千億の金利を払うのだ、こういうことを言われている。こういうものにつきましても、起債を認めてやるとおっしゃいますけれども、結局、金利負担というものが膨大になってきて、いよいよ地方財政の将来にとりまして大きな問題になってくるわけでありますから、これについては、もう少し自治省としては考えてもらわぬといかぬ。財政課長来ておりませんのか。次官どうですか、この地方財政全般の問題と関連をして、この処置につきましては、決して私たちは認められませんが、交付税の税率の引き上げなどにつきまして、自治省として処置をとるというふうな御決心でもありますでしょうか。

左藤恵自由民主党自治政務次官

○左藤政府委員 交付税をいま上げるかというお尋ねですけれども、それはいまお答えすることはできないと思います。しかしながら、前にも申し上げましたように、現在の地方財政の実態というものをいろいろ検討して、また地方制度調査会にもいろいろ諮問をして、緊急の問題としてひとつ御答申をいただきたいということをお願いしているわけでありますから、そうした結果を見まして、われわれは五十一年度予算の問題に取り組む際に一つの考え方を決めていかなければならない、このように思います。したがって、いま御提案申し上げて御審議いただいておる問題につきましては、いままでの公害緑地の問題とか、そういう問題との関連におきまして、いろいろ御不満はありましょうけれども、ひとつこの点につきまして御理解をいただきたい、このように思います。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 それは理解はできませんが、私の方から御理解をいただきたいと思っているのですよ。このままでは余りにもひど過ぎる。ですから、そういう矛盾を埋める処置を考えていただきたいということなんです。コンビナートのあるところが負担がふえる。しかも、この負担だけでなしに、全般的に負担がふえる。集積の不利益を全面的にかぶる。その状態というものは不合理ではありませんか。これにつきまして何らかの処置をお考えいただきたい、御理解をいただきたい、こういうことなんです。ですから、私の方が理解するのでなしに、次官の方でひとつ理解をして処置をとってほしいと思う。  それからこの法律につきましてはいろいろ問題があります。公共の危険とは何かという問題につきましても、私はもっと厳密な規定をお聞きしたいと思っておりました。それから届け出義務違反の罰則はありますが、届け出をしたものに対する評価の基準がないわけなんですね。ですから、面積にしましても、配置の基準にしましても、計画の変更または廃止の基準にしましても、全くこれはわからぬのですね。結局、後であなた方のお決めになる基準が物を言ってくるわけであって、この法律は全く形骸にすぎなくなっているのですね。ここのところが一つ問題なんですね。この間、説明を聞きましたけれども、たとえば、保安距離にしましても、保安空地にしましても、まだ具体案が出ていない。恐らくこれは通産と自治の間にかなり食い違いもあるんでしょう。そういう不確定な要素が非常に多いのです。  そこで、この法律につきましては、私どもは一定の改善を目指すものだろうということはわかりますが、それじゃこれは無条件で賛成できるかといいますと、できない、そういう内容のものなんですね。要するに、省令政令にゆだねる点が多いわけですから、省令政令というものをあわせて出してもらわぬと、これは本当を言いますとだめです。この法律の審議はできっこないわけなんです。そういう弱点を持っておるものでありますし、それから私は、出光の徳山工場や、あるいは大分の住友の企業の被害の実情などと対比しまして、この法律は一体どのように効果を発揮するかということをお聞きしたいと思っておりましたが、財政問題でやっさもっさ言っているうちに時間が来ましたのでこれでおいておきますが、いま私が次官に御理解をいただきたいと言った点について、ひとつ次官の御理解あるお答えをお聞きしたいと思います。

左藤恵自由民主党自治政務次官

○左藤政府委員 十分その問題について検討して、いまの段階におきまして、われわれといたしましては、この程度のことでなければ、どうしてもこれ以上の財政支出をやることができないというような現在の状況から考えてしたものでございます。もちろん、時代のだんだんの変化とか、あるいはまた地方財政の実情といったものに関連いたしまして、こうした問題について、今後たとえば国の負担をふやしていくとかいうような問題については、われわれは努力していかなければならないと思いますが、現段階におきましては、この法案をたとえば撤回するとかいうことは、私はできないということは申し上げなければならないと思います。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 私が主張しましたことはわかりますか。いまの原因者負担問題と国策問題という、これに対する基本的な考え方につきましては御理解がいきましたか。

左藤恵自由民主党自治政務次官

○左藤政府委員 先生のおっしゃる点につきまして、確かに、当初におきましてコンビナートが設置されたころにおきましては、たとえば地元の市町村がそういったものの誘致について、議会におきます議決をするというような形のものがありましたが、今日はまたそういうような客観情勢というものが変わりつつあるということにつきまして、先生の言われることは、一つのお考えであるということはわれわれもわかります。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 それじゃ交付税の税率改正について努力してほしい。この問題は別としましても、これは地方自治体の財政上の非常に大きな問題になっております。その点、特にこういう交付税対象をふやしますときには、そのことと連動する措置を今後とってほしい。そうしませんと、入るものは決まっておりますのに、出るものはどんどんふえていく。これは合理性がないわけでありますから、少なくとも連動させるということは、私はもう基本的な方針であるべきだと思いますが、この点はどうでしょう。

左藤恵自由民主党自治政務次官

○左藤政府委員 すぐに連動するかどうかということにつきましては、確かにいろいろな技術的な問題もありましょうけれども、しかし包括的に地方財政そのものにおいて、現在の交付税のあり方というものがそれで十分なのかどうかということについては、確かに問題があるし、また検討していかなければならない問題だ、このように考えております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 終わります。

大西正男自由民主党

○大西委員長 山本弥之助君。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 ただいま審議しております法案につきましては、すでに多数の同僚委員が質問をいたしまして、問題の所在なり、あるいは議論も尽くされておるように存じておるわけでありますが、重複する点もあろうかと思いますが、確認の意味におきまして、二、三の問題についてお聞きいたしたいと思います。  まず第一に、石油コンビナート特別防災区域についてでありますが、これにつきましては、要求いたしました資料で現況について提出をいただきまして、大体、都道府県知事や地域の関係市町村長の意見を聞いて、これらの地域が指定をされるという御答弁があったようでありますが、これに関連いたしましてお聞きしたいと思います。  まず、この資料の中で、今回コンビナートの特別防災区域として指定されるもの、将来の地域は別といたしまして、大体イとロに分かれておるわけでありますが、このイとロとの比率といいますか、配分といいますか、それらを提出願いました資料でいきますと、大体七十地区ぐらいになっておりますが、これはどういうふうな配分になりましょうか、お聞かせ願いたいと思います。

佐々木喜久治消防庁長官

○佐々木政府委員 正確に勘定しているわけではございませんけれども、大部分がイの地域でございまして、ロの地域が非常に少ないというふうに考えております。非常に大ざっぱに申しますと、七十のうち六十五ぐらいまでがイの地域でございます。ロの地域が五カ所ぐらいであろうというふうに考えております。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 いただきました資料によりますと、三地区が同一市にあるもの、たとえば四日市市にあるので、四日市第一、第二、第三というふうに区別してありますね。いわば四日市市に三つの地域がある。それからまた、私ども千葉県に視察に参りました市原市と袖ヶ浦ですか、これらは一地区ということになっておりますので、一市一町にまたがっておるというふうになっておるわけでありますが、政令で指定してまいります場合に、こういうふうに同一市に三地区あるとか、あるいは市町村の区域にまたがっておるというものの指定はどういうふうにされるわけですか。

佐々木喜久治消防庁長官

○佐々木政府委員 たとえば御指摘の四日市のコンビナート地域でございますが、これはその工場地域が造成される年度ごとに第一、第二、第三といったような区分をしておるところもございますし、また、一連の工場地帯として造成されたために、その一つのコンビナート地域が二つ以上の市町村にまたがるというような事例がございます。この場合にどういう区分をするかという点につきましては、十分市町村と府県の意見を聞きながら区分の仕方を考えてみたいというふうに思っておるわけでありますが、防災上一体として地域指定をし、そして防災体制をとらせた方がいいというところは、市町村の境界にかかわらず、一つのコンビナート地域としての指定を行うべきであろうというふうに考えますし、また四日市市のように、ある程度地域の距離が離れておりまして、そのまとまり方がやや分散的であるというような場合には、そのまとまりの地域ごとに指定をした方が、防災体制としてはとりやすいのではないかというふうに考えておりますので、これは共同防災組織の設置の問題とも関連をいたしまして、これは市の方と十分相談をしていきたいと思います。たとえば四日市市の場合には、第一コンビナートの場合は隣町の楠町のコンビナート地域とあるいは一体にすべきではないかというような考え方も一つありますし、それから横浜のように、鶴見の地域と根岸の地域というものは大分距離が離れておりますし、消防署の配置状況を見ましても別個にした方がいいのではないだろうか、こういうふうな感じがいたしますので、十分その辺は各市町村、府県とも相談をしてまいりたいと思います。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 千葉県を私ども視察いたしまして、あそこは東京湾に細長く連帯して相当の距離にわたって続いているわけですが、これらを見まして、これを一体として考える方が適切な機動的な防災体制ができるのかどうかということに対して疑問も感じたわけであります。しかし、将来のコンビナート地帯の環境保全とか、そういった大きな網をかぶせる際に、私はできるだけ大きく一体として考える方がいいのではないかというふうな印象も受けたわけです。いずれにいたしましても、この点は府県や市町村の意見を十分お聞きになり、さらにその背後にある地域住民の意向等も十分お聞き願いまして、適切な政令指定をなさることが必要ではないか、かように考えておるわけで、その点、十分慎重に配慮願いたいと思っております。  なお、四十五年からコンビナート地区の防災対策要綱として指導をしてこられたわけですね。これらの地域と今度新しく政令指定をすることの関連というのは、どういうふうにおやりになるつもりでありますか。従来の要綱ですでにある程度まで対策を講じてきたという実績等もにらみ合わせながら、それを尊重するのか。あるいは、そのことによりまして欠陥も指摘されるということであれば、部分的な是正をするということになりますか。どうでしょうか。

佐々木喜久治消防庁長官

○佐々木政府委員 石油コンビナート地域につきましては、ただいま御指摘ございましたように、すでにコンビナート地帯としての特別な防災体制をとるということで六十一地域の指定を行っておったわけでございます。今回の特別防災区域の指定に当たりましては、そうした従来の実績というものがございまして、いろいろな体制の積み重ねがございますので、できる限り従来の地域指定というものを尊重していきたいというふうに考えておりますが、やはりその後のコンビナート地域のいろいろな工場の増設の状況なり、あるいは石油の備蓄がふえたというようなことで、消防機関の配置上からしてやや不便であるというような指摘のある地域もございますので、その辺は地元地方公共団体の方と十分相談をいたしまして、場合によりましては分割をするというような措置もとってまいりたいと思います。この辺は地元の地方公共団体というものの意見を第一義的に尊重して考えていきたいというふうに思います。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 そこで、佐藤さんもお見えになっておりますが、今後新しい地域も出てまいるのではないか。また、いまのお話ですと、従来の関係、あるいは千葉の調査をしましたところにも、相当の空地、増設の余地を残しておるというところもあるわけですが、また国の産業政策として、今後の重工業重視の産業政策をどう変えていくかというような大きな問題もあるわけですけれども、現状維持ということはないわけでありまして、低経済成長の時代になりましても、増設ということは考えられるわけでありますが、どういうふうな将来の見通しか。いわゆる重工業の立地ということが御所管であるかどうかわかりませんけれども、その辺のお見通しをお聞かせ願いたい。また石油の備蓄計画等の関連もありますし、いわば単独の地区の一つの企業を中心としての地域、あるいは相当複数以上のまとまった地域というふうな関連でどういうふうな趨勢をたどっていくのかどうかということ。さらには、それらの立地につきまして、どういうふうに全国的に張りつけをするか。そういったお見通しがありましたらお聞かせ願いたい。これは一応お聞きしたことがあったかと思いますが、重ねてお聞かせ願いたい。

佐藤淳一郎通商産業省立地公害局長

○佐藤政府委員 産業を所管する通産省といたしましては、先生の御質問はまことに重大な問題でございます。現状におきましても、いろいろ問題は出ておりますけれども、特に公害、保安を中心にいたしましていろいろな問題が出ておりますけれども、やはりわれわれ産業官庁といたしましては、少なくとも十年先ぐらいの日本の産業構造というものを踏まえまして立地問題を考えていかなければ時間的に間に合わないということで、昨年来、いろいろな前提を置きながら、具体的な立地問題について、机上計画ではございますけれども、われわれなりの案を持っていることは事実でございます。ただ、これを実行するに当たりましては、いろいろな問題がございますので、これは慎重に取り計らっていかなければならない。それから、単に通産省だけの考え方だけではとうてい実行はできませんので、海の問題にしても、環境の問題にしても、関係省庁非常に多いわけでございますから、それらの省庁と十分な整合性を持った形でこれを実行に移していかなければならぬという基本的な考え方に立っているわけでございます。  しからば当面具体的な問題についてはどう考えるか。たとえば先生いま御質問の、この間御視察になりました三井石油化学にしても、出光興産についても、ごらんになったとおり、現実にまだ空地があるわけでございます。これにつきましては、率直に言えば、あのコンビナートは大体県が造成されて企業を誘致されたという歴史的な経過がございまして、大体あの空地については、全部何らかの施設を建てたいという希望に立ってあそこに立地したということは、紛れもない事実でございます。したがいまして、この間ごらんになっていただきました空地につきましても、企業側も答弁していましたように、できればさらに増設をしたいというようなことは申しておったわけでございます。ただ、企業側は仮にそういう希望を持っておったにいたしましても、われわれ保安に携わる身からいたしますと、東京湾の最近の問題なり、あるいはこういうコンビナート防災法をつくらなければならない状況というものを考えますと、そう簡単に企業の計画どおりにはいかないということは当然でございまして、これらにつきましては、十分にこの法律の意図されるところの趣旨を体した形で実行に移していくということを考えたい、こう考えております。  それから、当面石油の備蓄の問題でございますが、これもさらに、現在六十日分ぐらいの余裕がございますけれども、あと三十日分をどこに張りつけていくかということは、まさに具体的な問題で早く決定しなければならないという情勢になってまいっておるわけでございますけれども、これも実は企業側の希望としては、この間ごらんになったような、投資の面、あるいはまたそれを使う場合の効率の面から言って、できるだけ原油施設のそばに増設したいという希望は相当強いわけでございまして、しかしこれも、水島事故の経験にかんがみまして、今後の新増設については、新しい消防法の政令の改定にどうしてもよらざるを得ないわけでございますので、それによって規制されるということにならざるを得ないということでございますので、現在時点においては、備蓄しなければならない全体の量は具体的に数字としては出ておりますけれども、まさにいまこういう問題点を御議論願っている最中でもございますので、この基準が明確にならない限りは、具体的な着工というのは、実際問題としては不可能じゃなかろうかという感じがいたしております。  さらに十年先の長期を考えました場合、日本の重化学工業というのは、なるほど公害型でもありますし、資源多消費型ではございますけれども、これを単純に海外立地ということも、いろいろわれわれとしても勉強いたしておりますけれども、なかなか海外でこれだけの高度の技術をこなすだけの現地人がおられない、また労働者も簡単に移民を許さない等々のいろんな条件がございまして、海外立地はそう簡単にいかないという情勢が一つございます。  そういう問題もございまして、通産省全体としては、できるだけ知識集約型の産業に転換したいという希望は持っておりますけれども、現実問題としては、当面、鉄とか石油化学というような問題も、ある程度やはり増設していかなくちゃならないということでございまして、これらの新規のコンビナートについては、できるだけ過疎地帯、つまり、この間から申し上げておりますけれども、むつ小川原とか東苫小牧とか秋田とか、これなりにもまた住民のいろいろな反対されておられることもございますけれども、一応そういうところを、実は十年前からアセスメントをやりましていろいろ勉強中だということでございまして、まことに抽象的な答弁で恐縮でございますけれども、大体そういうような考え方で進んでおるということでございます。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 先ほどちょっとお聞きしました従来の状況は、言葉が適当であるかどうかわかりませんが、大部分は複合的なコンビナートというものが造成せられまして、単に一社一工場といったようなのがごくわずかなわけです。今後大きな複合型は、いわゆる総規制といいますか、そういうことから言って、どちらにいたしましても圧縮しなければならぬということになるのではないかと思います。しかし現状、東京湾の、たまたまあそこは空地の増設予定地を見せていただいたのかもわかりませんが、どうも全国的にいま景気が冷え込んでおるわけでありますが、増設し得る機会になった場合に、備蓄タンク等を、できるだけ住民の理解を得ながら、外洋面に持っていくということがあるにしても、まずいままでの巨大な集積をしておるところにどうも増設が持っていかれる、あるいは石油の備蓄等もそこに持っていかれるということになるわけでございまして、これは、第二章の「新設等の届出」、あるいはそれに対する規制といいますか、そのことで解決をつけるのかわかりません。しかし、やはり防災立法でありますので、わが国の通産省を中心とする企業に対する行政指導を行う省は、いわば防災とか環境保全、公害防止というような観点からの産業政策というものを、地域住民の理解のもとに、あるいはある意味においては国民の理解のもとに早く決めておかれないと、どうも後追いの行政が続くのではないかというふうな感じがしますので、通産省も、この立法に関係し、あるいは自治省と一緒に共同主管になります以上は、そういった観点から、いわゆる環境優先型とはいかないまでも、それらを十分考えた産業立地というものを十分に配慮願いたいということをこの機会に要望いたしておきます。  それから次に、これもすでに指摘した問題でありますが、このコンビナート地域というのは全部が臨海地域でありますので、今回の法律によりましての規制は陸だけでありますので、海との関連でこれを考えなければならぬということは、各委員が指摘をしておるところであります。ところが、私どももちょっと想像いたしますのに、陸における特別防災地域というものを、即海との関係において関連づけてやれるかどうかということは、確かに問題があろうかと思います。範囲が狭まる場合もあろうし、あるいは湾内だけに局限され、あるいは広く海上に関連をするという問題があることもよく推定されるわけであります。したがって、直ちに今回の法案と一体的に立法をすることが至難であったということはよく了承できるわけであります。しかし何としてもしなければいけないという問題もあるわけであります。これは各委員の御質問によりまして、次の国会までに海の方の防災立法をつくるということが表明されたわけであります。これは間違いないでしょうか。一応確認をしておきたいと思います。  と同時に、多少その内容にわたりましても、お聞きしておきたいと思います。というのは、都道府県の防災会議には、運輸省の出先機関というのは、とにもかくにも海上の防災立法ができる以前におきましては、そのメンバーとして、陸と海との関係をどうするかということの計画もされ、万一の場合には実施もされると思いますが、私どもは、これがどういう形で出てくるかということは非常に関心のあることであり、またその立法次第によっては、陸の方の防災対策にも非常に密接な関連を持ってくるのじゃないか、かように思われるわけです。それでお聞きいたしますので、その内容もお漏らし願える限度におきまして、どういうものを盛っていきたいのだということも含めてお聞かせ願いたいと思います。

船谷近夫海上保安庁警備救難監

○船谷説明員 海上の防災に関します事項につきましては、先生がおっしゃるとおりでございますが、特に海上の特殊性がございます。たとえば東京湾をとりますと、一都二県ですかにわたって、そして東京湾のどこで大きい災害が起こってもほかのところに影響があるというところから、現在でも、流出油なんかについては全面にわたる協議会を持って、実態に即するような仕方をしております。そういったこともありまして、われわれも、この法案との関連、もちろん非常に強い関連がございましたが、もう少し検討を要するということがありまして、目下検討を進めております。  予防につきましては、いままでお答え申し上げたように、海上交通安全法だとか港則法だとかいろいろございまして、ある程度のことをやっておりますが、備蓄関係も海洋汚染防止法によって先ごろ義務づけられております。そういったこと全部を踏まえまして、いま鋭意検討を進めておるところでございます。具体的な問題につきましてはまだ固まっておりませんが、たとえば、いま申し上げました協議会を法的に何らかの位置づけをする、そして強力なものにするというようなこともあわせ考えておるところでございます。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 協議会とおっしゃいましたが、それはどういう意味の協議会ですか。

船谷近夫海上保安庁警備救難監

○船谷説明員 流出油事故についての災害対策協議会というものを国の機関、それから消防機関を含む地方公共団体、それから関係の企業、あるいは防災行動をとれる民間組織あるいは実体、そういったものを全部糾合したものでございます。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 この石油コンビナート等災害防止法にある都道府県に設けられる防災本部と別個のものですか。そのことをおっしゃっているわけですか。

船谷近夫海上保安庁警備救難監

○船谷説明員 いや、それとは全然異なるものでございますが、海上においては、陸上で今度つくられるものとは大いに関連づけて考えなくちゃいけませんが、ともかく現在ありますもの、それから海面全体にわたります関係上、そういったものも強力なものにするということを考えておるわけでございます。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 そういたしますと、都道府県に設けられる陸上を中心とする防災本部、それとの関連におきまして、少し範囲の広い協議会というものをおつくりになるということなんですね。

船谷近夫海上保安庁警備救難監

○船谷説明員 そのとおりでございます。たとえば水島におきましては、海面が四県にわたったわけでございます。そういったことも総合的にうまく機能するようにというようなことを考える必要があるわけでございます。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 早急に立法措置が講ぜられますように、この点も強く要望をいたしておきます。  次に、第二章の「新設等の届出、指示等」に関する問題でありますが、これもいただきました資料によりますと、第五条第一項の規定により、届出書の写しを行政機関の長に送付されることになっておるわけでありますが、その行政機関の長の中に環境庁長官も含まれておるという資料もいただいておるわけであります。そこで、環境庁がお見えになっておりますが、環境庁は、そういった新設等の届け出を受けられた場合に、これに対して意見を述べることになろうかと思うのでありますが、場合によっては、いろいろな変更指示、あるいは極端な場合は廃止の指示ということを主務大臣の方に要望される、あるいは要請されることになろうかと思うのです。そのときに、環境庁はどういう見地からこの問題に対処されるわけでしょうか。

小野寺秀雄環境庁企画調整局環境管理課長

○小野寺説明員 本法案は、防災という観点を中心にして、まず自治大臣を中心にして運用されていくわけでございまして、環境庁長官はこれに対して協議をするということになっております。それで、あくまでも防災という観点から制約されておりますので、ケース・バイ・ケースによると思いますけれども、環境上いろいろな影響を受け、結果として環境汚染を引き起こすのは多々ございますので、ケース・バイ・ケースによって助言してまいるということになろうかと思います。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 そういたしますと、環境庁はやはり制約がありますね。この八条の一項一号のいろいろな条件、「主務省令で定める基準に照らして、災害の発生の場合の拡大防止に支障を生ずるおそれがあると認められること。」それから同じように二号の「災害の発生の場合の拡大防止に支障を生ずるおそれがあると認められること。」それからこれの二項には「災害の発生の場合の拡大防止についての支障を除去することが困難であると認めるとき」、こういうことで、自治省はいろいろ変更指示あるいは廃止の指示をすることになります。環境庁は、主管官庁の自治省あるいは通産省と同じような立場で、いわば災害の発生の防止、拡大の防止、そういった見地からだけ意見を述べられるわけですか。

小野寺秀雄環境庁企画調整局環境管理課長

○小野寺説明員 環境保全上の問題につきましては、環境影響評価という立場で、別途、公有水面の埋め立てだとか、あるいは港湾計画だとか、通常コンビナートの場合そういうものを伴いますので、そういう立場から言って、防災上の観点から自治大臣に対して協議に応ずるといった面は、防災上の観点でも、防油堤だとか、あるいは防除資材だとか、環境の面でいろいろ関係することもあると思います。そういう面で時宜に応じて助言してまいる、こういう考え方でございます。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 私は、環境庁は非常に進んだ考え方を持っておられて、環境アセスメント等につきましても、いろいろ審議会を通じて、いままでの後追い行政ではなくて、そういった環境評価のデータに基づいて事前に積極的に防止をする。ですから私は、環境保全だとかあるいは公害防止が期せられることによりまして、災害の防止も期せられるのではないかというふうな感じを持っておるわけなんです。決して公害と災害防止というのは切り離せない、ある程度まで共通なものがあるのではないか。それははっきり区分できるものもあると思うのですけれども。そうしますと、後で私は自治省、通産省にもお聞きしたいと思うのでありますが、既存の施設に対するレイアウト等の規制というのが今回ないわけなんですね。それを大局的見地から、ある程度まで、こうあるべきだというようなことを、環境庁の立場から意見を述べるということは、やはり災害防止にもつながる重要な問題ではないかと私は思いますので、環境庁が意見を述べる際に、ただ単に部分的な災害防止に局限された問題だけでなくて、この規定は、周辺の事情等も勘案をして変更命令もできるということにもなっておるわけでありますが、しかし、もう少し広い範囲の環境保全の問題で環境庁の意見を述べられるということも、私は必要ではないかと思う。これは、この法案がもし成立いたしますと、それに関連いたしまして、いままでも長い話を詰めてこられたとは思いますが、今後話を詰めていかれる必要のある問題ではないかと思う。多少、そういった視野を広くした見地からの意見をお述べになるようなことは、おやりにならぬのでしょうか。

小野寺秀雄環境庁企画調整局環境管理課長

○小野寺説明員 環境庁といたしましては、公害を未然に防止するといったことが一番の使命だと思います。そういう点で、いま環境影響評価制度専門委員会といったものを中公審につくりまして、鋭意検討を続けておりますが、事業活動と人の活動によって継続的にいろいろ環境汚染を生ずる場合がある、それから異常な天然現象とか大規模な開発による事故といったものの場合のある程度の予測の方法とか対策といったものは、おのずから分かれてくると思いますが、先生おっしゃられたような趣旨を大いに体して、これから大臣としても協議に応じていかなければならないと思いますけれども、たてまえとしてはかなり違った性質を持っておる、このように理解しております。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 来年の国会に間に合うかどうか、それはともかくといたしまして、環境アセスメント法といった立法はお考えになっておるわけでしょうか。

小野寺秀雄環境庁企画調整局環境管理課長

○小野寺説明員 いま申し上げましたとおり、中公審で環境影響評価制度専門委員会をつくりまして、昨年来鋭意審議を進めていただいております。ここにおきまして、アセスメントの実施主体だとか、あるいは住民との関係、環境情報の公開、あるいは審査方法といったような問題について御議論をいただいておりますので、年内中にそういうものについて詰めを終わりまして、必要があればそういったものも当然考えていかなければなるまいかと思います。そういうつもりでいま作業をしております。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 今後、石油コンビナートというものは、新設、変更ということがないわけではなくて、あるいは新設、変更というものが出てくるのではないかと思うのでありますが、そういった場合に、いまの環境アセスメント法というような法律が出ました際に、この法律で全体の関連というものをどう見るか、それが関連してくるのではないかと思われますが、長官どうでありましょうか。

佐々木喜久治消防庁長官

○佐々木政府委員 確かに、コンビナート地域において増設が行われる、あるいは新しいコンビナート地域が形成をされるというようなことになりますと、環境問題というものは、私どもの担当いたします防災の問題と同時に、大きい問題になってぐるだろうと思います。ただ、その場合の法律の守備範囲の問題がやはりそこで問題になるだろうと思いますが、この法律の規定によりましていろいろな規制を行うという場合には、確かに防災上の問題が第一になりますけれども、同時に災害というものが環境破壊を起こしやすい性格を持つという意味においては、やはりそうした災害というものが大きな環境破壊につながるということのないような観点での見方ということも、当然あり得るだろうと思います。そういう趣旨での環境庁の十分な判断もいただかなければならないだろうというように思います。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 将来にわたる石油コンビナート地区というものをどうするかという場合に、やはり地域住民の問題というのが、原子力発電所と同じように、非常に重視しなければならぬ問題になり、いまの環境庁のお考えになっておる立法がどういうものになるのか、そういった住民の納得を得るような十分な立法になるのか、もっと別の事前評価のいろいろなデータを集めるのか、いろいろ立法の仕方によって変わってくるとは思いますけれども、どうしてもそういうものと並行して今後考えていかないと、新しいコンビナートの増設ということについて、佐藤さんおられますが、強行する通産省寄りの考え方になったり、あるいは全然今後認めないというような極端な問題をどう調節していくかというむずかしい問題に当面するのではないかという感じがするわけですが、その意味におきまして、この法案が将来の備蓄基地の問題というものの防波堤の役割りをするんだというような疑心暗鬼を持つ者も出てくるし、その辺の関連を、今後各省庁におかれては、本当に国民の立場に立っての大局的な判断を願わなければならぬということになりますので、その点は消防庁も、末端の消防機構、組織、機材の整備ということと関連しながら、今後十分配慮していかなければならぬ。そのことが、消防法その他の改正についての、いわゆる保安基準をどの程度厳しいものにするかどうかという判定にも関連してくるので、甘い基準ではどうにもなりませんので、その辺は十分今後法の運用についての配慮を願っておきたいと思います。  そこで次の問題は、これも問題になりました既存の事業所におけるレイアウトの問題でありますが、これが決めてないということがこの法律の不備な点であるという指摘が各委員からなされたわけでありますが、先ほどお聞きいたしました、単独の大量のタンクを持つ、あるいは石油備蓄だけのタンク群といったものにつきましては、タンクの間の保安距離の問題だとか、あるいは基礎の問題だとか、そういうことを厳重にやることによって、その一事業所の中にある問題は解決つくと思うのでありますが、複合的な地帯は、やはり既設の問題とも関連しながら——私は、既設の地帯の問題も何らかの規定を入れていただきたいと思ったのでありますが、その規定がないわけでありますが、いろいろいままでの御答弁を承っておりますと、いわゆる保安基準を、消防法その他の関係法令の立法によりまして、厳しいものにする。それと企業の自衛防災施設の整備その他によって、既存地域の防災についても、レイアウトは困難であるためにやらないが、極力それらをやっていきたい。その前提としては、専門家あるいは学識者によって四十九年から実施しておるいわゆる防災診断をする。これも各地域が特色を持っておるので、特色に応じた防災診断をやり、それらを参考にしながら保安基準というものもさらに練り直していくというような答弁がなされたと記憶しておるのですが、そうでございましょうか。

佐々木喜久治消防庁長官

○佐々木政府委員 既設の事業所につきましては、各施設地区のいわばブロックごとのレイアウトの手直しということは事実上困難であろうというふうに思いますので、われわれといたしましては、やはり新しい安全基準というものを早急に作成をいたしまして、そうした安全基準による規制の強化を通じまして、各施設地区の中におけるいわば安全でない部分というものの手直しをしてもらいたいというふうに考えておるわけであります。そういう意味におきましては、新しい安全基準は、既設のものにつきましても原則的には適用していくというような方向で、事実上、その手直しが困難な部分につきましては、新しい消防設備等の設置を義務づけるというような形で、安全対策というものは怠りなくやっていくように措置していきたいというように考えております。  特にコンビナート地帯は、御指摘のように、地域によって相当実情に差がございます。周辺地域との関係におきましても、地域の実態はいろいろでございます。そういう意味におきまして、いま私どもが作成を急いでおります防災診断の基準というものを早急に作成いたしまして、取りかかりたいというふうに考えておりますが、この安全基準も一応成案がまとまりまして、近く地震その他の対策も含めましての実地調査に入るところでございますので、そういうのと相まちまして、既設事業所についての安全を図っていきたいというふに考えております。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 環境庁結構でございます。御苦労さんでした。  新設、変更に関連して、既設部分の手直しというようなことは可能なわけですか。

佐々木喜久治消防庁長官

○佐々木政府委員 新設、変更に関連いたしまして、その新設、変更に関係のない部分についての手直しということは、この法律の規定からは無理でございます。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 そういたしますと、既設部分を含めまして全体のレイアウトというところまでいかないまでも、いわゆる保安基準の強化によりまして既設部分は当然手直しができるわけですね。それでなお不備な点は、それにかわるべき措置を講じなければならぬ、こういうふうに考えられるわけでありますが、そういうときには、施設だとか、あるいは消防、自衛防災組織の資機材の強化というような、何か代替するような方法をお考えになって、極力全体の規制ができるような、欠陥を補っていくような方法をおとりになりましょうか。

佐々木喜久治消防庁長官

○佐々木政府委員 新しい安全基準の作成に当たりましては、実際問題として、その安全基準に直ちに従っていくということが困難な地域につきましては、当然にその代替施設の設置を義務づけることにいたしまして、安全対策を講じてまいりたいというふうに思っておるわけであります。たとえば保安距離にいたしましても、従来の保安距離からいたしますと、その油の種類によりましては相当距離が延長になってまいります。その延長が用地の買収その他によって直ちには困難だという場合につきましては、隣接の地域について、たとえば散水設備といったような安全対策を講じさせるということによって、その保安距離の不足部分は補うというような代替措置は当然に考えていく必要があるというように考えております。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 極力そういった創意工夫をこらしていただきたい。そして既存施設に対してのレイアウトにかわるべき実際の措置ですね、これらについて万全を期していただきたいと考えております。  それから次に、第二十七条の防災本部ですが、いろいろこの法案に関連いたしまして各委員から指摘されましたのは、いわばコンビナート対策についての一元化の問題であります。私は、現段階では急にそういう一元化が期し得られるものではないということも了解できます。また、法律だけそういうものをつくりましても、実際の運用面で機動的に機能しないということであれば、これは意味をなさないわけであります。しかし、その方向に行かなければならぬということは当然だと思いますが、当面、都道府県にできます防災本部に大きな役割りを持たすべきではないか。そして防災本部で計画の立案から実施に至るまで、あるいは現地の対策本部の設置のあり方その他によりまして、実際の機能が一元化できるようなことに十分の配慮をしていただきたい、かように考えるわけであります。その点につきましては、各省の出先機関の指示に対しまして、常にこの防災本部で意見の対立を見ることがないような十分な各省庁の意見の統一も必要であると同時に、出先機関がそういった意見の対立で実際にうまくいかぬことのないような配慮を十分にして、実際は行政の一元化をし得るように御配慮いただきたいと思います。この点は十分立法の過程で話し合われたことだと思いますが、その経過等をちょっとお聞かせ願いたいと思います。

佐々木喜久治消防庁長官

○佐々木政府委員 この防災本部の役割りというものは、私どもも、この法律施行の当初におきまして、非常に重要な仕事をしていただかなければならないというふうに考えておるわけであります。一昨日、千葉のコンビナートを視察いただきました際にも、千葉県のコンビナート地帯の防災計画というものをごらんいただいたのでありますけれども、あれは県段階の防災計画になっておりますから、その内容を見ますと非常に大まかな規定だけでございます。そういう意味におきましては、あの計画だけでは防災計画は十分機能しないというふうに考えられるわけでありまして、あれをできるだけ市町村でつくりました具体的な行動基準まで示した防災計画にしていかなければならないということになるわけでございます。そういたしますと、やはり現在各府県、市町村にあります防災計画の中では、海の部分というものが非常に欠けた計画になっている場合が多いわけでございます。そしてまた、特に現在海上保安庁におきますいろいろな施設の配置が、どちらかというとブロック別の配置といったような形になっておりますから、具体的にたとえば水島で事故があるとか、あるいは和歌山で事故があるといった場合に、すぐ即応し得る体制にあるのかどうか、その辺の連絡関係というものを事前に十分な打ち合わせのもとにやっていかなければならない。そういう意味におきましては、こうした計画というものを、もっと具体性を持った計画、さらにはまた災害想定というものをもう少し範囲を広げて、あらゆる想定をしてもらわなければならない、こういうことになるわけでありますので、そうした災害の想定とにらみ合わせながら、具体的な行動基準というものを各行政分野にわたってつくっていただかなければならないというふうに考えております。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 この機会にちょっとお聞きしますが、川崎の場合、ああいう政令都市では一元化ということが可能ではないかというような感じを受けたわけでありますが、知事の権限を指定都市にはさらに委任をして、高圧ガスの取り締まりの方の関係も県に残すべき問題——その点十分検討はいたしておりませんが、コンビナート地域の防災に関連いたしましては、一元化することは可能ではないかと思いますが、佐藤局長いかがでございますか。

佐藤淳一郎通商産業省立地公害局長

○佐藤政府委員 特定のコンビナート地域に限って、たとえば川崎市を例にとられたわけでございますが、結局そこの技術陣のレベルが、高圧ガスという、まあ通産省の所管の中でも、この保安は一番むずかしい保安問題でございまして、この高度な、しかも非常に変化の激しい技術水準の問題に十分対応し得る人材がどの程度おられるかどうかということが、とにかく現場問題でございますので、非常に重大でございます。その意味では、確かに川崎市等は、全国のコンビナートの中では相当高い水準を持っておられることは、われわれも承知いたしております。ただ一方、神奈川県としてはどうかという問題がございまして、実はわれわれも今度の一元化につきましては、いろいろ県の方の御意向も伺ったりもしておるわけでございますが、戦後ずっとこの問題をやってきた担当の県の職員は職員なりに、この件については長年蓄積もあり教育も受けてきたということで、それが直ちに一元化ということになりますと、川崎市の方に人間ともに行くということになるわけでございます。そういう問題もございまして、非常にむずかしい人的な配置の問題もございます。  それから私、考えますのに、今後のコンビナートというのは、単純にいわゆる化学とか機械とか電気だけの人ではだめなんであって、特に今度は基礎部門をやらなければいかぬわけですから、土木工学的な人材も必要になってくるわけでございます。特に地震対策になってまいりますと、相当広い範囲の工学の分野を総動員しなければならぬということになりまして、やはり人材的にふところの深いところが私はいいと思います。そうしますと、残念ながら市当局というのは人材的にふところが浅いんじゃないか。県になりますと土木部もありますし、いろいろな人材がいて横の連絡もあります。そういうことで、一元化するのは、県の方が高度の技術を持たれるし、そういう新しい技術という方向に向かいますれば、むしろ市に一元化するよりは県の方に一元化していただきたいというような、実は率直な議論が自治省との間に行われたということもありますので、御紹介申し上げておきたいと思います。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 私は、一元化の問題を深くあれするのはともかくといたしまして、せめて政令都市ぐらいは可能ではないかというふうな感じを持っておりますので、御検討を願います。  それから政務次官、この法律の施行によりまして、消防庁を初めといたしまして現地の消防の問題で、やはり相当予算的な措置といいますか、これが伴うのではないだろうか、かように考えますので、いわゆる要員の確保、あるいは教育訓練、あるいは新しい技術開発といったような、消防研究所も含めまして来年は予算確保に相当努力を願わにゃいかぬと思うのですが、相当の決意をもって当たっていただきたいと思います。

左藤恵自由民主党自治政務次官

○左藤政府委員 こういった法律も成立いたしました場合には、当然高度の技術というものを特に多数の消防関係者に訓練をしていかなければなりませんので、いまのお話のような点について、たとえば消防大学校における訓練の日数の問題とか、あるいはいろいろな面で消防庁としても努力をしていかなければならない、いままで以上の決意をもって当たらなければならない、このように考えています。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 細かい問題を二点ほどお聞きいたしまして、質問を打ち切ります。  第一点は、この法律で消防施設強化促進法の改正によりまして、消防の施設整備の補助金の上乗せといいますか、三分の一を二分の一、これを三カ年に限定をしておりますね。これは人口急増市町村の場合は五年ということで、これは二年前から始まっておると思いますので、これに単純に合わしたわけですか。あるいは補助金の上乗せ期限をもう少し五年くらいにしてもいいじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。  それからもう一点、今回の法改正で事業所の点検が義務づけられまして、記録まで備えつけることになっているのですが、一方関係者の立入検査等もできることになっているのですが、単に記録の検査ばかりでなく、適時公的機関によりまして点検をする必要があるのじゃないかと思うのですが、いかがでしょう。その二点をお聞きしておきます。

佐々木喜久治消防庁長官

○佐々木政府委員 今回、消防施設強化促進法の一部改正を行いまして、それを一応三年というようにしておりますのは、この法案によりまして実は消防施設自体を非常に強化をしてもらいたいと思っておりますのは企業側でございまして、むしろ市町村に対する消防施設は、それほど大きな増設を求めないというたてまえでございます。通常のコンビナート所在市町村におきましては、内容的には、高性能化学車とスクアート車、それに原液運搬車、この三つの車を一組にいたしました。この一組を通常のコンビナートの市町村では設置をしてもらうというようなことを考えておりますので、そういう意味におきまして、大体三年ということであれば、現在の財政状況から見ても十分対応し得る、こういうつもりでございます。むしろ一年ないし二年間に何組かを事業所の手に持たせるということにいたすわけで、その辺がむしろ企業側の方を非常に促進していくというつもりにしておるわけであります。  それから企業についての点検の問題でございますが、先般私どもはタンクにつきましての緊急点検を行ったのでございますけれども、その緊急点検を行って私どもの方で非常に判断が困りましたのは、タンクがつくられた時点においてどういう状態にあったのかということがほとんどわからない場合が多かった。特に不等沈下の問題にいたしましても、完成後にどれだけの沈下があったのかというような記録すらないというようなこともございまして、とにかく、タンクの設計から工事経過、そういうものからその後の点検経過を記録しておくことによって、タンクの履歴というものを明らかにしておく、そして随時消防機関がその点検簿と実態というものを合わせて見ることによって、そのタンクの状況を明らかにすることができる、こういうような趣旨で、できるだけこの点検につきましては、企業の方で随時自主的な点検をしながら、消防機関が随時それを見ていくという方式をとりたいと思っておるわけであります。  ただ、消防機関としましても、予防関係を担当しております者が、コンビナート地域だけを見ておくわけにもいきませんし、そしてまたいろんな危険物、施設その他につきましての点検を相当頻繁にやるということになりますと、消防の仕事も非常にふえ過ぎる感じになりますので、やはり何らかのそうした点検業務について代行するような機関というものを設けておく必要があるというふうに私どもは考えております。これは次の消防法の改正あるいは予算というものを通じまして、何とか実現を図ってまいりたいというふうに考えております。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 もう一点だけ、財政当局お見えになっておりませんが、折小野委員、三谷委員の指摘のありました、公害緑地のとき、あるいはその他の機会にも、当分の間附則によりまして交付税で元利償還を見るという前例ができてまいりまして、今回のコンビナート緑地の問題も、公害緑地に右へならえをしたきらいがあるわけですが、私ども、いろいろ交付税法の改正をいたしました際には、必ずそれに見合うだけの交付税の総額の増額といいますか、これは率を上げるなり直接他の方法で、第二交付税というような構想のもとに増額を考えておるわけですが、安易に当分の間附則でということで、財政の苦しいときにそういった前例を踏襲したやり方を次から次にふやしていくということは、全く反省をしなければならぬ問題であることは、すでに質問した両委員に私は同感であるわけであります。これは政務次官、いままでも相当こういうことをやっておりますので、それらを含めて、来年といわず本年度から、そういった交付税の増額問題、いろいろ税だとか起債だとか、その他全般的な財源問題を根本的に考えるということは、恐らく地方制度調査会の答申もあろうかと思うのですけれども、それによりまして、率を上げなくとも実質的に税の配分をやれば、あるいは補助金の増額をやれば、交付税はある程度現行の率でも間に合うというような問題もあるわけで、それをやらなければ、やはり交付税というものは、こういったやり方をおとりになるなら、率を上げるということを強く要望するのは地方公共団体側としては当然のことなんですね。その点を十分御配慮になりまして、こういう前例をつくらないということと交付税の見直しということに、政務次官は十分御努力を願いたいということを強く要望いたしておきます。

左藤恵自由民主党自治政務次官

○左藤政府委員 御趣旨の点については十分努力をしてまいりたい、このように思います。

大西正男自由民主党

○大西委員長 次回は、明二十六日木曜日、午前九時三十分から理事会、午前九時四十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会い  たします。     午後四時二十九分散会

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