地方行政委員会 第28号
- 発言数
- 204 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1975/06/24
会議録
○大西委員長 これより会議を開きます。 内閣提出に係る石油コンビナート等災害防止法案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、これを許します。小川新一郎君。
○小川(新)委員 石油コンビナート地帯の視察を昨日終わってまいりましたが、私は、このコンビナート地帯のレイアウトの問題とか、または、いろいろといま問題になっております法案の中身等と照らし合わせながら少しく考えたことがございますので、政務次官に総体的にお尋ねしたいと思います。 七〇年代は転換のときと言われておりますが、その転換のときというものはいろいろな転換があると言われております。その一つは、やはり経済の流れの仕組みが転換していくのではないか、そこから、資本自由経済主義という問題と社会経済体制という問題との屈折点の中にあってこれからの日本の経済という問題を議論するときには、やはりその効率的な、集約的な、そして資本の巨大な投下によって集中的なメリットをもたらすコンビナートという問題が考えられてきたわけであります。 七〇年代の特に大きな問題は、日本が高度経済成長政策から低経済成長政策に切りかえざるを得ない。その流れの中で、一昨年の三月に産業計画懇談会が発表した「産業構造の改革」においては次のようなことが言われております。 「世界の主要資源十二品目の輸出総量の年間 平均伸率は六%であるのに対し、わが国の輸入 量は年平均約二〇%程度の増加を示し、一九六 三年のシェアー一一%は、一九六九年には二六 %に増大した。この傾向が続けば一九八〇年に は日本が全量を独占することになる。わが国の 輸入量が、これまで拡大した以上、このような 大幅な輸入増は、許される筈がない。仮に一九 八〇年のシェアーが三三%程度に止まるように するためには、年平均八%程度の増加しか許さ れない。」というのがその大略であります。 この報告は、石油戦略展開の前に行われたのでありますが、石油戦略後の石油輸入はこの報告を上回る減少で、最近のエネルギー審議会では、今後の石油類の輸入は年率七%程度の増加と見込んでいると伝えられております。エネルギーの源泉である石油の輸入が七%程度となりますと、鉱工業生産の伸び率もそれに応じて減少し、恐らく半減することと想像されるわけであります。特にコンビナート地帯では、主に石油関連産業が集中生産という立場に立ってつくられているわけでございますけれども、この石油コンビナートの問題、またはコンビナート地帯の法案を審議するに当たって、いま申し上げました基盤に立ってのわが国の経済の見通しというもの、屈折点に立っている日本の経済の問題の見通しについて、まず政務次官の御所見を承っておきたいと思います。
○左藤政府委員 御指摘の点につきましては、高度成長ということが非常に急ピッチで進められて、そのときにはいろいろな面で、まあ自由主義経済の中にありましても一つの計画性と申しますか、そういったものはほとんど無視されて、利潤追求という面が非常に高く考えられた結果、いろいろな配慮というようなものもなく、しかもあらゆる資源を外国から輸入しておるという資源のない国である日本において、そうした需要に応ずるための設備投資が非常な勢いで行われておったということは事実でございまして、いままでの石油コンビナートの建設がそうした基盤の上で行われておったということも、私は御指摘のとおりだろうと思います。 これからの方向というものにつきましては、御承知のような石油ショック以来の世界的ないろいろな経済問題というものを背景といたしまして、これからは低成長と申しますか安定成長と申しますか、これを日本は志向しなければならない。そういったある意味での反省期というふうなときにいま差しかかっておると私は思います。今後もそういった面はあるわけでありますが、そうしたときにこそ、いま先生も御指摘だし、また皆様方もそういうふうにお考えだろうと思いますけれども、将来の見通しというものもしっかり立てた形で石油コンビナートを今後どういうふうに建設していくか、あるいはまた日本のそういった産業基盤をどういうふうに求めていくかということにつきましては、十分そういう配慮をした上のものでなければならない、そしてまた、とめどなく広がっていくというようなものであってはならない、このように思うのでございます。
○小川(新)委員 この石油コンビナートにしても関連コンビナートにいたしましても、日本の高度経済成長政策という政策に従って、わが国の志向するところに従ってそういった巨大資本が生じてきた。そうであるならば当然企業サイドに立って物を考えていくということが、いままで三十年代後半から四十年代にかけてこういった巨大なコンビナートを設立する背景にはあったと思うのです。それが遅きに失するというか、いまようやくコンビナートの防災という問題に目を向けなければならない、またそういった面を私たちが置き去りにしてきた姿勢というものをここで転換しなければならないターニングポイントに差しかかった現在、最も必要なことは人間を優先するのだ、経済優先が必ずしも人間の幸せにはマッチしないのだということが、公害問題や環境汚染や自然破壊や、そういった問題が三十七万平方キロの限られた国土の中で展開する資本の論理の追求という問題の中で、いまようやく目を国民がその一点に向け出したということは、遅きに失する感はありますが、当然大切なことだと思うのです。そこで石油戦略体制というものは、わが国はその九七%を海外から石油を輸入し、日本の基幹産業の最たる石油問題を考えたときに、この五十年四月に策定された石油供給計画によりますと、五十年度末で石油備蓄目標日数七十日、五十一年度末が七十五日、五十二年度末が八十日、五十三年度末が八十五日、五十四年度末では九十日とウナギ登りになっているわけであります。この備蓄という問題は、開発途上国、資源保有国の資源の危機感、いつまでもこうして先進国に付加価値をつけられて、逆輸入されて、高い付加価値をつけた製品を輸入していく開発途上国の国策という問題に目をつけてきたときには、バーレル当たりあるいはリッター当たりの石油価格の高騰という問題が当然出てくるわけです。そういうことを考えたときに、わが国としては、備蓄という問題は大きな生存問題にまでかかわると言われております。そういった限られた国土の中で巨大なコンビナートをこれ以上一体幾つつくるのか。少なくとも現在の石油備蓄日数が約六十日間と言われております。昨日も出光、三井等を見たときに、そのタンクの大体六〇%から七〇%ぐらいしかいまタンクに重油が入っていない。これは私どもには会社の政策というものはよくわかりませんから、それが一体正当なのかどうなのかということは判断いたしかねますけれども、いずれにいたしましても、今後五年間で現在の約五割増しの石油タンクが必要になると思われます。そういった片一方では低経済成長政策に切りかえ、資源の浪費というものを防いでいかなければならないし、一面また石油生産国の圧迫等によってそういった備蓄という問題を考えたときに、コンビナートというものはあと幾つ一体必要なのか。またその姿勢というものは、環境がこれ以上破壊され、公害問題等にいろいろと問題が出ているときに、そういった資源という問題、産業という問題を考えたコンビナート増設という問題を一体どこに求めるのか。たとえば東京湾の問題一つ取り上上げてみましても、東京湾の埋め立て開発地域にあとどれくらいの石油を貯蔵することが、東京湾の環境破壊または汚染、汚濁、こういう問題と関連して一体許されるのか、その総量の規制というものは一体どこでチェックされるのか、こういう問題について関係各省の方が来ておられますので、通産省または自治省、建設省等にお尋ねしたいと思うのでございます。 まず第一点、その備蓄問題と今後のコンビナートの数。また東京湾に一例を挙げるならば、東京湾内にあと幾つつくられるのか。きのうも出光の社の方にお尋ねいたしましたところ、まだまだ会社はこれから増設していくのだ、そういったことを言っておられますが、そういうことに対して県側の明快な答弁がきのうはなかった。県として、県の総合開発計画や県のこういった防災計画、総体的な計画というものを示してくれという同僚議員からの質問があったのでございますが、知事さんからは明快な御答弁がなかったわけです。これも時間の関係でそれ以上追求するわけにまいりませんけれども、こういった問題、非常に大きな問題でございますので、お尋ねしたいと思います。
○佐藤政府委員 通産省からお答え申し上げます。 まず石油の備蓄計画につきましては、すでに資料としてこの委員会に差し上げてある数字をいま先生がおっしゃったわけでありますので、そのとおりの計画を現在時点では考えておるわけであります。問題はどこの場所に備蓄のタンクを、増強分を増設し、あるいはまた新規地点につくっていくかという問題が一番の問題点であろうかと思います。それで、これにつきましては、われわれとしては、少なくとも東京湾とか伊勢湾とか瀬戸内海というような地点につきまして、すでに織り込まれました計画、すなわちすでに計画として相当熟したもの以外のものにつきましては新しい大規模のコンビナートをつくるということは好ましくないという考え方は基本的に持っておるわけでございますが、問題は、きのうも御視察になられましたように、現有のコンビナートの中で企業側が増設の予定で当初から考えております空き地がまだ相当実はあるわけでございます。実は今後備蓄をするに当たりまして、既存の地点と新規の地点との配分の問題が非常に大きな問題になってまいると思います。通産省としては、既存のコンビナートの中におきます空閑地、空き地についてはやはりある程度は入れざるを得ないだろうという考え方は実は持っておったわけでございます。まるまる今後の分を、むつ小川原とか苫小牧とか言われておりますところの新規コンビナート地域に全部増強分を持っていくということは、なかなか現実問題として時間的にも無理じゃなかろうかという感じが実はいたしておるわけでございますけれども、この点はいま御審議をいただいておりますこの法律と非常に関連する問題でございますし、特に石油の備蓄につきましては、いま御検討になっております消防法の中の政令の基準の中にどういうふうに保安距離をとっていかれるのか、それからタンク間距離をとっていかれるのか、その辺、あるいは海上防災の問題等々の検討いかんによっては、従来われわれが考えておったようなことがどの程度まで許されるのかどうか、この辺はまさに大きな検討課題だというふうにわれわれは考えておるわけでございます。
○小川(新)委員 自治省の消防関係の方からお答え願います。
○佐々木政府委員 最近の石油コンビナート地域におきます危険物の量というものが現在の消防関係法令の規定のままで果たして防災上十分なのかどうか、こういう点になりますと私どもは非常に疑問に思っておるわけでございまして、現在消防法の法令関係の見直しを行っておりますけれども、いま見直しをしている段階におきましては、保安空地の問題あるいは防油堤の面積制限の問題あるいはタンクにつきましてのいろいろな制限関係から見ますと、恐らく従来ベースの面積計算でこれからのコンビナートの面積を予想するということは非常に困難であろう、むしろその面積は相当大きな面積に考えていただかなければならないということになるだろうと思います。そういう意味におきまして、現在の備蓄計画等につきましても、私どもの考え方がまとまりました段階でさらに通産省の方には折衝いたしたいというふうに考えております。
○小川(新)委員 具体的にお尋ねいたしますと、そうすると現在の消防法とかそういった保安関係、防災関係の法律では不備である、しかしそういった、私がいま申し上げましたような経済の仕組みの流れの中でも七%から一〇%内の経済成長という中で石油の備蓄という問題を考えたりいろいろな問題を考えると、当然ここに幾つかのコンビナートの増設というものは考えられる。 これは建設省にもお尋ねしたいのでございますが、こういった防災街区の問題とか、建築基準法の問題もございますね。それから都市計画の問題、たとえば緑地の指定とか道路の幅員の問題、これは道路法で定められている。こういった問題も巨大なるコンビナート地域における都市計画や地域防災計画におけるところの関係都道府県、市町村の都市計画法に準ずる計画、こういった問題とはこれから消防庁の出す、自治省から出てくる具体的な保安、防災に関する法案が出た後でそれを斟酌して都市関係法の手直しを行うというように理解しないと、私は、これはまた一つずつ、片方は規制しても片方の面でまたちぐはぐな問題が出てくるということになりますので、この今回の法案については、私ども、不完全ではありますが一歩前進ということで賛意を表している立場からいっても、さらに細かいその消防法の問題等を考えたときに、建設省としてはどういう態度をとられるのか。その前に手直しの、消防関係法の見直しをいまやっていると言っていますが、それは大体いつごろ具体的になるのでしょうか。
○佐々木政府委員 私どもの検討の目標は、でき得る限りこの国会の終了時点ぐらいのところまでには考えをまとめていきたいというふうに思っております。 それからもう一つのいまの都市計画との関連でございますけれども、これからの保安距離、保安空地の問題につきましては、事業所内において可能な限りの措置をとらせるということにいたしまして、事業所外に影響の出るような措置はとらせたくない、むしろ都市計画の面におきましては、いわば第二次的な防災体制という意味で緑地等の設置をお願いをしていく、緑地等につきまして、第一次的な防災体制のために緑地をとるというような形にはしたくないというふうに考えております。
○豊蔵説明員 ただいまのコンビナートの方の対策と都市計画のかかわりということになりますが、いま消防庁の方からお話がありましたように、これから新規に建設いたします石油コンビナート地域につきましては、高圧ガス取締法とか消防法に基づきます政省令等の規定を強化いたしまして、十分な保安空地なり保安距離をとっていただくという体制を前提といたしまして、その周辺におきますところの市街地の方が十分安全なように措置していただけるものと思っております。 ただ、御承知のように既存のコンビナートにつきましては、実態的に市街地とコンビナートが隣接しているような地域が多うございますので、これが私ども当面の急務であると考えておりまして、この地域につきまして、ただいまお話しのようなコンビナート地域内の規制の強化とともに、地方公共団体のサイドにおきましてもやはり住民を安全に守るという立場から緑地等の設置を進めるとともに、また一方におきましては避難地とか避難路とかあるいはまた防火地域の指定とか、私どものできます限りでの都市計画法をいろいろと活用いたしまして、少しでも防災に役立つように努めてまいりたいと思っております。
○小川(新)委員 それでは具体的にお尋ねいたしますけれども、川崎市の市街地再開発という問題は、現在の既成コンビナート、こういった危険防災地域に指定された地域においては建築基準法の改正及び市街地再開発法の適用、これは具体的にはどれくらい行われるのですか。たとえば都市において多数人が集中するデパートや百貨店等については建築基準法の改正が行われましたね。これは要するに改正の骨子になるものは消防庁からのいろいろな要旨が法の改正につながったわけですね。避難口とかはしごとか、たとえばスプリンクラーをどうするとかそういった問題は建築基準法におけるところの設定になってきたわけですけれども、これはいま私が申し上げました防災上のこういった区域に指定された中における建築、たとえばそれは建築基準法でできます。しかし市街地再開発法の場合は、それを今度普通の市街地再開発の手法をとったのではこれはだめだと思うのです。防災街区におけるところの市街地再開発法の方法をとらなければだめだ。これについての現実の川崎市なら川崎市、私はきのうも視察に行きまして、川崎市と千葉の京葉コンビナートではレイアウトの仕方が全然違うのですよ、後ですから。こちらの方と川崎市内とを見たときには、川崎市は住宅宅地が隣接しているわけです。そしてあんな緩衝地帯もないわけです。こういった中における市街地再開発の手法というものは、現在の手法ではできないと思うのです。それをいま私はあなたにお聞きしたい例です。
○豊蔵説明員 御指摘の川崎市につきましては、御承知のとおりコンビナートと古くからある市街地の住宅地とが隣接している個所も相当ございます。そういった地域についての都市的な防災対策というようなものを考えますと、いろいろな手法が考えられると思います。 一つには、コンビナートの周辺に相当の幅員のあります緑地を整備するということも方法の一つでございますが、また一面におきましては住宅市街地を再開発事業等によりましてある程度集約し、耐火構造にいたしまして、そしてその周辺に道路なり緑地を配置するというようなことで、町ぐるみ防災的な構造とするということも考えられます。これらの方法を私どもはいろいろ組み合わせることによりまして一つの都市構造の改善ということを考えておるわけでございますが、その中でも、たとえば東京におきます江東防災拠点がいま申しましたようないろいろな手法の組み合わせによって行っておるところでございまして、実際仕事をやってまいりますと、たとえば地盤の軟弱なところにおきましてはその基礎を強化するというようなところでいろいろな費用がかかります。また幅射熱を遮断するというようなところで、建物自体にドレンチャーといいましていろいろな防火のための散水装置のような施設、そういうものを特につくらなければいけないといったような点がございまして、これらにつきましては、私ども過去二、三年の間に特別な性能を強化するための費用を予算的に補正することにいたしまして手当てをいたしてまいっております。現在までのところ、こういった仕事をいろいろ組み合わせることによってある程度実施できると思っておりますが、なお具体的には、費用をもう少し詰めて計画が進む段階におきまして問題点を検討いたしてまいりたいと思っております。
○小川(新)委員 いまの自治省の御答弁と同じようにあなたの方もそれに合わせなかったらこれはまずいと思いますよ。これを一点指摘しておきます。 それから先ほどお尋ねしてもお答えいただけなかったコンビナート、これからの予想の数、そういうものはどのくらいなんですか。むずかしいですか。
○佐藤政府委員 実は通産省におきましては大体産業構造の十年計画というものを昨年から作成を、毎年いまごろやりまして、一年ごとに見直す計画をやっておるわけであります。その中で結局経済成長率をどう見るかによりまして大分変わってくるわけでございますけれども、その面と、やはり日本の人口がどのくらいになって、雇用率をどの程度考えていかなければいかぬかという両面が実は非常に大きなキーポイントになるわけであります。われわれの方としてはどうしても通産省の立場でございますから、従来のような高度成長はもちろん考えませんにしても、やはり福祉を達成するという前提に立ちますと、去年つくりました長期ビジョンでは、大体低くても五%、望ましいのは七%ぐらいの成長率を実は雇用の問題等々から考えたわけでございますが、そういたしますと、やはり特に基幹型のこういう石油コンビナートそれから鉄鋼でございますが、こういう資源多消費型の基幹産業の立地というのは、現状のコンビナートでは十年後はやや不足いたしまして、新しくむつ小川原とか苫小牧東部とか秋田湾とか鹿児島県の南部、大隅半島とか、ああいう地点をある程度長期的に新規地点として、もうそろそろ環境アセスメントをやっておかなければならないという立場に立っておりまして、すでにアセスメントだけは四、五年前から実は始めておるわけでございます。ただ、昨年立てた長期ビジョンではまだややどうも高過ぎるのではなかろうかということで、来月また見直しの計画を立てるわけでございますが、一方また国土庁は国土庁で、国土利用計画とそれから第三次総合計画の見直しがございまして、これらがすべて絡んで国としての長期見通しは、大体今年度を山に各省が参加してやることになっております。その中で、当然コンビナートの問題も国土の問題も国土利用計画の一環として出てまいるかと思いますので、この辺はわれわれの方としては十分に国土庁とも相談しなければいけませんし、それからこういうコンビナート法なんかが出てきたという実態を踏まえてさらにまた考え直さなければいかぬというところでございますけれども、名前の載っている候補地点はいま申し上げたようなところでございます。
○小川(新)委員 苫小牧、陸奥湾、秋田湾、それから志布志湾、これらは田中列島のときに出てきた名前で、いろいろと批判があったわけですけれども、この狭い日本の環境、自然というものをこれ以上破壊するということは企業立地——企業がなぜそういうところに立地するかというと、安い土地、豊富な水、そして海外に輸出するまたは輸入するための船舶の出入りに適したところ、そういった立地条件があるからです。これは食糧生産もまた地域公共団体の住民サイドの意見というものも十分考えなければいけない。これは新全総の次の新新全総、三全総というのが国土総合開発審議会の諮問をいま受けているわけでしょう。そういたしますと、これは自治省にお尋ねしますけれどもいま通産省のお答えになった三全総、その三全総を踏まえては当然そういった通産の立場、日本の経済の立場からいけば、新しいところにコンビナートをつくらざるを得ない、その問題についてはいま検討中であると言っておりますが、地方公共団体を抱え、そういった自主的な自治の立場から統括していくところの自治省としてはどういうお考えを持っていますか。具体的には、いま挙げた地点についてはどうお考えですか。
○左藤政府委員 地方公共団体とわれわれは連絡を密にいたしまして、そういった意思というものを十分反映した形で、国土庁なりあるいは通産省とそういった問題についての計画を決定される段階におきましては、そういった意思を十分伝えるように努力しなければならない、その立場にあるのが自治省だ、このように考えております。
○小川(新)委員 きょうは国土庁を呼んでおかなかったのでちょっと私もあれなんですけれども、確かにそういった面もあるけれども、三木内閣の閣僚会議等でそういった議題は出ないのですか。田中内閣のときには、そういった国土のビジョンというのは、よきにつけあしきにつけ、批判はともかくとしてそういうものが出た。ところが三木内閣になったらさっぱりそういう日本の国土像についてはっきりしたものが打ち出されないですね。政務次官も、三木内閣の自治省の政務次官として、当然そういったビジョンなり構想というものが、通産省サイドで議論されているだけでなくて自治省サイドではどうなんだということを私が聞いたときに、いま言ったお答えは間違いじゃありませんけれども、はなはだどうも不完全だと思うのです。
○左藤政府委員 いまそういった問題について具体的に各省で見直しに着手したということだろうと思います。そういうことで、閣議とかあるいはまた内閣全体の姿勢としてそういうものにこれから取り組もうというようなことだろうと思いますので、いまのところはそういった問題について具体的な進捗を見ているわけではございません。
○小川(新)委員 残念でございますが、ここで長く議論をやっているわけにまいりませんから打ち切りますけれども、やはり内閣である以上は一番大きな国の開発姿勢という問題をはっきり打ち出すべきであるし、当然そこに石油コンビナートや鉄鋼コンビナート、原子力コンビナートというような、これから日本の産業にどうしても必要だという地点とか、そういう問題が明かされてきて、既存の法律に対して消防庁とか建設省とか国土庁とかの関連の法律の洗い直しというものは出てくるわけですから、ぜひひとつ、われわれにわかるような方針というものを打ち出していただきたいと思うのです。 また、今回の法案では、石油タンクとガスタンクをコンビナートの危険度のバロメーターとしておりますけれども、両方がある一定量を超えていればコンビナート特別防災区域に指定することになっております。しかし、新設の、またコンビナートを追認して指定するという事後処理的なものでなく、その町にこれ以上の公害を発生させてはいけないというような、公害面では総量規制というものが検討されておりますが、コンビナート防災についても危険度の総量規制を具体化してもよいのではないか、こういう考えを持っております。また、法案のように全国一律の政令による地域指定を行うのではなく、地域地域の住民や漁民の声も十分反映させ、地域ごとの危険度、環境度ということは、参考人の御意見の中にもたくさん出ておりました。この二点についてはどうお考えでございましょうか。
○佐々木政府委員 コンビナート地域における危険物あるいは高圧ガス等につきましての総量規制の問題でございますが、実はこの総量規制をどういうふうな基準で行うべきかということにつきましては、やはりその基準についてのとり方にはいろいろ問題があるだろうと思います。ただ新設、これからつくります地域の場合におきましては、もうすでに先ほども御答弁がありましたように、環境庁なりあるいは地方公共団体におきましてのいろいろな事前調査ということによりまして一定の目標というものが立てられて、それぞれ処理をされるということになるだろうと思います。 既設のコンビナート地域におきまして、こうした総量規制の問題をどういうふうに処理していくかという点は非常にむずかしい問題であると思っております。ただ、私どもは、既設のコンビナートにおきますところの危険物の集積というものがこのままでいいかどうかという点につきましては非常に問題であるというふうに考えておりますし、また現在のコンビナートに防災上十分な自信を持って対処し得るかということになりますと、私どもといたしましても大変心配があるわけであります。そういう意味におきましても、現在消防法の関係政省令等につきましての検討を鋭意進めておるところでございますが、これによりまして、まず特に総量規制というものを目標にしたものではございませんけれども、実質的にはそういう意味での総量規制の機能も効果もあわせ得るような形でいまいろいろな安全基準というものの見直しを行っているわけであります。この基準のもとに既存のコンビナート地域についてこれを適用してまいりますと、相当な総量規制が結果的には行われるということになるだろうと思っております。
○小川(新)委員 政令省令にゆだねる事項が多過ぎるということの批判は相当委員会で出ておりました。また、いままで問題になった中では、防災行政の一元化について海上の問題が抜けているとか、いろいろと出ております。私は、そういった総量規制という問題が明確にされないと、一定の一つ一つの問題がチェックされていくから総量が規制されていくんだというような考え方は、やはり企業サイドに立った場合は非常にこれは抜け穴が出てくるんじゃないかと思います。そういった問題がやはり地方行政の中では一番、住民対話とか住民参加、行動の地方自治の原点に立ったときにいろいろと反論される問題になってまいりますので、十分ひとつ勘案をしていただきたいと思うのであります。 この間、私が参考人の川崎の消防の方にお尋ねしたときにも、ちょっとお間違えになっておられたようでございます、問題を。その問題をちょっとお尋ねいたしますと、新設の届け出についてでございますが、第五条の第一種事業所は、石油タンクと高圧ガスが併存した場合のみに限定されております。石油タンクのみの基地や高圧ガスのみの基地は、従来どおりそれぞれ石油は消防庁、高圧ガスは通産省というようになっております。せっかく今回前向きのコンビナート防災法を成立さすのであるならば、第五条の第一種事業所の括弧書きを削除して、石油タンクのみのもの、高圧ガスのみのものも本法案の新設の届け出を適用すべきであると思いますがどうかという質問を川崎の消防局の方にしたときには、それは特定防災区域や自衛防災組織等の義務づけは単独の事業所にも適用になるということをお答えになっておりましたけれども、あれはちょっと誤解があって、十五条以下の問題と解釈されたのだと思います。私はいま言ったような問題をこの間もお尋ねしたのですけれども、それに対して何か考え方が徹底していないように聞いておりますが、いま言ったこの考えについてはどうお考えでございましょうか。
○佐々木政府委員 第五条におきまして、第一種事業所につきましては石油とガスが共存する事業所について第五条の規定が適用になるわけでございます。これは、こういう事業所の場合におきましては、特に製造施設地区等におきましては、消防法の規定と高圧ガス取締法の規定が同時にその施設地区には適用になる地域でございまして、その許可権者がガスにつきましては都道府県知事であり、石油につきましては市町村長である、こういうような権限が重複してくる地域の問題でございますので、また、そうした製造設備等を持っております事業所の場合にはその構成が非常に複雑であるというようなこともございますので、そういう意味におきまして国の方で一応全体のレイアウトを検討するというふうな規定を設けたわけでありますが、LPG基地でありますとか、あるいは石油の備蓄基地でありますとかという場合には、その施設地区の構成はきわめて簡単でございます。それからまた法令の規定が消防法あるいは高圧ガス取締法の単独の法律が適用になる地域でございまして、この場合におきましては、それぞれの法律に基づくいわば安全基準というものが十分であります場合にはその法令の規定によってのみその地域の安全というものを検討し得るわけでありますので、特に政府がそれに関与をするというような形のものはとらなかったのでございます。
○小川(新)委員 しかしそういった基地がある当該消防署またはその事業所内にそれに対応できるような技術者や知識を持った消防官という受け入れ体制がないということをしばしば聞きますし、昨日も視察に参りまして、既存の消防である市原市消防署の責任者が答えていることにおいては、その定められた基準の七〇%ぐらいしかそういった受け入れ体制、対応できる力がない、その不足分を事業所の持っている力で補えば一〇〇%を超えるというようなことを申しておりましたけれども、私はこのことは、単独のいま言ったような高圧ガス取締法を適用するにしても、そういう問題は非常に危険があるのではないか、不備ではないか、こういう考え方から御質問させていただいたわけでございますけれども、その点はいかがでございましょうか。
○佐々木政府委員 確かに御指摘のとおり、現在の消防機関の力には地域的に相当な差があるということは認めざるを得ないところでございます。この点は、現在の消防法令の規定によりますところのタンクそれ自体の安全基準につきましても同様な問題があるわけでありまして、私どもも安全基準の見直しを行いながら、市町村の消防の技術水準の不足する地域というものについてどういう体制を今後とっていくべきかということにつきましてはあわせていま検討しているところでありますけれども、一方におきましては市町村の消防職員のそうした技術面の研修ということを通じての水準の向上を図りますと同時に、こうした地域につきましては別途の機関を設置いたしまして技術力をプールをし、そして市町村の要請に応じてそうした地域についての技術援助の体制をとり得るようなものを考えていきたいというふうに思っておるわけであります。とりあえず五十年度の予算におきましては、技術援助チームの編成を行いましで、市町村の要請に応じてこれを派遣するという制度をいま考えておるところでありますけれども、ある程度恒久的な機関によりまして技術人のプール制度というものをとっていきたいというふうに思っておるところでございます。
○小川(新)委員 そのことについては了解いたしましたけれども、そういたしますと別の考え方が出てくるのですね。石油タンク等の保安規制に関する技術基準の強化等についての規定というものも盛り込むべきではないかという質問は前にも出ておりましたが、それに対して再度、いまのことに関連してこれを盛り込むべきであるという考え、いかがでございましょう。
○佐々木政府委員 昨年の水島の油流出事故の原因調査を通じまして、私どもも現在のタンクを中心にいたします技術基準というものが非常に大ざっぱな甘い規定であるということを反省いたしまして、いまこれらにつきましての技術基準の根本的な検討をお願いしている段階でございます。 ただ、この技術基準が成案を得られますのにまだ相当な日数を要しますので、先ほども申しておりますように、とりあえずの暫定基準というものを近く定めまして、行政指導通達の形をもちましてこの暫定基準による指導をここ当分続けてまいりたいというふうに考えております。
○小川(新)委員 次に立入検査のことでちょっとお尋ねしますが、四十条で、法律施行のために必要があると認められるときはその職員に特定事業所に立入検査をさせる二とができるとなっております。従来も企業への立入検査は実施されておりますが、本法案では特定事業所の施設、帳簿書類その他必要な物件の検査ができ、また関係者に質問することができるとなっておりますが、これまでこの立入検査も企業秘密という壁に阻まれて形式化してきたと言われております。この制度を効果的なものにするために、立入検査に関して強い権限を与えると同時に、安全確保のため最低必要と思われる検査項目について基準を定めるべきであると思います。いままでの経緯から見て、まず消防庁はどう考えられているのか。それから通産省の御意見はどうか。そしてあわせて、日米安保条約に従っての米軍基地内の石油タンクやそういったものの立入検査はできるのか、できないのか。検査基準を法律で明確にしないと骨抜きになるおそれがあると思います。こういう点を踏まえて消防庁と通産省の御意見をお尋ねします。
○佐々木政府委員 これは先般の参考人の井上教授の意見にもあったわけでありますけれども、私どももこうした立入検査の際の検査項目につきまして技術的な指針を示すということは当然必要であるというふうに考えておりまして、昭和四十九年度からこうした石油コンビナート地域における防災診断委員会というものを設置いたしましてこの点検項目の検討を行っております。恐らくこの七月あるいは八月ごろには点検項目の一応の案というものができ上がるであろうというふうに考えておりまして、これに基づきまして、私どもの方でその点検項目に従った点検調査をいたしまして、さらにこの点検項目の詰めを行いまして、できるだけ早い時期にこうした点検項目につきましての成案を得たいというふうに考えております。 なお、米軍基地におけるタンクの調査につきましては、いまの米軍の条約との関係に基づきまして、直接消防機関がこれについて立入検査をするということはできないのでありまして、いま外務省を通じて、これについて何らかの方法が得られないかについての検討を行っておるところでございます。
○佐藤政府委員 いわゆる立入検査というものの性格の問題が一つございまして、一般的に立入検査という場合には、特に高圧ガス取締法で考えております立入検査といいますのは、必要に応じて抜き打ち的に現場の実態をチェックするということを強権的にやるというのを立入検査の趣旨にいたしておるわけでございます。したがいまして、立入検査についてはそういう意味から検査項目とか検査基準等をあらかじめ明確にすることは、制度の趣旨にはそういう面では必ずしも合致しない面があるわけでございますけれども、しかし現実問題としては検査事項、検査方法等を調整いたしまして、それで的確な防災対策の支えとなるように運用してまいりたい、こう考えております。 ただ、広義の立入検査になりますと、この法律も同じでございますけれども、いわゆる設備ができ上がったときの完成検査、あるいは定期的に保安基準にマッチしているかどうかということを現場でチェックするいわゆる保安検査、これも広義の立入検査になるわけでございますが、これはもうまさに先生の御指摘のとおり的確な物差しをきちんとみずから持って、その物差しに合っているかどうかということを現場に行ってチェックするというたてまえにいたしております。
○小川(新)委員 物差しの基準がなくて立入検査したってわからないわけで、その基準に合うか合わないかということですね。いまあなたがおっしわないかということですね。いまあなたがおっしゃった必要に応じて抜き打ち的に立入検査をしたというときに、企業機密ということの壁に阻まれて、通産省としては消防庁のように厳重には立入検査ができないんじゃないか、こういう疑惑のもとに私は質問しているわけなんですが、現実にはそういったいまあなたがおっしゃった必要に応じて抜き打ち的に立入検査した事例はあるのですか。
○佐藤政府委員 特に私どもの所管いたしております高圧ガスの関係は、三十年代に入りましてほとんど全部といっていいくらい海外のノーハウを買ってやった技術でございますので、そういう海外との関係での企業秘密を相当持っておったわけでございます。そういう面で確かにそういう問題があるという御指摘はいままでずいぶん受けております。しかし四十八年の何回かの高圧ガス関係の災害を契機にいたしまして、保安関係の企業秘密は全部取っ払ってしまいまして、各社が集まって研究会をやる場合も、事保安に関しては、もちろんわれわれも入っているわけでございますが、全部企業秘密を越えてやるというたてまえにいたしておりますし、それから現実に都道府県の方々あるいはわれわれが現場に行くときも、一切の書類に目を通すことができる仕組にいたしております。
○小川(新)委員 そうしますと、コンピューターで検査をしている、コンピューターに覚えさして検査対象にしているということをきのうも出光さんも言われております。たとえば、十万キロリットル入る重油の保存タンクの中身がどれぐらいあるかということを、一々懐中電灯を持って物差しではかっているのかと聞いたら、そんなばかなことをするわけがないんだ、いまはコントロールシステムで遠隔操縦によって各タンクの量が幾らになっていて、どう操作するかということは全部コンピューターに覚えさしてできます、こういう答弁ですね。そうしますとコンピューター・ソフトウエアというものは当然出させなければならないのですが、そういう場合にはやはり企業秘密で、コンピューターに覚えさせることまでも立入検査の対象の範囲の中に基準がなければ、それは絵にかいたもちになりますが、そういった場合も抵抗なくできるのですか。
○佐藤政府委員 石油タンクは消防庁の御所管でございますけれども、私の方の高圧ガスの関係も類似の問題が多々ございまして、やはりコンピューターを使って遠隔操作あるいは反応の状況を全部計器にとっておりますけれども、そういうものは一切われわれの手に届くような仕組みにいたしてございます。
○佐々木政府委員 現実には、石油タンク類につきましてもほとんどが中央の制御室等においてコンピューターで操作されているというのはもう御指摘のとおりでございますが、これらにつきましてはコンピューターの中身自体という問題は、確かに高度の技術的な知識がなければ検査ができないわけでありますけれども、そうしたコンピューターの機能が十分に有効に機能しているかどうかという点は、当然にこれは検査に当たって調べなければならないことでございます。そういう意味におきましては、そうした中央制御室における全体の事業所のいろいろな検査機能というものが、どういう項目にわたってどういう方式によって行われているかということは、消防機関としても承知しておかなければならない事項であるというふうに考えております。
○小川(新)委員 そうすると、当該地域住民が立入検査の要求を、たとえば当該関係の防災会議とか、そういうところへ出した場合に、自治省としては当然立入検査をやってくださりますか。
○佐々木政府委員 住民がどういう形でそうした立入検査の要求をするか、その内容によるかと思いますけれども、消防機関としても、そうした要求が適切であり、十分これを承知しなければならないという場合におきましては、立入検査を実施するということになると思います。
○小川(新)委員 なぜ私がこのような質問をしたかと申しますと、昨日視察に行きまして感じたのは、千葉県で昭和四十三年に市原市に大きな事故が二つありました。その企業の名前はちょっとここでは忘れまして言えませんけれども、そのときに、四十八年に県の防災計画に初めてオイルフェンスとか、化学消防に使う原液貯蔵のタンクをつくったり、そういった必要なものができているのですね。四十三年に大事故が起きて、死傷者が五十何人も、もう一つの事故は十三人も死傷されている。そういう大きな事故が市原のコンビナートで出ておるにもかか、わらず、それが、オイルフェンスとかそれぞれの必要な問題が確実にできたのは五年後なんですね。それを私はちょっと指摘しましたが、いやな顔をしておりましたからそれ以上聞きませんでしたけれども、こういった問題は住民サイドとしては、事故が起きました、何々を設置しなければならぬ——今回は法律ができて、既存の問題に対しては非常に緩やかになってしまっております。これからの問題については確かにいろいろと厳しく規制されておりますが、義務的な問題が非常に抜けております。そうなったときに、住民が危険である、どうしてもあそこのところはこういう事故が起きる可能性があるというようなときに、そういった一例を千葉県の例で挙げても、五年後に必要なものが設置されている。まあ予算の問題やらいろいろな問題があるでしょうけれども、こういった危険度があるのであえて私はお尋ねしたわけでございます。それに対しては、そういった問題を何らか処置するようなことはできませんでしょうか。
○佐々木政府委員 いろいろな資機材等の面におきまして、従来その備蓄等が非常に不十分であったという点は、確かに御指摘の面があったと思います。ただ、消防法で資機材の備蓄を命じます場合におきましては、やはりその範囲がある程度限定をされておるという点に問題があったわけでございまして、そういう意味におきましては、今回の法律の規定におきまして、海上面における防災資機材につきましても相当義務づけを行い得るというようなことになりましたので、そうしてまた資機材自体も大分新しいものが開発をされて実用に供し得るというような段階にもなってきておりますので、私どもが現在考えておるものにつきましては十分なその備蓄ができますように指導をしてまいりたいというふうに考えております。また、住民との関係におきましては、現在の立入検査権といったようなものが、それぞれの権限規定に基づきまして消防機関なりあるいは都道府県知事に認められておるわけでありますけれども、これらにつきましてはその内容というものを十分に消防機関におきましても判断をして、必要な立入検査というものは住民の不安を除くというような観点からもその内容を明らかにしていくということは必要であるというふうに考えております。
○小川(新)委員 ありがとうございました。その点でひとつしっかりやってもらいたいと思いますいと思います。 次に、防災に関する組織及び計画について一、二点お尋ねします。 防災に関する組織としては災害対策基本法に基づき、国に中央防災会議、都道府県に都道府県防災会議、市町村に市町村防災会議を設置しておりますが、石油コンビナートを有する都道府県の防災会議は、専門部会を設けたり協議会を設けたりして防災体制の整備を図っております。本法案では従来の県と市との防災対策を一元化するための都道府県防災本部を置くこととしておりますが、その都道府県には災害対策基本法に言う都道府県防災会議と、本法案に言う防災本部の二つが置かれることになりますが、災害対策基本法との関連で言えば、本法案には災害対策基本法で言う中央防災会議に相当するものが何もないというわけですが、このことは過日の参考人の御意見の中でも出ておりましたが、中央防災本部というべき組織を置き、全国のコンビナート間の相互連絡や関係十三省庁との相互連絡をとれるような体制にすべきであるという御意見なども出ておりましたが、この御意見に対するお考えはいかがでございましょうか。
○佐々木政府委員 この石油コンビナート等特別防災区域につきましても、災害対策基本法の規定によるいろいろな規定は原則的には適用になるわけでございます。ただ、いろいろな組織あるいは計画の重複を避けますために、この防災本部の規定なりあるいはコンビナート等防災計画の規定なりというものにつきまして、この法律によって特例を設けておるわけでございまして、その特例を設けている部分に関しましては災害対策基本法が直接には適用にならないということになるわけでありまして、そういう意味におきましては、中央防災会議というものにつきましては、当然にコンビナート地域におきましても中央防災会議の規定は適用になっているということになるわけでございます。
○小川(新)委員 これは確実に相互間の連携をとるような中央防災会議的な役割りを果たすわけですね。
○佐々木政府委員 中央防災会議は、災害対策基本法の規定によって当然に石油コンビナート地域におきましても機能を果すわけでございます。
○小川(新)委員 私がもう一点お尋ねしたいのは、中央防災会議というのは自然現象を言うわけですね。自然の災害を言うということをちょっとお聞きしましたけれども、自然災害の中で、地震は自然災害で、その中から起きたコンビナート災害とは連動作用をするわけですね。自然災害がもとのコンビナート災害が起きた場合には、中央防災会議の方に集約されるのですか。
○佐々木政府委員 中央防災会議には、必ずしも自然災害だけではございませんで、災害について若干の制限的な規定はありますけれども、この法律によるところの災害というものとその災害の範囲はほぼ同じであるというふうに考えております。
○小川(新)委員 そうすると、閣僚レベルの中央防災会議、中央防災会議の最高責任者は総理大臣ですね。総理大臣から自衛隊の出動とか所管のいろいろな処置がとられる場合と、いま本法案で盛られている防災会議の方の所管で盛られている指揮権限とは、おのずと中央防災会議の指揮権の方が上だと思うのですけれども、そのときに、大地震が勃発してコンビナート地帯が壊滅状態になったようなときには、中央防災会議の総理の指揮下に入るのですか。
○佐々木政府委員 自衛隊の出動の問題につきましては、これは府県知事にも災害出動の要請が認められておりますし、また、中央防災会議におきまして総理大臣が出動を命ずるということもあるわけでございますが、中央防災会議が設置をされるというような大災害になります場合には、当然に各防災本部というものはその指揮下に入ってまいるということになると思います。
○小川(新)委員 そうすると、それは特別に中央防災本部というようなものをつくるという私の考え方は必要ないのだ、あくまでも災害基本法に言うところの中央防災会議でもって、全国的に複数的なコンビナートの大災害が起きたときには中央レベルで総体的な指揮がとられるから、都道府県内に置かれる防災会議というものはその中に集約するから必要ないのだ、こう理解していいわけですね。
○佐々木政府委員 そのとおりでございます。
○小川(新)委員 現在、すでに自主的に組織されております共同防災組織は、相互応援協定に基づいて実施されておりますが、これは災害時の消火、薬剤等の調達などが主でありまして、本法案では共同防災規程の内容を現行協定よりどのように強化するのか、これが一点。第二点目は、共同訓練は義務づけているのか。三番目、自衛消防力の基準を定める際、高圧ガスも含めるものにすべきではないか。四、共同防災組織の職員は消防職員と関連で社内での地位、処遇、災害時の補償を手厚くすべきであると思うがどうか、この四点。ちょっと早口でわからなかったら、また一つずつ重ねてお尋ねします。
○佐々木政府委員 現在、消防法の規定に基づきまして自衛消防組織というものがつくられておるわけでありますけれども、このための共同の防災体制というものは、現在は主として資機材の面において共同備蓄というような観点で行われているのが現状でございます。この法律によりまして共同防災組織というものを規定いたしましたのは、その専従の職員というものを置き、そしてまた、資機材の面におきましても、現在行っておりますようなあわ消火剤とかオイルフェンスの共同備蓄ということではなくて、さらに化学消防車、スクアート車といったような実力をもって災害の鎮圧に当たるだけの資機材を持たせたものにしていきたい、こういうことで、いわば自衛防災組織よりもむしろ強力な、その上に乗るような形での防災組織になるわけでありまして、そういう意味におきましては単に資材の備蓄ではなくて、相当な災害防除の実力を持つ組織であるというふうに考えておるわけであります。
○小川(新)委員 共同訓練の義務づけ……。
○佐々木政府委員 それから共同訓練の問題につきましては、これが地域によりましてコンビナートの実態が違ってまいりますので、それぞれの府県の防災本部において作成いたしますところの防災計画の中に明確にその共同訓練、教育等につきましての規定を設けさせるというつもりでおるわけでございます。こういう意味でこうした訓練、教育の規定は明確になっていくというふうに判断をいたしております。
○小川(新)委員 その次は、共同防災組織の職員は消防職員との関連で、社内での地位、処遇、災害時の補償を手厚くすべきであると私は考えているが、どうか。それから自衛消防力の基準を定める際、高圧ガスも含めたものにすべきではないか、という意見です。
○佐々木政府委員 共同防災組織につきまして、この法律によっていわば形式的には任意設置にするという規定を設けましたのは、いまのような問題があったからでございまして、この共同防災組織を法律で義務設置の形にいたしますと、この共同防災組織自体というものをどういう組織にするのかということを法律上明確にしていかなければならないという問題になってまいります。そういう意味におきまして、この共同防災組織は一応任意設置にいたしまして、この共同防災組織に各事業所を異なったいわば別個の法人格を持たせるという方式で共同防災組織を設置させるか、あるいは各事業所からその担当の職員というものを、これは政令の基準によって定めるわけでありますけれども、その職員を派遣をする形で、身分はそれぞれの事業所の方の職員としての身分を留保させながら共同防災組織をつくらせるか、この辺はやはり地域の実態に応じて組織化させた方がいいのではないかというふうに考えるわけであります。そういうことでこの共同防災組織は一応任意設置にいたしましたけれども、私どもの考え方としては、どちらかというと法人格を持たせて職員の身分関係というものを明確にし、それからその資産関係におきましても各事業所との関係を明確にする、こういうことから言いましても別個の法人格を持たせた方がいいのではないかというふうに考えております。 それから高圧ガスの関係の問題でございますけれども、高圧ガスあるいは危険物を通じまして一定の保安の組織がございます。この保安の組織によっていわば事故の予防あるいは事故の拡大の防止という作業を行うわけでありますけれども、その次の段階としてその事故が災害につながってくる、こういうような形になりますので、当然に災害防除という観点から申しますと、高圧ガスの関係の事故が災害につながる場合の災害防除活動というものはこの自衛防災組織によって行われるということになるわけであります。ただ、いま私どもが自衛防災組織につきましての基準として考えておりますのは、いわばタンク火災等を生じました場合には、少なくとも自衛防災組織で単独火災ぐらいは自分で消せるだけの実力を持たせていきたいというようなつもりでのいま基準の策定作業を行っておるわけであります。そういたしますと、いまの高圧ガスタンク等からの延焼の拡大あるいは製造設備等からの延焼の拡大ということを考えてまいりますと、その災害の規模というものはどちらかというとタンクから生じました災害規模の中で吸収されるのではなかろうかというような感じがいたしております。
○小川(新)委員 この高圧ガスを私はなぜ含めた方がいいかと言うと、いまお話があったとおり非常に広範囲な危険が出るということと、非常に危険度が高いということを指摘したわけなんですけれども、それだけの、単独でできるだけの基準を定めるということなんですが、それは可能なんですか。それは、私どもは技術的なことはよくわかりませんけれども、きのうもその点では、出光のような大きな資本のところはある程度できるでしょうけれども、それ以下の小さい、中小規模の事業所ではこれは果たしてできるかどうかという危惧感もあるわけですが、いかがでございますか。
○佐々木政府委員 昨日ごらんいただきました三井石油化学並びに出光興産の製油所におきます自衛防災組織というものは、現在の消防法の規定から言いますといわば最高水準をいく組織になっておりますけれども、今度自衛防災組織ができますと、恐らくあれをもってしても全部新しいものを備えなければならないというほどの自衛防災組織を予想いたしております。むしろあの程度の自衛防災組織でありますと、大体中小規模の事業所の方に設置されるものというふうになっておりますので、まだ具体的な基準をお示ししないで一体いいのかということで、まことに申しわけないのでありますけれども、いま考えておりますものからいたしますと、私どもは自衛防災組織としては一応十分なものを予定をしているつもりでございます。
○小川(新)委員 きのうのあの視察も一番いいところと一番悪いところを見せていただければよかったのですけれども、一番いいところだけを私たちは見たもので、これが日本の最高水準であるというところだけを見せていただいたわけですね。最低の水準のところはとうとうお見せいただけなかったから、その比較ができないわけですけれども、あの程度でも中小規模ということになりますと、相当頼もしい消防力ができるわけですけれども、そういった面で、いまここでは批判、論評ということは——私も政令の案というものを見せられておりますけれども、これはここで言わないでくれという約束ですから私も言いませんけれども、そういう点は非常に私どもは危惧しているわけです。 そこで特定事業者間の共同防災組織及び協議会は任意の設置になっておりますが、これはやはり義務設置にすべきではないかと思いますけれども、協議会についてはどうか。
○佐々木政府委員 この協議会につきましてもいまの共同防災組織とほぼ同じような考え方を持っておるのでございますけれども、この協議会も現実には、きのうも御視察いただきましたように、いろいろな形で現行法のもとにおきましても共同防災体制をとっておるわけでございまして、その組織の仕方というものはやはり地域によって非常に差があるというふうに思うわけでございます。たとえば川崎のように五つの島からコンビナート地域が成り立っておるもの、それから昨日ごらんいただきましたように南北に非常に長い地域にわたってコンビナートが形成されているところにおきまして、果たしてあのコンビナート地域に一本の共同防災組織を設置するかあるいは協議会を設置するか、あるいはもう少し地域を分けて設置をするかという点は、やはりそのコンビナート地域の実態に応じてそれぞれの地域で考えていただいた方がいいのではないかというようなことをこの法律の立案の過程で考えたわけでございます。そういう意味におきまして、必要な組織であるというふうに私どもは考えておりますので、現実の防災計画の面におきましては、こういう組織を設置させるような計画をつくらしていきたいというふうに思っております。
○小川(新)委員 次に防災管理者についてお尋ねいたしますが、十七条関係では特定事業者は防災管理者を選任し、自衛防災組織を統括させることになっておりますが、その防災管理者には当該特定事業所においてその事業の実施を統括管理する者を選ばなければならないとなっております。これは当該事業所の最高責任者に防災に関する責任を持たせる考えでしょうか。そうしますと、当面はこれはその当該工場の工場長もしくは社長なんでございましょうが、どちらを指すのか。
○佐々木政府委員 自衛防災組織というものはその事業所の現場において防災活動を行うものでありますから、この事業の実施を統括管理するというもので一応考えられるものはその事業所の責任者、いわば工場長であるというふうに考えております。もちろんその工場に社長が工場長として実際に勤務しております場合には、当然社長であるというふうに考えております。
○小川(新)委員 もう一つお尋ねいたしますと、公害行政と比べたときに、公害企業には公害防止組織を義務づけておりますが、各工場には水質、大気などの専門分野ごとに国家試験を課して、公害防止管理者を置かなければならないことになっております。本法案の自衛防災組織の防災管理者以下に、防災の専門家としての国家試験を課する考えはないか。また、資格要件を明示するなどの考えはございませんか。この二つをお尋ねしておきます。
○佐々木政府委員 いまコンビナート地域における事業所、特に第一種事業所の関係におきましては、高圧ガス関係の保安担当者あるいは危険物関係の保安担当者それぞれにいろいろな資格の国家試験というものが行われておるわけであります。保安の面におきましては、昨日もたしか出光興産の方の説明の中でいろいろな社員の資格の取得状況というものの報告がございましたけれども、ああいう形での資格取得というものが行われておるわけでございます。そういう者が一応保安体制をとっておるのでございますけれども、災害が発生いたします場合には、保安という体制から今度は災害防除という体制に切りかわるというような形になりますが、いずれにしましてもそうした保安関係の現場の者が同時にまた防災の仕事も行うというような形になってまいります。そういう意味におきまして、この自衛防災組織の中には特に消防の関係の仕事だけを行うという者もございますけれども、保安担当者も同時にこの自衛防災組織を構成する一員ともなるわけでございまして、現在以上に国家試験あるいは資格試験というものを課するということはいま考えておらないのでございます。
○小川(新)委員 私がお尋ねした根本の考えは、ただ単なる形式的な火元責任者というような、よく工場にあるようなそういった無責任な決め方では困るので、公害行政と比較して論じたわけでございます。きのうの出光のような大資本、エリート会社は別としまして、きのう見せていただいたものは何もかも日本で最高水準であるということですから、当然そういった答弁が返ってくるわけでございますが、これが地方の地域においてはさらにさらにもっとそういった面がおろそかになりがちであるし、またそういった人材確保という問題について大変であるから、一元的な国家試験とか資格者の養成という立場を論じたわけですが、そうなってまいりますと、国のチェック機関としては防災研究所というようなものをつくって、そこでそういった研究をしたり人材を養成したりするお考えがあるのかないのか、これが一点。 また、異常現象の判断を防災管理者の判断に任されておりますが、この異常現象というものの判断基準、これも明確でございませんけれども、どういうところで異常現象として認めるのか、この基準はその人その人によってそれぞれにいろいろ違うと思います。その出動範囲またはその規模が自分の判断からさらに拡大されていった場合に大きな事故につながっていく、その判断の誤りが大きなミスにつながるということを考えれば、後々の責任の明確さのためにも判断すべき基準を明確にすべきではないかと思いますが、いかがですか。
○佐々木政府委員 まず第一点の防災研究所的なものの設置という問題でございますが、いま私どもがいろいろ検討いたしておりますのは、先ほどもちょっと申し上げたのでありますけれども、高圧ガスにつきましては高圧ガス関係の保安協会的なものである程度の技術のプールをし、そしてまた技術の研究をしているというようなものがあるわけでありますが、それに相当するような危険物についての組織がございませんし、そういう意味におきましては、技術をプールし防災技術の研究を行う、あるいはまたコンビナート地域についての定期点検等に当たってはそれぞれの消防機関についての手助けを行うというような形のものの設置ということをいま検討しておるわけでありまして、そういうことでお尋ねの防災研究所的なものの内容が大体カバーできるのではないだろうかというような感じがいたします。 それから異常現象についての通報義務の問題でございますが、確かに、どういう事故が起きた場合にそれが災害につながっていくかという点の判断は非常にむずかしい場合があるかと思います。これらにつきましては、防災計画の上におきまして相当広範囲な災害想定というものを考えてこの計画の中に織り込んでいかなきゃならないというふうに思っておりますが、そうした災害想定からも出てまいりましょうし、その事業所のいろいろな施設の内容によって、この異常現象というものはいろいろな場合があるだろうと思います。こうした防災計画を具体的につくります場合の指導の一つにこうしたものについての具体例というものをできるだけ挙げていきたいというふうに考えております。
○小川(新)委員 それでは、建設省に来ていただいていますから二、三お尋ねいたします。 緑地の設置を義務制としないのはなぜかということはもうこの間から質問が出ております。また、その緑地等の経費負担は原因者負担の原則で行うべきではないかという質問も出ております。そういった問題はこの間から議論になっておりますが、地方公共団体の長は防災のための緩衝緑地帯を設けることができるというこの任意規定ですけれども、これを義務づけた方が建設省の方としてはやりいいんじゃないかという考え方からお尋ねするのですが、特に緑地帯の幅や長さ、まあ法律では特に定めておりませんが、一般高圧ガス保安規制と液化石油ガス保安規制が四月に改正され、民家と工場との保安距離が、いままで二十メートルとればよかったものが最短で五十メートル、最長だと二百メートルから三百メートルとらなければならなくなっております。これは基準を早く決めないと、費用の三分の一を負担する企業にも戸惑いが見られると思います。こういった基準というものは建設省としてはいつごろまでに決めるのか、まずこれを一点お尋ねいたします。
○豊蔵説明員 ただいまお話しの、コンビナート地帯の周辺に緑地を設置いたします場合の基準を明確にしろという御趣旨でございますが、私どもといたしましては、コンビナートの周辺におきましてはその土地土地によって状況にいろいろ相違があろうかと思っております。したがいまして、それらの市街地の状況によりまして緑地帯を設置する場合もありましょうし、あるいはまた、先ほどお話がありましたように、再開発事業等によりまして一定の空間なり耐火構造化するといったようなことも考えられますので、そういった実情に応じて緑地を設置することが一番いいんじゃなかろうかというふうに考えております。もちろんその際、コンビナートの中の防災対策の状況ということもまず第一でございますし、その状況いかんにもかかわりがあろうかと思います。 ただ概して言えますことは、この防災のための緑地の効用というものは、主としてコンビナート地帯におきますところの火災の輻射熱を遮断するといったような点に主眼を置いている面がございますので、そういったような遮断ができる輻射熱の及ぶ範囲がどの程度であるかということをある程度判断いたしまして緑地の整備をしたらいかがかというふうに考えている次第でございます。
○小川(新)委員 そういたしますと、昭和四十七年、四十八年度のコンビナート調査結果に基づく防災遮断帯構想というのがありますが、これでは幾ら示しているのですか。
○豊蔵説明員 私どもが昭和四十七年ないし四十八年にかけまして調査いたしました川崎、横浜地域におきます防災遮断帯の調査につきましては、まずコンビナート地域におきますところの災害が、小規模なものから大規模なものといろいろあろう、もし大規模なものになった場合に、被害原単位とでも申しますか、被害想定というのはどういうふうになるだろうかというようなところから問題点の解明に努めまして、これを今度防止するに際しまして、どのような都市構造というものにしたならば防災的な効果が上がるだろうかというようなことを考えまして、あの地域全体についての都市構造の改変といいますか、そういったようなことを考えたものでございまして、必ずしも緑地帯の幅が幾らでなければならないということではなくて、完全な緑地帯あるいはまた植林帯あるいは植樹帯、またその中に堅固な工作物の配置、そういったようなことをいろいろ組み合わせてやるのが一番いいのではなかろうか。ただその場合、私たちがあの地形等を考えました場合に、最大五百メートル程度の幅の中で、そういうもろもろの都市構造を変えるための仕事をしていったらいいのではないかといったようなことをあそこでは示しておるものでございます。
○小川(新)委員 きょうはせっかく労働省も来ていただきましたから、従業員の安全教育についてちょっとお尋ねいたします。 本法案は、災害予防対策というより事後処理対策にウエートが置かれておりますが、これは保安三法と言われるガスを規制する高圧ガス取締法、石油類など危険物を取り扱う消防法、人身事故を防止する労働安全衛生法のうち、労働安全衛生法の部分が完全に抜けていることも明らかであります。すなわち、法案には従業員の安全教育などの内容は盛り込まれておりません。当面、従業員の安全教育はどのようにして行うのか。また、コンビナートに関係する省庁は十三に及んでおりますが、将来は、少なくとも保安三法の一元化を図るべきだと思いますが、この点について労働省の御見解をお聞きしておきます。
○野原説明員 労働省としては、石油化学コンビナートで働いておられる方々の安全確保を行政の最重点として、労働安全衛生法の規定を中心に監督、指導を行ってきておるわけでありますが、特にいま先生の御指摘のありました作業者の安全教育、これがその安全確保を図る上から非常に大事であるということから、労働安全衛生法が昭和四十七年に制定されたわけですが、その際に、従来は新規採用時の安全衛生教育だけが規定されておったのですが、そのほかに、コンビナート等においては非常に技術の進歩が激しいものですから、作業内容が変わった際にも改めて教育をやり直すというふうなことをつけ加え、さらに特定の化学設備の修理とかあるいは運転あるいは清掃、こういうふうな仕事が非常にむずかしい。それを適確にこなさないために、一昨年の秋なんかもかなりの事故の発生を見ております。 それで、こういった点につきましては、その後労働安全衛生法の規定を改正いたしまして、特定のそういった仕事につきましては、事前に一定時間の教育をやるようにということを事業者に義務づけております。 それからもう一つ、現場監督者クラスの方々がやはり安全について十分な知識がないと、状況の変化に対応した措置がとれませんので、現場監督者のポストについた際には十二時間コースの教育を行うように、これも労働安全衛生法の中で事業者に義務づけ、その実施を図っておるわけでございます。
○小川(新)委員 その場合、そういったことが完全に行われたとか、テスト、そういった問題は労働省でやってくださっているのですか。
○野原説明員 この教育につきましては、このトレーナーというもの、先生がしっかりしてないと非常に問題がありますので、実は労働安全衛生法ができた直後に、労働省といたしまして安全衛生教育センターというものを東京都に設置いたしまして、そこで一元的にこういったトレーナーの養成を図っております。そういう方々がそれぞれの企業へ戻って教育を実施する。そして一方、私どもの方で監督官とか専門官がそれぞれの企業へ行きまして、実際にその教育がどういう計画に基づいてどういうふうに実施され、またどういうふうにそれが評価されて次の計画にフィードバックされているかというふうなことをチェックして、改善を図っております。
○小川(新)委員 きょうは法務省もお忙しいところ来ていただいておりますので、ちょっとお尋ねいたします。 本法案では、企業の届け出義務違反は最高一年以下の懲役、五十万円以下の罰金などの罰則を設けております。また、消防法の改正によって、油を流出させた場合は三年以下の懲役、百万円以下の罰金に処することになっておりますが、これは火災の危険を生じさせたときに限られているため、たとえば、さきの水島の三菱石油流出事故の場合、刊事責任はこの改正によっても問うことはできないのでしょうか、これが一点であります。
○藤永説明員 先生お尋ねのとおり、今回の法律案によりましては、昨年来の水島事故については適用ございません。
○小川(新)委員 こういう問題が罰則が適用できないということになりますと、世間的にもちょっと納得できないのでございますが、流出事故に刑事罰を科す場合の刑法の特例を単独立法するようなことを法務省としてはお考えいただけないですか。
○藤永説明員 御承知のとおり、法務省の刑事局におきましては自然犯を中心とする刑事基本立法を所管いたしておりまして、その中に、たとえば人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律、いわゆる公害犯罪処罰法もあるわけでございます。この法律によりますと、工場または事業場における事業活動に伴いまして、人の健康を害する物質を、故意または過失により排出し、その結果、公衆の生命または身体に危険を生じさせる行為に対しまして、これを自然犯的なものとして、行為者及び法人の双方を処罰することができるようになっております。 ところが、お尋ねのように、一般に、水島事故のように石油の流出事故ということのみでは、現在石油自体有毒物というふうに定義いたしかねるわけでございまして、高圧ガスとか電気あるいは放射線など、それ自体危険とされているものと異なりまして、この排出行為を直ちに公衆の生命または身体に危険を発生させるということで、一律に自然犯と、いわゆる刑事犯、刑法犯だということで刑事罰を科するような特別刑事立法というものは、自然犯としての類型性あるいは定型性に欠けると申しますか、構成要件の定め方等、きわめて困難な問題が多いというところから、現在考えていないわけでございます。 しかしながら、水島事故のような場合におきましては、これを自然犯ということでとらえることよりも、まず石油の質あるいは量、危険度等につきまして行政安全基準を定めて、その貯蔵、保管を規制いたし、その流出について、公衆の生命、身体に危険を生ぜしめる以前に、行政取り締まりによって結果発生を防止するという、いわゆる行政罰則を設けていく方が相当であると考えておりまして、これらの行政罰則について今後関係各省から御協議を求められれば、十分に刑事局といたしましても検討していきたい、このように考えております。
○小川(新)委員 私は、大変な社会的責任を巻き起こし、確かにそのものは、これは消防庁にもちょっとお尋ねしておきたいのですが、いまお話を聞いておりましても、何だか割り切れない気持ちがしてならないのですけれども、消防法の改正によって、油を流出させた場合は三年以下の懲役、百万円以下の罰金に処する、これは火災の危険を生じた場合で、海に流れたものは火災の危険が生じないというふうに理解するのか、この辺のところは私はよく理解できないのですけれども、これだけの大事故が刑事罰の対象にできない、ただ行政指導だけだということについては、自治省の見解はどうなんでしょう、消防法との関係について。
○佐々木政府委員 私どももこの法案の立案の過程におきまして、水島の重油流出事故についての罰則というものについていろいろ検討したわけであります。その中で、結局消防法というものの法律の性格から見ますと、やはり消防法が罰則をつけれる範囲のものはこうした火災危険を生じさしたというような観点から罰則を設けるということしか消防法の規定ではできないというような結論に達したわけであります。したがいまして、製造所なりあるいは貯蔵所から危険物を流出さしたという場合に、その油の種類によっては、あるいは油の量によっては火災危険ということは予想されるものもあるわけであります。たとえばナフサでありますとかガソリンといったような引火点の非常に低い油の場合には、たとえこれが海に出ましても火災危険というものは十分あるわけでありますので、その場合にこの条項の適用ということは可能であろうというふうに考えますけれども、重油のように引火点が非常に高い油の場合には、これが海上に流れた場合にはまず引火の危険性というものは非常に低くなっておるわけでありますから、直ちにはこの条項を適用できるかどうかという点は、相当その範囲は局限されてくるだろうというふうに考えるわけであります。さらにまた水島の場合には、やはり環境破壊という点が非常に大きい問題だったわけでありまして、この環境破壊についての罰則をどうするかということになりますと、どうしても消防法の守備範囲ではなかなか解決できない。やはり環境庁なりあるいは運輸省なりという方面とも、その内容についていろいろ相談をしていかなければ罰則規定は設けにくい、こういうことでいわば宿題として私どもとしましては残したような形になっておるわけであります。この点はさらに環境庁、運輸省あるいはまた法務省の方とも十分その打ち合わせをしながらこの問題については解決をしていかなければならないというふうに考えております。
○小川(新)委員 まだ非常に煮詰めていかなければならぬ問題がありますね。いまあなたは重油は引火点が高いと言ったが、低い方ですね。低いのですか高いのですか。
○佐々木政府委員 引火点は高いのです。
○小川(新)委員 それは火がつきやすいということと理解するわけですから危険が高いということ……。
○佐々木政府委員 引火点が低ければ低い温度で火がつきますので、引火点が低い場合には危険が非常に高いわけであります。
○小川(新)委員 わかりました。 そこで法務省、私いまいろいろと総合的にお話をしたわけでございますが、今後将来、当該関係の省庁からいろいろな要求があれば応じると言うが、いままで水島事故の問題等いろいろといまお考えもお聞きしましたが、今後こういった問題については、私がいま言った意図するところをどうお考えくださっているかということについて、いま消防庁の方からもお話があったとおりでございますが、私の考えは刑事罰を設けた方がよろしいんじゃないかということなんです。これに対して重ねてお考えをお尋ねして終わりたいと思うのです。
○藤永説明員 従来、行政犯と自然犯というものの区別が明瞭にされておった時代が過去の時代でありますが、最近いわゆる行政犯がたび重っててまいりますと、これが国民の法意識の中でもう自然犯と見ていいんだ、こういう状態になりつつあるのが現代であろうかというふうに考えております。そういう観点から公害処罰法も従来は単なる行政基準を設けて、それに対する違反を行政罰則ということで刑事罰を課していったわけでございますが、これがもう自然犯だというふうに考えられますと刑事特別立法ということも可能になってまいりますので、いま先生の御指摘の方向で、十分前向きの姿勢で検討していきたいというふうに考えております。
○小川(新)委員 大変ありがとうございます。 それでは最後に、大蔵省に来ていただいておりますので損害保険制度についてお尋ねいたします。 三菱石油の流出事故など、コンビナートの賠償保険制度は現在までにどのように整備されているのか。一製油所当たり賠償保険金の限度額が二億円から二月に十億円に、五月には五十億円に引き上げられておりますが、このとき企業の年間の掛金の額は幾らになっておるか。また保険金額二億円のとき、被害額、件数などはどのくらいか。なぜ私がこの質問をいたしますかというと、参考人にこの意見を聞いたときに、保険賠償制度というものはない方がいいんだという。あると、そういう保険金がもらえるのだから事故防止に対する考え方が薄くなってしまうというちょっと極端な発言があったのでございますけれども、いずれにしても、これは通産省にもお尋ねしたいのですけれども、先ほどの緑地帯の補償の問題も企業が三分の一ということになっておりますが、われわれは二分の一でもいいんじゃないか。こういった原因負担者に関する補償という問題は当面限られた資金の中では保険に頼る以外にないのですね。そういう問題。ただ、その損害賠償保険の契約額が上がってまいりますと、危険に対する感覚が鈍っていくんではないかという参考人の意見があったのですが、私はやはりある程度こういうものは整備されなければ大変だという考え方を持っております。そこでいま申し上げましたような質問を大蔵省と通産省にいたしまして終わらしていただきます。
○田中説明員 それではお答えさせていただきます。 先ほどの、参考人からそのような御意見がございましたということは、私ども実は非常に意外に感じている次第でございます。私ども考えておりますのは、損害賠償責任保険と申しますものは、被保険者が他人の身体の障害または財物の滅失、棄損もしくは汚染につき法律上の損害賠償責任をてん補することによってこうむる損害をてん補するという責めに任ずるものでありますので、賠償観念の発達もあってその需要は非常に高まっているわけでございます。保険の付保による企業の事故防止へのインセンティブの低下があってはならないということはもちろん先生のおっしゃるとおりでございますが、すべての企業の責任を損害賠償責任保険でカバーできるものではございません。と申しますのは、先生も先ほどおっしゃっておりましたように、従来水島の場合は二億しか保険がつけられていなかったわけでございますし、またそのような保険を整備すべきであるという国会その他からの御意見によりまして損害保険業界でも五十億までの保険を用意いたしまして、従来の施設賠償保険の枠から別にいたしまして、油濁損害賠償責任保険という形で販売いたしておるわけでございます。この枠によりましてもまだ五十億でございますので、たとえば先般の水島のような場合ですととうてい額は足りないわけでございます。そのようなこともございますので、保険をつけたから企業の事故防止へのインセンティブが低下するということは全く考えられないのではないか、私どもはこのように考えておるわけでございます。またそのほかにも、事故を起こしますと企業の名誉にも大きく響きますので、そういう点からも企業のインセンティブの低下ということはあり得ないという考えております。 また、企業の賠償能力を補うという形になるわけでございますので、被害者保護の点からも、万一事故を起こしてそれが賠償金が払えないで企業がつぶれてしまうというようなことがございますと、被害者保護が行われないわけでございますので、そういう被害者保護の観点からも損害賠償責任保険というものは被害者の救済に非常に役立っているのではないかというふうな考え方でおります。現代のように技術革新の進展などに支えられた大量生産、大量販売という時代になってまいりますと、生産面、流通面における不時の事故を原因として国民大衆が広範囲にわたって大規模な損害をこうむる危険というものは常に存在しておるわけでございます。したがいましてこういうような時代になればなるほど、このような種類の保険は社会的に非常に強い関心を集めているのではないかというふうに考えられておりますので、私どもといたしましてもこのような保険を今後できるだけ拡充したいというような考えております。 御承知かと思いますが、現在保険審議会というものが行われておりまして、そこにおきましても損害保険のあり方ということを二年にわたり、御審議願っておるわけでございます。その審議会におきましても、こういう社会の進展に備えまして、損害賠償責任保険というものを今後拡充していくべきである。ただ、その場合に、企業の事故防止のインセンティブ低下の防止に配意するということは必要であるという御意見はもちろん出ておりますが、大勢としましては、このような損害賠償責任保険は今後拡充していくべきであるというような御意見をちょうだいしております。
○佐藤政府委員 まず第一点の緑地の経費負担の問題でございますが、先ほど先生からも御指摘ございましたように、去る四月に高圧ガス取締法の改正によりまして、保安距離を従来の約十倍程度に広げる、その他防消火設備につきましても相当の画期的な強化をさせますことによりまして、この数年間の企業の負担は相当大きいものがございます。そういう点も含めまして、われわれといたしましては、地域住民に迷惑をかけないというのが今度の国会のわれわれの改正の意図であったわけでございます。そういう意味で、もちろん原因者負担という鉄則は貫かれるにいたしましても、一方におきましてそういう厳しい取り締まりによりますところの経費負担もございますので、緑地につきましてはその他の効用もございますので、三分の一ということにお願いして御了解を得たような次第でございます。 それから、保険の問題でございますが、これはただいま大蔵省の方から御答弁になったのと全く同じ考え方でございまして、やはり事故の原因者が被害者に対して支払いするというのが第一義的な責務でございます。それには、やはり払えるような仕組みを制度としてちゃんと仕組んでおくということがわれわれとしては大事だと思っておりますので、この辺についてはむしろ前向きに大蔵省の方とも御相談してまいりたい、こう考えております。
○小川(新)委員 リスクの問題は非常に保険会社が問題にするのですけれども、五十億というような契約を一遍に一単独会社が支払う能力がない場合には、ロンドンのあの再保険のように、国際再保険制度というものを取り入れなければやっていけないのではないかということを言っております。これはどうなのかということが一つ。 それから、地震保険のように、一世帯当たりの限度額が三百九十万円で、保険金のうち国が二分の一、保険会社が二分の一というように国費を導入するような考え方を持っていらっしゃるのかどうか、こういった大きな損害金額が出るような場合、これは当然そういった問題も考えられるのでございますが、この二点いかがでございましょう。
○田中説明員 前の、五十億の損害が起きたらどうするかという点でございますけれども、これは国内保険会社がプールをいたしまして、この保険のための特別のプールをつくっておりますので、一社だけで負担するということにはならない仕組みになっておりますので、支払いに負担が生ずることはございません。また、それも幾つか起きますとやはり不安がございますので、その大部分をロンドンに再保険につないでおりまして、もし事故が起これば、その何割かをロンドンから回収するという形になっておりますので、支払いについて不安が生ずることはない仕組みになっております。 それから、地震保険との関連でございますけれども、地震保険は、ただいま先生がおっしゃいましたように、地震保険特別会計というものがあるわけでございます。ただ、この会計も事務費は国で負担しているわけでございますが、国が保険料を負担するような仕組みにはなっていないわけでございます。 仕組みを簡単に御説明申し上げますと、各元請会社が受けた保険を地震再保険株式会社を通じまして地震特別会計に再保する。その再保険の料率というものは、いま保有している総契約につきまして、もし過去の四百数十年間の地震が一度に起きてきたら支払いが幾らになるかということを計算いたしまして、その数字と、政令によって定められております国と保険会社との負担割合の数字から計算いたしまして、毎月々再保険料の割合を計算しているわけでございます。したがいまして、二分の一とか、そういう固定数字ではございませんで、御承知のように、現在の政令では保険の支払いは八千億が限度ということになっておりまして、そのうち千二百二十五億円を民間側で負担する。六千七百七十五億円を国で負担するということになっておりまして、その国の負担部分に相応する保険料を国が特別会計に再保険料として取っているわけでございます。したがいまして、保険数理から言いますと、国が負担するということではございませんで、民間から将来のあり得べき負担に応じた保険料を徴収しているということでございますので、国費を導入しておるという形にはなってないわけでございます。
○小川(新)委員 ありがとうございました。 そこで最後に、海上保安庁の船谷さんも来ていらっしゃいますので、ちょっと一問だけお尋ねして私の質問を終わりますが、海上保安庁は、五月二十八日、川崎でオイルフェンスが、簡単にしかも確実に張られるための実験をしたと聞いております。しかし水島の事故では、オイルフェンスの問題では非常に問題があってああいうふうになったということで、新聞報道でもその責任の問題が問われておりますが、この点どうなっておるのか。またコンビナート地帯の海は、油漏れなどの事故は今後も予測されますが、油の拡散を最小限度に抑えるために、運河や湾口にこのようなフェンスを張る設備は非常に有効であり、補助金をつけても早急に整備すべきであると思っております。きのうも七分で全部張れるのだということを出光石油の関係者が言っておりましたが、現実には、われわれとしてはそういう技術を知りませんので、まずその辺のところを御説明いただくとともに、最後には、この法案を通じて海の問題が外れておるという御批判がたくさんございますが、海上保安庁の今後の努力、またその問題について問題点があればこの点の御説明をいただき、われわれの法案審議の参考にしていきたいと思います。 以上をもって私の質問を終わらしていただきますが、よろしく海上保安庁の御答弁をお願いいたします。
○船谷説明員 先生御指摘のオイルフェンスの展張方法でございますが、これは切り込み港湾でオイルフェンスを張ります場合に、岸壁近くでは水面付近に係留物がないのが普通でございまして、そうすると上の方へ持っていきます。そうしますと、岸壁付近ではオイルフェンスが張られてない状態になります。そこから油が漏れる。それを防ぐために岸壁にレール様のものを垂直に設置しまして、そのレールの部分、へこんだ部分にフロート、箱様のものですが、それを嵌合させます。それにオイルフェンスをつなぎます。そうしますと、潮の満ち干あるいは波によって上下もできる。しかもそれで、岸壁の付近にすき間がないというものを企業の技術者の皆さんが考案されまして、川崎地区ではこの間その訓練をしたわけでございます。われわれも見ましたが、非常に有効なものであるという認識を得ました。全国的にそういったものをできるだけ整備するように、いま指導中でございます。 水島におけるこの間の事故の問題は、いろいろと不備な点があったわけでございまして、そのような改良を今後も進めていきたいと思っております。 海上の防災に関する法律につきましては、海上のいろいろな特殊性がございますので、関係省庁とも十分に御連絡をとって、御相談をしながら作成したい、目下一生懸命勉強しておるところでございます。
○小川(新)委員 これで終わります。
○大西委員長 午後一時三十分から再開することとし、この際休憩いたします。 午後零時三十分休憩 ————————————— 午後一時四十分開議
○大西委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 内閣提出に係る石油コンビナート等災害防止法案を議題とし、質疑を続行いたします。佐藤敬治君。
○佐藤(敬)委員 このコンビナートというのは、いわば技術革新というか巨大科学の落とし子みたいなものなんですね。いわばジャンボジェット機だとか、新幹線だとか、マンモスタンカーだとか、ああいうような巨大技術、いま盛んにやられていますが、ああいうものと同じようなものでありまして、巨大なずうたいが事故を起こせばそのまま大変な事故につながっていくという、こういうような非常に大きな社会的な災害を起こすところの危険性を持っておるわけです。一度事故を起こせば、単に会社だけではなくて、社会全体に非常に大きな被害を、打撃を与える、こういうようなものであります。したがって、この巨大技術コンビナート、こういうものについてはその当初からやり過ぎても過ぎることがないというほどの安全性というものを慎重に考えながら築いていかなければいけないんじゃないか、こういうふうに思います。ところが、残念ながらこの日本のコンビナートは、安全性ということに非常に配慮が欠けておる。いわば集積のメリットだけをどこまでも追求して、デメリットというものはそのまま置き去りにしてきました。私は、デメリットというものをもっともっと重視していく、結局コンビナートの安全性というものをうんと重視して、それにどんどん金をかけていけば、この間から盛んに総量規制ということが問題になっておりますけれども、総量規制というのは人為的にやらなくてもおのずから私は総量の規制ができると思うのです。これは経済ですから、ペイしなければできません。ですからどこまでも巨大にしていけば、それを防ぐためには大変な金がかかる。そこでちょうど経済性のバランスのとれた適当な規模が総量規制という形でもってあらわれてくる、こう思いますけれども、わが国のコンビナートの場合、デメリットの方は全然無視して、安全性というのを全然無視して、集積の利益だけをどこまでも追求したために大変に巨大なものになって、一遍事故が起きるとあの水島のように、水島のタンクというのは決して大きなタンクではない、むしろ小型のタンクだけれども、あれを切れば瀬戸内海が全部油浸しになる、こういうふうな大変な事故につながっていくわけです。そこでこの前の委員会からずっと総量規制という問題が盛んに出ています。確かにいま話しましたように、大きくなったのでこれは総量の規制をしなければいけない、こういうことはあると思いますし、ぜひそうやるべきだと思いますけれども、そのほかに、私は、その総量規制のもう一つの前提として、コンビナート全体を規制すると同時に一つ一つの構築物を規制していく必要があるのではないか。たとえば、石油タンクのことを考えてみますと、ああいう三万キロリットルぐらいのタンクでもあれほど大きな事故が起きる、ましていまあるのは十五万キロリットルとか二十万キロリットルという大変大きなタンクがあります。ああいうのがもし事故が起きたならば、これはちょっと想像がつかない。しかもそういうものがもし破れたり、火がついたりするならば、いま持っている、たとえば川崎あたりは大変な消防力を持っているというけれども、ああいう消防力だって私はとうてい追いつかないのではないか、こういうふうに考えます。いまのコンビナートを幾ら消防力を充実したとしても、とても一つの市町村やそういうものでは受け付けない、それほど大きな災害になるのではないかと思うので、総量規制と同時に一つ一つのタンクの大きさ、たとえばどのくらいのタンクがいいかわからないけれども、三万トンでもあれほどの災害が起きるならば、たとえば五万トンぐらいでとめておくとか、そういうふうなタンクの大きさや、入ってくるタンカー、ああいうものも、いま五十万トンなんというものすごいばかでかいマンモスタンカーもあるけれども、ああいう大きなものが水島のあたりあるいは東京湾あたりに入ってきて右往左往すれば、事故になるのはあたりまえなんです。ああいうタンカーの大きさだとか、こういうものを地形に合わして一つ一つ規制していく必要があるのではないか、こういうふうに考えております。 この安全性の無視ということについては非常におもしろい例があの事故の直後に新聞等に載っておりました。月世界に行くという科学の発達した時代、そういう科学の粋を集めたコンビナートをつくって、そのけつが破れて油が流れ出した。回収船一つなくて、昔ながらの肥びしゃくでもって六万人だか五万人だか一生懸命に重油を回収した。肥びしゃくがよく六万本も十万本もあったものだと思って感心しましたけれども、ああいう近代科学の粋を集めたコンビナートのしりを、肥びしゃくでもって回収していかなければいけない。ここのところに、いいところは何ぼでもやるけれども、安全性というのは一つも顧みないということが象徴的にこの事実にあらわれていると思うのです。だから私は言うのだけれども、総量規制すると同時に、水島なら水島、あの港は、聞くと十万トンぐらいしか入れない深さしかない。それに三十万トンくらいの船が入ってきている。ああいう無理をすれば必ず事故につながっていく。東京湾はあれよりずっと広いけれども、それでもあれだけの事故が次から次へと頻発しておる。そういうことを考えますと、総量規制と同時に、タンカーなりタンクなりああいうものを一つ一つ全部規制して余りでたらめに大きなものをつくらせない、こういうふうな配慮が必要かと思いますけれども、消防庁の御意見をちょっとお伺いしたい。
○佐々木政府委員 私どもがいま消防法の系統の政省令の改正について検討いたしておりますのはまさにいま御指摘の事項でございまして、タンクそれ自体につきましても、安全対策の上からどういうものであるべきかということについての検討を行っております。そういうことによりまして、タンク自体の大きさの問題それから防油堤の大きさの問題、そういうことでの安全基準のいわば抜本的な改正を行いたいというふうに考えております。
○佐藤(敬)委員 今度の水島事故の原因はタンクの亀裂ですね。そのタンクの亀裂を起こしたところの原因は何ですか。
○佐々木政府委員 最終的な結論はまだ得られておらないわけでありますけれども、やはり亀裂の直接の原因になりました点は、タンク本体ができ上がった後に、タンクに付属する独立階段を設置するための工事がタンク自体の基礎を破壊しながら行われて、その事後の処理が十分とられなかった。そのために亀裂を生じました部分について、いわゆるアニュラプレートと言われます部分に異常な応力がかかって、それによってあの亀裂につながったというふうに聞いているわけであります。
○佐藤(敬)委員 これはいま懸命にこの原因の追求をしていると思います。そのこともこれに書いてあるようですが、一応読ましてもらいましたけれども、ただ非常に不安になるのは、結局はいまの原因、ほとんど皆のタンクにあらわれている不等沈下、これが極端な形であらわれたのだと思いますね。不等沈下の問題ですが、これは報告によりますと、ほとんど多かれ少なかれみんなのタンクに不等沈下がある。この不等沈下がある以上、ほかのタンクにまた亀裂があらわれないということはちょっと断言できないと思うのです。この不等沈下を抑えるために、これを読みますとここにジャッキアップ工法というのが書いてありますね。これでやることになりますか。
○佐々木政府委員 ただいまお示しのものは、現在ありますタンクで不等沈下が特に著しいものの地盤修正を行います場合の工法でございます。私どもはいま、タンクの安全基準のうち地盤についての工法を検討いたしておりますけれども、これからの工法といたしましては、地盤の沈下が相当程度おさまった段階でタンクの本体工事を行わせる。したがって、タンク本体が建設された以後におきましては、地盤そのものの沈下がほとんどないような状態でタンクの建設を行わせるというふうな工法に切りかえる必要があるであろうというふうに考えております。
○佐藤(敬)委員 それはこれからできるのでしょう。私の言っているのは、たとえばこの工法に見られるように、既設のものの地盤沈下を直す方法です、新しいものじゃなくて。こういう方法で既設のものの不等沈下を訂正していくのか、こういうことを聞いているのです。
○佐々木政府委員 既設のものについての地盤の修正の問題、これはまた技術的に非常に問題のあるところでございまして、そうしたジャッキアップ工法等によって地盤の修正を行いました場合に、果たしてジャッキアップによるところのタンク本体に対するひずみを生じないかどうかという点は非常に問題でございます。そういう意味におきまして、今回の不等沈下のタンクのうちでも、特に著しい不等沈下のありましたものについて、限定して地盤修正工事を行わせるということにいたしたわけでありまして、今後こうした不等沈下のタンクについては、定期的な点検の頻度を多くして行わせていくということにして、そのタンクの監視を続けていくことによるのが最も適切な対策ではないかというふうに考えております。
○佐藤(敬)委員 比較的不等沈下の少ないのはいいでしょうが、いまお話がありましたように不等沈下の著しいもの、これを直すにはやはりこういう方法でやると思うのですよ。この場合に果たしてこういう方法でいいのか。ここに非常に大きな疑問があると思います。これはこのとおりやるのか。これは本当に簡単な図かもしれませんけれども、いわば砂をもって水締めか何かするということだけですから、果たしてこれでこんなばかでかいものがもつのかどうか、非常に私は疑問だと思うのです。しかもこれが一つや二つじゃなくて、たとえば消防署で決めた基準以上のものがたくさんあるのですね。これでいいのか。このことをちょっとお聞きしたいのです。
○佐々木政府委員 不等沈下が二百分の一以上で一万キロリットル以上のタンクについて、非常に大きい沈下があったものが百九基ございます。その百九基のタンクのうちで、その工法によって地盤修正を行いますものは、絶対値で三百ミリ以上の不等沈下の生じているタンクあるいは百分の一以上の沈下を生じているタンクに限定をして、その工法によって地盤修正を行わせることにいたしたものでございまして、内部の開放検査後、特に底板等について不良個所のないものにつきましては、現在二百分の一以上ありましても、いまの基準に該当しない限りさらに使用させる。そして自後の点検を十分行わせるごとによって今後の安全を確保していきたいというふうに思っておるわけでございます。
○佐藤(敬)委員 私は土木の専門家じゃありませんのでよくわかりませんけれども、恐らくこれをつくるときには、これでもずいぶん慎重にやったものだと思いますよ。それでもあれだけの事故が起きてくる。今度これを上げて、下でどの程度の工事になるかわかりませんけれども、恐らくこれは不完全なものしかできないと思いますよ。これは深く追及しませんが、点検を重々行って、これからは再び不測の事故を起こさないように、警戒体制というものはうんと強めていかなければいけないと思います。 そこでひとつお伺いしますけれども、新しいものをどういうふうにやるか、こういうものをいま盛んに調査しているんですね。しかしこの間からの答弁を聞いておりますと、その基準がまだできてこない。それで暫定基準でもってそれを許可するという答弁が何回もありました。私はあれを聞きまして、非常に危険な考え方だと思うのですよ。これだけの事故を起こして、しかもまだ結論が出ないのに暫定基準で建設を許す、こういうことはいかに企業がそれを要請しても、私は許可すべきじゃないと思う。多少半年や一年おくれても、きちっとつくって、その上で、なるほどこの基準でもって安全だという見通しがつかないうちは、二度とこういうふうな暫定基準で許すべきじゃない、こういうふうに思いますけれども、どうですか。
○佐々木政府委員 いま暫定基準で考えておりますのは、いわゆるプレロード工法によりまして、埋立地等におきましてもあらかじめタンク建設の前に地盤沈下を十分行わせる、いわば地盤を固めて、それから本体の工事を行わせるようにしたいというふうに考えておるのでございます。現在のタンクエ法におきましては、水張り検査自体が地盤を沈下させる工法の一部を構成しているというようなやり方で工事をやっております関係で、どうしても地盤の沈下というものがタンク本体を使用する過程においてもなお生じてくる。これが不等沈下につながるわけでありますから、事前において大部分その沈下を終わらせて、それから工事を行わせるということにいたしますと、そうした不等沈下問題というのが生じないであろう、こういうことを暫定基準の上に明らかにしていきたいというふうに思っておるわけであります。
○佐藤(敬)委員 これは巨大科学の産物ですよ。一朝事故が起きると大変な社会的な惨事になる危険性を持っています。したがって、安全性ということに対しては十分な慎重さをもって臨まなければいけないということを一番先に申し上げました。しかもさっきの御答弁ですと、不等沈下した原因だとか亀裂した原因がまだはっきり解明されていない。そういう事態で、企業の要請があったからといって暫定基準でそれを許していくということは、私は非常にうまくない考え方だ、危険な考え方だ、こういうふうに思います。もう一遍ひとつ御答弁をお願いしたい。
○佐々木政府委員 不等沈下の原因というものは、その地域の土地の造成工事の内容を見ますと、大体いまの技術ではわかるわけであります。どれだけの沈下量がその土地についてあるかということは、設計段階においてほぼ明らかになっておるわけであります。したがいまして、そうした沈下量というものをあらかじめ測定をいたしまして、その沈下量がたとえば八〇%あるいは九〇%済んだ段階で工事を行わせるということにいたしますと、あと残存沈下量というものはごくわずかでございますから、恐らくこれについての不等沈下というものが生じましても、絶対値で三センチとか五センチといったようなものになるわけでありますから、いわゆるタンク本体に危険を及ぼすような沈下量というものは測定をされてこないということになるわけであります。むしろ現在考えております暫定基準というものは、将来技術的な検討が終わった段階におきましても、恐らく最終の結論よりも厳しいくらいの暫定基準というものを現在想定しておるのでございます。
○佐藤(敬)委員 いま長官は、暫定基準はあれより厳しいものになるだろうということを言っていますけれども、それは私はわからぬと思いますよ。そんなことわからぬと思いますよ。これから結論を出してみて、その結論がどうなるかまだ出てないのですからね。だから一朝事故が起きたときには余りに大きいものだから、そこまで慎重にやるべきじゃないか。いつ結論が出るのかわかりませんけれども、これが半年や一年ぐらい後になったらば、後まで待つべきだと私は思う。それは結果的には結論よりもいまの暫定の方が厳しいものになるかもしれません。しかし一たんやられたら大変な災害を及ぼすこういう巨大科学に対しては、それだけの強い配慮があってしかるべきだと私は思いますけれども、それで、きょうは環境庁がいませんから、ちょっとお伺いしますけれども、この間の六月の十八日に、環境庁の何とか委員会が、水島の事故から半年たってもう海にはほとんど被害がない、こういうようなことを発表したんです。これはかなりあちこちから反撃を食らいまして——その前の日には、岡山県なんかで調べたので、後遺症が非常にあれで、操業再開には不安を感じている、こういうのが前の日に出ている。しかも、皮肉なことに、同じ六月の十八日に、NHKのテレビが水島から半年というので、あれを詳細に、海底からいろいろなやつを、油が流れているやつを写しているんです。ところが片っ方では、政府の環境庁の何とか委員会がもう何にも被害ありませんと出している、海の底の魚も大丈夫ですとちゃんと出しているんです。ところが、海の魚の死んだ写真がどんどん出ている。国民は一体これは何だろうと思うと思うのです。こういうところにまだまだ政府の安全性に対する考え方、これが足りなくて、企業寄りの態度がまだある、私はこういうような感じをあれを見て強く受けました。私は、もっと慎重に考えるべきものではないか、こういうふうに考えます。長官か次官かどちらでもよろしいですから。
○左藤政府委員 環境庁といたしましては、予算を投入して、そして何カ所かのポイントから、あるいは海水そのものあるいはまた底質、海の底の砂というようなものを採取いたしまして、そしてそれによって判断して科学的ないろいろな分析をした結果が、十八日のいま御指摘のような数字になったんだろうと思います。したがって、地域によってもいろんな問題はあろうと思います。その採取した場所の多い少ないとか、いろいろな問題は若干あろうと思いますが、少なくとも環境庁としてそうした調査をした段階における結論としては、やはりそれで一つの科学的な分析の結果だという発表をされたのだ、私はこのように判断いたします。したがって、それで海が完全にきれいになったということが言い得るかどうかということについては、これはいろいろな考え方があろうかと、私はこのように思います。
○佐藤(敬)委員 それはそのくらいにして、同じ六月の十六日に倉敷市の市会が水島製油所の再開を承認した、こういうニュースが出ております。このことは単に倉敷市だけの問題ではなくて、瀬戸内海沿岸全体の問題でもあるし、ある意味ではこれからのコンビナートのいろいろな動きをコントロールする一つの大きなポイントにもなる、こういうふうに思うのです。それで、倉敷市から操業再開の許可について意見を岡山県が求められた。岡山県は国にも指示を求めてこれに対する結論を出したい、こういうふうに言っているようです。国に対してこういうあれがありましたか。これは消防庁でしょう。それがどういうふうになっているか、それをちょっとお聞きしたい。
○佐々木政府委員 倉敷市並びに岡山県から消防庁に対しまして意見を求めるというのはまだ後になるかと思いますが、現在までにはまだ来ておりません。
○佐藤(敬)委員 いまの段階で消防庁で考えて、もしこれが来た場合には許可をするつもりですか、許可をしないつもりですか。
○佐々木政府委員 水島製油所の施設の運転再開という問題は、これは法律上は倉敷市の処分の問題でございます。この倉敷市が操業再開を認めるという処分をいたします際に、国の方の意見はどうかということで聞いてくるのだというふうに考えておりますので、倉敷市がこれに対してどういう考え方をとり、そしてまた、水島製油所自体に対してどういう安全対策を講じ、または講じさしたのかというような内容を十分点検するとともに、最終的には、また私どもの方でも水島製油所のその後の状況というものを調査いたしまして結論を出したいというふうに考えております。
○佐藤(敬)委員 先ほどから申し上げておりますように、これは倉敷市の問題ではあるけれども、しかし、瀬戸内海全域の問題でもあるし、将来のコンビナートというもののあり方にもつながってくる問題だと思います。そういう意味からは単に倉敷市だけの問題じゃないと思いますので、先ほどから申し上げておりますように、こういうものの安全性なりいろいろなものについてはできるだけ慎重に取り扱っていただきたい、こういうふうに要望しておきます。 海上保安庁来ておりますか。——これは全体につながる問題ですが、しかも何回も出た問題で、改めてお聞きしたいのですけれども、さっきから申し上げておりますが、たとえば水島の場合でも、書き物によりますと、水島港は水深が十六メートルで最大十万トンのタンカーしか入れない、入港できないので喫水が二十メートルを超える二十万トンタンカー、こういうものは途中で油をおろして喫水を浅くして入っている、こういうようなあれが出ております。何か回転するときも大変な苦労をしてUターンしている、こういうようなことが出ております。それから、東京湾でもああいういろいろな事故が次から次へとどんどん起きている。しかも、タンカーが小さくならないでどんどん大きくなっていっている。こういうような事実から見まして、私はやはり、この前何遍も同じことを皆さんが言っていますけれども、海上と陸上を結びつけたところの一元化した体制をつくるべきである、これはほとんど皆さんが一致しておるのです。その際にどういうふうなものをつくるか、私も別に成案を持っているわけじゃありませんけれども、いろいろな人の話を聞いてみますと、たとえば東京湾だと東京湾全体を一元に結びつけろ、こういうのもあります、あるいは瀬戸内海の全体を結びつけろ、こういうような意見もいろいろあります。しかし、そこまでいくのはやはり大変な問題だろうと思いますけれども、少なくとも、たとえば水島であるならば、船が爆発して火災が起きたら陸上に移る程度、そういうような本当の局部的なものでもいいから、その地域だけは一元化して行動できるように、こういうような制度をつくるべきだと私は思います。いまの仕組みでいきますと、岸壁から一センチ離れればもう消防は何にも権限がない、全部船だ。こういうような状態を解消して、少なくとも密接に結びついているそこいらの狭い地域だけでもいいから防災活動を一元化する、こういうふうな制度をつくるべきだ、こういうふうに考えますが、この点について海上保安庁もそれから消防の長官もどういうお考えか、ひとつ御意見をお伺いいたしたい。
○佐々木政府委員 海の問題はいろいろ制度的にも考えなければならない問題でありますけれども、特に海上の場合に、地方公共団体の行政権限というものがどこまで及ぶのかという点について、いわば明確な境界線が引けないというところに一つ問題があるわけでございます。また、現在の消防法の規定は、御承知のとおり、岸壁に係留された船舶までが消防対象物ということになっておりますわけで、そういう観点から、現在は消防施設につきましても、消防艇の役割りというものは海から陸を消すというための施設として設置をされておるわけでございます。そういう点で、この消防対象物をどこまで広げるのかという点が、いま一つこれから海と陸との接点をどう処理していくかという場合の消防側にとりましては非常に大きい問題でございます。ただ、現実には、いま海上保安庁の方とは、昭和二十四年以来、特に港湾区域におきましては消防と海上保安庁の方とで相互に応援をしながら防災に当たるという応援協定が結ばれておりまして、この原則に立ちまして各港湾におきましては、消防の主として責任を持つ部分、海上保安庁の主として責任を持つ部分ということを明確にいたしまして、相互応援協定を結んで協力しながら防災に当たっておるというのが現状でございます。 なお、将来新たな立法措置をいたします場合に、消防法の規定を改正するかしないか、それに伴って消防施設をどうするかという問題はこれから検討していく必要があるというふうに考えております。
○船谷説明員 海上保安庁あるいは運輸省全体といたしまして、このコンビナート法案の立案過程におきましてはいろいろと御相談申し上げました。 海上につきましてはコンビナートに限らず、あるいはコンビナートのない港なり、あるいは港湾に限らず、一般の水面についても船舶が含んでおる災害発生の可能性、そういったものを予防し、発生したときに防除するということにつきましては海上全般としてのとらえ方の方が法体系上非常にすっきりするということがございまして、その方でわれわれ目下外国の事例なんかもよく勉強もしますし、そうして海上の特殊性からの問題を、改めて現行法の足らない点はどこにあるかというようなことも踏まえまして検討中でございます。
○佐藤(敬)委員 この問題はほとんど各質問者が一人残らずみんな取り上げて話している問題なんです。それだけこの法律は、出たけれども一元化という問題ではむしろ逆行しているじゃないか。私、ここにきょうの新聞持ってきていますが、野党じゃなくて、与党が一番反対しているというか、批判していると書いてあるのですよ。与党が一番、一元化どころじゃない、逆行だと言って批判している。通産と消防と海上保安庁、この三つがみんなばらばらじゃないか、こういうような批判をしておるのです。 私はやはり、先ほど言いましたように、少なくとも災害が非常に密接に結びついている時点だけは、これだけの大きな、巨大な施設設備になるならば、それに即応したところの一つの体制をとらなければ本当の防災はできない、ほとんどこれは皆さん一致した考え方です。これに対してぜひそういう方向で前向きにひとつ努力する意思があるかないか、この点をお伺いしたい。
○船谷説明員 われわれもそのことは強く考えておりました。いま申し上げたとおりのような趣旨からできるだけ早く成案を得たいと考えておりまして、先生のおっしゃる方向で前向きに検討さしていただきたいと思います。
○佐藤(敬)委員 建設省来ていますね。たった一点ですが、三十四条に、緑地の設置費用を政令で定めるというのがありますね。これの三分の一に相当する額を第一種事業所に係る第一種事業者に負担させることができるというのがありますね。どころが、この特別防災区域の中には第一種だけじゃなくて、第二種の事業者もあるのですよ。それが全然負担しないというのはどういう趣旨ですか。
○豊蔵説明員 三十三条に基づきますコンビナート地域の周辺で緑地を設置いたします場合、その費用につきまして第一種事業者から三分の一に相当する金額を負担していただくことにしております。これは御承知のようにこの法律におきまして、第一種事業者と第二種事業者と分けておりまして、相当やはり大規模なものについての施設、そういったようなものがコンビナート地域の中で災害が起こりました場合、その周辺の地域に災害を及ぼすおそれが大きいというような点を配慮いたしまして、また第一種事業者についての施設等の届け出その他いろいろな規制が働いておること、そういった点を考えまして、第一種事業者に負担させることが負担の公平及び負担力、そういった点から見て妥当であると考えたものでございます。
○佐藤(敬)委員 それはわかるのですけれども、やはりある以上、金額の多い少ないは別にしまして、多少でも責任を分担すべきじゃないか。特に第二種と言っても、これは必ずしも小さいとは限りませんよ。タンク一つとらえてみますと、第一種のタンクより第二種のタンクがみんな小さいとは限らぬ。一つ一つを見れば大きなタンクがついておるかもしれない。そういうことを考えますと、やっぱり金額の多寡にかかわらず幾らか負担させるのが私は筋ではないか。いま企業としても責任を感じさせる一つの方法ではないか、こういうふうに考えます。 それからもう一つ、この周辺にある一たとえば普通の企業ならいいですが、公害企業、こういうものがあった場合に、それが全然関係がなくなってしまいますね。こういうのはたとえば川崎なんかを見ますと、隣にある企業はこれに該当しないので、別の法律でもってそれから金を取るような方法をしていますけれども、そんなめんどうくさいことをしなくても、何かしらもう少し手を加えて、中心になるのはもちろん石油コンビナートでなければいけないけれども、それに付帯した何かがあったならば、それを一緒にして防災の施設をするような方法をしたらどうか、こういうふうに思いますけれども、いかがですか。
○豊蔵説明員 御承知のように、この法案の第三十三条におきましては、いわゆる公害防止計画を定めまして、公害防止事業としての緩衝緑地事業を行う場合には、この三十三条の適用がないことになっております。すなわち、いわゆる公害防止の緩衝緑地として整備するというような制度の仕組みをとっておりますので、その意味はやはり公害対象地域におきましては、先生御指摘のように、この法案の第一種事業者のみならず、その他公害発生の原因となります各種の企業等を含めまして総合的に負担させた方が公平の感覚から見ると、また制度的にもすでに先に進んでおりまして、ある程度緩衝緑地というのは公害防止と災害防止と両面持っておりますものですから、そのように一応制度的に手当ていたした次第でございます。 たとえば川崎地区におきましても、もし緩衝緑地であるということになりますと、公害防止計画の中におきましていろいろ検討していくというような制度上の仕組みになろうかと思います。
○佐藤(敬)委員 最後に次官、この緑地の地元の自治体の起こした地方債、これを交付税でもって五〇%見てやる、こういうふうになっていますね。これは不交付団体の場合はどうしますか。コンビナートの中には約十カ所か十一カ所の不交付団体がある。こういう場合にはどうなりますか。
○左藤政府委員 当然基準財政需要額の算出の根拠の中にこの計算が入りまして、そうしてその上でなお収入の方が多いということになれば、不交付ということになるわけでございますが、それで逆にそのために基準財政需要額が収入よりも多い場合には、当然交付税が交付されるという形になる、私はそのように考えております。
○佐藤(敬)委員 それはそのとおりなんですよ。全くそのとおりでね。だけれども、かなり大きな金額になってきて、しかもなおかつ不交付団体である場合がやっぱり出てくると思うのです。この問題はあっちこっちで問題になっていますからね。かなり大きな負担をしている場合には何かしらこれを考えてやる方法が必要じゃないかと思います。私、いまここで成案を持っていませんけれども、不交付団体をどうするかあれなので、ちょっとお聞きしました。 最後に、もう一遍申し上げますけれども、新聞にも、水島の教訓どこへいった、半年たってみんな忘れてしまったのじゃないか、こういうふうにひどい批判をしていますよ。私が一番先に申し上げましたとおり、本当に一遍災害が起きたならば、火がつかないからよさそうなものだが、火がついたら大変な大災害ですよ。慎重に慎重を期して、安全性ということに十分な金をつぎ込んでやるべきだと思います。そうすれば、一番先にも申し上げたように、おのずからそこに一つの総量規制というものが出てくると思うのですよ。全然安全性ということを無視して、集積の利益だけどんどんやれば何ぼでも、もっともっと大きくなっていく。とめることはできないと思うのです。一遍こっちで金をもうけたならば、こっちでそれに対して安全性にうんと金をかけさせる、こういう慎重な態度が必要だ。これは拙速ではなくて、できるだけゆっくりと安全性を追求していく、こういう態度が必要だ、こういうふうに思いますが、それを一つ要望として申し上げて終わります。
○大西委員長 田口一男君。
○田口委員 私は、この法案についていままで相当議論がありましたから、多少ダブる面もあると思うのですが、改めて確認をするという意味でダブる点についてはひとつ端的にお答えをいただきたいと思うのです。 まず第一は、この法案の出てきた背景というものについて、資料にも書いてありますように、近いところでは本年二月の大協石油の四日市の火災、それから昨年の水島のああいった大きな災害、それから昭和四十八年の災害の多発、こういった一連の事故を受けて、その事故のたびごとにいろいろな反省が出されておるわけですね。あれが足らなかったとか、こうやっておけばよかった、そういった問題点なり、それから、たとえば四十八年十二月十三日の消防審議会の意見、それから本年三月三十一日の水島の調査委員会の中間報告、こういったもの等を受けて、言うならば経験の総括として本法案が出てきたものだ、こういうふうに私は理解をしておるのでありますが、もう一遍改めて、そういう立場からこの法案が出されたものか、そういう点について確かめたいと思います。
○佐々木政府委員 この法案は、御指摘のように、最近の各市のコンビナート地帯での災害発生というものを教訓にいたしましてこの法案の立案に当たったわけでございまして、できる限りこうした教訓を織り込んで、それに対応する対策をとっていきたいということで、その内容を盛ったつもりでございます。ただ、この法案を立案いたします過程におきまして、御承知のように個別の立法として消防法なり高圧ガス取締法あるいは労働安全衛生法その他の各種の法律があるわけでございますが、そうした個別立法を前提にして、コンビナート地域全体としての防災対策をとらせるというような形でこの法案を立案いたしておりますので、当然にこの法案だけですべての災害対策というものが織り込まれているわけではございませんで、それぞれ必要な施設、単体の保安という問題につきましては、個別の立法にゆだねているということでございます。 特に、この国会におきましては、高圧ガス取締法というものが改正をされまして、それに基づく関係政省令というもので高圧ガス関係につきましては、一応各施設の保安対策というものはとられているわけでありますが、同時に、消防法の関係におきましては、タンクの安全基準を初めといたしまして、いまその安全対策についての立案を急いでおる段階でございますが、これらの個別立法と相まってこの法案というものが初めて効果をあらわすというふうに考えるわけであります。特に、施設の保安の問題は個別立法で行いまして、そしてこの法案では、地域全体としての防災体制というものを特に規制をしていくという形で立案をされておるわけでございます。
○田口委員 個別立法と相まってということはこの第一条にも書いてあるのですが、私は端的に申し上げれば、いままであった多くの事故、その中にはとうとい人命が失われておる。また財産も犠牲になっておる。こういった経験をしておるにもかかわらず、個別立法は点について規制をし、コンビナート防災法については面の立場からとらえるのだという見方もあると思うのですが、やはり一番肝心なところが二つほどぼやけておると私は思うのです。これは同僚議員からもそれぞれ指摘があったことなんですが、第一は、何といっても面の立場で防災を強化していくと言っておきながら、いわゆる海陸一体となった防災の考え方がやはり抜けておる。これは、先般のこの委員会で海上保安庁の方から御答弁があったといいますから、私はその答弁は求めようとは思いません、きょうは出席要求しておりませんから。たとえば、御存じだろうと思うのですが、昭和四十七年の十一月に、和歌山の下津という地帯で、タンカーが桟橋に衝突をする、油が漏れる、しかもその油が揮発性の油であったために、その中をまたタンカーが走ってスパークでもすれば、大変な火災になるという事故があったと聞いております。 いまさっき長官の佐藤委員に対するお答えでは、消防の範囲は岸壁、桟橋まで及ぶようなお話がありましたけれども、どの桟橋を見ても無防備、まる裸の状態が多いんじゃないか。しかも企業の悪口を言うのじゃありませんけれども、企業にとっては港湾なんというのは自分のところの裏庭だ、こういう考えに立ってどんどん使っておる。そして、そこで事故が発生をすれば、おれは知らぬ、こういう例がいままで多いわけであります。そういったことからいうと、海陸一体となった防災の体制についてこの法案が欠けるところがあると指摘をしても言い過ぎでないと思う。 それから二つ目の、ぼやけておるという言い方はなんでありますけれども、問題は、これも他の同僚議員から再三指摘がありますように、既存の、いまあるコンビナートについて、この法案は精神規定だけじゃないかという気がするのですね。精神規定というと言い過ぎかもしれませんけれども、なぜ精神規定といいますかというと、わずか四十条のコンビナート防災法の中で、政省令数え上げれば六十幾つもある。しかも、政令省令に譲っておきながら、肝心な点については一年なり二年なりの経過措置というようなものがある、たとえば十五条の関係。そういう点から見ましても、これはどうものんびりし過ぎておるんじゃないか。いま長官がお答えになったように、四十八年、四十九年、五十年といった多くの事故があったにもかかわらず、その経験の総括の上に立って本法案というものを面の立場でとらえて出しておるにしては、どうものんびりしておるという気がするわけですね。ですから、たとえば私は、十五条がそうだというのではありませんけれども、たとえばの話なんですが、本来なら最低基準、たとえば防油堤なんかのあれが問題になっておったのですが、いま五〇%プラス一〇%という基準では物足らぬという意見がある。そうであれば、最低の基準は法定をし、この法案の中にはっきりと盛り込んで、そして、コンビナートは全国に七十幾つもあるのですから、その地域地域によって実情に合ったものは上乗せ、横乗せをしていく、それを政令省令にゆだねる、こういった考えに立ってこそ初めて、いままでの多発をしたこの種事故に対する万全の措置をとるということになるのではないだろうか、こう思うのですが、海の面については、私はあえて保安庁に出席要求をしていませんから答弁はなんですが、後段の二つ目の問題にしぼって、お考えがあればお示しをいただきたいと思います。
○佐々木政府委員 新設の事業所につきまして、この法案が特に新設の事業所に限って適用されますのは、第二章のいわゆるレイアウト規制の事項でございます。このレイアウトの規制は、その事業所全体のいわばブロック別の配置、面積等の規制を行うことを主眼にしてこの規定を設けておりますので、この規制を在来の事業所について適用するということは、その事業所の全体のレイアウトに関連する問題でありますから、事実上非常に困難であるというような観点から、既設の事業所につきましては、増設の場合についてこの規定を適用するということにいたしまして、その他の規定につきまして新設、既設を問わず適用するというような体系をとっておるわけであります。 また、この特定防災施設につきまして一定の経過措置を設けておりますのは、いわばそうした施設を設置するためにある程度の日時が必要でございます。その日時の必要な部分について経過措置を設けておるということでございまして、この法律の趣旨は、年限を非常に短く切っておりますのは、そうしたいわば物理的な時間の関係だけを猶予しているというだけでありまして、非常に短期間にいろいろな施設の設置を義務づけたというような形になっておるわけであります。 さらに、消防法関係の規制につきましては、この法案と並行いたしまして、別途作業を進めているところでございます。それにつきましては、防油堤におきましても、これまでの五〇%というものを、一〇〇%を目標にいたしまして防油堤のつくり直しということを行わせる形になりますので、これもある程度の時間は必要であろうというふうに考えますけれども、いずれにしましても、この法律によるところの防災施設あるいはまた消防法の規定による防災施設というものはできるだけ早く設置をしてもらうというつもりで立案をしているつもりでございます。
○田口委員 いまお話のありました第二章関係について、どう読んだらいいのかという質問が、あるコンビナート地域の者から私にあったのですが、読めば読むほどちょっと混乱をするので、もう一遍お聞きをしたいと思うのです。 この第一種事業所ということについて、第二条の第四号では、貯蔵量、取扱量を政令で定める量で割った数値が一であるとか、第一種事業所の定義についていろいろ書いてありますね。ところが、いま長官のお答えになったことに関連をする第五条の「新設の届出等」について、第五条に限って第一種事業所については——ちょっと読んでみますが、「石油貯蔵所等を設置する事業所であり」、ここまではいいのです。「かつ、高圧ガス取締法第五条第一項の規定による許可に係る事業所であるものに限る。以下この章において同じ」ここのところがちょっとどう見てもわからぬと言っておるのですけれどもね。平たい言葉で言うと、第二条の定義で言う第一種事業所というのであれば、大体石油を貯蔵しておる大きなタンクを二つ三つ持っておる、俗に言うコンビナート地帯の個々の企業が含まれるだろう。ところが第五条の新設の届け出について見ると、「かつ」以下の言葉を解釈した場合には、石油貯蔵所であるけれども、高圧ガスの、たとえば日産二十万トンですか、いろいろ第五条に書いてありますけれども、こういった高圧ガスだけが新設等の届け出の義務を持つんだということになるのか。そうなると、大げさに言っておるけれども、そうそう届け出る企業、事業所というものはないですなというのが私に対する質問だったわけです。 とっさに言うんで、回りくどい表現をしておりますから、ちょっと待ってくださいということで、回答は保留はしておるのですが、読めば読むほど第二条の定義による第一種事業所と第五条で言っておる第一種事業所とは、これはこの場合は性格が違うのか、規模が違うのか、この辺、もう端的にお尋ねをしますが、どうも読み方の間違いかどうかは別として、そういうふうにとられる向きがあると思うのですが、この辺についてはっきりしたお答えをいただきたいと思います。
○佐々木政府委員 第二条の第四号の第一種事業所は、石油または高圧ガスそれぞれが一定の基準量をオーバーするもの、これは第一種事業所になるわけであります。したがって、石油だけであっても第一種事業所になるもの、それから高圧ガスだけでも第一種事業所になるもの、これが両方含まれておるわけであります。 第五条の第一種事業所は、この第二条の四号に規定しております第一種事業所のうちで、石油等の危険物と高圧ガスと両者を持っておる事業所ということでございます。代表的な例は、石油精製の工場等がこの第五条の第一種事業所に該当いたすわけであります。
○田口委員 だから端的に言えば、第二条第四号で言っている第一種事業所というのは相当幅があるけれども、第五条の場合には限定されるということなんですね。石油精製事業所だけに限る。 そうなってくると、午前中の同僚委員の質問もありましたけれども、今日の日本の石油事情、それから昭和六十年度を見越してのいろいろな計画から見て、実際問題としてこの第五条で言う限定された第一種事業所というものは余りないんじゃないか。ほかの貯蔵タンクなり何なりというものは備蓄法の関係でまた出てくるかもしれませんけれども、第五条で言う限りにおいてはどうも限定されてしまう、実効が余りないんじゃないかという気がするのですが、その辺、見通しとしてはどうでしょうか。
○佐々木政府委員 この第五条で言う第一種事業所が全く新しい地域に新設をされるというような事例は今後どれだけあるかという点になりますと、その数はそれほど多くはないというふうに考えられます。ただ既設の第一種事業所におきまして、増設等の工事を行うという場合は、私ども調査いたしましても、相当事例があるというふうに考えております。
○田口委員 既設の場合には新設変更がなければ届け出の要がない、しかもこの既設の第五条に言うような設備の場合には、現行高圧ガス取締法によって知事の許可がなければならぬ、こういうふうに限定をされておるのでありますから、何といいますか、この新設の届け出等という第五条の規定というものはさっきも言いましたように余り実効のない内容になるんじゃないか、こう思われてなりません。そこでこのことのやりとりは具体的な数字を挙げなければならぬと思いますから、一応さておくといたしまして、次に、既設のコンビナート地域の防災の問題についてお尋ねをしたいのですが、先ほど長官がお答えになったようにこれからコンビナートにおける防災というものは点から面ということで総合的な防災でなければならぬというふうなお答えがあったのですが、確かにそのとおりだと思います。ところがこの総合防災という観点から見た場合に、いまの消防法個々の立法を一つ一つ見た場合に、消防法の観点からそれではコンビナート防災を見たらどういう問題があるか、消防力の現状に見合った規制ということは実はなされていないと思うのですね。先般の本年二月、四日市の大協石油の火災の際にも地元消防が痛感をしたのですが、たとえばタンクの容量、タンクの高さ、こういったものの規制がありませんから、結局現存の消防能力をもってしてもなかなか及ばない、こういう苦い経験を持っておるのですが、点から面への総合防災ということを考えるのであれば、やはり消防法の方でもっと現状の消防能力に見合った規制基準というものをはっきりすべきじゃないか。言葉をかえて言うならば、既設のコンビナート地帯については余り手を加えられないのでありますから、既設のコンビナートの実態に見合った消防能力を高める、逆な言い方をすれば。消極的な言い方をすればいまある消防能力が五の力しか持っていなかったら五つ消防力に対応した規制基準を設ける、それはなかなかおさまらぬでしょう、十のコンビナートの能力があるのですから。ですから、十のコンビナートの実態に対応できるように消防能力を十まで高める、こういうことの方がこの総合防災という観点から言っても、点の場合も必要ですが、より重要なんではないか。ところが実態は何回も御答弁がありますように、それぞれの実態において千差万別だ、こういう状態でありますから、少なくともコンビナートを抱えた市町村の消防能力というものについては、自衛防災組織も必要でありますけれども、本来あるべき消防の力というもの、近代消防の域に近づけるような方法を具体的にとる必要があるんじゃないか、この点についてはどうでしょうか。
○佐々木政府委員 確かに御指摘のように、既設のコンビナート地域におきましての防災体制というものはいまの状態では十分なものだというふうには考えられないのであります。特にいま事例で述べられましたように、四日市の大協石油の火災というものは私どもにとりましても非常に大きな教訓になったのでございまして、この事例等も考えまして、一面におきましては消防法関係の規制という面から、タンクにつきましての規制の問題、それから防油堤についての規制の問題ということについて、相当基本的な改正を行うということを予定をいたしております。それと同時に、消防力の基準につきましては、一方において市町村消防力の基準というものを強化をしていく必要がございますし、また企業自体に持たせる自衛防災組織あるいは共同防災組織の、特に消防施設の基準というものにつきましては比較的に強化をしていくという考え方で、いま私どもこれらの基準についての検討をいたしているところでありますけれども、市町村の消防力の強化につきましては、この法律に消防施設の強化促進法の特例の規定を設けているところでございまして、財政面におきましても、市町村自体の消防力も、財政措置を待って強化をしていきたいというふうに考えております。
○田口委員 市町村消防の強化の問題について、後でまた関連しますから譲ります。 四日市の具体例で少し申し上げたいのですけれども、この法案を見ますと、消防法にはそういった言葉がちょっと出てまいりますが、パイプライン、法律用語では移送取扱所と言うそうでありますけれども、このパイプラインについての規制ということがどうも出てこない。御存じだと思うのですが、かつて言われたように基地の中に沖繩県があるという言葉がありましたけれども、四日市コンビナートは、ややオーバーな言い方をすると、コンビナートの中に四日市市があるという状態ですね、混在地域が多いわけですから。それであえて地図を示す必要もないと思うのですが、ごらんのように一般民家の中を、赤い線がパイプラインですけれども、パイプラインが縦横無尽に走っておるわけですね。軒下をパイプラインが走っておるわけです。このパイプラインを私実際見ましたけれども、確かに普通の状態であればまあまあ心配をする状態でないことは事実です、肉厚も基準以上ありますから。ところが万一地震なんかが起こった場合には、このパイプラインが破裂をする。そうすると普通の地震による災害にパイプラインの火力ということで事故が加重をされる。企業と一般民家とが混在をしておるコンビナート地帯というのは、全国でも余りないんじゃないかと思うのですが、そういう個々の事例についてはむずかしいと思いますが、一体パイプラインというものをコンビナート防災法においてはどういうふうに位置づけるのか。消防法で市町村長、知事に届け出ればいい、その許可を受ければいいというふうになっているのですが、古くからある四日市の場合のパイプラインでありますから、こういう法案が出た際にこれを一本にまとめる、一本にまとめるという言い方は、一つの管の中に入るという意味ではなくて、近くに流れておる川の河川敷なんかにそれを移転するとか、そういったような指導というものが必要なんじゃないか、住民感情からしても。そういう点について事実を御存じだろうと思いますからあえてお尋ねをするんですが、この防災法から見たパイプラインの扱いというものをどういうふうに考えておるのか、御見解を承りたいと思います。
○佐々木政府委員 パイプラインにつきましては、実はその関係の規定の整備は昨年の消防法の改正でお願いをいたしまして、また。パイプライン自体につきましての技術基準というものも昨年のたしか三月だったと思いますが、技術基準の改定を行っているところでございます。なお、パイプラインにつきましては、一方においてパイプライン事業法の規定がございます。またこのパイプライン事業法のパイプラインと、消防法の規定によるパイプラインと現在ニつあるわけでございますけれども、いずれにしましても、このパイプラインはその性格上コンビナート等特別防災区域の中にだけとどまるということにはならないわけでありますので、そういう意味におきまして、現在はそのパイプラインの性格によりまして、パイプライン事業法による規制を受けあるいはまた消防法による規制を受ける、こういうたてまえになっておるわけであります。 ただ、技術基準が最近に出たわけでありますので、非常に古い時期のパイプラインにつきましては、現在の技術基準の上からやや問題のあるところもあるわけでございまして、そういう点につきましては、できるだけ一般の指導によりまして逐次安全を図っていくということで指導していかなきゃならないというふうに考えております。
○田口委員 きょう通産省見えていますね。いま言ったパイプラインの扱い、四日市の場合には戦後の軍工廠の跡を利用したコンビナートですから、その時分にはパイプラインに対する規制というものは余り厳重でなかった、これはお答えのとおりだと思うのです。ところが、このような時代になって、軒下をパイプラインが走っておる。しかも縦横無尽に走っておる。これをひとつ通産省のサイドから見て——やはりこれは一たん緩急あれば大変なことになる。この際民家に害のないように、そういう場合にはどこかへまとめて移転をするというふうなことは考えられないのか。そういう指導というものは通産としてもやってもいいのではないかと思うのですが、新しいものは規制を加えるけれども、それ以前からあるものについてはお手上げだということでは、その地域に住んでいる住民としてはたまったものじゃないと思うんですね。それを通産ベースとしてどうお考えになっておるのか。
○佐藤政府委員 持に通産省の所管の高圧ガスの関係におきましても、導管並びに配管類が相当構内外にわたって走っておりますので、これの保安につきましては、かつて若干問題のあったケースもございまして、実は今度の国会で高圧ガス取締法の改正、四月に成立を見たわけでございますが、その改正に伴いまして、このパイプライン関係の保安基準を全面的に強化いたしまして改正を図ったばかりのところでございます。
○田口委員 この地図でもおわかりのように、こういうふうに縦横無尽に走り回っておるパイプラインを一カ所にまとめろ、大変な事業だと思うのです。しかし、ここに約一万人住民がおるわけですね。こういったものについて、強化を図ったとは言うけれども、これについては何ら手がつけられない。ですから、防災という観点からも、もっと企業に対して、これは全部企業の負担でやれということを口では言ってもいろいろな問題があるでしょう。その辺について、もっと実現可能な方法を通産省としても指導すべきじゃないか、防災の観点から。 そこで関連をしてお聞きをしたいのですが、このパイプラインなり——保安距離という言葉があるのですね。この事実関係についてだけ、一体通産省はどういう判断を持ってみえるかお聞きをしたいのです。 やはり三重県の南部の方に、尾鷲市というところに火力発電所と、ちょっとしたコンビナートですが、があります、これは設置の歴史がまだ浅いのですけれども。そこで東邦石油という会社が、さっきのお話のように石油精製装置、日産三万バレルか四万バレルだと思うのですが、あるわけです。トッパーというのですが、そのトッパーから四、五十メートルしか離れていないところに民家がある。そこで保安距離という観点からいって公害、臭気という問題もあるのですが、他に移転をすべきだというので、ここ二、三年来市が中に入って話をまとめておったようであります。最近話がまとまって、じゃあ保安距離四十メートル、五十メートルでは問題があるから、もっと離れたところに行きましょう、約千メートル離れたところに移転をいたしましょうと話がまとまりかけだそうですが、その際、企業の側が、三万バレルを三万バレルとして移転するだけでは何のメリットもないから、この際移転をするならトッパーの精製能力を六万バレルに引き上げたい、六万バレルに引き上げることを認めなければ移転をしないぞということですね、裏返しに言えば。それにこういう問題が絡んだのですが、三万を三万で移転するならば、住民の側は問題ない。ところが六万、倍を認めなければ移転をしない。それに変な事情というのは、六万バレルに精製能力壷高めることによって、そこに併設して隣合わせで立地しておる中部電力三田火力が、いま一号機、二号機しか運転していないのですが、三号機、四号機の運転をやることによる大気汚染なりそういった公害の問題でまた住民が強く反対をしている。そこで六万バレルの増設を認めていいのかどうかということで、地元の市では大変苦慮しておるように聞いておるのです。 まずその事実関係と、そういった場合に、三万を三万に移せば問題はないけれども、六万に増設するというふうなことについてはこの法案では、さっきの第五条の関係ですけれども、ひっかかってくるのか。そういう問題が起こるわけですね。その場合に、いま言ったようなことがあれば許可をするのかどうか。事実に即しての御答弁ですから、ちょっとむずかしいと思うのですが、事実経過を見た上で、ひとつ判断の基準をお示しいただきたいと思う。
○左近政府委員 石油業法によりまして石油産業の設備の認可に当たっております石油部から、事実関係の御説明をまずさしていただきたいと思います。 石油の常圧蒸留装置を新増設いたします場合には、石油業法によりまして許可が必要でございます。ただ、お話のありました東邦石油からは、まだ許可申請が出ておりません。また、そういうことについての事前の説明もまだ現在受けておらないような事情でございます。ただ、これにつきましては、移転の問題が現地であるということは承知しておりますが、それをどういうふうに解決するかということについては今後の検討課題であろうと思いますので、いまのところ、われわれの方でこの問題についてどうするかということをまだ決定はしておらないのが現状でございます。
○佐々木政府委員 石油精製工場が場所を移転するという場合になりましても、その能力が、ただいまお示しのような三万バレルの精製工場を三万バレルのまま場所を移転するという場合におきましても、この第五条の規定は適用になるわけでございます。
○田口委員 ではいまの問題は、私は事実関係を確かめたわけですが、そういった公害との絡みでいろいろな問題が起こるということから、通産の方でも慎重に扱ってもらいたいということを要望しておきます。 次に、二十三条関係の通報義務についてお答えいただきたいと思うのですが、私この二十三条を見た限りでは、いままでいろんな非難があったことにかんがみて、窓口を一本化したことから、これは評価できると思うのです。企業の担当者に聞くと、消防に報告をしたけれども、後になって労働基準局からはなぜ早く言わないとか、また県は県でなぜおれのところに早く言わなかったとか文句を言われて、大変困っておったということから見ても、通報義務の窓口一本化、これは大いに結構だと思う。しかし問題は、罰則との絡みでお尋ねしたいのですが、四十八年に起こった事故だけを見ましても、四十八年三月三十一日のゼネラル石油堺工場、これは土曜日に発生しておるのですね。聞いてみると、隔週二日の休みで、この日は休みに当たっておったと聞いております。それから同年七月七日の出光の徳山工場の災害もやはり土曜日です。それから同年十月八日のチッソ石油五井工場、これは十月十日の体育の日を振りかえて当日は休業。それから三菱の水島、十月十七日、これは平日。それから日石浮島の十月十八日、これも平日。信越化学の十月二十八日、日曜ですね。それから十一月四日の三菱モンサント四日市工場、これは日曜。それから本年二月十六日の大協四日市も日曜。このように見てまいりますと、偶然かどうか知りませんが、日曜、休日が多いわけであります。 そこで、いろいろ聞いてみると、私たちのように土帰月来ということを現地の工場長もやっておるのですね。私なんか金帰火来ですけれども。たまたま日曜日に災害が起こる。そこで、現場に詰めておった班長級の責任者が会社の規則によって早速工場長に知らせなければならぬ。東京に電話をかける。工場長もたまにうちに帰ったのですから、家族そろって買い物に行っているということもあるでしょうし、中にはゴルフへ行っているという人もあるでしょうし、その所在を確かめるのに一時間や二時間かかるというのです。その間にどんどん災害が拡大をする、こういうことがあるから、通報義務二十三条を読んだ限りにおいて、会社のいろんな規程によって権限が委譲された場合に、たまたま日曜日の権限を委譲された班長なり組長というものが防災責任者になったら、会社のえらいさんに知らせなければならぬ。それには、二時間も三時間もかかる。しかも、消防署に知らせなければ罰則がある。士気に大変影響しておることは事実です。 先般も私はある工場の労働者の諸君と話し合ったのですが、こういうことでは、責任は痛感をするけれども、通報義務を怠ったから罰則ということになったらたまったものじゃない、こういう懸念を持っておるのです。そうあってはならぬけれども、この二十三条で言う災害が起こった、そこで通報しなければならぬ、それを怠ったという者は当日の権限を委譲された班長なり組長になるのか、たまたま出帰月来で東京へ帰っておった工場長になるのか、そこのところをはっきりしてほしいというのです。これはどういうふうな御見解ですか。
○佐々木政府委員 御指摘のように、コンビナート地帯における災害の発生を見ますと、休日あるいは夜間に発生する事例が非常に多いわけでございます。その際に責任者がおらないために、災害に対応する応急的な措置が非常におくれたというようなことが私どもにとりましても非常に大きな問題でございますので、実はこの二十三条とも関連するわけでありますけれども、第十七条の防災管理者の規定の第三項、第四項に、第一種事業者は、防災管理者のおらない場合に必ずその第一種事業所に副防災管理者を選任しておかなければならないという規定を設けておるわけでありまして、必ず管理職の副管理者というものを常に第一種事業所内におらせなければならないというような規定を設けまして、いわば二十四時間の勤務体制をとってもらうという規定を設けておるのであります。 したがいまして、ただいまお示しの事例のような現場の監督者が、この二十三条の場合におきましても、権限委譲を受けて対策に当たるということをこの法律は予定しておらないわけであります。工場長がおらない場合には工場の次長なりあるいは部長クラス、少なくとも課長クラスの者が常に防災管理者としての職務を行うような体制でおる。たとえ防災管理者が一時間でも事業所内から出ることがあった場合には必ず副防災管理者というものを置かなければならない、こういう規定を設けております。そういうことによりまして、こうした防災体制の責任が現場の者のみにあるというような事態は避けていかなければならぬ、そうすべきではないというふうに考えております。
○田口委員 くどいようですけれども、いまの問題でもう一遍念を押すのですが、昨年四日市でアエロジルという工場が塩素を多量にまいた事故があった。この結果を見ると、装置に携わっておった現場の労働者が刑事責任を負わされておるんですね。塩素が噴出したというので多少事故の性格が違うと思うのですけれども、こういった近いところに事例があるものですから、工場長がいなければ十七条で言う副防災管理者、その副防災管理者がいなければ副々防災管理者、そのように会社の権限委譲の規程がずっとあった場合には、どうあっても、いやそのときの責任者は君だよ、こうなってきはせぬかと思うんですね。その会社の規程とこの二十三条との絡みは一体どうなるのか、これが士気に影響すると思うのです。おれは責任ないからどうでもいいのだ、そういう労働者はいないと思うのですが、ちょっとしたことで君は責任を持っておるのだ、だから五十一条の罰則のあれは君なんだ、下手をするとこういうことになるのではないか、こういった危惧が、正直言って本年二月の大協火災なんかでも、そこの労働者は心配しておるわけであります。ですから重ねて念を押します。
○佐々木政府委員 第十七条の副防災管理者というのは防災管理者の場合と違いまして、単数である必要はないのであります。複数の副防災管理者を選任しておきまして、その勤務のいわば日程を防災規程等で明らかにしておくという必要があるわけでございます。通常第一種事業所の場合には、二十四時間生産体制をとっておる事例も相当あるわけでございます。二十四時間勤務ということになりますと、その同じ二十四時間内においては三人の管理者がいなければならないというような形になるわけでありますが、そうした管理職でその事業所のいろいろな物の流れというものを完全に把握している者を防災管理者としあるいは副防災管理者として選任をして、常時勤務体制をとらせるということによりまして責任を明確にしておきたいという、この規定はそういう趣旨の規定でもあるわけでございます。
○田口委員 わかりました。 では次に違う問題なんですが、本法案が成立をする、それは望ましいという参考人の意見も多数あったのですが、実はこういう事例があるわけですね。これも四日市の一例としてお聞きをいただきたいのですが、昭和四十六年に地域防災協定、防災計画というものを立ててその以降に事故があったものですから、本年ひとつこの防災計画を全面的に見直す必要があるだろうということで、市と企業とが個別に災害防止協定というものを結ぶべく相当事細かに書いた災害防止協定というものの案があるのですが、それについて個別に企業と折衝しておる段階でこの法案の話が持ち上がってきたというのです。この中身を見ると、政令省令がどうなるか知りませんけれども、大体はこの法案に書かれておるようなことで、そうそれを上乗せするような基準は余り見受けられないのですが、仮にこの法案が成立をし、政令省令が出てくる。それでもなおかつ地域の実態によって、個々の企業と災害防止協定なんかを結ばなければならぬ。その協定の中身は政省令よりも上乗せ、横乗せのような内容を持っておる、こういうことがあり得るかと思うのです。そういうことをむしろ政府としては歓迎をし奨励をするのか、基準があるからまあそれにおさめておけということになるのか、それはどうなんでしょうか。
○佐々木政府委員 いま各コンビナートの所在市町村あるいは府県との間において、防災協定といったような内容のものが結ばれている事例があるわけでありますけれども、今回この法律に基づきます自衛防災組織の規程の基準というようなものあるいは特定防災施設の基準というようなものは、恐らく現在結ばれております防災協定をはるかに超える厳しい基準になるであろうというふうに予想をいたしております。企業としましては、恐らく当初の間はこの法律の規定に基づくいろいろな施設の基準を満たすための努力というものが相当必要になってくるだろうと思いますが、さらにその地域の実態に応じては、その市町村あるいは府県の判断によりまして、この法令の規定に定める基準より以上に付加する必要があるというふうに認める場合におきましては、防災協定というものを別に基準の上乗せの形で結ぶということは可能でありますし、これは地域の実態に応じてそれぞれの地方団体が判断をすればいいのではないかというふうに考えております。
○田口委員 では次に、災害時の広報手段についてお尋ねをしたいのですが、部分的な災害の場合の広報手段ということは余り問題にならぬと思うのですね。しかしせっかくこういう法案を審議をするのですから、最悪の場合を予想してそのときの広報手段というものを考えておく必要があるのじゃないか。その広報手段について、いままでは余り大きな災害が幸いありませんでしたから、自動車でどこどこに災害がありますよ、どこそこに避難をしなさいということで済んでおったと思うのですが、大災害が起きた場合には広報車なんという自動車では役に立たない。そこで、川崎市なら川崎市、四日市なら四日市を一つのエリアとするような放送局ですか、また一県——県といっても地形的に問題があると思うのですが、そういったところをエリアとしたラジオなどの放送施設というものを地方自治体にあらかじめ認めておくということも、大災害を予想すると必要なんじゃないか。これは既存の電波監理その他について問題があろうかと思うのですが、御一考の要があるのじゃないかと思うことが一つ。 さらに、緑地帯のことが本法案でも規定をされておりますけれども、既存のコンビナート地域に避難所、避難道路、これは一応決めてはおりますけれども、余り効果のあるような避難所や避難道路ではない。そこで、この避難所、避難道路の整備改善に要する費用負担の問題についても、緑地帯の項にならった措置ということがこの際考えられないか。避難所の大きなものをつくるからひとつその費用については企業が三分の一持つとか、そういうこともいま言っておく必要があるのじゃないかと思うのですが、この点どうでしょう。
○佐々木政府委員 非常な広域に及びます災害の場合の住民に対する広報手段というのは、現在災害対策基本法の規定に基づきまして府県、市町村にその地域の防災計画というものが定められておるのでありますが、この地域防災計画の規定によりましてそれぞれの地域でいろいろな広報手段が用意されているのでございます。たとえば川崎の場合におきましてはラジオ関東を利用して住民全体に知らせるといったような方式が、すでに地域防災計画の中に組まれておるわけであります。やはりこれらの広報手段は、コンビナート地域におきましてもその災害の大小に対応いたしまして、広報車の手段もありましょうし、あるいはサイレン等による連絡もございましょうし、あるいはまたガス発生というような場合におきましては相当丁寧な広報をする必要もございますし、あるいはいま手法がいろいろ検討されておりますのは、民間のハムを利用した広報手段といったようなものもいま各地域で検討されているところでありまして、この広報手段につきましてはその地域の実態に応じまして防災計画の中に組み込ましていきたいというふうに考えております。 それからまた、大規模な避難地あるいは避難道路の問題は、待に私ども地震対策の場合にいまいろいろ検討してもらっておるわけでありますけれども、これはその手法といたしましては都市計画事業あるいは市街地再開発事業というような形で現実にいま行われておるわけでありますが、まだこの避難地あるいは避難道路の事業というものが大都市地域を除いてはそれほど具体的な事業化をされておらないというのが現状でございますので、さらに防災体制の一環として建設省当局とも十分打ち合わせをしながら、都市計画事業としての取り上げ方を促進してまいりたいというふうに考えております。
○田口委員 では最後にこの機会にお尋ねをしたいのですが、消防職員の勤務条件の問題についてお伺いしたいと思います。 まだ私も見たことはないのですが、最近「タワーリング・インフェルノ」という消防士を主体にした映画があって、ぜひ見たいと思うのですが、それを待つまでもなく、御存じのように、十年兵を養うは一日の戦闘のためという孫子の兵法かなんかあるそうですが、消防職員もそういう観点で一日大変規則正しくやっていただいておると思うのです。ところが消防職員は、こういったコンビナートの問題はもちろんのこと、一般災害、最近は救急出動ということまで加わっておりますから、大変な激務であることは御存じいただいておると思います。 そこで、私ばあれもこれもとは申しませんけれども、この際、昨年の暮れ研究会報告も出ておることでありますし、勤務体制について、いま大半が二部制ですね。三部制というのはごく少数部分しかないようでありますが、これを財政援助その他の面も含めて積極的に三部制に移行させていく、または一遍に無理であれば、可及的速やかという言い方で短い年限の間に三部制に移していくといったことをいまこういう時期に考えるべきではないのか。私も消防の現場でいろいろ話を聞いてみますと、きょう二十四時間勤務して翌日は明けになったにしても、こういう時代でありますから、いつ緊急呼集があるかもしれない。まあ、三部制になれば二十四時間勤務、明け、日勤というようなことになるわけですから、多少は肉体的にも楽だ。それを言っても、人員の問題、人件費の問題、こういったことが絡んでなかなかやってもらえない。しかも、十年兵を養うという観点に立って言うのですから、市町村の消防に要する予算の割合は、多いところで四・何%、五%切れるのですね、三%から四%程度。そういったように、一朝事あれば消防消防と言うのに、ふだんは予算措置から見ても何にしても下に見られておる。そういった面について所管庁としてももっと強力に、積極的に勤務体制についての改善を指導すべきである。ただ言うだけではなくて、財政措置も加えて指導すべきではないかと思います。 それから、もう時間の関係で私は全部言いますけれども、給与の問題を見ても、いまいろいろと問題になっている団結権はきょうはあえて言いませんけれども、調べた限りでは、一般行政職の給料表を適用しておる、それから初任給に上積みをしておる、または公安職の給料を適用しておるというふうにばらばらなんですね。この給与制度についても、公安職の給料表の仕組みに若干問題がありますから、私は公安職にしなさいとはここでは強くは言いませんが、一般行政職よりは違った給与制度ということを考えてもいいんじゃないか。 その給与制度に関連をして、共済年金の問題でございますが、地方公務員である以上は、共済組合法に従って二十年の年金ですね。こういう勤務条件であれば、かつてとられたように、一年を四分の三に見るとか三分の二に見るとかといった年金の資格要件を短縮するということも消防職員については考えてもいいんじゃないかというふうに思うのですが、勤務体制に絡んで、給与の問題も含めて御見解を伺いたい。 それから、消防制度はずっと発達をしてまいりまして、消防職員からそのまま育ち上がった職員も多くなっておると思うのですが、どこの市町村を見ても、消防職員から上がってきた者をどうも消防長にはしていないのですね。警察署長をやめた人を消防長に引っ張るとか、そういった人事制度の問題について、そこまで消防庁がくちばしをはさむことはいかがかとは思うのですが、やはり消防職員の士気という問題から考えて、いかに警察官と密接な仕事の関係があるとはいいながらも、やめた警察署長を消防長にそのままということは、消防職員の士気にも影響する。人事管理の面からも一考を要するのではないか。こういう点で、大変御苦労願っておる消防職員の勤務条件についてひとつ御見解を伺い、それについての早急な改善策を望みたいのですが、いかがなものでしょうか。
○佐々木政府委員 現在の消防職員の勤務状況というものは、市町村によって災害出動あるいは救急出動の態様に相当大きい差があるわけでございまして、確かに大都市地域等におきましては、救急出動ばかりでなくて、いろいろな災害出動の回数も相当多いというのが見られるわけであります。私どもも、現在の二部制というものがすべての市町村について適当であるというふうには考えておらないのでありまして、これは研究会の報告にもありましたように、まず最近火災出動あるいは救急出動の回数が非常に多くなっております大都市地域につきましては、少なくとも計画的に三部制への移行ということを検討すべきではないかというようなことで、いま指導を行っているところであります。また、大都市に準ずる都市におきましても、特に中央指令センターあるいは救急隊というものの勤務状況というものが相当厳しい状況になってきておりますので、そうした特殊の部門についての三部制問題ということもまた検討していく必要があるのではないかというふうに考えております。ただ、これにつきましては、人員の問題等につきましてなお相当の隘路がございますので、やはり計画的な人員配置等も考えながら実施していく必要があるだろうというふうに考えておるところであります。 なお、消防力の基準におきまして人員の配置の一応のめどというものをつくっておりますけれども、まだ二の消防力の基準に示されている人員にまで達しておらないという市町村が相当ございまして、こういう地域におきましてはどうしても非番のときの勤務というものが繰り返されるというような状況も見られますので、そういうところにつきましては、交付税措置の方におきましても、必要な人員確保ということができますような措置を講じながら、人員の充足をお願いしているところでございます。 次に、給与の問題は、ただいま御指摘のように、消防職員の給与体系というものは、地域によりまして公安職の給料表を適用しているもの、行政職の給料表を適用しているもの、いろいろあるわけでございますが、勤務の条件から見て、やはり公安職に準じた給与体系をとるということが望ましいというふうに考えておりますので、こういう方向での指導を行っていく方針であります。ただ、その市町村におきまして公安職の給料表を別個につくるということがいろいろな事情でむずかしいというような場合には、現在公安職と行政職に認められております。給与の差というものにつきましては、行政職の給料表にプラスをする形で消防職員の給与を考えてもらいたいというようなことで、現在指導をしているところであります。 それから、これに関連いたしまして年金の問題でございますが、確かに現在は警察職員につきまして若干の年金の受給資格年限の短縮ということが行われております。これを消防職員に適用するかどうかという問題につきましては、これはいろいろ関係の者とも相談をしておるわけでありますが、この制度創設の段階におきましては、消防職員の勤務年限が比較的長かったということと、それから掛金率がやや高くなるというような問題がございまして、意見としてはむしろ一般の行政職の場合と同様でいいのではないかというような意見が多かったということでいまの制度になっているわけでありますが、この点につきましてはさらに将来の問題として十分な意見の調整を行ってまいりたいというふうに考えております。 それから現在消防庁に警察出身の者が相当いるのではないかというような問題でございますけれども、確かに警察から消防の事務が離れましてからもう二十数年になるわけでありまして、最近の消防事務の内容というものは以前の警察が所管しておりました時期と比べまして非常な変わりようでございます。そういう意味におきまして、警察出身者が必ずしも消防職員として適格であるかどうかという点は大分一義的には言えない面があるわけでありまして、やはりこれは個人個人の管理能力の問題であるというふうに考えるわけでありますが、なお現在消防本部を設けておりますところの消防長で警察出身者というのは八百二十九名のうち七十六名、一割弱でございまして、非常に減ってきておるということも事実であります。次第に消防職員が育ってまいりまして、消防職員のうちから消防長が選任をされるという事例が次第に一般化しておるということが言えると思います。
○田口委員 では質問を終わります。
○大西委員長 折小野良一君。
○折小野委員 石油コンビナートの災害が各方面から関心を持たれておりますが、しかしながら石油コンビナートの災害はいまに始まったことではないわけでございます。すでに消防関係の方々におきましてもこの面に注目をしてこられた。消防審議会が昭和四十二年に石油コンビナートに対する総合的な災害対策を答申をした。それにこたえまして消防庁におきましても「石油コンビナート地帯防災対策要綱」というものを作成をいたしまして、そして石油コンビナートの防災対策に努力をしてこられた。しかしながら、今日なおかつ石油コンビナート災害というものが後を絶たない、こういうようなことで今回またこういう法案を出してこられたということになっておるわけでございますが、せっかくこういうような要綱まで決めて、そしていろいろと対策も講じ、指導もしてこられたにかかわらず、なおかつ石油コンビナートの災害というものが後を絶たないというのはどういうところに問題があったのでございましょうか。あるいはどういうところにその理由があるというふうにお考えになっておるのでしょうか。
○佐々木政府委員 私どもの立場で検討してみますと、やはり一つの問題は、コンビナート地域をとらえましていろいろな防災体制をとらせておったわけでありますけれども、まず災害の想定というものが非常に甘かったといいますか、その範囲を非常に狭く考えておったのではないかというふうな感じがいたすわけであります。この点はたとえば水島の事故におきましても、これまでの災害の想定に基づいて準備をしておりました資機材というものをほとんど役に立てる機会はなかったというようなことで、どうしても消防の面におきましては火災というものが第一義的に考えられまして、非常に災害の想定の範囲が狭かったというふうに考えられるわけであります。そういう意味におきまして、この災害想定というものを相当幅広く、考え得る限りの災害というものを想定しながら、それに対応する準備体制というものが必要であろうと思います。そういう意味におきましての訓練、資機材の備蓄というものが必要になってくるであろうということがまず第一に考えられることであります。 それから第二の問題は、コンビナート地域におきましては特に最近その施設が非常に大きくなってきておる。それに対応するところの特に保安要員の訓練、教育というものが行き届いておらない。そしてまた複雑な生産体制の体系の中での危険物なり高圧ガスの流れというものが十分に把握し切れない。そのために一たん何かの事故が発生いたしましても、それの災害防除の仕事をいたします消防職員がそれに対応してどういう措置をとればいいのかということがわからない場合が非常に多かった。こういう意味におきましての内部の教育訓練の問題と、そうした内容についての消防機関への連絡というものが不十分でありましたし、また消防自体におきましても、もっと積極的にそうした事業所の内容というものについて熟知しておく必要があるであろうというふうに考えられるわけであります。 さらにまた大協石油等の例から見ますと、やはり消防の施設というものがまだなお不十分であったということを教訓として私ども考えておるところでございます。
○折小野委員 ただいまの御答弁ですと、災害に対する想定が甘かったあるいは狭かった、その他いろいろございました。こういう点を要綱の面でさらに整備するあるいは実際の指導の面で考えていくということになりましたならばコンビナート防災というものは十分なんでしょうか。といいますことは、もっと言いますと、この法律は必ずしもつくらなくてもいいということなんでしょうか。
○佐々木政府委員 まず災害の想定につきましては、この法律の中でコンビナート防災計画の中で災害の想定という項目を特に掲げまして、あらゆる災害の想定を行いながらそれに対応する措置というものを十分にとらせたいというふうに考えております。さらには現在各個別の法律で規制しております関係で、たとえば資機材の備蓄の問題にいたしましても、消防法の規定に基づく資機材ということになりまと、海上の災害に対してまでの資機材の備蓄を規制していくということは不可能でございまして、現在各コンビナートにおきましてはたとえばあわ消火剤といったようなものは相当量の蓄積はありますけれども、オイルフェンスの蓄積というものは非常に欠けておるというようなことがございますので、そうした災害の想定を多方面に非常に広くとりますことによりまして、こうした防災体制の必要な資機材の備蓄ということも規制をしていくことができるわけであります。この法律によりまして、たとえば油回収船でありますとか、オイルフェンスの備蓄まで資機材としての規制を明確に規定することができるわけであります。さらにまたそうした災害の想定に伴いまして、資機材の面も出てまいりますと同時に、それを使う人間ということも、自衛防災組織の面におきましては準備をさせることが可能になってまいります。さらにまた保安教育の問題につきましては、これは個別の立法においても可能でありますけれども、総合的な防災体制をとらせるというような観点から、自衛防災組織におきましても専任の職員を設置させるというようなことも可能になるわけであります。こうした総合的な防災立法というものは、これがあることによって今後の災害防除というものに非常に役立つであろうということは考えられるわけであります。
○折小野委員 私がお尋ねしたかったのは、端的に言いますと、この法律を出さなければならない理由はどこにあったのかということをお尋ねしたかったわけであります。いままでの御答弁を聞きますと、従来ともコンビナート地帯の防災対策要綱というのができておりまして、それによっていろいろやっておいでになったわけでございます。少なくともただいまの御答弁の趣旨からいきますと、この要綱に基づいてやっておった、それを充実させればそれで済むような御答弁でございました。私どもはこの法案を審議するに当たりまして、この法案の必要性というものをまず考えていかなければならない。どうしてもこの法案が要るんだということ、そしてまたこの法案を一刻も早く成立をさせることがコンビナート災害を少なくするために必要なんだ、私どもは大体そういう認識で取り組んできたつもりなんです。そういう点に対する長官のお考えというのがどうもはっきりしてないような気がするんですが、その点いかがでしょうか。
○佐々木政府委員 どうも明確な御答弁を申し上げることができなくて申しわけございませんが、この条文を順序に従ってお読みいただきますれば、たとえば第五条における新設の配置規制、レイアウトの規制の問題あるいは消防法ではいささか問題になります二次防油堤の新設の問題、それから自衛防災組織におきます範囲の拡大の問題、共同防災組織の規定、それから防災管理者のいわば二十四時間勤務体制の問題でありますとか、それから異常現象における通報義務の窓口の一本化の問題、こうした問題でありますとか、さらに緑地の設置の規定でありますとか、さらにまた地方公共団体側における防災体制の一元化の問題、これらの問題はいわばこうした立法によって明確にすることができるというふうに考えるわけです。
○折小野委員 いずれにいたしましても、コンビナート災害というものをなくしていかなければならない、これは完全になくすことはできなかったといたしましても、それを目標として少しでも災害をなくするための努力をしていかなければならない、その一つがこの法律をつくろうということだろうというふうに私どもは考えるわけでございます。したがいまして、この法律の趣旨というのはこの第一条の目的として掲げられておるわけでございますが、この第一条の目的の中で一番基本的なものは「石油コンビナート等特別防災区域に係る災害の特殊性にかんがみ」ということだろうと思います。一般的に災害に対しましては消防法の適用もありますし、災害対策基本法の適用もありましょうしあるいは高圧ガスに対する法律もあるわけでございますので、それを十分に充実をし、それに従って十分な対策が講ぜられればこれは済むわけであります。しかしながら、コンビナート地域におきましてはそれだけでは済まないというのがやはりこの法律の一番の主眼であろうと思います。といたしますと、コンビナート地域における災害の特殊性ということ、これに対応する対策が盛られておるというのがこの法律の基本的な構成でなければならないというふうに考えます。 そこで、「コンビナート等特別防災区域に係る災害の特殊性」これを消防庁長官としてはどういうふうに考えておいでになるのか、もも少しひとつ具体的に御説明を願いたいと思います。
○佐々木政府委員 石油コンビナート地域におきましては災害の要因が非常に多いということが一つであります。それからもう一つは、そうした災害の要因が多いと同時に、危険物あるいは高圧ガスといったような、非常に大きい災害を発生するいろいろな危険物の集積が多いために、その災害が非常に大きく拡大をしていく可能性がある。そして水島において見られましたように、海上においての環境破壊まで引き起こすような災害あるいはコンビナート地域が火災になりました場合には一般居住地域までの拡大ということが出てくるわけであります。そういう意味におきまして、やはり災害の発生要因というものが非常に多いということと、非常に拡大をしやすい、それだけの危険物の大きい集積があるということだろうと思います。
○折小野委員 コンビナート災害といった場合に、その災害の特殊性にかんがみた施策をいろいろやっていくということが当然の考え方でなければならないと思います。そういう立場からいたしますと、この法律の中で一番中心になっておるものは三つあるのじゃないかと私は思います。その第一はレイアウトに関係すること、それから第二は施設、資機材に関すること、それから第三は、この法案にあります共同防災組織に関係すること、この三つの点から、ただいま御答弁がありました特に危険物の集積が大きいというコンビナート地域の特性に対応していくべきであろう、こういうふうに考えるわけでございます。 その三つの中の第一のレイアウトに関することでございますが、これはいままでの質問でも再々いろいろ出ておりました。 〔委員長退席、中山(利)委員長代理着席〕 私もやはり同じく、新設等については規定はございますが、既設のものについての規定がないということ、この点は大変不満に考えるわけでございます。もちろんこれから新設されるものにつきまして十分な対策が講じられなければならない、これは当然なことでございます。今後わが国の石油の備蓄というような面からいたしましても、相当程度の新設があるであろうということは予測されます。しかしながら、今後の大きな情勢から考えてまいりますと、それよりか既設のものに対する対策ということの方がコンビナート災害に対する対策としては重点になるのじゃなかろうか、こういうふうに考えるわけでございます。たとえば備蓄量を六十日分から九十日分にするといたしましても、なおかつ既設のものの量の方が多いわけでございます。しかも、コンビナートを新たにつくるということよりか既設のところにその多くを貯蔵するということからいたしますと、その面からしましても新設というものはそれほど多くはならないのじゃなかろうか。しかも今後のエネルギー情勢から見まして、産業構造の改善とかいろいろな問題があるわけでございます。そういうような面からいたしましても、やはり既設のところが何といっても中心である。といたしますと、コンビナート災害を防ぐためにはやはり既設に対する対策というものが十分にとられておらなければならない、こういうふうに考えます。したがいまして、既設に対する対策というものがない、これに対する御答弁はいままであったわけでございますが、今後ともそういう面については全然お考えになる余地はないのでございますか。
○佐々木政府委員 既設のものにつきまして、この法律の規定にありますような各施設地区についてのレイアウトの規制を行うということは、事実上困難であろうというふうに考えるわけであります。ただ、私どもは昨年度来コンビナート防災診断委員会というものを設置いたしまして、コンビナート地域における防災診断基準の作成を急いでおるわけでありますが、これらの診断の仕事を通じまして、既設の事業所につきましては防災上問題となる部分についての修正を求める、あるいは新たな防災施設の追加を行うというような形で、既設のものの防災関係というものにつきましては十分配慮をしてまいりたいと考えますし、また、別途消防法関係の政省令の規定の改正を行うことによりまして必要な安全基準の追加を行うということも考えておるわけでありまして、さらにはまたいろいろな定期点検の義務づけということも、この法律の附則の方で消防法の一部改正を行っておるわけでございますけれども、これらの措置を通じまして、既存の事業所につきましても安全対策をできる限りとっていきたいというふうに思っております。
○折小野委員 もちろんできることからやっていかなければなりません。既設のものを直ちにここで動かすということはできませんでしょう。しかしながら新設はこうする、増設の場合はこうだとなれば、既設のものにつきましては、少なくも現在のレイアウトに対する報告を求めて、そしてこれに対する改善について指導をするというような対策でもあっていいのじゃなかろうかというふうに思うわけでございます。したがって、そういう面につきましてはこの法律の形の中で既設のものが全然ないということになってまいりますと、今度は政省令の方にも全然既設のものに対するレイアウトの関係の指導というようなものは出てこないというような気がいたしますのですが、そういう面についてはどういうふうにお考えになりますか。
○佐々木政府委員 第二章の規定におきまして、在来の施設につきましても、特別防災区域としての指定が行われた日から二月以内に、その事業所のいわばレイアウトについて主務大臣に対する届け出の規定があるわけであります。これによりまして既存の施設につきましてもその内容を十分検討いたしますと同時に、消防機関、それから府県知事との間におきましていろいろな行政処分の内容を相互に通報し合うということによりまして、その施設の内容につきまして主務大臣並びにそれぞれの消防機関なり府県知事が内容を熟知をするということは、やはり防災上必要な措置であろうというふうに考えております。
○折小野委員 いずれの形にいたしましても、既設のものをいま直ちに全面的に変えるというようなことはできないことです。しかしながら、時間をかけてお互いの努力によって改善を進めていくという方向はやはりとらるべきじゃなかろうかというふうに考えます。 それに関連してお伺いいたしますが、実は昨日見ましたあのコンビナート地域においてもそうなんですが、大分余地が残っております。そして企業は、ここは将来増設をする計画がすでに決まっておるというふうに言っておりますのですが、既設のコンビナート地域に増設をするという場合は、これはやはり「新設等」に入るのですか、それとも既設ということなんですか。
○佐々木政府委員 既設の事業所に新たな施設を追加をしていくというのは、この第五条の「新設等」に該当するわけでございます。
○折小野委員 といたしますと、そこに対する計画がすでに決まっておるということであったにいたしましても、新しい考え方で場合によってそれに対する指示をするとか、その他の措置が行われるというふうに考えてよろしいわけですね。
○佐々木政府委員 そうした増設の計画につきましては当然に主務大臣に届け出をしまして、それがまた在来の施設地区との関係におきまして問題があります場合には、計画変更等の指示が行えるようになるわけであります。
○折小野委員 もう一つお伺いをいたしたいのですが、どんな施設もいわゆる老朽ということがあるわけであります。現在、各地のコンビナートには多くのタンクが並んでおりますし、その他多くの装置が設置をされております。で、それをよりょくすることはもちろんでございますが、これは物である以上、いつの時期かやはり老朽をしてまいります。そのことが事故の原因になることは当然予測されるわけでございます。こういう面につきましてはいろいろと点検をしてやっていくということになるわけでございますが、その老朽をあらかじめ発見をして、そうしてこれに対する復旧を考えていくということは、実際問題としてはなかなか困難な面も多かろうと思います。しかしながら、いずれにいたしましても、老朽の復旧あるいは場合によっては事故等によりましてその跡を復旧する、こういうようなことがあり得るわけでございますが、そういう復旧は既設でございますか、それとも変更その他に入るのでございますか。
○佐々木政府委員 施設の更新は変更に該当いたします。
○折小野委員 わかりました。それでは第二の設備、資機材の点についてお伺いをいたします。 レイアウトにつきまして届け出を求めて、それに対して指示をするという場合に、いわゆる防災上の設備計画と申しますか、こういう面につきましても、届け出をし、またそれに対してその万全を図るための指示をするということが前提条件として必要になってまいりますか。
○佐々木政府委員 タンク等の単体につきまして法令の規定によって消防用の設備を追加していくということは、これは消防法の規定によりまして行われるものでございまして、この規定による変更にはならないというふうに考えます。
○折小野委員 それからレイアウトの問題につきましてはここにいろいろと規定がございまして、たとえばいろいろな施設地区の配置あるいは面積について届け出をし、それに対するいろいろな指示等も行われるわけでございますが、コンビナート地域という立場から言いまして、公共的な立場で一番大切なことは住宅地域その他周辺との距離間隔と申しますか、保安距離、そういうものだろうと思うのでございますが、その点は十分配慮したいろいろな指導が行われるというふうに考えてよろしいでしょうか。
○佐々木政府委員 この法案と関連いたしまして、別に高圧ガス取締法なり消防法なりの規定に基づきます保安距離の改定、保安空地の改定ということを行っておりますし、また行う予定になっておりますので、一般的にはそうした規定の改正によって対処していきたいというふうに思っているわけであります。ただ第一種事業所の場合におきましては、この製造施設地区というものが比較的事故が発生しやすいわけでありまして、その他の施設地区との関係という点もそこに一つの判断のめどが出てくるわけでありますが、当然にまた他の事業所周辺の状況というものがこの判断の場合の重要な要素になってくると考えております。
○折小野委員 それぞれの法律によりまして特に高圧ガスとか石油タンクについてはいわゆる保安距離というものを決めることになっておるわけでございますが、その保安距離につきましては、コンビナート地域だからという特殊性は考えられませんか。先ほど、いわゆる集積の災害といいますか、危険度の集積という面があるわけでございます。といたしますと、コンビナートとして指定されていない地域よりか、コンビナートのような集積しておるところの被害の方が大きい、あるいは危険度が大きいというふうに通常考えられるわけです。したがいまして、通常の場合だったら保安距離百メートルというところを、コンビナート地区ならばそれを百五十メートルにするとかなんとか、そういう考え方はございませんですか。
○佐々木政府委員 いま私どもが検討しておりますのは、ただいま御指摘のようにこのコンビナート等防災区域について適用される保安距離、保安空地ということで、通常のところよりもさらに厳しい距離をとらせる、こういう方向で検討しております。 〔中山(利)委員長代理退席、委員長着席〕
○折小野委員 コンビナートに対する対策として一番大きな問題は、配置の問題の中では保安距離の問題であろうと思います。したがいまして個々の法律によります保安距離よりも、コンビナート地域であるがための保安距離というものが当然あっていいと思いますし、そういう面につきましては十分な施策が講ぜられることがやはりこの法律の一つの大きな目的じゃなかろうか、こういうふうに考えるわけでございますので、今後政省令を整備される場合に十分御配慮をいただきたいと思っております。 次には、コンビナートにおけるいろいろな防災上の施設あるいは資機材、この中で、高圧ガス取り締まりあるいは消防法の取り締まり、これに関連をして設置しなければならない施設、資機材以外に、それに加えて特にコンビナート地域なるがゆえにこういうものは整備をしなければならないあるいはこういうものの量をふやさなければならない、こういう特殊な基準を設ける必要があるというものは、具体的にどういうものがあるというふうにお考えになっておりますか。
○佐々木政府委員 コンビナートであるがゆえに特に防災施設について追加をしていきたいといいますのは、第十五条の規定によります特定防災施設というのが一つの端的な事例でございますが、この中におきましても流出油等防止堤いわゆる二次防油堤の設置義務の問題、それから一般の場合よりも消火または延焼防止のための施設関係というものが相当強化されますと同時に、自衛防災組織におきまして相当大きな基準の改定が行われるというところが特にこのコンビナートの場合に特別な防災施設であるというふうに考えております。
○折小野委員 いまおっしゃるような施設、資機材がコンビナート地域において必要だということはわかるわけなんです。たとえば油を流しちゃいかぬというのはこれは当然なことです。したがって、水島のようなああいう重油の流出事故が起こっちゃいけないことはコンビナートであろうとそうでなかろうと同様であろうと思う。水島の重油はあの地域がコンビナートでありますからコンビナート災害というふうに言われておりますが、しかしああいう災害はコンビナートであろうとなかろうと起こるわけであります。したがってそれを防ぐためには油の貯蔵槽に対して防油堤をつくる、その防油堤で十分でなければ場合によっては二次防油堤をつくるというようなことは当然行われると思うのでございます。したがいまして、この法律で規定をする施設、資機材というのはその上にコンビナートなるがゆえにやらなければならない施設、資機材だというふうに考えるわけでありまして、その点具体的にどういうものがあるのかということでお伺いをいたしておるわけです。
○佐々木政府委員 コンビナート地域におきましては危険物の量が非常に大量である、タンク等につきましても大規模なものがあるわけでありまして、そういうことで、この油の流出一つをとらえましても、コンビナートの大きいタンクについてそういう危険な状態というものが想定をされてくるわけでありまして、やはりこうした二次防油堤というようなものは大きい施設があるところにおいて特に必要になってくるというふうに考えられるわけであります。 そのほかに自衛防災組織におきましても、特別なポンプ車の設置を義務づけるとかあるいはオイルフェンスの義務づけ、油回収船の義務づけというようなものは、コンビナートの置かれた場所の問題もありますけれども、やはり量的にも非常に大きなものがその災害の要因になるというところから義務づけられているというふうに考えられるわけであります。
○折小野委員 それぞれの事業所が防災上のいろいろな施設を整え、あるいは防災上の資機材を確保しておかなければならないということはこれは当然の措置であろうと思います。これは必ずしもコンビナートなるがゆえにということではないわけでございます。しかしコンビナートは最初申し上げましたようにコンビナートとしての特性がある、したがってこれに対する対応はそのコンビナートの特性に基づいて実施されなければならないというふうに考えます。一つ一つの企業でございますならばその企業が勝手に、まあ勝手にと言うとちょっと語弊がございますが、たとえば貯水槽をこういうところに設置する、これはその企業の考え方でいいでございましょう。しかしコンビナートであるならばやはり全体的な立場に立って考えて、こういう施設をこういうような配置で置くことがコンビナート全体として非常に有効である、またコンビナートであるならばこういうものを設置をしておくことが有効である、こういうような点があるのじゃないかと思うのでございます。たとえば油流出防止のためにオイルフェンスを整える。ところがこの前の水島の災害の場合にそのオイルフェンスの展張自体がすでに時間的におくれた、そういうところにも一つの問題があるわけであります。あれが時間的におくれなければあれほど大きく流出するということはなかったと思う。ということになってまいりますと、そのオイルフェンスの配置が悪かった。コンビナートの実態というものを考えて配置されておらなかった。恐らく個々の企業においてそれぞれ持っておったでございましょうが、コンビナートの特性というものを考えたそういう配慮がなされておらなかったというところに一つの原因があろうと思っております。したがいまして防災上の施設の配置とか資機材等につきましても、やはりコンビナートの特性というものを考えた効率的な整備なり配置なり、こういうことが行われなければならないというふうに考えます。こういう点は細かいことでございますからあるいは政省令にゆだねられるということになろうかと思いますが、そういう面は当然十分考えてやっていく必要があるというふうに思うのでございますが、いかがでございますか。
○佐々木政府委員 確かにただいま御指摘のような事例は、水島の場合と四日市の大協石油の場合の事例を通じましても私ども非常に痛感をしておるわけでございまして、水島の場合にはオイルフェンスが各企業にばらばらに持たれておる、したがって統一的なオイルフェンスの展張という点についてやや問題があったというふうに考えておるわけであります。また大協石油のタンク火災に当たりましてはあわ消火剤が共同備蓄をされておったために非常に有効な利用ができたというような事例もございまして、この点がいわば共同防災組織をこの法律の中に取り入れた理由にもなるわけでありますけれども、こうした共同で必要な場所に必要な施設を設置しておくという点は、確かに災害の拡大防止という点におきましては非常に有効に役立つというふうに考えておりますので、この点は防災計画等におきまして相当きめ細かな対策を講じさせる必要があるというふうに考えております。
○折小野委員 次にこの施設、資機材の関係でございますが、そういうものをできるだけ整備をいたしまして、そして防災の万全を期さなければならないということでございます。しかしながら、これはそれぞれの企業がやっていくということになるわけでございますが、十分関心のある企業あるいはそれだけの能力のある企業ならばやってまいりましょうが、そうでないものについてはなかなかそれができないという面も出てこようかと思っております。従来化学消防車を義務づけるということになっておりますが、果たしてそのとおりに行われておるのかどうか、今後そういうような施設とか資機材とかをさらに一層多く義務づけようとするならば、それが現実にできるかどうかということが非常に大切なことじゃなかろうかと思っております。きのう見せていただいたところも大変模範的なところで十分な施設ができておりましたし、機材等も整備されておったと思います。しかしながら、すべてがあのとおりであるとは言えないわけでございます。そうしますと、決めた基準も守られなければ何にもならないということになるわけでございますが、そういう点については今後の指導としてどういうふうにお考えになっておられますか。
○佐々木政府委員 従来消防法の規定によります自衛消防組織に設置いたします化学消防車等の基準は一応設けておったわけでありますけれども、どうしても古い従来からの事業所についてはその設置が十分に行われておらないというところも見られるわけでありますが、今回のこの法案に基づきます自衛防災組織の基準あるいは共同防災組織の基準というものは、一定の経過期間を置きまして必ず備えつけてもらうということをたてまえにいたしております。したがいまして、これにつきまして設置しない事業所に対しましては設置すべき旨の措置命令の規定と、設置しない場合におきましては施設の使用停止命令ということによって、こうした行政上の強制をすることによって設置をさしていきたいというふうに考えております。
○折小野委員 ぜひひとつそういう面の整備が行われることが大切だと思います。しかしそれを行うためには、公的消防、市町村消防自体がせっかく決められた基準が守れない、基準どおりの自動車その他も整備されないということでは、企業だけにそれを強制するということはできないのじゃないかと思います。そういう面からいたしますと、やはり市町村に対する消防の基準が厳格に守られる、そして守られるような対策を講ずるということが、あわせてと申しますか必要になってくるというふうに考えるのでございますが、いかがですか。
○佐々木政府委員 御指摘のように市町村の消防につきましては、一方におきまして消防力の基準というものを今回改定をいたしまして、これに基づきます人員の充足と施設の増強の面につきましては、地方交付税の財政措置の面におきまして計画的に消防力の基準が達成できますように措置していきたいというふうに考えております。 なおまた、コンビナート地帯がございます市町村の場合におきましては、さらにこれに加えまして特殊な消防施設が要ることになりますし、また人員の増強という面も考えなければなりませんので、この施設等につきましてはこの法律によりまして消防施設の強化促進法につきましても特例を設けたわけでありますが、なお一般財源の措置につきまして、来年以降さらに交付税の基準財政需要額算定に当たりまして措置していきたいというふうに考えております。
○折小野委員 交付税の基準財政需要額に算定して財源的な措置を考慮するというお話はわかるのでございますが、しかしそれは拘束するものではないわけでございます。きのうの市原の例からいたしましても、市原市自体が、決められた基準の五割とか六割とか、物によって違いますでしょうけれども、少なくも決められた基準どおりの消防力ができていないというのが現実でございます。そういうような現実の中においてやはり企業だけに自衛消防の資機材を三年なら三年以内に完全に整えよということは、行政の立場としてなかなか言えないのじゃないかというふうに考えます。したがいまして、市町村の消防力の充実につきましても交付税でそれを見るということでございますが、同時にそれが守られるような対策、それが完全に実行できるような指導というものがあわせて必要じゃなかろうかというふうに考えますので、その点はひとつ十分に御配慮いただきたいと思っております。 ところで第三はこの共同防災組織に関係してでございます。公的な消防以外に、コンビナート地域におきましてはいわゆる共同防災組織をとることができる、こういうような規定がございます。いままでの質問の中におきましてもこれを義務づけるべきじゃないかという意見がございました。きのうの現地におきましても、市原市の消防の側におきましては共同防災組織をすることがいい、こういう意見でございました。ところが企業の方は自主的な自衛消防を持ってそして自主的に運営をしていきたい、もちろん相互に十分連絡をとりながら、しかもその中においては自主的に運営をしていきたいというような意見でございました。現実の問題といたしまして、その効果が上がらなければ何にもならないわけでございますが、私どもはコンビナートという特性から考えますとやはり共同防災組織があることが望ましいというふうに考えるのでございますが、消防庁としてはやはりそれを要求することは無理だというふうにお考えになっておられるわけですか。
○佐々木政府委員 私どももこの共同防災組織は通常のコンビナート地帯におきましては当然に必要であるというふうに考えております。ただ、この共同防災組織につきまして、私どもも立案の過程におきまして義務設置ということを考えていろいろ案を練ったのでありますけれども、実際にはこの共同防災組織を義務設置にいたします場合には、その組織について一定の法律上の規制を設けなければならない。そしてまた設置をする場合の組織につきましても法律上決まった組織にしていかなければならない。いろいろ考えてみますと、やはり地域によってこの共同防災組織の組織のあり方あるいはその組織の置き方等が差があるであろうというふうに考えまして、この点はある程度法律上形式的には任意設置のような形にしながら、この共同防災組織の基準と自衛防災組織の基準というもの、この両者を合わせることによって、やはり共同防災組織を設置する方がいろいろな面で合理的であるというような判断ができますような基準を設けていきたい。といいますのは、共同防災組織を設けない場合には、自衛防災組織にありとあらゆる施設を備えていかなければならないというようなことになってまいります。そういたしますと、やはり共同で高性能のものを備えた方がむしろ防災上も合理的であるというようなことがわかりますと、やはり共同防災組織の方を企業としては選択されるんじゃないだろうかというような感じもいたしますので、こうした基準の設定を通じまして共同防災組織というものは誘導していきたいというふうに考えております。また地域によりましては、昨日ごらんいただきましたように市原・袖ケ浦の地域だけでも南北二十キロの延長ということになりますと、これを一本の共同防災組織にするか、地区を分けて二本立てにするのかというような問題もございますので、その辺はやはりその地域の特性に応じた置き方ということは考えてやっていいのではないか、またそれに対応する基準というものを考えてもいいのではないかというふうに思っております。
○折小野委員 地域の実情もございますし、そういう実態に即した効果的な考え方というものが必要であるということは当然でございますが、しかしやはりコンビナートに対する対策といたしましては、共同防災の組織を効率的に運用していくということがより効果的であるというふうに私どもは考えます。現実の問題もございますから、いまおっしゃるように極力誘導的にそういう方向に持っていっていただく、そしてそういう組織の効果が十分に上がるように指導をしていただくということが非常に大切なことじゃなかろうかと思います。 そこで、ちょっとそれに関連をしてお伺いをいたしますが、共同防災組織になるならないは別といたしまして、自衛消防と消防団との関係はどういうことでございますか。全然関係ないということなんでしょうか。
○佐々木政府委員 消防団はその地域防災のためのいわばフロンティア活動の一つであります。そういう意味での地域防災活動を行うという意味におきましては、自衛防災組織もその活動を行うのだということであれば内容は同じになりますけれども、実際にはこの消防団の活動は原則的にはその市町村一円の防災が任務になりますし、自衛防災組織というものはその企業の防災というのが第一義的な活動の目標になってまいります。ただ自衛防災組織というものは、やはりその周辺地域における災害発生の場合には当然にその市町村との応援協定に基づきまして地域防災にも活動するということになるだろうと思います。
○折小野委員 実は、実際の運用問題につきまして私どもは多少懸念をいたすわけであります。特に最近のような情勢になってまいりますと、企業として多くの余裕のある人間を抱えておくということはできません。多くの場合、消防団員はそれぞれの地域にありますそういう企業からも出ていくわけであります。ところが自衛消防隊を持っておるがゆえに消防団に人を出さないとか、あるいは自衛消防隊はその周辺の災害について全然知らぬ顔をしておるとか、あるいは地域の消防団が企業内の災害につきまして全然応援をしないとかそういうようなことがあっては、全体的な防災という面からいきまして非常に問題があるんじゃないかというふうに考えます。こういう面は現実的ないろいろな調整が必要だというふうに考えますが、制度の立場からいたしましてもそういう面は十分配慮しておく必要があるんじゃなかろうかというふうに考えるわけですが、いかがですか。
○佐々木政府委員 その企業の従業員が地域の消防団の一員となるということはむしろ望ましいことであるわけでありますけれども、通常の勤務時間中におきまして自衛防災組織の一員となっているというような場合におきましては、やはり消防団活動というものは事実上できないだろうというふうに思いますが、その勤務時間以外の場合に消防団活動を行うということは当然に考えられることであります。また自衛防災組織というものが地域の災害に対して全然知らぬ顔をしておるというようなことは、これはむしろ地域社会を構成する企業としても望ましいことではないわけでありまして、やはりこの自衛防災組織というものがその地域の災害に際しまして、その地域の市町村との相互応援協定によりまして出動していくということは、私どもとしても十分指導してまいりたいというふうに考えております。
○折小野委員 現実の問題になりますと、いわゆる町と企業というような関係がいろいろと問題になってまいります。そういう点は地域の市町村なりそういうところが十分配慮しなければならないわけでございますが、特にコンビナート地域におきましては町とコンビナートとの関係というような面がいろいろな面から問題が出てくることが多いと思っております。したがいまして、そういう面について消防庁のいろいろな基準の策定その他におきましてもその辺の連絡、協調というものを十分配慮しながら制度をつくっていただく、あるいは指導をやっていただくということが大切なことじゃなかろうかというふうに考えます。 それから最後に一つお伺いをいたします。 緑地等を設置する場合におきまして、この法律によりまして企業と国と自治体と三分の一ずつ負担するわけでございますが、緑地等を設置する場合に、その地方団体がその財源を起債に求めた場合の元利償還金の半分は交付税で見るということでございます。こういう措置によりまして、大体どれくらい交付税で見られるというふうに予測をしておいででしょうか。確たることは、これは先のことでもありますし、わかりませんでしょうが。
○佐々木政府委員 この法律の規定によりますいわゆる防災緑地の対象になります地域というものは、どちらかといいますと、第一種事業所が主になって構成されている地域というふうに限定をされてくるのではないだろうかというような感じがいたしております。二種事業所、あるいは一種でもない二種でもない事業所等で構成されておりますいわゆる既設のコンビナート地域におきましては、公害緑地によってこの遮断緑地が構成されるというふうな形になりますので、この法律によりまして特に交付税で目立って多くの基準財政需要額が増額になるということは、余りないのではないだろうかというような感じがいたします。
○折小野委員 いずれにいたしましても、地方団体の財政措置、これを考えていただくことは結構なことなのでございますが、その額が幾らになるかは別といたしまして、こういう措置がとられた場合には、結局その措置を実施する地方団体に対しましてすべての地方団体の犠牲においてそれが行われる、こういうふうに言っていいわけですね。
○佐々木政府委員 まさに理論上はそういう形になるわけであります。確かに、交付税の性格から言いまして、こうした特定財源的な措置の方法ということは必ずしも望ましい方法ではないという点は御指摘のとおりでありますけれども、ただ、実際問題といたしまして、財源配分の方法としていろいろな方法がとられておるわけでありますけれども、この緑地の制度は、いわゆる都市計画上の都市公園としての性格を持つ、いわば都市計画事業費の財政需要の配分という形になってまいりますので、これらにつきましては、一般の公共事業の需要配分、資金配分と同じような性格のものであるというふうに考えておるわけでございます。
○折小野委員 特に地方財政が非常に窮迫しておるという今日でございます。したがいまして、多い、少ないは別といたしまして、すべての地方団体の犠牲において新しい施策が行われる、これはそういう面からいきますと問題だというふうに考えます。もちろん、現在のようなコンビナート災害に対する対策というものも進めていかなければならないという点からいたしますと、私どもは、こういう財政需要の特別措置を交付税に求めるという方法、こういう点につきましては、自治省としては考え直していただきたいというふうに考えるのです。これは、一般的に政務次官にお伺いをいたしたいと思います。いま申し上げましたように、理論上は結局こういうような財源措置がすべての地方団体の犠牲において行われる。確かに防災緑地はいまおっしゃるようにそう数は多くないかもしれません。しかし恐らくは、公害関係の緑地もやはりこういうような措置で行われるということになってまいりました。 それからもうずっと前ですが、沖繩が返還になったとき、最初の年は国庫補助で、それからそれを、毎年毎年なし崩しに崩して、結局すべて全体の交付税の枠の中に入れてしまうということになりました。これも結果的に見ますと、すべての地方団体の犠牲においてということであります。交付税の税率が三二%に決められてから今日まで、そういうような形で新しい施策を次々に交付税の枠の中にはめ込んできた。そのことによって今日地方財政が非常に窮屈になった。こういうことも一面からは言えるわけでございます。私どもが交付税を問題にいたします場合に、こういうふうな新しい施策を必要とするようになれば、それに交付税率を上げていくというような形にいたしますならば、地方団体の立場を考えて財源措置を講じられたというふうに見られるわけでございます。これまでのような状態からいたしますと、この面の経費はそう多くなかったにいたしましても、三二%が決められて今日まで、どれだけ多くのものがそういう形で交付税の中に投げ込んでこられたかということを考えますと、地方団体の財政の窮迫の一つの原因はこういうところにもあるわけでございますし、交付税というものに対する過度の依存度と申しますか、あるいは交付税に逃げ道を求めるというようなやり方、これは決していいことではないと私どもは考えるわけでございます。そういう点からいたしまして、これはこの問題だけではございませんが、今後の財政需要の対策として、何でもかんでも交付税に持ってくるというような考え方は、自治省自体が改めていただきたいというふうに思うのでございますが、いかがでございますか。
○左藤政府委員 今回の緑地に係ります問題につきましては、お話しのように、公害対策の緑地と線をそろえたといいますか、それに右へならえをした形で今回この法案の作成に当たったわけでございますが、いまお話しのございましたように、いままでのように、国の三税がどんどん伸びておって、そうしたものを吸収できるような形のものであれば、三二%というものを動かさないでも、その間にいろいろなものをはめ込んでいくことはあるいはできたかもわかりませんが、これからの問題といたしましては、抜本的な対策を考えなければ、地方財政の危機というものの打開は非常にむずかしい。それだけ三税の伸びが期待できない。むしろ逆に、マイナスになっていくというような新しい事態というものに対処するためには、そういった問題について根本的に考え方を変えていかなければならない。いろいろ検討しなければならない問題があろうか、このように思うのでございます。
○折小野委員 三税の伸びがなくなる今後についてということでございますが、三税の伸びがあった時期におきましても、それは反面インフレによってそれが伸びたわけでございます。そうすると、そのことは結局、反面には経費の面も伸びておるわけですから、三税の伸びがあったから、それだけ地方財政に対する配慮がなされたのだと考えるべきではないというふうに私どもは考えます。 いずれにいたしましても、今後の財政措置として、安易に交付税に持ってくるということについては厳に慎んでいただきたいと思いますし、今後の財政対策について十分な配慮をお願いをいたしまして私の質問を終わります。
○大西委員長 次回は、明二十五日水曜日、午後一時から理事会、午後一時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時三十九分散会