地方行政委員会 第24号
- 発言数
- 191 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1975/06/13
会議録
○大西委員長 これより会議を開きます。 内閣提出に係る石油コンビナート等災害防止法案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、これを許します。高鳥修君。
○高鳥委員 ただいま議題となりました石油コンビナート等災害防止法案について御質疑をいたします。 まず、今回のこの石油コンビナート等の災害防止法案は、昨年末、水島で発生いたしました石油タンクの破損に伴う非常に大きな災害、公害、この問題に端を発してこの法案が急速に立案されたわけでありますが、関係省庁も十三に及ぶというし、また従来こうした関連で規制をいたしております法令も非常に多岐にわたっておったわけであります。そういう中で、きわめて短時日の間にこのような法案をまとめられました消防庁を初めといたしまして、関係の皆様方の御努力は非常に高く評価をいたしたい、このように思うわけであります。しかし、その内容をつぶさに拝見をいたしますと、やはりいろいろと問題の多い法案であると思うわけであります。にもかかわらず、コンビナート災害防止ということが非常に緊急を要することでありますだけに、ぜひひとつこの法案を十分な審議の上に立って成立をさせたい、このように念願をいたしておるわけであります。 せっかく大臣が御出席でありますので、大臣に最初に若干の点についてお伺いをいたしたいと思います。 この法案は、主務省が自治省とそれから通産省ということになっておりまして、内容的にも自治省の政令あるいは通産省の政令でそれぞれ決めるということになっておって完全な共管だ、こういうふうに承知をしておるわけでありますが、たとえばコンビナートの新設あるいは既設の施設の変更、これらについては届け出をして、それぞれ審査をしてそれの可否を決する、それでしかるべき指示をするということになっておるわけであります。完全な共管ということは、仮にたとえば両者の協議が調わないというようなときには指示が行われない、行うことができないというようなことにもなりかねないわけであります。災害の防止ということは、何といっても非常に重大なことでありますから、責任体制の一元化ということがきわめて重要だと私は思うのであります。そういう意味においては、防災行政の一元化、これは非常に広い意味において、たとえば消防庁の所管のことあるいは国土庁の所管のこと、いろいろとありますし、農林、建設、通産、さらには運輸省の港湾等各方面にわたっておるわけでありますが、それらの最終的な防災体制の一元化ということが必要ではないかと私は思うわけでありまして、コンビナート防災の場合におきましても、たとえば自治大臣が主管大臣であって、片方は協議をするというような形にしてすっきりさせるべきではないだろうかという感じが非常にするわけであります。あるいはまたその取り締まりに当たりましても、このコンビナート防災法でできない部分を消防法その他の法令の改正等でもって対処をしようというふうにいたしておるわけでありますが、むしろコンビナート防災ならコンビナート防災の法案の中に全部持ってきて入れてしまうというような形にした方がすっきりするのではないだろうか。たとえばレイアウトの問題については、この法案ではかなり規定をいたしておりますが、個々の施設そのものの構造基準等については、従来の消防法の改正強化というような形で対処をしようといたしておるわけでありまして、何かこう非常に力が足りないような感じがしないでもないわけであります。特に防災体制の責任体制の一元化ということについて大臣はどのようにお考えになっておられるか、この点をまず第一にお伺いをいたしたいと思います。
○福田(一)国務大臣 高鳥さんにお答えをいたしたいと存じます。 実はこの法律は、御指摘のように今春来問題が提起され、そして直ちにこれを法案にするという形で関係省と審議を進めてまいりました。その結果、このような結論に落ちついたわけでありますが、防災という見地から見て、コンビナート法をつくった本来の目的から見れば、これは防災ということが中心になるべきである、したがって、主管大臣は自治大臣になるのが適当ではないかという御趣旨と承ったわけでございます。われわれもまことにごもっともな御意見であると思うのでございまして、実はその意味では通産省とも事務においていろいろ折衝をいたしたところでございますが、そういうことにいたしました場合において、高圧ガスなどがコンビナートの中にある場合、その高圧ガスには取締法というものがございますが、これはいままでの経緯から見て通産省の所管ということは事実であります。そうすると、その新設、運営等々の問題について全部自治省で責任を持つということではどうしても、通産省としては、いままでのたてまえから言っていろいろの産業政策の面から見たときには、やはり通産省に残しておいてもらいたいという強い意見がこれまたございました。これは事業を監督しておる意味から言ってどうしてもということで、実はこの問題で審議が一時相当難航をしたわけであります。しかしコンビナート法というのは何としても早く成立させなければ、今後問題が起きたときにそれに対処することができませんので、私は、ごもっともな御意見であるとは思っておったのでありますけれども、最終段階におきまして、これは通産と自治で共管をする、しかし実際の防災をやる現場の者は、地方長官を中心にして、そして統一的にやる、こういうことで、所管の面はそういうことになっておりますけれども、実際に担当する面において防災自体の面については統一的にやれるということで、このような法案の提出に相なったということを御理解をしていただきたいと思うところでございます。
○高鳥委員 いずれにいたしましても、いずれかの省が主体性を持って、責任を持って対処をするということでないと、せっかくつくったこの法案が本当に生きてこないように思いますので、そうした点は実情に即してひとつ御努力をいただきたいと思うわけであります。 それから第二番目に、水島事故そのものは、陸上における災害はそのコンビナート施設内だけにとどまって、大部分の被害はむしろ海洋汚染という形であらわれたわけでありますが、この法案そのものは、陸上における施設ないしは油の汚染、油の流出防止というようなことにも配慮はいたしておりますが、主としては陸上施設に対する規制でありまして、海洋汚染対策というようなものはほとんど含まれておらないわけであります。現実には、さらに陸上のコンビナートに油を輸送してくるところの油送タンカーの接触ないし沈没事故等々による被害というようなものが起こっておるわけでありまして、たとえば東京湾の中ノ瀬航路でつい先日も相当な事故がありましたし、瀬戸内海あるいは遠くはマラッカ海峡あたりまでそうした座礁事故等が発生をいたしておるわけであります。そうしたものについてはこのコンビナート防災法は全く無力である。全くかかわりがない形になっておるわけでありますが、これは現実のそうした災害が起こっておることに対する対処の仕方としては抜けているところがあるんではないだろうか、このように思うのでありますが、大臣はそうした点についてどのようにお考えになりますか。
○福田(一)国務大臣 御案内のように、この事件が発生いたしますと同時に、実はいま隣においでになる自治省の左藤政務次官に事故対策の本部長になってもらいまして、詳しく事情を視察してもらうと同時に、今後の対策という問題についてもいろいろ勉強をしていただきまして、この法案作成についてはずいぶん努力をしていただいておるのでありますからして、これはひとつ政務次官の方からお答えをしていただいた方が私よりは実情に即すると思いますから、お願いをしたいと思います。
○左藤政府委員 いま大臣からお話がございましたが、いま御指摘のこうした海上の災害に対する配慮がもっと必要であり、さらにまた、そうした問題についての現行法の対処の仕方が不十分であるという御指摘はそのようだと思います。 そこで、この問題につきましていろいろ検討いたしたわけでございますが、コンビナート地域に対します防災という問題を取り上げた場合に、法の体系からいたしましてコンビナート地域に限られたものとしなければならないわけであります。その他の地域に対しますそうした問題につきましては別の法律で対処しなければならない、こういった一つの隘路が出てまいりまして、法案を作成いたします段階におきましていろいろ検討いたしましたが、それはまた別の立場から検討すべきものだということにしたわけでございます。 しかし、御指摘のようなこのコンビナート地域におきましての災害につきまして、たとえば海に流れました油がコンビナート地域の一環の中で火災を発生するとかいろいろな被害を起こすという問題につきましては、もちろんこの法案の中で十分調整できるということで、たとえば海上保安官署の長が必要な指示を行えることとしたとか、あるいはまた防災本部におきまして陸上及び海上の防災に関する機関が入るとか、知事の総括のもとに調整が行われるといった、そういう意味においての海上及び陸上の接点におきます防災というものは、コンビナート地域につきまして十分対処できるようにはいたしておるわけでございますが、御指摘のようなタンカーの事故といった問題につきましては、ただいま運輸省において海上防災法の制定というようなものを御検討になっておる、このようにも伺っております。そうした問題によって対処されるべきものである、このように考えております。
○高鳥委員 従来、運輸省では海上の問題については、もっぱら航行の安全という見地から規制をしておったと思うわけでありますが、巨大タンカー、それに伴う事故による海洋汚染という面についての対策というものは、必ずしもできているとは思いません。そういう面については、いま海上防災法というお話がありましたが、ひとつ速やかな制定を期待をしたいわけであります。これはコンビナート防災法と一体をなすと思いますので、それらについては運輸省の所管であるからということではなしに、ひとつ十分な関心を持って取り組んでいただきたい、このように思うわけであります。 次に大臣にもう一点。この法律の違反に対する罰則の問題については、届け出義務違反等についてはこの法律そのもので規制をいたしておりますが、その他の災害そのものについては、もっぱら消防法の一部改正ということで附則で対処をしておるのであります。しかも、火災の危険があった場合、油が流出をして、そのことから火災が発生したりまた火災の危険を生じさせた場合にその責任を追及するという形で規定をされておるわけであります。しかし、実際は油が流出をして被害を受けるのは必ずしも火災ばかりではなくて、環境破壊、自然破壊、いわゆる公害の発生、そうした面についてももっと責任が問われてしかるべきではないだろうか、そうした点についてはどうも欠けているところがあるのではないか、私はこのように思うのですが、その点をどのようにお考えになりますか。
○福田(一)国務大臣 ごもっともな御質問でございますが、われわれといたしましては、この法律の附則で消防法の一部改正を行いまして、現実に火災が発生しない場合であっても、その危険がある場合には、石油等の危険物を流出させた者について処罰規定を設けることにいたしたわけでございます。しかし、単に環境を汚染させた場合については、火災危険の防止という消防法の目的から言って消防法により処罰することはできません。また石油コンビナート等の災害防止法において処罰規定を設けるとすれば、コンビナートの区域以外の地域からの流出が起こった場合との刑罰の均衡を失することになるので、この法律において処罰規定を設けることは困難でございます。 そこで、環境汚染についての処罰は他の単独の特別立法等によってこれは措置するほかいたし方がないと考えるのでございまして、この点は環境庁等にも連絡をいたしておるわけでございます。 御指摘のようにすべて関連がある、直接たると間接たるとを問わず全部この法律で規制をするあるいは処罰をするということまですれば、ある意味ではすっきりするわけでありますが、しかし法律のたてまえ論というものもございまして、消防法の問題ですべてをカバーしていく、あるいはこの法案自体によってすべてをカバーしていくということは非常に困難になります。が、御指摘がございましたので、なおこの点は十分関係省にも連絡をいたし、また当省といたしましても勉強をさしていただきたいと思います。
○高鳥委員 もう少し突っ込んでお伺いしたいところでありますが、大臣十一時から御都合があるそうでありますから、もう一点だけお伺いをいたしたいと思います。 いわゆるコンビナートが立地をいたします際の周辺住民に対する環境の悪化を防止するという見地から緑地等を設置する。そういう場合にはその費用のうちの三分の一は事業者負担、残りの三分の二のうちの半分を国が負担をする、あとの半分、結局三分の一が、これは都道府県もしくは市町村になると思いますが事業主体である地方公共団体の負担である、そしてそのうち半分を地方交付税で措置をする、このように規定をされておるように読んだわけでありますが、本来、いわゆるコンビナート等が企業立地をいたしましたことによって自然環境が悪化をしていくわけでありますから、これを国民の血税である国費、もしくは地方の公共団体の財源といえどもいずれも税金から成り立っておるわけでありますが、これでもって賄っていくという考え方は果たしてどういうものであろうか、あるいはまたそうしたことを地方交付税等で措置をしていくということ、何でもかんでも、地方交付税そのものをふやすことが非常にむずかしい中でそうしたものをみんな見込んでいくということは果たしてどういうものであろうか、こういう疑問が当然出てくると思うのであります。その点については大臣はどのようにお考えになりますか。
○福田(一)国務大臣 これもごもっともな御疑問であると思うのでありますが、われわれといたしましては、そこに事業所を設けることによって一種の危険が生ずる、それならば事業自体が全部負担すべきではないかということも一つの考え方であると思うのであります。しかしまた他面、その事業所ができることによって将来当該地区における市町村あるいは県等がいろいろの利益を受け、あるいは労務者の提供といいますか、雇用問題についていい結果をもたらすということも考えてしかるべきではないかと思いますし、また、そういうような事業を興すことによって国は、すぐではございませんけれども、将来やはり税金がふえるというようなことにもなるわけでございます。そういうことでありますから、これに危険が起きるからこれはもう全部企業がかぶらねばいけないという考え方もありますけれども、その仕事が興ることによって国あるいは地方公共団体が受ける便益ということも考えてみますというと、これはやはり国もある程度負担をしてよろしい、また地方も負担をしていいのではないか、しかし地方の負担ということにしますと、こういうときでございますから、ますます地方は財政的に困難を感じます。そこで、この仕事を興すことによって国が利益を受けておるのでありますから、将来受けるその利益を担保というか、考えて、そして国から受けるいわゆる交付金、その交付税によってある程度市町村あるいは府県の負担を見るということも、私はそれなりの一つの筋があると考えておるわけでございます。まあこれも企業優先に連なるではないかというような御意見もあるかと思いますが、しかし事業が興らないことによる利害という問題もまた考えてみる必要があると思いますので、われわれとしては大体このような三分の一、三分の一、三分の一というぐらいにしておいて、しかし国以外の分につきましては、やはり国が受けるというか、国のいわゆる税金の、三税の割り戻しになる交付税の財源というものからある程度めんどうを見るということも、私はそれなりの理由があるのではないかという考え方で、このような組み立てにいたしたわけでございます。
○高鳥委員 まあコンビナートそのものに対する国民の受取方というものが一時とは相当違っておるように思うのです。そういう中で、コンビナートをつくることによって地域の発展なり住民の所得なりの向上につながる、だからひとつカバーをしてやってもいいのではないかということに対しては、素直に受けとめられないような国民感情も最近は存在するわけでありまして、そうしたことを十分踏まえて対処していかなければならないのではなかろうかと思います。 大臣、お時間の都合があるようですから結構でございます。
○福田(一)国務大臣 ただいまの御指摘ごもっともでございまして、そういう空気が非常に強いということもわれわれよく認識をいたしております。しかし、いま私が申し上げたようなこともだんだんみんなにわかってもらうようにいたしませんというと、やはり国の経済というものは成り立っていかないかと思うのでございまして、これは両論それをうまく、私としては理解しておっても、皆さんとしては反対の御意見もありましょうし、また一般の人から言えばどうもおかしいというお考えもあるでしょうが、われわれとしてはそういう面を十分御理解をしていただくように努力をいたしたいと考えておるわけでございます。
○高鳥委員 それでは、次に一点だけ政務次官にお伺いをいたしたいと思います。 政務次官は、昨年の十二月十八日に三菱石油の水島製油所で発生した事故の現地の対策本部長ということで非常に御活躍になられたわけでありますし、またこの法案の主務省である自治省の政務次官として、法案の成立にもただいま非常に御努力になったことを大臣からも承ったわけでありますが、この法案作成の過程あるいはまたこうして成案となって提出をされた上での、政務次官のこのコンビナート災害防止法に関する御感想をひとつ承りたい。
○左藤政府委員 こうした水島の事故の教訓というものをどのように生かしたかということ、それについてこの法律案はどういうできばえか、こういうような意味の御質問だろうと思うのでございますが、確かに現行法といたしましての消防法なりあるいは高圧ガス取締法、こういうもので十分でないということ、そしてまた災害というものがどういう形で起こってくるかということ、今回のような、言ってみれば思いもよらなかったような形で相当大きな事故が起こるというような、そういう点から見まして、石油コンビナート等災害防止法という今回の法律というものは、現行法の二つの上に一つの網をかぶせたという形では一歩前進だと評価していただけるだろうとは思いますけれども、しかしいろいろな現行法をそのままにしておいて、そしてまた石油コンビナート地域だけに限ったいろいろな対策という形で立てた法律でありますので、たとえば毒物劇物取締法との関連とか、そういった点についてまだまだ十分、時間的にもまたいろいろな法律的にも検討して配慮しなければならない問題が残されておるというふうに思っております。こういう法律があればこれからはああいった事故を完全に防遏できるかということにつきましては、そういう意味において、どんな場合でもということで水も漏らさぬ体制ということにはなかなか非常にむずかしいと思いますが、しかしいままでのそういった現行法から比べますと、私は一歩も二歩も前進した形というふうに考えておる、非常にむずかしい中でここまでまとめるのが精いっぱいだったというような感じを私は持っております。
○高鳥委員 いま政務次官がおっしゃった、まさにそのことずばりだと私も思うのでありまして、災害防止法と銘は打ってあるけれども、現実にはきわめて弱い法案であって、この法案でそのまま災害防止ができるというふうにはちょっと言い切れない数多くの問題を含んでおると思います。この法案そのものの名前が石油コンビナート等災害防止法というふうに名づけられておりますし、それから法案提出の理由も、石油または高圧ガスに関する規制の強化等というのを主軸にしてお考えになっておられるわけであります。 そこで消防庁長官にお伺いをいたしたいわけでありますが、いわゆる大規模な工場立地をしておりますものは必ずしも石油コンビナートだけではないわけでありまして、製鉄所でありますとかあるいはまたアルミ等の生産でありますとか、関連企業を含めまして相当大規模な、鹿島にいたしましても水島にいたしましても、その他の新産都市計画を進めておるところにおきましても、数多くの大型プロジェクトがつくられておるわけでありまして、それらが地震あるいは火災等の発生の場合には相当大きな災害をもたらすであろうことは必至であるわけであります。そういう面についての規制というものが私は同時に必要ではないかとも思うわけでございまして、現実には、最近起こった災害というのは石油ないし石油合成化学、そうしたことを中心にして起こってはおりますが、いわゆる大型工場立地をしたところ全体をカバーするような方法というものを考えられないものであろうか、あるいはこの石油コンビナート等災害防止法というものはそうした地域をもかなりの割合でカバーすることができるようになっているのかどうか、その点についてはどのようにお考えになっておりますか。
○佐々木政府委員 御指摘のようにこの法律は、石油類あるいは高圧ガスというものを中心にした災害防止法の形になっております。それ以外に通常の鉄鋼でありますとか、あるいはその他の金属精錬といったような大型の工場に対応する必要もあるのではないかという御意見はまことにごもっともでございますが、ただ現実に災害発生というものの態様を見ます場合に、多量の熱を持っておりますところの危険物あるいは爆発というような非常に広範囲に被害が発生いたしますガス関係の事業所というものと、その他の事業所の災害にはその周辺地域に対する影響の度合いが相当異なっておるというふうに考えられるわけであります。しかし、またそうした大型の石油あるいは高圧ガス以外の事業所についても考える必要があるという点は、私どももその点の心配はしておるわけでありますけれども、この辺の事業所については通常の消防力ということをもって対処し得る範囲のものではないだろうかという点が一つ考えられるわけであります。 それからもう一つは、そういう大型の事業所につきましては、燃料あるいは原料としての危険物の集積がある程度あるわけでございまして、この法律でコンビナート地域における第一種事業所、第二種事業所の規定がございますけれども、こうした大型の事業所は、そのほとんどが第一種事業所または第二種事業所に含まれてくるというのが現実の姿であろうと思います。そういう意味におきまして、この法律には大体大型の鉄鋼その他の事業所の場合には、少なくとも第二種事業所としての規制の対象になり得るのではないだろうかというふうに考えておりますので、大体コンビナート地域の防災体制をとります場合には、この防災体制の中に含まれてくるであろうというふうに考えております。
○高鳥委員 現実にいま御答弁になりましたような形でカバーをされておるとすればそれで結構でありますが、しかしいわゆる大型の企業立地をしておりますところは、工場立地をしておりますところは、水島と同じように大部分埋立地でありまして、非常に地盤の軟弱なところであります。そこで大地震が発生したような場合には相当集中的に大きな災害を起こすであろうことは疑いを入れないところでありまして、そうした面についてもカバーできるような形になっておるとすれば結構でありますが、もしそうなっていないとすればカバーするような方法も考えなくてはならないのではないだろうか、このように思いますので、あえて申し上げたわけであります。 そこで、この石油コンビナート地帯でありますが、全国で六十一地帯、二十八都道府県にまたがって関係市町村は六十九市町村あるというふうに、これは消防白書か何かの説明だと思いますが、言われておりますが、この法案で予定をいたしておりますのは、いま申し上げましたその六十九市町村、全国六十一地帯その全部をカバーするものでありますか、あるいはまたその中から外れるものもあったりあるいはそれ以外の地帯も一応法案が成立した場合には指定をすることを現在の時点で予想しておるものでありますか、その辺のカバー率はどんなぐあいになっているか承りたいと思います。
○佐々木政府委員 従来私どもの立場で、いわゆるコンビナートとして特別な防災体制をとらせている地域は、ただいま御指摘のような数字になっております。ただこの場合のコンビナート地域はそれほど厳密に市町村の区域あるいは府県の区域をそうした行政区画にのっとって厳正に区分した数字ではございませんので、この法律によってさらに詳細な調査をいたしますれば、若干のコンビナートの地域はふえてくるのではないだろうか。これはまた特に最近の石油事情等によりますところの石油類の備蓄の増加もございますので、あるいは数といたしましてはこれまでのものよりもふえるのではないだろうかというような感じがいたしております。少なくともこれまでコンビナート地帯というふうにして私どもが考えておりましたものは、大体において含まれてくるだろうというふうに考えております。また特に府県との相談の段階で、その地区の区分等につきましてまたいろいろ意見が出てくるだろうというふうに考えておりますので、場合によってはコンビナート地帯というものは七十前後の数字にもなってくるのではないだろうかというような感じがいたしております。
○高鳥委員 これはまた後で、この地域の指定の問題については、法案そのものに関連をいたしましてもう少しお尋ねをいたしたいと思います。 次に水島のいわゆるタンクの破損事故に端を発しまして、全国的に油のタンクの調査をいろいろとお進めになったと思いますし、それは消防庁の御調査では、巨大タンクの危険な不等沈下は百二十一基ある。それからつくりっ放しで管理なしの欠陥が三百十八あるというような調査の御指摘があるようでありますが、水島の事故にいたしましても、これは直接の原因はタンクの構造あるいは地盤、さらには施工方法、そうしたことに非常に問題があるように思うのであります。先般「三菱石油水島タンク事故原因調査中間報告書」というのを拝見をいたしましたが、たとえばタンク建設関係企業というのがいろいろ挙げてありますけれども、それの一体的な責任体制というものはきわめて不十分であって、施工上に問題があるのではないかというような指摘があります。直接事故につながったのは階段の倒壊といいますか、そういうことも原因の一つになっておるようでありますが、その調査報告書の十二ページを見ますと、たとえば「基礎工事」の「コンクリート打設」が四十八年の九月七日に開始をいたしまして、四十八年の九月七日に終わっておるわけであります。一日でこれはやっておるわけでありますが、その上に「本体工事」として、「建方(本体大組)」というのが、同じく四十八年の九月七日に始まって四十八年の九月七日に終わっておる。基礎工事のコンクリートを打ったその日に、上の「建方」もみんな終わっておるというのは、幾ら素人でもちょっとこれは考えられない数字でありまして、少なくともコンクリートには硬化期間というものが当然必要であります。最低でも型枠を外すのに四日やそこらは置かなくちゃなりませんし、硬化をする期間が必要であることは、だれが考えてもわかるのでありますが、はしごの基礎のコンクリを打ったのと、上の「建方」と同一の日にやってあるという、まことにこれはどうも調査の数字がずさんなのか、仕事がずさんなのかわかりませんが、おおらかな仕事をやっておるわけであります。しかもこのタンクそのものは、ちょっとデーターを持っておりませんが、直径が五十メートル余りあって、高さがたしか二十四、五メートルあったと思うのでありますが、そのようなものをやることとしてはちょっと考えられない数字のように思うわけであります。 そういうことはともかくといたしまして、この法案はいわゆる全体のレイアウトということについて重点を置かれまして、そうした個々の施設の構造には全く触れておらないわけでありまして、従来の消防法等の規制の強化に期待をしておるというような形になっておるわけでありますが、本来、コンビナートの災害防止法だと言うのなら、そういったものをむしろ消防法からとってきてこっちの方に入れて規制を強化をすることの方が筋ではないだろうか、このように思うわけであります。そういう面を全く抜きにいたしまして全体のレイアウトだけを審査をして可否を決するということでは災害防止の実は上がらないのではなかろうか、そんな感じもするのでありますが、その点について長官はどういうようにお考えですか。
○佐々木政府委員 石油タンクの技術的な基準の改正の問題につきましては、私どもただいまそれぞれ専門の学識経験者等によりまして検討をいたしてもらっておるわけであります。できるだけ早い機会にそうした結論を得て、タンクの技術基準というものを政令または省令の形で法制化していきたいというふうに考えております。 なおまた、この検討には、相当早く仕事を進めましても一年半くらいの日数は必要だと思いますので、それまでの間の暫定的な基準というものを近く出したいというふうに考えております。 ただ、このタンクの基準はコンビナート地域以外のタンクにつきましても同様に適用になっていくわけでございますので、コンビナート地帯はそうしたタンクが非常にたくさん集積しておる、その集積しておる危険に対してどのように災害防除あるいは災害予防というものを考えていくかという立場での立法でございますので、このコンビナートの災害防止法だけでそうしたタンク自体の基準まで規定をするということは、地域的な問題からできないわけでありまして、その点はやはり消防法の系統の政省令をもって措置するというのが適当であろうというふうに考えております。
○高鳥委員 他の法令の網の目が張られている中でおつくりになった法律でありますから、そうした点が出てくるのはやむを得ないことだろうと思いますけれども、このコンビナート災害防止法の指定区域でないところにも同種のものがあるから、だからできないんだということでは、どうもどこまでいっても堂々めぐりになるのではないだろうか。少なくともコンビナート地域に指定されるようなところには大量の集積があるのだから、その大量の量という点に着目をされて、どこかで限界を引いたらより的確な規制ができるのではないだろうか。なぜこのようなことを申し上げるかといいますと、消防法によるいわゆるタンク構造等の規制は市町村の消防がやるという形になっておるようでありますが、最近はそうしたことについての技術的な審査能力も高まっているというふうには聞いておりますけれども、しかしいずれにしても市町村でありますから、中には政令指定都市等、相当大きな、都道府県にかわるような力を持ったところも多いわけではありますけれども、しかしどれだけその審査技術能力があるかということになりますと、必ずしも十分ではないのではなかろうか。レイアウトについての審査をやるのだったら、あわせてその施設そのものについても国がもっと大幅にその内容についてチェックをしてしかるべきではなかろうか、このように思うものですから、それを取り出してこっちの方にくっつけたらどうだろうか、このように考えるわけであります。他にあるから、だからこっちでは決めないんだということでやってまいりますと、みんな他にあるからになってしまいまして、災害防止法の本旨がどうも達せられないことになるのではないだろうか、こういう点について重ねて承りたいと思います。
○佐々木政府委員 確かに御指摘のとおり、消防機関の中には、あるいはそうした技術的な水準から、そのタンク自体について十分に審査能力を持っているかどうかという点について問題がないということは言い切れない面がございます。ただ現実には、現在はそうした消防機関におきましては、府県なりあるいは消防庁なりにそうした内容についての相談をしながら許可をしているということも行っておるわけでありますが、将来の問題といたしましては、この中間報告にもございますように、消防機関が詳細な技術的な点検なりあるいは建設後の点検なりというものを一々行っていくという点について、また事務量の点から言いましてもやや問題がございますので、この中間報告の三十四ページにも指摘がございますように、そうした中立的な検査機関というようなものを設置をいたしまして、市町村の技術的な援助というようなことが行い得るような体制というものを考えていったらどうだろうかというふうにいま検討中でございます。
○高鳥委員 中央におけるいまのコンビナート防災のための中央防災研究所みたいな形で、市町村の委託を受けて審査なり何なりをすることができるような、そういった体制というものも当然私は必要だと思いますので、その点について、いま御答弁のありましたような点に十分配慮をされまして整備を図られることが望ましいと思います。 次に、この法案はもっぱら施設の新設の場合と、それから既存施設の変更の場合についてのみ規制をしておって、既存施設をそのまま運転をしておる場合には全く規制を加える対象にはなっておらないように拝見をするわけであります。むしろ問題は、いままで大分災害もございましたから、これから新設をされる場合には相当な防災上の配慮というものが当然なされるだろうと思うのでありまして、問題は既存のものの方がむしろ問題だと思うのであります。そういう点について全く作用をしない災害防止法というのはちょっとおかしいのじゃなかろうか、このように思うのでありまして、たとえば、私どもも法案作成の過程で当委員会で参画をいたしたわけでありますが、百貨店の火災防止の見地から、スプリンクラー等の施設については、既存のものについてもこれの改良をさせるというようなこともいたしておりますし、あるいはまた、これは警察の関係でございますが、モーテルの規制については、ワンルーム・ワン車庫といいますか、一体になったものは好ましくないということで、当初は既存のものについてはどうも変更を加えることはなかなかむずかしいということであったのでありますが、私どもが強い要望をいたしまして、既存のものについて規制をしないというのは意味がないではないかということで、既存のものについても規制を加えるというようなこともいたしたわけであります。そうした点からいたしますと、非常にむずかしい点は多々あると思いますが、少なくとも現存の施設に問題がないわけではない以上、少なくともその改善なり何なりを勧告することができるぐらいのことは当然決めてもしかるべきではないだろうかというふうに考えますが、その点はいかがですか。
○左藤政府委員 確かに御指摘のとおり、この法律につきましては、石油コンビナートの中に所在します各施設、これが相互に関連している部分が非常に多いわけでありますし、そのレイアウトと申しますか、配置につきまして指示をする、改善させるということにつきましては、新しくそこに事業所をつくるのと同じくらいいろんな困難な問題がありますので、理想といたしましては御指摘のとおりだと思いますが、現実の問題といたしましてそういうことは非常にむずかしいので、この法律の対象とすることができなかったわけですけれども、現にこうした事故がたくさん発生した事実から考えまして、消防庁といたしまして昨年の十二月二十八日一斉点検の指令をいたしました。その結果、たとえば不等沈下の特に著しいタンクというものがいろいろ出てきまして、御案内のとおり沈下の割合が非常に大きいもの、そういったものが見つかったわけでありますが、そうした結果から考えまして、全国の消防機関に対しましてこの五月二十日に今後の定期的な点検の実施とか点検結果に基づきます措置方法あるいは点検のときに実施すべき試験あるいはタンクの基礎の修正方法、そういったものを消防庁として指示したわけでございます。技術的にたとえば油の入ったまま検査することができる超音波探傷試験とか、そういったもののやり方まで指示しておるわけでございますが、そうした個々のタンクの問題について改善をさせていくということはどうしてもやらなければならないと思っておりますが、全体の問題といたしまして、御指摘のような既存の事業所についてどうするかということは、やはり行政指導でやっていくのと、個々のタンクにつきましてのいま申しましたような対策ということで改善をさせていくということによってやる以外に、新しく法律でそれをやるということが、非常に規模が大きくて実際上の問題がありまして困難なために、今回はこうしたことができなかったということを御了承いただきたい、このように思うわけでございます。
○佐々木政府委員 既存の事業所についてこの法律の関係の適用が困難なものは、いま政務次官から申し上げましたように、事業所全体としてのレイアウトの関係の規定だけでございまして、その他のたとえば流出油防止堤というようなもの、あるいは消火設備といったような特定防災施設の義務づけあるいはまた自衛防災組織の設置の義務づけ、その他共同防災組織にいたしましても、あるいは防災緑地の設置等につきましても、これらすべて既設の事業所につきましても適用になるわけでございまして、現実問題として、このレイアウトだけは非常にむずかしいということで、この点は新設または増設のものについて適用するということにしただけでございます。そういう意味におきましては、この法律はどちらかというと既存の事業所について規制を強化するという観点から立法化をしたというふうに私どもは考えておるわけでございます。 なおまた、こうしたレイアウトの問題につきましては、既存の事業所につきましては昭和四十九年度からコンビナート地域の防災診断委員会というものを設置いたしまして、そうした防災診断の診断基準というものの制定を通じましてそれぞれのコンビナート地域における防災診断を行って、必要な行政指導は行っていくという体制をとっておるところでございます。
○高鳥委員 この災害防止法の一つの大きな柱は、私はレイアウトだと思うのです。それから自衛防災組織あるいは共同防災組織というふうな組織を義務づけるなりあるいは任意でもやれというようなことで、そういったことを法文化した。中でも一番特色のあるのはレイアウト問題について国がタッチすることになったというところにあると思うのですが、それがむずかしいからということで既存のものについてはノータッチでありますというのでは、どうもやっぱり一本足りないな、こういう感じにならざるを得ないのでありまして、少なくとも改善の勧告権ぐらいは当然あってしかるべきである、このように思うのであります。もちろんそれには相当の猶予期間を置くなり、あるいはまた資金等の問題も当然あると思いますけれども、しかし大臣が少なくともそうしたことについては改善を勧告できるという程度のことはあってしかるべきじゃないだろうか。それを行政指導で対処をされるということでありますが、この法律案のいわば一番眼目になっているところが、しかもいままでに一番災害を起こしている、また将来とも災害が発生する可能性のある地域について抜けておるということになりますと、どうも非常におかしいという感じがするのですが、重ねて御答弁をお願いします。
○佐々木政府委員 これは石油コンビナートというものの現在のいろいろな施設の構成等から見まして、既存の事業所についてそのレイアウトを変えるという問題は、実際問題として非常にむずかしい点があるだろうというふうに考えておるわけであります。ただこれらの既存の事業所についてさらに防災面からのいろいろな設備の設置の義務づけ等の問題につきましては、私どもも消防法関係の政省令の改正等も通じましてさらにこの規制を強化していくつもりでございますけれども、同時にまた、こうした防災面からの指導ということになりますと、そのコンビナート地域のそれぞれの個別のいろいろな条件があるわけでありまして、これらは私どもが防災診断委員会を通じまして個々のコンビナートにつきましての防災体制を強化をしていくという仕事をいま始めておるわけでございまして、こういう形で当面こうした防災体制の強化は図っていきたいというふうに思っておるわけであります。 ただ、既存の事業所について相当強力な勧告権を持つ制度をとるかどうかということにつきましては、将来のこうした地域の防災体制をこの法律でまず整えた段階におきまして、さらに検討を加えてまいりたいというふうに思います。
○高鳥委員 必ずしも満足をいたしませんが、先に進みます。 次に、法案の具体的な条文について若干お伺いをいたしたいと思いますが、まず第一章の「総則」の中で石油コンビナート等特別防災区域というのは次のごとき地域を指定するのだということで、一定の石油、高圧ガス等が貯蔵、処理されておる事業所が相当数存在するそういう地域を指定をするということになっておりまして、またそういうふうな地域に該当することになると認められる地域を指定するということになっておりますが、これは新規にこういった立地がされるという場合、これは最近では非常にむずかしいと思いますけれども、新規に立地をされる場合には、指定をしてなければ届け出をする義務がない、届け出をする義務がなければレイアウトの審査が行われないという中で工場施設というものの計画が進んでいって、ある程度進んだ段階でようやく指定になって、それから今度は届け出になるというようなケースがあり得ないとも言えないわけでありますが、これらの指定というのは「イ又はロに該当することとなると認められる区域」というのを相当大幅に考えてあらかじめ指定をされるおつもりでありますかどうか、その点を承りたいと思います。
○佐々木政府委員 新しい工場地域というものの造成が行われまして、その工場地域についての新しい新規立地の工場の張りつけが終わって、大体この地域における石油の貯蔵量、取扱量あるいは高圧ガスの処理量というもののめどが具体化いたします段階におきましては、この地域はあらかじめ石油コンビナート等特別防災区域としての指定を行うというような体制に持っていきたいと考えております。ただ漠然とこの辺をコンビナート地域にしたいというようなことではすぐにはこの地域指定は行い得ないわけでありますけれども、ある程度工場の張りつけ計画というものが具体化した段階において指定をするということになるだろうと思います。
○高鳥委員 その辺のタイミングが非常にむずかしいものがあると思います。特に最近はまたコンビナート等に伴う公害あるいは今回の水島事故のような災害に対する非常な恐怖感もあります。したがって、工場立地が予定をされたけれども実際にはできなかったというケースもありましょう。したがって、立地が予定をされており、そこをコンビナート地域に指定をした、ところがだめになったというケースも起こってくると思うわけであります。また、コンビナート地域の指定を受けたのだからあくまでもそれで強行するのだということも起こってくる可能性もあると思うわけでありまして、その辺のタイミングというのは非常にむずかしいと思うわけでありますが、遺憾のないように対処していただきたいと思うわけであります。 この法律によりますと、第二章の「新設等の届出、指示等」というところで、先ほど申し上げましたレイアウトの問題などがいろいろと規定をされておりまして、また変更の場合の届け出等もそれぞれ規定をされておりまして、その届け出について主務大臣は「当該新設等の計画の変更を指示することができる。」というふうに規定をされておるように読んでおるわけでありますが、この法律のつくり方そのものから見ますと、届け出というよりはむしろ内容を相当チェックをして許可をするというような感触に読み取れるわけであります。 本来ならば、私が専門家にこのようなことを申すのは大変おこがましいことでありますが、届け出というのは、一定の書式、様式をそろえておれば届け出を受理することによってその効果が発生をする性質のものであって、その内容をチェックをして変更を指示したりするなどということになりますと、これは届け出ではなくて許可ではなかろうか、このような感じがしてならないわけであります。現に第九条に消防法との関係というのが書かれておりますが、消防法では関係の届け出等については全部許可ということでやっておるわけであります。これは許可の方が筋ではないだろうかというふうに私は考えるのでありますが、なぜ届け出なのか、また主務大臣が指示をするということになりますと、もう一歩突っ込んでむしろ許可にした方が筋が通るのじゃなかろうか、こんな感じがするのですが、その点についてはどのようなお考えのもとに法案を作成されたのか承りたいと思います。
○森岡政府委員 届け出と、それに基づきます指示、それから別途許可という行政処分の区分につきましては、これは申し上げるまでもなく届け出、指示ということになりますと、届け出がありまして一定期間内に指示をしなければ、それは当然届け出た計画に従って事柄が進行できるということになるわけであります。許可の場合には、許可にするか不許可にするかいずれにしても許可処分が出なければ事柄を進めることができない。こういうことに相なるわけでございます。 そこで、この法律で届け出及びそれに伴います指示という構成をとりましたゆえんは、先ほど長官からも申し上げましたように、コンビナートの事業所のレイアウトというふうなものは個々の地域によって非常に個別性が強いと思います。したがいまして許可ということに相なりますと、どうしてもぴしゃっとした一定のルールによりまして、極端に申しますとそれ以外は絶対にだめ、こういうような意味合いの許可基準というものに準拠して事柄を進める、こういうことになろうと思います。 しかし、いま申しましたように立地の問題にいたしましてもスペースの問題にいたしましても非常に個別性が強いものでございますから、やはりそういう形での許可基準に基づく許可ということではなくて、個別の実態に応じた合理的なレイアウトを求めて指示をしていく、こういう形の方がこの処分としては適しておる、こういう考え方で届け出及び指示という考え方をとったわけであります。
○高鳥委員 レイアウトそのものについても、これはかなりの基準を消防庁としてはお考えのようであります。現にそうしたことを政令等でかなりの基準を定めたいというふうにお考えになって御準備になっているようにも聞いているのですが、そのような基準に基づいて審査をして決めるとするならば、それは許可、不許可の方がむしろ適当じゃないかなという感じを私は持つのであります。いま、この防災、災害防止ということが非常に大きなウエートが置かれておるわけでありますから、ただ届け出で問題がなければそれでオーケーだということよりは、もう一歩突っ込んで、許可するか不許可とするかを明確にするということの方がいいのじゃないか、このように思いますが、重ねてもう一回御答弁をお願いします。
○森岡政府委員 防災のための規制という法律効果から申しますと、届け出及び指示というものも許可、不許可という処分も、私は実質的な効果は全く同じだと考えます。すでに御指摘のありましたように、指示を行いました場合に、それに基づかない計画進行でありますとそれをストップさせますし、また罰則の適用もあるわけでございますから、実質的な効果は全く変わらないというふうに私どもは考えております。 そういう前提に立ちまして、どういう構成をとるかということにつきましては、御説明いたしましたような考え方に立って届け出及び指示というふうな仕組みにいたしたのでございます。御了承願いたいと思います。
○高鳥委員 「消防法等の許可との関係」ということで、消防法の方は全部許可でいっております。消防法はもちろん火災予防、防止という観点に立ってやっておるわけでありますし、こっちの方も災害の防止法でありますから、同じルールで扱って差し支えないのではなかろうか、このように私は思います。いまの答弁は承っておきます。 次に、第三章の「特定事業者に係る災害予防」というところで第十六条に自衛防災組織の規定がありまして、「特定事業者は、その特定事業所ごとに、自衛防災組織を設置しなければならない。」と規定をされておるわけであります。それから先に参りまして第十九条に「共同防災組織」という規定がございまして、「共同防災組織を設置することができる。」というふうに規定をされております。自衛防災組織は義務づけられておりますが、共同防災組織は「設置することができる。」ということでありますから、まあ任意規定になっておるのでありますが、少なくともコンビナート地域における災害を防止するということになりますと、これはただ単一企業が一つだけぽんとあるということではなくて、いろいろな関連業種も必ずそこにはあると思うのでありますし、これも共同防災組織というものを当然義務づけても差し支えないのではなかろうか、このように思うのでありますが、片方はなぜ義務づけて、片っ方はなぜ任意であるのか。 同じく二十二条に参りますと、「石油コンビナート等特別防災区域協議会」というのがありまして、今度は「石油コンビナート等特別防災区域協議会を置くように努めなければならない。」という規定になっておるわけであります。「置くように努めなければならない。」などということを書くぐらいなら、「置かなければならない。」と書いた方がよっぽどすっきりするのじゃなかろうか、このように思うのですが、なぜこのようにいろいろ区分けをして規定をされたのでありますか。その点を御説明願いたいと思います。
○佐々木政府委員 企業がその事業所の災害発生の防止あるいは拡大防止のために自衛防災組織を置く、この自衛防災組織によって災害防除活動を行っていくというのが、この場合の中心的な規定になっておるわけです。そして、この自衛防災組織は、単独で自分の事業所を守るというのを主体にいたして考えておるわけでありますが、コンビナート地域の実態に応じましては、共同防災組織を置いて自衛防災組織の一部の肩がわりを行っていくということが、場合によっては適当な場合もあるし、またその方が望ましい場合もあるわけであります。しかしまた、コンビナート地域の実情に応じましては、単独の企業あるいはまた第一種事業所的なものが一つしかない、あとはそれ以外の事業所であるというような地域もございますので、この共同防災組織につきましては、必ずしも一律的な義務づけを行うというよりは、その地域の実情に応じて共同防災組織というものを置く方がいいのではないかというような観点から、この共同防災組織につきましては、形式上任意設置という形にしたわけでございます。したがいまして、この共同防災組織は自衛防災組織の一部の肩がわりを行うということになるわけでありますから、これらの自衛防災組織なり共同防災組織の要員その他の基準をつくります場合には、この自衛防災組織の基準としては、共同防災組織がある場合と、ない場合にはどういう内容かというような規定の仕方をしているつもりであります。したがいまして、この共同防災組織を置いた方がよりベターであるというような地域の場合には、指導として共同防災組織を置いて防災体制を整えるということにいたしてまいりたいというふうに考えておるわけであります。 また、地域の協議会というものにつきましては、これは現在それぞれのコンビナートの実態に応じましてすでに置かれているところもございますけれども、この辺はやはりコンビナート地域それぞれの実態に応じた考え方があるだろうというふうに考えますし、この辺も任意設置という形で規定をしておりますけれども、この特別防災区域協議会に参加するのは、企業だけということでやっているところもございますし、これに消防機関、海上保安部というものの参加もお願いしているところもございます。この辺はそれぞれの地域の実態に応じてやっていただければいいのではないかというふうに考えたわけでございます。
○高鳥委員 時間の関係がございますので、先に進みます。 第六章の「緑地等の設置」の問題につきましては、先ほど大臣に若干承ったわけでありますが、事業者負担が三分の一で、国と地方公共団体の負担がそれぞれ三分の一ずつである。三分の二を税金で賄うという形でありますが、これは少なくともコンビナート立地をしたためにそういうものの施設が必要になる、環境が破壊をされるということでありますから、事業者の負担割合というのはもっと大きくてもいいのではないだろうか、このようにも考えられるのでありますが、長官はどのようにお考えですか。先ほど大臣の御答弁は承りましたが、長官は、消防庁長官であるばかりでなくて、かつては税の問題などについてもずいぶん堪能でいらっしゃったわけでありますが、国民の税金をそういうところに使っていいとお考えになりますかどうか、その点をひとつ承りたいと思います。
○佐々木政府委員 コンビナート地域におきまして、その企業が防災のために一定の空間を確保しておくという場合には、いま消防法の規定には保安距離、保安空地の問題がございます。この保安空地につきましては、これは企業がその事業所におきまして、いわば企業のみの使用という形で設置されているものでございますから、これは当然に企業の負担でこうした保安空地は確保してもらうという形になるわけであります。 これに対しまして、この遮断緑地、防災緑地の場合におきましては、一面この緑地の性格は防災のために設置をするということになるわけでありますけれども、平常時におきましては、都市の公共施設、いわゆる公園緑地としての効能を持たせるわけでありまして、この緑地につきまして企業が排他的に企業だけの使用という形にはならないわけであります。ただ、将来万が一に起こるかもしれない災害の発生に備えて一定の空地を確保するという形になるわけでありますから、そういう意味におきまして企業の負担が求められる。平常時においては、これが公園緑地その他の公共空地としての使用が行われるということになるわけでありますから、当然に公共負担というものがあってしかるべきではないか、こういう考え方に立っておるわけであります。したがいまして、その場合に、この防災緑地の費用負担というものをどういう割合で決めるかということになりました場合の一つの参考が、現在公害関係の法令におきまして公害防止のための遮断地帯としてのいわば公害緑地がございます。この公害緑地におきましても、いま申しましたような考え方に基づきまして、一定の企業負担を求め、一定の公共負担をもって建設をされるという形になっておるわけでありまして、そうした考え方も参考にしながら、こうした防災緑地については企業の負担分を三分の一というふうに規定をしたわけでございます。
○高鳥委員 それでは先に進みます。 第七章の「雑則」のところで、細かいことで大変恐縮でありますが、第四十条の三項に、「第一項の規定による立入検査及び質問の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。」というまことに——私は余り法律を勉強いたしておりませんので、こういうふうな形の表現があちこちにあるのかどうか知りませんが、法律の条文としてはどうもちょっと型の変わった表現があるわけでありますが、なぜこのようなことをわざわざ書かなくてはならないのか、これこそは指導方針で幾らでも対処していけることではなかろうかと思うのですが、こう書かなければならない理由は何かあるのですか。
○森岡政府委員 立法例を見ますと、こういう立入検査権につきましては、最近はおおむね立入検査権限が犯罪捜査のためのものではないという条項を入れておるのが通常になっています。やはり行政上の目的の立入検査権と、それから刑事罰を対象目的といたします犯罪捜査というものとの間で一線を画しておるということが、国民の権利義務を守るという点で必要である、こういう観点からこういう条項が置かれているもの、かように考えます。
○高鳥委員 他の法令にも同様に規定されておるとすればやむを得ないと思いますが、しかし法律の表現としては、必ずしも適当な表現だとはちょっと感じられないのでありまして、何か別の規定の仕方がないものだろうか、このように思いますが、その点については深く申しません。 先に進みまして、附則3、先ほど大臣にも若干お伺いをいたしましたが、消防法の一部改正の中で、第三十九条の二「製造所、貯蔵所又は取扱所から危険物を漏出させ、流出させ、放出させ、又は飛散させて火災の危険を生じさせた者は」云々、「ただし、公共の危険が生じなかったときは、これを罰しない。」流しても公共の危険が生じなかったときはいいんだ、こういうことになっておるようでありますが、火災が発生しないでも火災の危険があれば、これはその処罰をするのだ、だから油が流れれば当然火災の危険があるのだから処罰をするんだ、こういうことに解していいのではないかと思いますが、しかしその裏を返して、公共の危険が生じなかったときは罰しないのだ、こういうことになっておりますと、何か抜け穴ができているような感じもないではないのであります。この公共の危険というものは、それでは一体公害、海洋汚染、自然破壊等々はこの公共の危険の中に入るのかどうか、もしそういったものも入るとすればそれに含めて処罰の対象になるでありましょうし、この公共の危険というものはどのような解釈に立っておるものであるかということを承りたいと思います。
○森岡政府委員 この条項は、先ほど来御説明いたしてまいりましたように、消防法の一部改正という形で入っておる罰則規定でございます。またこの表現をごらんいただきますと、火災の危険を生じさせたときということに限定させております。したがってここで書いております公共の危険の範囲も、やはり火災危険というふうに限定をして考えざるを得ない、かように考えます。
○高鳥委員 その辺が非常に苦労の存するところであって、コンビナート地域でない地域でも油の流出は起こり得るし、火災の危険も起こり得る、したがってここでコンビナート災害防止法でだけ罰則を規定することはできないということで、そのような表現になっておるのだと思いますが、しかし現実には火災の危険だけがコンビナート地域において起こす災害ではないのでありまして、むしろ水島事故の場合などは海洋の汚染、自然の破壊ということの方がはるかに大きな災害を起こしておるわけでありまして、それに対する責任追及というものは全くこの法律ではなされない。ただ、消防法の一部改正であるがゆえに火災の場合にしか処罰の対象にならぬ。こういうことになりますと非常に、何といいますか、もう一歩突っ込んだところがあっていいのではないだろうか。となれば、処罰規定そのものがこのコンビナート防災法の中で取り込まれてしかるべきではないだろうかというふうな感じをどこまでも持つわけであります。これは先ほど他の地域との関連という説明がありましたが、今後さらにそうした点については私どもも十分勉強をしてみたい、このように思っておるわけであります。おおむね一時間半というふうに申し上げておきましたので、私の質問は一応これで終わります。
○大西委員長 岩垂寿喜男君。
○岩垂委員 最初に大臣に伺いたいと思うのですが、この石油コンビナート等災害防止法案というのは、かねてから本委員会などで議論をされてきた課題ではありますけれども、特に先ごろの三菱石油水島製油所の油流出事故に際して、衆議院の予算委員会でわが党の江田三郎議員がその制定を求め、三木総理がその立法を公約したものであることは経過として明白でありますが、率直に申し上げて、一月の末に国会でやりとりをいたしまして、以来今日まで六カ月という長い期間が過ぎ去っているわけでありまして、その成果が非常におくれているように思われるわけであります。その意味で、この法案をつくっていく過程の中で一番問題になった点を、この機会に自治大臣として率直に申し述べていただきたいと思います。
○福田(一)国務大臣 お答えをいたします。 御指摘のとおり、江田さんの御指摘がありまして、総理からぜひこれはつくるべきであるという閣議での発言がございまして、二月初めから着手をいたしたわけでありますが、関係しておる役所が十三省あるわけでございます。したがって、それぞれ関係しておるところにはそれぞれの法律等がございまして、これをまとめていくというのは、まあ私などは余りそういう法案をつくったことがないものですからあれなんですが、役所の人に聞いてみますと、一つの法案をつくるのは大体一年前から考えておいて、そしてだんだんとやっていって、大体一年ぐらいかけるのが常識なんだ、こういうような話が実は事務に命じましたときに出たわけです。そこで私は閣議においても、これは非常に関係するところが多いから、各省が協力してくれぬとこの法案をすぐつくるなんということはできないが、少なくとも対話と協調というか、話し合いで物事をやっていこうということで、そういう提議があってもっともだということになれば、これはもう二月ぐらいでぜひつくらなければいかぬ。それで実は、ここにおりますけれども、消防庁長官には三月末までにつくれということを言ったわけであります。長官も一生懸命になって——もっとも、いろいろのことがありました。御案内のように現地にも行ってこなければいかぬというので、政務次官も非常に苦労されたし、いろいろのことがあってなかなか話し合いが、これはいいことじゃございませんけれども権限争いといいますか、それが私は一番大きなガンであったと思っております。特に通産省との間で共管をすることに至るまでは、大体通産省との間の問題が一番最後に残りまして、これで相当な時間がかかったというのが実情でございます。 まあ、主な点は何であったかということでございますればそういうところが中心なんで、じゃ具体的にどういうことがあったかということになったら、これは事務の方からひとつ説明をさせるようにいたしたいと思います。
○佐々木政府委員 この法律で一番私どもの段階で問題になりましたのは、すでに消防法なり高圧ガス取締法あるいは労働安全衛生法等のそれぞれの個別立法があるわけでございます。したがいましてコンビナートの防災という観点から、個別立法の規定とこうした総合立法の規定との間に、どの部分をこの法律に入れ、どの部分を従来の法律の規定のままに置いて残すか、この点が事務的には非常にむずかしかったわけでございまして、この点は各省との調整と同時に、法制局における法案の審議ということにつきましても、そうした個別立法との関係が非常に問題となりまして、法制局自体におきましても、立法技術上の観点から相当な時間を必要としたということになるわけでございます。 ただ、私どもが現在の個別立法の体系の中で、この法律との関係から現行法をやや修正をしていきたいというふうに考えましたのは、高圧ガス取締法の関係の許認可事務というものは、現在、都道府県知事が行っておるわけでございます。 〔委員長退席、片岡委員長代理着席〕 こうして見ますと、コンビナート地帯にはガスと石油というものが混在をしているわけでありますので、そうした許認可事務というものをコンビナート地域に関する限りは一元化した方がむしろ望ましいのではないかというような観点から、この許認可事務につきましては、高圧ガスにつきましてもむしろ市町村長の方に一元化をしていくという方が、これからの防災体制を整えていくという立場から見ても望ましいのではないかというようなことで、いろいろ話し合いをしてきたわけであります。 ただ、現実問題として、現在の市町村消防の実態というものが、大都市地域における消防の技術水準と、やはり地方の小さい市町村における消防機関の技術水準とでは、まことに残念ながら相当な差がございますわけで、果たしてその辺のところが十分にたえ得る体制にあるかということになりますと、まだやや問題があるというようなことで、この点につきましては現在の消防の実態から見て、まだ時期的にはやや早いのではないだろうか、こういう観点で、一応この点につきましては現行の個別法の規定のとおりという形にしたわけであります。 まあ非常にむずかしかった点というのは以上のことだろうというふうに考えております。
○岩垂委員 続いて大臣に伺いたいのですが、正直なところ、延長国会の会期も押し迫ったいまになって提案されたわけですね。この法案は国会が延長にならなかったら物にならなかったわけですけれども、正直なところ、法案の成立に対する政府の熱意を少々疑いたくなるのでありますが、しかしにもかかわらず、いまみたいな経過があったことを承知しながらも、つまり防災行政の一元化を目指すという意味で各省間の調整をなさったわけですが、結果的にそれが不徹底に終わったということは事実だと思うのであります。それを恐らく大臣は、ベストの道ではなくてベターの道を選んだのだと御答弁いただくと思いますけれども、この不徹底な点は、事実としてやはり問題を残していると思うのです。今後どのようにその問題を解決をしていくおつもりなのかということが一点と、それからもう一点は、さっき消防庁長官も言われましたが、高圧ガス取締法の権限を消防に移せなかった、これはいろいろな言い方がありましょう。しかし本院の消防法改正などの機会にも付帯的な意見を含めてその一元化が求められてきたことは御承知のとおりであります。 〔片岡委員長代理退席、委員長着席〕 ですけれども、先ほどの大臣のお言葉を、これは揚げ足を取る意味で言うわけではないのですが、通産が、産業政策がより重要なんでという理由で一元化が実現できなかったというわけであります。私は、ここではやはり住民の生命と安全あるいは財産の保護ということを、防災という観点から真剣に取り上げてほしかったし、その主張は貫いてほしかった。そうでないと、やはり産業優先というふうにとられてもやむを得ないと思うわけでありまして、その点で今後の御努力についての決意を承っておきたいと思います。
○福田(一)国務大臣 産業行政を重んずるという立場で私は申しておるわけではないのでございまして、産業行政をやっておる通産省とわが省との間での話し合いがどうしてもなかなか十分にセットできなかった、こういうことです。そこで、なぜそれができなかったかということになりますと、これは市町村あるいは県、高圧ガスの場合には県が処理する、消防法の場合は市町村と、こういうことになったときに、たとえば市町村へ一元化して自治省でみんなやるとか、あるいは県へ一元化してうちでやるというようなことにする場合に、それぞれの県に私はそれだけの、まだ技術的に見てそういうものを取り扱い得る人の配置、能力、こういう問題が非常に起こると思うのです。 そういうことを申し上げては恐縮なんですが、実は自治省自体でももう少し、たとえばタンクの問題の建設とかなんとかということになって、そのことを詰めていきますと、自分のところで持っている手持ちの駒ではなかなかできないんですね、実際には。やはり各省へ頼まなければいかぬというようなことで、建設省あたりはそういう意味では非常に協力的な、場合によってはそういうことも考えてやるというようなことであったのですが、これは政治の姿というものが建設省とかあるいは法務省とかいろいろ幾つかの省、通産省とかたくさんございますが、そういう省に分けていわゆる専門化しなければ実際の行政がやっていけないという一つの面と、それからまた、これを統合していかなければいわゆる総合的な行政ができないではないかという面との調整といいますか、融和といいますか、協調といいますか、それをどう図っていくかということが、いつの場合でも政治の一つの大きな課題になるわけです。そのときに私が本当のことを言って強く主張できなかったと思いますし、それからまた、自治省の事務も余りそこまで強く言えなかったのは、やはり人の問題とか地域の問題とかそういうことがかなりあったと思うのです。そういうことじゃだめじゃないかと言われれば、もう申しわけないわけなんですが、やはり本当に全部取り締まるということであれば、高圧ガスなら高圧ガスに対する許認可の問題から、それからそれに対する技術的なあれから全部持っていないと強く主張ができない。そんなことじゃだめじゃないかとおっしゃれば、もうごもっともで、だめで、そこいらが非常にむずかしかった理由でございます。 そこで、今後どうするのかと、こういうことでありますれば、私は今後はやはり自治省の消防行政というものに人的にも次第に要素を加えまして、そうしていくと同時に、市町村等にもあるいは県等にもそういうような認識を、これからのいわゆる高度化された技術をもって対処しなければならないような工場を、自分の県内あるいは市町村内につくるというようなことになった場合に、やはりある程度のそういう人的な充実ということもしなければいけない。もしそれができない場合には、どこかで借りるとか、あるいはある一定の地域でもってそういうものをつくっておいてするとかいうようなことにして、将来として考えた場合には、これはできるだけ一元化の方向に持っていく、そういう努力はいたしたいというのが私のいまの考えでございます。
○岩垂委員 できるだけ近い機会に、われわれが要請をしてまいりました、そして本院でもそのことを一致して確認をしてきました、一元化のために努力をするというお言葉をいただいたわけでありますが、これはもう先ほど高鳥委員からも御質問があったわけですが、この法律は陸上の法律なんでありまして、しかし最近のタンカー事故の頻発などのことを考慮したときに、コンビナート地域の防災対策と切り離しがたく結びついて、海上の防災対策が焦眉の急であるということはもう言うまでもないわけであります。そこで、これはつまり陸上と海上と本当はワンセットで法律もきちんと準備されるということを私ども期待をするわけですが、しかしそれが間に合ってないという条件のもとで、海上防災に対する、特に企業責任の義務づけということを前提にした港湾防災法という名前になるのか海上防災法ということになるのかは別として、大臣は、この法律が成立する過程を通して、その前提条件として、次の国会を目指して、ぜひその成案の努力をするということをお約束をいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○福田(一)国務大臣 ただいま御指摘になった点も実は一つの重要な争点でございまして、こういうことを申し上げると内部の問題にもなりますが、運輸省から言いますと、海上の関係から見て陸上の方にまで手を伸ばしてやらなければできないじゃないかというような強い主張がございまして、そんなことを言ったら、今度は陸上の方から海上も全部手を伸ばさなければこれはできないじゃないかというので、どこで線を切るかという問題もずいぶん実は話し合いをしたわけであります。しかし、そういうことをしておってはいけないというので、いま言ったようなセットに一応しましたが、いまあなたの御指摘になったこと、ごもっともなことなんです。 石油を備蓄する場合においてもあるいは高圧ガスの仕事をするにしても、やはり原料の輸入、輸送というものは船に頼らなければならない場合が非常に多い。そうすると、これはある意味では絶対に切り離せないものなんですよ。その場合にどうするかということでございますから、私はごもっともな御意見だと思うのです。次の国会までには、海上におけるその種の法案を運輸省に当然つくってもらわなければならぬ。その場合において、輸送船がどれだけの責任を持って、その中へ積み込んできた原料を、その原料を使用するのがどういうふうに持つかというような問題もあるかもしれませんが、これは輸送関係が持つべきだと私は思いますが、しかしその船が港湾の中へ入って油を流したというような、もうすぐ近接した地域まで来たような場合にどうなるかということは、やはり今度の防災法案とも決して関係がないとは言えない。これらの点もわれわれとしては十分踏まえながら、法案をつくりますときに運輸省に対してよく連絡をとりながら遺憾ない連携ができるようなことにいたしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○岩垂委員 これも先ほど高鳥先生からも言われましたが、この法律は、火災、「爆発、石油等の漏洩若しくは流出その他の事故」というわけでありまして、公害問題、環境汚染の問題については触れられておらない。本当はこれらの問題というものが位置づけられることが必要だと思うのでございますけれども、それが別になっている。そしてそれをむしろ特別立法で考慮すべきだということを先ほど御答弁をいただきました。きょう実は環境庁はお呼びしてないのですけれども、やはりその観点は、こういう法律を幾つかつくっていくときにきちんと整理して臨むべきだと私は思うのでありますけれども、環境庁とどういうお話し合いをきょうまで法案作成の過程でなさったか、環境庁はそのことを受けとめて現実に準備しておられるかどうか、これらについて見解を承っておきたいと思います。
○佐々木政府委員 環境汚染の問題と災害との関連の問題というのは、私どもも取り組んでみましたら非常にむずかしい問題があるというような感じがいたしたわけであります。 現在の公害関係の立法におきましては、いずれにしましても、煙の場合あるいは水の場合におきましても、当然に排出をされるものについて、一定の基準のもとにその排出の規制を行うというのが公害関係の立法でございます。この災害の場合、タンクからの油の漏洩というような問題になりますと、これは本来排出すべきでないものが出た場合というような形になるわけでありますから、これが現在の公害関係立法の中で処理できるかどうかということになりますと、これも公害立法の体系にそぐわない問題になってまいります。したがいまして、消防法の系統の関係でもこれについての立法がなかなかむずかしい、環境関係の公害立法の関係でも立法化がむずかしいということ、になりますと、どうしてもこれは単独立法の形で、そういうものに対してどう対処するかということを決めなければならない、こういうことになってまいりまして、現在法務省を中心にいたしまして関係省の方と連絡をしながら、ひとつこの問題については十分検討してほしいということを私ども申し入れをしているわけでございまして、法務省が大体中心になってこの問題は検討されていくのだろうというふうに考えております。
○岩垂委員 この法案の規制というのは、これから新しくコンビナートをつくる場合やあるいは施設の変更などの場合に限られているということは、先ほどからも御指摘をなさっておられるとおりでございます。既設のコンビナートに対する規制措置をどう進めるかということがこれは非常に重要な課題だと思う。できればこれもワンセットで進めないと、これはバランスを失うだけでなしに、危険性というものに対して対応することはできないと思います。 特にこれは、この委員会の皆さんが先日は川崎のコンビナート地域を御視察をいただきまして、その際どの先生方も異句同音に言っていらしたことがたくさんあるわけであります。その中で具体的なことをひとつ提起しながら、どうするということをこれはお答えをいただきたいと思うのであります。 たとえば一つは防油堤の問題でございますが、これも何回か指摘をされているのですが、防油堤の容量基準というものが、単独では五〇%、複数の場合は五〇%プラス一〇%、単独、複数ともにそれぞれタンクの容量の一〇〇%にしなければまずいじゃないかという点は、これは指摘されてきたとおりですが、それらをどうなさるおつもりかという点、これは一つ一つ承っていきたいと思いますので、大変恐縮ですが一つ一つお答えをいただきたいと思います。
○佐々木政府委員 既設のタンクあるいは防油堤等につきましての技術基準あるいは保安基準の根本的な改正ということを現在いろいろ検討いたしておりますけれども、いま御指摘のございました防油堤につきましては、まだ最終結論までいっておりませんけれども、大体考え方といたしましては、防油堤内にございます最大タンクの容量の一〇〇%プラスアルファというような形で検討を進めておるわけであります。したがいましてタンクが一個だけ防油堤にあります場合には、そのタンクの容量の一〇〇プラスアルファあるいはまた二個、三個あります場合には一〇〇%プラス他のタンクの一定割合というようなことで、少なくとも最大タンクは十分に余裕を持って防油堤で収容できるという形で考えております。
○岩垂委員 タンクの容量と高さの問題についても、これは本委員会でも議論をされてきた経過がございまして、これは全然規制がないというのはおかしいじゃないか、やはり容量を一定の規模で制限をするということが必要ではないかということも議論をされてきた経過でありますが、これについてはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
○佐々木政府委員 タンクの容量につきましては、これはタンクの高さとも関連があるわけでございますけれども、この点は今年二月の大協石油のタンク火災の状況から私どももいま検討を進めておるわけでありますけれども、一応めどとして高さ制限と容量制限というものは規定をする必要があるというふうに考えておるところでございまして、その具体的な容量につきましてはまだ結論まで到達いたしておりませんけれども、いずれにしましても、高さ制限と容量制限は行っていきたいというふうに考えております。
○岩垂委員 保安距離あるいは保有空地の問題についても当然御検討なさっていらっしゃるだろうと思うのであります。と申しますのは、保安距離については、現行は最低十メートルですから、十メートルでどうもならぬということは皆さんもう常識で御理解のとおりでございますが、それらの問題をどうなさるおつもりか。あるいは、装置の場合の現行の五倍以上くらいはやらなければ、タンクについては相互間の緩和規定というのは削除しなければいかぬじゃないかということも含めて議論してきた経過がありますので、これについても、一つ一つで大変恐縮ですが、重要な問題でありますので御答弁を煩わしたいと思います。
○佐々木政府委員 このコンビナート防災法の立案過程におきましても、保安距離、保安空地の問題につきまして、私どもの内部におきましてもいろいろな議論があったわけでございますが、やはりこの保安空地についての考え方は、それぞれのタンクにおいて貯蔵されている油の種類によって保安空地についての規定は改正をしていかなければならない、そしてまた、特に保安距離につきましては、その事業所の敷地内においてとらせるということを原則にして、隣接の敷地の計算もしながら保安距離を考えるということであってはいかぬじゃないだろうか、やはり自分の敷地内において一定距離をとらせるということにすべきであろうということで、いま具体的な検討をいたしており、さらにまた、タンク間の保有空地の幅につきまして現在三分の一という短縮の規定がございますけれども、やはり最近の火災の実態等から見まして、この保安空地のいわばこれを短縮できるというあのただし書きの規定というものは、削除する方向で検討すべきじゃないかということをいまいろいろ考えておるところでございますが、ただ、現実問題として相当多数のタンクが三分の一の短縮で設置されておる、この関係、既設のものについてどういう体制をとっていくかということが非常にむずかしい問題でございますけれども、こうしたただし書き適用のタンクについては、別に防災設備を代替措置としてとらせるということによって、とりあえず既存のものについては認めていく、新設のものについては保有空地の短縮措置はとらないという方向でこの規定を改正すべきであろうというふうに考えております。
○岩垂委員 既存のものでもやはりおろ抜いていかないと、過密過ぎることは皆さんが理解していることなんです。だけれども、やってしまったことだからできないということでは防災対策にはならぬと思いますので、やはり一定のめどを置きながらそういう法改正を進めなければならぬのではないだろうか、こういうふうに思いますことが一点。 それから、タンクの構造のことも、これは私が質問を申し上げるまでもなく、設計基準の設定が求められていることも事実であります。 それから、特に問題になるタンクその他の製造所などを設置する場合の地盤の基礎並びに沈下に対する規制というものは、これはコンビナート地帯というのは埋め立てが圧倒的に多いのですから、非常に重要な課題だと思っております。これらのことも考えなければなりませんが、特にコンビナート地帯における砂の液状現象などについて言っても、早急に考えなければならない課題だと思いますが、その三つについて、タンクの構造の設計基準、それから地盤の基礎並びに沈下に対する規制、そしておろ抜く課題などについてこの機会に御答弁を煩わしたいと思います。
○佐々木政府委員 タンクの構造、地盤等の問題につきましては、本年の四月からそれぞれ専門の学識経験者によりまして、その技術基準の改定の作業をいまやってもらっておる段階でございます。ただ、この改定作業は相当期間必要となりますので、とりあえず暫定基準というものを行政指導として各消防機関に通知をしたいというふうに考えておりますが、特に地盤につきましては、これまでのような水張り検査がいわば工法の一部を構成しているというような考え方を改めまして、完全に地盤というものが堅固なものとなった段階で本体の工事が始まるというようなことになりますように、そうした新しい基準をとりあえず各消防機関に通知をして指導をしてまいりたいというふうに考えております。 また、タンクの構造が、これは非常にむずかしい問題でございますが、いま十分な結論を得る段階にまだ至っておりませんけれども、構造自体につきましても何らかの暫定基準というものをつくってまいりたいというふうに考えております。 大体これらのものの暫定的な基準というものは、このコンビナート防災法が成立いたしますれば、その段階ぐらいのところまでに合わせて通達をしていきたいというつもりで、いま作業を進めておるところでございます。
○岩垂委員 これも現地を視察していただいたときに消火設備のことについても皆さんでお話し合いをいただいたわけでありますが、たとえば冷却散水設備も実験してみたわけですね。あるいは水源、地震でもって水が来なくなってしまったというようなことを含めて、対策が進まなくなってしまうわけですから。あるいは非常用の電源、消火設備の強化という点で非常に重要な要素だと思うのですが、遺憾ながらこれには基準がないわけです。どういう基準でやるべきかといういろんな見解はあろうと思います。しかし、少なくても政令で容量などをきちんと示していくということが必要だと私は思うのですが、これらの問題について消防庁は、これはまさに専門中の専門なんですから、早急にこれに対する具体策を示すべきだと思いますが、御見解を承っておきたいと思います。
○佐々木政府委員 消火設備につきましては、たとえば、とりあえず実施いたしたいというふうに考えておりますのは、先般の大協石油の火災というものから見まして、半固定消火設備というものを禁止をいたしまして、固定消火設備に切りかえさせるというようなことをいま検討をいたしております。 なおまた、地震等の場合に対処いたしまして、必要なコンビナート地帯の事業所の内部における貯水槽の問題あるいは非常電源の問題というものは、特定防災施設の一部としてそれらの具体的な設置基準を規定をしていきたいというふうに考えております。
○岩垂委員 これも水島の経験にちなんで、流出油の防止堤の問題などについても、これは早急な取り組みが求められていると思いますが、これは左藤政務次官、自分で御苦労なすって、どうしたらいいか、どうするかということについての御答弁を煩わしたいと思います。
○左藤政府委員 御指摘の流出油の防止堤でございますが、防油堤でオーバーフローしたものがまた海へ流れ込むという段階でみぞを伝わって流れていったという点が、今回の非常に大きな被害をもたらした一番大きな理由であろうと私は思います。そういった点につきまして、それを防止するためにそこに弁をつけるとか、そういうことで非常用の対策に間に合うような対策ということで、応急的にいまそういった指示をして現在の体制もやっておりますけれども、こういった問題について、雨水とかその他の水の排水の問題と、それから油が流れていくであろうという想定の問題とにつきまして、われわれは対策を考えて一つの基準をつくってそれで指導していくべきである、このように考えております。
○岩垂委員 通産を大変お待たせしていますから伺います。 高圧ガスの施設についても危険物同様の規制を行わなければならぬということを私は言いたいわけであります。その点についてどのようにお考えになっていらっしゃるか。特に川崎なんかの場合に塩素ガスの問題は深刻なんです、率直のところ。これが流れ出てしまったら毒ガスと同じなんです。しかも、直下型地震の危険というようなことが言われているわけでございますから、これらの対策というものはやはりこの法律と合わせて検討をしなければならぬ課題だと思います。この点が一点。 それから、関連しますけれども、劇毒物の漏洩防止策ということが十分でありません。その意味では劇毒物などの取り扱いあるいは貯蔵設備というものは屋内に設置させて、一〇〇%それが収容できるような防液堤やあるいは防害設備や遠隔操作方式などの保安設備を設置してほしいということは、もう地元の自治体を初め市民の強い要求でありますが、この二つについて、通産省立地公害局長ですか、ぜひ承っておきたいと思います。
○佐藤政府委員 実は今度の国会におきまして、通産省は、一昨年来のコンビナート地帯の連続した災害にかんがみまして取締法の一部改正を行いました。それに関連いたしまして、非常に詳しいコンビナート関係の保安基準をことしの四月と六月にすでに制定いたしまして告示いたしておる段階にございます。その中に先生の御指摘になっております問題点はすべて織り込んでおるつもりでございます。 まず第一に、第一点の、たとえば川崎地区におきますところの塩素ガス問題、こういう問題につきましては、万一タンクから漏れた場合は非常に危険でございますので、これらにつきましては地震対策等も含めましてできるだけタンクを裸にしないで建屋の中に入れまして、一たん漏れた場合は石灰水が上から自動的に噴射されまして除害できるような装置を義務づけいたしておりますし、それから、大体関東大地震程度の震度に耐え得るような足組みの強化を、大体ことしの七月ごろをめどにして、非常に危険なタンクについては川崎を中心にすでに指導いたしてまいっております。 そのほか、特に毒性の強いタンク等につきましては最大容量を制限しなければならない。したがいまして、そういう容量制限ということもすでに省令の中に織り込んでございますし、それから保安距離をこの際特段に拡大いたしております。これは単にこういう劇物毒物のみならず、高圧ガスの特殊設備につきましては、従来の二十メートル、三十メートル程度の距離を約十倍程度に拡大強化いたしておりまして、そういうことの一連の対策をすでに今度の国会で織り込み済みでございますので、これを極力違反のないように都道府県に指導して実施に移してまいりたい、こう考えております。
○岩垂委員 もう一つちょっと伺いたいのですけれども、たとえばLPガスの運搬車だとかタンクローリー、これらの常置場所というものに規制がないのですね。御承知のとおりに石油類や何かは監視人を置いて、警報装置をつけて消防装置を義務づけているわけですけれども、タンクローリーやあるいはLPガスの運搬車にはそういうものがないわけです。これらを考慮すべきだという要求があることは、もう皆さん、通産省も御存じのとおりですが、それらについてはどのように対応なさるおつもりか、方針を承っておきたいと思います。
○佐藤政府委員 実は今度の法律改正におきましても、このタンクローリー関係について一部改正を行ったわけでございますが、われわれは、特に高圧ガスのタンクローリーが都市部のような人口集中地域を通るような場合は、極力繁華街は避けるようにということでそういう規制をすでに行っておりますし、それは十分に警察とも連絡をとりながらやっておるわけでございます。それから駐車の場合も住宅集中地域には駐車をしてはならないということにすでになっております。それから一定量以上の高圧ガスを移動しようとする場合は移動計画書を通産局長に提出させまして、その確認を受けまして、しかもそれは管区警察の了解を得まして通行するというようなことを現実にやっております。 さらに、先生御指摘の、タンクローリーの常設の場所の制限につきましては、いま申し上げました駐車制限規定に加えまして、タンクローリーによりますところの高圧ガスの受け入れまたは払い出し地点に対しましては、保安物件に対しまして一定距離を有する義務づけをすでに行っておりますし、それから高圧ガスを積載したまま一定時間以上駐車するものに対しては、これは貯蔵と言いまして貯蔵の許可を要するということにさせまして、むやみに積載したまま駐車することはさせておりません。そういうことでいろいろ手を加えて、こういうことのないように配慮いたしております。
○岩垂委員 通産省、御苦労さまでした。 運輸省に伺いたいのですけれども、たとえば東京湾の浦賀水道を初め、これは全国の狭い水道の交通量というものはもはや限界に来ておるということはもう御承知のとおりでありますけれども、事故を未然に防ぐために、たしか一九七〇年の十一月ごろだと思うのですけれども、時の橋本運輸大臣が、向こう三年間で東京湾から大型タンカーを締め出す方針だということを衆議院の運輸委員会で明らかにされているように記憶をいたしております。実は速記録をきちんと見たわけじゃありませんけれども、そういうことを新聞で拝見したことがあります。イギリスのロンドンのテムズ川からタンカーを締め出してきたということも承っていますけれども、東京湾に対するタンカーの入湾禁止あるいはそれにかわる対策を緊急に考えませんと、もはやこれは大変なことです。沿岸に住む、川崎にしても横浜にしても横須賀にしても、あるいは対岸の千葉にしても、大変な危険にさらされているという状況でありますが、それらに対して運輸省はきょうまでどんな努力をなさってきたか、そしてどんな対策を具体化させようとしていらっしゃるか、このことにお答えをいただきたいと思います。
○船谷説明員 橋本大臣が申し上げました議事録をちょっと見てみたのですが、そのときは、パイプラインの設置をして、そしてタンカーは内湾に入れないようにすべきではないかという御質問に対してのお答えのようでございます。その件につきまして、パイプラインの構想はもちろんいまでも持っておりまして調査を進めておる段階でございますが、漁業者との話し合いあるいは地域住民との話し合いで非常に困難を来たしておるというふうに、これは港湾局の所掌でございますけれども、そのように聞いております。われわれは、そのパイプラインができないからといってタンカーをすぐとめてしまうんだということは、これは工場が立地している位置の関係で、国のエネルギー源を運ぶタンカーなんかにつきましては、工場をとめてしまうということになる関係上、いまのところは現実的ではないということを言わざるを得ないわけでございます。したがって、われわれ海上保安庁としましては、タンカーの事故の防止のために考えられるいろいろのことをやってまいったつもりでございます。 一つは、四十七年の七月に施行されました海上交通安全法の制定でございます。それによって、大型のタンカーの行動を、夜間入港禁止だとか、あるいは大型船同士の行き会いの防止とかいうようなことを規制しておるわけでございます。 それからまた、その法律制定以前には、行政指導によりまして、大変大きいタンカーなんかについては書類を出させまして、いろいろの安全措置を確認した上で入港さすという措置もとってまいったところでございます。
○岩垂委員 少なくとも大型タンカーが、しかも非常に過密の条件のもとで、あの狭い中ノ瀬航路を含めて動いているわけですね。このままで、努力をしてきました、たとえば海上交通安全法ができたからと言っておりますが、できた後事故がごく最近も含めてあるわけでしょう。やはりこんなでっかいタンカーを堂々と入れてくるというやり方をどこかで変えませんと、どうにもならぬと思うのです。橋本さんは、そのときにその質問に対して、きちんと三年ぐらいのテンポを置いてパイプラインの設置を含めて考慮するということを述べておるわけですから、少なくともやはり国会におけるそういう方針、これは決定ということよりも方針でしょう。そういうものがその後引き継がれてこなければならぬ。もう五年たっているわけですよ。だから、タンカーについてやはり一定の規制を加えていくという配慮が行われなければならない、このように思いますが、重ねて、国のエネルギーを守っていくためにはしようがないというやりとりではなくて、考慮なさるべきだと思いますが、もう、一遍御答弁を煩わしたいと思います。
○船谷説明員 われわれ船舶の交通の安全を担当します者としましては、本当に望ましくないことでございまして、これは運輸省全部について、あるいは通産省なんかとも御相談をして、そして大きい力でそのパイプラインの設置その他内湾に大型タンカーが入らないような措置、これはぜひとってもらいたいと考えております。それまでの間につきましては、われわれの及ぶ限りの交通の安全の措置を講じていきたいと考えております。
○岩垂委員 ここであなたとそういうやりとりをしていてもしようがありませんから、政府の責任として要求をし、その実現のために努力はしていきたいと思いますけれども、運輸省それで結構です。 このコンビナート法が、石油コンビナートなどにおける災害がその周辺の地域に重大な影響を及ぼすおそれがあることから、防災上の規制を強化するために制定されようとしているということはこの法律に書いてあります。 これは次官にぜひ承っておきたいのですが、たとえば横須賀では吾妻島、あるいは横浜でも鶴見、大黒町や小柴、箱崎、あるいは沖繩や佐世保でもアメリカ軍の実は貯油施設があるわけであります。これは同じような危険のもとに市民が置かれていることは事実であります。日米安保条約に基づく地位協定は当然存在するとしても、この法律の趣旨が何らかの形で米軍基地に及ぶような努力をしなければ、どこかが抜けていることになるのではないだろうかというふうに思われます。その意味で、日米合同委員会などの場所を通してこのことをアメリカに要求することをはっきりここで御答弁をいただきたいし、また立入検査などについても、これは治外法権だと言って放置しておくわけにはいきませんので、その厳しい対応を求めていただきたい。これは実は環境庁などもアメリカ軍の海域について立入調査をしたという経過があるわけですから、前例がないとは言えませんので、はっきりひとつ、この法の制定に関連してアメリカ軍の基地に対する立入検査、あるいはこの法律が及ぶような保証を自治省として、政府としてなさる決意を明らかにしていただきたいと思います。
○左藤政府委員 御指摘のように、完全にそういった地域についての安全を確保するためには、米軍の施設につきましても、そうした防災の万全を期さなければならないのは申すまでもございません。そこでわれわれといたしましては、いま御指摘のありましたように、地位協定の関係もありますが、外務省と折衝いたしますし、また防衛施設庁とこの点につきまして十分連絡をとりまして、そして米軍に対して強い態度で安全の確保という問題、それは立入検査権という御指摘の問題もございますので、そういった問題も含めまして折衝をして、何とか万全を期していくように努力いたしたい、このように考えております。
○岩垂委員 これは消防庁長官にお願いしたいのですが、正直なところ、今度の法律というのは、川崎や横浜ではすでに実施済みのことなんです。たとえば共同防災組織などの問題を含めて、余りメリットはないと言わなければなりません。しかし、他のコンビナート都市の消防というものは川崎、横浜と比べればおくれておるから、この法律はその最大公約数をとったというふうにどこかで佐々木さんお話しになっていらっしゃるのを承っておるわけであります。 そこで承りたいと思うのですけれども、コンビナートの地域指定というのは政令事項でありますが、先ほど七十くらいというふうに、地域指定の対象をとりあえずのことで御答弁いただきました。これは幾つになるのか。そして、実はこれは地方行政委員会の調査室の資料が配付されておりますが、その中に「近代消防」という雑誌の四十九年一月号に載っている資料があります。第二表の「石油コンビナート地帯所在市町村と態様」たとえば北海道は苫小牧とか室蘭とか上磯とかいうふうに書いてあります。この地域というのは大体地域指定の対象になっておるというふうに考えてようございますか。
○佐々木政府委員 これまで私どもがコンビナート地域として考えておりました地域は、大体指定の対象になるというふうに考えております。ただ、私どもが指定しておりますコンビナート地域につきましては、事業所の設置状況から見て、場合によったら二つのコンビナートに分けた方がいいというようなところもございますので、この辺は府県なり市町村なりと区割りの仕方について十分相談したいというふうに考えております。したがいまして、場合によりましては、その数よりも指定の数としてはややふえるのではなかろうかというような感じがいたしております。そういう意味におきまして、七十前後かなというようなことを申し上げておるのでございます。
○岩垂委員 地域の指定は、それらが入ってプラスアルファというふうに判断してようございますか。
○佐々木政府委員 そういうお見込みでよろしいのではないかと思います。
○岩垂委員 その場合、地域指定に際して市町村の意見がどのような形で反映されていくのか、そして市町村の意見を聞かなくてはならないという法律の規定を具体的にどう尊重していくか、そういう一つの見通しというか形を承っておきたいと思います。
○佐々木政府委員 コンビナート地帯におきまして災害が発生いたしました場合には、まず第一義的には市町村の消防が具体的な実践活動を行うわけでありますから、その市町村のたとえば消防署の配置状況といったようなことから、市町村としてはこういう地域の区割りをした方がいいというような意見も出てくるだろうと思います。具体的には市町村の意見というものが十分反映されてと申しますか、市町村の意見を尊重して指定をしなければならないのではないかというふうに私どもは考えております。
○岩垂委員 やや法案の内容に立ち入って質問をいたしたいと思いますが、コンビナート災害というものを市街地に及ぼさないためには、貯蔵したりあるいは取り扱われている石油類あるいは高圧ガス類というもののそのコンビナート地域における総量規制という考え方をやっぱり考えなければならない事態があるように私は思うのです。こういう考え方は消防庁なり自治省の見解の中にはおありになるかどうか、第一問ですけれども承っておきたいと思います。
○佐々木政府委員 最近のコンビナート地帯とそれに隣接をする市街地の状況等から見まして、このコンビナート地帯の中にあります危険物の総量あるいは高圧ガスの総量というものについて、ある程度の総量規制ということは行う必要があるであろうということは考えられるわけでありますけれども、それでは一体どの程度の総量規制というものが考えられるか、その基準というものが非常にむずかしい問題がございます。 それからさらにまた、先ほどお尋ねがございましたように、保安距離の問題、保安空地の問題等につきまして相当程度の改正を考えております。さらにまた、タンク一個ごとの容量等につきましても、いまその制限というものも考えておるわけでありまして、これらを考えてみますと、その消防法の基準の改正から見まして、自動的に総量が規制になる面も出てまいります。 さらにまた、先ほど通産省の方からもお話がございましたように、通産省の方におきましても、高圧ガス関係についての保安距離なども相当今回の改正で改正が行われたわけでございまして、それらから見まして結果的にどういうふうな数量になってくるのかという点もいま私ども検討しているわけでございますが、一応そういう面での自動的な総量規制も行われるということを考え合わせながら、今後総量規制のあり方というものについて十分検討してまいりたいと思います。この点はまた市町村の消防当局とも十分その辺の考え方の調整を図ってまいりたいというふうに思っております。
○岩垂委員 ちょっとあちこち飛んで恐縮ですが、この法律で、地方公共団体の長は緑地帯などを設置しようとするときはというふうに、設置を義務づけていないわけであります。市街地の安全を考えたときにはやっぱり義務的に設置すべきだというふうに私ども思うのですが、そうなっていない事情について承りながら、たとえば、さっき通産省で言われたのですけれども、高圧ガスの場合コンビナートの保安規則で五十メートルというふうなことをこの中でも指摘をしておられましたけれども、幅はどのくらい考慮されるべきかという技術的な検討の経過がございましたら、これは固定的でなくて結構ですから、承っておきたいと思います。
○佐々木政府委員 この防災緑地につきまして義務づけというものを特に法律上は明確にしておらなかったわけでありますが、この規定の仕方は、現在の公害関係の遮断緑地規定とその取扱方を合わせたものでございますが、現実問題として既成の工場地域におきましてこの緑地帯の設置の事業というものは、やはりその必要な用地との関係において相当むずかしい問題があるわけでございます。しかしながら財政的な面からその設置が行いやすいように必要な財政措置をとったつもりでございます。そしてまたこの緑地帯というものが一体どれほどの幅が必要なのかという点になりますと、それぞれのコンビナート地帯の中におきますいわゆる第一種事業所の場所からも非常に影響が出てくるんだろうと思うわけであります。むしろ海寄りの方に第一種事業所がございまして、その外側にいわば第二種事業所あるいはそれ以外の事業所があって、市街地に直接面しているのは第一種事業所でもない、第二種事業所でもない工場があるというような場合におきましては、第一種事業所におきまして大きな災害が発生いたしましてもそれの副射熱による影響というものは比較的軽減をされる。その場合には緑地帯の幅というものはある程度狭くてもいいということになるだろうと思います。その辺は考え方としましては、大規模な火災等が発生いたしました場合にどれだけの影響が周辺部に及ぶかというような観点からこの緑地帯の幅等は検討する必要があるだろうと思っております。ただ、またそういう工場地帯におきましては別に公害の問題がございまして、その公害緑地の方はむしろ排出される煙でありますとかあるいは騒音でございますとか、いろいろな観点からのまた検討の必要がございます。その辺がコンビナート地帯におきましては非常にいま扱い方のむずかしいところでありますけれども、この法律にも書いてございますように、公害緑地を設置するところについてはこの法律による緑地帯は設置をしないで、公害緑地と関係のない地域においてはこの防災緑地を設置するということになっておりますので、それぞれのコンビナートによってその緑地帯の設置の仕方は異なってくるだろうというふうに考えております。
○岩垂委員 後でもう一遍そのことについては承りたいと思いますが、この法律をつくっていく過程でばらばら行政を一元化するために努力なすったということを大臣も長官も言われているわけですけれども、それを全く否定するつもりはありません。しかしやはり災害予防対策というよりも事故処理対策だという意見もあります。それから高圧ガスと石油類を一元化するというその目標が消えてしまったじゃないかという批判もありますし、これは質問なんですが、保安三法のうち例の労働安全衛生法関係については全く触れていませんね。これはどういうわけか。 それからそのほかに高圧ガスに該当しない大気汚染防止法関係の特定物質、毒物及び劇物取締法関係の毒物劇物、並びに放射性同位元素についても同じような形になってしまっているわけですが、やはりコンビナート地域の災害防止ということを考えたときに、これらのことは片手落ちの結論ではないだろうかというふうに思いますが、これらについて、そうなった経過と、それからこれからどうなさるおつもりか、この点についての見解を聞いておきたいと思います。
○佐々木政府委員 保安三法のうちに労働安全衛生法関係について触れてないということでございますけれども、この法律の中におきましては特に労働安全衛生法という文言は書いてございませんけれども、災害関連法律というものでこの労働安全衛生法は引いているつもりでございます。また防災本部におきましても、労働関係の労働基準監督署、あるいは労働基準局長というものも、その構成員には含めていくつもりでございます。ただ、労働省との折衝の過程におきましては、現在の労働安全衛生法関係の規制を、コンビナート地域において、特に現在の一般の地域における規制以上にすべき部分というものがあるかどうかということになると、必ずしも必要ではない、全国同じような扱い方でいいのではないかというような観点、それからまた特に労働安全という観点は事業所内における災害というものが中心となっておりまして、その災害がその事業所外まで出てくるということになりますと、すでにもう消防法なり高圧ガス取締法の関係の災害になってくるであろう、こういうようなことで、いろいろ労働省ともこの労働安全衛生法関係について、特にコンビナート地域において規定すべき事項ということの詰めはやったわけでありますけれども、その関係については特に労働省の方からの御意見がなかったわけでございます。 それから、毒劇物の関係につきましては、実はこの法律の段階におきましていろいろ私どもも厚生省の方とも打ち合わせをしたわけでありますけれども、毒劇物の中で危険物の関係、高圧ガスの関係というものはまた同時に消防法、高圧ガス取締法の対象になっておるわけでありますが、それ以外の毒劇物について特に対処するということは、要するにこうしたものを完全に防除するというような方法がなければ、結局は外に出さないという方式で考えていかなければならないというようなことで、むしろそうした規制は毒劇物法の中で対処していかなければならないのじゃないか。それをいま厚生省の方でこの毒劇物法の関係の改正という形で対処したい、こういうことで検討をしている段階でありますけれども、その改正関係が今回の国会には間に合わなかったということもございまして、いま厚生省の方には、早急に必要な改正を考えてほしいということをお話ししているわけであります。 それから大気汚染防止法の関係になりますと、これは災害関係と少し対象が違ってくるのじゃないだろうかというふうに考えております。 それから放射性同位元素の問題につきましては、これは地域によって問題が非常に異なってまいりますので、それぞれのコンビナートの防災計画の中でこれらの問題については対処していただきたいというふうに考えております。
○岩垂委員 だから、その点は厚生省の努力なり何なりというものを見詰めながら問題にしていきたいと思うのですけれども、この法律の運用について、指定都市というのはもうその能力から見て十分に力があるわけですから、「都道府県知事」とあるところを、政令指定都市にあっては市長が行えるような読みかえ規定を設けることを求めているわけでありますが、それらについてはどんなふうにお考えになっていらっしゃるか、討論の過程なり結論について御意見を聞いておきたいと思います。
○佐々木政府委員 この指定都市の問題につきましては、確かに私どももこの立法に当たりまして内部でいろいろ議論したところでございます。ただ、一つの問題は、高圧ガス取締法の関係におきまして、その許可権限というものが指定都市の所在する府県におきましても府県知事にまだ残されておるというような問題もございますし、また、たとえば川崎、横浜というような関係を見ます場合に、非常に隣接をして、それぞれ川崎部分は川崎で、あるいは横浜部分は横浜でということが果たしていいのかどうか、この点はもう少し広い見地に立って知事に判断をしてもらう、指定都市の市長と知事との間で十分相談をしてもらうということも必要になるのではないだろうかというようなことで、とりあえずこの法律におきましては一応府県知事に防災体制の責任を持ってもらう、こういうことにいたしたわけでありますが、やはりこの指定都市の問題につきましては今後の検討課題であるというふうに私どもは考えております。
○岩垂委員 条文があっちこっちへ行ってどうも恐縮ですが、私、ちょっと八条などを見てみますと、七行目「災害が発生した場合における当該災害の拡大の防止をするために必要と認められる範囲内において、当該新設等の計画の変更を指示することができる。」というふうな文章があります。この法律の中にたとえば「必要と認められる範囲内において」とか、そういう言葉遣いがたくさんあるわけであります。これは具体的には共通の物差しといいましょうか判断の基準というものがございませんと、都道府県によって違ってみたり、まあこれは住民感情、住民意識というような点でも考慮しなければならぬのかもしれませんけれども、やはり判断の基準というものがどうしても必要なように思いますが、それを何で表現なさるおつもりか、そしてその基準、共通の物差しを定めていくおつもりはないかどうか、お聞きしたいと思います。
○佐々木政府委員 この法律の規定におきまして「必要と認められる範囲内」というふうな書き方をしている部分が多くありますのは、要するに権利制限の法律でありますから、その権利の制限は、当然に必要と認められる範囲内において権利制限をするというような考え方が前提でございます。 それからこうした規制をいたします場合に、一定の基準があるということは確かに望ましいことであるというふうに考えますけれども、このコンビナート地域はいろいろな地域にございますし、それからまた、そのコンビナートを構成する事業所というものも非常に複雑でございます。場所によっていろいろな差がございます。また、周辺地域の状況が、市街地が非常に接近しているところもございますればそうでない地域もあるということで、必ずしも具体的な数値をもっての一定の基準というものは非常にむずかしいものでございますから、やはりこうしたものの規制をやります場合には、そのそれぞれの地域の実態に応じた規制が必要であろうというふうに考えるわけであります。ただ、その場合におきましても、事業所内ということになりますとある程度の基準というものはできるのではないだろうか。そういう意味におきまして「主務省令で定める基準に照らして」というような文言も書いてございますが、基準のつくれる部分はできるだけ基準をつくっていく、しかしながら地域の実態に応じては個々に判断をしなければならない問題もあるというふうに私どもは考えております。
○岩垂委員 これは実は非常に重要なところなんですが、火災、爆発あるいは環境汚染などの災害防止は当然のことではあるけれども、罰則以外に発火後の原状回復であるとかあるいは被害の救済などについて責任というものをはっきりさしておくことがどうも必要じゃないだろうかというふうに私は思うのです。そういう点で原状回復と被害の救済についてこの法律がどのような配慮を加えられたか、あるいはそれらについてどんな討論や議論があったか、これはこの法律の目玉ともいうべきことですから、ぜひ承っておきたいと思います。
○佐々木政府委員 確かに災害を起こしまして他に被害を与えた場合、そうした被害を受けた人に対して原因者が原状回復をする、そしてまた被害を補てんする義務があるということは当然のことでございますけれども、やはりその場合の原状回復、被害の補償という問題は民事上の問題であろう。そういうことで、この法律はどちらかというと災害防止法といういわば公法の部類に入る法律になりますので、その公法上の義務としての原状回復あるいは損害の賠償ということを規定することは法律上非常に問題があるのでございます。そういう意味におきましてこの法律に規定いたしましたのは、消防法の一部改正のところにございますように、流出した危険物の回収について流出さした者に責任があるということを明らかにするとともに、その流出した危険物の回収措置を命ずることができる、そしてその命令に従わない場合においては市町村長がかわってその回収を行って、必要な経費についてはその原因者から徴収することができるというような、いわば公法上の回収措置等についての規定は行ったつもりでございます。民事上の規定にまでこの法律の中で規定するというのは、やはり立法上やや問題があるというように考えられたわけでございます。
○岩垂委員 それと同じような意味ですが、緑地などの設置に関する費用の分担というところで、第一種事業者が三分の一、国、地方公共団体各三分の一となっておりますけれども、やはり原因者負担の原則は徹底しなければならないんじゃないだろうか、この点が一つです。それから、やはり地方公共団体が三分の一というのは、何としても、いまの地方自治体の実情から見て、大変どうも深刻な状況でありまして、これはできっこないんであります。これらについて、一つは原因者負担の原則というものを将来どうなさるおつもりか。それから、地方自治体の現状から考えて、個別地方自治体に対して大きな負担を背負えない現実をどのように考慮していくか、その点についてぜひもう一遍御答弁を煩わしておきたいと思います。
○佐々木政府委員 この緑地帯を企業がみずから設置をして、排他的にその空地を確保しておくというような形になります場合には、その企業がその緑地を設置する経費を全部負担していくということは当然であろうと思います。ただ、ここに規定しております緑地は、その計画は都市計画法の規定に基づきました公園緑地としての緑地帯の設置でございます。しかしこの緑地帯については、一面において防災上の必要性があって、そしてまた防災上の効果が十分にある、こういう観点から、いわば原因者負担としてこの公共施設を設置いたしました場合にどれだけの負担割合を求めるべきか、こういう観点から企業者負担、それから公共負担というものを定めていったわけであります。この点につきましては、現在すでに公害関係の法律におきまして公害緑地の規定がございます。それらの現行法の規定ともにらみ合わせながら、企業者負担というものを三分の一というふうに考えたわけでありまして、この扱い方は、この法律にも書いてございますように、公害緑地として設置する場合、それから防災緑地として設置をする場合、いずれも国と地方の負担は同じような形で持っていきたい、こういうことでこの規定を設けたわけでございます。 なお、地方の負担部分につきましては、この法律にも書いてございますように、地方債をもって措置しながら、その元利償還につきましては交付税でその一部を補てんをしていくという、この措置をとったわけでございます。
○岩垂委員 長官御存じのとおりに、川崎は第一種、第二種以外の企業もありますから、この法律よりも公害の方の法律でということになると思うのですけれども、それにしても、建設省と一緒になって防災遮断帯の計画を決めたところが、何と九千億の金がかかるとこう言うのです。それはかなり膨大ないろいろな仕掛けがあるわけですけれども、それにしてもこれは大変な金額です。これが地方自治体が三分の一見ろと、まあ九千億に固定しなくていいですよ、しかしそういうことでは、これは百万都市といえども手が出ないと思うのです。非常に現実的でないわけであります。たとえば、それでは第一種、第二種のケースのときと第一種、第二種以外の企業が混在したケース、つまり川崎のようなケースについて、この法律をつくっていく過程の中でお話し合いになったことがあるかどうか、それについて実情をどのように把握をしておられるか、もし見解がいただけますなら承っておきたいと思います。
○佐々木政府委員 こうした緑地帯の整備につきましては、確かに既成の工業地帯、特に大都市にあります緑地帯の場合には、その設置費用が特に用地買収費等におきまして相当な経費がかかるということは、御指摘のとおりだろうと思います。ただ、まだ具体的に、川崎の場合にはこの九千億が年度区分でどういうふうな形になっていくのか、その辺の計画もまだ未確定の状態でございますが、事業の実施の方法といたしましては、場合によれば現在ございます公害防止事業団というようなものが、相当な事業につきましても肩がわりで事業をするというような方式もとっておるわけでありまして、こういたしますと、地方団体が直接にその事業費をその事業施行年度において負担をするという形ではなしに、いわば元利償還の形で負担をしていくというふうな方式もあるわけでございまして、また、川崎の事業計画というものが建設省との話し合いでその事業施行の年度区分、負担区分というようなものがまとまりました段階で、やはり個別に、私どもとしましては、その市の財政の実態に応じた御相談に乗るような措置をとってまいりたいというふうに考えております。
○岩垂委員 本会議があるようでございますからもうおしまいにしますが、一番最後に、二十五条第一項で「市町村長又は第十六条第六項に規定する政令で定める管区海上保安本部の事務所の長は、災害の発生又は拡大の防止のための措置の実施について必要があると認めるときは、自衛防災組織又は共同防災組織に指示をすることができる。」と規定しています。これは両者間の指示権が競合して、いたずらに混乱を招くおそれがあるということを現場で心配しております。これらの調整について、これははっきり消防庁長官に、現実の問題ですから、そういうおそれがないように指導してほしいと思うのですが、それに対する見解を承っておきたいと思います。
○佐々木政府委員 いま海上保安庁の方と消防庁との間におきましては、この陸と海との接点の関係におきまして、一応業務協定的なものが結ばれておるわけでございます。それでこの協定の考え方は、大体陸上部分におきましては消防、海上部分におきましては海上保安庁といったような形で、それぞれの災害防除活動が行われるわけでございますので、そうした職務分担の範囲において指示権を発動していく、こういうことになるだろうと思いますので、その辺は私どもと海上保安庁との間に十分な調整を図って、そうした指揮の混乱ということが起きないように、具体的にまた私どもも相談をしてまいりたいと思います。
○岩垂委員 以上で終わります。
○大西委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後一時二十八分休憩 ————◇————— 午後二時三十六分開議
○大西委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 内閣提出に係る石油コンビナート等災害防止法案を議題とし、質疑を続行いたします。山口鶴男君。
○山口(鶴)委員 今回、石油コンビナート等災害防止法案が国会に提案されまして、地方行政委員会で審議が始められたわけでありますが、実はこの法律案の提案は大変異例であります。と申しますのは、政府が法案を国会に出します場合には、予算関係法案につきましては二月の中旬、予算関係法案以外の法案につきましては三月の中旬というのが慣例になっております。今国会が始まりました際におきましても、内閣官房長官が参りまして、予算関係法案につきましては二月の中旬、予算関係法案以外のものにつきましては三月の中旬までに出すように努力をいたします、このようなお約束をされたのであります。石油コンビナート等災害防止法案は、もとより予算関係法案ではございません。これが提出されましたのは、実は国会の会期が延長された後であります。従来の例から申しますと、予算関係法案以外の法案は、おくれましても連休前までならばこれを受け付ける、連休後は受け付けない、ましてや会期が延長された後などというのは、これは全会一致でなければ受け付けないというのがいままでの例であります。 しかし、このコンビナート法案につきましては、実は今国会の予算委員会の冒頭におきまして、わが党の江田副委員長が、水島のあの災害を踏まえまして、コンビナート法案というような法律案をつくるべきではないかということを強く主張しました。また、その後各種の委員会におきまして同様の主張をわが党の各委員がいたしてまいったという経過もあるわけでございます。そういうことでありますから、実はきわめて異例な提出時期でありますが、私どもといたしましては、この法案の必要性、また率直に言って政府が初めから出す気持ちがあったとは思われないのでありまして、いわば国会の論議を通じましてわが党の委員が各面から促進をいたしました結果、この法案が出てきたという経過を考えまして、今回のこの法律の提出時期はきわめて異例でありますけれども、われわれとしてはこれをお受けをしようじゃないかということに実はいたした次第であります。 そこで、政務次官もお見えでありますから、また行政局長もお見えでありますからまずお尋ねしておきたいと思うのですが、政府が当初この第七十五常会に対して、内閣提出予定法律案はこれこれでありますということを文書で出してまいったわけですね。この中の自治省所管を拝見いたしますと、地方交付税法の一部を改正する法律案、地方税法の一部を改正する法律案、地方自治法の一部を改正する法律案、町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案、昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案、これは出します、提出予定法案としては、これは地方行政委員会には関係ございませんが、公職選挙法の一部改正、政治資金規正法の一部改正、これが自治省として出す予定のものであります、こう約束をしておられたわけであります。また国会の予算委員会の議論等でも、ここにあるものは必ず皆出しますということは総理もお答えになった。また官房長官も再三再四議運の理事会でこのことをお約束になった。ところが地方自治法の一部を改正する法律案はまだ国会に出ておりません。ですから、私どもとすれば、出しますよと約束したものを出さない。しかも出すと約束しておらぬものを、事もあろうに国会の会期が延長された後になって出してくる。こんなことでは自治省、一体どういう考えでおるのか、はなはだ不満であります。私どもは、そういう中でありますけれども、石油コンビナート法案については、江田副委員長がこれをつくれと主張した、わが党の委員が各委員会で主張したということもありますから、その辺は大目に見て実は受け付けたわけでありますが、それだけに出すと約束したものについては、これは守っていただかなければならぬと思うのです。 まず政務次官に聞きましょう。約束を守りますか。
○左藤政府委員 そのお約束を申し上げた点につきまして、何とか守ろうということで努力いたしましたけれども、この問題について関係省庁との話し合いが最後まで、とにかく今日までどうしてもまとまりません。そういう点で大変申しわけないわけでありますが、現在の段階におきまして、そうした確かに御指摘の点につきまして努力をいたしましたけれども、そういう状態であるということを率直に申し上げ、非常に遺憾である、このように申し上げるほかないと思います。
○山口(鶴)委員 まあ言いわけですが、おくれたのはいろいろな事情があったから認めましょう。まだ会期は七月四日まであるわけです。会期中に出しますか。
○左藤政府委員 ただいまのところで提出いたしますとお約束申し上げることができないことは非常に申しわけないと思っております。非常に困難な状態でございます。
○山口(鶴)委員 会期中にも出すことが困難だ、これでは、はっきり言えば、もう約束を守る気がないということですね。少なくとも私は、自治省、この問題については大変責任があると思うのですよ。特にこの自治法改正の問題については全会一致で、実は昨年ですか、当地方行政委員会で附帯決議がついておるわけですね。そうしますと、国会の意思というものも自治省はお守りにならない、こういうことになりますよ。いかがですか。
○左藤政府委員 附帯決議のそういうものをつけてお決めになったということもよく承知いたしておりますし、そういった点で十分その実現をすべき努力をいたしましたけれども、遺憾ながらただいままでそういうことでできなかった。関係省庁との折衝でついにただいままでまとまらない、こういう状態でございまして、その点については大変申しわけない、このように思っております。
○山口(鶴)委員 申しわけないで済む問題と性質が違うじゃないかと思うのですがね。特に私は、あえて言いますが、この附帯決議をつけたときに、いま自治大臣をされておられます福田さんは当時自民党の国会対策委員長だったのですよ。自民党の機構は、私、自民党員じゃありませんからよくつまびらかには承知しておりませんけれども、少なくとも附帯決議をつけるかどうかは、自民党の場合はその政調会並びに国会対策委員会の議を経てこの附帯決議に賛成するかどうかは決めておられるんじゃないですか。そうでしょう。わが党の場合も、附帯決議についてこういうものをつけるという場合は政審、国会対策委員会でそれは必ず議論をして、その上でつけるわけです。当時、附帯決議をつけることについてよろしいと最終判断をされた当の責任者、その福田さんが、きょうはお見えになりませんけれども現在の自治大臣である、こういうことじゃありませんか。とすれば、私はその福田さんの責任たるやまさに重大じゃないか、こう言わざるを得ないと思うのです。せっかく林さんも来ていますから、林さんのような有能な行政局長がおってなぜ厚生省なんかにおっぺされて、あるいは労働省や運輸省にいちゃもんをつけられてこんなぶざまな状態になっておるのですか。
○林政府委員 事態はすでに御承知のとおりだと思います。ただいま政務次官からも申し上げましたように、今日まだ各省間の合意ができるめどがついておらないこと、まことにそのとおりでございます。 附帯決議はこの委員会で与野党全員一致でいただきましたし、われわれはかねてから附帯決議の趣旨に沿ってこの問題を解決すべきだということで百方努力してまいったわけでございますが、これは与党、野党の対立とかという問題では全くなくて、政府部内の対立という姿でございますので、法案を提出するにはそれらの間の斉一した合意が必要である。その合意を得られるための努力、これはおまえの努力が足りないのだと言われれば一言も申し上げることはないのでございますが、あの附帯決議を受けまして百方努力をいたした次第でございます。あの附帯決議どおり間に合わせるとすれば、少なくとも今国会中に法律の措置をしなければ間に合わない。五十一年度の予算編成に必要な措置をとらなければならないというタイムリミットをもってあの附帯決議の実現に百方努力した次第でございますけれども、何せこの問題が起きまして二十年を過ぎております。この地方事務官という制度がいろいろな意味での欠陥があることは各方面にももう周知徹底されているところでございますが、その解決方法につきまして何と申しますか水と油というか、全く違う結論を政府各省が持っておりまして、その間の調整、われわれの努力も不足でございましたが、まだ調整のめどもついていないという今日、おしかりを受けることはまことに一言の申し開きもできないわけでございますけれども、あの制度が持っております欠陥というのはこれは何としても正さなければいけないと思います。そういうことで、近く地方制度調査会の答申にも再びこれが指摘されるような模様にもなっておりますし、さらにこれを受けまして今後この努力をさらに一層続けてまいりたい。何としてでもこれを附帯決議の御趣旨どおりの解決に持っていくという決意をさらに新たにしておるわけでございます。今日まで延びましたことについては、もう申し開きのしようもございません。さらにもうしばらく時間をおかしいただければ幸いでございます。それについての努力を今後さらに積み重ねてまいりたいと存じておる次第であります。
○山口(鶴)委員 御答弁は納得できません。どうも三木内閣かっこうのいいようなことは言うのですけれども、さっぱり実効が上がらぬ。この見本がこの自治法改正のぶざまな姿にもあらわれているような気もいたします。特に当時国対委員長であり、現在自治大臣であります福田さんの責任につきましてはまた日を改めて追及いたすことにいたしまして、きょうはこれ以上申し上げることは一応控えておきたいと思います。 そこで、この石油コンビナート等災害防止法案、消防の果たす役割りもきわめて大きい。また防災本部の組織その他見ますと、当該県の県警本部長、警察の果たす役割りも非常に多いと思います。この石油コンビナート法が成立いたしました場合、警察としてもあの水島地域の災害の経験に学んで万全を期すお考えがあろうと思いますが、まず長官にそのことを伺っておきましょう。
○浅沼政府委員 コンビナート法案の目指しておりますような問題につきまして、警察の職責を通じて所要の措置をとりまして、被害の防止に万全を尽くしたい、このように考えております。
○山口(鶴)委員 万全を尽くすというお答えでございますが、もう少し大きな声で御決意のほどが承れるようにひとつお答えをいただきたいものだと思います。 さて、そこでちょっと、警察庁長官がお見えでありますから、お尋ねしたいと思いますが、実は憲法二十一条を拝見いたしますと、言論、集会、結社の自由、これは保障するということが明確になっておるわけであります。ところが最近幾多の事柄を見ますと、この憲法二十一条に規定された言論、集会の自由が脅かされる、こういう事例が残念ながらあることを私どもは指摘せざるを得ないのであります。実は一昨年日教組が全国大会を開きますのに、当初伊東市を候補に挙げまして、伊東の市長さんとお話された結果快諾をされて、伊東市にこの日教組大会を開くということを一たん決めた。ところが右翼の人たちが大挙伊東市に押しかけましていろんなトラブルがありました結果、一たん約束したものを返上する、こういう事態になった。次に水上が問題になり、ここでも一たん会場使用については文書協定も行い、そしてまた規定に基づく使用料も前払いしたにかかわらず、右翼の妨害の結果開催が不可能になった。そのようなことがありまして、最終的には前橋市にございます群馬県県民会館、ここが会場になったのでありますが、しかしそのような交渉が日教組と群馬県の間で行われているときに、すでに右翼が大量押しかけまして、そうして群馬県の知事、あるいは副知事、担当する部長という方々のところに脅迫電話がかかる、いろんな問題が起こったわけであります。 さてそこで、私お尋ねしたいと思うのですが、そのような形で現に言論が脅かされるという事態を私は大変遺憾なことだと思うのです。コンビナートの事故につきましても、警察万全の措置をとっていただかなければなりませんけれども、言論、集会の自由が脅かされるという場合におきましては、これまた警察全力を挙げて私はやはりそういった妨害する右翼に対しては断固たる措置をとっていただかなければならぬと思うのですが、長官の御決意のほどを伺っておきましょう。
○浅沼政府委員 ただいまお話の、憲法に定められました言論の自由、集会の自由、これは大変重要な、基本的な権利でありまして、私どもはそれが侵されることのないように十分な対策を講じてまいらなければならない、このように考えております。 日教組の大会の開催に伴いまして、私どもは右翼がこれを事前に妨害するとか、あるいは大会の開会中にいろいろな妨害行為を行うということにつきましては、それが違法にわたります場合にはあらかじめ十分対策を講じまして、未然にこれを防ぐ、同時に違法行為がありますればこれは適当な警察措置を講じて、必要があればこれを検挙するということで臨んでまいっておるわけでございます。
○山口(鶴)委員 前橋大会を開催する際には、私は警察当局にも要請し、また県民会館でございましたので、都道府県に対して助言をする立場にある自治省当局に対しましてもいろいろ要請をいたしました。無事集会の自由が保障されましたことは非常によかったと思っております。当時の関係者の方々には心から感謝を申し上げる次第でございますが、問題はその開催以前の、一たん会館を貸すという契約をする。それを取り消させるための右翼の妨害というのが非常にはなはだしいわけであります。これについては断固たる措置をとるというお話もございました。そこで、私が関係いたしました前橋大会におきましても警備が万全でございましたために、また日教組といたしましても周りに防護棚ををつくるとか、いろいろ経費面でも御苦労されたようであります。そういう結果、その周辺に人家が相当立て込んでいる地域でございましたが、幸いなことにガラス一枚割れたこともございませんでした。また住民の方々に対する被害も全くなかったのであります。昨年は立川市において大会が開かれたわけでありますが、これもそれぞれの関係者の方々の御努力によって、前橋と同じように一切の被害は住民に与えなかった、こう聞いているわけでありますが、いかがでございますか。
○三井政府委員 ただいまお話がございましたように、大会開催の場所が決まりますと、右翼がこれに対していろいろと場所の提供を返上するように働きかけるあるいは街頭宣伝をするというようなことがあったわけでありますが、そのうち違法にわたるものについては的確な措置をするということを通じ、また開催中につきまして街頭宣伝あるいは抗議活動という名目で、車両等に乗ってその周辺の地域、会場付近に押しかけるということで、警察官の規制措置に対する抵抗、妨害というようなこともあり、前橋の場合には右翼の関係者四十二名を検挙するという事態があり、立川の場合には五十二名を検挙いたしておりますが、それぞれ、前橋の場合には二千名を超える警察官、また昨年の立川における場合には一万人を超える警察官を動員いたしまして、警備に万全を期するということで努力をしてまいりました結果、幸いにして、検挙者等は相当数ありましたけれども、ただいまお話しのように、一般に対する物的被害はなく、また大会そのものもこれによって妨害されることなく無事に終了したということで喜んでおる次第でございます。
○山口(鶴)委員 今度の明石の場合は、地形を私直接見たわけではありませんが、周囲の状況等お伺いいたしましたところ、片方は海であり片方は国道でありということで、前橋、立川等のように周辺に人家が密集しているというところに会館があるというのとは異なりまして、警備の場合におきましても相当やりやすいような状況にあるということも聞いておるわけでございます。前橋の場合におきましても立川の場合におきましても警備に万全を期した結果、住民の方々に対する被害は一切なかった、こういうお話であります。前二者の場合よりも地形的に恵まれておる今回の明石の場合は、従来の経験に徴して警備に万全を期するならば、周辺の住民の皆様方に対して御迷惑をおかけするようなことはない、このような御確信はおありだと思うのですが、いかがでございますか。
○三井政府委員 いまお話しのように、この地形は前二者の場合と違って海岸に近い、また国道が通っている、こういうような状況のところでありますが、一面警備がやりやすいとも言えるわけでありますけれども、同時にまた道路に接しておるというようなところでもありますし、またその一つ道路を隔てたところには商店あるいは旅館等が密集しておる通りもあるというようなことで、やさしい面と同時にややまたむずかしい要素もあるということでありますが、いままでの経験に徴しましても、私たちとしては万全の態勢でこれに臨んでまいりたいと考えておりますし、すでに現地警察におきましては現場を実査し、かつ現地の関係者とも十分協議の上対策の万全を期しておりますので、相当数の右翼関係者が立川、前橋の例にならって現地に駆けつけるというようなことで、検挙者あるいは警察官の規制による措置というものがかなり行われるであろうし、また行わなければならぬと思っておりますが、見込みとしましては、会議そのものはきわめて円滑にいくのではないか。また地元の住民の皆さんが御心配のないように、被害等が住民の一般の方々に及ばない、こういう方向で事態が処理できるものと私たちは十分の自信を持っておるわけでございます。
○山口(鶴)委員 いま警備局長から、十分な自信を持っておられるという明確な御答弁がございました。長官としてもその御決意を承っておきたいと思うのです。 あわせまして、時間の関係もございますからお尋ねしたいのですが、前橋の場合におきましてもいまのお話では二千人の警察官が動員された、立川の場合は一万に近い警察官の方々が動員された、こう承っております。そういたしますと、前橋大会の場合は群馬県がそういった他府県からおいでになりました警察官の方々のいわば超勤でありますとか宿泊費でありますとかあるいは食費でありますとか、そういうものを予算に計上して賄わなければならぬ、こういうことだったと思うのであります。そういたしますと、当然警察では警備関係の仕事は国が責任を負うというたてまえになっておるわけでございまして、たしか前橋大会の場合も国がいわば警備の経費といたしまして、その相当額を群馬県に支出したという例があったと記憶をしておるのですが、同じようにこの兵庫県警に対しましても、当然そのような経費の支出は行うものと思いますが、いかがでございますか。あわせてお答えをいただきます。
○三井政府委員 後段の費用の点でございますが、警備事案につきまして警察法に基づきまして国費で賄うということでございますので、群馬県警、警視庁に警備関係の費用を配賦いたしております。このほかに、超過勤務その他はそれぞれの警察官の所属するところで負担をいたしますので、これはまた別の部分もございます。したがいまして、今度の兵庫県の場合につきましても、この種の事案につきましては国費をもって支弁をする、国費を配賦するということがございますが、同時にまた現地におきましては、交通関係あるいは刑事関係といったような警察権の総合力を発揮して処理をするということでありますので、国費として賄わない、地元の県が独自でこのために負担をしなければならないもの、そういう警備がなければ負担をしないで済むものがそれだけ多く負担をしなければならない、こういうような事態はもちろんあるわけでございますが、現在の制度のもとで警察庁において独自で負担すべきものは十分に配賦する、こういう配慮をしてまいりたいと思います。
○浅沼政府委員 このたびの明石の日教組大会につきましても、従来の経験を生かしまして十分な警備措置を講じまして、大会の円滑な運営及び関係者の安全、また一般市民の方の生活の安全ということにつきまして、できる限りの努力をいたしまして万全を期したい、このように考えております。
○山口(鶴)委員 関連でございますのでこれで終わりたいと思いますが、関係者の安全はもちろんでありますが、やはり地域住民の方々の安全を期するために全力を挙げてこの警備に対処をいただきたい、このことを強くお願いを申し上げておきます。ただいまのお答えで結構でありますが、特に住民の方々に対する配慮に極力努めていただくことをお願いをいたしたいと思うのです。 そこで自治政務次官にお尋ねしたいと思うのですが、いまの警備局長のお答えを聞いておられたと思うのですが、警備関係経費については国費で賄う。ところが、これに付帯して交通関係の経費、刑事関係の経費というものが当然必要となる。超過勤務その他そういった問題もあるわけでございます。これは現在の法律のたてまえでいきますと、各県が県の予算において計上しこれを支弁しなければならない、こういうたてまえになっております。したがいまして、いわばそういう大会がなければかからなかった経費が当該県においてかかる。群馬県においては前橋大会があったためにかかった。東京都においても同様だと思うのです。兵庫県におきましても当然そういう経費がかかるわけですね。前橋大会の場合におきましては、そういったいわば特殊な財政需要に対しましては特別交付税でもって十分な措置をしていただいたと記憶いたしております。したがいまして今回の明石大会におきましても、同様に必要な財政需要につきましては特別交付税において万全の措置をやっていただけるものと考えておりますが、いかがでございますか。
○左藤政府委員 先生に申し上げるまでもなく、御承知のとおり特別交付税は災害などの特別の財政需要に対して当該団体の財政事情を十分勘案して決定するということになっておるわけでございますが、いま御指摘のような事情につきましても十分実情を調べまして、関係団体の財政状態ももちろん勘案しなければなりませんが、そうした特別交付税の算定の際に検討してまいりたい、このように考えております。
○山口(鶴)委員 では結構です。
○大西委員長 小濱新次君。
○小濱委員 石油コンビナート等災害防止法案について若干質問をしていきたいと思います。 わが国の石油化学は昭和三十二年ごろから生産を開始し、その後わずか十数年にして世界有数の石油化学工業国家に発展をしていったのであります。コンビナート地帯の災害は、それ以前、昭和二十九年大協石油四日市製油所のタンク火災を初め、三十九年昭和電工川崎工場タンク火災、四十年日本石油室蘭製油所タンカー火災など、相次いで大きな事故が起きているのであります。この間、コンビナート火災事故に対する総合立法の必要性が叫ばれてきたわけでございますが、その意味では今回の法案は遅きに失したという感じを強く受けるわけです。 そこで、今回提出された石油コンビナート等災害防止法案、この最大の目的は、石油コンビナートの災害を防止するため一体的な防災体制を確立することにあったと私どもは見ております。従来のコンビナート防災対策の欠陥は各省庁間にまたがる行政の複雑性であったわけですが、この改善のため本法律案作成の段階でも消防庁は行政の一元化を主張してきたと聞いております。大変御努力をなさったとも聞いておりますが、どうか今回の法案に至るまでの経緯をぜひひとつ御説明をしていただきたい、こう思います。
○佐々木政府委員 わが国のコンビナートの生成の過程というのはただいま先生御指摘のとおりでございまして、また、そうしたコンビナートの形成に伴ってコンビナートの災害というものが発生をしてきたというわけでございますが、こうしたコンビナート地域に対する防災体制というものは、これまで立法的には消防法の改正を通じましてこうしたコンビナート災害に対処してきたわけでございます。しかし、やはりコンビナートの成長というものが非常に急速に行われてまいりましたために、そのコンビナートの災害も非常に複雑な様相になってきたということは事実でございます。特に昭和四十八年に発生しました相次ぐコンビナートの爆発火災事故というものから、消防庁としましては、消防審議会の答申に基づきまして、石油コンビナート地帯防災対策要綱を定めまして防災体制の整備を図りますとともに、昭和四十九年度から石油コンビナート防災診断委員会を設けまして、こうした防災体制をさらに改善強化をしていくということについて鋭意検討をしてきたわけでございますけれども、昨年の十二月には水島の重油流出事故が発生をし、非常に広範囲の災害になってまいりましたし、さらにまた、本年の二月には大協石油のタンク火災というものが発生をいたしたわけでございます。さらにはまた、昨年の暮れには川崎地域における地震問題というのが大きく取り上げられまして、やはりこうしたコンビナート地域につきましては抜本的な体制をとっていかなければならないということで、コンビナート等災害防止法というものの立案に着手をしたような次第でございます。 〔委員長退席、中山(利)委員長代理着席〕 ただ、こうした災害の関係から急速に立法化をしていくというような観点で、これまでの各個別の立法におきまして、コンビナート地帯の中にありますいろいろな危険物施設あるいは高圧ガス施設等についてのすべてを総合的に立法をし直すということにつきましては相当な日時を要する問題でもございますので、こうした個別立法を前提にいたしまして、いわばコンビナート地域全体としての防災体制というような観点からこの法案の立案に当たったわけでございます。 こうした過程がございますので、個別の立法とこの法律との調整ということについて非常に時間がかかりましたし、立法技術的にもむずかしい面がございました関係で、私どもが予定をした時期からややおくれて提案の運びになったわけでありますけれども、こうした地域における防災体制というものを一元化するというようなことをねらいにいたしまして、できるだけその趣旨の実現を図るという観点から、特に防災の第一線に当たります地方公共団体の防災体制というものをまず一元化していくというような観点で、この防災体制につきましてはそういう方式をとったわけであります。 これと同時に企業自身の責任ということにつきましてももっと明確な基準を打ち立てる必要があるという観点から、企業自身に対しましても相当大きな企業負担も前提にして、そうした企業自身の自衛防災体制というものをとらせるということにいたした次第でございます。
○小濱委員 自治大臣に一言御所見を承りたいのですが、コンビナートの災害対策には関係自治体がいろいろと予算を計上しながら、対策を現在も非常に急いでおります。しかしながら、国の法案がどういう形になって出てくるのか、また施行日がいつになって出てくるのか注目をしておるわけでございます。ところが会期末を控えて衆議院での審議の日程、それから参議院で現在地方行政で二本の法案を審議しておりますが、これとのかみ合わせ等を考えまして、私どもも努力は惜しみませんが、何とか、これはもう地域の国民的な要望、そういう内容の法案であると理解しておりますので努力は惜しみませんけれども、どうも提出されてきた期間が遅かった。いまも長官からいろいろ説明がございましたが、これに対してはやはり自治大臣として、遅くなって出てきたがこれからどういう経緯を通るかわかりませんけれども、責任ある立場として一言御所見を承っておきたい、こういうふうに思います。
○福田(一)国務大臣 ごもっともな御質問でありまた御忠言でございます。 実は私は、当初は三月末までにつくって四月初めには何とかして出したい、これはもうゆるがせにできない問題であるからして、しかも国民的な要望である、私はこう考えておりましたので、何としても法案の作成を急ぎ、したがってまだ各省とも折衝を早目に決定をして、そして法案を出したいと思ってやったんですが、残念なことに、ほかの役所の人にどうこう言うのも——役所の官僚といいますか、組織といいますか、そこらはわれわれそういう仕事をしたことのない者はなかなかよくわからないのでありまして、いざとなってくると、やはり一字一句でも自分の権限に触れてくるような問題は慎重の上にも慎重を期する、私はそれは非常にまたいい面でもあると思うのですよ。いいわいいわと言って方々の役所がいたんじゃこれは問題になりませんから、もうきちっとやっていくのはありがたいんだが、そういう意味で非常に折衝がむずかしかった。このためにこういうように大変おくれてしまったので、それについては、法案作成の担当者ということで実は自治大臣が閣議で指名されておるのですから、おくれたことについてはまことに申しわけないと思っておるのでありますが、何とかひとつ、小濱さん初め当委員会は非常にりっぱなお方ばかりおいでになるわけでございまして、国民の総意がどこにあるかということを踏まえて、やはり法案の審議をせねばならないというお考えを持っていただいておると私は実は理解をいたしておるのであります。ただ、いかんせん非常に短いものですから、この短い間にそう簡単に上げられるかという御意見もあるかと思うのですが、ひとつ小濱さんのような良識のあるお方に御協力を願って、何とかこの法案を今会期中に上げまして、これを実施に移す、あるいは完璧でないところがあるかもしれぬが、とにかく移しておいて、もし悪いところがあればまた来年にでも修正をせねばならぬ場合が起きるかと思うのでありますが、 〔中山(利)委員長代理退席、委員長着席〕 とにかくいま何もなしにこのままで来国会までほうっておくということはいかにも——政府としても提案が非常におくれているのですから、わがままなお願いになると思うのですけれども、ひとつぜひ御協力を願って、法案が成立するように御後援を願いたい。これは私から特にお願いをいたしたいと思う次第でございます。
○小濱委員 大臣の御決意、御心情を伺いました。私どももそのお気持ちに沿ってこれからも努力をしでいきたい、このように考えておるわけでございます。 大臣のお時間の都合があるようでございますので、前後いたしますが、二、三点お伺いをしていきたいと思います。 今回の法案は、陸地に固定したコンビナートを対象としているようでございますが、コンビナート地帯は海に隣接しているところがほとんどである、こう思います。東京湾などでは五分間に三隻の割合で航行しているという、そして御存じのように、船の衝突事故が相次いで起きているわけでございます。コンビナート近くの海域は危険がいっぱいである、こういうふうに言われておりますが、実際そのとおりであります。わが国のコンビナートは、もはやそれに隣接する海洋と一体化したものから成り立っている、こう考えるべきであるとわれわれは見ております。そうした場合、陸地に固定したコンビナートだけでなく、海も含めたものを法律の対象とすべきではなかったのか、この点についての御見解をお伺いしたいと思います。
○福田(一)国務大臣 お説のとおりでございまして、当初われわれといたしましては、海との関係をどうするかということで非常に頭を痛めてまいったわけでございます。実際、コンビナートというのは必ず海に面したところにできておるのですから、しかもその間の防壁といいますか、間隔というものはほとんど陸地続きでございます。そういう意味から言って、海の方から言えば、すなわち運輸省の方から言えば、これはもう海の方から見てコンビナートを規制することの方が正しいのであるという意見も、一時ずいぶん出されておったわけでございます。われわれの方から言えば、とにかく消防という関係、すなわち災害防止という、そういう意味から言って、陸地のことについてはわれわれがやっておるのだからというので、その間いろいろ折衝をいたしましたが、その結果として、とにかくそういって話をしておっても仕方がないし、いま会期のここまで迫ってきた段階において、コンビナート法は出すわ、あるいはまた運輸省関係のそういう法案を出すとか、汚染で環境庁関係の法案を出すとかということにいたしますと、とてもそこまでの話し合いをつけるいとまはございませんでした。実際は、いまあなたがおっしゃったように、それは全部を一緒にしてやれれば一番いいことだと私も思います。そういう意味で当初は考えておったのでありますけれども、法律というもので、海の問題は海で一応規制するというたてまえになっておりますから、そうすると、その災害防止というたてまえではわれわれが関与できても、船の航行とかあるいは船から油が流れ出したようなときの救急対策とかというものは、ちょっとわれわれでは手が出ないということもございまして、やはり新しい法案を運輸省の方でそういう意味でひとつつくるべきであるということで、運輸省自体も、それではそういうことにするからということで、いままでの、持っておりますところの法案によって、運輸省は海における防災はできるだけやってみるということで、さしあたり陸の問題につきましては、これまた通産省との関係いろいろあったのでありますけれども、まあ共管という形でやるように実はこの法案をつくったわけです。 これも、御質問があったように、どこか一カ所にまとめるがいいということなんですが、先ほども岩垂さんあるいはまたうちの議員の方にもお願いをいたしたのでありますけれども、何しろ、やるといっても、実際に防災あるいは災害対策をやる場合に、非常にやはり知識が必要でございます。たとえば石油化学の知識であるとかあるいは土木の知識であるとか、いろいろなことを総合して持っておりませんと、なかなかそれができないというようなこともございまして、実際問題としては、まずさしあたり高圧ガスの問題とそしてタンクの問題とをあわせて一つのエリアをつくって、その中で高圧ガスの場合においては通産省が一応監督をする、そしてそれをもちろんこちらへ、共管でございますから、相談をする。それから今度は石油備蓄のタンクの場合においては、われわれの方で一応、もちろんエリアにおけるタンクの位置その他いろいろな構造その他の問題もあわせて決めて、そして今度はその全体の問題として両省でそれを突き合わせて、そして誤りのないようにしていく、これが共管という形になったわけでございますが、そういうことにする。 それから、現実に今度はそれをつくる場合に、高圧ガスの場合におきましては、知事が実際問題としての許可権限を持っております。また、タンクの場合におきますと、市町村というようなものがここに関係してくるわけでありますので、そこらも相互によく連絡をとるようにして、そして施設をつくるときには誤りなきを期する。そこで、そういうようにしておいて、今度は災害が起きたときにどうするかということは、やはり知事を中心にして、そしてあらゆる場合を想定して防災対策をとります。その場合に、経費の問題とかいろいろのことが加わってくるわけでございますが、それらの問題についてもよく大体の、大体のというか、それらの問題について一応方向を定めまして、そしてこの法案として提案をさしていただいておるというわけでございまして、いまあなたのおっしゃった陸と海とは不可分じゃないかということはもうごもっともなことなんで、これはおっしゃるとおりだと思うのでありますが、そういう事情がございまして、まずさしあたり陸の問題を一つやります、海の問題は次にやります、あるいは環境汚染の問題等々にはまた別に考えますということでこの法案を提案さしていただいておる、こういうことでございます。
○小濱委員 タンカーの川崎港への出入船を調べてみました。一日百五十隻の油船が入港しております。それから一般船も含めますと年間八万一千六百隻、これだけの船が川崎に出入しております。横浜の方をちょっと調べてみたのですが、やはり船の大きさが違います。したがって、隻数は少ないけれども、総トン数は全国一になっておる。そこでの出入船が九万三千九百八十七隻、そのうちで油船といわれるものが年間四万八千二百九十三隻、これだけの船が出入りをしているわけですから、岸壁にはもうずっと船が着いているわけです、コンビナート地帯には。こういうことで、これはきょうの調べですから、これはもうはっきりと港湾局長から私が調べた内容ですから、間違いはないと思いますが、いろいろと計算もしてみました。五分間に三隻という船の計算もやってみました。大変な数字が出てくるんです。したがって、その船が全部陸岸に係留されている、あるいはブイあるいはその会社内の岸壁に着いている、こういうことになりますから、それがもし船の事故によって火災が発生したということになれば当然近くのコンビナートはその影響を受け、これは大事故が誘発されるわけです。したがって、今度は陸上からコンビナートの事故が起これば、水島の例で御存じのように、海にその被害が及んでいくわけです。 そういうわけで、船の救済策も考えなければなりませんが、実はこういう事例があるんですね。その会社の埠頭に油船が着いておる。そうすると、その船の船員は上陸をしている。火災が起こる。そうしますと、外部の人は会社で門を閉ざして中に入れない。船は岸壁から早く離陸させなければならないわけです。離れさせなければならないわけです。だけれども、船員は帰ってこない。これは素人じゃできるわけはありません。そういう点で、どうしてもこのコンビナート災害防止法は、やはり海というものも一体化したそういう法案にすべきだなということを痛切に私どもは感じた次第でございます。その点がどうも抜けておった。御苦労はわかります。通産省をようやく説きつけてここまで持ってきたんだ。一歩前進した。これからだ。そしてまた、この次には大幅な修正でも何でも努力してまいりましょう。大臣のお言葉ですからよくわかりますけれども、もう一本足りないものがある。海上対策がなぜ一体化できなかったかということは、私どもは非常に残念に思ったわけでございます。いろいろ運輸省の方で検討中の事項があるようでありますけれども、それはそれとして、今回なぜそれを差しはさむことができなかったのか、こういうように思います。どうかひとつお答えをいただきたいと思います。
○福田(一)国務大臣 ごもっともな御質問で、特に東京湾の場合はもうあなたがおっしゃるとおりだと思うのでありますが、その間の事情については、どういう折衝をいたしましたか、事務の方から答弁をさせていただきたいと思います。
○佐々木政府委員 港湾区域におきます防災体制の問題につきましては、消防の組織が自治体消防になりました時期におきまして、海上保安庁の方とそうした業務についての相互の応援協定というものをいま結んでおるわけでございます。市町村消防が持っております消防艇の構造、機能というものが、どうしても平水面における船舶でございますので、港湾外に出てまいります機能というものは非常に乏しいわけでございます。ただ、港湾区域におきましては消防艇は十分活動し得る機能を持っておりますので、現在は海上保安庁と市町村消防当局とが、港湾区域におきましては相互に協力し合って防災体制をとっていく、相互に応援し合って防災体制をとっていくという方式をとっているわけでありますが、ただ、全体的に海の防災体制をどうするかという問題も別にございますので、別途、運輸省の方におきまして海上防災法といったような法律の立案準備をいま進めているところでございますので、そうした法律の成案を得ます過程におきまして、こうした港湾区域における体制というものをもう一度見直してみて、それに必要な陸と海の接点の関係における相互の協力体制というものをもう一度振り返ってみる必要があるというふうに考えております。その際に必要があれば、このコンビナート法の一部を改正し、あるいはまた、必要な規定を海上防災法の方に取り入れてもらうというようなことで措置してまいりたいというふうに考えております。
○小濱委員 佐々木長官はこれはよく御存じの内容でございますから、私から何も申し上げることはないけれども、必要があれば修正とかそれから改正だとかという発言の内容には、この法案はなっていないと私は思うのですよ。また私の質問の内容は、これはどうしてもやらなくちゃならない問題である、こう私どももいろいろ調べた結果考え合わせまして御質問をしているわけです。まあ提案する立場ですから、そういうふうな慎重な御発言であったかと思いますけれども、ぜひひとつこれは何らかの対策を取り急いでやらなければならない、こういう問題であると思います。 それから、政務次官に一つお尋ねしたいんですが、あなた、先ほどの答弁の中で、このコンビナート地域における防災を取り上げた場合の法案で、海上防災対策は別の立場から検討すべきものと決めた、こういう発言がございました。それで運輸省でも現在その対策を検討中であるという話もしておられました。この内容についてあるいは見通しについて御存じならばお答えいただきたいと思います。
○左藤政府委員 海上におきます防災対策としての特別立法についての内容はまだ固まっていない、もちろん運輸省の方でも固まっておらないということでございます。いま私お答え申し上げましたのは、この法律で一応の海上と陸上の接点にかかる防災については、まあでき得る限りの対処できるようなところの配慮だけはしたつもりでございます。もちろん御指摘の点で不十分な点があろうかと思いますけれども、たとえば先ほど申しましたが、海上保安官署の長が必要な指示を与えることができるとか、あるいは防災本部に陸上と海上の両方の防災に関する機関が入ることができるとか、あるいは知事の総括のもとに調整するとか、そういった意味の対策は十分配慮したつもりでございますけれども、海上におきます防災の問題につきましては、まだそういう点で十分できなかったということでございますし、さらにまた、運輸省で現在検討をしていただいている段階でございます。
○小濱委員 海上保安庁からおいでになっていますか。いまの点の見通しについてはいかがですか。
○船谷説明員 いま自治省の方からお話がございましたとおりでございまして、鋭意外国の例なんかも参考にしなくちゃいけませんし、参考にしたいと思っておりますし、それから海洋汚染防止法なんかで油の流出対策についてはある程度の規制ができておりますが、従来の現存の法律の足らないところをよく検討いたしまして、この間の水島の事故なんかに照らしましても、それが足らない点を抽出いたしまして、新しい立法措置も含めて大いにいま勉強をしておるところでございまして、できればといいますか、ぜひ来国会には提案をいたしたいと存じておるところでございます。
○小濱委員 参考までにもう一点お尋ねしたいのですが、コンビナートが大災害を起こして、一挙にタンカーの離岸の処置をしようとする場合に、それぞれの港に何隻のタグボートが必要になるのか。私の方でいろいろ調べてみたところが、もう非常に不十分あるいは全然ない、そういうところがもう三〇%以上あるのですね。しかも規模が小さい。まあこういうことで、最悪の場合を想定して、タグボートの整備計画を大至急策定すべきだ、このコンビナート法案と海と一体という考え方に立って、私どもは何とかその方向で努力をしたいと思ったのですが、ただいまの御答弁のようにこれから運輸省に一任をするという、そういう立場からはぜひ欲しいのはタグボートの整備、これの強化促進ということであろうと思うのですが、内容について御存じならばお答えいただきたいと思います。
○船谷説明員 タグボートが離岸バックの場合に、船自体の機関をまだ使えない段階では、大きい船はタグボートで引き出してまいります。それは大きい港では相当に整備されておりますが、私数字についてはちょっと資料を持っておりませんけれども、それがタグボートが足らないために離岸のときに大事故につながったというようなことは余り聞いておりません。水路で港を出るときにほかの船と接触したという場合、それはタグがなかったからという事例というのは余り記憶がないのですが、しかしだんだんとタグ自体の性能はこのごろは非常に大きくなりまして、それは本船が船型が非常に大きくなった関係が主でございますけれども、相当に整備されてきたと考えております。
○小濱委員 まあそういうわけで、これからのコンビナート対策というのは海と一体でなくてはならないという一つの事例を申し上げたわけです。たとえば油の会社が火災であった、そこへ船員が中に入れなかった、こういう事例、それから港で何としてもタグボートの役目をする船が近づけなかったという例、私はたくさん知っているわけです。そういう立場から申し上げておるわけでして、ぜひひとつ、いま政務次官の言われましたような海上防災対策、これが検討中ということでありますから、これはこのコンビナート防災法案に並行してなければならない問題でありますので、これが一日も早い実現を心から念願をする次第でございます。 自治大臣に続けてお尋ねをいたします。 地方自治体のコンビナート防災対策は、二十を超える法律が適用され、許認可権や指導立入権をそれぞれ通産省、消防庁、労働省が持っているため、対策の実効が十分でなかった、これはお認めになりますね。そこで、石油コンビナートは石油精製工場及び石油化学工場などの関連工場によって構成される企業集団でございますから、当然ここでは石油も高圧ガスも取り扱われていると、こう見るのが正しいかと思います。そこで、災害対策の完全を期するためにはその一元化を図ることが望まれるわけでありますが、この点について今後どのように改善をされようとするのか御所見を承りたい、こう思います。
○福田(一)国務大臣 御説のとおり、この一元化を、筋から言えばすべきでございますけれども、自治省自体におきましてもなかなか、石油化学の問題とかあるいは高圧ガス取り扱いの問題とか、そういうようなことについての本格的な技術者というものを現在まだ持っておらないことは、皆さんも御承知のとおりでございます。したがって、監督をするとか処理をするとかというときには、やはりそれ相応の技術陣もあり、知識もなければいけません。また建築その他の場合においても、タンクをつくる場合におきましても、やはりいろいろな土木技術の問題その他いろいろございまして、これは建設省等とはわりあい話が進んでおりますから何とかできると思うのですが、通産省との場合においては、通産省はやはり自分の方が油を使う、いわゆる企業として油を使うのだから、その油を備蓄をするタンクだとか、そういうようなものも全部われわれの方でやるのが当然じゃないかという、向こうは向こうの一つの意見がある。向こうと言うと、ここには関係者がおるかもしれませんけれども、私はそういうのもわからぬわけではない。昔、通産大臣もいたしておりましたから、ちょっとつらい立場にありまして余り中へは入らなかったのでありますが、そういうことでこの問題をそのように一元化するということは非常にむずかしかったわけでございまして、この点はこれからの問題としてわれわれの方も大いに努力をしてそういうふうに、結局私は、自治省というところは仕事はいろいろな仕事をたくさん持っているけれども、人が足りないと思うのですね。この点は実際やってみるとまことに、自治大臣、力がないので、もう少し人をとる力があれば人材を集めなければいけないわけですが、私もまだ半年かそこらでありまして、まだ予算編成自体の直接の、予算編成といえば七月から始まるのが本当ですから、今度はひとつそういう意味でもがんばらなければいかぬとは思っておりますけれども、いままでそういう機会にも恵まれておらなかったということでありまして、これからはひとつそういう面も含めて、通産省にそういう能力があると同時に、自治省にもある。両方にあって、相研磨していくのも一つの行政としてのよさでもあると思うので、そういう意味でやはりわれわれの方も人材の確保ということも努力をしなければいかぬ、こう考えておるようなわけでありまして、今後その意味で大いに努力をいたしてまいりたい、かように考えておるわけであります。
○小濱委員 その点についても大臣の力強い決意をお伺いしたわけですが、そこで関連してその問題について御質問していきたいと思います。 人材確保という問題につきまして、たとえばこの法案が通ったといたしましても、このコンビナート災害を防止するためには、その運用が最も大事になってくるわけです。これは運用にかかっておるわけです。 そこで、大臣の言われましたような人材という問題、そういう問題で、昭和四十八年十二月十三日の消防審議会の意見書にも「消防機関及び企業において災害発生の予測と防止について専門知識を有する者が不足している」、こういう現状を指摘をしております。この技能者の適正配置という問題、指導の強化を勧告しておりますが、この技能者の育成という点の強化について、いよいよ予算編成期を迎えるわけですが、ひとつ自治大臣がどのような御所見をお持ちになっておられるか、これは大事なことです。ぜひやってもらわなければならない問題かと思います。それなりの決意をお述べいただきたいと思います。
○福田(一)国務大臣 先ほど来の御質問によって、十分小濱さんの意のあるところはわかりましたので、御趣旨に沿って大いに努力をさしていただきたい、かように考えます。
○小濱委員 まだたくさんあるのですが、それでは大臣、お忙しいようですから……。 政務次官、かわってひとつ。いまのことについての関連ですが、いまの人材確保という問題につきまして、消防大学校に専科を設けて一定期間再教育をするとか、またその中に消防職員を再教育するとか人材を育成する機関を設ける、そういうすべは幾らでもあるわけですね。そこで、その給与面でも優遇措置を講じなければならないかと思います。したがって、それと同時に昇進という問題もまた出てくるわけですね。現在の体制のままではどうも士気が上がらないようにも感ずるわけです。そこで将来、消防の中堅幹部となる道を開くなどの措置が必要になってこようかと思いますが、こういう問題について自治省としては何か計画をお持ちになっておられるか、御構想をお聞かせいただきたい、こう思います。
○左藤政府委員 御趣旨の点についてわれわれが努力しなければならないのは当然でございますし、さらに現在、もうすでに消防職員の教育、訓練という問題につきまして、消防大学校を初め専科教育、幹部教育いろいろなそういう面の第一線の消防機関に働かれる人々の訓練、技術革新に伴いますいろいろな複雑多様化した、そういう科学技術の専門知識を修得する、そういった努力はいまいたしておりますが、今後ともこの面については一層の努力をして拡大をし、また機関とか人員とかを増加していくというようなことに努力をしていきたいと考えております。 それから、職員の処遇改善あるいは昇進という面につきましても、御指摘のとおりだと考えます。現在「消防職員勤務条件研究会」というものを、消防庁としてそういうものを持っていま改善策を御検討いただいておりまして、一応その報告も昨年十二月にいただいておりますので、この報告の御趣旨に沿いまして、具体的な措置を次の予算以降十分考えてまいりたい、このように考えております。
○小濱委員 さらに長官にお尋ねをしていきたいのですが、人材育成の研究機関ができても、職員を送り出すほどの余裕が中小都市の自治体消防にはないわけですね、指定都市、そういう大都市は別にいたしまして。徳山市では消防職員が八十名、そこで保安要員が三人という実態なんです。徳山ですよ。戦前、あそこ以外には貯蔵庫はなかったわけですね。あそこへ各艦船が全部集中して油の搭載をやった経緯がありますけれども、その徳山に消防職員が八十名で、そして保安要員が三人という実態が出ているわけです。これでは法律が施行されても、その運用は当然困難になってくると思うのです。したがって、保安、点検、調査については県段階で、県の立場で人材を養成確保し、それを中小都市に派遣するなどの方策を考えるべきではないのか、こういうふうにわれわれは見ているわけですが、長官、これに対する御所見をひとつ聞かしていただきたいと思います。
○佐々木政府委員 消防職員の充足の問題につきましては、昭和四十九年度におきまして、消防力の基準の見直しを行いまして、最近におきまして、この新しい消防力の基準の告示を行ったところでございます。この人員充足の面におきましては、ただいま御指摘のように、これからの消防行政のあり方、それから消防職員の教育訓練等の必要性という観点から、予防要員の相当大幅な充足を図るということにいたしますと同時に、消防職員の定数の中には、教育訓練のために消防大学校なり、あるいは消防学校に出ている職員も含めて計算するというような方式を考えておるわけでございまして、こうした新しい人員充足の方式につきましては、昭和五十年度の地方交付税の単位費用の算定に当たりましては、昭和四十九年度に比べまして、いわゆる標準団体であります人口十万人団体におきまして、昨年の消防職員八十五名に対しまして本年は九十五名というふうに充足をして、できる限りこの消防力の基準あるいは交付税の算定の基礎の人員について充足するようにという指導をいま行っているところでございます。こういうことにいたしましても、やはり地域的にはこの技術関係の相当な学識を持っておる職員を充足するということがなかなか困難な消防本部もあるかと思いますので、これは本年度の予算におきまして、特にコンビナート地域における技術援助の方式といたしまして、学識者をもって構成するいわば技術援助チームの編成を行いまして、市町村の要請に応じてこのコンビナート地域における防災関係についての技術援助を行うということにいたしたいということを考えておるわけであります。ただ、基本的には、消防職員自体の技術水準の向上と、それから、そうした必要な人員を充足するということがやはりキーポイントになりますので、私どもも、さらに将来とも、こうした消防職員の充足につきましては努力を重ねていきたいというふうに考えております。
○小濱委員 消防職員だけはやはり一夜づけでは作業ができないと私は思うのです、私も長いそういう経験を持っておりますが。そういう立場から、ひとつ今度の法案の完璧を期するためにも、その人材確保ということについては、これはやはり大事な問題です。大きく取り上げていただいて、これがぜひひとつ不安のないようなそういう要員体制というものをつくっていただきたいことを心から要望しておきたい、こう思います。 消防庁長官にお尋ねをしていきたいと思います。 本法律案では、今後新設または変更する施設がその対象とされておりますが、既存のコンビナート施設は今回の法案の対象となっておりません。現在石油タンクの不等沈下が問題となり、その後の実態調査でも多くの欠陥タンクのあることが明らかにされております。新設の施設も当然十分な対策を立てなければならないが、既存の施設も大きな危険をはらんでいるわけです。この防災対策の基本は、事故処理対策も重要でありますけれども、事故を未然に防ぐための予防対策が根本であるわけでありますから、そういう意味から、既存の石油コンビナートに対する対策及び石油タンクの保安基準などを今回の法案になぜ入れなかったのであろうかというふうにわれわれは見ております。この点についてお答えをいただきたいと思います。
○佐々木政府委員 この石油コンビナート等災害防止法の規定で、既設のコンビナートの事業所についてこの法律の規定が適用にならないのは第二章の関係だけでございまして、その他の規定はすべて既設のコンビナートの事業所について適用されるわけであります。したがいまして、その事業所の大きいレイアウトという問題になりますと、いわば既存の事業所の場合には、根本的にその事業所をやり直すというような問題も出てまいりますので、現実的には、レイアウト関係については非常に問題がむずかしかろう、こういうことで、一応この第二章の規定だけは既存の事業所については適用しないということにしただけでございまして、既存のコンビナートにつきましても、施設の増設等が行われます場合には既設のものについても適用されるということになるわけであります。 そのほか、災害の予防に関する規定でありますとか応急措置でありますとか防災に関する組織等の規定は、すべてこれは既設のコンビナートについても適用されるということになっておるわけであります。 さらにまた、この法律の附則におきまして消防法の一部改正を行っておりますが、石油タンク等の定期点検の義務づけでありますとか、あるいはまた、保安基準あるいは技術基準等につきましては、別途、消防法の関係政省令の改正を現在準備中でございますけれども、それらの規制も、既存のものにつきまして適用されますように、できるだけ早い時期に成案を得て政省令の改正に進みたいというふうに思っておるわけであります。特に防油堤の基準でありますとか、あるいは保安空地、保安距離等の問題につきましても、既設のものについて新しい規制ができますように措置してまいりたいというふうに考えておるわけであります。
○小濱委員 さらに、四十条に、法律施行のため必要があると認められるときは、その職員に特定事業所への立入検査をさせることができるとなっておりますが、従来も企業への立入検査は実施されているわけでございますので、本法では、特定事業所の施設、帳簿書類その他必要な物件の検査ができ、また関係者に質問することができるとなっておりますが、これまではこの立入検査も企業秘密という壁に阻まれ、形式化されてきたきらいがないでもないわけです。先ほどもこの問題についてはちょっと触れましたけれども。この制度を効果的なものにするため立入検査に関して強い権限を与えると同時に、安全確保のため最低必要と思われる検査項目について基準をとるべきである、こういうふうに私どもは考えますが、消防庁は、いままでの経緯から見て、この点、どのようにお考えになっておられましょうか、お伺いいたしたい。
○佐々木政府委員 これまで、コンビナート地帯の企業の立入検査につきましては、消防法なりあるいは高圧ガス取締法によりましてそれぞれの目的に従った立入検査ということが行われているわけでありますけれども、この法律におきましては四十条の規定にございますように、この立入検査の内容は相当幅広い立入検査の権限を認めておるわけであります。そしてまた同時に都道府県知事、市町村長それぞれがその必要と認められるときにおきましては特定事業所に立ち入る。要するに施設単体だけではなくて、その特定事業所に立ち入りまして幅広い検査を行うということができるようになっておりますので、これまでのような非常に狭い範囲の立入検査よりは相当幅広い立入検査が行い得るわけでありまして、この点は別途各府県でつくられます防災計画なりあるいはまた事務の処理規定等を設けまして、この立入検査の内容というものについてそれぞれの地域において実施をしていただければいいのではないかというふうに考えております。
○小濱委員 いろいろと過去の問題点も私ども調べてみたわけでありますが、そういう経緯からして検査基準を法律で明確にしなければ骨抜きになる、そういうおそれがあるのじゃないか、こういうふうに私ども考えているわけです。この点についていかがですか。
○佐々木政府委員 現在、昭和四十九年度から策定を急いでおりますコンビナート地帯の防災診断基準というものを取りまとめの段階にまで来ておりますので、この防災診断基準というものが一つの目安になり得るだろうというふうに考えております。できるだけ早くこれをつくり上げまして、各地方団体の関係者の方に示していきたいというふうに思っております。
○小濱委員 これは政務次官かと思いますが、今回法案が提出され、これに伴う政令も早急に制定しなければならない段階になっているかと思います。この政令はいつごろできるようになるであろうか。それはコンビナートの消防基準も定まらないというのでは、今後各地域でコンビナート防災計画を定め、また各企業は自衛消防、共同防災組織を編成しなければならないわけでありますが、その場合、資機材、人員などの準備あるいは工場の改善など、関係者はその基準を早く知りたがっている。そういういろいろわれわれが耳にしている問題がございます。早急に政令をつくるよう強く要望したいと思うわけですけれども、その点についてお答えいただきたいと思います。
○左藤政府委員 いつまでにということをいまここで申し上げることはできないと思いますが、とにかくこの政令はできるだけ早く定めたい、このように考えております。御指摘のように、そうした準備のためにきわめて技術的な点で日数がかかることは予想されておるわけでありますが、本法の施行期限であります公布の日から六カ月以内、できるだけその中で早い時期ということでこの政令の確定を急ぎたい、このように考えております。
○小濱委員 六月議会でいよいよこのコンビナートあるいは地震対策、こういうものに新しく予算を計上して、そうしてその対策を取り上げているという地域が大分あるようです。ですから、その政令の問題が地方の自治体としてはいつになるのか、そういう見越しを立てているわけですからぜひ努力をしていただきたい、こういうふうに思います。 さらに、これは佐々木長官にお尋ねをしていきたいと思いますが、消防力の設置基準についてであります。消防審議会が昭和四十八年十二月十三日付で石油コンビナート地帯等の防災対策に関する意見を出しておられます。それに基づいて消防庁長官は消防力の基準に関する調査を命じ、その研究報告が本年二月に出された、このように聞いております。コンビナートの消防力基準についてどういうふうになっているのかを伺いたいと思います。
○佐々木政府委員 市町村の消防力の基準につきましては、ただいまお話がございましたように、これまでの消防力基準を改定いたしまして、先般その告示を行ったところでございます。この告示を行いました消防力の基準は、コンビナート地域についても一般的には適用されることになるわけでありますけれども、最近のコンビナート地域の災害の状況から見て、若干の施設について追加をする必要があるというふうに考えております。これはこの法律の規定に基づきまして、特に企業につきまして自衛防災組織の基準を新たにつくるわけでありますけれども、その段階におきましてそれとの関連において市町村の、特にコンビナートを持っております市町村の消防力には、一般市町村に適用されます基準に若干のものを追加した基準をつくりたいというふうに考えております。
○小濱委員 そうすると今回は具体的な検討はなされなかった、こういうふうになりますか。
○佐々木政府委員 このコンビナート地域における追加消防力の基準につきましては、一応検討をいたしております。したがいましてこの法律の末尾にございますように、消防施設強化促進法の一部改正を行いまして、一定の市町村につきましては補助率のかさ上げを行っております。これは来年度の予算から実施をする予定でありますけれども、その追加消防力につきましては、補助率のかさ上げを行って市町村の消防設備を追加をしていただきたいというふうに考えております。
○小濱委員 私の方の資料で見ると、「石油コンビナート所在市町村における化学消防車等の消防力については、今後の課題とすることとし、今回は具体的な検討がなされなかった。」こういうふうに出ているのです。長官は検討はした、こういうことです。そこですが、昭和二十九年の大協石油の事故から今日まで二十年も経過しておるわけでありますが、その間コンビナート事故は連続して起こっております。消防力の基準について検討すらしないなんというようなことでは、コンビナート災害に対する認識を消防庁はどのように考えているのだろうかなという疑念がわいてくるわけであります。お答えいただきたいと思います。
○佐々木政府委員 消防力の基準の改定は、昭和四十九年度、昨年度に研究会を設置いたしまして、この基準改定の作業を行ったわけであります。この段階におきましては、まだコンビナート地帯におけるいわば追加すべき消防力の基準は検討いたしておりませんが、本年に入りましてから、このコンビナート防災法の立法の過程におきまして、さらにこの基準の追加を検討したわけでございまして、大体の結論がまとまってまいりましたので、この法律の附則におきまして市町村の消防施設強化促進法の一部改正もあわせてお願いをするという措置をとったものでございます。また、このコンビナートにおける特に火災事故等におきましては、消防施設のほかにあわ消火剤等の資機材の整備が必要でございますので、これらにつきましてもいま自衛消防力の基準ともあわせてその備蓄量等について検討している段階でございます。
○小濱委員 三十一条ですね、特別防災区域では防災計画を立てることになっているわけであります。その場合、コンビナートの消防力基準が出てこなければ計画の立てようがないじゃないか、こういうふうに私どもは考えるわけです。その点についていかがですか。
○佐々木政府委員 当然にこの石油コンビナート等防災計画というものの中には、自衛消防がどれだけの消防力を持ち資機材の備蓄を持っているか、それからまた市町村の消防がどれだけの消防資機材を持っておるか、あるいは県がどれだけの備蓄をしておるかということは、当然に計画をつくります場合の前提になってまいります。そういう意味におきまして、消防力の基準というものにつきましては、市町村の整備すべき部分、それから都道府県がいわば備蓄すべき資機材の分量というものについての基準も当然つくっていかなければならぬというふうに考えています。
○小濱委員 長官にお尋ねしたいのですが、いまの問題についでの資料を後ほどで結構でありますが、出せるでしょうか。
○佐々木政府委員 現在の資料でございますか。企業が持つべきたとえばポンプ自動車等につきましても、従来はその事業所の石油の貯蔵量というものを基準にいたしまして、化学消防車を何台持つというふうな基準がつくられておったのでございますけれども、今回私どもが基準として考えておりますのは、この考え方を基本的に改めまして、その事業所が持っております最大タンクの大きさに応じましてポンプ自動車の基準を定めていきたい。これは考え方としましては、少なくともタンクの独立火災ぐらいは消せるぐらいの能力を保持させるというようなつもりで、相当基本的な改定を行いたいというふうに考えております。したがいまして、このポンプ自動車をとらえましても、いわゆる高性能化学車というものとそれから二十メートル以上の高さを持つスクアート車、それからあわ原液運搬車というこの三種の消防用車を一組にいたしましたものを、このタンクの大きさに応じて何組か持たせるというふうな方式に切りかえていきたいというふうに考えておりますので、こうした新しい基準によるところの所要量というものは、いま具体的に各地域のタンクの大きさ等の調査をいたしておりますので、法律制定後にどれだけのものになるのかという点は、いましばらくまた時間がかかるのではないかというふうに考えております。 それからまた、この資機材の備蓄に当たりましても、オイルフェンスでありますとか、オイルフェンス展張船でありますとか、油処理剤というようなものにつきましても基準をつくっていきたい、こういうことで、特にこの辺の問題は海上保安庁の方とも十分相談をし、海上保安庁の方でこの必要量というものも算定をお願いしなければならないということになってまいりますので、新しい基準によるところの各地域の所要量の計算は、まだしばらく時間の余裕をいただかないとできないのではないかというふうな感じがいたしております。
○小濱委員 長官から説明がございましたので、資料要求についてはその必要はありません。 次に、長官にお尋ねをしていきたいのですが、三十一条二項で特別防災区域は防災計画を立てることになっておりますが、その項目として同項七号に「災害の想定に関すること。」が規定されております。その場合は、この程度の規模の施設はどのくらいの災害が予想されるか、これが問題であると思います。こうした特別防災区域が計画を策定する場合、何を目安にしたらよいのか。私どもこの内容を見ましていろいろと検討してみたわけですが、これは非常に大事な項目になるのじゃないかと思います。そういうことでのお答えをいただきたいと思います。
○佐々木政府委員 防災計画をつくります前提としていかなる災害を想定するかということは、防災計画のいわば基本にもなる事項でございます。これは実は水島の事故の際にも、その災害想定が、災害の種類というものが非常に限定された想定になっておりましたために、それまでああいう大量の油が流出をするというような災害の想定までしておらなかったために、それまでの訓練だとか必要な資機材の備蓄というものが、いわばあの流出事故に対してはほとんど無力に近かったというような結果になったわけでございます。したがって災害の想定につきましては、いわば考えられる限りのあらゆる災害想定を行いまして、こういう災害の場合にはこういう計画のもとに行動をする、あるいはまたこういう災害に対処してこれだけの資機材を備蓄をするというようなことがなければならないというふうに思うわけでございます。この災害想定につきましては、その地域におきまして考えられる限りのあらゆる種類の災害を想定してそれに対処する計画をつくってもらいたい、こういうつもりでございます。したがいまして、いま私どもが検討しておりますこの防災診断の項目も、そういう意味でできるだけの災害想定も行いながら策定を行っておりますので、これは十分参考にして、それぞれの地域において災害想定をやっていただきたいというふうに考えております。
○小濱委員 いずれ機会を見てまた防災診断の状況をお聞かせいただきたい、こういうふうに思います。 さらにお尋ねをしていきたいと思いますが、市町村の化学消防車は一部を除いてほとんど整備されていない。資料を拝見いたしますと、比較的整備されているところは、東京、横浜、川崎、堺市高石市の消防組合・泉大津市、このくらいのものであるというふうに出ております。新興工業地帯の整備状況はまことにお粗末、このように言われておりますが、この化学消防車、この間川崎を視察したときにすばらしい車を見せていただきました。ちょっと路上で伺ったのですが、一台六千万円以上かかるというようなお話でした。補助金がまことに少ない、その十分の一にも満たないという話もしておりました。今後自治体のこの化学消防力についての対処方、どういう方向で整備はしたいんだけれども金がない、補助金が少ない、これは消防庁の問題になってこようかと思いますが、この点についての御見解を聞かしていただきたいと思います。
○佐々木政府委員 消防施設の補助金につきましては、特に従来から補助基準額が低過ぎるというような御指摘もあり、また現実に市町村の購入価格に比べますと補助基準額が低かったという点は、御指摘のとおりであったわけであります。本年度の予算の編成に当たりまして、一般的には消防ポンプ自動車の補助基準額の引き上げを行いまして、本年度の場合には、大体実勢価格に見合う補助基準額が確保できたというふうに考えております。ただ川崎市のいわゆる耐爆装甲車と言われる特殊車両でございますが、これにつきましてはいまこの補助項目がございませんので、実際には普通の化学消防車の扱い方をしておるというような点で、従来国の補助金の方が非常に低かったということになっているわけであります。今回の法案を契機にいたしまして、コンビナート所在市町村につきましては、いわゆる高性能化学車というもの、スクアート車、あわ原液運搬車というものの新しい補助対象を定めていくということにいたしておりまして、これによりまして市町村のコンビナート地域の、特に化学車の性能を向上させて、いわばコンビナート災害に対処させようというふうに考えております。これは昭和五十一年度の予算において措置したいというふうに考えておりますが、この化学車の内容につきましても、相当高性能のものを配置するという方針で対処していきたいと思っております。
○小濱委員 政務次官にお尋ねしたいのですが、いま佐々木長官から御説明のありましたように、本年度は実勢価格に見合う対策を講じてきた、こういうことですが、この高性能の化学自動車に対しましては、まだまだ地元が納得するような補助率になっていないわけであります。そこで、全国でコンビナート地域を抱えている個所が約七十個所と言われておりますけれども、そういう地域では大変な持ち出しをしながらその整備に努力を払っているわけであります。六千万円以上の金をかけなければ高性能のそういう化学消防車はできないということになって、十分の一以下の補助率ということになれば、これは自治省で、国で何らかの対策を講じてやらなければならないのではないか、そういう段階がもう相当前から来ているわけですが、今日までその対策が講じられてこなかったわけです。ひとつ予算編成期を目の前にして、この問題についてのこれからの御努力をお願いしたいと思いますが、見解を聞かしていただきたいと思います。
○左藤政府委員 御指摘のとおり予算の編成のときにおきまして、一つには補助率と申しますか、それを引き上げるという努力をしなければなりませんし、もう一つは、絶対額の補助の額をふやすということについて最大の努力をしていかなければならないと考えます。いろいろいま長官からも御説明申し上げましたような点でわれわれ努力しなければならない問題がありますが、特にコンビナートの地域におきます、それを抱えております市町村の化学消防車というふうなものが非常に高価である、そのどの程度までというふうな基準の問題もあろうかと思いますけれども、われわれとしては予算の段階におきまして十分な配意をしていかなければならない、かように考えておる次第でございます。
○小濱委員 長官は高性能化学自動車に対するこれからの国の対策はどのようにお考えになっていますか。ひとつこれからの決意を聞かしておいてください。
○佐々木政府委員 川崎の六千万円の化学車というのはいわば装甲化学車というものでございまして、やや通常の化学車とは様相が違っております。私どもがいま考えております高性能化学車は、あるいは調査室の方の報告の中にもあるかと思いますが、一分間に三千リットル以上の放射能力を持つ、それから一口放射で五十メートル以上の有効射程を持っておる、こういうものについて自衛消防の方にも備えさせたい、それから市町村の方にも少なくとも一組は備えさせたい、こういうことでいま標準的な仕様についての検討を行っております。これについてまた、その標準仕様についての価格がどれだけになるかということの折衝もいま行っておるところでございまして、この補助単価につきましては十分に実勢価格と見合うものを計上していく、こういうつもりで対処していきたいと思っております。
○小濱委員 つくりたくともつくれない、こういう実情の地域が多いわけであります。ぜひひとつそれについての一層の御努力をお願いしたい、こう思います。 長官にお尋ねをしていきたいと思いますが、先ほどもこの点については御質問がございました。緑地帯の設置について、緑地その他これに類する政令で定める施設を設置しようとするときは、主務大臣の承認を受ける、こうあるように、この緑地の設置は義務づけられていないわけですね。遮断帯はコンビナート防災対策の目玉とされてきたわけです。有事の際、隣接する隣家などを守る上でも大きな効果があるということで、これが任意規定であるとなればその目玉の価値も下がる、こういうふうに考えるわけですが、どうして任意規定にしたのであろうかなという、やはり人命尊重の立場からこれだけは任意にすべきではなかったというふうに私どもは見ているわけですが、ひとつこの点について長官からお答えをいただきたいと思います。
○佐々木政府委員 この緑地の性格は都市計画法に基づくところの都市公園ないしは緑地という都市施設でございます。これを都市計画法の規定に基づいてどのように設置をするかということは、一応第一次的には地方公共団体の長の判断であり、そしてその地方公共団体の長の判断について主務大臣の承認を受けてこの緑地を設置する、こういうことになっておるのが現在の都市計画のたてまえでございます。そうした考え方に乗ったわけでございまして、まず第一次的には、そうしたものの内容についてその必要性を地方公共団体の長が判断をして、都市計画上の必要な手続を経て主務大臣に上げてくる、こういうようなことでございますので、この法律の規定によって直ちに地方公共団体に緑地の設置を義務づけるという形は必ずしも適切ではないのではないだろうかというような感じもいたしますし、特にまた現在公害関係の緑地につきましても同じような法律構成をとっておるわけでございまして、その法律構成に合わせてこの規定を置いたわけでございます。
○小濱委員 いろいろと現地に即した想定をしながらわれわれも考えてみたことがあるのですが、やはり相当の事故が予想され、そしてまたそこに起きる被害も大変な大事故に、あるいは惨状になる、そういう立場から、人命にかかわる問題だからこれはやはり任意規定にすべきではなかったんじゃないか、こういうふうに私どもは考えておったわけです。 いろいろと御説明がございましたけれども、先ほどもいろいろと川崎の例を挙げて話をしておられましたけれども、三分の一、三千億の自治体負担ということになれば、指定都市川崎の年間総予算に匹敵するわけです。それ以上になるわけです。そういう金を使って果たしてその防災遮断帯の設置ができるかどうか。自治体ではやりたくてもやれない、これが本音であろう、こういうふうに考えるわけです。したがって、よくちまたでは幻の遮断帯、こういうふうに使われている面もあるわけです。幻の遮断帯、地域の住民の声は切実なものがありますので、何とかこれは実現をしてやりたい、こう思っているわけですが、この緑地帯の設置を自治体に促進をさせるためにはどうしても国の補助率を大幅に引き上げてやらなければならないなというふうに感じます。この補助率の問題につきまして、まず長官からお答えを聞きたいと思います。
○佐々木政府委員 川崎の緑地遮断帯といいますのは、いわば公害防止計画に基づく遮断帯になってくるだろうというふうに考えます。そしてまた、現在小さい計画がございますけれども、これを大きい計画につくり直すという作業があるわけでありますが、確かに大きくつくりました段階におきましては相当大きい地方負担も出てくるというということになるわけであります。ただ現実問題として、この遮断帯が単年度あるいは二年度、三年度くらいででき上がるというような事業ではないだろうという感じがいたすわけでありまして、ある程度の年限も必要であるだろうというふうに考えますし、そういう意味で年度割りにいたしますならばそれほど大きい負担ではないのではないだろうか。さらにまた、それに対応する地方債の措置ということを考えますと、具体的な実施計画のまだまとまっておらない段階で申すのもやや早計でありますけれども、それほど大きい負担にはならないのではないかという感じがいたします。しかしながら、こうした事業が他の公共事業なり必要な単独事業なりとの均衡においてこれだけの分量の事業をこなすということは、やはり財政上にもその財政資金の配分の問題において市の中ではいろいろ問題が出てくることになるだろうというふうに考えます。 そういう観点から、実はこの規定におきましては国の負担の特例というような形で、公害緑地においても防災緑地においても国の補助率の引き上げを行っているわけでありますが、私どもの立場からすれば、確かに国の補助負担率というものがもっと高ければもっとやりやすいことになるわけでありますので、地方債措置あるいは交付税措置ともにらみ合わせながら、全体の補助率引き上げということにつきましては将来の検討課題として、主務官庁であります建設省の方ともよく相談をしていきたいと思います。
○小濱委員 災害は忘れた時分にやってくると言われますが、地震予知連絡会の発表もあり、その後いろいろととうとい財源を使って対策を講じている自治体のそうした行政の内面を知れば知るほど、やはり国としてもできるだけの努力をしてあげなくちゃならないなというふうに心から感ずるわけでございます。そういう点で長官も、国の補助率が高ければやりやすいと、そういうお気持ちの一端をおあらわしになられましたけれども、これは政務次官ぜひひとつ、これからの課題になりますが、自治大臣にもよくこういう内容をお伝え願って、ぜひ実現をしていただきたいと思いますが、ひとつ御所見を聞かしてください。
○左藤政府委員 自治省としても努力しなければならないことは当然でございますが、建設省との所管の関係もございますので、自治大臣から建設大臣にも十分連絡をとっていただきまして、この点についてわれわれもまた予算編成の段階において努力いたしたい、このように考えております。
○小濱委員 最後に長官からお答えいただきたいと思いますが、現在の地方自治体の財政状況から見て、遮断帯の設置は、いろいろと御説明がございましたけれども、起債等が考えられるわけですね。その場合に、低利長期の条件のいい資金が必要になってくるわけですが、この資金の見通しについてはどういう御見解をお持ちになっていますか。
○佐々木政府委員 この資金につきましては、一つは地方債資金というものがございます。もう一つは、公害防止事業団による立てかえ施行という方法がございます。この両方のいずれかによってこの事業を実施するということになるわけでございますが、現在地方債の運用といたしまして、この遮断緑地の事業は用地買収費がその事業費の大部分を占めるであろうというふうなことが考えられるのでありますけれども、こうした用地買収費につきましては、地方債の資金というのは、御承知のとおり、ほとんどの場合に縁故資金というような、いわば地方債資金の中では比較的条件がよくない資金が割り当てられておるというのが現実でございます。その点からいたしますならば、公害防止事業団の代替施行というような形の方が、場合によりましてはもっと有利な資金の活用ができるというような観点もございますので、来年度の財政投融資の計画が決められます段階で、この辺は建設省とも十分打ち合わせをしながら、そうした資金量の確保の問題ということについて、地方の事業計画ともにらみ合わせながら検討していきたいというふうに思っております。
○小濱委員 生命、財産等に関係する重要な法案でござます。したがって、関係各省庁の今後の一層の御努力を心から期待いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○大西委員長 山本弥之助君。
○山本(弥)委員 小濱先生の質問に関連いたしまして、今後の質疑のために、資料要求をいたしておきたいと思います。 第一点は、ちょっと古くなりますけれども、四十二年五月に出されました消防審議会の答申。 それからその次に、四十五年十二月にこの答申に基づきまして、政府が石油コンビナート地帯の防災政策要綱をおつくりになって実施をしておられるようですから、その要綱。 それから、五十年五月二十一日に都道府県に対しまして、屋外タンク貯蔵所の保安点検等に関する基準についての通達をお出しになっておられるようですから、これをいただきたいと思います。 それから、これに関連して、その以前に、昨年の十二月二十八日付で屋外タンク貯蔵所の緊急点検をおやりになったようでありますが、この結果及びそれに対する処理状況ですね、改築をするのか、あるいは内部を壊してしまったのか、あるいは再修理をさせるのか、そういった処理状況をいただきたいと思います。 それから、コンビナートの特別防災区域を政令で指定することになっておりますが、その予定地域。 それから、これは資料をいただいたのかどうか、たしか予算委員会の途中だったと思いまして、委員会を開けなかったので私ども聞き漏らしたのですが、ことしの二月十六日、四日市の大協石油の石油タンク炎上事故の状況の報告書をいただいていないような感じがしますので、この概況をひとついただきたいと思います。 それから次に、公害緑地をいままでどういうふうに設置したかどうかの個所別の設置状況につきましていただきたいと思います。 それから、通産省にお願いしたいと思うのでありますが、将来の石油備蓄の予定数量及びタンクを建設するとすれば大体どのくらいのタンクが幾つぐらい必要だというような備蓄計画ですね、それがおありではないかと思いますが、その表をいただきたいと思います。 それから、あるいは自治省にお願いいたしました特別防災区域と重複するかもわかりませんが、石油コンビナートの市町村別の現況といいますか、態様といいますか、企業名だとかあるいはどういった石油精製をやっておるかどうか、いずれこれは細かいのを係の方と打ち合わせしてもいいと思いますが、市町村別の石油コンビナートの態様の一覧表をいただきたいと思います。 それから、先ほどちょっと局長がお話しになったと思うのでありますが、これは官報に出ておるということだったと思いますが、高圧ガスの新しい保安基準をつくられたというのですが、官報を見てもいいわけでありますけれども、これをひとつわかりやすく、何か文書なり表にしていただきたい。 以上、盛りだくさんでございますが、とりあえずよろしくお願いいたしたいと思います。 委員長、どうぞお諮り願います。
○大西委員長 いまの資料要求に対しまして、政府の意見を……。
○佐々木政府委員 ただいまの資料要求のうち、四番のコンビナート等特別防災区域の政令予定地域の問題でございますが、これは各府県、市町村との協議等もまだ全然やっておりませんので、あるいは私どもが現在考えておりますいわば予想地域的なものでありますれば、非常に簡単なものでございますが、入るかと思います。 また、これとの関連におきまして九番目の石油コンビナートの市町村別態様というところでは、企業名というようなことになりますと、私どもの方もまだ資料ございません。
○山本(弥)委員 通産省の方はもうすでにできておられると思いますので、通産省の方でお願いしたいと思います。
○佐藤政府委員 通産省に関係するものといたしまして、八番目の将来の石油備蓄予定数量及び備蓄計画ということでございますが、全体の五十年から五十四年までの年次別の備蓄の予定数量、これはただいま石油備蓄法の関連で商工委員会の方にもお出しして議論されておる資料でございますので、出せると思いますが、タンク別とかそういう具体的なところまでの将来計画はまだつくっておりません。 それから、九番目の石油コンビナート市町村別態様の企業名あるいは規模を入れるということでございますが、これはちょっとこういう形での整理をいたしておりませんので、できる範囲で、どの程度までできますか、努力をいたしてみたいと思います。 それから、十番目の高圧ガスの保安基準はすでにできておりますので、これは早速お届けできると思います。
○山本(弥)委員 八番目のことをなぜお願いしたかということは、いまの商工委員会の備蓄法との関連もございますが、将来こういったコンビナート、主としてタンクが問題になると思うのですが、私どもとして想像したいと思うのは、タンクの大きさにもよると思いますけれども、いまの石油業界あるいはコンビナートの関連におきまして、将来どの程度のタンクというものをさらに建設しなければならぬか。ことに、備蓄を拡大するとなりますと当然タンクの増設をやらなければいかぬ。そうしますと、大きさにもよりますが、どのくらいのタンクということになりますと、これは個所数をお知らせ願いたいと言うと、これはできないことでもありますし、問題にもなると思いますが、そうすると、どのくらいの大きさのタンクであれば全国で何カ所ぐらいが今後必要になってくるなということも想像できるものですから、そういった意味でお願いしているので、そういう意味で、たとえはこのくらいの大きさ、一万キロなら——高圧ガスと石油じゃ単位が違うんですね。違いますが、十万キロとか、あるいは一万キロなら幾つというふうな想定ができますれば、一カ所なりあるいは個所数も想像つくわけです。それはできる範囲で結構でございますから。お願いしたのは、コンビナートというものは、既存のものに対しまして今後どのくらいふえてくるのか。コンビナート法に、新しくそれに該当するところを特定地域として指定するというようなこともありますので、それの関連におきましてどのくらいの地域がふえてくるのかということも推定したいという気持ちがあったものですからお願いしたわけです。それに関連しての資料をおつくり願えれば、できる範囲で結構ですから、お願いできればしたいと思います。
○佐藤政府委員 先生の御趣旨はよくわかりましたが、果たしてできるかどうか、検討さしていただきたいと思います。
○大西委員長 それでは、ただいまの山本委員からの要求資料につきましては、後刻理事会等において善処いたしたいと存じます。 次回は、来る十七日火曜日、午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二分散会